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[近代史5] 民主社会党(民社党)は CIA が野党分断の為に作った 中川隆
5. 中川隆[-14858] koaQ7Jey 2021年12月05日 05:18:01 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[1]
守旧勢力に加わる立憲民主党
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/post-e9156f.html
2021年12月 4日 植草一秀の『知られざる真実』


旧民主党=旧民進党の根本問題は「水と油の同居」

基本理念、基本政策を異にする二つの勢力が同居していることが最大の問題だった。

二つの勢力とは「守旧勢力」と「革新勢力」。

基本政策の相違は次の三点。

安保法制=戦争法制の是非

原発稼働の是非

消費税増税の是非

守旧勢力は戦争法制、原発稼働、消費税増税を容認。

革新勢力は戦争法制、原発稼働、消費税増税を否定。

基本政策路線が真逆。

二つの勢力は野党共闘についても真逆の主張を示す。

守旧勢力は共産党との共闘を否定。

革新勢力は共産党との共闘を肯定。

この二つの勢力が一つの政党に同居していることが根本的な問題。

このことを私は2010年に上梓した

『日本の独立』(飛鳥新社)
https://amzn.to/3okNkpH

に詳述した。

主権者が日本政治体制を適正に選択するためには、この問題を解消する必要がある。

10年来、このことを主張し続けてきた。

2009年に誕生した鳩山由紀夫内閣は民主党内に潜伏する守旧勢力によって破壊された。

鳩山内閣は日本政治の基本構造を根本から刷新しようとした真正革新政権だった。

米国が支配する日本、官僚が支配する日本、大資本が支配する日本という基本構造の打破を目指した。

鳩山内閣が日本の既得権勢力=米官業トライアングルから総攻撃を受けた理由がここにある。

米官業トライアングルの尖兵として鳩山内閣を破壊したのが民主党内に潜伏していた守旧勢力だった。

私はその守旧勢力を「悪徳10人衆」として明示した。

渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、枝野幸男、安住淳、玄葉光一郎の各氏だ。

鳩山内閣は対米従属からの脱却を目指し、財務省増税至上主義に訣別し、大資本による政治支配打破を目指した。

それゆえに既得権勢力の総攻撃を受け、破壊された。

鳩山内閣を破壊した悪徳10人衆は、民主党政権の基本を対米従属、財務省支配、大資本支配に回帰させた。

日本政治刷新を実現するには、基本政策・基本路線を共有する勢力が連帯することが必要不可欠。

「政策連合」を構築して日本政治の刷新を目指すことが求められている。

この視点から旧民主党=旧民進党の分離・分割が必要不可欠だと訴え続けてきた。

そのうえで、2017年の総選挙を契機に生じた旧民進党の分離・分裂に強い期待を寄せた。

創設された立憲民主党が躍進したのは、同党の創設が革新勢力の純化であると期待されたことが基本背景。

同時に、2017年総選挙で立憲民主党が躍進した原動力は共産党の選挙協力にあった。

この経緯を踏まえれば、立憲民主党は革新勢力として基本性格を明確にして、守旧勢力としての性格を明確にした国民民主党との間に明確な一線を引くべきだった。

ところが、枝野幸男氏は、立憲民主党の革新勢力としての純化方向に進まなかった。

枝野氏が選択したのは立憲民主党の守旧勢力化だった。

これが2021年衆院総選挙で立憲民主党が惨敗した根本的な原因。

今回の立憲民主党代表選で泉健太氏が新代表に選出された。

同党は守旧勢力としての性格を一段と鮮明にすることになる。

その変化に連動して、日本政治の刷新を求める立憲民主党支持者は大量に立憲民主党支持から離脱することになるだろう。

立憲民主党は衰退の坂道を転げ落ちると考えられる。

重要なことは、この情勢変化のなかで革新勢力結集を図ること。

日本政治刷新を求める分厚い主権者の層が存在する限り、新勢力が大躍進する基本条件は整っている。

鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」)
https://bit.ly/39BTgmd

10月5日発売の鳩山友紀夫元首相、孫崎享氏、前川喜平氏との共著『出る杭の世直し白書(ビジネス社)
https://amzn.to/3hSer8a

のご高覧も賜りたい。
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1169.html#c5

[番外地8] 日韓併合というのは英米の chousen 利権をロシアから守る為のものだったんだよ。その為に日本は英米の傭兵になって日清・日露戦… 中川隆
2. 中川隆[-14857] koaQ7Jey 2021年12月05日 05:57:51 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[2]
日本が chousen を併合したり、中国を侵略したのは攻撃的リアリズムではなく英米の要請に従わされただけです:
日本が日清・日露戦争を戦わなければいけなかった理由
スペインとの戦争に勝利したアメリカはプエルトリコ、グアム、そしてフィリピンへ矛先を向ける。フィリピンは中国市場へ乗り込む橋頭堡としての役割を果たすことになるが、フィリピン侵略の際にアメリカ軍は住民を虐殺している。1900年にマッキンリーは再選され、1901年3月にルーズベルトは副大統領に就任、その年の9月にマッキンリー大統領は暗殺され、ルーズベルトが大統領に昇格、「棍棒外交」、つまり侵略政策を推進する。
 このテディ・ルーズベルトと親しかったのが金子堅太郎。ハーバード大学で金子はルーズベルトの2年先輩にあたる。なお、金子と一緒に同大学で法律を学んでいたのが小村寿太郎だ。

 アメリカの支配層にはアジア侵略を目論む集団が存在した。テディはそのひとりだが、明治維新の直後に日本へ公使として来ていたチャールズ・デロング、あるいは厦門の領事だったチャールズ・ルジャンドルも同類だ。台湾から帰国する途中、日本に立ち寄ったルジャンドルは、デロングから日本政府に台湾を侵略するようにけしかけているという説明を受けている。そのために日本政府は琉球を併合、そして江華島へ軍艦を派遣して朝鮮を挑発し、日清戦争、日露戦争へとつながる。

 日露戦争の最中、金子は政府の使節としてアメリカへ渡り、ハーバード大学でアングロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦っていると演説、同じことをシカゴやニューヨークでも語っている。戦争後、テディは日本が自分たちのために戦ったと書いた。(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015)

 日本列島から琉球諸島、そして台湾へ至る島々、そしてフィリピンはこの当時から現在にいたるまでアングロ・サクソンにとって大陸を侵略するための拠点だ。そして今、日本はアメリカの手先として中国と戦う準備を進めている。6月23日には台湾の呉サ燮も中国と戦争する準備をする必要があると語った。オーストラリアでは同国軍とアメリカ軍、1万7000名が合同軍事演習を行っている。

▲△▽▼

日韓併合というのは英米の chousen 利権をロシアから守る為のものだったんだよ。その為に日本は英米の傭兵になって日清・日露戦争までやったんだ:
英米金融資本のエージェントだった戦前の日本は英米の利権を守る為に朝鮮を併合した

過去における朝鮮統治の問題を考える時、次のような質問をされたならば、読者の皆さんはどのように答えるだろうか。
「日本による植民地統治下にあった朝鮮半島で、石油を売っていたのは誰なのか。
そこにも日本人による現地住民に対する“搾取”という絵柄が見て取れるのか」。

恐らく答えに窮する読者が多いに違いない。

「第2次世界大戦へと突入する直前まで、朝鮮半島で石油を独占的に販売していたのは、日本勢ではなく、英米勢だった」

というのが、この問いに対する正解なのである。


朝鮮統治が行われた1910年以降の大部分の時期において、現地での石油販売を独占していたのは米系のスタンダード社、そして英系のライジングサン社(後のシェル)なのであった。

なぜこれら2社が朝鮮マーケットを独占できたのかといえば、これらいわゆる「外油」に対しては、輸入に際して特例関税が課されていたからである。

具体的には、当時、日本のいわゆる「内地」に石油を輸入するにあたっては高額の輸入税が課せられていたのに対し、朝鮮という「外地」については消費者に安い石油を使わせるべしという理由で、無税に近い税率が設定されていたからである。

そのため、外国から輸入した石油を朝鮮へと転売する日本の石油企業は著しく不利な立場に置かれていたわけなのだ。


満州(現在の中国東北部)における鉄道などについてもいえるのだが、日本の大陸進出を巡るビジネス・モデルには、常にこれと全く同じ1つのパターンが見え隠れする。

すなわち、表向き「進出」していくのは紛れもなく日本である。

だが、その一方で目立たないが重大なセクター(インフラストラクチャー)で広く、着実に収益を上げていたのは米国勢、そして英国勢なのであった。


もちろん、第2次世界大戦の足音が響き始めると同時に、これら英米勢は駆逐され、日本勢が代わりに入っていくことにはなる。

しかし、だからといって「朝鮮統治」というビジネス・モデルは日本が単独で担ったものではなく、むしろステルス(透明)で、より狡猾な形でそれによって莫大な利益をあげていたのは他ならぬ英米勢だったのである。

そして問題なのは、こうした単純な「史実」であっても、私たち=日本人が学校で学ぶ機会はほぼ100パーセント無いという現実なのである。


確かに、過去の一時期において「不幸な出来事」が日朝間で生じたことは否定できない。

しかし、だからといって朝鮮統治というビジネス・モデルの展開によって現地が被った全ての償いを日本に対して求める一方、いわば“本当の黒幕”だった英米に対しては何も問わないという主張は、全く肯んずることはできないのである。

そして、こうしたダブルスタンダード(二重の基準)自身に見え隠れする虚構こそ、今の日本、そして東アジア・マーケットを見る私たち=日本の個人投資家の眼を曇らせる最大の要因でもあるのだ。


▲△▽▼


李氏朝鮮は1895年清国冊封体制から離脱により、迎恩門での土下座の礼拝は終焉した。

その後、列強各国は利権を求め李氏朝鮮に殺到した。


1900年頃の李氏朝鮮が奪われた利権


ロシア (金鉱採掘権、石炭採掘権、森林伐採件、海関管理権、捕鯨権)

アメリカ(ソウルー仁川鉄道施設権、金鉱採掘権、電車、電燈、水道経営権)

イギリス(海関管理権、金鉱採掘権)

ドイツ (金鉱採掘権)

日本  (ソウルー釜山鉄道施設権、金鉱採掘権、漁業権) 


