★阿修羅♪ > 経世済民112 > 273.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
止まらない「円高」にアベノミクスはどう立ち向かうのか 今こそ労働市場の構造改革を!(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/273.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 22 日 07:40:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

止まらない「円高」にアベノミクスはどう立ち向かうのか 今こそ労働市場の構造改革を!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49506
2016年08月22日(月) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス

■米国の景気はピークを迎えつつある

ここへ来て、為替市場で一段と円高傾向が鮮明化している。7月29日には、ドル/円の為替レートが99円台半ばまで円高に振れた。これは、英国のEU離脱決定の影響によって、投資家のリスク回避が進んだ6月24日(1ドル=99.02円)以来の水準だ。

背景にあるのは、米国経済の先行き不透明感だ。足許の経済指標やこれまでの景気循環から、米国の景気がピークを迎えつつある可能性が高まっている。米国企業の海外収益の割合が高まっていることを考えると、ドル高は米国経済にとって無視できないマイナス要因だ。米国政府は、これ以上、ドル高を容認することは難しいだろう。経済専門家の間でも、「米国政府の為替政策はドル安に転嫁している」との見方が有力になっている。

ヘッジファンドなど大手投資家が、米国政府の政策展開を見逃すとは考え難い。彼らの投資姿勢は、既にドル安・円高を想定した持ち高に変わりつつある。また、欧州の大手銀行が抱えるシステミックリスクなど、無視できないリスクが高まっている。それだけに投資家のリスク回避の動きが出やすく、円高は進みやすいと見るべきだ。

■本来ならドル高が進んでもおかしくない

足許のドル安・円高は、米国の実質金利の上昇圧力の弱さに起因する部分が多い。短期的には、為替相場を動かす最も大きな要因は日米二国間の“実質金利”の差だ。

一般的に、投資資金は、低金利の通貨から高金利の通貨に向かいやすい。多くの投資家は高金利通貨を選考することが多い。その結果、高金利の通貨は低金利の通貨に対して強含み、金利の低い通貨は弱含みとなりやすい。

現在、主要国の表面金利を見ると米国が最も高くなっている。本来であれば、ドル高が進んでもおかしくはない。しかし、通貨の価値の変動=インフレ率を加味した実質ベースの金利を見ると状況は違ってくる。通貨の価値が減少するインフレ懸念が高まる米国よりも、デフレから脱却できない日本の方が高くなっている。そのため、円が買われやすく、ドルが売られやすくなる。

また、2016年上半期、日本の経常収支(海外とのモノやサービスの取引状況を示す)の黒字幅は、10.6兆円と上半期として9年ぶりの水準に達した。経常収支が黒字であるということは、需給面からドル売り・円買いに繋がり易い。日本の企業が、海外からの売上などで得たドルなどの外貨を売り、円を買う可能性が高いからだ。

■米国政府の為替政策は転換している

昨年以降、米国政府のドルの為替レートに対する考え方=為替政策も変化している。過去を振り返ると、米国の経済が堅調な場合、米国政府はドル高に寛大なのだが、ひとたび米国経済に下落圧力がかかると、手のひらを反してドル安政策に転換する。

最近、G7やG20等の場で、ジャック・ルー米財務長官は一貫して「為替相場は秩序立っている」と発言している。米国政府が、ドル高を懸念する最大の理由は企業業績の悪化だ。近年の米国経済を見ると、ドル高が企業業績を圧迫してきた。大手企業の業績は2016年4-6月期まで4四半期連続の減益に陥っている。

また、米国では3四半期続けて労働生産性も低下している。そうした中での新規の採用は労働コストの増加につながり、追加的に利益を圧迫する可能性がある。そうなると、雇用の削減=リストラを進める企業も出てくるだろう。

米国政府にとって大きな課題は、いかに企業収益を支え、景気の下支えを図るかだ。その方策の一つとして、企業経営者からも指摘されているドル高の影響を軽減することは欠かせない。輸出の促進のためにも「緩やかなドル安がいい」というのが米国の本音だろう。

そうした状況を考えると、明らかに米国政府の為替政策は転換している。日本をはじめ、自国通貨安で輸出促進などの景気支援を図りたいとの考えに対するけん制だ。

■為替動向が与える世界経済への影響

これまで米国の景気回復が世界全体をけん引してきた。今後、米国景気の先行きに不透明感が高まると、世界全体の景況感悪化は避けられないだろう。

中国は、過剰な生産能力の問題を抱え経済成長率が低下している。欧州では英国のEU離脱の影響、イタリアの政治不安など不確定要因が多い。米国でも、生産性の伸びがマイナスに落ち込むなど気掛かりな点は多い。仮に、中国経済の更なる減速、欧州の政治混乱等に米国経済のピークアウトが重なると、世界経済は未知の低迷リスクに直面する恐れがある。米国に代わる世界経済のけん引役が見当たらないからだ。

今後、さらに為替動向が不安定になると、世界経済にもマイナスの影響が及ぶのは避けられない。世界的な需要の低迷から資源価格が一段と下落し、投資家のリスクオフによって金融市場の動向も不安定化する可能性が高い。

