http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/483.html
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日本列島でM8地震が起こることは当分ないという予測は正しいのか?明確な間違えではないのか?
この記事は、
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/478.html#c29
心配しすぎ。そして煽りすぎ。
毎度毎度、根拠もなく脅し文句を垂れるのはもはや犯罪に近いぞ。
というコメントに対して、こういった意識が、確かに今の日本の大部分の人びとの意識であるのだろうと思い、しかしながら、そのような安全だという思い込みは、現実をきちんと見ていず、または、大きな誘導にそれこそ載せられているだけであることを明らかにしたいと思って書くものです。
そもそも、2011年3月11日のM9地震があったため、その余震としてマグニチュードが1程度小さい地震が起こることは、常に地震の専門家がいつも言うことです。M9のマグニチュード1小さい地震とはM8クラスです。
ある程度大きな地震が発生したとき、その余震としてマグニチュードが1程度小さい地震が起こるのは、地殻の一部がある程度の規模で滑る、または、破壊された時、当然、その破壊によって歪みが新たに発生し、その歪みの解消の必要性があるからです。
2004年12月にM9が発生したスマトラ島沖では、その後M7以上地震が次のように発生しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E5%B3%B6%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87
2005年03月28日 スマトラ島沖地震 (2005年) 8.6 メダン南西沖
2007年09月12日 スマトラ島沖地震 (2007年) 8.5 ブンクル南西沖
2009年09月30日 スマトラ島沖地震 (2009年) 7.5 パダン西北西沖
2010年04月06日 スマトラ島沖地震 (2010年4月) 7.8 バニャック諸島付近
2010年05月09日 スマトラ島沖地震 (2010年5月) 7.2 バンダ・アチェ南南東沖
2010年10月25日 スマトラ島沖地震 (2010年10月) 7.7 パダン南沖
2012年01月10日 スマトラ島沖地震 (2012年1月) 7.2 バンダ・アチェ南西沖
2012年04月11日 スマトラ島沖地震 (2012年4月) 8.6[1] バンダ・アチェ南西沖
2016年03月02日 スマトラ島沖地震 (2016年) 7.9 スマトラ島南西沖
2004年12月以降でM8以上が3件、M7クラスが6件の9件の発生があったのです。
日本が2011年のM9発生後、7年間、M8地震が起こっていないのは、きわめて異常なのです。その原因は、多分、日本付近に沈み込んでいる太平洋プレートに海山が多く、それらの海山が、太平洋プレートの継続的な沈み込みに待ったをかけているからにすぎません。
スマトラ島沖ではそのような海山が比較的小規模であり、継続的なプレートの沈み込みが可能であるため、M7やM8がどんどんと発生しているのです。
2015年2月の震央分布図(東日本)
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/seismicity_map/entries_by_month?year=2015&month=2&area_type=japan_east
などを見れば、東日本の沿岸部の宮城県牡鹿半島沖、福島県いわき沖、千葉県犬吠埼沖の3地域にかなり大きな海山が沈み込んでいて、これらの海山が大陸棚の下で大きな固着域を形成し、太平洋プレートが大きく滑ることを抑制していることが推定できます。
事実、1960年以降の東日本付近の深発地震の起こり方を
https://static3.emsc.eu/Images/EVID/65/654/654894/654894.wide.seismicity.jpg
で見ることができます。この図は、
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20180319114521.html
発生時刻 2018年3月19日 11時45分ごろ
震源地 千葉県東方沖
緯度 北緯35.3度
経度 東経141.1度
深さ 40km
マグニチュード 5.2
の地震について、EMSC
https://www.emsc-csem.org/Earthquake/earthquake.php?id=654894#summary
Magnitude mb 5.3
Region NEAR EAST COAST OF HONSHU, JAPAN
Date time 2018-03-19 02:45:10.0 UTC
Location 35.23 N ; 141.02 E
Depth 30 km
Distances 123 km E of Kawasaki, Japan / pop: 1,307,000 / local time: 11:45:10.0 2018-03-19
91 km SE of Chiba-shi, Japan / pop: 920,000 / local time: 11:45:10.0 2018-03-19
58 km E of Ōhara, Japan / pop: 20,300 / local time: 11:45:10.0 2018-03-19
で表示させて、MapsのSeismicityに載っているものです。M3以上の地震が表示されています。
紫のドットが深さ300キロ以上の地震を表しています。
能登半島の西方沖から南南東の方向に紫のドットがかなり広い幅で帯状に大量に分布していることが分かります。これらは、伊豆・小笠原海溝北部、つまり、関東に近い部分の伊豆・小笠原海溝から沈み込んだ太平洋プレートが起こしている深発地震です。
また、青森県から北海道の西方沖にも紫のドットがかなり多く分布していることが分かります。こちらは、日本海溝北部、つまり、岩手県から北海道の東方沖から太平洋プレートが沈み込んで起こしている地震です。
青のドットは深さ300キロから150キロの地震を表しますが、青のドットも同じような傾向で分布していることが分かります。
