http://s4.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20160708&t=2&i=1144577885&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=LYNXNPEC670AR
　７月８日、来週の東京株式市場は、６月２４日に付けた年初来安値を更新する展開が視野に入る。写真は都内で昨年８月撮影（２０１６年　ロイター/Yuya Shino）

⁅東京　８日　ロイター⁆ - 来週の東京株式市場は、６月２４日に付けた年初来安値を更新する展開が視野に入る。欧州における銀行不良債権問題への懸念や一段の円高進行に対する警戒感は根強く、投資家心理の回復にはなお時間がかかるとみられている。悪材料に敏感に反応しやすい地合いにあり、リスク回避ムードが強まれば日本株は下値を模索する恐れがある。

日経平均の予想レンジは１万４６００円─１万５４００円。

８日夜には米６月雇用統計が発表される。ロイター調査では非農業部門雇用者数は前月比１７万５０００人増の見込み。予想を下回ればドル安／円高圧力がかかるとみられる一方、「英国のＥＵ（欧州連合）離脱による実体経済への影響が不透明。良好な結果になっても反応は限定的となりやすい」（国内証券）との声もある。為替が円安トレンドに戻るかは未知数だ。

欧州ではイタリア銀行大手の不良債権問題などが再燃。東京市場でも銀行株安が続く。英ＥＵ離脱を含め「市場にどのぐらいの期間、どの程度影響を及ぼすのか、めどがまだ付いていない状態。リスク回避の流れの中では円高圧力が相場の重しとなっていく」（藍沢証券投資顧問室ファンドマネージャーの三井郁男氏）という。

外為市場でドルが１００円を割れさらに円高が進行すれば、国内企業の業績懸念が一段と強まりそうだ。日経平均は英国民投票時に付けた年初来安値１万４８６４円を下回る展開も想定される。

１０日の参院選の結果も、中長期の日本株のシナリオを左右する。「改憲勢力で３分の２以上となれば、経済対策から憲法改正に政権の関心が移る恐れがある」（ネット系証券）という。

日本アジア証券エクイティ・ストラテジストの清水三津雄氏は来週の相場について「ドル／円は仕掛け的な動きが入る可能性もあるが、日経平均のＰＢＲ（株価純資産倍率）１倍割れの水準では買いも見込まれる。ここから１０００円程度、さらに下げるようなことは考えにくい」と話す。

国内では来週中、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）のバーナンキ前議長が黒田日銀総裁、安倍首相と相次いで会談する方向で調整が進んでいるという。政策期待をはやす動きが出る可能性があるが「追加緩和の手段によっては、銀行株安により相場が崩れるリスクも意識される」（準大手証券）との声もある。外部環境の落ち着きこそが株価回復の条件との見方が広がっている。

http://jp.reuters.com/article/tokyo-s-idJPKCN0ZO0LV