当時独立は風前の灯火、史実は日本による併合(植民地ではない)

列強に対して独立を保つ事は現実不可能と思える状況なんだが

いったい李氏朝鮮はどこに支配されたかったんだ。

李朝末期には森林伐採権・関税徴収権・漁業権・鉱山採掘権・鉄道敷設権などあらゆる利権を欧米に奪われてしまい, 財政が破綻し破産状態でした:


1896年
ロシアへ咸北・慶源・鐘城の金鉱採掘権
鐘城の石炭採掘権 豆満江・鴨緑江上流地域と鬱陵島の森林伐採権
アメリカには京仁鉄道敷設権
雲山金鉱(平北)採掘権
イギリスには財閥顧問の派遣と海関管理権
フランスには京義鉄道敷設権

1897年
ロシアへ財政顧問の派遣と海関管理権
軍隊の教育訓練権
ドイツに江原・金城、金鉱採掘権

1898年
アメリカにソウルの電車・電灯・水道経営権
日本へ京釜鉄道敷設権
イギリスに平南・殷山金鉱採掘権

1899年
ロシアへ東海岸における捕鯨権

1900年
ロシアへ慶南・馬山浦の栗九味租借忠北・稷山金鉱採掘権
日本に京畿道沿海の漁業権

1901年
フランスに平北・昌城金鉱採掘権  


http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/805.html#c2

[近代史5] 伊藤貫の真剣な雑談 - YouTube 動画 中川隆
7. 2021年12月05日 09:33:04 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[3]
【伊藤貫の真剣な雑談】第3回後半「人間観察の保守3学派〜古典派が行きつく防御的リアリズムと民衆参加で出口を失った攻撃的リアリズム、反省なきエゴイストの覇権安定論」[桜R3/12/4]



http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1207.html#c7
[近代史7] 伊藤貫 保守主義とは何か 中川隆
3. 中川隆[-14856] koaQ7Jey 2021年12月05日 09:33:51 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[4]
【伊藤貫の真剣な雑談】第3回後半「人間観察の保守3学派〜古典派が行きつく防御的リアリズムと民衆参加で出口を失った攻撃的リアリズム、反省なきエゴイストの覇権安定論」[桜R3/12/4]



http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/542.html#c3
[近代史7] 男がやってみたい事はみんな同じ _ 日本兵が日中戦争でやった事 中川隆
9. 中川隆[-14855] koaQ7Jey 2021年12月05日 13:05:03 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[5]

2021-12-05
日本軍が避難民を動員して撮影させたプロパガンダ写真を見て真実を見つけたと興奮する残念な人達
https://vergil.hateblo.jp/entry/2021/12/05/125845


先日TLに流れてきた、南京大虐殺否定論者によるツイート。


この写真は「南京陥落一週間後」と題して『アサヒグラフ』1938年1月19日号に掲載されたうちの一枚だが、当時この手のプロパガンダ写真や国策ニュース映画がどのようにして撮影されたか、そのトリックを南京安全区国際委員会のジェームズ・マッカラム牧師が次のように書き残している。

(1938年)一月九日

 難民キャンプの入口に新聞記者が数名やって来て、ケーキ、りんごを配り、わずかな硬貨を難民に手渡して、この場面を映画撮影していた。こうしている間にも、かなりの数の兵士が裏の塀をよじ登り、構内に侵入して一〇名ほどの婦人を強姦したが、こちらの写真は一枚も撮らなかった。


また、この手の大人数を必要とするプロパガンダの際には、避難民の組織的な動員が行われた。[1]

おなじ手紙(注:南京安全区国際委員会のジョージ・フィッチ牧師の手紙)の十二月三十日の条によれば、この日、日本大使館では、収容所の幹部その他、約六十人の中国人をあつめて、五色旗と日の丸の旗をそれぞれ千本ずつつくり、元旦には、避難民千人以上の収容所は二十名、比較的少数の収容所は十名の代表を出して、鼓楼に集合することを命じている。当日のプログラムでは、鼓楼に五色旗が掲揚されるとともに、演説と音楽がおこなわれ、またこの旗を振って新体制を歓迎する幸せな人々がニュース映画に撮影される予定になっていたという(前同書、U、四二頁)。それでわれわれもそのもっともらしい光景を新聞の写真や映画で見せられたわけであろう。だが、この手紙は、右の事実を述べたあとで、「ところで、市内の焼打ちはつづき、十二歳と十三歳の少女の強姦と誘拐が三件発生したとの報告が入りました。(略)」と書きそえている。

これらのツイートを行った人物は「ワイの一番の目的は画像の拡散」「ワイは議論にも論破にも興味ない」とも言っているが、議論などしたらすぐインチキがバレてしまうので、プロパガンダを鵜呑みにする思考力のないウヨを相手にひたすら拡散に努めているのだろう。

ちなみに、南京陥落から2ヶ月近く経った38年2月はじめになっても人々が日本軍への恐怖におののいていたことは、南京攻略を行った中支那派遣軍司令官松井石根(戦後東京裁判で死刑)本人が次のように日記に書いている。[2]

◇二月六日

 朝八時出発汽車ニテ南京行。

 沿道ノ状況凡テ著ク鎮静二赴キ、各地避難民モ漸次帰来シ、各地自治組織ノ成立シツ丶アルハ可欣モ、未タ一般ノ状勢中々容易ナラス。支那人民ノ我軍二対スル恐怖心去ラス、寒気卜家ナキ為メ帰来ノ遅ルル事固トヨリ其主因ナルモ、我軍二対スル反抗卜云フヨリモ恐怖・不安ノ念ノ去ラサル事其重要ナル原因ナルへシト察セラル。(略)

生き残った南京市民が日本軍を歓迎していたなど、よくまあ恥ずかしげもなくこんな大嘘がつけるものだ。

[1] 洞富雄  『決定版・南京大虐殺』 徳間書店 1982年 P.114
[2] 偕行社編 『南京戦史資料集1』 偕行社 1989年 P.38

https://vergil.hateblo.jp/entry/2021/12/05/125845
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/107.html#c9

[リバイバル4] ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプ 中川隆
41. 2021年12月05日 13:19:02 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[6]
「300B」はなぜ“真空管の王様”と呼ばれるのか?ウェスタンエレクトリック流の矜持、復刻の舞台裏を探る
12/5
https://news.yahoo.co.jp/articles/96235cfe80b8679d3ec523e24d4de0bda24b3375

■本家・ウェスタンエレクトリック「300B」が国内でも正式発売

去る10月28日、待望のニュースが発表された。真空管アンプに用いられる出力管の中でも格別の人気を誇る、本家ウェスタンエレクトリックの「300B」再生産品がようやく国内で販売されることになったのである。数年前から噂でウェスタンエレクトリックの300Bが再生産されることを耳にしており、2021年に入ってから本国サイトでは販売を開始していたので、国内導入の知らせを待っていたのだ。

【写真】21世紀に復刻/1997年製造/PSVANEの「300B」
https://www.phileweb.com/review/column/image.php?id=1466&row=3


10月28日のリリースで、ここ日本では輸入総代理店に株式会社エレクトリ、総販売元に株式会社トライオードが担当することが公表された。これは真空管をよく知るトライオードならではの販売チャネルを通すことで、市場動向や後に説明する保証体制の手順を円滑に進められるという利点があるからだ。

新たな300Bは1本11万円、特性の揃った2本ペア+化粧箱セットで23万1千円、さらに特性の揃った4本クアッドセットが48万4千円となる。近年オリジナル300Bが高騰する情勢を踏まえると決して安くはないものの、高すぎるプライスではない。

今回、「2021東京インターナショナルオーディオショウ」開催直前の慌ただしい中、株式会社トライオードの山順一社長にもウェスタンエレクトリック300Bを取り扱うことになった経緯やその思いを伺うことができた。その中で見えてきたのは、今回の再生産はオリジナルに忠実な復刻というより “現代の最新技術で再構築” した、『新300B』であるということだ。

■さらに一皮むけた音質クオリティの新300B

山社長もウェスタンエレクトリック製品の魅力に惹かれていたお一人であり、かなり以前から入手し、その音に耳を傾けていたという。「300Bはもちろんですが、励磁型コンプレッションドライバー『555W』を使った大型のホーン型システム『15A』を使っていたこともあります。その当時勤務していた国鉄の社宅に搬入するのにとても苦労しましたね。ベランダの窓枠を外すしかなくて(笑)。6畳の部屋に2台入れたんです」

まさに武勇伝だが、古くからのオーディオマニアにとってウェスタンエレクトリックとは憧れの存在であり、いつかは手に入れたい逸品であったのである。

社名とした “トライオード” は三極管を意味しており、まさに300Bはその代表格。今回のウェスタンエレクトリック300Bを取り扱うようになったことはまさに格別の思いであろう。

「日本にはまず先方からヒビノさんに打診があったようなのです。ヒビノさんは基本的にプロシューマー企業ですから、コンシューマー向けには傘下企業であるエレクトリさんでどうだろうという話の流れとなったようですね。ただ真空管単体の販売という点では経験も必要ですし、そうしたことが得意な販売元を探していたそうです。イベント等でもご一緒する機会も多くありましたので、そんなご縁からお声がけいただきました」

「新300Bの音質はかなり低域が伸びてます。97年の再生産のものよりも一皮むけてます。空間の出方もここまで変わると思わなかったほどで、ハイレゾ時代でも対応できるレンジの広さを実感しました。一口にウェスタンといっても製造時期によって音も違いますが、新300Bの音質傾向は非常に良いもので、ウェスタンとして語れるものであると考えています」

■劇場用の音響システムなどを手掛けてきたウェスタンエレクトリック

300Bも当然素晴らしい真空管であるが、この300Bを生み出したウェスタンエレクトリックがどのようなメーカーなのかも触れておこう。ウェスタンエレクトリックが設立されたのは1872年。1881年からはアメリカの電話会社AT&Tの機器製造部門を100年以上担っていた。

1925年にはウェスタンエレクトリックの技術部門はベル研究所となり、後年トランジスタなど、いくつもの革命的な発明を生んでいる。1916年にはコンデンサーマイクを発明。1920年代からはトーキー映画用の劇場用拡声器・音響システムの開発にも力を入れていった。1926年に誕生した名機の誉れ高い励磁型コンプレッションホーン555Wもそうしたシステム群を構成する基幹製品のひとつだ。

