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資本主義とは何か
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 5 月 23 日 10:56:58: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: れいわ新選組 大西つねき : 資本主義の仕組みは既に破綻している 投稿者 中川隆 日時 2020 年 5 月 21 日 09:32:57)


資本主義とは何か

資本主義とは公共の債券および株式の市場のことである。

もちろん生産活動はそれより前にも存在したが、それは資本主義ではない。
貿易も存在したが、それは資本主義ではない。
個人の所有権も存在したが、それは資本主義ではない。

資本主義とは、大勢の人々が共同してお金を貸し、営業活動の所有権を買うことのできる仕組みのことである。


オランダ人は公共の場で株式を取引できる世界初の株式会社、つまりオランダ東インド会社を作り、世界初の株式市場を作り、世界初の効率的に借金のできる金融システムを作ったとき、資本主義を発明したのである。

株式会社とは、新しい事業を始めたい起業家に事業を始めるお金がない場合、投資家が出資をして事業を可能にする仕組みのことだが、株式会社が存在する前までは事業アイデアと資金の両方が事業家本人になければ事業は難しかったのである。

この革新的なアイデアは当然ながらオランダのGDPを爆発的に増加させた。株式がなければ不可能だった多くの事業が可能になったからである。

__________


世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由2020年5月22日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10891

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏による歴史の授業である。ダリオ氏はアメリカが覇権を失い中国が新たな覇権国家になると主張している。

•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる

その自説の証明のためにLinkedInのブログ投稿で過去の覇権国家の繁栄と衰退をレビューしていっているのだが、今回はイギリス帝国の前に繁栄したオランダ海洋帝国の物語となる。

海洋帝国オランダ

ダリオ氏の話はオランダが海洋帝国となる前の話から始まる。

16世紀にはスペイン帝国が西洋では覇権国家であり、東洋では中国の明朝が覇権国家だった。スペインと明では明の方が強大だった。
当時、明は世界最大の覇権国家だった。豊臣秀吉が朝鮮出兵で明に喧嘩を売ろうとしたのもこの頃である。そしてオランダはまだスペイン帝国の一部だった。

その時スペインは現在ではオランダと呼ばれている小さな領土を支配していたが、1581年に力をつけたオランダがスペインに反旗を翻す(訳注:オランダ独立戦争)と、オランダはスペインと中国を追い越して1625年から1780年まで世界最大の国であり続けた。

スペイン帝国の極一部に過ぎなかったオランダは何故そこまで成功出来たのだろうか。ダリオ氏は次のように分析する。

オランダ人は非常に優れた教育を受けていた人々で、発明に長けていた。実際に17世紀の主要な発明品の25%は当時最盛期のオランダ人によるものである。オランダ人の生んだ発明のうち重要なものは、まず世界を周ることのできる優れた船舶で、ヨーロッパ内での戦争で身につけた軍事力を使って世界中から富を集めることができた。そしてもう一つの発明はその動力となった資本主義である。

「軍事力を使って世界中から富を集めることができた」とさらっと書いているが要するに強盗である。資本主義の方は、なかなか興味深いダリオ氏の議論に繋がってゆく。


資本主義とは何か


また、このオランダの例でダリオ氏は資本主義の本質に触れている。ダリオ氏はこう主張している。

オランダ人は資本主義的なやり方で資源を分配しただけではない。そもそもオランダ人が資本主義を発明した。

これはどういう意味だろうか? ダリオ氏はこう続ける。

資本主義とはわたしの意見では公共の債券および株式の市場のことである。もちろん生産活動はそれより前にも存在したが、それは資本主義ではない。貿易も存在したが、それは資本主義ではない。個人の所有権も存在したが、それは資本主義ではない。資本主義とは、わたしの意見では大勢の人々が共同してお金を貸し、営業活動の所有権を買うことのできる仕組みのことである。

オランダ人は公共の場で株式を取引できる世界初の株式会社、つまりオランダ東インド会社を作り、世界初の株式市場を作り、世界初の効率的に借金のできる金融システムを作ったとき、資本主義を発明したのである。
特にオランダ東インド会社は重要である。オランダ東インド会社とは反旗を翻した相手のスペインに海洋貿易(と侵略行為)で対抗するため1602年に複数の商社を纏めてオランダが作った世界初の株式会社である。

株式会社とは今では誰でも知っているように、新しい事業を始めたい起業家に事業を始めるお金がない場合、投資家が出資をして事業を可能にする仕組みのことだが、株式会社が存在する前までは事業アイデアと資金の両方が事業家本人になければ事業は難しかったのである。

この革新的なアイデアは当然ながらオランダのGDPを爆発的に増加させた。株式がなければ不可能だった多くの事業が可能になったからである。ダリオ氏の言いたいのは、オランダやイギリスやアメリカが覇権国家になるためには、そうした革新がなければならなかったということである。その点でオランダの株式市場の発明はイギリスの産業革命にも劣らない業績だろう。


世界初の基軸通貨

また、オランダが世界で初めて船を使って大規模な侵略行為を行なったことは「基軸通貨」というおまけも生んだ。ダリオ氏はこう説明している。

オランダの通貨ギルダーは金と銀を除けば世界初の基軸通貨である。オランダは世界の大部分を支配した最初の帝国であり、自国の通貨を広く流通させることができた。
基軸通貨の威力は現在の投資家が一番痛感している部分かもしれない。何故ならば、アメリカが無制限の量的緩和を行なってもドルがそれほど下落しないのは、ドルが世界中で使われている基軸通貨だからである。

また、オランダが支配した金融市場は為替相場だけではない。ダリオ氏はこう続ける。

金融市場に関する無数の発明とオランダ自身の経済的成功によってアムステルダムは多くの投資家を集める世界最大の金融センターとなった。オランダ政府は集まった資金を様々な事業の債券と株式を賄うために利用した。最大の例はオランダ東インド会社である。
まさに現在アメリカが世界の金融市場の中心となっているのと同じであり、その現象が17世紀のオランダには既に存在したのである。


オランダ帝国の最期

しかしダリオ氏が言うように、どのような覇権国家にも終わりが訪れる。

覇権国家の最期として典型的なのは、まずオランダが徐々に負債を抱えていったこと、貧富の差や政治的派閥対立など内部で利害対立が発生したこと、そして軍事力が弱まっていったことである。

そして二番手のイギリスの国力は増していた。当初、イギリスはオランダと軍事協定を結んでいたが、海洋貿易での利害対立が続き、イギリスの力が強大になったことが明白となってくると、ターニングポイントが訪れる。ダリオ氏はこの状況を現在の米中の状況に重ねて見ているのだろう。

イギリスはオランダを攻撃した。そしてフランスなどの他国も海洋貿易の主導権をオランダから奪う好機と見なした。第4次英蘭戦争として知られるこの戦争は1780年から1784年まで続いた。イギリスは経済的にも軍事的にも勝利した。オランダはこの敗北によって破産し、オランダの通貨ギルダーはオランダ帝国とともに崩壊した。

オランダ帝国の物語はここまでである。しかしダリオ氏は面白い付録を続けて書いている。オランダ東インド会社はオランダ帝国によって認められた特権で商売をしていたため、この戦争で途方もないダメージを負ったのだが、オランダ東インド会社がオランダ経済にとってあまりに重要だったためにアムステルダム銀行はこれを潰すことができず、ギルダーを新たに印刷することでこの会社を救おうとしたのである。まさに今の量的緩和と同じである。

量的緩和はオランダ東インド会社を救うことができたのだろうか? 記事が長くなったので、この面白い話は次の記事ということにしよう。楽しみにしていてもらいたい。この話題に関する一般論は、以下の記事で読むことができる。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10891    

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コメント
1. 中川隆[-12626] koaQ7Jey 2020年5月23日 11:22:23 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[16] 報告

世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな2020年4月29日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10473

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログを引き続き更新している。

新型コロナウィルスの世界的流行で世界中の中央銀行が紙幣を印刷し国債を買い入れ、政府は国民に現金を配り始めているが、ダリオ氏は政府を信頼してはならないと主張する。

貨幣を印刷する特権

ダリオ氏は次のように始めている。


歴史を見れば明らかだが、政府が経済的に国民を守ってくれると信頼してはならない。実際は逆であり、ほとんどの政府はあなたが同じ立場だったらそうするであろう同じ理由で、貨幣と債務の創造者かつ使用者としての特権を乱用するだろう。それは政治家は国家の長い生涯の一部分だけを担当し、その時の状況に応じてやりたいことをやるからであり、誰も最後まで責任を持つ人間がいないからである。

政府は現在債務を増やすことによって国民に現金を配ろうとしている。しかし政府債務はもう何十年もの間増え続けてきた。ダリオ氏はこの現象、つまり債務の膨張サイクルの初期の頃の話から始める。


債務の膨張サイクルの初期の段階では政府はまだ信頼されており、誰よりも資金を必要としていると思われているため、政府は誰よりも大きな借り手である。

サイクルが進んで後任の指導者たちが債務が膨張した政府を運営することになるときには、政治家や中央銀行家たちはより限られた景気刺激策で債務を返済してゆく難題に取り組まなければならず、更に悪いことに政府は破綻すれば経済全体を傷つけるような債務者を救済しなければならないことになる(訳注:2008年の銀行救済など)。

結果として政府は他のどのような個人や企業よりも大きな負債を作り上げることになる。

この文章を読んで思うのは、政府が債務を膨張させない段階など存在するのかということである。ダリオ氏はこう続ける。


言い換えれば、基本的にすべての状況において政府は債務の膨張に貢献し、債務バブルが弾ける時には紙幣を印刷しその価値を薄めることで対応する。

しかし債務を増やし紙幣を印刷することですべての問題が解決し、しかも何の問題も起こらないならばそれで良いのではないか? その結末はどうなるのだろうか。ダリオ氏は次のように続ける。


政府が大量の紙幣を刷り債券を買い入れることで貨幣と債務の両方が膨張するとき、貨幣と債券の価値は薄まってゆき、それは債務者の負担を減らすと同時に債権者にとっては実質的な税金となるだろう。貨幣と債券の保有者がそれに気づいたとき、彼らはそれを売り始める。

彼らは同時に資産をゴールドや一部の株式、債務問題の少ない別の国などに移そうとするだろう。

この部分は筆者のユーロ下落予想(そしてスイスフラン買い)の本質が述べられている。もはやヨーロッパは自国通貨を毀損せずに成長を維持することができなくなっているからである。

•新型コロナによる世界恐慌でユーロが下落する理由

また、ゴールドへの資産逃避は既に起きている。以下は金相場のチャートである。

こうして貨幣の価値が薄まってゆく。ダリオ氏が年始から「現金はゴミだ」と言い続けている理由がここにある。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

そしてダリオ氏の話はここで終わらない。現金がゴミになった後の話まで今回は話している。


貨幣の価値減少が激しくなり債務のデフォルトや減価が横行するようになると、政府はやむを得ず金本位制のような何らかの保証ある通貨体制に戻ることを考え始める。そうすることで人々の通貨への信頼は戻り、人々はその通貨で再び資産を貯蔵し借金をやり取りするようになる。

これは現在われわれが財布に入れている通貨が完全にゴミになった後に新しい通貨が作られるという話である。

結論

ダリオ氏はこの状況について次のように感想を述べている。


これは望ましくない状況だが、何故そうなってしまうかは理解できる。貨幣を作り出してそれをばらまくことによって他人を幸せにできるとき、そうしたいという欲求に抗うことは容易ではない。

ばらまけば自分にも金銭的利益が返ってくる時には尚更だろう。しかしヘリコプターマネーを歓迎する善良な市民が気づいていないのは、それは実際には自分の財布から出ているということである。毎年数十万、数百万もの税金を取り上げてもそこから10万円返すだけで喜ぶ人々を喜ばせることは非常に容易である。彼らは容易に詐欺に遭うだろう。


これは古典的な金融行動である。歴史を通して政治家は自分の任期に返済期限の来ない負債を作り上げ、後のことは後任の人々に任せるのである。

個人的にはヨーロッパを「現金はゴミ」現象の先駆者であると見ている。イタリアなどの国の経済成長は既に債務で支えきれなくなっており、債務を増やし量的緩和を行なってもGDPが落ちるのであれば、もうGDPは落ちるしかない。

•新型コロナによる世界恐慌でユーロが下落する理由

そして日本人が考えなければならないのは、日銀が現在の政策を続けると日本もいずれイタリアのようになるということである。

これは1980年代から40年間金利を下げ続けた付けを払うときがいよいよ来ているということである。

最近よく感じるのは、われわれは1980年から2020年までをバブルにするために2020年から2060年を犠牲にしたということである。そしてそれを引き起こした低金利・量的緩和政策は老人よりも若者に支持されているという。一般化して若者が常に愚かだとは言いたくないが、量的緩和については事実のようである。そして何事においても愚かさの付けだけは他人が払ってくれることはないのである。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10473

2. 中川隆[-12625] koaQ7Jey 2020年5月23日 11:58:27 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[17] 報告

レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る 2020年3月28日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9645


世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が学生の頃にウォール街でインターンをしていた時のことをLinkedInのブログで話している。ダリオ氏はその頃にニクソンショックに遭遇したらしい。


1971年ニクソンショック

ダリオ氏は現在70歳なので、これは50年ほど前の話である。

当時アメリカはまだ金本位制を維持していた。つまり貨幣を金と交換することができた。紙幣とはそもそも金塊を持ち歩くのが大変だという理由で金の代わりに流通する目的で作られたものであり、いわば中央銀行に金を預けているという証明書のようなものだったので、紙幣を中央銀行に持っていけば当然金を返してもらうことができた。

ニクソンショックとはアメリカのニクソン大統領が急にこれを取りやめたという話である。その当時ダリオ氏はウォール街で夏のインターンをしていたらしい。彼は次のように語っている。

1971年8月15日の夜、ニクソン大統領はドル紙幣と金を交換するという約束を取り消すと発表した。これによってドルは急落した。ニクソン氏の話すのを聞いている内にアメリカ政府がデフォルトし、いわゆる「お金」としてわれわれが知っていたものが存在しなくなったのだと悟った。

当時、アメリカはベトナム戦争の戦費などがかさみ、財政赤字が拡大していた。戦後のアメリカは本土が戦地にならなかったこともありヨーロッパ諸国への経済支援なども行う立場だったが、1960年代後半にはアメリカ経済も疲弊し始めていた。当時のアメリカの経済成長率のチャートは次の通りである。


1970年には景気後退となっている。

アメリカ政府にはお金がなかった。それで預かっていたはずの金を返せなくなった。返せなくなったので、返さないということにしたわけである。ダリオ氏はこう続ける。

これは良いことであるはずがない、とわたしは思った。だから月曜の朝、株が暴落して地獄絵図になっていると予想しながらニューヨーク証券取引所のトレーディングフロアに入っていった。株は下落する代わりに4%上昇していた。わたしはショックを受けた。それは通貨の切り下げというものをそれまで見たことがなかったからだ。

学生だったダリオ氏が見逃していたのは、貨幣の価値が下がるということはものの値段が上がるということだということである。1,000円で買えていたものが2,000円出さなければ買えなくなる。1円の価値が下がったからである。


「現金はゴミ」発言の真意

ダリオ氏が何故この話を今持ち出したかと言えば、ここにはダリオ氏が年始に言った「現金はゴミ」発言の真意がある。

・「現金はゴミ」発言のレイ・ダリオ氏、リスクオフできず新型コロナ株安で20%損失


紙幣とはもともと金を預けている預かり証のようなものだった。だから紙幣には価値があり、人々はそれを使って買い物をすることができた。しかしニクソンショックによってドル紙幣は正真正銘の紙切れとなった。誰も気付いていないが、それには何の価値もない。政府側の人々は紙幣には「政府の保証」があると口々に言うが、「政府の保証」とは中央銀行が株価を上げるために紙幣を次々に印刷することだろうか。それは価値を下げているのであって上げているのではなく、何の保証にもなっていない。

もう少し分かりやすくするために現代風に言い換えて例え話をするとこういうことになる。

あなたはA君に100万円を貸し出した。A君は借用書を書いてあなたに渡し、将来100万円を返すと約束した。ところがある日突然A君がやってきて、100万円は返さないことにしたと言って去っていった。

借用書はまだ手元にあるが、これを持っていても100万円は返ってこないらしい。あなたはA君に対して憤るのも良いだろうし、裕福ならば100万円のことは忘れてしまうのも良いかもしれない。しかし無意味になった借用書を後生大事に持ち続けるという選択肢はない。それを持っていても何も返って来ないからである。しかし実際には世界中の大半の人がその無意味になった借用書を後生大事に持ち続けており、そのおかしさに誰も気付いていない。それが紙幣というものの現実なのである。


現金はゴミ

ビットコインを否定しながら財布に紙幣を入れている人がいるが、ビットコインよりも紙幣の方が信頼できるというのは完全なまやかしである。どちらも何の保証もないという点で一致している。どちらも同じものなのである。

ビットコインがバブルならば、紙幣は人類史上最大のバブルである。チューリップは鑑賞できるが紙幣は鑑賞できない。本当に何の価値もないのである。ただ、トイレットペーパーがなくなった時には役に立つかもしれない。

ダリオ氏が言いたいのは、この紙幣バブルの行方、つまり量的緩和バブルの行方はただでは済まないということである。政治家が支持率を上げるために紙幣を刷りまくったつけが全人類に降り掛かってくる。

しかし一部の経済学者が言うように、先進国の量的緩和の結果がインフレとは限らない。むしろデフレと経済恐慌がその結末であるのかもしれない。ドラッケンミラー氏の言っているのはそういうことである。

・ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

さて、この話の一番の落ちは市民は政府にいつの間にか金塊を盗み取られているということなのだが、それに気付いた読者はどれだけ居るだろうか?

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9645

3. 中川隆[-12623] koaQ7Jey 2020年5月23日 14:16:45 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[19] 報告

世界最大のヘッジファンド: 現金はゴミ、別のものに投資を2020年1月22日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8671

毎年恒例のことだが、現在スイスでは世界経済フォーラム(通称ダボス会議)が行われている。例年通り世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が相場観を表明しているので紹介したい。

2020年の株式相場は今のところ力強いトレンドになっている。このことについてダリオ氏は次のように述べている。


誰もが乗り遅れたため、誰もが乗ろうとしている。

現金はゴミだ。現金から離れるべきだ。いまだ多くの資金が現金のままになっている。

2018年の世界同時株安を受けてアメリカの中央銀行が金融引き締めから金融緩和への大転換を行って以来、特にアメリカの株式市場は怒涛の勢いで上昇してきた。「列車に乗り遅れた」と感じているヘッジファンドマネージャーも多く、ダリオ氏は同業者のそういう雰囲気を表現したのだろう。

しかしここの読者は「現金はゴミ」というフレーズにデジャヴを感じるのではないか。2018年の同じくダボス会議におけるダリオ氏のコメントである。

•世界最大のヘッジファンドの2018年株式市場上昇予想「現金保有は馬鹿を見る」

ちなみにこの時、ダリオ氏の発言の直後に株式市場は急落することになり、ダリオ氏は相場観の撤回を余儀なくされた。

•世界最大のヘッジファンド、株高予想を撤回、世界同時株安は数日では終わらない

この失敗が記憶に新しい状況で「現金はゴミ」発言をするのは勇気あることだが、今回は前回のようにはならないだろうか。前回との大きな違いは、前回は中央銀行が金融引き締めを行っていた一方で、今回はそれが既に撤回されているということである。

一方で、仮に列車に乗るとしてもいつ降りるのかということが問題になる。ダリオ氏は次のように述べている。


列車から降りるとは言うが、降りて何処に行くかが問題だ。現金を逃避先に選ぶことはできない。現金はゴミだ。中央銀行が紙幣をいくらでも印刷している。

列車から降りるときにも現金を選んではならないという。ダリオ氏は量的緩和による貨幣価値の暴落、つまりハイパーインフレを懸念しているのだろうか。そして現金、つまり預金のもう1つの問題はマイナス金利である。ダリオ氏は次の景気後退時にアメリカでもマイナス金利になる可能性を指摘している。その時現金や預金、短期の債券の価値はどうなるだろうか? ダリオ氏は次のように言う。


われわれは債券を保有していて、そして金利がマイナスになる。それはいつまで続けられるだろうか? 次の5年はどういうものになるだろう。負債も増えることになる。負債が増えれば債券が増える。

しかしその債券はマイナス金利であり、保有すれば保有するほど資産が目減りしてゆく。


しかしそんな債券をどうして保有したいだろうか? わたしが間違っているのかもしれない。しかしどういう状況であればそんなものを保有することが理にかなうのか教えてほしい。

そうなれば資金の流れは現金から逃げてゆくとダリオ氏は主張したいのだろう。ではどうすれば良いか? ダリオ氏は次のように推奨する。


世界中に分散すること、バランスの取れたポートフォリオにすること、一定量のゴールドを保有することだ。

わたしが強調したいのは少しのゴールド保有がポートフォリオに多様性を与えるということだ。こういうことを喋るとまたメディアが「レイ・ダリオはゴールドに強気」とでも書き始める。でも現金はゴミなんだ。

ダリオ氏は現金(つまりは短期国債とほぼ同じものである)がよほど嫌いらしい。

しかし量的緩和でハイパーインフレは起こるだろうか? 
筆者が予想する量的緩和バブルの終わりはハイパーインフレではなくデフレと不況である。

例えばリーマンショックでも国債から資金は逃避せず、長期国債は上昇した。

•リーマンショックで急落した金価格、上昇した米国債

しかしダリオ氏がインタビュー中しきりに次の景気後退がどのようになるかを議論しようとしていたように、次のバブル崩壊がどのようになるのかを考えておくことは重要だろう。中央銀行が作り上げた量的緩和バブルの結末はどうなるのだろうか? リーマンショックとはまた違った何かになるだろうということは、ダリオ氏も筆者も合意するところである。

•世界最大のヘッジファンド、量的緩和バブルの限界と金価格上昇を予想


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8671

4. 中川隆[-12622] koaQ7Jey 2020年5月23日 14:36:14 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[20] 報告

ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶2017年12月17日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103


ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを率い、1992年のポンド危機においてポンド空売りで大儲けしたことで有名な投資家スタンレー・ドラッケンミラー氏が面白いことを言っている。デフレ脱却のために行なっているはずの金融緩和こそがデフレの原因だと言うのである。多くの現代人にとって逆説的に聞こえるこの主張だが、その理由を聞いて筆者は納得してしまった。リフレ論者も緊縮派の人々も耳を傾ける価値のある論理なので、ここに紹介したい。

デフレはどうして起こったか

以下はCNBCによるインタビュー(その1、その2)におけるドラッケンミラー氏の発言である。彼はこのように切り出している。


デフレを作り出そうと思えば、資産バブルを作り出せばいい。もしわたしが金融の世界の「ダースベーダー」で、デフレを生み出して経済を停滞させるような酷いことをしようと思ったとすれば、中央銀行が今まさにやっていることを実行するだろう。

繰り返しになるが、これは多くの現代人にとって逆説的に聞こえるだろう。中央銀行は停滞した経済を支えデフレから脱却するためにゼロ金利政策や量的緩和などの金融緩和を行なってきたはずだからである。しかしドラッケンミラー氏によればそれは逆で、中央銀行の金融緩和こそがデフレの原因だと彼は主張しているのである。

それはどういうことか? ドラッケンミラー氏は以下のように説明する。


ゼロ金利政策の結果は重大である。金融緩和は市場を歪め、その結果わたしが「経済資源の誤配置」と呼ぶものが生じてしまった。

すべての資産価格が一方的に上がるだけになれば、市場原理に大きな歪みが生まれてしまう。そしてそのすべては「2%のインフレターゲット」の名の下に行われる。そしてその結果、資金が価値のないプロジェクトへと振り分けられる「資源の誤配置」が発生し、それは長期的には成長を大きく阻害してしまう。

お分かりだろうか? もう少しわかり易く説明するために、ドラッケンミラー氏は例を挙げている。


例を挙げよう。先週、シュタインホフという会社が不正会計でニュースに出た。南アフリカの会社で、幸いにもわたしは事前に空売りを行うことが出来た。この会社は詐欺だという噂があったからだ。

この会社は詐欺だったが、多くの資金を借り入れることでアメリカの著名マットレスメーカーなどを買収している。しかし、どうしてこのような会社が買収資金を借り入れによって用意出来たのか? それはまさに、ECB(欧州中央銀行)がシュタインホフの社債を量的緩和の一貫として購入していたからだ。金融業界の半分はこの会社が詐欺でいずれ倒産すると知っていたのにだ。

そして不正会計が明るみに出て、シュタインホフの株式と社債が暴落した後、ドラギ総裁はこう言った。「心配する必要はない、ECBはポートフォリオ全体では利益を出している」。

しかし論点はECBが損失を出したかどうかではない。本当の問題は、何故彼らがこんな詐欺のような企業やその他のゾンビ企業を生かしておくのかということだ。それはまさに日本が20年間も続けたことだ。そしてそれは長期的な成長を阻害する。シュタインホフのような企業は資金の借り入れによって生きながらえるべきではなく、破綻させてしまうべきなのだ。

読者はどう思われただろうか? 近代の世界経済の歴史を知っている人間がこの話を聞いて思い出すのは、共産主義の失敗である。共産主義は価値のある労働にも価値のない労働にも等しい報酬を与えたことによって失敗した。

そして今、中央銀行の主導する資本主義経済は、皮肉なことに価値のあるプロジェクトにも価値のないプロジェクトにも等しく生きる権利を与えている。その結果は、限られた労働資源と天然資源を浪費して、消費者にとって不必要なものを大量に作ることとなるだろう。それで経済成長が阻害されないということが有り得るだろうか?

結論

ここで読者に思い出してほしいのは、金融緩和によって金利を下げ、失業がなくなるほどに企業が生産能力を上げても消費が増えない現状である。消費が増えないから売上も増えず、結果として賃金も上がらない。

これはまさに、資金は中央銀行がいくらでも供給してくれているから企業は労働者を雇用して生産能力は増やすが、一方で消費者が望むようなものが生産されていないために出来上がった商品が売れていないということではないのか? これはまさに、ドラッケンミラー氏が言う「金融緩和が生んだ資源の誤配置」ではないのだろうか?

これらすべては、「インフレは善」という考えから始まったものである。しかし、物価が高いことがそもそもどうしてプラスに解釈されるのだろうか? 良いものが安価で手に入ることは良いことではないのか?

ドラッケンミラー氏は、こうした状況の原因となった中央銀行のインフレターゲットについてこう語っている。


2%のインフレターゲットは、経済学の教授たちが作り上げた宗教のようなものになってしまった。

つまり、ドラッケンミラー氏はインフレターゲットの必要性など根拠のないものだと言っているのである。この考えが正しいとすると、以下の記事で指摘したものも含めて、残念ながら安倍政権の政策にマクロ経済学的に正しいものは一つもなくなってしまう。消費増税ではなく消費税撤廃が必要であり、公共事業より減税が必要であり、そしてデフレは善ということになるからである。

•日本経済はこうすれば復活する: 自民党が絶対に実行しない経済政策

リフレ派の方々も、緊縮派の方々も、今一度インフレの本当の意味を考えてみるべきではないか。これはわたしが日々世界の金融市場をトレードしていても感じることだが、現代のいわゆる「主流派」のマクロ経済学の理論は、もしかしたら完全に間違っているかもしれないのである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103

5. 中川隆[-12621] koaQ7Jey 2020年5月23日 14:39:43 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[21] 報告

ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判2020年3月29日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9681

新型コロナ相場の空売りで大儲けした債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏がTwitterで新型コロナウィルス肺炎に対する政府の経済対策を痛烈批判している。彼ならばそう言うだろうと思っていたが、やはりそのようである。

新型コロナで企業救済

アメリカでも日本でも金がないはずの政府が経済対策を行おうとしている。あらゆる業界がここぞとばかりにうちも救済してくれと言っている。ガンドラック氏はこう言っている。


政府による企業救済とヘリコプターマネーを求める声がうるさいほどである。でも政府は文無しだ! まったくの文無しだ。

一番典型的なのは航空会社だろう。新型コロナウィルスの影響で飛行機が飛べなくなっているからである。しかしガンドラック氏はこういう状況に耐えられるよう資金を貯めておかなかった航空会社を批判している。


航空会社が500億ドルの救済を求めている。しかし航空会社はここ10年で455億ドルの自社株買いを行なってきた。実質彼らは自分の買った株を10%利益を足して政府に買ってくれと言っているようなものだ。

以下の記事で分析をしたように、実際に航空会社の財務諸表を見てみると同情の余地のない経営をしていたところもある。それを救済することが正当化できるのかということである。

•新型コロナで株価暴落のアメリカの航空会社たち

また、救済を求める声は航空業界だけに留まらない。ガンドラック氏は次のようにコメントしている。


映画館の運営者たちが政府による救済を求めている?! マジで!?!? 次は株式ETFの保有者たちが2月19日(訳注:米国株下落前)の株価でETFを買ってくれと政府に頼むだろう。

日本でも和牛券を出すという話が政治家から出ている。ばら撒きたい側とばら撒かれたい側の利害が常に一致するのが政治である。ガンドラック氏のようにヘッジファンドマネージャーにこうした姿勢を批判する人々が多いのは、彼らが利権によらずに実力で金を儲けてきた人々だからである。実力で金を儲けられない人々だけが利権にすがる。しかしそういう人だけが政界の周りに行くので、政治とは常にそういうものである。


政府による救済を一切行わないことを強く推奨する。強欲と経営の失敗を助けることになるだけだ。

ヘリコプターマネー

また、経済学的観点からのコメントもある。

アメリカと日本などで国民に対する現金給付が議論されているが、ガンドラック氏はこれにも反対のようだ。彼は次のように述べている。


理論上、借金漬けの消費者にヘリコプターマネーを行なっても借金返済に使うだけだ。返済を猶予するまでは。それも起こりつつある。借金漬けの政府が借金漬けの消費者を救済し、その金が借金漬けの企業を救う瞬間。

2008年のリーマンショックの辺りから世の中は政府による救済措置に遠慮がなくなったように思える。そして政府の借金は魔法の杖ではないということが完全に忘れ去られている。それにはコストが伴うのである。

そのコストは既に表れている。第一に今回株価の下落幅がこれほど大きいものになったのは、元々株価が異常な高さまで持ち上げられていたからである。そして第二に金融政策の効果が完全に薄くなっている。金利がこれ以上下がらないからである。

•新型コロナ株安、長期金利の動向を2018年世界同時株安と比較する
•サマーズ氏: 利下げは新型肺炎相場には効かない、中央銀行は弾切れの危機に

そのためにこれまで万能のように思えた量的緩和が下落相場に効いていない。市場は中央銀行が株価を操作する前の状況に戻っている。市場は市場の行きたい場所に行くということである。

今回の新型コロナ相場では、市場の行きたい場所というのは感染者数の増加(株安)と減少(株高)だろうということを以下の記事で説明した。

•新型コロナ株安動向予想: 流行減速で株式市場は上昇する

ちなみにガンドラック氏もそう予想している。

•ガンドラック氏: 株式市場は当然反発する

今回の株安は市場の行きたいところが底なしの下落ではないために救われるだろう。しかし問題は次の下落相場が下落が下落を呼ぶような不可逆のトレンドであった場合である。その時に金融政策が効かなければ、1980年以来の低金利政策によるバブルのつけが一気に市場と経済に回ってくることになる。以下はアメリカ長期金利のチャートである。

もう一度言うが、借金にはコストがあるのである。人類はそれを遠からず身をもって知ることになるだろう。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9681

6. 中川隆[-12620] koaQ7Jey 2020年5月23日 14:42:02 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[22] 報告

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる2020年5月17日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831


新型コロナウィルスによる景気後退が迫るなか、世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏がCNNへの寄稿記事で共産主義化する社会に懸念を示している。

新型コロナで増大する政府のプレゼンス

新型コロナによるロックダウンで経済活動が停滞し多くの人が失業しているため、日本やアメリカなどの国では政府が国民に現金を給付するヘリコプターマネー政策などの景気刺激策を取っており、またインフラ投資などの公共事業も議論されている。

しかしそれは同時に、これまでは他人の役に立つものを作っていた人が報酬を受け取っていた時代から、政府に選ばれた人が収入を得る時代へのシフトを意味している。ダリオ氏は次のように述べている。


世界中で人々や企業が収入と貯蓄を失っており、中央銀行と政府は資金を注入してそれを補おうとしている。これはつまり自由市場がもはや資本の配分を決定しているのではなく、政府がそれを決めているということを意味する。

その規模はアメリカでは数兆ドルに及んでおり、また日本でもマスクの配布が不要だったのではないかという話や、そもそもマスクの製造会社はどのように選ばれたのかという議論がなされている。これらの企業は政府によって税金の配布先として選ばれたのである。

ダリオ氏は次のように続ける。


政府と中央銀行は何兆ドルもの資金と信用を作り出し、それを受け取りたい人に受け取らせている。この状況が続けばすぐに、これらの資金は誰が出すべきでそれを誰が受け取るべきかという議論を呼ぶか、より悪い場合には争いに発展するだろう。

政府から景気対策として和牛券の発行を提案したときに反対の声が上がったのが典型的だろう。自分の都合で資金を振り分けたい政治家とそれに反対する国民の争いが今後大きくなるとダリオ氏は予想しているのである。

