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130人に「死の処方」ドクター・デス、90年代の米、「京都」と共通点
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/250.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 7 月 29 日 10:14:55: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 高齢者は死んでいいのか _ 大西つねき「命、選別しないと駄目だと思いますよ」 投稿者 中川隆 日時 2020 年 7 月 09 日 05:02:56)

2020年7月29日
130人に「死の処方」ドクター・デス、90年代の米、「京都」と共通点
樫山幸夫 (元産經新聞論説委員長)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20330


 Dr.Death(死の医師)ー。京都の難病患者を薬物で殺害した疑いで逮捕された医師ではない。

 1990年代、この不気味な呼び名を奉られたアメリカの医師が、130人の患者を安楽死させ、またはその自殺をほう助し、大きなセンセーションを巻き起こした。「患者の選択」を尊重したというより、むしろ「死」という現象への興味、探求心が冷酷な所業の動機のひとつだったともいわれる。

 京都のケースと比べると、いずれも自らが主治医ではない患者を死なせているなど類似点がいくつかある。

 アメリカにおける最大の医療スキャンダルは、京都事件の真相解明に示唆を与えてくれるかもしれない

人気番組で安楽死を放映

ミシガン大学のあるアナーバー(Better Planet Media/gettyimages)
 ミシガン州出身のジャック・ケボーキアン医師は1998年11月、CBSテレビの人気番組「60ミニッツ」で、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っていた52歳の男性を致死薬注射で安楽死させる模様を収めたビデオを公開、視聴者に衝撃を与えた。

 同医師はこの番組で「私を裁判にかけるか、さもなければ安楽死をやめさせてほしい」と当局に呼びかけ、暗に自らの行為について、法的なシロクロをつけるようよう訴えた。

 望み£ハりに殺人罪で起訴され、翌年春には、禁固10-25年の判決を受けて収監され、こちらのほうは希望がかなわなかった。

 医師を裁く法廷はテレビ中継され、当時ワシントン特派員だった筆者は、次々に明らかにされるおぞましい行為の内容に身震いを抑えられなかった。陰鬱このうえない容貌で平然と判事の説諭に答える医師の姿が恐怖心を増幅させた。 

45ドルの自殺装置
  ケボーキアン医師が「Dr.Death」としての仕事を始めたのは1987年。「デトロイトの新聞に「死のカウンセリング」の広告を出し、90年、広告を見て連絡してきた54歳のオレゴン州の女性の自殺を手助けをした。この女性は、アルツハイマー病で記憶や知的障害の症状が出ていた。

 この時は、マイカーであるフォルクスワーゲンのバンに、手製の自殺装置≠据え付けた。作成に使った3本の薬品瓶や部品は、金物屋などから計45ドルで購入した。場所はミシガン州内の公園。他人の土地で患者を安楽死させて、後になって問題が生じては、との配慮だった。致死薬を注入するボタンを押すのは、患者自らの手にゆだねた。医師は「いい旅を」という言葉で見送った。

 このことは後に表ざたになったが、ミシガン州で自殺ほう助禁止に関する法律が存在しなかったため、刑事責任を追及されることはなかった。しかし、医師免許ははく奪された。その後も2件の自殺ほう助に関わり、裁判所から出廷を命じられたが、いずれも有罪を免れた。

 96年にはミシガン州で「自殺クリニック」を開設、その行動はいよいよ大胆さを増した。「60ミニッツ」に出演したのは、その2年後だった。

死刑囚の生体解剖も提唱
 学生時代からの「死」への強い関心によって、医師免許取得わずか3年後にはすでに、「Dr.Death」と呼ばれていた。

 目の動きが死をつかさどるという持論を立証しようと、亡くなった患者の目を詳細に検査したことがあった。医学雑誌に、死刑囚の事前承諾を得たうえで、執行時に生体解剖、移植用の臓器を取り出すことを提案したこともあった。これらが不気味な呼び名の由来となった。

