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朝日新聞陰謀論 _ なんでもみんな朝日新聞が元凶だというアホ右翼の妄想
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投稿者 中川隆 日時 2019 年 2 月 11 日 19:17:29: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: チャンネル桜の常連 西岡力 の悪質な詐欺の手口 投稿者 中川隆 日時 2019 年 2 月 05 日 11:48:55)


2019.02.09
【トンデモ】朝日新聞陰謀論まとめ
https://rondan.net/400

近年、保守論壇誌の興隆に伴い、世の中の出来事の裏には「朝日新聞」がいるというような調の朝日新聞陰謀論、朝日新聞悪玉論を頻繁に見るようになりました。これまでは従軍慰安婦問題、南京大虐殺(百人斬り事件)、モリカケ問題を中心に朝日新聞陰謀説主張されてきましたが、ここ最近では「バスケ日本代表の未来を潰した朝日新聞」だの、「炎天下の甲子園で高校野球をするのは朝日新聞の商業主義が原因」だの、「朝日新聞の裏にはコミンテルンがいる」だのという俄かには信じがたい陰謀論まで見られるようになりました。以下に、管理人が気が付いた主な陰謀論を列挙しておきます(管理人がこれら陰謀説を信じているのではなく、あくまで「まとめ」です)。


年代 内容

1931-1941 朝日新聞は、コミンテルンに揺り動かされ、日本が対米開戦に踏み切らざるを得ないよう誘導した。
 ⇒朝日新聞戦犯説: 室谷克実[2014]『朝日新聞「戦時社説」を読む』

1938 朝日新聞が、日本軍兵の百人斬りを戦意高揚のために創作して報道する。
 ⇒朝日新聞百人斬事件扇動説・朝日新聞南京大虐殺捏造説: 野田・溝口[2011]『南京「百人斬り競争」虚構の証明』

1939 朝日新聞が、中国新聞市場支配をもくろんで上海に日本語新聞を創刊する。
 ⇒朝日新聞中国新聞市場支配企図説: 山本武利[2011]『朝日新聞の中国侵略』

1945 朝日新聞が策動して、繆斌を送り込み日中単独和平交渉の陰謀をはかるが、昭和天皇に見破られる。
 ⇒朝日新聞日中和平交渉策動説: 池原冨貴夫[2015]『昭和天皇は朝日新聞がお嫌いだったのか』

1945 戦後、GHQによってプレスコード(検閲)が始まり、朝日新聞はこれに迎合する。
 ⇒朝日新聞GHQ手先説:水間[2010.6]反日歴史認識の「教典」:『朝日新聞』は日本人洗脳放送『真相箱』に加担していた;室谷克実[2014]『朝日新聞「戦時社説」を読む』

1945 朝日新聞社が反日洗脳プロパガンダ放送「真相箱」の制作に関わる。これによって戦後日本の言論空間が閉鎖される。
 ⇒朝日新聞WGIP関与説: 関野通夫[2015]『日本人を狂わせた洗脳工作』

1948 GHQ資料において、朝日新聞がWGIPの尖兵として指定される。
 ⇒朝日新聞WGIP関与説: 関野通夫 [2015.5]=正論[2015.5]「これが「戦後」の元凶だ!米占領軍の日本洗脳工作「WGIP」文書、ついに発掘」

1971 本多勝一が朝日新聞に連載していた南京大虐殺、および百人斬りを書籍にまとめ刊行し、日本軍の残虐行為を世間に広め、国益が損なわれる。
 ⇒朝日新聞南京大虐殺事件×扇動説朝日新聞百人斬事件扇動説: 野田・溝口[2011]『南京「百人斬り競争」虚構の証明』

1982.9.2 吉田清治の虚偽証言を基に、朝日新聞が従軍慰安婦問題を報道する。これによって国益に被害が出る。
 ⇒朝日新聞慰安婦問題扇動説: 秦郁彦[1999]『慰安婦と戦場の性』

1989.4.20 WGIPに洗脳された自虐史観の朝日新聞カメラマンが、サンゴに「K・Y」と傷付け、自作自演報道をする。
 ⇒朝日新聞カメラマン珊瑚傷付け自作自演事件WGIP洗脳説: 秦郁彦[1999]『慰安婦と戦場の性』

1991~ ソ連が崩壊すると朝日新聞は、反日の韓国と連携し、日本の防衛能力・産業能力・統合機能の弱体化を狙いとする運動に好意的な論陣を張る。
 ⇒朝日新聞共産主義説: 室谷克実[2014]『朝日新聞「戦時社説」を読む』

1991.5.22 吉田清治の虚偽証言を基に、朝日新聞が従軍慰安婦問題を報道する。
 ⇒朝日新聞慰安婦問題扇動説: 秦郁彦[1999]『慰安婦と戦場の性』

1992.1.11 朝日新聞が、慰安所に軍関与示す資料を報道し、従軍慰安婦問題のキャンペーンを張り、日本の国際評価を落とし、国益に甚大な損害を与える。
 ⇒朝日新聞慰安婦問題扇動説: 秦郁彦[1999]『慰安婦と戦場の性』

1992 朝日新聞によって慰安婦がsex slaves(性奴隷)と意図的に誤訳され、これが要因となり国際社会・国連などにおいて「慰安婦=性奴隷」という理解が定着してしまった。これにより、日本の国際評価が暴落し、国益に多大な損害がでる。
 ⇒朝日新聞慰安婦問題扇動説: 西岡力[2013.8]=正論[2013.8]「この度し難き鉄面皮朝日新聞の頬被り」

1993 朝日新聞の誤報に基づき、河野談話が発表され、自虐史観に拍車がかかった。
 ⇒朝日新聞慰安婦問題扇動説: 山際澄夫[2014]『すべては朝日新聞から始まった「慰安婦問題」』;西岡力[2014]『朝日新聞「日本人への大罪」:「慰安婦捏造報道」徹底追及』

2012.12 朝日新聞に中国の工作機関の関係者が所属していることが報道される。
 ⇒朝日新聞共産主義説: 大高未貴[2012.12]=正論[2012.12]「朝日新聞にも在籍!中国の「工作機関」で活動するあの元老の曾孫」

2013.10 朝日新聞が被災地復興を阻む。
 ⇒朝日新聞復興阻害説: 櫻井・奈良林[2013.10]=Will[2013.10]「被災地復興を阻む朝日新聞の「不都合な真実」」

2013.11 朝日新聞が言論テロを起こしていることが指摘される。
 ⇒朝日新聞テロリスト説: 酒井信彦[2013]=歴史通[2013.11]「朝日新聞は言論テロ組織!朝日インテリは偽善がお好き」

2014.8.5 朝日新聞が吉田証言の虚偽性を認め記事を撤回するも反省せず。
 ⇒朝日新聞慰安婦問題扇動説: 山際澄夫[2014]『すべては朝日新聞から始まった「慰安婦問題」』;西岡力[2014]『朝日新聞「日本人への大罪」:「慰安婦捏造報道」徹底追及』

2014.10.7 朝日新聞が、憲法九条にノーベル平和賞を取らせようと画策するが失敗。
 ⇒朝日新聞九条ノーベル平和賞扇動説: 池原冨貴夫[2015]『昭和天皇は朝日新聞がお嫌いだったのか』

2015.4 朝日新聞が昭和天皇から嫌われていた可能性が指摘される。
 ⇒朝日新聞天皇から嫌われ説: 池原冨貴夫[2015]『昭和天皇は朝日新聞がお嫌いだったのか』

