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国家を亡ぼす「狂った税制」
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/730.html
投稿者 中川隆 日時 2019 年 11 月 25 日 09:29:52: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 新自由主義を放置すると中間階層が転落してマルクスの預言した階級社会になる理由 投稿者 中川隆 日時 2019 年 4 月 16 日 11:09:23)


国家を亡ぼす「狂った税制」2019-11-25
三橋貴明
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12548637154.html


 さて、消費税が増税されましたので、予想通り法人税減税の議論が始まりました。

『自公税調議論スタート 企業支援に力点

 自民、公明両党の税制調査会は21日、それぞれ総会を開いて2020年度税制改正に向けた議論を本格スタートさせた。12月12日をめどに与党税制改正大綱を取りまとめる。10月に消費税率を引き上げたばかりとあって今回は増税を極力避け、企業に投資を促す法人税減税など企業支援策を中心に検討する見通しだ。(後略)』

 自民党の税調では、表向きは「投資減税」云々の議論がされますが、最終的には「単なる法人税減税」に落ち着くでしょう。何しろ、毎度毎度、「雇用減税」「投資減税」の議論がされるものの、普通の法人税減税に入れ替わり、「なぜ?」と思うパターンなのでございます。


 いや、もちろん、投資減税や雇用減税もやるのです。とはいえ、
「そもそもデフレ期に、企業が投資をしたり、従業員給与を引き上げたり、処遇を改善したりするか!」
 という話で、結局は「単なる法人税減税」分、配当金と自社株買いが増え、内部留保(現預金)が積みあがっていくという結末になっています。


 民間非金融法人企業の現預金は、恐ろしい状況になっており、すでに270兆円規模です。

【民間非金融法人企業の現預金(億円)】
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/image-12548637154-14649034819.html

出典:日本銀行 資金循環統計

 安倍政権が始まった2012年12月時点と比較すると、一般企業の現預金は80兆円近くも拡大したことになります。

 安倍政権が本気で「デフレ脱却」を目指すならば、法人税はむしろ増税するべきです。企業が「過大な利益を残す」ことに対して罰金を強化するのです。


 もちろん、わたくしにしても企業経営者としては、法人税増税は嫌ですよ。とはいえ、それはミクロな話であり、マクロなデフレ脱却が目標ならば、法人税は増税です。


 利益を残すことへの罰金が増えれば、企業は投資(減価償却費)、人件費、交際費などの費用を拡大します。すなわち、消費・投資という需要が増えるのです。


 同時に、政府は財政拡大で需要を創出する。

 需要拡大により、投資利益率が拡大すれば、初めて企業は本格的な設備投資に乗り出します。
 反対側で、法人税増税により「投資しない、給料上げない」ことに対する罰則を強化するわけです。


 結果的に、投資が拡大し、給料も引き上げられ、ようやく日本は本格的なデフレ脱却への途に就くことになるでしょう。


 ちなみに、現預金が膨れ上がっているからといって、「内部留保課税」などと、私有財産権の侵害をしてはいけません。やるなら、法人税増税です。


 そもそも、税金とはストック(資産)ではなく、フロー(所得)にかけるものです。所得がない者からは、税金を取らない。それでいいのです。


 そういう意味で、我が国には固定資産税(ストック課税)、消費税(所得がない者からも取る)という悪税があります。税金の役割、


1.ビルトインスタビライザー(埋め込まれた安定化装置)
2.所得再分配
3.租税貨幣論
4.政策的税制


 を無視し、弱者からも容赦なく採る「安定財源」にして、所得再分配どころか、逆累進課税。さらには、デフレ期に「消費に対する罰金を増やす」政策目的しかない消費税を増税する。


 反対側で、法人税を引き下げ、株主への配当金を増やす。自社株買いを促す。
 金持ちは、より金持ちへ。中間層は、貧困層へ。貧困層は、超貧困層へ。


 わが国の税制は、明らかに↑を目指している。ところが、国民が本質を理解しないため、事態が全く是正されない。


 税制は、国家の基本です。法人税減税+消費税増税は、
「所得の有無にかかわらず、国民から税金を徴収し、企業に投資できる株主に配当金、自社株買いとして貢ぐ」
 という政策的な目的しかありません。

 この現実を国民が共有し、正しい税制、具体的には「消費税廃止と法人税増税」を主張する政治家を押し上げていかなければなりません。このままでは、我が国は「狂った税制」により亡びます。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12548637154.html  

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コメント
1. 中川隆[-15273] koaQ7Jey 2019年11月25日 09:38:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2354] 報告

「日本の失われた10年」は昭和63年税制改革が原因である。
EU型付加価値税は誤りで累進所得税こそ経済を活性化させる

2004年10月27日 水曜日

◆資本主義で失業率改善と税収増と株高を同時達成する 吉越勝之
http://www.geocities.jp/mirai200107/p0.htm

「別表日米90年間の年度別最高税率と経済」を調べてみると、米国は1910年代
後半から、50−75%の高累進所得税制で空前の好景気に沸いたが、1925年に
最高所得税率を史上最低の25%へ所得規制緩和し、承継したフーバー大統領誕生の
1929年アメリカで株価大暴落が発生し世界大恐慌へ突入したのです。

その3年後、多数の米国会議員の努力で成立した失業率を大改善し、本格的経済成長
に大成功して世界恐慌を完全克服し世界大戦の膨大な戦費を賄った上、財政再建に大
成功して世界一の経済大国となり株価上昇の原点となった、最高所得税率63−92
%へ税制改革の「必要は発明の母で生まれたルーズベルト税制」を分析し理論化した
のが本論文であります。

日本は戦後一般消費税を拒否し、この米国型直接税制を採用し国税75%の高累進所
得税制で高度経済成長と財政健全化に大成功したのです。 
しかし米国の強力な競争相手に成長した我国が、税制への無理解から平成元年にEU
型間接税中心税制へ大転換し米国型経済成長税制を放棄してしまったのです。 

この日本の競争力低下に助けられクリントン米大統領はルーズベルト税制を参考に
「富裕層所得税の累進強化の税制改革」を断行し国家競争力を再強化し株高と景気回
復と財政再建の同時達成に大成功を納めたのであります。

逆に直接税の所得規制緩和税制改革のレーガン税制やブッシュ税制では所得再配分機
能の低下を招き、個人消費は停滞減少し本格的経済成長と財政再建の同時達成に必ず
失敗するのです。

さて成熟経済においてアメリカと同じく納税者番号制を伴った高累進所得税の増税で
所得を規制強化し、且つ消費税を廃止し個人消費を規制緩和すると、国民所得が大幅
増加して失業率低下と経済成長と大幅な税収増の同時達成という素晴らしい結果を得
られます。 

この立証に世界一の経済大国アメリカと第二位日本で何回も大成功した実例を紹介し、
このメカニズムを詳細に分析しています。


逆にEU型間接税制で、消費税を大増税して高度経済成長と失業率大改善の同時達成
に成功した成熟経済大国の成功実例は皆無であり、消費税率を上げて個人消費と設備
投資を規制強化すると、景気は後退し、失業率は悪化し税収は増加出来ません。

消費税制では何故そうなるかについて解説しています。さて日本独特の消費慣行から、
消費税制の副作用は極端に出るので日本が消費税制に固執し、財政赤字をタレ流せば
財政は破綻し莫大な国債が残り必ず政治責任が発生します。

この税制改革理論は国家を誠実で正直な国民を要素部分とする全体、つまりシステ
ムと考え国民性に合致する国家システムで強力に経済成長させる手法を解説します。

◆この税制改革理論の結論の要約 吉越勝之
http://www.geocities.jp/mirai200107/p0.html

◆日本は戦前、マスコミ、政治家、官僚の広めた理念観念を礼賛し、武力によって膨大
な国土を獲得したが、7000万人の国民を食べさせることも困難な大不況の国家だ
ったのです。

ところが敗戦の昭和20年に「焼け野原の国富ゼロ」から出発し、日本固有の領土に
大幅縮小されたのに、国民と国家の「考え方」と「システム」を、「個人消費を課税
規制せず、逆に増進しながら徴税する自由と平等思想の高累進所得課税の税制改革」
によって、平成元年までに、何と1億2000万人の国民が食うに困らない「無から
有の年平均74兆円の国富を生み出し43年間でビルが林立する、国富3190兆円
増(経済企画庁発表)の国民が豊かに暮らすことが出来る国家」へ成長したのです。

ところが平成元年、個人消費を課税規制して個人消費を抑圧しながら徴税する間接税
中心税制へ大転換し、更に所得税の累進を弱体化させた税制改革以降、年々国富は減
少し、平成14年度の国富は2799兆円と確定発表されており、この14年間の国
富は391兆円減であり、年平均減少額はマイナス28兆円にもなるのです。

本論文は「経済は神の手ではなく人間が営むもので、人間の手で改悪も改善もできる」
のであり、分析の結果、経済不況が継続している原因は「平成元年の税制改革」にあ
ったことを後述の通り明らかにし、その改善方法を解説したものです。

さて「個人消費+設備投資=国民所得」の経済公式があり、更に設備投資の増減は、
個人消費の増減に正比例する重要な性質がありますので、結果として市場経済では個
人消費の増減が国民所得の増減を決定する、基本的な経済構造になっているのです。

所得税は所得を課税して規制する税ですが、所得は他人から稼得する性格から、他人
の意志決定で増加するため、本人所得に直接課税規制する方法は、他人の意志決定を
課税抑圧することにならず、ましてや本人の意欲と意志と全く無関係に増加するので、
直接税制の大きな利点は、所得増加の意欲と意志の人間行動を全く規制抑圧しないと
いう点なのです。

しかも「個々の所得を累進課税で累進強化すればするほど、消費性向が低い高額所得
者から、より多い税収を得、国家の基本的機能の一つである所得再配分機能が自動的
に作動し、国家財政は、公務員や公共事業や建設事業従事者等の中低所得者層の人件
費に使用され、低所得者層ほど個人消費性向が極めて高い事実から、国家全体の消費
性向は徐々に高まり、個人消費が増加し、比例して設備投資も増加し、個人消費と設
備投資の両者から等価変換される国家全体の国民所得は急速に向上するのです。

所得税の累進構造は個別の所得を課税規制し、国家税収を増収しながら、経済成長を
達成する巧妙なシステムを内在していたのです。

それに引き換え、消費税は、本人の意欲と意志で増殖する個人消費を、本人に直接課
税し個人消費増加の意志決定を抑圧して税収を得る、抑圧的なシステムであり個人消
費の増加そのものが抑圧され、設備投資も減少し国民所得も税収も停滞後退するので
す。

個人消費過少、貯蓄過多の日本人の国民性において経済成長と財政再建を同時達成す
るには、平成元年の間接税制への大転換は経済的合理性と科学性が全く無い税制改革
だったのです。

◆さて企業の生産設備が超進化しロボットが大量生産を行っても、国民総生産(GNP)
としては全く計算されないのです。

それを人間が現実にカネを支払い「個人消費した瞬間」に始めて国民総生産として計
算され把握されるのです。

この経済の仕組みの深い意味と個人消費を維持増強する経済システムの重要性を、ま
ず理解しなければなりません。

つまり個人消費は人間しか行なわず、どんなに機械化し生産性を挙げても、機械は絶
対に個人消費は出来ず、更に当たり前のことですが、世界最強の企業や最強の国家と
いえども現実に個人消費をするのは人間であるという現実は変えられないのです。
しかも人間は所得が順調に増加しないと継続して良好な個人消費が絶対に出来ない原
則があるのです。

更に進化システム(後段詳述)の科学技術の発達によって民間の生産力増強は、需要
さえあれば民間自身で可能なので、「国家は科学技術振興策より国家自身の責務とし
て国内個人消費を規制抑圧せず、更に財政再建のため増税しながら国家全体の個人消
費の増強効果を発揮する税制改革の実現」こそが重要なのです。

イギリスの大経済学者ケインズの言うとおり、個人消費こそ国民所得を増加させ国民
全体に国富をもたらすからです。

結局、経済成長は「消費の意欲」を規制抑圧しない税制改革が大切であり、資本主義
の間接金融国家日本では、設備投資や個人消費の増加意欲が強ければ、「国内総生産
と総需要の増加」の不足資金を賄うために「自己資金を活用する以外に国内民間銀行
の貸出総残高の増加」という形で現実のおカネの増加流通をもたらし、市場経済は経
済成長していくのです。

