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トヨタの為に毒塗オレンジを食べさせられている日本人 _ 日本を農業の無い国にして良いのか?
http://www.asyura2.com/09/gaikokujin01/msg/518.html
投稿者 中川隆 日時 2010 年 10 月 15 日 20:16:38: 3bF/xW6Ehzs4I
 

(回答先: 猿人間のジャップには毒入り牛肉でも食わせておけ 投稿者 中川隆 日時 2010 年 9 月 25 日 11:42:15)


1. 恐怖の輸入オレンジ  


マーマレードは毒薬

菱田の妻はお茶を用意する。


「家内はジャム造りが得意でね。これは全部家内の特製ジャムです」

「こんなに何種類も。イチゴ、リンゴ、マーマレード、ブラック・ベリー」

「主人はマーマレードが大好きなのよ」

「このオレンジの香りがたまらない」


このマーマレードはどんな材料を使ったのか、と聞く山岡。

「オレンジよ」

「アメリカから輸入したオレンジですね。

あなたたちは猫ちゃんには随分気を使っているようですが、人間には全然使っていないようですね」

「え」

「このマーマレードは毒薬同然ですよ。こんなものをお客に出しやがって」


あまりの暴言にむっとする菱田夫妻。

「言葉が過ぎました。

でも俺は日本人があまりに輸入食品の安全性に無関心なのでイライラしているんです」

「安全性?」

「アメリカから輸入した柑橘類は全て防カビ剤OPPや殺虫剤TBZにまみれています。

OPPは強力な発ガン性を持っているんです」


「OPPは皮だけでなく果肉にもしみ込んでいるから、アメリカから輸入している柑橘類は絶対に食べてはいけない。

ましてやOPPや殺虫剤のたっぷりついている皮を食べるなんてとんでもない」

「マーマレードはまさにその皮を食べているんじゃないか」

「実は最近までOPPだけでなくEDBという強力な発がん性を持つ殺虫剤をアメリカは日本向けの柑橘類に塗っていやがったんです。

それはアメリカ国内で使用禁止になっています」


「ひどいわ。自分の国では禁止しながら日本人には使うなんて」

「最近になってアメリカ国内の作業員の健康問題を考えてEDBを使わないようにすると言い出した」

「日本人のことなど考えてないのね」

「アメリカは柑橘類に熱を加え中心温度を40度から50度にすることにして虫を殺したという」

「熱を加えたら栄養はどうなるのよ」

「そんなに熱をくわえたら余計にカビが生えやすくなるのじゃないかね。

すると防カビ剤も余計に使うことになるぞ」


「なんという危険な食べ物を我々は与えられているんだ」

と怒る菱田。付け加える山岡。

「日本政府はアメリカの圧力に屈して、アメリカからの柑橘類の輸入を増やすそうですよ」

山岡は安全で美味しいマーマレードつくりを教えましょう、と菱田夫妻を伊豆の湯ヶ島に連れて行く。

そして時期はずれの夏みかんをゲットする。


「でもよく残っていたわね」

「果物を全部取ってしまわずにわざと2、3個残しておくのを木守りと言うんだよ」


そして山岡は夏みかんのマーマレードを作る。

「色はオレンジのマーマメイドに比べると淡いわね」

「オレンジのマーマレードに比べて香りが優しいね。

苦味がさわやかだし、舌触りもずっといい」


「それはね、夏みかんの方が皮が厚いからですよ。

白い柔らかい部分もずっと厚いでしょう。

厚くて柔らかい方が出来上がりは上々だよ」


「防カビ剤も農薬もついてないしね」


美味しいマーマレードを造ってくれたお礼に菱田は小泉に子猫を譲るのであった。
http://www.asahi-net.or.jp/~an4s-okd/bun/man0091801.htm


厚生省は20年ほど前、自動車や電化製品の輸出と引き換えに、日本の消費者の健康をアメリカ側に売り渡した。


 75年4月、農林省(当時)の試験場が、アメリカから輸入されたかんきつ類を調べたところ、防カビ剤のOPP(オルトフェニルフェノール)が検出された。

この時、OPPは食品添加物としての使用が認められていなかった。

厚生省は港の倉庫に積まれていた輸入かんきつ類を、業者に命じて海に捨てさせた。


 この処置に対してアメリカの政府やマスコミは激怒し、新聞には

「日本、太平洋をトムコリンズ(レモン入りのジンカクテル)にする」

という記事が載った。


その後、アメリカ政府から、まず農務長官が、さらに大統領までが日本にやってきて、OPPの使用許可を迫った。

長い船輸送の間、カビの発生や腐敗を防ぐためにはOPPが不可欠だったからだ。


 ところが、OPPはもともと農薬として使われており、毒性が強く、厚生省は認可を渋った。

しかし、当時、日本の自動車や電化製品が集中豪雨的にアメリカに輸出され、貿易不均衡が生じており、それを解消する手だてが、かんきつ類の輸入だったのである。

もしOPPの使用を認めなければ、アメリカ側は制裁措置として、自動車や電化製品の輸入を制限する可能性があった。

それを恐れた日本政府は、'77年4月にOPPの使用を認めたのだった。

さらに翌年8月には、防かび剤のTBZ(チアベンダゾール)の使用も認めてしまったのである。


 これを契機として、サンキストのオレンジやレモン、さらにグレープフルーツが大量に日本に輸入され、スーパーや青果店の店頭に並ぶようになった。

同時に、消費者はそれらに残留した危険な化学物質を摂取させられることになったのである。

 しかし、こんな状況を危惧する研究者がいた。

東京都立衛生研究所の研究員である。

彼らはOPPを飼料に1.25%混ぜ、ネズミに食べさせた。

その結果、83%に膀胱ガンが発生し、腎臓障害も認められた。

また、TBZを毎日ネズミに体重1kg当たり0.7〜2.4g食べさせたところ、おなかの子供に外表奇形と骨格異常(脊椎癒着と口蓋裂)が現れ、催奇形性が確認された。


 ところが、厚生省はこれらの実験結果を受け入れようとはしなかった。

再実験を行い、その結果を見て判断するという態度をとった。

その後再試験が行われたが、発がん性も催奇形性も認められないとされた。

結局、使用禁止とはならず、今でも輸入かんきつ類に堂々と使われているのである。

しかし、この時、政府的判断が働いたことは間違いないだろう。

アメリカ側は、大統領まで繰り出して、やっとOPPやTBZの使用を認めさせたのである。

そのすぐ後で、厚生省がそれらを禁止したとなれば、日本の外交問題に発展することは間違いなかったからだ。

 OPPとTBZはワックスに混ぜられ、かんきつ類の果皮に塗られる。

毒性の強い殺菌剤のイマザリルも一緒に使われている。

それらは果皮に残留し、さらに果肉にも浸透するので、皮を食べなければ安心というわけにはいかない。

とくに妊娠中の女性は要注意だ。

 輸入かんきつ類のなかにも、防かび剤を使っていないものがある。

その旨の表示があるので、選んで買ってほしい。

ただし、バラ売りやスーパーがパック詰めしたもので、明らかに防カビ剤が使われているのに、表示していないものがあるので注意してもらいたい。

国産のかんきつ類、つまりミカン・ハッサク・イヨカン・カボス・スダチ・レモンなどには防カビ剤は使われていない。

できれば無農薬栽培のものがベストである。
http://fish.miracle.ne.jp/ois/fryday2.htm


まずは、「防カビ剤」。

これは主に、輸入果物に生えるカビを防ぐために添加というか塗布というか、その果物をこの溶液に浸してから輸出します。

これは主にアメリカから来るオレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘類やバナナに使われています。

 薬品名は、OPPもしくはOPP−Na、イマザリル、ジフェニルなどです。


 これらの何がアカンかといえば、やはり大きいのは「発ガン性」「催奇形性」の二つでしょう。

つまり、「ガン家系の人」や「妊婦」は、絶対こーゆーものを食ったらアカンのです。

もちろん一般人でも、です。

 これは一時期、厚生省でも「使用不可」の判定が出された曰く付きの「毒物」なのですが、「アメリカの圧力によって認可させられたモノ」です。


ちなみにこれら、アメリカ国内では使われていないそうです。


あくまで海外へ輸出する際にだけ使用するものだ、というのを耳にした事があります。

つまり、

「他国の国民がどうなろうと知ったこっちゃない、

お前らはおとなしくわしらの果物を食っとったらええんじゃ」


という、倣岸不遜な態度な訳ですね。

 現在、店頭に並んでいるオレンジとかの柑橘類は、特に断ってない限り、ほとんどアメリカからの輸入物です。

それらには間違いなく、この「防カビ剤」が使われています。


こんなもんで作ったマーマレードや砂糖漬けなんて、考えただけでぞっとします。

ましてや丸かじりなんて。ぞわぞわ。

 あ、国内産柑橘類には使われてませんから。
 
最近、一部のスーパーでは、こういった「ポストハーベスト(後収穫農薬)」ものの表示に積極的なところもありますが、この「防カビ剤」については、「国策」であるため、

表示すると国から「ちょっとやめてくんねえかな」と指導がくるとか。

もちろん、そんなもん表示しようものなら売上がガタ落ちになりますんで、しませんけど。

 ただし、最近バナナだけは、「ノンポストハーベスト」ものが多少出回っています。

これは、こういったポストハーベストを使用していないもので、安全性だけでなく、味もPHものより上です。

買うなら、こういった表示があるものを買いましょう。
それが「賢い消費者」というものです。


t10605#東京都衛生研究所の1998年度農作物残留農薬調査報告から#00-09

 柑橘類では、例年通り、OPP、TBZ、イマザリルの3種のポストハーベスト農薬が高い検出率で見つかっています。

最高残留値を示したのはいずれもアメリカ産オレンジ(全体)のOPP6900、TBZ4300、イマザリル2700ppbで、果肉へも移行していました。

ほかに、200ppbを越えて残留していた農薬は、オレンジのDMTPとNAC、グレープフルーツのエチオン、レモンの2,4−Dで、いずれもアメリカ産のものでした。


★♪コメ:皮剥いたらそれでいいって話でも無いようです。

http://www.asyura2.com/2001/postharvest.htm


世界最強の発ガン物質が輸入食品の中に

つくば国際短期大学教授 高村登美子

一番危険性が指摘されているのは防カビ剤です。

オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘類やバナナ等に使われているジフェニール(DP)、オルトフェニルフェノール(OPP)、チアベンダゾール(TBZ)、イマザリルなどの防カビ剤です。


DPは発ガン性が確認されています。

OPPは発ガン性に加えて環境ホルモン作用も認められています。

TBZは催奇形性が確認されています。

イマザリルは発ガン性が確認され、遺伝子を損傷する毒性についても疑惑がもたれています。

発売はされていませんが、アメリカで男性用経口避妊薬の特許がとられているイマザリルが食品に混入していることは、生殖に係わる健康の点から注意する必要があります。

最近の若者の精子数減少という言葉が思わず脳裏をかすめてしまいます。

柑橘類もバナナも皮を剥いて食べるから、たまに食べるのはいいでしょうが、アメリカ産のジュース類は乳幼児には与えないことです。

日本子孫基金が制作したビデオテープでポストハーベスト農薬の使用の実態を見ると、

アメリカでは柑橘類を農薬処理した後で、丸ごと圧搾してジュースを作っているのです。

http://www.h7.dion.ne.jp/~i-hoken/shoku4-6.html

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みかん消費20年間で半減 2010年01月27日

みかんの消費量が右肩下がりに落ち込んでいる。

原因はライフスタイルの変化や輸入フルーツの増加などが考えられるという。

総務省統計局が公表している家計調査年報を見ると、みかんの消費量は、二人以上の世帯で1988年には年間約32kg、2008年には約15kgと20年間でほぼ半減したことがわかる。

1個100gとすれば、約320個だったのが150個しか食べていないことになる。

一年間の購入金額も一世帯当たり7205円だったのに対し、4713円と右肩下がりに落ち込んでいる。


それはなぜか――。

日本園芸農業協同組合連合会、松本務流通課長は「複合的な要因がある」と指摘する。

一つ目は、生活様式の変化だ。

昔は、こたつの上にはみかんがあるのは当たり前の風景だった。

ところが今は洋式化も進み、家族はテレビを囲んでソファーに並ぶようになった。

必然的にみかんの置き場所が無くなってしまったのだ。

また、かつては箱買いすることが多かったのが、近頃は核家族化で10個程度の袋入りが中心になっていることもある。

そのせいで、みかんの購入機会、そして購入数が減ってしまったというわけだ。


二つ目は、果物の種類が増えたことだ。

今では冬でも輸入果物、バナナやグレープフルーツなどもあり、選択の余地が増えてきた。

また最近では、みかんの最大のライバルがイチゴという。

たしかにスーパーでも、ブランドイチゴの「あまおう」「とちおとめ」が目に付くようになった。


みかんの産地で知られる静岡県。

産業部農林業局みかん園芸室の担当者は、

「若い人の果物離れも考えられます。
果物全体に対しても言えますが、年配層では消費は多いのに、働き盛りの人、その子どもがみかんに接する機会が少ないようです」

と話す。とりわけ子どもの場合はお菓子の影響もあるだろう、と言う。前出の松本さんも

「何しろお菓子は宣伝力が大きいのに、果物は……」と声を落としている。

皮を剥いてある冷凍みかん発売

そして、他にも理由がありそうだ。

NHKの報道番組「ニュースウオッチ9」がみかん消費落ち込み問題を取り上げた際、街の人の声を聞いたところ、

「剥くのが面倒くさい」

「みかんの皮を剥いたときに白い筋が爪に入るのがいやだ」

といった意見があった。

個人のブログを見るとたしかに、「私は剥くのが面倒であまり食べない」などといった書き込みが散見される。

番組では手が汚れるというので、ティッシュペーパーを挟んで剥いている、という人もいた。

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ミカン農家悲鳴「もう先が見えない」 2009年11月12日


手取りキロ当たり40円


10月までに出荷する極早生ミカンの価格が低迷し、生産農家が悲鳴を上げている。

10月下旬には一定量を市場から隔離する緊急措置が2年連続で発動された。

主要市場の卸売価格は対前年比10%前後で下がり続け、一大産地の藤津郡太良町の若手農家らは「今年は利益が出そうにない」と青息吐息の状態だ。

消費拡大を呼びかけるとともに、減反政策の復活を望む声もある。

 太良町は海岸沿いで温かく、極早生の栽培が盛んだ。本年産の露地ミカンの出荷計画では、JA系統の同町の露地ミカン出荷量(JAさが、太良町果協の合計)は7544トンで、このうち64%を極早生が占める。

 生産者の山田公寿さん(39)は

「『今年が最低』と言い続けてきた。
去年までは『来年がんばりきっさ』と仲間で励まし合ってきたが、もう先が見えない」

という。 近年のミカンの卸売価格の推移=別表=を見ると一目瞭然で、10月下旬の価格は

3年前が223円、2年前が171円、前年が153円で、今年は135円だった。


 農家の手取りとなるとさらに低い。

若手農家らによると、昨年は1キロ当たり50円前後だった。

生産費は40円程度で、100トン出荷して100万円の利益。

だが、町内で100トン以上の農家は数人という。
今年はそこからさらに10円から15円下がるという。


 市場隔離の実施主体である全国果実生産出荷安定協議会(東京都)によると、

本年産の温州ミカンは表年で出荷量が多い上、極早生は8月下旬以降の小雨で小玉が多く、市場の受けがよくなかった。

近年は消費の伸び悩みで荷動きが悪く、ほかの果物との競合も厳しいという。

 極早生は早生や普通に比べ、表年と裏年の収量の差が少なく、農家の供給過多の危機感は強い。

「何もしないなら、来年の暴落も見えている」と生産者の川粼豊洋さん(40)。

これまでも優良品目への改植が各産地で進められてきたが、こうした対策や生産者の自然減では追いつかない状況に、かつて生産調整を強力に推し進めた「果樹園転換事業」を求める意見も出ている。
http://blog.livedoor.jp/robotnews/archives/51357040.html


かんきつの輸入自由化は一九六四(昭和三十九)年のレモンに始まり、七一年のグレープフルーツ、九一年オレンジ、九二年オレンジ果汁と続く。

 市原さんがはじいた年間収入の数字は、オレンジ自由化前の九〇年には三百四十一万円あったのが、自由化後の九三年には三十七万円まで下がった。

 ミカン作り四十年。最盛期に二・二ヘクタールあったミカン園は、約五十アールになった。

その畑に案内してもらった。

 軽トラックが農道をあえぎながら上った。

瀬戸内の島と同じ急傾斜の段々畑。


「この上は五年前にやめた所」と指さした畑は、すっかり山に戻っていた。

徳島市の山本恵二さん(49)は、十年前まで農協に勤めてミカンの指導をしていた。

「農政を進める側にいて、ずーっと国の政策に矛盾を感じていた」と言う。


  オレンジの自由化で、農家だけでなくミカンジュースを作る青果連も窮地に立っている。

愛媛、広島両県のジュース工場をのぞいた。

全国のミカン果汁の約三割を占め、「ポンジュース」の名で知られる愛媛県青果連の生産量は、最盛期の二割まで落ち込んでいる。


ジュースや缶詰などの加工用ミカンは、キロ当たり十円を下回る。

農家にとっては労賃にもならない値段だ。形や品質の悪いのはジュースに回し、豊作の時は余ったのを果汁に向けて市場調整をしてきた。

つまり生で食べる果実の価格を支えてきた側面がある。

 果汁自由化はそのつっかえ棒を取り外した格好である。

あっという間にオレンジジュースの八割を外国産が占めるようになった。

 ミカン栽培は干ばつ、寒波、台風などの天候だけでなく、輸入自由化との闘いの歴史でもあった。
http://www.chugoku-np.co.jp/setouti/seto/2/970205.htm


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2. 農業労働は時給256円


安い米/時給にして何と256円


米の生産者米価が暴落、農家が深刻な打撃を受けています。

「コメが安くなっていい」と喜んでいられない事態です。

何が起こっているのでしょうか。   君塚陽子記者

新潟県阿賀野市。刈り取りが終わった水田が見渡す限り広がるコメどこりです。

喜びあふれる収穫の秋のはずが…。


「顔が青くなった」

同市の米農家、町田拡(ひろむ)さん(69)は8月20日、JA全農にーいがた県本部が出荷時に農家に支払う概算金を1俵60`1万円にすると知りました。

昨年に比べ1俵あたり5千円の値下がりです。

年間450俵を出荷する町田さんが計算すると、「値下がり分で、1年間の生活費が飛んでしまう」。

米価の減収分を補おうと野菜を作り、直売所や産直ボックス、学校給食にも納め、現金収入を得てきました。

「しかし体カにも限界がある。来年は、さ来年はどうなるのか…」

8fで米を作る「夢ファームくまい」の遠藤昌文さん(44)は、減農薬などを魅カに玄米30`c1万円で消費者に直接売っています。

今年、初めて経費を一覧にした「我が家の生産費」のチラシを同封し、消費者に理解を求めました。

「市場の価格が下がってくると、産直の価格も安くなっていいはずと思いがち。

でも、農協が示した概算金は生産費を割っている。

これじゃ、産業として成り立っていかない」

地元農協の一つ、JA北蒲みなみ(組合員約3300人)は、県本部が示した1万円に3千円上乗せしました。

それでも、「これじゃ赤字になるばかり」と組合員から声があがります。


組合長の遠山繁男さんは、

「需給バランスというけれど、国は下落対策をとるどころか、新米が出る時期に政府米(備蓄米)を安く売りだし、自らバランスを崩しているんだもの」

と我慢ならない様子です。

同市の農家のほとんどが水稲中心です。

米価下落は地域経済を直撃します。

1俵3千円値下がりした場合、市内の農協出荷分だけでみても、約10億円の減収に。

「秋に米代金が入り、家具を買ったり、家を直したりするのが地域のパターンだった」


というのは阿賀野民主商工会会長、松崎良継さん。


「この5、6年、近隣の雑貨屋、酒屋が次々閉店。

通りにある商店はうちの食堂だけに」と。

妻の美苗さんは

「食堂の出前も激減。どの家も節約しているのがよくわかります」。


阿賀野市議会は、9月28日、「生産費を償える」価格保障政策を復活・充実させる」などを国に求める意見書を全会一致で可決しました。

市場任せのツケが

こんな事態になったのは、自・公政府の「構造改革」によって、米の生産・流通・価格の、いずれの分野からも国が手を引き、市場任せにしたからです。

2004年度から本格的に実施されました。


今回の暴落に対しても、若林農水相は「(米価を)政府買い入れによって支えることは考えていない」(2日の記者会見)との態度。

備蓄米が77万dと適正水準(100万d)を切っているにもかかわらず、買い入れを拒否しています。


毎年、全国の米生産量の1割に相当する約77万dの輸入米が入っています。

農水省の公表分だけでも10万dが主食用に。

米菓子の原料にも回されています。

それ以外にも加工品として米が輸入されています。

価格保障復活を

≪国会で米価暴落問題をとりあげてきた日本共産党の紙智子議員の話≫

緊急に政府が買い上げて、需給バランスを是正することが必要です。

生産が続けられるよう価格保障を復活・充実させることが不可欠。


食料自給率は39%と先進国のなかで最低水準の日本にとって、コメは食料主権にかかわる問題です。

先進国では主食を守っています。

米価の回復とともに、自由貿易拡大を最優先するWTO協定も必要になっています。


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◇ 時給 256円 ◇

農水相が発表した「平成18年産 米生産費」によると、家族労働報酬は1日あたり2046円。

時給に換算すると256円にすぎません。


千葉県農民連は、各市町村議会へ「国の責任で1俵2万円米価を保障せよ」と請願。

7市町で採択しています。

農民連ふるさとちばネットワークの飯尾(いお)暁さんは、


「1俵2万円になれば、時給換算で千円。

労働者の地域最低賃金の農民版」と訴えています。
http://www.asyura2.com/07/senkyo43/msg/336.html


生産者米価の低下と農業政策     2010/09/18


 本年の新潟産米の一般コシヒカリ800トンが17日、全国に向けて出荷された。

2等米が大半で、当初卸売価格は60キロ当たり前年比1,000円減の15,000円であるという。
 
 価格は産地などによって異なり、上級米の魚沼産は1,500円減の21,000円のようであり、いずれも2年続いて引き下げられるというが、個人所得補償政策によって値下げによる減収分は何とか救済されるようである。

 1,993年産の26,000円と比較して40%も減り、厳しい状況にある。

 生産調整で減反政策が採られて久しいが、少子高齢化にあって、ますます農業人口は減少しており、機械化に頼らざるを得ない状況では採算面からこれ以上の価格引き下げは打撃が大きい。
http://hy2.at.webry.info/201009/article_27.html


生産意欲を失わせる 2010年8月27日

 生産者米価は近年暴落を続け、多くの農家が労賃分も出ない状況で、全国で耕作放棄が広がる要因になっています。

政府の調査でも、コメ60キログラム当たりの生産費は1万6497円(2008年産全国平均)ですが、今年6月の平均価格は1万4120円と2300円も下回ります。

出荷が始まった高知県などでの農家への仮渡し金は1万円と報じられるなど、米価暴落はとどまる気配がありません。

 米価が暴落を続ける原因は、1995年以来価格政策が廃止されたうえ、需給計画の狂いによる在庫量の増大に、大手量販店を主力にした買いたたきとコメの安売り競争、政府が備蓄米を安値放出したことなどが重なっています。

輸入米(ミニマムアクセス米)による圧力も重要な要因です。


 米価暴落は米作農家を困難に追い込むだけでなく地域経済にも大打撃を与えています。

雇用破壊と低賃金のもとで安い食料品が求められ、コメとともにさまざまな農産品にたいする大手流通企業の買いたたきや安売り競争が横行し、農家や中小業者には必要な経費を無視した価格が押し付けられる、まさに悪循環です。


 民主党政府が導入した戸別所得補償も、生産者米価が生産費を下回る事態が常態化し、現在の米価では生産を維持できないことを認めた政策です。

米価と生産費の差額を面積で換算して支払う補償額も10アール当たり1万5000円と十分とはいえません。

しかも政府は戸別所得補償があるから価格対策は必要ないとして、備蓄制度を活用して政府が過剰分を買い入れて暴落を防ぐという、農協や農民運動全国連合会(農民連)などの要求を拒否しています。


 7月に公表された「需給及び価格の安定に関する基本指針」の価格安定対策は、生産目標(減反)の達成だけです。

備蓄については、民主党が「マニフェスト」に掲げた棚上げ方式(

一定期間過ぎて使用しなかった備蓄米は食用以外に処分する)

さえ否定し、

「食用として販売した数量を買い入れる」

とし、販売量が少なかった場合には買い入れ量も減らすとしています。

価格暴落による深刻な影響は、まったく考慮されていません。

過剰米の買い入れこそ

 コメの生産は政府が需給計画と生産量の目安をしめし、その範囲で生産した農家が戸別所得補償の対象になります。

しかし豊凶などによる収量の変動は避けられず、消費量も経済情勢や他の食品の価格との関係でも変動します。

安定した生産のためにも価格の下支えは不可欠です。

 戸別所得補償制度を農業の再生に役立つように運営するためにも、コメをはじめ農産物の生産者価格の安定は大事な条件です。

国の責任で過剰米を緊急に買い入れるとともに、価格保障の確立を基礎に、国内農業を多面的に発展させ、安全な食料の安定供給をめざす政策への転換が必要です。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-08-27/2010082701_05_1.html

米価と日本農業 2010-04-17


アジアの米輸出国第1位はタイで、第2位がベトナムです。

ところが最近ベトナムが急激に追い上げているんだそうです。

タイ産が500ドル、ベトナム産が350ドルでアジアの米市場ではベトナム産が圧倒的な輸出競争力を持っています。

タイは、コスト削減に努力するとともにベトナムで生産できない高級米の生産により、競争力を回復しようとしています。

その価格を日本円に換算すると、タイ産が46000円、ベトナム産が33000円とは何キログラムかと思いきや、1トンあたりの価格です。

1キログラムあたりタイ産が46円、ベトナム産が33円です。

これは生産者価格ではなくて、流通している米の値段です。

生産者米価はもっと安くて30円もしないのでしょう。

日本では、あきたこまち60キログラムの生産者米価は12300円で、キログラム当たり205円です。

アジアで流通している米の7倍も高いんじゃないでしょうか。

この国際的に異常に高い日本の米価でも、中国の金持ちは輸入して食べてくれているそうです。

日本の米消費が減るなかでありがたいことです。

タイ産やベトナム産が長粒種(インディカ種)に対し、中国では日本と同じ短粒種(ジャポニカ種)が好まれるわけです。

しかも、毒入り粉ミルクのように裕福な中国人は中国産の食料を信用していません。

だから中国産の数倍高くても日本製粉ミルクが飛ぶように売れ、日本の米も美味くて安全ということで売れるんだそうです。
http://ameblo.jp/hiranoxx/entry-10510864301.html

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3. 輸出産業が日本を駄目にした

3) 輸出をすればする程 日本人が貧しくなる理由

アメリカとの商売はこれからどんどん縮小していきます。

それは、ドルというものの値打ちがどんどん下がっていくからです。

これはもう避けられません。


 昔はドルは純金だったのです。

1971年まで、35ドルで純金1オンスと取り換えてくれました。

だからドルは紙屑ではありませんでした。本当の金だったのです。


 われわれのお札はみな紙屑です。

1万円なんて新しくて随分きれいになりましたけど、綺麗にしただけちょっとお金がかかって、印刷費に1枚27円とかかかると聞きました。

27円の紙がなぜ1万円なのか。

これは手品みたいなものです。

日本の法律の及ぶ範囲でだけ、あれは1万円なのです。

その外へ出ると27円に戻ってしまいます。


 金と取り換わらないお札というのは、簡単にいえばその国の中でしか通用しません。
他の国へ行ったら、その国の紙屑と取り換えなければ通用しません。

ところが、ドルだけは世界で通用しました。 純金だからです。

 ところが、1971年にアメリカはドルを金と取り換える能力を失いました。

ベトナム戦争という馬鹿な戦争をやって莫大な軍事費を使ったのです。

背に腹は代えられなくてお札を印刷し、航空母艦を造ったりミサイル、ジェット機を作ったりしたのです。そのために、手持ちの金より沢山のお札を印刷しちゃったのです。

 その結果、アメリカは、ドルを金と取り換える能力を失ったのです。

そこで、71年8月15日、ニクソン声明が出されました。

「金、ドル交換停止声明」です。

あの瞬間にドルも紙屑になったのです。

ドルが紙屑になったということは、ドルがアメリカの国内通貨になったということです。


 ところが、問題はそれ以後なのです。

世界で相変わらずドルが適用したのです。

皆さんも海外旅行へ行かれる時は、大体ドルを持って行かれますね。

どこの国へ行っても大丈夫なのです。

金と取り換えられないお札が何故世界で適用するかは本当に不思議で、経済学者にとって最大の難問なのです。

いろんな人がいろんな答を言っていますけど、あらゆる答に共通しているのは、ひとつは

「アメリカの力の反映」だから、ということです。

 つまり、日本が自動車を作ってアメリカヘ売ります、ドルを貰いますネ。

日本は損をしているのです。

自動車という貴重な物質がアメリカへ行って、紙屑が返ってくるのですから。

物が減ってお札だけ増えると必ずバブルになります。


 バブルの犯人はそこにあるのです。

日本が輸出し過ぎて貿易黒字を作り過ぎているのです。

だから日本は、アメリカに自動車を売ったら、「純金で払ってください」と言わなければなりません。

ところがそう言うと、ジロッと睨まれてお預けになってしまいます。


日本には米軍が5万人います。

「アメリカのドルを受け取らないとは、そんな失礼なこと言うなら、在日米軍クーデター起こしますよ」、

これで終わりなのです。

黙って受け取ってしまう。


だから日本は無限に物を提供し、無限に紙屑をもらう。

こうしていくら働いても日本人の生活はよくならないのです。

しかもその紙屑でアメリカの国債を買っています。

アメリカに物を売って、払ってもらった代金をアメリカに貸している。

言ってみればツケで輸出しているようなものです、現実に。

アメリカにいくら輸出しても日本は豊かにならない仕組みになつています。

 2週間前に『黒字貿易亡国論』という本が出ました。

有名な格付け会社の社長さんですが、

「貿易黒字を作るから日本は駄目なのだ」、

ということを詳しく論じたたいへん面白い(文芸春秋社の)本です。

確かにそうだと思います。

だからドルは、本当は受取りたくないのです。

みんな紙屑なんです。

だけど受け取らないと睨まれる。

アメリカの軍事力が背景にあるのです。

 その力をバックにして、紙切れのお札を世界に通用させている。

例えていえば──


餓鬼大将が画用紙に絵をかき1万円と書いて鋏で切り、

これ1万円だからお前のファミコンよこせ、

とこれを取り上げる──


のと同じです。


いやだと言ったらぶん殴るのです。


怖いから黙って渡して紙屑もらうことになります。

その紙屑で、他の人から取り上げればよいのです。


「お前のバイクよこせ、よこさなかったらいいつける」。

「あの人、あんたの紙屑受け取らない」、

するとガキ大将が釆て、ゴツンとやってくれる──。

餓鬼大将の力の及ぶ範囲ではそれが通用するのです。


露骨にいえば、ドルがいま世界に適用しているのは、そういう仕組みです。

アメリカは、永いことドルが世界通貨ということに慣れてきました。

だから自動車が欲しければ日本から自動車買って、アメリカは輪転機を回せばよいのです。

紙とインクがあればいいのですから。

ほかの国はこんなことできません。

自動車が欲しければ、一生懸命働いて何か輸出し、その代金で輸入しなければならないのです。

アメリカ以外の国は全部そうやっているのです。

輸入は輸出と一緒です。

輸入するためには輸出しなければなりません。

ところがアメリカだけは輸出しないで輸入ができるのです。

ドルという紙切れが世界通貨ですから。

極端に言えば、欲しい自動車や石油を日本やアフリカなどから買って、紙とインクで支払う。

実際そうして世界の富がアメリカに集まったわけです。
http://kyonannet.awa.or.jp/mikuni/siryo/2006/kawabata-kouen060114.htm


アメリカの謎を解く
 
 日本では、税制赤字を解消するために、増税をしなければならないと考えられているが、アメリカは逆である。

減税をして国内消費を活性化し、景気をよくして税収をあげようとする。

さらにアメリカの場合は戦争によって軍需景気を作りだしているわけだ。

 いずれにせよ、アメリカは消費大国。

国も国民も借金をして消費を楽しんでいる。

このアメリカの消費を助けているのが日本をはじめとするアジア諸国だ。

とくに日本の貢献が大きい。

日本は政府と民間が何百億ドルというアメリカ国債を買っている。

 先日、朝日新聞夕刊「経済気象台」に「米国のもう一つの謎」という文章が載った。

経常収支の赤字が拡大しているにもかかわらず、ドル高が持続している謎について、それは借金国のアメリカが負債について支払う金利が「異常」に低いからだと書いている。

これに反して、アメリカの対外資産は巨大な利益を手にしている。

 アメリカは莫大な借金をし、そしてその中から、わずかな一部を他国に貸している。

そして不思議なことに、巨大な借金のための利払いよりも、わずかな海外資産の方が多くの利益を生み出しているというのだ。

 どうしてこんなマジックが可能なのか。

それは日本がこの逆をしているからである。

なぜ日本がこの分の悪い役回りを続けるのか、実はこれこそが本当の謎だということになる。


<驚くべきことに、小さな対外資産から受け取る利子と配当が、大きな対外負債に支払う利子と配当を今日まで上回り続けている。

家計にたとえると、収入を上回る買い物をして毎月赤字が続き、借金が膨らんでいる。

ところが、多額の借金に支払う金利がゼロに近ければ、わずかばかり保有する預金などから受け取る利子の方が大きいという状態なのだ。

これでは赤字をいくら出しても、借金さえできれば、後は何の憂いもなく買い物ができる>


<このうまい話に手放しで悪のりして、米国は経済収支赤字を続け、負債の増加に加速度がついている。

この構図が最近話題になり、債権国が浮き足だっている。

日本にその気配がないことが「謎」の源である>


 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。

大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。

たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。

ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。


 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。

イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。

インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。

お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。

そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。


 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。

こうしてイギリスはどんどん発展した。


 一方植民地はどうなったか。

たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。

どんどんデフレになり、不景気になった。

 仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。

ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。

こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。

そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。


 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。

経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている。

<輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。

日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。

貸し出しなどに自由に使うことができる。


 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。

停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。


 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。

ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。

日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである>


問題はすでに厖大なドル建て資産をアメリカに持っていることだ。

日本人の汗の結晶であるドル建て資産が、今後ドル安で何百兆と失われる可能性がある。

こうした形で、アメリカは最終的に日本の資産を合法的に手に入れようとする。http://www.owari.ne.jp/~fukuzawa/nikki06-2.htm


インド,日本そしてその次は?
 

アメリカ政府も大資本も日本のマネーを吸い取っているのです。

アメリカの日本経済研究者の間には次のような見方が強いそうです。

―『2015年くらいまで、日本の金を使ってアメリカの繁栄を支える。

2015年になれば日本の金は尽きてしまう。

その時は中国とインドをアメリカ財政の補給源にする』

「2020年の世界」という2004年秋に作られたアメリカ政府部内のリポートには、

「2020年にはアメリカのパートナーは中国とインドだ」

と書かれています。

つい先日、アメリカの著名な大学教授がNHK・BSで

「中国とインドがアメリカのパートナーだ」

と明言したということです。

アメリカの有力な経済人も同趣旨の発言をしています。

アメリカは日本の富を緻密に計算して「2015年限界説」を述べているのでしょう。

日本はアメリカによって使い捨てにされようとしているのです。
http://wanderer.exblog.jp/4632381/


3) 輸出産業は迷惑だから海外に出て行ってもらうしかない


輸出競争力強化は弊害そのもの

輸出競争力強化は弊害そのもの、円高が加速する。

輸出は控えるのが筋


輸出超過大国の日本では輸出増はさらなる円高となり日本経済に大きなマイナスとなる。

輸出競争力は円安になれば自ずと強化する。

円高でも輸出超過、したがって日本の輸出競争力は世界一と言える。

輸出競争力強化のために法人税率を下げる必要があると、これは全くの逆でむしろ上げるべきだ

(参考)日本の法人税率は米国より低い

法人税率日米比較(法人税、事業税、住民税を含む)財務省06年1月現在
▽ニューヨーク45.95%、ロサンゼルス40.75%
▽東京40.69%、日本標準39.54%


▼次も新しい視点で考えて見て下さい

輸出で雇用増は期待出来ない、円高の日本では輸出はむしろ弊害
輸出額と輸入額との差は対GDP比0.6%(09年)と少ない、
この0.6%が雇用増になっていると考えて良いのです。

しかるにこの0.6%のために輸出業界のみでなく国内向け業界それに観光業界など全てが被害を受けている、

賃金も引き下げざるを得ないのです。


したがって0.6%をマイナスにすべきで、マイナスになれば円安になり、内需拡大につながりはるかに日本には得策なのです

このために人件費引き下げてまで輸出している企業は海外に移転すべきで、移転先で外貨を稼いで頂きたい、

国は移転を積極的に支援すべきです。

▼参考
ドイツの輸出超過額は可成り多い、日本では円高になり不可能と思う、

だがユーロにも問題もある

為替レートのヒードバックがないので、国家間の経済格差が拡大するのは明ですね。
(国内でも同じで単一通貨だから経済格差が拡大、小国が有利なのはこの点だと思う)

09年輸出入
純輸出/GDP  日本0.7% 、ドイツ7.9%
http://fxdondon.iza.ne.jp/blog/entry/1551323/
http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/L2/220630.htm

工場の海外移転は国益

工場の海外移転は国益になる、

国は移転を積極的に支援すべき、

外貨は輸出でなく海外移転企業が稼ぐもの


特に人件費引き下げてまで輸出している企業は海外に移転すべき,

そもそも輸出産業は国内向け産業に迷惑になっている

政治家もエコノミストもマスコミも誤解し、

輸出するために人件費引き上げに反対、法人税率引き下げが必要だと、

しかし全くの誤解だと思う。

日本は輸出超過大国、だから円高になる、

だから人件費下げてまで輸出している企業は海外移転すべきで、

移転で輸出が減れば円安になり国内向け企業は持ち直し、賃金も上がり、消費も増える。


そもそも人件費下げてまで輸出しても国内に製品が増える分けでもなく、国民生活は良くならない。

輸出企業の海外移転は円高防止や国内向け企業の発展には必要で国は積極的に支援すべき。

そもそも消費地に生産を移すことは経済の原則だ。

▼仮に海外移転しないでどんどん輸出したらどうなるかを考えましょう。

今でも輸出超過大国なので貿易黒字は膨大になり輸出は不可能になる。

外貨は海外へ出稼ぎして稼ぐべものだと思う。


▼安賃金での輸出は迷惑行為だ、内需拡大にも支障になっている。

人件費引き下げてまで輸出している企業は国益に反する。

日本が不況なのはこの迷惑行為だ。


人件費引き下げは内需を縮小するのは明らかで、人件費ダンピングは如何なる場合も回避すべきで企業の倫理であってしかるべきだと思う。

▼輸出企業は国内向け企業には迷惑的存在で円高の日本では国益に反する

▽「輸出額?輸入額」のGDP比1.6%
すなわち貿易で雇用が増えると考えられるのは1.6%だけだ。

※データは06年実績

したがって人件費を上げられない輸出企業は海外特に消費国に移転すべきだ。

輸出企業は国内向けの企業には大きな迷惑になっているのは間違いない事実だ。

外貨は輸出でなく移転企業が稼ぐべきだと思う。
http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/L2/220623.htm


日本の輸出超過大国は輸出産業の人件費犠牲で成り立つ


輸出は“円建て”にし為替レートに関係なく国内と同一価格にすべき

輸出超過は輸出産業の人件費に大きく関係しているはずで、日本が輸出超過大国、海外純資産残高は世界一、は人件費が安いためと見て良いのです

人件費下げての輸出→円高→さらに人件費下げての輸出→、

のスパイラルになっているのです、


このため全ての産業が円高による安い輸入品にかき回され人件費を下げるざるを得ない状態

これでは消費が伸びず景気は停滞するのは明らかです、

すなわち輸出産業(輸出超過分)が日本経済を駄目にしていると見てよいのです。

輸出超過から輸入超過への転換が必要です

輸出額と輸入額との差額のGDP比は09年は0.7%、(06年は1.6%)

この0.7%が全ての産業をかき回していると見てよいのです。

この+0.7%を逆に?0.7%にすれば円安になる、
輸出は一時期減るが、円安になれば景気も良くなり雇用も増え輸出も増える、

0.7%の数値は困難ではないと思うのです。

日本の輸出競争力は世界一と言って良い、
こんなに円高なのに輸出超過が何よりの証拠、だから人件費を引き上げは可能なはず。

また企業の内部留保、配当金、役員の給与は大幅に増えているのに、労働者の賃金は大幅に下がっていることからも引き上げは可能なはず。

具体的には労働者派遣の禁止(30年前に戻る)と最低時給1000円を提案します。

これが日本経済を救うのです。

困る企業は人件費の安い海外に移転して海外で外貨を稼いで頂きたい、
これが国益で国は移転を支援すべきです。

輸出超過大国の日本ではより円高にする次の2点は国益に反するのです(輸入超過国とは別なはず)


▽国内より海外に安く売ることは国民を馬鹿にした行為ではないでしょうか、

▽政府高官の海外への売る込みは円高につながり疑問なのです、


そもそも先進国は経済力があるので、通常時は輸出超過でなく輸入超過に誘導することが国民生活を豊かにするのみでなく世界経済にも貢献するのです、

その例が米国ですね。

特に日本はこれ以上輸出超過を続けることは相手国もあり問題が大きいと考えるべきではないでしょうか。

(参考)米国は特許料など技術使用料の貿易黒字額は全世界の70%も占め(2008年)ガリバー的存在なのです、

それなのに輸入超過大国なのです。

日本は2003年に初めて黒字になったのです。


外貨を貯めても使わなければ紙切れなのです。

すなわち国民生活を向上させるのは輸出超過ではなく輸入超過なのです。

この点に気付くべきです。
http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/L2/220726.htm


自由貿易で人件費引き上げを

「輸出総額=輸入総額」の自由貿易で人件費引き上げを

技術力に比して人件費が安いと輸出超過国になる、
逆に高いと輸入超過国になる。

これは理の当然である。

このため輸出超過国は人件費を上げ輸出を減らす。
これを自由貿易の共通認識にすべきだ

自国のみでなく世界経済にもプラスになると思う

そもそも自由貿易は結果的には人件費引き上げが目的のはず、
引き下げ競争になるなら自由貿易は弊害で止めるべきと思う


▼日本は技術力に比して人件費が安いから輸出超過になっている。
(このことを認識すべき)

それで外貨を稼いで、日本の海外純資産残高は世界一で黒字266兆円(参考、米国は赤字▲300兆円)
日本はいくら外貨を稼げば良いのか、永久に人件費を下げて外貨を稼ぎ続けるのか、

この上半期の貿易収支は黒字額4兆円、
4兆円は「ドル売り円買い」になり円高を引き起こしている。

問題は人件費を引き下げで輸出し円高を引き起こしている、
すなわち2重の損失になってるのは間違いない事実

それにしてもこれほどの円高にもかかわらず輸出超過なので日本の輸出競争力は世界一と言える,人件費が犠牲だが

▼米国は技術力に比して人件費が高いから輸入超過になっている、
だがドル安でもある。どちらが良いかですね。

日本単独でも人件費を上げて「輸出総額=輸入総額」にすべきだと思う。
人件費引き下げ競争は不幸です。
http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/220820.htm


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4) 円高では衰えない日本の競争力

ミクロで捉えた日本経済

的外れの経済理論

これまで本誌はマクロ経済を中心に経済論評を続けてきた。

本誌は日本の経済不振の原因を、貯蓄過多による国内需要の不足と見ている。

したがって主張する経済対策は、もっぱらマクロ経済政策による需要創出である。


ところが世間では的外れの経済理論がまかり通っている。

マクロ経済の不調をミクロ(産業や企業)のレベルで説明しようというものである。

それ自体は無茶な話であるが、たしかに聞いている人々を思わずそのような気にさせる。

そこで今週からミクロで捉えた日本経済の話をする。

よく言われていることの一つは「日本の産業の競争力が衰えたから」というものである。

90年当時、日本の企業の競争力は世界一であったが、今日、17、18番目になってしまったという話である。

しかしこの話の根拠となっている調査の出所が明らかにされていない。
おそらく日経新聞がよく引用するスイスのビジネススクールの調査と思われる。

テレビなどの各メディアは共通してこの調査結果を使っているようだ。

しかし昔から本誌はこの調査のいい加減さを指摘してきた。

まず国別の競争力となれば色々な要素があり、全ての人々が賛同するような基準はない。

また国同士の競争ということになれば為替が関係してくるはずなのに、この調査は為替水準に一切言及がない。

だいたいこの調査では米国がいつも一位か二位ということになっている。
とても信用できるものではない。


よく分らないのが「日本において90年代から産業構造が変化の方向が間違っていた」という指摘である。

まるで雲を掴むような話であり、筆者にも理解不能である。

おそらく需要のある分野に生産要素が向いていないということを言いたいのであろう。

これに関してよく引合に出されるのは


「日本は公共事業ばかり力を入れて、介護などの分野が人手不足になっている」

と言った話である。

しかしまだまだこれら介護の分野の経済規模は小さく、とても公共事業にとって替わるものではない。

またこの分野の従事者の待遇は、国が決めることができるのである。

したがって例えば「公務員並の待遇にすれば良い」と言った分りやすい提案をすれば済む話である。

いずれにしてもこの程度のことで、日本経済の不調を説明するのには無理がある。


最近、日本が得意だった分野において、日本メーカの世界シェアーの低下がよく指摘される。

具体的には鉄製品、半導体、薄型テレビなどである。

特に韓国、中国、インドなどのメーカのシェアーが大きくなっており、おしなべて日本のメーカの順位が下がっている。

しかし日本の得意分野の輸出が不振になったから今日の日本経済の不調が続いているのではない。

たしかにリーマンショック後、世界的な極度の売上不振が起り、日本の輸出も一時的に激減した。

ところが最近では輸出全体ではかなり持直している。

4月8日発表の2月の貿易・サービス収支は6,934億円の黒字、また経常収支にいたっては14,706億円の黒字となっている。

これまで得意としていた分野の輸出が低迷していても、他の輸出が増えているのである。

つまり日本の産業の競争力が衰え、輸出が伸びないから日本経済が低迷しているという話は真っ赤な嘘である。

カギ付の冷蔵庫

前段で述べたように、日本の産業や企業の競争力が衰えているという話が蔓延している。

日本ではマスコミを中心に、この自虐的な物の見方が根付いている。

これまで本誌は歴史や為替(日本の円が米国のドルより強いはずがないという思い込み)に関する自虐的な見方を取上げたことがある。

この自虐的な見方が日本の産業まで及んできている。


最近、日本が産業分野において新興国に追い上げられていることがよく取上げられている。

たしかに日本が得意だった家電やパソコンなどではかなり日本の地位は下がっている。

また粗鋼の生産量では、新日鉄やJFEスチールは世界の7位以下である。

ルクセンブルクのアルセロール・ミタル(経営者はインド人)を除けば、上位のメーカは中国と韓国である。

このように日本が新興国に追い上げられているのは事実である。

日本の人々は、そのうちこれらの国々にどんどん追い抜かれ、日本は三等国に転落すると思い込んでいる。


経済や産業だけでなく、色々な分野で日本が新興国に追い抜かれる度に日本人は自信を失うよう仕向けられている。

そしてこの後には「だから日本は構造改革が必要」といった日経新聞や、世間知らずの二世国会議員が好みそうな下らないセリフが続く。


日本のメーカを追い抜いて脚光を浴びているのが韓国である。

半導体だけでなく、家電やハイテク関連で日本メーカを引き離すメーカがどんどん出ている。

またその差がだんだん大きくなっている。

たしかに短期間で韓国のメーカが日本を追い抜いたことに興味がある。

しかしこれについて適切な解説がなかったのが事実である。

そして最近、筆者はこれに関して文芸春秋2月号に掲載された「日本企業はなぜサムソンに負け続けるのか」という文章に注目した。


この著者は、日立出身で、元サムソン電子常務の吉川良三氏である。

この文章の中で筆者が驚いたのは、サムソンなど韓国メーカには開発部門がないという話である。

まずサムソンなどは主に日本のメーカの新製品を分解し徹底的に分析する。

ここまでは日本のメーカもやっていたことである(特に昔は欧米のメーカの製品を研究した)。しかしサムソンのやり方は徹底しており、部品の設計思想まで遡る。


サムソンなどの韓国のメーカが凄いのは、この分析から逆に新しい製品を作り上げるのである。各国の消費者のニーズを念頭に、いらない機能をどんどん省き、逆に好まれそうな機能をプラスするのである。

徹底したユーザ指向ということである。

また価格は輸出先の国民の所得レペルを完全に意識して設定される。

ようやく所得が増えはじめた新興国の消費者には、日本メーカの製品は高過ぎる。

したがって機能を落とし安くした韓国メーカの製品に人気が集まる。

また国や地域の事情で、売れない物や、逆にちょっと機能を付け加えることによって売れるものがある。

例えばインドでは冷蔵庫はカギ付きでなければ売れない(使用人が勝手に開けるのを防ぐ)。

またインドでは音の大きいクーラが好まれる(クーラを持っていることをひけらかすため)。

最近、ヨーロッパでも韓国製品が好まれている。

例えば扇風機のようなスダンド形式のテレビが売れている。

これはテレビの台が不要だからである。

逆に日本製品は品質の割には値段が高いと不評だそうである。


このように韓国のメーカは、製品開発より徹底した消費者のニーズのリサーチに力を入れ(リサーチする者を世界中に多数配置している)、ユーザ指向の製品を輸出している。

反対に日本のメーカは、高くても良い製品は売れるという信念で商売をしている。

筆者はどちらが正しいのか判断に迷う。


発展途上国では一万円程度の二層式の洗濯機が爆発的に売れている。

これらの国では一層式は高すぎるので売れない。

つまり一層式しか作っていない日本のメーカが、今さら二層式の洗濯機やカギ付の冷蔵庫を作るのかという話になるのである。

ところで日本では韓国メーカの製品はそれほど売れていない。

ちなみに最近では現代自動車が日本から撤退した。
http://www.adpweb.com/eco/eco611.html

衰えない日本の競争力


全体で見れば、日本の産業や企業の競争力に問題がないことを先週号で説明した。

筆者はむしろ日本の企業の国際的な競争力が強くなっていると見ている。

国内の需要が伸びず、さらに円高である。

企業が競争力を強化するのは当り前の行動である。

この結果、円高にかかわらず(今後もっと円高になる可能性はある)、輸出は順調に回復している。

ただしこの競争力の強化が色々な方面に犠牲を強いている。

ところが日本にはいつも薄っぺらな物の見方をする人々で溢れている。

マスコミや役にたたないエコノミスト達である。

彼等は韓国などの企業が輸出を大幅に増やしていることを見て、日本の産業や企業の競争力が衰えたと誤った解釈をしている。


経済を正しく見るには、ミクロで見てマクロで検証し、あるいは反対にマクロで見てミクロで検証することが必要である。

これを行わないから、彼等はいつもトンチンカンなことを言っている。


本当に日本の競争力が衰えたなら、輸出が減少するだけでなく、国内に外国製品が溢れているはずである。

しかし安売り店を除き、そのような事実はない。

たしかに日本の得意分野であった家電の日本企業のシェアーは落ちている。

つまりミクロで見れば日本の家電メーカの競争力は弱くなっているように感じる。


しかしマクロで見れば、日本の輸出はかなり回復している。

これは毎月の国際収支を見ていれば簡単に分ることである。

日本の家電の輸出が伸びなくても、他の輸出が増えているのである。

輸出で伸びているのは部品や工作機械、さらに素材などである。

このように経済の実態を正しく知るには、ミクロで見て次にマクロで見るだけでなく、さらにもう一度ミクロで見て事実を確認することが必要である。

韓国や中国のメーカが輸出を伸ばす場合、日本のメーカから部品を買わなくてはならない。

日本でしか作っていない部品があるからである。

例えば韓国は、昔から部品産業が脆弱であった。

したがって世界に通用する製品を製造しようとすれば、日本からの部品輸入が自動的に増える。

この結果、韓国の対日貿易収支はずっと赤字である。

韓国で部品産業が育たなかったのは、国内の市場が小さかったことが影響している。

また筆者は、中小企業が育たない韓国の国内事情も関係していると見ている。

その点日本は国内市場がある程度の規模があり、部品メーカが順調に発展してきた。

韓国は慢性的な対日貿易赤字を問題にしており、部品メーカの育成を急いでいる。
これについては中国も同様である。

おそらく将来的には、韓国や中国での部品製造は増え、日本からの輸出は減ると思われる。

最近の例としてアップルの新製品であるiPadは、高つく日本製の部品をほとんど使っていない(台湾製の部品が多い)。

つまりいずれ日本の部品、工作機械そして素材の輸出も頭打ちになるであろう。

しかし当分の間、これらの輸出はある程度伸びると思われる。

他にはプラント関係などが有望である。

さらに他の製品についても輸出がまだまだ伸びる物は沢山あると考えている。


札ビラを持った中国人が闊歩

日本の主要な輸出品目は、時代とともに変わってきた。

戦前、生糸やお茶に始まり、綿製品などの軽工業品や重化学製品に変わった。

戦後は、大半の製造工場が戦災で壊滅的になったところからスタートした。

最初は水産物やおもちゃなどを輸出していた。


高度成長期以降は、主な輸出品が家電、自動車、鉄鋼といったものになった。
さらにこれらに半導体や電子部品が加わった。

このように日本の主要輸出品は時代とともに大きく変わっているのである。

個々の輸出品目を見れば、時代の変遷とともに伸びるものがあれば、逆に減るものがある。

重要なことは、時代とともにどの国にも負けないような製品を開発する技術力である。

そしてそれを生み出すような国民の好奇心やこだわりといったものが必要である。

筆者は、日本の製品開発力が衰えたとは全く考えない。


たしかに一部の分野で、日本は韓国に追い付かれたように見える。

特に最近の韓国の輸出は好調である。

しかしこの要因の一つは韓国ウォン安である。

しかし韓国ウォン安は是正傾向にある。

さらに人民元の切上げが話題になっており、もしこれが実施されれば、同じように輸出に依存している他の国の通貨は高くなると思われる。

その第一候補が韓国ウォンと筆者は見ている(日本の円も多少高くなると思われるが)。

日本は韓国に追い上げられているが、韓国も中国などに追い上げられているのである。

中国などが韓国の消費者リサーチ戦術を真似することは難しいことではない。

むしろ新製品の開発力が弱い韓国の方が、今後厳しくなると見ている。

筆者は、韓国を礼讃している最近のマスコミの論調もそのうち変わると見ている。

筆者は、日本の輸出力は相当強いと見ている。

しかしどんどん輸出を伸ばすことには反対である。

筆者は、年間の貿易黒字はODAが行える1兆円程度で十分と考えている。

さらに経常収支の大きな黒字を考慮すると、貿易収支は赤字にすべきとも考えるほどである。

仮に貿易収支が赤字でも、国内の経済が成立ち、企業が収益を上げられるほど内需を大幅に拡大すれば良いのである。

このことは25年以上前から指摘されてきたことである。

ところが日本は一向に有効な内需拡大政策を採らなかった。

むしろ最近では正反対の政策を唱える者まで現れる始末である。


日本の経済政策が迷走している。

今度は外国人観光客を誘致しようということになっている。

たしかに外国人の観光客が増えれば、観光地が潤い、銀座の高級店や都会の量販店の売上が増える。

しかし日本は貿易サービス収支、経常収支ともに大幅に黒字である。

「外国人観光客の誘致」が必要な国ではない。

中曽根政権時代、日本の大きな貿易黒字が国際的に問題になった。

政府は、この批難を避けるため日本人の海外旅行を奨励した。

たしか年間1,700万人の海外旅行者数が目標であった。

今日、貿易黒字は大きくなっていないが、経常収支が黒字である状況は変わっていない。

海外資産の金利や配当などによって、所得収支の黒字幅がどんどん大きくなっているからである。

ところが日本政府は、今度は外国からの観光客を増やせと言っているのである。

まるで日本が外貨不足に陥っているみたいな政策である。

ちなみに今年の2月の経常収支は1兆4,700億円もの黒字になっている。

つまり日本は年間で15兆円以上のペースで外貨を稼いでいるのである。

これ以上外貨を稼いで何をするつもりなのか。


どうしても日本政府は、財政による内需拡大をしたくないのである。

彼等は財政拡大によるデフレ対策の実施を避けるため、色々な誤魔化しをやっている。

「外国人観光客の誘致」もその一つである。


本来、財政政策によって内需を拡大し、国民の所得を増やし、日本人が買い物や旅行ができるようにするのが政治である。

ところが外国企業との競争のため、逆に日本の雇用者の所得は毎年減少している。

個人的にどんどん貧しくなっている日本人を脇目に、札ビラを持った中国人が闊歩しているのである。

このような姿がまともなはずがない。
http://www.adpweb.com/eco/eco612.html


ガラパゴス症候群 製品高機能化の原点


85年のプラザ合意以降、日本の輸出品は質的な転換を迫られた。

それまでのどしゃぶり的な日本の輸出攻勢が各国から咎められた(この背景には大平内閣以降の財政再建路線と緊縮財政があった)。

日本はこの批難を受入れ素直に大幅な円高を容認した。

プラザ合意以降の超円高によって、日本の輸出企業は窮地に置かれた。

これまでと同じ物を輸出しても利益は出ないのである。

そこで輸出企業は、製品の高付加価値化を図った。

例えば鉄鋼会社は、高価格のシームレス鋼管や自動車用の薄鋼板に力を入れるようになった。

また家電メーカは製品の高機能化に努めた。

当然、家電製品の主な輸出先は所得が高い欧米諸国が中心である。

このようにプラザ合意以降の円高によって、日本企業の製品開発力が強化されたと言える。

しかしサププライム問題に端を発した世界的な不況は、この日本のお得意様であった先進国経済を直撃した。

したがって08年から09年にかけての日本の輸出企業の経営はさんざんであった。

ただ09年の中盤あたりからは、新興国の経済が復興し、また先進国経済も徐々に持直している。

しかし経済成長が顕著な新興国に対する日本メーカの完成品の輸出は芳しくない。

完全に韓国や中国に負けている。

高機能で高価格の日本製品は売れないのである。

またこの傾向は、日本にとってこれまでお得意様であった欧米市場にも広がっている。

日本の輸出が回復しているのは、韓国や中国などへの部品や工作機械といった資本材の輸出が好調だからである。

ただこの傾向はサププライム問題以前から見られたものである。リーマンショック以降は、この路線が完全に定着した形になった。


日本も韓国のように輸出の相手国の事情に合わせた製品作りをすべきという声がある。

たしかに一部の日本メーカはこの方針を取り入れ、シンプルで安価な製品を作り利益を上げている。

しかし主要メーカはそれほど積極的にはこの路線に転換していない。


むしろ日本国内の市場だけを意識した製品作りが続いている。

輸出を半分あきらめたような経営方針である。

これをガラパゴス症候群とよく揶揄されている。

ガラパゴス症候群の典型は携帯電話である。

携帯電話は日本で独自の進化を遂げた。

したがって日本国内では売れるが、世界では全く売れないものである。


だいたい日本の携帯電話は、ほとんどの国がいまだに第二世代なのに対して、かなり前から第三世代の通信技術に対応させていた。

つまり日本の主要メーカは今さら古い規格の携帯電話を作って輸出するという気が起らなかったのであろう。

日本の携帯電話には、話す他に、メール、カメラ、ワンセグそして支払決済など様々な機能が付いている。

しかし他の国の人々にとって必要のない機能が多い。

例えば世界には識字率が低い国があり、このような国には字を知らない人々が結構いて、彼等にとってはメール機能なんて全く不要である。

円高圧力の蓄積

世間には、製品だけでなく日本社会自体がガラパゴス化していると、このことを問題にする声がある。

しかし筆者は、日本のガラパゴス化を否定的には捉えない。

ある意味で必然的な流れである。

むしろ日本は、ガラパゴス的であるからこそ世界の中での存在意義があるとさえ思っている。

「ガラパゴス的で何が悪い」と、筆者は以前からこの論調にいちゃもんをつけたかった。

しかし日本の輸出企業が世界の市場に対応し、各国の事情に応じた製品作りをすることも否定はしない。

また農家が農産物の輸出に活路を見い出したり、各地の観光地が外国人観光客の誘致に努力することにも筆者は反対をしない。


しかしマクロで経済を考えなければならない立場の政治家や政府、そしてエコノミスト達は話が違う。

彼等がいまだに輸出奨励的な発言を繰返していることが問題と言いたいのである。

日本の輸出が全く不振で経常収支が赤字なら分るが、現実は正反対である。


今日の日本経済の不振は、輸出が不振であるからではない。

明らかに日本の内需が決定的に不足しているからである。

これは財政支出(この場合の財政は特別会計も含む)を大幅に増大して解決する他はない。


財政政策が必要なのに、彼等は日本の財政が危機とか破綻するといった「デマ」に完全に騙されている
(30年も騙され続けているのであるから驚きである)。

またそれが「デマ」と分かっていても、そのことを口に出すことができない政治家もいる。

例外は亀井郵政・金融担当相ぐらいなものである。

どうしても財政によるデフレ対策を避けたいため、政治家や政府関係者は輸出振興的発言をしているのである。

また一般大衆も、日本の完成品の輸出が減少していると知らされ自信を失っている。

このような雰囲気の中で「日本の社会がガラパゴス的なのが問題」といった大嘘が浸透しているのである。

リーマンショックの衝撃も癒え、日本の輸出も回復してきた。

経常収支も大幅に黒字になっている。

しかし経常収支の黒字は通常円高要因となる。

ところが今のところ経常収支の黒字は、そっくり資本流出となっており、円高圧力になっていない。

ちなみに2月の経常収支の黒字は1兆4,706億円であり、資本収支は1兆4,767億円の赤字である。

政府・日銀は、この6年間、円高阻止のための為替介入を行っていない。

しかし代わりに民間が、資本流出という形で為替介入をやっているのである。

たしかにデフレ経済が続く日本には、投資機会と資金需要が乏しいから当然と言えるが。


このように経常収支の黒字が続いても、資本流出が続けば即座には円高にならない。

しかし外国で所得が発生しても、日本国内に戻ってこないのであるから日本の内需は増えない。

どんどん金持になっているのに、日本人は貧乏生活を送っているようなものである。

しかし一旦、外国にある民間資金が大量に日本へ舞い戻ってきたなら、一気に為替は円高になる(政府は、税制の優遇で海外にある民間資金を国内に還流させようという、ちょっと矛盾した政策を行っている)。

日本はとんだジレンマに置かれているのである。

経常収支の黒字は大きくなっているが、貿易・サービス収支の黒字は一頃より小さくなっている。

海外資産の利息や配当といった所得収支の黒字が、それ以上大きくなっているからである。

通常、輸出で得た収入は、国内に戻り、賃金や仕入れに充てられる。

それに対して海外資産の利息や配当による所得は現地に留まりやすい性質がある。

たしかに資本流出する資金は元々余剰な資金であり、国内に還流する力が弱い。


しかし海外資産がどんどん増えて行けば、いずれこれが大きな円高圧力になることは間違いない。

まさに円高圧力の蓄積である。

海外の経済が不調になったり、一旦政情が不安が起れば、これが日本に戻ってきて円高を演出する。

日本の経済はこのような爆弾を抱えているのである。
http://www.adpweb.com/eco/eco613.html


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4. 戦後の農業政策の目的


戦後大分県の開拓に入植した。

食糧増産、2、3男対策、失業対策事業として、国が地主から農地を強制買収し、希望者を募ってはじめた事業だ。

わたしの入った開拓団には復員兵や満州からの引き揚げ者などが多い。

入植者には農林省直轄で補助金を出して、ミカンを奨励した。

よかったのは最初だけで、アメリカのグレープフルーツやオレンジの自由化でミカンの値段は100分の1に下がり、経営がやっていけなくなった。

ミカンの自由化も、いまの牛肉と同じで、国内では認めていなかった強烈な防腐剤をアメリカが使用することを認めて輸入した。

アメリカは毒入りの牛肉でもミカンでも日本に輸出するし、日本政府はアメリカの農産物は危険だということを知ったうえで国民に食べさせている。


 開拓には約50軒が入植したが、いま残っているのは5〜6軒。

一鍬一鍬開墾した農地も荒れ放題になるか、キャノンや東芝の工場用地になっている。

昔は農業は一番堅実だといわれたが、いまはばくちと同じだ。

景気が悪くなると田舎に帰って時間稼ぎをし、景気がよくなったら都会に出るという時期もあったが、いまはその余裕もなくなっている。

自殺者が3万人も出ている。

農村での自殺者も多い。

トヨタ自動車は史上最高の利益を上げているが、1社だけがもうかっても社会はよくならない。

食糧がないのが一番社会不安だ。

そういう社会は長くはない。

戦前も農村恐慌から戦争にいったように、経済の矛盾から戦争にいく。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/utunomiyamutuo.htm


日本を農業のない国にしてよいか 国民は飢餓、治山治水崩壊 米国に胃袋握らすな

戦後64年におよぶアメリカ追随、工業優先の自民党農政の結果、日本農業は壊滅の危機にさしかかっている。

農業は国のもとである。

日本は瑞穂の国といわれてきたが、水田による水稲生産を中心とした農業が日本民族の風俗、習慣、文化、社会規範などの基礎となって歴史的に継承されてきた。

日本を農業のない国にする自民党政治は、ただ農業者だけの問題ではなく、国民を飢餓や餓死に直面させ、農民が担ってきた治山治水の機能も喪失させる。

また日本民族の文化や歴史も断絶させるものであり、アメリカに身も心も売り渡した売国政治の象徴である。

 戦後64年の農政は、アメリカによる農地改革が出発点である。

戦前の「地主制度からの農民の解放」という装いで、地主から安い値段で一町歩弱程度の面積の農地を買い取らせて自作農とした。

このため、日本の農家の圧倒的多数は零細な農家である。

アメリカがやった「農地改革」は、「地主から解放する」といってだまして、農民をアメリカと日本の独占資本の直接の収奪下に置くことに狙いがあった。


 それを具体化したのが1961年に制定した「農業基本法」である。

そこには、日本伝来の水稲を中心にし、裏作に麦をつくり、ミカンなどの果樹を植え、鶏や牛、豚などの家畜を飼う、という多角的・複合的な農業経営をやめて、「選択的規模拡大」と称して、ミカンや酪農・畜産など単作での規模拡大を奨励した。

全国の農家に金を貸し付け、ミカンを奨励し、酪農・畜産の大規模化を奨励した。

 他方で独占資本は農村を工業製品の市場とし、たい肥にかわって高い化学肥料や農薬を普及し、牛・馬にかえて、耕耘機や田植機、コンバイン、トラクターなど何百万、何千万円もする農業機械を売りつけた。

肉牛の飼料も自前のものから米国産トウモロコシをはじめ輸入飼料に切り替わった。

農家が生産する農産物は安く買いたたき、独占資本が生産する工業製品は高く売りつけ、農家をしぼれるだけしぼる仕組みのもとで、農家は朝早くから夜遅くまで身を粉にして働いても働いても、農業では生活できない社会となった。


 そしてミカンの木も大きくなり出荷時期を迎え、借金を償還する時期を迎える10年後の72年にアメリカ産グレープフルーツの輸入自由化、90年にはオレンジの輸入自由化を強行し、ミカン価格は暴落した。

酪農・畜産も同様に90年には米国産牛肉の輸入自由化で価格暴落の打撃を受ける。

借金の返済に行き詰まって、全国でミカン農家や養豚・酪農農家の自殺や夜逃げが続出した。

さらに借金のかたに農地を取りあげられ、離農する農家も多数出てきた。


 それは、農業では生活できない農業者を高度経済成長を支える低賃金の労働力としてかり出す政策でもあった。

農村地帯の中学校卒業者は「金の卵」とか「月の石」とか呼ばれ、集団就職でトヨタの工場をはじめ全国の独占企業の工場に送りこまれた。

トヨタなど独占企業の驚異的な高度経済成長は、農村から流出した労働力が支えたものであり、工業優先の政治で農業を犠牲にして独占企業を肥え太らせてきたのである。


 戦後自民党政府が鳴り物入りで奨励したミカンや酪農・畜産は今や見る影もない。

アメリカからのオレンジや牛肉輸入自由化のために、自民党政府は補助金を出してミカンの減反や生産調整、牛の頭数制限を強行した。

アメリカ産農産物の輸入拡大の受け皿づくりのために日本の農業を意図的・計画的に破壊し尽くしてきたのである。


 アメリカの戦後の日本支配のうえで、食料戦略は重要な位置を占めている。

まず、敗戦直後の食料難の時期に余剰小麦や豚のエサにしていた脱脂粉乳を学校給食に持ちこみ、パンとミルクの給食を開始した。

これは幼年期の嗜好が大人になっても影響を与えるという戦略にもとづいたものであり、同時に

「コメを食べたらバカになる」
「コメを食べたら肥る」

などの大宣伝をおこない、キッチンカーなども走らせてパン食の普及を徹底させた。

日本型のコメを中心とした食生活を欧米型に変えさせ、同時に自民党政府は

「コメが余って国家財政をひっ迫させる」

と宣伝を強め、70年から減反政策を開始する。

アメリカは占領当初より、日本農業の根幹をなす稲作の壊滅的破壊を虎視眈眈と狙い、実行してきたのである。


 減反政策によりコメの生産を破壊し続けた結果、93年冷夏によるコメの不作でコメが不足し、「韓国」からコメを緊急輸入した。

これを好機としたアメリカはガットのウルグアイラウンドで日本政府に対するコメの輸入自由化圧力を強め、九四年に輸入自由化を強行した。

自動車などの輸出拡大のために農産物の輸入拡大を要求してきたトヨタなどの独占企業も、

「日本のコメは高すぎる」
「安いコメを輸入すれば、労働者の賃金も安くてすむ」

とアメリカのコメ輸入自由化圧力を歓迎する宣伝を強めた。


 小泉改革で破壊に拍車 「戦後農政転換」叫び

 アメリカは95年にガットを世界貿易機関(WTO)に発展させて「貿易自由化」「グローバル化」「市場原理主義」をかかげ「農産物の関税撤廃」「農業保護政策の撤廃」圧力に拍車をかけた。

アメリカはWTO加盟国に対して、各国の国内政策よりもWTO協定を上におくことを強要しており、自民党政府は「WTOの決定」をかかげて農家の要求をはねつけてきた。

アメリカの要求を無条件に受け入れた小泉政府は「戦後農政の大転換」と称して、コメ政策改革をうち出し、300万戸の農家を40万に減らすと言明した。


 コメの輸入自由化以来、米価は1俵=60`で約1万円と半値に下がり、減反面積は約4割に拡大し、減反奨励金など農家への補助金はうち切られた。

他方で、ミニマムアクセス(最低限輸入機会)米と呼ばれる輸入米は年間77万d(日本国民の年間消費量の約1割)入ってくる。

その半分はアメリカ産米である。

さらにアメリカはWTO農業交渉や日米FTA交渉で、コメをはじめ農産物の関税撤廃を要求してきている。

そのあげくには食料自給率は10%台に落ちると予測されている。

これではもはや独立国とはいえず、アメリカに胃袋を牛耳られた植民地である。


 アメリカからコメをはじめとする農産物を輸入するために、また、独占企業の工業製品輸出拡大のために国内の農業を壊滅的に破壊する自民党農政のもとで、農村の荒廃、農地の荒廃は急激に進み、高齢化、後継者不足、担い手不足、さらには過疎化の促進、限界集落の増加、耕作放棄地の増加などが社会的な問題になってきている。

また近年、農協・漁業合併、市町村合併や郵政民営化で、農協の支所も役場も郵便局もない。

学校や保育園も統廃合でなくなる。

病院も店もなく、バスも来ない、人が住もうにも住めないという地域が広がっている。


 農業の破壊は、農業者だけの問題ではなく、日本を食料自給率40%という飢餓・餓死社会にすることに直結している。

昨年の世界的な穀物不足、穀物高騰のなかで世界各国で食料暴動が発生した。

中国やインド、ベトナムなど穀物輸出国が輸出を禁止する動きも出ており、「食料を金で買える時代は終わった」といわれている。

しかも安倍元総理は「集団的自衛権の行使」などを公然と叫び「戦争のできる国づくり」をめざしているが、食料もなしに戦争をやるという無謀な道に国民をひきずりこもうとしている。

 自然災害も防げぬ事態 山や水田が荒れ

 また、最近の集中豪雨災害でも明らかになったが、治山治水の担い手は農林業者であり、目に見えない山林の整備やため池や用水路の管理が自然災害を防いできていた。

ところが、農林業が破壊され治山治水の担い手がいなくなったことで、山が荒れ、水田や用水路が荒れて保水力が弱まり、山崩れや大洪水など大規模な自然災害に見舞われている。

農業は自然との共生によって成り立つ産業であり、農業者は先祖伝来の知識を継承し、自然界の法則を知悉し、農業生産をおこなってきた。

 農業の破壊は、自然界に対する歴史的に蓄積された知恵を破壊することでもある。

最近のあいつぐ自然災害は、目先の私企業の利益のために農林業を食い物にしてきた、自然界に対する傲慢さがしっぺ返しを受けているといえる。

農業の破壊は国土の崩壊にもつながっている。


 また水田による稲作生産は、日本の祭りや風俗・習慣、文化の基礎となっている。

水田によるコメづくりは日本の気候風土に合致した生産方式であり、日本民族の土台となっている。

 食料をアメリカからの輸入に依存し、農業のない国にするという自民党政府の政治は、食料はなく国民は飢え、治山治水は放置し、国土は崩壊し、日本の文化や歴史も捨て去るという、国の統治者としての能力をまったくなくした姿である。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/nougyounonaikuninisiteyoika.html

農村地域は消滅の危機


 B 豊田町を回ってみると、限界集落のような場所が増えている。

山のふもとのある集落では以前は20軒ほどあった民家が7軒まで減って、90歳の男性が1人暮らしで、隣は80代の夫婦その隣は70代の夫婦といった感じだ。

「あと5年したらこの集落は消える」と語られていた。

80代の婆ちゃんたちが

「都会で若者があぶれているというが、うちに来たら仕事は山ほどあるのに」

「昔は山のなかまで田をつくって、効率は悪いが美味しいコメができていた。

山奥ほど荒らしてしまって、耕作放棄地になってイノシシの巣になっている。

災害が起きるのも当然だ」

といっていた。

 E 菊川町では集落営農で大豆や稲を作っている。

しかし30軒でやっても半分以上が80代の働き手だったりだ。

草刈りができないとか、暑さでばてていた。

若い労働力とは比較にならない。

40代の若手でも収入と自分の仕事を見比べたら「何の為に農業をしているのかわからない」という。

次の世代に引き継がなければ大変なことになる、という危機感で懸命にやっているのだと。

非効率の一言で切り捨てられ、農業生産も捨てられてきたが、つぶしたらいけないのだとの思いは強い。

「ここまできたら行政が乗り出すときだし、集団的にやるなり、国有化するなりしなければ打開の展望はない」

と論議になった。

 B 耕作放棄地が増えている。

田は一回ダメになると元に戻すのに時間がかかる。

コメはかつて1俵2万円していたのが1万2000円にまで価格が落ちて、油代や機械代ばかり高騰して農家が食いつぶされてきた。

酪農にせよ、機械は巨額な費用がかかるので、中古を使っているところも多い。

もうからないけれどもやっている。

国の食料生産のための勤労奉仕だ。それが絶えようとしている。

 E 寺の住職から「消えゆく寺院」の様子を記事にしてくれと頼まれた。

農村部では人口減少に伴って檀家がいなくなっている。

寺の修復工事をして寄付をお願いしたのだが、年寄りの生活がたいへん貧困化している実情を改めて知り、本堂はボロボロだが今度はやめようと話していた。

地域の文化や伝統が消えてゆく。

神社でも、神主が都市部の大きなお宮に出稼ぎに行っていたりする。
 


 仕方ないですまぬ 市が潰れる時に巨額ハコモノ 山銀はボロ儲け

 A 下関の場合、歴史的に見て以西漁業をはじめ水産業が最大の基幹産業だった。

水産業とあわせて造船や鉄工が下関の経済を支える原動力になっていた。

そのモノづくりで入ってくる現金収入が街全体の経済に回っていた。

この基幹産業を時代遅れのように扱ってつぶれるに任せてきた。

農業もあわせて産業をつぶしたら街はつぶれるということだ。

 80年代のバブル経済の風潮のなか、自民党林派が「マリンピアくろい」の使い込みや証券投資などで信漁連を食いつぶし、下関をはじめ全県の漁協をぶっつぶした。

 C 大型店も「時代の流れだ」とどんどん出てきて、小売店はなくなって市場も生産者も買いたたかれている。

街から野菜屋や魚屋がなくなってしまった。

勝山の青果市場にしても唐戸市場にしても機能しない。

スーパーにやられてしまう。安売りといって結局生産者が買いたたかれる。


 A 人間社会の歴史で、農業・漁業など第一次産業を基本にした産業なしに成り立った社会はない。

金融は何の富もつくり出さず、産業に寄生して成り立っている。

産業の補佐役でしかない。

金融立国というのが大間違いであり、それが人間社会をつぶしてしまう根源だ。

「農漁業も国内産業も競争力がないからつぶれるのはしょうがない」というのは、そういう産業がつぶれるような社会制度、政治の方が問題なのだ。

何をさておいても産業を保護し振興することが人間社会を維持することだ。

行政が市場原理とか、競争原理とか、効率第一とか、投資効果とか、高利貸しのような考え方で染まっていることが、日本社会をつぶしている。

政治、行政が産業保護に予算を回し、振興することに役割がある。


 競争力がないというのなら、農漁業に助成金を出すとか政治が動けばどうにでもできる。

アメリカでもヨーロッパでも莫大な農業助成金を出している。

あれだけ自由競争といっていたアメリカでもGMを国有化している時代だ。

日本の大銀行も公的資金投入をした。

日本の農業も国有化していいし、基幹産業に行政が雇用助成をしてもいい。

 銀行には国の金を出してどうして国のもととなっている産業に金を出さないのか、雇用をつくろうとしないのかだ。

ここは考え方として、産業優先、働く者の雇用優先、金融は第二、という風に転換しなければならない。


 B 競争力といったとき最大の原因は円高だが、これもアメリカが85年のプラザ合意以来強制的にやらせている。

菅政府が円高阻止で円売り介入をしたが、もっと大きな資金を動かしているヘッジファンドが円買いをやって円を引き下げる。

円売りで買い込んだドルは、アメリカ国債を買い込む仕掛けになっている。

日本政府が抱え込んでいるアメリカ国債は500兆〜600兆円になっているそうだ。

日本の産業に金が回らない関係だ。競争力といっても自然競争ではなく、人為的なのだ。


 B 行政が人を失業対策で雇って、高齢化した農作業に入ったり、山林の整備で働くようにしたらよいという本紙の主張は、農業関係者のなかで反響が大きい。

農業は安い農産物価格と高い機械代や肥料代でまったく利益にならない。

勤労奉仕状態だ。

農業をつぶしたら国が成り立たない。

必ず食料危機がくるからつぶすわけにはいかない。

ここに若い労働力が入って農業を継承するには、行政が給与助成するほかはない。

食糧安保だ。

荒れた山林整備も必要だ。

災害防止の国土保全だ。

山の整備は漁業にも影響が大きい。

山の栄養が流れて魚が育つ。


そういうのこそ行政の仕事として人を雇ってやればいいのだ。

そういうことをやらない政治を変える必要があるのだ。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/siseinomukikaerusiminnodaiundouhe.html


 現在、農業でも製造業でも高齢化している。

農業の後継者がない。

農業がなくなることは日本がつぶれるということだ。


農村部では人手がなくて困っており、都市部では職のない人が困っている。

就農する若い人に行政が給与の保障をして技術継承をさせたり、行政が雇って山林の手入れなどをするべきだと思う。

それは食料安保であり、国土保全であるし、雇用対策であり、立派な公益だ。

 下関の水産業や造船・鉄工なども高い技術を持っているが、高齢化し若い者への技術継承がなければ途絶えるといわれる。

そこも若者に給与の保障をし技術継承をしなければ、下関の産業が根絶やしになり、下関の立て直しを困難にする。

 また大型店は生産者を買いたたき、もうからなければ勝手に撤退するので高齢者などが買い物難民になっている。

農漁村部でも深刻だ。

 農漁業の生産者は都市部の消費者に直接販売できたらものすごく有利になる。

消費者は地元でとれた新鮮で安心な物がいい。

生産者と消費者が商店を介在して結びつき、地元密着の信用にもとづく流通システムをつくるなら、もうけるだけで社会的責任のない大型店の略奪的な流通に勝つことができる。

それが農漁業という最も重要な食料生産を保障することだ。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/smonosekikaerusiminnotikarakeltusyuu.html

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5. 金さえ出せば中国やアメリカが食糧を売ってくれると思ったら大間違い

誰がこんな日本にしたのか


今、日本には恐ろしいまでもの【黒い雲】が覆っています。

今、きわめてごく一部の≪勝ち組高齢者≫を除いて、多くの高齢者が日々の生活に困るような社会になってきていますが、このような社会は健全でしょうか?

日本人が野猿化し、統制の利かない社会になり異常な犯罪が多くなり何も関係ない一般市民が犯罪の被害者に巻き込まれるようになると警鐘を鳴らしてきましたが、いまや誰でも凶悪犯罪に巻き込まれる社会になってきています。

若者が警察を襲撃する社会になると警鐘を鳴らしてきましたが、実際に未成年者が警官を襲ったり交番に花火を投げ込んだりする事件も出てきています。

また、食糧安保につき何度か指摘してきましたが、いまや世界中で食糧が不足してきており、【石油輸出国機構(OPEC)】ならぬ、【農作物輸出国機構】が創設される動きになってきており、このままいけば食料自給率39%の日本は自給できていますお米以外ほとんど輸入できないという事態に追い込まれます。

※今頃になって政治家・農水省は日本の農地を守ろうと盛んに言っていますが、荒れた畑・農地を正常に戻すには数年かかり、今から取り掛かりましても商業ベースに乗せるには5年以上かかるのです。

しかもそれも収穫したものは殆どが農家の自家消費に回り、一般国民の口に入るところまで到底無理な話であり、ましてや自給率を引き上げるまでには程遠いのです。


最悪の場合、日本は必要な小麦、大豆、とうもろこし等、どこからも輸入できなくなり、日本国民が食べるものがなく飢えに直面するという事態に陥りますが、今の飽食日本を体験し、危機意識を持っていない一般国民からすれば

『何を馬鹿なことを言っている、そんなことはあり得ない』

となるのでしょうが、いまや世界は一歩、一歩と来るべく食糧危機に備え始めていることをもっと日本国民は知るべきだといえます。


食糧問題はいまや途上国だけの問題ではなく先進国での問題になりつつありますが、国連食糧計画が年間3,000億円の予算で途上国に食糧を援助していますが、そのうちに日本に援助がくることになるかもしれません。

何せ日本は先進国で食糧自給率が最低であり、安全保障上あり得ない低水準になっており、一旦異常気象が日本を襲えば、日本人はお米すら食べることが出来ない状況になるのは必至なのです。

お米の自給率を除外すれば日本の食糧自給率は10%を切ることになりますが、これは世界最貧国並みであり、今はまだ日本は食糧を輸入できていますが、近い将来様相が一変することもあり得るのです。


米国が食糧安保を発動しましてもお金がある日本であり、

オーストラリア・アルゼンチン等他の国から買えばよい、困るのは輸出規制をする米国である、

と本を書いていた有名な国際政治学者もいましたが

(この説を今でも多くの政治家、官僚、一般国民も信じています)、

日本からしか世界を見ていない専門家の意見を聞いていれば、とんでもない間違いを犯すことになるのです。


お米、大豆、小麦、とうもろこし等の農作物は天候によって収穫が一変し、米国は備蓄も一年以上あり、少々の不作でも国民が飢えるということはありませんが、それでも竜巻が今年は昨年の2倍以上発生し、農作物への被害が拡大してきており、

今後、旱魃等が襲い天候異変で収穫が激減した際には、米国は備蓄を放出することになりますが、それは米国民を救うためであり海外の国を助けるためではなく、

危機が表面化した際には米国は対外的な輸出を全面的に停止することも十分あり得るのです。


※米国の2008会計年度(2007年10月から2008年9月)の米国の農作物輸出総額(予想)は総額で1,085億ドル(11兆4,500億円)となり、輸入額(785億ドル)を大幅に上回り300億ドルもの黒字になるとしており、いまや農作物は米国の有力な輸出産業ともいえる地位にあるとも言えますが、絶対金額は11兆円であり米国にとり重要な意味をもつ金額ではなく、いつでも国家戦略として輸出全面停止処置をとることが政治的に可能なのです。

今、日本国内を見渡してみますと、食料品の恐ろしいまでもの価格上昇が見られますが、それでも燃料代等のコスト高で採算に乗らない農畜作物が多くあります。

たとえば【卵】ですが、卸価格はこの一年間で14%〜27%ほど上昇していますが、これでも飼料高もあり到底採算に乗るものではなく、すでに昨年6月には【赤城農場:静岡県掛川市】、今年3月には【やなぎた:宮崎県都城市】が負債総額40億円強で倒産しており、今後廃業・倒産する業者も多く出るといわれており、日本の食卓から国産卵が消えるかもしれない事態に陥っていることはほとんど知られていません。

『卵は物価の優等生』ということが言われてきましたが、これはマスコミが作り上げた言葉であり、実際に生産している採卵業者からすればたまったものではなかったのです。

それでも何とか借金を積み重ね今まで経営を維持してきていましたが、ここまで急騰しました燃料・飼料代等を前に、もはやこれまで、となってしまった業者が多くいるのです。

今、日本には加工された安い中国産の卵が大量に輸入され、立ち食いうどん・そば屋、外食産業等で使われていますが安全面でどうかという前に、今後もしこの輸入が止まってしまった場合、いったいどうなるかを考えてみる必要があります。

国内の採卵業者がつぶれ、卵の供給が大幅に減った段階で中国からの輸入が止まったら、日本人はまともに卵を食べれない事態に陥ってしまいます。

今、スーパー等で一個20円位で売られています普通の卵でも一個50円、100円という事態になることもありえるのです。

農家の方が食べていけないような価格に慣れ親しんでしまった日本人は、今襲ってきています食料価格高に驚いていますが、実は今が正常化に向かう<途中>ということを知る必要があるのです。

今までが異常な低価格であり、今、価格が上昇してきていますが、これからが正常な価格になるということなのです。

キャベツ一個が500円、1,000円しましても当然なのです。

きゅうり一本が200円、300円しましても当然なのです。

トマト一個が500円しましても当然なのです。

そんな馬鹿な価格はありえないという方も多いと思いますが、今後のコスト上昇を考えればこのような価格にならざるをえないのです。

『そんな価格では到底食べれない』という国民も多いでしょうが、世界的に燃料・飼料コストが上昇している今、どうしようもないのです。

一部の≪勝ち組国民≫は今後襲ってきます物価急騰下でもなんら変わりなく暮らしていけますが、大多数の一般国民はまともに食べていくことさえも出来ない事態に追い込まれるのです。

今、そのような恐ろしい社会を想像できる国民は極めてわずかですが、足元の物価高をしっかり見ていけば実際の物価高を実感できるはずです。
http://www.collectors-japan.com/nevada/main/m_080605_2.html


ベンチャー企業は税金の高い、お役人の介入が多い日本から本社を移転させることも視野に入れており、海外で稼ぐ大手企業の中には本社機能を海外に移転させ、税金負担を引き下げることも考えているところも多く出てきています。

そして日本に1,000兆円の借金と年金生活を送る高齢者と政府から補助金・減税等で保護される衰退産業しか残らない状態になれば、食糧自給率が先進国で最低水準になっている日本は暮らしていけない国になります。

民主党の山田農林水産大臣が昨年2月に出した本のタイトルは【日米食糧戦争 日本が飢える日】。

今後、地球的な異常気象がさらに広まり、世界中に異常高温・干ばつ・大洪水が襲い、アメリカ国内でも穀物生産が激減する恐れが強まった場合には、世界一の食糧大国であるアメリカが『食糧安保』を打ち出し、穀物輸出の選択制を打ち出した場合、アメリカは日本に食糧を売り渡すことはありません。

今の民主党政権は防衛予算で日本側のネーミングである『思いやり予算』を削減するとしていますが、米国は『思いやり予算』とは思っておらず、日本がアメリカに日本防衛を依存している分の『正当な分担金』であるとしており、仮に民主党政権がこの『分担金』削減を更に迫った場合、米軍は日本から基地を撤退させ韓国等に移転させ日米関係を数ランク引き下げることになります。

アジアでアメリカにビザなし渡航が出来る国は日本と韓国しかありませんが、これは米軍が基地を置いているからであり、仮に米軍基地が日本から撤去されるとなれば、アメリカは日本人に対して米国入国査証(ビザ)を求め、事実上日本人の入国を制限することになります。

(今、中国人の入国を米国は制限していると言われており、渡航申請のかなりの数が棄却されているとされています)
2010年08月22日
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/2927239.html


「ロシアの穀物輸出停止」2010年08月05日


ロシアは穀物生産が大干ばつ等の影響で収穫が激減してきている事もあり、輸出を停止すると発表しています。

地球環境激変の影響が出てきたものですが、今後アメリカの穀倉地帯が干ばつや洪水にみまわれた場合、アメリカも輸出を停止する事もありえます。

世界中の穀物輸出国が食糧輸出を停止した場合、備蓄がほとんどない日本は一体どうなるでしょうか?

日米関係が極度に悪化している中、日本が頼っているアメリカが食糧安保を発動したら日本はたちどころに危機に陥ります。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/2889688.html

世界の3割を支配する中国(小麦) 2010年09月08日


米国農務省の発表から意外な事実が浮かび上がってきています。

中国が穀物在庫を急激に増やしてきており、食糧危機に備えている姿です。

米国農務省が発表しました小麦の期末在庫率は<26.3%>となり、これはさほど問題になるという数字ではありませんが、ここから中国が保有します在庫を除外しますと在庫率は<16.7%>に急減することになると言われています。

今や世界の小麦在庫の<3割>を中国が保有していると推測されており、更に買い増していると言われており、中国は、金融・経済危機が起こり貿易が止まりましても、食糧安保という観点から、中国国民が飢えるという状況をなくすために、食糧備蓄という国家戦略をたてているのです。

では日本は?

何の準備もありません。

食糧安保という発想自体がないのです。


小麦は世界中で作られており、中国は今世界中に調達先を広げ、少しでもリスクを減らす動きをしています。

国家戦略なき日本はいったいどうなるでしょうか?

「食糧危機など起こらない」と祈るだけの日本ですが、情けないというほかありません。
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/2964817.html

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5. 日本の一次産業を再建するには

広島 行き詰まる大型店商法    2010年10月8日付


 広島市内では、「国際平和都市」を標榜する秋葉市政のもとで、ここ10年で外資系企業や大型店が数`ごとに乱立。

市街地の商店街を寂れさせてシャッター街にし、再開発で大手不動産が買い占めるというスクラップアンドビルドが露骨に進められてきた。


 広島市内では、規制緩和ではじまった大型店の乱出店とともに市内の商業、流通システム、農業生産にいたるまで大きな打撃を被ってきた。

「自由競争」「効率化」といって進められてきた大手量販店の参入は、地元の卸業者、生産者からは商品を買い叩き、地場商店街をなぎ倒して地域コミュニティーを崩壊させる略奪商法であることが問題視されてきた。

だが、物量にものをいわせた仁義なき低価格競争の結果、市民の購買力の減退とあわせてその荒稼ぎ商法にも陰りが見えはじめている。

地場商店のなかでは、「営利第一」商法に脆弱さをみるとともに、生産者の集落営農などの新しい動きとも連動して、「地元密着」の強みを生かした新たな流通システムの構築が模索されている。


 生産者と直結した強み 意気軒昂な小売店

 某大型店の目の前で八百屋を営む男性(30代)は、

「大型店の安売りは脅威だが、みなダイエーの後追いをしているようにしか見えない。

バックでは、三井や三菱などの銀行がやらせている。

最近では、中四国では割と大きいスーパーチェーン・マルナカ(高松市、岡山市)をイオンと三菱商事がM&Aで吸収したりウォルマート傘下の西友も中堅スーパーの買収をやっている。

生産者のことや、市場、地元商業者のことなどまるで関係のない人間が市場を操作して荒稼ぎをやる。

怪物が大暴れしているようなものだ」

と憤慨する。 だが、

「逆にいえば、大手スーパーはロットが大きすぎて、数が限られる地場産物をコントロールできず、全国の契約農家などから東京や大阪経由で仕入れている。

低価格で安定供給するためには自社ブランドなどで全国一元化しなければもたないからだ。

だが、地元には地元に見合った特産物や旬の食材が求められるし、地産地消の循環があってはじめて地域経済は成り立つ。

それができるのは小売店しかない」

と強調する。

「研修でいった東京の流通業界では、大量仕入れが原則なので、たとえ良い物をつくる生産者がいても小規模では市場では相手にされない。

そこを小売店が、小規模農家と直結して仕入れることで両者の商売が成り立っていると聞いた。

生産者と結んだ商売ができたら強いと思う」

と話した。

 南区の商業者は、

「小泉改革にはじまる規制緩和で弱者をいじめてきた結果、社会的なマヒが起こっている。

南区はまるで詰め将棋のように大型店に取り囲まれた格好だが、“あいつら今に潰れる、みておれ”と思って観察している。

車に乗る若い者をターゲットにしているが、若者はカネを持たない。

安売りをすれば、安い物目当ての客層しかいかない。

年寄りの方がまだ蓄えがあるし、地道にでも地域に根付いた商売をやるほうが強いに決まっている」

と意気軒昂だ。

 「広島市内でも、郊外の団地などで買い物難民が増えている。

電話注文を受けたり、お年寄りを送迎したりのサービスも負担ではあるが、親の時代から人間関係が財産だといわれて続けてきた。

地域の人たちも敬老会では地元商店街限定の商品券を配ってくれたり、お互いに助け合いながらやっている。

低価格路線は限界がある。

吉野屋が良い例だ。

中国産ばかり使っていた外食産業のガスト・バーミアンも、中国ギョーザ事件から急速に客足が減って傾いている。

生産者のことも、商店、消費者のことも考えた流通システムが必要。

小売店もまとまらないといけない時代ではないか」

と話した。

 広島中央青果市場の卸業者は、

「市場にセリに来る八百屋が当初の3分の1にまでなった。

魚屋、肉屋なども同じだ。

仲卸はスーパーを相手にしなければやっていけないが、大手になると完全な買い手市場で買い叩かれる。

だから、スーパーだけに依存した業者はどんどん潰れていった。

セリをしないで、仲卸、荷受け、スーパーの三者協議で値を決めるが、大型スーパーは3カ月前に値を決めてチラシを刷る。

予定通り納めなければ取引停止だ。そんな調子で潰された」

と話す。

 「最近では、業者が産地と直結して指定した農産物を作ってもらい、すべて受け取る方式をとったりしている。

小売店でも工夫をしているのでスーパーより安いところもある。

なによりも地元の生産者が元気になってもらわなければ話にならない。

いくら効率化といっても、農村に人がいなければ持続可能な農業や食料自給など絵に描いた餅だ。

国も行政も口先だけで“地産地消”とか“日本型食生活”などといって、実際には輸入に頼っている。

中国騒動などをみても自国の産業を捨てれば砂上の楼閣にすぎない」

と第一次産業の再建の必要性に力を込めた。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/tiikimiltutyakunoryuutuukoutikunikakusin.html

産地直結配達方式に優位性 2010年9月29日付


 「産業保護、雇用確保が第一級の課題」「農漁村部と都市部を結びつけた戸別配達型の流通システムを」という本紙の提起は大きな反響を呼んでいる。

農業者、漁業者のところでも婦人を中心に意欲的であり、旧市内の商店も「それなら大型店に勝てる」と一様に明るい顔つきになって大きな関心となっている。

農漁業と消費者と商店の現状と、それを結びつける展望について、これまでの反響をもとに整理してみた。

 下関市内の農業の実情を見ると、市町村合併で県下一の農業地帯となったが、限界集落の出現や耕作放棄地の拡大など衰退の度合いは深刻である。

農業の主力が70代、80代で後継者がおらず、コメづくりなどの農業技術の継承も断ち切られることが危惧されている。

戦後の工業優先の政治、その上にアメリカ農産物の輸入増大で国内農業を破壊するという一貫した農業破壊政策の結果である。

しかしこの現状をあきらめていたら、田や畑を荒らし、何よりも歴史を持ってきた農業技術が途絶え、農業がつぶれ日本がつぶれると、なんとしても農業を守り、後継者をつくる願いが強い。

 豊田町のある地域では、全部の農地を守ってつぎに伝える、耕作放棄地はひとつも出さないという気概で集落営農をおこない、農作業を集団化で担っている。

だが、それにしても働き手の不足が悩みの種だ。

豊北町でも人手がいないというのが一番問題になっており、耕作放棄地がめだつ。

農地が荒れて借りる人もいない。

集落営農にもとりくんだが、農作業を一部の人にまかせ、過疎化がいっそう進む原因にもなっている。


 若い者が残らなくなったのは、農業で生活ができないことが最大の問題である。

コメの値段は輸入自由化後急激に下落した。
それまでは1俵=60`で約2万円だったのが、今年の農協の前渡し金は1万円であり、半値になった。

1俵2万円という米価は、かつがつ再生産ができる価格として決められていた。

それが、輸入自由化で食管法が廃止されて市場原理が導入され、スーパーなどが「安ければいい」という基準で徹底的に買いたたいてきた。

 1俵1万円では再生産はできず、農家はコメをつくっても赤字である。

農家はただ働きのボランティアで、機械代や農薬・肥料代を引いたら借金が残る。

それでも水田を守りコメづくりをやめないのは、農業を絶やしてはいけない、国民の食料を生産しないわけにはいかないというものである。

 喜ばれる加工品の直販 農家も漁業者も

 農家の側も黙ってつぶされるわけにはいかないというのでさまざまな試みをしている。

その一つは集団化であり、機械を集約して経費が少なくなり、農作業も集団化で効率的になる。
それで以前は赤字だったのが、黒字になったという例もある。

そして流通面の工夫である。

生産した農産物を都市部の消費者に直接販売するという試みがおこなわれている。

市場に出せば大型店やスーパーの買いたたきにあい、生産費もでない。

このなかで、道の駅や100円市場に出したり、直販所を出したりしている。
さらに農家の婦人たちが漬け物などに加工して付加価値をつけて道の駅などで販売している。

 北浦の漁業者のなかでも、とってきた魚をアジは開きにしたり、アナゴは湯引きにしたり、独特の味付けのフライにしたりして、夫人が豊浦町や菊川町を軽自動車で売って回り、喜ばれているという例もある。

角島でも漁業婦人が、角島でとれるイカを細かく刻んでフライにしたら絶対に売れると自信を持って語っていた。

 旧市内では4、5年前から、住宅地の空き地に郡部からきた農家が野菜を並べて売ったり、スーパーが撤退した空き地に、トラックに野菜などを積んできたり、垢田の市営住宅でも野菜の露天販売のチラシをはっている。

脱サラという人が農家から直接に仕入れたりして市内の何カ所かで野菜を売っている人もいる。

朝のもぎたての野菜ということで、年輩者が集まって大人気になっている。

 ちなみに旧市内では、パン屋さんが軽自動車で回って市内で売っている例もある。

商店が消費者のところに出向いて販売するという形態が確実に広がっている。


 農業者も漁業者も生産者の側は、消費者に直接届くことをみな切望している。

それができれば様相を一変させるのだが、しかし流通をどうするか、消費者の要求とどう結びつけるかは、様子が分からず、単独ではできないことに頭を悩ませている。

 高齢者家庭への配達も 需要多様化する商店

 そこで商店の役割が重要だ。

川中地区にある小さい魚屋は30年続いているが、「自分らの生き残り策は配達と商品の信頼度だ」といっている。

高齢者が多く山坂ばかりだから、配達員を雇っている。

「少少高くても老人は新鮮な物を食べたいし、メニューも工夫するし、それでつぶれずにおれる。
近くにゆめシティもあるが、老人は買いには行かない」

と話している。八百屋も

「商店は配達でやらないといけない。
野菜屋だが、年寄りがアジの開きを買ってきてとか、片栗粉置いてないかとかいわれ、置くものが増えていく。
目の前に大きいスーパーがあるけど、流れがかわってきている」

と話している。

 すでに多くの商店が、高齢者が多い下関ということで、配達をやっている。

そういう商店が生き残っているという。

そして労力はかかるが、消費者と直接に結びついて、配達をやって商売をしていく、新鮮で安心な農水産物をとどける。

それは信用にもとづく商売だ。

お客が喜んでくれるのが喜びだ。

それに農業者、漁業者から直接仕入れをしてやる形になったら、大型店には絶対に負けないと口口に語っている。


 大型店の商法は、その地の消費者のことなど全然考えていない。

売れば終わりの商法だ。

そして毎日売れ残りをたくさん捨てている。

捨てるものを上乗せして価格をつけているから実際は高いし、商店の方が安いのだという。


 商店の方も産地に直接仕入れに行くといっても、単独では難しさがあると語る。

これも集団化が必要だと語られる。


そこに橋渡しの機能が必要だと語られる。

 既存の大型店依存の流通ではなく産地と消費者を直接に結びつけた流通システムをつくる。
ここに商店が介在し、みんなが協力しあってやっていく。

農漁村が小売値に近い値段で売れるなら経営の様相は一変する。

若い者が就業できる可能性が出てくる。農漁業者の後継者ができる可能性ができる。

 農漁業を絶やさないことで大きな問題は、歴史を重ねた技術を継承する者を早く配置しなければならないということがある。

市役所の職員などで実家が農業は多いが、爺さんに指図されて手伝っている程度で、単独でコメ作りをやるにはかなりの修行がいるといわれている。

漁業でも同じで、GPSがあるといっても最後は長年の勘が勝負といわれ、船に乗れば魚が捕れるというものではない。

 コメの直販体制は一つの突破口といえる。

兼業の市職員などは、自分のところで作ったコメを同僚に売っているところもある。
縁故関係で売っている農家は多い。

コメ屋が農家から直接仕入れて、戸別配達の方式で地域に売りさばくなら生産者も消費者も商店も喜ぶ。

スーパーのもうけが減るだけだ。

市民の方は下関でとれたコメがよっぽど安心する。

下関の人間が育ってきた同じ水と風土で育ったコメだ。

スーパー経由の「ブランド米」より安心だ。

「豊田町の○○さんが作ったコメ」などと明記してあれば信頼は抜群だ。直接に田んぼの見学に行こうかともなる。

 日本では「ご用聞き」とか「出前」とかの商業文化がある。

小売店が大規模であれば強いわけではない。

その価格支配力を誇示しているが、信用不在の欠陥があり、産地、消費者直結の戸別配達商業システムができるならその方の優位性は明らかだ。

 庶民向け作れば客増加 水産加工も転換の時


 下関の水産加工業も発想の転換が迫られている。

下関の水産といえば「ふぐ」だが、全体に高級品志向が強い。

ふぐの一夜干しやウニなど市民が日頃口にしないものが多い。

みんな貧乏になっているのに、そっちの方に目がいっていない。

都会の方では料亭が減ってふぐの需要が減っている。

金持ちが高級魚を食べる需要と、貧乏な庶民が食卓で食べる需要は桁違いに庶民の方が大きい。

もっと庶民の食卓にのぼるようなものをつくったら需要が拡大できるのは明らかだ。

庶民がおいしく、安く食べられる水産加工品をつくる方が発展性がある。

大不況の時代に合うようにすればまだ違う。

 唐戸市場なども市民の台所ではなく観光市場のようになり下関の魚屋は買いに行っても魚がそろっていないという。

よそからの観光客や東京などの金持ちばかりに目がいくのではなく、下関の庶民が喜んで買うような方向に目を向けたら、全国にも広がる関係だろう。

 学校給食も地産地消を掲げているが、食材をすべて下関産の農水産物を使うように、行政がかかわればできる。

給食に地産地消を拡大するというのは、大きな政治判断だが、食材の地元調達を計画的にやれば可能だ。

角島保育園では、スーパーから持ってきた魚は子どもが残していたが、地元の魚にかえたら残さずに食べたという話がある。

それほど違う。


 信用重視に本当の強み 大型店流通には弱点

 買い物難民が大量に出てくるところまできて、

「大型店は便利だといわれてきたが、略奪商法だ」

と市民のなかで論議が広がっている。


大型店の商法には基本的な哲学の違いがある。

基本が略奪であり、ヘッジファンドと同じく、自分がもうけるかどうかだけが基準であり、市民のことや社会のことにはまったく無関心である。

「安いかどうか。もうかるかどうか」が第一であるのが大型店である。

周辺の商店をなぎ倒しても「それは時代の流れだ」といい、農産物を安く買いたたいて農業が成り立たなくても、

「わしらの方が支配権を持っているのだ」

と横暴に振る舞う、まさに略奪者である。


大型店は、資本主義の本来の信用取引からもはずれている。


 こうした大型店流通は

「買いに来い。買いに行けない者は買えない」

というもので不親切であり、郊外店など車を持っている者しか行けない。

周辺の商店をなぎ倒し、もうからなくなればさっさと撤退していき、社会的な責任はなにもない。

下関市を略奪し尽くして逃げていくようなものだ。

行政は大型店に対して相当な規制をかける必要があるし、もうけにみあった社会貢献をさせるし、社会に利益還元させる必要がある。

 大型店は価格支配力を持つといって、生産者を買いたたき、消費者への責任や信用を得る姿勢はない。

大型店があって、生産者も消費者もいるとみなしており、転倒している。
そうではなく生産者がおり、消費者がいるから商業が成り立つのが現実である。
大型店流通には大きな弱点がある。

 なお本紙の提起は、電器商など多くの業種の商店からも大きな反響を得ている。

大型店と違って商店はお客との信用関係を大事にしていると強調している。

電灯が消えたということでも飛んで行ってなおしてやる。

自分が売った商品に責任を持つという考え方だ。

そうでない商店はつぶれたと語っている。

その上に、電器商がみんなで結束してメーカーから共同仕入れをできるようになったらよいのだがと語っている。

 農業がつぶされているのは、大きくは輸入自由化やWTO農業交渉での農産物の関税撤廃などに問題がある。

そのうえに農産物の流通が大型店ルートになるために好き勝手に買いたたかれている。

日本の農業を守るにはアメリカからの独立が根本的な問題である。

しかしこの農業つぶしに対して、負けるわけにはいかない。

農業の集団化や商店と協力しあって消費者と直接結びつける地域密着の流通システムをつくる、というのは生産者も消費者も商店も切望するものであり、実現する可能性は大きい。

 下関市の中尾市政は、150億円の駅前開発とか200億円の市庁舎建て替えとか、250億円の浄水場建て替えとか、下関を食いつぶすような事業をやっている場合ではない。

農業や水産業をはじめ、造船、鉄工などの産業振興が大事であり、雇用確保に回すことが緊急課題である。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/santityoltuketuhatutatuhousikini.html

 

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コメント
 
01. 2010年10月16日 01:18:26: wtTLrvUUzg
中川隆さん、いつも読み応えのある投稿ありがとうございます。

02. 五月晴郎 2010年10月17日 19:11:52: ulZUCBWYQe7Lk : 3TceM4k07M
今の阿修羅に来る理由の50%以上は、中川隆さんの一連の投稿を読みたくて、です。私も>>1さん同様、感謝申し上げます。

03. 中川隆 2010年11月01日 18:29:01: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

前原誠司が日本の農業を根底から破壊すると宣告


 【時事ドットコム: 

前原誠司外相は19日午後の講演で、農林水産業関係者が反対している環太平洋連携協定(TPP)への参加について「わたしは入るべきだと思っている」と強調した上で、

「日本の国内総生産(GDP)における第1次産業の割合は1.5%だ。

1.5%を守るために98.5%のかなりの部分が犠牲になっているのではないか」

と述べ、反対論を強くけん制した。

 一方、日本の経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)締結状況は隣国の韓国に比べて格段に遅れていると指摘。

「国を開くということを本気で考えないと、日本の競争力はどんどん低下していくと思う」と危機感を示した。(2010/10/19-18:23)】

 菅首相はベトナムに原発売りこみ、二基の受注に成功 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101101-00000001-cnippou-kr


 
 原発推進、ダム・高速道路推進、武器輸出産業復活など民主党政権は、自民党時代にもできなかった恐ろしいほどの右傾化政策に強硬邁進している。

これで民主党の正体が、完全に世界金融資本の走狗として日本国民奴隷化に向けて突っ走るグループであることが鮮明になっている。


 最後の仕上げは、TPP東アジア貿易自由化協定に調印し、ユダヤ資本に日本をすべて売り飛ばすということらしい。

日本にとって貿易は輸出産業だけに利益をもたらすものであり、その見返りに国内の農林水産業を破壊し売り渡すものであると繰り返し指摘してきた。

 これでは地方の農林水産業従事者から政権が見放されるため、自民党政権時代には莫大な補助金を地方にばらまいて政権を支えてきた。

いわば札束で第一次産業を黙らせてきたといえるが、一方で長いノウハウやインフラを絶やさぬために最低限の関税保護を行い、細々と地方を生かし続けてきた。

 だが、民主党菅政権になって、とうとう、これらの関税保護すらも完全撤廃するTPP協定に調印し、地方や農林水産業を、もはやインフラごと完全破壊してしまおうという政策を菅政権が示している。


 もし農産物関税を完全撤廃することになれば、国内第一次産業はじめ地方の中小零細産業は100%完膚無きまでに生存基盤を断たれる結果になることは明白だ。

 加盟国から、農薬・化学資材まみれの農産物はじめ第一次産業品目、安い低次工業製品が雪崩を打って国内に流入してくることになり競合産業は完全に息の根を断たれることになる。

国内産業で太刀打ちできるのは大規模輸出産業だけだが、その大規模産業もこの円高時代にあっては、結局、海外依存しか存続の道はなく、ほとんどの企業が海外流出することも火を見るより明らかだ。


 結局、TPPによってトクをする可能性のあるのは為替差益で儲ける金融資本だけという結果になる。

だが、その金融資本ですら、真の所有者、経営者は株主であり、日本のメガバンクの株式の大部分をユダヤ資本(ロスチャイルド・ロックフェラー系列)が所有しているわけで、民主党政権はユダヤ資本に奉仕するためのシステムに他ならない。


 これほどのアホ政権が愚行を重ねる以上、日本が破綻するのも時間の問題だが、既存の地方産業や中小零細企業、第一次産業が史上もっとも愚かな政策によって壊滅させられた後、どん底から再建するのは容易ではない。

何よりもインフラの崩壊、ノウハウ、技術の継承が極めて困難になり、まさに亡国、亡民の悪政というしかない。


 追い打ちをかけるように、国民は外国の毒野菜を食わされることで根底的な健康破壊をもたらされることになるだろう。

今の段階で中国がTPPに加盟しないといっても、実際には現在のような自由貿易体制では、あらゆるルートから安い農産品や加工食品が高く売れる地域に出回るのは当然だ。

したがって、中国の名高い毒菜が庶民の食卓に強要される結果をもたらす。

 前原は第一次産業がGDP1.5%しかないというが、その1.5%が国民の健康食生活の98%を支えている現実を何一つ知らない。

庶民は篤実な日本農家の生鮮品を信頼し、健康を支えてくれることに感謝し依存している。

だが、ニンジン一本20円の値段が2円になれば20円ニンジンは市場から追放され生産体制も完全に破壊されるしかない。

http://www1.odn.ne.jp/~cam22440/yoti01.htm


04. 2010年11月04日 15:11:22: ARgFa2t0M2
前原と、その目標とするところが気に入らないが
それこそ人参一本20円で売れる社会あっての20円であって
農業保護はその規模から言って政府が保護するより
国(国民)がするのが道理じゃないか?
外国産農産物が、その輸送の家庭で有毒なものだと言う
認識が消費者にあるのならば、高くても国産を買えば良い
又、飲食店の偽装表記に関しては専用の法整備と厳しい罰則を設けるべきだ。
飲食店の偽装など何処でもやってる。
マトモにやってる店はもうほぼ壊滅したよ。

それでも農業保護を言うならば
その農産業を育成して、どうやって国際収支をつけるか
教えて欲しい。

資源の無い日本は嫌でも、輸入に頼らざるを得ないでしょう?
直接的エネルギーと衣食住に関わる全て
細かく挙げれば限がない
(ガソリン、発電用燃料、被服、住建材、道路(交通)整備に必要な
セメントや鉄、型枠用木材等々

国内農業を保護して、万が一自給率100%で上記の食が国内で賄えたとして
上記残りのエネルギー、衣、住の資源をどうやって手に入れる?

じゃあさらに国内耕作可能地をフル活動して生産してそれを
輸出して海外の資源を買う為の外貨を得る?

国内耕作可能地を考えてみなよ
狭い国土そんな土地はあっという間に足りなくなる
山林を開墾して耕作可能地にするか?

土壌の保水力が下がり環境破壊が進むだけだろ?
又、山林を整備すると言っても限度がある
高い山や、深い谷の段々畑を成らして平野にするには
とてつもなく莫大な資源コストと人員コスト、さらに時間を必要とするではないか?
ではそこを現実的な整備に留めるとして
山が丘に、谷が盆地になったとして
国内移動の高い輸送コストを使って輸出に見合ったコストで農産物を作れるのか?

又最近の工場生産野菜にする?
生産効率は高くマスコミ曰く「生産方法の改善で高い栄養素」と言っているが
実際私が把握している工場野菜は
見た目は美しいが、茎や葉が薄くて脆く味の無いハリボテだ
さらに高い栄養素と言うがそれは一部の栄養素であって
土物野菜にある多種多様なミネラルなど皆無だ

験しに農家の軒先で無人販売の土のついた葱とスーパーに売っている綺麗な葱と
買ってきて切って、切り口を見比べてみると良い
スーパーの葱は茎が極薄で空洞、農家の軒先の葱は空洞の中に粘度の高い樹液が中に含まれ茎も肉厚
薄皮だけのハリボテ葱と、肉厚な中に本来持っている栄養の保持された葱

葱は一例だが
今地場野菜を含めた国産野菜は急激に水耕栽培化している

又生産効率を突き詰めた工場野菜に関しても
そのプラントノウハウそのものを中国を中心に輸出し始めている。

それこそ、クルマに置き換えれば最新設備の自動車工場を
プラントノウハウ毎中国に売り渡しているのと変わりないだろう。

トヨタや日産が海外生産になったとして
仮に中国製になったとしてもそのクルマはトヨタであり日産である
多少のブランドフィーとして日本に還元されるだろう

でも中国製工場プラント野菜はどうか?
あくまで中国産人参である
もともとのプラントノウハウが日本製だとしても
その野菜が売れることによって日本に与える恩恵は
上手くいって安い中国産野菜がさらに安くなる位なものだ

しかし人件費の高騰と利益の中国内留保で安くなる可能性は限りなく無い
また金銭に寄らない部分、日本型農業のブランド向上にも何ら寄与しないだろう

中川氏の03でのコメントが全てだろう
庶民は日本農家の安全な野菜に感謝しながら
安い海外製野菜に金を払う

感謝だけでは日本農家は立ち行かない

お金という投票権でリアルタイムに何を信任し続けるのか
ではないだろうか?

お金という投票権で信任されて始めて生産販売者は存続する

庶民と言う名の消費者(投票者)は何を信任しているのでしょう?


当然、政府に責任は無いと言うつもりも無い
イギリスなどのように生鮮品にカーボンフットプリントの表記と
それに伴う税体系を早急に整備すべきではないだろうか?

そうすれば結果として国内農業の競争力(保護でなく)は担保される

今の国際ルール上でCO2排出量を抑えつつ成長する方法を
考えれば、外貨獲得に貢献している産業(つまり既にその為の基盤が存在する)
を最大限活用するべきなのではないだろうか?

国内農業には外貨獲得に答えるだけの生産基盤は無い

結果として農業保護を考えすぎると今20円の人参は限りなく2円に近づく
しかし2円になる前に農家は消滅するだろう

土地があるものは自給自足としては残るだろう。

長文乱文失礼


05. 中川隆 2010年11月08日 14:38:15: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

TPPと子供たちの未来


 民主党がTPP参加を閣議決定するようだ。

 TPPとは加盟国間で関税を原則廃止する協定で、日本からの輸出品に対する関税が廃止されて輸出産業に多大な貢献が期待できる反面、農業を外国の低価格産品との競争から守ってきた関税が廃止されることで、輸入される超廉価品と対抗できない農林水産業は壊滅的被害を受けることになる。

 全農など関係者の見方では、TPP加盟後に外国農産物と競争できる国内農業は数%に満たないと考えられている。


 戦後、日本が工業国に脱皮してゆく過程で、国内低賃金水準が外国との輸出競争に有利に働いたのに加えて、日本人の物作り伝統の優秀性によって世界的にメイドイン・ジャパンが価値あるブランドとして評価されることになり、圧倒的な輸出競争力を誇ってきた。

戦後日本の強力な国際的優位性を確立した本質こそ輸出産業だったといえる。

 ところが貿易は国家間の取引であり、輸出入均衡を原則として成立するものである。

もし一方的な輸出攻勢で輸入国に赤字が累積すれば、それはもはや貿易ではなく植民地収奪になってしまう。

そこで、戦後国際経済の原則として、自国に赤字が重なる不利な貿易では関税障壁を作って調節するという取り決めが行われてきた。


 このため圧倒的な輸出力を誇る日本製品に対して高額の関税かけ、貿易赤字の代償として、輸出先国家は自国の安い農産品などを日本に輸入させてきた。

これによって外国の安い農林水産品と競合することになった日本の第一次産業は、長い間、苦境に立たされてきた。

 いわば、輸出産業は国内第一次産業を犠牲にして自分たちの利益を確保してきたといえるだろう。


 しかし、こん勝手な姿勢では農民たちが生活破壊されて怒ってしまうため、農民を支持基盤とする戦後自民党政権は、巨額の補助金を支払うことによって農民を買収して黙らせ、合わせて政権基盤としながら輸出産業優先政策を支えてきたといえるだろう。

 一方で、いったん途切れると継承再生が困難な第一次産業を、補助金によるインフラ整備、後継者育成政策などで細々と支え続けた側面もある。

 そんな輸出優先政策の見返りに、政権は輸出産業から巨額の献金を受け取り続けてきた。

ここで政財界、農業界一体となった持ちつ持たれつのなれ合い関係が成立してきた。

 ところが、今回、民主党政権が加盟を決定しようとしているTPPは、これまで戦後第一次産業を辛うじて守り続けてきた関税障壁を一気に消去するというもので、とりわけ米作農業に致命的な影響をもたらすことが明らかだ。

 もちろん、民主党政府も支持基盤を求めて農業者に対して所得保障の補助金を出す仕組みを新たに作っているわけだが、

補償を受ける資格のある農家は一定規模以上に限られていて、

三チャン農業、兼業などで農協に加盟することもできず、地域の農産物直売所などに出品して細々と営業していた補償除外者たちの所得基盤を完全に壊滅させてしまうのだ。


 政府や経済学者の多くが、そうした小規模農家の淘汰を当然のこととし、「大規模効率化」を錦の御旗に、個人的で多様なノウハウの上に成立していて合理化に馴染まない農業にまで、輸出産業で行われている非人間奴隷的生産労働による効率化を押しつけ、不可能な農家を廃業に追い込む政策を行おうとしている。

 「合理化を行わず、外国農産物に太刀打ちできない国内農業を潰し、淘汰することもやむをえない」

 というのが民主党政権の認識である。


 前原外相は

「1.5%のGDPしかない農業のために98%を犠牲にできない」

と発言したが、彼は、地方で行われている小さな草の根農業が、国民生活にどれほど巨大な寄与をしているか認識が皆無のようだ。

 すでに、中国との貿易からもたらされた輸出代償としての超廉価農産品がスーパーを埋め尽くす事態を経験したが、

これが、どれほど恐ろしい代物だったか、さんざん経験させられた結果、

今では、地方の道の駅など農産物直売所は大盛況で、

スーパーに並ぶ超安価中国野菜は見向きもされず、
国民は国内篤実農家の安全農産物を買うようになっている。


 民主党が潰そうとしている草の根農業が安全食材インフラを支えている現状を見るなら、これが、どれほど国民の健康、安全に巨大な寄与をしているか一目瞭然のはずだ。


 農業においては、金儲けのための効率では決して計れない地域の整備、連帯、良質の作物、地域社会への貢献が大きな比重を占めており、カネの論理で、それを破壊してしまったら、そうした恩恵で生きてきた地域の人々の暮らしを根底から破壊することになる。


 TPP関税撤廃が起きるなら、その価格差は凄まじいものになるはずで、

米価は三分の一以下、

大方の野菜もニンニクのように十分の一

などという価格によって競争してくるわけで、

国産品がどんなに安全良質であっても、収入を追いつめられた国民は価格差が十倍もあれば、否応なしに外国産品に向かわざるをえなくなる。


 この結果、せっかく根付いた地方の農産物直売所や、底辺で国民の健康を支えてきた小規模農家が完全に駆逐される事態が免れ得ない。

ただでさえ、老齢化とこの数年の獣害激増によって追いつめられている農家は、これによって完全に意欲喪失となり、国内農業のインフラやノウハウ継承、後継者育成も壊滅ということになるだろう。


 農家だけでない。筆者は生活品木工を製作しているが、地方で細々と行っている木工など地場産業も、関税撤廃により雪崩を打って流入する農産品に加えて、世界中から輸入が加速することで、完膚無きまでに経営基盤を破壊されるだろう。

 また、輸出優先政策によって市場価格を荒らされ、荒廃させられた林業など第一次産業、地方中小零細産業、地場産業など、日本を底辺で支え続けてきた地域社会の経営基盤を完全に崩壊させるものになる。


 こうした輸出優先のデメリットに対して、輸出産業の経済力と発言力があまりに大きいため、政権への資金提供や学問界、農業界有力者への工作などによって、TPPが起こす壊滅的悪影響を明らかにし、阻止する力はあまりに弱い。

 社会全体が、安易な金儲けや目先の安楽を求める風潮に染まり、

「輸出で金儲けができるなら、被害を受ける立場の者に補償すればすむだけのこと」

とお粗末な理解で事足れりとしている。

だが起きる事態は、そんな簡単なものでなく、誰も想像もしないような、とんでもない恐ろしい結果を招くのである。


 この愚かな政策の結果、日本では何が起ころうとしているのか?

 まず、地域経済を支えてきた中小零細企業や小規模農業の崩壊が何をもたらすのか、正しく評価しなければならない。


 地域経済は歴史的に近隣の産物を交換し、新しい産品を工夫して長い年月をかけて成立したものであって、

全体が網の目のように絡まり相互扶助的に作用しているので、

農産物や林業など一つの歯車が崩壊すれば、地域全体が破壊される仕組みが成立している。


 破壊されるのは産業にとどまらず、雇用から教育、介護、家族など、あらゆる生活基盤に及ぶのだ。

とりわけ問題になるのが、子供たちが見守るなかでタネを播き、育成収穫し、加工して利用される全体像が、どれほど大きな教育効果、ノウハウの伝授、地域の相互扶助に役立っているかという視点で、これをGDPなどのカネに換算するなど、とんでもない愚劣な発想である。

 この「地域社会システム」を一度失って複雑な相互扶助の仕組みを一度失ったなら、その再建は容易でなく、食生活から教育、介護、医療、コミュニケーション、防災、交通などあらゆる地域インフラが破壊されて二度と立ち上がれないほどのダメージを受けてしまう。


 地域インフラというものは、道路や上下水道、集会所を作れば終わりというものではない。

長い歴史的伝統、一つの産品が無数の産品を産み出し、互いに絡み合って全体で地域を支えているのであって、一番大切なインフラは人なのだ。

 子供たち、若者たちは、小規模農家や工業所が消えたなら、もはや人間の生産システムを身近で学べず、

外国から輸入されたものだけしか知らず、買えず、作り方も理解できず、

輸出産業の徹底的に効率化された非人間的ロボット作業に組み込まれて、人間社会を理解もできず、企業の無機的部品として一生を終える、

まさに家畜的人生を歩まされることになるのである。

 この意味で、TPPは、地域の自律社会を完全に破壊し、徹底的に効率化された世界統一経済のなかに人々を組み込むものだが、

まさに人類家畜化、

僅かな特権階級と、大多数の家畜奴隷に分化させる恐ろしい統一恐怖社会を構築するシステムでしかない。


 日本だけでなく、TPPに参加するあらゆる国家で、もはや地域性が失われ、

効率化しない企業・農業はどんどん淘汰され、

安いだけが取り柄のモンサント種苗とラウンドアップ除草剤、有毒バイオテクノロジー作物だけが、昔からの作物を完全に駆逐するシステムが世界制覇することになる。


 TPPは新自由主義者が提唱する「グローバルスタンダード」、世界経済を同一ルールで一体化することで、金融資本が自由に金儲けができる社会を求めた最後の仕上げになる。


 それを望んでいるのは、まさに世界経済を投機で牛耳るユダヤ金融資本である。

TPP無関税自由貿易により、あらゆる地域に経済戦争が勃発し、

コストダウン競争のために、人類は自主的な農業、自給自足生活を破壊されて、

大企業の奴隷、部品として生きてゆかねばならなくなり。


まさに地球を巨大な畜産施設と化すものであり、

支配者と奴隷しかいない社会を成立させるものになるだろう。

 TPPによって有利になったと勘違いしている企業も、世界的な猛烈な競争により、こうした奴隷社会の部品となることを強要されることになる。


 当面でも、円高局面で、結局競争力が失われ、

本社をタックスヘイブン(租税回避地)に移転させ、

工場をより労働力の安価な地域に次々と移転を迫られ、

まさに金儲け競争の奴隷システムに組み込まれてゆくのである。

http://www1.odn.ne.jp/~cam22440/yoti01.htm


06. 2010年11月08日 18:45:32: SFdcipqu4I
中川さん、04でのコメント失礼な書き方だったかもしれません
又、お気持ちも理解できるつもりです。

想定している問題もそう違わない

TPPの参加、不参加以前の問題なのかもしれません

TPPに参加していない現状でさえ05で御指摘の問題は拡大しています。

マスコミはTPPに焦点を絞り盲目にしているとも言えます。
それだけに、良い案が浮かばない自分が歯がゆい


07. 中川隆 2010年11月15日 21:30:02: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

TPPはアメリカの年次改革要望そのまんま


唐突にTPPなるものが浮上した。

これを批准するとやがて域内の関税がゼロとなり、輸出は促進され農産物の国内生産が極めて困難になるらしい。

不思議なのは今までほとんど聞いたこともないこのTPPなるものに菅政権は前のめりになりすぐにでも批准しなければならないものらしい。

関税の自由貿易協定 FTA=Free Trade Agreement は世界各地にある。

その地域内での貿易障壁を低くし、交易を活発化させ批准国がそれぞれメリットを得ることを目的とする。


このTPPなる協定。

他の経済協定をみても分かるように、屋上屋根を重ねるような組織である。

関係国も他の国際協定と全くダブっている。

現在の正式加盟国は、チリ、ニュージーランド、ブルネイ、シンガポールとのことでいずれも経済規模は小さい。

どこから加盟国の関税を劇的に変えるこんな話がでたのか全く理解に苦しむ。

今まで真摯な議論など全くなかった。

話しあうのならAPECで議題にすればよいことのはずだが。

しかしどのFTAでもここまで乱暴な農業分野の協定はない。

アメリカは今後加盟する見通しとのことであるが、日本が義務を負う内容は、農産物を含め関税をゼロにする。

日本はその分輸出が有利になるだろうということらしい。

さらに郵政資金の民間運用を進めることや公的機関の保険運用を禁止することまで含まれるらしい。

これはいつか聞いたような話だ。

そうなにかと瓜二つだ。

以前あった日米構造協議からアメリカに要望された年次改革要望書に書かれた内容そっくり同じそのまんまだ。

加えて米国産牛肉の輸入条件の緩和まで含まれているらしい。

もはや断定していいだろう。

これはTPPに名を借りたアメリカの対日要求そのものだ。


しかし冷静に考えてほしい。EU諸国は日本と変わらぬ所得水準の国でコスト的にはいかに不利でも食糧は自給できる水準である。

あのイギリスも第一次世界大戦当時食糧の大半を輸入に頼っている弱点をドイツにつかれ商船に対するUボートの攻撃に怯えた。

その後必死の努力で食糧の国内生産を進め、市場経済原理の本家のような国ではあるが現在はほぼ自給できる食糧生産を行う国となっている。

アメリカが関税の引き下げを他国に執拗に要求しその裏で自国の食料品に巨額の補助金をつけているという事実は税率の例外品目を減らすこの分野の国際協定でインドもアフリカ諸国も見抜いている。

食糧自給率が40%以下などという先進国はシンガポールなどの小規模、都市国家を除いて存在しない。

経済分野の98.5%の農業と関係ない分野が犠牲(?)になっているとの宣伝が行われているが、ドル紙幣を食べるわけにはいかない。

人間の腹は紙幣では膨れない。

金が全てといってもそれこそ80円の円が78円になるだけで2%以上ドル資産は目減りする。

さらに1.5%のシェアを追求してどうするのだ。


日本の農業をどうするかは難しい問題だが放棄してさらに自給率を低め工業製品の分野だけを優先するという政策は断じて採るべきでない。  

http://www.asyura2.com/10/senkyo98/msg/542.html


08. 2010年11月16日 06:42:09: MiKEdq2F3Q

TPPは、「人、金、物の自由化」を目指し挫折したWTOの落とし子だ。

悪影響は、マスコミが報道する農業だけでなく、日本の根幹産業の労働者たちにも及ぶ。

給料の減少、労働強化として現れる。

1992年に米国、カナダ、メキシコで結ばれた北米自由貿易協定の場合、米国のマスコミは、今回、日本のマスコミが行っているような、バラ色の未来を宣伝していた。


ニューヨーク・タイムズは「仕事と富と経済の活発化」を約束していた。

さらに「低所得層の助けになる」と説いた。

ワシントン・ポストは「好機と利益は数えきれない」と書いた。

ウオールストリートジャーナルは「物価が安くなる」と説いた。
http://www.fair.org/index.php?page=1396

経済政策協会が1997年に出した報告書では、米国に於いて、推進者が主張した20万人の雇用は生み出されず、逆に42万人の雇用が失われた。

さらに海外移転を理由に給料や労働条件が低く押さえ込まれた。

日本のマスコミは、製品の競争力が強くなり貿易が増えるので雇用も増えると宣伝するが、米国からメキシコへの海外移転を阻止することはできなかった。

(例に出される自動車工業は、米国内に工場を持っている。

さらに、米国の不況で今後、販売台数の伸びも期待できない。)


メキシコでは1993年から2年間で失業者は倍増した。

1996年の労働者の給料は1980年より37%下がった。

労働人口の19%は最低給与以下で働き、66%の労働者には何の保障もなかった。

人口に占める最貧層が32%から51%に拡大した。

800万人が中間層から貧困層に落ちた。カナダでは失業率は高止まりのままだった。
http://www.epi.org/publications/entry/studies_failedexp/


菅政権とマスコミ、その後ろで糸を引いている米国に騙されるな!

米国がTPPで一番狙っているのは、金詰りを解決するための日本の郵貯であることを最後に明らかにしておく。


http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/158.html


09. 2010年11月19日 17:42:26: MiKEdq2F3Q

降って沸いた「TPP」の謎?! 10/11/06
http://www.youtube.com/watch?v=JvBhl7rt4rU&feature=player_embedded

TPPアメリカの真の狙いは!? 10/11/13
http://www.youtube.com/watch?v=aV4fmGVP3kw&feature=player_embedded


TPPとは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP:Trans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)

のことであり、2006年にP4としてシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの四カ国において関税を撤廃する自由貿易協定として話し合いが始まった。

この話し合いはやがて関税の撤廃だけではなく、サービスや金融、人の移動なども含めた包括的な協定へと変遷していく。2010年春に米国、オーストラリア、ペルー、ベトナムが参加し、秋にはマレーシアが参加表明した。

一方でEUや中国、インド、カナダ、韓国等は参加を見送っている。

EUの場合は既にヨーロッパ内でTPPのような連合体を構築済みなのでまだしも、中国やインドはTPPが要求する包括的な障壁の撤廃が自国産業に与えるダメージを鑑みると参加は不適当と考え不参加、韓国においては既に主要貿易先国とFTAやEPAという協定を締結済みで今更TPPに参加するメリットはないと判断した模様である。


この韓国が既に結んだFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)とは、貿易相手国との二国間協定であり、これを貿易を行う世界中の国々とこまめに結んでいくことによりお互いの貿易障壁を取り除くことが出来るものだ。韓国は通商立国でありこうした条約を相手国と結ぶことは死活問題であり当然のことだろう。


一方で日本はといえば韓国と同様の通商立国であるが、実は日本の関税は世界的に見てもかなり低く抑えられていて、そうした交渉が成り立つ土壌が存在していないようなのである。

つまり1980年代に超貿易黒字国であった当時、外圧に屈して数々の関税を撤廃してきているので、相手国は日本へ低い関税のまま輸出できるのである。

だから日本側が相手国の関税を低くさせようとしても既にこちら側の関税は低い状態なので、そちらの関税をまけてくれたらこちらもまけますといった交渉をするカードは既に失なわれている。それでも通商国として立派にやっていっているところが日本の凄さである。


こうした日本をTPPに引き摺り込むと米国にはどのようなメリットがあるかというと、それは小野寺議員がワシントンでもらった答に集約されているだろう。

小野寺議員は

「日本の関税に興味などない。金融を自由化して郵政民営化を推進しろ」

と言われたと言っている。


TPPは包括的な貿易条約であるが、この場合の包括的という語の意味は貿易に関して一旦全てを自由化するという意味のようだ。


その中には看護師や介護士、公共事業の入札、
金融(勿論郵貯や簡保も含まれる)の自由化

なども含まれ、更に驚いたことに

全ての公共入札は英語での告知を義務付けるので、

例えば看護師も英語で可、

市町村の文房具の購入も英語で入札の告知をしなければならなくなるという。


巷間言われているように農業が打撃を受けるなどといったレベルの問題ではないことが分かる。


また現在貿易のルートは非常に複雑になってきていて、例えば


日産自動車のマーチやトヨタの次期カローラなどは海外工場で生産し日本に逆輸入することになっている。

現在は低いといっても一応は関税はかけられるのだが、TPP締結後関税が撤廃されると無税で日本に入ってくる。

国内工場を閉鎖し海外工場から逆輸入しても企業にはデメリットはなくなるので工場の海外進出に拍車がかかり、国内の製造業は痛手を被ることになるかも知れない。

工場の多い地方では失業問題の深刻化に拍車がかかるだろう。


つまり日本にとってのメリットなど甚だ薄いのがTPPなのである。

単にAPEC議長国としてのメンツを立てたいだけの話だ。


こうなってしまうと正に米国による従米隷属化の完成である。

これでは小泉政権の郵政民営化をも凌ぐ驚くべき忠犬ポチ化である。


このビデオの中で田中康夫が言うように

「米連邦に組み込まれてしまう」のがTPPの正体だろう。

田中康夫や新党日本が今ひとつ好きになれないという人も、一度このビデオを見てからTPPを評価する作業に入ってみては如何だろうか。

http://d.hatena.ne.jp/Tony_Shikaku/20101118/1290088625


10. 中川隆 2010年11月29日 00:18:48: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

民主党の菅直人首相が「環太平洋戦略的経済連携協定=TPP」への参加を突如打ち出したり、円高が急速で製造業の海外移転が急だ。

 A TPP参加を巡って矛盾が激化している。

貿易自由化、すなわち関税を「ほぼ例外なく撤廃する」取り決めで、農漁業、製造業など国内産業の全分野に多大な影響を与える問題になっている。

リーマン・ショック以後の円高・ドル安によって製造業の海外移転には拍車がかかり、国内は空洞化してどうなっていくのかという問題がある。

 B TPPは今年10月1日の菅首相の所信表明でいきなり出てきた。

関税の撤廃、関税自主権の放棄で、アメリカを中心とする自由貿易圏を環太平洋地域に構築するというものだ。

日本の場合、農産物ではこれまで10品目に高関税をかけていた。主要作物の保護として

コメに770%、
小麦260%、
バター360%、
砂糖305%、
落花生730%などだ。


農産物全体の平均関税率は12%で、これは世界的に見ても非常に低いものだ。


主要作物まで含めて完全撤廃したなら、食料自給率も10%台に落ち込むと農林水産省も試算しているほどだ。農漁業や林業といった第一次産業は壊滅的な打撃をこうむることがわかっている。

 C 関連して地域の食品、流通産業も打撃を受ける。

雇用面では340万人が新たに失業すると試算されている。

特に農業、漁業で地域経済を成り立たせてきた地方の自治体ほど危機感を持ってTPP反対の動きを見せている。

北海道では道民総決起大会が開催された。先日は「TPP交渉参加で日本農業は壊滅する、日本の農林水産業や地域経済を守ろう!」と、JAグループや全国農業会議所、全漁連、全森連、生協連が東京・日比谷で「TPP交渉への参加に反対し日本の食を守る緊急全国集会」を開くなど、猛烈な勢いで国民的な反対運動が盛り上がっている。


しかし菅政府は強行路線だ。「APECで参加表明する」といっていたのが、抗議行動が盛り上がるなかで「協議を開始する」にとどまっているが、あくまでもアメリカの要求に沿って突っ走る方向は変えていない。


 D 「平成の開国」と叫んでいる。

小沢・鳩山が掲げていた東アジア共同体構想からTPPへとシフトチェンジしたきっかけは、昨年11月にオバマが来日して構想をブチ上げたのに始まっている。

そこから国内でも検討が始まった。

農業分野への影響ももちろんだが、中小企業も3分の1しか生き残らないといわれている。

製造業の相次ぐ海外移転でタイが拠点になっているが、彼らが主張する最適生産地に製造拠点を移していくのに拍車がかかるからだ。

 E TPPの内容はあらゆる規制緩和だ。

金融自由化も含まれており、郵政民営化の強行だ。

人的交流も自由化といって、移民労働力を増やす方向だ。

失業者が溢れているなかで移民を増やす。

看護師や介護福祉士も外国人労働者を増やすという。

医療分野ではこれまでの規制緩和で全面自由化していない部分、つまり株式会社による病院経営、混合診療の全面自由化なども進行しかねない。

医者のなかでは「最終的に狙っているのは外国の医師免許があれば日本で開業できる方向だ」という指摘もある。

介護事業所は介護福祉士の免許があれば外国人でも開業できるようだが、介護福祉士に限らず全業種に認めるというのがTPPの方向だ。

 例外をもうけぬ自由化 略奪体制のTPP

 C 「例外をもうけない」自由化。

100%自由化する規制緩和であり構造改革だ。

小泉時代にできなかった部分を今度は100%やるのだといっている。

日本をアメリカの完全なる植民地状態にして搾り上げていく略奪体制というほかない。

TPPは2006年にシンガポールでオーストラリアなど四カ国の参加で始まっているが、そのときは弱小国の集まりに過ぎなかった。

それが昨年、オバマが来日して慶応大学で講演してブチ上げて性格が変わった。

「アメリカはアジア太平洋地域の盟主になるのだ」と鼻息が荒い。覇権を握るために明確な政策転換を始めている。経済面からも軍事面からも段階を画している。

 B 竹中平蔵が『正論』の電子版で、TPP参加国の九カ国に日本が加わり、中国が参加しない場合、日米だけでこの経済圏のGDP(国内総生産)の8〜9割を占めるのだから、「これ(TPP)は日米FTAですよ」と述べている。


みずからが小泉政府の一員として推進してきた構造改革・規制緩和を民主党はしこたま否定してきたと皮肉りながら、「マニフェストを変えろ」と高飛車にいっている。

 E 要するに小泉・竹中がやってきた規制緩和・構造改革の完成版をやってしまうということだ。

なぜそこまでいくのかだ。

小沢・鳩山ラインの時期には「東アジア共同体構想」を模索して、中国を含めた経済圏で連携を強めようとしていた。

それにアメリカが対抗してきたし、アジア経済圏で主導権をうち立て、中国に圧力をかけていくというものだ。

アメリカの対中国政策が「対話」ではなく「圧力」に転じている。世界的な通貨戦争のなかで、ドルと人民元の対立がもっとも鋭い。


 B 民主党政府の変遷というものも、アメリカのそういう姿勢の変化との関係で見なければわからない。

小沢・鳩山は中国を含めた経済圏をすすめようとしていた。

小沢は国会議員を何百人も引き連れて中国を訪問したり、米軍は第七艦隊だけでいいともいっていた。

それはアメリカの方向と対立したということだ。かれらを失脚させたのはアメリカの意向であり、菅を登用したのもアメリカの意向だったということだ。

 金融大暴走へ進む米国 通貨戦争も熾烈に


 A 大きくは20年来の新自由主義のもとで、ギャンブル金融路線で暴走してサブプライムローンの破綻、金融破たんとなって大破産した。

ところが、破産したから金融規制をして立て直すのではなく、逆にいっそうギャンブル金融の大暴走を始めたということだ。

アメリカではオバマが金融規制の法律をつくったがザル法で、規制をするかのように見せかけて、もっと金融大暴走で突っ走り始めた。


 もう一方では、国際的な通貨戦争が熾烈になってきている。先進各国が通貨切り下げで、いわば近隣窮乏化策の競争でしのぎを削っている。欧州ではギリシャ危機が起きたが、ヘッジファンドが攻撃をかけてギリシャ国債を暴落させ、ユーロに揺さぶりをかけた。

世界の余剰資金がドルに向かうようにしたわけだ。そしてアメリカは大規模な金融の量的緩和をやり、ドル安を強行している。

 B 要するにドルを刷りまくって垂れ流しているわけだ。

尋常ならざる手に出ている。

刷りまくるから当然ドル安になる。

そしてよその国、日本などが量的緩和をすると「介入するな!」と恫喝する。

ドル安によってアメリカの対外債務(借金)はチャラにして、日本など米国債を大量に抱えていた国が泣くハメになっている。

日本、中国など米国債を抱えている国国は大損している。

世界中にばらまいてきたイカサマ証券もチャラにしていっている。

 A アメリカはドル安にすると同時に、人民元の引き上げを求めており、ひじょうに鋭い対立になっている。G20も米中の通貨戦争が主要問題だったが話はまとまらなかった。新興国の多くはドル安の影響で通貨高になるとともに、大量のマネーが流れ込んでバブルが発生し、食いつぶされている。だから中国はじめブラジルも頭にきている。


 C 先進国でも、イギリスでは大学生の学費が約3倍に跳ね上がるといって、流血の衝突になっている。ギリシャでは200万〜300万人単位のゼネストが何度となく起きているが、フランスでも大規模なストライキが起こっている。資本主義各国の国内矛盾も相当に激化しているし、国民と政府との衝突がすごい。


 中国市場狙う動き露骨 ブロック化が進行

 A 通貨戦争とブロック化の進行だ。アメリカとしては中南米が反旗を翻しているなかで、環太平洋地域・アジアをターゲットにしている。中東もイラク、アフガンで失敗してしまっている。EUの台頭があり、中国とロシアの接近がある。だからアメリカの戦略として対中国の圧力外交、封じ込め政策をとり始めた。中国を排除しつつ締め上げる。一九八九年の天安門事件は内部からの政権転覆策動だったが、今度は軍事的な圧力をむきつけにさせたものだ。日本を中心にして環太平洋地域の覇権を握り、中国を締め上げて屈服させ、中国市場を手に入れようというものだ。

 歴史的に見ても第2次大戦で中国大陸を日本と奪い合い、戦後もずっと中国市場の獲得が最大目標だった。「米国債をたくさん買ってもらっているから遠慮しながら」という路線を転換している。

中国側も米国債保有を減らしており、アメリカ側もドル安で米国債を損させたりの応酬だ。

ドルをあれほど刷りまくったらドル崩壊になるのは歴然としている。

しかしそれで借金、対外債務はチャラだ。軍事力を背景にしてなんでもやりかねない。


 D 今年初めから台湾に武器売却をしたり、ダライ・ラマを持ち上げて怒らせたり、中国政府側もグーグルに対して内政干渉するなと排除したり対立が激化してきた。そこに韓国哨戒艦の沈没事件が勃発して、アメリカは北京を射程圏内に入れた黄海に空母ジョージ・ワシントンを派遣しようとした。中国も反発して、空母を撃沈するためのミサイルを開発したりと応戦。さらに南海の領有権問題も出てきた。「南海の自由航行権はアメリカの国益なのだ」とやり始め、ベトナムを抱き込み、タイ、カンボジアを抱き込んで中国と切り離そうとしてきた。

 今度はオーストラリア、ニュージーランドとの軍事一体化の関係も強めて、中国、ロシアを包囲していた第二列島ラインといわれるものを意識している。クリントンが出かけて日本以上にアメリカの軍艦が自由に基地使用できるようにさせた。さらにインド取り込みも活発で、中国包囲網をつくっている。インドネシアにオバマが訪問して「イスラムは仲間だ」とやりつつ反中国演説をやるなど力が入っている。中国への対抗意識がむき出しだ。


 連動して菅政府も暴走 小泉以上の強硬姿勢

 A こういうことが急激に進行しているから、従来あり得なかった事がよく起きている。オバマ自身も「チェンジ」をチェンジしてしまって、ブッシュと同じように強硬に突っ走り始めた。

日本国内では民主党政府の変遷だ。マニフェストはすべて投げ捨ててしまって、姿も形もなくなった。

菅政府は小泉以上になっている。尖閣諸島でも小泉時代には「大局的見地から」上陸した面面を強制送還して帰していた。今度は突っ走りだ。

従来は、「もめないようにしよう」が取り決めだった。中国側もジッと待っていたら「拘留延長」になったものだから、対抗措置をバンバンやり始めた。

アメリカの姿勢を見ないことには理解できない出来事だ。アメリカから焚きつけられて日中関係が激化している。代理戦争をやっている。


 E 漁業者がいっていたが、海上では漁業者同士は穏やかな関係だ。領海侵犯そのものはお互い様で、協定を結んだりして解決してきたことだと。

 B マスコミの排外主義がひどい。そして安倍元首相らが鼻息を荒くしている。訪米してシンクタンクで演説して帰ってきたと思ったら台湾に出かけ、ベトナムにも行った。反中国で熱弁を振るった結果、台湾では逆に現地指導者から「感情的にならないで下さい」となだめられる始末だった。


外務大臣の前原も跳ねた。日米の軍事パイプがはしゃいでいる印象だ。「逮捕しろ」と指図したのが前原で、外交を知っている人間からは「子どもみたいだ」と幼稚さが指摘されているが、これらが外交上の常識を飛び越えてやり始めた。

アメリカがやらせているからだ。

中国をナチスとなぞらえて非難したり、それに対して中国の高官が反論したりしている。

 A 菅直人のTPPのやり方でも10月に突如持ち出して11月のAPECで参加表明するとか、国の有り様を根底から変えようという問題を、抜き打ちでやろうというふざけた手法だ。

マスコミがそれを煽る。

アメリカの意向なら民主主義はないという現実だ。

アメリカ独裁の日本ということだ。

ドルを刷りまくって世界を食いつぶすというありえないやり方をするが、それはアメリカ資本主義がものすごく衰退したということだ。しかしおとなしく衰退しない。断末魔のように暴れまくっている。世界一の凶器を振り回して暴れ回る。

 日本潰す政治との斗い 全産業で大矛盾に

 B TPPで明らかになっているのは、要するに菅政府なり民主党、自民党、財界なりメディアなり、御用学者なり、かれらが日本を捨てるということだ。

アメリカにくっついて日本を捨て、製造業移転などといって無国籍企業になり、国内を何もかもつぶしてしまうところまできた。

農漁業や製造業、産業をつぶすことを通じて、全経済、医療も教育もつぶす。それを許すかどうかのたたかいだ。

 E 日本をつぶすことの延長が対中戦争の盾になることだ。

アメリカの対中戦争のために日本列島を核戦争の戦場にする。

最近は北朝鮮を騒がなくなって、直接に中国に矛先を向け始めた。

世界的にはブロック化による経済圏の対立が激化している。第二次大戦前みたいな様相だ。通貨切り下げ競争が激化して保護主義が台頭し、最終的に世界的規模の植民地再分割、市場争奪戦を繰り広げたのが第二次大戦だった。アメリカを中心とする日米の環太平洋、すなわち日米枢軸同盟だ。それと中露、EUの対立があらわれている。


 C 最近ではイギリスの新首相が財界人を300人ほど連れて中国を訪問した。かなり契約を取って帰ったという。まさにトップセールスだ。


 D 経済が破局に向かっているのとセットで軍事的な緊張も高まっている。オバマは史上最高額の戦費を計上したが、米軍への「思いやり予算」も公然たる増額要求だ。「当然出すべきカネなのだ」と主張してはばからない。

 A 日本の大企業も製造業があれほど海外移転したらつぶれるほかない。昔有名だった音響メーカーが前回の円高の時期に海外生産比率を90%くらいにしたという。ソニーがこの会社を引き取ったときには技術者が10人程度しか残っていなかったという。

多国籍企業といっても自国に根がある。そこが技術水準を持っていなければ開発にもつながらない。いまの海外移転の流れのなかで、国内の技術者がヘッド・ハンティングされて海外メーカーで活躍しているというが、バカみたいな事が起きている。

 C 北九州でも安川電機などそこはこだわっているようだ。アメリカの多国籍企業を見ても本国に根を置いている。


 大政治斗争起こる機運 全国で行動始まる


 A アメリカの経済的・政治的な破綻のなかで、死活をかけてTPPが出てきた。

そして環太平洋地域を巻き込んだ覇権願望と対中国政策が動き始めた。日本人民のなかでも中国への排外主義でもう一度戦争をやろうといった場合の怒りは少少でない。


 B 尖閣問題の犯人捜しや連日の報道も、排外主義キャンペーンの一環にすぎない。

あのような問題を調整するのが外交なはずだ。アジアでもタイがTPPに反対しているが、すべての国がアメリカのいいなりになるわけではない。タイは華僑が半分くらいいる。マレーシアもそうだ。中国との関係が強い。


 D TPPについて菅政府は一気に強行したかったが、全中が騒いでブレーキがかかった。

農漁業者が死活問題として運動を起こし始めている。

知事会や町村会も反対表明している。南九州や北海道もすかさず反対表明した。

北海道はTPPに参加した場合の道内への影響として農業産出額などが単年度で2兆1000億円ものマイナスになると危機感を表明している。

長崎は497億円マイナス、熊本は1147億円のマイナスと、影響を独自に算出する動きにもなっている。全国的な政治斗争が起きる趨勢だ。

 A アメリカが最終的な崩壊状況になって、凶暴な突っ走りを始めている。

ドルを暴落させて借金を棒引きにするとか、ギャンブル金融が破たんしたのでもっとすごいギャンブル金融をやるとか、世界各国の経済をぶっつぶして食い物にしようとしている。

イラクやアフガンは戦争でつぶしてしまったので、今度は中国、アジアの戦争を挑発するとか、尋常でないところに来た。しかしそれを世界中が黙って受け入れるわけではない。


 自由貿易といおうがTPPといおうが、農林漁業や製造業をつぶしたら日本の国は崩壊する。


農漁業をはじめモノづくりというものは、商売としてやられる資本主義が始まるはるか昔からやられてきた。

これをつぶすのは民族を飢餓に追いやり、国土保全をなくすだけではなく、民族の歴史を断ち切ることを意味する。

これらのモノづくりはつぶすわけにはいかないが、つぶれるわけがない。自由貿易なりTPPなどの制度の方がつぶれなければならず、またつぶれるほかはないことを意味している。

対米従属をやめて産業を守れ! は全国的スローガンだ。独立と平和、繁栄のために、60年安保斗争のような大政治斗争が巻き起こることは必至だ。

http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/sekaikakutannodaibousouhajimetabeikoku.html


11. 2010年12月20日 19:25:59: MiKEdq2F3Q

米韓FTAに盛られた「毒素条項」

今日のNBonlineで、米韓FTAに盛られた「毒素条項」が取り上げられいました。

参考までに、引用紹介しておきます。


::::::引用ここから


(1)サービス市場開放のNegative list:
   サービス市場を全面的に開放する。例外的に禁止する品目だけを明記する。

(2)Ratchet条項:
   一度規制を緩和するとどんなことがあっても元に戻せない、狂牛病が発生
   しても牛肉の輸入を中断できない。

(3)Future most-favored-nation treatment:
未来最恵国待遇:今後、韓国が他の国とFTAを締結した場合、その条件が
米国に対する条件よりも有利な場合は、米にも同じ条件を適用する。

(4)Snap-back:
自動車分野で韓国が協定に違反した場合、または米国製自動車の販売・流
通に深刻な影響を及ぼすと米企業が判断した場合、米の自動車輸入関税2.5%
撤廃を無効にする。

(5)ISD:Investor-State Dispute Settlement。
韓国に投資した企業が、韓国の政策によって損害を被った場合、世界銀行
傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できる。韓国で裁判は行わない。
韓国にだけ適用。

(6)Non-Violation Complaint:
米国企業が期待した利益を得られなかった場合、韓国がFTAに違反していな
くても、米国政府が米国企業の代わりに、国際機関に対して韓国を提訴で
きる。例えば米の民間医療保険会社が「韓国の公共制度である国民医療保険
のせいで営業がうまくいかない」として、米国政府に対し韓国を提訴するよ
う求める可能性がある。韓米FTAに反対する人たちはこれが乱用されるので
はないかと恐れている。

(7)韓国政府が規制の必要性を立証できない場合は、市場開放のための追加措置
を取る必要が生じる。

(8)米企業・米国人に対しては、韓国の法律より韓米FTAを優先適用
  例えば牛肉の場合、韓国では食用にできない部位を、米国法は加工用食肉と
して認めている。FTAが優先されると、そういった部位も輸入しなければな
らなくなる。また韓国法は、公共企業や放送局といった基幹となる企業にお
いて、外国人の持分を制限している。FTAが優先されると、韓国の全企業が
外国人持分制限を撤廃する必要がある。外国人または外国企業の持分制限率
は事業分野ごとに異なる。

(9)知的財産権を米が直接規制
  例えば米国企業が、韓国のWEBサイトを閉鎖することができるようになる。
韓国では現在、非営利目的で映画のレビューを書くためであれば、映画シー
ンのキャプチャー画像を1〜2枚載せても、誰も文句を言わない。しかし、米
国から見るとこれは著作権違反。このため、その掲示物い対して訴訟が始ま
れば、サイト閉鎖に追い込まれることが十分ありえる。非営利目的のBlogや
SNSであっても、転載などで訴訟が多発する可能性あり。

(10)公企業の民営化

::::::引用ここまで

何か、「日米修好通商条約」の亡霊に出くわしたかのよう…

もしかすると20〜30年後には、「関税自主権」の回復、「最恵国条項」の撤廃、
「治外法権」の返上を求める、韓国版小村外交が必要となるのかも(^_-)

http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/221220.htm


12. 2010年12月29日 10:32:50: MiKEdq2F3Q

京都大学の中野剛志助教のTPPの解説。

日本はTPPで輸出を拡大できない!
http://www.youtube.com/watch?v=nRmNJpUj5sI


民主党の進めるTPP参加で日本がどうなるかについて分かりやすく説明してあります。これを見ればTPPがどれだけ恐ろしいか分かります。


13. 中川隆 2011年1月11日 17:24:29: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

TPPをめぐる俗論を反証する──緊急出版『TPP反対の大義』より (News Spiral)


<横行する数字のトリック、おかしな議論への反証>


(1)前原「1.5%」発言のトリック


 今回のTPP論議では、数字を利用した「わかりやすさ」が横行し、それが一定の効果をあげているようである。その象徴が、前原誠司外相の「(GDP)1.5%を守るために98.5%を犠牲にして良いのか?」発言である。これに対し「TPP論議と農業・農山村--前原外相発言を批判する」で小田切徳美氏(明治大学教授)は、「この発言以降、堰を切ったように、テレビ、全国紙において、『農業保護が国益を損なっている』『TPPに参加しなければ二流国家に凋落する』という主旨の言説が流れており、今回のTPP論議において重要な役割を果たす発言となっている」としたうえで、この「1.5%」発言のおかしさを次のように述べている。

「第一に、第一次産業のGDPシェア1.5%という数字の取り上げ方自体が問題である。例えば、産業区分を細かくしていけば、産業界が誇る自動車を中心とした『輸送用機器』でも、そのシェアは2.7%である。それどころか、製造業全体でも実は19.9%と既に2割を切っている。そして、『犠牲』の対象と示唆されている輸出であるが、それもGDPの17.5%にすぎない。仮に数字で議論するのであれば、こうした全体の状況とともに取り上げられるべきであろう。

 第二に、農業の関連産業の広がりや農業の多面的機能に関する認識がない発言である。よく知られているように、食品産業全体(農漁業+食品工業+関連流通業+飲食店)のGDPシェアは9.6%であり、また農漁業を除く食品産業の就業者は775万人にも達する。TPP参加の影響は、その業種や立場により様々であろうが、何らかの形で及ぶことは意識されなくてはならない」

 そのうえで小田切氏は、「1.5%」発言が及ぼす精神的な影響に注目して議論を展開。こうした発言が「誇りの空洞化」を促進し、地域で動き出した新たな挑戦をおこなう人々の出端をくじいてしまうことの罪を糾弾している。


(2)白を黒といいくるめる「鎖国か開国か」論


 菅直人首相が、TPP参加に向け「関係国との協議開始」を表明した際に、「日本は今再び大きく国を開く決断をした」と発言したため、「鎖国か開国か」という「わかりやすい」話がマスコミを賑わすことになってしまった。これこそ、白を黒といいくるめるもので、鈴木宣弘氏(東京大学教授)・木下順子氏(コーネル大学客員研究員)による「真の国益とはなにか--TPPをめぐる国民的議論を深めるための13の論点」では、アメリカの手厚い農業保護(輸出補助金)にふれたうえで、以下のように述べている。

「日本はWTOルールを金科玉条のように守り、課された農業保護削減義務を世界で最もまじめに実行してきた『優等生』である。政府の価格支持政策をほとんど廃止したのは日本だけであり、農産物関税も平均で11.7%と低く、農業所得に占める財政負担の割合も15.6%で、欧州諸国が軒並み90%を超えているのに対してはるかに低い。それにもかかわらず、いまだに日本は最も過保護な農業保護国、しかも、価格支持政策に依存した遅れた農業保護国だと内外で批判され、国内世論の支持が得られないため、農業関連予算も減額され続けているのが現状である」


(3)吹っ飛んでしまった「自給率50%」


 食料自給率をめぐるおかしな議論状況も生まれている。

 TPP参加で自給率が40%から14%に激減するという農水省の試算に対し、TPP推進派は、関税がゼロになるまでの猶予期間のうちに構造改革で「強い農業」づくりを進めれば、自給率はそこまでは下がらないと反論している。こんな議論をしているうちに、政府目標の「自給率50%」が吹っ飛んでしまったのも、一種のごまかし、トリックである。谷口信和氏(東京大学教授)は「食料自給を放棄した例外国家への道を突き進むのか--TPPへの対応で問われるニッポンの国家の?かたち?」で、この点を鋭くついている。

「注意を要するのはTPPに対する賛成・反対の立場を超えて、日本がTPPに参加した場合、

(1)自給率が現在よりも向上することはありえない、

(2)自給率向上への強力な政策対応の程度に応じて低下が抑制されるが、自給率は低下して40%から14%の間のどこかに落ち着くだろうという見方については暗黙の合意が存在しているようにみえることである。


だが、そこには、(1)そもそも40%という現在の水準をどのように理解すべきか、(2)これがさらに低下するという事態をどのようにみるか、という根本問題が存在している」

 こうして、谷口氏は現状の自給率40%、しかも、人口一億を超える大きな国で40%は世界広しといえども全くない超異常な事態であることを明らかにし、飼料イネなどを生かした「水田活用新時代」をひらくことの重要性、大義を浮きぼりにしている。


(4)地域発のまともな試算


 こうしたおかしな議論が横行するなかで、地域ではリアリティのある数字で問題に迫る動きが生まれている。本書では「TPP激震地」として北海道と沖縄の状況を紹介しているが、北海道では「地域別試算」という従来にない取り組みが進んでいることを、東山寛氏(北海道大学助教)が「道経連を含む『オール北海道』で反対する」で紹介している。

「地域別試算の取り組みは『TPP問題』を農業も含めた地域の産業・経済全体の問題として捉え返すためのリアリティを提供している。表示した2地域を見比べてみると、農業生産への影響では地域間の基幹作目の違いが鮮明に表われていると同時に、オホーツク地域では製糖・澱粉製造・乳製品工場、上川地域では精米業といったように、地域によって特色ある立地が進められてきた関連産業への影響もまた甚大であることが明らかである。『地域経済』で括られている商工業等への影響はさらに大きいものがある」

 北海道では、記事の見出しにもあるように、農業団体、経済団体・消費者団体が足並みをそろえて反対しており、道経連は、TPP推進の中央(経団連)と一線を画する構えを鮮明にしている。輸出大企業とアメリカにしか目をむけない「中央」発のおかしな議論をまともな議論にしていく力は地域・地方にある。


<「国益VS農業保護」論は、国益に反する>


 TPPをめぐって大マスコミは「国益VS農業保護」という「わかりやすい」構図を描き、それが農家も含め、少なくない影響をもたらしているが、この「国益」は「国益にあらず」として本書の多くの執筆者が問題を提起している。先に紹介した鈴木宣弘氏らは、「『農業保護をとるか、TPPの利益をとるか』ではなく、『一部の輸出産業の利益のために失う国益の大きさ』を考えなくてはならない」ことを実証的に示したうえで、「国益」の基本である「食料供給」についてページを割いて論じている。

「2007年から2008年にかけて起こった世界食料危機は、日本が現在の経済力を維持し続けることができたとしても、食料輸入の安定的保証を取り付けることがいかに難しいかを明らかにした。諸外国と広く協定関係を結べば、輸出規制の禁止も含めて優先的な食料供給を確保できるとの見解もあるが、仮に輸出禁止などの条項を加えることができたとしても、いざというときに自国民の食料をさておいて海外に供給してくれる国があるとは思えない。不測時においてはどの国も、まず自国民の食料確保や自国の市場安定を図るという、国家として最低限の責務を果たさなければならないからである」

「米国の都合に振り回された典型例がメキシコである。メキシコでは、NAFTA(北米自由貿易協定)で主食のトウモロコシ生産農家が潰れ、米国から安く買えばいいと思っていたら、こんどは価格暴騰で輸入も困難な事態に追い込まれてしまった」


<「貿易を拡大しないとやっていけない」論のまちがい>


 日本は貿易立国だから、貿易を拡大しなければやっていけないというのも、TPPやむなしの風潮を支える「わかりやすい」話である。しかし、本当にそうなのか。この点を本格的に論じているのが、関曠野氏(評論家・思想史家)の「世界貿易の崩壊と日本の未来」である。そこでは、「WTOやTPPの論理でもある『世界貿易』は常識的な意味での貿易とは別のもの」であり、それは、「米国が第二次大戦後に世界に強要した通商システム」であり、それが今、危機を深め、この延命のための「体制の危機の輸出」こそ、グローバリゼーションの本質だとしたうえで、その崩壊を予測している。だから、「TPPに参加しないと日本は国際的に取り残される」という風潮に対し、「何から取り残されるのか。タイタニックに乗り遅れるのは結構なことだ」ということになる。

<雇用は守られず、逆に破壊する>


 この雇用の問題について、「TPPと日本農業は両立しない--TPPは日本を失業社会にする労働問題でもある」と森島賢氏(立正大学名誉教授・元東京大学教授)が述べている。

「農家の若い人の兼業について、一つつけ加えたいことがある。それは、TPPに乗り遅れると、日本農業は生き残れるが、日本経済は沈没する。そうなれば、農村の若い人の兼業する機会がなくなり失業する、それでいいのか、という脅しについてである」

「TPPは、いうまでもなく、農産物貿易の自由化だけを目的にしている訳ではない。特に問題なのは、EUのように、労働者の、国境を越えた移動の自由化を重要な目的にすることである。とりあえずは、そのための突破口として介護などの特殊な労働者の移動を取り上げるだろうが、こうした政治哲学を容認するなら、やがて、普通の労働者の移動も認めることになる。そうなれば、自由貿易圏内の労賃は同じになる」

「この主張の行きつく先には、これまで先人たちが培ってきた失業率の低い、安定した、安全な日本の社会を根底から覆し、某国のように、わが身は自己責任で守る、という銃社会に変えようという主張が待っている」

 本書は、書名のように批判の書であるが、すべての書き手に共通するのは、「地域の再生」への、そして地域を基礎として、ずいぶんゆがんでしまった「この国のかたち」をまともにしていくことへの、熱い思いである。だから、地域に生き、地域をつくる農家にこそ読んでいただきたい。(農文協論説委員会)

http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpptpp.html
http://www.ruralnet.or.jp/syutyo/2011/201102.htm


14. 中川隆 2011年1月15日 07:53:49: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

TPP交渉と農 山下惣一さん、宇根豊さん対談(西日本新聞)

「前原誠司外相が昨秋、日本の国内総生産(GDP)に農業が占める割合は1・5%だとして「それを守るため98・5%が犠牲になっている」と発言した。
 
 山下 米国だって農業の対GDP比は1%ほど。だからといって、高官が「わが国の農業は1%しかないから、全体には影響ない」などと言うはずもない。
 
 そもそも、食料自給率が40%と低い国の大臣が言うセリフか。われわれからいえば、日本の国土を守っている農業が、わずか1%程度の分け前しかないから、後継者が残らないんだ。」


すっから菅と前原に聞かせたい農家の叫びだ。

レアアースで狂った様に騒ぐ政治家は、アメリカと大企業の儲けにならない食料安全保障には全く興味がないようだ。


________


西日本新聞から


 ●大規模化という“幻想”・山下 生産性以外の役割大切・宇根

 
 −コメの国内消費が年々落ち込むなどしている中、大規模化で生産効率を上げる構造改革で世界と戦える農業に、という意見は勢いを増している。


 
 山下 そもそも論からいこう。大規模とは何に比べての話か。オーストラリアや米国の1戸当たり農地面積は数千、数百ヘクタールの規模だ。現状2ヘクタールの日本が大規模という10ヘクタールとか15ヘクタールなんか、誤差の範囲内だ。

 
 農産物価格が高いというのも何に比べて高いのか。経済成長を遂げた1980年代、サラリーマンに豊かさの実感がないのは、世界に比べて食費が高いからだといわれた。当時の貿易黒字は日本の一人勝ち。そこで農産物を輸入して価格を下げ、農業もそれに対抗して生産性を上げよという世論を引っ張ったのが「前川リポート」だった。
 
 以降、日本は世界で最も消費者物価が下がった国になった。それで暮らしが豊かになっただろうか。
 
 コメの値段を考えよう。海外諸国の精米価格は10キロ当たり10ドル前後。現在の為替相場だと800―900円か。中国で300円、カンボジアで500円だが、各国の賃金水準を考慮しないと比較にはならない。
 
 日本の食費が高いのは、消費者が自分で料理をしなくなったから。国民が年間に支出している飲食費73兆円の内訳は、生鮮が18%、加工品53%、外食29%だ。茶わん1杯のコメは、1キロ400円の品で約30円で、生産者価格はその半分。それなのに高く感じるのは、加工や流通の経費を負担しているためだ。


 
 宇根 工業の世界では、大量生産によって製品がどんどん安くなる。その尺度を農産物にも当てはめるからおかしくなる。


 
 山下 昔はどの農家にも家畜がいた。その一部分を拡大したのが今の畜産業。安い飼料を輸入し、大規模・効率化した結果、水より安い牛乳はできたが、一極集中によって、ふん尿公害も起こる。口蹄疫(こうていえき)や牛海綿状脳症(BSE)、鳥インフルエンザが発生したら、被害の方も甚大。生産性重視の飼い方で病気にもかかりやすくなるから、抗生物質も必要になり、作る方も食べる方ももう命懸け。そして地球が壊れていくというのが今の構図だ。
 
 −大きくすればいいというのは幻想か。


 
 山下 現実に東北では、国から融資を受けて10アール200万円出して規模拡大した田んぼが今、30万円まで下がってもなお、買い手がいない。お金を借り、また借金して払う。そんな地獄のような話もある。
 
 −前原誠司外相が昨秋、日本の国内総生産(GDP)に農業が占める割合は1・5%だとして「それを守るため98・5%が犠牲になっている」と発言した。


 
 山下 米国だって農業の対GDP比は1%ほど。だからといって、高官が「わが国の農業は1%しかないから、全体には影響ない」などと言うはずもない。
 
 そもそも、食料自給率が40%と低い国の大臣が言うセリフか。われわれからいえば、日本の国土を守っている農業が、わずか1%程度の分け前しかないから、後継者が残らないんだ。


 
 宇根 生産とか生産性とかは、要するに金で換算できる世界。工業から生まれた言葉に尺度を合わせたがために、農業の持つ、直接的に金にならない大事な役割が見えなくなった。それを見えるようにしなければならんときに、相変わらず、GDPがどうだと工業的な言葉で語っていること自体が、時代遅れだ。


 
 山下 現実にはそれが主流だから、TPP対農業という構図になると、グローバル化に対応した農業を、という論調になる。
 
 オバマ米大統領も菅首相も人気が落ち、「攻め」「開国」「自由」といった言葉を使わないと、勢いがつかないのではないか。国の政策に乗って大規模化を進め、「農業の担い手」として2階に上がった人も、「また、はしごを外されるのでは」と危惧している。
 
 うちの村は、国の政策からはじき出された小規模農家の集まり。野菜なんて、関税などかかっていないのと同じだし、国から奨励されて作ったミカンは、とうの昔に自由化されている。
 
 それでも私は百姓だから、何があっても食料を作って生きていけるが、消費者はどうか。この流れの行き着く先はどこなのか、不安で仕方がないのではないか。
 
 その処方箋として、経済成長が出てくるわけだが、社会のシステムなり、生き方なりが変わらなければ、世の中は破局に向かうだけ。われわれはどう生き、どうこの国の形をつくっていくのか。そこが問われているのだと思う。

http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/641.html



15. 中川隆 2011年1月19日 14:23:21: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

TPPはインフレ対策です

朝日新聞で東大教授の戸堂氏と、おなじみ中野剛志氏の「争論」が掲載されました。

『朝日新聞2011年1月18日「争論 第三の開国」


 突然、パッと出てきた、プロジェクト、名づけてTPP。ではなくて、環太平洋パートナシップ協定。管直人首相はこれに日本も参加し、幕末、戦後に続く「第三の開国」とすることに意欲を示す。さらに国を開いて、この国はよくなるのか、それとも?


【中進国に落ちぶれていいのか? 東京大教授 戸堂康之さん】

 日本経済は長い停滞が続いています。このままだと近い将来、先進国から脱落し、落ちぶれた国になってしまうでしょう。(中略)
 そうならないためには国を開き、グローバル化を進めるしかない、と私は考えています。

 それはなぜか。経済成長の源泉は技術進歩です。ここでいう「技術」とはモノづくりでいう技術だけではなく、効率的な生産手法やマネジメント、ビジネスモデルなども含めた広い概念です。「技術」が進むと、同じだけ働いても、より多く生産できたり、今までにない製品が生まれたりします。インターネットや電気自動車が象徴的な実例です。

 一国の中だけの技術革新には限界があります。鎖国時代を考えれば明らかでしょう。それよりも国を開いて世界中の知恵や知識を採り入れることです。その手段が貿易であり、外国への直接投資や外国からの直接投資です。実際、約4万社のデータベースを分析したところ、グローバル化している企業、つまり輸出や海外への直接投資、生産委託をしている企業は平均的に生産性を上げている、という実証研究があります。

 残念ながら日本はまだまだ閉鎖的です。 他の先進国並みに国が開いていて「技術」が入ってくる状態なら、他の先進国並みの成長率を実現しているはず。そうなっていないのは、国を開いていないからです。 ですから私は、TPPへの参加は、日本の閉鎖性を打ち破る契機になる、日本人全体の意識改革につながる、と期待しています。

 一方で、企業が海外に出てしまう空洞化、雇用の減少が懸念されています。国内に活力がないままなら、企業が出て行くのもおかしくありません。しかし前述のように、日本全体がグローバル化すれば国内の生産性が向上します。企業は国内から出て行かなくても良くなるわけです。(後略)


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【デフレがますます進むだけだ 京都大助教・元経済産業省課長補佐 中野剛志さん】

 TPPへの参加など論外です。今でも日本の平均関税率は欧米よりも韓国よりも低い。日本はすでに十分、開国しています。

 そもそも「海外に打って出れば、日本製品の競争力が高まる」というのは、考え方が古い。「安ければいい」という途上国市場でいくら製品を売っても、開発力はつきません。

 日本製品に競争力があったのは、消費者の要求水準が極めて高い国内市場で鍛えられたからです。「神様」までいるトイレで、便座がお尻を洗ってくれることを求めるうるさい消費者を相手にしてきたから、日本企業は強くなった。ところがデフレが進み、安さばかりが求められるようになって、国内の「目利き」の消費者が減ってしまった。企業は研究開発を怠るようになり、「iPad(アイパッド)」のよ0うな魅力的な商品を作れなくなった。

 輸出といっても、一体どの国に売るのか。米国は失業率10%という大不況。中国の景気は明らかにバブルで、頼るのは危険です。他のアジア諸国は外需依存で国内市場が小さすぎる。そんな中で、輸出を増やすには、製品価格を下げるため、さらに賃金を下げなくてはいけない。

 それで輸出が増えても、今度は貿易黒字で円高になる。輸出主導で経済成長という道に未来はなく、国民を苦しませるだけです。日本は2002年から06年にかけて輸出主導で景気が回復しましたが、それは米国の住宅バブルのおかげ。しかも1人あたり給料は下がりました。利益は株主と企業に回り、一般国民にはまさに「実感なき景気回復」でした。欧米でも同じ現象が起きています。

 「自由貿易が経済を成長させる」という教条主義にとらわれるのはやめて、現実をみて欲しいのです。

 日本は10年以上、デフレに悩んできました。そこからの脱却が最優先課題です。私がTPPに反対する最大の理由は、いま以上に貿易自由化を進め関税を引き下げると、外国の安い製品が入り、デフレがさらに進んでしまうからです。農業が打撃を受けるからだけではありません。

 TPP交渉に参加する9ヶ国と日本の国内総生産(GDP)を合計すると、日米両国で9割を占めます。TPPは実質的に日米自由貿易協定です。米国は輸出拡大を目指してドル安を誘導しているのに加え、米国自身もデフレに落ち込みそうです。そんな国との貿易をさらに自由化すれば、デフレの日本がさらにデフレを輸入するようなものです。(後略)』

 
 戸堂氏の主張は、まさに「インフレ対策」だなあ、というのが感想です。すなわち、生産性を高めることが良いことだ、というわけです。

 生産性とは「「労働者一人当たりの付加価値」です。生産性を向上すると、供給能力が高まり、今の日本ではデフレが悪化します。

 また、労働者一人当たりの付加価値が高まるわけですから、「労働者の数」がそれまでよりも少なくて済むわけなので、当然の話として失業率は増加します。

 現在の日本に必要なのは、デフレ対策であて、インフレ対策ではありません。わたくしにしても、日本がインフレすなわち供給不足に悩んでいるのであれば、戸堂氏の主張に反対しません。といいますか、むしろ積極的に賛成します。


 国内の国営企業の低生産性により、供給不足からくる高インフレに悩んでいたブラジルは、外資を積極的に導入し(まさに開国!)、国営企業を民営化し、生産性を高めることでインフレ率を引き下げました。すなわち、80年代のブラジルのような供給不足に悩んでいる国にとっては、戸堂氏のソリューションは適しているわけです。


 でも、今の日本は違うでしょう、という話です。


 日本でグローバル市場に対応している企業の生産性が高いのは当たり前です。何しろ、07年までのアメリカの不動産バブルにより、当時は世界的な需要拡大局面でした。そんな中においても、日本は政府の誤った政策により需要が伸びず、国内市場を相手にするよりも、海外市場を相手にしたほうが、それは収益性が高まるでしょう。


 しかし、すでにその局面は終わりました、という話です。


 少なくとも2002年以降の「グローバリズム」は、「アメリカの家計が負債を年間百兆円単位で増やす」ことが前提で成り立っていました、これほどまでに負債を増やし、投資や消費に回してくれる別の「需要項目」が登場しない限り、少なくとも02年から06年の状況は戻ってきません。


 そもそも、日本は02年の不況期に「デフレ期にインフレ対策を実施する」愚行を改め、国内需要の拡大に舵を切らなければならなかったのです。ところが、アメリカの不動産バブルを前提とした「グローバル市場の拡大」という「特需」を受け、そこそこの成長率を取り戻してしまう。結果的に、日本の舵を切るタイミングは、またもや失われてしまいました。


 リーマンショック直後に成立した麻生政権は、まさしくこの「舵を切る」にチャレンジしたわけですが、結果的にどのようになったかはご存知の通りです。

 というわけで、戸堂氏の主張を踏まえた本日の締め。

「TPPはインフレ対策です。デフレ期にはデフレ対策が必要です」

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/


先日のチャンネル桜の経済討論(TPPと世界経済の行方)がYoutubeやニコ動に掲載され、ものすごい反響がのようです。


(一時間目)

【1/4【経済討論】TPPと世界経済の行方[桜H23/1/15] 】
http://www.youtube.com/watch?v=HLlV3Moh-7g&feature=youtube_gdata
【2/4【経済討論】TPPと世界経済の行方[桜H23/1/15] 】
http://www.youtube.com/watch?v=qYpbFWZGR-8&feature=channel

(二時間目)
【3/4【経済討論】TPPと世界経済の行方[桜H23/1/15] 】
http://www.youtube.com/watch?v=bwwaK_YFu2U&feature=channel
【4/4【経済討論】TPPと世界経済の行方[桜H23/1/15] 】
http://www.youtube.com/watch?v=bqKWApzeGPE&feature=channel

(三時間目)
【5/5【経済討論】TPPと世界経済の行方[桜H23/1/15] 】
http://www.youtube.com/watch?v=bqwvNJBlaQA


 ニコニコ動画版

(一時間目)
【1/4【経済討論】TPPと世界経済の行方[桜H23/1/15]】
http://www.nicovideo.jp/watch/1295059980
【2/4【経済討論】TPPと世界経済の行方[桜H23/1/15]】
http://www.nicovideo.jp/watch/1295060071

(二時間目)
【3/4【経済討論】TPPと世界経済の行方[桜H23/1/15]】
http://www.nicovideo.jp/watch/1295060167
【4/4【経済討論】TPPと世界経済の行方[桜H23/1/15]】
http://www.nicovideo.jp/watch/1295060218

(三時間目)
TPP【3限目】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13328516

『TPP日米協議 メリット多く参加を急げ

 自由貿易圏づくりをめざす環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐる初の日米事務レベル協議がワシントンで行われた。米国は「従来の自由貿易協定(FTA)を上回る高い目標」を掲げていると説明、日本が交渉に参加する場合は広い分野で自由化を求められる可能性が強まった。

 菅直人首相はTPP推進を最重要課題に掲げて第2次改造内閣を発足させたが、米側の要求は予想以上に厳しいとみるべきだ。参加決断を6月に先延ばしせず、早期参加に向けて国内構造改革を果敢に断行してもらいたい。(後略)』

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 TPPに関する論説を見ると、相変わらず「農業」のみを焦点に上げ、「『待ったなし』の改革を推進しろ」といった、イメージ優先の言葉が並んでいます。


 皆様の周りの方々に聞いてみてください。

「TPPに加盟すると、加盟国の労働者の移動が基本的に自由化されるのを知っていますか?」

「TPPに加盟すると、アメリカの法律サービスが、一切の障壁なしで日本に流れ込んでくることを知っていますか?」

「TPPに加盟すると、世界金融危機の元凶となったアメリカの投資・金融サービスが日本に流れこんでくることを知っていますか?」


 この手の情報がシェアされた上で、「総合的な国益」のためにTPPが議論されればいいのですが、現実にはそうなっていません。


 チャンネル桜の中では、「農業の構造改革のために、TPPを利用しろ」などという議論がありましたが、「高々」農業の構造改革のために、「あの」アメリカの法務サービスや投資銀行を受け入れるなど、本末転倒もいいところです。農業の構造改革は「国益」のためにやるのだと思いますが、そのために「他の国益を犠牲にしろ」などという議論はありえません。


 日本がアメリカのような訴訟社会になるのも、「あの」投資銀行の連中が金融市場で暴れまくるのも、真っ平ごめんです。 個人的に一番恐れているのは、アメリカの「医療サービス」までもが日本市場に入ってくるのではないかということです。人の生命がかかった「医療」サービスを、株主利益優先で展開する連中が日本にやってくるのだけは、本当に勘弁して欲しいです。


 一つ気になるのが、

「管政権はTPP一点に焦点を絞り、解散総選挙をしろ!」 という論調がマスコミで流行り始めていることです。


 まんま、郵政解散、あるいは「政権交代選挙」のときと同じ流れになりつつあるわけです。今度は「TPP解散」というわけですね。 郵政解散のときも、郵便事業の民営化などについて「正しい情報」が国民に行き渡らないまま、「構造改革です! 郵政民営化も改革の一つです!」などというイメージ先行で解散、総選挙へと雪崩れ込んでしまいました。09年の「政権交代選挙」のときも、政権交代というイメージやフレーズのみが先行し、中身や意味についてはきちんと国民でシェアされていませんでした。 今回も、同じことが起きるのではないかと、大変恐れています。


 NHKは11日世論調査を発表し、TPP(環太平洋経済連携協定)について「交渉に参加すべきだ」が47%、「交渉に参加すべきでない」が9%だったという結果を報じました。

『TPP反対28% 宮日世論調査 

 宮崎日日新聞社が知事選に合わせて県内有権者に実施した電話世論調査(18、19日)で、投資や貿易の自由化を進める環太平洋連携協定(TPP)参加に「反対」とした人は28・9%、「賛成」とした人は20・4%だった。
 菅首相が10月1日に行った所信表明演説で突如浮上してきた感があるだけに、「TPPを知らない」と答えた人も21・3%に上った。「どちらでもよい」も25・2%を占め、県民の関心が決して高くない実態も明らかになった。(後略)』


 賭けてもいいですが、NHKや宮崎日日新聞で「TPPに賛成」といった方々であっても、上記の「アメリカの法律サービスや金融サービスを日本に販売可能となる」について全く知らないでしょう。

 その手の情報が伏せられたまま「農業構造改革のためのTPP!」という単純なスローガンがまかり通り、総選挙の焦点になってしまった日には、まさに郵政選挙や政権交代選挙そのままです。


 以下のヘーゲルの言葉が身にしみます。

「歴史は繰り返す、一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10771031578.html


 中野さん、格好いい! 

 といいますか、今回の討論(全ての時間)は、ある意味で典型だったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか? 何の話かといえば、グローバリズム、TPP、デフレなどに関するドミナントストーリー、絶対的価値観です。


 一部の方々が「グローバリズムは必然だから」などと枕詞つけて話していましたが、あれこそがまさにドミナントストーリーの典型なのです。すなわち、絶対的価値観です。


 例えば、この種の「グローバリズムは必然だから」などと口にする人に、「グローバリズムって、そもそも定義は何ですか?」と聞くと、答えられないか、あるいは意味不明な長〜い、くどくどとした言い訳じみた説明が返ってくるだけだと思います(今度、試してみます)。

 ちなみに、三橋の「グローバリズム」の定義は、経常収支のグローバルインバランスが拡大することです(別に、他の定義もありです、もちろん)。三橋式定義によると、08年をもってグローバリズムは終わったということになります。


「いや、グローバリズムの定義はグローバルインバランスの拡大ではない!」
 と思われる方は当然いるでしょうし、それはそれで構わないのですが、少なくとも「定義」を明確にしなければ議論になりません。

 結局のところ、「中国依存の日本経済」同様に、個人のドミナントストーリーが「前提」で思考する人が(特に「識者」に)多すぎることが、日本のほとんど唯一の問題だと再認識させて頂きました。


『ユーロとスペイン債下落、欧州の救済策協議で−米国株先物も下げる
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ajLUIQCPzjYw

 欧州の閣僚が救済策を協議する中でユーロは17日、対ドルで6営業日ぶりに反落し、スペイン債も下落した。米アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が医療休暇を取得すると同社が発表したことを受け、米国株先物も下げた。 』

 ポルトガルの入札をクリアしたと思ったら、今度はスペインに注目が集まっています。 実は、スペインの新聞が「国際通貨基金(IMF)がスペインの支払い能力を評価するために、特別班を派遣した」と報道し、スペインの財務省が否定するという騒ぎになっているのです。

 いずれにしても、今回のグローバリズムやグローバルインバランス拡大の象徴だった「共通通貨ユーロ」がこんな状況なのですから、いい加減「グローバリズムは歴史の必然」系の「個人の勝手な絶対的価値観に基づき断定する」ことは、やめて欲しいと切に思います。

 別に、日本がグローバルで儲けようが、保護主義の方で繁栄しようが、個人的にはどちらでもいいのです。

 そのときの環境に応じて、最も国民が栄える道を選択すればいいだけの話なのですから。

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10771967558.html


16. 中川隆 2011年1月19日 23:19:50: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

《インタビュー》中野剛志

TPPはトロイの木馬──関税自主権を失った日本は内側から滅びる


TPP反対論を展開する中野剛志氏にインタビューを行いました。10月以降政府・大マスコミが「開国」論を展開する中、中野氏は

「日本はすでに開国している」
「TPPで輸出は増えない」
「TPPは日米貿易だ」


と持論を展開してきました。TPPの問題点はもちろん、今までのメディアの動き、そしてインタビューの後半には、TPP議論の中で発見した新たな人々の動きについても触れていただきました。

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TPP問題はひとつのテストだと思います。冷戦崩壊から20年が経ち、世界情勢が変わりました。中国・ロシアが台頭し、領土問題などキナ臭くなっています。米国はリーマンショック以降、消費・輸入で世界経済をひっぱることができなくなり、輸出拡大戦略に転じています。世界不況でEUもガタがきていて、どの国も世界の需要をとりにいこうとしています。1929年以降の世界恐慌と同様に危機の時代になるとどの国も利己的になり、とりわけ先進国は世論の支持が必要なので雇用を守るために必死になります。

このような厳しい時代には、日本のような国にもいろいろな仕掛けが講じられるでしょう。その世界の動きの中で日本人が相手の戦略をどう読み、どう動けるかが重要になります。尖閣、北方領土、そしてTPPがきました。このTPP問題をどう議論するか、日本の戦略性が問われていたのですが、ロクに議論もせずあっという間に賛成で大勢が決してしまいました。

─TPPの問題点は


昨年10月1日の総理所信表明演説の前までTPPなんて誰も聞いたことがありませんでした。それにも関わらず政府が11月のAPECの成果にしようと約1ヶ月間の拙速に進めたことは、戦略性の観点だけでなく、民主主義の観点からも異常でした。その異常性にすら気づかず、朝日新聞から産経新聞、右から左まで一色に染まっていたことは非常に危険な状態です。

TPPの議論はメチャクチャです。経団連会長は「TPPに参加しないと世界の孤児になる」と言っていますが、そもそも日本は本当に鎖国しているのでしょうか。

日本はWTO加盟国でAPECもあり、11の国や地域とFTAを結び、平均関税率は米国や欧州、もちろん韓国よりも低い部類に入ります。これでどうして世界の孤児になるのでしょうか。ではTPPに入る気がない韓国は世界の孤児なのでしょうか。

「保護されている」と言われる農産品はというと、農産品の関税率は鹿野道彦農水相の国会答弁によればEUよりも低いと言われています。計算方法は様々なので一概には言えませんが、突出して高いわけではありません。それどころか日本の食糧自給率の低さ、とりわけ穀物自給率がみじめなほど低いのは日本の農業市場がいかに開放されているかを示すものです。何をもって保護と言っているかわかりません。そんなことを言っていると、本当に「世界の孤児」扱いされます。

「TPPに入ってアジアの成長を取り込む」と言いますが、そこにアジアはほとんどありません。環太平洋というのはただの名前に過ぎません。仮に日本をTPP交渉参加国に入れてGDPのシェアを見てみると、米国が7割、日本が2割強、豪州が5%で残りの7カ国が5%です。これは実質、日米の自由貿易協定(FTA)です。

TPPは"徹底的にパッパラパー"の略かと思えるぐらい議論がメチャクチャです。

ニュージーランド、ブルネイ、シンガポール、チリの4加盟国+ベトナム、ペルー、豪州、マレーシア、米国の5参加表明国に日本を加えたGDPグラフ。日本と米国で9割以上を占める。(国連通貨基金(IMF)のHPより作成(2010年10月報告書))

─菅首相は10月当初、TPPをAPECの一つの成果とするべく横浜の地で「開国する」と叫びました

横浜で開国を宣言した菅首相はウィットに富んでいるなと思いました。横浜が幕末に開港したのは日米修好通商条約で、これは治外法権と関税自主権の放棄が記された不平等条約です。その後日本は苦難の道を歩み、日清戦争、日露戦争を戦ってようやく1911年に関税自主権を回復して一流国になりました。中国漁船の船長を解放したのは、日本の法律で外国人を裁けないという治外法権を指します。次にTPPで関税自主権を放棄するつもりであることを各国首脳の前で宣言したのです。

APECでは各国首脳の前で「世界の孤児になる」「鎖国している」と不当に自虐的に自国のイメージをおとしめました。各国は日本が閉鎖的な国だと思うか、思ったフリをするため、普通は自国の開かれたイメージを大切にするものです。開国すると言って得意になっているようですが、外交戦略の初歩も知らないのかなと。すでに戦略的に負けています。

世界中が飢餓状態にある今、世界最大の金融資産国である日本を鵜の目鷹の目で狙っています。太ったカモがネギを背負って環太平洋をまわっているわけで、椿三十郎の台詞にあるように「危なっかしくて見てらんねえ」状態です。

─TPPは実質、日米の自由貿易協定(FTA)とおっしゃいましたが、米国への輸出が拡大することは考えられませんか

残念ながら無理です。米国は貿易赤字を減らすことを国家経済目標にしていて、オバマ大統領は5年間で輸出を2倍に増やすと言っています。米国は輸出倍増戦略の一環としてTPPを仕掛けており、輸出をすることはあっても輸入を増やすつもりはありません。これは米国の陰謀でも何でもないのです。

オバマ大統領のいくつかの発言(※1)を紹介します。11月13日の横浜での演説で輸出倍増戦略を進めていることを説明した上で、「...それが今週アジアを訪れた大きな部分だ。この地域で輸出を増やすことに米国は大きな機会を見いだしている」と発言しています。この地域というのはアジアを指しており、TPPのGDPシェアで見れば日本を指しています。そして「国外に10億ドル輸出する度に、国内に5,000人の職が維持される」と、自国(米国)の雇用を守るためにアジア、実質的に日本に輸出するとおっしゃっています。

米国の失業率は10%近くあり、オバマ政権はレームタッグ状態です。だからオバマ大統領はどこに行っても米国の選挙民に向けて発言せざるを得ません。

「巨額の貿易黒字がある国は輸出への不健全な異存をやめ、内需拡大策をとるべきだ」とも言っています。巨額の貿易黒字がある国というのは、中国もですけど日本も指しています。そして「いかなる国も米国に輸出さえすれば経済的に繁栄できると考えるべきではない」と続けています。TPPでの日本の輸出先は米国しかなく、米国の輸出先は日本しかない、米国は輸出は増やすけれど輸入はしたくないと言っています。

米国と日本の両国が関税を引き下げたら、自由貿易の結果、日本は米国への輸出を増やせるかもしれないというのは大間違いです。米国の主要品目の関税率はトラックは25%ですが、乗用車は2.5%、ベアリングが9%とトラック以外はそれほど高くありません。日米FTAと言ってもあまり魅力がありません。


─中国と韓国がTPPに参加するという話が一部でありました

中国は米国との間で人民元問題を抱えています。為替操作国として名指しで批判されています。為替を操作するということは貿易自由化以前の話ですから、中国はおそらく入りません。韓国はというと、調整交渉の余地がある二国間の米韓FTAを選択しています。なぜTPPではなくFTAを選んだかというと、TPPの方が過激な自由貿易である上に、加盟国を見ると工業製品輸出国がなく、農業製品をはじめとする一次産品輸出国、低賃金労働輸出国ばかりです。韓国はTPPに参加しても利害関係が一致する国がなく、不利になるから米韓FTAを選んでいるのです

日本は米国とFTAすら結べていないのに、もっとハードルが高く不利な条件でTPPという自由貿易を結ぼうとしています。戦略性の無さが恐ろしいです。

<関税はただのフェイント 世界は通貨戦争>


米国は輸出倍増計画をするためにドル安を志向しています。世界はグローバル化して企業は立地を自由に選べるので、輸入関税が邪魔であればその国に立地することもできます。現に日本の自動車メーカーは米国での新車販売台数の66%が現地生産で、8割の会社もあります。もはや関税は関係ありません。それに加えて米国は日本の国際競争力を減らしたり、日本企業の米国での現地生産を増やしたりする手段としてドル安を志向します。ドル安をやらないと輸出倍増戦略はできません。

日米間で関税を引き下げた後、ドル安に持って行くことで米国は日本企業にまったく雇用を奪われることがなくなります。他方、ドル安で競争力が増した米国の農産品が日本に襲いかかります。日本の農業は関税が嫌だからといって外国に立地はできず、一網打尽にされるでしょう。グローバルな世界で関税は自国を守る手段ではありません。通貨なんです。

─関税の考え方をかえる必要がありそうです

米国の関税は自国を守るためのディフェンスではなく、日本の農業関税という固いディフェンスを突破するためのフェイントです。彼らはフェイントなどの手段をとれるから日本をTPPに巻き込もうとしているということです。


─農業構造改革を進めれば自由化の影響を乗り越えられるという意見はどう思いますか

みなさんはTPPに入れば製造業は得して農業が損をすると思っているため、農業対策をすればTPPに入れると思うようになります。農業も効率性を上げればTPPに参加しても米国と競争して生き残れる、生き残れないのであれば企業努力が足りない、だから農業構造改革を進めよと言われます。

それは根本的に間違いだと思います。関税が100%撤廃されれば日本の農業は勝てません。関税の下駄がはずれ、米国の大規模生産的農業と戦わざるを得なくなったところでドル安が追い打ちをかけます。さらに米国は不景気でデフレしかかっており、賃金が下がっていて競争力が増しています。関税撤廃、大規模農業の効率性、ドル安、賃金下落という4つの要素を乗り越えられる農業構造改革が思いつく頭脳があるなら、関税があっても韓国に勝てる製造業を考えろと言いたいです。

自由貿易は常に良いものとは限りません。経済が効率化して安い製品が輸入されて消費者が利益を得ることは、全員が認めます。しかし安い製品が入ってきて物価が下がることは、デフレの状況においては不幸なことなのです。デフレというものは経済政策担当者にとって、経済運営上もっともかかってはいけない病だというのが戦後のコンセンサスです。物価が下がって困っている現状で、安い製品が輸入されてくるとデフレが加速します。安い製品が増えて物価が下落して影響を受けるのは農業だけではありません。デフレである日本がデフレによってさらに悪化させられるというのがこのTPP、自由貿易の問題です。

農業構造改革を進めて効率性があがった日には、日本の農家も安い農産物を出荷してしまうことになり、さらにデフレが悪化します。デフレが問題だということを理解していれば、構造改革を進めればいいなんて議論は出てきません。

こういう議論をすると「農業はこのままでいいのか」ということを言い出す人がいます。しかし、デフレの時はデフレの脱却が先なのです。インフレ気味になり、食料の価格が上がるのは嫌なので農業構造改革をするということはアリだと思います。日本は10年以上もデフレです。デフレを脱却することが先に来なければ農業構造改革は手をつけられません。

例えばタクシー業界が競争原理といって規制緩和の構造改革をしました。デフレなのに。その結果、供給過剰でタクシーでは暮らせない人が増えて悲惨なことになりました。今回は同じ事が起ころうとしています。

─TPP参加のメリットを少しだけ...

