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日本製のスピーカーは どんな名作でもすぐに消えてしまう理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/450.html
投稿者 中川隆 日時 2019 年 5 月 22 日 10:04:03: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 


日本製のスピーカーは どんな名作でもすぐに消えてしまう理由


私のオーディオ人生 第41回 懐かしのスピーカー VOL.1 by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-041


西方より二人の強者来たる!


 7月の23日私のコラムをお読みになった方が一度お会いして音を聴かせてほしいと連絡がありました。倉敷にお住まいのK原氏と兵庫県はたつの市のM田氏のお二人が新幹線に乗らず外来線を乗り継いでわざわざ電車でお越しになりました、

 K原氏、M田氏とも百戦錬磨のオーディオ歴をお持ちでK原氏の現在はアメリカのボザークを使いクラシックがメインで聴いておられます。

昔は五味氏と同じタンノイのオートグラフのモニターレッド、マッキントッシュC−22とMC275を使ってこられたオーディオに関しての西方の強者である。

 もう一人の強者は兵庫県たつの市にお住まいのM田氏でK原氏とは大変仲が良くお互いオーディオ理論をお持ちでこの方もオーディオに関しては恐ろしいほどの感性とスキルがありスピーカーはアルテック、JBLのダブルウーファ―と蜂の巣ホーン、アメリカタンノイを使っている歴戦の強者でリスニングルームは50畳の部屋とのこと、

 私のシステムはお二人の方に比較して大変お粗末なシステムでお聴かせするには恥ずかしいですがわざわざ遠方より来られる以上がっかりされないように大切なお客様用に再度システムの変更をしました、

PCオーディオは昇圧トランスWE−618Cを使いアンプは最近製作したウェスタンのパーツを使ったアンプと前回紹介したWEの真空管でVT52刻印武蔵アンプ、

 スピーカーは来客用のヴァイタボックス、DU−120コアキシャルをゲンコツから外してユニット交換した、(DU−120はお客様用)

早速、自宅に招いてシステムのラインナップを説明した後に音出し開始である。こちらとしては遠路遥々来ていただいて聴いて頂く以上戦々恐々だがCDをトレーに入れてPCオーディオの開始である。

 最初にバイオリンとチェロをお聴かせすると百戦錬磨の耳で一言「こんな音」は聴いた事がない、CDが奥行を伴って空気感のあるサウンド、その後バッハのピアノでG線上のアリア、バッハのチェロを聴いて頂いた、

音を聴いている間はお二人の方は終始無言であったが曲が終わると一言「参った!奥行を伴った空気感のあるサウンド」は初めて聴いた、このような音なら生の演奏会に行かなくても自宅で味わえる素晴らしいとお褒めの言葉を頂いた、

 最後にキースジャレットのケルンコンサートのPCオーディオとアナログレコードの比較試聴はキースジャレットではアナログに軍配が上がったが私が聴いてほしかったのは一般的なCDPで聴くデジタルとは違いWE−618Cを介したPCオーディオはアナログに負けない素晴らしさを納得して頂けたと思う、

 帰りがけにK原氏が今まで有名なマニア宅を沢山聴いてきたがこの音は日本でもトップクラスと絶賛して頂いたのとこの音を聴いていたら演奏会にお金を払って足を運ぶ必要がないとも言って頂いたが社交辞令かも?遠方からわざわざ名古屋まで来ていただき有難うございました。私も秋になったらご訪問させて頂く予定です。



前回紹介しましたプロ用ヤマハフォノモーターを集成材を使いプレーヤーケースを製作、縞黒檀の突板を貼りました、アームはグレースのG−565と米国の放送局で使われていたマイクロトラックのウッドアーム、このアームは管球王国の評論家で篠田先生が使用しているものと同じです。

ナショナル EAS−20PW55


このゲンコツスピーカーは昔からのクラフトマニアなら知らない方はいないと云われているナショナルのEAS−20PW55の試聴を兼ねてご報告します。ゲンコツは私も使った経験もあり日本の名器の一つに挙げられています。

ゲンコツの初期モデルは8PW1で1954年に発売されたユニットでインチからセンチに型番がEAS−20PW09に変わった、

その後ゲンコツシリーズはアルニコからフェライトタイプに変わり1980年代に生産中止になりました。

ゲンコツの中で一番人気は大型のアルニコマグネットを採用したEAS−20PW55が最上位機種でこのユニットは状態が良ければ7万〜8万ぐらいで取引されている。
EAS−20PW55はGOODMANSのAXIOM80やAXIOM22などのユニットとよく似た真っ赤なアルニコマグネットが印象的です。

果たして本当にこのユニットは日本の名器なのか以前にGOODMANSのAXIOM80やワーフェデールのスーパー8RS/DDなど試聴した経験もありますが多少自分の好みからは外れていた、今回は記憶をもとに比較検証してみますがこれが絶対評価ではないことをご了承して頂きたい、

松下電器のEAS−20PW55(ゲンコツ)の正面と真っ赤なアルニコマグネットが魅力的なユニットで重量は結構あります。



当時の思い出

このユニットを使ったのはかれこれ52年前になります。当時はまだステレオに関して超が付く初心者ですから本当に良い音がしていたのかは覚えていない、当時のマニアは高いスピーカーシステムなど買えずもっぱらユニットのみ購入して楽しんだものですがユニットを買ったのはよいがこれを入れるボックスがなくみかん箱やリンゴ箱に丸い穴を開けて鳴らしていたと思う、

当時人気のあるユニットはパイオニアのPAX−20F、コーラルの8CX−50がありましたがこのユニットは確か1本5千円ぐらいした記憶があります。私の様な貧乏人にはとても手が出なかったがこの2機種はツィーターにホーンタイプが採用されて大変カッコよかった、

買えてもコーラルの6CX−50ぐらいですが16cmでは物足りなくもないがやはり20cmクラスだと低域も出てくるような気がした、

今では38cmクラスが当たり前だが当時は部屋の事情や金銭面の問題で買えなかった、

スピーカーユニットをなけなしのお金で買ったのはよいがこれを入れるボックスを作らなくてはなりません。

当時のボックスはユニットを買ったときに付いていた段ボールに穴を開けて聴いていたがこの時の音は感動ものであった、

5球スーパーや電蓄の音しか知らないので段ボール箱でもHi−Fiサウンドが楽しめたがその後ラワンの単板で指定箱を作り楽しんだ、その時の音は低音がずっしり来てメリハリの利いた音だった、

当時ナショナルの8PW1の価格は1本3200円でぺアだと6400円私は貧乏人ですからこれでも上等だと思った、

オーディオは感性とノウハウと叩き上げのスキルだ!


 今まで沢山のユニットを使ってきました、フルレンジで特に印象が残るのはGOODMANSのAxiom80、ヴァイタボックスDU−120、パイオニアPAX−30B、ワーフェデールのスーパー8RS/DD、コーラルのべーター10と大変個性のあるユニットばかりだがその中でAxiom80は超が付く名器ですが私の好みとは多少違っていた記憶が残っている、

オーディオで一番難しいのはスピーカーです。これが上手く鳴らなければいくらWE−300Bアンプを繋いでも良い音は望めない、

今までスピーカー遊びをしてきてわかったのはスピーカーこそボックスとボックスに使われる木の材質が決め手と痛切に感じた、

スピーカーボックスはユニット以上にコストがかかるから安く済ませるには平面バッフルが一般的、私も色々やってきたが平面バッフルの場合は16〜20cmクラスのユニットだと効果があるが30cm以上を平面バッフルで使う場合は相当大きな板が必要になる。最低でも2m×2mぐらいのバッフル板を使わないとユニットの裏側から音が前に回り込んで低域が減少して中高域が喧しくなる。低音が出ているように聞こえるだけで本当に出ているならピラミッドバランスになるはずだが残念ながら本当の低音は出ていない、平面バッフルで聴くのなら16〜20cmクラスだと大きなバッフル板も必要なく楽しめるはずだ、勿論バッフルも振動していますから良い素材の板を使いたいものだ、

ネットのユーチューブでスピーカーを検索してみると色んな方が見える。例えばユニットをボックスに入れずに単体で鳴らしているがこんなのまったくもって意味を持たない、裸で鳴らして何を聴かせたいのかこんな鳴らし方なら5球スーパーのスピーカーのが良い音で鳴る。

日本の名器ゲンコツを上手く鳴らすには「感性とノウハウと叩き上げのスキル」ドクターXのセリフで「私失敗しないので」こんなセリフが自作オーディオで言えたらなぁ
たかが20cmされど20cm


JBLやアルテック、タンノイが今のスピーカーの主流でメインに使っている方が沢山いるがアルテック党やJBL党は国産のスピーカーには見向きもしない、スピーカーは海外製に限ると自負しているマニアは日本製のスピーカーと聞いただけで見下げて相手にもされない、

私は20cmクラスのユニットで聴いていると云うと頭からバカにした態度と上から目線で相手にもしない、

国産のユニットを真剣に聴いた事もないくせにスピーカーに関しては師匠や博士になったつもりだろうが私に言わせるなら有名な外国スピーカーすらまともに鳴らせないくせにと声を大にして言いたい、

このような連中に国産の20cmクラスのフルレンジを真剣に試聴したことがあるのだろうか、海外製ユニットでもこのクラスはコンパクトで大変人気がある。アルテックの755EパンケーキやJBLのLE8T、ラウザのPM−6辺りは人気の的だがこのレベルに匹敵するのが「マネシタデンキ」の8PW1である。このユニットもアメリカへ沢山輸出され好評だったらしい、アメリカには755EやLE8Tなど有名なユニットがあるのにゲンコツスピーカーが沢山売れたとはひょっとしてアメリカのユニットよりゲンコツのが音が良かったのかも知れない、

果たしてゲンコツスピーカーの実力はどの程度なのか大変興味が出てくるのだがゲンコツクラスだとボックスは適当、アンプは何でもよい考えで聴いているはず、例えは悪いが美人にボロボロの服を着せるのと同じでゲンコツは哀れだ、

アルテック、JBL、タンノイ、ハーベスなら拘りを持って楽しんでいるがましてや国産の20cmのゲンコツスピーカーなどメインスピーカーにはなれずサブシステムのスピーカーでしかないから多分出番は回ってこないのではなかろうか、

今回テスト的に現在使用している300リッターのボックスに入れたらどんな音の変化が出てくるのだろうか、ネットで検索するとゲンコツスピーカーを沢山の方が評価をしていますがほとんど50〜60リッターのボックスが多いが評価としてはどれも正しいと思う、大型ボックスに入れたゲンコツスピーカーは面白くなりそうだ、

たかが20cmされど20cmを300リッターのボックスに入れ材質はフィンランドバーチと真空管アンプで奏でた音、これは楽しみだ、

ゲンコツスピーカーを鳴らすシステム


デジタル

PCオーディオでの試聴
ノートパソコン
音楽ソフト Foobar 2000
昇圧トランス ウェスタンエレクトリック 618C 
DAC ラステーム UDAC32R


アナログ 

プレーヤー フォノモーターはプロ用ヤマハアイドラータイプ
トーンアーム マイクロトラック303ウッドアーム と GraceのG−565ロングアーム
カートリッジ オルトフォン SL−15E、GraceのF7M
昇圧トランス ウェスタンの618C

プリアンプ マランツ#7

メインアンプ ウェスタン VT52刻印シングルアンプ、
整流管はWE−274B刻印 最新作の英国直熱三極管アンプ

ウエスタンの618C昇圧トランス、



今回完成したアンプでゲンコツを鳴らしました、

世界の名器に対抗できるのだろうか


以前のコラムでご紹介したワーフェデールのスーパー8RS/DDも20cmユニット、コーラルのベーター10、GOODMANSのAXIOM80は25cmどちらもフルレンジユニットだったが国産の名器と謳われるナショナルゲンコツスピーカーはこれらの名器に対抗できるのだろうか、

ゲンコツスピーカーは過去に鳴らした記憶しかないからほとんど未知数な音、皆さんもゲンコツスピーカーは知ってはいるが聴かれた方は少ないはず、
今回使用するのは真っ赤なアルニコマグネットを使ったEAS−20PW55である。
このユニットに関して詳しくはオーディオの足跡に詳しく紹介されていますから参考にしてください。 試聴開始


いくら日本の名器と云えども所詮20cmのフルレンジだが300リッターのボックスだと今までの評価を覆す音が出るのか、早速バッフルを外して予めサブバッフルに取り付けたゲンコツを実装したが大変な作業でもあった、

最初にCDを使いPCオーディオでの試聴になる。リファレンスCDは一番のお気に入りの豊田裕子が弾く癒し系の「スローバッハ」ピアノとバイオリン、小鳥のさえずり、川のせせらぎが入っている癒し系のCDだ、

聴く曲目はバッハのG線上のアリア、CDをトレーに入れて出てきた音はピアノの響きが素晴らしいサウンドだ、ピアノの音には余分な付帯音もなく切れ込みの良い響きでどちらかと云えばGOODMASのAXIOM80に近い鳴り方でしっとり感と押し出しの良さが何とも心地よく聞こえる。特にピアノは絶品だ

CDをPCオーディオで鳴らすと今までのCDPで聴いてきた音とは全く異りマスターテープに近い鳴り方には驚いたがDACの後に付けたWE−618Cの実力は大変素晴らしくアナログを超えたようなサウンドになり何時までも聴いていたい癒し系のサウンド、耳障りのない上手く纏めた鳴り方である。

バイオリンに関しては多少音痩せしたように聞こえるがこれが20cmとは思えない量感とスケール感のあるサウンドには参った!

AXIOM80の時は低音不足であったがゲンコツは20cmなのに十分出ているのには凄い、1960年代の時に使ったゲンコツとはまったく違うサウンド、やはり300リッターのボックスと材質はフィンランドバーチが威力を発揮しているように思える。
またゲンコツスピーカーをマランツ#7、ウェスタンのVT52で鳴らされている方は多分いないと思うのでこのような評価になった、

ゲンコツスピーカーをトランジスターアンプで鳴らすと5球スーパーや並4ラジオのスピーカーの音になってしまう、ここは是非良質な真空管アンプで聴かないとゲンコツが可哀想だ、

このサウンドを聴くとゲンコツスピーカーは十分世界に通用できる名ユニットの一つに加えてもおかしくないがゲンコツに限らずフルレンジはどうしても高域がやや不足する部分があるがそこはフルレンジの良さで音楽を聴かせるのが魅力だ、

次に聴いたのは流行歌で春日八郎の別れの一本杉、春日八郎は以前千葉県に所要で行ったときブログで有名なこばさん宅に寄って聴かされた名曲中の名曲だ、GOODMANSのAXIOM22とWE−101アンプも素晴らしかったが、ゲンコツの場合は違った意味での良さもある。ゲンコツで昭和の歌謡曲を聴くと時代の雰囲気が良く出てレトロなサウンドになるが最近雑誌に載っている名ばかりの海外スピーカーではHi−Fi調になってこの哀愁に満ちた春日八郎の歌声はなかなか出てこない、

ゲンコツスピーカーを使っている方は多分50〜60リッターのボックスでサブスピーカーやセカンドスピーカーとして聴いていると思うがマランツ#7やWEのVT52、WE−618Cを使って300リッターで聴くゲンコツは一般的なゲンコツとは違う評価になる。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-041  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 中川隆[-10250] koaQ7Jey 2019年5月22日 10:08:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2089] 報告

私のオーディオ人生 第24回伝説の名ユニットと男たちのロマン by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-024

 今回は伝説の名ユニットと男たちのロマンを題材にします。

 オーディオ(ステレオ)が華々しい頃、国産品でも大変素晴らしいスピーカーユニットが販売されていました。

ナショナルの8P−W1ゲンコツ。三菱のP−610 パイオニアのPAXシリーズ等クラフトマニアなら一度は使った経験をお持ちの方も沢山いるのではないだろうか、


 デジタルオーディオになってからオーディオを始められた方や既製品のスピーカーシステムしか使ったことのない方は興味が薄いかも知れませんがクラフトが趣味の方ならこのようなユニットは見覚えがあるはずです。今回は日本の伝説の名ユニットの紹介になりますから海外のスピーカーしか興味がない方も楽しく読んで頂けるコラムにしました。

 後半はオーディオを離れて誰もが経験したことのあるキットでの初心者に帰ってもの作りの楽しさを一読して下さい。(多分こちらのが面白いかも)


伝説の名ユニット、コーラル BETA−10


 このスピーカーは昭和40年代に発売されたユニットでコーラルと言えば必ずBETA−8 BETA−10を思い浮かべます。それ以外にもコアキシャルタイプやフルレンジのフラットシリーズが発売されていましたがこのBETAシリーズは特別に高価だった記憶があります。GOODMANSのAXIOM−80、ローサのPM−6辺りに対抗すべき国産初の超が付く高級ユニットになります。まずは写真を見て下さい。


肌色のコーン紙は大変綺麗な状態でほとんど無傷です。今時珍しい
BETA−10の超が付く極上品でボイスコイルの断線もコスレもまったくない、


フレーム仕上げは赤色に塗装を施したダイキャストと思われるがマグネットカバーは高級感溢れるクロームメッキ仕上げ

 このユニットを見ますとスピーカーの工芸品に相応しい佇まいを持っていていかにも良い音で音楽を楽しませてくれそうなスピーカーユニットでこれこそヴィンテージの称号を与えてもおかしくはない一つではないだろうか、BETA−8,10は40年以上の前のユニットですからコーン紙はボロボロの状態かエッジが破れて廃棄処分にされた運命にあるか状態が良ければ今でも大切に使っているマニアもいると思う、この伝説のユニットで音楽を楽しんでいる方は絶対手放すことはないから巷ではほとんど見かけない、

 コーラルのBETAシリーズこそ歴代の国産ユニットの中では名器中の名器でマニアの間では伝説のユニットと言われているがこのユニットをじっくり眺めるとフレームの仕上げの良さとマグネット部分をクロームメッキで施し磁束密度は15500ガウスを搭載した強力なマグネット、高域の指向性を考慮した星型の特徴あるディフューザーを採用、これこそはスピーカーの工芸品と思えてくるのは私だけではないと思うのだが果たしてどんな音を奏でてくれるのか、このコラムを読まれるマニアの方は懐かしさと面白さで興味深々ではなかろうか、


星型のディフューザーが印象的なスピーカー


いま愛用しているヴァイタボックスと比較すると音を聴くより飾っておいた方のが楽しそうだ、



信じられない体験


 このユニットを入手出来たのは自分でも信じられないと思っている。

 1月の後半に知り合いの方からアパートの部屋の廃材すべてを処分するから手伝ってほしいと依頼があり休みの日にお手伝いをさせて頂いた時に押入れの奥から一つのスピーカーユニットが出てきた、そのユニットがコーラルのBETA−10である、コーン紙は汚れも日焼けも無く大事なエッジ部分も痛みはほとんどない美品である。

 どうしてこんなのが有るのか理解できなかったが戦利品として勿論私が貰うことにしたが前に住んでいる方は何方か存じ上げませんが相当なステレオマニアであったと想像します。オーディオマニアでも過去のスピーカーユニットを知らない人は多分ゴミ扱いにしてごみ袋に入れて捨てたと思う、

 本当に信じられない体験で粗大ゴミの中からダイヤモンドを見つけたような嘘のような本当の話である。

名器の音とはどんな音?