逆に「個人消費意欲を課税で規制抑圧する税制改革をすると」それに応じて国内資金
が国内消費や国内設備投資へ向かわず、国民所得は減少後退し、退蔵預金として固定
化し滞留し、国内資金の回転率が悪化し、更に海外投資や不正資金の逃避などで海外
へ流出して、経済成長は停滞、後退するのです。

結局進化システムの資本主義経済においては「お客様は神様であり」言葉を変えると
「個人消費は神様仏様である」のです。

◆次に国家の全租税収入は国民所得の一定割合であり、租税負担率を引き上げることな
く租税収入を増やすには結局の所、個人消費+設備投資(=国民所得)を増やす以外、
つまり経済成長を実現する以外方法はないのです。

日本経済の最大の問題点は、国民所得が連年低下状況であり経済成長どころか後退し
ています。

本論文では一貫して税制は、人間行動の意欲と意志への自然な動機付け手段であり、
個人消費+設備投資=国民所得の増加方法つまり経済成長に役立つ、強力な税制改革
を述べています。

「戦前の戦陣訓と同じく」知識人が頭の中で考えた「公平、中立、簡素」などの「言
葉の羅列による強制」では、人間文化の発展である意欲と意志で成り立つ資本主義の
成長発展には何の意味も為さず、経済成長に全く役に立たず害悪ですらあるのです。

大事なことは一台1000万円するベンツを年間10台買える消費者5人と一台一万
円する自転車を年間一台しか買えない消費者95人が存在する、国民所得5億95万
円の国家よりも、一台1000万円するベンツを年間3台買える消費者3人と、一台
450万円するクラウンを年間2台買える消費者33人と、一台180万円するカロ
ーラを年間1台買える消費者62人と、一台一万円する自転車を年一台しか買えない
消費者が2人存在する国民所得4億9862万円の国家の方が国家全体の国民所得が
ほぼ同一でも、国産自動車メーカーのトヨタ自動車が存在しうる存立基盤が国家内に
確保されるのです。

結局のところ資本主義の成長発展は、貧富の格差があまり無く中流意識を持った豊か
な消費者を、如何に多数作るかの、国民所得の増殖創出システムと、配分システムが
全てなのです。

したがって、市場経済の資本主義における問題解決方法は「人間の過剰性の本能(150参照)」と「個人消費の進化システム性」と「国民の所得階層別の消費性向の
事実(別表P4参照)」について科学的に理解することが最重要なのです。

◆更に付け加えれば、購買力平価へ近づけなければならない為替相場において、わずか
年間15兆円の貿易収支の黒字を得るために国家が推し進めた継続的な輸出振興策に
よる「異常な円高により」国内企業の見かけ上の人件費を高騰させ、国内の設備投資
環境を破壊し資本収支を14−15兆円の赤字とした上、国内外企業の対等で平等な
価格競争を破壊し、外国企業との仕事の奪い合いで国内人件費比率の高い産業は常に
国際競争で敗退を続け、結果として死に物狂いの生き残り競争により「単価・粗利益
率が継続的に減少」し、結果として国家経済と産業構造に大きな痛手となっているの
です。

国家全体をコントロールしなければならない、指導層が「自由貿易体制」を隠れ蓑に、
国家経営層の重大な責務である「貿易収支の均衡と資本収支の均衡がもたらす管理の
利益」を放棄しているために、起きている膨大な悲劇なのです。

根本的に年間500兆円以上の国内個人消費+設備投資の継続的で持続的な増殖を図
り続けることが、日本国の産業構造をゆがめず、アメリカ経済にも中国経済にも頼ら
ず、日本独自の力で経済成長を継続できる、真に日本経済の利益になるのです。

さて現状の最悪な税制の組み合わせを、昭和天皇の崩御の一週間前の昭和63年12
月30日法律107号として、急いで「税制改革法」として強行成立し、その「第4
条第一項」に、今次の税制改革は、所得課税において税負担の公平の確保を図るため
の措置を講ずるとともに、税体系全体として税負担の公平を資するため、「所得課税
を軽減し」「消費に広く薄く負担を求め」「資産に対する負担を適正化すること」等
により、「国民が公平感を持って納税し得る税体系の構築を目指して行なわれるもの
とする」と強制規定し、この税制改革が国民の幸福や福祉の向上に役立つ明確な証拠
も理論も実績も無いのに、如何にも、もっともらしい目的らしきものを掲げ法文化し
てしまったのです。

結局この条文によって現状の日本経済は最悪の事態に追いこまれた上「日本の税制改
革の方向性が固定的、観念的な税制イデオロギーに支配される結果」をもたらし、強
い経済規模縮小作用と税収減少作用を持つ税制を強制的に経済の中核システムへ持ち
込み財政再建が絶対不可能なレベルにしてしまったのです。

これこそが昭和天皇が奇襲攻撃に強く反対していた太平洋戦争開始時の状況と全く同
一の「日本のマスコミや国会議員や官僚等による事実を確かめないまま思い込みによ
る最悪の選択」だったのです。

この不幸の生い立ちと、誤った目的意識を掲げた平成元年の消費税導入の税制改革が、
国民へ絶対に幸福をもたらすことは無いのです。

この状況を根本的に改善するためには、まずこの税制改革法第4条第一項の税制改革
の目的を、観念的、信念的な税制イデオロギーから解き放ち「税制改革は憲法で規定
している国民の幸福と福祉の向上と資本主義経済の発展に役立つものでなくてはなら
ない」と、当たり前の税制改革の原則的な目的を再確認する本来の方式へ大改正する
ことです。

目的錯誤の法律は百害あって一利なしであり、政策立案者がフリーハンドの思考で経
済成長と税収増加と国民の福祉向上へ同時に役に立つ政策立案の強い障害になるだけ
だからです。

そのためには、まず全く誤った結論を法律化した「現行税制改革法の抜本的な改正」
が必要です。

一国の総理大臣が自分の任期中は消費税増税をせず、広く議論すべきと宣言している、
今こそ「日本経済にとって何が経済成長にとって役立つ税制なのか、何を規制緩和し、
何を規制強化すべきか、」事実を元に真実を再研究する最後の機会になると思います。

◆さて「経済成長とは」「科学技術の無限の進歩」により、絶え間なく上昇する労働生
産性を吸収して、企業売上を増加させ「全国民へ働く職場を提供し、資本や税収や、
国民所得を増加させるため」「個人消費(第三者へ所得を与える利他的行為)の持つ
無限の増殖性」を活用した、進化システム技術を言うのです。

分かりやすく表現すれば「経済成長とは」後述の通り「人間文化そのものである個人
消費の種類、質、量の増殖」の貨幣経済的表現なのです。

さて日米の全税制史を調べると「1925年米国は所得獲得者や資産所有者を優遇す
ることが正しい選択であると誤解し、税制は景気に無関係であると誤解し、当時50
−73%の高累進所得税率で好景気を謳歌していたのに、25%へ低下させる所得規
制緩和策を実施し、4年間継続した結果、1929年に株価大暴落に続く世界大恐慌
を引き起こしたのです」。

3年後に最高所得税率を25%から、63−>92%へ劇的に累進増税し所得規制強
化し「米国はわずか6年間で失業率の悪化を食い止めバブル崩壊前の国家税収を完全
に回復して、本格的景気回復軌道」へ載せたのですが、アメリカでさえ本論文の理論
は認識されておらず、このアメリカの増税策はやむをえず取られた政策と評価され、
50年後の大規模財政赤字を発生させたレーガン政権や現在の子ブッシュ政権の大減
税政策の強行でも明らかです。

しかしレーガン政権後のクリントン政権が場当たり的で失敗すると批判された累進所
得税等の増税政策で、本分析通り見事に本格的経済成長と財政再建の同時達成に大成
功したのです。

これに対して日本の平成2年初からのバブル崩壊は税制を、最高所得税率75%―>
50%へ所得規制緩和し、更にアメリカが採用したことの無い3%のヨーロッパ型付
加価値消費税を導入し個人消費へ規制強化したことが「原因」であるのに、バブル崩
壊後、景気が完全回復していない、平成10年には、更に最高所得税率を50−>3
7%へ所得規制緩和し、更に消費税率を5%へ個人消費規制強化したため、日本経済
を更に最悪の経済環境へ陥れ、結果として、日本経済は泥沼に陥り国家税収は更に大
幅減少し「バブル崩壊後15年も経過してるのにバブル前の税収に遠く及ばず」若者
の実質的失業率は最悪化し、多くの結婚も出来ない経済状況の若者を多数出現させ、
合計特殊出生率はますます悪化し、年金問題はますます解決困難に向かい、日本民族
は消滅の未来に向かっているのです。

では、なぜ税制が、このように強力な効果を持つのかを分析し研究した結果が本論文
であり、「この税制改革理論の結論の要約」と「別表日米90年間の年度別税率と経
済」「日米と主要経済大国を基礎データーで比較」だけでも読み進めば「税制が持つ
誰でも理解できる簡単で巧妙な原理と、もたらされる結果のデーターに、びっくりさ
れると思います。」    

従来の税制改革論議は税制が経済的に中立を装うという市場経済を無視した、大きな
誤りがありますので、市場経済に適応した、資本主義の本家であるアメリカの税制と
日本の高度経済成長期の税制を基礎に、新たな税制改革理論を打ち立て、自立してア
メリカと対等に強力に経済競争しながら、地球環境へ適応して日本国が発展していく
「第二の明治維新」を目指さなければなりません。

◆さて人間の過剰性を悪く解釈するだけでは人間性の否定につながり、まして輸出に課
税せず内需と輸入のみを課税するのは「対等な平等競争ではなく」その国の不平等な
反人間的論理なのです。

国家コストを消費税という税制で、自国民に役立つために生産された内需商品と、輸
入商品のみに課税転嫁して自国民のみ負担させ、自国で作り出された輸出という自国
民に全く役立たない輸出商品の国家コストを、輸出相手国に全く負担させない偏った
性格を持つ間接税なのです。

それに比較して所得税等の直接税は国家コストである税金を、商品価格に転嫁して自
国民の作り出した価値にすべてに平等課税し、内需商品、輸出商品、輸入商品に関わ
らず、商品価格に混入させ国家コストを自国民へ役立つ内需、輸入商品については自
国民へ負担させ、他国民へ役立つ輸出商品については輸出相手国に負担させる「自国
民にも他国民にも国家コストを経済的に対等で平等に割り振り負担させる税制」なの
です。

さて競争の中で「何を規制すべきで何を規制すべきでないか判断するのが政治」なの
です。

本論では同時に、この税制改革理論で主張している政治改革が実現出来れば、「人間
の本質が進化と生き残り本能」である以上「地球環境をこれ以上悪化させず人類が生
き残る方向」へ、自動的に経済成長が進むことを確信しています。

なんとなれば膨大な数の人間は五感で生き残りの方向を本能的に判断するセンサーを、
動物として保持しているからであります。

現に経済成長につれ膨大な数の国民は医療、環境保護、社会福祉、エネルギーなどへ
の関心が高っていることをご理解頂けると思います。

◆さて成熟経済では、なぜ個人消費規制緩和の消費税廃止や、所得規制強化の直接税の
累進増税で強力な経済成長を達成し、経済問題を根本的に解決できるのでしょうか。

(任意行動)少数ですが、自ら所得獲得額の調整ができる企業経営に携わる人たちや、
寄付を多額にする利他的意識の強い人たちかいます。
所得が多いと税を多額に納付しなければならず過剰に所得を取りすぎるのを控える行
動が生じます。
これが「直接税の所得規制のインセンティブ(動機付け)効果」なのです。

これは強力なオスライオンでも満腹になったら順位の低いライオンにエサを譲る「畜
生でさえ遵守している大自然の掟である自然界の無意識の利他的ルール」と同一なの
です。

これによって力の弱いライオンや他の動物も生き残り自然は豊かに繁栄できるのです。
逆に人間社会の強者の所得独占行為は、大自然のルールでは極めて不自然な行為なの
です。