ウェスタンエレクトリックは音の入り口であるマイク、そして出口であるスピーカーまでを開発できる、まさに総合メーカーとしての側面を持っていたが、その仕向け先は業務用であり、製品の性能や耐久性については極めて高いクオリティを要求される。だからこそ、製品を構成するパーツ一つ一つにも妥協なく当時入手できる最高のものを使い、その時での最先端技術を用いて製造されていた。そしてこの製品に使われる真空管についても当然のごとく最高水準の性能・耐久性を求められるわけだが、ここにもウェスタンエレクトリックは大きな強みを持っていたのである。

1910年代、ウェスタンエレクトリックは電話中継用に用いる真空管の製造を開始し、第1次世界大戦当時は軍用の真空管製造も手掛けていた。無線分野や海底ケーブル中継器など、絶対の信頼度が要求される現場で磨かれた製品クオリティがその後のウェスタンエレクトリック神話へと繋がってゆくのである。

そして1938年、300Bが誕生。劇場用拡声器に向けた大出力なニーズに応えるために開発された直熱三極管である。当初は「300A」として登場したが、間もなく改良版である300Bが生まれた。

300Bはシンプルな構造で増幅を行う直熱三極管のなかでもA級シングルで8Wという大きな出力を取り出せることが特徴だが、ただ出力の大きさという点で見ると後年登場するビーム管などの方が優位である。

ではなぜ未だに高い人気を誇るのか。「45」「2A3」そして300Bと続く直熱三極管の歴史は高出力化への歩みでもある。直熱三極管はフィラメント、グリッド、プレートという増幅を行うための必要最小限の構造であるため、その音も素直で透明感の高い爽やかなサウンド性が特徴だ。ここに真空管特有の艶やかさや華やかさと言った倍音表現が加わり、独特な音質を生んでいる。

直熱三極管の中でも巨大な部類に属する300Bは素直さと繊細さ、そして力強さを兼ね備えたバランスの良い出力管であり、巨大なプレートを支えるガラス管の優美な形状も相まって “真空管の王様” という呼び名が定着しているのだろう。この現在での300Bの高評価もウェスタンエレクトリックが由来だからこそであるが、本来業務用に供給されていた真空管であったため、入手が難しかった時代があったことも評価を押し上げる要因の一つだったのかもしれない。

ウェスタンエレクトリック製300Bは幾度かの生産休止期間を挟みつつ製造が続けられていたが、1988年に一旦その歴史に終止符を打った。しかし世界の管球マニアの300B復活を求める声に応えるかたちで、1997年にウェスタンエレクトリック300Bの再生産が始まったのである。しかし1961年に設立され、300Bも生産していたカンザスシティ工場の老朽化などが要因で、この時の再生産は2006年で終焉を迎えた。

この頃になると中国や東欧諸国で生産される他社製300Bも増えてきたが、相反するようにウェスタンエレクトリック・オリジナルの300Bを望む声は日増しに高まっていく。トライオードでも、元曙光電子のエンジニアが独立して立ち上げた中国・PSVANEが1960年代のオリジナル300Bの構造を研究した“限りなくオリジナルに近い300B“である「WE300B」を取り扱っているが、このPSVANE WE300B開発時にも山社長は色々とアドバイスをしていたという。

「PSVANEは曙光電子よりもっと良いものを作りたいということで独立したんですね。ですからモノづくりの経験値は相当高いものを持っています。初めてPSVANEのWE300Bを見たときは “本物じゃないの” って思ったくらいです。内部も含めて本物とほとんど遜色ないクオリティでしたね。途中で色々変更されないよう注意を払っていましたが、サウンドは問題なかったですし、他社製300Bとしては非常にクオリティの高いものです」

2006年に一旦終了したかに見えたオリジナル300B復活プロジェクトであるが、実は水面下では動き続いていたそうで、2018年にジョージア州ロスヴィルに真空管製造ラインを持つ新工場が設立された。ここにはかつてのカンザスシティ工場で使われていた製造・測定器具も含まれていたそうだが、多くは新たに開発した製造・測定器具となり、製造精度の向上へと結びついているという。

■優れた特性を持つ素材を投入、真空度も向上している

今回のオリジナル新300Bにおいて従来のものと大きく異なるのがプレートのコーティング素材である。往年はカーボンを用いていたが、今回はグラフェンを取り入れているという。プレート-フィラメント間の熱放射率や電気伝導率を改善するとともに、プレート自体の素材である純ニッケル合金とグラフェンの第一原子層が結び付くことで、高い真空を維持しつつ寿命に結び付くガスの発生を抑えるという。さらに平均プレート電流も高くなり二次電子放出の影響も大幅に減少しているそうだ。

フィラメントはかつてのウェスタンエレクトリック・ホーソン工場に由来する溶解物から取り出した伝統のある素材だそうで、酸化コーティング剤は海底ケーブル伝送用に開発されたものを最先端の製造工程で施しているという。

そして旧来の300Bに使われていたガラスやハンダなどはかつて鉛を含んでいたが、現在はRoHS指令などに基づいて、環境に配慮した素材を使わなければ国や地域によっては輸出ができない。それゆえ、プレートのコーティング素材を含め、現在入手できる優れた特性を持つ素材を導入しているのである。

ちなみに96〜06年までの再生産時には金メッキピン仕様のものも登場したが、「ウェスタンエレクトリックとしては本来はやりたくなかったが、輸入元の要請で実施した」という事情があったそうだ。他にもガラス管内の真空度に影響するポンプについて、ドライスクロールポンプを補助に用いた最新のターボ分子ポンプによって、極めて高い真空度を達成したとのこと。「優れたPSVANEでも新300Bの真空度にはかなわない」と山社長。この真空度の高さは新300Bの大きなメリットとなるだろう。

「実は去年からウェスタンエレクトリックの取り扱いについて話をしていまして、サンプルも来たんです。その最初のサンプルでは、プレートはカーボンコーティングを施した黒いものでした。ただ不具合がありまして、構造上の問題なのか、変に響くのでそれを直すよう進言しました。するとコーティングを変えて見事に直してきたんですね。結果的に良い改良だったと考えています。さすがウェスタンエレクトリックだと」

「PSVANE WE300Bと新300Bを比較すると、少し色気が違うのです。どちらもしなやかなサウンドで良いのですが、新300Bは低域の量、空間性が良い印象です。ただしPSVANEのWE300Bも継続して販売してゆく予定です。単価が違いますし、PSVANEにはPSVANEとしての個性と魅力がありますからね。ウェスタンらしいニュアンスを持ったリーズナブルな選択肢として存在価値があります」

「新300Bとどちらを選ぶのかという楽しみも増えますよね。アンプ製品にはオプションでウェスタンエレクトリックの新300Bに交換できるようにしたいと考えていますが、初めから新300Bを積んだアンプ製品については出す予定はありません」

現在真空管アンプを手掛けるメーカー各社にも新300Bの売り込みを行っているとのこと。販売に関しては量販店やECサイトには卸さず、定価で販売をお願いしているという。「ウェスタンエレクトリックというブランドの価値、プレミアムさを大事にしていきたい」と山社長は語る。

■異例の「5年保証」を実現。品質の高さに自信あり

ウェスタンエレクトリック製品は信頼性、耐久性を重要視していることは前述したが、この新300Bも例外ではない。真空管としては異例の『5年保証』を謳っているのだ。トライオードではこれまでの真空管販売では1年保証としていたが、それも業界としては長めの設定であった。

比較的安価な他社製300Bでは1年もするとノイズが出るものもあり、音が出なくなるなどの致命的なトラブルではないものの、音楽再生では気になってしまう。しかしウェスタンエレクトリック300Bは5年という長さの保証を付けるというのは、それだけ製品の完成度、品質に自信があることを裏付けるものでもある。

新300Bでもベース部にシリアルナンバーが刻印されており、97年からの再生産同様、一本ずつにデータシートも添付。ウェスタンエレクトリックならではの製造年・週表示(取材時のサンプルでは“2152”、2021年52週目の生産を示す表記があった)もベースにプリントされているので、オリジナル品同士でも見分けがつけられるだろう。

説明書も英語だけでなく、フランス語、ドイツ語、中国語、そして日本語でも記載がされており、ウェスタンエレクトリックがユーザーをしっかりと認識しているスタンスが受け取れる。もし壊れてもその個体と似たデータを持つ製品を出荷してくれるそうであり、保証書の登録は必ず行っておきたい。国内ではトライオード宛てに保証書を送付すればよく、エレクトリと本国間で取りまとめ、シリアルが登録されるという。

高い技術力と伝統に息づく耐久性、モノづくりの姿勢を映す『5年保証』はまさに安心・信頼の証である。スペックに則った設計の範囲内で用いることで長寿命を実現できることもウェスタンエレクトリックならではのメリットである。オリジナル300Bとしては比較的安価とはいえ、なかなか手を出しにくいプライスではあるが、長い目で見ての信頼性、安定感という点でこれ以上の選択肢はないだろう。

既に国内に供給予定の第1、第2ロットは完売しているといい、第3ロット待ちという盛況ぶりであるが、それだけ新300Bへの期待が高まっていたという証拠に他ならない。『2021東京インターナショナルオーディオショウ』でも新300Bに注がれる熱いまなざしを何度も見かけることができたが、実際その音に触れることができた方も表現力の高さ、これまでとは一味違うウェスタンサウンドに驚かれたのではないか。

トライオードブースにて、300B・A級パラシングル方式のプリメインアンプ「TRZ-300W」へウェスタンエレクトリックの新300Bを換装した状態でデモをしていただいたが、しっかりと重心低くグリップするベースの弾力とスムーズな音伸び、直熱管ならではの開放的で音離れ良いボーカル定位の爽やかさ、潤いを実感。これまでのオリジナル品以外の300Bとは一味違う彫りの深さ、ステージの奥行き、音像の確固たる芯の強さ、ナチュラルなボディ感も味わうことができた。

かつてのオリジナル300Bが持っていた濃密な中域表現は幾分抑えられている印象であるが、迷いのない的確なステージ、楽器の描写力、ボーカルの逞しさは健在だ。何より付帯感のないワイドレンジな帯域感が素晴らしく、従来の300Bのサウンドとは一線を画す世界観である。またじっくりと向き合って聴いてみたいと思える素晴らしい体験であった。