 91年に出版した著書のなかでケボーキアン医師は、安楽死、自殺ほう助について「効率のよいクリニックで、末期患者が、礼節と慈愛のもとで死を選択することだ」と説明している。錆びがきたフォルクスワーゲンのバンが「効率よいクリニック」といえるかはともかくとして、自らの行為の意義を強調したかったようだ。

「末期」は40%にすぎず
 1990年から98年までの間に、安楽死、自殺ほう助した患者130人について、同医師の地元、ミシガン州のデトロイト・フリー・プレス紙は、「末期」と診断された患者は、このうち40%にすぎなかったと報じた。痛みを訴えていなかった人も少なくとも13人にのぼるとして、その行為に強い疑問を投げかけている。 

 ケボーキアン医師のケースは、米国内で「安楽死」や「患者の選択」についての論議を呼んだが、その行為があまりに衝撃的であったことから、同様の考えを持つ医師らですら、議論を敬遠して盛り上がりを欠いてしまったという指摘がある。

 ケボーキアン医師は、テレビでの安楽死放映後に収監されたミシガン州内の刑務所で8年半刑期をつとめ、2007年に体調が考慮され仮出所を許された。

天才少年、絵画は不気味な題材
 トルコ移民の両親を持つケボーキアン医師は幼いころから天才少年として知られ、1952年にミシガン大学のメディカル・スクールを卒業した。

 友人らの証言によると、その私生活は、ひっそりとして、人目につかないものだった。反面、芸術に造詣が深く、ジャズを好み、作曲をなし、絵画を描くことにも親しんだ。しかし、絵画は虐殺、首つり、カニバリズムなど「死の医師」らしい不気味なモチーフが多かったという。

 2008年、大統領選と同時に行われた下院選に無所属で出馬したが、あえなく落選した。2011年に83歳で死去。「死」に強い関心を抱いていた医師は、自らの死をどう感じたのだろう。生前に、自伝「死を処方する」という本を1999年に出版、テレビ映画「死を処方する男」(2010年、アル・パチーノ主演)など、その生涯を描いた著作なども少なくない。

「死」に関心、京都事件と共通?
  「Dr.Death」の事件を、ケボーキアン医師本人にまつわる記事や筆者個人の取材にもとづいて再現したが、浮かんでくるのは、安楽死、自殺、生体解剖など「死」に関わるすべての事象に異常な関心を抱く医師の姿だ。

 翻って、京都の事件。医師2人が逮捕されたばかりで、いまだ真相解明には至っていないようだ。医師の1人の口座に、亡くなった女性から130万円がふりこまれていたというから報酬を得ることが目的のひとつだった可能性はある。もうひとりの医師が「訴追されるリスクを背負うのに、ボランティアではやってられない」ともツイッターに投稿していることからもそれがうかがえる。

 一方で、逮捕された2人の医師は以前、末期の高齢者を安楽死させる内容の電子書籍を出版していたとの報道もある。「扱いに困った高齢者を『枯らす』技術」という書籍で、「証拠を残さず老人を消せる方法がある。医療に紛れて人を死なせることだ」など、人間の尊厳を軽視するかのような記述をしている。「違和感のない病死を演出できれば、警察の出る幕はないし、犯罪かどうかを見抜けないこともある。荼毘に付されれば完全犯罪だ」とも書いている。

 こうなれば、患者の苦痛を和らげるためにやむなく安楽死の手助けするというよりも、何か別な意図、目的があるのではという疑念を抱かざるを得くなる。 

 わが国でも過去、末期患者を安楽死させて刑事責任を問われた医師が何人かいた。しかし、それらはいずれも主治医として、回復不能の患者本人の希望を入れた苦悩の末の決断だった。

 今回の場合、2人の医師は主治医でもなく、亡くなった女性とはSNSで接触を持っていたとはいえ、事件当日に初めて会って自殺に手を貸したというのだから、過去のケースとは全く異なる。

 ケボーキアン医師同様、2人の犯行は、「死の処方」、それ自体が目的だったのか。警察の今後の捜査、公判での真相究明を待ちたい。  

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