結局その人が満腹で放棄した所得は「任意の自由意志で中低所得者への所得配分」さ
れ、より所得の低い人が生き残り、新たな個人消費が発生する経済の無限連鎖が確立
し、これによって消費性向の高い中低所得者から、更に多くの所得の原資となる個人
消費の自己増殖が得られ、等価変換される国民所得の向上に寄与し、強者は更に所得
獲得チャンスが増加し、且つ中低所得者が生き残れて増殖できるので、将来中低所得
者から優れた人材を突然変異と競争で得られる機会が増加し社会を進化発展させる共
存共栄の利益を得るのです。

つまりライオン(高額所得者の所得)を増やすには下層の草食動物、更に下層の植物
層(個人消費)を増やさなくては、ライオン自身増殖できないのです。

(強制行動)直接税の税率が高くても、自分で所得や資産を全て獲得したい人は多額
の税を支払うことなり消費性向の低い高額所得者から得た税収は国家によって公務員
の給与や、公共事業を通じて、ほぼ全額中低所得者層に配分されることとなります。
これが「直接税の強制的な中低所得者への所得配分のシステム効果」なのです。
これを適正担保するため「納税者番号制はアメリカと同じく絶対に必要」なのです。

(結果)個人消費は強力な自己増殖性を発揮する進化システムであり消費税での課税
強化は悪影響が生じますが、直接税は全く個人消費を課税規制しないので、大幅増税
しても進化システム効果は自然に充分に発揮されます。

更に中低所得者の消費性向はきわめて高く、常に上の階層の消費を目指し個人消費の
増殖能力も高いので、任意や強制により中低所得者へ配分された所得は、結果として
中低所得者の個人消費を通じ国家全体の消費性向を押し上げ、次の所得の源泉となる
個人消費が活発になり「設備投資を伴った本格的景気回復」が達成されるのです。

つまり所得税は個人消費と貯蓄への所得の使い道に平等に課税する結果をもたらし、
消費税は所得の使い道のうち個人消費のみを課税し、貯蓄を非課税にするため個人消
費を最小限にして貯蓄へより多く回す、不自然な経済行動を取らせてしまうのです。

つまり所得税の他に消費税を導入するということは結果として個人消費に二重に課税
する結果になり個人消費への規制抑圧になって国民所得と経済成長が停滞します。

所得税は消費税と異なり、個人消費を直接課税抑圧せず、所得の使い道である個人消
費と貯蓄へ不平等競争条件も持ち込まず、更に販売現場へ販売抑制効果も持ち込まず、
更に高所得者層と中低所得者層の消費性向の違いを活用し、所得配分機能を持つ国家
を通じて高額所得者からの税収をより消費性向の高い中低所得者へ配分し国家全体の
消費性向を引き上げる強力なシステム効果を発揮します。

更に「所得税累進増税は所得の大幅増加をもたらし且つ所得の増加は税収の増加をも
たらす」ので「国家と国民の目的は同一」になり、国民所得を増加させると国民が喜
ぶ上、国家も税収増となるので、政治家と官僚は国民所得の向上つまり経済成長に本
気に取り組めるのです。

これも直接税のインセンティブ(動機付け)効果といいます。
これが「直接税の進化システム効果とシステム効果とインセンティブ(動機付け)効
果」の三位一体の効果なのです。

つまり直接税は税率を高くすればするほど、国民所得が向上し景気が良くなる上、税
収がドンドン増える便利な税金だったのです。

アメリカが世界大恐慌後の50年以上にわたり採用した高累進税制こそ、アメリカ資
本主義の基礎をしっかりと発展進化確立した税制なのです。

http://www.asyura2.com/0411/hasan37/msg/454.html

クリントン政権が本格的経済成長と財政再建の同時達成に大成功した理由 吉越勝之

進化シ
ステム税制と経済を再構築すること」を提案しているのです。
さてこの理論の「実証」として、1929年10月の株価大暴落はアメリカ税制史上、
直接税の最大の減税環境(最高所得税率25%)で発生したのであり、平成2年から
始まった日本の株価の大暴落も全く同様であり、直接税の大減税は景気回復の手法と
いう通説は全くの虚偽であり、景気悪化の原因そのものなのです。
その後この世界大恐慌を回復させ資本主義を発展させた、レーガン政権誕生までの、
50年間にわたる累進大増税政策(63−92%)と、その後の累進弱体化減税政策
のレーガン政権でもたらされた記録的な財政赤字を解消し、記録的な大成功をもたら
したクリントン政権の富裕層への直接税の累進増税政策と、日本の高度経済成長期の、
消費税無しの直接税の累進増税政策(国税のみで75%)を「手本に」「所得税等を
累進増税すると個人消費増強効果が強まるので素直に増税し」その分「個人消費の進
化システム機能を常時規制抑圧している消費税を完全撤廃し個人消費の自然な増加を
促進し」相乗効果で「500兆円以上の膨大な個人消費の種類・質・量の自己拡大を
図り財政負担無しに国民所得つまりパイの継続的拡大」を図る「経済の出発点」で
「経済再生の根本」である「個人消費を時代に応じて増殖する進化システム機能を自
由に発揮させ」豊かな内需環境を整備する税制改革を実行すべきです。
http://www.asyura2.com/0411/hasan37/msg/456.html


日米の全税制史を調べると「1925年米国は所得獲得者や資産所有者を優遇することが正しい選択であると誤解し、税制は景気に無関係であると誤解し、当時50−73%の高累進所得税率で好景気を謳歌していたのに、25%へ低下させる所得規制緩和策を実施し、4年間継続した結果、1929年に株価大暴落に続く世界大恐慌を引き起こしたのです」。

3年後に最高所得税率を25%から、63−>92%へ劇的に累進増税し所得規制強化し「米国はわずか6年間で失業率の悪化を食い止めバブル崩壊前の国家税収を完全に回復して、本格的景気回復軌道」へ載せたのですが、アメリカでさえ本論文の理論は認識されておらず、このアメリカの増税策はやむをえず取られた政策と評価され、50年後の大規模財政赤字を発生させたレーガン政権や現在の子ブッシュ政権の大減税政策の強行でも明らかです。

しかしレーガン政権後のクリントン政権が場当たり的で失敗すると批判された累進所得税等の増税政策で、本分析通り見事に本格的経済成長と財政再建の同時達成に大成功したのです。

これに対して日本の平成2年初からのバブル崩壊は税制を、最高所得税率75%―>50%へ所得規制緩和し、更にアメリカが採用したことの無い3%のヨーロッパ型付加価値消費税を導入し個人消費へ規制強化したことが「原因」であるのに、バブル崩壊後、景気が完全回復していない、平成10年には、更に最高所得税率を50−>37%へ所得規制緩和し、更に消費税率を5%へ個人消費規制強化したため、日本経済を更に最悪の経済環境へ陥れ、結果として、日本経済は泥沼に陥り国家税収は更に大幅減少し「バブル崩壊後15年も経過してるのにバブル前の税収に遠く及ばず」若者の実質的失業率は最悪化し、多くの結婚も出来ない経済状況の若者を多数出現させ、合計特殊出生率はますます悪化し、年金問題はますます解決困難に向かい、日本民族 は消滅の未来に向かっているのです。
http://www.asyura2.com/0411/hasan37/msg/456.html

2. 中川隆[-15270] koaQ7Jey 2019年11月26日 10:54:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2350] 報告
竹中先生の思想 _ 人頭税が理想の税

佐藤雅彦・竹中平蔵『経済ってそういうことだったのか会議』
(日本経済新聞社、2002)からの引用)

佐藤 (前略)いったいこの世の中に「理想の税」というのは存在しているのか、あるいはこうすればより「理想に近い税のあり方」になるはずだというのがあるのなら、最終的にはその辺までさらにお聞きしたいなと思っているんですけど。

竹中 いきなり理想の税は何かと聞かれるとすごく難しいんですけど、この話の出発点として、あえて話をややこしくさせるために答えるなら、私は人頭税というのが理想の税だと思うんですね。


佐藤 人頭税?

竹中 そうです。佐藤さんにも、私にも、皆同じ金額をかけるんです。国民一人ひとりの頭数にかけるわけですから、これほど簡単なものはないですね。(後略)

 竹中大臣の理想の税は、人頭税。要するに、所得が100万円の人も、所得が1億円の人も同じ金額の税を負担せよということです。これに賛成する方は、竹中氏を応援しましょう。


佐藤 (前略)国っていうのは正当化されたヤクザと言ってもいいんじゃないですか。

竹中 おっしゃる通りです。税金というのは結局ヤクザのみかじめ料みたいなものです。国は強制的にお金をとるのに大義名分や理屈を並べたてるけど、ヤクザはいちいちそんなことは言わない。みかじめ料と税金の差は、それくらいのものでしょう。

 竹中大臣は、よほど税金をとられるのがいやなのでしょう。
 民主主義国家であれば、選挙で選ばれた国会議員が法律で税制を定めるはずです。日本だってそうです。なのに、国家をヤクザとなぞらえ、税金をみかじめ料になぞらえる。相当歪んでませんでしょうか・・・。


竹中 (前略)・・・やはり多くの人は税による所得の「再分配効果」というのを期待するわけです。再分配効果というのは、たとえばこういうことです。佐藤さんはすごく所得が多いとする。こちらのAさんは所得が少ない。そうすると、Aさんは

佐藤さんからお金を分けてもらいたいわけです。佐藤さんが儲けたお金の一部を自分ももらいたいんですよ。もらいたいときに、政府を通してもらうんですよ。

佐藤 でも、それ、もらいたいって、ずるいじゃないですか。

竹中 ずるいですよ、すごく。『フェアプレーの経済学』という本にもはっきりと書かれているんです。著者はランズバーグという数学者なんですけど、すごくシンプルに見ていくと、今の税はおかしいと言うのです。彼はそれをこんなふうに表現しています。

 子供たちが砂場で遊んでいるんです。ある子はオモチャをたくさんもっている。その子はお金持ちの家の子なんですよ。もう一人の子は家が貧しいからオモチャを一個しかもってないんです。しかし、だからといって、自分の子に向かって「○○ちゃん、あの子はオモチャたくさんもっているからとってきなさい・・・・・」などと言う親がいるかというわけです。

 ところがそんなことが、国の中では税というかたちで実際に行われているという言い方をしているんですね。これは、みんなのやる気をなくさせる原因になります。(後略)
http://literacy.jugem.jp/?eid=37


竹中平蔵総務大臣は、かってこう語った:

 経済格差を認めるか認めないか、現実の問題としてはもう我々に選択肢はないのだと思っています。みんなで平等に貧しくなるか、頑張れる人に引っ張ってもらって少しでも底上げを狙うのか、道は後者しかないのです。
 米国では、一部の成功者が全体を引っ張ることによって、全体がかさ上げされて、人々は満足しているわけです。実質賃金はあまり伸びないけれども、それなりに満足しているのです。(「日経ビジネス」2000年7月10日号)

 もちろん貧富の差というのは歴然としていて、81年のアメリカというのは道路に穴があいているし、失業者が待ちにあふれていて治安が非常に悪かった。そういう面での問題というのは明らかにありました。しかし、例えば自分がその気になって高い教育を受けて、高い所得を得たならば、そのひどい時代のアメリカでも、きっと豊かに安らかに暮らせたでしょう。〔引用者注:アメリカ生活を振り返っての発言〕(竹中平蔵・阿川尚之『世界標準で生きられますか』)
            (以上、斎藤貴男『機会不平等』からの孫引き)

 あんたなんかに、引っ張りあげてもらわなくて結構です。「それなりに満足している」などと、一体何様のつもり?(再読して怒りがよみがえってきた。)
http://literacy.jugem.jp/?eid=37


税制改革−竹中平蔵氏

竹中氏は、「将来的には、完全なフラット税、さらには人頭税(各個人に対し、収入に関係なく一律に課せられる税。中根注)への切り替えといった、究極の税制を視野に入れた議論を行うことも必要だろう。」とまで主張しています。


※ここからは、特記あるものを除いて、枠内の文章が『日本の論点'99』(文藝春秋、1998年11月10日発行)に掲載された竹中平蔵氏の論文、枠外の文章が私の批判である。