今回のウェスタンエレクトリック300Bの復活は単なる復刻ではなく、時代に合わせたアップデートを果たした新規の300Bともいえ、オリジナルだからこその基本性能の高さをさらに上のステージへ引き上げた、別次元の完成度を誇るものとなっている。

かつてのサウンドの再来を期待すると肩透かしを食らうかもしれないが、これは現代の音楽事情を踏まえた懐古的ではない増幅素子本来の在り様を追求しているのではないか。その時代に相応しい最高のものを作り上げる “ウェスタンエレクトリック流の矜持” ともとれる新300Bへの取り組みの数々は、突き詰めていった300B本来の姿であるのかもしれない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/96235cfe80b8679d3ec523e24d4de0bda24b3375
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/107.html#c41

[リバイバル3] ウェスタンエレクトリック伝説 中川隆
213. 中川隆[-14854] koaQ7Jey 2021年12月05日 13:19:41 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[7]
「300B」はなぜ“真空管の王様”と呼ばれるのか?ウェスタンエレクトリック流の矜持、復刻の舞台裏を探る
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https://news.yahoo.co.jp/articles/96235cfe80b8679d3ec523e24d4de0bda24b3375

■本家・ウェスタンエレクトリック「300B」が国内でも正式発売

去る10月28日、待望のニュースが発表された。真空管アンプに用いられる出力管の中でも格別の人気を誇る、本家ウェスタンエレクトリックの「300B」再生産品がようやく国内で販売されることになったのである。数年前から噂でウェスタンエレクトリックの300Bが再生産されることを耳にしており、2021年に入ってから本国サイトでは販売を開始していたので、国内導入の知らせを待っていたのだ。

【写真】21世紀に復刻/1997年製造/PSVANEの「300B」
https://www.phileweb.com/review/column/image.php?id=1466&row=3


10月28日のリリースで、ここ日本では輸入総代理店に株式会社エレクトリ、総販売元に株式会社トライオードが担当することが公表された。これは真空管をよく知るトライオードならではの販売チャネルを通すことで、市場動向や後に説明する保証体制の手順を円滑に進められるという利点があるからだ。

新たな300Bは1本11万円、特性の揃った2本ペア+化粧箱セットで23万1千円、さらに特性の揃った4本クアッドセットが48万4千円となる。近年オリジナル300Bが高騰する情勢を踏まえると決して安くはないものの、高すぎるプライスではない。

今回、「2021東京インターナショナルオーディオショウ」開催直前の慌ただしい中、株式会社トライオードの山順一社長にもウェスタンエレクトリック300Bを取り扱うことになった経緯やその思いを伺うことができた。その中で見えてきたのは、今回の再生産はオリジナルに忠実な復刻というより “現代の最新技術で再構築” した、『新300B』であるということだ。

■さらに一皮むけた音質クオリティの新300B

山社長もウェスタンエレクトリック製品の魅力に惹かれていたお一人であり、かなり以前から入手し、その音に耳を傾けていたという。「300Bはもちろんですが、励磁型コンプレッションドライバー『555W』を使った大型のホーン型システム『15A』を使っていたこともあります。その当時勤務していた国鉄の社宅に搬入するのにとても苦労しましたね。ベランダの窓枠を外すしかなくて(笑)。6畳の部屋に2台入れたんです」

まさに武勇伝だが、古くからのオーディオマニアにとってウェスタンエレクトリックとは憧れの存在であり、いつかは手に入れたい逸品であったのである。

社名とした “トライオード” は三極管を意味しており、まさに300Bはその代表格。今回のウェスタンエレクトリック300Bを取り扱うようになったことはまさに格別の思いであろう。

「日本にはまず先方からヒビノさんに打診があったようなのです。ヒビノさんは基本的にプロシューマー企業ですから、コンシューマー向けには傘下企業であるエレクトリさんでどうだろうという話の流れとなったようですね。ただ真空管単体の販売という点では経験も必要ですし、そうしたことが得意な販売元を探していたそうです。イベント等でもご一緒する機会も多くありましたので、そんなご縁からお声がけいただきました」

「新300Bの音質はかなり低域が伸びてます。97年の再生産のものよりも一皮むけてます。空間の出方もここまで変わると思わなかったほどで、ハイレゾ時代でも対応できるレンジの広さを実感しました。一口にウェスタンといっても製造時期によって音も違いますが、新300Bの音質傾向は非常に良いもので、ウェスタンとして語れるものであると考えています」

■劇場用の音響システムなどを手掛けてきたウェスタンエレクトリック

300Bも当然素晴らしい真空管であるが、この300Bを生み出したウェスタンエレクトリックがどのようなメーカーなのかも触れておこう。ウェスタンエレクトリックが設立されたのは1872年。1881年からはアメリカの電話会社AT&Tの機器製造部門を100年以上担っていた。

1925年にはウェスタンエレクトリックの技術部門はベル研究所となり、後年トランジスタなど、いくつもの革命的な発明を生んでいる。1916年にはコンデンサーマイクを発明。1920年代からはトーキー映画用の劇場用拡声器・音響システムの開発にも力を入れていった。1926年に誕生した名機の誉れ高い励磁型コンプレッションホーン555Wもそうしたシステム群を構成する基幹製品のひとつだ。

ウェスタンエレクトリックは音の入り口であるマイク、そして出口であるスピーカーまでを開発できる、まさに総合メーカーとしての側面を持っていたが、その仕向け先は業務用であり、製品の性能や耐久性については極めて高いクオリティを要求される。だからこそ、製品を構成するパーツ一つ一つにも妥協なく当時入手できる最高のものを使い、その時での最先端技術を用いて製造されていた。そしてこの製品に使われる真空管についても当然のごとく最高水準の性能・耐久性を求められるわけだが、ここにもウェスタンエレクトリックは大きな強みを持っていたのである。

1910年代、ウェスタンエレクトリックは電話中継用に用いる真空管の製造を開始し、第1次世界大戦当時は軍用の真空管製造も手掛けていた。無線分野や海底ケーブル中継器など、絶対の信頼度が要求される現場で磨かれた製品クオリティがその後のウェスタンエレクトリック神話へと繋がってゆくのである。

そして1938年、300Bが誕生。劇場用拡声器に向けた大出力なニーズに応えるために開発された直熱三極管である。当初は「300A」として登場したが、間もなく改良版である300Bが生まれた。

300Bはシンプルな構造で増幅を行う直熱三極管のなかでもA級シングルで8Wという大きな出力を取り出せることが特徴だが、ただ出力の大きさという点で見ると後年登場するビーム管などの方が優位である。

ではなぜ未だに高い人気を誇るのか。「45」「2A3」そして300Bと続く直熱三極管の歴史は高出力化への歩みでもある。直熱三極管はフィラメント、グリッド、プレートという増幅を行うための必要最小限の構造であるため、その音も素直で透明感の高い爽やかなサウンド性が特徴だ。ここに真空管特有の艶やかさや華やかさと言った倍音表現が加わり、独特な音質を生んでいる。

直熱三極管の中でも巨大な部類に属する300Bは素直さと繊細さ、そして力強さを兼ね備えたバランスの良い出力管であり、巨大なプレートを支えるガラス管の優美な形状も相まって “真空管の王様” という呼び名が定着しているのだろう。この現在での300Bの高評価もウェスタンエレクトリックが由来だからこそであるが、本来業務用に供給されていた真空管であったため、入手が難しかった時代があったことも評価を押し上げる要因の一つだったのかもしれない。

ウェスタンエレクトリック製300Bは幾度かの生産休止期間を挟みつつ製造が続けられていたが、1988年に一旦その歴史に終止符を打った。しかし世界の管球マニアの300B復活を求める声に応えるかたちで、1997年にウェスタンエレクトリック300Bの再生産が始まったのである。しかし1961年に設立され、300Bも生産していたカンザスシティ工場の老朽化などが要因で、この時の再生産は2006年で終焉を迎えた。

この頃になると中国や東欧諸国で生産される他社製300Bも増えてきたが、相反するようにウェスタンエレクトリック・オリジナルの300Bを望む声は日増しに高まっていく。トライオードでも、元曙光電子のエンジニアが独立して立ち上げた中国・PSVANEが1960年代のオリジナル300Bの構造を研究した“限りなくオリジナルに近い300B“である「WE300B」を取り扱っているが、このPSVANE WE300B開発時にも山社長は色々とアドバイスをしていたという。

「PSVANEは曙光電子よりもっと良いものを作りたいということで独立したんですね。ですからモノづくりの経験値は相当高いものを持っています。初めてPSVANEのWE300Bを見たときは “本物じゃないの” って思ったくらいです。内部も含めて本物とほとんど遜色ないクオリティでしたね。途中で色々変更されないよう注意を払っていましたが、サウンドは問題なかったですし、他社製300Bとしては非常にクオリティの高いものです」

2006年に一旦終了したかに見えたオリジナル300B復活プロジェクトであるが、実は水面下では動き続いていたそうで、2018年にジョージア州ロスヴィルに真空管製造ラインを持つ新工場が設立された。ここにはかつてのカンザスシティ工場で使われていた製造・測定器具も含まれていたそうだが、多くは新たに開発した製造・測定器具となり、製造精度の向上へと結びついているという。

■優れた特性を持つ素材を投入、真空度も向上している

今回のオリジナル新300Bにおいて従来のものと大きく異なるのがプレートのコーティング素材である。往年はカーボンを用いていたが、今回はグラフェンを取り入れているという。プレート-フィラメント間の熱放射率や電気伝導率を改善するとともに、プレート自体の素材である純ニッケル合金とグラフェンの第一原子層が結び付くことで、高い真空を維持しつつ寿命に結び付くガスの発生を抑えるという。さらに平均プレート電流も高くなり二次電子放出の影響も大幅に減少しているそうだ。

フィラメントはかつてのウェスタンエレクトリック・ホーソン工場に由来する溶解物から取り出した伝統のある素材だそうで、酸化コーティング剤は海底ケーブル伝送用に開発されたものを最先端の製造工程で施しているという。