資本主義という名の共産主義

それでなくとも先進国の低成長は政府が債務を膨張させて非効率な事業を生み出し続けたことで生まれてきたのである。公共事業は誰も使わない箱物を生み出し、低金利政策は誰も使わない商品やサービスを作る三流企業を借金で延命させることを許した。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

そもそも人々はデフレということの意味を考えてみる必要があるだろう。作ったものを誰も買っていないということがデフレの意味なのである。デフレとは需要に対して供給が過多であること意味しているからである。無駄なものが作られ続けているのである。

これはまさに共産主義の問題と同じである。政府が誰々はこれを作るようにと指示を出して経済を回そうとしたソビエト連邦と中国の経済は悲惨なことになった。日本やアメリカの人々は新型コロナで経済が窮地にある今をわざわざ選び、かつてのソ連や中国と同じ経済実験をやろうとしているのである。

「利益」とは何か

そうした政策が選ばれる中、ダリオ氏は資本主義の基本を冷静に説明する。


「利益を出す」ということがどういうことかを考えれば、資本主義は特に資源の配分や社会の生産性と生活水準の向上に向いたシステムであると言える。

相変わらず分かりやすいダリオ氏の説明は続く。


話は非常に単純である。製品の価値がそれを生産するために使った資源の価値よりも高いとき、その差が「利益」となり、利益を生む生産活動はより多くの資源を集めることができる。

もし製品の価値がそれを生産するために使った資源の価値よりも低いとき、そうした生産活動は行き詰まり倒産することになる。

このシステムは人々が欲しいと思う製品を作る個人に報酬を与え、その能力のある人はその事業アイデアを評価し資金を出すリスクを負っても良いと判断した投資家から事業のための資金を受け取ることができる。

倒産は必要である。しかしリーマンショック以来、多くの国がそれを拒み続けてきた。その結果が現在の低成長であり、そこにコロナ危機が来て経済は危機に瀕している。にもかかわらず多くの政治家は同じ過ちを繰り返そうとし、それが多くの人々に支持されている。

しかしはっきり言わなければならないが、世界経済は新型コロナのために危機的状況に陥っており、どの国の経済にもそのようなことをしている余裕などないのである。

•新型コロナ、米国経済の景気後退はリーマンショックの倍以上か、第1四半期GDP速報

無駄に資源を浪費するだけのゾンビ企業は潰し、社会は限られた資源を本当に人々が使うものを生産する事業だけに振り分け、ロックダウンで失われた莫大な経済活動を取り戻して行かなければならないのだが、実際には無駄を助長する政策が行われ、経済は票が欲しい政治家とそれを支持する短絡的な人々が支配している。

結論

経済を理解している人々は皆、公共事業や量的緩和で経済は救えないということを理解している。多くの著名投資家が警告を発してきたが、誰も聞かなかった。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判
•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

ダリオ氏は、紙幣を無制限に印刷する量的緩和が経済を救うかどうかについてはシンプルな意見を表明している。


われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

しかし多くの人々にはこのダリオ氏の言葉は難解過ぎるようである。

飢餓者が出るかもしれないが、経済は沈むしかないのだろう。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831

7. 中川隆[-12619] koaQ7Jey 2020年5月23日 16:28:09 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[23] 報告

ドラッケンミラー氏: 量的緩和はコロナから株式市場を救えない、株のリスク・リワード比は過去最悪2020年5月13日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10768

ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを長年率いた著名投資家スタンレー・ドラッケンミラー氏がニューヨーク経済クラブのWebcastでコロナ相場に関する意見を表明している。

株価は割高か

新型コロナウィルスの世界的流行で株価は2月から3月にかけて暴落したが、その後力強く反発している。米国株のチャートは次のようになっている。

3月末以降の上昇相場についてドラッケンミラーはシンプルな相場観を表明している。


株式のリスクとリワードの比率は恐らくわたしのキャリアで見た中で最悪だ。

ドラッケンミラー氏のキャリアは長い。クォンタム・ファンドに移る直前には1987年のブラックマンデーを経験し、その後2001年のドットコムバブル崩壊までクォンタム・ファンドを率いている。勿論彼のキャリアには2008年のリーマンショックも含まれている。その彼の長いキャリアの中で株式相場は今が一番割高になっていると彼は言っている。


わたしの分析が間違っていることを願ってはいるが、端的に言ってV字回復は幻想だ。

薬があるからという理由で人々がウィルスに対する行動を変えるとは思えない。

量的緩和と経済対策は市場を救うか

確かに新型コロナの影響は甚大である。しかしトランプ政権は数兆ドルの経済支援を表明し、Fed(連邦準備制度)は無制限の量的緩和を行なっている。それは株価を支えられないのだろうか? ドラッケンミラー氏は次のように続ける。


市場のコンセンサスは「心配ない、Fedが助けてくれる」というものらしい。この考えには一つだけ問題がある。わたしの計算によればそれは事実ではないということだ。

彼の発言はいつも清々しいほどシンプルである。また、理由については以下のように続けている。


トレーダーたちは市場には膨大な流動性が流れ込んでおり、経済刺激プログラムはアメリカの直面している問題を解決できるほど大規模だと思っているようだが、新型コロナウィルスによる影響は長引きそうであり、その間にたくさんの企業が倒産するだろう。

1人当たり1,200ドルのヘリコプターマネーなどを含むトランプ政権の経済支援についても同じように切り捨てている。


これは基本的に2つのものの組み合わせだ。労働者に仕事に行かないようにさせるための現金給付、そしてゾンビ企業を生きながらえさせるための大量の資金だ。

著名投資家の間で金融緩和とヘリコプターマネーの評判は極めて悪い。レイ・ダリオ氏やジェフリー・ガンドラック氏、クォンタム・ファンドにおけるドラッケンミラー氏の先輩にあたるジム・ロジャーズ氏なども同じ意見を表明している。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判
•ジム・ロジャーズ氏: 政治家は11月の選挙を気にしているが、国民のことは気にしていない

中でもドラッケンミラー氏は昔から量的緩和に批判的である。今回の経済対策が株価を救うかどうかは注入された資金が企業利益の押し上げに繋がるかどうかにかかっている。しかしドラッケンミラー氏の意見では、トランプ政権による大量の資金は利益を生まないゾンビ企業に吸い込まれてゆく。それでこれまでと同じように、注入された資金の量の割には実体経済が成長しない世界が持続してゆくのである。ドラッケンミラー氏の金融緩和への批判は以下の記事で詳しく説明している。
•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

新型コロナウィルスによってその状況が極まったと言うべきなのだろう。経済は助からない。紙幣を刷っても失われた経済活動は返ってこないからである。

•世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10768

8. 中川隆[-12618] koaQ7Jey 2020年5月23日 17:28:04 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[24] 報告

ジム・ロジャーズ氏: 政治家は11月の選挙を気にしているが、国民のことは気にしていない2020年5月11日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10717

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを創業したジム・ロジャーズ氏がET Marketsのインタビューで現在の株式市場とコロナショックにおける政治について語っている。

新型コロナ相場

新型コロナウィルスの世界的流行で世界経済の大部分がストップしたことで株式市場は3月に急落したが、その後急回復している。以下は米国株のチャートである。

ロジャーズ氏は「株式市場が何も起こらなかったかのように振る舞っているのは何故か」と聞かれて次のように答えている。


何も起こっていないだって? 何を言っているんだ? アメリカは財務省が何兆ドルものお金をばら撒いている。何も起こっていないだって? 日銀の彼は通勤する度に輪転機のボタンを押して出来るだけ早く紙幣を印刷している。世界中ですべての中央銀行や政府が際限なく印刷し、ばら撒き、借金している。市場は当然上昇する。

質問者は「では現実と市場が乖離しているということか」と尋ねる。ロジャーズ氏は次のように答えている。


勿論だ。さっき言った通り、ほとんどすべての国が紙幣を印刷してばら撒いており、その資金は何処かには行かなければならない。だから金融市場に資金が行って、起こるべきことが起こった。余剰資金は金融市場に行くものだ。

ロジャーズ氏はこうした経済対策が実体経済を救わないと考えている。それでもこれらの経済対策が行われているのは何故か? ロジャーズ氏は次のように説明する。


アメリカでは半年後の11月には大統領選挙がある。政治家は皆再選されたがっている。彼らはあなたやわたしや子供たちのことは気にしていない。彼らは11月に再選されるかどうかだけを気にしている。だから当面の間は良いことが起こり続け、株式市場は大丈夫だろう。しかし債務は世界中で限界を越えている。世界中で紙幣が印刷されている。いつか付けを払うことになるだろう。

量的緩和はどういう終わりを迎えるか

こうしたことは長らく起こってきた。量的緩和は基本的に資産価格を上げるだけの政策なので、金融資産を持っている人に対して持っていない人を相対的に不利にするだけの政策である。

それでも量的緩和は人々に支持される。レイ・ダリオ氏はその状況をボードゲームに例えて説明した。

•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする


これはある意味モノポリー(訳注:人生ゲームのようなもの)でプレイヤーのほとんどが文無しになって怒り出したので銀行役の人が現金を配り始める瞬間と同じようなものだ。

紙幣を印刷しても増えるのは紙だけである。物やサービスが降ってくるわけではない。金相場が上がっているのは、金は印刷できないからである。

これまではインフレを引き起こさずに金利を下げられてきた。それで多くの人々は付けを払う瞬間が永遠に来ないかのような錯覚に陥っている。しかし遂にダリオ氏のような投資家が付けを払う瞬間に経済がどうなるかについて真剣に考え始めている。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

今後の株価の動きは実体経済にとって重要になるだろう。新型コロナで実体経済は深刻なダメージを受けている。

•新型コロナ、米国経済の景気後退はリーマンショックの倍以上か、第1四半期GDP速報

これだけのダメージにもかかわらず株価が上がるほどの資金が流れ込んでいる場合、恐らくダリオ氏の言う通りインフレになるだろう。インフレとは紙を印刷できても食品やサービスを印刷できないことを人々が理解する瞬間である。そして財布の中にある紙切れは文字通り紙切れになるのである。

今のところその予兆はないように思える。しかしもっと深く考えてみる必要があるだろう。

•市場はインフレによるドル崩壊を予想していない


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10717

9. 中川隆[-12615] koaQ7Jey 2020年5月23日 18:28:20 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[27] 報告
2020.05.17
COVID-19対策によって経済が麻痺する中、富裕層の資産が増加する米国


 レナウンへ民事再生法を適用するように同社の子会社、レナウンエージェンシーが東京地裁に申請し、5月15日に手続開始の決定を受けたという。業績悪化の加え、新型コロナウイルス(COVID-19)対策の政策によって売上高が激減したとされている。

 COVID-19の感染拡大を口実にして社会を収容所化する政策が推進され、経済活動は麻痺して労働環境は悪化、​アメリカでは3月18日から5月14日にかけて3600万人が職を失った​。ところが同じ期間に10億ドル以上の富豪は資産を3688億ドル増やしている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005160002/

 2008年9月にアメリカの大手投資会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングズが連邦倒産法の適用を申請して世界を震撼させたが、破綻していたのは金融システム全体だった。その問題を処理するためにアメリカ政府は法律を無視、「大きすぎた潰せない」ということで金融機関を救済し、「大きすぎて罪に問えない」ということでその責任者を不問に付したのだ。その結果、腐敗は進み、富の集中が加速した。

 支配層、つまり富裕層はCOVID-19をカネ儲けに利用しようと目論んでいるだろう。富裕層の資産増加はそうしたことを示している。政府や有力メディアが危機感を煽ってきた理由のひとつだ。

 危機感を煽る情報の主要な発信元はワシントン大学のIHME(健康指標評価研究所)やイギリスのMRC GIDA(医学研究委員会グローバル感染症分析センター)。そして3月11日にWHOはパンデミックを宣言、世界的な収容所化の流れが決定的になった。この宣言を受け、3月13日にアメリカ政府は国家緊急事態を宣言する。

 3月11日にはNIAID(国立アレルギー感染症研究所)のアンソニー・ファウチ所長が下院の管理改革委員会でCOVID-19の致死性は季節性インフルエンザの10倍だと発言しているが、このファウチを含む3名の研究者は2月28日に​COVID-19の致死率は1%未満かもしれない​とニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンで発表している。つまり季節性インフルエンザ並みということだ。

 ​本ブログですでに書いたこと​だが、収容所化の一環として、感染者の近くにいることをブルートゥースの技術で察知し、その情報をスマートホンを通じて知らせるシステムが考えられている。そうしたシステムを共同で開発すると4月の上旬に​アップルとグーグル​は発表した。マサチューセッツ工科大学が関係した​PACT​や​TCN連合​のシステムも目的は同じだ。

 そのような追跡システムが構築されたなら、どのような「ウイルス」にも対処できる。支配者が危険だ、目障りだと考えるターゲットは「ウイルス」であり、そうした人びとに「濃厚接触」した人も危険人物だと見なされる。情況によってはロックダウン(監禁)されるかもしれない。予防拘束だ。接触者を追跡するというシステムへの反発は弱めることは有力メディアの重要な仕事になる。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005160002/

10. 中川隆[-12612] koaQ7Jey 2020年5月23日 20:08:40 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[30] 報告

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする2020年5月8日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInでのブログ投稿で量的緩和についてこれまでより雄弁に語っている。

為替相場の終着点

ダリオ氏は現在の為替相場について次のように述べている。


ドル、ユーロ、円は債務の膨張・破裂サイクルの後期にあり、これらの通貨で債券を保有することの実質リターンは低く、新たに大量の債務が作り上げられマネタイズされてゆく。

そしてマネタイズの問題点について次のように説明する。


多くの人々は通貨を永遠に続くものと考えたり現金がもっとも安全な資産の保管場所だと思ったりするが、すべての通貨はいずれ減価するか消滅するのでそれは正しくない。

そしてそうなるときには現金と債券(それは通貨を受け取るという約束である)は減価されるかなくなるだろう。紙幣印刷と債務の減免は債務負担を減らすためのもっとも都合の良い方法だからである。

先進国はほとんどの国が巨額の債務を抱えている。ダリオ氏は債務を減らすためには以下の方法があると説明する。

•緊縮財政(消費を減らすこと)
•債務の不履行または減額
•資金と信用の移転(増税など)
•紙幣印刷と通貨の減価

最後のものは要するに量的緩和である。

ダリオ氏は次のように続ける。


この中で紙幣印刷はもっとも便利で、もっとも誤解されやすく、もっとも行われやすい債務縮小の方法である。

実際、紙幣印刷は債務の急な縮小を和らげ、この金融上の富を供給する代償として誰が富を取り上げられる被害者になるのかが分かりにくい(しかしそれは実際には通貨と債券の保有者全員である)。しかも大抵の場合資産価格が減価された通貨建てで上昇するので人々はリッチになったような気がする。

リッチになったような気がする。良いことではないか。

しかしダリオ氏は次のように続ける。


主要な準備通貨がこのように減価したり準備通貨としてのステータスを失ったりすることはわれわれが想像出来るなかで一番破滅的な経済的イベントである。

量的緩和の終着点

量的緩和と似たようなことは過去にも行われた。そして大抵の場合まともな終わり方をしなかった。ダリオ氏は次のように説明を続ける。


ほとんどの人は通貨の下落リスクに注意を払わない。ほとんどの人が心配するのは自国通貨建てで資産が増えるか減るかであって、自国通貨自体が上がるか下がるかを心配する人はほとんどいない。

1700年にはおよそ750の通貨が存在したが、今残っているものはたった20%であり、残っている通貨はそのすべてが減価している。

ドイツではグルデンやターラーが使われていた。日本には円がなく、小判や両が使われていた。イタリアでは6つの通貨のうちいくつかを使っていた。

それらの通貨の内いくらかはハイパーインフレになったり、敗戦や巨額の戦費で債務の支払いが不可能になったりして通貨が消滅し、別の通貨で置き換えられた。いくらかは別の通貨に統合された(ユーロのように)。ドルやポンドのようにいくらかは現在も残っているが価値は下落している。

ちなみに日本の両はいわゆる小判だったが、円に変わるまでの間に金の含有量が何度も減らされている。円ももともと金貨だったがついに紙切れになった。そして紙切れになっても誰も文句を言わないのである。アメリカでも同じことが起こっている。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

何故それでも量的緩和か

ダリオ氏が挙げた債務の4つの対処法の中でいつの間にか財布の中身をなかったことにされる紙幣印刷は本質的にはもっとも不公平なのだが、面白いことに人類が負債という問題に直面した時には大抵紙幣印刷が選ばれてきたのである。ダリオ氏は次のように述べている。


こうした通貨と信用の創造に誰も文句を言っていないようだ。それどころか、政府が通貨を印刷しなければ政府は残酷だなどと悲鳴が聞こえてきそうである。政府には送り出す金などなく、しかも政府とは金持ちの誰かではなくわたしたち自身であり、それをわたしたちが支払わなければならないということを誰も理解していない。

しかしそれでも量的緩和が終わるということをダリオ氏は予想しない。彼は次のように述べている。


今の状況で政府が予算とバランスを取るために支出を減らし、国民にも同じようにするように求め、不況でもたくさんの債務の不履行や減免をそのままにしたり、あるいはお金を持っている人から直接税金によってお金を持っていない人に再分配しようとしたりした場合のことを想像してみてほしい。紙幣印刷のほうがよほど政治的に受け入れられやすい。

つまり、ダリオ氏はそれが良いから量的緩和が行われるのではなく、良し悪しにかかわらず起こりやすいことが起きると言っているのである。

良いことは起こらない。それは起こりにくいからである。ダリオ氏はこうした量的緩和の状況を以下のように例えている。


これはある意味モノポリー(訳注:人生ゲームのようなもの)でプレイヤーのほとんどが文無しになって怒り出したので銀行役の人が現金を配り始める瞬間と同じようなものだ。

政治とは子供をあやすようなものなのである。しかし政治家はあやす対象から金を十分にせしめて帰ってゆくという点が子育てとは違っている。

政治家が何の責任も取らずに帰った後にはどうなるのだろうか? どれだけ紙幣を刷っても円は下がらないだろうか? しかし同じ先進国であるヨーロッパにはその運命は近づいてきているのである。

•新型コロナによる世界恐慌でヨーロッパ経済壊滅の可能性

そして米国がそうなる前に日本がそうなるだろう。

結論

ダリオ氏を含め、ほとんどの著名投資家は量的緩和について同じことを言っている。例えばコロナショックを予想したガンドラック氏である。

•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

例えばクォンタム・ファンドでポンド危機の際にポンドの空売りをしたドラッケンミラー氏である。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

筆者には彼らの理屈は当たり前のように聞こえるのだが、不思議と理解者は少ない。量的緩和を何も考えずに支持している人々はきっと彼らより深く経済を理解しているのだろう。

物事を理解できる人間は理解できない人間より大幅に少ないので、民主主義は常に間違え続けるしかない。彼らが間違えるのは勝手だが、巻き添えは遠慮をしたいものである。

幸いにも投資家は相場を使って自衛をすることが出来る。まずはユーロが量的緩和の犠牲になるだろう。

•新型コロナによる世界恐慌でユーロが下落する理由


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616

11. 中川隆[-12590] koaQ7Jey 2020年5月26日 14:56:21 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[10] 報告

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨2020年5月23日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInにおけるブログでオランダ海洋帝国の繁栄と衰退について語っている。

•世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由

歴史的な部分は前回取り上げたので、今回はオランダ海洋帝国の通貨ギルダーがどのように世界初の基軸通貨となり、そしてどのように暴落していったのかに焦点を当てたい。

海洋帝国オランダ

ダリオ氏のオランダ海洋帝国とギルダーの説明から入ろう。


オランダはアメリカ新大陸からアジアにまで及ぶ帝国を築き上げた。彼らの作った世界初の主要な株式市場によってアムステルダムは世界でもっとも重要な金融センターになったのである。そしてオランダの通貨ギルダーは世界の国際取引の3分の1を担う世界初の国際的な基軸通貨となった。

オランダ人はたった100万か200万の人口でこれをやり遂げたのである。

前回の記事で説明したが、株式市場と優れた船舶という技術革新がどれほど凄かったかということである。

しかし第1次英蘭戦争、北方戦争、第2次英蘭戦争、仏蘭戦争、第3次英蘭戦争などいくつもの戦争を経験するにつれてオランダ海洋帝国の国力は衰退、1780年の第4次英蘭戦争でイギリスの優位が決定的となる。ダリオ氏は第4次英蘭戦争についてこのように説明している。


この戦争はオランダと当時力を増していたイギリスとの戦争で、オランダがアメリカの独立を支援したことへの報復戦争である。結果はオランダの大敗となり、戦費とその後の平和がオランダの通貨ギルダーが基軸通貨としての地位を失うことに繋がった。

ギルダーの衰退についてもう少し詳しくダリオ氏の説明を見てみよう。


18世紀にはオランダの債務負担は大きくなっていたが、ギルダーはまだ基軸通貨として世界中で使われていた。この時点でギルダーを支えていたのは利便性と信用だけだった。(先に説明したように、基軸通貨の地位は覇権国の他の要素よりも遅れて衰退することが多い。)

既に負債だらけとなっていたオランダがギルダーに対して何の保証もできなかったことは明らかである。それでもギルダーは使われていた。これは既に紙切れになっているドルが未だに「信用」だけで人々に使われていることと同じである。

•世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

しかし日本円もそうだが、金本位制を捨てた後の紙幣は誰も何も保証しないただの紙切れである。「信用」とはこの場合、いかに人々が騙されているかを示しているに過ぎない。それは紙幣をゴールドと交換できた時代の余韻によってまだ使われているだけなのである。

世界初の基軸通貨の最期

さて、そのギルダーもとうとう使われなくなる時代がやってくる。ダリオ氏はこう続ける。


オランダが貿易で競争力を失うにつれて増加する債務の支払いがオランダ経済を圧迫し始めた。海外事業からの収益も減り始めた。オランダの富裕層は資金を海外に移し始め、オランダへの投資から成長率と金利のより高いイギリスへの投資にシフトし始めた。

これもアメリカ人やヨーロッパ人が新興国への投資へシフトしていることに似ている。そして新興国経済とはその大半が中国である。

•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる

ギルダーの終わりのきっかけとなったのはオランダ東インド会社の崩壊である。


一番重要なのは、第4次英蘭戦争が東インド会社の収益力とバランスシートにとどめを刺したことである。東インド会社は既に競争力を失っていたが、イギリスがオランダの海岸とオランダ東インドを封鎖したことで貿易が崩壊すると、それは東インド会社にとって破綻の危機となった。

オランダ東インド会社は第4次英蘭戦争で巨額の損失を計上すると、(訳注:公営の)アムステルダム銀行から巨額の借金を借り始めた。東インド会社がオランダ政府にとってあまりに重要だったからである。

これは現在の状況で言えば株式市場が重要すぎて崩壊させられないので量的緩和で支えるというところだろうか。しかしそれを崩壊させなければ単に別のところで破綻が起きるだけである。それは初めから分かっているにもかかわらず、人々は同じ間違いを何度でも繰り返す。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

しかし個別の歴史には個別の道がある。オランダ海洋帝国の場合はこうだった。ダリオ氏は続けて説明する。


アムステルダム銀行の預金者は銀行が新たに印刷したギルダーをオランダ東インド会社に「貸している」ことに気付くと、アムステルダム銀行で取り付け騒ぎが起きた。投資家が資金を引き出し始め、紙幣よりもゴールドが好まれた。現金を持っている者はアムステルダム銀行でそれをゴールドに交換しようとしたが、十分なゴールドがないことが明らかになった。

「新たに印刷したギルダーでゾンビ企業を生きながらえさせる」と言い換えるとここの読者は聞き覚えがあるのではないか。ドラッケンミラー氏による量的緩和デフレ元凶論である。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

まったく同じことが起きているのだが、誰も歴史から学ばない。状況を理解しているのは著名投資家など極一部の人間だけである。ギルダーの場合はどうなったか? ダリオ氏の説明を最後まで聞いてみよう。


銀行からの逃避とギルダーからの逃避が戦争の最中に加速し、オランダの敗戦が濃厚になると銀行は更に紙幣を印刷しギルダーの価値を薄めなければならなくなると予想された。

ギルダーは貴金属の裏付けがあったが、ギルダーの供給が増加すると状況を理解した投資家たちはギルダーの金と銀への交換を要求した。金と銀へ交換要求は結局アムステルダム銀行の貴金属の貯蔵が空になるまで続いたのである。ギルダーの供給は増え続け、需要は減り続けた。

そうして世界初の基軸通貨となったギルダーは暴落した。量的緩和によって暴落したのである。

結論

新型コロナで経済活動が失われたにもかかわらず、それを新たな経済活動で埋め合わせずに印刷した紙幣をばら撒いて埋め合わせようとしているアメリカや日本の政府を見ていると本当に頭が痛くなる。

•世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる

筆者の見方では、現代の量的緩和バブルの最期は道筋はギルダーと異なったものにはなるだろうが、本質的には同じことが起こるだろう。ちなみにドルにも円に貴金属の裏付けはないので、価値が暴落する時にはただ暴落するだけで、誰も何かと交換してくれたりはしない。ただの紙切れをただの紙切れと気付かずに持っている人間の責任ということである。

冷たいようだが、文句は是非政府に言ってもらいたいものである。しかし誰も言わない。だからあなたがたは政治家に騙され続けるのである。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

幸いにも投資家は金融市場を使って自衛をすることができる。損をするのは量的緩和の支持者だけにしてもらいたいものである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

12. 中川隆[-12560] koaQ7Jey 2020年5月29日 20:26:15 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[19] 報告
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退 2020年5月25日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで基軸通貨の繁栄と衰退について語っている。前回はオランダ海洋帝国とその通貨ギルダーの崩壊が現在の状況に非常に似ていることを紹介した。

・世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

そして今度はオランダの次に覇権国家となった大英帝国の物語である。

大英帝国の始まり

話はイギリスが第4次英蘭戦争で以前の覇権国家オランダに勝利したところから始まる。ダリオ氏はこのように書いている。

イギリスがオランダに勝利した後、イギリスとその同盟国(オーストリア、プロイセン、ロシア)は引き続きナポレオン戦争でナポレオン率いるフランスと戦っていた。

そしてイギリスは勝った。オランダ海洋帝国に続いてナポレオンが敗北したことでイギリスの天下が確定したのである。

戦後にはよくあるように、戦勝国(主にイギリス、ロシア、オーストリア、プロイセン)は新たな世界秩序を作るために会議を行なった。これはウィーン会議と呼ばれている。

これが、イギリスが唯一の覇権国となり、イギリスの通貨ポンドが基軸通貨となる大英帝国の100年の始まりとなった。そして世界は繁栄した。

大英帝国の時代の始まりである。

ダリオ氏によれば、戦争の後には長期の平和の期間が続くことが多いという。ダリオ氏は次のように続けている。

これもよくあるように、戦争の時代の後には平和と繁栄の期間(この場合は100年間)が続いた。どの国も覇権国に挑戦したり、上手く機能している世界秩序を壊したりしようとはしなかった。

現代でもアメリカが世界中で戦争行為を行なっても被害者以外は誰も文句を言わない。しかしアメリカが弱ってきた場合、文句を言い始める国が出てくるだろう。ダリオ氏が懸念しているのはそういう戦争の時代なのかもしれない。

大英帝国繁栄の理由

大英帝国に話を戻そう。オランダの記事ではオランダが株式市場と優れた船舶を持っていたことが覇権に繋がったことが説明されていた。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

イギリスも最初はオランダの真似から入ったようである。ダリオ氏はこう説明している。

イギリスはグローバルな機会を逃さず非常に裕福で強力になるために、商業活動と軍事力を組み合わせた。例えばイギリス東インド会社はオランダ東インド会社に代わって世界経済でもっとも支配的な商社となり、イギリス東インド会社の軍隊はイギリス政府の常備軍の2倍の規模となった。

ダリオ氏はあっさり書いているが、西洋人以外の人種には何故商社に軍事力が必要なのかまったく分からないだろう。彼らは非常に愉快な人種である。

いずれにしても大英帝国はオランダのやり方をより強力に行うことによって繁栄していった。そして勿論、イギリスがそこまで強力になれたのは単にオランダの真似をしたからではない。

1760年頃、イギリスは製品を生産して豊かになり、生活水準を改善するためのまったく新しい方法を発明した。それは産業革命と呼ばれた。

イギリスで始まった産業革命については説明は不要だろう。機械を使って工場で大量生産をしたり、蒸気機関を使って大規模で効率的な輸送を実現したりしたわけである。「機械ができて仕事がなくなる」などと言われていたことは、「AIができて仕事がなくなる」と言われている今と似ているかもしれない。人は決して学ばないものである。

IT革命がアメリカで生まれたように、ある国が覇権国となるためにはそれなりの理由がある。オランダの場合には株式市場の発明と優れた船舶、イギリスの場合には産業革命だったということである。ダリオ氏はこう結んでいる。

つまり良い教育を受けた人々の集まるこの比較的小さい国は発明と資本主義と優れた船舶とグローバル化を助けるその他の技術、そして優れた軍隊によって大英帝国を作り上げ、その後100年を支配し続けたのである。

イギリスはオランダのやり方をまね、そこに独自の技術革新を付け加えることで覇権国となった。当然ながらロンドンはアムステルダムに変わる金融センターとなった。

それが大英帝国の黄金時代である。しかしオランダの時と同じように、その時代にも終わりは来る。

まず、イギリス発の産業革命に続いて起こったのが第2次産業革命だが、こちらはアメリカのトマス・エジソンに代表されるようにイギリスだけで起こったものではなかった。他国、特にアメリカの国力がイギリスに追いついてきたのである。また、この頃にはイギリスで発明された蒸気機関も多くの国で使われていた。イギリスがオランダを真似たように、イギリスも真似られたのである。

第1次および第2次世界大戦

そして最終的には大英帝国の覇権は2度の世界大戦で崩壊することとなった。イギリスはこの世界大戦を2度とも勝利しているが、戦費と被害が馬鹿にならなかったのである。

ダリオ氏が匂わせているところによると、元々植民地における軍事行動によって金儲けをしたイギリスが世界大戦では儲けられなくなっていたことと、「世界の警察」を自称していたアメリカが海外における軍事行動から手を引き始めていることがパラレルなのだろう。

またアメリカだけではなく、ドイツや日本などの国々もイギリスに追いつきつつあった。第1次世界大戦ではイギリスは勝利したものの、その後のパリ講和会議を主導したのはイギリスではなくアメリカだった。このあたりからイギリスは植民地を完全に押さえつける力を失いつつあり、国力では既にアメリカの後塵を拝していたが、ポンドは基軸通貨として使われたままだった。オランダのケースと同じように、基軸通貨の衰退は国家そのものの衰退よりも遅れるのである。

そして第2次世界大戦を経てアメリカの覇権が公的にも確立されたものとなる。1945年に発効したブレトン・ウッズ協定ではドルを基軸通貨とした固定相場制が採択され、ポンドに代わって公式に世界の基軸通貨となったドルはゴールドとの兌換を維持することとなった。この金本位制はダリオ氏自身も経験したニクソンショックによって1971年に崩壊するのだが、それはまた別の話である。

・レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る


結論

これがアメリカが覇権国となる前に栄えた大英帝国の繁栄と衰退である。ダリオ氏は言及していなかったが、個人的な感想では世界がグローバル化したことによって世界的に均一な教育が施されるようになった結果、徐々に人口の多い国が優勢になっていったようにも思える。皆が同じような教育を受けているならば、数が多い方が勝つということである。

また、オランダの通貨ギルダーの時と同じように、ポンドの衰退はイギリスの衰退よりも遅れ、第二次世界大戦の後もポンドはある程度使われ続けたのだが、グローバル化した世界における基軸通貨の崩壊はギルダーの時のようにシンプルな取り付け騒ぎとは行かず、もっと複雑で深刻な結果を残すこととなるのである。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

オランダ海洋帝国の時と同じように、ダリオ氏の記事のポンドにフォーカスした部分については新しい記事で紹介することとしたい。しかし恐ろしいのは、ポンドの時でさえ世界中の人がポンドを持っていたためにその崩壊が世界的な混乱を生んだとすれば、ドルの時にはどうなってしまうのだろうか。ドルを持っていることがなかなか恐ろしくなる記事である。

・世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

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世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか2020年5月26日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで歴史上の覇権国の繁栄と衰退の検証を続けている。ダリオ氏は中国がアメリカに代わって覇権国となると予想しているからである。

•世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退

前回は大英帝国の歴史について説明した部分を紹介したが、今回の投稿ではその通貨ポンドがどのように基軸通貨の地位を失ったかを説明している。ダリオ氏によれば、それがドルの運命だからである。

大英帝国とポンド

前回の記事で説明したように、19世紀に栄えた大英帝国の衰退は第1次世界大戦時には既に始まっており、第2次世界大戦後のブレトン・ウッズ協定で公的にも米ドルが英ポンドに代わって世界の基軸通貨となることが決定されたが、それでも世界的にポンドは使われ続けていた。

ダリオ氏によれば基軸通貨の衰退は覇権国の衰退よりも遅れる傾向があるからである。彼はこれを次のように説明している。


一度世界的に広く使われた基軸通貨が一定の期間使われ続けるのは、世界でもっともよく話されている言語(訳注:英語)が国際取引の布地に深く織り込まれて取り除き難いことと同じである。

分かりやすい。それでも戦後75年を経てポンドは既にヨーロッパのローカルな通貨になっているが、今でも世界中の人々が大英帝国の英語を使っている。通貨も言語も、「皆が使っているから使う」という法則の成り立つものはすべて生き残りやすいようである。

ポンドの衰退

それでも戦後にはポンドの凋落は始まっていた。英語はまだ残っているが、ポンドは残らなかった。ダリオ氏はこう語っている。


一部の賢明な人々はイギリスの増大する債務負担と少ない純資産、そしてアメリカとの経済状況の大きな格差を知っていたため、ポンドは戦後には基軸通貨の地位を失い始めていた。

「一部の賢明な人々」は状況が見えていたのでポンドを売り始めたのである。そしてそれは「その他の賢明でない人々」は凋落する通貨を持ち続けたことを意味する。現在の話に適用すると、誰も何の保証もしてくれないドルや円を持っている人々はどちらの側になるだろうか?

