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アーノルド・バックス(Sir Arnold Edward Trevor Bax, KCVO, 1883 - 1953)
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/721.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 02 日 09:49:51: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: ニコライ・カプースチン 8つの演奏会用エチュード Op.40 投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 01 日 08:44:01)

アーノルド・バックス(Sir Arnold Edward Trevor Bax, KCVO, 1883 - 1953)

一次大戦と二次大戦の間に沢山の交響曲を書いた人。渋めの作風が個人的には好みである。

交響曲
交響曲第1番 (1922)
3.3点
マイナー曲らしい地味な渋さを持ちつつも、SFの映画音楽のようなキラキラした壮大さと展開の大仰さを持っていてなかなか愉しい宇宙的な冒険心をそそる音楽になっている。このため次の展開を楽しみにしながら聴いていける。イギリスらしい端正さと田舎くささももちろんあり、一方でブリテンに似たイギリスらしい独特の音の感覚をバックスも強く感じさせる。とはいえ派手さや旋律に頼らないで地道に音楽を作っていくような感じもあるのが個人的にツボである。

交響曲第2番 (1926)
3.3点
SF映画のようなスペーシーな壮大な派手さが愉しい。基本的に叙景的で想像世界を描く楽しみの音楽であり、精神的な深堀りは感じない。精神的な場面展開に心を委ねて想像世界を彷徨する楽しみが好きな人ならば、一定の満足感を得られると思う。耳を強く捉えるメロディーがないためメジャーになる日が来るとは思えないのだが、マイナー交響曲の愉しみを満喫できる作曲家の1人だと感じる。

交響曲第3番 (1929)
3.3点
空間的な描写的な要素が非常に大きい2番までと違い、もっと心理的な内面的部分の描写が多くなっている。そして、響きに浮かない気分や渋さが増加している。2番までと好みは分かれるかもしれない。とはいえ、エンターテイメント音楽の方向性ではあり、楽しみながら聴くもので思想的な何かは感じない。最後の楽章はかなり華やかでSF音楽的である。あと一押しの何かがあったらなかなかの名作になり得た曲。

交響曲第4番 (1931)
2.8点
なんだか地味でうだつの上がらない感じの曲である。イマイチ冴えない印象が強く、ある程度感じられた才能の輝きがなくなってしまっている。特に前半は面白くなくてがっかりしながら聴いた。最後の盛り上げ方も、まるで素人が書いたような曲と思ってしまった。

交響曲第5番 (1932)
3.3点
しなやかな夜の幻想性の世界の音楽。壮大さを取り戻しており、描写的なだけでない雰囲気の幻想性と変容を楽しめる。内面的な深堀りは相変わらずないが、輝かしさと渋さを併せ持つために一定の奥深さはある。とはいえ、音を楽しむ音楽であり、音の変容の流れに身を委ねるのが愉しい。まるでラフマニノフのように心の欲求に音楽の緩急を合わせるのが上手くなっている気がする。最終楽章はバックスらしい豪華な盛り上がりを魅せるが、旋律が渋目で表面的な盛り上がりにならないように抑制しているように聴こえる。

交響曲第6番 (1935)
3.0点
随分と幻想的な世界観の曲である。現実的な感触に乏しく、ずっと夢の中の自由に変容していく世界にいるように感じる。とりとめのない雰囲気自体は悪くないが、前半は発想の天才性が足りず地味で光るもののない音楽という気もしてしまう。しかし、2楽章の後半になると音楽が心を捉えて沁みてきて感動する場面が増えていく。そこから切れ目なしに続く次の楽章も良い。ダイナミックな動きと揺れ動く幻想性のバランスがツボにはまる。

交響曲第7番 (1939)
2.5点
1楽章は派手に音を鳴らしながら場面を次々と移していく音楽。しかし盛り上げるような音にはなったりするが全体的な方向性が定まらないため気分的にもやもやしてしまい、あまり面白くない。2楽章も似たような印象がある。雰囲気は悪くないが冗長すぎて繰り返しが多く、その中での方向性が把握しにくくてあまり楽しめない。その印象は引き続き最後の楽章まで続いてしまう。


管弦楽曲
交響詩「ティンタジェル」(1919)
3.3点
バックスの良さが典型的に現れた華やかで空間的な描写を楽しめる曲。交響曲の広大さはない物足りなさはあるのだが、コンパクトに作られており聴きやすくて良い。ブルックナーの8番最終楽章の壮大さを連想させるとともにエネルギーを持った高揚感もあるのだが、もっとぶっとんだような突き抜けた地点に到達してほしかった感じがする。そうすればもっと有名になれたと思うのだが。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9

サー・アーノルド・エドワード・トレヴァー・バックス(Sir Arnold Edward Trevor Bax, KCVO, 1883年11月8日 ロンドン - 1953年10月3日 アイルランド、コーク)は、イギリスの作曲家。


