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上杉鷹山と米沢藩の構造改革 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 3 月 06 日 15:34:44:

(回答先: 札差と棄捐令 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 3 月 06 日 15:33:21)

上杉家は、戦国武将・上杉謙信以来の名家で、会津120万石を領有していました。ところが、関が原の戦いで西軍側についたために、米沢30万石に転封されます。さらに、後継ぎ問題を幕府から突かれて、15万石(6万5000両)に減らされます。

収入は減っても、6000人の家臣をほとんど減らすことが出来ず、借金が20万両に激増します。何と、年収の3倍の借金があったのです。

米沢藩の財政は、完全に破綻していたのです。

1767年、上杉鷹山は、17歳で米沢藩の当主となります。彼は、九州の小藩、秋月家から来た養子だったのです。上杉鷹山は、質素倹約を徹底させます。自らも食事は、一汁一菜、木綿の着物を愛用します。

そして、行政改革を断行して、94のポストを削減してしまいます。世襲制度を廃止して、人材登用を推進します。行革で余った人材は、新田開発や、堤防工事に投入します。

当主になって、6年後、守旧派の重臣による「七家騒動」というクーデター未遂事件が起きます。下級武士の支持を集めた上杉鷹山は、この争いに勝利します。

人心を収攬した鷹山は、本格的な改革に全力で邁進しました。

鷹山は、質素倹約だけの人ではありません。
米沢に新しい産業を興すことが藩を救うことになる、という強い信念を持っていました。

彼は、漆の木を100万本植える計画を実行に移します。

漆の樹液は、塗り物に使います。しかし、彼の狙いは、別のところにありました。
上杉鷹山は、漆の実からロウソクを作り販売しようと考えたのです。

当時、ロウソクは提灯用の明かりとして、飛ぶように売れていたのです。

鷹山は、切り詰めて捻出した資金で、ロウソクの大量生産工場を建設します。

◆◆工場の年収は、6700両にも達して、計画は成功したかに見えました。◆◆
◆◆ しかし、思わぬ所から、鷹山が全精力を傾けた、◆◆
◆◆この計画は、破綻してしまいます・・・◆◆

漆の実でとったロウソクに、突然ライバルが出現します。九州、四国で櫨(はぜ)の実から製造した低コストのロウソクが開発され、市場を席巻したのです。櫨の実は、漆の実よりも大きくてロウを多く含みます。米沢のロウソクは、売れなくなります。

同じ頃、天明の大飢饉が起こり、藩の収入が激減し、鷹山は、失意のどん底に叩き落されます。

上杉鷹山は、責任をとり35歳で隠居を決意します。

しかし、鷹山は、隠居後も実権を持ちつづけ、殖産興業の信念を貫き通しました。
彼は、徹底的な現場主義を採用して、ヒット商品の可能性を調査させます。

桑の栽培と米沢織り、紅花、藍、米、酒、山菜類、火打ち石、鯉・・・・
綿密な調査を行った分野は、53品目にも及びました。

失敗したものもありますが、多くは、米沢の特産物となります。

彼は、農民に桑の苗木を配り、桑畑の年貢を、3年間免除します。
蚕の養殖に優れた技術を持つ者は、農民でも役人に抜擢しました。

そして、越後などの絹織物の先進地域から、技術を導入します。
こうした藩ぐるみの努力から、米沢織りは、誕生したのです。

米沢織りは、品質の高さで大成功を収め、藩の財政は、少しずつ改善へ向かいます。

武士も領民も明るさを取り戻し、米沢藩に活気がでます。

1822年、上杉鷹山は、72歳で死去します。
そして、その翌年、米沢藩の財政はついに黒字転換します。

さて、危機の日本にも、上杉鷹山の不屈の精神が、必要なのではないでしょうか?

◆◆最後に、上杉鷹山の有名な言葉をご紹介しましょう。◆◆
◆◆ なせば成る、なさねば成らぬ何事も◆◆
◆◆成らぬは人のなさぬなりけり◆◆

◆◆ この歌は、彼が治世に失敗して、失意にうちに隠居した時、◆◆
◆◆息子に贈ったものなのです・・◆◆

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