2017.9.8 朝日新聞大物OBが大学に天下りしているこが明らかになる。
 ⇒朝日新聞大学支配説: 週刊ポスト[2017.9.8]

2017.12 朝日新聞が天皇陛下の訪韓を画策する。
 ⇒朝日新聞皇室支配説: Themis[2017.12]

2018.1 親中の『広辞苑』を朝日新聞が広告に載せる。
 ⇒朝日新聞共産主義説: 大澤正道[2018.1]=Themis[2018.1]「岩波『広辞苑』が振り撒く「台湾は中国の一部」の誤り」;大澤正道[2018.2]=Themis[2018.2]「朝日新聞で堂々宣伝する岩波書店の「親中ぶり」 」

2018.1 朝日新聞はモリカケ報道を通して言論テロを起こしていることが指摘される。
 ⇒朝日新聞モリカケ扇動説×朝日新聞テロリスト説: 小川榮太郎[2017]『徹底検証「森友・加計事件」:朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』;小川・長谷川[2018.1]=Hanada[2018.1]「森友・加計報道は朝日新聞の言論テロ」

2018.6 朝日新聞が、安倍批判を繰り返し倒閣を企てる。
 ⇒朝日新聞政府転覆説: Hanada[2018.6];正論[2018.6]

2018.9.6 朝日新聞がバスケ選手買春を報道したことで、バスケ日本代表の未来を潰す。
 ⇒朝日新聞スポーツ支配説:週刊新潮[2018.9.6]「特集「バスケ日本代表」の未来を潰した「朝日新聞」 そんなに悪いか「ジャカルタ買春」!」

2018.9.13 朝日新聞が甲子園について人命よりも商業利用を優先させたことで、炎天下の過密スケジュールとなっている。
 ⇒朝日新聞甲子園支配説: 週刊新潮[2018.9.13]「特集 全国父兄から怨嗟の声!「猛烈部活」野放しの元凶は「朝日新聞」が人命より大切な「甲子園」」

2018.1 朝日新聞は、小川榮太郎を訴訟提起することで、言論機関としての社会的責任を放棄し、自由な言論を委縮させる。
 ⇒朝日新聞言論弾圧説: Hanadaセレクション[2018.1]『財務省「文書改竄」報道と朝日新聞 誤報・虚報全史』

2018.10 朝日新聞はコミンテルンに操られており、森友・加計学園問題もこれが原因であることが指摘される。
 ⇒朝日新聞共産主義説×朝日新聞モリカケ扇動説: 中西・長谷川[2018.10]=Will[2018.10]「【モリカケも!?】国際共産主義に操られる朝日新聞」

無数ともいえる書籍・雑誌記事が朝日新聞陰謀論を唱えており、それらすべてを列挙することは到底できませんでした。また気が付き次第、追加したいと思います。皆様のあいだで何か陰謀論を発見されましたら、コメント欄などに追記いただければ幸甚です。


https://rondan.net/400



▲△▽▼


2019.02.09
【トンデモ】「朝日」憎けりゃWGIPも憎い。でもアメリカは憎くない(水間政憲「反日歴史認識の「教典」
:『朝日新聞』は日本人洗脳放送『真相箱』に加担していた」『Voice』2014.6)
https://rondan.net/327

Contents

1 ともかく「朝日新聞が悪い」
2 なんでも「朝日新聞が悪い」
3 この世の諸悪は朝日新聞が根源:朝日新聞陰謀論


ともかく「朝日新聞が悪い」

南京事件や慰安婦問題でともかく叩かれる朝日新聞。昨今、保守勢力の朝日叩きは必要以上のものがあり、非論理的な言動が目立ちます。保守運動を有意義で建設的なものにするためにも、デマ拡散や炎上商法で短期売り上げを狙うのではなく、是非とも意味のある論理的な議論にして欲しいところです。

なんでも「朝日新聞が悪い」

今回取り上げたいのは、水間政憲「反日歴史認識の「教典」:『朝日新聞』は日本人洗脳放送『真相箱』に加担していた」(『Voice』2014.6, pp. 152-157)です。

このタイトルだけ読むと、「GHQのプロパガンダ放送「真相箱」の制作に、朝日新聞が重要な役割を果たしていた」ことが説かれるのかと思いきや、そんな話は出てきません。論文の主題は南京事件の被害者34人説、あるいは0人説の強弁です。「真相箱」と朝日新聞との関係は、冒頭部で次のように関与の可能性が示されるだけです。


戦後、「南京大虐殺」があたかも事実のように認識されてきたものです。1960年代にはきえそうになっていたこの問題を煽ったのも、『朝日新聞』でした。「南京虐殺問題」については、東京裁判開廷前に朝日新聞社が編集に加担した証拠があります。連合国最高司令部(GHQ)政策の日本人洗脳放送『真相箱』(NHKラジオ)で、同裁判の判決を先取りしたような「南京大虐殺」に関する放送をしていたのです。

つまり、水間氏が主張したいことの要点は「朝日新聞が加担したために、ラジオ番組「真相箱」の放送で南京大虐殺の虚報が流された」ということなのでしょう。

しかし、朝日新聞が「真相箱」の制作に協力していたからと言って、どうしてその放送内容の責任が、それを制作したGHQや、放送したNHKではなく、間接関与の可能性が示唆されただけの朝日新聞にあるのでしょうか? 水間政憲の批判の矛先は、なぜか朝日新聞にだけ向けられており、反日番組放送に直接携わったGHQやNHKに対しては苦情の一つも言っていません。

この世の諸悪は朝日新聞が根源:朝日新聞陰謀論

また朝日新聞の関係者が「真相箱」の制作に携わっていたとして、どうして朝日新聞そのものが批判される必要があるのかについても私にとっては謎でしかありません。

水間氏などの一部保守勢力には、朝日新聞は諸悪の根源であると想い込み、何でもかんでも朝日新聞が仕組んだという陰謀論に走ってしまう節があります。

「真相箱」(より広い概念で言えばWGIP)は、確かにGHQのプロパガンダという性格を持っています(洗脳まではいいすぎだと思いますが)。そうであるならば水間氏が責めるべき相手はGHQであり、今のアメリカであって然るべきです。アメリカを責めず、朝日新聞を責めるというのは論理的に不整合であると感じます。

あまり意味のない朝日新聞陰謀論は控えるべきではないでしょうか


https://rondan.net/327


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2018.12.09
【トンデモ】保守による徴用工問題の否定論 _ やはり朝日新聞の陰謀
(西岡力「朝鮮人戦時動員に関する統計的分析」『歴史認識問題研究』2, 2018.3)
https://rondan.net/740


Contents

1 はじめに
2 やはり朝日新聞の陰謀
3 「強制連行」と「徴用」
4 「8割は自らの意志で出稼ぎ」だから「強制連行」ではないという謎理論
5 まとめ


はじめに

燻っていた徴用工問題について、とうとう韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に賠償命令を下しました。今後、個人が日本企業に対して賠償請求する動きが加速するでしょう。

もちろん日本無罪を主張する保守にとってこれほどの屈辱はないわけで、早速、SNS上では日韓断交などを声高に叫ぶ輩が沸いています。議論は個人請求権の問題にとどまらず、徴用工への人格攻撃にまで発展していることは誠に残念なことです。しかし本当に日本の国益を考えるならば、隣国と仲良くすべきなのは明らかです。奇妙なプライドを捨てて良好な信頼関係を築いてさえいれば、このような事態にはならなかったでしょう。

このような動きのなか今回紹介したいのは、2018年3月に『歴史認識問題研究』という学術風雑誌の第2号に掲載された西岡力「朝鮮人戦時動員に関する統計的分析」という論文風文章です。