 当時からこのユニットはクラフトマニアの間では評判が高く1本の価格がサラリーマンの初任給と同じぐらいであるから実際に購入して使われた方はごく少数だと思う、巷の話を総合するとアルテックやJBL、タンノイなどのユニット以上に良い音で鳴るとしか答えが返って来ないが私もこのスピーカーは一度も聴いた経験はない、

 今愛用している英国のワーフェデール、グッドマン、ヴァイタボックス等のヴィンテージスピーカーを使用しているから大変面白い比較になるのではないだろうか、また当時のステレオマニアは予算がないのでSPボックスは適当な箱に入れ音の悪い真空管アンプか半導体アンプで聴いていたのでは・・・・・

 ステレオ好きなマニアでも高級なスピーカーを買ってしまったらもう他の物は簡単に買えない金銭的に余裕などなかった時代です。

 また当時は真空管でもWE−300Bなどは聞いたこともなければ見たこともない、このような球で鳴らしている方は皆無に等しかったと思われる。そう思うとこのユニットの評価はまったく当てにならない、あまり期待するとがっかりする場合が往々にしてあるのがオーディオの世界ですから期待半分にしましょう、

 今回もスピーカーユニットの実装はいつもコラム等でご紹介しているフィンランドバーチで製作して頂いたタンノイGRF似のボックスにリングアダプターを自作してこのユニットを取り付けて聴くことにします。本来はこのユニットはバックロードタイプがメーカー指定になっていますがバスレフ仕様でも内部の吸音材やバスレフポートの調整を上手くすれば十分と考えているのと同じ名器でもあるサンパレーのSV−91Bを使えば力でねじ伏せて鳴るのではないか、伝説の名器コーラルのBETA−10にマランツ#7、SV−91Bを使った組み合わせで試聴します。試聴結果は次回のコラムで乞うご期待!

男たちのロマン

 もの作りでの趣味の世界では真空管アンプを始めプラモデル等のキットで組み立てる商品を扱った物は沢山あります。テレビで放映されていた蒸気機関車D51、トヨタ2000GT、スカイライン2000GTRなどを作るコマーシャルが流れていましたがあのCMを見ますと男なら一度は作りたい気持ちになるのではないか、

 遠い昔プラモデルに興味を抱いて飛行機、戦車、軍艦等を作った経験をお持ちの方は沢山いるはずで(その一人が私でもある)上手く出来ずに最終的に粗大ゴミになってしまった方、上手く出来ても埃まみれになり邪魔になって処分をされた方、このように書くと「俺の事を言っているのか」と思い当たる方が沢山いるはずだ、

 真空管の自作アンプとプラモデルとは同じ土俵での「もの作り」は多少方向性が異なる。プラモデルは製作の過程を楽しむのと飾って眺めるだけで終わりの趣味であるが真空管アンプの製作は作りながらどんな音が出るのか想像する楽しみが残っている。また上手く鳴れば苦労をして作ったアンプには愛着が出てきて手放さないはずだ、そこが自作アンプとプラモデルの違いかも?でも一度は作って見たい「男たちのロマン」がプラモデルだ、

 最近のプラモデルは大変精巧かつ精密でリアル感があります。勿論それなりに価格が高くなっているが、模型雑誌などでの製作記や作られた写真を見ますと本当にこれがプラモデルなのか本物に近い感じには驚かされてしまいます。

 「Y下のオーディオ人生」からは外れますがオーディオはちょっと一休みしてリラックスして「男たちのロマンをお読みください。

大日本帝国海軍の戦艦の写真


 何となく大げさな表題になってしまったが私が中学生の頃、同級生の友人の父親が元海軍の水兵で駆逐艦に乗艦していたと言っていた、当時のアルバムを見せて貰った時一枚の写真が目に飛び込んできた、その一枚が大日本帝国海軍の雄姿ある戦艦の写真だった、

 雑誌等では当時の艦船写真は良く掲載されていたが本物のプリントされた写真は初めてで感激したのを覚えるのと水兵さんの軍服の写真もカッコよかった、後ほどこの写真の戦艦を調べたところ「戦艦日向」とわかった、

 この戦艦の写真を無理を言って頂いたが残念ながら紛失してしまったのが心残りである。あれから50年近くの歳月が流れ記憶が薄れていたが今を持っても大日本帝国海軍の戦艦は迫力があり興味がある。


スクリーンにも登場した日本の戦艦

 1970年代に皆さんもご記憶にある映画「トラ・トラ・トラ」をご存じだと思う、確か帝国海軍の戦艦長門が映し出されていた、山本五十六に扮する山村聡が聯合艦隊司令長官として戦艦長門に乗艦するシーンがあったがあれはカッコ良かった、また「男たちの大和」これも見ごたえのある戦争映画の一つでしたね、


帝国海軍 1/350の戦艦金剛を作る。


 ハードオフ巡りをしていたらプラモコーナーにフジミ模型の戦艦金剛が目に飛び込んできたが価格が10,395円だが高いのか安いのか、まぁ上手く作れば楽しく安い買い物だが失敗すれば高い物に付くから悩むところだ、

 購入したのは良いが家族からは上手く作れるはずはないからそのまま開封せずにオークションに出品して転売するのが利口だと馬鹿にされたがそんな事言われると不安が先に来る。



フジミ模型の戦艦金剛、サイズは1/350になります。


プレーヤー台に乗せて完成した戦艦金剛



プラモデルは難しい

 付属のプラだけのキットパーツだけで組み上げるのはそう難しくはないがオプションの真鍮製エッチングパーツや甲板セットを使うとパーツが細かいので神経衰弱になりそう、特にエッチングパーツは細か過ぎて目が見えないし部品をすぐに紛失してしまう、ラッタル、手すり、窓枠の取り付け及び機銃の接着は拡大鏡を使わないと見えない辛さがあったがどうにかまとめることが出来たのだがもうプラモデルは作りたくない、はっきり言って俺には無理だったのと最初から完璧を求めて作るのが間違っていた、これはキットの真空管アンプにも言えるから最初は簡単な物から作らないといけないと言う鉄則がある。良く聞くことわざで「失敗は成功の元」と言うが失敗したら「使った費用」は誰が面倒を見てくれるのかなぁ、

 老後はボケ防止にプラモデルでも作って余生を楽しむは理解できるが年を取ると目が見えなくなりイライラが先に来るからはっきり言ってやめた方が利口だ!


写真をモノトーンにしますと大変リアルに見えます。


金剛型戦艦の活躍

 日本の戦艦で一番活躍したのは金剛と榛名の2隻でガタルカナル島のヘンダーソン飛行場に初めて36p砲の艦砲射撃を行ったのは有名であり金剛はフィリピンのサマール島沖で米艦隊の空母ガンビア・ベイ、駆逐艦ロバーツを砲撃で撃沈した功績がある。また日本の戦艦で潜水艦に沈められたのは金剛だけで有名な戦艦大和、武蔵は大した功績を残すことも無く大和は東シナ海で武蔵はフィリピンのシブヤン海で米軍に沈められた、金剛型戦艦の功績により今でも海上自衛隊でもこのネーミングが引き継がれている。「こんごう」と「きりしま」はイージス護衛艦、「ひえい」、「はるな」はヘリコプター搭載護衛艦の名称で活躍している。

次回予告

 次回はコーラルのBETA−10の試聴記をお届けします。憎き米英スピーカー対日本スピーカーの対決は期待して下さい。そう言えば戦争ドラマで鬼畜米英と言っていたセリフを聞いたことがありましたね、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-024

2. 中川隆[-10249] koaQ7Jey 2019年5月22日 10:37:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2090] 報告

私のオーディオ人生 第25回名器コーラルのBETA−10の試聴 by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-025

BEAT−10の試聴

 今回はコーラルのBETA−10の試聴になります。

前回でも書きましたがこのユニットは伝説の名器と言われているが名器とは何を基準にして評価しているのだろうか、

スピーカーのユニットの名器は巷には沢山ありましたが名器の称号が付くものは鳴らしづらくまともに鳴らすのは相当のテクニックと苦労を伴うものと言われているが今回のBETA−10はどんな音を奏でてくれるのか、

このユニットを使った経験のあるマニアに聞くと大変明るくパンチ力のあるドンドン攻めて来る豪快な音と評価していたのだが、やはり自分の耳で聴かないと・・・・・


 まぁ気に入らなければヤオフクにワンオーナー極上品で出品すればそれなりの価格になるから興味半分で聴けば腹も立たないし国産のスピーカーのレベルは海外のスピーカーより低いと評価されているらしいのとただで手に入れたユニットですから期待度30%いや10%で聴けば良い、

BETA−10の仕様

 コーラルのBETA−10を試聴する前にこのユニットの仕様がわからなければ先には進まない、ネットで検索しましたら以下のような仕様になっているのがわかった、


再生周波数25〜20,000HZ
最低共振周波数25HZ〜40HZ

インピーダンス8Ω
出力音圧レベル97dB
マグネット密度15,500ガウス

重量4,6Kg
ユニット構造 ダブルコーン

発売時期1968年ごろ    


以上が概略の詳細になります。

 当時の国産のユニットは海外のユニットと比較して大変丁重に作られているのとユニット単体での販売の場合は高級感も重要なポイントと思われる。

今回のコーラルBETA−10は15,500ガウスの強力なマグネットと97dBの音圧レベルを持った国産最高のフルレンジと評価が高くマニアは喉から手が出るほど欲しかったのだが価格が高くて手が出せないユニットの一つでもあった、

BETA−10を鳴らすシステム


アナログ系 

フォノモーターケンウッド KP−880のモーターのみ
使用トンアーム グレース G−565F ロングアーム
カートリッジ エラック EMC−1 MCタイプ、DENON DL−103GL


デジタル系 

CDトランスポート CEC TL51X
D/Aコンバータ Model2

プリアンプ 私が改造したマランツ#7

メインアンプ 英国マツダ PP5/400シングルアンプ

 今回はヨーロッパの直熱三極管で名球と言われている英国マツダのPP5/400で試聴します。

米国球のWE−300Bも良いのですが私が試聴した限りイギリスの直熱三極管はアメリカ球には無いイギリス・サウンドの音がします。

スピーカーは現在愛用中のワーフェデールとの比較も面白いのではないか、


今回のリファレンスアンプである91Bを予定していましたが解体後に組み上げて悪戦苦闘中ですから今回は間に合いませんでしたが完成後には再度報告させていただきたい、

はやる気持ちで早く鳴らしたい


 25cmのリングアダプターが必要のためホームセンターで合板を購入してユニットを前面から取り付けようとしてジグソーで加工したが上手く円形カットにできず最初は失敗、再度合板を購入して仕方なくバッフルの後方から取り付けることにしたのだが早く鳴らしたい気持ちと焦りは私も皆さんも同じではなかろうか、

 大橋氏の店主日記やK藤氏のブログでも紹介されたワーフェデールのスーパー8との違いを確かめたいのとBETA−10は名器と言っても国産のラッパですからマニアが使っているアルテック、JBL、タンノイには足元には及ばない気がするが・・・・・・・

 試聴には私のリファレンスCDでアンヌ・ケフェレックの「バッハの瞑想」とアナログディスクを使っての試聴になりますからこの曲を聴けばスピーカーの全貌が手に取るようにわかります。

 音を聴く前にこのユニットは多分長い年月押入れに放置してあったので完璧な状態ではないのとエージングまでは時間がかかる事をご了承して頂きたい、又ボックスとユニットとのDNAが一致するまでは時間がかかりますので絶対的な評価ではない事をご理解して頂きたい、


BETA−10をワーフェデールから外して取り付け、ボックスの上には戦艦金剛のプラモが展示してある。


30pユニット用のためアダプターリングを取り付けた、



これがコーラルBETA−10の音だ!

 コーラルを聴く前にワーフェデールを十分聴き込んでユニット交換後に早速アンヌ・ケフェレック「バッハの瞑想」のCDをトレーに入れて音出しを開始した、

 最初に出てきた音は話で聞いた音とは正反対でこれは一言では表現できない、

確かにワーフェデールとは音質、音色はまったく違う鳴り方だがこの音は今迄イギリス、アメリカ、ドイツのスピーカーを沢山聴いてきた音とはBETA−10だけは異質、というのか言葉では表せない音でこう言う音の世界も有りとつくづく感じたのだがこれが国産の音とは思えない、

 この音を聴くと国産の音ではなく又英国サウンドとも違う、勿論アルテックやJBLに代表されるアメリカンサウンドとは異なる。

私自身どう評価すればいいのか答えが出ないがピアノやボーカルに関してはずばりワーフェデールよりも渋くて繊細かつコクと味がある。

勿論ワーフェデールも素晴らしい良いユニットだがBETA−10もそれ以上のユニットと捉えた、

勿論スピード感はワーフェデールには負けてはいないと思う、
明るくパンチ力のある豪快な音は影を潜めていぶし銀サウンドだ、

例えを言えば言葉は悪いが「荒馬がロバ」になったような感じになるが半導体アンプで鳴らせばDF値が高いので多分高域のアバレのあるサウンドとなり聞こえは良いが賑やかな喧しい音になるのではないか、このようなサウンドなら名器とは言い難い魅力ないスピーカーになってしまう、


 次に試聴したのはヨー・ヨー・マのバッハ無伴奏ソナタのアナログ盤だ、このレコードはSUNVALLEY AUDIOさんの大阪の試聴会や真空管オーディオフェアにお貸ししたレコードで多分皆さんも聴かれているはずだ、

これも大変心地よく大きな音量を上げても疲れないのと大音量にもかかわらず人との会話が出来るのには素晴らしい、

この独特な音色が心を燻ぶるのは魅力的でアナログの暖かさが大変心地よく改めてアナログの良さを再認識した、


 デジタルCDだけで音作りされているマニアの方も是非アナログに挑戦して頂きたい、自分の好みに合った良い音を出すにはCDだけではなくレコードの良さも引き出してデジタルとアナログとの融合を計りながら音を構築するのも面白いのではないだろうか、レコードの良さがわかればCDの良さもわかるから新しいオーディオが開けるはずだ、


 最後は日本の伝統で以前のコラムでご紹介した坂田美子の琵琶ものがたりの「祇園精舎」

尺八、琵琶、語りは暗く寂しい響きが十分感じ取れ静寂の中から聞こえる鳴り方は今迄沢山の海外のスピーカーを聴いてきたがこの雰囲気感だけは出ない、

答えは簡単で琵琶と言う楽器や小唄のような節回しや演歌等は海外のスピーカー開発者は多分知らないのではないか、

 コーラルBETA−10は期待度10〜30%であったがメーカーの広告では外国スピーカーを超えると書いてあったが正直な話事実かも?

