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CIAとメディア
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/347.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 10 月 31 日 08:00:29: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: ニュースは最初からすべてマスコミを経営する資本家が流すフェイクだった 投稿者 中川隆 日時 2020 年 9 月 03 日 07:48:50)

CIAとメディア


2020.10.30
スノーデンから情報を受け取ったグリーンウォルドが辞表(1/2)

 ​グレン・グリーンウォルドがインターセプトに辞表を出した​。バイデン親子に関する記事の掲載をニューヨークの編集部が創刊時の約束に違反して拒否したことが原因だという。その記事ではジョー・バイデン前副大統領の息子であるハンター・バイデンの電子メールが取り上げられている。

 本ブログでも紹介したように、この電子メールは​ニューヨーク・ポスト紙が伝えた​もの。ウクライナの天然ガス会社ブリスマ・ホールディングス(本社はキプロス)や中国のエネルギー会社CEFCを相手に、バイデン家がいかに稼いでいるかを電子メールは明らかにしているのだが、その内容をツイッターとフェースブックが検閲でブロックしていることが話題になった。その問題を取り上げようとしたグリーンウォルドの記事をインターセプトの編集部は掲載させなかったわけだ。

 ウクライナでは2014年2月、バラク・オバマ政権がネオ・ナチを使い、アメリカへの従属を拒んだビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。このクーデターから2カ月後、ハンターはブリスマの重役に就任している。勿論、ジョーは副大統領としてクーデターに深く関与していた。

 ウラジミル・プーチンが大統領になってからロシアは曲がりなりにも独立、そのロシアをボリス・エリツィン時代のように米英巨大資本の属国にしようとしたのだろうが、失敗。オバマ大統領はロシアに対する挑発、あるいは恫喝する政策を打ち出していた。

 インターセフトはグリーンウォルドがジェレミー・スキャヒル、ローラ・ポワトレイス、そして親会社であるファースト・ルック・メディアの人間によって2014年2月に創刊された。ファースト・ルック・メディアは2013年10月に創設されている。

 そのベースになったのはエドワード・スノーデンから2013年5月に香港でグリーンウォルドらが受け取ったNSAの機密資料。その資料を彼はオークション・サイトのeBayを創設したピエール・オミダイアなる富豪に渡し、ふたりはファースト・ルック・メディアを作ったのだ。

 スポンサーになったオミダイアはバラク・オバマと親しく、詳細は不明だが、スノーデンが持ち出した資料をNSAとのビジネスに利用しているとする話も流れている。オバマ政権は2014年2月にウクライナの合法政権を転覆させるため、ネオ・ナチを使ってクーデターを実行したが、このクーデターのための資金をオミダイアも提供していた。

 ウクライナのクーデターは国務次官補だったネオコンのビクトリア・ヌランドが指揮していたが、その背後にいたのが副大統領を務めていたジョー・バイデン。オミダイアはジョー・バイデンの同志だとも言えるだろう。

 バイデンにとって都合の悪い情報をブロックしている有力メディアやインターネットの巨大企業は情報機関と深い関係にある。そうした情報機関を作り出したのはイギリスやアメリカの金融資本だ。(続く)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202010300001/

2020.10.31
スノーデンから情報を受け取ったグリーンウォルドが辞表(2/2)

 アメリカの支配者は昔から情報を操作してきた。中でも第2次世界大戦後に始められたモッキンバードは有名だ。そのプロジェクトで中心的な役割を果たした人物はアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズ、そしフィリップ・グラハムの4名。

 ダレスはOSSやCIAに君臨していたウォール街の弁護士、ウィズナーはダレスの側近で、やはりウォール街の弁護士。ヘルムズもダレスの側近で、国際決済銀行初代頭取の孫。そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだ。グラハムの妻、キャサリンはウォーターゲート事件でリチャード・ニクソンを失脚させた当時のワシントン・ポスト紙社主として有名だが、その父親は世界銀行の初代総裁である。

 ウォーターゲート事件の取材は若手記者だったカール・バーンスタインとボブ・ウッドワードが中心になって行われたが、ウッドワードは少し前まで海軍の情報将校で記者としては素人に近く、事実上、取材はバーンスタインが行ったと言われている。

 そのバーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。

 その記事によると、20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、そのうち200名から250名が記者や編集者など現場のジャーナリストで、残りは、出版社、業界向け出版業者、ニューズレターで働いていた。また1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 CIAのネットワークは世界規模で、例えば、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だった​ウド・ウルフコテ​は2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出してその実態を明らかにしている。

 彼によると、ドイツだけでなく多くの国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発している。人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開し、人びとをロシアとの戦争へと導き、引き返すことのできないところまで来ているとしていた。そして2017年1月、56歳のときに心臓発作で彼は死亡する。

 こうしたメディア工作から一歩進めた情報操作が1980年代に始められた。1983年1月、ロナルド・レーガン大統領はNSDD11に署名、プロジェクト・デモクラシーやプロジェクト・トゥルースがスタートした。デモクラシーという看板を掲げながら民主主義を破壊し、トゥルースという看板を掲げながら偽情報を流し、ファクト・チェックと称して都合の悪い事実を揉み消し始めた。

 こうしたプロジェクトもあり、有力メディアの腐敗は進んでいくが、1990年代から腐敗のスピードは加速、今では「報道」の中から事実を探し出すことが容易でなくなっている。

 そうした有力メディアに代わって支配者が隠している情報を明らかにしたのがウィキリークス。その中心的な存在だったジュリアン・アッサンジをイギリスの警察は逮捕、それが冤罪だったことが判明しても拘束し続け、アメリカへ引き渡そうとしている。内部告発を止めるための見せしめだとも言われている。その見せしめは有力メディアに対して効果があったようだ。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202010300001/    

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コメント
1. 中川隆[-9811] koaQ7Jey 2020年11月18日 09:18:00 : tfHVcpIIE4 : eWlvdnpzNllRZUk=[2] 報告
2020.11.18
米国大統領選挙を巡る新たな疑惑が伝えられている

 アメリカの大統領選挙はまだ続いている。​投票用紙が不適切な形で廃棄​され、​再集計の過程で明らかなドナルド・トランプ票をジョー・バイデン票としてカウントしているとする告発​もある。疑惑に対して慎重に対処しているとは言えそうにない。支配層の内部で決まったことかもしれないが、トランプの支持者は抵抗を続けていると言えそうだ。

 しかし、民主党や有力メディアは不正疑惑を封印してジョー・バイデン政権の誕生に向かって走り始めた。国連大使としてヒラリー・クリントンの名前も挙がっている。バイデンが失脚した場合、副大統領になると噂されている人物だ。

 そうした中、SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の感染者が増えているとしてロックダウンやそれに準ずる政策を推進する国が増えている。人びとの行動を制限、監視体制を強化、経済活動を麻痺させ、社会を収容所化しようとしているわけだが、こうした政策を推進しているグループはバイデンを担いでいるグループと重なる。

 アメリカの大統領選挙にしろ、SARS-CoV-2の問題にしろ、大半の人びとは西側の有力メディアによる宣伝を信じているようだが、その実態がCIAの拡声器にすぎないことは本ブログでも具体的に指摘してきた。西側の有力メディアとCIAの緊密な関係を明らかにしたジャーナリストのひとり、カール・バーンスタインはウォーターゲート事件でワシントン・ポスト紙の取材で中心になった記者だ。

 2003年にアメリカ主導軍がイラクを先制攻撃する口実として大量破壊兵器の話が広められたが、その偽情報を流したのも西側の有力メディアだった。2011年3月に東電の福島第一原発が炉心溶融という大事故を引き起こし、人を含む環境を放射性物質で汚染したが、その時も嘘を平然と垂れ流した。

 そうした有力メディアがアメリカの大統領選挙やSARS-CoV-2では事実を伝えていると考えることは愚かすぎる。プロパガンダ機関としての役割は現在も基本的に変化していないわけで、そうした有力メディアに情報を頼る重い意味を自覚しなければならない。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202011180000/

2. 中川隆[-9603] koaQ7Jey 2020年11月25日 21:37:40 : Hcybxt2cKE : T3FMVEYuT2xielU=[25] 報告

2020.11.25
西側支配者のプロパガンダ機関の流すCOVID-19の話を信じる愚かしさ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202011250001/

 マスコミは「言論の自由」を象徴する存在であり、「社会の木鐸」であるべきだと考える人が日本にはいるようだが、一種の妄想にすぎない。その妄想に反する現実を受け入れられず、不満を口にする人もいるが、現実世界のマスコミは昔からプロパガンダ機関としての側面があり、支配者に使われてきたことも否定できない。

 第1次世界大戦の後、戦争による好景気が終わったことに加え、戦争の舞台になったヨーロッパから多くの兵士が帰還して街は失業者であふれてストライキやデモが続発した。しかも戦争が終わる前年、1917年にはロシアの十月革命で社会主義を掲げる体制が誕生していた。そうした労働者の運動を潰すために利用されたのがニコラ・サッコとバルトロメオ・バンゼッティである。

 アメリカのマサチューセッツ州では1919年に現金輸送車の襲撃未遂事件があり、その容疑者として逮捕されたのだが、それだけでなく20年4月にマサチューセッツ州サウスブレーントリー駅近くで起こった強盗殺人事件の容疑者にもされた。

 いずれの事件でもふたりを有罪とするような証拠、証言はないうえ、1925年には別の事件で収監されていたセレスチーノ・マデイロスという男が「真犯人は自分たちだ」とする書面を提出しているが、裁判官は無視して死刑を言い渡し、ふたりは27年の8月に処刑された。

 その当時、アメリカでは庶民が貧困化する一方、投機が過熱して富裕層は金融資産を膨らませていた。そうした状況を作り出した政府は巨大資本の代理人たちで、1929年3月から33年3月まで大統領を務めたハーバート・フーバーもそのひとりだった。

 そのフーバーを1932年の大統領選挙で破ったのがニューディール派を率いていたフランクリン・ルーズベルト。ジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアをはじめとするウォール街の大物たちはルーズベルトの排除とファシズム体制の樹立をめざし、1933年から34年にかけてクーデターを目論んだ。その司令官として白羽の矢が立ったのはスメドリー・バトラー退役少将。名誉勲章を2度授与された伝説的な軍人で、人望があつかったからだが、バトラーはクーデターに反発、計画の詳細を聞き出した上で議会においてその内容を明らかにしている。

 バトラーから情報を得た新聞記者のポール・フレンチはクーデター派を取材し、「コミュニズムから国家を守るため、ファシスト政府が必要だ」と言われたと議会で証言している。

 こうした記者もいたが、金融資本にとって新聞は自分たちの手先にすぎなかった。バトラーによると、「われわれには新聞がある。大統領の健康が悪化しているというキャンペーンを始めるつもりだ。皆、大統領を見てそのように言うことだろう。愚かなアメリカ人はすぐに騙されるはずだ。」とクーデター派は話していたという。

 第2次世界大戦の終盤、1945年4月にルーズベルトは死亡、ホワイトハウスにおけるニューディール派の影響力は急速に低下、レッドバージで反ファシスト派は粛清された。そうした中、始められたのがモッキンバードと呼ばれる情報操作プロジェクトだ。

 ジャーナリストのデボラ・デイビスによると、このプロジェクトで中心的な役割を果たしたのはアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズ、そしてフィリップ・グラハムの4名。有力メディアの経営者や幹部編集者も協力していた。

 ダレスは兄のジョン・フォスター・ダレスと同じようにウォール街の大物弁護士で、大戦中から情報機関で破壊活動を指揮し始めた人物。その側近だったウィズナーもウォール街の弁護士で、大戦後に破壊活動を実行するために組織された秘密機関OPCを指揮している。ヘルムズの母方の祖父、ゲイツ・マクガラーは国際的な銀行家で国際決済銀行の初代頭取。グラハムの義理の父親にあたるユージン・メーヤーは世界銀行の初代総裁だ。

 ダレス、ウィズナー、ヘルムズは戦時情報機関OSSのメンバーで、グラハムは空軍へ入った後、OSSの長官だったウィリアム・ドノバンの補佐官を務めている。このドノバンもウォール街の弁護士だ。

 フィリップ・グラハムが結婚した相手、つまりユージン・メーヤーの娘はウォーターゲート事件で有名になったキャサリン・グラハム。この事件の取材ではカール・バーンスタインとボブ・ウッドワードという若手記者が中心的な役割を果たしたが、ウッドワードは少し前まで海軍の情報将校で記者としては素人に近く、事実上、取材はバーンスタインが行ったと言われている。

 そのバーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。

 その記事によると、20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、そのうち200名から250名が記者や編集者など現場のジャーナリストで、残りは、出版社、業界向け出版業者、ニューズレターで働いていた。また1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だった​ウド・ウルフコテ​は2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出し、世界各国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発している。ウルフコテは2017年1月、56歳の若さで心臓発作のために死亡した。

 1991年12月にソ連が消滅、唯一の超大国になったと認識したアメリカは侵略戦争を本格化させるが、有力メディアは戦争へ人びとを誘導するためのプロパガンダを展開しはじめた。この時期に広告会社の役割が重視されはじめている。

 その後、2001年9月11日の世界貿易センターやペンタゴンへの攻撃に関する疑惑を封印、03年3月にアメリカ主導軍がイラクを先制攻撃する前に広めた「大量破壊兵器」という偽情報、11年春に始めたリビアやシリアへの侵略戦争でも偽情報を西側の有力メディアは流していた。本ブログで繰り返し書いてきたことなので詳細は割愛するが、彼らはそうした存在なのだということを忘れてはならない。SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の問題でも彼らは欧米の巨大資本のプロパガンダ機関として機能していると言えるだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202011250001/


3. 2020年12月03日 09:13:37 : L2PutvMSaI : N3JQZ2Y1NmVsVkE=[1] 報告

2020.12.03
米国の支配者は民主主義を決して認めない
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202012030000/

 アフガニスタンで活動していたオーストラリアの特殊部隊SAS(特殊空挺部隊連隊)の隊員25名以上が現地の市民39名を殺害、その事実が発覚し、同国の国防総省では監察長官による調査が進められてきた。その結果を11月10日に発表したのだが、それによると殺された人びとは頭部を撃たれたり、目隠しされた上で喉を切られていた。14歳の少年ふたりも喉を切られていたという。

 この少年殺害を再現した画像を中国外交部で報道官を務める​趙立堅は11月30日にツイッターへ投稿​したところ、オーストラリアのスコット・モリソン首相やニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は報告書に基づく再現画像を使ったとして中国政府をすぐに批判したが、アメリカの国務省も批判の合唱に加わった。今回、趙立堅が載せた画像はデジタル的に描いたものだろうが、本物の映像だったならば、さらに強く反発したかもしれない。

 アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドにカナダとイギリスを加えた5カ国はアングロ・サクソン系。これらを強く結びつけているのが情報機関のネットワークで、「ファイブ・アイズ」と呼ばれている。このネットワークと協力関係を結びたいと8月12日に語ったのが河野太郎防衛大臣だ。今回、中国の批判に反発している3カ国は仲間ということ。

 アメリカの情報機関CIAには秘密工作を担当する部門がある。有り体に言うならば、テロ部門だ。その部門はアメリカ軍の特殊部隊と組み、世界各地で要人暗殺、アメリカの巨大資本に刃向かう人びとの虐殺、社会基盤の破壊、アメリカの支配層に従わない民主的な政権が誕生したならクーデターといった具合だ。

 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、それを口実にして中東から北アフリカにかけての地域に対する侵略戦争を本格化させたが、イラクも破壊されてきた国のひとつ。その​イラクのバグダッドでアメリカ軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターが2007年7月に非武装の市民を銃撃、十数名が殺されている​。その中にはロイターの特派員2名が含まれていた。この出来事は秘密にされたが、2010年4月にウィキリークスが明るみに出している。映像を見れば勘違いで銃撃したのでないことは明かだ。

 ウィキリークスへこの情報を渡したのはアメリカ軍のブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵。アメリカ軍の犯罪行為を内部告発したマニングは2010年5月に逮捕され、軍事法廷で懲役35年を言い渡された。

 後に刑期は短縮されて2017年5月に釈放されたものの、釈放後、アッサンジへの弾圧を正当化する証言をしろというアメリカ当局から要求を拒否。そこでマニングは2019年3月から20年3月まで収監されている。

 アメリカの支配者は自分たちの正体を明るみに出したウィキリークスへ懲罰を与え、新たな内部告発者の出現を防ぐためにウィキリークスの象徴的な存在であるジュリアン・アッサンジを冤罪で逮捕しようとするが、エクアドルが彼の亡命を認める。アッサンジはロンドンのエクアドル大使館で保護されるが、そこから外へ出られなくなる。

 そして2019年4月11日、イギリスの警察はエクアドル大使館へ乗り込んでアッサンジを逮捕、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所へ収監した。その1カ月前にIMFはエクアドルに対して42億ドルの融資を実施すると発表している。この融資の条件として緊縮財政が強要されたが、それだけでなく、アッサンジをアメリカへ引き渡すことも求められ、レニン・モレノ大統領はその条件を呑んだ。

 刑務所ではアメリカの国防総省、FBI、CIAに所属している人びとから尋問を受けたとされているが、その際にBZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用されたという。

 それだけでなく、1日に22時間、あるいは23時間は外部との接触が禁止され、友人や親戚と面会できず、弁護チームも監視下で会うことが要求され、食べ物の差し入れや基本的な医療行為も拒否されたと伝えられている。

 ウィキリークスが2012年2月に公表した民間情報会社​ストラトフォーの電子メール​によると、アメリカ当局はアッサンジを2011年初め、秘密裏に起訴したという。その後、この情報は公的な文書で確認された。​ケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書​の中で、アッサンジが秘密裏に起訴されていると記載されているのだ。

 現在、イギリスではアッサンジをアメリカへ引き渡すための手続きが続いている。担当している裁判長は軍産複合体と緊密な関係にあるエマ・アーマスノット。アサンジをアメリカが起訴した理由について、内部告発しようとしている人や発行者を脅すことにあったと​レオン・パネッタはドイツのARDが制作した番組の中で語った​が、その通りだろう。アメリカをはじめとするアングロ・サクソン系国の支配者は民主主義を認めない。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202012030000/

4. 2020年12月06日 11:13:11 : G8JjLkvQrU : VUd0ZkxPSTFDUHM=[9] 報告
2020.12.06
権力犯罪を暴露したアッサンジとスノーデンをトランプは恩赦するのか?
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202012060000/


 次期大統領はジョー・バイデンであり、ドナルド・トランプは来年の1月にホワイトハウスを去ると大方の人は信じている。

 ホワイトハウスを去る日が近づいた大統領は恩赦を命じるもので、今回はジュリアン・アッサンジとエドワード・スノーデンがどうなるかに注目している人が少なくない。ふたりは権力者の犯罪的な、あるいは民主主義に反する行為を明らかにしたが、そうした言論弾圧が始まった当時のアメリカ大統領はバラク・オバマである。もしトランプがアッサンジやスノーデンを恩赦したなら民主党や情報機関から報復される可能性が高いが、同時に言論弾圧者もダメージを受けるだろう。

 アッサンジは2011年初め、アメリカで秘密裏に起訴されていたが、その事実が知られていない段階で彼はロンドンのエクアドル大使館へ逃げ込んだ。同国の大統領だったラファエル・コレアは彼の亡命を認めるのだが、イギリスの警察は大使館から出たら逮捕する姿勢を示す。そして軟禁状態になった。

 2017年に大統領がコレアからレニン・モレノに交代すると、新大統領は亡命を取り消し、イギリスの警官隊が大使館へ乗り込んでアッサンジを逮捕し、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所へ入れる。現在、アメリカへ引き渡すための手続きを進めている。

 スノーデンはアメリカとイギリスの情報機関が電子的に世界の人びとを監視している実態を明らかにし、ロシアから出られない状態になっている。

 アメリカ電子情報機関NSAが地球規模の通信監視システムを作り上げていることは1972年に表面化、76年にはジャーナリストのダンカン・キャンベルとマーク・ホゼンボールがタイム・アウト誌でイギリスの電子情報機関GCHQの存在を明るみだした。

 NSAとGCHQはUKUSAという連合体を作って監視活動で協力、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの情報機関がその下で活動している。いわゆるファイブ・アイズだ。キャンベルは1988年にUKUSAがECHELONという全地球規模の通信傍受システムを作り上げていることも明らかにした。(Duncan Campbell, 'Somebody's listerning,' New Statesman, 12 August 1988)

 そうした監視システムの新しい技術に関する機密文書をスノーデンは2013年5月に香港でジャーナリストのグレン・グリーンウォルドへ渡した。その文書の大半をグリーンウォルドはまだ公表していない。

 香港にいると危険だと感じたスノーデンはモスクワへ航空機で移動する。そこからキューバへ向かい、最終的にはベネズエラへ行く計画だったと言われているが、アメリカは配下のヨーロッパ諸国に対し、空路を封鎖させる。結果としてスノーデンはロシアから出られなくなるが、現在、世界でアメリカが手を出せない国はロシアだけだと言われている。

 民主主義体制なら許されない行為が裏で行われていることをスノーデンもアッサンジも明らかにした。そこで権力者は激怒、新たな内部告発を防ぐためにも見せしめ的に厳しく処分しようとしているが、それに対する抗議の声はか弱い。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202012060000/

5. 中川隆[-9439] koaQ7Jey 2020年12月08日 10:15:58 : lLc7YEFIro : MUlJdEVVZjhSQ2c=[4] 報告
2020.12.08
戦争に反対していたジョン・レノンが殺されて40年
 ビートルズの一員だったジョン・レノンが殺されたのは1980年12月8日のことだった。それから40年前が経つ。マーク・チャップマンなる人物に射殺されたことになっているが、異説もある。銃撃時に彼はレノンの右側にいたのだが、レノンは左から撃たれたというのだ。しかも銃撃後、チャップマンはその場から逃げようとせず、その場でJ・D・サリンジャーの小説『ライ麦畑でつかまえて』を読んでいたという。(Lisa Pease, “A Lie Too Big To Fail,” Feral House 2018)

 レノン殺害では不可解なことが少なくない。例えば、当初、チャップマンはレノンのファンだとされていたが、実際は違った。イギリスの弁護士でジャーナリストとしても活動していたフェント・ブレスラーによると、実際はトッド・ラングレンのファンだったという。チャップマンは福音主義(キリスト教原理主義)の信者だともいう。(ファントン・ブレスラー著、島田三蔵訳『誰がジョン・レノンを殺したのか?』音楽之友社、1990年)

 チャップマンの行動が不自然なことから、CIAが進めていた人間の行動を制御する研究を連想した人は少なくない。CIAは1950年に「ブルーバード」を開始、53年には「MKウルトラ」へたどり着く。研究の「材料」には西ドイツや日本にあった秘密の刑務所に収容されていた囚人が使われた。

 1951年、つまりブルーバード時代にCIAのチームは東京でソ連とのつながりが疑われた4名の日本人を尋問したが、その際にいくつかの薬物を試し、ソ連との関係を白状させている。その後、4名は射殺され、東京湾に沈められた。(Stephen Kinzer, “Poisoner in Chief,” Henry Holt, 2019)

 現在、エンターテイメントの世界は情報機関の強い影響下にある。特にアメリカの映画界や音楽業界はそうした傾向が強く、イギリスで首相を務めたトニー・ブレアのスポンサーだったマイケル・レビーも音楽業界の人間で、1973年にマグネット・レコードを設立している。

 ブレアの台頭はイスラエルによるパレスチナ人弾圧と深く結びついている。イスラエルが出現して以来、イギリスの労働党はイスラエル寄りの立場だったのだが、1982年に大きく変化する。

 この年の6月6日にイスラエル軍がレバノンへ軍事侵攻を開始する。イスラエル軍がベイルートから撤退したのは8月20日、その翌日にはPLOが撤退を始める。残されたパレスチナ難民を守るためにアメリカ、フランス、イタリアは国際監視軍を編成したが、この部隊も9月12日にレバノンから引き揚げた。

 その2日後、14日にレバノンのバシール・ジュマイエル次期大統領が暗殺される。イスラエル軍はこの出来事を利用して15日に西ベイルートへ突入してパレスチナ・キャンプを包囲。サブラとシャティーラの難民キャンプではレバノンの与党、ファランジストの民兵を中核とする右派キリスト教の民兵が16日から18日にかけて難民を虐殺する。この民兵を率いていたのはピエーレ・ジュマイエル、つまりバシール・ジュマイエルの父親。事前にピエーレは親友のシャロン国防相(当時)に手紙を書き、その中で息子の復讐を誓っていた。

 殺されたパレスチナ人の数は、レバノン政府によると460名、イスラエルの報告書では700から800名、PLO側は死者と行方不明者を合わせて5000から7000名としている。現地を取材したジャーナリストの推計では、国際赤十字が確認した死体が663、これにブルドーザーなどを使って隠されたり運び出された死体を加えると3000名以上だという。

 この虐殺を実行したのはファランジストだが、その黒幕がイスラエルだということからイギリスの労働党はイスラエルから離れ始めた。党の内部ではイスラエルの責任を問い、パレスチナを支援する声が大きくなり、イスラエルを支えているアメリカへも批判の目は向けられた。

 そうした情況を懸念したアメリカのロナルド・レーガン政権はイギリスとの結びつきを強めようと考え、メディア界の大物を呼び寄せて善後策を協議し、BAP(英米後継世代プロジェクト)なるエリートを集めた組織を作り上げる。その中には少なからぬメディアの記者や編集者が参加した。

 その一方、イギリス労働党を親イスラエルへ引き戻す工作も進められる。親イスラエル派にとって好都合なことに、1994年5月に党首だったジョン・スミスが急死、その1カ月後に行われた投票でブレアが勝利して新しい党首になったのである。

 ブレアと彼の妻は1994年1月にイスラエルへ招待され、3月にはロンドンのイスラエル大使館で富豪のマイケル・レビーを紹介された。その後、ブレアの重要なスポンサーになるわけだが、真のスポンサーはイスラエル政府だと言うべきだろう。

 レビーのほか、イスラエルとイギリスとの関係強化を目的としているという団体LFIをブレアは資金源にしていた。ブレアがマーガレット・サッチャーの後継者と呼ばれるようになるのは必然だった。イラクへの先制攻撃を実現するためにブレアが偽文書を作成したのもそうした背景があるからだ。

 ブレアはジェイコブ・ロスチャイルドやエブリン・ロベルト・デ・ロスチャイルドとも親しい。首相を辞めた後、彼はJPモルガンやチューリッヒ・インターナショナルから報酬を得るようになる。

 こうしたブレアのネオコン的な政策への反発に後押しされて2015年に労働党の党首となったのがコービン。彼がライバル政党だけでなく、労働党の内部や有力メディアから攻撃されたのも必然だった。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202012080000/

6. 2020年12月18日 09:37:22 : aydw93LnQ2 : SjI2Q0VEbEJJTXc=[3] 報告
2020.12.18
ワクチン接種を妨げるような情報を排除するとツイッターが表明
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202012180000/


 さまざまな問題が指摘されているワクチンを地球規模で強制的、あるいは半ば強制的に接種させようとする動きが強まっている。ワクチン接種に反対する声もあるため、そうした声を封じ込めなければならず、インターネットにおける意見表明の重要な場になっている​ツイッターは、ワクチンに対する考え方を「誤った方向へ導く」情報を検閲の対象にすると表明​した。

 ワクチン接種の目的として、SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の爆発的な感染拡大を押さえ込むことが宣伝されているが、ワクチンを接種させるためにウイルスの感染拡大を演出する必要があるとも言える。

 感染拡大を演出するために利用されているのがPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査だが、この検査方法を開発した​キャリー・マリス​は、この手法をウイルスの存在確認に使うことはできないと語っていた。大手医薬品メーカーのファイザーで副社長を務めていた​マイク・イードンも同じ意見​で、PCR検査で陽性と判定された人の半数、あるいは大半が擬陽性だという。

 その​イードンは欧州評議会議員会議の健康委員会で委員長を務めるウォルフガング・ウォダルグと共同で、ワクチンの臨床試験を中止するように求める請願をEMA(欧州医薬品庁)へ提出​している。女性を不妊にする可能性があるというのだ。

 SARS-CoV-2の感染拡大が問題にされるようになる前、2019年9月12日には欧州委員会とWHO(世界保健機構)は共同でグローバル・ワクチン接種サミットを開催。​欧州委員会は2022年にワクチン接種を確認できるカード/パスポートをEU市民に携帯させる計画​を立てている。

 中でも西側の有力メディアが宣伝しているのはアメリカのファイザーとドイツのBioNTechが共同で開発したmRNAワクチン。mRNAにDNAの遺伝情報が転写され、その遺伝情報に従って特定のタンパク質が合成されるのだが、その仕組みの中に侵入して情報を書き換えることができるようになり、可能になった技術だ。人間のDNAを書き換える技術とも言える。

