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[リバイバル3] 優良株の長期投資以外はすべてギャンブル 中川隆
42. 2023年1月06日 08:13:42 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[1]
株式売買は株価が 4倍、5倍になる場合しかやってはいけない。
チャートの専門家が株で儲けられないのは、チャートに基いた売買では 1割、2割の利益ですぐに売ってしまうから:


世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因
2018年10月28日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7959

2018年10月に始まった世界同時株安について、一度纏めておこうと思う。

ここでは急落が起こる何ヶ月も前から株価が暴落する理由について詳しく説明してきたので、ここの読者には同じことの繰り返しになってしまうが、状況を整理することは必要だろう。

世界同時株安の原因は何か

さて、では株価が下落した理由は何だろうか。それは直接的にはアメリカの金融引き締めだが、本質的には2008年の金融危機以来、世界中の中央銀行が行なってきた量的緩和による金融バブルが原因だと言うべきだろう。先ずは2008年以来、米国株がどれだけ上昇してきたかをチャートで見てもらいたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2008-2018-s-and-p-500-chart.png


先ず読者に言いたいのは、このスケールで株価を見なければならないということである。一日で株価が数パーセント上下しようとも、このチャート上で見ればどうでも良くなるだろう。その感覚が大切である。2008年以来の巨大なバブルが、アメリカの金融引き締めによって崩壊するかどうかが問題だからである。

さて、アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)は2種類の金融引き締めを行なっている。先ず、政策金利を0.25%ずつ引き上げる利上げを行なっているのは多くの人にとっても既知の事実だろう。

さて、ここの読者以外の日本の個人投資家の多くはそもそも知らないのではないかと思っているのだが、アメリカの中央銀行は利上げの他に量的引き締めを行なっている。そして筆者はこちらの方が株式市場にとって重大な脅威だと考えている。

量的引き締めとは、市場から債券を買い入れることで中央銀行のバランスシートを増加させ、市場に資金を供給する量的緩和の逆回しであり、つまりは量的緩和で買い入れた債券の保有額を減少させ、市場から資金を引き揚げることである。しかもFedはこれを量的緩和でバランスシートを増加させた時と同じ速度で行なっている。つまりは、量的緩和の完全な巻き戻しが行われているということである。

完全に明らかな世界同時株安の原因

はっきりと言っておきたいのは、筆者にとってはここまでの議論で株安の原因は明らかだということである。中央銀行が量的緩和を行なった時、株価はあれほど暴騰したではないか。アベノミクスで日銀が量的緩和を開始した時、暴騰する日本株を買った読者も多いのではないか。

そうであれば、同じ規模で量的引き締めが行われる場合、同じ規模で株価が暴落しなければ理屈に合っていない。これは、量的緩和でこぞって株を買い漁った投資家自身が一番良く知っていることである。

しかし、市場はこの完全に明らかな事実をこれまでずっと無視しながら上昇相場を続けてきた。バブルとはそういうものだからである。しかしそこにはもう少し説明が必要だろう。

暴騰と暴落の違い

これは金融市場の歴史を通してそうなのだが、バブルとは同じように上がって同じように下がるものではない。株式市場は好材料は一気に織り込み、市場は上げ相場に入ってゆくが、上げ相場が長く続くと、今度は明らかな悪材料があってもそれを無視するようになる。

そうして上昇相場は悪材料を無視しながら上昇を続けてゆき、無視出来なくなったところで一気に下落相場に転じることになる。これこそが、上昇相場が通常10年前後続くのに対して、弱気相場が2年ほどで急激に下落する理由である。金融市場とは17世紀オランダのチューリップ・バブルの頃からそのようにして続いてきたのである。

市場に無視された量的引き締めの開始

アメリカの量的引き締めは、2018年のニュースではない。量的引き締めは2017年の中頃から議論され始め、同年の9月に開始された金融政策である。ここでも当然報じてある。以下の記事である。

連銀総裁ら、追加利上げとバランスシート縮小について語る (2017/8/9)
9月FOMC会合結果はバランスシート縮小決定、ドル円相場の推移見通し (2017/9/21)
しかし、金融市場はこれほど重要な決定をほとんど無視した。そして市場が無視するということも含めて、ここでは事前に予想してきた。以下の記事では次のように結論している。

米国マネタリーベース縮小で量的緩和バブルは崩壊するのか? (2017/7/28)
バブル崩壊とは投資家が株を売らなければならない状況に追い込まれ、その状況が変えられないものであることによって起こるのだが、2017年の市場はその状況にはないということである。

とはいえ、では量的緩和バブルは何の問題もないのかと言えば、そうではない。ここでの論点は、それを破裂させるために十分なトリガー(ブラックマンデーやリーマンショックの頃には存在していた不可避の原因)が、現状では見当たらないということである。

さて、では市場はいつまで量的引き締めを無視し続けるのか? 言い換えれば、バブルはいつまで続くのだろうか? それが分からなければ、バブルを空売りして儲けることは出来ない。だから去年以来、ここでは株価バブル崩壊の兆しを注意深く探し続けてきた。

バブル崩壊には順序がある

リーマンショックの2008年にもそうだったように、バブル崩壊とはすべての銘柄が一斉に下落するものではない。ここでは去年から言い続けてきたように、バブル崩壊の過程では先ず、リスクの高い資産から売られ始めることになる。

事実、2018年の株式市場で一番最初に下落したのは新興国の株式である。中国やトルコ、アルゼンチンなどの株式と通貨の暴落については、ここでも報じてきた。

トルコ大統領、リラ暴落で国民に自国通貨の買い支えを推奨 (2018/8/12)
トルコのエルドアン大統領、通貨暴落で会心のギャグを飛ばす (2018/8/13)


しかし、読者も知っての通り、大半の投資家の反応は「先進国には関係がない」である。そうした反応自体が既にバブルの証拠なのである。

ただ、新興国の次に下落するのはアメリカの市場ではない。そして米国株が崩壊しなければ、日本など他の先進国の株価指数も何とか耐えてゆくだろう。

では次に下落したのは何かと言えば、米国以外の先進国の株式の内、日経平均などの株価指数に含まれていないマイナーな銘柄である。

日本の株式市場の崩壊はもう始まっている (2018/7/31)


7月の段階で既に、日経平均採用銘柄を除く日本株は弱気相場入りしていた。この記事ではマザーズやJASDAQなどの小型株指数が既にかなり下落していたことを指摘した上で、次のように書いている。

少なくとも先進国の主要な株価指数はいまだ史上最高値付近からそれほど下落しておらず、日経平均などだけを見ていると金融引き締めは問題なかったのではないかと思うかもしれないが、世界の市場を見渡してみれば暴落の日が着実に近づいていることが分かるということを、ここ最近連日書いている。

7月時点でこう書いたのだが、真剣に受け取った読者がどれだけ居ただろうか。少なくとも、世の中の大半の個人投資家はここで筆者が指摘し続けてきた暴落の兆候など気にもせず、株式や投資信託を買い続けていただろう。

さて、それでも米国の株価指数であるS&P 500や日経平均は上がり続けた。しかしここで指摘し続けた通り、世界の株式市場の中でまだ上昇相場を保っていたのは、アメリカや日本の株式市場の内、株価指数に採用されている少数の銘柄だけだったのである。

この状況を冷静に考えれば、相場が大丈夫な理由など何もないことが簡単に分かるはずである。アメリカの金融引き締めは世界の金融市場から確実に資金を引き揚げ続けており、新興国は暴落し、先進国も主要銘柄以外はすべて暴落し、最後に残されたのはS&P 500と日経平均に含まれる少数の主要銘柄くらいのものである。ここまで崖っぷちであるにもかかわらず、多くの投資家はバブル崩壊の危機に気づくことがない。筆者には逆にその理由が完全に不可解である。バブルとは面白いものではないか。

2018年9月、最後の審判

9月に日経平均が最後の暴騰を見せたのは、多くの個人投資家が知っている事実だろう。日経平均のチャートを見てみたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2018-8-27-nikkei-225-chart.png


9月の最後の急騰の間、筆者は日経平均の空売りを機械的に続けている。天井の少し前から空売りを開始したため、空売りポジションを構築する間、株価は上がり続けたが、一切気にせず売り増しを続けた。その次に何が起こるのかが分かっているのだから、やる事は一つである。

バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)


そしてバブル崩壊の最後の兆候が現れた。遂に日本のマザーズやJASDAQだけでなく、米国の小型株までもが下げ相場入りしたのである。10月初めのことである。

遂に米国株にも減速の兆し (2018/10/8)
上にも書いたが、バブルではリスクの高い資産から順番に売られてゆく。先ず新興国、次に米国以外の先進国、そして米国の順番となる。つまり、世界市場では米国株は最後の砦である。

その米国の小型株にまで弱気相場が及べば、次はもう米国の主要株が下落するしかない。そして米国の主要銘柄が下落すれば、日本を含む全世界の株式が下落するしかない。だから上記の記事では次のようにはっきり書いてある。

筆者は、これを弱気相場が遂に米国市場に到達した証拠であると見ている。

しかし、多数の投資家は、このような細かい兆候など完全に無視するだろう。新興国は暴落しており、日本株も日経平均以外は既に下がっているが、誰も気にしていない。

それでも筆者はこうした一つ一つの兆候を順番に確認し、バブルの天井が着実に近づいていることを確認してゆく。

そして暴落は当然のように起きた。筆者はそれが10月の何日に来るということを予想していたわけではない。しかし、それが上に説明した順番で起こるということは、去年から分かっていたことである。

もう何年も同じことを言い続けているが、ここでは市場で起こることをすべて事前に説明してあるので、実際に暴落が起きたとしても、書けることは既に書いたことだけである。だから普段からの読者には面白みのない記事となってしまっただろう。

今後の相場見通しについて言えば、下落相場が長く深いものになるためには寧ろ一時的な反発が必要である。だから長期の空売り投資家として筆者は反発を望んでいる。しかし、実際にはどうなるだろうか。

いずれにしても、基準となるのは米国株である。だからS&P 500のチャートを貼っておく。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2018-10-27-s-and-p-500-chart.png


このチャートをFedが救うのか、救わないのかということが問題となる。10%下落したぐらいでは、Fedは市場救済には乗り出さないだろう。現状では10%程度の下げとなっている。

では15%ではどうか? 20%ではどうか? そのようにして次の手を考えることになる。しかし重要なのは、これが10年続いた上げ相場の総決算、バブル崩壊だということである。現状程度の下げでは、下げた内には入らないだろう。