デメリットは山ほどありますが、メリットはないんです。

米国が輸出を伸ばし日本が輸入を増やして貿易不均衡を直すこと自体は、賛成です。ところが、関税を引き下げて輸入をすると物価が下がるので、日本はデフレが悪化します。経済が縮小するので、結局輸入は増えません。農産品が増えれば米国の農業はハッピーですが、トータルで輸入は増えません。

本当は日本がデフレを脱却して経済を成長させれば、日本の関税は低いんだから輸入が増えるんです。実際に米国はそれをしてほしかったのです。ガイトナー財務長官は昨年6月、日本に内需拡大してくれという書簡を送りました。ところが日本は財政危機が心配だと言って財政出動をしないので、内需拡大をしようとせずに輸出を拡大しようとするので、米国は待ち切れずにTPPに戦略を変えたのでしょう。米国は「とりあえずTPPを進めれば農業は儲かるからいいや」となったのでしょう。

デフレを脱却し、内需を拡大し、経済を成長させれば、関税を引き下げることなく輸入を増やすことができます。環太平洋やアジアの地域は、例えば韓国がGDPの5割以上、中国も3割以上が輸出に頼っており、シンガポールやマレーシアに至ってはGDPよりも輸出が多いです。つまり輸出依存度が高く、その輸出先となっていた米国が輸入したくないと言っているので環太平洋・アジアの国々は困っていることと思います。

今、東アジアが調子が良いのは、資金が流入してバブルになっているからで、本当はヤバイ状況です。環太平洋の国々は経済不況に陥った米国やEUに代わる輸出先を探しています。日本は世界第2位のGDPがあり、GDPにおける輸出の比率は2割以下という内需大国です。その日本が内需を拡大して不況を脱し、名目GDP3%程度の普通の経済成長をしたとすれば、環太平洋の国々は欧米で失った市場の代わりを日本に求めることができるので、本当の環太平洋経済連携ができます。これなら、どの国も不幸になりません。

─あえてTPPを推進する狙いをあげれば、TPP事態は損だとしても今後FTAやEPAなど二国間貿易を進めるきっかけにしたいということなのでしょうか

それも無理筋ですね。自由貿易を進めている国として韓国をあげ、日本はFTAで韓国に遅れをとっているという論調があります。しかしFTAは、一つ一つ戦略的に見ていくべきもので、数で勝ち負けを判断すべきではありません。韓国はGDPの5割以上が輸出で得ており、自由貿易を進めなければ生きていけません。韓国人はやる気があるとか、外を向いているとかいった精神論ではありません。しかし、自由貿易は格差を拡大するものであり、それが進んでしまったのが韓国なのです。

韓国がなぜ競争力があがったかのでしょうか。韓国はこの4年間で円に対するウォンが約半額になっている。韓国の競争力が増したことはウォン安で十分説明できます。日本がTPPで関税を引き下げてもらったとしても、韓国のウォンが10%下がれば同じ事ですし、逆にウォンが上がれば関税があっても十分戦えます。

グローバル化の世界は関税じゃなく通貨だということがここでも言えます。なんで全部農業にツケをまわすんだと言いたいです。とっちにしたって世界不況ですから海外でモノは売れませんよ。失業率が10%の米国で何を売るんですか。

<TPP議論の女性の反応>


─中野さんがおっしゃるような問題点が出されないままに大マスコミが一斉に推進論を展開し、有識者も賛成論がほとんどでした

外国から見ればこんなにカモにしやすい相手はいません。環太平洋パートナーシップ、自由貿易、世界平和など美しいフレーズをつければ日本人はイチコロなんです。

なぜこんなにTPPが盛り上がってしまうのでしょうか。TPPは安全保障のためだという人がいますが、根本的な間違いです。まずTPPは過激な自由貿易協定に過ぎません。軍事協定とは何の関係もありません。

米国はかつての黒船のように武力をちらつかせたり、TPPに入らなければ日米安全保障条約を破棄するなどと言ったりしていません。日米同盟には固有の軍事戦略上の意義があり、経済的な利益のために利用するためのものではありません。さすがに米国でもTPPで農産物の輸出を増やしたいので、その見返りに日本を命をかけて守れと自国の軍隊を説得できませんよ。TPPを蹴ったから日本の領土が危なくなるなんてことはありません。

それにも関わらず日本が勝手にそう思い込んでいるのです。尖閣や北方領土の問題を抱え、軍事力強化は嫌だなと思っているときにTPPが浮かび上がってきて、まさに「溺れる者は藁をもつかむ」ようにTPPにしがみつきました。でもこれにしがみついたって何の関係もないです。もし米国が日米同盟を重視していないのであれば、TPPに入ったって日本を守ってくれません。

その中で無理に理屈をつけようとするから、アジアの成長だの農業構造改革だのと後知恵でくっつけるからきわめて苦しくなるのです。TPP参加論は、単なる強迫観念です。

─推進派が根拠にしているのは経産省が算出したデータです(※2)。どこまで信用できるものなのでしょうか

経産省はTPPに入らなければ10兆円損をするというデータを発表しました。その計算方法は、日本がTPPに入らず、EU、中国とFTAを締結せず、韓国が米国、韓国、EUとFTAを結び発効した場合は10兆円の差が出るというものです。

なぜ中国とEUを入れているのでしょうか。おそらくTPPに加盟しても本当は経済効果がないことがわかったからでしょう。反対派の農水省と賛成派の経産省は数の大きさで争っているので、試算自体に水増しがあります。もっと言えば、なぜTPPとFTAが混ざった試算をするのかが疑問です。日本がTPP で韓国がFTAと試算していることを見れば、韓国がTPPに興味がないことを政府が知っていることがわかります。こんな不自然な試算を見ていると、TPP 参加の理屈をつけるのはさぞかし大変だっただろうなと同情したくなります。

─理屈が通らずに「平成の開国」というフレーズに飛びついた

「黒船の外圧でも、幕末・明治は変にナショナリスティックにならなかったからうまくいき、戦後はGHQによって屈辱的に占領されたものの日米安保を結び平和になり経済が繁栄した」ということをみんなが思っているから、今回も「開国」と聞いた瞬間に飛びついたのではないでしょうか。それまでは尖閣の問題できわめて「攘夷」の雰囲気がありましたから「開国」のフレーズに心理が動いたのでしょう。

しっかりと考えて欲しいのは、幕末・明治の開国がそのイメージと違うことです。富国強兵をして戦争に進み、関税自主権の回復を目指した、つまり開国した後の日本は独立国家になるために戦い抜いた歴史があるんです。それ以前に開国したのは江戸幕府であり、外圧になすすべなく国を開いた幕府の方が倒されたんだよ、と。そこからしてもう歴史観が間違っているんです。

─TPPの議論は「思考の停止」が起きているように見えました

議論が複雑でやっかいかもしれませんが、せめてGDP比を見て「TPPは日米貿易に過ぎない」とか、米国が輸出拡大戦略をとろうとして輸入しないようにしているということぐらい知ってもらわないと、戦略を立てようがありません。推進派の人たちが国を開けとか、外を向けとか言っていますが、本当に外を向けば、TPPでは何のメリットもないことがわかるんです。そういう意味では推進派の頭の方が鎖国しています。

この程度の議論は、私みたいな若輩者が言わなくても、偉い先生が言うべきなのに誰も声を上げません、もはや民主主義国家じゃないですよ。

─「反対」はもちろん「わからない」と言いづらい雰囲気がありました

一般の人の方が正常な感覚を持っていたのですが、偉い先生が賛成しているから反対する自信がなかったんだと思います。それこそ下級武士が目を覚ませということで、それにかけるしかない状況です。

私は今回のTPPを見ていて女性の反応に驚きました。男どもが開国ごっこ、龍馬ごっこをやっていて、その安っぽいロマンチシズムのせいで自分たちの大事なものが奪われるかもしれないと不安に思っているのでしょうか。

「明治の開国は関税自主権の回復であり今回はそれを放棄しようとしている」と言うと、多くの女性がまさにその通りと言ってくださいました。女性の方が戦略性というものには敏感なんでしょう。

─日本史を教えている高校教師が「幕末・明治の開国を教えるときは、1911年・小村寿太郎をセットにして教えるほど関税自主権は基本的で大事なこと」と言いました。関税をゼロにするという話に飛びついた政府やマスコミは歴史に何を学んでいるのか疑いたくなります

幕末の開国はペリーが武力で迫ったものですが、今回はそんなことはありません。世界第2位のGDPがあり、何度も言っているようにすでに開国しています。なぜ自爆しようとするのでしょうか。こんな平成の開国の歴史を、僕らの子どもや孫にどうやって教えますか。雰囲気で決めるようなこの時代を、将来、歴史の教科書でどう教えるのですか。

─私は欧米に輸出している液晶モニターメーカーの営業経験がありますが、社員の関税に対するイメージが悪かった思い出があります。EUが関税を引き上げる度に域内の製品価格が上がり売上やマーケットに直結するため非常にセンシティブになります。関税に対するイメージの悪さが、関税撤廃を後押しする雰囲気につながっていることはありませんか

あるかもしれませんね。EUは関税が高いし、戦略的に関税をつかっていますし、そもそもEUはそのための関税同盟です。でも思いだして欲しいのは、 TPPはEUと関係ないんです。日本はEUとFTAを進めたいけどフラれています。それはEUにとって得にならないからです。どの国もひとつひとつ損得を考えて進めているんです。


<迫り来る食糧危機と水不足>

─結局TPPで困る人は?

国民全体です。農業界だけじゃありません。あるいは日本でデフレが進行すれば日本が輸入しなくなり、世界全体も困ります。

心配なのは食料価格の上昇です。世界各国がお金をジャブジャブに供給していて、お金の使い道がないから金や原油の価格が上がっています。食料価格は豪州は洪水と干ばつなどの影響ですでに上昇しており、投機目的でお金が流れてくるとさらに上がることが予想されます。

─TPPの問題は家庭の食卓にも迫ってくるわけですね

1970年代の石油危機がありましたよね。石油の問題はみなさん心配されますが、石油よりも危険なのは食料です。中東の石油は生産量のほとんどを輸出用に回していて、外国に買ってもらわないと経済が成り立たないため、売る側の立場は意外と弱いものです。ところが穀物の場合は、輸出は国内供給のための調整弁でしかなく、不作になれば売らないと言われかねません。

穀物はまず国内を食わせて余剰分を輸出します。当然不作になれば輸出用を減らして国内へまわすものです。もともと農業は天候に左右されるため量と価格が変動しやすく、特に輸出用は調整弁なので変動が大きいのです。変動リスクが大きいから、穀物の国際先物市場が発達したのです。

日本のトウモロコシはほぼ100%米国に依存しているので、僕らは米国の調整弁になっているということです。不作になったら安く売ってもらえなくなります。そのトウモロコシの大生産地である中西部のコーンベルトで起こっていることが、レスター・ブラウンが警告する地下水位の下落です。水不足の問題です。

米国は水不足がわかっているから、ダムのかさ上げ工事を始めています。例えばサンディエゴ市に水を供給するダムは、将来の水不足に備えて市民の1年分の水が追加的に貯められるようになる計画が進められています。米国のフーバーダムひとつで、日本の約2,700のダムの合計貯水量を上回ります。ところが日本は「ダムはムダ」とか言っています。世界が水不足になる中で、日本の水源地はどんどん買われていると聞きます。本当におめでたい国です。

このようにして国は外からでなく内側から滅びるんです。カルタゴを始め、歴史上別に滅びなくてもいいような国がバカをやって滅んでいきました。日本もそういうサイクルに入ったということかもしれませんね。

欧州では「トロイの木馬」の教訓があります。それは「外国からの贈り物には気をつけよう」という言い伝えです。外国から贈り物を受け取るときはまず警戒するものですが、日本はTPPという関税障壁を崩すための「トロイの木馬」を嬉々として受け入れようとしているのです。

<TPP問題の側面にある世代抗争>


こんな状況が広がっている中で、TPP推進派が「日本には戦略が必要だ」と言いながら米国に依存しようとしています。

米国の庇護の下で経済的な豊かさだけを追って、何をしても成功し、ちょっとバカをしても大した損はしなかった世代の人々が90年代以降に企業や政府のトップになり、それ以降日本のGDPが伸びなくなりました。この世代の人たちが「日本の改革のためには外圧が必要だ」「閉塞感を突破するためには刺激が必要だ」という不用意な判断をするので、ものすごい被害を及ぼすことになるのです。

例えば日本は13年連続3万人の自殺者がいます。その前までは、日本は先進国の中でも自殺率が低い国として有名でした。バカなことをすると一気に転げ落ちてしまうんだという真剣さに欠けている人たちが、今の日本を牛耳っているんです。「最近の若者は元気がない」と言う人たちが元気だったのは、彼らが若いころはバブルだったからです。愛読書は「坂の上の雲」と「竜馬が行く」のこの世代は、「開国」と聞くと条件反射的に興奮するようです。

先日朝日新聞社から団塊の世代の方がインタビューに来た時に、彼らの世代の口癖を指摘しました。このままでは日本が危ないという話をすると必ず「そんなことでは日本は壊れない」という口癖です。しかし、日本はもうすでに壊れているんです。政界はもちろん、私も含めた官僚、財界そして知識人は、毎年3万人の自殺者の霊がとりついていると思うぐらいの責任感をもって、もっと真剣に国の行く末を考えないといけません。

私は1996年に社会人になり、以来、一度も名目GDPの成長を経験していません。私より下の世代はもっとひどい。この世代は「いい加減にしろ」という気持ちになっているのでしょうけど、へたっている上、少子高齢化で上の世代が多すぎて声が出ないんです。でも「最近の若者は元気がない」などと偉そうに言わせてる場合じゃないんです。

今回は地べたを耕している農家、ドブイタ選挙をやっている政治家、女性、この人たちの「危ない!」と思った直感を大切にしなければいけません。全体が賛成派の中で黙っていた人、発言の機会さえ与えられていない人、真剣に生きている人たちに声を上げてもらいたいと思います。(了)

http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_5.html

日本人の雇用の行方  やっぱり危ないみたいよTPP

マスゴミが叩かないものは =  国益にならず  \(*`∧´)/


マスゴミが叩くものは = 国益になる  :*:・( ̄∀ ̄)・:*:


そんな法則が今の日本にはあるようですが、ちょっと忘れてはいけない人がいましたね。

 
 TPPに参加し労働移民を受入よ! と 発言してます。 いつもいつも国益になることを阻んできてるんですよね。 中国漁船の船長を釈放しろ、中国様と仲が悪くなる! 検察に圧力をかけた犯人。 どうもこの会長が言うからには、TPPって危ないよな〜 とは思ってました。TBSテレビの『報道特集』で、農業強化という同じ状況が迫られている、韓国の農業の様子が特集されてました。農家の声を聞いてあったけど、決していいものではなかったぞ !!!

何故、マスゴミはこういう事をもっと報道しないの?

結局、経団連が関税がなくなれば得をするし、そして労働移民が実現すれば、またここで安く雇用できる

という考えが優先されてるの?

労働移民が来るなんて国内の環境はガラッと変わるんだろうな。

あの国からもわんさかとやって来るよ。

お花畑満開だった頃がなつかしい (´0ノ`*)

今回はこのTPPによる危険な面を取り上げてくれている、

自民党の参議院の宇都隆史議員のブログより転載します。

もしかしたら明日の日本の姿かも?をぜひ読んでください

軽々しく「TPP」に参加する危険、ちゃんと解ってますか!?
http://ameblo.jp/captain-kotora/entry-10697144215.html

先日のこと友人に、

「今騒がれているTPPって、よく解らないけど、あれ良いの?悪いの?」


という質問をされました。政府も、しっかりと説明していないので、国民の皆さんもよく解ってないんですね。それどころか、新聞やテレビメディアでは、「グローバル化する世界において、自由貿易を推進するのは当然で、日本も後れをとってはいけない。国内の農業・漁業といった第一次産業へのダメージを訴える輩は、自由貿易推進に対する抵抗勢力である。」というような論調を強調しています。


つまり、TPPの問題は


自由貿易推進派 VS 農林水産業保護派


という単純な構図化を計ろうとしているような気がしてなりません。しかし、それは根本的に間違っています。

確かにこれまでも、自由貿易協定を組む時に、国内の第一次産業(特に食糧にかかわる農業)がネックになっていた側面はあります。しかし、TPPはEPAやFTAとは根本的に違うのです。以下解りやすく説明します。

●FTAとは?


 自由貿易協定(Free Trade Agreement)の略です。簡単に言えば、2国間以上で、商品などの輸出入にかかわる関税や規制を取り除くための国際協定です。話し合いによって、「米だけは対象外にしてください」というように、すべてが対象となるわけではありません。


●EPAとは?


 経済連携協定(Economic Partnership Agreement)の略です。上記の自由貿易協定(FTA)を柱として、物品に関わる通商上の障壁だけでなく、サービス・投資・電子商取引等のさまざまな経済領域での連携強化・協力の促進等を計ろうというものです。これについてもFTA同様に、お互いの話し合いにより、特定の分野を対象外にすることは可能です。


それでは

●TPPとは?

 環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Partnership)の略で、2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国が、互いに足りない部分を経済連携により補おうという考えのもとで発足しました。そして、2010年10月現在、マレーシア、ベトナム、オーストラリア、ペル―、米国の9か国間が参加表明をしています。具体的な内容は、関税の撤廃だけでなく、郵政、金融、保険、医療薬、公共事業の入札、人の移動等、あらゆる分野での完全なる自由競争を行おうというものです。品目による限定は、行わないというのがTPPの本旨です。

この背景には、成長するアジア市場をなんとか取り込もうとする米国の意図が見え隠れしています。

さて、問題はこのTPPに参加するとどうなるのか?ということです。
推進派の経団連などは、「関税や規制が撤廃され、日本製品を輸出する上で大きな前進だ」と意気込みますが、よく考えてみてください。

人の移動もサービスも、入札すらも自由競争にするのですよ…そこで生起するのは、

働く場所の奪い合い…つまり、「雇用の争奪戦」が始まるのです。

日本人の労働者は「こんな安い賃金じゃ働いていられない」なんて言っていられなくなります。日本人よりも遥かに低い賃金でも十分に満足できるハングリーな労働者が、TPPを組んだ後進国等からドッと大挙して押し寄せてきます。

企業にとってはありがたいかもしれません。消費者にとっても物の値段が安くなるから喜ばれるかもしれません。しかし、日本人の雇用環境は、現在よりも確実に厳しいものとなることは火を見るより明らかです。

TPPは急ぐ必要はありません。加入するかどうか決める期限は、来年の11月ですから、国民も巻き込んで十分に議論し、その長短を見極めてからでも遅くありません。

それを、「APEC開催までに方向性を決定する」って、菅総理が主催国として何か手柄を立てたいだけにしか見えないのです。

軍は拙速を貴ぶものですが、外交に拙速は禁物です .

http://ameblo.jp/kuri-annko/entry-10710906197.html


17. 中川隆 2011年1月20日 15:55:38: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

TPPへの参加がもたらすもの (ビル・トッテン)

11月、貿易自由化の推進をうたうアジア太平洋経済協力会議(APEC)が閉幕した。「さらなる成長を目指す」ためにアジア太平洋自由貿易圏の実現に向けて具体的な手段をとるといった首脳宣言が採択され、日本政府、財界、アメリカが強く後押しするTPP参加を強調する場となった。

TPPとは環太平洋戦略的経済連携協定の略語で、2006年に発効した自由貿易協定である。その後アメリカやオーストラリアも参加して9カ国で枠組み作りに向けた交渉を行い、農産物を含む製品やサービスの100%関税撤廃を目指している。

自由貿易が国家にどのような影響を及ぼすのか、NAFTA(北米自由貿易協定)締結後のメキシコをみるといい。1994年のNAFTA発効以後、アメリカからメキシコへのトウモロコシ輸出量は3倍以上に増えた。メキシコでトウモロコシを作っていた農家は大打撃を受け、雇用は減少し、貧困が急増したのである。

トウモロコシを作っているアメリカの大規模農場は高額の補助金をアメリカ政府から受けている。実に農家の収入の3割は補助金というのがアメリカの平均である。この不公正貿易が自由貿易の真実なのだ。

それでも、消費者としては安い農産物が手に入ればいい、という人もいるかもしれない。しかし大量に農薬やポストハーベスト(収穫後の防かび剤など)が使われたり、遺伝子操作された大豆やトウモロコシには安全性という問題もある。また日本の農業が崩壊すれば、今でもアメリカの言いなりの日本政府だが、防衛だけでなく、それなしには人間の命を維持できない食料までもアメリカの手に委ねることになる。アメリカが食料を切り札に様々な干渉をしてくることは目に見えている。さらに、天候不順などで世界的に農作物が不作になれば日本への食料輸出が途絶え、国民は飢餓にあえぐことになるだろう。

仙谷官房長官が、日本がTPPに参加しないことについて、「日本人の精神のありさまが鎖国状態になっている、開国して競争力を持った産業を興すことで生き抜く術を身に付けなければならない」と言ったというが、まさにこれはアメリカ市場に輸出したい財界と、日本市場に牛肉はじめ農作物を売り込みたいアメリカの声を代弁しているにすぎない。

TPP参加を第二の開国だというのなら、第一の開国の歴史を振り返ってみるといい。1856年、アメリカ総領事ハリスが貿易開始の条約締結を要求し、1858年に日米修好通商条約が結ばれたが、これは日本に関税自主権がない不平等条約だった。そのため貿易が始まると外国から毛・綿織物などが輸入され、日本は生糸や茶などを輸出して国内では生糸の品不足から絹織物業が圧迫され、また機械製の安価な綿織物が大量に輸入されて綿織物業は成り立たなくなったのである。

自給自足など無理、自由貿易で他国と協力していけばいいという考えは現実を見ていない。国際秩序の基本は協力ではなく、貪欲(どんよく)だ。エネルギー支配で戦争が起き、その次は食料や水の支配、となっていくのはもはや目に見えている。
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1194935_629.html

「野菜が壊れる」新留勝行(にいどめかつゆき)集英社新書 2008年11月刊


■ 化学肥料漬の農業の現実

この本は化学肥料の多用により土壌の生態系が崩れ農業は危機的な状況に陥っているという警告の書です。ここでいう化学肥料とは窒素を硝酸などの化合物として保持したもので、一般には窒素肥料、硫安、硝酸塩、硝酸アンモニウムと呼ばれています。(本書では硝酸態窒素で統一)

この化学肥料の多用が、土壌に過剰の窒素化合物を高め、このことが地中の微生物から生態系にまで悪影響を引き起こしているというのが筆者の分析です。

前半は窒素過多による土壌汚染で根が痩せてビタミンが年々減少している野菜といった例や化学肥料で育った牧草を牛が食べると異常死してしまう実例で構成されています。畜産業では青草は牛に食べさせないことが半ば常識になっていると記されています。化学肥料で育った牧草は干し草にしないと化学肥料成分が抜けず、牛の胃袋で肥料成分が亜硝酸態窒素という毒性の強い物質となり、ヘモグロビンと結びついて酸欠で牛は死んでしまうのです。

そこまで現在の農業は化学肥料を大量にばらまいて維持しているのです。


■化学肥料の使用は国策!農家は鉄鋼・自動車メーカーの「産廃処分場」


ではなぜ化学肥料の弊害がこれほど知られているにもかかわらず大量に使われているのかという疑問に本書では驚愕する事実が述べられています。

戦前において化学肥料をはじめとする化学工業は爆薬の製造と結びついていました。アンモニアの酸化で硝酸という火薬原料を作るために1942年(昭和17年)日本窒素肥料株式会社(現在のチッソの前身)が中国の河北省に建設されたことが始まりです。戦後は外貨獲得のために、品質の悪い工業製品を急務で改善する必要がありました。当時の自動車で使われる薄板は粗雑ですぐに錆が周り、塗装前には赤さびが浮いているほどだったのす。そこで製鉄課程において石油から作られた硫酸アンモニウムで洗浄しながら圧延する技術が編み出されました。鉄の表面から酸素を奪うことで、塗装時にまで錆びない鉄材がこうして誕生したのです。

しかし硫酸アンモニウムの廃液は硫酸という劇物と化合しているため、そのままでは揮発することが無く、石灰で中和して固形化して埋め立てる必要があったのです。

ただし処理費用は外貨獲得を国是としているため、価格転嫁できない状況でした。そこで「硫安」「硫酸アンモニア」という化学肥料として農業で強制的に使わせる施策が行われたのだと本書でははっきり述べてあるのです。

セメント工業や化学繊維の製造においても大量のアンモニア廃液が発生するのですが、鉄鋼・自動車メーカーに倣えと、どの会社も厄介者であったアンモニア廃液を肥料として販売します。元は産廃であったアンモニア廃液も化学肥料という名目で盛んに輸出するまでになったのです。
時代は変わって、大気汚染が問題になると煙突への脱硫装置や脱窒装置の設置が義務となり、多くの工場では回収した硫酸は化学肥料として農業に投入されていくのです。

このように戦後のひ弱な工業を支え続けたのは、農業であったという事実はほとんど知られていません。

1950年代に化学肥料を農家に強制的に使わせることと併せて、国内でだぶつき気味の硫安の価格維持を目的に「肥料二法」という法律を制定しました。本書では、その実態は国内化学肥料の価格カルテルを認め、輸出においては安値という二重価格を認めるという法律であったという事実を示しています。

すなわち、工業の資本を農家に負担させることを国是としてはっきりさせたのです。


■政策から垣間見える「農家は資本回収システムの末端に過ぎない」事実


国を挙げて工業産廃の最終処分システムとして機能したのが、ご存じ農協です。農協の前身は戦時中の「農業会」でした。国による食料の一元管理・統制を目的に作られた組織は、戦後も農林水産庁の下部組織として現在でも存続しています。

農協による農家の統制は、本書で記されていますが、ここでは割愛します。早い話、農協指定の肥料(化学肥料)を使わなければ成果物は引き取らないし貸付もしないという強制が露骨に行われているのです。

農業の大規模化という前に、現実には減反政策をはじめ、化学肥料(産業廃棄物)の強制割当を強いられている農家の苦しく重い負担を考えなくてはならないのです。

政治家にとってはまさに票田である農家は、資本家にとっては資本の回収先という面があることを知らなくてはなりません。こうしてみると、TPPと農業の大規模化という政策が違う意味に見えてくるでしょう。
農業人口を減らすことと耕作面積を統合することで、恩恵をもたらす立場は誰でしょうか。

実際にTPPにより農作物の自由化が進むと、離農者が増え、結果、大規模農業への転換の推奨と進むことをアメリカの手先である官僚達が予想し推し進めているのです。

そして農業人口の低下、結果機械化、画一化が進み、まさに農業の「夢の工業化」が達成するとしましょう。その工業化された農業は、最終的にはモンサントやカーギルといった寡占企業、その他化学メーカー、農業機器に至る供給元(サプライヤー)の巨大市場となり得るのです。

■アメリカの大規模農家には未来はない。つぎは日本の農業が狙われる


TPPや大規模農家政策を進める官僚と政治家の脳裏には、アメリカのような巨大トラクターで耕作されている風景を想像しているはずです。日本にも米国の風景に見られるような巨大な耕作基地を夢見ているのでしょうか。

ところが一方のアメリカ式農業の実際は日本の産廃処理方式を見習い、なんと有機農法の禁止法案を昨年に提出しているのです。

その名は「食品安全近代化法」という法案で昨年11月30日にアメリカの上院で可決されています。全米の農家をFDA統制下に置き、種子や肥料の流通も管理するという恐ろしい法律なのです。この法案の建前は消費者の安全を守り、農作物の輸出力を高めるというもので、FDAに強大な権力を認めるという趣旨です。

現実には米国式の巨大な農地と機械化による大量生産は、そのままモンサントやカーギルといった寡占企業に搾取される仕組みでしかない。そのため米国の農家も搾取される側に過ぎず、さらにオバマ政権では社会主義体制的な農業生産システムにまで体制を整えようとしているのです。

まさに日本の戦時中の農業会そのままではないでしょうか。


だんだんTPPと大規模農家への転換政策の恐ろしさが見えてきたのではないでしょうか。日米の為政者にとって農業政策における農家は単なる生産者ではないのです。巨大資本家による工業生産物の潜在的な優良消費者であり、国家間の重要な攻略目標なのです。

■大規模農家政策は絶対阻止すべし


このように大規模農家政策は、より強化した統制経済への布石として強く進める勢力がいると考えるとニュースの動きが見えてきます。もし実現されると、結果的には国土は産廃処理場となり、新留氏が訴える不毛な耕作地がますます広がることになるのです。

大規模化でも生産コストは下がらないのです。なぜなら飛行機で種まきするような米国と違い、日本では機械化は現状からはそれほど向上しません。アジアと比べてトラクターやコンバインの普及率はある程度の水準です。旧来の牛馬や手作業による農作業を行っているわけではないので、規模の効率化などしれたものでしょう。
生産コストの現況は、農協(農水省)による強制的な購買システムであり、規模にかかわらず搾取の構造が変わらない限り、低い生産性による無用なコストは農家と消費者に転嫁され続けるのです。よって状況が最悪になるだけであり、ますます農家、我々消費者にとっては悪弊がはびこる結果が予想されるだけなのです。

http://www.snsi.jp/bbs/page/1/

市場社会で追いやられてきた、食の価値


市場社会では、信頼さえもカネという唯一の価値で測られます。

カネを多く払った人は、高品質で安全な食べ物を手に入れることができ、カネをあまり払えない人は、安い食べ物=出自が不確かで栄養価の低い食べ物を食べさせられます。

日本でもこれは例外ではなく、市場社会では安全も支払う対価分しか得られない、というのが事実ではないでしょうか。ただ、豊かさのレベルが上昇したために、相対的な経済格差の底辺に位置する層であっても、余程のことがない限り飢えたりしないし、雑草を喰らったり泥水を啜ることはありません。


そうした豊かさは、むしろ食べ物の不自然さを覆い隠しているとともに、一方で豊かさの末に手に入れた、食べ物の貧しさを象徴しているとも言えます。

■「豊かさ」が覆い隠す食の不自然さ


市場社会で常に強力な圧力として働く「安く、大量に」というベクトルは、当然のことながら食べ物にも適用されます。むしろ、最もこの圧力が過酷に働く先が、食である、と言っても良いでしょう。

しかし、その対価は、果たして正当といえるでしょうか?例えば、一食分のカップラーメンやハンバーガは、人間が10分働くことの代価−100円−程度で得ることができます。では、そのハンバーガをゼロから作ろうと思ったら、10分の労働で生み出すことができるでしょうか?もしくは、他の手段−例えば、釣りや山菜採り−で同じカロリーを得ようとしたら、一体何分食べ物探しに費やさねばならないでしょうか?どう考えても何かのからくりがあるとしか思えません。

■豊かさの末に手に入れた、食べ物の貧しさ

一方で、簡単に手に入れられるようになった食べ物が、どれだけ価値のある物なのか、実はその支払った対価分の僅かな豊かさしか得られていないのではないか、とも考えられます。作家の灰谷健次郎氏は「カロリーだけあって栄養のない食べ物は毒と同じ」と喝破しましたが、ぼくらは自分たちが何を口に入れているのか、それがどうやって作られたのかをもっと知る必要があります。

例えば、食料の大量生産を支える品種改良は、単に高品質・冷害に強い品種を提供するためのものから、より農薬に強い品種を作り出すことに主眼が置かれるようになりました。これは、より強力な農薬をぶちまけても生き残れるような強力な種を作り出すことが、最も大量生産において優位に立てるからです。

遺伝子組み換え作物を擁護する学者は、組み替えられた遺伝子を口に入れても体に影響などない、と平然と口にしますが、同時に口に入れさせられるであろう、かつてない強力な農薬による、人体や環境への影響については口をつぐんだままです。

また、国際的なコングロマリットである穀物メジャーは、種子への放射線照射で次世代を残せない、しかし冷害や農薬に強い種を作付させることで、農家を実質的な農奴として支配下に入れています。

挙げ句の果てに、政府共々よその国まで出かけていって甘言を弄して土着の農業を破壊し、自国のみに有利な作物を独占的に輸入することで構造的な貧困の原因を作り出しています。

■結局、食の価値を決めるのは我々自身


食べ物が、こうした市場価値でしか測られない商品としてその価値をおとしめたのは、消費者としての我々自身に他なりません。

自分の快美欠乏に固執し、食を消費行動の選択肢の一つとしてしか考えていないからです。食が単なる消費であるならば、安く、大量に、支払う分だけ安全に、となるのは当然の帰結です。

しかしながら、昨今、安全という価値が食においても叫ばれるようになりました。
まだそれは、安全性は貨幣価値のバランスの上で提供されている事実が忘れられた状態であるようですが、こうした傾向の先には、本当の安全を手に入れるための貨幣代価が途方もない物であることを知ることになるでしょう。
そして、結局の所、食が市場主義経済によって供給されてきたことがもたらした「安さ」と、人体破壊、環境破壊、共同体の破壊の代償が、等価の支払いとなるのだと思います。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=85090


米国の食糧支配・・・穀物メジャーについて


 穀物メジャーと通称される、数社の企業が世界の穀物貿易の70〜80%を握っている。 各社のルーツは欧米各国だが、本社はすべてアメリカにある。

■戦略

 穀物メジャーは、世界規模のネットワークを利用して各国の情報収集活動を行っており、その能力はCIA以上ともいわれている。

 国際市場支配の戦略は以下のようなものが挙げられる。


・貿易量のシェアを握ることで、価格統制を図り、利益を得る。
 流通拠点を独占し、生産者側もコントロールする。

・WTOなどの国際機関に市場自由化政策を推進させ、食糧自給を崩壊、各国の市場に食い込む。

・貧困国には、安価な穀物を「支援」の名の元に大量供給し、現地の農産業を破壊し、食糧輸入国へ転落させる。


 
> 食品安全性基準を決定するコーデックス・アリメンタリウス委員会の中枢はカーギル社などの多国籍企業の代表であり、各国の食料安全保障を脅かすとの見方もある。

> コーデックス…はラテン語で「食品基準」の意。FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)の合同食品規格委員会であり138ヶ国で構成。

> 食品安全基準を国際基準として低い水準に統一し、貿易の自由化、海外投資の障壁除去にあたる。
http://www.jiyu.co.jp/GN/cdv/backnumber/200209/topics02/topic02_03.html


■穀物メジャー各社の輪郭

 かつて、5大メジャーといわれていたが、買収が進行し、現状はカーギルとADMの2強時代になっている。


●カーギル

 米国系。1865年創業。全世界に700事業所を持つ。
 売上高は710.66億ドル(2005年5月決算)。
 農産物以外に、石油・製鉄、保険などの事業を展開。
 株式をカーギル家、マクミラン家がすべて所有する非上場企業。
http://www.hoovers.com/company/Cargill_Incorporated/cffksi-1-1njg4g.html

●ADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)

 米国系。1902年創業。かつての5大メジャーの一つ、アンドレ・ガーナック、ドレフュスを買収し、現在、世界第2位。
 売上高は359.43億ドル(2005年6月決算)
 日本の花王が合弁会社を作っている。
http://www.hoovers.com/company/Archer-Daniels-Midland_Company/rfrtci-1-1njg4g.html

●コンチネンタル・グレイン 

 米国系。元5大メジャー。1998年、カーギルが穀物部門を買収。

●ブンゲ

 オランダ系。1818年創業。28カ国に事業所がある。
 売上高は251.68億ドル(2004年12月決算)。
 大豆加工で第2位。南米最大の肥料製造、販売会社。
http://www.hoovers.com/company/Bunge_Limited/hxxkxi-1-1njg4g.html


●ルイ・ドレフュス

 フランス系。 

●アンドレ・ガーナック
 スイス系。

■政府との人脈

 穀物メジャーは、政府高官を引退後に受け入れて、政府との人脈を形成、政策決定に介入している。

> カーギル副社長であったウイリアム・R・ピアーズ(William R Pearce)は、ケネディ、ニクソン両政権の通商代表部を務めています。

> またニクソン政権の農務次官であったクラレンス・パームビー(Clarence Palmby)は、1972年の米ソ穀物交渉の直前に、コンチネンタル副社長に就任。

> レーガン政権の農務次官であったダニエル・アムスタッツ(Daniel Amstutz)は、カーギル社で長く飼料穀物の輸出を担当し、その後カーギル・インベスター・サ−ビスの社長を務めました。


 その後、ダニエル(ダン)・アムスタッツは、イラクで農業復興のトップになっている。


■資料

穀物メジャーについては、以下のサイトが比較的わかりやすい。
国際機関による貿易自由化、食糧安全保障などにも触れている。
リンク

カーギル社 公式サイト
http://www.cargill.com/

ADM社 公式サイト
http://www.adm.com/en-US/Pages/default.aspx

ブンゲ社 公式サイト
http://www.bunge.com/


http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=100489


18. 中川隆 2011年1月21日 20:08:29: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

ここ数年、南米でアグリビジネス・遺伝子組み換え企業が主権国家の主権をまったく無視する形で非合法に遺伝子組み換え大豆を持ち込み、強力なロビーイングで合法化させました。その結果は数十万人単位の小農民、先住民族の難民化という事態です。ブラジル南部、パラグアイ、アルゼンチンの事態がかなりひどくなっています。

  日本ではほとんど報道されていないと思いますが、その動きをこの1年ほど追ってきました。Twitterでごく簡単にその都度の動きをメモしてあります。
http://twilog.org/tweets.cgi?id=tomo_nada&word=%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E7%B5%84%E3%81%BF%E6%8F%9B%E3%81%88


  農薬による被害は詳細に調査され、モンサントのグリホサートが深刻な問題を引き起こしていることが実証されていますが、大豆モノカルチャーの拡大は止まるところを知らず、あっという間に南米は世界の大豆の半分を生産するに至りつつあります。
http://www.gmwatch.org/component/content/article/12479-reports-reports-


  アグリビジネス、大土地所有者による先住民族、小農民の迫害の上、除草剤の被害が拡大する一方なのですが、その動きを止めるにはその大豆を買い付ける消費国を止めなければなりません。現在は多くはヨーロッパの家畜の餌になったり、中国などに輸出されていると思います(まだ詳しく調べられていませんが)。

  実際に遺伝子組み換えの動きは絶対に止められないものではなく、遺伝子組み換えのメッカである米国でも非遺伝子組み換えに切り替えている農民が増えているといいますし、最近でもドイツが遺伝子組み換えに対して断固たる姿勢を示しました。WikiLeaksでも米国政府があらゆる手を使ってヨーロッパの政府を落とそうとしていることが暴露されています。

  フィリピン・ダバオでも遺伝子組み換え作物を根こそぎにする命令が最近出ていますし、むしろ世界的には遺伝子組み換え企業にとって旗色悪い状態ではないかと思います。実際、モンサントの収益も最近大幅ダウンと聞きます。

  それを日本政府が諸手をあげて歓迎すれば市場が大きいので、遺伝子組み換え産業を助けてしまうことになりかねない。遺伝子組み換え企業は米国が一番強いので、米国とのTPP協議では当然、遺伝子組み換えの受け入れが要求されてくるでしょう。

日本政府が遺伝子組み換えを承認してしまえば、遺伝子組み換え企業の農業支配はさらに進んでしまいます。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201012261232140

モンサント、ブラジルの遺伝子組み換え大豆「開国」の手口


ブラジルがいかに遺伝子組み換え大豆栽培の「開国」を迫られたか、そのプロセスを今ここでまとめておきたいと思う。

それは、WikiLeaks が暴露した米国政府へのEUへの恫喝よりもおぞましいやり方と言わざるをえない。交渉での威嚇というレベルどころか一国の法律も主権も無視した非合法手段を使ったものだからだ。しかし、違法な手段で開国させてしまったからといって、ブラジルの民衆はおめおめとそれを受け入れたわけではない。さまざまなレベルで闘いが繰り広げられた。そして今なお闘っている。ただし、その犠牲はあまりに大きいものであるが。

EUそしてブラジルでの遺伝子組み換え技術に対する抵抗を見る時、今の日本の民主党政権の遺伝子組み換え大豆栽培の承認に向けた動きを見せていることがいかにも異様に見えてくる。

このまとめが日本の遺伝子組み換え技術に対して取るべき選択について考える一つの材料となれば幸いである[注1]。

世界最大の非遺伝子組み換え大豆の輸出国が狙われたー非合法活動で強引に既成事実化


ブラジルはかつて世界最大の非遺伝子組み換え大豆の輸出国だった。遺伝子組み換え大豆の耕作は禁止されていた。しかし、現在ブラジルでは75%ほどの大豆が遺伝子組み換えとなってしまった。

遺伝子組み換え大豆の栽培はルラ前大統領の前のフェルナンド・エンヒキ・カルドーゾ(FHC)政権時代の1998年にアルゼンチンから遺伝子組み換え大豆の種子が国境沿いのマトグロッソドスル州に非合法に持ち込まれることで始まった。

持ち込まれた遺伝子組み換え大豆はいわば密輸品であり、FHC政権は持ち込まれた大豆を即時に処分し、持ち込んだ関係者の処罰をする義務があるにも関わらず、実際には遺伝子組み換え大豆の耕作実態をつかむ調査すら十分には行わなかった。そのためにどれだけ広範囲に遺伝子組み換え大豆が持ち込まれたのか正確につかむことができない。

この事態を理解するにはブラジルの地方の政治状況を知る必要があるだろう。ブラジルでは軍事独裁政権との闘いの中で民主化運動が大きく成長し、その中心にあった労働者党のルラ大統領が選挙で選ばれるまでに至っている。しかし、その一方で、農地はごく一部の大土地所有者に握られ、極端な富の偏在がまだ残っている。地方では大土地所有者の力は強く、マトグロッソドスル州では特にその傾向が強い。行政の力は時に弱く、地方の権力者の協力を得てしまえば、非合法行為もなかなか処罰されない傾向がある。

こうして大土地所有者への密輸という方法を通じて、モンサントはブラジルを遺伝子組み換え大豆生産国に強引に変えて、それを既成事実化してしまったのだ。


政治をめぐる攻防ー憲法を無視する法案


同時にモンサントが試みたのは強力なロビー活動を通じての法律の変更だ。1998年、モンサントは除草剤Roundupに耐性のある種子Roundup Ready大豆の バイオ食料国家技術委員会(CTNBio) による承認を勝ち取った。

しかし、これに対して、GreenpeaceブラジルとInstituto de Defesa do Consumidor (消費者保護協会、IDEC)はモンサントとブラジル政府を相手に訴訟を起こし、この承認の取り消しを求めた。この訴訟はGreenpeaceらの側の勝利となり、1998年から2003年まで、遺伝子組み換え大豆の栽培はモラトリアム(停止処分)となった。

2002年、大統領選挙で労働者党のルラは「環境と生活の質」をテーマに掲げ、非合法の遺伝子組み換え大豆の耕作の停止を公約した。大統領選でのルラの勝利で、環境問題、農業問題に取り組む広範な人びとから、遺伝子組み換え作物の栽培禁止の継続の期待が高まった。しかし、議会で影響力を強く持つ大土地所有者、アグリビジネスの利益代表者に対して、ルラ政権は妥協を重ねた。

2003年、政権が発足すると、ルラは遺伝子組み換え促進派を農務省大臣に据える一方、環境大臣には遺伝子組み換え技術に対して予防原則の適用の立場から反対するマリナ・シウバを起用した(後に大臣を辞任、緑の党の候補として2010年大統領選挙で善戦する)。

大統領に就任するやいなやルラは難問に直面する。すでに非合法に植えられていた大豆の収穫期が迫っており、モンサント、リオグランジドスル州政府、非合法に大豆を植えた大土地所有者からその収穫される大豆を承認するように大きな圧力を受けたからだ。

その結果、ルラ大統領は2003年3月に人や家畜への遺伝子組み換え大豆の 2004年1月までの利用を承認する暫定措置令を出した。これはルラの選挙公約に反したものだった。この暫定措置令は連邦地方裁判所の決定を無視し、この種の決定には環境影響調査が必要とする憲法に反するものだった。

この暫定措置令に対しては、遺伝子組み換え大豆に反対する大多数の農民、消費者、社会運動や環境保護運動から大きな反対が起こり、80の団体が反対する声明を出したが、政府はこれを無視した。

2番目の暫定措置令は2003年9月に出され、これは2003/2004の収穫に遺伝子組み換え大豆を承認するものだったが、この承認は遺伝子組み換え大豆の種子をすでに確保していた農家に対してのみ適用されるもので、2004年2月初めまでに8万1612農家が申請を行った。これに対して公共省が連邦最高裁判所にこの遺伝子組み換え大豆の承認は憲法違反であるという訴えを起こしている。しかし裁判所は未だ何も応えていない(2005年4月時点)

遺伝子組み換え大豆を連邦政府が承認する決定を行った後、ブラジルで2番目の大豆生産量を誇るパラナ州政府が、遺伝子組み換え大豆の州内栽培、輸送、船積みを禁止する法律を制定した(パラナ州はリオグランジドスル州に近隣州)。それに対して、リオグランジドスル州政府は最高裁に、パラナ州政府を訴え、パラナ州政府の遺伝子組み換えを禁止する権限は否定されてしまった。

一国の主権が、憲法が骨抜きに

モンサントのまったくの非合法な行為がブラジルの地方寡占勢力と結びつくことで、なし崩し的に承認され、その後のバイオセキュリティ法の成立過程で憲法が次々に骨抜きになっていく様がはっきり見える。

2004年2月、バイオセキュリティ法案が下院で承認された。この法案はバイオ食料国家技術委員会のみが遺伝子組み換え作物の実験農場での評価をするというものだが、この時点ではバイオ食料国家技術委員会だけでなく、関係省庁も審議会とは別途、評価を行うことになっており、モンサントの遺伝子組み換え大豆は2005年末までの耕作と期限付きで使用が許された。

8ヶ月後、法案がさらに改訂される。今度はバイオ食料国家技術委員会は遺伝子組み換え作物利用承認の唯一の機関となり、関係省庁の権限は削除された。憲法に規定された環境許可に関してはまたしても無視された。

2005年3月、ルラ大統領が署名し、成立したバイオセキュリティ法では、遺伝子組み換え作物を栽培したり、商業化したい企業は、バイオ食料国家技術委員会に請求を出せばよく、委員会が承認の評価をすればバイオ食料国家審議会が最終判断を行うというものとなり、最終的に憲法で規定された環境や人間の健康に与える影響調査の義務も不要とされてしまった。この法の下では保健省と環境省は以前持っていた遺伝子組み換え種の自由化に対してそれぞれの領域で調査を行い、影響を評価する権限も失われた。


ブラジル社会の反応とブラジルにおける遺伝子組み換え食品表示規定


2003年12月の調査によるとブラジル社会は92%が遺伝子組み換え食品の表示は必要と考え、74%は遺伝子組み換え食品を食べたくないと考え、73%が遺伝子組み換え作物の自由化に反対であるとなっており、遺伝子組み換え技術に対しては強い反対がある。

遺伝子組み換え問題は98年以来、ブラジル社会での大きな論争点であり、前述の通り、大統領選での大きな争点にもなった。遺伝子組み換え大豆のモノカルチャーの拡大は環境問題のみではなく、農地改革や地方の人権問題にも密接に関わるため、広範な社会運動団体やNGOが取り組んでいる。土地なし地方労働者(農園労働者)運動(MST)は遺伝子組み換え大豆問題を大きくとりあげ、非合法に植えられている遺伝子組み換え大豆畑の大豆を破壊する直接行動にも訴えている。

2004年3月26日、遺伝子組み換え食品の表示規定を定めた政令が有効になり、1%を超える遺伝子組み換えの原料を含む人あるいは家畜用の食品には遺伝子組み換えの表示をすることが義務づけられた。これは日本の表示基準よりもはるかに厳しいものだ[注2]。しかし、ブラジル政府はこの政令の完全な実施をする具体策を示していない。

広がる不安−大豆モノカルチャーの拡大、除草剤被害、そして狂豆病


遺伝子組み換え大豆の生産が本格的に始まり、おりしも、気候変動問題でバイオ燃料の採用を先進国が決めたため、バイオ燃料の原料としての大豆の需要が伸びている。 現在(2010/11)では75%程度が遺伝子組み換えとなっているとされるが、さまざまな問題が持ち上がっている。

大豆増産のための農地開拓の矛先は森林の破壊であったり、先住民族や小農民の土地からの追い出しであったり、さまざまだ。また、大規模な大豆農場は軽飛行機で除草剤を撒き、大型コンバインで収穫するため、広大な土地で生まれる雇用はわずかだ。モノカルチャーは自然と同時に社会を破壊する。追い出された先住民族と小農民は日雇い労働者として劣悪な労働条件で働くか、都市スラムへと流れ込むか、選択は限られてしまう。

さらに追い打ちをかけるのが、遺伝子組み換え大豆の導入と同時に増加したモンサントの猛毒除草剤(その起源はベトナム戦争時の枯れ葉剤だろう)の使用である。除草剤に汚染された水を飲む周辺住民からベトナム戦争の時にたくさん生み出された先天性欠損症などの健康被害が続発している(それはアルゼンチンのレポートと共通する症状だ[注3])。

また、遺伝子組み換え大豆に狂豆病と名付けられた、狂牛病と同様に治癒不可能な病気が広がっているという[注4]。


大豆生産農家からも非遺伝子組み換え大豆を求める動き


遺伝子組み換え大豆は遺伝子組み換え種子と除草剤を売る遺伝子組み換え企業には利益を与えるが農家にとっては除草剤の負担や種子のロイヤルティの支払いなど負荷が大きい。Roundup Ready大豆の除草剤が結局効果を発揮しないという大きな問題も発生している。しかも、消費者が求めるのは、非遺伝子組み換え大豆であり、遺伝子組み換え大豆を一度選択した農家も非遺伝子組み換え大豆を要望するようになってきている。

しかし、大豆種子の流通を独占するようになったモンサントは非遺伝子組み換え大豆の供給を制限し始めて、農家から不満が高まっている。

この声に押されるようにブラジル政府はSoja Livre(自由な大豆)計画を2010年に発表した[注5]。これは遺伝子組み換えでない大豆の栽培を後押しするもの。

ヨーロッパから遺伝子組み換えでない大豆をブラジルに求める市場の要求は実はかなり高い。決して、ブラジルは遺伝子組み換え大豆にそまったわけではなく、非遺伝子組み換えに活路を求める農家も存在している。

結語


昨年の大統領選挙と同時に行われた総選挙では大土地所有層、アグリビジネスの利益代表者は相次いで落選した。ブラジルの民主化はルラの着任時よりもさらに進んでいる。

この遺伝子組み換えの「開国」はブラジルの民主化の進みきらない過程の中で、モンサントと寡占大土地所有者の連携によってぎりぎりのところで生み出されたクーデタのようなものといえよう。実際に検証すれば、この過程は法的プロセスとしても整合性を持たず、抜け駆け的な動きの連続でしかない。

正当に真正面から国会審議で検討され、しかるべき公聴会などで市民の参加も得て議論されていれば、現在のような形で遺伝子組み換えが合法化されることはありえなかったであろう。

ルラ政権はブラジル政権として始めて反貧困に積極に取り組んだ政権であり、評価されるべき部分も少なくないが、モンサントと大土地所有者に対しての妥協は後世に残る汚点となったといわざるをえない。

そして、その結果、モンサントの開発した大量の猛毒グリフォサートがブラジルの大地にまかれ、環境を汚染し、社会的にも先住民族や小農民に大きな苦しみを生み出すことになってしまった。この解決はさらに長い時間を必要とするだろう。

日本は果たしてこの「開国」要求に対して、どう対応すべきだろうか?

日本の農林水産省は12月24日から遺伝子組み換え大豆栽培の承認を前提としたパブリックコメントを始めている。これに対して、アジア太平洋資料センター(PARC)が市民からコメントを集めるオンラインキャンペーンを開始している。多くの方にご注目をよびかけたい。
http://act.parc-jp.org/cyber/gmo_pubcom/index_html

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201101102002381

南米を襲う遺伝子組み換え大豆と枯れ葉剤

アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルにわたって遺伝子組み換え大豆の栽培によりすさまじい事態が起きている。モンサント社の除草剤によってベトナム戦争で多数生み出された出生障害に類似したケースが続出している。実態調査を発表しようとしたら、組織的な暴力団に暴行を加えられ、アムネスティ・インターナショナルが真相究明を要求する事態に。遺伝子組み換え大豆は何をもたらすのか、国際的な科学者のチームが共同で調査を発表した。これはその紹介である。(日刊ベリタ編集部)


報告書『持続可能? 責任ある? GM(遺伝子組み換え)大豆』

翻訳: 金克美(KIM Keukmi)/TUP

国際的な科学者のグループは、遺伝子組み換えラウンドアップレディー大豆(訳注、除草剤ラウンドアップに耐える大豆)の栽培とグリホサート除草剤の使用による健康と環境への危険を詳述した報告書を発表した。

報告書『 持続可能? 責任ある? GM大豆』[1]は、アルゼンチン政府の科学者、アンドレス・カラスコ教授[2]による新しい研究に注目した。彼はグリホサートが農業散布で使われるよりもかなり少ない投与でカエルとニワトリ胚の奇形の原因になることを発見している。

「実験室での実験で、妊娠中にグリホサートにさらされた幼児の奇形のケースと一致するデータが得られた」とカラスコ氏は述べた。

ブエノスアイレス医科大学分子発生学研究室のディレクターであり、アルゼンチンの科学技術研究所(CONICET)国民評議会の主任研究員であるカラスコ氏は新しい報告の共著者である。この報告書はGM大豆の栽培によって生活が根本的に破壊されているアルゼンチン村民の証言と共に発表される[3]。

アルゼンチンとパラグアイでは、GM大豆の産地に住んでいる医師や住民がグリホサートの散布により、不妊、死産、流産、癌のみならず、高い出生異常を含む深刻な健康への影響を訴えている。新しいレポートで集められた科学的研究によって、グリホサートに曝されることと、早産、流産、癌、DNAおよび生殖器官の細胞にダメージを与えることとが関連していることが確認された。

アルゼンチンの大豆生産地の住民は、GMラウンドアップレディー大豆の最初の本格的収穫から2年後の2002年から問題を報告し始めたと、カラスコ教授はいう。「私はグリホサートの毒性分類が低すぎることを疑い、……いくつかのケースでは、これは強力な毒になると思われる」と述べた。

住民はまた農作物への被害や小川に散らばる死んだ魚など、グリホサートによる環境被害のケースを報告している。これらの事象はグリホサートが環境に有害であることを示すこの報告書の研究によって裏付けされている。

アルゼンチンのGM大豆農業モデルに反対する科学者や人びとは検閲や嫌がらせ受けている。アムネスティ・インターナショナルは、2010年8月に農村ラ・レオネサで彼の研究の話を聞きに集まった人々を襲った組織的暴力団による暴力的攻撃についての調査を要求している。

「責任ある」大豆?


報告書『 持続可能? 責任ある? GM大豆』は、GM大豆栽培が持続可能であり、除草剤グリホサートが安全だという企業側の主張に挑戦する。「責任ある大豆の円卓会議(RTRS: the Round Table on Responsible Soy)という大豆に関わる他分野の関係者(ステークホルダー)による大豆栽培についてのフォーラムが 2011年に開かれるが、同会議は大豆が人びとと環境に考慮して生産されていると良心的大豆流通業者や消費者を安心させる「責任ある」大豆ラベルを自主的に開始する[4]。つまり、グリフォサート散布した遺伝子組み換え大豆を「責任ある大豆」としてラベル表示するというのだ[5]。

RTRSメンバーにはADM、ブンゲ、カーギル、モンサント、シンジェンタ、シェル、BP社などの多国籍企業と、WWFとSolidaridadなどのNGOが含まれる。

遺伝子組換え食品と作物に反対する運動をしているグループ、GMWatchのクレア・ロビンソンは「グリホサート農業モデルで作られたGM大豆を持続可能で責任のあると呼ぶことは悲惨な茶番劇である」と述べる。

「RTRS基準は、新レポートに示されている遺伝子組み換え大豆とグリホサートの健康への危険から人々を守ることができない脆弱なものです[6][7]。」

「RTRSはまた、GM大豆の単一栽培(モノカルチャー)による深刻な社会問題を無視しています。以前は人びとの食糧を栽培していた土地が、有毒なGM大豆の単一栽培に明け渡され、暮らしと食糧安全保障は失われました。」

「200を超える市民社会組織は、企業のグリーンウォッシュ[訳注:環境保護に配慮するふりをすること]だとしてRTRS基準を非難しています[8]。いまやRTRSの責任あるメンバーがこの信用を失ったRTRS基準を放棄する時です」

ヨーロッパには年間に3800万トンの大豆が動物の飼料として輸入されている[9]。 GMを給餌された動物から作った食品でも、GM食品のラベルをつける必要はない。

EUで大豆に許容されるグリホサートの最大残留基準値は20 mg/kgである。カラスコ教授はその約10倍低い2.03 mg/kgのグリホサートを注入した胚に奇形を発見した[10]。大豆には17mg/kgまでの濃度でグリホサートが残留していることが判明している[11]。


http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201101060905584


19. 中川隆 2011年1月23日 10:22:56: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

アメリカ環境医学会(AAEM)が遺伝子組み替え食品を警告

By Jeffrey M. Smith (Mercola.com)

2010年3月25日


アメリカ環境医学会(AAEM)は、GM(遺伝子組み換え)食品を排除した食事指導を患者に行うよう、あらゆる医師に呼びかけた。[1] また、GMO(遺伝子組み換え生物)の中止、企業に依存しない長期的な検証の実施、食品表示を求め、次のように述べた。

いくつかの動物実験では、不妊性、免疫の問題、加齢の進行、インスリン調節、主要臓器と胃腸系の変化など、GM食品に付随した深刻な健康リスクがあることが示されている。(略)GM食品と健康の悪化については偶然とはいえない関係がある。つまり、因果関係がある。

元AAEM会長のジェニファー・アームストロング博士( Dr. Jennifer Armstrong)は、「患者を診ている医者ならば、健康への影響は分かっているはずだ。だが、正当な疑問を提示する方法を知らないだけ」と言っている。

有名な生物学者プシュパ・M・バーガバ( Pushpa M. Bhargava)も、アメリカの悲惨な健康の現状の主要因はGMOだと考えている。

妊婦と乳幼児が特に危険

GM食品は、特に妊婦と子供たちに危険である。GM大豆をエサとして与えられた母親ラットの子供は、ほとんど死亡した。それに対し、通常の大豆を与えられた比較対象のラットの死亡率は10%だった。[2] GM大豆をエサにした子供ラットは身体が小さく、生殖力がない可能性がある。[3]

GM大豆を食べたラットの睾丸は、正常なピンク色から暗い青色に変色した。[4] また、オスの子供ネズミの精子が変化(去勢)した。[5]

GM大豆エサの母親の胎児は、DNAが変質していた。[6] そして、GMトウモロコシを与えられたネズミは、子供の数が少なく、生まれた子供の身体も小さかった。[7]

インドのハリヤナでは、GM綿の実を食べたバッファローの大半が、生殖上の合併症(早産、流産、不妊など)を抱え、生まれた子ウシの多くは死亡した。

米国では約20名の農民が、特定のGMトウモロコシを食べことが原因で、何千頭ものブタが不妊症になったと訴えている。想像妊娠になったり、羊膜を出産したケースもあった。乳牛も雄牛も、不妊症になった。[8]

米国では、低出生体重児、不妊症、乳児死亡が、いずれも増加している。


毒を生む食べ物

GMトウモロコシとGM綿には、土壌細菌バチルス・チューリンゲンシスから生成されるBt毒素という殺虫剤(農薬)を組み込まれている。これらのGM植物を虫が噛むと、虫は胃が裂けて死ぬ。バイオ企業は、有機栽培の農家も天然のBt細菌を噴霧して害虫を退治していることを根拠に、Bt毒素は安全だと主張している。

だが、GM植物が生成するBt毒素は、天然のBtスプレーの数千倍の濃度を持つ。強い毒性をもつように設計されて[9]、アレルゲンの属性を持っている。洗っても植物から落ちない。

さらに、調査によると、天然のスプレーでさえも有害であることが確認されている。ワシントンとバンクーバーでマイマイガを殺すために飛行機で散布されたときには、およそ500人にアレルギー反応もしくはインフルエンザ様の症状が出たと報告されている。[10][11] 同様の症状が、インドの全域でGM綿を扱っている農場労働者から報告されている。[12]

GMOは免疫反応を誘発する

GMOの安全性に関する専門家のアーパド・プースタイ博士は、「あらゆる(動物)実験で一貫してみられる特徴」に、免疫状態の変化があると言う。[13]

モンサント自身の調査においても、政府が資金を出した調査においても、Btトウモロコシをエサにした齧歯(げっし)動物(ネズミ目)には、大きな免疫反応が見られている。[14][15]

GM大豆が英国に導入されてすぐに、大豆アレルギーが50%も急上昇した。オハイオ州のアレルギー専門医ジョン・ボイル博士(Dr. John Boyles)は、こう言っている。

私は、ずっと大豆アレルギーの試験をしていたことがあるが、今や大豆は遺伝子組み換えされている。あまりにも危険だから、人には食べないように言っている。

GM大豆とGMトウモロコシには、アレルギー属性を持つ新型のタンパク質が含まれている。[16]  さらにGM大豆には、既知の大豆アレルギー抗原が最大7倍含まれている。[17] おそらく米国で食物アレルギーやぜんそくが流行しているのは、遺伝子組み換えの被害だろう。


大量死する動物

インドでは、綿の収穫を終えると、綿の畑に動物を放牧して草を食べさせる。だが、羊飼いが羊にBt綿を食べさせると、数千頭が死んだ。調査に当たった人は、状況証拠からすると「羊の死亡は毒物(Bt毒素の可能性が高い)による可能性が高い」と言っている。[18]  ある小規模な調査では、通常の綿を食べた羊は健康なままだったが、Bt綿を食べた羊は全頭死亡している。

アンドラプラデシの村では、過去8年間、何事もなくバッファローは綿の草を食べていた。2008年1月3日、初めて13頭のバッファローがBt綿の草を食べた。その全頭が、3日以内に死亡した。[19]

Btトウモロコシは、ドイツでも、牛の死亡と関連付けられている。また、フィリピンでは、馬、水牛、鶏の死亡と関連付けられている。[20] 実験では、リバティーリンク(Liberty Link)トウモロコシをエサにした鶏の死亡率は2倍だった。GMトマトをエサにしたラット40匹の内、7匹が2週間以内に死んでいる。[21]


最悪の事実発覚:GMOは体内に残留する

人間が食べた場合の調査という意味では唯一公表されている調査によると、たとえGMOを食べるのをやめても、有害なGMタンパク質が体内で生成され続けている可能性がある。GM大豆に組み込まれた遺伝子は、腸内のバクテリアに転送され、活動し続ける。[22]

もしBt遺伝子も転送されるのであれば、トウモロコシのチップを食べることで、腸内のバクテリアは、生きた農薬工場に変身することになる。

無視され拒絶される政府系科学者の警告

訴訟から公開された文書によると、FDA(米国政府の食品医薬品局)の科学者は、GM食品がアレルギー、毒、新しい病気、栄養的な問題を引き起こす可能性があると警告していた。[23] それでもホワイトハウスは、FDAにバイオテクノロジーを推進するように命じ、モンサント社の弁護人を務めたマイケル・テーラー(Michael Taylor)がFDA(政府)のGMO政策を率いた。

彼は、GMOには安全調査が必要ないという方針をとった。GMO食品が安全かどうかは、モンサントなどメーカーが判断することになったのである。

テーラーは、その後、モンサント社の副社長となり、2009年にオバマ政権になると、再びアメリカの食品安全の権威としてFDA(政府)に配置された。


どうすれば人間モルモットから脱することができるか?

ソーク研究所(Salk Institute)の生物学者デイビッド・シューベルト(David Schubert)は、こう言っている。

もし(GMOに)問題があるとしても、我々がそれを知ることはないだろう。因果関係を追跡することは困難だろうし、いろいろな病気も相当に長い年月をかけて進展するからだ。

1996年にGM作物が導入されて9年の間に、三つ以上の慢性病を抱えるアメリカ人は、7%から13%に急増した。[24] だが、人間での臨床試験も、市販後の調査もないため、その原因がGMOかどうかは知る術がない。

だから、もう調査結果を待つ必要はない。GM食品を避けるべきという医者のアドバイスに従うべきだろう。

「GMOを避ける買い物ガイド」(www.NonGMOShoppingGuide.com)を参考にされたい。たとえ小さな割合であっても、非GMOブランドを選ぶ人がいれば、食品業界を動かす力となり、GM成分を除去することができるかもしれない。

今回AAEMが、非GMOの指導を打ち出したことは、米国の食糧供給にとって節目になるだろう。

有機栽培の作物など食べ物に遺伝子組み換えの汚染があることについて、自分は懸念しているということを農務省に言うべきだ!遺伝子組み換えで汚染されたアルファルファ(材料とする食品を含む)は拒絶すると農務省に意思表示しよう。そして、遺伝子組み換えアルファルファは、農薬の使用量を大幅に増やし、最終的に人間の健康と環境全般に有害だということを知らせよう。

FDAにも今すぐ意見を送ろう!

GMOの危険性についてもっと学び、遺伝子組み換え食品の供給を中止させるにはどうしたらよいか知りたい場合は、www.ResponsibleTechnology.orgに有益な情報がある。

http://tamekiyo.com/documents/mercola/no_gmo.html


20. 中川隆 2011年1月31日 09:44:25: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

モンサント社の恐怖


アメリカに主な拠点を置き、世界的な巨大アグリビジネスと化した、多国籍企業の“モンサント“社。今や、世界の遺伝子組換え種子のほとんどを独占する、モンスターとなっている。

モンサントは今まで、PCB(ポリ塩化ビフェニール)、枯葉剤としてのダイオキシンそれに現在世界を席巻する、遺伝子組み換え種子と、それぞれの時代に多大な公害や環境汚染を、無数に引き起こしてきた企業である。

世界のほとんどを賄っていたPCBは、アメリカの小さな町で生産されていた。PCBは、直接川に流し野積みにしてほうちし、環境汚染を引き起こしていた。工場の事故で、発がん性がないとデーター公表したが、半世紀経過し1990年代になってねつ造データーと判明したが、何の保証もしていない。

ベトナムで泥沼の戦いに陥っている軍に、ベトコン対策として「枯葉剤」の散布を強力に推し進めた。後に、胎児の奇形や子供たちにがんが発生しても、いまだ公式に因果関係を認めていない。現在の劣化ウラン弾と同じである。

モンサント社は、PCBの発がん性に関する訴訟で、2度敗北している。そのどちらも、データーねつ造が問題とされている。

モンサントが、遺伝子組換え種子を販売したきっかけは、自社の除草剤「ラウンドアップ」に耐性の種子の生産が目的であった。

モンサント社のもっとも大きな技術力は、政治介入力である。パパブッシュ政権時代に、モンサント社は、遺伝子組換え種子を認めさせた。

政府に認めさせた特筆するべき点は、遺伝子組換え種子から生産された農産物は、改良と同じであるとしたことである。モンサントの最大の技術力は、政治介入力でもある。。

つまり、遺伝子組換え種子は何ら検証されることなく、市場に出回ることになったのである。アメリカは、遺伝子を組み替えられた種子は改良と同じであるとしている以上、検査などされることがないのである。


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モンサント社が、牛の成長ホルモン(BST)を武器に酪農領域に入っていたのが20年ほど前である。牛の成長ホルモンを投与すると、乳量が伸びるのである。20%近くも、泌乳量が伸びる。当時は驚異的な目で見られたものである。


現在アメリカの酪農では、牛成長ホルモンを投与することは日常的に行われている。一時はアメリカ生産の牛乳の、80%を超えるといわれているが、データーがなく詳細は不明である。勿論モンサントの発表などない。農家には一定の利潤はもたらす。


モンサントが、大腸菌を通じて牛成長ホルモンを生産する技術を得た。この牛成長ホルモンを牛に与えるには、注射するしかない。最低月に2回乳牛に注射をするのである。


モンサントにしてみると、間断なく売ることができる、商品としては願ってもないものである。ポジ ラックという商品名で飛ぶように売れている。注射は日本では獣医師しかできないが、そうしたことに規制がなく杜撰なアメリカでは、一般農家でも可能である。ほかの抗生物質なども同じである。

解り易く説明すると、牛成長ホルモンの投与は、「乳牛のドーピング」とっていいものである。

牛成長ホルモンを投与された乳牛から生産された牛乳は、製造された牛成長ホルモンが天然のものと全く同一であることを理由に、政府は検査すら行っていない。遺伝子組換え種子と同様である。

牛成長ホルモンの投与は、EUや日本では許可されていない。しかし、アメリカの消費者も疑問を抱いてはいるようである。ノンBST牛乳と銘打った牛乳が、高価格でも飛ぶように売れているからである。

恒常的に、牛成長ホルモンを注射された牛が、正常でるとわ思えない。事実、乳房炎の多発や乳成分の低下などを指摘する学者がいる。

同じ量を食べて、乳量が20%も多くなる牛が正常であるはずがない。最近は、牛成長ホルモンの投与は減少しているようである。

モンサント社は、人間の健康や牛の健康や、健全な農産物の生産など全く興味がないのである。社是として、Food,Health,Hopeを掲げていながら、徹底した利潤を追及するのである。

世界的な、穀物の高騰や食糧危機とをうけて、モンサント社はこれからも相当業績を伸ばすことが予測される。

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現在のモンサントの経営を支えているのが、除草剤の「ラウンドアップ」の販売である。遺伝子組換え種子の開発も、もともとラウンドアップには影響されない品種の開発にあった。


こうした品種は、「ラウンドアップ・レディ(ラウンドアップに備えている)」と呼ばれ、農作業を大幅に軽減させた。モンサントは、除草剤と種子をセットで販売するのである。

モンサントは、遺伝子組み換えの大豆をアメリカ市場に出して、わずか10年で90%を占めるまでになった。多収穫と除草軽減などで、瞬く間に広まったのである。しかしながら、雑草ひとつない農地は異常に思える。


遺伝子組換え種子(GM)は、前述のようにアメリカでは品種改良と同等に扱われている。特段 の表示もなされることがない。このことに関して、彼らが政治的に動いた事実は確認されている。


もうひとつ、モンサントが遺伝子組み換え種子について行った大きなことがある。特許権を取得したのである。要するに、毎年毎年買い付けなければならないのである。


遺伝子組換え種子を購入するためには、すべての農家は契約書を提出しなければならない。収穫した種子を、播くと特許権の侵害になるのである。収穫以外に使用できないのである。そのために、モンサントは「遺伝子警察」を設けている。


作付した農家が、種子をどこかに隠していないか、遺伝子警察は常時見回ることになる。疑わしいことがあると、即座に訴えられる。訴えられると、事実無根であっても、ほとんどの農家は争わない。仕事ができなるからである。


さらに、モンサントは世情の動向にも敏感である。例えば、トランス脂肪酸の少ない大豆の開発など対応が早い。


遺伝子組み換え作物は、アメリカではすでに公然の事実として定着しつつある。世界は、遺伝子組換えの普及を待っているとまで公言している。モンサントは食糧危機を待っているのである。

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モンサントは自社にかかわる不利なことが起きると、情報を隠すか改ざんすることで何度も乗り切ってきた経緯がある。こんな会社が、まともなものを作るわけがない。

植物が、特定の虫や薬剤に耐性して平然と身をつけるのは、体験的に見ても異常なことである。

インドではBT綿(虫にも薬剤にも耐性)が大々的に導入され、毎年毎年高価な種子を買わされ る農民が、在来種を作付しようとしても交配が起きて作れなくなっている。メキシコでも在来のトウモロコシが、GM品種に淘汰されるばかりか、トルヒーヤの味が違たり、かなり深刻な問題が生じている。こうした問題は、世界中で間断なく生じている。

食糧危機を乗り切るためには、遺伝子組換え作物に頼るしかないとする意見が、アメリカでは一般的になりつつある。世界的には、遺伝子組換え作物の需要は増えつつある。

遺伝子組換え作物の、科学的な判断は後世に譲ることんるが、飢餓の問題を収量に求めるのは、問題の本質をついていない。いくら収量を上げても、地球的規模で起きる問題を長期的に乗り切ることはできない。

農作物は、土地を収奪しない持続可能な作り方で収穫されなければ、問題を解決することはできない。また、現在でも農産物の収量は、十分あるのである。問題は、均等に配分されていないことなのである。

食料の問題は、環境問題でもあり、平和の問題でもあるのだ。モンサントが、そんなことまで担えるわけがない。

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身勝手なモンサント社


オーストラリア政府が、モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシ、MON863の輸入を禁止する処置を行った。MON863は、病害虫に強い品種であるが、すでに欧州委員会からは問題視されている商品である。


今回、モンサント社による臨床報告が改ざんされているのが判明し、これを受けてオーストラリアが輸入の禁止を行ったのである。MON863の欧州委員会の臨床試験では、マウスに重大な肝臓障害が生じるとこが証明されている。モンサント社の、臨床試験の改ざんは今に始まったわけではない。当ブログでも指摘した。

http://okaiken.blog.ocn.ne.jp/060607/cat7180427/index.html


モンサント社は乳牛の泌乳量を上げるための薬として、牛成長ホルモン(商品名:ポジラック)を販売している。アメリカはこの試験管内で製造されるホルモンの使用に、何の規制も加えていない。EU諸国や日本では認められていない。一般の人に分かりやすく説明すると、乳牛のドーピングである。


最近になってこの、成長ホルモン投与による牛乳の売れ行きが芳しくないのである。そこで、モンサント社はこの成長ホルモンの製造販売権を売却することにした。誠に身勝手な、多国籍企業である。


ところで、環境団体が日本政府に対して、国内で流通している遺伝子組換えトウモロコシの流通実態の公表を申し入れたが応じていない。実態が分からないまま輸入されているのではないかと思われる。


多分家畜に給与されているトウモロコシのほとんどが、MON835ではないかと推察される。生産性の高さと、抗病性が高いことは農家にとっては福音であるが、自然界になかった生物を生みだすことの危険性は、いまだ解明されていない。

http://okaiken.blog.ocn.ne.jp/060607/cat7180427/index.html

「アグリビジネスの巨人"モンサント"の世界戦略」の紹介
http://www.youtube.com/watch?v=kmwczeLR2Uw&feature=related

「農業関連大手モンサント社の恐怖の収穫」
http://www.youtube.com/watch?v=V-ESDpUrKck
http://www.youtube.com/watch?v=f58-ToNpdNo

モンサントと農民自殺
http://www.youtube.com/watch?v=246VHBgsXHo&feature=related

インドの綿花生産者自殺とモンサント
http://www.youtube.com/watch?v=sVeey_CUFW0&feature=related


21. 2011年2月13日 13:30:43: MiKEdq2F3Q

「TPP」で世界は亡ぶ(京都大学教授 藤井聡)


 我が国にはどういう訳か、「自由貿易は善」であり、その自由貿易の対立概念である「保護貿易は悪」であると、頑なに信じて疑わない人が多い。こういう人々は、例えばTPPへの加入がどれだけ我が国の国益を損ねることを明示しても、どこかで「本来は、TPPへ加入すべきなのだ」という信念を捨てきれないようである。その背景には、「自由貿易は全体の利益に繋がる一方で、保護貿易は一国の利益に資するものにしか過ぎない、したがって、保護貿易は“不道徳”だが、自由貿易は“道徳的”だ」という思いこみがあるようだ。つまり関税が存在することそのものが彼らにとって「悪」なのであり、その完全撤廃をもたらすTPPは「善」なのである。

 しかし、「過激」な自由貿易は、究極的には日本を含めた様々な国々を「亡ぼす」。それは次の理由による。


1)それぞれの国々のローカルな諸産業・諸企業は、それぞれの国々の雇用を守ると同時に、ローカルな文化、伝統、慣習を保存させる機能を持っている、

2)一方で、過度な自由貿易の導入は、それぞれの国々のローカルな諸産業・諸企業を、グローバルな諸企業との競争に晒す事を通して、衰退させ、最終的に壊滅させる、

3)それ故、「過激」な自由貿易は、各国の伝統、文化、慣習を破壊し、そして、最終的には雇用を喪失させることを通して、その国を根底から熔解させ、究極的には「亡ぼす」。


 自由貿易がこうした「亡国」のリスクすらもたらすものである以上、それを「善」と呼ぶこと自体、不道徳であると言えそうだ。

 しかし、自由貿易の「不道徳性」は、こうした「亡国」のリスクを各国にもたらすからだけなのではない。過激な自由貿易は「亡国」どころか「世界を亡ぼす」リスクを高めてしまうのだ。

 その理由は、「進化論」、とりわけ集団と個体のそれぞれでの2つのレベルでの淘汰過程を想定する「階層淘汰論」と呼ばれるものから演繹される(※)。少々複雑な論証となるが(一つ一つの論理展開は単純なものであるので)、以下にその概要を説明することとしよう。


1)我々の社会には、自分勝手な「利己主義」と、他人を思いやる協力的な「利他主義」の二種類がある。企業で言えば、金儲けの事ばかりを考え、時に顧客を裏切るような「裏切り者」の企業が「利己主義」で、金儲け主義に走らずに顧客や労働者の幸福を願う気持ちを忘れない「正直者」の企業が「利他主義」だ。

2)利他主義と利己主義が直接競争をすると、究極的には「利己主義」が勝利し、「利他主義者」が「淘汰」される(つまり、「正直者はバカを見る」)。したがって、彼らが閉じた国の中にいるなら、利他主義者は「淘汰」され、最終的にその国は「利己主義者ばかりの国」となる。

3)しかし、「国々の競争」があれば、状況は一変する。なぜなら、「利己主義者が優越する国」(裏切り者の国)では人々は協力せず、奪い合い、多くの富を生み出すことに失敗し「貧しく」なっていく一方で、「利他主義者が優越する国」(正直者の国)は、人々が協力し合い、多くの富を生み出し「豊か」になっていく。だから、「国々の競争」があれば、長い時間の果てに「裏切り者の国」は「正直者の国」に敗れ、「淘汰」されていく。

4)つまり、「個体同士の競争」では「正直者」が淘汰され、「集団同士の競争」では「裏切り者」が淘汰される。だから、世の中に「正直者」と「裏切り者」が共存しているのは、「個体同士の戦い」と「集団同士の戦い」の双方が同時に存在しているからなのである。

5)ところが、過激な自由貿易の推進、グローバリゼーションの徹底は、「国境」を熔解させ、この世界から「国々の競争」を消滅させ、「個体同士の競争」(たとえば企業間の競争)を激化させていく。

6)これはつまり、この世界に「正直もの」が生き残る重要な契機が一つ失われてしまう事を意味している。その結果、過激な自由貿易の推進=グローバリゼーションによって、世界が「利己主義者」に支配されることを加速する。つまり、グローバリゼーションによる国境の熔解によって、「裏切り者=利己主義者の暴走」に歯止めがきかなくなるのである。こうして、この世から「正直者」が姿を消し、世界は「裏切り者=利己主義者」で埋め尽くされていくこととなる。

7)その結果、世界中で裏切り合いや奪い合いが横行し、世界全体が「貧しく」なり、世界中の人々の幸福水準が大幅に低下してしまう。


 この様に、人々が協力し合い、人々が安心して豊かに暮らすためにどうしても求められている利他主義や正直者、ひいては思いやりや道徳といったものは、「個体間競争」と「集団間競争」の間の「適切なバランス」があって初めて、この世から全て蒸発することなく存続していくことが可能となるのである。


 そして21世紀の現在、そうしたバランスを保つためには「国境」は不可欠なのだ。


 国境が無くなれば、国家という次元の「集団間競争」がこの世から消滅する。そうなれば、個体間競争だけになり「正直者の企業」がこの世に生き残ることができなくなる。結果、グローバル企業だけが生き残り、世界中の人々が不幸な暮らしを強いられるようになる。

 例えば世界各国の労働分配率(売り上げに占める賃金の割合)は、グローバリゼーションが進行するに伴って、低下し続けている(例えば、中国や韓国は、その具体例だ。そして、TPPに我が国が加入すれば、我が国の国民も早晩、そうした憂き目に遭うであろうことは間違いない)。これは、労働者達の豊かな暮らしにも配慮する「正直者企業」が、グローバリゼーションの進行によって、企業利益のみを追求する裏切り者企業に敗北し、「淘汰」されていく現実を意味しているのだ。


 つまり、国境をなくす程の「過激」な自由貿易の推進は、一つ一つの国々を亡ぼすだけでない。この世界において、あらゆる次元の「正直者」を駆逐し、「裏切り者」をはびこらせることとなる。そして究極的には、TPPに象徴される過剰な自由貿易は、世界中の人々を不幸の淵に突き落とし、世界そのものを亡ぼす危険性を秘めているのである。


 これこそ、自由貿易に潜む「不道徳さ」の本質なのだ。


 だからこそ、「自由貿易はとにかく善きことなのだ」などという陳腐で軽薄な思いこみや、「平成の開国」などという、空々しい勇ましさなるものは、「不道徳の極み」と唾棄すべきものと見定めねばならないのである。そして、日本の存続のみならず、この世界の存続そのもののためにも、我々は「個体間競争と集団間競争の間の適切なバランス」、ひいては「適度な自由貿易と保護貿易のバランス」を考え続けなければならないのである。

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/


なぜ正直者は得をするのか―「損」と「得」のジレンマ (幻冬舎新書) [新書]
藤井 聡 (著)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AA%E3%81%9C%E6%AD%A3%E7%9B%B4%E8%80%85%E3%81%AF%E5%BE%97%E3%82%92%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B%E2%80%95%E3%80%8C%E6%90%8D%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E5%BE%97%E3%80%8D%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E8%97%A4%E4%BA%95-%E8%81%A1/dp/4344981375


22. 2011年2月17日 15:50:31: MiKEdq2F3Q

TPPで日本殲滅を画策する米国

元公安調査庁第二部長 菅沼光弘

米国は日本経済殲滅を果たした

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)についての議論が活発になっている。

アメリカがTPPによって何を目論んでいるかを考えるためには、この問題をアメリカの長期的対日政策の文脈で考える必要がある。


 一九九六年に解禁されたアメリカの対外的な金融・経済政策に関する公文書に基づいて、アメリカ在住の歴史家エドワード・ミラーがBankrupting the Enemy: The U.S. Financial Siege of Japan Before Pearl Harbor(邦訳は『日本経済を殲滅せよ』新潮社刊)で描いた通り、アメリカは日本が日露戦争に勝利した一九〇五年から日本との戦争に備えた計画を立て、それを実行に移してきた。それが「オレンジ計画」だ。従来その軍事戦略面にのみ焦点が当てられていたが、『日本経済を殲滅せよ』は金融・経済面に絞って、その実態を明らかにした。


 アメリカは門戸開放宣言によって、中国の主権尊重と自由貿易を列強諸国に求めていた。だが、セオドア・ルーズベルト大統領は、日露戦争に勝利した日本がアメリカの門戸開放政策に反して中国支配に向かうことを警戒していたのだ。そこで、日本との戦争を想定して、オレンジ計画を練った。その立案者たちが考えたことは、日本の包囲殲滅戦略だった。彼らは日本が工業化を進め、植民地を拡大するためには、大量の資源が必要だと考えた。そこで、関税や禁輸措置によって日本の生命線である資源輸入を枯渇させようとしたのである。

 同時にアメリカは日本を金融面で締め上げる計画を立てた。日本に対する世界中の資金提供者に対して、日本への融資を拒否するよう圧力をかけようとしたのだ。そして、彼らは一九〇六年には日本を「決定的かつ完璧な通商上の孤立」に追い込み、一九一一年には「疲弊と消耗」、一九二〇年には「経済破綻」に陥らせることができると考えた。

 実際、フランクリン・ルーズベルト政権下で財務次官を務めたディーン・アチソンはモーゲンソー財務長官と手を組んで、金融凍結案を強硬に進め、日本を締め上げた。一九四一年七月の在米日本資産の凍結は、日本が積み重ねてきた外貨準備を根底から突き崩した。結局追い詰められた日本は対米開戦に踏み切り、二発の原爆を投下され、壊滅的な打撃を受けて敗戦した。日本は、アメリカの計画通り殲滅されたのである。


アメリカの対日封じ込めは敗戦後も続いた。


アメリカの初期占領政策は、日本を軍事的にも経済的にも、二度とアメリカの脅威になる国にしないという方針によって策定された。そして、戦争を放棄する憲法を押し付け、日本の伝統を破壊し、アメリカ的な価値観を浸透させ、精神的にも日本人を弱体化させるために、教育をはじめ様々な政策を実施してきた。

 だが、東西冷戦が激化する中で、アメリカは日本を反共の防波堤にすべく、日本の経済復興を容認せざるを得なくなった。この結果、日本は廃墟の中から再び立ち上がり、見事に経済復興を果たした。日本はやがて世界第二位の経済大国となり、アメリカを凌駕するほどの経済力をつけたのだ。

歴史的にも、地政学的にも日米の対決は宿命だ再び日本はアメリカの脅威になった。
日米は歴史的にも、地政学的にも対決しなければならない宿命にある。建国以来、フロンティアを求めて西部開拓を続けてきたアメリカは一八九〇年に国内のフロンティアの消滅を発表、アジア・太平洋に視野を広げていった。やがて、中国がアメリカの次なるフロンティアとして有望視されるようになった。そのとき、それを阻むべく日本が台頭してきたと、アメリカは考えたのだ。アメリカは常にフロンティアを必要とする。そして現在、中国やインド、あるいは中央アジアがアメリカの新しいフロンティアとなっているのである。

 中国やインドは巨大な人口を抱え、またヒスパニック系をはじめとする移民の増加によって、先進国の中では唯一アメリカの人口は増加している。そこで起こってくるのは、熾烈な資源獲得競争である。中国、インド、アメリカだけではなく、ロシアも資源の獲得のために着々と手を打ってきている。

 アメリカはこうした国との競争を抱える一方、日本を極めて特異な競争相手として見ている。国土が狭く、資源が少ないにも関わらず、日本は世界最高水準の技術力に支えられて経済発展を続けてきた。例えば、現在建設が進められている東京スカイツリーの建築技術には目を見張るものがある。

 この日本の技術力が何によって培われてきたかを、改めて考える必要がある。それは、米作りを始めとする農業である。もともと稲作は南方から伝わったものであり、寒冷地には向かないものだった。しかも、日本には台風などの災害がある。日本はこうした困難な状況を克服し、米作りに成功し、きめ細かい農業の技術を発展させてきた。

 先日、千葉の農家に行ってきたが、トマト作り一つとっても、優れた農業技術が蓄積されていることが実感できる。アメリカのような大規模農業では、手間暇かけずに農産物を生産することが可能だが、日本の農業ではそうはいかない。そこに創意工夫が生まれ、技術が培われるのだ。つまり、農業こそ日本の技術力を支える根幹なのだ。日本の物づくりのDNAは農業から生まれたのだ。


TPPはわが国の技術力も破壊するTPPによる関税撤廃が実現すれば、わが国の農業は壊滅する。

関税が撤廃されて安くて、しかも良質な米が入ってくれば、日本の農業はひとたまりもない。農業だけではなく、林業や漁業など一次産業はすべて壊滅する。

 現在、我々は世界的な水不足による食糧危機にも警戒しなければならない状況にある。近年、世界各地で河川の断流や地下水位の低下など水不足が深刻化しているが、その原因の一つが、人口増加による食料生産の拡大にともなう農業用水の増大である。こうした中で、食料自給率が低下し、海外への依存が深まればどうなるか。まさに、日本は「生殺与奪」権をアメリカなどの食料生産国に握られることになる。TPPへの参加は、自殺行為だ。林業が壊滅すれば、山が荒廃し本来の保水能力も損なわれる。その結果、日本の水不足にも拍車がかかる。

 しかも、工業製品の関税撤廃は日本にとってプラスばかりではない。日本の製造業は労働賃金の安い国に工場を移転し、そこで生産して輸入した方が良いと考え、ますます国内産業の空洞化が進行し、雇用にも大きな影響を与えることになる。物づくりのDNAは辛うじて維持されてきたが、それも次第に弱体化されてしまうだろう。

 TPPには、アジア諸国の市場の争奪戦という側面もある。ASEAN+3などの経済統合が進むと、アメリカやオーストラリアはアジア市場にアクセスしにくくなる。だから、環太平洋という枠組みにアジア各国を引きずり込みたいという思惑がある。

 アメリカ抜きの東アジア共同体は中国の覇権主義に利用される危険性があるが、日本としては米中の間で強かな外交を展開する必要がある。日米安保の在り方も見直す時期に来ている。アメリカは、アジアでの軍事戦略を大きく転換した。例えば、沖縄に駐留しているアメリカ海兵隊の重要性も大きく変わりつつある。アメリカは、巡航ミサイル「トマホーク」を搭載した原潜「ミシガン」や最新鋭の高々度無人偵察機「グローバル・ホーク」をグアムに配備し、海洋活動を活発化させる中国軍の行動を抑止できるようになっているからだ。

進む日本的経済システムの破壊関税撤廃による日本の農業破壊は、アメリカの長期戦力の一面にすぎない。

アメリカは、日本弱体化のために様々な手を打ってきた。前述のような技術力の弱体化だけでなく、国家や企業の組織力を破壊しようとしている。わが国の一君万民的な家族主義を破壊することがアメリカのもう一つの主要な目標となっている。グローバルスタンダードの名のもとに、日本的経営をやり玉に上げ、家族主義的な日本企業の伝統を解体しようとしてきた。かつて家族主義の見本と言われ、雇用を守ることを大原則としてきた松下電器産業は、いまパナソニックとなり平気でリストラをする会社になってしまった。

 アメリカは、親分と子分、義理と人情というアメリカ人にはよく理解できない価値観で動く集団としての任侠団体の存在こそが、いわゆる「日本軍国主義」の温床になると考えていたのだ。そして、日本がアメリカの経済的脅威となった一九八〇年には「日米暴力団対策会議」が開かれ、日米金融戦争の障害となる任侠団体を排除するよう要請してきた。そして、一九九一年に「暴力団対策法」が制定されたのだ。

 日本独特の社会構造を破壊することがアメリカの長期的な戦略だ。司法制度改革もその側面から見る必要がある。弁護士の増員によって日本を訴訟社会に変質させようという意図があるのではないか。また、裁判員制度は平穏無事に暮らす人々の精神生活を破壊する制度だ。

 一方、一九八八年のG10(先進10力国蔵相・中央銀行総裁会議)で、BIS(国際決済銀行)規制が合意されたが、これは日本の銀行をターゲットにしたものだ。アメリカは、一九九〇年代に入ると、東京のアメリカ大使館や商工会議所に、CIAの経済分析官を入れ、日本の財政・金融の仕組みの調査を開始した。そして、まず大蔵省主導の産業振興のしくみを解体した。大蔵省の指導のもとで、国策投資銀行として、日本興業銀行などの長期信用銀行を設立し、これらの長期信用銀行から特定の産業に資金が融資されるという日本経済発展のしくみを壊すことが目的だった。

郵政民営化もアメリカの対日弱体化戦略の一環だった。

もともと我が国の郵便局は、単なる貯金、保険業務をやる機関ではなく、日本社会の一体性を担保する、重要な機能を果たしてきた。ところが、アメリカからの要求に沿う形で、小泉・竹中の郵政民営化が強行された。もしTPPに参加すれば、それに抵抗しようとする国民新党などの郵政改革も、今後再びやり玉にあがるだろう。

 二〇〇一年からは、「成長のための日米経済パートナーシップ」の一環として「年次改革要望書」がまとめられるようになった。その分野は、通信や情報技術、医療機器・医薬品、金融サービス、公共政策、流通など多岐にわたる。アメリカが年次改革要望書に記載したことが、二、三年経つと日本政府の政策になってしまうという状況が続いた。

 商法・企業法の改正、郵政民営化、司法制度改革、医療改革、建築基準法改正、独占禁止法強化、労働者派遣法改正など、アメリカの要望が実現した例は山ほどある。それらはアメリカにとって有利な改革・改正になるが、決して日本の国益に見合うものではない。

アメリカの最終的な狙いは皇室破壊だ!アメリカの要請でTPPにも引きずり出されつつある。日本はどう対応すべきか。

とにかく参加のための交渉に入ってはいけない。二国間のFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の交渉を進めながら、交渉をできるだけ長引かせるべきだ。そして、日本の農業やその他の一次産業を守るために例外措置を設けるよう要求すべきだ。アメリカは日本のTPP賛成派を支援しようとするだろうが、断固抵抗しなければいけない。


マスコミの論調はTPP賛成に傾いている。

マスコミは、TPPの本質をわかっていないのだ。それがアメリカの対日長期戦略に沿ったものであり、アメリカに日本の「生殺与奪」権を与えるものである。わが国の発展を支える技術力弱体化と密接に結びついているという事実を国民に理解させていかなければならない。

 日本のマスコミは細かいことではアメリカ批判をしても、長期的に日本の国益を損なうようなことに関しては、実にアメリカに従順になってしまう。そしてほとんどの読者や視聴者は、マスコミの報道を疑うことがない。裏にどんな意図が隠されているか思いを馳せることなく、世論は動いていく。もはや、マスコミを疑うことができないほど、日本国民の考え方が変質してしまっているのかもしれない。


アメリカの日本破壊はとどまるところがないのか。

その通りだ。最終的にはアメリカは日本の皇室をなくすことを考えている。
 アメリカはいかに中国が軍事力を拡大しようが、それほど恐れてはいない。軍事技術的な優位は維持していると考えているからだ。アメリカが本当に恐れているのは日本だ。昭和六十一年に江藤淳は『日米戦争は終わっていない』(ネスコ)において、日米戦争は持久戦であり、消耗戦であり、終わりなき戦いだと書いた。日米の宿命的な対立構造は、市場の確保を中心とする国益のぶつかり合いであるだけではなく、価値観の相克でもある。

 英国国教会の抑圧から自由を求めてメイフラワー号でアメリカに渡ったピューリタンの国アメリカでは、自由と民主主義を全世界に広げることが神が与えた使命だと信じられてきた。アメリカは自由を制限する政治経済体制を破壊しなければいけないと考えている。

 日本にもアメリカの価値観を浸透させようとしているのだ。我々は日本の国の在り方、アイデンティティーを守っていかなければいけない。一君万民の価値観は、決して欧米の価値観と共有はできない。自由と民主主義と市場経済という言葉を聞けば、これは共通の価値観と考えるが、それは政治制度であり、経済システムであって、価値観ではない。

 「民主主義」と言っても我々には、独自の民主主義があるのだ。聖徳太子が十七条憲法に盛り込んだ「和をもって尊しとなす」という精神、「一君万民」という社会観念。こういうものを基盤にした共同体がわが国の本来の姿であり、そこに日本の民主主義も成立するのだ。


アメリカによる対日戦略にどう対応していくべきか。


もし、日米が歴史的にも地政学的にも対決しなければならない宿命にあるとすれば、何よりも第一に、アメリカがどういう国であり、何をしようとしているのかをもっと研究しなければ、わが国の国益を守ることはできない。もっと徹底してアメリカの意図を調査しなければならない。外務省では得ることのできない、アメリカの裏情報を収集することだ。我々にいま一番重要なのは真のアメリカ研究である。そして、初めてアメリカに対する適切な対応策が生まれる。
http://www.gekkan-nippon.com/kiji/tok-10-12.html


23. 中川隆 2011年2月20日 12:55:11: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

TPPに関する推理

米国の本心


今週は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に関連した事項を取上げることにする。そもそもここに来て急にTPPが注目を集めたのは、菅首相が今年の6月までに日本の参加の意志を固めると言い出したからである。しかし国民の多くは、このTPPの中身や実態についてよく知らない。

このよく分らない協定に参加しようというのだから尋常ではない。ましてや菅政権が6月まで持つのかさえ不明である。もしTPP参加というものが重大な決断ならば、そんな弱体で国民の支持のない菅政権が推進することに問題がある。


TPPは、現在、シンガポール、ブネネイ、チリ、ニュージランドという4ヶ国で構成されている。いずれも経済的に小国であり、また互いの経済の繋がりはほとんどなく、協定の実態はない。少なくともこれまでは不可解な協定であった。しかし米国やオーストラリアそしてマレーシア、ぺルー、ベトナムの5ヶ国がこれに参加の意志を表明し、今年のAPECまでに妥結と結論を得ることを目標にした。米国が参加するということでTPPは俄然存在意義が高まった。

もし日本が参加するとなれば、日本と米国のGDPの合計は参加国全体の91%を占めることになる。つまり日本のTPPへの参加は、事実上、日本と米国のFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の締結ということになる。日本国内は、この種の協定でよく見られるように賛成派と反対派に別れている。


賛成派は、協定作りの最初から参加することによって、日本にとって有利な協定の枠組みができると主張する。一見、もっともらしい話である。しかし一体国内の誰にとって有利なのか賛成派は明確にしようとしない。

一方、反対派は、国際的な価格競争力に乏しい農産物の生産に頼る地方が中心になっている。話が具体的であり、反対行動が先鋭化しやすい。今後、TPP参加国が増えるにつれ、影響の大きさが明らかになると考える。例えばメキシコが参加し仮に豚肉の関税がゼロとなれば、日本の養豚業は壊滅的な打撃を受けると思われる。また反対派には、やや観念的であるがTPP参加は、関税自主権の放棄という意見もある。

このように賛成、反対の意見があるが、どれだけTPPの内容を理解しての主張か疑問な点もある。ただ後ほど述べるが、特に賛成派の軽薄さが気になる。正直に言って、筆者自身は賛否の判断をしかねている。仮に賛成するにしても、養豚業者や沖縄のサトウキビ農家が壊滅することがないような条件が整う必要があると考える。少なくとも今日のような曖昧な状態で、話だけが進んで行くことは危険である。


筆者が、日本のTPP参加の賛否に迷っているのは、協定そのものの内容が分りにくいだけでなく、米国の本心を計りかねているからである。もし仮に米国のTPPへの積極的な関与が、オバマ大統領個人の思い込みによるものならば、TPP騒動は「カラ騒ぎ」だったということになりかねない。反対に米国が本気としたなら、裏にかなり戦略的な意図があると感じられる。

ここからは筆者の推理を元に話を進めることにする。まずTPPのスタートがほとんど意味のない4ヶ国であったのも、米国の意向が陰にあったと思われるのである(米国がリードする形をあえて隠した)。しかもその4ヶ国の中には、それほど乗り気ではないニュージランドが含まれている。しかしこの米国の戦略的な意図というものは、今のところあまり報道されていないし話題にもなっていない。

いつものように「GDPに占める比率が極めて小さい農業に日本経済が足を引張られている」といった薄っぺらな農業叩きの議論ばかりである。もし筆者の推理が正しく、TPPが米国の戦略なら、日本の参加はほぼ必須と考えられる。したがってTPP参加に関しては、日本の要求をかなり飲むものと筆者は考える(つまり反対派は今のうちに大いに騒いでいた方が加入条件が有利になる)。


排除の対象国

仮にTPPが米国の戦略としても、その輪郭はまだはっきりしていない。ただ想定している参加国はほぼ決まっているのではないかと思われる。ただ不思議なことに昨年カナダが参加を打診したが、酪農などの市場開放が十分ではないという理不尽な理由で断られている。しかしカナダは米国とFTA(自由貿易協定)を結んでいるような国であり、TPP加入を断られるなんて普通考えられないのである。

筆者は、カナダに関しては順番が違ったからと見ている。やはり主導権を握りたい米国が先であり、FTA国のカナダとメキシコの加入はその次という話だったのであろう。つまりこれについては米国の意向が働いたと筆者は感じている。


韓国はTPPに興味を示している。しかし韓国は最近米国とのFTAを締結したので、それほどTPP加入を必要としていない。また米国とのFTAで国内が揉めたので、これ以上の混乱は好まないと考える。もし韓国の態度が変わるとするなら、日本のTPP加入が具体的になった時であろう。

問題は中国である。中国も当初TPPに関心を示し、色々と情報を収集したが、結果的に参加しないことを明らかにしている。筆者は、ここがTPPの一番のポイントと見ている。筆者は、TPPはどの国が参加するかではなく、どの国を排除するかが重要と見ている。

排除の対象はもちろん中国である。TPPは、関税の撤廃に加え様々な交易条件の調整を目指している。しかし中国がとてもクリアーできない事項がいくつか設定されている。例えば「技術の特許、商標などの知的財産」や「環境規制の調整」などである。筆者に言わせれば、これらは中国の加入を阻止するための意図的に潜り込ませた項目と見られる。


中国は、WTO加盟後、急速に輸出を伸ばし、国力を付けた。そもそもWTO加盟に際して、中国は警戒され、色々な付帯条件がついた。例えば中国の急激な輸出増加には、輸入国側にセーフガードの設定が認められた。しかし中国によるダンピングまがいの輸出が、今でもしばしば米国で問題になっている。また環境無視の開発で、レアアースの生産で世界的な独占的地位を築いたりしている。

異常な人民元安も一向に是正される気配がない。中国は、日々の通貨管理目標をほんの少し高くしたり、米国から航空機を購入すると言った政策で、人民元安を誤魔化している。このように国際協調というものを全く顧みない中国を、世界はWTOという自由貿易の枠組みに取込んだのである。しかしようやくこの間違いに世界は気付き始めた。


筆者は、TPPを中国を牽制するための一つのカードと理解している。また中国もTPPが中国を封じ込める枠組みと気付き、不参加を言明したと推理される。今、筆者は、どのような国が次にTPP参加を表明するのか注視している。

筆者が特に注目するのは、中国との関係が深い台湾とインドネシアである。もしTPPというものが筆者が推理するものであるなら、当然、中国は加入予定国に圧力を掛けるものと思われる。これまでTPPの準加盟国であったベトナムが、最近、トーンダウンしているという話である。何となく中国の影を感じる。


もちろん筆者の推理が間違っていることも有りうる。その場合にはTPPは、頭がおかしいグローバリズムの信奉者達の単なる思い付きの産物ということになる。しかしその場合には、日本にとって、TPPは全く参加する価値がないものになる。ただでさえ日頃から筆者は、日本の他国に依存しない国造りを主張してきたほどである。

http://www.adpweb.com/eco/eco650.html

関税以外の貿易障壁


WTOの弱体化


現実の経済を理論的に論じることは難しい。ましてや話が世界に及ぶと、整合性を持って経済を語ることが一段と困難になる。そのような事もあってか、中には議論の混乱を見越し、自分達にとって有利な政策を実現したいがために、とんでもない虚言・妄言を発する人々が出てくる。

TPPの議論に関しても、根拠が薄弱な意見がまかり通っている。例えば自由貿易こそが、日本にとって(日本だけでなく世界のどの国にとっても)極めて好ましいと主張する人々がいる。彼等はTPP参加こそ唯一正しい選択とまで喧伝する。

また日本のマスコミ人には「日本は貿易立国だ」という強い思い込みがある。彼等は経済が成長するには輸出を伸ばすことしかないとさえ思っている。しかし日本が高度経済成長していた時代は、主に内需が増えていた。むしろ低成長になってから、日本経済は外需に依存する度合が大きくなったのである。これについては来週取上げる予定である。


このように自由貿易で交易が活発になることによって、経済が成長すると思っている人が多い。この理論的根拠の一つがリカードの「比較優位の原理」であり、本誌は02/7/22(第261号)「中国の不当な為替政策」でこれを取上げた。

http://www.adpweb.com/eco/eco261.html


しかしこのリカードの理論は供給サイドだけで経済の成長を捉えている(需要は無限で生産したものは全て消費されるといった前提)。交易によって余った生産要素が他の物の生産に振り向けられ、経済が成長するといった理屈である。つまりデフレ経済の今日の日本には全く当てはまらない幼稚な経済理論である。

しかし教科書でこのリカードの「比較優位の原理」を学んだ学校秀才は、いかなる時にもこの理論が適合できると思い込んでいる。そしてこの自由貿易の障害が、関税であったり、また非関税障壁と呼ばれている補助金や各国の規制と考えている。

中でも最大の交易の障壁が関税という認識である。したがって関税撤廃を目指すTPPは、自由貿易の信奉者に熱烈に歓迎されている。しかしリカードの「比較優位の原理」が唱えられたのは、18、19世紀の牧歌的経済システムの時代を前提にしている。また後ほど述べるが、今日では関税以外の大きな貿易の障壁があることが常識になっている。


しかし第二次大戦後、自由貿易を推進する人々が常に問題にしたのが、この関税であった。GATT(関税と貿易に関する一般協定:WTOの前身)やWTOのメインテーマも関税であった。関税は単純であり目に見えやすいためか、これまでの交渉である程度まで引下げが実施されてきた。しかし補助金や規制などのその他の保護政策に話が及ぶと各国の利害がもろにぶつかり、話が進展しなくなった。


このため各国は、妥協が見込める国とのFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の締結に走り出している。しかしこれは一種の抜け駆けであり、世界中の国の一斉の貿易自由化を目指すWTOの精神に反している。FTAやEPAが結ばれる毎に、今日、WTOは弱体化している。

筆者は、今後の世界の貿易体制は、TPPに見られるようなグループ化による保護貿易と見ている。ところが自由貿易信奉者は、WTOの弱体化については何もコメントしなくなった。おそらくこれも、彼等の頭の中が混乱しているからであろう。


現行、日本の工業品の輸入関税率はほとんどゼロに近い。つまりTPPに加入した場合、相手国の関税が基本的にゼロになるのだから、輸出企業にとって極めて有利になる。したがって輸出企業に携わっている人々がTPPに賛成なのは理解できる。

ところでこれまで規制緩和や郵政改革などの改革運動では、幼稚な観念論者と強欲に自分の利益を求める者が結び付いていた。筆者は今回のTPP推進派にも同じ匂いを感じる(リカードの「比較優位の原理」などを信じるような観念論者と輸出で利益を得ようする者)。しかし今回は彼等がとんでもない矛盾を抱えそうである。


シー・シェパードのような説得不能な国


貿易の障壁が関税だけでないことは周知の事実である。WTOでも知的所有権といったものが問題になっている。しかし知的所有権は法律だけで縛れるものではない。その国の国民性というものが関係してくる。

先週号で取上げた環境問題も、今日、大きな障壁になっている。中国のように環境を無視する国は、環境を気にせず低コストで製品を製造し輸出することができる。しかし自由貿易の信奉者はこのような問題から逃げている。

しかし何度も繰返すが、筆者は、今日、世界貿易で最大の問題は為替操作と考えている。中国は大きな貿易黒字を続けながら、いまだに購買力平価の4分の1、5分の1の為替レートを維持している。実際、貿易の障壁の話なら、為替操作に比べれば関税なんて霞んでしまう。しかし為替操作はWTOで問題にならないし、自由貿易主義者も触れようとしない。


本誌は、昔、1人民元が1ドルだったことを指摘した。つまり1人民元が360円だった時代もあったである。今日の人民元レートは、対円で30分の1に減価しているのである。世界最大の貿易黒字国の通貨が、購買力平価の4分の1、5分の1でしか評価されていない異常な事態が起っている。

訳の分らない評論家は「東京の中国人のアルバイトはよく働く」、一方「日本の若者はニートとなって引きこもっている」と発言している。彼等の考えでは、これが日本経済の低迷の原因らしい。しかし中国人のアルバイトとっては、中国の所得水準が低いことに加え、人民元が購買力平価の何分の1に維持されていることが大きい。

反対に日本の円が購買力平価より高く推移していることを考慮すれば、東京でのアルバイトの時給は、中国人にとって6,000〜7,000円程度に感じられるのである。時給が6,000〜7,000円ということになれば、日本の若者も目の色を変えて働くはずである。ニートも半減するであろう。

韓国も、近年、為替操作が目立つ国の一つである。KーPOPタレントの本国での低賃金が話題になっているが、これも彼等が日本に進出したことによって気付いたことと思われる。筆者は、これも少なからず韓国の為替操作が影響していると考える。


今日、一番のTPPの推進者は大手の輸出企業である。輸出企業がCMスポンサーとなっているため、メディアも概ねTPPに賛同している。しかしTPPはとんだ問題を孕んでいる。

これは先週号でも述べたように、TPPが中国排除を意識したものと見られるからである。既に中国に生産設備を移した企業にとって、このことが将来痛手になる可能性がある。せっかく中国を世界の輸出基地にしようと思っていた企業にとって、これまでの中国での設備投資が無駄になるのである。


TPP推進の母体である財界にも、中国との親密な関係を望む者が多い。しかし、今後、彼等はTPPを取るか、中国を取るかの選択に迫られる可能性がある。TPPの内容を見れば、両方を同時に取る(具体的には中国のTPP加入)ということはほぼ不可能である。

筆者は、日本のTPP参加の是非について、判断に正直迷っている。もし農業などへの悪影響が最小限に抑えられるのなら、TPP加入もしょうがないと思う今日この頃である。貿易を含め、国同士の付合いは、最終的には、国民同士の価値観の相違ということになると筆者は考える。

国民の価値観の違いが一定の範囲にある国だけがTPPに参加するのなら、筆者は日本もこれに加入しても良いと考えるようになっている。それにしても日本の周りは、領土問題に見られるようにデリカシーのない国ばかりである。日本はまるでシー・シェパードのような説得不能な国に取り囲まれているのだ。TPPに活路を見い出すのも悪くないかもしれない。もちろんTPP加入の目的は、自由貿易信奉者のそれと大きく異なる。

http://www.adpweb.com/eco/



24. 2011年2月22日 09:58:45: MiKEdq2F3Q

全分野で動く日本解体計画


 菅内閣の行政刷新会議、規制・制度改革に関する分科会は1月26日、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を進めるために必要な規制緩和や制度見直し、合計249項目を列挙する「中間とりまとめ」を公表した。その膨大な内容の全体を見て明らかなことは、TPPというものが個別の産業の利害をこえて、一切の規制を撤廃させて外資が日本市場に殴り込み、日本民族を存亡の淵に立たせる大問題をはらんでいるということである。

 同分科会は、

@グリーンイノベーション(風力や地熱発電など新エネルギーのための技術革新)、

Aライフイノベーション(医療・介護・保育の改革)、

B農林・地域活性化、また

Cアジア経済戦略として人材、物流・運輸、金融、IT、住宅・土地の5つの分野の提言を網羅している。


 今、日本では働く者に職がない。それは企業のグローバル競争のためのコスト削減といって非正規雇用を増やし、もうからないと首を切り、安い労働力を求めて工場を海外移転させ国内を空洞化させているからだ。こうして産業振興・雇用確保が切実な要求となっているとき「中間とりまとめ」がアジア経済戦略として第一にあげているのが「外国人材の活用」「そのための在留資格の緩和」、つまり低賃金の外国人労働者を日本にどんどん連れてきて、日本を移民国家にすることである。

 これまで日本は、フィリピン、インドネシアとEPA(経済連携協定)を結び、看護師や介護福祉士の受け入れを進めてきた。それを今後はEPA締結国以外にも広げるとしている。すでに昨年11月には、外国人の歯科医師や看護師に対して就労年数の制限を撤廃している。

 菅内閣の「新成長戦略」は、新幹線や高速道路、原発などの建設とその後の管理・運営をパックにした「パッケージ型インフラ」をアジアに輸出してもうけようとしているが、そのさい現地下請企業から外国人を日本に連れてきて技術研修させることを可能にする法整備もあげている。また、外資の日本への投資を促進させるための措置も盛り込んでいる。

 次に「世界的なヒト・モノの流れの阻害要因となっている物流・運輸分野の規制を大幅に見直す」として、航空と内航海運におけるカボタージュ規制の見直しを明記している。カボタージュ制とは、国の沿岸や河川を走る内航船舶、国内航空路線の航空機は自国籍、自国乗員に限るとするもので、国益を守る制度として国際的にも確立している。国際法上、戦時や大震災などの非常時に外国人乗務員は任務を拒否できると認められているからだ。その規制を緩和し、外国人乗組員だらけにすることは「主権国家としての自殺行為」だといわれている。

 さらに航空分野では、国の空港整備特別会計を廃止し、成田国際空港をはじめ空港・管制の独立採算化・民営化をおこなうこと、空港発着枠を競争入札によって配分すること、国内航空運賃の自由化、空港発着回数や滑走路使用時間の規制緩和、そして外資規制の撤廃が盛り込まれている。現在、世界では投資ファンドなどが民間空港ビジネスを展開しており、滑走路や管制などの航空系施設とターミナルビルなどの商業系施設との一体的経営をおこない、もうけ第一のコスト削減競争にしのぎを削っている。

 こうしたことが進むなら、日本のさらなる産業空洞化と大量失業は目に見えており、空や海の安全性も脅かされ、大惨事すら危惧(ぐ)される事態となる。


 食料確保もできぬ危機 農地も漁場も食い物


 農林漁業について見ると、ここでも国の責任を放棄して、民間大企業や外資が自由に参入することができるような規制撤廃を徹底させている。市場原理による日本の農林漁業の根絶やしである。

 農業では、「農業の成長産業化」といって、「農業者の高齢化等により存続が危惧(ぐ)されている」農地の流動化・集約化を促進し、農協や農業生産法人などとともに民間企業が農地の有効利用をおこなうようにするとのべている。農政事務所(旧食糧事務所)業務の民間企業への委託を進める、農協の信用・共済事業部門を独立させる、などを提言している。また「クリーンエネルギー導入」の項で、これまで公益性がないと認められなかった第一種農地の転用を認めるよう、規制緩和することを求めている。

 林業については、国有林の路網設計・間伐にかかる計画、市場への木材の搬出など経営全般を一括して民間委託することや、規模の大きい経営体が共同して民有林を大規模に集約し、木材生産・販売の合理的経営をおこなうことを認める規制緩和が盛り込まれた。また「クリーンエネルギー導入」の項で、民有林を開発するさい、これまでは地権者全員の同意書が必要だったが、その規制を見直すとしている。

 漁業では、「わが国の漁業者は“水産資源も漁場も自分たちのものだ”との意識をいまだに持っているが、海外の漁業国では“自国内の水産資源は国の財産である”と法的に位置づけている」として、この観点から漁業法および水産業協同組合法(水協法)を早期に改定する、水産資源を回復させるまでの期限と目標を決め、魚種と海域ごとに漁船の削減、休漁および操業隻数を明示する、都道府県計画の策定は知事がおこなうものとする、すべての指定陸揚げ港には漁業監督官ないし科学オブザーバーを配置して、すべての漁獲物の漁獲量を検査する、とした。

 また漁業協同組合について、漁業権の運営や組合員の資格に対する厳正な審査を実施し、漁業法に照らして、漁業権の設定の停止、水協法に該当する条件を満たさない組合員の排除、組合員数を満たさない組合の解散などをできるだけ早期に徹底する。公有水面埋立法は、「成立から90年たって時代にそぐわなくなった」「国土開発や埋め立ては漁業者のみの同意でやるべきものでなく、関係する住民の同意を得てやるべきもの」だとして、同法の漁業権者への補償に関する条項を廃止する、とした。

 日本の漁業者から漁業権をとりあげるというようなファッショ的な規制撤廃は、日本の大企業のみならず、外資や米軍基地が日本の沿岸を好き放題に埋め立てて利用することができることを意味する。日本の農地も森林も漁場も外資の食いものにされ、民族絶滅となりかねない。農漁業を振興させ森林を整備することは、日本民族の食料を確保し国土を保全するという点からも日本社会の存亡がかかった重大問題であるが、菅内閣はアメリカのいいなりになってそれをぶっつぶそうというのである。

 営利優先の民営化促進 学校、図書館、住宅も


 「地域活性化」をめぐっては、「PFI制度の積極的な活用」とそのための法整備をあげている。PFIとは、国や自治体のハコモノ建設をともなう公共事業(病院、学校、図書館、老人福祉施設、公営住宅など)において、建設だけでなく管理・運営にも民間企業が参入するもので、そこでは民間企業のもうけ第一となって職員の非正規雇用化が進み、行政の社会的責任が放棄されていることが問題になっている。

 また、「民間の力を最大限活用して公共施設を維持・管理する」とし、たとえば民間業者が公園を整備したら容積を割増しするなどのインセンティブ(刺激)を与えるとした。

 「金融」では、「金融産業自身が成長産業として経済をリードする」ことをめざすとし、「デリバティブ(金融派生商品)取引規制の見直し」「銀行の子会社の業務範囲の拡大(リース子会社等の収入制限の緩和」「投資法人への減資制度の導入によるJ―REIT市場の活性化」などをあげて再びバブルを煽っている。昨年10月には日銀が不動産投資信託(REIT)の買い取りを表明。銀行が行政に介入して不動産開発を煽り、税金をむさぼる事例が全国で増えている。

 関連して「住宅・土地」では、「新しい投資がおこなわれやすい社会を創る」ことを目標に掲げている。そして、老朽化が進むマンションの建て替えを促進する(築50年以上のマンションは現在の1万戸が30年には約90万戸になる)、そのため借家の明け渡しを望まない借家人を「スムーズに」追い出すために借地借家法を見直して、「建物の老朽化や耐震性、再開発」という理由があれば強制的に排除できるよう法律を改定する、としている。

 日本をギャンブル大国にする「民間事業者によるカジノ解禁」も盛り込んでいるが、すでに東京都知事・石原や大阪府知事・橋下らによってカジノ誘致合戦がくり広げられている。

 「商業」では、すでに大店法改定による規制緩和で零細商店のなぎ倒しが進められてきたうえに、今度は全酒類卸売業免許の規制を緩和するとしており、ここに外資が殴り込みをかけようと狙っている。


 介護施設の整備もせず 高齢者福祉も切捨て


 「医療・介護・保育」については「社会保障制度を財政面を含めて抜本的に見直す」とのべている。

 医療では、「医療機関および医薬品・医療機器の広告規制を原則自由化」し、患者に医療機関を「自由に選択」させるとともに、医療法人の合併・再編を進める。営利法人の役職員が医療法人の役員になることを認めるよう規制緩和をおこなう。また、「わが国が諸外国と比較して人口当たりの病床が多いことは事実」だといって、一般病床を削減するための病床規制の緩和・撤廃をおこない、一般病床の在院日数をさらに短期化する。また、医薬品をインターネットで販売できるように規制を緩和し、同時に店頭販売も、電話やファックスで遠隔地の薬剤師から情報が得られるという条件で、薬剤師の常駐義務を撤廃する。これでは住民の生命を守る地域医療の全面崩壊となりかねない。

 介護では、介護保険制度導入から10年、特別養護老人ホームの待機者が42万人ともいわれるなか、施設を整備することはせず、逆に「すべての人が個個の能力に応じて自立するということを念頭においた支援」といって、「訪問看護」や「在宅における看取り」を重視した態勢づくりを進めるとのべている。すでに菅内閣は介護保険制度を改悪し、要支援認定の高齢者を保険給付の対象からはずし、ボランティアまかせの安上がりの保険外サービスに置き換えて、介護給付を削減する高齢者福祉切り捨てのしくみをつくろうとしている。

 さらに保育では、「利用者ニーズに即した子育てサービス」といって民間事業体の参入を促すとしている。これもすでに菅内閣の「幼保一体型の子ども園」構想として進んでおり、それはすべての子どもに保育を保障することを義務づけたこれまでの児童福祉を転換して、「保育サービス」を売る営利事業化するものである。


 以上のことが示すことは、菅内閣がTPPに参加するという意味は、日本の製造業も農林漁業も壊滅させ、日本を今以上の大量失業社会にすることであり、医療・介護・保育や行政の公共サービスは民間のもうけの場となって、外資がそこに参入して食いつぶし、国民は切り捨てられる。小泉・竹中の新自由主義で日本社会はデタラメになったが、菅内閣はそれ以上のもっと徹底した規制の撤廃で、アメリカのいいなりになって日本社会を解体しようとしているのである。そしてこうした計画が国民に知られるのを恐れ、明らかにしないまま各分野でこっそりと先行実施している。

 TPPによる日本解体計画は、たんに農業だけでなく日本社会の全分野に及んでおり、その全分野で人人の立ち上がりを促すことは必至である。労働者、農漁民、商店主、青年、婦人、学者や文化人のたたかいが、根源の敵に向けて大合流する趨勢は避けられない。

http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/zennbunnyadeugokunihonnkaitaikeikaku.html

TPP アメリカの本当の狙い 東谷暁

http://www.youtube.com/watch?v=XD-nv0sfbxQ
http://www.youtube.com/watch?v=KwoGAtMfbUg&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Lq37d8FbZyI&feature=related


25. 2011年2月23日 17:48:23: MiKEdq2F3Q

ビル・トッテン 公正もたらす“自由”


自由貿易が国家にどのような影響を及ぼすのか、NAFTA(北米自由貿易協定)締結後のメキシコをみるといい。

1994年のNAFTA発効以後、アメリカからメキシコへのトウモロコシ輸出量は3倍以上に増えた。メキシコでトウモロコシを作っていた農家は大打撃を受け、雇用は減少し、貧困が急増したのである。

トウモロコシを作っているアメリカの大規模農場は高額の補助金をアメリカ政府から受けている。実に農家の収入の3割は補助金というのがアメリカの平均である。この不公正貿易が自由貿易の真実なのだ。

http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1194935_629.html

TPPと同じ自由貿易協定であるNAFTAによって、アメリカからのメキシコへのトウモロコシ輸出量は3倍以上に増え、メキシコのトウモロコシ農家は大打撃を受けた。

これはアメリカ政府がトウモロコシを作る大規模農家に補助金を出しているためで、自由貿易ならぬ不公正貿易によって、メキシコの農家は税金で補助された安いトウモロコシと競争しなければならなくなったのである。

最近のアメリカ中間選挙で課題の一つとなったのは不法移民だったが、危険を冒してまで不法に入国し、低賃金でも働きたいと思うのはどんな場合だろう。なぜ多くのメキシコ人がアメリカへ不法に入国するのか。その一つの理由がNAFTAにある。

メキシコにとって、NAFTA導入の謳い文句は、国営企業や政府の規制が強いメキシコがそれを自由化し、関税を撤廃して工業製品の輸出国となれば経済が繁栄する、というものだった。しかしNAFTA導入当初こそ製造業は成長したものの、雇用の増加には至らなかった。農業分野での失業者数がそれを上回ったためである。そして投資の自由化で外国企業の参入、企業買収が相次ぎ、結局メキシコ経済が浮上することはなかった。

このNAFTAで成長した企業の一つに、スミスフィールド・フードというアメリカ系多国籍養豚会社があり、カリフォルニアとメキシコの両方に工場を持つ。メキシコでは農家を廃業したメキシコ人を安く雇い、アメリカから安く輸入した飼料を餌に養豚をして、同社はメキシコ一の豚肉会社になった。

このような形でアメリカ農家への補助金は多国籍企業に利点を提供している。

またメキシコには厳しい環境規制もないため、スミスフィールドの養豚工場では多くの豚が狭い不潔な場所に入れられ、周囲に悪臭が広まってもなんの問題もなかった。一昨年、メキシコで数十人の死者をだした豚インフルエンザが、この工場がある町で起きたのも偶然ではないだろう。


NAFTA施行のあと、アメリカからメキシコへの食糧輸出は主食であるトウモロコシをはじめ、大豆、小麦、米、そして豚肉、鶏肉、牛肉が急増したという。これらアグリビジネスはすべてアメリカ政府から多額の補助金を受けており、補助金のおかげで生産コストよりも安く海外に輸出できる。これはWTOが定義するダンピングにあたる。


NAFTAが約束した製造業の成長もなかったし、多国籍企業がその工場をメキシコよりも安価な労働力の国に移転することで、メキシコに多くの職がもたらされることもなかった。そして穀物価格が下がっても、トウモロコシ粉は大手2社が独占していたために、メキシコ人の主食であるトルティーヤの値下げにはつながらなかった。むしろ、2007年には価格が暴騰し、暴動も起きたほどだった。


結局、NAFTAは独占と集中をもたらし、勝者はメキシコ市場を手にしたアメリカ企業、多国籍企業だった。菅首相と財界が推進するTPPは、日本にメキシコと同じ道を辿らせようとしているようである。

http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1195202_629.html


1992年に米国、カナダ、メキシコで結ばれた北米自由貿易協定の場合、米国のマスコミは、今回、日本のマスコミが行っているような、バラ色の未来を宣伝していた。

ニューヨーク・タイムズは「仕事と富と経済の活発化」を約束していた。さらに「低所得層の助けになる」と説いた。
ワシントン・ポストは「好機と利益は数えきれない」と書いた。
ウオールストリートジャーナルは「物価が安くなる」と説いた。

http://www.fair.org/index.php?page=1396


経済政策協会が1997年に出した報告書では、米国に於いて、推進者が主張した20万人の雇用は生み出されず、逆に42万人の雇用が失われた。

さらに海外移転を理由に給料や労働条件が低く押さえ込まれた。

日本のマスコミは、製品の競争力が強くなり貿易が増えるので雇用も増えると宣伝するが、米国からメキシコへの海外移転を阻止することはできなかった。

(例に出される自動車工業は、米国内に工場を持っている。さらに、米国の不況で今後、販売台数の伸びも期待できない。)

メキシコでは1993年から2年間で失業者は倍増した。1996年の労働者の給料は1980年より37%下がった。労働人口の19%は最低給与以下で働き、66%の労働者には何の保障もなかった。人口に占める最貧層が32%から51%に拡大した。800万人が中間層から貧困層に落ちた。カナダでは失業率は高止まりのままだった。

http://www.epi.org/publications/entry/studies_failedexp/


26. 2011年2月24日 22:37:59: MiKEdq2F3Q

岩上氏が首藤信彦議員とTPPの件についてインタビュー

生配信中
http://iwakamiyasumi.com/archives/4661

首藤信彦 TPPのひみつ
http://www.youtube.com/watch?v=GqqUieLxtBY


27. 2011年2月26日 22:29:21: MiKEdq2F3Q

関岡英之

【TPP】マスコミ論調の嘘、パフォーマンスに走る民主党[桜H23/2/25]
http://www.youtube.com/watch?v=hkIzxGg_9r8

【眼前百事】日本の食糧事情とTPP問題[桜H23/2/25]
http://www.youtube.com/watch?v=e6DnbyDsFiU


28. 2011年2月27日 13:03:17: MiKEdq2F3Q

【1/3【討論!】TPP問題と日本の行方[桜H23/2/26] 】
http://www.youtube.com/watch?v=gE_Bqxr0RsA&feature=youtube_gdata

【2/3【討論!】TPP問題と日本の行方[桜H23/2/26] 】
http://www.youtube.com/watch?v=8P23rTqvGgk&feature=youtube_gdata

【3/3【討論!】TPP問題と日本の行方[桜H23/2/26] 】
http://www.youtube.com/watch?v=TU1nEPkcIMA&feature=youtube_gdata


29. 2011年2月27日 22:06:13: MiKEdq2F3Q

宇沢弘文氏おおいに語る 

菅の「第三の開国・TPP」に鉄槌


安政の大獄(英米の圧力に屈し、日米修好通商条約締結後に起きた明治維新までの一連の流れ)が日本の第一の開国と位置づけた時点で、菅直人は売国政治家であることが窺い知れる。外圧に屈し、国体の姿を変えさせられる事を彼は「開国」と捉えるのだから阿呆である。

この恥を決定的にしたのが第二の開国と位置づけた「敗戦」である。米国に完膚なきまでに叩きのめされ、東京大空襲で10万人、広島・長崎に原爆を投下され、「開国」させられて、嬉々として屈辱の歴史を受け入れた菅直人は、最期にダボス会議で、TPPが第三の開国だと口走った。すべてが、外圧による我が国の敗北と云う事だ。

第一、第二の歴史的事実には多くの検証が必要だろうが、日本を世界の先進国(英米)が包囲する形で起きた部分も多く、一概に当時の指導者を糾弾する事が妥当かどうか判断がつかない部分がある。しかし、TPPを通してアメリカの完璧な統治国となる選択をもって、開国と言うのは狂気である。

第一、第二の不平等条約が締結された状況には、日本の後進性。弱小性が歴然としていたので、致し方ない締結事情も存在したであろう。しかし、今回の米国の統治国家に成り下がるTPP協定は、自ら飛び込む不平等条約である点で、狂気の選択だ。 昨日のビデオニュース・ドットコムで、ノーベル経済学賞に最も近かったが、反米的で受賞を逃したと言われる東大名誉教授・宇沢弘文氏のインタビューは歴史を遡りながら、TPPの不平等性を語っている。


マスメディアが嫌う学者こそ真実を語っている。否、米国の思惑を指摘する学者にこそ、真実に迫る論理性を見いだせる。是非、視聴する事をお勧めしておく。

「杉並からの情報発信です」様ブログに、宇沢氏に関する適切な情報があったので、一部抜粋掲載させていただく:


素晴らしい本に出会いました。宇沢弘文・内橋克人著「始まっている未来」(岩波書店刊\1470))です。

素晴らしい経済学者がおられます。東京大学名誉教授の宇沢弘文先生です。

宇沢弘文先生は今年82歳。米国滞在が長くミルトン・フリードマンがいた新自由主義の総本山シカゴ大学で経済学部教授としてフリードマン理論に反対する「新古典経済理論」を研究し教鞭をとられていた方です。

長年の研究成果に対して1997年に文化勲章を受賞されています。宇沢弘文先生は日本人経済学者の中でノーベル賞に最も近い学者と言われていますが、なぜか日本では一般的に知られていません。なぜならば先生は「日本は米国に搾取されている植民地である」と公然と主張されているからです。

現在の日本の大苦境の原因は米国に強要され実行された「無駄な公共投資630兆円」であると主張されているからです。日本の大手マスコミは意図的に先生の主張を報道しませんし経済学者は無視しているからです。

著書「始まっている未来」の中の「日本の植民地化と日米構造協議」の部分を下記に転載しますので是非お読みください。


現在日本が陥っている「10年ゼロ成長」「10年デフレ」「巨額な国家債務」「夕張の悲劇」の真の原因は、米国が海部政権に強要した「日本経済の生産性を上げるために使ってはいけない」630兆円の「無駄な公共投資」だったことが良くわかります。


【宇沢弘文・内橋克人著「始まっている未来」より抜粋】


▼ 日本の植民地化と日米構造協議 (P41−P45)


宇沢

日本の場合、占領政策のひずみが戦後60年以上残っている。アメリカの占領政策の基本政策は、日本を植民地化することだった。そのために、まず官僚を公職追放で徹底的に脅し、占領軍の意のままに動く官僚に育てる。同時に二つの基本政策があった。

一つはアメリカの自動車産業が戦争中に自らの利益を度外視して国のために協力したという名目をつくって、戦後、日本のマーケットをアメリカの自動車産業に褒美として差し出す。

もうひとつは農業で、日本の農村を、当時余剰農産物に困っていたアメリカとは競争できない形にする。

ポスト・ベトナムの非常に混乱した時代を通じて、アメリカは経常赤字、財政赤字、インフレ―ションの三重苦に苦しんでいたが、とくに対日貿易赤字解消に焦点を当てて、円安ドル高是正を迫ったのが、1985年のプラザ合意でした。

しかし、その後も、日本企業は、徹底的な合理化、工場の海外移転などによって高い国 際競争力を維持しつづけて、アメリカの対日貿易赤字は膨らむ一方だった。そこでアメリカ議会は「新貿易法・スーパー301条」を制定した。これは、もっぱら日本に焦点を当てて、強力な報復・制裁措置を含む保護政策の最たるものです。

それを受けて、1989年7月に開かれた日米首脳会談で、パパ・ブッシュ大統領が宇野首相に迫ったのが、「日米構造協議」の開催でした。それは、アメリカの対日貿易赤字の根本的な原因は、日本市場の閉鎖性、特異性であるとし、経済的、商業的側面をはるかに超えて、社会、文化など含めて日本の国のあり方全般にわたって「改革」を迫るものでした。

日米構造協議の核心は、日本のGNPの10%を公共投資にあてろという要求でした。しかもその公共投資は決して日本経済の生産性を上げるために 使ってはいけない、全く無駄なことに使えという信じられない要求でした。

それを受けて、海部政権の下で、10年間で430兆円の公共投資が、日本経済の生産性を高めないような形で実行にうつされることにになったのです。

その後、アメリカから、それでは不十分だという強い要求が出て、1994年にはさらに200兆円追加して、最終的には630兆円の公共投資を経済生産性を高めないように行うことを政府として公的に約束したのです。

まさに日本の植民地化を象徴するものです。ところが、国は財政節度を守るという理由の下に地方自治体に全部押し付けたのです。地方自治体は地方独自で、レジャーランド建設のような形で、生産性を下げる全く無駄なことに計630兆円を使う。

そのために地方債を発行し、その利息の返済いは地方交付税交付金でカバーする。ところが、小泉政権になって地方交付金を大幅に削減してしまったため、地方自治体は第三セクターをつくったものは多く不良債権化して、それが自治体の負債となって残ってしまったわけです。

630兆円ですからものすごい負担です。その結果、地方自治体の多くが、厳しい財政状況にあって苦しんでいます。日本が現在置かれてい る苦悩に満ちた状況をつくり出した最大の原因です。


内橋

押しつけられた地方財政の赤字、それを住民への行政サービスのそぎ落としによって埋め合わさせる。「みせしめの夕張」が必要だったわけですね。


宇沢

そういう政策を見ていると、日本は完全に植民地というか・・属国ならまだいいのです。属国なら一部ですから。植民地は完全に搾取するだけのもです。それがいま大きな負担になっていて、救いようのない状況に陥っているわけです。社会的共通資本のいろいろな分野、特に大気、教育、医療が徹底的に壊されていくことに対して、たとえば内橋さんがずっと正論を20年も主張されているときに、同僚の経済学者たちがそれを揶揄したり批判したりする流れがあるのは、私は経済学者の一人として黙ってみていられない。

経済諮問会議も制度的な問題があるのではないでしょうか。首相自らが諮問し、首相自らが議長の諮問会議で議論して、答申を出す。それが首相自らが 議長の閣議に出されて、自動的に決定され、政府の正式な政策となる。ヒットラーが首相となって権力を握ったときとまったく同じ方法です。


内橋

官邸独裁ですね。世界で初めて「生存権」をうたい、もっとも民主的とされたワイマール憲法のもとでヒットラーが生まれました。政治的独裁の危険に通じます。いま、先にも触れました経済学者の中谷巌氏が市場原理主義からの「転向」「告白」「懺悔」の書を発表し、話題になっておりますが、気になるところもありますね。

アメリカでは競争万能の市場原理主義が社会の激烈な分断と対立をもたらしました。「喉元をかき切るような競争」のはてに共同体が崩れていく。そこで失われた絆とか人間信頼の輪を取戻し、社会統合を回復すべき、と唱えて登場したのがネオ・コンと呼ばれる「新保守主義」でした。

中谷氏は今回の著作「資本主義はなぜじかいしたのか」(2008年集英社インターナショナル刊)のなかで、「古き良き日本」を回復すべき、と説いておられるように見えます。


昔の日本企業には人間相互の信頼とか絆があった、自分たちのやってきた規制緩和万能、市場原理主義がそれを破壊したのではんせいしている、そういった筋書きです。だから、古き良き日本型経営に戻ろう、と。そういうお気持ちなのでしょう。
ですが、かつての日本は企業一元化社会であり、官僚絶対優越社会でした。企業に対してロイヤリティー(忠誠心)を差し出し、献身を誓わなければ排除され、排除されれば社会的にも排除される。

そういう企業一元支配社会にはほんとうに 人間的な絆があったのか。そうではないでしょう。規制緩和、市場原理主義という幻想から、今度じゃ古き良き日本的経営という幻想へ。願わくば、幻想から幻想へと飛び跳ねる思想転向ではないことを、説井祈りたい気持ちです。 

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/38048380fe46be75e51a5bfbd1bb6412
http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/5ed5cea14cf40fa3e9252965c67892f1


30. 2011年2月28日 10:05:50: MiKEdq2F3Q

パックス・アメリカーナの惨めな走狗となって 宇沢弘文


◆TPP参加が意味するもの


 日本が現在直面している最も深刻な問題は、菅直人首相自ら「平成の開国」と叫んで、積極的に進めているTPP参加に関わるものである。

 TPPは、2006年5月、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国の間で締結された自由貿易協定を広く環太平洋地域全体に適用しようとする。2015年までに工業製品、農産物、金融サービスなどすべての商品について、関税、その他の貿易障壁を実質的に撤廃するだけでなく、医療、公共事業、労働力の自由化まで含めて、究極的な貿易自由化を実現することを主な目標に掲げて、政府間の交渉を進める。これまでオーストラリア、ペルー、米国、ベトナム、つづいてコロンビア、カナダが参加の意向を表明してきた。米国政府は東アジアにおける経済的ヘゲモニーを確保、維持するために、米国の忠実な僕として仕えている日本政府に対してTPPへの参加を強要している。

 貿易自由化の理念は、参加各国が同じ土俵に上って、同じルールにしたがって市場競争を行なうものである。このことが何を意味するのか、米国とベトナムを例にとって、農業に焦点を当てて考えてみよう。

◆ベトナム戦争がもたらしたもの


 ベトナム戦争の全期間を通じて、米国は、歴史上最大規模の自然と社会の破壊、そして人間の殺戮を行なった。米軍がベトナムに投下した爆薬量は、第二次世界大戦中を通じて全世界で使用された量の、じつに3倍を超えている。その上、ダイオキシンを大量に撒布して、森林を破壊し、すべての生物の生存を脅かす枯葉剤作戦を全面的に展開した。戦争が終わってから30年以上経った現在なお、奇形をともなった幼児が毎年数多く生まれている。広島、長崎への原爆投下にも匹敵すべき、人類に対する最悪、最凶の犯罪である。また20%近い森林はダイオキシンに汚染されて、竹以外の植物の生育は難しい。農の営みに不可欠な役割を果たす森林の破壊は深刻な傷跡を残している。

 他方米国は、英国植民地時代から何世紀にも亘って、先住民族の自然、歴史、社会、文化、そしていのちを破壊しつづけた。米国の農業は、先住民族から強奪した土地を利用して、氷河時代に蓄積された地下水を限界まで使って行なわれている。そして米国の都市構造、輸送手段、産業構造は極端な二酸化炭素排出型であって、人類の歴史始まって以来最大の危機である地球温暖化の最大の原因をつくり出してきた。


◆「開国」とは何だったか?


 このような極端な対照を示す米国とベトナムが、農産物の取引について、同じルールで競争することを良しとする考え方ほど、社会正義の感覚に反するものはない。米国とベトナムほど極端ではないが、同じような状況が世界の多くの国々について存在する。このことが、現行の平均関税の格差になって現われている。各国は、それぞれの自然的、歴史的、社会的、文化的諸条件を充分考慮して、社会的安定性と持続的経済発展を求めて、自らの政策的判断に基づいて関税体系を決めているからである。

 関税体系は、それぞれの国の社会的共通資本と私的資本の賦与量の相対的比率に密接な関わりをもち、経済的諸条件、とくに雇用に大きく影響を与えるだけでなく、資本蓄積の具体的な構成、さらに経済成長率にも影響を及ぼし、将来の経済的諸条件に対しても不可逆的な影響を与える。

 菅直人が「平成の開国」と叫ぶとき、「安政の開国」を念頭に置いてのことであろう。1858年井伊直弼によって締結された日米修好通商条約は、治外法権、関税自主権の放棄、片務的最恵国待遇からなる極限的な不平等条約である。

 「安政の開国」の結果、日本の経済、社会は、とくに農村を中心として、致命的なダメージを受けることになった。農村の窮乏、物価騰貴、それにともなう社会不安が、桜田門外の変、明治維新を経て、不平等条約改正への大きな流れを形成していった。しかしその道は厳しく、関税自主権の完全回復は1911年になってようやく実現した。

 その後も、日本の国民の多くには、列強に対する強烈な被害者意識が心の深層に厳しく残っていて、暴虐な軍国主義の台頭を許し、つぎつぎとアジアの隣国を侵略し、無謀な太平洋戦争に突入し、そして敗戦の苦しみを嘗め、挙句の果てにパックス・アメリカーナの惨めな走狗となってしまった。

 菅直人が虚ろな顔をして「平成の開国」と叫ぶとき、日本の首相としてこの歴史をどう考えているのだろうか。


◆自由貿易は人間を破壊する


 自由貿易の命題は、新古典派経済理論の最も基本的な命題である。しかし社会的共通資本を全面的に否定した上で、現実には決して存在し得ない制度的、理論的諸条件を前提としている。生産手段の完全な私有制、生産要素の可塑性、生産活動の瞬時性、全ての人間的営為に関わる外部性の不存在などである。

 この非現実的、反社会的、非倫理的な理論命題が、経済学の歴史を通じて、繰り返し登場して、ときとしては壊滅的な帰結をもたらしてきた。ジョーン・ロビンソンがいみじくも言ったように、自由貿易の命題は支配的な帝国にとって好都合な考え方だからである。十九世紀から二十世紀初頭にかけての英国、二十世紀後半の米国に象徴される。

 その結果、世界の多くの国々で、長い歴史を通じて大事に守られてきた社会的共通資本が広範に亘って破壊されて、図り知れない自然、社会、経済、文化、そして人間の破壊をもたらしてきた。


◆社会的共通資本を守るのが政府の役割


 社会的共通資本は、一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような自然環境や社会的装置を意味する。

 山、森、川、海、水、土、大気などの自然環境、道、橋、鉄道、港、上・下水道、電力・ガス、郵便・通信などの社会的インフラストラクチャー、そして教育、医療、金融、司法、行政、出版、ジャーナリズム、文化などの制度資本から構成される。とくに自然環境は、それぞれの国、地域の人々が長い歴史を通じて、聖なるものとして大事に守って、次の世代に伝えつづけてきたものである。


 社会的共通資本の管理について、一つの重要な点にふれておく必要がある。社会的共通資本の各部門は、重要な関わりをもつ生活者の集まりやそれぞれの分野における職業的専門家集団によって、専門的知見に基づき、職業的規律にしたがって管理、運営されなければならない。

 社会的共通資本の管理、運営は決して、官僚的基準に基づいて行なわれてはならないし、市場的条件によって大きく左右されてもならない。社会的共通資本は、それ自体、あるいはそこから生み出されるサービスが市民の基本的権利の充足にさいして重要な役割を果たすものであって、一人一人の人間にとって、また社会にとっても大切なものだからである。

 政府の経済的機能は、さまざまな社会的共通資本の管理、運営がフィデュシァリー(社会的信託)の原則に忠実に行なわれているかどうかを監理し、それらの間の財政的バランスを保つことができるようにするものである。政府の役割は、統治機構としての国家のそれではなく、日本という国に住んで、生活しているすべての人々が、所得の多寡、居住地の如何に関わらず、人間的尊厳を守り、魂の自立を保ち、市民の基本的権利を充分に享受することができるような制度をつくり、維持するものでなければならない。


◆パックス・アメリカーナと新自由主義、市場原理主義


 第二次世界大戦後、パックス・ルッソ=アメリカーナ、一方ではロシアの力によるロシアのための平和、他方ではアメリカの力によるアメリカのための平和がお互いに厳しい緊張関係を形成しつつ、世界中いたるところで、自然、歴史、社会、文化、そして人間を破壊してきた。

 1945年8月、日本軍の無条件降伏とともに始まったパックス・アメリカーナの根幹には、新自由主義の政治経済的思想が存在する。新自由主義は、企業の自由が最大限に保証されるときにはじめて、一人一人の人間の能力が最大限に発揮され、さまざまな生産要素が効率的に利用できるという一種の信念に基づいて、そのためにすべての資源、生産要素を私有化し、すべてのものを市場を通じて取り引きするような制度をつくるという考え方である。

 水や大気、教育とか医療、また公共的交通機関といった分野については、新しく市場をつくって、自由市場と自由貿易を追求していく。社会的共通資本を根本から否定するものである。


◆国民の志をうち砕くな


 市場原理主義は、この新自由主義を極限にまで推し進めて、儲けるためには、法を犯さない限り、何をやってもいい。法律や制度を「改革」して、儲ける機会を拡げる。そして、パックス・アメリカーナを守るためには武力の行使も辞さない。水素爆弾を使うことすら考えてもいい。ベトナム戦争、イラク侵略に際して取られた考え方である。

 小泉政権の五年半ほどの間に、この市場原理主義が、「改革」の名の下に全面的に導入されて、日本は社会のほとんどすべての分野で格差が拡大し、殺伐とした、陰惨な国になってしまった。この危機的状況の下で、2009年9月歴史的な政権交代が実現した。

 しかし、国民の圧倒的な支持を得て発足した民主党政権は、大多数の国民の期待を無惨に裏切って、パックス・アメリカーナの走狗となって、卑屈なまでに米国の利益のために奉仕している。

 普天間基地問題に始まり、今回のTPP加入問題にいたる一連の政策決定が示す通りである。戦後60有余年に亘って、平和憲法を守り、経済的にも、社会的にも、安定した、ゆたかな国を造るために、大多数の国民が力を尽くしてきた、その志を無惨に打ち砕くだけでなく、東アジアの平和に恒久的な亀裂をもたらしかねない政策決定を行なおうとしている。心からの憤りを覚えるとともに、深い悲しみの思いを禁じ得ない。

http://www.jacom.or.jp/proposal/proposal/2011/proposal110214-12526.php

社会的共通資本の視点に立って日本の農業を守る


◆農の営みのもつ重い意味


 農の営みは人類の歴史とともに古い。むしろ人類を特徴づけるものとして農の営みが存在するといってもよい。

 農業は、自然と直接的な関わりをもちつつ、自然の摂理にしたがって、自然と共存しながら、人類が生存してゆくために欠くことのできない食料を生産し、衣料、住居を作るために必要な原材料などを供給する機能を果たしてきた。しかも人々が農業に従事するとき、概ね各人それぞれの主体的意志に基づいて、生産計画をたて、実行に移すことができる。

 農業のもつ、この基本的性格は、工業部門での生産過程と極めて対照的なものである。工業部門で生産に従事する人々の大部分は、それぞれ特定の企業組織に属して、その構成員として、企業の経営的な観点からの指示にしたがって、生産に関与する。

 このような状況のもとでは、商品化された労働力と、労働者の人格的主体との間には、厳しい緊張関係が形成されるのが一般的である。資本主義的な分権的市場制度のもとで企業活動が行われるときにも、社会主義的な中央集権的経済計画にしたがって生産が行われるときにも、このようなかたちで形成される自己疎外は、例外的な現象ではなく、広く一般的な性格をもち、現代社会の病理現象を特徴づけるものとなっている。


◆日本列島の豊かさを活かす


 これに反して農業部門では、そこに働く人々が自らのアイデンティティを維持しながら、自然のなかで自由に生きることが可能となる。

 農業部門における資源配分の非効率性を惹き起こす主な要因は、自然的条件の予期せざる変動に基づくものか、投機的な誘因に基づく農産物の市場価格の異常な変動、あるいは政策的要因に基づく生産条件の攪乱である。農業の生産にかかわる内在的要因に基づくものではない。

 さらに、農業における生産活動の特徴として挙げなければならないのは、自然環境の保全に関わるものである。農業部門における生産活動は基本的には、自然的条件に大きな改変を加えることなく行なうことができる。とくに日本農業の場合、水田耕作を主としているため、大きな保水機能をもつとともに、夏季における温度調整に重要な役割を果たしている。さらに日本の水田耕作は、耕作者が絶えず水田に入って撹拌するため、メタンの発生を最小限に止め、地球温暖化の防止という点からも優れた効果をもつ。

 日本は、極めて特異な地理的構造をもつ。とくに河川の急勾配と多雨地域の存在によって、森林の保全が自然環境の維持のために不可欠な要件となっているだけでなく、文化的、社会的な面からも重要な役割を果たしてきた。

 森林を良好なかたちで保全、維持するためには、林業との関わりが重要となる。林業に従事する人々が絶えず森林に入って、作業を続けることによって初めて、森林を良好なかたちで保全してゆくことが可能となる。このことはとくに日本の森林の場合、重要な意味をもつ。林業経営が可能となるような条件が整備されていないときには、森林の保全、維持は極めて困難となる。


◆農こそ人間的な営み


 また、日本は海に囲まれて、豊かな水産資源に恵まれた国である。それはもっぱら、海の生物の多様性について、世界で最も高い国の一つだからである。

 温度差が20度もある暖流と寒流が日本列島を守るように囲んでいて、複雑な海岸線がつくり出す多様な海岸環境が、生物の多様性を持続的に保全している。内湾の奥深くには干潟、岬の突端には磯があり、その間に砂浜、岬と岬の間には礫浜がある。加えて川の流入が海岸の生態系の多様化に貢献している。

 さらに赤道太平洋の西部、琉球諸島からオーストラリア北部にかけての海域は世界で最も海の生物多様性の高いところである。これはもっぱら、琉球諸島の豊かなサンゴ礁の存在による。

 この日本列島の海の生物多様性は、第二次世界大戦後の六十有余年の間に決定的に壊されてしまった。干潟は、半分以上の面積が、埋め立てや浚渫によって失われてしまった。大都市の周辺では、干潟そのものが消滅してしまった所が多い。藻場の沖にある砂堆の消滅は、海砂採取によって破壊的な規模をもって進行してきた。これらの海砂は、コンクリートの骨材として、高速道路や高層建築物の建設に使われ、陸上の自然のエコロジカルな均衡を破壊し、都市を醜悪な姿に変えていった。

 農の営みに重要な役割を果たす自然環境は、人々が生き、人間的な営みを行なうためにも重要な、不可欠な役割を果たす社会的共通資本である。その大切な自然環境をコンクリートの固まりによって無惨に破壊しつくしてしまった。


◆社会的共通資本としての農村


 農業の問題を考察するときには、農の営みが行われる場、そこに働き、生きる人々を総体として捉えて、農村という概念的枠組みのなかで考えを進めなければならない。

 一つの国が、単に経済的な観点からだけでなく、社会的、文化的な観点からも、安定的な発展を遂げるためには、農村の規模が安定的な水準に維持されることが不可欠である。とくに、農村で生れ育った若者の人数が常にある一定以上の水準を保って、都市で生れ育った若者と絶えず接触することによって、すぐれた文化的、人間的条件を作り出すことが肝要である。

 しかし、資本主義的な経済制度のもとでは、工業と農業の間の生産性格差は大きく、市場的な効率性を基準として資源配分がなされるとすれば、農村の規模は年々縮小せざるを得ない。さらに、国際的な観点からの市場原理が適用されることになるとすれば、日本経済は工業部門に特化して、農業の比率は極端に低く、農村は事実上、消滅するという結果になりかねない。


◆農村の最適規模を維持する


 このような状況のもとで、まず要請されることは、農村の規模をある一定の、社会的な観点から望ましい水準に安定的に維持することである。

 政府の役割は、農村における経済的、社会的、文化的、そして自然的環境を整備して、農村での生活を魅力的なものとして、実際に実現される農村の規模が最適水準に維持されるようにすることである。それは単に農業の生産活動のために必要な生産基盤整備だけでなく、快適な生活を営むことのできる住居や学校、病院、さまざまな文化的施設、さらには道、公共的交通機関などという社会的インフラストラクチャーをも含む。つまり、農村を一つの社会的共通資本と考えて、人間的に魅力のある、優れた文化、美しい自然を維持しながら、持続的な発展を続けることができるコモンズを形成するものである。

 しかし、このような経済的、環境的条件を整備するだけでは工業と農業との間の大きな格差を埋めることはできない。何らかのかたちでの所得補助が与えられなければ、この格差を解消することは困難である。差し当たって考えられる手段は、農家に対する所得補助である。それは農家単位当たり一定額の給付のかたちをとるべきで、農家の規模あるいは生産量に無関係でなければならない。


◆コモンズとしての農村を守る

 これまでの日本の農政は、農業を一つの資本主義的な産業として捉えて、農業に従事する人々を単なるホモエコノミクス(一介の経済人)とみなして、効率性のみを追うという偏見にあまりにも大きくとらわれてきた。農の営みという最も本源的な機能を担ってきた人々がもつ、すぐれた人間性とその魅力的な生き方が、日本社会の社会的安定性と文化的水準の維持という視点からこれまで大きな役割を果たしてきたし、またこれからも果たしうることが忘れられてしまっている。

 農業基本法は、一戸一戸の農家を一つの経営単位と考えて、工業部門における事業所ないしは企業と同じような位置付けを与えた。自立経営農家という概念に示されるように、一戸一戸の農家が、それぞれ主体的に生産計画を立て、雇用形態を決め、投資にかんする決定を行ない、その農業所得を基準として行動するという点で、工業部門の一企業と同じような役割を果たすものとされてきた。

 このような意味での一つの独立した経営主体である農家が、工業部門の企業と同じような条件のもとで、市場で競争する。その結果、市場競争に敗れた農家は、第二種兼業農家なり、あるいは他の職種に転換させ、生産効率が高く、工業部門の企業と競争して十分に存立しうる農家を自立経営農家として位置づけようとした。そして農業部門に対して、生産基盤の整備、構造改革、価格維持政策などの多種、多様なかたちでの保護政策を展開してきた。

 しかしこれらの保護政策は工業部門においてなされてきた明示的(explicit)あるいは陰伏的(implicit)な保護政策と比較したとき、その規模、性格において全く比較できないほど小さなものにすぎなかった。その上、農村に生まれ、育った子どもたちを「拉致」して都会で働かせることを日本ほど大々的に強行して、農村の空洞化を招来させた例を私は寡聞にして知らない。

 農業部門における生産活動に関連して、独立した生産、経営主体として捉えるべきものは、農村として、広く社会的、文化的、自然的環境のなかで生きる生活者の集まりとして位置づけるものでなければならない。その上で、日本農業の置かれた苦悩に充ちた状況を超克して、新しい農村を形成する契機を求めることが、日本の農政に求められている。

 しかし現実には、農業生産法人の要件緩和などを通じて一般法人の農業参入を許し、さらに農地所有権解禁に道を開こうとしている。今ここで、TPPに参加することになれば、長い歴史を通じて大切な社会的共通資本として、人々の血と汗によって守られてきたコモンズとしての日本の農村は壊滅的な影響を受けて、事実上、消滅してしまうことになりかねない。

 日本は今、「安政の開国」を迫られたときと同じような危機的状況に置かれていることを私たちは肝に銘じなければならない。
(2011.02.23)
http://www.jacom.or.jp/proposal/proposal/2011/proposal110223-12621.php

2011-02-26 18:44:33

「TPPを考える国民会議」が一昨日(2/24)発足した。宇沢弘文東大名誉教授が代表になられた。彼は代表を引き受けるにあったって、その経緯を語っています。

 菅首相がTPPを「第三の開国」と言っていることに対して、宇沢名誉教授は、代表を引き受けるに当たって挨拶の冒頭で「一国の総理がこういう第三の開国などと無責任な発言をすることは許せない」と語気を荒げて言っています。

 以下、フリージャーナリストの岩上氏のIWJ:Independent Web Journal
(Ustream)から、宇沢名誉教授の挨拶を書き起こしてみました。


≪・・・自分は代表を受ける資格はありません。わたしは60年間、ただ自分の信ずることのみを追求してきました。

 代表を受ける日に、丁度その当日に、私の一高時代からの友人で、私が最も親しくして、私が最も尊敬している友人後藤昌次郎が亡くなったという連絡をうけました。

 皆さんはご存知ないかもしれませんが、後藤昌次郎は「松川事件」の弁護士をしました。松川事件は、占領軍が国鉄を潰すために、列車転覆事故を起こすよう日本政府に命令したんですね。日本政府がそれうけて実行にうつした、検察が中心になって・・・。

20人の人たちが、犯人として起訴された。一審で、うち17名が有罪、4名が死刑の判決を受けた、3名は無罪。それをうけて、全国的に激しい批判が起きました。その第二審を彼が中心となって弁護を引き受けました。そして物凄く苦労して、最高裁で20名全員の無罪という歴史的な判決を勝ち取りました。

 戦後に起きた冤罪事件を一番象徴する事件です。その他三鷹事件・・、占領軍が企画して日本の検察が、手先となって作り上げた数多くの事件が起こりました。後藤昌次郎は、冤罪を国家の犯罪として厳しく法廷で追求すると同時にですね・・・、彼は非常に志の高い男です。生まれが黒沢尻町で、小沢さんの隣町です。一高時代から65年来の一番親しい友人、後藤昌次郎が亡くなった丁度その日に代表の話がきて、私は彼の遺言とうけとめて即座に引き受けることにしました。

 TPPが日本を如何に破壊するか、日本の将来に傷を残すかということを国民の皆さんと考えて、一つの運動に力を尽くしたい。実は昨年の9月に体調を崩して、しょっちゅう約束を破っています、最近、目は殆ど見えません、耳も聞こえない、足もガタガタです。昨年9月に聖なる世界に入りました。世俗的な関係を断って、私の最後の死を全うするために聖なる世界に専念する積りでした。しかし、今回後藤の遺言を受けて、世俗の世界に戻ってご協力したいと思いますので、どうか宜しくお願い致します。≫


宇沢名誉教授は戦後に起きた松川事件も当時のGHQの指令で検察が手先となって起こした事件であることを明言しているのには、驚きました。


 地検特捜部というのは、戦後間もない1947年(昭和22年)に、東京地検特捜部が連合国軍による占領下で、旧日本軍が貯蔵していた隠退蔵物資を摘発してGHQの管理下に置くことを目的に設置された「隠匿退蔵物資事件捜査部」としてスタートした。地検特捜部は、その生い立ちからして胡散臭い存在だったのである。極端な言い方かもしれないが、宇沢教授が言うように、常にアメリカの手先として存在感を示していたということではなかろうか。

 日本は表向きは民主国家の顔を標榜しながら、実のところは官僚支配国家で背後でその官僚をアメリカが操っていたということになる。

なぜ地検特捜部は、戦後から今日までアメリカの手先としてぬくぬくと存続し続けてきたのだろうか、しかも時と場合によっては、アメリカの意図に反する政権を潰すことも厭わない暗い役割を担っていたらしい。


、「松川事件」の実行犯は、松本清張著「日本の黒い霧」の中でT氏と匿名で書かれている右翼の田中清玄氏の土建会社「神中組」の人間たちであった可能性が高い。

事件当夜は、事件現場には警察による非常線が敷かれていて犯人たちは堂々とレールを外して列車を転覆させたようである。

またこれを田中清玄氏に依頼したのはGHQのGU。田中氏が下山国鉄総裁暗殺をGUに頼んでやってもらった返礼の意味があったものと思われる。更に田中氏の方にも関係の深い東芝(松川工場)のスト潰しの思惑があった。

松川事件の裁判経過については広津和郎氏の「松川事件」が詳しいが、その文士としての反骨心には改めて畏怖の念を禁じえない。

>事件現場には警察による非常線が敷かれていて犯人たちは堂々とレールを外して列車を転覆させたようである

警察に守られて堂々と犯行ですか? これを依頼したのはGHQですか。
当時連続して発生した国鉄関係の謎の事件:下山事件(1949年7月5日)、三鷹事件(同年7月17日)・松川事件(同年8月17日)はいずれもGHQの謀略ですか?

http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/e/d3049d0a458e8c6bbec3263c198799ba


31. 2011年2月28日 18:26:07: MiKEdq2F3Q

自由診療、医療格差の恐ろしさ _ イギリス在住の人のブログ

ロンドンから学者難民のつぶやき 小野昌弘のブログ TPPと医療

現住所ロンドンの研究者。元京都大学助教。所属研究室の教授の問題を内部告発した後、学会内での活動にも支障をきたすようになり、「学者難民」化しました。
小野昌弘(@masahirono)でtwitterしています

日本医師会は国民皆保険が崩壊すると懸念しているが、既に日本の医療制度・国民皆保険は瀕死の状態。非正規雇用増加で、健康保険料が払えずに病院にかかれない若者が増加しています。06で70万人程度が無保険、2割の国民が無保険になる可能性と指摘されています
http://goo.gl/yIlcX

正確な実態の把握が急務です。

日本が先進国では稀なほど便利で質のよい医療が受けられる国であるということが忘れられています。例えば、お腹が痛くなって消化器専門医を受診したくなったとします。日本では、長くて数時間まてば専門医に治療してもらえます。欧米では、公的保険制度では一般医以外を直接受診出来ない事が普通です。

うまく一般医を納得させられて、専門医を予約できたとして、(どんなに今調子が悪くても)専門医に診てもらえるのは大抵早くて2週間後。ある友人は、最近、腹痛で度々一般医を受診していたが放置され、もちろん専門医受診の機会はないうちに虫垂が破裂、腹膜炎になり結局救急で緊急手術しました。

日本では考えられないのですが、緊急入院しても医者や看護婦がすぐに病室に来てくれるとは限らないそうです。その友人は、たまたま危篤になる前に医者が来てくれたので緊急手術にまわしてもらえて命拾いしたので運がよかったと思うとのこと。病院の中まで医療過疎地だということを改めて認識しました。

一方で、高額の民間医療保険にはいっている人や金持ちは、プライベートの病院を受診できます。ここは完全予約制で、待ち時間なく、専門医に30分ほどかけてゆっくり診察してもらえます。こういう病院は初診料だけで最低1−3万円はかかるので、庶民が受診することは不可能。これが医療格差の実態です。

TPPに含まれる、混合診療と医療への株式会社参入の解禁は、日本の平等で良質な医療システムの息の根を止めるためのもの、と言って過言ではないと思います。この結末は、高額な医療費・保険費用と医療格差です。そして、この改変で確実に得をするのは、外資の民間健康保険会社でしょう。

TPPにより日本の国民皆保険制度が終焉の危機です。(日本医師会)
http://goo.gl/z8SrS


ー「崩壊」の危機ではなく「終焉」の危機であることに注意してください。既に日本の平等な医療制度は瀕死の状態。医師会はこれまで業界利益団体としてマスコミにネガティブキャンペーンを受け続けてきましたが、国民の立場で皆保険を守ろうとしています。

これまでも医療規制緩和の議論と並行して、医療の些末な問題が大きくとりあげられてきました。ここでもマスコミの情報操作に惑わされて国民にとって誰が味方であり、誰が敵であるか、を誤ってはいけません。医療に問題が山積していることは、現場ではたらく医療従事者は重々承知です。これまでの医療における法的・社会システム上の問題は大きくなるばかりでしたが、医療関係者が皺寄せをうけても現場の努力で吸収して破綻を避けてきました。しかし、医療崩壊が進む中、現場にはもはや衝撃を吸収する余力はありません。

また、上に述べたように皆保険制度が実質的に破綻しはじめていることは、社会全体のセーフティネットの問題と大きく関わっています。ここにも余裕があるはずはなく、日々状況は深刻になっていると思われます。人的にも経済的にも破綻は既に近いのです。今議論すべきなのは、逆であって、どのようにしてこの医療崩壊を食い止めるかという議論であり、実際にこのシステムを守るための方策作りです。


TPPを推進するひとたち、以前より規制改革会議などで混合診療の解禁と株式会社参入を求めて来たひとたちは、欧米にこうした医療格差が存在することを知っているはずです。知っているからこそ、日本の平等な公的医療制度が「ビジネスチャンス」に見えるのです。それを利用して金儲けができることを知っているのです。医療関係者で推進するひとは、実情を知っているからこそ、欧米の医療関係者と同じようなレベルで金儲けがしたくてたまらないのでしょう。


人は、このような人たちを新自由主義者と呼びます。しかしそれだけでは実態は分からない。私が重大な問題と感じているのは、ー主義でいえるような政治的立場ではないです。欧米の実情を知っていて、負の側面については何も言わずに、都合の悪い情報を隠して、あたかも日本の医療を改革してよくするかのような錯覚を与えながら、国民を騙して制度改悪をしようとする姿勢です。これには強い憤りを感じます。本当にためになるものならばオープンに議論すべきであり、それで困る事等何もないはずです。それが出来ないという事は、やましいことがあるからにほかならないと思います。

今後大きく動いて行く政局の陰に隠れてTPP(あるいは類似の条約・協定)を結んだり制度改悪を行われる危険性は当面続くと思います。国民の絶え間ない監視、関心をもち議論をし続けていくことが重要な課題だと思います。

(2011年2月2−8日ツイートより。改変、追加)

注1)TPP (trans-pacific partnership). なぜか環太平洋戦略的経済連携協定と訳しますが、これは作為的に感じます。まるで環太平洋(Pacific rim)諸国が全て参加するような錯覚をおこさせますが、日米で参加予定諸国の総計GDPの9割を占める実質的には日米条約です。

trans-pacific partnershipをそのまま訳して「太平洋をまたいだパートナーシップ」とでも訳したほうがよいように感じます。trans-pacificは太平洋をまたいだ位置関係で、特に北米と日本・中国をはじめとする東アジア諸国との関係に使われて来ました。日本は地理上、trans-pacificの最前線に位置していることに注意。


posted by 小野昌弘 at 04:44 | TrackBack(1) | TPPと医療 | |

http://www.google.co.jp/gwt/x?client=twitter&u=http%3A%2F%2Fbit.ly/dYY2y6&wsi=d40f97b0c6a6faba&ei=GKloTde7PNajkAWhtL3QAg&wsc=tb&ct=pg1&whp=30


32. 2011年3月01日 11:20:17: MiKEdq2F3Q

TPPに参加すると日本の医療はこうなる


自由貿易,というと,日本の農業は大丈夫か,米は大丈夫か,という話にすぐになる.実際,このTPPという話でも,農業がどうなるか,と言う話で持ちきりである.

 しかし,TPPの真の狙いは,「医療」である.もっと言えば,求められていうのは「医療保険」の開放である. もっと具体的に言えば,

「混合診療を解禁しろ」

と言うことである.そして,これを強く言っているのは,アメリカである.
 医療保険(生命保険ではなくて)の分野ではアメリカの保険会社がもっとも進んでいる.だから日本に参入したくてしょうがない.参入すれば,日本人の個人資産700兆円あまりを我が物にできるのである.


 実はTPPの問題は農業でどうとか,カルフォルニア米でどうとか,言う話ではない.金額の桁が違う.


 また,アメリカには日本に売る米などない.アメリカ国内にいるアジア系住民の需要を賄うので精一杯だ.まあ,ベトナムあたりと組んで一時的に安い米を日本に入れて,日本の米農家を叩きつぶした後で,高い米を買わせるのも良いだろう.3年もやれば,日本の米農家なんて潰れてしまう.だけど,せいぜい10兆円レベルの話.大したことはない,というのが,諸外国の考え方.ただし,日本にとっては,食料がなくなるので大変な問題である.

 混合診療が解禁されると,皆保険枠と混合診療枠 というのができる.これから開発された新しい医療,薬はすべて混合診療枠に入る.

 ここがポイントであるが混合診療枠に入ったものでも,優れた治療法や薬は皆保険枠に入れるべきでは,と思う人も多いのであるが,そうには絶対にならない.そんなことをしたら,保険会社が保険を組めなくなってしまうではないか.

 現在でも厚生労働省が認めたものは「最先端医療」と称して,混合診療が認められている.もちろん,有用なことが分かれば国民保健が効くようになる.

 それではなぜ,混合診療が認められたら,国民資産700兆円が吹っ飛ぶのか?
 混合診療が認められた当初は,混合診療枠は小さな物であろうが,時とともにだんだん大きくなる.

 例えば,私が医師になった20年前(昭和62年ころ)には,今では一般的に行われているCTもMRIもなかった.尿管結石を超音波で破砕する医療も保険には入っていなかった(この器械は日本では札幌に一台だけあった).腹腔鏡手術もなかった.心臓の冠動脈が詰まると,今はカテーテルで血栓を除去し,患者は次の日に退院しているが,このころは開胸術しかなかった.つまり,もし,25年前に混合診療が認められていたら,これらの治療がすべて保険がきかないと言うことになる.

 すると,国民はこれに備えて,医療保険を買わなくてはならなくなる.だいたい,年齢にもよるが,4人家族で年間30万から200万ほでになるのではないだろうか.高齢者はものすごく高くなるか,入るのを拒否されることになろう.また,もともと病気持ちの人もそうなる.

 実態は,完璧な医療保険に入ろうと思ったら,マイクロソフトの社長のビルゲイツ位年収がなくてはだめだという話もある.

 そしてこれのノウハウはアメリカの保険会社が持っている.だから大もうけだ.
 医療保険に入らない人も出るだろう.しかし,いったんその人が病気になったら極めて悲惨なことになる.苦労して建てた家も何もなくなってしまうだろう.

