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傀儡政権とはこういうもの _ アフガニスタン政府軍がタリバンと戦わずに逃げた理由
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/527.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 8 月 26 日 07:12:47: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

傀儡政権とはこういうもの _ アフガニスタン政府軍がタリバンと戦わずに逃げた理由


タリバンのアフガニスタン早期制圧に見るアメリカの帝国主義
2021年8月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/14983

8月15日、アフガニスタンの武装勢力タリバンは首都カブールを占拠した。主要な都市をすべて支配下に収めた後の首都制圧によってタリバンによるアフガニスタン支配が確定したものと思われる。

タリバンのアフガニスタン制圧

ニュースを聞いた多くの人が疑問に思っているだろう。アフガニスタン政府は何故これほど簡単に諦めたのか? アフガニスタン軍はほとんど戦わずに逃げ去り、首都カブールも無血開城となった。

状況を理解するためには少し前から話を始めなければならない。事の発端は4月にアメリカのバイデン大統領が米軍のアフガニスタン撤退を決定したことである。

撤退は9月までの期限で徐々に行われたが、米軍が撤退するにつれてタリバンは徐々に勢力を拡大していった。

最初に制圧された州都は8月7日に落とされたニームルーズ州のザランジュだが、ザランジュは無抵抗で降伏したという。同じ日にジョウズジャーン州、翌8日にクンドゥーズ州とサーレポル州、9日にはタハール州とサマンガーン州と立て続けに州都が落とされ、12日にはアメリカが首都カブールにある大使館員の退避を開始すると発表した。そして15日のタリバンによるカブール掌握で、これに対してもアフガニスタン軍は抵抗せず明け渡した。大統領だったアシュラフ・ガニー氏は何処かに逃亡したとされるが、逃亡先は明らかになっていない。

このように、アフガニスタン軍はタリバンの攻勢に対して抵抗らしい抵抗をしなかった。そもそも7月5日には政府軍の兵士1,000人以上が隣国タジキスタンに逃亡する事件が起きており、政府軍に戦う意志があるのかどうかは元々疑問視されていた。

アフガニスタン政府軍

物量だけ見ればアフガニスタン軍はタリバンを圧倒していたはずである。多くとも10万人と言われるタリバン兵に対しアフガニスタン軍は公式発表では30万人であり、装備もアメリカなどから最新のものが与えられており、タリバンより遥かに恵まれていた。

にもかかわらずアフガニスタン軍はほとんど戦わずに敗走している。勘の良い読者ならば何かがおかしいと思っただろうが、その疑問に答えてくれる報道はほとんど出ていない。

まず人数だが、これは幽霊兵士と呼ばれる実際には存在しない兵士の人数が多数含まれていると言われる。何故存在しないのかと言えば汚職のせいである。上司が部下の人数を水増しして報告し、幽霊兵士の分の給料を横領しているのである。

「だからアフガニスタン軍は数字よりも強くなかった」というのを敗因だと見なすならば、それは本質が見えていない。そもそも何故アフガニスタンの兵士らは汚職ばかりしていたのかである。そして実際にアフガニスタンの都市にタリバンが迫った時、彼らの多くは戦わずに逃げ出した。

これまで何故逃げ出さなくても良かったのかと言えば、アメリカなど多国籍軍の空爆が代わりに戦ってくれていたからである。その間は自分で戦闘を行わなくともアフガニスタン政府の兵士にも政治家にも給料が支払われた。

彼らは自分では状況をどうにかするつもりはなかったが、アメリカのお陰で給料が支払われる役職に就けている間は文句も言わずその役職に就いていた。そしてその援助がなくなれば国を守る努力もほとんどすることなく、その大半が一目散に逃げ出していった。こういう政府のことを歴史的に何と呼ぶかと言えば、他国による傀儡政権と呼ぶのである。

欧米の中東支配

この状況の不毛さは欧米諸国の中東支配の不毛さの好例である。アメリカは自分たちの干渉がなければそもそも存在していなかったであろうアフガニスタン政府というものを作り出し、自らの空爆で維持していたのである。

