社民党「存続危機」から脱出…ラサール石井氏が1議席死守、政党要件「得票率2%」もクリア
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2025/07/21 日刊ゲンダイ
比例代表で当選を決めたラサール石井氏(左)と握手する福島みずほ党首(C)共同通信社
「日本人ファーストって何ですか」「人間にファーストもセカンドもないんですよ!」――。
投開票日を翌日に控えた19日午後6時過ぎのJR新宿駅東南口前広場。社民党から比例代表で立候補したタレント、ラサール石井氏は、詰めかけた聴衆約300人を前に、そう声を上げた。
外国人憎悪が吹き荒れた今回の選挙戦で、ラサール氏は「平和と暮らし」を掲げる社民党らしく、愚直に「反差別」「戦争反対」「消費税廃止」の主張を展開。熱の入った街宣を繰り返すうち「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の主人公・両津勘吉の声優として鍛えた自慢のノドも、選挙最終盤にはすっかり潰れた。それでも必死にマイクを握り続ける姿に涙を流す人もいた。
社民党は公選法上の政党要件維持が危うく、得票率2%を超えるかどうかが焦点だった。党首の福島みずほ参院議員はきのうの開票直後、インターネット配信向けの取材で「最低1議席は確保し、政党要件(である)2%も獲得したい」と意気込んだ。政党要件を失えば、次期衆院選で小選挙区と比例代表の重複立候補ができなくなり、ポスターの枚数や選挙カーの台数も減らされる。
護憲や平和を訴えてきた社民党の存続に危機感を抱いたラサール氏は「なくなってはいけない」と自身の知名度を活かしてひと肌脱ぎ、見事に初当選。けさ未明に「当確」が判明した。
改選前の1議席を死守し、得票率2%を獲得して政党としての存立危機は脱したものの、社民候補者の中で唯一の現職だった副党首の大椿ゆうこ氏は落選。沖縄平和運動センター議長の山城博治氏も及ばなかった。
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