•世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

話を大英帝国のポンドに戻そう。戦後、ドルを金本位制にしてそのドルに先進国通貨の為替レートを固定するブレトン・ウッズ協定によってポンドはドルに固定されていたが、戦争によって債務が増大したイギリスの経済は凋落を続け、ポンドの価値を維持することが難しくなっていた。ダリオ氏はこう語っている。


ポンドが戦後も国際的な準備通貨として機能し、世界経済がブレトン・ウッズ体制に移行するためにはドルへの固定が維持されることが要求された。

イギリスは自国通貨の暴落を避けようとしていた。


イギリスはまず厳格な為替規制を行なった。イングランド銀行の許可なしにはアメリカの商品や資産を買うためにポンドをドルに替えることは出来なかった。

しかしドルが世界的には基軸通貨として選ばれていたために、世界経済は深刻なドル不足に直面していた。一方でほとんどすべてのポンド圏(イギリスおよびイギリス連邦)の国々が輸出と魅力的なドル建て資産への投資に依存していたが、ポンド建ての債券を保有することを強制されていた。

現代人は強制されずともドルや円を保有するので、政府としてはやりやすいことである。しかしそれも変わる。恐ろしいのはそれが変わるタイミングが来る時である。

そういう瞬間には政府は無理矢理穴を塞ごうとする。それでも1つの穴を無理矢理塞げば別の場所に穴が開く。新型コロナウィルスの問題をヘリコプターマネーで解決しようとしている人々は決して理解しないが、経済とはそういうものである。

•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

そして何処に穴が開くかをこのように政府が決定する仕組みのことを共産主義という。ヘリコプターマネーを支持している一部の人々はそれが分かっているのだろうか。

•世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる

共産主義化による経済の破綻が日本やアメリカの穴の空き方のようである。一方で大英帝国の場合はこうなった。


イギリスは対外的な競争力の低下や国内の燃料危機のために深刻な支払いの問題に直面し、巨額の戦争債務はポンドの信認を脅かしていた。

戦争債務はポンド建てだったので、ポンドが高いと支払いが多くなる。一方でポンドが安くなると国際市場でものが買えなくなるので燃料危機がより一層深刻になる。どちらに転んでも窮地なのである。

怒涛のポンド切り下げ

しかし結局のところ通貨を無理矢理支える試みは長期的には機能しない。現代ではユーロとスイスフランの関係が似たようなものだろうか。

•スイス国立銀行、為替介入で窮地 スイスフランショック再来の危機か

イギリスは1949年にポンドをドルに対して30%切り下げることを余儀なくされる。ブレトン・ウッズ協定の発効からたった4年後のことである。

30%の切り下げとは相当である。自分の持っている通貨の価値がいきなり30%下がるわけである。しかもこれはブレトン・ウッズ協定が発効してからたった4年のことなのだから先が思いやられる。

当時、「一部の賢明な人々」は既にゴールドやドルを持っていたのだろう。賢明かどうかで資産の30%をやられるかどうかが決まるわけである。

終わりではなく始まり

しかしこれで終わりではなかった。ダリオ氏はこう語っている。


英ポンドの下落は何年もの間に何度も切り下げを続けて起こった慢性的な病だった

イギリスは必死に固定レートを維持しようとしていたが、出来なかった。一方で各国からはポンドの価値を維持するよう多大なプレッシャーがかかっていた。イギリス国民がポンドをドルに自由に変えられないことはアメリカの輸出業に損失を与えていた。

またスウェーデンやスイス、ベルギーなどイギリスにポンドを貸していた債権者は当然ポンドの信認維持を要求していた。ベルギーなどは国際的介入が起こらなければポンドの使用を止めると警告した。

それが満たされなければポンドからの逃避が起こることは明らかだった。しかし投資家の観点から見れば、この時点でポンドの下落は避けられない。ベルギーには悪いが、紙切れを持ち続けた人間が悪いということなのである。米国債を大量に抱えている日本政府はどうなるだろうか?

そしてイギリスは準備資産を売りながらもポンドの信任を維持しようと努力することになる。しかし貿易でも競争力がない、資産は減ってゆく、通貨が下がればものの値段が高くなる、完全な窮地である。もはやイギリス連邦の国々もポンドで準備資産を持つことを嫌がっていた。

そして1949年の切り下げから20年ほど経った1967年、イギリス政府は2度目の切り下げを決断する。今度は14%の切り下げとなった。

この2度目の切り下げ以降、ポンド建てで多額の準備資産を維持する国はオーストラリアやニュージーランドなどイギリス政府によってドルの裏付けを保証された国々だけとなった。大幅な価格の下落、そしてどの国もポンドを自発的には持たなくなったことによって、第2次世界大戦より22年後、かつての大英帝国の通貨ポンドは基軸通貨としての地位を完全に失ったのである。

結論

これでダリオ氏の「過去の覇権国シリーズ」は終わりである。オランダ海洋帝国の話は量的緩和によるバブル崩壊など現代との共通点もあったが、イギリスのポンドが国際的な騒乱を引き起こしたことは現在では想像しにくい。それは恐らく、ドルの崩壊がこれからの話だからだろう。

•世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
•世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退

それでもトランプ政権が中国の保有する米国債の債務返済を拒否する考えを見せるなど、似たことは既に起こっている。今後の進展が楽しみである。

ちなみにダリオ氏の怒涛のブログ投稿は遂にアメリカと中国の覇権争いの詳細に立ち入ってゆくようである。そちらも楽しみに待ちたい。

•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953

13. 中川隆[-12561] koaQ7Jey 2020年5月30日 11:27:26 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[6] 報告
世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる
2020年5月7日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10592#more-10592

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が米国と中国の覇権戦争の結末について語っている。

中国が覇権国家になる

ダリオ氏は今後中国が米国に成り代わって覇権国家になり、人民元が基軸通貨になるのかという問いについて以下のように答えている。


そうなる。しかし革命のように一気にそうなるのでなく、徐々にそうなるだろう。中国経済は何年もしない内に世界で最も重要な経済となり、米国は一定の期間そのライバルであり続けるだろう。米国と中国がこのライバル関係をどのように扱うかが世界にとってとても重要になる。

ダリオ氏はこれまでも覇権交代を今後のシナリオとして検証してきたが、今回遂に断定している。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

中国がアメリカを追い越して世界一の経済大国になるのはダリオ氏にとってメインシナリオであるようだ。その中国の通貨である人民元については次のように述べている。


基軸通貨としての人民元については、その変化はゆっくりしか起こらないだろう。基軸通貨の移行は覇権の移行にかなり遅れて起こるものだからである。どちらにしても中国は今後10年でもっとも重要な国となるだろう。

基軸通貨はなぜ重要か

しかし基軸通貨というのは何故重要なのだろうか。それは基軸通貨が暴落しにくいからである。ダリオ氏は次のように説明する。


今のところ米国はドルという基軸通貨を印刷できる大きな権力を持っている。膨大なドル建ての負債が世界中にあり負債が返済されるごとにドル買い需要が生まれる間は米国は大きな力を持つ。

世界中でドルが使われればドル買い需要が生まれる。今回のように金融危機が起こればドル建てで借金をしている人や企業はドルを調達して借金を返済しなければならなくなり、それがドル買い圧力を生む。今回のコロナショックで米国が負債を増やし量的緩和などの奔放な政策を行なってもドルが暴落していないのはそうしたドル買い圧力のためである。

しかしその恩寵にも限界がある。ダリオ氏は次のように続ける。


しかしデフォルトやドル紙幣の印刷などでこれらの負債が消え去ると、ドルの基軸通貨としての価値は減り始めるだろう。そうすると米国の経済的影響力は大幅に弱まる。歴史上すべての帝国はその負債と通貨とともに繁栄し衰退した。イギリスやオランダの覇権とその通貨に起こったことと同じである。

ドルが基軸通貨でなくなった場合、国内の負債が膨大で対外負債があり、貿易赤字まで抱えているアメリカの通貨ドルが暴落するのは避けられないだろう。しかしドルは基軸通貨であるためにこれまで耐えてきたのである。

コロナショックと負債

ダリオ氏はコロナショックを上手く切り抜ける条件として次のことを挙げている。


財政状況が強固な者が勝者となる。貯蓄がある者が勝者となり、負債のある者が敗者となる。

このことについては直感的にも明白だろう。貯蓄があれば数ヶ月のロックダウンにも耐えられるが、貯蓄がなければ無理に働いて感染するか働かずに飢えるかの選択肢しかない。現在そういう状況に陥っているのがブラジルである。

•ブラジル、新型コロナによる人口減少で景気後退へ

また、借金の有無によってコロナショック後の回復の度合いが違うということは以下の記事で簡単な経済モデルを作って説明している。この記事での検証によれば、借金があると仮定した場合コロナショック後の経済回復はより弱いものとなった。

•新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する
•新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する

ダリオ氏も次のように述べている。


負債がこれほど多くなければ経済へのダメージはもっと軽かったはずだ。国も人も企業も、こういう状況ではいくら貯蓄があっていくら負債があるかということがとても重要になる。

借金まみれの経済と貧富の差があるときに自然災害が起これば、それは最悪の組み合わせとなる。

自分の頭で考えられない人々には無視されがちな事実だが、量的緩和をしようと何をしようと借金にはネガティブな側面があるのである。

アメリカは「最悪の組み合わせ」を体現しているが、ドルはまだ暴落していない。上で述べたようにドルが基軸通貨だからである。ユーロ圏は最悪の組み合わせを揃えており、しかも基軸通貨ではないためユーロの下落は避けられないだろう。筆者はユーロを空売りしている。

•新型コロナによる世界恐慌でユーロが下落する理由

日本はどうだろうか。日本は国内では莫大な負債を抱えているが、対外的には高度経済成長期に蓄えた対外資産があるために何とか持ちこたえている。しかし対外資産が尽きれば膨大な負債があり基軸通貨でもない日本はブラジルのようになるほかない。

負債さえなければ日本の状況はもっとましだっただろう。しかしこれまで日本人はオリンピック施設などその後何の役にも立たない公共事業のために負債を積み上げる政府を支持してきたのである。大阪にある誰も訪れない万博公園がまたもう1つ出来上がるわけである。

日本国民は他人による勝手な自国の借金膨張によって全く自分には利益のないまま自国にブラジルシナリオが着々と迫っていることを理解しているのだろうか。それでも日本人は自民党を支持し続けるのだろう。政治家にはやりやすいことである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10592#more-10592



▲△▽▼

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている2020年5月9日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が引き続き政府による紙幣印刷から身を守る方法について語っている。

通貨下落への防衛手段

前回の記事ではダリオ氏がLinkedInのブログ記事で何故量的緩和は債務の解決手段として悪手であるにもかかわらず人は量的緩和に頼ってしまうのかについて説明した部分を紹介した。

•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする

そして通貨の価値は破滅的に下落すると主張していた。では投資家はどうすれば良いのだろうか? 今回はダリオ氏が通貨の代用品について語った部分を紹介したい。

通貨とは獲得した富を保存するための手段である。今日手に入れた収入を来月でも来年でも使えるのは、多くの人にとっては銀行に現金を置いておけるからである。しかし現金の価値が下落する時にはどうすれば良いのか? ダリオ氏は次のように説明する。


金は時代を問わず普遍的な代替通貨としての役割を果たしてきた。

株式もまた富の貯蔵手段となりうる。

不動産や美術品なども富の貯蔵手段である。

順番に見てゆきたい。

預金 vs 金積立

まず金だが、ダリオ氏は主要な通貨が1600年以来金に対してどれほど減価したかのチャートを示している。見事にすべてゼロに近づいているのだが、実は通貨の価値は下落するものだということを理解するためには400年も遡る必要はない。

読者は金価格の長期チャートを見たことがあるだろうか。見たことのある読者も少なくないだろう。しかし本当にその意味を実感するためにはグラフの上下を逆にする必要がある。つまり、金価格がどれだけ上がったかではなく、現金の価値がどれだけ下がったかを見るのである。以下は過去50年ほどの間に金に対してドルの価値がどう推移したかのチャートである。


50年の間にものの見事に紙くずになっている。50年ほど前のドルの価値を100%とすると、現在のドルの価値はその2.3%である。そして考えてほしいのは、この50年間ほとんどの人は資産の大部分を現金のままにしており、その資産は実際に紙くずになったということである。ダリオ氏が言っているのは、今現代人もそうなるのではないかということである。

現金が勝者だった黄金時代

しかし一方で現金のリターンがゴールドを上回った時期もある。ダリオ氏は次のように説明している。


1850年から1913年(第一次世界大戦まで)の期間では通貨(預金など短期金利による収入を含む)を保有した場合のリターンはゴールドを保有した場合のリターンよりも概して良くなっている。

この60年ほどの期間がどういう期間だったかと言えば、ほとんどの通貨は金か銀に為替レートが固定されており、しかも第二次産業革命と呼ばれるこの繁栄の時代では借金の借り手が借りた資金を収入に変え、収入が借金を返していたために貸し手は魅力的な金利を得ることが出来た。

借金で消費や自転車操業の企業を増やすのではなく生産性を増やし、その後には借金をしっかり返せていた時代があった。返せない借金をしないということがどれほど大事かということである。しかしそうでなければ通貨が紙切れになってゆく。

通貨の価値が維持され、しかも経済が成長していて借り手が金利を払える場合には誰もが問題なく良い生活を送っていた。「紙幣を印刷すると豊かになるのではないか」という「壺を買えば幸せになるのではないか」同然のまやかしで自分を騙す必要もなかったのである。この2つに何か違いがあるだろうか? 誰か教えてほしいものである。紙切れよりはむしろ壺のほうが価値があるだろう。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

富の貯蔵手段としての株式

そして最後にダリオ氏が株式について語った部分を紹介しよう。


量的緩和により通貨と信用の供給が増加すると、通貨と信用の価値は減り、(その保有者は損害を受け、)債務の負担は減少することになる。

債務負担の減少によって通貨と信用が生産性と企業利益に流れ込む場合には株価の実質値(インフレによる株価上昇を差し引いた後の株価)が上昇するだろう。

まず前提となるのはインフレは株価にとってプラスだということである。インフレとは通貨の価値の下落なので、その通貨以外のすべてのものの価格が上昇する。株価も例外ではない。

ダリオ氏がここで言っているのは、創造された通貨と信用が生産性と企業利益の上昇に寄与する場合にはインフレの影響を除いても株価は上がるということである。今回のコロナショックではどうなるだろうか。そちらについても徐々に書いてゆきたいと思っている。

次のダリオ氏の更新は大英帝国とオランダがどのように基軸通貨のステータスを失ったかについての記事となるらしい。これまでの記事も再確認しながら待っておこう。

•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる
•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

14. 中川隆[-12560] koaQ7Jey 2020年5月30日 11:29:28 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[7] 報告
ペトロダラーシステム


2020.04.21
原油価格マイナス!史上初! 通貨紙屑化の重要サイン来たーーー!
https://golden-tamatama.com/blog-entry-oil-value-minus.html


つぉぉぉぉおお。

ぇああああああああ。
何このチャート。
原油価格がぁぁあ。


初のマイナスになってしまいますた。


逆オイルショック来たー


価格がマイナスってどういうこと?
イメージつきにくいかもしれませんが。
石油買ったらお金貰えるということです。


初の原油価格マイナスを受けて
NYダウも592ドル安。


はい。
そうか。
これからガソリン価格安くなるんだ。
ワーイ(∩´∀`)∩
そんな単純な話じゃない。
もっと根本的な。。
次の段階。
そう。
これは次の段階の重要なサイン。
通貨の紙屑化。
いよいよ来る。
なぜそうなるのか。
前に書いた説明を再度載せときます。
皆さん知っての通りアメリカは借金大国ですよね。
不思議に思わないでしょうか、なんで毎年あんな借金してやってけるんだ?
毎年80兆の赤字。
輸入と輸出の差し引きが輸入が80兆も上回っている借金大国です。

えっ?
アメリカってそんなに毎年赤字なの?
だってgoogleとかappleとかfacebookとかamazonがあるじゃない。
それはアメリカのシリコンバレーの企業でしょ。
いやいや、IT企業はどっちかというと無国籍企業です。
タックスヘイブン企業。
アメリカの会社じゃぁありません。
アメリカは自動車、電気製品、食料品。
ありとあらゆるものを輸入してます。
完全輸入超過大国です。
これを個人の家計で例えるなら、支出と収入で差し引き毎年800万の赤字。
収入がちょびっとしかないのに、毎年バカスカ買い物してるキチガイ一家ってことです。
普通なら破産しちゃいますよね。
ぇえ?
なんでそれでやってけるの?
どらえもーーん。
毎年無駄遣いし過ぎて借金で首が回らないよ〜。
もうしょうがないなぁ のび太君は。

はい。
ペトロダラーシステム〜
じゃーん。

これを使えばどんなに借金をしようがやってけるんだ。
わーい(∩´∀`)∩
ありがとうカネえもーん。
そう。何度も今まで書いたことですね。
そりゃぁあんた。
米ドルが基軸通貨だからです。
アメリカはとにかく毎年米ドルを刷りまくってる。
そのため借金しようがなんだろうが、やってけるのです。
ぇ?
でも、そんなに米ドルを刷りまくったらハイパーインフレになるんじゃない?
例えばベネズエラなんて、こんなハイパーインフレになっちゃいますたよ。

いやいや。
ベネズエラの通貨ボリバルなんて誰も欲しがりません。
というか通貨名すら知りません。
そんな通貨を刷りまくったらそりゃインフレになるのは当たり前です。
でも、米ドルは世界中の人が欲しがってますよね。
だから米ドルは紙屑にならないのです。
これをペトロダラーシステムというのです。
アメリカが借金大国なのにやっていける仕組み。
米ドルが紙屑にならない仕組み。
例えばあなたが世界のどっかの国の人だとします。
そうですね。
あなたは例えば極北のアイスランド人だったとして。
ガクガクガクガク。
寒い。凍え死ぬ。
石油欲しい。
石油欲しいよ〜
そう思って、サウジアラビアさんに問い合わせる。
すみません。石油売ってくれませんか?
そうすると、1バレル70ドルですね。
そう言われる。
ドル以外では買えないんですか?
アイスランドの通貨クローナでは買えないの?
すみません。うちはドルでしか売ってないんですよ。
そう断られる。
そうですか。。。
で、しょうがないので他のイラクとかクェートとかいろんな国に問い合わせる。
でも、全部ドルでしか売ってくれないのですた。
実は原油はぜーーーんぶドルでしか買えない。
つまり、あなたは原油を手に入れようと思ったら、
まず自分の通貨とドルを交換してからそれで原油を買わざる得ないのですた。
これをペトロダラーシステムと言うのですた。
ペトロ(石油)とドルをくっつけた造語です。
ってことは普通に分かると思いますが、ドルの価値は下がりませんね。
だって、世界中の人が石油を欲しがる限り、ドルと交換したがるわけですから。
なので米ドルを刷りまくってもインフレにならないのです。
で、産油国はどんどん米ドルが貯まってきちゃいます。
当たり前ですが。
この溜まった米ドルどうしよう。
で、産油国はその米ドルをなにかで運用しようとするのですが、どこで運用するでしょうか。
実は、産油国はその米ドルで米国債を買ってるんですね。
つまりアメリカにお金を貸してあげてるのです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosugetsutomu/20180109-00080211/


https://golden-tamatama.com/wp-content/uploads/2018/03/WS20180220AZC21AGAG000611.jpg

サウジアラビアさんなどの産油国は貯まった米ドルで米国債(借用証書)を買ってるのです。

これが必殺のペトロダラーシステムです。
どらえもんの出してくれた打出の小づち。

これで借金大国アメリカは維持されているのですた。
まわりまわって価値がアメリカに還流する仕組み。
どんなに使おうが、価値が回って戻って来るのです。
はい。
ですから
原油がマイナスになった。
この意味分かりますね。
その仕組みが逆回転し始めるのです。
今まで価値が米国にまわって来たものが、
今度は米国から価値がどんどん逃げてくくということです。
米ドルは石油価格で、価値を裏付けされてきた。
でも、マイナスになったということは。
こんな紙屑、なんで引き受けなきゃならないの?
引き受けてあげてもいいけど、保管料5万円よこせ。
このようになるのです。

いや、基軸通貨ドルに重要なサイン出た。
いよいよ来た。
世界の株価は半値戻しつつある。
でもそこから真っ逆さまに。。
かなり近い。
ひじょーに近い。

https://golden-tamatama.com/blog-entry-oil-value-minus.html
 


▲△▽▼

ペトロダラーの終焉か、人民元建て原油先物の取引開始迫る
小菅努 | マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
2018/1/9
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosugetsutomu/20180109-00080211/

中国で人民元建て原油先物取引が間もなく開始される。昨年12月に中国政府は取引開始の最終承認を行っているが、ポータル・ニュースサイト界面(Jiemian.com)は匿名の先物業者の話として、「1月18日」の取引開始で決まったと報じている。上場される上海期貨交易所の上海国際エネルギー取引所(INE)からの正式発表は行われていないが、12月中にシステムテストも終わっており、昨年から何度も延長が繰り返されていた人民元建て原油先物取引の開始が間近に迫っている。

国際原油価格については、米国のNYMEXで取引されているWTI原油先物、欧州のICEで取引されているブレント原油先物、そして中東(ドバイ)原油の三つが国際指標になるが、いずれもドル建てで取引されている。1バレル(約159kl)を何ドルにするのかを市場で決定し、これを指標価格に油種などに応じて各国が取引価格を決定していく流れになる。

一方、日本では東京商品取引所(TOCOM)がドバイ原油先物取引を上場しており、これは1klを何円にするのかを決定している。国内ではリットル単位の方が利便性が高く、自国通貨である円建ての指標価格を決定している。

その意味では、中国で人民元建て原油先物取引が開始されても、何ら議論に値しないとみることもできる。実際に、中国には上海期貨交易所の他に大連商品取引所、鄭州商品取引所などの大型の商品取引所が存在しており、工業用素材から農産物まで幅広いコモディティ(商品)の人民元建て指標価格が決定されている。

しかし、マーケットでは人民元建て原油先物取引の開始は、銅や大豆といった他のコモディティ先物取引とは異なる意味がある動きとの評価が存在している。すなわち、単純に人民元建て原油の指標価格を決定するのみならず、中国のより大きな国家戦略の中に位置づけられる動きとみられているのだ。具体的には、国際基軸通貨ドルに人民元が挑戦する通貨戦略がいよいよ佳境に入ったとみられている。


■ペトロダラーに挑戦する中国

この議論を理解するためには、「ペトロダラー(Petrodollar)」の話から始めなければならない。あまり聞きなれない言葉かもしれないが、「petroleum(=石油)」と「dollar(=ドル)」を合成した用語であり、国際原油取引では米ドルが国際決済通貨の殆どを占めることで、このような呼ばれ方をする。もっと踏み込むと、国際基軸通貨としてのドルの地位を維持するために、あらゆる国が必要としている石油をドルのみで取引する体制を創出・維持することを通じて、ドルの地位を守るアメリカの国家戦略システムと言える。

ペトロダラーの役割を重視する人達は、このペトロダラーの再循環(リサイクル)体制こそが、米国が世界最大の超大国としての地位を守るために、重要な役割を果たしていると考える。アメリカは「双子の赤字」と言われる巨額の貿易赤字と財政赤字を抱えており、通常であればインフレや通貨価値の低下、国際通貨としての地位低下といったアメリカにとって歓迎できない動きが想定される。それにもかかわらず、一貫して巨額の軍事支出が可能であり、中国に次ぐ世界第二位の経済規模を維持できているのは、ペトロダラーの再循環体制の恩恵と言える訳だ。

ロジックとしては、あらゆる国家は石油を必要としており、その国際決済をドルで行う限りは、産油国に巨額のドルが流れ込むことになる。そして、産油国はこのドルを米国債購入などを通じて米経済に還流させることで、アメリカの経済・財政を支援することになる。そしてアメリカはこうした流れを維持するために原油価格を高値誘導する必要があり、国際通貨基金(IMF)などを通じて新興国に資金援助(ドル)を行い、そのドルが原油購入を通じて再び米国に帰ってくる流れになる。


こうした視点からは、米経済とドルはペトロダラーの再循環体制によって支えられていると言え、今回の中国による人民元建て原油先物取引の開始は、このポスト金本位制のアメリカ経済とドルを支えてきた体制への挑戦ではないかとみられているのだ。

この辺の議論は陰謀論のようなものも数多く、例えばブッシュ政権がイラク攻撃で湾岸戦争に踏み切った背景としては、その当時のフセイン大統領が原油取引の決済をドル建てからユーロ建てに移行すると表明したことが、アメリカの「レッドライン」を超えたとの見方がある。イラクがペトロダラー体制に明確な反旗を翻したことで、他産油国がこうした動きに同調することを阻止するための見せしめとして、アメリカはイラク攻撃に踏み切ったという訳だ。

本稿ではこうした分析の是非については評価しないが、いずれにしても金、ドル、原油市場などには、ペトロダラーの再循環体制が崩壊した場合には、経済・政治・軍事などの面で大きな混乱が生じるとの見方が存在していることは間違いない。中国の人民元国際化への歩みが新たなステージに突入し、ペトロダラー再循環体制に危機が生じるとの見方が存在することが、人民元建て原油先物取引開始の動きが、マーケットで注目されている理由である。

従来は、ペトロダラーに挑戦する通貨があるとすればユーロだとみられていたが、欧州債務危機でユーロは自滅してドルに挑戦する当面の権利を失った。こうした中、世界最大の経済規模を確立し、軍事・政治の点でもプレゼンスを増す中国の通貨人民元が、いよいよドルに本格挑戦を開始する一里塚になるかもしれない動きになっている。


■結論が出るまでは長い時間が必要

仮に世界最大の原油輸入国である中国が、原油取引を順次人民元建てに移行することができれば、原油市場のみならずドルや金市場、更には国際政治・軍事にも大きな影響が生じる可能性がある。中国は既に「一帯一路(シルクロード経済圏)」構想において、資金提供を人民元建てで行うと同時に、地域の資源調達においても人民元決済を広げるなど、中国国外にも人民元建て決済圏を広げる努力を行っている。

その最終段階ともいえる国際基軸通貨ドルへの挑戦は1年や2年で結論が出るものではないが、少なくとも中国の原油取引決済でドルから人民元へのシフトが進めば、ペトロダラー再循環体制の議論を無視するとしても、ドルを取り巻く環境には大きな変化が生じる可能性がある。

ここ数年の通貨市場では法定通貨と仮想通貨との共存が可能かを巡る議論が活発化しているが、その法定通貨内では人民元のドルに対する挑戦が着実にレベルを引き上げている。TOCOMのドバイ原油先物上場などと、中国の原油先物上場の議論は、全く別次元のものである可能性が高いのだ。中国の人民元建て原油先物価格のスタートで、世界の政治経済環境に大きな変革が生じるか否かが注目される局面になっている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosugetsutomu/20180109-00080211/

15. 中川隆[-12559] koaQ7Jey 2020年5月30日 11:31:35 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[8] 報告
コロナ後の世界 - 内田樹の研究室 2020-04-22
http://blog.tatsuru.com/2020/04/22_1114.html

『月刊日本』にロングインタビューが掲載された。「コロナ後の世界」について。


■「独裁か、民主主義か」という歴史的分岐点

―― 世界中がコロナ危機の対応に追われています。しかしたとえコロナが収束しても、もはや「元の世界」には戻らないと思います。内田さんはコロナ危機にどんな問題意識を持っていますか。

内田 新型コロナウイルス禍は、これからの世界のあり方を一変させると思います。「コロナ以前」と「コロナ以後」では世界の政治体制や経済体制は別のものになるでしょう。

 最も危惧しているのは、「新型コロナウイルスが民主主義を殺すかもしれない」ということです。こういう危機に際しては民主国家よりも独裁国家の方が適切に対処できるのではないか・・・と人々が思い始めるリスクがある。今回は中国が都市閉鎖や「一夜城」的な病院建設や医療資源の集中という、民主国家ではまず実施できない政策を強権的に下して、結果的に感染の抑制に成功しました。逆に、アメリカはトランプ大統領が秋の大統領選での再選という自己都合を優先させて、感染当初は「まったく問題ない」と言い張って初動に大きく後れを取り、感染が広がり出してからは有権者受けを狙った政策を連発しました。科学的で巨視的な対策を採れなかった。

 この差は、コロナ禍が終息した後の「アメリカの相対的な国威の低下」と「中国の相対的な国威の向上」として帰結すると予測されます。パンデミックを契機に、国際社会における米中のプレゼンスが逆転する。

 中国は新型コロナウイルスの発生源になり、初期段階では情報隠蔽や責任回避など、非民主的体制の脆さを露呈しましたが、党中央が仕切るようになってからは、強権的な手法で一気に感染拡大を抑え込んだ。それだけではなくて、中国は他国の支援に乗り出した。中国はマスクや検査キットや人工呼吸器や防護服などの医療資源の生産拠点です。どの国も喉から手が出るほど欲しがっているものを国内で潤沢に生産できる。このアドバンテージを利用して、習近平は医療支援する側に回った。

 イタリアは3月初旬に医療崩壊の危機に瀕しました。支援を要請しましたがEUの他のメンバーは反応してくれなかった。中国だけが支援を申し出た。人工呼吸器、マスク、防護服を送りました。これでイタリア国民の対中国評価は一気に上がった。知り合いのイタリア人も「いま頼りになるのは中国だけだ」と言っていました。

 もちろん中国も国益優先です。でも、トランプは秋の大統領選までのことしか考えていないけれど、習近平はこれから5年先10年先の地政学的地位を見越して行動している。短期的には「持ち出し」でも、長期的にはこの出費は回収できると見越して支援に動いた。この視野の広さの差がはっきりした。コロナ禍への対応を通じて、中国は国際社会を支える能力も意志もあることを明示し、アメリカは国際社会のリーダーシップを事実上放棄した。コロナ禍との戦いはこれから後も場合によっては1年以上続くかも知れませんが、アメリカがどこかで軌道修正をしないと、これ以後の国際協力体制は中国が指導することになりかねない。

―― 今回、中国の成功と米国の失敗が明らかになった。それが「コロナ以後」の政治体制にもつながってくるわけですね。

内田 そうです。今後、コロナ禍が終息して、危機を総括する段階になったところで、「米中の明暗を分けたのは政治システムの違いではないか」という議論が出て来るはずです。

 米中の政治システムを比較してみると、まず中国は一党独裁で、血みどろの権力闘争に勝ち残った人間がトップになる。実力主義の競争ですから、無能な人間がトップになることはまずない。それに対してアメリカの有権者は必ずしも有能な統治者を求めていない。アレクシス・ド・トクヴィルが洞察した通り、アメリカの有権者は自分たちと知性・徳性において同程度の人間に親近感を覚える。だからトランプのような愚鈍で徳性に欠けた人間が大統領に選ばれるリスクがある。トクヴィルの訪米の時のアメリカ大統領はアンドリュー・ジャクソンでインディアンの虐殺以外に見るべき功績のない凡庸な軍人でしたが、アメリカの有権者は彼を二度大統領に選びました。さいわいなことに、これが中国だったら致命的なことになりますが、アメリカは連邦制と三権分立がしっかり機能しているので、どれほど愚鈍な大統領でも、統治機構に致命的な傷を与えることはできない。

 少なくとも現時点では、アメリカン・デモクラシーよりも、中国的独裁制の方が成功しているように見える。欧州や日本でも、コロナに懲りて、「民主制を制限すべきだ」と言い出す人が必ず出てきます。

 中国はすでに顔認証システムなど網羅的な国民監視システムを開発して、これをアフリカやシンガポールや中南米の独裁国家に輸出しています。国民を監視・管理するシステムにおいて、中国はすでに世界一です。そういう抑圧的な統治機構に親近感を感じる人は自民党にもいますから、彼らは遠からず「中国に学べ」と言い始めるでしょう。


■なぜ安倍政権には危機管理能力がなかったのか

―― そのような大勢のなかで日本の状況はどう見るべきですか。

内田 日本はパンデミックの対応にははっきり失敗したと言ってよいと思います。それがどれくらいの規模の失敗であるかは、最終的な感染者・死者数が確定するまでは言えませんが、やり方を間違えていなければ、死者数ははるかに少なく済んだということになるはずです。

 東アジアでは、ほぼ同時に、中国、台湾、韓国、日本の4か国がコロナ問題に取り組みました。中国はほぼ感染を抑え込みました。台湾と韓国は初動の動きが鮮やかで、すでにピークアウトしました。その中で、日本だけが、感染が広まる前の段階で中国韓国やヨーロッパの情報が入っているというアドバンテージがありながら、検査体制も治療体制も整備しないで、無為のうちに二カ月を空費した。準備の時間的余裕がありながら、それをまったく活用しないまま感染拡大を迎えてしまった。