この『歴史認識問題研究』という雑誌は保守系論調を発表するる傾向が強く、執筆者の西岡力氏も慰安婦問題などで日本無罪論を主張する論客の一人として知られます。

保守というのは不思議な生き物で、保守であれば必ず慰安婦問題も日本無罪論、そしてこの徴用工問題も一様に否定します。そして興味深いことに、慰安婦問題否定論の理論と、この徴用工問題否定論には共通点が見出せます。その点を中心に今回は、本論文の「はじめに」と「第一章 統計から見た朝鮮人「強制連行」説の破綻」を検討していきたいと思います。

やはり朝日新聞の陰謀

慰安婦問題の裏に朝日新聞の陰謀を主張している筆者の西岡氏は、この徴用工問題も朝日新聞が元凶だと冒頭部で宣言します。


韓国の文在寅大統領が2017年8月17日の記者会見で、いわゆる徴用工問題について「強制徴用された者個人が、三菱などをはじめとする相手の会社に対して持つ民事上の権利はそのまま残っている」として、1965年の協定で解決しているという従来の韓国政府の見解を覆した。これに他して日本政府は即時に抗議したし、日本のマスコミも一斉に批判した。歴史問題で韓国に同情的な朝日新聞も、欲18日の社説で「未来志向的な日本との関係を真剣に目指すなら、もっと思慮深い言動に徹するべきだ」と、文大統領を責めた。

しかし、実は文発言はわが国の一部政治家や外務官僚、そして朝日新聞などが誘発したものだった。文大統領は同年8月15日の演説で、以下のように述べている。

〈この間、日本の多くの政治家と知識人が両国間の過去と日本の責任を直視しようという努力をしてきました。その努力が日韓関係の未来的内的な発展に寄与してきました。こうした歴史認識が日本の国内政治の状況によって変わらないようにしなければなりません。〉

文大統領は、河野洋平元外相や朝日新聞らが行ってきた「事実を調べずにまず謝罪し人道的立場という理屈をつけてカネを払う」という対韓謝罪路線を高く評価し、筆者らや産経新聞、そして安倍晋三政権などが「事実に基づき、言うべきことは言う」という対韓是々非々路線を適していることを、非難しているのだ。

朝日新聞は社説で文大統領の徴用工発言を責めているのに、この発言の裏には朝日新聞がいるという謎理論です。しかもその根拠とされる文大統領の8月15日演説では「日本の多くの政治家と知識人が両国間の過去と日本の責任を直視しようという努力をしてきました」と言っているだけで、朝日新聞のことなど一言も言及していません。にもかかわらず、想像力たくましい西岡氏は、「河野洋平元外相・朝日新聞vs筆者ら・産経新聞・倍晋三政権」という有りもしない対立構造を一方的に提示します。しかも後者の立場を「事実に基づき、言うべきことは言う」という対韓是々非々路線と評価しています。ということは、慰安婦問題は事実に基づいて安倍首相は謝罪したということになるのですが、この矛盾に気付いておられるのでしょうか?


「強制連行」と「徴用」


ところで慰安婦問題を論じるうえで、それが「強制連行」であったのかどうかが大きな焦点となります。もちろんこの徴用工問題でも、その連行が強制であったのかどうかが重大な論点となります。

そして当然、保守論客である西岡氏は「強制連行」ではなく「戦時動員」であり、その労働も決して「奴隷労働」ではなかったと主張します。そしてその根拠は、「強制連行」ならば家族と離散しているはずであるが、彼らは家族を連れて日本に移動してきたこと、らしいです。

しかしこの主張は苦しいものです。「徴用」の「徴」の字は「呼び出す」「召し出す」の意味ですから、「自由意思に基づいて応募した」という意味にはなりません。

したがって「徴用」は「強制連行」の意味でも理解し得ます。ただし「強制連行」といっても、「首輪や足枷をつけて連行された」という意味だけに直結するわけではありません。たとえば赤紙によって「徴兵」されたとしても、その人は憲兵に取り押さえられて無理やり徴兵検査や戦場に連行されていくわけではないのと同様です。当時、赤紙配達員は「おめでとうございます」といって赤紙を届けていたそうです。本人はたとえ行きたくなくても、社会的圧力に屈して、自らの意思でそこに行かなければならないのです(喜んで戦地に行った人も少なからずいたようですが)。まして、当時朝鮮半島は植民地支配されており、その宗主国の意向に基づく徴用であったことも重要でしょう。

このような言葉の問題は従軍慰安婦問題をめぐっても確認されます。たとえば、その英訳は「Sex slave」なのか「Comfort woman」なのかという問題です。後者「Comfort woman」がより直訳なのですが、それではその重大性が伝わらないということで前者「Sex slave」の訳語が選ばれる場合もあります。しかし「Sex slave」(性奴隷)という語は意味が強すぎるきらいもあるため、この語が本当に相応しいかどうか非常に難しい問題です。もちろん保守は慰安婦は売春婦で自由意思があったから「Sex slave」(性奴隷)は全くないと主張するのであり、非保守は人権や人道上の問題を考えれば「Sex slave」(性奴隷)が相応しいと主張するわけです。

この様な言葉の選択をめぐる争いは、その問題の全体をイメージ付ける上で極めて重要なのですが、本筋の議論を措いて、時として言葉遊びになってしまってしまう場合もあるように思えます。

「8割は自らの意志で出稼ぎ」だから「強制連行」ではないという謎理論

また西岡氏は、@終戦時の在日朝鮮人人口の八割が出稼ぎ目的で日本に来ていたこと、A植民地時代の朝鮮で人口が増加したことや、B朝鮮からの不法渡航者が強制送還されていたことなどを根拠に「強制連行」を否定していますが、この主張にはやや問題があります。

まず、@「終戦時の在日朝鮮人人口の八割が出稼ぎ目的で日本に来ていた」ですが、これは明らかにオカシナ主張です。というのも「在日朝鮮人の全てが徴用工として来たわけないこと」は当然の前提です。そして、西岡氏自らが、終戦時の日本内地朝鮮人人口うち二割が動員現場(徴用先)にいたことを統計的に指摘しています。つまり、その二割の人々が今回の徴用工問題の焦点となっているのであり、その他の八割が焦点になっているわけではないのです。このオカシナ主張は、従軍慰安婦問題を論じるときに、「自らの意志で売春婦になった」論にも共通するものです。

そして、A「植民地時代の朝鮮で人口が増加した」、B「朝鮮からの不法渡航者が強制送還されていた」の問題も同様に、徴用された方々の人権とは全く無関係の話です。いくらそうだったからと言って、徴用された人がいるという事実には全く関係のないことです。こういうのを議論のすり替えというのです。日本な朝鮮半島に投資していたから、日本に侵略意思は無かった論とよく似ています。

まとめ

このように西岡氏の徴用工問題否定論は、従軍慰安婦問題否定論と非常に論旨がよく似ています。
1徴用工問題の裏に「朝日新聞」の存在を勝手に錯綜。(⇒慰安婦問題は「朝日新聞」の報道によって生まれた)

2「徴用」であるにも関わらず、言葉遊びで「強制連行」性を否定。(⇒慰安婦は売春婦のこと、性奴隷じゃないから「強制連行」性はない。)
3「在日朝鮮人の八割が出稼ぎで日本に来た」「不法渡航者は強制送還した」と言って話をすり替えて、残り二割の徴用工問題を矮小化。(⇒「あいつらは売春婦で金儲けのために慰安婦になった」「ルール違反で呼び寄せられた慰安婦を親元に返した」)