今日の経済社会は、二つの意味で、従来にはなかったフロンティア(最先端。未開拓の分野。中根注)に直面している。第一のフロンティアは、市場というフロンティアである。東西冷戦体制が続いていた一九八〇年代終盤、つまり今から約一〇年前の時点で、この地球上には二十七億人の市場経済人口が存在していた。それ以外の人々は依然として「壁」の向こう側にあり、われわれが通常取引可能な対象ではなかったのである。

しかし、東西冷戦の終焉(しゅうえん)によって、ロシア、東欧経済が市場経済に参入してきた。中国やベトナムなどアジアの社会主義国も、マーケットに入ってきた。その結果市場経済人口は、いまや五十五億人を超える水準に達している。わずか一〇年足らずの間に、我々にとっての市場が二倍になったことを意味するが、同時に市場における競争相手も倍増したことになる。このように、市場というフロンティアが急拡大し、同時にメガ・コンペティション(大競争。中根注)が促進されている環境のなかに、今日の日本経済は置かれている。


「市場というフロンティアが急拡大し、同時にメガ・コンペティションが促進されている環境」が世界で構築されていることは事実だが、日本がその環境に飛び込んで行く必要はない。大切なことはグローバル化された経済への適応ではなく、「一国平和主義」に基づく「自給自足型経済」の構築である。「一国平和主義」に基づく「自給自足型経済」の構築は他国や他国民との間の混乱や対立の発生を未然に抑止してくれる。そして、それが日本の平和と万民の安寧な生活につながるのである。それとは逆に、「グローバルな経済」は他国や他国民との間に混乱や対立を引き起こすばかりか、自国民に対しても有害である。事実、「グローバル・スタンダード」を振りかざし世界中に進出しようとするアメリカに対する反発は根強いものがあるし、民営化と市場開放が行われた中南米の状況は決して芳(かんば)しいものではない(下段注)。さらに言えば、「グローバルな経済」は自国の労働者を世界的な競争の渦に巻き込んでしまう。そして、そこでは「国際競争力の強化」を名目とした金持ちの横暴(賃下げ、解雇)がまかり通ることになるのだ。果たして、そのことがいいことなのだろうか。

下段注・・日本経済新聞の原田勝広編集委員が1998年7月23日付の同紙夕刊で中南米の実情を記しているので、それを紹介させて頂く。「東西対立の時代が終わり、二十一世紀のキーワードは何か? 成長著しい中南米での貧の反乱≠フ先鋭化をみると、『富の偏在』ではないかと思える。規制緩和、市場経済万能の先にくるもの、それは時流に乗ってより豊かになる層と絶望的な貧困層との分裂の時代といえる。 (中略) 貧困の問題は元々存在した。しかし、今あるのはネオリベラリスモ(新自由主義)による失業であり、新しい貧困だ。自由競争は富の集中を促すが、再配分は念頭にない。『平等』イデオロギーを担った左翼政党やゲリラは影が薄い。リストラや緊縮財政で福祉予算は削られ、労働組合は弱体化。不満のはけ口がない。思えば、ペルーの日本大使公邸人質事件は、その意味で、分断社会を予告する事件だった。中南米の多くの国々は歴史的に一部の金持ちが国の富を独占する歪んだ社会構造だが、それを放置したままの自由化は問題が多い。『教育に力を入れる必要がある』(イグレシアス米州開銀総裁)との認識はあるものの、情報革命の中でインターネットを駆使する富裕層と学校に行けず、未熟練労働者としてしか生きられない貧困層の格差は開く一方だ。米国をはじめ先進国でも所得の格差は広がっている。ロシア・東欧や経済再建を目指すアジアでもその可能性がある。二十一世紀は不均質社会である。日本も例外ではなく、企業も人も自由化の波にのまれ、所得格差の大きい、分裂社会に入っていかざるをえない。中南米は弱肉強食のジャングルの中に一足早く放り込まれた。民営化と市場開放で外資もなだれ込んでいる。典型的なウィンブルドン現象(後掲中根注)のアルゼンチンなど、国内販売高の半分、輸出の四割が外資系だ。」

後掲中根注・・ウィンブルドン現象とは、市場開放により参入した外国企業に国内企業が抗しきれず、市場において衰退していってしまうことである。イギリスのウィンブルドンで行われるテニス大会で外国人の参加を認めた(元々はイギリス人の大会であった)ために、選手のほとんどが外国人選手になってしまったことがこの言葉の由来。


これに対し第二のフロンティアは、技術のフロンティアである。今日、通信情報革命に代表されるような技術革新が急速に進行しており、これにどう対応するかは、どの経済社会にとっても大きな課題であろう。問題は、技術革新に支えられた今日の経済社会では、従来とは異なった市場競争メカニズムが働いているということだ。いわゆるデファクト・スタンダード(事実上の標準、典型例がベータを押しのけたVHS。=中根注)という言葉が示すように、いまや市場の中で早い時期に地歩を築き、実体的な世界基準を確立した企業や個人が、圧倒的に有利な立場に立つことができる。つまり、技術に支えられたネットワーク型社会の到来により、広義の規模の経済性(より正確に言えば『ネットワークの経済性』)が圧倒的に重要な役割を演じるようになったのである。

こうした社会では、失敗を恐れず試行錯誤を重ねながら、市場での成功にチャレンジするシステムが求められる。成功すれば、『ウイナー・テイクス・オール』(一人勝ち)のメカニズムの下で、莫大な利益を享受することができる。


「ウイナー・テイクス・オール」(一人勝ち)のメカニズムは人心の安定や万民の安寧な生活につながるのかどうかを考えてみるべきである。もちろん、答えは「ノー」だ。アメリカの実情(下段注1、2、3、4)がそれを証明している。また、莫大な利益を享受した者がそれを一人占めにすることは貧富の格差の拡大を招き、社会全体に悪影響を及ぼす。竹中氏には、人心の安定や万民の安寧な生活についてよく考えてもらいたい。

下段注1(2002年5月17日追記)・・以下の表とグラフは、アメリカ商務省センサス(census 一斉調査、国勢調査)局の家計所得五分位表に基づき作成したものである。これは、アメリカの世帯を収入順に五つの階層に分類し、それぞれの階層の所得の合計が全体の所得の合計においてどれだけの割合を占めているかを示したものである。なお、上位5%の階層は、特別に示されている。アメリカ商務省センサス局の説明文は以下の通り(「All Races」は全人種という意味)。

Share of Aggregate Income Received by Each Fifth and Top 5 Percent of Families (All Races)

アメリカ商務省センサス局作成の所得五分位表 → http://www.census.gov/hhes/income/histinc/f02.html


下段注2・・「米誌『ビジネスウィーク』は九日発売の最新号で一九九七年の米企業経営者報酬番付を発表した。トップはシティーコープと世界最大規模の合併を発表したトラベラーズ・グループのサンフォード・ワイル会長で、年間報酬総額は二億三千万ドル(約300億円)余り。同誌によると、アメリカの大企業三百六十五社の最高経営責任者(CEO)の平均報酬は780万ドルで、前年比で35%増えた。一方、労働者の賃金は前年比で2.5%(ブルーカラー)ないし3.8%(ホワイトカラー)しか上昇しておらず、対象企業平均でCEOは労働者の三百二十六倍の報酬を得た、と計算している。」(1998年4月10日付中日新聞夕刊)

下段注3・・「『問題は多くの人が低賃金の就職を余儀なくされていることだ』と米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)系の人的資源開発研究所、テンプルトン局長は低失業率に隠された問題点を指摘する。米国でも『コンピューター技術など専門的な技能がなければ、給料のいい職業を見つけるのは難しい』(テンプルトン局長)のが実情。」(1998年6月8日付中日新聞夕刊)

下段注4(2002年5月17日追記)・・「米国の成長率が六%だった一九六〇年代中期、米国の会社のトップ経営者(CEO)と、製造業の労働者との所得比は三九対一だった。それが三〇年間の低成長ののちの一九九七年には二五四対一になった。格差がこのレベルにまで達すると、もはや経済的な根拠では正当化できず、イデオロギー的な正当化しかなくなる。」(『世界』2001年2月号、岩波書店、この文章の著者は経済政策研究所のジェフ・フォー氏とラリー・ミシェル氏)


アメリカという国は、ある意味でこうしたフロンティア型の構造を他の諸国以上に持っていた社会である。十九世紀の西部フロンティア開拓に象徴されるように、需要供給メカニズムを重視し、市場におけるインセンティブ(刺激、報奨=中根注)を尊重するシステムが、建国の歴史のなかで培われてきたという利点がある。


だが、それは利点ではなくて難点である。先に紹介したように、アメリカ社会では、犯罪・麻薬・飢餓・貧困といった問題が蔓延している。アメリカの団体である「Food First」は3000万人のアメリカ人が飢餓状態にあると指摘した(下段注1)。しかも、そのうち、1200万人は子供であると言う。こうした数字が示されること自体、国家として恥ずかしいことである。ところが、アメリカはこうした数字を出されても全く恥じ入ることがない。それどころか、「飢餓や貧困は、政治や経済が悪いからではなく、その人物(飢餓や貧困に苦しむ者)が悪いからだ」と決めつける国なのである(下段注2)。これが「自己責任」なるものの実態である。「競争原理」「自己責任」が貫徹されているアメリカは無慈悲な国である。そのことを知らなければならない。

下段注1(この論文の日本語訳が掲載されているビル・トッテン氏運営のサイト「Our World」から引用。なお、今回の「Food First」の論文は「No.228」に掲載されている。)

「米国を350万人の億万長者がいる国とみるか、3,000万人の飢えに苦しむ人間がいる国とみるか ―― 米国で飢餓や貧困が増加している原因」

<飢えに苦しむ米国人の数は中東と北アフリカの飢えた人間の合計に匹敵する>

中東と北アフリカ 3,700万人
米国 3,000万人
(出所:FAO、The Sixth World Food Survey 1996、ローマ)

<飢餓は食糧不足ではなく貧困による>

まず、米国そして世界のどの国においても飢餓は偶然の出来事ではないということを知って欲しい。世界に食糧は不足していない。もちろん米国でも食糧は不足していない。

また飢餓について知っておくべきことは、どの国においても、たとえ飢饉の時でさえ金持ちは決して飢えることはないということである。飢餓に陥るのは最も貧しい者たちである。

米国議会のために行われた調査によると、3,000万人を超す米国人、つまり国民の9人に1人が、毎月何日間か、自分または家族のための食べ物を買うことができない。そしてお腹を空かせた1,200万人の米国人(全体の40%)は子供である。

1985年以降、米国で飢えに苦しむ人の数は50%増加した。偶然にもこの時期 は米国がその歴史の中で最も長期間にわたり、絶え間ない繁栄を遂げた時期でもある。それにもかかわらずなぜ人々は飢えるのか。

それは、経済が拡大する一方で、その恩恵を受ける米国人の数は減っている からである。新しく創出された富の大部分が、米国の最富裕層の懐に入っている。確かに失業率は低い。しかし、働く貧困者たちはもはや自分達の収入だけでは生計を立てることはできない。

飢餓の増加は、所得格差の拡大で説明がつく。第三世界でも同じ現象を見てきた。第三世界には、消費の高いエリート層、減少傾向にある苦闘する中間層、そして増大する飢餓層がいる。

今、同じ状況が米国で起きている。しかし、富める者も貧しい者もひとまとめにした楽観的な政府の経済報告からは、この事実は把握できない。


下段注2・・下段注1で紹介した「Food First」は、この点について、以下のように糾弾している。(この論文の日本語訳が掲載されているビル・トッテン氏運営のサイト「Our World」から引用。なお、今回の「Food First」の論文は「No.228」に掲載されている。)

「米国を350万人の億万長者がいる国とみるか、3,000万人の飢えに苦しむ人間がいる国とみるか ―― 米国で飢餓や貧困が増加している原因」

米国は個人の権利を守ることに誇りを持っている。個人の権利、それはすなわち人権である。しかし、世界の中で米国は唯一、極貧から食べ物を手に入れることもできない人に対して、それをその人自身のせいだと非難し、経済的な不公平に対しては政治的な解決策がないと無視する国なのである。その結果、米国民は先進工業国中最悪の所得格差や欠乏状態を容認している。我々の子孫のためにも、これをいますぐやめなければならない。