私が聴いてきた英国グッドマンのAxiom−80、ワーフェデールのスーパー8、ローサのPM−6Aより良い音と捉えたのと大変鳴らしやすいユニットでもある。

もうこのスピーカーは手放さずに末長く大切に愛用したいのだがスピーカーが国産品だと言うだけで見下げるマニアが沢山いるのには腹が立つ、

アルテック、JBL、タンノイしか興味がないマニアにコーラルのBETA−10を聴いてもらえば国産スピーカーの良さを再認識するのではないか、

また最近の新しい海外のスピーカーはどれも優等生的な音で魅力に欠けるがBETA−10のような個性のある不良っぽい音の方がスピーカーとしては面白いし飽きが来ない、

 スピーカーに関してはいつも思うのだがユニットはオーケストラでありボックスはコンサートホールであるからどんな良いオーケストラ(ユニット)でもホール(ボックス)が悪ければ良さが出てこない、

 今回は皆さんに試聴評価を伝えたかったですが私のような無知なレベルでは正確に文章では書けなかったのは残念に思いますが、まだ実装直後の音出しですからこれが絶対とは言えませんがこのユニットこそ後世に残る名器の称号を与えてもおかしくは無い素晴らしいスピーカーユニットです。


※名器とはどんなジャンルでもそのような雰囲気感で鳴らなければ名器といえない、


このアナログ盤を聴くとCDにはないアナログの暖かさが聞こえる


BETA−10で聴く琵琶ものがたりはせつなくも悲しい表情が出ている。


大橋氏も愛用の私のリファレンスの定番でこのピアノをいかに上手く鳴らすかがポイントと思う、



コーラルに想う

 私が21歳の頃(40数年前)に25pのコアキシャルを初めて買ったのは確かコーラルの10TX−70でこれを大型の自作箱に入れ自作の半導体アンプで鳴らしていたが良くも無ければ悪くも無い音であったが多分トランジスターアンプでは上手く鳴らなかったのではないかと今にして思うのだが・・・・・

 この時代にWE−300B、DA−30クラスの直熱三極管アンプで鳴らせばオーディオの方向性が今とは違った道を歩んでいたかも知れないが当時は国産より海外のスピーカーが魅力であったけれども今にして手放したのが少し心残りだ、


 このBETA−10を聴くと当時のコーラルの技術者は相当レベルが高かったと思う又スタッフの中に凄い耳の持ち主がいて海外の名器「グッドマンのAxiom80,ローサのPM−6,JBLのLE8T」当たりを十分聴き込んで開発されたユニットではないだろうか、

残念ながらコーラルという会社が今は存続していないのは非常に寂しい気がする。

追記 2軒のオーディオショップ

 所要で神奈川県の川崎に行く機会がありこちらのオーディオショップを覗いてみましたので報告します。こちらの2軒は中部地区には無いヴィンテージの専門店です。大変好感が持てましたのでご紹介させて頂きます。


横浜市内にあります「ホールトーンシティ横浜」は沢山のヴィンテージオーディオがありここの店主も大変良いお方で音も素晴らしいサウンドを聴かせてくれた、


ホールトーンシティ横浜|ヴィンテージオーディオ専門店
http://www.halltone.com/

 確かスピーカーはアルテックとローサのPM−6アルニコタイプ、メインアンプはアンペックスの807プッシュで業務用アンプ、プリアンプはオーディオリサーチのSP−3でしたがここで聴いたローサもアルテックも大変良くクラシックも見事に鳴っているのにはびっくりした、

特にアルテックで鳴らすクラシックは相当のテクニックを駆使しないと中々上手くは鳴らない、コーヒーまで出してくれた店の雰囲気と店主の対応は気持ちよかったのが印象に残る。


 2軒目は横須賀にあります「マツシタハィファイ」です。


ヴィンテージオーディオの店:マツシタハイファイ
http://www.mat-hifi.co.jp/


ここで聴くエレクトロボイスのパトリシアン800は実に芳醇な鳴り方でいつまでも聴いていたい音の一つです。

現在使用中のBETA−10の音を思い出しながら比較しますとどちらも良く好みの差ぐらいにしか感じない、そう思うと名器BETA−10は凄いユニットと痛感したのと私が求める音の方向性は間違っていなかった、


 エレクトロボイスのユニットは私が使用していた物と同じですがやはりアメリカから直輸入されたオリジナルは作りも素晴らしい、

ここの店主も話の分かる方で意気投合、オーディオに対しての共通点は同じですから話は弾みますね、最後にご夫婦で店の外までお見送りして頂くとは、お伺いして良かったと感じました、中部地区にはこのようなアットホーム的な良いオーディオショップがないのが悔やまれる。関東の方は是非この2軒のヴィンテージショップに行って下さい。自分が望む音の参考になるかも?


あとがき

 BETA−10の試聴は上手く表現できないのと言葉では言い表せないのが残念でなりません。私1人の評価では結論が出せませんでした。ここはSUNVALLEY AUDIOの大橋さんや四日市のK藤様に聴きに来て頂き前回聴いて頂いたワーフェデールとコーラルの比較を一刀両断で評価して頂きたい、

またこのコラムを読まれた方でBETA−10を一度聴いてみたいとおっしゃる方がお見えでしたらご遠慮なく聴きに来て下さい。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-025

3. 中川隆[-10247] koaQ7Jey 2019年5月22日 10:43:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2092] 報告

CORAL BETA 10 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=CORAL+BETA+10

CORAL BETA-10 の仕様
https://audio-heritage.jp/CORAL/unit/beta-10.html


CORAL BETA-10
¥18,500(1台、1970年代前半頃)
¥22,500(1台、1980年頃)

BETAシリーズの25cmダブルコーン型フルレンジスピーカーユニット。

振動板には主原料のパルプに化学繊維を混入したものを使用しており、従来のスピーカーにみられる厚さや密度の不均一を抑えています。さらに、厳選したものを着色をさけて白色のまま使用しています。

高域用のサブコーンには強靭で高密度のパルプを特殊処理を施して使用しています。

ボイスコイルには銅線とアルミニウム線の長所を併せ持つ銅被膜アルミニウム線を使用しています。

コーラル独自のスカイバーエッジや、指向性を広げる星型ディフューザーを採用しています。

プロミネントフレームを採用しており、バッフル面にフラット・マウントが可能です。


機種の定格

型式 25cmダブルコーン型フルレンジユニット

公称インピーダンス 8Ω

プログラムソース入力
20W(1970年台前半頃)
40W(1980年頃)

最低共振周波数 32Hz
再生周波数帯域 fo〜20kHz

出力音圧レベル 97dB/W/m
磁束密度 15,500gauss

有効振動半径(a) 10.7cm
振動系等価質量(mo) 16g
Qo 0.5
メカニカルクロスオーバー 6kHz

最大外形寸法 直径285x奥行133mm

バッフル穴寸法 240mm
272mm(プロミネントフレームによるフラットマウント時)

取付穴寸法 228mm
258mm(プロミネントフレームによるフラットマウント時)

重量 4.6kg
https://audio-heritage.jp/CORAL/unit/beta-10.html

4. 中川隆[-10246] koaQ7Jey 2019年5月22日 10:48:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2093] 報告

EAS-20PW55 (げんこつ) - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=EAS-20PW55


オーディオの足跡

Technics EAS-20PW55  
¥6,800(1台、1966年頃)
https://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-20pw55.html

20cmのダブルコーン型スピーカーユニット。

高域用コーンの前面に独自のイコライザー球(立相等化器)を装備しており、音波の回折を利用することで波面を揃え、高域特性を平坦にしています。

エッジには独自のULエッジを採用しており、ハイコンプライアンス化を図っています。

ボイスコイルに高純度のアルミ線を採用することで、高域再生限界を拡張しています。

周波数特性
https://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-20pw55.html


機種の定格

型式 20cmダブルコーン型スピーカーユニット

許容入力 10W
V.Cインピーダンス 8Ω

再生周波数 20Hz〜20kHz
最低共振周波数 25Hz〜40Hz

出力音圧レベル 100dB
Qo 0.48(30Hzにおいて)

磁束密度 12,200gauss
総磁束 96,000maxwell
コーン有効直径 160mm

実効質量 15.5g
概算体積 1,200cm3
重量 2.6kg
https://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-20pw55.html

5. 中川隆[-10245] koaQ7Jey 2019年5月22日 10:52:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2094] 報告

スピーカー製品情報 真空管アンプ「カトレア」
http://www.cattlea.jp/product/speaker.php

Technics - スピーカー製品情報 真空管アンプ「カトレア」

ゲンコツ型の最終型で最強のゲンコツです。別名スーパーゲンコツ。
アルニコ磁気回路。
95db 1.6kg
http://www.cattlea.jp/product/speaker.php?no=26


6. 中川隆[-10242] koaQ7Jey 2019年5月22日 11:36:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2097] 報告

多摩音響研究所 16センチユニット L16A

多摩音響のスピーカーユニット L16A の広告
(オーディオアクセサリー 21号掲載)

ko_genki 2014年5月3日 at 12:26
僕の愛用スピーカーですね 貴重な情報です
昭和56年購入
http://audiosharing.com/review/?p=14581

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横浜のMさんと北関東の遠足 GRFのある部屋 2019年 05月 19日
https://tannoy.exblog.jp/30602341/


駅では、K.Oさんが待っていてくれました。昼食をいただいてから、まずはお嫁に出したDecolaに逢いに行きました。現地では、近くに住む大山君も合流です。


一年半ぶりに見たDecolaはすっかりこの家の住人になり、一回り大きくなった気もして、マダムの風格も出てきました。大山君も今更のようにDecolaの大きさに驚いていました。音を聴いたMさんは、しきりに感心されて、私の家にいたときより幸せだと言われました。私は、ちょっぴり複雑な気持ちですが、その通りだとうなずいていました。遠い英国の古い街から来た彼女を、二年がかりでOさんとレストアーして、いまこのように大輪の花を咲かせている彼女を見て安堵しました。

家の前に広く拡がる悠久の景色に、クレスパンの歌声が消えていきます。忘れていたオーディオの落ち着いた音を聴かせて貰い、里親として、満ち足りた時間でした。


K.Oさんは、Decolaばかりではなく、ご自宅の装置もDECCAのカートリッジをメインにしておられます。長野のLogeさんの手になる、Quad22のプリと、同じくQuad II の組み合わせで、鳴らす英デッカの盤は、とても切れ味も良く、弦楽器の広がり、ピアノのタッチの良さ、そして何よりも魅力的な声に、ここまで音をまとめているK.Oさんの音作りにも大変感心しました。

SPはユニークで、Lawtherの日本版を作っていた多摩音響の16センチユニットを、英国の AudioVector の箱に入れて鳴らされています。


多摩音響の16センチユニット + 英国のAudioVectorの箱
https://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=30602341&i=201905%2F19%2F99%2Ff0108399_12392836.jpg


その音はローサーのイメージとは違った、極めて上品な音で、それと比べると、家のユニコーンは、今少し謙虚にならなければと反省しました。


場所を変えて、K.Oさん行きつけのお店に。ブルゴーニュの白と同じブルゴーニュのNuits-Saint-Georges をごちそうになりました。私の好きなワインです。お気遣いいただきありがとうございました。それから三時間近く帰りの電車を忘れて歓談しました。K.Oさんの趣味の深さ、歴史の長さを感じました。それが今の音をつくり、そして、Decolaの置いてある家に結実されているのだと、徐々にK.Oさんのスケールの大きさがわかってきました。
https://tannoy.exblog.jp/30602341/


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チューブ オーディオ ラボ 多摩音響研究所スピーカー + 後面開放箱

スピーカーコーナー   ☆2015/09/12 
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html


Part.1
 モノラルをフルレンジでお楽しみの皆さん
是で良いと言うユニットに巡り合えたでしょうか・・・
   ついつい未だ聴いた事の無い他のユニットに・・・
   憧れるのは私だけでは無いと思います。


そんな訳で・・・
今回ご紹介するのは、後面開放のスピーカーボックス・・・
(ボックスとは言わないか・・・)に色んなユニットを取り付けて聴ける様に致しました。

Part.2
 音楽聴くにはフルレンジのSP1本有れば良い・・・と・・・お考えの皆様・・・
 モノラルでぶ厚い再生音を楽しんでいらっしゃいますか?
 後面開放ボックスに取り付けるべく・・・
 SPのサブバッフルが出来上がりましたので・・・ご覧ください。

Part.3
 しばらく時間が空いてしまいましたが・・・
 多摩音響研究所スピーカーを後面開放型の箱に取付けまして・・・
 無事 納品となりました。


Part.1 ◇ ユニット

是から出番を待っているユニットたちです・・・米国が多いです。 後・・・3点ほどバッフルの穴加工に出ています・・・

◇ ジェンセン

スピーカーボックスは・・・こんな感じです。 後は・・・ローサー16Cm サブバッフルに名器ジェンセンのP8P・・・20Cmフルレンジ・・・センターキャップはフェノール・・・ 4本の蝶ネジで固定します。


◇ 後面開放

裏側はこんな感じです・・・ 裏蓋が無いのでユニットの取り換えが容易に出来ます。


◇ 多摩音響研究所1

ご存じの方は・・・いらっしゃいますか? 当時・・・とてもとても高額なユニットでした。 黒のチジミ塗装です・・・採算等・・・考えて無かったと思います・・・ヨ


http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html

◇ 多摩音響研究所2

実測で・・・13cm位のフルレンジです。 此のたたずまいから・・・ローサー・・・エクザクト等を連想するのは・・・私だけでしょうか・・・

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html

◇ 多摩音響研究所3

ご覧ください・・・此のフレーム・・・ ぶ厚いアルミダイキャスト・・・開発した技術者の心意気が伝わって来ます。 出てくる音・・・悪かろうはず有りません・・・ネ

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html

Part.3 ◇ 出来上がり

箱が出来上がってきましたので・・・早速にユニットを取付け・・・

◇ 50

万全を期して・・・使用アンプは50シングル・・・(フェアに出品します)


◇ 音だし

はやる心を抑えて・・・音出し確認です・・・ 此のユニットは初めての体験・・・ ターミナルの配線が・・・モドカシイ ボーカルでチェック・・・ びっくりです・・・ 素晴らしいです・・・ 皆さんに・・・聴いてもらいたい・・・ナ〜


◇ セッティング

良い感じで・・・収まりました・・・ 16センチで後面開放・・・実にのびのびと音が出ます。 絶品の美空ひばり・・・

◇ アルテック

隣の名機・・・アルテック・・・色が褪せてしまいそうです・・・(失礼) とても良い感じに仕上がり、喜んで頂きました。

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 SPボックスについての詳細はお問い合わせください。
 ご希望に応じ製作、調整致します。

チューブオーディオラボ 025-775-7383
今すぐメールを!E-Mail:tubeaudiolabo@rouge.plala.or.jp -----------------------------------------------------

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2015/Speaker4/Speaker4.html

7. 中川隆[-10241] koaQ7Jey 2019年5月22日 12:00:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2098] 報告

STAX 静電型スピーカーシステム


日本製スピーカーの中で一つだけ飛び抜けて世界的な評価が高かった STAX 静電型スピーカーだけど、いつの間にか中国資本のヘッドフォン・メーカーに変わってしまった

オーディオの足跡 STAX スピーカーシステム一覧
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/index.html

オーディオの足跡 STAX セパレートアンプ一覧
https://audio-heritage.jp/STAX/amp/index.html

STAX 創業80周年の歩み 会社概要
https://stax.co.jp/company/history/


▲△▽▼


高級イヤースピーカーメーカー『STAX』が中国の企業にわずか1億円で買収される
2011年12月12日(月)14時30分配信


高級イヤースピーカーメーカーのスタックスが中国の企業“漫歩者科技”に約1億2000万円で買収されることとなった。スタックスと言えば独自のドライバーユニットと耳にかけるイヤーヘッドホン、そして販売後のアフターケアも素晴らしいことからオーディオマニアの間では知られているメーカー。

記者もこのスタックスの『SignatureII』と『Ω(オメガ)』を所有。付け心地と耳に伝わる音は、ほかのヘッドホンでは味わえない物がある。CDのノイズまで拾う程だ。そんな日本の老舗オーディオメーカーがわずか1億円で買収されてしまったというから驚き。

ネット上では

「お前らなんで買わなかったんだよ」、

「たったそれだけで買えるなら日本のメーカーが買えよ」、

「高すぎんだよ。もう少し市場の調査して出せよ。」

という意見が書かれている。
確かに買いたくても簡単に買えない値段。一番安いエントリーモデルでも数万。高い物だと10万超えはするという。「ヘッドホンにそんな値段だせないよ」と嘆く人もいるかも知れないが、一度聞いたらやみつきになることは確か。オーディオショップではヘッドホンコーナーと独立してスタックス特設ブースができる程だ。唯一の弱点はドライバーユニット制なので、持ち運んで聞くことができない。

ドライバーユニットも真空管となっているため、扱いが難しい。起動するまでの待ち時間が良かったりするんだけどなあ。数十秒待って「カチッ」となるあの音。
今は低価格で音の良いヘッドホンや、またインナーイヤースピーカーまで出てきているので、それに押された傾向もある。

ピュアオーディオ業界も不景気なのだろうか?
http://www.stax.co.jp/Pdf/KAKUI_20111212.pdf


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究極の静電型ヘッドフォンはどのように生まれたのか、STAX「SR-009S」の秘密
三浦 孝仁 2018年4月26日


 高音質なヘッドフォンによる音楽リスニングのトレンドは、スピーカーシステムで音楽を楽しむピュアオーディオを超えるほどの勢いを感じさせる。そんななか、静電型ヘッドフォンで世界のトップを独走する日本のスタックスから、新開発のフラグシップ機「SR-009S」が6月中旬に発売される。静電型とはコンデンサー型やエレクトロスタティック型とも言われるもの。静電気を帯電させた超軽量の振動板を全面駆動するという、きわめてユニークな発音方式である。ここでは、創業80周年を迎えたスタックスの歴史から、静電型ヘッドフォンの発音原理の解説、SR-009Sに投入された高音質技術、開発と製造の現場などについて語っていきたい。


新開発のフラグシップ機「SR-009S」

 まず最初にネーミングの統一から始めさせてもらおう。実はスタックスではヘッドフォンという名称を使っていない。耳にあてるスピーカーという意味から、「イヤースピーカー」という表記にしているのだ。とはいえ、一般的にはヘッドフォンと言われているわけだし、“ヘッド(頭)のフォーン”と“イヤー(耳)のスピーカー”とは同意義であるわけだから、ここではヘッドフォンと書かせていただく。また、冒頭で私は発音方式について「静電型」と述べている。しかしながら、スタックスでは伝統的に「コンデンサー型」と呼んでいる。だが、英語ではエレクトロスタティック(Electrostatic)、すなわち静電型となっているのだ。動作原理として静電気を応用しているのだから、ここでは日本語で静電型と呼ばせてもらう。スタックスの皆さんも含めて、どうか御了解いただきたい!