 SARS-CoV-2、いわゆる「新型コロナウイルス」の爆発的な伝染を宣伝、社会の収容所化を推進する雰囲気作りをしている西側の有力メディアは事実を語らず、嘘をつき続けてきた。21世紀に入ってからだけでもユーゴスラビアでの虐殺という嘘を広めて空爆への道を開き、存在しない大量破壊兵器を宣伝してイラクに対する先制攻撃を可能にした。イラクでは国が破壊され、100万人とも言われる市民が殺されている。

 2011年春にはムスリム同胞団やワッハーブ派を使って中東から北アフリカにかけての地域を侵略、リビアは暴力が支配する破綻国家になった。イラクやアフガニスタンでは戦乱が収まらず、シリアでもジハード傭兵やクルドなどアメリカをはじめとする国々を後ろ盾とする戦闘集団が戦争を続けている。そうした戦争を始め、継続させるために西側の有力メディアは偽情報を流してきた。

 2012年の初め、シリアのホムスにおける虐殺を現地調査した東方カトリックのフランス人司教は、「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている​」と報告している。

 バラク・オバマ政権のネオコン(シオニストの一派)はネオ・ナチを使い、ウクライナでクーデターを実行した。その詳細は繰り返し書いてきたので今回は割愛するが、このときも西側の有力メディアは民主的に成立したビクトル・ヤヌコビッチ政権の打倒を正当化するための嘘を発信していた。

 クーデターを実行した理由のひとつはロシアの隣に傀儡体制を築くこと、第2はロシアとEUを結びつけている天然ガスを輸送するパイプラインをコントロールすること、そしてロシアの黒海艦隊が拠点にしているクリミアのセバストポリを制圧することがあったと見られている。

 ところが、クーデター派はクリミアの制圧に失敗した。そこで西側の有力メディアはロシア軍が侵略したと宣伝する。日本では「リベラル」を自称する有名人も宣伝に加担していた。

 しかし、ロシアとウクライナは1997年に条約を結び、基地の使用と2万5000名までのロシア兵駐留が認められていた。この条約に基づいて1万6000名のロシア軍が実際に駐留していたのだが、西側はこの部隊をロシア軍が侵略した証拠だと宣伝したのだ。

 西側の有力メディアがCIAの影響下にあることも本ブログでは繰り返し書いてきた。その実態を明らかにしたひとりがカール・バーンスタイン。ウォーターゲート事件で取材の中心になったことで知られている。そのバーンスタインはリチャード・ニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。有力メディアがCIAにコントロールされている実態を明らかにしたのだ。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 ところが、ウォーターゲート事件を報道したワシントン・ポスト紙、そしてバーンスタインを賞賛してもローリング・ストーン誌の記事に触れない人が日本では多い。いや、この記事に触れる学者、記者、編集者に会ったことがない。

 西側の有力メディアは嘘をつくのだ。そのメディアを信奉、そこから出てくる話を丸呑みすることは犯罪的だ。そうした犯罪的なことが「新型コロナウイルス」のケースでも行われている。

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7. 2020年12月29日 15:38:33 : ALfcx8Vlfc : QWF2QW1ZSHBaRkE=[27] 報告
2020.12.29
COVID-19の問題に限らず、有力メディアは支配者の広報として機能してきた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202012280000/

 SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の問題に限らず、大半の人びとは有力メディアを通じて世界の姿をイメージしている。その有力メディアは特定の政治家や官僚、あるいは「権威」とされる学者などの話を垂れ流しているだけ。「権威」の中には「リベラル」や「革新」というタグのついている人も含まれている。「報道」と言うより「広報」と表現するべきことが有力メディアの仕事になっているのだ。そうした有力メディアに情報を頼る危険性を認識しなければならない。その危機感が足りない。

 勿論、昔からメディアにはそうした傾向はあったが、一部の記者や編集者は自らの「足」で取材していたことも事実。そうした記者や編集者の取材は手間隙がかかり、支配システムの中枢にいる人びとを刺激することもある。メディア経営者にとって邪魔な存在であろうジャーナリストと呼ぶにふさわしい人びとは1980年代以降、排除されていった。

 アメリカの場合、メディアをコントロールするシステムが第2次世界大戦の直後に作られている。ジャーナリストのデボラ・デイビスによると、このプロジェクトで中心的な役割を果たしたのはアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズ、そしてフィリップ・グラハムの4名。有力メディアの経営者や幹部編集者も協力していた。

 ダレスは兄のジョン・フォスター・ダレスと同じようにウォール街の大物弁護士で、大戦中から情報機関で破壊活動を指揮し始めた人物。その側近だったウィズナーもウォール街の弁護士で、大戦後、破壊活動を実行するために組織された秘密機関OPCを指揮している。ヘルムズの母方の祖父、ゲイツ・マクガラーは国際的な銀行家で国際決済銀行の初代頭取。グラハムの義理の父親にあたるユージン・メーヤーは世界銀行の初代総裁だ。CIAの前身であるOSSの長官を務めたウィリアム・ドノバンもウォール街の弁護士だ。

 ユージン・メーヤーの娘でフィリップ・グラハムの妻だったキャサリン・グラハムはウォーターゲート事件で有名になった。カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードを使い、リチャード・ニクソン大統領の犯罪行為を暴いたとされているが、それはデタント(緊張緩和)を打ち出した大統領の排除という側面があったことを忘れてはならない。

 取材を担当した記者のうちウッドワードは少し前まで海軍の情報将校だった人物で、記者としては素人に近かった。事実上、取材はバーンスタインが行ったと言われている。

 そのバーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。その記事によると、20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、そのうち200名から250名が記者や編集者など現場のジャーナリスト。残りは出版社、業界向け出版業者、ニューズレターで働いていた。また1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 この記事はウォーターゲート事件の裏側でもあるが、そうしたCIAによるメディア支配はアメリカだけの問題ではない。2014年2月にCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出したフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の元編集者、ウド・ウルフコテによると、​世界各国のジャーナリストがCIAに買収されている​。そうした工作が危険な状況を作り出していることを懸念、彼は告発に踏み切ったのだが、2017年1月に56歳の若さで心臓発作のため、死亡した。

 1968年3月、アメリカ陸軍第23歩兵師団の第11軽歩兵旅団バーカー機動部隊第20歩兵連隊第1大隊チャーリー中隊に所属するウィリアム・カリー中尉の率いる第1小隊が南ベトナムのカンガイ州にあるソンミ村のミライ地区とミケ地区で農民を虐殺した。アメリカ軍によると犠牲者の数はミライ地区だけで347名、ベトナム側の主張ではミライ地区とミケ地区を合わせて504名。この出来事はアメリカ軍兵士の告発で知られるようになった。

 虐殺が行われているとき、現場の上空にアメリカ軍のOH-23偵察ヘリコプターがさしかかる。下で行われていることを知ったヒュー・トンプソンという兵士は農民を助けるため、ヘリコプターから地上へ降りた。その際、トンプソンは同僚に対し、下の部隊が住民を傷つけるようなことがあったなら銃撃するように命令していたとされている。

 トンプソンらは帰国後、ベトナムで住民を虐殺している実態を議員などに告発しているが、政治家は動かない。アメリカ軍には従軍記者や従軍カメラマンが同行していたが、そうした人びとも沈黙を守った。

 この虐殺が外で知られるようになったのは、ユージン・マッカーシー上院議員の選挙キャンペーンに参加していたジェフリー・コーワンから話を聞き、取材を始めたシーモア・ハーシュが記事を書き、1969年11月にAPがその記事を伝えたからだ。コーワンの父親はCBSの社長を務めたルイス・コーワンで、母親のポリー・コーワンはテレビやラジオのプロデューサーだったが、ジェフリーの話を記事にしたのは戦争報道の仕組みから外れていたハーシュだった。

 ソンミ村での虐殺は当時、CIAと特殊部隊が共同で行っていた住民皆殺し作戦「フェニックス・プログラム」の一環だったと見られている。この秘密作戦について公の場で明らかにされたのは1970年代の半ば。フランク・チャーチ上院議員を委員長とする上院特別委員会が1975年1月から情報活動に関する政府の作戦を調査、その中で出てきたのだ。この委員会では外国の要人暗殺、電子的な情報活動、秘密のプロパガンダなどの一端が明らかにされている。

 チャーチ委員会ではCIA長官だったウィリアム・コルビーがフェニックス・プログラムについても証言した。コルビー自身、このプログラムを現地で指揮したひとりだった。かれが指揮していた「1968年8月から1971年5月までの間にフェニックス・プログラムで2万0587名のベトナム人が殺され、そのほかに2万8978名が投獄された」というが、解放戦線の支持者と見なされて殺された住民は約6万人に達するという推測もある。共同体の破壊も目的のひとつだったと推測する人もいる。

 ハーシュの記事が伝えられるとCIAは事件の隠蔽を図る。調査を任されたウィリアム・ピアーズ将軍は第2次世界大戦中、CIAの前身であるOSSに所属、1950年代の初頭にはCIA台湾支局長を務め、その後もCIAとの関係は続いていた人物だ。

 その調査を受けて16名が告発されたものの、裁判を受けたのは4人にすぎず、そして有罪判決を受けたのはカリー大尉だけ。そのカリーもすぐに減刑されている。

 ソンミ村での虐殺事件をもみ消す工作はピアーズが指揮したと思われるが、その中で重要な役割を果たしたひとりが1968年7月に少佐としてベトナム入りしたコリン・パウエル。カリー大尉の小隊は第23歩兵師団に所属していたが、パウエルも第23歩兵師団に配属されていた。虐殺について知っていたことを彼は2004年5月4日にCNNのラリー・キング・ライブで明らかにしている。

 ウクライナでのクーデターにしても、リビアやシリアへのジハード傭兵を利用した侵略にしても、有力メディアには支配者が被支配者を踊らせる仕掛けという側面がある。支配者発の偽情報を伝えたことが発覚しても有力メディアは基本的に訂正も謝罪もしてこなかった。その姿勢を彼らが改める気配はない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202012280000/

8. 中川隆[-8623] koaQ7Jey 2021年1月04日 14:33:43 : FULbsDkRs2 : ZWhRdW00Ni9sWUk=[19] 報告
有力メディアは支配者にとって好ましい話を広める役割を与えられている。そうしがプロパガンダの仕組みがアメリカの情報機関により、どのように築かれてきたかは本ブログでも繰り返し書いてきたので、今回は割愛、中東で行われたことを簡単に振り返るだけにする。

 2003年3月にアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権はイラクを先制攻撃、破壊、殺戮、そして略奪を始めた。その侵略戦争を始める口実に使われたのが「大量破壊兵器」だが、この話が事実に反していることは当時から指摘されていた。そうした声をかき消すプロパガンダを展開したのがアメリカをはじめとする西側の有力メディア。その宣伝で有名になったひとりがニューヨーク・タイムズ紙の記者だったジュディス・ミラーだ。

 ミラーは2005年に同紙を離れ、07年にウィリアム・ケーシーの政策研究マンハッタン研究所へ入り、08年にはFOXニュースへ移動、2010年にはニューズマックスへ移るが、ここはケイシーやCIAと関係の深い富豪、リチャード・メロン・スケイフから支援を受けていた。またCFR(外交問題評議会)のメンバーにもなっている。

 バラク・オバマ政権はムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を主力とするジハード傭兵を利用してリビアやシリアなどへの侵略を始めた。リビアではNATOの航空兵力を投入、地上のアル・カイダ系武装勢力と連携してムアンマル・アル・カダフィ体制を倒した。破壊と殺戮でリビアは暴力が支配する破綻国家になっている。

 オバマ政権はシリアも同じように破壊するつもりだったようで、侵略軍を支援、さらにアメリカ軍あるいはNATO軍を投入する環境を作ろうとした。そこでバシャール・アル・アサド政権を悪魔化するプロパガンダを始めた。

 西側の有力メディアの「報道」は大半がプロパガンダと言わざるをえないもの。例えば、2012年5月にシリア北部ホムスで住民が虐殺され、西側の政府やメディアは政府軍が実行したと宣伝し始める。イギリスのBBCはシリアで殺された子どもの遺体だとする写真を掲載したのだが、これは2003年3月にイラクで撮影されたののだった。オーストリアのメディアは写真を改竄し、背景を普通の街中でなく、廃墟に変えて掲載したことも発覚した。

 ホムスにおける虐殺を現地調査した東方カトリックのフランス人司教は、「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている​」と報告している。

 西側の有力メディアは当初、現地の情報源としてシリア系イギリス人のダニー・デイエムなる人物を使っていた。ところがデイエムが撮影スタッフと演出の打ち合わせをしている場面が2013年3月にインターネット上へ流出、中継はフィクションだということが明らかになる。

 2011年10月にカダフィ体制を破壊した後、オバマ政権は戦闘員と兵器をシリアへ運び、アサド体制の破壊に集中しようとする。そうしたオバマ政権の行動を危険だと警告したのがアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)だ。

 ​2012年8月にDIAはアメリカ政府に対し、シリア情勢に関する報告書を提出​。それによるとシリアで政府軍と戦っている武装勢力はサラフィ主義者やムスリム同胞団で、戦闘集団の名称としてアル・ヌスラを挙げている。そのアル・ヌスラはAQI、つまりイラクのアル・カイダと実態は同じだともDIAは指摘しているが、その主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団。シリアにオバマ大統領が言うような穏健派は事実上、存在しないとしているのだ。

 また、そうしたオバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告していた。その警告は2014年に入ってダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)という形で出現した。そうした中、2014年8月にDIA局長だったマイケル・フリンは解任されている。

 DIAがオバマ大統領へ報告書を提出した2012年8月、そのオバマ大統領はシリアに対する直接的な直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言した。12月になるとヒラリー・クリントン国務長官がアサド大統領は化学兵器を使う可能性があると語る。

 そして2013年1月29日付けのデイリー・メール紙には、オバマ政権がシリアで化学兵器を使ってその責任をアサド政権に押しつける作戦をオバマ大統領が許可したという記述がイギリスの軍事関連企業ブリタム防衛の社内電子メールの中に書かれているとする記事が載った。(同紙のサイトからこの記事はすぐに削除された)

 しかし、すでにシリア政府はロシア政府のアドバイスに従い、化学兵器を全て廃棄していた。これはアメリカ政府も否定できないため、一部が隠されたと主張せざるをえなくなる。勿論、その主張を裏づける証拠は示されていない。

 その後、アメリカやイギリスをはじめとする西側の政府や有力メディアは化学兵器話を繰り返し、シリアへの軍事介入を目論むが、そのたびに嘘が露見している。

 その化学兵器話を広めるために「シリア市民防衛(SCD、通称「白いヘルメット」)」が使われる。この団体はジェームズ・ル・ムズリエなる人物が2013年3月にトルコで編成、メンバーを訓練していた。

 医療行為の訓練を受けていると考えられたが、公開された映像からそのメンバーはそうした訓練を受けていないと指摘する人もいる。しかもSCDのメンバーがアル・カイダ系武装集団と重複していることを示す動画や写真も存在、アル・カイダ系武装集団が撤退した後の建造物ではSCDと隣り合わせで活動していたことを示す証拠などがバネッサ・ビーリーやエバ・バートレットらのジャーナリストによって確認された。彼らはジハード傭兵の医療部隊と言うべき存在なのだ。

 また、西側の有力メディアはSOHR(シリア人権監視所)も情報源として使ってきた。ラミ・アブドゥラーマン(本名オッサマ・スレイマン)なる人物がイギリスで個人的に設置した団体で、スタッフはひとりだと見られているが、その背後にはイギリス政府が存在する可能性が高い。アメリカ軍の情報機関DIAの将校だったパトリック・ラングのように、イギリスの対外情報機関MI6と同一視する人もいる。またジャーナリストのピーター・ヒッチンズによると、SOHRはイギリス外務省から約19万5000ポンド相当の支援を受けている。これは同省がヒッチンズに認めた事実だという。

 こうした話は西側の有力メディアが行った偽情報の流布の一部にすぎない。氷山の一角だ。東電福島第一原発のメルトダウン事故でも日本のメディアは政府や業界の意向に沿い、偽情報を流してきた。そもそも原子力発電の安全神話を広めたのは、そのメディアだ。彼らは「新型コロナウイルス」の騒動でも同じことを行っている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101040000/

9. 中川隆[-8560] koaQ7Jey 2021年1月06日 01:48:06 : BlPirF74G2 : TVZFcWFqMFVsL1E=[9] 報告


2021.01.06
戦争犯罪を含む米国政府による権力犯罪を内部告発することは重罪だと英裁判所
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101060000/


 ウィキリークスの象徴的な存在であるジュリアン・アッサンジをアメリカへ引き渡す法的な手続きがイギリスで進められていたが、1月4日、​担当判事のバネッサ・バラツァーは引き渡しを認めない判決を言い渡した​。戦争犯罪を含む権力犯罪を明らかにすることは重罪だというアメリカ側の主張を認めた上で、アッサンジの健康状態が悪いことや自殺の可能性から引き渡し要求を認めなかったもので、これはジャーナリズムに対する挑戦だと少なからぬ人が考えている。

 ​アメリカの当局はアッサンジを2011年初め、秘密裏に起訴​したと言われている。民間情報会社ストラトフォーの内部でやりとりされた電子メールの中でそうしたことが書かれているのだが、その後、​ケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書​でも起訴は確認されている。

 2003年3月にアメリカ軍は従属国の軍隊を率いてイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒した。そのときからイラクでアメリカの軍、情報機関、あるいは傭兵は破壊、殺戮、略奪を続けてきたが、親イスラエル体制を築くという当初の目的は達成できていない。

 イラクでアメリカの軍や情報機関はイスラエル人の手を借りて多くの人を拘束、拷問し、少なからぬ人が殺されたと言われている。そうした実際を明らかにしたアブ・グレイブ刑務所のジャニス・カルピンスキー所長やCIAオフィサーのジョン・キリアクは厳しく処罰されたが、拷問を指揮した人びとは不問に付された。

 2003年の侵略開始から100万人程度のイラク人が殺されたと推測されている。例えばアメリカのジョーンズ・ホプキンス大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると、2003年の開戦から2006年7月までに約65万人のイラク人が殺された。イギリスのORBは2007年夏までに94万6000名から112万人が死亡、またNGOのジャスト・フォーリン・ポリシーは133万9000人余りが殺されたと推測している。

 その実態を人びとに知らせる情報をウィキリークスは2010年4月に公開している。中でも衝撃的だった情報は、​アメリカ軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターによる非武装の一団に対する銃撃​だろう。その銃撃でロイターの特派員2名を含む非武装の十数名が殺されている。

 日本の大手マスコミはほとんど無視、「革新」を標榜している団体も銃撃を勘違いに基づくものであるかのように伝えていた。実際に見ればわかるが、非武装の人間だと知った上で銃撃している可能性が高い。

 こうした情報をウィキリークスへ渡したアメリカ軍のブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵は2010年5月に逮捕され、軍事法廷は懲役35年を言い渡された。後に刑期は短縮されて2017年5月に釈放されたものの、アッサンジへの弾圧を正当化する証言をしろというアメリカ当局からの要求を拒否したことから、彼は2019年3月から20年3月まで収監されている。

 アメリカをはじめとする世界各国の有力メディアがCIAの影響下にあることは本ブログでも書いてきたが、ウィキリークスのように既存のメディアから離れたジャーナリストも出現している。そうしたジャーナリストがアメリカの権力犯罪を明らかにした場合、そのジャーナリストがアメリカ人でなく、活動の舞台がアメリカ以外でも、アメリカ当局はスパイ行為で起訴できる道を開く判決をバラツァーは言い渡した。アメリカの支配者は世界の支配者でもあることをイギリスの裁判官は認めたわけである。現在、欧米の支配者が進めている資本主義のリセットとは、そうした支配システムを徹底することが目的だ。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101060000/

10. 中川隆[-7822] koaQ7Jey 2021年1月30日 07:54:49 : WsTabVtPIQ : ZW1xLlovZzh6WWM=[16] 報告

2021.01.30
シリコンバレーの私的権力による検閲をメキシコ大統領が批判
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101300000/

 ツイッター、フェイスブック、ユーチューブ、グーグルといったシリコンバレーの巨大企業による検閲の対象はアメリカを含む各国政府に及んでいる。当初は言論封印の対象がドナルド・トランプ米大統領だったこともあり、そうした決定に拍手喝采する人もいるが、気に入らない言論を封じるという行為は民主主義の否定にほかならない。

 そうした​言論統制を進めるソーシャル・メディアをメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は1月20日の会見で批判​し、1月6日には私企業が言論を検閲する悪い兆候だとも語った。メキシコのツイッターで幹部として働くウーゴ・ロドリゲス・ニコラはPAN(国家行動党)と緊密な関係にあったともしている。(​映像​)

 ロドリゲスはコロンビア大学のSIPAを卒業した後にメキシコへ戻り、右翼とされる上院議員の顧問を務めた後、PANに雇われた。PANはメキシコの富豪を後ろ盾とする政党。そうした富豪の背後にはアメリカの巨大資本が存在、必然的に新自由主義的な政策を推進してきた。2006年12月から12年11月までメキシコ大統領を務めたフェリペ・カルデロンも2018年11月までPANのメンバーだった。

 カルデロン政権はアメリカの捜査当局と共同で麻薬取引を取り締まったと宣伝されているが、世界の麻薬取引の中心にはアメリカの情報機関CIAが存在、カルデロンは「死の部隊」を動かし、麻薬カルテルと手を組み、ジャーナリストを暗殺していたと伝えられている。死の部隊を訓練してきたのはCIAやアメリカ軍だ。

 ジョージ・W・ブッシュ政権の時代、メキシコで行われた「麻薬との戦争」で殺された人は10万2859名、行方不明者は2万2112名に達すると言われている。アメリカが主導する「麻薬との戦争」はアメリカの巨大企業にとって目障りな組織を潰し、人びとを殺すことにほかならない。カルデロンが大統領でなくなった後、ロドリゲスはNGOの世界へ入り、ツイッターの仕事をするようになったわけだ。

 アメリカやイギリスを支配している人びとは麻薬との関係が深い。イギリスは19世紀にアヘン戦争を中国に仕掛けたが、アメリカのCIAはベトナム戦争でヘロインを生産、マフィアを利用して売りさばいていた。原料のケシを育てていたのは「黄金の三角地帯」と呼ばれる東南アジアの山岳地帯。メキシコが密輸の中継地として重要な役割を果たしていた。後にニカラグアの反革命ゲリラを支援するためにコカインをCIAは主力商品にするが、その産地はラテン・アメリカ。そこからアメリカ国内へ運ぶ主要ルートのひとつがメキシコだ。後にヘロインの主要産地はパキスタンからアフガニスタンへ移動するが、これはアメリカがアフガニスタンでの工作を本格化させたからである。

 アメリカがラテン・アメリカへの侵略を始めたのは1898年2月のことだった。キューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦「メーン」で爆発が起きて沈没、アメリカ側はこれをスペインの陰謀だとして戦争を始めて勝利、それ以降、ラテン・アメリカはアメリカ巨大資本の植民地になる。

 このアメリカ・スペイン戦争を推進していたのが「棍棒外交」で有名なシオドア・ルーズベルト。1901年3月、ウィリアム・マッキンレー政権で副大統領に就任、その年の9月にマッキンレーが暗殺され、大統領に昇格した。アメリカ・スペイン戦争ではフィリピンも植民地化、ここを拠点にして中国大陸への侵略を狙うようになる。

 この当時、イギリスの影響下にあった日本は1904年2年、海軍が旅順港を奇襲攻撃して日露戦争を始めた。1905年にセオドア・ルーズベルト米大統領が調停役として登場、日本が有利に見えるところで講和が成立する。帝国主義者のルーズベルトが戦争を終結させたのは、大陸を侵略する布石のつもりだったのだろう。

 当時、ロシア国内では帝政を打倒する動き(第1次ロシア革命)があり、ロマノフ朝には戦争を継続しにくい状況があった。そこでルーズベルトの調停に応じたのだろうが、日本に負けたという認識は薄かったのではないだろうか。

 しかし、日本では新聞の扇情的な記事で大勝した気分になっていた国民がいて、講和条約が締結された当日、日比谷公園で開催された国民大会に参加した人たちは不満を爆発させた。内相官邸、警察署、交番などを焼き討ちし、戒厳令が敷かれるという事態に発展したのだ。

 JPモルガンをはじめとするウォール街の住人は1933年から34にかけての時期に反フランクリン・ルーズベルトのクーデタを計画したが、これはスメドリー・バトラー退役少将によって阻止された。そのバトラーは1935年に『戦争は犯罪だ(War Is a Racket)』という本を出した。戦争が押し込み強盗にすぎないということを日本の庶民も理解していたということだろう。

 ところで、バイデン米大統領も戦争が好きである。2002年にイラクへの侵略戦争に賛成、コソボで大きな力を持っていたハシム・サチとも親しい。サチは1999円4月から2000年2月、そして08年1月から14年12月まで首相を、16年4月から20年11月までは大統領を務めた。

 サチはKLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)の指導者としてコソボへ乗り込んできたが、この組織はアメリカの手先で、クロアチアのネオ・ナチが参加していたことでも知られている。彼はセルビア人や少数民族をターゲットにした「民族浄化」を実行、アルバニアの犯罪組織とつながっていたと言われている。

 コソボはアフガニスタンからヨーロッパへヘロインを運ぶ主要ルートのひとつが通過、それにともなう儲けがKLAの資金源になっていた。また旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷で検察官を務めたカーラ・デル・ポンテは自著の中でKLAによる臓器の密売に触れている。コソボで戦闘が続いている当時、KLAの指導者らが約300名のセルビア人捕虜から「新鮮」な状態で、つまり生きた人間から臓器を摘出し、売っていたというのだ。

 1991年12月にソ連が消滅した後、アメリカをはじめとする西側の支配者はユーゴスラビアの解体に乗り出す。その計画を実行するように有力メディアは煽ったが、当初、ビル・クリントン大統領は動かない。状況が変化したのは1997年1月に国務長官がクリストファー・ウォーレンからマデリーン・オルブライトへ交代してからだ。

 オルブライトはヒラリー・クリントンと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子だった好戦的な人物。オルブライトはビジネス戦略を提供するということでオルブライト・ストーンブリッジ・グループを創設したが、この関係者がバイデン政権に参加している。

 ユーゴスラビアを解体する際、現地で指揮していたのはリチャード・マイルズ。現地のイスラム指導者にもアメリカ側は接触、ジャーナリストのレナテ・フロットーによると、サラエボにあったイザドベゴイチのオフィスで1993年から94年にかけてオサマ・ビン・ラディンを何度か見かけたという。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 アメリカの支配者に率いられたNATOは1999年5月にユーゴスラビアへの空爆を開始、4月にはスロボダン・ミロシェビッチの自宅が、また5月には中国大使館も爆撃されている。

 そして2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された。攻撃の直後にジョージ・W・ブッシュ政権は「アル・カイダ」によるものだと断定、有力メディアはその主張を大々的に宣伝、反イスラム感情を煽る。そしてアメリカの支配者は侵略戦争を本格化させた。

 それと同時にアメリカでは憲法の人権規定を停止させる法律が制定された。「愛国者法(USA PATRIOT Act / Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism Act of 2001)」だ。​この法律のモデルになった対テロリズム法案をバイデンは1995年に提出​している。

 アメリカは強大な私的権力が直接支配する国になりつつある。そうした私的権力の犯罪的な行為を明らかにしてきたウィキリークスを弾圧の対象になり、その象徴であるジュリアン・アッサンジは秘密裏に起訴され、スウェーデンとイギリスの協力受けて逮捕、拘束した。

 現在、主導権を握っている私的権力の意向に沿わない言動を繰り返してきたドナルド・トランプは有力メディアや政府機関に攻撃され、排除された。言論も封印されているが、それは​デジタル時代における言論統制の戦いで転換点になるとNSAの内部告発者であるエドワード・スノーデンは指摘​している。

 現在、世界はファシズムへ向かって突き進んでいる。少なくともアメリカを中心とする私的権力はそうしようと必死だ。そうした状況に西側の「リベラル派」や「左翼」は危機感を持っていないが、メキシコのオブラドール大統領は違った。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101300000/

11. 中川隆[-7319] koaQ7Jey 2021年2月16日 18:21:01 : 2Rqleo9YRc : OFhWL1kxNk5ZblU=[5] 報告
2021.02.16
バイデンの大統領就任でオバマ政権の中東侵略作戦が復活する可能性(1/2)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102160000/


 アメリカにジョー・バイデン政権が登場して以来、世界的に軍事的な緊張が高まっているが、中でもシリアでの動きは目につく。​アメリカ軍が北東部にあるハサカで新たな軍事基地を建設している​と報道されているが、そこには戦闘員や物資を輸送するために滑走路も作られ、油田地帯に近いデリゾールでもアメリカ軍は新しい航空施設を建設しているという。