人物
若い頃から音楽の才に恵まれ、どんな管弦楽作品でも一度聞いただけでピアノに編曲できたという[1]。

やがて王立音楽アカデミー・王立音楽大学に進み、スタンフォードやパリーらに学ぶ[1]。この頃にイェイツのアイルランド民話集『ケルトの薄明』に接し、自身のルーツがアイルランド系であることもあいまって、ロマン主義・印象主義の中にケルトの要素を取り入れた独自の作風を確立する[1]。

ケルト文化以上にバックスの作品に強く影響を及ぼしているのは、ピアニストのハリエット・コーエンへの慕情である[1]。バックスは既に妻子のある身でありながらコーエンと恋に落ち、その当時に作曲した作品中には、恋愛感情を反映したロマンティックな雰囲気が見て取れる[1]。

その後、第二次世界大戦前夜の暗い世相の中でバックスの創作意欲は薄らぎ、開戦以降に作曲された作品はごくわずかである[1]。

没後長らく半ば忘れられた存在であったが、シャンドス・レーベルからCD発売された作品集で、近年その名を知られるようになった[1]。

同じくイギリスの作曲家グスターヴ・ホルストに占星術の手ほどきをした劇作家クリフォード・バックス(英語版)は弟であり、アーノルド自身もホルストとは親しい間柄であったという。

作品

バレエ
ロシア人の踊り子の真実

交響曲
全曲が3楽章構成で書かれている。

交響曲第1番 (1922)
交響曲第2番 (1926)
交響曲第3番 (1929)
交響曲第4番 (1931)
交響曲第5番 (1932)
交響曲第6番 (1935)
交響曲第7番 (1939)

管弦楽曲
管弦楽のための4つのスケッチ
交響詩3部作「黄昏に」「妖精の丘で」「Rosc-Catha」(1908年-1910年)
交響詩「クリスマス・イヴ」(1912年)
交響詩「ファンドの園」(1913年)
交響詩「春の火」(1913年)
交響詩「十一月の森」(1917年)
交響詩「夏の音楽」(1921年)
交響詩「ティンタジェル」(1919年)
交響詩「レジェンド(伝説)」(1944年)
「北方のバラード」第1番(1927年)
「北方のバラード」第2番(1934年)
序曲「哀歌とロンド」(1927年)
ピカレスク・コメディのための序曲(1930年)
劇付随音楽「黄金の鷲」(1945年)
エリザベス王女とエディンバラ公の婚礼のためのファンファーレ(1947年)
戴冠式行進曲(1952年)

映画音楽
オリヴァ・ツイスト Oliver Twist (1948)

協奏曲・協奏的作品
ロマンティック序曲
ヴィオラと管弦楽のための「幻想曲」ニ短調 Phantasy(1920年)
冬の伝説
ヴァイオリン協奏曲(1938年)
左手のためのピアノ・コンチェルタンテ

室内楽・器楽曲
ヴィオラとピアノのための「演奏会用小品」Concert Piece(1904年)
ヴァイオリンソナタ第1番(1910年)
ヴァイオリンソナタ第2番(1915年、改訂1922年)
コーラングレ、ハープと弦楽四重奏のための「追悼」(1916年)
フルート、ヴィオラとハープの「悲歌の三重奏曲」Elegiac Trio(1916年)
ハープと弦楽のための五重奏曲 ヘ短調(1918年)
チェロとピアノのための「民話」Folk-Tale(1918年)
ヴィオラソナタ ハ短調(1921–1922年)
オーボエと弦楽のための五重奏曲(1922年)(レオン・グーセンスの委嘱)
ヴァイオリンソナタ第3番(1927年)
ヴィオラとハープのための「幻想ソナタ」Fantasy Sonata(1927年)
ヴァイオリンソナタ ヘ調(1928年)
フルートとハープのためのソナタ(1928年)
九重奏曲(1928年–1930年)
ヴィオラとピアノのための「伝説」Legend(1929年)
チェロとピアノのためのソナティナ ニ長調(1933年)
弦楽五重奏曲(1933年)
八重奏曲(1934年)
クラリネットとピアノのためのソナタ(1934年)
挽歌とスケルツォ Threnody and Scherzo(1936年)
チェロとピアノのための「伝説ソナタ」嬰ヘ短調 Legend Sonata(1948年)

ピアノ曲
トッカータ
ピアノソナタ第1番 嬰ヘ短調(1910、1917-21改訂) 単一楽章
ピアノソナタ第2番 ト調(1919、1920改訂) 単一楽章と第1補遺(appendix)・第2補遺
ピアノソナタ第3番 ト短調(1926) 3楽章
ピアノソナタ第4番 ト調(1932) 3楽章

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9  

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