八〇年代以降、ヨーロッパをはじめとする世界の主要国が、こうした働き(二つのフロンティアであると思われる。=中根注)に対応する税制に向けて動き出したことを認識する必要がある。


認識することは必要だが、追随することは必要ではない。それが重要である。


それでは、フロンティア型の税制とはどのような税制だろうか。具体的に、資本・労働など生産要素に対する課税を大幅に低下させ、かつ税率をフラット化することである。 (中略) 各労働の潜在能力を積極的に発揮させる意味で、所得税の最高税率を引き下げることが緊急の課題なのである。

戦後日本の極端な累進税制は、一方で社会の核となる強固な中間所得層を生み出したが、他方では、ともすれば悪しき結果平等の価値観を普及させ何事も『人並みに』『ほどほどに』こなす社会を作った。しかし、日本経済はもはや高度な成熟社会に達し、かつすでに指摘したように、目前には二つのフロンティアが拡大している。


わずかな高額所得者を優遇するために税制を変更するべきではない。税制は、「万民の安寧な生活」と「平等社会の実現」を念頭にして考えられるべきである。つまり、貧富の格差を拡大する金持ち優遇税制を進める必要はないということだ。むしろ、貧富の格差の縮小(=結果の平等の促進)を目指して、金持ち層に対する課税を強化すべきだ。最高税率の引き上げ、贅沢(ぜいたく)品への課税強化、株式や土地の売買による利益への課税強化が必要だ。既に十分恵まれている金持ち層を優遇する必要はない。また、課税最低限の引き上げや消費税の廃止で低所得者層を優遇すべきだ。


フロンティアの時代には、能力がありかつ努力を重ねて高所得を得ている人々を讃(ほめたた)える税制が必要だ。そうすることによって、結果的に社会全体の活力が高められる。


「高所得を得ている人々」は既に十分恵まれているのだから、わざわざ「讃(ほめたた)える」必要はない。国家の役割は「万民の安寧な生活の構築・維持」をすることであり、金持ちを称賛することではない。また、竹中氏は「結果的に社会全体の活力が高められる」としているが、これには問題がある。確かに金持ちと高能力者の活力が高まる。だが、それだけであろう。それ以外の人々には、「大きな政府」による「結果の平等」政策がない限り、恩恵は及ばない。


市場において高い活動エネルギーを持っている人に対し、極端な累進税制でペナルティーを課すことはやめなければいけない。いわば、『規制緩和としての税制改革』であり、『頑張れば豊かになれる夢』を国民に与えることである。


「極端な累進税制」はペナルティーではない。高率の所得課税は社会への恩返し税制なのである。たくさんの所得を得ている人間が自分を育ててくれた社会へたくさんの還元をする。これは当たり前のことではないだろうか。


最高所得税率水準としては当面四〇パーセント程度を目指すが、その際、法人税率と同水準にするという点に、もう一つのポイントがある。また将来的には、完全なフラット税、さらには人頭税(各個人に対し、収入に関係なく一律に課せられる税。中根注)への切り替えといった、究極の税制を視野に入れた議論を行うことも必要だろう。


「完全なフラット税、さらには人頭税への切り替えといった、究極の税制を視野に入れた議論を行うこと」はまったく必要ない。それは金持ちのためだけの税制である。フラット税や人頭税が導入されれば、貧富の格差が拡大する。貧乏人はますます貧乏になり、金持ちはますます金持ちになるということだ。国家の役割は「万民の安寧な生活の構築・維持」である。金持ちのために税制を改悪することではない。


こうした改革は、政治・経済的にも重要な効果をもたらす。それは、累進構造の緩和が、必然的に小さな政府をつくる力学を持っているからだ。所得税率が極端な累進構造になっている場合、大きな政府が作られて痛みを感じるのは、一部の高額所得者だけである。


「高額所得者」は既に十分に恵まれている。多少の痛みなど問題ではない。「大きな政府」で「万民の安寧な生活の構築・維持」することこそ、重要だ。


これまで日本では、比較的順調な経済発展が続いてきたため、こうした税制の問題を十分に検討することなく済まされてきた。しかしいま、経済活力の回復のためにも、フロンティア型税制改革を幅広く検討する必要に迫られている。


「税制改革を幅広く検討する」ことは確かに必要だ。しかし、そこで大切なことは、既に十分に恵まれている高額所得者を優遇する必要はないということだ。「万民の安寧な生活」と「平等社会の実現」を念頭にして税制は考えられるべきである。
http://homepage3.nifty.com/nskk/ronpyo001.htm

3. 中川隆[-15269] koaQ7Jey 2019年11月26日 10:55:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2349] 報告
日本の税制は竹中先生が大好きな人頭税に近い:

【森永卓郎】年収150万円と3000万円で“税率”が同じ国【SAFETY JAPAN】


日本の税制が低所得者を保護している例として、よく次のようなことがいわれる。

1.日本の課税最低限は諸外国に比べて高い
2.日本の税制は累進課税になっている

 1は、分かりやすく言い換えると、「あなたは稼ぎが少ないから税金を払わなくてもいいですよ」という収入の水準(課税最低限)が、日本は諸外国よりも高く設定されている、という意味だ。

 2は、簡単に言えば、「貧乏人はあまり税金を払わなくてもいいが、金持ちになればなるほど高い比率で税金を払っている」という意味である。

 どちらも事実であれば、日本の税制は低所得者に優しい制度であるということになる。どうも、日本人の7割から8割が、こうした「神話」を信じているようだ。そのため、政治家からさえも、次のような議論が出てくる。

 「日本は低所得者に甘い税制になっており、お金がない人が税金を支払っていない。だから給与所得控除、配偶者控除、特定扶養控除などを廃止し、より低い所得の人からも税負担をさせるべきだ」

 だが、この二つとも、実は大きな誤りなのである。


【低収入でもしっかりと税金を徴収する国、日本】

 1の「日本の課税最低限は諸外国に比べて高い」という議論に対する反論は簡単だ。財務省のサイトにある「所得税・個人所得課税の負担額、実効税率、課税最低限に関する国際比較」というページを見ればいい。

 世帯構成別の国際比較がでているが、それを見れば一目瞭然だ。例えば、夫婦と子ども2人の4人家族の場合、所得税の課税最低額は、次のようになっている。

日本 325.0万円
イギリス 376.7万円
アメリカ 378.5万円
フランス 410.7万円
ドイツ 508.1万円

 つまり、ドイツでは年に508万円稼いでも所得税を払わなくていいが、日本では年に325万円を超える額を稼いでしまうと、所得税を払わなくてはならないということだ。

 家族構成が変わっても、日本の低さは変わらない。ほとんどの場合、日本の課税最低限は先進国のなかで、もっとも低いレベルなのである。稼ぎが少なくてもしっかりと税金をとられているのが日本という国なのである。


【社会保険料という「税金」も念頭に入れて計算するべき】

 では、2の「日本の税制は累進課税になっている」という議論はどうか。もしそれが本当ならば、課税最低限が低くても、低所得者にとっては優しい税制といえるはずだ。

 我が国の所得税、住民税の税率は次のようになっている。

 所得税の税率は、10%、20%、30%、37%の4段階。
 住民税は、5%、10%、13%の3段階。

 この二つの税の税率は、所得が増えるに従って増えていく。所得が低ければ、両方を足して15%や20%程度の税負担率で済むが、金持ちになると最高で50%になるという勘定だ。

 これだけを見れば、確かに累進課税になっているといえるかもしれない。

 だが、ちょっと待ってほしい。税負担はこれだけではないのだ。本当に支払わなければならない「税金」をすべてひっくるめてみると、実は「貧乏人のほうが税率が高い」という構図が浮かび上がってくるのである。

 それはどういうことか。

 その前に、わたしたちが負担している税金の種類を押さえておこう。税金は、所得税、住民税だけではない。消費税も払っているし、ガソリンには揮発油税がかかっている。家を持てば固定資産税がかかるし、車や不動産を買えば取得税が、温泉に入れば入湯税がかかる。

 だだ、税金の種類によっては生活習慣や趣味によってその額が大きく変わるので、ここでは所得や消費に直接かかわる税金だけを考えていくことにしよう。

 では、所得や消費に関わる税金で見落とされているものとは何か。それは、社会保険料である。つまり、健康保険や厚生年金などだ。

 「社会保険料は税金ではないだろう」と反論されるかもしれないが、事実上、税金と同様と考えてよい。理由は三つある。

 一つ目の理由は、社会保険料の使用目的である。かつて、政府の人間はこう言っていた。「あなたの払った保険料は、ほかの人に使われるのではありません。あなたに戻ってくるのです。だから保険なのです」。

 だが、そんなウソを信じている人は、もうほとんどいないだろう。社会保険料は本人のために積み立てられているのではない。現在の高齢者のために、右から徴収して左へ払うようになっているのである。少なくとも保険料でないことは明らかだ。

 二つ目の理由は徴収方法である。少なくとも、国民健康保険は、政府みずからが「国民健康保険税」と呼んでいるように、税金となんら変わりない。国民健康保険の納入通知は、世帯主に郵送されてくることからも分かるように、政府は明らかに税金として扱っている。

 三つ目の理由は財源である。年金の財源には、社会保険料と税負担が並立で当てられている。そして、基礎年金の税負担割合は、現在は3分の1だが、これを2分の1へと引き上げることも予定されている。

 こうなると、税金として徴収するのも、保険料として徴収するのも変わりない。その境界はかなり曖昧なのだ。

 給与所得者(サラリーマン)にとっては、どちらも給料から天引きで持っていかれるという面では同じなのである。

 前置きが長くなったが、ではその社会保険料の比率(税率)はどうなっているのか。

 実は、サラリーマンについては、すべて比率は一定とされている。だが、ここにからくりがある。厚生年金保険料は年収1000万円を超えると、超えた分についてはかからないのだ。つまり、年収が1000万円でも、2000万円でも、5000万円でも、1億円であっても、厚生年金保険料は同じ額なのだ(ただし、ボーナスと給料への配分比率によって若干の違いがある)。

 同様にして、健康保険料は年収1500万円を超えるとみな同じになってしまう。

 額が変わらないということは、要するに、所得が多ければ多いほど税率が下がっていくということだ。社会保険料という「税金」は、累進どころか、逆累進なのである。


【年収150万円と3000万円で、本当の税負担率を計算すると】

 さて、この社会保険料をプラスして、本当の意味での税負担率を計算してみよう。

 その前にはっきりさせておきたいのは、税金は所得に対して計るべきであるということだ。現に、法人税は、法人の「所得」に対して何パーセントかを算出している。

 ところが、サラリーマンの場合は、往々にして「収入」に対して計算されている。これでは、公平な比較はできない。

 収入と所得を混同している人も少なくないようなので説明しておくと、「所得」というのは、「収入(売上)」金額から「必要経費」を引いた金額である。仕事に必要な費用である必要経費をマイナスした、本当に自分のために使えるお金が所得というわけだ。サラリーマンにとって必要経費に当たるのは給与所得控除である。これは、財務省が「サラリーマンの必要経費の概算控除」という説明をしているので間違いない。

 こうした前提のもと、サラリーマンの実質的な税負担率を定義すると、次のような式で計算されることになる。

              税額
実質的税負担率 = ――――――――――
           収入−給与所得控除

 実際にわたしがこれで比較してみたところ、大変なことが分かった。なんと、我が国の現状では、年収150万円の世帯と、年収3000万円の世帯の税率が同じになっているのである。

 さらに今後、消費税が引き上げられるとどうなるか。

 消費税の税負担率は、低所得者層ほど高くなることはよく知られている。なぜなら、どんなに収入が低くても、生活する上で必要最低限のものは、お金を出して買わなくてはならないからである。そうしたものの金額は、大金持ちでも貧乏人でも、それほど大きく変わるわけではない。だから、分母が小さい低所得者ほど、税負担の比率は大きくなってくるというわけだ。