ヘッドフォンファン憧れのスタックス。昔はスピーカーやアンプも作っていた

 私がまだ学生時分の若かりし頃から、オーディオファイルが憧れる最高峰のヘッドフォンといえば、断然スタックスだった(現在私は58歳)。同社の静電型ヘッドフォンはダイアフラム(振動板)の質量がゼロに等しいくらい軽いのが大きな特徴で、そのダイアフラムを静電気の応用でプッシュ・プル駆動するという発音構造なのである。セーターなどでプラスチック下敷きを擦って髪の毛が引き寄せられる現象(今の世代はやらないかな?)は、下敷きが静電気で帯電しているからだ。振動系が軽く応答性に優れているということで、スタックスの静電型ヘッドフォンは特にデリケートな音の再現性が求められるアコースティック楽器やボーカルの発声に対して昔から確固たる定評を得ていた。

 そのころ、耳の肥えたベテランのオーディオファイルの多くはクラシック音楽を好んで聴いていた。バイオリンの陰影表現が豊かで音色の鮮やかな再現性や、ピアノの打弦による複雑に織りなす音色など、スタックスの静電型ヘッドフォンはスピーカーシステムが奏でるよりも繊細で解像感に優れた音を聴かせてくれる。いまもクラシック系のレコーディングでは、スタックスの静電型ヘッドフォンをモニター用途に使っているというケースが少なくない。実は私も同社製ヘッドフォンを愛用している1人である。今回の取材で私はスタックスの製造現場を見学することができ、同社製品への理解と愛着がいっそう深まることになった。

 スタックスの歴史は古く、会社が始動したのはいまから80年前の1938年(!)、今年の初めには、創業80周年を記念した新Λ(ラムダ)シリーズの静電型ヘッドフォン「SR-L300 Limited」と、同社製品用の専用アンプである漆黒のソリッドステート方式ドライバーユニット「SRM-353XBK」が数量限定で発売された。だが、もうすでに完売したという……。


創立80周年記念の「SR-L300 Limited」

 スタックスを創業した人物は、林 尚武氏(1906年〜2000年)である。創業の1938年から14年ほど前に遡る1924年頃、彼は早稲田大学在学中で短波の無線通信技術を研究していたそうだ。音声信号を得るためにはマイクロフォンが必要であり、低品質のカーボンマイクから音質に優れたコンデンサー型マイクロフォンがちょうど登場した時期だった。彼は静電型(コンデンサー型)という新しいテクノロジーの可能性に惹かれていったらしい。

 創業から7年前の1931年頃は、録音技術者として中国(当時は中華民国)の上海にあるレコード会社の主任技師として働いている。そこで画期的な発明をした。当時の円盤記録(SPレコードを造るためのワックス原盤への音溝カッティング)では検聴用のフォノカートリッジの針圧が10g程度もあったのだが、彼は針先(振動系)を磁化した磁束検出タイプの軽針圧フォノカートリッジを考案したのである。これは現在のMM型(ムービングマグネット)に通じるものだ。当時は製盤用と検聴用に2台の録音機を同時に動かしていたそうで、それが音溝を痛めない軽針圧のフォノカートリッジが実現できたことでレコーディングが1台の録音機で済むようになり、彼は大いに感謝されたという。

 スタックスの創業当時の社名は、昭和光音工業(株)である。社屋は東京都の千代田区九段に構えていた。その頃はワックス原盤への録音や、そのメタルスタンパーの製作などが主な業務だったらしい。そして、1944年には豊島区の雑司が谷に社屋を移転している。使われた社屋は木造2階建ての洋館(元々は雑司ヶ谷宣教師館)であり、現在は東京都の指定有形文化財に指定されている重要な建造物。第二次世界大戦の終結は1945年なので、スタックスは戦時中も活動していたことになる。

 昭和光音工業からスタックス工業へと社名を変更したのは1963年。1950年から製造を始めたコンデンサーマイクロフォンに使われた「Stax」のブランド名を社名に採用したのである。初期の製品はコンデンサー型のフォノカートリッジ(モノーラル)や専用トーンアームなど、アナログディスク再生に関するものが多かった。スピーカー関連では1954年に発売されたCSG-1というコンデンサー型ツイータが初めての製品になる。アナログディスクの音溝から信号をピックアップするという音の入り口から、音を再生する音の出口側の製品が開発されたスターティングポイントである。

 スタックスの偉大なる功績は、静電型(コンデンサー型)ヘッドフォンを世界で初めて世に送りだしたこと。彼らは静電型ヘッドフォンの先駆者であり、いつの時代もトップランナーでいたのだ。現在まで脈々と続いている静電型ヘッドフォンのルーツは、1960年に登場したSR-1。ペアとなる専用ドライバーはSRD-1という型番だった。


1960年に登場した、世界初の静電型ヘッドフォン「SR-1」

 それ以降、スタックスは製品開発を静電型フォノカートリッジ+高感度トーンアームと静電型ヘッドフォンに特化していく。1974年には、世界初となるソリッドステート増幅のA級DCステレオパワーアンプ「DA-300」を発売。当時のアンプが信号経路にコンデンサー素子(キャパシター)を挿入して不要な直流成分をカットしていたのに対して、それを排除してしまったのがDCアンプと呼ばれるもの。もちろんDC=直流成分を増幅してはまずいので保護回路が働くわけだが、素子としてのコンデンサーを経由することによる音質劣化から解放されるという画期的な手法だったのである。現代のアンプリファイアの大半はDCアンプ構成なのだから、スタックスの先見性の高さがうかがえよう。


スタックス社内の歴代モデル展示部屋


 1980年代には静電型スピーカーシステムに加えてアンプやCDプレーヤー、単体DACなども開発している。スタックスの製品は海外でも高い人気を誇り、最盛期には売上げの約70%を輸出が占めるほどになっていたという。スタックス工業が埼玉県の三芳町に本社を構えていた1990年代の前半、私は同社を訪問して創業者の林 尚武氏と言葉を交わす機会があった。ちょうど大型の静電型スピーカーシステム「CLASS Model 2」のバージョン2が完成した頃だったと記憶している。スタックスの製品はどれも独創的で、海外の著名なオーディオメーカーの製品と比べても互角以上の音を聴かせてくれた。


かつては大型の静電型スピーカーシステムや、アンプやCDプレーヤーなども手がけていた

 順風満帆と思われていたスタックス工業であるが、為替変動による急激な円高傾向により採算性が急激に悪化。海外比率の高さが災いした結果でもあり、1995年12月に操業停止となる。しかし、その翌年(1996年1月)には債権者会議で新会社(有限会社スタックス)の設立とスタックスのブランドを継承することが承認された。元従業員の有志10名が集まり、同じ社屋で生産を再開することになったのである。製品については手を広げずに、静電型ヘッドフォンに絞り込むことにした。現在の有限会社スタックスは、このようにスタートしたのだ。

 そして、2011年には中国のEDIFIER TECHNOLOGYと資本・業務提携を行なっている。従業員数3,000名を超えるという中国企業のトップは、スタックスの静電型ヘッドフォンを熱烈に愛している人物なのだという。2015年には埼玉県富士見市に社屋を移転(現在の本社)して、本格的なクリーンルーム設備と生産ロボットの導入により近代的な製品製造を行なっている。以上が、駆け足であらわしたスタックスの歩みである。より詳しい情報は、同社の「創業80周年の歩み」ページに書かれている。


埼玉県富士見市にある現在の本社

静電型ヘッドフォンはどのように音を出すのか

 さて、静電型ヘッドフォンの発音構造を説明しよう。一般的なヘッドフォンがダイナミック型スピーカーを搭載しているのは御存知だろう。永久磁石を使った磁気回路があり、磁気ギャップ(磁束)の中で振動板に接着されたボイスコイルが振幅動作を行なって音を出すと。軽量化のためボイスコイルが巻かれるボビン(筒)を持たない場合もあるが、概ねスピーカーのユニットを小型化したような構造になっている。ダイナミック型スピーカーでは、振動板+ボイスコイルによる振動系にある程度の重さ(質量)があると容易に想像できるだろう。

 一方、スタックスの静電型ヘッドフォンでは、食品を包む透明なラップ素材のような薄い高分子フィルム素材(エンジニアリング・プラスチック=エンプラ)が振動板になっている。紙や金属とは異なり、素材自体が柔らかいために振動膜と呼ばれることも多い。その表面には電気を帯電させる目的で導電コーティングが施されているのだが、極薄で透明度が高いために目で見てもわからないほど。この軽量な振動膜に+580Vという電圧が印加され、振動膜は均一に静電気が帯電した状態を維持しているのだ。580Vと聞いて驚かれるかも知れないが、電流値はごく微量なので危険性はまったくない。

 この振動膜を動かすために存在するのは、表面と裏面に配置されている合計2基の固定電極。板状の固定電極には音を透過させるための穴が無数に開けられている。前述したように、固定電極に挟まれている振動膜には+580Vの電圧が加わっている。たとえば表面の固定電極に+の信号電圧が加わると、プラスに帯電している振動膜は固定電極から遠ざかる。同様に表面の固定電極に-の信号電圧が加われば、プラスに帯電している振動膜は固定電極に引き寄せられる。これが静電型での振幅原理だ。


MLER固定電極。音を透過させるための穴が無数に開いている

 スタックスの静電型ヘッドフォンでは、表面の固定電極がプラスの電圧になるときに裏面の固定電極がマイナスの電圧になるように、押す力と引く力が同時に発生する巧妙なプッシュ・プルの動作構造になっている。重さ(質量)がほとんどない振動膜を全面駆動するわけで、音の歪みが非常に少ないというのも得がたい特徴になっている。ちなみに、現行製品の専用ドライバー(駆動アンプ)ではラインレベルのバランス入力の場合なら2基の固定電極までストレートに信号伝送が行なわれており、理想的なバランス駆動が実現できている。

 このような発音原理であれば、一般的なアンプやヘッドフォンアンプでも静電型ヘッドフォンを鳴らすことができると考えてしまうかも知れないが、それはできない。一般的なアンプやヘッドフォンアンプはスピーカーを駆動するために音楽信号に応じた電力を送りこむわけだが、静電型ヘッドフォンでは電力ではなく高電圧の音楽信号が求められるのだ。スタックスが自社の静電型ヘッドフォン専用のドライバー(駆動アンプ)を作っているのはそのためで、彼らの専用ドライバーは振動膜に静電気を帯電させる高電圧回路と固定電極への高電圧な音楽信号が最適化されている設計なのである。

 例えば、静電型で有名なQUADのスピーカーは一般的なアンプで鳴らすことができる。それは送り込まれた電力を高電圧の音楽信号に変換する回路(トランスフォーマーを使った昇圧回路)を内蔵しているから可能なのである。


新フラグシップ機「SR-009S」

 スタックスの静電型ヘッドフォンは長年に渡る研究開発と経験から、振動膜に加える電圧値と固定電極との距離関係を見極めている。5月下旬発売の新フラグシップ機「SR-009S」(税込496,800円)では、現行製品のSR-009と同じく高性能の極薄化した高分子極薄フィルム素材(スーパー・エンジニアリング・プラスチック=スーパー・エンプラ)が振動膜素材として採用されている。その厚みは1,000分の1〜2mmという。そして、振動膜と固定電極との距離は僅か0.5mm。流体である空気を振動膜の制動にも役立てており、高度に精確な音楽再生を実現している。しかも、同社製品に使われている独自形状のフラットケーブルは、ケーブルの静電容量も考慮したオリジナル設計なのである。

 その名前が示すとおり、新製品のSR-009Sは、既存の「SR-009」のバリエーション・モデル。末尾のSは“スーパーのS“や“スペシャルのS”をイメージしているもので、マーク2やシリーズ2という次世代機を意味しているわけではなさそうだ。とはいえ、技術的にも構造的にも理に適った大幅な進化を遂げているのは明らかであり、SR-009の上位モデルに位置づけられるのは確実。オーディオ製品に限ったことではないが、オリジナルを丁寧に磨きあげるように改良していくことをブラッシュアップと表現することがある。ここで紹介するSR-009Sは、まさにオリジナルのSR-009を徹底的にブラッシュアップすることで未踏の音質領域に到達した孤高の静電型ヘッドフォンなのだ。


左が新フラグシップ機「SR-009S」、右が既発売の「SR-009」

SR-009SとSR-009、音はどう違うのか!?

 スタックスの静電型ヘッドフォン、その音質を画期的なレベルにまで高めたのは、SR-009の開発で誕生した斬新なMLER固定電極である。先ほど述べた発音構造を御理解していただくと、振動膜とその前後にある固定電極は、いずれも高い精度で平面性が得られているべきと判るはず。静電気が与えられている振動膜を信号電圧の変動で動かす固定電極は平面性が限りなく高く、しかも薄いことが求められる。

 平面性の高さは振動膜に均一なプレッシャーを加えるためであり、薄さは音をスムーズに透過させるためだからだ。だが、固定電極が薄ければ物理的な剛性が十分に得られず、振動してはいけないはずの固定電極が反作用的に振動して音が濁ってしまう可能性も……。実は静電型ヘッドフォンの設計経験が少ないメーカーの製品が陥りやすい音の色づけ=カラレーションの発生は、このあたりが原因ではないかと私は思っている。再生音量が低い場合は気づきにくいけれども、リズムのキレが鋭く強弱のコントラストが高いダイナミックな曲を聴いていると、固定電極の振動や共振による付帯音が加わっていると感じられることがある。静電型の発音原理は割合とシンプルなのだが、いざ製品化しようと挑むと相反するような困難が待ち構えているのだ。

 オリジナルのSR-009で開発された画期的な固定電極は、MLER(Multi Layer ElectRodes=多層電極)と呼ばれる。素材は導電性があり平面度の高いステンレススチール製の薄板。音を透過させる無数の開口部(丸穴)は超精密フォトエッチングという手法であけられている。すなわち、表面からピンポイント的に金属を溶かして穴をあけているのだ。そして、同じくフォトエッチング手法で剛性を高めるリブ形状の部材を2枚造りあげる。その3枚のステンレススチール板を拡散接合技術という高度な先端技術を用いて原子レベルで一体化させてしまったのが、MLER固定電極なのである。


SR-009のMLER固定電極


近づいて見てみると、3枚の板が一体化しているのがわかる

 一般的に金属は空気の酸素成分と接することで表面に酸化膜が形成されてしまう。MLERの拡散接合プロセスでは金属を表面が酸化しない真空状態の環境に置き、3枚のステンレススチール材料に圧力と熱を数日間ほど加えるという。その結果、互いの原子が拡散して境界面が再結晶化された状態になる。つまり、積み重ねた金属を接着剤などを使わずに一体化できているのだ。

 こうして完成したSR-009のMLER固定電極は要所が薄くきわめて平面性に優れており、しかも2枚重ねのリブ形状が加わったことで剛性が飛躍的に高められている。このMLERによる固定電極はSR-009に使われている大型の円形タイプと、新Λ(ラムダ)シリーズのSR-L700に使われている長円形タイプの2種類がある。スタックスの80周年を記念した限定仕様のSR-L300 Limitedには、SR-L700と同じMLER固定電極によるモジュールが搭載されていた。


長円形の固定電極(MLERプロセスを施す前の状態)

新しいSR-009Sでは従来のMLER固定電極にさらなる改良プロセスが加えられ、第2世代のMLER2と呼ばれる固定電極が採用されている。SR-009Sのウルトラ・スムーズでトランジェントに優れた美音は、このMLER2による貢献度が大きい。スタックスの技術陣は、MLERで完成した固定電極に対して、境界面を更に滑らかな形状にするためにフィニッシュ・エッチング加工を施したのである。無数に空けられている穴の開口部分やリブ形状の端面などが再度の溶解(エッチング)でスムーズに仕上げられているのがMLER2の最大の特徴で、仕上げとして固定電極全体に金メッキを施している。金メッキ処理は美しさのためではなく、電気抵抗が低く導電性に優れていることから選ばれた。スタックスによるとフォトエッチング加工や拡散接合技術の施行、そして金メッキ仕上げなどは外部の協力会社で行っており、その製造コストは非常に高価だという。振動膜素材はSR-009のそれを継承している。


左がSR-009Sの固定電極、右がSR-009の固定電極


SR-009の開口部分のアップ。穴の縁を見ると、カクッと鋭角になっている


SR-009Sのアップ。穴の縁がなだらかになっているのがわかる

 SR-009SとSR-009を持ち比べると、僅かながらもSR-009Sのほうが軽くなっていると実感できよう。実測値では13gの違いに過ぎないのだが、それはヘッドフォンのメイン筐体である切削アルミニウム製のハウジング形状が見直されているためだ。振動系全体は電気的な絶縁性に優れた白い樹脂素材でモジュール化されているが、SR-009Sではそれを保持するアルミニウム製ハウジングの設計を刷新した。具体的には、振動膜の位置から外側の距離を10mmから7.98mmへと薄く仕上げて、しかも表側の開口直径をφ81mmからφ83mmへと拡大したのである。


断面図。左がSR-009、右がSR-009S


右側のSR-009Sではアルミニウム製ハウジングを薄くした

 スタックスの技術陣は、以前から開口部分の大きさや後面開放型の形状によって漏れ伝わる外部の音の雰囲気が変化することに着目していた。そこでSR-009Sの開発段階ではいくつかの形状を試作。そこで漏れ伝わってくる音を聴き比べて最終的な形状を決定したという。

 専用のフラットケーブルは内部が6本構成。それぞれが中芯線に音質評価の高い6N純度の軟銅線(φ0.14mm×3)と銀メッキ軟銅線(φ0.08mm×9)を組み合わせたもので、もちろんスタックスの最高グレード品である。装着感に関わるイヤーパッドには上質の本革製が使われている。また、同社ではアークアッセイ(アッセンブリー)と呼んでいるヘッドバンド部分には10ステップのアジャストクリックが与えられている。一度調整しておくと最適なポジションが保たれるという便利な構造である。


イヤーパッドには上質の本革製が使われている


アークアッセイと呼ばれるヘッドバンド部分

 取材のためにスタックス本社を訪問した際、試聴室で最終プロトタイプ状態のSR-009Sを聴くことができた。大型スピーカーシステムを聴くわけではないので、スタックスの試聴室は応接間のような親しみやすい雰囲気である。なお、事前に予約しておくと、スタックスの全製品をこの部屋で試聴できるという。

 用意していただいたのはSR-009SとオリジナルのSR-009の2台。それを駆動するドライバーユニットは2017年に発売された最高級機のSRM-T8000である。入力段には信頼性の高い双三極管6922が採用(2本)されて、出力段はA級動作のソリッドステート増幅というハイブリッド構成である。スタックスの高級ドライバーユニットには、左右チャンネルが独立している珍しい2軸アッテネーター(ボリューム)が使われている。これは左右バランスの調整に使うアッテネーターが省略できる高音質追求のためだ。再生プレーヤーには試聴室に常設しているラックスマンの高級SACD/CDプレーヤー「D-05u」を使用。音源にはCDを使っている。