しかし実際には彼らの大半は金と武器に集まってきた兵士であり、アフガニスタンという国の政治的展望を持っているわけではない。彼らが維持したいのは国家ではなく給料なのである。

よって彼らは逃亡後、アメリカから与えられた最新鋭の武器を持ったままお金を与えてくれる別のところに行って、再びあまり士気のない兵士となるのだろう。勿論その新しい主人にはタリバンが含まれる。

この状況はイスラム国の時と同じである。イスラム国にも同じようにしてアメリカの兵器が流れている。一部は戦闘中に奪われたのだろうし、一部は兵士ごとイスラム国に吸収されたのだろう。この意味でトランプ前大統領は「イスラム国はオバマが作った」と主張していたが、誰もそれを気に留めることはなかった。

傀儡政権ではないタリバン

こうして元々存在しなかったアフガニスタン政府なるものは瓦解した。新たに政権を作るのはタリバンである。

欧米諸国はタリバンのことをテロ組織と呼んでいる。ほとんど何もせずに逃げ去った元アフガニスタン政府が本当の政府なのであれば、タリバンをテロ組織と呼ぶ彼らの主張も同じ程度確からしいのだろう。

筆者は別に親タリバンではない。タリバンに何の縁もなければ、彼らのやっていることが良いことだとも思わない。しかし欧米が何をやっているかを考えれば、どちらも大して変わらないと考えているだけである。

その観点から言えば、少なくともこれから誕生するタリバン政権は傀儡政権ではない。欧米が好む好まざるに関わらず、彼らの自己利益に基づいた他国への干渉がなければ、アフガニスタンはこうなっていただろうという姿に戻るのである。

結論

アフガニスタンのニュースは大手メディアがこぞって報道しているが、世界のニュースは彼らの言葉から少し離れて観察する必要がある。彼らは自分の都合で組織の呼び方を変える。例えば同じ反政府組織でもシリアでは「民主的な穏健派」と呼ばれているものがアフガニスタンでは「テロ組織」と呼ばれることになる。何が違うかと言えば、前者は欧米にとって都合が良く、後者は悪いということである。

欧米諸国は本当に世界から引っ込めば良いと思う。戦争がやりたいなら中世の頃のように自分たちでやっていれば良いだろう。その意味ではバイデン氏の決断は褒められたものである。しかしアメリカのアフガニスタン撤退は、前政権の頃から決まっていたものだ。バイデン氏はそれを撤回しなかったに過ぎない。前政権のトップは言わずもがな、ドナルド・トランプ氏である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/14983  

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コメント
1. 中川隆[-16852] koaQ7Jey 2021年8月26日 07:20:08 : mEksVkJcjY : dlpkRWozUkJSZHM=[1] 報告
タリバンと中共との関係
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1028.html


▲△▽▼


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2. 中川隆[-16851] koaQ7Jey 2021年8月26日 07:28:45 : mEksVkJcjY : dlpkRWozUkJSZHM=[2] 報告
アメリカ人による極悪非道の世界侵略の歴史
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グローバリズムは19世紀の帝国主義の21世紀版、共産主義とは対極にある考え方
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ネオコンの世界
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今も続く東西冷戦の背景
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3. 2022年1月22日 11:00:07 : 12fdnGwI6A : OEZKVE5BWkpqR0E=[3] 報告

アフガニスタンを飢えさす米国の非人道的経済制裁 干ばつで食料危機に 国連が緊急人道支援へ
2022年1月20日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/22590


 国連は11日、一段と深刻になるアフガニスタンの食料危機に対応するため、今年50億j(約5770億円)の緊急人道支援をおこなうことを決め、各国に拠出を呼びかけた。1カ国に対する支援額としては国連創設以来最大だという。原因は、過去30年間で最悪の干ばつがアフガニスタンを襲っていることに加えて、タリバンが政権を掌握した後にアメリカがおこなっている経済制裁だ。「アフガニスタンの人権を守る」といいつつ、もっとも弱い子どもや女性、年寄りたちを餓死に追いやるアメリカに対し、「米国はただちに経済制裁をやめよ」の声が高まっている。