既に長くなってしまったので、見通しの詳細については次の記事を楽しみにしてもらいたい。これほど面白い相場は、何年に一度というレベルだろう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7959

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/907.html#c42

[近代史5] 株式投資で常時監視すべき情報 中川隆
12. 中川隆[-12821] koaQ7Jey 2023年1月06日 08:16:30 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[5]
株式売買は株価が 4倍、5倍になる場合しかやってはいけない。
チャートの専門家が株で儲けられないのは、チャートに基いた売買では 1割、2割の利益ですぐに売ってしまうから:


世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因
2018年10月28日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7959

2018年10月に始まった世界同時株安について、一度纏めておこうと思う。

ここでは急落が起こる何ヶ月も前から株価が暴落する理由について詳しく説明してきたので、ここの読者には同じことの繰り返しになってしまうが、状況を整理することは必要だろう。

世界同時株安の原因は何か

さて、では株価が下落した理由は何だろうか。それは直接的にはアメリカの金融引き締めだが、本質的には2008年の金融危機以来、世界中の中央銀行が行なってきた量的緩和による金融バブルが原因だと言うべきだろう。先ずは2008年以来、米国株がどれだけ上昇してきたかをチャートで見てもらいたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2008-2018-s-and-p-500-chart.png


先ず読者に言いたいのは、このスケールで株価を見なければならないということである。一日で株価が数パーセント上下しようとも、このチャート上で見ればどうでも良くなるだろう。その感覚が大切である。2008年以来の巨大なバブルが、アメリカの金融引き締めによって崩壊するかどうかが問題だからである。

さて、アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)は2種類の金融引き締めを行なっている。先ず、政策金利を0.25%ずつ引き上げる利上げを行なっているのは多くの人にとっても既知の事実だろう。

さて、ここの読者以外の日本の個人投資家の多くはそもそも知らないのではないかと思っているのだが、アメリカの中央銀行は利上げの他に量的引き締めを行なっている。そして筆者はこちらの方が株式市場にとって重大な脅威だと考えている。

量的引き締めとは、市場から債券を買い入れることで中央銀行のバランスシートを増加させ、市場に資金を供給する量的緩和の逆回しであり、つまりは量的緩和で買い入れた債券の保有額を減少させ、市場から資金を引き揚げることである。しかもFedはこれを量的緩和でバランスシートを増加させた時と同じ速度で行なっている。つまりは、量的緩和の完全な巻き戻しが行われているということである。

完全に明らかな世界同時株安の原因

はっきりと言っておきたいのは、筆者にとってはここまでの議論で株安の原因は明らかだということである。中央銀行が量的緩和を行なった時、株価はあれほど暴騰したではないか。アベノミクスで日銀が量的緩和を開始した時、暴騰する日本株を買った読者も多いのではないか。

そうであれば、同じ規模で量的引き締めが行われる場合、同じ規模で株価が暴落しなければ理屈に合っていない。これは、量的緩和でこぞって株を買い漁った投資家自身が一番良く知っていることである。

しかし、市場はこの完全に明らかな事実をこれまでずっと無視しながら上昇相場を続けてきた。バブルとはそういうものだからである。しかしそこにはもう少し説明が必要だろう。

暴騰と暴落の違い

これは金融市場の歴史を通してそうなのだが、バブルとは同じように上がって同じように下がるものではない。株式市場は好材料は一気に織り込み、市場は上げ相場に入ってゆくが、上げ相場が長く続くと、今度は明らかな悪材料があってもそれを無視するようになる。

そうして上昇相場は悪材料を無視しながら上昇を続けてゆき、無視出来なくなったところで一気に下落相場に転じることになる。これこそが、上昇相場が通常10年前後続くのに対して、弱気相場が2年ほどで急激に下落する理由である。金融市場とは17世紀オランダのチューリップ・バブルの頃からそのようにして続いてきたのである。

市場に無視された量的引き締めの開始

アメリカの量的引き締めは、2018年のニュースではない。量的引き締めは2017年の中頃から議論され始め、同年の9月に開始された金融政策である。ここでも当然報じてある。以下の記事である。

連銀総裁ら、追加利上げとバランスシート縮小について語る (2017/8/9)
9月FOMC会合結果はバランスシート縮小決定、ドル円相場の推移見通し (2017/9/21)
しかし、金融市場はこれほど重要な決定をほとんど無視した。そして市場が無視するということも含めて、ここでは事前に予想してきた。以下の記事では次のように結論している。

米国マネタリーベース縮小で量的緩和バブルは崩壊するのか? (2017/7/28)
バブル崩壊とは投資家が株を売らなければならない状況に追い込まれ、その状況が変えられないものであることによって起こるのだが、2017年の市場はその状況にはないということである。

とはいえ、では量的緩和バブルは何の問題もないのかと言えば、そうではない。ここでの論点は、それを破裂させるために十分なトリガー(ブラックマンデーやリーマンショックの頃には存在していた不可避の原因)が、現状では見当たらないということである。

さて、では市場はいつまで量的引き締めを無視し続けるのか? 言い換えれば、バブルはいつまで続くのだろうか? それが分からなければ、バブルを空売りして儲けることは出来ない。だから去年以来、ここでは株価バブル崩壊の兆しを注意深く探し続けてきた。

バブル崩壊には順序がある

リーマンショックの2008年にもそうだったように、バブル崩壊とはすべての銘柄が一斉に下落するものではない。ここでは去年から言い続けてきたように、バブル崩壊の過程では先ず、リスクの高い資産から売られ始めることになる。

事実、2018年の株式市場で一番最初に下落したのは新興国の株式である。中国やトルコ、アルゼンチンなどの株式と通貨の暴落については、ここでも報じてきた。

トルコ大統領、リラ暴落で国民に自国通貨の買い支えを推奨 (2018/8/12)
トルコのエルドアン大統領、通貨暴落で会心のギャグを飛ばす (2018/8/13)


しかし、読者も知っての通り、大半の投資家の反応は「先進国には関係がない」である。そうした反応自体が既にバブルの証拠なのである。

ただ、新興国の次に下落するのはアメリカの市場ではない。そして米国株が崩壊しなければ、日本など他の先進国の株価指数も何とか耐えてゆくだろう。

では次に下落したのは何かと言えば、米国以外の先進国の株式の内、日経平均などの株価指数に含まれていないマイナーな銘柄である。

日本の株式市場の崩壊はもう始まっている (2018/7/31)


7月の段階で既に、日経平均採用銘柄を除く日本株は弱気相場入りしていた。この記事ではマザーズやJASDAQなどの小型株指数が既にかなり下落していたことを指摘した上で、次のように書いている。

少なくとも先進国の主要な株価指数はいまだ史上最高値付近からそれほど下落しておらず、日経平均などだけを見ていると金融引き締めは問題なかったのではないかと思うかもしれないが、世界の市場を見渡してみれば暴落の日が着実に近づいていることが分かるということを、ここ最近連日書いている。

7月時点でこう書いたのだが、真剣に受け取った読者がどれだけ居ただろうか。少なくとも、世の中の大半の個人投資家はここで筆者が指摘し続けてきた暴落の兆候など気にもせず、株式や投資信託を買い続けていただろう。

さて、それでも米国の株価指数であるS&P 500や日経平均は上がり続けた。しかしここで指摘し続けた通り、世界の株式市場の中でまだ上昇相場を保っていたのは、アメリカや日本の株式市場の内、株価指数に採用されている少数の銘柄だけだったのである。

この状況を冷静に考えれば、相場が大丈夫な理由など何もないことが簡単に分かるはずである。アメリカの金融引き締めは世界の金融市場から確実に資金を引き揚げ続けており、新興国は暴落し、先進国も主要銘柄以外はすべて暴落し、最後に残されたのはS&P 500と日経平均に含まれる少数の主要銘柄くらいのものである。ここまで崖っぷちであるにもかかわらず、多くの投資家はバブル崩壊の危機に気づくことがない。筆者には逆にその理由が完全に不可解である。バブルとは面白いものではないか。

2018年9月、最後の審判

9月に日経平均が最後の暴騰を見せたのは、多くの個人投資家が知っている事実だろう。日経平均のチャートを見てみたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2018-8-27-nikkei-225-chart.png


9月の最後の急騰の間、筆者は日経平均の空売りを機械的に続けている。天井の少し前から空売りを開始したため、空売りポジションを構築する間、株価は上がり続けたが、一切気にせず売り増しを続けた。その次に何が起こるのかが分かっているのだから、やる事は一つである。

バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)


そしてバブル崩壊の最後の兆候が現れた。遂に日本のマザーズやJASDAQだけでなく、米国の小型株までもが下げ相場入りしたのである。10月初めのことである。

遂に米国株にも減速の兆し (2018/10/8)
上にも書いたが、バブルではリスクの高い資産から順番に売られてゆく。先ず新興国、次に米国以外の先進国、そして米国の順番となる。つまり、世界市場では米国株は最後の砦である。

その米国の小型株にまで弱気相場が及べば、次はもう米国の主要株が下落するしかない。そして米国の主要銘柄が下落すれば、日本を含む全世界の株式が下落するしかない。だから上記の記事では次のようにはっきり書いてある。

筆者は、これを弱気相場が遂に米国市場に到達した証拠であると見ている。

しかし、多数の投資家は、このような細かい兆候など完全に無視するだろう。新興国は暴落しており、日本株も日経平均以外は既に下がっているが、誰も気にしていない。

それでも筆者はこうした一つ一つの兆候を順番に確認し、バブルの天井が着実に近づいていることを確認してゆく。

そして暴落は当然のように起きた。筆者はそれが10月の何日に来るということを予想していたわけではない。しかし、それが上に説明した順番で起こるということは、去年から分かっていたことである。

もう何年も同じことを言い続けているが、ここでは市場で起こることをすべて事前に説明してあるので、実際に暴落が起きたとしても、書けることは既に書いたことだけである。だから普段からの読者には面白みのない記事となってしまっただろう。

今後の相場見通しについて言えば、下落相場が長く深いものになるためには寧ろ一時的な反発が必要である。だから長期の空売り投資家として筆者は反発を望んでいる。しかし、実際にはどうなるだろうか。

いずれにしても、基準となるのは米国株である。だからS&P 500のチャートを貼っておく。

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このチャートをFedが救うのか、救わないのかということが問題となる。10%下落したぐらいでは、Fedは市場救済には乗り出さないだろう。現状では10%程度の下げとなっている。

では15%ではどうか? 20%ではどうか? そのようにして次の手を考えることになる。しかし重要なのは、これが10年続いた上げ相場の総決算、バブル崩壊だということである。現状程度の下げでは、下げた内には入らないだろう。