SR-009SとSR-009を聴き比べた。駆動するドライバーユニットは2017年に発売された最高級機のSRM-T8000

 最初にオリジナルのSR-009で聴いてみた。一聴してハイグレードな音だと判る高品位サウンドが奏でられている。以前に「SR-L700」を聴いた時も同じように感じたのだが、剛性の高いMLER固定電極の恩恵は本当に素晴らしく、音のアタックが鋭くリズムが深く沈み込むようなポップスやジャズ系の音楽に対する相性が格段に高くなっている。クラシック音楽でも大編成オーケストラの臨場感や叩きつけるような音の迫力もストレスなく再現してくれるので、SR-009は音楽ジャンルを問わないオールマイティなハイエンド機なのだと納得できる。大口径の円形振動膜を持つSR-009の音をじっくりと聴きながら、私はその音質に関してまったく不満を覚えることはなかった。音楽が自然に自分の心に響いて感情移入ができてしまう、浸透力に優れた音という好感を抱いたのである。

 SR-009で音の感触を十分把握してから、少しドキドキしながらSR-009Sの音を聴き始めることに……。そして、ほんの一瞬で音質の違いが判った!! 直前まで聴いていたSR-009よりも、音の滑らかさが格段にアップした印象で、先ほどよりも音楽がスッと心に届いてくるではないか。例えば、プロプリウス/プロフォン「ジャズ・アット・ザ・ポーンショップ」では、ガヤガヤとした観客の話し声や場の気配が恐ろしいほど鮮明に感じられ、ビブラフォン(鉄琴)やドラムスのブラシワークといった音が超高精細という雰囲気で聴き取れる。そして、私がリファレンス音源のひとつにしているジェニファー・ウォーンズの女声ボーカルは、喉の動きまで視覚的に感じられる生々しさ。ベーシストのレイ・ブラウンとギタリストのローリンド・アルメイダによる「G線上のアリア」(独JETON)は、ウッドベースの音色がローエンドまで深々と響く。いずれもストレスフリーな音という印象を与える、トランジェントに優れた高品位サウンドだ。


 再びオリジナルのSR-009を聴いてみると、こちらも決して悪くはないのだけれども、例えばボーカルの子音やシンバルのクラッシュ・サウンドなどで音像描写の輪郭(エッジ)がほんの僅かに強調されるような、音にメリハリやアクセントを効かせたように感じられる。これは固定電極のMLERとMLER2の音質的な違いといえるのだろう。振動膜の音が透過する無数の丸穴の断面形状が滑らかになっているぶん、MLER2の固定電極が与えられたSR-009Sは音粒が磨かれたようなスムーズさを感じさせる。

 だが、私はSR-009の音を好むヘッドフォン・リスナーもいるのではと思う。普段はスピーカーシステムで音楽を聴いていて、コンサート会場でライブな音楽も聴くというリスナーなら、おそらく新しいSR-009Sの音を気に入るのではないだろうか。スタックスでも両機種の音質傾向の違いを理解しており、SR-009とSR-009Sは併売していく方針だという。私個人の音の好みでいえば、間違いなくSR-009Sを選ぶ。圧倒的なワイドレンジ感ということでは、共に互角といえるだろう。


静電型ヘッドフォンが生まれる現場に潜入!

 スタックスの社屋の1階には、本格的なクリーンルームが設置されている。昨年に取材したDAC素子の旭化成エレクトロニクスと比べると当然ながら規模はかなり小さいのだが、静電型ヘッドフォンの心臓部である発音体を製造するには十分な広さがある。

いざ、静電型ヘッドフォンが生まれる現場へ。クリーンルームに潜入した

 振動膜に使われている素材は本当に食品ラップのように柔らかく透明で、それが専用の金属型枠(真鍮製のようだ)に貼られるのであるが、ここで適切なテンションが加えられているという。型枠はインナータイプのSRS-002から新Λ、そしてSR-007AやSR-009など各種が用意されている。


振動膜の形をした金属の枠をプレートに配置。そこに振動膜の素材を貼り、枠ごとに半田ごてで切り出していく

 型枠に貼られた振動膜は次に隣の部屋に移されて、そこでは発音モジュールの組み立てとして固定電極の組み付けが行われる。いずれの作業も熟練した数名の技術者により丁寧に行われているのが印象的だった。発音モジュールの最終工程は、防湿膜を両面に貼る作業となる。

繊維性のゴミを取り除く作業。極めて薄いので、力を入れすぎると簡単に破けてしまうので、熟練の業が必要だ

 防湿膜とは、これまで出てこなかった言葉だ。想像していただくと判ると思うのだが、静電型のヘッドフォンやスピーカーシステムは、動作環境での湿気(湿度)に対してクリティカルなのである。具体的には、湿度が高ければ静電気を応用している振幅効率が低下してしまうのだ。そのため、温度と湿度が最適にコントロールされているクリーンルームの空気を発音モジュールの内部に閉じ込めるべく、防湿膜といわれる保護膜を貼って覆うのである。その素材は違う素材のフィルムで、テンションはかなり低めに設定されているようだ。また、マイクロダストや髪の毛の侵入を防ぐという重要な役割も担っている。さきほど名前を挙げたQUADの静電型スピーカーにも防湿膜が使われているのだ。

 完成した発音モジュールは白い樹脂製のハウジングに納められている。そしてクリーンルーム内部にある検査室に集められ、実際に通電をしてテスト信号による最初のサウンドチェックが行なわれる。ハイレベルなクリーン環境で製造されているので、この検査で不合格になるケースは稀だという。

 クリーンルームでの作業はここまでで、製品としてのアッセンブル工程は通常の環境で行われる。完成した製品はすべて昼間は音楽ソース、夜間はピンクノイズを使い、最低一週間以上継続した鳴らしこみが行なわれて、1台ずつ音を確認していく。スタックスの静電型ヘッドフォンは幾度もの入念なチェックを経て出荷されていくのだ。


完成した発音モジュールは白い樹脂製のハウジングに納められている


白い箱の中にズラッと並ぶ黒いものは、全て完成した発音モジュールだ。ここで実際に通電をしてテスト信号を鳴らす


検査室での細かなチェックも

完成した製品は改めて鳴らし込みが行なわれ、1台ずつ音を確認して出荷される。ブラック仕上げは輸出用の製品

 以前から少し気になっていたのだが、最近ではスタックス互換という触れ込みの非純正アンプが市場やオークションなどで散見されるようになってきた。だが、スタックスではサードパーティによるドライバーの使用を認めておらず、それによりヘッドフォンが故障した場合は保証の対象外としている。

 前述の通り、振動膜に580Vの電圧を印加しているわけだが、サードパーティのそれらはオーバードライブするように既定値以上を加えている場合が多いようなのだ。何度か私はラスベガスのCES会場などで尋ねたことがあるが、非純正ドライバーを展示している業者は概ねオーバードライブであることを示唆している。スタックスの静電型ヘッドフォンには細部に至るまで高音質が得られるノウハウが詰め込まれているわけだから、必ずスタックス製の純正ドライバーで鳴らしてほしいものだ。

 純正ドライバーには真空管を採用した製品とソリッドステート(半導体)回路、そして真空管と半導体の両方を使っているハイブリッド構成がある。固定電極には高電圧の音楽信号が必要だと述べたが、共通するのは高電圧の出力に適した素子が使われていること。真空管はもとより高電圧出力に親和性の高い素子であり、採用されている半導体の出力素子も高電圧を得やすい特性なのである。

ヘッドフォン・リスニングの最高峰のひとつ

 ヘッドフォンは耳の鼓膜の至近距離で音を鳴らす。そこではスピーカーシステムのウーファーのような大振幅は必要なく、応答性能の高さこそが最優先で求められる。帯電した超軽量の振動膜をプッシュ・プルで駆動するスタックスの静電型ヘッドフォンは、まさにヘッドフォンによる音楽再生という目的に適った発音方式だと思う。

 取材で聴いた新製品SR-009Sは、高品位なヘッドフォン・リスニングの最高峰のひとつだと断言できる。画期的なMLER固定電極を進化・発展させて完成したSR-009SのMLER2固定電極は、聴き慣れているはずの愛聴曲からこれまで気づくことのなかった音がいくつも潜んでいることを教えてくれた。新Λシリーズの静電型ヘッドフォンを愛用している私にとって、SR-009Sは究極の逸品として鮮やかに映ったのである。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/1117613.html


8. 中川隆[-10240] koaQ7Jey 2019年5月22日 12:03:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2099] 報告

STAX の静電型ヘッドフォンについては


音は凶器 _ 僕が STAX を薦めない理由
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/205.html

9. 中川隆[-10239] koaQ7Jey 2019年5月22日 13:52:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2100] 報告

■ 甦れSTAX ELS-8Xコンデンサースピーカー
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05


かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、大型コンデンサースピーカーがありました。

STAX社のELS-8Xです。

ダメになった発音ユニットの3ミクロン厚の振動膜の張替え・修復に成功したELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現しました。

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。

あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。

なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

おそらく世界最高の精緻な発音ユニットと音質を備えた STAX ELS-8X を中心に、コンデンサースピーカーについて綴ります。

(1)甦れ(1回)STAX ELS-8X コンデンサースピーカー 
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17 

**修理不可能と諦め、10年ほど放置していた8Xの修復に挑んだ結果、思わぬ大成功**


(2)甦れ(2回)8X コンデンサースピーカー/SR-1との出会い
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-25 

**50年前にSTAX本社で聴いたイヤースピーカーとコンデンサースピーカー**


(3)甦れ(3回)8X コンデンサースピーカーもう一つの8X電源修復 
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09 

**息子が入手。奇跡的に完全オリジナル超美品の8X。電源を修復して完動**


(4)甦れ(4回)8X コンデンサースピーカー成功!発音ユニットの分解 
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20 

**発音ユニットを解剖する。ダメージを与えずに分解できるか**


(5)甦れ(5回)8X コンデンサースピーカー構造の詳細と修復手順 
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11 

**発音ユニットの詳細な分解図と修復手順の概略**

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05

▲△▽▼


STAX ELS-8X
¥500,000(1台、1985年頃)
¥684,000(1台、1990年頃)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html

1964年に発売されたESS-6Aに数々の改良を加えて開発されたコンデンサー型スピーカーシステム。

振動板にはコンデンサー型を採用しています。

コンデンサー型は振動膜とそれをドライブする固定極で構成されており、振動膜にあらかじめ直流電圧を加え、両側の固定極に片側が+、片側が−になるように高い信号電圧を加えることで反発(+と+)と引き合い(+と−)を起こして振動を生み出しています。

振動膜には極めて薄いポリエステルフィルムが採用されています。

ELS-8Xでは、低域用に4枚、全帯域用に2枚、高域用に2枚の発音ユニットを搭載しています。

コンデンサー型に必要な高電圧の信号はカットコアトランスによって作り出しています。

ここにはELSシリーズ共通の800VAのカットコア・シグナルトランスを採用しています。このトランスはPC-OCCの巻線を使用しており、特性のポリカーボネート製ボビンに丁寧に巻いて仕上げられています。

内部配線にもPC-OCCが採用されています。

ネットワーク回路のハイカット抵抗には大型の高音質特注品を使用しています。また、ドイツ製ポリプロピレン・コンデンサーなどを採用することで、高音質かを図っています。

周波数特性
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html

機種の定格

方式 3ウェイ・8ユニット・コンデンサー型・フロア型

使用ユニット
低域用:コンデンサー型x4
全帯域用:コンデンサー型x2
高域用:コンデンサー型x2

インピーダンス 4Ω以上

再生周波数帯域 35Hz〜25kHz
最大入力レベル 200W

出力音圧レベル 79dB(400Hz/2W/1m)、76dB(400Hz/2W/2m)

クロスオーバー周波数 300Hz

消費電力 3.5W(バイアス電源)

外形寸法 幅770x高さ1,900x奥行86mm
脚部奥行:250mm
重量 53kg
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html


10. 中川隆[-10233] koaQ7Jey 2019年5月22日 19:18:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2106] 報告

私のオーディオ人生 第15回忘れられた昭和の名品 by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-015


今回のコラムは(6月17日)の店主日記でご紹介されたパイオニアのユニット、昭和の名品を題材にしました。じっくりと読んで楽しんでいただければ幸いです。



昭和のレトロスピーカー


 ヴィンテージと言う言葉を聞きますと何となく高貴な古い高級品のイメージが湧きます、古い物がすべてヴィテージと表現するのはおかしいような気がしますが、オーディオの世界でもすぐに海外の古いものをヴィンテージと言いますがガラクタで粗大ごみのような物でもヴィンテージにしてしまうのは如何なものか、

 日本の昭和30年代の時代と言えば最近よく聞くレトロと言う言葉は大変懐かしい響きに聞こえます。このレトロを題材にした日本映画(ALWAYS三丁目の夕日)が大ヒットしています。この映画を見ますと古き良き昭和の時代を反映した大変良い映画で携帯もパソコン、CD、テレビもない時代なのに人と人との繋がりと絆は今の時代とは随分違う気がするのは私だけではないはず、この時代はまだ高度成長の前になりオーディオも電気蓄音機からLPレコード再生の高忠実度とかHi−Fiと呼ばれる時代に入っていきますがこの当時の音楽再生装置は私達の時代でなく我々の親の時代になります。

 私達の世代は最初から海外のスピーカー(アルテック、JBL、タンノイ)等からスタートした人は極少数で海外のスピーカーの音などはほとんどの方は聴いたことも見たこともない時代を過ごしてきました、

当時のステレオマニアが自作するのは皆さんが記憶にある

パイオニアのPAX−A20,20F,PIM−16,20、
ナショナルの8PW−1、
三菱のP−610、
コーラルの8CX−50


ぐらいでこれでもこの時代でも贅沢なスピーカーで小型のレコードプレーヤーに安いクリスタルカートリッジで自作の真空管アンプから流れる柔らかい響きを一人静かにパーシーフェースの「シンシアのワルツ」やフランクチャックスフィールドの「星に願いを」の音楽を夜更けまで楽しんでいた時代ではなかったのではないか、

少ないアルバイト代を注ぎ込んでスピーカーユニットのスペックを穴のあくほど見ては予算との兼ね合いを考えたあげく大事そうにユニットを2個買ってみかん箱のような自作箱に入れて「これがステレオか」と一人悦に入っていた記憶は皆さんにもあるはずです。(勿論この当時は親から高級なセパレートステレオなど買ってくれるはずはない)


 当時のスピーカーは高域が「シャリン・シャリン」低域は「ドン・ドン」の今で言うドンシャリが流行していましたが、これこそステレオの音で友達に聴かせては自慢していた方も身に覚えがあるはず、また友達から高級なセパレートステレオを聴かされて自慢された方も昔を懐かしみながら悔しい思いを経験した方もきっと沢山いるはずです。

 それより以前の1950年代の中頃の音は私を含めて団塊世代の皆さんも経験どころか記憶にはないはずですが今の年齢が70代から80代の方たちは記憶の片隅に残っているかもしれません。この時代は私達の親達の時代です。

想像ですが当時はダンスホール、音楽カフェなどに行ってはジャズやクラッシック音楽をカフェのマスターや仲間たちと音楽談義を楽しみながらコーヒーやアルコールを飲んで青春を謳歌していたと思う、おそらく此処で聴くレコードの音は自分の家の電蓄とはかけ離れたHiFiの世界だったのかも知れません。

50数年の時を超えて今宿るPAX−12B

 今回ご紹介しますスピーカーユニットは1954年(昭和29年)にパイオニア(当時の福音電機)から発売された複合型スピーカーです。このユニットのスペックを少しご紹介します。(パイオニアの歴史からお借りした抜粋)


発売年 1954年(昭和29年)

形式 30p複合型スピーカー(ツィーターはコーンタイプ)

マグネット ウーファ、ツィーター共アルニコマグネット

ネットワーク オイルコンデンサーだけによるツィーターのローカット

クロスオーバー約3000Hzぐらいと思われる
※クロスオーバー用のコンデンサーが完全にパンクしていて計算不能

インピーダンス16Ω

許容入力10W

重量4.5Kg

出力音圧レベル102dB/W周波数特性35Hz〜16KHz


※初代の福音電機の複合型スピーカーは1952年(昭和27年)発売のPAX−12Aになり、この12Bは2年後の1954年の発売になります。

昭和30年代後半に型番がインチからセンチに変わりPAX−30Bと変更されました。

このユニットのフレームを見ますと左右に取手が付いています。

多分このユニットは民生用ではなく業務用に使われたのではないか、
当時の業務用なら小ホール、学校の音楽室、音楽カフェ、ダンスホールなどで活躍していたのではないだろうか、

マグネットカバーのエンブレムを見ますと

「FUKUIN ELECTRIC WORKS,LTD,TOKYO」

の名前が入っています、今のパイオニアは当時では「福音電機」と言われていました、

昭和29年の発売ですが当時としては塗装の仕上げとフレームの作りが「日本の工業技術ここにあり」と感心させられます。


ユニットを2本並べた状態ですが50数年の年輪を感じさない昭和のレトロスピーカーですが音も現代のスピーカーには負けないぐらい良い音で鳴ります。

マグネットカバーを外しますと大型のヨークを使っています、手前に見えるネットワーク用のオイルコンデンサーで合格の検印のスタンプが押してあるのを見ると当時も品質管理には厳しかったと思われます。

このユニットの製作に携わった方がこのコラムをお読みになれば懐かしさが込み上げてくるのではないでしょうか、

昭和のレトロスピーカーを鳴らす、

 当時はおそらく使用するアンプもスピーカーボックスも現代とはかけ離れた粗末なもので音楽を楽しんでいたのかも知れませんからこのスピーカーの能力等ははっきり言ってわかりません。

当時の日本の技術力と欧米の技術力とは相当な隔たりがあったのではないか、

現代のオーディオマニアは海外志向になりスピーカーはアルテック、JBL、タンノイ等の海外製しか興味を示さないマニアばかりになってしまったきらいがある。

国産品はバカにされ片隅に追いやられてしまったのは否めないのと日本の気候条件の変化による保存状態が悪いのでほとんどが処分されてしまったと考えられる。

パイオニアPAX−12Bを鳴らす使用機器

CDプレーヤー CEC製TL−51X

DACはサンバレーで購入した真空管式 MODEL2

プリアンプは私がレストアしたマランツ#7

メインアンプはサンバレーのSV−2(2007)300Bドライブの845シングルアンプでの試聴です。

ボックスは店主日記でご紹介されたタンノイ風のコーナー型でボックスの材質はフィンランドバーチ

ネットワークはヴァイタボックスに合わせた自作品を供用

使用のソースはいつも聴いているコジェナのヘンデルアリア集

このラインナップで上手く鳴らなかったら即粗大ゴミかお蔵入りだ、


早速ヴァイタボックスのDU−120コアキシャルユニットをボックスから外してパイオニアのPAX−12Bを取り付けた、果たしてどんな音で鳴るのか今まで以上に興味が湧いて来るのが自分でもわかる、

今までは英国のGOODMANS、VITAVOX、ステントリアン、ワーフェデールのオール英国の伝統あるスピーカーを使ってきたけれど日本製だけはイメージすら湧かない、

ひょっとして昔聴いたドンシャリのような音なのか、分解能も悪く特性だけを追っかけた音楽性のかけらもない酷い音となれば「所詮国産か!」とバカにして諦めが付く、これまで英国ヴィンテージスピーカーやウェスタンの音を自分の耳と肌で感じ取ってきたから十分比較もでき理解もできるはずだ、


SV−2(2007)で鳴らすパイオニアPAX−12Bの音

 SV−2(2007)でスタートだが50年の歳月を経て出てきた音に正直に言って言葉が出ない、

コジェナのチェロから始まる独奏を聴いた瞬間、これが本当に国産のスピーカーなのか?自分の耳を疑った、

「素晴らしい音で陰影を伴った渋く味のある音だ、」

今まで鳴らしてきた英国ヴィンテージスピーカーと何ら遜色はない非常に落ち着いた響きで音の出方と傾向を一言で言えばタンノイのレッドとシルバーの音にヴァイタボックスを混ぜ合わせたような響きで私が所有しているグッドマンの音色に近い感じがしないでもない、

じっくり聴くと英国スピーカーもPAX−12BもY下トーンになってしまっている、どんなにスピーカーを変えても自分の感性が全面に出てきているからガラリとは変わらない気がしてきた、

まだユニットを実装してエージングも無の状態でのスタートのため多少音抜けが悪い感じだがエージングすればもっと良くなるはずだ、

 今回の試聴用のSV−2(2007)は見事に昭和のレトロスピーカーを鳴らしきった凄いポテンシャルを秘めた文句なしの第一級のアンプで私はこのアンプには改めて感服した、是非このSV−2(2007)のアンプを導入して色んなスピーカーを鳴らして頂きたい、

お叱りを受けるかも知れないがマッキン、マランツ等のメインアンプで鳴らして満足しているマニアは私に言わせればまだまだ「ヒヨコ」だ!


