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『無徴税課税国家』という新しい仕組みについて
http://www.asyura.com/0306/idletalk2/msg/821.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 8 月 10 日 01:12:59:Mo7ApAlflbQ6s


馬場さんの『阿修羅テーゼ2003:万国の自由人へ,貨幣発行権をロスチャイルドから奪回せよ!』( http://www.asyura.com/0306/idletalk2/msg/721.html )へのレスの一環です。

『レス1:貨幣について』( http://www.asyura.com/0306/idletalk2/msg/730.html )から『レス6:物価変動の制御について』までは、馬場さんの上述の下にレスしています。

『レス1:貨幣について』だけでもお読みいだければ、ここで書いている内容も掴みやすくなると思っています。
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馬場さんが提起された「共同的資本主義」に関連して、「自由貨幣(政府貨幣)制度により徴税が不要になるという見方は論理的な整合性があります。(債務を伴わない政府貨幣による支払いは税金の先取り性を含意しているということです。ただし、徴税がないことが国民の財的生活条件を必ずしも増加させるというわけではありません)」という考え方を示した。

それに対して馬場さんから、「しかし,本当にそれが実現可能であるかどうかということは数理経済学的に検証される必要があります.租税というのが発生したのは相当昔だと思いますが,もし,本当に租税の無い国というのが実現可能なら,それこそエルドラドなのではないでしょうか?」というレスをいただいた。

数年毎に増大してきた公的負担に苛まれ、18%までの段階的消費税増税策が真顔で語られているなか、税金がないというのは多くの人にパラダイスだと受け止められるだろう。

しかし、徴税がないということは、無税であることを意味するものではないし、エルドラドやパラダイスを保証するわけでもない。

自由貨幣(政府貨幣)制度は、徴税を不要にするだけで、税の負担をなくすわけではないからである。

自由貨幣(政府貨幣)制度は、統治者の裁量によって、徴税されない代わりに恵まれない生活条件に甘んじるという状況も簡単につくり出せる。
ざっと考えても、自由貨幣で、政治家や公務員に高給を支払ったり、軍備・公共施設・道路などに政府支出を集中させれば、生活必需品は政府支出の対象となっていることやものに関わる人たちに買い漁られ、その枠外で活動する人たちは高い価格でそれを手に入れなければならなくなる。

国民が国家に提供する活動力が軍備・公共施設・道路に集中し、国家機構の運営という活動力(公務員)が偏重されることになれば、生活必需品・利便品・奢侈品・快楽享受を供給するための活動力が減少するのは必定である。
それは、政府支出の枠外で活動する人たちが、枠内で活動する人々の生活を支えるために、自己の活動力の多くの部分を犠牲(税)として捧げなければならなくなることを意味する。

自由貨幣(政府貨幣)制度は、政権責任者の考え方によって経済社会の在り様を大きく変えてしまう危険な力を秘めている。(もちろん、現行の中央銀行制度も同じかそれ以上の危険性を秘めている)


税を課すことは、国家(支配者)が支配層及び公共の用を満たすため、古来より使われてきた手法である。

税負担の形態には物納・労役・金納とあるが、突き詰めればすべて“労役”である。
税としての“労役”(=活動力の提供)に、物納・労役・金納という異なる形態があると考えるべきである。

自由貨幣(政府貨幣)制度で徴税が不要になるのは、“労役”の対価としてペーパーマネーを支払うことで国家が先取りした“労役”を他の人たちに付け回して広く薄く負担してもらう仕組みになるからであり、税そのものがなくなるわけではない。


自由貨幣(政府貨幣)の政府支出のみで経済社会が全連関的に回るのであれば、ペーパーマネーである自由貨幣は「納税請求書」であり、自由貨幣を受け取ることは「納税」だとも言える。

問題は、支出(発行)という増加方向だけの自由貨幣の発行残高をどのように制御して物価水準の安定をはかるかということになる。

無利子貸し出しの回収で貨幣残高を減少させることはできるが、設備投資を政府支出でまかなうようにすると調整弁は少なくなるので、設備使用料の徴収というかたちで貨幣流通量の抑制をはかる必要があると思われる。(設備使用料の負荷は貨幣量の調整を目的とした範囲で、設備使用料は購入者(消費者)に付け回されることになる)
自由貨幣の“有効期限”や“価値劣化規則”を設定することで自動的に残高が減少するという調整方法も考えられるが、消費行動を煽るそのような政策は忌避すべきだと思っている。


馬場さんの問いである「本当にそれが実現可能であるかどうかということは数理経済学的に検証される必要があります」については、国民すべてがそこそこ生活できている状況で、財・用役の供給力や活動力に余裕があるのなら、自由貨幣(政府貨幣)制度で“徴税なし”を実現できると回答する。
(デフレや未就業者の問題に苦しんでいる日本であれば文句なしに可能(笑))


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※ 参照書き込み

『【「利潤なき経済社会」に生きる】 「利潤なき経済社会」の“経済論理”  〈その3〉』
http://www.asyura.com/2002/dispute2/msg/933.html

『【世界経済を認識する基礎】 “あっしら”的経済概念の説明:国民経済と財政 《ケインズ乗数理論と公共事業》〈その10〉』
http://www.asyura.com/2002/dispute2/msg/111.html

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