既に長くなってしまったので、見通しの詳細については次の記事を楽しみにしてもらいたい。これほど面白い相場は、何年に一度というレベルだろう。

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[リバイバル3] 優良株の長期投資以外はすべてギャンブル 中川隆
43. 2023年1月06日 08:39:37 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[6]
相場の予測で参考になるサイト

グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート | 世界の金融市場における分析と実践
https://www.globalmacroresearch.org/jp/

つばめ投資顧問 - YouTube
https://www.youtube.com/c/Tsubame1045/videos

宮田直彦 エリオット波動レポート - YouTube動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%AE%AE%E7%94%B0%E7%9B%B4%E5%BD%A6+%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E6%B3%A2%E5%8B%95

エリオット波動 宮田レポート
https://www.m2j.co.jp/market

海外投資家とその他部門の売買動向
https://karauri.net/doukou/

騰落レシオ 日経平均比較チャート
https://nikkei225jp.com/data/touraku.php

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/907.html#c43

[リバイバル3] 資産を増やすには ほったらかし投資法が断然優れている 中川隆
51. 中川隆[-12820] koaQ7Jey 2023年1月06日 08:39:58 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[7]
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[近代史5] 株式投資で常時監視すべき情報 中川隆
13. 中川隆[-12819] koaQ7Jey 2023年1月06日 08:40:56 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[8]
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[リバイバル3] 優良株の長期投資以外はすべてギャンブル 中川隆
44. 2023年1月06日 08:50:26 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[9]
株で儲ける方法教えてあげる(こっそり)
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14005993

株式投資で常時監視すべき情報
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[リバイバル3] 資産を増やすには ほったらかし投資法が断然優れている 中川隆
52. 中川隆[-12818] koaQ7Jey 2023年1月06日 08:50:50 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[10]
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[近代史02] 鈴木傾城 _ アメリカ株で儲けるほど簡単な事は無い 中川隆
102. 中川隆[-12817] koaQ7Jey 2023年1月06日 08:51:20 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[11]
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[近代史5] 株式投資で常時監視すべき情報 中川隆
14. 中川隆[-12816] koaQ7Jey 2023年1月06日 08:52:43 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[12]
株で儲ける方法教えてあげる(こっそり)
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http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/349.html#c14

[番外地10] 円安には何も良いことがない。 保守や右翼には馬鹿し
1. 保守や右翼には馬鹿し[9] lduO54LiiUWXg4LJgs2Ubo6tgrU 2023年1月06日 12:49:40 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[13]
非正規雇用で失業率が減っても意味ないんだよな。団塊の世代が定年になったら失業率が減るのは当たり前だしね。 それからGDPの大半は企業収益だから賃金は反映していない。

円安には何も良いことがない。
2022年の日本株のパフォーマンスが比較的良かったのは、ドル円が急上昇していたからである。
何故ドル円が上がれば日経平均が上昇するのか。海外の投資家の目線で考えてもらいたいのだが、例えばドル円が100円で日経平均が24,000円ならば、日経平均はドル換算では240ドルということになる。
だがこれが円安ドル高になってドル円が120円になると、日経平均は海外の投資家から見れば200ドルになる。同じものがいきなりドル換算で安くなるので、日経平均に買いが入るわけである。
2013年に始まったアベノミクスでは円安と株高が進んで日本国民は喜んだわけだが、本来240ドルだった日経平均(という日本企業のかたまり)を200ドルで安売りすることになっているので、実は日本はまったく儲かっていない。儲かったのは外国人である。
円安には何も良いことがない。

日本では2022年に国民がインフレで苦しんでいるにもかかわらず、日銀は緩和政策を続けていた。理由は何故かというとインフレを引き起こすためだという。
黒田総裁も自民党もそれを支持する日本国民も馬鹿ではないかと思うのだが、日本のインフレ率が4%に近づいている今、黒田氏も流石にこの馬鹿げた緩和政策を撤回せざるを得なくなった。
それで日銀は金利を上げたわけである。金利上昇は通貨高に繋がる。
だから2023年のトレンドは円高ドル安である。
更に、金利上昇は日本経済を冷やす。あるいは2013年からマイナス金利でゾンビ企業に資金供給を続けてきた分がすべてひっくり返る。バブル崩壊である.
アベノミクス以来、何の価値もない円安政策によって日経平均を数字上底上げしてきた分のツケが一気に回ってくることになる。

逆に金利を上げなければ、円の下落が続くことになるだろう。金利を上げれば国債と株式が死ぬ。これからしばらくは、円を助けて国債と株式を殺すフェイズである。
だが長期的には通貨暴落も国債暴落も現実に近づいてきた。
おめでとう。日本国民は自民党と黒田氏に感謝すべきだろう。
http://www.asyura2.com/21/ban10/msg/775.html#c1

[近代史4] 経済成長率、GDPデフレーター、潜在成長率とGDPギャップ 中川隆
4. 2023年1月06日 15:25:12 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[14]
名目GDPと実質GDPの求め方
2016年6月17日
https://www.management-consultant.info/?p=179


参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

名目GDPと実質GDPという用語があります。
簡単にいうと名目GDPに対して物価の影響を考慮したのが実質GDPです。

この記事では名目GDPと実質GDPの求め方について解説します。

名目GDPと実質GDPの計算方法を理解するために
例題を使って説明しますね。


名目GDPと実質GDPの求め方について例題を挙げて解説
例題)

最終生産物が車のプリウスとミカンのみの仮想的な経済です。
2015年を基準年とします。

プリウス
2015年

プリウス10台で1台が100万円
ミカン10個で1個が100円

2016年

プリウス20台で1台が200万円
ミカン20個で1個が150円

まず名目GDPを求めてみましょう。

名目GDPは単純に足すだけです。

2015年度の名目GDPは
10台×100万円+10個×100円=1000万1000円

となります。

2016年度の名目GDPは
20台×200万円+20個×150円=4000万3000円

となります。

実質GDP
次に実質GDPです。

実質GDP=名目GDP÷物価
です。

2015年度を基準年にします。
古い年を基準にする物価の計算方法はラスパイレス指数を使います。

ラスパイレス指数の詳細はこちらの記事を参考にお願いします。
⇒ラスパイレス指数の求め方をわかりやすく解説

ラスパイレス指数
=(10×200万円+10×150円)÷(10×100万円+10×100円)
=2000万1500円÷1000万1000円
=2.00

したがって

実質GDP=2016年の名目GDP÷2.00
=4000万3000円÷2=2000万1500円
となります。

2015年と2016年の名目GDPを比較したら約4倍
私たちの暮らしは豊かになっているはずです。

でも物価を考慮した実質GDPで考えると2倍くらいしか
私たちの暮らしは豊かになっていないということですね。

名目GDP
わかりやすく説明するために
名目GDPをお給料と考えてみましょう。

もし名目GDPが2倍になっても物価が2倍になっているなら
ミカンが前年度よりも2倍高くなっているので
いくらお給料が2倍になっても実質私たちの暮らしは何も変わっていませんね。

これが

実質GDP=名目GDP÷物価
の意味です。

https://www.management-consultant.info/?p=179
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1099.html#c4

[近代史4] 経済成長率、GDPデフレーター、潜在成長率とGDPギャップ 中川隆
5. 2023年1月06日 15:28:36 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[15]
ラスパイレス指数の求め方をわかりやすく解説
2016年6月17日
https://www.management-consultant.info/?p=172


参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

物価の計算方法は2つあります。

・ラスパイレス指数
・パーシェ指数

の2つです。

この記事ではラスパイレス指数の求め方について解説します。

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ラスパイレス指数の求め方
ラスパイレス指数(ラスパイレス方式)とは
古い年の数量を基準にして物価を計算する方法です。

消費者物価指数の計算にラスパイレス指数は利用されています。

ラスパイレス指数
ラスパイレス指数の求め方を説明するために例題を掲載します。

例題)

2000年は以下の通り

商品 価格 購入量
A財 300 40
B財 200 60

それから2016年は以下の通り

商品 価格 購入量
A財 500 40
B財 300 50

以上の情報からラスパイレス指数を計算してみてください。

ラスパイレス指数は古い年の数量を基準にして物価を計算する方法でしたね。

ラスパイレス指数
昔の数量で今買ったらどうなるのか?を表しているのが
ラスパイレス指数(ラスパイレス方式)です。

古い年の『数量』を基準にするのがポイントです。

それからラスパイレス指数もパーシェ指数もどちらも
(今現在)÷(昔)で計算するのは共通です。

よって、

(40×500+60×300)÷(40×300+60×200)
=(20000+18000)÷(12000+12000)
=38000÷24000=1.58
ラスパイレス指数は%で表すので
1.58を100倍して158%が答えです。

つまりラスパイレス方式で計算したら物価が58%上がったことになります。

では、上記の例題をパーシェ指数で計算したらどうなるのでしょうか?
続きはこちらをご覧ください。
⇒パーシェ指数の計算方法をわかりやすく解説

https://www.management-consultant.info/?p=172

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1099.html#c5

[近代史4] 経済成長率、GDPデフレーター、潜在成長率とGDPギャップ 中川隆
6. 2023年1月06日 15:29:55 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[16]
パーシェ指数の計算方法をわかりやすく解説
2016年6月17日
https://www.management-consultant.info/?p=168


参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

物価の計算方法には

・ラスパイレス指数
・パーシェ指数

の2つがあります。

ラスパイレス指数(ラスパイレス方式)は
古い年の数量を基準に物価を計算する方法です。

これに対してパーシェ指数は新しい年の数量を基準にして物価を計算する方法です。
この記事ではパーシェ指数の計算方法を例題を使って解説します。


パーシェ指数の計算方法
パーシェ指数
例題

2000年は以下の通り

商品 価格 購入量
A財 300 40
B財 200 60

それから2016年は以下の通り

商品 価格 購入量
A財 500 40
B財 300 50

パーシェ指数は新しい年の数量を基準に物価を計算する方法です。
『新しい年』の『数量』を使うのがポイントです。

また物価を計算するときには

新しい年÷古い年
で計算します。

パーシェ指数
よって

(40×500+50×300)÷(40×300+50×200)
=(20000+15000)÷(12000+10000)
=35000÷22000=1.59
パーシェ指数は%で表現しますので
1.59に100(%)をかけて159%が答えです。

つまりパーシェ指数を使って物価を計算すると59%物価が上昇したとなります。

パーシェ指数はGDPデフレータで使用します。

https://www.management-consultant.info/?p=168
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1099.html#c6