 これが混合診療の実態であるし,TPPの真の狙いであるのだ.これを銘記せよ.

http://haetarou.web.fc2.com/TPP/TPP_Kaisetu.html

混合診療全面解禁がもたらすこと


混合診療解禁以降の新規療法は全て自費

必要な医療を全て保険対象とするのであれば、混合診療は必要ない。言い替えると、混合診療は、必要なのに保険対象とならない医療があることを前提としている。事実、規制改革会議の答申する混合診療は、保険対象を縮小することを前提としている。そして、これは最も重大な問題であるが、混合診療では原理的に保険適用が拡大できない。

医薬品の開発に最も費用を要するのは効き目のデータを取る作業である。全ての医薬品候補について、細胞培養実験、動物実験、臨床試験を経て、効き目を確かめる作業には時間と手間が掛かる。そして、それら候補物質が医薬品になる確率は1万分の1以下と言われる。成功確率が低いからこそ、これらの作業に掛かる費用は莫大な物になる。

しかし、混合診療を全面解禁すれば、そうした手間を掛ける必要がなくなる。何故なら、厚生労働省の承認を受けなくても使うことが可能になるからだ。承認しなくてもバカ売れして利益が上がるなら、誰も、莫大な費用を掛けてまで承認申請しようとはしまい。下手に承認申請手続を進めて無効なデータが出れば、商品リストから外さなければならなくなる。わざわざ自社の商品を売れなくする真似を、一体、誰がするだろうか。

もし、人気商品なら、絶対にリストから外さないだろう。承認申請手続を進めてもデメリットばかりでメリットがほとんどない。製薬会社の立場で純粋に利潤のみを考えるなら、効果のあった物はデータを公表して値上げし、効果がない物はデータを出さずに値下げし、どちらにしても、承認申請はしないというやり方が最も得である。そうなれば、新規の医薬品を始め、新規の治療法は全て保険対象外となる。


保険対象外になれば、数が売れなくなって、売上は減らないだろうか。いや、単価が高くなれば、数を売る必要はなくなる。薄利多売よりは、1個当たりの利幅が大きい方が楽して儲けられる。無理して貧乏人相手に商売する必要はなく、一部の金持ちを金蔓にするだけで良い。開発コストの削減もできるし、品揃えも1万倍以上になるのだから、十分な利益を挙げられるだろう。貧乏人を相手にするとしても、効果が薄そうな物だけを値下げすれば良い。効かない医薬品で薄利多売となれば、貧乏人が損をするのは明らかである。


仮に、製薬会社に承認申請する意志があっても、そのために必要なデータを揃えることが今より難しくなる。何故なら、金を払えばどんな治療でも受けられるなら、治験の被験者を集めることが難しくなるからである。治験の被験者になると、他の医薬品や治療法との併用が出来ない。様々な治療法を併用しようと思っている患者は、治験を敬遠せざるを得ない。わざわざ、治験に参加せずとも希望の治療を受けられるなら、治験に参加する動機も失われる。

さらに、第三相試験では、比較対象として約半分の被験者が希望する治療を受けられない。50%の確率で希望する治療が受けられるか、100%確実に希望する治療が受けられるか、患者の立場でどちらを選ぶかは火を見るよりも明らかである。とくに、希少疾病で第三相試験を行うのは絶望的となるだろう。必要なデータが集まらないのでは承認申請したくても不可能である。長い時間を掛けて治験データを集めても、その頃に特許切れとなっているのでは、金を掛けた割に製薬会社の見返りが少ない。特許は20年で切れる。治験を理由に延長できるのは最大5年に過ぎない。だから、自ずと、治験に掛けることができる時間には限りができる。現状でさえ承認申請が滞っているのに、混合診療を解禁すれば状況が悪化するのは間違いない。解禁論は、希少疾病の患者は死ねと言っているに等しい。国は患者に治療法を提供しません。自己責任で治療法を開発しなさい。そう言ってるのと同じである。

混合診療解禁となっても医薬品の製造には承認が必要だから、そんなことにはならないという意見もある。確かに、薬事法第十四条には製造販売には承認が必要で、かつ、効能が認められないと承認されないと書いてある。しかし、現行法にも次のような抜け道があるし、全面解禁に伴って薬事法第十四条が改正されない保証はない。


承認単位は「品目ごと」なので、品目として既に製造承認されていれば、保険適用されない症例にも使える[1]

未承認医薬品の個人輸入は合法(ただし、受動的手続代行行為や直接輸入に限る)

具体的効能を標榜せず、かつ、厚生労働省が指定した成分を含まなければ薬事法適用外

治験薬は届出だけで製造可能[2]


現行の抜け穴の多くは、解禁論者にとってメリットが少ないかも知れない。しかし、よく考えてみて欲しい。解禁論者は、法律の条文を変えたいのではなく、規制を撤廃したいのである。それならば、薬事法第十四条が規制となるために健康保険法改正だけでは不十分である以上、当然、薬事法第十四条の改正もセットで考えているはずである。解禁論者が、薬事法第十四条を放置するはずがないのである。


医療費の高騰


これまでは保険制度の中で薬価が低く抑えられてきた。しかし、混合診療を全面解禁すれば、未承認医薬品は、製薬会社の言い値で売れる。特許等の知的財産権を押さえておけば、競合相手のない独占状態で価格を高く釣り上げることも容易だろう。薬価だけではない。治療費も、差別化を図れるような技術があれば釣り上げることができる。

これは、決して夢物語ではない。米国で実際に起こっていることである。ただし、米国ではFDAに承認されていない医薬品は使えない。ただ、国が薬価や治療費を決めない点は、日本の自由診療と同じである。米国の病院で治療を受けると目が飛び出るような額を請求される。無保険者は、とても払えないような額である。混合診療を全面解禁すれば、米国と同じことが起こるのは火を見るよりも明らかだろう。

民間医療保険の台頭

高騰した医療費に対応するため、民間医療保険が台頭することは当然考えられる。ただし、支払う医療費も高いうえ、国庫支出金や事業主負担がない分、現在の健康保険よりかなり割高になるだろう。

掛金も給付も、加入者の所得とは無関係なので、現在の健康保険制度と比べて、その分の貧乏人の負担が増える。さらに、民間の保険では医療費の掛かる高齢者ほど掛金を高く取られる。このように、社会弱者に対して極めて厳しい。

そして、任意加入であるが故に、その保険料をケチったり、払う余裕がない等の理由で、大量の無保険者が発生する。そうした無保険者が病気にかかったら、満足な医療を受けることはできない。

インチキ療法の横行

未承認の療法が大手を振って使えるようになれば、インチキな医業類似行為が増える。注意すべきことは、そうしたインチキ行為が、正規の保健医療機関や製薬会社によって行われるようになることである。新療法や新薬品は承認手続をせずに、即、使えるようになるため、これらの検証作業は全く行われなくなる。先に述べた通り、医薬品の成功確率は1万分の1以下である。仮に、1万分の1ちょうどとするなら、9999の偽医療につき本物が1つ含まれているという割合になる。知識の乏しい患者が、この中から本物を選ぶのは極めて困難だろう。というより、データがないのだから知識もへったくれもない。医者でさえ偽物か本物かの判断はつかないのである。

自由診療を取り締まるのは原理上難しい。保険診療なら、承認した物だけを許可するのだから、取り締まりは容易である。承認した物以外を使っていれば、即、違反である。しかし、自由診療では、明確に禁止した物だけが使えない。つまり、自由診療を取り締まるには、危険である証拠、インチキである証拠を厚生労働省側が用意しなければならないのである。そして、インチキな療法は、イタチごっこのように、次から次へと新しい物が出てくる。その全てについて、厚生労働省側に証拠を用意しろと言うのは無理がある。そもそも、厚生労働省は、民間からの申請や告発に基づいて調査するだけに過ぎず、自前で証拠を用意する施設も人材も持っていない。医薬品等の承認についても、データ作成には厚生労働省は一切関与せず、製薬会社が用意したデータを審査するだけである。それに対して、自由診療を取り締まるには厚生労働省側がデータを用意しないといけない。それだけでも大変なのに、次から次へと新しいインチキ療法が出て来るのでは、とても対応しきれない。現状でも一杯一杯なのに、自由診療が拡大されればどうなるかは火を見るよりも明らかだろう。


混合診療利権

事業者負担の軽減

現在、会社員が加入する健康保険には一定の事業者負担がある。混合診療が認められれば、健康保険の負担が軽減され、結果として、事業者負担も軽減されることになる。


病院経営への参画

現状の健康保険制度では、診療報酬が安く抑えられる一方で経費がかさむため、病院の経営は苦しい。国民皆保険制度を破壊すれば、医療費を自由に決められるため、病院経営はやりやすくなる。


医療産業への投資

特許の庇護を受けたうえでの自由競争なら、価格も自由に釣り上げられる。開発コストも下げられ、かつ、商品化した医薬品がボツになることもない。混合診療によって、医療産業は今以上に儲かるようになる。


民間保険の拡充

通常の健康保険と同じでは差別化が図れないし、健康保険と同じ土俵で勝負しても、利益を上げるのは極めて困難だろう。何故なら、健康保険は、事業者負担や国庫負担があるにも関わらずに、赤字になっているからだ。つまり、国民皆保険制度を維持したままで民間開放では、新規参入者には全く旨味がないのである。

しかし、健康保険と競合しない保険であれば、利益を上げられる。民間の保険会社にとっては、国民皆保険制度を破壊した方が都合が良い。

http://taste.sakura.ne.jp/index.cgi/%BA%AE%B9%E7%BF%C7%CE%C5

日本政府・日本の財界が理想としているアメリカの医療とは

高すぎる医療費、保険の機構的欠陥のために米国民が抱える医療費の負債が増大していることが、民間財団コモンウェルス基金の調査で分かった。

 ワシントン・ポストによると、調査報告書の作成にかかわった同財団のサラ・コリンズ氏は、「不景気が全米の労働者を苦しめている」と指摘し、「医療費が所得や経済成長よりはるかに速い割合で上昇している」と警告した。連邦の最低賃金は実質上、40年前より時給にして3ドル落ち込んでいるという。

 調査によると、2007年の労働人口の3分の2は、無保険か不十分な保険にしか入れない人々だった。19〜64歳の5分の2以上は、医療費の支払いで問題を抱えたまたは負債が増えたと回答し、05年調査の3分の1を上回った。必要なときに十分な治療を受けられないことや、医療費の徴収担当者とのやり取りのわずらわしさも問題として挙がった。保険に入っていれば安心というわけではなく、負債問題を抱える人の61%は保険加入者だった。

 貯金を取り崩して医療費の支払いに充てている人は39%に達したほか、クレジットカードの高額な負債が生じた人が30%、医療費を払ったために食費や家賃を払えない人は29%に上った。

 さらに、所得の10%以上を医療費に充てる人が大幅に増え、年収2万ドル以下の所得層では01年の26%から07年は53%まで急増した。財団は、皆保険制度が問題改善のカギになると指摘した。

★先進国で唯一、国民健康保険の無い国は世界一の覇権大国のアメリカです。

従って、アメリカの医療保険は民間の保険会社にしかありません。
病気にかかった時、医療保険で治療を受けようと思えば、民間の医療保険に入るしかありません。
「だったら、民間の医療保険に入れば済む話じゃないの?」

と思うかもしれませんが、事はそんなに簡単には済みません。 アメリカの人口約3億人の内の6分の1に当たる約5千万人が医療保険に未加入です。 この人たちは、金がもったいないから医療保険に入らない節約家ではなくて、その大多数の、約3800万人(76%)は、医療保険に入りたくても入れない、年収二百万円以下の貧困層の人達です。そして、年間約二万人が、病気にかかっても医療も受けられずに死んで行くのです。

しかし、民間の保険会社の医療保険は、システムが恐ろしくえげつなく、収入があって運よく、医療保険に入れている人も、悲惨な目を免れません。

説明はちょっとややこしいですが、要は


★アメリカの民間保険会社と、政府機構のHMO(健康維持機構)と言うのが、つるんで、医療保険の加入者から「やらず、ぼったくり」をしているのです。


どういう仕組みかと言いますと、


HMOの悪事(仕事)は二つの柱から成り立っています。

@ 治療の際、医師への報酬は民間の保険会社が支払う。

A 医療の内容は保険会社が強力に管理&指導する。


A がキモですね。

ある、女性の夫が白血病を発病しました。しかし、骨髄を移植すれば助かる可能性がありました。 しかし、何と驚くなかれ、保険会社は「可能性があるだけでは、不確定で実験的すぎる」と言う理由で、医師に手術を許可しなかったのです。
当然の如く、その女性の夫は死にました。

何故、こんな不条理なことが起きるのか?
それは、民営化医療保険システムの政治的な思想に原因があります。


その【民営化医療保険システムの政治的な思想】とは・・・・


(1) 医師は治療の質や量とは関係なく、HMOから一定の給料を貰う。


(2) 医師は投薬や、治療を拒否すればするほど、保険会社の支出を減らしたと評価されて奨励金を貰える。

(3) 民間保険会社の社員も、投薬や治療を拒否すればするほど、給料は上がる。

(4) この、医師に治療や投薬の許認可を与える民間保険会社の社員は、医学の知識は零の"ど素人"で、その患者に会ったこともないままに治療拒否を乱発します。


酷すぎますよね、政府と民間の保険会社がぐるになって、保険加入者である国民から、「やらず、ぼったくり」の「暴力バー」まがいのことをやってるんです。

★民営化=保険会社の利益の極大化=保険加入者である国民の生命の安全の無視
と言う定理が成り立ちます。

ある人が、交通事故に遭って大怪我して手術費の支払いを保険会社に請求したら、
保険会社には、CIAの様な、患者の過去の病歴を極秘調査するプロがいて、

「あなたは、保険加入前に、水虫の治療をしていたことを黙っていた!これは契約違反だ!」

と突っ込まれて、手術費は下りなかったそうです。


★民間保険加入者の治療&投薬を拒否して、保険会社の利益だけを追求することを公に認めて、バックアップ、奨励する政府システムが有る。アメリカは、もうかれこれ、1970年代から40年近く、政府と民間保険会社がぐるになって、こんなことを白昼堂々やってきたから、


★民間保険会社は、国民から保険料を集めながら、治療費を最小限に抑えて、利益の極大化に成功して、石油や軍需産業に肩を並べる巨大産業に成長したのです。

もう、大体、私の言いたい結論は見えてきましたね(笑)

そうです、アメリカ国民から、毎月高額の保険料を搾りとりながら、治療費を払わずに、まるで血を腹いっぱい吸った吸血鬼のように肥った、アメリカの保険会社の社長連中が「一億日本国民の血もたっぷり吸わせろ〜」 と圧力をかけてきたのが、4年前、2005年の小泉―竹中、郵政イカサマ解散と郵政民営化です。

現に竹中平蔵は、私の小説【小泉構造汚職】に登場する、ゼーリックとともに、何度も米国保険業協会と言う業界団体の社長、会長たちとしょっちゅう会合していたという事実が多方面から証言されています。

アメリカの保険会社の社長達の目から見れば、「危険な職業に就いている人も、誰でも入れて、しかも政府が元本保証している(旧)簡易保険」と言う日本国民に信頼されている保険商品が目障りでしょうがなかったのです。

ですから、郵政民営化とともに、最大のライバルである「(旧)簡易保険」については


(1) 政府保証が付いているなんて怪しからん!我々の保険商品が競争で勝てないじゃないか(怒)

(2) 危険な職業の人でも加入できるなんて怪しからん!保険金の支払いが増えるじゃないか(怒)


と、恫喝して、「(旧)簡易保険」を廃止に追い込んで、「加入条件が厳しく、政府保証も取り外した(新)簡易保険」に変更させたのです。

アメリカの民主党オバマ政権が健在なら良いですが、もし、支持率が下がって、任期半ばの2年ぐらいで退陣することになれば、またブッシュの息のかかった共和党政権が復活します。

共和党政権が復活すれば、またぞろ、米国保険業協会が、共和党政権を多額の政治献金で動かして、日本政府に「国民健康保険の民営化=廃止」を迫るでしょう。

売国政治家達には、またぞろ、共和党政権経由で米国の保険業界から、マスゴミ5社・5社を全部企業買収できるほどの選挙資金が裏金として渡されるでしょう。
トヨタ自動車元会長、奥田硯(ひろし)達、経団連の売国財界人達は、「国民健康保険の廃止」にもろ手を挙げて賛成するでしょう。

何故なら、ご存知の様に、今の日本の医療制度は、社員の健康保険料は、企業が半額負担することになっているからです。これを、払わなくて済むことになれば、奥田や西川、宮内らは泣いて喜ぶでしょう。

連中が、社員を、「奴隷の様に生かさず殺さず」で重労働させたいのは、昨年のトヨタ等の「派遣切り」で明白です。

ライバルの銀行業界しかメリットの無かった郵政民営化に比べて、「国民健康保険の民営化=廃止」は、経団連加盟企業の全業種に直接的なメリットがあります。経団連等財界、経営者の熱狂的支持と「ノリ」は「郵政民営化」の時の比ではないでしょう。

売国勢力の最終目標は【日本のフィリピン化】

http://www.asyura2.com/09/senkyo69/msg/149.html

「アメリカの医療費」について


 前号で心臓移植にかかる医療費を紹介しましたが、余りに高額なアメリカの医療に驚かれたことと思います。しかるに今、経済諮問会議のメンバーは「アメリカ医療を学ぶ」を基軸に医療制度改革を押し進めようとしております。

 何故、医療費削減が叫ばれる我が国で高額医療費に喘ぐアメリカの医療制度をお手本にしようとするのか、よくよく考えてみる必要がありそうです。

 そこで今回、再び、「アメリカの医療費」についてアメリカの医療を体験された体験談をネットで検索してみました。これらはいずれも明細を確認したものではありませんが、”医療費”を考える材料にはなると思いますのでご紹介します。


まず外務省在外公館医務官情報 世界の医療事情のページから、深川正明医務官の「ニューヨークの医療費」報告ではこの様に書かれています。

「米国の医療費は非常に高額です。その中でも、マンハッタン区の医療費は同区外の2倍から3倍ともいわれており、一般の初診料は150ドルから300ドル、専門医を受診すると200ドルから500ドル、入院した場合は室料だけで1日約2千ドルから3千ドル程度の請求を受けます。例えば、急性虫垂炎で入院、手術(1日入院)を受けた場合は、1万ドル以上が請求されています。

 歯科治療では、歯一本の治療につき約千ドルと言われています。これには下記に説明する二重構造の問題があります。 米国人が加入している管理型医療保険制度の下では、医療機関と保険会社との間で契約が交わされており、疾患毎に定められた規定治療費用(定額)が保険会社より医療機関側に支払われます。」

○アメリカ医療の体験談

 その他にも民間の体験談としてアメリカで治療を受け医療費を支払った方からの報告ぺージを探してみました。

バカ高いアメリカの医療費
 有元美津世さんのアメリカ西海岸便りから(一部省略)


○子宮筋腫の治療費 日帰り外来手術 100万円以上

「つい2週間ほど前に、カリフォルニアに住む日本人の友人Jさんが子宮筋腫の手術を受けた。彼女の体験を通じ、アメリカの医療の実態を知った。Jさんは、手術前に、「手術の当日、退院する」と言っていたので、私はてっきり大した手術ではないのだと思っていた。

 しかし、よく聞いてみると、全身麻酔をかけるので、本来なら、手術後、せめて一日、入院して安静にした方がよいのだが、入院費用を保険でカバーしきれないかもしれないので、「這ってでも当日、家に帰りたい」とのことだった。手術当日の話。手術後、目を覚ました途端、看護婦に「アンタ、2時間寝過ぎ」と言われ、突然ばんそう膏をはがされた。麻酔が切れかかって悪寒がしているのに、毛布の一枚もなく、頼んで初めて持ってきてくれる。そして、15分毎に、看護婦が「もう起きれるか。車イスに乗れるか」とチェックしに来る。後に続く患者のために、早くベッドを空けたいからだ。やっと、車イスに乗れるようになったが、誰も助けには来てくれず、自力で車イスに乗らなければならなかったということだ。

 退院して一週間ほどすると、病院から請求書のコピーが届いた。施設使用料として8,200ドル(約82万円)請求されていた。(請求書は、直接、保険会社に送られており、本人がこれを全額支払うわけではない。)その後も病理科、麻酔科などから、皮膚組織検査料約5万円、麻酔料約8万円、血液検査約3万円の請求が次々と届いた。結局、計100万円近くの治療費がかかったわけだ。

Jさんの場合、海外旅行保険に加入しているため、全額保険でおりるはずだが、何を理由に保険料の支払いを断られるかもしれない。アメリカでは、治療を受けた際には必ず、「もし保険会社から治療費が支払われなかった場合、必ず自分で支払います」という宣誓書に署名させられるのだ。ちゃんと保険がおりるまで安心はできない。Jさんは、今回の手術で、腫瘍をすべて摘出できず、近いうちに再手術をして子宮を摘出しなければならない。今回の手術は、腹部に小さな穴を開けてカメラを通しただけで、開腹手術をしたわけでもなく、病院にいたのは半日だけ。
 それで100万円もかかったため、「次の手術はいったいいくらかかるのか」と心配している。入院すれば、一日10万円以上請求されるのだ。」


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びっくり続きの医療費

○虫歯の治療 2本で1200ドル 13万円

「ニューヨークに赴任して2年、アメリカ生活で感じた不思議?をご紹介したいと思います。アメリカでまず驚かされたのは医療費の高さだ。ちょうど当地に赴任して1年経過したころ、突然、親知らずが痛くなった。歯医者に行ったところ、左上下の親知らずが虫歯と判明、治療より抜いたほうがよいと言うので、抜いてもらうことになった。1本600ドル、合わせて1,200ドルなり。このときはまだ、会社で加入している保険で費用のほとんどはカバーできるとの見込みがあったが、このほかに小さな虫歯が数本あると言われ、心配になって見積もりを依頼した。(医者はかなり渋っていたが。)この見積もり額はなんと4,000ドル。

こんなに高いと保険を使ってもかなりの足(約3,000ドル)が出てしまう。ダメ元でディスカウントをお願いしたところ、なんと保険でカバーできなかった分は請求しないという約束取りつけに成功。ラッキー!だが最終的に保険会社から思ったほど支払ってもらえず、材料費だけはと泣きつかれ、300ドルを支払った。過剰請求はこちらの常識とはいえ、医療費が値切れるとは・・・・。

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○出産費用 14,000ドル 150万円

「今年の10月に次男が誕生した。そのときの出産、入院費用の合計はなんと1万4,000ドル。ほとんどが保険でカバーされているので問題ないが、日本と違い、社会保険制度が発達していないアメリカでは、個人、会社で保険に入れない人は子供も産めない。また、このとき、費用の請求方法にも驚かされた。なんと4枚もの請求書が届いたのだ。アメリカでは医療が専門化されているとは聞いていたが、医療費の請求方法もこれほど細分化されている。もう少し患者(客)に分かりやすい方法を取ってほしいものだ。 」


[出産費用請求内訳]

 産婦人科医: 7,000ドル
 麻酔科医 : 2,000ドル
 小児科医 : 2,000ドル
 入院費  : 3,000ドル
 計    : 14,000ドル 

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アメリカの病院

○嘔吐と下痢 

 ロタウイルス感染の子供さん2人の5日間入院費  140万円

「今となっては貴重な体験ができたと笑いながら言えますが、帰国直前の1998年4月はじめに、娘二人が病気のため同時に入院するということがありました。ちょっと風邪をひいて医者にかかることは何度かありましたが、さすがに入院というのはある意味で貴重な体験でしたし、その中で(いい意味でも悪い意味でも)アメリカらしさを経験できましたので、アメリカの文化、そして、アメリカの病院のほんの一例としてここにアップすることにしました。」


   中略


「1ヶ月ほどしたら、Carle から請求書が送られてきました。保険会社へ送るはずになっているのに・・・と思いましたが、アメリカ人らしいなぁと思いつつ、私宛に来たのですから、封を開けて中を見ました。

 請求金額は、トータルで1万ドルを越えていました。つまり、当時のレートで140万円位でした。目が点になりました。明細には、事細かな内訳が何ページにも渡って記されていました。アメリカ人は、こういうことだけは細かいから困ったものです。」

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○カルテのコピー  1ページ数ドル


「帰国するとき、病院に行って、カルテのコピーをくれるように頼みました。日本へ戻ったときに、必要になるからです。電話して予約をしないと、希望の日にはもらえません。電話では、1ページあたり数ドルの手数料を取ると言っていました。ちょくちょく風邪などで通院していましたから、いったいいくらになるのかその額が心配でした。ホームドクター制をとっている(と言っても義務ではないと思いますが)アメリカでは、ドクターを換える=かかりつけのクリニックを変更することに対して、そうやって費用をふっかけるようです。

 カルテのコピーを受け取ったのは、帰国の2日前でした。受け取るときに、なぜそのコピーが必要なのかシートに記入しまたところ、コピー手数料が無料になりました。海外へ引っ越す場合は無料なのだと説明してくれました。ドクターを変更するときは、けっこうな金を取るのもアメリカらしいですが、海外へ引っ越すときには無料にするというのも、アメリカらしいと思いました。」


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○海外各地の盲腸の手術代ランキング  AIU保険会社


「ニューヨークで盲腸の手術をして入院すると、240万円以上もかかる。 それも、入院日数わずか1日」2000年に実施した最新の調査結果によると、こんな結果がでています。海外、特に欧米の治療費は総じて高額ですが、最も費用が高かったのが、ニューヨーク。ついで、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ボストンという順でアメリカの4都市が上位を占めています。また日本では盲腸で手術すると約1週間の入院という常識も、海外では大きく異なり、ニューヨークでは平均1日、パリでは平均2日の入院という結果がでています。

 総費用には手術費の他、病室代、看護費用、技術料等を含みます。一口に盲腸と言っても、症状は千差万別。腹膜炎を併発しているケースも多く、この場合は手術料もいっそう高くなります。また、どの病院に入院するかによって料金にかなりの差がでる都市もあります。

<盲腸手術入院の都市別総費用ランキング> 2000年AIU調べ

 順位  都市名       平均費用  平均入院日数

  1  ニューヨーク    243万円   1日
  2  ロサンゼルス    194万円   1日
  3  サンフランシスコ  193万円   1日
  4  ボストン      169万円   1日
  5  香港        152万円   4日
  6  ロンドン      114万円   5日

  11  グアム        55万円   4日

※総費用は、外国人が私立病院の個室を利用し手術も複雑でない場合を想定。また総費用は手術費の他、看護費用、技術料等および平均入院日数の病室代を含む。1US$=105円で換算し、万円単位四捨五入。

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海外各地の医療・衛生情報 AIU保険会社調べ

アメリカ各地の入院・部屋代1日分(部屋代だけです)


ニューヨーク
 個  室:約150,000円 〜
 セミ個室:約100,000円 〜
 一般病棟:約 70,000円 〜

ロサンゼルス
 個  室:約100,000円 〜
 セミ個室:約 80,000円 〜

ボストン
 個  室:約 50,000円
 セミ個室:約 40,000円
 一般病棟:約 30,000円


編集者注;

 因みに日本での虫垂切除術の手術代の保険点数は6420点(64,200円)となっています。看護基準・平均在院日数で最高基準の病院の1日の入院費は1200点(12,000円)程度ですから4-5日の入院なら、幾ら検査や投薬があっても普通30万円を超えることはないと思います。

 いずれにしろ盲腸手術の入院期間が海外、殊にアメリカで少ないのは入院費が非常に高いので早期に退院せざるを得ないからであり、近くのホテルに滞在して、病院に通院する方がまだ安上がりなのです。不必要な入院を減らすことも大切ですが、術後で不安の時に慌しく追い出されたり、近くのホテルに泊まる医療は日本に持ち込んで欲しくありませんね。

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○なぜアメリカではこんなにも医療費が高いのか

 さて、ここで、「なぜアメリカではこんなにも医療費が高いのか」について、もう少し考えてみたいと思います。医療制度そのものが違うので、日本との比較も難しいのですが、やはり一番の原因はドクターフィー、ホスピタルフィー等の人件費に係わる経費だろうと思います。そして今、注目しなければならないのは、訴訟の国アメリカでは、近年、

 1)医療過誤危機(Malpractice Crisis)
 2)防衛医療(Defensive Medicine)

の2文字がキーワードとなり、これによる医療費高騰が問題となっていることです。これらについて少し説明します。


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○ドクターフィー、ホスピタルフィー・・・すごい職員数の違い

 まず、日本の薬剤の平均価格はイギリス、フランスの約2.6倍、ドイツの1.4倍、アメリカの1.2倍と言われており、ペースメーカなどの一部の医療器具や医療材料には、欧米の数倍もの値段が付いていたりします。それなのに何故、逆にアメリカでは日本と比べてこんなにも医療費が高いのでしょう。

 我々もアメリカの医療費の細目を詳しく理解しているわけではありませんが、一番大きな違いは、診察費・人件費に関する費用だと思います。医薬品・医療機器の代金は変わらなくても、医師に支払われるドクターフィー、入院時の部屋代・看護代などのホスピタルフィーがべらぼうに高いのです。

 その理由は例えば日本では一般病院のベッド100床に対して医師数は13人、看護師は44人以上が施設基準ですが、アメリカでは医師は72人、看護師は221人にもなり、アメリカでは日本の5.5倍の医師と、5倍の看護師がいると言うわけです(1998年OECD統計)。また同じような規模での病院の職員数を比較した資料では、ボストンのSE病院ではベッド数350床に職員2011人、病床数310床の日本の国立病院では総職員数200人で、アメリカの方が約10倍であるとのことです。このような職員数格差を考えれば、アメリカの医療費が高くなるのは当然だという気もしますし、もっとゆとりのある手厚い医療や看護も可能だろうと思われます。

 このようなコストを問題にしないのなら、アメリカの基準の方が優っているのは当然で、多くのマスコミがこのコスト格差に触れることなく「アメリカの医療・看護はずっと手厚い」と安易に報道することは、国民の皆さんをミス・リードし兼ねぬものと危惧します。

 因みに日本の大学病院には、研修医や無給医局員という若い医師たちが多数存在し、職員数不足を補っていますが、薄給或いは無給ですから、医療費は高騰しないのです。そのほかにアメリカで大きく日本と違うのは、医療費自体が統一価格でないこと、州によって医療費が大きく違うこともあるようです。


今井きよし(氏)のホームページ

北青医会ニュースNo.52

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○訴訟が押し上げる医療費


続アメリカ医療の光と影(李啓充氏著、週刊医学界新聞):


1.医療損害保険料

 李氏によれば「アメリカでは、1970年代の初め、医療訴訟の急増と賠償金額の高騰により、保険会社は医療損害保険から撤退したり、大幅な掛金の増額を行った。そのためアメリカでは医師の収入の3割が医療損害保険料に当てられ、過誤保険の保険料の高騰は,特に,産科・救急外科など,過誤訴訟のリスクが高い科の診療にたずさわる医師を直撃し、それまで,年4万ドルだった保険料が,年20万ドルを超すことになった例も稀ではなく,過誤保険の保険料を払うためだけに診療をするなど馬鹿げていると,医師を廃業したり,産科医が妊娠中の患者を置き去りにして過誤保険料が高いネバダ州から安いカリフォルニア州に転出したり,家庭医が保険料を安くするために産科診療をやめたりする事例が続出した」とされています。医療損害保険料の高騰は医療費全体にも大きな影響を与えています。

2.医療過誤危機(Malpractice Crisis)

 Malpractice Crisisとは「医師や病院が,保険会社の撤退のせいで医療過誤保険にアクセスできなくなったり,保険料の高騰で過誤保険が購入できなくなったりすること」を言います。しかしそれだけでなく、「保険料の高騰は全米的な現象であり、医療過誤でいつ訴えられるかわからないという恐怖心のもとで医師が診療を行なわざるを得ないことの最大の問題は,誰の目にもそれとわかる社会現象として表に現われる Malpractice Crisisにあるのではない。より深刻な問題は、医療過誤訴訟の恐怖が,医師たちにDefensiveMedicine(防衛医療,保身医療)」の実施を強制し,それと見えない形で医療そのものを歪めていることにある」と述べています。

3.防衛医療(Defensive Medicine)」

 防衛医療・保身医療は医療過誤訴訟だけの問題ではなく、医療過誤訴訟の恐怖による「無駄な」医療が、アメリカの医療費を大きく引き上げていることも見逃せない事実です。例えば頭痛の患者さんを診察する際、医師は頭痛の部位や起こり方、経過などから鑑別診断を進め、その結果、鎮痛剤の処方や「様子を見ましょう」だけの場合が多いものです。しかし、稀には脳腫瘍や脳内出血などが潜む場合もあり、過度な訴訟社会ともなれば、医師は保身のために全ての頭痛の患者さんに頭部のCT・MRI検査を指示するようになります。こういう医療がDefensiveMedicineであり、訴訟社会が生んだ無駄な医療費と言うことも出来ます。

 李氏は「Defensive Medicineがどれだけ医療費を押し上げているかについてもいくつかの研究があるが,医療過誤の賠償金に上限を設けるなどの法的対策を講じていない州では,そのような法的対策を講じている州と比較して,医療費総額の5−10%が余計にDefensive Medicineに消費されているのではないかと推計されている。しかし,Malpracrtice Crisisに対する法的対策を講じている州でDefensive Medicineがゼロになるということはありえず,Defensive Medicineによる医療費の”無駄使い”は想像もできないほど巨額なものであると考えてよいであろう」と述べています。

 このようにアメリカの医療制度を検討するならば、様々な疾患の医療費の細目を比べてみることも必要ですし、医療以外のことにも目を向けねばなりません。アメリカ並みの医療を求めるのなら、それを支えるに足る人件費を含む医療費を設定しなければならないと思いますし、現在の保険診療の決められた点数の中で、日本の医師や医療機関の医療損害保険料は、どこでどのように負担するのかも考えねばならないと思います。

 しかし、医療費削減の大合唱の現状で、アメリカのような医療供給体制を取れる筈がありません。しかるにコストを論ぜず制度だけ取り入れようとする経済学者の主張には、充分に注意を払う必要があります。

○まとめ

そして最初に紹介したニューヨークの外務省在外公館医務官深川正明氏の言葉を「アメリカの医療費について」のまとめにします。

「実際の診察でも、すぐに高度な(かつ高価な)精密検査が指示され、また更により分化した専門医を紹介されること等の問題が指摘されています。過剰診療の傾向があります。

 入院時の看護も日本とは異なっており、看護婦(士)の役割は、病人の世話をするのではなく、患者に対する細分化された作業を監督することであり、また日本語で意志疎通ができる看護婦(士)は皆無と言えます。また、日本に比較して入院期間が極端に短く制限されています。このため診断途中や回復以前に退院となることもあります。

 このような高額医療費に対しては、十分な補償額の海外旅行保険等に加入して備えておく必要があるでしょう。医療費や医療の質そのものの面から鑑みれば、もし病状がそれ程緊急性を要しない等、事情が許せば航空運賃を負担したとしても、本邦に帰国して診療を受けることをお勧めします。」

http://www.urban.ne.jp/home/haruki3/america.html


Q. アメリカでは国民健康保険がなく、民間の保険会社に入れない程貧乏な人は、救急車が病院に運んでくれないって本当ですか?

A. 回答者:o-ya 2010-02-07 02:42:11


救急車は、支払能力に応じて、サービスの拒否はできないはずですが(アメリカは州によって法律が違うので、一概には言えませんが)、それよりも、保険がない人は、救急車が来ても、断る人が結構いるようです。

救急車が着いて、「いくらかかるの?」と聞いてから、「それなら、誰かに病院に連れて行ってもらうからいい」という笑い話のような話が実際にあります。

救急車の費用は、地域によって、800〜2000ドルと言われていますが、後で請求書が届いて、払えないという人がワンサカいるわけです。 保険がないから「救急車はいらない」というのに、勝手に呼ばれて2000ドルの請求書が届いて困っているという人も。

http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20091103212657AAoFwK...


保険がなくて、医療費を払えない人は、救急に行って、医療費を踏み倒すわけですが、私は個人的にそういう人たちを知っています。


なお、保険に入れないのは貧乏な人だけではありません。ほとんどの人が勤務先を通じて保健に入るので、失業すると健康保険がなくなる人が大半です。

低所得者であれば、メディケイドという公的保険に入ることができるので、一番困っているのは、失業して保険がなくなった労働者〜中流家庭なのです。

勤務先を通じず、自分で保険に入ると非常に高く、(個人事業主や零細企業勤務の場合も同じ)たとえば、私の30代の友人は夫婦2人で月に900ドル払っています。(年齢が上がると、もっと高くなります。)その上、年間自己負担分が2500ドルとか5000ドルなので、毎年、それだけ自分で払うまで保険は支払われません。

この友人は、もうすぐ出産予定なのですが、彼らの保険は出産はカバーされないため、妊娠してから各種テストを受けるのも毎回、何百ドル、自腹です。出産するまでに何千ドルかかるわけです。

また、個人で入る場合、既往症があると入れません。

一番、保険が必要な人が拒否されるわけです。(つまり、保険会社は、若くて元気な人にしか保険を売りたくない。)

アメリカで、慢性の病気があり、仕事をしてない人は、死ねと言われているようなものです。それに、医療費は毎年上がっており、保険があっても、すごい医療費を払わされる場合が多々あります。

http://d.hatena.ne.jp/o-ya/20090124/p1


日本で保険を使わない場合とアメリカで保険を使った場合の自己負担分がだいたい同程度です。アメリカの場合、請求書が来るまで、最終的にいくらかわかりません。

また、たとえば手術を受けた後、保険会社に支払を拒絶されるというケースも珍しくなく、それで自己破産する人もいます。

日本では"sicko"は、あまり評判にはならなかったようですが、国民皆保険の日本の人にはアメリカの医療現状はピンと来ないようですね。

http://q.hatena.ne.jp/1265473362


日本をアメリカ合衆国51番目の州にしよう


アメリカの恐ろしい真実 Lance Freeman 2010年4月8日

"Information Clearing House"

アメリカ人の皆様には、悪いお知らせがある。 アメリカ人の生活の質は、先進国の中でも、大差で最悪なのだ。 西ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダや、アジアの多くの場所で、人々が、本当はどのような暮らしをしているか、ご存じになっていたら、あなた方は、より良い生活を要求し、街路で、暴動を起こしていただろう。

実際、平均的なオーストラリア人やシンガポール人のタクシー運転手の方が、典型的なアメリカの事務職の人より生活水準はずっと良い。 私はアメリカ人なので、これを知っている。 それで、皆さんが家とお呼びになっている監獄から脱出したのだ。

私は、世界中で暮らしたことがある。豊かな国、貧しい国、そして、ただ一国だけ、私が決して暮らしたくないと思う国がある。
アメリカ合州国だ。

アメリカのことを考えるだけで、恐怖で一杯になってしまう。

考えても頂きたい。

アメリカ人は、先進国の中で、単一支払者医療制度がない、唯一の国民だ。 西欧、日本、カナダ、オーストラリア、シンガポール や、ニュージーランドの国民には、皆、単一支払者医療制度がある。 万一、病気になったら、彼らは、あらゆる精力を、健康になるために注ぎ込める。

アメリカでは、万一病気になったら、二つのことと、同時に戦わねばならない。
病気と、財政破産の恐怖だ。

何百万人ものアメリカ人が、毎年、医療費のために破産し、毎年何万人もの人が、医療保険に加入していないか、保険が不十分なために、亡くなっている。 アメリカには、世界最高の医療があるとか、順番待ちリストが一番短いとかいうたわごとを、一秒たりとも信じてはいけない。

オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパ、シンガポールや、タイで、病院に行ったことがあるが、そのどれもがアメリカで行っていた“良い”病院よりも、良かった。 待ち時間は短く、設備は、もっと快適で、医師たちも素晴らしかった。 あなたは、世界の誰よりも良い医療制度を必要としているのだから皮肉なことだ。

なぜだろう?

あなたのライフ・スタイルが、ほとんど、あなたを病気にするように作られているためだ。

皆様の食事から始めよう。

あなたが召し上がる牛肉の多くは、加工の過程で、糞便にさらされている。

召し上がる鶏はサルモネラ菌に汚染されている。

家畜や家禽は、成長ホルモンと抗生物質を、たっぷり注入されている。



他の大半の国々では、政府は、こうした類のことから、消費者を保護しようとして行動するものだ。 アメリカ合州国では、あらゆる有効な規制や検査をしないよう、政府は業界に買収されている。

モンサント社とアメリカ合州国政府の癒着関係のおかげで、数年のうちに、アメリカ合州国国内で販売されている全ての農産物の大多数は、遺伝子組み換え作物になるだろう。

しかも、なお悪いことに、アメリカ人が消費する莫大な量のブドウ糖果糖液糖のせいで、現在アメリカ合州国で生まれる子供の三分の一は、人生のどこかの時点で、2型糖尿病と診断されることになるだろう。


もちろん、あなたを殺しつつあるのは食品だけではない。

薬品もそうだ。

もしも、若い時に、偉く元気な様子をすれば、鎮静剤のリタリンを処方してくれる。 そして、十分年をとって、周囲をじっと見回すようになると、落ち込むことになり、医者は抗うつ剤プロザックを処方してくれる。 あなたが男性であれば、これで、あなたは化学的に不能になるので、奮い立たせるのに、ヴァイアグラが入り用になるだろう。


一方、トランス脂肪がたっぷり入った食品で作られた食事をいつも召し上がっていれば、コレステロール値は必ず高くなり、そこで高脂血症薬リピトールの処方箋を貰うだろう。 最終的に、一日の終わりには、健康保険を失う心配から、夜中眠れぬまま横たわっていることとなり、そこで眠るために、催眠導入剤ルネスタが必要となる。


あなたを病気にしてくれることが確実な食事と、ずっと、そういう状態に置いておくように設計された医療制度がある以上、本当に必要なのは、どこかでの長期バケーションだ。 不幸にして、あなたはおそらく休暇をとれない。


ここで、ちっとした秘密を教えてさしあげたい。

もしも、タイの海岸、ネパールの山々や、オーストラリアのサンゴ礁に行かれても、おそらく、あなたが、そこにいる唯一のアメリカ人だろう。 そして、幸福なドイツ人、フランス人、イタリア人、イスラエル、スカンジナビナ諸国の人々や、裕福なアジア人の大群に包囲されるだろう。

なぜだろう?

彼らは、そうした場所にやって来るだけの旅費を払えるだけの給料を貰っており、しかも、そうすることが可能なだけ長い休暇がとれるからだ。 例え仮に、あなたが、そうした信じがたいほど素晴らしい場所にでかけるのに十分な資金をかき集められたとしても、時差ボケから回復する頃には、飛行機に搭乗し、大急ぎで仕事に戻る時間になっているだろう。

私が話をでっちあげているのだとお考えなら、国別の年間休暇日数平均統計を確認頂きたい。

フィンランド: 44
イタリア: 42
フランス: 39
ドイツ: 35
イギリス: 25
日本: 18
アメリカ: 12


現実には、人は、アメリカ合州国で、こきつかわれている。 これは、決して驚くべきことではない。 アメリカ合州国は、決してプランテーション/ 労働搾取モデルをやめることができなかったし、あらゆる本格的な労働運動は容赦なく弾圧された。

読者が、たまたま所有者階級のメンバーでおられない限り、選択肢は、サービス業の賃金で、辛うじて生き延びるか、間仕切りで区切られた仕事場(翌週には、どのみちインドに外注されてしまう仕事場だが)の席を巡って、椅子取りゲームをするかに、ほとんど限られている。 精々望めるものと言えばと、専門的な資格を取って、中流階級用パイの一切れを、長期間にわたって得続けることだ。

しかも、苦労して中流階級に入り込んだ連中でさえ、いったん病気になるか、失業してしまえば、貧困に陥る。 仕事が続く保証などない。 会社は、社員に対する忠誠心など皆無だ。 連中は、それが都合のいい間は、あなたを同僚たちと争わせるが、やがては、あなたをお払い箱にする。


もちろん、読者は、この点、なんの選択肢もお持ちではない。 そういう風に、体制ができているのだ。

先進国の、大半の国では、高等教育は無料か、多額の助成金がある。
アメリカ合州国では、大学の学位を取るのに、10万ドル以上の費用がかかる。 そこで、アメリカ人は、多額の負債を負って、実社会に入るのだ。

一年間の休暇をとって、世界旅行をして、自己発見をするなぞ、あきらめなさい。 仕事を始めるか、自分の信用格付けが急落するのを眺めるかの、どちらかしかない。

もしも、“運”が良ければ、住宅ローンを借りる資格を得るのに十分な仕事にありつけるかも知れない。 そうして、勤労生活の半分を、ローン金利の支払いのためだけに過ごすことになる。


アメリカ借金奴隷の世界にようこそ。

あちこちで、そういう“話”が、やたらあるので、アメリカには、偉大な富があるという幻想をもつが、一体誰が、実際それを所有しているのだろう?

実際には、平均的なアメリカ人は、マニラの最貧スラムの住民よりも貧しいのだ。 何故なら、少なくとも彼等に、借金はない。 もしも彼等が、荷物をたたんで立ち去りたければ、連中はそうできる。 アメリカ人は、立ち去りたくとも、支払うべき借金があるので、立ち去ることができない。

こうしたこと全てから、一つの疑問が提起される。

なぜ皆はこれを我慢しているのだろう?

アメリカ人の誰に聞いても、同じような答えが返ってくる。

アメリカは地球上で、最も自由な国だから。


もしもあなたが、これを信じておられるなら、あなたに更にいくつか、悪いお知らせがある。アメリカは、実は、地球上でも、最も不自由な国の一つなのだ。

尿は検査され、電子メールや、電話会話は盗聴され、医療記録は収集され、一言でも、まずい発言をするだけで、テーザー銃の二本の電極を尻にあてられて、地面で、苦悶する羽目になる。

しかも、これは単なる物理的な自由に過ぎない。 精神的に、アメリカ人は本当にimprisoned。

そうしたことなど、心配せずにすむ国で暮らしたことがないので、アメリカ人は、医療破産、失業、ホームレスや、凶悪犯罪の恐怖で苦しめられている程度のひどさを、理解できないのだ。

しかし、ことは単なる監視や心配より、はるかに深刻だ。 事実は、アメリカという国が別の政府に乗っ取られ、占領されているために、アメリカ人は自由でないのだ。 税金で支払うドルの70%は、ペンタゴンに行くが、ペンタゴンこそ、アメリカ合州国の、本当の政府なのだ。 アメリカ人は、この占領政府に、死ぬような苦しみの中、税金を支払うことを要求されている。

もしも、それほど恵まれていない階級の人であれば、連中の果てしない戦争に出征し、死ぬことを要求されるか、あるいは、息子や娘をそうするために送りださせられる。

この点、アメリカ人に選択肢はない。アメリカ合州国には、軍隊に、砲弾の餌食を絶えず送り込むという流れ、社会-経済的徴兵制度がある。

もしも、あなたが、監視、不安、自分が選出したわけでもない政府にこき使われる、絶え間ない労苦の生活を“自由”とお呼びになるのであれば、あなたと私とは、その言葉が意味することについての考え方が、極めて異なっていることになる。もしも、国を変えることができる機会が多少ともあるのであれば、希望を抱ける理由もあろう。 しかし、あなたは、周囲を見回して、何かが変化するようだという結論を、本当に出せるのだろうか?

一体どこから変化は起きるのだろう?

国民から?

同国人をじっくりとご覧頂きたい。

アメリカ合州国の労働者階級は、ラッシュ・リンボー、ビル・オライリーや、シーン・ハニティ等の悪党連中によって、容赦なく、洗脳されている。
労働者階級のメンバーは、ご主人にへつらうよう、教えられており、更にもう一度、尻を蹴っ飛ばして貰うため、かがみこみさえする。

ご主人連中は、こうした人々を十分に仕込んであるので、この労働者たちは、ご主人様が命令を下すやいなや、武器を手にして、残りのもう半分の労働者階級に立ち向かうだろう。

もしも国民が変化をおこせないのであれば、マスコミはどうだろう?

全く望みはない。

フォックス・ニューズから、ニューヨーク・タイムズに至るまで、アメリカ合州国のマスコミは、企業主義体制、それも主に軍産複合体の広報部に過ぎないのだ。

少なくとも、旧ソ連の国民たちは、ソ連のニュースが、たわごとであるを知っていた。 アメリカでは、自由なマスコミがあると思い込んだまま成長するため、プロパガンダは二重の効果をもたらす。

もしも、アメリカ・マスコミなど、単なる企業プロパガンダに過ぎないとは、考えておられないのであれば、以下の質問を自問して頂きたい。

大手アメリカ報道機関が、アメリカは、軍事支出さえ削減すれば、単一支払者医療制度の資金をだせることを示唆するのを、聞いたことがおありだろうか?

もしも変化が、国民やマスコミからは起きないのであれば、唯一、変化の発生源の可能性がある残されたものは、政治家ということになるだろう。

不幸にして、アメリカの政治プロセスは、世界の中でも最も腐敗している。
地球上のどんな国でも、政治家というものは、金持ちから賄賂を受け取るものだ。

ただし、それは通常、連中のエリート・クラブの密室で、こっそりと行われる。
アメリカ合州国では、この種の政治的腐敗行為は、合法的な、一般に認められた、標準的な作業手順の一環として、白昼公然と行われる。

アメリカ合州国では、連中は、こうした賄賂キャンペーンを、寄付、政治活動委員会や、ロビイストと呼んでいるに過ぎない。

人が手斧を手に持って、自分の体の下にある両足を叩き切ることなど期待できないのと同様、もはや政治家がこの制度を変えるなどと期待することはできない。

いや、アメリカ合州国は、良い方向に変わろうとしているのではない。 ひたすら悪い方向にチェンジするばかりだ。 しかも、より悪いと申しあげているのは、ずっと悪いという意味だ。

こうして話をしている間にも、アメリカを、第二次大戦後、支え続けてきた経済制度は、崩壊しつつある。

アメリカ合州国は、その“クレジット・カード”を、2008年のどこかで、使い切っており、いまや、中国を始めとする貸し手たちは、英米“石油-ドル”制度に置き換わる、新たな通貨制度の基礎作りの過程にある。 米ドルの実行可能な代替案ができるやいなや、ドル紙幣は、まるで石のように沈没するだろう。

アメリカ合州国は、圧倒的なレベルの借金をため込む一方で、同時に、製造業の仕事や、ホワイトカラーの仕事を海外に移すのにも忙しく、国内インフラを崩壊するにまかせている。

これに対し、アジアやヨーロッパ諸国は、教育、インフラや原料に投資をしてきた。 たとえ、アメリカ合州国が、実体経済(サービス/金融経済と、対照的に) を再建しようと試みたにせよ、アメリカ人労働者が、中国やヨーロッパの労働者と一体競争できると思われるだろうか?


日本やドイツの工場をご覧になったことがあるだろうか?

シンガポール人や中国人の労働者とお会いになったことがあるだろうか?

アメリカ合州国が直面する未来には、二種類の可能性しかなく、そのいずれも、うれしいものではない。 最善の場合というのは、ゆっくりながら、整然とした衰退で、本質的に、過去20年間に起きたことの継続だ。

給料は下がり、失業は増え、メディケアや社会保障給付は削減され、通貨の価値は低落し、富の格差は、手に負えない状況に陥り、ついには、アメリカ合州国は、メキシコや、フィリピンに、つまり膨大な貧乏人に囲まれた富者のちっぽけな島とそっくりになり始める(この国は既に、道の半ばまで来ている)。

同じように、あり得るのは、中国、日本、韓国やOPEC諸国のような債権国による米ドルの急激な売りによってもたらされるであろう突然の崩壊だ。

関連した一つの可能性として、アメリカ合州国政府による、膨大な債務に対する債務不履行がある。 アメリカ政府財政のバランスシートを一瞥すれば、これがどれほど、あり得ることか、納得されるだろう。 政府支出は急増ししており、税収は急落している。 何かを譲らなければならないのだ。 万一、こうしたシナリオのいずれかが展開すれば、その結果として起きる恐慌と比べれば、現在の不況なぞ、公園の散歩に見えてくるだろう。 崩壊が緩やかなものであれ、あるいは衝撃的なほど突然のものであれ、結果は、混沌、内乱と、ファシズムだ。現実を直視しよう。

アメリカ合州国は、旧ユーゴスラビアのようになる。 名目上、結びついている、お互いに拮抗する文化の寄せ集めだ。

アメリカ版タリバンもちゃんとある。

非宗教的な合憲政府という考えを、大いに嫌悪している、右翼キリスト教原理主義者だ。

アメリカには、過去数十年間、フォックス・ニューズや、プロパガンダ・トークのラジオ番組にどっぷり漬かって過ごし、体制の崩壊を、民主党やゲイや移民になすり付けたがる、膨大な知的下層階級の人々がいる。アメリカには、自分の富を、飢えた大衆から守るためには、使える限りのあらゆる手段を用いる、冷酷な所有者階級がある。

そうしたもの全てに加え、アメリカには、巨大な工場式畜産場、無秩序に広がる近郊住宅地、トラックに依存する物流制度があるが、こうしたもの全てが、全く手の届かないものになろうとしている石油に、完全に依存している。

しかも皆が銃を持っている。 大変な数の銃だ。

要するに、アメリカ合州国は、暮らすには、極めて不健康な場所に、まさに、なろうとしているのだ。

現在、政府は、北部と南部の国境沿いに、塀と壁を建設している。 現在、政府は、全国ID制度(間もなく生体データ記録も搭載される)に取りかかっている。 現在、政府は、国民のあらゆる動静を、オンラインで、街頭で、国境を越えて、追跡することができるような、徹底的な監視国家を構築している。 もしも、これが、国民を“テロリスト”から守る為だと考えておられたなら、あなたは、とんでもない誤解をしておられる。

いったん本当に大変な事態になってしまったら、古いステーションワゴン車に飛び乗って、カナダ国境を越え、人生の残りの日々を、魚釣りをして、モルソン・ビールを飲んで過ごせる、などと本気で考えておられるだろうか?

とんでもない、政府は、アメリカを封鎖してしまうのだ。

連中は、納税者を逃がしはしない。 連中は“新兵”に、逃亡などさせたくないのだ。連中は、あなたが脱出することなど望んでいないのだ。


皆様を脅したくて、本文を書いているわけではない。 皆様の友人として、私はこれを書いている。もしも、読者が、私がここに書いていることを、お読みになり、理解されるのであれば、あなたは、アメリカ合州国における少数派の一員だ。あなたの居場所がない国で暮らしている少数派なのだ。

そこで、あなたはどうすべきなのだろう?

アメリカ合州国から去るべきなのだ。


もしも若ければ、選択肢は豊富にある。

中東、アジアや、ヨーロッパで、英語を教えられる。 あるいは、海外の大学や大学院に進学し、労働ビザ資格を得られるような特殊技能を身につけるのを始めることができる。 既に何か特殊な技能をお持ちであれば、特殊技能を持つ移民として、様々な国に移民を申請できる。 読者が、高齢で、多少の蓄えがあれば、コスタリカや、フィリピンのような国で、隠居暮らしができる。 仕事をする資格は得られなくとも、学生や、退職者ビザだからと、あきらめることはない。

観光ビザで、良さそうに思える国に旅行し、そこで出会ったアメリカ人国外居住者と話すことだ。 何をするにせよ、出来るだけ早急に、移民弁護士に相談することだ。 どうすれば、永住を可能にすることができる方法、最終的には、ご自分で選ばれた国の国籍を得る方法を、正確に知ることだ。

あなたはたった一人というわけではない。私のように、アメリカ合州国の外で暮らしているアメリカ人は何百人といる。祖国で実現できるであろうものより、ずっと充実して、平和で、自由で、豊かな生活をしているのだ。

偶然、こうした生活にたどりつく人々もいる?

私たちは一年間海外で暮らしてみて、それが気に入った。 荷物をまとめ、永遠に立ち去ってしまう、という意図的な決断をした方々もおられる。 カナダで、ヨーロッパ中で、アジアの多くの場所、オーストラリアやニュージーランドで、そして、地球上の他の大半の国々に、私たちのような人々がいる。

友人や家族をなつかしく思うことがあるだろうか?

それは、ある。

時には、祖国での生活のある部分をなつかしく思うことはあるだろうか?

ある。

我々は、再びアメリカ合州国で暮らそうと計画しているだろうか?

決してそんなことはない。

また、永住ビザや国籍を持っている人々は、その受け入れ国の長期ビザを、祖国にいる家族が取得するための保証人になることができる。


結論として、思い起こして頂きたいことがある。

あなたがアメリカ・インディアンか、奴隷の末裔ではない限り、ある時期に、あなたの先祖は、より良い生活を求めて、祖国を離れることを決断したのだ。 彼らは、売国奴でもなければ、悪人でもなく、単に、自分たちや家族の為に、良い生活を望んでいただけだ。 あなたがたも、彼らの旅を続ける頃合いではないだろうか?

http://www.asyura2.com/09/kokusai4/msg/782.html


33. 2011年3月01日 23:03:43: MiKEdq2F3Q

TPPの先にあるものを暗示している動画

アグリビジネスの巨人“モンサント”の世界戦略

1 http://www.nicovideo.jp/watch/sm13412914
2 http://www.nicovideo.jp/watch/sm13413099
3 http://www.nicovideo.jp/watch/sm13413373


34. 2011年3月09日 17:40:09: MiKEdq2F3Q

宇沢弘文は語る
「TPPで日本壊国、私は我慢できない。墓場、棺桶から這い出して戦う!』


宇沢弘文が語る「TPP」 11/03/05
 http://www.youtube.com/watch?v=t31kfmOQUP0

TPPを慎重に考える会 宇沢弘文
http://www.ustream.tv/recorded/13163254

 近代経済学の御大、宇沢弘氏、民主党のあまりの裏切りに我慢できず、

「墓場から這い出して、棺桶に片足つっこんでたが、棺桶から出て戦う!!」

 と宣言


「TPPは第三の開国」とのたまう菅内閣に対して徹底的に戦うぞ!と宇沢氏が、菅首相がのうたまう

第一の開国(安政の開国)、第二の開国(太平洋戦争敗戦)敗戦を国家の総理大臣が第二の開国と表現するのは、頭がどうかしてるぜ。

そして、第三の開国(TPP)について、歴史的な背景から  自らのことばで語る。

__________


アメリカで学んだことないんですよ、独立した研究者として呼ばれてね
最後にシカゴ大学の教授になって そこでね、市場原理主義者ミルトン・フリードマンとね かなり強烈な対決をしたんですね

フリードマンって人は人間としての良心が全くない人なんですね

架空の論説な(?)構造を作ってそれだけでいろんな事を考える
例えばね、学生の博士論文を審査する時にも結論がミルトン・フリードマンの市場原理主義にあってるかどうかで判断するんですね

論文ってのはね、どういう前提を置いて、どういう調査してあるいは実証それでどういう結論に達したか
結論が最初にあるんじゃないんですね
全体のプロセスでフリードマンはそれをね執拗に主張してくるわけでね

それが市場原理主義ですからシカゴに移った時に1964年なんですけどジョンソンとゴールドウォーターの大統領選挙でゴールドウォーターは
「共産主義のベトナム、水素爆弾で解決しよう」
と言って それに対して猛然とした反発があって。 フリードマンは1人起ち上がって

「共産主義者は1人でも多すぎるこの地球から共産主義者を抹消させる」

と言って水素爆弾でどれだけ犠牲になっても構わないと言うことを最後まで主張を貫く。

大学の教授は、自分が何を信じてるかではなく若人を育てて、若い人たちこれからどうやって生きていくか基本的な生き方を私たちは伝えないといけない

フリードマンのように儲ければなにやってもいいというのをね主張しては絶対にいけないんです



35. 2011年9月15日 11:56:01: MiKEdq2F3Q

【2011.09.12 超人大陸】京都大学大学院准教授 中野剛志
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15581395

36. 2011年11月08日 21:00:18: MiKEdq2F3Q


【米韓FTAより酷いTPP交渉となる】中野剛志
http://www.youtube.com/watch?v=uLvenY-eWTc&feature=youtu.be
http://www.youtube.com/watch?v=g-N0juZCUIw
http://www.youtube.com/watch?v=9_AOMYRROv8&feature=related


中野剛志「京都大学の中野でございま、中野でございます。

えー、今日はちょっとTPPの問題がかなり非常にまずい状況で切迫した状況になって、おりますので。まあまたTPPについて申し上げたいと思います。で、私ももうTPPの反対をまあしてますけども。ほとんどどうにも動きがとれない感じが、えーあります。最近ではですね、もしかしたら命も狙われるかもしれない、という感じがありますので。やむを得なくまあ大島優子の仮面をかぶってですね、化けてるわけでございまして。実際にはこういう顔でございまして……(仮面を脱ごうとする)いててて、あ、すいません、取れないんでこのままやらせていただきます。

※顔、若干紅潮。

中野「でですね。TPPはもうこれまで何度かご説明したのでご覧になってる方はおわかりでしょうけれども。アジアの成長をこれで取り込むなんてことはありえないと。えー、9割で……日本がTPPに入っても9割が日米と。日本が2割アメリカが7割。そのアメリカは輸出倍増戦略をとっていると。言うことです。

まずその自由貿易協定とか経済連携をやろうやろうと言うんですが。実はまずその自由貿易協定ってのはその関税を撤廃して物を自由に行き来しようとかですね。まあその……公平に、えー……競争をしましょう。どうも、そういうイメージで捉えられてるようですけれども。実は自由貿易協定ってもうそういう話じゃとっくになくなってんですね。実は大体1970年代ぐらいまでは、特にアメリカの力が強くって各国の関税がまだ高かった頃は、関税引き下げが主流の話だったんですけども、70年代になるぐらいになると、関税がもう低くなって農業以外はほとんど関税、意味がだんだん無くなって、くると。いう事になります。

それからもう1つは、アメリカの経済力が弱くなってきたので、その……アメリカの企業が、競争すると日本とか他の企業に負けるっていう事態が、生じるようになってきました。

従ってですね、もう関税を引き下げて自由貿易をやるっていう話じゃ、だんだんなくなってくる。アメリカにもそんな余裕がなくなってくる。それで70年代から80年代、90年代と、次第に貿易交渉の中身が変わってきます。

何に変わっているかというと、お互いに関税を引き下げて公平に経済競争しましょう、じゃなくなってくるんですね。なにかっていうと、今度は非関税障壁と言われるものにシフトしていきます。

それはですね、えー要は、相手の国の制度やルール、法律を自国の企業に有利なように変えさせる交渉に変わったんですね。で制度が同じだったら、市場が制度が2国で違う場合は分断されますが、市場で制度が一緒だったら、市場が大きくなると、こういう理論なんですが。どっちの国の制度に合わせるか、これ、政治力で決まります。

つまりアメリカはもうフェアな市場競争では他の国、特に日本企業には勝てなくなったのでルールを変えさせることで自国に有利にするという戦略をとり始めたのが、大体70年代80年代ぐらいで、もう大分経って、世界ってそういう状況になってるんですね。

で、そうするともう、関税がかかる物品だけじゃなくて、サービスとかもう色んな領域に……金融とか投資とか政府調達とか、色んな領域に範囲が広がったのも大体70年代80年代ぐらいからということになります。

さて、制度をどう変えるかっていう交渉は、これは政治力が大きいですね。したがってアメリカは経済力が落ちてきても政治力は強い、軍事力も強いので、こちらで勝負をしてしまえば勝ちになると、こういう戦略に、ずうっと来てるんです。で特に90年代以降……80年代後半から90年代以降は日本はその戦略にやられっぱなし、と。したがって90年代以降日本はもう、いつもやられると。経済も停滞すると。いう事になったわけです。

例えるならばですね。例えば、えー……オリンピックで……ちょっと話が古いですけれども。鈴木大地選手が金メダルをとったことはありました。バサロスタートで金メダルを取りました。しばらくするとバサロが禁止になると。つまりルールが変更されるんですね。おそらく浅田真央ちゃんも、そうやって苦しんでると思いますが。日本選手が血のにじむような努力をやって優位に立つと、ルールを変更してその技を出来なくする、ということがよくあります。

経済も同じなんですね。ルール……あの日本企業がどんなに頑張ってもルールを変更してしまえば、えー無意味になると。実は外国為替相場、通貨もそうですね。えーいきなり1985年にプラザ合意で円高にさせられてしまったので、これまでの努力が水の泡。これはもう通貨の交換のルールを変えてしまう。それは政治力が効いてくる、というようなことになります。

で日本は企業は国際戦略とか持ってますけど、政府が戦略、全然ありませんから。政府の勝負にやればもうアメリカの勝ち。実はこれが自由貿易協定、自由貿易交渉の今の実態なんですね。

で、ついでに日本の政府とか外交の担当者がアメリカに留学して、アメリカに都合のいい考え方、これがグローバルなんだ、自由貿易が正しんだって考え方を摺りこんで、日本に送り戻せばこれでもう完全にアメリカの意のままに動く。下手するとアメリカが要求しなくたって日本が勝手にアメリカに有利なルールづくりを変える。それが構造改革、いわゆる関岡英之氏が明らかにした年次改革要望書なんかはその典型ですし。80年代の日米構造協議もそうですし。全部そうなんですね

で、TPPはその流れにあるのは明らかです。ところがTPPに関しては、農業対それ以外という問題ということで情報も明らかに政府はしようとしておりません。で、最近米韓FTAでですね、韓国大統領がアメリカで国賓扱いされたと、いうようなことで米韓FTAをみて日本も乗らなきゃいけないと。だからTPPだと。えーマスコミではやし立ててますが。

いや、そうでしたらじゃぁ、米韓FTAってのは、そんなにいいものだったのかどうだったのかを見る、えー……とですね、TPPがなんなのかわかります。

TPPと米韓FTAって似ていて。両方ともさっき申し上げたルール変更の、新しいタイプの貿易協定なんですね。これはそのアメリカとカナダとメキシコの北米自由貿易協定もこのタイプで。えー……あれでアメリカに良いルールにカナダとメキシコがされて、搾取されるというような協定になってるわけですけども。米韓FTAもTPPも同じで。特に、TPPは実質日米協定ですからね。したがって米韓FTAとよく似ている。それから韓国に対する要求と日本に対する要求、アメリカはおんなじような要求をまあ、していると。

でなによりですね、その……TPPを推進している人たちが米韓FTAをうらやましがっているんだから、米韓FTAを見れば、大体TPPで何をされるかわかるわけです。

さて、韓国は何を得たか。

米の自由化は阻止しました。そのかわり、農産品はね……米の自由化は阻止しましたが、米以外はちょっと猶予が設けられていますけれども、実質的に全部、関税撤廃です。

そのかわり韓国は何を得たか。

アメリカの関税を撤廃してもらいましたが。ところがそんなの意味が無いんですよ、韓国にとって。なぜ意味が無いか。韓国の輸出品として考えられる自動車の関税は、たった2.5パーセント。テレビはたった5パーセント。そんなもんなんですね。しかも、日本と同じで、韓国もアメリカでの現地生産を進めていますので、関税の向こうっかわで工場をたてて、えー……作っていますから。関税はそもそも何の関係もない。

で韓国も……そういう意味じゃグローバル化すると関税って関係がなくなるんですよね。で、韓国が競争力が強いのは、えー、ご案内のとおり、前もご説明したと思いますけれど、ウォンが暴落したからで。別に米韓FTAを結んだからではありません。だって米韓FTAってまだ発効してないんだから。その前に、韓国の企業の競争力がなぜ強いのか。それは、ウォンが暴落したからです。今ウォンが暴落して困ってるぐらいで、支えようとしてるぐらいですね。だからまあ、それで説明できてしまう。ということですね。日本の場合は円が高くなってるから逆ですね。

しかも、この無意味な関税ですが。自動車の関税2.5%は、アメリカの自動車メーカーが韓国のメーカーに脅かされると感じたら、この関税、元に戻る…、っていう。復活できるっていう、そういう規定なんです。これが、韓国が得たものなんですね。

さて、貿易交渉ですから、こっちが得たものの代わりの代償を求められるわけですね。で日本も同じです。日本もTPPはほとんど日本にとって何の意味もないんですが、意味もないことでも、それを認める代わりに代償を求められます。

さて、米韓FTAで韓国が払った、支払った代償はなんでしょう。

まず、アメリカの自動車業界は、関税2.5%撤廃する代わりにアメリカ企業が韓国の自動車市場に参入できるようにしてくれって当然頼むわけですね。そうしないと米韓FTAは議会で通さないぞってことになるので。えーアメリカ政府は韓国に圧力をかけて、韓国はその要求を呑まざるを得なくなって、何を、呑んだか。

自動車の排ガス規制をアメリカと同じにして、それから、えー……安全基準やえー……その……排ガス関係の装置、の、えー……、設置義務、こういった、えー……、規制をですね、アメリカのえー、会社には、えー、一時的に猶予すると、いうようなことになりました。

それから、えー、アメリカの自動車は大型車が有利ですね。だけど大型車ってのはCO2をいっぱい出すわけですよ。で韓国は小型車が有利な国なので、小型車に有利な自動車税になってるんですが、これを大型車に有利な自動車税に変えさせられました。税もアメリカに有利になるように変えさせられた。

排ガス規制とか安全規制とかそういった環境とか安全のためのものの規制を、アメリカの要求でアメリカに有利なように変えさせられたんですよ。

それだけではありません。農業協同組合、漁業協同組合、あるいは各種協同組合が提供している、保険サービスいわゆる共済。それから郵便局の保険サービス。日本でいう簡保ですね。これは、FTA締結 …あの発効後3年以内に解体です。で、もともとそういう協同組合の共済っていうのは同業者とか同じ地域に住む人達が相互扶助として助け合いのために設けたものですね。それを解体してアメリカの保険市場が入りやすいように……アメリカの保険会社が入りやすいようにする、ということになってしまいました。

それからアメリカの医薬品メーカーは、自分の会社の薬価、薬の価格、が韓国より低く設定された場合には、韓国政府を訴えることができると、不服を申し立てることができるという第三者機関を設けるという制度になりました。

それから法律・会計・税務の事務所は、えーアメリカの、アメリカ人が韓国で事務所を開設できる。いわゆる外弁ですね、外国人弁護士、が事務所を開設できるようになりました。

テレビの放送法の外資規制は緩和されました。

しかも恐るべきことに、多くの分野でこういう規定が設けられました。ラチェット規定といいます。ラチェットというのは何かというと、爪の付いた歯車のことなんですね。これってのは何かっつうと、こっち側にはガチャガチャガチャガチャ回りますが、爪がついてるので反対側には回らない。っていうそういうあの歯車ありますよね。爪歯車。これがラチェットなんですけど。このラチェット規定ってのは何かっていうと、一旦韓国が認めた自由化、市場開放は、えーあとでやばいと気付いても元に戻してはならない。

例えばですよ。牛肉の自由化を認めました。でアメリカでBSEが発生した、狂牛病が発生した。っていうようなことになっても、韓国は輸入の、牛肉の輸入を禁止できなくなる。という規定を入れられちゃったんですね。

最も恐るべきは、投資家と国の紛争解決手続という条項が入れられました。これはISD条項といいます。これが米韓FTAで入りました。

これはですね。元々北米自由貿易協定NAFTAで入りました。でこの、えーISDという条項は非常に問題が大きいんですね。

これはなにかというと、投資家が、外国の投資家が、えー例えば韓国とかカナダとかで、えー投資をやる……企業が参入しようとして、損害を受けたと……国家の政策として損害を受けたと思ったら、えーその国の裁判所じゃなくて、世界銀行の傘下にある国際投資紛争解決センターという仲裁機関に訴えることができる、という規定なんです。

一見、良さげなんですけども、これがとんでもない問題を今、ずうっと引き起こして、世界で識者たちが問題にしてるんですね。

なぜかというと、この国際仲裁所はですね、えー、審理…何を……何の観点から審理をするかというと、投資家への被害がどれだけだったかということなんです。つまり、その、ある規制がある国であると。それが環境のため、安全のため、医療のため、国民の健康のためであるか、だから必要だっていうことは関係ないんです。

そうじゃなくてとにかくその規制があるせいで投資家が損害を被ったかどうかだけの経済的な理由だけの審査を行う場所なんです。しかも非公開。しかも判例に拘束されないということなので、どんな結果が出るのか全くわからない。それから、裁判の結果は不服があっても上訴できない。1回きり。しかもその審査が、明らかな法解釈の誤りをしていたとしても、その国の司法機関はこれを直すことができない。という圧倒的に投資家に有利で国家主権を制限してグローバル化を進めるための、えー協定なんですね。

この結果何が起きたか。カナダはとんでもない目に遭いました。ある燃……えー、カナダはですね、ガソリンにある神経性の物質を入れることを禁止してました。これ体に良くないからです。ちなみにこの禁止規定はアメリカのほとんどの州で同じような規定があるんですね。ところがアメリカの燃料メーカーは、この環境規制が、自分たちに損害を与えたといってカナダ政府を訴えて、結果カナダ政府は敗訴して、この規制を撤廃させられるとともに、この燃料メーカーに推定1000万ドルの賠償金を払ったんですね。

もう1つカナダの事例。カナダはですね。えーあるアメリカの廃棄物処理企業が、その、えー、カナダからアメリカにPCBという廃棄物ありますね、有毒な。あれを輸送してリサイクルするっていう計画を立てたんですけども。これはその、環境に良くないっていうことでカナダ政府が禁止したら、この廃棄物処理企業がカナダ政府を訴えた。結果、カナダ政府はこの廃棄物処理企業に823万ドルの賠償を支払いました。

メキシコでも同じことが起きました。メキシコでは、えーあるアメリカの企業が、あるメキシコのえー地方自治体で、えー、工場を建てた。そしたらどうも地下水を汚染するっていうことになったので、地方自治体がその、設置許可を取り消したんですね。そしたら、その企業はメキシコ政府を訴えて勝ちました。その結果メキシコ政府は、なんと自分の国の地下水を汚染した企業に、アメリカの企業に、1670万ドルの賠償金を支払ったんですね。

でこういったケースが頻発していて、しかも訴訟をしてふんだくろうって話ですから、最近非常にこの件数が多くなっていて、今もう累積で、200件を超えちゃったと、いうふうに言われているわけです。

韓国はこの協定、米韓FTAで、ISD条項を呑みました。呑んだだけではなくて、韓国はこの……アメリカ企業からISDで訴えられる事になりましたが、実は韓国企業はアメリカ政府を訴えられないと……。いう片務的なんですね。ってことになってしまいました。

つまり、アメリカの政府だって、これがまずいってことを本当は知ってるんですが、相手の企業……市場を取るためには、ということで使ってしまう。それから仮に双務的で、アメリカもこのISD条項を呑んだとしても、なんといってもグローバルな投資っていうのはアメリカのほうが長けていて、訴訟っていうのもアメリカのほうが強いわけですね。つまり彼らは投資と訴訟っていう、法律をいじくるとかですね、因縁をつけるとか、訴訟大国ですからね。

そういう風に自分で有利なところで勝負をしようとしていて。韓国はそれを呑んだ、という話であります。

これはですね、ISDっていうのは、さっきのラチェット規定もそうですけども、治外法権なんですよね。要は、自国の国の基準で、自国の国民の意思で、自分の国の環境、衛生、福祉、安全、そういったことを守れなくすると。だから国家主権・国民主権を制限する。言い換えると、民主主義を動かなくするのがグローバル化なんですね。

グローバル化すると国家は制限されて国家を超えてグローバルな、えー、人・物・金が動くんだと。で日本人はずっとグローバル化を90年代以降歓迎してきましたが。国家主権が制限されるっていうことは全然いいことではなくて。これは言い換えると民主主義が制限されるってことなんですね。したがってグローバル化と民主主義というのは相反するんですよ。

日本人はなんか戦後、民主主義が大好きで、大切ですなんて口では言ってきましたけども。実際には全然、民主主義が何かなんてわかってなかったと、まあ、言うことですな。

で、問題はですね、このISD条項はTPPでも議論されてます。で、政府は、いやTPP推進論者は、えー、TPPの交渉にまず参加して、譲れないものがあったら、辞退すればいいとか、交渉を有利にすればいいと、嫌な規定は飲まなきゃいいと。だから交渉に参加すればいいじゃないかと、言い張るわけですね。でもルールについての規定っていう交渉ってのは政治力で決まるんですね。

よくですね、国家主権があって合意をしないと条約って結べないんだから、韓国が合意したってことは韓国はメリットを感じたからだろうとか言って、だからいいじゃないか、デメリットとメリットと両方勘案して合意してるだろとか言ってる人がいるんですけども。

お前本当にグローバル化してんのかと。国際情勢はそんなふうに決まるわけないだろうと。もし条約なり法律なりが、契約なりが、合意したから両方にとっていいものだっていうならば、不平等条約も、あるいはえー、詐欺も存在しないってことになりますよ。

つまり、力で押し切られるか、あるいは、契約当事者が馬鹿である場合。力で押し……力が弱い場合、契約当事者が馬鹿である場合、この場合はですね、当然不利な契約を結ばざるを得なくなるんですね。

さて、日本とアメリカの考え……感じでいうと、日本は力が弱い上に馬鹿ですから、これはもうダメだということですね。で韓国も、当然、力が弱いので、嫌だったけど、押し切られたんですよ。それは北朝鮮による砲撃の問題とか色々あったので、韓国は去年の11月まで、あまりにもアメリカの要求がひどいので、抵抗してた。だから去年の11月ぐらいまでは、えー一旦、えー、決裂しましたね、交渉。

ところが12月になったら突然合意したんですよ。その間なにがあったのか。北朝鮮による砲撃ですよ。そういうことですね。

ちなみに韓国国民はほとんどこの米韓FTAの内容については知らされてなかったと。で、とにかくアメリカの関係第一ということで、イ・ミョンバク大統領が焦ったと、いうことだったそうです。これもよく日本と似てますねえ。

日本も全然TPPどころか米韓FTAの内容についても誰も知らされてもないし、知らす気もないでしょ。だから韓国の例を見て、日本もだ、っていうのはある意味正しいんですよ。韓国は大失敗したので、教訓として正しいんですね。

このISDってのは、ヤバい。これを入れるとすごくヤバいので、もし交渉で譲れないところがあるんだったら突っぱねればいいと、TPP推進論者が言ってます。政府も言ってますので、じゃあ突っぱねてくれるのかと思いきや、驚くべきことにですよ、10月17日に民主党のPT(プロジェクト・チーム)で、えー、配られた資料があります。

これは当然何が有利で何が不利か、交渉の状況がわかってないから示せと言われたので、おそらく政府がしぶしぶ出したんでしょう。私この資料てんてんてーんとしてですね、あの、いろんなところ経由して実は見る機会があったんで。みました。分厚い資料で細かい字が一杯書いてありましたが。

まずこのISDについてみたんですよ。そしたらやっぱり検討されてる。その下に、恐るべきことにですね。我が国のスタンスとして、我が国が確保したいルールのほうにですよ、つまり突っぱねるべきルールじゃなくて、入れたいルールの方にISD、これ入ってたんですよ。

で、何故か。日本企業が海外に進出したときに海外のその国の政策によって不利益を被った場合に、問題が解決できるからって、こんな馬鹿な事が書いてあるんですね。日本企業がグローバルで活躍するために海外で地下水を汚染しようがなにしようがいいんだ? でそれだったら、まだ、いいですよ。本当はよくないけども。

問題は、アメリカ企業が日本政府を訴えるってことについて、なんにも考えてないんですね。え?なに?仲裁所で勝てばいい、またそういうわけ? 交渉して勝てばいい?

でもそんな訴えられてその手間だけでもずいぶんコストかかりますよね。そういう訴訟が頻発するようになるんですねえ。つまり、TPPに交渉参加して有利なルールを作ればいい、譲らなければいいとか、いくらでも言ってますよ。みんな。言ってますけれども、そんな、政治力がないので、そんなことはできない。そんなことができるんだったら、なんで交渉参加の検討をこの議論だけでこんなに大騒ぎをしてるんですか、っていう問題あるんですが、それ以前に! 日本政府やTPP推進論者に、日本にとって有利なルールとはなにか、がわからないんですよ。

日本の国益が何かわからない。こんな連中、つまりISD条項を呑みたいといっている、こんな愚か者が交渉に参加すると言っているんですね。だからどうにもなりません……。

さて韓国の前大統領秘書官のチョン・テイン氏はもう、嘆いています。この米韓FTAでこう言っています。

『主要な争点において、我々が得たものは何も無い。アメリカの要求はほとんど全て1つ残らず譲歩してやった』

と。こう嘆いていますね。で彼はついでにこう付け加えてます。

『官僚は責任は取らない。責任を取るのは大統領だ』

と。だからTPPもそうでしょう。官僚は責任取りませんよ。

一方のアメリカは一般教書演説で、米韓FTAで7万人の雇用を増やした、アメリカ人の雇用を7万人増やせたと、凱歌をあげました。

これは言い換えれば韓国の雇用を7万人奪った、って事なんですよ。これだけ譲歩してこれだけ自国の市場を差し出して、やればですね、それはアメリカ喜びますよね。

ついでに米韓FTAは、もし韓国が他の国と、貿易協定を結んでそれがアメリカ……米韓FTAよりも市場開放をした場合は、自動的にアメリカに対しても同じような市場開放、同じようなえー条件が適用されると、いう条件まで、えーご丁寧に入っています。

これだけ、譲歩しまくれば、それはオバマ大統領はイ・ミョンバクが大好きになりますよね。従って、国賓扱いであんなにもてなしたわけですね。ところが、どこかのおさるな国、猿の惑星(笑)、さるのはくせえ、じゃなくて猿の惑星ですね。は「ウッキー♪」とかなんか言ってですね。えー「日本もだ! 国賓扱いされたい!」とか言ってるんですね。馬鹿ですねえー(笑)。うははははは(笑)。馬鹿すぎて笑っちゃいますね、ほんっとに。

で、TPPがね、に対する不安を煽るなとかいって、TPP推進論者の中には、M原さんとか、TPPおばけがどうのこうのとか言ってますよね。でも……米韓FTAは、今のこの状況なんですよ。これをうらやましがってるわけですからね。もうお化けも何も正体明らかじゃないですか。

TPP推進論者のほうがお化けなんですね(笑)。きっと妖怪人間ですよ。「早く植民地になりたい!」(爆笑)。ねえ。笑い事じゃないんだけどさ。笑っちゃいますよね。今そういう状況なんです。
でもねえこれ本当に笑うしかなくて。もう、ハッキリ言って、TPPはもう99%手遅れですね。1%ぐらいは逆転のチャンスはありますけども。まあ、ほぼ手遅れなんですよ。もう交渉参加ありきで、1年前から、えー進んでるわけです。

実は私TPPの反対やってますけれども。正直言うとあんまり言うと、えー、誰も味方になってくれなくなっちゃうので黙ってましたが。もう喋っちゃうと、これね、本当は抵抗しても無駄なんですよ。私がTPP推進論者で、政府の中にいて、首相の側になんかいたら、これは確実にTPP参加してみせますよ。簡単。絶対にこのたま落としてみせます。自信ありますよ。でね、こうやってやるんですよ。もうねあれですね。前菅首相……前菅首相だか菅前首相だか解んなくなっちゃう……なんだかよくわかんないけども、菅さんが交渉参加の検討って言った瞬間に勝負決まってんですね。

まずこうなんです。『交渉参加の検討をします』。でみんなが騒ぎましたっけね。そしたら、『検討ぐらい、いいじゃないか』と。『検討して駄目だったらやめればいいじゃないか』。どっかで聞いたセリフですねえ。ってやるわけです。で、開国とか言っておけばマスコミみんな賛成する。マスコミのその特に論説とか解説委員とか、いつもまあ、政府の言うとおりに書きますし、開国とか大好きなんですよ、あの年代の人達は。司馬遼太郎とか読んで夢中になってますからね。『龍馬がゆく』とか読むと興奮しちゃって「龍馬でイク!」とかなんか言う、ああいう人たちですから。「開国!」とか言っとけばもう、えーちょろいわけですよ。

でTPPについてたいして教えないで、まず賛成させちゃう。一旦、賛成させておいたら、後でヤバいと思ってもなかなかもう、言い出しちゃった以上撤回できなくなりますよね。まあそれでもう勝負が決まっちゃってんです。今なんか「TPPについて情報が不足している」とかマスコミが言ってますけども。お前、情報不足してるのにもう賛成してたじゃねえか、しかも1年前に! だからもう終わったんですね。で次に農業再生に議論をすり替えておきます。

でこれは政府の失敗ですが、ここで政府はですね、圧倒的な支持のもと、上手く構図がいったので、「やったぁ」と。もっと支持率をあげちゃおう、と思って「開国フォーラム」ってやり始めたんですね、覚えてますか。開国フォーラムで国民に説明してもっと人気を得ようと思ったんですけど。日本国民ってばかじゃないですからね。開国フォーラム開いてるうちに、「なんだこれおかしいじゃねえか」ってことになって大騒ぎになったんですね。開国フォーラムは3回ぐらい開かれましたけど、全部失敗したんですよ。

そこで政府は、「ヤバい失敗した」と。「調子に乗りすぎた」と思ったわけです。そこで震災が起きました。

さて震災を口実に開国フォーラムは中止しましたが。それから1回も開かれていません。別に外務省がやってる……外務省は別に震災対応なんかやってないんだから、外務省、開けばいいじゃん、しかも西日本で開いたりすればいいじゃんとか思うんですけど、違うんですよ。外務省はこう思ったんですね。

『なんだよ、開国フォーラム開いて直接国民に説明したら文句ばかり言いやがって。もう愚民どもには説明しない! これはもう外交案件だから関係ないあいつら愚民だもん、分かんねんだから。日米関係とかわかってねえんだよ。愚民には説明しない! あいつらに情報提供、マスコミを通じてだけやらせておけばいい』

こう戦略を変えたんですね。従って情報も出なくなったし、開国フォーラムも開かれなくなったと。

で、前は農業再生させますとか言ってたんですよ、適当に。ところが東北の農地は農業再生どころか現状回復の見込みもないんですが、まあそれもシカト。だからそもそも農業再生と両立させるって話が空手形だったっていう。証拠なんですよ。でそのまま進めて、9月になって『おおやばい、時間がなくなってきた』っていうので、『中身の検討を議論してたらこれは愚民どもなんか説得できない』ので、交渉参加ぐらいいいじゃないか、この路線でやろうぜ、とこう決めたわけです。

前回9月の上旬、野田政権が成立したあと、私この番組でそれ予告しておきましたよね。全くそのとおりになりましたよね。2週間後ぐらいに枝野かなにかが、「交渉ぐらいいいじゃないかー」とかなんか言い出しましたよね。「ゴー・チョク・トン・前シンガポール大統領(※正しくは前首相)も抜ければいいと言ってる〜」とか何か言ってですね。ゴー・チョク・トン、ゴー……それはやめときます。が。そういう事なんです。まあ予想通りにいってるわけですね。

で、「交渉参加ぐらいいいじゃないか作戦」で説明責任を放棄することができるようになりました。

次に米韓FTAがアメリカ議会を通過して、えー、オバマがセレモニーをやるっていうのはもう予定されてる。で、このセレモニーやった瞬間に一斉に、アメリカと韓国が密接になったぞぉと。日本は乗り遅れるなぁと。この作戦でマスコミの議論を加速させると。もちろん反対派はブーブー文句を言いますが、それは議論したフリでガス抜きー、と。米韓FTAの内容、これは説明しないほうがいいぞー。ということですね。で、反対の声は一応マスコミによって矮小化しておいて、で、地方の社説、地方紙の社説はみんな反対ですけど、「いなか新聞〜」と、「関係ない〜」とやって、たまに私とかが出てくるとこいつ面白いから一応反対派の声も聞いた、公平な報道機関ですってことで私かなんかをちょっと、出しておくわけですね(笑)。で、聞いたふり、ということです。

でそれで、もうですね、APEC交渉参加、TPP交渉参加表明へ、っていう見出しがもう刷り上がってるんですね(笑)。早くそれを出したくて堪え性がなくうずうずしてるんですね。で、良く考えてください。どうして私がこういう作戦を阻止できないかっていうと。TPPは条約なので、TPPの締結自体は国会の承認が必要です。だから国会で阻止できるかもしれない。でも、交渉参加の表明は、これは政府の専権事項で、どんなに民主的にみんなが反対しても、世論がみんな反対しようが、政治家が全員反対しようが、首相が交渉参加を表明しちゃったら終わりなんですよ。で、それを阻止する手段って、ない。ないんですよ。

で、前回も申し上げましたように。交渉に参加を一旦表明したら、あとは日米関係や国際関係の信頼、そういった問題が壊れちゃうといけないぞと、いう戦略で抜けられなくなると。そのまま締結まで走るという戦略で。私それわかってたので、ああこれは阻止する手段ないな。だからさっき言ったように、もう首相に言うわけですよ。『交渉参加の表明自体は別にやってしまえばいいんです。で参加すればみんなだまりますから』と。で、おかしいじゃないかと言われたら、『情報がないから交渉に参加したんだ。文句があるんだったら交渉で有利に進めりゃいいじゃないか、守ればいいじゃないかと言っときゃいいんですよ』と、こういうことですね。

で、マスコミが礼讃し、オバマはえー首相、日本の首相野田かなんだか知りませんが、日本の首相を、えー国賓扱いでもてなすわけですね。そうするとこれ全部、マスコミイチコロということです。

で、えー、責任はどうなるか。この結果の責任はどうなるか。そもそも推進している外務省は、国内の所管業種はありません。経産省は経団連からやってくれと言われていて、特に被害が及ぶような所管業種は……本当はあるんですよ、エネルギーとか……でも、一見ないと。本当はあるんだけど馬鹿だからないと思ってると。で、農業や医療や労働とか色んな問題は、他の省庁、農林水産省や厚生労働省が処理しますと。私たちの所管ではありません。私たちは推進するのがお仕事で、守るのが向こうのお仕事です。はいさようなら。という縦割り行政でやるわけですね。

もちろんマスコミは責任取りませんよ。マスコミが責任とったことありますか? 政権交代をあれだけ煽っておいて今このザマですよ。誰か責任とってますか? 政権交代煽った人たちがみんな生存してTPPの賛成してますよね。政権交代に反対した意見をいった人たちは未だに名誉回復されていませんよね。今回もそうなんです。同じパターンです。ということでどうにもなりません。

さて、これで大きな被害がもし出たとしましょう。それは例えば農業で被害が出たら農林水産省が駄目だと。だから農業の構造改革しなきゃいけないんだよと。俺たちならもっと上手くやるぞと。まあTPP推進論者の人たちがうそぶくわけですね。医療もそうです。保険もそうです。みんなそうです。

で、えー結局そうでもどうにもならないと、いう無残な結果になっても、TPP推進論者はですね、こういうんですよ、最後は。『いやあ別に。それはグローバルな流れに乗り遅れたんだから、淘汰されたんだから、仕方がない』って、こういうわけですね。多分、外務省の官僚とか経産省の官僚とか、多分そういうんじゃないですかね。あのーちょっと古い映画ですけども。あの、『踊る大捜査線 The ムービー2 レインボーブリッジを封鎖せよ』ってありましたよね。あれで警察官僚で真矢みきが演じた役ありましたよね。あれです。もし山沖がこんなひどい目にあったと。医療はこんなひどい目にあった。文句をいいに言ってもですね、『負け犬ね……』とかなんか言ってですね。それで終わっちゃうんですね。

これね、すごいことで。新自由主義って言われますよね。構造改革や新自由主義。TPPを推進してる人たちもみんなそれなんですけども。例の古賀、岸、そうでしょ? 竹中、ね。その人達っていうのは絶対に責任取らないんですよ。

でね、面白いんですけど、新自由主義っていうのは、自己責任っていうふうに押し付けるので、言ってる人たち責任取らない。従って、例えば新自由主義を唱えた政権ってのはサッチャー政権、イギリスの。アメリカのレーガン政権、日本だと小泉政権がそうですね。全部長命政権なんですよ。あれだけ敵が多い政権なのにみんな長命政権。不思議でしょう?

で簡単なんですよ。もしひどいことが起きても、新自由主義を言ってますから、そもそも政府に頼るのがおかしいんだよと。自分たちでフェアに競争して負けたものの面倒を政府が見るのがおかしいんだよ!と。つまり責任を逃れている。自己責任。駄目でも自己責任。っていうので、どんなにひどいことが起きてもですね、政府の、いや政治家の責任を追及することができなくなる。従って新自由主義を掲げるとみんな長期政権になるんですね。というわけで、そのラインにこれも乗ってしまいましたと。いうことです。やばいですねえ。

従ってですね、もう手はないんじゃないんですかねえ。もう米韓FTAと同じ、道、植民地化への道を歩むんじゃないですかね。でこれから、韓国でも議会を通りますけれども。大変なことになるんじゃないですか。韓国は野党がめちゃくちゃ反対してますけど、もうどうにもならんでしょう。気がついたら韓国国民は米韓FTAを見てですね、『おおー。』松田優作じゃないですけど、『なんじゃこりゃあー』。コリアだから、『何じゃコリアー』とかいうんでしょうね(笑)。っていうことでもう終わっちゃうわけです。

もうダメですね。もう手遅れですから。いや私は頑張りましたよ。私は頑張ったんですけどしょうがないじゃないですか。お前もっと頑張れよって言われたって、頑張れば頑張るほど出世できなくなるんだから(笑)。まあやるだけのことはやりましたが、いくら騒いでも、もう、駄目でしょう。

最後にTPPのですね、誰がこんな悪いことを思いついたのかと。犯人。首謀者を私は知っています。実は命を狙われてこれ喋っちゃうとマズイんですけれども。あえていいましょう。実は、それを首謀している犯人は……うっ……(※倒れて)、『なんじゃこりゃあーーー!』

はい、おしまい!(笑)

http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65772646.html

『TPP賛成派の意見を要約すれば』

TPP賛成派の中身ですが、アメリカ系投資銀行勤務でブログ『金融日記』の藤沢数希が実に判りやすく解説しているが、普通の神経なら怒りが必ず湧いて来る腹立たしい代物。

もっと露骨に『自由競争』を解説しているのが、米国カリフォルニア大学バークレー校に留学MBA(経営学修士)を取得したという日本人の会社社長の『お話』で羅列して見ると、

★日本人は、電気、機械、自動車などの輸出産業のおかげで食っていられる。
金を稼いでいるのは輸出産業であって、農林水産業も、国内向け小売業、飲食業、サービス業もみんな、輸出産業が食わせてやってるんだ。


★非正規雇用、派遣社員は、能力が無くて努力もしてこなかったんだから、政府や企業を批判する資格なんて無い。

失業も、リストラも、賃下げも、今の境遇は全部自己責任だ。
企業は、今まで賃金を払ってやってたんだから、企業に感謝こそすれ批判するなんて、恩をアダで返すようなもんだ。



★大企業を優遇して、金持ちをさらに金持ちにすることで、日本は豊かになる。
大企業や金持ちを批判するのは、怠け者の僻(ひが)みだ。


★労働者の賃金はどんどん下げて、株主配当を増やすべきだ。

なぜなら、経済のために貢献しているのは、いくらでも取替えがきく労働者ではなく、経済を主導する株主だから。



★お金持ちや大企業は、お金を増やすのが上手いのだから、お金は大企業とお金持ちに持たせるのが良いのだ。

貧乏人がお金を持っても、ロクなことに使わない。
自由主義社会なんだから、カネや豊かな生活を望むなら、貧乏人はもっと努力をしろ。


★日本には資源が無く、人的資源、および労働力以外に国際競争力は無い。

なので、国際競争力を維持するためには、労働者の賃金を上げてはいけない。
賃金を上げると、国際競争力が無くなり、中国やインド、その他賃金の安い新興国に負けて、日本がダメになる。


★収入格差を是正するために、日本国民は、もっと株式投資をするべきだ。



★能力が無いから、非正規雇用になったり、低賃金の仕事にしか就けないんだ。
それがイヤなら、資格や能力を身につけたり、人一倍の努力をしろ。


★企業は法律に則って運営し、利益を出し、税金も払ってるのだ。

だから、内部留保を使って(派遣切りに会った)元従業員のためになんかビタ一文援助してやる必要など無い。

クビになった従業員は、一文無しだろうと、真冬に住むところが無くなろうと、即刻、社員寮から出て行くべきだ。

また、そんな境遇は自己責任だから、税金で救ってやる必要もまったく無い。(湧泉堂さんの2009.07.21記事から拝借 )
日本でドラッカーの経営学が流行らなくて、一般の普通の日本人にとっては幸せな話であり大正解ですよ。

http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/905.html


TPP加盟後は、日本の公共事業はすべてアメリカの会社が今の1/4の値段で落札する。

年収80万円の中国人社員にやらせるから安くできるんだな


確かに日本人は一度痛い目に遭わないとわからないから、TPPやった方がいいな。

日本の公共事業を請け負ったアメリカの会社は仕事を年収80万円の中国人社員にやらせるからな。

農業も工業も全部潰されて、日本中がチャイナタウンで溢れる様になったら今迄甘やかされていた日本人も眼が醒めるんじゃないか。


37. 中川隆 2011年11月09日 19:29:50: 3bF/xW6Ehzs4I : MiKEdq2F3Q

日本人の選択は?


人口100人の青い目の人達の村_TPP village があった。

4人の資本家に支配された労働者庶民96人が住んでいた。

資本家の年俸は2億円、残りの庶民は年俸200万円
全体で9億9200万円の紙幣が循環していた。

TPP village では、自動車は6〜7台しか売れず、他の者は自転車だった。
暴動や略奪や薬物中毒・犯罪が頻繁に起こっていて
ズタズタなスラム社会になった。


その村の隣に、ジパングという人口100人の島国があった。

20人の知恵者をリーダーとした職人庶民80人いた

リーダーの年俸は1440万円、残りの職人は年俸500万円

全体で TPP village より少しすくない6億8800万円の紙幣が循環していた。

その村では、自動車は100台売れた。 自転車も売れた。

あらゆる産業が学問が医療が社会福祉が発展しインフラが整備されていき、すばらしい街を形成していった。


38. 2011年11月17日 20:54:58: MiKEdq2F3Q

日本のTPPへの加入によって地球の「アセンション」が始まろうとしています。

これから世界人類は、地球環境に優しい人口11億人を目指して、57億人が淘汰され地獄へと落ちて行きます。そして、残された行い正しい11億人だけが光の世界へと上昇できるのです。

TPPはメリットではありません

光の法なのです

信じなさい

唱えなさい

救われるでしょう


    |〃、 ii  川 ヾ  レ'/::::::::::〃爪::::::川::::::::||:::ヽ::::i::::::::::::i!\ \::::::::::
 ノ  ,/  |! i||  iiハ  | //::i:::::::::||:::| |i:|:::||!i::::::::::|i::::ヽ:::::|!:::::::::||:::\ \::::::
 / /ノi  | i!  |i川  | i::|:::|:::i::::::i!::| |ili:|:::||ヾヽ::::|i!:::::ヽ:::|!:::::::::||:::::\:::\:::
 //ノ i!│!| |!i |川ii  |i::!:::|:::|::::::|:::| i !ト!::| !ヾ゙i:::::|i!::::::ヽ:|!:::::::::|!::::::::\::::\
 //i! | | |_,,i,,L|ト!ilハ ||:|::::|:::|l::::||:i:| i ゙!゙ト、,i_ 'i,::!::|ii:::::::::i,:|i::::::::|!::::::::::::ヽ:::::
  /il i!| ‐''|´! | ハ!| | |i!::i:::|:::||::::|::::| !ヾ!:i`''‐i,,::::||!::::::::::||::::::::|::::::::::::::::ヽ::::
 i i!i | | | i/ / | /  ii | |ト、i:|!:::!゙!::|::::| ゙i ゙、ヾ'、 ゙、‐|、i:::::::::||:::::::|::::::::::::::::::ヽ:::
/i/|ii!//|!/!i/´i/   .|i |/ノi\i!゙、:iヽ|:::|  ヽ 'i  ! ヾi |'!ヽ::::||::::::/:::::::::::::::::::::ヽ
i i 川i!ハ/" _!   | │川 ヾ:ii ゙'∨     |    ゙ヾiヽヽ;||:::::i':::::::::::::::::::::::::
ノ ノ/リ,,,,,,二三テ=''" ヽノル |ノノヽヾ ノ  、,,,ノ,、     iヽ:::||:::::i'::::::::::::::::::::::::::::
 /   ̄ ´~~゙''''    ゙''‐- ..,,_,, ‐'    `゙ヾミッ、,,   ヽ::|::::/::::::::::::::::::::::::::::
,,イ|                i'"         `'‐='   `'|/i!:::::i::::::::::::::::::::::::
 i | :::::::ヽ::::ヽ::::::ヾ::    ゙、      〃:::::       i//::::ハ::::::::::::::::::i:::
  i i \\\\\ヽ    入       ′′′   / /:::::/:::::::::::::::::::|::::
!  | i            ,,ィノ(         :::: :    /:::::/:::::::::::::::::::/::::
i!  i i!            /i/  \             /:::::/:::::/::::::::::::/:::::
゙i!  | i          /⌒' y'⌒゙i           /::::::/::::::/::::::::::::/::::/i
 i  i ゙!         ん、,,ノ,__,,,r''          /:::::::/::::::/::::::::::::/:::://
゙、ii! ゙| i           ノ  。 `i          //:::::/:::::/::::::::::::/::::::/:::
ヾ!トl ゙iU          i     |         //::::::/::::::/::::::/:::/:::::i!::::::
 iiミ! ハ             i °  ゙、       //::::://::::/::::::/:::::/::::i::::ii::
 i!ヾ!i ゙、!         , '     |゙ヽ......,.,.,.,,,///://::://::::/::::://::::i::::リ::
 !ヽヾi  i゙、  ___,,,/      レWノ'レi/、//::/:://:/:::/::/:::ハ:i |::
、、iヾミヽ ヾ''~川リ i i゙、           "  ∨ノ / i/::///:/ .|:i i:::
! | i ヾ、゙、 ヽ、!i i|ヾ ゙、゙、゙、              /i  ,ニニ--..,,/ |! !ノ::
ヾ ! ヾ、ヽ ゙ヽi |!iヾ、ヽヽヽ              ,,!r''~      `~゙'''''ヽ、

「アセンション」の時代を生き延びた義人には こういう楽園が待っています:


181 :山師さん:2008/10/11(土) 14:33:21 ID:6hzLlhXv

バブル崩壊時のソープはいまにして思えば信じられないよーな世界だったな。

なにしろ美人でなければソープ嬢になりたくても一次面接で落とされまくった時期だ。

吉原しかしらないが、在籍嬢の容姿が最低レベルでAV女優、 平均レベルでいまのアイドルクラスなんて店もけっこうあった。

素人や新卒が多かったからサービスはぎこちなかったし、そーゆー店はそれでも込みで6マソくらいとったけどな。それでも納得できたものだ。

しかしあれも一瞬の夢だったな・・・世の中の人々が夢を取り戻すと同時に終わる奇妙な夢だよ。
彼女らが一般の社会生活に戻って行くのに合わせて吉原から足が遠のいていった俺だが・・・

いまふたたび聞こえてきたんだよ、夢の足音が! 

そこまで来てる〜♪ よーな気がするんだよ!


            ,、-'''`'´ ̄ `フー- 、
          ,. ‐             ヽ
         ,.‐´               \
        /      ,l       \     ヽ
       /       l|, 、  、 |iヽ, ヽ \.   ヽ
       /     l  i ! | i  | |l'、ト ヽ iヽ ヽ  ',
       !     |  / | |. i  |.|| i.|ヽ |、 | ',   i  i
      !      ! / |,ャ、メ |i ト十i‐トi、! l  .i|  i
      ! i   ,.|!,.+‐'"| | | |i}  ' ュノェ|i,`i  l.| i
      l i l   l |/;:=ニ|i  l |   /rj:ヽ\ i  l i l
      | | |   ノ '/ iニ)ヽ,ヽ |!.   ' {::::::;、! 〉iー | | |
      | |i. |  !; 〈 !:::::::c!     'ー''(つ }i | i.| |
      | ! | |  ;: (つ`''"    、  //// /;:i | | !. |
       | i,  i. 、////      '     /,ノi,   i. |
       ! .|  | i 、,ゝ、     、─,    /   i |  |. i
       .! |  i |. | lヽ、      ̄   /  l  | i  | !
       ! |  i |i |l l| |`''‐ 、   , イ  |i | |i | i  |. !
       | |  i |i |i .| ノ    ` ''"  ヽ/l| l__,.、-|l l  ! i、
     ,. -'"゙ ゙̄'' ヽi |!l '           ,.--‐' |.i |i | |i ヽ
      /       ! l l ̄ `     、_        | /ノi i.!  |
     ,'          ! |              ,|/ |/i'   |
    i         ` l             .ノ  ノ ' ヽ、 |
    |        ノ     ,...      ヽ、;          ヽ-,
    .!         |::     :..゚..::       i:        ゙゙''i
     |       l::        ゙゙"       |:          |
   @゙!         |::              !::        ノ

「アセンション」の時代を生き残るにはどうすれば良いか?

野田首相のTPP参加表明が迫る中、圧力をかけるかのようにジャパンハンドラーズの面々、果てはテロリストの息子D・ロックフェラーjrまでが来日している。インドに逃げたと噂される車椅子の親父のかわり物乞いに訪れたか、それともTPP強要か。

 野田のTPP交渉参加表明を見届けるべく、マイケル・グリーン、リチャード・アーミテージ、ジョセフ・ナイ、ロックフェラーJr・・・と人間のクズが日本にそろい踏み。

http://qualitysaitama-blog.at.webry.info/201111/article_15.html


TPP騒動:不自然な来日ラッシュは野田に対する圧力だったか。


11月上旬の日本に腐れ外道勢揃い 作成日時 : 2011/11/12 08:59


 TPP騒動の進展とともに中野剛志氏、田中康夫衆院議員らの言説を表メディアも紹介せざるを得ない状況ができあがり、覚醒した一般人が急増した。

 世論&党内世論&国会内世論の反TPPの嵐から野田は逃げの一手。そもそも信念など何もない、単にTPP参加を決めることだけを条件に、飼い主から総理大臣就任を約束されただけのつまらない男である。特技と言えば、日本人らしからぬ水の飲み方くらいなものだ。 反対派から論破されているのは誰の目から見ても明白であり、これ以上強弁することができなくなり、交渉不参加もしくは延期を表明してしまう可能性もないことはなかったのだろう。 

売国奴なのだから、確固たる信念などないのは当たり前の話で、こうした各国の国賊を使役することに慣れている米国人は、今月に入り次々に来日した。この明らかに不自然で脅しの臭いが濃厚に漂う来日の嵐を前にしては、あからさますぎて開いた口もふさがらない。それだけ連中も焦っているということだろう。

 日本人共通の敵である、来日した悪徳米国人を記しておく。


デービット・ロックフェラー・ジュニア

いわずとしれたデービッド・ロックフェラーの息子が、11月8日、親父が巻き起こしたテロ事件の被災地である仙台市若林区を視察した。ふざけるな。
“「生活再建祈る」 ロックフェラー財団の会長夫妻、仙台視察”
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/11/20111108t15007.htm

ジョン・ハムレ

謀略を企てる悪の巣窟シンクタンクである米戦略国際問題研究所(CSIS)所長。8日には日経と共催でシンポを開催し、その後、官邸を訪問。国賊野田は「日米同盟の強化は私にとって最も重要な責務だ」と、お約束の一言。
“第8回 日経・CSIS共催シンポジウム 東日本大震災、トモダチ作戦と日米同盟の未来”
http://www.nikkei-events.jp/csis/


ウィリアム・ペリー
元米国防長官。ジョン・ハムレに同行。


シーファー
前駐日米大使。ジョン・ハムレに同行。

リチャード・アーミテージ

元米国務副長官。ご存じ凶悪ジャパンハンドラーズの一人。シンポに出演した後、ジョン・ハムレに同行して官邸訪問。この男が睨みをきかすだけに、野田はちびってしまうだろう。

ジョセフ・ナイ

駐日大使になるはずだったが、小沢追い落としに失敗したジャパンハンドラー。学者だが、一年中、対日謀略を練っているような極悪人である。なぜか日本のメディアは知日派と持ち上げる。日中戦争を画策しているのは、この男ではないかと推察する。シンポにアーミテージと共に出演した。

マイケル・グリーン

米戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問・日本部長。前原誠司や長島昭久の飼い主として知られるジャパン・ハンドラー。やはり、8日に開かれたシンポジウムに参加している。官邸同行者には記されていないようだ。11月8日のシンポには、前原、石破も参加している。まさに腐れ外道勢揃い。

キッシンジャー

元米国務長官、ロックフェラーの使用人。野田がTPP交渉参加を表明するとすぐ、11日夜、官邸を表敬訪問。「米国は日本の参加を求めていたので、喜ばしいことだ」。屠殺場に自ら進んでやって来た総理大臣をとりあえず、ロックフェラーの使用人が歓迎訪問という図。あまりにも見え見えで、わざとらしい。ふざけるな。

http://qualitysaitama-blog.at.webry.info/201111/article_27.html


米国は、戦争前夜の事前交渉でもするような慌ただしさで、ペリー元米国防長官、ハムレ米戦略研究所所長、シーファー前駐日大使、アーミテージ元国務副長官が大挙官邸に押し掛け、野田にTPP参加表明しなかった場合の、中国威嚇をこんこんと説いてみせた。

最後には、大御所登場と云う事で、キッシンジャー元米国務長官が官邸に現れる念の入れようには、明らかに違和感がある。

 ただ、彼らがマスメディアに姿を晒すかたちで官邸に現れ、邸内をうろうろした事実は、野田佳彦を脅していたと云うよりも、日本国家を運営している、あらゆる組織、人々への米国威嚇プレゼンスだったと解釈する方が妥当だ。 このプレゼンスにより、国会議員への圧力も充分であったろうし、理解できる国民への圧力も、それなりにあったと認識する。

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/c/464de36605139a0bdc6bf05a27bf840f

この写真を見れば日本がアメリカの植民地であることが分かる。

野田総理がキッシンジャー博士に日本のTPP参加を報告した。

2011年11月12日 土曜日 午後8時45分、執務室を出て特別応接室へ。

同46分から同9時6分まで、キッシンジャー元米国務長官が表敬。日枝久フジテレビ会長、長島首相補佐官同席。


◆野田首相、米元国務長官と会談 TPP交渉参加に向けた決断伝える 11月12日 フジテレビ


野田首相は11日夜、アメリカのキッシンジャー元国務長官と会談し、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉参加に向けた決断を行ったことを伝えた。

キッシンジャー元米国務長官は

「オバマ大統領も、首相とお会いすることを心待ちにしています」

と述べた。会談では、12日から始まるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議などについて、意見交換が行われた。野田首相は、東日本大震災の際のアメリカの支援に感謝の意を伝えたうえで、

「震災の際に足りなかったのは、政治の決断だった。わたしはきょう、新しい決断をした」

と述べ、TPP交渉参加に向けた決断を行ったことを伝えた。これに対し、キッシンジャー元米国務長官は

「困難な中、素晴らしい決断をした」

と歓迎する意向を示した。


_____

冒頭の写真を見ていただければわかるように、野田総理はキッシンジャーから強烈な圧力を受けていたことが分かります。8時から記者会見をして、終わって直ぐキッシンジャー博士との会談に駆けつけた。だからどんな事があろうと野田総理はTPP不参加を言うことは許されず、国会の審議がどうであれ結論は決まっていた。

キッシンジャー博士がどうして今日本に来日しているのか? アメリカが如何にTPPにアメリカの面子を掛けているかが分かりますが、日本を永久的なアメリカの支配下に置く為だ。TPPに参加すれば日本の非関税障壁が次々と国際機関に訴えられて、アメリカの思うがままの日本にする事が出来る。日本は永久に真の独立は出来なくなり、ドルの買い支えや米国債の買取などが実質的な税金として取り立てられる。

TPPには離脱条項がないから抜けることも出来なくなる。結局は自民党も民主党もアメリカの犬であり、アメリカに言いなりになって日本の富がアメリカに奪われて行く。アメリカはかつてのアメリカではなく満身創痍であり、失業者で溢れかえっている。一昔前ならヨーロッパやアジアで戦争を起こしてアメリカを復活させることが出来ましたが、核ミサイルの時代ではそのようなことも出来ない。

裏ではアメリカと中国は手を組んでいるのですが、キッシンジャー博士が中国とのパイプ役になってる。日本を永久的なアメリカの管理下に置くことで中国を喜ばせて彼の手柄にするつもりだろう。表向きには中国包囲網などと言っていますが、実際に起きていることは米中による日本封じ込めなのだ。キッシンジャー戦略によるアジア管理は米中によって管理される。

これに対する日本の戦略としては、米中の分断であり、日本は中国と手を組むフリをしたりSAEANと手を組んだりしてアメリカを牽制する外交を行なうべきだ。しかしこのようなキッシンジャー博士の裏を書くよな事が出来る戦略家も政治家もいない。長島総理補佐官のようにアメリカのスパイが政府部内の動きを逐一アメリカ政府に報告しているから、日本は防諜体制をきちんとしなければなりません。

最近の中国はなかなかアメリカのいうことを聞かなくなりましたが、キッシンジャー博士は日本を使って中国を動かそうと言うのだろう。その手始めがTPPですが、このようなときこそ日本は中国と秘密のルートを作ってアメリカの裏をかくべきだ。もちろんキッシンジャーやCIAにばれないようにしなければなりませんが、民間会社を情報機関として機能させるようにすべきだろう。もちろん電信手段を使えばアメリカに筒抜けになるから、人を通じた秘密ルートを作る必要がある。

小沢一郎はそのような中国との秘密ルートを作ろうとしたからアメリカに睨まれて失脚したのだ。キッシンジャーも高齢だからいずれ中国とのパイプも細くなって、中国内でも反米派が台頭して来ている。アメリカ国内でも反中国派がいるし、日本としては彼らを利用して米中の分断工作を行なうべきだ。ロシアも米中の分断を謀っていますが、ロシアとも秘密の外交ルートを作って置くべきだろう。しかしロシア派の鈴木宗雄や佐藤優はアメリカによって失脚された。

それくらい日本の政府部内はアメリカのスパイの巣窟であり、マスコミも彼らの監視下にある。だからマスコミは反日ではあっても反米ではない。彼らは日本人の精神とプライドをずたずたにしてアメリカ依存を深めることがマスコミの役割だ。自主独立を言う言論人はネット上にしかいない。言えばテレビに出られなくなる。中川昭一が日本の核武装を話し合おうと言っただけでアメリカからライス国務長官が飛んできた。それくらいアメリカは日本に対して自主独立を警戒している。

キッシンジャーの来日は、TPPの監視のためであり野田総理はその為に総理になれたのだ。その結果日本は非関税障壁も撤廃されて、農薬入りの農作物や狂牛病の牛肉を食べさせられることになる。遺伝子組み換え作物を作らされて毎年農家はモンサント社から種を購入しなければなくなるだろう。米韓FTAで韓国がどうなっているか見ればわかりますが、日本もいずれ韓国のようになってしまう。

http://blog.goo.ne.jp/2005tora

378 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2011/11/13(日) 15:41:27.47

日本は終わっているのだよ。

野田は、11月8日、ペリー元米国防長官、ハムレ米戦略国際問題研究所(C
SIS)、シーファー前駐日大使、アーミテージ元国務副長官に会ってTPP参加
を強要され、11月11日にキッシンジャーと会ってダメをおされている。

だいたい、オバマが、日本の元防衛大臣、シンクタンクの理事長、前駐米日
本大使、元外務副大臣、大昔の元大物外務大臣に会うことなど100%ありえ
ない。そんなことをしたらアメリカのマスコミは大騒ぎをして、オバマはアメリカ
国民から総スカンを食い、来年の大統領再選は100%不可能になる。

日本は建前上、1952年から独立国になっているが、実際にはアメリカの属国
で制限された自治権しか与えられていなかった。鳩山がそれを改め、日米対
等とか言い出したら、8ヶ月あまりで叩き潰された。その後、日本の自治権の
範囲は狭まった。

これからは、昔と違って軍事的にも経済的にも衰えた、アメリカの忠実なポチ
公となって、骨の髄までアメリカにしゃぶりとられるのが日本の運命だ。
TPP「交渉参加表明」とロックフェラージュニア・キッシンジャーの来日・・交渉を急ぐ米国経済の焦り

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=258604


 

野田首相が「交渉参加表明」を行った。前後して、ロックフェラージュニア夫妻、キッシンジャーが来日し、キッシンジャーと野田は面談した。

キッシンジャーはグローバリストかつ米中による2極体制を目指すG2派であり、米中対立を演出するCSISのグリーンやアーミテージ、ナイといった軍産利権派とは志向性が異なる。

しかし、このキッシンジャーが来日したということの意味は、G2路線がうまくいかない場合をアメリカが想定して、アメリカ主導のブロック経済化にグローバリスト・キッシンジャーも舵を切ったことの表れだと、中田安彦氏は分析する。

もっと単純に、中国から見切られたアメリカが日本にすがるしかなくなったということかもしれない。


************************


野田首相のTPP交渉に対する姿勢表明の会見を待つばかりとなった午後6時前後に首相官邸をヘンリー・キッシンジャーが突如訪問した。

しかし野田首相はTPPに関する閣僚懇談会を開いていた。ここで、キッシンジャーは30分ほど官邸をウロウロして、番記者たちにその姿を印象づけたあとで、いったん官邸を去った。

そして、午後8時から野田がTPPの交渉参加(「関係国との協議」「情報収集」と野田は表現したがこれは明らかに交渉参加表明である)の記者会見を20分にわたって行った後、8時45分から再び官邸に姿を見せたキッシンジャーと会見した。


キッシンジャーだけではなく、この数日間では、たくさんのジャパン・ハンドラーズが来日していた。

まず、8日の日経新聞主催のシンポジウムでは、「安全保障マフィア」であるリチャード・アーミテージ、ジョゼフ・ナイ、ジョン・ハムレ、マイケル・グリーンといった米戦略国際問題研究所(CSIS)の対日震災復興タスクフォースのメンバーが来日した。

相前後して、デイヴィッド・ロックフェラーの息子であり、現在は次期ロックフェラー財団の理事長に就任することが確定している金融投資家であり慈善活動家でもある、デイヴィッド・ロックフェラー・ジュニアが夫人のスーザンとともに来日した。デイヴィッド・ジュニアは石巻の漁業施設を視察した後で、参議院議員会館で議員らを前に閉会による講演会を開催した。この中では日米の震災後の経済連携、協力関係の重要性、人的交流の重要性を述べたのだろう。

しかし、それだけで十分だ。分かる人にはわかる。


キッシンジャーは、パワーエリートでG2派の頭目だから、中国と地政学的な対立をする方向に誘導しているCSISのグリーンやアーミテージ、ナイの面々とは考え方が違う。しかし、グローバリストだから、アメリカの覇権を維持することには誰よりも関心がある。ナイたちとはアプローチが違う。キッシンジャーは「中国ロビイスト」だから世界はアメリカと中国の二極で管理するべきだと考えている。・・・キッシンジャーは世界経済が不透明感を深める中、米中の連携が重要である。つまり中国に米国債の買い支えと欧州への支援を要請しているわけだ。しかし、中国も頑強でなかなか欧州支援には同意しない。

そこでキッシンジャーは戦略家としていざというときの危機回避策として、日本とアジアをブロック経済に取り込むという方針でのTPP交渉の路線でもいいから、欧州発、アメリカ経由の金融危機再燃による長期デフレに対応できる経済圏の囲い込みを狙い始めたのだ。そのためには日本をTPPに参加させて、アメリカ企業の輸出先、提携先を確保すると共に、米国債を買い支える(円高に対する介入)ように日本政府を仕向けることにしたのだということが今日のキッシンジャーの動きを見て私には分かった。
アメリカはもともとピーターソン国際経済研究所のバーグステンが輸出を5年間で倍増させるという計画のもとでアメリカの経済復活を目指していた。これはG2の路線にも叶う。

TPP交渉は一歩間違えば、これまで何度も書いてきたように、日本自身が中国に対する地政学的な対立を深めていく道具の一つになりうる。経済状況は欧州危機から波及して悪化していく。アメリカは欧州債務危機の爆発に巻き込まれることを覚悟し始めている。傷を浅くするにはどうしても日本をTPPに引きこんでおくことが必要であった。
TPPには慎重であるべきだが、同時にアメリカ経済崩壊という現実がある。

そして、それにもかかわらず野田首相は交渉参加の表明をしてしまった。奇しくも1929年ウォール街大暴落の前後に、太平洋問題調査会(IPR)というホノルルを拠点とするAPECの思想の前身となる組織の京都会合が開かれ、そこで日本の金解禁が決まってゆき、ここから日本経済へのアメリカ経済への「貢ぎ」が始まったのである。金融経済の不安定化と世界権力政治の不安定化がシンクロし始めている。ロックフェラー帝国は断末魔をあげている。アメリカ経済に対する危機認識が必要である。アメリカはかなり深刻な状態だ。キッシンジャーの行動からそれがわかるように思う。

http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/157.html

野田総理の本音?


日本では関税がどうこう、病院がどうこう、という言い方がされていますが、アメリカはこのTPPで踏み絵をしているわけであり、それに日本が今更「交渉に入ることを交渉する」と言った意味不明な言い方をして通るはずがないのです。

野田総理はそのような事を承知の上で、今回のTPP発言をしているもので、その真意は自分(日本)はTPPに入りたかったけれどもアメリカ側が入れてくれなかったので参加出来なかったもので、責任はアメリカにあるとしたいのです。

これで国内的には玉虫色の決着となり、一件落着となりますが、アメリカ側からすれば日本はパートナーではない、同盟国ではない、という判断が下されることになります。

http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/

確かに、アメリカと中国はどうせあと5年は持たないから、タラタラ時間稼ぎすればすべてうまくいくのですが、 CIAに脅迫されている野田さんにそんな事を考える余裕が有るかな? 小渕さんみたいに“原因不明” の死に方(海水に顔を浸けられたんだったっけ?) はしたくないだろうし。


               ↓日本

        lヽ ノ l        l l l ヽ   ヽ
  )'ーーノ(  | |  | 、      / l| l ハヽ  |ー‐''"l
 / T  | | |/| ハ  / / ,/ /|ノ /l / l l l| l  T ヽ
 l   ・  i´ | ヽ、| |r|| | //--‐'"   `'メ、_lノ| /  ・  /
 |  P  l  トー-トヽ| |ノ ''"´`   rー-/// |  P |
 |  ・   |/     | l ||、 ''"""  j ""''/ | |ヽl  ・ |
 |  P   |       | l | ヽ,   ―   / | | l  P  |
 |   !!  |     / | | |   ` ー-‐ ' ´|| ,ノ| | |  !! |
ノー‐---、,|    / │l、l         |レ' ,ノノ ノハ、_ノヽ
 /        / ノ⌒ヾ、  ヽ    ノハ,      |
,/      ,イーf'´ /´  \ | ,/´ |ヽl      |
     /-ト、| ┼―- 、_ヽメr' , -=l''"ハ    |  l
   ,/   | ヽ  \  _,ノーf' ´  ノノ  ヽ   | |
、_    _ ‐''l  `ー‐―''" ⌒'ー--‐'´`ヽ、_   _,ノ ノ
   ̄ ̄   |           /       ̄


TPP賛成者は経済板の恥


1 :ぞうさん ◆LiWT5qNyJI :2011/11/12(土) 11:13:06.94

経済のブロック化は経済学の見地からは愚策。
自由貿易こそが国民に富をもたらすのだ。

経済学学の皆様が反対しないのはなぜだ?

18 :yasu ◆.ZySJZQLas :2011/11/12(土) 12:00:57.89

以前MPJの板で、TPP賛成なのか反対なのか、はっきりさせろ。
それから論評しろと何回言っても、賛否をはっきりさせず、言いがかりのような論難ばかり繰り返すレスがあったが、

やはり、頭が弱くて賛成か反対か意志決定できないのだろう。 だが一連情報や韓米FTAの状況からTPPの危険性が人口に膾炙してきたようだ。

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/5223/1299817817/


もはや、極端なTPP推進派は、経済板ではレスできなくなっているようだ。

それに野田首相がTPP交渉に参加すると言ってみたところで、今更話が進んでいる条約の内容をどうこうできるわけでもなし、批准も危うい
向こうから断ってくるのではないだろうか。


24 :ぞうさん ◆LiWT5qNyJI :2011/11/12(土) 13:09:00.11
>>18
>一連情報や韓米FTAの状況からTPPの危険性が人口に膾炙してきたようだ。

そういう各論の問題ではなくて 「ブロック経済」を「自由貿易の推進」と置き換えて議論しているところに欺瞞と誤解がある。

俺はそこを指摘している。

2 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2011/11/12(土) 11:14:32.93

TPPが国内法に優越することを知らなかった

10年間で関税全廃することを知らず、保護できる関税があると思ってた

今からでは交渉参加は半年後。条件闘争出来ないことを知らなかった

ISD条項を知らなかった

TPPよりASEAN+6が国益であることを隠してた


ついでに、TPP加入でGDPが10年間で2.7兆円増という試算は

「農水業関連の現在の関税や規制を守ったまま」という条件での試算だったことが判明。

おしめえだ


27 :バカ一筋:2011/11/12(土) 13:16:25.82

もう.ダメダ.TPPで.百姓は.こうナレバ.田んぼ.を売り.都会に行き
5年後の.壊滅前に.早く.生活保護を受けなくては

5年後では.360万の百姓の生活保護は出来ないし.他にも.失業者で.生活保護は受けれない

速く生活保護を受けた者の勝ちだ.

速く生活保護を受け様.ミエなど.張らずに.先に生活保護を受けた人の勝ちだ

6反百姓  5年後では生活保護は受けれないぞ.速い人程.受けれる
 


28 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2011/11/12(土) 13:18:56.23

賛成派の売国奴の名前を覚えておこう


4 :中川隆:2011/11/12(土) 11:16:11.09

日本人は一度痛い目に遭わないとわからないから、TPPやった方がいいよ。

日本の公共事業を請け負ったアメリカの会社は仕事を年収50万円の中国人社員にやらせるからな。

農業も工業も全部潰されて、日本中がチャイナタウンで溢れる様になったら今迄甘やかされていた日本人も眼が醒めるんじゃないか。


5 :中川隆:2011/11/12(土) 11:17:07.76

日本列島をシナ人にくれてやり、世界へ雄飛する日本人!

カッコイイ!!

ユダヤ人の亜流誕生wwwwwwww

6 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2011/11/12(土) 11:18:29.67

メキシコを見て行動しよう。メキシコは日本の未来だ・・。

9 :中川隆:2011/11/12(土) 11:21:38.86

中国は農業用水はおろか飲み水もないからな。

何故シナ人が日本の水源地を買い占めてるのかと思ったら、TPPに加入したら
言い値で日本政府に買い取らせる事ができるからなのさwwwwwwwwwwww


日本の水資源がある地域の土地を外国人が買い占める事例があるが、TPP加盟によりISD条項が導入されると、外国資本により日本の水資源が奪い去られる恐れがあるということだ。

どのような可能性が具体的にあるかは触れられなかったようだが、 僕が思いつくだけでも、

地下水汲み出しについての権益化、つまり、

一定地域の地下水を有料にしていくということや、そもそも、その外国資本だけが地下水の汲み出し権を独占してしまうこと。


そして、もし何らかの地下水汚染が発見された場合、日本政府への賠償要求だ。

特に、原発事故による地下水汚染はほぼ永久に続くだろうし、その風評被害はいかようにも解釈できるから、ある意味、ほぼ無限の金のなる木を外資は見つけることになる。

15 :中川隆:2011/11/12(土) 11:43:06.16

まあ、中国人は日本に移住する以外は生き延びる道はないんだ。

水銀・鉛入りの水しかなければ生きていけないからね。

その為にアメリカとグルになって、日本人を日本列島から追い出そうとしてるのさ。


14 :ぞうさん ◆LiWT5qNyJI :2011/11/12(土) 11:41:37.91

怖いのは外国資本なのか それとも国内資本、政府なのか?

原発事故の教訓はないのか?

日本政府や企業は外国よりも信用できるのか?


16 :中川隆:2011/11/12(土) 11:45:03.01

(怖いのは外国資本なのかそれとも国内資本、政府なのか?)

中国とアメリカ金融資本は一体なんだよ。

トヨタやキャノンも同類。

多国籍企業には国籍は関係ないのさ。


17 :ぞうさん ◆LiWT5qNyJI :2011/11/12(土) 12:00:15.14
>>16
意味不明だな。

19 :中川隆:2011/11/12(土) 12:05:25.26

(怖いのは外国資本なのかそれとも国内資本、政府なのか? )

ロスチャイルドは日本に中国人2億人を移住させる計画だ。

その為にはTPPで日本人を失業させて追い出すしかない。

小澤や鳩山の政策はすべてロスチャイルドの指示通り

道州制も夫婦別称も外国人参政権も子供手当もすべて中国人を入れる為の準備


20 :中川隆:2011/11/12(土) 12:14:18.67

日本の最大の障壁は日本語なんだ。

非関税障壁で特に問題にされるのが役所や学校で日本語を使っている事

これではアメリカが日本の会社を乗っ取っても、運営できない。

フィリピンみたいに日本の公用語を英語にさせるのがTPPの本当の目的

小学校で英語を教える様にさせたのはその布石さ。

21 :yasu ◆.ZySJZQLas :2011/11/12(土) 12:44:36.95
>>20
アメリカが本当にそう考えているのなら、日本はアメリカと再び戦争するしかあるまい。国とは国語のことなのだ。

もし国語を消滅させようとアメリカが画策しているなら、武力をもってしても、そんなことは排除しなければならないだろう。

23 :ぞうさん ◆LiWT5qNyJI :2011/11/12(土) 13:06:20.91
>>19
>ロスチャイルドは日本に中国人2億人を移住させる計画だ。

どうしてこの狭い日本に?

しかも日本人を失業させて治安を強烈に悪化させた上に攻撃対象となる中国人を移住させる?

妄想にしてももう少し・・・(ry


25 :幸福実現党のがロスチャイルドの指示:2011/11/12(土) 13:11:13.47

自民党中川秀直らは「1000万人移民計画」を画策していました。

石原慎太郎は更に、「移民法」を制定し、日本をアメリカ並の多民族国家にせよと主張しています。

幸福の科学を母体とする、幸福実現党は「移民大量受け入れで人口3億人」を掲げていました。

どの数にしろ、日本にそれだけの移民を“輸出”できる国は、現時点では支那ぐらいです。

また、天安門事件で国際社会が支那を批判し、国際的な投資と援助に枯渇した支那のケ小平は

「中国が崩壊すれば、億単位の難民が日本、香港、東南アジアに流入するぞ」

と国際社会を恫喝しています。 支那にとって膨大な人口は、政治的兵器でもあるのです。


宗教法人『幸福の科学』(大川隆法総裁)を支持母体とする政治団体『幸福実現党』が5日、大川氏の妻きょう子氏を新党首とする人事を発表した。

きょう子氏は

「移民を受け入れ、人口を3億人に」などを語った。


29 :中川隆:2011/11/12(土) 13:22:36.70

[中国人待ってるアルよ!民主党は例の2法案の強行採決を急ぐアルよ!]

民主党は中国人が大量移民し易いように、夫婦別姓を早く強行採決するアル!

中国人はみんな夫婦別姓アル!

民主党は外国人参政権を早く強行採決するアルよ!

中国から2億まで移民できるアル!

日本人が妊娠したら中絶させて、どしどし漢民族を移民するアル!

日本は第2のウイグル・チベットあるよ!

50年で漢民族の単一国家できるアルよ!

民主党は早く強行採決を急ぐアルよ!

夏の参院選も中国マネーで大丈夫アルから強行採決急ぐアル!

03/18 08:24 By:中国人は民主党が大好きあるヨ! URL


30 :ぞうさん ◆LiWT5qNyJI :2011/11/12(土) 13:24:44.95

あのさ、 TPPは中国を除外する目的のものだろ。

的を外しすぎだぞ。


31 :中川隆:2011/11/12(土) 13:28:02.05

アメリカが日本の公共事業を落札したら、年収50万円で中国人を雇って

日本に連れて来て請負業務をさせる。

中国人はアメリカ多国籍企業の正社員として日本に来て働くから日本政府は移住を拒否できない。


まあ、牛丼が1杯100円になれば、日本人も3食300円、親子4人 年44万円で食ってけるから年収50万まで下げれば中国人と対等に競争できるな。

33 :訂正:2011/11/12(土) 13:47:23.23

アメリカ独立記念日にはサラダくらい付けて貰わないと脚気になるから

年収は50万と200円 なwwwwwwwwwwwww

34 :ぞうさん ◆LiWT5qNyJI :2011/11/12(土) 14:17:33.28
>>31
何が問題なんだ?

35 :中川隆:2011/11/12(土) 14:35:35.50

今迄公共事業で食ってた地方の会社が全部潰れるだろ。

地方の日本人は全員東京に集まって来てスラムで生活保護を受けて暮らす事になる。

当然子供も作れない。

時間が経てば子沢山な中国人だけが増えて、日本語が通じない国になる。

言い換えると、僅か30年で日本は中国に乗っ取られる:

1995年 オーストラリアを訪問した李鵬は、豪首相との首脳会談中に、

「 日本など20年も経てば地球上から消えてなくなる 」

と発言。 李鵬の発言はまるでオカルトのようにも聞こえるが、平成9年当時の国会でも取り上げられた発言である。


武藤国務大臣

「そのオーストラリアへ参りましたときに、オーストラリアの当時のキーティング首相から言われた一つの言葉が、日本はもうつぶれるのじゃないかと。
実は、この間中国の李鵬首相と会ったら、李鵬首相いわく、

君、オーストラリアは日本を大変頼りにしているようだけれども、まああと三十年もしたら大体あの国はつぶれるだろう、

こういうことを李鵬首相がキーティングさんに言ったと。 非常にキーティングさんはショックを受けながらも、私がちょうど行ったものですから、おまえはどう思うか、こういう話だったのです。」

http://hanzibakuro.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/20-ea32.html

中国が日本に強い侵略意欲をもっていることは、イザの諸賢の間では常識だが、中国外務省から流出したという2050年の日本地図がある。

http://blogs.yahoo.co.jp/give_me_your_opinion/7918816.html


36 :中川隆:2011/11/12(土) 14:45:22.62


道州制というのは地方の日本人をすべて追い出して、中国人しか住まない状況になる事を前提にしている。

道州制と外人参政権を組み合わせれば、東京以外の地方はすべて中国人が政治的に支配する事になる。

それが小澤・鳩山がロスチャイルドから指示された事だ。

小澤はTPPの隠れた推進者なのさ。

http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/eco/1321063986/l50


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TPP賛歌 _ TPPに加入するとこんな甘美な世界が待っている。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/204.html

俺の様な勝ち組には最高の時代になるな、ウッヒッヒッヒ


39. 2011年11月23日 21:27:06: MiKEdq2F3Q


「TPPになれば実際的には無制限に低賃外人が入ってくる。

EUでも実はEU条約に「東欧移民の無制限流入」がはいっていて
ポーランドからフランスに賃金がなんと6分の1の移民が大量に入ってきて大騒ぎになった。

「ポーランドの配管工 フランス」でグーグルしてみるとわかる。


TPPで外人の賃金を、法定最低以下にするために「ヤミ労働」という手法を使ってる。
労働者じゃなくて「請負小企業」「請負人組合」として誤魔化して入ってくる。

EUで問題化していて、有名でよく新聞に載ってる方法、「請負小企業」(実質的には低賃外国人労働者の移入)。


1 まず参加国の後進国と日本の企業が、日本で合弁企業を作る

2 事業内容はかならず「業務の請負」にする

3 なぜかというと労働者を雇えば最低賃金法や社会保険強制になるが請負ならばそういう面倒は一切ない

4 本国(後進国)から労働者を呼び寄せて請負に従事させる(だいたい半年で帰国させる)


企業設立の規制撤廃、短期ビザの大幅延長、それに技術者定義の大幅緩和

これを組み合わせると、後進国の低賃労働者(月給1万円クラス)がなんちゃら技術者になって日本で自由設立された請負小企業の企業主となる。

(企業主に低賃労働者がなるのはおかしいとおもうかもしれないが実際に
EUではこのような零細外人企業主が激増して先進国で請負している)


例えばの話、TPPで農業規制が完全撤廃されれば、外国企業(日米合弁)が、「農産物の収穫を専門的に請け負う」ことも可能になる。 そして請負達成のために、本国から「農業技術者」(という名の低賃金)を短期ビザで入らせて請け負いをする。 請負いだから労働ではないので時給換算で200円でも合法となる。

そして延長された短期ビザで半年か1年も稼げば、本国ではありえない大儲けになるから大喜びする(本国では1万円でも日本なら5万円ということ)。

これが大々的にやられた結果、ポーランドの配管工が、フランスの配管工事を独占する勢いになって大騒ぎ。

同じ手口ではフランスだけじゃなくて、ドイツでも社会問題化してる。 これがTPPの未来だろ(資本自由と移動自由を合わせ技にできるから可能になる裏ワザ)

実際にドイツでは、TPP(EUなのでEU諸条約だが)による外国人の請負横行、移民枠の緩和自由化により 大卒の若者すら職がなくて東欧中東などで職探しするという悲惨な状態になってる。」

               ↓日本

        lヽ ノ l        l l l ヽ   ヽ
  )'ーーノ(  | |  | 、      / l| l ハヽ  |ー‐''"l
 / T  | | |/| ハ  / / ,/ /|ノ /l / l l l| l  T ヽ
 l   ・  i´ | ヽ、| |r|| | //--‐'"   `'メ、_lノ| /  ・  /
 |  P  l  トー-トヽ| |ノ ''"´`   rー-/// |  P |
 |  ・   |/     | l ||、 ''"""  j ""''/ | |ヽl  ・ |
 |  P   |       | l | ヽ,   ―   / | | l  P  |
 |   !!  |     / | | |   ` ー-‐ ' ´|| ,ノ| | |  !! |
ノー‐---、,|    / │l、l         |レ' ,ノノ ノハ、_ノヽ
 /        / ノ⌒ヾ、  ヽ    ノハ,      |
,/      ,イーf'´ /´  \ | ,/´ |ヽl      |
     /-ト、| ┼―- 、_ヽメr' , -=l''"ハ    |  l
   ,/   | ヽ  \  _,ノーf' ´  ノノ  ヽ   | |
、_    _ ‐''l  `ー‐―''" ⌒'ー--‐'´`ヽ、_   _,ノ ノ
   ̄ ̄   |           /       ̄

中国人移民を1000万人入れたら30年後には日本も…


▼欧州はイスラム圏になる?

http://www.youtube.com/watch?v=6-3X5hIFXYU


ある文化が保たれるためには、出生率が2.11人以上必要だそうです。

しかし、欧州の現状はどうなのか?


2007年

・フランス 1.8人
・イギリス 1.6人
・ギリシャ 1.3人
・ドイツ  1.3人
・イタリア 1.2人
・スペイン 1.1人
・EU  1.38人



危機的状態じゃないですか?

ところが、欧州の人口は減っていません。なんで?

移民を大量に受け入れているから。


1990年から現在にいたるまで、欧州の人口増加の90%はイスラム移民によるもの。たとえば。

1、フランスの場合

フランスの出生率は1.8人。

イスラム教徒の出生率は、8.1人(!!!!!!!!)。

2027年、フランス人の5人に一人はイスラム教徒に。

39年後(2048年)、フランスはイスラム国家になる。

(要するに過半数がイスラム教徒になるということでしょう。)

2、イギリスの場合

イスラム教徒の数はここ30年で、

8万2000人から250万人まで30倍増加。

3、オランダの場合

新生児の50%(!)はイスラム教徒。

15年後、オランダはイスラム国家になる。

4、ロシアの場合

イスラム教徒の数は2300万人。

これは人口の5分の1である。


5、ベルギー

人口の25%はイスラム教徒。

新生児の50%はイスラム教徒。


6、ドイツ

2050年にイスラム国家に。

ドイツ政府によると、現在欧州には5200万人のイスラム教徒がい
る。

それが20年後には、1億400万人まで増加する。

7、カナダ

カナダの出生率は1.6人。

2001〜06年に、同国の人口は160万人増えた。

が、そのうち120万人は移民による増加。


8、アメリカ

1970年、アメリカのイスラム教徒はわずか10万人。

それが2008年には900万人(!)まで増加。

30年後、イスラム教徒の数は5000万人まで増える。

http://archive.mag2.com/0000012950/20090512233623000.html


40. 2012年8月13日 15:37:11 : HNPlrBDYLM


白人は人間ではない:高山正之
http://www.youtube.com/watch?v=WYdAUWkgFMk&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=NejbFYunpRw&feature=related

米国の理不尽・トヨタリコール
http://www.youtube.com/watch?v=Ey_YLLTM4LY&feature=related

TPP問題とは『"ザ・ヤクザ"〜アメリカが潰そうとするのは何故か?〜』.高山正之
http://www.youtube.com/watch?v=_-r516_OD5I&feature=related


41. 2012年10月04日 23:55:44 : HNPlrBDYLM

今の「日本政府」がいつまでも今の形で残っていると思ったら大間違いだ。日本政府はいずれ、単なる「日本支部」のようになっていく。

今の「日本の法律」がいつまでも今の形で残っていると思ったら大間違いだ。日本の法律はいずれ、世界(もっと具体的に言えばアメリカ)が決めることになる。

今の「日本の通貨」がいつまでも今の形で残っていると思ったら大間違いだ。日本の円はいずれ消え去り、世界共通の何か別の通貨がそれに取って代わる。

今の「日本語」がいつまでも今の形で残っていると思ったら大間違いだ。日本語はいずれ、単なる衰退言語となり、英語が公用語となって日本語が捨てられる。

今の「日本の文化」がいつまでも今の形で残っていると思ったら大間違いだ。食文化も、音楽も、映画も、伝統も、ファッションも、考え方も、日本固有のものは何もかもが消されていく。

■政治家は誰に忠誠を尽くしているのか?
端的に言えば、「政府・法律・通貨・言語・文化」の5つは世界標準に統合されて、日本固有のものは捨てられる。

なぜなら、グローバル社会の中では、日本固有のものなど消失してしまうことが「望まれている」からである。

もっとも、消されるのは「日本有の文化」だけではない。世界中から「独自の文化」が消されていくことになる。そのような動きが、加速している。

何が起きたのか。「共通化」、あるいは「統合」がそこに起きたのだ。誰もそれを奇異に思っていないが、多様性は圧倒的に消滅してしまっている。

「政府・法律・通貨・言語・文化」の5つも「共通化」「統合」していくと考えるべきだ。世界中で固有の文化が消されていく。
誰がそんなことをしているのか?

■政治家が忠誠を尽くすのは国民ではない
アメリカは韓国にFTA、日本にTPPを押し付けて来ている。これは事実上、アメリカによる日本・韓国の「植民地化」だ。その事実が徐々に認識されるようになってきている。

これを推進しているのは「アメリカ政府」なのだが、アメリカ政府はNFTC(全国貿易協議会)のロビー活動や圧力の結果として動かされている。

そして、このNFTC(全国貿易協議会)こそが、アメリカが代表する「多国籍企業」群の利益団体だ。(アメリカはイラクをあきらめ、日本を植民地化することにした)

ここから見えてくるのは、実にシンプルな構図だ。今、何が起きているのかというと、こういうことだ。

「アメリカの多国籍企業が、アメリカ政府を動かして、自分たちの利益を追求しやすいように、日本・韓国を変えようとしている」

オバマ大統領やクリントン国務長官はアメリカのために行動し、発言している。では、ここで言う「アメリカのため」というのは、アメリカの「誰のため」なのか。

「国民のため」ではない。

アメリカの国民は「ウォール街を占拠せよ」と叫び、「政府が国民のために動いていない」と暴動寸前のデモを起こした。

つまり、国民は政府が「大企業を優遇しすぎている」「政府は国民を軽視している」と不満を示していることになる。

ということは、アメリカの政治家が「アメリカのため」と言ったとき、それは「アメリカの国民のため」ではないことが分かる。

アメリカのみならず、政治家というのは、常に票を集めてくれる「組織票」に向いて活動しており、資金援助をしてくれる「組織・団体」に忠誠を尽くす。
組織票や資金援助をしてくれるのは「誰」なのか。

■オバマは、「多国籍企業」を優遇した
バラック・オバマは2009年の選挙では、インターネットで小口献金を積み上げたことが大きな驚きとして報道された。通常は、小口献金を集めても大した額にはならなかったのだ。

だから、政治家は「大口献金」で選挙資金を集める。

大型献金をする資産家が時おり新聞に載ることもあるが、それが新聞に載るのは、やはり珍しいからだ。

では、珍しくない通常の大口献金は「誰が」出しているのか。

そんなことは誰でも知っている。多国籍企業だ。大口の献金を受けて当選した政治家は何をするのか。

もちろん、これからも当選し続けるために、多国籍企業の要求する政策を進めるのだ。アメリカの政治家の背後には、アメリカの「多国籍企業」がいる。

ちなみに、バラック・オバマが当選したあと、オバマが小口献金で勝ち上がったというのは一種の誇張だったことが発覚している。

実はウォール街の投資銀行から30億円、保険会社からも30億円の献金を受けていたと小さな報告があった。

結局、オバマ政権になって量的緩和が行われてウォール街と保険企業は大いに利益を積み上げた。オバマもまた大企業を結果的に助けたことになる。
オバマは、「多国籍企業」を優遇したのである。

■NFTC(全国貿易協議会)
アメリカにはキラ星のごとく「多国籍企業」が揃っている。
これらがすべてNFTC(全国貿易協議会)に集結して、ロビー活動を通してオバマ政権に圧力をかけ、そしてTPP(環太平洋パートナーシップ協定)が日本に来襲してくる。

しかし、ひとつひとつの企業を見ると、特に凶悪なように見えない。いや、むしろそれらの多国籍企業はとても好ましいイメージがある。

「TPPは日本を破壊する!」と叫ぶ日本人も、マクドナルドでハンバーガーを食べ、コカコーラやペプシを飲む。

友人とアップル社のスマートフォンで話をして、会社ではマイクロソフトのOSの入ったインテル製PCを使って仕事をする。

よく考えて欲しい。

ここで名を上げた「マクドナルド、コカコーラ、ペプシ、アップル、インテル、マイクロソフト」は、すべてNFTC(全国貿易協議会)を通して、TPPを日本に押し付けている企業だ。

もうこれらの企業は十分日本に浸透している。

これ以上何を望んでいるのかというと、まだ日本に入りきれていない多国籍企業をさらに押し込むのである。

TPPで真っ先に問題になるのが「農業」だが、NFTC(全国貿易協議会)のメンバーである世界最大の穀物商社「カーギル」や遺伝子組換えの「モンサント」「ダウ・ケミカル」はまだ入り込めていない。

なぜなら、日本が関税を敷いて自国農業を守っているからだ。NFTC(全国貿易協議会)はそれが邪魔だと考えている。そして、その関税を「完全撤廃」させるのがTPPなのだ。

■抵抗すればISD条項の元に、損害を弁済させられる
当然、日本の農業は壊滅状態になる可能性もあるし、それを防御しようとすれば訴えられてISD条項の元に「損害を弁済させられる」ことになる。

NFTC(全国貿易協議会)のメンバーの中には「アボット・ラボラトリー」「イーライ・リリー」「ファイザー」「メルク」等の巨大製薬会社も混じっている。

彼らは特許を盾にしてジェネリック薬を許可しないので、日本で医療費が激しく上がる可能性も叫ばれている。これも抵抗すればISD条項の元に「損害を弁済させられる」だろう。

訴訟はアメリカの弁護士が行うが、NFTC(全国貿易協議会)には「U.S. Chamber of Commerce(米国商工会議所)」という何の変哲もない名前のロビー団体が含まれている。

これはアメリカでも最大のロビー団体のひとつだ。ここに多くの弁護団体が加盟しており、アメリカ式の訴訟を日本で行いたいと考えているのである。

日本に入り込んで儲け、抵抗したら訴訟を起こして、今度は弁護士が儲ける。そういう世界なのだ。

アメリカでは救急車が走っていたら、そのあとに弁護士の車がコバンザメのように付いてくると冗談のように言われる。

訴訟大国を担う弁護団が入ってくるのであれば、今まで何でも「穏便」に済ませていた日本も国が変わる。

日本に入り込みたいが入れないアメリカの多国籍企業が山ほどある。そのために、邪魔な日本政府と関税を無力化させるために、NFTC(全国貿易協議会)はアメリカ政府を動かしてTPPを仕掛けてきた。

■画一化で多国籍企業が恩恵を受ける
日本の公的文書を英語に、公用語を英語にする動きも、「U.S. Chamber of Commerce」を通して行われるのだろう。

言語や文化が統一されるのは、多国籍企業には非常に有利になるのは、それによって「情報のアクセスが増える」「乗っ取りがしやすくなる」「コストが削減できる」「文化を画一化できる」等のメリットがあるからだ。

「コスト削減」については、説明書や製品を現地語にローカライズさせる手間が省けることを考えても分かる。

また、NFTC(全国貿易協議会)には「米国出版社協会」やマグロウヒルが含まれているが、これはアメリカのほぼすべての出版物を扱う協会だ。

日本を文化破壊させて日本語を捨てさせ、全員まとめて英語を読み書きするようにすれば、1億人のマーケットがそこに生まれる。

多国籍企業は「画一化」を非常に好む。

言語が画一化されれば英語のメディアがそのまま世界中に売れる。味覚が画一化されれば、マクドナルドもコカコーラもペプシも世界中に売れる。美的感覚が画一化されればGAPもリーバイスも世界中に売れる。

★ローバル化とは人間をレンガのように画一化する仕組みになっていると以前にも指摘した。(今、人間をレンガのように画一化する仕掛けが作動している)

なぜ、そうなのかというと、画一化することによって、「多国籍企業」が恩恵を受けるからでもある。

今、世界各国の政府が弱体化していく流れになっている。あるいは、ユーロや、FTAや、TPPや、NAFTA(北米自由貿易協定)のように、ブロック化していこうとしている。

そして、世界は「グローバル化」しており、「多文化主義」に走っている。なぜ、そのような動きが誰の号令もなく進んでいるのか。

「多国籍企業」が、自らのビジネスのために、それを望んでいるからである。
・多国籍企業は「政府」が画一化(統合)して欲しい。
・多国籍企業は「法律」が画一化(統合)して欲しい。
・多国籍企業は「通貨」が画一化(統合)して欲しい。
・多国籍企業は「言語」が画一化(統合)して欲しい。
・多国籍企業は「文化」が画一化(統合)して欲しい。

だから、今の日本の「政府・法律・通貨・言語・文化」が、これからも存続すると思ってはいけない。長い時間をかけ、いずれ、すべてが消滅していく。それが望まれているからである。
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/803.html


42. 中川隆 2012年10月04日 23:59:06 : 3bF/xW6Ehzs4I : HNPlrBDYLM

2011年10月18日火曜日

近い未来に起きる2つのこと。給料の半減と、農業の絶滅。


TPP(環太平洋連携協定)の議論が割れており、これが日本の行方を左右する可能性が出てきた。

TPPとは簡単に言うと「国を完全にグローバル化するもの」という理解をして欲しい。参加国内で関税を一切取っ払って、自国産業が負けても政府は口を出さずに結果を受け入れるという協定である。

TPPはシンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの貿易協定として始まった。そこに、ベトナム・マレーシア・オーストラリア・ペルー・チリが加わって、さらには米国が加盟し、日本も加盟しようとしている。


日本の資産を根こそぎ奪っていく

このTPPは現在、賛成派と反対派に分かれて激しい議論が応酬されているが、何が問題なのかあまりよく理解できない人も多い。

よく理解できなくても無理もない。なぜなら、TPPがどんなものなのか政府は資料を出そうとしないし、メリットもデメリットも説明せずにただ、「関税撤廃して自由な国にする」と言っているだけだからである。

TPPで扱うのは、工業製品、農産物、繊維・衣料品、金融、電子取引、電気通信、公共事業、物品、労働規制、環境規制等、かなり多岐に渡っている。

誰も全貌が分からないが、それは何をどう受け入れるのか細かい部分が日本では何も決まっていないからだ。

ただ、政府が猛烈にそれをやりたいという姿勢だけが伝わってくる。アメリカに圧力をかけられているからである。

アメリカがTPPをチャンスだと見ている。なぜチャンスだと思っているのかというと、「競争に勝てる」と思っているからだ。

アメリカには超巨大多国籍企業がキラ星のように揃っているが、それらの巨人が日本に入り込んで、片っ端から日本の企業や産業を飲み込み、叩き潰すことができると思っている。

自由貿易で競争に勝った国は、相手の資金をそのまま収奪することができる。

カネが尽きてきたアメリカが狙っているのは何か。それは日本の資産を根こそぎ奪っていくことだ。TPPがその「仕掛け」になる。

だから、アメリカは激しい圧力を日本にかけて、日本の政治家はそれに屈してTPP開国を進めている。


TPPは、日本と韓国を長期的に潰す為に行う。米国公電をウィキリークスが暴露

ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官は「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と語った。(米国大使館公電から)

ウィキリークスの原文はこちら
http://wikileaks.org/cable/2010/02/10WELLINGTON65.html

菅首相以後、憑かれたようにTPPに突っ走っていく日本


今の給料の半分になってもまだ高い

TPPが入ってくると潰されると危機感を抱いているのは農業従事者なので、今のところは農業の話が中心になっている。

しかし、実際には24分野で「自由競争」が始まるのだから、日本人全員に影響があると考えたほうが自然だ。

どういう影響があるのか。まず、日本人の収入は「激減」する。今もらっている給料の半分になってもまだ高いと言われて削られるようになる。

なぜか。関税撤廃が行われ、自由競争が始まると、企業はコスト競争に巻き込まれるので、どうしてもコストを下げる努力をせざるを得ないからだ。

コストの最大の要因となるのは「人件費」である。この人件費を下げる方策が日本企業から出てくる。すなわち、以下のようなものだ。

・正社員をリストラする。
・従業員全員の給料を引き下げる。
・安い外国人を雇う。
・給料の高い日本人を雇わない。
・日本から出ていき、賃金の安い国に行く。

どれかが行われるのではなく、このすべてが行われる。

海外で安い労働者を使って安いものが作れ、かつ関税がないので右から左に税金ゼロで持ってこれると分かったら、企業はもはや日本人を雇わない。

だから、企業はさっさと海外に出ていくことになるだろう。「自由な貿易」「関税撤廃」を主とするTPPは、まさにグローバル化の加速である。

TPPであなたの給料は激減する

あらゆる観点から考えても、日本人の給料・賃金は下がる。すべての影響はつかみきれないけれども、これだけは確かだ。

しかし、日本人はというのは抽象的な言い方だ。このブログを読んでいる人間はほとんどが日本と関わりのあるところで働いているだろうから、もっとはっきり言おう。

TPPの参加が決まったら、他の誰でもなく、あなたの給料が激減する。あなたの給料が半分以下になってもおかしくない状態になる。これが第一の影響だろう。

日本企業が政府に「早くTPPに参加しろ」と言っているのは、企業は常にコストを下げて競争力を保ちたいからである。別に従業員のことを考えているわけではない。

あなたの給料が下がれば、それだけ企業はコスト削減できるから嬉しいのである。

このあたりの流れを、もっと分かりやすく説明すると、こういうことになる。

(1)自由化は、物の値段を下げる性質がある。
(2)TPPの関税撤廃によって自由化を目指す。
(3)すべての生産物が競争に巻き込まれる。
(4)コスト削減競争になる。
(5)コストの大部分を占めるのは人件費である。
(6)人件費(給料・賃金)を下げる動きになる。

日本人がTPPに対して激しい不信感を抱くのは、そのような流れを漠然と感じるからだろう。

自由貿易で日本が競争に勝つ分野が出てきても、「日本人が勝つ」わけではない。「日本企業が勝つ」だけである。

しかし、勝つためにコスト削減=給料下げが行われているので、日本企業が勝っても、あなたの給料が半減以下になっている。これがグローバル化の結末だ。

これだけでも日本人は真っ青になる必要があると思うが、誰も素知らぬ顔をしているのは、もう日本人はカネを失ってもいいと達観したのだと私は考えている。

これが中国なら政治家が暗殺されるレベルだが、日本では何も起きていない。給料が半減以下になるのに騒がない日本人はさすがに民度が高いものだと感心してしまう。


今までの傾向からすると、サラリーマンが一番何も行動しない。
仕事以外は何も考えられないロボットのようになってしまっている。


大震災・原発事故によって、すべては変わった

かつて、日本人は日本の農家を守るためにもTPPは認めたらいけないと考えていた。しかし、2011年3月11日の大震災・原発事故によって、すべては変わったと思う。

今、日本人は日本の農家を守りたいと思っても、もはや放射能汚染された日本の農作物が食べられない。日本の農作物が汚染されていけばいくほど、日本人は「日本産」を食べないだろう。

これは、日本を愛している人間でも同じだ。放射能入りの日本産と、放射能なしの海外産があれば、もはや選択の余地はない。子供がいる家庭であればなおさらだ。

3月11日以前は、「安い農作物が入ってきて、自給率がさらに悪化してしまう」というのが議論の俎上にあったはずだが、今の日本は自給率どころではない。

何もかもが放射能で汚染されて食べられないので、「海外産を食べるしかない」という状況に追い立てられているのである。

恐らく米も海外産のほうがいいということになって、日本の米は販売においても全滅していくかもしれない。そうなっても仕方がない。なぜなら、子供に放射能入りの食事を出すほうが罪深いからだ。

TPP参加が決定すると、恐らく瀕死の農業にとどめを刺す。

日本産が食べられず、いずれ日本産がなくなり、日本料理もなくなり、それによって日本の文化も死ぬ。

近い未来に起きる2つのこと。給料の半減と、農業の絶滅。国益を考えない政治家が適当な政治をしていれば、どこまでも堕ちて行く。

日本人はその現状を見つめながら、まだ何もできないでいる。

日本が坂道を転がり落ちながら衰退している姿をあなたは認識できているだろうか。


農家はTPPで日本の農業が死ぬことを最初から知っていた。
最後に日本の農業を殺すのは、TPPなのか、放射能なのか。
http://www.bllackz.com/2011/10/blog-post_18.html

2011年10月19日水曜日

食料危機が始まる。あなたの食べるものが消えてしまう理由


農業が自由化競争になったとき、日本の農業は全滅する。よく考えて欲しいのだが、どこの国が放射能まみれの日本の農産物が欲しいと思うだろうか。そんな国はどこにもない。

むしろ、日本人がこぞって放射能で汚染されていない海外の農産物を買うことになる。つまり、日本の農産物は競争力はなくなった。

日本は食料自給率が異様に低く、カロリーベースの総合食料自給率が39%だった。ここに3月11日の大震災・放射能汚染が加わって、自給率は最悪の事態に落ち込んでいくと思われる。


食べ物が大暴騰していく

今までは自給率が低くても「外国から買えばいい」という前提が成り立っていた。しかし、今後はその通りにいかない可能性が高まっている。

なぜなら、中国が食料を輸入に頼るようになっていったとき、中国13億人の胃袋を満たすだけの食料を世界が用意できないからだ。

それでも中国政府は中国人民を飢えさせるわけにはいかないから、どんどん世界中の食料を買い込むことになる。

中国は食料を輸出している国だという概念はすでに2010年で崩れている。国内で作っているが、それでも足りなくて食料を輸入に頼っているのである。

2010年にはトウモロコシも大豆も過去5年で2倍の量を輸入に頼るようになっており、さらには米の輸入も増えてベトナム産のコメは中国が軒並み買い上げていると言われている。

中国は肥沃な土地が少なく、しかも旱魃で水が不足している。自給率は99%だが、今後はそれが下がっていく可能性もある。

そうでなくても、中国では工業化の流れに乗って若者が都市に流れていき、農村が荒廃している事態もある。


農業離れによる食糧不足=中国社会の足元すくう可能性―中国紙

中国では、農業に前途を見出せない若い世代がどんどん都市部へ流入し、いまや農村は老人や病人・弱者の留守の地とさえなってしまっている。農業が廃れてきたのは、工業化を進める一方で、政府が産業としての農業を十分に重視せず、政策上の“犠牲者”としてきたことも原因の1つである。何を作っても、何を育てても大した収入にはならないことが農民の積極性を奪い、農業に壊滅的な打撃を与えてきた。

どんな国においても、農業の経済的な波及効果は第2次、第3次産業よりも劣るため、農業は脆弱な産業に属すると認識されている。しかしそれ故に、その国が長期的な展望を持っているのかどうかが、農業に対する取り組み姿勢によって判断できる。人口10億人以上のこの大国で、農地が荒れ、誰も農業に就かなければ、将来の食糧不足が社会の安定を失わせる大きな火種となる可能性さえある。

その結果どうなるのか。中国はますます食料の輸入に邁進していき、世界中の穀物を買い上げることになる。

数年前から、「世界は食料獲得戦争が起きる」「水の奪い合いが起きる」と警鐘が鳴らされてきているが、いよいよその2010年からそんな苛烈な時代に入っていった。

食料が明確に不足していく。


中国の旱魃と水不足はいまだに深刻な状態に

ところが、そんな不安な時代に、よりによって日本は肥沃な土壌が放射能に汚染されてしまい、農産物を作っても汚染物質にしかならない国になってしまったのである。

これだけでも農業は壊滅に等しいが、さらに政府はTPPによって関税を撤廃したがっており、安い農産物が提供されると日本の農業の壊滅は加速されて、どこかで止めを刺されることになる。

そして、日本の農業が崩壊した頃になって、世界は食料危機が深刻になっていき、食べ物が大暴騰していく。食べ物が欲しくても、あまりにも高くて手に入らない時代になる。

金持ちだけが生き残り、残りは「飢えた貧困層」になる。分かりやすく流れを書くとこのようになる。

(1)放射能で農産物が汚染された。
(2)農業が壊滅状態になっていく。
(3)TPPに加盟して関税撤廃。
(4)安い農産物が入ってくる。
(5)日本の農業が崩壊。
(6)世界が食糧不足に入る。
(7)食料が大暴騰して金持ちしか買えない。
(8)日本に飢えた貧困層が出現する。

すでに(1)まできて、政府は(3)を目指している。普通の人々が根こそぎ困窮した生活に放り込まれるだろう。


食糧危機に向けたプロローグ

食糧危機など本当に来るのか懐疑的な人もいると思う。しかし、その兆候はすでに2011年に私たちは目撃している。チュニジアから始まったアラブの民主化運動がそれだ。

チュニジア・エジプトの民主化デモがこれだけ大規模な国民闘争になったのは、国民すべてが「ある危機」に巻き込まれていたからだ。「ある危機」とは言うまでもなく「食料の高騰」である。

2011年に食料の高騰があったのは、アメリカが量的緩和を行なって市場にドルを大量に流出させたのが直接的な原因だ。

それが投資機関によってコモディティ市場に向かい、石油から食品までのすべてのコモディティを暴騰させてきた。

なぜ、投機資金がコモディティ市場に流れ込んで行ったのかというと、実は「小麦の収穫量が激減する」「だから小麦の先物市場が上がる」という読みがあったからだ。

なぜ、この当時、小麦の収穫量が激減すると投機資金は思ったのか。それは、ロシアの穀倉地帯が山火事で壊滅状態になったという事情があったからである。(2010年8月ロシアの大規模な山火事。観測史上類を見ない猛暑が襲ってきた)

ここ数年、異常気象がずっと続いてきていて、世界の穀倉地帯が軒並みやられてきている。2010年のロシアの山火事はまさにその典型的な例だった。


2010年8月のロシアの山火事がアラブ民主化の遠因になった。

だから、事象を時系列で言えばこのようになる。

・ロシアで大規模な猛暑・山火事で小麦が激減した
・投機資金がそれを見てコモディティに殺到
・その結果、食料価格が暴騰
・ロシアから小麦を輸入していたチュニジアで暴動
・食料高騰が原因で、中東・北アフリカが混乱

2011年から起きている事象は、今は誰も認識していないが、実は迫り来る「食糧危機」のプロローグでもある。世界中に「飢えた貧困層」が増えたことによって政治的混乱が加速している。

では、この異常気象はロシアだけの一時的な減少だったのだろうか。そういう見方もある。では、2011年だけ取り上げて、世界で何が起きていたのかもう一度確認してみたい。

2011年1月 欧米での大豪雪
2011年1月 オーストラリア同国最悪の大洪水
2011年2月 アメリカ中西部の大豪雪
2011年3月 タイ南部で大洪水
2011年3月 日本で大地震・大津波
2011年4月 スイス南部で干魃
2011年4月 ミシシッピ州の大洪水
2011年4月 ロンドン危険レベルのオゾン層破壊
2011年4月 コロンビアで大豪雨・大洪水
2011年4月 米ミズーリ州の連続巨大竜巻
2011年4月 テキサスで大規模火災
2011年4月 米オレゴン州で大雪
2011年4月 エジプトで強烈な砂嵐
2011年5月 中国過去50年で最悪の干魃
2011年5月 韓国でヒキガエルの大移動
2011年6月 中国来賓で大洪水
2011年6月 米アリゾナ州で史上最悪の山火事
2011年6月 インドで大豪雨
2011年7月 中国北西部で灼熱日(ロシアも30度超え)
2011年7月 米アリゾナ州フェニックスの大砂塵
2011年7月 韓国記録的大豪雨
2011年10月 タイで壊滅的な洪水
2011年10月 トルコでM7.3の大地震


タイの洪水は工業団地だけを直撃しているわけではない。
「穀倉地帯」をも打撃を与えているのである。


個人でサバイバルが必要に

もう分かっていると思うが、年を追うごとに異常気象の「異常」が度を超していく。2011年だけでもこれだけの「兆候」があって、穀倉地帯が崩壊していっているのである。

最初は地域の被害に過ぎなかったものが、地球規模の影響を及ぼすことになっていく。

穀倉地帯が崩壊し、自然が破壊され、ジャングルも消滅の危機にあり、それなのに人間の人口だけは過去最大の70億人に達して、さらに増えていく。

酷暑と酷寒も交互にやってきている。灼熱の夏と酷寒の冬が恒例になったら社会に影響を与えないはずがない。過酷な自然環境は、農作物に影響を及ぼすのである。

穀物価格・資源価格が高騰してグローバルに影響を与えていくのは当然だ。すなわち、恒常的な食品の高騰につながる。

食品価格が高騰していけば黙っている人は誰もいない。飢えは生存のための略奪や暴力を引き起こす。奪わなければ死ぬのなら、誰でも奪うだろう。

国が国民を食べさせることができない国、すなわち自給率が低い国がどのような末路に追い込まれるのか、私たちは真剣に考えているのだろうか。

放射能汚染と、TPPと、食糧危機と、国家崩壊は、ぜんぶ根っこでつながった問題である。それぞれ違う問題ではなく、全部が同時並行で動いている。

だから、今から日本人は何らかのサバイバルを考えなければならない。ただし、国は何もしてくれないので、個人でサバイバルが必要になってくる。

そんな時代が来るわけがないと思う人もいるかもしれない。では、あなたは1年前の今日、「日本の農作物が放射能で汚染されて食べられない時代が来る」と一瞬でも思っただろうか。

自然環境は悪化している。むしろ、どんな時代でも来ると覚悟しておいたほうがいい。


生きていくためには何でも食べる時代が来るのか?
http://www.bllackz.com/2011/10/blog-post_19.html


43. 2012年10月29日 00:52:10 : HNPlrBDYLM

TPP参加に向けての国民無視の暴走を止める 平成24年7月11日

東京大学 鈴木宣弘


はじめに−いま動かないと取り返しがつかない
政局も流動的な中で、消費税、原発の問題がクローズアップされ、TPP(環太平洋連携協定)問題は動いていないかのように表面的に見えたのは間違いです。実務レベルでは、水面下で、米国の要求する「入場料」ないし「頭金」支払いの交渉は着々と進んでいます。

そして、ついに、TPPへの参加について、日本の決意表明を8月にも行う方針が決まったかのような報道が一部の新聞に出てきました。自動車については、ゼロ関税の日本市場に対して「最低輸入義務の台数を決めろ」というような米国の「言いがかり」の要求に必死の裏交渉で応えた成果が、米国が「とりあえず、このぐらいで許してやるか」という水準に近づいているのでしょう。

実は、最も警戒すべきは、8月や9月でなくとも、いつ何時にも日本の正式参加が決まってしまう危険があるということです。日本はすでに2011年11月に参加の意思表示をしているのだから、日本が再度「決意表明」しなくても、米国が「頭金」を払ったと認めたら、日本の決意は示されたということで、明日にでも、米国が「日本の正式参加を認める」とアナウンスして、すべてが決してしまうかもしれないのです。米国が「決意を示せ」と言っているのは、何らかの機会に「入りたい」と日本が再度明言するという意味では必ずしもなく、自動車などの懸案事項に対して、しっかりと米国の要求に応える覚悟が示されるかどうかという意味です。 米国に対して必死の譲歩をして参加承認を画策しながら、政府は、5月22日の市民サイドの呼びかけによる集会でも、

「日本のTPP参加と自動車、郵政、BSE問題などの問題は何ら関係がない」

と口裏を合わせて答えました。しかし、そう言った数日後には、米国側の資料から、5月7日に米国からの使者が日本にTPP参加の「頭金」として10項目の自動車関連の要求事項を突きつけ、日本側からも譲歩案を提示したことが判明しました。そこで、国会議員の有志が説明を求める緊急会合を招集しましたが、政府側は、「何も説明できない」と1時間繰り返すだけで、何も語りませんでした。テレビカメラも回っていたのに、この様子は、地上波では、一切報道されませんでした。情報は隠すもので、出す内容はごまかすことしか考えていない政府に、「情報を出せ、ウソをつくな」と言っても無駄なので、もうやめましょう。とにかく、こんな国民無視の勝手な暴走を一日も早く止めなくては国がもちません。

反原発のデモも10万人を超える大きなうねりになって、報道せざるを得ない状況になってきました。TPPについても、国の将来に禍根を残さないように、早急に大きなうねりをつくり、一部の官僚、政治家、マスコミ、企業、研究者が国民を騙して、国を売り飛ばすような行為をストップさせなくてはなりません。ある県の青年農業者達が私に提案してくれました。

「国会に座り込んでも事態は動かなかった。こんどはトラクターで国会に突入しようと思う。逮捕者が出たら、みんなでお金を集めて、一生のめんどうはみることにしよう。」

ともかく、まず、その切羽詰まった気持ちをみんなが共有すべきと思い、全国でこの話をしました。そうすると、ほとんどの農家や関係者のみなさんが、「そのときは、私たちも一緒に行くよ。その代わり、鈴木さんも一緒にトラクターに乗るんだろうね。」という話になりました。

こういう行動の是非に少し躊躇していた矢先に、フランス人の女性が、私のセミナーを聞きに来てくれていて、終了後に話す機会がありました。「日本人はおとなしすぎる。フランスを見て下さい。やるときは徹底しなくては。徹底すれば、政府は動かせる。」そうだ。我々は、中途半端なことをしていたのではだめだ。やるときは徹底しなくてはならない。さらに大きなうねりを一日も早く起こすときが来ています。「許せないものとは闘う」しかありません。

1. TPPの本質

「1%」の利益のために「99%」を犠牲にしても構わない

経済学には、規制緩和を徹底し、1%の人々の富が増加し、99%の人々が損失を被り、食料も医療も十分に受けられないような生活に陥っても、総計としての富が増加していれば、それが効率だという乱暴な論理があります。それを、米国主導で徹底しようとするのが、TPP(環太平洋連携協定)の本質と言っても過言ではありません。
TPPはいままで日本がアジア諸国中心に締結してきたFTA(自由貿易協定)の一つの種類ではあっても、全くレベルが違います。いままでは、お互いに関税撤廃の困難な分野をある程度認め合い、国内企業と外国企業が全く同じ条件で活動できるところまでは国内制度の撤廃はできないね、というように、柔軟性を持って互恵的にやってきました。

関税撤廃に例外なし

しかし、TPPには関税撤廃に例外はありません。米や乳製品のように日本がこれまで高関税を残してきた、ごくわずかの農産物も全てゼロ関税になります。例外ができるようなことを匂わせているのはウソです。ゼロ関税にするまでに7年間程度の猶予期間は認める、というのが交渉参加国でほぼ合意されています(米国はオーストラリアとNZに対してのみ砂糖と乳製品を例外にしようとゴリ押ししていますが)。7年間の猶予が「例外」であり、その間に農業もコストダウンすればよいと言う人には、日本の1俵(60kg)14,000円の米生産費が7年で米国の2,000円程度になりますか、1kg 65〜70円の生乳生産費が7年でNZの15〜20円程度になりますか、と問いたい。猶予期間が何年あってもゼロ関税なのだから例外ではありません。それから革とか履物の関税もゼロ関税になります。歴史的にも、日本が革とか履物の関税をゼロにできますか。このことを考えても大変な問題です。

国民生活を守る制度・仕組みは参入障壁

しかも関税だけではなくて、日本の社会のシステム、制度そのものが崩されて行きます。国民生活を守る制度・仕組みを、国境を越えた自由な企業活動の「非関税障壁」として撤廃・緩和を目指します。そもそも政策・制度というのは、相互に助け合い、支え合う社会を形成するためあるわけですが、「1%」の人々の富の拡大には、それはじゃまなものです。そこで、米国の言う「競争条件の平準化」(leveling the playing fields)の名の下に、相互扶助制度や組織(国民健康保険、様々な安全基準、共済、生協、農協、労組、等々)を攻撃するわけです。そして、食料、医療のみならず、水道・電気・ガスなどの公益事業にも外国企業が算入し、国民生活の根幹を握られてしまうことになりかねません。それを許した英国国民はいま嘆いています。

国家主権の侵害

しかもこれに「毒素条項」と呼ばれる「ISD(Investor - State Dispute)条項」が加わりますと、TPPを始めた時点では米国が問題にしなかったかのように見えたので大丈夫だと思ったら、例えば米国の保険会社が、日本の国民健康保険が参入障壁だと言って提訴すれば、損害賠償と制度の撤廃に追い込むというようなことができます。地方自治体の独自の地元産業振興策、例えば、「学校給食に地元の旬の食材を使いましょう」という奨励策も競争を歪めるものとして攻撃されかねません。ISD条項が発動されなくとも、その可能性への恐怖が威嚇効果となって、各国、各自治体が制度を自ら抑制するようになることも米国の大きな狙いだと言われています(NZのケルシー教授)。

米国はいままでもNAFTA(北米自由貿易協定)でメキシコやカナダにISD条項を使って、人々の命を守る安全基準や環境基準、社会の人々の公平さを守るセーフティネット、そういうものまでも自由な企業活動を邪魔するものだとして、メキシコやカナダ政府を国際裁判所に提訴して、本当に損害賠償や制度の撤廃に追い込んできました。こんなことができるわけです。

日本政府は言います。米国は国民健康保険については問題にしないと言っているのだから大丈夫だ。間違いです。いま言ったようなISD条項もあるし、例えば、日本の薬価を決める過程に米国企業を参加させるよう求めていますから、これで日本の薬価は25%程度は上昇しますし、製薬会社の特許が強化されて安価な薬の普及ができなくなります。こうして、国民健康保険の財源が圧迫され、崩されていく、こういう流れもあります。

所得の低い人にも医療が、薬が行き渡るようにしているシステムを各国が持っているわけですが、これを米国の製薬会社は崩そうとしています。日本の医療制度を米国が攻めてこないなんてことは全くありえません。いままでも長い間、米国は日本の医療制度を崩そうとしてきたのですから、TPPでさらに強く言ってきます。世界に冠たる国民健康保険と言いますが、負担ゼロの欧州、カナダ、キューバなどとは違い、日本では患者負担割合が高まってきています。地域医療の後退は深刻で、私の郷里もそうですが、産婦人科がなくなり、小児科がなくなり、お産ができない地域が拡大しています。こうした流れを徹底しようとするのがTPPでしょう。


最近、東京の永田町で各党の先生方に集まっていただいて私がいろんなお話を聞く討論会がありました。そのときに民主党の経済連携プロジェクトチームの責任ある議員が「日本の医療制度が影響を受けないなんてありえない、ウソをついちゃいけない」とはっきり言っていました。

それから、ISD 条項については、オーストラリアでさえ、米国に対してTPPの議論の中で、こういう国家の主権を侵害するような条項は認められないと主張しています。でも、日本政府はまた言います、日本もISD条項をアジアとのFTAで入れているじゃないか、だから何が問題なんだと。ですが、ISD条項そのものが確かに問題ですが、それ以上に米国がそれを濫用するということ、そして国際裁判所に提訴するわけですが、国際裁判所が米国の息がかかっていて、米国に有利な判決ばかり出るわけです。だから大変なことになるわけですけれども、その点を無視して日本も入れているのだから大丈夫だと言っているのが全くおかしいのです。もちろん、ISD条項そのものが、国が決めている制度を米国の企業が変えてしまえるわけですから、まさに主権の侵害です。韓国の方がこの前日本に来たときに言っていましたが、韓国の主権は韓国国民にもうありません、米国の企業が主権を持っているのです。そういうことになるような条項です。

野田総理が昨年11月にハワイのAPECに行く1日前の国会で、毒素条項について聞かれて、本人は、そんな条項があるというのを知りませんから答えられませんと言ったのです。これさえも本人は知らなかったというのはどういうことか。黒幕が誰かということです。操っている人たちがいて、その人たちが総理にも情報を制限して操ろうとしています。総理だけでなく、国民もそういうイメージ戦略にはまっているのです。

TPPはレベルが高い?

例外なしのTPPのようなのが一番レベルの高いFTAだというのもウソです。FTAというのは「悪い仲間」づくりです。あいつは友達だからゼロ関税にしてやるが、あいつは仲間はずれにして関税をかける、というのを露骨にやるのがFTAで、それを一番徹底するのがTPPです。すると仲間はずれになった人は非常に迷惑します。世界の貿易が歪められて世界的にはマイナスがたくさん生じるのです(貿易転換効果)。貿易ルールの錯綜による弊害も生じます(スパゲティボール)。なんと8年位前までは、いま、TPPしかないと言っている経済学者のほとんどはFTAは良くないものだと、その中でも日米FTAは一番よくないと言っていたんですよ。それが8年くらい経ったいまはTPPしかない、の大合唱です。経済学の真理とは何なのでしょう。もちろん、持論を変えずに主張している立派な経済学者もごくわずかにおります(私とか)。


2. 誰のためのTPPか?

「農業対国益」ではない

1.5%の一次産業のGDPを守るために98.5%を犠牲にするのかと言った先生がおります。1.5というのは失礼でしょう。一次産業というのは、直接には生産額は小さいかもしれないけれど、大きな役割を果たしています。食料が身近に確保できることは何ものにも勝る保険ですよね。それから地域の産業のベースになって、加工業、輸送業、観光業、商店街、そして地域コミュニティを作り上げている、そういう効果の認識をもっとみんなに持っていただきたいと思います。

だいたい、98.5%が儲かるのですか。TPPで輸出が伸びるというけれど、伸びたとしても輸出のGDPシェアは11〜12%です。韓国はGDPの貿易依存度が9割に達してきているので全然違います。しかも輸出産業の皆さんが言うのは、どんどん外国から技術者などの雇用が入ってくると助かると。では日本の雇用はどうなるかについてはきちんと答えが返ってきません。

最も雇用を失うのがTPP

そもそもTPP のメリットって具体的に聞いたことがありますか。最近、TPPのメリットはベトナムをいじめることだという議論、いわば「ベトナムいじめ論」が出てきました。これは、直接投資とか金融サービスの自由化を徹底すれば日本は米国から攻められて日本国民は雇用を失うかもしれませんが経営陣は大丈夫だと。もっと弱いベトナムを攻めていってそこで儲ければいいと。だから強いものからいじめられたものが弱いものをもっといじめて儲ければいいと言っているわけですね。しかも国民は大変になっても、自分達は外国の国民をいじめてその分儲ければいいと言っています。だから、TPPというのは「産業の空洞化」を最も徹底して進めるものなんです。いずれにしても日本の雇用は失われます。日本に工場が残っても、技術者をはじめ、たくさんの人が日本に入ってきます。さもなければ直接投資の自由化でベトナムなどに出て行くことで何とか儲けようとしているわけだから、どっちに転んでも日本人の雇用がどんどんなくなっていくのを徹底するのがTPPです。


1%の利益と結びつく政治家、官僚、マスコミ、研究者の暴走

だから大企業がそれで儲かったとしても、関連の中小企業の仕事がなくなります。ほとんどの方にとっては職を失うかもしれない、所得が減っていくかもしれないという問題を抱えているのに、それがメリットだと言っているんです。「製造業だからTPP賛成」というのはおかしいのです。しかも米国の国民も最近世論調査したら69%の国民がTPPどころか、もうFTAをやめてくれと言っているんですね。なぜか。雇用が失われたと。米国の国民も実は困っちゃったと。じゃ、誰が儲かるんですか。
まさにごく一部の国際展開している巨大産業、多国籍企業が、これだけ格差社会になってデモが米国でも起きてやりにくくなりましたが、それでも自分たちは無法ルール地帯を世界に広げることによって何とか無理やり儲けていきゃいいんだと言っています。このごく一部の企業の皆さんがいて、その選挙資金がないと大統領になれない政治家がいて、そして「天下り」や「回転ドア」(食品医薬品局の長官と製薬会社の社長が言ったり来たり)で一体化している一部の官僚がいて、スポンサー料でつながる一部のマスコミがいて、(研究費でつながる一部の学者もいて)、ごくわずかの1%くらいの人々の利益を守るために、国民の99%を欺き、犠牲にしても顧みない、これを徹底しているのがTPPなのかと疑われます。

規制緩和の徹底がもたらす社会の崩壊をさらに進めてよいのか

日本でも同じです。日本でもそういう米国の方々と思惑が一緒の方々がいて、いままでだって、例えば、大店法を撤廃して巨大スーパー・チェーンは巨額の利益を得たかもしれない。それこそが競争だと。しかし、全国どこへ行っても駅前商店街はシャッター通りばかりではないですか。これが本当に均衡ある社会の発展でしょうか。派遣労働が緩められて企業の方々は儲かったかもしれません。けれども所得が200万円に満たない人々がどんどん増えて、これって本当に幸せな社会なのでしょうか。まさにこの辺で踏みとどまって考え直さないと大変なことになるとみんなが言っているときに、まだそれに逆行して、徹底して、それでも俺たちは儲けるんだと言っている人たちがTPPを進めようとしています。

これを食料にも医療にも徹底したらどうなりますか。医療も深刻ですよね。医療も食料も人の命に直結する公共財ですから、これを米国流の「勝った人だけが得られればよい」という議論にしちゃったら人々はもたないですね。私も米国に2年間おりましたので、医療の問題は深刻に受け止めています。2年間おりました。歯を1本抜くと百万円かかると言われました。だから私は毎朝、歯が痛くならないようにお祈りをしながら暮らしていましたが、ほんとに歯が痛くなった人は飛行機に乗って日本に帰ってきて治してまた戻ります。この方が安い、これが現実なんです。

コーネル大学という大学におりましたが、教授陣と食事会をすると二言目には出てくるのは、鈴木さん、日本の国民健康保険の制度を教えてくれということです。こういう仕組みを米国に導入しないと米国はもたないと言われました。ところがTPPをやったら日本が米国のようになるのです。『シッコ』という米国のドキュメンタリー映画では、2本の指を切断してしまった人が、彼の保険の限度で、一本だけ接合してもらい、一本はゴミ箱に捨てました。これは、まだましなほうで、全く払えない人は、瀕死の状態でも病院は治療を拒否します。

それがTPPの本質だということです。TさんやOさんは、小泉改革の時に大臣とかやった立派な政治経済学者ですけれども、非常に単純明快です。聞いていると要するに何もいらないと言っています。政策を研究している政策学者が政策がいらないと言うなら、じゃ、あなたもいらないんじゃないか、となってしまいます。極論はやめてほしいのです。確かに既得権益を守る要素の強いルールについては緩めた方がいいものもあるでしょう。だからと言ってすべてなくせばうまくいくなんて、人類
の歴史を否定しているんだから、そんな議論をやってはいけない。一番適切なレベルというのはその中間にあるわけだから、なぜその現実的なレベルをきちんと議論しないのかということですね。米国の戦略性は、日本などからの留学生に市場至上主義への「信仰」を根付かせ、帰国後に活躍する人材を輩出してきたことにも窺えます。


3. 失うものが最大で得るものが最小の史上最悪の選択肢

TPP 問題を冷静に議論するには、「経済連携を進めて貿易拡大するためにはTPP しかない」わけでなく、目の前に、日中韓FTA(自由貿易協定)、日EU、ASEAN+3(日中韓)が年内に具体化しようとしていることを忘れてはならなりません。

兼業農家の皆さんもこう言います。TPP やって農業収入は減るかもしれないけれど、兼業収入が増えるからいいじゃないかと。間違いです。TPP をやったら農業収入も減りますが、兼業収入も減ります。ほとんどの方は得しません。これがTPP なんです。私たちが反対と言っているのは、何でも反対と誤解されがちですが、経済連携そのもの、貿易拡大の流れそのものを誰も反対と言っているわけではありません。これが重要です。日本にとって、アジアにとって、世界にとって、本当に均衡ある社会の発展、人々の幸せにつながるような経済連携を我々は選ばなければなりません。それなのに、その中で一番失うものが大きい、全ての関税をゼロにして、社会のシステムをガタガタにして、失うものは最大なのに、得るものは、内閣府の試算でも、日本が10 カ国でTPP やっても日本のGDP は0.5%しか増えません。2 兆7 千億円、これは10 年間くらいの累積だということで、1 年にすると誤差の範囲です。日中2 国でもそれより多いし、ASEAN+3(日中韓)だとTPP の倍です。TPP のメリットは他のFTA と比較して一番小さいわけです。失うものが最大でメリットが一番少ないのだから、これは最悪ということですね。なんでわざわざ最悪のFTA を選ばなければならないのか、もっと柔軟で互恵的な、みんなの幸せにつながるような経済連携がアジアの国々やEU とたくさん具体的に出てきているのに、それをやらずになぜTPP に飛びつかなければいけないのか、選択肢として間違っています。このことをきちんと議論しないといけません。

図1 FTA参加による日本のGDP増加率
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
TPP 日中FTA 日中韓FTA ASEAN+3

資料:GTAPモデルを使った川崎研一氏による試算。


注:締結後10年間の累積の増加率。TPPは日本を含めた10カ国の加盟を仮定。
試算に込められた思惑−数字は操作できる

いろんな省庁がTPP は損か得かと計算したのがあり、これでどれがほんとか悩まれた方もいると思いますが、結論から言うと、こういう数字はあまり気にし過ぎない方がいいということです。農水省の7.9 兆円の損失というのは、まあいい数字ですが、若干水増しかもしれません。経産省の輸出産業の10.5 兆円のプラスというのは相当に水増しです。でもなぜか水増し同士を差し引きすると内閣府の計算した2 兆から3 兆のプラスにだいたい合っているんですね。

でも私が内閣府の同じモデルで学生さんに計算しなおしてもらったらほぼゼロに近い数字でした。

ほぼ利益がないはずなのになぜプラスが出てくるかというと、皆さん、数字が合わないときはどうされますか、鉛筆をなめればいいということですね。モデルの場合は簡単でして、仮定を変えればいいのです。TPP で競争が促進されれば生産性が向上してコストが半分になるとか、こういう風に仮定を置けば利益が出てきます。こういうことが実際に行われているわけです。こういう分野を専門にしている私が言うんだから間違いないけれども、逆に私の専門分野はいい加減なものなのだと思われるかもしれませんからこれ以上は述べません。

そもそもこういう数字がもう一つ問題なのは、せまい意味での銭金だけで、農業がそこにあることの意味とかが全然入っていないわけです。一番わかりやすいのは、いま、田圃が崩壊しているところで何が起こっているか、洪水ですよ。洪水が頻発しています。日本中の田圃がTPP で崩壊すれば少なくともダムを造るのに3.7 兆円かかるというのが農水省の試算です。だったらこれはコストじゃないですか。これを引いたらもうプラスは消えちゃうわけですよ。だからTPP をしてはだめだという結論になるわけですね。総合評価というのはまさにこうやって出てくるものなのに、経済学でもこういう風に計算するのが現在の常識なのに、わざとこういう計算においては60 年前の経済学に戻してしまう、いうことを意図的にやっているわけです。

表2 TPPの影響の評価額試算例(兆円)  
GDPベース
 
農水省 TPP参加による農業と関連産業への影響(損失) -7.9
経産省 TPP不参加による輸出産業への影響(損失 ) -10.5
内閣府 TPP参加の利益と損失を相殺した経済効果(純利益) 2.4〜3.2
外部効果
農水省 農業の多面的機能喪失分の金額換算(損失) -3.7
総合評価 内閣府試算から多面的機能喪失分を引いた総合評価-1.3〜-0.5


図1 TPP 参加による日本の主要農産物の生産量変化(%)
−GTAP モデルによる試算の過少性の検証−


資料:東京大学修士課程山本成信君による試算。

注:アーミントン係数の既定値をそのまま使った場合、日本の農産物生産量の減少は、米7 割弱、小麦5 割弱、砂糖・牛肉2 割弱、乳製品3%となり、農水省試算の、米90%、小麦99%、砂糖100%、牛肉75%、酪農56%などとは大きな格差があった。例えば、平均で1kg80 円は超えている乳価の日本酪農が、1kg19 円のオセアニアの乳価と競争して生産が2.95%しか減少しないという試算は受け入れがたい。そこで、アーミントン係数を既定値から少しずつ増加させ、輸入と国産の代替性を徐々に強めて試算してみたが、米以外の品目については、農水省試算との差は容易に縮ま
らないことがわかった(図1 ではアーミントン係数を1.25 上乗せした試算値との比較を示している)。つまり、輸入と国産の代替性が小さく設定されているGTAP モデルの結果に基づいて、農業への打撃は少ないというのは極めて危険である。しかし、そのような過小評価傾向のモデルであっても、米については、7 割近い生産が失われると試算されていることは逆に注目される。「ゼロ関税でも米生産は減らない」という主張に対して、強力な反証の一つになる。

4. これまでの経緯−国民無視の「ポチ外交」の暴走を許すのか

民主主義国家の体を成さない政策決定プロセス

今回の政策決定のプロセスは民主主義国家の体をなしておりません。2011年11月、ハワイで日本のTPP参加表明が強行されました。都道府県知事で賛成と言っている方は6人しかおりません。都道府県議会47分の44が反対または慎重の決議をしています。市町村議会の9割が反対の決議をしています。地方紙はほぼ100%が反対の社論を展開しています。北海道などは、知事も道経連の会長も先頭に立って、北海道がつぶれるということで大変な動きを示しています。国会議員の半数以上が反対署名もしました。これが日本の実態です。国土の9割が心配しているというのが私の実感ですが、それを無視して結論ありきで進めているわけです。野田総理も、早くから「いつボタンを押すかだけだ」と漏らしていました。

しかも徹底した情報操作によって、国民にはできるだけ情報を知らせないようにしています。参加表明する直前に世論調査をしたら、9割の国民が情報が不十分だから結論が出せない、分からないと言っています。そういう状況をわざと作り出してきたということです。出していい情報は一つだけありました。食料・農業問題です。農業問題については、特にこれは農業関係の皆さんが不安を表明しているから、それを逆手にとって、農業が悪いんだ、農業を改革すればTPPに入れるんだという議論に矮小化してしまおう、そうすれば他のたくさんの問題を国民に知らせずにすむと、国民を騒がせないのが我々の仕事だということですね。このために農業悪玉論、農業改革論を前面に出し、マスコミを見ればわかるように、たくさんの議論はまるで農業だけのように行われようとしました。それは意図的なことです。

そもそも、大震災のすぐあと、内閣官房から私のところに人が飛んできまして、大変なことになりそうだと。震災のことではありませんでした。TPPです。TPPについてはこれで情報も出さず、国民的議論もせずにすむと、で、11月に滑り込めればいいのだから、直前の10月ごろに急浮上させて強行突破すればいいんだと言っている人が内閣官房の半数以上だと、大変なことになるから議論してくれという要請が私のところにありました。残念ながら、そのとおりにされてしまいました。なんとか皆さんと議論しようと必死にやってきたわけですが、残念ながら、マスコミも含めての徹底した情報操作、そういうやり方によって参加表明はもうなされてしまったわけです。


総理が決意表明を見送った本当の理由

いまのポイントは、日本の参加表明を米国が承認する事前協議です。野田総理は11月にハワイで「日本の誇る医療制度とお母さんの背中で見た美しい農村を断固として守りぬく」と言ったわけですね。本人は「ウソも方便」だとしか思っていません。一方で米国に対しては何でもやりますと言ってしまっています。

政府は、この前の4月30日に、野田総理が訪米してオバマ大統領と会ったときに、日本の参加について再度の「決意表明」をし、オバマさんから、わかった、日本の参加承認について議会へ通告するよ、と言ってもらいたかったのです。それは「未遂」に終わりました。6月18〜19日のG20首脳会議でも決意表明は見送られました。今回、総理が決意表明を見送ったのは、国民の反対・懸念が強いからではなく、まだ、米国が日本からの「頭金」に納得していないからです(次の機会は9月のAPECではないかと言われていますが、日本はすでに2011年11月に参加の意思表示をしていますから、日本が再度「決意表明」しなくても、米国が「頭金」を払ったと認めた時点で、いつでも日本の正式参加が決まってしまう危険もあります)。国民がいかに懸念を表明しようが、そんなものは無視することは最初から決め込んでいます。「外交交渉は内閣の専決事項だから勝手にやってよいのであって、文句があるなら批准の時に議論してくれ」というのが本音です。

裏交渉が進み、いつ参加承認されてもおかしくない 米国からは、TPPに入れてほしいなら「頭金」ないし「入場料」を払えと、自動車、郵政、BSE(狂牛病)などの懸案事項の解決を突きつけられています。自動車については、軽自動車の区分、車検、エコカー減税の廃止、米国車の日本市場におけるシェアの目標設定・達成を要求し、郵政民営化が逆行していると怒り、つい先日、カリフォルニアで発症した牛が見つかったのに、BSE(狂牛病)についての輸入基準を緩めよと迫っています。まさに「言いがかり」です。

懸案事項が解決されたと米国が納得しないと、米国政府は議会に日本の参加承認を求める通告ができません。それにしても、関税がゼロの日本の自動車市場に対して、粗悪品でも無理矢理ここまでの台数は輸入しなさいという最低輸入義務まで要求するとは、何が「自由貿易」でしょうか。通常なら、このような「いちゃもん」について国民的議論をすれば、「できなことはできない」と毅然と米国に回答せざるを得なくなり、TPPの正式参加はなくなります。しかし、日本政府は、水面下の条件提示によって、国民には曖昧にしたまま、何とか折り合いをつけ、参加承認にこぎつけようと必死の交渉を行っています。だから、「情報収集のための事前協議」と繰り返していますが、それは全くのウソです。

すでに、BSEについては昨年10月に条件緩和を表明しました。国民の命を守るための安全基準を米国への服従の証として差し出してしまったのです。かんぽ生命の「がん保険」への新規参入を当面見送ることで郵政についても譲歩しました。現在の焦点の一つは自動車です。

必死で「入場料」を払っても、交渉の余地も逃げる余地もなし 韓国は韓米FTAの交渉開始の「頭金」として多くの譲歩をさせられた時点で勝負は決まってしまったと悔やみ、日本に「この段階で食い止めないと取り返しがつかなくなる」と警告しています。なのに、逆に、日本は無理な譲歩してでも早く入れてもらおうと必死に画策しているのです。しかも、米国は「日本の承認手続きと現9ヵ国による協定の策定は別々に進められる」と言っています。最近、米国がメキシコやカナダの参加を認めたときも、「念書」が交わされ、「すでに合意されたTPPの内容については一切変更を求めることはできないし、今後、決められる協定の内容についても、一切、交渉に口は挟ませない」ことを約束させられています。つまり、日本は、法外な「頭金」だけ払わされて、ただ、できあがった協定を受け入れるだけなのです。ですから、「とにかく入って、例外を作ればいいんだし、いやなら逃げればいい」というのはウソで、これだけのいちゃもんを米国から突き付けられて、なんでもやりますと言って入ったら、もう交渉の余地も逃げる余地もないわけですよ。

情報は出てこないか、出てきてもウソ しかも、こんな必死の譲歩をして参加承認を画策しながら、政府は「日本のTPP参加と自動車、郵政、BSE問題などの問題は何ら関係がない」と口裏を合わせて答えます。しかし、そう言った直後に、米国側の資料から、5月7日に米国からの使者が日本にTPP参加の「頭金」として10項目の自動車関連の要求事項を突きつけ、日本側からも譲歩案を提示したことが判明しました。それでも、国会議員の会合でも「何も説明できない」と1時間繰り返すだけでした。誰にもわかるウソを平然と言い続け、ここまで国民を愚弄し、暴走する一部の官僚、一部の政治家は異常です。このまま責任をとらずにすむと思っているなら大間違いです。

これまでにない協定だから、やっていいかどうか議論して決めましょうといいながら、どうですか、震災前にやっていた開国フォーラムだってそうだし、最近やっている説明会だって、具体的に、じゃあ看護師さんがどれくらい入ってくるんですかと聞いたら、わかりません、とりあえず入ってみてから考えましょう、と何も答えになっていません。議論して決めるんじゃなくて、わからないからとりあえず入ってみようしか言わないわけです。

一部の官僚に国民を騙し、売り飛ばす権利があるのか

徹底した情報操作とウソはひどい。衆議院の議員会館で、この間開かれた説明会にも出ましたが、各省が出してきている文書は、何とかしてTPPに皆さんが抱いている懸念は大丈夫なんだと言うためにあからさまに意図的に作ってあるペーパー、懸念に全然答えず、大丈夫だと思える部分だけは強調して出して、それでごまかそうということがありありとわかる、露骨な情けないペーパーでした。質問してもまともに答えない。政府は一体となってそういう指令でやっている。農水省だけです、懸念があることをはっきり言ったのは。他の省は全く答えません。省庁間でも水面下のバトルがあります。こんな情報を隠していたら後で日本は大変なことになりますよ、いま、国民の皆さんに議論していただかないとまずいじゃないですかと、ある省が言っても、縦割りの所轄官庁は、だめだ、国民を不安にしてはいけない、騒がせないのが我々の仕事だと。


政治家は何をしているのか

わずかな自分たちの利益のために国民全体を売り飛ばしているようなものであり、しかもそのやり方がとにかく国民には知らせないで勝手にやってしまえばいいという、これはTPPが良いか悪いか、賛成か反対かを超えて、これだけの日本の将来がかかっている協定について、国民をだまし、情報を隠し、勝手にやってすむと思っていること自体が、人の生き方として許されるのでしょうか。まさに恥を知ってほしいと思います。そして、どうして、このような暴走を覚悟を持って止める政治家がいないのでしょうか。それがいまの状況です。

5. 深刻な一連の情報操作

「殺人罪」でも捕まらない日本社会の異常

一連の情報操作はひどいものがあります。放射能の問題もそうでしたね。TPPも全て同じような構図です。炉心溶融にしろ、飯館村にあれだけの放射能が飛んでいることも、次の日には外国から指摘されていたのに、日本は、同じ情報を持っていながら2カ月も隠していたわけですね。人の命にかかわる情報を隠したのだからこれは殺人罪です。その間にたくさんの子どもが被曝したわけですね。こんなことをやって罪に問われないということが全くおかしい。うちの大学の中国の学生さんは逃げるように次の日、中国に戻りました。それを見て、なぜこんなに過剰反応してるんだと半ば笑っていた人もいました。笑われていたのは日本人ですよ。本当のことを教えられていないから冷静に行動しているように見えただけというこの滑稽で悲しい現実。しかも最近は冷温停止で終わったとか。何も終わってないですね。毎日原子炉からまだたくさんの放射能が出ている、その放射能の量についても、マスコミを含めて伏せているわけでしょう。こんなことをいまも続けていて罪に問われない。
「犯人が自分で自分を裁いている」

原発そのものもそうだったじゃないか、大丈夫、大丈夫、と国も企業もマスコミも研究者も言い続けてきました。大丈夫でないことを百も承知の人たちが大丈夫と言い続けてこんな取り返しのつかないことを起こしてしまいました。それなのに想定外だったと言って同じ専門家の人たちが次の計画に携わっているわけです。自分達が関与してこんなことを起こしてしまったら、まず謝って、一生償ってでも、何とか皆さんのためにやれることをやるのが普通でしょう。それが平気な顔をして、自分は悪くなかったような顔をして次の計画に携わっているから、原発は必要だとか、津波が来たら逃げればいいとか、前と変わらない方向しか出てきません。本来なら牢屋に入ってなければいけない人たちがのうのうとやっているのが、この国のシステムの間違っているところです。まさに、「犯人が自分で自分を裁いている」(中央大学佐久間英俊教授)。


TPPも同じなわけです。TPPが大丈夫でないことを百も承知の人たちが大丈夫、大丈夫と言い続けて、国がとんでもないことになった時には、俺は別に責任を問われなくてもすむだろうと思っているからこんなこともできるわけです。ここが根本的に間違っています。それから大きなお金が動けば人は変わってしまいます。これも深刻に思います。うちの大学の原子力の先生なんかも6億円もらって大丈夫、大丈夫と言っていたという話もチラホラと聞こえてきますが、研究者にとって6億円は大きいですね、私も・・・。


P4協定をなぜ説明しないか

P4協定というのは2006年にできた4カ国の協定でこれを強化する形でTPPを議論しているのだから、なぜこれをきちんと説明しないのでしょうか。けれども未だに外務省は、160ページにも及ぶ英文の法律ですけれども、正式な翻訳も出していません。それが実態です。

ですが、この中で問題になってきたのは公共事業です。公共事業の入札に英文でペーパー作ってTPPの各国に出さなきゃいけない、金額がものによっては30分の1くらいの金額でも出さなきゃいけなくなります。例えば地元の小学校を作るのに、地元の業者さんが作ってくれると思って入札にかけたら、突然米国の業者さんが作ることになってたくさんの雇用がそこで失われてしまいました、などということが実際に起こると。経産省の試算でも、分野によっては、いままで対象になっていない公共事業の4割が新たに外国に開放される可能性が指摘されています。


韓米FTAを説明しないように指示

それから韓米FTAの内容を隠し続けたということも大きな問題ですね。韓国で何が起きましたか。韓国では、韓米FTAを批准する国会で催涙弾が投げ込まれて強行採決したじゃないですか。何であんなことになったか。実は米国は日本に対してもTPP に入りたいなら、韓米FTAを見てくれと、韓米FTAを強化するのがTPPなんだからそれを見ればわかるでしょうともうずっと前から言っていたわけです。でも政府はこれは大変だと、それなら国民に知らせたらいけないということで何とかこれを説明しないようにしました。

実は韓国政府も韓国国民に韓米FTAの内容を隠し続けて、批准の直前になって言わざるを得なくなって、韓国中が騒然となり、もう一日置いたら10万人、20万人のデモになってしまうということがわかったので、その前日に、催涙弾を投げ込まれても強行採決をやらざるを得なくなりました。日本もこんなことになってもいいのかということです。


韓米FTAについては、

@直接投資は徹底した自由化で、例外だけを少しだけ認めるとか、

Aサービス分野の人の移動、エンジニア・建築士さんとか獣医師さんの資格の相互承認を進める協議会を作るとか、

B日本郵政にあたる韓国ポストとか、いろんな共済事業がありますが、こういう金融・保険は競争条件を無差別にしなさいと、公的介入や優遇措置と思われるものは全部やめなさいと、それから

C公共事業の入札金額引き下げ、

D毒素条項、すべて入っているわけです。

しかも更に韓米FTAを交渉してもらいたいなら、前提条件として認めろと言われたのが、


@遺伝子組み換え食品について米国が大丈夫といったものは自動的に韓国でも受け入れなさいとか、

A国民健康保険が適用されない米国の営利病院が認められる医療特区をいくつも作っています。それから

BBSE、こういうものが、交渉をする前の段階でもう認めさせられています。


韓国の人がこの前日本に来られて言っていました。こういう先決条件を認めてしまったらその時点でもう終わりだと。日本は頑張らなきゃだめだと。まさにいまの事前交渉になっているような状況、ここでできないことはできないと言わないと大変なことになるよというのが韓国からの忠告です。

これだけのいろいろな根拠に基づいて私たちは議論しているわけです。それなのに誰ですか、TPPおばけが根拠のないうわさで人々を不安に陥れていると言った議員がおりますよね。私もTPPおばけの一人だと言われていますけれども、このくそまじめだけが取り柄のような私の顔がウソで人を欺くような顔に見えますか、だいたい人は顔をみればわかるものです。

6. 震災復興とTPP

目先のコストの安さに目を奪われてはならない−食料の位置づけ
大震災は食料の位置づけも考えるきっかけになったと思いました。目先のコストの安さに目を奪われて、いざというときに準備しなかったら、とんでもない取り返しのつかないコストを払うことになる、と原発に思い知らされました。食料もそうじゃないかと。国内で作るのは米国やオーストラリアに比べれば高いですよ。高いからといって、全部安い輸入に任せておけばいいとなったら、いざというときにどうなりますか。国民は食べられなくなります(自由貿易の利益の議論には、長期のコストが含められていないのです)。だからこそ、少々高いように見えても国産をがんばって作って下さっている皆さんをしっかり支えてこそ、実は長期的にはコストは安いんだと、こういうことをまさに原発に思い知らされたはずなのに、TPPやるとなったら、農業は崩壊です。それで食料は輸入すればいいんだという議論が主流になっているのですから、全く教訓が活かされていません。

復興のためにTPPのショック・ドクトリン(災害資本主義)

それから震災復旧とTPP の議論が経済界から出たときに驚きました。東日本の沿岸部がぐちゃぐちゃになったのがいい機会だ、これをガラガラポンして大規模区画の農地作って、これを経済特区にしてそこに企業が1社入ってこれを全国モデルにすればTPPも怖くないと。むちゃくちゃですよね。大変な被害を受けても、自分達のコミュニティと生活を何とか立て直そうと必死でがんばっている人たちに対して、ぐちゃぐちゃになったからあなた達はもういいよと言い出した。しかも特区にして企業が1社で大規模農業をやってそれが全国モデルになると言う。これだけ大災害があって初めて大規模区画ができるというなら、日本の農地はそんなに簡単に大規模区画になるわけはないんだから、全国モデルにするなんて言ったら、全国で大災害が起こらなければいけないのか、そんな馬鹿な話はありえないですね。しかも、TPPも怖くないといいますが、この写真を見て下さい。この西オーストラリアの農業は目の前1区画が100ha(ヘクタール)です。東日本の沿岸部に作ろうと言っている区画が2haです。

目の前1区画が100haあって、全部で5800haを一戸で経営していても地域の平均よりちょっと大きいだけだという、こんな農業と日本の農業がまともに戦って勝って輸出産業になればいいじゃないかと、よく言うなと思います。現場を見ろ、ですね。これだけの違いがあれば、日本の北海道、日本で一番強い農業だといわれる北海道でもこれと同じような輪作で畑作をやっていますが、せいぜい30ha、40haですよ。こっちは適正規模1万haというわけです。こういう農業とまともに戦ったらひとひねりで負けてしまうわけです。日本で一番強い農業だと言っている農業がまず先につぶれてしまいます。

現場を無視した議論の虚しさ

現場を見ればわかりますし、写真を見ただけでもわかります。こういうことを無視してゼロ関税で戦って強くなって輸出産業になるんだと。日本の農業も頑張ってきましたよ。頑張ってきたけども、土地条件の差は超えられない部分があるのです。当たり前のことです。それをわざと無視しているのか、わかっていてウソをついている。

最先端で努力している方々の状況や気持ちを無視した議論が多すぎます。震災復旧でもそうです。仙台に2011年の12月にお邪魔したら、7月から農業、農地の状況は全然変わってないと、年が明けても何も変わらないという話です。えっと思いました。現場は必死でプランを立てていますが、それを動かすための国のまとまった予算がおりてこない。おりてきても使い勝手が悪いのです。原発の補償だって義捐金だってそうだったじゃないですか。何とか現場では必死でやろうとしているのに、それを動かすための一番重要なものがなかなかおりてこない。それなのに復興会議では40年後くらいの夢みたいなプランがと飛び交っていました。こんなことで物事が解決するわけがないのです。


7. TPPによる農林水産業、国土、地域の崩壊

日本人の体は「国産」でないほどに市場開放されているのに「農業鎖国は許されない」とは?

