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米朝首脳会談の目的を「朝鮮半島の平和構築」ではなく「北朝鮮の非核化」と説明し続ける日本メディアの腐った“冷戦世界脳”
http://www.asyura2.com/18/senkyo246/msg/146.html
投稿者 あっしら 日時 2018 年 6 月 11 日 02:42:28: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


 直前の日曜日ということで、10日のTVメディアは朝から米朝首脳会談絡みの特集を数多く放送していた。

 メディアの表題のような状況にはとっくに慣れ親しんでいるが、それでも、この期に及んで、米朝首脳会談の目的を「北朝鮮の非核化」とし、トランプ大統領は北朝鮮に融和的で非核化についてもボチボチでいいと徐々に妥協してきているからどうなるか心配といった解説をする映像を繰り返し見ていると、メディアの仕事をしている人たちの理解力や判断力は大丈夫なのかと疑う。

 米朝に限らず中露韓そして日本も政治指導者は、「北朝鮮の非核化」が「朝鮮半島の非核化」の構成要素であり、「朝鮮半島の非核化」が「朝鮮半島の平和的統一の回復」の必要条件であることを認識している。

 それは、北朝鮮の核開発をめぐる「日朝平壌宣言」や「六者協議の議題」そしてトランプ大統領やマティス国防長官の用語を知ればわかることである。

 簡略的に言えば、南北のいずれであろうが、さらには、どちらかに駐留する外国軍隊が核兵器を保有している状況が存在するなら、関連及び周辺諸国は、朝鮮半島統一の動きを認めないという意向を凝縮した概念が「朝鮮半島の非核化」なのである。

 このような大前提が理解できていないから、この期に及んでも、北朝鮮は核兵器を廃棄することはないといった見方が跋扈する。

  そのような考え方が妥当性を有するのは、トップ同士の米朝対話をどのような前提条件で行うかという段階までである。
 米国が北朝鮮に「核を放棄したら交渉する」、北朝鮮が米国に「交渉を行って不可侵条約締結に合意したら核を放棄する」と言い合っている状況なら、あの北朝鮮が核を放棄することはないという見通しを持つのも合理的と言える。

(日朝の関係では、日本が、先日方針転換したが、「拉致問題を解決したら国交正常化交渉を始める」と言い、北朝鮮が、「国交正常化を果たし過去の賠償をしたら拉致に関する不服を聞いてもいい」というように噛み合わない応酬が続いた)

 しかし、米朝は、両首脳がすでにシンガポールに到着し、明日朝から会談を始めよう段階にある。

 メディアや識者のなかには、今回の会談がたんなる政治ショーで終わってはならないという人もいるが、70年近く敵対的な関係にある米朝の首脳が直接会って言葉を交わし昼飯を一緒に食べるだけでも、北東アジアの平和にとって“大きな歴史的意義”があることを理解できないようだ。

 だからといって、今回の会談がそういうものになるわけではない。
トランプ大統領と金正恩委員長のキャラクター(能力)からいって、そんなレベルの“成果”を得るためだったらわざわざ会談を設定することはなかったと断言する。

 もう一つ、北朝鮮に対する体制保証(キム王朝維持を約束するわけではなく政体変更を目的とした軍事侵攻や謀略を行わないこと)が問題になっているが、それが、北朝鮮に核放棄を行わせる絶対的条件になるわけではない。

 体制保証=不可侵条約は国際法的に重い体制保証だが、米国支配層は、どうしても北朝鮮の政体を変更したいと判断したら国際法を破ってでも実行する履歴を持っているから、絶対的な保証とは言えない。
 笑い話だが、米国の侵攻を防ぎたかったから、自国領土に軽武装の米軍部隊を駐留させておく(人質だね)のがいちばんかもしれない。
 体制保証と引き換えに核を放棄するという話は、会談や交渉をもっともらしく見せる仕掛けでしかなく、より重要なのはお互いのとりわけ米国の北朝鮮に対する信頼感(世界戦略に対抗せず対外軍事行動も起こさないという)である。

 米国の北朝鮮への軍事侵攻を思いとどまらせたいのなら、「中朝友好協力相互援助条約」(1961年)の有効性を中国が高らかに再確認するほうがましだろう。

 何も見返りがないまま「非核化」というのでは、あまりに見え透いた米朝首脳会談になってしまう。だから、終戦宣言や体制保証そして国交正常化という見返りが取り沙汰されることになる。
 米国も、国民が怯える核が絡む方が終戦宣言や体制保証そして国交正常化を見返りとして与えやすい。北朝鮮も、“元々ない”核兵器を廃棄しCVIDを約束することでそれらが獲得できるなら万々歳である。

(北朝鮮は、じゃあ駐韓米軍基地も査察するというイヤミは言うだろうが、ウラン濃縮設備や軽水炉の運転をスムーズに続けるためにCVIDを受け容れるだろう)