[番外地10] 円安には何も良いことがない。 保守や右翼には馬鹿し
2. 中川隆[-12815] koaQ7Jey 2023年1月06日 15:54:39 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[17]
橋洋一は経済のイロハがわかっていない。
非正規雇用で失業率が減っても意味ないんだよな。団塊の世代が定年になったら失業率が減るのは当たり前だしね。 それからGDPの大半は企業収益だから賃金は反映していない。
物価高なのにGDPデフレーターがマイナスになるのは企業が輸入物価高を製品価格に転嫁できない超円安の場合だから日銀の金融緩和はすぐに止めなければいけない:

 CPI(総合の消費者物価指数)ベースのインフレ率が3%、コアコアCPIが0.9%。直近の輸入物価指数が、円ベースで前年比+42.6%という状況にありながら、GDPデフレータはマイナス。

 どういうことか。

 輸入物価の上昇を、企業が販売価格に十分に転嫁できていないということを意味します。輸入物価上昇は、CPIにはプラス要因、GDPデフレータにはマイナス要因になるのです。

 GDPデフレータは名目GDP÷実質GDPです。ここで、名目GDP100、実質GDP100と仮定しましょう。
(1) GDPデフレータ=100÷100=1
 名目GDPは、簡易的に「国内需要+輸出−輸入」とします。

 この状況で、輸入物価が10増えた。企業が価格をそのまま販売価格に転嫁すると、「国内需要(10増)+輸出−輸入(10増)」であり、名目GDPが変わらないため、GDPデフレータは「1」のまま、変化しません。

 ところが、価格転嫁できないとなると、
(2) 名目GDP=国内需要(±0)+輸出−輸入(10増)=90
 ということで、名目GDPが90に減ってしまうのです。

 結果、
(3) GDPデフレータ=90÷100=0.9
 ということで、GDPデフレータは低下する。

円安には何も良いことがない。

2022年の日本株のパフォーマンスが比較的良かったのは、ドル円が急上昇していたからである。
何故ドル円が上がれば日経平均が上昇するのか。海外の投資家の目線で考えてもらいたいのだが、例えばドル円が100円で日経平均が24,000円ならば、日経平均はドル換算では240ドルということになる。
だがこれが円安ドル高になってドル円が120円になると、日経平均は海外の投資家から見れば200ドルになる。同じものがいきなりドル換算で安くなるので、日経平均に買いが入るわけである。
2013年に始まったアベノミクスでは円安と株高が進んで日本国民は喜んだわけだが、本来240ドルだった日経平均(という日本企業のかたまり)を200ドルで安売りすることになっているので、実は日本はまったく儲かっていない。儲かったのは外国人である。
円安には何も良いことがない。

日本では2022年に国民がインフレで苦しんでいるにもかかわらず、日銀は緩和政策を続けていた。理由は何故かというとインフレを引き起こすためだという。
黒田総裁も自民党もそれを支持する日本国民も馬鹿ではないかと思うのだが、日本のインフレ率が4%に近づいている今、黒田氏も流石にこの馬鹿げた緩和政策を撤回せざるを得なくなった。
それで日銀は金利を上げたわけである。金利上昇は通貨高に繋がる。
だから2023年のトレンドは円高ドル安である。
更に、金利上昇は日本経済を冷やす。あるいは2013年からマイナス金利でゾンビ企業に資金供給を続けてきた分がすべてひっくり返る。バブル崩壊である.
アベノミクス以来、何の価値もない円安政策によって日経平均を数字上底上げしてきた分のツケが一気に回ってくることになる。

逆に金利を上げなければ、円の下落が続くことになるだろう。金利を上げれば国債と株式が死ぬ。これからしばらくは、円を助けて国債と株式を殺すフェイズである。
だが長期的には通貨暴落も国債暴落も現実に近づいてきた。
おめでとう。日本国民は自民党と黒田氏に感謝すべきだろう。
http://www.asyura2.com/21/ban10/msg/775.html#c2

[番外地10] 円安には何も良いことがない。 保守や右翼には馬鹿し
3. 中川隆[-12814] koaQ7Jey 2023年1月06日 16:00:06 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[18]
橋洋一は経済のイロハがわかっていない。
非正規雇用で失業率が減っても意味ないんだよな。団塊の世代が定年になったら失業率が減るのは当たり前だしね。 それからGDPの大半は企業収益だから賃金は反映していない。
物価高なのにGDPデフレーターが 1.0以下になるのは企業が輸入物価高を製品価格に転嫁できない超円安の場合だから日銀の金融緩和はすぐに止めなければいけない:

 CPI(総合の消費者物価指数)ベースのインフレ率が3%、コアコアCPIが0.9%。直近の輸入物価指数が、円ベースで前年比+42.6%という状況にありながら、GDPデフレータはマイナス。

 どういうことか。

 輸入物価の上昇を、企業が販売価格に十分に転嫁できていないということを意味します。輸入物価上昇は、CPIにはプラス要因、GDPデフレータにはマイナス要因になるのです。

 GDPデフレータは名目GDP÷実質GDPです。ここで、名目GDP100、実質GDP100と仮定しましょう。
(1) GDPデフレータ=100÷100=1
 名目GDPは、簡易的に「国内需要+輸出−輸入」とします。

 この状況で、輸入物価が10増えた。企業が価格をそのまま販売価格に転嫁すると、「国内需要(10増)+輸出−輸入(10増)」であり、名目GDPが変わらないため、GDPデフレータは「1」のまま、変化しません。

 ところが、価格転嫁できないとなると、
(2) 名目GDP=国内需要(±0)+輸出−輸入(10増)=90
 ということで、名目GDPが90に減ってしまうのです。

 結果、
(3) GDPデフレータ=90÷100=0.9
 ということで、GDPデフレータは低下する。

円安には何も良いことがない。

2022年の日本株のパフォーマンスが比較的良かったのは、ドル円が急上昇していたからである。
何故ドル円が上がれば日経平均が上昇するのか。海外の投資家の目線で考えてもらいたいのだが、例えばドル円が100円で日経平均が24,000円ならば、日経平均はドル換算では240ドルということになる。
だがこれが円安ドル高になってドル円が120円になると、日経平均は海外の投資家から見れば200ドルになる。同じものがいきなりドル換算で安くなるので、日経平均に買いが入るわけである。
2013年に始まったアベノミクスでは円安と株高が進んで日本国民は喜んだわけだが、本来240ドルだった日経平均(という日本企業のかたまり)を200ドルで安売りすることになっているので、実は日本はまったく儲かっていない。儲かったのは外国人である。
円安には何も良いことがない。

日本では2022年に国民がインフレで苦しんでいるにもかかわらず、日銀は緩和政策を続けていた。理由は何故かというとインフレを引き起こすためだという。
黒田総裁も自民党もそれを支持する日本国民も馬鹿ではないかと思うのだが、日本のインフレ率が4%に近づいている今、黒田氏も流石にこの馬鹿げた緩和政策を撤回せざるを得なくなった。
それで日銀は金利を上げたわけである。金利上昇は通貨高に繋がる。
だから2023年のトレンドは円高ドル安である。
更に、金利上昇は日本経済を冷やす。あるいは2013年からマイナス金利でゾンビ企業に資金供給を続けてきた分がすべてひっくり返る。バブル崩壊である.
アベノミクス以来、何の価値もない円安政策によって日経平均を数字上底上げしてきた分のツケが一気に回ってくることになる。

逆に金利を上げなければ、円の下落が続くことになるだろう。金利を上げれば国債と株式が死ぬ。これからしばらくは、円を助けて国債と株式を殺すフェイズである。
だが長期的には通貨暴落も国債暴落も現実に近づいてきた。
おめでとう。日本国民は自民党と黒田氏に感謝すべきだろう。
http://www.asyura2.com/21/ban10/msg/775.html#c3

[近代史3] マスコミの偽情報 _ CIA は有力メディアを情報操作のために使っている 中川隆
45. 2023年1月06日 21:21:04 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[19]
2023年01月06日
CIAの偽情報と利用される主流メディア
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68918420.html

豊かな全体主義になるアメリカ
Media control 43Angela Merkel & President Putin 44


  年が明けた2023年の1月、米国の連邦議会では、多数派を獲得した共和党(GOP)が主導権を握り、同党のリーダーを務めるケヴィン・マッカーシー(Kevin McCarthy)が新たな下院議長に選ばれるはずだった。ところが、共和党の保守派グループ「フリーダム・コーカス(Freedom Caucus)」が造反してしまい、マッカーシー議員が必要とする過半数(218票)を取れなかったのだ。民衆党の下院リーダーであるハキーム・ジェフリーズ(Hakeem Jeffries)議員でも212票を取ったのに、共和党のマッカーシー議員は、たったの208票だった。こんな事態は164年ぶりの混乱で、議長選出のために11回も投票を繰り返すなんて異常だ。現時点では、まだ決まっていないので、マッカーシーがどんな譲歩をするのか分からない。

  共和党内部には色々な不満があって、マッカーシー議員だと裏でエスタブリッシュメントや民衆党側と妥協するんじゃないか、といった懸念がある。本来なら、マッカーシーが先頭を切って反バイデン政権の急先鋒となり、ナンシー・ペロシと激突してもおかしくはなかった。ところが、マッカーシーはペロシ陣営を激しく糾弾せず、マスコミを味方にした民衆党はやりたい放題。クリスマス・ツリーがへし折れるほど、願い事の法案をぶら下げて膨大な歳出を謀った。もしかすると、マッカーシーは下院議長になっても、グローバリスト勢力に打撃を与えず、適当な「ガス抜き」で幕引きにする虞(おそれ)がある。

Jim Jordan 1Kevin McCarthy 324Hakeem Jeffries 122
(左 : ジム・ジョーダン / 中央 : ケヴィン・マッカーシー / 右 : ハキーム・ジェフリーズ )

  これではトランプ支持派や保守派議員にとったら、煮え切らないフラストレーションが溜まる一方だ。共和党下院指導者にはマッカーシーのみならず、テーブルの下で民衆党と手を結ぶ“裏切者”が少なくない。前任者のジョン・ベイナー(John Boehner)やポール・ライアン(Paul Ryan)を見れば判るじゃないか。マッカーシーの前任者だったエリック・カンター(Eric Cantor)は、もっと胡散臭かった。「保守派」というが、その正体は「ユダヤ教の保守派」で、民衆党から出馬してもおかしくない人物だ。彼がナンシー・ペロシを批判したのは、イスラエルと敵対する“独裁者”のシリア大統領アサドと面会したからで、カンターにとってはイスラエルの国益こそが第一。心の底では「アメリカ・セカンド」が信条なのかもしれないぞ。