―― なぜ日本は失敗したのですか。

内田 為政者が無能だったということに尽きます。それは総理会見を見れば一目瞭然です。これだけ危機的状況にあるなかで、安倍首相は官僚の書いた作文を読み上げることしかできない。自分の言葉で、現状を説明し、方針を語り、国民に協力を求めるということができない。

 ドイツのメルケル首相やイギリスのボリス・ジョンソン首相やニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事はまことに説得力のあるメッセージを発信しました。それには比すべくもない。

 安倍首相は国会質疑でも、記者会見でも、問いに誠実に回答するということをこれまでしないで来ました。平気で嘘をつき、話をごまかし、平気で食言してきた。一言をこれほど軽んじた政治家を私はこれまで見たことがありません。国難的な状況では決して舵取りを委ねてはならない政治家に私たちは舵取りを委ねてしまった。それがどれほど日本に大きなダメージを与えることになっても、それはこのような人物を7年間も政権の座にとどめておいたわれわれの責任です。

 感染症対策として、やるべきことは一つしかありません。他国の成功例を模倣し、失敗例を回避する、これだけです。日本は感染拡大までタイムラグがありましたから、中国や台湾、韓国の前例に学ぶ時間的余裕はあったんです。しかし、政府はそれをしなかった。

 一つには、東京オリンピックを予定通り開催したいという願望に取り憑かれていたからです。そのために「日本では感染は広がっていない。防疫体制も完璧で、すべてはアンダーコントロールだ」と言い続ける必要があった。だから、検査もしなかったし、感染拡大に備えた医療資源の確保も病床の増設もしなかった。最悪の事態に備えてしまうと最悪の事態を招待するかも知れないから、何もしないことによって最悪の事態の到来を防ごうとしたのです。これは日本人に固有な民族誌的奇習です。気持ちはわからないでもありませんが、そういう呪術的な思考をする人間が近代国家の危機管理に当るべきではない。

 先行する成功事例を学ばなかったもう一つの理由は安倍政権が「イデオロギー政権」だからです。政策の適否よりもイデオロギーへの忠誠心の方を優先させた。だから、たとえ有効であることがわかっていても、中国や韓国や台湾の成功例は模倣したくない。野党も次々と対案を出していますが、それも採用しない。それは成功事例や対案の「内容」とは関係がないのです。「誰」が出した案であるかが問題なのです。ふだん敵視し、見下しているものたちのやることは絶対に模倣しない。国民の生命よりも自分のイデオロギーの無謬性方が優先するのです。こんな馬鹿げた理由で感染拡大を座視した国は世界のどこにもありません。

 安倍政権においては、主観的願望が客観的情勢判断を代行する。「そうであって欲しい」という祈願が自動的に「そうである」という事実として物質化する。安倍首相個人においては、それは日常的な現実なんだと思います。森友・加計・桜を見る会と、どの事案でも、首相が「そんなものはない」と宣告した公文書はいつのまにか消滅するし、首相が「知らない」と誓言したことについては関係者全員が記憶を失う。たぶんその全能感に慣れ切ってしまったのでしょう、「感染は拡大しない。すぐに終息する」と自分が言いさえすれば、それがそのまま現実になると半ば信じてしまった。

 リスクヘッジというのは「丁と半の両方の目に張る」ということです。両方に張るわけですから、片方は外れる。リスクヘッジでは、「準備したけれど、使わなかった資源」が必ず無駄になります。「準備したが使用しなかった資源」のことを経済学では「スラック(余裕、遊び)」と呼びます。スラックのあるシステムは危機耐性が強い。スラックのないシステムは弱い。

 東京五輪については「予定通りに開催される準備」と「五輪が中止されるほどのパンデミックに備えた防疫対策策の準備」の二つを同時並行的に行うというのが常識的なリスクヘッジです。五輪準備と防疫体制のいずれかが「スラック」になる。でも、どちらに転んでも対応できた。

 しかし、安倍政権は「五輪開催」の一点張りに賭けた。それを誰も止めなかった。それは今の日本の政治家や官僚の中にリスクヘッジというアイディアを理解している人間がほとんどいないということです。久しく費用対効果だとか「ジャストインタイム」だとか「在庫ゼロ」だとかいうことばかり言ってきたせいで、「危機に備えるためには、スラックが要る」ということの意味がもう理解できなくなった。

 感染症の場合、専門的な医療器具や病床は、パンデミックが起きないときにはほとんど使い道がありません。だから、「医療資源の効率的な活用」とか「病床稼働率の向上」とかいうことを医療の最優先課題だと思っている政治家や役人は感染症用の医療準備を無駄だと思って、カットします。そして、何年かに一度パンデミックが起きて、ばたばた人が死ぬのを見て、「どうして備えがないんだ?」とびっくりする。


■コロナ危機で中産階級が没落する

―― 日本が失敗したからこそ、独裁化の流れが生まれてくる。どういうことですか。

内田 日本はコロナ対応に失敗しましたが、これはもう起きてしまったことなので、取り返しがつかない。われわれに出来るのは、これからその失敗をどう総括し、どこを補正するかということです。本来なら「愚かな為政者を選んだせいで失敗した。これからはもっと賢い為政者を選びましょう」という簡単な話です。でも、そうはゆかない。

 コロナ終息後、自民党は「憲法のせいで必要な施策が実行できなかった」と総括すると思います。必ずそうします。「コロナ対応に失敗したのは、国民の基本的人権に配慮し過ぎたせいだ」と言って、自分たちの失敗の責任を憲法の瑕疵に転嫁しようとする。右派論壇からは、改憲して非常事態条項を新設せよとか、教育制度を変えて滅私奉公の愛国精神を涵養せよとか言い出す連中が湧いて出て来るでしょう。

 コロナ後には「すべて憲法のせい」「民主制は非効率だ」という言説が必ず湧き出てきます。これとどう立ち向かうか、それがコロナ後の最優先課題だと思います。心あるメディアは今こそ民主主義を守り、言論の自由を守るための論陣を張るべきだと思います。そうしないと、『月刊日本』なんかすぐに発禁ですよ。

―― 安倍政権はコロナ対策だけでなく、国民生活を守る経済政策にも失敗しています。

内田 コロナ禍がもたらした最大の社会的影響は「中間層の没落」が決定づけられたということでしょう。民主主義の土台になるのは「分厚い中産階級」です。しかし、新自由主義的な経済政策によって、世界的に階級の二極化が進み、中産階級がどんどん痩せ細って、貧困化している。

 コロナ禍のもたらす消費の冷え込みで、基礎体力のある大企業は何とか生き残れても、中小企業や自営業の多くは倒産や廃業に追い込まれるでしょう。ささやかながら自立した資本家であった市民たちが、労働以外に売るものを持たない無産階級に没落する。このままゆくと、日本社会は「一握りの富裕層」と「圧倒的多数の貧困層」に二極化する。それは亡国のシナリオです。食い止めようと思うならば、政策的に中産階級を保護するしかありません。

 野党はどこも「厚みのある中産階級を形成して、民主主義を守る」という政治課題については共通しているはずです。ですから、次の選挙では、「中産階級の再興と民主主義」をめざすのか「階層の二極化と独裁」をめざすのか、その選択の選挙だということを可視化する必要があると思います。

―― 中産階級が没落して民主主義が形骸化してしまったら、日本の政治はどういうものになるのですか。

内田 階層の二極化が進行すれば、さらに後進国化すると思います。ネポティズム(縁故主義)がはびこり、わずかな国富を少数の支配階層が排他的に独占するという、これまで開発独裁国や、後進国でしか見られなかったような政体になるだろうと思います。森友問題、加計問題、桜を見る会などの露骨なネポティズム事例を見ると、これは安倍政権の本質だと思います。独裁者とその一族が権力と国富を独占し、そのおこぼれに与ろうとする人々がそのまわりに群がる。そういう近代以前への退行が日本ではすでに始まっている。


■民主主義を遂行する「大人」であれ!

―― 今後、日本でも強権的な国家への誘惑が強まるかもしれませんが、それは亡国への道だという事実を肝に銘じなければならない。

内田 確かに短期的なスパンで見れば、中国のような独裁国家のほうが効率的に運営されているように見えます。民主主義は合意形成に時間がかかるし、作業効率が悪い。でも、長期的には民主的な国家のほうがよいものなんです。

 それは、民主主義は、市民の相当数が「成熟した市民」、つまり「大人」でなければ機能しないシステムだからです。少なくとも市民の7%くらいが「大人」でないと、民主主義的システムは回らない。一定数の「大人」がいないと動かないという民主主義の脆弱性が裏から見ると民主主義の遂行的な強みなんです。民主主義は市民たちに成熟を促します。王政や貴族政はそうではありません。少数の為政者が賢ければ、残りの国民はどれほど愚鈍でも未熟でも構わない。国民が全員「子ども」でも、独裁者ひとりが賢者であれば、国は適切に統治できる。むしろ独裁制では集団成員が「子ども」である方がうまく機能する。だから、独裁制は成員たちの市民的成熟を求めない。「何も考えないでいい」と甘やかす。その結果、自分でものを考える力のない、使い物にならない国民ばかりになって、国力が衰微、国運が尽きる。その点、民主主義は国民に対して「注文が多い」システムなんです。でも、そのおかげで復元力の強い、創造的な政体ができる。

 民主主義が生き延びるために、やることは簡単と言えば簡単なんです。システムとしてはもう出来上がっているんですから。後は「大人」の頭数を増やすことだけです。やることはそれだけです。

―― カミュは有名な小説『ペスト』のなかで、最終的に「ペストを他人に移さない紳士」の存在に希望を見出しています。ここに、いま私たちが何をなすべきかのヒントがあると思います。

内田 『ペスト』では、猛威を振るうペストに対して、市民たち有志が保健隊を組織します。これはナチズムに抵抗したレジスタンスの比喩とされています。いま私たちは新型コロナウイルスという「ペスト」に対抗しながら、同時に独裁化という「ペスト」にも対抗しなければならない。その意味で、『ペスト』は現在日本の危機的状況を寓話的に描いたものとして読むこともできます。

 『ペスト』の中で最も印象的な登場人物の一人は、下級役人のグランです。昼間は役所で働いて、夜は趣味で小説を書いている人物ですが、保健隊を結成したときにまっさきに志願する。役所仕事と執筆活動の合間に献身的に保健隊の活動を引き受け、ペストが終息すると、またなにごともなかったように元の平凡な生活に戻る。おそらくグランは、カミュが実際のレジスタンス活動のなかで出会った勇敢な人々の記憶を素材に造形された人物だと思います。特に英雄的なことをしようと思ったわけではなく、市民の当然の義務として、ひとつ間違えば命を落とすかもしれない危険な仕事に就いた。まるで、電車で老人に席を譲るようなカジュアルさで、レジスタンスの活動に参加した。それがカミュにとっての理想的な市民としての「紳士」だったんだろうと思います。

「紳士」にヒロイズムは要りません。過剰に意気込んだり、使命感に緊張したりすると、気長に戦い続けることができませんから。日常生活を穏やかに過ごしながらでなければ、持続した戦いを続けることはできない。

「コロナ以後」の日本で民主主義を守るためには、私たち一人ひとりが「大人」に、でき得るならば「紳士」にならなけらばならない。私はそう思います。
http://blog.tatsuru.com/2020/04/22_1114.html

16. 中川隆[-12558] koaQ7Jey 2020年5月30日 14:02:19 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[10] 報告

世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋2020年4月8日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9934

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が非常に面白いエッセイを連日LinkedInのブログに投稿している。その内容は非常に多岐にわたるが、究極的には中央銀行が緩和する力を失った後に市場と経済はどうなるかを研究しようとしているようである。

今回はその中からオランダの海洋帝国から大英帝国、アメリカの覇権など、覇権国の勃興について扱った部分を取り上げたい。ダリオ氏は大英帝国が栄えて没落したようにアメリカも同じようになると考えており、その兆候は既に見られていると言う。

彼によれば覇権国がその覇権に挑戦する国に覇権を奪われるまでにはいくつかの道筋があり、ここではそれを順番に挙げていこう。

模倣者の出現

経済的、政治的に強者の立場を勝ち取った国はどのようにその立場を失ってゆくのだろうか。まず経済的に成功した国は他の国にそのモデルを盗まれるということである。ダリオ氏は次のように説明している。


成功した国はその成功モデルを他国に模倣され、競争力を失ってゆく。例えばオランダからイギリスに覇権が渡る前、イギリスの造船業者はオランダの造船業者よりも安い労働力を持っていた。その上で設計士だけオランダ人を雇いより安価な船を作り上げた。

日本が家電や自動車を作り、中国がスマートフォンを作ったことも同じだろう。挑戦国の製品は始めは出来が悪く先駆者に笑われるが(トヨタのカローラは欧米では白物家電と揶揄されていた)、安価でしっかり動く製品は次第に市場を支配してゆく。

現代においてはこれは既に起こっていると言える。日本も中国もある種の製品においてはアメリカの生産性を上回っている。

しかしそれでもアメリカだけが作れるものが完全になくなっているわけではない。Appleの生み出したiPhoneはここ10年ほどの産物であり、アメリカが覇権国となってから何十年経ってもアメリカは新しいものを生み出し続けている。しかしそれはすぐに挑戦国に真似をされ、覇権国は次のイノベーションを求められる。アメリカがそれをいつまで続けられるかということである。5Gの騒動は中国の技術力が一部アメリカに勝ちつつあることを示している。

勤勉さの減少

ダリオ氏は次により精神的な側面に焦点を当てている。個人的には先進国で経済成長率が低い一番の原因はこれではないかと考えている。ダリオ氏は次のように述べる。


裕福になった国民は働かないようになり、娯楽やより非生産的な活動、極端な例では退廃的な消費活動に従事するようになる。これは特に実際に力強く活発に働かなければならなかった世代からその遺産を相続した世代に世代交代が行われるときに顕著となる。

この若い世代は弱々しく闘争心がない。それは結果として覇権国を挑戦者に対して脆弱な存在にする。

これは日本で1945年以後の経済成長を支えた勤勉な世代のあとにその貯金で放蕩に耽ったバブルの世代がやってきたことを思わせる。あるいはヘッジファンドマネージャー、ジョージ・ソロス氏の息子は「ナチス支配下のハンガリーを生き延びてアメリカに渡り莫大な財産を築いた男の息子が父親ほどハングリーにやれるわけがない」と言っていた。裕福な環境は子供の世代にとって良し悪しなのである。

持続不可能な債務

次にダリオ氏は債務のサイクルを挙げている。投資家としてはこれが一番重要だろう。


もっとも裕福で強大な国の通貨は世界の準備通貨となり、そのことは覇権国に通貨を下落させずに莫大な借金をする特権を与える。(訳注:いくら借金をしても通貨の買い手が海外から現れるからである。)そして覇権国は債務を次第に大きくしてゆく。

覇権国の借り過ぎはかなり長期にわたって続き、しかも自己強化的なトレンドとなる。何故ならば、準備通貨が上昇することで海外の貸し手は収入が多くなり、それが更なる貸し手を呼ぶからである。そして富裕国が貧困国からお金を借りようとするとき、それが覇権交代の最初のサインなのである。

例えば1980年代、アメリカの1人当たりの収入が中国の40倍だったとき、アメリカはドルで預金したがった中国の人々からお金を借り始めた。ドルが世界の準備通貨だったからだ。これが変化の起こる初期の兆候であり、大英帝国も同じように莫大な資金をより貧しかった自分の植民地から借り受けている。

基本的に債権者というのは相手を経済的に好きに出来るのである。ドイツがイタリアやギリシャをEUという枠組みの下に従えているのも同じである。それはドイツが債権国だからである。

また、日本もドルと米国債を大量に買うことによって国力を上げてきた。結局はバブルの時代に退廃的な使い方をして日本のバブルは弾けたが、日本国民の対外資産からの金利収入は今なお日本全体の収入を支えている。それは高度経済成長期の遺産なのである。

アメリカに話を戻そう。このようにドルの買い手が多く現れるため、アメリカのような基軸通貨国は借金の許される特権を使いすぎるあまり債務超過に陥ってしまう。それは大英帝国の衰退においても同じだったとダリオ氏は言う。膨大な債務は長らく持続可能だが、大英帝国に終わりが来たようにアメリカの債務にも終わりが来るだろう。ダリオ氏はその終わりを次のように語っている。


負債が非常に大きくなり、負債増加と経済成長が中央銀行によって支えきれない状況で景気後退が起こると中央銀行は際限なく紙幣を印刷することになり、究極的には通貨が下落する。

投資家として一番面白いのは量的緩和によるドルの下落を予想するこの部分だろう。ダリオ氏が今年に入って「現金はゴミ」発言を繰り返していた理由はそこにあるのだろう。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

貧富の差と税収

更に、ダリオ氏が近年何度も強調しているのが貧富の差による社会的対立の激化である。


貧富の差が拡大し経済におけるストレス(それが何から来るにしても)が溜まるとき、高い確率で富裕層と貧困層の間で対立が生じ、それは過激化してゆく。

富裕層が金を取られると考えたとき、あるいは金を出せと脅されたとき、彼らは彼らの資産を安全と思う場所に隠そうとするだろう。そしてそれが続けば対立の生じている国では税収が減ってゆき、古典的な自己強化トレンドが生じる。減少する税収が対立を激化させて税率が上がり、富裕層は更に逃げてゆく。

この現象はアメリカでも起きている。そもそも税収とは不平等なものである。富裕層は貧困層に比べて大きな額の税金を払っているが、それでより良い公共サービスが受けられるわけでもない。富裕層にとって税金とは貧困層に対する寄付のようなものだが、それを貧困層が当たり前のように要求し始めると富裕層は身を引き始める。

ダリオ氏の長期の視点で見るとアメリカでもそれは起こり始めている。アメリカではIRS(アメリカの国税局)によるアメリカ国籍保有者の資産に対する締め付けが強く、それに嫌気が差したアメリカの富裕層はアメリカ国籍を捨てることも珍しくない。Facebookの共同創業者エドゥアルド・サベリン氏はアメリカ国籍を捨てシンガポールに住んでいるという。多重国籍の許されたアメリカで国籍をわざわざ捨てることの意味はIRSを知っている人間ならばすぐに理解できる。興味のある読者は調べてみると良い。

日本でも多くの富裕層が香港やシンガポールに資産を避難させており、その内いくつかが毎年国税局に捕まっている。税理士の腕が悪かったのだろう。余談だが香港やシンガポールを勧める税理士は腕が悪いので避けたほうが良い。投資信託を勧める窓口の銀行員のようなものである。

結論

基本的に筆者はこれをダリオ氏版の長期停滞論であると考えている。長期停滞論とは経済学者ラリー・サマーズ氏が先進国の低成長の理由を説明しようとした経済理論であり、ヘッジファンドマネージャーらは彼の長期停滞論を金利動向を予測するために使ってきた。

•元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る

ダリオ氏はダリオ氏の観点で同じようにアメリカやヨーロッパや日本の低成長の仕組みを解き明かそうとしたのである。

一番重要なのは債務に関するドル暴落の話だろう。ダリオ氏はそうしたことがすぐに起こると言っているのではない。一方でイギリスのポンドが大英帝国時代ほど強くないことも明らかだろう。ダリオ氏はこの超長期的な視野の上で今の世界経済が何処にあるのかを確認することを読者に促しているのである。

さて、現在アメリカの中央銀行は無制限の量的緩和を行なっており、ヨーロッパも日本も限界まで緩和している。緩和手段がなくなった結果、アメリカと日本で国民に直接現金を配るヘリコプターマネーが行われようとしている。

•ヘリコプターマネーはインフレをもたらすか
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

この結果経済と市場はどうなるか? 筆者は新型コロナ相場では株価反発を予想しているが、それは今後相場に何の問題もないという意味ではない。問題は反発の先なのである。

•新型コロナ株安動向予想: 流行減速で株式市場は上昇する

ダリオ氏はそれを長期的視野から考えようとしているようである。ダリオ氏は毎週エッセイを更新してゆくとのことなので、引き続き紹介してゆきたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9934

17. 中川隆[-12557] koaQ7Jey 2020年5月30日 14:52:15 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[12] 報告
アメリカが No.2 になった国を潰した方法


2019年12月05日
アメリカがやっているのは軍事負担で中国を滅ぼす戦略


国力が劣る国が軍事力で対抗すると、時間の経過とともに国が衰退します。

中国は今この過程にある


画像引用:【図解】日中の軍事力比較 写真1枚 国際ニュース:AFPBB Newshttps://www.afpbb.com/articles/-/3012566

スポーツカーと牛車の戦い

米中関係がギクシャクしていて、トランプの性格のせいだとかアメリカの貿易赤字が原因だと言われている。

だが歴史的に見るとアメリカは何度も同じことを繰り返していて、今まではアメリカが全勝してきました。

アメリカが初めて最大の大国になったのは第一次大戦後で、1920年代まではイギリスが最大でした。

意外な事ですがペリーが日本にやってきた1853年頃も、明治維新の1868年頃も日本の方が国力が大きかった。

1850年のアメリカの人口は2350万人で1900年に7600万人、1925年には1億1500万人に増えていました。

日本は1850年に3200万人、1900年に4500万人、1925年に6000万人なので1875年頃までに逆転されています。


アメリカの人口が急激に増えた理由は移民で、短期間に爆発的な人口増と経済成長を実現しました。

太平洋戦争開戦時には日本7300万人(内地)、アメリカ1億3200万人と人口差は1.8倍で、1人当たり経済力はもっと差があった。

第二次大戦前にアメリカでは個人がスポーツカーを所有して高速道路を速度無制限でぶっ飛ばしていました。


同じころ日本は牛で田畑を耕し、ゼロ戦も工場から飛行場まで牛車や荷車で運んでいました。

ドイツはもっと進んでいたが小国に過ぎず、イギリスやフランスとは戦えてもアメリカに勝てる規模ではなかった。

アメリカは規模と経済力のメリットを最大限生かし、日独に軍事力を使わせて疲弊させる戦略を取った。

日独とソ連の場合

日独と米英の経済力は5倍以上違ったので、同じ軍事費を使うと日独は米英の5倍消耗する。

軍事費を使った分民間経済が犠牲になり、戦艦大和を作るために国民は贅沢を禁じられるような事が起きる。

日独は罠にはまりどんどん軍事費を拡大し米英に迫ったが、分母の国力が最初から5倍違うのでこれは無理です。

日本は短期決戦にかけて開戦し一時は優勢になるが、時間の経過とともに国力の差が表れて最後は惨敗しました。


このように国力が大きく劣る国が、軍事力を肥大化させて大国と張り合ったら「スポーツカーと牛車の戦い」になりやすいです。


ドイツは一部の科学力でアメリカより勝っていたが、国力で大きく劣るため時間の経過とともに衰退しました。


次にこの戦略にはめられたのがソビエト連邦で、ソ連は第二次大戦まで極貧国家だったが、アメリカ側に加勢した事でアメリカから援助された。

アメリカの援助によって爆発的な軍事生産と経済成長が発生し、アメリカはめでたく日独に勝つことができた。


だがソ連は日独に変わってアメリカのライバルに浮上し、今度はアメリカはソ連を軍事費で破産させる事にした。


ソ連全盛期は1950年代から70年代で、70年代にはアメリカや西側陣営より共産陣営が優勢だった。

だがソ連や共産陣営の経済力はアメリカや西側陣営の5分の1であり、冷戦が長引くほど劣勢になった。


80年代末にはアフガン敗戦やチェルノブイリ事故や経済悪化で破綻が表面化し、1991年12月にソ連は崩壊した。

中国の場合、マーフィーの法則

ソ連とアメリカがベトナムで激戦を展開していた1970年代、アメリカはソ連を弱体化させるため中国を援助した。

改革開放や一国2制度は速く言えばアメリカの援助で中国が発展することで、中国は発展してソ連が崩壊したのはこのためでした。


ソ連崩壊後は中国がソ連に代わってアメリカのライバルになり、アメリカを倒して中国が超大国になると宣言した。


アメリカは日独やソ連にやったのと同じように、中国に軍事費を使わせて、いい気にさせておいて衰弱させる戦略を取った。

狙い通り中国はアメリカに対抗するべく軍事費を無限に拡大し、今ではアメリカ80兆円に対して、中国30兆円以上と推測されている。

中国のGDPは公称でアメリカの3分の1だが、実態は5分の1程度の可能性が高い。


5分の1の経済力でアメリカと同等の軍事力を保有するのは日独やソ連と同じで、時間が経つほど貧困化する。

中国は今、目を見張るような兵器を次々と配備しているが、日独の1930年代やソ連の1970年代と同じです。

10年後に日独は惨めな敗戦を迎え、ソ連は消えてなくなりました。


国力や経済力を超える軍事力を持って大国に立ち向かうのは、かなり無謀な戦略です。

こうした国力の裏付けがない軍事国家は、ある日を境に急激に衰退して滅びる事が多い。

それまでは全てがうまく行っていたのに、ある日を境にマーフィーの法則のようにすべてが悪い方向に進み、気づくと崩壊が目前に迫っています。
http://www.thutmosev.com/archives/81644818.html  

▲△▽▼

2020年01月13日
理不尽な為替操作 プラザ合意から中国危機まで 予測は不可能
ドル円戦争のはじまりは1985年のプラザ合意。
竹下大蔵大臣がNYに呼ばれ、突然為替レートを2倍にされた。

http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/shimen/images/20150922dd0phj000012000p_size8.jpg

米中対立や米イラン対立などで為替レートが大きく変動する予兆を見せている。

投資で理不尽な損失を受けることは良くあるが、中でも理不尽なのは為替変動でしょう。

まったく意味の分からない動きで株価や地価や、あらゆる「日本の価値」が急落してしまう。


投資損の要因は為替変動

投資は9割の人が儲からないものだと言うが、難しくしている要因の一つに為替変動があります。

いわゆる「ドル円レート」ですが人為的に操作される場合や天変地異、大企業の破綻など原因は様々でした。

大きな為替変動には一つだけ共通点があり、ある日突然始まって、また突然終わります。


江戸時代から明治まで為替相場は政府間で取り決めていて、相場変動はあまりありませんでした。

19世紀に各国は金本位制をはじめ、金によって自国通貨の価値を保障するようになりました。

しかし2つの大戦で金本位制は機能しなくなり、金本位制が世界恐慌や世界大戦を引き起こした疑いすらある。


1971年8月に唯一の基軸通貨だったアメリカが金本位制を止めてしまい、ここから変動為替相場制が始まりました。

1976年1月にIMFで変動相場制の開始が正式に宣言され、日本と円高との戦いの歴史が始まりました。

ドル円相場は明治初期に元々1ドル=1円だったが、第二次大戦の開戦時には15円、敗戦時には40円くらいになっていた。


戦後の復興の必要性から円の価値は意図的に下げられ、1949年には1ドル360円に固定されました。

この円切り下げは経済回復のため日本側が望んだもので、「マッカーサーの陰謀」とかではありません。

1ドル360円時代は1949年から1971年まで続き、日本の高度成長や輸出大国の原動力になりました。


1971年8月にアメリカは金本位制を止め、1ドルは相当額の金と交換できる保証がなくなり「ただの紙切れ」になりました。

円やポンドも同様に「ただの紙切れ」なので、新聞紙とトイレットペーパーを交換するのと同じで、相場は変動します。

1971年12月18日に1ドルを308円に切り下げる決定が、スミソニアン博物館での10カ国協議で決定されました。


日米ドル円戦争勃発

スミソニアン協定はまだ固定相場だったが、1973年2月には変動相場制が実施され、1973年2月には260円まで円高が進みました。

暫くの間は250円から300円で推移していたが、1978年末にはついに1ドル180円を切りました。

7年間で360円から180円になったので、輸出産業は大打撃をうけ円高不況に苦しむ事になりました。


1980年頃からソ連のアフガン進行など世界的な事件が続き、ドル防衛策のお陰で250円以上に戻りました。

安定した円安相場で再び輸出攻勢を掛けた日本に、アメリカが打ち出した反撃が「プラザ合意」でした。

1985年9月22日、竹下登大蔵大臣が日曜日にニューユーヨーク・プラザホテルに呼び出され、円の切り上げを通告された。


参加した5カ国のうち、日本を除く4カ国で協議は済んでいて、決定後に竹下が呼ばれて結果だけを伝えるという酷さだった。

ここに日米為替戦争と呼ばれる30年以上の戦いが始まり、260円だったドル円レートが、3年で120円まで下落しました。

3年間に円が2倍に切り上げられたので、1971年から1978年の円高よりも急激でショックは大きかった。


2020年はプラザ合意から35周年だそうですが、何かをお祝いしようという動きはまったく無い。

1985年の総理大臣は中曽根康弘で、彼はこの苦境を国内需要の活性化で乗り切る事にしました。

低金利で「金余り」を作り出し株価と地価を吊り上げて、大規模公共事業を連発し、経済成長路線を取りました。


これが「バブル経済」の原因になったのですが、取り合えず日本を崩壊の危機から救ったのも事実でした。

もしこの時中曽根首相が緊縮政策を取っていたら、「失われた30年」は現実より10年以上早く訪れていたでしょう。

バブル経済を謳歌している間に天安門事件、中国の高度成長開始、ソ連崩壊と続き、冷戦崩壊で日本の居場所がなくなりました。


米国とソ連が対立していたから、日本は「アジア最強の同盟国」として優遇されたが、冷戦が終われば「ただの敵」です。

レーガン大統領はヘラヘラ笑い「最も重要な同盟国」などと言いながら通貨戦争を仕掛けてきた。


外交の世界にはトモダチも同盟国も無い。

翻弄される日本と投資家

こんな時に登場したのがビル・クリントン米国大統領で、彼はアメリカの誇りを傷つけた日本を心底憎んでいました。

有名な逸話としてビルクリントンは中国や韓国、アジア諸国に電話を掛け捲り、従軍慰安婦や侵略で日本を責めるよう依頼した。

1993年には自民党が下野して細川政権から村山政権まで、反米主義の野党政権が続きました。


アメリカの報復なのか偶然か、1995年には超円高になり79円をつけ、全ての輸出産業は崩壊と言える打撃を受けました。

円高進行中に阪神大震災が発生して円高に拍車を掛け、この頃のダメージから今も日本は回復していない。

1997年から98年にはアジア通貨危機を引き金に日本の大企業や銀行が倒産し、山一ショックなども起きています。


2001年には米同時多発テロ、2002年にはITバブ ル崩壊、2003年には「りそな危機」など銀行危機と毎年のように金融危機が起きました。

こうした危機を乗り切るため日本政府は「ゼロ金利政策」をとり世界的にも金余りになっていた。

そこに襲ってきたのが米国発の「サブプライムショック」で後にリーマンショックに発展しました。


経済危機を責任を取らされて自民党はまた下野し、また反米政権の下で円高が進行し、また巨大地震が発生しました。

1995年のドラマの再放送のように、あっという間に100円を切り、2011年10月31日に1ドル75円をつけました。

だが2012年、不思議な事に民主党が選挙で負けて去っていくと、急激に円安に戻っていきました。


2020年現在は1ドル109円で推移していますが、これまで見たように明日突然円高が始まるかも知れません。

残念ですが日本のような為替変動が大きい国では、アメリカの投資家のように「買い続ければ必ず株価は上がる」という投資法は通用しません。

株価や地価は為替相場に連動するので、超円高の時に企業の業績をいくら見ても「無駄」なのです。


なぜ他の国の通貨はあまり変動しないのに、日本円だけが急上昇や急降下するのか、不思議に思えます。

外人アナリストや外国の研究者によるとそれは「日本がアメリカに安全保障で依存しているから」だそうです。

アメリカ軍に守ってもらっているので、日本の通貨政策や経済政策は結局アメリカが決めていて逆らえません。


「日本は軍事費が少ないから経済に回す事が出来て発展した」と思っているのは日本人だけで、外人はそう思っていません。
http://www.thutmosev.com/archives/44207880.html



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ソレイマーニー暗殺の2日後の1月5日、イラク議会は外国の軍隊はイラクから出るように求める決議を採択、アブドゥル-マフディ首相も賛成した。

 それに対し、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の匿名情報源によると、アメリカ軍を追い出そうとすればイラク政府の銀行口座を封鎖するとドナルド・トランプ大統領は警告したという。万一、日本がアメリカから独立しようとすれば、アメリカにドル資産は凍結され、食糧も供給されなくなるということだ。

 こうした恫喝で世界を震え上がらせ、屈服させようとしているのだろうが、そこまでしなければ世界はアメリカに従わなくなっているということでもある。

 支配できない国は破壊して「石器時代」にするというのがアメリカ支配層の基本スタンスだが、そうしたことが力さえなくなりつつある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202001140000/

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2020年01月18日
ソ連と酷似してきた中国 急激な成長と衰退


レーニン像の周囲に集まり、倒そうとするソ連の人々
1992F1 (15)
引用:http://web.sapporo-u.ac.jp/~oyaon/Lenin/1992F1%20(15).jpg