というようにまとめられるでしょう。また別の論文・記事では、徴用工の待遇について「貯金もできた!」「幸せだった!」という論調も他で見られますが、それもまた「慰安婦は高給取りだった!」と同じ理論です。恐るべき理論の一致と見るべきか。

徴用工がどれだけ悲惨であったのかは「花岡事件」を調べればよく解りますし、中国人徴用工四万人のうち七千人が亡くなった事実からも明らかでしょう。


(野添憲治『企業の戦争責任』社会評論社, 2009を参照)
https://www.amazon.co.jp/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E2%80%95%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E5%BC%B7%E5%88%B6%E9%80%A3%E8%A1%8C%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%A0%B4%E3%81%8B%E3%82%89-%E9%87%8E%E6%B7%BB-%E6%86%B2%E6%B2%BB/dp/4784513345

*なお私個人の見解としては、「今になって韓国が突然方針転換して個人請求権を認めた」という点については、今後の日韓関係の行く末を考えるうえで憂慮すべき問題であり、その妥当性などについて種々に再検討する必要があると思います。しかし、だからといって徴用工を個人攻撃して、徴用工問題を矮小化するという保守の議論には賛同できません。
https://rondan.net/740



▲△▽▼

2019.02.10
産経新聞と朝日新聞の「ネトウヨ用語」頻度の比較
――「ブーメラン」「反日日本人」「WGIP」「コミンテルン」……
https://rondan.net/15276


Contents

1 苦境の産経新聞
2 ネトウヨ用語が大好きな産経新聞
3 ブーメラン
4 反日日本人
5 WGIP
6 コミンテルン
7 まとめ

苦境の産経新聞

経営状態が悪化しまくっている「産経新聞」。ネトウヨは購買意欲が高いようですが、所詮、人数が多くないので全国紙を維持するためには今一つ勢いが足りないようです。

一方、ネトウヨから目の敵にされているリベラルの牙城「朝日新聞」は、部数低下に悩まされながらも、不動産業などによる収入が盤石のため、依然として産経新聞よりはるかに健全な経営状況です。

保守最後の希望である「産経新聞」を救うために、ネトウヨは積極的に二部三部とまとめ買いし、販売店に「押し紙」を強制させ国益を守るべきではないでしょうか?

ネトウヨ用語が大好きな産経新聞

朝日新聞や読売新聞と違って、不動産などの資産を持たない産経新聞は、新聞の部数が伸びないと経営状況は回復しません。部数減少率は善戦しているものの増えてはいないので、このままでは倒産してしまいます。

この回復のカギはネトウヨ路線の放棄にあると思います。先ほども言いましたが、ネトウヨは数自体それほど多くないので、今のようにトンデモ記事ばかり書いていたら、良識ある一般市民はドン引きするだけだということです。

アホ相手に商売していると、気が付かない間に自分までアホになってしまっているということはよくあります。産経新聞の方々はよくよく社会常識に基づいた記事を書いていただきたい。

ブーメラン

幾つか典型例な用語を比較します。

まずは「ブーメラン」。ネットスラングでよく使われます。民主党(民進党)を攻撃する際によく用いられますね。

この語が何回使われているか検索したところ…。

産経新聞(政治) 283
朝日新聞(全体) 17
【参考】読売新聞(全体) 6

圧倒的な産経新聞のクォリティ(笑)


反日日本人

「反日日本人」とはネトウヨが大好きな言葉。

反日は中国・韓国だけではなく国内にもいるという妄想を手助けしている用語です。

これを比較すると…

産経新聞 12
朝日新聞 2
【参考】読売新聞 0

なお、朝日新聞でヒットした2件は、いずれもネトウヨ思考を批判する記事です。一方、産経新聞はマジで「反日日本人」というカテゴリーが存在すると妄想してしまっている記事です。読売新聞は華麗にスルー(笑)

ほんと産経新聞スゴイ。

WGIP

ネトウヨや保守が大好きなWGIP(ウォー・ギルド・インフォメーション・プラン)。何と我々はGHQ政策によって洗脳されているそうです。

先に大ベストセラーになった百田尚樹『日本国紀』においても、戦後史で大きく扱われました。こんな単純な陰謀論を信じれるということ自体が、自虐思想なのですが(笑)


これを比較すると…

産経新聞 75
朝日新聞 4
【参考】読売新聞 0

なお、朝日新聞でヒットした4件は、いずれもこのWGIPが妄想であると批判する記事です。一方、産経新聞はマジでWGIPによって我々が洗脳されているというという記事です。

ここでも読売新聞は華麗にスルー(笑)

コミンテルン


「コミンテルン」とは戦前に実際に存在した共産主義組織です。今ではもう存在しません。ゆえに都合がいいのか「コミンテルン陰謀説」が今では大人気です。

「日本が戦争に巻き込まれたのはコミンテルンの陰謀だ!」

というのがそれです。多くの国々と人々が複雑に絡み合って起きた現象の発端を、たった一つの原因に帰することなど不可能です。その不可能を単純に解決してしまうのが陰謀論でし。フリーメーソン陰謀論などと大同小異のもので、あと20年もすれば口に出すことすら恥ずかしくなるようものです。

さて、この語を比較すると…

産経新聞 105
朝日新聞 2
【参考】読売新聞 0

産経すごすぎ!

なお朝日新聞の1例はコミンテルン陰謀論を非難する記事です。そしてやはり読売新聞は華麗にスルー(笑)

まとめ

いかがだったでしょうか?

産経新聞がどれだけぶっ飛んでいるのかがよく解ったと思います。

その対極にある朝日新聞は産経新聞などが垂れ流す妄想にしっかり反論し、一方。両者の中間やや右寄りにいる読売新聞はこんな馬鹿げた妄想に最初から付き合わないという態度です。

こんな面白い産経新聞を、みんな優しい眼差しで見守ってあげましょう!

https://rondan.net/15276

▲△▽▼

2019.02.11
産経記者のネトウヨ性——佐々木類(論説副委員長)がヤバい
https://rondan.net/15289


Contents

1 ネトウヨ御用達「産経新聞」
2 記者の思想性
3 NHKはフェイクニュース
4 文治的報道を罵倒
5 韓国に強硬姿勢が国益につながる
6 WGIPを信じるというスゴさ
7 まとめ


ネトウヨ御用達「産経新聞」


「ブーメラン」「反日日本人」「WGIP」「コミンテルン」といったネトウヨ御用達のスラングを記事でガンガン使ってしまう産経新聞の革新性には驚かされます。朝日新聞や読売新聞などではこういった語は殆ど用いられず、言葉の使い方という点ではよほど保守的です。

産経新聞はいわゆる右向きな保守層やらネトウヨ層をターゲットにした紙面作りに特化しており、それはそれで価値はあると思うのですが、あまりの馬鹿々々しさに心配になるときがあります。

ところで、次のようなことが言われることがあります。産経新聞の記者たちは、読者に喜んでもらうために右寄りな記事を書いているだけで、当人たちはノンポリである、というようなものです。

記者の思想性

確かに産経新聞の記者だからと言って、必ず全員が右寄りなはずはありません。また逆に朝日新聞の記者だからと言って、全員が左寄りでないのと同じです。たとえば、長谷川熙氏は元朝日新聞の記者ですが、今では熱心なアンチ朝日になっています。

ですがこの一方で、朱に交わり赤くなったのか、それとも元々そうだったのかは解りませんが、「THIS IS SANKEI」といった記者も存在します。今回はそんな「これぞ産経」な記者である、論説副委員長の佐々木類氏の言説を取り上げたいと思います。出典は『ジャパニズム』47号(2019.2)収載の「新聞記者が一刀両断! 日本の偏向報道」です。


NHKはフェイクニュース

産経新聞の記者らしくフェイクニュースに極めて敏感な佐々木類氏。さすがファクトを重んじる産経新聞といったところでしょうか?