農業などは鎖国してきたのだからもっと開放しなければいけないんじゃないのという議論があります。でも、ご存知の通り、日本は鎖国ではありません。製造業の関税だって世界で一番低いし、農業の関税も非常に低い。それが証拠に、皆さんの体の原材料の61%は海外に依存しているんです。これはFTAでよく出てくる原産国表示ルールで言えば、皆さんの体はもう国産じゃないんです。こんな体に誰がしたんだというくらいの開放度です。これだけ開放してしまっている日本において更に開国を徹底すると言ったら、もうこれだけは国民のために譲れないといってきた部分を全て喜んで明け渡すということですから、大変なことです。

地域社会の崩壊

農林水産業への影響は大変です。すでに国産とは言えない体になっている我々ですが、米とか乳製品とか、ごくわずか1割程度の高関税品目があります。これもゼロ関税にするということは、日本の農地は荒れ果てます。まず田圃で米を作れなくなる。日本の田園風景は一変しますよ。そうなったら野菜を作れば大丈夫だと。大丈夫じゃないんですよ。みんなが野菜を作ったら、野菜は2割増産したら価格は半分ですから、もう何を作っていいかわからない状況が広がって農業がどんどんつぶれていきます(例えば、小麦、ビート、ばれいしょ、タマネギ等を生産する北海道の畑作地帯で、タマネギには影響がないかというと、けっしてそうではありません。相対的に高くなくとも、関税が撤廃される影響は存在するし、小麦、ビート、ばれいしょ等が大きな被害を受けるとなると、それらの品目からタマネギへと生産がシフトするので、タマネギの価格が暴落します)。そうすると一次産業がその地にあることによって成り立っているのが日本の地域のほとんどなわけですから、そのベースを失ったら関連産業も消え、観光業もだめになり、商店街もなくなってどんどん地域が衰退していく、こういうことが全国に広がるということをどう考えるかということです。


国土、領土に脳天気でいいのか

それから、一次産業が国土・領土を守っているということを皆さん、考えてみて下さい。例えば北海道でゼロ関税になる重要品目、米と酪農と畜産物と畑作、砂糖も含めてですが、みなゼロ関税になったら北海道で作るものがなくなります。北海道はまさに農業があって産業が成り立っているから、北海道そのものが人が住めなくなる。まさにこれは領土問題ですね。沖縄もそうです。沖縄で砂糖がゼロ関税になると、島でサトウキビが作れなくなると尖閣諸島みたいなところがいっぱい出てくるわけです。これをどう考えますか。

同じことはもう山で起きているわけです。昭和30年代に木材がゼロ関税になって、林業は輸出産業になったか(篠原孝議員が問題提起)。残念ながら山は二束三文になって木材の自給率も95%から18%まで下がって、いま、二束三文の山を外国の方の方が高く買ってくれるというので、気がついたら日本の山がどんどん外国の領土になっているわけですよ。外国の方は1億円の札束をいくつも持って現金で買ってくれると言います。北海道の山も相当部分がそういう形で外国のものになっています。こういう、まさに一次産業が国土を守っているという、このこともヨーロッパなんかでは当たり前じゃないですか、本当に脳天気なのは日本だと思います。


8. 農業のせいで従来のFTAが決まらなかったのだからショック療法しかない?

農業が障害だからいままで進まなかった、だからTPPしかない、という議論がありますが、これもウソです。皆さんにきちんと確認してもらいたのですが、農業のせいでFTAが決まらなかったことは実は一つもありません。私はいままでのFTAの事前交渉にほとんど参加してその実態をよく把握しています。

例えば日韓FTAが農業のせいで中断している、ウソです。本当は韓国の素材・部品産業が日本からの輸出で被害を受けるのは政治問題になるので何とか日本からも一言でいいから技術協力について触れてくれと韓国が頭を下げました。それに対して日本の業界と管轄官庁は何と言ったか、そんなことまでして韓国とFTAをやるつもりは最初からないと。だから韓国は、あなた達が一番やりたいと言っていたじゃないですかと怒って、それで交渉は中断です。しかし夕方の記者会見になると、そうやって交渉を止めちゃった人たちが、また農業のせいで止まっちゃいました、と説明するんですよ。それで、新聞はいっせいにまた農業のせいで止まったと書く、こんなことが繰り返されているんですよ。これが実態です。

農業が問題になることもあるけれども、農業はむしろ米の関税はゼロにはできない、けれどもタイの農業発展のために技術協力しましょうと申し出て、いち早く合意しているわけですよ。最後まで残るのは自動車です。マレーシアも農業が先に決まって自動車が最後まで残ったのです。

サービス分野だってそうです。日本はそんなにサービス分野の自由化はできません。TPPで全てやるなんて本当でしょうか。看護師さん、マッサージ師さん、いままでもずいぶんたくさんの国から言われました、でもK省は、もう足りている、と言って止めてきているわけでしょう。他もそうですよ。K庁もそうで、日韓FTAの事前交渉を8回やりましたが、K庁は一度もテーブルに着きませんでした。なぜか、金融関係で日本が譲ることはひとつもないので、交渉のテーブルにつく時間がもったいないというのです。これくらい徹底しているのがサービス分野です。

そういう意味では、一番障害になっていると言われている農業が、難しい分野があっても一生懸命誠意を持って交渉している。もう一つ問題だと思うのは、アジアの人々を人とは思わないような罵倒の仕方をする交渉官がけっこういることです。これはやめていただきたい。交渉というのは戦いだと言いますけれど、人と人、心と心のつながりで考えないとだめじゃないですか。そういうことを日本がやっているというのは本当に情けないことです。そういう意味では一番問題だと言われている農業分野が、実は一番誠意を持ってやっていると言っても過言ではありません。


9. 所得補償するからゼロ関税でも大丈夫?

(14,000 円−3,000 円)÷60 キロ× 900 万トン=1.65 兆円
農業は所得補償予算をしっかりつけるから大丈夫だという議論があります。これはウソです。残念ながら米だけで財政破綻します。米をゼロ関税にした場合には差額補てんをやりますと、米だけで毎年1.7 兆円も支出しないといまの米の生産を皆さんに確保することはできません。他の作物を含めると4 兆円かかります。毎年4 兆円の財政負担を農業だけに皆さん払ってくれますか。消費税2%分ですよ、できるわけないです。だからゼロ関税にして強い農業を作る予算をつけるというのはウソです。

つけられるわけがないです、お金がないから。だからゼロ関税にすること自体が無理だということです。

表7 日本のコメ関税率と直接支払額の試算
関税率(%) 直接支払額(億円)
0 16,500
100 12,000
150 9,750
200 7,500
250 5,250
300 3,000


注: 60 kg当たり国内基準価格14,000円、輸入価格3,000円。


輸入米は価格上昇しているから大丈夫?

それから、よく言われますが、輸入米価格は3,000 円/60kg でなく、9,000 円くらいになっているから大丈夫ですと。これは間違いです。SBS(売買同時入札方式)で9,000 円程度となっている現在の価格は、輸入枠があるため輸出国側がレント(差益)をとる形で形成された高値と判断できます。したがって、輸入枠が撤廃され、自由な競争になれば、レントを維持できなくなり、生産コストのレベルでの競争になることを考えると、輸入価格を現状の9,000 円のままと見込むのは危険です。

昨日までと正反対のことを平気で言う人に注意

日本の農産物は品質がいいから大丈夫だとか、世界は供給量が限られているから大丈夫だとかいう議論がありますが、これにもたくさんのウソがあります。昨日までは品質とか量はビジネスチャンスにもとづいてどんどん動くものだということを強調していた人たちが、いまはTPP でも大丈夫だということを農家の人々に説明している、日本のお米は品質がいいから大丈夫だとか、カリフォルニアは水がないから大丈夫だとか言うわけですよ。でも、この間NHKがY 県で、Y 県の生産しているトップクラスのお米の「T 姫」とカリフォルニア米を目隠しで食べ比べてもらったら、なんと半数以上の消費者の方々がT 姫よりもカリフォルニア米の方がおいしいと言ったんですね。これだけ品質が高いわけです。

カリフォルニアは水がないから大丈夫だというのもウソです。カリフォルニアはそうかもしれないけれども、アーカンソー州は水浸しなわけでしょ。だからビジネスチャンスが日本で生じれば、アーカンソーでは明日からでもいっぱい作れるのです。ベトナムでもジャポニカはいっぱい作れる、だからこういうことを知っている人たちがTPP に賛成と言うときには、いままでと正反対のことを言うんですね(注)。


(注)ベトナムをいじめるのでもウソがあるのは、ベトナムを徹底していじめればいいという人たちは別の場面では、TPP というのは多国間の交渉だから緩やかな協定になるので大丈夫だと言っている。でもベトナムの話になると、日本とベトナムの2 国間の協定ではベトナムが例外を作っちゃったので攻めきれなかった、TPP は全て何でもなくすのだからこれで丸裸にしていじめられると言っているわけでしょ。一方では緩やかな協定になると言ってみたり、一方では徹底した自由化・規制緩和だから日本が得すると言ってみたり、無理にメリットを言おうとするから、いたるところに矛盾が生じてくることもわかります。

表8 主要国の生産者米価比較(2008年)

日 本米 国中 国豪 州
米 価12,300円2,229円1,625円2,043円
日本との比較− 7倍10倍8倍


資料:農林水産省資料より作成。

注:玄米換算60kg当たり生産者受取価格。為替レートは1ドル=80円で換算。

図9 コメの作付け規模別生産費
(60kg当たり全算入生産費、2008年)

0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000

0.5ha未満〜1.0 〜2.0 〜3.0 〜5.0 〜10.0 〜15.0 15ha以上全体平均

資料:農林水産省統計部「米及び小麦の生産費」

10. 食品の安全基準は各国が決められる?

BSE(狂牛病)−国民の命守る基準を「露払い」で差し出す愚行

食品の安全性に関して、まず言われているのはBSE(狂牛病)の問題ですね。日本では20 ヶ月以下の若い牛しか輸入していませんが当然ですね。米国ではBSE の検査はきちんと行われていないのです。

だから、最近カリフォルニアでBSE 感染牛が見つかったのは、たまたまで、氷山の一角です。24 ヶ月齢くらいの牛から米国でBSE が出ています。それから、『フード・インク』という映画は日本でもけっこう有名になりましたが、これを見ても明らかに狂牛病の疑いがあるような牛が肉にされているような様子も描かれています。不安ですから、どうしても国民の命を守るためには、基準を緩めることはできないというのが普通です。

韓国も同じようことを実施していたわけですが、韓国は韓米FTA に入る前提条件として米国から緩めるよう言われてやらざるを得なくなりました。何と日本はどうですか。この間11 月にハワイに行くその前に10 月頃に新聞報道でびっくりしましたね。日本はもうやめますと言っちゃった。国民の命を守るための安全基準を、米国にハワイで土下座して何でもやりますと言うための露払いとして、もうこれもやめますと言っちゃった。人々の命を守る安全基準を米国に忠誠を誓う証に、これもやりますからよろしくと出してしまう、そんな国がありますか。なのに、米国に対して交渉して例外を作るから任せてくれと、任せられるわけがないじゃないですか。


遺伝子組換え食品が世界を覆う

それからよく議論になる遺伝子組換え食品の表示の問題もそうですね。大丈夫みたいに言いますけれども大丈夫じゃありませんね。すでにオーストラリア・ニュージーランドもTPPの交渉の中で、米国にこれをやめなさいと言われています。米国は「予防原則」を認めないと言っています。米国が科学的に安全と認めたものは安全なんだから、他の国が心配だからといって規制したり、表示したりすることさえ許さないと。安全だと認めたものに表示することは消費者をだますことだからやめなさいというわけです。

遺伝子組換え体(GMO)の種子販売がM社などに独占され、特許がとられており、TPPで世界中の種がGMOになっていくと、世界の食料・農村はM社によってコントロールされていきます。GMOの種がこぼれて在来種が「汚染」されていく事態も広がっています。農家はそれまで自家採取してきた種を、毎年高い値段で買い続けなければならなくなります。そのための借金などが途上国の農村経済に暗い影を落としていることが、インドの農村の自殺率の上昇の例で指摘されています。


いまも危険なポストハーベスト農薬もさらに緩和

それからポストハーベスト農薬についても、米国から運んでくる時に腐らないようにたくさんふりかけている、いまでも相当に危ないんじゃないか、みな食べていますが。だけど米国はまだふりかけ足りないと言うわけですよ。日本の基準が厳しすぎるからもっと緩めてもっとふりかけさせてくれと。食品添加物については、日本では800種類くらいしか認めていませんが、米国は3000種類認めています(小倉、2011)し、農薬の残留基準についても、ものによっては米国では日本の60〜80倍も緩い基準が採用されています。こうして日本の多くの安全基準が緩和される可能性があります。

こういうことがどんどん出てきているわけですが、政府は言います、食品の安全基準とか検疫措置は各国政府が決める権限があるのだから緩められることはないと。ウソです。去年の12月でしたけれども、米国の公聴会でマランティスさんという取りまとめ役が、日本などが不透明で科学的根拠に基づかない検疫措置で米国の農産物を締め出しているのは是正すべきであり、TPPにおいては米国自身がこれをチェックして変えられるようなシステムにすることに自分は執念を燃やしていると言っているのですから、大丈夫ではありません。

しかもISDの毒素条項があれば、こういうものは企業から見れば間違いなく参入障壁だということで、これを緩めろという議論は出てくるわけですから、そういうことを考えると政府の言っていることは疑わしい。とにかく情報は隠すか、ウソをつくものだと、これを徹底しているように思われます。

11. 食料に対する国民の意識

安さに目がくらむ消費者になぜなったのか

世論調査では、「高くても国産買いますか」に90%がハイと答えるのに、自給率は39%というのが日本です。60kg3,000円くらいでお米が入ってくるわけです。日本のお米1俵は生産者段階で14,000円くらいかかります。1俵14,000円の日本のお米に対して1俵3,000円、しかも日本のお米よりかなり美味しいとなったら、何が悪いんだと。牛肉も40%くらいの関税がなくなるから牛丼が100円になるかもしれない。私は「狂牛病」牛丼でも食べるぞという人もいっぱいいるでしょう。これが日本なんですね。残念ながら日本ほど安ければいいという国民はおりません。世界的に見てもなぜこのような国民性になったのかと思うくらい、ヨーロッパなどに比べてそういう点の認識は低いと思います。そういうことについてもっと考えましょう。こういうことについてきちんと考えないとなかなか本質的な解決はできません。生産サイドの皆さんも、自分たちの生産物の価値を、農がここにある価値を、最先端で努力している自分たちが伝えなくて誰が伝えるのか、もう一度問わねばならないと思います。


戦略物資としての食料の認識の乏しさ

食料とは、軍事・エネルギーと並んでまさに国家存立の三本柱だと言われていますが、日本ではその認識が全くありません。農業問題になると、自分達の食料を将来にわたってどのように確保していくか、そのために生産者をどのように保護していくのかという話になるところが、日本では農業が悪いとか、農政が悪いとかそういう議論ばかりにすりかえられてしまう。そうじゃなくてもっと本質的な議論をしないといけません。ハイチ、エルサルバドル、フィリピンで2008年に何が起こったか、米の在庫は世界的にあったのですが不安心理で各国がお米を売ってくれなくなったからお金を出してもお米が買えなくてハイチでは死者が出たわけです。米国に言われて米の関税をほとんどゼロにしてしまって輸入すればいいと思っていたらこういうことが起きたのだから、日本だってこれからは他人事じゃないんだということですね。これがまず基本です。

ブッシュ前大統領も、農業関係者への演説では日本を皮肉るような話をよくしていました。「食料自給はナショナルセキュリテイの問題だ。皆さんのおかげでそれが常に保たれている米国はなんとありがたいことか。それにひきかえ、(どこの国のことかわかると思うけれども)食料自給できない国を想像できるか。それは国際的圧力と危険にさらされている国だ。(そのようにしたのも我々だが、もっともっと徹底しよう。)」

競争力でなく食料戦略が米国の輸出力を支える

そして、米国は徹底した戦略によって輸出国になっているということです。米国にとって食料は武器なのです。世界をコントロールする為の一番安い武器です。それによって我々は振り回されているし、もっともっと振り回されるということをどう考えますか。米国ではお米などを安く売るために毎年1兆円使っています。安く売って農家の皆さんにしっかり生産してもらうためにです。米と小麦とトウモロコシの三品目を1兆円使って差額補填して輸出しています。日本のお米もおいしいと言いますが、日本は輸出補助金ゼロです。1兆円対ゼロです。

ですから日本の農産物ももっと輸出しましょうと、言いますけれども日本ではそういう輸出促進のためのお金は使えないんです。なぜか。米国から日本は使ってはだめだと言われているからです。事故米もそうで、なぜ食べられもしないお米を全量輸入してカビを生やさなければならないか、最低輸入義務なんてどこにも書いていないのに日本だけがやっています、その本当の理由は米国から指示されているからです。


日本は従属してしか生きていけないのか

これがTPPにもつながっています。要するに日本は米国の言うことを聞いて成り立っている国なんだと。すでに従属関係にあり、日本はこの従属関係を完結することによってしか生きていけない国なんだから、TPPは何とありがたいことだと、そういう声がちらほら聞こえてきます。それが証拠に民主党の経済連携プロジェクトチームの事務局長がこう言ったと言われています。「日本が主権を主張するのは50年早い」と。こういうことを言いながらTPPを決めているのが本当であるとすれば由々しき事態です。日本という国は自分達の食料は、自分達の国のことは自分達で考えてはいけないんですかということがまさに問われているということです。


日本人が自らを否定してしまって良いのか

日米安保条約で守ってもらっているから仕方ないというのは幻想でしょう。かりに、いざというときに米軍がいてくれることが有効であったとしても、だから、常に米国に従わざるを得ないわけでは全くありません。敗戦によって日本人が否定されたかのような卑下の仕方は間違っています。対等に主張できてこそ、本当の「同盟国」ではないでしょうか。


(注) 2008年のような国際的な食料価格高騰が起きるのは、農産物の貿易量が小さいからであり、貿易自由化を徹底して貿易量を増やすことが食料価格の安定化と食料安全保障につながるという見解がある。しかし、逆に、2008年のような「バブル」(需給実勢から説明できない価格高騰)が生じやすい原因の一つは、世界的に農産物貿易の自由化が進んだからだという見方もできる。つまり、問題は、WTO(世界貿易機関)やFTA(自由貿易協定)による関税削減の進展で、穀物生産を縮小した国が増えて穀物輸出国が少数化しているため、需給変化に対する価格上昇が激しくなっており、そのため、高値期待で投機マネーが入りやすく、不安心理で輸出規制も起きやすくなり、価格上昇がさらに増幅される、という構造である。この見解に立てば、貿易自由化の徹底こそが、価格高騰を増幅し、食料安全保障に不安を生じさせることになる。ハイチでは、IMF(国際通貨基金)の融資条件として、1995年に、米国から米関税の3%までの引き下げを約束させられ、米生産が大幅に減少し、米輸入に頼る構造になっていたところに、2008年の米輸出規制で、死者まで出ることになった。米在庫は世界的には減少していなかったのに、不安心理で輸出規制が多発したからである。2008年の「食料危機」を受けて開催された洞爺湖サミットの宣言では、一方で、それぞれの国が自国で食料生産を確保する重要性を認識し、世界の食料安全保障のために、途上国の食料増産を支援する必要性を強調した。しかし、もう一方で、WTO等による自由貿易を推進するとした。この二つは両立するだろうか。貿易自由化の徹底は、高コストな農業生産は縮小し、食料輸入を増やすという国際分業を推進するから、日本や途上国の生産は縮小する。途上国に農業生産増大の支援をしても、貿易自由化で安い輸入品が流入すれば、国産は振興できない。つまり、貿易自由化の徹底が各国の食料増産につながり、食料安全保障が強化されるという論理には無理があるように思われる。確かに、外部効果(多面的機能)の考慮を国境措置において行う代わりに、国内的な直接支払いで行うべきだとの考え方はある。しかし、それは、大きな財政負担を伴うものであり、財政負担の増加に耐えられない国は実現不可能である。我が国においても、先に示したように、米だけでも2兆円近い毎年の政府支出が可能かと考えると、現実的ではない。途上国においては、なおさらである。また、関税より直接支払いの方が経済厚生上の損失が少ないことが強調されるが、それが「常に」言えるのは、輸入が増えても国際価格が上昇しないという「小国の仮定」が成立する場合にかぎることは案外忘れられている。実際には、輸入が増えれば、なにがしかの国際価格上昇は必ず生じるので、「小国の仮定」というのは架空のものである。特に日本のような国が輸入を増やせば、輸入量が多いので、国際価格への影響を無視することは難しくなる。国際価格の上昇を前提とすると、関税撤廃により失う関税収入と発生する直接支払い額の合計のほうが増加する消費者の利益よりも大きくなる場合も考えられ、その場合は、関税を直接支払いに変更すると、経済厚生はむしろ低下してしまう。


12. 過保護な日本農業にショック療法を?

しかも、農業は過保護なんだからTPPでショック療法しなければいけないんじゃないのかと思っている人がいるかもしれませんが、これも間違いです。実はさっきの1兆円の補助金と補助金なしの日本でもそうですが、TPPをやっても米国は1兆円の補助金を使い放題で、日本は全てゼロ関税、不公平ですよね。しかも日本の農業所得に占める補助金の割合は15.6%しかありません。世界で最も少ないほうです。

米国の稲作、あの巨大な300haの稲作でも所得の60%は補助金です。ヨーロッパの各国の農業所得にいたっては95%くらいが補助金です。こんなの産業かと思われるかもしれませんが、これだけ食料というのは命を守り、国土を守り、国境も守っているということで、徹底して国家で支えるという国がけっこうあるということです。それに対して日本では所得も支えていません。価格を支える制度も全部やめたのは日本だけです。だから過保護だから耕作放棄地が増えているとか自給率が下がっているとかいうのは残念ながらウソです。ほんとに現場で効果が実感できる政策がもっともっと浸透していれば農業はもっと元気になるはずです。逆です。

米国は競争力があるから輸出国なのかと思ったら、競争力はないのです。米の生産コストもタイやベトナムの2倍もするのにさっき言ったように1兆円もの巨額の補助金を使うことによって輸出を増やしています。生産コストから見れば輸入国になっているはずの米国が生産量の半分以上を輸出しています。競争力があるから米国が輸出国なのではなくて、これは徹底した戦略があるからなのです。日本は過保護だから自給率が下がったのではなく、現場で効果が実感できる戦略的支援が足りないからそうなっているのです。これまでも、関税も国内保護も削減し続け、米価も10年で半分になってしまいました。これ以上、食料・農業について徹底した自由化をすれば、そのときは自給率は13%まで下がると試算されています。正念場です。

13. いまこそ冷静な選択を

アジア、EUとの柔軟で互恵的な経済連携が世界の均衡ある発展につながる

TPPやって自給率13%になったら、皆さん、何を食べるのですか。このことをきちんと議論しなければなりません。しかも農業・食料だけではありません。ほとんどの分野が損失を被り、日本国民のほとんどは苦しくなる、そして、先ほどのように、日本のメリットは誤差の範囲くらいしかありません。だったらなぜ、アジアやEUとの柔軟性があり、お互いを思いやって例外もそれなりに認めながら、お互いが幸せになれるような経済連携を進めないのですか、特に共通性の高いアジアと。共通性があってこれから発展できるのは、誰が考えたってアジアです。そういう国々ときちんとした関係を作ることがいかに重要か。それができれば米国とももっときちんとした対等の友好関係ができるじゃないですか。


「TPPでアジアの成長を取り込む、TPPがアジア太平洋のルールになるから乗り遅れるな」のウソ

ところが米国がそれを絶対許さないと言っているわけですね。アジアが米国抜きでまとまることは絶対許さない、だから分断する、TPPは極め付けです。TPPでアジアを分断してアジアの利益をつまみ食いできると。TPPを推進する皆さんが言う。TPPがアジア・太平洋のルールになるから入らないと日本がガラパゴスになるとかアジアの成長を取り込むにはTPPとかいうのはウソです。米国は説明します、TPPは中国包囲網だと、日本は中国が怖いのだから入らなけりゃだめでしょと。中国は警戒して入ってきません。韓国もタイもインドネシアもインドもNOと言っています。アジアの国々は分断されて、それで米国にはちょうど都合がいい。でも、日本が入っちゃったから、アジアの国々もどんどん入り始めて、中国も最後に包囲されて入らざるを得ないようなことになったら、アジアや世界の本当に幸せな社会はつぶされてしまいます。

ASEANは偉いですよ、ハワイのすぐ後に声明を出しましたね。TPPのようなものが仮にアジアに影響することになったら、アジアの途上国の将来はない、アジアに適した柔軟で互恵的なルールはASEANが提案すると。それを提案すべきは日本じゃないですか。その日本が、誰が見ても、米国に尻尾を振ってついていけばなんとかなるみたいな思考停止状態になっているのです。米国も馬鹿にしていますよ、「何も考えないでよくついてくるな」と。こんなことをやっていていいのか。

アジアとの連携も具体化してきています。日中韓FTAは12月16日に事前交渉を終えました。私も委員をやっていますが、2012年中には政府間交渉が始まります。中国の方が問題じゃないかと言っている方もおりますが、先ほどから言っているように、アジアとは柔軟性のある形で協定が結べるので、そこは全然違います。それからEUも動きました。日・EUをもっと進めようと言っています。EU代表部の方が来られた時のことです。日本は訳がわからない、いままでのFTAでは柔軟に、適切な関税と適切な国内対策で農業を強くしようといっていたのに、同じ日本が今度はTPPですべてゼロ関税にしてもいいと言っている。なぜ同じ頭でそんなことがいっぺんに言えるのかと。私は説明に困りまして、悩まないで下さい、これは何も考えていないからこういうことになるんだと答えましたら、大変納得してくれました。国としては最悪の状態ですが。

このように、EUもアジアの国々も動いているわけだから、これをもっと具体的に日本もリードして、アジア、そして世界の人々が幸せになれるような経済連携を進めていこうじゃないかと。こういうことをやらずに、TPPがまずできて、全て何もなしの世界ができてしまったら、柔軟な協定はもうできなくなります。どれもこれもやればいいじゃないかというのはウソです。TPPをやっちゃったらほかのものが潰れてしまうわけですよ。まずTPPといかに距離をおいて他のものを具体化するかを進めなければなりません。もちろん米国を排除するわけではありません。米国が柔軟で互恵的な経済連携に入りたいと言うなら、拒む必要はありません。

しかし、いまの状態だと、気が付いたら、情報も出さずに議論もせずに、すみません、TPPに入ってしまいました、もう終わりです、と言われてしまいます。こんなことを傍観しているわけにはいきません。ぜひみんなの力でそれをやらなければなりません。

14. 強い農林水産業のための対案

農林水産業関係者を中心にTPP反対の運動が進みつつあるのに対して、「日本の農林水産業はTPPを拒否するだけでやっていけるのですか。TPPがなくても、日本の農林水産業は、高齢化、就業人口の減少、耕作放棄などで疲弊しつつあります。どういう取組みをすれば農林水産業は元気になるのか。TPPがだめだというなら対案を出してほしい」という指摘があります。

TPPの懸念で農村現場がすでに壊されている

筆者が現場をまわっていて一番心配しているのは、「これから息子が継いでくれて規模拡大しようとしていたのだが、もうやめたい」と肩を落とす農家が増えていることです。TPP問題が長引くと、将来の投資計画も進められないから、現場の動揺と憔悴が広がってしまう。すでに、被災地のみならず、こうした事態が深刻化しています。まず、こういう後向きの思考に歯止めをかけねばなりません。そうではなくて、TPPの議論を契機に、農林漁家がもっと元気になるための取組み、現場で本当に効果が実感できる政策とは何かということを、いろいろな方が関心をもってきてくれているいま、地域全体で前向きに議論をする機会にしなくてはならないのです。


農の価値と食の未来をみんなで考える前向きの議論に

農林水産業の営みというのは、健全な国土環境と国民の心身を守り育むという、大きな社会的使命を担っています。その大きな思いと誇り、そして自らの経営力・技術力を信じることが、厳しいときにも、常に前を向いて進んでいく底力を生み出してくれます。簡単にへこたれるわけにはいきません。

元気で持続的な農業発展のためには、禁止的な高関税でも、徹底したゼロ関税でもなく、その中間の適度な関税と適度な国内対策との実現可能な最適の組合せを選択し、高品質な農産物を少しでも安く売っていく努力を促進することです。

筆者らは、水田の4割も抑制するために農業予算を投入するのではなく、国内生産基盤をフルに活かして、「いいものを少しでも安く」売ることで販路を拡大する戦略へと重心をかえていく必要性をかねてより指摘しています。そのためには、米粉、飼料米などに主食米と同等以上の所得を補てんし、販路拡大とともに備蓄機能も活用しながら、将来的には主食の割り当ても必要なくなるように、全国的な適地適作へと誘導すべきです。

さらに、将来的には日本の米で世界に貢献することも視野に入れて、日本からの輸出や食料援助を増やす戦略も重要です。備蓄運用も含めて、そのために必要な予算は、日本と世界の安全保障につながる防衛予算でもあり、海外援助予算でもあるから、狭い農水予算の枠を超えた国家戦略予算をつけられるように、予算査定システムの抜本的改革が求められる。米国の食料戦略を支える仕組みは、この考え方に基づいています。

地域の中心的な「担い手」への重点的な支援強化も必要です。今後農業をリタイアされる方がいる一方で、就農意欲のある若者や他産業からの参入も増加傾向にあります。だが、新規参入される方の経営安定までには時間がかかり、長らく赤字を抱える方が多いのが実態なので、フランスのように、新規参入者に対して十年間くらいの長期的な支援プログラムを準備するなど、集中的な経営安定対策を仕組むことが必要です。

一方、兼業農家の果たす役割にも注目すべきです。兼業農家の現在の主たる担い手が高齢化していても、兼業に出ていた次の世代の方が定年帰農し、また、その次の世代が主として農外の仕事に就いて、という循環で、若手ではなくとも稲作の担い手が確保されるなら、こうした経営は、「家」総体としては合理的で安定的です。つまりそれは、一種の「強い」ビジネスモデルなのであり、こうした循環を「定年帰農奨励金」でサポートすることも考えられます。

また、集落営農などで、他産業並みの給与水準が実現できないためにオペレーターの定着に苦労しているケースが多いので、状況に応じてオペレーター給与が確保できるシステムづくりと集中的な財政支援を行うことも効果的でしょう。20〜30ha規模の集落営農型の経営で、十分な所得を得られる専従者と、農地の出し手であり軽作業を分担する担い手でもある多数の構成員とが、しっかり役割分担しつつ成功しているような持続可能な経営モデルを確立することが関係者に求められています。その一方、農業が存在することによって生み出される多面的機能の価値に対する農家全体への支払いは、社会政策として強化する必要があります。これは、担い手などを重点的に支援する産業政策としっかり区別して、メリハリを強める必要があります。


被災地の復旧・復興ということを考えるときにも基本になるのは、「コミュニティの再生」です。「大規模化して、企業がやれば、強い農業になる」という議論は単純すぎて、そこに人々が住んでいて、暮らしがあり、生業があり、コミュニティがあるという視点が欠落しています。そもそも、個別経営も集落営農型のシステムも、自己の目先の利益だけを考えているものは成功していません。成功している方は、地域全体の将来とそこに暮らすみんなの発展を考えて経営しています。だからこそ、信頼が生まれて農地が集まり、地域の人々が役割分担して、水管理や畦の草刈りなども可能になります。そうして、経営も地域全体も共に元気に維持されます。20〜30ha規模の経営というのは、そういう地域での支え合いで成り立つのであり、ガラガラポンして1社の企業経営がやればよいという考え方とは決定的に違います。それではうまく行かないし、地域コミュニティは成立しない。これを混同してはいけません。

こうした政策と、TPPのような極端な関税撤廃とは相容れません。TPPはこれまでの農家の努力を水の泡にします。自由化は、もっと柔軟な形で、適切な関税引き下げ水準と国内差額補てんとの組合せとを模索しながら行う必要があります。つまり、「農業対策を準備すればTPPに参加できる」というのは間違いです。「TPPでは対策の準備のしようがない」のであり、TPPでは「強い農業」は成立できません。


15. 自分たちの食は自分たちが守る

「高くてもモノが違うからあなたのものしか食べたくない」

日本において「強い農業」と言えるのは、一体どのような農業なのか。単純に規模拡大してコストダウンすることではありません。それでは、同じ土俵で豪州と競争することになり、とうてい勝負になりません。基本的に日本の農業は豪州などよりも小規模なのだから、少々高いのは当たり前で、高いけれども徹底的にモノが違うからあなたのものしか食べたくない、という生産者と消費者の「つながり」が本当に強い農業の源になります。

それは、スイスではすでに実践されています。そのキーワードは、ナチュラル、オーガニック、アニマル・ウェルフェア(動物福祉)、バイオダイバーシティ(生物多様性)、そして景観です。生産コストだけではなく、こういった様々な要素を生産過程において考慮して、丁寧な農業をすれば、できたものは人の健康にも優しく本当においしい。このことが国民全体で理解されているから、生産コストが周辺の国々よりも3割も4割も高くても、決して負けてはいません。

例えば、スイスで小学生ぐらいの女の子が1個80円もする国産の卵を買っていたので、なぜ輸入品よりはるかに高い卵を買うのか聞いた人がいました。その子は「これを買うことで、農家の皆さんの生活が支えられる。そのおかげで私たちの生活が成り立つのだから当たり前でしょ」と、いとも簡単に答えたそうです(元NHKの倉石久壽氏)。ロンドンでもそうであったが、欧州では、そもそも、「放し飼い」の鶏卵が当たり前で、日本は相当に水を開けられている感があります。日本の消費者は価値観が貧困だから駄目だといってしまえば、身も蓋もないが、スイスがここまでになるには、本物の価値を伝えるための関係者の方々の並々ならない努力がありました。日本も努力はしているが、一番違うのは、スイスではミグロ(Migros)などの生協が食品流通の大半のシェアを占めているので、生協が「本物にはこの値段が必要なんだ」と言えば、それが通ります。日本の場合は、農協にも生協にも、1組織でそれだけの大きな価格形成力はありません。しかし、個々の組織の力は大きくなくても、ネットワークを強めていくことで、かなりのことができるようになります。
スイスでは、ミグロと農協等が連携して、基準を設定・認証して、環境、景観、動物愛護、生物多様性に配慮して生産された「物語」と、できた農産物の価値を製品に語らせて販売拡大を進めた結果、それがスイス全体に普及しました。そこで、それを政府が公的な基準値に採用することになり、一方、ミグロは、それでは差別化ができなくなるため、さらに進んだ取組や基準を開発して独自の認証を行うというサイクルで、農産物価値のアップグレードと消費者の国産農産物への信頼強化に好循環が生まれています。こうした農家、農協、生協、消費者等との連携強化は、我が国でも期待したいところです。

農業が地域コミュニティの基盤を形成していることを実感し、食料が身近で手に入る価値を共有し、地域住民と農家が支え合うプロジェクト


日本でも、農業が地域コミュニティの基盤を形成していることを実感し、食料が身近で手に入る価値を共有し、地域住民と農家が支え合うことで自分たちの食の未来を切り開こうという自発的な地域プロジェクトが芽生えつつあります。「身近に農があることは、どんな保険にも勝る安心」(結城登美雄氏)、地域の農地が荒れ、美しい農村景観が失われれば、観光産業も成り立たなくなるし、商店街も寂れ、地域全体が衰退していく。これを食い止めるため、地域の旅館等が中心になり、農家の手取りが、米一俵18,000円確保できるように購入し、おにぎりをつくったり、加工したり、工夫して販路を開拓している地域もあります。

こうした動きが広がることこそが海外に負けずに国産農産物が売れ、条件の不利な日本で農業が産業として成立するための基礎条件であり、こうした流れを地域に創り出すトータル・コーディネーターとしての大きな役割も関係者に求められています。この流れが全国的なうねりとなることによって、何物にも負けない真の「強い農業」が形成されます。

また、スイスの卵の例のように、あれだけ高く買われていても、スイスでは生産費用も高いので、高くても買おうというときの理由と同様の根拠(環境、動物福祉、生物多様性、景観等)に基づいて、スイスの農家の農業所得の95%が政府からの直接支払いで形成されています。イタリアの稲作地帯では、水田にオタマジャクシが棲めるという生物多様性、ダムとしての洪水防止機能、水を濾過してくれる機能、こういう機能が米の値段に十分反映できてないなら、みんなでしっかりとお金を集めて払わないといけないとの感覚が直接支払いの根拠になっています。

根拠をしっかりと積み上げ、予算化し、国民の理解を得ています。スイスでは、環境支払い(豚の食事場所と寝床を区分し、外にも自由に出て行けるように飼うと)230万円、生物多様性維持への特別支払い(草刈りをし、木を切り、雑木林化を防ぐことでより多くの生物種を維持する作業)170万円など、きめ細かいです。消費者が納得しているから、直接支払いもバラマキとは言われないし、生産者は誇りをもって農業をやっていけます(安く売って補填で凌ぐのでは誇りを失うとの農家の声も多いので、農家の努力に見合う価格形成を維持し、高く買ったメーカーや消費者に補填するような政策も検討すべきでしょう)。一方の日本での漠然とした「多面的機能論」は、国民からは保護の言い訳だと言われてしまいます。こういう点でも、日本は欧州に水を開けられてしまっています。もっと具体的な指標に基づいて、理解促進を急がねばなりません。

食に安さだけを追求することは命を削り、次世代に負担を強いること

それから、2010年の日本の米価下落を思い起こすと、戸別所得補償制度ができたから安く買いたたこうという人が出てきたと言われますが、卸や小売が一時的に儲かったと思っても、それで生産サイドがさらに苦しくなって作ってくれる人がいなくなってしまったら、卸や小売のビジネスも成り立たなくなります。消費者も、安く買えるからいいと思っていたら、作る人がいなくなってしまいます。だから、買いたたきや安売りをしても、結局誰も幸せになれません。皆が持続的に幸せになれるような適正な価格形成を関係者が一緒に検討すべきです。それはヨーロッパではかなりできている国もあるようですが(新山、2009)、日本はまだまだです。

食料に安さだけを追求することは、命を削ることと同じです。また、次の世代に負担を強いることにもなります。そのような覚悟があるのかどうか、ぜひ考えてほしいのです。

食の安全にかかわる重大な情報が開示されていない

一例ですが、もしTPPに参加すれば、米国の乳製品がどんどん入ってくる可能性がありますが、それには健康上の不安があります。米国では、1994年以来、rbSTという遺伝子組換えの成長ホルモンを乳牛に注射して生産量の増加を図っています。このホルモンを販売したM社は、もし日本の酪農家に売っても消費者が拒否反応を示すだろうからと言って、日本での認可申請を見送りました。そして、「絶対大丈夫、大丈夫」と認可官庁と製薬会社と試験をしたC大学(この3社を筆者は「疑惑のトライアングル」と呼んでいます。なぜなら、認可官庁と製薬会社は「天下り」(または「回転ドア」)人事交流、製薬会社の巨額の研究費で試験結果をC大学が認可官庁に提出するからである)が大合唱していたにもかかわらず、最近では、米国でも、乳がんとか前立腺がんの倍率が高まるという医学的検証が出てきたものだから、スターバックスやウォルマートを始め、rbST使用乳を取り扱わない店がどんどん増えています。しかし、認可もされていない日本では、米国からの輸入によってrbST使用乳は素通りになっていて、消費者は知らずにそれを食べているというのが実態です。輸入ものが全部悪いとは言わないけれども、こういうこともあるんですよということを伝えることは重要です(注)。

人々の健康に責任を持つ仕事に携わる人の使命

福岡県の郊外のある駅前のフランス料理店で食事したときに、そのお店のフランス人の奥様が話してくれた内容が心に残っています。「私達はお客さんの健康に責任があるから、顔の見える関係の地元で旬にとれた食材だけを大切に料理して提供している。そうすれば安全で美味しいものが間違いなくお出しできる。輸入物は安いけれど不安だ。」と切々と語っていました。確かに、フランスには、こういう感覚があるようです。

また、私の家がお世話になった産婦人科医の先生がよく言っていたのは、「最近の子供のアレルギーやアトピーは親の食生活と密接に関連していることは間違いない。高くても、よいものを食べないとだめだ。」お医者さんの言葉も説得力があります。

さらには、医療ジャーナリスト宇山恵子氏が、米国ミシガン大学公衆衛生学科のRobert De Vogli准教授らが、同大学発表ニュースリリースに掲載した研究を『ヘルス&ビューティー・レビュー』に紹介しているのが興味深いですね。世界の26か国を対象に、人口10万人当たりのファーストフード店の数と肥満者の割合を比較した結果、ファーストフード店の数は、10万人当たり、アメリカが7.52店、カナダが7.43店で、肥満者の割合はアメリカ男性が31.3%、女性が33.2%、カナダの男性が23.2%、女性が22.9%だったのに対して、日本とノルウェーのファーストフード店の数は10万人当たり日本が0.13店、ノルウェーが0.19店で、日本の肥満率は男性が2.9%、女性が3.3%、ノルウェーの男性が6.4%、女性が5.95だったというのです。ファーストフード店の密度と肥満率(つまり、安い食事への依存度と肥満率)には密接な関係がありそうです。

図11 疑惑のトライアングルの相互依存関係

出所:鈴木宣弘『寡占的フードシステムへの計量的接近』農業統計協会、2002年
(注) あまり言われていないが、窒素の問題も非常に重要である。窒素総供給/農地受入限界比率は、現状192.3、つまり1.9倍になっているが、これは環境における窒素の過剰率の指標の一つで、日本の農業が次第に縮小してきている下で、日本の農地・草地が減って、窒素を循環する機能が低下してきている一方、日本は国内の農地の3倍にも及ぶ農地を海外に借りているようなもので、そこから出来た窒素等の栄養分だけ輸入しているから、日本の農業で循環し切れない窒素がどんどん国内の環境に入ってくるわけで、その比率が1.9倍だということだが、TPPで水田が崩壊すれば、それが2.7倍まで高まると我々は試算した(表1)。現在、我が国では、牛が硝酸態窒素の多い牧草を食べて、「ポックリ病」で年間100頭程度死亡しているが、硝酸態窒素の多い水や野菜は、幼児の酸欠症や消化器系ガンの発症リスクの高まりといった形で人間の健康にも深刻な影響を及ぼす可能性が指摘されている。糖尿病、アトピーとの因果関係も疑われている。乳児の酸欠症は、欧米では、30年以上前からブルーベビー事件として大問題になった。我が国では、ほうれんそうの生の裏ごし等を離乳食として与える時期が遅いから心配ないとされてきたが、実は、日本でも、死亡事故には至らなかったが、硝酸態窒素濃度の高い井戸水を沸かして溶いた粉ミルクで乳児が重度の酸欠症状に陥った例が報告されている(小児科臨床1996)。乳児の突然死の何割かは、実はこれではなかったかとも疑われ始めている。

同時に、表1は、わずか数%というようなコメ自給率の大幅な低下による安全保障上の不安、バーチャル・ウォーターの22倍の増加やフード・マイレージの10倍の増加による環境負荷の大幅増大、といったマイナス面も多くなることを数値で示している。日本についてのバーチャル・ウォーター(東大の沖大幹教授による)とは、輸入されたコメをかりに日本で作ったとしたら、どれだけの水が必要かという仮想的な水必要量の試算である。つまり、コメ輸入の増加は、それだけ国際的な水需給を逼迫させる可能性を意味する。フード・マイレージとは、輸入相手国別の食料輸入量に、当該国から輸入国までの輸送距離を乗じ、その国別の数値を累計して求められるもので、単位はtkm(トン・キロメートル)で表わされ、遠距離輸送に伴う消費エネルギー量増加による環境負荷増大の指標となる(農林水産省の中田哲也氏らによる)。食料自給率の低下、及びそれに付随するこれらの外部効果指標は、表1のような技術指標としての数値化は可能だが、それを簡単に金額換算して、狭義の経済性指標の純利益の1兆円と、単純に比較できるものではない。しかし、だからといって、狭義の1兆円の利益よりも軽視されていいというものではない。社会全体で十分に議論し、様々な人々の価値判断も考慮し、適切なウエイトを用いて、総合的な判断を行うべきものであろう。


認可官庁
製薬会社
大学・研究機関
人事交流
試験研究成果
研究費


表1 コメ関税撤廃の経済厚生・自給率・環境指標への影響試算

変数
現状
コメ関税撤廃
日本
消費者利益の変化(億円)

21,153.8
生産者利益の変化(億円)

-10,201.6
政府収入の変化(億円)

-988.3
総利益の変化(億円)

9,963.9
コメ自給率(%)
95.4
1.4
バーチャル・ウォーター(立方km)
1.5
33.3
農地の窒素受入限界量(千トン)
1,237.3
825.8
環境への食料由来窒素供給量(千トン)
2,379.0
2,198.8
窒素総供給/農地受入限界比率(%)
192.3
266.3
カブトエビ(億匹)
44.6
0.7
オタマジャクシ(億匹)
389.9
5.8
アキアカネ(億匹)
3.7
0.1
世界計
フード・マイレージ(ポイント)
457.1
4,790.6


おわりに
ただ、TPPを進めようと政府がここまで前のりになっているので、いろいろな圧力もかかってまいります。私にも、そろそろ将来のことを考えてトーンダウンした方が身のためではないかとありがたい忠告もいただいております。TPPはまさに超大国米国と覇権国家としてどんどん成長している中国とのはざまで、日本が独立国として、如何にしたたかに政治外交をやっていくかという難しい問題と絡みますので、できれば関わりたくない部分もあります。けれども、皆さんはこの問題から我々が逃げるわけにはいかないということを一番わかっておられる方々だと思いますので、この場に来られたのも「運のつき」ということで、さらに覚悟を決めていただきまして、この問題の議論を何とか正常化し、そのうえできちんとした結論を出すと。それなくしてこの問題を勝手に進めることは許さないということをいまこそきちんと表明しなければなりません。

何のために政治家がいるのか

そして、民意を代表する政治家の皆さんが、いまこそ覚悟を決めて動かなければいつ動くのでしょうか。何のために日本に政治家がいるのかが問われています。地元に帰ると「TPP反対」と言い、東京に戻ると「・・・」と言っている方も多いようです。悪いことをしてきた政治家もたくさんいるでしょうが、最後に一度でも国のために命をかけて戦って政治生命を終えたらどうかと、そのくらい大変な時なんだということを国民がきちんと伝えていかないとなりません。政治家を動かすのは国民ですだから、みんなが、「プラスワン運動」として、まわりを一人でも二人でも巻きこんで、情報が不十分な人に理解の輪を広げていただきたい。

保身と見返りを求めて、国民を見捨てて生き延びても、そんな人生は楽しいか
いまこそ問いたい。日本では、自己や組織の目先の利益、保身、責任逃れが「行動原理」のキーワードにみえることが多いですが、それは日本全体が泥船に乗って沈んでいくことなのだということを、いま一度、肝に銘じるときではありませんか。とりわけ、日本に政治家や官僚がいる意味が問われています。いくつになっても、保身と見返りを求めて、国民を見捨てて生き延びても、そんな人生は楽しいでしょうか。日本にも本当に立派な政治家が、官僚がいたな、と言われて、政治生命を、職務を全うしてほしいものです。それこそが、実は、自らも含めて、社会全体を救うのではないでしょうか。国会議員も、与野党を超えて大同団結してもらいたい。
支え合う社会を取り戻そう


幕末に日本に来た西洋人が、質素ながらも地域の人々が支え合いながら暮らす日本社会に「豊かさ」を感じたように、もともと我々は、貧富を問わず、またハンディのある人も、分け隔てなく共存して助け合って暮らしていける「ぬくもりある」地域社会を目指してきました。いま、踏みとどまって、大震災においても見直された「絆」を大事にする日本人の本来の生き方を取り戻さないと、取り返しのつかないことになりかねません(注)。

皆さん一人ひとりが、ご自身の地域の十年後の姿をもう一度シミュレーションしていただいて、それを自身が必ず支えていく覚悟を新たにし、次の世代も必ず育てる覚悟も新たにし、その努力を根底から崩してしまいかねないTPPの議論を何とか正常化していきましょう。「許せないものとは闘う」しかありません。


(注) 秘書の日下京さんから『逝きし日の面影』(渡辺京二著、葦書房、1998年)という本の興味深い内容を紹介された。以下に3箇所を引用させていただく(篠原孝先生の御高著『TPPはいらない』にも同様の引用がある)。

ハリス(Townsend Harris 1804〜78)が、1856年(安政三)年9月4日、下田玉泉寺のアメリカ領事館に「この帝国におけるこれまでで最初の領事旗」を掲げたその日の日記に、「厳粛な反省―変化の前兆―疑いもなく新しい時代が始まる。あえて問う。日本の真の幸福となるだろうか」としるしたのは、まさに予見的な例といってよかろう。

ヒュースケン(Henry Heusken 1832〜61)は有能な通訳として、ハリスに形影のごとくつき従った人であるが、江戸で幕府有司と通商条約をめぐって交渉が続く1857年(安政四)年12月7日の日記に、次のように記した。「いまや私がいとしさを覚えはじめている国よ。この進歩はほんとうにお前のための文明なのか。この国の人々の質撲な習俗とともに、その飾りけのなさを私は賛美する。この国土のゆたかさを見、いたるところに満ちている子供たちの愉しい笑声を聞き、そしてどこにも悲愴なものを見いだすことができなかった私は、おお、神よ、この幸福な情景がいまや終わりを迎えようとしており、西洋の人々が彼らの重大な悪徳をもちこもうとしているように思われてならない」。ヒュースケンはこのとき、すでに1年2ヵ月の観察期間をもっていたのであるから、けっして単なる旅行者の安っぽい感傷を語ったわけではない。

ポンペと同時期長崎に滞在したポルスブルックは、1858年初めて江戸入りした時、おなじような感想を抱いた。

「私の思うところヨーロッパのどの国民より高い教養を持っているこの平和な国民に、我々の教養や宗教が押しつけられねばならないのだ。私は痛恨の念を持って、我々の侵略がこの国と国民にもたらす結果を思わずにいられない。時がたてば、分かるだろう」。
http://notpp.jp/21020711_NobuhiroSuzuki.pdf


44. 中川隆 2012年12月26日 20:20:20 : 3bF/xW6Ehzs4I : HNPlrBDYLM


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                  〃- ─=ミv' 彡=‐ -ミ、
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              `ト|   |ノ//'   `弋、 |   j|
             j |   |≠ヵ    ヵ≠i|   jl
               从|   代リ     弋リ1   从
                /fハ!  | ''''  ,   '''' j  ,小ハ、
           ノ |!∧  ト、  rっ   ノ! 从!i|
            ノ少ヘ | 个r .__.. ィ彡 |/ \!
            /   V 八   /   /   \
             /    八   \ 〃   /       ハ
            ハ   :.. : ヽ   /    / l.::   /  !
          j  ヽ   :: !  \/    /  !//   |
          |    \::ノ:  /   /   ::{ ..::    |
            ノ ::..     |:. 〃/)(\    .:!..:::/ .:   |
         」 ::... ヾ::.. |::../∠ュr_ゝ ヽ .::::|:ノ..::::_..  〉
            |::  ̄ ̄7ー-^{  ー {j ー  }ーヘ ̄  イ
        ___}::   ノ   ゝ '´/\` /   } ....:::::}
    ー=彡'"゙ {:::....  ト-‐ァ¬'"´   `¬=r‐-/.::::::::::/
   、__ノ ..:.:.:八::::::::::|:::::/|==─‐--─==|:::/.:::::::::,イ
     フ .:.:.:.:.:.:.:.ヽ:::::::|::/.::|          |i/.:::::/.::|


住友化学の米倉弘昌に鉄槌を!!!


ようこそ住友化学 i-農力サイトへ
住友化学の【農薬・肥料】についての情報はこちら
http://www.i-nouryoku.com/


2011年11月11日、田中康夫氏の衆議院予算委員会にて、経団連会長の米倉弘昌氏が、会長を務める住友化学がモンサント社と長期協力計画を結んだ上で、TPPを推進している事実に言及した。

奇しくも、経団連会長の米倉氏は、原発推進のメッセージも発信し続けているが、同時に放射能ビジネスをGE(ジェネラルエレクトリック)社と手を結んで行っている。
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65775032.html

日本経団連の米倉弘昌会長は

日本経団連の米倉弘昌会長は2010年11月8日の記者会見で、

「日本に忠誠を誓う外国からの移住者をどんどん奨励すべきだ」

と述べ、人材の移動が自由化される環太平洋経済連携協定(TPP)への
日本の参加を、改めて促した。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E6%88%A6%E7%95%A5%E7%9A%84%E7%B5%8C%E6%B8%88%E9%80%A3%E6%90%BA%E5%8D%94%E5%AE%9A

日本を中国人に乗っ取らせるのがTPPの目的


要するに住友化学は


1.日本の農業を完全に潰す

2.日本の農地をただ同然で買い占める

3.中国人移民を入れて農地で働かせる

4.中国人移民を2億人まで増やして東京以外はすべて中国人しか住んでいない土地にする


という計画を進めているんですね。 中国ではもう農業用水はおろか飲料水すら無いのです。 それで国際金融資本は中国人を最低でも二億人は日本に移住させようとしているのですね。

清を作った満州人(女真族)はすでに満州を追われ、純粋な満州人は絶滅してしまいました。 チベット人とウイグル人も土地を取られて絶滅寸前です。

そして、チベットとウイグルの次に目を付けられたのが日本なのです。


1995年 オーストラリアを訪問した李鵬は、豪首相との首脳会談中に、 「 日本など20年も経てば地球上から消えてなくなる 」と発言
李鵬の発言はまるでオカルトのようにも聞こえるが、平成9年当時の国会でも取り上げられた発言である。

武藤国務大臣

「そのオーストラリアへ参りましたときに、オーストラリアの当時のキーティング首相から言われた一つの言葉が、日本はもうつぶれるのじゃないかと。

実は、この間中国の李鵬首相と会ったら、李鵬首相いわく、

君、オーストラリアは日本を大変頼りにしているようだけれども、まああと三十年もしたら大体あの国はつぶれるだろう、こういうことを李鵬首相がキーティングさんに言ったと。

非常にキーティングさんはショックを受けながらも、私がちょうど行ったものですから、おまえはどう思うか、こういう話だったのです。」
http://hanzibakuro.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/20-ea32.html

中国人は賢いから絶対に軍事侵略はしない
俺の人口動態予想貼っとくわ


            0人             1.0億人             1.5億人
__________________________|_>156
そして栄養失調と過労死でバタバタ倒れていくわけですね


158 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 12:13:33.97

長生きすると医療費がかかるから平均寿命40才が一番社会効率が高いんだよ。

159 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 14:22:33.22
>>158
医療費掛かるのは医学が発達しすぎたからだよ
昔ならすぐに死んでいた病気が今は治せる時代。
植物人間になっても30年は生きる

161 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 14:37:06.53

まあ、中間層を完全に潰して資産家階級と労働者階級にはっきり分かれたら、

労働者階級の人間が一杯100円の牛丼以外を食べようとか、入院しようとかする気が無くなるから世の中うまく治まる様になる。

今は労働者階級の倅の分際で大学に行って一流企業に入ろうとする身の程も弁えないアホがいるからな。

163 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 14:45:29.22

日本の労働者はこの程度の給料で十分だ:


貧困レベルで働かされるウォルマート社員が感謝祭労働で一騒動!


今日は、サンクスギビングデー(感謝祭)です。 アメリカでは家族が集まり
七面鳥を食べ、アメフトを見て、のんびり過ごす一大ホリデーです。

明日はクリスマス商戦の幕開けとなる大セールを全米の小売店で行われます。
この時期に集中して売上をあげることから、「黒字になる金曜日」ということからブラックフライデーと呼ばれています。

消費者マインドの冷え込みのせで、小売店の業績アップが厳しい状況で、今年から全米大手小売店のウォルマート、シアーズ、ターゲットはブラックフライデーを前日の夜に前倒しを決定しました。

サンクスギビングで仕事をさせられる従業員はこれには反発。 ウォルマートの一部社員は就業をボイコットすると騒いでいます。

ウォルマートの社員の給与は貧困レベルのギリギリの低賃金で働かされています。

ウォルマート社員 平均年収: 1万5500ドル (約130万円)
貧困レベル所得(1世帯2名):1万5130ドル
MakeingChangeAtWalmart.org


「ウォルマート従業員 = 貧困」

ウォルマートは全米最大の小売店で年間売上は4470億ドル。これはアルゼンチンの経済規模と等しいです。

純利益は157億ドルで、トヨタの利益の5倍弱あります。そして、伝説の投資家ウォーレンバフェットが投資した超優良企業です。
http://uskeizai.com/article/303456723.html


165 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 14:48:05.75

日本も金持ちはSPつけないと出歩けなくなるだろう

166 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 14:48:23.91

130万円もあれば100円の牛丼を13000杯も食べられるよね。

寝るのは公園とか駅にすれば住居費と光熱費も節約できるからそれで十分食べていける。

167 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 14:50:39.29

日本企業が外資に太刀打ちできるわけがない
オリンピックをみろよ。
欧米人からしたら東洋のサルが調子にのるのは我慢できんのだよ


168 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 15:12:19.00

こりゃTPP反対だな。
農業どころか社会全体が衰退する。

169 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 16:27:19.44

日本は日本人だけの物じゃないんだけどな(怒り)

170 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 16:37:57.86

日本人以外の誰の物なの?

171 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 16:44:16.90

漢字を使っているところはすべて中国の版図だ。

日本人も漢字を使っているから、日本は中国小日本省で間違いない。
とりあえず尖閣と沖縄は中国に返して貰わないといけないな。

173 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 16:47:31.43

じゃあ満州をかえせ。

175 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2012/11/23(金) 16:51:07.76

満州は元々中国(清)の領土だし、満州人はとうに絶滅させたから中国人だけのものだ。
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/eco/1352823774/

日本維新の会の選挙公約「最低賃金制の廃止」の目的とは


竹中が書いた公約だからなー。

これはTPPを通過させた後、外国人労働者を移民させ、極低賃金で労働させるために考案したもんだろう。

TPPが通過すると農地の売買に関する規制が無くなり、大企業が日本の農地を買い占める。その時に海外から移民を受け入れ極低賃金で働かせるためには最低賃金なんて制度は邪魔以外ない。

だから公約に書いたんだろう。さすが竹中!!いよ!!
http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/378.html


最低賃金制の廃止について

日本維新の会が選挙公約として「最低賃金制の廃止」を打ち出し、波紋を呼んでいる。
公約発表時点では、私の知る限りどの新聞もこの公約について主題的に検討しなかった。
無視したのである。

その後、ネット上で反対論が噴出して、それを承けてはじめて報道するに至った。
この問題についてのマスメディアの無関心と危機感の希薄さが気になる。
これまで繰り返し書いているとおり、現在日本のエスタブリッシュメントは政官財メディアを挙げて「若年労働者の雇用条件の切り下げ」をめざしている。
その理由は何度も書いてきた。

「日本の中国化」である。

大飯原発再稼働のときの財界の主張をご記憶だろう。
日本にはもう生産拠点を置き続けることはできない。

その理由として指摘されたのが、人件費が高い、法人税率が高い、公害規制がきびしい、電力料金をふくむ生産コストが高い、という点である。

ここで原発を止めて火力に切り替えるなら、もう価格競争で他国に勝てない。
原発を再稼働しないなら、われわれは外国に生産拠点を移さざるを得ない。
それによって国内の雇用が失われ、地域経済が崩壊し、法人税収入がなくなっても、それはすべて政府の責任である。

この恫喝に政府は屈して、大飯原発再稼働を認めたのである。

ご覧のように、日本からの生産拠点の流出による産業の空洞化の第一の原因として財界人が第一に挙げるのはつねに「高すぎる人件費」である。
だが、変だと思わないか。


中国やインドネシアやマレーシアで格安賃金労働者が雇えるなら、黙ってそちらに移動すればいいことで、日本の若者の賃金の切り下げをうるさく主張する必要はない。

でも、うるさく主張する。

それは彼らも本音では海外なんかに出て行きたくないからである。
日本にいたいからである。

タイの洪水や中国の反日デモで露呈したように、海外に生産拠点を移した場合には言語障壁、自然災害、社会的インフラの不備、政情不安など安定的な操業を阻害する要因が多い。

いくら低賃金で労働者が雇えても、デモ一発で10月のトヨタのように月産8万台がゼロになってしまったり、株価が30〜40%も下落してこつこつ貯めた利益が一夜で吹っ飛んだりするようであるなら、多少のコスト高は飲み込んでも、日本国内で操業する方が「安全」である。

現に中国では労働者の賃上げ要求で罷業や略奪が頻繁に起きている。このままいいなりに賃上げしていれば、「安い人件費」を求めて生産拠点を移したメリットがなくなる。

だから、大手の製造業はすでにインドネシアやマレーシアやベトナムに生産拠点を移し始めている。

だが、その「引っ越しコスト」は半端な金額ではない。
いずれインドネシアが経済成長すれば、ここでも人件費の引き上げが要求されるだろう。

「このやり方」が正しいという前提に立つなら、次はミャンマーかスリランカかあるいはアフリカかに工場を移転しなければ話の筋目が通らない。

そんな引っ越しを繰り返し、そのたびに新しい「リスク」マネジメントを学び直し、制度設計をやり直すコストは人件費で浮いた分を大幅に奪って行く。
それならいっそ日本に戻った方がましだ。

社会的インフラは安定しているし、政情も安定しているし、防災もさすがに手抜きはしまい。だいいち日本語が通じる。

人件費さえ安ければ日本に帰りたい。

それがビジネスマンたちの悲痛な本音なのである。

だから、この数年間の政財官メディアは一致協力して「中国なみ人件費達成プロジェクト」を推進している。

「大学を減らせ。学力の低いものは大学に行かせず、高卒で働かせろ」というキャンペーンは毎年数十万の低学歴・低学力労働者を生み出すことをめざしている。
就職情報産業主導の「就活」キャンペーンは、若い働き手をほんとうに求めている業種については意図的に情報を遮断し、グローバル企業を筆頭とするごく狭い求人市場に学生たちを送り込み、激烈な競争にさらすことで、学生たちの自己評価を切り下げ、「どんな雇用条件でもいいから、働かせて下さい」という卑屈なマインドセットを刷り込んでいる。

もう一つは雇用条件の複線化による「同一労働同一賃金ルール」の空洞化である。
同じ仕事を雇用条件の違う人々にやらせる。正社員の他に嘱託、派遣、バイトと、どこがどう違うのかわからない非正規雇用労働者に同じ仕事をさせる。

当たり前だが、誰もが同じような成果を上げる。

そこから導かれる結論は「だったら、バイトでいいじゃないか」ということである。

雇用条件の複線化の実践的結論は「同一労働・最低賃金ルール」である。

同じ仕事をしているなからもっとも安い賃金で働いている人間が「標準」であるべきだ。あとは全部「貰いすぎ」である。

そういう考え方がいつのまにか「常識」になった。

橋下大阪市長が「市営バスの運転手は、同じ仕事をしている阪急阪神バスの運転手よりも賃金が高い。これは貰いすぎである」と言ったときに、そのロジックが破綻していることを誰も指摘しなかった。

誰も。労働者自身がこの命題に賛成したのである。

「あいつらは貰いすぎだ」

だが、同じ前件から「阪急阪神バスの運転手の給与を引き上げるべきだ」という結論を導くこともできたのである。

あるいは「阪急阪神バスと市営バスの中程にみんな揃えたらどうだろう」という妥協案だって導くことができたのである。

現に、戦後の労働運動というのは、「同一労働でいちばん高い賃金」を基準にして賃上げ闘争をしてきた。

「同一労働で一番安い賃金」が適正賃金であり、それよりよい条件で働いている労働者はそれに「揃えるべきだ」という議論が当たり前のように口にされるようになったのは、ほんのここ十年のことである。

それまでは誰も「そんなこと」を言わなかった。

そんな近過去のことも人々は忘れている。ずっと昔からこのルールでやってきたような気分になっている。

それを見ると、「人件費を切り下げることが国家的急務である」ということについては、どうやら思惑通りに国民的合意ができつつあるようである。

新自由主義政党である維新の会にとって、最優先課題はグローバル企業に高収益を保証する政策を整備することである。

だから人件費切り下げが選挙公約に入るのは当然なのである。

最低賃金は最低限の雇用条件を確保するための強制的に時給の最低ラインを定めたもので、厚労相が労使代表と中立の公益委員に諮って相場や景況を判断してガイドラインを示し、都道府県ごとにそれを調整して採用している。

東京都は時給850円、大阪府で800円、最低が島根と高知で652円。

適用されるのはパートやアルバイトなど、雇用形態にかかわりなく、非正規雇用も含めて、すべての労働者である。

これを廃止するというのが維新の会の主張である。

橋下市長は「最低賃金のルールがあると、あと2,3人雇えるのに1人しか雇えなくなる。安く働けということではなく、賃金はできるだけ出して雇用も生んでもらう」と30日の記者会見で述べた。

市長はたぶん四則計算ができるはずだから、1人当たり時給800円のルールを廃止して、それで3人雇うということは、1人当たり時給267円になるということはわかると思う。

そもそも、この800円という目安そのものが廃止されるわけであるから、3人に対して時給267円というガイドラインも廃止される。
いくらでもいいのである。100円でも50円でも、雇う「権利」が雇用者側に発生するのである。

時給267円で8時間働いても一日2,136円である。月に25日働いて53,400円である。
これなら中国人労働者なみの雇用条件まであと一歩というところである。

そういう労働者が大量に備給されるなら、たしかにグローバル企業は国際競争(それは今では「コスト削減競争」と同義である)において相対的優位を占めることができるだろう。

もちろんその結果、国内の市場は冷え込み、内需は崩壊し、地域経済も衰退し、社会保障支出が増え、社会不安が亢進し、遠からず国民国家はその体をなさなくなるだろうけれど、そんなことはビジネスマンには「知ったことじゃない」のである。

彼らにとっては次の四半期の収支と株価だけが問題なんだから。

そういう目的に邁進するべく制度改革をしたいという政治家がわらわらと輩出し、それに拍手喝采する人々がいる。

いったい何を考えているのだろう。

たぶん日本の国民経済が崩壊しても、「時給267円で働く労働者を搾取できたおかげで、国際競争に勝ってフェラーリに乗ってドンペリを飲んでいる超富裕層」の一員になっている自分の姿を想像しているのだろう。

たしかに、そういう「いい思い」をする人が何万人か何十万人かは、これから出てくるだろう。

でも、それは「あなた」ではない。
これは私が保証してあげる。
http://getnews.jp/archives/276549


現在の日本で激しくなっている政策論争は、「オーソドックス(新古典派経済学)」と「ケインズ的実践主義」の間で繰り広げられている世界的な戦争の「日本戦線」であるためです。フランスではオーソドックスなサルコジ大統領が破れましたが、ユーロという縛りが厳しく、まともな雇用対策が取れていません。結果的に、フランスはもとより、欧州全域で失業率が極端に悪化しています(ドイツ除く)。


【欧州主要国及び日本、アメリカの失業率(2012年10月時点) 単位:% 】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#Unemp


 スペインの失業率は26.2%と、すでにしてアメリカ大恐慌期の水準を上回り、我々にとって「未知の領域」に入りつつあります。ギリシャは8月時点で25.4%なので、現時点ではスペインを上回っているかも知れません。


 この両国の雇用環境が恐ろしいのは、失業率の高さもさることながら、危機ぼっ発以降、一度も改善していないという点です。統計発表のごとに必ず、失業率が悪化していっています。


 何しろ、ここまで失業率が悪化しているにも関わらず、両国は(他の国々も)ドイツ主導の「新古典派経済学」から、

「雇用の流動性を高めよ」
「規制を緩和せよ」
「均衡財政をコミットせよ」

 などなど、明らかに失業率を悪化させる「改革」遂行を強要されているわけです。これで失業率が下がったら、本気で奇跡です。


 特に問題だと思うのは、失業率が悪化したことを受け、新古典派経済学は、

「雇用の流動性を高め、企業が労働者を解雇しやすくしなさい。そうすれば、却って企業は労働者を雇うから」

 と、もっともらしい説を唱え、それを政府が実行に移すと(スペインなど)、企業が「喜んで」労働者を解雇し、新規雇用は増えず、失業率はただただ悪化する事態になることです。何しろ、バブルが崩壊した以降の国では、企業はとにかく労働者など増やしたくないし、設備投資もしたくないのです。代わりに何がしたいのかと言えば、借金返済と預金です。


 新古典派経済学の政策は、企業が「常に」労働者を増やしたがっているし、設備投資をしたがっているし、そのための銀行融資を受けたがっているという前提になっています。なぜ、企業が「労働者増員」「設備投資」「銀行融資」を「常に」やりたがっているのかといえば、もちろん「モノは生産すれば、必ず売れる。サービスは供給すれば、必ず客がいる」というセイの法則を前提としているためです。


 とはいえ、バブルが崩壊した以降の国では、セイの法則など竹中さんが逆立ちしたところで成り立っていないことは今さら言うまでもありません。


 さて、上記の「雇用の流動性強化」を日本で主張している「オーソドックス(新古典派経済学)」派の代表株が、もちろん日本維新の会です。


【日本維新の会 骨太2013−16】
http://j-ishin.jp/


 上記の日本維新の会の公約「竹中2013−16」じゃなかった、「骨太2013−16」には、ばっちりと、


■非正規・正規の公平性、解雇規制の緩和、市場メカニズムを重視した最低賃金制度への改革

■給付付き税額控除など負の所得税の考え方で一定の所得保障


 と、新古典派色バリバリの労働政策が盛り込まれています。特に、

「解雇規制の緩和」
「市場メカニズムを重視した最低賃金制度」
「負の所得税で所得保障」

の三点セットが載っていることで、わたくしは、「来たな」と思ったわけです(本当に「来たな」と思いました)。


 何が来たのか。


 「解雇規制の緩和」と「市場メカニズムを重視した最低賃金制度」の二つは、要するに

「人件費引き下げを容易にしましょう」

という話です。さすがに時給1円は大袈裟ですが、「市場メカニズム」の働きで最低賃金押し下げを目指すことは間違いないわけです。ここに「解雇規制の緩和」が加わると、労働者に対し企業側から人件費引き下げ要求を受け入れるよう圧力がかかります。


 とはいえ、本当に「市場メカニズム」の働きで最低賃金が下がっていったとして、物価は所得ほどには下落しません。特に、デフレ期の国は所得下落率が物価下落率を上回ります。そうなると、ある時点で労働者の最低賃金は、「これではもはや全く暮らしてけない」水準にまで落ち込んでしまうことになります。


 そこまでいってしまうと、さすがに低所得者層が暴動を起こすなり、犯罪に走るなりで、社会は不安定化します。(スペインではすでに反緊縮財政デモが暴動になったりしています)


 だからこそ、「負の所得税で所得保障」というわけです。企業側が容赦なく賃金水準を引き下げていき、労働者が給与では暮らせなくなっても、「負の所得税」で一定の所得が保障されるわけだから、いいだろ? という話なのです。


 ん・・・・・? と思わなければなりません。


 解雇規制の緩和と最低賃金制度改革で、労働者の人件費がひたすら下がっていく。とはいえ、ある程度の水準にまで人件費が下がってしまうと、国家が「負の所得税」で所得を保障するため、労働者が飢え死にする心配はない。問題ないだろ。というわけございます。


 んん・・・・・・?


 上記の事態になると、「ある登場人物」が一方的に得をしているように思えるわけですが・・・・・。


 ある登場人物とは、もちろん企業です。何しろ、企業は人件費削減のツケを、最終的には政府に押し付けることができ、費用削減効果で利益が最大化され、株主への配当金を膨らませることが可能になるのです。


 無論、上記の事態になると、国民から企業への批判が殺到するでしょうが、米倉氏は、じゃなかった企業側は、

「グローバルで勝ち残るためには、人件費を下げざるを得ないんだ。ガタガタ文句を言うならば、工場を外国に移してしまうぞ」

 と、のたまうわけでございます。


 勘のいい人は気が付かれたでしょうが、わたくしが以前「サムスン栄えて不幸になる韓国経済」などで取り上げたウォルマートの事例に酷似しているでしょう。以前のウォールマートは、従業員にまともな社会保障を提供せず(コスト削減のため)、その部分をアメリカ政府の社会保障に頼らせるという言語道断な経営を行っており、激しく批判されていました(現在は改善されているようですが)。要は、企業が負担すべきコストの一部を、不当に「政府」すなわちアメリカ国民に支払わせていたのでございます。


 最低賃金制度の廃止と負の所得税が実現すると、日本で類似したケースが多発することになるでしょう。何しろ、賃金負担の一部を「負の所得税」という政策に負わせ、自らの利益を拡大する行為は、「利益追求」が役割である企業にとっては、まことに合理的行動なのです。


 ここまで読んで頂かなければ、「新古典派経済学」的な骨太2013−16の「怖さ」は分からないのです。ところが、日本の新聞は、


『維新の会:最低賃金廃止を修正 衆院選公約
http://mainichi.jp/select/news/20121205k0000m010076000c.html

 日本維新の会が衆院選公約の付属文書・政策実例に掲げた「最低賃金制の廃止」を、「市場メカニズムを重視した最低賃金制度への改革」に改めていたことが分かった。野田佳彦首相が「格差拡大の政策」と指摘するなど各党から批判が相次いだことから修正したという。

 維新が先月29日、公約「骨太2013−2016」とともに発表した政策実例で、最低賃金制度の廃止を明記する一方、最低限の生活を保障するために一定の現金給付を設けることを掲げていた。浅田均政調会長(大阪府議会議長)は4日、記者団に「誤解を生まないように文言を変えた」と説明した。』


 と、通り一辺倒の記事を出すだけで、その本質にまで踏み込むことはありません。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/


TPPに入ると日本の正社員の給料はこうなる:


2012年11月23日
ウォルマートの社員の給与は貧困レベルのギリギリの低賃金で働かされています。

ウォルマート社員 平均年収: 1万5500ドル (約130万円)
貧困レベル所得(1世帯2名):1万5130ドル
MakeingChangeAtWalmart.org


「ウォルマート従業員 = 貧困」

ウォルマートは全米最大の小売店で年間売上は4470億ドル。これはアルゼンチンの経済規模と等しいです。 純利益は157億ドルで、トヨタの利益の5倍弱あります。そして、伝説の投資家ウォーレンバフェットが投資した超優良企業です。
http://uskeizai.com/article/303456723.html

ウォルマート


アメリカにおいては、個人商店(小規模商店)や地元資本の小規模スーパーマーケットしか存在しないような小都市に進出し、安売り攻勢で地元の競合商店を次々倒産に追い込んだ挙句、不採算を理由に撤退するという形(いわゆる焼畑商業)で地元の経済を破壊する事例、いわゆる買い物難民の発生が相次いだため、進出計画を反対される案件が相次いでいる[8]。

また、安価な輸入品(特に中華人民共和国製)を多く販売するため、アメリカの製造者団体等から「自国の雇用をないがしろにして自社の利益の向上のことしか考えていない」という批判を受け、積極的に自国製品(外国においてはその国の製品)を取り入れるという姿勢を取り始めている[8]。

従業員の労働条件の悪さも有名であり、低賃金の非正規雇用従業員を多用して、正社員としての本採用に消極的な上に、労働組合がないうえ、組合結成の動きがあれば社員を即刻解雇するなどの不当労働行為が後を絶たない[9]。

『WAL-MART 世界一の巨大スーパーの闇』というドキュメンタリー映画で種々の不正や各地での新規出店阻止活動の成功が紹介された。それにより評判が落ちた為、改善された部分が多い[10]。

2009年8月30日には、中国江西省景徳鎮市にあるウォルマートの従業員5人が、万引きした疑いのある女性をリンチし殺害する事件が起きている[11]が、この女性が実際に万引きを行ったのかは明らかになっていない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88

米国の格差社会を象徴するウォルマート 2008-11-01


最近、ここの話題(私の興味)の中心が起業よりも、経済問題にシフトしてしまった。いずれ起業ネタに回帰する予定なので、今しばらくご容赦を。

そんな中、米国経済危機への理解を深めたいという思いから、クルーグマンの「格差はつくられた」を読んだ。第一の感想は「まあノーベル経済学賞を取るような先生でも、結構おやぢ系週刊誌のようなことを書くのね。なんか完全に民主党の宣伝マンだな」ってところだった*1。

米国人にはセンセーショナルなのかもしれないけど、日本人が読むと陰謀論っぽく感じる箇所も多くて、そういった点で微妙に書評してオススメするレベルには届かない本だったけど、いくつかの章では具体的な事例も示されていて、今の米国が超格差社会であるというところは理解を深めることができた。

そんな同書の役立つ部分の中で、自動車産業との対比でウォルマートの平均年収の話が出ていた。社会格差考という面でも、また経営的な視点でも気になったので探してみたら、ちょっと古いけど、米国の格差社会を象徴するようなデータが見つかったので、紹介したいと思う。


米ウォルマート 役職別平均年収(2001年)

役職 従業員数(人) 構成比 女性比率 男性($) 女性($) 平均($)

リージョナル・バイスプレジデント 39 0.02% 10% 419,400 279,800 405,500
ディストリクト・マネジャー 508 0.21% 10% 239,500 177,100 233,300
ストア・マネジャー 3,241 1.36% 14% 105,700 89,300 103,500
アシスタント・マネジャー 18,731 7.86% 36% 39,800 37,300 38,900
マネジメント・トレイニー 1,203 0.50% 41% 23,200 22,400 22,900
デパートメント・マネジャー 63,747 26.73% 78% 23,500 21,700 22,100
セールス・アソシエート 100,003 41.94% 68% 16,500 15,100 15,600
キャッシャー 50,987 21.38% 93% 14,500 13,800 13,900

合計or平均 238,459 100.00% 73% 27,783 17,777 20,563

※従業員数はフルタイマー、年間平均サラリーにはボーナスを含む。


「元資料:Richard Drogin, No way to treat a lady ?, Business Week, Mar 3,2003」を元にした日経BPの記事の表を孫引き後に、「合計or平均」の行と、「構成比」「平均($)」の列を計算して追加。

単位はドル。最近は1$がほぼ100円なので計算が楽でいい。以下、それで計算する。

まずウォルマート全体の平均年収が205万円程度と、第3次産業だからなのかもしれないけど、米国を代表するような大企業ながら給与水準はかなり低い。安く売るという信念を持った企業だが、従業員給与も安く抑えられているのだ。

この表からはフルタイマーにおける男女差別も明確に見て取れる。それは問題だけど、あまり得意な話題じゃないので誰かに譲るとして、私が一番主張したいのは驚くべき上位マネージャーとワーカーの格差だ。

アシスタントマネージャー389万円から、ストア・マネジャー1035万円への格段の開き。これが超合理主義の行く末ということだろう。よく、米国の格差について、大企業のCEOの報酬が異常に多いという話しを聞くが、そんな雲上人レベルではなく、もっと身近なところに大きな格差が存在するのだ。

そして、ストア・マネジャー以上の構成比は、1.59%とかなり低いため、ウォルマート全体の平均年収が205万円程度となる。正直言って起業を目指すにしても、こういった状況で稼ぐ会社は目指したくないし、以前に正規雇用を増やすイノベーション、正規雇用を減らすイノベーションというエントリーを書いたけど、こういった事例を見ると「薄給フルタイマーを増やすイノベーション」についても考えた方が良いような気がする。


実際に規制がない社会においては、ウォルマートが最強で、既存の中小スーパーなどの小売店を倒産に追い込み、消費者には安くて良いものを提供しつつも、自由市場の覇者として「薄給フルタイマー」を増やしているということだ。日本社会においてはパートタイマーや非正規雇用者という部分が大きいと思うけど、同じ方向を向いているような気がして怖い。

私の政治的信念のポジションって上手く説明できないのだけど、この部分を上手く対処しないと、下記OECDのレポート(PDF)に書かれているように、せっかく縮小した日本の格差が再び拡大する可能性が高いと思う。結局は適切な労働組合ということになるかもしれないけど、なんらか高収益成長企業の労働分配率を高める規制が必要だと思う。
http://www.oecd.org/dataoecd/45/58/41527388.pdf
http://d.hatena.ne.jp/T-norf/20081101/Walmart


45. 中川隆 2014年1月12日 10:18:37 : 3bF/xW6Ehzs4I : 2D6PkBxKqI


食糧安保とグローバルビジネス


現在の日本の状況をおおづかみに表現すれば、「過経済化」という言葉で形容することができる。

すべての政策や制度の適否が「収益」や「効率」や「費用対効果」という経済用語で論じられている事態のことである。

経済を語るための語彙を経済以外の事象、例えば政治や教育や医療のありかたについて用いるのは、用語の「過剰適用」である。

むろん、ある領域の術語やロジックがそれを適用すべきでない分野にまで過剰適用されることは、歴史的には珍しいことではない。過去には宗教の用語がそれを適用すべきではない分野(例えば外交や軍事)に適用されたことがあった(十字軍がそうだ)。政治の用語がそれを適用すべきではない分野(例えば文学)に適用されたことがあった(プロレタリア文学論というのがそうだ)。

人間はそういうことをすぐにしてしまう。それは人間の本性であるから防ぎようがない。私たちにできるのはせいぜい「あまりやりすぎないように」とたしなめるくらいのことでだけある。

「神を顕彰するための建築を建てよう」というのは宗教の過剰適用ではあるが、まずは常識的な企てである。「神を顕彰するために、異教徒を皆殺しにしよう」というのは常識の範囲を逸脱している。どちらも過剰適用であることに変わりはないのだが、一方は常識の範囲で、他方は常識の範囲外である。

どこに常識と非常識を隔てる線があるのか、いかなる原理に基づいて適否を判断しているのか。そういうことを強面で詰め寄られても、私に確たる答えの用意があるわけではない。

常識と非常識の間にデジタルな境界線は存在しない。にもかかわらず、私は神殿の建築には反対しないが、異教徒の殲滅には反対する。

これを「五十歩百歩」と切り捨てることは私にはできない。この五十歩と百歩の間に、人間が超えてはならない、超えることのできない隔絶があるからである。私はそう感じる。そして、その隔絶を感知するセンサーが「常識」と呼ばれているのだと思う。私たちはこの隔絶を感じ取る皮膚感覚を備えている。

その話を聞いて「鳥肌が立つ」ようなら、それは非常識な話なのだ。

今日本社会で起きている「過経済化」趨勢はすでに常識の範囲を大きく逸脱している。それは見ている私の鳥肌が立つからわかる。そういう場合には「もういい加減にしたらどうか」と声を上げることにしている。

すでに経済はそれが踏み込むべきではない領域に土足で踏み込んでいる。大阪の市長は「地方自治体も民間企業のように経営されなければならない」と主張してメディアと市民から喝采を浴びた。

だが、よく考えて欲しい。行政の仕事は金儲けではない。集めた税金を使うことである。もし採算不芳部門を「民間ではありえない」という理由で廃絶するなら、学校もゴミ処理も消防も警察も民営化するしかない。防災や治安を必要とする市民は金を払ってそれらのサービスを商品として購入すればいい(アメリカにはそういう自治体がもう存在している)。そういう仕組みにすれば行政はみごとにスリム化するだろう。でも、それは金のない市民は行政サービスにもう与ることができないという意味である。

学校教育も経済が踏み込んではならない分野である。だが、「教育コンテンツは商品であり、教員はサービスの売り手であり、子供や保護者は消費者である、だから、消費者に選好される商品展開ができない学校は市場から淘汰されて当然だ」と考える人たちが教育についての言説を独占して久しい。彼らにとって学校は教育商品が売り買いされる市場以外の何ものでもない。学校教育の目的は「集団の次世代を担うことのできる若い同胞の成熟を支援すること」であるという常識を日本人はもうだいぶ前に捨ててしまった。

医療もそうである。金になるから医者になる、金になるから病院を経営する、金になるから薬品を開発する。そういうことを平然と言い放つ人たちがいる。傷ついた人、病んだ人を癒やすことは共同体の義務であり、そのための癒しの専門職を集団成員のうちの誰かが分担しなければならないという常識はここでももう忘れ去られつつある。


農業も「過経済化」に吹き荒らされている。

最初に確認しておきたいが、食糧自給と食文化の維持は「生き延びるための人類の知恵」であって経済とは原理的に無関係である。

農業が経済と無関係だというと驚く人がいるだろう。これは驚く方がおかしい。農業は「金儲け」のためにあるのではない、「生き延びる」ためにある。今の農政をめぐる議論を見ていると、誰もがもう農業の本質について考えるのを止めてしまったようなので、その話をしたい。

人類史を遡ればわかるが、人類が農業生産を始めたのは、「限りある資源を競合的に奪い合う事態を回避するためにはどうすればいいのか」という問いへの一つの解としてであった。

農業はなによりもまず食資源の確保のために開発されたのである。

食糧を集団的に確保し、生き延びること。それが農業生産のアルファでありオメガであり、自余のことはすべて副次的なものに過ぎない。

食糧を、他者と競合的な奪い合いをせずに、安定的に供給できるために最も有効な方法は何か?

人類の始祖たちはそこから発想した。

最初に思いついた答えはまず食資源をできるだけ「散らす」ということだった。小麦を主食とする集団、イモを主食とする集団、トウモロコシを主食とする集団、バナナを主食とする集団・・・食資源が重複しなければ、それだけ飢餓のリスクは減る。

他人から見ると「食糧」のカテゴリーに入らないものを食べることは食資源の確保にとって死活的に重要なことである。自分たちが食べるものが他集団の人々からは「ジャンク」にしか見えないようであれば、食物の確保はそれだけ容易になる。お互いに相手の食べ物を見て「よくあんなものが食える」と吐き気を催すようであれば、食糧の奪い合いは起こらない。他者の欲望を喚起しないこと、これが食資源確保のための第一原則である。

食資源確保のための次の工夫は「食えないものを食えるようにすること」であった。不可食物を可食的なものに変換すること。水にさらす、火で焼く、お湯で煮る、煙で燻す・・・さまざまな方法を人間は開発した。

それでも同じような生態系のうちに居住していれば食資源はいやでも重複する。その場合には競合を回避するために、人々は「固有の調理法」というものを作り出した。調理はもともとは「不可食物の可食化」のための化学的操作として発達した。だから、「できるだけ手間を掛けずに可食化する」ことがめざされたわけであるが、人々はすぐにできるだけ手間を掛ける方が調理法としてはすぐれているということに気づいた。「ジャンク化」と同じアイディアである。特殊な道具を用いて、特殊な製法で行わない限り、可食化できない植物(例えば、とちの実)は、その技術を持たない集団からみれば「ただのゴミ」である。「ただのゴミ」には誰も手を出さない。

主食の調味料に特殊な発酵物を用いる食習慣も同じ理由で説明できる。発酵物とはまさに「それを食用にしない集団から見れば腐敗物にしか見えない」もののことだからである。

食文化が多様であるのは、グルメ雑誌のライターたちが信じているように「世界中の美食」に対する欲望を駆動するためではない。まったく逆である。他集団の人からは「よくあんなものが食える(気持ち悪くてゲロ吐きそう)」と思われるようなものを食べることで他者の欲望を鎮め、食糧を安定的に確保するために食文化は多様化したのである。

農業について考えるとき、私たちはつねに「何のために先人たちはこのような農作物を選択し、このような耕作形態を採用したのか」という原点の問いに戻る必要がある。

原点において、農業生産の目的はただひとつしかない。それは食資源の確保である。それだけである。そして、人類の経験が教えてくれたのは、食資源の確保のためにもっとも有効な手立ては「手元に潤沢にある(そのままでは食べられない)自然物」を可食化する調理技術を発達させることと、「他集団の人間が食べないもの」を食べること、この二つであった。


現在の日本の農政はこの原点から隔たること遠い。

TPPが目指すのは「手元にない食資源」を商品として購入すること、食文化を均質化することだからである。

世界中の70億人が同じものを、同じ調理法で食べる。そういう食のかたちを実現することが自由貿易論者の理想である。そうすれば市場需要の多い商品作物だけを、生産コストが安い地域で大量生産して、莫大な収益を上げることができる。

原理的には、世界中の人がそれぞれ違う主食を食べ、調理法を異にし、他文化圏から輸出されてくる食物を「こんなもの食えるか」と吐き出すというありようが食の安全保障(つまり70億人の延命)という点からは最適解なのだが、グローバル経済はそれを許さない。「全員が同じ食物を競合的に欲望する」というありようがコストを最小化し、利益を最大化するための最適解だからである。

例えば、世界中の人間が米を食うようになれば、最低の生産コストで米を生産できるアグリビジネスは、競合相手を蹴散らして、世界市場を独占できるし、独占したあとは価格をいくらでも自由にコントロールできる。自前の食文化を失い、「市場で商品として売られているものしか食えない」という規格的な食生活にまず人類全体を追い込んでおいて、それからその商品の供給をコントロールする。人々が希少な単一食資源を奪い合い、「食物を手に入れるためには金に糸目をつけない」という世界こそ、アグリビジネスにとっては理想的な市場のかたちなのである。

だから、グローバル経済はその必然として、世界中の食生活の標準化と、固有の食文化の廃絶という方向に向かう。これを「非人間的だ」とか「反文明的だ」批判しても始まらない。ビジネスというのはそういうものなのだからしかたがない。アグリビジネスは目先の金に用事があるだけで、人類の存続には特別な関心がないのである。

私が農業について言っていることはたいへんシンプルである。それは、人間たちは「金儲け」よりもまず「生き延びること」を優先的に配慮しなければならないということである。生き物として当たり前のことである。その「生き物として当たり前のこと」を声を大にして言わないといけないほど、私たちの社会の過経済化は進行しているのである。

これまで人類史のほぼ全時期において、食糧生産は金儲けのためではなく、食資源を確保するために行われてきた。でも、今は違う。人々はこんなふうに考えている。食糧の確保のことは考えなくてもいい(金を出せばいつでも市場で買えるのだから)。それよりも、どういうふうに食糧を作れば金になるのかをまず考えよう。だから、「食糧を作っても金にならないのなら、もう作らない」というのが正しい経営判断になる。

だが、これは国内市場には未来永劫、安定的に食糧が備給され続けるという予測に基づいた議論である。こんな気楽な議論ができる国が世界にいくつあるか、自由貿易論者たちは数えたことがあるのだろうか。

21世紀の今なお世界では8億人が飢餓状態にある。「費用対効果が悪いから」という理由で食糧自給を放棄し、製造業や金融業に特化して、それで稼いだ金で安い農作物を中国や南米から買えばいいというようなことを考えられる人は「自分の食べるもの」の供給が停止するという事態をたぶん一度も想像したことがない。日本の国債が紙くずになったときも、円が暴落したときも、戦争が起きてシーレーンが航行不能になったときも、原発がまた事故を起こして海外の艦船が日本に寄港することを拒否したときも、食糧はもう海外からは供給されない。数週間から数ヶ月で日本人は飢え始める。それがどのような凄惨な光景をもたらすか、自由貿易論者たちは想像したことがあるのだろうか。たぶんないだろう。

彼らにとって食糧は自動車やコンピュータと同じような商品の一種に過ぎない。そういうものならたとえ輸入が止っても、それはむしろ在庫を高値で売り抜けるチャンスである。でも、食糧はそうではない。供給量があるラインを割った瞬間に、それは商品であることを止めて、人々がそれなしでは生きてゆけない「糧」というものに変容する。

たいせつなことなので、もう一度書く。食糧は供給量があるラインより上にあるときは商品としてふるまうが、ある供給量を切ったときから商品ではなくなる。そういう特殊なありようをする。だから、食糧は何があっても安定的に供給できる手立てを講じておかなければならないのである。食糧を、他の商品と同じように、収益や効率や費用対効果といった用語で語ることは不適切であり、それに気づかずビジネスの用語で農業を語る風儀を私は「過経済化」と呼んでいるのである。

同胞が飢えても、それで金儲けができるなら大歓迎だと思うことをグローバルビジネスマンに向かって「止めろ」とは言わない(言っても無駄だ)。でも、お願いだから「日本の農業はかくあらねばならぬ」というようなことを言うのだけは止めて欲しい。他は何をしてもいいから、農業と医療と教育についてだけは何も言わないで欲しい。
http://blog.tatsuru.com/2013/12/30_1249.php


46. 中川隆 2014年11月20日 10:53:53 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

【佐藤健志】米農務省のスゴい報告書 佐藤健志 2014/11/19
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/11/19/sato-20/

11月13日、日本農業新聞が興味深い記事を配信しました。

TPP合意で2025年までに関税が完全撤廃された場合、参加12ヶ国の農産物貿易がどう変わるかについて、アメリカ農務省が予測をまとめ、報告書を出したそうです。

農産物貿易全体の伸びは85億ドル(記事によれば、これは1ドル=116円のレートで計算されています)。
そのうち28億ドルはアメリカの輸出増加分になるとか。

で、日本の輸出増加分は?
わずか8300万ドル。
1億ドルにも達しないのです!

逆に日本の輸入増加分は58億ドル。
全体の7割に達します。
良いこと何もなし、という感じの結論ですが、注目すべき点はここから。

こんな予測を展開しているにもかかわらず、同報告書は、TPPによる関税撤廃が日本農業にもたらす影響について、非常に低く見積もっているのです。
コメの生産額減少は3%、砂糖で2%。
ちなみに日本政府の予測では、前者は32%、後者は100%(すなわち全滅)となっています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141113-00010003-agrinews-pol&p=1

要するに「関税撤廃しても大した影響はないのだから、TPPに合意しろ」という話。
ツジツマが合っていないというか、かなり無理矢理なものを感じるのは、私だけではないでしょう。

当該の記事には、鈴木宣弘・東京大学大学院教授のコメントも添えられていますが、鈴木さんも「域内の農産物輸入増加分の7割を日本が負担する『一人負け』なのに、国内生産はほとんど減らないという試算は極めて恣意(しい)的である」と語っていました。

しかしここに、アメリカのアメリカたるゆえんがある。
つまりあの国は、「フロンティアの無法者」なんですね。

無法者とは「法律を破る存在」と思われがちですが、それは安定した法秩序が確立されているときの話。
これから開拓される未開の地、つまりフロンティアには、安定した法秩序がそもそも存在しないのです。

ならば、そこで無法者はどう振る舞うか?
お分かりでしょう。
自分の都合に合わせて、法秩序(のごときもの)を構築しようとするのです。

フロンティアにおいて、これは必ずしも悪いこととは限らない。
何もルールがないよりは、とりあえずルールがあったほうがマシ、ということは十分ありえます。

そしてアメリカは、移民がフロンティアを開拓することでつくった国。
同国の作家ノーマン・メイラーは、フロンティア開拓の教訓として「無法者のほうが保安官より大きな価値を持つ」を挙げていますが、アメリカの行動を理解するうえで、これは非常に参考になります。

アメリカとは、
「既成の法秩序をよりどころにして、周囲に影響を及ぼそうとする存在」(=保安官)のようにではなく、
「新しい法秩序(のごときもの)をつくることで、周囲に影響を及ぼそうとする存在」(=無法者)のように振る舞いやすい国なのです。
TPPのような経済的グローバリズムの追求も、こう考えると本質が見えてくるのではないでしょうか。

ただしアメリカ人に「フロンティア」と見えるものが、本当に「未開の地」とは限らない。
西部開拓にしても、同国の先住民、いわゆるインディアンを滅ぼしてゆく過程だったのです。
とはいえ「無法者のほうが保安官より大きな価値を持つ」と考える人々にとり、こちらの側面は(なかなか)目に入りません。
目に入ったとしても、「望ましい秩序をつくるうえでの必要なコスト」として片付けられる恐れが強い。

農務省報告書にうかがわれる無理矢理ぶりは、その意味でアメリカの本質をよく表しています。
アメリカはフロンティアの無法者。
TPPに限らず、同国との関わり方を考えるうえで、この点を踏まえておくことは重要な意味を持つはずです。

アメリカの本質について、さらに知りたい方はこちらをどうぞ。
http://amzn.to/1lXtL07

現在の同国がどうなっているかはこちらをどうぞ。
http://chokumaga.com/magazine/free/152/9/

ではでは♪(^_^)♪

佐藤健志ブログ「DANCING WRITER」はこちら!
http://kenjisato1966.com

ツイッターはこちら!
http://twitter.com/kenjisato1966

PS
消費増税が日本に与えた本当のダメージとは?
http://youtu.be/FYzYGcCtZpI


47. 2014年11月27日 12:04:07 : 3tFnwbjwpk
中川隆・・・お前が云うな!お前は散々人様の投稿をかき乱した張本人ではないか!

お前のようなゲロゲロガエルやケツ舐め馬鹿が変に開き直った投稿をするな!

聴く耳を持たぬは!うせろ!


48. 中川隆 2014年11月28日 10:03:24 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

TPPに入ると日本もこうなる:

アメリカを心底恐怖させた国ソ連は消滅しました。

この時、アメリカ政府は、今後のロシアをどのようにしたらいいだろうかと考えました。

 心優しい日本人であれば、「経済危機に陥っているロシアに支援を送る」とかなんとか善意に基づいた行動をとるでしょう。

 しかし、「普通の国」アメリカはもちろんそのようなことは考えない。

これは当然、

「ロシアが二度とアメリカに反抗できないよう、この国を破壊し尽くそう」

と考えた。


 アメリカは国際通貨基金(IMF)を通して、ロシアに「改革のやり方」を伝授した


 まず「政府による経済管理の廃止」。

貿易が自由化され、西側の優れた製品がロシア市場になだれ込み、ロシアの国内産業は壊滅した。

 次に「価格の全面自由化」。

国内産業が駆逐され、輸入に頼るしかない状況で、ロシアの通貨ルーブルは急落し、国内はハイパーインフレーションに見舞われた。

改革がスタートした92年のインフレ率はなんと2600%、
GDP成長率はマイナス14.5%。ロシア経済はアメリカの思惑通り破綻した。

 さらに大規模な「民営化」。

国有財産はそれを今、手元に持つ人の所有となった。アパートの住人は、アパートの所有者となった。

そして国有石油会社のトップは、その会社をほとんど無料で手に入れた。

ここから生まれた新興財閥はエリツィン政権に賄賂を送って、税金をほとんど免除してもらった。当然、国家財政は大幅な赤字に転落した。
http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/218.html


49. 中川隆 2015年5月07日 16:49:02 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

大企業による大企業のための農業改革  鈴木宣弘

5月 7th, 2015 by 月刊日本編集部
http://gekkan-nippon.com/?p=6810

食の戦争 米国の罠に落ちる日本 (文春新書) 新書 – 2013/8/21 鈴木 宣弘 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166609270/gekkannippon-22


大企業の、大企業による、大企業のための農業改革

―― 安倍政権は農業に市場原理を導入する農協改革法案を閣議決定しました。これは、昨年5月に規制改革会議の農業ワーキングループが提出した「農業改革による意見」に基づいています。そのメンバーは大企業の役員です。また産業協力会議の農業分科会では、前ローソン社長の新浪剛志氏が主査を務めています。


鈴木 そもそも、この農協改革は誰のため、何のためにやるのか。その内容を見れば一目瞭然です。「今だけ、カネだけ、自分だけ」という私利私欲に塗れた大企業の、大企業による、大企業のための農業改革だと結論せざるをえません。これは「大企業が儲かる農業」をつくるために、農協や農家を中心とする「大企業が儲からない農業」をぶち壊すという改革なのです。

 安倍総理は「もはや、農政の大改革は、待ったなしであります。何のための改革なのか。強い農業を創るための改革。農家の所得を増やすための改革を進めるのであります」と謳っていますが、農家を殺そうとしているとしか思えない。農産物の販売価格と生産コストの赤字を補てんする「戸別所得補償制度」は撤廃する、減反政策を転換して米価は戦後最低水準に暴落する、農家を国際競争に晒すTPP参加を目指す、これで農家が潰れないわけがないではありませんか。

 安倍総理は「日本は瑞穂の国です。息を飲むほど美しい棚田の風景、伝統ある文化。若者たちが、こうした美しい故郷を守り、未来に『希望』を持てる『強い農業』を創ってまいります」と謳いながら、稲作を至難の業にし、コメ農家を窮地に追い詰め、コメ農家の後継者を絶望させているではありませんか。

 結局、安倍総理は本音では99%の農家は潰れてもいい、1%の企業の農業事業が儲かればいいと思っているのでしょう。「農家の所得を増やす」といいますが、その「農家」とは既存の農家ではなく、農業に参入した企業のことだというにすぎません。

 安倍政権は農家の所得を増やすために農業の効率化、具体的には農地の集積化を進めています。要は、企業に平場の良い農地を使わせて「強い農業」を創るということです。現に「農業特区」として新潟市の国家戦略特区でローソンファームが農業に参入しています。

 このような企業の農業参入と並行して、農地転用の規制を緩和する地方分権一括法案、地方再生改正法案が閣議決定されています。さらに農水省の反対で断念したものの、企業の農業生産法人に対する出資比率を25%から50%超に緩和して、実質的に企業の農地保有を解禁する戦略特区改正法案も閣議決定する方針でした。

 安倍政権は農協・農家を犠牲にして企業が儲かる農業を目指しているわけですが、しかし、TPPに参加すれば企業の農業も潰れます。政府の全面的な支援をうけている外国の農業に一企業が勝てるはずがないからです。結局、企業は一時的に農業で稼いで、それができなくなったら農地を転用するなり売却するなりして利益を得ることになるでしょう。安倍政権の農業改革は「大企業が稼げる農業」かつ「大企業が稼げる不動産業」の二段構えだということです。日本農業はこうして滅びるのです。


「協同」を否定し「競争」を肯定する改革

―― 農協改革案について具体的に伺えますか。

鈴木 農協改革は、「協同」ではなく「競争」で農業をやるのだという発想に貫かれています。その具体的な内容は、

@JA全中の指導・監査の撤廃および一般社団法人化、

AJA全農の株式会社化

という二本柱です。

 まずJA全中の改革、これは各農協の自立を促すためだと言われていますが、本当の狙いはTPPに反対する「抵抗勢力」である農協を潰すことです。JA全中という司令官を解体すれば、JAグループの結集力がなくなり、組織的抵抗ができなくなります。TPP交渉が大詰めを迎えるなかで、抵抗勢力を片付けたということです。そしてTPPに参加して日本農業は競争に晒されます。

以下全文は本誌5月号をご覧ください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00TIVAXEA/gekkannippon-22


50. 中川隆[2870] koaQ7Jey 2016年6月13日 15:33:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3151]

418 : 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん 2016/06/13(月) 06:50:47.04 ID:BYXUwgLy

                          
TPPなんだが、こういうのって、19世紀にもあったような話で、大英帝国の世界支配で、アジア各国の経済がガタガタにされたわけです。

イギリスは、ビルマに米を大量生産させて、その米を自分の支配する各国に輸出させる。

それぞれの各国では、食料生産はさせずに、商業作物の生産に専念させる。

これで、スリランカは食料が自給できない国になってしまった。代わりに作っているのは紅茶です。 でも、紅茶の売買はリプトンの支配下にあるので、いくら作っても豊かになれない。

フィリピンはバナナとパイナップルばかり作らされて、自分の食い物が作れない。

ユダ金の支配下にある植民地はみんな、モノカルチャーで困っている。
儲かるのはユダ金だけ。


19世紀に散々、世界中を食い荒らして、いい加減、みんな懲りただろw

世界で一番生産費の安いところに肉を作らせ、あるいは自動車を作らせ、それをユダヤ人が売り買いして儲けるという仕組み。

各国で自立して経済を動かされては、ユダ金の入り込む余地がないw

典型的なのが、農協w 
日本の田舎では、金融から流通まで全てを農協が独占している。
それを開放しろ、というのがTPPだ。


結果として、日本では米が作れなくなる。
安いカリフォルニア米を輸入しろ、という話になる。
日本の農民が食えなくなっても、知ったこっちゃない


51. 中川隆[3318] koaQ7Jey 2016年7月17日 15:14:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3669]

モンサントは、いかにして政府規制当局に侵略し、占領し、今や支配しているのか
Ethan A. Huff Natural News 2016年7月12日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-a635.html

一体なぜ大企業が、アメリカ政府に対し、これほどの支配力をふるっているように見えるのか、不思議に思われた際、アメリカ政府で、一体誰があらゆる決定をしているのか以上のことはお考えにならなかったのではあるまいか?

より重要なのは、こうした連中の多くが、最高政府機関で、居心地良い幹部の地位を与えられる前に、一体どこで働いていたのかだ。

司法省(DoJ)、食品医薬品局(FDA)や、環境保護庁(EPA) などの各機関の、多数の上級顧問、局長、裁判官、理事など、幹部をつとめる人々、全員にある共通点があることを知れば、皆様驚かれるかも知れない。

モンサントなどの多国籍企業で重役をつとめていたことだ。

下図は、何十年も昔に遡る、モンサントと連邦政府との間で自由に行き来する回転ドア関係を示している。

皆様は、おそらくリスト上の多くの名前はご存じだろうが、納税者の税金で食べる重要な権限の役職につく前に、こうした連中がモンサントで働いていたり、同社の権益を擁護したりしたことについては、全くご存じない可能性がある。

保守派政治家もリベラル政治家も、モンサントとの協力という実績を共有している。

ドナルド・ラムズフェルドは、たぶん、すぐにお気づきになる最も著名な名で、このジェラルド・フォードと、ジョージ・W・ブッシュの下で国防長官をつとめた人物は、9/11の後“対テロ戦争推進で活躍した”ブッシュ政権の主要な戦争屋の一人として記憶されている。

ラムズフェルドも、やはり、後にモンサントと合併した医薬品会社G.D. Searleの元CEOだった。

リストにあるもう一人の有名な、おそらく皆様が驚かれる名前は、大半の物事に対する極右姿勢とされているもので、多くの保守派の尊敬を得ている元アメリカ最高裁判所判事クラレンス・トーマスだ。トーマスは、元モンサント弁護士で、負けた側のアル・ゴアから異議申し立てがあった2000年大統領選挙の票の数え直し要求を却下し、ジョージ・W・ブッシュを有利にする決定的投票をした人物だ。

FDA副長官の職を最近辞任したマイケル・テイラーも、同社の権益のために、7年間奮闘したモンサントの元弁護士だ。テイラーも、モンサントのワシントンD.C.事務所長をつとめたが、モンサントのような企業の活動を規制するFDAの業務を考えれば、明らかな利益相反だ。

EPA初代長官ウィリアム・D・ラックルサウスも、同社重役をつとめたモンサントの手先だ。ラックルサウス、1970年に長官に任命され、後には、連邦捜査局 (FBI)長官代行に出世し、更には司法省副長官の地位にのぼりつめた。

EPAは、おそらく皆様もご存じの通り、大企業が製造した化学物質の規制に甘いという評判だが、理由はご存じだろうか?

この機関は、最初から、モンサント工作員連中によって、環境保護ではない、全く別の狙いを推進するよう誘導されてきたのだ。


他の重要な連中には、下記の人々がいる。

•モンサント弁護士で、モンサント役員をつとめ、1992年には、クリントン-ゴア選対委員長をつとめた、マイケル・カンターは、1993年から1996年まで、アメリカ通商代表をつとめ、1996年から、1997年まで商務長官をつとめた。

•安全性を保証する証拠が欠如していたにもかかわらず、遺伝子操作された成長ホルモンrBGHを商業的に認可させるのを監督していたモンサントの首席科学者、マーガレット・ミラーは、1991年に、FDA副長官に任命された。

•モンサント子会社のクロップライフ・アメリカ元副社長のイスラム・サディキは、後にアメリカ通商代表部の首席農業交渉官に任命された。

•モンサント・バイオテクノロジー子会社カルジーン元重役、アン・ヴェネマンは、2001年に、アメリカ農務長官に任命された。

•元モンサント主席法律顧問、ルーファス・ヨークサは、1993年に、世界貿易機関のアメリカ副本部長任命された。

•14年間、モンサントCEOを勤めた、リチャード・J・マホニは、アメリカ・ソ連・日本韓国の貿易協議会の議長と、アメリカ政府貿易政策委員会メンバーとして働いた。

記事原文のurl:
http://www.naturalnews.com/054636_Monsanto_federal_regulators_corporate_collusion.html


52. 中川隆[3328] koaQ7Jey 2016年7月18日 10:19:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3679]

日本の食と農業がモンサントに支配されます 安田節子
http://gekkan-nippon.com/?p=5356
http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/604.html


種子を独占するモンサント  安田節子 2013/7/2


モンサント社員が食べないGM食品


―― 安田さんは『自殺する種子』(平凡社)で、遺伝子組み換え(GM)食品の安全性と米モンサント社による食の支配に警鐘を鳴らしています。


安田 GM食品は安全性が確認されていないにもかかわらず、世界中で食べられているのが現状です。GM食品が人体にどのような影響を及ぽすかは明らかになっていません。

 GM食品が登場したのは1996年です。同年11月から、アメリカは世界中にGM大豆の輸出をはじめました。アメリカはバイオテクノロジーによる生物特許を背景に、世界の農業や食を支配するという国家戦略に基づいて、GM作物を広めています。

 その中心はモンサントという企業です。モンサントはかつてベトナム戦争において、ベトナムを汚染した枯葉剤を開発した化学メーカーだったのですが、その後農業バイオテクノロジー分野に進出してGM作物の開発を展開。さらに種子会社の買収を繰り返し、現在では世界の種子市場でシエア1位を誇る独占的企業です。

 モンサントは(パパ)ブッシュ大統領のバイオテクノロジー産業をバックアップする規制緩和、すなわち GM食品は規制しないという方針のもと、無規制同様の形だけの安全性評価を採用させました。こうして非常に杜撰な安全基準を元に、GM大豆が輸出されていったのです。

 しかし、GM食品の危険性を誰よりもよく知っているのは他ならぬモンサント社員です。驚くべきことに、 英国モンサント社の社員食堂ではGM食品不使用が掲げられているそうです[注1]。彼らは世界中に「GM食品は安全だ」と言っておきながら、自分たちは食べたくないのです。

 それなのに第三者によるGM作物の安全性の研究には、実験用のGM種子の提供を拒むことはもとより数々の妨害を行っています。以下、モンサント社の圧力に 屈しなかった科学者の研究成果を紹介します[注2]。

 1998年、英ローウエット研究所のアーパッド・プシュタイ博士は、GMジャガイモの商品化を計画する英国政府の要請によりマウスへGMジャガイモを与える実験を行いました。その結果は、予想外の結果で、マウスの免疫力低下、脳・肝臓・睾丸の発育不全、胃腸の構造変化と細胞増殖が確認されたのです。

 ローウェット研究所はイギリス政府とモンサント社から研究資金が入っています。推進派に不都合なこの結果が握り潰されるまえに、プシュタイ博士は急きょ、テレビ番組に生出演して実験結果を明らかにし、「自分は絶対に食べない」「国民をモルモットにしてはならない」と警鐘を鳴らしました。その2日後、彼は研究所を解雇されました。

 2005年、ロシア科学アカデミーのエルマコヴァ博士は、メスのマウスに、妊娠中も出産後もGM大豆(モンサント社製)を給餌する実験をしました。

すると、仔マウスの生後3週間以内の死亡率は50%以上(通常の5〜6倍)という驚くべき結果が出ました。生き残った仔マウスには奇形・成長不全・凶暴性などが多く確認されました。さらに母マウスは妊娠する子どもの数が減り、産後の育児放棄が見られました。この研究はGM大豆を大量に食べている日本人に強く警鐘を鳴らすものです。

 2012年、仏カーン大学のセラリーニ博士を中心とする研究チームがGMトウモロコシ(モンサント社製)を与えた結果、高い発がん率や巨大な腫瘍が確認されました(次頁図[注3])。

さらに平均寿命前の死亡率はオス60%(通常の2倍)、メス80%(通常の4倍)という信じられない数値だったのです。


―― そもそもGM作物とは何なのですか。

安田 商品化されたもので最も多いのが、モンサントの除草剤「ラウンドアップ」に耐性がある「ラウンドアップレディ」(大豆、トウモロコシ、菜種、綿など)という作物です。

ラウンドアップは強力な除草剤で、雑草だけではなく作物まで枯れてしまうので、作物が生産されている時は使用できませんでした。しかしラウンドアップを浴びても枯れないように遺伝子操作を施されたラウンドアップレディならば育てられます。モンサントは「これなら除草の手間が省けますよ」という触れ込みで、ラウンドアップとラウンドアップレディをセットで販売しています。

 しかしラウンドアップは健康被害・環境破壊の危険性が指摘されています。GM作物の野外試験栽培が広い面積で行われているハワイ州では、大量の除草剤・殺虫剤を空中散布する農場の周囲で健康被害が多発しています。症状は白血病・皮膚障害・先天異常などです。農薬散布が始まると子どもたちが鼻血を出したり頭痛や目の痛みを訴えたりするので、小学校が休校になることも珍しくはありません。

 世界第3位のGM作物栽培国アルゼンチンでは、ラウンドアップの空中散布によって白血病・皮膚潰瘍・遺伝障害が多発し、住民に避難勧告が出されています。またラウンドアップ散布が盛んなサンタフェ州を調査したところ、同州では全国平均に比べ10倍の肝臓がん、3倍の胃がん・精巣がんの発生率が確認されました。2003年にはデンマークの研究所が、ラウンドアップは地下水汚染を引き起こすと発表しました。

 GM作物にはGM作物を食べることの危険性だけではなく、GM作物を作ることの危険性もあるのです。


種を支配するモンサント


―― モンサントはGM作物を通じて、どのようなビジネスをしているのですか。

安田 モンサントは種子を支配することで、莫大な利益を上げています。モンサントはGM作物の種子に特許権を持っています。種子を使用するためにはモンサントに特許料を支払う必要があり、無断で使用すれば罰せられます。種取りが特許権侵害という犯罪になってしまうのです。

 また特許権のついたGM種子は種子価格に特許料を上乗せしていますが、それに加えて特許種子から得た収穫物の売上に対して特許実施料(ライセンス料)も取り立てているのです。ブラジルでは500万軒もの農家が特許料の二重取りとして料金の返還を求めてモンサントを提訴しています。

 さらにモンサントらは農家に毎年種子を買わせるために、種取りを無意味にしてしまう「種子を自殺させる」技術を開発しました。作物に実った2代目の種子に毒を発生させ、自殺させる技術はターミネーター技術と呼ばれています。種子にターミネーター技術をプログラミングしてしまえば、農家の種取りは物理的に不可能になります。この悪魔の技術開発をしたことで、 モンサントは自らの正体が利益のためなら何でもする反社会的強欲企業であると世界に晒したのです。

 当然、世界中から強い反対の声が沸き起こり、モンサントらは「ターミネーター技術は応用化しない」と宣言しました。しかし、その後「食用では応用化しない」と言い変え、GM綿花での応用化を申請し、米農務省はGM綿花でのターミネーター技術の利用を認可しています。


―― モンサントは主に特許権でGM種子を管理している。

安田 それが損害賠償ビジネスに繋がります。モンサントは特許があるGM作物が無断で栽培されているとして農家に損害賠償を求める訴訟を起こすのです。

 その代表例がカナダの農家シュマイザー氏のケースです。1998年、モンサントは

「あなたの農場にわが社の特許作物が生えているのを確認した。特許侵害の賠償金を支払わなければ提訴する」

と通告しました。 シュマイザー氏は「身に覚えがない」と言って裁判を受けて立ちましたが、最高裁まで戦って敗訴しました。

この判例は、特許作物の種子が輸送中のこぼれ種によるものであろうと、鳥や虫、風に運ばれて自生したとしても、特許作物が生えていたら特許侵害にあたるという恐るべきものです[注4]。

 米食品安全センターの2007年の調査によれば、モンサントは特許侵害の和解で1億7000万〜1億8600万ドルを集めています。最高額はノースカロライナ州の農家から305万ドル。モンサントは損害賠償ビジネスを強化するために、年間1000万ドル・人員75名の訴訟部門を設置しています。

 さらにモンサントポリスと呼ばれる人員が、農家が特許を侵害していないかを監視しています。モンサントは探偵を雇うだけではなく、農家間の密告も奨励しています。その結果、地域共同体の人間関係がボロボロにされています。

 モンサントの種子を独占するビジネス手法は、もはやビジネスの域を超えています。これは農家を支配し、世界の食料を支配しようとしていると非難されても仕方ありません。


―― GM作物を栽培している農家は豊かになっているのですか。

安田 そうとは言えません。たとえばインドにはモンサント傘下のマヒコ社という種子企業があります。インドの農民は「害虫に強く、収穫量が増える」という触れ込みでマヒコ社のGM綿花を一斉に導入しました。 貧しいインドの綿花農民は借金をして高い特許料のかかったGM綿花の種子や肥料、農薬を購入しましたが、 結果は不作や値下がりに見舞われ、想定の利益が得られないことがしばしば起きました。

 その結果、インドでは負債は一代限りという法律があることもあり、多くの農民が自殺したのです。インド国家犯罪記録局の調査では、自殺した農家は 2002年から10年間で17万人に上っています。中にはラウンドアップを飲んで自殺するケースも少なくありません。


日本人はGM食品を避けられなくなる


―― TPPでGM食品はどうなるのですか。

安田 まずGM作物・GM食品によって食の安全・安心は崩壊するでしょう。現在、日本では大豆、トウモロコシ、ばれいしょ、菜種、綿実、アルファルファ、 てん菜、パパイヤの8種類でGM品種が認可されていますが、一応GMの表示義務があります。

 日本政府は、「GM食品表示を含め、食品の表示要件に関する日本の制度の変更が必要となる規定は設けられていない」と説明しています。しかし企業が政府を訴えることができるISDS条項によって、非GM食品の表示が訴訟の対象になる可能性があります。モンサントらが、「『遺伝子組み換え不使用』という表示は、 GM食品は良くないというイメージを消費者に植え付けている。不当な差別的貿易障壁だ」という理屈で日本政府を訴え、賠償金をとった上で表示規制を撤廃させる恐れがあります。

 また、TPPには「TBT(貿易の技術的障害)」という条項があります。ァメリカではGMの表示は不要ですから、日本の表示義務は「技術的障害」として撤廃を迫られる可能性があります。

 TPPが発効すれば、GMの表示規制は緩和・撤廃されるでしょう。消費者はどの食品がGMなのか判断できず、日本人はGM作物を避けることができなくなります。


―― 政府はTPP大筋合意の一部を「概要」として発表しました[注5]。

安田 市民グループが訳してくれた協定書を読みますと、多くの問題があります[注6]。たとえば、違法混入があってもGM作物貿易の中断を回避し、新規承認を促進するとされています。

 さらにGM作物に関する安全審査やGM表示の審議会にモンサントなど開発企業を参加させることになっているのです。安全規制や表示規制は骨抜きにされ、GM食品の流通が一気に拡大することは目に見えています。GM作物の輸出国であるアメリカの手前勝手なルールであり、GM食品の輸出拡大を狙うものです。

 しかし、何か問題があったとしても、国民は真実を知らされません。現在でもGM食品に関する審議会は「企業特許の秘密を守るため」という口実で非公開になっています。私たちは日本食品衛生協会で認可後に閲覧できる申請資料を見て、初めて詳細を知ることができるのですが、閲覧のみで複写も撮影も禁じられています。しかも資料には黒塗りの個所もあります。TPPが発効すれば、「知的所有権強化」を盾に閲覧資料は真っ黒になるのではないかと危倶します。

 「概要」は、利害関係者に審議会への参加を認めるのは、企業に対して「透明性」を確保するためだと謳っています。ですが、本当の利害関係者である国民に対する「透明性」は一顧だにされていません。審議会は企業には透明性があっても、国民にはブラックボックスです。この一事を以てしても、TPPの正体が企業の利益のために国民を犠牲にするものだということは明らかです。


―― その上で、どのようなGM食品が入ってくるのですか。

安田 いまモンサントは日本の関税撤廃・規制撤廃を視野に入れて、アメリカ国内でGM小麦やGM米の商業栽培を狙っていると思われます。すでにGM小麦は商品化が申請されています。

ただ、日本の小麦バイヤーは、アメリカでGM小麦の生産が始まれば、混入は避けられないので、GM・非GMを問わずアメリカの小麦は買わないという意思を示したため、アメリカの小麦生産者はGM小麦に反対し、アメリカ政府は認可していませんでした。しかし、日本でGM規制が緩和されれば、アメリカでGM小麦やGM米の生産が始まり、日本に輸出されることになるでしょう。

 モンサントは穀類だけではなく、GM野菜にも着手しています。また、モンサントではありませんが、GM果物の開発も加速しています。切っても茶色にならないリンゴやビタミンAを強化したバナナ、病気になりにくいオレンジなどです。

さらにGM動物まで開発されています。米アクアバウンティ・テクノロジーズ社は、なんとGMサケを開発したのです。これは成長ホルモンが出続けるように遺伝子操作したサケで、普通のサケの2倍の速度で成長します。出荷サイズになる飼育期間が半分で済むわけですが、出荷しないでいれば25倍の大きさにまで成長するそうです。

 ただ成長ホルモンが常時分泌し、細胞分裂が盛んなためがんのリスクに繋がるのではないかと指摘されています。GMサケはカナダとパナマの陸上に設置したコンクリートのプールで養殖されていますが、環境学者たちは、「万が一海に放流された場合、天然のサケが絶滅してしまうのではないか」と強く危慎しています。

 GMサケは2015年11月、米食品医薬品局(FDA) によって表示なしで食品として販売することが認められたのですが、同年12月、連邦議会上院はGMサケの表示を義務化し、表示制度がスタートするまで販売はしてはならないと決定しました。アメリカからの輸出は当面なさそうですが、カナダやパナマなどの他国を迂回して日本へ輸出される可能性は否定できません。


―― GM食品以外にも問題はあります。

安田 日本政府はTPP交渉と並行して、日米二国間協議を義務付けられ、こちらは合意済みです。その交換文書の「衛生植物検疫(SPS)」という項目には、「収穫前及び収穫後に使用される防カビ剤、食品添加物、ゼラチン、コラーゲンで合意した」と書かれています。

 つまり、「日本は国内で禁止している収穫後農薬(ポストハーベスト)を認めます。アメリカ並みに食品添加物を増やします。狂牛病の危険性がある牛由来のゼラチン、コラーゲンを認めます」ということです。安全性に疑問の残る食品がアメリカから日本へ雪崩れ込むことになると思います。

日本農業はモンサントに乗っ取られる


―― TPPで食の安心・安全は壊滅してしまいます。

安田 TPPは食の安全・安心だけではなく、日本の食料の安全保障そのものを崩壊させます。いま最も警戒すべきは、日本国内でのGM作物の生産開始です。今でも日本で流通を認められたGM作物は法的には生産できます。これまでも十勝など数か所で農家によるGM大豆の生産が試みられましたが、周辺農家や市民、県の農政課などの抵抗によって、何とかそれを阻止してきました。

 しかし現在、安倍政権の下で規制改革会議が企業の農地所有の規制緩和を進めています。国の後押しを背景に、企業が本気でGM作物の生産に乗り出せば、それを阻止することは困難になります。

 すでに国家戦略特区の「農業特区」に指定された兵庫県養父市では、外資系企業の農地所有まで認めています。モンサントが日本国内でGM作物を生産する日は、すぐそこまで来ているのです。GMの心配がないなど安全性が売りである「国産」のブランドも失われます。

 日本の農家は窮地に立たされます。関税撤廃で安く入ってくる輸人農産物だけではなく、国内の企業農業との競争に晒され、モンサントによる特許侵害の訴訟リスクも抱えます。たとえGM作物に乗り換えても、毎年種を買わされ、その度に特許料と特許実施料を払わされます。日本農家は破産するリスクが高い。

 そうなれば、モンサントを始めとする企業が廃業した農家の耕作放棄地を所有して、GM作物の栽培を加速させかねません。日本はハワイ同様、農地の回りに住居、学校、病院などが隣接しているため、近隣住民はラウンドアップなど農薬の多量の空中散布によって健康被害を受けることになります。空気、土や水、生物への環境汚染も進みます。こういう悪循環に陥る危険性は非常に高いと思います。

 日本企業も無事では済みません。モンサントが種子産業に乗り出したときは、1995〜2000年までのわずか5年間で、世界の50社以上の種子会社を買収しました。TPPによって外資によるM&Aの規制が緩和されれば、サカタやトキタなど馴染みのある日本の種企業が丸ごと呑みこまれてしまう危険性があります。

 TPPに参加すれば、日本は遅かれ早かれ、モンサントの種子支配体制に組み込まれるでしょう。ただでさえ日本は世界一の食料輸入国であり、アメリカは世界一の食料輸出国です。

そしてアメリカは食料を戦略物資と見なし、「食料はアメリカにとって最終兵器である」(1974年、CIAレポート)と考えています。

さらにモンサント社は日本の農業の種子を管理下に置こうとするでしょう。USTR(米通商代表部)のTPP農業主席交渉官には、元モンサントのロビイストが就任しているのです。

 日本政府は日本国内の食料を管理する権限、つまり「食料主権」をアメリカ政府・モンサントに差し出すことになります。


日本だけがGM食品を推進している


―― モンサントは恐ろしい企業です。

安田 実際、モンサントは「モン・サタン」と揶揄され、世界中から批判されています。2011年には、健康情報サイト「ナチュラル・ソサイエティー」から「人間の健康および環境の両方に脅威を与えている」として、「ワースト1企業」の熔印を押されています。2013年におこなわれた「反モンサント行進」には、世界中で200万人以上が参加しました。

 反モンサントの動きは民間に留まりません。EUは2014年にGM作物の栽培に関する判断を加盟各国に委ね、28か国中19か国が非GMを選択しました。ロシアもGM作物の栽培を禁止しています。また中国はアメリカ産トウモロコシの一部にGMトウモロコシが混入していたとして輸入拒否に踏み切り、アメリカにとって30億ドルの損害となりました。毎年230万トンの大豆を輸入している台湾政府はこのたび、学校給食全てにGM作物の使用を禁止しました。

 当のアメリカでさえ、GM食品に反対する機運が高まっています。アメリカ環境医学会は2010年に、GM食品のモラトリアムと安全性試験の実施、GM食品の表示義務化を求めるとともに、妊婦や幼児にGM食品を食べないように指導する必要があると指摘しています。また2013年にはハワイ州、バーモント州、メーン州など13州がGM食品の表示を義務づける州法を成立させています。

 世界的にGM作物に対する国家の規制が強まっているにもかかわらず、日本だけは世界の潮流に逆行する形で、モンサントの意向に沿ったアメリカの要求を唯々諾々と受け入れているのです。私たちはTPPに反対し、アメリカに「NO!」と言える政権を一日も早く作らなければなりません。


―― GMはTPPだけではなく世界全体の問題です。

安田 その通りです。そもそもGM作物を中心とする農業そのものが限界になりつつあります。

現在、ラウンドアップでも枯れない雑草が何十種類も生まれています。同じ薬剤を撤き続けるうち、雑草が耐性を獲得してしまうのです。そこでモンサントらはラウンドアップより強力な除草剤、それこそベトナム戦争で使われた発がん性の高い枯葉剤の使用を進めています。すでにこれらを浴びても枯れないGM大豆は日本で認可されています。

 強力な枯葉剤はしばらくは効きますが、やがて枯葉剤でも枯れない雑草が出てくるでしょう。こうして自然とのいたちごつこを繰り返している間に健康被害・環境汚染が進み、人間が住めなくなってしまう土地が増えるだけではないでしょうか。
 彼らには自然への畏れがありません。そもそも生命に特許を認めるという発想自体がおかしいのです。

 生命や遺伝子は神の領域です。科学者はヒトの遺伝子の配列を明らかにしましたが、何のためにあるのか分からない遺伝子が沢山ありました。その後、それら無用の長物だと思われていた遺伝子は、実は眠っているだけで、複雑な相互のネットワークのなかで必要な時に目を覚まして働くということがわかってきました。このことからも、モンサントらの「有用な遺伝子」を見つけて利用するという発想が、いかに薄っぺらな科学であるかが分かると思います。

 確かに生命の神秘を解き明かすために、人類は研究を続けるべきだという考えもあると思います。しかし現時点では人間に分からないことが多すぎます。そうである以上、GM食品を応用化し、生産したり、食べたりすることはあまりに時期尚早ですから、厳重に規制すべきです。

 遺伝子組み換え技術は原子力と同じように取り返しのつかない問題を引き起こします。人によって改変された遺伝子はその生物の次世代に伝わります。これから生まれてくる生命は永遠に穢されてしまうのです。 自然界を狂わせ、地球の生態系を歪めてしまうのです。だからこそ世界中の人々が反対しているのです。

大自然や生物の命に神聖な存在を感じ、これを畏れ尊んで共に生きてきた私たちの祖先たち。その感性を呼び覚まし、生命をモノのように私物化することは間違っていると反対の声を上げるべきです。


安田節子(やすだ・せつこ)
食政策センター「ビジョン21」代表。著書に『自殺する種子』(平凡社)など。
2016年3月25日取材

投稿者注

注1 「英国モンサント社の社員食堂ではGM食品不使用が掲げられているそうです」


これは1999年に報じられた件を指すか。
GM food banned in Monsanto canteen (1999/12/22 INDEPENDENT)
モンサント社は、社員食堂にGM食品不使用が掲げられていた事実を認めながらも、解釈については誤りだとしている。
Myth: Monsanto Only Serves Non-GMO and Organic Foods in Its Cafeterias

注2 「モンサント社の圧力に 屈しなかった科学者の研究成果を紹介します」

ここで紹介されているプシュタイ、エルマコヴァおよびセラリーニの研究チームによる研究については、実験方法やデータ解釈をめぐって、専門家からの批判が殺到したらしい。

しかし、ある農学者による2007年の草稿によれば、それに代って長期飼養試験や疫学的調査をしようとする動きはほとんど見られなかったという。その後の研究動向についてはわからないが、現在ではノーベル賞を受賞した科学者たち(現時点で110名)が遺伝子組換え作物および食品の安全性に太鼓判を押す公開書簡を発表するにいたっている。安全性の根拠としては、世界中の研究・規制機関が繰り返し確認して何も問題がなかったから大丈夫だとしている。

Scientific and regulatory agencies around the world have repeatedly and consistently found crops and foods improved through biotechnology to be as safe as, if not safer than those derived from any other method of production.

There has never been a single confirmed case of a negative health outcome for humans or animals from their consumption. Their environmental impacts have been shown repeatedly to be less damaging to the environment, and a boon to global biodiversity.

Laureates Letter Supporting Precision Agriculture (GMOs)

注3 「次頁図」

ここには、セラリーニらの論文中の画像(Figure 5)のうち、A、B、C(3体のラットの写真)が付されている。
Republished study: long-term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerantgenetically modified maize (Published: 24 June 2014)/Figure 5

なお、このセラリーニらの研究については、たとえば次のように酷評されている。
よみがえったセラリーニの「組換えトウモロコシでラットに発がん性」論文をどう読むか(2014/7/9 白井洋一)

注4 「この判例は、特許作物の種子が輸送中のこぼれ種によるものであろうと、鳥や虫、風に運ばれて自生したとしても、特許作物が生えていたら特許侵害にあたるという恐るべきものです」

これについてもモンサント社は反論している。シュマイザー氏は、自分のナタネ畑に混入していたGMナタネをラウンドアップ除草剤を使用した際に分別して収穫したことで、意図的に特許侵害をしている。

また同氏のナタネ畑に育っていたGMナタネが自然に混入したものとは考えられない。意図的でないGM作物の混入について、モンサント社が農家を訴えることはしないと。

パーシー・シュマイザー氏について(Percy Schmeiser)
Percy Schmeiser
Myth: Monsanto Sues Farmers When GMOs or GM Seed is Accidentally in Their Fields

注5 「政府はTPP大筋合意の一部を「概要」として発表しました」

この「概要」をはじめとする関連文書が首相官邸サイトで公開されている。
TPP(環太平洋パートナーシップ)協定

注6 「市民グループが訳してくれた協定書を読みますと、多くの問題があります」

どの市民グループを指すのかはっきりしないが、たとえば山田正彦、内田聖子らによる「TPP協定分析レポート」を参照。

TPP協定の全体像と問題点―市民団体による分析報告―Ver.4(2016/4/3)


53. 中川隆[3609] koaQ7Jey 2016年8月13日 19:05:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3982]

もはや『アメリカでは「カネ」で買えないものはない』構造が出来上がってしまっている
 

 何故アメリカ合衆国は戦争を続けるのか、何故国民が貧困に陥ろうと、大企業だけが儲かる政策を取り続けるのか。
その答えのひとつがここにあるように思えます。


政府はもう嘘をつけない (角川新書) – 2016/7/10 堤 未果 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%81%AF%E3%82%82%E3%81%86%E5%98%98%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%A0%A4-%E6%9C%AA%E6%9E%9C/dp/4040820924


から。

以下引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 アメリカで政治がカネで買える投資商品になったきっかけは、80年代にさかのぼる。「大企業優遇主義」に舵を取ったレーガン政権下で、規制緩和と法人税減税という2つの養分を与えられ、アメリカの主要産業はみるみるうちに巨大化し、寡占化が始まった。

 工場を人件費の安い海外に移して社員の賃金と福利厚生を最小限にし、タックスヘイブンを通して、合法的に租税を回避することで、さらにその利益は膨大になっていく。
 
 彼らはやがて、資本主義が正常に機能する条件である「競争原理」を免れるための、素晴らしい抜け穴を発見した。

フェアに競争するよりも、規制する側に気前よくカネをつぎこみ、「政治」と言う商品を買うほうが、はるかに楽で効率的ではないか

政治家への献金額と企業ロビイストの数を数を大幅に増やし、規制は弱め、企業利益を拡大する法律をどんどん成立させるのだ。

たっぷり献金した候補者が当選した暁には、自社の幹部を政権の中に入れさせ、法案設計チームや政府の諮問会議の重要メンバーに押し込んでゆく。

任期を終えた政治家は企業ロビイストとして、元政府高官は取締役などの幹部として、優良条件で自社に迎え入れればよい。

「政治は非常に優良な『投資商品』ですよ。投資額が大きいほど、得られるリターンも大きい。『政策』を買ってしまうことで、法外な訴訟費用や減収リスクも回避できますからね。

もはやアメリカでカネで買えないものはありません。ロビイスト産業は今やいろいろな意味で、この国のトップ産業を支えているのです。

〜まさに、ローリスク・ハイリターンの優良投資ですよ」

引用終わり〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


1%が支配する構造がよくわかります。

一方、今、日本で、国民投票をすればおそらく否決されるような、国民の利益にまっこうから反するような、原発継続、郵政民営化、TPP批准、オリンピック招致といった政策ばかりが、マスコミの宣伝のもと決定されていく背景には、同じ流れが形作られているせいと思われてなりません。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=318332


54. 中川隆[4076] koaQ7Jey 2016年9月20日 05:08:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4479]

2016-09-19
遺伝子を改悪された種子が世界を制覇して多国籍企業が嗤う


2016年9月14日、ドイツを代表する医薬品企業バイエルは、アメリカの化学企業モンサントを買収することで合意した。

これは、2015年に発表されたダウ・ケミカルとデュポンの合併によって遺伝子組み換え種子の事業に遅れを取ることに危機感を感じたバイエル側の動きでもあった。

今、遺伝子組み換え種子の分野で非常に激しい勢力争いが起きており、アメリカ、スイス、ドイツ、中国が激しく買収攻勢をかけて規模の拡大を狙っている。

すでに遺伝子組み換え種子の分野は、モンサント、シンジェンタ、バイエル、デュポン、BASF、ダウ・ケミカルの6社による寡占となっており、この6つの企業で種子業界の7割を独占していた。

2016年12月にはこの中で、デュポンとダウ・ケミカルが合併して世界最大の遺伝子組み換え種子の企業となるのだが、これはつまりアメリカが全世界の農業を制覇し、独占するということを意味している。

そのため、IT分野以外だけでなく農業分野でもアメリカに支配されることになるのを恐れたEUと中国は、必死で巻き返そうとしており、それがバイエルによるモンサントの買収、中国によるシンジェンタの買収という流れにつながっている。

種子を常に買わせる仕組みが遺伝子組み換え種子

農業(アグリ)の分野で激しい勢力争いが起きているのは、言うまでもなく人口の爆発的増加によって穀物が不足し、その穀物を提供する企業が莫大な富を得ることになるからだ。

すでに世界人口は73億人を突破していると言われているが、これからも人口は増え続ける。このままでは2065年には人口100億人を突破することになる。

ところが、農地は減る一方だ。さらに昨今の巨大化する自然災害で農地は被害を受けており、世界の穀倉地帯は地下水不足で荒廃しつつある。

食べる人は増えるが、農作物は減る。
需要が増えるが、供給は減る。

現在すでに飢餓人口は10億人もいると言われているが、将来は供給が増えるというよりも逆に減るとも言われている。

当たり前だが、どこの国でも「食料問題」は死活問題である。国民が食えなくなると、国は成り立たない。

アメリカの政策に大きな影響を及ぼすヘンリー・キッシンジャーは、こうした状況を踏まえて「武器としての食料」の概念を提案した。

種子を独占し、「アメリカに逆らう者は種子を売らず、アメリカに追従する者は種子を与える」という支配を考え出したのである。

そのためには、常に種子をアメリカから買わせる仕組みを考え出さなければならない。それはどうするのか。その答えが「遺伝子組み換え種子」だった。

遺伝子組み換えで種子を改変し、その種子から育った種は芽を出さないように改変された。そうすると、農家は毎年毎年、これらの企業から種子を買わなければならなくなる。

それによって遺伝子組み換え種子を扱う企業は莫大に儲かると共に、その販売権を手にすることで、その国の国民の生殺与奪の権利すらも手に入れることになる。


わずか数社が全世界の食料を掌握し、支配する

アメリカは早くから「穀物」を他国に影響を及ぼす戦略物資として捕らえていたのは、農家の間ではよく知られている事実である。

この独占を強化するため、遺伝子組み換え種子を支配する多国籍企業は、在来種を駆逐して遺伝子組み換え種子に置き換えようとしている。

大穀倉地帯であるアメリカ、ブラジル、ロシア、オーストラリア、インド等、全世界の農地が今や超巨大なアグリ多国籍企業に支配されてしまっている。

誰も興味を持たない間に、各国の重要な種子企業を次々に買収していき、アグリビジネス(農業ビジネス)を独占していたのが今までの動きだ。

ここからさらに、この6大企業が合併することによって、ほんの3社4社に絞られていくのがこれからの動きだ。わずか数社が全世界の食料を掌握し、支配する。

そうなると種子はさらに「戦略物資」の側面が強く現れるようになっていくだろう。「GM=遺伝子組み換え作物」が彼らの「戦略物資」である。

そして、考えなければならないのは、彼らはただ種子を売るだけでなく、さらにあこぎなビジネスをするためにも遺伝子組み換え技術を利用していることだ。

ある除草剤だけに耐性のある種子を作り、その種子と一緒に除草剤をセットで買わないと農業ができないようにした。

農家は手間を省きたい。そのためには雑草むしりをしたくない。そこに除草剤が登場するのだが、普通に除草剤を撒くと雑草も死ぬが作物も死ぬ。

そこで、除草剤を撒いても死なない種を遺伝子を改変して作り出して、除草剤を撒けば雑草だけが枯れるようにする。

その除草剤は何でもいいわけではない。その除草剤とは「彼らが売る除草剤」だけしか効果がない。他のメーカーの除草剤を使うとやはり作物も雑草と一緒に死ぬ。彼らの売っている除草剤でしか効果がない。

彼らは種と除草剤をセットにして売り、それが独占販売になっているのである。


種子を売ってもらえなければ自給率ゼロ

今後、世界は間違いなく人口爆発と食料不足が重なる。このまま人口爆発が止められないと、そうなるのは必然なのである。そうするとどうなるのか。

今は「遺伝子組み換え作物など要らない、育てたくない、食べたくない」と言えても、国民が飢えれば背に腹はかえられない事態と化す。

世界中が遺伝子組み換え作物でも何でも独占企業から買って作ろうとする。自給率が悪化し、必然的にそうせざるを得ない状況に追い込まれる。今のままでは遅かれ早かれそうなってしまうのだ。

そうなった瞬間に生殺与奪の権利は、たった数社の独占企業を有する国に世界は支配される。

たとえば、今後登場するダウ・デュポンという巨大アグリ企業はアメリカ企業だが、仮にアメリカが国策として「お前の国には種子を売らない」と決めたらどうなるのか。

種子がないと翌年は農地があっても何も作れない。種子を売らないと決めるだけで、アメリカは特定の国に対して自由自在に状況をコントロールすることができる。

その国の自給率がいくら高くても意味がない。遺伝子を改悪された種子が使われているのであれば、種子が手に入らない限り、翌年は「自給率ゼロ」になるのである。

アメリカは、敵対国が従わなければ、単に「種子を売らない」と言えばいいだけなのである。あるいは、種子の価格を思い切り釣り上げればいい。

まさかそんなことになるはずがないと思うかもしれないが、穀物が貴重品になっていくのであれば、逆にそれが起こらないほうが不思議だ。それが「アグリ・ビジネス」の正体だ。

毎年、種子を買わなければならない。しかも、言い値で買わなければならない。反抗すれば売ってもらえない。除草剤もセットで買わなければならない。

これではまさに奴隷そのものである。地球上から穀物の在来種が駆逐されてしまったら、私たちは彼らの奴隷になるということだ。

しかし、着々と巨大化するアグリ企業に危機感を持つ人はほとんどいない。気付いた頃にはアグリ企業による支配は完成し、手遅れになっているはずだ。遺伝子を改悪された種子が世界を制覇して多国籍企業が嗤(わら)う時代が来る。


毎年、種子を買わなければならない。しかも、言い値で買わなければならない。反抗すれば売ってもらえない。除草剤もセットで買わなければならない。私たちは彼らの奴隷になる。
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20160919T1758430900


55. 中川隆[4077] koaQ7Jey 2016年9月20日 05:10:03 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4480]

2016年09月19日
日本政府の農業虐待 就業人口、5年で2割減
http://thutmose.blog.jp/archives/65972544.html

アメリカの農業が効率的で低コストというのは真っ赤な嘘、ほとんどの農作物で日本よりコストが高い。
引用:http://bcgneeds.com/wp-content/uploads/2014/03/AirTractor_402.jpg

アメリカやフランスの農業が近代的で効率が良いという都市伝説は、いい加減終わりにしたい。

実際には欧米の農業には50%から90%の補助金が出ていて、補助金無しだとどんな農作物でも日本より高い。


欧米の補助金で圧迫される日本農業

2015年11月の農業人口調査で、前回の2010年と比較して、51万6000人減少し209万人となり、19・8%減少しました。

離職者が多かったのと、高齢のため跡継ぎがないまま他界したりしたと考えられる。

残った大半も兼業農家であり、農業では生活出来ない、子供を養えないので減少しています。


ところで日本の食料自給率は39%で世界最低水準、金額ベースでは66%なのだが、減少しているのは間違いない。

食料が輸入出来ない有事の際に、お金を食べることはできないので、農水省が主張する「カロリーベース」はある意味では正しい。

カロリーベースは戦前の日本軍や戦後の食糧危機で重視された数値で、国民や兵士を飢えさせないためにカロリーが重要だった。


食料自給率が低い理由は日本の農作物の価格が高く競争力がないからで、アメリカや外国の農作物は安い。

アメリカでは飛行場くらいの広大な田んぼに、飛行機でバラバラっと苗や種を撒いて、秋まで放置して収穫しています。

「アメリカの米は日本の10分の1のコスト」とコメ市場議論で散々テレビ放送されましたが、あれは全部テレビ局の捏造です。


空から種を撒いて放置して10分の1の値段で売っているのは「家畜米」や「工業米」で人間は食べていません。

カリフォルニア米などの人間用の米は、アメリカの価格で、日本で売られている北海道米とかと同じくらいです。

アメリカでは米など多くの農作物に50%以上の補助金を出しているが、日本は補助金ゼロで日米ほぼ同じ価格という事は、実はカリフォルニア米の元々の値段は、北海道米の2倍なのです。


それが米政府が50%の補助金を出し、さらに為替レートが円高になると、カリフォルニア米が国産米より何割か安くなります。

米国は米の国と書くだけあって、米以外の小麦やらトウモロコシやらジャガイモ、牛肉豚肉など、ほとんどの農作物に50%の補助金を出しています。

それでいて「日本は保護貿易で不公正だ」と言って市場解放を迫り、自分は農業補助金で市場を保護しているのです。

安倍晋三はアメリカの工作員か

間抜けなことに日本政府と日本マスコミは米政府の言い分を鵜呑みにして、調査もせずに「日本の農産物は高い」と認めてしまいました。

アメリカは酷い国だと思いますが、欧州はもっと酷くて、日本人が好きなフランスのブドウは90%以上が補助金で生産されています。

テレビでよく「南仏やイタリアの農業は人間的で素晴らしい」と褒めているが、それは収入の9割が補助金だからです。


年収50万円しかない農家でもフランスやイタリアでは500万円の補助金が出るので、遊んでいても暮らしていけるのが「南仏プロバンスの農業」なのです。

日本では農家がどんなに必死に働いても政府は補助金を出さず、それどころが欧米の補助金つき農作物を大量に輸入しています。

これはもはや農業政策ではなく、農業虐待だと言えます。


「日本の農業は生産性が低い」「日本の農作物は価格が高く競争力が無い」というのは常識として学者や政治家まで言っています。

だが「価格」に補助金を足して「本当の価格」を比較すると、実は日本の農作物は先進国で最も安く、最も生産性が高いのです。

カリフォルニア米は補助金なしだと魚沼産コシヒカリより高くて不味いので、競争力なんか全くありません。


小麦やトウモロコシやじゃガイモも同様で、補助金を取っ払うと日本の国産品の方が安い場合が多いのです。

さらに日本政府は自由貿易だと言ってTPPなどで「関税を撤廃しよう」と言っています。

安倍晋三はアメリカやフランスの工作員なんじゃないか、と思うほど農業政策が酷いです。


マスコミが絶賛する南仏プロヴァンスの農家、赤字で農業をやって生活費全額を国が支給している「準公務員」です。
引用:http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/005/612/91/N000/000/000/120203902023616305062.JPG

用水路より補助金を出す必要

アメリカが50%補助金を出すなら、アメリカと競合する農作物では日本も50%補助金を出すのが当然です。

そのための予算は不要な用水路を作りまくっている農水省の予算から引っ張れば良いのです。

アメリカの農業予算は年間10兆円以上だが、アメリカの農業生産額は17兆円に過ぎないので、産業として完全に赤字です。


日本は農業生産額約7兆円で農業予算3兆円なので比率としてはそれほど変わらないが、農水省が予算を使うのは「用水路」だけなのです。

日本中に用水路を作りまくって子供や老人を転落させているくせに、農家への補助金は1円も出していない。

これが日本では農業で食えない原因で、アメリカの農家が大儲けしている理由です。


56. 中川隆[4137] koaQ7Jey 2016年9月23日 14:34:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4545]

背筋凍るTPPの真実
東京大学教授   鈴木宣弘 2016年9月21日付
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/sesujikooruTPPnosinjitu.html


 
 「東京オリンピックまで続けたい」という発言に象徴されるように、「米国に追従することで自らの地位を守る」ことを至上命題として、国民の命と生活を犠牲にする政治は限界に来ている。米国でも批准が極めて困難になっているのに、オバマ政権のために何とかTPP(環太平洋連携協定)を決めてあげたいと、さらに水面下で国益を差し出し続け、ひとり批准を急ぐ日本政府は国民をどうするつもりなのか。背筋凍るTPPの真実を振り返ってみよう。


 
 日本は米国の草刈り場

 去年の10月にアトランタで「大筋合意」が行われて、歴史的快挙だなどと言われたが、その裏で何があったのか。日本はアトランタに行く時に、

「今度こそオバマ政権の為に、TPPを決めてやる。譲れるものはすべて譲る」

という方針だった。農林水産業に関しては、すでに1年前に譲り終えていた。TPPは自動車で日本に利益があるからそれは確保したいと考えていたが、それさえも譲ってしまって、もう譲るものがないから交渉会場をブラブラしていた。それを見て他の国は、

「あれほどの経済大国日本が、国民の利益をアメリカによくそこまで譲れるものだ。日本はアメリカの草刈り場みたいなものだ」

と感心していたという。それに対して日本は「何だ。他の国は国民の利益を守るなどといって、まだアメリカと闘っているのか。早く譲ったらどうだ」と怒っていたという。

 日本がTPPの最終合意に向けて切り札として用意していたのが「玉虫色」だと政権党幹部がアトランタに行く前に漏らした。

「最後までもめる案件が残ったら、そこは日本の得意技『玉虫色』で、どっちにも取れるような表現で条文を作って、形式だけでも決まった形をつくろう」

と言っていたが、本当にそうやった。

 新薬のデータ保護期間だ。政治と結びつく巨大製薬会社が、

「人の命を縮めてもデータ保護期間を長くして、安いジェネリック薬を作れないようにせよ」

と要求していた。それに対してオーストラリアやマレーシアが

「そんなことをしたら人の命が救えない」

と反対した。米国は当初20年、最終的には12年と言っていたが、オーストラリアやマレーシアは5年と言って隔たりは縮まらなかった。そこで日本が登場して、8年とも五年とも取れる表現を作って条文にしてしまった。だからTPPは決まって進んでいるように見えるけれども、条文の解釈をめぐって今でももめている。オーストラリアは「五年だ」と言って、米国は「そんなわけはないだろう」と怒っている。これが実態である。これを日本が演出したのだ。

 日本政府は、自動車での利益確保に、ハワイ会合を決裂させるほどにこだわった。アトランタで合意する2カ月前にハワイでTPPが決裂したときの直後の記者会見で甘利さんが血相を変えて、

「ニュージーランドが酪農分野で頑張ったのが戦犯だ」

と言った。あれはウソである。日本が自動車で頑張ったのが大きかったと海外のメディアは一斉に書いていた。ところが日本のメディアは全部ニュージーランドが戦犯だと書いた。日本ではTPPで自動車の利益が得られないということが知られるとまずいことになる。だからマスコミを抑えた。

 ハワイでは自動車の利益を得るためにそこまで頑張ったのに、アトランタではそれさえ差し出した。TPP域内での部品調達率が55%以上でないとTPP関税撤廃の対象とならないとする厳しい原産地規則を受け入れたが、TPP域外の中国やタイなどでの部品調達が多い日本車はこの条件のクリアが難しい。

また、米国の普通自動車の2・5%の関税は15年後から削減を開始して25年後に撤廃、大型車の25%の関税は29年間現状のままで、その間に日本が米国車の輸入を着実に増やしていれば、30年後に撤廃するという不確かで気の遠くなるような内容である(大型車の決定内容を政府は当初、意図的に公表しなかった)。

一方、農産物については日本だけが7年後の再交渉=更なる削減を屈辱的に約束させられている。


 
 何も説明していない政府

 我が国では、TPP協定の詳細も国民に示さず、影響試算が出される前に、「国内対策」だけが先に示された。

実は、農産物の影響試算も国内対策も、日米合意が1年以上前に成立したのちに、決まっていて、Xデーを待っていただけだった。しかし、大筋合意の内容が明らかになって、「こんな酷い合意をしてしまったのか」という地域の怒りが湧きあがってきたので

「影響試算を出すのはちょっと待て。国内対策(金目)を先に出して沈静化を図れ」

ということになった。この国内対策も、現場の人たちの意見を聞いて決めたということになっているが、内幕は驚きだ。酪農団体が

「酪農にもセーフティネット政策を入れてもらわないと『バターが足りない』だけでは済まなくなる」

という趣旨の要望を書いていたのを事前に見た政権党の幹部が激怒して、

「こんなできもしない要求をすることも許すな。酪農には、とっくに生クリーム向けの生乳に補給金を復活することしかやらないと、以前から決めてあるのだ」

と、役所の幹部に「君らが行って、これを消させてこい」と指示したという。

 そして、2015年末にやっと出された政府の影響試算は、「影響↓対策」の順で検討すべきを「対策↓影響なし」と本末転倒にし、いわば「影響がないように対策をとるから影響がない」と主張しているだけである。国会決議を守ったと強弁するため、まず、「除外」の意味は全面的関税撤廃からの除外であって1%でも関税が残っていればいいとの屁理屈を用意していたが、それで文句が出れば、「再生産が可能に」との文言を国会決議に紛れ込ませ、「国内対策をセットで出して再生産可能にしたから、国会決議は守られたと主張する」稚拙なシナリオどおりともいえる。

 協定の日本語版も一部出されたが、それを見ただけでは解釈は困難だから、国会審議で条文の背景説明を求めると、

「交渉過程は4年間秘密なので説明できない」と回答し(実際には、タイトル以外が45ページ全面黒塗りの資料を出すという国民を愚弄した異常な神経ぶりを晒した)、まともな説明はなされないまま、党議拘束をかけて批准するのが「民主主義国家」のシナリオである。全国キャラバンの説明会も「まともな説明もせず、まともに回答もしない」

と、各地で不満が噴出した。

 余計なことをしゃべらないように、説明会の派遣者も国会の担当大臣も「素人」のほうが都合がいいとのことであった。

 共同通信社が2016年四月に実施した全国知事へのアンケート調査結果も紹介しておきたい。知事は控えめに答えざるを得ないから「どちらともいえない」が多いのだが、確かなことは、TPPに関する政府の説明が「十分」と回答した知事はゼロ、国会決議が「守られた」もゼロ、試算が「現実的」もゼロという現実だ。


 
 前代未聞の数字操作

 内閣府の再試算では、前回、TPPによる全面的関税撤廃の下で3・2兆円の増加と試算された日本のGDP(国内総生産)は13・6兆円の増加と四倍以上に跳ね上がり、農林水産業の損失は3兆円から1300〜2100億円程度と20分の1に圧縮された。これほど意図が明瞭な試算の修正は過去に例がないだろう。

「TPPはバラ色で、農林水産業への影響は軽微だから、多少の国内対策で十分に国会決議は守られたと説明し易くするために数字を操作した」

と自ら認めているようなものである。これほどわかりやすい数字操作をせざるを得なかった試算の当事者にはむしろ同情する。


 前回の3・2兆円も、すでに、価格が1割下がれば生産性は1割向上するとする「生産性向上効果」やGDPの増加率と同率で貯蓄・投資が増えるとする「資本蓄積効果」を組み込むことで、水増ししていたのだが、今回はそれらがさらに加速度的に増幅されると仮定したと考えられる。象徴的に言えば、

「価格が1割下がれば生産性は1割向上する」どころか、「価格が1割下がればコストは9割下がる」

と仮定したようなものである。どの程度コストが下がるかは恣意的に仮定できるので、こういう要素を加えれば加えるほど効果額をいくらでも操作可能である。この分野を専門にしている私が言うのだから間違いない。数字増強のドーピング薬=「生産性向上効果」を入れてはいけない。

 農林水産業への影響試算については、政府の中にあっても、何とか日本の食料と農業を守るために頑張ってきた所管官庁も苦しんだと思う。当初は、4兆円の被害が出ると試算していたが、政府部内での影響が大きすぎるとの批判に応じて3兆円に修正した。それが今回は1700億円程度になってしまった。まったく整合性のない数字を出すにあたって、所管官庁内部でも異論はあった。しかし、いまや抵抗力を完全に削がれてしまった感がある。

 今の官邸は、反対する声を抑えつけていく手口が巧妙だ。霞が関については、幹部人事を官邸が決めることにしたのが大きい。

「これ以上抵抗を続けると干される。逆に官邸に従えば、昇進の目が広がるかもしれない。そして昇進の暁には官邸と米国と財界のための『改革』を仕上げます」

ということである。2016年6月、まさにその通りの人事が発令された。衝撃の事務次官人事と併せて、「酪農団体の廃止はさすがに無理だ」と最後の抵抗を試みた所管官庁に対して、前途を期待されていた担当局長と担当課長が更迭された。いよいよ所管官庁自体の自壊も含め、農業と農業関連組織を崩壊・解体させる「終わりの始まり」である。対応を誤ると取り返しのつかないことになる。


 
 国民を愚弄する「猿芝居」

 牛肉関税の9%に象徴されるように、今回の主な合意内容は、すでに、2014年4月のオバマ大統領の訪日時に、一部メディアが「秘密合意」として報道し、一度は合意されたとみられる内容とほぼ同じだ。つまり、安倍総理とオバマ大統領は寿司屋で「にぎっていた」のである。

そのわずか2週間前に日豪の合意で、冷凍牛肉関税を38・5%→9・5%と下げて、国会決議違反との批判に対して、19・5%をTPPの日米交渉のレッドラインとして踏ん張るからと国民に言い訳しておきながら、舌の根も乾かぬうちに9%にしてしまっていたのであるから恐れ入る。

 その後は、双方が熾烈な交渉を展開し、必死に頑張っている演技をして、いよいよ出すべきタイミングを計っていただけの「演技」だったのだ。フロマンさんと甘利さん(典型的「斡旋利得罪」のはずが不起訴=この国の三権分立は崩壊)の徹夜でフラフラになった演技は見事だ。頭髪が真っ白になるまで頑張ってくれたのかと思えばもともと白い頭髪を最初は黒く染めておいて、だんだんに白くしていったと聞いて愕然とした。

「これだけ厳しい交渉を続けて、ここで踏みとどまったのだから許してくれ」

と言い訳するための「猿芝居」を知らずに将来不安で悩み、廃業も増えた現場の農家の苦しみは彼らにとってはどうでもいいこと、いかに米国や官邸の指令に従って、国民を騙し、事を成し遂げることで自身の地位を守るのがすべてなのかと疑いたくなる。

 そもそも、3・11の大震災の2週間後に

「これでTPPが水面下で進められる」

と喜び、「原発の責任回避にTPP」と言い、

「TPPと似ている韓米FTAを国民に知らせるな」

と箝口令をしいた人達の責任は重大だ。このような背信行為に良心の呵責を感じるどころか、首尾よく国民を欺いて事を成し得た達成感に浸っているかに見える。


 
 TPPで賃金は下がり、雇用は減る

 TPPがチャンスだというのはグローバル企業の経営陣にとっての話で、TPPで国民の仕事を増やし賃金を引き上げることは困難である。冷静に考えれば、ベトナムの賃金が日本の1/20〜1/30という下での投資や人の移動の自由化は、日本人の雇用を減らし、賃金を引き下げる。

端的に言うと、グローバル企業の利益拡大にはプラスで、中小企業、人々の雇用、健康、環境にはマイナスなのがTPPだ。

そもそも内閣府などのモデルで失業が問題にならないのは、農家が失業しても、即座に自動車産業の技術者として再就職できるというような生産要素の「完全流動性」「完全雇用」を仮定しているからであり、米国のタフツ大学でも、この非現実的な仮定を排除した試算では、TPPによって日本のGDPはTPPがなかった場合よりも、今後10年間で0・12%低下し、雇用は7万4000人減少すると推定されている。


 
 命と健康よりも企業利益が優先

 特許の保護期間の長期化を米国製薬会社が執拗に求めて難航したことに、

「人の命よりも巨大企業の経営陣の利益を増やすためのルールを押し付ける」TPPの本質が露呈している。

グローバル企業による健康・環境被害を規制しようとしても損害賠償させられるというISDS条項で「濫訴防止」が担保されたというのも疑問だ。タバコ規制は対象外に(カーブアウト)できるがその他は異議申し立てしても、国際法廷が棄却すればそれまでである。健康や環境よりも企業利益が優先されるのがTPPだ。

 要するに、「米国企業に対する海外市場での一切の差別と不利を認めない」ことがTPPの大原則。

遺伝子組み換え(GM)表示もその他の食品表示、安全基準も、「地産地消」運動などもTPPの条文に緩和が規定されなくてもISDSの提訴で崩される危険がある。

韓米FTAでは、ソウル市の学校給食条例の廃止に象徴されるように、米国産を不当に差別する可能性を指摘され、数多くの国や地方自治体レベルの法律・条令を「自主的に」廃止・修正した。地域の産業を振興するための政策が不当な差別ということになれば、地方自治行政そのものが否定されかねない重大な事態になる。

 公共事業の入札に、地元に精通した業者の点数が高くなるようなシステムも許されない。そもそも、日本は地方自治体レベルの公共事業を、TPP参加国の中で最も開放した国と評価されており、英文で国際入札にかけないといけない公共事業の範囲が広い。かたや米国は、TPPが連邦法にしか影響しないので、州レベルの公共事業は国際入札の対象外だし、州法による「バイアメリカン」(公共事業に米国産義務付け)も影響を受けない。


 
 食に安さを求めるのは命を削ること

 確かにTPPによって関税が下がれば、米国から安い牛肉や豚肉が入ってくるため、牛丼や豚丼は安くなる。しかし、関税を下げれば当然関税収入も減る。日本の関税収入は、税収60兆円の内の1・2兆円ほどだ。TPPによってその大半が減れば、他で補わなければならなくなるため、結局のところ消費者の税負担は増える。

 さらに問題なのは、米国やオーストラリアの牛肉や豚肉を食べ続けることは極めて健康リスクが高いということだ。米国では牛の肥育のために女性ホルモンのエストロゲンなどが投与されている。これは発癌性があるとして、EUでは国内での使用も輸入も禁止されている。

実際、EUでは米国産牛肉の輸入を禁止してから六年間で、乳癌による死亡率が大きく下がったというデータもある。日本では国内使用は認可されていないが、輸入は許可されているため国内に入ってきている。

また、ラクトパミンという牛や豚の餌に混ぜる成長促進剤にも問題がある。これは人間に直接に中毒症状も起こすとして、ヨーロッパだけではなく中国やロシアでも国内使用と輸入が禁じられている。日本でも国内使用は認可されていないが輸入は素通りになっている。

 さらに、米国の乳牛には遺伝子組み換えの牛成長ホルモンが注射されている。

米国ではこれが認可された1994年から数年後には、乳癌発生率が7倍、前立腺癌発生率が4倍という論文が出されたため、今やスターバックスやウォルマートでも、わざわざ

「成長ホルモンを投与した牛乳・乳製品は扱っていません」

と表示するようになっている。もちろん日本でもこの牛成長ホルモンは認可されていないが、やはり輸入を通してどんどん入ってきている。

 さらに、米国の牛にはBSE(狂牛病)の危険性もある。日本はこれまで、BSEの発症例がほとんどない20カ月齢以下の牛に限定して輸入を認めていた。ところが米国から「TPPに参加したいなら規制を緩めろ」と言われたため、「入場料」として30カ月齢以下にまで緩めてしまった。また、米国ではBSE検査率は一%未満でほとんど検査されておらず、しっかりとした危険部位の除去も行われていない。


 
 食の安全基準はすでに緩められている

 政府はTPPでは国際的な安全基準を順守することが規定されているだけだから日本の安全基準は影響を受けないと主張しているが、国際基準は日本の基準よりも緩い。それ故、国際基準を守るということは、基準を緩和するということだ。

既に日本政府は米国から「科学的根拠」が示せないなら規制を緩和しろと圧力がかかることを踏まえ、いつでも規制を緩和できるように準備を整えている。例えば、30カ月齢以下にまで緩めてしまった米国産牛肉輸入の月齢制限を撤廃する準備をすでに終えている。国民への説明と完全に矛盾している。

 米国は、遺伝子組み換え(GM)食品は安全性検査によって安全が明らかになっているのだから、「GMを使用していない」と表示することは消費者を惑わす誤認表示だと主張している。「GMが安全でない」という科学的根拠が示せないならやめろと迫るであろう。

 GMのもう一つの懸念は、我々が大量に輸入しているGM大豆やGMトウモロコシには発癌性が確認されているグリホサート系の除草剤がかけられていることだ。グリホサート系薬剤をかけても枯れないように遺伝子を組み換えたのがGM大豆やGMトウモロコシなのだから。それを我々が食べているのだ。しかも、耐性雑草が増えてきたため、米国では残留基準が緩められ、さらに散布量が増えているのが実情だ。近年、我々の食べている大豆やトウモロコシのグリホサート系薬剤の残量濃度はさらに高まっている。

 さらに、防カビ剤も大きな問題だ。日本では収穫後に農薬をかけることが認められていないが、米国のレモンなどの果物や穀物には、日本への長期間の輸送でカビが生えないように農薬(防カビ剤)をかけなくてはならない。そのため、半年経っても腐らずピカピカのままだったという話もある。これは、米国からの圧力に屈し、防カビ剤を食品添加物に分類する事で日本への輸出を許可する事にしているからだ。

 ところが、食品添加物は食品パッケージに表示する義務があるため、米国は、こんどは、それが不当な差別だと言い始めた。そのため、TPPの日米二国間交渉で、日本はさらに規制を緩めることを約束したことが米国側の文書で発覚した。

当時、政府はそんな約束は断固していないと言い張っていたが、TPP付属文書を見ると、日本政府が二年前に米国の要求に応えて規制を緩和すると約束したと書いてある。

つまり、輸入農産物は、成長ホルモン(エストロゲン)、成長促進剤(ラクトパミン)、GM、除草剤(グリホサート)の残留、収穫後農薬(イマザリル)などのリスクがあり、まさに、食に安さを追求することは命を削ることになりかねない。

このような健康リスクを勘案すれば、実は、「表面的には安く見える海外産のほうが、総合的には、国産食品より高い」ことを認識すべきである。そこで、外食や加工品も含めて、食品の原産国表示を強化することが求められるが、表示に関連しては、「国産や特定の地域産を強調した表示をすることが、米国を科学的根拠なしに差別するもの」としてISDSの提訴で脅される可能性もある。

TTIP(米EUのFTA)でも米国はEUのパルメザンチーズなど地理的表示を問題視している。ところが、米国自身は食肉表示義務制度で原産地表示を義務付けている。さらに、これがカナダとメキシコから不当差別としてWTO(世界貿易機関)に訴えられ、米国が敗訴する皮肉な事態になっている。つまり、そもそもTPPのみならず食料の原産地表示の困難性が増してきている事態は深刻である。

 米国の要求に応え続ける「アリ地獄」

 農産物関税のみならず、政権公約や国会決議で、TPP交渉において守るべき国益とされた食の安全、医療、自動車などの非関税措置についても、全滅である。

 軽自動車税の増税、自由診療の拡大、薬価公定制の見直し、かんぽ生命のがん保険非参入全国2万戸の郵便局窓口でのA社の保険販売、BSE(牛海綿状脳症)、ポストハーベスト農薬(防かび剤)など食品の安全基準の緩和、ISDS条項への賛成など、日本のTPP交渉参加を認めてもらうための米国に対する「入場料」交渉や、参加後の日米平行協議の場で「自主的に」対応し、米国の要求が満たされ、国民に守ると約束した国益の決議は早くから全面的に破綻していた。

 一番わかりやすいのは郵政解体である。米国の金融保険業界が日本の郵貯マネー350兆円の運用資金がどうしても欲しいということで、「対等な競争条件」の名目で解体せよと言われ、小泉政権からやってきた。ところが、民営化したかんぽ生命を見てA社は、

「これは大きすぎるから、これとは競争したくない。TPPに日本が入れてもらいたいのなら、『入場料』としてかんぽ生命はガン保険に参入しないと宣言せよ」

と迫られ、所管大臣はしぶしぶと「自主的に」発表した。それだけでは終わらなくて、その半年後には、全国の2万戸の郵便局でA社の保険販売が始まった。

これが「対等な競争条件」なのか。

要するに、「市場を全部差し出せば許す」ということだ。

これがまさに米国のいう「対等な競争条件」の実態であり、それに日本が次々と応えているということである。


 しかも、「TPPとも米国とも関係なく自主的にやったこと」と説明しておきながら、今回TPPが決まって協定の付属文書を見たら、「米国の要請に日本が応えた」とちゃんと書いてある。実は決議違反だった事を今になって平然と認めている。

 さらに驚くことは、今回の付属文書には、米国投資家の追加要求に、日本は規制改革会議を通じてさらなる対処をすることも約束されている。TPPの条文でなく、際限なく続く日米二国間協議で、巨大企業の経営陣の利益のために国民生活が犠牲になる「アリ地獄」に嵌まっている。

それにしても、法的位置づけもない諮問機関に、利害の一致する仲間(彼らは米国の経済界とも密接につながっている)だけを集めて国の方向性を勝手に決めてしまう流れは、不公正かつ危険と言わざるを得ない。


 
 思考停止的な米国追従を止めない限り問題は永続する

 米国への譲歩は水面下ですでに進んでいる。米国では、いま誰もTPPに賛成していない。TPPを推進してきた製薬会社などから数年で5億円も献金を受けている共和党の中心人物ハッチ議員は

「新薬のデータ保護期間を20年とか12年まで延長しろと言ったのに8年とか5年にしかなっていない。これでは著しく不十分で批准できない」

と憤慨している。一方、失業増大の懸念などからTPPに反対してきた米国の与党民主党は、想定以上にひどいと怒っている。賛成派も反対派もこれはダメだと言い、クリントン、トランプのどちらが大統領になっても、公約を反故にしないかぎりは、今の状態ではTPPは米国で成立する見込みはない。

 そこで日本が動いている。駐米公使が

「いま条文の再交渉はできないが、日本が水面下で米国の要求をまだまだ呑んで、米国の議会でTPP賛成派が増えるようにすることは可能だ」

と漏らした。例えば、米国の豚肉業界は、

「日本が関税を大幅削減してくれて輸出が増やせてありがたいと思っていたら、国内対策で差額補填率を引き上げるという。それで米国からの輸入が十分増えなかったら問題だ。その国内対策をやめろ」

と要求してきている。

 この関連でもう一つ重大な事実がある。一昨年の秋に米国議会で、オバマ大統領に一括交渉権限を与える法案がぎりぎり1票差で通った。あのとき、日本政府はロビイストを通じて、民主党のTPP反対議員に多額のお金を配って賛成を促したという。

「日本は牛肉、豚肉をはじめ農産物でこんなに譲ったのだから、賛成しないと米国が損をしますよ」とでも説得したのであろうか。

かたや、日本国内では、農家に「何も影響はないから大丈夫」と言っている。これが「二枚舌」の「売国」の実態である。


 政府は「規模拡大してコストダウンで輸出産業に」との空論をメディアも総動員して展開しているが、その意味は「既存の農林漁家はつぶれても、全国のごく一部の優良農地だけでいいから、大手企業が自由に参入して儲けられる農業をやればよい」ということのように見える。しかし、それでは、国民の食料は守れない。

 関係者が目先の条件闘争に安易に陥ると、日本の食と農と地域の未来を失う。TPP農業対策の大半は過去の事業の焼き直しに過ぎないばかりか、法人化・規模拡大要件を厳しくして一般の農家は応募が困難に設計され、対象を「企業」に絞り込もうとしているのも露骨である。

また、収入保険を経営安定対策かのように提示しているが、これは過去5年の平均米価が9000円/60`cなら9000円を補填基準収入の算定に使うので、所得の下支えとはまったく別物だ。基準年が固定されず、下がった価格を順次基準にしていくのだから「底なし沼」である。米国では強固な「不足払い」(所得の下支え)に収入保険がプラスアルファされているのに、収入保険だけを取り出して米国を見本にしたというのもごまかしである。

 TPPの影響が次第に強まってきて、気が付いたときには「ゆでガエル」になってしまう。現場で頑張ってきた地域の人々はどうなってしまうのか。全国の地域の人々とともに、食と農と暮らしの未来を崩壊させないために主張し続ける人々がいなくてはならない。まず、食料のみならず守るべき国益を規定した政権公約と国会決議と整合するとの根拠を国民に示せない限り、批准手続きはあり得ない。

 なお、大統領選後のオバマ政権のレームダック期間にTPPが米国で批准される可能性は極めて低いが、クリントン大統領の場合は、「現状のTPPには反対」なのだから、日本が一層譲歩させられてTPPが成立することになりかねない。かたやトランプ大統領なら、「TPPには署名しない。二国間FTAでよい」ということだから、日本が一層譲歩させられた日米FTAが成立しかねない。米国で批准できそうにないから大丈夫との他力本願は通用しない。対米従属の呪縛から解放されないかぎり問題は永続する。

 だまされても、だまされても、おこぼれを期待し、見せしめを恐れて従い続ける選択に未来はない。真っ向から対峙することで未来は切り開けることを先の参院選結果も示している。国民の命を守る使命に誇りを持ち、ひるむことなく前進するしかない(詳しくは『悪夢の食卓』(KADOKAWA、2016年)参照)。


悪夢の食卓 TPP批准・農協解体がもたらす未来– 2016/6/29 鈴木 宣弘 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E6%82%AA%E5%A4%A2%E3%81%AE%E9%A3%9F%E5%8D%93-TPP%E6%89%B9%E5%87%86%E3%83%BB%E8%BE%B2%E5%8D%94%E8%A7%A3%E4%BD%93%E3%81%8C%E3%82%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%99%E6%9C%AA%E6%9D%A5-%E9%88%B4%E6%9C%A8-%E5%AE%A3%E5%BC%98/dp/4046015942


57. 中川隆[4138] koaQ7Jey 2016年9月23日 14:54:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4546]

国を乗っ取る多国籍企業
TPP批准阻止の大運動を臨時国会の目玉に 2016年9月14日付
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/kuniwonoltutorutakokusekikigyou.html

 
 安倍政府は26日召集予定の臨時国会で、環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案の承認・成立を最優先に位置付け、TPP批准を強行する構えを見せている。日本が他の国に先駆けて、11月8日のアメリカの大統領選挙より前に衆院を通過させることで、難航しているアメリカ国内での批准を援護射撃すると公言している。
 


 東京都政巡る大騒ぎの裏で

 TPPをめぐっては参加12カ国のあいだで昨年10月に大筋合意、今年2月に署名式がおこなわれたが、交渉は徹底した「秘密主義」で内容は一切明らかにされなかった。3月の通常国会でも政府は真っ黒に塗りつぶした資料を提出し、国民には内容を隠したまま、まともな審議もなしに批准を強行しようとした。今度の臨時国会でも
「11月のアメリカ大統領選挙前までの衆院通過」とあらかじめ日程を区切っており、十分な説明もせずに最初から批准ありきで頭数を頼りに強行突破をはかろうとしている。それは内容を国民の前に明らかにすれば反対世論が噴き上がることを恐れているからである。

 TPP参加の12カ国の実情を見ても、本家本元のアメリカで批准は難航している。大統領選挙では民主党のクリントン、共和党のトランプのいずれの候補も「TPP反対」を掲げており、国民世論の圧倒的多数がTPPに反対していることを物語っている。クリントンは反対の理由として「貧富の格差を拡大する」ことをあげている。大統領選挙と同時に下院議員選挙もあるが、労働組合センターも消費者団体もTPPに賛成する議員は支持しないことを表明しており、議会での承認も難航することは必至である。

 2018年2月3日までにアメリカが批准できなければTPP協定の発効はできず、法的に流れてしまう。TPP協定は原則として、全参加国が2年以内に議会承認など国内手続きをすませることが必要である。それができない場合は、国内総生産(GDP)の合計が85%以上を占める6カ国以上が合意すれば発効することになっている。

このこと自体、経済大国優先のルールであることを示しているが、TPP参加国のなかではアメリカと日本がGDPの8割近くを占めており、日米両国ともが批准しなければ発効しない。日本がTPPを批准しなければアメリカでの結果如何にかかわらずTPPは破棄となるし、アメリカが批准しなくても破棄となる。

 現在のところ参加12カ国は、アメリカの動向を見守り審議を棚上げしている状況である。マレーシアだけが今年1月に国会でTPPを批准した。だが、批准のために審議を進めた与党・統一マレー国民組織では、マハティール元首相が離党し、TPP反対の倒閣運動をとりくむ事態に至り、マレーシアでも関連法案の国会通過は難航している。

 そうしたなかで日本だけが真っ先にTPP批准を強行し、アメリカを援護射撃してTPP協定発効のためになりふり構わず突き進んでいる。

 TPP協定全文は英文で6300nという膨大なもので、しかも原文は英語やフランス語で書かれており日本語の原文はない。交渉段階で日本政府はアメリカの植民地的な扱いに甘んじていたことをうかがわせる。

 元農林水産大臣の山田正彦や弁護士、学者でつくるチームが最近TPP協定の全文を分析して、小冊子にして紹介している内容をもとに、TPP協定が日本の国民生活にどのような影響を及ぼすのかを見てみたい。

 項目としては

@医療への影響、
A遺伝子組み換え食品、
B食品の表示-- 『国産』『産地』  --
C農作物への影響、
D水産分への影響、
E雇用への影響、
F公共事業への影響、
G知的財産への影響、
HISD条項

をあげている。

 @医療への影響

 医療は金持ちでないと受けられなくなる。
 従来は医薬品の価格は日本独自で決められていたが、TPP協定では外資製薬会社が価格決定に介入してくる。その結果、医薬品の価格が3倍にも高騰するとの見方も出ている。

 独立機関をもうけて外資製薬会社が価格決定に介入し、その意見を考慮することになるとし、「価格決定に外資の製薬会社も参加することができ、不服であれば異議申し立てができる」とある。

 また、ジェネリック医薬品がつくれなくなる。従来は特許期限切れの医薬品は届け出をすれば自由につくれた。TPP協定では、政府は医薬品を開発した製薬会社に「通知」しなければならず、外資製薬会社の承諾がいる。外資製薬会社は日本の行政不服審査法(改定)による異議・不服申立(裁判)をし、その後も高価格のまま販売を継続することができる。

 政府は「国民皆保険制度は守られた」と説明している。だが、第11章(金融サービスの章)では「政府が認める金融機関については例外」となっている。金融機関には保険会社も該当し、いずれアフラックなど民間医療保険も参入してくるのは必至である。

 医療に関する付属文書では、政府は公的医療保険の見直しを約束している。すでに日本でも108種類の先端医療が、保険商品として民間医療保険を認められている。

 すでに医療国家戦略特区がTPPを先取りしており、神奈川県の国家戦略特区では、株式会社の医療機関を認めている。また韓国では医療法人が株式会社に衣替えしている。


 A遺伝子組み換え食品

 遺伝子組み換え食品である鮭や小麦などが輸入され、その「表示」もできなくなる。 

 日本の現行法では、遺伝子組み換え食品の輸入は「原則禁止」で、「表示義務」が課せられている。TPP協定では、「現代のバイオテクノロジーによる農産物、魚、加工品」と定義し、「遺伝子組み換え農産物の貿易の中断を回避し、新規承認を促進すること」としている。

 TPP協定での遺伝子組み換え食品の扱いは、中央政府による「強制規格」に該当するとし、「“強制規格”はモンサントなど利害関係者の意見を聴取し、それを考慮」しなければならず、日本独自の「表示」を決められなくなる。


 B食品の表示-- 「国産」「産地」-- 

 牛肉、豚肉などの「国産」表示もできなくなる。

 アメリカは「国産」表示が貿易障壁に該当し、不必要な表示だとして、「国産」表示をとりやめている。日本で牛肉や豚肉に国産表示をすれば、外資食肉企業(タイソン社など)から日本政府はISD条項を武器に損害賠償を求め訴えられる。

 野菜、果物などの「産地」表示もできなくなる。

 知的財産の章によると「地理的表示は原則認められる」ことになっているが、従来のように自由な産地表示はできなくなり、「甲州産ぶどう」のような表示はできなくなる可能性が高い。アメリカは「パルメザンチーズ」と「産地」表示している包装が不当表示だとして貿易障害を主張している。

 また米韓FTAの例では、韓国国内の産地業者と米国業者を学校給食でも差別できなくなり、「地産地消」をベースとした学校給食の条例も制定できない。

 C農作物への影響

 日本のすべての農産物は7年後の再交渉で関税が撤廃される。

 TPP協定の英語の原文では「関税の撤廃」とあるものを農水省は「関税の措置」と訳してごまかしている。そこでは日本だけが七年後に米国、カナダ、オーストラリアなどの5カ国と関税撤廃について再交渉することが義務づけられている。

 従来の通商条約ではコメなど重要農産物については必ず「除外」と明記されてきたが、TPP協定では「除外されていない」ことを日本政府も認めている。

 すでにベトナム産コシヒカリが5`c50円でインターネット販売され初めており、近い将来、日本のコメ農家はつぶれ水田が消えていくことになりかねない。

 D水産物への影響

 日本の食卓から豊富な魚料理が消える。

 TPP協定では「過剰漁獲国での補助金制度」を禁止している。「過剰漁獲国かどうか」の基準は「ある魚類資源の最大持続生産量(総量の減少なしに毎年漁獲可能な生産量)」であり、日本のほとんどの魚種が「過剰漁獲」と判断される恐れがある。

 もし日本が過剰漁獲国と認定されると、「燃費、船の建造資金などの助成」や「港湾整備などの補助金」が禁止され、持続した漁業経営ができなくなり魚の自給率62%を維持できなくなる。漁業権も公開入札しなければならなくなる恐れがある。外資系水産会社も平等に入札可能になる。沿岸漁民による前浜漁獲もできなくなる可能性もある。

 公共サービスも金融も外資に売り飛ばし

 E雇用への影響

 外国人労働者(移民)の受け入れで日本人が失業し、給料が下げられる。

 北米自由貿易協定(NAFTA)で2000万〜3000万人のメキシコ移民が米国へ流入し、米国人500万人が失業し、42年前の給料水準にまで下落した。

 TPP協定では単純労働者の流入は原則認められていない。しかし日本の規制改革会議では「今後の日本の経済成長には外国人労働者は必要不可欠」と提言しており、自民党「特命委員会」でも単純労働者の受け入れを認めている。TPP日米並行協議の交換文書では、「外国投資家の意見・提言を求め、規制改革会議に付託し、日本政府は規制改革会議の提案に従って必要な措置をとる」となっている。

 F公共事業への影響

 これまで国や自治体から受けてきた各種公的サービスがTPPでは民営化される。

 水道事業は「指定独占企業」に該当するとし、郵政事業のように民営化するとしている。愛媛県松山市ではフランス企業に業務委託し、水道料金が上がり続けている。

 国立病院(全国143カ所)や公立病院は、5年後の再交渉で民営化し、株式会社に衣替えし外資企業に売却される。採算のとれない離島などの公立病院は閉鎖される。

 公共事業と入札については政府調達の章が該当する。国、自治体、政府機関による建設、土木工事なども原則として外資も含めて公開入札になる(3年後の再交渉で小さな自治体にも及ぶ可能性がある)。

 そのさい、自治体は英語と自国語で手続きを進めなければならない

英語を使うように努める」
「公用語以外の言語で提出することが可能な場合に限る」

とあり、結局公用語は「英語」となる。


 また「過去の実績をもとにしてはならない」とあり、技術仕様についても「貿易に障害を与えるようなものではならない」と決められており、談合などは刑事罰に処される。

 日本は最大級の市場開放を約束しており、世界最大級の建設会社「ベクテル」や資源開発会社「ハリバートン」などの巨大外国企業が、政府や自治体がおこなう公共事業などを落札していく可能性が高まる。海外資本による淘汰で地域の建設業者や中小企業の倒産の増大も必至となる。

 また、日本の地方自治体では地域経済の振興のために「中小企業振興基本条例」や「公契約条例」を制定し、地元の中小企業への発注を積極的におこなうところが増えている。だが、TPP協定では地元から雇用や物品、サービスの調達を求める「現地調達の要求」を禁止しており、こうした条例の制定ができなくなり、地域経済の振興策の障害になる。


 G知的財産への影響

 著作権が従来の親告罪(著作権者が刑事告訴しない限りOK)から非親告罪(刑事告訴されなくても逮捕される)になる。

 また、TPP協定では、中央政府が法律を制定し、ネットの管理ができる。政府が認める方法、方針、命令に逆らえば、従来のようにインターネットでの自由な「情報発信」「拡散行為」ができなくなり、サーバー運用も制限される恐れがある。

 アメリカの映画やアニメ、キャラクタービジネス巨大IT企業は特許・著作権料で一五・六兆円もの外資を稼ぐ輸出企業である。当初から著作権強化と厳しい罰則規定を求めてきた。日本では著作権の保護期間は作者の死後50年だが、TPPで70年に延長される。


 HISD条項

 TPP協定の6300ページに多国籍企業600社の顧問弁護士が仕掛けたあらゆる罠がある。

 投資の章では締約国の義務として「内国民待遇、国際慣習法に基づいて公正・衡平でなければならない」とする。

 エジプトでは、政府が最低賃金を引き上げたことで、フランス企業が期待した利益が得られなかったとしてISD条項による損害賠償請求を受けている。またリビアではクウェート企業の観光施設建設が契約後も三年間着工されず、債務不履行を理由に契約解除したところ、リビア政府はISD条項で訴えられ、損害賠償として90年間運営したと仮定し期待できた利益(約1000億円)の支払いを命じられた。

 日本で考えられる危険性としては、地方自治体が固定資産税を引き上げると、間接収容として外資企業から訴えられる。

 またTPPの根本には金融も国境の壁をとり払うことがある。シティバンクやゴールドマンサックスといったウォール街のメガ金融グループが主導しており、こうした勢力が日本のゆうちょ銀行(205兆円)・かんぽ生命(85兆円)やJA共済(52兆円)、年金基金(GPIF、140兆円)、日銀マネーや企業の内部留保(350兆円)などを狙っている。 アメリカはTPP協定の第11章「金融サービス」をとくに重視し、各国が金融危機に陥ったさいに自国の金融システムを守る規制をとり払うことを義務づけている。

 こうした概要をなすTPP協定についてはアメリカ国内でも

「TPPは多国籍企業が利益を増大させるためのシステム」
「TPPは特定集団のために“管理”された貿易協定」

などの批判が広がっている。

 アメリカでは大統領選を控えクリントンもトランプも「TPP反対」を唱えているが、その中身は

「巨大多国籍企業の利益を守るためには現状の内容ではまだ足りない」

というもので、日本に対して一層の譲歩を迫ってくる可能性が高い。

 安倍政府がTPP批准強行を急ぐのも、一握りの多国籍企業の利益を守るためである。そのために日本の農漁業を破壊し、中小企業をなぎ倒し、皆保険制度をはじめとする医療制度を破壊し、労働や金融、公共サービスなど国民生活の全般にかかわる分野にわたって、国益を売り飛ばそうというものである。臨時国会の目玉となるTPP批准に大きく光を当て、国の根幹を揺るがす暴挙に対して全国的斗争を強めることが求められている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/kuniwonoltutorutakokusekikigyou.html


58. 中川隆[4290] koaQ7Jey 2016年10月03日 11:32:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4698]

2016年10月03日
農業でも外国人労働者 農業特区で解禁へ
http://thutmose.blog.jp/archives/66298795.html


アメリカの農家は全部赤字だが、国からの補助金で生産している
http://agrinasia.com/wp-content/uploads/2016/01/blue_river_tech_robot.png


外国人労働者に農業をやらせる政策

報道によると政府は農業に外国人労働者を、特区で解禁する方向で検討を始めています。

いわゆる単純労働者ではなく、高度な技能を持つ技術者に限定し、日本人と同等以上の賃金を条件にする。

農業を巡っては過去30年間で農業従事者が50%減少し200万人を割り込み、しかも兼業農家が増えています。


  


また外国人実習生を低賃金労働者として雇用し、給料をほとんど払っていないなどの問題も発覚した。

日本の食料時牛率はカロリーベースでは先進国中最下位で、欧米の輸出農作物にすら国内市場で負けている。

国は外国人労働者によって農業を活性化しようと目論むが、この政策は正しいのだろうか。


まず日本の農業が後進国はおろか人件費が高い先進工業国にも負けている原因は、農業自体にはない。

欧米先進国はいずれも、農家に50%から90%もの補助金を給付していて、赤字で生産しても国が給料を払っています。

一方日本は建物や用水路や農道は建設するが、補助金は出していないので農家は価格転嫁せざるを得ず、日本の農作物は高い。


日本の自給率が低い原因は農業補助金が少なすぎるからで、農家自体に問題はない。

むしろ日本の農業は「農業先進国」とされるアメリカや欧州より生産性が高く、同じ競争条件なら価格でも品質でも勝っています。

するとこれは日本政府に問題があるので、農家をどういじくっても解決しません。

日本政府の農奴政策

政府はどうしても農家への補助金を出そうとせず、関税だけ減らしてさらに生産量を減らそうとしています。

とどめはTPPで、関税を撤廃してアメリカの農作物を自由に輸入しようと言っています。

アメリカの農家が米を生産すると政府から50%の補助金を貰えるので、半分の値段で販売しています。


日本の農家は補助金なしなので、アメリカの半分のコストで生産しても、同じ販売価格になるのです。

欧米諸国が事実上のダンピングをやっているのに、日本政府は抗議すらせず「日本の農家は怠け者」などと罵っています。

話を戻して外国人労働者を受け入れて日本の農業は改善されるかというと、される筈がありません。


日本の農業は既に生産性が高く、品質は世界一であり、改善すべき点がなにもないからです。

トヨタの工場に外国人労働者を入れるようなもので、それで生産性が上がったりはしません。

農業人口の減少を外国人で補うという意見があるが、原因と結果を履き違えています。


農業が儲からない、農業では食えないから農業をやらないのであって、今の若者だって年収1千万円稼げるなら農業をやります。

農業では生活できないから、外国人実習生をタダ働きさせようというのは、南北戦争以前のアメリカ農場の考え方です。

安倍首相はアフリカから農奴でも連れて来たいのでしょうか?