 50数年間の眠りから覚めて即良い音を望むのはお門違いである。
おそらくこの時代のレコードの聴き方は現代のマニアックな虫眼鏡で覗いた聴き方とは方向性が違う、端的に言わせてもらうとスピーカーの存在感と機器を忘れて音楽をさりげなく聴く方法が適していると思う、

多分設計者はアメリカンサウンドを意識して研究開発されたと思うが私の印象ではアメリカンサウンドとは多少ニアンスが違う地味な音に聴こえてくる、

  
 このスピーカーの名前を教えずに聴かせたのなら100人が100人とも国産とは見抜けないと思うぐらい素晴らしいユニットだ、

事実このユニットを実装してヴィンテージスピーカーの大先生でもある西山氏に試聴して頂いたら「これが国産?」と驚いていた、

今までの国産スピーカーは個性がなく特性だけを追っかけたスピーカーのイメージで正直言って私も見向きしなかったがこのスピーカーを聴くと当時のスピーカーの技術者の凄腕と努力が伝わってくるような気がする。


昭和のレトロスピーカーをバカにするな!

 オーディオのハイエンドマニア達がスピーカーはウェスタン、アルテック、JBL、タンノイでないと駄目だとかスピーカーは外国製に限ると主張する方が沢山いるが(私もその一人だった)本当に良い条件での国産スピーカーを聴いたことがあるのだろうか

一度も聴かずに風の便りや人の噂だけを鵜呑みにして評価するのはオーディオマニアとしては恥ずかしいのではないか、

 日本の伝統ある工業製品であるパイオニアの半世紀前のスピーカーがこれだけ素晴らしい音で鳴るとは聴いて見るまではわからなかった、正直に言って私は脱帽である。

 このユニットの開発に携わった多くの技術者とユニットを組み上げた職工さんや個々のパーツなど苦労に苦労を重ねて作り上げた下請けの町工場の工員さん、「戦後の日本の工業技術ここにありき」で奮闘された気持がひしひしと伝わってくる、

当時のエンジニア達は欧米のスピーカーを徹底的に研究されたのではないか、
しかも外観がジェンセンのG−610Bに良く似ているのも頷ける、

スピーカーのフレームの検印に個人名のスタンプが押してありますがこれを見ますと当時も高レベルな品質管理をされていた製品だと思う、

多分このスピーカーの設計者や製作に携わった多くの方達はこの世にいない人もいるかも知れませんがこの方達のお陰で今日の日本のオーディオ文化がありパイオニアの70年の伝統と歴史があるような気がしてならない、
 
 このように書きますと日本人である以上海外のスピーカーよりもっと身近に感じてきます。タンノイやJBL、アルテック等の海外スピーカーも良いがもう一度昭和のレトロスピーカーを見直す時が来るような気がする、その時に是非国産のレトロスピーカーを加えて頂きたい、

 今回の比較試聴で英国ヴィンテージスピーカーがドレスの似合う素敵な「貴婦人」的な音ならこのPAX−12Bは和服の似合う「京美人」の音に例えられるぐらい上品な音で音楽を聴かせてくれた。

また50数年の時を超えてエージングもこれからですが時間が経てばもっと素晴らしいサウンドで音楽を楽しませてくれると思う、


 今回ご紹介しました半世紀以上前のパイオニアPAX−12Bは欧米のヴィンテージスピーカーと比較しても何ら見劣りがしないぐらい素晴らしい音楽を奏でてくれたが鳴らし方次第で石ころにもなりダイヤモンドにもなるのではないかと痛切に感じた、

 ヴィンテージショップ等では国産のスピーカーは価値がないと決めつけてバカにする、

名前は伏せたいがお粗末なブリキ板で作ったようなフレームに亜鉛メッキで仕上げてフェライトマグネットを装備しただけの海外のコアキシャルタイプのヴィンテージスピーカーが高値で取引されているがこんなのにどこに価値観があるのか音以前の問題だと思うのだが、


 国産のスピーカーのすべてが良いとは思わないが隠れた名品もあるはずだ、それを探し出して上手く鳴らす、これも一つのオーディオの醍醐味ではないだろうか、

「舶来のブランド」も良いがこんな立派な「Made in Japan」の存在があるのを忘れてはならないと思う、

私は声を大にして言いたい「昭和のレトロスピーカーをバカにするな!」と、

一度は言ってみたいセリフ

 ウェスタンマニア、最新の舶来のブランド志向で固めたスーパーマニアの天狗達のスピーカーシステムにこの部分の音が悪いとケチを付けたら相手はきっと「あんたのスピーカーは何処のスピーカーだ!名前を教えろ!」と目を吊り上げて怒るだろう、

その時胸を張って「僕のスピーカーは昔のパイオニアです!」と言ったら「何んだ!国産か!」とバカにされお叱りを受けるか鉄拳が下るだろうなぁ、

こんな連中に「一度は言ってみたいセリフ」だが怖くて言えないかも、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-015

11. 中川隆[-10232] koaQ7Jey 2019年5月22日 19:23:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2107] 報告

Pioneer PAX-12B - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Pioneer+PAX-12B

オーディオの足跡 Pioneer PAX-30B/PAX-12B
¥9,750(1960年代後半頃?)
https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/unit/pax-30b.html


コーン型トゥイーターを搭載した30cm2ウェイ同軸型スピーカーユニット。

機種の定格

型式 30cm2ウェイ同軸型スピーカー

インピーダンス 16Ω

最低共振周波数(fo) 40Hz〜50Hz
再生周波数特性 35Hz〜16kHz

最大許容入力 10W
出力音圧レベル 102dB/W

総磁束 ウーファー:123,000maxwell トゥイーター:15,500maxwell
磁束密度 ウーファー:10,000gauss トゥイーター:10,000gauss

等価質量 25.0g

バッフル開口 270φmm
取付穴位置 290φmm

外形寸法 直径306x奥行170mm
重量 4.5kg
https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/unit/pax-30b.html

12. 中川隆[-10230] koaQ7Jey 2019年5月22日 20:17:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2109] 報告

私のオーディオ人生 第3回懐かしきオーディオ仲間、コンコルド訪問記
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003


三菱2S−305の音

タンノイを聴かせて頂いて感服している後に今度は三菱のモニタースピーカーの音出しとなった。

タンノイの余韻が残っている後の三菱の2S−305モニタースピーカーはどんな響きで鳴り出すのだろう?

レコードはクラッシックから一転して流行歌に変わった、私個人としては、はっきり言って興味がない。しかも美空ひばりと青江三奈だ。戦前派のK藤氏はこんなのが好きなのか、しかもオーディオ装置でこんな歌謡曲を聴くなんて、オーディオマニアはクラッシックかジャズが通り相場なのだが。

三菱のスピーカーからどんな音が聴けるのか、目を閉じてスピーカーに一点を集中しながら美空ひばりの歌が聞こえてくるまで固唾を呑んで鳴り出すのを待った。

最初のイントロから始まり美空ひばりの歌が流れ始めたとき、こんな切ない美空ひばりの歌は聴いたことがない。

低音がどうの高音がどうのと言う次元ではない。歌謡曲なんかバカにしていたけれど感動してしまう。

次は青江三奈の伊勢崎町ブルースだ。

イントロから始まり(あなた知ってる〜港ヨコハマ〜)この歌声を聴くと青江三奈はすごく魅力のある女性と感じた。

お色気ムンムンである。

「俺も青江三奈のファンになっておっかけでもやろうかなぁ」
それぐらい魅力のある歌声だ

良い音で聴く流行歌には本当に感動した。音が良いと歌まで上手く聞こえてくる。今まで色んなスピーカーを聴いてきたがこの三菱の2S−305は、さすがに日本が誇るスピーカーの名機だ、歌謡曲を鳴らしたらこのスピーカーの右に出るものはないぐらい素晴らしい。

この雰囲気はタンノイやエレクトロボイスでは出ない。K藤氏の音には魂がこもっている。

こんな音を聴いてしまうとオーディオとはいったい何だろうと考えさせられた。

(追記)テレビやラジオで青江三奈の伊勢崎町ブルースが流れると、K藤氏のことを思い出して昔を懐かしんでいます。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003


▲△▽▼


伝説の MItsubishi「2S-305」を手に入れる 2013年04月03日
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo8/e/c755568f7139f37e553711afbab70288

 前回、Kripton KX-1000P について書きました。

 うん、このスピーカーあたりが、私のレベルではひとつのゴールかなあ・・・
 と思っていたところに、オーディオ関連本「これだ!オーディオ術」(村井裕弥著)を読んでいて件名のスピーカー「2S-305」に関する記事が目に止まったのでした。

「江川三郎実験室の記録」(P43~)より一部を抜粋します;

 珍しく、イベント開始時から良い音が出ている!

 ほとんどの場合、最初は「なんてひでえ音だ。何とかしようぜ。」で始まり、対策を重ねたあげく、ハッピーな世界にたどり着くというのが常で、それがこのイベントの趣旨なのだからそれはそれで良いのだけれど、今日は例外のようだ。

 「何が鳴っているの?」と人垣をかき分けてみると、写真では何度も見ているが実物を見るのは初めての、大型スピーカーが姿を現す。三菱の2S-305じゃないか。伝説のNHKモニター!!

 この2S-305の、それも保存状態がいい個体の音を聞いたことがある人はほとんどいないのではないだろうか。

 かかっているのはチェチーリア・バルトリの「ゆかしい月よ〜イタリア歌曲集」(DECCA)で、軽い振動板の大型ウーファーが鼻歌気分で奏でる音は、昨今の小型スピーカーが逆立ちをしても表現できない世界だ。念のためにいっとくが、「低音がよく出る」とかいう低レベルの話じゃないよ。

 こんな風に書かれたら、聞いてみたくなりますよね(笑)。

 ネットで2S-305を検索してみますと、NHKの現場で使うために開発された伝説のプロ用モニタースピーカーであることが判明しました。

 最初に発売されたのが1958年(私が生まれる前)、生産が終了したのが2001年という驚異のロングセラーを記録し、「スピーカーのダイヤトーン」という名声を得るに至った記念碑的作品です。

 数年ごとにモデルチェンジをしなければ売れない日本のスピーカーの中にあって、奇跡的なシーラカンス的存在という見方もできるかと。


 オーディオ評論家、菅野沖彦氏のコメント:

 「満開の桜を見るように、端正で、淡泊でいて豪華な響きの音は「はんなり」とでも形容したい上品な佇まいのバランスと音色」

 ただ、大きいんですよねえ。

 ・・・W(幅) : 650.00mm  H(高さ) : 880.00mm  D(奥行) : 445.00mm 重量50kg弱。

 ちょっとした「家具」です。 


★ 参考になるHP/ブログ;

□ ステレオの産業史|ダイヤトーン
□ DIATONE 2S-305の仕様 ・・・価格がどんどん上がっていく不思議
□ audiosharing「過去のReview」(菅野沖彦氏、瀬川冬樹氏、井上卓也氏、岩崎千明氏のコメント)
□ ダイヤトーン 2S-305 (BTS R-305) モニタースピーカー
□ オーディオ・音の傾向「diatone 2s-305」


★ YouTubeより;

□ 廿日市のコーヒーハウス・イシイへ名機R305(2S-305)がやって来た
□ スタジオモニター定番スピーカ 三菱 DIATONE 2S-305D(R-305)
□ スッと出る音My Audio test (2S-305,LHH1000,2A3-Z Amp & Preamp was made
□ Diatone Mitsubishi-R305
□ 音楽喫茶「アヒルのジミー」開店 因幡晃のフランス語「わかって下さい」
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo8/e/c755568f7139f37e553711afbab70288


 そ、そして、中古の2S-305をボチッ(パソコンのキーボードを押す音)と買ってしまった私。

 アフターケアも可能なショップ「ハイファイ堂」から購入しました。
 何せ古い品物であり、格安のオークション出品物ではキチンと稼働するかどうか不安が残りますので。

 そこで実働するようメインテナンスされ、かつ使いやすいように一部改造した品です。

《メインテナンス内容》

 外装研磨・全塗装 サランネット張替え コンデンサー交換(JRCオイルコンデンサー計4ヶ)

《改造内容》
 スピーカーターミナル背面バッフル加工取付け

 このスピーカーは本来「キャノンコネクター」というプロ用ターミナルしかないのですが、一般のバナナプラグも使用できるようにターミナルを増設してあるのです。
 なお、キャノンコネクターも従来通り使用可能であり、専用ケーブルも付属しています。


 側面にあるキャノンコネクターの形状(↓)

 本来は背面には何もないのですが(↓)

 バナナプラグ対応のターミナルが増設してあります(↓)


 年度末セールで「送料無料」「2年保証付き」というタイミングでゲットしました。

 相談したら、なんと2Fまで運び上げてくれるとのこと(よかった〜)。
 4月中旬に届く予定で、どの位置に設置しようか、スピーカースタンドはどうしようか、と嬉しい悩みを味わっているところです。
 ああ、部屋中に広がるオーケストラの響きを早く味わいたい・・・。

 どうもピカピカの最新式よりも、いぶし銀のヴィンテージものに惹かれてしまう私。
 気がつくと周囲には古いものばかりが増えています。
 腕時計も50年前の機械式のものばかり。
 自分自身もそろそろ骨董品と化してきたかな・・・。
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo8/e/c755568f7139f37e553711afbab70288

13. 中川隆[-10229] koaQ7Jey 2019年5月22日 20:21:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2110] 報告

DIATONE 2S-305 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=DIATONE+2S-305


オーディオの足跡 DIATONE 2S-305
https://audio-heritage.jp/DIATONE/professional/2s-305.html

¥47,000(1台、1958年発売時)
¥56,000(1台、1968年頃)
¥78,500(1台、1969年頃)
¥120,000(1台、1971年頃)
¥200,000(1台、1975年頃)
¥250,000(1台、1977年10月1日改定)
¥350,000(1台、1984年頃)


1955年に発表された2S-660から3年を費やし改良されて誕生したスピーカーシステム。
NHK技術研究所との共同研究によって開発されました。

2S-305は何十年もの間、BTS-6131に規定された音質監視用R305の指定名称で、国内の放送局をはじめ海外の放送局や、音響専門メーカー、音響研究所で標準再生用として採用されました。

また、高い技術精度で作られる一つ一つのパーツをシステムとして完成させるため、エンクロージャーの製作、部品の組立て、取付けにいたる過程すべてが熟練した職人による手作業により行われていました。

低域には20cmコーン型ウーファーであるPW-125を搭載しています。
PW-125の振動系はクロスオーバー周波数1500Hz以上で高域が減衰するメカニカル・フィルターになっており、ネットワークを使用しなくても不要な高音の放射がありません。

高域には5cmコーン型トゥイーターであるTW-25を搭載しています。
このユニットの振動板は有効振動半径2cmとなっており、磁気回路には磁性材料の中でも高い方の飽和磁束をもつとされている鉄・コバルト合金を使用して、高能率化を実現しています。

エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。また、カバとラワンの薄板を1枚1枚接着し外角に丸みを持たせることで、回折現象による中・高域への影響を防止するとともに、機械的強度も高めています。

1台1台に無響室での実測データが添付されていました。

壁掛け用の2S-305C(灰色)や600Ωのマッチングトランス付もありました。

別売りオプションとして専用キャスターがありました。


機種の定格

方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・フロア型

ユニット等構成
低域用:30cmコーン型(PW-125)
高域用:5cmコーン型(TW-25)

ネットワーク:HP-170

再生周波数帯域 50Hz〜15kHz 40Hz〜16kHz ±5dB

入力インピーダンス 8Ω

クロスオーバー周波数 1.5kHz

定格入力 20W
最大入力 60W

出力音圧レベル 96dB/W 102dB/VA

ネットワーク 高域:12dB/oct

外形寸法 幅650x高さ880x奥行445mm

重量
45kg(1975年以降のカタログ記載)
50kg(1969年〜71年のカタログ記載)