Paul Ryan 11John Boehner 1Eric Cantor 1
(左 : ポール・ライアン / 中央 : ジョン・ベイナー / 右 : 「AIPAC」の席で演説するエリック・カンター)

  「フリーダム・コーカス」を実質的に率いるジム・ジョーダン(James D. Jordan)下院議員は、たぶん、裏取引でマッカーシーの支持に廻ると思うが、新たな下院議長がどれほど辛辣に民衆党を攻撃できるかは未知数だ。バイデンを操る闇組織は、豊富な資金と人脈で他の共和党員を籠絡するし、既に「仲間」となっている共和党議員は、陰でバイデン政権の協力者となるだろう。ウクライナ紛争は何年も前から計画されている謀略だから、陣笠議員の批判で妨害されることはない。ドナルド・トランプの再選だって危ないんだから、ティー・パーティーの議員なんて“芥子粒(けしつぶ)”程度の存在だ。

八百長と陰謀だったミンスク合意

  これから共和党主導の下院議員が発足するけど、欲求不満の共和党がどれほど民衆党を叩けるのか判らない。ただし、CBSやABC、CNNといった主要メディアが、劣勢となった民衆党を助け、共和党を攻撃することは充分予想できる。大手メディアの情報操作は、以前から保守派言論人によって批判されてきたが、ウクライナ紛争が始まってからも様々な情報隠蔽や大衆扇動がなされてきた。歐米諸国と同様に、我が国でも一般国民は、ロシア軍が邪悪な野心を持って一方的にウクライナへ侵攻したと思っている。もちろん、伝統的にロシアは侵略行為を繰り返してきたので、日本人がロシアを非難するのも当然だ。しかし、テレビや新聞の戦争報道には、心理戦や諜報戦が混じっているから迂闊に信用できない。

  そもそも、ウクライナ紛争は根本的に怪しい。段々と明らかになってきたが、アメリカ政府とブリテン政府が強引にNATOの拡大をすることで、ロシア政府の危機感とウクライナ国民の対立を煽っていたのだ。西側が創り出すイメージとは違い、プーチンは意外と穏健で、危険な冒険を好まず、非常に用心深い。ただし、相手の真意を見切った時は別で、「話し合いは無理で、武力解決しかない !」と悟れば果敢な行動に出る。それに、ロシア軍の将兵も「国家存亡の危機」と認識しているから、徹底抗戦を貫くだろう。

  アメリカのロシア専門家の何割かは、NATOの東方拡大に反対で、この拡張はモスクワを神経質にさせる政策と解っていた。CIA長官のウィリアム・バーンズ(William Burns)は、ブッシュ政権の頃から解っており、コンドリーザ・ライス国務長官に対し、ウクライナのNATO加盟はレッドラインを超えることになる、と警告していたのだ。

  駐ソ大使を務めていたジャック・マトロック(Jack F. Matlock, Jr.)も、ウクライナやグルジアのNATO加盟は危険と解っていたという。それゆえ、マトロックはその危機を避けることは可能だったし、予測することも充分できた、と答えている。(Jack F. Matlock, Jr., 'I was there : NATO and the origins of the Ukraine crisis', Responsible Statecraft, February 15, 2022.) この外政官によれば、NATOはロシアに不拡大を約束していたという。対露強硬派のリチャード・ホルブルック(Richard Holbrooke)もウクライナのNATO加盟や東方拡大には慎重で、この方針はモスクワにとって非常にデリケートな問題だ、と述べていた。

William Burns 1Condoleeza Rice 1Jack Matlock Jr 001Richard Hilbrooke 213
(左 : ウィリアム・バーンズ / コンドリーザ・ライス / ジャック・マトロック / 右 : リチャード・ホルブルック )

  おそらく、大半のロシア専門家はNATOの東方拡大を懸念していたはずだ。ロシアへの挑発を危険と見なす専門家は他にもいる。例えば、駐ソ大使を務めたロバート・シュトラウス(Robert Schwarz Strauss)は、ロシアの焦燥感を理解していた。ソ連崩壊後、ロシアが気にしていたのは、共産主義体制の瓦解ではなく、軍事的勢力圏の縮小だった。NATOの脅威がウクライナにまで迫っていたんだから、軍人じゃなくても心配になる。国務次官補になったトマス・ナイルズ(Thomas Niles)もNATOの東方拡大には懸念を示していた。ロシアとウクライナの軍事バランスを考えれば当然だ。

Robert Strauss 1Thomas Niles 43234Biden 78244
(左 : ロバート・シュトラウス / 中央 : トマス・ナイルズ / 右 : 「大統領」を演じるジョー・バイデン )

  しかし、バイデン政権は敢えて危険を犯した。なぜか? それはプーチン大統領が、オルガルヒ達の利権を取り上げたからだ。こうした米国の本音に気づけば、普通の、日本人でもロシアが踏み込んだ乾坤一擲の侵攻を理解できるだろう。ジョー・バイデンを操っている連中は、プーチン政権を打倒するため、民族対立が燻るウクライナを利用し、対露戦争の口実に使ったと考えられる。

  西側の報道ではプーチンが「悪の独裁者」になっているけど、元KGB局員のプーチンは意外と冷静だ。彼はロシアの経済発展を第一に望むから、非合理的な領土拡張には乗り出さない。ただ、NATOの圧力に屈してしまうと、ロシアのタカ派が台頭するから、本当にクーデタが起こる可能性も出てくる。俯瞰的に考察すれば、ウクライナでの戦争を計画し、それを望んだのはバイデン政権の方だろう。そして、あのボケ老人を操る闇組織が、最大の戦争利得者となっているはずだ。

  我々には真の黒幕が誰なのか全く判らない。だが、こうした英米の謀略はドイツやフランス、イタリアなどの西側諸国、特に一般の中流家庭に負担を強いる結果となっている。エネルギー価格が安定せず、原油価格が1バーレル当たり、また100ドル程度に高騰すれば、庶民の不満が爆発するだろう。今年は暖冬というが、やはりベルリンやハノーヴァー、アムステルダムなどは北緯53度くらいに位置するからとても寒い。これは樺太の北部と同じ緯度となる。もし、こんな地域で「暖房を節約して下さい !」と呼びかけたら暴動が起こるぞ。御用学者の経済予測は度々外れるし、戦争が長期化すれば、半年後ですらどうなるか判らない。

  ウクライナ紛争に嫌気が差した西歐諸国を代表し、それとなく批判を口にしたのはアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)だ。この元首相は「Die Zeit」紙のインタヴューを受けた時、2014年のミンスク合意(Minsker Abkommen)が「策略」であることを明らかにした。(Tina Hildebrandt und Giovanni di Lorenzo, 'HattenSie gedacht, ich komme mit Pferdeschwanz?', Die Zeit, 7 Dezember 2022.)

Angela Merkel 3352Angela Merkel & President Putin 33
( 左 : アンゲラ・メルケル / 右 : メルケルと仲良しのプーチン大統領 )

  メルケルの告白によれば、ミンスク合意はウクライナを強化するための「時間稼ぎ」であったという。つまり、アメリカ、ブリテン、フランスなどの西側諸国が、意図的にプーチンを騙したのだ。なぜなら、NATO諸国がウクライナ軍を訓練し、高度な兵器を使いこなすには、時間と訓練が必要だったからである。西側の連中がプーチンと交渉し、東部地域での自治を認めるような態度は、最初から嘘だった。となれば、戦争前、プーチンが英米の嘘を非難したのも頷けよう。しかし、英米を中心とする主流メディアは、この詐欺行為を知っていたのに追及せず、盛んにロシアの軍事侵攻だけを取り上げていた。おそらく、米国の大手メディアは合衆国政府と“共犯(グル)”なんだろう。

  これは筆者の推測なんだが、メルケルが西側の秘密を暴露したのは、英米の対露政策に“楔(くさび)”を打つためなりかも知れない。つまり、バイデン政権やネオコンに異議を唱える勢力の代表として、メルケルが衝撃の告白を述べたという訳だ。対露戦を仕組んだグループにも、様々な勢力がいるから、利益の分け前に不満を持つ者がいても不思議じゃない。メルケルの行動には必ず「狙い」がある。彼女は「善意」や「正義」で動かない。インタヴュー記事の反応を計算した上での暴露だ。

  ついでに言うと、政界のパトロンどもは、聡明な女を神輿に担いで利益を得ようとする。長期政権を築き、世界的な知名度を得たメルケルと、英国の首相となったマーガレット・サッチャーは何となく似ている。両者とも権力闘争に興味が無かった元化学者で、異例の出世を遂げた女性の政治家だ。

  東ドツイ出身のメルケルは、青年共産主義者グループ(FDJ)に属していたが、どちらかと言えば、イデオロギーに囚われない科学者で、合理的な利益を選ぶ現実主義者だ。東ドイツ出身のギュンター・クラウス(Günther Kraus)を師匠に持ち、ヘルムート・コール(Helmut Kohl)の後釜になったが、キリスト教の保守政党(CDU)を左翼政党に変えるまでの実力者になった。おそらく、メルケルにはロシア側と気脈を通ずる「ケツ持ち」がいるんだろう。メルケル内閣で副首相を務めたシグマー・ガブリエル(Sigmar Gabriel)によると、プーチンはメルケルを非常に尊敬していたそうだ。ひっとしたら、東ドイツで諜報機関に属していたプーチンは、メルケルがひた隠しにする「人脈」と「裏の顔」を知っているんじゃないか? 今回の暴露はロシア側からの依頼かも知れないぞ。

Angela Merkel 2881Margaret Thatcher 54Margaret Thatcher 33
(左 : 東ドイツ時代のメルケル / 中央 : 化学者時代のマーガレット・ロバーツ / 右 : 首相になったマーガレット・サッチャー )

  保守派の大御所だったマーガレット・サッチャー(結婚前の名前 / Margaret Hilda Roberts)も、中流階級出身の化学者で、教育大臣を経てブリテンの首相にまで登り詰めた。左翼陣営から「牛乳簒奪者(Milk Snatcher)」と蔑まれた女が、いつの間にか「鋼鉄の女(Iron Lady)」と呼ばれ、みんなから畏怖される宰相になった。これは驚くべき出世である。(サッチャーは教育大臣の頃、7歳以上の子供に配給された無料ミルク・プログラムを廃止したので、これが左翼の怒りを誘発していた。)