そして旧来の300Bに使われていたガラスやハンダなどはかつて鉛を含んでいたが、現在はRoHS指令などに基づいて、環境に配慮した素材を使わなければ国や地域によっては輸出ができない。それゆえ、プレートのコーティング素材を含め、現在入手できる優れた特性を持つ素材を導入しているのである。

ちなみに96〜06年までの再生産時には金メッキピン仕様のものも登場したが、「ウェスタンエレクトリックとしては本来はやりたくなかったが、輸入元の要請で実施した」という事情があったそうだ。他にもガラス管内の真空度に影響するポンプについて、ドライスクロールポンプを補助に用いた最新のターボ分子ポンプによって、極めて高い真空度を達成したとのこと。「優れたPSVANEでも新300Bの真空度にはかなわない」と山社長。この真空度の高さは新300Bの大きなメリットとなるだろう。

「実は去年からウェスタンエレクトリックの取り扱いについて話をしていまして、サンプルも来たんです。その最初のサンプルでは、プレートはカーボンコーティングを施した黒いものでした。ただ不具合がありまして、構造上の問題なのか、変に響くのでそれを直すよう進言しました。するとコーティングを変えて見事に直してきたんですね。結果的に良い改良だったと考えています。さすがウェスタンエレクトリックだと」

「PSVANE WE300Bと新300Bを比較すると、少し色気が違うのです。どちらもしなやかなサウンドで良いのですが、新300Bは低域の量、空間性が良い印象です。ただしPSVANEのWE300Bも継続して販売してゆく予定です。単価が違いますし、PSVANEにはPSVANEとしての個性と魅力がありますからね。ウェスタンらしいニュアンスを持ったリーズナブルな選択肢として存在価値があります」

「新300Bとどちらを選ぶのかという楽しみも増えますよね。アンプ製品にはオプションでウェスタンエレクトリックの新300Bに交換できるようにしたいと考えていますが、初めから新300Bを積んだアンプ製品については出す予定はありません」

現在真空管アンプを手掛けるメーカー各社にも新300Bの売り込みを行っているとのこと。販売に関しては量販店やECサイトには卸さず、定価で販売をお願いしているという。「ウェスタンエレクトリックというブランドの価値、プレミアムさを大事にしていきたい」と山社長は語る。

■異例の「5年保証」を実現。品質の高さに自信あり

ウェスタンエレクトリック製品は信頼性、耐久性を重要視していることは前述したが、この新300Bも例外ではない。真空管としては異例の『5年保証』を謳っているのだ。トライオードではこれまでの真空管販売では1年保証としていたが、それも業界としては長めの設定であった。

比較的安価な他社製300Bでは1年もするとノイズが出るものもあり、音が出なくなるなどの致命的なトラブルではないものの、音楽再生では気になってしまう。しかしウェスタンエレクトリック300Bは5年という長さの保証を付けるというのは、それだけ製品の完成度、品質に自信があることを裏付けるものでもある。

新300Bでもベース部にシリアルナンバーが刻印されており、97年からの再生産同様、一本ずつにデータシートも添付。ウェスタンエレクトリックならではの製造年・週表示(取材時のサンプルでは“2152”、2021年52週目の生産を示す表記があった)もベースにプリントされているので、オリジナル品同士でも見分けがつけられるだろう。

説明書も英語だけでなく、フランス語、ドイツ語、中国語、そして日本語でも記載がされており、ウェスタンエレクトリックがユーザーをしっかりと認識しているスタンスが受け取れる。もし壊れてもその個体と似たデータを持つ製品を出荷してくれるそうであり、保証書の登録は必ず行っておきたい。国内ではトライオード宛てに保証書を送付すればよく、エレクトリと本国間で取りまとめ、シリアルが登録されるという。

高い技術力と伝統に息づく耐久性、モノづくりの姿勢を映す『5年保証』はまさに安心・信頼の証である。スペックに則った設計の範囲内で用いることで長寿命を実現できることもウェスタンエレクトリックならではのメリットである。オリジナル300Bとしては比較的安価とはいえ、なかなか手を出しにくいプライスではあるが、長い目で見ての信頼性、安定感という点でこれ以上の選択肢はないだろう。

既に国内に供給予定の第1、第2ロットは完売しているといい、第3ロット待ちという盛況ぶりであるが、それだけ新300Bへの期待が高まっていたという証拠に他ならない。『2021東京インターナショナルオーディオショウ』でも新300Bに注がれる熱いまなざしを何度も見かけることができたが、実際その音に触れることができた方も表現力の高さ、これまでとは一味違うウェスタンサウンドに驚かれたのではないか。

トライオードブースにて、300B・A級パラシングル方式のプリメインアンプ「TRZ-300W」へウェスタンエレクトリックの新300Bを換装した状態でデモをしていただいたが、しっかりと重心低くグリップするベースの弾力とスムーズな音伸び、直熱管ならではの開放的で音離れ良いボーカル定位の爽やかさ、潤いを実感。これまでのオリジナル品以外の300Bとは一味違う彫りの深さ、ステージの奥行き、音像の確固たる芯の強さ、ナチュラルなボディ感も味わうことができた。

かつてのオリジナル300Bが持っていた濃密な中域表現は幾分抑えられている印象であるが、迷いのない的確なステージ、楽器の描写力、ボーカルの逞しさは健在だ。何より付帯感のないワイドレンジな帯域感が素晴らしく、従来の300Bのサウンドとは一線を画す世界観である。またじっくりと向き合って聴いてみたいと思える素晴らしい体験であった。

今回のウェスタンエレクトリック300Bの復活は単なる復刻ではなく、時代に合わせたアップデートを果たした新規の300Bともいえ、オリジナルだからこその基本性能の高さをさらに上のステージへ引き上げた、別次元の完成度を誇るものとなっている。

かつてのサウンドの再来を期待すると肩透かしを食らうかもしれないが、これは現代の音楽事情を踏まえた懐古的ではない増幅素子本来の在り様を追求しているのではないか。その時代に相応しい最高のものを作り上げる “ウェスタンエレクトリック流の矜持” ともとれる新300Bへの取り組みの数々は、突き詰めていった300B本来の姿であるのかもしれない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/96235cfe80b8679d3ec523e24d4de0bda24b3375
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/208.html#c213

[リバイバル3] 超軽量の美濃漉き和紙コーンを使った芸術品、世界最高峰のロクハン アシダボックス 6P-HF1 中川隆
54. 中川隆[-14853] koaQ7Jey 2021年12月05日 14:48:43 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[8]
6BQ5/EL84 アンプ回路集
2017年11月13日
https://ameblo.jp/hirochan-amp/entry-12528102922.html

 6BQ5(欧州名EL84)は、私にとって非常に懐かしい真空管。
今から50年前(昭和42年)の、高校1年生の時、初めて作った大出力とも言えるステレオ・アンプが6BQ5です。

 小学校6年生から始めたラジオ作り、中学1年生から始めた真空管アンプ作り、当時は6Z-P1や、トランスレスの30A5、35C5などラジオ管の中古品を使ったアンプでした。中学3年の時に友人が6AR5のステレオ・アンプと6BQ5のステレオ・アンプを作ったのを聴かせてもらい羨ましく思った。

 そして、ついに高校1年の時に小遣いをためて6BQ5のステレオ・アンプを作った。スピーカーはアシダボックスのフルレンジ、6PHF1の平面バッフル、セラミック・カートリッジで聴いた時のステレオの音の感動は、いまだ忘れていません。

超軽量の美濃漉き和紙コーンを使った芸術品、世界最高峰のロクハン アシダボックス 6P-HF1
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/956.html

 さて、そんな6BQ5ですが、昔はメーカー製のステレオ・アンプには多く採用されていました。他の出力管と比べるとgmと能率が高いため、小さなドライブ電圧でもシングルで5W位、プッシュプルだと軽く10W以上の出力のアンプを作ることが出来ます。

同じ特性の真空管ですが、最大定格を大きくした球に7189、7189Aがあります。

 今回は、これまで製作したシングル・アンプの回路の紹介と、今後、製作を計画しているプッシュプル・アンプの回路案を紹介します。

6BQ5(EL84)シングル・アンプ(3例)

イメージ 1

 下記の2例は5極管接続のシングル・アンプ、出力トランスは、ノグチトランスのPMF-6Wを使用していますが、東栄変成器のOPT-5Sや、春日無線変圧器のOUT-54B-57等も安価に作るのなら手頃です。
 6BQ5の自己バイアス時のカソード抵抗は135Ωとなっていますが、ここでは150〜160Ωとし、若干、電流を押さえています。そのため電源トランスはB電流100mAでOK。(できれば120mA以上が望ましい)
なお、初段のプレート抵抗を100KΩ、カソード抵抗を1KΩとし、12AX7、12AT7、12AV7、5965などがそのまま挿し替えが出来るようにしました。初段のパスコンを省略していますが、6BQ5の感度が高いので、これで十分。

※訂正: 下記の回路図で出力管が6BQ7となっていますが6BQ5
 が正しい表記です。

イメージ 2

下記の回路図はカソードNFBとした回路例。
NFBはカソードNFBだけでも十分な周波数特性が得られます。

イメージ 3

下記の回路は3極管結合のシングル・アンプ回路例。
ここでは電源トランスのB電流が80mAとやや少ないため、カソード抵抗を330Ω(規格表の動作例では270Ω)とすることでプレート電流を少なめにしていますが、それでも十分な出力が得られます。
なお、B電源部の平滑回路にはチョークトランスを使用したほうがハムの点では有利。ここでは抵抗で代用していますが、ハムは、ほとんど聞こえませんでした。NFB無しの無帰還アンプですが、NFBをかけると周波数特性が良くなります。しかし、個人的には3極管接続の場合には無帰還でも十分だと思っています。出力トランスの1次側Zpは、3.5KΩ〜5KΩでOKです。

イメージ 4

 今後、機会をみてプッシュプル・アンプの製作を予定しています。下記の5極管接続pp回路では安価に仕上げるため、電源トランスにノグチトランスのPMC-190Mを使用としているため、プレート電圧が若干低く、プレート電流も少なめにしてありますが、これで10W位の出力でしょうか・・・
できれば電源トランスは250Vタップで250mA位の物が無難。出力トランスも20W以上の物が良いと思います。
ドライブは12AX7を1本だけ使用した直結のPK分割による位相反転回路です。非常にシンプルですが、これで十分、後は必要に応じて高域補正を入れるのも良いと思います。

