<■98行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> チャットGPT「1ヘクタール(ha)の森林を伐採して太陽光パネルを敷いた場合」を想定して、**(A)森林を失うことによるCO₂損失(貯留量・年吸収量)**と (B)その1haの太陽光発電が1年間でどれだけCO₂を回避できるか(=発電による削減効果) を、現実的な幅を持たせて数値比較します。最後に「どんな条件だと得か/損か」もまとめます。 前提(明示) 以下の数値は代表的な範囲を使った試算です。地域・林分の種類(熱帯林/温帯林/二次林)、太陽光の発電効率、系統のCO₂排出係数などで大きく変わります。計算に用いた代表値は以下。 森林の炭素ストック(地上・土壌を含めた全体の炭素量の目安) 低め:100 tC/ha(tC = トンの炭素) 高め:300 tC/ha 炭素 → CO₂ 変換係数 = 44/12 ≒ 3.667 → したがって 100 tC/ha ≒ 366.7 tCO₂/ha、300 tC/ha ≒ 1,100 tCO₂/ha(森林に貯まっているCO₂量の目安) 森林の年あたりの純吸収量(成長段階により異なる) 低め:1 tCO₂/ha/年 高め:6 tCO₂/ha/年 その1haあたりの太陽光発電量(年間)(設置密度・日射量で幅) 低:0.8 GWh/年 = 800,000 kWh/年 中:1.5 GWh/年 = 1,500,000 kWh/年(代表値) 高:2.0 GWh/年 = 2,000,000 kWh/年 電力系統の炭素排出係数(化石代替の度合い) 低め:0.4 kgCO₂/kWh 高め:0.6 kgCO₂/kWh 太陽光(PV)のライフサイクル排出(製造・輸送・据付等で発生するCO₂) 代表:0.04 kgCO₂/kWh(概算。パネル種類・生産地で変動) ネットで回避できるCO₂(tCO₂/年) = 年間発電量 (kWh) × (系統排出係数 − PVライフサイクル係数) (kgCO₂/kWh) ÷ 1000 計算結果(代表的なレンジ) (単位:tCO₂、1ヘクタール当たり) 1) 森林に貯まっているCO₂(=伐採で失う可能性のある量) 低:約 367 tCO₂/ha 高:約 1,100 tCO₂/ha (注:伐採した木材を燃やしたり分解したりすると、これに近い量が放出される。すべてが即時放出されるわけではないが数年〜数十年かけて放出され得る。) 2) 森林の年間吸収量(失うと毎年失われる吸収) 範囲:1 〜 6 tCO₂/ha/年(若木林か成熟林かで変わる) 3) 太陽光発電による年間の「回避CO₂」(発電で化石を置き換えたときの純削減) 最低ケース(0.8 GWh & 系統0.4 kg, PVライフサイクル0.04): 回避 ≒ 0.8e6 kWh × (0.4−0.04) kg/kWh ÷1000 = 約 288 tCO₂/年 代表ケース(1.5 GWh & 系統0.5 kg, PVライフサイクル0.04): 回避 ≒ 1.5e6 × (0.5−0.04) /1000 = 約 690 tCO₂/年 最高ケース(2.0 GWh & 系統0.6 kg, PVライフサイクル0.04): 回避 ≒ 2.0e6 × (0.6−0.04) /1000 = 約 1,120 tCO₂/年 重要な比較:「カーボン・ペイバックタイム(債務回収年数)」 伐採で一度に放出(または将来放出が確定する)するCO₂量を、太陽光の年間回避量で割ると「何年で“森林を切った分”が発電で取り戻せるか」がおおよそ出ます。 