過日騒動となったレーダー照射問題の報道に怒りを覚え、NHKに次のように噛みつきす。


日本放送協会。そう、天下の公共放送にして高給が批判の的となっているNHKのフェイクニュースだ。まるで海自のP1が韓国駆逐艦「広開土王」に異常接近したためにレーダー照射された―と錯覚するような合成写真を垂れ流したのだ。

良いですね。この出だし。「高給が批判の的」とか本筋と全く関係のない僻みが入っているところがツボです。そういえば産経新聞は経営危機で、ボーナスも碌に出ず、早期退職希望者募集中だそうですが、佐々木類氏は大丈夫でしょうか?

で、フェイクだというのは、次の画像のことです。


この写真を見ると自衛隊機が韓国船に異常接近しているように見えるからフェイクだというのです。

……。

考え過ぎだろ(笑)

事実、佐々木氏自身が「素人が見ても合成であることが分かる」とフェイク説を一蹴。


P1はなぜか車輪がすべて出ていて、素人が見ても合成であることが分かるのだが、一瞬騙されそうになるから厄介だ。

「自分でマッチポンプしてて楽しい?」と聞きたくなるレベルの言説ですね。しかしネット掲示板レベルの駄論を全国紙の新聞記者がしてしまうとは…。


文治的報道を罵倒

もちろん産経新聞の記者らしく、韓国に対しては超絶強硬姿勢。先のレーダー照射問題に対する「喧嘩両成敗」「両者ともに落ち付け」的な報道を罵倒。


そして、ニュースキャスターはこう、したり顔でまとめてみせた。「冷静にいきたいですね。日韓関係のさらなる悪化にこの問題、繋がらないか心配です」。
あなたはいったい、どこの国の公共放送でキャスターをしているのか、と聞きたくなるほどの胸くその悪さだ。


(朝日新聞も)NHKと同じ、ケンカ両成敗である。「日韓両政府が言い争いをしている」とはなにごとか。


こういうNHKや朝日、毎日新聞といったメディアが韓国をツケ上がらせてしまうのである。

こういう「先生に叱られない範囲で威張り散らす小学生」みたいなところが産経新聞の良いところです。

韓国に強硬姿勢が国益につながる

しかも佐々木氏の理解では、このレーダー照射騒動の一件は、韓国から銃口を突き付けられ、宣戦布告を受けているようなモノなんだそうです。


100%相手に非があり、自分の息子や娘が銃口を突き付けられて相手を批判しているときに、「言い争いはやめろ」と両者をなだめようというのか。


「今後も隣国ゆえの大小のトラブルは起きるだろう」などと暢気なことを言っている。これは、赤化統一の道を邁進する文在寅政権の形を変えた、わが国に対する「静かなる宣戦布告」なのである。

ここまで言うからには自衛措置で韓国船を沈めろくらい言うのかと思ったら、産経新聞は謝罪の要求しかしていないそうです(笑)


事件の発覚を受け、社説で最初に反応したのが産経新聞だった。12月23日付で「敵性国家の所業である。韓国の政府と海軍は過ちを正直に認めて責任者を処分し、日本に謝罪すべきである」と主張した。

結局、佐々木氏(および産経新聞)が威勢よく「宣戦布告」だの「敵性国家」だの激しい言説をしたからといって、「実際の戦争にはならない」「戦争はして欲しくない」という甘えがあるんですよね。彼らがそれに気が付いているかどうかは解りませんが…。ほんと「先生に叱られない範囲で威張り散らす小学生」でしかない。

本気で「宣戦布告」だの「敵性国家」だのと信じているのであれば、「謝罪の要求」なんてショボイこと言っていないで、「レーダー照射されたら、現場判断で即時、ミサイルを撃ち込め」くらい社説で言ってほしいものです。何を日和見しているのでしょうか(苦笑)


WGIPを信じるというスゴさ

またこのようなマスコミのフェイクニュースや、偏向報道を生み出している原因は、なんとウォー・ギルド・インフォメーション・プラン(WGIP)なんだそうです。


現在のメディアが、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による、WGIP(日本洗脳工作)に支配されていることは、今や多くの人が知るところとなっている。今でも当時の連合国や南北朝鮮への批判禁止等々、30に及ぶプレスコードがあり、多くのメディアはそれに縛られている。例えば、大平洋戦争を大東亜戦争と呼ぶことは、歴史修正主義でも右翼化でも、何でもない。当時の人はさきの大戦を大東亜戦争と呼んでいた。
日本のメディアはまず、用語の使い方から見直さねば、染み付いた偏向報道癖を元から断ち切ることは不可能だろう。
以上、自戒を込めて報告する。

今でもプレスコードがあると主張している割には、産経新聞は南北朝鮮批判はするし、「大東亜戦争」って語も使うし、でもアメリカにはポチ犬だしと、好き勝手やってるじゃないですか(笑)

WGIPによってメディアが縛られているなんてのは、考え過ぎ。

まとめ

いかがだったでしょうか?

元々そういったイデオロギーの持ち主だったのか、産経新聞社に入ってから染まってしまったのかどうかは解りませんが、「嫌韓+アンチ朝日+WGIP」とまさにネトウヨそのもの。

こういうスゴイ方が全国紙「産経新聞」の論説副委員長をしてしまっていることが一番のトンデモでしょうか?

最後に、ビックリなオフショットを一つ。


ちなみに、職業柄、すべての日刊紙に目を通す知人の一人はこうした新聞を読むと決まって朝から不快になるから、気付け薬代わりに産経新聞を読んで呼吸を整えるという。

……。

何も語るまい…。

https://rondan.net/15289

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2019.02.09
【トンデモ】コミンテルンに操られた朝日新聞が大東亜戦争とモリカケを(略【中西輝政×長谷川熙】
https://rondan.net/709


Contents

1 森羅万象何にでも陰謀を見出す
2 コミンテルンの陰謀
3 仕組まれた戦争
4 モリカケの裏にはコミンテルンと朝日新聞

森羅万象何にでも陰謀を見出す

コミンテルンの専門家・中西輝政氏は、この世で起こる万事の背景にコミンテルンの陰謀があるのではないかと心配しています。同様に、朝日新聞の専門家・長谷川熙氏は、この世で起こる万事の背景に朝日新聞の陰謀があるのではないかと心配しています。

この二人が対談すれば、コミンテルンと朝日新聞のどちらが黒幕かをめぐって議論・討論になるのではなく、この両者の説は調和的に融合します。つまり、この世における現象の背後にコミンテルンと朝日新聞の両者がいるという新たな陰謀論が生まれるのです。

今回は、中西輝政×長谷川熙「国際共産主義に操られる朝日新聞【モリカケも!?】」『Will』(2018.10)を取り上げながら、そんな不可思議な現象を追ってみたいと思います。

コミンテルンの陰謀

お二人の対論は、まず「コミンテルン」問題は歴史研究の禁忌とされていると主張されるところからスタートします。


長谷川 コミンテルンを扱うことが、日本ではまだ禁忌視されていますね。

うーーん。「コミンテルン」ネタって、渡部昇一氏、田母神俊雄氏などをはじめとする、この頃の保守論客がガンガン言及していて、ちっとも「禁忌」ではないような気がするのですが…。