 イスラエル軍によるダマスカス周辺に対する攻撃も激しくなり、シリア政府が反発しているだけでなく、イラン側もイスラエルが一線をこれれば「後悔させる」と語っている。また​ロシア軍は地中海に近いラタキアにあるロシア軍のフメイミム空軍基地の滑走路を拡張して戦略爆撃機が離着陸できるようにした​という。

 バイデンが副大統領を務めていたバラク・オバマ政権は2010年8月にPSD-11を出し、ムスリム同胞団を中心とするジハード傭兵を使った侵略戦争を中東から北アフリカにかけての地域で始めた。2011年の2月にはリビア、3月にはシリアも戦場になる。侵略を正当化するため、オバマ政権は「独裁者」による「民主化運動」の弾圧を演出した。

 しかし、西側で主張された「流血の弾圧」を否定する情報は早い段階から流れていた。例えば、シリア駐在のフランス大使だったエリック・シュバリエによると、実際は限られた抗議活動があっただけで、すぐに平穏な状況になっていたという。

 その調査結果をシュバリエはパリへ報告したが、アラン・ジュペ外相はそれを無視しただけでなく、シリアのフランス大使館に電話して「流血の弾圧」があったと報告するように命じたという。

 その後も西側の政府や有力メディアはシリア政府による「民主化運動の弾圧」を盛んに宣伝、その情報源としてダニー・デイエムなる人物やロンドンを拠点とする「SOHR(シリア人権監視所)」を使っている。

 デイエムはシリア系イギリス人で、シリア政府による「流血の弾圧」を主張し、外国勢力の介入を求めていた。ところが2012年3月、「シリア軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像がインターネット上へ流出してしまい、その実態が知られてしまった。シリコンバレーの巨大企業が検閲してもその事実を消し去ることはできない。

 SOHRは2006年にラミ・アブドゥラーマン(本名オッサマ・スレイマン)なる人物がイギリスで設立したのだが、その背後にイギリスの政府機関が存在している。イギリス外務省はSOHRに約19万5000ポンド相当の支援をしていることを認めたとイギリスの​デイリー・メール紙が伝えている​。

 デイエムのインチキが発覚した2012年3月当時、アメリカをはじめとする勢力はシリア侵略に集中しはじめていた。その前年の10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィの体制を倒し、戦闘員や武器/兵器をシリアへ集中させるのだが、リビアの戦闘でNATO軍がアル・カイダ系武装勢力のLIFGと連携していたことが明確になってしまう。

 2001年9月11日以来、アメリカ政府は「アル・カイダ」をテロリズムの象徴的な存在にしていた。アル・カイダ系武装勢力のLIFGがNATO軍と連携していた事実は衝撃的なはずだが、一部の有力メディアが報道しただけで、西側では大して問題にされていない。

 アメリカにとって好都合なことに、「アル・カイダ」のリーダーだとされていたオサマ・ビン・ラディンは2011年5月2日にアメリカの特殊部隊によって殺されたことになっている。その段階で人びとの意識の中から「アル・カイダ」も消えたのかもしれない。

 シリア北部ホムスでは2012年5月に住民が虐殺されるのだが、西側の政府やメディアは政府軍が実行したと主張した。イギリスのBBCはシリアで殺された子どもの遺体だとする写真を掲載しているが、この写真は2003年3月にイラクで撮影されたの。オーストリアのメディアは写真を改竄し、背景を普通の街中でなく廃墟に変えて掲載していた。こうした西側有力メディアの偽報道をローマ教皇庁の通信社が伝えている。

 ホムスの虐殺を現地調査、報告したフランス人司教は、「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている​」としている。その後、そうした状況はさらにひどくなっている。

 こうした報告は流れたものの、アメリカなど侵略勢力は有力メディアを使ったプロパガンダで圧倒できると考えたようで、オバマ政権はシリアでの戦争を「政府軍と民主派の戦い」だと言い張り、内戦だと主張する。オバマ政権は「穏健派」を支援しているのだとオバマ大統領だと言い張る。

 ところが、この主張は​アメリカ軍の情報機関DIA​が否定している。2012年8月にホワイトハウスへ提出した報告の中で、反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団だと指摘、アル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラと実態は同じだとしている)の名前も出している。オバマ大統領が言うところの「穏健派」とは、一般的に「過激派」と見なされているグループだとしているのだ。オバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告していた。

 この警告は2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)という形で現実になった。その年の1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月にはモスルが制圧されたのだ。

 モスル制圧の際にトヨタ製小型トラック、ハイラックスの新車を連ねたパレードを行い、その様子を撮影した写真が世界に伝えられたのだが、こうした戦闘集団の動きをアメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などで知っていたはず。そうしたパレードは格好の攻撃目標だが、アメリカ軍は動かなかった。

 2012年7月からDIA局長を務めていたのはマイケル・フリン中将。サラフィ主義者が支配する地域が出現するという警告がダーイッシュの登場で現実になったのだが、その結果、オバマ政権にとって目障りな存在になった。そして2014年8月に退役させられてしまう。(つづく)

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102160000/


2021.02.16
バイデンの大統領就任でオバマ政権の中東侵略作戦が復活する可能性(2/2)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102160001/


 バラク・オバマ政権はNATO軍、あるいはアメリカ主導軍をシリアへ侵攻させる口実として「化学兵器話」を使い始める。2012年8月、オバマ大統領は生物化学兵器の使用がシリアへの直接的な軍事介入の「レッド・ライン」だと宣言、同年12月には国務長官だったヒラリー・クリントンがシリアのバシャール・アル・アサド大統領は化学兵器を使う可能性があると語っている。

 そして2013年1月29日付けのデイリー・メール紙には、オバマ政権がシリアで化学兵器を使ってその責任をアサド政権に押しつける作戦をオバマ大統領が許可したという記述がイギリスの軍事関連企業ブリタム防衛の社内電子メールの中に書かれているとする記事が載った。(同紙のサイトからこの記事はすぐに削除された)

 その後、シリア政府軍が化学兵器を使ったとする話を西側の政府や有力メディアは何度か主張してきたが、いずれも嘘が明らかにされている。それでもアメリカ政府は同じシナリオを繰り返し、有力メディアはそれを垂れ流している。

 そうした化学兵器話の発信源のひとつがSCD(シリア市民防衛/通称白いヘルメット)。2013年3月にジェームズ・ル・ムズリエなる人物がトルコで創設した。設立資金の30万ドルはイギリス、アメリカ、そして日本から得たという。その後、西側のNGOやカタールを経由してアメリカ政府とイギリス政府から資金を受け取ったとされている。

 ル・ムズリエはイギリス軍の元軍人で、2000年に退役、その後オリーブ・グループという傭兵組織の特別プロジェクトの幹部になった。この組織は後にアカデミ(ブラックウォーターとして創設、Xeに改名、現在に至る)に吸収されている。

 2008年に彼はオリーブ・グループを離れてグッド・ハーバー・コンサルティングへ入り、アブダビを拠点として活動し始めるのだが、この段階でもイギリス軍の情報機関と緊密な関係を維持している。

 SCDはアル・カイダ系武装集団の医療部隊として活動してきたが、公開された映像から、そのメンバーは医療行為の訓練を受けていないと指摘する人もいる。

 また、SCDのメンバーがアル・カイダ系武装集団と重複していることを示す動画や写真の存在、アル・カイダ系武装集団が撤退した後の建造物でSCDと隣り合わせで活動していたことを示す証拠などがバネッサ・ビーリーやエバ・バートレットらによって確認されている。

 こうした実態をアメリカ政府も知っているようだ。​SCDのシリアにおける責任者ラエド・サレーをFBIは「テロリスト」だと認識、彼はアメリカへの入国を拒否されている​。

 オバマ大統領は2015年に戦争態勢に入る。政府を好戦的な布陣に作り替えたのだ。2月に国防長官がチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ交代、9月には統合参謀本部議長がマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代している。

 ヘーゲルは戦争に慎重だったが、カーターは2006年にハーバード大学で朝鮮空爆を主張した人物。シリアからバシャール・アル・アサド大統領を排除しようとしていたバラク・オバマ大統領とは違い、サラフィ主義者やムスリム同胞団を危険だと考えていたデンプシーはシリア政府と情報を交換していたと言われている。

 統合参謀本部議長が交代になった直後の9月30日にロシアはシリア政府の要請で軍事介入、ダーイッシュなど武装勢力の支配地域は急速に縮小していく。アメリカ主導軍と違い、ロシア軍は本当にダーイッシュやアル・カイダ系武装勢力を攻撃したのだ。アメリカの軍や情報機関はダーイッシュなどの主要メンバーを救出、クルドを新たな手先にした。必然的にSCDの出番も減る。そして2019年11月11日、SCDを創設したジェームズ・ル・ムズリエがトルコで死亡した。

 そのSCDがバイデン政権になってから活動を再開させたという情報がある。​ロシア国防省はSCDがシリアのイドリブで新たな挑発工作を目論んでいると警告​した。ハイアット・ターリル・アル・シャムの活動と関係がありようだ。

 軍事的に優位だったにもかかわらず、シリア政府軍が化学兵器を使ったとする話がSCDなどから流されていた2013年8月、ダマスカスの近くのゴータで爆発があった。

 攻撃の直後にロシアのビタリー・チュルキン国連大使は反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射されてゴータに着弾したと国連で説明、その際に関連する文書や衛星写真が示されたと伝えられている。

 その後、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュや国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授を含むジャーナリストや学者によって化学兵器話は否定された。

 それでもオバマ政権は直接的な軍事侵略を実行しようとしていた可能性が高い。西側の有力メディアは9月の初めに攻撃が始まると推測していたが、実際、2013年9月3日に地中海の中央から東へ向かって2発のミサイルが発射された。

 この発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、公表されるが、ミサイルはいずれも途中で海へ落下してしまう。イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、この説明には疑問がある。事前に周辺国(少なくともロシア)へ通告せずに発射実験をするとは考えにくいからだ。何らかの手段、例えばジャミングでミサイルのGPSが狂って落下したと推測する人もいる。

 この当時、アメリカ軍はシリアの近くにある基地にB52爆撃機の2航空団を配備したほか、5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などを地中海に配備した。これに対抗してロシア政府は「空母キラー」と呼ばれている巡洋艦のモスクワを中心にしてフリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形で配置されたとされている。

 その翌年にダーイッシュが出現、その残虐性が宣伝された。その残虐な武装集団と戦うという名目でNATO軍、あるいはアメリカ主導軍が軍事侵攻、シリア政府を潰すというシナリオだったのだろう。

 アメリカでオバマ政権の副大統領が大統領に就任、オバマ政権と同じことをする可能性がある。それに対する準備をシリア政府だけでなく、イランもロシアも始めている。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102160001/

12. 中川隆[-7270] koaQ7Jey 2021年2月18日 09:51:34 : filAAIneKc : WVZTRlVyeWtuRTI=[14] 報告
リビアやシリアでの戦争にしろ、ウクライナでのクーデターにしろ、イラクを先制攻撃する際に流された大量破壊兵器話にしろ、西側有力メディアの「報道」は嘘で塗り固められていた。

 シリア北部ホムスで2012年5月に住民が虐殺された際、西側の政府やメディアは政府軍が実行したと宣伝、その際にイギリスのBBCはシリアで殺された子どもの遺体だとして2003年3月にイラクで撮影されたものを掲載、オーストリアのメディアは写真を改竄し、背景を普通の街中でなく廃墟に変えて掲載していた。

 その虐殺を現地で調査、報告したフランス人司教は「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている​」とローマ教皇庁の通信社で報告している。西側の有力メディアは戦乱を拡大するため、偽情報を流しているのだ。

 フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だった​ウド・ウルフコテ​は2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出版、その中で多くの国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発している。

 彼によると、CIAに買収されたジャーナリストは人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開し、ロシアとの戦争へと導いて引き返すことのできないところまで来ているとしていた。2014年には「ルビコン」の直前に到達していたということだろう。ジョー・バイデン政権の誕生でアメリカはルビコンを渡った。

 本ブログでも繰り返し触れてきたが、CIAがジャーナリストに大きな影響力を持っている実態は1970年代から指摘されていた。例えば、ワシントン・ポスト紙の記者としてウォーターゲート事件を取材したことで有名なカール・バーンスタインはリチャード・ニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。

 その記事によると、記事が出るまでの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 ジャーナリストのデボラ・デイビスが書いた『キャサリン・ザ・グレート』もCIAによるメディア支配の一端を明らかにしている。彼女によると、第2次世界大戦が終わって間もない1948年頃にアメリカでは「モッキンバード」と呼ばれる情報操作プロジェクトがスタートしている。そのプロジェクトを指揮していたのは4人で、第2次世界大戦中からアメリカの破壊活動を指揮していたアレン・ダレス、ダレスの側近で戦後に極秘の破壊工作機関OPCを率いていたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で後にCIA長官に就任するリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだ。(Deborah Davis, “Katharine the Great,” Harcourt Brace Jovanovich, 1979)

 ダレスはOSSやCIAに君臨していたウォール街の弁護士、ウィズナーはダレスの側近で、やはりウォール街の弁護士。ヘルムズもダレスの側近で、国際決済銀行初代頭取の孫。グラハムの妻、キャサリンはウォーターゲート事件でリチャード・ニクソンを失脚させた当時のワシントン・ポスト紙社主として有名だが、その父親は世界銀行の初代総裁である。情報操作の黒幕は国際的な金融資本だと言えるだろう。

 ウォーターゲート事件でリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだワシントン・ポスト紙は情報操作に深く関係していたわけだが、その実態を明らかにしたのはウォーターゲート事件で取材の中心になっていたバーンスタインだ。

 アメリカにジャーナリストが存在することを印象づける報道のひとつとして、ソンミ村での虐殺に関するものがある。1968年3月に南ベトナムのカンガイ省ソンミ村のミライ集落とミケ集落において村民がアメリカ兵に殺されたのだ。アメリカ軍によると、犠牲になった村民の数はミライだけで347名、ベトナム側の主張ではミライとミケを合わせて504名だされている。

 虐殺したのはウィリアム・カリー大尉が率いる小隊。この出来事が発覚した一因は、農民が殺害されている最中に現場の上空にさしかかったアメリカ軍のOH-23偵察ヘリコプターが介入して虐殺を止め、告発したからだ。従軍記者や従軍カメラマンは虐殺を知っていたが、報道していない。

 トンプソンを含むアメリカ軍の兵士は帰国後、ベトナムで住民を虐殺している実態を議員などに告発しているが、政治家は動かない。従軍記者や従軍カメラマンは沈黙を守った。虐殺事件を明らかにする記事を書いたのは、ジェフリー・コーワンという人物から話を聞いたシーモア・ハーシュだ。

 コーワンは1968年の大統領選挙で民主党の上院議員でベトナム戦争に反対していたユージン・マッカーシーの選挙キャンペーンに参加していたが、ハーシュもマッカーシー陣営にいた。

 この虐殺を従軍記者や従軍カメラマンが報道しなかったひとつの理由は、似たようなことが繰り返されていたからだと言われている。虐殺が繰り返されていることを彼らは報道しなかった。ソンミ村での虐殺はCIAと軍の特殊部隊が行っていた住民皆殺し作戦、フェニックス・プログラムの一環だったのだ。

 カリー大尉の小隊は第23歩兵師団に所属していたが、当時、その師団にはコリン・パウエルという少佐がいた。ジョージ・W・ブッシュ政権で国務長官を務めたパウエルだ。2004年5月に彼はCNNのラリー・キング・ライブに出演、彼の師団がソンミ村で住民を虐殺したことを知っていた。後で自分も現場へ入ったと語っている。

 事件が報道されるとCIAは事件の隠蔽を図る。調査を任されたウィリアム・ピアーズ将軍は第2次世界大戦中、CIAの前身であるOSSに所属、1950年代の初頭にはCIA台湾支局長を務め、その後もCIAとの関係は続いていた。

 その調査を受けて16名が告発されたものの、裁判を受けたのは4人にすぎず、そして有罪判決を受けたのはカリー大尉だけだ。そのカリーもすぐに減刑されている。ソンミ村での虐殺を責任に問えば、フェニックス・プログラム全体が問題になってしまうからだ。ベトナム戦争ではそうした虐殺は珍しくなく、パウエルはそうした虐殺などをもみ消す役割を負っていたひとりだった。

 アメリカの有力メディアは支配者の宣伝機関として活動してきたわけだが、それでも1970年代までは気骨あるジャーナリストが活躍する余地はあった。それが1980年代から急速に狭まり、21世紀に入ってから「報道」は偽情報で塗り固められている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102180000/

13. 中川隆[-7061] koaQ7Jey 2021年2月26日 11:48:20 : fc4jWQ0cBc : ejRZV2tYUkxaSU0=[29] 報告
2021.02.26
事実に追い詰められている有力メディア
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102260000/

 ​ニューヨーク・タイムズ紙が2月18日に掲載したチャーリー・ウォーゼルの記事​は読者に対し、自分たち有力メディアの能力を信じろとしたうえで、「ウサギの穴」の誘惑に抵抗しろと訴えている。自分で調べ、考えようとして「陰謀論者」の話に陥らないよう、自分たちのような優秀なメディアを信じろということだろう。何かの宗教を広めようとしている伝道師のようだ。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、ニューヨーク・タイムズ紙を含む西側の有力メディアはCIAの影響下にあり、そのCIAは強大な金融資本、つまり私的権力によって生み出された。メディアは私的権力の洗脳装置になっているとも言える。

 情報機関や警察が登場する映画やテレビドラマは少なくないが、少なくとも最近の作品の場合、悪いことをするのは個人か一部の集団で、システム全体は健全だとされる。ドナルド・トランプの支持者もこの枠組みから抜け出せていない。

 しかし、ノンフィクションの場合、システム自体が犯罪の主体だと主張されることもある。そうしたときに浴びせられる呪文が「陰謀論」だが、その呪文が盛んに使われるようになったのは1960年代後半以降だと言える。

 1963年11月22日にジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された後、アール・ウォーレン最高裁長官を委員長とする調査委員会が設置された。そのメンバーはウォーレンのほかリチャード・ラッセル上院議員(当時。以下同じ)、ジョン・クーバー上院議員、ヘイル・ボッグス下院議員、ジェラルド・フォード下院議員、アレン・ダレス元CIA長官、ジョン・マックロイ元世界銀行総裁がいた。主席法律顧問はリー・ランキンだ。

 ダレスがウォール街の弁護士だということは本ブログで繰り返し指摘してきた。このダレスを委員会のメンバーにするよう働きかけた人物はリチャード・ヘルムズ。国際決済銀行初代頭取の孫にあたり、OSS時代からヘルムズの下で活動、1966年6月から73年2月まではCIA長官を務めている。マックロイはウォール街の大物で、大戦の後に世界銀行の総裁を経てドイツの高等弁務官としてナチスの大物たちを守った。フォードはJ・エドガー・フーバーFBI長官に近く、ランキンはCIAとFBIにつながっていた。この委員会で専従だったのはダレスひとりだ。

 ウォーレン委員会は1964年9月24日に報告書をリンドン・ジョンソン大統領に提出したが、3週間後の10月12日にひとりの女性が散歩中に殺される。その女性とは、ケネディ大統領と親密な関係にあったマリー・ピンチョット・メイヤー。銃弾の1発目は後頭部、2発目は心臓へ至近距離から撃ち込まれていた。プロの仕業だと考えられている。

 マリーが結婚したコード・メイヤーはCIAの秘密工作部門で幹部だった人物。ふたりは1945年に結婚したが、コードは51年にアレン・ダレスの誘いでCIAに入った。その後ふたりの間に亀裂が入り、1958に離婚している。

 マリーのCIA人脈はコード以外にもあった。大学時代の友人が結婚した相手がOSS時代からアレン・ダレスの下で秘密工作に従事、ファシストやイスラエルとつながっていたジェームズ・アングルトンだったのだ。姉が結婚したベン・ブラッドリーはニューズウィーク誌やワシントン・ポスト紙の編集幹部だったが、CIAとつながっていたと言われている。

 マリーは殺されて何も話せなくなったが、少なからぬ学者やジャーナリストがケネディ大統領に関する調査は行い、リー・ハーベイ・オズワルドの単独犯行だとするウォーレン委員会の結論に異を唱えた。そうした異論は事実の裏づけがあるため、反論で墓穴を掘る可能性もあった。そこで使われるようになったのが「陰謀論」という呪文だ。権力への信仰と権力が唱える呪文で事実を封じようとしてきた。

 そうした信仰と呪文が揺らいでる。ウォーゼルの記事はそうした焦りの反映なのかもしれない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102260000/

14. 中川隆[-4644] koaQ7Jey 2021年5月23日 10:24:08 : 2zvcZ0D0vM : OHlVbXJRRG5QOW8=[18] 報告
2021.05.23
イスラエルのパレスチナ弾圧に批判的な記者をAPが解雇
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202105230000/

 APやアル・ジャジーラが入っていたガザのビルをイスラエル軍が破壊した4日後の5月19日、​APはひとりのジャーナリストを解雇​した。スタンフォード大学を昨年卒業、5月3日からAPの編集部で働き始めたばかりのエミリー・ワイルダーだ。ソーシャル・メディアに関する会社のガイドラインに違反したという理由だが、具体的に何が問題だったのかをAPは明らかにしていないという。

 この人物はユダヤ系なのだが、学生時代からイスラエルによるパレスチナ人弾圧に批判的で、入社後もメディアの姿勢も批判していた。「パレスチナ」ではなく「イスラエル」、「包囲攻撃」や「占領」ではなく「戦争」というという表現を使うこともおかしいとしていた。西側の有力メディアはアメリカによる侵略や虐殺などでも同じようなことを行っているが、今回はイスラエルが問題になっている。

 マス・メディアはこの世に出現して以来、プロパガンダ機関としての要素はあった。機関紙/誌は勿論、商業紙/誌がスポンサーの意向から逸れた「報道」は行わないようにしてきたことは否定できない。つまり私的権力のプロパガンダ機関だ。

 それでも1970年代まではメディアの所有に制限があり、まだ気骨あるジャーナリストが活動する余地はあった。そうした余地が急速になくなり始めたのは新自由主義が広がり始めた1980年代からだ。

 そうした気骨あるジャーナリストのひとりでAPの記者だったロバート・パリーは1985年にブライアン・バーガーとイラン・コントラ事件に関する記事を書いている。CIAに支援されたニカラグアの反革命ゲリラ「コントラ」による麻薬取引や住民虐殺を明らかにする内容だった。

 コントラの活動はCIAの秘密工作の一環で、アメリカ人も参加していた。その活動の実態に失望したジャック・テレルなる人物がパリーに情報を提供、さらにコスタリカの刑務所で拘束されていたふたりの傭兵、イギリス人のピーター・グリベリーとアメリカ人のスティーブン・カーからコスタリカにあるジョン・ハルというアメリカ人の牧場がコントラ支援の秘密基地として機能しているということを聞かされている。

 このハルはCIAと深い関係にあり、NSC(国家安全保障会議)から毎月1万ドルを受け取っていたとされていた。ふたりの傭兵はコントラ支援工作に関わっていたフランシスコ・チャンスのマイアミにある自宅で大量のコカインを見たとも話している。こうした工作の一端は後にジョン・ケリー上院議員を委員長とする委員会でも明らかにされた。

 パリーとバーガーが取材の結果を原稿にしたのは1985年のことだが、AP本社の編集者はふたりの記事を拒絶、お蔵入りになりかけた。それが「ミス」でスペイン語に翻訳され、ワールド・サービスで配信されてしまったのである。(Robert Parry, "Lost History," The Media Consortium, 1999)

 イスラエル問題と同じように、CIAと麻薬取引の問題も西側ではタブーだ。1996年8月にはサンノゼ・マーキュリー・ニューズ紙のゲイリー・ウェッブもこの問題を取り上げたが、有力メディア、例えばロサンゼルス・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、ニューヨーク・タイムズ紙、あるいは有力ネットワーク局は沈黙しただけでなく、ウェッブを激しく攻撃した。

 ウェッブの記事が出た後、1998年1月と10月にCIAの内部でIG(監察総監)レポートが出されたのだが、それはウェッブの記事の正しさを確認するものだった。

 この内部調査が行われる切っ掛けはマイケル・ルッパートなる人物の質問。この人物は1973年から78年にかけてロサンゼルス市警察の捜査官を務めていたが、その時代にCIAの麻薬取引に気づいて捜査、それが原因で退職せざるを得なくなったという経験を持っている。

 そのルッパートは1996年11月、ロサンゼルスの高校で開かれた集会でCIA長官だったジョン・ドッチに対し、警察官だった時代の経験に基づいて質問、内部調査を約束させたのだ。そしてIGレポートにつながり、ウェッブやパリーらの記事が正しいと確認されたのだ。

 しかし、有力メディアはウェッブ、ルッパート、パリーをその後も拒否し続け、自分たちの「報道」について訂正も謝罪もしていない。そしてウェッブやルッパートは自殺に追い込まれた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202105230000/

15. 中川隆[-5254] koaQ7Jey 2021年6月28日 06:40:20 : C8iAZ6zX9Q : STY4SXNaREdjaUE=[6] 報告

2021.06.28
アッサンジ起訴でFBIの最も重要な証人が自らの嘘をメディアに告白
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202106280000/


 権力者の犯罪行為や支配システムの問題を明らかにすることは本来のジャーナリストにとって重要なことである。私的権力がジャーナリストを締め上げ、有力メディアを支配するようになった理由はそこにある。

 そうした動きは1980年代から激しくなり、有力メディアは単なるプロパガンダ機関になり、優秀なジャーナリストは駆逐された。そこに搭乗、内部告発を支援する活動をはじめたのがウィキリークス。その象徴的な存在がジュリアン・アッサンジだ。そのアッサンジをアメリカの司法当局は2011年の初め、秘密裏に起訴したのである。

 現在、アッサンジはイギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所へ入れられている。その刑務所ではアメリカの国防総省、FBI、CIAに所属している人びとがアッサンジを尋問したとされているが、その際にBZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用されたとも伝えられた。

 もしイギリスの裁判所がアサンジのアメリカへの引き渡しを認めた場合、懲役175年が言い渡されるかもしれないのだが、それ以上に問題なのは、アッサンジへの弾圧が認められると、アメリカの権力犯罪を明らかにしたジャーナリストは国籍や活動拠点に関係なく、アメリカの私的権力が報復できることになるからだ。すでにジャーナリズムは瀕死の状態だが、止めを刺されることになる。

 ジャーナリズムに止めを刺そうとしているのはアメリカの私的権力だが、そのアメリカが「自由と民主主義の国」であり、「言論の自由」が守られていると恥ずかしげもなく口にする人がいる。そうした人びとはウィキリークスが明らかにしたような情報は自分たちにとって「不都合な事実」であり、聞きたくない話なのだろう。

 アッサンジの起訴で最も重要な証人はシギ・トールダルソン。2010年当時、ウィキリークスの活動にボランティアとして参加していたが、後にFBIへの情報提供者になった人物だ。ウィキリークスはこの人物が寄付のうち5万ドルを横領したと疑っていた。

 アッサンジは2010年の初め、彼に対してアイスランド政府のコンピュータに侵入して情報を盗むように指示したなどと主張していたが、​それは嘘だとメディアに証言​したのである。トールダルソンは第三者から書類を受け取り、チェックしないままアッサンジに渡したという。

 その当時、トールダルソンは「サブ」と呼ばれていたヘクター・ザビエル・モンセガーと接触していた。この人物はハッキング・グループのリーダーだったが、逮捕され、懲役124年が言い渡される可能性があったが、司法取引でFBIへの情報提供者になっていた。アイスランド政府へのハッキングを仕掛けたのはFBIを後ろ盾とするサブだ。トールダルソンはFBIの罠にかかり、FBIの情報提供者になった。

 アッサンジを逮捕するため、スウェーデン検察は事件を捏ち上げているが、アイスランド政府はFBIに騙され、アッサンジ逮捕に協力することになったわけだ。

 アッサンジを起訴した根幹が崩れ去ろうとしているが、アメリカの私的権力が彼を「懲罰」しようとしているのは、自分たちの悪事を明るみに出したからだ。あらゆる手段を講じてアッサンジを地獄へ突き落とそうとするだろう。それは新たな内部告発者の出現を防ぎ、ジャーナリズムを死滅させるためでもある。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202106280000/

16. 中川隆[-15697] koaQ7Jey 2021年10月31日 02:24:34 : GxM4ncBmWc : bi5FYWxUeHpoZ3M=[7] 報告
2021.10.31
ロンドンを舞台にしたアッサンジへ弾圧は言論の自由に止めを刺すことが目的
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202110310000/

 アメリカの司法当局はイギリス政府に対してウィキリークスのジュリアン・アッサンジを引き渡すように求めている。​今年1月4日に担当判事のバネッサ・バラツァーは引き渡しを認めない判決を言い渡した​が、アメリカ側は上訴、10月28日から29日にかけて審理があった。判決は11月に言い渡される模様だ。