中国の急激な成長期が終わり、衰退期に入ると予測されているが、共産国家は衰退期を上手く乗り切れない。

崩壊したソ連は発足から急成長を続けたが、たった一度の衰退期を乗り切れずに崩壊した。


ソ連化する中国


最近の中国は何から何まで過去のソ連にそっくりで、双子の兄弟のようです。

かつて共産国家ソ連はユーラシア大陸のほとんどを勢力下に置いて、世界を支配するかに思えました。


ベトナム戦争でアメリカが敗れ、ソ連側が勝った頃に拡大は頂点に達し、ソ連が新たなリーダーになるように見えた。

中国もリーマンショック頃まで急拡大し、、世界のリーダーになるのは時間の問題と思われました。

不思議な事にアメリカに挑む新興勢力は必ず、米国の7割程度の国力をピークに、衰退期に入る。

ソ連と戦後日本がそうだったし、中国も同じくらいのGDPで頭打ちになり、衰退期に入りました。


「7割の法則」が在るのかどうか知りませんが、アメリカの衰退時期と新興国家の成長期が重なるとこうなっている。

ソ連は1917年のロシア革命で誕生したが、伝説のように市民が蜂起した訳ではなく、ドイツの悪巧みで発生した。

当時第一次大戦で負けそうだったドイツは、対戦相手のロシアで革命を起こさせて有利にするため、レーニンを送り込んだ。


レーニンはロシア人だがドイツに亡命して国家崩壊を企む人物で、日本で言えば麻原彰晃レベルの人間でした。

普通は誰も相手にしませんが、ロシアは大戦や財政危機で国民生活が破綻しており、飢えた人々はレーニンに従った。

ロシア革命とは麻原彰晃が敗戦を利用して日本の皇帝になったようなもので、当然ながらソ連は帝政時代より凶悪な国家になった。

世界共産革命が使命


一方中華人民共和国が生まれた経緯はソ連以上に奇怪で、当時日本帝国と中華民国(今の台湾)が戦争をしていました。

中華民国は日本との戦争で疲弊してボロボロになり、そのせいで国内の対抗勢力の共産軍(毛沢東)に敗れました。

大戦終了後に、余力があった共産軍は大陸全土を支配し、中華民国は台湾島に追い払われて現在の中国ができた。


ソ連、ロシアともに成立過程を嘘で塗り固めていて、ソ連は民衆蜂起、中国は日本軍を追い払った事にしている。

両国とも本当の歴史を隠すためか、盛大な戦勝式を行って国民の結束を高めるのに利用しています。

ソ連・中国ともに共産国家であり、「全世界で共産主義革命を起こし世界統一国家を樹立する」のを国是としている。


因みに「ソビエト連邦」は実は国家ではなく、全世界共産化の勢力範囲に過ぎませんでした。

中国もまた地球を統一し共産化する事を大義としていて、だから際限なく勢力を拡大しようとします。

資本主義を倒して地球を統一する市民団体が中国やソ連で、相手が従わなければ暴力と軍事力で共産化します。


だから共産国家は必ず軍事国家で破壊的であり、平和的な共産国家は存在しません。

世界革命に賛同した国(軍事力で服従させた国)は衛星国家として従わせ、東ドイツや北朝鮮のようになります。

共産国家は勝ち続ける事が使命であり、負けることは絶対に許されず、負けは神から与えられた使命の挫折を意味します。


理念で結束した人々は成長期には強いが、上手く行かなくなると脆い

引用:http://image.hnol.net/c/2012-03/17/15/201203171516178521-2379290.jpg


負けたら国家消滅する共産国


ソ連は1978年に軍事的空白地のアフガニスタンに侵攻したが、10年間武装勢力と戦った末に撤退しました。

無敵国家ソ連はタリバンとの戦争に敗れ、僅か2年後にソ連は崩壊してしまいました。

ソ連崩壊の原因は様々な説があるが謎に包まれていて、外貨不足、インフレ、マイナス成長、食糧不足などが挙げられている。


しかしそれで国家が滅ぶのなら、もっと滅んで良い国は山ほどあるし、苦境から立ち直った国もあります。

ソ連が崩壊した本当の理由は『世界革命が挫折してしまい、共産主義の大義が無くなった』からだとも解釈されている。

日本のような民族国家なら、負けても同じ民族が再び協力して立ち直りますが、理念で集まった国は一度の負けで崩壊します。


ソ連は理念を失ったために崩壊し、革命前の民族国家ロシアに戻る事にしました。

共産主義の特徴は理念で集まって急激に成長するが、一度理念が失われるとバラバラになってしまう。

ソ連と中国の共通点として、急激な成長と急激な衰退、外貨不足、民族弾圧や無数の収容所、報道規制、経済指標偽造などが挙げられる。


軍事力を強化してやたら虚勢を張るのも共産国家の共通点で、北朝鮮でさえ「アメリカを火の海にできる」と主張している。

ソ連もあらゆる兵器全てで「アメリカを超えている」と主張したが、崩壊後に全て嘘なのが判明した。

中国も次々と新兵器を登場させ「全て日米を凌駕している」と宣伝するが、実際はブリキのオモチャに過ぎません。


兵器の性能では共産国家は資本主義国家に絶対に勝てないので、正面から戦おうとしないのも共通点です。

「いつでも日本を倒せる」「アメリカなどいつでも倒せる」と言いながら現実には逃げ回るのが、彼らの戦略です。

逃げながらスパイ活動やサイバー攻撃で相手国に侵入しようとし、多くのスパイや工作員を養成する。


ソ連を最終的に破滅に追い込んだのは、最後の書記長であるゴルバチョフの改革政策でした。

ボロボロの共産国家に市場原理主義を導入した結果、国家のシステムが破綻して生産活動ができなくなりました。

昨日まで国家公務員だった農民が、今日から市場経済だから自力で生きろと言われても、できる筈がありませんでした。


中国は習近平主席の元、大胆な国家改革を行おうとしたが、失敗して元の共産主義土木経済に逆戻りした。


中国のGDPの半分は公共事業つまり土木工事で、鉄道や空港や高速道路などを毎年「日本ひとつ分」建設している。


土木工事をやめると急激な経済縮小が起きるので、誰も住まない年を建設し、誰も乗らない高速鉄道を走らせている。


ソ連末期には経済がマイナス成長を隠して、プラス成長と発表していましたが、中国もそうしています。
http://www.thutmosev.com/archives/41996082.html

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2020年02月05日
「最強ウイルス」は中国のずさんさが産んだ幻影だった
武漢市内の病院窓口前で倒れたが放置された人
治療しなければ「感染者」は増えないのでわざと放置している
治療したらその人は感染者になり、感染者数が増えて医療機関の落ち度になる

画像引用:https://i.epochtimes.com/assets/uploads/2020/01/Untitled-2-4-450x322.jpg


中国人以外には感染しない仕組み

19年1月20日ごろ明るみになった中国発新型肺炎ウイルスは、ようやく全体像が見えてきた。

20年2月4日現在で中国発表の感染者数は2万3680人、世界では2万3800人ほどとなっている。

中国以外では27の国で感染者214人なので、中国と中国以外の感染者数は100対1となっている。


武漢から帰国した日本人の感染率は1.4%だったので、これを武漢と周辺に当てはめると20万人になる。

中国は中国以外で発生した感染者数を見ながら、「その100倍」を目安に発表している疑いが強い。

本当の数字は政府批判を招くので隠しておくが、外国の患者は隠せないのでその100倍を適当に発表している。


これなら外国の反発を招かず、かなり自然な数字になるので誤魔化しやすいという仕組みです。

日本での感染者数は約23人で、全員が中国人から移された人で、バス運転手とツアーガイドは車内で中国人から移された。

日本人から日本人へ感染した例はなく、外国でも中国人以外から感染したと分かっている例はないようです。


武漢発新型コロナウイルスは中国人にだけ爆発的に感染し、他の国の人には殆ど感染しないのが分かってきました。

だが中国人だけに感染するウイルスというのは不自然で、本当は中国の医療制度や社会制度が原因でした。

中国では武漢だけで本当の感染者が20万人以上なのに政府発表は5千人、つまり今までに検査や治療を受けたのは5千人だけでした。


共産主義の論理「感染したと認めなければ感染者ではない」

このへ理屈は中国全土にも適用され、熱を訴えても病院で検査を受けられるのは希望者の1割未満しかいない。

病院の絶対数が不足しているのと、医療の未整備が主な原因で、病院で検査を受けなければ感染者にカウントされません。

中国政府にしてみれば放っておいた方が「感染者」が増えず、下手に検査したら10倍や100倍に増えかねない。


新形ウイルスの死亡率は千人に1人程度と見られ、治療しなくてもほとんどが自然治癒します。

今までになくなったほとんどは高齢者や持病があった人なので、若くて健康な人には関係ない病気です。

高齢者や深刻な持病持ちの人は、ウイルスに感染しなくても亡くなっていたかも知れず、死因は心不全とか適当に作れる。


中国はこうした偽装を行って感染者数を少なく見せるのに成功しているが、これが新型ウイルスの流行を招いた。

中国人以外はほぼ誰も感染していないのに、中国だけ数十万人感染した理由がこの「政府に不都合な事を隠蔽する」体質でした。

武漢では遅くとも12月8日には謎の新型肺炎を確認たが、それから1カ月間の対策はなんと患者を逮捕するというものでした。


新形ウイルスを訴える患者や医療関係者を逮捕しては刑務所や収容所に送り込み、新型ウイルスは存在しないという態度を取った。

これが1月20日まで続き、20日に習近平がようやく新型ウイルスの存在を認めて対処を指示した。

だが武漢では1月23日まで患者の逮捕が続けられていて、23日には武漢市外への移動を禁じる戒厳令状態になった。


結局現在も中国政府の対応は、不満を訴えるものを逮捕し刑務所に入れる、あるいは家に閉じ込めて外出したら逮捕するというものです。


中国はアメリカに食われる

中国以外では大した感染力がないウイルスを数十万人に感染させた中国に世界は疑惑の目を向けている。

アメリカは2週間以内に中国に滞在した外国人の入国禁止措置を取ったが中国側は面白い事を言っている。

アメリカは新型肺炎利用して世界から「中国を隔離」しようとしていると不満を表明しました。


おそらくこれは当たっていて、中国を潰したいアメリカにとってはチャンス到来でした。

中国のGDPは対米7割に達しようとしていて、全盛期のソ連や日本の規模に迫っている。

アメリカは対米7割を防衛ラインとして、それを超えようとする国をあらゆる手段で潰します。


ウイグルやチベット弾圧、香港民主化、そして武漢ウイルスなどアメリカにとっての好材料はいくつもある。

キリスト教国家には「豚は太らせて食え」という格言があり、チヤホヤして良い気にさせ、太って動けなくなったら食べる。

ソ連も旧ドイツも日本もまんまと引っ掛かり、崩壊してアメリカに全財産を奪われました。


アメリカの指導者が今考えているのは、どうやって中国が築いた資産を自分のものにするかでしょう。

中国のGDPは公称12兆ドルで実際は半分としても、これをアメリカのものに出来れば巨大な利益になる。

中国の資産は軽くその10倍以上はあり、トランプやアメリカの資産家が美味しそうに舌なめずりをしています。
http://www.thutmosev.com/archives/82132382.html


▲△▽▼

2020年02月19日
コロナショックも各国は株高、中国が消えても世界は困らない
http://www.thutmosev.com/archives/82242873.html

各国株価の反応は「中国が消えても困らない」だった(NY証券取引所)

画像引用:https://sa.kapamilya.com/absnews/abscbnnews/media/2019/reuters/07/31/nyse.jpg


中国危機なのに各国は株高の謎

武漢で新型コロナウイルスが”発見”されたのが1月20日で、それから約1か月が経ったが株価は高いままです。

米ダウは最高値を何度も更新し2月12日に2万9551ドルをつけ、日経平均は高値圏である2万3000円台を維持している。

震源地の上海総合は1月13日に3115だったのが2月3日に2746まで落ち込んだが、今週は約3000まで回復している。

各国は株式市場などの暴落を予想し公的資金を投入して買い支え、政府系ファンドと呼ばれる公的ファンドが活躍した。

中国人民銀行は2月2日、1兆2000億元(約18兆7000億円)を金融市場に供給すると発表し連日大規模オペを実施していた。

日本政府も年金や日銀など公的資金を活用して買い支えたのは想像に難くなく、ネットでは日銀砲や年金砲などの言葉が飛び交っている。


アメリカはトランプ大統領の弾劾裁判が行われたが、早々に却下され大統領選でもトランプ有利が伝わり株高になっている。

2002年から2003年の中国発SARSウイルスの時にも、実は各国株価は短期間少し下げただけで、むしろ値上がりしていました。

もっとも悪化した時でも株価は10%下げただけで、収束に向かうと下落率を超える上昇を見せました。


2015年には人民元や中国株が暴落するチャイナショックがあったが、これも永次機はせず世界は資産バブルを強めていった。

こうした過去の出来事を見ると少なくとも中国国内の危機で、世界各国が深刻な危機に陥ることは無いでしょう。

2007年にアメリカで住宅ローンが破綻したのがきっかけでリーマンショックに至ったが、それはアメリカの影響力が世界的なものだったからです。


1990年頃日本の経済力は世界2位で現在の中国に匹敵する経済規模だったが、日本のバブル崩壊で困ったのは日本だけでした。

中国の経済規模が大きいといっても1990年の日本程度にすぎず、アメリカとは比較できません。

従って例え中国がウイルスで崩壊したとしても、それで困るのは中国人だけだと予言できる。


中国崩壊で困るのは中国だけ

例えば1940年にドイツは世界2位の大国だったが4年後にあっけなく倒れ、世界2位の大国だったソ連も1991年に崩壊した。

それで困ったのは当事者のドイツ人やロシア人だけで、世界的な影響はありませんでした。

世界2位の大国の影響力はこんなものでしかないので、中国がなくなっても誰も困りません。


SARSの時は1.7兆ドルだった中国のGDPは19年に15兆ドル、世界GDPの15%以上を占めている(と中国は主張している)

中国GDPは過大に発表されている疑いが強く、例えば2割多いと中国経済の世界シェアは約14%になる。

1994年に日本のGDPは全世界の17.9%も占めていたが、その後数年で半減してしまった。


GDPはその国の株価あるいは地価と相関関係があり、日本は1990年末の土地資産約2456兆円だったのが、2006年末には約1228兆円に減少した。

バブル崩壊後10年で土地資産と株式資産が半減になり、日本の国が半分になるほどのダメージを負った。

ソ連崩壊やドイツ崩壊、日本の敗戦や戦前の中華民国崩壊を見ても、もし中国が崩壊したら国の資産の半分が吹き飛ぶと予想できます。


資産が吹き飛ぶのはバブルだったからで、バブル期の日本は山を崩してゴルフ場にして数千億円の会員権を売るような商売をしていました。

2000年代からの中国は開発そのもので経済成長し、鬼城と呼ぶ無人都市を建設して、建設することで資産価値を増やしました。

それはゴルフ会員権を数千億円で売り出すのと同じ愚かな行為で、もともと価値が無いのだからいつかは無に帰るものです。

http://www.thutmosev.com/archives/82242873.html


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2020年03月02日
新型コロナウイルスで世界経済危機 ゆっくりしたリーマンショック
http://www.thutmosev.com/archives/82340997.html

アメリカ通貨だけがドルに対して固定なので通貨戦争で打撃を受けない
まるでアメリカに殴り返してはいけないボクシング

画像引用:アジア通貨危機:20年 各国連携、備え進める 外貨準備高積み上げ - 毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20170726/ddm/008/020/189000c


リーマンショックとアジア通貨危機

新型ウイルスは3月までに世界50か国以上に広がり中国以外で約9000人が感染し200人以上がなくなっています。

中国以外の一日の感染者数は増え続けていて、2月20日に200人だったのが29日には1300人になっています。

注目のアメリカでも3月2日時点で76人、欧州はイタリア・フランス・ドイツの3か国で約2000人になりました。

他はスペインが84人、イギリスはEU離脱して入国が不便になったからなのか、36人にとどまっている。

イタリア・フランス・ドイツは国境を接する隣国で国境には検問所や一時停止すらないので、防止は不可能と思われます。

経済市場ではコロナウイルスによって、リーマンショックやアジア通貨危機に匹敵する経済混乱が起きるとの警戒感が強まっている。


リーマンショックは2008年にアメリカの低所得者向け住宅ローンが破綻したのをきっかけに大混乱が起きた。

2009年にはアメリカが破産するという予測がされるほどで、ドルは紙切れになるなどの予想が真剣に語られた。

アジア通貨危機は1997年にタイ・バーツ崩壊をきっかけにアジア通貨が連鎖的暴落を起こし、タイと韓国は国家破産しIMF保護国になった。


この時までアジア諸国は自国通貨をドルに対して固定するドルペッグ制をとっていたが、実力より高すぎる通貨価値を設定していた。

そこに売りを浴びせたのがジョージソロスなど米国ヘッジファンドで、タイバーツと韓国ウォンに狙いを定めた。

両国は通貨下落によって対外債務の支払いが出来なくなってIMFから融資を受け、代わりにIMF管理下に入った。


マレーシア、インドネシア、フィリピンも大きなダメージを負い、日本も山一證券破綻をきっかけに平成デフレに突入した。


アメリカが世界恐慌を歓迎する理由

リーマンショックでもアジア通貨危機でも、危機がさった後で得をしたのは結局アメリカでした。

アメリカはアジア通貨危機でさほどダメージを受けず、ITバブルを経て2000年代の株高高成長時代に入った。

いわゆる経済危機の類では1929年の大恐慌から始まって、最終的に利益を得たのはほとんどアメリカだったという共通点がある。


陰謀論を語るつもりはないがこれをアメリカ側から見れば、ライバルを叩き潰すには経済危機を起こすに限ります。

1985年にアメリカは円の価値をドルに対して2倍にするプラザ合意を行い、日本は円高不況に突入した。

中曽根総理は円高を克服するためバブル経済を起こしたが、5年後にバブル崩壊し今もダメージから立ち直っていない。


アメリカは基軸通貨発行国なので「通貨変動」という概念がなく他の国がどうなろうが為替変動のダメージを受けない。

お金が無くなったら発行すれば良いだけで、リーマンショックでも無限にお金を発行して配り、いち早く立ち直りました。

アメリカ以外の国がお金(ドル)を手にするにはアメリカと貿易して入手する必要があり、絶対にアメリカが勝つゲームをしているに等しい。


日本人が汗水流して輸出した工業製品はFRBが発行した紙切れと交換され、アメリカ人は輪転機を回すだけで働かなくてもいい。

だがアメリカの今回の標的は幸運にも日本ではなく中国で、中国を潰すためにはむしろ世界恐慌を歓迎するでしょう。

アメリカは本物のお金であるドルを無限に発行できるが、中国がドルを得るには働いてアメリカに買ってもらわねばならない。


人民元や円はお金ではなく「おもちゃ通貨」に過ぎないので、ドルに交換できなければ誰も受け取ってくれない。

ボクシングで例えたらアメリカ代表は殴ってもいいが、日本や中国代表はパンチを繰り出してはいけないようなルールです。

中国にはアメリカ相手に戦う方法がないので、最初から負けは決定しています。

http://www.thutmosev.com/archives/82340997.html

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2020年03月16日
実は日本に好都合な「強大な中国」 ソ連脅威論の再来


ソ連の脅威が存在した事で、日本はアメリカに大事にされた

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中国が強大化し軍事的脅威が拡大するのは、日本にとって好都合かも知れない。


ソ連の脅威と中国の脅威

多くの日本人は中国が強大になって困ったと思っているか、一部の人はもっと強大になって欲しいと思っている。

ところが中国の軍事力と経済力が強大になって、もっとも得をしているのも、日本なのだった。

昔ソ連脅威論というのがあり、今の中国より強大で、アメリカ軍をも(局地的に)打ち負かしていた。

日本の左翼マスコミは「ソ連軍は明日にでも北海道に上陸するだろう」とワクワクしながら脅威を煽っていました。

左翼運動の目的は日本を共産国家にする事なので、ソ連が日本を占領すれば、自分達がスターリンのような日本の支配者になれると考えていました。

ところがソ連が強くなればなるほど、日本も強くなってしまい、ついにソ連の2倍以上の経済力になってしまいました。


マスコミはそれでも軍事力ではソ連が最強だと言っていましたが、本人のソ連が突然崩壊してしまいました。

なんでこうなったのがというと、アメリカはソ連を恐れたために、日本をけしかけて対峙させようと考えました。

アメリカはシリアやアフガンで、自分は戦わずに現地人に武器を渡して戦わせたが、あれのアジア版でした。


日本を輸出で儲けさせてアメリカ製の武器を購入させて、ソ連軍の防波堤にする。

中曽根総理は「日本列島はソ連を防止する不沈空母である」と国会で言っていたが、一言付け加えると、「アメリカの不沈空母」でした。

アメリカは日本を利用したが、これで日本は大儲けして経済大国になり、戦後の貧乏から完全に抜け出した。


ソ連は日本にとって「お客様」だった

いわば昭和の日本にとってソ連は最上級のお客様、百貨店のVIP会員だったが、突然会社が倒産してホームレスになってしまった。

当時の日本の政治家は世代交代期で、竹下登とか海部俊樹とか小沢一郎とかに代わりつつあった。

ところが戦後第二世代の田中角栄、福田赳夫(実は大正、明治生まれ)とは桁が違うほど実力が低く、日本の立場を理解できなかった。


ソ連が強大だったからこそアメリカは日本をチヤホヤしたので、ソ連がなくなれば日本は敵でしかない。

アメリカという大富豪がギャングに狙われて困っていたので、お金を払って日本という用心棒兼捨て石を雇った。

ギャングが居なくなったら金を払うのももったいないし、用心棒が強盗に変身するかもしれない。


1990年から始まった日本の衰退は、こうしたアメリカの都合で、日本はもう用済みになった事に起因していました。

それがソ連親分の代わりに中国が強大になり、アメリカは中国の脅威を意識せざるを得ない。

ロシアもプーチン大統領になって復活し、中国・ロシアの2大ギャング団にアメリカは狙われる事になった。


アメリカが頼れるのは第二次大戦を共に戦った同盟国だが、英仏独伊など欧州主要国はAIIBで中国側についてしまった。

イギリスのキャメロン首相は「アメリカは衰退するので中国と仲良くする為に、英米同盟を解消したほうが良い」などと公言していた。

それだけではなくキャメロンは日米同盟を「くたばりぞこないの老人に従う忠犬」とも言っていました。


中国の脅威で得をするのは

その忠犬ポチの日本はソ連軍と対峙した時と同じように、中国軍と対峙して再び「不沈空母」の役割りを買って出たのだった。

他の国の人々はこういう日本を見てとても驚き、「なぜ中国が怖くないのか」と思うのだった。

ソ連は強いから従う、中国も強いから従う、アメリカも強いから従う。これが99%の国々で、そうでないのは日本人くらいです。


日本は有史以来ずっとユーラシア大陸と対立し、近代化以降は欧州の大国と対立し、何度も大戦争をしてきました。

平和国家の振りをしても遺伝子に組み込まれているので、核ミサイルを1000発も持っている国と対立しても、国民は何とも思わない。

アメリカは「やっぱりカミカゼは使える」などと思いながら、経済戦争の矛を収めて、日本が軍事力を強化できるようにはしてくれる。


ただし日本経済が本格的に復活すると、とんでもない目に合うのはもう知っているので、無制限に輸出を認めたりはしません。

アメリカは日本に対して、「倒れないように、増長しない程度に」優遇して中露と対峙させようとします。

中国とロシアの脅威が高まるのを最も喜んでいるのはおそらく安倍首相で、両国を手助けしているのではないかとすら思える。


中露が強大になり、アメリカに脅威を与えるほど、アメリカは日本を必要とし、日本に頼るからです。

「ソ連の脅威」というお客様が戦後の繁栄をもたらしたように、「中露の脅威」がいつまでも続いて欲しいと思っているかも知れない。

http://www.thutmosev.com/archives/66143545.html

18. 中川隆[-12556] koaQ7Jey 2020年5月30日 14:56:15 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[13] 報告
アメリカはソ連崩壊後に NO.2 になった日本をどうやって叩き潰したのか

平成バブル崩壊と ソロモン・ブラザース証券
http://jcoffee.g2s.biz/retsuden3.html#soromon

私にとって、最もつらい経験は、1990年の平成バブルの崩壊です。発表しようとも思いますが、なかなかその気にはなれません。

ところが、この年、空前の利益をあげた証券会社があります。野村でも大和でもありません。外資系のソロモン・ブラザース証券が、巧みな方法で日本の市場を舞台に、安全かつ巨額の利益を手中に収めたのです。

同社のこの勝負を、振り返って見ましょう。

1989年11月9日、偶発的に、国境に押し寄せた東独市民により、ベルリンの壁が崩壊します。資本主義が社会主義より優れていることが、誰の目にも明らかになります。

株価の先高感が強まり、12月にはいり、日経平均先物と現物との差がなんと1000円以上開いてしまうのです。この先物高と現物安の異常格差が大問題だったのです。

ブラック・マンデーなどで裁定取引の経験を深め、鍛え上げた外資系証券会社と比較して、日本の証券会社や投資家は、知識不足で無防備でした。

ソロモンのトレーダーは、千載一遇のチャンスを逃さず、大きな勝負にでます。

1989年12月上旬、同社は、現物買いの先物売り(3月限)の裁定取引をなんと1900億円分実施します。ソロモンの現物買いでバブルは、ますます膨らみます。 1989年12月末、日経平均は、38916円の史上最高値となります。この瞬間がピークだったのです。

裁定取引は、株が上がろうが下がろうが利益には、影響を与えません。
現物と先物の差がどう変化するかで勝負が決まるのです。

1990年大発会以来、株価の不振が続きます。この値動きから、同証券のトレーダーは、日本株バブルの崩壊を確信します。

1900億円分の裁定取引から、最大の儲けを引き出すにはどうしたらよいか?思案を重ねます。

◆◆そして、バブル崩壊を促進するための秘策を思いつきます。◆◆
◆◆ 1990年1月11日、その秘策は実行に移されます。◆◆

ソロモン証券は、日本株の暴落へ備え、大量のプット(株を一定価格で売る権利)を買います。そして、ほぼ同時期の、1990年1月11日、不人気の国債の入札に参加、600億円分を購入します。

同社は、大証で購入した日経平均のプットの一部をもとに、アメリカ中の顧客に「日本株売りファンド」を販売します。(簡単にいうと一定金額を払い、日経平均が下がると下がった分だけ利益の出るファンドです。)

これで、準備完了です。

1月16日、ソロモン証券は、買って間もない大量の国債を、損を承知で投売りします。国債価格は暴落して、金利は暴騰します。
日経平均と長期国債の金利のグラフの90年1月を見ると、両者の関係がよくわかります。

金利の上昇をきっかけに株価は下落、先安感が支配的になります。国債で損をしても、株がそれ以上に暴落すれば、同社は儲かるのです。

そして、運命の2月26日が巡ってきます。

先安感が強くなると、現物より先物のほうが早く下がる傾向があります。この日、日経先物は、ストップ安になります。

ソロモン証券は、この機を逃さず、大量の裁定取引を解消して巨額の利益を確定します。
下がりきった先物を買い戻し、大量の現物を売ったのです。

1990年2月26日同社の大量の現物売りが、東京市場に衝撃をもたらします。
日経平均は、34891円から33322円へとたった一日で4.5%も暴落します。

当時、日本の投資家(私もその一人)は、裁定取引についての知識がありませんでした。
翌日の朝刊には、外資系証券会社の裁定取引が暴落の原因、と書いてあります。

「なにか得体の知れない、ヌエのようなアメリカの怪物が
コンピュータを使って暴れまわり、日本市場を破壊している。」
そんな印象でした。

ソロモンと同社から「日本株売りファンド」を買ったアメリカ国民は、日本株の暴落で膨大な利益をあげます。

◆◆無知で未開な市場は、◆◆
◆◆先進技術を持ったアメリカ人に収奪されてしまうのですね。◆◆
◆◆ 二度とこうしたことがないことを、日本人として望みます。◆◆


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1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。

 平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。

事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。

 ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。

 バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。

 バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。

 CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。


ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。

 かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
 「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。

 60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
 この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。

 その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。

 デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。

次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
 人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。

 大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
 しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。

 それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
 風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。

 彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。

 彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
 そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。

1989年当時、日本人エコノミスト達は「デリバティブ」という「先物」の実体を知りませんでした。経済や金融の専門家でも、この実体が何なのか、未だに分からず仕舞いでした。またこの事が、バブル崩壊の悲劇を大きくし、当時の日本経済界は全く無防備であったと言えます。


ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。
 彼等は、この二つの研究から面白い現象に気付きます。それは日経平均株価(日本経済新聞社が、東京証券取引所一部上場の代表的な225銘柄について算出し、発表しているダウ式平均株価)が単純平均(相加平均のことで、算術平均ともいわれ、n個の数を加えた和をnで除して得る平均値のこと)で作られた「指数」から出来ている事と、もう一つはこれらの指数の分析から、品薄な銘柄を意図的に買うと、少ない資金で日経平均株価を持ち上げることができるという経済現象に気付いたのです。

 こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。
 その頃、日本の話題はベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦構造が終焉(しゅうえん)を迎えれば、世界市場に進出できる等と、日本人経営者の多くが高を括(くく)っていた頃で、日本人の思い上がりの裏側では、こうした巧妙な仕掛けが、水面下で仕掛けられていたのです。
 大蔵官僚も、エコノミストも、この仕掛けには全く気付いていなかったのです。

ソロモン・ブラザーズの真の狙い

 当時の多くの日本人投資家は、「日経平均株価は10万円に到達する」と信じて疑わない人が多くいました。誰もが強気で、今こそ、この好景気に乗って、買いに転じる時機(とき)だと確信していたのです。その結果、バブルは急速な加速度をつけて、瞬く間に膨らみ始めました。
 この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
 1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。

 『プット・ワラント』とは、「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という新商品であり、この商品をアメリカの大口機関投資家に大量売り込みを図っていたのです。また、これには大口投資家も飛びついたのです。
 彼等の新商品に対するキャッチ・フレーズは「年末から年始に掛けて、日本の株式は大暴落するから、60年前の《1929年10月24日の暗黒の木曜日》の時と同じくらいの大儲けが出来ますよ」でした。

1990年1月2日、ニューヨーク・ウォール街では、日本とは逆に、信じられない現象が起こっていました。突然、為替が円安へと向かったのです。この円安はソロモン・ブラザーズが『プット・ワラント』販売に因(ちな)み、債券や為替や株価の「トリプル安」を企てたものでした。
 そして1月が過ぎ、2月に入り、その月は既に中旬に入っていました。この頃、日経株価はジリ安でしたが、大暴落の兆しは現われていませんでした。

 日本人はまだ、この時にも何も気付いていなかったのです。そして日本経済が、瀕死(ひんし)の重傷に陥っている自覚症状すら、エコノミスト達は感じ取ることが出来なかったのです。

 当時の政治背景としては、自民党の政治家は2月中旬の衆議院選挙で大勝したことに祝杯を上げていた頃で、政界も財界も危機管理意識はなく、全く無防備でした。
 日本人は、まさに「ライオンに、餌を差し出す為に手を伸す呑気(のんき)な兎」でした。腕ごと食いちぎられるか、体ごと丸呑みされるかの、こうした危険すら感じる事もなく、呑気な行動をとっていたのです。
 日本人投資家が、株を買いに奔走している頃、アメリカの金融の裏側ではソロモン・ブラザーズの売り攻勢が激化を極め、これまでジリ安で状態であった株価は、一挙に大暴落へと転じました。バブル崩壊の引き金はこの時に引かれたのです。

ついに1990年2月末には、膨らむだけ膨らんだバブルは、日経平均15,000円台を大幅に割れ込みました。一挙に大暴落が起こったのです。

 ソロモン・ブラザーズの秘密兵器はデリバティブでした。
 デリバティブは説明の通り、現物と先物との価格差を狙った「サヤ取り」であり、「裁定取引」と「オプション」で、日本の株価は下落したら大儲けという派生商品です。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。バブル崩壊の大暴落は証券会社のみならず、大蔵省までを翻弄(ほんろう)の渦に巻き込んだのです。

 この巧妙な仕掛けでソロモン・ブラザーズは、僅か三年の研究とその実行で、一兆円にも昇る莫大な利益を手にしたのです。
 そしてこの後、日本では更に悲惨な状態が続くことになります。
 日経平均株価の大暴落は、株式市場の株価下落だけに止まらず、不動産の分野にも悪影響が及びます。この悪影響は、政府が不動産融資へのマネー供給を停止するという事から始まり、今まで高騰(こうとう)を見せていた大都市の不動産の資産価値が急速に下落したことでした。

 この現象は大都会だけに止まらず、地方にまで波及していきます。不動産の資産価値が下落するとは、それを担保にしていた金融機関の担保価値も大幅に減少したということになります。こうして不良債権の波及が表面化するのです。

 これに対して政府の後手政策は、次から次へと傷口を広げ、日本の資産とマネーの急速な収縮は、今日に見る不景気と連動し始めることになります。
 昇り詰めたものは、いずれ落ちる。これは物事の道理です。この道理に随(したが)い、ソロモン・ブラザーズは、次のプロセスへと準備にかかります。

ソロモン・ブラザーズの真の目的は、ただ単に、日経平均株価を下落させて大儲けすることだけではなかったのです。彼等の真の目的は、日本人の個人金融資産の1300兆円にも上る郵貯(郵便局で取り扱う国営の貯金事業で、元金・利子の支払いは国によって保証される)の食い潰しでした。日本のエコノミスト達は、この事すらも見抜けなかったのです。