Victor Rothschild 20043(左 / ヴィクター・ロスチャイルド)
  しかし、サッチヤーの支持母体はユダヤ人で、地元の選挙区「フィンチリー」には頼りになるユダヤ人コミュニティーがあった。ジャーナリストのロバート・フィルポットは、彼女を「名誉ユダヤ人」と呼んだくらいだ。(Robert Philpot『Margaret Thatcher : The HonorayJew』) しかも、最大のパトロンが第三代のロスチャイルド男爵だから、偉大なるサッチャー首相も「イギリス人の顔をした神輿」なのかも知れない。興味深いことに、このユダヤ人男爵たるヴィクター・ロスチャイルド(Nathaniel Mayer Victor Rothschild)がソ連のスパイ容疑を受けた時、熱心に擁護したのはサッチャー首相だった。(当時、BBCも議会での討論を放送していた。「ケンブリッジ・ファイヴ」とロスチャイルドに関しては説明が長くなるので、別の機会で述べたい。)

主流メディアを利用したCIA

  諜報機関がマスコミを利用することはよくある。「ワシントン・ポスト」紙や「ニューヨーク・タイムズ」、BBC、「ザ・タイムズ」、「ル・モンド」などが政治プロパガンダを流すことは普通だ。また、新聞記者やテレビ局の制作者にも共犯者はいるし、他の社員が気づかない「秘密のモグラ(草)」が居たりする。

Frank Snepp 22(左 / フランク・スネップ)
  以前、元CIA局員だったフランク・スネップ(Frank Snepp)が、回顧録『Decent Interval』を書いてCIAのスタンズフィールド・ターナー(Stansfield Turner)長官と揉めた事は有名だ。CIAの上級分析官であるスネップは、ベトナム戦争中、情報操作のために大手メディアのジャーナリストを利用したそうだ。先ず、スネップは影響力を持つ名物記者に近づき、彼らが欲しがるようなネタを提供したという。時には、コンチネンタル・ホテルに誘って親睦を深めたそうだ。スクープ記事を書きたいジャーナリストは、政府の高級官僚とかペンタゴンの軍人、党幹部の政治家と付き合いたがるから、ちょっと親切にしてやればホイホイ引っ掛かる。

  スネップの手口は巧妙で、一般人に広めたい「偽情報」や「世論操作の必要」がある場合、真実と嘘の情報を巧みに混ぜ合わせ、馴染みのジャーナリストに渡したそうだ。しかし、そう単純でもない記者どもは、必ず「裏取り」をしようとする。それゆえ、スネップは予め「根回し」をしていた。極秘ネタを渡す前、スネップはアメリカの同盟国であるブリテンやオーストラリア、ニュージーランドなどの大使館や外政官に協力を求め、「真実みたいな情報」に仕立て上げていたのだ。

  それを知らぬ記者達は、特ダネのダブルチェックをすべく、こうした外交筋に接触する。スネップの情報が正しいかどうかを確かめたいジャーナリストは、大使館の書記とか参事官に探りを入れ、同じ情報を得る事ができれば、安心して「スクープ記事」を世間に流す。利用されたとも知らないジャーナリストは、“極秘の情報源”を得たと大喜び。一般の読者も特集記事や独占取材に感動するから、利用された九官鳥は益々「人気者」となってゆく。「馬鹿とハサミは使いよう」と言うけど本当だ。

  1983年にインタヴューを受けたスネップは、彼のために動いてくれた「便利な馬鹿(usuful idiots)」を何名か挙げていた。例えば、『New Yorker』誌のロバート・シャプレン(Robert Modell Shaplen)や『Los Angeles Times』紙のキーズ・ビーチ(Keyes Beech)、『New York Times』のマルコム・ブラウン(Malcolm Browne)、『Newsweek』誌のメイナード・パーカー(Maynard Parker)などである。

Robert Shaplen 1Keyes Beech 1Malcolm Browne 11Maynard Parker 11
(左 : ロバート・シャプレン / キーズ・ビーチ / マルコム・ブラウン / 右 : メイナード・パーカー )

  日本では「戦略家」とか「地政学の専門家」あるいは「国際政治学者」と名乗る知識人は、インターネットサイトだけの弱小メディアを馬鹿にしているが、主流メディアでも信頼できない記事は案外多い。確かに、有名ブランドのメディアは“まっとう”な記事を心掛けているから、胡散臭いネタを掲載することは滅多にないが、その知名度を利用されて、八百長記事とか提灯記事を拡散することはある。しかも、たった数パーセントだからタチが悪い。譬えが悪いけど、もし、コカインと片栗粉や薄力粉をごちゃ混ぜにして袋に入れたら、一般人は見分けがつかないので、それを料理に使うこともあるだろう。政治報道だって同じだ。頭に入れる情報も、よく注意しないと危険である。

  アメリカの変質は驚くほど急速で、第21世紀になると國體(こくたい)が別物になってしまった。かつて、アメリカは「自由主義の砦」と思われていたが、今や「豊かな全体主義国家」のように見えてしまう。なるほど、一般のアメリカ人は「言論の自由」を持っているようだ。しかし、本音を口にすれば地位や名誉を失う破目になる。「言論の自由」は「自殺の自由」に近く、ビルの屋上から飛び降りることを覚悟すれば、どんな爆弾発言も躊躇なく可能だ。でも、現実的には、失言で失業というケースが多い。

  例えば、CNNのリック・サンチェス(Rick Sanchez)は「Daily Show」の司会を務めるユダヤ人のジョン・スチュアート(Jon Stewart)を「頑固者(bigot)」と呼んでしまった。さらに、彼は「ユダヤ人がテレビ業界を仕切っている」と発言したから一巻の終わりだ。サンチェスはCNNをクビになった。メディアのユダヤ人支配なんて公然の秘密なんだが、それを堂々と言えば自殺行為だ。ちょっと口を滑らせただけのサンチェスは、自ら墓穴を掘ることになった。

  オバマ政権時代、著名人のグレン・ベック(Glenn Beck)は、ジョージ・ソロスを冠番組で取り上げ、フェビア協会やマルクス主義、社会主義と絡めながら、この大富豪を批判した。すると、泣く子も黙るユダヤ人団体、あの「名誉毀損反対同盟(ADL)」から猛抗議が来てしまい、FOXテレビの重役達は震え上がった。そこで、経営陣は直ちにベックを馘首(クビ)。保守派の視聴者からは好評だったのに、ユダヤ人を恐れるFOXテレビは、人気番組の司会者を降板させ、トカゲの尻尾切りを断行した。

Rick Sanchez 2Jon Stewart 2Glenn Beck 66312
(左 : リック・サンチェス / 中央 : ジョン・スチュアート / 右 : グレン・ベック)

  CBSで花形キャスターだったシェリル・アトキソン(Sharyl Attkisson)、そして今は独立系ジャーナリストになったララ・ローガン(Lara Rogan)も、CBSを辞めてから、主流メディアの偏向報道やフェイク・ニューズを批判し始めた。さすがに、局員時代だと業界の秘密や恥部は公表できないから、便所の中だけで「報道の自由」を行使する。もし、内部情報を世間にリークすれば、高給取りの地位は即座に吹っ飛ぶ。大手メディアの取材記者やアンカーマンは、「嘘」と判っていても報道を続けるしかない。たとえバレそうになっても、紳士淑女の態度で沈黙を守り続ける。

George Soros 4355Sharyl Attkisson 213Lara Rogan 55321
(左 : ジョージ・ソロス / 中央 : シェリル・アトキソン / 右 : ララ・ローガン )

  たぶん一部の良識的なテレビ局員は、トランプ大統領に関する偏向報道やネガティヴ・キャンペーンに、何らかの「躊躇い」を持っていたのだろう。 が、自分の生活を考えれば本社の方針に従った方が得である。人気キャスターになれば尚更だ。閑静な郊外に豪邸を建てることができるし、広大な牧場まで持てるのだ。NBCのワイドショー「TODAY」に出演するアル・ロカー(Al Roker)やケイティー・クーリック(Katie Couric)が暮らすマンハッタン島のイースト・サイドの物件、あるいはABCの「Good Morning America」で司会を務めるロビン・ロバーツ(Robin Roberts)やマイケル・ストラハン(Michael Strahan)が、お住まいになる素晴らしい豪邸を見れば判るじゃないか。アホな視聴者のために自分の経歴を台無しにするメディア人はいないだろう。左翼偏向でも偽情報でも、政治家や大富豪と組んだ方が悧巧だ。

Al Roker 2Katie Couric 3Robin Roberts 1Michael Strahan 111
(左 : アル・ロカー / ケイティー・クーリック / ロビン・ロバーツ / 右 : マイケル・ストラハン)

  アメリカは銭を有する者が幸せになる国である。お金があってこその「自由」だ。貧乏になっても「自由」がいいとは思わない。「社会の木鐸」を掲げて豊かになるリベラル派は「勝ち組」で、エスタブリッシュメントに刃向かって貧乏クジを引く保守派は「負け組」だ。情報を統制する者、つまり民衆の精神を掌握する階級が、無知な大衆を支配する。知能が低く、判断力に欠け、低所得の者ほど、刹那的で臆病になるから、諦めムードの一般人は自ら進んで支配層に靡く。大富豪がデモクラシー(大衆が主体の政治体制)を称讃する理由はここにある。

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68918420.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/330.html#c45

[近代史5] CIAとメディア 中川隆
24. 中川隆[-12813] koaQ7Jey 2023年1月06日 21:21:31 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[20]
2023年01月06日
CIAの偽情報と利用される主流メディア
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68918420.html

豊かな全体主義になるアメリカ
Media control 43Angela Merkel & President Putin 44


  年が明けた2023年の1月、米国の連邦議会では、多数派を獲得した共和党(GOP)が主導権を握り、同党のリーダーを務めるケヴィン・マッカーシー(Kevin McCarthy)が新たな下院議長に選ばれるはずだった。ところが、共和党の保守派グループ「フリーダム・コーカス(Freedom Caucus)」が造反してしまい、マッカーシー議員が必要とする過半数(218票)を取れなかったのだ。民衆党の下院リーダーであるハキーム・ジェフリーズ(Hakeem Jeffries)議員でも212票を取ったのに、共和党のマッカーシー議員は、たったの208票だった。こんな事態は164年ぶりの混乱で、議長選出のために11回も投票を繰り返すなんて異常だ。現時点では、まだ決まっていないので、マッカーシーがどんな譲歩をするのか分からない。

