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(回答先: フランスのテロ事件の根源:よいテロと悪いテロ? 投稿者 手紙 日時 2015 年 1 月 12 日 20:30:03)
フランス全土で360万人もの大デモが繰り広げられたのは前代未聞であるが、これによってイスラム系過激派をひるませることができるだろうか。筆者の直観では、却って火に油を注ぐことになるのではないかと思う。
ハンチントンが扇動する文明の大衝突がおっ始まってしまった感がある。欧米の価値観を大デモによって押し付けようとしているように見える。「表現の自由」がいつの間にか「言論の自由」にすり替え、あるいはエスカレートされてしまっている。
殺害された新聞社の編集長は、生前「そろそろイスラム教の問題を明らかにすべきときだ」などと不遜なことを語っていた。英人作家の「悪魔の詩」以来の系譜であろう。米国でもムハンマドが登場する画像がインターネットに流れて問題になったことがある(ムハンマドが女の股下を潜った映像など)。
三大宗教の創始者、キリスト、釈迦、ムハンマドは尊重され敬意を払われるべきである。敬意を払わないまでも、侮辱したり冒涜すべきではない。欧米人の価値観で、「これは侮辱ではない」と言い張っても通用しない。イスラム教徒がどう受け取るかが重要であり、それは尊重されるべきである。
イスラム教では、偶像崇拝が禁じられているという。今回の事件について、フランスのイスラム教徒の何人かは、表現の自由を認めながらも、襲撃は当然の報いだと語っていた。風刺画を日本在住のイスラム教徒に見せたところ、「これは怒るよ」と語っていた。
「表現の自由」という欧米的価値観を力づくで、非欧米圏にまで押し付けるべきものではない。イスラム圏やその他の地域にも似た概念はあるだろうが、歴史的・民族的・地理的・言語的にも欧米と全く同質の内容ではあり得ない。フランスの大デモはこのことに全く気付こうともしない無意識の思い上がりである。
残念ながら、却って似たような事件が欧米諸国のどこかで2度、3度と起こるだろう。フランスも各国首脳も欧米の価値観にどっぷりつかっていて事の本質が分かっていないと、異国の一市民は指摘する。
大デモでも事件の再発を防げないことが分かった時に、欧米はどうするのか。考え方を改めずに、イエメンなり、イスラム国なり、アルジェリアなりに多国籍軍を送り込み、地上戦でも始めるのか。「自由、平等、博愛」なら、異教徒への思いやりというのは必然的についてまわるものではないのか。
それを何の反省もせず。「表現の自由」あるいは「言論の自由」を掲げて大騒ぎするのは、ことさらに紛争を拡大させようとする行動にほかならない。
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・偶像崇拝の禁止
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E6%95%99
イスラームにおいては偶像崇拝の禁止が徹底されており、それゆえ、ムスリムが礼拝をおこなうモスクには、他宗教の寺院や聖堂とは異なり、内部には宗教シンボルや聖像など偶像になりうる可能性が存在するあらゆるものがない。ただ、広い空間に絨毯やござが敷き詰められているだけで、人びとはそこでカアバがあるメッカの方角(キブラ)をむいて祈る。モスクには、メッカの方角の壁にミフラーブと呼ばれるアーチ状のくぼみがあり、ムスリムはそれによってメッカの方向を知るのである。
写本絵画などにおいては、預言者ムハンマドの顔には白布をかけて表現されることが多いが、これも偶像崇拝を禁止するイスラームの教義に由来している。
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