 バラツァー判事は戦争犯罪を含む権力犯罪を明らかにすることは重罪だというアメリカ側の主張を認めた上で、アッサンジの健康状態が悪いことや自殺の可能性から引き渡し要求を認めなかった。アメリカ政府の立場を配慮した判決だと言えるだろうが、それでアメリカ側が満足することはなかった。

 アッサンジは2019年4月11日、ロンドンのエクアドル大使館でロンドン警視庁の捜査官に逮捕された。2007年1月から17年5月までエクアドルの大統領を務めたラファエル・コレアは12年8月にアッサンジの亡命を認めていたのだが、イギリス当局がアッサンジを逮捕しようとしていたため、大使館から出られなくなっていた。この時点でアメリカの司法当局はすでにアッサンジを秘密起訴していたと見られている。

 エクアドルの大統領がコレアからレニン・モレノに交代した2017年5月にスウェーデン検察はアッサンジに対するレイプ捜査を終え、逮捕令状を取り消すと発表した。捏ち上げだったので当然だが、モレノを排除できたので、スウェーデンの役割は終わったということだろう。イギリスとスウェーデン両当局の間でやりとりされていた電子メールは消去された。

 モレノはアッサンジの亡命を取り消し、ロンドン警視庁の捜査官を大使館へ「招待」したのだが、その1カ月前、2019年3月11日にIMFはエクアドルに対して42億ドルの融資を実施すると発表している。この融資は亡命取り消しの交換条件のひとつだったとみられている。

 内部告発を支援してきたウィキリークス。この団体はアメリカの私的権力にとって目障りな存在だろうが、その象徴的な存在であるジュリアン・アッサンジは現在、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所へ入れられている。

 イギリスの裁判所がアサンジのアメリカへの引き渡しを認めた場合、懲役175年が言い渡される可能性があるのだが、アッサンジへの弾圧が正当だと認められたなら、アメリカの権力犯罪を明らかにしたジャーナリストは国籍や活動拠点に関係なくアメリカの私的権力が報復できることになる。

 ジャーナリストでないアッサンジの起訴は言論弾圧に当たらないとする詭弁を弄する人もいるが、ウィキリークスが行っていたことはジャーナリストが行うべきことであり、有力メディアが放棄してしまったことである。医者、弁護士、料理人などとは違い、「ジャーナリスト」は本人がそう名乗れば良いのだ。「言論」は全ての人間に認められた権利である。

 アメリカの当局はアッサンジをハッキングのほか「1917年スパイ活動法」で起訴している。ハッキングで最も重要なアメリカ側の証人はシギ・トールダルソン。2010年当時、ウィキリークスの活動にボランティアとして参加していたが、後にFBIへの情報提供者になった人物。ウィキリークスはこの人物が寄付のうち5万ドルを横領したと疑っていた。

 トールダルソンはアッサンジが2010年の初めにアイスランド政府のコンピュータに侵入して情報を盗むように指示したなどと主張したが、後に​それは嘘だとメディアに証言​している。トールダルソンは第三者から書類を受け取り、チェックしないままアッサンジに渡したという。

 その当時、トールダルソンは「サブ」と呼ばれていたヘクター・ザビエル・モンセガーと接触していた。この人物はハッキング・グループのリーダーだが、逮捕され、懲役124年が言い渡される可能性があった。そこで司法取引に応じ、FBIの情報提供者になったのだ。

 アイスランド政府へのハッキングを仕掛けたのはFBIを後ろ盾とするサブ。トールダルソンはFBIの罠にかかり、FBIの協力者になり、アッサンジを起訴するために偽証したが、その事実をメディアに認めてしまった。FBIはアッサンジを起訴するため、事件を捏ち上げたことが明らかにされたわけだ。その​トールダルソンをアイスランドの捜査当局は9月24日に逮捕​、収監した。トールダルソンがFBIの以降に沿う証言をしなければ、アッサンジの起訴は「1917年スパイ活動法」によるしかなくなる。

 支配的な立場にある人は自分たちにとって都合の悪い情報を明らかにすることを許さない。そうした行為は被支配者による「スパイ行為」だとも言えるだろう。支配者にしてみると、ウィキリークスは権力犯罪を暴くという「スパイ行為」を行ったわけだ。

 ウィキリークスの活動に絡み、有罪判決を受けた人物がいる。アメリカ軍のブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵だ。2010年5月に逮捕され、軍事法廷は懲役35年を言い渡されたが、後に刑期は短縮され、2017年5月に釈放されている。エクアドル大統領がコレアからモレノに交代、スウェーデン検察がアッサンジに対する逮捕令状を取り消したタイミングだ。

 しかし、釈放後、アッサンジへの弾圧を正当化する証言をしろというアメリカ当局から要求を拒否したことからマニングは2019年3月から20年3月まで収監されている。アッサンジを起訴した根拠が薄弱だとアメリカの当局は自覚しているのだろう。

 マニングが告発した情報はイラクにおけるアメリカ軍の犯罪的な行為に関するもの。その中に​アメリカ軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターによる非武装の一団に対する銃撃の映像​が含まれていた。2007年7月にバグダッドでの出来事だが、その銃撃でロイターの特派員2名を含む非武装の十数名が殺されている。こうした情報が公開された翌月、マニングは逮捕されたのだ。

 マニング以外にも政府機関の不正行為を告発した人たちはいる。例えば電磁情報機関NSAの不正を明らかにしたウィリアム・ビーニーやエドワード・スノーデン、イランへ核兵器に関する資料を渡してイラン侵略の口実を作るというCIAの危険な作戦を警告したジェフリー・スターリング、そしてCIAなどによる拷問を告発したジャニス・カルピンスキーやCIAの分析官だったジョン・キリアクたちだ。

 カルピンスキーはイラクのアブ・グレイブ刑務所で所長を務めていたが、所内での拷問が明らかになった後、2004年1月に停職となる。それに対して彼女はその年の6月、BBCに対して刑務所内で拷問が行われていたセクションを管理していたのは軍の情報部であり、彼女は実態を把握していなかったと主張した。刑務所内で撮影された写真については、兵士が独断で撮影することはありえないとも指摘した。カルピンスキー本人も命令していない。

 彼女によると、グアンタナモから来ていたジェオフリー・ミラー少将は拘束されている人々を犬のようなものだと表現、そうした人々が自分を犬以下の存在だと信じさせることでコントロールが容易になると主張していたという。そうした考え方で私的権力は政策を進めているのだろう。2004年7月には、刑務所にイスラエル人の尋問官がいたとも話している。後にカルピンスキーは准将から大佐へ降格になった。

 キリアクは2007年12月にABCニュースのインタビューを受け、CIAの同僚から聞いた話として、ウォーターボーディングと呼ばれる拷問が行われていると語っている。それが問題になり、結局、2013年に懲役30カ月の判決を受けた。NSAの監視システムに関する情報を明らかにしたエドワード・スノーデンはロシアから出られない状態にある。

 言論を弾圧するため、内部告発者やその協力者を厳しく処罰するだけでなく、検閲システムも強化されている。第2次世界大戦が終わって間もない頃から有力メディアはCIAと連携、1970年代に規制緩和でメディアの所有者が集中、そのころからプロパガンダ色は濃くなり、広告会社の役割が強まった。

 日本の状態は世界の中でも悪い方で、ジャーナリストのむのたけじが1991年に開かれた「新聞・放送・出版・写真・広告の分野で働く800人の団体」主催の講演会の冒頭で語ったように、「ジャーナリズムはとうにくたばった」のだ。(むのたけじ著『希望は絶望のど真ん中に』岩波新書、2011年)

 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された後、言論統制は格段に強化され、インターネットの普及に伴い、グーグル、ユーチューブ、フェイスブック、ツイッターなどシリコンバレーの巨大企業が政府機関と連携して検閲を行っている。

 フェイスブックのエンジニアだったフランセス・ハウゲンは社内文書を持ち出して​ウォール・ストリート・ジャーナル紙へ提供​、彼女自身は上院の消費者保護小委員会で証言したりCBSの「60ミニッツ」でインタビューを受け、「内部告発者」として褒め称えられている。

 彼女はフェイスブックが一部のエリートを特別扱いし、フェイスブック系のインスタグラムは十代の女性に悪い影響を与えていると主張、また人身売買、臓器売買、麻薬取引などへの対応が甘いとしているが、こうした犯罪が蔓延しているのは捜査機関や情報機関が容認しているからだ。実際、いずれも情報機関が深く関与しているとさえているものであり、捜査機関や情報機関の責任を問わねばならない。フェイスブックに責任を押しつけるのはお門違いだ。

 しかも彼女は「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」を接種させる努力が足りないと批判しているが、検閲の強化の矛先は権力犯罪を暴こうとする人びとにも向けられる。ハウゲンは私的権力の手先として働いていると言えるだろう。アメリカの私的権力はジャーナリズムに止めを刺そうとしている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202110310000/

17. 中川隆[-15662] koaQ7Jey 2021年11月01日 09:32:34 : iqAOGccErg : SEp1OTlwWGlHaWs=[9] 報告
2021.11.01
ソロスが情報統制のために新たな会社「グッド・インフォメーション」を設立
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202111010000/


 ふたりの富豪、ジョージ・ソロスとリード・ホフマンが「​グッド・インフォメーション社​」なる会社をスタートさせた。ふたりの仲間、つまり私的権力にとって「優れた」、そして「好都合な」情報を広めることが目的なのだろう。この会社は情報統制システムの一端をになうことになるだろう。

 ソロスはハンガリー生まれの投機家でロスチャイルド資本と緊密な関係にあることで有名だが、その一方、ソ連を経済面から攻撃していたことでも知られている。そうした工作の拠点として1984年にハンガリーで設立した団体が「オープン・ソサエティ・インスティテュート(後のオープン・ソサエティ財団)」だ。

 ホフマンはインターネット産業の成功者で、ビジネス系SNSのリンクトインを創業したことで知られている。ピーター・ティールのPayPalで副社長を務めたこともあった。リンクトインは2016年にマイクロソフトの子会社になっている。

 「グッド・インフォメーション社」は私的権力にとって都合の悪い情報の信頼度を落とし、排除することを目的にするのだろうが、グーグルやフェイスプックなどシリコン・バレーのハイテク企業は検閲を強化している。

 第2次世界大戦後、アメリカの私的権力はメディアをコントロールするためのプロジェクトをスタートさせている。いわゆるモッキンバードだ。プロジェクトの中心人物はアメリカの情報活動を指揮していたアレン・ダレス、ダレスの下で破壊工作機関OPCを指揮していたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近でCIA長官になるリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙のオーナーだったフィリップ・グラハムの4名だ。

 ダレスとウィズナーはウォール街の弁護士で、ヘルムズの祖父は国際決済銀行の初代頭取。グラハムの妻、キャサリンの父親は世界銀行の初代総裁である。グラハムはジョン・F・ケネディが暗殺される3カ月前に自殺、キャサリンが次の社主になり、ウォーターゲート事件の取材を指揮した。

 同紙でウォーターゲート事件の取材はカール・バーンスタインとボブ・ウッドワードが中心になって行われた。ウッドワードは少し前まで海軍の情報将校で、情報源を持っていたものの、記者としては素人に近い。事実上、取材はバーンスタインが行ったと言われている。

 バーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いた。これはウォーターゲート事件以上に重要な記事だ。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 記事を執筆するまでの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上におよんだという。1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったともいう。

 CIAが有力メディアを情報操作のために使っていることはフランク・チャーチ上院議員を委員長とする情報活動に関する政府の工作を調べる特別委員会でも明らかにされたが、CIAからの圧力があり、記者、編集者、発行人、あるいは放送局の重役から事情を聞いていない。当時のCIA長官、つまりウィリアム・コルビー(1973年9月から76年1月)やジョージ・H・W・ブッシュ(1976年1月から77年1月)たちから調査をやめるように働きかけられたことが影響したようだ。

 それでもチャーチ委員会の調査は情報機関やその背後に存在する私的権力にとって脅威だったようで、その後、活動の拠点をCIAの外部に移している。各国の情報機関の幹部が参加したサファリ・クラブが作られた理由もそこにある。ここにはヨーロッパ貴族のネットワークも深く関与していた。破壊活動に貴族の名前が出てくるのが、偶然ではない。

 COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で情報統制のシステムは強化され、恐怖を煽り、「ワクチン」を接種させるために機能している。「ワクチン」接種の先にはデジタル・パスポートを使った管理システムの構築が予定されている。脳の管理や人口削減も目的だろう。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202111010000/

18. 中川隆[-15659] koaQ7Jey 2021年11月01日 12:24:11 : iqAOGccErg : SEp1OTlwWGlHaWs=[12] 報告
CIAがやっている事


Terror Tuesday _ オバマ大統領は火曜日夕方に必ず CIA のブレナンに暗殺指令を出した
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/341.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1137.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/696.html

世界を支配しているCIA3派とは・・・・
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/52001108.html

CIAとメディア
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/347.html

マスコミの偽情報 _ CIA は有力メディアを情報操作のために使っている
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/330.html

Google は CIA や NSA のIT部門 _ シリコンバレーが人々に知られたくない本当の姿
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/560.html

CIA の犯罪
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/147.html  
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1042.html

麻薬取引の黒幕はCIA
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/345.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/293.html

アフガニスタンの麻薬ビジネスを始めたのは19世紀の大英帝国、CIAに麻薬ビジネスを紹介したのも MI6
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1108.html

CIA が主催しているビルダーバーグ会議
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/753.html

CIAは丸裸、中国が全てを把握してる 2018年7月 2日
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/407.html

米国が裏で操るビットコイン価格、200万円から30万円まで売り崩したCIAの戦略とは
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/665.html

エルビス・プレスリーやジョン・レノンはCIAやFBIから危険視され、監視されていた
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/323.html

CIA のド・ゴール暗殺計画
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1119.html

プーチンは CIA右派のエージェトだった
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/363.html

日本の中のCIAエージェント
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/306.html
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/436.html

陰謀論大好き _ ♪高校生のブログ♪柏発信 日本のCIAエージェント一覧表(昭和天皇陛下)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/508.html

民主社会党(民社党)は CIA が野党分断の為に作った
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1169.html

ジャニー喜多川は、CIA工作員だった
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/521.html

ロッキード事件にも関与 CIAでスパイを養成した日本人女性教官
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/597.html

陰謀論大好き _ 京都アニメーション集団放火殺戮事件でささやかれるCIA黒幕説
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/563.html
 

19. 中川隆[-14589] koaQ7Jey 2021年12月12日 13:04:03 : 2HgCum6vhM : dEUvbTVqOG9EN0k=[26] 報告
2021.12.11
アメリカの言論弾圧にイギリスの裁判所が協力
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112110000/

 イギリスの控訴裁判所は12月10日、ウィキリークスのジュリアン・アッサンジをアメリカへ引き渡すことを認める判決を出した。下級審が今年1月4日に出した引き渡しを認めない判決を覆したわけである。

 もっとも、下級審の判事も戦争犯罪を含む権力犯罪を明らかにすることは重罪だとするアメリカ側の主張を認めていた。ただ、アッサンジの健康状態が悪いことや自殺の可能性から引き渡し要求を認めなかっただけだ。

 アメリカやイギリスなどの国では「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)」の件でも政府やその背後にいる私的権力の意向に反する情報に対する検閲を強化している。これまでも「言論の自由」はふらついていたが、私的権力は止めを刺しに来たようだ。

 今回の判決でアッサンジはアメリカで懲役175年が言い渡される可能性が出てきたが、アメリカの言論弾圧が認められるなら、アメリカの権力犯罪を明らかにしたジャーナリストをアメリカの私的権力は国籍や活動拠点に関係なく報復できることになる。

 アッサンジはジャーナリストでないと詭弁を弄する人もいるが、ウィキリークスが行っていたことは本来のジャーナリストが行うこと。彼や彼の仲間はジャーナリスト以外の何ものでもない。

 控訴審が判決を出す前、アッサンジが2010年の初めにアイスランド政府のコンピュータに侵入して情報を盗むように指示したなどと証言していた​シギ・トールダルソンがそれは嘘だとメディアに証言​している。トールダルソンは第三者から書類を受け取り、チェックしないままアッサンジに渡したというのだ。アメリカの当局がアッサンジを起訴した根幹が崩れたと言える。

 トールダルソンによると、彼は「サブ」と呼ばれるヘクター・ザビエル・モンセガーと接触していた。この人物はハッキング・グループのリーダーだが、アメリカの当局に逮捕され、懲役124年が言い渡される可能性があった。そこで司法取引に応じ、FBIの情報提供者になったのだ。

 アイスランド政府へのハッキングを仕掛けたのはFBIを後ろ盾とするサブ。トールダルソンはFBIの罠にかかり、彼もFBIの協力者になった。そこでアッサンジを起訴するために偽証したのだが、その事実をメディアに認めてしまったわけだ。そのトールダルソンをアイスランドの捜査当局は9月24日に逮捕、収監した。

 トールダルソンがFBIの以降に沿う証言をしなければ、アッサンジの起訴は「1917年スパイ活動法」によるしかなくなる。私的権力にとって、自分たちに都合の悪い情報を明らかにすることは「スパイ行為」なのだろう。

 ウィキリークスはアメリカの私的権力を怒らせる情報を何度か公表している。そのひとつが2016年の大統領選挙に関するもの。民主党の候補者選びが始まってしばらくすると、ダークホース的な存在だったバーニー・サンダースが支持率を高め、私的権力が2015年の段階で次期大統領に内定していたヒラリー・クリントンを脅かし始めたのだ。

 そこでDNC(民主党全国委員会)はサンダースの足を引っ張る工作を始めるのだが、その実態を明らかにする電子メールをウィキリークスが明らかにしてしまう。そこでヒラリーたちが始めたのが「ロシアゲート騒動」だが、これが捏ち上げだったことが今では明確になり、司法省、FBI、CIAなどの責任が問われている。

 しかし、アメリカの当局がアッサンジを秘密裏に起訴したのは2012年。その大きな理由と考えられているのはイラクにおけるアメリカ軍の住民虐殺を暴いたことにあると考える人も少なくない。

 その情報をウィキリークスへ渡したのはアメリカ軍のブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵だ。彼が渡した情報の中に​アメリカ軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターによる非武装の一団に対する銃撃の映像​が含まれ、イラク戦争の実態を世界へ知らせることになった。その映像が撮影されたのは2007年7月、バグダッドにおいて。ヘリコプターからの銃撃でロイターの特派員2名を含む非武装の十数名が殺されている。情報が公開された翌月、マニングは逮捕された。

 マニング以外にも政府機関の不正行為を告発した人たちはいる。例えば電磁情報機関NSAの不正を明らかにしたウィリアム・ビーニーやエドワード・スノーデン、イランへ核兵器に関する資料を渡してイラン侵略の口実を作るというCIAの危険な作戦を警告したジェフリー・スターリング、そしてCIAなどによる拷問を告発したジャニス・カルピンスキーやCIAの分析官だったジョン・キリアクたちだ。

 カルピンスキーはイラクのアブ・グレイブ刑務所で所長を務めていたが、所内での拷問が明らかになった後、2004年1月に停職となる。それに対して彼女はその年の6月、BBCに対して刑務所内で拷問が行われていたセクションを管理していたのは軍の情報部であり、彼女は実態を把握していなかったと主張した。刑務所内で撮影された写真については、兵士が独断で撮影することはありえないとも指摘した。カルピンスキー本人も命令していない。

 彼女によると、グアンタナモから来ていたジェオフリー・ミラー少将は拘束されている人々を犬のようなものだと表現、そうした人々が自分を犬以下の存在だと信じさせることでコントロールが容易になると主張していたという。そうした考え方で私的権力は政策を進めているのだろう。2004年7月には、刑務所にイスラエル人の尋問官がいたとも話している。後にカルピンスキーは准将から大佐へ降格になった。

 キリアクは2007年12月にABCニュースのインタビューを受け、CIAの同僚から聞いた話として、ウォーターボーディングと呼ばれる拷問が行われていると語っている。それが問題になり、結局、2013年に懲役30カ月の判決を受けた。NSAの監視システムに関する情報を明らかにしたエドワード・スノーデンはロシアから出られない状態にある。

 アメリカの私的権力にとって都合の悪い情報を明るみに出す人びとは報復される。逆に、都合の良い情報を発信する人やメディアなら、それが事実であるかどうかに関係なく賞賛される。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112110000/

20. 中川隆[-14582] koaQ7Jey 2021年12月12日 16:22:06 : 2HgCum6vhM : dEUvbTVqOG9EN0k=[38] 報告
2021.12.12
アメリカやイギリスのジャーナリズムも、とうにくたばっている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112120000/


 むのたけじは1991年に開かれた「新聞・放送・出版・写真・広告の分野で働く800人の団体」が主催する講演会の冒頭、「ジャーナリズムはとうにくたばった」と発言したという。(むのたけじ著『希望は絶望のど真ん中に』岩波新書、2011年)

 この指摘に同意しても、「日本のNHKは駄目だが、イギリスのBBCは素晴らしい」、「朝日新聞は駄目だが、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストは素晴らしい」と言う人もいる。が、イギリスやアメリカでも「ジャーナリズムはとうにくたばった」のである。

 アメリカに「言論の自由」があるとする根拠として、ワシントン・ポストが「ウォーターゲート事件」を暴いた話を持ち出す人もいる。その事件の取材はボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインというふたりの若手記者が中心になって行われた。

 ウッドワードは記者になる直前に海軍の情報将校だった人物で、トーマス・モーラー海軍作戦部長(後に統合参謀本部議長)とアレキサンダー・ヘイグとの連絡係を務めていた。そこで1969年から70年までホワイトハウスに出入りしている。当時、ヘイグはヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官の軍事顧問だ。そのウッドワードをワシントン・ポストのポール・イグナチウス社長がメディアの世界へ導いた。(Russ Baker, “Family of Secrets”, Bloomsbury, 2009)イグナチウスは1969年まで海軍長官を務めていた。

 ウッドワードの上司になるベンジャミン・ブラドリーは大戦中、海軍情報部に所属していた人物。ブラドリーが再婚したアントワネット・ピノチョトの姉、マリーはCIAの幹部だったコード・メイヤーと結婚している。離婚後、ジョン・F・ケネディと親密な関係になった。ブラドリーはパリのアメリカ大使館で働いていたこともあるが、その際にアレン・ダレスの側近で秘密工作に関わっていたジェームズ・アングルトンに協力している。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

 こうした背景を持つウッドワードだが、記者としては素人。そこで取材はバーンスタインが中心になって行われた。そのバーンスタインはリチャード・ニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。

 その記事によると、1977年までの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとバーンスタインにCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 デボラ・デイビスが書いた『キャサリン・ザ・グレート』もCIAによるメディア支配の一端を明らかにしている。彼女によると、第2次世界大戦が終わって間もない1948年頃にアメリカでは「モッキンバード」と呼ばれる情報操作プロジェクトがスタートしている。

 そのプロジェクトを指揮していたのは4人で、第2次世界大戦中からアメリカの破壊活動を指揮していたアレン・ダレス、ダレスの側近で戦後に極秘の破壊工作機関OPCを率いていたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で後にCIA長官に就任するリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだ。(Deborah Davis, “Katharine the Great,” Harcourt Brace Jovanovich, 1979)

 CIAのメディア支配はアメリカ国内に留まらない。例えば、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だった​ウド・ウルフコテ​は2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出版、その中で多くの国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発している。

 彼によると、CIAに買収されたジャーナリストは人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開し、ロシアとの戦争へと導いて引き返すことのできないところまで来ているとしていた。

 しかし、それでも1970年代まではメディアを支配するネットワークの隙間で気骨ある記者が活動することはできた。CIAの秘密工作や戦争犯罪を暴く記事も書かれている。

 例えば、1968年3月に南ベトナムのカンガイ省ソンミ村のとミケ集落において引き起こされ、村民が虐殺されている。アメリカ軍によると、犠牲になった村民の数はミライだけで347人、ベトナム側の主張ではミライとミケを合わせて504人だされている。この虐殺はCIAが実行していた秘密工作「フェニックス・プログラム」の一環として実行されたと言われている。

 そのCIAの秘密工作を偵察ヘリコプターのパイロット、ヒュー・トンプソン准尉が介入、虐殺を止めさせてしまった。トンプソンを含む兵士がこの虐殺を議員に伝えているが、動きは鈍かった。虐殺を目にしたはずの従軍記者や従軍カメラマンは報道していない。それにもかかわらず表面化したのは、兵士の告発を耳にしたシーモア・ハーシュが書いた記事をAPが配信してからだ。ベトナムやラテン・アメリカにおけるCIAの破壊や殺戮、あるいは麻薬取引が表面化すると、アメリカのイメージは悪化した。

 1982年9月になると、レバノンのパレスチナ難民キャンプのサブラとシャティーラで虐殺事件が引き起こされ。ベイルートのキリスト教勢力、ファランジスト党のメンバーが実行したのだが、その黒幕はイスラエル。ファランジスト党の武装勢力はイスラエル軍の支援を受けながら無防備の難民キャンプを制圧、その際に数百人、あるいは3000人以上の難民が殺されたと言われている。

 この事件によってイスラエルのイメージは大きく低下、イギリスの労働党は親イスラエルから親パレスチナへ軸が移動した。そうした動きを危惧したロナルド・レーガン米大統領は1983年、メディア界に大きな影響力を持つルパート・マードックとジェームズ・ゴールドスミスを呼び、軍事や治安問題で一緒に仕事のできる「後継世代」について話し合っている。それがBAP(英米後継世代プロジェクト、後に米英プロジェクトへ改名)だが、この特徴は少なからぬ編集者や記者も参加していたことにある。メディア支配を強めたと言える。

 私的権力のメディア支配が徹底される一方、インターネットで情報を発信する人びとが登場、さらに内部告発を支援するウィキリークスが登場する。現在、インターネットの検閲が強化され、ウィキリークスのジュリアン・アッサンジが逮捕、拘束され、彼を暗殺しようとしたアメリカ政府へ引き渡されようとしている。

 アメリカやEUの私的権力は自由や民主主義を否定している。アメリカは「自由で民主的な正義の国」を目指して誕生、悪さをしているのは個人や特定の組織だという考え方は正しくない。妄想、あるいは信仰であるが、アメリカの現実を直視すると自分の「立ち位置」が崩れてしまうと恐れている人もいるようだ。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112120000/

21. 中川隆[-13490] koaQ7Jey 2022年3月18日 09:27:16 : SruyHYNJ8U : TVdiVVlTQXpnZzI=[15] 報告
フェイク・ニューズが氾濫する情報戦
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1533.html

広告会社 ヒル&ノールトンはイラクへの軍事侵攻を正当化するための偽情報を広めた
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1132.html

バイデン スキャンダルを必死で隠すマスコミ
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/335.html

ニュースは最初からすべてマスコミを経営する資本家が流すフェイクだった
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/308.html

YouTube の言論弾圧について
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/386.html

CIAとメディア
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/347.html

日本を支配した電通の影響力と凋落
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/526.html

22. 2022年3月21日 20:47:05 : ApVC5uCL72 : bVVRbFd0NHBhQjI=[7] 報告


2022.03.21XML
ゼレンスキー政権は反対政党の活動を禁じ、メディアの統制を強化
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203210002/

 ウクライナの​ボロディミル・ゼレンスキー大統領は3月20日、同国の国家安全保障国防会議がロシアと関係のある11政党の活動を禁止、メディアを国有化すると発表​した。すでにアメリカやその属国ではロシア系メディアの情報発信を止める工作を進めている。アメリカの私的権力は事実を恐れている。

 アメリカの私的権力は第2次世界大戦が終わった直後から情報をコントロールするためのプロジェクト「モッキンバード」を始めている。その中心人物はアメリカの情報活動を指揮していたアレン・ダレス、ダレスの下で破壊工作機関OPCを指揮していたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近でCIA長官になるリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙のオーナーだったフィリップ・グラハムの4名だ。

 そうしたプロジェクトの効果もあり、組織としてのメディアはCIAの影響下にあった。そうした実態を詳しく伝えたジャーナリストのひとりがウォーターゲート事件の取材で有名になったカール・バーンスタインである。

 バーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いた。ウォーターゲート事件報道の裏面を明らかにしたとも言える。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 その記事によると、1977年までの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上におよ美、50年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったという。

 1975年に上院ではフランク・チャーチ上院議員を委員長とする情報活動に関する政府の工作を調べる特別委員会(チャーチ委員会)が設置され、CIA、NSA、FBI、IRSなどの不正工作について調査している。その調査でマインド・コントロールを目的としたMKULTRA、国民監視工作のCOINTELPRO、そしてモッキンバードも取り上げられた。

 しかし、MKULTRAに関する資料の大半は違法廃棄になり、モッキンバードはCIAからの圧力があり、記者、編集者、発行人、あるいは放送局の重役から事情を聞いていない。当時のCIA長官、つまりウィリアム・コルビー(1973年9月から76年1月)やジョージ・H・W・ブッシュ(1976年1月から77年1月)たちから調査をやめるように働きかけられたことが影響したようだ。