 つまりは、今後、消費税の負担が大きくなると、年収150万円の世帯のほうが、年収3000万円の世帯よりも、税負担率が大きくなってしまうわけである。


【「濡れ手で粟」のもうけに対する税率が低い不思議】

 世の中には、年収3000万円どころか、何億円、何十億円と稼いでいる人間がごろごろといる。そうした人たちの税金はどうなっているのか。

 そうした人たちの収入の内訳をみると、給与所得で地道に稼いでいるということはまずない。ホリエモンや村上世彰がいい例だろう。彼らは、株を安く買って高く売るという、株式譲渡益でたんまりと稼いだ。

 では、株式譲渡益の税率はいくらかというと、たったの10%なのである。対して、サラリーマンの税率は、企業負担分を含めると30%以上だ。

 事実、ホリエモンはわたしよりもずっと納税額が少ないらしいのだが、そんなことがあっていいのだろうか。彼は、わたしより1000倍も稼いでいるというのに。

 それどころか、人によっては、みなし取得価格という特例を使って、何百億、何千億稼いでも税金を一銭も払っていない人がいる。これでは、モラルも何もあったものではない。

 わたしの考えでは、やはり税制度は累進課税であるべきである。少なくとも、今のように、貧乏人が金持ちよりも税率が高くなるというのは、いくらなんでもおかしいではないか。そんな国はどこを探してもない。

 短期の株式取引益が10%という国もない。少なくとも、ホリエモンのように、粉飾決済をして株を譲渡してもうけた金は、課税率100%でいいではないか。そんな犯罪でもうけた利益は没収してもいいと思うのだ。現にフランスでは、悪質な短期取引に対する課税率は100%である。

 もちろん、一般投資家が身の丈の範囲で株取引をしているのは別の話である。それはきちんと保護するべきだろう。問題は、インサイダー情報を利用して、1秒で何億円を動かしているような人間である。

 安倍総理には、ぜひともそこを改めていただきたいのだが、どうもそんな気配はうかがえない。むしろ、逆の方向に進んでいるように見える。

 だが、ここでじっくりと税金の思想というものを考えてみようではないか。

 わたしは、税金というのは、汗水垂らして庶民が稼いだ分に対しては低く抑えるべきものだと考える。そして、濡れ手で粟をつかんだようなあぶく銭に対しては「楽をして金をもうけたのだから、多めに税金を払って国民のために協力してほしい」というものなのではないだろうか。
http://www.asyura2.com/0610/hasan48/msg/480.html

4. 中川隆[-15260] koaQ7Jey 2019年11月27日 07:20:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2339] 報告
要するに竹中先生の理想とする世界というのは:


人口100人の青い目の人達の村 _ 正義マン村があった。

4人の資本家に支配された労働者庶民96人が住んでいた。

資本家の年俸は2億円、残りの庶民は年俸200万円
全体で9億9200万円の紙幣が循環していた。

正義マン村では、自動車は6〜7台しか売れず、他の者は自転車だった。
暴動や略奪や薬物中毒・犯罪が頻繁に起こっていて
ズタズタなスラム社会になった。


その村の隣に、一億総中流島という人口100人の島国があった。

20人の知恵者をリーダーとした職人庶民80人いた

リーダーの年俸は1440万円、残りの職人は年俸500万円

全体で 正義マン村より少しすくない6億8800万円の紙幣が循環していた。

その村では、自動車は100台売れた。 自転車も売れた。

あらゆる産業が学問が医療が社会福祉が発展し
インフラが整備されていき、すばらしい街を形成していった。

5. 中川隆[-13899] koaQ7Jey 2020年2月09日 12:34:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-562] 報告

株主ではなく、働く国民が豊かになる国を 2020-02-09 三橋貴明
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12573828138.html


 さて、実質賃金です。
 予想通り、2019年は12月もマイナス。結局、2019年に実質賃金が対前年比プラスになったのは9月のみで、それ以外は全滅。
 通年でも、▲0.9%と、ついに90年以降の最低水準(2015年)を下回ってしまいました。

『19年12月の実質賃金、前年同月比0.9%減 残業代や賞与の減少で
 厚生労働省が7日発表した2019年12月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比0.9%減少した。残業代やボーナス支払いの減少が響いた。
 名目賃金にあたる1人あたりの現金給与総額は56万5779円で横ばいだった。内訳をみると、基本給にあたる所定内給与が0.4%増、残業代など所定外給与は2.6%減、ボーナスなど特別に支払われた給与は0.2%減だった。
 パートタイム労働者の雇用環境は引き続き堅調だ。時間あたり給与は2.9%増の1180円だった。パートタイム労働者比率は0.30ポイント上昇の31.71%だった。
 同時に発表された19年の実質賃金は前年比0.9%減と、2年ぶりに減少した。』

 というわけで、2015年基準(最新)、2010年基準、2002年の基準を連関させた長期の実質賃金の推移をグラフ化しました。

【日本の実質賃金の推移(2015年=100)】


http://mtdata.jp/data_68.html#RI19

 日本の実質賃金は、ピーク(97年)から19年までに、▲12.8%、12年からは▲4.4%。これほどまでに「貧困化」した国は、内戦や革命でもやっていない限り、例がないのではないでしょうか。


 さらに恐ろしいと思うのは、ここまで国民を貧困化させておきながら、政権には「失政の自覚」が全くないことです。


 考えてみれば、不思議でも何でもないのですが、グローバリズムという「主義」は、国民を貧困化させる形で株主利益最大化を目指す政策パッケージです。


 具体的には、

1.正規雇用の非正規雇用化。(派遣社員化、フリーランス化など)<名目賃金切り下げ目的

2.労働市場への労働供給拡大(女性の社会進出、高齢者の労働市場への投入、移民受け入れ)<名目賃金切り下げ目的

3.デフレ深刻化による生産性の低下<実質賃金が切り下がる
 の三つになります。


 本来、国民経済(というか資本主義経済)とは技術投資、設備投資、インフラ投資により生産性を高める、つまりは「生産者一人当たりの生産量」を引き上げることで成長する経済モデルです。


 資本を投じるからこそ、資本主義なのです。

 ところが、技術投資、設備投資には「リスク」が生じる。さらには、インフラ投資は政府の緊縮財政で不可能。


 さらには、生産性向上は短期の利益にならず、しかも国民の実質賃金を引き上げてしまうため、
「国際競争力(=価格競争力)が低下する!」
 というわけで、我が国ではひたすら国民の実質賃金を切り下げるデフレ化政策が採られてきたのです。

 つまりは、橋本政権以降の実質賃金の低迷、国民貧困化は、「政策の成功の証」なのです。国民貧困化のデフレ化政策が、ここまで成功した事例を、わたくしは他に知りません。


 最終的には、日本は働いても、生産性が低すぎるために国民が豊かになれず、
「人々が外国人観光客相手の白タクや民泊、女性は外国人に身体を売って小銭を稼ぐ国」
 に落ちぶれることになります。まさに、発展途上国化です。


 大東亜戦争敗北後、いやそれ以前から、我が国は「投資」により生産性を高め、国民が豊かになる形で経済規模を拡大してきました。それが、1980年代にグローバリズムのトリニティが始まり、97年のデフレ化以降は特に、
「国民が豊かになる経済」
 を破壊することで、一部の(しかも多くは外国人の)株主の利益を最大化する、しかも、
「国民が貧困化する形で、株主利益を最大化する」
 形に構造を改革されてしまったのです。


 しつこいですが、働いて稼いだ所得から徴収される所得税の最高税率が(住民税入れると)55%であるのに対し、上場企業の株式配当金の税率は、どれだけ配当金が多額でも20%って、おかしいだろ、こらぁ!


 別に、所得税の最高税率を下げろとは言わない(これでも下がった)。株式配当金への分離課税を廃止するか、もしくは配当金は税率90%とかにしても一向に構いませんよ、わたくしは。

【資本金10億円以上の法人企業の配当金(兆円)の推移】


http://mtdata.jp/data_68.html#haitoukin

 ちなみに、日本がいかに「株主優先の国」に構造を改革されてしまったのかは、上のグラフを見れば誰にでも一発で分かるでしょ(あえて解説しない)。


 株主ではなく、働く国民が豊かになる国を取り戻す。そのためには、まずは国民が「祖国の構造がいかに歪んでいるのか?」を「データ」で明確に理解する必要があるのです。

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12573828138.html

6. 中川隆[-13892] koaQ7Jey 2020年2月09日 13:14:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-555] 報告


2020年2月9日【三橋貴明】消費税による雇用不安低下


メルマガ「Vol559 消費税と雇用の不安定化」
で取り上げましたが、

https://www.mag2.com/m/P0007991.html

実は消費税増税には、

「消費に対する罰金を強化する」

形で、直接的に消費を抑制する効果に加え、
もう一つ、

企業の「正規雇用の非正規化」を促進し、
雇用を不安定化し、生産者の将来不安を
高めるという間接的な消費抑制効果も
あるのです。


消費税額は、

=(課税売上−課税仕入)×消費税率

で決定されます。
「課税仕入」には、正規社員の人件費は
入りません。

ところが、
正規社員を派遣社員や個人事業主とし、
派遣契約や業務委託契約を締結すると、
人件費が「課税仕入」になってしまうのです。

課税仕入が増えれば、その分、
消費税額は減ります。

消費税には、雇用の不安定化による
デフレ促進という効果もあるのです。

日本は消費に対する罰金であり、
雇用不安低下をもたらす消費税を増税し、
反対側で企業の支出意欲を削る法人税減税を
繰り返してきました。

我が国のデフレーションがこれほど長期化
したのは、実は「税制面」においても、
至極当然なのです。

日本の税制が進む方向は、消費税廃止と
法人税増税以外にはありません。
国民を豊かにする経済を望むならば。

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol559 消費税と雇用の不安定化
http://www.mag2.com/m/P0007991.html

実は、消費税は企業に「正規社員を非正規雇用
(派遣やフリーランスなど)に切り替えたい」
というインセンティブを与えてしまうのです。
なぜ、日本で非正規雇用やフリーランスが
激増したのか。

消費税増税が主因の一つなのです。

https://38news.jp/economy/15332

7. 中川隆[-13817] koaQ7Jey 2020年2月12日 22:47:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-443] 報告
【Front Japan 桜】法人税を減税したら企業が外国に逃げた[桜R2/2/12]

8. 中川隆[-13773] koaQ7Jey 2020年2月16日 07:29:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-357] 報告
2020年02月16日
日本の税率は何%なのか 全員の平均は50%納税


国家予算が100兆円くらいというのはフィクションで、全て合計すると500兆円近い

引用:http://dilemmaplus.nhk-book.co.jp/resource/af5a5000860f2b9eddeefa4f27dc115e.jpg


消費税など税金を巡る議論が活発ですが、そもそも日本人は何%の税金を払っているのでしょうか。

人によって違うとして片付けられるが、全ての国民(居住者)所得合計の約50%を支払っています。


税金は分かりにくく作られている

消費税を10%にしたばかりなのに、財務省とIMF(実際は財務省から出向した財務官僚)、消費税を15%に上げるべきだと言っています。

税金は多くの項目に分かれているので、簡単には合計出来ないが、実は小学生の算数で割り出せる。

GDPは国民総生産ですが、国民総所得でもあり、日本人全員と企業の収入を合計するとGDPになります。


税金のほうは奇奇怪怪で不明だが、政府の支出は毎年発表されています。

中央政府の予算と地方予算、それに社会保険などを合計すると出せるような気がします。

実際はNHKの受信料も国民全員から取るから税金だし、国保や年金も義務なので税金です。


日本のGDPは2019年9月に名目558兆円だったので、区切り良く550兆円という事にします。

地方財政白書というサイトでは、2009年にGDPの24.5%を政府部門が支出していたと書かれています。

内訳は社会保障7.9%(37兆円)、中央4.6%(37%兆円)、地方12%(57兆円)と書かれています。


日本政府(中央)の予算規模はこの頃90兆円を超えていたので、予算と支出はまったく違うものだと分かります。

原因は「政府支出」は人を雇うために使われた金額を表している為、例えば政府の補助金を地方や企業に配ったら、地方や企業の支出にカウントされるからです。

「支出」を計算しても税率に辿り着けないので、「予算」から確認してみます。

全ての日本人の平均は50%

日本政府の予算は約100兆円規模ですが、実はそれは全ての予算のごく一部しか表していません。

国会で議論する「予算」は100兆円ですが、これとは別に日本には特別会計という予算が350兆円以上存在します。

地方予算とか社会保障費とか、諸々を丸ごとひっくるめたのが特別会計で、一般会計と合計すると500兆円に迫る金額です。


ところが各省庁がバラバラに計算しているので、重複する予算を何度も繰り返し計算し、実際より多く書かれています。

個別に計算しても答えは出ないので、ここは専門家の分析結果を信じる事にします。

2013年の例ではGDP482兆円だったのに、全ての予算の総額は481.8兆円も使っていました。


このうち重複分の256.6兆円を除くと225.2兆円に過ぎない、と元財務官僚の小黒一正という人が説明しています。

2016年の国家予算総額も、ここから少し増えたとして230兆か240兆円だろうと推測できます。

すると日本のGDP500兆円に占める予算の割合は、国家総予算240兆円として48%だと分かります。


この中には国保や社保や年金も含まれているが、NHK受信料は含まれていません。

他にも免許更新の「手数料」とか、役所の印紙代とか必ず取られるお金は税金に含めて良いと思います。

すると日本人全員が納めている税金の税率は、ちょうど50%くらいになります。


消費税を15%や20%に上げるという事は、現在の50%を、55%程度に上げるのを意味しています。

税率を上げれば消費など他の支出がその分減るので、GDP成長率が低下して、結局増税しなかったより税収が減ります。
http://www.thutmosev.com/archives/60785358.html