 米国と北朝鮮は、トランプ大統領になってからというわけではなく、94年の米朝枠組み合意の少し前から、それなりの信頼関係を構築し維持している。
 だからこそ、2000年にクリントン大統領が訪朝しようとし、2000年代には原発用核燃料を製造する目的で、ウラン濃縮(低レベル)設備やそれを稼働させることを主目的とする軽水炉を容認しているのである。

 米朝の“信頼関係”が、90年の金丸訪朝団以降何度も日朝国交正常化になかなか踏ん切れない(途中で交渉を潰す)日本に対し、えげつない罠を仕掛けて促進するというとんでもない手法を米国支配層に発想させた。
 その罠の成果こそが、02年日朝平壌宣言なのである。そのような経緯で訪朝したことも、「拉致問題」に関して、現在に至るまで大きなしこりとして残るような雑な解決になった一因だと推測している。

 非核化に関するもう一つの大きな見逃しは、北朝鮮の最優先の国家目標である。

 戦前戦中の日本が超越的目標とした国体護持と同じように、北朝鮮はキム体制の維持を絶対的な国是としていると考えられているが、北朝鮮は、それと同時に、南北の統一(民族の統一)を絶対的な国是としている。

 南北統一を国是とする北朝鮮は、核兵器を保有している状況、核兵器を配備している外国軍が駐留している状況である限り、南北統一に進めない(認めて貰えない)ことを知っている

 日朝平壌宣言以降の「北朝鮮核騒動」は、下手で間違った戦術だが、「拉致問題」でデッドロックに乗り上げてしまった日朝国交正常化をなんとか前に進めようという米国流の「核を利用した瀬戸際作戦」なのである。

 日朝国交正常化が遅れているので、今回の米朝首脳会談では、米朝国交正常化はそれに向かって努力するというレベルの合意で先送りされる可能性もある。

(UNが主体であり多くの国が参戦した朝鮮戦争の平和協定を締結するより、米朝国交正常化のほうが取り組みやすいテーマである。朝鮮戦争の休戦協定に署名した中国(人民義勇軍)と米国はとっくの昔に国交正常化を達成している)

 今回の会談は最初のステップというのは、歴史的経緯から米国よりも先に国交正常化を達成したい日本に時間的猶予を与えるためのものかもしれない。
 米国が北朝鮮に支払うべき対価(ミサイルなどの輸出抑制)を含め、日本が膨大な経済支援をするのだから、それくらいの配慮は当然と言えば当然かもしれない。

 今回の米朝首脳会談を大きな契機として、朝鮮半島は平和的に統一へと向かうことになる。
 統一と言っても、経済協力やものの取り引きを通じてゆっくりと経済的一体化から少しずつ進むことになる。人の自由な往来や統治構造の一体化は、そのあとにまたゆっくり進むことになるだろう。
 駐韓米軍も徐々に縮小し、ゆくゆくは、米韓相互防衛条約の解消を経て撤退することになるだろう。それは、法的権限がない北朝鮮の要求ではなく、韓国の要求によって実現することになる。敗戦国ではない韓国は、軍事的自立を許されるだろう。

 敗戦国思考の呪縛から脱しきれない日本の政治家やメディア人は、百年に一度の大きな国際政治の変動を眼前にしながら、その歴史的意義を理解できないでいる。

(木村太郎氏など幾人かは、米朝首脳会談の意義を理解したうえで、政権に気を遣った発言をしている)

※ 関連参照投稿リスト

「恥を知らない言論の放恣な行為:北朝鮮が米国追随の中国をボロ糞に批判:「北朝鮮危機」は年内(平昌五輪前)に解決へ転換!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/675.html
投稿者 あっしら 日時 2017 年 9 月 23 日 02:42:48: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc

「大詰めを迎えた日朝交渉:「拉致問題」解決に向け大きく舵が動いた5月7・8日大連「中朝首脳会談」」
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/149.html

「大詰めの日朝交渉:“帰国したい人だけ帰国”「拉致問題解決法」を青山繁晴氏やビートたけしに発言させ世間の反応を窺う安倍官邸」
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/197.html

「当時の官房長官である福田康夫元首相が語る「日朝交渉失敗要因」と「日本の約束破り」」
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/288.html

「「北朝鮮核問題」ではなく「朝鮮半島統一回復」が主題と気づかぬ日本の政治家やメディアたちの精神を蝕んできた属国的戦後史」
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/319.html

「6・12「米朝首脳会談」は中韓首脳も参加の「朝鮮半島和平サミット」=戦後史終焉の一大イベントになる予感:安倍首相は?」
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/370.html

「ボルトン補佐官:「完全武装解除」に執着する対北朝鮮強硬派として“希望の星”となっているが実は「南北平和統一」論者」
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/128.html

「安倍首相 拉致問題解決のため 日朝首脳会談に意欲示す 米での会見で[NHK]」
http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/818.html


 

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コメント
 
1. 2018年6月11日 23:00:59 : JvMjyuMlDz : 24QF9WfCx9M[285]
戦争の 片棒担ぐ メディアこそ

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