 国連人道問題調整事務所と国連難民高等弁務官事務所によると、アフガニスタンでは現在、人口の55%に当たる2440万人が人道支援を必要としている。なかでも390万人の子どもを含む470万人が急性の栄養失調となり、今の状態が続くと13万人の子どもたちの命が奪われると警告している。

 2001年のアメリカの軍事侵攻で政権を追われたタリバンは、昨年8月16日、再び政権を掌握した。タリバンは全土を制圧すると恩赦を発表し、国民に向けて仕事に戻るよう呼びかけた。一週間後にはバザールも再開され、女性の姿も見られるようになった。

 現地を頻繁に訪れている日本人研究者たちは、政変後治安は劇的に改善されたとのべている。2010年以降、内戦によって毎年数万人の命が奪われてきたが、ISによるテロ以外は平穏な日常が帰ってきたという。

 だが、かつて農民80%、遊牧民10%で100%に近い食料自給率を誇っていたアフガニスタンは、40年あまり続く戦争で国内経済が疲弊してきた。そこを過去30年間で最悪という干ばつが襲った。

 問題はそうした瀕死の状態にあるアフガニスタンに対し、アメリカが経済制裁を続けていることだ。バイデン政府はタリバンをアフガニスタンの正式な政府として承認せず、米国にあるアフガニスタン中央銀行の資産90億jを凍結した。また、世界銀行の復興資金やIMFの供与金などもすべて凍結されている。

 人々は銀行から現金が下ろせなくなった。企業も事業費がなくなって給与を支払えなくなり、失業者が増えた。病院は薬が手に入らず、食料品価格は高騰して人々は食べ物が手に入りにくくなっている。

 多くの餓死者が出る危機に対して国連が人道支援を呼びかけているのに、アメリカは経済制裁をやめようとしない。上智大学教授の東大作氏は「99・9%のアフガン人は祖国に残って生活を続けている。アフガン支援のための国連職員も1300人が従来通り活動を続けている。タリバンも人道支援は歓迎している」といい、現状の打開を訴えている。

「平和と相互扶助の精神」故・中村哲氏の言葉

 故・中村哲医師が創設したペシャワール会の現会長でPMS(平和医師団・日本)総院長の村上優氏も、同会のホームページでアフガニスタンの現状を訴えている。

 村上氏は、日本の多くのメディアが女性の人権や恐怖政治への懸念ばかり突出させて報道しているが、現実のアフガニスタンでは治安が回復し、人々が普通に移動しており、タリバン政権を多くの国民が受け入れているとのべている。

 PMSの活動も、8月21日には診療所、9月2日には農場、10月7日には灌漑用水路事業が活動を再開した。事業再開に現地の長老から感謝のメッセージが寄せられたこと、タリバンも視察にやってきて中村医師とPMSの事業を称え、「あなたがたのような仕事をしていたらこの国はもっとよくなっていた」といい、安全を保障するといってきたことも伝えている。一方、危機にあるアフガニスタンに経済封鎖をするアメリカに対し、「なんという矛盾でしょうか。農業を復興し食料自給率を上げるなど、国としての最低限度の自立を支援するという発想はありません」と厳しく批判している。

 最後に村上氏は、2001年に経済封鎖で困窮したタリバンがバーミヤンの仏跡を破壊し、国際的非難が巻き起こったときの中村哲医師の次の言葉を紹介している。「われわれは非難の合唱に加わらない。暴に対して暴をもって報いるのは、われわれのやり方ではない。餓死者100万といわれるこの状態のなかで、今石仏の議論をする暇はないと思う」「真の人類共通の文化遺産は、平和と相互扶助の精神である。それはわれわれの心の中に築かれるべきものである」。

 日本が平和国家として役割を果たすことが求められている。

https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/22590

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