 ソロモン・ブラザーズが研究の末に計画した事は、こうした下落が生じた時、政治家はもとより、財界人を始めとして、証券会社等が「これを何とかしろ」と、政府に詰め寄り、殺到することを計算に入れていたのでした。これこそ彼等の真の目的であり、ここに「日本発世界大恐慌」を画策した真の狙いが、ここにあったのです。
http://www.daitouryu.com/iyashi/shinizama/shinizama20.html

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その昔、日本は国民総ででバブルに踊った時代がありますたね。
バブルを起こして潰す。奴らの詐欺手口の最たるものですた。
バブルがはじけて今では失われた10年と言われていますが、今だに日本経済はその後遺症を引きずっています。自殺者はバブル崩壊から毎年3万人。今だにその数は変わっていません。

その手口を見れば分かるのですがいつもワンパターンです。
最初は甘い話でカモを釣る。こうやれば儲かりますよ。おいしい話でカモを誘います。

そしてころ合いを見計らって真っ逆さまに突き落とす。詐欺師の典型的なパターンです。

最初に奴らはバカスカ札束を刷って、バブルを引き起こす。銀行は貸して貸して貸しまくる。株に投資すれば儲かるよ。土地を買えば儲かるよ。そしてカモが罠にかかったころ合いで急に蛇口を閉める。貸し渋りをやるわけです。
これをやられたら投資家はいきなり資金難に陥ります。そして、資金難に陥ったカモ達から担保として株、土地、あらゆる資産を奪い取るのです。昔からやっていることは同じです。
いい加減気付いたらどうかと思うのですが、今だに引っ掛かっている人がいます。

その当時の日銀総裁であった澄田智(すみださとし)と言う方をご存じでしょうか。日銀退官後は日本ユニセフ協会の会長などをやっていた方です。

澄田さんがバブル潰しの張本人と言われています。
プラザ合意以降、5%だった金利を2.5%に下げ、銀行は貸して貸して貸しまくった。その当時は、黙ってても銀行が頭を下げて貸しに来たという話は誰でも覚えているはずです。そういうジャブジャブ溢れた資金が株や不動産に流れ込んだ。借金しても金利は安いし土地や株を買えば値上がりするしで猛烈なバブルが起きたのですた。

そしてバブルが膨らみきったころ合いを図って、澄田さんはいきなり公定歩合を8%、長期金利は 10%まで引き揚げた。蛇口を閉めたのですた。借金すると金利が高い。値下がりリスクのある株や不動産よりも安全な銀行預金の方が良いということで投資家は一斉に株と不動産から資金を引き上げた。土地や株は一気に値下がり=バブル崩壊と言われています。

バカスカ金を貸し出して狂乱状態を作ってからブルを破裂させる。
その後には膨大な焼け野原、不良債権の山だけが残る。
それを二束三文で奴らが買い叩く。
昔からの手口。ばればれの三文シナリオだったのですた。

さて、それにしても、そのバブル潰しの張本人澄田さんはどのような経歴の持ち主だったのでしょうか。
澄田さんと言えばフランスに留学した留学組で、その後ベルギー大使館、フランス大使館の一等書記官からキャリアをスタートしたエリート官僚ですた。
そしてその後は、順調に大蔵省で出世して日銀総裁になっています。
澄田さんとフランス財界のつながりはお父様の代から囁かれていますた。


澄田智さんは、日銀総裁を辞めた後、ロス茶イルドフランスの旗艦、投資銀行ラザール・不レールに最高顧問として天下りしています。
ちっとはカモフラージュでもして隠せと思うのですが、親子二代に渡って奴らの充実な部下だったという、そのまんまの経歴の持ち主ですた。
http://goldentamatama.blog84.fc2.com/


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外国人投資家の正体と350兆円のゆくえ
1991年から輪郭が見え始めた日本の経済崩壊は、兜町を土台から大きく揺るがした。92年の4月からの暴落に続いて、7月にかけて東証第一部の平均株価が1万5000円台に突入し、ついに8月10日には一万4000台を記録した。いつまでも続く最安値の更新が、日本の国全体を震え上がらせた。そして外国人勢力による上場企業の買収・合弁へと、事態が急速に展開し始めた。

もはや投資家の損害どころか、日本経済が土台から崩壊しようとしていた。日本株式会社の中枢部が、が一句人投資家によって買い占められるところまで株価が急落し、安い株券が誰か特定の金融ファミリーに集中していたのである。果たしてこれらの暴落が、マーケットの自然な経済原理によってたまたま起こったものだったのか。

日本がこれまで利益を守ってこられたのは、国際金融マフィアが悔しがる『系列会社』の株の持合によるものだった。三井グループ、三菱グループ、住友グループ等はもちろんのこと、富士銀行〜安田財閥は丸紅と連携し、三和銀行〜日本生命〜東洋信託の三水会は日商岩井と連盟を組み、第一勧業は伊藤忠と、それぞれがチームで利権を守るように動いてきた。ところがこの相互持合い方式は、国際金融マフィアが、内部からトロイの木馬方式で侵入してくると、逆に一挙に乗っ取られ大変危ない構造であることがわかり始めた。つまり芋づる式にあっという間に買収されてしまうからである。

今までは株式会社日本独特の『株の系列持ち合い制度』があるため、外国人ブローカーはまるで歯が立たなかった。ところが金融マフィアが巧みに仕組んだ『バブル』という名の時限爆弾によって、兜町の上場株の内の四分の一近くを握っていた銀行業界が、不良債権の焦げつきで、これまで宝物だった手持ち株を大放出せざるを得ない羽目に陥ってしまったのだ。仕組まれた『バブル』の崩壊によって、株価・地価の暴落→銀行の不良債権の急増→融資不能→経済危機→更なる株価・地価の暴落という悪循環に陥った日本経済は、坂道を転げ落ちるように谷底へと転落していった。

その上さらに駄目押しをするかのごとく、国際金融マフィアによる残虐な圧力が日本の大手金融機関に加えられた。88年6月、スイスのバーゼルで開かれた“バーゼル・クラブ”こと国際決済銀行(BIS)の銀行規制会議において、今では知らない者がいない「銀行は、自分が持っている資本金の8%以上を貸し出してはいけない」と定められたのである。これは日本経済にとって、結果的に第2の時限爆弾となった。それほど国際金融マフィアにとって、70年代〜80年代に海外に大々的に進出し始めた日本の金融資本の力が、目の上のたんこぶだったわけなのだ。

この規制のよって、『バーセル・クラブ』の謀略通り、日本の銀行の手足を縛ることが可能となった。むやみに国民から預金を取れなくなった日本の銀行は、増資のよって自己資本を大きくし、この壁を何とか打ち破ろうとした。そして自己資本が運用されている不動産やノンバンク等の資金回収に必死になって走り回った。折から、地価の暴落が始まり、起こるべくして起こった不良債権に青ざめた銀行が貸し出しを渋るようになると、その融資に頼っていた経済界がガタガタになり、それに連鎖して兜町の株がみごとに下降線を描き始めた。

そして最後に、これを見越していたかのように、劇的な92年4月の『外国人投資家による銀行株の大放出』という第3の時限爆弾が、ついに仕掛けられたのだ。ソロモン・ブラザースやモルガン・スタンレーなどが一斉に投売りを始めて、まるで絨毯爆撃のような攻撃を日本の銀行に向かって開始したのだ。彼ら国際金融マフィアは、かなり以前からアメリカ・ヨーロッパ等の経済紙に、『日本のバブル』という言葉をすでに頻繁に紙面に載せていて、いつの日か近いうちに、このシャボン玉に針を刺されて経済崩壊が瞬く間に起こることを、すでに予告していたのだ。

では、このバブル崩壊で、兜町に出入りしていた外国人投資家は、いくら儲けたのか。92年の経済白書によると、株の暴落だけでほぼ350兆円が吹き飛んでいる。金融取引の世界はあくまでゼロサムの世界だから、その莫大な消えた金額とまったく同額のお金を、闇に隠れて誰かがまんまと手に入れたことになる。世界的な株価の変化に目をやってみると、不思議なことが起きている。

年初から8月までの株価の暴落率は、日本だけがダントツで、32・8%という急激な下げ幅を記録している。ロンドン、ニューヨーク、フランクフルト、パリ等はほとんど変化なしで、全体としてはわずかに上昇である。香港では、天安門事件後の反動で中国経済特区が急成長したために、逆に35・8%の急騰である。その中心にある香港上海銀行は、ロスチャイルド・ファミリーの創業した銀行である。

この時期世界の銀行界では、日本が断崖絶壁に立たされていたにもかかわらず、アメリカの巨大銀行が、チェース・マンハッタン、J・P・モルガンを筆頭に、その第二・四半期で恐ろしいほどの利益急上昇を達成したことを、UPI電が7月に伝えた。日本の証券会社が、全国210社合計で3600億円の経常赤字を記録したというのに、日本で活動している外国証券50社合計で、なんと前期の5・6倍という馬鹿げた収益を記録していた。

ちなみに外資系の1位がソロモン、2位がゴールドマン・サックス、3位がモルガン・スタンレー、4位がソシエテ・ジェネラルとなっている。ソロモンとゴールドマンは、すでに大和を抜いて、野村に次ぐ兜町の2位と3位に入っている。メリル・リンチのの純利益は53%増加と、前年と比べると過去最高を打ち立て、6月に入ってモルガンもまた東証株式の「売買高」の部門で兜町の3位に入り、四大証券のうち大和、日興を抜いてしまったのだ。

ここで彼ら外資系証券の開発した巧妙な手口のひとつ、裁定取引と呼ばれるまことに不思議な手口を挙げてみよう。裁定取引( arbitrage)とは、辞書で調べると『ピンハネ』と書いてある。売り買いをする商品には、目の前で取引する『現物』と、何ヶ月か先の取引を扱う『先物』がある。もし何ヶ月か先の株価を知っていれば、現物を先物とのあいだに出る差額(サヤ)をあらかじめ計算して、買いだめでも、売り逃げでも、コンピューターの操作だけで好きなように利益をあげられる。

今回最大の利益をあげたソロモンなどは、ずっと先の株価を知っているものと見え、このシステムでぼろ儲けしたのだ。日本の証券会社は、裁定取引に熱中すると証券取引所が混乱して自滅するという理由から、手控えてきた。しかし外資系にとって兜町の運命なんかどうでもいいのである。ウォール街の大スキャンダルとなったアメリカ国際不正入札事件の犯人、それが兜町を揺るがした同じソロモン・ブラザースである。 今まであえてはっきり書かなかったけれど、彼らは、何ヶ月先の株価を知っているわけはなく、未来の株価を、自作自演のインチキで上下させてきたのだ。つまり集団でつるんで物音ひとつ立てずに、一気に売る。理由は後で何とでもつけられる。チャートや実勢価格なんかまるで無視して、人工的に平然と株価を操作してきたのだ。はっきり言えばインサイダー取引であり、詐欺である。

このとき、チームで株価を完璧にコントロールできるだけの『巨大な資金』と『秘められた実行力』が戦略のキーワードとなる。そのチームを、日本の証券業界では「外国人投資家」と簡単に呼んで、なぜか曖昧なままの存在にしてきた。彼ら数百年の伝統を持つ金融業のプロに対して、あまりに幼稚な認識と言えないか。

日本人が初めて世界の金持ちの仲間入りをしたと言われながら、その実、投機のテクニックとして使われたのは、財テクと呼ばれる一般的な株券・政権の購入に過ぎなかった。要するに、知的な金融能力とはまったく無縁のものだったのだ。

そして今も、日本には本当の金融のプロは存在していない。
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/20031025.html


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アメリカの日本叩き落とし戦略  

アメリカではFRB議長グリーンスパンの超低金利政策の結果住宅産業バブルが起こり、これが今日まで消費を支えてきたが、ここへ来て住宅バブルに「ローソクの最後の炎現象」が見えてきた。前述のようにアメリカには日本のような「潜在消費・投資力」の備蓄がないから解決策を他国に求めるしかなくなる。

そこでアメリカに狙われたのが日本、つまり竹中平蔵大臣である。

実は竹中平蔵氏は1980年から90年のJapan as No.1(「日本の世紀」と言われるほど日本経済が世界を制覇した)時代にハーバード大の客員研究員や准教授をしていた。日本の銀行が世界ランキング1位から10位を占める事態に危機感を抱いたアメリカはハーバード大等の叡智を結集して「日本叩き落とし戦略」を打ち出して見事に成功し、その結果日本の大不況はまだ続いている。竹中氏(当時、大蔵省財政金融研究所主任研究官)は日本の大蔵情報提供者として重要な働きをしたと考えられる。

だから現在のブッシュ政権の経済担当責任者とも親交が深い。異例とも言われた経済財政・金融担当の二つの経済ポストが竹中に与えられた時、グレン・ハバード米大統領経済諮問委員長は「竹中氏は申し分のない改革論者で、ブッシュ政権は竹中氏を全面的に支持している」との見解を発表すると同時に「不良債権処理と日銀の金融緩和の必要性」を強調した。

竹中大臣が10月に訪米した時、「大手銀行だからといって容赦しないぞ!」と言わんばかりの不見識な「大失言」(竹中ショック)のためニッケイは大暴落となり日本は時価総額で約50兆円の資産を失った。この時ハバード委員長をはじめ、バウチャー米国務省報道官、テーラー米財務次官らは必死になって竹中大臣をかばった。アメリカが日本に経済高官を送り込んでまでの竹中支援ぶりは異常。ここでまた経済の基本に戻るが、不良債権処理が日本経済の現況下では不要であることは再三解説したのでご理解いただいたと思う。

日本企業は現在リストラ中であり、総需要も資金需要もマイナスだから特に銀行機能を求める環境にない。こうした時、銀行の脆弱な財務体質を目の敵にするのは不自然である。しかも国会でもマスコミでも世を挙げて不況の結果である不良債権処理とデフレ対策に議論が集中し、不況の真の原因から目を避けている。異常ではないか。何故竹中大臣とアメリカはこの時期に不良債権処理と金融緩和を急ぐのか。

それはアメリカの国益の立場になって考えればすぐ分る。自ら打つ手がなくなったアメリカは日本の「打つ手」(現金備蓄)を奪うしか手が無いのである。竹中大臣はアメリカの国益の立場に立っているのである。不良債権で金融機関のパイプが詰まったままの状態で金融緩和をすると緩和された資金はアメリカに流れず、資金需要がない日本の資本市場で浮遊資金の増大となる。資金は当然土地と株にヘッジし、地価と株価を押し上げる結果となる。これこそ日本経済再生の道だが、アメリカにとっては許し難いこと。すなわち日本の土地と株が上がりだすとアメリカから資金が逃避し日本市場に向かうからである。

今アメリカは戦争と言う無駄な公共投資を前倒しで実行しているが(前述のごとく)潜在的財源が無い。どんなことをしても日本の「備蓄資金」をアメリカへ還流させなくてはならない。住宅バブルが弾けるのも時間の問題。

不良債権処理を急ぎ、日本の国民に痛みを与え、デフレをさらにスパイラル化し、大銀行や大企業を破綻に追い込んでまでもアメリカの国益の為に尽くす竹中平蔵。さらなる「詭弁」で小泉首相と国民を騙し続ける竹中大臣。まるで邪教の亡者のごとき竹中大臣の強烈な意志と情熱は、多分1980年代に洗脳された「日本叩き落とし精神」の具現だろう。今日本は「気違いに刃物」を与えてしまった。


竹中平蔵は、もともと日本からハーバード大学に留学していった。米国では世界各国から来るエリートを選び、その人物に、洗脳教育を施していると聞く。つまり、「国際金融資本に、すべて任せることがよい」という洗脳である。

○ 竹中の推し進めてきた政策を振り返るとあることに気づく。それは、すべて日本の企業を倒産させて、米国の企業に買い取らせるという結果になっている政策ばかりであり、しかも竹中はこれを「すばらしい」と表現している。

○ここでハーバードまで留学して、結局、「すべて国際金融資本に任せるべきだ」という思想を植えつけられているとする。

<竹中の破壊の歴史>
振り返ってみれば、日本は世界最強の銀行として、誇っていたのを台無しにしたのは自己資本比率規制の導入であった。これを導入することを熱心にやっていたのが竹中であり、金融ビッグバンも竹中の提案であり、不良債権処理も竹中路線であり、就任以来54もの金融機関を次から次へと倒産させてきたのは彼の政策のためである。

小泉内閣になってついに、竹中金融担当大臣が就任した。
周囲は、机上の空論の大臣だといって猛烈に反対していたが、小泉は、
「すぐれた頭脳で貢献していただく」といって任命した。
竹中はそれまでやっていた慶応大学教授からいきなり金融大臣となった。

それでは竹中がやってきた日本の金融政策を振り返ってみよう。

竹中が、日本に、自己資本比率規制を導入した。その結果、世界でも最強を誇って
いた日本の銀行は軒並み、貸し出しを減らし、貸し渋りを行うようになった。
そして不況になっていった。 それまでは世界のベスト10バンクに日本の銀行が
6行も入るすごい状態にいたのだった。

竹中がやってきた日本の金融政策を振り返ってみよう。

竹中が、日本に、自己資本比率規制を導入した。その結果、世界でも
最強を誇っていた日本の銀行は軒並み、貸し出しを減らし、貸し渋りを行うようになった。そして不況になっていった。 それまでは世界のベスト10バンクに日本の銀行が6行も入るすごい状態にいたのだった。

○竹中が時の橋本首相に「金融ビッグバンをやるべきです」と進言して、
それをやった。すると山一證券は自主廃業となり、メリルリンチ証券となり、
長期信 用銀行はf経営が傾き、一時国有化し、リップルウッドに買収された。東
邦生命は、買収されてGEキャピタル生命となり、日興證券は、 これも経営が傾き、外資に助けを求め、外資の傘下にはいった。
日興コーデイアル証券となった。
倒産は続出して、金融恐慌の一歩手前までいった。時の橋本政権は選挙で大負けした。日本経済にとって致命傷となった。

竹中金融大臣が、「不良債権処理をやるべきです」といい、それを強化すべ きだといった。すると、銀行は貸しだしを抑制するためさらに不況となる。不良債権
と認定された企業は次から次へと倒産していくため小泉政権の自殺者数や、倒産件数は歴代1位である。

この竹中金融担当大臣が就任している間、UFJ銀行は経営不安に陥り、54も
の金融機関が倒産した。足利銀行も倒産した。建設会社が倒産したときに、竹中
金融担当大臣は、とてもよろこんだ。 「これが構造改革の進展している証拠だ」

そして、竹中金融担当大臣は、4月1日からペイオフを唱えている。
ペイオフは世界各国でどこもやっていない政策である。ところが、竹中が「どこもやっている」とテレビでいうことで、このとんでもない破壊的な政策をやる流れ
になっている。

そしてこの数年間、日本を痛めつける政策をずっと立案してきた人物の竹中が郵政を解体してしまおうとしている。 というわけだ。
http://ime.nu/www.asyura2.com/0505/hasan41/msg/915.html


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私達は洗脳されていました。不良債権の処理こそが構造改革だと。。。

彼等のやり口はこうでした。

一、株式は自己資本の半分以下にすること。
二、不良債権は二年で半減すること。不良債権処理に充てた資金には税金を課す ただし繰り延べ資産として7年間分認める

私達は国の命令で株式の売却を始めました。株の暴落が始まり長銀は国有化され長銀の株券は一夜で紙くずとなりました。数兆円の血税をつぎ込み身奇麗にした 長銀は瑕疵担保条項までつけて外資の手に渡りました。その後私達は恐ろしい光景を目にすることとなりました。

瑕疵担保条項によって死ななくても良い企業まで次々と息の根を止められて行きました。 その時つぶせばつぶすほど外資がもうかる条約だった事に私達は気づきました。

そんな時あの竹中が金融中枢に入ってきたのです。
そしていきなり繰り延べ資産は認めないと言い出したのです。税金は取っておきながら、です。人々はパニックに落ちました。株価は大暴落し、旧額面で80円を割り込んだ時、外資の増資申し入れを受け入れました。
四大メガバンクすべてが外資に自社株を叩き売ったとき、りそな銀行の国有化が決まり、長銀の時と同じく数兆円の国民の税金がつぎ込まれましたが、驚いたことに減資なし、株主責任は問わないという寛大な措置でした
あれほど株主責任を厳しく追及していた竹中 木○コンビの豹変でした。

その翌日から外資の数千億単位の株式購入が連日のように続きました。
日本の国富が外資の手に落ちて行くのを私達は茫然と見ているしかありませんでした・・・。
私達は竹中によって株式をもっと売り払えと指導されていたからです。


_______
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最近、株価が上昇してますが、日本経済に株価が上昇するようなファクターがあったっけかな?と不思議に思っていました。GENDAI NETに気になる記述を見つけました 2005年11月30日 掲載


10月23日(日)の「がっちりマンデー!!」という民放番組を見ていると、ゲストに当時の竹中蔵相を招いて「竹中大臣の新日本経済入門U」みたいなのをやっていました(リンク)。

その番組中で竹中前蔵相は、「それを私の口から言ってしまうと問題がある」とは言いつつもニヤニヤしながら“これから投資の時代ですよ〜”、みたいなニュアンスを醸し出していました。民放とつるんで、朝からTV漬けの主婦など(竹中氏曰く“IQが低い”←リンク)の層を個人投資家として株式市場に参加させ、バブルを起こさせようというのが狙いか?と疑ってしまいます。それでも個人投資家のシェアは15年前から7%程伸びただけというのが実情。

注目はやはり、15年間で4倍にも跳ね上がって、いまやシェアの半分になろうとしている外国人投資家の方でしょう。日本の株式市場なのに、国内機関投資家のシェアがたったの3%以下(信託入れても12%)なのに、外国人投資家が46.7%もあるというのも、いかにも異常な感じがします。

国内機関投資家は、体力が無いのと前回のバブルでひどい目にあったので“羹に懲りて膾を吹く”みたいなことでシェアが少ないのかもしれませんが、個人投資家はしっかり37%のシェア。もしかして彼らは、バブルを経験していない(orその当時ひどい目に遭わなかった?)新興の勢力なのかもしれません。だとしたら、外国人投資家にとっては、投資にそれほど慣れていない(でも、「もうからへんかいな〜」と甘い夢を見ている)連中は恰好の“カモ”に映っているのではないでしょうか(実際、投資経験の浅い学生や主婦がデイトレを始める中心層とよく聞きます)。

もしそうだとすると、いやな予感が脳裏をよぎります。

彼らの投資資金は、海千山千の外国人投資家に揺さぶりをかけられて丸ごと持っていかれる…というシナリオなのではないでしょうか。

1994年:メキシコをはじめとする中南米バブル、1997年:東南アジアバブル、1998年ロシア金融危機など、次々と各地でバブルを演出し、そのたびに自分達だけがっぽり儲けて、地元の経済や社会をボロボロに破壊し、そこに付けこんでIMFを介して世界各国の経済支配を強化してきた勢力がいます(参照:17664、リンク)。

今回は、小泉首相をはじめ官庁やマスコミまでがグルになって旗を振って、国民を道連れにバブルに突き進もうとしているかのように見えます。私達は、それらの勢力やエコノミストたちの戯言に惑わされて、前回のバブル崩壊や中南米・アジアと同じ轍を踏むようなことはあってはならないと思います。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=101985

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米国の「年次改革要望書」アーミテージレポートで動かされて来た国ニッポン
http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2018/12/post-65f2.html
2018.12.31 まるこ姫の独り言


この国は独立国でも何でもなかった。

昨日のTBSの「報道の日2018」を見ていて、戦慄を覚えた。

再放送があるなら、多くの人が見た方が良いと思うほど、肌感
覚で政治を見ている私としては、この番組で日本は何処が独立
国と言えるのだろうかと考えさせられた。

敗戦後から営々と、米国が得する国づくりに参加させられてい
た日本。

知らぬは多くの日本国民なりだった。

まずは、食文化の改革。

毎朝食卓に上る、「パン」にあったのだろうと私は思っている。

今では米飯がどんどん隅に追いやられてしまった。

これも米国の日本改革の一環なんだろう。

全ては、米国が秋に送って来る「年次改革要望書」に始まる。

さて、BSの「報道の日2018」では、私たちが知っているようで
知らなかった多くの、米国からの年次改革要望書が米国の思
ったような日本の国づくりが進んでいるのがよくわかった。

アメリカからの要求で1992年、大店法が改正。

多くの人が感じるであろう、全国津々浦々の商店街がシャッタ
ー通りと化した。

今では惨憺たる有様だ。

日本の首都圏の領空が米軍に占領されている事はモーニング
ショーで初めて知ったが、この番組内で、キャスターが2020年
の東京オリンピックの時に、海外からたくさんの人が来る。

昼間の時間帯の多い時だけでも(ここだけでも使わせてと)アメ
リカに今頼んでまして」と解説をしていたが。。。

ハア?なんで日本の空の権利を米国にお願いしなければいけ
ないのか。

戦後何十年たっていると思っているのか、情けない。

日本に、米国ファーストの年次要望書が毎年贈られてくるが、
鳩山由紀夫はそれを断って結果的には潰された。

郵政民営化も、日本人は小泉の手柄のように思っているかも
しれないが、何のことはない、米国の保険業界を潤すために
出来たような物らしい。

労働派遣法も、働き方改革も、米国側の意向通り。

「アーミテージレポート」は陰謀論だと思っていたが、「報道の
日、2018」を見ていたら、アーミテージに操られていたと言っ
ても過言ではない程、米国の意向が最優先の日本の政治。

ジャパンハンドラーたちの手の平の上で泳がされている。


日本は全然独立国じゃない。

今まで、安倍政権が強行採決してきたすべての法律が米国の
意向通りに動いてきたのだろう。

安保法も、特定秘密保護法も、労働者派遣法も、最近で言え
ば、移民法も、水道法も、すべて米国の意向に沿った法律な
んだろう。

米国にしたら外資が入りやすくすることが一番の思惑じゃな
いのか。

この国では、米国の言う通りにして来たら首相職は安泰で、少
しでも日本国の主張をしたら、政権が潰されるという事のようだ。

安倍の6年の首相職も、米国に相当気に入られている証左で、
米国のお気に入り状態は今後何年続くのだろう。

若い世代は、政治がどんなに酷くても、仕方がないと諦めこそ
すれ、誰も疑問にも思わず、声がぜんぜん上がらない。

むしろ、政権に疑問を覚えた方が潰される運命にある。

どうなっちゃったのだろう日本人の意識は。

そして米国の都合のよい国がいつ完結するのだろう。
http://www.asyura2.com/18/senkyo255/msg/616.html

19. 中川隆[-12554] koaQ7Jey 2020年5月30日 15:15:59 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[15] 報告

植民地のインドは商品を輸出しても、その見返りの代金は
ポンドでイギリスに蓄積され、デフレになり、不景気になった
2006年2月9日 アメリカの謎を解く 橋本裕の文学・人生日記帳


ブッシュ大統領が1月31日の一般教書演説で、「私は8800億ドルを減税し、国民に返却した。今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」と述べた。
 一方で、アメリカの経常赤字は05年が7900億ドル(93兆6940億円)、財政赤字も06年度は4230億ドル(約50兆2千億円)で過去最大、債務残高はすでに8兆ドル(約950兆円)を越えている。

 日本では、税制赤字を解消するために、増税をしなければならないと考えられているが、アメリカは逆である。減税をして国内消費を活性化し、景気をよくして税収をあげようとする。さらにアメリカの場合は戦争によって軍需景気を作りだしているわけだ。

 いずれにせよ、アメリカは消費大国。国も国民も借金をして消費を楽しんでいる。このアメリカの消費を助けているのが日本をはじめとするアジア諸国だ。とくに日本の貢献が大きい。日本は政府と民間が何百億ドルというアメリカ国債を買っている。

 先日、朝日新聞夕刊「経済気象台」に「米国のもう一つの謎」という文章が載った。経常収支の赤字が拡大しているにもかかわらず、ドル高が持続している謎について、それは借金国のアメリカが負債について支払う金利が「異常」に低いからだと書いている。これに反して、アメリカの対外資産は巨大な利益を手にしている。

 アメリカは莫大な借金をし、そしてその中から、わずかな一部を他国に貸している。そして不思議なことに、巨大な借金のための利払いよりも、わずかな海外資産の方が多くの利益を生み出しているというのだ。

 どうしてこんなマジックが可能なのか。それは日本がこの逆をしているからである。なぜ日本がこの分の悪い役回りを続けるのか、実はこれこそが本当の謎だということになる。

驚くべきことに、小さな対外資産から受け取る利子と配当が、大きな対外負債に支払う利子と配当を今日まで上回り続けている。家計にたとえると、収入を上回る買い物をして毎月赤字が続き、借金が膨らんでいる。ところが、多額の借金に支払う金利がゼロに近ければ、わずかばかり保有する預金などから受け取る利子の方が大きいという状態なのだ。これでは赤字をいくら出しても、借金さえできれば、後は何の憂いもなく買い物ができる

このうまい話に手放しで悪のりして、米国は経済収支赤字を続け、負債の増加に加速度がついている。この構図が最近話題になり、債権国が浮き足だっている。日本にその気配がないことが「謎」の源である

 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。

 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。

 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。

 一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。

 仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。

 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている。

輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。
 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。

 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである

 幸い、最近この貿易構造がかわりつつある。日本の貿易相手国が中国をはじめとするアジアやヨーロッパにシフトしたことで、日本の対米黒字の割合が相対的に低下したからだ。こうして日本がデフレから解放されるチャンスがここから拡大した。

 しかし、問題はすでに厖大なドル建て資産をアメリカに持っていることだ。日本人の汗の結晶であるドル建て資産が、今後ドル安で何百兆と失われる可能性がある。こうした形で、アメリカは最終的に日本の資産を合法的に手に入れようとする。

「今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」というブッシュの一般教書の宣言は、これからも日本をはじめ、世界から資金を調達するという意思表示と読むべきなのだろう。
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html

20. 中川隆[-12553] koaQ7Jey 2020年5月30日 15:19:39 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[16] 報告
「アベノミクスの成果」【事実をいえば……】

安倍政権の発足直前(2012年10月〜11月)、政府は、80円台から105円(2013年12月)への円安を生むため、30兆円のドル買いを、秘密裏に、郵貯・かんぽ生命等の政府系金融機関に、行わせています。

25円(30%)の円安目的の、「円売り/ドル買い」マネーが、米国系投資銀行に入って、ヘッジファンドから、2012年末から日本株の買い越し(5兆円規模)になり、日経平均が8,500円台だった株価が、1万4,000円に上がっています(2013年末)。

これが、「アベノミクスの成果」とされたのですから、内実は白々しいことでした。当時の当メールマガジンにも書いたことです。

通貨と株価の大きな変化には、いつも、資金量をもっとも大きくできる政府と中央銀行、および政府系金融機関が関与する原因があります。
https://www.mag2.com/p/money/911417


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日本円が超円安になった理由
「アベノミクス」の正体
日本食潰す金融投機資本に貢ぐ 2013年5月17日付


安倍政府が発足して以後、「アベノミクス」と呼ばれる異次元の金融緩和や公共投資を中心とする政策が台頭し、急激な円安と株高の局面があらわれている。

昨年11月に民主党・野田政府が解散を表明した時点で8600円台だった日経平均株価は、半年たった今年5月中旬には1万5000円台まで急騰し、為替相場は1j=79円台だったものが102円台まで円安になるなど、世界的に見ても例がないほど大きな変動が起こっている。

海外投資家が時価総額のうち七割を占めている株式市場が熱狂し、さらに円安でトヨタをはじめとした輸出企業が過去最高益を上げるなど、金融緩和と為替マジックで金融資本や一部大企業がバブルに浸っている。

ところが一方で、燃油や穀物を中心に日本国内では生活必需品の価格が急騰し始めるなど、国民生活に深刻な影響が広がっている。「アベノミクス」でいったいなにが起きているのか、どうなっていくのかが重大な関心を集めている。


 
 バブルに群がる海外投資家

 この間、日経平均株価はリーマン・ショック以前と同レベルの価格まで急騰してきた。それほど好景気なわけでもなく、むしろ怒濤の首切りや製造業の海外移転を経て失業や貧困が全国的な範囲で広がり、生活実感としては悪化しているにもかかわらず、「日本株、年初から45%の上昇率」「1万5000円台回復」が叫ばれている。今後はさらに1万6000円台、1万7000円台まで上昇するとエコノミストたちが煽っている。

 しかし株式市場もよく見てみると、東証一部の約6割にあたる1000近くの銘柄が値下がりしている。株価が急騰している4割のなかでは円安効果の恩恵を受けた自動車産業や、ソニー、パナソニック、三菱電機といった企業が年初から倍近い株価をつけている。逆に株価が急落している企業としては不動産関係や、国内小売りのヤマダ電機、イオン、東芝などの企業群だ。

 東証の株式時価総額は昨年10月末には261兆円まで落ち込んでいたのが、今年4月末の段階では411兆円にまで膨れあがっている。わずか半年で150兆円がなだれ込んでいる。この半年の推移を見てみると、11月に14兆円増加し、12月には26兆円増加、1月に29兆円、2月に13兆円、3月に23兆円、4月には46兆円とすさまじい勢いで資金が流入しているのがわかる。

 このなかで投機の中心的なプレイヤーとして振る舞っているのが海外のヘッジファンドや投資家といわれ、時価総額の大半は国内資金ではなくこうした海外資金であることが明らかになっている。

