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※紙面抜粋

※2026年2月10日 日刊ゲンダイ2面
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熱狂が引いて寒々しさ 焼け野原の永田町に吹き抜けるファシズムの風
https://www.nikkan-gendai.com/?p=news_detail&id=383996
2026/2/10 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

「見せ方」はうまかった (C)日刊ゲンダイ
極端な選挙結果に、有権者は「これでよかった」と心底思っているのか、大いに疑問だ。なんでも自分で決める首相の下、自民単独で3分の2を制した恐さ、危うさ。この国から野党が消え、熟議もなくなる国会の形骸化、民主主義を失った今、有権者たちの呆然自失。
◇ ◇ ◇
有権者は「これでよかった」と、心底思っているだろうか。8日投開票された衆院選の結果についてだ。
高市自民が単独で衆院の3分の2を超える316議席を獲得し、日本維新の会と合わせて352議席。歴史的な大勝だった。高市首相は9日の会見で「国民から政策転換を何としてもやり抜いていけと力強い形で背中を押していただいた」と誇ってみせたが、衆院で3分の2を与えてしまったことに、今後、多くの国民が後悔することになるのではないか。
衆院で3分の2の議席があれば、あらゆる法案が少数与党の参院で否決されても、衆院で再可決することができる。“ウルトラ右翼”と評される高市は白紙委任状を得たも同然で、今後、どんな危険な法案を出してくるか分かったものではない。何でも自分で決めてしまう首相の下で、怖さ、危うさが漂っている。
一体、なぜ高市自民はここまでの大勝を収めるに至ったのか。
有権者の動向に詳しい明大教授の井田正道氏(計量政治学)はこう言う。
「有権者は、これまでの政権の実績よりも、高市首相への期待感から自民党を支持する傾向にありました。昨秋の政権発足以降、高市首相がアクティブに外交の舞台を駆ける様子がテレビなどで何度も報じられ、明るいイメージがついた。『高市首相なら何かやってくれそう』という期待感が高まったのだと思います。また、国際社会を見回すと、トランプ米大統領や中国の習国家主席、ロシアのプーチン大統領ら強烈なリーダーシップを持ったトップたちが良くも悪くも存在感を示している。彼らの姿を見て『日本にも強いリーダーが必要だ』と感じた国民が高市首相を支持したのでしょう。一方、対抗する野党『中道改革連合』の野田佳彦、斉藤鉄夫両共同代表が優しさや柔和さを打ち出した点に頼りなさを感じた国民が多かったように思います」
要するに、高市自民への支持は期待感だけで中身を伴わないフワッとしたものだったわけだ。
「見せ方」重視の詐欺的手法
「高市自民の勝因は『見せ方』だと思います」と言うのは、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)だ。
「安倍元首相は“やってる感”の演出が得意でしたが、高市首相は“努力してる感”の演出が目につきます。昨秋の自民党総裁選での勝利後に『働いて、働いて……』と宣言したのに始まり、夜中の3時から公邸で秘書官らと打ち合わせし、夫の介護に従事するエピソードを披露。加えて、公邸への引っ越しの際はラフな雪駄姿で移動する様子をさらし、時には関西弁でおちゃらけたり、得意のドラムを叩く姿まで見せ、親しみやすさまで演出しました。一方、中道の顔はいわゆる古い政治家。彼らのボソボソとした発言は国民には受け入れられなかった。ただ、『見せ方』はうまかった高市自民ですが、中身は何もありません。その点を覆い隠して支持を得るのは、極めて詐欺的なやり方だと思います」
あの、何とも言えない高市のつくり笑顔も「上手な見せ方」の一環ということか。「サナ活」に精を出している国民は、すっかりだまされてしまっているのかもしれない。
失われた「監視・チェック機能」

国民が目を覚ますしかないのか (C)日刊ゲンダイ
それにしても、何でも自分の判断で決めてしまう高市の下、自民が単独で衆院の3分の2を制した危うさは計り知れない。深刻なのは、中道の惨敗でこの国から野党が消え、熟議もなくなり、国会が形骸化してしまうことだ。政府を監視・チェックする機能を持つ国会が形だけになってしまえば、高市の暴走に歯止めがきかなくなってもおかしくない。
「壊滅的だ」と肩を落とすのは、今回の選挙で立憲民主党から中道に合流したものの、落選した元議員だ。
「今回の結果を受け、地元の中堅企業の幹部から『我々労働者の声を政府に届ける機能が大きく損なわれてしまった』と言われ、本当にガックリきてしまいました。今回、落選した議員の中には、労働者の立場に立って政府と対峙できる人がたくさんいた。今後、一体誰が高市政権と厳しく向き合うのか。国民民主党にそれができるのか。情けない限りですが、今後、国会がどうなるのか見通せません」
労働者の声が届きづらくなれば、高市は労働政策をないがしろにし、自民党の“太客”である大企業・富裕層優遇策ばかりを打ち出してきてもおかしくない。足元でも高市が防衛費拡大を進めていることで、防衛関連企業は文字通り「ホクホク」状態だ。こうした企業から自民党は献金を受領している。このままだと、大企業・富裕層優遇に拍車がかかる恐れがあるわけだ。
「改憲」に「挑戦」という軽さ、危うさ
恐ろしいのは、高市独裁が盤石となり、日本が危うい方向に行きかねないことである。
「現代の治安維持法」と称されるスパイ防止法や国旗損壊罪の制定に早々と手をつけてくるだろう。きのうの会見では、日本版CIAの「国家情報局」を設置するための法案を次期国会に提出する考えを明かしていた。また、「自らの国を、自らの手で守る覚悟がない国を誰も助けてはくれない」と言い、安保関連3文書の前倒し改定を改めて強調。いわゆる、大軍拡を粛々と進める腹積もりである。
さらに、「国の理想の姿を物語るのは憲法だ。憲法改正に向けた挑戦も進めていく」と発言。衆院で改憲発議が可能となる3分の2を獲得したことを念頭に置いたのは間違いない。いよいよ、平和憲法に手をかけようというわけだ。改憲するには、最終的に国民投票によって過半数の賛成を得なければならないわけだが、そんな重いプロセスに「挑戦」するとは一体どういう了見なのか。国のあり方を変える改憲には慎重であるべきだが、「挑戦」という言葉を使うところに、高市の危険性が垣間見える。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「中国との軋轢を生んだ『台湾有事』発言に真意が表れていましたが、高市首相が日本を『戦争できる国』につくり変えようとしているのは明白です。スパイ防止法や国旗損壊罪の制定は戦争に反対する市民の活動を監視する目的でしょう。大軍拡に非核三原則の見直し、武器輸出などは明らかな戦争準備です。そして、最終的には憲法9条の平和主義を取り払わなければならないと考えている。これらを進めるために、抜き打ちの解散総選挙で圧勝し、独裁体制をつくったわけです。野党が崩壊した現状では歯止めがききません。メディアはキチンとウオッチすべきですし、最後は国民が目を覚ますしかないでしょう」
一時的な熱狂が生んだのは、野党崩壊という極端な選挙結果だった。民主主義を失った今、有権者は呆然自失かもしれない。「勝たせ過ぎた」と思うなら、いま一度、冷静になるべきだろう。焼け野原の永田町に、ファシズムの風が吹き抜けている。
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