イメージ 5

こちらは3極管結合のプッシュプル・アンプ。
ppですが、電源部にはチョークトランス(5H〜10H)を使用したほうがハムの点では良いでしょう。

イメージ 6

---- お願い ----
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。

 プッシュプル・アンプは前に紹介したリード社製のサイドウッド付きのアンプケースYT-370の新品(現在は製造中止品です)があるので、これに組み込んでみようかと考えているのですが・・・コントロール・アンプとしても使いたいし・・・どうしよう・・

イメージ 7

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。

https://ameblo.jp/hirochan-amp/entry-12528102922.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/956.html#c54

[近代史4] 売国政治家列伝 _ 岸田文雄 中川隆
10. 中川隆[-14852] koaQ7Jey 2021年12月05日 15:48:55 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[9]
国民を苦しめ、出口のないアベノミクスを踏襲する岸田政権の行く先 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/481.html
2021/12/01 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし


経済関係の有識者との「車座対話」をする岸田首相(C)共同通信社

 岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の実態はアベノミクスそのものだ。世界を襲うスタグフレーションにのみ込まれ、そのジレンマで早晩身動きが取れなくなるだろう。

 アベノミクスは本来、金融緩和で巨額の財政赤字を支えると同時に、円安誘導で輸出を伸ばす政策だった。ところが、コロナ禍でサプライチェーンが寸断され、産業のコメである半導体不足に陥り、主力の自動車生産が停滞。出口戦略のない異次元緩和が投機マネーを生み出し、石油や穀物価格の高騰を招いている。金融正常化へ向かう欧米との金利差が広がり、円から米ドルに資金が流れて、円安が進行しても輸出を伸ばせないまま、10月の輸入物価指数は前年同月比38%となり、国内企業物価指数も同8%に跳ね上がった。

 一方、賃金はちっとも増えないため、個人消費をベースにするCPI(消費者物価指数)は9月同0.2%、10月同0.1%と低い。所得は増えないのに輸入物価が上昇する圧迫感が個人を襲い、中小企業はコスト高を価格に転嫁できず、景気は再び急速に悪化しつつある。

 だからといって、金融緩和を縮小し、金利を上げて円高へ補正することができるかといえば、否だろう。公債費は急上昇し、財政赤字がさらに膨らむ泥沼に陥るからだ。金利上昇に伴って国債価格も株価も下落し、日銀は巨額の損失を抱えることになる。日銀信用が根本的に損なわれる事態に陥りかねない。

 日銀は物価上昇2%にこだわっているが、スタグフレーションによって達成しても金融緩和を解除できない。岸田政権が継承するアベノミクスが完全破綻し、財政も破綻してしまうからだ。輸入物価を上昇させ、個人も中小企業も苦しめる超低金利政策を続けざるを得ない。そこで政府は過去最大の56兆円の経済対策を打ち出したわけだが、「ガソリン補助金」なんて世紀の愚策だ。石油元売り大手は便乗値上げで暴利をむさぼっているのに、なぜそこにカネを回すのか。

 さらに怖いのが、世界的なスタグフレーションが長引き、金融正常化した欧米でバブルが崩壊した場合だ。アベノミクスは目も当てられないショックを、この国にもたらすだろう。対抗策はリスクに備える体制づくりしかない。縁故主義の克服。公正なルールの再建。新たな産業を生み出すか、エネルギーや福祉、食と農業を収益分散型にして、対外ショックに強いショックアブソーバーのような地域分散型の経済構造への転換を急ぐことだ。

金子勝 立教大学大学院特任教授

1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1709.html#c10

[近代史7] 蓄音器はオーディオではない。楽器だ! 中川隆
1. 中川隆[-14851] koaQ7Jey 2021年12月05日 16:10:41 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[10]
LPの音をSPの音に変える魔法のスピーカ タンノイ オートグラフ _ 2流オケの音もウイーン・フィルの響きに変える奇跡
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/494.html
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/580.html#c1
[近代史7] 五味康祐 中川隆
1. 中川隆[-14850] koaQ7Jey 2021年12月05日 16:12:28 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[11]
LPの音をSPの音に変える魔法のスピーカ タンノイ オートグラフ _ 2流オケの音もウイーン・フィルの響きに変える奇跡
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/494.html
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/569.html#c1
[近代史5] スーパーのごま油はヤバイ!?手作りとのとんでもない違いとは 中川隆
2. 2021年12月05日 17:08:56 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[12]
【ゆっくり解説】超強力洗剤と同じ成分?!毒性がヤバいスーパーのごま油の闇
2021/12/05



http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1286.html#c2
[近代史7] 中野剛志 - YouTube動画 中川隆
1. 中川隆[-14849] koaQ7Jey 2021年12月05日 17:53:47 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[13]
日本経済が成長しなくなった、あまりにも「残念」な理由
財政政策の「古い見解」vs「新しい見解」
中野剛志:評論家
2021.12.4
https://diamond.jp/articles/-/289179

「積極財政は単なるバラマキ」「財政出動はカンフル剤に過ぎない」などの言説が、日本では主流だ。しかし、2010年代のアメリカでは経済政策の考え方に大転換が起き、これらの言説は「古い見解」と見なされるようになり、「積極財政こそが経済成長を生み出す」という「新しい見解」が主流となった。そして、バイデン政権による画期的な大規模財政出動が現実のものとなったのだ。なぜ、そのような大転換が起きたのか? なぜ、「新しい見解が正しい」と言えるのか? 最新刊『変異する資本主義』(ダイヤモンド社)で、アメリカの経済政策の最前線を分析した中野剛志氏が解説する。

日本経済が成長しなくなった、あまりにも「残念」な理由

アメリカで起きた経済政策論の「大転換」
『変異する資本主義』の第一章でも論じたように、アメリカにおける主流派経済学の政策論は、2010年代中に、大きく変わった。

 オバマ政権下で大統領諮問委員会委員長を務めたジェイソン・ファーマンによれば、かつて主流派経済学者は、積極財政について「短期的な景気刺激策としては有効かもしれないが、長期的な経済成長には効果がない」と主張していた。

 積極財政は金利を上昇させて民間投資を抑制する(クラウディングアウト)だろうというのが、その理由の一つである。ほかならぬファーマン自身も、かつてはそう考えて、積極財政に否定的であった。

 日本でも、経済学者や評論家が「財政出動は、単なるカンフル剤に過ぎない。経済成長のためには、構造改革などによって生産性を向上させる成長戦略が必要だ」という主張をするのを、よく耳にしたことがあるだろう。

 ところが、2016年、ファーマンは、それはもはや「古い見解」だと断じたのである。

 では、主流派経済学の「新しい見解」とは、どういうものか。

 低金利の状況下では、財政刺激策は非常に有効であり、民間投資を抑制するどころか、逆に呼び込む(クラウディング・イン)ことすらある。その結果、金利は上昇するかもしれないが、それは好ましいことである。さらに、財政支出先が適正なものであるならば、財政拡張は継続してもよい。これが主流派経済学の「新しい見解」だというのである。

 同じ年、連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務め、現在は財務長官である経済学者ジャネット・イエレンもまた、「危機後のマクロ経済研究」(注1)という注目すべき講演を行っている。ここで言う「危機」とは、2008年の世界金融危機のことである。

 この講演でイエレンは、ファーマンの言う「古い見解」は間違いだったと主張したのである。何が間違いだったのか。

 2008年の世界金融危機は、積極的な財政金融政策によって、とりあえず克服され、景気は回復した。ところが、危機後の経済成長率は、危機前の水準に戻ることはなく、低位で推移したのである。それは、なぜか。

 イエレンは、世界金融危機による需要の急減が、供給側にもダメージを与え、しかも後遺症(経済学では「履歴効果」と言う)として残った結果、潜在的な経済成長力が低下したのではないかと考えた。

 そこで彼女は、1970年代にアーサー・オークンが論じた「高圧経済(high pressure economy)」なる概念を持ち出した。「高圧経済」とは、需要が十分にあって、労働市場がタイトな状態の経済を指す。言わば、デマンドプル・インフレの傾向にある経済である。

 この高圧経済の下では、大きな需要が存在することから、企業は積極的な投資を行って、生産能力を拡大する。また、技術開発投資や起業も活発に行われる。雇用機会が十分にあり、労働市場がタイトであるため、労働力はより生産的な仕事へと移動する。

 したがって、政府が公共投資によって、需要を拡大し、高圧経済の状態を作り出すことができれば、民間投資が誘発され、供給力が高まり、経済成長が可能になる。しかも、高圧経済を維持するためには、政府は財政支出を一時的に拡大するだけではなく、長期間、継続する必要があるかもしれない。

 端的に言えば、積極的な財政金融政策は、もはや単なるカンフル剤ではなく、長期の成長戦略でもあるということだ。これは、ファーマンの言う「新しい見解」である。

 この「新しい見解」を表明したイエレンが、バイデン政権下で財務長官に就任したのである。

積極財政が経済成長をもたらす

 では、財政政策が経済成長をもたらすという「新しい見解」は正しいのであろうか。

 ここに、クレディセゾン主任研究員の島倉原氏が作成した図がある。OECD33ヵ国と中国について、1997年から2015年の間の財政支出の伸び率と名目GDP成長率の相関をとったものである。

https://diamond.jp/articles/-/289179?page=2


日本経済が成長しなくなった、あまりにも「残念」な理由


 見て明らかな通り、極めて高い相関がある。そして、財政支出の伸び率が最も低く、GDP成長率も最低水準にあるのが、日本である。

 過去20年の間、どの国よりも財政支出を抑制し続け、そしてどの国よりも成長しなかった国、それが日本なのだ。

「古い見解」に固執する健全財政論者は、この不都合な図を見せられると狼狽え、苦し紛れに「これは、相関関係であって、因果関係ではない」と言い放つのが常である。

 要するに、「財政支出の拡大が経済成長をもたらしたのではなく、経済が成長したから財政支出が増えたのかもしれないではないか」と言いたいわけだ。

 もちろん、この図だけでは、因果関係は説明できない。

 しかし、積極財政が経済成長をもたらすという因果関係については、すでにイエレンが説明した通りである。

 他方、「経済が成長したから財政支出が伸びた」という因果関係を想定するのは、相当に無理がある。

 なぜなら、もし、財政支出を拡大しても経済成長はできないという「古い見解」が正しいならば、経済が成長したからといって、それに合わせて財政支出を増やさなければならない理由はないだろう。むしろ、財政支出を積極的に抑制することで、経済を成長させた国があってもいいはずだ。