 ベトナム戦争でもアメリカの私的権力にとって都合の悪い情報が漏れた。従軍記者や従軍カメラマンは軍や情報機関に管理されていたが、帰国した兵士の告発がワシントンDCで活動しているジャーナリストの耳に入り、一端が明らかになったのだ。

 そこで情報機関の内部で情報統制が厳しくなり、有力メディアの気骨ある記者や編集者は排除され始め、1980年代から大株主が集中、今ではメディアの9割程度を6つのグループが支配している。COMCAST(NBCなど)、FOXコーポレーション(FOXグループなど)、ウォルト・ディズニー(ABCなど)、VIACOM(MTVなど)、AT&T(CNN、TIME、ワーナー・ブラザーズなど)、CBSだ。巨大資本の広報部門と化している。日本では電通など巨大広告会社によるメディア支配が指摘されている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203210002/

23. 中川隆[-12816] koaQ7Jey 2023年1月01日 12:10:37 : 2LlEfcTbTc : bHQ1WXhNZ21oenc=[5] 報告
2022年12月30日
ウクライナは廃墟になってもいい ? / 米国メディアを支配する者 (後編)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/

共和党も賛成するウクライナ支援
Ukraine 6653Zelensky 2344

  かつてアメリカ社会は「自由主義の砦」と思われていた。しかし、冷戦が終わって第21世紀になると、全体主義の悪霊はアメリカに引っ越したようだ。近年のアメリカでは「GAFA」と呼ばれるビッグ・テックがメディアを席巻し、反対意見を表明することが難しくなっている。Googleが親会社となるYouTubeでは、NGワードの監視が厳しく、ちょっとでも規則に違反すれば即「配信停止」か「アカウントの凍結」となってしまう。Googleの検索エンジンも巧妙に制禦されており、不都合な情報は最初から削除されている。でも、一般の使用者はそれに気づかない。TwitterやFacebook(Meta)も同じで、FBIやCIAとツルんで言論統制だ。

  対露戦が始まったウクライナにも、西側の諜報機関や宣伝会社が入り込み、様々な情報統制を構築していた。遠い日本に住む我々は、実際に何が起こっているのか判らないから、アメリカの主流メディアが伝える「戦争報道」という材料で判断しているのが現状だ。しかし、こんな現地取材は非常に怪しく、検証せずに鵜呑みにしたら、バイデン政権や軍需産業、金融業者、エネルギー産業、各種ロビーストの思う壺だ。たとえ、PBSやニューヨーク・タイムズ紙が伝える“報道”でも、ウクライナのPR会社(宣伝情報代理店 / public relations firm)が“拵えた”偽情報なのかも知れないし、あるいは“真実と嘘をごちゃ混ぜにした”誘導操作という場合もある。

  紛争が始まる前から、ウクライナには西側のPR会社が乗り込んでいた。現地の情報に飢える歐米や日本の一般人は、西側にとって“都合のいい情報”が流されているとは思わない。NBC の「Meet the Press」やCBSの「Face the Nation」といった政治討論番組では、有名な評論家や御用学者が登場し、難しい専門用語や政治理論を交えて軍事戦略を語るから、一般国民はコロッと騙される。とりわけ、日本の庶民は軍事・外政に疎いので、まさか“世論誘導の情報”とは思わない。NHKのニュース番組を観みたり、池上彰の解説を聞けば、子供のように「そうだよねぇ〜」と信じてしまう。

Nicky Reazzoni & George Blizzard(左 : ニッキー・リガゾーニ / 右 : ジョージナ・ブリザード)
  ところが、英米の戦時プロパガンダは極めて巧妙だ。密かに張り巡らされた巨大ネットワークを稼働させ、多数の違った放送局がシナリオ通りの報道を垂れ流す。特に、最近はPR会社の演出が極めて効果的だ。洗剤や化粧品を売り込むような塩梅で、政治ネタを調理する。例えば、ブリテンに拠点をもつ「PR Neywork」は、ウクライナの外務省と提携し、ロシアや戦況に関する情報を流していた。この宣伝会社は2005年、ニッキー・リガゾーニ(Nicky Regazzoni)とジョージナ・ブリザード(Georgina Blizzard)という二人の女性によって創設され、現在では380万ドルの手数料を稼ぐ会社になっている。

  ウクライナのプロパガンダ・マシーンには、PR業界の大御所たるフランシス・インガム(Francis Ingham)も深く関わっていた。彼は「Public Relations and Communications Association(PRCA)」というヨーロッパ最大の広告組合で15年間も統括ディレクターを務めた人物だ。この組織は色々な広告会社やコンサルタント会社を束ねる元締的な組織である。そして、PRCAは各企業を代表するロビイストの役割も担っているそうだ。英国で隠然たる権力を誇るインガムは、かつて保守党のアドヴァイザーを務めたこともあるから、政界のブローカーになっているのだろう。

  何しろ、老舗の保守系シンクタンクである「ボウ・グループ(The Bow Group)」で事務局長を務めていたくらいだから、ボリス・ジョンソンからの依頼だって受けていたのかも知れないぞ。辞任する前、ジョンソン首相は二度もウクライナへ赴き、ゼレンスキーに支援を約束していたから、英国の諜報機関が暗躍していてもおかしくはない。「ノルドストリーム」や「クリミア大橋」の爆破だって、MI6が手助けしていたとも考えられるのだ。だいたい、どうして橋の爆破直後に、炎上する橋を描いた巨大切手が展示されたのか? この看板を制作した業者は、どうやって事前に橋の爆破を知ることができたのか? ウクライナ政府の役人は答えるべきだ。

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(左 : 巨大な切手の前で記念写真を撮るウクライナ国民 / 右 : キエフを電撃訪問したボリス・ジョンソン首相 )

  話を戻す。今でも政府との太いパイプを有するインガムは、ブリテン政府のプロパガンダ機関と連携しているようだ。彼のような熟練の宣伝マンは、ウクライナ紛争を扇動する政治プロパガンダに打ってつけで、ロシア政府も彼をブラックリストに載せているくらい。もっとも、インガム自身は“危険人物”に列せられたことを喜んでいる。

Francis Ingham 1(左 / フランシス・インガム)
  以前、ブリテン政府は一般国民や諸外国とのコミュニケーションを模索し、その効果を評価するために「Government Communication Service Strategy and Evaluation Council」という評議会を設置したが、インガムはここに属していた。インガムの経歴はこれだけじゃなく、彼は世界各国で広報活動を展開するPR企業の「International Communications Consultancy Organisation」で経営者を務めていたし、英国の枢密院から“お墨付き”をもらったPR機関「Chartered Institute of Public Relations」で所長を任されていた、というから本当に凄い。(Dan Cohen, 'Ukraine's Propaganda War : International PR Firms, DC Lobbyists and CIA Cutouts', Mint Press News, March 22, 2022.)

  情報鎖国の日本に住む我々には、ウクライナ紛争の実態なんて全く判らない。宣伝業界の専門誌『PR Week』が匿名の情報源から得た話によれば、ウクライナで活動する宣伝組織は150社くらいあるそうだ。巷のオッちゃんやオバちゃん達は、フジテレビの耄碌ジジイである木村太郎や、道化師まがいの学者藝人、中村逸郎・筑波大学名誉教授の話を聞いて頷いているけど、我々はロシアがどのくらいのミサイルを貯蔵し、如何なる種類の兵器を隠しているのか判らない。防衛研究所の専門家だって、歐米からもらった情報で解説しているだけ。プーチン大統領に関しては、健康不安説やクーデタ計画が云々されたけど、頭脳明晰なプーチンは、何年も前から英米の攻撃を予測し、有事に備えての軍備を整えていた。それゆえ、ロシアが易々と英米に屈服するとは思えない。

  だいたい、ゾロアスターの善悪二元論じゃあるまいし、ウクライナを「善の被害者」と規定し、ロシアを「悪の侵略者」と決めつけるのは単純すぎる。常識的に考えれば、「バイデン政権が対露戦争を仕掛けた」と判断するのが妥当だ。ところが、CNNやワシントン・ポスト紙といった主流メディアは、ウクライナ紛争を「ジハード(聖戦)」のように扱っている。だが、実質的にはウクライナを利用した「NATOの代理戦争」じゃないか !

  それにもし、ウクライナ軍が占領地を奪還したら、歐米や日本に逃れてきた避難民は帰国するのか? 日本にやって来たウクライナ人は腹を決めたようで、複雑怪奇な日本語を学んで、日本に定住しようと考えている。確かに、戦争で瓦礫と化した祖国に帰っても、明るい未来は無いから、「日本の方がマシ」と判断したのかも知れない。少なくとも、幼い子供を抱える母親は、「安全な日本」での生活を選んでしまうだろう。

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(左 : ウクライナを脱出したウクライナ人の親子 / 右 : 家族に従ってウクライナを離れる少女)

  おそらく、ネオコンの背後にいる闇組織は、どんなにウクライナが荒廃しようとも、絶対に停戦を認めず、際限なく武器や傭兵を供給して戦争の継続を強行するつもりだ。明らかに、「操り人形」たるウォロデミル・ゼレンスキーに主導権は無い。一方、ゼレンスキーにとっても安易な妥協は命取りとなる。なぜなら、もしロシアと和平を結べば、国内で積もり積もった不満が一挙に爆発し、世論の怒りはゼレンスキーに集中するだろう。それなら、建前でも「徹底抗戦」を呼びかけ、自分の延命措置を図る方が悧巧だ。ゼレンスキーは「クリミア半島も奪還する」と息巻いていたが、そんなのはほぼ不可能。出来ないと判っていても、それを口にすることで戦争指導者の面子を保っている。

  「木偶の坊」としか思えないゼレンスキーは、急遽、クリスマス前にアメリカ合衆国へ渡航した。というよりも、米国から連行されてたのかも知れない。来年の1月から議会で共和党がうるさくなるので、その前に支援金を決めてしまおう、という魂胆なんだろう。脚本通り、ゼレンスキーは連邦議会に赴き、「お涙頂戴」の演説を披露。さすが、一流のPR会社が用意しただけあって、ゼレンスキーのスピーチは洗練されていた。感動する者までいたから大したものだ。しかし、彼の背後に控えるカマラ・ハリスとナンシー・ペロシの映像は醜かった。民衆党の副大統領と下院議長は、寄せ書きが記されたウクライナ国旗を靡かせ、アメリカ国民に「正義の戦争」をアピールしたが、正常なアメリカ人であれば侮蔑の感情しか湧かないし、全体主義と化したワシントンに寒気を感じるはずだ。

  前世紀のアメリカでは、フィンランドかネーデルラントからヨーロッパ人のサンタクロースがやって来たが、今じゃ、髭面のユダヤ人が道化師のように現れ、大金をせびりに来る。これじゃあ、小学生の子供だって「What's going on ?!(どうなってんの?)」と訊きたくなるじゃないか。一家の大黒柱たる父親だって、あんな猿芝居を目にしたら税金を払うのが馬鹿らしくなる。ゼレンスキーは単なる役者にすぎない。政界に入る前、彼はSMの女王みたいな格好をして銭を稼いでいた。しかし、大統領になるとハイヒールを脱ぎ捨て、愛国心に燃えるリーダーに早変わり。しかも、このユダヤ人は、髭を生やして“男らしさ”を強調し、厳しい戦況に苦悩する“指導者”を演じていた。

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(左と中央 : 皮のレオタードを纏う藝人時代のゼレンスキー / 右 : 大統領になったゼレンスキー )

  ゼレンスキーを迎えた連邦議会は、反露好戦の雰囲気に包まれ、まるでソ連か支那で開かれた共産党大会のような集会だった。俳優大統領のゼレンスキーが台本通りのスピーチを終えると、アメリカの代議士はスタンディング・オーヴェイション(standing ovations)を以て大絶賛。小林幸子の演歌ショーじゃあるまいし、大多数の議員が拍手喝采なんて茶番だ。国内が犯罪と分裂で滅茶苦茶なのに、ウクライナへ巨額の財政支援をプレゼントなんてふざけている。でも、上院や下院の議員どもは知らん顔。彼らはウクライナへの軍事支援や経済援助を含めた総合法案(omnibus bill)を通過させ、「総額約1兆7千億ドルの公金を使うからね !」と決めたそうだ。(Steve Holland, Dan Peleschuk and Olena Harmash, 'U.S. House approves Ukraine aid including arms after Zelenskiy visit', Reuters, December 24, 2022. / Alexandra Hutzler, Allison Pecorin, and Trish Turner, 'Senate passes $1.7T spending bill, including Ukraine aid, getting one step closer to averting shutdown', ABC News, December 23, 2022. )

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(左 : ウクライナ国旗を掲げるハリスとペロシ / 右 : ペロシ議長に国旗を渡すゼレンスキー大統領)

  とりあえず、ウクライナやNATOには450億ドルのギフトが送られるそうだが、民衆党の支持者や一般のアメリカ国民は正気なのか? 日本のお歳暮は、海苔や鮭の切り身くらいだぞ ! まぁ、所詮「公金」は「他人の銭」だから、歌舞伎役者のように贔屓筋にバラ撒いても何ら痛くない。上院では修正案が提出されたが、賛成68票、反対29票で可決された。下院でも税金のクリスマス・プレゼントは承認されたようで、賛成225、反対201票の裁決で通過したという。

  上下両院で注目すべきは、共和党の裏切者がいたことだ。民衆党に協力した上院議員は18名もいた。 (Anna Skinner, 'Full List of Republican Senators Who Voted to Pass $1.7T Omnibus Bill,' Newsweek, December 22, 2022.) リストの中には大物議員が混じっている。

  ミッチ・マコーネル(Mitch McConnell)、ロイ・ブラント(Roy Blunt)、ジョン・ブーズマン(John Boozman)、 シェリー・カピト(Shelley Capito)、スーザン・コリンズ(Susan Collins)、ジョン・コーニン(John Cornyn)、トム・コットン(Tom Cotton)、リンゼイ・グラム(Lindsey Graham)、ジム・インフォフ(Jim Inhofe)、ジェリー・モラン(Jerry Moran)、リサ・マコウスキー(Lisa Murkowski)、ロブ・ポートマン(Rob Portman)、ミット・ロムニー(Mitt Romney)、マイク・ラウンズ(Mike Rounds)、リチャード・シェルビー(Richard Shelby)、ジョン・スーン(John Thune)、ロジャー・ウィッカー(Roger Wicker)、トッド・ヤング(Todd Young)

Mitch McConnel 1Susan Collins 2John Boozman 1Lisa Murkowski 01
(左 : ミッチ・マコーネル / スーザン・コリンズ / ジョン・ブーズマン / 右 : リサ・マコウスキー)

  民衆党に協力した共和党の下院員は以下の9名。(Virginia Aabram, 'Here are the House Republicans who voted with Democrats on $1.7 trillion omnibus bill’, Washington Examiner, December 23, 2022.)
  
  リズ・チェイニー(Liz Cheney)、ロドニー・デイヴィス(Rodney Davis)、アダム・キンジンガー(Adam Kinzinger)、ブライアン・フィッツパトリック(Britan Fitzpatrick)、ジェイミー・ヘレーラ・ボイトラー(Jaime Herrera Beutler)、クリス・ジェイコブズ(Chris Jacobs)、ジョン・カートコ(John Katko)、スティーヴ・モマック(Steve Momack)

Liz Cheney 112Adam Kinzinger 1Jaime Herrera Beutler 1Brian Fitzpatrick 1
(左 : リズ・チェイニー / アダム・キンジンガー / ジェイミー・ヘレーラ・ボイトラー / 右 : ブライアン・フィッツパトリック)

  米国の共和党には、ちょっとだけ主流派とメディアに刃向かう議員がいたようで、ゼレンスキーの演説が終わっても拍手せず、みんなが立ち上がったのに椅子に坐ったままの議員がいたという。民衆党の支援団体である主要メディアは、「極右」の共和党員7名を忌々しく思っていたので、あたかも叛逆者のように扱っていた。椅子から立ち上がらなかった下院議員というのは次の七名だ。(James Bickerton, 'Full List of Republicans Who Sat During Zelensky's Speech', Newsweek, December 22, 2022.)

  マット・ゲーツ(Matt Gaetz)、ローレン・ボバート(Lauren Boebert)、アンドリュー・クライド(Andrew Clyde)、ダイアナ・ハーシュバーガー(Diana Harshbarger)、ウォーレン・デイヴィッドソン(Warren Davidson)、マイケル・クラウド(Michael Cloud)、ジム・ジョーダン(Jim Jordan)

Matt Gaetz 1Andrew Clyde 1Diana Harshbarger 1Michael Cloud 1
(左 : マット・ゲーツ / アンドリュー・クライド / ダイアナ・ハーシュバーガー / 右 : マイケル・クラウド )

  日本のマスコミは米国のプロパガンダを和訳しているだけで、ウクライナ紛争がどんな動機で開始され、誰が利益を得ているのかを報道する気配はない。小学校の授業じゃあるまいし、「可哀想なウクライナをみんなで助けましょう」なんてアホすぎる。支援した金や武器は何処に横流し、となったのか? 以前に述べた通り、ウクライナは「使い捨ての駒」に過ぎない。バイデン政権を作った闇組織にとったら、ウクライナ人の命なんてモルモット以下。武器商人から見れば、ウクライナはハイテク兵器の見本市である。衛星画像を凝視するペンタゴンの高級将校は、「ウォー・ゲーム」の実写版に興味津々だ。しかも、色々な兵器が使用され、大勢の兵卒が死亡すれば、その実験データは膨大な量にのぼる。不謹慎と思われるが、このビッグ・データは宝の山だ。一般的に人体実験は禁止されているけど、外国であれば「OK !」となる。

戦争ビジネスで儲ける投資会社

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(左 : 「戦争難民」となったウクライナ人 / 右 : ゼレンスキーを迎えるバイデン )

  今、我々日本人は驚異的な戦争スペクタクルを体験している。というのも、信じられない「喜劇」を肉眼で見ているからだ。何しろ、ボケ老人のジョー・バイデンがアメリカの大統領で、コメディアンのゼレンスキーがウクライナの大統領なんだから、「本当に現実の世界で起こっている惨劇なのか?」と疑いたくなる。

  でも、ロシア征伐には旨い汁や甘い蜜がいっぱいだ。歐米の大資本家は、なぜロシアを攻撃するのか? どうして、プーチンを心の底から憎むのか? それは、ロシアの大地に豊富な資源が眠っているからだ。もし、頑固なプーチン政権を倒せば、歐米の国際企業はロシアの石油やガスを掠奪できるし、場合によったら「ロシアの分割」も夢じゃない。サダム・フセインを抹殺して、イラクの分割に成功したアメリカなら、ロシアの解体だって出来るだろう。

Douglas McGregor 2(左 / ダグラス・マクグレガー)
  日本では「奮闘するウクライナ軍」とか「劣勢のロシア軍」といった報道がなされているが、ウクライナにはどれくらいの傭兵が投入されているのか判らない。米国からパトリオット・ミサイルやハイマースが提供されているものの、実質的なウクライナ軍がどれくらい残っているのか疑問である。米国陸軍の元大佐であるダグラス・マクグレガー(Douglas MacGregor)は、主要メディアの願望を斥け、ウクライナの勝利に関しては懐疑的だ。

  マスコミに媚びないマクグレガー大佐は、ウクライナ陸軍を率いるヴァレリー・ザルズニー将軍(General Valery Zaluzhny)の意見を紹介していた。この将軍によると、ウクライナ軍は迫り来るロシア軍の殺戮に耐えられないそうだ。(Douglas MacGregor, 'Washington Is Prolonging Ukraine's Suffering, The American Conservative, December 20, 2022.) ザルズニー将軍は300輛の戦車や700輛の装甲車を求めていたが、本当に欲しいの実戦部隊の兵員、つまり新しい軍隊であるという。おそらく、ウクライナ軍は壊滅的ダメージを受け、ほとんど残っていないのかも知れない。実際にウクライナ軍を指揮しているのは、英米から派遣された軍事顧問団であろう。また、ハイテク兵器を扱っているのも西側の軍人か傭兵と推測できる。

  日本には傭兵部隊の情報がほとんど伝わってこないが、ウクライナ軍にはかなりの傭兵が投入されているはずだ。たとえ「ウクライナ国民」と称する戦闘員でも、外国から派遣された傭兵の場合もあるし、ゼレンスキーが気前よく国籍を与えれば、即座に「ウクライナ兵」に豹変できる。例えば、「民間軍事会社」と称する「Constellis」は、実質的には傭兵派遣会社だ。一般の日本国民、もしかすると国会議員でも、この警備会社を聞いたことがないかも知れない。だが、この会社の前身は、あの有名な「ブラックウォーター(Blackwater)」である。「ブラックウォータ」は評判が悪くなったせいか、2009年に「アカデミー(Academi)」と改名し、2011年には「トリプル・キャノピー」という警備会社に併合された。そして、この「トリプル・キャノピー(Triple Canopy)」は「コンステリス・グループ(Constellis Group)」の子会社だ。

  そして、2016年には巨大な国際企業で個人投資の顧問をする「アポロ・グローバル・マネージメント(Apollo Global Mamagement)」が「コンステリス」を10億ドルで買収した。この吸収合併には投資会社の「フォルテ・キャピタル・グループ(Forte Capital Group)」や「マンハッタン・パートナーズ(Manhattan Partners)」も加わっていた。「コンステリス」のCEOを務めていたジェイソン・デヨンカー(Jason DeYonker)は、「フォルテ・キャピタル」の創業者である。「コンステリス」の社長を務めていたのは、「マンハッタン・パートナーズ」の共同創設者であるディーン・ボサッキ(Dean Bosacki)だ。「マンハッタン・パートナーズ」を開業した時、ボサッキの相棒だったのは、「ウォルナット・グループ(Walnutr Group)」にいたパトリック・マクブライド(Patrick McBride)である。

Jason DeYonka 222Dean Bosacki 001Patrick McBride 1213
(左 : ジェイソン・デヨンカ / 中央 : ディーン・ボサッキ / 右 : パトリック・マクブライド )

  親会社となった「アポロ・グローバル・マネージメント」を創業したのは、これまたユダヤ人の金融業者や投資家だった。創設者にしてCEOとなったレオン・ブラック(Leon David Black)は、ポーランドからやって来たユダヤ移民の息子である。元々、彼は投資会社の「ドレクセル・バーナム・ランバート(Drexel Burnham Lambert)」で企業合併を担当する筆頭マネージャーであった。

  特筆すべきは、このレオンが悪名高い「ジャンクボンドの帝王(Junk Bond King)」であるマイケル・ミルケン(Michale Robert Milken)の腹心であったことだ。悪徳ユダヤ商人の典型たるミルケンは、インサイダー取引や脱税、恐喝、詐欺など繰り返し、98件の罪状で起訴され、数件の犯罪で有罪となった。このユダヤ人には2億ドルの罰金刑が科せられ、10年の懲役刑が言い渡された。しかし、10年の「お勤め」は2年に減刑され、22ヶ月の服役で釈放となった。出所後は、図々しくも「慈善家」となって様々なイベントに参加し、「FasterCures」というシンクタンクまで作っていた。

Leon Black 8823Michael Milken 435Jeffrey Epstein 9923
(左 : レオン・ブラック / 中央 : マイケル・ミルケン / 右 : ジェフリー・エプシュタイン )

  ユダヤ人というのは、意外なところで色々な人物と繋がっているものだ。大企業の経営者となったレオン・ブラックは、“節税(脱税?)”を目論む大富豪らしく、デブラ(Debra Black)夫人と共に財団を創っていた。しかし、ブラック夫妻の財団たる「Debra and Leon Black Family Foundation」には、性犯罪者のユダヤ人、あのジェフリー・エプシュタイン(Jeffrey Epstein)が絡んでいた。拘留中に「自殺」したエプシュタインは、この財団に雇われ、5千万ドルの報酬を受け取る理事になっていたのだ。

Leon & Debra Black 111Jeffrey Epstein & Leon Black
(左 : レオン・ブラックとデブラ夫人  / 右 : ジェフリー・エプシュタインとレオン・ブラック )

  公開された資料によれば、レオンはエプシュタインに税金や資産の運営に関するアドヴァイスを受け、2012年から2017年の間に1億5千800万ドルの報酬を支払っていた。さらに、レオンはエプシュタインの財団にも貢献したそうで、1千万ドルを寄付していたというのだ。(Bob Bahr, 'Financial Titan Is Latest Epstein Casualty', The Atlanta Jewish Times, March 25, 2022.) もう呆れてしまうけど、ユダヤ人の悪党どもは、金持ちの同胞とツルんで私腹を肥やしている。

  ついでに言うと、「ドレクセル」は元々、フィラデルフィアの「ドレクセル・ファイアーストーン(Drexel Firestone)」という投資会社で、1971年に「バーナム(Burnham)」と合併して「ドレクセル・バーナム」と改名した。さらに1976年、ベルギーの「Groupe Bruxelle Lambert」と合併して「ドレクセル・バーナム・ランバート」と改名したそうだ。

  諺通り「類は群れる」のか、ユダヤ人は同胞を誘って商売に精を出す。レオン・ブラックと一緒に「アポロ」を創設したのは、「ドレクセル」で同僚だったマルク・ローワン(Marc Rowan)とジョシュア・ハリス(Joshua Harris)であった。マルクはユダヤ教の活動にも熱心で、「National Jewish Outreach Program」という団体の役員になっている。ハリスの方はデイヴィッド・ブリッツァー(David S. Blitzer)と組んで「Harris Blitzer Sports & Entertainment」というスポーツや娯楽ビジネスを手掛ける会社を作っていた。また、ハリスはアイスホッケー・チームを買収し、「ニュージャージ・デヴィルス(New Jersaey Devils)」のオーナーになっている。

Marc Rowan 111Joshua Harris 11David Blitzer 33
(左 : マルク・ローワン / 中央 : ジョシュア・ハリス / 右 : デイヴィッド・ブリッツァー )

  一般の日本人は口に出さないが、戦争というのは利潤の高い流血ビジネスだ。ちょっと不謹慎な言い方になるけど、対露戦争を仕掛けた連中は、総合格闘技団体「UFC」を傘下に収めるスポーツ・プロモーターの「Zuffa」と同じだ。「Zuffa」の創業者たるフランク・フェルティタ3世(Frank Joseph Fertitta V)や弟のロレンツォ・フェルティタ(Lorenzo Joseph Fertitta)は、自らオクタゴン(リング)にのぼって闘うことはせず、白人や黒人、あるいは南米人の選手を闘わせて大儲けする。

Dana White & Fertitta brothers 1UFC fighting 543
(ロレンツォ・フェルティタ デーナ・ホワイト フランク・フェルティタ3世 / 右 : UFCの壮絶な試合)

必死に闘う選手との契約や団体の運営は、 社長であるデーナ・ホワイト(Dana White)に丸投げだ。「Zuffa」の重役や株主は、出資の見返りに大金を得るだけ。リング上の選手が血塗れになったり、足の骨を折っても、興行主には関係無い。チケットを買った観客も選手の生命には無頓着である。傍観者でしかない野次馬は、殴り合いの激戦と流血の死闘を望んでいるし、失神KOとなれば大興奮だ。ついでに言うと、ラスヴェガスの賭博業者も、UFCの試合をギャンブルにして大儲けしている。

  とにかく、兵器の製造や軍隊の装備に投資をすれば、膨大な利益を手にすることができるので、金融業者やヘッジファンドが軍需産業に投資をしたり、傭兵会社を買収したりするのだ。この美味しいビジネスを拡大・継続するためには、大手メディアの協力が必要なんだが、主流メディアの経営者もインナー・サークルのメンバーなので全面的に戦争を支援する。日本の知識人は「ウクライナ頑張れ !」と声援を口にしているが、一番哀れなのはウクライナ国民であろう。バイデン政権の策略がなければ、今でもウクライナ系国民とロシア系国民は、平穏に暮らしていたはずだ。ロシアの攻撃により、国内のインフラが破壊されたウクライナ国民は、冬の寒さに震えているけど、将来の不安にも震えているに違いない。

  「対岸の火事」を見ている日本人も、やがて銭をむしり取られる日が来るだろう。もしかすると、アメリカやEU議会から「ウクライナ復興支援」の要請が来るかも知れない。かつて、総理大臣になった海部俊樹は「日本は米国のATMじゃないぞ」と呟いたが、岸田総理もバイデンのATMになりそうだ。ただし、「聞く耳」を持つキッシーなら喜んで払うかもね。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/

24. 中川隆[-12813] koaQ7Jey 2023年1月06日 21:21:31 : qrwysRbOMc : V2VLYm1ESlV6NXc=[20] 報告
2023年01月06日
CIAの偽情報と利用される主流メディア
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68918420.html