59. 中川隆[4671] koaQ7Jey 2016年10月26日 20:23:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5083]

座談会 欧米の市民社会は自由貿易にNOと言う――TTP、TTIPと私たちの暮らし――
メリンダ・セント・ルイス 
ローラ・ブリュッヘ 
内田聖子(司会) 
『世界』 2016年10月号 岩波書店(137-145ページ)
 
 
内田 メリンダさんはアメリカのNGOパブリック・シチズンの貿易問題担当として、TPPやTTIP(環大西洋貿易・投資パートナーシップ協定)の問題を日本の私たちや他国のNGO、労働組合、消費者団体とともに5年以上もウォッチし、交渉会合にも毎回のように足を運んでおられます。またローラさんはベルギーに拠点を置き、多国籍企業の動きを監視するCEOという著名なNGOで、TTIPに反対する多様な層の運動体をまとめ、巨大な運動に発展させてこられました。お二人は米国とEUにおける自由貿易協定に反対する市民社会の運動のトップランナーです。


 日本でも9月の臨時国会で、4月に頓挫したTPP協定の批准審議が再開されるわけですが、マスメディアなどのTPPへの関心は欧米市民社会ほど高まっていません。欧米では確実に、自由貿易が雇用や地域経済を壊し、食の安心・安全や公共サービスなどでの規制を緩和させ、さらに環境、人権、自治、民主主義という価値までも危機にさらすという認識の拡がりのもとで反対が強まっています。特に米国での反対運動は、大統領選も含めこの5年で最頂点に達している。今日はお二人の経験から自由貿易が私たちにもたらす弊害や運動の展望について議論できればと思っています。まず、それぞれの現場でのTPPやTTIPの情勢をお話しいただけますか?


 民主主義に反した秘密協定 


メリンダ いまTPPは、米国で最大の政治課題となっています。大統領選の候補者であるヒラリー・クリントンもドナルド・トランプもTPPに反対しています。クリントンと闘った民主党のバーニー・サンダースも「TPPは打倒されなければならない」と述べていました。その背景には、労働組合や環境団体などがTPP反対運動を広げてきたこともありますが、これまで民主党と共和党の間にあった自由貿易推進というコンセンサスに対して、超党派議員による反乱という事態が起きているのです。


 世論調査を見ても、TPPは支持政党を超えた選挙の大きな争点であることがうかがえます。今年2月の調査で、「あなたはTPPをやめ、米国の雇用を第一にする政策を公約としている大統領候補に投票しますか」という問いに対して54%の人が「投票する」と答えました。 「わからない」が29%、「投票しない」 は17%しかありません。興味深いのはもともと自由貿易推進である共和党支持者の64%もの人がTPP反対候補に投票すると答えていることです。


 なぜこのような反乱が起きているのでしょうか。まずは、その秘密主義です。TPPは史上もっとも秘密性の高い貿易交渉です。国民には交渉過程が完全に秘密である一方で、企業側の影響力が非常に大きい。米国通商代表部(USTR)には「貿易アドバイザー」という制度があり、500人以上いるアドバイザーの9割は大企業あるいは業界団体の代表です。シェブロンの代表やハリバートン、ゼネラル・エレクトリックなどの企業関係者などが多数入っています。彼らは秘密の協定文書を自由に見ることができましたし、条文の提案を政府にすることも可能で、実際に文言を作成することもありました。このような非民主的な秘密主義には米国議会でも怒りが噴出していました。交渉が妥結し昨年11月に条文が公開されましたが、交渉過程を記した文書は協定発効後も4年間は非公開という覚書を各国は交わしています。日本でも4月の国会で「黒塗り文書」が出されたと聞きますが、それもこうした約束義務があるからです。このようにTPPは妥結後も各国政府を説明責任から "擁護" しているのです。


 その結果、表向きは「自由貿易」協定ですが、実際には投資家や企業にとっての新しい権利・権益の拡大となっています。協定の全30章のうち、貿易に関する章はわずか6章だけ。残りは非貿易、つまり、食の安全、医薬品アクセス、環境・気候変動問題、金融規制、人権などの分野で企業の権力を拡大し固定するルールです。企業が政府を提訴できるISDS条項も含まれています。


口ーラ TTIPとは米国とEUとの間の自由貿易交渉で、TPPと非常によく似ています。交渉は2013年7月から約3年間続いていますが、幸いなことにあまりうまくいっていません。


 TTIPの目的も、実は貿易ではありません。EUと米国はすでにモノの貿易では多くの関税が撤廃されていて、重要なことはEUと米国との間で、同じような法律が制定されたり、規制の水準を同じにしていくことなのです。


 TTIPについての大きな論点は、TPPと同様に、民主主義の問題です。TTIPも秘密交渉で、透明性が完全に欠如しています。これまでEU市民や各国議員がさんざん圧力をかけてきた結果、ようやく各国議会での交渉文書の一部閲覧という成果を獲得できましたが、それでもまだ出てくる情報は限られています。たとえば先日、私たちは「透明性に関するEU指令」という規定に基づき、米国のたばこ企業のフィリップ・モリス社と欧州委員会の間で交わされた文書の公開請求をしましたが、真っ黒塗りです。


 フィリップ・モリス社は、各国の政府が国民の健康を守るために行なう規制措置に対して訴訟を起こすことが大好きな会社です。オーストラリアもISDSを使って提訴されたことがありました。だから私たちも同社の関連文書を要求したわけですが、黒塗り文書を出してきた欧州委員会の回答は、「公文書の提供は確かに義務づけられている。透明性は確かに大事である。しかしこのような貿易交渉においてはビジネスの利益が優先される」というものでした。ここにTTIPの本質がまさに表れています。要するに、環境や公共の利益よりも、貿易、経済、ビジネスが優先されるのです。ここに市民社会は猛烈に反発しています。


 期待できない経済効果 


内田 米国でTPPが支持されていない最大の理由は、雇用問題ですね。労働組合も中小企業経営者も労働者も、TPPで雇用が台無しになり家族を守れない、とのスローガンを掲げています。日本ではTPPでGDPが13.6%も増加し、80万人もの雇用が増えると夢のような試算が政府から出されています。


メリンダ 米国には過去の自由貿易で雇用が失われたという「負の経験」があり、自由貿易は経済成長や雇用増加にはつながらないということが人びとの間で十分実感されています。


 1992年に米国、カナダ、メキシコで締結された北米自由貿易協定(NAFTA)で米国の雇用、特に製造業は大きな打撃を受けました。政府はNAFTAで雇用は増える」と大宣伝していましたが、実際には2004年までに100万人もの雇用が失われました。別の統計では4人に1人の製造業の雇用が失われ、5万7000もの工場が国外に出ていきました。賃金の低いサービス業、特に大学の学位を持たない米国在住者の60%以上の人たちにも影響しました。結果的に米国内の賃金は引き下がり、労働組合が団体交渉する力も弱められてしまいました。政府の調査では、NAFTA以降、米国の製造業とサービス輸出の成長率は低下しています。「NAFTAでモノの貿易黒字が増える」といわれたのですが、結果は正反対で、570億ドルもの貿易赤字となりました。また2013年に韓国と結んだ米韓FTAの結果を見ても、米国から韓国への物品輸出は約9%低下し、米国には285億ドルの貿易赤字が生まれるというように、決して米国に経済利益をもたらしてはいません。


 これらの貿易政策の結果、過去20年から30年の間で、米国の格差は徹底的に増大しました。NAFTA以降、もっとも裕福な10%が得た国民所得の割合は24%上昇し、上位1%によって得られた割合は58%上昇しています。こうした実績は、何よりも説得力を持っています。だからこそ、多くの人は現在のTPPに反対をしているのです。


内田 2016年5月、米国政府の国際貿易委員会(ITC)は、TPPによる経済効果はほとんどないという報告書を出し、私も大きな衝撃を受けました。本来は「バラ色の展望」を提示するべき政府試算が、実は大したことはなかった。


メリンダ その通りです。政府もTPPについては、これまでのような楽観的見通しはさすがに出せなかったのでしょう。 ITC報告によればTPPでの経済成長は15年間でGDPがわずか0.23%増というものです。ほとんどゼロです。さらに報告では米国の農業、製造業、サ ービス業など55セクターのうち、36セクターで収支が悪化し、2032年ま
でに米国の総貿易赤字を217億ドル増やすとも試算しています。総論的にいえばTPPに入ることの経済的効果はほとんどなし、といえます。これによって反対運動も大きな根拠を得ましたし、TPPでの経済効果を信じていた人たちの期待も瓦解したといっていいでしょう。


 グローバルに進む規制緩和 


内田 TPPやTTIPの本質である「ルール部分」はどうでしょうか。すでに関税の問題ではなく、ルールの統一がグローバルにされていくことの問題点は欧米では共通の問題意識となっていると思いますが。


口ーラ TTIP交渉では、「規制の協力」という分野が設けられ、その中で米国とョーロッパの法律やルールの統一化が目指されています。しかしこれは法の自主性という意味でも本当に大問題で、 簡単にいえば、例えばヨーロッパで新しい法律を導入したい場合、欧州議会に提出する前に米国政府に相談して、貿易に悪影響を与えないかどうか意見をうかがわないといけないということです。大企業の意向が各国の法整備に大きな影響力を持つことになってしまいます。


 EU市民社会の中で規制の統一について懸念されているテーマは、たとえば化学薬品や化粧品です。ヨーロッパでは多くの国が「安全でない商品は市場に出さない」という原則のもとで規制をしていますが、米国の規制は明らかに弱い。ヨーロッパで化粧品に入れることを禁止している化学物質は約1000ほどありますが、米国ではわずか10ほどです。しかし「規制の協力」といって米国基準に緩和されてしまえば私たちの身近なところでこうした商品が出回るようになってしまいます。協定を批准してただちに規制緩和されることはなくても、10年、20年と経つ間にどんどん基準は引き下げられていくでしょう。


 食の安心・安全についての関心も非常に高く、牛肉の成長ホルモン、遺伝子組み換え作物、塩素処理された鶏などにEUは反対してきました。これはEUの選択です。しかし米国では何の問題もありません。それで米国とEUの間ではこれまでもWTOの紛争も多く起こってきました。このことがTTIPでも問題となることはわかっていますから、多くの農業者や消費者が反対をしています。さらに殺虫剤や環境ホルモンなどの問題です。「危険なものは域内に入れない」というEUが重視してきた原則が、「規制の協力」という名の下で台無しにさせられるかもしれません。実際に、米国の企業や業界団体からはこうした規制に対する攻撃があるわけです。


メリンダ 米国でも食の安全については心配されています。TPPは米国の安全基準を満たさない魚介類、肉、鶏肉の輸入を強いるものです。たとえばベトナムの魚介類から高い濃度の汚染が発見されたこともありますし、マレーシアのエビは最近禁止された抗生物質が高いレベルで発見されたため、輸入が差し止められたのです。これらがTPPで大量に入ってくる危険があります。米国食料医薬品管理局(FDA)は1%に満たない程度の魚介類しか検査していません。


 TPP協定文を読むとよくわかりますが、TPPは遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジーを使った農産品を新しい貿易ルールの対象にすることを明記した初めての貿易協定です。米国のアグリビジネスやその意向を受けた政府は、長年、他国の遺伝子組み換え作物への規制や監視体制を「貿易障壁」として攻撃してきました。TPP協定にはこうした各国のルールに対してモンサントやカーギルなどの企業を含む利害関係者が異議申し立てできる規定がありますし、ともすれば食品表示も「貿易違反」として抗議されかねない内容も含まれています。いま米国では有機農産物を求める消費者や有機農業者たちが遺伝子組み換え商品への表示義務制度をつくるよう、州レベルで激しくたたかっています。こうした人たちはTPPでこうした努力も後退してしまうことを危倶し、TPP反対運動にも参加してきています。


 投資家を守るISDS 


内田 TPPにもTTIPにも含まれるしくみとして、投資家対国家の紛争解決メカニズム(ISDS)があります。企業や投資家が、相手国の規制強化や政策変更に対して「当初予定していた利益を損ねた」として多額の賠償金を求め提訴できる制度です。これが欧米市民社会の自由貿易協定反対の最大の焦点だと思いますし、しかもISDSによって環境や人権、公共サービス、そして自治や主権が脅かされるという危機感がかなり共有されていると思っています。


メリンダ ISDSはTPPだけでなく多くの貿易・投資協定に含まれていますが、外国企業や投資家に、相手国の国民や国内企業を超える幅広い権利を与えるものです。国内の法制度や裁判を飛び越え、私的な仲裁廷に提訴することができます。仲裁人は3名いますが、通常は企業の弁護士を務めているような人たちです。裁定は一度限りで、控訴はできません。また投資家は実際に損なわれた利益に限らず、「将来に予測される利益」に対して訴えることが可能です。さらに政府が負ければ賠償金は国民の税金から支払われるわけで、どれをとっても私たちにとって有利なしくみではありません。近年、ISDS訴訟の数は急増していて、1987年以降、累計696件の訴訟があります。たとえば米国の天然ガスの会社ローンパイン社がカナダ政府を訴えたケースは、ケベック州が同社に、環境影響評価を行なう間、開発をしないよう求めたからです。それで利益を失ったとして、2億5000万ドルの賠償請求をして現在も係争中です。米国シェブロン社は、エクアドル政府を訴えました。同社によるアマゾン地域の深刻な汚染のせいで健康被害を受けたと地域住民が告発し、エクアドル政府は操業停止を命じたのですが、それに対してシェブロンは訴訟を起こしたのです。


口ーラ TTIPにもISDSは含まれており、非民主的なしくみだとヨーロッパでは強く非難されています。欧州委員会は、TTIP交渉に際して、ISDSに対する市民からの非難があまりにも強かったために、2014年夏にISDSの賛否を問う公の意見聴取をインターネツトで行ないました。すると回答者15万人のうち97%が「反対」と答えたのです。学会やビジネス界からも反対の声が上がりました。それを受けて欧州委員会は、2015年末にISDSの改革案として投資裁判制度(ICS)を米国に提案しました。ここでは多少の改善が見られますし、また公開聴取の結果という市民社会の声がもたらした勝利ではありますが、私たちが望むような改革案ではありません。専門家もICSはまったく不十分と評価しています。


内田 日本政府はISDSに関して「日本が提訴されることはない」と言っています。最近になって少し考えを変え訴訟された場合の対策を考え始めたようですが、その危機感は欧米の政府や市民社会ほどではありません。


メリンダ それはあまりに楽観的です。米国ではTPPが発効すればISDSで提訴されるという危機感が強くなっています。もちろん米国の大企業は最も頻繁にISDS提訴を主に途上国政府にしてきたのですが、最近では先進国政府が訴えられるケースも増加しています。


 最近の事例でいえば2016年1月、米国はカナダの企業にISDSを使って提訴されました。米国からカナダまでを結ぶパイプライン計画がもともとあったのですが、環境団体や先住民族の運動は、環境を破壊する計画は撤回せよと求めてきました。2015年11月、オバマ大統領は計画の認可を取り消す判断をしました。これは私たち市民社会にとっては歴史的な勝利です。ところが計画に投資していたトランス・カナダ社は、オバマ大統領の判断は「恣意的」であるとして、NAFTAのISDS条項を使って150億ドルの賠償請求をしました。実際の投資額は5分の1の30億ドルしかないにもかかわらず、です。でも考えてみてください。国民がある計画に反対をして、その意思に答えて政策を変更する。これはまさに民主主義です。なぜそれに150億ドルの賠償請求がされなければいけないのでしょう? もしその主張が通れば、環境保護は実現しません。環境ゃコミュニティに害があっても、国際条約に従って汚染を禁止しようとしても、ISDSで政府が訴えられてしまう。汚染をする側が多額の賠償金を得るという奇妙な話になるわけです。TPPが発効すれば訴訟はますます増えるでしょうし、米国企業が日本の自治体や政府、法律を訴える危険性があります。逆に日本の企業が他国政府を訴えるというケースも増えるでしょう。日本はISDSで訴えられることを真剣に考えるべきです。


口ーラ 2011年の福島原発事故はヨーロッパにも大きな衝撃を与えました。事故直後、ドイツ政府は脱原発政策に切り替えました。日本ではあまり知られていないかもしれませんが、このドイツの政策変更に対して、スウェーデンのヴァッテンフォール社はISDSを使いドイツ政府を提訴しています。同社はドイツで原発プラントを開発している会社ですが、脱原発になれば利益が得られないということが理由です。これは日本にとっても大きな示唆ではないでしょうか。


 多様な人たちの参加 


内田 環境や人権、自治などに対する脅威としての自由貿易協定に、それぞれの現場ではどのような運動が展開されているのでしょうか。


メリンダ 日本では環境問題からのTPP反対は少ないと聞いていますが、米国では環境の視点からの自由貿易批判は非常に強いのです。環境保護や気候変動対策は、国際社会、特に先進国にとっては共通の課題です。しかしTPP協定文に「気候変動」という文言は1回も出てきません。これに対してシエラ・クラブや天然資源保護協会など多くの環境団体は厳しく批判しています。また協定文には「環境」に関する章はありますが、動植物の違法取引や、違法な漁業とフカヒレ採取に対してはとても緩い義務規定しかありません。ISDSによって環境政策が攻撃されるという脅威もあります。


 医薬品についての懸念もあります。TPPで医薬品の独占特許延長などがされてしまえば、医薬品大企業には利益が舞い込みますが、医薬品価格は高くなり、ジェネリック医薬品へのアクセスも困難になります。途上国の医薬品コストは上昇します。「国境なき医師団」はTPPを「途上国の医薬品ァクセスにとって最悪の貿易協定」と批判しています。


 人権という観点からの批判もあります。6500ページもある協定文の中に、「人権」という単語は1回も出てこないのです。米国には人権を守っていない国とは経済的取引をしないという前提があるのですが、TPP参加国の中には、人身売買や児童労働を許容したり、労働組合つぶしをしたり、同性愛を犯罪と定めていたり、シングルマザーを石打の刑に処するような国も含まれています。米国政府はこうした実態は棚上げしたまま、そうした国との貿易をひたすらに求めています。これに対して人権団体やLGBT運動が声をあげています。


 このように米国では現在、TPPに反対する大規模で多様な運動があって、非貿易の側面からの反対がますます高まっています。過去に自由貿易協定を支持してきた経済学者たち、ジョセフ・スティグリッツやポール・クルーグマン、ロバート・ライシュなどが「TPPの経済的利益はわずかであり、逆に多くのリスクをもたらす」と反対しています。支持政党を超えて有権者はTPPについて知れば知るほど反対するように変化しています。11月には大統領選と合わせてすべての下院議員と上院の3分の1が改選を迎えるという要素も大きく、要するに候補者は「TPP反対」と言わなければ当選しない状況になっているのです。


内田 大統領選の結果によってTPPそのものがどうなるのかという点は私たちも気になるところです。


メリンダ TPP推進側は、11月の選挙後の「レーム・ダック」(オバマ大統領の残存期間)を唯一、批准可能な時期とみていますが、その見込みは少なくなっています。新しい大統領は「反対」といっていて、議会も通過させたくない。一方、政府や産業界は何とか発効させようとしている。トランプが大統領になればおそらく完全に廃案でしょう。クリントンの下では、少なくとも再交渉になるだろうと考えています。クリントンは以前から、為替操作や自動車その他のモノの原産地規則、知的所有権(医薬品特許)、そして ISDSについても現状の中身ではダメだと言ってきましたから、本音では批准したくても、何らかの手を打つしかないでしょう。


内田 貿易の問題は複雑で難しい、と私たちはどこかで思い込まされていて、日常の暮らしとのかかわりがなかなか実感できない人が日本にも多くいます。異なる層の人たち、無関心でいる人たちとどうやったらつながっていけるのかは日本でも大きな課題です。


口ーラ EUでのTTIP反対運動も多様なセクター、層によって成り立ち、数々のキャンペーンやデモが行なわれています。また自治体での反対決議もどんどん広がっています。各国でTTIPを自国の課題とリンクさせることも有効です。反対運動を牽引する国の1つはドイツですが、先ほど述べたように実際にISDSで提訴されたという経験が非常に大きいですね。もうーつ、TTIPで大きな議論となっているのは水道などの公共サービスの民営化への懸念です。


 私たちがこれまで強いキャンペーンを展開できたのは、今までは考えらなかったセクター、層の人たちと一緒に運動できるようになったからです。これまで自由貿易に反対する人といえば、農民や環境団体、労働組合、消費者運動、NGOなどで、これは世界共通だと思います。しかしこうした人たちに加え、中小企業やキリスト教民主主義の弁護士、研究者、EU議員、欧州委員会の元貿易担当高官なども参加しています。


メリンダ 米国では大企業や商工会議所、業界団体が政治システムの中で影響力を行使し、選挙がお金で買われているような状況があります。要するに「政策をお金で買っている」わけですね。その一方で、貧困や格差、最低賃金や気候変動などの問題も企業の支配が強まっていったわけですが、そこにメスを入れずに長い間やってきたわけです。しかしトリクルダウンがもう起きないという中で、米国に根本的な価値観の変化はありうるのでしょうか。私自身は、TPP反対運動の中でここ数年で起きたことを考えると変革の可能性はあると楽観的に考えています。TPP反対は労働者、高齢者、学生、LGBT、女性、消費者団体、環境など大きな広がりを見せています。そして重要なことは、二大政党の民主党も共和党もこうした人びとの声、有権者の怒りに対応しなければいけなくなったということです。これが私たちのチャンスになっているわけです。お金では対抗できないとしても、人びとの力を結集して対抗しようとしています。


口ーラ ヨーロッパの視点で言えば、この数十年間に「オルター・グローバリゼ ーション」(もう一つのグローバル化)運動がEU各地に存在しています。こうした下地がある上に、各地でTTIPなどの話をしていくと非常に理解が早いことを実感します。またスペインのポデモスに代表されるような「新しい政党」も登場しています。こうした積み重ねの結果、TTIP反対の声は多様で重層的につながりながら、欧州議会を動かす力にもなっています。もちろん課題もあります。TTIP反対の中には排外主義的なナショナリズムを煽る運動も存在することも事実です。これに対しては、排外主義的な考えと私たちは違うということを明確にしなければなりません。


メリンダ 現在、米国での反対運動の成果があるのも、国際市民社会が企業の権利拡大とたたかってきた歴史のおかげだと思います。WTOに対する運動もそうですし、NAFTAを拡大した米国自由貿易圏構想(FTAA)も、多国間投資協定(MAI)も市民の反対によって実現していません。こうした抵抗の延長上に、現在のTPPやTTIPとの闘いがあるわけです。多国籍企業は連帯しています。私たちも連帯しなければいけません。多くの人が、うまく言い表すことはできなくても、企業の巨大な権力やルールが自分の生活にどのような影響を与えているか実感し、不安を感じています。決して伝えにくい問題ではありません。ですからあまり細かいことや技術的な側面にこだわらず、生活者の視点から、そしてそのシステムの恩恵を受けていない人たちが感じたことを率直に伝えていくべきです。日本での国会批准審議がこれから再開するわけですが、米国でのTPPの行き詰まりを、日本の反TPP運動強化にもつなげていけば、ともにTPPを敗北に追い込むことができます。


内田 メリンダさん、ローラさん、ありがとうございました。

座談会 
欧米の市民社会は自由貿易にNOと言う
――TTP、TTIPと私たちの暮らし――
メリンダ・セント・ルイス 
ローラ・ブルュッヘ 
内田聖子(司会)

 9月の臨時国会で、4月に頓挫したTPP協定の批准審議が再開される。しかし、マスメディアなどのTPPへの関心は欧米市民社会ほど高まってはいない。
 欧米では確実に、自由貿易が雇用や地域経済を壊し、食の安心・安全や公共サービスなどでの規制を緩和させ、さらに環境、人権、自治、民主主義という価値までも危機にさらすという認識の拡がりのもとで反対が強まっている。
 特に米国での反対運動は、大統領選も含めこの5年で頂点に達している。アメリカとヨーロッパでそれぞれ活躍中のNGO活動家から、自由貿易が私たちの社会にもたらす弊害などについて議論する。


ローラ・ブルュッヘ/Lora Verheecke ベルギー・ブリュッセルに拠点を置き、EU全域で活動する市民団体「Corporate Europe Observatory (CEO)」にて調査研究とキャンペーンを担当。CEOは自由貿易と大企業とロビイストの動きを、社会正義や環境、貧困削減、人権、民主主義などの観点からウォッチしている。


メリンダ・セント・ルイス/Melinda St. Louis 米国・ワシントンに拠点を置く市民団体パブリック・シチズンの「Global Trade Watch」(貿易・投資問題の担当部署)国際キャンペーン責任者。同団体は1971年にラルフ・ネーダー氏が設立した消費者団体。貿易や投資以外にも環境、人権など幅広い分野で活動している。


うちだ・しょうこ アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長。


https://www.iwanami.co.jp/sekai/2016/10/137.html


60. 中川隆[5029] koaQ7Jey 2016年11月19日 10:05:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5456]

食料安保に大きな禍根 日本農業 外資が支配 経済評論家 三橋貴明 2016年11月18日

政府の規制改革推進会議が提言としてまとめた「農協改革に関する意見」について17日、経済評論家の三橋貴明氏に聞いた。

 規制改革推進会議の提言は、JA全農を解体し、切り売りするものだ。外国の穀物メジャーなどが全農の購買事業の関連部門を買うことが想定される。日本農業は外資に支配され、食料安全保障は脅かされる。これは亡国の規制改革だ。中国も狙ってくると思う。

 議論の在り方もおかしい。全農が肥料などの生産資材の売買で手数料を取るのは当たり前。手数料を取るのがおかしいと言うのなら、商社などの企業のビジネス自体を否定することになる。他の商社に同じ提言をするだろうか。絶対に言えないだろう。それほど理屈のない内容だ。

 提言の背景には、企業が全農のビジネスをつぶして新規参入したいという意図がある。政府官庁に働き掛けて法律や政策を自分に都合よくねじ曲げる典型的な「レントシーキング」だ。

 「農家の所得増大が実現できないのはJAや全農が原因だ」といえば分かりやすく、受ける。だからJAが敵対視される。だが、全農の弱体化は、農家から選択肢を奪い、結果的に農家が割を食うことになる。

 世界の潮流は、いつも英国から生まれている。産業革命、金を通貨価値の基準とする金本位制、社会保障制度を充実させた福祉国家、そしてサッチャーによる新自由主義。いずれも英国が最初に始めた。

 その英国が欧州連合(EU)離脱を決定し反グローバル化に転じた。そして米国は環太平洋連携協定(TPP)反対を唱えたトランプ氏が大統領選で勝利した。世界は今、グローバル化を制限する道を歩み始めている。それなのに日本はTPPに固執し、TPPとセットで浮上した農協改革を進める。日本は世界の潮流に逆行し、周回遅れのグローバル化に向かっている。

 政府が針路を誤った時、それをただすのが議会制民主主義だ。だが、与党の自民党の国会議員が執行部に物申せなくなっている。小選挙区中心の選挙制度となり、党の公認を得ることにきゅうきゅうとしているためだ。何のために政治家になったのか、議員はもう一度、よく考えてもらいたい。

 経済団体などが政府に政策を働き掛けるロビー活動は各国がやっている。JAグループは、農林議員に働き掛けて農家の声を伝え、間違ったことには対峙(たいじ)していく必要がある。大手テレビ局を買収するくらいの意気込みで、自分たちの主張を発信してほしい。このまま「農家の所得が上がらないのはJAのせいだ」と、レッテルを貼られたままで良いのか。

 まだ、間に合う。農協改革をつぶさないと日本がおかしくなる。農家は大資本に立ち向かうために協同組合を設立したことを思い出してほしい。
https://www.agrinews.co.jp/p39476.html


61. 中川隆[5030] koaQ7Jey 2016年11月19日 10:10:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5457]

亡国の全農解体を阻止せよ! 前編 2016-11-19


安倍政権や規制改革推進会議が、日本の食糧安全保障を決定的に破壊する「亡国の全農解体」に乗り出そうとしています。しかも、日本国民のほとんどが知らないうちに。

 皆様、日本の食糧安全保障の根幹である全農、厳密には「全農グレイン」をカーギルに差し出すため(としか思えない)の全農解体が推進されているという事実を、どうか拡散して下さい。


政府の規制改革推進会議は、全国農業協同組合連合会(全農)に対し、
「農産物の委託販売をやめ、全量買い取りをせよ」
「購買事業について、手数料を取る方式をやめよ(=商社の機能を廃止せよ、ということ)」
 と、事実上「破綻」を求める「改革」を要求しています。


 実際に、全量買い取りを強いられ、商社の機能を廃止された場合、全農の経営は急激に悪化し、日本の食糧安全保障の「要中の要(かなめ)」である全農グレインを手放さざるを得なくなるでしょう。


 すると、アメリカから日本への配合飼料の輸出において、全農グレインを目の敵にしている世界最大の穀物会社カーギルが狂喜して株式を買い取ることになるでしょう。全農は株式会社であるため、買収はできませんが、全農グレインは株式会社なのです。


 全農グレインは、全農の子会社としてアメリカにおいて「IPハンドリング」を実施しています。つまりは、アメリカの生産者と直接契約し、

「これは、遺伝子組み換え作物」
「これは、遺伝子組み換えを使っていない」
「これは、ポストハーベスト」

 と、穀物の「一粒単位」で、実態を管理しているのです。


 全農や全農グレインがIPハンドリングを実施するため、カーギルもやらなければなりません(一応、「競争」はあるのです)。カーギルが強いられるIPハンドリングは、もちろんコスト高要因で、利益を圧迫します。


 さらに、全農は株式会社ではなく、協同組合連合会です。もちろん「適正利益」は取りますが、阿漕な利益は乗せません。すると、カーギルもまた、「適正利益」しか乗せられないということになっています。


 現在、カーギルを代表とする穀物メジャーの「利益最大化」路線に立ち塞がっているのは、もはや全農と全農グレイン以外には存在しないも同然なのです。最後の砦たる全農グレインをカーギルが手に入れれば、日本の食糧安全保障の根幹を「外資系」に握られることになり、世界の食料は「利益最大化」を狙う穀物メジャーの完全支配下に落ちることになります。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12220858347.html


62. 中川隆[5055] koaQ7Jey 2016年11月21日 08:17:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5484]


亡国の全農解体を阻止せよ! 中編 2016-11-20

 さて、昨日に続き「亡国の全農解体」でございます。
 
『全農会長、規制改革会議の提言「承服できない」

 全国農業協同組合連合会(JA全農)の中野吉実会長は17日、政府の規制改革推進会議が出した全農改革の提言について「決して承服できない」と受け入れを拒否した。規制改革会議は11日、JAグループの農業商社である全農に対し、1年以内に農業資材を扱う購買部門の縮小を求める提言を公表していた。

 全農の中野会長が17日、自民党の会議で語った。提言の中でJAグループの反発が強かったのが組織改編の実行期間を1年と区切った点。グループの司令塔を務める全国農業協同組合中央会(全中)の奥野長衛会長も「無理な話だ」と語った。

 出席した議員からも「地元の農協から『だますのか』と言われた」(笹川博義衆院議員)、「大変な不信感を覚える」(二之湯武史参院議員)との反発が相次いだ。』


 今回の全農「改革」の提言の肝は、以下の二つになります(ソースは「平成28年11月11日 規制改革推進会議 農業ワーキング・グループ」)


『(1)生産資材

 @全農が行う生産資材の購買事業については、生産資材の農業者への取次規模に応じて手数料を得る仕組みとなっており、生産資材メーカー側に立って手数料収入の拡大を目指しているのではないかとの批判がある。今後は、真に、農業者の立場から、共同購入の窓口に徹する組織に転換するべく、以下の改革を実行すべきである。


〇生産資材に関するあらゆる情報に精通するために、製造業における購買の達人と呼ばれるような外部のプロフェッショナルを登用し、生産資材メーカーと的確に交渉できる少数精鋭の情報・ノウハウ提供型サービス事業へと生まれ変わる。


〇新たな事業においては、全農は、仕入れ販売契約の当事者にならない。また、全農は、農業者に対し、情報・ノウハウ提供に要する実費のみを請求することとする。


(2)農産物販売

 @農産物の様々な価値を市場に届けるための販売体制強化(中略)


〇全農は、農業者のために、自らリスクをとって農産物販売に真剣に取り組むことを明確にするため、1年以内に、委託販売を廃止し、全量を買取販売に転換すべきである。』


 まず、大前提ですが、農協や農家は、生産資材(農薬、肥料など)について、全国農業協同組合連合会(全農)から購入する義務はありません。


 たとえば、肥料。国内のJAが、全農・経済連から購入している肥料のシェアは59%。農協の時点で、全農・経済連のシェアは六割に満たないのです。残り四割は、普通にほかの卸業者から入れています。


 さらに、生産者(農家)が使用する肥料1400万トンのうち、JAのシェアは71%。残り三割は、小売業者からの購入です。


 農薬は、JAの段階で、全農・経済連のシェアは40%。農家が使用する農薬を見ると、JAのシェアは60%です。残り四割は、小売業者からの購入になります。


 別に、全農は「独占的事業者」でもなんでもないのです。


 全農の生産資材が高いというならば、農協も農家も、別の卸売業者、小売業者から買えば済む話で、実際にそうなっています。


 全農の生産資材には、営農指導のコストが含まれているため、他の業者より高くなるケースがあるのは確かです。とはいえ、農協や農家側には、全農から生産資材を購入する義務はありません。


 それにも関わらず、規制改革推進会議は、全農に対し、生産資材の商社ビジネスからの「撤退」を求めているのです。


 そもそも、全農の生産資材が「高い」と批判されるのは奇妙な話です。むしろ、全農が体力があることにかこつけ、ダンピング(廉価販売)を繰り返し、競合の卸売業者や小売業者を潰していくほうが問題だと思います。


 繰り返しますが、農家や農協は全農から生産資材を買う義務はありません。それにも関わらず、なぜ「全農の生産資材が高い」ことが批判されなければならないのか、意味不明です。


 いや、百歩譲って、高いことが批判されるだけならともかく、それを理由に、

「商社ビジネスから撤退せよ!」

 と言ってきているわけですから、もはや「狂気」だと思います。


 言葉を選ばずに書きますが、規制改革推進会議の連中は頭がおかしいか、もしくは何らかの邪な目的があるのでしょう。


 また、農産物販売において「全量買取」を強制するというのも、頭がおかしいとしか表現できません。ビジネスにおいて、委託販売を選択するか、全量買取を選択するかは、事業体の勝手です。


 要するに、全農の商社ビジネスを廃止し、農産物について全量買取を強制することで、全農の経営を悪化させ、

「全農グレインを手放さざるを得ないようにする」

 ことが、今回の規制改革推進会議に目的であるとしか思えないのです。


 全農グレインを全農が売りに出せば、その日のうちにカーギルの手に落ちるでしょう。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12221149890.html

亡国の全農解体を阻止せよ! 後編 2016-11-21


 大手マスコミはあまり報道していませんが、現在、全農「改革」をめぐり、永田町が大荒れになっています。


 自民党の自民党農林合同会議では、

「農家の所得向上でなく、農協潰しが目的になっている」
「農協の評価をするべきなのは農家だ」

 などと反発の声が相次ぎ、さらに公明党でも規制改革推進会議のやり方に批判殺到という状況です。


『全農改革案に議員も農協も猛反発

 全国農業協同組合連合会(全農)改革に向け、政府の規制改革推進会議が11日にまとめた提言を巡り、東北の農業団体や自民党国会議員に反発が広がっている。提言は、生産資材を仕入れて農家に販売する「購買事業」からの撤退などを求め、改革が進まなければ「第二全農」の設立まで突き付けた。「急進的」との声が強く、党が今月中にも取りまとめる農業構造改革の方針に、会議の意見がどの程度反映されるかに注目が集まる。(後略)』

 
 日本の食糧輸入は民間の商社や全農により担われています。すでにして、商社の多くには「外国資本」が入ってしまっている状況です。


 例えば、2013年末時点の外国資本比率は、三菱商事が30.1%、三井物産が32.9%、住友商事が33.9%、丸紅が30.6%、伊藤忠商事が43.2%。


 全農は、日本食糧輸入の25.9%を担っていますが、唯一の民族資本です。


 厳密には、日本国内の農協が組合員である「協同組合連合会」なのですが、外国資本の影響を全く受けない食糧輸入組織は、日本では全農のみとなってしまっています。


 だからこそ、邪魔、という話なのでしょう。


 昨年の農協改革で、全農の株式会社化が可能になりました。株式会社になり、株式譲渡制限という「規制」が緩和されたとき、カーギルによる全農買収を阻む術はありません(外為法の届け出だけ)。


 とはいえ、全農の組合員である農協が株式会社化に反対する限り、上記スキームは実現しないのです。もちろん、農協改革では農協の理事の過半数を経営者、認定農業者にすることが決定されるなど、着々と「布石」は打たれているのですが、短期で全農を株式会社化することは困難です。


 ならば、というわけで、今回の全農潰しが始まったとしか思えないのです。


 特に、規制改革推進会議の日付に注目で、問題の「改革案」が離されたのは、11月11日です。すなわち、ドナルド・トランプが大統領になることが決まった直後に、狂気の改革案を出してきたのです。


 トランプ当選を受け、カーギルに代表されるグローバル資本側が「焦っているのではないか?」というのが、わたくしの推測でございます。(あくまで「推測」)


 改めて書きますが、今回の全農潰しは、

「生産資材に関し、全農が商社機能を提供することを禁止」
「農産物について、全量買取を強制」

 という、民間のビジネスに対する狂気の介入であり、さらに「改革」が進まない場合、「第二全農」を作るという構想までもがあるのです。


 要するに、全農にさっさと潰れろ、という内容が、国会議員ではない民間人による規制改革推進会議で話され、実行に移されようとしているのです。規制改革推進会議の民間人たちは、一体全体、何の権利があり、日本の食糧安全保障を崩壊させる「全農潰し」を進めているのでしょうか。


 「カーギル様」の意向に沿っている、以外の理由があるならば教えてほしいものです。


 自民党の農林関係合同会議では、

「これを実行させたら自由主義の死。いつから日本は統制経済になった」

 という反発の声が上がったそうですが、同時に今回の話が通った日には、日本の「民主主義の死」でもあるという事実を、是非とも多くの日本国民に拡散して欲しいのです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12221446200.html


63. 中川隆[5136] koaQ7Jey 2016年11月25日 17:37:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5569]

2016年11月25日
バター不足と農業大国ニュージーランドの実態

ニュージーランド農業は政府支援なしで自立しているというが、そんな事はない

繰り返されるバター不足の原因

バター不足を巡って再び議論が起きていて、今年もまた緊急輸入されたが、その原因のなすり合いになっている。

農林水産省は夏の北海道の水害などで生産不足の恐れがあるとして、2016年9月に4000トン追加輸入したが、今年はそれで足りるとしている。

2008年、2013年、2015年とバター不足によって店頭からバターが消えて騒動になり、2015年に緊急輸入に踏み切りました。


そもそもどうしてバターが不足したかというと、国産バターの50%を生産している北海道で乳牛が減少したために生乳が減少したからでした。

そして乳牛が減少した理由は、農水省が「牛乳の消費量は減少する」と言って、乳牛農家に廃業を迫ったり牛を減少させたからでした。

牛乳消費量はピーク時に500万KLだったのが現在は330万KL程度で推移し減少したのが、農水省はもっと急激に減少するとして生産量を半減しようとしました。


牛乳になる原料の生乳の用途として、殺菌して牛乳として販売するのが一番高く売れ、チーズ・バター用は安い。

農協が農家から生乳を買い取る価格は、牛乳用が117円程度、バター用は74円、チーズ用は68円で、生クリーム向けは91円でした(2015年)

この価格はバター不足対策でバター用生乳を値上げしてこうなったので、以前はバター用は40円くらいだったようです。


バターを作るには23倍の量の生乳が必要で、チーズを作るには12倍の量の生乳が必要だが、販売価格はチーズとバターでそれほど変わりません。

今日のアマゾンで『雪印 北海道100 チーズ 200g』が780円、『雪印乳業 北海道バター 200g』が540円でなんと高コストなバターの方が値段が安くなっています。

去年この2つは同じ値段だったので、バターの緊急輸入によってバターだけ下がった可能性が高いです。

バターとチーズが同じ販売価格だとしても、バターの方が製造工程が複雑で確実にコストが掛かるので、メーカーはバターの買い取り価格を安くしないと赤字になるでしょう。

バターが高コストなのに安い原因はおそらくマーガリンの普及にあり、多くの人はパンにマーガリンをつけていると思います。

買い取り価格が安いので日本には元々「バター用生乳」が存在せず、牛乳用に余ったものをチーズ用にし、さらに余ったのをバター用にしていました。


農水省の減産命令に加えて、畜産業の先行きが暗かったので、多くの乳牛農家は廃業してしまいました。

一度廃業したり乳牛を減らすと、再び増やすには大きな投資と時間が必要になり、簡単ではありません。

新しく牛小屋などの施設が必要だし、従業員は離職しているのでゼロから畜産農家を育てなくてはなりません。


しかも予想よりはゆっくりとはいえ、牛乳消費量は減少しているので、将来性が無いのに新しく畜産農家を始める若者は居ません。

こうした2重3重の農業政策失敗や消費減少、価格低迷や畜産農家の経営不振などがあって生乳が減少し、そのツケは全部バター用生乳に来たわけです。

こうしてニュージーランドからバターを緊急輸入したのだが、理想の農業国家として賞賛されるニュージーランドを調べると、あまり理想的とは思えない部分があった。

夢の農業国ニュージーランドは幻想

ニュージーランドは国営農業方式だったが1980年代に民営化され、農業生産の6割を輸出して成功しています。

民営化で農業補助金を廃止して、補助金なしで利益を挙げているのだが、ここがとても不自然で「おかしい」のです。

ネットでニュージーランドの農業予算をいくら調べても出てこず、ようやく分かったのは同国の農業予算が非公開だという事でした。


同じく中国や北朝鮮も非公開なのだが、共産国家並みの秘密農業らしいのです。

ニュージーランド農業の研究開発費はおよそ2億ドル(200億円)弱だが他は一切非公開。

各国の農業予算の内訳は研究開発費、補助金、インフラ整備、社会福祉に分かれていて、ニュージーランドも「農業基金」としていくらかの補助金を出している。


謎なのはインフラ整備費でニュージーランドは国中が農場のため、道路や河川整備をすればそれは農業予算といえます。

日本やアメリカは農地の為に道路や用水路を作ると農業予算になるが、ニュージーランドは一般予算に含めている疑いが強い。

さらに疑問なのは農業従事者の社会福祉で、これを利用すれば実質的には補助金なのに、補助金ではないと言い張れる。


「ニュージーランドは補助金なしでやっているのに日本の農家は金を貰って楽をしている」とニュージーランドに行った人は必ず言うが、そうは思わない。

アメリカの農業予算は年間10兆円以上だが、アメリカの農業生産額は17兆円に過ぎないので、生産額の半分以上は政府のお金です。

フランスなど欧州の農業国はさらにひどく、南仏のブドウ農家は90%の補助金を受け取って日本に輸出しています。


日本は農業生産額約7兆円で農業予算3兆円なので生産額の約4割は政府支出しているが、道路や用水路建設に使われています。

対するニュージーランドは研究開発費以外の農業予算が非公開で、いくらつかっているのか不明だが、アメリカや日本に輸出攻勢を掛けています。

ニュージーランドの農業が政府の支援なしになっていけるのは、実は政府が農業予算を隠しているだけです。
http://thutmose.blog.jp/archives/67531041.html


64. 中川隆[5201] koaQ7Jey 2016年11月30日 10:26:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5635]

続 亡国の全農解体を阻止せよ! 2016-11-30

『首相「全農刷新を断行」 政府、農業改革方針を決定

 政府は29日午前、農林水産業・地域の活力創造本部を首相官邸で開き、全国農業協同組合連合会(JA全農)の組織刷新などを盛り込んだ農業改革方針を決めた。全農に改革の自主計画を作ることを求め、国が進捗状況を確認する。安倍晋三首相は「全農は新たな組織に生まれ変わるつもりで、抜本的な改革を断行していただきたい」と語り、来年の通常国会に関連法案を提出する方針を示した。

 改革案は、肥料や農薬をメーカーから仕入れて農家に販売する全農の購買部門の縮小を提言。農産品を買い取って消費者に売る販売部門の機能を強化し、農家の手取り増につながる事業への見直しを促す。強制力はないが、全農自ら数値目標を入れた改革の年次計画を作り、国が進行度合いを確認することで実効性を担保する。(後略)』


 最終的な規制改革推進会議の提言は、以下になります。


【第6回規制改革推進会議  農協改革に関する意見 】
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20161128/agenda.html


 生産資材について、元々の提言は、

「全農は、仕入れ販売契約の当事者にならない。また、全農は、農業者に対し、情報・ノウハウ提供に要する実費のみを請求することとする。」

 と、民間事業者に商社ビジネスを禁止するという、信じがたい行政介入(しかも、規制改革推進会議には何の権限もないにも関わらず)が書かれていたのですが、今回は、

「全農は、農業者・農協の代理人として共同購入の機能を十分に発揮する。また、全農は、農業者・農協に対し、価格と諸経費を区別して請求する」

 という表現に改められていました。


 また、農産物販売については、

「1年以内に、委託販売を廃止し、全量を買取販売に転換すべきである」

 と、これまた極めて乱暴な介入になっていたのが、、

「全農は、農業者のために、自らリスクを取って農産物販売に真剣に取り組むことを明確にするため、農協改革集中推進期間内に十分な成果がでるように年次計画を立てて、安定的な取引先の確保を通じた委託販売から買取販売への転換に取り組むべきである」

 となりました。


 骨抜きと言えば、そう表現できないこともないのですが、そもそも論として、

「なぜ、農協が組合員であり、組合員の総会が【意思決定機関】であるはずの全国農業協同組合連合会(全農)のビジネスに、政府がくちばしを挟んでいるのか?」

 という、根本的な疑念をぬぐい去ることはできません。しかも、国会議員ですらない、規制改革推進会議が、なぜ全農を潰そうとするのか。


 日本の食料安全保障の根幹を担う全農グレインを、カーギル(様)に献上するため、以外に説得力がある理由を聞いたことがありません。


 全農は子会社の全農グレインから、配合飼料の原料となる穀物(とうもろこし、大豆、こうりゃん、小麦など)を数百万トン輸入しています。しかも、コスト高になるIPハンドリングを継続しつつ。


 全農や全農グレインが外資系穀物メジャーの手に落ちると、我が国は最終的に「遺伝子組み換え作物の巨大市場」と化してしまうでしょう。日本の消費者は「食の安全」について選択肢を奪われるのです。


 嫌な話ですが、日本国民のほとんどが遺伝子組み換え作物を(事実上)強制されたとしても、お金持ち層は「自分及び家族」のために、安全で健康的な食料を手に入れるルートを確保します。といいますか、お金持ち層向けに、非・遺伝子組み換え作物を提供する「ビジネス」が生まれるわけです。


 こうして、我が国は遺伝子組み換え作物を食べないお金持ち層と、「食べないという選択肢」を持たないマジョリティの国民に二分化されていくことになります。


 ちなみに、中国には「中国共産党官僚ご用達」の農場があり、美味しく、安全な農産物が「共産党官僚」には提供される仕組みになっています。


 我が国は、世界屈指の自然災害大国です。大地震が頻発する日本国において、国民を「少数の上位階層」と「多数の下位階層」に分けることが、どれほど危険か。少しでも想像力を持っているならば、理解できるはずです。


 日本国が「日本国民のための日本国」であるためにも、全農解体に代表される、安倍政権の「日本の安全保障を壊す構造改革」に反対しなければならないのです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12224233488.html


65. 中川隆[5269] koaQ7Jey 2016年12月04日 12:40:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5704]

「TPP恥ずかしくないのか!党としてウソをつく」西尾正道 参考人12/2参院・TPP特別委員会
https://www.youtube.com/watch?v=wNPaytFjTUI

かつて自民党は、「ウソはつかない!TPP断固反対!」って言ってました。稲田防衛大臣はかつて、「TPPのバスの終着駅は日本文明の墓場だ」という発言をしてるんですけれども、コロッと個人がウソをつくとかいうレベルではなくて、党としてウソをついてる、180度態度を変えちゃう。国民は一体誰に投票したらいいんですか?党の公約も破棄しちゃう。修正どころか180度変えちゃう。これはウソとしか言い様が無い。倫理的・道義的な問題はどうなっているんでしょう。恥ずかしくないんですかね!TPP断固反対と何年か前に言っていたのに。この様に息を吐くようにウソをつかれたら、やってられません!国民は。

そもそも6000ページにも及ぶ内容を本当に皆さん読んでるんですか?情報出して下さいといっても海苔弁当の段階です。知らないで、赤信号みんなで渡れば怖くないって言って、皆さん賛成しようとしている訳です。冗談ではない。条文をまともにチェックもしてない訳ですから、実際には赤信号も見ないで渡ろうとしている訳です。これが今の現実です。TPPってのは基本的には、昔戦争、今TPPです。昔は戦争を仕掛けて国益を取りました。ところが公然と核兵器を持つ時代になったら、お互い面と向かって戦争は出来ない。地域紛争は勿論起こりますけども、国家として国同士がぶつかり合えないですから、国益を取る。むしろグローバル企業ですけれども、国を動かしているグローバル企業の利益を取る為に、貿易上の仕組みを変えて利益を取ろうってのが正にTPPでございます。これがTPPの本質でございます。

米国の医療はとんでもなく高い。日本のGDPの20%以上を占めてますし、日本の7倍の医療費が使われてる。TPPになるって事は、結局アメリカナイズされた医療になるという事でございます。もうお互いに助け合うとかですね、共に生きるなんていう発想は無いんです。とにかく、医療も完全に金儲けの道具になるというふうに考えて下さい。米国のロビー活動費見たら、何がターゲットですか?農業とかそういうものじゃないです。最大のターゲットは保険も含めた医療業界の仕掛けなんです。2013年の3月4日付けのタイムスに28ページに渡る、米国医療の驚愕・医療ビジネスという特集号が出てました。正にこの中から取った記事であります。こういう事によって日本の医療は多分、かなり大幅に変わると思います。ちなみに米韓FTAが2012年に締結されましたけど、韓国の医療費は2年間で2倍になりました。日本は韓国の医療規模の4倍位ありますから、恐らく、あっという間に膨大にお金が飛び上がる。今オプシーボ(新型がん治療薬)で、半額にしようなんて議論やってますが、そんな話じゃ全然なくなります。本当に深刻です。

1985年以来、とにかく日本の医療市場を解放する様に、アメリカはずっと働きかけて参りました。最近では新薬創出加算の様なものを作ったりして、一様に製薬会社が有利な形で日本市場に参入して参りました。しかしTPPが正にこういったですね、米国が日本の医療産業の解放を行う最後の仕上げがTPPだと僕は考えております。ちなみに米国業界と保険業界の標的は日本市場であるという事は、全国保険団体連合会の寺尾さんの論文からサマリー(要約)を取ったものです。

私が医者になった頃は、1ヶ月の抗がん剤は数千円でした。90年代になって数万円になりました。21世紀になって数十万円になりました。そして3年前の免疫チェックポイント阻害剤が出たら数百万円になりました。桁3つ違ってますけども、TPPが締結されればどうなるか?要するに、アメリカの製薬会社の殆ど言いなりの値段になりかねない。中医協(厚生労働大臣の諮問機関)ではチェック出来ません。中医協のやってる事が透明性とか公平性を欠くとISD条項で訴えられたら出来ませんので、かなり製薬会社の意向を汲んだ価格になる。ダントツで日本の医療費は飛び抜けます。最終的にはですね、皆保険も実質的に崩壊するというふうに考えております。

患者負担が増大し、混合医療が解禁されます。民間医療保険が拡大します。営利産業が医療に入ってきます。このままでは日本の医療は崩壊し、日本人の健康は守られません。新技術が保険診療に出来ない事態が考えられますし、実際の術式(外科手術の方式)までですね、特許料を取るというような事態になります。医療費も高くなりますので、国民はみんな医療保険に入らざるを得ない社会にもなりかねない。

TPPの本質は、グローバル企業が一般国民を犠牲にした金儲けでございまして、自由貿易は善であるという前提なんですけど、国の状況とかですね、経済格差を考えてやるべきであって、これ自体が本当に良いかどうかは話が別ですね。産業革命以来、富の源泉ってのは労働力でした。今はロボットも使える、AI(人工知能)も使える。そしたら何が富の源泉かっていうと、科学技術を持つか持たないかです。そうすると、科学技術の負の側面は隠蔽するという事になりますし、そういう事が金儲けになっちゃうと、とんでもない格差が出来ます。それをどういうふうに公平性を保って再配分するかっていうのが本当の意味での政治家の仕事だと思います。こういった本質的にやるべきことをきちっとやらないで、どんどん企業が儲けるようなところに世界を誘導していくってのは、とんでもない事だと思います。

一人の人間として、共に生きる社会をどう作るかっていう事を本当に真剣に考えて頂きたい。最後になりますが生命を脅かすTPPの2つの大きな問題がございます。医療問題を言いました。もう一つは健康問題です。例えばこの40年間、ホルモン依存性のガン、女性は、僕医者になった頃、乳ガン15000人でした。今90000人です。前立腺ガンも殆どいなかったけど、今90000人で、男性の罹患者数のトップになりました。卵巣ガンもどんどん増えてる。子宮体ガンも増えてる。ホルモン依存性のガンが5倍になってるんですよ。この40年間でアメリカの牛肉消費量は5倍になりました。正にエストロゼン(女性ホルモン)入のエサを与えて1割生産性を高めて、そういう肉を食べている日本人もアメリカ人も5倍になってるんです。ホルモン依存性のガンが。それから耐性菌もそうですね。豚や鶏には抗生物質入りのエサを与えて生産を高めてる。そのため、人間が肺炎になっても薬がなかなか効かないという問題もございます。それから残留農薬が世界一緩和されてる。とんでもない話だ。今一番使われてるネオニコチノイド系の農薬が自閉症の原因であることが突止められてます。WHOでは発ガンにも関係しているとBランクにランキングされました。それから認知症にも関係している。鬱病にも関係しているという報告がどんどん出てきている。このままいけばアメリカの子ども達が、二人に一人が自閉症になるよという論文が、ハーバード大学から去年出ました。本当に、こういう事が深刻なんですね。

遺伝子組換えを日本人が一番食べてる。アメリカにとって、大豆やトウモロコシは家畜のエサです。ところが日本人は納豆で大豆食べます。味噌や醤油の原材料です。一番食生活で、遺伝子組み換えの影響を受けるのは日本人の食生活なんです。こういう事が全くチェックされないで、世界一、遺伝子組み換え食品が普及してる。日本人の健康そのものが保てません。ガンの患者さんが増えてるのは高齢者だけじゃないです。食生活を含めて増えてるし、更にもっと深刻なのは、昔60以上になってガンになってたのが、今は40代はザラです。約20年、若年化してガンになってます。これが現実です、僕の実感として。自分達の国で農薬を規制したり、遺伝子組み換えを表示したりする事が、TPPに入った場合に出来なくなっちゃうんです。日本の国の決まりよりもTPPの方が上位にある訳です。こういう現実を冷静に考えて頂きたい。

最近では遺伝子組み換えで、鮭も5倍位大きいものが作られてますよね。これも規制しなくていいの?ってことですよね。本当に何があるか分かりませんよ。子宮頸がんワクチンだって、今まで不活化ワクチンか弱毒化ワクチンで作ってたんです。だから大きな問題は起きなかった。子宮頸がんワクチンは遺伝子組み換え技術で作ってるんです。更に効果を高める為に、アルミニウムの様なアジュバント(補助剤)を加えて作ってるから、ああいう予期しない問題が起こっちゃう訳です。もう少し冷静に、命を重視する、お金よりも命を大事にするっていう発想に切り替えるべきだと思います。

最後に、大変深刻なのは、今、福島から出ている放射性物質、これは微粒子として浮遊してます。残念ながら。そういうものと、農薬も含めた化学物質が人間の身体に入った場合、相乗的に発ガンするって事が動物実験で分かってます。こういう多重複合汚染の社会になって来て、恐らく2人に1人がガンになるっていわれてますけども、多分20〜30年経ったら3人のうち2人はガンになります。僕はとっくに死んでますから、若い議員さんは是非確かめてください。この場で西尾が嘘を言ったかどうか確かめて欲しい。本当にガンがどんどん増える社会になります。自分たちの国でキチッと法律で、ある程度規制出来る様な体制を作る為には、決してTPPに加入すべきではないと私は思っております。


66. 中川隆[6880] koaQ7Jey 2017年2月27日 20:59:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7342]

2017-02-27
問題なかったはずの小麦でさえも、危険なものになった理由

人類が生み出した最悪の企業と言われているのが「モンサント」である。モンサントは1901年に創業された歴史の古い企業なのだが、この企業の始まりは「サッカリン」である。

サッカリンは人口甘味料のひとつなのだが、当初これは「砂糖よりも甘い魔法の物質」と喧伝されて人々はサッカリンに惚れ込んだ。

モンサントはこれをコカコーラ社に売って莫大な利益を出し、会社の基盤を作り上げていく。

しかし、後にこの「サッカリン」は発癌物質であるとして世間の批判を浴びることになるのだが、こうした事実が分かるまで、人々はこの人工甘味料を何の疑問もなく飲んでいた。

モンサントは殺虫剤としての「DDT」も製造していた。当初これは「ノミやシラミを効果的に駆除する魔法の殺虫剤」と喧伝されて人々はDDTに惚れ込んだ。

日本でもDDTの大量散布によってノミ・シラミを駆除してきたという歴史がある。

しかし、後にこの「DDT」は発癌物質であるとして、世間の批判を浴びることになる。こうした事実が分かるまで人々はDDTを疑問もなく「浴びて」いたのだった。

モンサントがやってきた危険なビジネスとは?

モンサントは変圧器や蓄電器に使われる「PCB」も製造している。当初これは「絶縁性や不燃性に優れた魔法の素材」として喧伝されて幅広く使われるようになっていた。

しかし、後にこの「PCB」は人体や環境に強い毒性を持つことが分かり、環境破壊の元凶とまで言われるようになって使用が中止された。こうした事実が分かるまで人々はPCBを疑問もなく使用していた。

モンサントは1970年に強力な除草剤を開発しているのだが、当時ベトナムでジャングルのゲリラ戦に悩んでいたアメリカ軍がモンサントに作らせたのが「枯葉剤」だった。

当初これは「効果的にジャングルを消滅させることができて軍事的に非常に有効だ」とアメリカ軍は惚れ込んだ。

しかし、後にこの「枯葉剤」は人間や動物に凄まじい奇形を発生させる猛毒であることが判明し、枯葉剤を使用したアメリカ軍は全世界から批判されることになった。

その後、モンサントは再び人工甘味料の世界に舞い戻ったのだがそこで発売するようになったのが、「アスパルテーム」だった。このアスパルテームは「健康被害はない」として製造され続けて現在に至っている。

科学者は「このアスパルテームが腎臓機能障害、腫瘍、脳障害、頭痛に深く関わっている」として、「これは一種の神経毒である」とも評した。

しかし、モンサントも政府も「問題はないと認識している」という見解なので、アスパルテームを使うかどうかは個人の判断に任されている。

さらに1990年代に入ってからモンサントが力に入れるようになったのは、「遺伝子組換え」の分野である。

モンサントは2000年代に入ってから遺伝子組換え作物を販売するようになっていったのだが、それは「1年しか育たず、モンサントが発売する除草剤しか効かない」というものだった。

そのため、農家は「毎年モンサントから種子を買い、毎年モンサントの除草剤を使う」ことを強いられるようになっていったのである。


飢餓を解消するために品種改良された小麦の問題

ところで、このモンサントがロックフェラー財団と共同で行っていたのが「小麦」の改良であった。

ロックフェラー財団は人類の飢餓を消滅させるという目標を掲げて、それを「グリーン・レボリューション」と名付けた。

そしてその一貫として、効果的に育つ小麦の「品種改良」に力を入れていたのだが、その「品種改良」をモンサントと組んでやっていたのだ。

なぜモンサントだったのか。モンサントが除草剤という「毒薬」の第一人者だったからである。

大量に作物を作るためには人間が手で雑草を抜いていたのでは間に合わない。雑草だけを殺す除草剤の研究が必要だった。そして、その除草剤に強い品種改良が求められた。

それができるのがモンサントだった。

本来であれば、小麦も一気に遺伝子組換えで作り変えるのがモンサントのやり方だが、小麦だけは強い反対に見舞われて導入に挫折したようだ。だから小麦は「遺伝子組換え」ではなく「品種改良」だったのだ。

実は欧米では「小麦だけは絶対に遺伝子組換えの対象にしない」と言われている。それはなぜか。小麦は自分たちの主食であり、米やトウモロコシと違うからだ。

米やトウモロコシを遺伝子組換えして問題が出ても、困るのはアジア人や動物である。小麦を主食としている欧米人は直接的には困らない。だから、積極的に遺伝子組換えの対象となる。

しかし、小麦を遺伝子組換えして問題が起きると自分たちに跳ね返る。だからしない。単純な問題だった。

それで欧米人も多くが「小麦だけは安全だ」と思っていたのだが、最近「実はそうではない」という現実が静かに広がるようになっているという。

モンサントは導入に挫折した後も秘かに小麦の遺伝子組換えの研究を行っていたのだが、それが問題だったのではない。「品種改良なら問題ないだろう」という発想で行われた、普通に出回っている小麦が問題なのである。

品種改良が繰り返された結果、現在の小麦はもう過去の天然の小麦とは遺伝子的にも「まったく別物」になってしまったと言われている。日本に入ってきている小麦も例外ではない。


「自分たちが儲かるための改変」をして食の危機に

これを発見したのは、アメリカの医師ウィリアム・デイビス氏だった。

今まで人類にまったく無害であったはずの小麦が、アメリカ人を悩ます数々の疾患の原因になっているのではないかと疑われるようになっているという。

心臓疾患、高血圧、脳疾患、免疫性疾患、生活習慣、アトピー等の皮膚疾患、セリアック病をはじめとする各種アレルギー、リウマチ、肥満……。ありとあらゆる疾病が、小麦によって引き起こされていた。

今まで問題なかったはずの小麦が人類に問題を引き起こすようになっているというのは、それを主食にする欧米人にとっては衝撃的な事実でもある。

ウィリアム・デイビス氏は、それがロックフェラー財団とモンサントが組んでやった品種改良された小麦から始まっていることを発見したのだった。

しかし、この説は証拠がないとされ、学会からも黙殺され、大規模な研究機関もなぜか「研究を避ける」状態である。

もうアメリカでは古来種の小麦はない。口に入る小麦のほぼすべては品種改良されたものである。そうであれば、なおさら研究が必要なのだが誰も事実を追及しない。

最近は徐々に「現代の小麦」は全粒粉であっても危険だと認識されるようになり、小麦を避ける人も増えているという。

しかし、細心の注意で避ける努力をすれば成し遂げられるかもしれないが、「小麦を食べない」というのは、普通に生活していると食べない選択は不可能に近い。

つまり現代人は、ロックフェラー財団やモンサントによって改変された「小麦もどき」を食べるしかない。そのために病気になっても、それが「運命だ」とあきらめるしかない状態になっている。

もともと小麦の品種改良は「増え続ける人類に対する食料不足の対応策」であった。それは人類の救世主になるはずだった。

しかし、その対応策に金儲けと支配欲が絡むと、モンサントのように「自分たちが儲かるための改変」をするようになる。そして、安全や健康が危機に晒される。

ところで、人類最悪の企業として人々から蛇蝎のごとく嫌われるようになったモンサントだったが、もう私たちはこの企業の名前を目にすることはない。

2016年になってドイツのバイエルが買収したからである。ドイツのバイエルが欲しかったのはモンサントの遺伝子組換えの技術と特許であると言われている。

「モンサント」という悪名高いブランドは逆に必要ないので、抹消していく方向にあるという。


小麦と言えばパン、パスタ、ラーメン、ピザから、多くの加工食品に使われており、今や日本人にも欠かせない食材となっている。小麦が安全ではないと言われても、もはや為す術がない。
https://darkness-tiga.blogspot.jp/2017/02/20170227T1927010900.html


67. 中川隆[7135] koaQ7Jey 2017年3月16日 19:12:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7603]

2017年03月16日
ライトハイザー米通商代表 日本の農業を潰すと宣言


アメリカは過去何度も使った手を、必ず今回も使ってくる
引用:http://www.nikkei.com/content/pic/20170205/96958A9F889DE3E0E6EBE2EAE6E2E2E1E2E0E0E2E3E5E2E2E2E2E2E2-DSXMZO1249120003022017000001-PB1-30.jpg


アメリカはまた反日政策に舵を切る

アメリカの通商代表部(USTR)代表に指名されているライトハイザーは、農業分野で日本を標的にすると明言しました。

3月14日に行われた米上院委員会の承認公聴会で同氏は、「農産物の市場開放で日本を第一の標的にする」と発言しました。

二月に安倍首相が訪米して首脳会談を行ったときには、貿易問題は話し合われず、双方に都合が良いことだけが話し合われた。

          

安倍首相は日米の絆は強固になったと自負していたが、やはり調子の良い事だけを先に合意しただけでした。

日本に厳しく接してきたレーガン大統領やビルクリントン大統領も同じで、自分は「日米友好」など調子の良いことだけを言います。

だが後で通商代表部やホワイトハウスのスタッフが出てきて「ジャップは汚い事をやっている!」と喚き散らすのです。


80年代、90年代、2000年代とこの構図は繰り返され、日本は必ず抵抗し日米貿易摩擦が起きます。

すると突如として巻き起こるのが韓国と中国の「過去の侵略への謝罪要求」で実は米大統領が依頼して騒いでもらっていました。

韓国と中国は日本叩きで総攻撃を始め、欧州各国も「日本は酷い国だ、侵略しておいて謝罪もしない」とBBC放送などキャンペーンを展開します。


そこでやおらアメリカ大統領が出てきて「日本よ、謝罪し反省するならアメリカが中韓との仲を仲介してやろう」などと言い出します。

するとなぜか中曽根首相や橋本首相、小泉首相は”アメリカ大統領に謝罪”してアメリカへの市場開放を約束する事になります。

アメリカは牛肉もオレンジも自動車も、すべてこの手で市場開放させ、今回も必ず同じ手を使ってくるでしょう。


自民党の責任者は日本農業叩きに明け暮れている
CronzQfUMAAZu3V
引用:https://pbs.twimg.com/media/CronzQfUMAAZu3V.jpg

アメリカはここまでやる

さらに悪い事に日本は安全保障や防衛をアメリカに依存しているので、軍事的圧力を受けます。

アメリカの要求を呑まないと守ってもらえないばかりでなく、”核の傘”から外されて敵国の扱いを受けます。

90年代のクリントン政権では北朝鮮に経済援助をする一方で、有力議員は日本を「敵国」と名指しして日米同盟解消や再占領を主張していました。


その頃ヒラリークリントンを中心にして南京事件は日本軍の犯行だったという大々的なキャンペーンが展開され、「日本を叩き潰せ」という世論が支持を受けていました。

「日本はこんなに酷い事をしたのだからもう一度原爆を落として占領しろ」とまで議員やメディアは言っていました。

そんな中で起きたのが非自民の最悪政権の誕生や、オウム事件、阪神大震災で、アメリカはこれを利用して超円高を作り出し、文字通り日本経済を叩き潰しました。


それでいてビルクリントンは平気な顔で日本にやってきて日米友好を語り、日本の首相にお礼を言わせ、侵略戦争の謝罪もさせていました。

アメリカという国の人間は貿易交渉で経済的利益を得る為には、ここまでやるのだと理解しなくてはなりません。

日本人が考えている「アメリカがやってくるのはこの辺だろう」という想像の、10倍はあくどい事を考えているのがアメリカ人です。


さてライトハイザー通商代表は「日本の農業市場を開放させる」と言いましたが、実際には閉鎖されているのはアメリカ農業で、日本農業は解放されまくっています。

アメリカ農業はコメ、小麦、とうもろこしにジャガイモ、牛肉、豚肉、キャベツに至るまで政府から平均50%の補助金が出ています。

例えばキャベツ農家の所得が300万円だとしたら、アメリカ政府がもう300万円の補助金を出して、農家の所得を600万円にしています。


「アメリカのコメは日本より安い」等と言いますが、実際には「日本のコメはアメリカの半額なのに、アメリカ政府が補助金を出して値下げしている」のです。

欧州にいたってはフランスは90%の補助金を出していて、ぶどう農家は事実上の国家公務員です。

先進国で唯一、農業補助金を出していないのが日本で、そのせいで日本の農作物は世界一高いのです。


そんな事は百も承知のうえでアメリカ側は「ジャップは汚い!農業を保護して閉鎖している」と言って開放を迫ります。

アメリカがいつも日本を標的にする理由は、日本の安全保障をアメリカが握っているから、拒否できないのを見越しているからで、必ず勝てるゲームが面白いからです。

情けない事にこうした事を勉強もせずに、「日本の農業には競争が無い」「日本の農家は怠け者」など農業叩きに精を出しているのが小泉進次郎自民党農林部会長です。
http://www.thutmosev.com/archives/69965034.html


68. 中川隆[7225] koaQ7Jey 2017年3月20日 12:31:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7696]

 "現在の"グローバリズムには、欺瞞があります。


 一つ目ですが、そもそも本気で「自由貿易」を謳うならば、「関税なし、投資全面自由化、補助金・助成金等禁止」とやらなければならないはずなのです。とはいえ、現実には、各国共に特定の製品については関税で国内供給者を守り、投資についても外資制限をかけています。


 穀物輸出を武器として使うアメリカは、相変わらず輸出補助金で他国市場を食い荒らしています。


 つまりは、「あらゆる保護主義に反対する」など、端から成立していないのです。各国は、安全保障などが目的で、保護主義的な措置を採っています。


 さらに、相手国の制度を変えさせ、「自由貿易」とやる際には、国家ではなく、特定の企業や投資家の「ビジネス」が優先されます。


 日本の農林中金やJA共済に「改革」を求めているのは、在日アメリカ商工会議所ですが、その裏にはもちろんアメリカの保険会社がいます。日本に「カジノ解禁」を求めているのは、もちろんラスベガスのカジノ王たちです。一般のアメリカ人にとっては、どうでもいい話でしょう。


 そもそも、自由貿易を他国に強制する「帝国主義」を最初に始めたイギリスは、インドに対し「綿製品」の関税撤廃を要求しました。つまりは、イギリス国内のランカシャーなどの衣料産業が、インドに自由貿易を求めたのです。


 貿易協定の交渉において、我々は何となく「国 対 国」という印象を受けてしまいますが、実際には「特定の産業 対 外国の市場」というケースがほとんどというか、全てなのでございます。


 要するに、ビジネスです。


 単なるビジネス上の都合が、「自由貿易」「グローバリズム」といった、ふわっとした「言葉」により薄められているというのが真実なのです。


 さすがに、

「我が国の保険産業のビジネスのために、日本よ、JA共済を潰し、その市場を明け渡せ」

 などと、交渉するわけにはいかないため、「グローバリズム」「日本の閉鎖的市場」といった抽象用語が活用されるわけですね。


 今回のG20において、アメリカは「現行のルールが、我が国にとって都合が悪い」として、「自国に都合がいいルール」を求める姿勢を明確化しました。


 「理想の言葉」に覆い隠された欺瞞を捨て去り、むき出しの「アメリカ第一主義」を前面に出してきたわけですが、

「自由貿易は、自由だからやるんです!」

 といった、抽象論による誤魔化しと比べると、好感が持ててしまいます。グローバリズムとは、元々「そういう話」なのです。


 そもそも、グローバリズムのルールは「誰かのビジネス」のために決められるわけで、「自由」といった理想の実現が目的ではないのです。


 企業や投資家が、自らのビジネスにおける利益最大化のため、他国に「自由貿易」を求める。グローバリズムとは、端から「そういう話」であり、その欺瞞が今、世界的に暴かれつつあるのだと思います。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12257991524.html


69. 中川隆[7759] koaQ7Jey 2017年4月14日 23:55:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8249]

米・麦・水 〜外国が日本人の命を握るカウントダウンが始まった


米、麦、大豆、水。日本人が日々の食生活で当たり前のように口にしているものが、ある日を境に水道代や米が高騰し、買えるものはほぼ遺伝子組み換えの食材しかない、という世の中になったらどうしますか?

今まで国(行政)がコントロールしてきた国民のライフラインである水と種子が、今まさに国の手を離れ、民間によるビジネスが始まろうとしています。

メディアは全くスルーし、国民の認知のないまま進行している「農作物種子法廃止案」「水道法改正案」。多くの国民は何も知らぬまま、この国が進めている日本の食の大転換期はもうそこまできています。



『農作物種子法廃止案』の驚きの実態とは?

よく民間にできるものは、民営化バンザイとか、グローバリズム歓迎とかアンチ行政の風潮がありますね。

とんでもない!

国の1番大事な仕事は自国民の安全を守ることです。だから、常に安全と安定が保証されてなくてはならない水や食のライフライン分野は国が管理しなくてはいけないんです。

知ってましたか?農林水産省はしれっと「主要農作物種子法を廃止する法案」を国会に提出し、3月に衆議院農林水産委員会が可決しちゃいました。

メディアがくだらない政治の金の問題に集中し、頼りにならない野党もその土俵に上がって次元の低いやりとりに明け暮れている中、大事なこの法案のことは与野党でほぼスルーする今の政治の現状を深刻に受け止めないと本当にマズイ、危機的状況まで来ているのです。

この流れで近いうちに廃止法案化され、いよいよ始まってしまいす。民間任せによる恐怖の種子ビジネスが。

整理しますと、そもそもこの「主要農作物種子法」というのは、戦後間もない昭和27年に国・都道府県が主導して、優良な種子の生産・普及を目指し、行政による稲、麦、大豆の国民への安全・安定供給を目的として種子のコントロールをしてきました。

この法によって都道府県は、原種の生産や種子生産工場の指定、種子の審査制度などの安全・安定と価格管理システムの役割を担って今に至っているのです。

しかし、国は「民間による競争力をあげるため、この法を廃止する」と方向転換をしたのです。

種子の不足や新種子の品種参入が競争の妨げになっているという説明は農林水産省からはないままです。なぜか?

この方向転換の意味は簡単です。外資のビジネス参入障壁が実質なくなるための法案作りです。特に種子ビジネスは、世界的に農業への遺伝子組み換え(GM)作物を推し進めているシェアNO.1のモンサント社の出番になる準備が整ってきたと言えるでしょう。

多くの人は認識していませんが、大豆の70%は米国輸入に頼っており、主に遺伝子組み換え(GM)大豆が油などに形を変え、もう既に大量に日本人の口に入っています。

それが今後は堂々と食用大豆に加え 、稲や麦などにも広がってくる可能性があるんです。毒素成分いっぱいの除草剤ラウンドアップとセット販売されるモンサント種子。自然界では存在しない植物遺伝子を操作されて誕生した不自然な食物たち。

価格競争力で勝る大量生産体制の安いモンサント種子が市場に出回り、安全安心で価格の安定した食材が減ることを示唆しています。

『水道法改正案』で日本の水の供給が外国の手に!?

images.jpg
そして次には「水道法改正案」です。これもしれっと3月に閣議決定がなされてしまいましたね。

日本のように水道水を全国どこでも飲むことができる国は世界中で11カ国しかないといわれています。

その水道法の民営化は、外国企業の参入を可能にするのです。水道事業のメジャーであるヴェオリア(仏)では、ヴェオリア・ジャパン株式会社が水道事業に民間参入できるよう準備を進めているでしょう。

では実際、水道事業が民営化された海外では何が起きたのでしょうか?

「ブルーゴールド(著:モード・バーロー)」より一部抜粋    
・フランス
利用者の負担が150%増加。政府発表では民営化以後に500万人以上の飲み水が汚染されたという。

同国の大手水資源企業2社に関し、経営者が汚職に関与しているとの告発があり、裁判所が過去10年にわたり調査を行っている。

・英イングランド地方
水が民営化されてから6年間で水供給会社の利益が692%増加している一方、利用者の料金は109%値上がりした。例として、ノースウエスト・ウォーター社の最高金額の重役の給与は708%上がった。

値上がりの結果、上水道を解約した利用者の数は民営化以後50%増加、イギリス医療協会は人々の健康を脅かしていると警告している。
          
・シドニー
水道料金は4年間で2倍に上がった。高レベルのジアルディア属とクリプトスポリジウム属の寄生虫が含まれていたが、住民側には知らされなかった。

・フィリピン マニラ
世界銀行によって、ベクテル社とスエズ・リヨネーズ・デゾー社の地域に分けられ、低料金を維持すると公言していたが、数ヶ月後アジア通貨危機による減収を補うため大幅値上げされた。


さてさて、国は、本当に日本国民の事を考えてこうした法案を通していると思いますか?
なぜこんな大事なことをメディアは大きく取り上げないのでしょうか。
これこそ、内閣総辞職をして国民の審判を仰ぐ選挙をすべきレベルの大事な問題です。

水も種子も人間が生きてく上で、最も大事なライフラインなのに国が管理せずに自国民の安全と安定供給を一体誰が保証できるのでしょうか。

もしあなたが村生活をしているところに、いきなり外国の人たちがやってきて「これから我々が水の管理と稲や作物などの種子管理をします。」と言われたら、村を乗っ取られたと思いませんか?

日本は一体どこに向かおうとしているんでしょうか…。
http://shinhakken-blog.seesaa.net/article/448817821.html


70. 中川隆[-7947] koaQ7Jey 2017年4月29日 11:43:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

TPP以上の青天井の譲歩
日米経済対話の初会合
前のめりの米多国籍企業
                        2017年4月21日付

主食のコメ自給まで脅かす

 アメリカのトランプ大統領は就任当日に「環太平洋経済連携協定(TPP)からの永久離脱」を表明し、それにかわって2国間の自由貿易協定を各国に迫っていくことをうち出している。安倍政府は「トランプ大統領を翻意させる」などとうそぶきながらTPP参加12カ国の先頭を切ってTPP批准を強行し、TPP水準以上の譲歩のかまえがあることをアメリカに示した。さらにはあくまで2国間交渉を追求するトランプの意向が明確になるなかで「日米FTAを恐れてはいけない」と前言を翻し、アメリカにどこまでも国益を売り渡す姿勢を見せている。そうした安倍政府の対米従属姿勢を見て、トランプ政府はTPP以上の市場開放圧力を強めている。18日にはペンス副大統領が来日して日米経済対話の初回会合を開催したが、そのなかで日米FTA交渉に乗り出すことを表明した。


牛・豚肉や自動車、食の安全も

 日米両政府は18日、麻生太郎副総理とペンス副大統領をトップとする日米経済対話の初回会合を首相官邸で開いた。共同声明では「貿易・投資に関する高い基準の2国間枠組み」を協議すると確認した。ペンスは終了後の会見で「経済対話が日米自由貿易協定(FTA)に行きつく可能性がある」と踏み込んだ。次回の会合は年内にも開く予定である。

 対話では「貿易・投資ルール」「マクロ経済政策」「インフラやエネルギーなどでの協力」の3分野を今後の議題とすることを確認した。共同声明では、貿易に関する「2国間枠組み」を議題とするほか、「近いうちに具体的な成果」をうち出したい考えも示した。2国間枠組みにはルール分野だけでなく、関税など市場アクセス(参入)も含む。アメリカが日本に対し、2国間FTAでTPP以上の譲歩を迫ってくることは必至である。ペンスは会見で「TPPは米国にとって過去のものだ」とし、「二国間交渉はアメリカにとって国益になる」とのべ、今後の経済対話で日本にFTAを求めることを示唆するとともに貿易障壁をとり除いて米国産品の輸出拡大につなげる意向を示した。秋以降協議が加速する可能性が高い。

 日米FTA交渉を急ぐトランプ政府の政策の背後には、アメリカの農業関連の多国籍企業の要求がある。

日米FTAで譲歩迫る 際限ない要求

 初回の日米経済対話が開催された18日には、米国食肉輸出連合会(USMEF)のフィリップ・セング会長が東京都内で会見し、日米FTA交渉を早期に立ち上げるよう求める考えを表明した。同氏は「日本が米国産の牛、豚肉に課す関税率が高く、日本市場での販売を阻害している」と批判したうえで、「FTA交渉入りした場合は、TPPで合意した関税削減をスタートラインに、さらに引き下げを迫る」考えを強調した。さらに短期間の期限をもうけ、早期に成果を上げる必要性も訴えた。

 同氏はまた、米国抜きでTPP発効を目指す動きなどを警戒し、「FTAなど(日米の)2国間貿易をできるだけ早く締結すべき」と求めた。また、オーストラリア産牛肉が日豪経済連携協定(EPA)で米国より関税削減で優位に立っていることへの危機感もにじませた。日本に求める関税は「具体的な数字についてのべられない」としながらも、「TPPで合意した水準がスタートになる」とし、さらに大幅な譲歩を日本に迫る可能性を示した。TPPでは現行38・5%の牛肉関税を、最終的に9%に引き下げることで決着している。それを上回る厳しい水準を突き付けてくることは明白である。

 米国内では牛肉の供給が需要を上回っており、「はけ口」として日本への輸出拡大を急ぐ事情がある。日本の関税率が主要市場のなかで最も高いことを槍玉にあげ、「現状の牛、豚肉の輸入制度が、長年変わらず維持されている」と非難し、「再検討するべきだ」と迫った。

 牛肉輸入に関しては、安倍政府はTPP交渉の入場料として、アメリカ産牛肉の輸入条件を20カ月齢未満から30カ月齢未満に譲歩している。さらに米通商代表部(USTR)は3月に公表した外国貿易障壁報告書で、牛海綿状脳症(BSE)による輸入牛肉の月齢制限の撤廃を求めてきている。

 アメリカでと畜された肉牛の9割超が30カ月齢未満で、現在でも多くが対日輸出可能となっている。米国でのBSE発生で日本は米国産牛肉の輸入を停止したが、安全性を無視した政治決着で全頭検査なしで2006年に解禁した。その後米国産牛肉の輸入は増え続けている。17年2月の貿易統計では、関税率で優位に立つオーストラリア産の輸入量を米国産が抜いた。30カ月齢以上の老廃牛など価格帯の安い牛肉が増えれば、国産牛肉が買いたたかれることは明らかで、国内の畜産農家への打撃は大きい。

 さらに米国産牛肉の安全性の問題は無視されている。アメリカは自国が「BSEが出ていない清浄国だ」と主張し、「清浄国には輸入制限をもうけてはならない」という「国際基準」をでっちあげ、「科学的根拠がない」として30カ月齢制限を撤廃せよと圧力をかけてきている。これにも安倍政府は屈服して、すでに食品安全委員会が撤廃の準備を終えており、撤廃は時間の問題となっている。

 アメリカの牛肉や豚肉関係の団体は2月にもトランプ大統領に日本とのFTA交渉に早期に踏み出すように共同書簡を提出している。

 また、コメ生産者の団体であるUSAライス連合会もトランプ政府に日米FTA交渉入りを促す要望を表明し、日本に対してTPP以上の市場開放を迫っている。

 日本は現在77万dをミニマムアクセス(MA=最低限輸入機会)として外米を輸入しているが、その約半分の36万dがアメリカ枠になっている。TPP交渉では、77万dの枠内でプラスして業務用米枠として6万dを上乗せした。実質はアメリカ枠である。さらに77万dの枠外で約8万dのアメリカ枠をつくり、合計で50万dのアメリカのコメを買わなければならないことになっている。アメリカはこうしてTPP枠をも上回るコメを日本に買うことを迫ってきている。

 農産物の輸入においては食の安全検査が重要になるが、TPP交渉でも日米2国間の平行協議で問題になってきた。日本は収獲した農産物には農薬をかけることは禁止している。だがアメリカからの長距離の農産物輸送においては防カビ剤をかけないとカビが生えてしまうため、かけることは禁止だが、収穫前にかけると農薬、収穫後にかけると食品添加物として抜け道をつくって認めている。このため日本では農薬と食品添加物の2回の安全性検査をすることになっているが、アメリカはこれに難癖をつけ、安倍政府はこれを一本化する譲歩を約束した。

 だが、そのほかにも食品添加物には表示義務があり、アメリカはこれも撤廃することを要求してきている。今後、日米FTA交渉では強力に譲歩を迫ってくる可能性が高い。

国会で種子法廃止強行 国民の目を盗み

 さらに安倍政府はTPP批准強行と並行して、関連法案11本を成立させている。今国会では主要農作物種子法(種子法。稲や麦、大豆の種子の生産、普及を都道府県に義務付ける)の廃止法案を14日、参院本会議で可決、成立させた。

 種子法は主要作物である「稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆」の種子について、各都道府県が奨励品種を決め、原種と原原種の生産を確保することなどを定め、それに国が予算をつけてきた。コメをつくる農家は安く優れた稲の苗を手に入れることができた。種子法の存在はコメだけは食料自給率を達成できた大きな要因であった。

 種子法が廃止されると、公共財として守られてきた公共種子を守る制度がなくなり、農家は現在より5〜10倍も高額な種子を買わざるをえなくなる。さらにより重大な問題は、モンサントなどの米国企業に種子が独占される危険性をはらんでいることである。日本のコメが民間企業や外資に握られ、食料自給が脅かされることになる。

 種子法の廃止は2013年にTPP交渉に参加したさいに安倍首相が訪米して日米並行協議がもうけられ、その協議で米国企業の意向を汲み、規制改革会議に付託されたものである。

 TPP批准強行は、TPPが頓挫しても、合意内容を国内法を成立させることで実際上推進することになっている。

 また、トランプ政府の閣僚にはゴールドマン・サックスの関係者が3人も登用されており、世界中からマネーをかき集める陣容になっている。その一角に「JAマネー」が入っている。年次改革要望書のなかで、JA共済については「KYOSAI」という項目があり、「イコールフッティングにせよ」と指示している。イコールフッティングとは、商品やサービスの販売において、双方が対等の立場で競争がおこなえるよう、基盤・条件を同一に揃えることを指す。それはウォール街の金融保険業界の長年の要求であり、郵貯マネ1350兆円を収奪した次のターゲットとしてJAマネーの150兆円が狙われている。

 農産物以外では自動車の基準や保険、政府調達、などに対してアメリカの要求が強まっている。とくに自動車の市場開放に対する圧力が強まっている。アメリカの車は性能が悪いために日本市場ではゼロ関税でも売れないが、トランプはコメと同様にミニマムアクセスで10万台などの枠をつくり、無理矢理日本に押しつけている。とても自由貿易とはいえない強引なやり方である。

 このミニマム・カーの要求はTPP交渉に日本が参加することが決まる2年前からの事前交渉で、アメリカが交渉参加の前払い金、入場料として要求した一つであった。安倍政府はこれを丸呑みしたが、トランプはさらに要求を上げてきている。

 TPPは破棄されても、TPPをスタートラインとしてそれ以上の要求に安倍政府は次次に応えるという尋常でない事態が生じている。安倍首相の対米従属外交につけこんで、トランプ政府は「アメリカファースト」で青天井の要求を日本につきつけてきており、日本の国益が根こそぎ奪われかねない事態となっている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/TPPijounoaotenjounojoho.html

[32初期非表示理由]:担当:アラシ

71. 中川隆[-7844] koaQ7Jey 2017年5月01日 13:16:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

阿修羅管理人に投稿・コメント禁止にされましたので、本日をもってこのスレは閉鎖します

参考に、僕が阿修羅原発板で反原発派の嘘とデマを明らかにした為に、阿修羅で投稿・コメント禁止にされた経緯を纏めました:

これが阿修羅に巣食う電通工作員
http://www.asyura2.com/11/kanri20/msg/603.html#c73


72. 中川隆[-7683] koaQ7Jey 2017年5月15日 08:59:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

種子法廃止が導く危険な未来 国民の胃袋握るモンサント
世界で破産農家が続出    2017年5月10日付

 北朝鮮へのアメリカの軍事挑発や森友学園騒動の陰に隠れるようにして、安倍政府は国民が納得のいく論議もしないまま密かに今国会で「主要農作物種子法」(種子法)の廃止を強行した。コメ農家のなかでは「種子」でもうけようとする企業のためであり、農家にとっては高い金を払ってコメの種子を毎年買わされることになると警戒する声が上がっている。同時に中南米など世界各国でモンサント社が開発した遺伝子組み換え(GM)種子を買わされる仕掛けのなかで、借金地獄による農家の集団自殺など悲惨な事態が頻発していることが伝わっている。日本でも同様の事態が引き起こされる可能性が高く、「食料自給」どころでない危険性が迫っていることに専門家は警鐘を鳴らしている。

 
 自然の摂理に反する遺伝子組み換え

 「種子法」は1952年に制定された。都道府県にコメ、麦、大豆など主要な穀物の原種の生産と普及を義務づけ、優良な種子の品質を確保し安定供給する役割をはたすことを目的とした。これにもとづいて、都道府県が基礎的食料のコメなどについて地域的特性に優れた品質を奨励品種に指定し、種子を生産してきた。

 戦後の食料難のなかから立ち上がり国民の食料自給に向けた農業者らの奮闘努力もあり、60年代には食料の約70〜80%を自給することができるようになった。とくに主食であるコメは100%の国内自給を達成したが、これも「種子法」の存在が大きな役割をはたした。

 ところが、種子法制定以来半世紀以上を経過した今国会で、安倍政府はこの法律が「民間の品種開発意欲を阻害している」との理由で廃止した。現行制度下でも民間企業も品種開発や育種、原種生産事業に参入できるが、安倍政府はとくに「法律で都道府県に原種生産の義務を明記している」ことを槍玉にあげ、「種子法が阻害し、民間の参入が進んでいない」として同法律を廃止した。

 現場は、同法律にもとづいて育種をし、種子の価格や品質を維持してきた。ところが法律の廃止で公的機関が優良品種を生産者に届ける責任がなくなる。農家に対しての種子の安定供給や安い価格での提供に支障が出る恐れは高い。また、公的機関による育種や種子の研究、品種開発が停滞する可能性も高い。

 それ以上に懸念されているのは、コメや大豆の種子ビジネスには資本力のある大手企業しか事実上参入は不可能であり、「外資系企業から種子を買うことになりかねない」ことである。

 安倍政府が突如として種子法の廃止に動きだしたことにも疑問の声が出ている。種子法の廃止は昨年九月に規制改革推進会議が提起したことが契機だった。規制改革推進会議では、種子法の役割や廃止の理由などの議論をほとんどしないまま、提起から半年もたたないうちに今国会に廃止法案を提出し、これまたまったくといっていいほど論議もなしに廃止を強行した。

 これに対して専門家は「あまりにも乱暴」と警鐘を鳴らしている。それは、種子はもっとも基礎的な農業資材であり、種子のあり方は農業や食料供給のあり方と直結するからである。日本ではコメ・麦・大豆は種子法によって安定供給が担保・維持され、生産、普及されてきた。

 専門家はコメなど主要農作物の種子は野菜や花きの種苗とはまったく異なると指摘する。コメなどは基本食料であり、種の増殖率が野菜などと比べて低く短期間には栽培できないという特性がある。安定的に供給し品質を厳格に管理する必要がある。そのためには必要な条件を備えた原原種圃、原種圃での生産と管理が不可欠である。安倍政府は種子法廃止ありきで突き進み、廃止後のコメなどの種子開発や生産、管理についてどうするのかの論議も検討もなく、むろん現場への説明もしていないという無謀さである。

 その背景として、専門家はアメリカのモンサント社の狙いを指摘している。アメリカでは近年モンサント社が小麦種子業者を買収するなど、巨大企業のターゲットが小麦に向かっている。大豆では1980年時点で公共品種が7割を占めていたが、1998年までに1割に減少し、現在はモンサント社など4社で70%超を支配している。しかもそのほとんどが遺伝子組み換え種子である。

 種子法の廃止で、専門家は日本もアメリカのように「公的育種、種子事業が将来的に国内大手、巨大多国籍企業の種子ビジネスに置きかわる恐れがある。種子をモンサントなど多国籍企業が狙っている」と指摘している。

 すでにモンサント社は2011年に日本政府に対して同社の一代限りの種子を使って、日本の農場でも遺伝子組み換え作物を栽培させろ、という要望をつきつけてきている。

 遺伝子組み換え作物 予測のつかない危険性

 モンサント社はベトナム戦争のときに米軍の爆撃機がジャングルに撒いた枯葉剤を開発した化学会社である。ラウンドアップという強力な除草剤も枯葉剤の研究から生まれたものであり、遺伝子組み換え種子と抱き合わせでこうした除草剤を買わせようとしている。

 世界で栽培される遺伝子組み換え作物の9割は、モンサント社の技術によるものだといわれている。そもそも遺伝子組み換え作物とはなにか。専門家の知見によれば以下のようなものである。

 遺伝子組み換えとは、遺伝子暗号を解析してどんな働きをしているかを調べ、特定の遺伝子の働きを押さえたり、またはこれを切りとって、別の生物の遺伝子配列のなかに入れこみ、新しい性質を持った生物をつくり出す技術である。この遺伝子組み換え技術によってつくられた食品が遺伝子組み換え食品であり、代表的なものとして、大豆やトウモロコシやナタネ、ジャガイモやワタ(綿)などがある。

 これらの遺伝子組み換え食品の特徴は除草剤耐性(全体の71%)、そして殺虫性(28%)である。モンサント社が開発した遺伝子組み換え作物に、ラウンドアップ耐性という性質のあるものがある。これは、ラウンドアップというモンサント社の農薬(除草剤)に抵抗力を持たせたものである。また、殺虫性とは作物自体に殺虫能力をもたせたもので、その作物を害虫がかじると死んでしまう。

 モンサントのいい分は、使用する農薬(除草剤)の種類と回数を減らすことができ、人件費等のコストダウンが可能になるというものであった。しかし、実際には除草剤の使用量は逆に増えた。それは除草剤をかけてもなかなか枯れない雑草が新たに出現して、年年急速に広まっているからである。その結果、除草剤使用量が急速に増え、しかも一つの除草剤では対応できなくなり、複数の除草剤に耐性を持たせた遺伝子組み換えが開発され、複数の除草剤を混ぜてまかなければならないなど悪循環に陥っている。除草剤耐性の遺伝子組み換えで雑草にも除草剤耐性がついてしまい、除草剤が効かなくなったように、害虫抵抗性遺伝子組み換えの場合でも効かない害虫が出現している。

 しかも、除草剤耐性にしろ殺虫性にしろ、アメリカなどの広大な土地での農業でないと農家にとってのメリットは出てこない。アメリカで生産されている大豆の約八五%は、モンサント社の除草剤「ラウンドアップ」に耐えられるよう遺伝子操作を施したものである。モンサント社が遺伝子操作して開発した遺伝子組み換え食品は、モンサント社がつくる除草剤にだけ効果があるので農家はモンサント社の除草剤を使う以外に選択肢はない。ラウンドアップは、モンサント社がつくった遺伝子組み換え農作物以外の草をすべて枯らしてしまう強力な除草剤=農薬である。その強力な農薬が散布された農作物の安全性についても世界的な問題になっている。

 そして農薬という毒性とともに、遺伝子組み換えという未知のリスクが問題になっている。遺伝子組み換えとは遺伝子操作であり、人為的・強制的に遺伝子操作をおこなうものである。たとえばクモの遺伝子をヤギにとか、魚の遺伝子をトマトにとか、バクテリアの遺伝子を大豆になど、自然界で起こらない操作をおこなう。遺伝子が親から子へと受け継がれる縦の遺伝子の継承・変容と、遺伝子組み換え企業がおこなう異なる生物間の遺伝子操作とは明らかに異なるものであり、予想不可能な大きな問題が起きる可能性が指摘されている。

 最近、遺伝子のDNAの構造の解析が進み、遺伝子そのものの構造を人類は突き止めるまでに至っているが、それでもまだまだ解明されていないものが大部分である。解明が十分進まないまま、人為的にバクテリアの遺伝子をトウモロコシに組み込むことなどにより、自然界にはない遺伝子をつくり出している。操作された遺伝子が何をもたらすか不明なまま、その遺伝子が自然の中で広まっているのが現状である。

 いったんつくられてしまった遺伝子組み換え作物は自然界の中で従来の作物とも交配をくり返していく。もし、いったん遺伝子組み換えトウモロコシを植えてしまえば、従来のトウモロコシにもその遺伝子組み換えのDNAを持った花粉がついて、交配していき、それ以前のトウモロコシとは違ったものになり、自然の生態系を破壊していく危険性が高い。

 自然がくり返す親から子への遺伝子の受け継ぎと異なり、人工的に無理矢理ある生物から別の生物への遺伝子操作をやることには予測のつかない危険があると、研究者は遺伝子組み換えの危険性に警鐘を鳴らしている。

 GM作物栽培を要求 種子買わなければ提訴

 日本は大豆の約95%を輸入しており、その約70%を米国に依存しているので、流通している大豆の65%程度は遺伝子組み換えのものと思われている。だが、分別生産流通管理された非遺伝子組み換え農作物が原料の場合は、表示不要または「遺伝子組み換えでない」と表示できる。また、大豆油や醤油などは、「加工後に組み換えられたDNA及びこれによって生じたタンパク質が残存しない加工食品」であるとして、表示は不要(任意表示)となっている。さらに遺伝子組み換えでない農産物に流通の過程で五%以下の遺伝子組み換えのものが混入しても、「意図せざる混入」として「遺伝子組み換えでない農産物」として扱われている。TPPや日米FTA交渉では遺伝子組み換え食品の表示自体をなくすことをアメリカの多国籍企業が押しつけてきている。

 さらに、日本国内では、遺伝子組み換え生物の使用等について規制をし、遺伝子組み換え生物が生物多様性へ影響を及ぼさないかどうか事前に審査することが定められている。モンサント社は日本政府に対してその規制を緩和するよう要求を出し日本国内においても遺伝子組み換え農作物を栽培せよと迫ってきている。

 種子の発芽を一代限りにしてしまうターミネーターテクノロジーという技術がある。この技術は企業による種子の独占を可能にするといわれている。種子に致死性タンパク質をつくる遺伝子を組み込み、一世代目はまくと成長して採種できるが、二世代目になるとこの遺伝子が特定の環境条件で発現し致死性タンパク質を生成することによって、種子が成長するのを阻止する技術である。この技術により遺伝子組み換え作物の種子の自家採種ができないようになる。

 倫理性の問題で、この技術による種子の流通はまだおこなわれていないが、モンサント社は契約によってターミネーター種子と同様の制約を農家に課している。モンサント社と農家が交わす契約の規定によると、同社が販売する種から採れた遺伝子組み換え作物の種を、農家が翌シーズン用に保存することは契約違反にあたる。だから農家は、毎年毎年モンサント社から種子を買わなければならない。昔から続いてきた伝統的な農業の慣行は許されない。

 アメリカでは実際に、モンサント社が遺伝子組み換え作物「不正使用」で農家を次次に提訴している。モンサント社は1999年一軒の大豆農家を訴えたが、それは同社の技術を不当に使用したとして、多額の支払いを求めるものであった。この農家は、収穫した大豆の一部をとっておき、次のシーズンに種として植えただけであった。モンサント社と契約していない農家の畑にモンサント社の種が風で飛んできただけで、特許侵害で訴えられるという事態も起きている。

 すでに世界の6大遺伝子組み換え多国籍企業は世界の種子市場の約70%を握っている。同時に自由貿易交渉などを通じて、農民が種子を保存して、翌年にそれで耕作する長年おこなってきた伝統的農業を禁止し、種子企業から種子を買わなければならないとする法律の制定を多くの国に強いている。古来から続く農の営みを断ち切り、一部の多国籍企業の利益に変えていくことで社会全体が根底から変えられていくことに警鐘が鳴らされている。

 遺伝子組み換え企業は、遺伝子組み換え作物こそが世界の飢餓を救うものだと宣伝している。だが現実には、遺伝子組み換え作物では飢餓を救うことはできない。遺伝子組み換えは高額な農薬や化学肥料を必要とする農業であるため、世界のすべての農民が実施することは不可能だからである。

 実際に遺伝子組み換えが導入された地域では、土地の集中が生まれ、多くの小農民が土地を失い、飢餓人口がつくり出されている。遺伝子組み換えの導入により、大型機械を使って大規模農業ができる農業になる。小数の資本力を持った農家は利益を得るが、多くの農民は土地を失い、失業者の群れに投げ込まれる。


 自殺する農民が急増 メキシコやインドでは

 TPP(環太平洋経済連携協定)の批准を日本の安倍政府は12カ国中唯一強行したが、TPPをめぐる論議のなかで、アメリカのモンサント社など多国籍企業の狙いはすでにNAFTA(北米自由貿易協定、1991年締結、94年発効)で実証されていると指摘されてきた。

 NAFTAはメキシコの農業に巨大な影響を与え、メキシコのいわば命の食とでもいうべきトウモロコシ生産を壊滅的に破壊した。メキシコ人にとってトウモロコシはありとあらゆる食に登場する日本のコメと同様の位置を占めている。それはマヤ文明から続く連綿とした食の歴史であり、伝統であった。

 アメリカからの輸入トウモロコシは、1991年のNAFTA締結時が131万dであったものが、2005年には580万dと4・4倍に膨れ上がった。米国はまったく輸入枠制限を順守せず、輸入制限枠をこえて輸出を増加し続けた。そのために、1991年のNAFTA締結前には100%の自給率を誇っていたメキシコ国産トウモロコシは、2005年には67%にまで落ち込んだ。

 アメリカからの輸入トウモロコシが激増し、さらにトルティーヤを加工・販売するアメリカ資本の食品企業が参入した。地域に密着していた従来の中小のトルティーヤの店はことごとく潰れ、メキシコのトウモロコシ農家は壊滅した。

 NAFTA発効前は年間約20万dに過ぎなかったメキシコのトウモロコシ輸入量は、20年後には約950万dに増加。その9割近くが米国産の遺伝子組み換えトウモロコシである。米国でこれによって潤ったのはモンサント社のようなグローバル大企業のみだった。
 
 モンサント社はトウモロコシにたかるシンクイムシを殺すために、あらかじめ植物細胞内に殺虫成分を遺伝子組み換えで組み込んだ。また作物はなんともないのに雑草だけを枯らす、除草剤耐性を持つGM種もつくった。このGM種には同じモンサント社の除草剤にしか効かないというものだった。GM種を導入すれば、ほぼ永遠にモンサントのGM種の種と除草剤を使い続けねばならなくなる。農家はまるで麻薬中毒状態におかれ、借金地獄に陥った。

 また、綿花の一大産地のインドでは2000年代初頭に「遺伝子組み換えワタ」の栽培が始まった。「害虫に強く収量が増える」として、今やインドのワタの栽培面積の九割を占めている。ところが、この種子や農薬の購入に多額の借金を抱えた農民があいついで自殺している。遺伝子組み換えワタは、殺虫タンパク質を生成する遺伝子が組み込まれており、ワタを食べた害虫が死ぬ仕組みである。遺伝子組み換えワタ種子の供給元はモンサント社である。

 モンサント社は種子とそれに合わせた農薬を販売する。最初は高い害虫抵抗性を示すため、農薬を使う量や回数が劇的に減り、コストダウンとなるが、やがて殺虫タンパク質への耐性を獲得した害虫が増え、その効果が薄れていく。そのために使う農薬が再び増えるので、結局は負担が増えることになってしまう。また、農薬の吸引による被害も広がっている。

 01年ごろからインドで爆発的に作付面積を増やした遺伝子組み換えワタは、05年ごろから徐徐に収穫量が減少していった。しかも、いったん遺伝子組み換えワタの栽培が定着すると、農家は在来種の栽培に戻ることが極めて困難になる。それは、遺伝子組み換えワタ種子の供給元が現地の種苗会社を買収して、遺伝子組み換えワタとそれに適した農薬だけを扱うようになったからだ。以前まではあった在来種の種子や農薬を、農家が手に入れることはできなくなる。また、遺伝子組み換えワタが普及するあいだに、在来種の栽培をサポートできる人材がいなくなるという問題も生じている。

 しかも、農家は遺伝子組み換え作物から種子をとって次のシーズンの栽培ができない。供給元が特許を設定しているためだ。遺伝子組み換え作物を栽培する農家は毎年、種子と農薬をセットで供給元から買わなければならない。そのため貧しい農民は借金をする。

 モンサント社の関連会社が販売する遺伝子組み換えワタの種子の価格は、在来種よりも25%高い。しかも州によっては遺伝子組み換えワタの種子しか買うことができない。干ばつや耐性害虫の出現、収量の低下も起こり、収量が伸びずに販売価格も低迷するなか、農家は借金の返済ができなくなっていく。インド国家犯罪記録局の調査では、自殺する農家は02年から10年間で17万人にのぼるとされている。借金の帳消し目的が大半と見られている。

 モンサント社は米国市場を席巻した後、隣国のメキシコを次の標的とし、その後中南米をはじめアジアなど世界各国に拡大していった。そしてTPPによってEUとともに最後の閉鎖市場となっている日本を狙ってきた。ちなみに、米国の「TPP推進のための米国企業連合」の農業部門の顔ぶれは、カーギル、モンサント、アメリカ大豆協会、トウモロコシ精製協会、全米豚肉生産者協議会などである。

 モンサント社のGMO種子は巨大アグリビジネスのカーギルと組むことで国際シェアの、実に90%を占めるモンスター企業となっている。2010年10月には、日本企業である住友化学が、モンサント社と遺伝子組み換え製品において強い提携関係に入った。このGMO種子の世界支配が完了すれば、種子と農薬という農業の必須資材はモンサント社とカーギルによって事実上握られることになってしまう。わずか1社、ないしはそれと強い提携関係にある数社が世界農業を裏で支配することになる。遺伝子組み換え作物を生産する生産者たちは、もし彼らが翌年の栽培のために種子を保存したり、あるいは特定企業以外の除草剤を使用した場合は起訴されるという内容の契約書に署名しなければならない。種の特許により、これらの企業は農産物の市場を独占しようとしている。

 安倍政府の種子法廃止は、こうした一握りの巨大多国籍企業が日本の農業、とくに主食であるコメや麦、大豆など主要穀物をも牛耳ることを容認するものである。食料生産は危機に瀕し、食料自給は崩壊し、胃袋を丸ごとアメリカの多国籍企業に差し出す売国政策にほかならない。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/syusihouhaisigamitibikukikennamirai.html


73. 中川隆[-7609] koaQ7Jey 2017年5月18日 10:21:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

モンサント社: 世界的恐怖のインパクトー真実がわかる裁判判決 環境に重大な悪影響を及ぼす行為に関与しており、
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/682.html
https://twitter.com/tokaiama/status/864947505275953152
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=326583
http://shinhakken-blog.seesaa.net/article/449857882.html

昨年バイエルン社と合併し、モンスター多国籍企業となったモンサント社。

世界の中でも南米は、モンサント社に侵食され、多くの被害を被っている筆頭と言ってもよい地域です。なかなか我々日本人が目にする機会の少ない南米からの記事をお届けします。

モンサントビジネスの侵食がされている国からの情報は、日本でも無縁と言い切れない状況になっている中で恐怖の真実を知るよい機会と言えそうです。
(Source:Monsanto, hallado culpable por daños a la salud y el ambiente, crímenes de guerra y ecocidio)


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モンサントは世界が恐れる大規模生態系破壊者なのか?

この程、国際人民裁判は、モンサント社の大規模生態系破壊、戦争犯罪、健康環境への権利侵害、科学的自由の侵害などの歴史を分析しました。

モンサント社は、20世紀初頭以来、PCB (ポリ塩化ビフェニル)、2,4,5-T、ラッソ除草剤、グリホサートで作られた有名な除草剤「ラウンドアップ」など生体への毒性が高い製品を販売しています。

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↑遺伝子組み換えだけに注目されがちなモンサントですが、実はこうした有害製品こそ直接的な生態系破壊活動をしています。

この裁判で評判の高い5人の裁判官のひとりアルゼンチン人のエレノラ・ラム メンドーサ最高裁判所人権副部長は、裁判を行うためにハーグの国際刑事裁判所によってとられた同じ手続きが行われましたが、同社は参加を拒否しました。

そして裁判官たちの結論は、

❝ 大規模生態系破壊の犯罪が国際的な刑法で認められれば、モンサントの活動は生物多様性と生態系への実質的かつ永続的な損害を引き起こし、健康に影響を及ぼす限り、大規模生態系破壊の犯罪扱いとなる可能性がある❝

と、判決で疑いの余地がない結果が世界に警告されたことになりました。.

判決で取り上げられた最初の点は、モンサントが健康で公平な環境への権利を侵害したかどうかであり、これはすべての人権の行使の前提条件となっています。

この判決の裏付けに専門家たちは、スリランカで除草剤ラウンドアップ使用による慢性腎臓病、ブラジルでのがん患者の上昇、毒性成分グリホサートによるアルゼンチンとフランスの奇形の症例を発見した研究者の証言を分析してきました。

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↑(参考)米国のラウンドアップ(グリホサート)とGMOの使用量と腎臓がん発症率グラフ

さらに、土壌汚染による繁殖力の喪失、遺伝子組換え農作物による農場汚染、遺伝子組み換え作物入リ飼料を与えられたブタの健康問題も取り上げられました。.

さらには、オーストラリアやカナダの遺伝子組み換え菜種油の大量生産による環境汚染、インドでの種子市場の独占やアルゼンチンの水源、多くはパラナ川の調査によるグリホサートの混入などもあげられています。.

このようなレベルの証拠に対して裁判では以下の結論に達しています。

❝ モンサントは、環境に重大な悪影響を及ぼす行為に関与しており、多くの国の無数の個人および地域社会、ならびにその環境の健康に影響を与え、結果として動植物および生物多様性に影響を与えている ❞

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↑第2のポイントは、世界の飢餓を終わらせる為として大量生産によるアグリビジネスのための「遺伝子組み換え(GMO)種子+農薬」というコンボ販売を行い、ゼロベースの農業を始めていることです。(写真はGMOコーン種子とセットのブランド「ラウンドアップレディー」)

判決によると、"そのようなコンボ販売に頼らずとも世界は常に伝統的な農業を追求することによってすべての人々の食糧を生産することができた" と結論付けています。

実際、スリランカの一部の地域ではキビ、ゴマ、野菜、果物、穀類の伝統的な品種で良い収穫が得られており、農薬被害を原因とするラウンドアップと他の5つの製品は2015年に禁止しています。

裁判所はまた、"農作物が必要とする栄養素の条件に悪影響を及ぼした土壌被害と、その同じ農業に使用される水路" の問題を指摘しました。

サンタフェで150ヘクタールを所有し、1996年以来遺伝子組み換え大豆の生産するディエゴ・フェルナンデス氏は、ラウンドアップの使用増加が必要になっていったことで、どのような影響を受けたのかを伝えています。

土壌凝固.jpg
“ 初めは毎年1ヘクタール当たり1リットルのRoundup使用でしたが、耐性のある枯れない雑草が増えてからは、10〜12リットルを使用するようになり、結果、土壌凝固、根の死滅、微生物活動の減少が生じました。そして土壌凝固により、水の土壌浸水ができなくなった為、洪水が発生しました "

こうした事象は、メキシコ、インド、ブルキナファソ、バングラデシュの農民から同様の証言がありました。

❝ これらの証言で健康で公平な環境への権利を侵害したことが明らかになった ❞

と裁判官は述べています。

また、ロザリオ国立大学医学部の社会環境保健研究所を率いる医師専門家たちは、アルゼンチンの4つの州、27の場所で調査が行われている「衛生キャンプ」と名づけられたプロジェクトを率いています。

これらの地域からの96,874人のデータを収集した後、遺伝子組み換え作物の使用およびモンサントが製造販売したグリホサートに関連した疾患者の割合が非常に高いことが指摘されています。

❝ モンサント社は、遺伝子組み換え作物およびそれに関連する除草剤の承認を得るために、不正かつ欺瞞的で不透明な方策や活動を日常的にしている❞

といういくつかの証言を裁判所は取り上げています。

パラグアイのフェルナンド・ルゴ元大統領は、「遺伝子組換え作物や除草剤の効果的な規制は存在しなくなり、モンサント州は遺伝子組換え綿、トウモロコシ、小麦を自由に導入することができ、地元の農家に悲惨な結果をもたらした。」と述べています。

こうした深刻なリスクに関して、フランス、カナダ、ドイツなどからも同様の証人がいました。

Agent_Orange_Cropdusting.jpg
↑最後の問題は、ベトナム戦争中に米国が使用したエージェントオレンジ(枯葉剤)を製造・供給していたモンサント社が戦争犯罪の共犯者であったかどうかでした。

❝ ベトナム戦争での枯葉剤の必要性を示し、かつ、その製品がどのように健康と環境に対して有害な影響を与えるか情報を持っていた ❞

と裁判所は述べ、結論付けています。

そして、現在モンサント社は製造者の過失は一切無いという主張で一貫しています。

-----終了

1. 2017年5月18日 09:00:37 : Epg1FwOdux : GDQEAQyOX_U[1]

モンサント問題を提起するなら、

PCBなら三菱化成(現在の三菱化学)との合弁子会社だった三菱モンサント化成も製造メーカーであったことと、遺伝子組み換えなら住友化学モンサントの名前も出さないと駄目でしょ。

そして、ベトナム戦争で使用された枯葉剤は日本モンサント製なので日本国内で製造されたと言われてます。

遠い国である米国のモンサントに日本の庶民は抗議する術を持たないので、身近な三菱財閥と住友財閥の悪行を白日の元に晒したほうが良いのだろうが、この記事もそうだが両財閥にマスコミを含めて日本は牛耳られているので、日本がモンサントに加担していたことは2CHネタにしかなりませんね。
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/682.html


74. 中川隆[-7581] koaQ7Jey 2017年5月20日 08:56:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

売国のモンサント法 2017-05-20
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12276257388.html


【Front Japan 桜】種子法廃止の恐怖 / 日本庭園に見るモンサント種の元[桜H29/5/19]
https://youtu.be/nzxDQzu6l3Y
http://www.nicovideo.jp/watch/1495181862


 さて、モンサント法として、種子法廃止法について取り上げてきましたが、もう一つ、決定的なモンサント法が、5月11日に成立しています。


『農業競争力強化支援法が成立
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H6A_S7A510C1EAF000/

 肥料や農薬などの農業資材や流通加工分野の業界再編を促す農業競争力強化支援法が12日午前の参院本会議で、与党などの賛成多数で可決、成立した。政府が昨年まとめた農業改革策の一環。資材メーカーや流通業者などの再編を金融面で支援する。政府は低価格の農業資材の供給や流通の効率化で農家の経営を後押しできると説明している。』


 上記、農業競争力強化の中に、とんでもない条文があるのです。


『農業競争力強化支援法
第八条 国は、良質かつ低廉な農業資材の供給を実現する上で必要な事業環境の整備のため、次に掲げる措置その他の措置を講ずるものとする。
(略)
四 種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること。』


 はあっ!!!!!????


 過去に、種子法の下で予算がつけられ、圃場(ほじょう。すみません、桜の番組では「ほば」とて呼んでいました。間違いです)において蓄積された、様々な種子に関する知見を、民間事業者へ提供する・・・・。


 予算、ですから、日本国民の税金により作られた「種の知見」を、民間事業者に譲り渡すわけです。しかも、例により外資規制はありません。


 売国、以外に、どのように表現すればいいのでしょうか。


 種子法が廃止され、農業競争力強化支援法が成立したことで、モンサントは日本の各地域の多様性に道が種の知見を手に入れ、「ちょっと変えるだけ」で生物特許を取ることができます。公共財である日本の種が、外資を含めた「ビジネス」へと変わることになります。


 一連のモンサント法により、以下の問題や懸念が生じます。


●種子法廃止後、種子は育生者権保護を強化した種苗法で管理⇒種苗法では、登録品種を「種子として販売・無償配布しない」という誓約書にサインを求められる

●農業競争力強化支援法により、公的な種苗の生産に関する知見が民間事業者に提供される

●特定企業が、過去に日本政府や地方自治体が蓄積した遺伝子を活用し、開発した新品種の「特許」が認められる⇒本来、公共財であった種の遺伝子の権利が特定企業に移行

●低廉な種子を供給してきた制度が廃止され、種子価格が高騰する可能性が高い

●日本国内で開発された種が外国の農場に持ち込まれ、農産物が生産される⇒「安価な日本原産の農産物」が、日本に輸入される

●国内の種子の多様性が奪われ、遺伝子クライシスの恐れが発生

●モンサントなどの遺伝子組み換え作物の種子が広まり、日本固有の種子遺伝子が絶滅する(花粉の伝播は止められない)


 我が国は、いずれ新嘗祭を、モンサント(等)の遺伝子組み換えの「稲」で執り行うことになるわけです。


 ヒャッハー!!!


 それ以前に、種の多様性が失われ、かつ価格が上がることで、食料安全保障は崩壊します。


 「亡国の農協改革 」
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4864104387/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&linkCode=sl1&tag=asyuracom-22&linkId=93f620bfb956a3d19e17b20e74ffdec1

でも書きましたが、安全保障は掛け算です。足し算ではありません。


 すなわち、どれか一つでも安全保障が失われれば、我が国は「亡国」の状況に至るのです。


 今回のモンサント法成立は、日本の食料安全保障を決定的に失わせる可能性を秘めています。結果、カーギルが全農グレインを買収できなくても、日本は「亡国」の状況に至るのです。


 日本の国会議員は、早急に「公共の種」を取り戻す法律を制定しなければなりません。日本の「種」を守れないということは、日本国民を守れないと同義なのです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12276257388.html


75. 中川隆[-7555] koaQ7Jey 2017年5月21日 09:36:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

【討論】種子法廃止は日本農業を滅ぼすのか?[桜H29/5/20]
https://www.youtube.com/watch?v=3Sn3FB_6VHA&feature=youtu.be


2017/05/20 に公開


◆種子法廃止は日本農業を滅ぼすのか?

パネリスト:
 入澤肇(公益財団法人すかいらーくフードサイエンス研究所理事長)
 河添恵子(ノンフィクション作家)
 篠原孝(衆議院議員)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 安田節子(「食政策センター ビジョン21」代表)
 山田正彦(元農林水産大臣・弁護士)
司会:水島総


76. 中川隆[-7622] koaQ7Jey 2017年6月01日 11:00:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

衝撃の『農業競争力強化支援法案』が通過!〜悪夢の日本未来予想図

まいりました。。国民に殆ど知らない(知らされない)まま参院本会議で通過した『農業競争力強化支援法案』を知ってますか?

法案名だけ聞いても、「ああ、農業の競争力強化を支援するのはいいことじゃない?」くらいにしか思わないですよね。

いや。いや。これは日本の食文化の悪夢のプロローグと言えるほど危険な要素が詰まった法案です。なぜ日本は行ってはいけない方向に舵を切るのか理解不能です。

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『農業競争力強化支援法案』によって始まる日本農業の悲劇

さて、この農業競争力強化支援法案について簡単におさらいしてみたいと思います。

こんな法案を読み込むは、農業オタクくらいですよね。一般国民に詳細は分かる訳もなく。。しかし、その条文にはとんでもない内容が・・・!!

まず、過去記事にある「農作物種子法廃止案」の衆議院通過の後だけにセット法案という事が明らかにわかる内容なのです。

Seabrook-Seeds-of-Time-1200.jpg
農業競争力強化支援法案にも種子について書いてあるんですが、そこには、

「民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給促進」

「都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供」

と、驚きの内容がしっかり明記されています。
この民間事業者が誰を想定してるか分かりますか?

それでは、衆議院本会議でのやりとりの一幕です。

畠山議員(日本共産党)が、この法案の指す民間事業者に国籍などの要件がないことから、外資参入も含むのかとの質問をしました。

農林水産大臣は、“ 事業者の国籍に関係はありません。外資企業が支援措置を活用することも可能 ” と、答弁しました。

!!つまり、この法案の意味するものはこういうことなんです。

*******************************************************************
今まで都道府県の義務の下で研究、開発、管理されてきた米や麦なんかの種子についてたくさん溜まったノウハウ、知識はもう国内外の会社に解放しちゃいましょう。

そうしないと、いつまでも農業だけ鎖国してることになってモンサント社たち外国のアグリビジネス会社に日本の農業の知見を開示できない訳ですから。

国策はグローバルに向かってるのに、農業だけ守りに入ると外国からスゴイ圧力がかかる上に、補助金やらの予算もとらなくて済むので、国は一石二鳥。肩の荷が下りてありがたいんですよね。

モンサント社をはじめバイオ農業社の皆さん、これでやっと日本の農業に参入して公に遺伝子組み換え種子の農業ビジネスができるようになりますよ。

そうすれば、農業競争力上がるから国内の種子ビジネスの活性化になって良いでしょ?

もちろん今まで行政の管理下で価格も安定してたけど、これから種子マーケットの争いで価格高騰もありえるかもしれませんね。

国内の種子企業がグローバル企業に勝てないかもしれない?外資市場解放とはそういうことも含めて競争力がつくからグローバルなんでしょ。
*******************************************************************

↑この状況分かりますか?
今まで公的に管理されてた日本人のライフラインである種子もついに外資の参入が始まるのです。

しかも、日本だけがもっている種子ノウハウも外国に渡すという大盤振る舞い法案。この国を誰のものにしたいのでしょうか。

そして、世界的大問題となっている遺伝子組み換え種子の日本国内流通や日本の食に対する安心安全の考え方の大変革が起こり、将来、日本の食卓はどうなってなっていくのでしょうか。

本当に真剣に考えていかないとマズイ状態の日本になってきていると切に思う話でした。
http://shinhakken-blog.seesaa.net/article/450280234.html#more


77. 中川隆[-7621] koaQ7Jey 2017年6月01日 11:02:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

『農協改革』恐怖のシナリオ 〜これから日本の食卓に並ぶもの


農業に携わっていないとあまり意識しませんが、実は日本の食文化が脅かされる恐ろしい状況へと外堀が埋められてきている状況をご存知でしょうか?

その名も『農協改革法』。

この真の狙いは多くの国民には理解されず、むしろ農業が儲かる為に旧態依然のJA農協はぶっ壊して変えていかねばならない、という自民党の風潮になんとなく乗っている人が多数ではないでしょうか。

このニュースをみると、かつて小泉元首相が国民の目を違う方へ持っていき選挙で大勝利を収めた郵政民営化を思い出します。これの本当の狙いと農協改革は同じなのです。

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利益を追うための株式会社に農協を変えていく真の狙い

2015年8月に「農業協同組合法等の一部を改正する等」の法律が国会を通過し2016年4月より施行されました。これは、JAからの激しい反発で名前の通り一部の改正に留まっています。

政府、自民党が推し進める 農協改革「規制改革会議」の100%勝利にはなりませんでしたが、ほとんどの全中グループは株式会社へ組織変更可能という「株式会社化」ができるようになったのです。

いいことじゃん、って思った人もいるかもしれませんが、実はこれがミソなんです。

まず、農協の持つ莫大な金融資産と日本の農業市場が株式会社化により扉が開きます。これで、農協は利益追求を第一義とすることになりますが、株式会社になってその会社の経営に口を出すことができるようになるのは…

cargill.jpg
カーギル。聞きなれない名前かと思いますが、世界の穀物市場で莫大な利益を上げ、世界的な影響力を持つ穀物メジャーの米国最大手会社です。

農家から穀物を買い付け、世界中に輸出し、米国人の口に入るもののほとんどはカーギルのものと言われており、あのモンサント社と持ちつ持たれつの関係です。いまでは世界穀物市場の半分をカーギルが握っており、政治的影響力さえ持つモンスター企業です。

この閉ざされた日本の農業市場を彼らは晴れて株式会社になった全農グループに対して買収し傘下に収めることが視野に入ってきたのです。また、当然ながらウォール街の1%の超富裕層たちが株を大量に買い占め大株主となることも可能になってきました。

なぜそんなことが言えるのか?それは、この農協改革に至った背景が、アメリカの圧力がかかった上での動きだからです。

日本がいまだに米国の属国であるという事実

その外圧の筆頭が「在日米国商工会議所」です。彼らは米国政府や米国商工会議所とも連携しており、ウォール街にガッチリ絡んでいる1,000社以上の米国企業で構成された経済団体です。

まあ、米国の経済に大きな影響を与えるそうそうたる企業集団ですから、当然ながら日本で米国企業が儲かるための働きかけを日本政府にしてくるわけです。

小泉政権時代、郵政民営化法により約300兆円にのぼる「郵政マネー」が外資に渡っていく準備をようやく終え、遂に2015年11月に上場を果たしました。
上場.jpg

小泉政権時代から現在まで在日米国商工会議所から明確な圧力「外圧」が掛かっていることが、日本共産党の調査で明るみになっています。(これはマスメディアで大きく取り上げられないだけで事実です)

まだ一部の株売却ですので、大半の株を日本政府が保有していますが、株主には既に外資金融界関係(ウォール街)がしっかりと名を連ねています。(「日本〜信託銀行」と名前の入った金融機関名ですが、日本の大手金融機関や大企業大株主の大半はウォール街系列の会社です。興味のある方はコチラ→「優待・配当株をひたすら増やしてみると」さんのサイト「日本マスター信託口」って何?日本の大企業に居座る謎の大株主。より)

日本政府は今後、株売却を進め保有率を下げることを発表しています。そうなると今後、必然的にどうなっていくか、、。

流れは全く同じなのです。農協改革法案は、この郵政民営化の様に米国黒船の外圧により、株式会社化によっていずれ上場をして外資が入る準備を着々と進めていることは明らかです。

しかし、もっとタチが悪いのは、カーギルの友、モンサント社の存在です。この農協株式会社化による日本農業市場の開放と農作物取引市場緩和は、モンサントの遺伝子組み換え作物、穀物をどんどん日本に入り込むための準備であることに繋がっています。

米国がTPPから離脱しても、カーギルやモンサントが日本市場参入しやすいような法案作りが進められています。

近い未来、日本の食卓には否応なしにモンサント社の遺伝子組み換え作物が多く並び、大半の食べ物には自分の意に反した食材を口にする世になっている可能性が高くなってきています。

ちなみに民主党政権時代にいったん凍結された郵政民営化法案を外圧により再び2015年に上場まで持って行ったのも、今回の農協改革を推し進めているのも現安倍政権と自民党です。

本当に日本人の文化、生活、財産、健康を守ることがこのようなグローバル化と称した政策(アグリビジネス)なのか、それともアメリカの属国故に仕方ないのか、国民ひとりひとりが真実を直視し、真剣に考えなくてはいけませんね。
http://shinhakken-blog.seesaa.net/article/441962013.html


78. 中川隆[-7307] koaQ7Jey 2017年6月30日 18:08:03 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017年06月30日 日欧EPAは日本が一方的に損をする経済協定

欧州の農家は国が給料を払っている「国家公務員」だが、それは交渉すらしない
引用:http://www.yomiuri.co.jp/photo/20170624/20170624-OYT1I50002-L.jpg

日欧EPAの不愉快な中身

日本とEUの自由貿易協定であるEPA(経済連携協定)は、もうすぐ合意しそうだと言われています。

日本は農産品関税の9割を撤廃し、EUも自動車関税の9割を撤廃するとされていて、一見するとフェアな交渉に見える。

だが実際にはこれは、日本だけが100%譲歩し、EUだけが得をする協定に過ぎない。

          

その前に日本政府が何の疑問も持たずに行っている「自動車関税と農業関税の取引」は、まず前提が間違っている。

日本は90年代にアメリカとも「農業を捨てれば自動車輸出を増やせる」と様々な農産品を自由化したが、それで1円でも儲かったのか?

牛肉、オレンジは日米摩擦に発展し、自動車を売るためだと言って政府は農業を犠牲にしてアメリカに解放しました。


その結果食料自給率は下がり、農業が主要産業だった東北などは貧困に陥り、日本経済そのものも縮小しました。

人口問題と農業は深い関係があり、多くの国で農業生産と人口は連動しています。

多くの国で食料自給率が100%を上回っていると人口が増加し、食料を自給できない国は人口が減少しています。


例外を見つけ出そうとすればいくらでも発見できるが、歴史的に、自給できる食糧が人口の上限なのです。

もし食料が輸入できなくなったら大変な事になると、まともな政治家なら考えるが、残念ながら日本政府の官僚と政治家はまともでは無いようです。

日本の食料自給率をもっと下げれば、当然の結果として日本の人口は現在よりもっと減少するが、なぜかこれを理解しない人が居る。

安倍首相は日本を滅ぼしたいのか

人口増加率がプラスだったり、人口が多い国では食料が余って輸出していて、中国は食料が自給できなくなったら人口が減ろうとしています。

インドの人口は14億人弱で世界一になり、インドはIT大国と言われていますが、食料自給率は今の所プラスです。

アメリカの人口は増えていますが、食糧生産も増えていて、逆に言えば食糧生産が増えたから人口も増えたのです。


最初に文明が生まれたメソポタミアやエジプトが衰退し、ローマが栄えた理由は要するに、ローマのほうが食料を多く生産したので人口が増えたからでした。

メソポタミアやエジプトは砂漠化が進行し食料生産が減ったので人口も減り、最初は進んだ文明だったのに衰退しました。


世界の歴史上食糧生産を減らして人口が増えた例はほぼ皆無で、日本政府の政策がどれだけ非合理的で理に叶っていないか分かります。

今回の日欧EPAによって日本の食糧生産はさらに減り、日本の人口も減少します。

もっと不愉快なのは日欧EPAで解放するのは日本側だけで、欧州側は美味い汁を吸うだけなのです。


EUも自動車関税の9割を撤廃するが、日本には最初から自動車関税がなくベンツやVWをコストゼロで販売しています。

それをフェアにするのだからEUが自動車関税を撤廃するのは当然で、なんで日本が農業を差し出さねばならないのか?

さらにもっと不愉快なのはEUの農業は補助金漬けであって、フランス産のブドウ農家は所得の9割が政府補助金です。


日本のテレビに出てくる南仏の農家はほとんど働かず、怠けていて高収入ですが、その理由はフランス政府が農家に給料を払っているからです。

これでは日本のテレビが言うように「フランスの農業は人間らしくて素晴らしい」のは当然で、オランダ・イギリス・ドイツなども皆同じです。

日欧EPAでは欧州農業の補助金は議論されず、補助金で生産した農作物を一方的に日本に輸出して良い事になっています。


せっかくアメリカが脱退したTPPにしがみ付いている件と言い、残念ながら安倍首相には「売国奴」という称号を贈らざるを得ない。

問題はアメリカと欧州が農家に配っている補助金なのに、それは議論せず「日本の農家は怠け者だ」などと言うので呆れるしかない。
http://www.thutmosev.com/archives/71576563.html


79. 中川隆[-6341] koaQ7Jey 2017年9月25日 07:05:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

アメリカから入ってくる「猛毒食品」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52937

学校給食は安心・安全の食材のはず。そう信じて疑わなかったのに、健康とは程遠い「危険な食品」が使われていた――。

汚染された鶏肉、大量の女性ホルモンが含まれている牛肉、遺伝子組み換え米……。中国・アメリカから入ってくる「猛毒食品」は日本人を壊そうとしている。


『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』
https://www.amazon.co.jp/%E6%80%96%E3%81%84%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E9%A3%9F%E5%93%81%E3%80%81%E4%B8%8D%E6%B0%97%E5%91%B3%E3%81%AA%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E9%A3%9F%E5%93%81-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A5%A5%E9%87%8E-%E4%BF%AE%E5%8F%B8/dp/4062937530


の著者・奥野修司氏による衝撃のルポを公開。

中国産食材やアメリカ産食材を食べることは、我が子の医療費を未来へ先送りしているのと同じだということに気づくべきだろう

猛毒食品を食べている可能性

例えば、レストランでハンバーグやビーフステーキを食べたとき、ランチで1000円前後ならオーストラリア産かアメリカ産のはずである。

このアメリカ産牛肉には、大量の女性ホルモンが含まれているとはほとんど知られていない。

その数値は国産牛の600倍(赤身肉)。なぜ牛肉の中に女性ホルモンがあるのかというと、成長促進と体重増加を促すため、アメリカでは6種類のホルモンが牛の成長促進剤として認められているからだ。

女性ホルモンが残留した牛肉を食べ続けるとどうなるか。一般的に、女性では乳がんや卵巣がん、男性では前立腺がんが増えるといわれる。とくに子供の頃から食べ続けると、危険度はかなり大きく、男性は精子の減少にも影響する。

こうした危険性があるため、EUでは90年代からアメリカ産牛肉を輸入禁止にしているが、日本では毎年20万トン弱が輸入されている。


すぐには死なないが…

食べ物というのは、食べたらエネルギーや栄養になるだけではない。タンパク質はアミノ酸に消化されて腸管から吸収され、体の中の細胞のアミノ酸と入れ替わる。それも恒常的に入れ替わっているから、出来損ないの食べものを食べたら体も出来損ないの体になるということだ。

では「食の安全」とはほど遠い出来損ないの食べ物を食べたら、必ずがんなどの疾病を引き起こすのかといえば、たぶん否である。

「なあ〜んだ、じゃあ、アメリカ産牛肉でも、中国産の野菜や海産物でも、何食べたっていいじゃないか」

そうお思いの方もいるかもしれない。ただしそこには「短期的に」という条件がつく。

なぜなら、大量の毒物を摂取すれば急性中毒で死亡するかもしれないが、農薬や重金属まみれの食べ物を口にしてもすぐに死ぬことはないからだ。

症状があらわれても20年後、30年後である。それも、たしかなエビデンスがあるわけではなく、食べ物に原因があるとは誰も証明はできない。倫理的に長期の比較試験などできないからである。

私たちにできることは、自ら危険と判断した食べ物を、家族はもちろん、とりわけ子供には食べさせないという自己防衛しかない。

輸入食品には毒性のある危険な食品が数多く入っている。その中で中国産とアメリカ産を取り上げたのには理由がある。私が親しくしていた農業指導員にこう言われたからだ。

「食の安全とは、生産者が消費する人を好意的に見ているか嫌悪しているかの違いだと思う。嫌悪していたら毒を入れても平気です。中国人は日本人を嫌いだし信用していない。アメリカ人は日本人を見下しています。だから、汚染された土壌で作られたものでも平気で売るのです」

ここで紹介したのは危険食品のごく一部だ。後編では日本が危険であるとわかっていながらも、輸入を許可してしまう実態を明らかにする。

____


日本を壊す「猛毒食品」衝撃の実態
9/24(日) 10:00配信 現代ビジネス


 学校給食は安心・安全の食材のはず。そう信じて疑わなかったのに、健康とは程遠い「危険な食品」が使われていた――。

 汚染された鶏肉、大量の女性ホルモンが含まれている牛肉、遺伝子組み換え米……。中国・アメリカから入ってくる「猛毒食品」は日本人を壊そうとしている。

『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』
https://www.amazon.co.jp/%E6%80%96%E3%81%84%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E9%A3%9F%E5%93%81%E3%80%81%E4%B8%8D%E6%B0%97%E5%91%B3%E3%81%AA%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E9%A3%9F%E5%93%81-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A5%A5%E9%87%8E-%E4%BF%AE%E5%8F%B8/dp/4062937530


の著者・奥野修司氏による衝撃のルポを公開。


中国発・日本を壊す「猛毒食品」衝撃の実態


相当危険なものを食べている

 前編では、中国からは、遺伝子組み換えのうるち米、重金属や有機塩素にまみれた野菜類、抗生物質漬けの鶏肉が。アメリカからは、女性ホルモン漬けの牛肉等々が日本に輸入されている実態について書いた。

 いずれもにわかには信じがたいものだが、現実にこれらは私たちの口に入っている。それも、多数の子供たちが給食を通してこれらの危険食品を食べているのである。

 子供たちが危険な食品にさらされるということは、子供たちの未来、ひいてはこの国の未来が奪われるということだ。国の行く末にも関わる大きな問題を、この国はどう向き合おうとしているのだろうか。


かつて日本マクドナルドは、安全な食品を確保するためにHACCP(ハサップ)を導入し、中国産鶏肉も日本からわざわざ社員が行って検査をしていたのに、死んだ鶏肉を売って問題になった河南大王食品グループの鶏肉を扱っていたことがわかった。

 なぜこんなことになったのかといえば、図を見ていただければ分かる。

 この図を作成した愛知大学の高橋五郎教授によればこうだ。

 「農畜産物加工には、たとえば鶏肉なら、養鶏農家→1次加工業者(解体など)→2次加工業者(練り加工など)→3次加工業者(味付け・包装・冷凍など)の流れがあり、視察するのはたいてい3次加工業者です。1次2次が不衛生だと意味がありません」

 また中国では、発注を受けて足りなくなれば、すぐに下請け企業へ不足分を要求する。その際、下請けが不衛生かどうかなんて問わない。混ぜてしまえばわからないからだ。また日本から検査にくれば、とりあえず工場内をきれいにして迎える、つまり3次加工業者だけを見てもわからないということである。

 これはマクドナルドだけではなく、1次加工から3次加工まで、自ら全行程を生産する企業でないかぎり、常にこうしたリスクにさらされているということである。

牛肉戦争になってしまう

 日本は自ら危険な食品であることに目をつぶって、輸入しやすいようにしている。一例をあげればアメリカ産牛肉だ。

 最新の機器を使って検査すれば、アメリカ産牛肉から国産牛の600倍もの女性ホルモンが検出される事は明らかなのに、いまだに一昔前の計測法で検査している。この方法だとピコグラム(1兆分の1)単位のホルモンは検出できない。

 あえてこの方法をとっているのは、アメリカと事を構えたくないから。アメリカ産牛肉には日本が禁止しているホルモンも使われていて、そんなものが検出されたら、輸入禁止にせざるを得ない。

 そうなると、アメリカが対EUにしたように、牛肉戦争になるだろう。国民を犠牲にしても、そんなトラブルだけは避けたいのである。

 それ以外にも、アメリカへのお追従は恥ずかしくなるほどだ。たとえばポストハーベスト農薬の残留値だ。アメリカの乳製品を輸入するために、猛毒のアフラトキシン濃度を国際基準により20倍も甘く、EUより400倍も甘くした。

 猛毒のマラチオンも、輸入小麦は国産米の80倍もゆるい。有機リン系殺虫剤のクロルピリホスメチルも、米に対して輸入小麦が100倍ゆるい。ネオニコチノイド系農薬を50〜2000倍まで緩和したのもそうだ。いずれもアメリカの農産物を輸入しやすくするための”配慮“といってもいい。

 これも言ってみれば、食料を自給できないゆえの悲しさかもしれない。

 鈴木宜弘東大教授のこんな言葉が忘れられない。

 「何かあれば命に関わる大問題とわかっていても、目先の儲けと自分の立場の保全に進んでしまう。みんな『今だけ、金だけ、自分だけ』という発想になってしまったんです。なんで人間はこんなにアホなんですかね」

 わが子の未来を閉ざしたくなければ、親が食品を選ぶ厳しい目を持つしかないだろう。


80. 中川隆[-5803] koaQ7Jey 2017年12月05日 10:10:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

大変なことになります。|山田正彦 オフィシャルブログ Powered by Ameba 2017年11月23日

こんなに早く種子法廃止に伴う運用規則までが廃止されるとは思ってもいませんでした。


そのために参議院で付帯決議を付けて種子法が廃止されても、都道府県の優良品種の奨励制度等は残り、予算を確保できるつもりでしたが。

実は近く「農水省から種子について大事な通達がある」との噂があったので連絡していたら今日、私のところに農水省次官による通知が届いたのです。

そこには明確に「運用基本要綱、種子制度の運用、1代雑種審査基準の審査、指定種苗の運用は廃止する。以上命により通知する」と有ります。

種子法廃止後の都道府県の役割についても「これ迄実施してきた稲、麦、大豆の種子に関する業務の全てを直ちに取り止めることを求めるものではない」と有ります。

都道府県によっては、暫く続けてもいいが、国の予算措置は厳しいぞと言わんばかりです。

しかも「民間業者による種子(日本モンサントのとねのめぐみ、三井化学のみつひかり等)の生産、参入が進む迄の間は、原種等を維持して、それを民間業者に提供する役割を担う」と。

これで、公共の種子として農家に安く提供されてきたコシヒカリ等の多様な固定種はなくなり、モンサント等の民間の数種に絞られることに。(農競強化法8条4項)

政府は農競力支援法の8条3項の独立行政法人(農研)、都道府県の種子の知見を民間に提供するとあるのはモンサント等外資にも適用すると答弁しています。

農研は国の予算だけで、毎年2千億が投じられ既に遺伝子組み換えのコメの種子WRKY45等が試験栽培されています。

その蓄積された知見が全てモンサント等に提供されることになります。既に9月から研究職員が民間に出向しています。

そうなれば、日本も三井化学のみつひかりのようにF1の種子だけでなく、遺伝子組み換えのコメを食べざるを得なくなるのでは。

米国、カナダ、豪国等は主要農産物は州立の農業試験場等で栽培された安全で、安価な公共の種子なのに残念です。
https://ameblo.jp/yamada-masahiko/entry-12332004567.html


81. 中川隆[-5777] koaQ7Jey 2018年1月29日 20:21:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
『月刊日本』2月号
山田正彦「日本の農業はモンサントに支配される」より
http://gekkan-nippon.com/?p=12947


<農業がモンサントに支配される>

―― いよいよ2018年4月に主要農作物種子法が廃止されます。元農水大臣の山田さんにお話を伺いたい。

【山田】 これまで日本は種子法に基づいて、コメなど主食の種子を「国の宝」として守り育んできました。国が管理して、各都道府県に原種や原原種の維持や優良品種の開発、奨励を義務づけていたのです。その結果、日本のコメ、麦、大豆の種子は100%国産であり、食の安心・安全や自給率は守られてきたのです。

 ところが、昨年4月に種子法廃止法案が成立して、今年4月に施行されてしまいます。これによって従来の国や都道府県の公共品種の維持が難しくなり、民間企業によって主要農作物の種子市場が席巻されてしまうことになります。

 種子法の廃止はTPP交渉の中から出てきたものです。TPP協定は2016年2月に署名されましたが、その際に日米が交わした交換文書があります。そこには、「日本国政府が外国投資家等から意見及び提言を求め、関係省庁等からの回答とともに規制改革会議に付託し、同会議の提言に従って必要な措置をとる」とあります。そして実際に、外国企業の意向に沿って種子法の廃止や農業競争力強化支援法の制定などが決められてしまったのです。

 ここでいう「外国投資家等」の中には、グローバル種子企業のモンサント社やシンジェンタ社が含まれています。彼らは20年前から日本の種子市場を狙っていたのです。すでに野菜のタネはそれら多国籍企業に支配されています。30年前まで野菜の種子は全て国産でしたが、今では90%以上が外国産です。

―― 山田さんは、種子法廃止と同時に成立した農業競争力強化支援法も問題視しています。

【山田】 農業競争力強化支援法の8条3項には、事業者の生産性が少ない銘柄を「集約」すると書いてあります。これではイネの品種が減っていってしまいます。

 現在、日本では約300種のイネの品種が栽培されています。大きな気候変動や害虫の発生に備えるためには、それぞれの地域に合った多様な品種を維持することが重要です。品種を増やすどころか、減らすなどもっての外です。

 また同法8条4項には、「都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること」と書いてあります。私たちが種子法に基づいて、税金で培ってきた技術と情報、いわば知的財産権を民間企業にタダ同然で差し出せということです。しかも、「民間事業者」には外資系企業、すなわちモンサントやシンジェンタも含まれています。昨年、齋藤健農水副大臣(現農水大臣)と矢倉克夫農水政務官(当時)が「国内企業、外資系企業を問わず」知見を提供すると国会で明確に答弁している通りです。

 モンサントが日本の公共品種から開発した遺伝子組み換え品種などを応用特許として申請すれば、日本の農家は高額な種子価格に加えて、特許料まで支払わなければなりません。農家は二重に搾取されることになるのです。……  


[12初期非表示理由]:管理人:混乱したコメント多数により全部処理

82. 中川隆[-5631] koaQ7Jey 2018年2月17日 14:13:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

コメより水が高く売れる時代


マスコミが褒める南仏農業は生産性が低いが、政府が給料を払っている
引用:http://www.merlotresor.se/public/images/destinations/bourgogne/slideshow/11.%20Bourgogne%20-%20Anne%20Svensson%20-%20Hova.jpg

日本の農業は政府から虐待されている

2018年から米の減反補助金(生産補助金)が廃止され、コメ農家を廃業したりコメ生産を辞める農家が多い。

そのせいで低価格米やお握りの値段が上昇しているが、このコメ価格がおかしい。

例えば200g(茶碗大盛り一杯)のご飯はコメだと約87g、5キロ2000円の米だと約35円です。



一方ミネラルウォーター、要するに水はコンビニでは500mL100円が多く、200gあたり約40円になります。

スーパーで買うか大容量のボトルを買えばもっと安いが、特定の条件下ではコメより水の方を高い値段で買っています。

これがドリンクやコーヒーだともっと差が付き、グラムあたりコメの2倍する商品も多い。


はたして「ただの水」にコメと同じ価値があり、ドリンクにはコメより価値があるのでしょうか。

コメ価格が異常に安くなった理由は輸入農産物が低価格だからで、だいたい何でも輸入品のほうが安い。

だが輸入農産物はもともと安いのではなく、各国政府が補助金を出して安くして、日本に売っているとしたらどうでしょうか。


農業改革が叫ばれて久しく、「農家は怠けている」「農業は補助金で保護されている」という声が上がっている。

だがこれらの農業叩きには事実誤認が多く、たとえば日本は世界でもっとも農家への補助金が少ない国です。

アメリカやフランスなど欧州では輸出農産品に50%から90%もの補助金を出して農家の収入になっています。


アメリカの広大なコメ農地を見て日本人は驚愕するが、実は豚の餌など家畜飼料で人間用ではない
人間用の美味しいコメは、農家が手間隙かけて育てるので日本より生産コストが高い
AirTractor_402
引用:http://bcgneeds.com/wp-content/uploads/2014/03/AirTractor_402.jpg

アメリカの人間用農作物は日本より高い

有名なフランスのブドウ産地では、前近代的な方法で生産していて、まるで絵画の世界のような農村風景が残っている。

だが彼らが100年前と同じやり方で農業を続けられているのは、収入の大半を国家が補償しているからで、国家公務員と言っていい。

最近オランダで植物工場が成功して「日本も見習うべきだ」とマスコミが言っていますが、同じように補助金で運営されています。


野菜工場や果物工場の類は日本にもあるが、補助金や優遇制度無しで利益を上げた例は一つも存在しません。

太陽光や原子力で発電した電気で植物を照らして、それで野外の畑より安く出来るなら、世界中が全部植物工場になっています。

欧州農業は徹底的に保護されていて補助金で生産してEU域外に輸出しているので、欧州農業に見習う点などひとつも在りません。


唯一日本が見習うとすれば、手段を選ばず補助金で農業を保護して外国に売りつける、その徹底ぶりでしょう。

欧州とアメリカの農業が政府から保護されているのに対して、日本の農業は政府から虐待されています。

アメリカはジャガイモやトウモロコシ、小麦などを非常に安い価格で生産し輸出するので、アメリカの農業は効率的だと勘違いしている人が居ます。


アメリカで安く生産できるのは豚の餌にするような飼料だけで、ポテトやコーンなら人間用も家畜用も大差ありません。

だがこれが人間用の野菜やコメなどになると、やっぱり政府補助金で生産していて、補助金無しだとコメ価格は日本より高いです。

統計ではアメリカの人間用農作物は、平均して50%が政府補助金に頼っていて、例えば2000円のカリフォルニア米が売られていたら、本当の値段は4000円です。
http://www.thutmosev.com/archives/74947567.html

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83. 中川隆[-5564] koaQ7Jey 2018年2月28日 17:49:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
日本の農業をぶっ壊す種子法廃止、なぜほとんど話題にならない?=田中優
2018年2月25日 ニュース
http://www.mag2.com/p/money/384427



私たちが口にする食べ物が体を蝕み、様々な疾病の原因となるとしたら…。そんな未来が現実になりかねない「主要農作物種子法の廃止」がこの4月に迫っています。


無意味な「遺伝子組み換えでない」の表示。春から日本はどうなる?

食べ物が体を蝕むという恐怖

私たちは体を維持し、健康を増強するために食物を食べている。ところがその食べ物が期待を裏切り、体を蝕み、さまざまな疾病の原因となるとしたら…どう考えればいいのだろうか。体は健康に維持したい。しかし食料は体を蝕んでしまう。「食べるべきか、食べるべきでないか」と思いわずらうことになる。

ならば「安全な種から育てた食品を選ぼう」と思ったとしても、主要農産物の種を守ってきた「主要農作物種子法」が2018年の今年から廃止されて、種は入手が困難になっていく。種は遺伝子組み換えのものに入れ替わり、それから育てた作物しか選べなくなる。

一見すると私たちに関係なさそうな「主要農産物種子法の廃止」が、私たちの選択の余地をなくし、健康を維持できない可能性が高まるのだ。

自閉症増加の原因は…

最初にデータを見ておきたい。6歳児の自閉症児の増加とグリホサート(商品名「ラウンドアップ」除草剤)の相関グラフと、6歳から21歳の自閉症患者の相関だ。

http://www.mag2.com/p/money/384427

自閉症は遺伝的なものと言われていたが、現在では否定されている。「母原病」とも言われ、「親の育て方の問題」とも言われていたが、これも現在は否定されている。

グラフを見てもわかる通り、この急増ぶりこそがその根拠だ。遺伝子はこんなに早く広がらないし、子育てという「文化」でもこんなに早く広がることはないからである。

現在は自閉症の原因は、化学物質汚染との関係だと考えられている。その中で大きな可能性を持つのがグリホサートなどの有害化学物質だ。このグリホサートを撒いても枯れない遺伝子を組み込んだ作物がモンサント社の「遺伝子組み換え作物」で、それが使われるときには、必ずグリホサートが撒かれることになる。

「遺伝子組み換え作物」に甘い日本の規制

自閉症はアメリカのデータだが、遺伝子組み換え作物の承認について最も規制が甘い国はこの日本となっている。その日本にはすでに「ミツバチの失踪問題」で脚光を浴びた「ネオニコチノイド農薬(殺虫剤)」がたくさん撒かれている。水に溶けやすいこの農薬が、川の上流部にも「松枯れ対策」として撒かれている。

ここでもう1つのデータを見たい。文科省の発表した「通級による指導を受けている児童生徒数の推移(公立小・中学校合計)」というものだ。

http://www.mag2.com/p/money/384427/2

指導を必要とする児童数が2000年頃から増えていて、増えているのは「注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、自閉症、情緒障害」で、「難聴その他と言語障害」は増えていない。

また同時期のネオニコチノイド農薬の出荷量を「国立環境研究所」のデータから見てみよう。

http://www.mag2.com/p/money/384427/2

どう思うだろうか。ネオニコチノイド農薬は持続性が高く、使われた農地にはしつこく数年は残る。これが脳の中の海馬や偏桃体に作用し、短期記憶を妨げ、集中力を失わせてうつ状態を生み出したり、乱暴に興奮させたりすることまでわかったところが今の時点だ。

私は相関関係があると思う。この状態の日本の食に、さらに遺伝子組み換えされたコメや小麦が入ったらどうなってしまうのか、というのが私の危惧だ。

やがて、食べ物がみな毒になる…

今はまだコメや小麦に遺伝子組み換え作物は使われていない。しかしコメは遺伝子組み換えのものが日本でも実験されていて、小麦は2020年頃には世界的に販売される見通しがある。

私は「主要農産物種子法の廃止」は、私たちの安全な食を、危険なものにする大きなきっかけとなると思う。特に子どもたちが壊されていくかもしれない時期に、このままにしていいのかと思う。

確かに今は親の対策によって、多少は被害を低減することができる。しかし気を配っている親ばかりではないし、生活に追われていれば考えるだけの余裕もない。そしてこれはこの先、扉が閉ざされるように選択の余地が失われていくのだ。

人々が選択できた時期は過去のことになり、食べ物はみな毒になる。今がその時代の変換点だと思うのだ。


種を制する者は世界を制す

ボクシングの格言に「左を制する者は世界を制す」というものがある。左でジャブを繰り出す技術が優れた者は、右ストレートで試合を有利に制することができるというもの(右利きが前提だが)だ。同様に「種を制する者は世界を制す」という言葉もある。要は農業は種から育てるものだから、それを握ってしまえば世界を制することができるという意味だ。だが、こうした言い方は専門家の間には評判が悪い。

私は法学部出身だが、どこが問題かを判断するときに、法の条文から適切でないとするのは良いが、民法の大原則である「公序良俗に反する」というのを持ち出すと鼻で笑われるようなものだ。「公の秩序および善良な風俗」に反するからダメというのは大雑把すぎる。それを理由にしたのでは大岡裁きと同じで、他の条文が不要になってしまうからだ。

だが企業の力は強大になり、それを持ち出さなければならないほどのレベルになった。それが「種子法の廃止」だと思う。だから個別の法理で闘いたい気持ちはやまやまだが、それで事足りるような事態ではなくなったのかもしれない。種自体が企業の所有物となり、他の人々は単に種を借りて育てる農奴の位置に落とされるからだ。

科学の名の下に無視される倫理

思えばアメリカで生物特許が出されたときに、「そんなバカな」と人々は思いながらも正面切って反対できなかった。そして「遺伝子の順序」が特許の対象にされてしまったときにも同じ反応だった。そして今年2月、科学誌では名高い「ナショナル・ジオグラフィック誌」に「人間と羊のハイブリッド胎児の作製に成功」との記事が出た。この羊と混合された子は「人間への移植を目的とした臓器作製向け」だそうだから、殺されて臓器を提供することを目的に生み出されることになる。この子の人権などは考えられていない。勝手に羊と遺伝子が混ぜられ、殺されるために生まれるのだ。

私はめちゃくちゃな話だと思う。人には倫理的にしてはいけない領域がある。こんなことをしてしまったのは、専門家たちが「大雑把すぎてカッコ悪い」と反対するのにためらっていたことの結果ではないか。正面切って反対しなければならないものが登場するほど、人間の力は強大になり、それを利益で結集させる企業が強くなりすぎたのだと思う。

原子力もそうだった。今や高くて危険で役立たないことが明らかになっているのに、まだ日本では廃止できない。小さな芽の時点でなくしておけば、こんな数万年も管理しなければならない厄介ものなど生み出さずにすんだだろうに。

私たちは敢えて大原則を振りかざして、禁止させなければならない技術に直面していると思うのだ。その1つが遺伝子組み換え作物だ。

不明瞭な「主要農作物種子法」廃止

去年、「主要農作物種子法(以下、種子法)の廃止が決められ、ついにこの4月から施行される。

私が大学の講義で「種子法は廃止すべきでない」と触れたところ、生徒から「種の保存がされなくなることを授業で問題にしましたが、何か政府の側からの良い点が示されていたのではないでしょうか? 一方的でない授業を望みます」という意見をもらった。その学生の懸念は、「偏った授業をしている」というものだったのだろう。廃止法案は政府が閣議決定して法案を通したのだから、そこに「良い点」が書かれていなければならない。

そこには「戦略物資である種子・種苗については、国は、国家戦略・知財戦略として、民間活力を最大限に活用した開発・供給体制を構築する。そうした体制整備に資するため、地方公共団体中心のシステムで、民間の品種開発意欲を阻害している主要農作物種子法は廃止する」とあるのみだ。

この中のどこが良い点だと読み取れるだろうか。種子法は「民間の品種開発意欲を阻害している」主要農作物種子法は廃止するというのだから、「民間の品種開発意欲を阻害している」ことが問題なのだとなる。

得をするのは「特定の企業」だけ

では、民間はなぜ開発意欲を阻害されるのだろう。それは開発費用を掛けたとしても、高く売れないことに尽きる。要は、民間が開発した種子を高く売りたいのだ。

ところが種子法は都道府県を主体として良い種を作り、農家に高くない価格で提供している。それが「阻害している」というのだ。しかもすべての作物の話ではない。ここは「主要農作物」が対象で、具体的には「稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆」だけを指す。

それ以外の作物の種には「育苗法」が適用され、育苗法は「品種の育成の振興と種苗の流通の適正化を通しての農林水産業の発展に寄与する」ことを目的としていて、品種育成をした企業などのパテント(知的財産権)を保護することにしている。今回の「種子法廃止」では、法の残る部分は「育苗法」に併合されることになっている。

つまり種はパテント(特許)付きのものばかりになり、自然のものだったはずの種がいつの間にかすべて「特許対象」となってしまうのだ。そして農業ビジネスはその対象として主要農作物である「稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆」をも対象にしようとしている。

そこで気付くのは、それらの作物は容易に遺伝子操作の対象作物になり得るということなのだ。つまり遺伝子操作作物を拡大しようとする企業以外に、今回の廃止法案の動機がないことになる。

問題だらけの遺伝子組み換え作物

世界の遺伝子操作作物は、生産物の順で「大豆、トウモロコシ、コットン、ナタネ」で99%を占める。コムギは直接食用にすることからアメリカすら認可に慎重で、すでに実験的に作られてはいるが、栽培されるのは2020年頃と言われている。またコメもすでに実験はされているものの、世界的に栽培されていない。今回の種子法廃止の対象の主要農作物は、「稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆」なのだから、戦略的に種子法の枠を外す必要のある作物だと言えるだろう。

その遺伝子操作作物は、モンサントの場合には農薬グリホサート(商品名「ラウンドアップ」/特許切れにより各社が販売していて今は百均でも売られている)を撒かれても枯れず、他の雑草のみが枯れることを目指したものだ。だから「ラウンドアップ・レディー(ラウンドアップに抵抗性のあるの意)」と呼ばれる。ところが生命はさらにそれを超えてくる。「スーパー雑草」と呼ばれる抵抗性のある雑草が蔓延る結果となったのだ。

もう1つの問題点は、人間の健康に対する影響だ。ラウンドアップは人間が体内で作ることができない「必須アミノ酸」の1つである「トリプトファン」組成を妨げることで草を殺す。ところがこの「トリプトファン」こそ人間の体内でインスリンを作るのに必須のアミノ酸なのだ。もしラウンドアップが土壌などに残っていれば、糖尿病を増加させるかもしれないし、遺伝子組み換え作物そのものが影響するかもしれない。そして現実に、アメリカでの糖尿病患者の増加と、遺伝子組み換えの大豆・トウモロコシ生産量との間に相関関係があるのだ。

次のグラフは、糖尿病の発病と「大豆とトウモロコシの遺伝子組換えされたものの耕作比率」、同じく「大豆とトウモロコシに撒かれたグリホサート入りの収穫量」を示すものだ。ここには相関関係があると見ていいだろう。

http://www.mag2.com/p/money/384427/5

スーパー雑草の発生などで、遺伝子組み換え作物の生産コストは急上昇することになった。そこでモンサントは他社の除草剤成分を混入させる試みをずっと進展させている。従来のラウンドアップで枯れなかった植物を、より根絶やしにしようとしているのだ。そうやって作られていく作物が、ヒトにどのような影響を及ぼすのか、とても心配になる。

種子法が生まれた理由と功績

そもそも種子法は戦後直後の1952年(昭和27年)に制定されたように、戦後の食糧混乱期に制定されている。十分に人々が食べられない時代に、冷害に強かったり気候風土に見合う食味の良いものを栽培、研究し、都道府県単位の気候に合うものを作り、推奨することで食糧の生産増大を目指してきたものなのだ。

しかもその種はエフワン種(F1)というようなハイブリッド種ではない。そのエフワン種は「雑種第一代」とも呼ばれ、違う品種の野菜を人間が意図的にかけ合わせて作ったものだ。エフワン種とは雑種を掛け合わせることで「ヘテロシス」と呼ばれる「トンビが鷹を生む」現象を利用したものだ。とても優れた種になる。ところが、生まれた「鷹」同士を交配させて種を採ると、元の「トンビ」の雑種に戻ってしまうのだ。だからその一世代だけがいい種になる。逆に言うと、農家が自家採種して育てることができない、永遠に買わなければならない種なのだ。

ところが種子法で作って来た作物は「エフワン種」ではない。その作物から自家採種して育てたとしても、同様の優れた作物が作れるのだ。そのため種子法は「主要作物」のみに限定されている。数限りない作物の中で、「稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆」を主要農作物として、政府、自治体が関与して種を守ると同時に風土に見合った種を地域に推奨してきたのだ。

とても手間のかかる作業に加えて、その地域の特性に合わせた種を選別してきた。それが「主要農産物種子法の意味」だった。だから「自家採種」が基本だ。自分で種を持つことが基本的人権の1つだから、それを国が保証するための法だった。

特に大変なのは純粋系統の種を作ることだ。栽培に使う種を「原種」といい、その種を作るために栽培したものを「原原種」という。それが他の種と交配しないようにしなければならない。たとえば大豆など、4キロ周囲に植えられた種と交配する可能性がある、だから栽培者は神経を使って栽培し、守ってきたのだ。

廃止の根拠に「生産コスト削減」があるが…

種子法廃止の根拠として、「生産資材の価格の引き下げ」をするという文脈で語られていることもある。しかしこれまで種子法によって守られてきた種の価格は安い。この制度を廃止して壊せば「生産資材の価格が下がる」としたら、種代ではなく「農薬代」などを指しているとしか考えられない。主要農作物の種を作ったメーカーは、種子法では安くて開発費用を賄えないと言っているのだから、種は安くなりようがない。

実際には、種子の値段は高くなるだろう。利益を求める企業が「公共種子」より安く供給できるはずがない。にもかかわらず、「生産資材の価格の引き下げを行う」というのは、百均でも販売しているようなグリホサート(除草剤)を前提にしているとしか思えない。とするとこの「種子法廃止」の理由は、グリホサートを撒いても枯れない遺伝子組み換え作物が使われることを予定しているとしか思えないのだ。


生きるための種が「売るための種」へ

種には2つの法体系がある。それが「種子法」と「種苗法」だ。種苗法は「品種の育成の振興と種苗の流通の適正化を通しての農林水産業の発展に寄与する」ことを目的としていて、エフワン種のような品種育成をした人や企業のパテント(知的財産権)を保護することを目的としている。種子法が「食料の生産につながるような種子を安定的に確保する」ことを目的とするのとは全く異なるのだが、この種子法を廃止し、種苗法の付則で種子法の制度の一部を引き継ぐというのだ。

では種子法の「品種の育成の振興と種苗の流通の適正化を通しての農林水産業の発展に寄与する」という目的はどうなるのか。これを壊して「生きるための種」から、「売るための種」へと変質させるのが廃止の真の目的だ。

「国連人権宣言」の条文に、「経済的・社会的及び文化的権利に関する社会権規約」がある。締約国は「すべての者に技術的及び科学的知識を十分に利用することにより、栄養に関する原則についての知識を普及させることにより並びに天然資源の最も効果的な開発及び利用を達成するように農地制度を発展させ、または改革することにより、食糧の生産、保存及び分配の方法を改善すること」と書かれている。

これが失われるのだから、こういう実態になる。「人々に食の権利はなく、ただ大企業のみが技術的及び科学的知識を持ち、人々は栄養に関する知識も知らず、天然資源の効率的な使用もできずに、食糧の生産・保存・分配ができなくなる」ことになる。

まったく信用できない「遺伝子組み換えでない」の表示

遺伝子組み換え作物には「Btコーン」と呼ばれるものもある。これはコーンを食べた害虫の腸が破裂して、死んでしまうというモノだ。すべての生物は消化管から発達したとする説もあるぐらい消化管は大事な組織だ。これに穴が開いてしまうと、消化した後の排せつ物が体内に回ってしまう。体内というのは消化しやすい温度の中に消化しやすい内臓があるのだから、消化する微生物は生物を内側から食べまくってしまう。

この「リーキーガット(漏れる腸)」という疾患もまた、人間に増えている。こうした遺伝子組み換え作物が身の回りに増えてきている。まず第一に「遺伝子組み換え」が問題なのだから、遺伝子が分解されている「加工品ならいい」と表示しなくていいことになって、「味噌・醤油・油」の原料に使われている。

さらに素材の5%以下なら「遺伝子組み換えでない」と表示できることになっているため、「遺伝子組み換えでない」と書かれていても信用できない。さらに多い成分量から3位以下なら「遺伝子組み換えでない」と表示できる。要はザルなのだ。

飼料として日本に輸出される遺伝子組み換え作物

もっと深刻なのは、アメリカで遺伝子組み換え作物は売れなくなり、急激に非・遺伝子組み換え作物の消費が伸びている。そのため余ってしまった遺伝子組み換え作物は、畜産の飼料として日本に輸出されている。かつては「非遺伝子組み換え作物」のコーンを輸入していた日本は、遺伝子組み換え作物をどんどん輸入せざるを得なくなっている。

もう外堀は埋められ、あとは国内の生産さえ開始できればいいのだ。今回の「主要農産物種子法の廃止」は、アメリカの圧力のせいだとも言われているが、現にアメリカでもこうなっている。アメリカの多くの州では「公共種(州立大学、他の大学、他の自治体からの供給)が半分近くを占めていた。それが減らされ、その分を「モンサント」「シンジェンタ」等の企業が支配した。法規制された種を解禁すると、そこにアグリビジネスが入り込むのだ。

こうした全体の流れからすると、すでにモンサントと協力・提携・買収してきた「日産化学」や「住友化学」「三菱モンサント社(現三菱MKV)」などは参加を画策していることだろう。これらの会社は種子法廃止を足掛かりにして、公共財だった主要農作物の種の譲渡を受け、遺伝子組み換え事業に参入しようとしてくるだろう。


種子法廃止で苦しむか、別な社会を求めるか

今回の「種子法廃止」の目的は、ここまで調べると明白だろう。「種を制する者は農業を制する」のだ。その傍らで農薬被害の子どもたちの「要指導児童」の増加に苦しみ、多くなる疾病と安心できない食品に苦しみ、高くなる種は買えず生産者は農奴化することになるのだ。すると当然、効くかどうかに関わりなく製薬会社が儲かる。アメリカでは日本で「要指導児童」と呼ばれる子どもたちに薬を出し、大きな収入源としているのだ。

一方にはインターネットと宅配の発達により、直接生産者と連携を図る方法があるかもしれない。世界的にはアグリビジネスの流れに対抗して、人々の「生態系を守る農業のあり方や社会のあり方を求める科学や運動」としてアグロエコロジー運動が広がってきている。「農」とは大企業のものなのか、それとも人々が生きるためのものなのか、それを問われる時代になった。

もう一度、生命の循環の輪の1つとして、誰もが関われる「農」に戻して考えてみたい。種は自然から与えられた生きるための糧だった。それを再度、人々の手に戻すべきではないか。


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84. 中川隆[-5466] koaQ7Jey 2018年3月15日 17:21:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
アメリカの食べ物は食べてはいけない

2018年03月15日
アメリカの水道汚染 飲料水に鉛や下水混入で健康被害


最悪期のフリント市の水道水
引用:http://climatechange.up.seesaa.net/image/Flint_Water.jpg


アメリカの水道汚染

もし日本で水道水に鉛や下水が混入して数万人の健康被害が判明したらパニックになるだろうが、アメリカでは現実に発生している。

ハワイでは未処理の汚水を地下などに貯蔵し、井戸水や飲料水に混入したり、海に流れて汚水の中でサーファーや海水浴客が泳いでいる。

ニューヨークでは水道水に鉛が混入し、5400人以上が発育障害などの健康被害を受けたのが判明している。


アメリカでは水道水などの管理がとてもいい加減で、そのまま飲まないのを前提にしているので、少々汚染されても当局は対応しない。

ハワイ州には約8万8000の汚水貯めがあり、海に放出されたり井戸水に混入し、水道用の水にも混入している。

ハワイはホノルルを除いて下水処理施設が未整備で、汚水は「穴を掘って埋める」のを繰り返しているという。


ミシガン州フリントでは2016年に基準値の1000倍に達する鉛が水道水から検出され、非常事態宣言が出されました。

小池知事は豊洲の地下水が「基準値の80倍」だったと大騒ぎしていたが、あれは水道水でも飲料水でもなかった。

ミシガン州のは水道の蛇口から出てくる水で検出された汚染で、深刻な健康被害も発生していました。


2015年にはフリント市の水道水は泥のように濁った色で、腐敗臭を放っていたので、市は「煮沸して飲むように」勧告した。

この頃には水道水の中に大量の大腸菌が繁殖し、さらに発がん物質のトリハロメタンが高濃度で検出されていた。

アメリカは州や市ごとに水道を管理しているので、年65兆円も軍事予算を使っている合衆国政府は何もしてくれなかった。


ニューヨークの水道でも鉛被害

ミシガン州フリント市は貧しい地域で、以前はデトロイトから水を買っていたが、財政難で買えなくなり地元のフリント川から採取することになった。

フリント川は工場が工業排水を流していたり除雪剤が流入したため、水道管が腐食して高濃度の鉛汚染が発生した。

騒動が大きくなって全米で1000ヶ所以上の水道水が鉛汚染されているのが分かり、ニューヨークもその一つでした。


フリント市では住民に髪が抜け落ちたり知能指数低下、子供の発達障害などの症状が観測された。

水道管そのものに鉛は使われていないが、調べたところ水道メーター、蛇口、溶接の「はんだ」に使われていた。

工業排水や融雪剤に含まれていた腐食性物質が水道水に混入し、これらの金属を溶かして鉛中毒を発生させていた。


2005年から2015年にかけてニューヨーク市で実施した検査では、69地区で5歳以下の子どもの10%以上から鉛が検出された。(ロイター)

人数にして5400人の子供から、1デシリットル当たり5マイクログラム以上の鉛が検出された。

もっと低濃度な鉛は、検査したほとんど全員から検出された疑いがあるが、ニューヨーク市はフリント市の騒動が拡大するまで黙っていた。


市は鉛を含有する古いペンキを撤去したり、鉛含有商品を販売禁止にしたが、不思議なことに子供の鉛汚染は減っていないという。

幼少時に鉛中毒になると知能の発達が遅れ、一生涯健康被害が残るといわれている。

ロイターによると鉛に汚染された地域は全米で34州、3810地区も存在している。
http://www.thutmosev.com/archives/75320457.html


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85. 中川隆[-5471] koaQ7Jey 2018年3月16日 10:07:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム(前編) 2018-03-14

 本日は

彩図社「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム 」
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4801302890/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&linkCode=sl1&tag=mitsuhashitak-22&linkId=7cf0e97f1b8f683154b74fda373eeeda


の発売日です。

 わたくしは今、インドネシアのジャカルタにいます。つまりは、ジャワ島です。


 ジャワ島から二千キロほど東に、バンダ諸島、マルク諸島、ティモール島などがあります。すなわち、香料諸島です。


 かつて、香辛料の中でもニクヅク(ナツメグ、メース)と丁子(クローブ)は、現インドネシアのモルッカ諸島(現マルク諸島)やバンダ諸島でしか手に入りませんでした。


 当初、スパイスロード(香料の道)、中国商人やイスラム商人が香料諸島の香料交易で栄えていました。イスラム商人はレヴァント(現シリア)やコンスタンチノープル(現イスタンブール)、あるいは紅海を経てアレクサンドリア(エジプト)までスパイスを運びます。さらに、中東から欧州には、ヴェネチアやジェノバのイタリア商人たちが海の道をたどり、欧州へとスパイスを海運しました。


 オスマン帝国が勃興すると、スパイスが欧州に入り難くなります。とある事情から、欧州におけるスパイスの「需要」は膨張する一方でした。


 というわけで、ポルトガル人のヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰ルートでインドにたどり着きます。ガマのインド到達(及びコロンブスの西インド諸島漂着)こそが、現代に至る「グローバリズム」の始まりとなりました。


 ガマのインド到達以降、ポルトガル人は東南アジアのマラッカ(現マレーシアのムラカ)などに拠点を築き、香料諸島で香辛料を買い付け、欧州で売却していきます。


「神はティモールを白檀のために、バンダをナツメグのために、そしてモルッカ諸島をチョウジのために造り給うた(ポルトガル人のトメ=ピレス)」


 さらに、ポルトガル人は中国のマカオの使用権を獲得。マニラにも拠点を開き、交易先を求めて北へ、北へと進んでいきます。1543年(1542年説もあり)に、ポルトガル人が種子島に漂着し、我が国に鉄砲が伝来したのは、そういう事情なのです。


 もっとも、香料諸島におけるポルトガルの優位は、瞬く間に覆されることになりました。ポルトガルから香料諸島の権益を奪ったのはオランダでした。


 オランダは1619年にジャワ島のジャカルタに要塞を建設。オランダは自国の先住民バタウィにちなみ、ジャカルタをバタヴィアと改称します。


 その後、ジャカルタはオランダ東インド会社の基地として、後にはオランダ領東インド(現インドネシア)の中心都市として発展していくことになりました。


 インドネシアはオランダの「植民地」になりましたが、パキスタンからインド、バングラディッシュ、ミャンマー、マレーシア、シンガポールはイギリス領、ベトナム、ラオス、カンボジアはフランス領、フィリピンはアメリカ領となります。


 本書で解説していますが、帝国主義とは「グローバリズム」です。


 アジアを支配した欧州諸国は、各地域で「貿易収支」「所得収支」の形で、所得を吸い上げていきます。所得を吸われ、貧困化するアジアの"住民"達には、法的に抵抗する術がありませんでした。


 理由は、アジアの住民には「主権」がなかったためです。


 帝国主義とは、相手国の住民から主権を奪い、あるいは主権を与えず、所得を継続的に吸収する仕組みを構築することを意味します。相手国の「住民」の主権を奪い取る手段は、何も軍事力の行使には限りません。


 国際協定、でも構わないのです。


 あるいは、何らかのシステムで相手国の「政治」を動かし、自国あるいは「自社」の利益最大化を実現できるよう、制度変更、法律改定をさせる。


 さて、中長期的に日本の食料安全保障を破壊する可能性が高い「種子法廃止」が来月に迫っています。


 種子法廃止が過去の日本国民を悩ませ続けてきたグローバリズムの延長線上にある以上、物語の始まりは、15世紀末までさかのぼらなければなりません。


 実は、過去500年のわが国の歴史は、各施政者たちが、
「いかに、グローバリズムから国民を守るのか?」
 について苦心惨憺、試行錯誤を続けてきた積み重ねなのです。


 過去の日本人の努力により、ときに我が国はグローバリズムからの悪影響を最小化することに成功しました。とはいえ、もちろん失敗するケースもあり、グローバリズムの下で国民が損をする政策が延々と推進される時代もありました。


 大東亜戦争に敗北する以前の日本には、西欧史観でいう大航海時代以降について、
「現代に連なるグローバリズムの歴史」
 としてとらえる歴史観が存在したのです。ところが、大東亜戦争敗北後には皆無となります。


 戦争に敗北し、GHQから受けた思想統制を未だに引きずっている我が国の言論空間の中で、国民の多くがグローバリズムに対し、
「自由貿易? 自由だから素晴らしい」
 などと、幼稚な感覚で接していた日には、将来的な亡国は回避しがたいものになるでしょう。とはいえ、戦後のお花畑的平和主義に毒された我が国では、グローバリズムの危険性はともかく、歴史的な意味について誰も語らないというのが現実なのです。


 そういう意味で、本書「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム 」は日本国において、およそ七十年ぶりに書かれた、グローバリズムという歴史を動かす怪物の正体を解き明かす一冊なのです。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12360123306.html


日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム(中編) 2018-03-15


 スパイスの聖地であるインドネシア(厳密にはジャワ島ではなく、もっと東の香料諸島ですが)、スパイスロードの始まりであるインドネシアを訪れた以上、大量のスパイスをお土産として買って帰ります。


 さて、噂のジャカルタの渋滞ですが、本当に凄かったです。


【写真 ジャカルタの渋滞】

撮影:三橋貴明


 今回、ジャカルタを訪れてショックを受けたのは(結構、あるのですが)、インドネシアが「コメの輸入国」であるという事実でした。


【図 インドネシアのコメの生産量、輸出量(百万トン)】

http://mtdata.jp/data_59.html#kome


 図の通り、インドネシアはコメの生産量を消費量が上回っている年が多いのです。生産量が不足している分は、当然ながら「輸入」です。


 例えば、2000年はコメの消費量が生産量を約300万トンも上回っています。300万トンといえば、日本の年間コメ消費量(約600万トン)の半分に匹敵します。

 インドネシアは、何しろ一年間にコメを三度も収穫することができます。それにもかかわらず、主食であるコメの一部を輸入に頼っている。


 2011年のインドネシアの穀物自給率は87%。農業大国のはずが、100%に達していません。


 もっとも、インドネシア政府は「インドネシアは農産物の輸出大国」と主張しています。確かに、それは嘘ではないのです。


 とはいえ、インドネシアが輸出している農産物は、45.4%がパーム油、19.8%が天然ゴムと、商業農業の製品に限られています。インドネシアは商業農業の農産物を輸出し、コメ、小麦、大豆などの穀物を輸入しているのです。


 何のことはない。オランダ植民地化で、国民農業(小麦、コメ、大豆など、国民の胃袋を満たす農業)を商業農業(油、ゴム、コーヒー、芥子、藍、綿花など、ビジネス目的の農業)に強制的に変換され、モノカルチャーのプランテーションが展開された「帝国主義」時代と、あまり状況が変わっていないのです。


 「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム における第零次グローバリズムの時代、西欧史観では「大航海時代」。


 アジアでは、イギリスがインドにおいて綿花、茶、マレーシアにおいてゴムのプランテーションを展開。インドでは、元々は現地住民の胃袋を満たすための国民農業に従事していた農民たちが、イギリスのビジネスの都合で、綿花などを生産する商業農業に転換させられていきます。


 同じように、インドネシアのジャワ島では、オランダ東インド会社がアブラヤシ、コーヒー、サトウキビ、藍のプランテーション農業を強制しました。


 アブラヤシもコーヒーも、藍も、人間は食べることができません。


 国民の胃袋を満たす「国民農業」から、ビジネス(利益)目的の商業農業に強制的に転換され、インドネシアの「食料安全保障」は崩壊。現在に至っても、インドネシアはコメの輸入国のままなのです。


 ちなみに、現在の東インド会社であるグローバル企業が、世界各地で農業の商業農業化、あるいはモノカルチャー化を推し進めています。


 例えば、アルゼンチンです。


 2001年、外貨建て負債の返済が不可能になり、財政破綻したアルゼンチン経済は混乱状況にありました。アルゼンチン中部のラプラタ川流域に広がる草原地帯バンパは、元々は世界最大の牧草地帯のひとつで、トウモロコシ、小麦、サトウモロコシ、ひまわり、落花生、大豆、野菜、果物など、多種多様な農産物が生産されていました。


 01年のアルゼンチン危機を「チャンス」と捉えた、遺伝子組み換え(GMO)種子の最大手モンサント社は、GMO大豆とラウンドアップを売り込みます。しかも、あらかじめ農地を耕す必要もなく、収穫後の農地に種を撒くだけで発芽する「直接播種」の手法とパッケージになっていました。


 さらに、モンサントは直接播種、GMO、ラウンドアップのパッケージを、通常の三分の一の価格で、ダンピングして売り込んだのです。その上、支払いは「収穫後で構わない」という寛容さでした。バンパの農家は、一斉にモンサントの「ソリューション」に飛びつきます。


 結果は、悲劇でした。


 GMO大豆はバンパから周辺地域へ広がっていき、アルゼンチン東北部の大豆栽培面積は、1971年の3万7千fから、2002年には1160万f、2007年には1600万ヘクタールへと激増。実に、432倍超にまで膨れ上がったのです。


 1600万ヘクタールいうことは、アルゼンチン全体の耕地の60%を占めることになります。大豆だけで、耕作地の六割を超えたのです。まさに、モノカルチャー化です(アルゼンチンでは「国家の大豆化」と呼ばれました)。


 しかも、大資本による農地の買収が進み、91年と比較すると、01年には15万人の農民が廃業してしまいます。耕作地の集約化も進み、わずか6000人が、アルゼンチンの耕作面積の半分を所有するに至りました。土地所有者には、もちろん外国資本が含まれています。まさに「植民地」と化してしまったわけです。


 来月、日本で種子法が廃止され、モンサント社などグローバルなアグロバイオ企業にとっての「ビジネスチャンス」が訪れる可能性は、極めて濃厚です。


 種子法廃止の何が問題なのか。一連のグローバリズムの政策が、実は「500年前」に始まり、過去の日本人も対応に苦慮していたという歴史物語を知らなければ、そもそも問題を理解することはできません。


 だからこそ、わたくしはこのタイミングで「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム 」を刊行することにしたのでございます。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12360344987.html

日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム(後編) 2018-03-16


 種子法とは、正式名称は主要農作物種子法と言います。


 簡単に説明すると、コメ、大麦、小麦、大豆、はだか麦という主要農作物について、政府が地方交付税で都道府県に予算をつけ、優良かつ多種多様な種子を「安く」農家に提供することを目的にしています。


 種子法という根拠法がなくなると、政府は種子管理の予算を都道府県に提供する必要がなくなります。


 予算がなくなった都道府県は、次第に「優良、多種多様、安価」な種子を生産、提供することが不可能になっていきます。 


 結果的に、種子の価格が上昇し、遺伝子組み換えを含めたアグロ・バイオ企業の種が農家に売れ始めることになるでしょう。

 まさに、それこそが目的なのです。


 要は、日本の種が種子法に基づく税金で支えられており、「安い」ことが問題なのです。都道府県が提供する種が安いため、モンサントをはじめとするアグロ・バイオ企業の種が売れない。
 だからこそ、安い種を維持している種子法が邪魔なのです。


 現代の東インド会社達は、日本で「優良、多種多様、安価」な種子が提供される根拠法である種子法がお嫌いなのでございます。


 種子法廃止を来月に控え、さすがに警鐘を鳴らす報道が見え始めました。


『安倍政権、日本の農業を根絶せしめる愚行…ひっそり種子法廃止で
http://biz-journal.jp/2018/03/post_22622.html
(前略)同法では、「米・麦・大豆などの主要な農産物に関しての優良な種子の安定的な生産と普及は、国がその役割を果たすべきである」と定めています。地域性に伴った優良な種子が農家に行きわたること、またそれを実現するための農業試験場の運営にかかる費用など、必要な予算は国が責任を持って調達することになっていたのです。それによって、日本の農業が守られてきたという側面は否定できません。
 種子法が未来永劫このままでいいとは筆者も思いませんが、廃止してはいけません。それは遅かれ早かれ、モンサント、バイエル、ダウ・デュポン、シンジェンタなどのいわゆる多国籍企業に日本の食料を支配されることにつながり、これらの企業の世界食料支配戦略に加担することになるからです。(後略)』



『4月廃止の種子法 食卓への影響、講演会や学習会
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180316/KT180312FTI090002000.php
(前略)種子法は、戦後の食糧増産を目的に、優良な種子の生産・普及を進めようと1952(昭和27)年に制定。都道府県に種子の品質の審査や採種農地の指定、種子の生産に必要な原種や原原種の生産を求めている。国は廃止の理由について「都道府県と民間企業の競争条件は対等になっていない」などと説明している。(後略)』


 農林水産省は、確かに「都道府県と民間企業の競争条件は対等になっていない」と説明しているわけですが、ならば種子法を「改正」すれば済む話です。


 それにも関わらず、なぜ「廃止」なのか。


 答えは、以下以外に考えられません。


 内閣官房に、「保険等の非関税措置に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の書簡」という文書が掲載されています。
https://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/pdf/side_letter_yaku/side_letter_yaku21.pdf
 
『日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、二千十三年四月十二日、両政府が日本国の環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)交渉への参加に先立つ二国間の協議を成功裡に妥結したことを確認した際、TPP交渉と並行して、保険、透明性・貿易円滑化、投資、知的財産権、規格・基準、政府調達、競争政策、急送便及び衛生植物検疫の分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定しました。』


 で始まる文書は、TPP交渉参加にかこつけ、日米で「合意」した内容を示したものです。より具体的には、TPP交渉に際し、日本側がアメリカに譲歩した各種の非関税障壁撤廃に関する文章なのです。


 当たり前ですが、TPPがどうなろうと、上記は有効です。


 上記「書簡」の「投資・企業等の合併及び買収 3.規制改革」の部分をお読みください。


『3 規制改革
 日本国政府は、二千二十年までに外国からの対内直接投資残高を少なくとも倍増させることを目指す日本国政府の成長戦略に沿って、外国からの直接投資を促進し、並びに日本国の規制の枠組みの実効性及び透明性を高めることを目的として、外国投資家その他利害関係者から意見及び提言を求める。意見及び提言は、その実現可能性に関する関係省庁からの回答とともに、検討し、及び可能な場合には行動をとるため、定期的に規制改革会議に付託する。日本国政府は、規制改革会議の提言に従って必要な措置をとる。』


 例えば、モンサント、ダウ・デュポン、シンジェンタといったアグロ・バイオ企業が、日本において優良、多種多様な種子を安く流通させることを可能とする種子法が「邪魔」と思った際に、日本国政府に「意見」「提言」をすることができます。意見や提言は、規制改革会議(現、規制改革推進会議)に付託されます。


 そして、規制改革推進会議が日本政府に提言し、必要な措置(規制廃止等の閣議決定)がなされ、国会に送られる、という仕組みになっているのです。


 規制改革推進会議は、かつてのイギリス領インド帝国における「インド庁」そのままです。


 インド政府がインド庁(=イギリス)の要求に逆らえなかったように、現在の日本政府は規制改革推進会議(=アメリカ)の言うがままに「必要な措置をとる」ことが合意されているのでございます。


 種子法廃止は、それ単体で見てしまうと、全容が全く理解できません。


 種子法廃止にしても、次々と日本に襲い掛かってくる「グローバリズム」の攻勢の一部であり、我々日本人は過去500年間、グローバリズムとの付き合い方に悩み続けてきたのでございます。


 いずれにせよ、種子法が廃止される以上、日本の国会は早急に「日本の優良、多種多様、安価な種子」を守るための法律を制定する必要があります。そのためには「現実」をできるだけ多くの国民に理解してもらわねばならず、だからこそわたくしは「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム 」を書いたのでございます。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12360663027.html

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86. 中川隆[-6547] koaQ7Jey 2018年3月29日 13:19:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-9304]

日本国民の「タネ」を守る根拠法が消える 2018-03-29


4月1日に種子法が廃止され、日本国民の税金で「日本のタネ」を守るという「法制度」が消滅することになります。


『種子法廃止は「不要」 衆院農水委で訴え/関健一郎衆院議員
http://www.tonichi.net/news/index.php?id=66838

 希望の党の関健一郎衆院議員(比例東海)は、20日の衆院農林水産委員会で質問に立った。イネなどの種子の安定供給を国や都道府県に義務付けた「主要農作物種子法(種子法)」が4月に廃止されることを巡り、廃止は必要ないと主張。農業が盛んな東三河地方にも密接に関係するだけに、当局に厳しく迫った。
 関氏は廃止による悪影響に@種子の価格上昇A一部企業による種子の品種独占B品種全体の減少―を挙げた。農水省は「全都道府県が2018年度予算で前年度と同程度を計上した。官民や都道府県同士で適切に連携が図られ、種子の生産コストが削減され、需要に応じた多様な種子が供給される」とした。
 関氏が「種子法の廃止後も都道府県にお金が支払われるなら民間企業参入の障壁は取れないままだ」と指摘したのに対し、農水省は「別途、農業競争力強化支援法に基づき民間事業者への知見の提供を進める」と弁明。
 関氏は「食の根幹である米が一部の企業に独占されるリスク自体が問題だ」と批判した。(後略)』


 種子法廃止の何が問題なのかと言えば、これまで日本国民の税金を投じ、
「優良で、多種多様で、安価な種子」
 を農家に提供する仕組みが崩壊するという点です。


 ことは「予算」の問題なのです。種子法は、地方交付税で都道府県に「タネを守る」ための予算を提供するための根拠法だったのです。


 根拠法がなくなってしまい、緊縮財政が幅を利かす現在の日本で、いつまで行政は予算を投じることができるか。
 


 農水省は、
「全都道府県が2018年度予算で前年度と同程度を計上した」
 と、コメントしていますが、つまりは政府が負担すべきタネを守る予算措置について、都道府県に丸投げしたという話です。


 一部の都道府県は、条例を制定し、何とかタネを守るための予算措置を続けようとしていますが、「財政逼迫」が声高に叫ばれる時代に、いつまで続けられるのか。


 都道府県が「予算」を理由にタネの生産を諦めたとき、我が国の食料安全保障は崩壊します。


 都道府県から提供される「優良で、多種多様で、安価な種子」に頼れなくなった農家は、民間の「高い」種子を購入していくことになるでしょう。


 そもそも、現在の日本のタネの価格が安いのは、国民の税金を突っ込み、「優良で、多種多様で、安価な種子」を維持してきたためなのです。税金あるいは「公」が退き、民間の自由に任せた場合、タネの価格は間違いなく上昇します。


 すると、モンサントなどの遺伝子組み換えの種子が日本に広まっていくことになるでしょう。


 穀物のタネについてまで、外資系(しかも遺伝子組み換え)に依存するようになった日本が、食料安全保障を守れるはずがないのです。


 繰り返しますが、種子法廃止の最大の問題というか焦点は、
「安倍政権が国民のタネの維持について、根拠法を廃止し、全てを都道府県に丸投げした」
 という点にあるのです。つまりは、国民のタネを維持することを、日本政府が「放棄した」という話です。


 もっとも、今回の種子法廃止は「グローバリズムのトリニティ」に忠実といえば忠実です。


 種子法廃止という「規制緩和」。根拠法を廃止することで予算措置を停止する「緊縮財政」。そして、将来的に日本のタネを外資系に委ねる「自由貿易」。


 改めて、安倍政権はつくづく「グローバリズムのトリニティ」に忠実な政権であることが分かります。


 日本のタネ、国民のタネを守るためにも、早期に新たな法律を制定する必要があります。国民の皆さんも、ご地元の政治家に声を上げて下さい。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12364072363.html

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87. 中川隆[-12537] koaQ7Jey 2018年5月24日 17:46:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14287]
種子法廃止や種苗法改定に潜む危険 外資が種子独占し農業を支配する構造 2018年5月24日

 今年4月に施行された「種子法廃止」や、農水省が検討に入った「種苗の自家増殖の原則禁止」を内容とする種苗法の改定など、農業の根幹をなす種子や苗を、モンサントなどアメリカの多国籍企業の支配下に置こうとしていることが問題になっている。種子や苗を外資が牛耳ることは、日本の農業生産を外資が牛耳ることに繋がる。食料自給率は40%を切っているが、TPP発効で日本の食料主権はますます剥奪され、外国勢力の属国と化す重大な問題を含んでいる。

 「種子法廃止」も「種苗法改定」も元をたどればTPP交渉のなかで出てきた問題だ。TPP協定は2016年2月に署名されたが、そのさいに日米が交わした交換文書のなかには「日本国政府が外国投資家等から意見及び提言を求め、関係省庁等からの回答とともに規制改革会議に付託し、同会議の提言にしたがって必要な措置をとる」とある。

 「種子法廃止」はまさに外国企業の意向に沿って決まったものだ。昨年2月に閣議決定し、4月には可決というスピード審議であった。しかも「種子法廃止」とともに「農業競争力強化支援法」が昨年5月に成立している。このなかには、「種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること」とある。これまで「種子法」にもとづいて国民の税金を投入して蓄積・開発してきたさまざまな種子に関する知見を、民間事業者へただ同然で譲り渡すことを促進するというものだ。そこでは外資も例外扱いしておらず、モンサントなどの参入に道を開くものになる。

 「種子法廃止」は今年4月に施行されたが、それと重なるように農水省は種苗の自家増殖を原則禁止するという内容の「種苗法改定」の検討を開始した。従来の種苗法では、農家が購入した種苗から栽培して得た種苗を次期作に使う「自家増殖」は「原則容認」とされ、例外的に禁止する作物を省令で定めている。今後、自家増殖を「原則禁止」にすれば、農業をやろうとする人は企業からすべての種子を買わざるをえなくする方向だ。

 そのモデルはアメリカにある。アメリカでは2011年に「食品安全近代化法」が成立した。これは、国民が自分で野菜を栽培することを禁止するものだ。これまで自由だった家庭菜園をとり締まり、個人が種苗を持つことを禁止、政府が認める種苗だけ公認機関から買うことができる。家庭菜園でつくった野菜を直売所で販売すると逮捕・投獄する権利が認められ、連邦政府の規則に違反して有機製品を輸送すると犯罪者となる。種子の貯蔵も犯罪になる。

 この法律の狙いは、モンサントなど大企業にだけ種子を独占させ、農業生産を大企業の傘下に置くことにある。「種子を支配する者は世界を支配する」といわれ、種子を支配することによって農業を支配し、世界の食料を支配するというのが多国籍企業の狙いだ。

 世界の種子会社の売上世界ランキング上位10社を見ると、1997年には

@パイオニア(アメリカ)

Aノバルティス(スイス)

Bリマグレイングループ(フランス)

Cセミニス(メキシコ)

Dアドバンタ(アメリカ、オランダ)

Eデカルブ(アメリカ)

Fタキイ種苗(日本) KWS(ドイツ)

Hカーギル(アメリカ)

Iサカタのタネ(日本)

となっており、純粋な種苗会社が占めていた。

 これが2007年になると、

@モンサント(アメリカ)

Aデュポン(アメリカ)

Bシンジェンタ(スイス)

Cリマグレイン(フランス)

Dランド・オ・レールズ(アメリカ)

EKWS(ドイツ)

Fバイエル(ドイツ)

GDLF(デンマーク)

Hサカタ(日本)

Iタキイ(日本)

となり、上位10社で世界市場(約3兆〜3兆5000億円と推計)の67%を占め、なかでもモンサントが飛び抜けている。1〜3位は純粋な種苗会社ではなく、農薬及び遺伝子組み換えを手がけるバイオメジャーである。

 1998年にはモンサントがカーギルの種苗部門を買収しているが、種苗会社の多くが遺伝子組み換え産業に買収されてしまった。ノバルティスはスイスの除草剤・農薬会社であるシンジェンタに吸収。セミニスもモンサントに買収され、パイオニアはデュポンに買収されており、遺伝子組み換え産業が世界の種苗会社を傘下に収めている。その種子業界にも再編の波が押し寄せており、世界市場をこじ開ける圧力を強めている。そのなかで日本市場がターゲットになっている。

種子法廃止 種子生産の知見も提供

 日本の種子法は、戦後の1952年5月に制定されたが、戦中から戦後にかけての食料難の時代を経験して、「食料を確保するためには種子が大事」とし、「2度と国民を飢えさせない」「国民に食料を供給する責任を国が負う」という、先の戦争で国民に犠牲を強いた反省に立ったものだった。

 種子法では、コメや麦、大豆などの主要作物について、優良な種子の安定的な生産と普及を「国が果たすべき役割」と定めている。種子の生産自体は、都道府県のJAや普及センターなどが担っているが、地域にあった良質な種子が農家に行き渡るように、農業試験場などに必要な予算配分などを国が責任を持っておこなってきた。この種子法がバイオメジャーにとっては市場を争奪するうえで障害だった。

 また、バイオメジャーが日本を狙うのは、種子法廃止と同時に農業競争力強化支援法が成立し、公的機関が蓄積する種子生産に関する知見を民間企業に提供することを促進していることがある。一から新たな品種の開発・生産をおこなうにはばく大なコストがかかる。稲の一品種開発には最低10年間かかり、その間の費用は人件費だけで約8億円とされる。種子法廃止で、公的に蓄積された知見や公的機関で働いてきた研究者が民間に流れていくことが促進される。バイオメジャーは日本を種子の販売市場にするとともに種子の遺伝子資源や品種開発ノウハウ、人的資源を獲得することを狙っている。

 種子法は「日本古来の原種や原原種の優良品種を都道府県が管理し、農家に提供」することを定めており、農家に安価で優良な種子を提供するとともに、「遺伝子組み換え作物」の栽培を防ぐ防壁でもあった。種子法の廃止はモンサントなどの遺伝子組み換え作物の栽培に道を開くことになるのは必至だ。モンサントは世界の遺伝子組み換え種子市場で90%以上のシェアを握っている。

 さらに遺伝子組み換え作物とセットで除草剤「ラウンドアップ」を販売しており、日本でもテレビコマーシャルなどで宣伝されている。遺伝子組み換え作物は除草剤「ラウンドアップ」に耐性を持ち、除草剤は他の雑草だけを枯らすということだが、長期的に除草剤を散布し続けるなかで、ラウンドアップに耐性を持つ雑草が登場してきている。そこでより強力な除草剤を使うことになり、遺伝子組み換え作物の方もより強力な「除草剤に対する耐性」を持つバクテリアを遺伝子に注入して品種改良をするという悪循環に陥る。そのことが土地や作物にどのような影響を与えるのかは未知数だが、健康被害や環境破壊、生態系の破壊に警鐘を鳴らす専門家は多い。

 種子法廃止による今後の問題点について専門家は以下の点を指摘している。

@特定企業がこれまで政府や地方自治体が蓄積した遺伝子を活用し、新品種を開発し「特許」をとることが認められる。本来公共財であった種子の遺伝子の権利が特定企業に移行し、低廉な種子を供給してきた制度が廃止され、種子価格が高騰する。

Aさらに日本国内で開発された種子が外国の農場に持ち込まれ、農産物が生産され、日本に逆輸入される。

Bモンサントなどの遺伝子組み換え作物の種子が広まり、日本固有の種子遺伝子が絶滅する。

 モンサントなどバイオメジャーは20年前から日本の種子市場を狙ってきた。すでに野菜の種子は多国籍企業に支配されている。30年前まで野菜の種子はすべて国産だったが、今では90%以上を外国産が占めている。

バイオメジャーの策動 中南米やアフリカでも

 バイオメジャーによる種子支配の企みは中南米でもおこなわれてきたが、手痛い反撃を受けて失敗を重ねている。

 メキシコでは2012年3月、政府が種子を保存し次の耕作に備えるという先祖代代受け継いでいる行為を犯罪として禁止し、政府に登録されている種子を毎年買うことを義務づける法案を制定しようとした。これは農民に毎年種子を買うことを義務化するもので、バイオメジャーの意向を受けてのものだった。だがこの法案は農民の反撃で廃案となった。

 コロンビアでは、農民の種子の権利を奪う植物育苗法が成立し、2013年には施行という段階になった。すでにコロンビアではアメリカとの自由貿易協定により、米国産の安い穀物が輸入され離農せざるをえない農民が続出していた。そのうえ種子の権利をも奪おうというこの法施行に対し農民が立ち上がり、全国の主要幹線道路を封鎖し、学生や労働者も支援して国の交通網がまひする事態を前に、政府はこの法施行を2年間凍結せざるをえなかった。

 チリでもほぼ同様の法案が下院を通過する事態となったとき、広範な反モンサント、反GMO(遺伝子組み換え作物)の運動が全国的に高揚し、2014年3月に同法案は廃案となった。

 グアテマラでも2014年にまともな審議もされないまま同様の法案が議会を通過し成立した。これに農民や市民の激しい抗議が起こり、同年9月最高裁はこの法律の無効を宣言した。

 ベネズエラでも、同様の法案が登場したが、反対運動が盛り上がり、逆に遺伝子組み換え種子を禁止し、農民の種子を独占・私物化することを禁じる法律が制定された。

 さらにバイオメジャーが狙っているのがアフリカだ。アフリカはアグリビジネスにとって最後のフロンティアといわれており、「緑の革命」=化学肥料+農薬+F1種子のセットで、伝統的農法から農民を引き離し、アグリビジネスに農民を従属させていった。だが、容易には浸透できていないともいわれている。

 アフリカでは8割の種子は小規模生産者自身が管理している。この農民から種子をとりあげるために、G8諸国やビル・ゲイツ財団などはさまざまな圧力をアフリカ諸国に加えている。モザンビークでは、日本がODAで輸出向け大規模大豆農場を作り出そうとしており、それまで自由に無料で配付していた種子の配付中止を政府が決めた。

 ガーナ政府も農民から種子の権利を奪う法案を成立させようとしている。農民から種子を奪ってしまえば、大量の飢餓人口を産み出しかねないが、多国籍企業の利益のためには犠牲を省みない暴挙に出ている。

 日本での「種子法廃止」や「農業競争力強化支援法」の成立、さらには「種苗法改定」の動きなどはこうした世界的な動きの一環だ。モンサントなど巨大バイオメジャーが世界中の農民から種子の権利を奪い、種子を独占支配してもうけの道具にしようとしている。一握りの巨大多国籍企業の利潤追求のために、農業生産が破壊され、農民は離農をよぎなくされ、国民の食料主権が奪われる。TPPや日米FTAはそうした多国籍企業の利益を保証するものにほかならない。安倍政府が推進している種子法廃止や種苗法改定は、日本農業を根こそぎつぶし、多国籍企業に日本の種子市場を丸ごと差し出すものであり、対米従属政策の最たるものといわなければならない。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/8086

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88. 中川隆[-12913] koaQ7Jey 2018年6月07日 17:27:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-15031]

海外で見た酷すぎるクールジャパンの実態〜マレーシア編〜
古谷経衡 6/7
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20180607-00085979/


閑古鳥の鳴くクアラルンプールの「The Japan Store」筆者撮影


 第二次安倍内閣の肝煎りとして進められている「クールジャパン戦略」。政権発足直後、2013年から本格化したこの国策は、実質的な国策ファンドであるCJ機構(株式会社海外需要開拓支援機構)を中心にして、積極的な国税の投入が行われている。

 が、CJ機構発足(2013年)から早5年が経過し、その費用対効果が各種報道で疑問視されるに至っている。また、CJ機構幹部によるセクハラを巡り、元派遣社員が東京地裁に提訴に及ぶ等の報道もあり、CJ機構を巡る疑問符やスキャンダルは、私達の眼前に大きく報道されるに至っている。

・クアラルンプールの一等地に約10億円の公費投入

 さて筆者は、このCJ機構が東南アジアにおける日本文化の発信拠点として重視しているマレーシア連邦の首都・クアラルンプールの一等地にある、民間百貨店との共同出資物件「ISETAN The Japan Store(以下、The Japan Store)」を現地視察するに至った。このThe Japan Storeは、クアラルンプールの象徴であるツインタワーを望む同市内ブキットビンタンの一等地に面しており、正確に言えば「lot 10」という大型複合商業ビルの一部、地下1Fからグランド階・1Fを挟んで4Fまでの実質5フロアーを有する総売り場面積1万平方メートルを越える大規模なものである。

 ここにCJ機構は、実質的な国税を970,000,000円(9億7千万円)投入している。結論から言って、私はかつて、これほどまで無駄と傲慢と不採算に満ちた商業施設を見たことがない。店内は閑古鳥が鳴き、商品は博物館の展示品のごとく埃をかぶって見向きもされていない。巨額の国費が投入されながら、到底「日本文化の発信」とはほど遠い、CJ機構の出資物件の実相を書き記したい。

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写真解説*日本でいうと、渋谷や新宿の一等地にある「The Japan Store」。正確には青で囲った部分が同ストアのテナント。建物左側地下からも入り口がある。(以下写真は全て筆者撮影)

・【食品フロア・地下】2万円の山梨ぶどう、2千円のいちごは誰が買う?