9. 中川隆[-13485] koaQ7Jey 2020年3月23日 17:33:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1419] 報告
2020年03月23日
アメリカの闇 政治を金で買う超富裕層

大統領を当選させるには政党全体で2000億円は集める必要がある。
勝負を決めるのは大企業や大資産家の献金

引用:http://homepage3.nifty.com/fukuda326/obama2.jpg


金で政治や外交を販売する国

早くも2020年11月3日にアメリカ大統領選があるが、毎回両陣営は巨額の献金を集めて戦っています。

企業や投資家が選挙に投資して政治を買っているが、アメリカではそれが違法ではなく合法です。

仮に安倍晋三氏や枝野幸男氏が有名企業や資産家から多額の献金を受けて、彼らに優遇税制を作ったら日本では犯罪です。

だがアメリカではあからさまに政治献金し、見返りにその人を無税にしても、完全に合法なのです。

むし違法だったらばれたら取り締まるので問題は小さいのだが、分かっているのに誰も止められない。

調査によると過去の大統領選の政治献金の多くを、少数の資産家と企業が拠出していたそうです。


全米で上から100人の金持ちと企業を並べていけば、その人たちに間違いないでしょう。

アメリカでは有権者やスポンサーが多くの献金をしていますが、そんなのは選挙に影響しない。

最近10年ほどの選挙では民主党が圧勝を続けたが、資金集めでも圧勝していました。


オバマ大統領が2回目の大統領選で使った選挙資金は6億ドル(600億円)とされていて、この多くは例の少数の資産家と企業が出しました。

例えばビルゲイツの資産は10兆円を超えますが、4年に一度たった数十億円を寄付するだけで、あらゆる税金が免除されるのです。

オバマもヒラリーも、どんな手段を使ってでも自分のスポンサー達の資産を守るでしょう。


政治献金すれば税金免除

有名な投資家JソロスやWバフェットは民主党を支持し、ゲイツとジョブズ家も民主党を支持していました。

こうした金持ちが支持するという事は、多額の献金をするという意味でもあります。

スタバ創業者、マードック氏、フェイスブック創業者などが「公式に」民主党に寄付しています。


表向きの寄付金額は数百万円から数億円なのだが、全てを明らかにしていないのは、日本の政治献金と同じでしょう。

例えばクリントン夫妻は15年間で150億円の講演料を受け取り、年間50時間ほど講演した事になっている。

仮にヒラリーやオバマが「最近の天気の話」をしたとしても、講演料ではなく政治献金なのだから誰も文句を言わなかったでしょう。


クリントン夫妻は元大統領と現国務長官の地位を利用して、アメリカの外交を外国に販売していた。

例えばロシアの原子力企業が米政府の認可を必要としたとき、クリントン財団に2.5億円寄付したら認可された。

日本の政治家は政治パーティーを主催してパーティー券を販売しますが、アメリカでも同じ事をしています。


1枚数百万円のチケットを販売し、支援者に買ってもらって事実上の政治献金を受けています。

オバマが2回目の大統領選で6億ドル集めたと書きましたが、民主党全体では15億ドルくらい集めました。

アメリカの法律では一人が50万円くらいしか寄付出来ないし、企業献金は禁止されているが、抜け道が用意されている。


献金団体に寄付して、献金団体が民主党や共和党に寄付すれば、無制限でいくらでも献金が可能です。

献金者の名前は公表されるが、「AさんがBさんに依頼して、Cさんの名前で献金」などのテクニックで、いくらでも誤魔化せる。

大統領選だけでなく、州議会選挙から市会議員選挙まで、アメリカは全てこうであり、献金を集めなければ当選出来ない。


という事は当選した政治家は多額の献金者に借りができるので、何かの形でお返ししなければならない。

そのお返しとは資産家の納税額を低く抑えることで、大抵の資産家は税金を払っていません。

アメリカの長者番付の上位100人くらいは、まったく納税していないか、ほとんど納税していないかのどちらかです。


トランプが当選した時にも外交素人が駐日大使になったり、支援者や活動家へのご褒美を配っていました。

近年問題になったのがロシアや中国の政治関与で、こうした国々の介入で当選した大統領は彼らに便宜を払うでしょう。

http://www.thutmosev.com/archives/65502675.html

10. 中川隆[-4293] koaQ7Jey 2021年6月11日 16:17:56 : Jwyj3SDWP2 : ZjhpTGpkYlpySTI=[18] 報告
2021年06月11日
アメリカはタックスヘイブン 富裕層は税金払わず
http://www.thutmosev.com/archives/86026373.html


富裕層の税率は1%から3%で中間層は10%以上
しかも富裕層に相続税は無い


アメリカはタックスヘイブンだった

資産10兆円のwバフェットは以前、「私より使用人のほうが納税額が多い」と言っていました。

それだけアメリカの富裕層は納税しておらず、富裕層に増税するべきだという趣旨でした。

その後も富裕層増税は行われずバフェットだけが自主的に納税した話も聞かないので、相変わらず特権を甘受している。

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バフェットは2016年にトランプとの論争で納税額を公表しているので、その時の数字を書いてみたい。

バフェットの2015年の総所得は1156万ドルで547万ドルの税控除を受け、184万ドル(約1.9億円)の連邦所得税を支払った。

この時トランプは過去の事業損失を利用し最大18年間連邦所得税を支払っていなかったと報じられていた。


バフェットは真面目に払っているようだがおかしな点があり、年収11億円で資産10兆円になるには1000年もかかる。

バフェットの資産の多くは株や土地や権利に化けていて、それらの増加にはおそらく所得税がかかっていない。

2015年はチャイナショックがあったがアメリカは好景気だったので、バフェットの年収はこの10倍以上ないとおかしい。


アメリカの富裕層は相続税も払っておらず、資産数兆円ともなると相続税を払わなくてもいい仕組みがある。

ビルゲイツは資産13兆円で、2017年頃に「資産全額を寄付する。もうお金に興味が無い」と言って世界を驚かせた。

これには裏がありビルゲイツはゲイツ財団をつくり資産を寄付したが、財団は営利事業をして出資者に配当金を出す。

富裕層ならアメリカが断然有利

ゲイツが100%出して財団が年1000億円の利益を上げたとすると、1000億円がゲイツに支払われる。

娘や息子を財団役員にすると配当は子供に支払われ、事実上相続税なしで13兆円を子供に渡すことが出来る。

つまりアメリカの富裕層は年収の1%も税金を払っておらず、相続税は1ドルも払っていない(払おうとすれば払える)


アメリカの資産家は事実上非課税なので、政府に邪魔されずいくらでも資産を増やし事実上のタックスヘイブンになっている。

パナマ諸島は非課税のタックスヘイブンで知られているが、実は世界最大のタックスヘイブンはアメリカでした。

アメリカは1980年代からGDPが数倍になったが、豊かになったのは富裕層だけで中間層以下は貧しくなった。


先日アメリカの非営利報道機関がアマゾン創業者ベゾスら富裕層のの納税額を調査し発表していました。

上位25人の合計資産価値は2014年から18年に約4010億ドル(約43兆円)増えたが、払った所得税は136億ドルだった。

つまり資産にかけられた税率は3.3%で、消費した金額もある筈なので税率はもっと低い。


結論として非営利の米報道機関プロパブリカは「米国の富裕層は税金を払っていない」としている。

アメリカでは大統領選や議会選挙の寄付のほとんどを富裕層が出しているので、富裕層優遇を改める政治家はいない。

わたしも富裕層だったらアメリカに住みたいと思います

http://www.thutmosev.com/archives/86026373.html  

11. 中川隆[-4258] koaQ7Jey 2021年6月14日 07:55:53 : knap5NOqi6 : NjFLWTFoSHNTekU=[3] 報告
納税しない米富裕層 調査報道「プロパブリカ」が納税記録を分析
2021年6月13日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/21183


 米国の調査報道機関「プロパブリカ」は8日、公式サイトで米国最富裕層の租税回避の実態を暴露する記事を掲載した。主に寄付金で運営している同サイトは、米国の内国歳入庁(IRS)の内部資料を独自に入手し、富裕層数千人の15年以上にわたる納税状況をチェック。アマゾン創始者のジェフ・ベゾスなど著名な資産家がほとんど納税義務を果たしていない実態を暴露した。

 報道によると、2007年には世界で最も裕福な資産家だったジェフ・ベゾスは2007年、2011年には一銭も納税しておらず、2018年には世界で2番目に裕福だったテスラ創設者のイーロン・マスクも所得税をまったく払わなかった。

 さらに総合情報サービス大手ブルームバーグCEOのマイケル・ブルームバーグ、莫大な資産を持つ投資家カール・アイカーンも納税を複数回免れ、同じくジョージ・ソロスも3年連続で納税をしていなかった。

 米国民の年間所得の中央値は7万j(約770万円)で、そのうち14%を納税している。ところが最富裕層の多くは、資産を株や不動産として所得しており、これらの価格が高騰して資産が増えても、米国の法律では、売却するまで課税所得として定義されない。

 調査分析の結果、最も裕福な25人の米国人は、2014〜2018年にかけて合計4010億j(約44兆1100億円)の資産を増加させたが、納めた連邦所得税は、その3・4%に過ぎない136億j(約1兆4960億円)だけだった【表参照】。

 なかでも世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり、会長兼CEOのウォーレン・バフェットは、5年間で資産を243億j(約2兆6730億円)増やしながら、支払った税金は2370万j(約26億700万円)。「真の税率」は0・1%だった。

 アマゾンのジェフ・ベゾスも990億j(約10兆8900億円)の資産を増やしながら、報告した総所得はその4・26%の42億2000万j(約4642億円)であり、納税額は増加資産の0・98%に過ぎない9億7300万j(約107億300万円)だった。アマゾンの収益が倍増した2007年にベゾスの資産は38億j(約4180億円)にはね上がったが、借金の活用や投資損失の計上などで所得を圧縮することにより、税金を一銭も払っていなかったという。

 ブルームバーグの納税率も増加資産の1・3%、イーロン・マスクは3・27%だった。いずれも一般世帯の税率14%からはかけ離れた低い税率だ。

 分析によると、これらの富裕層は、資産や所得が増えても、身内に分割相続したり、それを担保に借金をする形をとる。富の増加分は現金化せず、所有株の売却もしないので、課税対象となる所得が生じない。さらに銀行から低利率で借り入れをして暮らし、借金の利子は所得の控除に使う――という仕組みだという。

 さらに、これら上位富裕層25人が2018年に手にした1兆1000億j(約120兆円)の資産は、一般的な米国人労働者1430万人分の賃金に匹敵する。しかも、これら平均的な所得者の納税額は1430億j(約15兆7000万円)で、上位25人が同年に納めた税額19億j(約2080億円)の75倍にのぼっていた。