豊かな全体主義になるアメリカ
Media control 43Angela Merkel & President Putin 44


  年が明けた2023年の1月、米国の連邦議会では、多数派を獲得した共和党(GOP)が主導権を握り、同党のリーダーを務めるケヴィン・マッカーシー(Kevin McCarthy)が新たな下院議長に選ばれるはずだった。ところが、共和党の保守派グループ「フリーダム・コーカス(Freedom Caucus)」が造反してしまい、マッカーシー議員が必要とする過半数(218票)を取れなかったのだ。民衆党の下院リーダーであるハキーム・ジェフリーズ(Hakeem Jeffries)議員でも212票を取ったのに、共和党のマッカーシー議員は、たったの208票だった。こんな事態は164年ぶりの混乱で、議長選出のために11回も投票を繰り返すなんて異常だ。現時点では、まだ決まっていないので、マッカーシーがどんな譲歩をするのか分からない。

  共和党内部には色々な不満があって、マッカーシー議員だと裏でエスタブリッシュメントや民衆党側と妥協するんじゃないか、といった懸念がある。本来なら、マッカーシーが先頭を切って反バイデン政権の急先鋒となり、ナンシー・ペロシと激突してもおかしくはなかった。ところが、マッカーシーはペロシ陣営を激しく糾弾せず、マスコミを味方にした民衆党はやりたい放題。クリスマス・ツリーがへし折れるほど、願い事の法案をぶら下げて膨大な歳出を謀った。もしかすると、マッカーシーは下院議長になっても、グローバリスト勢力に打撃を与えず、適当な「ガス抜き」で幕引きにする虞(おそれ)がある。

Jim Jordan 1Kevin McCarthy 324Hakeem Jeffries 122
(左 : ジム・ジョーダン / 中央 : ケヴィン・マッカーシー / 右 : ハキーム・ジェフリーズ )

  これではトランプ支持派や保守派議員にとったら、煮え切らないフラストレーションが溜まる一方だ。共和党下院指導者にはマッカーシーのみならず、テーブルの下で民衆党と手を結ぶ“裏切者”が少なくない。前任者のジョン・ベイナー(John Boehner)やポール・ライアン(Paul Ryan)を見れば判るじゃないか。マッカーシーの前任者だったエリック・カンター(Eric Cantor)は、もっと胡散臭かった。「保守派」というが、その正体は「ユダヤ教の保守派」で、民衆党から出馬してもおかしくない人物だ。彼がナンシー・ペロシを批判したのは、イスラエルと敵対する“独裁者”のシリア大統領アサドと面会したからで、カンターにとってはイスラエルの国益こそが第一。心の底では「アメリカ・セカンド」が信条なのかもしれないぞ。

Paul Ryan 11John Boehner 1Eric Cantor 1
(左 : ポール・ライアン / 中央 : ジョン・ベイナー / 右 : 「AIPAC」の席で演説するエリック・カンター)

  「フリーダム・コーカス」を実質的に率いるジム・ジョーダン(James D. Jordan)下院議員は、たぶん、裏取引でマッカーシーの支持に廻ると思うが、新たな下院議長がどれほど辛辣に民衆党を攻撃できるかは未知数だ。バイデンを操る闇組織は、豊富な資金と人脈で他の共和党員を籠絡するし、既に「仲間」となっている共和党議員は、陰でバイデン政権の協力者となるだろう。ウクライナ紛争は何年も前から計画されている謀略だから、陣笠議員の批判で妨害されることはない。ドナルド・トランプの再選だって危ないんだから、ティー・パーティーの議員なんて“芥子粒(けしつぶ)”程度の存在だ。

八百長と陰謀だったミンスク合意

  これから共和党主導の下院議員が発足するけど、欲求不満の共和党がどれほど民衆党を叩けるのか判らない。ただし、CBSやABC、CNNといった主要メディアが、劣勢となった民衆党を助け、共和党を攻撃することは充分予想できる。大手メディアの情報操作は、以前から保守派言論人によって批判されてきたが、ウクライナ紛争が始まってからも様々な情報隠蔽や大衆扇動がなされてきた。歐米諸国と同様に、我が国でも一般国民は、ロシア軍が邪悪な野心を持って一方的にウクライナへ侵攻したと思っている。もちろん、伝統的にロシアは侵略行為を繰り返してきたので、日本人がロシアを非難するのも当然だ。しかし、テレビや新聞の戦争報道には、心理戦や諜報戦が混じっているから迂闊に信用できない。

  そもそも、ウクライナ紛争は根本的に怪しい。段々と明らかになってきたが、アメリカ政府とブリテン政府が強引にNATOの拡大をすることで、ロシア政府の危機感とウクライナ国民の対立を煽っていたのだ。西側が創り出すイメージとは違い、プーチンは意外と穏健で、危険な冒険を好まず、非常に用心深い。ただし、相手の真意を見切った時は別で、「話し合いは無理で、武力解決しかない !」と悟れば果敢な行動に出る。それに、ロシア軍の将兵も「国家存亡の危機」と認識しているから、徹底抗戦を貫くだろう。

  アメリカのロシア専門家の何割かは、NATOの東方拡大に反対で、この拡張はモスクワを神経質にさせる政策と解っていた。CIA長官のウィリアム・バーンズ(William Burns)は、ブッシュ政権の頃から解っており、コンドリーザ・ライス国務長官に対し、ウクライナのNATO加盟はレッドラインを超えることになる、と警告していたのだ。

  駐ソ大使を務めていたジャック・マトロック(Jack F. Matlock, Jr.)も、ウクライナやグルジアのNATO加盟は危険と解っていたという。それゆえ、マトロックはその危機を避けることは可能だったし、予測することも充分できた、と答えている。(Jack F. Matlock, Jr., 'I was there : NATO and the origins of the Ukraine crisis', Responsible Statecraft, February 15, 2022.) この外政官によれば、NATOはロシアに不拡大を約束していたという。対露強硬派のリチャード・ホルブルック(Richard Holbrooke)もウクライナのNATO加盟や東方拡大には慎重で、この方針はモスクワにとって非常にデリケートな問題だ、と述べていた。

William Burns 1Condoleeza Rice 1Jack Matlock Jr 001Richard Hilbrooke 213
(左 : ウィリアム・バーンズ / コンドリーザ・ライス / ジャック・マトロック / 右 : リチャード・ホルブルック )

  おそらく、大半のロシア専門家はNATOの東方拡大を懸念していたはずだ。ロシアへの挑発を危険と見なす専門家は他にもいる。例えば、駐ソ大使を務めたロバート・シュトラウス(Robert Schwarz Strauss)は、ロシアの焦燥感を理解していた。ソ連崩壊後、ロシアが気にしていたのは、共産主義体制の瓦解ではなく、軍事的勢力圏の縮小だった。NATOの脅威がウクライナにまで迫っていたんだから、軍人じゃなくても心配になる。国務次官補になったトマス・ナイルズ(Thomas Niles)もNATOの東方拡大には懸念を示していた。ロシアとウクライナの軍事バランスを考えれば当然だ。

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(左 : ロバート・シュトラウス / 中央 : トマス・ナイルズ / 右 : 「大統領」を演じるジョー・バイデン )

  しかし、バイデン政権は敢えて危険を犯した。なぜか? それはプーチン大統領が、オルガルヒ達の利権を取り上げたからだ。こうした米国の本音に気づけば、普通の、日本人でもロシアが踏み込んだ乾坤一擲の侵攻を理解できるだろう。ジョー・バイデンを操っている連中は、プーチン政権を打倒するため、民族対立が燻るウクライナを利用し、対露戦争の口実に使ったと考えられる。

  西側の報道ではプーチンが「悪の独裁者」になっているけど、元KGB局員のプーチンは意外と冷静だ。彼はロシアの経済発展を第一に望むから、非合理的な領土拡張には乗り出さない。ただ、NATOの圧力に屈してしまうと、ロシアのタカ派が台頭するから、本当にクーデタが起こる可能性も出てくる。俯瞰的に考察すれば、ウクライナでの戦争を計画し、それを望んだのはバイデン政権の方だろう。そして、あのボケ老人を操る闇組織が、最大の戦争利得者となっているはずだ。

  我々には真の黒幕が誰なのか全く判らない。だが、こうした英米の謀略はドイツやフランス、イタリアなどの西側諸国、特に一般の中流家庭に負担を強いる結果となっている。エネルギー価格が安定せず、原油価格が1バーレル当たり、また100ドル程度に高騰すれば、庶民の不満が爆発するだろう。今年は暖冬というが、やはりベルリンやハノーヴァー、アムステルダムなどは北緯53度くらいに位置するからとても寒い。これは樺太の北部と同じ緯度となる。もし、こんな地域で「暖房を節約して下さい !」と呼びかけたら暴動が起こるぞ。御用学者の経済予測は度々外れるし、戦争が長期化すれば、半年後ですらどうなるか判らない。

  ウクライナ紛争に嫌気が差した西歐諸国を代表し、それとなく批判を口にしたのはアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)だ。この元首相は「Die Zeit」紙のインタヴューを受けた時、2014年のミンスク合意(Minsker Abkommen)が「策略」であることを明らかにした。(Tina Hildebrandt und Giovanni di Lorenzo, 'HattenSie gedacht, ich komme mit Pferdeschwanz?', Die Zeit, 7 Dezember 2022.)

Angela Merkel 3352Angela Merkel & President Putin 33
( 左 : アンゲラ・メルケル / 右 : メルケルと仲良しのプーチン大統領 )

  メルケルの告白によれば、ミンスク合意はウクライナを強化するための「時間稼ぎ」であったという。つまり、アメリカ、ブリテン、フランスなどの西側諸国が、意図的にプーチンを騙したのだ。なぜなら、NATO諸国がウクライナ軍を訓練し、高度な兵器を使いこなすには、時間と訓練が必要だったからである。西側の連中がプーチンと交渉し、東部地域での自治を認めるような態度は、最初から嘘だった。となれば、戦争前、プーチンが英米の嘘を非難したのも頷けよう。しかし、英米を中心とする主流メディアは、この詐欺行為を知っていたのに追及せず、盛んにロシアの軍事侵攻だけを取り上げていた。おそらく、米国の大手メディアは合衆国政府と“共犯(グル)”なんだろう。

  これは筆者の推測なんだが、メルケルが西側の秘密を暴露したのは、英米の対露政策に“楔(くさび)”を打つためなりかも知れない。つまり、バイデン政権やネオコンに異議を唱える勢力の代表として、メルケルが衝撃の告白を述べたという訳だ。対露戦を仕組んだグループにも、様々な勢力がいるから、利益の分け前に不満を持つ者がいても不思議じゃない。メルケルの行動には必ず「狙い」がある。彼女は「善意」や「正義」で動かない。インタヴュー記事の反応を計算した上での暴露だ。

  ついでに言うと、政界のパトロンどもは、聡明な女を神輿に担いで利益を得ようとする。長期政権を築き、世界的な知名度を得たメルケルと、英国の首相となったマーガレット・サッチャーは何となく似ている。両者とも権力闘争に興味が無かった元化学者で、異例の出世を遂げた女性の政治家だ。

  東ドツイ出身のメルケルは、青年共産主義者グループ(FDJ)に属していたが、どちらかと言えば、イデオロギーに囚われない科学者で、合理的な利益を選ぶ現実主義者だ。東ドイツ出身のギュンター・クラウス(Günther Kraus)を師匠に持ち、ヘルムート・コール(Helmut Kohl)の後釜になったが、キリスト教の保守政党(CDU)を左翼政党に変えるまでの実力者になった。おそらく、メルケルにはロシア側と気脈を通ずる「ケツ持ち」がいるんだろう。メルケル内閣で副首相を務めたシグマー・ガブリエル(Sigmar Gabriel)によると、プーチンはメルケルを非常に尊敬していたそうだ。ひっとしたら、東ドイツで諜報機関に属していたプーチンは、メルケルがひた隠しにする「人脈」と「裏の顔」を知っているんじゃないか? 今回の暴露はロシア側からの依頼かも知れないぞ。

Angela Merkel 2881Margaret Thatcher 54Margaret Thatcher 33
(左 : 東ドイツ時代のメルケル / 中央 : 化学者時代のマーガレット・ロバーツ / 右 : 首相になったマーガレット・サッチャー )

  保守派の大御所だったマーガレット・サッチャー(結婚前の名前 / Margaret Hilda Roberts)も、中流階級出身の化学者で、教育大臣を経てブリテンの首相にまで登り詰めた。左翼陣営から「牛乳簒奪者(Milk Snatcher)」と蔑まれた女が、いつの間にか「鋼鉄の女(Iron Lady)」と呼ばれ、みんなから畏怖される宰相になった。これは驚くべき出世である。(サッチャーは教育大臣の頃、7歳以上の子供に配給された無料ミルク・プログラムを廃止したので、これが左翼の怒りを誘発していた。)

Victor Rothschild 20043(左 / ヴィクター・ロスチャイルド)
  しかし、サッチヤーの支持母体はユダヤ人で、地元の選挙区「フィンチリー」には頼りになるユダヤ人コミュニティーがあった。ジャーナリストのロバート・フィルポットは、彼女を「名誉ユダヤ人」と呼んだくらいだ。(Robert Philpot『Margaret Thatcher : The HonorayJew』) しかも、最大のパトロンが第三代のロスチャイルド男爵だから、偉大なるサッチャー首相も「イギリス人の顔をした神輿」なのかも知れない。興味深いことに、このユダヤ人男爵たるヴィクター・ロスチャイルド(Nathaniel Mayer Victor Rothschild)がソ連のスパイ容疑を受けた時、熱心に擁護したのはサッチャー首相だった。(当時、BBCも議会での討論を放送していた。「ケンブリッジ・ファイヴ」とロスチャイルドに関しては説明が長くなるので、別の機会で述べたい。)

主流メディアを利用したCIA

  諜報機関がマスコミを利用することはよくある。「ワシントン・ポスト」紙や「ニューヨーク・タイムズ」、BBC、「ザ・タイムズ」、「ル・モンド」などが政治プロパガンダを流すことは普通だ。また、新聞記者やテレビ局の制作者にも共犯者はいるし、他の社員が気づかない「秘密のモグラ(草)」が居たりする。

Frank Snepp 22(左 / フランク・スネップ)
  以前、元CIA局員だったフランク・スネップ(Frank Snepp)が、回顧録『Decent Interval』を書いてCIAのスタンズフィールド・ターナー(Stansfield Turner)長官と揉めた事は有名だ。CIAの上級分析官であるスネップは、ベトナム戦争中、情報操作のために大手メディアのジャーナリストを利用したそうだ。先ず、スネップは影響力を持つ名物記者に近づき、彼らが欲しがるようなネタを提供したという。時には、コンチネンタル・ホテルに誘って親睦を深めたそうだ。スクープ記事を書きたいジャーナリストは、政府の高級官僚とかペンタゴンの軍人、党幹部の政治家と付き合いたがるから、ちょっと親切にしてやればホイホイ引っ掛かる。

  スネップの手口は巧妙で、一般人に広めたい「偽情報」や「世論操作の必要」がある場合、真実と嘘の情報を巧みに混ぜ合わせ、馴染みのジャーナリストに渡したそうだ。しかし、そう単純でもない記者どもは、必ず「裏取り」をしようとする。それゆえ、スネップは予め「根回し」をしていた。極秘ネタを渡す前、スネップはアメリカの同盟国であるブリテンやオーストラリア、ニュージーランドなどの大使館や外政官に協力を求め、「真実みたいな情報」に仕立て上げていたのだ。

  それを知らぬ記者達は、特ダネのダブルチェックをすべく、こうした外交筋に接触する。スネップの情報が正しいかどうかを確かめたいジャーナリストは、大使館の書記とか参事官に探りを入れ、同じ情報を得る事ができれば、安心して「スクープ記事」を世間に流す。利用されたとも知らないジャーナリストは、“極秘の情報源”を得たと大喜び。一般の読者も特集記事や独占取材に感動するから、利用された九官鳥は益々「人気者」となってゆく。「馬鹿とハサミは使いよう」と言うけど本当だ。

  1983年にインタヴューを受けたスネップは、彼のために動いてくれた「便利な馬鹿(usuful idiots)」を何名か挙げていた。例えば、『New Yorker』誌のロバート・シャプレン(Robert Modell Shaplen)や『Los Angeles Times』紙のキーズ・ビーチ(Keyes Beech)、『New York Times』のマルコム・ブラウン(Malcolm Browne)、『Newsweek』誌のメイナード・パーカー(Maynard Parker)などである。

Robert Shaplen 1Keyes Beech 1Malcolm Browne 11Maynard Parker 11
(左 : ロバート・シャプレン / キーズ・ビーチ / マルコム・ブラウン / 右 : メイナード・パーカー )

  日本では「戦略家」とか「地政学の専門家」あるいは「国際政治学者」と名乗る知識人は、インターネットサイトだけの弱小メディアを馬鹿にしているが、主流メディアでも信頼できない記事は案外多い。確かに、有名ブランドのメディアは“まっとう”な記事を心掛けているから、胡散臭いネタを掲載することは滅多にないが、その知名度を利用されて、八百長記事とか提灯記事を拡散することはある。しかも、たった数パーセントだからタチが悪い。譬えが悪いけど、もし、コカインと片栗粉や薄力粉をごちゃ混ぜにして袋に入れたら、一般人は見分けがつかないので、それを料理に使うこともあるだろう。政治報道だって同じだ。頭に入れる情報も、よく注意しないと危険である。

  アメリカの変質は驚くほど急速で、第21世紀になると國體(こくたい)が別物になってしまった。かつて、アメリカは「自由主義の砦」と思われていたが、今や「豊かな全体主義国家」のように見えてしまう。なるほど、一般のアメリカ人は「言論の自由」を持っているようだ。しかし、本音を口にすれば地位や名誉を失う破目になる。「言論の自由」は「自殺の自由」に近く、ビルの屋上から飛び降りることを覚悟すれば、どんな爆弾発言も躊躇なく可能だ。でも、現実的には、失言で失業というケースが多い。

  例えば、CNNのリック・サンチェス(Rick Sanchez)は「Daily Show」の司会を務めるユダヤ人のジョン・スチュアート(Jon Stewart)を「頑固者(bigot)」と呼んでしまった。さらに、彼は「ユダヤ人がテレビ業界を仕切っている」と発言したから一巻の終わりだ。サンチェスはCNNをクビになった。メディアのユダヤ人支配なんて公然の秘密なんだが、それを堂々と言えば自殺行為だ。ちょっと口を滑らせただけのサンチェスは、自ら墓穴を掘ることになった。

  オバマ政権時代、著名人のグレン・ベック(Glenn Beck)は、ジョージ・ソロスを冠番組で取り上げ、フェビア協会やマルクス主義、社会主義と絡めながら、この大富豪を批判した。すると、泣く子も黙るユダヤ人団体、あの「名誉毀損反対同盟(ADL)」から猛抗議が来てしまい、FOXテレビの重役達は震え上がった。そこで、経営陣は直ちにベックを馘首(クビ)。保守派の視聴者からは好評だったのに、ユダヤ人を恐れるFOXテレビは、人気番組の司会者を降板させ、トカゲの尻尾切りを断行した。

Rick Sanchez 2Jon Stewart 2Glenn Beck 66312
(左 : リック・サンチェス / 中央 : ジョン・スチュアート / 右 : グレン・ベック)

  CBSで花形キャスターだったシェリル・アトキソン(Sharyl Attkisson)、そして今は独立系ジャーナリストになったララ・ローガン(Lara Rogan)も、CBSを辞めてから、主流メディアの偏向報道やフェイク・ニューズを批判し始めた。さすがに、局員時代だと業界の秘密や恥部は公表できないから、便所の中だけで「報道の自由」を行使する。もし、内部情報を世間にリークすれば、高給取りの地位は即座に吹っ飛ぶ。大手メディアの取材記者やアンカーマンは、「嘘」と判っていても報道を続けるしかない。たとえバレそうになっても、紳士淑女の態度で沈黙を守り続ける。

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(左 : ジョージ・ソロス / 中央 : シェリル・アトキソン / 右 : ララ・ローガン )

  たぶん一部の良識的なテレビ局員は、トランプ大統領に関する偏向報道やネガティヴ・キャンペーンに、何らかの「躊躇い」を持っていたのだろう。が、自分の生活を考えれば本社の方針に従った方が得である。人気キャスターになれば尚更だ。閑静な郊外に豪邸を建てることができるし、広大な牧場まで持てるのだ。NBCのワイドショー「TODAY」に出演するアル・ロカー(Al Roker)やケイティー・クーリック(Katie Couric)が暮らすマンハッタン島のイースト・サイドの物件、あるいはABCの「Good Morning America」で司会を務めるロビン・ロバーツ(Robin Roberts)やマイケル・ストラハン(Michael Strahan)が、お住まいになる素晴らしい豪邸を見れば判るじゃないか。アホな視聴者のために自分の経歴を台無しにするメディア人はいないだろう。左翼偏向でも偽情報でも、政治家や大富豪と組んだ方が悧巧だ。

Al Roker 2Katie Couric 3Robin Roberts 1Michael Strahan 111
(左 : アル・ロカー / ケイティー・クーリック / ロビン・ロバーツ / 右 : マイケル・ストラハン)

  アメリカは銭を有する者が幸せになる国である。お金があってこその「自由」だ。貧乏になっても「自由」がいいとは思わない。「社会の木鐸」を掲げて豊かになるリベラル派は「勝ち組」で、エスタブリッシュメントに刃向かって貧乏クジを引く保守派は「負け組」だ。情報を統制する者、つまり民衆の精神を掌握する階級が、無知な大衆を支配する。知能が低く、判断力に欠け、低所得の者ほど、刹那的で臆病になるから、諦めムードの一般人は自ら進んで支配層に靡く。大富豪がデモクラシー(大衆が主体の政治体制)を称讃する理由はここにある。

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68918420.html

25. 保守や右翼には馬鹿し[110] lduO54LiiUWXg4LJgs2Ubo6tgrU 2023年4月02日 13:45:40 : 252ruUmcR6 : VGRVR2VFQUsxWmc=[5] 報告
2023.04.02XML
露国の軍事情報を集めていた米記者の逮捕を批判してもアッサンジの逮捕は容認
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202304020001/

 ウラル山脈の中にある都市、​エカテリンブルグでウォール・ストリート・ジャーナルの記者、エバン・ゲルシュコビッチが3月29日、あるいは30日にロシアのFSB(連邦安全保障局)に逮捕された​ようだ。アメリカの記者が逮捕されたのは冷戦以来、初めてだという。ゲルシュコビッチはウクライナでの戦争やワーグナー・グループを調査、ロシア当局によると、記者の立場を利用して軍需企業に関する機密情報を入手していたようだ。

 ゲルシュコビッチ個人の話ではないが、ウォール・ストリート・ジャーナルを含む西側の有力メディアはウクライナの戦況やロシアの状況について正しい情報は伝えてこなかった。アメリカ/NATOの好戦派が人びとに信じさせたい話を流してきたわけで、ゲルシュコビッチがジャーナリストとしての仕事をしていたとは言い切れない。

 そもそもジャーナリストの仕事は情報機関の仕事と似ている。違いは誰のために隠された情報を調べるのかということだ。ジャーナリストは情報を公にするのだが、情報機関は権力者に情報を知らせる。権力者と癒着し、重要な情報を庶民に伝えないならば、「ジャーナリスト」というタグをつけていようと、情報機関のエージェント、あるいは手先にすぎない。

 日本でもマスコミは基本的に支配体制のために存在している。かつては気骨ある記者が活躍する余地が存在していたが、1980年代にそうした記者は駆逐された。東電福島第一原発の炉心溶融事故やCOVID-19に関する「報道」を見るだけでもわかるだろう。

 ウクライナ東部のドンバスでは2014年からクーデター軍と反クーデター軍との間で内戦が続いている。クーデター軍の主体はネオ・ナチであり、後ろ盾はアメリカ/NATOだ。地元の記者によると、アメリカ/NATOの情報機関が好んで利用する隠れ蓑は援助隊員、OSCE(欧州安全保障協力機構)、ジャーナリストだ。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、アメリカの支配層は第2次世界大戦が終わって間もない頃から情報操作を目的とするプロジェクトを始めた。「モッキンバード」である。

 このプロジェクトをCIAで担当していたのはコード・メイヤーで、実際の活動を指揮していたのはアレン・ダレス、ダレスの側近だったフランク・ウィズナーとリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだとされている。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

 グラハムは第2次世界大戦中、陸軍情報部に所属、中国で国民党を支援する活動に従事していた。その時の仲間のひとりがヘルムズ。そのほか後にCIA副長官になり、CSISの創設に関わったレイ・クライン、グアテマラのクーデターなどに参加し、ウォーターゲート事件で逮捕されたE・ハワード・ハント、そしてさまざまな秘密工作に関与し、駐韓米軍の司令官を務め、WACL(世界反共連盟)の議長を務めたことジョン・シングローブも含まれる。

 ワシントン・ポスト紙の記者として「ウォーターゲート事件」を暴いたカール・バーンスタインはリチャード・ニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。

 その記事によると、1977年までの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとバーンスタインにCIAの高官は語ったという。ニューズウィーク誌の編集者だったマルコム・ミュアは、責任ある立場にある全記者と緊密な関係をCIAは維持していたと思うと述べたとしている。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 CIAのメディア支配はアメリカ国内に留まらない。例えば、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だったウド・ウルフコテは2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出版、その中で多くの国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発している。

 CIAに買収されたジャーナリストは人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開し、ロシアとの戦争へと導いて引き返すことのできないところまで来ていると彼は警鐘を鳴らしていた。彼の警告通り、アメリカ/NATOはロシアと核戦争する寸前まできている。なお、ウルフコテは2017年1月に心臓麻痺で死亡した。

 西側で権力犯罪を暴くとどうなるかはジュリアン・アッサンジの例をみるだけでもわかる。彼は内部告発を支援してきたウィキリークスの象徴的な人物だ。アメリカの支配層にとって都合の悪い情報を明らかにしたわけである。

 アッサンジは2019年4月11日、ロンドンのエクアドル大使館でロンドン警視庁の捜査官に逮捕された。それ以降、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束されている。容疑はハッキングのほか「1917年スパイ活動法」に違反したとしているが、ハッキングはでっち上げだったことが明らかになっている。

 ハッキングで最も重要なアメリカ側の証人はシギ・トールダルソン。2010年当時、ウィキリークスの活動にボランティアとして参加していたが、後にFBIへの情報提供者になった。ウィキリークスはこの人物が寄付のうち5万ドルを横領したと疑っていた。

 トールダルソンはアッサンジが2010年の初めにアイスランド政府のコンピュータに侵入して情報を盗むように指示したなどと主張したが、​後にそれは嘘だとメディアに証言​している。トールダルソンは第三者から書類を受け取り、チェックしないままアッサンジに渡したという。

 その当時、トールダルソンは「サブ」と呼ばれていたヘクター・ザビエル・モンセガーと接触していた。この人物はハッキング・グループのリーダーだが、逮捕され、懲役124年が言い渡される可能性があった。そこで司法取引に応じ、FBIの情報提供者になったのだ。

 アメリカの当局はアッサンジがスパイ行為を働いたとしているが、彼はオーストラリア人であり、活動の中心はヨーロッパ。アメリカがアッサンジを国外で拘束し、処罰できるということになると、世界のどこにいてもアメリカの犯罪的な行為を明らかにするとアメリカの刑務所へ入れられることになる。

 アメリカの支配層を怒らせたであろうウィキリークスが発表した情報のひとつはイラク戦争における行為。​イラク戦争においてアメリカ軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターが2007年7月、ロイターの特派員2名を含む非武装の一団を銃撃して十数名を殺害する場面を撮影した映像を公開したのだ。​

 また、2016年のアメリカ大統領選挙でDNC(民主党全国委員会)がヒラリー・クリントンを勝たすためにバーニー・サンダースの足を引っ張ったことも明るみにだした。その実態を明らかにする電子メールをウィキリークスが明らかにしたのである。それを誤魔化すためにアメリカの有力メディアがCIAやFBIと共謀して引き起こしたのが「ロシアゲート」騒動だ。

 ゲルシュコビッチのケースは情報が少ないので何とも言えないが、有力メディアの対応がアッサンジのケースと違いすぎる。


https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202304020001/

26. 保守や右翼には馬鹿し[140] lduO54LiiUWXg4LJgs2Ubo6tgrU 2023年4月26日 08:33:09 : nPN03INIdc : SUtFM3Z2cDV0Y00=[1] 報告
米国で反ネオコンのFoxニュースのタッカー・カールソンが解雇に
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14107548
27. 保守や右翼には馬鹿し[192] lduO54LiiUWXg4LJgs2Ubo6tgrU 2023年5月20日 22:03:47 : 9yppaRr6IU : cDdWdzlnUHhyU1E=[10] 報告
<■73行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
 世界は大きな歴史の転換点を通過中です。第2次世界大戦後に始まった「アメリカの時代」が終わりつつあるのですが、アメリカの支配者は新たな時代でも覇権を維持しようともがき、戦乱を世界に広げていると言えるでしょう。