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写真解説*お客さんが来ないので、店員たちが談笑している食品フロア。冷蔵庫に整然と並べられた日本産ビールに手をつける人は居ない。

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写真解説*1箱約20,000円のぶどう(左)、1パック2,000円のいちご(右上)、概ね1本1,000円で売られている日本産ドレッシング(右下)。

 さて各階ごとにThe Japan Storeの簡潔な雑感を記しておこう。まず地下一階は日本の百貨店と同じで食品コーナーである。しかし当然のことこれは単なる食品コーナーでは無い。日本の農産品、日本酒、日本米、果ては日本産魚介類、日本産肉類、加工食品等などがずらりと並び、農林水産省が主導する「攻めの農林水産業」の見本市と言って差し障りがない。

 なるほど、一瞥すると都内の百貨店とさして遜色は無い。が、昼間、人が賑わうはずの食品売り場コーナーには閑古鳥が鳴く。客はごくまばらで、現地採用と思われる従業員が「ヤサイ、サシミ」と空疎に連呼するばかりである。

 その理由はすぐに判明した。全般的に値付けが半端なく高い。異様とも言える高級品ばかりが並んでいるのだ。マレーシアの通貨、リンギット(RM)を1RM=約30円と換算すると、山梨ぶどう1箱(2房)約20,000円、同じく山梨県産桃1箱(5個入)10,000円と来て、いちご1パック2,000円、はては日本では節約野菜として一袋100円程度で買える豆苗が一袋600円と続く。ごく市民的な日本のスーパーで一本280円程度で市販されているドレッシングが1,000円〜、缶詰一缶1,000円〜と何もかもこの調子で、段違いな高価格帯なのである。

 マレーシアはほぼ赤道直下に位置する、典型的な熱帯国家である。当然、そこはフルーツの楽園である。しかるに、通常マレーシア国内でフルーツは、日本では信じられないほど安く売られており、この値付けは「異様」とも映る。どうりで食品コーナーに客がまばらな訳である。日本から空輸・鮮度保持等々にコストがかかるとは言え、この値段はマレーシアの市場価格から明らかに遊離している。

 農林水産省の提唱する「攻めの農林水産業」とは、概略すれば高付加価値商品を海外に売り込むという戦略だ。確かに日本のぶどうや豆苗は美味かもしれないが、その値付けが余りにも異様と映り、現地人は素通りするだけだ。僅かに3パックで400円ほどの納豆は、現地の日本駐在員などが日本食恋しくなったときに買うのでは無いかと思うが、多分もっと安いスーパーは市内でいくらでもあるだろう。美麗な冷凍陳列棚に飾られた売れ残りの日本産農産品は、一体どうなるのだろうか。これが「攻めの農林水産業」の実態となればお寒い現実だ。

・【グランドフロア・1F】〜巨大な無人展示室〜

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写真解説*本来百貨店の”顔”となるはずのグランドフロア。営業時間のただ中なのに、閑古鳥が鳴く。左端に無言で佇む警備員の姿が際立っている。

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写真解説*まるで博物館?グランドフロアのショーケースの中にある誰も覗かない服飾小物類。概ね10,000円〜

 さて本来なら順番的には一番最初に入るのがこのグランドフロア(地上階)である。The Japan Store開業時には現地人らの列も出来たという記事もあったが、私が訪れたときは全く人がおらない。念のため断って置くが、筆者はこのThe Japan Storeを、4日間連続で訪問したが、すべてに於いて閑古鳥が鳴いていた。同店で撮影した写真は、筆者がわざわざ客が居ない時間帯や場面や角度を狙って撮ったのでは無い。恒常的にこのような状態なのである。

 グランドフロアは、百貨店の顔である。常にお客様はこの階から入り、地下の食品フロアーや上階へ上がっていくいわば交差点のようなモノだ。しかし、食品フロアーと同様、全ての商品にあって値段が高すぎるせいで、人が存在しない。このグランドフロアーには「和」をモチーフにした日本の服飾雑貨が展示されているのだが、日本のコンビニで150円程度で売っているウェットティッシュが600円〜、フェイスクリームが2,000円〜、耐熱性の皿15,000円〜という有様なのである。

 まるで地方の博物館のごとくショーケースに入れられた日本産皮革で作られた男性用ポーチの値付けを見ると16,000円也。品質が違うとは言え、同程度の男性用小物は、同市内の欧米系ファストブランドですら2,000円程度で買い求めることが出来る。一体このショーケースの中の日本産服飾小物は、開業からずっと売れないでここに居座っているのでは無いか?と錯覚してしまう。

・【日用雑貨フロア・2F】11万円の仏像、なぜかスターウォーズ推し〜

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写真解説*もはや地下の食品売り場やグランドフロアーよりも無人の空間に日本列島のモジュールが空疎に出迎える

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写真解説*11万円の値段がつけられた謎の仏像(左)、菊花のモニュメント?14,000円(右上)、なぜかミレニアム・ファルコン号66,000円(右下)

 ほとんど無人の店内を、エスカレーターで2Fに昇るとそこは日用雑貨フロアである。ここに至って、私ははっきりとこのThe Japan Storeに不快感を通り越して嫌悪感を感じるに至った。2Fの中心には、一応日本製のインテリアらしきモノが置いているのだが、その値付けが凄まじい。謎?の仏像110,000円、皇室の紋章をかたどった?30センチほどの置物14,000円也。皇室の紋章であり日本の国章を、こんな風に安直に、しかも誰も買わないようなインテリアにしていいものだろうか。

 まあこれの賛否はさておくとして、もっとも驚愕したのはこのコーナーのメインは仏像でも菊花でもなく、スターウォーズのインテリアで占められていたところだ。ダースベイダーやルークスカイウォーカー、R2D2の合金製インテリアが躊躇無く展示されている。え、ここって日本文化、クールジャパンの前衛たるThe Japan Storeですよね?

 私は目を疑った。何度も確認したが、そこには菊花と並んでスターウォーズが堂々と棚を寡占しているのである。しかもその値付けが異常極まる。ミレニアム・ファルコン号の、ほんの20センチほどの合金製模型が66,000円也。だ、誰が買うのだろうか?そして、これは日本文化やクールジャパンに何か関係があるのだろうか?ちなみにこの意図不明のスターウォーズ展示には、黒澤明の『隠し砦の三悪人』などの説明は一切存在しないことを付記しておく。

・【カルチャーフロア・3F】日本文化の紹介なのにディズニーとLEGOばかりの異様性

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写真解説*クールジャパンのはずだが、なぜかウォルト・ディズニーの『アナと雪の女王』のコーナーが寡占。本当に大丈夫ですか?ここは本当に日本文化の拠点なんですか?ちなみに「官」の言い訳なのかもしれないが、売られている『アナ雪』のフィギュアは日系企業の版権商品。

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写真解説*日本から輸入してきたミッキーマウスの模型、という体。しかも一個8,000円〜という異様な値段。日本から輸入するとスターウォーズもミッキーマウスも”日本文化”に化けるとでもいうのでしょうか。

 しかし、さても無残なThe Japan Storeも、いよいよ3Fは日本文化のコーナーである。すなわち漫画やアニメのコーナーである。ここまで地下から1F、2Fと失望が続いたが、ここで挽回してくれるだろうと筆者は甘い期待を持った。

 なにせ、このThe Japan Storeは、マレーシアにおけるクールジャパンの拠点として10億円の公費が投入されているのだ。まあ、なれない南方の土地。官にも多少の不手際はあろう。しかし、流石にクールジャパンの中心となる日本のアニメや漫画のコーナーは、相応充実しているに違いないと筆者は確信した。私は3F行きのエスカレーターに乗る。

 そこには、大友克洋や押井守や今敏の作品の数々が鎮座し、また最低でもスタジオジブリのコーナーが「どっかーん」と展示されていると考えた、私が全て甘かったのである。3F「日本文化フロア」で、私を迎えたのは大友克洋でも押井守でも宮崎駿でも無く、ウォルト・ディズニーの『アナと雪の女王』及びデンマークの玩具メーカー『LEGO』、そしてミッキーマウスであった。

 日本のアニメ・漫画の勇姿は、このThe Japan Storeの中にまったく、影も形も無いのである。私の怒りはやがて諦観へと移行する。マレーシアにおけるクールジャパンの中心と「お上」が位置づけているThe Japan Storeの中には、日本文化など存在しないのである。愕然と膝から落ちる感覚が筆者の全身を襲ったのである。

・【カルチャーフロア・3F】最後の希望を求めて書籍コーナーへ

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写真解説*日本文化を紹介するブックコーナーには、日本に関する書籍はごく僅かで、日本とか日本文化とは無縁の、インテリアと化した洋書が平積みされている。

 しかし、日本産アニメは駄目でも、日本の漫画くらいは置いてあるだろう、という儚い希望に一縷の光を求めて、私は同階のブックフロアーに行く。ここには当然のこと、大友克洋のAKIRA全巻が揃っていてしかるべきである。きっとそうであろうと思って向かえば、同階のブックフロアーは、如何にも意識高い系が好みそうな、瀟洒な複合書店のグランドフロアーに陳列品として展示してある、日本とか日本文化とは何の関係も無い、インテリアとしての洋書が展示されているばかりなのであった。

 血眼になって日本産の漫画をかざすと、このブックコーナーの一角に僅かに柱の二面だけが日本漫画のコーナー(英字翻訳)として陳列されている。しかしここにあるのは、大友克洋ではなく、なぜか『ガンダムジオリジン』と、一巻だけの『アイアムアヒーロー』、漫画版『風の谷のナウシカ』が全巻セットで置いてあるのが唯一の慰みであったが、海外でまず「クールジャパン=ジャパニメーション」の筆頭にあげられる大友も押井も無い。おそらく「お上」が押井も大友も知らないのでは無いか。

 意図は分からないが、マレーシアが世俗的イスラーム教国というのを忖度してか、漫画大賞を受賞した森薫さんの『乙嫁語り』がほぼ全巻揃っている。しかし、『乙嫁語り』の舞台は中央アジアであってマレーシアとは関係が無い。そら寒い。余りにも酷い。The Japan Storeは、日本とだけ名を冠した無人展示室であり、その内実も日本文化の紹介とは無縁の物体だけが転がっている。ここに血税が10億円弱も投入されたのだ。

 付け加えると、The Japan Storeの最上階(4F)は日系飲食店のレストラン街だが、ここには辛うじてまばらに客が入っている。ただ単価が高いので客層は現地の富裕層か外国人(日本人含む)に限られているようだ。

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写真解説*日本の漫画が陳列されている箇所は、総面積1万平方メートルの中にあって、わずかにこの柱の二面だけ。ちなみに花沢健吾先生のアイアムアヒーロー(翻訳版)は一巻のみ陳列されており、約3,000円でここから10%値引きのセール中。

・【総評】クールジャパンの実態見たり〜傲慢と無知が招いた世紀の失策〜

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写真解説*お客の存在しない3F日本文化フロア。

 南方の、日本人の余り行かない土地だと思って「クールジャパン」の美名の元、好き放題に血税が、何の費用対効果も考えず、ただただ垂れ流しされている実態を、殆どの日本人は知らない。私も、クアラルンプールのThe Japan Storeに実際に行ってみるまで、全く予期しない事実であった。

 素晴らしい高品質の文化を海外に流布する―。クールジャパンの基本戦略である。が、そのクールジャパン戦略の音頭を取る「官」が、日本人でありながら日本文化を全く理解せず、また市場経済も全く理解していない結果、このような酷い現実が出来したと言わざるを得ない。

 その根底には、日本の文化や産品は世界一素晴らしく、幾ら高くとも現地人は買うに違いない、という傲慢と無知が存在するのでは無いか。日本の高付加価値商品は確かに、海外で高い評価を受けている。だがそれは、現地の市場の皮膚感覚に合致して初めて成功するものである。日本で数百円で売っているモノをマレーシアで数倍〜数十倍の値段をつけても売れるに違いない、なぜならそれは高品質の日本産品だからである、という傲慢な自意識が、The Japan Storeの全てから漂ってくる。

 そして本来、クールジャパンの中核であったはずの、日本の漫画やアニメなどの現代カルチャーに対する無理解と無知を克服しないまま、そして自国の現代文化に対する無知を放置したままの文化への無教養が背景にあるからこそ、日本文化と称して『アナ雪』や『スターウォーズ』を堂々と展示して憚らないのである。

 経済成長著しいマレーシアには多くの日経企業が進出している。中でもユニクロは平日早朝から黒山の人だかりであり、同じく日系のファミリーマートは現地の人々の経済感覚に沿った、低価格の日本流おにぎりやおでんを展開して極めて盛況である。市場経済から遊離した、似非社会主義ともいえる計画的観念の悪しき真骨頂こそが、ここクアラルンプールの一等地にあるThe Japan Storeである。

 ちなみに、このThe Japan Storeのお隣(同じビル内)にある『H&M』は朝10時の開店から現地人が列をなす。しかしThe Japan Storeの開店時刻は、そもそも午前11時。人々は、The Japan Storeと同じ階にある中華フードコートで腹を満たす(一食300円程度の大衆店舗)が、決してThe Japan Storeには入ろうとしない。いやそもそも、開店時間が遅すぎるので、入りたくても客はシャットダウンされているのである。ここでも官製クールジャパンの居丈高な、市場経済無視の設計的発想が現れている。

 私達はいま一度、血税を垂れ流す巨大な無駄、クールジャパンの実態と向き合うべきである。
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20180607-00085979/

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

89. 中川隆[-13464] koaQ7Jey 2018年7月02日 15:12:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16303]

最悪の組み合わせ: バイエル-モンサント提携は人類終焉の兆し
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/--cab0.html
2018年7月 2日 マスコミに載らない海外記事


Robert BRIDGE 2018年6月30日

 一体どういう現実世界で、世界の農業と医薬品供給乗っ取りの次の段階となるはずのもので、道徳的に世界で最も破綻した二大企業バイエルとモンサントが手を組むことが許されるのだろう?

 ネタバレ警告: この壮大な規模の恐ろしい話には、ハイド氏的側面は皆無だ。全面的にジキル博士だ。デヴィッド・リンチの気味悪い作品の脚本のように、毒ガスで名高いバイエルAGは、人類に対する犯罪からの免責に等しい大企業亡命のようなものを享受する代わりに、グアンタナモ湾で被告席に着き、黙秘権を行使しているべき農薬企業モンサントの660億ドル(500億ポンド)での買収をまとめた。法の適用を受けない多国籍企業であることに由来する特権は、それほどのものなのだ。

 モンサント買収後、倫理的不適切の更なるお荷物を抱え込んで、バイエルがした最初のことが、ブランド再構築キャンペーン開始だったのは意外なことではない。溶けた鋼のるつぼに落ちたハリウッドの悪漢が、後に姿を変えて再登場するように、モンサントは、オーウェル風の響きの"より良い暮らしのための科学"が標語の‘バイエル作物学部門’に組み込まれた。

 ところが、バイエル自身、同社の企業不正行為の継ぎはぎ歴史を考えれば、モンサントに対する保護覆いの機能はほとんど無い。広く知られている頭痛鎮痛剤販売を遥かに超えて、第一次世界大戦の戦場に毒ガスを導入する上で、ドイツを本拠とする企業は重要な役割を演じていたのだ。

 化学兵器使用を禁止するハーグ条約にもかかわらず 1907年以来、ドイツ陸軍省が設置した特別委員会の委員だったバイエルCEOのカール・デュイスベルクは、それを見て商機を理解したのだ。

 デュイスベルクは毒ガスの初期実験を目撃して、恐ろしい新兵器を称賛する報告書を書いた。“これが地域に噴霧され、そこに静かに留まっているのが、結果が生じるまで、敵にはわからないのだ。”

 ガス物質研究開発を専門にする部門を設置したバイエルは、フォスゲンやマスタード・ガスなどの、一層致死的化学兵器の開発を進めた。“このフォスゲンは、私が知るもっとも素晴らしい兵器だ” 驚くべき人命軽視で、まるで、最新の虫よけスプレーについて話しているかのように、デュイスベルクは語った。“ガス手榴弾を実験する機会無しにこの戦争を終わらせてはならないと、私は強く勧めたい。”

 デュイスベルクの悪魔的な望みがかなった。バイエルが約700トンの化学兵器を戦線に供給し、戦場を実験場に、兵士をモルモットに利用する好機が、1915年春に訪れた。1915年4月22日、ベルギーはイーペルの戦場で、フランス軍に対し約170トンの塩素ガスが初めて使用されたと推定されている。攻撃で、1,000人の兵士が死亡し、更に多くが負傷した。

 ドイツが第一次世界大戦で始め、、レバークーゼンに本拠を置く企業が供給した化学兵器戦争の結果、推計で総計60,000人が亡くなった。

 Coalition against Bayer Dangersのアレックス・ケーラー・シュヌラによれば“バイエルの名前は、とりわけ、毒ガスの開発と製造を意味します。それでも、同社は、第一次世界大戦での残虐行為への関与を受け入れていません。バイエルは、カール・デュイスベルクの犯罪から距離を置いてさえいません”

 犯罪者のような振る舞いは現代に至るまで続いている。アメリカ人弁護士でテレビ司会者のマイク・パパントニオが、この化学企業が犯したより凶悪な行為を、トーマス・ハートマンの番組Big Pictureで語った。“1980年、彼らはFactor VIIIという名の血友病用の血液凝固剤を製造しました。この血液凝固剤はHIVに汚染され、その後、政府が同社に国内では販売できないと言うと、連中はそれを世界中に輸出し、世界中の人々を感染させた。これはバイエル物語のごく一部に過ぎない。”

 バイエルの2014年年次報告書を引用して、同社は世界中で、32件の異なる製造物責任訴訟を受けていると、パパントニオは言う。2018年のバイエル社製造物責任報告については、ここをクリック。

 お持ちのバイエル製品をトイレに流す前に、話は益々酷くなるので、アスピリンを一錠か二錠、とっておかれる方が良いかも知れない。

 ‘バイサント’怪物の直接の結果の一つは、持続不可能な価格で生計に既に直撃を受けている農民にとっての、価格大幅値上げだ。“近年、農民は既に、全てがモンサントに支配されている種子から肥料に至るまでの全てで、300%の価格高騰を味わっています” パパントニオはハートマンに語った。“しかもあらゆる予測家たちが、こうした価格は、この合併のおかげで一層上がると予想しています。”

 しかしながら、アメリカのあらゆる職業中、最高の自殺率に直面しているアメリカ農民にとって状況が更に悪くなるのを想像するのは困難だ。農業や漁業や林業に従事するアメリカ人の自殺率は、100,000人当たり84.5人で、一般人の五倍以上だ。

 この悲劇的傾向は、約十年前、何百万人もの農民が、伝統的農業技術から、モンサントの遺伝子組み替え種子の利用へと切り換え始めたインドのそれを彷彿とさせる。過去、何千年も続いて来た伝統に従って、農民は収穫から種子をとっておいて、翌年それを植えたものだ。自然界のリズムとパターンに賢明に従ってきた日々は、ほぼ終わった。現在、モンサントGMO種子は'ターミネーター 技術'を含むよう生育されており、出来る作物は種を造らないように‘プログラムされている’。言い換えれば、種子会社は、文字通り、自然と我々の生活に対し神を演じているのだ。そこで、インド農民は、モンサントの農薬ラウンドアップとともに、新しい種を毎年途方もない値段で買うことを強いられている。何十万人ものインド農民。

 だが一体世界が、ベトナム戦争中(1961年-1971年)、広大な農地に散布され、農地の肥沃度とベトナムの食糧供給を破壊した枯れ葉剤の悪影響に、480万人以上のベトナム人が苦しんだ軍用エージェント・オレンジ製造に関与したまさに同じ企業に違うことを期待するだろう。アメリカ軍によるエージェント・オレンジ使用の結果、約400,000人のベトナム人が亡くなり、更に何百万人もが飢餓や重い身体障害や先天異常に苦しんだ。

 これが、バイエルと合わせて世界の食糧供給の約四分の一を支配することを、我々が許してしまった会社だ。そこで、こういう疑問が浮かぶ。一体誰が、よりおかしいのだろう? バイエルとモンサントか、それとも我々民衆か?

 バイエル・モンサント合併が、企業の真空の中で起きたわけでないことに触れておくのは重要だ。グローバル農業薬品企業が世界の食糧供給を強化しようという競争の一環なのだ。中国化工集団公司は、スイスのシンジェンタを430億ドルで買収した、例えばダウとデュポンは、130億ドルの帝国を作り上げている。

 とは言え、こうした企業のどれにも、地球上のあらゆる生命を脅かす地獄で引き合わされた組み合わせ、バイエルとモンサントのような血にまみれた評判はない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/06/30/match-made-hell-bayer-monsanto-partnership-signals-death-knell-for-humanity.html



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90. 中川隆[-13861] koaQ7Jey 2018年8月08日 17:45:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17746]

【農協改革】 「ウォール街」にJAマネー155兆円を献上 「お友達」便宜供与の実態
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/234910
2018年8月8日 日刊ゲンダイ


外資の狙いはJAマネー(農林中央金庫が入るビル)(C)共同通信社

「今だけ、金だけ、自分だけ」の「3だけ主義」による国家の私物化、世界の私物化の対極に位置するのが、食と暮らしを核にした共助・共生システムである。

 だから、一部に利益が集中しないように相互扶助で農家や地域住民の利益と権利を守り、命と健康、資源と環境、暮らしを守る協同組合(農協、漁協、生協、労組など)は、「3だけ主義」にとっては、目障りで存在を否定すべき障害物なのである。そこで、「既得権益」「岩盤規制」と攻撃し、ドリルで壊して市場を奪う。逆に自らの既得権益にして、私腹を肥やそうとする。

 例えば、米国のウォール街は郵貯マネーに続き、貯金・共済のJAマネーも喉から手が出るほど欲しいから農協改革(=農協解体)を要請する。これが、彼らがもっともらしく主張する「対等な競争条件」要求の実態である。

 農協解体の序章は郵政民営化だった。あれは、貯金と保険の郵政マネー350兆円の運用資金を米国のウォール街がどうしても欲しいと言ったから実行に移された。対等な競争条件という建前で米国から「民営化しろ」と言われて、小泉内閣の時に断行した。けれどもA社は、民営化されたかんぽ生命を見て、「これはいかん。大き過ぎるから競争したくない」とおののいた。そこで、「日本がTPPに入れてもらいたいならば、かんぽ生命はがん保険に参入しないと宣言しろ」と米国に要求され、財務大臣が「自主的に」それを宣言した。

 日本の政治・行政が「自主的に」と言う時は、「米国(のグローバル企業)の言う通りに」と変換すると意味が分かる。

 ただ、それだけでは済まなかった。その半年後、なんと、「全国2万局の郵便局でA社の保険を売ります」とまで言わされた。要は、全部市場をよこしたら許してやるということなのだ。

 郵政マネー350兆円の次に狙われたのが、JAマネー155兆円だ。米国はこれをもらうまでは絶対に要求をやめない。だから、農協は解体してもらうという。つまり、農協改革の目的は農業所得の向上などという話ではないのだ。

 規制改革推進会議の答申をよく透かして見ると、ちゃんと書いてある。まず、グローバル企業が1番目に欲しいのが155兆円、2番目に崩したいのが農協の共同販売だと。共同販売をできなくすれば、大手流通企業が農家から農産物を購入する際に、もっと買いたたけるからだ。農業機械や資材の共同購入についても崩して、大手企業がシェアを握ったら、後で価格を吊り上げる。そうすれば、農協も農家も苦しくなって潰れてしまうと考えているのだ。

 でも、それでいい。なぜなら、農業に参入してみたい、政権の「お友達」の大手流通企業が控えているのだから。待っていましたとばかりに、全国で条件のいい農地だけつまみ食いして、農業に参入して、利益が得られればそれでいいじゃないかという発想。確かに、規制改革会議の答申にはその通り書いてある。

鈴木宣弘 東京大学教授
1958年、三重県生まれ。82年東大農学部卒。農水省、九州大学教授を経て、06年から東大教授。専門は農業経済学。「食の戦争」(文芸春秋)、「悪夢の食卓」(角川書店)など著書多数。

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91. 中川隆[-13804] koaQ7Jey 2018年8月10日 09:52:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17758]
【種子法廃止】 「グローバル種子企業」が日本を植民地化 「お友達」便宜供与の実態
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235060
2018年8月10日 日刊ゲンダイ

 
 コメや麦の種を守る「種子法」が廃止された(C)日刊ゲンダイ

 国民の命の源の食料、その源の種。その中でも、一番の基礎食料であるコメや麦の種を守る「種子法」が今年の4月1日に廃止された。ほとんど議論もしないまま、どさくさに紛れるように採決されてしまった。

 コメや麦の種。これらは国民の命の源だから、国がお金を出して県が奨励品種を育成し、それを農家に安く提供することで、農家にしっかり生産してもらい、消費者に届けることを義務付けてきた。それを突如廃止する表向きの理由は、「生産資材価格の低減」なのだが、これは嘘だとすぐわかる。良い種を安く供給するための事業を止めたら、種の値段は上がるに決まっている。現に今、民間で流通しているコメの種は県の奨励品種の10倍の価格である。

 自治体に代わって、コメの種を大々的に担うのはグローバル種子企業であり、農家のためではなく、彼らのために種子法を廃止したというのが真相。それは、種子法廃止と同時に成立させた別の法律(農業競争力強化支援法)の8条の4項を見ればバレバレだ。今まで国や県の農業試験場が開発してきたコメの種とその情報を民間企業に提供しなさいと書いてある。すごいことだ。今年2月の平昌五輪の際、韓国で日本のイチゴの苗が勝手に使われていたと、あんなに問題にしたのに、コメの種は差し出せというのだ。

 グローバル種子企業は“濡れ手で粟”。タダで材料をもらって、ちょっとだけ遺伝子を組み換えて、高い値段にして、「日本の農家の皆さん、これ買わないと生産できませんよ。消費者の皆さん、この遺伝子組み換えのコメを買わないと生きていけませんよ」と言えるように、わざわざ日本の政府が一生懸命お膳立てしてあげている。グローバル種子企業による日本の植民地化を手助けする“売国行為”になりかねない。

 多くの県で今後も奨励品種を育成、提供する事業を継続する条例が可決されているので、売国の流れに対抗する措置として一定の効果は期待できるが、大きなネックは、グローバル種子企業への種の提供を定めた農業競争力強化支援法8条4項だ。これを執行停止にしないとダメだ。

 さらには、種子法廃止に続いて「種苗法」が改定され、今後は種の自家採種が原則禁止される。どんな種も買わなくてはいけない。代々、地域の農家が自家採種してきた伝統的な種で、自分の種だと思っていても、品種登録されていなかったら自分のものではない。

 農家が自身で品種登録するのは大変だから、いつの間にか、グローバル種子企業が品種登録してしまう。早い者勝ちだ。そうなると、自分の種だと思って自家採種したら、グローバル種子企業から特許侵害で損害賠償請求されてしまう。

 これは、グローバル種子企業が途上国のみならず、各国で展開してきている戦略(手口)だ。今回の種苗法改定は、同様の手口を日本でも促進するための「環境整備」なのである。

鈴木宣弘東京大学教授
1958年、三重県生まれ。82年東大農学部卒。農水省、九州大学教授を経て、06年から東大教授。専門は農業経済学。「食の戦争」(文芸春秋)、「悪夢の食卓」(角川書店)など著書多数。

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92. 中川隆[-13616] koaQ7Jey 2018年9月02日 18:42:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18160] 報告

グリホサート基準緩和安倍内閣の正体
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/post-9948.html
2018年9月 2日 植草一秀の『知られざる真実』


モンサント社の除草剤「ラウンドアップ」の使用ががん発症につながったとする損害賠償請求訴訟で、米国サンフランシスコ州の裁判所が本年8月10日に、原告の訴えを認めてモンサント社に2億8900万ドル(約320億円)の支払いを命じる判断を示したことを本ブログ、メルマガに記述した。

「発がん性で320億円賠償責任のラウンドアップ」
https://bit.ly/2MlyRZw

カリフォルニア州で学校の管理をしていたドウェイン・ジョンソン氏が、校庭の除草と整備のためにモンサント社が開発した除草剤ラウンドアップを数年にわたって使用し、それが原因でがんの一種である悪性リンパ腫を発症したと訴えていた訴訟である。

カリフォルニア州裁判所の陪審員は、ラウンドアップの主成分である「グリホサート」に発がん性が考えられるにもかかわらず、モンサントはその危険を十分に伝えていなかったとして、全員一致で原告の訴えを認めたのだ。

「ラウンドアップ」は日本で広く市販されている。

ホームセンター、ドラッグストア、100円ショップなど、いたるところで市民が自由に購入できるようになっている。

しかし、米国の裁判所判断が示すように、健康被害が強く疑われている商品なのである。

ラウンドアップの大元の製造者は米国のモンサント社だ。

現在、モンサント社はドイツのバイエル社に買収されたため、独立企業としての社名は消えた。

しかし、その名は世界にとどろいている。

モンサント社は1901年に米国ミズーリ州で創業された企業で、1960−1970年代にベトナム戦争で米国軍が使用した枯葉剤を製造した企業である。

枯葉剤がどのような悲劇を生み出してきたかはよく知られている。

このモンサント社が開発し、製造しているのが除草剤「ラウンドアップ」である。

ラウンドアップの有効成分はグリホサートで、グリホサートの発がん性に対する懸念が高まっている。

2015年3月20日にWHOの外部研究機関IARC(国際ガン研究機関)がグリホサートをグループ2A ”probably carcinogenic to humans”(=おそらく人に発がん性がある)という上から二番目にリスクの高いカテゴリーに分類したことを発表した。

IARCはグリホサートについて、

「人の非ホジキンリンパ腫に対して限られた根拠があり、さらに動物実験では発がん性の明白な根拠がある」

との結論を示した。

この発表を受けるかたちで、米国カリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA)は、2017年6月26日に、同州で定める通称プロポジション65の物質リストに発ガン性物質としてグリホサートを加えるとの声明を発表した。

カリフォルニア州の裁判所判断は、これらのプロセスを踏まえてのものであると考えられる。

グリホサートは発ガン性以外に、内分泌撹乱物質として生殖機能に影響を与える可能性があり、腸内細菌を損ないアレルギーなど自己免疫疾患の原因となる、あるいは神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性があると指摘されている物質で、世界的に使用禁止に向けての動きが活発化している。

こうしたなかで日本政府は真逆の対応を示している。

日本政府は昨年12月25日に、グリホサートの残留基準値を最大400倍も引き上げた。

遺伝子組み換え種子による農作物を摂取することの危険は、遺伝子組み換え食物自体が持つ危険性だけによるものでない。

遺伝子組み換え種子は、強力な除草剤に対する耐性を付与することを目的に開発されている。

強力な除草剤を散布しても枯れない種が遺伝子組み換えによって創作されている。

その結果として、遺伝子組み換え種子がもたらす農産物に、除草剤成分が強く残留することになる。

その除草剤成分の摂取が重大な健康被害をもたらす危険が警戒されるのだ。

除草剤成分の残留基準値が引き上げられれば、除草剤販売が容易になるから除草剤メーカーは歓迎する。

メーカーは政府に強い働きかけを行っている。

農家に対しては、除草剤を大量に散布しても生産物が規制で排除されることがないとアピールできる。

今回の基準値引き上げで、小麦の残留基準値は6倍に引き上げられた。

ヒマワリは400倍だ。

小麦はパンの主原料であり、基準が緩和されればパン摂取に伴うグリホサート摂取量が増す危険性が高まる。

安倍内閣は日本の主権者の命と健康ではなく、ハゲタカ大資本の利益極大化のために行動していると言わざるを得ない。



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93. 中川隆[-13437] koaQ7Jey 2018年11月03日 06:02:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19903] 報告
「虚妄の自由貿易原理主義で農業を荒廃させてはならない」
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/post-9061.html
2018年11月2日 醍醐聰のブログ

 日本ほか11ヶ国が合意したTPP11がこの12月30日に発効することになった。これを受けて、JAcom(農業協同組合新聞)が緊急に企画した「TPP11 12月30日発効」に寄稿したところ、今日、同紙の〔電子版〕にアップされた。以下はその全文である。
 https://www.jacom.or.jp/nousei/tokusyu/2018/11/181102-36561.php 

 なお、この緊急特集には、今の時点で、田代洋一さん(横浜国立大学名誉教授)、小林光浩さん(JA十和田おいらせ代表理事専務)の寄稿も掲載されている。
 https://www.jacom.or.jp/nousei/tokusyu/111230-1/ 

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  虚妄の自由貿易原理主義で農業を荒廃させてはならない

                          醍醐 聰

◆農業に相容れない自由貿易原理主義

 自由貿易主義を支えるのは、生産性で比較優位の財を輸出し、比較劣位の財を輸入することで、貿易当事国双方の利益を最大にするという国際分業論である。はたして、農業に対等な国際的分業は成り立つのか? 多国籍ならぬ無国籍企業が幅を利かせるTPPやEPSに国際分業は当てはまるのか?

 人間の生命維持に関わる農産品の需要は工業製品のように価格弾力性が高くはない一方、農産品の供給は収穫が自然環境に左右されて変動する。そのため、世界的規模での農産品の価格は、わずかな供給量の変動でも大きく変動し、供給過剰の時は価格が暴落して生産者は打撃を蒙る一方、供給不足の時は、生産国は自国の需要充足を優先し、余剰品は購買力の大きな先進国が買い占めるため、購買力の乏しい国々では飢餓が絶えない。

 生産不足の時の輸出制限、生産過剰の時の輸出補助金によるダンピング輸出の奨励、相手国の需給バランスを無視した余剰米の押し売り輸出(ミニマムアクセス米など)などは、農業に国際分業が成り立ちにくい事情を物語っている。

 かつてクリントン米大統領が国際世界食料デー(2008年10月16日)で「食料は他の商品と同じではない。われわれは食料自給率を最大限高める政策に戻らなくてはならない。世界の国々が食料自給率を高めることなく、開発を続けることができると考えることは馬鹿げている」と演説したのも至極、正論だった。

 そもそも食料自給率38%(穀物自給率28%)の日本と穀物自給率が押しなべて100%を超えている米国、カナダ、EU先進国が同じ土俵で自由貿易を議論する(できると考える)こと自体、ナンセンスなのである。いわんや、穀物自給率28%の日本の政府が自由貿易を牽引するなどと得意げに語ること自体が滑稽なのである。自国ファーストのトランプ米大統領から「いうことを聞かなかったら自動車にものすごい関税をかけるぞと脅かすと、直ぐに〔二国間〕交渉をすると言ってきた」と見くびられた安倍政権が自由貿易主義を牽引すると語るのは笑止の沙汰である。

◆TPPを上回る譲歩

 結局、この先の日米二国間交渉は、自動車をカードに使って、日本にTPPを上回る農業市場の開放を迫るトランプ流の大国主義的「ディール」に安倍政権が、巨額の兵器購入も含め、屈する売国交渉となることが避けられそうにない。農業に関しては、全容が定かでない、TPPに備えた国内対策を織り込んで試算された影響額はあてにならない。また、目下、政府が検討している外国人労働者向けの在留資格の緩和措置に対象業種に農業が含まれた場合、TPPそれ自体の影響かどうかは別にして農業に及ぼす影響が懸念される。

 そもそも、性格の異なる自動車と農業を「ディール」と称して天秤にかけること自体、不見識である。また、自動車も農業分野の交渉のカードで終わるわけではなく、来年1月からの交渉入りを待たず、早くも、米国内の雇用拡大を目指す米国政府に、輸入関税の大幅引き上げや現地生産の拡大を迫られている。

 政府は農業など物品の分野ではTPPの水準を守ったというが、国内向けのPRに過ぎない。合意文書では「尊重する」と謳われただけで、対米交渉でアメリカを拘束するものではない。TPPはひどい内容だと不満を募らせて政権発足早々にTPP合意から離脱したトランプ大統領がTPP合意を尊重する意思などあるはずがない。

 そもそも論を言えば、TPP水準ならいいなどと日本の農業・酪農関係者は誰一人考えていない。たとえば牛肉の関税を今の38.5%から16年後に9%まで下げるというTPP並みの水準は、これ自体、激変である。しかも、16年かけてというが、初年度に27.5%まで一気に引き下げるスケジュールになっている。また、合意停止のセーフガードも牛肉の場合は16年目以降4年間連続で発動されなければ廃止(豚肉は12年目で廃止)となっている。

 しかも、政府は米国のTPP復帰の見通しが消えた場合、セーフガードの発動基準数量などを見直すとしてきたが、今現在、いつ、どのように見直すのか不明である。経済成長といえば、GDPと企業の経営環境しか眼中にない安倍政権にとっては、それでよいのかもしれないが、基幹的食料の自給率の低迷は百年の災いとなって後代にのしかかる。

 昨年12月に合意された日・EUのEPA(経済連携協定)について農水省は大臣談話(2017年7月6日の大筋合意の時点)で、長期の関税引き引き下げ期間と輸入急増に対するセーフガード等を確保したというが、ソフト系チーズ、スパゲティ、マカロニ、小麦、ワインではTPPよりも譲歩した内容となっている。たとえば、ワインのセーフガードはTPPでは8年目撤廃であるが、日・EU間EPA合意では発効時に撤廃となっている。年間醸造量が100kl以下の小規模ワイナリーが80%を占めると言われる日本のワイン業への影響が懸念される。

 そもそも、新規就農/離農は経営の将来見通しをもとに判断されるのであるから、関税の段階的引き下げとかセーフガードの一定期間後の撤廃という猶予の意味は乏しい。

 こうした農業への甚大な影響を阻止、緩和するには日米二国間交渉の中止、日EU間EPAの見直しが不可欠であるが、今の政府に日本農業を守るという意志がないなら、農業者は政権選択まで踏み込んだ意思表示と行動が必要になってくる。



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94. 中川隆[-13431] koaQ7Jey 2018年11月04日 05:58:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19957] 報告

大丈夫か…メーカーの要望で農薬残留基準が緩和されていた 外資の餌食 日本の台所が危ない
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/240870
2018/11/03 日刊ゲンダイ


農薬の安全性に“絶対”はない(C)PIXTA

 日本は、世界の農薬規制の流れと逆行している。

 問題は、政府が昨年12月25日、コッソリ公布した「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件」という告示だ。驚くべきはその内容で、食品に残る農薬の基準値が大幅に緩和されたのである。

 例えば、米モンサントの除草剤「ラウンドアップ」に含まれるグリホサート。グリホサートは、世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関が「おそらく発がん性がある」と指摘している化学物質だ。ところが、厚労省は昨年12月、小麦に残っても大丈夫なグリホサートの基準を改正前の6倍に、ソバについては150倍に緩和したのだ。厚労省食品基準審査課の担当者は、「動物実験などの試験の結果、(基準値の)安全性は担保されている」と話すが、消費者の不安は置き去りだ。

 そもそも、農薬の残留基準が緩和されるキッカケは、国内外の農薬メーカーが要望したからだ。

「メーカーなどから、農薬の使用方法を変更したいという申請がありました。申請された使用法でどれだけ農薬が残るかを示したデータに基づき、厚労省へ安全評価をお願いしました」(農水省農薬検査班担当)

 要するに、消費者よりもメーカーが優先されているというワケ。しかし、世界を見渡せば、欧州などでは農薬について“規制強化”が趨勢だ。農業問題に詳しいアジア太平洋資料センターの内田聖子氏が言う。

「欧州は、環境や生命に重大な影響があると疑われるものを禁止する『予防原則』の立場をとっています。『絶対に安全・安心』を裏付ける研究がない以上、使用できないという考え方。日本と違って欧州では農薬の取り扱いが厳格で、免許を持っていないと使用できません。日本は、惰性であらゆる農薬を使ってきたし、農薬を日本に売り込みたい多国籍企業の意向をはね返す力がないのでしょう」

 農薬は、収穫前の農産物にかけてわざと枯れさせ、乾燥の手間を省くためにも使われるが、元農水大臣で弁護士の山田正彦氏はそうした使い方の拡大に懸念を示す。

「米国で広く行われている『プレハーベスト散布』と呼ばれる方法で、日本でもすでに、一部の民間企業が大豆の収穫において推奨しています。今後、この方法が、国産のコメにも適用されるかもしれません」

 同じ農薬を使い続けると、害虫や雑草に耐性ができてしまうため、より濃度の高い農薬が使われることがあるという。そして、農薬に耐性を持つ新たな遺伝子組み換え作物が開発されていくのだ。

 気付かぬうちに大量の農薬を摂取してしまうことになりかねない。 =つづく

 (取材=本紙・生田修平、高月太樹)



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95. 中川隆[-13533] koaQ7Jey 2018年11月09日 08:47:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20335] 報告
世界的に市場縮小も…遺伝子組み換え作物に毒される日本  外資の餌食 日本の台所が危ない
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/241174
2018/11/08 日刊ゲンダイ


消費者は置き去りに(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 遺伝子組み換え作物(GMO)市場が世界的に縮小し始めている中、多国籍企業が拡大先として狙っているのが日本だ。

 38%という低い食料自給率の日本は、すでに大量の遺伝子組み換え作物が流通する“GMO大国”である。農水省の資料によると、日本は米国とカナダから、トウモロコシ、大豆、ナタネ、ワタの4種のGMOを大量に輸入しているという。それらGMOは、マーガリンやマヨネーズ、食用油などに加工され日本国内で出回っている。

 米国や欧州などで“脱”GMOの動きが高まっているのに、日本はまったく逆。実際、日本のGMO承認数は2016年のTPP協定署名後、急激に増加している。「国際アグリバイオ事業団」(ISAAA)のデータによると、米国での承認数が203であるのに対し、日本は317で、44カ国中ダントツに多い。なぜ、こんなことになっているのか。農水省の農産安全管理課は、「我々も驚いている」と言い、こう続けた。

「数え方の違いのせいで日本の承認数が突出しているように見えるが、実際に日本で流通している遺伝子組み換え作物は183種類です。そのうち、栽培可能なものは139種類。国内では、青いバラのみ作られています」

 要するに、日本で作られるGMOはほぼゼロということだが、栽培できるのに作られないのは、「消費者の抵抗がある」(前出の農産安全管理課)からだ。

 それでも、日本政府は消費者を置き去りにして、多国籍企業の意向に沿うように、農薬の残留基準を緩和したり、GMOを承認したりしている。元農水大臣で弁護士の山田正彦氏がこう言う。

「日本でGMOが作られていないといっても、民間や多国籍の種子企業は、すでに日本向けの遺伝子組み換えのコメや小麦の種子開発を終えています。販売ルートに乗せる準備は整っているのです。2015年に訪問先のワシントンで話をした全米小麦協会のドロシー会長は、『米国では国民の間に(遺伝子組み換え小麦に対する)抵抗が強いので、まず日本で食べてほしいと思っている』と言っていました。2020年から、遺伝子組み換え小麦の流通が日本で本格化するのではないかという話もあります」

 GMOは、殺虫剤や除草剤に耐性を持つように作り替えられているため、残留農薬による健康被害も心配される。ところが、日本政府は、消費者がGMOか否か判断できないように、GMOの「表示義務」を変えようとしているのだ。 =つづく

 (取材=日刊ゲンダイ・生田修平、高月太樹)



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96. 中川隆[-13535] koaQ7Jey 2018年11月09日 09:01:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20338] 報告
日本では「遺伝組み換えでない」表示が今後消える可能性が 外資の餌食 日本の台所が危ない
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241245
2018/11/09 日刊ゲンダイ


値段に「有機」「NonGMO」のシール(山田正彦氏が米国で撮影)
http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/435.html


 日本に遺伝子組み換えのトウモロコシや大豆などを輸出している米国で、健康意識の高まりから「“脱”遺伝子組み換え作物(GMO)」の動きが盛んになっている。元農水大臣で弁護士の山田正彦氏がこう言う。

「今年9月、米ロサンゼルスを視察した際、地元の人に連れられ近所のスーパーを訪れました。そこでは、野菜や果物、鶏卵やケーキなど、あらゆる種類の食品に『有機栽培』と『遺伝子組み換えでない(NonGMO)』という2種類のシールが貼られていたのです。富裕層をターゲットにした高級スーパーだけでなく、低中流層が行くようなスーパーにも同様のシールが使われていました」

 遺伝子組み換えの本場である米国でNonGMOや有機栽培の表示が広まっている一方、日本では、遺伝子組み換え食品の表示が、消費者に不利益なように変更されようとしている。

■「消費者の知る権利を奪っている」

 日本では、一部の農産物や加工食品について「遺伝子組み換えである」と表示することが内閣府令で義務付けられている。一方、「遺伝子組み換えでない」表示については、原材料にGMOが5%以下で混入している場合、メーカーが任意で「遺伝子組み換えでない」と表記しているが、これが今後、消える可能性があるのだ。

 理由は、消費者庁が「遺伝子組み換えでない」の表示を“厳格化”するとして、GMO混入率を0%に限定しようとしているから。しかし、どれだけ農産物を厳重に扱っても輸送・流通の段階でわずかのGMOの混入は避けられないため、混入率を0%にすると、誰も「遺伝子組み換えでない」を表示できなくなってしまうのである。

 できるだけ「遺伝子組み換えでない」食品を消費者に提供しようと、ほぼ混じり気のない混入率0%台のものを頑張って販売しているメーカーも、今後は表示できなくなるということだ。

「EUでは『組み換えでない』表示は0.9%以下です。日本でも同様の基準にしようという議論はありました。しかし、日本は食品原材料のほとんどを海外からの輸入に頼っているため、混入率0.9%を満たす原材料を調達することが難しいのです」(消費者庁食品表示企画課)

 結果的に、海外から遺伝子組み換え作物をバンバン輸入する企業を優遇していることにならないか。

 農業問題に詳しいジャーナリストの天笠啓祐氏は、「『遺伝子組み換えでない』という表示がなくなるのは、消費者の知る権利を奪っているに等しい」と指摘する。

 ちなみにEUでは、全食品の遺伝子組み換え表示を義務付けている。=つづく

 (取材=生田修平、高月太樹/ともに日刊ゲンダイ)



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97. 中川隆[-13582] koaQ7Jey 2018年11月12日 08:53:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20542] 報告


種子法廃止に関する正視しがたい現実 2018-11-10

 先日、衆議院第一会館でSUNZ日本創生総合研究所主催「日本の食糧安全保障と農業の未来を考える」で講演する機会を頂いたのですが、改めて種子法廃止により、我が国は食料安全保障を将来的に失うことになります。


 種子法が廃止された結果、優良で多種多様な「各地に合った種子」を安価な種子を農家に提供するための「根拠法」が失われました。種子法廃止は、緊縮財政の一環でもあるのです。


「日本国民の生命をつなぐタネなんぞに、カネなんか使えるか! 民間に任せろ、民間に!」
 というわけでございますね。


 さらに、農業競争力強化法により、長年、都道府県が税金を使い、蓄積したタネの知見を、民間企業に提供することになります(そう法文として書いてある)。


 ことの始まりは、1971年、アメリカの最高裁が遺伝子組み換えされた生物について、組み換えを行った企業の特許を認めたことです。モンサントは大豆を発明したわけではないにも関わらず、遺伝子組み換え大豆「全体」の特許を保有することになりました。


 1988年、カナダの農家バーシー・シュマイザーが、自分の畑で近所から飛んできたモンサントのタネが自生したことを受け、モンサント社から訴えられました。特許権の侵害とのことでした。


 その後、特許を利用した巨大アグロバイオ企業の「タネ独占」のビジネスが本格化。バイエル(=モンサント)、ダウ・デュポン、シンジェンタの三社で世界のタネ・ビジネスの「七割」を占める状況になっています。


 もっとも、グローバルなアグロ・バイオ企業は、日本市場を開拓できていません。理由は、種子法です。いや、種子法でした。


 種子法により、日本では安価、多種多様、優良な種子が出回り、アグロ・バイオ企業のタネは売れません。例えば、各都道府県の優良品種の種籾の価格は1kg400円から600円。それに対し、三井系の三井アグロ科学のミツヒカリは種籾1kgあたり4000円です。


 アグロ・バイオ企業にとって、日本のタネの価格が「安い」ことが問題であり、この状況を潰すための種子法廃止なのです。


 種子法が廃止されたことで、数十年のスパンで日本のタネはバイエル=モンサントを初めとするアグロ・バイオ企業の遺伝子組み換え、F1、単品種のタネに置き換えられていくでしょう。


『竹下前総務会長が市民団体に懺悔 「種子法」復活に光か?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241173
 6日、「日本の種子を守る会」が永田町の議員会館で自民党の竹下亘前総務会長に面会し、4月に廃止された「種子法」に代わる新しい法律の制定を要請した。
  「守る会」が1年間で集めた署名は約17万筆。要請書には、日本の食と農業を守ってきた種子法の廃止について「農業・食の安全性・公共性を脅かすものとして看過できない」と明記されている。
 竹下は要請を受け、「私自身も(種子法廃止の)中身が分からず(賛成に)起立した1人だ」と明かし、こう続けた。
 「量だけでなく安全性も含めて、食糧の安全保障は、政権が絶対に維持しなければならない。国会議員が種子法の必要性や重要性を認識していなかった」
 先の国会で、立憲民主党など野党6党が提出した種子法廃止を撤回する法案が継続審議となっている。自民も動くか?』


 竹下前総務会長のような立場の国会議員であっても、「種子法廃止の中身が分からず(賛成に)起立した1人だ」というわけです。衝撃的ですが、これが日本の国会の現実なのです。


 逆にいえば、種子法廃止の「意味」を政治家に届ければ、種子法復活法案が日の目を見る可能性が高まります。


 ちなみに、自民党や親アベ派の中には、種苗法で日本のタネを守れるなどと「寝言」を言う人がいます。種苗法は「育成権」を重視た法律で、しかもタネ生産の予算を担保するものでもあ  りません。

 種苗法で守られるのは「モンサントの権利」です。 

 
 ちなみに、いち早く種苗法の管理に移った野菜のタネは、すでに「外国産」が九割です。確かに、野菜の生産地は日本ですが、タネについては「日本野菜のタネ メイドインチャイナ」というのが現実なのですよ(中国産だけではなく、アメリカ産、オーストラリア産も多いですが)。


 我が国の穀物自給率は、わずか28%。


【図 2013年 主要国穀物自給率(%)】



http://mtdata.jp/data_61.html#kokumotsu

 日本は多くの穀物(大豆、トウモロコシ、小麦)をアメリカから輸入しています。大豆やトウモロコシは、ほぼすべてが遺伝子組み換えです。


 さらに、小麦は収穫前にラウンドアップをぶっかけているため、グリホサートの発癌性が怖いです。


 まあ、わたくしは半世紀近く生きているので構いませんが、我が家には赤ちゃんがいます。赤ちゃんに「安全」な食べ物を食べさせるには、どうしたらいいのか。


 唯一、安全と確信できる「コメ」までもが、グローバル・アグロ・バイオ企業のビジネスに汚染されていく。


 まずは、この現実を認めた上で、「日本国民の食の安全を守る」ためにも、種子法を復活させなければならないのです。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12418004428.html


「もはや二度と、国民を飢えさせない」という思い 2018-11-12

「食を制する者は世界を制する」

 モンサント社の非道を訴えた『モンサントの不自然な食べもの』に登場したアメリカの農家が呟いた言葉です。


 今年の4月1日、日本国民の食料安全保障の根幹である「タネの安全保障」を守っていた主要農作物種子法が廃止となりました。結果的に、日本各地で優良、多種多様、かつ安価なタネを生産していた都道府県に対する予算の裏付けが消滅。


 種子法は、
『第一条 主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産についてほ場審査その他助成の措置を行うことを目的とする。』
 という一文から始まっていました。


 種子法は日本政府に対し、稲、大麦、はだか麦、小麦という主要農作物について、地域に合った良質な種子が農家に行き渡るよう、農業試験場の運営などに必要な予算をつけるための根拠法だったのです。


 なぜ、種子法により種子の安定生産に政府が関与したのか。種子法が制定されたのは、大東亜戦争敗北後、主権を失っていた日本がサンフランシスコ講和条約発効により独立した「翌月」の1952年5月です。


 1945年8月、日本は大東亜戦争に敗北。タイミング悪く、全国的に農産物が不作に陥りました。しかも、各地の農家が政府に不信感を持ち、食料の供給をサボタージュする例が相次いだため、日本国民は「飢餓」に陥ってしまいます。


 食糧難の時代を経て、ようやく独立を取り戻した日本は、
「もはや二度と、国民を飢えさせない」
 という決意のもと、政府が「食料の基本」である種について、積極的に関与する仕組みを整えたのです。その種子法が、あっさり廃止。


 先人の「もはや二度と、国民を飢えさせない」という決意を、平気でないがしろにするのが安倍政権というわけです。


 しかも、理由は別に国家国民のためではなく、単にモンサント=バイエルを初めとするアグロ・バイオ企業にとって、「安い種子」の提供を可能とする種子法が邪魔だからです。


 さらに、日本政府は種子法廃止と同時に、農業競争力強化法を制定。同法により、長年、都道府県が税金を使い、蓄積したタネの知見を、民間企業に提供することになります(そう法文として書いてあるのです)。 


『2018.11.07 種子法廃止の代替を 「守る会」17万人の署名提出
https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2018/11/181107-36599.php
 日本の種子(たね)を守る会(会長=八木岡努JA水戸組合長)は11月6日、東京・永田町で自民党議員に、17万人分の署名を渡し、廃止となった種子法に代る法律の制定を求める要請を行った。
 要請には八木岡代表のほか、生協パルシステム神奈川ゆめコープの吉中由紀理事長、JAしまねの萬代宣雄前組合長らが参加。自民党の吉田博美参院幹事長、野村哲郎農林部会長、岡田広参院自民議員副会長、山田俊男参院自民議員らに要請した。
 八木岡会長は、「種子法の廃止によって、種子行政に関する予算が削られ、地方の特徴ある農作物が失われる可能性がある。これを懸念し、条例を制定する県が増えている」と説明。
 また、独自の署名活動で2万人の署名を集めたJAしまねの萬代前組合長は「10年、20年先も安心して農業をできるように、いまその方向を示しておいて欲しい」と訴えた。
 これに対して野村部会長は「一度廃止した種子法を復活させるのは難しいが、種苗法改正の動きがあり、その中に含めて考えたい。そのためには、これだけは絶対に守らなければならないという事項を示す必要がある」との考えを示した。』


 いやいや、一度廃止した種子法を復活させるのは難しくありません。


 すでに、野党が以前の法律を修正した種子法復活法案を提出しています。継続審議になった種子法復活法案に、自民党議員が賛成すれば、普通に復活します。


 相変わらず、自民党の議員は「種苗法が〜」と寝言を言っていますが、


● 種苗法は生産者ではなく、タネの育成者の権利を守る法律である
● 種苗法は、都道府県に種子生産の予算を提供する担保法ではない
● 種苗法で「守られている」はずの野菜のタネは、すでに九割が外国産


 これが現実です。


 無論、種苗法でタネ生産の「予算」の担保ができるようになるというならば別ですが、緊縮路線の安倍政権にできるとは思いません。


 といいますか、そんな面倒くさいことをするくらいならば、野党の種子法復活法案に乗れば済む話です。


 先人が「もはや二度と、国民を飢えさせない」という決意に基づき、制定した種子法を、外国企業(主に)のビジネスの利益最大化のために平気で廃止する。


 自民党議員は、全員「恥を知れ!」でございます。


 先日取り上げた竹下前総務会長の発言、
「私自身も(種子法廃止の)中身が分からず(賛成に)起立した1人だ」
「量だけでなく安全性も含めて、食糧の安全保障は、政権が絶対に維持しなければならない。国会議員が種子法の必要性や重要性を認識していなかった」
 というのが日本の国会の現実です。


 もちろん、「知らなかった」「認識していなかった」では済みません。このまま種子法問題を放置することは、
「もはや国民を飢えから守らない」
 と、政府、政治家自ら宣言したのも同然なのですよ。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12418456937.html


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98. 中川隆[-13592] koaQ7Jey 2018年11月13日 08:54:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20611] 報告
第2の加計問題? “漁業潰し”仕掛人は規制改革のメンバー(日刊ゲンダイ) 
http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/569.html

2018/11/13 日刊ゲンダイ


大企業の言いなり(右上は金丸恭文フューチャー会長)/(C)共同通信社

 国会では外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正ばかりに注目が集まっているが、問題法案はそれだけじゃない。安倍首相が所信表明演説で「70年ぶりの抜本改正」とブチ上げた“漁業潰し”といわれる「水産改革」法案(漁業法等改正案)も大問題だ。

■水産改革で生存権が脅かされる中小漁業

 水産改革法案は、漁業法や水産資源保護法などを見直し、漁獲量による資源管理の導入や船のトン数規制の撤廃、養殖漁業の新規参入を幅広く認める――という内容。これまで漁業を担ってきた中小、零細業者に限らず、大企業にも新規参入を認め、効率的な経営や水産資源管理を促すというのだが、何のことはない。実態は安倍政権が進める農家、農協潰しの「漁業版」と変わらない。

「現行の漁業法は1949年に策定されたものですので、70年ぶりの漁業改革となります。大きなポイントは新たな資源管理システムの構築、養殖・沿岸漁業のための規制見直し、漁協制度の見直しの3点でございます」

 今年6月の規制改革推進会議。安倍首相の所信表明演説とほぼ同じ内容の発言をしていたのが議長代理の金丸恭文フューチャー会長。金丸氏は前身の規制改革会議のメンバーで、農業ワーキング・グループの座長を務め、安倍政権の「農協潰し策」を取りまとめたとされる人物だ。働き方改革実現会議の委員も務め、昨年2月の同会議では「労働法には労使の交渉力格差是正、労働者保護の観点がありますが(略)一律の法規制がなじむとは言い難い」と主張。「高度プロフェッショナル制度創設と企画型裁量労働制の見直しを含む労働基準法改正案とセットで制度設計するよう強く希望」と発言していた。

「規制改革推進会議」「働き方改革実現会議」の名前で頭に浮かぶのが、委員に名を連ねる“アベ友”の財界関係者らが、自分の業界や会社にとって都合のいいように既存制度の見直しを政府に提言すること。加計問題や裁量労働制の拡大問題でも散々、問題視されていた。恐らく水産改革法案も、財界の要望優先。既存の中小、零細の漁業関係者の声なんてロクに聞いちゃいない。どうりで、早くも漁業関係者が「反対」のシュプレヒコールを上げるワケだ。

 ついでに言うと、漁業潰しの“仕掛け人”である金丸氏は安倍首相のゴルフ仲間。安倍官邸直属の諮問機関メンバーが、安倍首相とゴルフを楽しみ、新たな法案のたたき台を政府に提言し、国会審議が始まる――。どこかで見た構図と思ったら、加計問題とソックリだ。なるほど、永田町で「水産改革は第2の加計問題」なんてささやかれるのもムリはない。だが、抱える問題は加計以上だ。

「この法案は3つの重大問題を抱えています。まず、沿岸部に住み、長い間、漁業を支えてきた人たちの生存権が脅かされること。水産資源を守るためにつくった共同体やルールが大企業の利己主義によって破壊されること。そして、漁業権が他国の巨大資本に売買され、安全保障上の問題に発展することです。かつて漁民がいた尖閣諸島だって、人が住まなくなって領有権問題が起きた。資本の論理で漁業を開放すればとんでもないことになります」(東大大学院・鈴木宣弘教授)

 法案が成立したら、「効率化」の名の下に大企業が水産資源を奪いにくるのは間違いない。地域とともに静かに生きてきた各地の「海女」業も壊滅だろう。安倍政権はどのツラ下げて「地方創生」なんて口にしているのか。



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99. 中川隆[-13627] koaQ7Jey 2018年11月16日 15:10:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20782] 報告
食の安全より「米国優先」 官邸の意向に抗わない官僚たち 外資の餌食 日本の台所が危ない(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/696.html

2018/11/16 日刊ゲンダイ


モリカケと根っこは同じ(首相官邸)/(C)日刊ゲンダイ

「農水省は、種子法の重要性を相当分かっていたはずだ。審議会で有識者も議論した。どうしてこういうこと(種子法廃止)が起こったのかわからない」――。今月6日、「日本の種子を守る会」の請願に応じた自民党の竹下亘前総務会長は、種子法廃止に農水省がブレーキをかけられなかったことに首をひねった。自分は無知ゆえ廃止に賛成したが、竹下は今、種子法の重要性を痛感している。

 種子法廃止は官邸主導で進められた。首相の諮問機関である「規制改革推進会議」の提言を受け、2017年2月10日に閣議決定された。農業の根幹たる「種」の安全性が脅かされる恐れがあるのに農水官僚は抗えなかったのか。元農水官僚で東大大学院の鈴木宣弘教授(農政)が言う。

「種子法の重要性を理解していない農水官僚はいませんよ。ただ、安倍政権になって、農水省は官邸に異論を唱える役人を徹底的に人事で干してきた。それを目の当たりにしている農水官僚は手が出せないのです。キツい仕事をさせられて気の毒です」

 審議会も形骸化している。

「かつて審議会は、異論のある消費者側の代表をメンバーに入れるなど反対論にも配慮されていました。安倍政権になってから結論に従順なメンツだけで構成されるようになりました」(アジア太平洋資料センターの内田聖子氏)

 各省庁は官邸の意向に沿うように仕事し、お友だち優遇に米国優先。世界の流れに逆行しても、官邸が決めたことは何でもまかり通る――。

「種子法廃止は、森友、加計問題と根っこは同じなんです」(元農水大臣で弁護士の山田正彦氏)

 安倍政権になって、「食の安全」が軽んじられる例は枚挙にいとまがない。それなのに、無知な国会議員、抗わない官僚、伝えないメディアがそれを許し、情報は表に出ない。

 日本で稲作は紀元前3世紀の弥生時代に始まった。ほとんどの国民が知らないまま、“日本の台所”は有史以来の最大のピンチに立たされている。 =おわり



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100. 中川隆[-13237] koaQ7Jey 2019年1月02日 11:37:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22213] 報告
オトモダチのために国民の命と暮らしを生贄にしてはならない 東京大学教授・鈴木宣弘 2019年1月2日

日米FTA交渉入り〜TAGは共同声明を改ざんした捏造語〜

 日本は、「なぜ米国民にTPP(環太平洋連携協定)が否定されたのか」について冷静に本質的な議論をせずに、TPP11(米国抜きのTPP)を推進し(2018年12月30日発効見込み)、それとセットの「TPPプラス」(TPP以上)の日米FTA(自由貿易協定)交渉を開始し、「TPPプラス」の日欧EPA(経済連携協定)も妥結し(2019年2月発効見込み)、さらには「TPPプラス」をRCEP(東アジア地域包括的経済連携)にも広げようと「TPPゾンビ」の増殖に邁進している。この流れは、以前のTPP12以上の打撃を日本の食料と農林水産業に与えることは間違いない。

 日米間で新たな貿易協定(日本はTAG=物品貿易協定と命名)の交渉開始が決まったのを受けて、AP通信や米国メディアは、ズバリ「日米がFTA交渉入りに合意」と報じた。日本のメディアは「事実上のFTA」「FTAに発展も」とやや回りくどいが、TAGは「FTAそのもの」である。

 筆者も「日米FTAはやらないと言ったわけでしょ。だから、日米FTAではないと言わないといけないから、稚拙な言葉のごまかしで、これは日米FTAなんです」(テレビ朝日「グッド!モーニング」コメント、2018年9月28日)と即座に指摘した。

 要は、日米FTAはやらないと言っていたのに、やることにしてしまったから、日米FTAではないと言い張るために、TAGなる造語を編み出したということである。そもそも、日米共同声明にTAG(物品貿易協定)という言葉は存在しない。英文には「物品とサービスを含むその他の重要な分野についての貿易協定(Trade Agreement on goods, as wellas on other key areasincluding services)」と書いてある。日本側が意図的に物品だけ切り取ってTAGと言っているだけで、極めて悪質な捏造だ。物品とサービスの自由化協定は、下記の定義からわかるように、紛れもないFTAである。

 「特定の国・地域間で関税撤廃やサービス貿易の自由化をめざすFTA(自由貿易協定)や物品・サービス分野だけでなく投資、知的財産権、競争政策など幅広い分野での制度の調和もめざすEPA(経済連携協定)」(荏開津典生・鈴木宣弘『農業経済学(第4版)』2015年、岩波書店)

 国際法(WTO)上、MFN(最恵国待遇)原則に反する特定国間での関税の引き下げはFTAを結ばないかぎり不可能であるのに、米国からの牛肉と豚肉の関税引き下げの要求を受けつつ、日米FTAは拒否すると言い続けているが、どうするつもりか、どんな裏技を出してくるのかと思ったら、まさかの共同声明改ざんである。

 しかも、「FTAではない」と言い続ければ、国際法違反の協定で、関税削減は発効できないという自己矛盾で墓穴を掘っていることにも気づかないのであろうか。「今回はこれで乗り切りましょう」と進言した経済官庁の「浅知恵」に失笑せざるをえない。

ペンス副大統領演説も改ざん

 改ざんは共同声明だけでない。ペンス副大統領演説(2018年10月4日)動画では明白に abilateral Free Trade Agreement with Japan と言っているのに、ホワイトハウス・サイト発表(文字起こし)の同演説記録は、当該箇所を、a bilateral free-trade deal with Japan に変えている。日本側が「国内的にFTAとは言えないから表現を変えてくれ」と頼んだのに対して米国側が対応したものと推察されるが、そのために「乳製品の輸入枠はあと1万d追加しますから」という類(たぐい)の国益差し出しをしている姿が目に浮かぶ。国民のために闘うのでなく、国民を欺くために際限なく国が売られていく。

しかもTPP以上の譲歩が前提

 そもそも、米国がTPPから離脱した際に「TPPは不十分だから二国間協定でTPP以上を求める」と主張していた。我が国もTPPを強行批准した時点で、TPP水準をベースラインとして国際公約し、米国には上乗せした「TPPプラス」を喜んで確約したようなものだった。「まず、TPPレベルの日本の国益差し出しは決めました。次は、トランプ大統領の要請に応じて、もっと日本の国益を差し出しますから、東京五輪まで総理をさせて下さい。」というメッセージを送っていたのである。

 しかも、TPP破棄で一番怒ったのは米国農業団体だった(裏返せば、日本政府の「影響は軽微」との説明は意図的で、日本農業はやはり多大な影響を受ける合意内容だったということが米国の評価からわかる)。せっかく日本から、コメ(従来の輸入枠も含めて毎年50万dの米国産米の輸入を約束)も、牛肉も、豚肉も、乳製品も、「おいしい」成果を引き出し、米国政府機関の試算でも、4000億円(コメ輸出23%増、牛肉923億円、乳製品587億円、豚肉231億円など)の対日輸出増を見込んでいたのだから当然である。

 しかし、これまた感心するのは、米国農業団体の切り替えの早さである。すぐさま積極思考に切り替えて、TPPも不十分だったのだから、二国間で「TPPプラス」をやってもらおうと意気込み始めた。それに応じて「第一の標的が日本」だと米国通商代表部(USTR)の代表(その時点では候補)が議会の公聴会で誓約したのである。

 日本の対米外交は「対日年次改革要望書」や米国在日商工会議所の意見書などに着々と応えていく(その執行機関が規制改革推進会議)だけだから、次に何が起こるかは予見できる。トランプ政権へのTPP合意への上乗せ譲歩リストも作成済みである。

 米国の対日要求リストには食品の安全基準に関する項目がずらずら並んでいるから、それらを順次差し出していくのが、米国に対する恰好の対応策になる。どれから差し出していくかの順番を考えるのが日本の「戦略的外交」である。

 例えば、BSE(牛海綿状脳症)に対応した米国産牛の月齢制限をTPPの事前交渉で20カ月齢から30カ月齢まで緩めた(つまり、TPPで食の安全性が影響を受けなかったとの政府説明は虚偽)が、さらに、国民を欺いて、米国から全面撤廃を求められたら即座に対応できるよう食品安全委員会は1年以上前に準備を整えてスタンバイしている。

 TPPから米国が離脱したとき、米国コメ団体は「日本においしい約束をさせたのにできなくなる」と怒ったが、すぐに、発想転換し、石でTPPの墓まで作り、「TPPは死んだ。そもそもTPP水準が不十分だったのだから、日米二国間で枠をもっと追加させよう」と意気込んでいる。すでに日本は米国からの輸入米を2017年に6万dほど追加的に増やし、TPPの約束水準(米国への追加枠7万d)をほぼ満たす対応をしている。そして、案の定、米国コメ団体は、7万dを15万dに引き上げるよう要求し始めた。

自動車のために食料・農業を永続的に差し出すことに

 「安倍政権は“経産省政権”ですから自分たちが所管する自動車の追加関税は絶対に阻止したい。代わりに農業が犠牲になるのです」と筆者は9月27日の日刊ゲンダイで指摘した。自動車を所管する官庁は、何を犠牲にしてでも業界の利益を守ろうとする。各省のパワー・バランスが完全に崩れ、一省が官邸を「全権掌握」している今、自動車関税を「人質」にとられて、国民の命を守るための食料が、格好の「生贄」にされていく「アリ地獄」である。

 そもそも、米国の自動車関税の引き上げも、差別的に、日本には適用しない、というような適用は、明確な国際法(WTO)違反であり、そのような姑息なお願いをするのでなく、フランスのように真っ向から国際法違反だからやめるよう主張すべきである。自分だけが逃れられるように懇願するために、国民の命を守る食と農を差し出す約束をしてしまったツケは計り知れない。

 しかも、本当は、食と農を差し出しても、それが自動車への配慮につながることはない。米国の自動車業界にとっては、日本の牛肉関税が大幅に削減されても、自動車業界の利益とは関係ないからである。本当は効果がないのに譲歩だけが永続する。

繰り返される詭弁〜「なし崩し」の食・農の崩壊

 TPP断固反対として選挙に大勝し、あっという間に参加表明し(「聖域なき関税撤廃」が「前提」でないと確認できたとの詭弁)、次は、農産物の重要五品目は除外するとした国会決議を反故にし(「再生産が可能になるよう」対策するから決議は守られたとの詭弁)、さらに、米国からの追加要求を阻止するためにとしてTPPを強行批准し、日米FTAを回避するためにTPP11といって、本当はTPP11と日米FTAをセットで進め、ついにTAGでFTAでないと強弁して日米FTA入りを表明した。日米経済対話やFFRは日米FTAの準備交渉だった。何度も何度も同じような光景(デジャブ)が繰り返されている。

 今は、「TPP水準を超える譲歩はしない」と、TPP水準こそ大問題だったのに、TPP水準はすでにベースラインになってしまっている。そして、「TPPを上回る譲歩はしない」と言っている政府が、最後はどんな言い訳を持ち出してくるのか。さらには、協定を発効させるために、ある段階で、恥ずかしげもなく「これは実はFTAでした」と開き直る「腹積もり」だろう。その前に、何度も何度もこんな見え透いた嘘で「なし崩し」にされていくのを、ここまで愚弄されても許容し続けるのかが国民に問われている。

TPP12の付属文書の「総仕上げ」が日米FTAで行われる

 農産物関税のみならず、政権公約や国会決議でTPP交渉において守るべき国益とされた非関税措置については、自動車の安全基準の緩和、軽自動車税の増税、自由診療の拡大、薬価公定制の見直し、かんぽ生命のがん保険非参入、全国2万戸の郵便局窓口でのA社の保険販売、BSE(牛海綿状脳症)、ポストハーベスト農薬(防かび剤)など食品の安全基準の緩和、ISDS条項への賛成など、日本のTPP交渉参加を認めてもらうための米国に対する「入場料」交渉や、参加後の日米平行協議の場で「自主的に」対応し、米国の要求が満たされ、国民に守ると約束した国益の決議は早くから全滅していた。

 しかも、「TPPとも米国とも関係なく自主的にやったこと」と説明しておきながら、TPPの付属文書に書いてある。2016年12月9日の国会で、「TPPの付属文書の内容は日本が『自主的に』決めたことの確認なので、TPPの発効に関わらず、『自主的に』実行する」と外務大臣も厚顔無恥に回答した。「自主的に」=「米国の要求通りに」と変換すれば真意が読める。

 さらに驚くことは、TPP付属文書には米国投資家(ウォール街、グローバル種子企業、製薬企業など)の追加要求に日本は規制改革推進会議を通じてさらなる対処をすることも「自主的に」約束されている。今後も際限なく続く米国からの要求に対応して巨大企業の経営陣と投資家の利益のために国民生活が犠牲になる「アリ地獄」にはまっている。

 これにのっとった米国発のグローバル種子企業などへの徹底した便宜供与が続いており、それらが日米FTAで「総仕上げ」されることが懸念される。

グローバル種子企業への便宜供与「七連発」

 象徴的なのは、種子法廃止に関連した一連の動きである。これは国民の命を守る安全保障の観点からは間違っているが、グローバル種子企業の世界戦略とは極めて整合性が取れている。

 命の源の基礎食料(中でも特にコメ)、その源の種は、安全保障の要であるから、国として、県として、いい種を安く供給し、生産と消費を支えるのが当然の責務としてきたのをやめて、企業に任せろ、というのが種子法廃止である。

 グローバル種子企業の世界戦略は種を握ることである。種を制するものは世界を制する。種を独占してそれを買わないと人々は生きていけなくすれば、巨大なビジネスとなり、人々を従属させられる。だから、公共種子の提供を後退させ、自家採種を禁じて、自分たちのものにして、遺伝子組み換え、F1(一代雑種)化して、買わざるをえない状況を世界中に広げてきた。それを日本でもやりたい。それに日本は応えている。

 公共種子事業をやめさせ(種子法廃止)、国と県がつくったコメの種の情報を企業に譲渡させ(農業競争力強化支援法)、自家採種は禁止する(種苗法改定)という3点セットを差し出した。一連の改定をセットで見ると、意図がよく読み取れる。

 全農の株式会社化もグローバル種子企業と穀物メジャーの要請で農協「改革」に組み込まれた。子会社の全農グレインがNon-GM穀物を日本に分別して輸入しているのが目障りだが、世界一の船積み施設を米国に持っているので、買収することにしたが、親組織の全農が協同組合だと買収できないので、米国からの指令を一方的に受け入れる日米合同委員会で全農の株式会社化が命令された。

 消費者庁は「遺伝子組み換えでない」という表示を実質できなくする「GM非表示」化方針を出した。これも、日本の消費者の要請に応えたかのように装いながら、グローバル種子企業からの要請そのままである。しかも、消費者庁の検討委員会には米国大使館員が監視に入っていたという。

 カリフォルニアではGM種子とセットのラウンドアップ(除草剤)で発がんしたとしてグローバル種子企業に320億円の賠償判決が下り、世界的にラウンドアップへの逆風が強まっている中、それに逆行して、日本は昨年12月25日、クリスマス・プレゼントと称して、米国の要請に応じて、ラウンドアップの残留基準値を極端に緩和した。

 さらに、ゲノム編集(切り取り)では、予期せぬ遺伝子喪失・損傷・置換が世界の学会誌に報告されているのに、米国に呼応し、GMに該当しないとして野放しにする方針を打ち出した。
 以上、特定のグローバル種子企業への「便宜供与」の「7連発」
@種子法廃止、
A種の譲渡、
B種の自家採種の禁止、
CNon-GM表示の実質禁止、
D全農の株式会社化、
Eラウンドアップの残留基準値の大幅緩和、
Fゲノム編集を野放しにする方針、
が進められている。

 インド、中南米、中国、ロシアなどは、国をあげてグローバル種子企業を排除し始めた。従順な日本が世界で唯一・最大の餌食にされつつある。GMとラウンドアップで病気になった日本人にM社の合併先企業(ドイツのB社)の人間の治療薬も売れて、「ダブル儲けの新ビジネスモデル」との声さえ漏れている。

 野菜の種は国内の種苗メーカーが担っているが、九割が海外圃場で、かつ、表に名前は出てこないが、グローバル種子企業の受託生産になっている場合が多いようだ。野菜に続き、今回のコメ・麦・大豆で日本における種の支配は次のステージに入った。

 「陰謀説だ。そんなことはない、大丈夫だ」という人たちに言いたいのは、これは「世界における歴史的事実で、同じことが日本で進んでいる」という明快な現実である。様々なカムフラージュでごまかそうとしても、事実は揺るがすことはできない。

国民が求めているのは日米のオトモダチのために際限なく国益を差し出すことではない

 農業については、家族経営の崩壊、農協解体に向けた措置(全農共販・共同購入の無効化、独禁法の適用除外の無効化、生乳共販の弱体化、信用・共済の分離への布石)、外資を含む一部企業への便宜供与(全農の株式会社化・買収、特定企業の農地取得を可能にした国家「私物化」特区、種子法の廃止、農業「移民」特区の展開)、そして、それらにより国民の命と暮らしのリスクが高まる事態が「着実に」進行している。

 そして、ここに来て、農協・漁協に対する大手流通業者の取引交渉力を強め、農林水産物の一層の買いたたきを促進する卸売市場の民営化、民有・国有林の「盗伐」合法化(特定企業への露骨な便宜供与)、さらには、漁業についても、これまで各漁場で代々生業を営む漁家の集合体としての漁協に優先的に免許されてきた漁業権を、漁協(漁家)への優先権を剥奪し、知事判断で企業に付け替える方向性が正式に示された。

 「攻めの農業」、企業参入が活路、というが、既存事業者=「非効率」としてオトモダチ企業に明け渡す手口は、農、林、漁ともにパターン化している。

 H県Y市の国家戦略特区で農地を買えるようになった企業はどこか。その社外取締役は国家戦略特区の委員で、自分で決めて、自分の企業が受注、を繰り返している。国家「私物化」特区だ。森林の新しい法律は、H県Y市と同じ企業とがバイオマス発電で「意欲がない」と判断された人の山を勝手に切って燃やしてもうけるのを、森林環境税までつぎ込んで手助けする。

 漁業権の開放は、日本沿岸の先祖代々、生業を営んできた「漁場を有効に活用していない」と判断された既存の漁業者の生存権を剥奪して大規模養殖をやりたい企業に漁業権を付け替える法改定である。気づいたら、予期せぬ海外のオトモダチに日本沿岸の制海権を握られ、企業参入だ、民間活力だ、と言っているうちに、いつの間にか、外国に日本が乗っ取られる。

 「攻めの農業」の本質は、既存の農家が潰れても、日米の特定のオトモダチ企業が儲けられるお膳立てができればいい、というだけだから、かりに、少数の企業が利益を増やしても、国民に全体として必要な食料を供給するという自給率の視点は欠如している。自給率は間違いなく下がる。すでに食料自給率は「死語」になりつつある。

 日米FTAの交渉開始は、一連の農林水産業の家族経営の崩壊、協同組合と所管官庁などの関連組織の崩壊に「とどめを刺し」、国内外の特定企業などへの便宜供与を貫徹する「総仕上げ」を敢行するという強い意思表示と理解される。

 食料と農林水産業とその関連組織(農協・漁協や農林水産省)に「とどめを刺す」と意気込んでいる人たちに、「民間活力の最大限の活用」だ、「企業参入」だと言っているうちに、気付いたら、安全性の懸念が大きい輸入農水産物に一層依存して国民の健康が蝕まれ、日本の資源・環境、地域社会、そして、日本国民の主権が実質的に奪われていくという取り返しのつかない事態に突き進む愚かなことを進めているのだということに一日も早く気づいてもらうべく、国民一人一人が事態の本質を正しく認識し、行動を起こす必要がある。

 F35戦闘機を100機、1兆円とか、米国の言いなりに武器を買い増すのが安全保障ではない。武器による安全保障ばかり言って、食料の安全保障の視点が抜けているのは、安全保障の本質を理解していない。農業政策を農家保護政策に矮小化させてはいけない。食料・農林水産業政策は、国民の命、環境・資源、地域、国土・国境を守る最大の安全保障政策だ。「食を握られることは国民の命を握られ、国の独立を失うこと」だと肝に銘じて、安全保障確立戦略の中心を担う農林水産業政策を、政党の垣根を超え、省庁の垣根を超えた国家戦略予算として再構築すべきである。

 国民が求めているのは、日米のオトモダチのために際限なく国益を差し出すことではなく、自分たちの命、環境、地域、国土を守る安全な食料を確保するために、国民それぞれが、どう応分の負担をして支えていくか、というビジョンとそのための包括的な政策体系の構築である。競争に対して、共助・共生的システムと組織(農協や生協)の役割の重要性、消費者の役割、政府によるセーフティネットの役割などを包括するビジョンが不可欠である。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/10508

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101. 中川隆[-11158] koaQ7Jey 2019年3月27日 14:03:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[857] 報告
猛毒除草剤 米モンサント社製ラウンドアップ 発がんリスク「41%増」の研究結果も 2019年3月26日


被害続出し各国で使用禁止に

 アメリカ・カリフォルニア州地方裁判所の陪審は19日、モンサントの除草剤であるラウンドアップが、がん発生の「事実上の要因」であるとの評決を下した。アメリカでは昨年もサンフランシスコ州の裁判所が、ラウンドアップ使用でがんを発症した男性の訴えを認め、モンサント社に2億8900億j(約320億円)の支払いを命じている。ラウンドアップの危険性は国際機関も警鐘を鳴らしており、世界的には販売を禁止する国も多い。だが日本ではこうした世界的な流れに逆行するかのように、政府が安全性を認めるだけでなく、規制を大幅に緩和し販売を促進している。専門家や消費者団体はラウンドアップの危険性を訴える声を上げているが、大手メディアは政府やモンサントなど多国籍企業に忖度して沈黙しており、日本国内での認知度は低い。


ホームセンターで販売されているラウンドアップ

 カリフォルニア州地方裁判所の陪審が19日、ラウンドアップががんを発生させた 「事実上の要因」 だったとの評決を下し、70歳の男性の訴えを認めた。同氏はモンサントの除草剤ラウンドアップを長年使用し、喉に悪性リンパ腫を患ったとし、モンサント側を相手どって争っていた。同氏は1980年から2012年にかけ、カリフォルニア州北部ソノマ郡の自宅でラウンドアップを定期的に使用していたが、その後がんの一種である非ホジキンリンパ腫と診断された。

 ラウンドアップについては、環境保護運動家や専門家が長年発がん性を指摘しているグリホサートが含まれている。陪審はがんを発症した大きな要因がグリホサートだったのかどうかについて判断を求められていたが、これを認めた。

 アメリカでは昨年8月にもサンフランシスコ州の裁判所がモンサント社に2億8900万jの損害賠償金の支払いを命じている。訴えたのは学校の校庭を管理する仕事をしていた46歳の男性で、2012年に学校の害虫・雑草防除の仕事をするために雇われ、ラウンドアップを年に20〜30回ほど校庭に散布していた。ある日、散布するホースが緩んだはずみに薬剤を体に浴び、数カ月後に発疹が出て日増しに悪化し、2014年に非ホジキンリンパ腫と診断された。男性はラウンドアップの使用が原因で、末期がんを患ったとして訴えていた。陪審員は 「ラウンドアップの主成分である“グリホサート”に発がん性が考えられるにもかかわらず、モンサントはその危険性を十分に伝えていなかった」 として、全員一致で男性の訴えを認めた。

 ラウンドアップは、1970年にアメリカ企業のモンサント社が開発した除草剤で、有効成分名はグリホサートイソプロピルアミン塩。なお、ラウンドアップの生産・販売権は現在、開発元のモンサントを昨年買収・吸収したドイツ製薬大手バイエルが保有する。

 モンサント社は1901年にアメリカのミズーリ州で創業され、1960〜70年代にはベトナム戦争で米軍が使用した枯れ葉剤を製造した企業として有名だ。世界最大のアグリビジネスをおこなう多国籍企業として名を轟かせてきたが、とりわけ除草剤とこれに耐性を持つ遺伝子組み換え種子のセット販売を世界規模で拡大させることで世界市場を独占してきた。

 広大な農地の除草作業の手間を省くために、あらゆる植物の成長をストップさせ枯らしてしまう毒性の強い除草剤と、その農薬にも枯れずに耐えうる遺伝子組み換えをした作物(大豆)を開発し、販売することによって大量の作物生産をおこなっている。

 モンサント社は世界の遺伝子組み換え市場を支配しているが、同社の売上をけん引する一つが除草剤ラウンドアップだ。同社はラウンドアップとそれを散布しても枯れない遺伝子組み換え作物をセットで農家に販売してもうけてきた。世界の種子市場の7割弱、世界の農薬市場の8割弱が、モンサント、デュポン、シンジェンダなどの遺伝子組み換え多国籍企業6社によって支配されている。

 日本でのラウンドアップの商標権と生産・販売権は、2002年に日本モンサントから日産化学工業へ譲渡された。日産化学は現在は三代目となる「ラウンドアップマックスロード」を販売しているが、初代の製品は特許が切れており、ジェネリック品がホームセンターや100円ショップでも安く売られている。

 近年ラウンドアップの主成分であるグリホサートの危険性に警鐘が鳴らされている。

 アメリカの医師の1人は2010年に、アルゼンチンの大豆生産地域に住む6万5000人を調査し、過去15年間でがんの発生率が急増していることを明らかにした。そこでラテンアメリカでは、遺伝子組み換え(GM)作物に大量の除草剤を撒いていることの関連を指摘した。この地域では、肺がん、前立腺がん、乳がんの発生率が国際平均と比べて2〜4倍になった。

 さらに別の研究者はラテンアメリカ、アメリカ、ヨーロッパなどで、モンサント社のラウンドアップの使用拡大が、脳出血やリンパ腫など重大な病気の発生と関連していることをつきとめている。

 遺伝子組み換え作物と除草剤のラウンドアップをセットで販売する強引な商法が広まるなかで、農家やその周辺住民に深刻な健康被害が起こっていることが社会問題化してきている。さらに、猛毒のグリホサートがついた遺伝子組み換え作物が大量に生産されて出荷され、最終的には消費者の口に入ることの危険性が指摘されている。

 2015年3月20日には、WHO(世界保健機関)の下部組織である国際がん研究機関は除草剤グリホサートを、2番目にリスクの高いグループ2Aに指定した。2Aとは、「動物実験での発がん性確認」「人間ではデータ不十分」というもので、人に対しては「おそらく発がん性がある」という分類だ。

 また、アメリカの国立がん研究所、国立環境健康科学研究所、環境保護庁、国立職業安全健康研究所の共同プロジェクトであるAHSは、ラウンドアップと急性骨髄性白血病との関連性に関する研究を発表した。

 2017年6月26日にはアメリカのカリフォルニア州環境保健有害性評価局が、同州で定める通称プロポジション65の物質リストに、発がん性物質としてグリホサートを加えると声明を出した。

 さらに今年2月には、ワシントン大学の研究チームが「グリホサートにさらされると、がんのリスクが41%増大する」との研究結果を学術誌に発表した。同チームはこれまでに発表された調査結果を検証した結果、グリホサートを主成分とする除草剤と、免疫系のがんである非ホジキンリンパ腫のリスクの増大との因果関係が認められたと発表した。同チームはまた、除草剤散布を専門とする5万4000人余りを対象に2018年に実施した実態調査結果もあわせ、因果関係があると結論づけた。

 アメリカではラウンドアップが原因で非ホジキンリンパ腫を発症したという訴えもあいついでおり、2017年までに800人以上がモンサントを提訴し、翌年には原告の数が数千人に膨れあがった。

世界的には規制する流れ


 ラウンドアップはアメリカのみならず世界各国で販売されており、ラウンドアップの販売中止やグリホサートの使用禁止措置をとっている国も多い。フランスやオランダはすでに禁止しており、ドイツ、イタリアなど世界33カ国が2〜3年後には禁止することを表明している。

 フランス政府は今年1月15日、除草剤ラウンドアップとその関連商品の販売を禁止した。この販売禁止の決定に先駆けて南仏リヨンの行政裁判所は、規制当局が安全上の懸念を考慮せずにラウンドアップの販売許可を出したとする判決を下した。フランス食品環境労働衛生安全庁は判決を受けた声明で、「ラウンドアッププロ360」の販売は即日禁止されたと発表した。

 オランダ議会も2015年末をもってグリホサートの使用禁止を決定した。ブラジルでは2015年3月25日、連邦検察官が司法省に対して、グリホサートを暫定的に使用禁止とするように求めた。

 ロシアでは2014年4月5日、ロシア政府最大与党の統一ロシアが、ラウンドアップ耐性遺伝子組み換え食品の輸入を禁止した。スリランカでも2014年5月12日、政府がラウンドアップの販売を禁止し、2015年6月11日にはグリホサートの輸入を禁止した。

 デンマークでは2003年9月15日、政府がグリホサートの散布を禁止した。デンマーク・グリーンランド地質調査研究所がおこなった検査で、グリホサートが土壌を通り抜けて地下水に到達し、飲料水として許容されている五倍の濃度で地下水を汚染していることを発表したことを受けての決定だった。

日本は逆に大幅な緩和 背後に多国籍企業

 日本での動きはこうした世界的な流れに逆行している。

 WHOがグリホサートに発がん性の懸念を指摘した4日後の2015年3月24日、日産化学は直ちに「グリホサートに発がん性はないと判断している」との声明を出した。翌2016年7月12日には、内閣府食品安全委員会が「グリホサートに発がん性、遺伝毒性は認められなかった」との結論を出した。遡れば2000年5月には日本農薬学会が「グリホサートは毒物ではなく普通物」との見解を示している。

 さらに昨年12月、厚生労働省はグリホサートの残留基準値を大幅に緩和した。たとえば小麦で6倍、ライ麦やソバで150倍、ヒマワリの種子では400倍に引き上げた。これは日本の大手メディアはまったく報道していない。

 アメリカでは、小麦の収穫量を増やすために収穫直前になってグリホサートをまくことが認められている。これによって大量のグリホサートが残った小麦が輸出に回される。残留基準値が低いと日本への輸出が困難になるという背景があり、規制緩和はアメリカ側の圧力によるものだ。

 国内で流通する小麦の約90%(約50%がアメリカ産)は輸入品であり、これらの小麦にはグリホサートが収穫前に散布されている可能性がきわめて高い。今年1月、消費者団体がスーパーで販売されている大手製粉会社3社の小麦製品を調査したところ、12商品中5つからグリホサートが検出された。ちなみにアメリカで食の安全を訴える市民団体の調査では、小麦を使用したスナック菓子からもグリホサートが検出されており、加熱しても分解されにくいことがわかっている。

 大手製粉会社3社の見解は「外国産小麦は輸入時に農水省が残留農薬に関する検査を実施し、安全性を確認したうえで製粉会社に売却している。残留基準は人の健康に害を及ぼすことのないよう、厚労省により認定されている」といったもので、「問題なし」との対応をとっている。

 世界的にモンサント社の除草剤ラウンドアップの販売規制に動くなかで、日本政府は「安全だ」とお墨付きを与え、規制緩和に動いている。

 これはまた、安倍政府が昨年四月から主要農作物種子法(種子法)を廃止したこととも関連していることが指摘されている。

 種子法は戦後間もない1952年に、国民の食料確保に不可欠な優良な種子を、公共財として守っていくという基本的な考え方のもとで制定された。モンサント社などアグリビジネス関連の多国籍企業は遺伝子組み換え種子と除草剤をセットで販売しており、種子法はモンサントなどの種子ビジネスにとって邪魔な存在であった。

 猛毒で発がん性が確認されている除草剤ラウンドアップを、「安全」とだまして販売を促進するのは、国家的詐欺にほかならず、国民の生命を著しく危険に晒す行為といえる。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/11262

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102. 中川隆[-10635] koaQ7Jey 2019年4月24日 12:48:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1435] 報告
想像以上に悪いグリホサート
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-e7bf7b.html
2019年4月23日 マスコミに載らない海外記事


2019年4月14日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 広く使われているグリホサート除草剤と様々な種類のガンとの直接的なつながりを新しい研究が示し続けている中、人間や他の物に対する被害の証拠を無視したり、その信用を損なったりしようと、農業関連産業圧力団体が猛烈に活動している。二番目のアメリカ地裁陪審の裁判で、現在ドイツのバイエルAGの一部となったモンサントが、被害で非ホジキンリンパ腫になった原告エドウィン・ハードマンに、8100万ドルを支払わなくてはならないと裁定された。この裁定と、アメリカの裁判所でグリホサートの影響を追求している更に11,000の係争中の裁判の行列で、同社株価が落下し、バイエルAGへの大きな打撃となり、数千人のレイオフが発表された。

 サンフランシスコでの裁判で、陪審はグリホサートに基づくモンサントのラウンドアップ除草剤が、ハードマンのガンの原因だという評決で全員意見が一致していた。彼の弁護士は、「モンサントの行動から、同社がラウンドアップがガンを起こすかどうか気にしておらず、そうではなく、世論を操作し、ラウンドアップについて、本当の正当な懸念を引き起こす人々の信頼を損なうことに焦点をあてているのは明確だ。」と述べた。2018年、もう一つの陪審で、何年にもわたり毎日学校の校庭にラウンドアップを無防備で噴霧していた後、同じ種類のガンになったカリフォルニアの学校校庭管理人のガンは、グリホサートを基にしたラウンドアップのせいだったと裁定したものに続く、モンサント弁護士の二度目の敗北だ。そこでは、発見された内部電子メールに基づいて、会社重役が同社のグリホサート製品がガンを引き起し得ることを知りながら、この情報を公表しなかったかどで、陪審は、モンサントを「悪意と抑圧」の罪で有罪と評決した。

 新しい独自の研究が、グリホサートに最も多く曝露している人々は非ホジキンリンパ腫(NHL)にかかるリスクが41%増えることを示している。ほぼ65,000人の参加者を含む6つの研究のメタ分析で、グリホサートを基本とする除草剤と免疫抑制や内分泌撹乱や遺伝子改変との間の関連がわかった。著者は「同じ重要な調査結果:GBH(グリホサートに基づく除草剤)への曝露はNHL(非ホジキンリンパ腫)のリスク増加と結び付けられる」ことに気が付いた。さらに彼らは、グリホサートが「消化器官微生物叢を変え」それが「免疫機構に衝撃を与え、慢性の炎症を促進し、病原体を攻撃する感受性に影響」し得ると述べた。グリホサートは同様に、雄雌両方のラットで「最近、性ホルモン生成を変えることが判明したので、内分泌かく乱物質の役割を果たすかもしれない」。

 ジル・エリック・セラリーニとマイケル・アントニオとパートナーの下での、フランス科学者による長期動物実験で、極端に低いレベルのグリホサート除草剤でさえ、非アルコール性肝臓病を引き起こすことが明らかにされた。ラットがさらされたレベルは、体重1キログラムあたり、我々が食料摂取で許容されるものよりはるかに低かった。メイヨ・クリニックによれば、グリホサート殺虫剤を40年間、あるいは無差別に使用した今、1億人、つまりアメリカ人3人中の1人のが肝臓病にかかっている。こうした診断は、わずか8歳の幼い子供にもみられる。

 だがグリホサートは、ヒトの健康だけに警鐘的影響を与えているわけではない。土壌科学者は、グリホサート噴霧の残滓が土壌の健康と栄養に対しても、おそらく復活するのに何年も要する劇的な影響を与えていることを悟り始めている。

土壌も殺す

 もっともなことだが、大方の注意が現在世界中で最も広く使われている農薬グリホサートへの露出による人間への影響に引きつけられているが、独立した科学者たちは、農薬のもう一つの警鐘的な影響、不可欠な土壌栄養に対する影響を見出し始めている。EUにおける土地の健全さの研究で、オンライン・ジャーナルPolitico.euは、ヨーロッパ農業で、主要作物に対するグリホサート噴霧の影響は、雑草を枯らすのに加え、土壌の健全さに悲惨な結果を与えることも見いだした。

 オーストリアのウィーン天然資源・応用生命科学大学の科学者が、3週間のグリホサート散布で、ミミズの土壌団粒形成活動がほとんど農地表面から消えたことを示した。ミミズは健全な土壌と植物栄養に欠くことができない、土壌団粒形成というのは、ミミズが穴を掘りながら、肥沃土を表面に押しやる活動過程だ。オランダ、ヴァーヘニンゲン大学による、EUの300以上の場所の表土試料の土壌研究で、土壌の83%に、一つかそれ以上の残留農薬が含までいることがわかった。驚くほどのことではないが「グリホサートや、その代謝体AMPA、DDT(DDTとその代謝体)や広域殺菌剤が、土壌試料中で最も頻繁に高濃度で見られる化合物だった」。

 様々な農薬、とりわけ、ラウンドアップのようなグリホサートを基本にしたものの使用は、EU中でも、アメリカ中でも同様に、これまでの40年間にわたって爆発した。農業関連産業は、これが農産物生産性劇的向上の鍵だったと主張する。だがデータを良く見れば、米や小麦やトウモロコシのような主要穀物の平均収量は、1960年から2倍以上になる一方で、グリホサートを基本とする農薬の使用量は15-20倍に増大している。十分奇妙なことに、EUは多くのもののモニターを要求しているのに、土中残留農薬のモニターは、EUレベルでは要求されていない。最近までラウンドアップのような農薬の頻繁な使用の影響は科学研究で無視されてきた。

 土壌専門家の証拠が、グリホサートのような農薬の使用と、土壌肥沃度の劇的下落や、健全な土地に欠くことができない微生物システム崩壊との間の明確な関連を明らかにし始めている。ミミズは最も不可欠なものの一つだ。

 ミミズが健全な土壌養分において重要な役割を果たしていることははっきりしている。そうしたものに欠けている土壌は、我々が健康に良い食事に必要としている不可欠なものを我々から奪う土壌だが、土壌劣化という世界的大問題は、過去40年間にわたり世界規模で出現しているが、農薬使用が世界的に激増したのと同じ時間枠であるの明らかだ。土壌養分循環を強化し、他の有益な土壌微生物を増やし、植物が容易に吸収可能な大量の養分の濃度を高めるので、ミミズは有益だ。

 グリホサートがミミズに対する影響に加えて、作物が養分を吸い上げるのに必要とする特定の菌類やバクテリアを殺すことがはっきりしているのに、どれだけのグリホサートを農作物に散布可能かについて、EUは限度を設定していない。それは大きな盲点だ。

今どこにいるのか?

 いっそう明確になっているのは、EUやアメリカだけでなく、現在モンサントより大量のグリホサートを生産する中国で、グリホサートを基にした農薬の潜在的危険性を、規制機関が、壮大かつ意図的に無視していることだ。モンサントのラウンドアップ特許は切れており、シンジェンタ、浙江新安ケミカル企業集団、SinoHarvestや安徽?星化工有限公司を含む中国企業が、この化学製品の世界最大生産者で、同時に最大消費者にもなっており、有名な中国料理の将来にとって良くない前兆だ。

 グリホサートはモンサント-バイエルのラウンドアップの他、世界中で約750種のブランドの農薬の基本化学成分だ。グリホサート残滓は、水道水、オレンジジュース、子供の尿、母乳、チップス、スナック、ビール、ワイン、シリアル、卵、オートミール、小麦産物や、試験した大半の通常食品で見いだされる。要するに、いたるところにある。

 ところが、確かな証拠にもかかわらず、EUは官僚に権限を与えており、アメリカ環境保護庁は長期間にわたり、徹底的な独立調査が出るまで、有毒化学物質を禁止しないことにして、意図的に無視し続けている。皮肉な人なら、グリホサートを基本とする除草剤に対するこの継続的な公的支援は、単に官僚的な愚かさや無知の問題にとどまらず、それも一役買っているのは確実だが、賄賂だけの問題にとどまらないと思うはずだ。我々の食物連鎖の栄養価は組織的に破壊されているが、それは農業関連産業企業の利益だけの問題にとどまるまい。



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103. 中川隆[-10182] koaQ7Jey 2019年5月24日 08:43:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2162] 報告

世界中が禁止するラウンドアップ 余剰分が日本市場で溢れかえる 2019年5月23日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/11791

遺伝子組換え作物輸入とセットで広がる


モンサント社に抗議するスイスのデモ(18日、バーゼル)

 毎年5月には「反モンサント・デー」(現在は「反バイエル・モンサントデー」)と称して、世界中の農民や労働者など広範な人人が一斉に抗議行動をおこなっている。今年も18日にフランスやスイス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど数百の都市で一斉にデモ行進をおこなった。行動の主眼はモンサントが開発したラウンドアップを含む除草剤への抗議だ。ラウンドアップの発がん性や遺伝子への影響が問題になり、2013年に始まった「反モンサント・デー」は今年で7回目を迎える。抗議行動の高まりのなかで世界各国ではラウンドアップの使用禁止や販売中止、輸入禁止が主な流れになっている。ところがそれに逆行して日本では内閣府食品安全委員会が「ラウンドアップは安全」と承認し、農協が使用を推奨し、ホームセンターなどでも販売合戦に拍車がかかっている。世界中で規制が強化され販売先を失ったラウンドアップが日本市場になだれ込んでいるといえる。ラウンドアップとはどういう除草剤で、なぜ世界各国で使用禁止になっているのかを見てみたい。

 フランスでは18日、「反バイエル・モンサント」デモに世界中から数千人が参加した。この行動に参加したのち、「黄色いベスト」運動のデモにも合流している。フランスは世界第3位の農薬消費国で、ラウンドアップに対して関心が高い。世界中で200万人以上が参加した第1回目の2013年の行動以来、2015年のデモには世界40カ国以上、約400都市で行動がおこなわれるなど、年年規模が大きくなっている。


フランスのロリアンでの抗議デモ(18日)

 今年1月、フランス当局は安全性に問題があるとして、ラウンドアップ除草剤とその関連商品の販売を禁止した。ラウンドアップはベトナム戦争で使われた「枯葉剤」をつくったモンサントが1974年に発売した除草剤で、グリホサートを主成分としている。このグリホサートが猛毒を含んでおり、2015年に世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が「おそらく発がん性がある」と発表し、17年には米国政府の研究で急性骨髄性白血病との関連が発表された。発表したのは米国の国立がん研究所、国立環境健康科学研究所、環境保護庁、国立職業安全健康研究所の共同プロジェクト。急性骨髄性白血病は急速に発達するがんで、5年の生存確率は27%とした。

 同年にはカリフォルニア州がラウンドアップを発がん性物質のリストに載せた。今年2月にはワシントン大学の研究チームが「グリホサートにさらされると発がんリスクが41%増大する」との研究結果を発表した。

 グリホサートは発がん性はもちろん、植物を枯れ死させてしまうが、同様に土壌細菌や腸内細菌も損なう。腸内環境を破壊することでアレルギーなど自己免疫疾患などの原因になったり、神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性が指摘されている。また、生殖に与える影響も懸念されている。精子の数の激減、胎児の発育に影響を与える可能性だけでなく、世代をこえて影響する危険を指摘する研究結果も発表されている。ベトナム戦争で撒かれた枯れ葉剤によってつくられたダイオキシンは三代にわたって影響を与えるといわれるが、グリホサートにも同様に世代をこえた影響が出る可能性も指摘されている。


ホームセンターで販売されているラウンドアップ

 ラウンドアップの危険性が問題にされた歴史は古く、1996年にはモンサントが「食卓塩より安全」「飲んでも大丈夫」「動物にも鳥にも魚にも“事実上毒ではない”」と宣伝していたことに対し、ニューヨークの弁護士が訴訟を起こした。2001年にはフランスでも消費者の権利を守る運動をおこなっている活動家が訴訟を起こした。争点になったのはグリホサート使用による土壌の汚染問題で、EUは「環境に危険であり、水生動物にとって毒である」とした。2007年にモンサントは「嘘の広告」で有罪判決を受け、2009年に判決が認められた。

 2003年にはデンマークがラウンドアップの散布を禁止した。グリホサートが土壌を通り抜けて地下水を汚染していることが明らかになったことによるものだ。

 2008年の科学的研究では、ラウンドアップ製剤とその代謝産物が試験管の中でかなり低い濃度であっても、人間の胚、胎盤、へその緒の細胞に死をもたらすことが明らかになった。代謝産物とは、分解されて除草剤の役目をしなくなった状態のもので、分解されても動物には同じように死をもたらすことが明らかになった。

 2009年のネズミの実験では、思春期の時期にラウンドアップにさらされると生殖の発達に障害を起こす「内分泌腺撹乱」の可能性が発見された。「内分泌腺の撹乱」とは、脳内ホルモンのバランスを崩すことで、体が思うように動かなくなったり、気分を自分でコントロールすることが難しくなることをいう。

 カナダでは2012年末までに全州で芝生や庭での使用を禁止した。

 アメリカでは、長年にわたるラウンドアップの使用によるがん発生が広く問題になり、昨年8月、今年3月と5月の3回にわたってラウンドアップを使用してがんになったとしてモンサント社を訴えていた原告が勝訴した。同様の訴訟は1万3000件以上も起こされている。

 直近の5月13日には、カリフォルニア州の夫婦が「ラウンドアップが原因でがんを発症した」として賠償を求めた訴訟で、州裁判所の陪審はモンサントに対し約20億j(約2200億円)の支払いを命じた。原告1人につき10億jという懲罰的賠償額は、2017年にモンサントが農薬部門で得た利益8億9200万jにもとづくとしている。この評決を歓迎してアメリカの市民団体は、「何十年もの間、モンサントはグリホサートが無害であると農民、農場従事者、農薬散布者、住宅所有者に思わせていた。世論は明らかに変化している。発がん性のある農薬を市場から閉め出し、生態系を守る農業に移行しつつある農家を支援するときが来た」との声明を発表した。

 なお昨年8月の裁判では2億j(後に約8000万jに減額)、今年3月にも8000万jの賠償をバイエル・モンサント側に命ずる判決が下されている。

 こうしたなかで、アメリカではすべての州でラウンドアップの全面禁止を求める運動が開始されている。ニューヨーク州ではラウンドアップを「安全な農薬」と宣伝することが禁止されている。

次々モンサントを告訴 判決は賠償命じる

 フランスでも今年4月、控訴裁判所がモンサントのラウンドアップの一世代前の農薬ラッソーによって農民に神経損傷の被害を与えたとして、モンサントに有罪判決を下した。

 ちなみにラッソーは1980年代にアメリカでもっとも多く売られていた農薬だったが、危険性が問題になり米国環境保護局が発がん性の可能性を認め、フランスを含むEUでは2007年に禁止した。だがアメリカと日本では使われ続けている。日本では日産化学が「日産ラッソー乳剤」として現在も販売している。 

 フランスはラウンドアップに対しても、今年1月に個人向けの販売を禁止した。政府は今後3年をめどに農家向けにも禁止すると公表している。フランスではまた、1700人の医師がつくる連合体がラウンドアップの市場からの一掃を求めて運動を展開している。

 さらに養蜂農家の協同組合がラウンドアップに汚染されたとしてバイエル・モンサントを訴えている。ラウンドアップを多く使用してきたぶどう園などでは、農薬への依存を減らす動きが活発化しており、条件のいい所では100%使用を減らし、条件の厳しい所でも70%農薬の使用を減らす計画であり、ラウンドアップの命運はほぼつきている状況だ。

 2014年にはスウェーデンやノルウェーがラウンドアップの使用を禁止した。オランダ議会は2015年末でグリホサートの使用禁止を決めた。ブラジルでも2015年連邦検察官が司法省にグリホサートを暫定的に使用禁止にするよう求めた。ドイツ、イタリア、オーストリアなど33カ国は2〜3年後には禁止すると表明している。

 スリランカ政府は2014年、ラウンドアップの販売を禁止し、翌2015年にグリホサートの輸入を禁止した。これはカドミウムとヒ素を含む土壌でラウンドアップを使用した場合、飲料水やコメを通して重い慢性腎不全の原因となるとの研究報告を受けてのことだ。

 ロシアも2014年4月、ラウンドアップ耐性遺伝子組み換え食品の輸入を禁止した。アラブ6カ国も使用禁止に踏み切っており、ベトナムなどアジア5カ国やマラウィはグリホサートの輸入禁止を決定している。エルサルバドルやチリ、南アフリカ共和国などもラウンドアップの販売を禁止するか禁止に向けて動いている。

 流通業界では、昨年8月のアメリカでの判決を受けて、イギリスの流通大手がラウンドアップの販売禁止の検討を始めた。アメリカに本社を置くスーパー・コストコも今年4月、ラウンドアップの仕入れと販売をすべて中止することを発表した。コストコは世界に約768の大型店舗があり、日本にも26店舗ある。

別名で店頭に並ぶ日本 政府が「安全」とお墨付き

 このようにラウンドアップの危険性への認識は世界的に拡散されており、店頭でラウンドアップが簡単に手に入るのは先進国では日本ぐらいになっている。

 世界中からはじき出され行き場を失ったラウンドアップが日本市場に一気になだれ込んできており、除草剤では売上トップの座を占めている。日本では日産化学工業が2002年5月にモンサントの日本での農薬除草剤事業を買収し、ラウンドアップの日本での販売権を引き継ぎ、「優れた効力と環境に優しい除草剤」などと宣伝してきた。

 日本政府はすでに世界的に危険性が明確になっていた2016年に「グリホサートの安全性を確認した」との評価書を公表した。この評価書を前提に2017年12月には、グリホサートの残留農薬基準を大幅に緩和した。小麦で6倍、ソバで150倍、ゴマで200倍、ベニバナの種子で400倍というけた違いの大幅緩和だ。しかもこのことをマスコミは一切報道しなかった。これによってグリホサートの残留基準は中国の基準の150倍になった。中国からの輸入野菜が農薬まみれで危険だと問題にしていたが、その中国産野菜の方がまだましという殺人的な状況になっている。

 また、ラウンドアップの主成分であるグリホサート剤はすでに成分特許が切れており、さまざまな名前で同剤が販売されている。そのなかには住友化学園芸の「草退治」などがある。

 ラウンドアップは日本の店頭では「もっとも安全な除草剤」とか「驚異の除草力」とかいった宣伝文句で販売されている。農協の販売ルートにも乗っており、ホームセンターやドラッグストア、100均などでも大大的に扱っている。またテレビCMや新聞広告もされ、危険性についての説明は一切なく、警戒心なしに購入し使用しているのが現状だ。

 モンサント社が遺伝子組み換え作物を開発したのは、ラウンドアップに耐性のある農作物をつくり、セットで販売するためだった。ラウンドアップの販売促進は遺伝子組み換え作物導入とセットでもある。日本は世界で最大級の遺伝子組み換え作物輸入国で、日本の遺伝子組み換え食品表示は世界の制度のなかでも緩いため、日本の消費者は知らないうちに大量の遺伝子組み換え食品を食べさせられている。

 モンサントのホームページでは「日本は海外から大量のトウモロコシ、大豆など穀物を輸入しており、その数量は合計で年間約3100万dに及ぶ。その半分以上(1600万〜1700万d=日本のコメの生産量の約2倍)は遺伝子組み換え作物」で「日本の食生活安定に大きく貢献している」とし、ラウンドアップとともに「是非、遺伝子組み換え作物の効果やメリットを目で見て、肌で感じて」ほしいと豪語している。

 こうしたモンサントの要求に応えて、日本政府はモンサントの遺伝子組み換え作物をアメリカ政府以上に承認していることも明らかになっている。TPP11の発効や今後の日米貿易協定などを通じて、今まで以上に遺伝子組み換え作物輸入の圧力がかかってくることは必至だ。

 モンサント社(昨年ドイツのバイエル社が買収)はアメリカのミズーリ州に本社を構える多国籍バイオ化学メーカー。除草剤ラウンドアップが主力商品で、遺伝子組み換え種子の世界シェアは90%であり、世界の食料市場をほぼ独占している巨大なグローバル企業だ。同社は、人間の健康および環境の両方に脅威を与えているという理由から健康情報サイトでは2011年の世界最悪の企業にも選ばれている。

 ラウンドアップが世界中で禁止され閉め出されるなかで、唯一日本政府がモンサントの救世主となって一手に引き受ける段取りをとり、日本市場になだれをうって持ち込まれている。国民の健康や生命を危険にさらし、子子孫孫の繁栄にもかかわる国益をモンサントという一私企業に売り飛ばしていることを暴露している。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/11791

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104. 中川隆[-9268] koaQ7Jey 2019年6月26日 19:44:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3236] 報告

2019.06.26
食パンブーム 毒入り危険食べたら死ぬで グリホサート入り輸入小麦
https://golden-tamatama.com/blog-entry-poison-imported-grisosart-wheat.html

さて、その昔、グリコ森永事件というのがあって。

こういうのが流行りますたよね。

ワタスは前も書いたんですが。

どうも、パンを食べると体の調子が悪くなる。
手の甲が荒れてきて痒くなってしまう。

でしばらく食べないと治る。

やっぱり小麦が怪しい。

ワタスはそのため、ずーっと前から小麦製品はあまり食べないようにしてます。
最近はチェーン店のラーメンも食べない。

チェーン店は激安の輸入小麦で作ってるからです。

最近はこんな本がいっぱい出てます。

以下を見ると
つぁああああ。

なんだか最近、米国、EUでは大変なことになっているとか。

山田正彦さん(元農林水産大臣)のブログにそう載ってますた。

輸入小麦を食べると脳神経をやられるモンサントのグリホサートを摂取してしまう。
そして遺伝子の作用にも悪影響がある。

日本人に癌とか痴呆症が急増してるのはやっぱり輸入小麦のせいなのか。
日本では一切報道されてない。


日本では報道されませんが 、米国、EUでは今大変なことが 起きています。

日本では報道されませんが 、米国、EUでは 今大変なことが 起きています。 最後まで読んでよければシェア拡散して頂けませんか。

最近、モンサントにラウンドアップで癌になったとして、米国では3件目の判決、癌患者夫婦に2200億円の賠償を命じる判決がでました。
 
まだ同様の裁判が1万1000件申し立てされて現在審議中ですが、これからも続々と判決がだされそうです。
 
昨年モンサントを買収したドイツのバイエル社は株価が5割下がって、ついに買収した農業部門から1万1000人のリストラを発表しました。
 
バイエル社そのものも、このままでは傾くのではないかと噂されているほどです。
 
・・
恐いことに米国、カナダ、オーストラリアでは小麦などの収穫前に乾燥の手間を省くためにラウンドアップを散布しているのです。
 
農水省は10年前から米国などから輸入される小麦のほぼ全量からグリホサートが検出されたにもかかわらず、小麦商品の調査すらしなかったのです。
 
最近、日消連で調査したところ日清製粉等大手3社の小麦粉等からグリホサートが検出されたのです。
 
グリホサートは癌になるだけでなく、脳神経を直接侵すものとして、米国では発達障害の原因のひとつだと指摘されています。
 
モンサントはこれまで尿としてすぐに排泄されるので心配はいらないと 主張してきました。
 
しかし、私たちは日本人の体の中に グリホサートが蓄積されているのではと考え、フランスのクズサイエンスに毛髪を送って検査していただきました。
 
ようやく国会議員 23人を含む28人からの62品目の全ての毛髪検査結果が出揃いました。 
なんと28人中21人から 70%の割合でグリホサートが検出されたのです。 恥ずかしいことに私からも検出されました。
 
農薬の毒性を研究されている、木村ー黒田純子博士も高い割合 に驚いていました。 
同博士の話では、グリホサートはラットの実験で2代3代と、代を重ねるごとに異常が増幅されるそうで、 許容される値はないそうです。
 
遺伝子そのものを直接害するものではなく遺伝子のスイッチ部分をオフにするものだそうで、私達の孫やひ孫が心配になります。
 
昨日、今日と検査結果を国会議員の先生方に各々に説明に回りました。
 
国会議員の先生方もこの結果に驚いていましたが、近く女性議員を中心に記者会見してその内容を公表して頂けるようです

いや、脳神経をぶっ壊し、遺伝子のスイッチをオフにする。

グリホサート入りの輸入小麦。
要するに生物兵器なんですね。
日本人を絶滅させようと送り込まれてる食品兵器。

以下も日刊ゲンダイさんより


国会議員らの毛髪検査で…発がん性「農薬」検出7割の驚愕


発がん性の疑いがある農薬「グリホサート」をどれくらい摂取しているのか――。国会議員らの毛髪を使って検査したところ、驚くべき結果が出た。山田正彦元農相が共同代表を務める「デトックス・プロジェクト・ジャパン」(DPJ)が21日、参院議員会館で開いた会合で明らかにした。

 旧米モンサント(現在は独バイエルが買収)の除草剤「ラウンドアップ」に含まれるグリホサートについて、世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が、毒性や発がん性の懸念があるとしている。欧州など海外では使用禁止や規制強化に動いているのに、日本は2017年12月、残留基準が大幅に緩和され、小麦は改正前の6倍、ソバは150倍に引き上げられた。「100円ショップ」には、グリホサートを含む除草剤がたくさん並ぶ。

 DPJは21日、日本の“グリホサート漬け”の実態を探るため、「検査プロジェクト」を立ち上げ、広く参加を呼びかけたのだが、それに先立って、国会議員23人を含む28人分の毛髪を仏の機関で検査した結果を発表した。グリホサートか、グリホサートが分解してできるAMPAが検出されれば、グリホサートが体内に存在していたことになる。

〈両方検出〉4人
〈グリホサート〉4人
〈AMPA〉11人
〈検出せず〉9人

 28人中、実に7割にあたる19人から検出されたのだ。

アメリカやEUではバレて来た。
確かに見るとバイエル社(2018年モンサントを買収)の株。

めっちゃ下がってます。


https://golden-tamatama.com/wp-content/uploads/2019/06/WS20180618AZC21AGAG001235.jpg

日本人は未だ目覚めずに、食パンブームとか。

食・グルメ 2019.06.07
食パンブームはまだまだ続く!?一度は食べたい関東の絶品食パン5選
https://rurubu.jp/andmore/article/7877?utm_source=antenna

今、食パンが大ブーム!おいしいお店を探し歩いているという人もいるのでは?都内近郊にも、絶品食パンを購入できるお店がたくさんあります。そこで今回は、王道から変わり種まで、おいしい食パンを販売するパン屋さんをまとめました。どこも1度は行ってほしい名店ばかり。ぜひ参考にしてくださいね。


Summary
10種類の食パン専門店「VIKING BAKERY F」
1日40本限定で作られている食パン「nichinichi」
噛むほど広がる小豆の食感食パン専門店「あずき」
絹のようにきめ細やかで口溶けのよさ「銀座に志かわ本店」
毎日多くの行列ができる大人気店「考えた人すごいわ」


10種類の食パン専門店「VIKING BAKERY F」
https://rurubu.jp/andmore/article/7877?utm_source=antenna


いやはや。
グリホサートを丹念にまぶした食パンブーム。

ワタスはすぐに体に反応が出るのに。
都民は感覚が麻痺してるんでしょうかね。
https://golden-tamatama.com/blog-entry-poison-imported-grisosart-wheat.html

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105. 中川隆[-9264] koaQ7Jey 2019年6月29日 18:51:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3285] 報告
世界中が禁止するラウンドアップ 余剰分が日本市場で溢れかえる 2019年5月23日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/11791


遺伝子組換え作物輸入とセットで広がる


モンサント社に抗議するスイスのデモ(18日、バーゼル)

 毎年5月には「反モンサント・デー」(現在は「反バイエル・モンサントデー」)と称して、世界中の農民や労働者など広範な人人が一斉に抗議行動をおこなっている。今年も18日にフランスやスイス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど数百の都市で一斉にデモ行進をおこなった。行動の主眼はモンサントが開発したラウンドアップを含む除草剤への抗議だ。ラウンドアップの発がん性や遺伝子への影響が問題になり、2013年に始まった「反モンサント・デー」は今年で7回目を迎える。抗議行動の高まりのなかで世界各国ではラウンドアップの使用禁止や販売中止、輸入禁止が主な流れになっている。ところがそれに逆行して日本では内閣府食品安全委員会が「ラウンドアップは安全」と承認し、農協が使用を推奨し、ホームセンターなどでも販売合戦に拍車がかかっている。世界中で規制が強化され販売先を失ったラウンドアップが日本市場になだれ込んでいるといえる。ラウンドアップとはどういう除草剤で、なぜ世界各国で使用禁止になっているのかを見てみたい。

 フランスでは18日、「反バイエル・モンサント」デモに世界中から数千人が参加した。この行動に参加したのち、「黄色いベスト」運動のデモにも合流している。フランスは世界第3位の農薬消費国で、ラウンドアップに対して関心が高い。世界中で200万人以上が参加した第1回目の2013年の行動以来、2015年のデモには世界40カ国以上、約400都市で行動がおこなわれるなど、年年規模が大きくなっている。


フランスのロリアンでの抗議デモ(18日)

 今年1月、フランス当局は安全性に問題があるとして、ラウンドアップ除草剤とその関連商品の販売を禁止した。ラウンドアップはベトナム戦争で使われた「枯葉剤」をつくったモンサントが1974年に発売した除草剤で、グリホサートを主成分としている。このグリホサートが猛毒を含んでおり、2015年に世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が「おそらく発がん性がある」と発表し、17年には米国政府の研究で急性骨髄性白血病との関連が発表された。発表したのは米国の国立がん研究所、国立環境健康科学研究所、環境保護庁、国立職業安全健康研究所の共同プロジェクト。急性骨髄性白血病は急速に発達するがんで、5年の生存確率は27%とした。

 同年にはカリフォルニア州がラウンドアップを発がん性物質のリストに載せた。今年2月にはワシントン大学の研究チームが「グリホサートにさらされると発がんリスクが41%増大する」との研究結果を発表した。

 グリホサートは発がん性はもちろん、植物を枯れ死させてしまうが、同様に土壌細菌や腸内細菌も損なう。腸内環境を破壊することでアレルギーなど自己免疫疾患などの原因になったり、神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性が指摘されている。また、生殖に与える影響も懸念されている。精子の数の激減、胎児の発育に影響を与える可能性だけでなく、世代をこえて影響する危険を指摘する研究結果も発表されている。ベトナム戦争で撒かれた枯れ葉剤によってつくられたダイオキシンは三代にわたって影響を与えるといわれるが、グリホサートにも同様に世代をこえた影響が出る可能性も指摘されている。


ホームセンターで販売されているラウンドアップ

 ラウンドアップの危険性が問題にされた歴史は古く、1996年にはモンサントが「食卓塩より安全」「飲んでも大丈夫」「動物にも鳥にも魚にも“事実上毒ではない”」と宣伝していたことに対し、ニューヨークの弁護士が訴訟を起こした。2001年にはフランスでも消費者の権利を守る運動をおこなっている活動家が訴訟を起こした。争点になったのはグリホサート使用による土壌の汚染問題で、EUは「環境に危険であり、水生動物にとって毒である」とした。2007年にモンサントは「嘘の広告」で有罪判決を受け、2009年に判決が認められた。

 2003年にはデンマークがラウンドアップの散布を禁止した。グリホサートが土壌を通り抜けて地下水を汚染していることが明らかになったことによるものだ。

 2008年の科学的研究では、ラウンドアップ製剤とその代謝産物が試験管の中でかなり低い濃度であっても、人間の胚、胎盤、へその緒の細胞に死をもたらすことが明らかになった。代謝産物とは、分解されて除草剤の役目をしなくなった状態のもので、分解されても動物には同じように死をもたらすことが明らかになった。

 2009年のネズミの実験では、思春期の時期にラウンドアップにさらされると生殖の発達に障害を起こす「内分泌腺撹乱」の可能性が発見された。「内分泌腺の撹乱」とは、脳内ホルモンのバランスを崩すことで、体が思うように動かなくなったり、気分を自分でコントロールすることが難しくなることをいう。

 カナダでは2012年末までに全州で芝生や庭での使用を禁止した。

 アメリカでは、長年にわたるラウンドアップの使用によるがん発生が広く問題になり、昨年8月、今年3月と5月の3回にわたってラウンドアップを使用してがんになったとしてモンサント社を訴えていた原告が勝訴した。同様の訴訟は1万3000件以上も起こされている。

 直近の5月13日には、カリフォルニア州の夫婦が「ラウンドアップが原因でがんを発症した」として賠償を求めた訴訟で、州裁判所の陪審はモンサントに対し約20億j(約2200億円)の支払いを命じた。原告1人につき10億jという懲罰的賠償額は、2017年にモンサントが農薬部門で得た利益8億9200万jにもとづくとしている。この評決を歓迎してアメリカの市民団体は、「何十年もの間、モンサントはグリホサートが無害であると農民、農場従事者、農薬散布者、住宅所有者に思わせていた。世論は明らかに変化している。発がん性のある農薬を市場から閉め出し、生態系を守る農業に移行しつつある農家を支援するときが来た」との声明を発表した。

 なお昨年8月の裁判では2億j(後に約8000万jに減額)、今年3月にも8000万jの賠償をバイエル・モンサント側に命ずる判決が下されている。

 こうしたなかで、アメリカではすべての州でラウンドアップの全面禁止を求める運動が開始されている。ニューヨーク州ではラウンドアップを「安全な農薬」と宣伝することが禁止されている。

次々モンサントを告訴 判決は賠償命じる

 フランスでも今年4月、控訴裁判所がモンサントのラウンドアップの一世代前の農薬ラッソーによって農民に神経損傷の被害を与えたとして、モンサントに有罪判決を下した。

 ちなみにラッソーは1980年代にアメリカでもっとも多く売られていた農薬だったが、危険性が問題になり米国環境保護局が発がん性の可能性を認め、フランスを含むEUでは2007年に禁止した。だがアメリカと日本では使われ続けている。日本では日産化学が「日産ラッソー乳剤」として現在も販売している。 

 フランスはラウンドアップに対しても、今年1月に個人向けの販売を禁止した。政府は今後3年をめどに農家向けにも禁止すると公表している。フランスではまた、1700人の医師がつくる連合体がラウンドアップの市場からの一掃を求めて運動を展開している。

 さらに養蜂農家の協同組合がラウンドアップに汚染されたとしてバイエル・モンサントを訴えている。ラウンドアップを多く使用してきたぶどう園などでは、農薬への依存を減らす動きが活発化しており、条件のいい所では100%使用を減らし、条件の厳しい所でも70%農薬の使用を減らす計画であり、ラウンドアップの命運はほぼつきている状況だ。

 2014年にはスウェーデンやノルウェーがラウンドアップの使用を禁止した。オランダ議会は2015年末でグリホサートの使用禁止を決めた。ブラジルでも2015年連邦検察官が司法省にグリホサートを暫定的に使用禁止にするよう求めた。ドイツ、イタリア、オーストリアなど33カ国は2〜3年後には禁止すると表明している。

 スリランカ政府は2014年、ラウンドアップの販売を禁止し、翌2015年にグリホサートの輸入を禁止した。これはカドミウムとヒ素を含む土壌でラウンドアップを使用した場合、飲料水やコメを通して重い慢性腎不全の原因となるとの研究報告を受けてのことだ。

 ロシアも2014年4月、ラウンドアップ耐性遺伝子組み換え食品の輸入を禁止した。アラブ6カ国も使用禁止に踏み切っており、ベトナムなどアジア5カ国やマラウィはグリホサートの輸入禁止を決定している。エルサルバドルやチリ、南アフリカ共和国などもラウンドアップの販売を禁止するか禁止に向けて動いている。

 流通業界では、昨年8月のアメリカでの判決を受けて、イギリスの流通大手がラウンドアップの販売禁止の検討を始めた。アメリカに本社を置くスーパー・コストコも今年4月、ラウンドアップの仕入れと販売をすべて中止することを発表した。コストコは世界に約768の大型店舗があり、日本にも26店舗ある。

別名で店頭に並ぶ日本 政府が「安全」とお墨付き

 このようにラウンドアップの危険性への認識は世界的に拡散されており、店頭でラウンドアップが簡単に手に入るのは先進国では日本ぐらいになっている。

 世界中からはじき出され行き場を失ったラウンドアップが日本市場に一気になだれ込んできており、除草剤では売上トップの座を占めている。日本では日産化学工業が2002年5月にモンサントの日本での農薬除草剤事業を買収し、ラウンドアップの日本での販売権を引き継ぎ、「優れた効力と環境に優しい除草剤」などと宣伝してきた。

 日本政府はすでに世界的に危険性が明確になっていた2016年に「グリホサートの安全性を確認した」との評価書を公表した。この評価書を前提に2017年12月には、グリホサートの残留農薬基準を大幅に緩和した。小麦で6倍、ソバで150倍、ゴマで200倍、ベニバナの種子で400倍というけた違いの大幅緩和だ。しかもこのことをマスコミは一切報道しなかった。これによってグリホサートの残留基準は中国の基準の150倍になった。中国からの輸入野菜が農薬まみれで危険だと問題にしていたが、その中国産野菜の方がまだましという殺人的な状況になっている。

 また、ラウンドアップの主成分であるグリホサート剤はすでに成分特許が切れており、さまざまな名前で同剤が販売されている。そのなかには住友化学園芸の「草退治」などがある。

 ラウンドアップは日本の店頭では「もっとも安全な除草剤」とか「驚異の除草力」とかいった宣伝文句で販売されている。農協の販売ルートにも乗っており、ホームセンターやドラッグストア、100均などでも大大的に扱っている。またテレビCMや新聞広告もされ、危険性についての説明は一切なく、警戒心なしに購入し使用しているのが現状だ。

 モンサント社が遺伝子組み換え作物を開発したのは、ラウンドアップに耐性のある農作物をつくり、セットで販売するためだった。ラウンドアップの販売促進は遺伝子組み換え作物導入とセットでもある。日本は世界で最大級の遺伝子組み換え作物輸入国で、日本の遺伝子組み換え食品表示は世界の制度のなかでも緩いため、日本の消費者は知らないうちに大量の遺伝子組み換え食品を食べさせられている。

 モンサントのホームページでは「日本は海外から大量のトウモロコシ、大豆など穀物を輸入しており、その数量は合計で年間約3100万dに及ぶ。その半分以上(1600万〜1700万d=日本のコメの生産量の約2倍)は遺伝子組み換え作物」で「日本の食生活安定に大きく貢献している」とし、ラウンドアップとともに「是非、遺伝子組み換え作物の効果やメリットを目で見て、肌で感じて」ほしいと豪語している。

 こうしたモンサントの要求に応えて、日本政府はモンサントの遺伝子組み換え作物をアメリカ政府以上に承認していることも明らかになっている。TPP11の発効や今後の日米貿易協定などを通じて、今まで以上に遺伝子組み換え作物輸入の圧力がかかってくることは必至だ。

 モンサント社(昨年ドイツのバイエル社が買収)はアメリカのミズーリ州に本社を構える多国籍バイオ化学メーカー。除草剤ラウンドアップが主力商品で、遺伝子組み換え種子の世界シェアは90%であり、世界の食料市場をほぼ独占している巨大なグローバル企業だ。同社は、人間の健康および環境の両方に脅威を与えているという理由から健康情報サイトでは2011年の世界最悪の企業にも選ばれている。

 ラウンドアップが世界中で禁止され閉め出されるなかで、唯一日本政府がモンサントの救世主となって一手に引き受ける段取りをとり、日本市場になだれをうって持ち込まれている。国民の健康や生命を危険にさらし、子子孫孫の繁栄にもかかわる国益をモンサントという一私企業に売り飛ばしていることを暴露している。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/11791

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

106. 中川隆[-9220] koaQ7Jey 2019年7月01日 08:21:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3341] 報告

2019年07月01日
コーヒー豆の価格 高級豆でも1杯2円しか農家に渡っていない

フェアトレードでもそうでなくても、一杯あたり2円しか農家に渡らないのは同じ


画像引用:http://www.kaanapalicoffeefarms.com/

コーヒーブームなのに農家は赤字

世界的なコーヒーブームによってコーヒーの需要が増加し、日本でのコーヒー消費量は増加している。

国内消費量は平成10年に35万トンだったのが、平成30年に45万トンに増加していました。

喫茶店では1杯400円のコーヒーが飛ぶように売れ、コンビニなどでは100円コーヒーが売られている。




ところで日本人が100円から500円で飲んでいるコーヒー代金のうち、生産者や労働者に渡っている金額は1%前後でしかない。

1杯のコーヒーを入れるには約10g必要だが、2018年にアラビカ豆は1ポンド(453g)1ドル以下で生産者から買い付けている。

このコーヒー豆10gを使って1杯400円のコーヒーを売ると、生産者が受け取るのは2.2円ほどになる。


コーヒー豆価格は2019年になってさらに下落し、世界の多くの農家はかけた費用以下の価格で販売している。

コロンビアの山岳地帯で栽培されている最高級の生豆は、1袋(12.5キロ)平均21ドル(約2300円)で買い取られている。

計算すると10gあたり1.84円という事で、例えばカフェで最高級の豆で淹れたコーヒーを注文しても、農家に支払われるのは2円以下です。


コーヒー農家の貧困は以前世界的な問題になり、解決策としてフェアトレードが広まりました。

国際フェアトレード認証ラベルというものが公正に取引された証として張られ、「フェアトレード認証製品」として販売されています。

ところがこのフェアトレード導入によって、コーヒー豆価格がさらに下落し、農家はさらなる貧困に貶められました。

フェアトレードなのに価格下落

フェアトレードなんだからコーヒー豆を高値で買うような気がしますが、事実はまったく逆でフェアトレードでさらに値下がりしました。

コーヒー豆は10g2円ほどに下落したのですが、フェアトレード導入前はその2倍はありました。

最低保証価格は1ポンド当たり140セントで有機認証だと170セントなのですが、これは10g4円以上になる筈です。


ところが実際にコロンビアなどでフェアトレード認証を受けた生豆が、10g2円以下で買い付けされ、日本やアメリカのカフェでは一杯400円で売られています。

こうした事実を見るとフェアトレードは現実の生産地では有名無実で、「フェアトレードしている」というアリバイ作りに利用されているようです。

コーヒー豆農家と日本のお茶農家を比較すると、コーヒー豆がいかに狂った市場なのかが分かります。


農水省などによると日本の茶農家の平均所得は1000万円ほどだが、家族数人でやっているので1人当たりの年収は日本の平均を下回っている。

これは問題だと農水省は言っているのだが、世界のコーヒー農家と比べると夢のような高収入です。

コーヒーと緑茶の栽培はどちらも難しく、豆と茶葉の価格もあまり変わらない。


スーパーで売られている茶葉は100g500円くらいで、コーヒー豆は200g500円くらいでしょう。

お茶一杯分の茶葉は約2g、コーヒー一杯分の豆は約10g、一杯分の小売り価格としては茶葉のほうが安いです。

にも拘わらず茶農家は一人年収数百万円、コーヒー農家は年収10万円程度だったりするのです。


違いは日本の茶葉は農協や農水省、あるいは販売業者が直接買い取っているが、コーヒーは世界的な農業メジャーが仲介している事です。

コロンビアのコーヒー豆農家を救えるのは、もしかしたら日本の農水省の役人かも知れません。
http://www.thutmosev.com/archives/80219759.html

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107. 中川隆[-9222] koaQ7Jey 2019年7月02日 09:33:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3357] 報告
輸入小麦使用の食パン、発がん性あるグリホサート検出…世界で使用禁止の動き、日本は緩和
https://biz-journal.jp/2019/07/post_106840.html
2019.07.01 文=小倉正行/フリーライター Business Journal


「Gettyimages」より


 高級食パンブームのなか、輸入小麦を原料としている食パンから、2015年7月にWHO(世界保健機関)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)が「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と結論づけたグリホサートが検出された。検査を行った農民連食品分析センターが4月12日に公表した。それによると、国内に流通している食パンおよび菓子パン15製品を検査し、そのうち食パン9製品、菓子パン2製品からグリホサートを検出(痕跡を含む)したという。具体的に検出された製品は、以下のとおり。

・敷島製パン「麦のめぐみ全粒粉入り食パン」(グリホサート検出量0.15ppm)

・山崎製パン「ダブルソフト全粒粉」(同0.18ppm)

・パンリゾッタ東武池袋「全粒粉ドーム食パン」(同0.17ppm)

・株式会社マルジュー「健康志向全粒粉食パン」(同0.23ppm)

・山崎製パン「ヤマザキダブルソフト」(同0.10ppm)

・山崎製パン「ヤマザキ超芳醇」(同0.07ppm)

・敷島製パン「Pasco超熟」(同0.07ppm)

・フジパン「本仕込み」(同0.07ppm)

・神戸屋「朝からさっくり食パン」(同0.08ppm)

・フジパン「アンパンマンのミニスナック」(同0.05ppm)

・フジパン「アンパンマンのミニスナックバナナ」(同痕跡)

 ちなみに国産小麦を原料としている食パンからは、グリホサートは検出されなかった。

 このグリホサートは、米モンサント社の除草剤「ラウンドアップ」に含まれる化学物質で、前述のように2015年7月にIARCが、非ホジキンリンパ腫との関連が認められ「ヒトに対しておそらく発がん性がある」(Group2A)と評価された。また、18年8月には米国カリフォルニア州裁判所が、ラウンドアップを使って非ホジキンリンパ腫になったとして2億9000万ドルの賠償をモンサント社に命ずる判決が下されている。

■日本では残留農薬基準の大幅緩和

 世界的にはIARCによる報告以降、以下のとおりグリホサートを排除する動向が強まっている。

・15年:ドイツの大手ホームセンターがグリホサートを含む製品の取り扱い中止

・同:スリランカがグリホサートの輸入を禁止

・同:コロンビアがグリホサートを主成分とする製品の散布禁止

・16年:EU委員会はグリホサートについて加盟国に規制強化を要求。イタリアは、公園や市街地、学校、医療施設周辺などでのグリホサートの使用禁止

・17年:スウェーデン、ベルギーなどがグリホサートの個人使用禁止

・同:米国カリフォルニア州がグリホサートを発がん性物質リストに登載の方針を発表

・18年:チェコが2019年からグリホサート使用を全面禁止

・19年:ベトナムがグリホサートを含む除草剤の輸入を禁止

・同:インドではパンジャブ州など4州に続きケララ州がグリホサートの販売を禁止

 このような世界的な動きに逆行していると言えるのが日本の動向である。日本では、ホームセンターでグリホサートが含まれているラウンドアップが堂々と売られ、個人も含めて使用されている。

 それだけではない。日本政府は昨年12月、農薬メーカーの求めに応じてグリホサートの残留農薬基準の大幅緩和を実施したのである。これにより残留農薬基準は、以下のとおり大幅に緩和された。

・小麦:5ppm→30ppm

・ライ麦:0.2ppm→30ppm

・トウモロコシ:1ppm→5ppm

・そば:0.2ppm→30ppm

・ごま種子0.2ppm→40ppm

 これは、海外の農業生産における全面使用を前提とする残留農薬基準設定であるが、このような基準であれば、今後も輸入小麦を原料とする食パンにはグリホサートが残留することになる。消費者は、国産小麦を原料とする食パンを選ぶか、残留農薬基準の見直しを求めるかどちらかを選択しなければならない事態に直面している。


[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

108. 中川隆[-9221] koaQ7Jey 2019年7月02日 10:51:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3358] 報告

小麦にグリホサートが残っていて当たり前です。

だって、収穫の無駄がない様にと、わざわざ収穫前に枯葉剤を撒いて、確実に枯らせてから収穫してるんです。

昔は小麦を食べてリーキーガット(小麦に含まれるグルテン〈グルテンとはいわばグルー、接着成分〉が腸壁にへばり付いて、腸壁を剥がしてしまう)が起こっても、大丈夫だったけど、

今は、リーキーガットで空いた穴からグリホサートや、その他の化学物質が体内に入り、血管を通って脳をはじめ全身を巡り、体調を崩すことが分かっています。それがもとで、「グルテンフリー」が騒がれ始めたっていうことです。

http://ichoice-coop.com/aichi-news/2015/04/16/%E3%80%8C%E3%81%88%EF%BD%9E%E3%81%A3%EF%BC%81%EF%BC%81%E6%9E%AF%E8%91%89%E5%89%A4%E3%81%BE%E3%81%BF%E3%82%8C%E3%81%AE%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%81%8C%E9%A3%9F%E5%8D%93%E3%81%AB%EF%BC%9F%EF%BC%81/

『原因を調査した結果、収穫前の小麦にグリホサートが散布されていることが判明した。』

「え〜っ!!枯葉剤まみれのダイズが食卓に?!」
Posted on 2015年4月16日 by あいち生協

世界最大のGM作物輸入国といわれる日本。

大量のGMダイズ、トウモロコシ、ナタネ等が輸入され、

食用油や家畜飼料、加工食品となって食卓に上っています。

日本では報道されませんが、GM作物栽培国では、様々な健康被害が出ています。

また、特定の除草剤耐性作物を栽培し続けた結果、除草剤が効かなくなり、散布量が増えていきました。

しかし、それでも手に負えなくなり、今度は更に毒性の強い枯葉剤耐性のGM作物が登場。

日本に入って来る日もそう遠くはありません。

海外でのGMによる健康被害の実態、枯葉剤の危険性などについて、

印鑰智哉さん、河田昌東さんのお二人から解説がありました。

IMG_3692.jpg

ピースくん.jpg講演の内容は動画でもご覧いただけます。    

15/4/12 印鑰智哉(いんやくともや)氏講演

2015/4/12 河田昌東(かわたまさはる)氏講演


DSC_0246.jpg

印鑰智哉さん(オルタートレードジャパン政策室)

印鑰さん講演資料

【海外の様々な健康被害】

・グリホサートを空中散布している地域で健康被害を調査した結果、

国の基準の41倍もの癌発生率が判明(アルゼンチン)

・水牛にBTコーンを与え続けた結果、水牛が死亡。生産者自身も食べてみたらお腹を壊した。(フィリピン)

・GM作物の栽培が始まった1996年から栽培面積の増加に比例して糖尿病、甲状腺癌の発生率が上昇。認知症や子どもの自閉症も急増している。(アメリカ)

・粉ミルクにGM大豆、コーンが使用されていることから、小児にアレルギーやてんかんの症状が発生。粉ミルク、GM作物の摂食を避け、母乳を与えていた母親の母乳からもグリホサートが検出され、170箇所でデモが起きた。 原因を調査した結果、収穫前の小麦にグリホサートが散布されていることが判明した。(アメリカ)

【作物の栄養とGM】

・世界中で栄養失調が増えている。

GM作物ではビタミンが失われている可能性があり、そのことが原因ではないかと指摘されている。

【GM技術最近の動向】

・切っても切り口が変色しないGMリンゴ

・通常7年かかって育つところ、わずか4年で育つGMユーカリ

・生まれた幼虫をすぐに死滅させるGM雄蚊。

(デング熱発生の多いブラジルで実験したところ、蚊に耐性が生まれデング熱が大発生)

・コンピュータで遺伝子を作った(合成生物学) パーム油、バニラなどが間もなく実用化。

<用語解説>

※GM・・・遺伝子組換え

※グリホサート・・・米モンサント社が開発した除草剤「ラウンドアップ」の主成分

※BTコーン・・・殺虫作用のあるたんぱく質が組み込まれたトウモロコシ

DSC_0241.jpg

河田昌東さん(遺伝子組換え情報室)

河田さん講演資料

【有機塩素系農薬2,4-Dとジカンバについて】

@2,4-D

・1940年にモンサント社とダウケミカル社が開発

・ダウ・アグロサイエンス社が2,4-D耐性トウモロコシを開発

・人間では、吐気、下痢、頭痛、めまい、錯乱、異常行動などの急性毒性

パーキンソン病、非ホジキン白血病、精子の異常など慢性毒性

Aジカンバ

・1960年代にBSF社が開発

・モンサント社がジカンバ耐性大豆と綿を開発

・製造工程でダイオキシン混入の可能性がある

・動物では、筋緊張、歩行異常、体重増加抑制、肝細胞肥大、貧血などの毒性

・分解物でも毒性を発揮

【近年の動向】

・殺虫成分と2,4-D耐性を合わせ持つトウモロコシが開発され、日本でも既に認可されている。

・日本政府は、主要GMO栽培国アメリカやカナダでも栽培がされていないうちから、

枯葉剤耐性作物の栽培と食品としての利用を承認している。

≪日本政府と他国の認可状況≫

2013年10月  農水省 ジカンバ耐性大豆栽培承認

2014年02月  厚労省 ジカンバ耐性×ラウンドアップ耐性大豆の食品認可

          農水省 ジカンバ耐性×ラウンドアップ耐性大豆栽培承認

2014年10月  アメリカ 2,4-D耐性トウモロコシ認可

2015年01月  アメリカ ジカンバ耐性大豆、ジカンバ耐性綿認可

2015年04月  カナダ  2,4-D耐性トウモロコシ認可

         カナダ  2,4-D耐性大豆認可

          カナダ  2,4-D耐性×ラウンドアップ耐性大豆認可

Posted in 遺伝子組み換え
http://ichoice-coop.com/aichi-news/2015/04/16/%E3%80%8C%E3%81%88%EF%BD%9E%E3%81%A3%EF%BC%81%EF%BC%81%E6%9E%AF%E8%91%89%E5%89%A4%E3%81%BE%E3%81%BF%E3%82%8C%E3%81%AE%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%81%8C%E9%A3%9F%E5%8D%93%E3%81%AB%EF%BC%9F%EF%BC%81/

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109. 中川隆[-9227] koaQ7Jey 2019年7月02日 22:17:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3368] 報告

世界に広がる除草農薬グリホサートの黙示録
2019年3月3日のアメリカのブログ記事より
https://indeep.jp/glyphosate-apoclypse-is-coming-soon/

グリホサートが世界中の食べ物や飲み物に

少し前のメルマガで、モンサント社の「ラウンドアップ」という除草剤の主要成分の「グリホサート」というものについてふれたことがありました。

アメリカの研究で、

「アメリカ国内で市販されている各社のオレンジジュース中の、グリホサートの残留量を計測した」

というデータがありまして、それを掲載したものでした。

日本で販売されているものではないですので、私たちの消費と直接関係あるものかどうかはわからないですけれど、しかしまあ…日本で売られている、いわゆる「濃縮還元」ジュースも、ある程度は似たような状態である可能性はあるのかなと。

私自身の家では、今は濃縮還元ジュースを飲まないのですけれど、最近はさまざまなジュース類を含めて、いろいろ残留している可能性は高いです。

そんなわけで、グリホサートについては、やや興味があるのですが、昨日、アメリカのゼロヘッジの記事で、

「英国の女性科学者が、ヨーロッパの農薬の規制当局と農薬企業が癒着していると告発した」

というような記事が書かれていました。

今回は、まずはこの記事を翻訳してご紹介したいと思います。

なお、先ほどふれましたメルマガに書かせていただいた「オレンジジュースの残留グリホサート」についても、その後にご紹介します。


Poisoning The Public: Toxic Agrochemicals And Regulators' Collusion With Industry
zerohedge.com 2019/03/03

有害な農薬。そして規制当局と業界との共謀

2019年1月、ローズマリー・メイソン博士(Dr Rosemary Mason)は、農薬に関しての欧州の規制当局が農薬業界と共謀していることを非難する内容を欧州オンブズマンに申し立てた。

これは、科学誌「エンバイロメント・サイエンス・ヨーロッパ(Environmental Sciences Europe)」に掲載されているグリホサート系除草剤の遺伝毒性に関するチャールズ・ベンブルック博士(Dr Charles Benbrook)の重要な論文をきっかけとしたものだ。

エンバイロメント・サイエンス・ヨーロッパの編集長と共著者のそれぞれの教授は、ベンブルック博士の出版論文の承認を支持する強力な声明を発表した。

同誌の同じ号に掲載されている解説で、編集長らは以下のように書いている。


私たちは、この記事がグリホサートと GBH (グリホサート系除草剤)の発ガン性に関しての結論が EPA (アメリカの環境保護庁)と IARC (国際がん研究機関)で「異なる」結果となった理由についての新しい洞察を提供すると確信している。

これは、GBH の遺伝毒性に関する議論への重要な貢献となるだろう。


IARC (国際がん研究機関)の評価は、曝露したヒト集団における実世界の曝露分布と遺伝毒性リスクの分布に焦点を当てた研究を重視していたが、EPA(アメリカ環境保護庁)の評価では、そのような部分をまったく重視していないという証拠がある。

その時点までに、ローズマリー・メイソン博士は、欧州化学機関(ECHA)、欧州食品安全機関(EFSA)、そして、EU 委員会に 18か月間にわたり書面を送っており、欧州化学機関によるグリホサートの積極的な評価について異議を唱えていた。

WHO 世界保健機関のガンの調査機関である IARC が、グリホサートの毒性を強く認識したのに対して、アメリカ環境保護庁と欧州食品安全機関は、グリホサートには、遺伝毒性( DNA に損傷を与える)はないとした。そして、そのふたつの機関は、グリホサートには発ガン性もないとした。その理由は何なのか。

WHO の国際がん研究機関 IARC は、グリホサートの遺伝毒性の可能性の証拠は「強い」とし、そして、グリホサートは、ヒトに対しての発ガン性がある可能性があると述べている。

WHO の国際がん研究機関は、公開され精査もされている論文研究と公的な文献により、グリホサートには遺伝毒性があり、発ガン性があるという結論を出しているが、アメリカ環境保護庁が参照した研究論文は、「未発表のもの」で、そして、それは、農薬製造業者から依頼されて作成された論文だった。

事実、アメリカ環境保護庁の評価で引用されている 151の遺伝毒性の評価のうち 95( 63%)が農薬業界内部での調査からのものであった。一方、国際がん研究機関は 100%公的文献の情報源を引用している。

もう1つの重要な違いは、アメリカ環境保護庁がその分析を単体の化学形態としてのグリホサートに焦点を当てていることだ。

このことの何が問題かというと、農薬の使用者あるいは、それが使われている公衆の環境は、グリホサート単体に曝されているのではないのだ。グリホサートと添加成分であるアジュバン等からなる完全除草剤製剤にさらされているのだ。

製品化された製剤は単独のグリホサートよりも毒性が高いことが繰り返し示されてきた。

メイソン博士の苦情は棄却された

その後、ヨーロッパのオンブズマンは、グリホサートをベースとした除草剤ラウンドアップやその他の農薬が人間の健康と環境に及ぼす幅広い影響を文書化した 25ページの回答を書いたローズマリー・メイソン博士の申し立てを却下した。

メイソン博士は、その申し立てが却下されたことで、ヨーロッパのオンブズマン事務局もまた問題の一部であり、彼らもヨーロッパの農薬規制当局と共謀していると結論付けた。

メイソン博士は、以下のように語っている。


「ここ数年にわたる私の申し立てをすべて拒否したところを見ても、ヨーロッパのオンブズマン事務局がヨーロッパの農薬規制当局を保護していることは明らかです。

彼らはヨーロッパのグリホサートの特別委員会によって管理されています…。産業界では自主規制が認められているため、今日多くの有毒農薬が承認され市場に投入され続けています」

メイソン博士による「ヨーロッパのオンブズマンはヨーロッパの農農薬規制当局と共謀している」という新しい報告で指摘されている重要なポイントや主張のいくつかは以下のようなものを含む。


・ヨーロッパの農薬規制当局とヨーロッパのオンブズマンは産業界と共謀しており、その結果、人間とその環境を毒に曝している。

・イギリス王立がん研究基金は、農薬が産業界の利益に大きく左右されているため、農薬の影響に対処していない。したがって、彼らは「農薬がガンを引き起こすという証拠はほとんどない」としている。

・農薬業界のグループである欧州グリホサート・タスクフォース(GTF)は、EUにおけるグリホサートの再使用許諾を確実にするのに役立っている。

・世界的な昆虫の減少の惨状に関しての農薬の影響は壊滅的だ。

・農薬への曝露の結果として、小児および成人は農薬の影響によって精神的な状態を低下させ、精神的健康障害、うつ病、自殺および不安症のレベルが高まる。

・モンサント社の秘密調査によると、同社は自社製品が、ガンや眼の損傷に与える影響について知っている。

・その報告書には、国連の専門家が「農薬より子どもたちの健康を優先するように」呼びかけたことについて言及されている。

・メイソン博士は、イギリスの食品に含まれている毒について概説しているが、たとえば、朝食用のシリアルには驚くほど高レベルのグリホサートが含まれている。

・アルゼンチンでは、 3万人の医師と医療専門家がグリホサートの禁止を要求している。

・ブラジルの国立がん研究所の声明では、遺伝子組み換え作物は大量の農薬使用を引き起こしている。

・オーストラリアでは、グレートバリアリーフに流れ込む低地の農作物にラウンドアップを適用することを許可した。

・その後、グレートバリアリーフで除草剤と長時間作用型の殺虫剤の影響が起きている。


ここまでです。

ちなみに、ここでは、アメリカとイギリスの規制当局の問題が書かれていますが、しかし、ラウンドアップはともかくとしても、

「農薬全体の使用量」

としては、以下のように、中国の壮絶さが現実としてあります。

農薬消費に関しての世界ランキング


・ensia.com

もし、この中国の農家の人々が、次々とグリホサートを含む除草剤などを使用し始めた場合には、「ものすごい黙示録」のような状態になる可能性もないではないかもしれないですね。

今回ご紹介したようなことを糾弾するメイソン博士のような振る舞いは立派ですが、しかし現実として、私たちは、身の回りにあまりにもあふれ始めている、

「グリホサート的なものにまみれた飲食品」

を、たとえば家族などから回避させる方法を考えることを始めるのもいいのかもしれません。

さきほどの記事中にもありますが、場合によっては、グリホサートは「人間に対して、 DNA レベルで損傷を与える」可能性があるかもしれないですので、たとえば、赤ちゃんや子どもたちが、「不可逆的な損傷」を負ってしまう可能性もないとは言えないのです。

では、ここから、先日のメルマガに記載しました部分からの一部「グリホサートが残留している濃縮還元ジュース一覧」を掲載させていただいて、今回は締めさせていただきたいと思います。

メルマガ同様の体裁としますので、基本的にシンプルな文字だけのものです。

ここからです。


《除草剤ラウンドアップが残留している濃縮還元ジュース一覧》

世界で最も売れている除草剤に、

「ラウンドアップ」

というものがあります。

このラウンドアップの主成分である「グリホサート」というものは、
かなり健康に対して「良くない」ということは言われていまして、
もちろん発売しているモンサント社はそのようには言いませんけれど、
最近は、このグリホサートが、
以下のような影響を人体に与えると考えられています。

(考え得るグリホサートの影響)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・神経性毒(帝京大学医学部の研究)

・発ガン性(国際がん研究機関による)

・肝臓への悪影響(英ロンドン大学の研究)

・内分泌かく乱(仏カーン大学の研究)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ここまで)

肝臓に関しては、ごく微量のグリホサートを摂取し続けただけで、
脂肪肝になることが動物実験でわかっています。

そういうものは、あまり体に入れたくはないですけれど、
実は、結構簡単に、

「体内に入ってくる」

のですね。

いろいろと経路はあるでしょうけれど、
たとえば、「濃縮還元ジュース」という形でも体内に入ってきます。

私の家では、以前は、濃縮還元ジュースを買っていて、
子どもなどもそれを飲んでいたのですが、
最近は、濃縮還元は一切買わないことにしています。

まあ、ラウンドアップが云々ということではないにしても、
冷静に考えてみますと、

「濃縮還元ジュースとストレートジュースの価格の差」

というものはすさまじいもので、
濃縮還元ジュースは大変にお安いものが多く、
それはありがたいことですが、

「普通に考えれば、こんな値段で作れるわけがない」

とも思います。

でも、実際に作られて、その価格で販売されている。

そのことから考えてみますと、

「この価格を実現するためにおこなわれている様々な努力」

を想像せずにはいられません。

そんなわけで、努力は努力として評価させていただきつつも、

「ちょっとこわくなってきた」

ということで、濃縮還元ジュースは買わなくなりました。

そんな中、先日、

「アメリカのオレンジジュースの中に残留しているグリホサートの量」

が示された研究結果を見たのでした。

アメリカで一般的に販売されているオレンジシュース内の
グリホサートの残留量をランキングしたものでした。

書きますと、以下の通りになります。

日本では売られていないものもありますが、載せておきます。

単位は、農薬の残留量を示す ppb となっています。

これまでの研究では、

「100ppbのグリホサートの蓄積が、有用な腸内細菌を破壊する」

とされています。

《オレンジジュースの残留グリホサート量》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・トロピカーナ 26.05 ppb

・ミニッツメイド 13.54 ppb

・Stater Bros 4.93 ppb

・Signature Farm 6.33 ppb

・Kirland 5.96 ppb

 https://bit.ly/2NiILI
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ここまでです)

トロピカーナとミニッツメイドは、日本でも販売されていますが、
これは、アメリカ国内で販売されているものですので、
日本で販売されているものがどうなのかはわかりません。

もちろん、これを掲載しましたのは、個別の商品云々の話ではないです。

先ほど書きましたような「価格を下げる努力」
には、このような除草剤や防かび剤なども含めて、
いろいろなことがあるだろうなあとは思います。

ですので、いろいろな種類のジュースを含めまして、
濃縮還元ジュースは、ある程度避けるのも懸命かもしれません。

先ほども書きましたけれど、
グリホサートは、肝臓にダメージを与える結果が出ていますので、

「毎朝、濃縮還元オレンジジュースを飲み続けるだけで、
脂肪肝になっていく可能性がある」

ようなのです。

まあ、すでに脂肪肝になっているような大人はともかく、
若い子どもが、そのような理由で肝臓病になるのはかわいそうなことですし。

ただですね。

すでに、このグリホサートは、私たちの体内にも
ずいぶんと入っている可能性も高いのです。

2017年2月の『週刊金曜日』には以下のような下りがあります。

(週刊金曜日の記事より)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「デトックス・プロジェクト」という
農薬問題への取り組みが、2015年
に米国有機消費者協会とカリフォルニ
ア大学サンフランシスコ校の協力を得
て、米国で初めて人の尿中のグリホサ
ート濃度を検査して発表している。そ
の際、サンプルの93%からグリホサー
トが検出された。

また市民団体の「マムズ・アクロス・
アメリカ(米国の母親)」が、子ども
たちへの影響が大きいとしてワクチン
を購入し検査機関に出したところ、5
種類からグリホサートが検出された。

原因は、ワクチン成分の安定剤として
用いられているゼラチンにあった。

https://bit.ly/2VdbLUC

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ここまで)

アメリカ人で「93%」から検出されているということは、
日本でもある程度は拡大していると見てよさそうです。

それにしても、

> ワクチン成分の安定剤として用いられているゼラチン

が、グリホサート混入の原因とは。

ゼラチンの原料は、ウシさんやブタさんの皮や骨ですが、
おそらくは「飼料」経由ということなんでしょうね。

先日、

「私たちのほぼ全員の体内にプラスチックが存在する」

可能性について以下のブログ記事で書かせていただきました。

◎プラスチックが「100%の人々の体内
に存在する」可能性が高い中、プラスチ
ック製品に含まれるフタル酸エステルが
「メスの妊娠率を著しく下げる」ことが
判明。地球は全生物の不妊化へ?
In Deep 2019年2月19日
https://bit.ly/2tztry1

こういうことも含めて、いろいろと人体も蝕まれ続けています。

これらを完全に防御することは、今の社会の生活の中では不可能ですが、
多少なりの「サバイバル」はしてもいいのかもしれません。
https://indeep.jp/glyphosate-apoclypse-is-coming-soon/

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110. 中川隆[-9248] koaQ7Jey 2019年7月06日 06:02:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3435] 報告

日本では報道されませんが 、米国、EUでは今大変なことが 起きています。 山田正彦 オフィシャルブログ 2019年06月20日


日本では報道されませんが 、米国、EUでは 今大変なことが 起きています。 最後まで読んでよければシェア拡散して頂けませんか。

最近、モンサントにラウンドアップで癌になったとして、米国では3件目の判決、癌患者夫婦に2200億円の賠償を命じる判決がでました。
 
まだ同様の裁判が1万1000件申し立てされて現在審議中ですが、これからも続々と判決がだされそうです。
 
昨年モンサントを買収したドイツのバイエル社は株価が5割下がって、ついに買収した農業部門から1万1000人のリストラを発表しました。
 
バイエル社そのものも、このままでは傾くのではないかと噂されているほどです。
 
日本では始めて雑誌”選択”がモンサントの落日を掲載しました。
 
モンサント敗訴の最大の理由は証拠として出された内部の機密資料で、すでに十数年前にグリホサートで癌になることを 同社が認識していたことが 明らかにされたのです。
 
同社はその事実をひた隠しに隠し悪質な隠蔽工作を長い間続けていたのです。
 
恐いことに米国、カナダ、オーストラリアでは小麦などの収穫前に乾燥の手間を省くためにラウンドアップを散布しているのです。
 
農水省は10年前から米国などから輸入される小麦のほぼ全量からグリホサートが検出されたにもかかわらず、小麦商品の調査すらしなかったのです。
 
最近、日消連で調査したところ日清製粉等大手3社の小麦粉等からグリホサートが検出されたのです。
 
グリホサートは癌になるだけでなく、脳神経を直接侵すものとして、米国では発達障害の原因のひとつだと指摘されています。
 
モンサントはこれまで尿としてすぐに排泄されるので心配はいらないと 主張してきました。
 
しかし、私たちは日本人の体の中に グリホサートが蓄積されているのではと考え、フランスのクズサイエンスに毛髪を送って検査していただきました。
 
ようやく国会議員 23人を含む28人からの62品目の全ての毛髪検査結果が出揃いました。
 
なんと28人中21人から 70%の割合でグリホサートが検出されたのです。 恥ずかしいことに私からも検出されました。
 
農薬の毒性を研究されている、木村ー黒田純子博士も高い割合 に驚いていました。
 
同博士の話では、グリホサートはラットの実験で2代3代と、代を重ねるごとに異常が増幅されるそうで、 許容される値はないそうです。
 
遺伝子そのものを直接害するものではなく遺伝子のスイッチ部分をオフにするものだそうで、私達の孫やひ孫が心配になります。
 
昨日、今日と検査結果を国会議員の先生方に各々に説明に回りました。
 
国会議員の先生方もこの結果に驚いていましたが、近く女性議員を中心に記者会見してその内容を公表して頂けるようです
https://ameblo.jp/yamada-masahiko/entry-12483540404.html

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111. 中川隆[-9120] koaQ7Jey 2019年7月12日 12:22:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3568] 報告

2019年07月12日
欧米農業は非効率 補助金で日本に輸出している


このように大量生産できるのは家畜用飼料だけで、人間用は生産できない


Wheat_Farm
引用:http://s3.amazonaws.com/fallingrain/uploads/cc3c5a058f9a47b4a48a503c69530c71/large/Wheat_Farm.jpg?1356317678

フランスの農家は国家公務員

日本にはどういう訳か欧米の農家は自由競争をしているという都市伝説のような考えが広まっている。

政治家もこう信じていて自民党の小泉進次郎農林部会長は以前「日本の農家は補助金漬けで甘やかされている」と農業批判を展開した。

この人は農林部会長に選ばれたとき「素人なのでこれから勉強したい」と言っていたほどなので、まったく無知だったのでしょう。




実際には日本の農家は補助金漬けどころか補助金など受け取っておらず、欧米の農家が補助金漬けです。

自由競争だと固く信じられているアメリカの農業は、農家収入の50%が農業補助金から支出されています。

日本では農業の模範とされているフランスでは、たとえばブドウ農家は収入の9割の補助金を受け取っています。


収入の9割が補助金というのはもはや国家公務員であり、フランスでは政府が農民を雇って給料を払っている。

それを日本の有識者とかが「日本はフランスを見習って先進的な農業をするべきだ」と言うので話がおかしくなる。

フランスなど欧州の農業は日本よりずっと遅れていて競争力が無いが、国の補助金で高収入なのです。


なるほど日本もフランスを見習って農家に給料を払うべきだが、さっきフランスを褒めた人は日本の農家が「甘やかされている」と言うのです。

実際には甘やかされているのはフランスやアメリカの農家であり、日本の農家は政府から虐待されています。

戦後70年以上ずっと日本政府は農業をお荷物として扱い、農業人口は今や200万人を割り込んでいます。


年間10万人以上減っているので、2030年代には農業人口がゼロになるのです。

日本にも農業補助金が必要

もうひとつの都市伝説はアメリカの農業は効率的で世界一安いというもので、まったく事実に反している。

テレビでよく見るのは飛行機やヘリコプターで地平線まで続く農地に種まきし、半年放置して超大型の機械で収穫する。

それを連結巨大トレーラーで出荷して、鉄道で港に行き巨大タンカーに積みかえて日本などに輸出している。


何もかも巨大で効率的で、これは日本が戦争に負けるのも仕方がないと納得するほど効率的です。

だが実はこうした巨大機械で大量生産できるのは家畜用作物だけで、コメでも豚に食わせる餌しか作れません。

大量生産で作った米はマズイ、臭い、固いの3拍子揃っているので、人間用に売られることはありません。


アメリカでも人間用のコメは日本と同じように水田に水を張って毎日手入れしてやっと収穫しています。

そうして収穫したカリフォルニア米の値段は北海道米と同じくらいで、コシヒカリより安い。

だがアメリカ政府が50%の補助金を出しているのを考えると、実際に売られている2倍が本当の値段です。


米とか人間用の野菜ではトウモロコシを作るような訳にはいかず、人間が毎日手入れするしかないのです。

補助金なしの価格では日本の農作物はアメリカや欧州より安く、むしろ生産効率がいい。

日本政府が甘やかさずに農業叩きを続けたおかげなのか、日本の農業は欧米より効率的です。


だが日本の農業が効率的であっても、5割から9割も補助金を出している欧米に押され、このままでは滅亡します。

だから日本の農業がこれ以上衰退する前に、日本も農業補助金を出す必要があります。
http://www.thutmosev.com/archives/80367300.html

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

112. 中川隆[-8670] koaQ7Jey 2019年8月26日 08:07:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4079] 報告

余剰トウモロコシは安倍首相が買ってくれるとさ 2019-08-26
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12511970889.html


 ブルームバーグ紙の上級国際政治レポーター、Jennifer Jacobs氏が、
「トランプ大統領は、中国が買わないので、余ったトウモロコシを安倍首相に買ってもらう」
 と、発言したとツイートしました。

https://twitter.com/JenniferJJacobs/status/1165620704710156292
Jennifer Jacobs@JenniferJJacobs
Breaking: Trump says US has excess corn because China has failed to follow through on agreements so Abe is going to be buying all that corn.
“We just agreed to that on the other side of the door,” Trump reveals.
Abe says, well, Japan’s private sector will be buying the corn.』

(約:トランプ大統領は、中国が協定を順守しないため、アメリカは過剰なトウモロコシを保有しており、安倍首相はその全てを買うと発言。我々はドアの向こう側で合意したばかりだ。安倍首相が言うには、日本の民間セクターがトウモロコシを買うとのことだ。)、
 
 「民間セクター」で膨大なトウモロコシを購入することができるのは、全農くらいしか思いつきませんが、農協改革(全農株式会社化)を利用した圧力か何かで、トウモロコシ購入を「要求」するのでしょうか。


 カーギルという穀物メジャーのために、全農の株式会社化を図り、同時にトランプ大統領の「指示」を受け、強引に全農にトウモロコシを買い取らせる、くらいのことは、平気でやりそうです、今の安倍政権は。


 一応、書いておきますが、アメリカ産トウモロコシは、100%近くが遺伝子組み換えです。


 バイエル(モンサント)のグリホサートの発癌性の問題で、世界各国(アメリカ含む)がラウンドアップを拒否し始めたならば、


1.日本にグリホサートの残留基準値を大幅に緩和する(2017年12月)
2.「ご家庭で使える安心な除草剤」としてラウンドアップを日本に広める(本当にこのキャッチフレーズでプロモーションしている)

 中国との覇権戦争でトウモロコシの在庫が過剰になれば、日本に引き取らせる。
 

 日本国民のためではなく、アメリカ様のビジネスのために動く。これが、安倍政権というわけです。


『日米首脳、貿易交渉で基本合意 9月下旬に署名へ 農産品関税はTPP並み

 安倍晋三首相とトランプ米大統領は25日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)にあわせてフランスのビアリッツで2度会談し、日米貿易交渉で基本合意した。トランプ氏は2度目の会談で「(9月下旬にニューヨークで開く)国連総会をメドに署名できるようにしたい」と語った。

 首相も「9月に首脳会談し(貿易協定案に)調印することを目標にしたい」と表明した。両首脳は9月下旬に交渉を決着させることで一致した。トランプ氏が1回目の会談後に「非常にいい話なので、一緒に会見したい」と提案し、2回目の会談になった。

 貿易交渉は閣僚級協議で23日、重要品目の扱いに関して大枠で合意した。トランプ氏は25日「基本合意できた」と述べた。会談に同席した茂木敏充経済財政・再生相は記者会見で、農産品と工業品、デジタル経済の3つの分野で「意見の一致をみた」と説明した。

 ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は25日、70億ドル以上の市場開放につながるとの考えを示した。首相は首脳会談で、貿易協定とは別に、米産の飼料用のトウモロコシを購入する考えをトランプ氏に伝えた。(後略)』

 飼料用トウモロコシとなれば、ますます全農に押し付けそうです。(全農は日本最大の配合飼料の輸入業者)


 日経の記事では、あたかも日米FTAが「TPP並」で終わりそうな印象を受けますが、そんなことはありません。何しろ、TPPで合意されていたはずの自動車の関税撤廃について、アメリカ側は拒否したのです。


 TPP交渉では、アメリカは、「25年間で、自動車関税を撤廃する」と約束しました。


 今回は、その約束は「なかったこと」になっており、日本側はTPPと同じ条件の譲歩を強いられ、かつ余剰トウモロコシを押し付けられる、

 トランプ大統領としては、満足のいくDeal(取引)でしょう。何しろ、日本側に何も譲らず、TPP+αの成果を出したわけですから。


 結局のところ、「政治」と「主権」が無いも同然の我が国は、世界各国の草刈り場、あるいはゴミ捨て場にならざるを得ないという話です。

 何故に、世界中がグリホサートの使用禁止に動いているときに、残留基準値の「引き上げ」をしなければならないのでしょうか(逆ならば分かりますが)。

 何故に、アメリカと中国の問題のツケを、押し付けられなければならないのでしょうか。


 もっとも、最大の問題は、上記が「現実」であるにも関わらず、
「内政はダメかも知れないけど、安倍政権の外交は素晴らしい!」
「トランプが中国を何とかしてくれる!」
 と、認●知的不●協和や現実逃避に閉じこもった国民が少なくないという点です。


 安倍政権は内政もダメですが、外交もダメです。というか、取り返しがつきにくい外交で次々に失策を続けているというのが、安倍政権の「外交成果」とやらです。もはや外交文書から「北方領土は日本に帰属」が消え、韓国が竹島で軍事演習に踏み切ったところで、「遺憾」「抗議する」で終わりでしょ。


 今回、日米FTAが結ばれますが、「枠組み」が作られてしまったため、今後も日本は市場開放を迫られていきます。最終的には、コメの関税撤廃まで行くでしょう。


 さらには、アメリカと中国が対立すると、そのツケは日本に押し付けられることになるのです。


 政治を、取り戻さなければなりません。

 日本国が「主権」に基づき、日本国民のための政治を行う。主語を「日本国民」とする政治を取り戻す。

 そのためには、まずは国民が「事実」を知らなければなりません。


 今回のJennifer Jacobs氏のツイートは、その「事実」をまざまざと見せつけてくれました。是非、拡散して下さい。

 絶望するためではなく、事実を知り、問題を解決するために。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12511970889.html

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113. 中川隆[-8586] koaQ7Jey 2019年8月30日 06:54:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4166] 報告
『売り渡される食の安全』 著・山田正彦
書評・テレビ評2019年8月29日


https://www.amazon.co.jp/%E5%A3%B2%E3%82%8A%E6%B8%A1%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E9%A3%9F%E3%81%AE%E5%AE%89%E5%85%A8-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B1%B1%E7%94%B0-%E6%AD%A3%E5%BD%A6/dp/4040822986

 著者は弁護士で元農水大臣。現在TTPや種子法廃止の問題点についての講演や勉強会をおこなっている。

 安倍政府は、日本人の主食であるコメ、麦、大豆の安心、安全の確保や安定供給を国に義務づけていた種子法を、昨年4月をもって廃止した。それと同時に政府は、種子法が民間の優良品種の普及を妨げているといって、F1品種(大量生産・大量消費にはうってつけだが一代限りの種子)である三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などを全国に推奨して回っている。

 それが将来どうなっていくかは、野菜の種子を考えればわかりやすい。かつて野菜の種子も今のコメや小麦、大豆と同様、すべて伝統的な固定種(地域ごとの土壌や気候に適応させながら長年月かけて品質を受け継がせるなかで固定化させた品種)で、ほぼ100%国産だった。ところが今では、野菜の種子はほとんどがF1種になって農家は毎年企業から買わなければならず、しかもその大半は海外の多国籍企業が生産している。種の値段も高騰し、イチゴはかつて1粒2円だったのが、今では40〜50円になっている。また、政府は種子法廃止と同時に、農業競争力強化支援法を決定した。それは現在286あるコメの品種を絞り込み、最終的にはみつひかりやとねのめぐみなど数種類に集約すること、これまで都道府県の農業試験場が蓄積してきた種子の知見を外資を含む民間企業に提供することを盛り込んでいる。

 さらに政府は、次の国会で種苗法を改定し、自家採種の原則禁止、つまり自分の畑や田んぼで採れた種を翌年に使うことを禁止する。すると農家は毎年企業から種を買い続けなければならなくなり、私たちが毎日食べる食物の味も安全も値段も企業に握られることになる。しかもこの種苗法に違反すれば10年以下の懲役と1000万円以下の罰金が科され、共謀罪の対象にもなるという。

 以上の問題についてアメリカは長年にわたり、日本の主要農作物の種子が公共のものとして保護され、民間に開放されていないと非難し続けてきた。著者は、その背後にいるのが世界の種子生産の70%を独占するモンサントなどの多国籍アグリ企業だと指摘する。

 これまでもアメリカは、北米自由貿易協定に加盟しているメキシコに対して、種子の一部を保存して次の年の栽培に備える伝統的な自家採種を犯罪行為として原則禁止にし、政府指定の多国籍アグリ企業の種子を毎年購入することを義務づける法律(批判を込めて「モンサント法」と呼ばれる)を成立させようとし、その後この「モンサント法」をラテンアメリカ全域に、さらにアフリカ諸国に広げようとして、強烈な拒絶反応に直面してきた。そして今、最後の未開拓市場の日本に殴り込みをかけようとしている。

 つまり「モンサント法」を完全な形で機能させ、日本の農家を、農薬や化学肥料とセットでモンサントの高価格の種子を買わざるを得ない状況に追い込むために、種子法廃止、農業競争力強化支援法、種苗法の改定という三つの法律が必要なのであり、種苗法改定はその総仕上げである。

 あわせて著者は、2017年12月に厚労省が突然、グリホサート(除草剤ラウンドアップの主成分)の残留基準を最大400倍に緩和したこと、食品表示も23年から変更になり、「遺伝子組み換えでない」という表示ができなくなることも指摘している。また住友化学(モンサントと業務提携)のつくばSD1号というコメの種子を生産する農家が、台風やゲリラ豪雨で予定通りの収量を出荷できず、出荷先のセブン・イレブンに損害を与えた場合、損害賠償金はその農家が負担しなければならないという契約書を結ばされていたことも暴露している。何事も外資企業に至れり尽くせりなのだ。

世界中と逆行する日本 押しつけられるラウンドアップ

 だが、世界の農業を席巻してきたモンサントも、今、落日を迎えている。そのことを著者は後半で詳しく展開している。

 それまでの流れを一変させる出来事が、昨年8月10日に起こった。末期の悪性リンパ腫と診断されたカリフォルニア州の男性が、原因は除草剤ラウンドアップにあるとしてモンサントを訴えた裁判で、サンフランシスコの陪審がモンサントに損害賠償金2億8920万j(320億円)の支払いを命じる評決を全会一致で下したことだ。内部告発によるものと見られるが、モンサントががんを引き起こす可能性があることを知りながら十数年にわたって隠してきたこと、水面下で政治家への献金や政府高官・科学者への賄賂を仕掛けていたことなどが暴露された。

 このニュースは世界を駆け巡り、アメリカやEU諸国や南米、中東の諸国など世界中でラウンドアップの即時販売禁止や使用制限の動きが一気に広がった。同様の訴訟は今年5月に1万3000件をこえている。ラウンドアップが使用されなくなれば、ラウンドアップへの耐性を持った遺伝子組み換え作物も栽培できなくなる。関係者は「アメリカとEUでは、モンサントは終わりました」とのべた。モンサントの業績は悪化の一途をたどり、株価は五割も下落した。

 世界の流れはこの2、3年で変わり、アメリカでは遺伝子組み換え作物の作付けが減少して、有機栽培が年に10%の割合で、EUでは年に7%の割合で増えている。ロシアでも法律で遺伝子組み換えの農産物は輸入も生産も禁止し、中国でも有機農業が成長している。お隣の韓国・清州市では、合計180の小中高校に通う約11万人の児童や生徒全員に、有機農法で育てた地元の食材でつくった給食を、毎日無償で提供している。

 こうした世界の流れに逆行して、日本では、モンサント敗訴のニュースをメディアが黙殺し、ラウンドアップが普通に売られ、政府がモンサントを歓迎して自国農業の壊滅に手を貸している。こんな国は他にない。国民の食の安全も食料自給も売り飛ばして恥じない売国政府に対して、子どもや孫たちの未来のためになにができるかを考えさせる一冊だ。
 (角川新書、236ページ、定価860円+税)
https://www.chosyu-journal.jp/review/12919


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114. 中川隆[-8465] koaQ7Jey 2019年9月11日 09:11:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4318] 報告
2019年09月11日
日本の生産性問題 他人の時間を大切にしない

日本の生産性が低いのは、他人の時間にだらしがないから

画像引用:生産性向上は効率化だけではない!海外から見た日本の課題と解決方法 | KACHITSUKUhttp://changeva1ue.com/productivity2/

日本人は几帳面ではなくルーズ

デフレ期から日本では生産性という言葉が良く使われるようになり、日本は先進国で最も生産性が低いなどと言われている。

生産性が高いのは良い事とされるが、生産性にはいくつかの種類があり、一般的には労働生産性が良く使われる。

労働生産性は1人の労働者が一定時間に生み出す価値(金額)の事で、時給や時間あたりの成果に近い。


日本の労働生産性が先進国最低だった大きな理由がサービス残業で、仕事をしているのに1円も稼いでない状態です。

サービス残業の間労働者は何も生み出していないことになり、8時間で帰る人と16時間働く人の報酬が同じなら、給与から計算した生産性は半分になります。

労働生産性で世界トップクラスなのはドイツだが、現在のドイツは先進国で最も労働時間が短く、同じ価値を短時間で生み出している。


日本とドイツの国民一人当たりGDPはそれほど変わらないので、結局違うのは労働時間とサービス残業です。

日本企業でよく言われるのが「1分の遅刻にも煩いのに、何時間でも残業させる」ルーズさで、終業時間で見ると世界で最も時間にだらしがない。

勤勉でまじめとされる日本だが、計算して見ると日本人は意外にだらしがなく、時間を守れないのが分かる。


良くあるのが企業がちょっとした用事で下請けや立場が弱い人を呼びつけて、無償労働をさせる。

以前ヤ〇ダ電機でメーカーから出向した人に販売員をやらせ、無料労働者として使っていたことがあった。

今問題のコンビニ店長では、オーナーや店長の弱い立場に付け込んで、過労死するまで連続で働かせた事もあった。


日本人が時間に几帳面なのは「自分にメリットがある時」だけで、他人の時間を浪費する事にはルーズなのです。


生産性向上で農村は貧しくなった

もうひとつの生産性問題は農業の生産性で、こちらは低すぎるのではなく「高すぎる」事が問題を引き起こしている。

一種の都市伝説として言われているのが、日本の農業は効率が悪く高コストだから外国に対抗できないという定説です。

実際には日本の農業がコストで他の先進国に負けているのは、トウモロコシや大豆や小麦など低品質でも良い大量生産穀物だけです。


アメリカの地平線まで続く農地から生産される穀物には絶対に敵わず、さらに安価な家畜用穀物を餌にする畜産でも日本は敵いません。

だが人間が食べる品質が重視される農作物、たとえば野菜などでは日本が圧勝で、実は米でも日本のほうが低コスト高品質です。

アメリカでは農家の収入に50%の政府補助金を出しているので、カリフォルニア米の補助金なしの価格はコシヒカリよりも高い。


マスコミが褒めたたえるフランスの農業は農家収入の5割から9割が補助金で、ブドウ農家は国家公務員のように国から給料を貰って生産しています。

北欧でも英独でもすべて同じで、欧米の農作物が日本より安いのは、政府が補助金で安くしているからです。

日本農業の問題点は「生産性が高すぎる」ことで、農業という産業は生産性を上げるほど貧しくなります。


工業製品なら今まで100円で作っていた製品を10円で製造できるようになったら、売り上げが100倍増えて利益は10倍以上になるでしょう。

だが農作物は値段を下げても販売量が変わらないので、生産性を上げてコストを安くしたら、その分売り上げや収入が減ります。

ある村で合計1億円の農作物を作っていたが、生産性を上げると売り上げ5000万円になり、機械化で人手が不要になり半分が失業します。


日本のすべての農村は実際にこうなっていて、農業の生産性が高まるほど農家収入が減って農村は貧困化し人口が減少しています。
http://www.thutmosev.com/archives/80927860.html


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115. 中川隆[-11314] koaQ7Jey 2019年9月21日 16:29:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1484] 報告

農薬「グリホサート」、世界は削減・禁止の流れなのに日本は緩和!?
ハーバービジネスオンライン 2019/09/21
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e8%be%b2%e8%96%ac%e3%80%8c%e3%82%b0%e3%83%aa%e3%83%9b%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%88%e3%80%8d%e3%80%81%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%af%e5%89%8a%e6%b8%9b%e3%83%bb%e7%a6%81%e6%ad%a2%e3%81%ae%e6%b5%81%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%ae%e3%81%ab%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%af%e7%b7%a9%e5%92%8c/ar-AAHBoR7?ocid=ientp#page=2


グリホサートは農薬「ラウンドアップ」の成分© FUSOSHA Publishing Inc. 提供 グリホサートは農薬「ラウンドアップ」の成分
世界各国が削減・禁止に動く中、日本は残留基準値を緩和

 昨年から今年にかけて、農民連食品分析センターが国内で販売されている小麦粉やパン、パスタなど小麦製品の農薬残留検査を行ったところ、そのほとんどから農薬の成分グリホサートが検出された。(参照:国内で販売される小麦製品の約7割からモンサントの除草剤「グリホサート」検出)

 国内産の小麦からは検出されていないことから輸入小麦に原因があると思われる。安全な農薬と考えられてきたグリホサートだが、2015年にWHOの専門機関(IARC 国際がん研究機関)によって発がん性物質に分類されて以降、世界各国はグリホサートの使用削減・禁止に動いている。そんな中で日本は何の対策もとらないばかりではなく、食品残留基準値を緩和しているのだ。

グリホサート生産量は2002年の約3倍に

 消費者にとってグリホサートは「除草剤耐性遺伝子組み換え作物」に使われる農薬「ラウンドアップ」の成分として知られている。日本では、1996年に遺伝子組み換え作物の輸入が解禁され、除草剤耐性大豆やナタネなど最初の遺伝子組み換え作物が食卓に上り始めた(食用の遺伝子組み換え作物は、消費者・生産者の反対が強いため、国内では栽培されていない)。

 それから20年が経過し、除草剤耐性大豆やナタネの栽培面積は拡大した。大豆の9割、ナタネのほとんどは遺伝子組み換えとなった。遺伝子組み換え作物の栽培拡大につれて、グリホサートの使用量も増大。2002年に5000万トンだった生産量は約3倍に増えている。

体内のグリホサート量増加は、食品からの摂取が原因!?