サブプライム危機で行き場を失った膨大な余剰資金がヨーロッパを食い物にし、ギリシャ、スペインなど南欧諸国の国家破綻でボロもうけした後しばらくは中国や新興諸国のバブルに巣くっていたが、それも一段落ついて今度は「アベノミクス」バブルに大集結していることを反映している。


 世界3大投資家の一人であるジョージ・ソロスがわずか3カ月で970億円を稼いで

「黒田はガッツがある」

「緩やかに死に向かっていた日本市場の目が覚めた」

などと褒めちぎり、

「しかし円が雪崩のように下落する恐れがある」

などと発言する状況ができている。こうした抜け目ない守銭奴は、日本経済が低迷しているといわれた時期に底値で株式を買い取るなど仕込みを終え、現在のように素人が「株がもうかる」と思い始めるような段階には見切りをつけて売り抜けている。

カモにされるのはいつも決まって素人で、証券会社にそそのかされた年寄りや、中流世帯が巻き込まれて泣きを見ている。


 加熱する米国債の購入 日銀の金融緩和で


 国債市場は株式市場よりも規模が大きく、世界的には株式市場の3倍にもなるとされている。この間の円安で輸出企業は潤ったといわれているものの、円安そのものが国債暴落で、1j=80円の段階で例えば1万円の日本国債の価値がドルベースで換算すると125jだったのが、いまや1j=100円超えなので、その価値は100jと大幅に下落することになった。

 こんな日本国債を持っているよりは、ドル建ての米国債を購入した方が儲かるという判断が働いて、日銀が金融緩和すればするほど米国債買いが加熱して、海の向こうに資金が流れ出していくことになっている。

円建ての日本国債を売り払って円を調達し、その円を売り払ってドルを買って米国債を購入するのが流れになり、あるいは国債を売り払った資金で株式市場に投機する動きとなった。


 安倍政府、日銀による異次元の金融緩和は、米国債購入という形で吸い上げられ、あるいは国際金融資本の博打の源泉として食い物にされる仕組みになっている。

リーマン・ショック後に、米国ではFRBが気狂いじみた量的緩和を実行し、銀行群の損失処理にあたり、ヨーロッパではECBが負けず劣らずの量的緩和をやり、市場に資金を供給してきた。そうしたマネーに寄生し、バブルを渡り歩いてきたのがヘッジファンドで、熱狂した後に売り浴びせることは、過去に日本市場でも経験済みだ。


 円安でも拠点を戻さず 海外移転の大企業

 日本国内ではこの数年、大企業が円高を理由に海外移転を繰り返してきた。ところが円安になったからといって日本に拠点を戻すわけでもなく、多国籍企業のようになって出ていく。内部留保を散散貯め上げたうえで、そうした過剰な資本は国民生活の水準を引き上げるためには用いられず、より利潤の得られる後進諸国への資本輸出や進出へと向けられている。ベトナム、ミャンマーといった進出先のインフラ整備までODAで日本政府に肩代わりさせるのだから、国民の面倒は見ずにもっぱら寄生するだけの存在というほかない。

 その株式を保有しているのが米国をはじめとした海外の超富裕層や、錬金術に長けた金融資本で、人為的な円安、株高政策にせよ、TPPにせよ、日本の富を米国富裕層の個人資産に移し替えてくれる「アベノミクス」だからこそ大歓迎している。

 グローバリゼーションのもとで、かつてなく世界を股に掛けた投機が横行し、産業集約が進んでいる。金が溢れて投資先に困るほど、生産は社会化して富は増大している。ところがその金は一%にも満たない超富裕層が握りしめて離さないことから、九九%がますます貧困に追いやられ、モノが売れずに経済活動は停滞。金融が破綻すれば損失を国家に転嫁するというデタラメがまかり通っている。

 ヘッジファンドが食い荒らしている日本市場の姿と、その資金をせっせと提供している「アベノミクス」の存在が暴露されている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/enyasukabudakanokagedekyuurakusurukokusai.html


安倍「官製相場」の正体。国民生活が疲弊し対米従属は加速する=吉田繁治 2016年10月20日
http://www.mag2.com/p/money/24781


2012年12月に発足した安倍内閣はアベノミクスを標榜し、株価上昇をその支持基盤としてきました。あれから約4年、いよいよ「株価政権」の総括検証をすべき時期が来ています。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2016年10月19日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した内容(約5,000文字)もすぐ読めます。

なぜ株価は景気を反映しなくなったのか?官製相場の欺瞞を斬る

安倍首相の「スタートダッシュ」

消費税10%法案を通した野田民主党の自滅により、自民党は2012年12月、3年4ヶ月ぶりに政権に復帰しました。首相自ら「アベノミクス」と呼ぶところの、安倍政権の経済・金融政策の始まりです。

安倍首相は前回の失敗から、「スタートダッシュが肝心」と決めていました。自公政権が確実になった12年10月に明らかになったのは、
◾脱デフレの大きなマネー増発策
◾10年で200兆円の国土強靱化の公共投資

でした。日銀法を改正し、独立権を奪ってでも、マネーを増発させるという強いものだったのです。

【関連】株も不動産も奪われる! 預金封鎖よりも怖い「財産税」の傾向と対策=東条雅彦

国土強靱化は、財政赤字を200兆円分拡大して危険だ、という財務省の反対で消えました。東日本大震災の復興予算として、別途、28兆円の政府支出が必要だったからです。

マネー増発を推進するミッションを持ち、黒田総裁・岩田副総裁体制になった日銀は、異次元緩和(量的・質的金融緩和)を開始します。

量的緩和は、金融機関がもつ国債を買ってマネーを増発する政策です。質的緩和は、日銀が日経平均(株式ETF=上場投信)とREIT(不動産投信)を買いあげて、価格を上げるものです。

日銀による株買い(ETFの購入枠は6兆円/年)、これは普通、中央銀行が禁じられていることです。

恐慌の研究家である前FRB議長のバーナンキは、「日銀がケチッャプを買えば物価上がる」と言っています。あるいはヘリコプターでお金をばらまけばいいとか、ニコリともしないで異常なことを言う。

日銀が増刷した円で店頭商品を買えば、需要の超過になり物価は上がります。車を100万台(3兆円)、住宅を100万戸(30兆円)買ってもいいが、さすがにそれはできない。そこで株を買う。

日銀の株買いは迂回(うかい)して行われた

金融機関は、国債をはじめとする債券と貸付金で預貯金や基金を運用しているので、余分な現金は持ちません。

量的・質的緩和を政策にした日銀が、郵貯、年金基金(GPIF)、かんぽがもつ国債を買う。政府系金融と基金(GPIF)はそこで得た円で、日米の株とドル国債を買う。ワンクッションおいていますが、日銀が直接に日米の株を買い、米国債を買うことと同じです。

日銀は直接買うETF(年6兆円の枠)以外に、迂回路をとり数十兆円の株買いを行ったと言えます。方法はごまかしめいて姑息ですが、マネーの流れとしては露骨です。

日銀は量的・質的緩和として、円を下げ、株を上げ、インフレに誘導する「可能な手段の全部」をとってきたのです。

株価上昇は、株主の資産(東証一部時価総額511兆円 ※16年10月18日時点)を増やします。同時に企業の増資コストを下げます。資産が増えた株主は、資産効果で消費を幾分か増やします(しずくのようにわずかなのでトリクルダウンという)。百貨店で、100万円級の機械式時計が売れたのが、この資産効果です。

株価は理論的には、企業の将来の税引き後の予想純益を、期待金利(リスク率を含む株式益回り:6.6% ※16年10月18日時点)で割ったものと等価です。これが表現するのは、株価は企業の予想純益の結果ということです。

しかし多くの人々には、「株価が上がった→景気がよくなったからだ」と理解されます。下がっていた血圧が輸血で上がったから健康に戻った、と思うような本末転倒ですが、投資家と上場企業は歓迎します。支持率が上がるので、政府与党も喜ぶ。

株価が下落し、支持率も低くなった前回の反省を踏まえた安倍首相は、スタートダッシュで円安の誘導、株価の上昇に躍起になりました。円安の誘導は、輸出を増やし、株価を上げるためでした。

マネーの流れ

ヘッジファンドは保有しているドル国債を日本に売り、得た円で、出遅れていた日本株を買う。そして実は、総資金量が420兆円と日銀よりも巨大な政府系金融(現在名ゆうちょ銀行、かんぽ保険、GPIF:総資金量420兆円)は、日銀に国債を売って得た円で、米国債も買っています。

公的年金の残高139兆円(15年12月)を運用しているGPIFの、15年12月のポートフォリオ(分散投資)は、「円国債38%、国内株23%、外国債券(主は米国債)14%、外国株23%」です。

※日銀がGPIFの国債を買いあげる→GPIFは得た現金で国内株、米国債、米国株を買う→GPIFに米国債を売ったヘッジファンドはそのマネーで日本株を買う

マネー運用には遅滞が許されないので、この迂回路取引がコンピュータの中で、一瞬で起こります。

安倍政権の初年度だった2013年には、外国人(ヘッジファンド)からの15.1兆円もの巨大買い越しがありました。

外国人の売買は、東証一部の年間売買額460兆円のうち320兆円(約70%:16年7月水準)です。国内勢(金融機関と個人投資家)は、1990年のバブル崩壊後の損失の累積で資産を減らしたため売買がとても少ない。国内勢の売買は140兆円です。

他方、多くがオフショア(タックスヘイブン:租税回避地)からであるヘッジファンドの売買が320兆円です。東証はこのヘッジファンドの支配下です。

ヘッジファンドの日本株買いと、円先物売りのマネーの多くは、GPIFにおけるような迂回路をとって日銀が買い続けている、政府系金融の国債の現金化から来ています。

安倍政権前から始まっていた「官製相場」

政治相場(あるいは官製相場)は、14年10月末に発表された「日銀の追加緩和」と「GPIFの運用方針の変更」から始まったように言う人が多い。

しかし、マネーの流れを比較貸借対照表で調べると、安倍政権が始まる前の12年の10月から秘密裏に開始されています。最初は、円安介入のための30兆円の政府系金融マネーでした。

※総資金量420兆円の政府系金融3機関が、日銀に国債を売ったマネーで、米国債を30兆円買った→米国債を売ったヘッジファンドが日本株買い/円の先物売りを行った

安倍政権が確実になる前、12年9月の日経平均の予想PER(加重平均)は、1ドル80円台の円高の中で12倍付近と低かった。米国ダウのPERは15倍と3倍高かった。

上場企業(東証一部2000社)においては、輸出製造業の株価シェアが大きい。円安/ドル高になると、利益が数倍に増えます。このため、円安で日本の株価は上がり、円高で下がる基本性格があります。

通貨の低下は、普通、国力(政治力)と経済力の低下を示します。しかし日本では、ドルでは同じでも円での輸出価格が上がる。このため、上場企業の利益が増える予想がたち、株が買われます。
(注)予想PERは、株価の時価総額を次期予想純益で割った株価/収益倍率であり、株価の高さ、低さを判断するための指標です

PERが15倍なら将来15年分の、未実現の企業純益を株価が含んでいます。16年10月の日経平均の加重平均のPERは、14.3倍付近です。単純平均のPERでは18倍と高い。日経平均は、ユニクロ(ファーストリテイリング)の34倍のような高PER銘柄を含むからです。

2016年10月現在、日経平均は1万7000円付近です。米国ナスダックの予想PER(単純平均)は現在21.9倍で、バブル価格の水準です。他国をあげると、インド18.2倍、英国17倍、米国ダウ16.8倍、上海総合14.4倍、ドイツ13.3倍、ロシア6.8倍です。


円安誘導という名の「米国債買い」を実行

安倍政権誕生の2ヶ月前、1ドル77円(12年9月)だった円は、その2ヶ月前から下がりはじめ、10月に80円、11月に83円、12月には87年円と13%の円安になっています。続く13年1月に92円、2月には93円と下がり、6月には岩盤に見えていた100円も超えたのです。
(注)円安のピークは、15年6月の125.8円です。16年2月のマイナス金利以降は、逆に円高になり16年10月は104円付近です

円安は、世界の外為市場(円の売買が日量120兆円:2016年)での「円売り/ドル買い」が「円買い/ドル売り」を超過することで起きます。なぜ50%(1ドル120円)もの円安になったのか?

ここで、財務省の外貨準備($1.26兆:126兆円:16年10月)は、目立つので使われなかった。かわりに、ゆうちょ銀行、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、かんぽに、推計30兆円の「円売り/ドル買い」を行わせたのです。

前述のように、日銀がゆうちょ、年金基金、かんぽがもつ国債を買い、政府系3機関は、そこで得た円で、円安誘導を目的にしたドル債買いを実行するわけです。

さて、米国政府は、為替介入を行う国を「為替操作国」と強く非難します。しかし、円売り/ドル買いで得たドルで米国債を買うと途端に沈黙します。この理由は何でしょうか?


アメリカ政府の債務は2000兆円

米政府の総債務(自治体と社会保障の債務を含む)は、日本国債の2倍の$20.0兆(2000兆円:16年)に膨らんでいます。米国債も$15兆(1500兆円:同年)に増えています。

財政赤字は毎年、$7000億付近(16年度は$7130億)です。17年には、公的医療費($2.8兆:280兆円:12年)の増加で、赤字は$1兆を超えるでしょう。

米国の人口ピラミッドは、日本の10年遅れです。医療費では診療単価が約2.5倍高く、総額で$2.8兆(280兆円:12年)です。3.2億人の国民の、健康な人を入れた1人あたり年間医療費は$9000(90万円)です。

日本の医療費は、40兆円で1人あたり31万円/年。米国は1人あたりで3倍も多い。米国の医療費は信じられない高さです。盲腸の手術や流産で200万円とか…日本は世界的には医療費は安い。

米国政府は、この高すぎる医療費のため、日本の10年遅れで高齢者が増えるとつぶれます(ほぼ確定でしょう)。

米国は、新規国債のうち50%は、経常収支が黒字の中国と日本に売らねばならない。米国内では50%分しか買い手がない。米国は、海外からマネーを借りる構造を続けています。円でドル国債を買うことは、マネーの流れとしては米国への貸し付けです。

経常収支の赤字国は、感覚では逆ですが、資本収支では黒字になります。資本収支の黒字とは、マネーが流入することであり、現象形は、海外の金融機関が米国債、株、社債、MBS(住宅ローン担保証券)を買って、ドル預金をすることです。

わが国の民間では、国内の運用先がない三菱UFJグループ(総資産281兆円:16年6月)が、米国運用を増やしています。米国経済は、海外資金が大挙して引き揚げるとひとたまりもない。このため、米国はユーロや円より約2ポイントは高い金利を続けねばならない。


米国が利上げしなければならない本当の理由

米国が14年10月に、3回行った量的緩和(QE:$4兆:400兆円)を停止し、2015年12月にFRBが0.25%利上げした本当の理由は、金利が低いままだとドル債が売られ、海外から来たマネーが逃げる恐れがあったからです。逃げはじめてからの利上げでは、間に合わない。

米政府とFRBが、日本に金融緩和を強く勧めるのも、米国債と株を買ってもらうためです。異次元緩和にも米国への資金環流という条件がついていました。リフレ派は亡国のエコノミストに思えます

リーマン危機のあと、400兆円のドルを増発した3度のQE(08年〜2014年)でマスクされていた米国の「大きな対外不均衡」は、今も世界経済における根底の問題であり続けています。

米国の対外総債務は、$20兆(2000兆円)、対外資産を引いた純負債は$8.8兆(880兆円)と巨大です(15年末)。

一方で日本は、官民で948兆円の対外資産をもち、対外債務は609兆円です。339兆円の純資産があります(15年末:財務省)。経常収支が黒字になり、バブル経済で世界ナンバーワンと言われた1980年代以来、企業と金融機関が営々と貯めてきたものが、対外純資産になっています。

関連して言うと、中国は、公式には$2.1兆(210兆円:14年)の対外純債権国とされています。しかし、15年と16年に民間で起こった「元売り/ドル買い」に対抗して、政府が行った「元買い/ドル売り」により、今は、純債務国に転落していると推計できます。

2015年12月で$3.3(330兆円)とされている外貨準備では、銀行の持ち分と政府の持ち分が二重に計上されています。中国の4大銀行は、全部が国有です。選挙と議会制度がない共産党国家・中国の経済統計には、かつてのソ連と同じ問題があります。


ヘッジファンドによる円売り・日本株買いのカラクリ

アベノミクスとは、インフレを目標にした、

1.日銀の国債買いによる通貨増発
2.ドル買い/円売りによる円安誘導
3.政府系金融とGPIFによる日本株買いと米国債買い


です。

2%のインフレを目標にしたのは、年金・医療費・介護費(社会保障費)が年率3%(3兆円)で増え続け、それが国債の増発に繋がって、債務比率(政府総債務1277兆円/名目GDP505兆円=253%)が拡大することを防ぐためです。

分母の名目GDPが年率で3%以上増え続けないと、債務比率が大きくなり、近い将来の財政破綻が確定するからです(名目GDPの下限目標=実質GDP1%+インフレ率2%)。

仮にインフレになっても、企業所得と税収が増える中で世帯の所得が増えない場合、国民の生活は苦しくなっていきます。年金支給額が固定されている年金生活者3100万人(15年:厚労省)と、円安では企業所得が減る多くの中小企業の雇用者4100万人(06年:経産省)、合計で7200万人は、インフレで実質所得が減ります。

しかし、それらは構わない。政府にとっては、差し迫る財政破綻の防止がはるかに大切だとされたのです。


円安と株価上昇には有効だった量的・質的緩和

需要が増えることによる物価上昇に効果がなかった量的・質的緩和は、12年末から15年までの円安と株価上昇には有効でした。13年と14年の物価上昇は、円安での輸入価格上昇が主因です。世帯消費と企業の設備投資は増えていません。

東証では、年間420兆円の売買額の70%が、オフショアからのヘッジファンドによるものです。国内の個人投資家と金融機関は、90年からのバブル崩壊、00年のIT株崩壊、08年9月からのリーマン危機で3回の大きな損失を被ったことから、売買額が30%に減っています。

個人投資家700万人の多くは、上がるときは損失を回復するため売り越す、下がるときは難平(なんぴん)買いで買い越すという行動を取ります。


2012年末以降の日本株式市場の売買構造

このため、わが国の株価を決めているのは、70%のシェアになったヘッジファンドの売買です。


1.ヘッジファンドが買い越せば上がり、売り越せば下がる

2.下がっては、政府と投資家が困る

3.ヘッジファンドが売り超になると、3つの政府系金融(総資金量420兆円)と日銀(同459兆円:16年10月)が買いをいれる

という単純な基本構造が、2012年末から2016年10月まで続いているのです。

しかし2016年は、政府系金融と日銀の買いに対する株価上昇の反応が鈍い。この理由は、

1.アベノミクスによる株価上昇が政治相場(または官製相場)であることを皆が知った

2.このため二番目に大きな売買シェアを持つ個人投資家(700万人)が、政府系金融に追随した買いを入れなくなった

ことにあります。


米国の後追い。2015年から日本でも自社株買いが増加している

1日平均売買額が2.9兆円(15年平均)だったものが、2.3兆円(16年7月)に減った現在の東証一部で、大きく増えているのは自社株買いの4.3兆円です(16年1月〜9月)。

これは、事業法人の買い超に含まれます。年間では5.7兆円の買い超になるでしょう(13年1.5兆円、14年2兆円、15年3兆円)。

自社株買いは、市場で流通する株式数を減らします。会社利益は同じでも、1株あたり利益は上がったようになり、株価も上がります。タコが自分の足を食べることに似たこの自社株買いは、上場大手企業が留保利益で将来投資をせず銀行預金として貯まった、現金100兆円で行われています。

自社株買いでも、買いが増えれば株価は上がるので「株価上昇という形の株主配当」とされています。経営者が株主サービスとして行うのです。問題は、自社株買いは、いつまでも続けることはできないことです。

米国の2012年以来の自社株買いは、とても大きい。16年の第一四半期で$1820億(18.2兆円)です。年間では73兆円という巨額です。米国では、日本よりはるかに個人株主の要求度が高い。株価が1年も下がり続ければ、資産を失った株主により、株主総会で経営者が追放されます。

このため、経営者は米国FRBの量的緩和と、わが国と同じ将来投資の少なさから滞留したキャッシュフローで、年間73兆円もの自社株買いで事実上の減資をしているのです。

時価総額で世界一のアップル($6091億=60兆円:16年9月)は、社債を発行しゼロ金利マネーを得て、それで巨額の自社株買いを行っています。米国のダウやナスダックの大手企業の株価は、大きな自社株買いで20%から30%は高値になっているでしょう。

本稿執筆時点のダウは1万8161ドル、ナスダックは5243ポイントで史上最高値圏です。過去10年の純益を元にしたシラーP/Eレシオ(26.6倍:16年10月)が示すように、数十%のバブル性があると見ることができます。株価維持のために膨らみすぎた自社株買いの減少があれば、下がります。

自社株買いは、政府主導の官製相場と同じく、3年も5年もと続けることはできません。事実、2016年は米国の自社株買いはピークアウトして、今後は減少する傾向も見えます。

米国の自社株買いの傾向に注目してください。これが減ると、米国株は下がります。米国株が下がると、日本と欧州にも即日に波及します


株価が景気を反映しなくなった理由

ポートフォリオ投資とHFT(超高頻度売買)を組み合わせた売買シェアが、60%まで増えています。10年代の国際金融は、ネットワークで、リアルタイムに連結されているからです。

世界中の国債や株の売りも買いも、コンピュータ画面で一瞬です。株と債券の金融市場は、インターネットで変容しています。売買を叫ぶ「場立ち」があった「のどかな市場」ではない。

それでなくても、わが国の日経平均は米国ダウの子供です。米国株を売買しているヘッジファンドがポートフォリオ(分散投資)で、日本株をたとえば12%と一定割合にしているからです。米国株が下がると、ポートフォリオの中の米国株が減少します。かわりに、12%枠と決めている日本株の構成比が上昇します。これでは日本株の下落リスクが大きくなる。

株価罫線を分析するトレンド理論(傾向理論)とは違う、ランダムウォークの理論では、向こう3ヶ月で10%上がる確率があるときは、10%下がる確率も同じです。このため、ポートフォリオでのリスクが、コンピュータが自動計算する数値で大きくなる。

従って、米国株が下がると日本株を売って減額調整するプログラムが組み込まれています。ヘッジファンドのほとんどの売買で行われているHFT(超高頻度売買)がこれです。人間は関与せず、現物・先物・オプションの売買を組み合わせ、瞬時に売買が行われます。

ファンドマネジャーの関与は、ポートフォリオの割合(パラメータ)を変えるときです。以上の売買構造が増えたため、日米の株価の動きは同時化します。日米だけではない。

世界の株式市場(時価総額6000兆円:世界のGDPの1倍)が、ほとんど瞬間連動して動きます。基礎的な経済指標によるファンダメンタル理論(端的に言えば、景気がよくなると株価が上がる)は、ほとんど関係がなくなっているのです。
http://www.mag2.com/p/money/24781



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日経平均株価が上がる程、日本人はどんどん貧しくなっていく

アダム・スミス2世の経済解説  2015-05-10
アベノミクスがもたらした株価上昇による100兆円の損失
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-184.html

アベノミクスの評価は、現時点においてもさまざまである。その中で多くの人たちが認める功績は、株価を上昇させたことであろう。アベノミクスの否定論者でも、アベノミクスは株価を上昇させたこと以外にメリットは存在しないという評価を下す人は多い。

今回は、アベノミクスが株価上昇により巨額の損失を日本経済に与え、最近ではその累計額が100兆円にまで到達したという事実を説明する。


現在、日本で使われている日本の純資産に相当するものは、国民経済計算ベースでの国富(=正味資産)である。

現在、国ベースでどれだけ資産を増やした、あるいは減らしたかを認識できる統計は、国民経済計算ベースの国富しか存在しない。


国富のグラフ
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国富の大半は非金融資産である。それ以外は、金融資産の一部である対外純資産だけである。国富の大半をしめる非金融資産が減少傾向を示している最大の原因は、地価の下落である。対外純資産は増加傾向にある。

国富には、対外純資産以外の金融資産が存在しない。これは、金融資産が存在すれば、必ずそれに等しい金融負債が存在していると国民経済計算では考えるからだ。この場合、株価が上昇しても、株価の時価総額の増加額に等しい金融負債が増加していると考えるのである。

この考え方に基づけば、アベノミクスの結果株価が上昇しても、プラスは発生しない。株価の時価総額と同金額の金融負債が同時に増加すると考えるからだ。株式保有金額の増加額のうち海外投資家による日本株保有分については、海外投資家の資産増加と、国内部門の負債の同金額の増加が発生すると考える。

これを日本から見れば、国内の負債の増加分と同金額の国内資産が増えているのではなく、同金額の対外負債の増加だけが発生していると見える。

対外負債の増加であるから、対外純資産の減少、すなわち国富の減少を意味する。

日本の株価が上昇すればするほど、資産は増えず、対外負債だけは増加し、対外純資産と国富は減少する。


2014年末における投資部門別の株式保有金額(上場株だけが対象)を表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額
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2014年末における最大の大株主は海外投資家であり、その金額は165兆円、全体の31%を占めていた。

次に、アベノミクス相場の開始以降、上記の株式保有金額がどれだけ増加したかを表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額の増加額
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アベノミクス相場の開始日は、野田前総理が衆議院解散を明言した2012年11月14日である。しかし、その日からの統計は存在しないので、代わりに2012年9月末を基準にした。保有金額にだいたいは比例しており、海外投資家による株式保有金額の増加額が95兆円と一番大きい。

次に、アベノミクス相場開始以降の投資部門別の売買状況を表すグラフを下記に示す。

投資部門別売買
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このグラフの起点も、2012年9月末にした。見てわかるとおり、買いの大半は海外投資家である。2014年から公的資金が買い始めたので、信託銀行が少し買い越しになっている。最大の売り越し主体は家計、すなわち個人である。

次に上記の2つの表で示される金額の差を表す投資部門別の調整額というグラフを下記に示す。

調整額
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調整額の定義は、資産の変動金額と売買金額の差である。具体的には、調整額の大部分は株価の値上がり益であり、かなり広い意味ではあるが統計上の不突合が一部に含まれている。最大の大株主である海外投資家が一番大きな株価の値上がり益を獲得している。

最初に示した国富の中の対外純資産は、フローベースでは「経常収支+資本移転等収支」の累積金額になる。一方、ストックベースではそれ以外のさまざまな資産価格の変動の影響を受ける。さまざまな資産価格の変動の中で最も寄与度が高いのは、為替レートと株価の変動分である。

日銀の資金循環統計ベースの対外純資産は、2012年9月末の277兆円から、2014年12月末の376兆円まで98兆円の増加となっている。このうち、海外投資家の日本株投資残高は、先のグラフで示したとおり95兆円、うち買越金額は20兆円、調整額、すなわち株価の値上がり益は75兆円である。

海外投資家は日本の株価上昇により、75兆円前後の値上がり益を獲得した。このため、日本の株価が2012年9月と2014年末が同じであったと仮定するならば、対外純資産は376兆円より75兆円多い451兆円になっていたはずである。

株価が上昇したがために、75兆円もの対外純資産と国富が減少したことを意味する。

株価上昇によって海外投資家が獲得した75兆円の調整額は、2014年末の金額である。2015年に入ってからも、日本の株価は上昇している。

ここで海外投資家の保有株式金額はTOPIXと同じ動きをすると仮定する。この仮定に基づいて、2014年末からの海外投資家の日次の調整額累計を表すグラフを下記に示す。


海外投資家の調整額
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少しばかりの仮定をおいて算出される累積調整額は、2015年4月22日に100兆円に到達した。

この金額は、アベノミクス相場開始以降、日本の株価上昇によって失われた国富の金額にほぼ等しい。

アベノミクスによる株価上昇が原因で失われた国富は、4月22日についに100兆円に到達してしまったのである。


アベノミクス相場の開始以降の株価上昇による(上場株だけから発生した)国富の損失100兆円という数字は、多少の誤差があるとしても、ほぼ正しい金額である。


株価上昇はアベノミクスの最大のメリットというのは正しくない。国民経済計算という有力な会計基準を使った場合、アベノミクスは、株価上昇の結果として日本の国富を100兆円も失わせた。

アベノミクスがもたらした株価上昇の結果は、大変大きな利益ではなく、100兆円という巨額の国富の損失であったという観点が存在することは重要であり、この事実を忘れてはならない。

最後に、100兆円の巨額の損失が発生してしまった原因とその対策を記すことにする。
 

政府・日銀の犯罪的な政策について

日本企業の株というものは、日本国民にとっての大変貴重な財産である。それに対して政府・日銀が過去にとってきた政策は、1989年12月29日の高値38,915円から2009年3月10日の安値7,054円まで、19年強の期間、最大で82%も日経平均株価を下落させたことである。

そして、国内投資家に、株価はもう上がらないという非常に強い予想、期待、確信と、株価が戻れば売らなければならないという非常に強固な信念を抱かせてしまった。そして、1991年以降、結果として取引所という流通市場だけで92兆円、発行市場も含めた国際収支ベースでは114兆円もの日本の現物株を国内投資家が海外投資家に安値で売り渡すことになってしまった。

これは犯罪的とも言えるレベルの政策である。アベノミクス相場が始まってからも、国内投資家は取引所という流通市場だけで20兆円の現物株を海外投資家に売り渡しており、犯罪的な政策は是正されていない。


これ以上海外投資家に株を売り渡せば、株価上昇と並行して増える損失がさらに拡大する。過去の政策があまりにも犯罪的すぎた。

株価が2万円前後にまで戻っても、国内投資家がまだ海外投資家に大量に株を売り渡し続けているという現状は異常である。過去における政府・日銀による犯罪的な政策を容認し、現在の異常な状態を異常と思わない人が多すぎることは、大問題である。
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-184.html
 

21. 中川隆[-12552] koaQ7Jey 2020年5月30日 15:50:14 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[18] 報告

元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る2016年2月13日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/2489

長期停滞論とは、労働市場の改善のみを見て経済は安泰であるとする世界の中央銀行に対し、世界経済はより深刻な需要不足を抱えていると指摘する経済学者ラリー・サマーズ氏の仮説である。

労働市場のみを重視する従来の手法はバーナンキ氏やイエレン氏など中央銀行側に多く見られる一方で、サマーズ氏の悲観的な見方には有力なヘッジファンド・マネージャーらが同調しており、彼らはその仮説に基づいて悲観シナリオに自らの資金を賭けている。経済学の学説を巡る中央銀行とヘッジファンドの高尚な戦いが、現在の金融市場では繰り広げられているわけである。

これについてはずっと書かなければならないと思っていたが、丁度Equitable Growthのインタビュー(原文英語)でサマーズ氏自身が長期停滞論について分かりやすく説明しているので、これを紹介しておこうと思う。長期停滞が昨今の世界同時株安に繋がった仕組みなども説明されている。以下、注釈など途中で入れずに主な部分をそのまま訳して掲載する。

長期停滞論とは何か?

わたしの定義では、長期停滞とは、ある国の経済または世界経済において、投資よりも貯蓄が好まれ、慢性的な貯蓄過剰が見られる状況をいう。貯蓄過剰は実質金利を押し下げ、弱い需要は低い経済成長の原因となり、インフレ率はターゲットを下回ることとなる。

長期停滞の状況下では、経済成長率は相対的に低い位置で変動することとなり、高成長は長期的に持続できない傾向がある。長期停滞下における高成長は、持続不可能な借入や資産価格に基いているからである。

米国やヨーロッパや日本では、これから10年ほどインフレ率が1%を下回り、実質金利はゼロを下回ることが予想されている。これは10年以上の長期にわたっての話である。

産業の利益率は今後非常に望ましくないパフォーマンスに終わる、というのが市場の下した評価であり、市場の悲観は既に長く続いている。キーワードは需要不足である。需要不足は投資を抑制し、投資が減れば失業率は高まり、失業者が長らく失業状態に置かれると、労働能力のない恒久的な失業者となって経済内の労働力を削ぎ落とす。

低インフレあるいはデフレは同時に緩慢な経済成長を示している。それが長期にわたって続くときには、経済の需要側で何かがおかしくなっているのだと考えなければならない。

長期停滞論が正しければ財政政策はどうなるべきか?

