小型車のコルトを10年つくり続けた挙句、ミラージュを後継車種にしたものの、これは日本では完全に無理があった。あれは軽自動車のない市場で、最底辺のベーシックカーとして企画された製品だ。乗った感じも、「大きなミニカ」です。日本じゃリッターカーの税金が高い。日本国内の販売会社から、かなり大きな不満が出たはずです。最近フェイスリフトしましたが、メッキ部分を追加したくらいでは、コルトの買い替えなど無理です。

このミラージュには、3Boxのアトラージュがある。これは最初から日本で売る気はなかったようで、日本以外の国に広く輸出しています。折角の機会ですので、動画をご覧ください。

The All-New Mitsubishi Attrage ENG
https://www.youtube.com/watch?v=SpvNOHRmRqU

Mitsubishi Attrage 2015
https://www.youtube.com/watch?v=if1DnO6MI5E

●はっきり言って、この製品では他社に対抗することは無理です。モータリゼーションの進む発展途上国で、一家に一台の「パパの車」として売るか、欧米で「最低価格車」として売るかです。欧州なら、チェコにあるトヨタ・プジョー・シトロエンの合弁会社の製品がライバルになりますね。

★その上のセダンをやめてしまって、日本国内でも小型SUVのASXをRVRの名称で販売しているものの、壊滅状態です。北米で売れていても、肝心の国内では全然ダメです。そんな車種よりミニバン(ピープルムーバー)ですよ。でも、これがフルラインOEM化で、日産とスズキのを売っている。これでは最初から相手にされません。

日産からも舐められたもので、セレナじゃなくNV200ですよ。セレナなら後輪サスペンションはコイルバネですが、NV200は板バネです。元々、商用車ですよ。それをデリカD:4として売っている。で、セレナのOEMはスズキが売っています。天下の三菱も、ここまで落ちぶれましたか。

●つまり、日本市場では、本当に軽自動車しかない状態だったのです。それが販売停止ですからね。元々、三菱車はリセール・バリューが低いこともあって、新車で買っても、中古車になった時の価格がべらぼうに安いから、新車を売るのは昔から大変でした。オーストラリアにも、現地生産撤退前に製造していた380と言う車種があるのですが、これもトヨタ・カムリやフォード・ファルコンやホールデン・コモドアに比べて、べらぼうに安いですね。その前につくっていたシグマなんて、「もう、持ってけ　! 」状態。これに懲りて大型セダンから撤退したのですが。

2008 MITSUBISHI 380 Ryde, Sydney, New South Wales, Top Ryde, Australia 267710
https://www.youtube.com/watch?v=c970OYjf7CE

●再生回数に注目。これ、下取ったら、なかなか売れませんので、中古車屋は敬遠するのですよ。

日本の販売店も、このままじゃ経営が維持できませんね。重工、商事、銀行、電機の各社も、このままだと夏のボーナスは三菱車の現物支給になりそうです。