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大衆小説は未来を予言する
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投稿者 ビルダーバーグ 日時 2003 年 6 月 10 日 11:20:35:

 このサイトの性格上、ここではあまり、小説を巡る議論は行われていないようですが、ここで、少し小説がらみの問題提起をしてみます。
 と言っても別に文学論をやろう、というわけではないので、ご安心を。
 小生は、冒険小説やスパイ小説が好きで、かなり読んでいます。大衆(エンターテインメント)小説は、大衆の潜在的欲望や不安などを”先取り”して描く特徴がありますので、時代動向の”先読み”に役立ちます。ちょうど、株価がその国の経済の先行指標であるのとアナロガスです。
 そこで、現下の「米国(ネオコン)vsイスラミック・エクストリーミスト」の対立を予言した小説について、ちょっと調べてみました。
 アラブを悪役、テロリストとして描いた初期の作品のひとつは、「パリは燃えているか」で有名なフランスの作家チーム、ドミニク・ラピエール&ラリー・コリンズの「第5の騎手」ではないでしょうか。マンハッタンに小型原爆を仕掛けるテロリストの話で、彼らを操るのは、ムアンマル・カダフィです。このころは、反米の執念に燃えている(ことになっている)のは、1位がカダフィ、2位がアヤトラメホメイニ、3位がPFLPのハバシュ議長あたりです。
 オーソドックスなスパイ小説の”大御所”、英国のレン・デイトンやジョン・ガードナーはあまり、中東がらみのスパイ小説は書いていないようで、ジョン・ル・カレの「リトル・ドラマーガール」程度でしょう。この作品は映画にもなり、ダイアン・キートンが主演したように思います。フレデリック・フォーサイスは、イラクがらみの「神の拳」を書いています。カナダ生まれのマッド・サイエンティストで「超巨大砲」を開発したがっていた男をモサドが暗殺する話です。これは実話で、フォーサイスはリアリスティックな分、未来予測という意味ではややハンデがあります。ジェームス・ボンドはイスラムがらみの作品は、(映画も含め)ありません。もっとも、作者のイアン・フレミングは1960年代に死んでいるわけですから、せいぜい、第3次中東戦争までしか知らないわけですから、無理もない。
 80年代には、旧ソ連のアフガン侵攻があり、これは映画「ランボー」の3作目(「怒りのアフガン」でしたかね)にも取り上げられる程、米国民の反ソ感情を盛り上げましたので、当然、大衆小説でもいっぱい、アフガンでの反ソゲリラ(ムジャヒディン戦士)と諜報員の友情、などが作品化されました。オサマは英語はできないようですが、ひょっとすると、彼と一緒にカルマル、ナディブラ政権と戦ったムジャヒディンの中には、米国の工作員がアフガンに持ち込んだこういうペーパーバックを戦闘の合間に、マザリシャリフ当たりで読んでいたかも知れません。オサマが登場する作品は(当然のことながら)、80年代の作品にはありませんが、マスードやドスタムが名前だけ登場する作品はあります。興味のある方は、古本屋で、この頃の光文社文庫などを探して下さい。
 また、この頃は、米国が力を入れていたもうひとつの反共戦線、つまり、ニカラグアの反サンディニスタ・ゲリラをテーマにした作品もかなり出ています。もちろん、イランでの米国人人質事件をテーマにしたものもいくつかあり、ケン・フォレットの「歌の翼に」は、ロスペローが”私兵”を使って、イランで人質となっていた自分の会社(EDPでしたかね)の社員を救う実話を小説化したものです。
 このように、大衆小説が描いた世界は30年ほど経つと現実になるようです。とすると、次は米国大都市での核テロ(トータルフィアーズという映画がボルチモアでのこうしたケースをえがいていました。もちろん、原作はトム・クランシーです)なのでしょうか。海外エンターテインメント小説は、未来のディザスターを”予言”してもいるわけです。
 余談になりますが、元モサドらしいマイケル・バーゾウハーというイスラエルのスパイ小説作家が、ベレンコ中尉のミグ25の函館亡命事件をテーマにした小説(タイトルを失念しました。かなり昔の作品です)はおもしろい。亡命は偽装で、米国にスパイ容疑で捕まっていた旧ソ連高官を釈放する見返りとして、国外にもちだされたのが「ミグ25」だった、という話です。作家の想像力の凄さがわかります。
 イラク戦争の腰砕けの終わり方は、「合作」ではなく、イラク軍の自然崩壊のようですが、戦争目的についても、ウォルフォビッツなどは、「サウジ、クゥェートに対するフセイン政権の”脅威”を潰し、サウジ内のプリンス・スルタン基地を撤収するのが真の目的だった。なぜなら、米軍のサウジ駐留こそが9.11アタックの原因だったのだから」と言い始めています。石油目的より、こちらの話の方が説得性があります。しかし、まだ、謎もいっぱい。フォーサイスはやや老いたでしょうから、気鋭の作家の内幕をえぐる作品を期待します。

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