 第2次世界大戦でユーラシア大陸は主要な戦場になり、西のヨーロッパから東の中国まで破壊、殺戮、略奪の場になったのですが、アメリカは事実上戦場にならず、兵器ビジネスが成長し、ドイツや日本が占領地で略奪した財宝を手に入れたと考えられています。そして「アメリカの時代」が始まりますが、今、その時代が終焉を迎えようと言えるでしょう。

 そうした変化の時代には正確な情報の入手と正しい分析が特に必要です。ところが多くの人が情報源にしている有力メディアは支配者のプロパガンダ機関にすぎません。1991年に開かれた「新聞・放送・出版・写真・広告の分野で働く800人の団体」が主催する講演会でジャーナリストのむのたけじが話したように、「ジャーナリズムはとうにくたばった」のです。(むのたけじ著『希望は絶望のど真ん中に』岩波新書、2011年)

 1980年代の状態を言っているのでしょうが、当時に比べて現状は遥かに悪いと言えるでしょう。いわゆる「バブル」の時代に入り、記事や番組の質に関係なく広告収入が入るようになり、裏では優秀な記者が排除されてマスコミは劣化していきました。

 1987年5月3日には朝日新聞阪神支局の編集室に覆面をしたふたりが押し入り、散弾銃を発射して小尻知博記者を殺害、犬飼兵衛記者に重傷を負わせていますが、この事件もマスコミを沈黙させる要因になっているように見えます。カネと地位を求めるなら、支配システムの一員としてプロパガンダに徹していた方が良いと考えたマスコミ人が少なくないようです。

 「記者は自分の頭の中で描いた“架空の真実”に執着しがちであり、そこから自分でも想像しなかった虚像づくりが始まってしまう」と斎藤茂男は1990年1月に書いています。その“架空の真実”は官庁、企業、団体などが加工した情報に多少の手を加えた代物にすぎません。記者たちは「教育」で刷り込まれた先入観に基づき、手を加えます。

 斎藤茂男が共同通信に入社した1952年に大分県直入郡菅生村(現竹田市菅生)で駐在所が爆破されるという事件があり、近くにいた共産党員ふたりが逮捕され、3人が別件逮捕されました。

 この事件でカギを握る人物だと見られた市木春秋は事件後に姿を消すのですが、共同通信の特捜班が見つけ出します。その証言から彼は国家地方警察大分県本部警備課の警察官、戸高公徳であり、ダイナマイトを入手し、駐在所に運んだのも彼だと言うことがわかります。この警官を東京都新宿区のアパートで発見、証言させた取材チームのひとりが斎藤でした。

 ちなみに、戸高は有罪が言い渡されたものの刑は免除され、判決から3カ月後に警察庁は戸高を巡査部長から警部補に昇任させ、しかも復職させています。最終的に彼は警視長まで出世、警察大学の術科教養部長にもなり、退職後も天下りで厚遇されました。それほどのことを警察組織がしなければならない背景がこの事件にはあるということでしょう。

 松橋忠光元警視監によると、アメリカは1959年から「1年に2人づつ警視庁に有資格者の中から選ばせて、往復旅費及び生活費と家賃を負担し、約5か月の特殊情報要員教育を始めた」そうです。(松橋忠光著『わが罪はつねにわが前にあり』オリジン出版センター、1984年)

 公式文書に記載された渡航目的は「警察制度の視察・研究」ですが、実際はCIAから特殊訓練を受けたのだといいます。またCIAから受けた講習の中でハリウッドのスパイ映画を何本か見せられ、「その製作に相当関与」していることをそれとなく教えてもらったとも書いています。

 その後、こうした仕組みがなくたったとは思えません。公安警察の背後にはCIAが存在していると考えなければならないでしょう。同じことが検察の特捜部についても言えそうです。有力メディア、特に国際問題を担当している人びとの中もCIAと関係している記者や編集者がいるという噂は以前からあります。

 リチャード・ニクソン米大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」の取材で中心的な役割を果たしたカール・バーンスタインはワシントン・ポスト紙を1977年に辞め、ローリング・ストーン誌に「CIAとメディア」というタイトルでCIAと有力メディアの癒着を明らかにしました。

 また、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だったウド・ウルフコテは2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出版、その中で多くの国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発しています。

 新聞、雑誌、放送、出版、いわゆる「言論」を生業にしているはずの人びとの大半は言論を放棄しました。情報の入手と分析を有力メディアやそこに登場する専門家などに頼ることはできません。自分自身で調べ、考える必要があるのですが、本ブログがその一助になればと願っています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202305200000/

28. 2023年8月26日 05:50:40 : g3ayQit2xY : c25WNE5EaHFkSVk=[2] 報告
覇権国家が没落するときに何が起こるか _ 国家没落前のメディアの姿
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14144081
29. 2023年9月11日 05:59:26 : j6spJqfI6w : Qm11UVJ3VVhQSms=[1] 報告
【そうきチャンネル】『CIAのメディア支配』・ウキペディアとワシントンポスト 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)
渡辺 惣樹 2023/09/02
https://www.youtube.com/watch?v=FpBbNH1ds5c&t=1s
30. 2023年10月23日 21:01:32 : vOOrmMw8F6 : UG5ydFhtWDRsR2s=[7] 報告
<■91行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2023.10.23XML
ガザの惨状を伝える映像で再確認された西側有力メディアの偽ウクライナ報道
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310230000/

 イスラエルは白リン弾を含む兵器でガザを攻撃、建物は破壊されて瓦礫の山になり、血まみれになった死傷者の映像がインターネットを通じて世界へ発信されている。犠牲者が地下施設に避難しているハマスのメンバーでないことをベンヤミン・ネタニヤフ政権は理解しているはずだ。

 イスラエルのヨアブ・ギャラント国防相は10月9日、ガザの完全閉鎖を命じ、「電気も食料も燃料もなくなる。我々は人間獣と戦っているのだ」と宣言した。戦っている相手を「ハマス」と解釈している人もいるようだが、実態は市民。その約半数は子どもである。

 欧米のエリートもそうした実態を熟知しているはずだが、そのうえでイスラエル支持を打ち出している。そうしたひとりがイギリス労働党のキア・スターマー党首だ。

 イギリスの労働党は1982年9月にイスラエル軍の支援を受けたファランジスト党がレバノンのパレスチナ難民キャンプのサブラとシャティーラでパレスチナ難民を虐殺してから親パレスチナへ切り替わった。

 そうした情況を懸念したアメリカのロナルド・レーガン政権はイギリスとの結びつきを強めようと考え、メディア界の大物を呼び寄せて善後策を協議し、米英エリート層を一体化させるために組織されたのがBAP(英米後継世代プロジェクト)だ。

 このプロジェクトでは宣伝が重視されたようで、有力メディアの記者や編集者が参加している。そこでBAPに関する情報はあまり流れなかった。

 そうした中、政治家の中で目をつけられたのがトニー・ブレアにほかならない。1994年1月に彼は妻のチェリー・ブースと一緒にイスラエル政府の招待で同国を訪問、帰国して2カ月後にロンドンのイスラエル大使館で開かれたパーティーに出席した。その時に全権公使だったギデオン・メイアーから紹介されたマイケル・レビーはその後、ブレアの重要なスポンサーになった。

 そのブレアが労働党の党首になるチャンスが訪れる。当時の労働党党首、ジョン・スミスが1994年の5月に急死、その1カ月後に行われた投票でブレアが勝利して新しい党首になったのである。

 レビーだけでなく、イスラエルとイギリスとの関係強化を目的としているという団体LFIを資金源にしていたブレアは労働組合を頼る必要がない。そのブレアは「ニューレーバー」の看板を掲げ、「ゆりかごから墓場まで」という歴史的な労働党の路線を放棄した。外交面では「親パレスチナ」に傾いていた労働党を再び「親イスラエル」に戻した。

 1997年5月に首相となったブレアの政策は国内でマーガレット・サッチャーと同じ新自由主義を推進、国外では親イスラエル的で好戦的なものだった。

 こうしたブレアのネオコン的な政策への反発に後押しされて2015年9月から党首を務めめることになったのがジェレミー・コービン。アメリカやイギリスの情報機関もコービンを引きずり下ろそうと必死になり、有力メディアからも「反ユダヤ主義者」だと批判された。

 コービンに対する攻撃には偽情報も使っているが、その重要な発信源のひとつが2015年に創設されたインテグリティ・イニシアチブ。イギリス外務省が資金を出している。「偽情報から民主主義を守る」としているが、その実態は偽情報を発信するプロパガンダ機関だ。

 そして2020年4月4日、労働党の党首はキア・スターマーに交代。​彼はイスラエルに接近、自分の妻ビクトリア・アレキサンダーの家族はユダヤ系だということをアピールしている​。彼女の父親の家族はポーランドから移住してきたユダヤ人で、テル・アビブにも親戚がいるという。労働党はブレアの路線へ戻り、今回のイスラエルによるガザ攻撃でもイスラエル支持を明確にしている。

 こうした日米欧エリート層の結託を揺るがしているのが、瓦礫の山と化した街や血まみれのガザ市民を移した映像。エリート層が都合の悪い映像を検閲、削除しているが、それでも事実はインターネットを通じて伝えられる。

 そこで、改めて指摘されているのがウクライナにおける西側のプロパガンダ。ウクライナではアメリカ/NATOの支援を受けたネオ・ナチの住民虐殺はガザと同じように世界へ発信されたが、有力メディアが盛んに宣伝してきたロシア軍の蛮行を裏付ける映像はガザの場合と違い、見当たらない。ガザではウクライナのネオ・ナチより酷いことが行われている。

 アメリカは1980年代からプロパガンダを重視するようになった。その始まりはロナルド・レーガン大統領が1983年1月に署名したNSDD11だ。そして「プロジェクト・デモクラシー」や「プロジェクト・トゥルース」がスタートした。「デモクラシー」という看板を掲げながら民主主義を破壊し、「トゥルース」という看板を掲げながら偽情報を流し始めたのである。

 石油利権をめぐる対立からクウェートへイラクが軍事侵攻した後、イラクを攻撃する下地造りとして、1990年10月にアメリカ議会では人権に関する議員集会が開かれた。

 その集まりにひとりのクウェート人少女「ナイラ」が登場、イラク軍の冷酷な行為を告発してサダム・フセインに対する憎悪をかき立て、イラクに対するアメリカの軍事侵攻につながる。

 彼女はイラク軍が病院から医療機器を盗み、その際に保育器から乳児が外へ出され、乳児は死んでいったと涙ながらには語っているのだが、この話は真っ赤の嘘だった。

 その少女は駐米クウェート大使だったサウド・ビン・ナシル・アル・サバーの娘で、イラク軍がクウェートに軍事侵攻した状況を知る立場にはなかった。つまり目撃していないクウェートでの出来事を迫真の演技で話したわけだ。この演技力のある少女を使った偽証の演出を担当したのは広告会社、ヒル・アンド・ノートン。クウェート政府が1190万ドルで雇ったという。

 その後、広告会社や有力メディアはタッグを組み、米英支配層のためにプロパガンダを進めていく。例えば、ユーゴスラビアを先制攻撃する際にも、2001年9月11日の世界貿易センターやアメリカ国防総省に対する攻撃にも、2011年にシリアやリビアを攻撃する際にも、2014年にウクライナでクーデターを実行する際にもプロパガンダは強力に推進された。


https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310230000/

31. 2023年11月02日 15:17:59 : wVFjy760I2 : cEpQQUNRekw3bDI=[1] 報告
<■118行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2023.11.02XML
イスラエル軍のガザでの虐殺の怒りは世界に広がり、OHCHR幹部が抗議の辞職
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311020000/

 OHCHR(国連人権高等弁務官事務所)のニューヨーク事務所で所長を務めてきたクレイグ・モクヒバーが辞職した。モクヒバーは10月28日、フォルカー・ターク国連人権高等弁務官へ宛てた書簡の中で、私たちの目の前で再びジェノサイドが展開されていると主張、「これがあなたへの最後の通信になるだろう」と述べている。

 イスラエル軍によるガザへの攻撃で多くのパレスチナ市民が殺されている状況を「ジェノサイド」と表現したわけだが、そのジェノサイドを防ぐ義務を国連が怠るどころか、アメリカの権力者やイスラエル・ロビーに屈服し、パレスチナを植民地化するプロジェクトは最終段階に入ったと主張している。

 国連だけでなく、アメリカ、イギリス、そしてヨーロッパの多くの国も彼は批判している。「これは大量虐殺の教科書的な事例」であり、アメリカ、イギリス、そしてヨーロッパの多くの国はジュネーブ条約に基づく条約上の義務を果たすことを拒否しているだけでなく、イスラエルを武装させ、経済や情報の面でも支援し、イスラエルの残虐行為を政治的、外交的に援護しているとモクヒバーは批判した。欧米諸国は共犯者だというわけだ。

 また、西側有力メディアの責任も指摘している。パレスチナ人を非人間的な存在に仕立て上げ、大量虐殺を助長し、戦争のプロパガンダや国家的、人種的、宗教的な憎悪を発信し続けているというのだ。

 OHCHRの高官としては激しい内容の発言だが、このモクヒバーの主張は基本的に正しい。

 1991年12月にソ連が消滅、それから間もない92年2月にネオコンはアメリカ国防総省のDPG(国防計画指針)草案という形で世界制覇プランを作成した。その中心がポール・ウォルフォウィッツ国防次官だったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 ソ連が消滅した段階で、当時のディック・チェイニー国防長官やウォルフォウィッツ国防次官を含むネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと認識、誰に遠慮することなく好き勝手にできる「アメリカの時代」がきたと信じていた。そうした中、「リベラル」や「革新」を自分のキャラクターにしていた人びとの少なからぬ部分もアメリカへ従属するようになった。そうした中、国連も急速に堕落していく。

 第2次世界大戦後、ホワイトハウスの主導権を奪還したウォール街は情報機関を存続させ、情報操作プロジェクトを始めた。「モッキンバード」だ。

 デボラ・デイビスが書いた『キャサリン・ザ・グレート』によると、そのプロジェクトが始まったのは1948年頃。それを指揮していた4人は情報機関の活動をしていたが、その背景は国際金融資本だ。

 その4人とは、大戦中からOSSで破壊活動を指揮していたアレン・ダレス、ダレスの側近で戦後に極秘の破壊工作機関OPCを率いていたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で後にCIA長官に就任するリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだ。フィリップの妻がウォーターゲート事件で有名になったキャサリーン。(Deborah Davis, “Katharine the Great,” Harcourt Brace Jovanovich, 1979)

 フィリップはキャサリーンと離婚し、すぐに再婚してワシントン・ポスト紙を自分ひとりで経営すると友人に話していたが、1963年6月に精神病院へ入り、8月に自殺している。フィリップと親しかったジョン・F・ケネディが暗殺されたのはその3カ月後だ。

 ワシントン・ポスト紙の記者としてウォーターゲート事件を取材したカール・バーンスタインはリチャード・ニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。

 その記事によると、1977年までの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとバーンスタインにCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だったウド・ウルフコテは2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出版、その中で多くの国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発している。

 彼によると、CIAに買収されたジャーナリストは人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開する。その結果、ロシアとの戦争へと導いて引き返すことのできないところまで来ているとしていたが、現実になった。そのウルフコテは2017年1月、56歳の時に心臓発作で死亡している。

 情報操作のネットワークは私企業の世界へも張り巡らされてきた。例えば、2020年に始まったCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動ではアメリカ政府の公式説明に反する情報をグーグルやフェイスプックなどシリコン・バレーのハイテク企業は検閲している。

 ベトナム戦争もアメリカ政府は作り話で始めたが、広告会社が主導したプロパガンダとしては1990年10月10日にアメリカ下院の人権会議という非公式の集まりで行われた「ナイラ」なる女性の証言が有名だ。

 彼女はクウェートの病院で働いていた看護師を名乗り、イラク兵が保育器を盗んで多くの赤ん坊を殺したなどと主張、好戦的な雰囲気を作り出す一因になったのだが、この「証言」を演出したのはヒル・アンド・ノールトンというアメリカの広告会社で、雇い主はクウェート政府だった。

 ナイラが話したイラク軍の残虐行為は嘘だったのだが、その作り話を涙ながらに語った少女はアメリカ駐在クウェート大使だったサウド・アル・サバーの娘、ナイラ・アル・サバーだ。勿論、イラク軍がクウェートへ攻め込んだ当時、ナイラは現場にいなかった。幼い子どもが殺されたという話は一般受けするとヒル・アンド・ノールトンは考えたのだろう。

 ハマス(イスラム抵抗運動)が10月7日にイスラエルを攻撃した際、イスラエルでは40人の乳児の首をハマスの戦闘員が切り落としたとする話がイスラエルのニュースチャンネルi24などによって広められた。

 この話がパレスチナ人に対するジェノサイドを正当化する心理を生み出したのだろうが、その話を裏付ける証言も証拠もなかった。攻撃の直後、ガザとの境界近くにある入植地を訪れたイスラエルのメディアの記者が犠牲者の遺体を回収した兵士の証言だとして報道した。

 ジョー・バイデン大統領やイスラエルのニル・バルカット経済相もこの話を広めたが、別の記者がこの話は検証されていないと指摘、そうした話を広めるのは無責任だと批判する。

 バイデンはイスラエルでテロリストが子供を斬首している確認された写真を見たと主張していたが、翌日には発言を撤回、報道官はバイデンがそのような写真を見た事実はないと語った。バイデンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の話をそのまま事実として口にしただけだと説明されている。

 そうした残虐行為があったことを示す直接的な証拠や証言がないだけでなく、イスラエル政府は赤ん坊の名前を公表せず、悲嘆に暮れる家族の映像や証言も見当たらない。それでもイスラエルの子ども40人が斬首されたという話はガザで子どもを含む市民を虐殺する作戦の突破口を開いた。

 そしてガザでは8500名以上の市民が殺され、その約4割は子どもだ。瓦礫の下敷きになって死んだ子どもや嘆き悲しむ家族などの映像が次々と発信されていた。そこでイスラエル政府はインターネットを遮断するなど虐殺の実態が漏れないようにしている。ウクライナではネオ・ナチが反クーデター派の住民を虐殺、その映像も発信されたが、その後、削除された。それでも虐殺の記憶は消えない。

 ガザでのイスラエルによるジェノサイドに対する怒りはイスラム国だけでなく世界中に広がっている。モクヒバーのような立場の人にあそこまで言わせる怒りがアメリカやイスラエルへ今後、向かう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311020000/

32. 中川隆[-11631] koaQ7Jey 2024年2月12日 08:33:38 : EZ1Kcv5cQk : TTJaaXFRS29EeHc=[2] 報告
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2024.02.08XML
タッカー・カールソンがロシアのプーチン大統領にインタビュー
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402080001/

 アメリカのジャーナリスト、タッカー・カールソンが2月6日、ロシアのウラジミル・プーチン大統領にインタビュー、ジョー・バイデン政権は激怒しているようだ。EUにはカールソンの入国を拒否する動きがあるという。

 カールソンはFOXニュースの人気司会者だったが、昨年4月21日に解雇されている。彼に限らず、アメリカ支配層にとって都合の悪い報道をするジャーナリストはメディアの世界から追い出されてきた。ウクライナやパレスチナでは命が奪われている。

 こうしたことはヨーロッパでも行われてきた。例えば、アメリカのジョージ・W・ブッシュ政権がイラクを先制攻撃する際、イラクが大量破壊兵器を保有しているという話を作り上げたが、イギリスのトニー・ブレア政権はこのでっち上げに協力している。2009年9月にブレア政権は「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」というタイトルの報告書(9月文書)を作成、メディアにリークして人びとを脅しているのだが、これが嘘だったのだ。

 その事実を2003年5月29日にBBCのアンドリュー・ギリガン記者がラジオで取り上げ、粉飾されていると語った。アラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切り、45分で破滅するという話を挿入したと言ったのだ。

 事実を伝えたBBCはブレア政権から激しく攻撃され、ギリガンはBBCを追い出されるたが、それだけでなく放送局の執行役員会会長とBBC会長は辞任に追い込まれた。この後BBCは単なるプロパガンダ機関になった。

 ギリガンの情報源が国防省の生物兵器防衛部門を統括していたデイビッド・ケリーだということをイギリス政府は探り出して尋問、その名前が7月9日にリークされた。ケリーは15日に外務特別委員会へ呼び出され、17日に変死。手首の傷からの大量出血や鎮痛剤の注入が原因とされたが、手首の傷は小さく、死に至るほど出血したとは考えにくい。しかも彼は古傷のため、右手でブリーフケースを持ったりドアを開けたりすることができなかった。ステーキを切ることもできなかったと言われている。(Miles Goslett, “An Inconvenient Death,” Head of Zeus, 2018)

 現場に駆けつけた救急救命士のバネッサ・ハントによると、ケリーの左の手首には乾いた血がこびりついているだけで傷は見えなかったという。ハントの同僚であるデイビッド・バートレットはケリーの服についていた血痕はジーンズの膝についていた直径4分の1インチ(6ミリメートル)程度のものだけだったと証言している。そのほかにも不可解な点が少なくない。(前掲書)

 日本の有力メディアも単なる宣伝機関になっているが、1960年代にはカールソンのようなジャーナリストもいた。

 例えば、毎日新聞の外信部長だった大森実は1965年9月に北ベトナムの首都ハノイへ入って取材、アメリカ軍がハンセン病の病院を爆撃した事実を伝える。その報道に激怒したアメリカのエドウィン・ライシャワー駐日大使から批判された大森は1966年1月に会社を去った。毎日新聞以外もハノイ入りを狙っていて、朝日新聞の外報部長だった秦正流は大森より少し遅れてハノイ入りしている。

 また、TBSのキャスターを務めていた田英夫は北爆下のハノイを取材し、「ハノイ、田英夫の証言」を1967年10月に制作。当時の日本政府はTBSの社長、担当常務、報道局長を呼びつけて叱責したが、アメリカ政府が怒ったということだろう。その後、田はテレビから追放された。

 勿論、今の日本のマスコミにそうした取材をする記者はいない。権力者のお膳立てに従って動き、指示通りに伝えるだけだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402080001/

33. 中川隆[-11630] koaQ7Jey 2024年2月12日 10:48:33 : EZ1Kcv5cQk : TTJaaXFRS29EeHc=[3] 報告
<■87行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.02.10XML
カールソンによるプーチンへのインタビューを米国のエリートが恐怖する理由
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402100000/

 ​タッカー・カールソンが2月6日に行ったウラジミル・プーチン露大統領とのインタビュー映像が公開された​。プーチンが過去に語ったことから逸脱する話はその中になく、「スクープ」があったとは思えない。それでもアメリカでは大騒動だ。

 プーチンはロシアがウクライナに対する軍事作戦を始めた理由を説明するため、中世までの歴史を語った。現在の出来事は過去の出来事の結果であり、歴史は因果の連鎖だ。ロシアとウクライナとの関係を説明するため、中世までさかのぼることは正しい。ちなみに、日本とアメリカの関係を理解するためには戦国時代までさかのぼる必要があると本ブログでは考えている。

 現在ウクライナとされている地域がソ連時代に形作られたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。ソ連消滅後、自分たちがロシア人だと考えているウクライナの東部や南部の人びとは西部から離脱しようとしたが、それは実現しなかった。ウクライナを新自由主義化しようとした西側の巨大資本は黒海に面した南部、そして資源が豊富で穀倉地帯の東部を欲しかったのだ。

 しかし、東部や南部の住民だけでなく、ウクライナ人の多くはロシア人との対立を望んでいなかった。そうした中、ロシアとの関係を重視するビクトル・ヤヌコビッチは2004年11月に行われた大統領選挙で勝利する。そこで始まったのが「オレンジ革命」だ。

 選挙の直後からユシチェンコ陣営は選挙で不正があったと主張し、デモや政府施設への包囲を始めて国内を混乱させて政権奪取に成功したのだ。そしてアメリカは新自由主義者のビクトル・ユシチェンコを大統領に据えることに成功した。

 ユシチェンコは2005年1月から10年2月まで大統領を務めるが、彼の導入した新自由主義的な政策は一部の腐敗勢力に富を集中させてオリガルヒと呼ばれる富豪を生み出す一方、大多数の庶民を貧困化した。そこで、2010年の大統領選挙でユシチェンコが再び勝利し、大統領に就任した。そこでアメリカ支配層は2013年11月から14年2月にかけてクーデターを実行するのだが、その手先はNATOから訓練を受けたネオ・ナチだった。

 クーデター体制になると軍や治安機関のメンバーのうち約7割が離脱し、東部や南部の住民もクーデターを拒否する。南部のクリミアに住む人びとはロシアの保護下に入り、東部のドンバスでは内戦が始まった。その際、軍や治安機関から離脱した人びとの一部ばドンバスの反クーデター軍へ合流したと言われている。

 そのため反クーデター軍は強く、アメリカはクーデター体制の戦力を増強し、要塞線を築くために時間が必要になった。そこで出てきたのがミンスク合意にほかならない。その合意で仲介役を務めたドイツの​アンゲラ・メルケル​(当時の首相)は2022年12月7日、ツァイトのインタビューでミンスク合意は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認めている。その直後に​フランソワ・オランド​(当時の仏大統領)はメルケルの発言を事実だと語った。

 アメリカ/NATOは8年かけてクーデター体制の戦力増強に努める。武器弾薬を供給、兵士を訓練、さらにドンバスの周辺に要塞線を構築したのだ。

 この地域にはソ連時代から地下要塞が作られていた。その中には親衛隊の中核だったアゾフ大隊が拠点にしたマリウポリ、岩塩の採掘場があるソレダル、その中間にあるマリーインカも含まれていた。

 ロシアとの軍事的な緊張を高めると同時に経済封鎖を推進してきた西側の勢力はカールソンのインタビューに激怒している。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、イギリスの支配層は19世紀からロシアを征服しようとしてきた。そのロシアと新興国ドイツを戦わせようとしたのが第1次世界大戦だ。その当時、戦争に反対する大地主と戦争に賛成する資本家が対立、グレゴリー・ラスプーチンとフェリックス・ユスポフがそれぞれの象徴的な存在だった。ユスポフと親しかったスティーブン・アリーとオズワルド・レイナーはイギリスの対外情報機関MI6のオフィサーであり、ラスプーチンを実際に射殺した拳銃を所持していたのはレイナーだ。

 ラスプーチン暗殺後、ロシアでは「二月革命」で資本家が実権を握るが、それを嫌ったドイツがボルシェビキの指導者を列車でロシアへ運んでいる。そして「十月革命」が起こり、ボルシェビキの体制が成立。ソ連とドイツはナチスが台頭するまで友好的な関係を維持した。

 そのソ連との関係修復を訴えたのがアメリカのジョン・F・ケネディ大統領だ。1963年6月10日、アメリカン大学の卒業式で「平和の戦略」と呼ばれる演説を行い、ソ連と平和共存する道を歩き始めると宣言している。

 その演説の冒頭でケネディは軍事力で世界に押しつける「パックス・アメリカーナ(アメリカ支配による平和)」を否定、アメリカ市民は「まず内へ目を向けて、平和の可能性に対する、ソ連に対する、冷戦の経過に対する、また米国内の自由と平和に対する、自分自身の態度を検討しはじめるべき」(長谷川潔訳『英和対訳ケネディ大統領演説集』南雲堂、2007年)だと語りかけたのだ。

 ソ連とアメリカとの間で全面戦争が起こればいずれの国も破壊されるとケネディは主張、冷戦の段階でも「両国はともに無知と貧困と病気を克服するためにあてることができるはずの巨額のカネを、大量の兵器に投じている」と警鐘を鳴らし、最後に「われわれは人類壊滅の戦略に向かってではなく、平和の戦略に向かって努力し続けるのです」と語り、演説を終えている。(前掲書)

 その年の11月22日、テキサス州ダラスでケネディ大統領は暗殺され、この戦略が実行に移されることはなくなった。ソ連/ロシアとアメリカが友好的な関係を築くことを恐れている勢力はタッカー・カールソンのインタビューに激怒しているだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402100000/

34. 中川隆[-11628] koaQ7Jey 2024年2月12日 11:11:36 : EZ1Kcv5cQk : TTJaaXFRS29EeHc=[5] 報告
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2024年02月11日
哲人皇帝プーチン / 国益を重視する民族主義者
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68956509.html

言論の自由を失ったアメリカ
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(左 : タッカー・カールソン / 右 : ウラジミール・プーチン大統領)

  皮肉な事だが、冷戦に勝ったずのアメリカでは、報道や言論の自由が抑圧され、不気味な全体主義がはびこっている。かつて、ソ連には「プラウダ(真実)」という新聞があったけど、当時のロシア人(一般国民)は誰も「プラウダ」の報道が“真実”を伝えているとは思わなかった。西側のヨーロッパ人やアメリカ人は、言論封殺の独裁国家を嗤(わら)っていたけど、まさか自分たちの国が「ソ連化」になるとは夢にも思っていなかったはずだ。

  ミハイル・ゴルバチョフと交渉していたロナルド・レーガン大統領は、あるパーティーの席で次のようなジョークを披露していた。

  ロシア人を前にした或るアメリカ人が、自国の自由を自慢した。「私はホワイトハウスの執務室に怒鳴り込み、大統領の面前で机を叩き、“あなたの政策に私は反対だ”と言える自由があるんだぞ!」と喝破した。すると、話を聞いていたロシア人は驚かず、「私たちもできる」と言い返した。曰く、「私もクレムリンに乗り込み、書記長の前で“私はレーガン大統領の遣り方に反対だ!”」と。

  レーガン大統領のジョークを聞いた聴衆はみな大爆笑。2004年に亡くなったレーガン大統領が、現在の米国を目にしたら、一体どんな感想を述べるのか?