 除草剤耐性作物が増え、グリホサートの使用量が増えるにつれて、遺伝子組み換え作物の最大の生産国・消費国である米国では、健康への不安が高まっていった。

 特に、ハワイ州には4つの島(モロカイ島、マウイ島、オアフ島、カウアイ島)に1141もの遺伝子組み換え作物の屋外試験圃場がある。モンサントやデュポンパイオニア、シンジェンタなど、遺伝子組み換え化学会社の試験圃場が米国一多く存在する「遺伝子組み換えの島」なのだ。

 住宅地や学校など、生活の場の中に圃場があり、人々の住居や学校などと圃場の間には緩衝地帯もなく、フェンス1つで仕切られているような状態だ。1年中多量の農薬にさらされる住民たち、特に子どもたちへの健康への影響が懸念されている。

 グリホサートの使用量が増えたことで、実際に人が曝露する量は増えたのだろうか。

 カリフォルニア大学家庭医学と公衆衛生学のポール・ミルズ教授が1993〜1996年、2014〜2016年に、南カリフォルニアに住む50歳以上の高齢者の尿中のグリホサートを検査した。その結果、20年の間に尿中のグリホサート量は500〜1000%増加していたという(2017年「ジャーナルJAMA」より)。

 この増加が環境からの曝露によるものなのか、食品からの摂取によるものかは分かっていない。ミルズ教授は、食品からの摂取を疑っているという。

「子どもの体の異変はグリホサートの影響!?」と疑う母親たち

 グリホサートによる健康への懸念はハワイ州だけの問題ではない。「グリホサートの影響で、アレルギーや自閉症、ADHD(注意欠陥多動性障害)など、子どもの体に異変が起きている」と感じている米国の母親たちが、『Moms Across America』を結成。子どもの食事から遺伝子組み換え食品とグリホサートを除去するために、グリホサートの代替品を勧め、有機食材を選ぶ運動などを展開している。

 しかし、グリホサートが使われているのは遺伝子組み換え作物だけではなかった。1980年代から30年以上、小麦の収穫を容易にするために「乾燥」と呼ばれて収穫前に除草剤散布(プレハーベスト)が続けられてきた。その結果、小麦粉を使ったパンやパスタ、ピザなどからも残留農薬が検出されている。

「ラウンドアップは飲んでも牛乳と同じくらい安全」と開発企業

 ラウンドアップの安全性に関しては、2002年の段階ですでにレイチェル環境基金が「ラウンドアップは先天性奇形の増加に関係があり、神経発達障害が3倍に増える」という、2つの研究について紹介している。

 内でラウンドアップ(グリホサート)農薬を販売する日産化学工業は、この農薬について「急性毒性が低く、催奇性、奇形性、発がん性もなく、非常に安全性が高いことが国際的に認められている」と安全性を強調している。

 さらに、ラウンドアップの開発企業であり、遺伝子組み換え作物を推進してきたモンサント社はこれまで「ラウンドアップは飲んでも牛乳と同じくらい安全」と言ってきた。

 飲んでも安全な農薬があるとは思えないが、ラウンドアップの主成分であるグリホサートは米国環境省(EPA)によって「ヒトにガンを引き起こさない化学物質」に分類されているのが現状だ。

ラウンドアップに添加された補助成分が遺伝子を傷つける!?

 2000年頃には、イタリアの国立ガン研究所が「ラウンドアップに添加されている補助成分(不活性成分)が遺伝子を傷つける」と報告。その後不活性成分「非イオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアミン(POEA)」が、グリホサートの3倍以上毒性が強いということがわかってきた。

 農薬にどのような不活性成分が使われているかは「企業秘密」であるとして、明らかにはされていない。しかし一部の研究者たちは、グリホサートとPOEAの混合物であるラウンドアップは「グリホサート単独の場合と比べて明らかに毒性が強い」として、「補助成分を含めたラウンドアップの安全性について当局は見直すべき」と主張している。

超低濃度でも先天性異常、脂肪肝を引き起こす!?

 アルゼンチンやパラグアイなどでは、2000年頃から大規模に遺伝子組み換え大豆が栽培されるようになった。小型飛行機でラウンドアップの空中散布が行われるようになると、周辺住民の間で小児がんや先天異常、皮膚障害などが増えてきた。

 ラウンドアップは「分解も早く催奇性がない」と言われてきたが、2010年にブエノスアイレス大学のアンドレス・カラスコ教授(医学部・分子胎生学研究所長)らが、「カエルや鶏の胚で実験した結果、極めて低い濃度であってもラウンドアップが先天異常を引き起こした」との研究結果を発表した。

 さらに、大豆栽培が盛んなアルゼンチン・チャコ州政府は「グリホサートと、小児がんや脳腫瘍、先天異常などの発生は関連がある」とするレポートを発表している。

 グリホサートは2015年にWHOの専門機関(IARC=国際がん研究機関)によって発がん性物質に分類された。2017年には、ロンドン大学の研究チームが「超低濃度のグリホサートでも、長期間摂取すれば脂肪肝を引き起こす」という研究結果を発表している。

 2019年8月、産科医の国際組織である国際産婦人科連合(FIGO)は「グリホサートはガンや神経発達障害、先天性欠損症との関連が疑われる。またメチル水銀同様、胎盤を通過する可能性があり、予防原則の立場から使用を避けるのは社会的責任である」として、グリホサートの使用禁止を勧告している。

世界で広がるグリホサート使用禁止

 20〜30年にわたって大量に使い続けてきたグリホサートは、パンやパスタだけではなく、水道水やワイン、ビールや蜂蜜など、さまざまな飲食料品から検出されている。米国では子どものワクチンからも検出されて、母親たちに衝撃を与えた。

 アジアではベトナム、スリランカがグリホサートの輸入を禁止、EUではオーストリアやドイツがグリホサートの全面禁止を決めた。フランスは2023年までに段階的に廃止する。チェコは2018年収穫前にグリホサート散布を禁止、デンマークもすべての作物の出芽後の散布を禁止している。イタリアは公共の場での使用を禁止、ベルギーやオランダは専門家以外への販売を禁止した。

 ブラジルは昨年、連邦裁判所が「連邦政府が毒性を再評価するまでグリホサートの使用を禁止する」と決定。その他の国や地域、自治体、学校などでも、グリホサートの使用禁止や削減に取り組み始めている。インターネットの署名サイト「アバーズ」は、グリホサート使用禁止を求める署名を実施、全世界から140万件もの署名が集まったという。

 それに比べて、日本政府は何の対策を取らないばかりか残留基準値を緩和、その使用量も増加している。日本の多くの環境NGOなどは「世界中で使われなくなったラウンドアップが日本に集まってくるのではないか」と恐れている。


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116. 中川隆[-11313] koaQ7Jey 2019年9月21日 16:31:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1485] 報告
2019.09.16 文=北沢栄/ジャーナリスト Business Journal

 ニューヨーク市クウィーンズにあるスーパー「ストップ・アンド・ショップ(Stop & Shop)」。

もともと食に敏感で有機食材の特設コーナーを設けていたが、最近になって「グルーテンフリー」棚を一段と拡張した。

グルーテンフリーとは、小麦アレルギーを引き起こすグルーテン(小麦のたん白質)を含まない食品を指す。米国では、小麦アレルギーとは別にグルーテンの摂取で引き起こされるセリアック病(Celiac Disease)と呼ばれる小腸の病気も急増し、治療法がないことから深刻化している。


ニューヨークの大手スーパーのグルーテンフリー食棚(撮影=筆者)


 小麦アレルギーは、小麦からつくられる主食のパンやクッキー、クラッカーからしょう油、ドレッシングに至る食品を摂取することでアレルギー反応を突然起こし、皮膚、眼、鼻、喉、肺、腸などに症状が現れる。発症後、小麦やライ麦の入った食べ物は食べられなくなり、食生活に重い支障をきたす。


 米国の食物アレルギーの患者数は、現在約1500万人に上ると推定され、うち18歳以下が約600万人と子どもに多い(米非営利団体「Food Allergy Research & Education =FARE=」調べ)。

食物アレルギーの中で最大の比率を占めるのが、小麦の「グルーテン」に対する免疫の過剰反応。患者数は10年前に比べ1.5倍に急増したとされ、医師の診断から、これまで米国人の1%程度、100人に1人の割合でアレルギー疾患が確認された。実際の数は、その3倍にも上ると見られている。

 日本でも近年、子どもを中心にアレルギー疾患が急増。厚生労働省の調査によると、小中高校生のおよそ20人に1人が食物アレルギーを抱えている。

https://biz-journal.jp/2019/09/post_117637.html


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117. 中川隆[-10925] koaQ7Jey 2019年10月13日 11:20:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1909] 報告


食料の9割輸入に頼る危険な道 GM・ゲノム食品の投棄場と化す日本列島 2019年10月12日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/13571

 環太平洋経済連携協定(TPP)11が昨年12月発効し、日欧経済連携協定(EPA)が今年2月発効したのに続いて今月7日、日本政府は日米FTAの一部としての日米貿易交渉協定に正式署名した。いずれも自動車やITなど独占企業の市場拡大のために農業分野を犠牲にして決着をはかったものだ。政府は今回の日米貿易協定署名で国内の農業分野にどれほどの影響が出るかの試算を出していない。トランプが要求する来年1月1日の発効に向けて国会承認を強行しようと必死だ。TPPが問題になった時点で当時の農水省はTPP発効によって日本の食料自給率は14%まで低下するとの試算を出している。特産物以外の農業生産がほぼ壊滅するという水準であり、国民への食料供給は危機的になり、飢餓や餓死の蔓延も懸念される。輸入依存の食料の安全性も問題になってくる。さらに食料の90%近くを輸入に依存する国が独立国といえるのかという食料安保の問題も大きい。農産物の関税撤廃や削減による市場開放によって日本の食料はどうなっていくのか、座談会をもって論議した。


稲刈りをする農家(北海道)

 司会 TPP11や日欧EPA、日米FTAで農業はどうなっていくのか。

 A 日本の農産物市場は戦後、1960年代から輸入自由化が推進されてきた。政府は自動車やテレビなど工業製品のアメリカへの輸出拡大のために農業生産を犠牲にし、米国産農産物の輸入を拡大してきた。米国産レモンを皮切りに70年代のグレープフルーツ、90年代の牛肉、オレンジなどの輸入自由化で国内の酪農・畜産、ミカン農家などは離農や倒産など悲惨な事態を経験した。

 B 食料自給率は1960年に79%だったが、70年に60%、80年に53%になり、90年には40%に、97年には戦後最低の37%に落ちた。この年はコメの不作で緊急輸入をした年だ。その後2000年に40%、15年に39%、17年に38%、18年にはふたたび戦後最低の37%に落ちている。これは先進国のなかで最低で、韓国(39%)よりも低い。ちなみにアメリカは130%、フランス127%、ドイツ95%、スペイン93%、イギリス63%、イタリア60%だ。

 C 日本の農業分野はすでに十分に市場開放されており、これ以上の市場開放は国内の農業生産の壊滅、すなわち国民への食料供給の危機であることを、TPP参加をめぐって生産者は強く訴えていた。

 A TPPは「例外なき関税撤廃」を原則とするものだ。日本は最低限の食料供給を守るために、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などに最後の砦として高関税をかけてきた。ところがTPPではこの主要品目も関税削減の対象とし、大幅な関税削減や無関税枠をもうけた。TPPが18年12月に発効するとその後5日間で半月分の牛肉輸入が増え、さらに2月にTPP水準を上回って日欧EPAが発効すると豚肉は輸入が5割増、チーズなど乳製品は輸入が3割増えた。これに加えて日米FTAで農業分野のさらなる市場開放を約束した。国内の農家への打撃は重大だ。

 農水省はTPP発効で食料自給率は14%まで下がると試算した。18年の食料自給率37%の半分以下で、約90%の食料を輸入に頼るということになる。

 D ほとんどの食料を輸入に頼るということはさまざまな危険がともなう。農水省は不測の事態に備える食料の安全保障というマニュアルをつくっている。想定される事態として、国内の大不作やおもな輸出国での大不作。おもな輸出国での事件、事故による貿易の混乱。おもな輸出国による輸出規制などをあげている。

 最悪のケースとして穀物、大豆やその関連製品の輸入の大幅な減少をあげ、日本国内の生産だけでどんな食生活ができるか具体的なメニューも示している。

 〈朝食〉御飯一杯、蒸かし芋二個、ぬか漬け一皿 〈昼食〉焼き芋二本、蒸かし芋一個、果物五〇c 〈夕食〉御飯一杯、焼き芋一本、焼き魚一切れ

 これは2010年に出したもので、食料自給率は約40%だ。食料自給率が14%になれば、不測の事態が起こった場合これほどの食事もできなくなる。というよりほとんど国内に食べ物はないという事態だ。

侵される食品の安全性 GM作物消費は世界一

 A 食料を輸入に頼る危険性はほかにもある。食品の安全性だ。アメリカは牛肉の輸入増大を狙っているが、米国産の牛肉には成長ホルモン(エストロゲンなど)が使用されている。発がん性リスクがあるとして日本では使用が認可されていない。アメリカの牛肉には国産牛に比べて600倍のエストロゲンが入っていたとの医師の報告もある。日本での使用は認められていないが、アメリカの圧力で成長ホルモンを使用した牛肉の輸入は認めている。EUは国内での使用も禁止し、成長ホルモンが入っているアメリカ産牛肉の輸入も拒否している。

 B EUはオーストラリア産牛肉の輸入は拒否しない。それはオーストラリアがEU向けには成長ホルモンを使用していないことを証明しているからだ。EU向け以外は、日本に輸入されるオーストラリア産牛肉にも成長ホルモンを使っている。

 A EUでは、1989年に成長ホルモンを使用しているアメリカ産牛肉の輸入を禁止したが、その後2006年までに乳がん死亡率がアイルランドで44・5%、イギリスで34・9%、スペインで26・8%減少したとの調査結果もある。

 牛や豚など家畜の成長促進剤ラクトパミンも人体に悪影響があるとして、EU・中国・ロシアなどでは使用を禁止し、輸入も厳しく規制している。とくに心臓病や高血圧の患者に影響が大きい。長期に接種すると染色体の変異や悪性腫瘍を誘発するとされている。

 日本でも国内の使用は認めていない。輸入肉については残留基準値を設定しているが、その検査はおこなわれておらず、実質的にはフリーパスだ。牛肉・豚肉の自給率はすでに40〜50%であり、今後10〜20%になってから安全な国産をといっても手に入らなくなる。

 B アメリカでは乳牛の乳量増加効果がある遺伝子組み換え成長ホルモンも乳牛に注射している。この成長ホルモンを注射された牛から搾った牛乳・乳製品を大量摂取することで、前立腺がんや乳がんの発症率が高まるという論文も発表されている。この成長ホルモンは日本、EU、カナダ、オーストラリアなどでは認可されていない。日本ではこの成長ホルモンの使用を認可していないが、アメリカからの輸入は認めている。

 C BSEの問題もある。2003年にアメリカでBSEが発生し、日本は米国産牛肉の輸入を禁止した。その後小泉政府のもとで20カ月齢以下の輸入を認め、TPP参加を前に20カ月齢以下を30カ月齢以下に緩和した。そして今回日米貿易協定の交渉に入る前に規制を全面撤廃した。24カ月齢の牛からもBSEの発症例はある。アメリカでのBSE検査率は1%未満で、検査にひっかからないだけともいえる。


牛舎でエサを食べる乳牛(北海道)

 D 遺伝子組み換え(GM)食品も大きな問題だ。モンサントが除草剤・ラウンドアップに耐性を持つGM大豆をつくり出し、ラウンドアップとセットで販売を開始したのは1996年だ。アメリカは世界最大のGM作物栽培国だが、販売段階での表示義務はない。日本にはGM食品に表示義務があるが、EUなどに比べると格段に基準がゆるい。

 C EUではGM作物の表示には厳しい。スペインではスーパーで販売している食品だけでなく、レストランで提供するメニューにも義務づけている。国内で流通・販売していくことが難しいということで、ドイツ、スウェーデン、ポーランドは2011年にGM作物の栽培を中止した。14年にはEU最大の穀物生産国フランスがGMトウモロコシの栽培を全面中止。さらに15年にはルーマニアが、16年にはスロバキアもGM作物の栽培から撤退した。

 D ロシアでは16年に上院でGM作物の生産および輸入を全面的に禁止する法案が可決・成立した。ロシアは12年に世界貿易機関(WTO)に加盟したさいに、アメリカに押し切られてGM作物の栽培や輸入を解禁・容認した。だが、国民の圧倒的多数がGM食品を拒否したため、ロシア国会は生産・輸入禁止に動いた。

 A 日本はGM作物を年間数千d輸入する、世界で有数のGM作物消費国だ。食品用大豆の国内自給率はわずか7%だ。残りは輸入に頼っている。輸入先はアメリカ、ブラジル、カナダなどだ。16年度のGM大豆の作付け面積は順に94%、97%、94%だ。

 日本への輸入が許可され、販売・流通が認められているGM作物は八種類ある。大豆、トウモロコシ、ナタネ、綿、ジャガイモ、甜菜、アルファルファ、パパイヤだ。このうち大豆、トウモロコシ、ナタネ、綿がおもに流通している。これら8種類のGM作物を主な原材料とする加工食品のなかで、食品衛生法の安全審査をクリアしたのは19年5月に320種類にのぼる。15年の214種類から急増している。

 だが、320種類のうち表示を義務付けられているのは33種類しかない。大豆では豆腐や納豆、豆乳類、味噌などは表示義務があるが、醤油、コーン油、大豆油、菜種油、液糖、GM飼料で飼育された肉など、タンパク質が分解されているとされる食品には表示義務はない。たとえば醤油になにも表示がない場合は、通常はGM大豆が原料であることを意味する。豆腐には表示義務があり、表示がない場合はGM大豆不使用ということになる。

 C 消費者はGM食品とは知らずに口にしている場合が多いということだ。アメリカの政府関係者が「日本人は一人当り世界でもっとも多くのGM作物を消費している」と発言している。日本はトウモロコシの100%、大豆の93%を輸入に依存しているが、アメリカなど輸入先国のGM比率はトウモロコシも大豆も90%前後だ。日本で消費されるトウモロコシ、大豆の80%前後がすでにGM作物ということになる。

 B アメリカやEUなどではGM作物の栽培や流通・販売を消費者が拒否する運動が広がっており、GM食品は行き場を失っている。そうしたなかで内閣府の消費者委員会は今年四月、GM食品ではないと表示できる条件を厳格化する表示基準の改定案を政府に答申した。この狙いは「遺伝子組み換えでない」という表示を事実上不可能にすることだ。山田正彦氏は「市場をオーガニック食品に奪われたモンサント(現バイエル)は、またとないチャンスを日本で得る」とし、行き場を失った世界中の遺伝子組み換え作物が大量に日本に流入し、「多国籍アグリ企業が扱いに困った作物の最終的な廃棄場」になると指摘している。

 D 鈴木宣弘氏はアメリカはまるで「GMトウモロコシや小麦は牛・豚・日本人に食わせておけ」といった対応だと話している。

世界の動きと逆行 ゲノム食品も規制緩和

 A GM作物の健康破壊と同時に除草剤ラウンドアップの主成分であるグリホサートに発がん性が確認され、世界各国で販売が禁止されているが、日本政府は逆に残留規制を緩和して世界中で売れ残ったラウンドアップを流入させている。

 C グリホサートは収穫直前の小麦を早く乾燥させる効果があり、直前にラウンドアップを噴霧するプレハーベストという方法が導入されている。収穫時の手間が省け、グリホサートが芯にまで浸透して余分な水が抜かれるので、輸送するさいにカビや細菌が発生するリスクが抑えられる。アメリカやカナダ、オーストラリアでもラウンドアップを使ったプレハーベストをおこなっている。

 日本の消費者団体などが輸入小麦やそれを原料にしたパンを検査したところ、グリホサートが検出された。国産小麦を使ったパンからは検出されなかった。政府は「基準値以下だから問題ない」との態度をとっているが、その基準値が大幅に緩和されたものだから問題だ。そのうえ小麦はパンや麺類など毎日口にする主食であり、積み重なっていけば健康を害する危険性は高い。

 輸入農産物に使用される防腐剤や防カビ剤など、ポストハーベスト(収穫後)農薬についてもアメリカは日本の残留基準を緩めるよう要求してきている。

 B GM食品と同様にゲノム編集食品に対しても規制を強化する諸外国の動きと逆行して日本はフリーパスの姿勢だ。EUの司法裁判所は18年7月に「ゲノム編集は遺伝子組み換えと変わらない」との判断を出した。アメリカの農務省は18年3月に「ゲノム編集は遺伝子組み換えに該当しない」との声明を出したが、改変の仕方によっては遺伝子組み換えであるとした。日本の環境省は18年8月、アメリカに追随して「ゲノム編集は遺伝子組み換えではない」との見解を発表し、同9月に厚労省は「従来の品種改良と同じ、安全だ」とする報告書をまとめ、厚労省への届出だけで市場への流通を認める方針だ。表示も必要ない。

 D 種子大手の米コルテバ・アグリサイエンス(元ダウ・デュポン)は年内にもゲノム編集トウモロコシ販売を厚労省に届け出る動きを見せている。ゲノム編集技術はモンサント・バイエル連合とダウ・デュポンの二強が独占する状態だ。日本が先頭に立ってゲノム編集食品の本格的な流通を開始することは、米バイオメジャーの実験場となる危険性が高い。GM種子の販売もモンサント社など数社で世界中のシェアを独占している。

モンサント法の日本版 種子法廃止・種苗法改定

 A 農産物市場の開放と同時進行で進んでいるのは、種子法(正式名称=主要農産物種子法)の廃止や種苗法の改定だ。種子法が誕生したのは敗戦間もない1952年で、「二度と日本の国民を飢えさせてはならない」という精神にもとづくものだった。日本人の主食である「コメ・麦・大豆」の安定供給のために、それらの種子の生産と普及を国の責任として位置づけ、「種子の開発予算」は都道府県の負担とした。種子は「日本人の公共財産」として扱われ、一般農家は安定した価格で種子を買うことができた。

 ところが2017年2月、安倍政府は種子法を廃止し、かわって「農業競争力強化支援法」を制定することを閣議決定し、4月14日衆議院と参議院でわずかな審議で採択された。種子法が民間の参入を阻害しているとし、これまで税金で開発・改良してきた種子の知見を民間業者に渡すことを目的としていた。これを山田正彦氏は「モンサント法案の日本版」と見ている。

 B 1994年に北米自由貿易協定(NAFTA)が発効すると、モンサントやデュポンなどの多国籍アグリ企業は、メキシコで栽培されていたあらゆるトウモロコシを輸入し、種子をゲノム解析したうえで育種登録や応用特許を次次と申請した。メキシコの農家がトウモロコシを栽培するには、モンサントやデュポンに使用料を払わなければならなくなった。

 さらに2012年にはメキシコ政府は、種子の一部を保存して次の年の栽培に備える自家採種を犯罪行為として原則禁止にした。そのうえで政府に登録された種子を毎年購入することを義務づける法案制定へと動いた。こうした一連の農家の自主性を奪う法案は「モンサント法案」と呼ばれ、農民を中心とする国民の猛反発を受けて廃案となった。

 D モンサント法案はユポフ条約=「植物の新品種に関する国際条約」をよりどころとしている。91年に改定し、新しい種子を開発した民間企業の知的財産権を守り、同時に農家から自家採種の権利を奪うなど、新品種を開発した育種者の権限が大幅に拡大された。主導したのは国際種子連盟で、モンサントをはじめ多国籍アグリ企業がメンバーに名を連ねている。しかも91年の条約を批准した国は新品種を育てた者の権利を守る国内法を整備する義務を負う。さらにTPPの合意文書には91年ユポフ条約の批准を義務づけている。

 日本はユポフ条約を82年にアジアで初めて批准し、98年に91年条約を批准しており、国内法の整備が義務づけられる。これに従って日本では種苗法改定に着手した。日本では種苗法によって、種苗の自家採種が容認されてきた。ところが2018年5月、農水省は自家採種を原則禁止する方向での種苗法改定の検討に入った。

 山田氏は「種子法廃止で公的な予算措置を廃止し、農業競争力強化支援法でコメの300近い品種数を民間の数種類に集約させ、外資を含めた民間企業へ長く蓄積されてきた種子の育種知見を提供させる。そして種苗法改正で自家採種を全面禁止することで農家は多国籍アグリ企業から高価格の種子を買わざるをえない状況をつくりだしていく」と指摘し、これが「日本版のモンサント法」であり、その総仕上げが種苗法の改正だとしている。

 A 90年代なかばアルゼンチン政府は、農地規制を緩和して外資の土地所有を認めた。外資が土地を買い占め、巨大な遺伝子組み換え大豆畑がつくられ、その大豆だけに耐性を持つ除草剤の空中散布によって周辺農家の作物は枯れた。国内の畑が遺伝子組み換え大豆一色になり、経済不況時に餓死する国民が続出した。イラクでも多国籍アグリ企業が在来種の種子を品種登録し、農民は主食の種子まで企業から高い値段で買うしかなくなり、食の主権を失った。

 B 種子を外資に支配され食料を輸入に依存する国は主権国家、独立国家とはいえない。アメリカは食料を戦略物資と位置づけている。ブッシュ大統領はかつて「食料自給はナショナル・セキュリティの問題だ。それにひきかえ、(どこの国のことかわかると思うけれども)食料自給できない国を想像できるか。それは国際的圧力と危険にさらされている国だ」と語った。アメリカは戦後一貫して日本国民の胃袋を牛耳るために画策してきた。安倍政府は米国産農産物の輸入を増大させるだけでなく、主食であるコメや麦、大豆の種子も含めてアメリカの多国籍アグリ企業に差し出す構えだ。TPP、日欧EPA、日米FTAまできて日本の食料をめぐる事態の激変に専門家は警鐘を鳴らしている。生産者と消費者をはじめ広範な国民が連帯して根本的な問題の解決に向けて進む必要がある。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/13571

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

118. 中川隆[-10818] koaQ7Jey 2019年10月15日 17:10:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2025] 報告
食の安全保障を放棄する日米FTA 東京大学教授・鈴木宣弘 2019年10月15日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13592

 すずき・のぶひろ 1958年三重県生まれ。東京大学農学部卒業。農学博士。農林水産省、九州大学教授を経て、2006年より東京大学教授。専門は農業経済学。日韓、日チリ、日モンゴル、日中韓、日コロンビアFTA産官学共同研究会委員などを歴任。『岩盤規制の大義』(農文協)、『悪夢の食卓 TPP批准・農協解体がもたらす未来』(KADOKAWA)、『亡国の漁業権開放 資源・地域・国境の崩壊』(筑波書房ブックレット・暮らしのなかの食と農)など著書多数。

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これ以上国民の命と暮らしを生贄にしてよいか

 日米貿易協定(FTA)の第一弾が決まった。まさに「失うだけの日米FTA」だったことが明らかになっている。まず貿易自由化をめぐる現在地を確認したい。

 12カ国によるTPPは、「国論を二分」といわれる反対運動の成果が米国であらわれ、8割近い米国民の反対世論が大統領選の全候補にTPP離脱表明をさせ、最も強硬だったトランプ大統領がこれを破棄した。これでTPPは終わったはずだったが、日本は米国抜きの11カ国で昨年12月30日にTPP11を発効した。ここで日本は、米国が抜けたにもかかわらず米国を含めた12カ国に譲った枠をそのまま盛り込んでいる。米国のかわりにオーストラリアやニュージーランドが大喜びで日本にさらに安い農産物を送り込んでくる状況になっている。

 そうなれば当然、米国は「俺の分はどうしてくれる?」と黙っていない。だからTPP11と日米2国間貿易交渉(FTA)は最初からセットだった。日本政府は「TPP11発効は日米FTAを避けるためだ」と嘘を言ったが、実際には避けられないので早急に交渉を開始。そこで国民をごまかすためにFTAを「TAG(物品貿易協定)」という言葉に換え、日米共同声明の日本語訳やペンス副大統領の演説内容まで改ざんして「日米交渉はFTAでなくTAGだ」と言い張った。

 ところが日米貿易交渉がまとまった今、誰もTAGなどといわない。その場しのぎのごまかしのために適当につくった言葉だったということの証だ。「浅知恵、極まれり」である。

 TPP11で米国分も譲っているのだから、日米FTAでさらに米国に譲れば簡単に「TPP超え」になる。しかも今回は巨大なお土産つきだ。米中貿易摩擦の尻ぬぐいのために300万dもの飼料用トウモロコシを米国から買えと言われ、これを約束した。「トランプ親分が粗相をしたので、お尻を拭くのは日本でございます」という露骨な話だ。こんな恥ずかしいことは国民に説明できないので「虫のせい(害虫被害)」だといった。すぐバレるような幼稚な嘘で塗り固めて次に進めていく。

 さらに今年2月1日、EUとの自由貿易協定(EPA)を発効した。これはTPPが頓挫して格好がつかない官邸が「EUにはTPP以上に譲歩していいから早く進めろ」と成果を急がせ、喜んだEUの「チーズは全面関税撤廃で」という要求に「はい、わかりました」と答えた。欧州に対してもTPP以上の譲歩だ。TPP11と日米FTA、日欧EPAの三つを揃えたら、TPPをはるかに超える規模になっている。


日米貿易協定を合意した日米首脳会談(9月25日)

片務的な「つまみ食い」協定

 今回の日米FTA第一弾はどのように決まったのか? まさにトランプ大統領の選挙対策だ。自分がほしい牛肉、豚肉は「早く譲れ」といい、TPPで撤廃する約束だった自動車の関税撤廃はやらない。

 日本側は米国の合意内容の文書(譲許表)を隠して「自動車関税の撤廃は決まったが、そのスケジュールは明記されていない」と説明したが、署名後に出てきた米国側文書(和訳はせずに今も目に触れにくくしている)には関税撤廃そのものが「今後の交渉次第」としか書かれておらず、日本側の説明は完全な虚偽で、それを隠ぺいして国民をだまして署名してしまったことが明るみになった。このような虚偽と隠ぺいが許されてよいのであろうか。

 TPPで撤廃する約束だった牛肉の関税撤廃も米国はやらない。これも、日本からの和牛肉のわずか200dの輸出枠が拡大したかのように説明して、日本側はTPPよりも多くを勝ち得たと虚偽の説明をした。

 日本の輸入牛肉については、TPPで米国も含めて61万dという低関税の輸入枠を決めたが、FTAで米国に新たに24万dの枠をつけた。この「二重」のサービスでTPP超えになっている。しかも、枠を超えて高関税への切換え(セーフガード)が発動されたら、それに合わせて枠を増やして発動されないようにしていく約束もしていることが判明した。

 米国は、自国に有利なものはTPP基準以上でやらせ、都合の悪い約束はTPPでの約束を反故(ほご)にした。米国だけに都合のいい「つまみ食い協定」である。

 ただし、牛肉と同じように「二重の枠」が設定されるとみられていた乳製品(バター、脱脂粉乳)など33品目については今回米国にはなにもつけていない。「日本も頑張ったじゃないか」という評価があるが、ここにはちゃんと再協議規定がある。米国が自分がTPPで得るはずだったものを手放すわけがなく、とりあえずトランプ氏が関心のあるものだけを発表し、後は先送りにしているだけだ。

 そもそもTPP水準が大問題なのだが、これをもって「TPP水準でおさめた」と書く新聞も大間違いである。

 記者会見で日本の交渉責任者は、自動車関税撤廃の日米交渉について「日本は農産物のカードをすべて切ったので、もう交渉カードがないのでは?」との問いに、「カードはある。TPPでの農産品の関税撤廃率は82%だったが、まだ米国には40%も出していない」と答えた。つまり自動車輸出を守るために農業を差し出していくことを認めた。TPPで米国の量も含めて輸入枠を差し出しているわけだから、さらに今後33品目にも米国のために「二重」の枠をつくるということだ。

 今回、米国からのコメの追加輸入枠(7万d)がとりあえず回避されたのは、コメの主産州であるカリフォルニアが民主党の支持基盤だから、トランプ氏の関心外というだけの話だ。米国のコメ団体は15万dにしろと要求しており、再協議することになるだろう。コメについてはWTO枠77万dの輸入枠のうち「密約」枠36万dが米国にすでに毎年供与されており、そこに7万dを追加する新「密約」がおこなわれることも十分あり得る。

 日本が求めていた自動車や部品の関税は撤廃せず、協議の時期も明示していない。日本の対米輸出の四割が自動車と自動車部品だ。国際法では一方的に不利な状況をつくる差別的なFTAを原則禁じており、全品目を含めるのなら許すというのが国際ルールだ。だからいままでの貿易協定は9割の品目を含めるようにやってきたが、今回は自動車と部品を入れないことで6割を切っている。政府は「自動車と部品も関税撤廃された」とウソをついて米国の関税撤廃率を92%と発表したが、ここから自動車関連のシェア41%を引くと、実際は51%でしかない。これは過去に例のない低いレベルで、前代未聞の国際法違反にあたり、国会承認はできない。

 歴史的にふり返れば、WTOの前身であるGATTは、1929年の米国の大恐慌を発端として世界のブロック経済化と関税引き上げの報復合戦などの保護主義化が最終的に第二次世界大戦につながった反省を踏まえて1947年に締結された。つまりWTOの基本精神は、戦争の反省から生まれた無差別的原則にある。日米FTAは、戦争を防ぐために戦後の世界が築き上げてきた国際ルールを壊すことになる。

 そもそも米国が自動車に25%の追加関税をかけることが国際法違反であり、EUは「犯罪行為は許さない。WTOに訴える」と対抗しているが、日本は「犯罪者にお金をあげて許しを請う」てしまった。その結果、米国と一緒にさらなるWTO違反の犯罪行為に手を染めてしまった。これは国際貿易秩序を無茶苦茶にしていくことになる。

米国の余剰食糧の廃棄場に

 8月25日の日米首脳会談後の記者会見で、トランプ大統領からうれしそうに「米国の余剰トウモロコシ数百億円分を買う約束について話してくれ」と促された安倍首相は「害虫被害があるので前倒し購入する」と応じた。年間輸入量(1000d)の3カ月分、275万d(約550億円)という膨大な量の購入が突然決まった。苦し紛れに「害虫被害があるから必要」といったが、農水省は「食害はほとんど起きていない」と認めた。その後「被害は確認できていない」と表現を変えたが意味は同じである。

 しかも、食害を懸念している日本の飼料用トウモロコシは葉や茎を青刈りして牧草のように家畜に与える粗飼料であるのに対し、米国から輸入するトウモロコシは実(粒状)の濃厚飼料だ。両者は用途が違うため単純に代替できない。

 8月8日に虫の食害が確認できたから25日に輸入を決めたというが、5月にトランプ氏が「参院選までは黙っておくが、選挙後の8月には大きな数字を発表する」とツイートしていたのだから、その時点で輸入が決まっていたと考えるのが自然だ。日本側は一生懸命その理由を探していたのだ。ところが後付けだからつじつまがあわない。

 「安い餌が入って畜産農家は助かるのでは?」という意見もある。だが、米国が日本にトウモロコシを売りつけるのは米国のシカゴ相場が下がっているからだ。日本に輸出することで米国のトウモロコシ価格を上げて米国の農家を救うのが目的だ。シカゴ相場が上がれば飼料コストも上がるから日本の農家はいい迷惑でしかない。

 民間が輸入するにしても一般の商社が対応できないとなると、今「潰すぞ」といわれている全農などが無理矢理に購入することになる。「日本に置いておく場所がない」となると、ニューオーリンズの全農グレインの施設にしばらく置いて、米国から直接アフリカなどの第三国に二束三文で売り払い、代金決済だけ全農でやる可能性もある。これは当事者にとっては大変な損失になる。

 それならトウモロコシからバイオエタノールを作るか、いっそのこと「米国からエタノールを買ったらどうか?」というのが有力案として浮上している。だがエタノールを買うのなら、あの虫は本当になんだったのか? という話になる。こういう幼稚な理屈がくり返されている。

 トランプ氏は「自動車25%関税」で脅せば日本が譲歩することに味をしめ、当面引っ込めても、また要求があればこれをちらつかせてくるだろう。日本側は「自動車25%関税」は回避できたというが、協定本文に「協定のいかなる規定も安全保障上の措置をとることを妨げない」と明記されている。これは、安全保障を理由にした自動車への25%の追加関税はいつでも実施できることを意味し、「追加関税は阻止できた」というのも虚偽である。逆に、「安全保障のために食料の国境措置は守る」とわが国も主張する気概が必要だ。

 8月25日の早い段階ではある新聞社の記者は「日本が約束したトウモロコシ輸入量は(300万dではなく)1000万dだ。政府高官の話だから間違いない」といっていた。「自動車25%関税」で何度も脅されて300万dを3年買えば、本当に1000万dになりかねない。まさに「底なし沼」だ。

 「前倒し購入」であって年間輸入量は変わらないという日本側の説明もあり得ない。それならトランプ氏と米国農家があれほど喜ぶわけがない。国内向けの稚拙なごまかしで平気でやり過ごそうとする姿勢が度を過ぎてきている。

 しかし、過去に日本が「勝ち取った」といえる日米交渉が存在したのかといえば、そもそも米国の占領政策として「コメを食べるとバカになる。小麦を食え」といわれ、「大豆、小麦、トウモロコシも全部米国から輸入して、人間も牛も豚もそれを食べて生きていけ。日本人は農業などするな。米国の余剰食糧の廃棄処分地なのだ」という政策の下で、小麦もトウモロコシも自給率がほぼゼロ%に近づくまで輸入している。

 人間も牛も「満杯」なのにさらに300万dねじ込まれる。戦後の占領政策の総仕上げといえる段階にある。

「とどめ刺せ」人事の農水省

 現在、経産省は独裁といっていいほど官邸で力を持っている。私が知る彼らの行動パターンは、自分たちの天下り先である自動車や鉄鋼、電力、石油業界の利益拡大のために食料と農業を差し出していく交渉スタイルでずっとやっている。だから国内では農業がいかに悪いかを徹底的に宣伝する。

 彼らにとって自動車への高関税や数量制限はこれ以上にない人質を取られたようなものであり、こうなったら国民の命を守る食料・農業を生け贄にして根こそぎ差し出そうという段階だ。

 一番影響が出ているのが酪農だ。前述三つの貿易協定による打撃のうえに、国内では生産者の共同販売が「不当な利益を得ている」といってやり玉にあげ、酪農協による生乳の共販を弱体化させる法改正をした。これは大手による買い叩きをしやすくするために農家をバラバラにするのが目的だ。中小零細の酪農家がまとまって大手と交渉するのは国際的な独占禁止法のカルテルからも除外される正当な権利なのに、日本だけがそれをやめさせる法律を作った。

 当然、牛乳の減産が加速し、一昨年の北海道のブラックアウトでは東京でも牛乳が消えた。これは一過性の出来事ではない。もう何かのきっかけで牛乳が店頭から消える段階にまで日本の食が蝕まれている。「安くなったから自由貿易バンザイ」という話ではなく、いざとなったら食べるものがないという状態をつくることを認識しなければならない。

 「これはやり過ぎだ」と官邸に進言した事務次官候補の農水省生産局長はクビになった。逆らう者はその場で処分される。人事権を握っている官房長官、副官房長官はやりたい放題なので農水省は身動きが取れなくなる。それを逆手にとり、起死回生をかけて官邸(経産省)への忠誠を誓った人物が事務次官になった。

 単純な「論功行賞」ではなく、農業を命や環境、地域、国土を守る特別な産業という扱いをやめて、官邸の「お友だち」にとって損か得かを基準にする。つまり日本の家族農業経営や農業関連組織に「とどめを刺せ」という人事だ。果ては農水省を経産省に吸収することまで考え始めている。だから彼は職員への就任の挨拶で「農水省を葬式に出すために事務次官になった」という信じがたい発言までしている。

 そして種子法廃止をはじめ、海や山を含めて地域で頑張っている人たちを潰して、そのビジネスとお金をむしり取るために法律を撤廃、改定し、新法まで作るという恐るべきことが進行している。

 その後、新事務次官にかわって変化が期待されたが、頑張ろうとする姿勢を示したとたん、10年以上前に握られていた2003年のセクハラ問題が週刊誌で報じられ、NHKはじめ全メディアの総攻撃にあって黙らされた。世の中は人事とカネと恫喝だ。それを天才的に使いこなすのが官房長官で、国会でウソの答弁をさせられた某財務省官僚には官邸機密費から2億円が流れたという話もある。ちなみに原子力の教授が6億円もらって福島原発事故のときにテレビで「大丈夫」発言をくり返し、大学の研究室に戻ると学生に「窓を閉めろ、東京も危ないんだ」といったという話もある。これが6億円の効果だ。

自由化で進む輸入食料依存

 地域農業は全国的にみると「限界集落」といわれるような農村地域が増えて農業が疲弊している。さらに5年、10年で高齢化が進み、後継者が育たなければどうなるか。この脆弱化した農業構造に自由化が加わる。この二つを加えた複合的影響が本当の影響だ。

 これらを考慮して計算すると、例えば牛肉の自給率は2035年には16%、豚肉は11%だ【表参照】。国産が1割台の時代になる。こうなると消費者は選ぶことさえできなくなる。国産を選ぶことができないことがなぜ深刻なのか。

 まず食の安全基準のさらなる緩和が進む。日米交渉でまず決まるのが、BSE(牛海綿状脳症)対策としての輸入条件の撤廃だ。米国産牛の月齢制限を20カ月齢としていたものを、TPPへの「入場料」交渉で30カ月齢にまで緩めた。今度は30カ月齢もやめなければならない。

 食品安全委員会の幹部によると「国会ではこれ以上緩めないといっているが、あれは本当ではない。本当は米国に今日やめろといわれたら今日にでも緩めないといけないので準備万端整えてタイミングを待っている」という。なぜ緩めなければならないのかといえば、米国はBSE清浄国だからだ。米国内ではどんなに感染していても検査自体をほとんどやっていないのだ。そして、ついに日米FTA交渉過程の5月17日に月齢制限を撤廃してしまった。

 もう一つは、禁止農薬の防カビ剤「イマザリル」など。その根は深く、1970年の「日米レモン戦争」に遡る。日本では収穫後に禁止農薬をかけることはできないが、米国は収穫物に防カビ剤を大量にかけて輸送してくる。禁止農薬がかかっていたレモンを日本側が「不合格」として海洋投棄すると、怒った米国に「自動車輸出を止めるぞ」と恫喝されて震え上がった。そして、防カビ剤イマザリルは収穫前にかけると農薬だが、収穫後にかけたら食品添加物であるとしてこれを認めた。いまでもそれがどんどん入ってきている。

 食品添加物に分類されると食品への表示が義務づけられる。禁止農薬が入っていることがバレるから「これは不当な米国差別だ。表示するな」とまた米国が怒り出した。それでTPPの裏交渉で改善を約束し、今回のFTAでは表示の撤廃が待ち受けている。

 イマザリルのような防カビ剤は浸透するので皮を剥いて食べても体内に入る。このような自由貿易協定は「農家には申し訳ないけど、消費者は安くなっていいな」という話ではない。いざというときに食べられないばかりか、とんでもないものを食べざるを得ず、命の危険にさらされる。農家の問題ではなく、国民の命の問題であることを認識しなければならない。

輸入農産物に潜む危険

 安全基準の問題だけでなく、現在すでに入ってきている輸入農産物がいかに危ないか。検疫結果を見ると、米国の農産物からはあれだけ防カビ剤をかけても「アフラトキシン」という発がん性の猛毒のカビがたくさん見つかり、ベトナムからの食品にはあり得ない化学薬品やE-coli(大腸菌)がたくさん見つかっている。港で防疫されているのかと思ったら大間違いで、輸入品の検査率はいまや7%だ。あとの93%は素通りでみんな食べている。手遅れなのだ。

 心配になった知人が現地の工場を視察にいくと、肉や魚が工場に着いた時点でかなりの異臭を放っているという。つまり腐っている。それをうまく切り刻んで、串刺しにして日本の居酒屋さんで「おいしいね」「安いね」と食べている。賞味期限なんてあってないようなものなのだ。日本の業者は「安いものを」と要求するので、どんどん安くなるがどんどん危なくなる。安いものには必ずワケがある。

 牛肉でいえば、米国だけでなくカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコも使っているのが成長ホルモン「エストロゲン」。牛に耳ピアスで人口的に注入する薬だが、米国の牛肉からは、日本の牛に自然にあるエストロゲンの600倍も検出されている。

 エストロゲンがすごいのは、例えばウナギの餌にポツンと一滴垂らすとオスのウナギがあっという間にメスになる。ものすごい作用があり、成長も促進する。乳がんや前立腺がんを引き起こす可能性が高いといわれる。

 EUは国内使用を禁止し、輸入も止めている。だが日本では国内使用は禁止していても、輸入については米国を恐れてザル(素通り)になっている。

 すでに自給率は牛肉は4割を切り、豚肉も5割を切る。消費者のために国内生産で禁止しているのに、輸入で6、7割も入っていれば消費者は食べるから禁止する意味がない。検査機関に確認すると「検出されないので検査をやめた」という。よく聞けば40年前の機械を使っているので精度が悪くて検出されないという。

 牛や豚の餌に混ぜる成長促進剤「ラクトパミン」は、長期の発がん性だけでなく、人間に直接中毒症状を起こすということでEU、中国、ロシアでも輸入が禁止されているが、日本は例によって国内使用は禁止だが輸入はザルだ。

 EUは米国産牛を全部ストップしている。オーストラリアはEU向けの牛に成長ホルモンが入ると売れないので使わないが、検査しない日本向けの牛には投入している。EU33カ国では米国産牛の輸入を止めてから17年(1989〜2006年)で、乳がんの死亡率が顕著に減った(アイスランドは45%減)という学会誌データさえ出てきている。

 これから日本では米国の乳製品がさらに増える。米国は600億円分ほどの乳製品をまた日本に売れると喜んでいる。米国のホルスタインには、M社が開発した遺伝子組み換え牛成長ホルモン(注射1本で乳量が2〜3割増える)が注入されている。米国はこれを「絶対安全」といって1994年に認可したが、その4年後に勇気ある研究者が「乳がん7倍、前立腺がん4倍」という学会誌論文を書いたので消費者が動き出した。

 そこでM社と食品医薬品局が組んで「成長ホルモン不使用」の表示をやめさせようとしたり、「表示する場合には成分は変わらないと書け」と圧力を掛けた。だが米国の消費者は譲らず、スターバックスやウォルマートに店としての「不使用」を宣言させた。商品に表示できなくても流通ルートで「不使用」を示すことは違法ではないからだ。これほど米国で問題になった成長ホルモンが、認可もされていない日本には素通りで入ってきてみんなが食べている。

 私も農水省入りした40年前からこの成長ホルモンについて調べるために米国に行き、M社、認可官庁、実験した世界的権威の大学教授の三者にインタビューした。三者とも口を揃えて「安全」といい、理由までまったく同じことをいう。それもそのはずで、M社の社長が認可官庁の長官に天上がり、長官がM社の社長に天下る。上と下がグルグル回る「回転ドア」といわれる図式【図参照】になっている。

 そして、M社から巨額の研究資金をもらって世界的権威の教授が実験して「大丈夫だ」とお墨付きを与える。企業からの巨額の研究資金で金の扉のような研究室にいる教授が「本当は危ないんだ」などといえば、研究室から追い出されて教授職を剥奪されるだけならまだしも、命も危なくなるという噂さえあるのがこの世界だ。

郵政の次に狙われる「JAマネー」

 米国の政権と結びついている「オトモダチ」は日本で優遇しなければいけない。米政権のいうことを聞かなければ日本のリーダーは潰されるからだ。

 典型的なのが、米がん保険のA社だ。最近、かんぽ生命が不正契約問題で叩かれているが、社内文書で「かんぽの商品は営業自粛だが、A社の商品を3倍売れ」という指令が出ているという話もある。日本郵政の本社は2700億円をかけてA社に出資し、果てはA社を買収する案まで出ている。単なる買収ではなく、「寄生虫に母屋を乗っ取られる」ような買収だ。

 なぜ郵政を民営化するかといえば、ウォール街がゆうちょマネー350兆円を「喉から手が出る」ほどほしいから、これを「対等な競争条件」の名目で解体しろと米国にいわれ、当時の小泉首相が実行した。それだけでは済まず、A社がかんぽ生命を見て「かんぽは大きすぎるから競争したくない」というので、「日本はTPP交渉の入場料として“かんぽ生命はがん保険に参入しない”と宣言しろ」と米国に迫られ、所管大臣がしぶしぶ「自主的に」宣言した。日本の政治家が「自主的に」といったときは、「米国の言うとおりに」と置き換えると意味が通る。

 さらに、その半年後には全国2万局の郵便局の窓口でA社のがん保険を売るところまで来た。「市場を全部差し出せ」というのが米国のいう「対等な競争条件」なのだ。そのうえでの今回の事件であり、徹底的にむしり取られる。

 郵政の次に狙われているのが「JAマネー」だ。JAの貯金と共済の155兆円もの資金が東京に集まっている。これも米国が喉から手が出るほどほしいから「農協には悪いけど潰れてもらいます」ということになった。「農業所得向上のための農協改革」などウソで、すべて引き剥がすためだ。

 @信用・共済マネーの分離、A共販を崩して農産物をもっと買い叩く、B共同購入を崩して生産資材価格をつり上げる、CそれでJAと既存農家が潰れたら「オトモダチ企業」が農業参入する。規制改革推進会議の答申の行間はそのように読める。地方ではビジネスとお金が農業協同組合を中心に回っている地域も多い。これを潰して全部自分たちのものにしようという話だ。

米国で決まる日本の食品安全基準

 さらに米グローバル種子企業M社のために6連発で法改定などをしている。まず、豆腐に書いてあるような「遺伝子組み換え(GM)でない」の食品表示をなくす。微量の混入が見つかったら業者を摘発して公表することになっている。これも米国が要求してきたことだ。

 「日本のGMの義務表示は世界でもっとも緩いから許してやる。だが『遺伝子組み換えでない』という任意表示は、米国が安全といっているGMへの不安を煽る誤認表示だ」と米国にいわれ、消費者庁が動いた。「消費者のためにGM食品の表示を厳格化する」というので、毅然と立ち向かうのかと思いきや、出てきた答申は「緩い義務表示は緩いままでいい」「遺伝子組み換えでないという表示はできなくなりました(微量混入でも摘発するという脅しで怖くてやれなくしてしまう)」である。これも米国の要求通りになった。

 M社のトウモロコシをネズミに食べさせる安全性検査の期間は3カ月と決まっている。なぜか?4カ月目からがんが出るからだ。それを調べたのがフランスのカーン大学だ。GM食品を2年間ネズミに食べさせたところ、ネズミはがんだらけになった。除草剤「グリホサート」の発がん性も確認され、これは世界保険機関も認めている。米カリフォルニアでは裁判でM社に多額の損害賠償の判決も下っている。

 日本は米国の穀物の世界一の消費国だ。米国では小麦もトウモロコシも大豆もすべてグリホサートを直接かけている。遺伝子組み換えへの不安に加えて発がん性のある除草剤の残留した穀物を日本人が世界で一番食べているという深刻な問題がある。

 日本では農家が雑草にかけるが、米国では遺伝子組み換えでトウモロコシも大豆も枯れないように変えているので、草も作物も一緒に除草剤をぶっかける。小麦は遺伝子組み換えになっていないが、雨に降られる前に急いで収穫するためグリホサート入りのラウンドアップをかけて意図的に枯らしている。

 なぜ小麦だけは遺伝子組み換えにしていないのか? それは「大豆やトウモロコシは日本人とメキシコ人と家畜が食べるものだが、小麦は直接米国人がたくさん食べるからとりあえずやらない」というのが米農務省幹部の説明だ。

 グリホサートは小麦にもかかっているので、国産小麦でない日本の食パンからも0・2ppm前後が検出されている【表参照】。国会議員30人の髪の毛をフランスに送って検査すると7割の人からグリホサートが出てきた。それだけ日本人は輸入穀物からグリホサートを吸収し、それは子や孫の代まで影響を及ぼす可能性がある。だが世界各国が厳格化しはじめて市場を失いつつある米国は「日本だけはいうことを聞け」と指令を出した。

 しかも米国ではグリホサートに耐性をもった草が増えてきたので散布量を増やさなければならなくなり、日本の安全基準をそれにあわせて変えさせた。小麦は6倍、トウモロコシは5倍、そばは150倍にも緩めることを決め、日本は2017年12月25日に「クリスマスプレゼント」といって差し出した。日本の食品安全基準値はわれわれの命を基準にするのではなく、米国が必要とする農薬の量で決まっているのだ。

 自給率の高いコメのグリホサートの基準値は0・01ppmなのに、小麦の基準値は30ppmと恐ろしく高い。食パンに含まれる0・2ppmもコメを基準に考えれば大幅な違反だ。

種もグローバル企業に献上

 いま日本向けにGM小麦を導入しようとしている米国にとって邪魔なのは、全農の傘下にある株式会社・全農グレインの存在だ。全農グレインがニューオーリンズに保有する世界最大級の穀物船積施設では非GM穀物を分別して管理、輸送している。これが米グローバル種子企業M社にとっては不愉快で仕方がない。そこでM社やカーギルが全農グレインを買収しようとしたが、親会社の全農は協同組合だから組合への参入資格がなければ手も足も出ない。だから、いま日米合同委員会で「全農を丸ごと株式会社化しろ」といわれている。


全農グレイン穀物倉庫

 オーストラリアでは、同じ手口で協同組合系のAWB(小麦独占組織)がカーギルになった。はじめは「株式会社化しても譲渡不可の農家株式を作るから大丈夫」といっていたが、あっという間に譲渡可能になり、カムフラージュでカナダの肥料会社が買収し、1カ月後にはカーギルに買収された。

 日本でも政府は「農家株式をつくれば大丈夫」とまったく同じことを言っている。つまり政府が「大丈夫」といったときは「一番危ない」ということだ。どこかに必ず実例がある。

 そして種子法の廃止だ。グローバル種子企業にとって公共の種は邪魔であるから「種子法はやめろ」、さらに「優良なコメの種は全部差し出せ」と要求され、日本はそのまま法律にしてしまった。平昌五輪のときに、韓国でイチゴの苗が勝手に使われたと日本は怒っていたのに、コメの種はグローバル企業に差し出す法律まで作った。

 そして差し出した種の権利を高めてあげるために種苗法を改定して農家の自家採取を禁止し、種は毎年企業から買わなければいけないものとした。全部つながっている。

 「陰謀論をいうな」という人もいるが、これも中南米でM社がさんざんやってきたことだ。そこで猛反発を受けて追い出されたから日本にやってきた。M社は製薬会社のB社と合併しているので、食品のGM化と種の独占で日本人が病気になっても、その病気の治療にB社の薬を使えば二度おいしいということで「これが新しいビジネスモデル」とまでいっているそうだ。

 種子法廃止、種の譲渡、種の自家採取禁止、非GM表示の実質禁止、全農の株式会社化、グリホサートの残留基準値の大幅緩和ときて、七連発目はゲノム編集食品の野放しだ。「遺伝子を切り取るだけで組み換えていないから安全だ」といって、世界中で異変が起きているという論文がたくさんあるのに米国の指令で日本だけ野放しにした。消費者庁が「せめて表示だけはしないとたいへんなことになる」と抵抗したが圧力で潰され、まったくわからないままわれわれはもう食べることになってしまった。なぜ病気になったのかもわからないという恐るべき状況になっている。

規制改革で私腹肥やす「オトモダチ」

 日本国内でもきわめて少数の「有能」で巨万の富を得ている人たちが、貿易自由化を積極的に推進し、露骨に私腹を肥やすために政府の会議を利用して地域を苦しめている。代表的なのは、O社のM元会長、人材派遣会社大手P社のT会長(K大学の名誉教授)、Lファームも展開しているL社の社長を務めたN氏。M氏の会社の社外取締役がT氏とN氏であり、このMTN3人セットで地域を食い物にしている。

 T氏はK県の中山間地で「なんでこんな所に人が住むのか。早く引っ越せ。こんな所に人が住んで無理して農業をするから、税金使って行政もやらなければならない。これを非効率という。原野に戻せ」といった。農家が潰れても、農業参入を求めているA、P、L、Oなどの企業が条件のいい所で農業をやって利益が上がれば農業所得倍増政策は達成できたようなものだ、ということを平気でいう。

 T氏は人材派遣会社会長として1億2000万円の年収があり、大学でも給料があり、講演料は1時間あたり150万円だ。それでもまだ足りない。「今だけ、カネだけ、自分だけ」の「三だけ主義」の権化として政治を利用していく。国家戦略会議の委員として首切り自由特区と短期雇用で人間を雑巾のようにグルグル回す雇用改革法案を成立させ、もうけるのはT氏の人材派遣会社、家事支援外国人受入事業特区を決めて受注するのは自分の会社なのだから非常に露骨な「利益相反」だ。「今だけ、カネだけ、自分だけ」の正反対のとりくみで地域を守ってきた人たちが、彼らのもうけのために潰される。

 2016年、私は山本太郎氏と一緒にこれを追及するため参考人として内閣委員会に行き「これは国家戦略特区ではなく、国家私物化特区だ」といったが、最初から決まった人のためにルールに穴を開けるのだ。その後に問題になったナントカ学園と同じ構造が農業でもたくさんおこなわれている。

 農地を管理する市町村の農業委員会が任命制になったので、もうかりそうな市町村の委員にMTNがセットで入ろうかという噂さえある。

 漁業調整委員会も任命制になった。「鈴木さんがノリ養殖をやっても500万円にしかならないが、M社がマグロ養殖をすれば1億になる。これが成長産業化だ」というもので、江戸時代から沿岸で頑張ってきた漁師たちは非効率であり「いらない人たち」だという発想だ。だからタダで財産権を巨大企業に渡せという法律までつくった。空港を造るための強制収用でもたいへんなことだが、公共目的ではなく、オトモダチ企業のもうけのために補償もせずに無理矢理ひきはがしていく。憲法違反だ。

 山でも同じ。O社がバイオマス発電をやるために国有林の皆伐を認めた。丸ごと燃やしてハゲ山にしても、あとの植樹は住民が国民の税金でやるからやらなくていい。森林環境税などを使えばいいのだという。水道と同じコンセッション方式だ。食べるだけ食べて、食い逃げしても後始末は住民、国民が払う。企業にとってこんなおいしい話はない。

 MTNは洋上風力発電でも千葉の銚子沖にも入ってきている。このようにかなり特定の人たちが農林水すべてに入ってきている。米グローバル企業も含めて日米のごく少数の「オトモダチ」のために、われわれの生活や命が差し出されようとしているということだ。こんなもののために潰されるわけにはいかず、実力で跳ね返さなければいけない。

生産者と消費者の強力なネットワークを

 日本の流通構造は歪(いびつ)であり、スーパーが強すぎる。スーパー対メーカーが7:3、メーカー対酪農家が9:1という力関係だ。酪農家が協同組合で頑張っていても、しわ寄せは生産者にくるという世界で最も問題のある構造だ。

 08年の餌危機のときも、餌代がキロあたり20円も30円も上がって生産者が「何とかしてくれ」といったが、大手スーパーA社の「牛乳は安売り商品だ」という一言でメーカーも値段を上げられず、バタバタと農家が倒れた。これは日本が一番多かった。「今だけ、カネだけ、自分だけ」。スーパーは買い叩いてビジネスできればいいし、消費者も安ければいいじゃないかで、みんなで自分の首を絞めている。作ってくれる人がいなくなったらビジネスもできないし、食べることもできない。

 カナダでは牛乳1g300円。それでもカナダ人は「米国の成長ホルモン入り牛乳は飲みたくないから支えますよ」という。それで生産者も、流通も、加工も、小売りも適正なマージンをとってみんなで幸せなんだから、これこそが持続できる適正なビジネスのあり方だ。買い叩きビジネスは誰も幸せにしない。このことをもっとしっかりと浸透させていかないと危うい。

 スイスの国産卵は1個80円。輸入するフランス産の6倍もするが、国産のほうが売れている。小学生の女の子に聞くと「これを買うことで生産者のみなさんも支えられるが、そのおかげで私たちの生活が成り立つのだから当たり前でしょ」といとも簡単に答えたという。

 スイス人は「生産者の皆さんも本物を作ってください。そのかわり、われわれは農産物に込められた価値をみんなで分担していきますよ」という。これによって生産から消費までの強力なネットワークができ、その流通シェアがスイス全体の5割を超えてきた。だから既存のスーパーの流通も安売りがなかなかできない状態になっている。つまり自分たちの安心・安全な食は、自分たちの手で守る。国の方向性がどうあれ、私たちの力でその流れを作っていくことができる。生産から消費までのネットワークを強化することで、自由化で安くてもいかがわしいモノが入ってきても、いかがわしい連中が地域に入ってこようとしても、排除できる。

 イタリアの住民はロンバルディア平原の田んぼを見てこういった。「田にはおたまじゃくしも住める。洪水を止め、水もろ過してきれいにしてくれる。みんな世話になっているのにお米の値段に反映できていない」。そして米の値段と別に、税金から個別具体的なコメに込められた多様な価値への対価を支払う壮大な直接支払いシステムをEU全体で作り上げた。わかりやすいから国民も納得して払えるし、生産者も誇りに思って作れる。こういうものは日本の政策にはない。

 米国はコメ1俵4000円と安く売っているが、農家の必要最低限な所得として1俵1万2000円を固定して、その差額を100%政府が保障している。最低価格が確保されるから、それを目安に農家は経営ができる。コメも、バターも脱脂粉乳も大豆も同じだ。それが世界の常識だ。農業政策とは、国が国民の命を守るための安全保障の要としてやるものだ。

 ところが日本では「過保護な農業」は「競争にさらせば輸出産業になる」などという。「こんにゃくの関税1700%」というきわめて特殊な事例をとりあげるが、日本の農産物関税は平均11・7%で、EU(19・5%)の半分しかない【グラフ参照】。野菜のほとんどは3%だ。それが農産物品目の9割を占めている。そもそも過保護で国境が閉鎖されていたら自給率が37%まで下がるだろうか? それだけ考えても嘘だとわかる。

 「政府が価格を決めて作物を買い取る遅れた農業保護国」というのも大嘘だ。日本はそのような政策をほぼすべて廃止した世界で唯一の国だ。米国もカナダもEUも、農畜産物の価格低下を防ぐために、価格を設定して無制限に政府が買い取る。その仕組みがないのは日本だけだ。

 「日本の農業所得は補助金漬け」というが、日本はやや増えてきても3割だ。フランスもイギリスも90%を越え、スイスは100%だ。「収入の9割以上が補助金というのが産業なのか」と思われるかもしれないが、国民の命を守り、環境を守り、地域、国土を守っている産業は国として支えるのが世界の常識なのだ。

 それに逆行する日本では自給率が死語になり、かわりに「自給力」という言葉が使われるようになってきた。その定義をよく見てみると「いざというときには校庭にイモを植えて数年しのげる」と書かれている。これが農業政策であっていいのか深刻に考えなければならない。

総仕上げを許してはならない

 武器ばかりに何兆円もかけても台風など全国で多発する災害から国民を守ることはできない。筆者のところにも、台風15号に見舞われた南房総の現地から「牛乳工場が動いていない。搾乳できない農家、搾乳しても行き先のない牛乳、牛舎倒壊、牛の死亡、廃業する農家。かなり悲惨だが国の対策室がいまだにない」「現在も停電が続いていて、満足に水が飲めない家畜の世話に奔走している農家が数多くいる。自家発電を手配した農家も、せっかく搾乳した牛乳が集乳されず、廃棄している。憤りと不安を禁じ得ない」という切実な声が寄せられている。

 このような深刻な事態に食料、水、電気、その他のライフラインを確保してみんなの生活が元に戻るように普段から備えておくのが安全保障だ。いざというときに食料がなくて、自動車や戦車の鉄板をかじるとでもいうのだろうか。国のリーダーが国民の命を犠牲にして我が身を守り、国民をごまかすために労力を使っている場合ではない。

 かつてブッシュ米大統領は、自国農家に向かって「食料自給はナショナル・セキュリティ(国の安全保障)の問題だ。みなさんのおかげでそれが常に保たれている米国はなんと恵まれていることか。それに引き換え、食料自給できない国を想像できるか? それは国際的圧力と危険にさらされている国だ」といった。その国とは日本のことであり、「そうしたのはわれわれであり、もっともっと徹底しよう」という意味である。

 農業地域にある米ウィスコンシン大学の教授は「食料は武器であって標的は日本だ。直接食べる食料だけでなく、日本の畜産のエサ穀物を米国が全部供給すれば日本を完全にコントロールできる。これを世界に広げていくのが米国の食料戦略だ」という趣旨の発言をしている。日米FTAは、こうした戦後の米国の占領政策の総仕上げといえる。

 食を握られることは国民の命を握られ、国の独立を失うことである。日本の資源・環境、地域社会、そして日本国民の主権と命が奪われていくという取り返しのつかない愚かな政策に対し、「運命共同体」である生産者と消費者、国民一人一人が事態の本質を正しく認識し、覚悟を新たに自分たちの力で命と暮らしを守るための強力なネットワークを築いて行動を起こしていくことが必要である。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13592

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

119. 中川隆[-10505] koaQ7Jey 2019年10月28日 19:17:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2368] 報告
種子法廃止とこれからの日本の農業について 元農林水産大臣・山田正彦 2019年10月26日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829

 福岡県糟屋郡宇美町立中央公民館で20日、「種子法廃止と、これからの日本の農業について―食と農 命と暮らしを守るために福岡県独自の種子条例を制定しよう」と題して、地元有志でつくる「糟屋地区の未来を考える会」の第2回シンポジウムが開催された。山田正彦元農林水産大臣の基調講演を受けて、「グローバル化が進展する日本において国民の生活をどう守るか」をテーマに、山田正彦(元農林水産大臣)、野田国義(参議院議員)、原竹岩海(福岡県議会議員)、原田和明(北九州市立大学)、時任裕史(宇美町議会議員)の五氏によるパネルディスカッションがおこなわれた。種子法の廃止、種苗法改定、水道民営化や漁業法改定など、公共の分野が多国籍企業に明け渡されていく現状に警鐘を鳴らすと同時に、真実を知り、地方から変えていく道筋について熱のこもった議論が、農家や種子を守る市民運動をしている参加者をまじえておこなわれた。山田正彦元農林水産大臣の講演を紹介したい。記事は基調講演の内容に質疑応答のなかでの発言を加えたものである。なお、文中の表・写真は山田氏が示した資料を参考に本紙が作成した。

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 私は五島列島出身で、29歳のときに400頭くらい牛を飼っていた。豚も年間8000頭くらい出荷していたので、相当な規模だった。うまくいかず自分で肉屋もやり、最後は県庁前で牛丼屋までやったが、さんざん失敗した。当時4億円くらい借金を抱えた。忘れられないのは当時の農水省の勧めで大型畜産をやった仲間が2人自殺したことだ。私は破産状態だったが、弁護士の資格だけは持っていたので、弁護士をして借金の支払いをしながら、なんとも悔しかったので衆議院に出た。3回敗れて4回目に通り、5期衆議院議員をさせていただき、運良く農林水産大臣にさせていただいた。そのときに、戸別所得補償や飼料米制度、林業再生プラン、漁業の所得保障などいろいろやらせてもらった。そのときちょうどTPP交渉に参加したいという話があり、閣議で大げんかして大臣を辞め、今日までTPP反対運動を続けてきた。

 ところがTPPは昨年12月30日に発効した。たった5日間で牛肉の輸入量は半月分になるほど急増した。今年2月1日に日欧EPAも発効し、なんとEU産豚肉は五割増になった。チーズやバター、乳製品、果物類も今だいたい昨年に比べて3割増だ。そんななか日米FTAがいよいよ来年1月には発効する。一番恐れていたことだ。

 アメリカは農産物しか売る物がない。日本を見るとトヨタ自動車一社の売上だけで30兆円だ。農林水産物はあわせても8兆円しかない。2年前に「トヨタ自動車その他日本の自動車に25%の報復関税をかける」とトランプからいわれ、霞が関の官邸や農林水産省、経産省から聞こえて来るのは、「このさい、報復関税25%をなんとか延期してもらうために、農林水産物は譲るだけ譲る」ということだった。そしてアメリカの農務省長官も、はっきり「もう日本とは話がついた」と、今年5月からツイッターでいっている。今後大変なことになっていくのではないかと思う。

 今、アメリカもオーストラリアもどんどんコシヒカリをつくっている。これが60`4000円で入ってくる。私が農林水産大臣のときにおこなった試算では、今日本のコメの生産原価は60`当り1万5000円だ。昨年の農家の手取りが1万3300円だった。試算ではTPPに参加すると日本の食料自給率は14%まで落ち込むという結果になった。韓国ですら今、食料自給率は48%だ。日本は本当にどうなるのかと心配している。

 TPP協定は条約であり、憲法の下で、国内法の上になる。米韓FTAを結んだ韓国が200本の法律を変えたように、日本もTPP協定(8000ページ・30章)に従って、この2年間、次次に法律を変えている。一番最初に変えたのが主要農産物種子法の廃止だ。これについて私は5年前から、「明らかに国の主権を損なうものだ」としてTPP違憲訴訟をしている。その判決が昨年10月31日にあったが、判決のなかで種子法廃止について「背景事情の一つにTPP協定に関する動向があったことは否定できない」と、TPP協定と種子法廃止の関連を最高裁判所は認めた。水道法改定、漁業法の改定、市場法の事実上の廃止、森林管理法の改定など、すべてこれはTPP協定によるものなのだ。

種子法で日本のコメ、麦、大豆は守られてきた

 今私たちはおいしいお米を当たり前のように食べている。これは全部、伝統的な固定種だ。種子法のおかげで私たちの主食であるコメ、麦、大豆など、それぞれおいしいものを食べることができた。これがどうなるか。

 野菜で考えていただくとわかりやすい。野菜は30年前、みんな伝統的な固定種だった。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産している。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。

 こうして野菜の種子はF1になり、ニンジンでいえばカロチンなど栄養価は3分の1に減っている。F1は科学的にそこまで問題になるとはいわれていないものの、主食のコメ、麦、大豆の公共の種子がなくなると、民間の種子を使わざるを得なくなる。すでにコメ、麦、大豆の民間の種子ができている。

種子法とは

 種子法ではコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を国が管理し、各都道府県に原種・原原種の維持、優良品種の選定、奨励、審査を制度として義務づけてきた。そのもとで、各地の農業試験場で雑種の混入や不良な種を取り除き、厳格に監査した優良な品種を公共品種として安く安定して提供してきた。

 原原種の栽培では、コシヒカリやヒノヒカリなどを1本ずつ植え、毎年つくっている原種を純粋なコシヒカリに合わせて開花時期、丈の高さを揃えていく。四割くらいは黒米や赤米になったりするので、それをとり除いていくと、そこで6割くらいしか残らない。農業試験場に見学に行くと、穂先が1aくらい伸びているなかから、1_か2_違えばとり除いていた。その後も10回前後の抜きとり作業をおこなうなど、「異株」に対して細心の注意を払い、発芽率90%の種をつくり、その後に原種をつくる。3年目にようやく県が種子栽培農家を選定し、圃場を選定して、福岡県であれば「ヒノヒカリ」「発芽率90%以上」と、県として責任を持って保証書を出し、だいたい1`500円ほどでコメ農家に提供してきた。それをコメ農家は4年目につくり、われわれは5年目に食べることができる。そうやって純粋な伝統的な品種をしっかり守っている。麦も大豆も同じだ。

 ところが、種子法を廃止するとき政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」「なかなか売れない」といった。民間の優秀な品種(三井化学の「みつひかり」など)があるではないかと説明して回った。「みつひかり」は野菜と同じようにF1の種子で、伝統的な固定種ではない。価格を見ると、「みつひかり」の種子は4000円なので、公共の種子と比較すると8〜10倍する高い物だ。野菜の種子もF1になって多国籍企業がつくるようになってからは、イチゴやトマトなど1粒1〜2円だったものが、今は40〜50円だ。いずれコメ、麦、大豆の種子も40〜50倍になっていくことは間違いないと思っている。

農家を大企業に隷属させる

 私は三井化学の「みつひかり」や住友化学の「つくばSD」の生産者、日本モンサントの「とねのめぐみ」の生産者など、さまざまな方に会ってきた。話を聞くと、民間の種子には必ず、収量がコシヒカリの1・2倍〜4倍、味はヒノヒカリ以上、コシヒカリ以上という内容が書いてある。そしてつくりやすく倒伏しない。しかし実際は必ずしもそうではない。最初の年は化学肥料をやるのでいくらか収量があるが、土壌が追いつかず、だんだん収量が減ってくるのでやめた農家もけっこういた。

 実際の契約書を見ると、モンサントの契約書は有名で、何十ページもあって肝心な部分は英語で書かれているのだが、これがたった1枚だった。そのなかに「指示されたことに従わない場合はモンサントに生産者は責任を負う」と書かれている。農薬や化学肥料の指示はなかったのかと聞くと、その方は「そういう指示はなかった」といっていた。

 しかし、「つくばSD」の契約書は10ページあり、指定された農薬と化学肥料を必ず使わなければならない、反すると損害賠償責任を負うと書かれていた。そして「収穫されたものはすべて住友化学の指定するところに納めなければならない」となっている。価格については住友化学と生産者とで、「収穫後にそのときの相場を見て決める」となっている。今回の台風のときのように全滅する場合はどうかというと、「災害時の責任はすべて生産者が負う」となっている。これは非常に一方的な契約だ。

 「みつひかり」の生産者の話では、最初の年は60`1万2000円で全量引き取りだったからつくったが、翌年は60`1万円、その次の年は9000円になったのでやめたという。私は「よくやめられましたね」といった。この「みつひかり」の契約書だと、正当な理由がなければ、やめるにしても莫大な損害賠償を請求される恐れがある。

 これから、地方自治体が公共の種子をつくらなくなると、モンサントなど民間との契約の下、農家はまさにがんじがらめに縛られて、アメリカの農家のように奴隷農場に、借金漬けになっていく。

日本のコメ農家がモンサントへロイヤリティを支払う

 もう一つ、「農業競争力強化支援法」の八条三項のなかで、「銘柄が多すぎる」といっている。日本には各県の奨励品種だけで約300品種ある。天皇家の古代米だけで17種類だから、全国でだいたい1000種類のコメがつくられている。そのコメを数種類に集約するという。「民間の種子に」という意味だ。農協潰しの法案といわれた「農業競争力強化支援法」だが、八条四項では、日本(国の農研機構や各都道府県)が蓄積してきた育種知見をすべて民間に提供するとされている。国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、当時の斉藤農水大臣は「TPP協定は内外無差別だから、当然そうなる」と答えている。

 そうなるとどうなるか。メキシコはトウモロコシの原産国だが、今、メキシコの農家はモンサントなどにロイヤリティを払わなければトウモロコシをつくることができない。フィリピンもそうなった。日本のコメ農家もそうなっていくということだ。

 たとえば福岡県でやっとできたおいしいコメの品種も、提供するとロイヤリティを払わなければならない。国民の税金、県民の税金でつくった新しい品種だ。この育種知見がTPP協定によって多国籍企業に出て行くことになる。

 じつは農水省の事務次官が平成29年11月15日付で、「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県が、これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」という通知を出した。「いずれやめなさい」「予算をつけませんよ」という意味だ。さらに、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」とある。

 三井化学の「みつひかり」や日本モンサントの「とねのめぐみ」などのように、麦でもすでにF1の麦もできている。そういった民間のものが普及するまでの間だけ、各都道府県は育種知見を維持し、その間に民間にそれらの知見をすべて提供する義務があるという通知だ。実際に種子法が廃止になった昨年四月に奈良県、和歌山県、大阪府は県が責任を持ってつくるのをやめ、民間に委託した。県の保証するコメ、麦、大豆の種子は三府県ではなくなった。福岡県も条例をつくらなければそうなっていく。

日本も遺伝子組換えのコメ、麦、大豆を作付けするようになる?

 飼料米制度は私が大臣のときにつくったものだ。今コメでは農家は赤字だが、飼料米制度で何とか食べてきている。その飼料米農家に先日、農政局から説明があり、「反当り11俵以上とれないと補助金を出さない」という話が出てきたという。調べて見ると、すでにゲノム編集の飼料米の種子が用意されていた。その農家が「これからはF1か遺伝子組み換えの飼料米をつくらなければいけないのではないか」と心配していたが、まさにそうだった。そして「WRKY45(ワーキー45)」というゲノム編集のコシヒカリの種子も用意されていた。

 ゲノム編集について、昨年8月7日の『日本農業新聞』の1面に「GM技術該当せず」とある。ゲノム編集は遺伝子組み換えの一つだが、「遺伝子組み換え技術に該当せず、安全だ」といい始めたのだ。『日本経済新聞』(今年3月19日付)には「ゲノム編集食品、夏にも」とある。実際にはこの10月1日にゲノム編集食品は解禁された。任意の届け出のみで表示もないまま、いよいよ流通し始める。

 ゲノム編集とはなにか。例えばトマトの熟成する遺伝子だけを粉砕すると、熟成せず腐らなくなる。3年間、青青としているトマトができている。それを収穫して倉庫に入れておき、出荷のさいにエチレンガスをかけると真っ赤になる。それが本当に安全なものなのだろうか。

 EUでは、遺伝子組み換えは原則禁止しており、ゲノム編集は遺伝子組み換えであるとして使わないようにしている。ところが日本は、「ゲノム編集は遺伝子組み換えと違い、新しい別の種類の遺伝子を組み換えて入れるわけではない。アミノ酸に変わりないから安全だ」といっている。ところがアメリカもそうではない。先日訪米し、遺伝子組み換えの分野では右に出る人はいないというチャペラ教授に話を聞いたが、最初「ゲノム編集」といっても伝わらなかった。そして「そうか、山田さんがいっているのはNEW GMOのことだな」といわれた。アメリカでもみな、遺伝子組み換えの延長線上の話だという認識だ。しかし日本だけはゲノム編集は遺伝子組み換えと違うといい出した。

 今、ネイチャー誌に論文が載っているように、「ネズミ1匹の遺伝子を粉砕すると1600」の副作用がある。

 たとえば、中国でゲノム編集によって双子の赤ちゃんが生まれた。父親がエイズだったので、生まれてくる子どもがエイズにならないよう、ウイルスにかかっている遺伝子だけを壊した。すると思いがけず双子が生まれた。しかし、2人はエイズにはかからないが、西ナイル熱ウイルスにはかかる、インフルエンザにかかると重症化する、免疫疾患になる、短命であるなど、さまざまな影響があることがわかってきた。

 ゲノム編集食品で最初に、もうすでに日本に入ってきているのは高オレイン酸大豆だ。アメリカでは「ゲノム編集の大豆」「遺伝子組み換え大豆」というと、今ほとんど売れない。それで安倍総理は日米FTA交渉のなかで受け入れた。何の表示もないまま、食用油としてすぐに店頭に並ぶと思う。これがどういう作用があるのかはまったくわからない。

 ゲノム編集の高オレイン酸大豆や、カーギルが関与している除草剤耐性のあるナタネなどが日本に入ってきたところだと思うが、さらに政府はそれについて「有機(JAS)」の認証をできないか検討を始めた。9月30日に第1回の検討会があり、第2回が近く予定されている。アメリカですでに用意されている遺伝子組み換えのコメの種子、ゲノム編集のコメの種子、麦、大豆、ジャガイモなどについて、「有機」の認証をしたいというのだ。話を聞き、資料を読んでみると、認証することが前提の検討会になっている。今、遺伝子組み換え食品について、日本は政府が318種類も承認している。アメリカですら197種類だから日本はダントツだ。

 遺伝子組み換え農作物は、すべて除草剤・ラウンドアップ耐性だ。ラウンドアップをまくと植物は枯れる。主成分のグリホサートはベトナム戦争の枯れ葉剤と考えればよい。植物がアミノ酸をつくるシキミ酸経路を破壊するので、植物はアミノ酸をつくれず枯れる。ところがグリホサート耐性を持たせた農作物は、いくらグリホサートをまいても死なず、すくすくと生きている。ところが、そのラウンドアップで今大変なことが起きている。

ラウンドアップ裁判

 アメリカで昨年8月10日、歴史的な裁判があった。

 学校の用務員ジョンソンさんが、校庭の除草のために20〜30回ラウンドアップをまくと、腕に腫瘍ができ、末期ガンであることがわかった。モンサントのラウンドアップ以外に考えられないと、モンサントを訴えた裁判だが、モンサントに320億円支払えという評決が出た。判決は86億円に訂正されたが、これは世界のトップニュースになり、世界中に激震が走った。

 世界各国でじつは今、グリホサート、ラウンドアップの規制が広がっている。ラウンドアップをやめた国は24カ国、規制している国は33カ国にのぼっている。隣の韓国もラウンドアップの使用をやめ、ネオニコチノイドの空中散布や屋外の使用を一切禁止している。

 ラウンドアップをめぐる裁判は次次に起きており、ジョンソンさんの次には88億円、3例目の夫婦のガン患者には2200億円支払えという評決が出た。サンフランシスコでジョンソンさんに会い、インタビューをすることができたが、腕はケロイド状で肉が出ていた。彼は、「妻がハグすると皮がずりっと落ちて大変なので、今優しく抱いてもらっているだけだ。子どもはどうやらあきらめがついたようだが、妻はまだあきらめがついていないようだ」と話していた。日本に対するメッセージを求めると、「ラウンドアップの使用をできるだけ早くやめてほしい。日本だけでなく世界の人にそういいたい」といわれていた。

 その後、この訴訟にかかわったロバート・ケネディ・ジュニア弁護士にもインタビューした。彼は叔父のジョン・F・ケネディがホワイトハウスにいるときに、レイチェル・カーソン女史に会ったという。当時、モンサントはDDTを世界中で売りまくっていて、レイチェル・カーソン女史は「鳥も鳴かない春が来る」といい、モンサントから徹底的に糾弾されていたそうだ。そのときからロバート・ケネディ・ジュニア弁護士は30年間モンサントとたたかってきたという。

 裁判で勝利できたのは、モンサントが所有している最高の内部機密資料を裁判に出すことができたからだという。その内部機密資料によって、モンサントは19年前から、遺伝子組み換え作物やグリホサートでガンになることを認識していたことが明らかになった。実証の結果わかっていたのに悪質な隠蔽工作を続け、今日まで売り続けてきていたのだ。ロバート・ケネディ・ジュニア弁護士の話では、例えばニューヨークでは「ラウンドアップはコーヒーやピクルスと同じように飲んでも健康な大丈夫なものです」と宣伝していた。これは明らかな間違いなので、モンサントは莫大な罰金を払わされることになったという。

 日本では、「すぐに生分解されて自然に戻るから害がないとコマーシャルしている」と話すと、明らかに虚偽の事実で、公共放送でやるなど考えられないといわれていた。TPP違憲訴訟をするうえで裁判資料の提供を依頼すると、喜んで承諾して下さり、「日米で一緒にたたかいましょう」という話になった。

 今回、劇的な裁判となったが、すでにアメリカで5万件、同様の裁判が起こされており、カナダやオーストラリアでもモンサントに対する同様の裁判がなされている。モンサントを昨年6月に買収したバイエルは今、株価が5割下がっている。そしてついに正社員の1割に当たる1万2000人のリストラを発表し、動物医薬品を売るドル箱だった会社を売却した。アメリカでもEUでも「モンサントは終わった」といわれ、バイエルも危ないといわれているほどだ。

オーガニック食品の広がり

 今、アメリカのスーパーはどこに行ってもオーガニック、「NON GMO」があふれている。アメリカを変えた女性といわれているゼン・ハニーカットさんにもお会いした。彼女はロバート・ケネディ・ジュニア弁護士やジョンソンさんと一緒になって裁判をひっ張って来た人だ。

 彼女の子どもは3人ともアレルギーで、そのうち次男のボダイ君は小麦アレルギーがなかったのでパンやパスタをたくさん食べさせた。するとある日突然、理由もないのに怒り出し、暴れ出して自閉症の症状を起こした。驚いて病院に連れて行き、腸内細菌を調べると、クロストリジウムという脳神経を直接おかしくする細菌が、ヨーロッパの環境基準の四倍見つかった。このせいではないかと彼女は考えた。

 アメリカでは10年前から小麦の収穫前にラウンドアップをまいていた。ラウンドアップをまくと小麦が枯れるため、コンバインで刈る手間がなくなる。主成分・グリホサートは小麦の芯まで浸透し、水分が一滴もなくなるため、日本に運んで来るまでにカビが生えたり細菌が発生することもない。彼女はこのグリホサートのせいではないかと考え、小麦粉製品を食べさせるのをやめ、有機の物と発酵食品にするとボダイ君の症状は劇的に改善された。

 それまで、「グリホサートは食べ物から体内に入ってもすぐに分解されて尿として排出され、体内に残ることはない」という研究論文の下で、アメリカ環境保護局(EPA)も認めて来た。しかし、体内にグリホサートがあるかもしれないと考えた彼女が、母親たちの協力を得て母乳中のグリホサートの検査をすると、9割以上の母親からグリホサートが検出された。

 私はそれを聞いて日本で何とか調べたいと思い、フランスのクズサイエンスというところに髪の毛を送って調べてもらった。1キット5万円したが、30キット購入し、国会議員23人や私も含め総勢30人を調べると30人中21人からグリホサートが検出された。これを黒田純子博士が聞いて驚いた。「尿で検査すると日本人みんなから検出されるのではないか」と。

 今の医学では1個の細胞が生きるのに10個の腸内細菌の力を借りなければいけないといわれている。私たちは腸内細菌で生かされている。グリホサートはその腸内細菌のうち善玉菌をほとんど殺してしまう。そうなるとガンになったり、切迫流産や生殖系の機能を阻害したり、自閉症になることなどが明らかになってきている。黒田純子博士は、「じつはグリホサートは遺伝子を傷つけるのではなく、メチル化するのだ」といわれた。メチル化とは、遺伝子のオン・オフを人によって突然切り替えるのだそうだ。そうなるとこの遺伝子がそのままゲノム編集と同じ効果になる。

 ネズミの実験ではF0(大人の世代)、F1(子どもたちの世代)にはほとんど影響はないという。ただF3(孫)、F4(ひ孫)の時代に異常が出てくるという。遺伝子そのものが変わるため、最初の角度が一度違っても、遠くに行くほど角度が開くそうだ。

ラウンドアップにかわる除草剤

 ラウンドアップは今のJAでもどこでも売っている。しかし、お母さんたちが反対運動をしてダイソーは8月8日から販売をやめた。ラウンドアップにかわる天然素材の除草剤はないか調べていると、オーストラリアでオーガニック・コンタクト社の除草剤を、昨年暮れ近くになって政府が有効な除草剤としたことがわかった。この話を聞いてすぐにサンプルを輸入してもらい、試験してみた。すると1時間で雑草に黒く斑点ができてひっくり返っていき、4時間後には一部だが茶色く枯れた。これを、アメリカのEPAが除草剤として承認した。EUも審議中で、スリランカ、ニュージーランドも承認し、4カ国が承認したところだ。何とかしてラウンドアップをやめたい。

世界に逆行する日本―世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え作物に

 アメリカのダイソーで販売しているポテトチップには警告として「揚げたジャガイモ(ポテトチップスなどの)には、発がん性や、先天性血管、そのほかの生殖系への悪影響を引き起こすことが知られている、アクリルアミドという化学物質が含まれています」という表示がされている。日本では普通に食べている。カラムーチョもそうだ。世界は食品表示が厳しいのに、これから日本で売られるゲノム編集の大豆やナタネでつくられる食用油は、何の表示もないまま合法的に売られる。しかも政府はこれを「有機(JAS)」で売りたいという検討会まで始めている。まさに世界の流れと逆行している。

 韓国のスーパーでもオーガニックコーナーができ、オルゴク小学校(清州市・500人)では、有機・無償で学校給食を提供している。パンやサンドイッチは輸入小麦に頼らざるを得ないのではないかと思ったが、パンやパスタは一切使わず、うどんは全部国産の小麦粉だという。日本の大手3社の小麦粉を調べてみると、グリホサートがたくさん含まれている。もっとも入っているのが日清製粉の「全粒粉強力粉」だ。オルゴク小学校はアレルギーの子どもが七人しかいなかった。

 韓国の農水省の課長に全国の状況を聞くと、ほぼ小・中学校は有機・無償でやっており、高校はもう少しかかるということだった。保育園・幼稚園でも始め、何年か後には妊婦にも有機の物を食べさせたいと思っているという話だった。

 韓国も台湾も、食の安全に対する取り組みを始めている。日本は農薬や食品添加物の基準でいうと台湾の400倍も緩い。小麦粉のグリホサート残留農薬基準は中国の150倍緩い。そして世界各国がグリホサート、ラウンドアップを規制しようとしているなかで、こともあろうに日本だけがグリホサートの残留農薬基準を、物によっては400倍にまで緩めた。そば粉やナタネなどは75倍、100倍、テンサイは75倍だ。今、世界で一番農薬の残留基準が緩いのが日本だ。

 ロシアも2016年に遺伝子組み換え農産物はつくらせない、輸入させないという法律を上院下院で通した。中国も2017年から同じように輸入も国内栽培も禁止している。いずれも国を挙げて有機栽培に力を入れている。アメリカも、じつは遺伝子組み換え農産物は2016年から頭打ちで、今オーガニックの生産がなんと年に10%の割合で伸びている。

 先月アメリカに行き、モンタナ州(小麦の大産地)を訪れた。そこで10年前までケミカル農業(農薬や化学肥料を使う農業)をしてきたが、オーガニックに変えたという農家に会った。やめた理由を聞くと、「ケミカル農業をしている農家は家に帰るとすぐに服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びないと子どもをハグできなかった。今は子どもたちと一緒に畑の中に入ることができる」という話だった。今、彼のつくった小麦は1ポンド14jだが、ケミカル農業の小麦は1ポンド3・7jだという。農薬や化学肥料にも金がかかる。「彼らは赤字だ。私は早く切り替えてよかった。アメリカでももう有機にしないと農業はやっていけない」と話していた。

自家採種の禁止

 政府が自家採種を原則禁止するという種苗法の改定案を、いよいよ来年の通常国会で提出することがはっきりした。今年3月から9月25日まで5回にわたって検討会を開いてきたものだ。

 自家採種(自家増殖)というのは、たとえばイチゴの場合は苗を10本とか15本購入し、ランナーで芽出しして次の年に植えたりすることだ。イモやサトウキビ、ジャガイモも同じだ。木の場合は接ぎ木する。そのような自家増殖を現行の種苗法では、二一条にあるように、モンサントなどが登録した品種でも、農家は種を買ったら自由に自家採種し、次の年に植えたり、加工することができる。原則自家採種自由だ。

 ただし、第三項に「農林水産省が特例でもっていわば適用しない品目を定めることができる」となっていた。じつは自家採種の禁止は始まっていた。最初はバラ、カーネーションなどの花、その次はキノコ、TPPを批准してからはキャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジンなど、あらゆるメジャーな野菜や果樹をはじめとする357種類もの植物が指定され、今年新たに野菜のみで31種類指定され、400種類近くになっている。この登録品種を勝手に自家採種したら懲役10年、1000万円以下の罰金で、しかも共謀罪の対象だ。

 ところが、アメリカでも主要農産物の小麦は自家採種が3分の2で、3分の1が公共の種子、カナダは8割が自家採種、2割が公共の種子だ。オーストラリアは95%が自家採種で5%が公共の種子だ。それなのに日本はいよいよ自家採種禁止法案を出してきた。農水省の課長に「コメも麦も大豆も自家採種禁止にするのか。それが本当の狙いで、邪魔だったから公共の種子法を先に廃止したのか」と聞くと黙っていた。ところが検討会のとりまとめ(9月25日)には、わざわざ「これまで種苗法では非常に例外が多くて複雑だったから、シンプルなものにして、一律、自家増殖禁止の条文にしたい」と書いてある。そうすると「あまおう」をつくっているイチゴ農家もこれまでのように増殖できない。苗を1本250円ほどで6000本買わなければいけなくなる。

 検討会でプレゼンをした茨城県の横田農場は、過疎地のため、人に頼まれて耕作面積が増え、今150fでコメをつくっている。8品種のコメを作付けしているが、そのうち登録品種だけで7dくらい自家採種しているという。コシヒカリなど育種期間(25年)が切れている品種もあるが、まだ切れていない新しい品種(「ゆめぴりか」など)の自家採種をやめて種子を購入すると500万円ほどかかり、「われわれはやっていけない」とプレゼンした。これが民間の種子になるとその10倍=5000万円かかる。ところがこれに一切コメントなしで、自家採種一律禁止という方向で条文にし、来年の通常国会で審議が始まることになった。自民党はどんなことがあってもこの法案を通すとはりきっているという話を耳にし、大変心配しているところだ。

 なぜ自家採種を禁止するのか、その理由として農水省は「シャインマスカットなど日本の優秀な育種知見がそのまま中国や韓国に流れた。これを取り締まらなければならない」という。そのために種苗法を改正して、許諾・承認を得るか、新しく買うかしなければいけないのだという。しかし、海外流出を食い止めるのであれば、宮崎県が種牛の精液が海外流出するのを刑事告訴したように、現行法で刑事告訴すれば足りることだ。海外に出たものを取り締まるには、農水省が海外でシャインマスカットの育種登録もしくは商標登録などをすべきではなかったか。それを怠っていて、政府は「種苗法を改正しなければ海外流出を食い止めることができない」といういい方をしている。

 1週間ほど前に「日本の種を守る会」は農水省の知財課長を呼んで話を聞いた。そこで農水省は「育種権者が第三者、企業にかわった場合、育種権はどうなるか」を説明した。思い出してほしい。農業競争力強化支援法で、例えばマスカットは農研機構の育種知見だが、それらをモンサントなどの民間企業に譲渡するようになっている。譲渡されて育種権者がかわった場合、そこから許諾を得るか、種苗を買わなければいけなくなるのではないか。県民や国民の税金で開発した育種知見を民間企業に譲渡しておいて、農家(国民・県民)が使うときには民間企業にロイヤリティを払わなければ許諾するわけはないだろう。県や国であれば許諾するであろうし、研究者はみんな使ってほしいと思っている。しかし、民間企業は当然、許諾料をとるか、1本ずつ買えとなるのではないか。

 もう一つ、農水省は「これまでの伝統的な固定種をつくっている有機栽培の農家は大丈夫だ。安全だ」と説明している。家庭菜園は私も大丈夫だと思っているが、有機栽培の農家は安心ではない。種苗法二一条では、「登録された品種」と「特性により登録された品種と明確に区別されない品種」も自由に自家採種できるようになっている。野菜は土地と風土、栽培する人や年によって少しずつ変化していくものだ。登録品種であっても変化していくので、今モンサントは子会社を使ってナスやブロッコリー、トマトなど、さまざまな野菜をどんどん登録品種にしている。これらの登録品種と、有機栽培で農家がつくっている野菜のどこが違うのか区別はしにくい。こうして新規の育種登録を次次にした民間企業が、野菜農家などに育種権の侵害として賠償金を求めるようなことになりはしないかと心配している。

 すでに企業から生産者が訴えられる裁判が6件起こっている。モンサントの裁判は有名だが、カナダでは有機栽培の伝統的なナタネ農家がモンサントから訴えられて裁判で負けた。日本で有機栽培をしている農家も、ある日突然、モンサントから20億、30億円の賠償金を請求されることもあり得る。実際、今度の種苗法の検討会でリードしたのは知的財産権ネットワークの弁護士だ。日弁連の雑誌にも、「これからは育種権の争いが論点になってくるだろう」と書かれている。

 農水省の知財課長の説明では、こうした争いになった場合、裁判所は育種登録した品種の現物と、農家がつくっている作物の違いを求めようとするという。しかし、実際には登録したモンサントの野菜の品種も変化してくるから、その特性を6項目くらい法制化し、それに反したら育種権違反だとやれるよう改正案を準備しているという。これはモンサントなど種子企業が裁判で争えるように改正する内容だ。

 アメリカで10年ほど前に自家採種禁止法案が通ったときも、「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は安全だ」と説明していたが、今は本当に伝統的な有機栽培農家も種子を買わなければならなくなり、事実上、自家採種禁止になってしまった。このことはエップ・レイモンドさんの米国からの報告に詳しく書かれている。決して有機栽培農家、自分で種とりをして伝統的な固定種を栽培している農家も安心ではない。今度の種苗法改定案はどのようなことがあっても反対しなければならない。

 種子法が廃止されたとき、農水省は自民党議員のところを「種苗法で守る」といって回った。ところが種苗法改定で自家採種を禁止し、コメも麦も大豆も、すべての種を買わせるのが狙いだった。アメリカもそうだったが、国家は嘘をつくものだ。

 私たちは裁判でも争っているが、今後は広島県のジーンバンクのように伝統的な固定種を県が発掘し、それを保存・管理することが大事になってくる。広島県はそれを農家に無償で貸し出している。福岡県でもそのような条例をつくって、企業や民間や県も出資して公社をつくり、守ることが必要になってくる。

日本の経済、地域の経済を発展させていく施策

 種子条例は、九州では宮崎県が1番につくり、今、熊本県が種子条例のパブコメで骨子案を発表した。鹿児島県知事もつくることを表明した。この前の議会までに11の道県でできたが、新しく栃木が先日採決し、宮城県の種子条例もパブコメをした。島根県も種子条例をつくることを発表し、岩手県は議員提案でやることが決まった。滋賀県もやる。年内にだいたい16の道県で種子条例ができそうだ。秋田、青森なども動き出しているし、福島も動き出した。来年度までに26の道県で種子条例ができるのではないかと思っている。

 種子条例ができる一つのきっかけは、市町村のみなさんが動き出したということだ。1番最初につくった新潟県では、柏崎市が日本で1番最初に種子条例の制定を求める意見書を出した。県内各市町村で動き出し、それをもとに新潟県がつくり、兵庫県、埼玉県、山形県というようにどんどん動いてきた。

 地方分権一括法では、国が地方自治体に指揮命令することは一切禁止している。国が地方にいえるのは単なる通知だけだ。通知は法律的にいうと「技術的助言」に過ぎない。法律に反しない限り地方自治体は何でもできるのだ。今治市は食と農の条例をつくった。「遺伝子組み換え農産物はつくらせない」という条例だ。もし市長の承認なくつくれば、2年間の懲役、500万円以下の罰金など、非常に厳しい内容だ。この町で「ゲノム編集のものは表示なくして流通させない」といった条例に刑罰まで定めてつくることができる。韓国は学校給食を条例で全部無償でやっているが、おそらく日本でも学校給食を有機でやる市町村が出てくる。世田谷の区長は無償で学校給食を始めた。同時に今、有機でやろうと真剣に考えているところだ。千葉県いすみ市の学校給食はコメは有機100%だ。普通入札で60`1万3000円くらいだが、2万円で買い、差額を市が補填している。

 じつは安倍官邸が悪いといっている時期ではない。農薬から自家採種禁止まで大変なことになろうとしているが、私たちの暮らしは自分で守るしかない。そして自分で守ることができる。住民には請願権が認められている。知っている市会議員や町会議員を通じて、この町で学校給食を有機農産物でやるという条例案を審議してくれという請願を出すと市町村議会はそれを審議しなければいけない。次次にそういったものを出していくことによって地方から変えていくことができる。今、自分が動けば何でもできる。私たちが主役だ。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/13829

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120. 中川隆[-15238] koaQ7Jey 2019年12月01日 10:54:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2310] 報告
日米FTA巡る重大局面 国会で鈴木宣弘教授や内田聖子氏らが参考人として問題を指摘
2019年11月30日

 安倍政府はトランプが要求する1月1日の発効をめざして日米貿易協定承認案の国会審議を猛スピードでおこなっている。審議らしい審議もなく19日には衆院本会議で可決し、参議院に送られた。参議院外交委員会では28日、参考人質疑がおこなわれ、鈴木宣弘(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)、内田聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター〈PARC〉共同代表)の両氏が日米貿易協定が日本国民にとってどのような問題点をはらんだものかについて鋭くつっこんだ指摘をおこなった。その要旨を紹介する。こういう重大局面を迎えているにもかかわらず、メディアは「桜を見る会」ばかり騒いで何も報道しない。そして、野党4党は「桜を見る会」を理由に29日からの衆参両院での審議拒否を決め、与党は野党欠席のもとで日米貿易協定承認案を強行採決する構えを見せている。一連の茶番劇のもとで、日本社会にとっての重大案件が国会承認される事態を迎えている。

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◇ 鈴木宣弘 (東京大学大学院教授)

 本協定をめぐる議論には私が思うに事実と異なる点があると思うので、そのような点から所見をのべたい。

 まず一つ大きな点は、アメリカが自動車関税及び部品の関税撤廃を約束したという点だ。日本政府はそのように話し署名した。しかしその後に開示されたアメリカ側の合意内容、英文だけが出ているが、それには今後交渉を続けるとしか書いていない。この英文が関税撤廃を約束したと読めるというのであれば、まったく理解に苦しむ。アメリカ側も自動車の関税撤廃は約束していないと交渉トップがコメントしているし、影響試算についても日本が自動車の関税撤廃を見込んで試算しているのは理解できないとアメリカ側は指摘している。

 では、なぜない約束をあることにしなくてはいけないのか。それは約束があることにしないと、アメリカの貿易額の92%を含む協定であるといっているのが、自動車の部分が4割ぐらい抜ければ5割少しに落ち込んでしまう。これは過去に例のない前代未聞の国際法違反協定となる。この点だけでも国会批准はむつかしくなる。

 われわれは差別的なつまみ食い協定の横行が第二次世界大戦までいってしまったという反省から戦後ガットのルールで二国間の自由貿易協定をやるときは、90%以上を含まなければいけないというルールをみんなで一生懸命守ってきた。その結果200ぐらいある自由貿易協定のなかで85%のカバー率を下回る協定はほとんどない状態になっている。そういうなかで日米二国の大きな経済圏が50数%の協定を発効するとなったら、世界の貿易秩序に対する大きな挑戦だ。前代未聞の犯罪行為ともいえる、戦後の世界の努力を無に帰すような事態が生じるわけで、その点をどう考えるのか非常に大きな問題だ。

 それから個別の品目でいうと、アメリカからの日本の牛肉輸入についてはTPP合意にとどめられたという議論があるが、日本は牛肉についての低関税での輸入枠、セーフガードというのをアメリカの分も含めてTPP11で、11カ国に差し出した。61万d。そのなかにアメリカの分が入っていた。それにアメリカと二国でまた24万dを加えてしまったわけだ。だからこれはすでにTPPごえだ。しかもアメリカの24万dについては、それをこえてアメリカが日本に牛肉を持ってきたら、10日間以内に協議を開始してアメリカの枠を増やしていくということをサイドレターで決めていることが後で明らかになった。これは結果的にはアメリカの枠をどんどん増やして、関税9%でアメリカはいくらでも日本に持ってこれることをやっていくということであって、セーフガードのガードにはまったくならないという、大変な事態を招くことになる。

 それから日本からのアメリカへの牛肉輸出は、アメリカが何十万dなのに日本からはわずか200dしか低関税枠がない。それが最大6万dというが、それはほかの国の枠も含めてのことで200d少しこえても低関税でいいよというぐらいの約束にしか見えない。ところがTPP全体のときにはアメリカはその200dの枠も拡大し、いずれはなくして15年後には関税も撤廃すると日本に約束していた。それを完全に反故にされて200dが少し増えるだけになったことが日本の成果だというのは私には理解できない。

 それからコメや乳製品は勝ちとったというが、コメはカリフォルニアの主産物で、トランプ大統領にとってはどう頑張っても負けるカリフォルニアはむしろいじめた方がいいぐらいの形で対応したといわれている。では乳製品の枠はどうかというと、乳製品やその他33品目、TPPワイド枠といってアメリカの分も含めてTPP11の国にすでに譲ってしまっている。TPP水準がそこで日本にとっては実現されてしまっているわけで、アメリカの分がそこに加わればすぐにTPPごえになる。それが回避されたからといって、それはアメリカから見ればTPPマイナスという評価もありうるとは思うが、日本から見ればすでにアメリカの分も含めてTPP11で実現してしまっているので、その点をよく考えないといけないのではないかと思う。

 それから奇妙なことに、今回の協定の日本側の約束内容のなかにアメリカが将来にわたって特恵的な待遇を強く要求すると書かれている。これはアメリカの単なる希望的観測ではなく、日本側の合意内容に書かれているということは大変重要な意味を持つと考える。そもそもアメリカが一度日本から得た合意内容をもういらないというわけがない。すでにコメの団体も酪農の団体も何とかしろといっている。だから、こういうことがこれからすぐに起こる。

 そして自動車のために農業を差し出したわけではないといっているが、交渉官がすでに記者会見で、これから自動車の交渉をするにあたっては、まだ日本の農産物は大分余裕があるので、それをカードに使うといっている。このことは非常に正直だったなと思う。

 それから25%の自動車関税は発動されないというが、本当に約束されたのか。どこにも書いていない。むしろ協定本文には安全保障上の理由で本協定の規定にかかわらずやれるのだと書いている。この意味は大きいと思う。逆にいえばこのような安全保障上の規定が入っているのであれば、日本の方こそ安全保障上の理由で食料の関税障壁はもっと高めるというくらいいい返せばいいではないか。そういうことが問題だ。

 要はEUは25%の自動車関税で脅されても、それは犯罪行為だから許さないといって対抗した。日本はその犯罪行為に対して、いやいやそれは困るからいろいろ出すからうちだけは許してくれという話になったので、どんどんいろいろなものを出されて、中国との関係で余ったトウモロコシまで600億円分尻ぬぐいしなさいといわれてそれまで約束してしまった。どんどん犯罪者にお金を払って許しを請うような形の交渉をやって、そのあげくが日米二国でさらなる前代未聞の犯罪行為、WTO違反協定を今本当にこのままやるのかということになっている。

 ウィンウィンだというが、どこがウィンウィンなのか。農産物だけとってみても、日本側の農産物の関税撤廃率は72%になっている。アメリカ側は明治大学の作山先生が書かれているが、アメリカ側の農産物の関税撤廃率はなんと1%だ。トランプ大統領にとっては、自動車も勝ちとった、日本には撤廃しないということを貫いた、農産物もほしいものはもらった。まさにトランプ大統領の選挙対策としてウィンウィンだ。それに日本が一生懸命協力しているというのが 今の状況ではないだろうか。

 試算についてだが、われわれが政府と同じモデルで再計算した。自動車の関税撤廃がおこなわれなかった場合には日本のGDPの増加率はほぼゼロだ。そして日本の自動車の生産額は800億円くらい減る。そして農産物は最大9500億円ほどのマイナスが出る。数字は正直だ。自動車も農産物もすべて失っている。だからこのような完敗の、完全に日本側が負けているということが明らかな協定を、前代未聞の国際法違反まで犯して批准するという深刻さ。誰のために何のためにこれをやらなければならないのか。そのことをよく考えていただきたい。

 そしてこういうことをやっていると日本の農業は大変なことになる。すでに地域農業は生産構造脆弱化で、もう5年、10年で集落がなくなるところがどんどん増えている。それにこのようなたたみかける自由化をやればなにが起こるか。ここに一つの試算があるが、2035年ぐらいに牛肉や豚肉では自給率が1割台になるかもしれない。こういう状況が目の前に来ている。だからこのように農産物の自由化を進めることは、農家の問題ではあるが、消費者はメリットだ、「安い、安い」といっていると大変なことになる。アメリカの牛肉にエストロゲンは600倍も入っており、成長促進剤のラクトパミンも含め、すべて乳がん、前立腺がんとの関係が強いといわれている。それからBSEにかかっている牛はアメリカでは十分検査がされていないが、日本は5月17日にアメリカ産牛肉を全面解禁した。これが日米協定の最初の成果でもある。遺伝子組み換え食品についてはアメリカからの要請を受けて「遺伝子組み換えではない」という表示を2023年に実質禁止することが決まった。ゲノム編集については10月1日からアメリカの要請を受けて完全に野放しにしている。

 アメリカのトウモロコシ、大豆、小麦に直接かけられている除草剤は、アメリカがもっと振りかけなければいけないといい、日本人の安全基準値をもっと緩めろというのでこれも緩めてしまった。日本では禁止しているイマザリルとかOPPの収穫後農薬も、アメリカから運んでくるときにかけなければならない。これまで食品添加物だということでむりやりそれを認めてきたが、アメリカはその表示義務はアメリカに対する不当な差別だからこれをやめろとTPP交渉のときからいっており、今の日米協定のなかでこの表示を廃止する議論がおこなわれている。

 これだけ見てもリスク満載だ。これを食べ続けることでわれわれは「安い」といっていると、病気になって早く死ぬ。どこが「安い」のか。牛丼、豚丼、チーズが安いといっているうちにどんどん病気が増えて、「いけない」となって、国産の安全な食物を支えなければいけないとなったときに、自給率が1割になっていたらもう手遅れだ。その瀬戸際まできているということを私たちは考えなければいけないのではないか。

 国民の命を守り国土を守るには、どんなときにも安全安心な食料を安定的に国民に供給すること、それを支える農林水産業の持続が不可欠だ。農は国の本なり。そのためには自給率をしっかりと維持していく。これが世界の常識だ。それがどんどん下がって37%まで下がっても、まだ下がってもかまわないと、自給率が死語になろうとしているのが我が国の現状だ。

 アメリカから何兆円も武器を買うだけが安全保障ではない。食を握られることは国民の命を握られ、国の独立を失うことだと肝に銘じて、まさに真の安全保障の一角を担う農林水産業を支える政策を再構築する。このようなとめどない自由化が本当にいいのかということを考えなければいけない。食料がなくなってから、かわりにオスプレイをかじることはできない。

 もう一ついいたいのは、今までの経緯を見ていると、先生方が、あるいは霞ヶ関のみなさんが国会などで発言されたことが現実には後になって違ってくる。そのときに誰も責任をとらなくてもいいというシステムそのものに問題があるのではないかと思っている。「TPPには参加しない」といって参加して、「重要5品目は守る」といって守らなくて、「日米FTAを避けるためにTPP11」だといって今度は日米FTAになった。今回もいろんなことがそうではないといわれているが、本当になったときにはどうやって責任をとるのか。このことについてきちんと責任をとるシステムをつくらないと、その場しのぎの虚偽で次次と悪い段階に物事が進んでいくことを止めることができない。今回のような協定をこのまま承認すれば、アメリカは議会承認が必要ない。日本だけが承認をやって世界から非難されれば、その責任をとるのは国会議員の方方だ。

◇ 内田聖子 (アジア太平洋資料センター共同代表)

 日米貿易協定で一点強調したいのは、TPPからアメリカが脱退したときに日本政府は「米国抜きのTPPは意味がない」といっていた。TPP11の審議の際には「日本は米国をTPPに復帰させる努力をする」といっていた。そして「日米FTAには応じない」という方針を立てていた。これは日本政府のルールベースの包括的なFTAを目指していくという主張にそったものであり、私はこれに賛同するわけではないが、少なくとも当時の政府の主張に論理の一貫性はあった。ところが日米FTAを求めてきてそこに応じてしまった。日本にとって非常に大きな方針の転換になった。このことが国会審議でも深められていないのではないかと思っている。

 つまり日本が「ルールに基づく自由貿易」や「TPPにアメリカに復帰してもらう」などの筋を通すという大義を下ろしたということになる。日米同盟に縛られた関係のなかで日米貿易の交渉が始まっていった。これはそもそも日本が望んでいなかった協定だし、理にもかなっていない。スタートの時点から矛盾の上に立つ協定だと思っている。その矛盾の上に立って交渉した結果、日本の利益はこうだということを後付けのような形で説明されるため、どうしても無理がある。協定の評価そのものもバラバラだと思っている。

 この間、国会審議をインターネット等で見てきたが、事実関係が明らかになっていない。資料や根拠も共有されていない。そしてそちらに時間がとられ過ぎている。今一番考えるべきは、大きな転換をしてしまったのなら、今後日本は激動の時代で、どのような通商政策をとっていくのか、中国との関係も含めてどういう多国間の枠組みをつくるのか、という非常に長期的で本質的な議論だ。それがなされていないのではないかということに懸念を持っている。

 日米貿易協定は最初、TAGといって始まったが、今では誰も使っていない。途中から「物品だけではなくサービスや投資をやる」と漠然とした形で明示された。これは段階方式というが、まず物品をやり、次にその他をやるというのは貿易協定では非常に珍しい異例のやり方だ。どの国にとっても、どの範囲を交渉するのかは非常に重要な基本中の基本だ。例えばWTOでも何を交渉するのかで延延と議論して決まらないという状況があるし、TPPや日本とEUの協定でも、必ず予備交渉をしてなにを交渉範囲にするか定義して交渉に入る。

 ところが物品を批准した後にやるといわれている二段階目の交渉分野はサービスが入るのか、投資や知財が入るのか、さっぱり分からない。非常に不明瞭な状況になっている。これは日本にとって非常に不利な立ち位置にならざるを得ない。二段階の交渉というのは、先にたくさんカードを切ってしまった側が不利になるし、あるいは力関係のなかでねじ込まれ、応じていかざるをえないということがある。日米貿易協定は非常に異例であるし、片務的であり非対称ということがいえる。

 「アメリカの交渉目的」という昨年12月に出た文書をこのたび資料で提示したが、もともとアメリカは包括的なFTAを目指している。トランプ大統領の選挙対策でまずは物品に手をつけているが、そもそもの交渉目的を読むと、TPPをベースにして、さらに「為替操作禁止条項を入れて欲しい」とか、「非市場国排除条項(これは中国をさしている)」などが入っている。TPPをよりアップグレードするものをこの協定で最終的には求めている。

 アメリカが包括的なFTAを目指すのは90年代以降ずっとそうだが、物品だけでは足りず、ルールの部分、非関税部分を求めることによって利益が最大化するからだ。それでアメリカは昨年の交渉前からどの分野をやりたい、どういうふうにやりたいということを明示してきたわけだ。ところが日本はどうかというと、そもそも望んだ協定ではないので、交渉に入る前になにが目的か、なにを獲得するのかということが明文化されていない。

 今回の日米貿易交渉の問題で大きな所は、通商拡大法に基づく高関税措置をアメリカにとらせないことがマックスの目的になったという設定だ。ここでもアメリカとまったく立場が違っている。だから国会ではTPPにアメリカを復帰させるという大義はどこにいったのか、あるいは日本が求めるべき目的は高関税措置を回避するということで良かったのか、ということを基本中の基本として検証いただきたいと強く思っている。

 それからこの交渉はアメリカペースで進み、1月1日に発効を目指すと新聞で書かれているが、この理由がよくわからない。日本でこの協定が1月1日に発効しなければいけない合理的な根拠はない。トランプ大統領の選挙のためではないかと思うが、そのおかげで非常に拙速な審議が国会でもおこなわれている。

 TPPや日EUの頃は、少なくとも合意があってその後影響試算等も出て、議員の皆さんが協定文を一定程度吟味する時間があって、国会審議という流れだった。国民への説明も不十分だが一定程度なされてきた。

 ところが今回は圧倒的に日数も足りず、農業の政策大綱も衆議院の可決が終わった後に出されてしまう。これでは議会の権限や透明性、説明責任、そしてなによりも打撃を受ける農家の方方に対して非常に不誠実ではないかと思っている。国会軽視ということを改めて指摘したい。

 そして協定の中身の問題で気になるのは、自動車の関税引き下げを本当にアメリカが約束したのかということだ。これはWTOの抵触問題だ。国会でも指摘がなされている。WTO違反の問題は九月の合意前後から、アメリカの側でも貿易の専門家や研究者、シンクタンク等ではずっと指摘されている。日米だけでなくEUやその他の国の専門家も同じような指摘をしている。

 もう一つは高関税措置が本当に回避できたのかということに関しても、非常に解釈の余地を残すような文言が共同声明にあり理解もさまざまだ。日本でも政府の見解と違う見解があるし、アメリカでもある。だが概ね「必ずしもトランプ大統領は高関税を課さないと約束したわけではない」という理解で共通していると思っている。

 アメリカの議会や業界団体の受け止めがどうなっているかを紹介したい。同じ事実、確定した事実をもとにそれぞれの国で議論することはやればいいが、どうも事実のところがぼやけてはっきりしない。あるいは日米政府の説明がどうやら食い違っているようだということなので、アメリカではどういう受け止めがあり、どういう議論がされているのかということはわれわれがしっかり知る必要があるという意味で紹介する。

 先週の20日にアメリカの下院歳入委員会の貿易小委員会で公聴会があった。4人の専門家が証言をしたわけだが、その場でもアメリカが自動車や部品の関税撤廃をしていないという証言があった。例えば全米自動車労組の方が明言されている。CSIS(戦略国際問題研究所)の方も「ワシントンはTPPのもとで段階的に削減されるはずだった日本製の自動車への2・5%の関税及び自動車部品の関税を削減することに同意しませんでした」といっている。これは日本政府の説明と真っ向から矛盾している。一体、事実がどこにあるのか、ということを深く検証しなければならないと思っている。アメリカ政府もこの件に関してははっきりした態度を示していない。だから非常に奇妙な構図が生まれていて、日本と米国のそれぞれの専門家や議員、業界団体の方はWTOに違反しているのではないかといって、いろいろな対策も考えている。ところが両国の政府がはっきりとした共通の理解として示していない。

 もしWTO違反であれば、どうしないといけないかというと、そういう協定は結ばない、あるいは中間協定として位置づけるという方法がある。アメリカの側では後付けで中間協定にしてWTO違反を回避する(これは二段階目の交渉を期限も内容も明確化しなければならない)という議論もある。二段階目の交渉については「コメや乳製品をもっと交渉しなければいけない」「自動車の方は関税削減などとんでもない。むしろ日本の非関税障壁を撤廃させて、アメリカの車をもっと日本に売るようにしなさい」などの意見もある。

 熟議が足りていないということを改めて指摘しておきたい。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/14451


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121. 中川隆[-15111] koaQ7Jey 2019年12月18日 07:17:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2155] 報告

2019年12月18日
農業は補助金で保護すれば良い フランス農業の9割は補助金


フランス農家は怠け者で非効率なのに高収入

その理由は国の補助金で労働する「実質国家公務員」だからです

農業を貶める日本の官僚・政治家・マスコミ

日本の農業は競争力がなく、補助金漬けで農家に多額の税金を投入しており、財政赤字の原因になっている、という話が定説になっている。

農水省が毎年懸命になって創作する食料自給率の嘘のグラフがあり、日本の自給率は39%なのだが現実は65%です。


農水省の操作は次のように行われる。



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神戸牛とか山形牛は肉は国内産牛肉として販売されているが、農水省は「アメリカ産牛肉」として自給率0%にしている。

なぜかというと牛が食べているエサがアメリカ産だからアメリカ産牛肉だそうです。

こうして国産の牛、豚、ニワトリなどで、日本生まれの外国産が大量生産されています。


一見すると理に叶っているようだが、アメリカ人は牛の世話をしているのでしょうか?

牛のエサなんか米国産でもアフリカ産でも中国産でも良いのだが、エサの輸入国を変えると産地が変わります。

養殖の魚とかも全てこのように、なるべく日本の自給率が低く見えるように操作してあります。


肝心のデータそのものも、世界中で日本しか使用していないカロリーで計算する事で、さらに低く見せかけています。

国連などで使われている金額で計算すると、日本の食料自給率は65%から70%で、世界でもかなり高い数字になります。


こうして「日本はダメだ、世界最悪だ、日本はどうしようもない」と繰り返すことで自分の存在を高めています。


まるで有名大学の左翼系教授や左翼系マスコミ人のような生き方です。

しゃべり出すと必ず「日本はダメだ」と言い始める有名な司会者がいますが、あれと同じで不安を煽って金儲けをしています。


補助金はばら撒け


次は補助金漬けで農家に多額の税金を投入しているという定説ですが、農業は世界の全ての国で補助金で成立しています。

考えれば分かると思いますがトヨタが1時間に10台づつポンポンと自動車を生産するのに、田んぼで米が成長するのを待つのでは競争にならない。


トヨタと農業を同じ資本主義ルールで自由競争させたら農業が崩壊し食べ物がなくなるので、トヨタの儲けを農業にばら撒きます。


アメリカでもフランスでもイギリスでも中国でもインドでも、全世界でそうしています。

日本の一部の人が理想として挙げるフランスの農業は、農家の収入の5割から9割が政府の補助金です。

ルノー日産とかが納税したお金をブドウ農家とかにばら撒いて、日本に輸出しているのです。


アメリカの農業も補助金漬けで、牛肉、トウモロコシ、小麦、オレンジなど全て補助金で維持しています。

農家の所得が工場労働者の半分だったら、だれも農業をやらず、食べ物がなくなるからです。


これを「補助金をなくして自由競争しろ」と言ってるのが日本の経済学者やタレント、マスコミ、官僚、政治家です。


農業補助金なんか空からヘリでばら撒くくらいの勢いでちょうど良いのです。

一時問題になったバター不足は、農水省が農家への補助金を減らしたせいで、牛の生産が減ったからでした。


国産バターが減った分、ニュージーランドから輸入しましたが、ニュージーランドの農家も補助金をジャブジャブ受け取っています。


農業は全世界がこんなものなのです。

欧州ではEUという組織があるが、予算の40%を農業補助金で使っている。

これだけで全EU加盟国GDPの約3%に匹敵します。

こんな組織が日本には「補助金撤廃」だの「自由貿易」を主張しています。


農家に補助金を出さないのは全世界で日本だけ


日本では多くの農産物が補助金ゼロや極めて低額しか支給しておらず、外国の農産物に価格競争で負ける原因になっている。

良くマスコミでは『日本の農産物は価格競争で負けている』と言い、その原因を農家や農業に求めています。


アメリカのように無限の土地がある国は置き、欧州の国は日本と同じくらい人件費が高く地価も高いのに、これは不自然です。


日本の農作物が欧州各国より高いのは、単に「政府の補助金が足りない」だけなのです。

EU各国の補助金を合計するとGDP比14%にも達しているが、日本の農業補助金はGDP比7%に過ぎません。

当然フランスの農作物は日本より低価格なのに、農家の収入は日本の2倍だったりします。


これが知識人が褒め称える欧州農業の正体です。

アメリカの農業も同様で、地平線の裏側までずっとトウモロコシを栽培している農業企業を除くと補助金で成り立っている。


シリコンバレーやIT企業との自由競争で農業が生き残る筈が無いので、資本主義など捨てています。


補助金で育てた牛肉を格安で出荷し、外国には「自由競争だ」といって関税を撤廃させています。

その尻馬に乗ってアメリカや欧州に加担しているのが、日本の官僚、政治家、マスコミという訳です。


農家への補助金をジャブジャブばら撒いて、外国に輸出すれば儲かるというのが各国の考え方です。

農家の所得が増えれば買い物をし、税金を支払うので、補助金程度の支出は元が取れているのです。


なぜ日本だけがそうしないのでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/36339251.html


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122. 中川隆[-15005] koaQ7Jey 2019年12月28日 09:30:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2033] 報告
「ゲノム編集」と種苗法改訂問題 日本の種子を守る会アドバイザー・印鑰智哉2019年12月27日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/14937

 日本の種子(たね)を守る会が東京で種子条例制定にかかわるイベントを開催し、14日の交流会(既報)に続き、15日は来年春の通常国会に提出される予定の種苗法改定案とゲノム編集についての報告会が企画された。報告会では、TPP交渉差し止め違憲訴訟と種子法廃止違憲訴訟に携わっている2人の弁護士から、種子法廃止と種苗法改定の問題の本質が明らかにされた。また日本政府は今年10月からゲノム編集作物の受付を開始しており、それらの流入と種苗法改定によって日本の農と食の現場になにが起きるのかを、『「ゲノム編集」と種苗法改訂問題』と題して同会アドバイザーの印鑰(いんやく)智哉氏が講演した。今回はこの講演内容を紹介する。

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 種子法廃止問題のとりくみは2017年2月11日、この場所から始まった。この会場で遺伝子組み換えについての学習会があり、私は遺伝子組み換えがどんなにひどいものなのかを話した。実はモンサントや住友化学のようなバイオテクノロジー企業のロビー団体である「バイオ」が、TPPにさいしアメリカの通商代表部に「農民に必ずタネを買わなければならないような体制にしてほしい」という要求をつきつけており、日本でも種子法が廃止されようとしているのだとこの学習会で初めていった。この話をした前日の2月11日に種子法廃止は閣議決定されていた。これを契機に参加されたみなさんと種子法を守る活動をすることになった。

ゲノム編集とは何か?

     

 「ゲノム編集」をひとことでいうなら「センサーつきの遺伝子破壊技術」だ。「ゲノム編集」をマスメディアが説明するときには常に【図1】の「はさみできれいに切りとれます」というイメージが使われる。これはウソだといっている研究者がいる。なぜかというと、「ゲノム編集」に一番よく使う「クリスパーキャスナイン(CRISPR―Cas9)」は細菌がウイルスを撃退するための武器だ。例えていうなら、特定の遺伝子の箇所をはさみで切り刻むというより、手榴弾やミサイルで破壊するようなものだ。ウイルスの感染に生き残った細菌は、襲われたウイルスの遺伝子の一部をクリスパーというゲノムの一領域に保存する仕組みをつくり出した。そしてもう一度同じウイルスがやってきたらクリスパーに保存された遺伝情報を使ってそのウイルスを検知し破壊する。はさみできれいに切りとれるようなおとなしいものではない。「編集」という言葉は切り刻んだ後にきれいに整える作業を意味するが、「ゲノム編集」はそれもせずに遺伝子を破壊するだけ。その後どのように生物が修復するかについては運任せ、生物任せ。「編集」という言葉は人を惑わすだけだ。


 もっともこの技術は必ずしも無意味なものではない。このクリスパーキャスナインによる「ゲノム編集」によって遺伝子がどのように機能しているかを研究室のなかで調べることができるようになった。研究ツールとしては大事なものだと思う。しかしこれで遺伝子を操作したものを外に出してしまうと、とんでもないことが起こりうる。「ゲノム編集」は遺伝子の特定の部分を破壊するだけでなく、新しい遺伝子を組み込むこともできる。ただ、そうすると遺伝子組み換えと変わらなくなってしまうので、今はこれは禁じ手として隠している。まずは遺伝子組み換えとは違うものとして、規制をかわして従来の作物と同じように流通させることを最優先させている。


 よく「ゲノム編集はこれまでの遺伝子組み換えと違って外部の遺伝子を入れないから安全だ」といっているが、これはウソだ。「ゲノム編集」をするためには外部の遺伝子を入れなければできない。実際に「ゲノム編集」も「遺伝子組み換え」も細胞に遺伝子操作をするものだが、このときに使われる方法が遺伝子銃だ。遺伝子銃とは、例えば大豆のなかに大腸菌の遺伝子をピストルで撃ちこむ。この方法(パーティクルガン法)は「ゲノム編集」でも使われている。またアグロバクテリウム法もあり、銃のかわりにバクテリアを使って遺伝子を運ばせる。しかしこれらの方法では遺伝子は簡単に変わるものではない。旧来の遺伝子組み換えは銃でやみくもにやってしまうので挿入した遺伝子がどこに入るかわからないが、どこに入れてもその遺伝子が機能しさえすればいいというのが従来の遺伝子組み換えだった。


 これに対して「ゲノム編集」はセンサーつき。センサーがあるので特定の遺伝子を操作できる。旧来の遺伝子組み換えと同じ方法が使われる。パーティクルガン法かアグロバクテリウム法によって、イネや小麦などのゲノム編集はやられている。同じ方法なのだ。植物以外にも豚や魚が出てきたが、動物の「ゲノム編集」の場合は受精卵に差し込むマイクロインジェクション法などが使われる。こうした方法で外部の遺伝子を入れているのだが、それは「ゲノム編集」のためだけに使われ、それが終わったあとはその遺伝子は発現せずに消えていくだろうとしている。しかし、本当に消えていっているのかは疑問がある。


 実際に農研機構がつくった「ゲノム編集」されたコメの例で見てみよう。


 クリスパーキャスナインは化膿レンサ球菌という人の体にある常在菌で、これ自身が危険とはいわないが、増殖して優性になってしまうと「人食いバクテリア」というあだ名がつくくらい人を殺す力を発揮することもある。これからつくったのがクリスパーキャスナインだが、まずこれを入れる。そしてこの遺伝子を活性化させるためにカリフラワーモザイクウイルスが使われる。「ゲノム編集」は遺伝子組み換えと違って成功率がとても高いといっているが、失敗する可能性も十分ある。成功と失敗を見分けるためには「抗生物質耐性マーカー」を入れている。これは「ゲノム編集」されたコメにも入れられており、大きな問題がある。これが消えていなければ抗生物質耐性タンパクが入ったお米になってしまう。

ゲノム編集された作物

 今、どんな「ゲノム編集」の作物がつくられているか。実は現在の「ゲノム編集」の技術によって画期的な作物はつくれない。なぜかというと遺伝子破壊技術なので、今ある機能をつぶすことしかできないからだ。


 最初にあげたいのは成長が早くなる「ゲノム編集」。生物では成長を促進する遺伝子と、成長を抑制する遺伝子の二つが対になっている。私たちがある程度まで成長すると成長しすぎないように抑制してくれているものだ。しかし「ゲノム編集」で成長を抑制する遺伝子をつぶせば、ぐんぐん延びていき、収量の高いイネや小麦がつくれる。あるいはギャバだらけのトマトをつくることができる。こうやってバランスを失わせて量を増やそうとする。これが一つの例だ。


 次は、特定のタンパク質をつくれなくするもの。たとえばジャガイモは芽に毒がある。毒をつくる遺伝子を壊すと毒のないジャガイモができる。でもこれはいいことなのか? 一つの遺伝子は有機的に結びついているので、これで別の問題が生まれる可能性がある。


 うどんこ病の病原菌は特定のタンパク質にしかつかないことがわかっている。特定のたんぱく質を壊せば病原菌がとりつかなくなる。こうしてうどんこ病の耐性の品種がつくられるが、それは別の病気にはとても弱いなどの副次的な効果が出るかもしれない。病気を避ける方法は他にもあるのに、そのためだけに遺伝子を破壊することが賢い選択といえるかどうか疑問だ。


 遺伝子はとてもシンプルな構造を持ち、似たような配列が多くあるため、クリスパーのセンサーが間違って狙ったところではないところを壊してしまうことがある。これをオフターゲットというが、そのために想定外のものができる可能性がある。しかし狙ったところを壊したオンターゲットの場合でも、遺伝子が破壊された後、どう修復されるかわからない。

ゲノム編集は安全か?

 「ゲノム編集」が安全かどうかだが、オフターゲット、オンターゲット、どちらも問題があるといわざるをえない。アレルギーをもたらすとか、ガンのもとになるという指摘もある。


 長期的にこういうものを動物に与えたらどんな影響が出るかは、実は実験されていない。つまり安全性は確かめられていない。注目していただきたいのは、クリスパーキャスナインを開発した研究者が今年3月に「この技術は人の生殖細胞に使ってはいけない。5年間は国際的に禁止しよう」という非常に大事な声明を発表した。開発した人が禁止にしてくれといっている技術だ。医療ではまだそれなりに慎重な議論があるが、農業分野ではそれがなく、米国や日本政府は無規制でやってもいいとなっている。しかし、人間の赤ちゃんは悪くてイネの赤ちゃんはいいのか。さらにイネの場合は環境中に出て行くので、他のイネと交配してしまうかもしれない。そうなれば人間以上に大きな影響を与える可能性があるにも関わらず。


 そして、食品表示に関して政府は「ゲノム編集は検出できない。だから表示しなくていい」といっている。この言葉は既視感が強い。遺伝子組み換えでもこれと同じことをくり返していた。たとえば日本では酢とか醤油とかでは遺伝子組み換えのDNAは検出できないから、「遺伝子組み換え」と表示しなくていいことになっている。でも日本では遺伝子組み換えと書いていない酢でも、同じ製品をヨーロッパに売るときには「この酢は遺伝子組み換えトウモロコシでつくりました」と書いてある。つまりEUでは厳密な食品表示制度があるからだ。「検出できない」などとあたかも科学的のように装うが、実際には米国や企業の意向を受けた日本政府の政策でそうなっているだけだ。


 実際に「ゲノム編集」は検出できないのかというと、検出可能だと研究者はいう。「ゲノム編集」されたものは痕跡が必ず残るので調べればわかる。トレーサビリティのしっかりした制度をつくれば、表示は難しい問題ではない。つまり、そういう制度をつくる意志があるかどうかが問われているといえる。


 さらに問題なのがタネで、10月9日から農水省は「ゲノム編集」作物の受付を始めてしまった。一番の問題は「この大豆はゲノム編集しています」と表示しなくてもいいことだ。従来の大豆と思ったら「ゲノム編集」された大豆だったということが起こりうる。気がついたら周りはすべて「ゲノム編集」で、遺伝子操作された畑に囲まれていたということになりかねない。

ゲノム食品は有機か?

 そしてさらに9月30日に、政府は「ゲノム編集」したものを農薬を使わず有機でつくったら、これをこっそり有機と認めてしまおうとした。この計画は米国政府発なのだが、アメリカで散散叩かれてほとんどその目処が消えた。すると日本政府は、「ゲノム編集」は有機では認めないという逆さまの方針に豹変した。そのため、今のところは有機認証からは「ゲノム編集」作物は排除されなければならないが、表示も規制もされないものをどうやって排除できるのだろうか? 有機認定したけれども、実は「ゲノム編集」されていた、ということになってしまえば、有機認定することがリスクになってしまう可能性もある。規制させなければ有機のシステムが壊されてしまう可能性も否定できない。だから、「ゲノム編集」されたものはかならず表示させなければならない。ところが日本政府は、「ゲノム編集」は有機には認めないけれど表示はしなくていい、という矛盾した政策をやろうとしている。


 今後どんなゲノム編集食品が日本に出てくるか。すでにアメリカ政府は昨年、ゲノム編集大豆の商業栽培を認めて、2万fで栽培されてしまい、カリノという名前でしかも「NON―GMO(遺伝子組み換えではありません)」の油としてアメリカでは売られ、レストランなどで使われている。これが日本でも流通する可能性がある。そして今年には「ゲノム編集」された菜種の商業栽培がアメリカで始まった。この菜種油も日本で流通する可能性が非常に高い。日本の研究機関(大学や農研機構など)でさまざまな作物がつくられている。

 恐ろしいのが今の種子条例の仕組みを使って県が「ゲノム編集」のタネをつくってしまうことだ。農家はそれを知らずに買ってしまうということが起こりうる。ではどうやって止めなければいけないのかを私たちは考えないといけない。

抗生物質耐性菌の脅威

 抗生物質の問題を強調しておきたいが、遺伝子組み換えが成功するかしないかは、耐性タンパクの遺伝子を撃ち込んでわかるようにしている。これは旧来の遺伝子組み換えでも「ゲノム編集」でも多くが使われている。この遺伝子が私たちの腸のなかで腸内細菌を耐性菌にかえていると考えられる。そうなれば、抗生物質が効かない体になってしまうという危険がある。実際にアメリカの排水処理場の汚泥や水のなかからその耐性菌の遺伝子が発見されている。つまり牛や私たち人間の糞尿からそこに流れ込んでしまっている。そして「ゲノム編集」された牛からもこの耐性遺伝子が発見されている。


 耐性菌の問題は世界最大・人類最大の脅威になろうとしている。今は世界で年間70万人が耐性菌で死んでいるといわれる(実際はこれの数倍になっている可能性あり)が、これが2050年には世界で1000万人をこえ、ガンをこえる人類最大の脅威になろうとしている。


 微生物は私たちの命を支えている源だ。それが壊されているということは、人類どころか生態系そのものが危機に陥っているということになる。国連の科学者たちは2050年までに100万種の生命が絶滅すると警告している。遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジーを使った農業を今以上に進めるのか、それとも有機農業や自然栽培にもとづくアグロエコロジーを進めるのか、今私たちはそのどちらかを選ばなければならない岐路にいる。


 今、農民の種子の権利を奪う動きが世界中で動いている。インドネシアでは九月に自家増殖を規制する法案が通ってしまった。そしてインドでは種苗法を大幅に変えてしまう改定案がでている。RCEP(東アジア地域包括的経済連携)やTPP、二国間自由貿易協定によって、その法制度が押しつけられている。メキシコやチリでは、TPPの関係やアメリカとの自由貿易協定のなかでそのような法案が押し付けられて、今大問題になっている。

ゲノム操作種苗に注意

 今、種苗法改悪によってなにが起ころうとしているのか。自家採種の問題ももちろんだが、自治体の公的種苗事業が民営化、縮小化されることになるのではないか。これまでのタネというのは、地域を保つために都道府県が安く農家に提供していた。ところがこれを農家に買わせて、全部自主採算にし、多国籍企業と競争しろという時代になってくれば、タネは高くなって農家の負担は大きくなる。地域の農業を支える種苗がなくなってしまえば、地域そのものがつぶされてしまう。グローバルなタネや苗ばかりになってしまって、地域のタネがなくなってしまえば地域の食文化も衰えるし、地域自体が衰退するところも出てくるだろう。


 これまでの種苗法では農家の権利と育成者権のバランスをとらなければいけないとされてきたが、農水省は改定案ではこれを一切いわなくなり、在来種があるからバランスがとれていいではないかといっている。しかし在来種に関しては法律が現在なにもない。これでは本当の意味のバランスをとることはできない。


 このようなままでは在来種を守ることも難しい。守る法的手立てを私たちは今なにも持っていないからだ。種子条例制定に関する話のなかで、広い範囲で種子を守り、自家採種の権利や、コメ・ムギ・大豆に限らずさまざまな在来種を含む品種の権利を守る「種子基本法」をつくろうという話があったが、大賛成だ。この権利を守ることをしなかったら私たちのタネが奪われてしまう。


 そして、都道府県に対し、「ゲノム編集」の種はつくるなと働きかける必要がある。最低でも「ゲノム編集」した場合は表示は必須として、それは種苗会社に対しても要求していかないといけない。

地方自治が命の防波堤

 「ゲノム編集」は10月から始まってしまったが、「もうおしまいだ」と思わないでほしい。遺伝子組み換えのときもそうだったが、現在の遺伝子組み換えの食品表示というのも後から生まれたものだ。日本の表示はとてもルーズだが、表示があることで遺伝子組み換えは食べてはいけないものだという気持ちが生まれ、反対運動の力になっている。これからでもつくれるはずだ。そのうえでまず、地方自治が命の防波堤となるのではないか。


 今はまだ日本国内でも部分的にしかないが、遺伝子組み換えの作物の栽培をすることを規制した条例をつくっている地域がある。これを「ゲノム編集」にも拡大し、「ゲノム編集」を栽培させないとりくみが求められる。


 また日本の食品表示制度はひどいが、政府を待っている必要はない。私たちの側で民間認証団体をつくり、タネからスーパーマーケットまで使えるような民間認証ラベルができれば守ることができる。アメリカではそういうものがつくられていて、市民は選ぶことができるようになっている。だからアメリカ人は「ゲノム編集」は食べない。このままでは日本人が食べることになってしまう。だから日本でもそうした制度をつくろうという話だ。


 このような変化を起こしていくために学校給食から変えていくことが有効だと思う。学校給食で地域の農家がつくった有機作物を買い上げるシステムをつくっていくことができれば、危険な輸入食品を避け、しかも地域の農家を守り、あるいは新規就農者を増やすことができる。


 ただ、そのためには地方自治体で補助金など予算を付ける必要がある。自治体をどう巻きこんでいくか、みんなで議論をしていきたい。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/14937


[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

123. 中川隆[-15004] koaQ7Jey 2019年12月28日 09:32:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2032] 報告

家庭菜園で種を採取したら懲役10年、若しくは罰金1000万円 2019年12月26日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-977.html

   https://macrobiotic-daisuki.jp/syusihosyubyuho-121158.html

 以下引用

 皆さんは、5月15日に日本農業新聞に掲載された自家増殖禁止の報道をご覧になりましたか?
 SNS等で話題になっていたので、既に、噂を耳にされた方も多いのではないでしょうか?

 種子法廃止の次は種苗の自家増殖「原則禁止」の方向へ…?歯止めがきかない日本の農業崩壊は一体どこまで行くのか。日本人の食卓が大きく変わる深刻な事態が起こっています。

 1978年以降、日本の種苗法では、省令で定められた対象作物のみを自家増殖禁止としてきました。
 これは、植物新品種保護を目的としたUPOV条約加盟に基づいた法律で、1998年の改正により、品種登録された者に「育成者権」が認められるようになりました。

 育成者権:登録品種の生産、増殖、販売などを独占する権利として、種苗登録をした人(育成者)に農林水産大臣から与えられる。
 登録した品種を無断で輸出、販売、増殖した場合は権利損害賠償の対象となる


 この法律に違反した場合は、10年以下の懲役もしくは1000万以下の罰金または、両方の罪に問われることとなります。

 これらの法律は、優良品種の海外流出を防ぐためと、種苗会社の開発を則すことを目的として制定されました。
対象品種は、種の袋などに記載された「PVPマーク」や「品種登録ホームページ」で確認できるようになっています。

 家庭菜園で種採りしただけで、10年の懲役刑の世界・・!?
 これまではこうした登録品種のみが、例外的に農家が次期作で種採りができないことになっていましたが、
 農水省は今後、この自家増殖について「原則禁止」とし、在来種や固定種などのみ例外的に認める方針で進めている・・というのです。

 平昌オリンピックが開催された時、日本のカーリング女子チームが韓国のイチゴを食べて「美味しい」とコメントしている姿が報道されたのを覚えていますか?
その後、斎藤農林水産大臣が、韓国のイチゴは、日本から流失した品種を交配したものだとして、保護する方針を打ち出しました。

 この法改正は優良な品種の海外流失を防ぎ、民間企業の品種開発を後押しすることを主な目的としています。固定種や在来種の種は、今まで通り種採りができるので、一見問題がないようにも思えますよね。
 ですが、例えば、家庭菜園でトマトなどの脇芽挿しを行っただけで、逮捕されたらどうでしょう?
 また固定種や在来種の種は、数が減少している上に形状や成育のばらつきにより規格化が難しく、市場で流通させにくいという課題があります。

 F1は種採りを繰り返すことで、固定種に変化していく

 種には、F1種、在来種と固定種があることは既に皆さん、ご存知かと思いますが、ここでもう一度、違いをおさらいしてみましょう。

 F1種:2種類の原種を掛け合わせることで、栽培が容易になり、均一な形や味の農産物を安定的に生産できる。種を採り次期作を行うと、品質にばらつきがでる。
 在来種:地域に古くからある品種で、形や性質が不ぞろいで、種を採っても親株と同じような形状には育たない。

 固有種:形質が変化しないように親株と同様の形状に固定化された品種で、種採りを行い、次世代を栽培した場合も、親株と同様に育つ。

 日本で一般的に販売されているF1の種は、次期作では品質がバラつきますが、良質な株の栽培と種採りを繰り返すことで、固定種へと変化していきます。
 ところが、近年はこの性質が種苗会社によって抑制され始めているのです。

 現代農業2月号に掲載された元自然農法国際研究開発センター職員の石綿薫さんのお話しによれば
「近年は種苗会社によりF1種の遺伝子が操作され、育種素材として利用できない品種が増加しつつある」とのことです。

 石綿さんは、この流れを「種苗会社が他人に自分の会社で生産した品種を育種素材として絶対に使わせない」ということを意味しているとコメントしています。
 参照:現代農業 平成30年2月号


 種苗会社の独占体制が強化されると、どうなるの?

 遺伝子組み換えの花が市場に流通!?
 では種苗法の改正により、民間企業の育種への参入が増加した場合、どのような事態が引き起こされるのでしょうか?

 2017年4月には、タキイ種苗が観賞用として販売したペチュニア4品種から遺伝子組み換えの株が発見され、自主回収が行わるという事態が発生しました。

 タキイ種苗は、この件について「育成の為に仕入れた海外産の品種が原因であった可能性が高い。遺伝子組み換えによる品種開発は一切行っていない」としています。
 TPP強行採決により、海外産品種の輸入が増加すれば、再び遺伝子組み換えの個体が紛れ込むことは、十分に考えられます。
 花であれば、人体に直接影響を及ぼすことは考えにくいですが、これが野菜や果物であれば、どうなっていたでしょうか。

 一般的に遺伝子組み換え作物は、ネオニコチノイド系農薬販売を前提とし開発されています。これらの農薬に発達障害との因果関係が指摘されていることは、IN YOU読者の皆さんなら、既にご存知ですよね。


 貴重な在来種、固定種が消えるかも!?

 米、大豆などの主要農産物は、都道府県で奨励品種として登録されていなけば、検査 を受けても品種名を表示して販売することができません。
 その為、現在ある在来種を自然農で栽培している農家は、特許申請などにより品名を表示してなんとか市場に流通させているのです。

 手間と労力をかけて作った在来種の貴重なお米・・。
 特許出願には一般的に40万〜50万円、多い時は100万近いお金が必要となります。
 こうした市場での流通が困難になることにより、毎年否応なく品種登録された苗を購入せざるを得ない状況が生まれ、貴重な在来種のお米、大豆などが消える可能性があります。

 とても深刻な状況が想定されますね。かなり絶望的な気持ちになりませんか?
 でも、この自家増殖原則禁止は、まだ正式な法改正には至っていません。もしかすると・・、みなさんの力で覆せる可能性もあるのです。

 先日、参議院農林水産委員会の一般質疑でも、この方針転換取り上げられ、野党により批判されています。

あなたもできることがあります。

 絵本『たねからめがでて』

 私が小学生の頃、学校では授業の一環として畑で野菜を作っていましたが、種採りまで教わることはありませんでした。
いつの間にか「種は買うもの」というのが、私の常識となっていました。
今月2日に亡くなられた絵本作家・加古里子(かこさとし)さん。代表作「だるまちゃん」や「からすのパン屋さん」をお読みになった方も多いと思います。
作品のひとつに「たねからめがでて」という絵本があります。

 私たちが普段口にしているお米や野菜、果物や野草などは全て植物の一種で、土に種が落ちて育つのだということを子ども達に伝えることが出来る絵本です。子ども達と一緒に、私たちも種の大切な役割について考えてみてください。

『たねからめがでて』

 自然農で栽培されたお米や大豆を買おう。
 F1種や、品種改良に有利な法制度により、減少している自然栽培・在来種の主要農産物。
 こうした希少な作物を栽培している農家さんたちは、大変な苦労をしながら、私たちの安全な食を支えてくれています。
私たちも、たゆまぬ努力を続けている生産者のお米や大豆、雑穀などを買うことで、多様な農産物の維持に貢献していきませんか?

 農水省に意見しよう。
 つい先日、EUは2021年以降に、有機農家が自ら種子を販売する権利を承認しました。

「え?販売許可されていなかったの?」と意外に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 ヨーロッパは、農薬規制が厳しく、種子も有機認証が設けられているだけに、今まで種の販売が認められていなかったことは、私も意外でした。
 
 一見、オーガニックへの意識が高そうなイメージのEUですが、実は一昨年、米・モンサント社を買収し農薬メーカー・バイエル社はドイツの多国籍企業なのです。また昨年10月にバイエル社から農薬・種子事業の一部を売却されたBASFもドイツの企業です。

 2017.10.13 日本経済新聞「独バイエル、農薬・種子事業の一部を7800億円で売却」

 バイエル社、BASF共に、既に日本に進出しており、特にBASF社は、2003年以降、日本の子ども達に科学実験の教室を開催しています。この教室には、既に4000人以上の子ども達が参加しました。

 しかし日本と違うところはなんでしょうか。

 ヨーロッパは、このような多国籍企業の力が強い地域でありながらも、農産物の安全性を願う市民の地道な努力と意思表示により、安全な種が供給される体制が同時に、整備されているのです。

 日本は安全な種子が供給される体制がないままに危険性の高い種ばかりが出回るリスクが上がっているのです。
 何かあっても何も意見しない日本人の悪い意味での「協調性」が裏目に出ているとも言えます。

 私たちの身近にある種は、種苗会社だけの力で誕生したの?
日本の大手種苗メーカーの多くは、江戸から昭和初期にかけて創業した老舗です。

江戸時代に誕生したと言われる「種屋」の仕事は、当初は自分達の野菜作りで余った種を販売するところからスタートしたと言われています。
 また明治に入ると、採種や品種改良の技術を持つ「老農」という農業指導者が誕生し、種子業者へと転身していきました。大正時代には、種子問屋が近隣農家に種子の委託採種を行い、技術指導などを行っていました。

 現在、日本で生産されている野菜の多くは、アンデス山脈や中央アジア、インドなど海外から持ち込まれ、日本で品種改良されたものです。

参照:伝統野菜を作った人々 「種屋の近代史」阿部希望著

 この歴史を振り返って考えると種苗会社の原点は農家です。
 そして、海外から誰かが持ち込んだ種を農家が協力し、品種改良や育種を行った歴史があるからこそ、種苗会社はここまで生き残ってこれたはずですよね。
 現在ある品種の多くは、種苗会社だけでなく、農業に携わる多くの人達の努力によるものです。

 命を育む為に欠かせない「種」。その恩恵は、一部の企業が独占するべきものでしょうか。決して、そうではないはずです。
 私たち消費者は、種苗会社が市場を独占しないよう注意深く見守っていく必要があるのです。
 あなたが今できること、はじめていただけませんか?

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 引用以上

 私も家庭菜園をやってるが、種はなるべく「野口の種」で売っている固定種を使っているから、カボチャなどは、種を取って再利用している。
 ところが、この行為に対して、政府は「懲役10年以下、罰金1000万円以下」という法令を適用すると言っている。
 
 殺人の刑罰が、「懲役5年以上〜死刑」なので、「種を取って栽培する」という大昔から連綿と民衆に伝えられてきた、ありふれた生活のスタイルが殺人なみか、それ以上の悪質な犯罪と認定されるわけだ。
 日本政府=農水省は気でも狂ったのか??

 いや、極めて正気だ。これは、モンサント(現在バイエル)など欧米の国際金融資本に支配された種苗企業の利権を守るために制定されるのである。
 今の日本政府・自民党政権は、100%、国際金融資本の代理人なのだ。

 かつて、ボリビアのコチャバンバで、水の利用権を、アメリカの世界最大非上場軍事企業であるベクテル社の子会社(Tunari社)に売り渡したことがある。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%90%E6%B0%B4%E7%B4%9B%E4%BA%89

 トゥナリ社は、コチャバンバに発生する、すべての水資源は自社の私有であるとの契約を結び、水道料金を二倍に値上げした。
 また、降雨も地下水も、自社で独占すると宣言し、民衆の採水を禁止した結果、人々は、池や河の汚染水しか飲むことができなくなり、結果、数十名が病死し、憤った人々が立ち上がったとき、政府は武力弾圧を行った。
 https://trip-s.world/bolivia_war

 トゥナリ社は、裁判の結果、数十億円の法外な違約金をせしめ出て行ったが、コチャバンバには疲弊だけが残された。

 このように、国際金融資本(ユダヤ系独占企業)は、民衆の古来から続く、ありふれたライフスタイルに独占利権を設定し、昔からの生活を営むことに高額の罰金を科し、自社の利権を構築している。
 日本でも、すでに、たくさんの水資源を国際金融資本系列の独占企業に売り渡され、法外な値上げが行われ、人々が怒ると、巨額の違約金をせしめるという手口での生活侵略が行われている。

 今回取り上げた種苗法は、種子法に続いて、大昔から連綿と受け継がれてきた日本の農家の権利を勝手に独占し、それを破ると殺人なみの刑罰を設定し、種苗を国際金融資本系列の、モンサント(バイエル)やカーギルといった巨大企業が権利を独占するというものである。
 まさに、これを取り入れる日本の農水省や自民党議員は、国際金融資本の手先であり、悪質な走狗というしかない。

 これについては、法案の危険性、恐ろしさに気づいた、たくさんの人々から絶対反対の声が上がっているが、自民党は数の力で押し通そうとしている。
 自民党・公明党を支持する人々は、まさに自分で自分の首を絞めているのである。

  江原啓之 おと語り2019年12月8日 日本の食と水道が危ない!!
 https://www.youtube.com/watch?v=WImIJ5ULy3g

  種苗法で自家採種はどう変わる?
 https://www.kaku-ichi.co.jp/media/tips/legal-system/seedling-method

 日本では野菜の種子等が自家採種できなくなることになりそうです
2018年04月24日
 https://ameblo.jp/yamada-masahiko/entry-12371324968.html

 続々「農家の自家増殖、原則禁止」に異議あり!
 http://www.ruralnet.or.jp/gn/201809/syubyouhou.htm

  アメリカで食品安全近代化法が可決
 http://www.jpkeizai.info/jeco_weco/approval.html

  http://cosmo-world.seesaa.net/article/171716986.html

  狂気のモ○サント法案10月15日自分で種を植えてミニトマト等を食べると懲役10年以下の刑一千万円以下の刑
 http://www.asyura2.com/19/cult23/msg/117.html

 
 いったい、日本はどうなってしまうんだ!
 自民党・公明党・維新は、どんな社会を目指しているというんだ?

http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-977.html

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

124. 中川隆[-14997] koaQ7Jey 2019年12月29日 21:04:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2019] 報告

安倍政権が切り捨てる日本の食と農。日本だけが輸入する危険な食品<鈴木宣弘氏> 2019.12.22
https://hbol.jp/209175


日本の食と農が崩壊する!

 安倍政権はアメリカが要求する農協改革の名のもとに、農業への企業参入、農業の大規模化・効率化を推進してきた。規制改革推進派の小泉進次郎氏が自民党農林部会長に就き、「農業が産業化し、農協が要らなくなることが理想だ」と公言する奥原正明氏が農水省事務次官に就いた。  諮問会議で農業改革の議論をリードしたのは、農業の専門家ではなく、金丸恭文氏、新浪剛史氏といったグローバリストである。結果、農業分野への参入に成功したのは、新浪氏が社長を務めていたローソンファームや竹中平蔵氏が社外取締役を務めるオリックスである。  安倍政権が掲げてきた「稼げる農業」というスローガンは、その実態は、グローバル企業やお仲間企業だけが稼げる農業なのである。  こうした中で、農産物の自由化によって日本の農業は弱体化に拍車がかかっている。 『月刊日本 2020年1月号』では、第3特集として「日本の食と農が崩壊する」と銘打ち、日本の食糧自給を巡る危機的な状況に警鐘を鳴らしている。今回は同特集の中から、東京大学大学院農学生命科学研究科教授である鈴木宣弘氏の論考を転載・紹介したい。


農業を犠牲にする経産省政権

── 日米貿易協定が2020年1月に発効します。 鈴木宣弘氏(以下、鈴木): この協定について、安倍総理は「ウィン・ウィンだ」などと言っていますが、日本の完敗であることははっきりしています。自動車に追加関税をかけるというトランプ大統領の脅しに屈して、日本は農業分野を犠牲にしたのです。日本側の農産品の関税撤廃率は72%ですが、アメリカ側の関税撤廃率はわずか1%に過ぎません。日本農業は、さらに大きな打撃を受け、食料安全保障の確立や自給率向上の実現を阻むことになります。  安倍政権は、「アメリカは自動車関税の撤廃を約束した」と述べていますが、署名後に開示されたアメリカ側の約束文書には「さらなる交渉次第」と書かれています。自動車を含まなければ、アメリカ側の関税撤廃率は51%に過ぎません。これは、少なくとも90%前後の関税撤廃率を求めた世界貿易機関(WTO)ルールに違反することになります。  安倍政権では、経産省の力がかつてないほど強まっており、自分たちの天下り先である自動車、鉄鋼、電力などの業界の利益拡大が最優先されています。かつて、貿易交渉においては、財務、外務、経産、農林の4省の代表が並んで交渉し、農業分野の交渉では農水省が実権を持っていましたが、今や農水省は発言権が奪われています。内閣人事局制度によって官邸に人事権を握られた結果、農水官僚たちも抵抗できなくなっているのです。「農水省が要らなくなることが理想だ」と公言する人物が農水省の次官になるような時代なのです。


危機に陥る食料自給

── 協定が発効すると、アメリカ産の牛肉や豚肉の関税が一気に下がります。 鈴木:牛肉の関税は、現在の38・5%から26・6%に一気に引き下げられ、2033年度には9%となります。豚肉も、高級品については関税を段階的に下げ、最終的にゼロとなります。低価格部位については、現状の10分の1まで下がります。  日本は、TPP11で、牛肉を低関税で輸入する限度(セーフガード)数量について、アメリカ分も含めたままの61万トンを設定しました。ところが今回、アメリカ向けに新たに24万トンを設定したのです。日本にとっては、アメリカ分の限度が「二重」になっているということです。しかも、付属文書には「セーフガードが発動されたら発動水準を一層高いものに調整するため、協議を開始する」と書かれているのです。実際にセーフガードを発動することは次第に難しくなるということです。  政府は、牛肉や豚肉の価格が下がった分は補填するので、農家の収入は変わらず、生産量も変わらないと強弁しています。しかし、生産量が低下し、自給率がさらに下がるのは確実です。すでに牛肉の自給率は36%、豚肉の自給率は48%まで低下していますが、2035年には、牛肉、豚肉とも10%台にまで落ち込む危険性があります。農水省は平成25年度の39%だった食料自給率を、令和7年度に45%に上げるなどと言っていますが、それを実現する気などありません。  食料自給で最も深刻なのは酪農です。所得の低迷によって国内の酪農家の廃業が相次いでいます。乳価を安定させ、個々の酪農家の利益を守るために機能してきた指定団体が改定畜安法によって廃止されたからです。これに乳製品の関税引き下げが加わり、酪農家は危機感を高めています。  2018年には、北海道のブラックアウトの影響で東京でも牛乳が消えました。これは決して一過性の問題ではありません。さらに酪農が弱体化していけば、店頭から牛乳が消えるという事態が実際に起きます。牛乳を飲みたがっている子供に、お母さんが「ごめんね。今日は牛乳が売っていないの」と言わなければならなくなるのです。欧米諸国ならば、暴動が起きるような事態です。  ところが、政府は「不測の事態には、バターと脱脂粉乳を追加輸入して水と混ぜて、還元乳を飲めばよい」などと言っています。安全で新鮮な国産牛乳を確保するために、国産牛乳の増産を図るのが国民の命を守る国の使命のはずです。ところが、政府はその責任を放棄しているのです。食料自給は、国家安全保障の要です。  食料を安定的に国民に供給するために、自国の農業を守るのが、国の責任です。「日本の農業所得は補助金漬け」などと批判されることがありますが、日本は3割程度です。スイスは100%、フランス、イギリスも90%を越えています。


日本にだけ輸出される危険な食品

── アメリカ産牛肉は安全性も問題視されています。 鈴木:日本は、BSE(牛海綿状脳症)が問題となったため、アメリカ産の牛肉輸入を「20カ月齢以下」に制限していました。ところが、野田政権は2011年、TPP交渉への「入場料」として、「20カ月齢以下」から「30カ月齢以下」へ緩和してしまいました。  実は、24カ月齢の牛のBSE発症例も確認されているのです。しかも、アメリカのBSE検査率は1パーセント程度で、発症していても検査から漏れている牛が相当程度いると疑われます。また、アメリカの食肉加工場における危険部位の除去が不十分なため、危険部位が付着した輸入牛肉が日本で頻繁に見つかっています。「20カ月齢以下」は、日本人の命を守るための最低ラインなのです。しかし、安倍政権はアメリカに配慮して、2019年5月に月齢制限を完全撤廃してしまったのです。  また、アメリカ産の牛肉には、エストロゲンなどの成長ホルモンが使用されています。札幌の医師が調べたところ、アメリカ産牛肉からエストロゲンが通常の600倍も検出されたのです。ウナギ養殖のエサにごく微量たらすだけで、オスのウナギがメス化するほどの成長ホルモンなのです。エストロゲンは乳がんや前立腺がんとの関係が疑われており、日本では牛肉生産への使用は認可されていません。しかし、アメリカからは、エストロゲンを使用した牛肉が輸入されている疑いがあります。検査機関は「検出されていない」と言っていますが、40年前の精度の悪い検査機械をわざわざ使用し、検出されないようにしているようです。  EUは、1989年から成長ホルモンを使用したアメリカの牛肉を輸入禁止にしています。禁輸してから7年で、乳がんの死亡率が顕著に低下したという学会誌データも出てきています。  さらに、アメリカでは、牛や豚の餌に混ぜる成長促進剤ラクトパミンが使用されています。ラクトパミンは、発がん性だけでなく、人間に直接中毒症状を起こす危険性があり、EUだけではなく、中国やロシアでも国内使用と輸入を禁じています。日本でも国内使用は認可されていませんが、これまた輸入は素通りになっているのです。  アメリカの乳製品も危険です。ホルスタインには、モンサントが開発した遺伝子組み換え成長ホルモンが使用されているからです。この成長ホルモンを注射すると、乳量が2〜3割も増えるとされています。アメリカでは、1994年に認可されましたが、1998年に勇気ある研究者が「数年後には乳がん発症率が7倍、前立腺がん発症率が4倍になる危険性がある」と学会誌に発表したのです。  その結果、アメリカの消費者が不買運動を展開、今ではアメリカのスターバックスやウォルマートが「当社の乳製品には成長ホルモンを使用していません」と宣言せざるを得ない状況になっているのです。ところが日本では、これほど問題になった成長ホルモンを使用した乳製品の輸入が野放しになっています。

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スイスの食品流通に学べ

── 安倍政権には、日本の食の安全を守る気がありません。我々は、どのようにして食の安全を守っていけばいいのですか。 鈴木:2019年10月には、ゲノム編集食品の販売が解禁されました。しかも、表示義務もありません。2023年には遺伝子組み換えでないという食品表示も実質的にできなくなります。安倍政権は、世界に逆行するように、発がん性が指摘される除草剤成分「グリホサート」の残留基準値も大幅に緩和しました。  そして、貿易自由化が加速することによって、危険な輸入食品がさらに氾濫し、国産品を駆逐しようとしています。しかも、表示がなくなれば、安全な食品を選択することも不可能です。まさに今、日本の食の安全は瀬戸際に来ているのです。  我々がすべきことは、少々高くても、安全で安心なものを作ってくれる生産者と、それを支える消費者のネットワークを拡大することです。その手本となるのがスイスです。スイスでは国産卵は1個80円で、フランスから輸入しているものの6倍もしますが、国産の方が売れているのです。私の知り合いが、スイスの小学生の女の子に聞くと「これを買うことで生産者の皆さんも支えられるが、そのおかげで私たちの生活が成り立つのだから当たり前でしょ」と答えたそうです。  生協が食品流通の5割以上を占めるスイスでは、消費者が農協などと協力して生産者サイドに働きかけ、健康、環境、生物多様性などに配慮した生産を促しています。その代わりに、消費者は農産物に込められた多様な価値が価格に反映されていることを認識し、そのコストを分担しようという意識を持っています。食の安全を守りたいならば、日本もスイスを見習うべきです。 (聞き手・構成 坪内隆彦)

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125. 中川隆[-14958] koaQ7Jey 2020年1月02日 11:03:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1972] 報告
我が身を守るために国民を犠牲にしてはいけない 東京大学教授・鈴木宣弘 2020年1月2日


1月1日発効ありき

 2020年1月1日発効ありきで、日米貿易協定が拙速・強引に国会承認された。米国の自動車関連の関税撤廃の約束は「ない」が、どこにも書いてないものを「ある」と言い張って、貿易カバー率が五割強しかないのに9割をカバーしていると粉飾して前代未聞の国際法違反協定を強行した。子供も騙せない虚偽説明も、ここまで露骨になるとは思いもよらなかった。

霞が関の苦悩

 筆者も、役所時代はもちろん、大学に出てから多くのFTA(自由貿易協定)の事前交渉(産官学共同研究会)に参加してきたが、経済産業省や外務省や財務省がWTO(世界貿易機関)ルールとの整合性を世界的にも最も重視してきたと言っても過言ではない。良識ある官僚の本心は断腸の思いではないかと察する。


 振り返ると、日本の農林漁業を守り、国民への安全な食料供給の確保を使命としてきた農林水産省にとっては、TPP(環太平洋連携協定)交渉への参加は、長年の努力を水泡に帰すもので、あり得ない選択肢であった。何としても阻止すべく、総力を挙げて闘ったが、押しきられた。痛恨の極みだった。


 国内制度についても、酪農の指定団体制度も、種子法も、漁業法も、林野の法改定も、農林漁家と地域を守るために、知恵を絞って作り上げ、長い間守ってきた仕組みを、自らの手で無惨に破壊したい役人がいるわけはない。それらを自身で手を下させられる最近の流れは、まさに断腸の想いだろうと察する。霞が関を批判するのはたやすいが、逆らえば即処分される恐怖の中で彼らも苦しんでいる。

少数のオトモダチのために国民が犠牲に

 しかも、規制緩和や貿易自由化といわれている実態は、日米の政権に結び付いた「今だけ、金だけ、自分だけ」のごく少数のオトモダチ企業の儲けを増やすことである。国家戦略特区で農地買収を例外的に認められた企業と、人や国の山を盗伐して儲けて植林義務もなく「食い逃げ」できるようになった企業と、洋上風力発電のために人の漁業権を無理やり補償もなしに強奪できるようにしてもらった企業は、同一企業なのである。


 米国政権のオトモダチ企業の筆頭格のグローバル種子企業は、日本で公共の種の提供(種子法)を廃止させ、それを自分のもの(公共の種の譲渡を義務付ける新法)にし、それを買わないと生産ができなくして(種苗法の改訂)、遺伝子組み換え(GM)食品表示を実質無効化(2023年4月施行)し、ゲノム編集も完全野放し(2019年10月)にしてもらった。発がん性のある除草剤の残留基準値も多いものでは100倍以上に緩めさせた。日本人の命を守るための基準値が米国で使用量を増やしたことによる残留量の増加で決められている異常事態である。


 世界的にグローバル種子企業に逆風が吹き始めている中、唯一なんでも言いなりに聞く日本を最大の餌食とする戦略に徹底的に応えて国民の命を差し出しているのが日本国である。彼らは、人の薬の製薬会社と合併し、GMと除草剤で日本人の病気を増やし、病気の増加が合併した企業の薬の売り上げ増になれば、「二度おいしい、新しいビジネスモデル」と言っているとの噂さえある。

国民・国家に対する特別背任罪が必要

 TPPには参加しない、と言って参加し、重要五品目は除外、と言って除外せず、日米FTAを避けるためにTPP11をやる、と言って日米FTA交渉をTAGという捏造語で別物だと主張して開始し、その場がしのげたら、誰もTAGという言葉も使わなくなり、すべて虚偽だったことがあとから判明しても誰も責任を取らない。


 今回の日米協定では、自動車関税は撤廃が約束されている、これ以上農業を譲らない、牛肉のセーフガードは広げない、25%への自動車関税引き上げは回避できた、などなどと言っているが、これが違っていた、となったときに、きちんと罰せられるような仕組みを作らないと、その場しのぎのどんな虚偽もまかり通って、平然とさらに悪い事態へ移行させられていくのを止められない。日本にとっては失うだけの史上最悪の国際法違反協定を、世界に恥をさらして非難されることは明白な中、事実を捻じ曲げてまで、誰のためにここまでしなくてはならなかったのか。

我が身を犠牲にしても国民を守る覚悟あるリーダーを

 残念ながら、「今だけ、金だけ、自分だけ」は、日本の政治・行政、企業・組織のリーダー層にかなり普遍的に当てはまるように思われる。国民、市民を犠牲にして我が身を守るのがリーダーではない。「我が身を犠牲にしても国民を守る」覚悟を示すのがリーダーではないか。真に「国民を、国を守る」とはどういうことなのかが今こそ問われている。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/15034


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126. 中川隆[-14959] koaQ7Jey 2020年1月03日 10:33:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1972] 報告
地方から食と暮らしを守ることができる―全国で種苗法改定とのたたかいを― 元農林水産大臣・山田正彦 2020年1月3日

 種子法が廃止されて1年がたったが、このあいだに都道府県単位で種子条例を制定する動きが広がり、今年度中に21の自治体で制定される見込みとなっている。種子条例を制定する動きが広がれば、種子法廃止は実質的に意味を持たなくなる。地方の一人一人の動きがつながり、大きなうねりになってきた。こうしたなかで年明け、農水省はいよいよ種苗法の改定法案を国会に提出しようとしている。私たちは種子条例制定の運動に続き、今年は自家採種禁止法案に反対する運動と、種苗条例を全国で制定する運動を大展開したいと考えている。

 種苗法が改定されると、これまで自家増殖をしていた農家が種や苗を買わなければならなくなる。茨城県の横田農場は、8品種のコメの種子約7dを自家採種しているが、すべて購入することになると350万〜490万円になると訴えた。日本の農家がやっていけなくなるのは、だれが考えてもおかしいことだ。

 農水省は、シャインマスカットの苗木が中国・韓国に流出していた問題を例に出し、「シャインマスカットが逆輸入されて、日本の農家を苦しめている。だから育種知見を保護しなければならない」として、自家採種を原則禁止にする必要性を主張している。現行の種苗法では「海外に持ち出すことが合法になっている」というのが農水省の言い分だ。

 ところがこれは間違いだ。大きく4点、農水省の主張の矛盾を指摘する。

 一つ目に、現政府が制定した「農業競争力強化支援法」は、第八条四項で、独立行政法人の試験研究機関や都道府県が有する種苗の生産に関する知見を民間事業者に提供することを促進するとしている。シャインマスカットは独立行政法人・農研機構が開発し、育種登録した品種だ。これを「民間に渡すように」といっているのだ。しかも当時国会で「海外のモンサントなどにも提供するのか」と聞くと、齋藤農林水産大臣は「TPP協定は内外無差別だから当然そうなる」と答えた。海外の種苗企業、多国籍企業にも育種知見を提供しろといいながら、「中国に流出するから種苗法を改定しなければならない」という主張は根本的に矛盾している。

 二つ目に、種苗法第二一条二項では、登録品種や特性によって明確に区別されない品種でも、その種苗を用いて収穫物を得て、それを自分の農業経営のなかで種苗として用いる場合には、育成権者の効力はその苗から得た収穫物や加工品には及ばない。自家増殖は自由だ。

 種苗法はユポフ条約(1991年条約)のためにできた法律だ。ユポフ1991年条約は自家採種を禁止し、開発企業の知的所有権の遵守を優先させたものだ。上記のように二一条では例外として、自家採種してその種をまき、収穫物を得ることや加工・販売することもできるようになっている。

 だが政府は、「ここで育成者の権利が消えてしまう(消尽)」ため、自由に、合法的に海外に持ち出せるから自家採種禁止にする、と説明している。しかしそうではない。第二一条四項では、「当該登録品種等の種苗を生産する行為、当該登録品種につき品種の育成に関する保護を認めていない国に対し種苗を輸出する行為及び当該国に対し最終消費以外の目的を持って収穫物を輸出する行為」については育成者権の効力は及ぶとしている。海外に持ち出そうとする場合には、この第二一条四項によって禁止することができる。改定する必要がないという根拠だ。

 三つ目に、種苗法には罰則の定めがあり、違反した者には10年以下の懲役もしくは1000万円の罰金、または両方を科されることになっている。しかも共謀罪の対象だ。本当に海外への流出を止めようと思えば、宮崎県が種牛の精液が流出したことについて刑事告訴をしたように、刑事告訴をすれば十分であり、改定しなければならない理由にはならない。

 四つ目に、本当に海外流出を止めたいのであれば、国が中国・韓国で育種登録・商標登録すべきだ。シャインマスカットが海外流出したのは、それを怠ってきた国の責任ではないか。実際に、平成17年に種苗法二一条を改定したさいの農水省の資料では、「海外に行く日本の優良な育種知見を止めるには、海外で育種登録するしかない」としている。今になって「シャインマスカットの育種知見が流出するから」というのは説明がつかない。

◇    ◇

 農水省が急いで種苗法を改定しようとしているのはアメリカの圧力にほかならない。日米FTAにともなって、モンサント等多国籍企業が圧力をかけている。種子法廃止と同じように、3月に衆議院、4月に参議院を通過させ、1年後に実施するつもりだ。

 種苗法改定の検討委員会を引っ張っているのは、知的財産権ネットワークの弁護士だ。昨年10月15日に開催した院内集会の場に参加した農水省知的財産課の説明では、裁判所は現物を要求するが、モンサント等は登録された品種を現物として保有するのは容易ではないので、「特性を明文上、明らかにしたい」という。「この作物は背丈が何センチで、節はいくつで…」というように決め、それに該当すればすべて違反として、育種権者の権利を守るといい始めている。まさにモンサント等多国籍企業が裁判をするにあたって、彼らが有機栽培農家の栽培している伝統的な固定種を育種登録及び少し改良を加えて特許をとることができる内容である。

 育種登録した品種でも、栽培する土地によっても変化していくものだ。そこでモンサントは有機栽培農家の自家採種をやめさせ、すべての種子を自社の種にすることを狙っている。モンサントの裁判が有名なことはみなさんご存知だと思う。モンサントポリスが畑を見回り、自社が育種権を持つ作物が混ざっていれば訴訟を起こす。カナダでは風で飛ばされた種が混入した菜種農家が訴えられ、20万j請求された。日本国内でもすでに、キノコの生産者が企業に訴訟を起こされたケースが6件も発生している。

 すでに彼らは準備を始めている。このまま種苗法を改定すれば有機栽培農家も裁判に負け、大変な事態に置かれる。農水省が「伝統的な固定種を栽培している有機栽培農家は絶対に大丈夫だ」といっているのは真っ赤な嘘だ。

 もう一つ、10月15日に農水省が大事な資料を出した。例えばシャインマスカットは農研機構の育種知見だが、その育種登録権者が第三者にかわった場合どうなるかということだ。農水省は「農家の権利は今まで通り変わりない」と説明し、巧妙に「自家採種禁止」という言葉を引っ込めて、「許諾を得なければつくれない」といういい方をしている。県や国の機関である農研機構などが育種登録権者であれば、農家にすぐ許諾するだろうが、これがモンサントなど第三者に渡った場合、金を払わなければ「許諾」などするはずがない。

◇    ◇

 
 われわれは今年から、種苗法自家採種禁止法案に対して全国で反対運動を展開したいと考えている。それと同時に、種子条例が21の自治体でできたように、種苗条例を全国の自治体で制定していく運動を広げたいと考えている。国がアメリカやモンサントのいいなりになって種苗法を改定しても、地方からたたかっていけば恐いことはない。

 そのうえで、広島県のジーンバンクのような活動が大切になってくる。県や市町村など公的機関がそれぞれの品種の特性をすべてデータ化し、保存・管理して貸し出すような制度があれば、育種登録より以前に使用している種苗は裁判でも勝つことができる。伝統的な固定種も先にすべて特性を記録し、登録しておけば、自家採種禁止をやられても、モンサントがやって来ても、たたかうことができる。沖縄県では本の貸し出しもしているカフェで、種の貸し出しも始まった。このような動きを全国に広げていけば心配することはない。

 遺伝子組み換え作物についても、今治市の「食と農のまちづくり条例」のような形で守ることができる。今治市は市長に申請し厳しい条件をクリアして許可を得なければ、栽培できないよう条例で定めている。市内で遺伝子組み換え作物の栽培がおこなわれなければ、種子が交雑して訴訟を起こされることから農家を守ることができる。遺伝子組み換え作物を市民が食べることもない。今治市の条例は、違反した者に対し6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金も科すなど、大変厳しい内容だ。

 今、地方自治体は法律に違反しない限り、みずからの意志で何でもできる時代だ。私たちの暮らしは私たちの力で守ることができる。地方から暮らしを守る時代だ。命をかけてやれば何でもできる。たたかえば勝てる。勝つまでたたかう。希望を持って今年も頑張っていきたい。
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/15047

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127. 中川隆[-14772] koaQ7Jey 2020年1月08日 11:19:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1736] 報告
2020年01月08日
農業補助金が収入の5割 アメリカ農業は競争社会ではない 


アメリカの農業は面積が広いだけで効率が悪く、補助金で存続している


引用:http://s3.amazonaws.com/fallingrain/uploads/cc3c5a058f9a47b4a48a503c69530c71/large/Wheat_Farm.jpg?1356317678


アメリカの農家は収入の半分以上を政府の補助金から受け取っている。

1割台の日本こそ「競争社会」でアメリカ農業に競争などありません。

アメリカの農業補助金


農業自由化交渉やTPP交渉を巡って、アメリカは毎回「日本は農業を保護し、不公正貿易をしている」と言っていました。


農業だけでなく、どんな品目でも必ずアメリカは「日本は保護貿易をしている」と非難します。


しかし実際は不公平なのはアメリカの方であり、補助金と貿易障壁で自国産業を保護しています。


今回はアメリカの農業を取り上げて、いかに保護され不公正な貿易をしているかを暴きます。

アメリカの農産物(とうもろこし、麦、大豆、米、綿花)の生産コストは、生産コストが販売額を上回っています。

少数の例外品目を除いて、アメリカの全ての農産物は赤字で生産していると断言して良いと思います。


例えばアメリカが日本に輸入するよう迫っている米(占領時に盗んでいった日本米)の生産コストは、販売額の100%以上です。

農作物の相場は年によってかなり違うが、生産コストが販売額の200%を超える年もあった。

米を1万円で作って5千円を政府が補助し、5千円で販売している事になります。


小麦、トウモロコシ、大豆も販売額の100%から200%の生産コストが掛かっていて利益は出ていません。

アメリカの農業は世界最強ですが、補助金の金額が世界最強なのでした。

農業に出している補助金は製造業とかIT産業とか、国民の税金で支払っています。


お金が足りなければ中央銀行のFRBがいくらでも印刷するので、足りなくなる事は起こりません。


日本の方が過酷な競争社会だった


一方でアメリカは関税に関しては低く15%前後、日本は平均50%前後と高くなっている。

これを根拠にアメリカは「日本は農業を保護している。アンフェアだ!」というのですが、アメリカは補助金を高くして関税を安くしています。

日本の農業の補助金割合は15%といった所で、アメリカの50%以上とは大きな差がある。


関税で保護するか補助金で保護するかの違いだけで、補助金のほうが上等という事はありません。

むかしNHKのテレビ番組でアメリカの米農家の特集をして褒めちぎっていました。

彼らはヘリコプターで種を撒いて水を入れたら、収穫までほったらかしみたいなやり方をしていました。


それで良い米が取れるなら農家は楽で良いのですが、後で調べたらそれは「工業用のクズ米」でした。

テレビではアメリカの農業がいかに近代的で、日本が遅れているかを強調していましたが、種証しはそんな物です。

アメリカの農業予算は年間10兆円以上で、アメリカの農業生産額は17兆円に過ぎません。


対する日本は農業生産額約7兆円で農業予算3兆円です。

この数字を並べて分かるのは、アメリカの人口は日本約3倍弱なので、一人当たりの農業生産額は大差ありません。

アメリカの農業は凄く巨大だという印象を受けますが、『国民一人当たり』に直せば同じです。

このカラクリはアメリカが大量に作っているのは小麦やトウモロコシなど安いものばかりである事です。


反対に日本が作って居るのは生鮮野菜とか高級和牛とか値段が高いものが多い。

日本の農家は過当競争によって崩壊しようとしているが、アメリカの農家は補助金で良い生活をしている。

アメリカの農家は平均4万ドルの補助金を受け取っているが、日本は1万ドル未満に過ぎませんでした。

貿易交渉で「日本はアンフェアだ」とアメリカ代表が発言したら、机を蹴っ飛ばして投げつければ良いのです。

以前農林部会長だった小泉進次郎が「日本の農家は甘やかされているので競争原理が必要だ」と言っていました。


このレベルのアホが農政をやっているとしたら、日本の農業は滅びるしかありません。


そして農業が滅んだ国はひとつの例外もなく国が滅亡しています。
http://www.thutmosev.com/archives/38917711.html
 


[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

128. 2021年1月16日 19:15:02 : rerJEANHFY : aXNjZy9RLkFCLk0=[24] 報告
日本の食と農が危ない!―私たちの未来は守れるのか(上) 東京大学教授・鈴木宣弘
2021年1月16日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/19848

 現在、日本の農業は後継者不足が問題になっているが、その実態、そして原因はなんだろうか?