別売 専用キャスターMC-1380A(¥30,000)
https://audio-heritage.jp/DIATONE/professional/2s-305.html

14. 中川隆[-10227] koaQ7Jey 2019年5月22日 22:26:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2112] 報告

日本のスピーカーの音が欧米人に受け入れられない理由


耳トレ!-こちら難聴・耳鳴り外来です。 – 2011/10/3 中川雅文 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E8%80%B3%E3%83%88%E3%83%AC-%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%E9%9B%A3%E8%81%B4%E3%83%BB%E8%80%B3%E9%B3%B4%E3%82%8A%E5%A4%96%E6%9D%A5%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82-%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E9%9B%85%E6%96%87/dp/476781202X

                      

大学教授で現役のお医者さんが書いたこの本には「耳の健康」に対する情報が満載で実に”ため”になる本だった。


☆ 日本語は世界一「難聴者」にやさしい言語

どの国の言語にもそれぞれ固有の周波数帯というものがあり、母国の言語を繰り返し聞いて育つうちにその周波数帯以外の音を言語として聞き取る脳の感受性が失われていく。

そのため生後11歳くらいまでには母国語を聞いたり発音する能力に特化した脳が出来上がる。

日本語で頻繁に使われる周波数帯は125〜1500ヘルツで、英語は200〜12000ヘルツと随分と違う。日本語は世界の言語の中でもっとも低い周波数帯の言語で、英語は世界一高い周波数帯の言語である。

したがって、英語民族は高齢になると早い段階で高い音が聞き取りにくくなって不自由を感じるが、日本人はすぐには不自由を感じない。その点で日本語は世界一難聴者にやさしい言語である。

※ これは一人で二か国の言語を操るバイリンガルの「臨界期」が10歳前後と言われる所以でもある。また、英語圏の国で製作されたアンプやスピーカーなどのオーディオ製品には、高音域にデリカシーな響きをもったものが多いが、これで謎の一端が解けたような気がする。その一方で、とかく高音域に鈍感な日本人、ひいては日本のオーディオ製品の特徴も浮かび上がる。


☆ 聴力の限界とは

音の高い・低いを表す単位がヘルツなら、音の強さや大きさ(=音圧レベル)は「デシベル(dB)」であらわす。

人間が耳で聞き取ることのできる周波数の範囲は「20〜2万ヘルツ(空気中の1秒間の振動が20回〜2万回)」の間とされているが、イルカやコウモリなどは耳の形や構造が違うのでこの範囲外の超音波でさえ簡単に聞き取れる。

ただし人間の場合は20ヘルツ以下の音は聴覚ではなく体性感覚(皮膚感覚)で感じ取り、2万ヘルツ以上の音(モスキート音)は光や色として感じ取りその情報を脳に伝えている。

※ 人間の耳は一人ひとりその形も構造も微妙に違うし、音を認知する脳の中味だって生まれつき違う。したがって同じオーディオ装置の音を聴いたとしても各人によって受け止め方が千差万別というのが改めてよくわかる。

自分でいくら「いい音だ」と思ってみても、他人にとっては「それほどでもない」という日常茶飯事のように起こる悲劇(?)もこれで一応説明がつくが、音に光や色彩感覚があるように感じるのは超高音域のせいだったのだ!


☆ 音が脳に伝わるまでの流れ

耳から入った空気の振動は外耳道と呼ばれる耳の穴を通り、アナログ的に増幅されて鼓膜に伝わり、アブミ骨などの小さな骨に伝わってリンパ液のプールである蝸牛へ。そこで有毛細胞によって振動が電気信号に変換され、聴神経から脳に伝わる。これで耳の中の伝達経路はひとまず終了。

この電気信号が言語や感情と結びついた「意味のある音」として認識されるまでにはもう少し脳内での旅が続く。

電気信号が聴神経や脳幹を経て脳内に入ると、まず、大脳の中心部にある「視床」に送られる。ここは、脳内の情報伝達の玄関口となっている。視覚、聴覚、皮膚感覚などあらゆる感覚情報が必ず通る場所で、単純に音だけを聴いているつもりでも、様々な感覚情報とクロスオーバーしている。

また「視床」を通過すると音の伝達経路は「言語系ルート」と「感情系ルート」の二つに大きく分かれる。前者は最終的に「言語野」に到達するが、後者は大脳の一次聴覚野を通らず、いきなり「扁桃体」に直結していて「イヤな音」「うれしい音」というように音を直感的・情緒的に受け止める。

※ 音楽を聴くときにカーテンなどでスピーカーを隠してしまったり、あるいは目を瞑って聴いたりすると、機器の存在を意識しないでより一層音楽に集中できるのは経験上よく分かる。

さらに、直感的なイメージとしてオーディオマニアが音楽を聴くときには主として「感覚系ルート」がはたらき、それ以外の人たちが(音楽を)聴くときには主として「言語系ルート」が働いているように思うが果たしてどうだろうか・・・。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c85e3a32c3aca5331dd2fb7adaf73d2a

>日本語で頻繁に使われる周波数帯は125〜1500ヘルツで、英語は200〜12000ヘルツと随分と違う。
>日本語は世界の言語の中でもっとも低い周波数帯の言語で、英語は世界一高い周波数帯の言語である。

>英語圏の国で製作されたアンプやスピーカーなどのオーディオ製品には、高音域にデリカシーな響きをもったものが多い。

>その一方で、とかく高音域に鈍感な日本人、ひいては日本のオーディオ製品の特徴も浮かび上がる。

>人間の場合は20ヘルツ以下の音は聴覚ではなく体性感覚(皮膚感覚)で感じ取り、2万ヘルツ以上の音(モスキート音)は光や色として感じ取りその情報を脳に伝えている。


共感覚

共感覚(きょうかんかく、シナスタジア、synesthesia, synæsthesia)は、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。

例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする。 英語名 synesthesia は、ギリシア語で共同を意味する接頭辞 syn- と感覚を意味する aesthesis から名づけられた。感性間知覚。


音に色が見える共感覚

色聴と呼ばれ、日本にも専門の研究者が存在する。


共感覚者であると確証される現在の海外の人物

共感覚者であることを第三者が確証できるほどの極めて具体的な自らの共感覚の例を掲げた著作・芸術作品などの活動が確認できるほか、大学などの研究機関において被験者として検証実験を受けたり、研究者の著作・学術論文中にて引用・言及されており、共感覚者であると確証するに足る人物を挙げる。


エレーヌ・グリモー (ピアニスト)

アメリカ公共放送PBSとのインタビューで本人が語っている。


Helene Grimaud interviewed by Alexis Bloom for Quick Hits
https://www.youtube.com/watch?v=N_dw9-Bt_sM


いつもCは黒、Bは青、Fは赤、リストの曲は金色がかった色調に感じる。


また、11歳の時にバッハの平均律クラヴィーア曲集Fシャープメイジャー(嬰ヘ長調)のプレリュードを弾いている時に明るい暖かな赤とオレンジの間の色調を感じた。

数字にも色を感じる。2は黄色、4は赤、5は緑。

曲によってはいつも特殊な色の世界を感じる。時によって調性に影響される。

Cマイナー(ハ短調)は黒、Dマイナー(ニ短調)は青。

ベートーヴェンのテンペストソナタは黒、合唱幻想曲は黒、緑、赤、黄色のらせんを感じる。

___


マイケル・トーキー(作曲家)

音階や母音などに色を感じ、その色を主題として題名に取り入れたバレエ音楽『グリーン』『エクスタティック・オレンジ』などを作曲した。インタビューの中で、ひとつの実験として始めたが、特定の趣を押し付け「観客が音楽を楽しめる幅を狭めてしまったのではないか」と心配もしたと述べている。


___


イツァーク・パールマン(ヴァイオリニスト)

パールマンは、G線でBフラットを弾くときは深緑色、E線でAを弾くときは赤を感じる。

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フランツ・リスト(作曲家・ピアニスト・指揮者)

オーケストラを指揮したとき、「ここは紫に」など、音を色として表現した指示ばかり出し、団員たちが困惑したエピソードが有名[要出典]。


____


女性の高い声を「黄色い声」などと言うように、人類、あるいは特定の環境・文化において複数の種類の感覚を結びつける比喩的習慣が広く存在するが、共感覚はそのようなものと直接は関係しておらず、共感覚を持たない人には感じられない上述の数字に色を見るなどの感覚を、主観的な知覚現象 (クオリア) として生々しく感じている。

共感覚は五感のような基本的な感覚の種別に関してだけではなく、感情や単語や数などに関して起こることもある。 共感覚者の間での複合した知覚の関係に相関は認められていない。 例えば、ある人がある文字を青く感じたとしても、他の共感覚者が同様に感じる傾向があるとは限らない。

共感覚を手がかりに主観的な心の世界と客観的な脳との関係を深く探る手がかりとしようとする研究が継続的に行われている。

赤ちゃんにおいては視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚等の異なる種類の感覚が未分化な知覚を生み出しており、通常その後の成長による感覚の発達にともなう脳の結合の変化によってこうした共感覚は失われていくとされる。この場合、成人して共感覚を保持している人は発達の過程で何らかの理由で脳の異なる部位への結合が保たれ、これらの複合した知覚もそのまま保たれているとする説もある。

共感覚の中でも、音楽や音を聞いて色を感じる知覚は「色聴」といわれる。

絶対音感を持つ人の中には、色聴の人がいる割合が高い。

また、色聴は共感覚の中で一番発生率が高いと報告されている。

色を感じる音にも様々なものがあり、音程、和音、単語、または音楽自体が聴こえることもある。 似たような感覚として「音視」というものもある。これは色に形や音が聴こえるという色聴とは反対の感覚である。


かつては共感覚で感じる知覚というのは共感覚者によって異なるとされてきたが、最近の研究では、多くの被験者を対象にした実験の場合、知覚にいくつかの共通点が見られることが分かった。

例えば、聞こえた音に色が付いて聞こえるサウンド・カラー共感覚(sound-color synesthesia:色聴)保有者の集団実験では、高い音ほど明るい色に見えるという傾向が見られたという。

また黒字の文字を見ても別の色に見えることがあるというグラフィーム・カラー共感覚(grapheme-color synesthesia:書記素色覚)保有者の集団実験では、やはりある文字には似たような色を感じる傾向があるということがわかった。

ところが、ある傾向が見られることは確かだが、あらゆる種類の共感覚があり、いずれの共感覚にしても個人によって誘因や症状の度合いは異なることも分かっている。この多様性のせいで、個人のもつ共感覚を定義するのは容易なことではないし、彼ら自身、自分の持っている感覚に名前が付いていないことに気付いていないことが多い。

色の付いていない文字なのに色が付いて見える人がいる。これを共感覚という。また、音声に色がついて見える人や、円周率の数列に美しさを感じる人もいる。
神経学者のリチャード・E. シトーウィックは、共感覚の診断のために用いる基準を以下のように決定した。


1.共感覚者のイメージは空間的な広がりをもち、はっきりと限定されたロケーション(位置)を特定できることが多い。 [訳註]共感覚者は空間的なイメージの中で、自分の位置している場所がはっきりと分かる。

2.共感覚は無意識的に起こる。

3.共感覚の知覚表象は一貫性がある。

4.共感覚はきわめて印象的である。

5.共感覚は感情と関係がある。


シトーウィックは、空間の広がりを見据えた実験を提言したが、最近の多くの研究はこれを正しくないとしている。例えば、共感覚者の中には文字の色や、単語の味が「わかる」のであり、実際に視覚器や味覚器で感じているわけではないのである。


共感覚者の多くは子供のころに他人とは異なる隠れた感覚に気づく。

そして彼らは自然とその感覚を日常生活に適用させていく。

また、共感覚で人の名前を覚えたり、電話番号を覚えたりすることに使うこともあれば、暗算に利用することもできる。しかし同時に、絵画・映画などの視覚的な作品や音楽を創造する上での困難になることさえある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E6%84%9F%E8%A6%9A


音に色や温度を感じる 「共感覚」が不思議すぎる! 2016.01.12
http://eye-media.jp/entertainment/%e5%85%b1%e6%84%9f%e8%a6%9a%e3%81%ae%e4%b8%8d%e6%80%9d%e8%ad%b0/

音に色を感じる――。

なんだか詩的な表現のように感じますが、本当に音を色として感じることのできる人々が、世の中には存在しているのです。

こうした特殊な知覚現象を『共感覚』と呼びますが、共感覚を持つ人々にとって、音は単なる音ではなく、また形は単なる形ではありません。今回は、人が持つ特殊な感受性『共感覚』の不思議をご紹介します。


脳による五感の錯綜が「共感覚」を引き起こす?

共感覚は、英語では『シナスタジア』と呼ばれています。シナスタジアとは“感性間知覚”の意味を持つ言葉で、脳に存在する複数の感覚器官が同時に音や形を知覚する現象のことを指しています。


例えば、本来なら脳の一次聴覚野だけで処理される音情報を、視覚野でも処理することで、音から色を感じるなどの感性間知覚が引き起こされます。このように、ある現象に対して、五感の異なる感覚が作用することで起こる主観的なクオリア(感覚質)が、共感覚の原因だといわれています。

これにより、共感覚を持つ人にとっては、数字が特定の色を持つ絵として感じられたり、音を聞けば音階によって色が感じられたりします。こうした共感覚にはさまざまのパターンがありますが、「形に味がついて感じられる」、「人の容姿が色として感じられる」などの例が報告されています。


著名人にも共感覚の持ち主はいる!

中でも発生率がもっとも高い共感覚は“色聴”と呼ばれていますが、この現象は、文字通り「音に色を感じる」というものです。色聴は絶対音感を持つ人に一定の割合で存在するといわれており、ピアニストのエレーヌ・グリモーなど、自ら共感覚者であることを表明している著名人も数多く存在しています。

そして、色聴と逆の知覚現象が“音視”という共感覚です。音視を持つ人にとっては、色が特定の音階として感じられるのだそうです。


実は、私たち全員がかつて共感覚者だった!?


とても不思議な共感覚ですが、実は私たちも、新生児の頃には共感覚を持っていたといわれています。

というのも、生後間もない赤ちゃんは脳の受容器官が未分化なため、複数の器官で感覚を同時に処理していると考えられているのです。

音を色で感じ、形を音で感じる。こうした知覚の不思議を、私たちが考えるよりもずっと多くの人が経験し、記憶しているのかもしれませんね。
http://eye-media.jp/entertainment/%e5%85%b1%e6%84%9f%e8%a6%9a%e3%81%ae%e4%b8%8d%e6%80%9d%e8%ad%b0/





▲△▽▼


>人間の場合は20ヘルツ以下の音は聴覚ではなく体性感覚(皮膚感覚)で感じ取り、2万ヘルツ以上の音(モスキート音)は光や色として感じ取りその情報を脳に伝えている。

音色は倍音成分の入り方で決まるので、音色というのは本当に色彩の色なのです

ブラームスは灰色、ドビュッシーは水中の光の色、モーツアルトは 1小節毎に音色が変わる

というのはイメージではなく本当にそういう色が付いているのですね

僕もプリアンプの marantz 7c を使っていた時は音に緑色の色が付いていて不思議だったです


15. 中川隆[-10226] koaQ7Jey 2019年5月22日 22:44:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2113] 報告

『日本のスピーカー』 の クチコミ掲示板
https://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=10433584/


日本のスピーカー 2009/11/06 23:39
スレ主 星屑の調べ☆ミさん

他のサイトでも話題になってるけど、どうして日本のスピーカーは世界に評価されないのですかね??
ダイヤトーンが撤退して、大きな穴が空いたけど、今頑張っているのは、ビクター、ソニー、パイオニア、フォステクスくらいなもんですね。

Dyna-udiaさん 2009/11/07 08:06(1年以上前)

>どうして日本のスピーカーは世界に評価されないのですかね??

魅力がないからじゃないですか?