日本経済の問題は、円高による国内企業の収益悪化懸念だ。企業の海外進出の影響もあり、日本は海外経済の動向、それに起因する為替レートの変化に影響されやすい。そうした問題を克服するためには、政府が労働市場などの構造改革を進め、企業の積極性を引き出す必要がある。そしてそれこそ、アベノミクスが掲げた成長戦略の本義であるはずだ。

円高は、再び、わが国経済に大きな試練を与えようとしている。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 中川隆[3704] koaQ7Jey 2016年8月22日 08:02:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4089]

購買力平価からすると1ドル30円乃至 50円が適正価格

1ドル 100円 というのはまだ 超円安なんだけどね:


円実効レート 月足チャート
http://www.stat-search.boj.or.jp/

1ドル106円でも「超円安」のワケ 実質実効為替レートで読み解く円相場
https://zuuonline.com/archives/105338

日本を100として換算した相対的購買力平価
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%BC%E8%B2%B7%E5%8A%9B%E5%B9%B3%E4%BE%A1%E8%AA%AC

2016年のビッグマック価格ランキング
http://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html

購買力平価で評価すれば1ドル70円程度が適切
http://diamond.jp/articles/-/95336

世界各国のビックマック価格

購買力平価という考え方がある。

世界各国の物価水準は摩擦が無く貿易されれば同じ物なら同じ価格になるように為替水準は調整されるはず、という理論だ。

そして世界中で売られているマクドナルドのビックマックを基準に購買力平価を計算したものが「ビックマック指数」だ。

以下の一覧は2015年1月時点で円換算した際の価格だ(1ドル117.77円 56か国)。

1位 スイス      888円 2.4倍
2位 ノルウェー    742円 2.01倍
6位 アメリカ     564円 1.52倍
15位 オーストラリア 509円 1.38倍
18位 ドイツ      501円 1.35倍
38位 日本       370円 

※ルクセンブルクは調査対象外
(世界のビッグマック価格ランキング 世界経済のネタ帳)
http://blogos.com/article/110634/

500円くらいでも日本ではそこそこ満足できる昼ご飯を食べられますが、欧米で5ドルや5ユーロ程度でまともな昼ご飯を食べられるということはまずありません。

私は、今日夜からオーストラリアのシドニーに出張ですが、シドニーでは普通のレストランで昼ご飯を食べても2000円程度はします。まさに「Japan is cheap」です。

私は、米国のビジネススクール(ダートマス大学タック経営大学院)を30年前に卒業し、今では同校のアジア地区のアドバイザリーボードのメンバーをしています。数年前に学校側からあった説明では、授業料が1年で7万ドル近くに上昇しているというのです。2年制の大学院ですからその倍の学費がトータルでかかります。もちろんそれ以外にも生活費がかかりますから、卒業までには最低でも2000万円くらいの費用がかかります。多くの学生はローン(MBAローン)を組むなどして資金をねん出します。

しかし、無事卒業さえできれば、それはすぐに取り戻せるのです。実は、卒業生の卒業後3年目の平均サラリーは18万5千ドル(約1900万円)なのです。これは優秀な人だけの数字ではなく平均です。3年後でこのレベルですから、それ以降はもっと稼ぐ人ももちろん大勢います。中には億円単位で稼ぐ人も少なからず出てくるのです。
http://blogos.com/article/187248/


食事も旅の楽しみの1つですが、スイスでは持ち帰り用のデリでも2,000〜3,000円かかります。

レストランでの食事は、場所にもよりますが、ファミレスのような場所で約2,500円、

雰囲気のよい店舗では最低6,000円は見積もらないといけないでしょう。

さらに良いサービスを受けたときは、10%ほどのチップを支払うのがマナーですので、それも勘定にプラスしなければなりません。

スイスのビックマックセットは12スイスフラン(1,440円)。

ポテトチップスは1袋700円以上します。


物価の高い理由、それはずばり人件費が高いからです。

スイスではファーストフード店でアルバイトした場合でも、時給は2,500円ももらえます。人件費がかかる分、商品の価格が高くなってしまうのです。
http://www.spintheearth.net/travel_switzerland_price/

スイスのチューリッヒは、世界の中でも物価の高い都市として知られる。

駅でミネラルウォーターを買えば4フラン、トイレの使用料に2フラン、つまり水を飲んで用を足すだけで6フラン(約600円)もかかる計算になる。

一説には、高技能職の移民以外は受け入れないために、あえて物価を高くしているとの説もあるほどだ。

一方、スイスの最低賃金は、毎月3500フラン(約35万円)にも上る。

これほどの高賃金だから物価が高くても生活できるわけだが、一般的な経済原則に反して、高賃金にも関わらず失業率も低い。
http://media.yucasee.jp/offshore-news/posts/index/646


物価高騰のタイで急増する日本人“リタイヤ・プア” 2016年02月29日

 タイで、日本人の年金生活者のいわゆるリタイア組、あるいはロングステイ組が、タイの物価高の影響を受け生活困難に直面。“微笑みの国どころではない”事態に陥るケースが急増している。