中西 日本の学会、メディアをはじめとする知的空間において、いまだにコミンテルンは「腫れ物」扱い。理性的、実証的に歴史を論じるはずの研究者でさえ、「コミンテルン」を前にすると研究や議論が及び腰になってしまいます。

うーーーーん。むしろ「腫れ物」扱いされている理由は、何でもかんでも「コミンテルン」の陰謀にしようとする保守論客が、そもそも「知的空間」におらず、「理性的、実証的に歴史を論じ」ていない証拠のような気がします。

さらに微妙に秦郁彦『陰謀史観』(新潮社, 2012)を意識した発言まで見られてなかなか興味深い。


中西 日本の一部の歴史家のように、「コミンテルン」と聞くと最初から「陰謀論」と決めてかかるようでは、歴史の真実は見えません。
長谷川 日本の研究者は無知なのか、それとも故意に真実を葬り去ろうとしているのか。
中西 一つは不勉強もあるでしょうが、もう一つは、今も次々に出てくる新資料によって自らが唱えてきた従来の”通説”が覆されてしまうのを、ひどく恐れているからでしょう。

どうやら中西氏は、秦郁彦氏から「コミンテルン陰謀論者」として一笑に付されてしまったことを相当根に持っているようです。しかし中西氏から秦氏への反論があったとは聞きません。ぜひ無知で不勉強の秦郁彦氏に「真実」を示して欲しいものです。(しかし秦氏を捕まえて「不勉強」「無知」とはよく言えたものです)

仕組まれた戦争

これに続いて、日米両政府の内外にコミンテルンのスパイがいたという、よく聞く陰謀論が展開されます。もちろん両国にコミンテルンのスパイもしくはその関係者がいたのですから、大東亜戦争は当然の帰結として、コミンテルンの陰謀と決めつけられます。


長谷川 大東亜戦争は、最初から敗北が解っているような戦いでした。これを「戦争」とよんでいいものか。
中西 近年、ヴェノナ文書やヴァシリエフ文章をはじめとする機密文書が次々と公開され、アメリカ政府内に大戦中から大量のソ連スパイが入り込んでいたことが判明しています。……日本には尾崎秀実とゾルゲを送り込み、日米開戦を策略した。つまり日米開戦はコミンテルンによって三方から仕掛けられた、まさに「仕組まれた」戦争だったということが出来ます。

これが本当だとしたら、両国首脳部はよっぽど無能か、もしくはコミンテルンが超絶有能ということになります。「スパイがいた」と「日米開戦した」という二つの事実の間に、無理やり因果関係を見出し、その他の要因を等閑に付すというのは保守の典型的手法です。まして敵の能力を過大評価して、自らを卑下するのは敗北主義であり、自虐史観そのものでしょう。自虐史観脱却を主張する保守こそが自虐史観に囚われている典型です。

モリカケの裏にはコミンテルンと朝日新聞

ここまでは朝日新聞の話などほとんど出てこないで、記事のタイトル「国際共産主義に操られる朝日新聞【モリカケも!?】」の内容は最後のページに駆け足で述べられているだけです。コミンテルンにまつわる空想力が加速して、二人は次のように主張し出します。



長谷川 …コミンテルンの亡霊が今も尚なお、日本では介しているような気がしてならないからです。
中西 戦後の日本では、憲法改正をはじめとする、国家として再生するための重要な試みがよく解らない不合理な理由で頓挫する、というようなことが度々起こっています。
長谷川 意識してか、それとも無意識かはわかりませんが、「モリ・カケ」という倒閣運動すら、コミンテルンの工作先述の精神が影響しているようにみえなくもありません。……そう考えると、朝日も「アンウィッティング」(註:政治家、文化人、ジャーナリストを動かすことに特化した戦略)のまま、コミンテルンの罠にまんまと嵌っているのかもしれません。

ここでようやく「コミンテルンに操られた朝日新聞が、倒閣運動である森友・加計問題を持ち出して、憲法改正をはじめとする国家再生の試みを頓挫させている」というSF小説の骨子が披見されました…。

妄想と妄想がかけ合わさって更なる妄想が生まれる瞬間を我々は見ました。そして「重要な試みがよく解らない不合理な理由で頓挫する」という中西氏の言葉から、「この世で起こる不都合な事件の裏側に何か理由を求め、架空の敵とストーリーをつくって安易に因果関係を説明してしまう」陰謀論者が姿を確認することができると思います。
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昭和天皇は朝日新聞がお嫌いだったのか 
巨大メディア—— その捏造の歴史 (ベストセレクト) – 2015/4/23
池原冨貴夫 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E6%98%AD%E5%92%8C%E5%A4%A9%E7%9A%87%E3%81%AF%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E3%81%8C%E3%81%8A%E5%AB%8C%E3%81%84%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B-%E5%B7%A8%E5%A4%A7%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E2%80%94%E2%80%94-%E3%81%9D%E3%81%AE%E6%8D%8F%E9%80%A0%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2-%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88-%E6%B1%A0%E5%8E%9F%E5%86%A8%E8%B2%B4%E5%A4%AB/dp/483140196X


2019.02.09
【トンデモ】『昭和天皇は、朝日新聞がお嫌いだったのか』池原富貴夫|ベストブック, 2015)
https://rondan.net/489

Contents

1 未知の世界と人間の可能性
2 その内容と特徴
3 根本的な認識不足
4 昭和天皇は、朝日新聞がお嫌いだったのか
5 まとめ


未知の世界と人間の可能性

いわゆるトンデモ本というジャンルは、読者に全く新しい世界を見せてくれます。私自身、「まさかそうくるか」と呻らずにはいられないことが幾度もありました。

今回紹介したい本もまさにその一つ、池原富貴夫『昭和天皇は、朝日新聞がお嫌いだったのか』(ベストブック, 2015)です。

朝日批判本は余多出版されていますが、そのほとんどは大同小異です。二、三冊読めばお腹いっぱいで、それ以上呼んでも得られるものは殆どありません。本当にオリジナリティーを出すことが難しい分野です。そのような困難な状況にあって本書は『昭和天皇は、朝日新聞がお嫌いだったのか』という斜め上の、しかもタイトル出落ちで、ひときわ異彩を放っています。

その内容と特徴

百聞は一見にしかずとも申しますので、ひとまず目次をあげます(誤用)。
序章
第一章 見直される日本とアジアの近代史
第二章 陸軍と国民の尻を叩き続けた朝日新聞
第三章 足かけ「十五年戦争」の中、無視され続けた昭和天皇
第四章 朝日新聞の豹変、昭和天皇の苦悩
第五章 産業革命がもたらした光と彰
第六章 国民が「蚊帳の外」に置かれた新憲法制定
第七章 中国共産党に傳く朝日新聞に、読者離れが止まらない
第八章 朝日は、中国共産党と「運命共同体」
第九章 朝日新聞に、国民の「ご裁断」
第十章 朝日と共に、虚報に躍って散った政治家と「リベラル病」患者たち
第十一章 大手メディアに続く「厳しい環境」
最終章 昭和天皇は、朝日新聞がお嫌いだったのか


つまり、「大東亜戦争は植民地解放戦争の自衛戦争だった。米国との戦争を煽り戦意高揚に朝日新聞は躍起になったが、昭和天皇は開戦に反対だった。終戦後、朝日新聞は豹変して共産党と運命共同体となり、慰安婦問題や南京大虐殺などを報じて国益に損害を与えている」というような(ありきたりの)内容です。果たしてどのように昭和天皇に朝日新聞を批判させるのでしょうか。