財政政策に関して言えば、もっとも不合理な決まり文句は、民間が財布の紐を占めているのだから、政府もそうしなければならないというものだ。

オバマ大統領も、わたしが彼のもとでの財務長官の任期を終えた後だと思うが、そう言った。わたしは非常に残念に思った。ほとんどすべてのアメリカの大統領が一度はこれと似たようなことを言っていると思う。実際にはその逆で、政府は民間の傾向の逆を行かなければならない。民間貯蓄が民間投資を著しく上回っている場合には、政府はより借り入れ、より投資をしなければならない。

長期停滞こそは、米国政府が3%以下の金利で、しかも自分で刷ることの出来る通貨で、30年以上借金が出来る時期であり、素材が極めて安い時期であり、建設業の失業率が高止まりする時期なのだ。

例えばニューヨークの空港の状態を何とかするためにより適した時期がこれまであっただろうか? あの状態は酷すぎる。米国は経済全体に対する政府のインフラ投資の割合が最も低い国である。1947年以来ずっとそうなのだ。減価償却を考慮に入れれば、われわれはまったく投資をしていないに等しい。

だから公共事業を適切に拡大する余地はまだあるはずだ。社会主義から程遠いIMFさえ、経済が流動性の罠に陥っている現在の状況では、公共投資は経済成長を押し上げ、GDP比で見た負債額を増加させるよりはむしろ減少させる、ということを認識している。

貯蓄か投資か

米国の金利が非常に低い水準で推移し、これから何年かでゼロの壁に張り付く可能性もあるなかで提起される問題は、貯蓄を促進するのが良いのか、投資を促進するのが良いのかということである。

これまで長年の間は、貯蓄を促進するのが良いことであるとされてきた。しかし貯蓄に対するリターンが少なく、また需要不足が懸念される状況においては、需要を喚起することにより熱心になるべきだろう。

長期停滞が産む量的緩和バブル

長期停滞仮説は次のような可能性を提示する。現在の金融市場の混乱は、勿論部分的には不適切な規制の結果なのだが、より深い意味では、完全雇用を実現するために必要な信用流入額があまりに膨大であるために、それを経済に流入させると金融市場の不安定化は避けられないということである。

この見方によれば、長期停滞下の弱い需要と弱い経済成長に抗う努力は、危険な額の信用の流入や、資産バブルを産む金融政策のような望まれざる副作用を巻き込んで初めて成功するものであるということである。そうであれば、適切な規模の需要を維持するための手段として、金融政策よりも構造改革や財政政策に軸足が置かれるべきだろう。

非伝統的な金融政策についても更なる研究がなされるべきだ。長期停滞仮説によれば次のような懸念が考えられる。いくつかの国が経験していることだが、経済が回復の最終段階に達し、失業率が低下した場合においても、その後3年以内に景気後退に陥る可能性はかなり高く、1年以内であってもその可能性は低くない。伝統的には、景気後退時には中央銀行は金利を3%から5%ほど下げて対応するものだが、次に景気後退が来るときには、それほど大きな利下げの余地は残されてはいない。

ではどうするべきか? 答えの一つは財政政策であり、こうした緊急時には通常以上のことをやる必要が出てくるだろう。しかしもう一つの答えは、非伝統的な金融政策の可能性をよりクリエイティブに検討することである。量的緩和が既にローンの金利を非常に低いレベルまで押し下げたなか、どれだけの緩和が可能か? マイナス金利は最大で何処まで拡大することが経済的に可能なのか? 金融緩和がもたらす副作用は厳密にどのようなものなのか? これらはすべて、長期停滞仮説によって重要であると考えられる命題である。


翻訳はここまでである。重要な点は、長期停滞下の一時的な経済回復は、持続不可能な信用創出と資産価格バブルによって実現しているだけであり、その事実は、量的緩和が終われば経済成長はまた低いレベルに押し下げられてゆくということを示唆している。

したがって、そのような状況で達成された完全雇用を見てFed(連邦準備制度)が利上げを行えば、副作用で不安定となった金融市場は大荒れになるということである。

•ラリー・サマーズ氏: 米国の利上げは困難、ドル高で米国の需要は海外に流出する
•債券王ビル・グロス氏も原油価格反発を予想、そして米国利上げは失敗する
•ジム・ロジャーズ氏が利上げ後の相場を語る: 2016年のドル、株式、債券、金、原油、ハイイールド債

このような見方に同意しているファンドマネージャーには、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター創業者のレイ・ダリオ氏、債券王と呼ばれるビル・グロス氏などが挙げられる。また、ジョージ・ソロス氏も長期停滞論には直接言及していないが以下のような発言を残しており、恐らく似た考えを持っていると思われる。

•ジョージ・ソロス氏: 2016年世界同時株安の原因は中国、中国経済のバブルは既に崩壊している


人々の心理にはデフレ期待が蔓延しており、消費者は低金利に対し支出を増やすことで反応する可能性は低い

この一行に秘められた奥深い意味は、長期停滞論を前提として読めばより分かりやすいだろう。

長期停滞論に基づいた投資戦略の例として、わたしはこうした仮説に基づいて、米国の利上げ継続は困難と判断し、2015年12月に金投資を開始した。これは現在のところ成功していると言える。

•世界同時株安で予想通り金価格が急上昇: いつまで続くか? これからどうなるか?

また、今回のインタビューでは言及されていないが、世界的な低成長の原因として他に挙げられるのが、債務の長期サイクルと人口動態である。これらの要因についてもいずれ触れるつもりである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/2489

22. 中川隆[-12449] koaQ7Jey 2020年6月07日 19:44:54 : SfWreMOFgE : aHFla2tIYzI0UzY=[25] 報告
2019.6.27 「投資って何だ?」大西つねきの週刊B面動画コラム vol.8


23. 中川隆[-12447] koaQ7Jey 2020年6月07日 19:47:20 : SfWreMOFgE : aHFla2tIYzI0UzY=[27] 報告
西つねき 株の話をします(Live配信2020/6/5)


24. 中川隆[-12445] koaQ7Jey 2020年6月07日 20:07:02 : SfWreMOFgE : aHFla2tIYzI0UzY=[29] 報告


2018.2.26「経済成長信仰を打破せよ! 」大西つねきの週刊動画コラムvol.15


25. 中川隆[-12441] koaQ7Jey 2020年6月08日 08:02:45 : Nyj8sfUoGw : SnJiY0VVaVpJMVU=[6] 報告
2018.7.2「脱資本主義の旗を掲げろ」大西つねきの週刊動画コラムvol.33


26. 中川隆[-12434] koaQ7Jey 2020年6月08日 14:34:26 : Nyj8sfUoGw : SnJiY0VVaVpJMVU=[14] 報告

日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取られる

2018.5.28「売国政策を糾弾する」大西つねきの週刊動画コラムvol.28


27. 中川隆[-7947] koaQ7Jey 2021年1月22日 11:15:33 : S5sBIuDAsc : WW9BTlIvaG5aUVk=[7] 報告
2021/1/21
「資本主義の限界」と解体されるアメリカ 
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■ トランプ劇場に翻弄された陰謀論者 ■
アメリカでは心配された襲撃も無く、バイデン新大統領が誕生しました。陰謀論愛好家としては、もう少し波乱があっても良かったのですが・・・。

トランプ大統領就任以降、アメリカのプアーな白人と、世界のネットリテラシーが欠如した人々は「トランプこそ影の支配者と戦う正義の味方」と信じて、様々な信憑性の薄い情報に踊らされて来ました。そこにはトランプを裏で操る者達の綿密な作戦が有った様に思われます。

トランプは不利な前回大統領選を有利にする為に、陰謀論を巧みに利用しました。ネットでは「クリントン家は中国と密着している」だとか、「悪魔崇拝の幼児性愛者が政治家や資本家には沢山居る」などという噂が流れていましたから、巧にこの噂を利用した。

トランプ自身は、過激な噂に明確に触れる事は有りませんでしたが、「地球温暖化は嘘だ」とか「重大な真実が明かされるだろう」などという陰謀脳の人達にだけアピールするワードをツイートする事で、「トランプは影の支配者と戦っている」という妄想を搔き立てた。

同時にトランプを操る者達は、ネットにヒラリーを攻撃する様々な書き込みを垂れ流し、「悪の権化のヒラリーと戦うトランプは正義」という印象操作を行いました。「Q」と自称する陰謀論者の存在も無視出来ません。自称「政府内部の事情に詳しい」とする「Q」は、陰謀論者の好む素材を提供し、陰謀論者達はそれに尾ひれを付けて拡散した。

トランプの背後には当選前からキッシンジャーが見え隠れしていましたから、トランプは「あっち側」の人間である事は明確でしたが、「キッシンジャー=ロックフェラー」という思い込みから、「トランプはロスチャイルドを筆頭とする影に勢力と戦っている」という思い込みが往年の陰謀論者の間にも生まれていました。

■ 「中国憎し→トランプ頑張れ」という単純思考の日本のネトウヨ ■

トランプの支持者は世界中に生まれましたが、日本のネトウヨのトランプへの傾倒は特筆すべきでしょう。トランプは中国に対して強硬な姿勢を崩しませんでしたので、「中国憎し」のネトウヨは「トランプ頑張れ」となり、ネットに流れる様々な偽情報を鵜呑みにしてしまった。

アメリカのトランプ教徒が垂れ流すいい加減な情報を、英語も良く分からないネトウヨが拙い英語力で誤解し、それをネットにバラマキ、さらにアメリカ人はそれを見付けて尾ひれが付く・・・こんな闇鍋の様な偽情報が、トランプが大統領選に敗れてからはネットに溢れ返ります。

「戒厳令が近い」とか「軍が動き出している」など、まことしやかに噂されていました。


■ 「陰謀論」を逆手に取った議会襲撃 ■

陰謀論に脳を冒された人々にとってトランプに言葉か「神の言葉」となります。まさに「トランプ教」です。

確かにアメリカも日本も選挙システムにはアヤシイ所が多いのですが、それは対立する陣営のどちらかが正義で一方的に選挙で不利益を被るものでは有りません。民主主義の茶番においては「対立」はガス抜きの重要な要素であり、選挙は民主主義が正常に機能していると国民に信じ込ませる儀式に過ぎません。日本においても、選挙結果はそれなりに世論を反映しています。但し、世論自体がマスコミによって誘導されている事がキーポイントです。


トランプ教徒やニワカ陰謀論者は、「政治自体がプロレス」という概念が無いので「善悪二元論」で世の中を見ています。「トランプが不正選挙で負けたならばトランプこそが正義」として、その信仰をさらに高めていったのです。

トランプは「ワシントンに集まり、議会に行進して、共和党議員を応援しよう!」と教徒をけしかけるだけで良い。狂信的なトランプ教徒達は、「民主党議員は世界の悪と繋がっている」「ペンスは裏切り者だ」とネットを通じて洗脳されていますから、誰かが議会に突入すれば「聖戦の始まりだ」とばかりにそれに続きます。

当然彼らにはトランプの言葉はこう聞こえています。「我が忠実な下部たちよ、ワシントンに集い、議場に救う悪を駆逐せよ!」と。

今回の議会襲撃は世界の経営者のシナリオ通りに進行します。議場の警備は予め充分では無く、警備の中にはバリケードを開いて群衆を招き入れた者や、群衆を背景にスマホの自撮りをする者も居た。

群衆の中には、予め議場突入を扇動する者達が仕込まれていたハズです。群衆はトランプが別の場所で演説している時から議場周辺に既に集まっていました。

■ 議場襲撃事件でトランプは役を終えた ■

トランンプの役割は議場襲撃を扇動する所までだったのでしょう。この事件には二つの目的が有ります。

1)分断を決定的にする
2)トランプを速やかに引退させる

「トランプ教徒」達は議場襲撃によって溜飲を下げ、警備が強固となる中で新な襲撃はしばらくは控えるでしょう。但し、議場襲撃事件はアメリカの分断が相当に深まっている事を国民の意識に深く刻み込みました。

今後アメリカ国民は「トランプ教徒は何をするか分からない」という疑心暗鬼に囚われます。議場襲撃の後に、「各州の議会への襲撃が計画されている」とか「イラン革命防衛軍がトランプ教徒に生物兵器を提供した」などという情報がネットに流されています。これらは、シナリオを描いている連中が意図的に流したガセ情報だと思われますが、多くの人達が「トランプ教徒ならやり兼ねない」と思い込みます。こうして、アメリカの分断は「空気」から確固としたイデオロギーの対立へと固定化されて行きます。

トランプは襲撃事件まではさんざんトランプ教徒達を煽りましたが、Twitterのアカウントを停止されてからはオトナシイ。教徒達の期待を後目にとっととフロリダに退いてしまった。これも襲撃事件の目的の一つです。陰謀論者の一部には「種激事件の首謀者はアンティファやBLMで、トランプを陥れる目的があった」と主張しますが、トランプは元々、仕掛け人に過ぎないので信者を率いて聖戦を戦う気など毛頭ありません。そもそも彼は作られたイコンに過ぎません。


■ イコンを失い「革マル化」する信者 ■

トランプの退場はトランプ教徒に大きな喪失感を与えると同時に、新な闘争のエネルギーを供給し続けます。「闘争半ばに倒れたトランプの意思を継ぐ」というのが信者の目的となるからです。

「貧困」によるストレスの捌け口として「トランプの目指した世界を実現する」という目的は教徒を陶酔させます。バイデン新大統領はトランプの政策を180度ひっくり返して、中国敵視政策を緩和し、移民にも優しい政策を取る。当然、プアーホワイトと移民やアフリカ系のアメリカ人の間で仕事の奪い合いが起き、貧しい白人達のストレスは高まって行きます。

トランプという先導者を失っても、不満の対象を明確化された事によりトランプ教は生き残り続け、アンティファやBLMなどと激しい対立を繰り返すでしょう。かつての日本や世界の共産主義者達が、本来の運動の目的を忘れて、自己実現の為に過激化したと同じ現象が起こります。まさに「トランプ教徒の革マル化」が進行する。

■ それでもアメリカ合衆国は地図から消える ■

「トランプがアメリカ共和国の初代大統領になる」という噂がネットでは持ち上がっています。軍は既にトランプの味方で、バイデン新大統領は逮捕される・・・そんな噂です。

これは根も葉も無い噂に過ぎません。

しかし、私は将来的にはアメリカ合衆国は地図から消え、アメリカは3つ程度の連邦国家に分割されると思います。その原動力は「ドルの暴落、或いは米国債のデフォルト」だと妄想しています。

バイデン新大統領はバラマキ型の大統領ですから、コロナ対策として財政を拡大します。実はコロナショック以降、FRBは米国債金利をゼロに押さえ込もうとしていますが、あまりにも大量の米国債が発行されたので米国債金利はジリジリと上昇しています。これが2%を超えるとドル安が進行します。

ドルが安くなるとアメリカの輸入物価が上昇し始め、不景気の中で物価が上昇し始めます。為替の大きな流れはFRBでもコントロールが難しい。通貨高に対してはドルの過剰発行で対応出来ますが、通貨安に対抗して金利を上げる事は、現在のコロナ下では難しい。こうして、ドルはジリジリと安くなり、米国債金利は上昇を続けます(米国債の価格は下落)。

コロナバブルはどこかの時点で大崩壊を迎えますが、その時にFRBがリーマンショック後、或いはコロナ後の様な狂った様な金融緩和を実施すると、流石にドルの過剰発行を市場も意識せざるを得なくなります。

至上がドルに危機感を抱くと、ドルが大量発行されてもドルの需要が低下して、ドル安がさらに加速します。こうして、どこかの時点でドルや米国債の継続性に疑問が抱かれる時がやって来ます。


■ グレートリセットにドルや強いアメリカは不要 ■

ダボス会議は「資本主義は行き詰まり、グレートリセットが必要」と正式に発表しています。これが今後の世界のアジェンダです。

トランプの登場によるアメリカの分断も、コロナ禍による世界経済の破壊も市場のバブル化も、全てグレートリセットに向けた仕込みでしょう。

「資本主義をリセット」するのですから、その根本を支えるドル基軸体制は崩壊すると思われ、強いドルによって結束するアメリカ合衆国は、米国債の負債を切り離す為に崩壊するでしょう。

「グレートリセット」とは、資本主義の象徴たるアメリカ合衆国をパージする事から始まると私は妄想しています。

■ 資本主義の限界とは何か ■

実はダボス会議は何をして「資本主義の限界」なのか、具体的に説明をしていません。様々な些末な問題点を挙げて「資本主義は限界を迎えた」と言っているに過ぎません。

しかし、「資本主義の限界」は既に日本では30年前に起きています。「ゼロ金利」が資本主義の限界点なのです。

金利は経済の血圧の様なものですから金利がゼロになった時点で経済は緩慢に死を迎えます。金融緩和はカンフル剤として一時の延命をもたらしますが、無理な延命でさらに経済は傷つきます。

「ゼロ金利=資金需要の枯渇=経済の低迷」に他なりません。要は「資本主義による経済発展が限界に達したから金利がゼロになった」のです。アメリカにおいても80年代には既に限界に達していました。それを過剰な資金供給によってバブルを起こして先延ばしにしていただけ。けっかとしてITバブルはインターネットの発展を生み出しますが、デジタル技術の進歩は、AI化や自動化によって労働者を労働市場から排除する方向に働いています。結果、労働者は安い労働に追いやられ疲弊し、消費が消えて行く。

デジタル化は消費も抑制します。デスクトップパソコンやデジカメはスマホに集約され、そこで生産に従事する人々の仕事を奪い続けています。 物質的消費も格段に減少し、エネルギー消費も減少します。この流れはAI化によってさらに加速するでしょう。

こうして、資本主義は「資本効率」を追及し続ける事で、人々を労働市場から追い出し、消費という資本主義を支える原動力を自ら奪い、貧困を拡大する事で社会基盤を不安定にしています。そして、金融市場によって格差は社会を脅かす程に拡大してしまいました。


■ リセットの最速の方法がドルの崩壊 ■

拡大した貧富の差を解消する細則の方法が、「持てる者から全てを奪う」です。現在世界の多くの資産がドル資産です。これを取り合えず無価値にしてしまえば、世界は等しく貧しくなります。

確かに高齢者の資産も消えてしまいますし、庶民の資産も消えてしまいますが、平等だけは担保されます。そこから、1から制度設計した方が、現在の様な歪だらけのシステムを変更するより簡単です。

かつては戦争がリセットのスイッチでしたが、現在の倫理観では世界大戦の様な多くの人命の失われる方法は取れません。ですからドルとアメリカをパージして、戦争に匹敵する様なリセットを生み出します。

■ 勝手にリセットされる事が大事 ■

ドルとアメリカのリセットに当たり、ニクソンショックの様に一人の大統領がそれを決定する事は現在では考え難い。例えトランプであったとしても不可能でしょう。

そこで、リセットは「偶発的な事故」を装うはずです。「バブル崩壊によって壊れてしまった」という誰の責任も問えない状況が大事なのです。

トランプもコロナもその為の仕込みにしか過ぎません。トランプは分断のクサビ、コロナはバブルの最期の膨張を生み出しているのです。

https://green.ap.teacup.com/pekepon/2699.html

28. 中川隆[-7946] koaQ7Jey 2021年1月22日 11:17:37 : S5sBIuDAsc : WW9BTlIvaG5aUVk=[8] 報告
アメリカを中心とする資本主義体制が行き詰まって、支配システムの中心にいる人びとは体制のリセットを始めた
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/156.html

米国のカラー革命に資金を出している富豪はファシズム体制の樹立を目指している
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/202.html

29. 中川隆[-7942] koaQ7Jey 2021年1月22日 11:24:32 : S5sBIuDAsc : WW9BTlIvaG5aUVk=[12] 報告
いま220兆円を配らなければいけない理由:大西つねきからの緊急告知と拡散のお願い - YouTube





民間銀行はもうこの世に必要ない(Live配信2021/1/12) - YouTube





米国のMMT政策は日本を破壊(Live配信2020/11/17) - YouTube


30. 中川隆[-7709] koaQ7Jey 2021年2月05日 09:31:15 : rbwCQpuSgs : eEc0YkNkUVZqY0E=[4] 報告
「資本主義の危機」を見抜いた宇沢弘文の慧眼
資本主義の転機 日本と世界は変えられる
佐々木 実 (ジャーナリスト)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/21998

【宇沢弘文(Hirofumi Uzawa)】
1928年鳥取県生まれ。経済学者。東京大学理学部数学科卒。スタンフォード大学、シカゴ大学、東京大学などで教鞭をとる。「日本人で最もノーベル経済学賞に近い」と呼ばれた。97年に文化勲章受章。2014年に他界。 (TOYOKEIZAI/AFLO)
 新型コロナウイルス感染症はあたりまえの日常を揺るがし、時代思潮を変えつつある。欧州知識人を代表するジャック・アタリはいち早く警鐘を鳴らした。

 「危機が示したのは、命を守る分野の経済価値の高さだ。健康、食品、衛生、デジタル、物流、クリーンエネルギー、教育、文化、研究などが該当する。これらを合計すると、各国の国内総生産(GDP)の5〜6割を占めるが、危機を機に割合を高めるべきだ」(『日本経済新聞』2020年4月9日付)

 ダボス会議の生みの親で世界経済フォーラム会長のクラウス・シュワブも「グレート・リセット」の必要を説いている。

 「コロナ危機をきっかけに、世界をより持続可能で強靭、包摂的にする『グレート・リセット』が必要です。株主だけでなく社会に配慮した経済を再定義しなければ」(『朝日新聞』20年10月10日付)

 ふたりの論者に共通するのは、コロナ危機を「資本主義の危機」と捉える視点である。

 新型コロナはグローバル経済を象徴する災厄ともいえる。国境を跨ぐ人の往来は感染を拡大させ、野生動物由来の感染症は自然を侵蝕し続ける経済活動への警鐘とも受け取れる。だが一方で、新型コロナの発生前から、資本主義のあり方を見直す機運が高まっていたことも確かである。

 米国の経営者団体ビジネス・ラウンドテーブルは19年に株主資本主義からの転換を宣言、翌年1月にはダボス会議で「ステークホルダー資本主義(株主だけでなく、従業員や顧客、地域などの利害関係者に配慮した経済)」が論じられもした。

 市場経済システムを万能とみなす市場原理主義的な思想と行動は、世界金融危機を招いたリーマン・ショック(08年)、深刻さを増す地球温暖化や格差問題に直面して、根本的見直しを迫られていた。そんなとき世界を新型コロナが襲い、時代思潮の転換は決定的となったのである。

 資本主義の見直しという方向性は、国連が15年から掲げている「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」に集約されるだろう。社会に持続可能性や安定性をもたらす経済システムへの変革が急がれている。

 私が伝えたいのは、国連がSDGsを唱えるより50年近くも前に「社会的共通資本(Social Common Capital)」の概念を着想し、持続的な経済発展を可能にする制度の究明に生涯を捧げた日本人が存在した事実だ。1928年(昭和3年)に鳥取県米子市に生まれ、14年(平成26年)に86歳で世を去った、経済学者の宇沢弘文である。

経済学界の中枢から突如として離脱する

 東京大学の数学科を最優秀の成績で卒業して大学院に進学した宇沢は、敗戦直後の混乱の中でマルクス経済学と出会い、経済学者への転身を決意した。マルクス主義にはなじめなかったものの、新古典派経済学の数理経済学に触れるとたちまち才能を開花させる。20世紀を代表する理論経済学者であるケネス・アローに論文を送ったところ、スタンフォード大学に招かれたのである。

 28歳で渡米してアローのもとで研究を始めると、ロバート・ソローやポール・サミュエルソン、ジェームズ・トービンなどから高く評価された。名を挙げた経済学者がすべてノーベル経済学賞受賞者であることからもわかるとおり、経済学界の中枢メンバーに迎え入れられたのだった。

 「数理経済学の最先端で活躍して、あそこまで尊敬された経済学者は日本人では後にも先にも宇沢さん以外にはいない」

 スタンフォード大学教授などを務めた青木昌彦は米国での評価をそう語っていたが、実際、スタンフォード大学准教授をへて弱冠35歳でシカゴ大学教授に就任した宇沢は、若手理論家の中で1、2を争う存在だった。

 ところが、名声が高まっていた1968年(昭和43年)、不惑を迎える年に宇沢は米国を去る。東京大学への突然の移籍は米国の経済学者たちを驚かせた。謎めいた帰国だったが、あえていえば、「アメリカ社会」「アメリカ経済学」との決別だった。

 ケネディ政権が始めたベトナム戦争は、ジョンソン政権で泥沼化した。17歳で敗戦を体験した宇沢は覇権国・米国がベトナムに政治介入することに早くから批判的で、シカゴ大学では反戦運動に熱心に参加した。

 学問面では、シカゴ大学の同僚ミルトン・フリードマンとしばしば議論を闘わせた。シカゴ学派の頭領にして市場原理主義の教祖的存在だ。もっとも、宇沢はサミュエルソンらアメリカ・ケインジアンにも重大な理論的欠陥があるとみなしていた(当時はケインジアンが優勢だった)。もはや戦時下の米国に留まる理由を見出せなかったのである。

 帰国してからの宇沢は、まるで別人だった。高度経済成長の歪みとして現れた水俣病に代表される公害問題、地域開発にともなう環境破壊を研究対象に据え、現場に足しげく通うようになった。

 画期となる『自動車の社会的費用』(74年、岩波新書)刊行後、現場主義はより徹底していく。90年代に入ると、成田空港建設をめぐって農民が政府と激しく衝突した三里塚闘争の和解を仲裁するなかで、農業を社会的共通資本と捉えたコモンズ論を「三里塚農社の構想」にまとめあげ、同じころ、つまり30年前に地球温暖化の研究も始めている。

 現実との格闘から、社会的共通資本の経済学は生まれた。米国時代の「世界的名声を博した数理経済学者」が〈前期宇沢〉なら、〈後期宇沢〉は「社会的共通資本の提唱者」である。コロナ危機のいま、注目すべきはむしろ〈後期宇沢〉だ。

〈社会的共通資本は、一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能とするような社会的装置を意味する〉(『社会的共通資本』00年、岩波新書)

 宇沢は社会的共通資本の構成要素として@自然環境(大気、森林、河川、土壌など)A社会的インフラストラクチャー(道路、交通機関、上下水道、電力・ガスなど)B制度資本(教育、医療、金融、司法など)を挙げている。

主流派(新古典派)経済学はあたかも「社会=市場」であるかのように仮定し、もっぱら市場均衡のメカニズムを分析する。対照的に、宇沢は市場経済を支える「土台」に光を当てた。市場システムが「ゆたかな社会」を実現するためには社会的共通資本という非市場領域の安定が不可欠である(「社会=市場+非市場」)ことを理論として提示したのである。

 宇沢経済学は、一人ひとりが市民の基本的権利を享受できることが市場経済の大前提であることを強調して止まない。社会的共通資本を市場原理に委ねてならないのはそのためだ。もう一つの特質は、人間と自然の関係をも射程に入れていることだ。〈後期宇沢〉は必然的に、かつて自らも貢献した主流派経済学を激しく批判せざるをえなくなった。

なぜ現在の危機を見透かした
経済学を構築できたのか
 ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツは宇沢の教え子で、宇沢をとても尊敬している。彼にインタビューした際、興味深い証言をした。フリードマンらが台頭し、経済学界を市場原理主義が席巻するようになった70年代半ばからリーマン・ショックまでを「Bad Period(悪い時代)」と呼んだうえで、スティグリッツは宇沢についてこんな解説をした。

 「この時期、経済学界ではヒロ(宇沢の愛称)が常に強い関心を寄せていた不平等≠竍不均衡≠竍市場の外部性≠フ問題はあまり注目されることがありませんでした。経済学の主流派はみんな市場万能論≠ノ染まってましたから。ヒロが成し遂げた功績にふさわしい注目を集めなかった理由は、意外に単純です。つまり、『危機など決して起こるはずがない』と信じ込んでいる楽観的な経済学者たちの輪の中に、ヒロが決して入ろうとしなかったからなのですよ」

 なぜ予言者のごとく、現在の危機を見透かしたかのような経済学を構築しえたのか。スティグリッツはその謎を解くヒントを与えている。

 社会に深く市場原理が浸透したことで噴き出した問題がことごとく宇沢経済学のターゲットとなっているのは偶然ではない。自由放任を旨とする市場原理主義が招いた格差社会、「大気」を社会的共通資本として扱わないがゆえに深刻化した地球温暖化、「医療」を社会的共通資本として扱ってこなかったがゆえにコロナ危機は医療危機に直結してしまっている。

 新型コロナの危機に見舞われて初めて、われわれは「前期」でも「後期」でもない、宇沢弘文の全貌をとらえることができるようになった。社会的共通資本の経済学は危機の時代にこそ、光を放つ。私にはその光が、歩むべき道を照らしているように見える(文中敬称略)。

31. 中川隆[-12251] koaQ7Jey 2023年10月19日 13:37:59 : tN1Obb5VKs : T0FSUDg2NmZUOUU=[12] 報告
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ガンドラック氏: ウクライナ戦争はアメリカの最高のビジネス
2023年10月18日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40696

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、Fox Businessのインタビューでアメリカの政府債務と戦争の関係について語っている。

政治家と政府債務

多くの専門家が政府債務について語っている。最近のアメリカの金利上昇は、債券市場に米国債があふれかえっていることが原因だとされているからである。

チューダー・ジョーンズ氏: 米国債の大量発行で金利はまだまだ上がる
しかし何故政府債務は増えるのか。一時的に増えても、同様に減るケースがあってもおかしくない。だが先進国の政府債務は一様に、ほとんど常に増加してゆく。

原因は、それが政治家にとってメリットのあることだからである。政治家にメリットがあり、誰も止めなければ、永遠にそのようになってゆく。

何度も言うが、国民から税金を徴収して票田にばら撒くのが政治家の仕事である。だから政治家は補助金は出しても減税はしない。あるいは減税はしてもそれ以上の支出を増やしてゆく。

そのようなことをしていると国家はどんどん衰退してゆくのだが、国にお金がなくなっても票田への減税が進むと、他の国民への強烈な増税が不可避となる。

日本の莫大な政府債務も、日本人には多額の資産があるから大丈夫だという主張は面白い。政府の借金は徴税によって国民の資産でチャラにできるから政府は破綻しないだろう。確かに大丈夫である。

2つの票田

この状況を批判しない大半の国民をよそに、ヘッジファンドマネージャーにはこうした状況に批判的な人が多い。ガンドラック氏もその1人である。彼は次のように述べている。

多くの人がもううんざりしている。貧富の差の激しい経済で、政治献金を行なう超富裕層と、補助金で生きている貧困層が手を組んでいる。奇妙な結婚だ。

ガンドラック氏が指摘しているのは、政治献金で政治家と直接繋がっている票田と、そうでない票田がいるということである。

そしてアメリカではその貧富の差は極めて大きい。政治献金を行なう富裕層は数としては極めて少ないため、票数を集めるためにはあまり頭の良くない層を取り込んで投票させるしかない。

そのための政策が補助金政策である。ガンドラック氏は次のように述べている。

底辺の人々は降ってくるお金のために投票する。そうするべきではないが、彼らはそうする。

残念ながら、こちらの票田の人々への報酬は、お金が降ってきてリッチになった気分になることだけである。

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
何故ならば、量的緩和は資産家しか裕福にせず、現金給付はインフレを引き起こすからである。だから気分はリッチになるが、実際にはどんどん貧しくなってゆく。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
それでも彼らは補助金に投票する。お金が降ってきて努力せずに儲けられるという夢を見たいからだが、その対価はインフレである。市場経済は常にその人にふさわしい対価を与えてゆく。

政治家の債務ビジネス

一方で、政治献金する方の票田はきっちりと報酬を受け取ってゆく。何故ならば、こちらは市場経済ではなく政治を介しているからである。

彼らはどのように報酬を受け取るのか? ガンドラック氏は次のように説明している。

そして上層の人々は世界中で金儲けの仕組みを機能させているが、その1つはウクライナ戦争と呼ばれている。製品を爆発させて新しいのを買わせることほど素晴らしい商売はない。そして値段は自分で決められる。

バイデン氏とその家族がロシアのウクライナ戦争より前からウクライナ政府を補助金漬けにし、そこから利益を得ていたことは以前から報じている。

ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
最近、アメリカではその事実がどんどん明るみに出、バイデン氏への批判が高まっている。

ウクライナ戦争がバイデン政権において起きたことは偶然ではない。上の記事で書いたが、バイデン氏はロシアの侵攻直前に「アメリカは派兵しない」と主張することでロシアが迷いなく侵攻できるようにした。

また、ハマスのイスラエル攻撃の前には凍結していたイランの資金60億ドルを凍結解除した。ハマスはイランに支援されているので、ほとんどハマスを支援したようなものである。

結論

バイデン氏は政治家としての仕事をきちんと果たしている。ガンドラック氏はあまり大きくは言わないが、この状況をウクライナ戦争開始直後から憂慮していた。彼は次のように述べていた。

ガンドラック氏: 米国は半年以上戦争なしではいられないようだ (2022/3/7)
アメリカ国内の特定の利害グループはどうやらアメリカ国外で半年間戦争をしないことさえ耐えられないようだ。

この問題は解決され得るのか。問題は、インフレや戦争で自分を害するような政策に自分から投票するような愚かな方の票田である。

ガンドラック氏は次のように言う。

わたしの意見では、人々は目を冷まし、この二極化した不平等な経済のために投票するのを止めるべきだ。だが人々はそうしていない。

だがガンドラック氏に言いたいのだが、アメリカの状況はまだましである。アメリカの票田は、インフレも受け取っているが補助金も受け取っているからである。

ちなみに日本の補助金(例えば住民税非課税世帯向け)は高齢者に行っているが、現政権を支持しているのは実は補助金をもらっている高齢者ではない。前の選挙で誰が自民党を支持したかを見ればそれは明らかである。


出典:読売新聞
日本では補助金をもらっている高齢者はむしろ自民党に投票せず、何故か所得税と社会保険で生活費を絶賛吸い取られ中の30代および40代が自民党の支持基盤である。

日本では一番搾取されている層が票田となっている。だが言っておくが、殴られた相手に媚を売る人間は永遠に殴られ続ける。

こうした状況に憤っているのはガンドラック氏だけではない。スタンレー・ドラッケンミラー氏も政治の馬鹿馬鹿しさを批判している。だが状況は変わらない。そういうものである。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40696

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