 ところが、先ほどの図には、「経済成長率は高いが、財政支出の伸び率は低い」という国はないのである。

 また、積極財政は、インフレ圧力をもたらす。「古い見解」を信じる日本の健全財政論者に至っては、積極財政は制御不能なインフレを引き起こすと主張し、デフレ不況下での財政出動にすら反対してきたはずだ。だとすると、経済が成長したら財政支出を増やすなどという財政運営をしたら、極端なインフレになるはずであろう。

 ところが、先ほどの図にある通り、日本以外の国は、すべて日本よりも財政支出の伸び率が高いにもかからず、この中に過剰なインフレで苦しんだ国など一つとしてないのである。

 ということは、この図は、やはり積極財政が経済を成長させるという「新しい見解」を裏付けるものと解釈すべきなのだ。

 すでにバイデン政権は、イエレン財務長官の下で「新しい見解」を採用し、積極財政路線へと転換した(なお、現在、アメリカではインフレが進んでいるが、これは原油高や物流の混乱など供給側に起因するコストプッシュ・インフレであって、財政政策によるものではない。参照資料1 参考資料2)。

 ところが、日本は、依然として「古い見解」が幅を利かせている。

 それどころか、矢野康治・財務次官が「財務次官、モノ申す「このままでは国家財政は破綻する」(『文藝春秋』(11月号))という論文を大真面目に発表し、それを経済学者やマスメディアあるいは財界人がこぞって賞賛するという有様である。日本経済が成長しなくなったのも当然であろう。間違った「古い見解」を改められないのだから。

 なお、この財政政策の「古い見解」vs「新しい見解」を巡っては、12月10日発売の『文藝春秋』(1月号)において、健全財政論者の小林慶一郎氏と対談を行っているので、併せて参照されたい。

(注1)Janet L. Yellen, ‘Macroeconomic Research After the Crisis,’ 60th Annual Economic Conference, Boston, Massachusetts, October 14, 2016


中野剛志(なかの・たけし)
1971年神奈川県生まれ。評論家。専門は政治経済思想。1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年に同大学院より優等修士号、2005年に博士号を取得。2003年、論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。

主な著書に山本七平賞奨励賞を受賞した『日本思想史新論』(ちくま新書)、『TPP亡国論』『世界を戦争に導くグローバリズム』(集英社新書)、『富国と強兵』(東洋経済新報社)、『国力論』(以文社)、『国力とは何か』(講談社現代新書)、『保守とは何だろうか』(NHK出版新書)、『官僚の反逆』(幻冬社新書)、『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】』(KKベストセラーズ)、『小林秀雄の政治学』(文春新書)、『変異する資本主義』(ダイヤモンド社)など。
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/211.html#c1

[近代史3] ベートーヴェン 『交響曲第9番』 中川隆
25. 中川隆[-14848] koaQ7Jey 2021年12月05日 18:52:17 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[14]
交響曲第9番『合唱』 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー&バイロイト(1951 スウェーデン放送所蔵音源)

ユーザーレビュー

★★★★☆ 一つの演奏についてEMI、ORFEO,そしてBIS・... 投稿日:2021/11/30 (火)
一つの演奏についてEMI、ORFEO,そしてBIS・・・と3種の”正規録音”というのは、“ヤレヤレ”と言う気もするが、フルトヴェングラー・ファンとしては黙って観ていると言う訳にもいかずやはり早速入手。聴いてみたが、録音クオリティと言う点では演奏音の周波数レンジは8kHz位までしか伸びていないし(AMラジオの録音?)、100Hzあたりにハム音が入り所々録音レベルの変動、音割れプチ・パチ・ノイズなどもあり、4楽章では短い音飛びもある・・・と色々欠点はあるが、その範囲での音としては意外なほど綺麗な音が録れていて鑑賞には差し支えない範囲にある。肝心の演奏だが主な会場ノイズなど基本的にはORFEOが出したバイエルン放送のものと同じものの様である。コレが”放送用テープ”ではなく”実況放送の録音テープ”と言うことであれば、この演奏が1951年7月29日祝祭劇場再会当日の演奏と言うことになる(様である)・・・が、不思議なことに私はこの録音を聴いて何故かEMI盤の演奏を思い出す・・・やはり、刷り込みと言うのはなかなか消し難い。いずれにしても記録としての価値は十分あり、BISのデジタル・トランスファーも良質・良心的で、私個人としては結構満足の出来るSACD/CDではあった。
yk さん | 京都府 | 不明

★★★★★ 論争決着。 2007年に日本フルトヴェングラ... 投稿日:2021/11/30 (火)
論争決着。 2007年に日本フルトヴェングラー センターから、後にORFEOから発売されたバイロイトの第九は衝撃だった。それまで多くの人に愛されてきたEMI(HMV)の演奏と別バージョンだったからだ。 戦後復活したバイロイト音楽祭のオープニングコンサートの第九は本番の前に、聴衆を入れて通しのリハーサルがおこなわれた。EMI盤とセンター盤のどちらが本番なのか?という謎が生まれた。

当たり前に考えれば、演奏会をLive放送したバイエルン放送局が収録したテープをCD化したセンター盤が本番だと考えられる。 ところが、従来のEMI盤を本番だとかたくなに主張する評論家の方々もいて、その理由は、聴いた印象からという曖昧なものがほとんどで、愛着からの主観に過ぎない。だが決定的な物証が無いので結論は闇の中のままだった。

この、初めてリリースされたスウェーデン放送の録音テープからのCDが信頼にたるものであるなら、二種ある録音のどちらが本番のものかの、かなりの物証になる。 はたして、予想通りセンター版と同じ演奏であった。しかもラジオ放送された時のアナウンスや、楽章間のインターバルもそのまま収録されているので、信頼性は高い。 ただ、これもまた悪意のある編集だと言い出す者が現れるとも限らないが、BISというスマートなレーベルがそんな小賢しい細工をしてリスクを犯すとは思えない。 これで、センター及び ORFEO盤が本番、EMI盤がリハーサルの収録と確定したとして良いと考えられる。

しかし私は、EMI版が価値を失ったと考えているのではない。リハーサルといっても、聴衆が入った会場で全曲通しの演奏をするにあたって、フルトヴェングラー が気の抜けた演奏をするはずがない。 ソプラノを担当したシュワルツコップの回想によると、この日は出演者の緊張は大変なものだったという。それは本番よりも先に演奏された通しリハーサルの方が強かったかもしれない。そして、実際に多くの人が認めるように、通しリハーサルの演奏は非常な名演なのだ。

では本番の演奏はどうか。このBIS版とORFEO版をあらためて聴き返して、紛れもなく名演だと確信した。本番の方が丹精に聴こえる。これは勿論どちらがより良いというものではない。どちらかはもういらないという事でもない。 フルトヴェングラー の第九は現在、13種(1951年のバイロイトを2種とする)聴くことができる。このうちの1937年ロンドン、1942年4月ベルリン、1954年バイロイトは録音状態が良くないので、その真価は伝わり難いが、(1954年のバイロイトに関しては、現地で実際に聴いた、吉田秀和さんが、『私が彼から受けた最も深刻な感銘はバイロイトできいたベートーヴェンの第九交響曲の演奏からきたものである。あれはすごかった。』と書き残している。この批評家は感性も文章も信じられるので、さぞかしすばらしい演奏だったのだろう。)フルトヴェングラー の指揮による第九は全て名演として良いと考える。

これまでEMI盤の第九が特別扱いされてきたのは十分に理解できることではある。なにしろ、70年近く前、フルトヴェングラー による第九のレコードが初めて紹介されたのが、この演奏で、多くの人が夢中になったのだ。私だって聴いたのは70年代だったけど、当分の年月の間、これでなくてはならなかった。

ところでこのBIS盤とORFEO盤を比べてみる。 演奏は勿論同じ。 録音状態はORFEO盤が良い。BIS盤はSACDのメリットもあまり感じさせない。多分テープの保存状態もORFEOの方が良いのだろう。第四楽章など、EMI盤と比べても目の覚めるような音になっている。 しかし、BIS盤はラジオ放送のすべてが収録されていて、あの日の一大イベントの臨場感いっぱいというのが嬉しい。 楽章間のインターバルもそのまま残っていて、第一楽章と第二楽章間が一分近くもあって、フルトヴェングラー の第九観がうかがえるかもしれない。 純粋に曲と演奏に浸りたいひとはORFEO盤を、歴史の瞬間を疑似体験するならBIS盤がお勧めです。フルトヴェングラー が好きで仕方のない方は両方を。こういうレアで残したいCDは買って下さいとお願いします。レコード文化を絶滅させたくないのです。

少し気になる事があるので蛇足をお許しください。 国内仕様盤は平林直哉氏による日本語解説付きです。という予告があったので、危惧していることがある。 平林さんはご自身の著書「フルトヴェングラー を追って」のなかで、おそらくORFEO盤がリハーサルだとしている。その理由としては、ORFEO盤の出だしが何となく演奏者の気持ちが乗っていないという印象で、EMI盤は最初から最高の燃焼度を示している、というもの。私の印象は全く違っているのだが、そもそもフルトヴェングラー の第九の演奏は、戦時中のものを例外として、だいたいが力を抜いた感じで始まってくる。勿論、楽団員の気が乗っていないというのとは違う。全体の構成を考えての演出である。

私の印象はともかく、平林さんの判断はただの個人の印象からだけにすぎない。

これに関連してもう一つ、1953年5月30日と31日の第九の演奏に言及しておられる。二つの盤に違いのある箇所を四つ五つ取り上げて解説しているのだが、この結果だと二つは別の演奏という事になるはずなのに、平林さんの判断は、誰かがなんらかの目的で加工した音源で、30日の盤はほぼ31日と同じものという事だった。飛躍しためちゃくちゃな論理だ。 私が二つの演奏の第三楽章で、第一主題部、第二主題部、変奏部などに分けタイムを実測してみたことがある。一日違いとは思えないほどの違いがあった。聴いた印象も別物と判断した。 BIS盤で平林さんはどんな解説をするのだろう。
mimia さん | 石川県 | 不明

★★★★★ Bis輸入盤(以下B盤)が本日到着し,早速開封.... 投稿日:2021/11/30 (火)
Bis輸入盤(以下B盤)が本日到着し,早速開封.パッケージは二つ折りの筒状紙ケースに15pの解説書と紙カバーに入ったディスクが収められた簡素なもの.解説書の最初に,コンサート当日の実況放送を丸ごと収め,一切音源を編集していないことで放送当日のラジオの前にいる様な雰囲気を再創造した旨明記されている.