根本的な認識不足

昭和天皇に関する結論部の論理性の検証は後にします。それよりなにより、この筆者は、朝日新聞があまりに憎すぎて、ついつい朝日新聞ばかり読んでしまい、他の新聞を読んでいないという皮肉に陥っていますので、その点を指摘したいと思います。

この池原氏は、戦前・戦中の朝日新聞の軍国調の記事を取り上げて、朝日新聞の戦争責任を厳しく問いただします。たとえば戦闘機献納や、ミッドウェー海戦で勝利したと国民を偽ったこと、戦意高揚のための鬼畜米英記事、ヒトラー礼賛記事などが取り上げられます。

このような「朝日新聞の戦争責任」を追及したがる保守論客が時々いますが、これはおかしな話です。というのも、当時は時局下ということもあり当時の新聞各社は厳しく検閲されており、いずれも軍国調でした。今では保守の鑑である産経新聞(当時は産業経済新聞)も、戦前は朝日新聞と同じく軍国調そのもので、事実、その責任を問われ経営者だった前田久吉は戦後に公職追放を受けています。

そしてなにより、大本営発表は嘘八百でしたから、ミッドウェー海戦報道で朝日新聞報道だけが非難されるというのは不可解です。

したがって、朝日新聞の戦争責任だけを追及するのは全く非論理的です。保守論客は、朝日新聞だけはしっかり読ようですが、産経新聞など他のものはあまり読まないという傾向があります。この理由は単純で、朝日新聞は戦前のものから現代のものまで縮刷版が刊行されていて容易に参照可能ですが、産経新聞は戦前の縮刷版を刊行していないため参照が困難だからです。国立国会図書館に行けばマイクロフィルムで戦前・戦中の各紙を参照できますので、せめてそれをしてから朝日新聞を批判して欲しいところです。

昭和天皇は、朝日新聞がお嫌いだったのか

ところで、本のタイトルにもなっている「昭和天皇は、朝日新聞がお嫌いだったのか」という問いへの回答は、もちろん「嫌いだった」ということになりますが、その論拠に妥当性があるとは言い難いものです。『昭和天皇独白録』を根拠としながら次のように述べます。


昭和天皇が独白録で述べている通り、不審の男であり連れてきた朝日も朝日だった。好き嫌いをあまり見せない昭和天皇が不審な「策動」に対し強い不快感を示した。

「繆斌は陸軍の飛行機で日本に来たが、どうして杉山(陸相)がこれを許したか、諒解に苦しむが、彼の来朝は朝日の記者、田村真作という者の薦めで緒方竹虎が策動したものである」(独白録)

 池原富貴夫『昭和天皇は、朝日新聞がお嫌いだったのか』ベストブック, 2015, p. 178


ややこの事件(および著者の理解)には説明が必要です。この繆斌という人物は、親日政権の中華民国臨時政府の要人で、1945年に重慶国民政府の密命を受けて、日中の単独和平交渉を小磯國昭内閣に提案した人物として知られます。この和平交渉に、天皇が不信感を示したのが一節が上記の『独白録』です。

つまり、@昭和天皇は繆斌が持ち込んだ和平交渉に不審を抱いていた、Aその繆斌を連れてきたが朝日新聞記者だった(そして緒方竹虎は元朝日新聞副社長)という、二つの根拠が合わさって、「昭和天皇は朝日新聞が嫌いだった」という結論が導かれます。

滅茶苦茶強引なような気がしますが、著者の自信は揺らないようです。


昭和天皇の決意 @「朝日の策動」を潰して、朝日を徹底的に無視する
池原富貴夫『昭和天皇は、朝日新聞がお嫌いだったのか』ベストブック, 2015, p. 180
と昭和天皇のお気持ちを代弁します。また、昭和天皇が不信感を抱かれた背景として、「朝日の実体は、緒方を筆頭にした「政治結社」そのものだった」とか、「「ゾルゲ事件」の尾崎秀美も上海特派員で、田村真作の先輩だった。朝日は政治ゴロのたまり場のようだ」など陰謀論を展開し、朝日新聞は共産主義の手先だったと言わんばかりの論調で責め立てています。

しかし、これらに朝日新聞社が関係していたからと言って、僅か一文だけを根拠にして、昭和天皇が朝日新聞という会社そのものを徹底的に無視し、嫌っていたことの根拠になるのかは怪しいものです。

まとめ

アクロバティックな解釈で昭和天皇と朝日新聞を結び付けてしまった筆者のテクニックには恐れ入りました。かかる点で、極めて優秀な「朝日新聞陰謀論」を披見したと評価せざるを得ません。

しかし「朝日新聞は、常に儲かる方に動く「便所のドア」だった」とまで難じる池原氏の強弁には、一体何が彼をそうさせたのかと思わずにはいられませんでした…。

https://rondan.net/489


▲△▽▼

2019.02.09
【トンデモ】『朝日新聞「戦時社説」を読む』(室谷克実|毎日ワンズ, 2014)
https://rondan.net/543

Contents

1 新聞の戦争責任
2 新聞紙法を完全無視
3 朝日の反軍記事を無視
4 コミンテルンの陰謀
5 まとめ


新聞の戦争責任

戦前・戦中の軍国主義の中、新聞社がいかに国家体制に随従し、戦争賛美してきたかについては数多くの論文・書籍が発表されています。この「新聞と戦争」の問題について、入手しやすいものとして書籍として、例えば次のようなものがあります。


1山中恒『新聞は戦争を美化せよ!:戦時国家情報機構史』小学館, 2001.
2朝日新聞「新聞と戦争」取材班『新聞と戦争』朝日新聞出版, 2008.
3前坂俊之『太平洋戦争と新聞』講談社, 2007.
4今西光男『占領期の朝日新聞と戦争責任:村山長挙と緒方竹虎』 朝日新聞社, 2008.
5読売新聞戦争責任検証委員会『検証 戦争責任』上下巻, 中央公論新社, 2009.
6鈴木健二『戦争と新聞:メディアはなぜ戦争を煽るのか』, 2015.

このように「新聞と戦争」をめぐる書籍は数多く出版されているのですが、これらをほとんど読まずに、朝日新聞の戦争責任だけを執拗に追及する論文や書籍をしばしば見かけます。それら論文・書籍は、あまりに「朝日新聞憎し」が前面に出過ぎて、冷静な判断ができていないものが殆どです。その中でも今回は、室谷克実『朝日新聞「戦時社説」を読む』(毎日ワンズ, 2014)を取り上げながら、「朝日新聞の戦争責任」論の問題点を逐次紹介したいと思います。

新聞紙法を完全無視

戦前・戦中の新聞は、「新聞紙法」によって国家方針に合致する内容しか報道できませんでした。したがって、戦前・戦中では、いずれの新聞も一様に軍国調であり、国民の戦意を掻きたてました。したがって、この「新聞紙法」を考慮して、当時の主要紙すべてを取り上げてその戦争責任を問わなければなりません。

にもかかわらず「朝日新聞の戦争責任」を追求したがる一部保守論客(つまり本書)は、この「新聞紙法」による検閲があったことを全く顧みず、朝日新聞の軍国調記事だけを取り上げて非難します。

朝日の反軍記事を無視

このように「新聞紙法」のなかにあっても時として反軍的な記事が新聞に掲載されました。その中で有名なのは、1944年2月23日付の毎日新聞が、戦局が思わしくない旨の記事を載せ、陸軍報道部や東条英機がこれを反軍的内容であるとして弾圧した事件でしょう(竹槍事件)。この事件を室谷氏は高く評価し、朝日新聞の報道態度と比較して次のように言います。