  共和党内部には色々な不満があって、マッカーシー議員だと裏でエスタブリッシュメントや民衆党側と妥協するんじゃないか、といった懸念がある。本来なら、マッカーシーが先頭を切って反バイデン政権の急先鋒となり、ナンシー・ペロシと激突してもおかしくはなかった。ところが、マッカーシーはペロシ陣営を激しく糾弾せず、マスコミを味方にした民衆党はやりたい放題。クリスマス・ツリーがへし折れるほど、願い事の法案をぶら下げて膨大な歳出を謀った。もしかすると、マッカーシーは下院議長になっても、グローバリスト勢力に打撃を与えず、適当な「ガス抜き」で幕引きにする虞(おそれ)がある。

Jim Jordan 1Kevin McCarthy 324Hakeem Jeffries 122
(左 : ジム・ジョーダン / 中央 : ケヴィン・マッカーシー / 右 : ハキーム・ジェフリーズ )

  これではトランプ支持派や保守派議員にとったら、煮え切らないフラストレーションが溜まる一方だ。共和党下院指導者にはマッカーシーのみならず、テーブルの下で民衆党と手を結ぶ“裏切者”が少なくない。前任者のジョン・ベイナー(John Boehner)やポール・ライアン(Paul Ryan)を見れば判るじゃないか。マッカーシーの前任者だったエリック・カンター(Eric Cantor)は、もっと胡散臭かった。「保守派」というが、その正体は「ユダヤ教の保守派」で、民衆党から出馬してもおかしくない人物だ。彼がナンシー・ペロシを批判したのは、イスラエルと敵対する“独裁者”のシリア大統領アサドと面会したからで、カンターにとってはイスラエルの国益こそが第一。心の底では「アメリカ・セカンド」が信条なのかもしれないぞ。

Paul Ryan 11John Boehner 1Eric Cantor 1
(左 : ポール・ライアン / 中央 : ジョン・ベイナー / 右 : 「AIPAC」の席で演説するエリック・カンター)

  「フリーダム・コーカス」を実質的に率いるジム・ジョーダン(James D. Jordan)下院議員は、たぶん、裏取引でマッカーシーの支持に廻ると思うが、新たな下院議長がどれほど辛辣に民衆党を攻撃できるかは未知数だ。バイデンを操る闇組織は、豊富な資金と人脈で他の共和党員を籠絡するし、既に「仲間」となっている共和党議員は、陰でバイデン政権の協力者となるだろう。ウクライナ紛争は何年も前から計画されている謀略だから、陣笠議員の批判で妨害されることはない。ドナルド・トランプの再選だって危ないんだから、ティー・パーティーの議員なんて“芥子粒(けしつぶ)”程度の存在だ。

八百長と陰謀だったミンスク合意

  これから共和党主導の下院議員が発足するけど、欲求不満の共和党がどれほど民衆党を叩けるのか判らない。ただし、CBSやABC、CNNといった主要メディアが、劣勢となった民衆党を助け、共和党を攻撃することは充分予想できる。大手メディアの情報操作は、以前から保守派言論人によって批判されてきたが、ウクライナ紛争が始まってからも様々な情報隠蔽や大衆扇動がなされてきた。歐米諸国と同様に、我が国でも一般国民は、ロシア軍が邪悪な野心を持って一方的にウクライナへ侵攻したと思っている。もちろん、伝統的にロシアは侵略行為を繰り返してきたので、日本人がロシアを非難するのも当然だ。しかし、テレビや新聞の戦争報道には、心理戦や諜報戦が混じっているから迂闊に信用できない。

  そもそも、ウクライナ紛争は根本的に怪しい。段々と明らかになってきたが、アメリカ政府とブリテン政府が強引にNATOの拡大をすることで、ロシア政府の危機感とウクライナ国民の対立を煽っていたのだ。西側が創り出すイメージとは違い、プーチンは意外と穏健で、危険な冒険を好まず、非常に用心深い。ただし、相手の真意を見切った時は別で、「話し合いは無理で、武力解決しかない !」と悟れば果敢な行動に出る。それに、ロシア軍の将兵も「国家存亡の危機」と認識しているから、徹底抗戦を貫くだろう。

  アメリカのロシア専門家の何割かは、NATOの東方拡大に反対で、この拡張はモスクワを神経質にさせる政策と解っていた。CIA長官のウィリアム・バーンズ(William Burns)は、ブッシュ政権の頃から解っており、コンドリーザ・ライス国務長官に対し、ウクライナのNATO加盟はレッドラインを超えることになる、と警告していたのだ。

  駐ソ大使を務めていたジャック・マトロック(Jack F. Matlock, Jr.)も、ウクライナやグルジアのNATO加盟は危険と解っていたという。それゆえ、マトロックはその危機を避けることは可能だったし、予測することも充分できた、と答えている。(Jack F. Matlock, Jr., 'I was there : NATO and the origins of the Ukraine crisis', Responsible Statecraft, February 15, 2022.) この外政官によれば、NATOはロシアに不拡大を約束していたという。対露強硬派のリチャード・ホルブルック(Richard Holbrooke)もウクライナのNATO加盟や東方拡大には慎重で、この方針はモスクワにとって非常にデリケートな問題だ、と述べていた。

William Burns 1Condoleeza Rice 1Jack Matlock Jr 001Richard Hilbrooke 213
(左 : ウィリアム・バーンズ / コンドリーザ・ライス / ジャック・マトロック / 右 : リチャード・ホルブルック )

  おそらく、大半のロシア専門家はNATOの東方拡大を懸念していたはずだ。ロシアへの挑発を危険と見なす専門家は他にもいる。例えば、駐ソ大使を務めたロバート・シュトラウス(Robert Schwarz Strauss)は、ロシアの焦燥感を理解していた。ソ連崩壊後、ロシアが気にしていたのは、共産主義体制の瓦解ではなく、軍事的勢力圏の縮小だった。NATOの脅威がウクライナにまで迫っていたんだから、軍人じゃなくても心配になる。国務次官補になったトマス・ナイルズ(Thomas Niles)もNATOの東方拡大には懸念を示していた。ロシアとウクライナの軍事バランスを考えれば当然だ。

Robert Strauss 1Thomas Niles 43234Biden 78244
(左 : ロバート・シュトラウス / 中央 : トマス・ナイルズ / 右 : 「大統領」を演じるジョー・バイデン )

  しかし、バイデン政権は敢えて危険を犯した。なぜか? それはプーチン大統領が、オルガルヒ達の利権を取り上げたからだ。こうした米国の本音に気づけば、普通の、日本人でもロシアが踏み込んだ乾坤一擲の侵攻を理解できるだろう。ジョー・バイデンを操っている連中は、プーチン政権を打倒するため、民族対立が燻るウクライナを利用し、対露戦争の口実に使ったと考えられる。

  西側の報道ではプーチンが「悪の独裁者」になっているけど、元KGB局員のプーチンは意外と冷静だ。彼はロシアの経済発展を第一に望むから、非合理的な領土拡張には乗り出さない。ただ、NATOの圧力に屈してしまうと、ロシアのタカ派が台頭するから、本当にクーデタが起こる可能性も出てくる。俯瞰的に考察すれば、ウクライナでの戦争を計画し、それを望んだのはバイデン政権の方だろう。そして、あのボケ老人を操る闇組織が、最大の戦争利得者となっているはずだ。

  我々には真の黒幕が誰なのか全く判らない。だが、こうした英米の謀略はドイツやフランス、イタリアなどの西側諸国、特に一般の中流家庭に負担を強いる結果となっている。エネルギー価格が安定せず、原油価格が1バーレル当たり、また100ドル程度に高騰すれば、庶民の不満が爆発するだろう。今年は暖冬というが、やはりベルリンやハノーヴァー、アムステルダムなどは北緯53度くらいに位置するからとても寒い。これは樺太の北部と同じ緯度となる。もし、こんな地域で「暖房を節約して下さい !」と呼びかけたら暴動が起こるぞ。御用学者の経済予測は度々外れるし、戦争が長期化すれば、半年後ですらどうなるか判らない。

  ウクライナ紛争に嫌気が差した西歐諸国を代表し、それとなく批判を口にしたのはアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)だ。この元首相は「Die Zeit」紙のインタヴューを受けた時、2014年のミンスク合意(Minsker Abkommen)が「策略」であることを明らかにした。(Tina Hildebrandt und Giovanni di Lorenzo, 'HattenSie gedacht, ich komme mit Pferdeschwanz?', Die Zeit, 7 Dezember 2022.)

Angela Merkel 3352Angela Merkel & President Putin 33
( 左 : アンゲラ・メルケル / 右 : メルケルと仲良しのプーチン大統領 )

  メルケルの告白によれば、ミンスク合意はウクライナを強化するための「時間稼ぎ」であったという。つまり、アメリカ、ブリテン、フランスなどの西側諸国が、意図的にプーチンを騙したのだ。なぜなら、NATO諸国がウクライナ軍を訓練し、高度な兵器を使いこなすには、時間と訓練が必要だったからである。西側の連中がプーチンと交渉し、東部地域での自治を認めるような態度は、最初から嘘だった。となれば、戦争前、プーチンが英米の嘘を非難したのも頷けよう。しかし、英米を中心とする主流メディアは、この詐欺行為を知っていたのに追及せず、盛んにロシアの軍事侵攻だけを取り上げていた。おそらく、米国の大手メディアは合衆国政府と“共犯(グル)”なんだろう。

  これは筆者の推測なんだが、メルケルが西側の秘密を暴露したのは、英米の対露政策に“楔(くさび)”を打つためなりかも知れない。つまり、バイデン政権やネオコンに異議を唱える勢力の代表として、メルケルが衝撃の告白を述べたという訳だ。対露戦を仕組んだグループにも、様々な勢力がいるから、利益の分け前に不満を持つ者がいても不思議じゃない。メルケルの行動には必ず「狙い」がある。彼女は「善意」や「正義」で動かない。インタヴュー記事の反応を計算した上での暴露だ。

  ついでに言うと、政界のパトロンどもは、聡明な女を神輿に担いで利益を得ようとする。長期政権を築き、世界的な知名度を得たメルケルと、英国の首相となったマーガレット・サッチャーは何となく似ている。両者とも権力闘争に興味が無かった元化学者で、異例の出世を遂げた女性の政治家だ。