ベスト(論者が好む)ケース: 低い貯留(367 tCO₂) ÷ 高い回避(1,120 tCO₂/年) ≒ 0.3年(数ヶ月) 代表ケース(中間値): 平均貯留(約 733 tCO₂) ÷ 代表回避(690 tCO₂/年) ≒ 約 1.1年 ワースト(注意すべき)ケース: 高い貯留(1,100 tCO₂) ÷ 低い回避(288 tCO₂/年) ≒ 約 3.8年 結論(数値面): 「1〜4年程度で元が取れる(=伐採で失った貯留分を発電の回避で埋める)」という結果になります(上の前提の範囲内では)。 ただしこの『数年でペイバック』という結論は非常に条件依存です。現実にはもっと長期化する場合もあります(下で理由を詳述)。 なぜ研究によっては「何十年かかる」と言うのか — 補足説明(重要) 上の単純計算では短い回収年数になり得ますが、実際の現場では以下の要因で回収年数が劇的に長くなることがあります: 森林の“本当の”炭素貯留量がもっと多い場合 — 古い熱帯雨林や湿地などは地上だけでなく土壌に大量に炭素があり、貯留量が非常に大きい。これを失うと放出量が大きくなる。 伐採での炭素放出の扱い — 木を切って全量を焼却すれば即時放出だが、製材され長期に使われる場合は放出は遅れる。ただし土壌や根の減少で長期的に放出が続く。 太陽光の実効発電量が想定より低い場合 — パネルの配列(傾斜・間隔)、影、保守不足、気候(日射量)が悪ければ発電が低くなる。 太陽光が置き換える「電力の種類」 — 既に低炭素な電力(例えば原子力や大量の再エネ)が主力の系統だと、PVの置換効果は小さくなる(系統排出係数が低い)。逆に石炭が主力なら置換効果は大きい。 PVのライフサイクル排出や設備建設の追加排出 — 土地造成や大量のコンクリート・輸送があれば初期排出が増える。 生態系サービスの損失(気温調節・水循環・生物多様性) — これらはCO₂換算では評価されにくいが、地域の気候・生物多様性に長期的ダメージを与える。 結果として、「どの森林を切るか」「どの地域で設置するか」「その国や系統の電力構成」が結論を決めます。熱帯の高蓄積林を切って設置するケースでは、論文によっては数十年〜百年単位のカーボン・ペイバックになると報告があります(特に土壌炭素の損失を含める場合)。 定性的な環境面(CO₂以外)のデメリット 生物多様性の喪失(希少種の生息地消失) 土壌侵食や洪水リスクの増加 地域の蒸散冷却減少による局所気温上昇(アルベドだけでなく蒸散の低下も効く) 景観・文化的価値の損失 実務上の結論・推奨 森林を伐採しての大規模メガソーラーは原則避けるべき。CO₂面でも生態系面でもリスク大。 優先順位: 屋根・建物の上、既存の人工構造物、廃工場跡地、被覆された駐車場、荒廃地、塩害地などの「劣化土地」→ 最優先で利用。 農地の一部を使う「アグリボルタイクス(営農併用)」も有効(ただし農業影響の評価必須)。 もし森林を使う場合: 復元計画(同等以上の植林)や長期的な保全を義務付け、初期排出を相殺する強い条件を課すこと。 系統の排出係数やPVのライフサイクルを見て判断する:高排出の系統(石炭多め)ではPV導入の即効性が高いが、低排出系統では効果が小さい。 土地ごとのライフサイクル評価(LCA)を必須化:一律ではなく「場所ごとのLCA」で得失を比較する。 要約(短く) 数値試算では 1haあたり数百〜千トンのCO₂貯留があり、太陽光1haの発電で年間数百〜千トンのCO₂回避が可能。 条件によっては数年で"伐採分"を相殺できるが、森林の種類・土壌・系統構成・パネル性能次第で数十年単位になることもある。 だから政策としては 「森林を切る太陽光は原則避け、既存人工地や劣化地を優先」 が妥当です。
[スレ主【魑魅魍魎男】による初期非表示理由]:アラシかも(アラシや工作員コメントはスレ主が処理可能)
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