タイの首都バンコクで日本のラーメンを食べようとすると、1杯が200バーツ(約700円)だったのが300バーツ(約1000円)に跳ね上がっている。
http://wjn.jp/article/detail/3797170/


物価高騰で貧困に陥るタイ移住高齢者 1月30日 横山了一 (ジャーナリスト)


屋台飯も数年前に比べ、10バーツは上がった印象


 タイの物価高騰がじわりじわりと市民生活を脅かしている。昨年、タイの経済成長は2.9%と見込みよりも低迷し、消費も潤わなかった。政府は、今もあの手この手と景気刺激策を打ち出しているものの、いまだ明るい兆しは見えず、暗雲立ちこめるなかで2016年が幕開けした。


物価高騰で貧困に陥る移住高齢者


ブームのラーメンも日本円で1000円以上は普通


“タイはもはや物価が安い国ではない”

 市民生活に直接打撃を与える物価の高騰は、この国の最も大きな課題。特にバンコクに住んでいれば、その傾向は強い。

 「タイは物価が安いから生活しやすい」

 数年前はその通りだったかもしれないが、現在では、正直そこまで感じることはない。

 ことの始まりは、インラック政権が実施した2012年の最低賃金引き上げ。当時、“バラマキ政策”と揶揄された「1日最低300バーツ」(約1000円)という施策は、市民の生活向上に一役買ったものの、人件費の高騰は、徐々に物価高騰に影を落としていくことになる。

 特に日本人においては、アベノミクスにともなう円安も逆風となった。こと日本円で給料をもらっている駐在員は実質の所得減少であり、ビジネスマンの間では「タイはもはや物価が安い国ではない」という認識が広まっている。

 “駐在員目線”で物価の高騰を考察すると、まずは接待や家族連れで頻繁に訪れる日系レストランの価格高騰が顕著。昔はラーメン一杯を注文すれば、200バーツ以内(700円)が当たり前だったが、気がつけば300バーツ(1000円)も普通となった。タイはサービス料(平均10%)と消費税(7%)がかかる店舗も多く、実質約2割増しも物価高の印象を強めている。今なら日本でラーメンを食べた方が、お得ではないだろうか。


物価高騰で貧困に陥る移住高齢者

日系レストランの価格高騰も日々感じるところ

 また、居酒屋の一品メニューの価格も日本とそう変わらない。長年、タイに住む日本人にしてみれば、「原価が安いのになぜ?」となるわけだが、これもまた素材の価格が上昇し、さらに前述した人件費の高騰もあれば、もはや価格高騰は避けられない。

 店にもよるが、日系レストランでちょっと飲み食いすれば、1人あたり2000バーツ(7000円)は普通であり、もはや日本と変わらないだろう。一方、日本では飲食店の激安傾向もあり、頻繁に日本に出張するビジネスマンとすれば、「今や日本よりも高い」という感覚になってしまうわけだ。

 駐在員の価値観が、日本との比較がベースになっているのは否めない。日本での激安傾向と相反するタイの現状を考えると、なおさら物価高騰を感じてしまうのは事実。また、駐在員はタイの近隣諸国の出張が多く、カンボジア、ラオス、ミャンマーといった国とも比較してしまうため、よりタイの物価高騰を目の当たりにするわけである。多くのビジネスマンから「人件費が上がっている。タイでワーカーを雇うにも、価格競争のメリットが少なくなってきている」という声は枚挙にいとまがない。


物価高騰の背景は日常生活のグローバル化

 バンコクにおいては物価の高騰もありつつ、世界中のものや文化が集まり、グローバル化の流入という背景もある。例えば、スターバックスでラテを頼むと日本とほぼ同価格の120バーツ(約400円)はかかり、サードウェーブ系コーヒーも平気で100バーツ(330円)はする。税の問題もあり、ユニクロは日本に比べて2割ほど高く、ゴルフ道具、パソコン関連商品、Apple製品などいずれも日本より高い。

PC周辺機器などは日本の方がはるかに安い
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160130-00010000-wedge-life

輸出で得たドルを円に買えると円高になるんだよ

輸出額が輸入額より多ければ円高になるのは当たり前

変動為替の時代では輸出では儲けられないんだ

そんなに円高が嫌ならトヨタやキャノンみたいな輸出企業をすべて国外追放すればいいんだよ

日本のGDPの85% は内需なんだから輸出企業が無くなっても誰も困らない


2. 中川隆[3705] koaQ7Jey 2016年8月22日 09:15:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4090]

シンガポールと香港の大学の助手の給料、講師の給料、助教授の給料、教授の給料は日本の2倍なんですよ。

アメリカの大学の助手の初任給は日本の教授、私の定年前の教授の給料より高い。
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/278.html


日本人も 1ドル 100円というのは超円安だと早く認識した方がいいね


3. 2016年8月22日 10:01:09 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2410]

円高といっても大したことはないが、年内は90円前半くらいが底で

じきに反転するだろう

しかし、よほどのことがない限り、120円みたいな超円安が来ることは当面ないし

安心して財政ファイナンスを続けられる


年金と生活保護のリストラができるならBIを導入するには、もってこいの時期ではあるが

ま、愚民国家では無理だろうなw



  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民112掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民112掲示板  
次へ