ともあれ戦争には賛成しているものの、戦争の実態を伝え、ごまかしでない敗戦回避への提言をした点では、大きな意義があった。
逆に朝日は、戦局の悪化が国民の目にも明らかになり始めた昭和十九年後半から、盛んに叫ばれるようになっていた特攻精神、精神主義を繰り返し煽り、訴えるようになる。
 室谷克実『朝日新聞「戦時社説」を読む』毎日ワンズ, 2014, p. 218

しかしこれはアンフェアな比較です。というのも、朝日新聞も戦中に反軍的な記事を書き、記事差し止め命令の弾圧を受けています。すなわち、1943年1月1日付の朝日新聞で、東条英機を名指しで批判する「戦時宰相論」が掲載され、記事差し止めの圧力を受けた事件です。(仔細については、辻田真佐憲『空気の検閲』光文社, 2018, pp. 256-260を参照)

このように朝日新聞にも、ごまかしではなく本音を書こうとした事件がありました。このような事件も含めて公平に考察しなければなりませんが、室谷氏は戦中の朝日新聞の反軍記事を等閑に付してしまっています。

コミンテルンの陰謀

ところで、戦後今日に至るまでの朝日新聞批判の要点は、その内容が反日的であるという点に集約されます。しかし、戦前・戦中の朝日新聞が軍国調であることを根拠に戦争責任を追及するならば、戦前・戦中の朝日新聞は国家の方針に忠実に従った極めて愛国的なものであったはずです。当時は、反軍的な記事を書くことこそが反日でしたから。

したがって愛国を自称して戦前回帰を唱える現代保守が、戦前・戦中まったくの愛国であった朝日新聞を批判するというジレンマの構造が生じます。

このジレンマを解消させる有効な解決法が、「朝日新聞の裏にはコミンテルンがいた」という陰謀論です。次のように主張されます。


中村菊男教授が指摘する「朝日新聞戦犯」論も、実は戦中の社説よりも、満州事変から日米開戦に至るまでの朝日新聞の論調を問題視したのだと私は想像している。すなわち、日本が対米開戦に踏み切らざるを得ないよう誘導したと思われる論調だ。ここで見逃せないのが、コミンテルン(ソ連が支配した国際共産主義組織、日本共産党も実は「コミンテルン日本支部」だった)のスパイ活動だ。
 室谷克実『朝日新聞「戦時社説」を読む』毎日ワンズ, 2014, p. 23

こんな陰謀論は、著者の主観の産物でしかないのですが、主観の産物であるからこそ、まともな考察もせず次のように断言します。


ゾルゲ・尾崎一派が配置していたであろうコミンテルン・スパイ網の暗躍がなかったのか。つまり、対ソ方面(満州)は固定したまま日米開戦に進ませようというベクトルが働いていたのではないかと疑わざるを得ないのだ。
 室谷克実『朝日新聞「戦時社説」を読む』毎日ワンズ, 2014, p. 33

つまりコミンテルンのスパイ活動によって、朝日新聞が扇動され、その尖兵となった朝日新聞が日本が戦争せざるを得ないように仕向けたというのです。

まとめ

このように、室谷克実『朝日新聞「戦時社説」を読む』は、朝日新聞「戦時社説」しか読まず、朝日憎しの主観に基づいて、自分の気に喰わないことの原因を何でもかんでも朝日新聞に帰してしまう、典型な陰謀論の一つと評価できるでしょう。


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コメント
1. 中川隆[-9547] koaQ7Jey 2019年6月18日 07:01:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2923] 報告
真理の徒は石もて追われ _ 日本人が自分達の間違いを明らかにする人間を絶対に許さない理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/481.html
2. 中川隆[-9005] koaQ7Jey 2019年7月18日 16:49:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3694] 報告

南京大虐殺や従軍慰安婦強制連行の否定派を叩いているのは殆どが本多勝一の元ファンだよ
日本の反米左翼も殆どが本多勝一の元ファン

本多勝一はルポルタージュの天才で、文章力も取材力も本質を見抜く洞察力も天才的だったから、当時の学生はみんな熱狂的なファンになった。朝日新聞の記者は殆どが 本多勝一に憧れて朝日新聞に入ったと言われていた。

昔の日本のインテリ学生はみんなドストエフスキーとカフカの小説、 本多勝一・梅原猛・河合隼雄の本、そして つげ義春の漫画、フルトヴェングラーのレコードに囲まれて育ったんだよ。
それが共産主義国が潰れてから、学生は全員 今だけ金だけ自分だけ という価値観に変わり、何時もスマホばかり弄って、チャンネル桜みたいな体制擁護で嘘八百のアホ番組しか見なくなったんだ。
__

1971年、本多勝一が中国において日本軍の足跡の取材を行った際(「中国の旅」)、南京において、日本軍に虐殺された様子をさめざめと泣きながら語ってくれたそのご家族の方に対し、取材のお礼のあいさつを兼ねて語った言葉です。

「 南京大虐殺が行われていた当時、私はまだ幼児でした。おっしゃるように、たしかに一般人民としての幼児の私には、この罪悪に対して直接の責任はありません。

本質的には、中国の民衆と同じく、日本の民衆も被害者だった。ですから私は、同じ日本人の罪悪であっても、私自身が皆さんに謝罪しようとは思いません。

問題は過去より現在なのです。日本の一般人民は、日本敗戦後二十数年を過ぎた今なお、中国で日本人が何をしたかという事実そのものを知らされていません。

日本がまた侵略戦争への道を歩んでゆく危険があるとき、それを私たちがもし何もしなしで傍観しているとしたら、こんどは私たちに直接責任があることになるでしょう。過去の軍国主義を おわび したところで、何にもなりません。現在の軍国主義への危険を阻止することこそ、真の謝罪になるのです。

今度取材した日本軍のツメあとの報道は、このような意味で現在の軍国主義の進行を阻止するための、ひとつの闘いになるものと信じます。」

朝日文庫 『殺す側の論理』 「反省なき民族」のために より  

因みに、「中国の旅」が朝日新聞に連載された頃はまだ中国戦線で戦った元日本兵が沢山生存していた時代で、朝日新聞には
今更そんな大昔の話を掘り返すな、戦争というのはあんなものなんだ
という非難が殺到したそうです。
しかし、「中国の旅」の記事が嘘だとか間違いだと言った元日本兵は一人も居なかったのですね。

その直後から、CIAが文春、新潮と右翼に金を出して本多勝一叩きが始まったのです。
本多さんは24時間ヤクザに付け回されて、それ以降外出する時は必ずカツラを被ってサングラスをかける様になりました。

渡部昇一は本多勝一が在日朝鮮人だというデマをマスコミで拡散していました。
本多勝一みたいに体制側に都合の悪い真実を明らかにすると、何一つ反論できないから朝鮮人認定して真実を否定しようとするのですね。

鈴木明みたいに「中国の旅」で紹介されていた百人斬りが捏造だったというインチキ本『南京大虐殺のまぼろし』を書いて恥かいたバカもいたし。

南京大虐殺が昭和天皇の命令で組織的に行われたというのが日本人に知られると天皇制を廃止せざるを得なくなるので、CIAも日本政府も必死で情報封鎖せざるを得なかったのです。

因みに帝銀事件は731部隊の元隊員が犯人だとわかっていたのですが、731部隊の人体実験を命令したのが昭和天皇だと知られると困るので、CIAが捜査中止命令を出して、何の関係も無い平沢貞通を犯人に仕立てたのがわかっています。

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