  東ドツイ出身のメルケルは、青年共産主義者グループ(FDJ)に属していたが、どちらかと言えば、イデオロギーに囚われない科学者で、合理的な利益を選ぶ現実主義者だ。東ドイツ出身のギュンター・クラウス(Günther Kraus)を師匠に持ち、ヘルムート・コール(Helmut Kohl)の後釜になったが、キリスト教の保守政党(CDU)を左翼政党に変えるまでの実力者になった。おそらく、メルケルにはロシア側と気脈を通ずる「ケツ持ち」がいるんだろう。メルケル内閣で副首相を務めたシグマー・ガブリエル(Sigmar Gabriel)によると、プーチンはメルケルを非常に尊敬していたそうだ。ひっとしたら、東ドイツで諜報機関に属していたプーチンは、メルケルがひた隠しにする「人脈」と「裏の顔」を知っているんじゃないか? 今回の暴露はロシア側からの依頼かも知れないぞ。

Angela Merkel 2881Margaret Thatcher 54Margaret Thatcher 33
(左 : 東ドイツ時代のメルケル / 中央 : 化学者時代のマーガレット・ロバーツ / 右 : 首相になったマーガレット・サッチャー )

  保守派の大御所だったマーガレット・サッチャー(結婚前の名前 / Margaret Hilda Roberts)も、中流階級出身の化学者で、教育大臣を経てブリテンの首相にまで登り詰めた。左翼陣営から「牛乳簒奪者(Milk Snatcher)」と蔑まれた女が、いつの間にか「鋼鉄の女(Iron Lady)」と呼ばれ、みんなから畏怖される宰相になった。これは驚くべき出世である。(サッチャーは教育大臣の頃、7歳以上の子供に配給された無料ミルク・プログラムを廃止したので、これが左翼の怒りを誘発していた。)

Victor Rothschild 20043(左 / ヴィクター・ロスチャイルド)
  しかし、サッチヤーの支持母体はユダヤ人で、地元の選挙区「フィンチリー」には頼りになるユダヤ人コミュニティーがあった。ジャーナリストのロバート・フィルポットは、彼女を「名誉ユダヤ人」と呼んだくらいだ。(Robert Philpot『Margaret Thatcher : The HonorayJew』) しかも、最大のパトロンが第三代のロスチャイルド男爵だから、偉大なるサッチャー首相も「イギリス人の顔をした神輿」なのかも知れない。興味深いことに、このユダヤ人男爵たるヴィクター・ロスチャイルド(Nathaniel Mayer Victor Rothschild)がソ連のスパイ容疑を受けた時、熱心に擁護したのはサッチャー首相だった。(当時、BBCも議会での討論を放送していた。「ケンブリッジ・ファイヴ」とロスチャイルドに関しては説明が長くなるので、別の機会で述べたい。)

主流メディアを利用したCIA

  諜報機関がマスコミを利用することはよくある。「ワシントン・ポスト」紙や「ニューヨーク・タイムズ」、BBC、「ザ・タイムズ」、「ル・モンド」などが政治プロパガンダを流すことは普通だ。また、新聞記者やテレビ局の制作者にも共犯者はいるし、他の社員が気づかない「秘密のモグラ(草)」が居たりする。

Frank Snepp 22(左 / フランク・スネップ)
  以前、元CIA局員だったフランク・スネップ(Frank Snepp)が、回顧録『Decent Interval』を書いてCIAのスタンズフィールド・ターナー(Stansfield Turner)長官と揉めた事は有名だ。CIAの上級分析官であるスネップは、ベトナム戦争中、情報操作のために大手メディアのジャーナリストを利用したそうだ。先ず、スネップは影響力を持つ名物記者に近づき、彼らが欲しがるようなネタを提供したという。時には、コンチネンタル・ホテルに誘って親睦を深めたそうだ。スクープ記事を書きたいジャーナリストは、政府の高級官僚とかペンタゴンの軍人、党幹部の政治家と付き合いたがるから、ちょっと親切にしてやればホイホイ引っ掛かる。

  スネップの手口は巧妙で、一般人に広めたい「偽情報」や「世論操作の必要」がある場合、真実と嘘の情報を巧みに混ぜ合わせ、馴染みのジャーナリストに渡したそうだ。しかし、そう単純でもない記者どもは、必ず「裏取り」をしようとする。それゆえ、スネップは予め「根回し」をしていた。極秘ネタを渡す前、スネップはアメリカの同盟国であるブリテンやオーストラリア、ニュージーランドなどの大使館や外政官に協力を求め、「真実みたいな情報」に仕立て上げていたのだ。

  それを知らぬ記者達は、特ダネのダブルチェックをすべく、こうした外交筋に接触する。スネップの情報が正しいかどうかを確かめたいジャーナリストは、大使館の書記とか参事官に探りを入れ、同じ情報を得る事ができれば、安心して「スクープ記事」を世間に流す。利用されたとも知らないジャーナリストは、“極秘の情報源”を得たと大喜び。一般の読者も特集記事や独占取材に感動するから、利用された九官鳥は益々「人気者」となってゆく。「馬鹿とハサミは使いよう」と言うけど本当だ。

  1983年にインタヴューを受けたスネップは、彼のために動いてくれた「便利な馬鹿(usuful idiots)」を何名か挙げていた。例えば、『New Yorker』誌のロバート・シャプレン(Robert Modell Shaplen)や『Los Angeles Times』紙のキーズ・ビーチ(Keyes Beech)、『New York Times』のマルコム・ブラウン(Malcolm Browne)、『Newsweek』誌のメイナード・パーカー(Maynard Parker)などである。

Robert Shaplen 1Keyes Beech 1Malcolm Browne 11Maynard Parker 11
(左 : ロバート・シャプレン / キーズ・ビーチ / マルコム・ブラウン / 右 : メイナード・パーカー )

  日本では「戦略家」とか「地政学の専門家」あるいは「国際政治学者」と名乗る知識人は、インターネットサイトだけの弱小メディアを馬鹿にしているが、主流メディアでも信頼できない記事は案外多い。確かに、有名ブランドのメディアは“まっとう”な記事を心掛けているから、胡散臭いネタを掲載することは滅多にないが、その知名度を利用されて、八百長記事とか提灯記事を拡散することはある。しかも、たった数パーセントだからタチが悪い。譬えが悪いけど、もし、コカインと片栗粉や薄力粉をごちゃ混ぜにして袋に入れたら、一般人は見分けがつかないので、それを料理に使うこともあるだろう。政治報道だって同じだ。頭に入れる情報も、よく注意しないと危険である。

  アメリカの変質は驚くほど急速で、第21世紀になると國體(こくたい)が別物になってしまった。かつて、アメリカは「自由主義の砦」と思われていたが、今や「豊かな全体主義国家」のように見えてしまう。なるほど、一般のアメリカ人は「言論の自由」を持っているようだ。しかし、本音を口にすれば地位や名誉を失う破目になる。「言論の自由」は「自殺の自由」に近く、ビルの屋上から飛び降りることを覚悟すれば、どんな爆弾発言も躊躇なく可能だ。でも、現実的には、失言で失業というケースが多い。

  例えば、CNNのリック・サンチェス(Rick Sanchez)は「Daily Show」の司会を務めるユダヤ人のジョン・スチュアート(Jon Stewart)を「頑固者(bigot)」と呼んでしまった。さらに、彼は「ユダヤ人がテレビ業界を仕切っている」と発言したから一巻の終わりだ。サンチェスはCNNをクビになった。メディアのユダヤ人支配なんて公然の秘密なんだが、それを堂々と言えば自殺行為だ。ちょっと口を滑らせただけのサンチェスは、自ら墓穴を掘ることになった。

  オバマ政権時代、著名人のグレン・ベック(Glenn Beck)は、ジョージ・ソロスを冠番組で取り上げ、フェビア協会やマルクス主義、社会主義と絡めながら、この大富豪を批判した。すると、泣く子も黙るユダヤ人団体、あの「名誉毀損反対同盟(ADL)」から猛抗議が来てしまい、FOXテレビの重役達は震え上がった。そこで、経営陣は直ちにベックを馘首(クビ)。保守派の視聴者からは好評だったのに、ユダヤ人を恐れるFOXテレビは、人気番組の司会者を降板させ、トカゲの尻尾切りを断行した。

Rick Sanchez 2Jon Stewart 2Glenn Beck 66312
(左 : リック・サンチェス / 中央 : ジョン・スチュアート / 右 : グレン・ベック)

  CBSで花形キャスターだったシェリル・アトキソン(Sharyl Attkisson)、そして今は独立系ジャーナリストになったララ・ローガン(Lara Rogan)も、CBSを辞めてから、主流メディアの偏向報道やフェイク・ニューズを批判し始めた。さすがに、局員時代だと業界の秘密や恥部は公表できないから、便所の中だけで「報道の自由」を行使する。もし、内部情報を世間にリークすれば、高給取りの地位は即座に吹っ飛ぶ。大手メディアの取材記者やアンカーマンは、「嘘」と判っていても報道を続けるしかない。たとえバレそうになっても、紳士淑女の態度で沈黙を守り続ける。

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(左 : ジョージ・ソロス / 中央 : シェリル・アトキソン / 右 : ララ・ローガン )

  たぶん一部の良識的なテレビ局員は、トランプ大統領に関する偏向報道やネガティヴ・キャンペーンに、何らかの「躊躇い」を持っていたのだろう。が、自分の生活を考えれば本社の方針に従った方が得である。人気キャスターになれば尚更だ。閑静な郊外に豪邸を建てることができるし、広大な牧場まで持てるのだ。NBCのワイドショー「TODAY」に出演するアル・ロカー(Al Roker)やケイティー・クーリック(Katie Couric)が暮らすマンハッタン島のイースト・サイドの物件、あるいはABCの「Good Morning America」で司会を務めるロビン・ロバーツ(Robin Roberts)やマイケル・ストラハン(Michael Strahan)が、お住まいになる素晴らしい豪邸を見れば判るじゃないか。アホな視聴者のために自分の経歴を台無しにするメディア人はいないだろう。左翼偏向でも偽情報でも、政治家や大富豪と組んだ方が悧巧だ。

Al Roker 2Katie Couric 3Robin Roberts 1Michael Strahan 111
(左 : アル・ロカー / ケイティー・クーリック / ロビン・ロバーツ / 右 : マイケル・ストラハン)

  アメリカは銭を有する者が幸せになる国である。お金があってこその「自由」だ。貧乏になっても「自由」がいいとは思わない。「社会の木鐸」を掲げて豊かになるリベラル派は「勝ち組」で、エスタブリッシュメントに刃向かって貧乏クジを引く保守派は「負け組」だ。情報を統制する者、つまり民衆の精神を掌握する階級が、無知な大衆を支配する。知能が低く、判断力に欠け、低所得の者ほど、刹那的で臆病になるから、諦めムードの一般人は自ら進んで支配層に靡く。大富豪がデモクラシー(大衆が主体の政治体制)を称讃する理由はここにある。

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