結論から言うと事程左様に70年の時をさかのぼって当日のラジオ中継を聴いている気分になれること請け合いのソフトである.

演奏だが,会場ノイズやソロ楽器の細かな瑕疵,アインザッツの乱れ具合からみて全楽章ともOrfeo盤(以下O盤)と同一のパーフォーマンスと思われる.各楽器の音量バランスもほぼ同一のようだ.O盤は比較的鮮明な音で会場の咳ノイズなどがナマナマしく聞こえる一方装置によっては中高域の張り出しでやや聴きづらさがあったのに比べ,B盤は鮮明さでは劣るがバランスの良い音で聴きやすい.特に第3楽章の弦の美しさは絶品.ただし持続的な波打つような低域ノイズとパチパチジリジリといった中高域ノイズがわずかに混入しているが鑑賞の妨げになるほどではない.

遠隔地からの実況放送の録音にしては驚異的なクオリティといっていいだろう.強音でのひずみも許容範囲.

一つ気になったは音量レベルの問題.B盤では1楽章の開始部空虚5度の部分は消え入りそうなピアニッシモで始まるがO盤では明らかにこの部分の音量が大きい.かといって1楽章の最強音部(B盤でトラック3の10’28”前後)は両盤ともあまりレベルに違いはない.これは想像だがB盤の方が実際の演奏の雰囲気をよく伝えているのではないか.また第2楽章は両盤ともあまり音量は違わないが,第4楽章は明らかにB盤の方が音量レベルが低い.なお2楽章の終了後歌手(合唱も?)入場のインターバルや終演後の拍手と怒濤のような足踏み?も収録されている.

縷々書いてきたがこの演奏の鑑賞の選択枝が増えたことを素直に喜びたい.O盤が本番のライブ録音であることがほぼ判明した意義も大きい.さらに欲を言えばO盤のもとになったバイエルン放送のテープで全部入りのノーカット盤を再マスタリングしてほしい.(なおCD層を聴いての感想です.)
drrob さん | 東京都 | 不明

https://www.hmv.co.jp/artist_%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%EF%BC%881770-1827%EF%BC%89_000000000034571/item_%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC9%E7%95%AA%E3%80%8E%E5%90%88%E5%94%B1%E3%80%8F-%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BC%EF%BC%86%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%88%EF%BC%881951-%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3%E6%94%BE%E9%80%81%E6%89%80%E8%94%B5%E9%9F%B3%E6%BA%90%EF%BC%89_12322016
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/838.html#c25

[近代史3] ベートーヴェン 『交響曲第9番』 中川隆
26. 中川隆[-14847] koaQ7Jey 2021年12月05日 19:09:42 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[15]
shin-p's Web site
Furtwangler CD&LP Archives 1951
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/shin-p/

29 July 1951 Bayreuth Fes. Orc. The last rehearsal & Live(EMI=Legge)
Beethoven:Sym.No.9

29 July 1951 Bayreuth Fes. Orc. Concert Live(Bavarian Radio)
Beethoven:Sym.No.9

●7月29日 ベートーヴェン/合唱 バイロイト祝祭o バイロイト音楽祭最終リハーサル&実況 EMI収録 EMI所蔵
LP/PR: EMI(GB)ALP1286-7(55/11)Pathe(F)FALP381-2(55/12)WALP(G)1286-7('55)ToshibaHA1012-3(56/02)
LP(WF's footsteps Version)/PR:ToshibaXLP5006-10(61/09)
CD(WF's footsteps Version): ToshibaTOCE6510('90)TOCE7530-4(91/12)Warner 9029523240(21/09)
CD: ToshibaCC35-3165(84/11)EMI7470812('84)EMI7690812('88)MythosNR5009(03/05)

●7月29日 ベートーヴェン/合唱 バイロイト祝祭o バイロイト音楽祭実況 バイエルン放送収録 スウェーデン放送(SwedishRadio LB14784)中継音源収録 バイエルン放送所蔵
CD/PR: WFHC013(07/07)Orfeo754 081('07)BIS SA9060(21/11)

>>>French Pathe FALP381-2(55/12) is the best sound quality.


▼shin-pが最初に聞いたバイロイト合唱のブライトクランク盤LPは音質が芳しくなかったが、CDになってからは若干こもりぎみながらも比較的明瞭なサウンドで聴くことができるようになった−と思っていた。

ところが2000年になってコレクターの方に各国初出盤LPを聞かせていただいてから考え方は大きく変わった。英独仏初出盤のなかでは仏パテFALP381-2(55/12)がもっとも明瞭なサウンドを聞かせ、終演後の拍手もドイツの聴衆らしく整然とした印象。ついで英盤。独盤は音がこもり気味で、日本初出盤に近いクオリティ。終演後の拍手もなぜか日独盤は共通して唐突なテープ編集がなされている。英仏盤も含めてEMI系のLP/CDは全て拍手の編集があるという説もある。原盤マトリクスは同じながら各国で別テープを使用しているようだ。00/07レコ芸相談室によると演奏前の足音入りテープは現在日本にしか存在しないという。また2000年東芝全集盤でも61年当時英EMIから送られてきたテープを使用してリマスターしているという。MythosNR5009(03/05)は初出盤ALP1286-7(55/11)を板おこしした話題のCD-R。

足音入りの部分は演奏部分に比べて音が明瞭、マイクの位置もステージ際と思われ、聴衆ノイズの少ない演奏部分とは別のマイク位置による収録と思われる。さらに、もしこの足音部分のみバイエルン放送テープを使ったとすれば、同局が収録した他の音源と比べて51年録音としては明瞭すぎ、出所については疑問が残る。
足音や終演後の拍手のみならず詳細に聞けば、残響が不自然にとぎれ、いたるところでテープ編集されているのがわかる。この演奏は同年のカラヤン「ワルキューレ3幕」と共にEMIのレッグが収録。これだけの記念碑的大演奏会だけにリハーサルからテープは回っていると考えるのが順当だろう。

英ART盤の解説によれば「終演後、レッグがWFの控室を訪れ『良い演奏だったが、今まで以上にすばらしい演奏とは言えなかった』と実演の感想を述べた」ことが書かれている。

オルセンによれば、実況録音はバイエルン放送が生中継し、テープも所蔵しているという。 EMIが現在「バイロイト盤」として発売している最終リハーサルを中心としたテープおよびバイエルン放送が本番の実況を録音したテープの2種の録音の存在が推定された。

2007年7月ついに日本WFセンターが、バイエルン放送のテープを使った真正実況を頒布。同年末にはORFEOが市販盤をリリースした。これの録音状態は、51年放送録音としては標準的なもの。EMI盤は3楽章をはじめとして若干の実況を含んだ「最終リハーサル」を中心とした編集版である可能性がさらに強まった。さらに、EMI盤とセンター盤の同じ演奏部分の収録状況の違いから、真正実況もEMIとバイエルン放送の2つの音源があり、51年バイロイトに関しては計3種テープの存在が07年時点で推定された。

2021年11月、ターラ本に記述のあったスウェーデン放送が中継放送をディスク収録しテープで保管されていたアーカイブからSACD/CDがスウェーデンBISにより発売された。冒頭4ヶ国語のアナウンス、入場の拍手、楽章間インターバル、終演後の拍手とアナウンスも収録されている。音質は針音ありの研究用領域のものだが、中継回線音源をディスク収録したとすれば思いのほか良好とも言える。一部マニアや評論家の間で疑問視されていたが、このスウェーデン放送版はセンター盤やORFEO盤と演奏は同一であり「バイエルン放送版が実況録音」はほぼ確定した。

42年生誕前夜祭にもある終演から拍手までの長いインターバル、最終楽章の音質劣化など、若干気になる収録部分もあり、完全に確定するにはスウェーデン放送が実際に生で放送したという確証が必要だ。

同年9月には、その発売を見越したかのようにワーナーから55枚組の正規レコード用録音集大成が発売され、EMIのバイロイト盤には今までなかった楽章間インターバルが収録されている。このインターバルについて一部BIS版との共通部分も感じられ、EMI盤については疑問が残る状況ではある。

クナの神々をデッカが収録しているが、音質ではEMIはデッカに及ばなかった−という世評。ただ、初出盤などを聞くにつけ、もっといい音で残されている期待もある。

演奏については、唯一「コーダの決めが録音のせいかあやふやな感じで終わっている」といった趣旨の演奏評も多いが、この切れたような終わりかたこそshin-pはこの曲にふさわしいと思える。「崩壊」といわれるその印象は、Presstissimoから11小節目の3音目4音目の音量低下にもあり、最後の1音の音量増大、拍手の挿入を含めて初出盤からいろいろなバージョンが確認できる。しかし、いたる所で編集がされていたとしてもこの演奏の偉大さは変わらない。完璧な決めがほしい人は54年ルツェルン盤をどうぞ。


宇野本では東芝が2088を採用する前にマスタリングしたTOCE7530-4(91/12)を推薦している。また06年時点で比較的入手が容易なTOCE6510('90)も音質好評のCD。よりよい音を求めて初期盤や「初期盤板起こしCD」を求める傾向が顕著になっているが、最新盤TOCE55701(04/12)も含めてこの曲を鑑賞するのに東芝系CDに大きな遜色はないと今(06年)のshin-pは思う。

[フルトヴェングラー 合唱 1951年7月 on ニコニコ動画SEARCH]
https://www.nicovideo.jp/search/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BC+%E5%90%88%E5%94%B1+1951%E5%B9%B47%E6%9C%88


http://www.kit.hi-ho.ne.jp/shin-p/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/838.html#c26

   

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