 同サイトは、この不公平な税制によって「連邦予算は、軍事支出を除いて、何十年にもわたって抑制され、国内の道路や橋は崩壊し、社会サービスは衰退し、社会保障とメディケアの支払い能力が常に問題視されている」と指摘し、富裕層の課税強化を訴えている。

 これに対してホワイトハウスは、「(政府関係者が)機密情報を許可なく開示する行為は違法」と指摘し、IRSを外局とする財務省が司法当局に捜査を要請している。

https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/21183

12. 中川隆[-12903] koaQ7Jey 2022年9月07日 02:11:11 : lgYRj7FhLw : ZEU4YzYzbktkVXc=[3] 報告
『ダボスマン 世界経済をぶち壊した億万長者たち』 ピーター・S・グッドマン著
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%80%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3-%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%82%92%E3%81%B6%E3%81%A1%E5%A3%8A%E3%81%97%E3%81%9F%E5%84%84%E4%B8%87%E9%95%B7%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1-%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%EF%BC%B3-%E3%82%B0%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%B3-ebook/dp/B0B3ZQ2NWV


2022年9月6日
 パンデミックによって世界で650万人以上の人命が失われ、何億という人々が貧困と飢餓に苦しんでいる。直接手を下したのはコロナウイルスだが、深刻な影響を拡大したのはダボスマンと呼ばれる者たちの行動だ。ダボスマンたちは、パンデミックから遠く離れた海岸沿いの豪邸や山間の隠れ家リゾート、高級ヨットのなかにとどまって災厄を逃れつつ、株や不動産で莫大な利益を上げ、かつてない繁栄を謳歌している。

 ダボスマンとは、例年スイスのリゾート地で開かれる世界経済フォーラム(通称ダボス会議)に集まる億万長者たちのことだ。会議は表向き、気候変動、ジェンダー間の不平等、デジタル化の未来などを討議する場だが、その舞台裏ではダボスマンたちが各国の国家元首や政府高官たちとビジネスの契約を結び、世界経済のルールをつくる。そこは地球上で最大のロビー活動の場といわれる。

 本書はアメリカ人ジャーナリストが、アマゾン創業者ジェフ・ベゾスをはじめ5人のダボスマンに焦点を当ててその生態を描き、なぜ貧富の格差はなくならないのかに迫った。

 レーガン政権が新自由主義に舵を切って以降の40年間で、アメリカ人のうちわずか1%の最富裕層が総計21兆jの富を手にし、同時に下半分の層の資産は9000億j減少した。世界的に見れば、もっとも豊かな10人の超大富豪の財産を合計するだけで、もっとも貧しい85カ国の経済規模を上回る。ダボスマンは世界各地のタックスヘイブン(租税回避地)に約7兆6000億jを秘蔵しており、その大半が未申告で各国税務当局の手が及ばない。

 こうした事実を見るだけで、ダボスマンによる世界経済の改造が歴史的な窃盗行為に等しいことがわかる。そのうえ、こうした経済的苦境や格差を道具に憎しみを煽り立て、他民族への恐怖をたきつける政党が支持を拡大し、各地の紛争は武器商人にビジネスチャンスをもたらす。

 ダボスマンの行動はウソと偽善で塗り固められている。シリコンバレーの巨大ソフトウェア企業セールスフォースの創業者であるマーク・ベニオフは2018年、自社のあるサンフランシスコでホームレス問題解決の新税を後押しし、みずからも年間1000万jを払うとのべた。ところがこの年、セールスフォースの純利益は130億jをこえていたが、連邦税の納付額はゼロだった。

 というのも、クリントン政権の時代に財務省が開けた抜け穴によって租税回避の仕組みをつくっていたからだ。彼らはタックスヘイブンに子会社を設置して、そこに自社の知的財産権を移し、この新しい海外拠点から国内のグループ内法人に法外な額の知的財産権使用料を請求して赤字にするわけだ。この抜け穴ができてから15年間で、企業への実質的な課税水準は35%から26%に急落し、米財務省は年間600億jの税収を失ったといわれる。その分、低所得者層への福祉は切り捨てられる。

 考えてみれば、彼らが利益を上げることができるのは、インターネットをはじめとする社会インフラがあってこそで、それは税金によってつくられたものだ。しかしダボスマンは、納税義務は逃れつつ各国政府からむさぼりとる。

 ダボスマンは医療や公衆衛生をぶち壊し、パンデミックを深刻化させた。世界有数の投資ファンド・ブラックストーンの創業者スティーブ・シュワルツマンは、金のなる木を医療に見出した。彼は全米規模で救急外来に医師やスタッフを派遣する二大企業の一つ、チームヘルスを支配下に収めた。投資ファンドは実質的に相手の医療業務全体を買収する。ただ、法的には医師たちが監督権限を持ち続けているよう体裁だけ整え、国による規制を回避した。投資ファンドは「利益を出せ」の一点張りで、病院を統合して病床を減らし、診療費を上げた。十分な収益を生まない医療機関は閉鎖した。コスト削減のため、防護マスクや人工呼吸器の購入を控えた。救急医療の現場では、医師たちが下すさまざまな医療的処置と、治療をできるだけ早く終わらせることにのみ利益を見出す経営側の指示とが、しばしば正面からぶつかっていたという。

 こうしてパンデミックが到来した時点で、全米の総病床数は92万4000で、40年前から150万床近くが削られていた。災厄に対する備えなどないに等しかった。そのうえ連邦政府はコロナ患者を優先し、緊急性のない手術を控えるよう指示したが、投資ファンドは大口の収入減を失うのを恐れてそれも無視した。世界最大の100万人以上の死者は、そうした状況を背景にして生まれたのに違いない。一方、2020年のシュワルツマンの報酬総額は6億jをこえ、前年の2割増しとなった。

 ダボスマンが無制限に富をむさぼることを保障するのは、連邦政府との癒着である。そのためにお抱えのロビイストや会計士、シンクタンク、広報コンサルタントを最大限に活用し、彼らに有利な法律をつくらせる。

 ダボスマンがトランプを支持したのは、トランプが法人税を35%から21%に引き下げる「減税パッケージ」を成立させたのが一因だった。だから2020年の大統領選で、ブラックストーンのシュワルツマンはトランプに4000万j以上を献金した。減税政策を止めさせないこと、成功報酬の税優遇を廃止したり規制を強化したりさせないためだ。同時に同社の最高執行責任者ジョン・グレイは、バイデンに多額の献金をした。リスクを分散させて保険をかけたわけだ。

 バイデンは当初、大規模な財政出動や法人税の引き上げを語った。だが、政権が発足すると、経済問題担当の大統領補佐官には世界最大の資産運用会社ブラックロックのブライアン・ディーズが就いた。財務長官に就任したジャネット・イエレンは、過去2年間、ヘッジファンドを含む大手企業向けの講演謝礼で700万jを稼いでいる。

 こうしてホワイトハウスの主が誰になろうと、ダボスマンの地位は不動のように見える。しかし、表題にもあるように、彼らの行為があまりにも反社会的であるために、いまや世界経済の構造的欠陥について多くの人が気づき始め、1%に対する99%のたたかいが始まり、それが各国政府を揺るがしている。現在の資本主義社会は次の制度への過渡期にあることが明らかになる。
https://www.chosyu-journal.jp/review/24361

13. 中川隆[-10861] koaQ7Jey 2024年4月18日 19:10:49 : ETfFzj67wY : SG1WdzIuNjhnTUU=[2] 報告
<■81行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
サマーズ氏、大富豪が税金を払わない方法と、それを取り締まれない理由を語る
2024年4月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/47393

アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏が、Washington Postによるインタビューで富裕層への課税について語っている。

富裕層への課税

バイデン政権が超富裕層への課税を考えている。所得ではなく資産に課税する資産税なども含めて富裕層への課税はこれまで何度も議論されてきた。

富裕層は数が少ないので民主主義のターゲットにされやすいからである。一方で富裕層は、特にアメリカではロビー活動を通して数の不利に対抗してきた。

この議論は今でも続いており、特に与党民主党が富裕層への課税に積極的で、野党共和党は比較的消極的である。

サマーズ氏は民主党の支持者なのだが、彼はバイデン政権の富裕層への課税の計画について微妙な意見を持っているようだ。

IRSの予算不足

まず、彼は税金がきちんと徴税されていないと主張する。彼は次のように主張している。

IRS(訳注:アメリカの国税庁)の資金不足のために、毎年1000万ドル以上稼いでいる人が確定申告をしなくても警告さえ受け取らない状況は馬鹿げている。

アメリカではIRSの予算不足が問題となっている。脱税している人に対してIRSの職員の数が足りないため、十分な取り立てを行なうことができず、普通の納税者がIRSに電話をしてもまともに連絡も取れないような状況が常態化している。

これも民主党がIRSの予算を増やそうとしている一方で、共和党が反対しているのである。

起業家の節税

そして次にサマーズ氏が問題として取り上げるのが、起業家の節税策である。

アメリカで大富豪と言えばその多くが大企業の創業者だが、起業家にとって節税をすることは比較的簡単である。

サマーズ氏は次のように言う。

200億ドルの価値のある会社を立ち上げた起業家が、その会社の株式を担保に借金をしてクルーザーを買い、株式を子供に相続させ、結局誰も税金を払わないということが簡単に出来るのは馬鹿げている。

知識のある読者ならば知っているだろうが、これはbuy, borrow, die(買って、借りて、死ね)と呼ばれる有名な節税策である。

まず株式を取得する。創業者の場合なら最初から持っていることになる。

そしてビジネスが成功すれば株の値段はどんどん上がってゆくわけだが、株式は売却時に利益が出れば税金を払うということになっているので、売却しなければ株の値上がりに税金がかかることはない。

創業者のような大株主であれば自分に給料を払うこともできるわけだが、給料には所得税がかかるのでこれもしない。

では確かに資産は株の値上がりで増えているが、増えたお金を使えないではないかということになる。

そこで「借りて」の部分が出てくるのである。株式を売却して現金を得るのではなく、値上がりしている株式を担保に借金をして現金を得るのである。

大富豪であれば低い金利で現金を借りることができる。だから意外にも、大富豪には借金をしている人が多い。現金を持っていない(持たない方が節税になる)からである。

そして死ぬ。アメリカでは相続税はほとんどないようなものなので、子供も同じ戦略を使い続けることができる。

そして誰も税金を払わない。

何故課税できないか

何故この戦略は長年そのままになっているのか。サマーズ氏は次のように述べている。

バイデン政権がそれを阻止しようとしているのは正しい。

だが献身的で思慮深い優れた人たちでさえ、しばしば行き過ぎた考えをしている。

バイデン政権の予算案で大富豪への課税として考えられているものの中で、値上がりした株式を持っているが、まだ売っていないために利益は現金としては入ってきておらず、それを担保にお金を借りてもいない人への課税は、家族経営の会社へのダメージが大きすぎ、多くの人が公平と考える範囲を逸脱している。

こうした節税への対策としてバイデン政権が考えているのは、含み益への課税である。つまり、株式を売却していない段階で発生している利益について課税するというものである。

しかしそうすると、レストランのオーナーなど、小規模経営の会社の納税が一気に増すことになる。

結論

政治家の多くは富裕層から税金をせしめてやろうと躍起になっている。だが税制というのは非常に高度な専門分野であって、素人の思いつきでは上手くいかないのである。

富裕層への課税に賛成するサマーズ氏も、バイデン政権の案には次のようにコメントしている。

申し訳ないが、そういう考えは学者による机上の空論を大人が誰も止めなかったものと形容するしかない。

何故そうなるのか。根本的には、政府と民間の人材の能力差が問題の根底にある。

税制は高度な専門分野であり、その分野の第一人者は有名な会計事務所にいて、富裕層の資産が課税によって盗まれることから守る仕事に就き、合法的に課税を防ぐ代わりに多額の報酬を受け取っている。

一方でそういう人材は政府には行かない。報酬が違いすぎるからである。また、そもそも節税の補助を一生の仕事にしているような人々は政府による課税が正当だとは思っていないので、仮に同じ給料でも政府の仕事には就かないだろう。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
政府と会計の専門家の密かな戦争は大昔から続いてきた。興味のある人は以下の記事も読んでみてもらいたい。

アメリカに壊滅させられたスイスのプライベート・バンキング

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/47393

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