 ある優良な集落営農組織の事例【表@参照】を見ても「総高齢化」が進んでおり、後継者がいるのは2件のみ。年齢に10を足せば、10年後に崩壊リスクが高くなる集落が全国的に増加している。中核的作業従事者の手当は年200万円程度で、「次の担い手が見つからない」という事態も全国各地で聞かれる。

 農家の時給(1時間あたりの所得)は、平均で961円【表A参照】。農産物価格が安い、つまり農家の自家労働が買い叩かれている。これでは後継者の確保は困難と言わざるを得ない。

  

 ここまで所得が低くなった理由は、自動車などの輸出のために食と農を差し出す貿易自由化が長年続けられてきたことにほかならない。1962年には81品目あった輸入数量制限品目が、2019年には5品目まで減った。それに合わせて当時76%あった食料自給率は38%に落ち込んでいる【表B参照】。貿易自由化が進んだことによって、国内の食料生産が減ってしまったという非常に明瞭な関係がある。

 

貿易自由化の犠牲にされ続けている食と農

 食料は国民の命を守る安全保障の要(かなめ)なのに、我が国にはその国家戦略が欠如しており、自動車などの工業製品の輸出を伸ばすために、農業を犠牲にするという短絡的な政策がとられてきた。農業を過保護だと国民に刷り込み、農業政策の議論をしようとすると、「農業保護はやめろ」という議論に矮小化して批判されてきた。

 農業を生贄にする展開を進めやすくするには、「農業は過保護に守られて弱くなったのだから規制改革や貿易自由化というショック療法が必要だ」という印象を国民に刷り込むのが都合がよい。このとりくみは長年メディアを総動員して続けられ、残念ながら成功してしまっている。しかし、実態は、日本農業は世界的にも最も保護されていない。


 近年は、農業犠牲の構図がより強まった。官邸における各省のパワー・バランスが完全に崩れ、農水省の力が削がれ、経産省が官邸を「掌握」していた。「今は“経産省政権”ですから自分たちが所管する自動車(天下り先)の25%の追加関税や輸出数量制限は絶対に阻止したい。かわりに農業が犠牲になるのです」と、私は2018年9月27日に某紙で日米交渉の構図を指摘した。大企業利益を徹底的に追求する構造は内閣の交代でむしろ強化される。

 「地方は原野に戻せ」と連呼してきた大手人材派遣P社会長のT氏、中小企業社長の名目で中小企業の淘汰を進めているA氏(中小経営淘汰=企業による労働の買い叩きが問題と言いながら、処方箋は大企業への一層の生産集中という完全な論理矛盾)が新内閣の参謀である。

輸出規制に耐えられる食料自給率が不可欠と再認識されたのに

 新型肺炎の世界的蔓延(コロナ・ショック)は、バッタの異常発生による食害の拡大、異常気象の頻発と相まって、食料自給率問題の切実さを再認識させた。物流が寸断され、人の移動も停止し、それが食料生産・供給を減少させ、買い急ぎや輸出規制につながり、それらによる一層の価格高騰が起きて食料危機になることが懸念されている。FAO(国連食糧農業機関)によれば、昨年3月〜6月までに輸出規制を実施した国は19カ国にのぼる【地図参照】。

  

 農業生産・流通については、欧米では移民労働者、日本では外国人研修生の不足、港湾での荷役作業の遅延、トラック運転手の敬遠、都市封鎖による物流の停止、中国からの業務用野菜などの輸入減、米国からの食肉などの輸入減など、グローバル化したサプライ・チェーン(流通網)に依存する食料経済の脆弱性が浮き彫りになった。

 日本の食料自給率は38%。われわれの体を動かすエネルギーの62%を海外に依存している。FTA(自由貿易協定)でよく出てくる原産国ルールに照らせば、日本人の体はすでに「国産」ではないとさえいえる。食料輸入がストップしたら、命の危険にさらされかねない。食料の確保は、軍事、エネルギーと並んで、国家存立の重要な三本柱の一つである。

 輸出規制は簡単に起こりうるということが、コロナ禍でも明白になった。FAO・WHO(世界保健機関)・WTO(世界貿易機関)の事務局長は共同で、輸出規制の抑制を要請した。しかし、輸出規制は国民の命を守る正当な権利であり、抑制は困難である。飢えている自国民を差し置いて、他国に食料を譲ることなど道義的にも認められない。

 米国は、自国の農業保護(輸出補助金)は温存しつつ、「安く売ってあげるから非効率な農業はやめたほうがよい」といって世界の農産物貿易自由化を進め、安価な輸出で他国の国内農業を縮小させてきた。

 それによって基礎食料の生産国が減り、米国等の少数国に依存する市場構造になったため、需給にショックが生じると価格が上がりやすくなる。それを見て高値期待から投機マネーが入りやすく、不安心理から輸出規制が起きやすくなり、価格高騰が増幅されやすくなってきた。高くて買えないどころか、お金を出しても買えなくなってしまったことが、2008年のリーマン・ショックに起因する危機を大きくした【図C参照】。つまり、米国の食料貿易自由化戦略の結果として食料危機は発生し、増幅されたのである。

 こういう構造ができているのだから、今おこなうべきは貿易自由化に歯止めをかけ、各国が自給率向上政策を強化することである。自給率向上策は輸入国が自国民を守る正当な権利である。

一層の貿易自由化を求めるショック・ドクトリン

 ところが、FAO・WHO・WTOの共同声明は、輸出規制の抑制と同時に、いっそうの食料貿易自由化も求めている。輸出規制の原因は貿易自由化なのに、解決策は貿易自由化だ、とは論理破綻も甚だしい。食料自給率の向上ではなく、なおいっそう食料の海外依存を強めよというのだろうか。コロナ・ショックに乗じた「火事場泥棒」的ショック・ドクトリン(災禍に便乗した規制緩和の加速)であり、看過できない。

 TPP11(米国抜きのTPP=環太平洋連携協定)、日欧EPA(経済連携協定)、日米FTA(貿易協定)と畳みかける貿易自由化が、危機に弱い社会経済構造を作り出した元凶であると反省し、特に、米国からのいっそうの要求を受け入れていく日米交渉の第二弾はストップすべきである。

 これを機に貿易自由化が加速し、多くの国の食料自給率がさらに低下するようなことはあってはならない。それなのにコロナ問題の目眩ましのように日英協定まで上乗せしようとしている。

畳みかける貿易自由化の現在地

 短絡的な貿易自由化の見直しが必要と認識すべきときに、我が国は何をやっているのか――。

 貿易自由化の現状をおさらいすると、TPPは2016年に署名されたが、推進役であった米国の国内で、「格差社会を助長する」「国家主権が侵害される」「食の安全が脅かされる」などの反対世論が拡大したため、大統領選挙の争点となってすべての大統領候補がTPPからの離脱を公約する事態となり、トランプ大統領就任直後の2017年、米国は離脱を表明し、TPPは頓挫した。

 それなのに、米国には「スネ夫」なのにアジアには「ジャイアン」になる日本は、米国抜きのTPP11を主導して発効させ、日米貿易協定の第一段階が2020年1月に発効した。これは第一段階だけで終わらない。次の段階で、すべての分野を含む米国の要求がさらに日本に対し突きつけられる危険がある。

 そうすると、食の安全基準(具体的には、防カビ剤の表示撤廃、病害虫発生を理由にした生鮮ジャガイモ輸入解禁措置の一層の拡大、食品添加物・残留農薬の緩和など)、金融・共済、医療を含むさまざまな分野に関する米国からの従来の要求が、さらに2国間で強力に突き付けられる状況を心配しなければいけない。


日米FTAの合意書を交わした日米首脳会談(2019年9月26日)

 しかもTPP11では、コメの輸入枠(米国への特別枠)以外の部分は、米国分も含めて日本が譲った農と食の譲歩内容を、米国抜きの11カ国にそのまま譲ってしまっている。だから日本が受ける食と農に関する打撃は、元のTPPとほとんど同じになってしまっている。米国も黙っておらず、「俺の分をどうしてくれるのだ」ということで、米国が2国間交渉を要求してくるのは当然セットだった(TPP11で米国分も入れて譲歩してしまったから、日米交渉では米国分が「二重」に日本にのしかかる)。

 もう一つ、EUとの自由貿易協定が2019年2月1日に発効した。これは、TPP交渉が頓挫したときに格好がつかないからEUとの協定はTPP以上を譲っていいから早く決めてくれという官邸の指示があったので、EUが喜んで「それなら日本からTPP以上のものをもらおうじゃないか」とチーズの全面関税撤廃などを要求し、日本はEUにもTPP以上のものを譲ってしまった。日英でチーズ枠を新設すれば、EU(英国も含んでいた)枠に「二重」に追加されてしまう。

 だからTPP11でほとんどTPPの状態が実現し、それに日米FTAが加わり、日EUもTPP以上で加わっているのだから、TPPのときにあれだけみんなで大騒ぎしたのに、すでにそれ以上のものになってしまっているのが今の状況であることを重く受け止めないといけない。

 さらに、RCEP(日中韓+ASEAN+豪NZ)も大筋合意された。ここでは、日本の農産物の関税撤廃率はTPPと日EUの82%に比べて、対中国は56%、対韓国は49%(韓国の対日本は46%)、対ASEAN・豪州・ニュージーランドは61%と大幅に低く、日本が目指したTPP水準は回避され、ある程度、柔軟性・互恵性が確保された。

 今回の日米協定を、日本はウィンウィンだと言っているが、よく見てみたら、農産物についても、中国に売るはずだった余剰トウモロコシ300dの尻拭いも含め、ずいぶん譲った。そのうえ、米国側がTPPのときに日本に約束した自動車関税の撤廃は、日本にとって一番重要な唯一の利益といわれていたのに、反故にされてしまった。だから、日本は自動車でも何も取れなくなり、農産物では譲らされ、ただ失うだけになった。

 ウィンウィンなのはトランプ氏だった。大統領選が近いから、自動車は絶対に譲れない。農産物は日本からたくさん取ったぞ、中国の尻拭いもさせたぞということで、喜んで選挙民にそれを宣伝した。要は、トランプ氏の選挙対策のために、日本が一生懸命貢いでいる構造が今ある。

 ところが日本政府は、この協定を批准するに当たり、米国は自動車関税を撤廃すると約束したと言っている。合意文書には「Customs duties on automobile and auto parts will be subject to further negotiations with respect to the elimination of customs duties」(自動車の関税撤廃についてはさらなる交渉をすることになっている)と書いてある。この英文をどう読んでも「関税撤廃を米国が約束した」とは読めない。日本政府は最初この英文を公表せず、約束しているからと説明して署名してしまったが、署名後に英文(邦訳は非公開)が出てきてばれた。

 まさに「ない」ものを「ある」と言っているわけだが、それは「ある」ことにしないと、米国側の貿易額の92%をカバーしたとしているのが、自動車関連の約40%が抜けると50%台に落ち込み、関税撤廃品目のカバー率が史上最低となり、前代未聞の国際法(90%ルール)違反協定となり、国会批准ができないからであった。

 そもそも「自動車関税25%」というWTO違反の脅しに対して、EUのように提訴して断固たたかうべきところを、日本は「25%関税をかけられるよりはマシだ」と脅され、「犯罪者に金を払って許しを請う」(細川昌彦・中部大学教授)ような「失うだけの交渉」を展開したあげく、日米でさらなる犯罪行為(WTO違反)に手を染めて共犯者になってしまったといえる。

くり返される詭弁にもならぬ詭弁〜政治・行政の立論の幼稚化

 我が国の政権与党は、「TPP断固反対」として選挙に大勝した後、あっという間にTPP参加表明をし(「聖域なき関税撤廃」が「前提」でないと確認できたとの詭弁)、次は、農産物の重要五品目は除外するとした国会決議を反故にし(「再生産が可能になるよう」対策するから決議は守られたとの詭弁)、さらに、「米国からの追加要求を阻止するために」としてTPPを強行批准し、「日米FTAを回避するためにTPP11」といって、実際にはTPP11と日米FTAをセットで進め、ついに「TAG(物品貿易協定)」なる造語で共同声明と米副大統領演説まで改ざんして「FTAでない」と強弁して日米FTA入りを表明した。日米経済対話やFFRは日米FTAの準備交渉だった。

 何度も何度も同じような光景(デジャブ)がくり返されている。

 霞が関の「幼児化」が進み、幼稚園児もごまかせないような虚偽を平然と述べる。学校で何を学んできたのか。大学は何を教えているのか。教える側の資質も問われる。

 すべての国に同じ条件を適用するMFN(最恵国待遇)原則が経済学的に正しいとして、2000年頃まではFTAを批判し、「中でも日米FTAが最悪」と主張していた日本の国際経済学者は、TPP礼賛に変わり、ついに日米FTAまで来てしまった。こうした事態の展開をどう評価するのか。当時、政府のFTA関係の委員会で「変節」への説明を求めた筆者に「理屈を言うな。政府の方針なのだ」と一喝した経済理論大家は、また、そう発言するのだろうか。

農業過保護論の虚構〜国家戦略の欠如

 農業を生贄にしやすくするために「農業は過保護だ」という嘘がメディアを通じて国民に刷り込まれ、保護をやめれば自給率が上がるかのような議論がある。日本の農業が過保護だから自給率が下がった、耕作放棄が増えた、高齢化が進んだ、というのは間違いである。過保護なら、もっと所得が増えて生産が増えているはずだ。

 逆に、米国は競争力があるから輸出国になっているのではない。多い年には穀物輸出補助だけで1兆円も使う。コストは高くても食料自給は当たり前、逆にいかに増産して世界をコントロールするか、という徹底した食料戦略で輸出国になっている。つまり、一般に言われている「日本=過保護で衰退、欧米=競争で発展」というのは、むしろ逆である。

 だから、日本の農業が過保護だからTPPなどのショック療法で競争にさらせば強くなって輸出産業になるというのは、前提条件が間違っており、そんなことをしたら最後の砦まで失って、息の根を止められてしまいかねない。コロナ・ショックを機に、我が国が早々と関税撤廃したトウモロコシ、大豆の自給率が0%、7%である現実を、もう一度直視する必要がある。

 農業政策を意図的に農家保護政策に矮小化して批判している場合ではない。客観的データで農業保護過保護論の間違いを国民が確認し、諸外国のように国民の命と地域の暮らしを守る真の安全保障政策としての食料の国家戦略を確立する必要がある。

 虚構@「世界で最も高関税で守られた閉鎖市場」→OECDデータ【図D参照】によれば、日本の農産物関税率は11・7%で、多くの農産物輸出国の2分の1〜4分の1である。こんにゃくの関税1700%ばかりを強調して、関税が高いというのは間違いだ。野菜の関税率は3%程度がほとんどで、極めて低い関税の農産物が全体の9割を占めるのは日本だけだ。「農業が高い関税に守られ、鎖国のようになっている」とは正反対の現実がある。食料自給率38%の国の農産物関税が高いわけがない。


 虚構A「政府が価格を決めて農産物を買い取る遅れた農業保護国」→WTO加盟国で唯一価格支持政策をほぼ廃止した哀れな「優等生」が日本であり、他国は現場に必要なものはしたたかに死守している。しばしば、欧米は価格支持から直接支払いに転換したといわれる(「価格支持→直接支払い」と表現される)が、実際には「価格支持+直接支払い」の方が正確だ。

 つまり、価格支持政策と直接支払いとの併用によってそれぞれの利点を活用し、価格支持の水準を引き下げた分を、直接支払いに置き換えているのである。なんと価格支持をほぼ廃止したのは日本だけである。特に、EUは国民に理解されやすいように、環境への配慮や地域振興の「名目」で理由付けを変更して農業補助金総額を可能な限り維持する工夫を続けているが、「介入価格」による価格支持も堅持していることは意外に見落とされている。

 「支持価格水準が低いから機能していない」との見解もあるが、機能している実例がEU主要国の生産者乳価の比較【図E参照】だ。このグラフの「最低価格」が介入価格である。イギリスのサッチャー政権で一元的な生乳販売組織のミルク・マーケティング・ボード(MMB)が解体されて、多国籍乳業と大手スーパーに買い叩かれ、乳価は暴落したが、最低価格で支えられたことが読み取れる。介入価格よりも乳価が下がらないようにバターと脱脂粉乳の買入れが発動されるからである(日本ではMMB解体の惨状を「反面教師」にせずに、指定生乳生産者団体の解体の方向性を2017年に法制化し、かつ政府による最低限の買い支えも完全に廃止した)。

 米・カナダ・欧州は、穀物や乳製品を支持価格で買入し、援助や輸出に回す。特に米国は、政府在庫の出口として、援助や輸出信用も活用している。多い年には、輸出信用(焦げ付くのが明らかな相手国に米国政府が保証人になって食料を信用売りし、結局、焦げ付いて米国政府が輸出代金を負担する仕組み)でも4000億円、食料援助(全額補助の究極の輸出補助金)で1200億円も支出している。

 これと同じく、実質的な輸出補助金にあたる不足払いによる輸出穀物の差額補填は、多い年では、コメ、トウモロコシ、小麦の3品目だけの合計で4000億円に達している。つまり、これらを足しただけでも、多い年には、約1兆円の実質的輸出補助金を使って「需要創出」している。海外向けの需要創出だけで、これだけの予算を投入しているのは我が国(ほぼゼロ)とは比較にならない。

 さらに、米国では農家などからの拠出金(チェックオフ)を約1000億円(酪農が45%)徴収し、国内外での販売促進をおこなっているが、輸出促進部分には同額の連邦補助金が付加される。これも「隠れた輸出補助金」で300億円近くにのぼる。しかも、この拠出金は輸入農産物にも課しており、これは「隠れた関税」だ。

 酪農については飲用乳価を高く支払うよう全米2600の郡別に最低支払義務を政府が課しているのも、乳製品価格を下げて輸出を促進する点で「隠れた輸出補助金」だ。

 虚構B「農業所得が補助金漬け」→日本の農家の所得のうち補助金の占める割合は3割程度なのに対して、EUの農業所得に占める補助金の割合は英仏が90%以上、スイスではほぼ100%と、日本は先進国で最も低い【上表参照】。「所得のほとんどが税金でまかなわれているのが産業といえるか」と思われるかもしれないが、命を守り、環境を守り、国土・国境を守っている産業を国

民みんなで支えるのは世界では当たり前なのである。それが当たり前でないのが日本である。

 フランスやイギリスの小麦経営は200〜300f規模が当たり前だが、そんな大規模穀物経営でも所得に占める補助金率は100%超えが常態化している。つまり、市場での販売収入では肥料・農薬代も払えないので、補助金で経費の一部を払って残りが所得となっている。日本では補助金率が極めて低い野菜・果樹でも、フランスでは所得の30〜50%が補助金なのにも驚く【表F参照】。

生産コストを満たせない農産物の買い叩き

 土地の狭い日本の農産物は、海外よりは割高で、消費者は輸入品に飛びつき、コストが海外より高いのに小売の力が強く、農産物価格は農家の所得を十分に満たせない水準まで買い叩かれてきた。

 食料関連産業の規模は、1980年の49・5兆円から、2011年には76・3兆円に拡大している。けれども農家の取り分は13・5兆円から10・5兆円に減少し、シェアは27・3%から13・7%に落ち込んでいる。

 酪農における農協・メーカー・スーパー間の力関係を計算してみると、スーパー対メーカー間の取引交渉力は7対3で、スーパーが優位。酪農協対メーカーは1対9で生産サイドが押されている。だから2008年に餌危機のとき、餌代が1`cあたり20円も上がって、生産者が何とかしてくれと言ったが、小売大手がダメだと言って、酪農家がバタバタと倒れた。これは日本が最も顕著だった。

 他国では小売価格も3カ月のうちに30円も上がって、皆が自分たちの大事な食料を守るシステムが動いた。このシステムが働かないのが日本である。これも「今だけ、金だけ、自分だけ」の「三だけ主義」だ。買い叩いてビジネスができればいい、消費者も安ければいいと。こんなことをやって、生産者がやめてしまったら困るのは国民である。皆で泥舟に乗って沈んでいくようなものだと認識して、どうやって自分たちの食料を守っていくのかを考えなくてはいけない。

 カナダの牛乳は1g300円で、日本より大幅に高いが、消費者はそれに不満を持っていない。筆者の研究室の学生のアンケート調査に、カナダの消費者から「米国産の遺伝子組み換え成長ホルモン入り牛乳は不安だから、カナダ産を支えたい」という趣旨の回答が寄せられた。生・処・販のそれぞれの段階が十分な利益を得たうえで、消費者もハッピーなら、高くても、この方が皆が幸せな持続的システムではないか。「売手よし、買手よし、世間よし」の「三方よし」が実現されている。

 (ただし、カナダがこのようなシステムを維持するには、海外からの安い牛乳・乳製品を遮断する必要があるため、TPPで断固たる対応が必要になり、カナダはそれを押し通した。カナダはTPP参加国に対する無税の輸入枠 [TRQ] を新設するが、それを超える輸入に対する高関税には手を付けずに維持することに成功している。EUにも同じ。新NAFTAでも同じ。)

(つづく)
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/19848

129. 2021年1月23日 18:11:02 : C262U7JCBk : TFpjbTFDOE1tbGs=[32] 報告
日本の食と農が危ない!―私たちの未来は守れるのか(中) 東京大学教授・鈴木宣弘
2021年1月22日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/19886

日米の特定企業による国家私物化〜規制改革、自由貿易の本質

 日本は「保護主義とたたかう自由貿易の旗手」のように振舞っているが、規制を撤廃し、貿易を自由化し、対等な競争条件(イコールフッティング)で競争すれば、全体が発展できるというのは名目であり、実際は、日米の政治と結びついた「今だけ、金だけ、自分だけ」の資金力のある「オトモダチ」企業が、公共的なルールや制度、協同組合などの相互扶助的な組織を、「既得権益」「岩盤規制」と攻撃して壊し、地域を支えるビジネスとお金を引き剥がし、自分たちのもうけの道具にできるルールを作ろうとする。そのような国家私物化、世界の私物化、それが規制緩和と貿易自由化の実態になってしまっている。しかも、極めて少数の特定の「オトモダチ」企業に徹底した便宜供与が企てられている。

 グローバル企業の経営陣は、命、健康、環境を守るコストを徹底的に切り詰めて、「三だけ主義」でもうけられるように、投資・サービスの自由化で人々を安く働かせ、命、健康、環境への配慮を求められてもISDS(投資家対国家紛争解決)条項で阻止し、新薬など特許の保護は強化して人の命よりも企業利益を増やそうとする。

 米国共和党のハッチ議員が2年ほどで5億円もの献金を製薬会社などから受け取り、患者の命を縮めても新薬のデータ保護期間を延長する(ジェネリック医薬品を阻止する)ルールをTPPで求めたのは象徴的だ(規制撤廃と言いつつ規制強化。つまり規制改革の本質は、企業利益増大に有利なルール追求だということのわかりやすい事例)。知財保護強化は、企業利益増大の重要な手段であり、日本の種苗法改定とも共通する。

 「安全性を疎かにしたり、従業員を酷使したり、周囲に迷惑をかけ、環境に負担をかけて利益を追求する企業活動は社会全体の利益を損ね、企業自身の持続性も保てないから、そういう社会的コスト(外部費用)をしっかり認識して負担する経営をしなくてはならない」というのが経済学的に見たCSR(企業の社会的責任の履行)の解釈といえる。しかし、TPPなどでは、企業に本来負担すべき社会的費用の負担(命、健康、環境、生活を毀損しないこと)の遵守を求めると、逆に利益を損ねたとして損害賠償請求をされてしまう(ISDS条項)というのだから、異常な事態である。

 保護主義vs自由貿易は、国民の利益vsオトモダチ(グローバル企業)の利益と言いかえるとわかりやすい。彼らと政治(by献金)、行政(by天下り)、メディア(byスポンサー料)、研究者(by資金)が一体化するメカニズムは、現在の政治経済システムが持っている普遍的欠陥である。

 規制緩和や自由貿易の利益の前提となる完全雇用や完全競争は「幻想」で、必ず失業と格差、さらなる富の集中につながる。市場支配力のある市場での規制緩和(拮抗力の排除)はさらなる富の集中により市場を歪めるので経済理論的にも間違っている。理論の基礎となる前提が現実には存在しない「理論」は本来の理論とは言えない。理論は現実を説明するために存在する。

 本質を見抜いた米国民はTPPを否定し、その世論に押されて米国が離脱したにもかかわらず「TPPゾンビ」の増殖に邁進しているのが日本政府である。

 実は、米国のPew Research centerの調査(2018年)では、国際貿易によって国民の雇用が増加するか、減少するかの問いに、米国では36%が増加、34%が減少と答えたのに対し、日本では21%が増加、31%が減少すると答えており、日本人の方が相対的に多く国際貿易が失業につながる懸念を持っているのに、政治の流れは逆行している。理由の一つは、日本では国民を守るための対抗力としての労働組合や協同組合が力を巧妙に削がれてきたことにある。米国では最大労組(AFL-CIO)がTPP反対のうねりを起こす大きな原動力となったのと日本の最大労組の行動は対照的である。

 日本で政権と結びついた日米の「オトモダチ」企業の要求を実現する司令塔が「未来投資会議」(新政権では「成長戦略会議」に再編され、T氏とA氏が主導)、実施の窓口が「規制改革推進会議」であり、官邸の人事権の濫用で行政も一体化し、国民の将来が一部の人間の私腹を肥やすために私物化されつつある。

 農協改革も、種子法廃止と種の情報の民間への譲渡も、種苗の自家採種の制限も、遺伝子組み換えでない表示の実質禁止も、漁業権の強制的付け替えも、民有林・国有林の「盗伐」合法化も、卸売市場の民営化も、水道の民営化も、根っこは同じ、「オトモダチ」への便宜供与の貫徹とみたほうがわかりやすい。

 「三だけ主義」の対極に位置するのが、命と暮らしを核にした共助・共生システムである。逆に見れば、一部に利益が集中しないように相互扶助で小農・家族農業を含む農家や地域住民の利益・権利を守り、命・健康、資源・環境、暮らしを守る協同組合組織は、「三だけ主義」の輩にとっては障害物である。そこで、これらの組織を「既得権益」「岩盤規制」と攻撃し、ドリルで壊してビジネスとお金を奪い、みずからの既得権益にして、私腹を肥やそうとする。

 例えば、米国ウォール街は、郵貯マネーに続き、JAの信用・共済マネーも喉から手が出るほどほしいから農協「改革」の名目で信用・共済の分離を迫る。農産物の「買い叩き」と資材の「吊り上げ」から農家を守ってきた農協共販と共同購入も邪魔である。だから、世界的にも協同組合に認められている独禁法の適用除外さえ不当だと攻撃しだした。ついには、手っ取り早く独禁法の適用除外を実質的に無効化してしまうべく、独禁法の厳格適用で農協共販つぶしを始めた。これが「対等な競争条件」要求の実態である。

 現状は不当な買い叩き状態なのだから、独禁法の適用除外をなし崩しにする取締まり強化は間違いで、共販を強化すべきで、かつ、大手小売の「不当廉売」と「優越的地位の濫用」こそ、独禁法上の問題にすべきである。だが、新内閣参謀A氏は買い叩き是正には、中小を淘汰して一層の大手への集中が必要と、完全な論理矛盾の、真逆の方策を提案している。

農協改革の目的は「農業所得の向上」ではない〜外資が狙う150兆円の資産

 つまり、農協改革の目的が「農業所得の向上」というのは名目で、@信用・共済マネーの掌握に加えて、A共販を崩して農産物をもっと安く買い叩きたい企業、B共同購入を崩して生産資材価格を吊り上げたい企業、CJAと既存農家が潰れたら農業参入したい企業が控える。規制改革推進会議の答申の行間は、そのように読めなくもない。

 だから、「農協改革」という名目の農協解体と、JAみずからの自己改革は、峻別して考える必要がある。農家や地域住民にいっそう役立つための徹底的な改善を図る自己改革は不可欠だが、先方(解体を目論む側)にとってはどうでもいいことで、農業所得向上に向けた、優れた自己改革案を出せば乗り切れるというのは見当違いである。

 准組合員規制を人質にして「どちらを選ぶか」と言われて、順に要求を呑まされていったら、気が付いたら何も残っていない。「傷が浅いほうを呑む」たたかいを続けていては、先方の術中にはまり、やがては、なし崩し的に息の根を止められる。共販から買取販売に切り替えていく数値目標を決めて政府に報告しないといけない理由がどこにあるのだろうか。そもそも、こうした要請は憲法22条と29条に基づく「営業の自由」に抵触するので本来は拘束力を持ちえない。

 @については、郵政解体の経緯を振り返るとわかりやすい。米国の金融保険業界が日本の郵貯マネー350兆円の運用資金がどうしてもほしいということで、「対等な競争条件」の名目で解体(民営化)せよと言われ、小泉政権からやってきた。ところが、民営化したかんぽ生命を見て米がん保険のA社から「これは大きすぎるから、これとは競争したくない。TPPに日本が入れてもらいたいのなら、『入場料』としてかんぽ生命はがん保険に参入しないと宣言せよ」と迫られ、所管大臣はしぶしぶと「自主的に」(=米国の言うとおりに)発表した。それだけでは終わらず、その半年後には、全国の2万戸の郵便局でA社の保険販売が始まった。

 さらに、それだけでは終わらなかった。最近、かんぽ生命の過剰ノルマによる利用者無視の営業問題が騒がれた。その少し前、日本郵政がA社に2700億円を出資し、近々、日本郵政がA社を「吸収合併」するかのように言われているが、実質は「(寄生虫に)母屋を乗っ取られる」危険がある。かんぽ生命が叩かれているさなか、「かんぽの商品は営業自粛だが、(委託販売する)A社のがん保険のノルマが3倍になった」との郵便局員からの指摘が、事態の裏面をよく物語っている。

 要するに「市場を全部差し出せば許す」ということだ。これがまさに米国のいう「対等な競争条件」の実態であり、それに日本が次々と応えているということである。郵貯マネーにめどが立ったから、次に喉から手が出るほどほしいのは、信用・共済あわせて運用資金150兆円のJAマネーである。これを必ず握るまで終わらないというのが彼らの意思である。

 米国は、日本の共済に対する保険との「対等な競争条件」を求めているが、保険と共済は違うのだから、それは不当な攻撃である。相互扶助で命と暮らしを守る努力を国民に理解してもらうことが最大の防御である。

 准組合員の利用規制は法律に抵触する。農協法12条の「組合員資格」では、准組合員は正組合員とともに「組合員」を構成しており、議決権は付与されていないが事業利用権は付与されている。さらにICA(国際協同組合同盟)宣言は、自主的で開かれた組合員制(第1原則)、地域コミュニティの持続可能な発展に努めること(第7原則)を掲げている。つまり、准組合員やそれ以外の地域住民全体への貢献をめざすのが協同組合の真髄なのであって職能組合であるべきという論理とは相容れない。

 農があって食が提供できて地域のみなさんの暮らしも成り立つ。その地域のみなさんにも信用事業や共済事業を利用してもらうことで、そこに集まってくる資金の一部を農業振興(本来的にサービスで赤字の持ち出しが必然)に還元する。結局は自分たちの食をみんなで支えるというサイクルを農協が地域で回している。まさに「共助」「共生」である。


 全国では、例えば、平成25事業年度で営農指導事業の経常ベースの部門赤字額は1100億円(1億5500万円/1JA)、これを信用事業で303億円、共済事業で212億円、農業関連事業(販売・購買)で466億円、生活事業等で118億円負担している。農協を核に、地域の農と食と暮らしが循環する。

 信用・共済事業を切り離せというのなら、それでは農業振興ができなくなるのだから、農協は農業振興を、という話と矛盾する。農業振興をせよというなら、信用・共済事業は切り離せないということになる。

 ABについては、協同組合による共販・共同購入が独禁法の「適用除外」になっている(独禁法22条)のが不当だとする要求も強まっている。共販・共同購入を崩せば、農産物をもっと安く買い、資材を高く販売できるからである。

 しかも、「適用除外」がすぐにできないなら、解釈変更で独禁法の適用を強化して実質的に「適用除外」をなし崩しにするという「卑劣な」手法が強化されつつあることは看過できない。独禁法の厳格適用を恐れてはいけない。萎縮効果を狙った動きに過剰に反応したら、思う壺にはまる。世界的にも認められている共販の権利は堂々と主張し続けるべきである。

 近年、EUでは、2009年に飼料価格高騰による酪農家の苦境を経験し、2015年からの生乳の生産調整の廃止に伴う乳価下落の影響も懸念されていた。そうした事態の酪農への影響を緩和するには、寡占化した加工・小売資本が圧倒的に有利に立っている現状の取引交渉力バランスを是正することにより,公正な生乳取引を促すことが必要との判断から、2011年に「ミルク・パッケージ」政策が打ち出された。その政策の一環として、独禁法の適用除外の生乳生産者団体の組織化と販売契約の明確化による取引交渉力の強化が進められている。

 頻発するバター不足の原因が酪農協(指定団体)によって酪農家の自由な販売が妨げられていることにあるとして、「改正畜安法(畜産経営の安定に関する法律)」で酪農協が二股出荷を拒否してはいけないと規定して酪農協の弱体化を推進する我が国の異常性が際立っている。かつ、これに先立つ農協法改正で専属利用契約(組合員が生産物を農協を通じて販売する義務など)は削除され、加えて事業の利用義務を課してはならないと新たな規定を設けてしまっている。

 案の定、「酪農家が販路を自由に選べる公平な事業環境に変える」と政権が畜安法改定の意義を強調し、生乳流通自由化の期待の星と規制改革推進会議がもてはやした会社が2019年11月末頃から一部酪農家からの集乳を停止した。乳質問題を理由にしているが、需給調整機能を持たずに集乳を拡大して販売に行き詰まったものと推察される。

 そもそも、畜安法の改定は、我が国でも独占禁止法の適用除外として認められている権利を損なう内容であり、専属利用契約を削除した農協法の改定とともに独占禁止法と矛盾する改定がおこなわれている問題点も含め、再検証が必要と思われる。

国家私物化の実態〜オトモダチ企業の利益相反


林野を伐採してつくられるメガソーラー

 「国家私物化特区」でH県Y市の農地を買収したのも、森林の2法で私有林・国有林を盗伐して(植林義務なし)バイオマス発電するのも、漁業法改悪で人の財産権を没収して洋上風力発電に参入するのも、S県H市の水道事業を「食い逃げ」する外国企業グループに入っているのも、MTNコンビ企業である。つまり人材派遣業大手P社のT会長、O社のM会長、Lファームも展開するL社元社長で現在はS社のN社長である。

 「攻めの農業」、企業参入が活路といいながら、公益的なもの、共助・共生の精神に基づくものとして維持されてきた地域で頑張っている事業を「非効率」とし、オトモダチ企業に明け渡す手口は、農・林・漁ともにパターン化している。この「有能」なMTNコンビ企業は農・林・水(水道も含む)すべてを「制覇」しつつある。前農水大臣は多様な農家の共存を重視しつつあったが、新大臣は、また時代遅れの輸出促進と規制改革しか言わなくなった。

 T氏は、K大学の名誉教授となっているが、人材派遣業大手P社の会長として1億2000万円の年収がある。彼が政府の会議を利用してやったことが、首切り自由特区と短期雇用でグルグル雑巾のように回していく雇用改革法案の成立。これはTPP対応でもあったが、誰がもうかるかといえばP社自身。こんな露骨な利益相反は慎むべきと筆者は某紙にコメントしたが、ある筋からは「よくぞ言ってくれた。勇気ある行動だ。しかし体を大事にした方がいい」という心遣いもいただいた。さらには、家事支援外国人受入事業の特区もP社が受注。次は、農業移民特区の全国展開構想も主張するなど、留まるところを知らない。

 N氏は政府会議の座長の立場を利用して新しい農地集積組織(中間管理機構)をうまく使って、自社農場へ優良農地を集積し、農業委員会組織を骨抜きにして、農業に自由に参入して、もうからなければ農地を自由に転売してもうけられるように画策した。

 M氏は郵政を民営化したら皆が幸せになれるなどと言って、規制改革会議の座長をやりながら、実は、かんぽの宿をO社が安く買い叩こうとしたことがばれてしまった。役員報酬を年間55億円もらっても、こんなことしか考えられない。大店法を潰して全国の商店街を潰したのは彼だとの批判もある。

 最近の象徴的「事件」はH県Y市の農業特区である。突如、大企業が農地を買うことができるようになった。その企業とはO社の関連会社である。そして社外取締役に就任しているのが、N氏とT氏である。あまりにもわかりやすい構図だ。

 「特区は政権と近い一部の企業の経営陣が利益を増やせるルールを広げる突破口」と筆者は国会の参考人招致で指摘した。つまり、国家戦略特区は、国家「私物化」特区である。政権と近い特定の企業・事業体がまず決まっていて、その私益のために規制緩和の突破口の名目でルールを破って自分だけに規制緩和するからおいしい。後に問題になった獣医学部新設問題と同じ構造である。

 農地利用を管理する農業委員会が任命制にされ、もうけられそうな市町村の委員にはMTNがセットで入ろうと物色しているとの噂まで流れた。漁業調整委員会が任命制にされたが、漁業権を奪いたい企業が委員になるのも見え見えだ。

 民有・国有林の「盗伐」合法化(特定企業への露骨な便宜供与=皆伐でハゲ山にしても植林義務なく、税金で再造林)、漁業についても、これまで各漁場で代々生業を営む漁家の集合体としての漁協に優先的に免許されてきた漁業権を、漁協(漁家)への優先権を剥奪し、知事判断で企業に付け替える(「公共目的・補償あり」の強制収用より悪い=「私的利益・補償なし」で生存権・財産権没収)が決まった。山も海も資源管理のコストは負担せずに、もうけだけ自分のものにして、周りや国民にツケを回す。水道(コンセッション方式)も同じだ。

 それにしても法的位置づけもない諮問機関に、利害の一致する仲間(彼らは米国の経済界とも密接につながっている)だけを集めて、官邸(裏で操る経済産業省)とで、国の方向性が私的に決められ、誰も止められないのは異常すぎる。ごく少数の「三だけ主義」の人たちが、露骨な利益相反をくり返し、私腹を肥やすために、これでもか、これでもかと国民を苦しめ、地域を苦しめている。それと正反対のとりくみで地域を守ってきた人々や組織がこんな国家私物化の目論見のために潰されるという理不尽な話である。

 「攻めの農業・林業・漁業」の本質は、既存の農林漁家を農地・山・海から引き剥がし、ビジネスとお金を奪い、特定のオトモダチ企業がもうけの道具にするだけだから、仮にこの少数企業が短期的に利益を増やしても、地域も、国民も疲弊し、社会は持続できなくなる。国民の命に直結するライフラインが狙われている。水道事業も民営化され、医療への攻撃、共済事業への攻撃も日米FTAで本格化するだろう。米国の農業、自動車産業、製薬・医療産業、金融保険業界、グローバル種子企業などの利益のために、どれだけ国民の命と暮らしが蝕まれるかを深刻に受け止めないといけない。「今だけ、金だけ、自分だけ」の正反対の取組みで地域を守ってきた我々が、ここで負けるわけにはいかない。

 そもそも、種子法の廃止、農業競争力強化支援法、種苗法改定、漁業法改定、森林の2法、水道の民営化、などの一連の政策変更の一貫した理念は、間違いなく、「公的政策による制御や既存の農林漁家の営みから企業が自由に利益を追求できる環境に変えること」である。「公から民へ」「既存事業者から企業へ」が共通理念であることを押さえてほしい。

種苗法改定による自家増殖制限は海外依存を促進する


農家による育苗作業(熊本県)

 昨年12月、種苗法が改定され、農家による種の自家採種を認めてきた条項(21条2項)を削除し、農家であっても登録品種を無断で自家採種してはいけないことにした。新品種の登録にあたって、その利用に国内限定や栽培地限定の条件を付けられるようにした。


 これによって「国内種苗の海外流出が防止できる」と説明されてきたが、現実には農家の自家増殖が海外流出につながった事例は確認されていない。決め手は現地(海外)での品種登録で、種苗法改定とは別である。


 むしろ、「種子法廃止→農業競争力強化支援法8条4項→種苗法改定」で、コメ麦大豆の公共の種事業をやめさせ、その知見を海外も含む民間企業へ譲渡せよと要請し、次に自家増殖を制限したら、企業に渡った種を買わざるを得ない状況をつくる。つまり、自家増殖制限は種の海外依存を促進しかねない。


 種苗法改定の最大の目的は、知財権の強化による企業利益の増大=種を高く買わせることである。TPPで製薬会社から莫大な献金をもらった米国共和党議員が新薬のデータ保護期間を延長して薬価を高く維持しようとしたのと基本構造は同じである。


 安全保障の要である食料の、その源は種である。野菜の種は日本の種苗会社が主流とはいえ、種採りの9割は外国の圃場だ。種まで遡ると野菜の自給率は8割でなく8%しかない。コロナ禍で海外からの種の供給にも不安が生じた。さらに、コメ麦大豆も含めて自家増殖が制限され、海外依存が進めば、種=食料確保への不安が高まる。

 「種は誰のものなのか」ということをもう一度考え直す必要がある。種は何千年もみんなで守り育ててきたものである。それが根付いた各地域の伝統的な種は地域農家と地域全体にとって地域の食文化とも結びついた一種の共有資源であり、個々の所有権は馴染まない。育成者権はそもそも農家の皆さん全体にあるといってもよい。


 種を改良しつつ守ってきた長年の営みには莫大なコストもかかっているといえる。そうやって皆で引き継いできた種を「今だけ、金だけ、自分だけ」の企業が勝手に素材にして改良し登録してもうけるのは、「ただ乗り」して利益を独り占めする行為だ。だから、農家が種苗を自家増殖するのは、種苗の共有資源的側面を考慮すると、守られるべき権利という側面がある。


 諸外国においても、米国では特許法で特許が取られている品種を除き、種苗法では自家増殖は禁止されていない。EUでは飼料作物、穀類、ばれいしょ、油糧及び繊維作物は自家増殖禁止の例外に指定されている。小規模農家は許諾料が免除される。「知的所有権と公的利益のバランス」を掲げるオーストラリアは、原則は自家増殖可能で、育成者が契約で自家増殖を制限できる(印鑰智哉氏、久保田裕子氏)。


 「育種家の利益増大=農家負担の増大」が必然である。育種しても利益にならないのならやる人がいなくなる。しかし、農家の負担増大は避けたい。そこで公共の出番である。育種の努力が阻害されないように、よい育種が進めば、それを公共的に支援して、育種家の利益も確保し、使う農家も自家採種が続けられるよう、育種の努力と使う農家の双方を公共政策が支えるべきではないだろうか。


日米政権のオトモダチ企業に便宜供与する構造


 問題は、農水省の担当部局とは別の次元で、一連の「種子法廃止→農業競争力強化支援法8条4項→種苗法改定」を活用して、「公共の種をやめてもらい→それをもらい→その権利を強化してもらう」という流れで、「種を制する者は世界を制する」との言葉の通り、種を独占し、それを買わないと生産・消費ができないようにしてもうけるのを行動原理とするグローバル種子企業が南米などで展開してきたのと同じ思惑が、「企業→米国政権→日本政権」への指令の形で「上の声」となっている懸念である。


日米貿易協定に正式署名後トランプ大統領と握手する日本の杉山駐米大使(2019年10月、ワシントン)

 全農の株式会社化もグローバル種子企業と穀物メジャーの要請で農協「改革」に組み込まれた。子会社の全農グレインがNon-GM(非遺伝子組み換え)穀物を日本に分別して輸入しているのが目障りだが、世界一の船積み施設を米国に持っているので買収することにしたが、親組織の全農が協同組合だと買収できないので、米国からの指令を一方的に受け入れる日米合同委員会で全農の株式会社化が命令された。


 消費者庁は「遺伝子組み換えでない」という表示を実質できなくする「GM非表示」化方針を出した。これも日本の消費者の要請に応えたかのように装いながら、グローバル種子企業からの要請そのままである。しかも、消費者庁の検討委員会には米国大使館員が監視に入っていたという。


 カリフォルニアではGM種子とセットのグリホサート(除草剤)で発がんしたとしてグローバル種子企業に多額の賠償判決(@早い段階から、その薬剤の発がん性の可能性を企業が認識していたこと、A研究者にそれを打ち消すような研究を依頼していたこと、B規制機関内部と密接に連携して安全だとの結論を誘導しようとしていたこと、Cグリホサート単体での安全性しか検査しておらず、界面活性剤と合わさったときに強い毒性が発揮されることが隠されていること、などが窺える企業の内部文書が判明)がいくつも下り、世界的にグリホサートへの逆風が強まる中、それに逆行して、日本はグリホサートの残留基準値を極端に緩和した。


 ゲノム編集(切り取り)では、予期せぬ遺伝子喪失・損傷・置換が世界の学会誌に報告されているのに、米国に呼応し、GMに該当しないとして野放しになった(届け出のみでよく、最低限の選ぶ権利である表示も消費者庁は求めたが、圧力で潰され義務化されず、2019年10月1日解禁された。消費者は何もわからないままゲノム食品を食べることになる)。


 遺伝子操作の有無が追跡できないため、国内の有機認証にも支障をきたすし、ゲノム編集の表示義務を課しているEUなどへの輸出ができなくなる可能性がある(印鑰智哉氏)。現在、GMについては、大豆油、しょうゆなどは、国内向けはGM表示がないが、EU向けには「遺伝子組み換え」と表示して輸出している。


 M社(GM種子と農薬販売)とドイツのB社(人の薬販売)の合併は、米麦もGM化され、種の独占が進み、病気になった人をB社の薬で治す需要が増えるのを見込んだ「新しいビジネスモデル」だという声さえある。


 民間活力の最大限の活用、民営化、企業参入、と言っているうちに、気が付いたら国が実質的に「乗っ取られていた」という悪夢はさまざまな角度から進行しかねない。すべてにおいて従順に従う日本がグローバル種子企業の格好の標的(ラスト・リゾート)になりかねない。


 なぜ、ここまで、国内の特定企業だけでなく、米国の特定企業への便宜供与が次々と続くのか。


 TPPにおいて日米間で交わされたサイドレター(補足文書)について、TPPが破棄された場合、サイドレターに書かれている内容には拘束されないのかという国会での質問に対して、2016年12月9日に岸田外務大臣(当時)は「サイドレターに書いてある内容は日本が“自主的に”決めたことの確認であって、だから“自主的に”実施して行く」と答えた。


 日本政府が「自主的に」と言ったときには、「アメリカの言う通りに」と意味を置き換える必要がある。つまり、今後もTPPがあろうがなかろうが、こうしたアメリカの要求に応えるだけの姿勢を続けるのかというのが根本的な問題だということだ。


 サイドレターには、規制改革について「外国投資家その他利害関係者から意見及び提言を求める」とし、「日本国政府は規制改革会議の提言に従って必要な措置をとる」とまで書かれている。
 その後の規制改革推進会議による提言は、種子関連の政策を含め、このサイドレターの合意を反映しているということである。

高められるか食料自給率〜「食料国産率」はごまかしか


牛にエサをやる酪農家

 コロナ・ショックで食料自給がクローズアップされる中、新たな食料・農業・農村基本計画では、目標水準を53%とする飼料自給率を反映しない新たな食料自給率目標が設定された。名称は「食料国産率」とすることに落ち着いた。これを巡って「自給率45%の達成が難しいから、飼料の部分を抜いて数字上、自給率を上げるのが狙いではないか」という声もある。


 従来から用いられている通常の食料自給率は、簡潔に示せば、畜産については、食料自給率=食料国産率×飼料自給率である。この2つを併記することは、飼料の海外依存の影響がどれだけ大きいかを認識させることになる。


 具体的に農水省の示している平成30年度の数字で見ると、「食料国産率→食料自給率」で示した場合、
 全体 46%→37%
 畜産物 62%→15%
 牛乳・乳製品 59%→25%
 牛肉 43%→11%
 豚肉 48%→6%
 鶏卵 96%→12%
となる。


 一番差の大きい鶏卵で見るとわかりやすいが、日本の卵は96%の国産率を誇り、よく頑張っていると言えるが、飼料の海外依存を考慮すると、海外からの輸入飼料がストップしたら大変なことになってしまうため、もっと飼料を国内で供給できる体制を真剣に整備しなければいけないことが実感できる。(さらに付け加えると、鶏のひなはほぼ100%海外依存なので、それを考慮すると、実は鶏卵の自給率はすでに0%という深刻な事態なのである。)


 つまり、今後の活用方法としては、特に、酪農・畜産の個別品目について、両者を併記することで、酪農・畜産農家の生産努力を評価する側面と、掛け声は何十年も続いているが、遅々として進まない飼料自給率の向上について、もっと抜本的なテコ入れをしていく流れをつくる必要性を確認する指標にすることではないだろうか。

   

 それにしても、【表8】の将来推定値は衝撃的である。このままだと2035年には、飼料の海外依存度を考慮すると牛肉、豚肉、鶏肉の自給率は2%、1%、2%、種の海外依存度を考慮すると野菜の自給率は3%と、信じがたい低水準に陥る可能性さえある。

カロリーベースと生産額ベースの自給率議論


 現時点で、小麦、大豆、とうもろこしなどの国際相場に大きな上昇はない。コメはかなり上昇している。コメの輸入依存度が大きい途上国には、2008年の危機の再来が頭をよぎる。


 日本は、今もコメは過剰気味なので、仮に小麦などが今後逼迫しても、当面はコメで凌ぎ、いよいよとなれば、新基本計画の不測の事態対応の選択肢にもあるように、もっとも増産しやすいサツマイモ(今は高級食材ではあるが)を校庭やゴルフ場にも植えるといった措置が選択肢となる。しかし、これでは「戦時中」になってしまう。


 コロナ・ショックは、カロリーベースと生産額ベースの自給率の重要性の議論にも、「決着」をつけたように筆者には思われる。一部には、「カロリーベースの自給率を重視するのは間違いだ」(元農水省事務次官)と指摘する声もあるが、生産額ベースとカロリーベースも、それぞれのメッセージがある【図H参照】。

 生産額ベースの自給率が比較的高いことは、日本農業が価格(付加価値)の高い品目の生産に努力している経営努力の指標として意味がある。しかし、「輸入がストップするような不測の事態に国民に必要なカロリーをどれだけ国産で確保できるか」が自給率を考える最重要な視点と考えると、重視されるべきはカロリーベースの自給率である。だから、我が国のカロリーベース自給率に代わる指標として、畜産の飼料も含めた穀物自給率が諸外国では重要な指標になっている。海外では面倒なカロリーベースを計算するよりも簡便な穀物自給率を不測の事態に必要なカロリーが確保できる程度を示す指標として活用している。


 日本では、輸出型の高収益作物に特化したオランダ方式が日本のモデルだともてはやす人たちがいるが、本当にそうだろうか。一つの視点は、オランダ方式はEUの中でも特殊だという事実である。「EUの中で不足分を調達できるから、このような形態が可能だ」との指摘もあるが、それなら、他にも、もっと穀物自給率の低い国があってもおかしくないが、実は、EU各国は、EUがあっても不安なので、一国での食料自給に力を入れている。むしろ、オランダが「いびつ」なのである。


 つまり、園芸作物などに特化してもうければよいというオランダ型農業の最大の欠点は、園芸作物だけでは、不測の事態に国民にカロリーを供給できない点である。


 日本でも、高収益作物に特化した農業を目指すべきとして、サクランボを事例に持ち出す人がいるが、サクランボも大事だが、我々は「サクランボだけを食べて生きていけない」のであり、畜産のベースとなる飼料も含めた基礎食料の確保が不可欠なのである。


 今回のコロナ・ショックでも、穀物の大輸出国が簡単に輸出制限に出たことは、いくつもの指標を示すことにも意味はあるが、最終的には、カロリーベースないし穀物自給率が危機に備えた最重要指標であることを再認識させたと思われる。

飼料だけでなく種や労働力も考慮した自給率議論の必要性


 今回のコロナ・ショックは、自給率向上のための具体的課題の議論にも波紋を投げかけた。日本農業が海外からの研修生に支えられている現実、その方々の来日がストップすることが野菜などを中心に農業生産を大きく減少させる危険が今回炙り出された。メキシコ(米国西海岸)、カリブ諸国(米国東海岸)、アフリカ諸国(AU)、東欧(EU)などからの労働力に大きく依存する欧米ではもっと深刻である。


 新しい基本計画で出された食料国産率の議論においても、生産要素をどこまで考慮した自給率を考えるかがクローズアップされた。先述の通り、野菜の種子の9割が外国の圃場で生産されていることを考慮すると、自給率80%と思っていた野菜も種まで遡ると自給率8%(0・8×0・1)という衝撃的現実がある。コロナ・ショックで人の移動が制限されたことで、日本の種苗会社が海外圃場で委託生産している現場へ人員が派遣できなくなり、種の品質管理と供給に不安が生じている。


 同様に、農業労働力の海外依存度を考慮した自給率も考える必要が出てくる(九州大学・磯田宏教授)。海外研修生の件は、その身分や待遇のあり方を含め、多くの課題を投げかけている。一時的な「出稼ぎ」的な受入れでなく、教育・医療・その他の社会福祉を含む待遇を充実させ、家族とともに長期に日本に滞在してもらえるような受入れ体制の検討も必要であろう【図I参照】。


 新基本計画における飼料や種の海外依存度の議論とコロナ・ショックにより露呈した労働力と種の海外依存の問題が今後の不測の事態に備えた食料自給率の向上の具体的課題を更に浮き彫りにした。

安全性を犠牲にした安さに飛びついてよいか


 2019年11月に署名された日米貿易協定においても、今後の追加交渉においても、食料の安全基準も争点となっている。米国が以前からの懸案事項として優先している事案が二つあった。BSE(牛海綿状脳症)と収穫後(ポストハーベスト)農薬である。


 まず、BSEに対応した米国産牛の月齢制限をTPPの「入場料」(日本が交渉参加したいなら前もってやるべき事項)の交渉で20カ月齢から30カ月齢まで緩めた(日本政府は自主的にやったことでTPPとは無関係と説明した)。さらに、国民には伏せて、米国から全面撤廃を求められたら即座に対応できるよう食品安全委員会は準備を整えてスタンバイしていた。


 米国は一応BSEの清浄国になっている(実態は検査率が非常に低いため感染牛が出てこないだけ=日本のコロナ感染者と同じ。また、屠畜での危険部位の除去もきちんとおこなわれていない)ので、「30カ月齢」というような制限をしてはいけないからだ。そして、ついに2019年5月17日に検査そのものが撤廃された。これは、国内向けにはそうとはいえないが、日米交渉の実質的な最初の成果として出された。


 もう一つは収穫後農薬である。日本では収穫後に防カビ剤などの農薬をかけるのは禁止だが、米国から果物や穀物を運んでくるのにかけないとカビが生えてしまう。1975年4月、日本側の検査で、米国から輸入されたレモン、グレープフルーツなどの柑橘類から防カビ剤のOPP(オルトフェニルフェノール)が多量に検出されたため、倉庫に保管されていた大量の米国産レモンなどは不合格品として、海洋投棄された。


 これに憤慨した米国政府は、日本からの自動車輸出を制限するなど「日米貿易戦争」に発展したため、1977年、OPPは(収穫前にかけると農薬だが)、「禁止農薬でも米国が収穫後にかけると食品添加物に変わる」というウルトラCの分類変更で散布を認めた。


 自動車で脅され、農業・食料を差し出していく構造は今も変わりない。こんなことまでして認めてあげているのに、米国はまた怒って、食品添加物に分類すると輸入したパッケージにOPPやイマザリルと表示されることは不当な米国差別だからやめろと言い出し、現在進行中の日米交渉で表示そのものの撤廃が待ち受けていると思われる。

危険な食品は日本に向かう〜使い分けるオーストラリア

 先日、あるセミナーの開会の挨拶で「ヨーロッパでは(医学界で乳がん細胞の増殖因子とされているエストロゲンなどの成長ホルモンが肥育時に投与されている)米国の牛肉は食べずに、オーストラリアの牛肉を食べています」との紹介があった(札幌の医師が調べたら米国の赤身牛肉はエストロゲンが国産の600倍も検出された)。そのあとの私の話の中で、次のことを補足させてもらった。


 「日本では、米国の肉もオーストラリアの肉も同じくらいリスクがあります(ホルモン・フリー表示がない限り)。オーストラリアは使い分けて、成長ホルモン使用肉を禁輸しているEUに対しては成長ホルモンを投与せず、ザル(法)になっている日本向けには、しっかり投与しています。」


 米国は米国産牛肉の禁輸を続けるEUに怒り、2019年にも新たな報復関税の発動を表明したが、EUは米国からの脅しに負けずに、ホルモン投与の米国牛肉の禁輸を続けている。EUは米国の肉をやめてから7年(1989〜2006)で、多い国では乳がんの死亡率が45%減ったというデータが学会誌に出ている。


 そうした中、最近は、米国もオーストラリアのようにEU向けの牛肉には肥育時に成長ホルモンを投与しないようにして輸出しようという動きがあると聞いている。


 かたや、日本は国内的には成長ホルモン投与は認可されていないが、輸入(牛肉の約70%が輸入)については、ごくわずかなモニタリング調査だけで、しかも、サンプルを取った後は、そのまま通関されて市場に出ていくので、実質的には、ほとんど検査なしのザルになっている。だから、オーストラリアのような選択的対応の標的となる。オーストラリアからの輸入牛肉がこういう状態にあることは日本の所管官庁も認めている(筆者が電話で聞き取った)。

米国でも敬遠され始めた「ホルモン」牛肉


量販店に並ぶ米国産牛肉


 最近、女性誌で、「米国国内でも、ホルモン・フリー(不使用)の商品は通常の牛肉より4割ほど高価になるのだが、これを扱う高級スーパーや飲食店が5年前くらいから急増している」と紹介されている。(逆にホルモン使用でそれほど安くなっているということを知る必要がある。)


 また、ニューヨークで暮らす日本人商社マンの話として、「アメリカでは牛肉に『オーガニック』とか『ホルモン・フリー』と表示したものが売られていて、経済的に余裕のある人たちはそれを選んで買うのがもはや常識になっています。自分や家族が病気になっては大変ですからね。」と紹介されている。

 一方の日本は、日米貿易協定が発効された2020年1月だけで前年同月比で1・5倍に米国産が増えるほど、米国の成長ホルモン牛肉に喜んで飛びついている「嘆かわしい」事態が進行している。米国も、米国国内やEU向けはホルモン・フリー化が進み、日本が選択的に「ホルモン」牛肉の仕向け先となりつつある。


 米国乳製品の安全性も心配である。米国は、M社開発の遺伝子組み換え(GM)牛成長ホルモン(rBGHあるいは rbSTと呼ばれる)、なんとホルスタインへの注射一本で乳量が2〜3割も増えるという「夢のような」ホルモンを、絶対安全として1994年に認可した。


 ところが、数年後には乳がん、前立腺がん発症率が7倍、4倍であると勇気ある研究者が学会誌に発表した。そのため消費者が動き、今では、米国のスターバックスやウォルマートやダノンでは「うちは使っていません」と宣言せざるを得ない状況になっているのに、認可もされていない日本には素通りしてみんな食べている。米国で締め出されつつある「ホルモン」乳製品が日本に来ていることになる。日米貿易協定でもっと米国乳製品が増える(米国酪農界は第二弾交渉でTPP11各国に付けられてしまった米国枠の失地回復を強く求めている)。


 日本の酪農・乳業界は、風評被害で自分たちの牛乳も売れなくなると心配して、そっとしておくという対応をやめて、GM牛成長ホルモンついての情報をきちんと伝えるべきである。それが国民の命と健康にかかわる仕事をしている者の当然の使命であるし、自分たちは使用せず、ホンモノを提供しているのだから、それを明確に伝えることは消費者への国産牛乳・乳製品への信頼と消費増大に寄与するはずである。

(つづく)
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/19886

130. 2021年1月28日 14:29:07 : fhg8YYhxTo : Nzk4WlJOWGpHb0E=[19] 報告
日本の食と農が危ない!―私たちの未来は守れるのか(下) 東京大学教授・鈴木宣弘
2021年1月28日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/19976

除草剤グリホサートの散布

米国人が食べないものを日本に送るのか〜日本人は家畜ではない

 米国の穀物農家は、日本に送る小麦には、発がん性に加え、腸内細菌を殺してしまうことで様々な疾患を誘発する除草剤成分グリホサートを雑草でなく麦に直接散布して枯らして収穫し、輸送時には、日本では収穫後の散布が禁止されている農薬のイマザリルなど(防カビ剤)を噴霧し、「これは〇〇(日本人への蔑称)が食べる分だからいいのだ」と言っていた、との証言が、米国へ研修に行っていた日本の農家の複数の方から得られている。

 グリホサートについては、日本の農家も使っているではないか、という批判があるが、日本の農家はそれを雑草にかける。それが問題なのではない。農家の皆さんが雑草にかけるときも慎重にする必要はあるが、いま、問題なのは、米国からの輸入穀物に残留したグリホサートを日本人が世界で一番たくさん摂取しているという現実である。

 農民連分析センターの検査によれば、日本で売られているほとんどの食パンからグリホサートが検出されているが、当然ながら、国産や十勝産と書いてある食パンからは検出されていない。【表J参照】

 しかも、米国で使用量が増えているので、日本人の小麦からのグリホサートの摂取限界値を6倍に緩めるよう要請され、2017年12月25日、クリスマス・プレゼントとして緩めた。残念ながら、日本人の命の基準値は米国の必要使用量から計算されるのである。

 ユーチューブで公開されている動画の中で、米国穀物協会幹部エリクソン氏は、「小麦は人間が直接口にしますが、トウモロコシと大豆は家畜のエサです。米国の穀物業界としては、きちんと消費者に認知されてから、遺伝子組み換え小麦の生産を始めようと思っているのでしょう」とのべている。トウモロコシや大豆はメキシコ人や日本人が多く消費することをどう考えているのかがわかる。われわれは「家畜」なのだろうか。

 また同じく、米国農務省タープルトラ次官補は「実際、日本人は一人あたり、世界で最も多く遺伝子組み換え作物を消費しています」とのべている。「今さら気にしても遅いでしょう」というニュアンスである。

 小麦も、牛肉も、乳製品も、果物も、安全性を犠牲にすることで安くダンピングした「危ないモノ」は日本向けになっているが、命を削る安さは安くない。日本では、まさか小麦にグリホサートはかけないし、乳牛にrBST、肥育牛にエストロゲンも投与しない。コロナ・ショックの教訓とともに、得られるメッセージは単純明快である。国産の安全・安心なものに早急に切り替えるしかないということである。

真に強い農業とは〜ホンモノを提供する生産者とそれを支える消費者との絆

 真に強い農業とは何か――。規模拡大してコストダウンすれば強い農業になるだろうか。規模の拡大を図り、コストダウンに努めることは重要だが、それだけでは、日本の土地条件の制約の下では、オーストラリアや米国に一ひねりで負けてしまう。同じ土俵では勝負にならない。少々高いけれども、徹底的に物が違うからあなたの物しか食べたくない、という人がいてくれることが重要だ。そういうホンモノを提供する生産者とそれを理解する消費者との絆、ネットワークこそが強い農業ではないか。

 結局、安さを求めて、国内農家の時給が1000円に満たないような「しわ寄せ」を続け、海外から安いものが入ればいい、という方向を進めることで、国内生産が縮小することは、ごく一部の企業が儲かる農業を実現したとしても、国民全体の命や健康、そして環境のリスクは増大してしまう。自分の生活を守るためには、国家安全保障も含めた多面的機能の価値も付加した価格が正当な価格であると消費者が考えるかどうかである。

 スイスの卵は国産一個60〜80円もする。輸入品の何倍もするが、それでも国産卵のほうが売れていることを筆者も目の当たりにした。国産卵を買っていた小学生くらいの女の子にインタビューをした人によると、女の子は「これを買うことで生産者の皆さんの生活も支えられ、そのおかげで私たちの生活も成り立つのだから、当たり前でしょう」と簡単に答えたという。

 割高な国産卵が売れる原動力は、消費者サイドが食品流通の5割以上のシェアを持つ生協に結集して、農協なども通じて生産者サイドに働きかけ、ホンモノの基準を設定・認証して、健康、環境、動物愛護、生物多様性、景観に配慮した生産を促進し、その代わり、できた農産物に込められた多様な価値を価格に反映して消費者が支えていくという強固なネットワークを形成できていることにある。

 そして、価格に反映しきれない部分は、全体で集めた税金から対価を補填する。これは保護ではなく、様々な安全保障を担っていることへの正当な対価である。それが農業政策である。農家にも最大限の努力はしてもらうのは当然だが、それを正当な価格形成と追加的な補填(直接支払い)で、全体として、作る人、加工する人、流通する人、消費する人、すべてが持続できる社会システムを構築する必要がある。

 イタリアの水田の話が象徴的である。水田にはオタマジャクシが棲める生物多様性、ダムの代わりに貯水できる洪水防止機能、水をろ過してくれる機能、こうした機能に国民はお世話になっているが、それをコメの値段に反映しているか。十分反映できていないのなら、ただ乗りしてはいけない。自分たちがお金を集めて別途払おうじゃないか、という感覚が税金からの直接支払いの根拠になっている。

 根拠をしっかりと積み上げ、予算化し、国民の理解を得ている。筆者らが2008年に訪問したスイスの農家では、豚の食事場所と寝床を区分し、外にも自由に出て行けるように飼うと230万円、草刈りをし、木を切り、雑木林化を防ぐことで、草地の生物種を20種類から70種類に増加させることができるので、それに対して170万円、というような形で財政からの直接支払いがおこなわれていた。

 個別具体的に、農業の果たす多面的機能の項目ごとに支払われる直接支払額が決められているから、消費者も自分たちの応分の対価の支払いが納得でき、直接支払いもバラマキとは言われないし、農家もしっかりそれを認識し、誇りをもって生産に臨める。このようなシステムは日本にない。

 さらに、米国では、農家にとって必要な最低限の所得・価格は必ず確保されるように、その水準を明示して、下回ったら政策を発動するから安心してつくって下さい、というシステムを完備している。米国は、コメを一俵4000円(日本円換算)で売っても1万2000円(同)との差額の100%が政府から補填され、農家への補填額が穀物の輸出向け分だけで1兆円規模になる年もあるほど、農家への所得補填の仕組みも驚くほど充実している。

消費者補助で生産者を支える仕組み

 ところが、驚くのは早い。もう一つのポイントは消費者支援策である。米国の農業予算は年間1000億j(約11兆円)近いが、驚くことに予算の8割近くは「栄養(Nutrition)」、その8割はSupplemental Nutrition Assistance Program (SNAP)と呼ばれる低所得者層への補助的栄養支援プログラムに使われている。

 なぜ、消費者の食料購入支援の政策が、農業政策の中に分類され、しかも64%も占める位置づけになっているのか。この政策の重要なポイントはそこにある。つまり、これは、米国における最大の農業支援政策でもあるのである。消費者の食料品の購買力を高めることによって、農産物需要が拡大され、農家の販売価格も維持できるのである。

 経済学的に見れば、農産物価格を低くして農家に所得補填するか、農産物価格を高く維持して消費者に購入できるように支援するか、基本的には同様の効果がある。米国は農家への所得補填の仕組みも驚異的な充実ぶりだが、消費者サイドからの支援策も充実しているのである。まさに、両面からの「至れり尽くせり」である。

 これが食料を守るということだ。農業政策を意図的に農家保護政策に矮小化して批判するのは間違っている。農業政策は国民の命を守る真の安全保障政策である。こうした本質的議論なくして食と農と地域の持続的発展はない。

 カナダ政府が30年も前からよく主張している理屈でなるほどと思ったことがある。それは、農家への直接支払いというのは生産者のための補助金ではなく、消費者補助金なのだというのだ。なぜかというと、農産物が製造業のようにコスト見合いで価格を決めると、人の命にかかわる必需財が高くて買えない人が出るのは避けなくてはならないから、それなりに安く提供してもらうために補助金が必要になる。これは消費者を助けるための補助金を生産者に払っているわけだから、消費者はちゃんと理解して払わなければいけないのだという論理である。この点からも、生産サイドと消費サイドが支え合っている構図が見えてくる。

 米国の言いなりに何兆円も武器を買い増すのが安全保障ではない。いざというときに食料がなくてオスプレイをかじることはできない。


 食料・農林水産業政策は、国民の命、環境・資源、地域、国土・国境を守る最大の安全保障政策だ。高村光太郎は「食うものだけは自給したい。個人でも、国家でも、これなくして真の独立はない」と言ったが、「食を握られることは国民の命を握られ、国の独立を失うこと」だと肝に銘じて、国家安全保障確立戦略の中心を担う農林水産業政策を再構築すべきである。国民が求めているのは、日米のオトモダチのために際限なく国益を差し出すことではなく、自分たちの命、環境、地域、国土を守る安全な食料を確保するために、国民それぞれが、どう応分の負担をして支えていくか、というビジョンとそのための包括的な政策体系の構築である。

自由化は農家だけでなく国民の命と健康の問題


農業組合法人による田植え作業(山口県)

 農産物貿易自由化は農家が困るだけで、消費者にはメリットだ、というのは大間違いである。いつでも安全・安心な国産の食料が手に入らなくなることの危険を考えたら、自由化は、農家の問題ではなく、国民の命と健康の問題なのである。

 つまり、輸入農水産物が安い、安いといって選んでいるうちに、エストロゲンなどの成長ホルモン、成長促進剤のラクトパミン、遺伝子組み換え、除草剤の残留、イマザリルなどの防カビ剤などリスク満載になっている。これを食べ続けると病気の確率が上昇するなら、これは安いのではなく、こんな高いものはない。

 日本で、十分とは言えない所得でも奮闘して、安心・安全な農水産物を供給してくれている生産者をみんなで支えていくことこそが、実は、長期的には最も安いのだということ、食に目先の安さを追求することは命を削ること、それで子や孫の世代に責任を持てるのかということだ。

 福岡県の郊外のある駅前のフランス料理店で食事したときに、そのお店のフランス人の奥様が話してくれた内容が心に残っている。「私たちはお客さんの健康に責任があるから、顔の見える関係の地元で旬にとれた食材だけを大切に料理して提供している。そうすれば安全で美味しいものが間違いなくお出しできる。輸入物は安いけれど不安だ」と切々と語っていた。

 牛丼、豚丼、チーズが安くなってよかったと言っているうちに、気がついたら乳がん、前立腺がんが何倍にも増えて、国産の安全・安心な食料を食べたいと気づいたときに自給率が1割になっていたら、もう選ぶことさえできない。除草剤入り食パンは如実に語る。国産を食べないと病気になる。早急に行動を起こさないと手遅れになる。

 そして、日本の生産者は、自分達こそが国民の命を守ってきたし、これからも守るとの自覚と誇りと覚悟を持ち、そのことをもっと明確に伝え、消費者との双方向ネットワークを強化して、地域を喰いものにしようとする人を跳ね返し、安くても不安な食料の侵入を排除し、自身の経営と地域の暮らしと国民の命を守らねばならない。消費者はそれに応えてほしい。それこそが強い農林水産業である。コロナ・ショックを転換の機会にしなくてはならない。

武器としての食料〜胃袋から支配する米国

 例えば、米国では、食料は「武器」と認識されている。米国は多い年には穀物3品目だけで1兆円に及ぶ実質的輸出補助金を使って輸出振興しているが、食料自給率100%は当たり前、いかにそれ以上増産して、日本人を筆頭に世界の人々の「胃袋をつかんで」牛耳るか、そのための戦略的支援にお金をふんだんにかけても、軍事的武器より安上がりだ、まさに「食料を握ることが日本を支配する安上がりな手段」だという認識である。

 ただでさえ、米国やオセアニアのような新大陸と我が国の間には、土地などの資源賦存条件の圧倒的な格差が、土地利用型の基礎食料生産のコストに、努力では埋められない格差をもたらしているのに、米国は、輸出補助金ゼロの日本に対して、穀物3品目だけで1兆円規模の輸出補助金を使って攻めてくるのである。

 ブッシュ元大統領は、国内の食料・農業関係者には必ずお礼を言っていた。「食料自給はナショナル・セキュリティの問題だ。皆さんのおかげでそれが常に保たれている米国はなんとありがたいことか。それにひきかえ、(どこの国のことかわかると思うけれども)食料自給できない国を想像できるか。それは国際的圧力と危険にさらされている国だ。(そのようにしたのも我々だが、もっともっと徹底しよう)」と。

 また1973年、バッツ農務長官は「日本を脅迫するのなら、食料輸出を止めればよい」と豪語した。さらには、農業が盛んな米国ウィスコンシン大学の教授は、農家の子弟が多い講義で「食料は武器であって、日本が標的だ。直接食べる食料だけじゃなくて、日本の畜産のエサ穀物を米国が全部供給すれば日本を完全にコントロールできる。これがうまくいけば、これを世界に広げていくのが米国の食料戦略なのだから、みなさんはそのために頑張るのですよ」という趣旨の発言をしていたという。戦後一貫して、この米国の国家戦略によって我々の食は米国にじわじわと握られていき、いまTPP合意を上回る日米の二国間協定などで、その最終仕上げの局面を迎えている。

 故宇沢弘文教授は、友人から聞いた話として、米国の日本占領政策の二本柱は、@米国車を買わせる、A日本農業を米国農業と競争不能にして余剰農産物を買わせる、ことだったと述懐している。占領政策はいまも同じように続いているのである。

自分たちの力で命と暮らしを守るネットワークづくり〜生産者と消費者をつなぐ核になる共助組織


生産者による農産物直売所

 世界で最も有機農業が盛んなオーストリアのPenker教授の「生産者と消費者はCSA(産消提携)では同じ意思決定主体ゆえ、分けて考える必要はない」という言葉には重みがある。農協と生協の協業化や合併も選択肢になりうる。究極的にはJAが正・准組合員の区別を超えて、実態的に、地域を支える人々全体の協同組合に近づいていくことが一つの方向性として考えられる。

 国産牛乳供給が滞りかねない危機に直面して、乳業メーカーも動いた。J-milkを通じて各社が共同拠出して産業全体の長期的持続のために個別の利益を排除して酪農生産基盤確保の支援事業を開始した。乳業界は心強い。新しい酪肉近の生乳生産目標の設定にあたり、業界から800万dという意欲的な数字を提示し、「800万dを必ず買います」と力強く宣言している。さらに、具体的にどうやって800万dに近づけていくかの行動計画も提言で示しており、本来、国が提示すべきことを自分たちでやっていこうという強い意思が感じられる。酪農家とともに頑張る覚悟を乳業界が明確にしていることは励みになる。
 JA組織も系統の独自資金による農業経営のセーフティネット政策を国に代わって本格的に導入すべきである。

 先日、農機メーカーの若い営業マンの皆さんが「自分たちの日々の営みが日本農業を支え国民の命を守っていることが共感できた」と講演後の筆者の周りに集まってくれた。本来、生産者と関連産業と消費者は「運命共同体」である。

 いま頑張っている日本の農林漁家は、国民の食を守って奮闘してきた「精鋭部隊」として、ここで負けるわけにはいかないし、負けることはない。人に優しく、環境に優しく、生き物に優しい経営の価値を消費者が共感し、そこから生み出されるホンモノに高い値段を払おうとするような消費者との強い絆が形成される結果、規模が小さくても高収益を実現できる。

 新大陸型農業に規模拡大だけでたたかったらひとたまりもない。規模の大小は「優劣」ではなく「経営スタイルや経営思想が違う」のであり、様々な経営がその特色を生かし持続しうるし、現に持続していることを忘れてはならない。

 兼業農家の果たす役割にも注目すべきである。兼業農家の現在の主たる担い手が高齢化していても、兼業に出ていた次の世代の方が定年帰農し、また、その次の世代が主として農外の仕事に就いて、という循環で、若手ではなくとも稲作の担い手が確保されるなら、「家」総体としては合理的で安定的で、一種の「強い」ビジネスモデルである。こうした循環を「定年帰農奨励金」でサポートすることも検討されてよい。

 「大規模化して、企業がやれば、強い農業になる」という議論には、そこに人々が住んでいて、暮らしがあり、生業があり、コミュニティがあるという視点が欠落している。そもそも、個別経営も集落営農型のシステムも、自己の目先の利益だけを考えているものは成功していない。

 成功している方は、地域全体の将来とそこに暮らすみんなの発展を考えて経営している。だからこそ、信頼が生まれて農地が集まり、地域の人々が役割分担して、水管理や畦の草刈りなども可能になる。そうして、経営も地域全体も共に元気に維持される。20〜30f規模の経営というのは、そういう地域での支え合いで成り立つのであり、ガラガラポンして一社の企業経営がやればよいという考え方とは決定的に違う。それではうまく行かないし、地域コミュニティは成立しない。混同してはいけない。

 地域住民と農家が支え合うことで自分たちの食の未来を切り開こうという自発的な地域プロジェクトが芽生えつつある。「身近に農があることは、どんな保険にも勝る安心」(結城登美雄氏)であり、地域の農地が荒れ、美しい農村景観が失われれば、観光産業も成り立たなくなるし、商店街も寂れ、地域全体が衰退していく。これを食い止めるため、地域の旅館等が中心になり、農家の手取りが、米一俵1万8000円確保できるように購入し、おにぎりをつくったり、加工したり、工夫して販路を開拓している地域もある。環境に優しい農法のおコメを2万円以上で買い取っている生協もある。

 協同組合・共助組織、市民運動と自治体の政治・行政が核となって、各地の生産者、労働者、医療関係者、大学関係者、関連産業、消費者を一体的に結集して、地域を喰いものにしようとする人たちを跳ね返し、安全・安心な食と健康な暮らしを守る市民ネットワーク(各地で動き出している。福岡や千葉や信州は筆者も立ち上げにかかわった)を強化し、徹底的に支え合えば、未来は開ける。改悪された国の法律に対しては、それを覆す県や市町村の条例の制定で現場の人々を守ることができる。

これからは共生の時代


梨の選果場

 我々の社会は次の「私」「公」「共」のせめぎ合いとバランスの下で成立している。


 「私」=個人・企業による自己の目先の金銭的利益(「今だけ、金だけ、自分だけ」)の追求。
 「公」=国家・政府による規制・制御・再分配。
 「共」=自発的な共同管理、相互扶助、共生のシステム。「私」による「収奪」的経済活動の弊害、すなわち、利益の偏りの是正に加え、命、資源、環境、安全性、コミュニティなどを、共同体的な自主的ルールによって低コストで守り、持続させることができる(ノーベル賞受賞のオストロム論文が証明)。

 「公」「共」をなくして「私」のみにすれば経済厚生(=経済的利益)は最大化されるというのが市場原理主義経済学だが、その前提条件の「完全雇用」(=失業は瞬時に解消される)や「完全競争」(=誰も価格への影響力を持たない)は実在しない。実態は、「勝者」が市場支配力(=価格を操作する力)を持ち、労働や原材料を「買い叩き」、製品価格の「つり上げ」で市場を歪めてもうけを増やす。その資金力で、政治と結びつき、規制緩和の名目で、さらに自己利益を拡大できるルール変更(レント・シーキング)を画策するため、「オトモダチ」への便宜供与、国家私物化、世界私物化が起こる。

 こうして、「公」が「私」に「私物化」されて、さらなる富の集中、格差が増幅されるのは「必然」的メカニズムともいえる。農地、種、海、山を既存の農林漁家からオトモダチ企業のものにしていこうとする一連の法改定、また、農協の共販・共同購入を弱体化する農協法改定や畜安法改定は、こうしたメカニズムの結果だと考えると、よく理解できる。

 「私」の暴走を抑制し、社会に適切な富の分配と持続的な資源・環境の管理を実現するには、拮抗力(カウンターベイリング・パワー)としての「公」と「共」が機能することが不可欠である。しかし、「公」が「私」に私物化され、「公」を私物化した「私」の収奪的な目先の金銭的利益追求にとって最大の障害物となる「共」を弱体化する攻撃が展開される。
 したがって、「共」こそが踏ん張り、社会を守らないといけない。「公」を取り込んだ「私」の暴走を抑制するのが「共」の役割である。

協同組合・共助組織の真の使命〜生産者も消費者も労働者も守る

 農協や漁協は「生産者価格を高めるが消費者が高く買わされる」、生協の産直やフェア・トレードは「消費者に高く買ってもらう」と考えられがちだが、これは間違いである。


 コーヒーの国際取引でグローバル企業のネスレなどの行動で問題にされるのは、農家から買い叩いて消費者に高く売って「不当な」マージンを得ていることである。国内取引でも同じで、流通・小売業界の取引交渉力が強いことによって、中間のマージンが大きくなっていることが問題なのである。

 ということは、農協・漁協の共販によって流通業者の市場支配力が抑制される、あるいは、既存の流通が生協による共同購入に取って代わることによって、流通・小売マージンが縮小できれば、農家は今より高く売れ、消費者は今より安く買うことができる。こうして、流通・小売に偏ったパワー・バランスを是正し、利益の分配を適正化し、生産者・消費者の双方の利益を守る役割こそが協同組合の使命である。

 不当なマージンの源泉のもう一つが労働の買い叩きである。「人手不足」というが実態は「賃金不足」だ。先進国で唯一実質賃金が下がり続けている。労組は踏ん張らねばならない。

 単純化すると、例えば、(想定上の)完全競争市場なら流通業者はコメ1`cを100円で買って100円で売る(流通業者の費用を除く)が、市場支配力のある流通業者は70円で買い叩いて120円で売るという商売をする。今、農協の存在によって、流通業者の市場支配力がある程度相殺されると、現実の流通業者は80円で買って110円で売ることになる。あるいは、既存の流通業者が生協に入れ代わることによって、生協が80円で買って110円で売ることができるとする【図K参照】。
 つまり、農協共販や生協の共同購入によって、農家は今より10円高く売れ、消費者は今より10円安く買うことができるのである。

 こうして、農協共販や生協の共同購入によって、生産者も消費者も利益が増え、社会全体の利益も増える(共販・共同購入に伴うコストが増加利益を下回るかぎり)。同じ効果は、「公」が機能して、流通・小売の市場支配力を抑制する、適切な政策が実施された場合にも可能となる(行政コストが増加利益を下回るかぎり)。

 具体例を示す。農協と小売との取引交渉力バランスを示す係数(ωは0から1の値をとり、1のとき産地が完全優位、0のとき小売が完全優位)を導入したモデルによると、農協共販は生産者米価を高め、消費者価格を抑制し、社会全体の損失を軽減できることがわかる【図L参照】。

 もう一つ重要なのは、農地や山や海はコモンズ(共用資源)であり、「コモンズの悲劇」(個々が目先の自己利益の最大化を目指して行動すると資源が枯渇して共倒れする)が示すとおり、コモンズは自発的な共同管理で「悲劇」を回避してきたということだ。だから、農林水産業において協同組合による共同管理を否定するのは根本的な間違いである。

 「私」の暴走にとって障害となる「共」を弱体化しようとする動きに負けず、共助組織の役割をもっと強化しなくてはならない。協同組合は、生産者にも消費者にも貢献し、流通・小売には適正なマージンを確保し、社会全体がバランスの取れた形で持続できるようにする役割を果たしていることを、そして、命、資源、環境、安全性、コミュニティなどを守る最も有効なシステムとして社会に不可欠であることを、国民にしっかり理解してもらうために、実際にその役割を全うすべく、邁進すべきである。

 市場原理主義による小農・家族農家を基礎にした地域社会と資源・環境の破壊を食い止め、地域の食と暮らしを守る「最後の砦」は共助組織、市民組織、協同組合だ。

 集落営農の基幹的働き手さえも高齢化で5〜10年後の存続が危ぶまれるような地域が増えている中、覚悟をもって自らが地域の農業にも参画し、地域住民の生活を支える事業も強化していかないと地域社会を維持することはいよいよ難しくなってきている。協同組合や自治体の政治・行政には大きな責任と期待がかかっている。忘れてはならないのは、目先の組織防衛は、現場の信頼を失い、かえって組織の存続を危うくするということである。


 組織のリーダーは、「我が身を犠牲にしても現場を守る」覚悟こそが、現場を守り、組織を守り、自身も守り、自身の生きた証を刻むことに気づくときである。国民、住民、農林漁家を犠牲にして我が身を守るのがリーダーではない。

コロナ禍 豊かに暮らせる社会 鍵は無理しない農業

 「なぜこんなところに人が住むのか。早く引っ越せ。こんなところに無理して住んで農業をするから行政もやらなければならない。これを非効率というのだ。原野に戻せ」――大手人材派遣会社のT会長がK県でおこなった発言である。コロナ・ショックは、この方向性=地域での暮らしを非効率として放棄し、東京や拠点都市に人口を集中させるのが効率的な社会のあり方として推進する方向性が間違っていたことを改めて認識させた。都市部の過密な暮らしは人々を蝕む。

 これからは、国民が日本全国の地域で豊かで健康的に暮らせる社会を取り戻さねばならない。そのためには、地域の基盤となる農林水産業が持続できることが不可欠だ。それは、小規模な家族農業を「淘汰」して、メガ・ギガファームだけが生き残ることや、オトモダチの流通大手企業などが虫食い的にもうけることでは実現できない。それでは地域コミュニティが維持できないし、地域の住民や国民に安全安心な食料を量的に確保することもできない。

 安いものには必ずワケがある。成長ホルモン(これだけで4割安くなる)、残留除草剤、収穫後農薬、遺伝子組み換え、ゲノム編集(現在ゲノム編集トマトを家庭菜園向けに無償配布して後代交配で広げていこうとしている)などに加えて、労働条件や環境に配慮しないソーシャル・ダンピングやエコロジカル・ダンピングで不当に安くなったものは、本当は安くない。
 本当に「安い」のは、身近で地域の暮らしを支える多様な経営が供給してくれる安全安心な食材だ。国産=安全ではない。

 本当に持続できるのは、人にも牛(豚、鶏)にも環境にも種にも優しい、無理をしない農業だ。自然の摂理に最大限に従う農業だ。経営効率が低いかのようにいわれるのは間違いだ。人、生きもの、環境に優しい農業は長期的・社会的・総合的に経営効率が最も高い。不耕起栽培や放牧によるCO2貯溜なども含め、環境への貢献は社会全体の利益だ。地域の農林漁家から農地や山や海を奪い、「今だけ、金だけ、自分だけ」の一部大手企業に地域を食いものにさせるようなショック・ドクトリンとは対極にある。

 消費者も単なる消費者ではなく、国民全体がもっと食料生産に直接かかわるべきだ。自分たちの食料を確保するために、地域で踏ん張っている多様な農林漁家との双方向ネットワークを強化しよう。地域の多様な種を守り、活用し、循環させ、食文化の維持と食料の安全保障につなげるために、シードバンク、参加型認証システム、有機給食などの種の保存・利用活動を強化しよう。それらを支援し、育種家・種採り農家・栽培農家・消費者が共に繁栄できる公共的支援の枠組みも提案していこう。

 世界的に農薬や添加物の使用・残留規制が強化されているのに日本だけが緩められ、危険な輸入食品の標的にされている。「独立」した知見ののべられない専門家と「科学的」消費者による審議会などの決定、米国企業などのロビー活動で決まる国際(コーデックス)基準など、公的に「安全」とされていてもEUなどは独自の予防原則を採る。消費者・国民が黙っていないからだ。消費者が拒否すれば、企業をバックに政治的に操られた「安全」は否定され、危険なものは排除できる。

 EUでは、免疫力強化の視点からも、有機農業などが一層注目されている。欧州委員会は、この5月に「欧州グリーンディール」として2030年までの10年間に「農薬の50%削減」、「化学肥料の20%削減」と「有機栽培面積の25%への拡大」などを明記した。こうしたことが日本はなぜできないのか。EU政府を動かし、世界潮流をつくったのは消費者だ。最終決定権は消費者にあることを日本の消費者も今一度自覚したい。世界の潮流から消費者も学び、政府に何を働きかけ、生産者とどう連携して支え合うか、正しい情報を共有して消費者に動いてもらおう。

 「今だけ、金だけ、自分だけ」の市場原理主義に決別し、こうした共生のシステムを日本とアジア、世界が一緒につくっていくために、各人がもう一歩を踏み出すときである。我が身とオトモダチの利益を守るために国民を犠牲にするリーダーではなく、我が身を犠牲にしてでも家族と国民を守るリーダーが必要である。どの時代の転換期も、一人一人の捨て身の行動が万人の大きなうねりとなり、新しい時代を作り出すものである。正義は勝つ(こともある)。

(おわり)
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/19976

131. 中川隆[-7313] koaQ7Jey 2021年2月16日 20:28:03 : 2Rqleo9YRc : OFhWL1kxNk5ZblU=[13] 報告
2021年2月16日
【室伏謙一】日本の農業の「植民地農業化」を進める菅政権
https://38news.jp/economy/17625


 2月13日土曜日の夜、東北地方を震源地とする大きな地震がありましたね。最大震度は6強で、マグニチュードは7.1。この地震により常磐道で法面が崩落したり、東北新幹線の架線柱が一部区間で折れたりする等のインフラに関する被害が発生しました。今年で東日本大震災から10年、あれだけ国土強靭化の必要性が説かれ、政府の重要政策の一つになったにも関わらず、掛け声倒れだったということが明らかになりました。別の言い方をすれば、言葉ばかりが踊っていて実を伴っていなかったということです。

 さて、そのインフラ、なにも土木構造物に限った話ではなく、我々の、国民の生活や生命に必要不可欠なものが含まれると言っていいでしょう。その一つが農業です。人間は食べ物を食べていかなければ生きていくことができません。しかも食うに困らないようにするためには、海外から買ってくるのではなく、自国で国民全員に食わせるのに十分な食料を生産する必要があります。このことは今回の新型コロナショックによる食料流通の寸断や、十数年前にあった旱魃による農産物生産国による輸出規制を想起すれば自ずと分かることでしょう。

 その我が国の農業に関し、菅総理大臣が施政方針演説の中でこんなことを述べていました。

「我が国の農産品はアジアを中心に諸外国で大変人気があり、我が国の農業には大きな可能性があります。昨年の農産品の輸出額は、新型コロナの影響にも関わらず、過去最高となった2019年に迫る水準となっています。
 2025年2兆円、2030年5兆円の目標を達成するため、世界に誇る牛肉やいちごをはじめ二十七の重点品目を選定し、国別に目標金額を定めて、産地を支援いたします。農業に対する資金供給の仕組みも変えていきます。
 さらに、主食用米から高収益作物への転換、森林バンク、養殖の推進などにより、農林水産業を、地域をリードする成長産業とすべく、改革を進めます。美しく豊かな農山漁村を守ります。」

 いくつも指摘すべき点はありますが、ここでは重要なポイントを2つ指摘しておくと、まず、@我が国の農業を輸出中心に考えているということ、しかも目標額を定めたり、輸出用の重要品目を選定したりしていること。次に、A主食用米から高収益作物への転換を推進するとしていること。

 @の問題点は、輸出で儲かるから成長産業だとし、市場を国外に求めて、外需に頼る農業に作り替えようとしていること。農業はまずは国内需要を満たすことが必要で、輸出に回すのはそれを上回る部分です。実際、農産物の大輸出国は自給率は100%を超えています。しかしそれでも旱魃等により生産量が落ちることがあれば、輸出を禁止するか制限して、まずは自国民に食わせる分を最優先で確保しようとします。それが国家としては当然なのです。しかし菅政権は輸出を最優先にしようとしているのです。

 Aの問題点は、これも@と共通しますが、主食用の米の栽培を止めさせて、輸出用の高収益作物を作らせようということであり、外需依存の農業に作り替えるのみならず、国民に食わせること、内需を満たすことを後回しというより蔑ろにしようとしているということです。

 端的に言って、日本の農業破壊を進めようということであり、これは日本の農業の「植民地農業化」と言っていいでしょう。つまり、植民地人の食は蔑ろにされ、宗主国や輸出先の需要を満たす作物に特化して生産させることと同じということです。そして儲かるのは、貿易会社や食料会社とごく一部の農家、金融投機家だけで、国民の多くはひもじい思いをするか、海外からの安くて危険な農産物を食べざるを得ない状況に追い込まれることになるでしょう。

 農産物の輸出拡大、小泉政権から進められてきており、一瞬聞こえはいいですが、その実態はこのように恐ろしいことなのです。

 そして更に恐ろしいことに、この事実はほとんど報じられていませんし、問題として提起されることもほとんどありません。菅総理の施政方針演説をじっくり読んだ際に私は気づき、驚愕し、直ぐにFront Japan 桜等でこの話をするようにしました。(三橋経済塾の会員で、日本富民安全研究所の松本社長との対談動画でも解説しています。 https://www.youtube.com/watch?v=FBaz1ZC1CAk&t=3s

 しかし、まだまだ広まっていません。是非、この事実を拡散していただき、農家さんたちにも教えてあげて、反対の声を強めていきましょう。

https://38news.jp/economy/17625

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

132. 2021年3月07日 04:02:14 : ed7lh2xIoc : NE1GTlBZV0I3OWM=[12] 報告

2021年02月14日
2039年に農業人口はゼロになる
http://www.thutmosev.com/archives/85106602.html


100m四方の田んぼを1年間世話した収入が60万円以下、これが農業の実態


コメ消費と農家減少の関係

景気のバロメーターとされるものは数多くありますが、個人的に牛丼屋、回転ずし、レトルト的な食品を参考にしています。

農水省の発表によると近年継続して増えているのはパックご飯で、10年間で消費量が2倍に増えました。

2020年のパックご飯生産量は22万4430トン、米の生産量は714万トンなのでコメ消費の3.1%を占めています。

冷凍チャーハンや冷凍おにぎりなど冷凍米飯は約18万トン、合計では加工米飯約40万トンでコメ消費の5.6%を占めています。

無洗米はシェア6%以上を占めているので、今や食用米の約12%は食べやすく加工された米という事になります。

また米消費の30%以上は外食や中食(弁当など)なので、自分でご飯を炊いて食べるのは消費量の約2/3になっています。


コメ消費は毎年8万トンから10万トン減少していて、その分は小麦粉食品などが増えています。

パン、パスタ、うどんなど麺類を主食にする人が増えていて、外食でも米以外が増えています。

日本の農家は稲作中心でしたが、一反(約1000平方m)を一年間耕して利益は4万円から6万円とされています。


1万平方m耕しても年収60万円以下という事で、日本にはもう米専業農家は存在していません。

1万平方mというと100mx100mなので、グラウンドほどの面積を耕しても年収たった60万円なのです。

それでも多くの農家がまだ米を生産しているのは、経済的な理由からではなく伝統を守るとか意地のようなものだと思います。


2039年に農業人口はゼロになる

もう一世代経つと子供たちは利益の出ない米生産をやめるので、米の生産量は劇的に減少します。

週1日だけバイトしても1年間米を生産するのと同じ収入になるなら、誰も米を生産しないでしょう。

すると米は需要に対して供給が不足する状態になり、価格が上昇して再び利益が出るようになるかも知れません。


日本の農業人口は2019年調査で168万人、2015年は209万人、2010年は260万人と年間10万人ほど減少しています。

農業従事者の平均年齢は60代前後で、ベテランは引退し若い人は農業をつがないからです。

このペースだと2024年は120万人、2029年は70万人になり2039年に農業人口ゼロになる計算です。


だがある程度農業人口が減ると食糧不足が顕在化し価格上昇し、農業は再び「儲かる職業」になるでしょう。

その頃には米20キロが2万円、キャベツは1玉千円になるのかも知れないが、市場原理にまかせたらそうなります。

アメリカの農業は生産性が高いと言われるが、農家収入の50%の補助金を政府が支出しています。


カリフォルニアとかの農家が成功例として紹介されるが、彼らの年収が600万円だとしたら300万円を政府が出しています。

欧州はもっとひどくてフランスのワイン農家の収入の9割は補助金、イギリスやドイツやイタリアも農家収入の半分を政府が出しています。

一方日本は政府による農家への直接補助金はゼロ、これが農業衰退を生み出し10年以内に日本の農業は滅びようとしています。


小泉進次郎と言うバカが自民党農林部会長になった時「日本の農家は甘やかされているから競争原理を導入する」と言っていました

このままでは本当に20年後に日本から農業はなくなっているかも知れません

http://www.thutmosev.com/archives/85106602.html

133. 2021年3月19日 17:30:39 : XaF5TPsry2 : bG5IWDJHbksveFU=[11] 報告

2021年03月19日
日本復活には効率が悪い仕事こそ重要
http://www.thutmosev.com/archives/85372602.html


非効率な仕事は人を産むという最も重要な「産業」です。
IT産業の女性は子供を産みません


効率重視で国力衰退した

日本は過去40年ほど経済の効率を重視し、効率が悪いとされている産業や文化を切り捨ててきました。

だが結果は惨憺たるもので1990年以降、経済成長率が世界平均はおろか先進国平均に達した事すら一度もない。

切り捨ててきたものとしては農林水産業、地方や田舎、仏教や神道、いわゆる村社会などがあります。

バブル期の日本では「東京が地方を食わせている」という言い方が流行し、評論家は地方を切り捨てれば日本はもっと発展すると言っていました。

農業も同じで「トヨタが税金を払い農民にくばっている」と批判され、農業は切り捨てられ農業人口ゼロになりつつあります。

仏教や神道はGHQと日本政府によって「戦前の諸悪の根源」とされ無宗教がブームになりました。


軍事や防衛も無駄だというので切り捨てられ、防衛費は世界最低のGDP1%(実際はもっと多い)に留まっている。

日本が不要だと言って切り捨ててきたものが実は重要で、今日本はこれらが無い事で苦しんでいる。

軍事力については例えば日銀が金利変更する時や、経済政策を変更する時は事前にアメリカの許可を取るのが秘密裏の慣習になっています。


日本はアメリカの軍事力に依存しているので、守ってもらうためにアメリカの要求を受け入れなくてはならず、独自の経済政策を持つことは出来ません。

昔橋本龍太郎総理が「米国債を売りたい」と発言しアメリカ政府関係者が激怒したが、山一ショックが起きたのはその5か月後の事でした。

日本は自前の軍事力を持たないために独自の経済政策を持てず、100%アメリカの言いなりです。

非効率な仕事で「食えない」国は人口が減る

日本は30年間デフレ不況ですが、その間欧米先進国は好景気で給料も高く羨ましい限りです。

ところで日本から見るとアメリカ人はみんなシリコンバレーでIT職に就いていて、フランス人やドイツ人は先端産業に就いているように見えます。

実際にはこれら先進国の人々は100年前と変わらず農業や狩猟や、ガテン系の”非効率な仕事”に就いている人が多い。


アメリカや英独仏では今も農業で”食える”し、農業が国の厄介者扱いされたりはしない。

米英独仏の平均的農家は収入の50%が国からの補助金で、年収400万だとしたら200万を国から受け取っています。

小泉進次郎という頭パーの大臣が「日本の農業は世界一非効率で欧米は効率的」のように言っていたが、話はまったく逆です。


例えばカリフォルニア米はアメリカでは、日本の北海道産や九州産米と同程度で販売されています(米アマゾンと日本アマゾンで比較)

「アメリカの米は日本の10分の1の生産コスト」というのはブタに食わせる飼料用や工業用の米の話です。

フランスのブドウ農家は9割の補助金が出ているし、先進国の農家はどこも補助金で暮らしています。


まさにバブル期の日本で言われた「都会で税金を取り田舎に配っている」が誰も不満を言っていません。

人は田舎で生まれて都会に移住する性質があるので、田舎にお金を配らないと人口が減り、1世代後には都会の人口も減り始めます。

残念ながら東大出の優秀な官僚や政治家にはこれが理解できないらしく、「どうしてGDPが減って人口も減るのだろう」と言っています。


林業や狩猟や漁業や土木工事も恐ろしく非効率な仕事だが、こうした非効率な仕事は多くの労働者を必要とするので人口の受け口になります。

日本の成長期には農家がたくさん子供を産んで都会に出ていき、日本の人口が増えて日本は繁栄しました。

欧米は今もそうしていて、田舎の人はたくさん子供を産み都会に出てIT産業とかで働いています。


結局非効率なものを切り捨てた社会は、もっとも非効率な社会になったのです
http://www.thutmosev.com/archives/85372602.html

134. 2021年3月24日 08:09:53 : Qa1HEgOpUs : Uno2dVJPNkVpb2M=[8] 報告
売り渡される食の安全 いま山口県でできること 元農林水産大臣・山田正彦
2021年3月23日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/20598

 TPP協定の批准から、これに沿って国内法の整備にとりかかっており、種子法廃止、種苗法改定、農業競争力強化支援法、農村地域工業誘導推進法、水道法改定、市場法の改定(事実上廃止)、官民連携推進法、漁業法改定などが次々に進んでいる。その背景に2016年に日本がTPP協定に署名するさいにかわした日米交換文書がある。日米交換文書には「日本政府は投資家の要望を聞いて、各省庁に検討させ、必要なものは規制改革会議に付託し、同規制改革会議の提言に従う」とあり、韓国では米韓FTA締結によって国内法200本の変更がなされた。

 TPP協定、日欧EPA、日米FTAという大型の自由貿易協定が発効し、牛肉や豚肉、チーズなどの輸入が急増している。昨年7月に農水省が食料自給率の計算に「食料国産率」をとり入れることを決定した。飼料の自給率を反映しない計算で、本来11・9%の牛肉の自給率が43・9%まで跳ね上がる。これは国民をあざむくものだ。

 今後は、日米交換文書に記載されている国民皆保険制度の見直し、教育の民営化が進み始める。国民皆保険制度は実質上解体され、自動車保険でいう自賠責のような存在になり、そのほかは民間の医療保険にとってかわるようになる。このままで行くと日本もマイケル・ムーアが映画『シッコ』で描いたアメリカの医療制度のようになっていく。そして教育の民営化がその次にくる。すでに大学入試の英語試験をベネッセが受注するなど民営化が始まっている。アメリカではオバマ政権のときに公立小・中学校が大量に閉鎖され、30万人の教職員がクビになり、小・中学校は株式会社になっていった。日本もあらゆる面で民営化、自己責任が叫ばれ、TPP協定の本質であるグローバル企業600社による日本国民、世界市民の支配が始まっている。

 新型コロナの感染拡大によって、世界の穀物輸出国、食料輸出国のうち9カ国が禁輸または輸出制限措置をとった。一部運送が止まり、9割が海外で生産されている野菜の種子が延着し作付けに間に合わなかった。気候変動があり、日本でも今100年に一度の洪水などが起こっている。30年前の冷害では東北のコメが6割もとれず、タイから緊急輸入したが、このようにいつ食料危機が来るかわからない。今の政府はそれに対する対応策をとっていない。

 TPP協定は憲法違反だという裁判をやった。3年前に最高裁判決がおりたが、そのなかで種子法の廃止はまさにTPP協定によるものだと主張すると、判決理由のなかで、「種子法の廃止はTPP協定によるものだということを否定できない」という判決になっている。

種子法廃止でどうなる 奪われる日本人の主食

 種子法があることで、私たちはどういう恩恵を受けてきたか。種子法は日本人の主食のコメ、麦、大豆の種子について、都道府県が責任を持つようにその責任を規定したものだ。それによって国民が飢えることがないように優良な品種を安定して安く農業者に提供してきた。各都道府県が設置している農業試験場では、たんねんに異株を抜きとりながら原原種、原種を栽培し、県として「発芽率90%」を保証してコメ農家に提供している。これは日本だけでなく、アメリカもオーストラリアもカナダも主食の種子については、国及び各州の農業試験場で安定供給する制度をもうけている。


原原種の田植えをする山口県農林総合技術センターの職員

 ところが種子法廃止の際に政府は「種子法があることで民間の優秀な品種が普及できない」といい、農水省が三井化学の「みつひかり」、住友化学の「つくばSD」などの民間企業のF1品種の種子を奨励して回った。「みつひかり」は、収量が「コシヒカリ」の1・2〜4倍以上、味は「コシヒカリ」以上だという。収穫したものは全量買いとりという形で、全国でもわりと生産されている。「みつひかり」は吉野家の牛丼のコメ、「つくばSD」はセブンイレブンのおにぎりに使われているコメだ。「みつひかり」の種子価格は今までの「コシヒカリ」の種子価格の全国平均と比較して概ね10倍くらいだ。日本モンサントの「とねのめぐみ」は、丈が低いので台風や風に強い。だが、化学肥料を3割増しほどの多肥にするため、最初の年は収量が多いが2年、3年すると土地が疲弊していくのか徐々に収量が減ってくるようだ。

 生産者は企業と契約書をかわしてこういったコメをつくるようになっていく。その際、企業から指定された農薬、化学肥料がセットになっており、全量使いきらなければ「損害賠償責任を負う」となっている。ある企業と契約した場合、台風などで作物が全滅したときも生産者の責任となっている。非常に一方的な契約だ。

 種子法が廃止されて、これまで県がつくり農協が販売してきたコメ、麦、大豆の種子がなくなると、農家が自家採種しない限り、これら民間のタネしか手に入らなくなる。日本のコメは伝統的な固定種を品種改良した種子だったが、民間のタネはF1品種であり、それも壊れようとしている。

 日本の育種知見は世界に冠たるものがある。それらの育種知見は都道府県や農研機構が持っている。山口県でも小麦「せときらら」などの登録品種をつくっている。各県が持つコメ、麦、大豆、果物、野菜などで特産品として奨励している品種は、どこの県でも優良な育種知見だ。種苗法改定で話題になったシャインマスカットは、農研機構がつくった国の育種知見だ。そういった育種知見は、知的財産として扱われるようになり、農業競争力強化支援法では八条四項で、各都道府県の優良な育種知見を民間企業に提供するように定めた。そのとき私は当時の知財課長に「海外の事業者などにも適用されるのか。無償で渡すのか」と聞くと、「当然、海外の事業者にも提供する場合もある。無償ではなくお金をもらって契約する」と答えた。

 農業競争力強化支援法八条三項では、「銘柄が多すぎるので集約せよ」としている。日本には天皇家の古代米だけで17種類といわれており、全国で少なくとも1000種類のコメが作られている。これを民間の「みつひかり」や「つくばSD」、豊田通商の「しきゆたか」、日本モンサントの「とねのめぐみ」など、民間のF1品種の種子数種類に集約することを意味している。各県が提供してきた公共品種がなくなり、民間品種だけになると、私たちはそれしか食べることができなくなる。

 たとえば全国でもっとも作付け面積の多い「コシヒカリ」は品種登録期間が終わり一般品種になっているが、各県で「コシヒカリBL」など病気に強い品種を開発しており、これらは登録品種となっている。かりにこの育種知見が民間に譲渡されたり、民間企業が日本の貴重な種子の育種知見を応用して新品種の登録・応用特許を申請すれば、農家はロイヤリティを払わなければ生産できなくなる。

 メキシコはトウモロコシの原産国だが、今はモンサントやシンジェンタにロイヤリティを払わなければ生産できなくなっている。フィリピンのコメ農家も同じだ。同じことがいずれ日本でも起きてくることを、われわれは考えなければならない。

 種子法廃止の直後、農水省から「稲、麦類及び大豆の種子について(通知)」という事務次官通知が出た。このときの事務次官は、私が農林水産大臣のときに飛ばした人物で、経産省に行ったのちに農水省に戻り、事務次官になった。そのさい「私は農水省を葬式に出すために来た。経産省の一農水局でいい」といい放った男だ。菅官房長官にかわいがられていた男でもある。

 この通知では「都道府県に一律の制度を義務付けていた種子法及び関連通知は廃止するものの、都道府県がこれまでに実施してきた、稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」としている。いずれ予算はつけないということだ。そして、「民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う……」としている。民間企業に渡すまで維持せよということだ。

 国内でもすでに2019年ごろから遺伝子組み換え「コシヒカリ」が栽培されている。政府はコメだけでも遺伝子組み換えの種子の一般ほ場での試験栽培を認めており、いずれ本格的な栽培が始まる怖れがある。また飼料用米としてゲノム編集、シンク能改変イネの種子が用意されている。今後、たとえば飼料米は「多収のゲノム編集でなければ補助を出さない」といった形で普及させる可能性もある。さらに種苗法改定が決まった直後、筑波大学などが、今年5月から、ゲノム編集のGABAトマトの種苗を家庭菜園向けに無償で提供することを発表した。1週間で3000人の応募があり、5000人に苗が提供される。

 農水省は「有機農業を25%にする」と発表したばかりだが、内容をよく読むと「ゲノム編集の種子」と書いてある。また、「緑の食料システム戦略」で化学肥料を減らしていく方向も出しているが、減農薬や無農薬ではなく、RNA農薬(従来の化学農薬に比べ、周辺環境への安全性を謳う)を開発するとある。日本が考えている有機農業はいわば遺伝子組み換え技術によるものだ。昨年11月に農水省は検討会を開き、ゲノム編集を有機認証できないかを話し合った。「これから25%は有機農業になっていくんだ」と思ったら、そう簡単ではないということだ。

遺伝子組換えとゲノム 日本はGM承認大国

 遺伝子組み換えやゲノム編集の研究では、世界的な権威はカリフォルニア大学のイグナシオ・チャペラ教授だ。EUが、ゲノム編集について遺伝子組み換えと同じように規制すると決めたのは、チャペラ教授が説明したからだといわれている。

 日本政府は「ゲノム編集と遺伝子組み換えは違う」といっているが、チャペラ教授は「遺伝子細胞というのは、それぞれがお互いにコミュニケーションをとってバランスをとっている。一つの遺伝子が壊されると、周りの遺伝子(細胞)は騒ぎ出す。思わぬ科学的な現象が起きたりして、人間に危害を加えるような化学物質や抗生物質を出したりする」と話していた。ネズミ1匹の遺伝子をゲノム編集で破壊しただけで、1600の副作用が出たという報告が『ネイチャー』誌に載っている。

 今、研究者たちはゲノム編集のことを、「ニューGMO」といい、新しい遺伝子組み換え技術とみなしている。教授は、「ゲノム編集は、核兵器と同じように人類に多大な害を与えることになる。生物兵器の技術であり、何らかの規制をしなければならない」と指摘していた。

 日本は、政府が承認している遺伝子組み換え農産物だけで317種類もある。アメリカですら197種類だ。今現在、日本で作付けできる遺伝子組み換え農産物が134種類ある。今や日本は世界に冠たる遺伝子組み換え農産物の国になっている。そして遺伝子組み換え農産物には必ず除草剤ラウンドアップの耐性がある。

 ラウンドアップに関してアメリカで2018年8月10日に歴史的な出来事があった。アメリカの学校の用務員であったジョンソンさんが、ラウンドアップを20〜30回校庭にまいたことが原因で末期ガンになったと、モンサントを相手に裁判をした。その結果、モンサントにジョンソンさんへの320億円の支払いを命じる判決が下った。これは世界を震撼させ、アメリカだけでなく中国、韓国、台湾でも大きくとりあげられた。だが、日本ではまったく報道されなかった。

 私がアメリカでジョンソンさんにお会いすると、彼の腕はケロイドのような状態になっていた。日本人に対するメッセージを求めると「ラウンドアップだけは一刻も早く使用をやめるようにしてくれ」といっていた。今やアメリカではモンサント社に対して12万件の裁判が起こされている。そして世界49カ国がラウンドアップ除草剤の使用を禁止した。NHKの「クローズアップ現代」が、ジョンソンさんの裁判のことをとりあげて、世界各国が使用を禁止していることを報じたが、日本のホームセンターに行くとラウンドアップが並んでいる。


店頭に並ぶラウンドアップ

 ラウンドアップはグリホサートというのが主成分だ。これはベトナム戦争のときの枯れ葉剤と同じ効能を持つもので、アミノ酸をつくる植物のシキミ酸経路を壊す。日本はこともあろうにこのグリホサートの残留許容量を大幅緩和し、今や小麦で30ppm、中国の0・2ppmと比較すると150倍だ。アメリカ、カナダ、オーストラリアの日本向けの小麦にはみんなラウンドアップが散布されている。日本の小麦を調べたら大手3社の小麦粉からグリホサートが検出された。学校給食で輸入小麦でつくられたパンからもグリホサートが検出され、国産小麦を使っているパンからは検出されなかった。

 アメリカでもゼン・ハニーカットさんという母親が、子どもが3人ともアレルギーで、次男がある日突然、理由もなく怒り始める自閉症の症状が出た。その原因を調べていくうちに、小麦にかけるラウンドアップの主成分のグリホサートが腸内細菌に影響を与えていると考えるようになった。ゼンさんたちが調べると、お母さんたちの体内からグリホサートが検出された。

 モンサント社は、グリホサートは尿で排出され人間の体内には残らないといってきた。しかしゼンさんの話を聞き、体内にグリホサートがあるかどうかを調べるために国会議員23人の髪の毛をフランスに送って調べたところ、国会議員23人のうち19人からグリホサートが検出された。

 アメリカでは母親たちの運動が大きく広がり、スーパーに行くと、肉も卵もケーキでも「NonGMO」の表示がついた商品が溢れている。ブラジルでも韓国でも3分の1ぐらいはオーガニック商品だ。アメリカでは7年前までは、遺伝子組み換え食品がスーパーに並んでいたが、2016年からは遺伝子組み換え農産物は頭打ちで、現在は年に10%の割合でオーガニックの生産が伸びている。またEUでは、年に7%の割合で有機/自然栽培の農産物が増えている。

 韓国ではほとんどの小中高の学校給食が無償かつ有機栽培の食材だ。ブラジルは法律で、3割は有機食材のものを学校給食にと決めている。台湾も、学校給食で遺伝子組み換え農産物を使っていない。フランスもそうなってきた。EUも学校給食がその方向になりつつある。ロシアは2014年から本格的に有機栽培にとりくみ、遺伝子組み換え農産物の栽培を禁止し、かつ一切の輸入も禁止している。日本ほどの農薬大国は他にない。

昨年には種苗法も改定 自家増殖一律禁止

 そして昨年、種苗法が改定された。これまでは、登録品種でもコメ、麦、大豆、イチゴ、サトウキビ、芋類、果樹類など、基本的に次期作以降自由に自家増殖(採種)が認められていて、土地に適した品質の安定した作物を生産してきた。ところが自家増殖を一律禁止にして、登録品種はお金を払って許諾を得るか、もしくはすべての苗を購入しなければならなくした。違反した場合には懲役10年以上もしくは1000万円以下の罰金で、共謀罪の対象になる。タネの交換会で登録品種を交換したら警察が踏み込んでくるということも起こるかもしれない。

 種苗法改定の理由にしていたのが、「日本の優良な品種の海外流出を防止する」ということだ。しかし、自家採種している日本の農家から海外流出した例があるのか聞くと、農水省は「ありません」といっている。改定前の種苗法のもとで、山形県はサクランボの品種の海外流出がわかったとき、刑事告訴して輸入差し止めの仮処分を申立て、止めることができた。当時裁判にかかわった弁護士は、種苗法を改定しなくても育種知見は守れるとはっきりいっている。

 政府がここまで嘘をつくとは思わなかった。しかし、種苗法改定の議論のなかで、「登録品種は一般品種の10%にすぎないので農家には影響がない」としていたが、農水省が2015年におこなったアンケート調査で52・2%の農家が登録品種の自家増殖をしているという結果が出ていた。これを農水省はひた隠しにしていた。自家増殖している理由でもっとも多かったのは「生産に必要な種苗の量を確保するため」だった。

 コメの登録品種だけでも青森県は99%、北海道は80%、沖縄県のサトウキビは80%、栃木県のイチゴは83%など、各県の特産品種のほとんどが登録品種だ。農家は自分の栽培している作物が登録品種なのかそうではないのかわからないまま栽培しているのが現状だ。今、北海道と徳島の種子を守る会が、農家を対象に、「自分がつくっている品種が登録品種なのかどうか、わかりますか」という調査をしている。たぶん多くの方が知らないと思う。登録品種でも自家採種自由だったのだから当然だ。

 すでに登録品種は8315種あり、エゴマで2種類、シソで7種類、ウドで3種類、サツマイモで65種類登録されており、年間800種が農水省のわずか20人の審査員のもとで新品種として登録されている。種苗法改定で、これまで農水省が責任を持って原則現地調査および試験栽培をしなければならなかったのが、農研機構に委託できることになるので、さらに新品種の登録が加速する。農水省は「伝統的な有機栽培農家、自然栽培農家は在来種の自家採種をしているので、なんの心配もいらない」とはっきりいった。ところが黒豆の在来種の黒千石を品種登録した北海道北竜町の関係者は、在来種と登録品種の区別はまったくつかないといっていた。ある日突然裁判を起こされたら、栽培農家は負ける。

 これまでの種苗法では、育種知見の侵害で裁判になった場合、実際に登録品種と伝統的な栽培農家の品種を試験栽培し、違いが鑑定できるかできないかで判断されてきた。実際に宮城県でナメコ茸の伝統的な栽培農家が企業から訴えられたが、企業側が登録品種を出せなくて負けた。

 ところが、今回の種苗法改定では三五条で、伝統的な栽培農家の品種が新しく育種登録した品種と異なるかどうかの判断は農水大臣ができるようにした。企業のいいなりにしかならない。さらに、葉の色や形などを記録した特性表だけで判断できるようにしている。裁判をしたらほとんど伝統的な有機栽培農家は負けてしまう。だから「有機栽培農家、自然栽培農家は安全だから心配いらない」というのは大間違いだ。

 世界で例のない「自家増殖一律禁止」の法律ができ、いよいよ種子を金もうけの材料にした多国籍企業の支配が始まる。種子法廃止違憲確認訴訟のなかでも国が出してきた答弁書で「種子法廃止はTPP協定によるものだ」とはっきりと書いている。種苗法改定も、農業競争力強化支援法も同じだ。多国籍企業600社が日本の私たちの暮らしを支配するためのものなのだ。これが日本だけが厳しい形で始まっている。

私たちは何ができるか 地方から行動を

 種子法が廃止されて2年のあいだに北海道から鹿児島まで、25の道県で種子条例ができることになった。


 数日前に徳島県と秋田県が種子条例をつくり原原種を残すことにした。3月22日に岩手県が種子条例を県議会で可決する予定だ。条例制定の準備中の自治体を含めて来年には32の道県で種子条例ができると思う。そうすることで県が責任を持って、コメ、麦、大豆の原原種を守り、原種をつくり、優良な品種を農業者に安く提供できるようになっている。

 昨年12月25日に、日本のタネを守る会が主催して、全国で種子条例をつくった関係者に集まってもらい意見交換会をした。当初、種子条例をつくる自治体に対して厳しい姿勢を見せていた農水省が、「種子条例は歓迎」といい始めている。そして自民党も公明党も「種子法廃止復活法案」の審議入りに応じて1回目の審議がおこなわれ、継続審議中だ。地方が動いて国が動き始めているということだ。

 広島県では30年前から、F1の品種が農家のなかに広がり伝統的な在来種は消えることを危惧して、県が出資し民間の出資も加わってジーンバンクを設立した。県の伝統的な在来種を発掘調査して保存管理する。3年に1回は農場でタネを更新しながら、そのタネを無償で農家に貸し出して、原物を保存管理し、特徴をデータ管理している。そうすると裁判になってもたたかえる。

 まず「山口県のタネを守る会」をつくってほしい。そして山口県の優良な在来品種を発掘調査して保存管理することだ。そして山口県でも市会議員や県会議員の力を借りながら種子条例をつくってほしい。山口県ではこのままでは原原種がつくれなくなる。日本には在来種を保全する法律がないので、県で在来種を保全する条例をつくって、在来種を発掘調査して農家に貸し出す制度をもうけたらいいと思う。

 実は現状では民間企業が「育種知見などを提供しろ」といえば、種苗法と農業競争力強化支援法八条四項に基づいて断ることはできない。法律的にいって「譲渡しない」という条例はつくれないが、育種知見の譲渡を厳しくするという条件はつくることはできる。

 例えば民間企業が、山口県のコメの登録品種である「せときらら」の知見を提供しろといったときに、農業者、消費者、学識経験者を入れた審議会をもうけて、2年かけてアセス調査をし、品種提供でどういう影響が出てくるかの調査をする。そして意見をとりまとめて県議会に報告し、県議会で4分の3以上の同意がなければ育種知見は提供できないといった厳しい条件をつくる。場合によっては、県民の税金でつくった知的財産であり、県民の住民投票によらなければ提供できないという条例でもいい。そういう条例は合法だ。事実上、やれば阻止できる。

 愛媛県今治市では、市の承諾なくして遺伝子組み換え農産物をつくったら半年以下の懲役と、50万円以下の罰金を処するという条例をつくっている。市の承諾を得るのに4つの条件をつけている。また北海道の遺伝子組み換え農産物に関する条例は、遺伝子組み換え農産物を事実上、作付けできないようにしている。それが地方自治だ。法令に反しない限りの内容で条例をつくることができる。

 日本は明治以来、中央集権国家だった。だが今の法律では国と地方自治体は同格だ。地方分権一括法は、国の地方自治体に対する指揮命令監督は一切禁止になっている。泉佐野市はふるさと納税に関する総務省通知に対して裁判で争い、泉佐野市が勝訴した。最高裁の判決では「国の通知はたんなる助言に過ぎない」と出された。例えば山口県の防府市として「学校給食を有機食材にする。無償にする」という条例をつくれば、市は従わないといけない。韓国ではそうやって各市町村が条例をつくって学校給食を無償化し有機食材にした。

 私たちは主権者であり、私たちが地方を動かし、国を動かすことができる。種子条例が25道県でできたことはいい例だと思う。あきらめることはない。動けば必ず結果は出る。

 日本のタネを守る会の会長は、JA茨城中央会の会長だ。タネの会には24のJAが入っている。昨年の種苗法改定に対しても、各地のJA組合長が反対し、各市町村から種苗法改定反対だという声や意見書が次々に出された。例えば北海道197の市町村のうち4割の市町村が、たった1カ月のあいだに検討して意見書を出した。審議の見送りや慎重論を唱える動きが全国200ほどの地方地自体から出された。県議会からも2、3カ所上がっていた。

 全国各地がみんな動き出している。学校給食についても千葉県いすみ市では学校給食に地元でとれた無農薬の有機米を100%使用し、野菜もジャガイモ、玉ねぎ、大根、人参など7種類をすべて有機食材でまかなえるようになった。愛知県東郷町とか長野県松川町や熊本県山都町などでも給食の有機食材化が進んでおり、本気でやればなんでもできる。昨年9月25日に東京都世田谷区で「学校給食を有機食材にする全国集会」があった。今年4月中には、全国各地のみなさんがネットでつながって学校給食を有機食材にするネットワークを立ち上げる予定だ。ぜひ環境保全型農業会も団体として参加していただきたい。福岡県では「給食を有機食材にしてほしい」という署名を集めて知事に出したら、知事から前向きな回答がきたという知らせがきた。全国が動き出している。日本の政治が変わるには地方が変わらなければいけない。私たちが変われば、地方が変われば政治は変わる。私たちが動かなければ、私たちの周りは動かない。私たちの次の世代の食の安全を守るには、今、動かなければならないと思う。

 実際に地方で種子条例制定が広がり、国会で種子法廃止復活法案の審議も始まった。学校給食を有機食材にしようという動きがどんどんできてきた。あらゆる動きが地方で始まっている。日本を変えるのは今からだ。

https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/20598

135. 2021年3月31日 08:21:15 : pnlV5df2uo : RktFZ3ZCUmhKY2c=[17] 報告
菅政権が進める植民地農業化 日本の農業が破壊される?(室伏謙一)
2021/03/31




136. 2021年3月31日 17:47:20 : BLypVMkkxE : b0Q4TnRZV05jQlk=[5] 報告

 種が異様に高くなっている!2021年03月31日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1449.html

 種まきのシーズンだが、ホームセンターに行って種を買おうとすると、異様に高いのに驚かされる。
 一番普通にある春撒き大根の品種が300〜600円、一昨年あたりまで、200〜300円だったと思う。買おうと思っていた種は440円になっていた。

 この傾向は2016年頃から続いていて、毎年種子が驚くほど高騰している。
 http://ao-akaki.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/1-3e0a.html
 https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E6%98%A5%E3%81%BE%E3%81%8D%E5%A4%A7%E6%A0%B9%E3%81%AE%E7%A8%AE/

 なぜ、種が高くなったのか?
 それは、自民党が改悪した種苗法と関係がある。先だって2018年に政府(自民党)は種子法を廃止した。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%BB%E8%A6%81%E8%BE%B2%E4%BD%9C%E7%89%A9%E7%A8%AE%E5%AD%90%E6%B3%95

 種子法廃止に動いたのは小泉進次郎であり、もちろん背後には竹中平蔵がいる。とくれば、竹中の飼主であるユダヤ系金融資本(イルミナティ)が、日本国内の農産物利権を独占支配する意図が隠されているとみるのが常識だ。

 イルミナティは、ビルゲイツの北極種子保管庫や、アメリカ食品衛生近代化法でわかるように、世界の食糧生産を種子レベルで一手に支配する戦略を進めている。
 これを「陰謀論」などと一笑に付す人たちは、おめでたい。
 彼らは、本気で人類をコントロールしたいのだ。それは「神の選民」であるユダヤ民族(アシュケナージ)の悲願を実現するということだ。

 ゲイツは人口削減に異常な執着を見せてきた。世界中の種子を集めて、種子保管庫に集め、世界中で農業作物の自家採種を法律で禁止し、イルミナティ企業(バイエル・デュポン・カーギルetc)だけから法的強制力をもって独占的に種子を供給させる。

 このやり方で、世界人類を支配し、思想や人口をコントロールしようとしている。イルミナティに反逆する民族には、民族を滅ぼすシステムが隠された種子を供給する。
 以下は、スマートアグリという農業グループの分析だ。

  種子法廃止は誰のためか──日本の農作物への影響と今後の課題
 https://smartagri-jp.com/agriculture/156#:~:text=%E7%A8%AE%E5%AD%90%E6%B3%95%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E4%B8%BB%E8%A6%81,%E8%A9%A6%E9%A8%93%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%80%82&text=%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8C%E6%B0%91%E9%96%93%E8%82%B2%E7%A8%AE%E3%82%92%E9%98%BB%E5%AE%B3,%E3%81%AE%E8%AD%B0%E8%AB%96%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82

 「日本から国産の良質なコメが消える」――そんなショッキングな懸念とともに語られているのが、2018年4月に廃止となった種子法だ。廃止によって、外国産の種子に取って代わられ、やがて国民は遺伝子組み換えの農作物を食べざるを得なくなる、と心配されている。

 なぜこのような声が上がるのか。そもそも種子法とはどんな法律だったのか。なぜ廃止されることになったのか。
 今回は、種子法をめぐる議論を、日本の農業の歴史や法律が誕生した背景をもとに紐解いていきたい。

 国民の公共財として守られてきた「種子」

2018年4月をもって廃止となった種子法は、1952年5月に制定された。正式名称は「主要農作物種子法」。主要農作物とは、コメ、麦、大豆のことで、主にコメを対象としている。
 第二次世界大戦のさなか、日本は食糧不足に見舞われ、農家は強制的にコメを供出させられていた。種子も政府の統制下となり、良質な種子を農家が手にすることはほとんどなかった。

 そして戦後、人々の暮らしが落ち着き始めると、種子用として認められたコメや麦については統制から除外し、国の補助金を投入して安定して農家に供給できるようにしようと、種子法が誕生した。優良な種子は国民の食糧確保に不可欠であり、公共財として守っていこうというもので、これが種子法の基本的な考え方である。

 そもそも、農家が自ら生産した作物から種子を採取することも可能だ。これは「自家採種」と呼ばれる。しかし、同一品種の自家採種を何代も続けると、品質は少しずつ劣化していく。良質な種子を育成するためには、農作物の栽培とは別に、種子のための育成をしなければならない。それには膨大な手間と金が必要となる。育成にかかる時間は長く、1つの品種を開発するのに約10年、増殖には約4年かかるといわれている。

 地域性や食味を追求した「奨励品種」も多数誕生

 ほとんどの農家が種子の栽培ではなく、農作物そのものの生産に専念したいと考えるのは当然のことだ。そこで種子法によって、国民が生きるために欠かせない食糧であるコメ、麦、大豆の種子を国が管理すると義務づけたのだ。

 種子の生産を実際に行うのは各都道府県である。日本の国土は南北に長く、土壌や気候などそれぞれの地域性も考慮しなければならないため、生産する品種の認定は各都道府県に委ねられている。種子の生産に携わるのは、各都道府県にある農業協同組合(JA)や農業試験場といった研究機関、採種農家。国は、それらの運営に必要な予算を担っている。

 各都道府県が各地域に適していると認め、地域での普及を目指す優良な品種は「奨励品種」と呼ばれる。奨励品種は、農業試験場などの研究機関で育て、それを農業振興公社や種子センターといった公的機関が栽培し、採種農家が増産。こうして栽培された種子が、各農家に供給される──この一連の流れが、これまでのコメ、麦、大豆の種子のあり方であった。

 種子法そのものは、こうした優良な品種を安定的に生産・供給するための法律であり、品種改良や新たな品種の開発を定めたものではない。しかし、各都道府県では、冷害に強い品種や、よりよい食味を追求した品種の開発に、公的種子事業の一環として独自に取り組んできたという側面もある。

戦後から続いた種子法が、わずか半年の議論で廃止に

 種子法廃止の契機となったのは、2016年10月に行われた規制改革推進会議農業ワーキング・グループと未来投資会議の合同会合の席上においてであった。ここで初めて、種子法廃止が提起された。その理由は、現状の種子法は「民間の品種開発意欲を阻害している」というものだった。

 この意向は2016年11月に政府が決定した「農業競争力強化プログラム」に引き継がれ、その結果、2017年4月「主要農作物種子法を廃止する法律案」が成立するに至る。この間、わずか半年程度。これを受けて2018年4月、種子法は廃止となった。

 廃止する理由として、農林水産省が説明しているのは次の通り。
 種子生産者の技術水準の向上等により、種子の品質は安定農業の戦略物資である種子については、多様なニーズに対応するため、民間ノウハウも活用して、品種開発を強力に進める必要。しかしながら、都道府県と民間企業の競争条件は対等になっておらず、公的機関の開発品種が大宗を占めている。

 都道府県による種子開発・供給体制を生かしつつ、民間企業との連携により種子を開発・供給することが必要(農林水産省・「主要農作物種子法を廃止する法律案の概要」より抜粋)

 国としては、民間の活力を最大限に生かして開発・供給する体制を整えることで、資材価格を引き下げ、国際競争力を高めようという狙いがあるようだ。
 なお、1986年の種子法改正により、民間の参入は認められてはいる。しかし、奨励品種に民間の品種が選ばれた例は非常に少ないことも事実だ。
 
 種子法廃止がもたらす懸念点

 一方、種子法廃止による影響を懸念する声は多い。
 いわく、育種の予算確保の法的根拠がなくなったことにより、都道府県の財政状況によっては種子の生産量が減り、安定的な供給ができなくなる。これによって、「あきたこまち」などの奨励品種のコメがやがてなくなるのでは、というのだ。

 「ここが重要!」
 あるいは、特定の民間企業の寡占状態となり、種子を含む資材価格は引き下がるどころか高騰する、海外資本の企業の参入を許せば遺伝子組み換えの農作物が食卓に並ぶことになる、などが廃止を懸念する声の代表的なものだ。

 こうした声を受け、種子法廃止が可決された際に、法案に賛成した自民・公明といった与党と日本維新の会に加え、民進党(当時)が共同で提案した附帯決議も採択されている。その内容は、
 種子の品質確保のため、種苗法に基づき、適切な基準を定め、運用する
 都道府県の取り組みの財源となる地方交付税を確保し、都道府県の財政部局をふくめ周知徹底に努める
 都道府県の育種素材を民間に提供するなど連携にあたっては種子の海外流出を防ぐ
 「特定の事業者」が種子を独占し弊害が生じないよう努める
といったものだ。

 「種苗法」とは、新品種の保護のための品種登録に関する制度で、新品種を開発・育成した人の権利を守るための法律だ。特許や著作権などと同じように、開発者の許可なく品種を増殖させたり、販売したりすることを禁じるものである。

 この附帯決議からは、種子法廃止による懸念点が凝縮されているようにみえる。ところが、これだけでは懸念が払拭されないと考え、種子法廃止法案成立からまもなくして、野党5党1会派が種子法の復活法案を提案するという事態にまで発展している。

 ちなみに、種子について国の責任を定めた法律がある国は世界でも珍しい。ただし、アメリカやカナダ、オーストラリアなどでも、各州の農業試験場などの公共機関により、主要農作物(小麦など)の種子が生産され、安価に販売されている。そのため、種子法廃止は世界の流れと逆行していると批判する向きもある。

 今後、日本の農作物はどうなるのか

 種子法廃止を受けて、国内の農作物の将来はどうなるのか。それを占う上で参考になるのが、野菜の種子の例だ。そもそも種子法はコメ、麦、大豆といった主要農作物のために制定されたものであり、野菜については規定がない。

 現在、野菜の種子生産は民間企業が主体だ。世界に圧倒的なシェアをもつ多国籍企業が多くの野菜の種子を握っているのが現状で、国内の公共機関に守られたコメ、麦、大豆と違い、海外産の種子で生産された野菜が、スーパーなどで販売されている。かつて野菜の種子はすべて国産だった時代もあるが、現在は9割が海外産のものになっている。

 ところが、農水省の種苗の需給動向によれば、正確には国内の種苗メーカーが海外で交配させたものを指して「9割が外国産」としている。つまり、日本の企業が海外で生産した野菜の種子を輸入して国内の生産に用いているということになる。

 なお、野菜における日本の種子産業の規模は世界第9位(2012年)。野菜の種子において、日本企業が占める世界シェアは約10%となっている。こうした種苗メーカーがコメをはじめとした穀物分野に本格的に参入しなかったのは、種子法があったからだといわれている。

 また、「外資企業が参入すると、遺伝子組み換えの農作物が国内で作られる」という懸念に否定的な声もある。種子法が廃止になっても、遺伝子組み換えについては厚生労働省が管轄する食品衛生法の安全性審査で規制されたままになっており、コメや麦などの遺伝子組み換えが認められていない以上、国内生産で用いることができないことに変わりはないからだ。

 そもそも、種子法廃止を受けて種子法と同様の趣旨の条例を作った自治体も少なくない。つまり、これまでと同様の枠組みは担保されており、民間企業に門戸が開かれれば、各都道府県の取り組み次第でより多様な奨励品種が生まれるきっかけになる、というとらえ方もある。

 日本の食文化を守り、育てるための法整備を

今回の種子法廃止に関して、あまりに議論もなく拙速に進められてきた感は否めない。そしてそれが、私たち日本人の健康や安全をおびやかすものになってしまうとしたら本末転倒だ。

 たしかに、採択された附帯決議や各都道府県で制定された条例などによって、種子法廃止が何かしらの影響につながるということは当面はなさそうだ。しかし、種子法廃止から半年を経て、多くの農家や農業関係者たちからの種子法復活を望む声は日に日に高まりつつある。

 2019年5月には、全国の農家ら約1300人が、種子法廃止法が違憲であることの確認などを求めて東京地裁に提訴。生存権を定める憲法25条違反として、民間企業の種子独占による価格高騰や、遺伝子組み換え作物による食の安全への不安などが理由として挙げられている。

 TPPをはじめとする国境を超えた自由化の波の中で、世界に誇る日本食文化の象徴ともいえる「日本のコメ」を、どのように育て、守っていくか──種子法復活法案の行方も含めて、今後も注視していくべきだろう。
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 引用以上

 上の文章で訴えられている最大の問題は、
 【特定の民間企業の寡占状態となり、種子を含む資材価格は引き下がるどころか高騰する、海外資本の企業の参入を許せば遺伝子組み換えの農作物が食卓に並ぶことになる、などが廃止を懸念する声の代表的なものだ。】

 つまり、バイエルなど国際金融資本、巨大企業が「自家採種禁止法」を前提として種子供給に参入した場合、ほぼ必ずバイオ操作農産物になってゆく。大豆がいい例で、自由化した結果、北海道産大豆など従来品種の20%程度の価格で遺伝子組み換え大豆が供給され、日本の豆腐業界から、安全な従来大豆が駆逐され、現在では8割以上が遺伝子組み換え大豆にされてしまっている。

 それゆえに、豆腐も一個20円などと信じられない廉価になったのはいいが、こんな豆腐を食べ続ければ、長い時間のなかで民族の遺伝子が破壊されてゆく可能性が小さくない。
 だが、種子法廃止・種苗法改悪の流れは、世界巨大種苗産業のF1種だけの供給に向かっていて、農家が自由な採種を禁止され、自家供給できなくなったことで、高価なF1種を毎年買わねばならなくなっている。

 そして、そのF1種は、さまざまな理由をつけて毎年、どんどん値上がりしてゆき、巨大種子産業の利権に貢献させるのである。
 これは、かつてモンサント(現バイエル)が、F1種でボロ儲けを狙った手口で、インドでは、モンサントが政府官僚を買収して、綿花種子をモンサントに一元的に供給させる法律を施行した。

 これはラウンドアップ除草剤とペアで使うと、これまでの数倍の生産力が得られるとの触れ込みで農民に使用が強制された。従来種の利用は厳禁された。
 結果、二年目からは綿花種子が極端に値上がりしながら、生産量は激減した。それで食べられなくなった農民が村ぐるみで集団自殺する事件が頻発し、自殺者は10万人規模に上った。このため、モンサントは国際的に激しく糾弾され、バイエル社が買い取る形で社名を変更せざるをえなくなった。
 https://lysbell.hatenablog.com/entry/28938946

 種の価格が上がっている理由は、基本的に、種苗の国際的な独占が進み、パテントを持つ巨大企業が、どんどん値上げしているからである。
 サカタやタキイの種が国産だと信じている人はおめでたい。株式を公開している以上、外資がどんどん株を買い占めて、これらは事実上、外国種苗企業の強い影響下にある。

 こうした種苗企業の独占供給をお膳立てしたのが、アメリカ食品安全化法や日本の種苗法改悪であった。

我々が目指す、自由な自給自足ライフスタイルに立ちはだかる司法 2020年07月18日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-date-202007-13.html

 ■あまりに恐ろしい陰謀! 恐怖の食品安全近代化法(私の元記事がヤフーに無断削除されて、引用リンク先でしか見られない。
  https://blog.goo.ne.jp/nvno/e/6b36193620f9a1bafa96613827edae63

 アメリカ食品安全近代化法は、アメリカのすべての地域で、家庭菜園であっても自家採種を禁じ、モンサントなどが供給した種苗を買って使わねばならないと定めた超異常な法律だった。その後、運用上、小規模農家なら許されるとしているが、これは訴訟対策にすぎない。

 日本の種苗法改悪でも、同じ「農家の自家採種禁止」がメインになっている。
  http://ruralnet.or.jp/s_igi/

  このような自家採種禁止法が誰のために行われるのかは明らかだ。
 竹中平蔵が代理人として君臨している国際金融資本=食料メジャーの利権のためである。種子をF1種にして、毎年買わせることで、世界的な利権の固定を狙ったものであるとともに、さらに人口コントロールという陰謀がちらついている。
 だから、F1種子は、毎年どんどん値上げされてゆく。

 【専門家の解説】種苗法ってそもそも何?改定は日本の農業と食にどう影響するの?
グリーンピース・ジャパン 2020-12-01
 https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2020/12/01/46161/

 そもそも種苗法とは?

 種苗法とは、野菜やくだもの、穀物、きのこや花などのすべての農作物の種や苗に関する法律で、新たに開発された品種を農水省に出願して、それが認められて「登録品種」となると、その独占的販売権が25年(樹木の場合は30年)認められます。
 つまり、開発した人の知的財産権を守り、その種苗がその権利を守って市場で流通できるようにするための法律と言えます。

 この法律の規制の対象は、競合する種苗会社、種苗の流通会社や市場向けに生産する農家の人々となります。家庭菜園や学校での栽培など、市場流通を目的とせず、自家消費を目的とした栽培や、新品種開発のため、あるいは研究のためは対象外となります。

 今回の法改定の目的を農林水産省は日本の農産物の海外流出を防ぐためだとしています。

 2018年には、これとは別の「種子法(主要農作物種子法)」という法律が廃止されたことを覚えている方もいるかもしれません。

 種子法は、日本の食を支える主要農作物であるお米、麦類、大豆の種子の安定生産・供給を目的とし、優良な品種の種子の生産責任を公的機関に義務付ける法律です。この法制度のおかげで戦後は地域に合った多様な品種の開発や安定供給がなされ、農家は種子が足りなくなる心配はなかったのですが、同法律は維持を求める多くの声にもかかわらず2018年に廃止されてしまいました。民間企業が種子事業に投資しやすくするため、とされています。

 今回の改定で何が変わるのですか?

 主な変更は、登録品種を農家が種子をとるなどして自分たちで増やすこと(自家増殖)を規制し、新たな品種を作った者の知的財産権である育成者権を強めることです。

 これまでは、農家自身が買ってきた種子を採ることは原則合法でした。地方自治体が地域の農家のために優良な種苗を安価に作ってきましたが、この改定によって農家は育成者に許諾を得なければ自家増殖ができなくなります。

 つまり、農家が栽培を続けるためには毎年、企業から種子を買わなければならなくなる可能性さえあるのです。

 農家、消費者、家庭菜園、環境…それぞれにどんな影響が予想されますか?
 農家=自家増殖が許諾制になることで、農家の負担が増えるおそれがあります。

 農水省は、「許諾料は市場原理で高くなることはない」といいますが、改定案には許諾料に関する規定がありません。これまでは、地方自治体が地域の農家のために優良な種苗を安価に作ってきたから安定していたのです。民間企業による種子の独占が進めば、価格が安いままとは期待できません。農家の負担が増えることで、さらに離農が進んでしまうことが懸念されます。

 種子法廃止とほぼ同時に成立した農業競争力強化支援法では、地方自治体などの公的機関は民間企業と対等の条件で競争せよ、と規定されており、地方自治体の種苗事業も独立採算性を求められることになるかもしれません。そうなると、中山間地などのために作っていた市場の小さな種苗はこの競争条件の中では生き残ることができなくなるかもしれません。

 種子は地域ごとの土や気候を記憶して、次の世代に伝える役割を持っています。地域の土や気候に合った種子は農家が自家採取することで生まれ、地域の文化の基盤を形作るものなのです。

 民間の種苗会社や多国籍企業は、地域に合った少量多品種を提供するよりも、広域に適した種類の少ない品種を大量に売ることで利益を出そうとします。種苗の多様性が減ることは、地域の食文化の衰退を意味します。日本の農業・食文化を支えてきた地方自治体の種苗事業と、在来種など農家が守ってきた種苗をどう守り、次の世代に渡せるかかが問われています。


 消費者=品種の多様性が減っていくことで、食の多様性が失われる可能性があります。

 現在は約300種類ものお米が地方自治体の事業で栽培されており、それぞれの好みや体質に合ったお米を選ぶことができます。例えば、生産量が少ない品種である、宮城県のササニシキは、アレルギーを持つ方に、北海道のゆきひかりは特にアトピーを持つ人たちに人気のお米です。ゆきひかりは北海道が2年に一回、種籾を提供していますが、道が作らない年には農家が自家採種によって対応しています。改定により、こうした生産量の少ない品種は、生産継続が難しくなるおそれがあります。

 これまでは少なくとも主要農作物の種子は地方自治体が責任を持って、確保する政策がありましたが、種子法が廃止され、種苗法が改定され、ますます民間企業にその生産が移されてしまうと、民間企業は儲けにならなければ生産を止めることがありますし、気象災害などが起きた時、種苗生産に甚大な損害が生まれてしまえば、食料保障に問題が生じる可能性があります。1993年の大冷害の時は、種籾が取れなかった岩手県に沖縄県の石垣島が支援に入り、冬に種籾を石垣島で増産して岩手に送り、事なきを得ましたが、利潤が得られない突発事態のために公共団体や非営利団体のように民間企業が動くことは期待できません。

 家庭菜園=農家の自家栽培、市民農園、ベランダ菜園など、自家消費が目的であれば、登録品種の増殖は禁じられていません。他人に種苗を譲渡したり、売ることなどは禁止されていますが、今回の改定による直接的な影響はありません。

 環境=私は、多様な地域の種子を守ることは、気候を守ることにつながっていくと考えています。私たちの健康もそうです。

 種苗法の改定によって公共の種苗が衰退し、民間企業による品種の独占・縮小が進めばその土地の土壌・気候に合わない種苗を育てるしか手段がなくなるでしょう。土地に合わない種苗を育てるためには、化学肥料や農薬の力が必要になってしまいます。結果、土壌の微生物が減り、土がやせ、蓄えられていた土壌炭素の固定ができなくなり、大気中に温室効果ガスが放出されやすくなります。

 地球環境を守るには、種子の多様性を守ることが必要なのですが、日本は真逆に向かいつつあるのです。

 では、誰のための改定なのでしょうか?

 改定の必要性について農水省は、「種苗の海外流出を防ぐために自家増殖を禁止し、増殖の実態を把握する」ため、といいます。

 けれど、2017年11月に同省は、「国外への種苗持ち出しを物理的に防止することが困難である以上、海外で品種登録を進めることが唯一の対策」と説明しており、矛盾がみられます。

 また、「農家が種苗を自家増殖してしまうと、民間企業が新品種を作る意欲を失ってしまう。新品種の開発が停滞することで、日本の農業の発展に支障が出る」ことも理由に挙げています。

 しかし、私は問題はそこではないと考えます。

 自家採取が認められている間も、登録品種は増え続けてきたからです。実際は、近年、自由貿易協定の影響を受けて、安い海外産の農産物で市場があふれ、農家を続けられない人が増えています。そのため種苗を買う農家自体が減っていて、種苗市場が年々縮小していることが最大の問題で、本当の問題は種苗の買い手(農家)を増やす施策が欠けていることなのです。

 種苗法の改定は、安い外国農産物と競争を強いられている国内の農家の負担を増やしかねず、結果として離農がさらに加速してしまうでしょう。地域の種苗会社はかえって、この改定で新品種を増やすことはできなくなるでしょう。世界に種苗を売るごく一部の企業だけが利益を得るかもしれませんが。

 対象になる作物は、ごくわずかって本当ですか?

 種苗法改定で許諾制になるのは、5,294品種にのぼります。農水省は、「全体の農産物品種のほとんどは一般品種(種苗法で登録されていない品種)であるため、種苗法改定で変わる登録品種はごくわずか(お米16%、野菜9%、ばれいしょ10%など)、農家への影響は少ない」と言っています。

 けれど、私が調べた限り、実際にははるかに多くの登録品種が生産されており、対象は広範囲になることが予想されます。

 例えば、お米の場合です。お米の品種は毎年農産物検査を受けるため、品種検査数は農水省にデータが残っています。2018年のデータによると、生産量の40%、品種の数64%を登録品種が占めています。農水省が説明する「ごくわずか」と大きなズレがあることが分かります。

 たとえば、新潟県で生産されているお米の品種は、8割が登録品種にあたります。新潟のコシヒカリは一般品種のコシヒカリではなく、登録品種であるコシヒカリの改良型が生産されているのですが、農水省はコシヒカリすべてを一般品種として計算しているため、実際の数字を大幅に低く見積もる結果になっています。これ以外でもその地方で力を入れている重要な作物では登録品種の割合が高くなる傾向があります。

 農家さんの声は、議論に反映されているのでしょうか?

 私は衆議院での参考人質疑に行った際にこの問題を指摘し、その後、議員が追及しましたが、農水大臣は答えませんでした。本来であれば、地方公聴会を開くなどして、農家に情報共有をしたり、意見を聞いたりする場が必要ですが、そのような検討をせずに採決という動きになってしまっています。そのため、多くの農家が改定の内容を知らされていないまま、決まってしまいそうです。

 実態を把握せず、改定を前提とした議論が進められていること自体が問題ですが、日本も批准している食料・農業植物遺伝資源条約や、2018年に成立した、小農および農村で働く人びとのための権利宣言においては、農家は種苗の政策決定に参加する権利があるとされており、農家の十分な参加なしに政策を決めてしまうことは国際条約や人権宣言に違反することになります。

 お米はどうなりますか?

 また、今回の改定では自家増殖の例外が設けられていません。EUでは、麦、大豆などの生存にかかわる主食は自家増殖禁止の例外とされ、自家増殖は認められおり、許諾料が課されるものの、小農は支払いが免除されています(小農の範囲はおよそ15ヘクタール未満ほどだと考えられます。日本の農家はほとんど小農になります)。米国では特許を取られた遺伝子組み換え作物などを除き、自家増殖は禁止されていません。このような例外のない法制度を持つのはイスラエルくらいでしょう。世界にほとんど他に例が見つかりません。

 実は、日本国内で栽培される野菜の種子の9割は海外産で、自給率は10%程度しかありません。けれど、お米に関しては、種子はすべて自給しており、その99%は都道府県が提供しているのです。しかし、今後、民間企業に任せれば種籾も安い海外で生産することにするかもしれません。日本の食料保障の最後の砦であるお米もが許諾性に移行することは、とても大きい問題だと考えています。

 今、種苗法改定よりも必要なことはなんだと思いますか?

 現在の種苗法は、よく考えて作られた法律で、育成者と使用者(農家)の権利のバランスをたもつように作られています。

 しかし、今回の改定により農家の権利が弱くなることについて農水省は、「登録品種は自由に自家採取できなくなるけど、在来種や登録切れの品種はできるからバランスはとれている」といいます。でも、在来種を守る法律はまだありません。もし、在来種を育てている農家と企業が裁判になった時に、力を持つ企業が有利になるのは明らかだと思います。法の改定を行う前に、在来種を守る法律を作るべきなのです。

 在来種を保護し、農の生物多様性を守ろうとする動きは世界中で広がっています。ブラジルでは2003年に農家の種子を守る政策がはじまり、韓国では複数の自治体で在来種保全・活用条例やローカルフード育成支援条例が成立しました。

 これに対し、日本政府が進めているのは、逆に種子を民営化し、日本農産物の海外輸出を強化することです。本当に目指すべきは、多様な種子を使って環境を守り、地域循環する農業の形です。それには、地産地消と環境を守る農業への移行を進めていく必要があります。この2年間の間の運動により、すでに22道県では、主要農作物の地方自治体による公的種苗事業を支えるための種子条例が成立しています(2021年3月までに26に増えそうです)。今後の種苗事業の継続と自家増殖を支えるために自治体の対応が重要です。

 改定が決まったあとでも、私たちにできることはありますか?

 地域で自然環境を守りながら作られた食、ローカルフードを選ぶことは個人でもできますし、グループでも、自治体レベルでも可能です。そうすることで地域循環型の農業を発展させ、支えることができます。

 中でも学校給食は、地域の食を取り戻すきっかけになります。地元で作られたオーガニックの農産物を使う自治体が国内外で増えていて、日本では、愛媛県今治市、石川県羽咋市、千葉県いすみ市などが先進的な事例です。こうした取り組みを、地元の自治体にも採用するよう市民が声を届けることが有効だと思います。

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 引用以上

 私は、種子法廃止、種苗法改悪の背後にもユダヤ金融資本の走狗である竹中平蔵がいることに気づいてほしいと思う。
 小泉進次郎が種子法を廃止させたのだが、それはユダヤ系外資の種子産業への侵入を狙ってのことであり、竹中平蔵の関与が明らかだ。

 竹中は、正真正銘の売国奴であり、日本のすべての利益・権益を国際金融資本に売り渡し、日本人すべてを彼らの奴隷にする意図があるとしか思えない。
 ホームセンターの種子が何倍にも値上がりした理由の背後にも竹中がいる。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1449.html

137. 2021年6月02日 10:54:07 : MIot1CKHXE : WTVZM0FiYVg3bGc=[7] 報告

2021年06月02日
農業を衰退させた国は、全ての産業が衰退した事実
http://www.thutmosev.com/archives/85960145.html


農業を衰退させた国では、全ての産業が衰退している


農業が稼げない職業になった

最近100年でもっとも発展したのはコンピュータなど電子産業や仮想産業、衰退したのは農業で間違いないでしょう。

世界初のコンピュータを開発したのはドイツともアメリカとも言われるが、実用化したのはアメリカだったようです。

コンピュータの一大転機になったのはアポロ計画で、月に人を送るため「コンピュータに考えさせる」必要が生じた。

ウィンドウズのようなOSの先祖がこの時に生まれ、機械制御の自動化なども行われた。

そしてアップルが世界初のパソコンを発売し、スマホが生まれネットという仮想空間が生まれた。

今やネット上は現実の地球より金を稼いでいて、アメリカの大手企業のほとんどは現実世界ではなくネット上で活動している。


一方で最も衰退した農業は、特に個人経営の農家は世界中で成り立たなくなっています。

1800年代に民主化や近代化が始まり、最初は大地主の土地が個人の物になって個人農家が増えました。

だが大戦後に農業が近代化し、世界貿易が自由になると後進国から安い農作物が入ってきました。


先進国のジャガイモが100円で輸入物が10円だったら、業者は10円のジャガイモを買って消費者には50円くらいで売ります。

先進国の農家は出荷しても赤字になるので、農地を放棄して工場や都会で働くようになりました。

だが製造業でも同じ事が起こり、先進国の工場は新興国に移転し、先進国では工場もなくなってしまいました。

農林業を保護する欧米と、切り捨てる日本

今日本ではもの凄い勢いで農業人口が減少していて、専業農家はこのままだと10年程度で無くなるのではないかと言われています。

欧米では今も専業農家が存在するが、アメリカでは農家収入の50%は政府などからの補助金だそうです。

欧州も同様で各国は日本に対しては「補助金を廃止して自由化しろ」と言っていますが、自国の農業は保護して閉鎖しています。


北米は木材の輸出産地として知られていますが、やっぱり補助金で林業を保護して日本に輸出します。

日本の政治家はアメリカに市場開放しろと言われると、「はい分かりました」と市場開放しています。

小泉進次郎という自民党の政治家が「日本の農家は甘やかされているから競争させる必要がある」と言っていましたが、きっと彼はアメリカ人か中国人なのでしょう。


IT産業は儲かるが農業はもうからないのでどうでも良いという意見がありますが、不思議な事に農業が強い国はITも強いです。

IT先進国は必ず農業が健全で、農業が衰退している国でITだけ発展した例はありません

米英独仏英はいずれも手厚く農業を保護していますが、IT産業でも日本より成功しています。


つまり農業に限らず「自国産業を保護したり振興しない政府は、どんな産業も育てられない」という事です

http://www.thutmosev.com/archives/85960145.html

138. 2021年6月05日 15:28:56 : G3Hqt2fLQw : RTV5dkcvQ2NLV2s=[23] 報告
アメリカの「農業ビジネス」のために壊された日本の食料安全保障
三橋貴明・松村憲三・高家望愛
2021/06/04








139. 中川隆[-16522] koaQ7Jey 2021年7月31日 12:36:49 : dfoc7jMUiU : My5La1lxb2JvRVU=[39] 報告
 ビルゲイツら世界金融資本が、世界の農産物を支配して人類を淘汰しようとしていること
2021年07月31日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1572.html

 【江原啓之】※削除覚悟※今すぐこの動画を拡散してください!日本国民の安全を脅かす衝撃的なお話しです…。勇気を持って暴露します…!「種子法 種苗法 占い」2021/04/25
 https://www.youtube.com/watch?v=Poau88xYT9s&ab_channel=%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%BC%E8%BE%9E%E5%85%B8

 家庭菜園で種を採取したら懲役10年、若しくは罰金1000万円 2019年12月26日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-977.html

 種が異様に高くなっている! 2021年03月31日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1449.html


 ビルゲイツは、地球上の種子を北極保管庫に集めているが、他方で、モンサント=バイエルやカーギルという企業(ユダヤ系金融資本)と共謀し、強力な除草剤(ラウンドアップ)を売り込み、この除草剤への耐性をもった植物だけを優先種苗としてFDAが認可することで、世界の自然農業を滅亡させようとしてきた。

 モンサントは、ラウンドアップの毒性によって、大きな健康被害をもたらし、訴訟で敗北を重ね、賠償を免れるために、企業名をバイエルに変えたが(バイエル社に吸収させた)、バイエルもまたラウンドアップの販売を継続することで1兆円の賠償を求められた。
 https://www.bbc.com/japanese/53175754

 https://jp.reuters.com/article/monsanto-suit-idJPKCN1SK0TN

 モンサント(現バイエル)の除草剤の毒性について 2020年05月10日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1117.html

  アメリカの食品安全近代化法は、結局、民衆の自家採種を禁止し、ラウンドアップを買わなければ維持できないモンサント=バイエルの種苗だけを農業に使わせるという極めて悪質な陰謀に基づいた戦略である。

 私が、この問題を書いた2010年11月17日のブログが無断削除されていたので、これを転載した他のブログを引用する。

 あまりに恐ろしい陰謀! 恐怖の食品安全近代化法 2017-07-06 06:31:37
 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=240929

https://ameblo.jp/narasizennoyasai/entry-12290053616.html
 
 上院510法案「食品安全近代化法」 (Food Safety Modernization Act)は、「米国の歴史で最も危険な法案」と言われている。
 この法律により、人々が食べ物を栽培し、売買し、輸送する権利に対し、米国政府は新たな権限を得ることになる。ビッグブラザーに、あなたの家庭菜園のトマトを取り締まる権力を与えることになるのだ。直売所でキュウリを売る人を逮捕・投獄する権限が認められることになる。連邦政府の独裁的な規則を遵守せずに有機製品を輸送すると犯罪になる。

 「これは、人々が自由な選択によって農産物や食べ物を耕作、売買、消費することに対し、最も攻撃的な権限になるだろう。憲法に反するだけでなく、自然法にも反している。もっと言えば、神の意思に反している」とカナダ・ヘルスの告発者Dr. Shiv Chopraと述べている。
 この暴政的な法律では、全ての食糧生産(家庭菜園で作った食べ物も含む)が国土安全保障省の管轄下になる。かの全裸スキャナーで乗客に痴漢行為をしているTSA(運輸保安局)を所轄しているのと同じ国土安全保障省である。

 この法律により、家庭菜園でレタスを栽培し、地元の直売所で販売しただけで、重罪犯人(密輸業者)として逮捕する権限が米国政府に与えられる。
また、これにより、米国は、世界貿易機関(WTO)と国際食品規格(Codex Alimentarius)に自国の食糧供給に関する主権を売り渡すことになる。

 さらに、種の貯蔵も犯罪になり(リンク)、代々受け継がれた種を貯蔵して家庭菜園をしている人は一般犯罪者になってしまう。これには、明らかに、モンサントなどの企業に種子を独占させる意図がある。

 小規模な食品生産者に不当な書類作成の負担を課して廃業に追い込み、食糧供給の能力を大規模な多国籍企業に一層移すことになる。
この危険な法案についてもっと知っておくために、Wordpressの「食品の自由」ブログを読むことをお勧めする。リンク
更に詳細については、法案510を説明しているNaturalNews.TVにある次の優れたビデオをご覧いただきたい。

 いま行動を起こさなければ、自分で食べ物を栽培できなくなる 「シチズン・フォー・ヘルス」の嘆願書に署名しよう。

 今すぐ! 本当に重要だ。
これに加え、Cornucopia Instituteは、最近になって、緊急行動を呼びかける電子メールを発信した。次の情報が含まれている。
 上院法案510に抗議する方法(略)

 あなたは、「食品安全近代化法」に全面的に反対していること、そして、この法律は、アメリカの食糧の未来を破壊し、自由を潰す破滅的な法律だと主張しておくべきだろう。
すでに百年近く前に、アメリカは通貨供給の権限を連邦準備制度に明け渡し、喪失している。また、アメリカは、医療産業と「病気から利益を得る」策略のため、健康も喪った。そして、今、我々は、上院法案510が通過するならば、自分で食べ物を育てる権利、自分自身で種を保存する権利も喪失しようとしている。

これは、アメリカ国民を暗黒時代、栄養失調の時代に押し込む、危険で暴政的な法律である。我々の食糧を作ってくれている多くの人々を犯罪者にし、食糧生産を更なる企業独占に変える法律である。
 今すぐに上院議員と連絡をとり、この法案に強く反対していることを伝えてほしい。
****************************************************************

私の10年以上前に書いたブログの多くがヤフー管理者によって無断削除されている。削除の連絡は一切なかった。
 これで、ヤフーという会社が、モンサントの利権のための宣伝媒体だということがよくわかる。
 その後、ヤフーはブログ事業そのものを勝手に廃止し、数百万という貴重なブログをこの世から消してしまった。

日本におけるビルゲイツ・モンサント=バイエルの代理人は、小泉進次郎・竹中平蔵である。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1572.html


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140. 2021年7月31日 12:39:15 : dfoc7jMUiU : My5La1lxb2JvRVU=[40] 報告
輸入牛肉の価格高騰 脆弱な食料安全保障の現実映し出す コロナ禍で工場閉鎖 各国の争奪戦に拍車
2021年7月29日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/21489


 「ミートショック」と呼ばれる輸入牛肉の高騰が大きな問題になっている。最大の要因は、牛肉の輸出大国アメリカで昨年春から夏にかけての新型コロナ感染拡大で複数の大手食肉加工場が閉鎖され、市場に混乱を来しアメリカ国内の牛肉価格が高騰していることだ。加えて新型コロナ禍からいち早く経済活動を再開させている中国で牛肉需要が急激に増加しており、牛肉の争奪戦の激化が価格高騰に拍車をかけている。コロナ禍のもとで牛肉以外でも輸入に頼る食品の値上げがあいついでいる。これまで歴代政府は「食料は安い国から買えばいい」というスタンスで、農産物市場を次々に明け渡し、国内生産を破壊してきた。その結果、2019年の食料自給率は38%にまで落ち込み、輸入がストップするという有事のさいには国民は飢餓状態におかれ、餓死をもよぎなくされる危険水域にある。昨年来の新型コロナ禍はまさに有事の事態を想起させ、日本の食料安全保障の危機に警鐘を鳴らした。輸入牛肉の高騰は日本の食料生産、食料供給体制そのものに問題を投げかけている。

 国産牛肉と比べて「安い」ことを売りにしてきたアメリカ産牛肉が高騰している。東京のスーパーでは、6月に100c20〜100円値上げした。4月に比べて仕入れ価格が40%近く値上がりしたことが大きいが、客離れを恐れて仕入れ価格の上昇分をそのまま店頭価格に上乗せすることはできず、約20%の値上げにとどめた。

 農畜産振興機構の調べでは、最新の5月のアメリカ産牛肉の日本国内での卸売価格は、1`当り冷凍のバラ肉で1087円で昨年同月比で67%高、冷凍の肩ロースも1`1266円で昨年同月比で10%高くなっている。また、取引業者から7月の仕入れ価格を1`当り200円値上げすると連絡があった店舗もある。

 アメリカ産牛肉の高騰でオーストラリア産牛肉肩ロースも昨年5月比で17%高の1`1123円に上昇している。オーストラリア産バラ肉の小売価格は前年比14%高の100c254円となっている。

 なかでも通常の市場価格が1`約1000円だった牛タンが6月には1`1500円に値上がり、7月以降はアメリカ産牛タンは1`2800円から1`3300円へと通常価格の3倍以上に値上がりし、さらに秋以降の値上がりも予想されている。

 輸入牛肉高騰の背景にはアメリカを襲った新型コロナ禍の影響がある。

 アメリカの牛肉業界は、と畜頭数の約7割を四大パッカー(JBS USA社、タイソンフーズ社、カーギル社、ナショナルビーフ社)が占める寡占状態にあるが、四大パッカーのいずれも新型コロナ感染拡大で処理場の一時閉鎖、操業停止がおこなわれ、昨年4〜5月にかけて、と畜・加工処理能力は一時的に4割程度となるなど著しく低下し、牛肉を含めた畜産物の供給不足が深刻化した。そのためアメリカ国内での牛肉価格が高騰した。今年4月の牛肉価格は前月比で5%、前年比で約10%上昇した。


量販店に並ぶ米国産牛肉

 アメリカは牛肉の生産量、消費量で世界の首位を占め、世界第4位の牛肉輸出国で、世界第2位の牛肉輸入国でもあり、アメリカの動向が世界の牛肉需給に与える影響は大きい。

 国連食糧農業機関(FAO)は今年5月、牛肉価格が世界的に高騰しているとし、牛肉価格の上昇が一因となって世界の食品価格は2014年以来でもっとも高騰しているとした。

 牛肉高騰の要因には、中国での需要増加がある。中国では2018年のアフリカ豚コレラ蔓延以来牛肉の輸入を増やしている。また、中国は新型コロナ禍から経済活動をいち早く再開させており牛肉需要が増大している。アメリカから中国への牛肉輸出は今年3月に1万4552dにのぼり、月間の過去最高を記録した。これは2019年全体の輸出量を大幅に上回る量だ。また、昨年1年間の牛肉輸入量は前年の271%増で、3・7倍に達している。

 世界の牛肉市場において争奪戦が激化しており、日本は中国などに買い負けしている実態が浮かび上がっている。

貿易自由化で米や豪に市場明け渡す

 日本の輸入牛肉はアメリカ産とオーストラリア産が約9割を占める。日本の牛肉輸入の歴史を振り返ると、かつては国産牛肉が供給量の95%を占めていたが、「1991年4月からの完全自由化」で決着した日米牛肉交渉を契機に輸入牛肉のシェアが大きく拡大した。

 第1回の日米牛肉交渉時の1975年には国内生産量が供給量の79%を占めていたが、自由化前年の90年には50%、自由化後の94年には42%、2000年には33%と国内シェアは激減した。

 また、輸入牛肉はそれまでオーストラリア産が90%を占めていたが、自由化前年の90年にはオーストラリア52%、アメリカ43%になり、02年には49%、45%とアメリカ産がシェアを拡大した。

 日本は戦後アメリカ主導でつくったGATTに1955年に加盟して以来、貿易自由化を進め、72年までに多くの農産物の輸入を自由化した。ちなみに豚肉は牛肉より早く71年に輸入自由化している。

 だが73年の石油ショックで経営危機に陥った農家の救済のために政府は74年度は牛肉の輸入はしないことを公表した。アメリカはこの措置をGATT違反として提訴し、日米牛肉交渉が始まる。当時他方では鉄鋼、自動車、カラーテレビの対米輸出増をめぐって日米貿易摩擦が激化しており、アメリカは日本に対して牛肉・オレンジの輸入自由化を迫っていた。日本政府は自動車やカラーテレビの輸出拡大のために、農業を犠牲にし、牛肉やオレンジの輸入自由化を認めた。

 その後はTPP、日欧EPA、日米FTAと次から次に農産物の関税撤廃枠を拡大し、国内生産を壊滅的なまでに破壊する方向だ。

水産物や穀物でも緊急時には品薄の恐れ

 コロナ禍での値上げは輸入牛肉だけではない。植物油や砂糖、パスタ、即席麺、穀物やトウモロコシなどが値上がりしている。国内での一時的な値上げであれば、いずれ沈静化し、大きな問題にはならないが、これらの原材料はすべて海外産であり、世界的規模での食料価格の高騰と結びついている。

 トウモロコシの価格高騰は中国の輸入量急増やアメリカなど生産地の生産減少が原因となっている。植物油は生産地であるマレーシアでのコロナ禍での労働力不足が原因。さらに行き場を失った投機資金の流入が商品先物相場の高騰に拍車をかけている。

 食料の多くを輸入に頼っている日本にとっては一過性の問題ではなく、構造的な問題が問われている。2020年の農水産物輸入は7兆6918億円にのぼる。ちなみに輸出は8842億円。

 農産物の輸入元の順位は@アメリカ=1兆3628億円、A中国=6735億円、Bカナダ=4115億円がトップ3。水産物は@中国=2633億円、Aチリ=1487億円、Bアメリカ=1165億円と、いずれも海外に依存している。

 しかも約400品目ある農林水産物のうち、中国からの輸入がシェアトップとなっている品目が100ほどある。中国産は「安い」ということで依存を深めているが、中国国内でも食の変化があり、需要も増大している。人口が増え続け、食生活の水準が上がっている中国は近い将来食料輸入大国になるとみられている。いつまでも中国産食材輸入に依存する体質にはリスクがともなう。

 中国ばかりではなく、近年健康志向の高まりで人気が過熱しているサバを見ると、スーパーで出回っている塩サバの半数はノルウェー産だ。2020年のサバの輸入量は5万2751dで輸入元はノルウェーが4万5751dで全体の約87%を占めた。2020年のノルウェーのサバの総輸出量は30万dで、全体の5分の1が日本向けとなっている。このほかノルウェーから中国やベトナム、タイなどに輸出されて、現地で加工されたサバも輸入されている。

 だが、漁獲量が制限されたり、悪天候による不漁が続けば輸入量にも影響が出てくることは必至で、輸入ばかりに頼っていれば、いずれ不漁など不測の事態に直面し、価格高騰や品不足も避けられない。

先進国最低の自給率 食の安全性基準も緩和

 コロナ禍は日本の食料自給率の低さに警鐘を鳴らしている。日本の食料自給率は38%で、先進国のなかで最低だ。諸外国の食料自給率(2019年)を見ると、カナダ255%、オーストラリア233%、アメリカ131%、フランス130%、ドイツ95%、イギリス68%、イタリア59%、スイス52%となっている。

 6割以上の食料を輸入に頼っている日本は、今回のコロナ禍のように海外の生産地やその周辺で天候や労働環境、流通環境に大きな変化が起これば、野菜、魚、肉、果物、穀物などすべての食料供給がひっ迫する危険な状況にある。

 日本の食料自給率は敗戦直後の1946年度は88%だった。ところが1965年度に73%に落ち込んだ以降下がり始め、2000年度以降は40%前後に落ち、2010年代は40%を割っている。

 主食のコメの自給率は戦後は100%をこえていたが、アメリカからの市場開放に屈服してウルグアイラウンドが決着した1995年以降は90%台に落ちている。アメリカはさらなるコメ市場の開放を要求してきている。しかも食料供給にとって重要な穀物自給率は1965年に62%あったものが2019年にはわずか28%しかない。

 肉類は牛肉でも見たとおり1965年時の自給率90%だったが、輸入自由化で減少の一途をたどり、2019年には52%にまで落ちている。

 牛肉は1965年には自給率95%であったものが2019年には35%に落ちた。豚肉は1965年時は100%自給していたが、2019年には49%と半減している。鶏肉は1965年には97%の自給率であったものが、2019年には64%に落ちている。

 しかも肉類の自給率を見る場合、飼料自給率を考慮すると牛肉は9%、豚肉は6%、鶏肉は8%しかない。

 魚介類の自給率も1965年には100%あったが、2019年には52%と半分に落ちている。

 果物全体の自給率は1965年に90%だったものが、2019年には38%に落ちている。リンゴは102%あったものが56%に落ちている。

 ここまで自給率を引き下げてきたのは、「工業製品の輸出拡大のためには、農業を犠牲にして安い食料を買えばいい」とする歴代政府の考え方だ。だが、近年中国の台頭などで「買い負ける」ケースもあいついでいる。新型コロナ禍のもとでの輸入牛肉高騰は歴代政府の「食料は買えばいい」という政策の破たんを浮き彫りにした。今後も食料の争奪戦は激化するすう勢にあり、価格高騰や品不足など国民生活に犠牲が転嫁されることは必至だ。

 また、食料の輸入依存が深まるなかで近年とくに問題になっているのは、輸入食料の安全性だ。アメリカ産牛肉に使用されている「肥育ホルモン」=エストロゲンは発がん性がある。日本の研究者が前立腺がんや乳がんなどホルモン依存性がんが急増していることに疑問を持ち、アメリカ産牛肉を調べたところ、国産牛と比較してエストロゲンの数値が赤身で600倍、脂肪で140倍高かったと報告している。

 牛肉から高濃度のエストロゲンが検出されるのは、ホルモン剤を牛の耳から注入しているからで、肥育期間が短くなって利益が10%アップするとされる。アメリカ、カナダ、オーストラリアなど主要な牛肉輸出国では「肥育ホルモン」としてエストロゲンの使用を認めている。

 だが、エストロゲンががん発症に密接にかかわっていることが明らかになり、EUは1988年にホルモン剤を家畜に使用することを禁止し、翌年にはアメリカ産牛肉の輸入を禁止した。EUとアメリカのあいだで牛肉戦争が起こり、今も続いている。

 日本の厚労省は「アメリカ産牛肉の残留エストロゲンは国産牛の2〜3倍程度で危険とはいえない」として輸入を認めている。

 エストロゲンは発がん性だけでなく、精子の減少にも関係しているといわれ、アメリカでは前立腺がんによる死者は2万9000人余で肺がんに次いで多い。日本での前立腺がんによる死者は2020年には1995年の6倍に増加している。専門家はエストロゲンの高い物を食べないように警告している。

 このほか米国産牛肉ではBSEの問題もあったが、TPP参加にあたり安倍政府がBSEに関する牛肉輸入の規制を撤廃した。TPPでは、遺伝子組換え食品やGM食品への規制も緩和した。こうした政府の政策は毒入り食品でもなんでも食べよ、さもなくば餓死せよといっているのと同じだ。

 新型コロナ禍は日本がいかに食料を輸入に頼っているか、しかも輸入依存度は危険水域をはるかにこえたものであることを明らかにした。こうした事態に直面して、「国消国産」の考え方が注目されるようになっている。「地産地消」と同じく、国民が必要とするものはその国で生産するというもので、とりわけ食料を国内で自給することの重要性が強調されている。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/21489

141. 中川隆[-16039] koaQ7Jey 2021年10月10日 08:22:25 : MKtlKLYSaM : cGpaQUJRN3pRcjI=[3] 報告

2021年10月10日
壊滅する日本の田舎、その後に残るのは廃村

日本の輸出攻勢にアメリカが怒ったので、頭の良い人が「日本は農作物を輸入し農業を廃止するので自動車を輸出させてください」という取引をした
これが人口崩壊の始まりです

画像引用:https://news.yahoo.co.jp/byline/maeshimakazuhiro/20190412-00121991 平成の日米関係はどう変わったのか:今では幻のような貿易摩擦の時代の「対立」(前嶋和弘) - 個人 - Yahoo!ニュース


自動車輸出の見返りに農業を壊滅させた日本人

2040年に日本の自治体の半数が人口半減し消滅する、そんな衝撃予想がでたのは数年前でした。

全国1800市区町村の半分は2040年に人口半減し、自治体が維持できくなり統廃合する。

それから数年たったが何も改善されず、これが現実になる日が近づいている。

問題点は色々あり、日米貿易交渉で自動車を売るために「日本は農業を廃止するので自動車を売らせてください」と取引したのが引き金でした。

日本は牛肉、オレンジなど次々に市場開放し、見返りに自動車をアメリカに輸出させてもらっている。

日本の人口構造は弥生時代から2000年以上、農村で生まれて人口が増え、都会に出ていく構造でした。


都会の女性は子供を産まないうえに、都会では男が多いので都会で人は生まれにくい。

人口生産地だった農村を廃止した事で日本の出生数は激減し、回復する見込みはありません。

結局農村は農作物よりもっと重要な「人間」を生産していたのに、それを廃止したのが人口減の原因でした。


今のペースでは2060年には人口1億人を割り、今世紀末には半分の6000万人に減っているでしょう。

そうなる前に日本人が「農村が最も重要だった」と気づくかどうかですが、気づかないでしょう。

人は結局金儲けの為に行きているので、農村に補助金出すより自動車売る方が儲かるならそうします。

現在ある田舎はすべて消滅する

この政策が続くと我々が生きている間に日本の農村はすべて消滅し、荒れ地や森になります。

『地球環境に優しい』人たちは大喜びで、廃村にソーラーパネルを敷き詰めます。

林業も自動車を売る見返りに市場開放してしまったので、数十年間木を育てても1本数千円にしかなりません。


今田んぼ1反を1年間耕した年収が数万円、一生かけて1本の木を育てても数千円か数万円です。

代わりにトヨタやホンダはアメリカで車を売りまくっているが、トヨタやホンダは日本人に何もしてくれません。

悪い事ばかりではなく、他人と離れて1人で生活したい人には良い時代かも知れません。


何もない田舎の土地を買って自分の家を建て、誰とも接触せず暮らす事も出来るようになる。

アラスカやロシアや欧州ではそんな変人が多いが、日本でも本物のカントリーライフが可能になる。

そうした人口消滅時代には、地方の都会に住むか廃村跡や山林に住むかの2極化します。


コンビニや郵便局やコメリやしまむらがある平凡な田舎は、今後どんどん減ります

https://www.thutmosev.com/archives/86905459.html

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

142. 中川隆[-16019] koaQ7Jey 2021年10月11日 12:00:55 : A5sZu4rx0I : YlFmL2IwWFlFYjI=[13] 報告

人類の食料を一元化支配しようとしている「ダボス陰謀団」
2021年10月11日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1644.html

 ダボス陰謀団とは、もちろんダボス会議=世界経済フォーラムのことで、その正体は、ユダヤ金融資本を代表するGAFAM(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル・マイクロソフト)であり、ビルゲイツ・アルゴア・竹中平蔵らのことだ。

 彼らは、世界中の種子を一手に独占し、大昔から行われている自然農業=植物の自家栽培を重罰の法律で禁止し、カーギル・モンサント(バイエル)・デユポンなどのユダヤ系独占企業だけに食糧供給を認めるという、凄まじい陰謀政策を実行している。
 その代表が、アメリカにおける食品安全近代化法であり、日本における種子法である。

 ビルゲイツら世界金融資本が、世界の農産物を支配して人類を淘汰しようとしていること 2021年07月31日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-date-20210731.html

 http://daidaikonn.blog27.fc2.com/blog-entry-231.html?sp

 家庭菜園で種を採取したら懲役10年、若しくは罰金1000万円 2019年12月26日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-977.html

 こうしたダボス陰謀団の動きは、ビルゲイツによる「世界人口を10%に削減する必要がある」との方針に基づいたものだろう。

 ビルゲイツと人口削減 2018年06月26日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-396.html

  このところ、新型コロナ禍の陰に隠れて、ダボス陰謀団の動きが、あまり報道されていないが、ワクチン問題も背後にはダボス陰謀団のコントロールがあると考えて間違いない。彼らの本当の目的が、世界人口の劇的削減にあることは明らかだ。
 最近の情報を引用しておきたい。

  Farm to Fork(農場から食卓まで):EUとダボス陰謀団は農業支配をどう計画しているか 2021年10月11日 (月)
  http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-e17b0c.html

  2021年9月29日 F. William Engdahl New Eastern Outlook

 「持続可能」という言葉を聞いた時は、常に、しゃれた響きの単語の背後を批判的に見るのが賢明だ。
 グローバリストのアジェンダ2030に関しては、2030年までの持続可能目標17の一つは「持続的農業」を作りだすことだが、しっかり検討すると、EU農業生産の巨大な部分を破壊し、既に上昇している食物の世界価格を遙かに高くすることがわかる。

 EU委員会は連中の食物のためのグリーンディールを気の利いた言葉で「農場から食卓まで。」と呼んでいる。それはクラウス・シュワブの偏在する世界経済協議会と連中のグレート・リセットに支持されている。

 国連とダボス世界経済協議会に定義される「持続可能」とは、2050年までに炭素排出ゼロを達成することを意味するのを念頭においていただきたい。
 だが、CO2が地球温暖化現象を引き起こし、地球を危険にさらしているのを証明する独立した科学的研究はない。
 疑わしい、たっぷり資金供給された無数のコンピュータ・モデルだけだ。無害なガスは、全ての人間、動物と全て植物の生命に不可欠だ。
 今欧州連合委員会は、準備不十分なEUグリーンディールの一環として、世界で二番目に重要な食料生産国の中核である農業に、トップダウンの急進的政策を押しつけている。
 実行される可能性は高いが、実行されれば、農作物生産高の大幅削減、多分、肉タンパク質の深刻な減少と、最も危険なことに、新しい遺伝子編集された農作物、つまりGMO.2を規制する現在のEU法規を撤廃させるだろう。それは世界的な悪影響があるだろう。

 Farm to Fork(農場から食卓まで)

 2020年5月、EU委員会は、Farm to Fork(農場から食卓まで)戦略を公表した。ブリュッセル公式説明は食べ物の天国がやって来るように聞こえる。
 彼らは「(農場から食卓まで)は、食料システムを、妥当で、健全で、環境上好ましくすることを目指し、ヨーロッパのグリーンディールの核心だ。」と述べる。うわーっ、それは素晴らしく聞こえる。

 彼らはそれから本当の狙いにとりかかる。「我々は現在グローバルGHG(温室効果ガス)排出の、ほぼ3分の1を占め、大量の天然資源を消費し、生物の多種多様性の喪失をもたらし、健康に悪影響を与える我々の食料システム構造を変更する必要がある」。
 これはCO2違反者として農民と我々の食糧生産を悪者にする巧妙な方法だ。解決策?「国民意識の増大と持続可能食品に対する需要と組み合わされる新技術と科学的発見が、全ての関係者に恩恵をもたらすだろう。」一体いかなる新技術が説明されるのだろう。

 選挙で選ばれていないブリュッセル官僚連中は、2050年までに世界的な温室効果ガスの排出の3分の1を削除するため、どのように「我々の食料システム設計を変更する」ことを計画しているのだろう?
 生産に新しい高価な投資を要求して、農民に倒産を強いることにより、安全性が証明されていないを過激な新しい遺伝操作された特許植物。とりわけ彼らは遺伝子編集された植物栽培に対する現在の事実上の禁止令を撤廃することを計画しているのだ。

 知らない方々のために申し上げると、それはファイザーとModerna mRNAの遺伝子編集されたワクチンを使っているCRISPRのCOVID−19ワクチンで使われているのと同じ証明されていない危険な技術だ。

 農業・農村開発担当欧州委員ヤヌシ・ヴォイチェホフスキは「農場から食卓まで」グリーンアジェンダについて「新しい農業移行の先駆けとなるため、農民は根本的に生産方法を変え、技術的、デジタル、宇宙ベースの解決策を最大限利用する必要があるだろう。」と言う。
 連中は急進的転換を計画しているのだ。これは既に不吉に聞こえる。

 2030年までに、殺虫剤なしの有機農法のシェアをEU合計の25%に引き上げると同時に、化学殺虫剤使用を30%減らすのは、事情に詳しくない人々には素晴らしく聞こえる。
 モンサントやGMO産業の、連中のGMO作物が必要とする殺虫剤を減らすという主張同様、それはウソだ。厳しい現在のEU規則を過激に変更させ、農業への遺伝子編集された動植物の導入を承認させるため、EUはこれを餌として利用しているのだ。

 彼らの2020年5月の「農場から食卓まで」グリーンディール文書で、EUは、欧州委員会が「食品サプライチェーンでの持続可能性を改善する新しいゲノム技術の可能性を見る研究を行って」いると述べている。
 これは遺伝子編集、CRISPR/Cas9遺伝子組み替えを意味する。

「新しいゲノム技術」

 今年4月、EU委員会は新しいゲノム技術の研究(NGT)を発表した。
 NGTは遺伝子編集された植物や動物さえ作り出している。報告は、NGTは「生体のゲノムを変え、ヨーロッパ・グリーンディールと「農場から食卓まで」の目的の一環として、より持続可能な食料システムの要素になる可能性がある技術」だと主張している。

 報告は、大規模実験とGMO農作物のラベル表示を必要とするGMO農作物承認に厳しいEU法を変えるための「公開討論」を要求している。

 2001年以来、この法律は、規制されないGMOが主要作物が圧倒的なアメリカ合州国と対照的に、EU全体でGMO使用をうまく規制している。
 2018年、欧州裁判所、EU法廷は、遺伝子編集された作物は、第一世代の遺伝子組み換え生物(GMO)と同じ厳しい規制の適用を受けるべきだと裁定した。
 報道によれば、ダボス会議とEUの「農場から食卓まで」の鍵は殺虫剤に置き換わることが可能な、遺伝子編集作物による殺虫剤の急激な減少だ。

 EU委員会は、バイエル-モンサントやGMO農業関連産業ロビーの他の連中と共謀して、この裁判所の制限を廃止すべく懸命に活動している。
 保健衛生・食品安全担当委員ステラ・キリアキデスは「我々が今日発表する研究は、新しいゲノム技術は我々の「農場から食卓まで」の目的に合致して、農業生産の持続可能性を推進できると結論している。」と4月のEU研究について述べた。新しいゲノム技術は遺伝子編集された作物の婉曲表現だ。

 グリーンディール担当のEU副委員長フランス・ティーマーマンスは、遺伝子編集の制限廃止は、殺虫剤の莫大な削減を可能にする魅力があると認め、公然とそれを暗示した。
 彼は最近のEUグリーン・ウィーク会議で、EUは、農民に精密農業を採用する手段を与え、種子を最適化するため科学的発見を活用することを目指していると述べた。
 「我々が殺虫剤に対する依存を、いかに制限するかだ。」種子を最適化する精密農業と科学的発見は、規制されない遺伝子編集大規模導入のブリュッセルの言いかえ表現だ。彼は「環境にやさしい農業をするのは、芝をむしゃむしゃ食べて、洞穴に住まなければならないことを意味せず、実現するため最新技術を使う必要がある。」と続けた。
 それは遺伝子編集CRISPRを意味する。

 平易な言葉に言い換えれば「農場から食卓まで」の核心は、CRISPR遺伝子編集植物や生物のGMOに対する厳しい「予防原則」規則、2018年の欧州司法裁判所裁判所裁定を計画通り破棄することだ。
 この制限がなければ、バイエル-モンサントのような遺伝子編集企業が、実験的な、証明されていない、遺伝的に変えられた動植物を、我々の食事に、ラベル表示なしで導入することが自由になる。

 このような遺伝子編集が自由な体制は、既に米農務省と規制当局が、CRISPR遺伝子編集された大豆燃料や、茶色くならないキノコ、食物繊維が多い小麦、生産量の多いトマトや、除草剤耐性キャノーラや、成長する際に土壌汚染を吸収しない米を認めているアメリカがそうだ。
 魚や動物の遺伝子編集するアメリカ・プロジェクトには、CRISPRを使った雄の子牛しか生まれない牛や、去勢不要な豚や、角がない乳牛や、筋肉細胞が多いナマズなど、怪しいものがある。よだれが出るではないか。

 CRISPRの危険は巨大だが、見返りはそうではない

 遺伝子編集農作物や動物に対するEU規則を撤廃するための主要ロビー活動圧力は、シンジェンタや、BASFや、DowDupontのコルテバを含むバイエル-モンサントや他のGMO農業関連巨大産業から来る。
 2020年11月のバイエル未来農業会議で、バイエル・クロップサイエンス社長のリアム・コンドンは、EUのGMO規制を遺伝子編集を許すように変えるためバイエルは「非常に強力に」ロビー活動していると述べた。

 コンドンは言った。「[我々は]規則が技術に追いつき、この技術が、ヨーロッパ人の利益のためのみならず、規則でヨーロッパを見習っている世界中の人々の利益のために使われるのを可能にするよう非常に強く推進している」。
 コンドンは遺伝子編集とCRISPR技術を、農業が一層持続可能になるのを可能にする「驚くべき飛躍的発明」と呼んでいる。彼が省略していたのは、遺伝子編集農作物に対する規制緩和で、バイエル-モンサントや他の主要GMO企業が、連中の特許取得済み「持続可能」種子に対し、農民に請求するのが可能になることだ。

 植物や動物の遺伝子編集は、主張の通り全く安全というわけではない。技術は決して精密でも制御されてもおらず、遺伝子編集された生体のゲノム中に、意図しない遺伝子改変や、他の種の外来DNAや、全くの外来遺伝子を不慮に添加するなどの結果をしばしば生じる。

 これはまだ新しい実験的技術なのだ。バイエル-モンサントのような提唱者は、植物の遺伝子編集は正確だと主張する。
 それでも研究では、証明済みからはほど遠いことが分かっている。バイオサイエンス・リソース・プロジェクトのアリソン・K・ウィルソン博士は「植物の遺伝子編集手法は、UT(意図せざる形質、つまり遺伝子損傷)を起こしやすく、動植物の両方で、遺伝子編集自身、標的にした場所や、その近くで思いがけない突然変異を生じさせかねない新たな証拠を発見している。これらには、ベクターや、バクテリアや他の余計なDNAの挿入や、意図しない大規模DNA削除や再配列がある。」

 これらは無視できる些細な欠陥ではない。「植物の遺伝子編集結果は不正確で、予想できず、使われる技術の組み合わせによっては、遺伝子編集は大いに突然変異誘発性であり得る。理論上、いつかは、広範な持続的農業の要求を満たす遺伝子組み換え作物を作ることが可能かもしれないが、実際はそうしたことは、ほとんど起きそうもないように思われる。」とウィルソンが結論を出している。

 Global AgメディアによるEUの「農場から食卓まで」分析によれば「これら戦略の影響は、EUの生産能力と農民収入の未曾有の縮小だ。全ての部門が5%から15%の生産減少を示しており、家畜部門が最も深刻な影響を受ける。
 シナリオが何であるにせよ、農民収入に対しては悪影響で、生産価格は約10%の純増を示している。「EU農民組合Copa-Cogecaは、この政策は農業能力の未曾有の減少をもたらすと警告している。だがそれが「持続的農業」の本当の狙いなのだ。

 ダボスとEUの「農場から食卓まで」

 過激なEUの「農場から食卓まで」グリーンアジェンダは、既に2014年に「イネーブリング・トレード「農場から食卓まで」と呼ぶものを推進したダボス世界経済協議会が同じ意見だった。
 2018年1月のWEF報告書は「CRISPR-Casのような遺伝子編集技術は、作物の耐乾燥性や栄養含有量を改善しながら、生産性を大きく変革する様々な特徴の改良を達成する方法を提供可能だ。」と述べている。

 これはWEFの"Food Security and Agriculture Initiatives" とグレート・リセットの一環として、マッキンゼー・アンド・カンパニーと共同で行われた。
 WEF Forumパートナーには、バイエル、シンジェンタ、BASFがいる。WEFウェブサイトによれば「2020年1月のダボス年次会合で、世界経済協議会はヨーロッパのグリーンディールを、いかに促進すべきか模索するため、フランス・ティーマーマンスEU副委員長と産業・企業幹部を集めた」。シンジェンタやBASF社長と同様バイエルのリアム・コンドンもそこにいた。

 もしEU農業部門が遺伝子編集GMO体制に組み込まれ、その結果、生産が急激に減少すれば、世界中で、常により大きな食糧不足を促進するだろう。これはCOVID−19による優生学グレート・リセット計画と並ぶダボスの計画だ。「農場から食卓まで」と呼べば無害に聞こえる。明らかにそうではない。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/09/29/farm-to-fork-how-the-eu-and-the-davos-cabal-plan-to-control-agriculture/
***************************************************************
 引用以上

 ダボス会議=ビルゲイツらが提唱している「グレートリセット」は、 @社会全体を電気化すること(EVカーなど) A社会をコンピュータAIと監視システムを利用した完全な支配下におくこと B人々に電子的な刻印(量子焼印)を義務づけ、自給自足などの自己管理を認めないこと C食料を完全一元化し、GMO(遺伝子改変バイオ作物)だけを供給し、自家栽培を重罰化し、絶対に認めないこと。
 などが柱になっている。

 上の文で警鐘されているのは、EUとダボス陰謀団が、世界の食糧生産は、農薬使用によって不健康だから、農薬を廃止し、中央政府が配給するGMO種子栽培だけを食品として容認するということだ。
 「農薬廃止」とは、あたかも人々の安全性に配慮しているかのように聞こえるが、実際には正反対だ。
 彼らは、すべての農産物をバイオテクノロジーによって、農薬を植物体が自家生産するような人工植物に変えると言っているのだ。

 つまり、現在、南北アメリカ大陸で問題になっているのが、農薬を遺伝子に組み込んだバイオ作物の毒性なのだが、この毒性には一切触れずに、すべての個人栽培を法律で厳禁し、政府が供給するバイオGMO農産物だけしか食べられないようにすると主張していて、すでに、それは実現している。

 No.214 遺伝子組み換えがもたらす危険
 https://www.apla.jp/archives/publications/2027

 https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2018/12/719ed861-719ed861-gmo20yrs_jp.pdf

  遺伝子組み換えと健康被害の関連
 http://blog.rederio.jp/archives/1924

 日本の自民党政権は、竹中平蔵のようなダボス会議メンバーを抱えて、完全に、グレートリセットのスケジュールに取り込まれ、水も食料も、ワクチンまでも、ダボス陰謀団の言いなりになっている。
 ワクチン接種が普及した県では、感染者が少ないとメディアが報道しているが、これはウソだ。沖縄の感染率が高いのは、沖縄県では玉城知事の下でウソをつかず、本当のデータを公開しているからにすぎない。

 逆に、ワクチンが普及したから感染者が少ないと宣っているのは、栃木県や宮城県など、自民党の右翼知事県であり、これらの県では、福島原発事故の被害も、大幅に(たぶん10分の1程度に)矮小化して公表している疑いが強い。
 https://switch-news.com/science/post-62403/

 一事が万事、自民党政権は、真実を公表せずデータを捏造している。本当のコロナ死者数は、公表値の10〜100倍に上るのだ。ワクチン死者数は逆に10分の1以下に矮小化している。
 同じように、GMO農産物の健康被害も、極度に矮小化されるにちがいない。

http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1644.html

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143. 中川隆[-15993] koaQ7Jey 2021年10月13日 16:48:26 : HNQh6kvMDI : aE12RU5RYUJ5ZmM=[42] 報告

2021年10月13日
農業の需給バランス崩壊しキャベツ1000円になる日

ウィンドウズxpみたいなアメリカのほったらかし農業は、家畜用穀物を生産している。
人間が食べる美味しい作物は、人手がかかるので補助金なしだと日米で同じ程度です

画像引用:https://www.huffingtonpost.jp/2014/12/13/america-is-big_n_6321594.html アメリカはでっかい 農場もでっかい【画像】 _ ハフポスト LIFE

日本の農業は数年で壊滅します

1980年代から90年代にかけて日米貿易摩擦が先鋭化し、両国で日米同盟破棄がまじめに検討されていた。

アメリカは貿易問題解決しないなら同盟破棄だと脅し、日本は農業廃止するという提案をした。

アメリカの米が安いのは知られているが、実はアメリカが安く生産できるのは家畜用のエサだけです。

ジャガイモ、トウモロコシ、小麦のような手間がかからないのは安いが、米やトマトやキャベツはそれなりに高い。

アメリカ政府は農家に所得の平均50%に相当する補助金を出していて、農家はそれで生計を立てている。

例えば年収1000万円の農家があるとすると、そのうち50%は何らかの補助金です。


日本の農家補助金はゼロなのでもうこの時点で絶対に日本の農家が勝てるはずがなく、輸入作物にやられ放題です。

もちろん橋本龍太郎のような政治家は、日本の農業が壊滅するのを分かったうえで市場開放しました。

80年代から90年代はまだ輸出神話の時代で、「日本は輸出だけで食べている」と政治家は本気で考えていた。


農業なんか輸出できないから無くなっても、替わりに自動車や家電やハイテク輸出すれば良いと考えた。

ところが農村というのは農作物以外にも「人間」の生産地で、農村がなくなった国は例外なく人口減少します

人は田舎で生まれて都会に出ていくので、都会だけになった国は子供が生まれず人口が減ります。

国民がアホなら誰が総理でも同じ

日本は政府の農業廃止政策によって農村が過疎化、貧困化し子供が生まれなくなり急速に人口減少している。

農業従事者の統計を見ると農業人口は毎年10万人減少していて、2021年は150万人未満と推測されます(5年に1度しか調査しない)

するとあと15年後の2036年に農業人口ゼロになり、日本から農業は完全に消滅します。


そうなる前に国産する必要がある生鮮野菜などが不足し始め、10年後には国産キャベツ1000円、トマト500円とかになるでしょう。

農業人口がゼロになると国産農作物は「黄金のパンダ」みたいなものでプレミア商品になります。

日本人や政治家や官僚がそうなる前に気づくべきだが、小泉進次郎の発言を聞いて絶望的な気分になりました。


数年前、進次郎が自民党農林部会長の時「日本の農業は甘やかされているので補助金をなくし競争させる」と言っていました。

説明した通り話はアベコベで甘やかされているのはアメリカやフランス農家、日本の農家は政府から虐待されて壊滅しようとしている。

もっと絶望的なのはこういうアホ政治家に賛同して投票した人が大勢いたことで、もうこの国は滅ぶしかないのかも知れません。


たとえ賢明な政治家が首相になったとしても、国民がアホではすぐ辞任させるでしょう。

https://www.thutmosev.com/archives/86933789.html

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

144. 中川隆[-12348] koaQ7Jey 2023年8月18日 23:07:48 : yHDnsPMSek : Z3drSTI3azY3eXM=[16] 報告
吉野敏明 _ 病気になる原因は小麦・植物油・牛乳
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14141482

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