  2月8日、アメリカの保守派国民の間では、タッカー・カールソンのインタビュー映像が瞬時に話題騒然となった。FOX TVの元キャスターで、禁断の領域に踏み込んだカールソン氏は、失業者となったけど、ジャーナリストの魂までは失っていなかった。政府からの妨害工作にもめげず、彼はウラジミール・プーチン大統領に渡りをつけ、インタビュー交渉に成功した。カールソン氏は以前にもインタヴューを試みたが、この動きを傍受したNSA(国家安全保障局)の妨害を憂慮し、不本意ながらもインタビューを諦めたことがあるそうだ。もし、強硬に取材計画を進めていたら、カールソン氏は社会的に抹殺されていただろう。たぶん、何らかの人格攻撃を仕掛けられるか、個人的なスキャンダルを暴かれて、人生の終わりとなった可能性は高い。必要とあれば、政府の工作員は捏造記事をブレンドして攻撃を加えるから、民間人のカールソン氏は一巻の終わりだ。

  日本の地上波テレビはあまり取り上げなかったが、カールソン氏のインタビュー映像は、我々日本人にとっても非情に興味深い対談であった。(この動画はカールソン氏の独自サイト「Tucker Carlson Network」で視聴できる。ただし、英語通訳の対談となっているため、英語が苦手な日本人は、日本語字幕が附いたYouTube動画を観るといい。本来なら、NHKが翻訳を加えて全部を流すべきなんだけど、現在の日本では民間の有志が国民のために尽くしている。)

  インタビューで表明されたプーチンの見解や回答は、色々な解釈ができよう。しかし、大切なのは各国民が自分の目と耳で確かめ、自分自身の考えで判断することだ。日本のマスコミは論外だが、アメリカのCNNやABC、ブリテンのBBCとかフランスのAFPはバイデン政権の味方である。偏向報道が当たり前のメディアは、きっと「こんなのはプーチンによるロシア側の政治宣伝だ!」と盛んに批判するはずだ。でも、報道規制や言論封殺を繰り返してきた連中は、プーチンの発言を「嘘っぱち」と却下できるのか? タッカー・カールソンを貶す前に、自分たちの大衆操作を反省すべきだろう。

  予想通り、タッカー・カールソンはプーチンに対し、ウクライナ紛争に関する質問を投げかけていた。通訳を介して質問を聞いていたプーチンは、米国や日本の保守派国民が既に知っている見解を述べていた。例えば、英米側がミンスク合意を破り、NATOの東方拡大を強行したという内容だ。(軍事衝突の停止を決めた「ミンスク議定書Minsk Protocole」の件は日本でも報道されている。) この解釈はアンゲラ・メルケル前首相の発言を思い出せば、ある程度「もっともな反論」と頷くことができよう。メルケルはティナ・ヒルデブラントやジョヴァンニ・デ・ロレンツォによるインタビューを受けた時、次のように述べていた。

  2014年のミンスク協定(Minsker Abkommen)は、ウクライナに時間を与えるための試み(Versuch)だった。("Hatten Sie gedacht, ich komme mit Pferdeschwanz?" , Interview: Tina Hildebrandt und Giovanni di Lorenzo, Die Zeit, 7 Dezember 2022.)

  その後の展開を思い出せば判るけど、英米がミンスク合意を利用し、ウクライナを強くするために“時間稼ぎ”をしたことは確かだ。ヴィクトリア・ヌーランド達が仕組んだ「クーデタ」は、仲間内の会話が暴露され、今では日本人にも知られている。

  そもそも、当時の軍事バランスを考えれば、ウクライナ軍がロシア軍を撃退するなんて無茶な冒険だ。たとえ歐米諸国の支援があっても、ウクライナ側が苦戦するのは予想できたはずである。しかし、オルガルヒとバイデン政権にとっては、ウクライナ人は単なる“使い捨ての駒”でしかない。ウクライナ兵が何人死のうがお構いなしだ。仮に、ウクライナが勝たなくても、泥沼の長期戦に持ち込めば、ロシア側の国力を削ぐことになるし、新たな冷戦構造の構築にもなるから、軍産複合体にとったら“喜ばしい不幸”である。

歴史に残る偉大な指導者

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(左 : 1980年代のウラジミール・プーチン / 中央 : KGBを辞めて政界に入った頃のプーチン / 右 : 妙に銃が似合うプーチン大統領 )

  カールソンが行ったインタビューで、最も印象的だったのは、プーチン大統領が“優秀な指導者”に見えたことだ。もちろん、プーチンは有能な諜報局員であったから、一般の視聴者に自分がどう映るのかは計算済みだ。たぶん、プーチンは対談の前にプロパガンダ職員と協議し、「どのような対応にしたら最も効果的か」を入念に検討したんじゃないか。ただ、頭脳明晰でプライドの高いプーチンだ。部下の言いなりで動くとは思えない。岸田文雄とは全く逆だ。もしかすると、自分の構想だけで本番に臨んだのかも知れない。バイデンゆ岸田と違って、プーチンは普段から、つまり若い頃から非情に勉強熱心だ。

  大統領報道官のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)によると、プーチンは今でも常に本を読んでおり、その大半はロシアの歴史に関する書物であるという。彼はロシア史の偉人が記した回顧録を読んでいるそうだ。(Fiona Hill and Clifford G. Gaddy, Mr. Putin : Operative in the Kremlin, Washington, D.C. : Brookings Institution Press, 2013, p.64.)

  一方、ジョー・バイデンは学生時代から怠け者で、誇張と嘘の常習犯。まともに勉強していなかったから、政治家になってもボロが出ていた。

  例えば、大統領選挙に挑戦した1987年、バイデンは昔の“ズル”を認めて選挙戦から離脱したことがある。法科大学(ロー・スクール)に通っていた頃、バイデンは論文を書くにあたって、法学雑誌の文章を“拝借”したそうだ。ところが、担当教授がこの“剽窃”を見抜いてしまったから、さあ大変。アメリカの大学は“チョロまかし”に対して非常に厳しい。論文の不正行為が発覚したから、バイデンはかなり焦ったのだろう。往生際の悪いバイデンは、大学側に「退学処分にしないでください」と泣きついた。

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(左 : 大統領選挙候補から撤退したジョー・バイデン / 右 : 痴呆症の大統領となったバイデン)

  しかし、「一度淫売、一生淫売(Once a whore, always whore.)」と言うように、卑怯者は何時まで経っても卑怯者のままである。報道陣を前にしたバイデンは、この「剽窃事件」を指摘されると「引用における誤りだった」と言い張り、「騙すつもりはなかった」と釈明していた。 (Joe Perticone,‘Joe Biden's first presidential run in 1988 cratered amid multiple instances of plagiarism’March 13, 2019) でも、バイデンは心の底から根性が卑しい。アイオワ州で開かれたイベントでも、ニール・キノック(Neil Kinnock / 英国労働党の議員)の演説を盗み取って、自分の演説にしていたのだ。後にアメリカの報道陣は、この“剽窃”を指摘する。盗作が発覚したたげても恥ずかしいのに、バイデンは学業成績の“水増し”までバレてしまったのだ。(Harrison Kass, 'Joe Biden Has Plagiarism Problems He Admitted', The National Interest, February 4, 2024.)アメリカには「生き恥を晒すくらいなら、潔く死を選べ」という格言が無いのかなぁ〜?

  歐米の主流メディアは、プーチンの受け答えを“狡猾な演技”と批判するが、これはアメリカの大衆操作と同じで、政治家なら誰でもすることだ。例えば、大統領選挙の公開討論に臨む候補者は、事前に心理学者や演出家、PR会社の専門家を雇い、選挙参謀や法律顧問と組んで何回もシュミレーションを行うことがある。しかし、何度リハーサルを重ねても“駄目な奴”はいるもので、その典型例がジョージ・W・ブッシュだ。2004年に行われたジョン・ケリーとの討論会を覚えている者なら解るはず。本番でドジる姿を見た側近は、「駄目だ、こりゃ!」と呟き、暗い表情で頭を抱えていたのかも。

  悪い時に悪い事は重なるもので、映像に映ったブッシュの背中には、奇妙な“膨らみ(bulge)”があった。これに気づいた一部のマスコミは、「何だ、これ?!」と騒ぎ立てた。テレビ局のスタッフも、「ブッシュは“何か”を背負っているんじゃないか?」と疑っていたから、親父のハーバート・ブッシュやジェイムズ・ベーカー、デック・チェイニーが「ダメージ・コントロール」を命じてもおかしくはない。選挙参謀のカール・ローブ(Karl Rove)も焦ったんじゃないか?

Robert Nelson 1( 左 / ロバート・M・ネルソン博士 )
  NASAの研究員であったロバート・M・ネルソン博士(Dr. Robert M. Nelson)は、ブッシュの背広の下には何らかの電子機器が隠されている、と疑っていた。(Kevin Berger,‘NASA photo analyst: Bush wore a device during debate', Salon, October 30, 2004.) おそらく、背中の突起物は通信機器で、外部の誰かが適切な答えを送信し、その音声をブッシュが聞いて質問に答える、という仕組みであったに違いない。要するに、ブッシュは腹話術の人形になっていた、という訳だ。討論会の後、ブッシュ大統領はマスコミからの“疑惑”を笑い飛ばしていたが、リベラル派のマスメディアは猜疑心でいっぱいだった。天文学や地質学を専攻するピッツバーグ大学のブルース・ハプケ教授は、マスコミからの取材を受け、“疑惑の膨らみ”に関する推測を述べていた。

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( 左 : 背中の「突起物」が目立つジョージ・W・ブッシュ大統領 / 右 : 推測された通信機器)

  話を戻す。カールソンから質問を受けたプーチンの受け答えは見事だった。このロシア大統領は用意周到で、ウクライナ侵攻の動機を話す前に、ロシアとウクライナの歴史を説明する。ただし、大卒でも一般のアメリカ国民は、基本的な東歐史はおろか、西歐史に関しても知識が乏しく、ロシア史に至ってはチンプンカンプンだから、どの程度アメリカ人が理解したのかは不明だ。何しろ、政治学の授業を取っている大学生だって、アレクサンドル・ソルジェニーツィン(Alexandr I. Solzhenitsyn)の『収容所群島』や、ロバート・コンクェスト(Robert Conquest)の『悲しみの収穫』を読んだことがある者は少ないし、ニコライ・ベルジャーエフ(Kikolai A. Berdyaev)の著作やセルゲイ・カラガノフ(Sergey A. Karaganov)の論文を知らない学生も結構多い。

George Clooney & puppy 222(左 / 仔犬を抱きかかえるアルマ夫人とジョージ・クルーニー )
  こんな塩梅だから、アメリカの一般国民は“特殊軍事作戦”の意味すら解らないし、“善悪二元論”でウクライナ紛争を判断して満足している。アメリカの一般国民は退屈な歴史講義よりも、スポーツ観戦や藝能スキャンダルの方に関心がある。俳優のジョージ・クルーニーが誕生日プレゼントとして、女房のアルマにセント・バーナードの仔犬を連れてきた、という記事の方に興味があるんだから。流血の戦場となったウクライナに大衆の関心は無い。

  プーチンは歴史的経緯を説明するため、キエフ公国やリューリック王朝(Rurikid dynasty)にまで遡ってロシア史を語っていたけど、対談を聴いていた一般人がどの程度理解したのかは判らない。しかし、ヨーロッパの歴史や文化に詳しい上層中流階級、そして軍事や地政学に一定の知識を有する教養人には、それなりのインパクトを与えたんじゃないか。というのも、“まとも”なアメリカ国民、特にウクライナ支援に懐疑的な軍人や保守派の国民、リアリスト学派の知識人がプーチンの話を聞けば、「まぁ、ロシア側にも一理あるよなぁ〜」と思ってしまうからだ。そもそも、平穏な暮らしを望むアメリカ人は、他国への「軍事介入」を嫌うし、「代理戦争」はベトナムでコリゴリときている。でも、ユダヤ人の上院議員であるチャック・シューマーは別。このユダヤ人左翼は、連邦議会、とりわけ共和党がウクライナへの財政支援を否決するなら、アメリカ軍を派兵すべきだ、と呼びかけていた。(Andrew Rodriguez, 'Schumer Warns U.S. Troops Will Be Sent to Fight Russians if Border Bill Is Not Passed, ' State of the Union, February 8, 2024.)

  歐米や日本のマスコミはロシアの侵略行為を糾弾するが、そもそも北方の熊を挑発したのはバイデン政権の方じゃないか! 政治力学を学んだ者がNATOの東方拡大を聞けば、「それは危険なギャンブルだ」と直ぐに解る。アメリカにとり中南米が“裏庭”なら、ウクライナはロシアにとっての“脇腹”だ。その脇腹に核兵器という匕首(あいくち)が突きつけられれば、プーチンじゃなくても蹶起するだろう。

国家主義者のプーチンと痴呆症のバイデン

  プーチンのインタビュー映像を観ていると、ソフト全体主義に陥ったアメリカと伝統的帝国主義を受け継ぐロシアの“どちら”が“まし”なのか判らなくなる。認めたくない光景だけど、現在のアメリカ合衆国大統領は、四軍の「最高司令官」どころか、その資格さえ無いボケ老人だ。痴呆症が進むジョー・バイデンは、ビックリするような事実誤認を口にしていた。まぁ、息子(ボー・バイデン)の死さえ間違えてしまうくらいだから仕方ないけど、聴衆を前にしたバイデンは、生きている人間と死んだ人間をごちゃ混ぜにしていた。

  例えば、ニューヨークで行われた資金集めの席で、バイデンは2020年の大統領選挙について触れていただが、その際、彼はヘルムート・コール首相と一緒に歐州事情を話していた、と発言していたのだ。だが、バイデンが話したのはアンゲラ・メルケル首相で、2017年に亡くなったコール氏ではない。現世と来世の区別がつかないバイデンは、ネヴァダ州でも“幽霊”と会話を交わしていたそうだ。バイデンは記者を前にして、1月6日の議事堂事件をフランソワ・ミッテラン大統領に語ったと述べていたが、それはエマニュエル・マクロン大統領のことである。('Biden mistakes living European leader for dead one – for second time in a week', The Guardian, 8 February 2024.) おそらく、バイデンは頭の中の記憶が錯綜しているんだろう。周知の通り、ミッテラン大統領は1996年に亡くなっている。バイデンの“迷言”を聴いたアメリカ国民は、「またかぁ〜」とウンザリしているんじゃないか。

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(左 : ヘルムート・コール / アンゲラ・メルケル / フランソワ・ミッテラン / 右 : エマニュエル・マクロン )

  一方、世界政治のキーパーソンと化したプーチンは、核大国の指導者らしく頭脳明晰だ。例えば、カールソンから経済問題を質問されると、プーチンは具体的な数字を挙げて貿易収支やエネルギー問題を語り出す。こうしたインタビュー映像を目にすれば、代理戦争に反対する軍人や国内経済を憂慮するビジネスマンは、何となく羨ましくなるし、保守派のアメリカ国民は“アメリカン・デモクラシー”に嫌気が差すだろう。言うまでもなく、米国は世界最強の軍隊を有する“超大国”なのに、それを統率する大統領が操り人形で、自分が何をやっているのか、何を喋っているのかも解らないボケ老人とくれば、高級将校じゃなくても涙が出てくる。

  「腐っても鯛」の米国で、未だにドナルド・トランプが人気を博しているのは、彼が「アメリカ・ファースト」、つまりアメリカ国民と合衆国の利益を優先し、偉大であった頃のアメリカを取り戻そうと呼びかけているからだ。プーチンも国家優先主義者で、ロシアの国益を追求する為政者である。プーチンは色々なイベントや会見でロシア固有の思想や民族性、そして歴史に根づくロシア正教といった信仰に言及している。彼が大切にするのは、愛国心や集団主義、結束、大国性(derzhavnost)、国家主義(gosudarstvennichestvo)といった価値観である。大統領に就任したプーチンは、次のように自身の国家理念を述べていた。

 我々にとり、国家とその制度および構造は、祖国と国民の生活において常に極めて重要な役割を果たしてきた。ロシア人にとって、強力な国家というのは敵対すべき変種ではない。逆に、強力な国家は秩序を保障する源泉であり、あらゆる変革を起動させる主な原動力である。・・・社会は国家の指導力や統率力の恢復を求めているのだ。(上掲、Fiona Hill and Clifford G. Gaddy, Mr. Putin : Operative in the Kremlin, p.36.)

  エリツィンの政権時代を経験したロシア人なら、政治的に混乱したロシアを立て直したプーチンの行政手腕を褒めるに違いない。何しろ、ソ連の崩壊を経たロシアは、ユダヤ人のオルガルヒが跳梁跋扈していた時代だ。ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)はテレビ局を買収し、ミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)は石油成金になっていた。ウラジミール・グシンスキー(Vladimir Gusinsky)やミハイル・フリードマン(Mikhail Friedman)、ウラジミール・ポタニン(Vladimir Potanin)、アレクサンドル・スモレンスキー(Alexander Smolensky)も“同じ穴の狢(むじな)”で、仲間とツルんでロシアの天然資源を強奪し、金融業界を牛耳っていた。

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(左 : ボリス・ベレゾフスキー / ウラジミール・グシンスキー / ミハイル・ホドルコフスキー / 右 : ウラジミール・ポタニン)

  こうした辛酸を嘗めていたから、ロシアの民衆がナショナリストのプーチンを称賛するのは当然だ。プーチンもロシアを強欲なユダヤ人から取り戻したという自負を持っている。プーチンが自分自身のことを国家の建設者(ゴスダルストヴェンニク/ gosudarstvennik)、すなわち国家の公僕と宣伝するのは、ちっともおかしくはない。ウォール街の大富豪とワシントンのネオコンに協力し、ロシアの資源をドンドン売り渡したボリス・エリツィンなんかは“国賊”だ。

  話を戻す。木偶の坊たるバイデンとロシアを憎むユダヤ人は、「ウクライナを侵掠したプーチンは赦せない! 政権転覆を目指せ!」と鼻息を荒くするが、一般のアメリカ国民にしたら、「南米からの侵入者を何とかしてくれ!」と言いたくなるだろう。南部だけじゃなく、ニューヨークやシカゴの国民も不満を漏らすくらいだから、アメリカの社会不安はかなり深刻だ。でも、バイデン政権は不法移民や偽装難民に苦しむ一般国民を無視。その一方で、勝ち目が全く無いウクライナには、600億ドルもの軍資金を与えようと必死なんだから、「お前はどこの大統領なんだ?!」と訊きたくなる。バイデンの言い草を聞いていると、穏健な国民だって激怒するぞ。自国を優先するプーチンと他国を優遇するバイデンとを比較すれば、普通のアメリカ人だって「何か変だ!」と感づく。

  カールソンのインタビューで面白かったのは、ノルドストリーム2の爆破に関する質問であった。カールソンの意図を察知したプーチンは、「あなた、判っているでしょ!」という反応で、二人とも笑みがこぼれていた。主流メディアしか観ていない人だと何を言っているのか解らないが、セイモア・ハーシュ(Seymour Hersh)の暴露記事を読んだ人なら、CIAや米国海軍、あるいはノルウェーかブリテンの諜報機関による破壊工作と判る。ドイツの政治家や知識人だって英米の極秘作戦に気づいているが、これを口に出せないのがドイツの悲劇だ。

  アメリカの闇を知っていても、カールソンは敢えてプーチンに答えを求め、なぜCIAの仕業と判っているのに、証拠を挙げて反論しなかったのか、もし証拠を提示すればプロパガンダ戦に勝つことができたのに、なぜあなたは使わないのか、と真面目に問い質していた。しかし、諜報機関の人間なら、一般的にこうした質問には答えない。下っ端の諜報員だって黙秘するのが鉄則だ。ましてや、KGB出身のプーチンなら絶対に情報源を口にしないだろう。公の席で“モグラ(潜入した手先)”の存在を明かすなんて、まず有り得ない。

  プーチンの受け答えは、本当に冴えていた。彼は不思議がるカールソンに向かって、その理由を説明する。プーチン曰く、たとえ証拠を提示しても、西側のメディアはアメリカの支配下にあるから、一般人を納得させるのは難しい、と。確かに、プーチンが仄めかす通り、歐米の主流メディアは金融業界や軍需産業の有力者、およびグローバリストのユダヤ人に牛耳られている。となれば、たとえロシアの報道機関が真相をリークしても、NBCやBBCといったマスメディアは、談合したかのように、息を合わせて「これはロシアの偽情報である!」と決めつけ、「プーチンの戦時プロパガンダ」に過ぎない、と斬り捨てる。

  2020年の大統領選挙だって、あれほどの不正行為が明らかになっても、大多数のアメリカ国民には伝わらず、八百長選挙の実態は闇に葬られていた。仕事や育児に忙しいアメリカ国民は、CNNのウォルフ・ブリッツァー(Wolf Blitzer)とか、MSNBCのレイチェル・マドー(Rachel Maddow)、PBSのジュディー・ウッドラフ(Judy Woodruff)、ABCのデイヴィッド・ミュアー (David Muir)といったキャスターの話を信じている。大手メディアのアンカーマンが、「根拠なき誹謗中傷」と却下し、「トランプ派による陰謀論」と断言するば、巷の大衆は「そうなんだぁ〜」と鵜呑みにする。「大手信仰」というのは、日本だけの国民病じゃない。

Wolf Blitzer 4234Rachel Maddow 213David Muir 111Judy Woodruff 1
(左 : ウォルフ・ブリッツァー / レイチェル・マドー / デイヴィッド・ミュアー / 右 : ジュディー・ウッドラフ )

Lester Holt 11Nora O'Donnell 111( 左 : レスター・ホルト / 右 : ノラ・オドンネル)
  カールソンが行ったインタビューは2時間を超える対談となってしまったが、インターネットで公開された映像は多くの視聴者を魅了していた。プーチン大統領に対する評価はともかく、この番組で印象的だったのは、大手メディアでは出来ないことを個人営業のカールソン氏がなしえたことだ。普通の日本人でも、「どうして、もっと早い段階(2022年か2023年)でプーチンへの取材を行わなかったのか?」と首を傾げてしまだろう。もし、全米放送のテレビ局が政府の“手先”でなく、“独立”したメディアであれば、NBCはレスター・ホルト(Lester Holt)を、CBSなら ノラ・オドンネル(Nora O'Donnell)をモスクワに派遣したはずだ。

  しかし、有名テレビ局の社長や重役は、「ブチャの虐殺」や「ケルチ大橋の爆発」が起こっても、クレムリンに特派員を差し向けず、一方的にロシアを非難するだけであった。本来なら、ニュース番組の名物キャスターを派遣し、直接、プーチン大統領や有力議員にコンタクトを試みるはずだ。たとえロシア側の「言い訳」でもいいから、反対意見の情報を紹介するのがジャーナリストの務めだろう。(日本のNHKや民放は、米国メディアの下請け企業だから最初から無理。)

  今回、クレムリンがカールソンの取材を承諾したのは、カールソンが“保守派のジャーナリスト”で、なるべく“公平性”を保とうと心掛ける人物であったからだろう。FOXをクビになって“独立系のジャーナリスト”になったカールソン氏は、テレビ局の上層部からの“圧力”を受ける立場ではない。YouTubeからは排除されたが、「X」で自由に発言できる身分になった。もし、彼が“忖度”を気にする「社員」のままであれば、冷静にプーチンの反論を聴くことはできなかったはずだ。

  “保守派メディア”と呼ばれるFOXでも、所詮、看板キャスターは「雇われ人」に過ぎない。プロデューサーや現場スタッフは、国務省の役人や社主のマードック家には逆らえないから、どうしてもプーチンを前にすれば“敵対的な態度”を取ることになる。保守派キャスターのショーン・ハニティー(Sean Hannity)やローラ・イングラム(Laura Ingraham)でも同じだ。上層部からの指令や禁止が言い渡され、不本意な質問しか口にすることはできない。おそらく、ハニティーやイングラムが特派員になっても、カールソンのようなインタビューにはならないし、不満を募らせるアメリカ人を満足させるような対談にもならないはずだ。

Sean HannityLaura Ingraham 111Rupert Murdoch 3234Victoria Nuland 1
( 左: ショーン・ハニティー / ローラ・イングラム / FOX所有者のルパート・マードック / 右 : 国務省のヴィクトリア・ヌーランド )

  プーチン大統領に対するンイタビュー番組には、様々な賛否両論があると思うが、岸田文雄へのインタビューよりマシだろう。まともな日本国民は岸田総理に対し、何も期待しないし、何を喋るのかさえ関心がない。「あの人は何がしたくて総理になったの?」というのが、一般国民の意見だ。日本の命運を左右する岸田総理がすることといったら、ウクライナへの巨額贈与とワクチン接種の更なる推進、新たな増税の準備、移民の本格的な輸入であるから、意気銷沈の国民は開いた口が塞がらない。

  新聞やテレビは「次の総理大臣は誰になるのか?」を話題にするが、候補者の顔ぶれを見た一般人はウンザリする。ゾッとするけど、唯一ヤル気満々で意欲的なのは小池百合子だ。この女帝なら、躊躇なくモスクワに飛んでプーチンと会談するんじゃないか? 元“美人キャスター”を自称する小池百合子ならやりかねない。「単独インタビューなら私に任せて!」と言いそうだ。もし、側近の誰かが「電撃訪問」を提案すれば、「あら、名案ね!」と喜ぶかも。“目立つ”ことが選挙の秘訣だからねぇ〜。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68956509.html

35. 中川隆[-11600] koaQ7Jey 2024年2月14日 16:00:49 : nPTssfmOvQ : Q1E2ZVdESzU4bjI=[4] 報告
<▽45行くらい>
2024.02.14XML
米国の電子的な監視システムに関する文書を内部告発したシュルティに懲役40年
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402140000/

 CIAが行なっている電子的監視やサイバー戦に関する文書「​Vault 7​」を内部告発支援グループのWikiLeaksへ渡したジョシュア・シュルティに対し、懲役40年の判決が2月1日に言い渡された。WikiLeaksの象徴的な存在だったジュリアン・アッサンジは2019年4月11日にエクアドル大使館の中でロンドン警視庁の捜査官によって逮捕され、現在、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束されている。

 内部告発とは支配層の悪事を暴く行為であり、支配層はそうした行為を許さない。アッサンジに逮捕令状が出る半年ほど前、WikiLeaksはバグダッドでアメリカ軍の戦闘ヘリコプターがロイターの特派員2名を含む非武装の十数名を銃撃、殺害する場面を撮影した映像を公開していたが、その映像をWikiLeaksへ渡したブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵も逮捕されている。

 シュルティ、アッサンジ、マニング以外にも内部告発した人たちはいる。例えば、電子情報機関NSAの不正を明らかにしたウィリアム・ビーニーやエドワード・スノーデン、イランへ核兵器に関する資料を渡してイラン侵略の口実を作るというCIAの危険な作戦を組織内部で警告したジェフリー・スターリング、そしてCIAなどによる拷問を告発したジャニス・カルピンスキーやジョン・キリアクらだ。慎重に動いたビーニーは家宅捜索を受けた程度で済んだものの、スノーデンはロシアへ逃げ込まざるをえなくなり、スターリングやキリアクは懲役刑、カルピンスキーは准将から大佐へ降格になった。事実が露見することを恐れている支配層は内部告発者を見せしめのため、厳罰に処している。

 アメリカの電子情報機関NSAとGCHQはUKUSAという連合体を編成し、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの機関を従えて情報を収集、分析している。通信技術が急速に発達し始めた1970年代から通信傍受のシステムを強化、その延長線上にVault 7もある。

 こうしたシステムによって全て彼らは通信をUKUSAは記録、さらにスマートテレビ、グーグル・クローム、マイクロソフト・エッジ、ファイアーフォックス、オペラを含むウェブブラウザ、スマートフォンやコンピュータのオペレーション・システムなどに侵入することも可能だ。

 2月6日にウラジミル・プーチン露大統領と会い、インタビューしたタッカー・カールソンも通信を盗まれていたという。​カールソンは昨年9月にプーチンをインタビューする計画を進めていたが、その際、ワシントンDCの誰かから電話があり、出向いたところ、先方はプーチンと会う計画を知っていたという​。カールソンの電子メールをNSAは傍受、プーチンと会わないよう、圧力をかけてきたのだ。


https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402140000/

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