問題は、岩手県から宮城県の牡鹿半島付近までの緯度で、紫のドットも青のドットも、ほとんど表示がないことです。
このことは、岩手県から牡鹿半島付近までの間で太平洋プレートが東日本の陸域の地下への沈み込みがほとんど起こってこなかったことを示す直接的な証拠です。
更に、衝撃的な事実があります。2011年1月25日の千葉県東方沖地震
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20110125142400.html
発生時刻 2011年1月25日 14時24分ごろ
震源地 千葉県東方沖
緯度 北緯35.1度
経度 東経141.6度
深さ 10km
マグニチュード 5.3
のEMSCでのデータ
https://www.emsc-csem.org/Earthquake/earthquake.php?id=207378#summary
Magnitude mb 5.6
Region NEAR EAST COAST OF HONSHU, JAPAN
Date time 2011-01-25 05:24:42.5 UTC
Location 35.22 N ; 141.01 E
Depth 30 km
で、Seismicityにあるマップが次のものです。
https://static1.emsc.eu/Images/EVID/20/207/207378/207378.wide.seismicity.jpg
このマップは、1964年から2011年1月25日までの期間を表しています。
これと、上にあった2018年3月19日のものを比べると、深発地震の起こり方の変化だけではなく、浅い地震の起こり方が大きく変化していることが分かります。それは日本海溝のハワイ側での変化です。
2011年1月25日時点でのマップ:
https://static1.emsc.eu/Images/EVID/20/207/207378/207378.wide.seismicity.jpg
だいだい色の線が海溝やプレート境界を示しています。東日本の東方沖に見えるだいだい色の線が日本海溝です。
日本海溝のハワイ側にはあまり赤いドットがありません。特に、Fukushimaと書かれている緯度からTokyoと書かれている緯度の間では日本海溝のハワイ側には赤いドットがほとんどありません。M7規模を表す大きなドットが一つ、日本海溝のハワイ側にあるのが目立つ程度です。また、日本海溝から東日本側を見ても、赤いドットや黄色のドットの数はあまり多くありません。マップを拡大して見ると分かりますが、陸地を示す茶色がところどころに見える程であり、1964年から2011年1月までの期間で、東日本の陸域から沿岸部での地震活動が相当に穏やかであったことが分かります。
太平洋プレート全体を見ると、一辺が1万キロを超す非常に大きな岩盤ですから、その移動速度は数千年とか数万年という単位で一定であることが容易に分かります。大きなものの速度はそう簡単には変化しないからです。しかし、日本海溝付近での沈み込み速度は一定ではないのです。海溝部分で海のプレートは大きく曲がるため、そこでアウターライズ地震を起こすことで、海溝から沈み込んだ先でのプレートの動きが止まるからです。この2011年1月25日時点でのマップが示していることは、1965年から2011年1月まで、日本海溝から東日本の陸域の地下への沈み込みがほとんどと言っていいほど無かったことなのです。
2018年3月19日時点でのマップ:
https://static3.emsc.eu/Images/EVID/65/654/654894/654894.wide.seismicity.jpg
赤い線が海溝やプレート境界を示しています。東日本の東方沖に見える赤い線が日本海溝です。
日本海溝のハワイ側のSendai-shi とかUtsunomiya-shi と表示のある緯度で、赤いドットや黄色のドットが大幅に増えていることが分かります。また、日本海溝から西側、東日本側を見ると、陸域を示す灰色は全く見えません。四国や中国地方では地の色を示す灰色が見えることと対照的です。東日本の陸域に見えるのは緑のドットで、深さ80キロから150キロの地震を表しますから、陸の地殻内での地震ではなく、太平洋プレートが陸域の地下で起こしている地震です。たった7年間でこれほどの違いが出ているのです。
今後起こることは、宮城県の牡鹿半島沖とか、福島県のいわき沖、そして、千葉県の犬吠埼沖などにある大きな固着域が破壊されて太平洋プレートが大きく滑る311大地震と同じような大地震です。特に、2015年5月30日には小笠原諸島西方沖M8の深発地震が起こりましたから、そこに最も近い犬吠埼沖の固着域がこの3つの中では最初に破壊されるはずであり、その場合、陸域のすぐ側でのM8程度の地震になるでしょうから、とても大きな被害になるのです。
また、これらの地震が起こる前には、311前に2004年中越地震、2007年中越沖地震などが起こったように、内陸でのM7程度の地震が起こります。これは、固着域を通じて、固着域にかかる太平洋プレートの西向き圧力が陸の地殻へ伝達され、陸の地殻での圧力が大きくなるためです。
繰り返しますが、M9というとても大きな地震が起これば、その影響として、M8とかM7規模の地震がどんどんと起こっていくのです。311後7年間、東日本でまだあまり起こって来ていないのは、311前の600年程度の期間、太平洋プレートが日本海溝を超えて西側にほとんど沈み込んでいなかったため、日本海溝から東日本の陸域の地下で太平洋プレートが痩せてしまっていて、M7とかM8規模の大きな地震を起こすほどの歪みを蓄えることが出来なかったからです。現在、この部分に太平洋プレートがどんどんと沈み込んでいて、厚みを増していますから、今後は大きな地震発生があります。
東日本の陸域の地下で太平洋プレートの量が少ないことは、沈み込みの力が小さいことであり、日本海溝とか、大陸棚の固着域にかかる引きの力があまりないことになります。
東日本の陸域の地下で太平洋プレートの量が多くなれば、その重さが増すので、沈み込みの力が大きくなり、結果的に日本海溝にかかる引きの力が大きくなり、日本海溝とか、大陸棚の固着域から陸のプレートにかかる西向きの圧力も大きくなるのです。
よって、今の日本、特に関東付近はとても危険です。
2018年03月25日13時05分 武田信弘
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