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巨大ヘッジファンドがついに導入を決めた人工知能。その実力を検証する 金融市場で人間はもう「不要」なのか(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/828.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 16 日 09:12:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


巨大ヘッジファンドがついに導入を決めた人工知能。その実力を検証する 金融市場で人間はもう「不要」なのか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48922
2016年06月16日(木) 小林 雅一 ITトレンド・セレクト 現代ビジネス


英国のユーロ離脱を巡る観測などから相場が激しく揺れ動いているが、そうした金融市場の背後では巨額資金を運用するヘッジファンドが市場の値動きに大きな影響を与えているとも言われる。


そして、このヘッジファンドが最近、自らの取引システムに最先端のAI(人工知能)を導入し始めている。


●"The Rise of the Artificially Intelligent Hedge Fund" WIRED, 01.25.16.


■AIによる資産運用の自動化


上記記事によれば、香港に本社を置く新興ヘッジファンド「Aidyia」では、日常的な証券売買を完全にAIに任せ、そこには人間のトレーダーは全く関与していないという。また、新興業者だけでなく、「ブリッジウォーター」や「ルネッサンス・テクノロジーズ」など業界大手も「AIトレード(AIによる証券取引)」を加速している。


なかでも運用資産総額が1,700億ドル(20兆円前後)とも言われる世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」は、有名な米IBMのAIコンピュータ「ワトソン」の技術者チームを引き抜いて、AIトレード・システムの開発に当たらせている。


ただし、ここで言う「AIトレード」は、近年話題に上ることの多い「HFT(超高速取引)」とは別物だ。HFTは、たとえば先物と現物の僅かな価格差をコンピュータが見逃さず、高速回線を経由して瞬時に大量の証券売買を繰り返すなど、いわば「統計的な鞘取り」システムに過ぎない。


これに対し、ヘッジファンドの「AIトレード」では、中・長期的な相場変動は元より、世界各国の政治・経済状況、あるいは企業業績などミクロ経済指標、さらには各国中央銀行の動向や市場センチメントなど、総合的なデータを深く分析して、投資銘柄を決定する。



従来、この種の知的作業はヘッジファンドで働く、いわゆる「クォンツ」と呼ばれる専門家がコンピュータを駆使しながら行ってきた。しかし、彼ら人間による運用成績が近年、とみに低下してきたため、ヘッジファンドでは人手をなるべく排して、AIによる資産運用の自動化に向けて動き出したのだ。


そこで使われるAI技術は、原因と結果の因果関係を確率的に推論する「ベイジアン・ネットワーク」、無数の仮想トレーダー(コンピュータ・プログラム)の中から自然淘汰的に生き残った最強の仮想トレーダーに最終的な証券取引を任せる「遺伝的アルゴリズム」、さらには脳科学の研究成果を本格的に導入した最先端の人工知能「ディープラーニング」など多種多様である。


■日銀の金融政策を占うAIシステム


そこで気になるのが、こうしたAIトレードの実力だ。それは従来のクォンツ(人間)による運用成績を上回っているのだろうか?


たとえば冒頭で紹介した新興ヘッジファンド「Aidyia」の場合、彼らのAIトレードは2パーセントの運用益を達成したという。が、これは従来の人間による取引に比べ、特に優れた成績ではないと見られている。


一方、ブリッジウォーターなど大手ヘッジファンドは、AIトレードの運用成績を明らかにしていない。つまり、その実力は現時点では、ほぼ謎に包まれている。


が、その謎の一端を解き明かすシステムが日本にある。それは野村證券の「野村AI景況感指数」、そしてクレディ・スイス証券(日本現地法人)の「日銀テキスト・インデックス」の2つだ。


これらのシステムは、日銀の金融政策決定会合の声明文や日銀総裁の記者会見、さらには政府や日銀の月例経済報告や金融経済月報など、総合的な経済データをAIで解析。これによって政府や日銀の景況感を数値化し、最終的に日銀の金融政策の行方を占う。


確かに、これらのシステムは、ヘッジファンドのAIトレードのように直接、証券取引に関わるものではない。しかし日銀の金融政策は日本ばかりでなく世界の証券市場に影響を与える以上、AIトレードは当然、それを織り込んでいるはずだ。


従って、2社の日銀予想システムとヘッジファンドのAIトレードには相応の共通性があると見ていいだろう。特に、「野村AI景況感指数」はヘッジファンドのAI同様、現在最先端の人工知能である「ディープラーニング」を採用していると言われ、金融市場における、その実力を見る上でも興味深い。


■AIが金融政策を決める時代も?


さて、ここでは結果から先に言うと、野村証券とクレディ・スイス証券のAIシステムは共に、これまで目立ったチャンスにおける成績は2勝1敗に終わっている。


まず第1回目のチャンスは、2014年10月末の日銀金融政策決定会合。このとき大方のエコノミストは「消費者物価の動きなどから追加緩和はない」と見ていた。しかし2社のAIシステムは「商品市況の下落や企業物価など、緩和を予見するヒントが日銀の文書に含まれている」として、「日銀は追加緩和をする」と予想した。


結果はAIの勝ち。つまり日銀はエコノミストの予想を裏切って、いわゆる「サプライズ緩和」を敢行した。


次に第2回目のチャンスは、2015年10月30日の同会合。このとき大方のエコノミストは事前に追加緩和を予想していたが、2社のAIシステムは逆に「日銀は今回、動かない」と予想した。結果はまたもAIの勝ち。つまり日銀はこの時、追加緩和を見送った。


最後に第3回目のチャンスは、今年1月29日の同会合。このときは大方のエコノミストだけでなく、2社のAIシステムもまた「日銀は追加緩和をしない」と予想した。ところが日銀政策委員9名は5対4の僅差で、「マイナス金利の導入」という異例の金融緩和措置を打ち出した。


この場合、AIのみならずエコノミストも予想を間違えたわけだから、AIは「(エコノミストではなく)日銀政策委員との心理戦」に負けたと言うべきだろう。


これはある意味で皮肉な結果でもある。野村證券が採用した「ディープラーニング」など現代AIは、統計的な手法に強く依存している。このため、証券市場を動かす無数の人間の心理、つまり「市場センチメント」はある程度読むことができるが、逆に日銀政策委員9名の各々の心理までは読めないのである。


が、たとえ人の心理は読めなくても、月例経済報告や金融経済月報など各種データをAIで解析した結果が「金融緩和の見送り」であるとしたら、それが本来の正解である可能性もある。つまり日銀政策委員(人間)が間違って、AIが正しい結果を導き出していたかもしれないのだ。


だとすれば、近い将来、「人間ではなくAIに経済の舵取りを任せる」といった事態が冗談では済まなくなってくるかもしれない。


 

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コメント
 
1. 2016年6月16日 09:33:56 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[1674]

まだ完全に不要ではないが

サポート役としてAIを進化させるのに、まだ暫く役には立つということだろうな


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