実際、私は日本のスピーカーなんて買う気がしません。仕事でモニタリングに使うぶんには、FOSTEXやビクターのSX-M3あたりは向きますが……少なくとも私は日本のスピーカーに、「音楽を楽しめる感」は感じませんね。

元・副会長さん 2009/11/07 08:36(1年以上前)

 アメリカの某大手業界誌の編集長が

「日本製のスピーカーの音はひどくカン高く、とても不思議な音色に聴こえた。ところがその後日本を訪問して、歌舞伎や謡曲などの伝統音楽や演歌などの歌手の発声が日本のスピーカーの音とよく似ていることに気づいた」

と語ったそうですが、とにかく日本人の音楽に対する感受性、そして日本における音楽文化の位置といったものが欧米と著しく異なるため、国産スピーカーは欧米人に理解できないシロモノに映るのでしょう。

 また、TANNOYの重役は

「日本のスピーカーはJ-POP向けだ。西欧の音楽を海外の人々にも納得出来るように鳴らすには、日本のスピーカーエンジニアたちは、西欧のナマの音楽をたくさん聴かなくてはならないと思う」

と言ったらしいですし、KEFのエンジニアが

「日本のスピーカーの音はとてもアグレッシブ(攻撃的)に過ぎる」

と片付けたのは有名な話。

 要するに、日本人はまだ「音楽」というものが理解できていないのでしょう。国産機がおしなべて(物理特性重視だが)音色が暗いのは、そのためだと思います。


元・副会長さん 2009/11/07 20:23(1年以上前)

 そういえば、某ディーラー(頭文字がS)の店長から聞いた話ですけど、かつてDIATONEが国産スピーカーの代名詞みたいな扱われ方をして全盛を誇っていた頃、DIATONEの音決めをするチーフ・エンジニアは、自宅では絶対にDIATONEのスピーカーは使わなかったそうです。

 では何を自室に導入していたかというと、JBLでした(爆)。JBLのスピーカーでジャズやポップスを楽しんでいたのです。

 DIATONEのサウンドは「日本のオーディオファンが喜びそうな音」にチューニングしてあり、要するに「商売用」だったのですね。で、自分は海外製品の明るく闊達な音を「個人的に」堪能していたと・・・・。いずれにしろ、自分の聴きたい音を製品化することに腐心しているSOULNOTEだのMUSEHEARTだのといったガレージメーカーとは全く違うスタンスで、「ビジネス」だけに邁進していたのでしょう。

 余談ですが、JBLの音って古いと思います。まあ、別に「古いからイケナイ」と言うつもりはないです。古風なサウンドデザインでも、奏でる音楽ソフトにハマれば最高です。ただし、輸入代理店のスタッフの話を勘案しても、JBLがアメリカのスピーカーの主流ではないことは確かのようです。米国の本流はSNELL ACOUSTICSやTHIELやMAGICOのような「物理特性の高さを感じさせる現代的な好バランスの音質でありながら、なおかつ音楽を聴く楽しさをも追求したスマートなサウンド」なのでしょう。対して日本の大手メーカーは「物理特性を練り上げること」で満足してしまっています。これでは海外では評価されません。

SOTIRO13さん 2009/11/11 16:00(1年以上前)

昔、ラジオでパイオニアのイブニングステレオが放送されている頃聴いていた、パイオニアの“FBコーン”30センチ3ウェイSPとSA-710プリメインが私のオーディオのスタートなので、パイオニアブランドにも愛着があります。


さて、私が長年使っていたNS-1000Mの話をしてみたいと思います。

スエーデンの国営放送に1000台納入のニュースと一部のオーディオ評論家が名機と評価していたので、人の評価に左右されやすい私は、購入してしまいました。

アンプもCA1000UとCA2000を買い揃えましたが、どちらも細身で、どちらかと言うとCA2000はメタリックな感じなので、CA1000の方が好ましい感じでした。ヤマハ同士は相乗効果で細身で薄化粧の綺麗な女性って趣です。

昼間、大音量で鳴らしている時には、特にピアノの音は、同じ部屋にある、娘の弾くピアノと同等のように再現され、その圧倒的なアキュレイトサウンドに酔いしれたものです。

夜は近隣に気兼ねしながらローレベルで鳴らすので、逆にその細身で痩せた音に悩まされました。就寝時聴くなら、ティアックのCDラジオの方が、よっぽど良好でした。オーディオ仲間から、ベリリウム臭い音だねってよく言われたものです。

私はとにかく、日本のSPが、音楽のメッカ、ヨーロッパのスエーデン国営放送局に認められ、1000台も納入されたんだよって、言い返したものです。

更に、ベリリウム臭いと言うなら、そっちのはアルミ臭い、紙臭いって言い返しました。そのNS-1000Mを良く鳴らすために、ラックスアンプなどから8回も替え、ようやくサンスイの907iMOSリミテッドで、まぁまぁの感じで鳴ってくれましたが、まだ納得出来ない音でした。

約30年間ローレベルでの再生音の向上と格闘してきたのが、我がオーディオ人生って感じでしたが、そのNS-1000Mも外装が剥げてきたので処分してしまいました。その後、幸い、弟がTANNOYのスターリングを格安で譲ってくれたので、オーディオライフが一変しました。それは、両サイドのダクトの調整などエンクロージャーを積極的使って鳴らす方向で、密閉箱のそれとは真逆で、

一言で言えば“癒される音”って言う感じです。アンプもCEC-AMP3300R及びSONYのプリTA-E88+“2A3シングル自作アンプ”に替え、音楽に浸れる環境になり、手間が掛からないので返ってオーディオの熱が下がってしまいました。今思うと、NS-1000Mをこのアンプで鳴らすと良いのではと想像したりしてしまいます。

それにしても、日本のNS-1000Mがスエーデンの国営放送に採用されたんでしょう?この“板”のカキコミを考慮するとますます解せません。それにしても、NS-1000Mと対峙することから開放された安堵感と懐かしさが込み上げて来るのも事実です。

日本のSPも“DIATONE 2S-3003”など優れたものがあったと思います。


redfoderaさん 2009/11/11 17:48(1年以上前).

SOTIRO13さん、こんにちは。

>日本のNS-1000Mがスエーデンの国営放送に採用されたんでしょう?


懐かしいNS-1000Mのお話、確かにそういう事がありましたね。
私も記憶しています。

このお話、補足しますと導入はナレーション・モニター(グレード2)としてでしたね。

グレード2とはスピーチ・プログラムのテスト用です。
肉声の再現性、定位、位相情報については優秀ゆえに採用されたのだと思います。

ご存知と思いますが北欧は指折りのオーディオ産業地域でもあり、
特にデンマークはSPユニットの開発製造では欧州でもトップクラスです。

Tymphanyグループ(傘下のSCAN-SPEAK、VIFA、PEERLESS)、SEAS、
彼らより後発メーカーですがDynaudio…強豪揃いですね。

スウェーデン国営放送で採用されたことは確かに評価しないといけませんね。
ちなみにYAMAHAのオーディオ機器は欧州のオーディオ・コンテストでは常連みたいで、
最近もアンプとCDPが何かの欧州コンテストで入賞した話は聞きました。

ちょっと残念なのはグレード2が汎用モニターで常設モニターという扱いではない事です。

BBCの場合ですが、常設モニターか否かで評価と使用方法が決定的に違いますし、
ペアリング・テストで要求される実行特性の精度レベルも桁外れです。

常設するグレード1モニターとは、スタジオから送信機へ送る前の段階で使用するもので、

音声の最終チェックに使用する最高グレードのモニターを指します。

NHKも同様の区分がありますしスウェーデン国営放送でもグレード分けがあるので、
BBCのそれに近い仕組みかもしれません。

蛇足ですがBBCモニターとして有名なLS3/5aもグレード2です。

16. 中川隆[-10225] koaQ7Jey 2019年5月22日 23:03:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2114] 報告

どうして日本のスピーカーは世界に評価されないのか?


日本語は音楽的なインド・ヨーロッパ語と極端に違うし、音域が狭すぎて流行歌以外の音楽とは合わないのですね:


実はとてつもなく古かった日本語 2018 05.01
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-3756.html#more


日本語は、もしかすると世界最古の言語であり、しかも世界で最も美しい言語かもしれません。


かつて谷村新司がロンドン交響楽団をバックにレコーディングをしたことがあります。
そのとき日本語の素晴らしさを再認識し、日本語を大切に歌っていくことを信念にしたそうです。

ディズニー・アニメの『アナと雪の女王』は、世界的ヒットとなったアニメ映画ですが、そのなかの挿入歌の『レット・イット・ゴー、ありのままで』は、世界25ヶ国語に翻訳され、それぞれの国の歌手が歌ったものが youtube で公開されました。

このとき、世界中の人たちが驚き、そして圧倒的な人気をはくしたのが日本語バージョンです。

Let It Go - Behind The Mic Multi-Language Version (from Frozen) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=BS0T8Cd4UhA


それは、歌った松たか子さんの声の素晴らしさももちろんあるでしょうが、日本語による発声が、メロディに+αの効果をもたらしたのかもしれません。

どこの国でも、それぞれにお国自慢があります。
ここで日本語が世界一だと述べるつもりは毛頭ありません。
ただ、ひとついえることは、どうやら日本語には、他の言語にはない、不思議なところがあるということです。

ひとつは言霊(ことだま)です。
言葉に魂が宿る。

ではどうして言葉に魂が宿るのかというと、日本語が実はもともとそのように構造された言葉だからなのだそうです。

構造とは、日本語の文法や発音や語彙のことです。

つまり、自然との共生を大切に育くむこと、自然を征服したり、人と自然とどちらが上かのような上下構造をもとうとするものではない文化の下で、人と自然とが対等な関係を育んで来たのです。

2つ目はオノマトペ(仏:onomatopee)です。
オノマトペというのは擬声語を意味するフランス語です。

擬声語は、たとえば

わんわん、メーメー、ブーブー、ニャーオ、ホウホウといった動物の鳴き声を真似たものや、

ドキドキ、パチパチ、バキューン、チリーン、ドカン、カリカリ、バタン、ガタピシ、ガタンゴトン、パチバチ、ビリビリ、ジュージュー、グワァ〜ン、パタパタ、ボキポキなどなど、音を真似たもの、

あるいは、おずおず、おどおど、めろめろ、ふらふら、きゅんきゅん、きらきら、ぴかぴか、ぐずぐず、ツルツル、サラサラのように、本来音を発しない感情などを言葉で表現するものなどのことです。

おもしろいことに、擬声語(オノマトペ)は、言語ごとに、表現がまったく異なります。

冒頭にあるのは、その違いを示した絵本の抜粋で、クリックしていただくと当該ページに飛びますが、たとえば食事をするときは、日本では「PAKU PAKU」ですが、英語では「CHOMP」、フランス語では「MIAM」、イタリア語では「GNAMグナム」、Korea語では「NYAM」です。

キスは日本語では「CHU」ですが、英語では「MWAH」、China語では「BOH」です。
つまり言語によって擬声語(オノマトペ)は、まったく異なります。
ということは、それぞれの言語圏においては、音がそのように聞こえているということです。

そして日本語の擬声語(オノマトペ)は、China語やKorea語ともまったく異なるものです。

ということは、日本語はChinaやKorea半島からの輸入語では絶対に「ない」ということです。


それだけではありません。

日本語は、この擬声語(オノマトペ)が、他の国の言語と比べて著(いちじる)しく多いのです。
その数、なんと5千語です。

日本語の単語数は、たとえば『日本国語大辞典』の収録単語数が50万語です。
このことは、日本語の1%、およそ100語にひとつが擬声語(オノマトペ)であるということです。

そして単語の中には、日常生活でよく使われるものと、そうでない(たとえば学術用語)ものがあります。

オノマトペは日常的によく使われる語です。
早い話、今朝起きたとき、ご家族に「ぐっすり寝れた?」と聞く。
その「ぐっすり」というのがオノマトペです。

しかし睡眠は「ぐっすり」などという音は立てません。
ではなぜ「ぐっすり」というのかというと、「ぐうぐう、すやすや」寝ているからです。
その「ぐうぐう+すやすや」が短縮されて「ぐっすり」です。

「ぐうぐう」も「すやすや」も、なんとなく、そのような音を立てているといわれれば、なんとなくそうかもしれないと思われるかもしれません。
では、

 風が「そよそよ」と吹く
 太陽が「かんかん」に照る
 白い雲が「ぽっかり」浮かぶ
 星が「きらきら」光る

などはどうでしょうか。

風は「そよそよ」などという音をたてないし、太陽は「かんかん」なんてしゃべったりしません。

ではなぜこのようなオノマトペが使われているのでしょうか。

実は、自然がそのような音を立てているのではなくて、受け止める側が自然が発する音をそのように聞いているのです。

このことについて考古学者の小林達雄先生は、「人々が、人と人との間で行うコミュニケーションのための言語活動と同じか、あるいはそれに近いレベルで自然と向き合い、自然との間で活発な言語活動を行ってきた結果」(『縄文文化が日本人の未来を拓く』p.134)と述べておいでです。

つまり、日本語は「自然と対話しながら発達してきた言語」なのです。

だから欧米人にはただの雑音にしか聞こえないカエルの鳴き声や虫の声も、日本人には美しい秋の音色となって聞こえる。なぜ美しいのかといえば、それは人がカエルや虫たちとコミュニケーションしているからです。

では日本語は、いつ頃の時代から形成されはじめたのでしょうか。
言語の発達には、ムラの形成が欠かせません。
なぜならムラを営むには、言語が必要だからです。
そしてそれは磨製石器の登場と時期を同じにするというのが世界の考古学会の定説です。

世界の磨製石器は、おおむね7千年前以降のものです。
中には2〜3万年前のものもあります。

 シベリアの2万年前のもの
 ロシア南西部の紀元前1万6000年前のもの。
 オーストリア中部の2万9000年〜2万1500年前のもの。

など、ほんの数例です。

ところがこれらは、異常に早過ぎる磨製石器であって、作成経緯等はすべて不明です。
そして、その後に起こるおよそ7千年前の磨製石器の時代(新石器時代)と接続していないのです。

ところが日本の磨製石器は、3万年前の磨製石器だけが単独であるのではなくて、昭和48年に東京・練馬区石神井川流域の栗原遺跡で2万7000年前の地層から磨製石斧が発掘され、また同じときに千葉県三里塚からも磨製石斧が出土、以後、秋田から奄美群島まで、全国135箇所から400点余の磨製石器が発掘されています。

そして1万7千年前には縄文時代が始まるのですが、なんとものの見事に、その縄文時代の文化へと、磨製石器の時代が接続しているのです。

ちなみに長野県日向林遺跡から出土した60点、長野県の貫ノ木(かんのき)遺跡から出土の55点の磨製石器に用いられている石は、伊豆の神津島から運ばれてきた石です。

つまり当時の日本人は航海術に長け海洋さえも自在に往来していたことも伺わせています。

こうしたことから、英国のJ・ラボックという考古学者は、

「日本列島の住民は世界に先駆けること二万数千〜三万年前に新石器時代を迎えていた。」

と述べています。

言い方を変えると、これはつまり、日本は世界最古の文明を持っていたことが証明されている国である、ということです。

そして磨製石器の登場と言語の登場、そしてムラを営むための神話の登場が重なるものであるならば、日本語は、およそ3万年前には生まれ、そこから現代に至るまで、ずっと続いている世界的にも稀有な言語である、ということになります。
そしてそれが可能になったのは、日本人が殺し合いや、自然への征服を好まず、人と人、人と自然が常に調和することを好む民族であったからです。

というより、調和を好むという日本人の性質は、最低でも3万年という途方もない長期間のなかで、最終的に生き残ってきた性質である、ということができます。

おもしろいもので身勝手な文化、自分さえ良ければという文化は、一時的な成功を手に入れることができても、必ず最後に崩壊し、再起不能になります。
ところが調和を大切にする文化は、一時的にどん底に落とされても、必ずまた再生し復活します。

植物には一年草と多年草があります。

最近は品種の改良によって、どちらも美しい花を咲かせますが、もともとは一年草の多くは、だいたい派手な花を咲かせるのに対し、多年草の花は、わりと地味な花が多いです。
地味だけれど、ずっと咲き続けます。
まるで日本人そのもののようです。

日本人は、はっきりとわかっているだけでもおよそ3万年、ずっと自然と調和し共生する道を選んできました。

だから日本語には擬声語(オノマトペ)が圧倒的に多いのです。

コメント


新宿の縄文人は、どんな言葉を話していたか?

東京の新宿のど真ん中、皇居の御堀端から2q程の地点から、縄文時代中期や後期(5千年前〜4千年前)の人骨が多数出土した事がありました。

江戸時代の遺跡を調査すると、その下から縄文時代や弥生時代の古い遺跡が続いて出土する事がありますが、その場合、江戸時代以降の大開発等によって、無残に破壊されていてる場合が多いそうです。

僅かな貝殻の堆積が確認されたとはいえ、分厚い貝層が存在しない内陸の地域から、多数の人骨がまとまって出土すること自体が非常に珍しく、当時現場は大変な興奮に包まれたそうです。

当時、保存状態の良かった、40代ぐらいの男性の顔が復元されました。

やや長めの顔に、上下に潰れた長方形の眼窩、彫りの深い目元の頭蓋骨は、ヨーロッパ人の様な風貌、あるいは、若い頃の宇梶剛士さんに似たイケメン風に仕上がりました。

彼のミトコンドリアDNAのハプロタイプは北方系と言われるA、一方彼の近くに葬られていた別の人骨は、南方系と目されるM7aだったそうです。

様々な地域をルーツに持つ縄文人たちが、新宿の地で仲良く暮らしていたのですから興味深いです。

日本語が「どのように成立したか分からない」と言われる所以は、様々なルーツを持つ人々の言葉が、極めて長い時間をかけて、ゴチャゴチャに混じり合った結果ではないかと思います。
2018/05/14(月) 11:38 | URL | 疑問 #iydQorAY[ 編集]


外国人に日本語で話しかける時にこの擬声語は使わない方が良いそうです。

擬声語に相当する外国語がないので、彼らにはさっぱり分からないようです。

また、行けなくも無いなどの二重否定もダメ。

日本人なら、何とかすれば行けると理解できますが、外国人は
理解できないようです。

外国人にとって日本語は本当に難解のようですが、
この言語を意識せず使いこなしている
我々は本当、凄いのかもしれませんね。
2018/05/14(月) 13:40 | URL | 名無し #mQop/nM.


新宿に生きた縄文人〜市谷加賀町二丁目遺跡の発掘

新宿に生きた縄文人〜市谷加賀町二丁目遺跡の発掘
http://www.city.shinjuku.lg.jp/video/video_jm01.html
https://www.youtube.com/watch?time_continue=607&v=P7VUMR0Mvzo

これですね。
2018/05/14(月) 14:31 | URL | KI

加賀町二丁目遺跡の関連本が出版されています。>KIさん

KIさんへ

動画等のご紹介ありがとうございます。

加賀町二丁目遺跡に関しては、講談社から関連書籍も出版されています。

『おどろきの東京縄文人』(瀧井宏臣著)
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%8A%E3%81%A9%E3%82%8D%E3%81%8D%E3%81%AE%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E7%B8%84%E6%96%87%E4%BA%BA-%E4%B8%96%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%89%89-%E7%80%A7%E4%BA%95-%E5%AE%8F%E8%87%A3/dp/4062870029

という本です。

この本は、考古学少年から考古学おじさん・おばさんまで、幅広い層の人々が興味深く読める内容になっていると思います。

映像で見るのと、写真で見るのとでは、復元された縄文人の顔の印象は少々異なりますね。

映像の方はバックが暗めで、陰影が強調されていますが、写真の方は細部まで鮮明に写っていますので、少し印象が違ったのかも知れません。
写真で見ると、かなり欧米風味の顔に見えます。

個人的に注目されたのは、12号人骨(復元された縄文人)が腰にぶら下げていた、イルカの下顎の骨のアクセサリーです。

縄文人は、イルカやクジラやサメやエイ等も捕獲していたことが分かっていますが、丸木舟しかない時代ですから、漁の腕前は、現代人と比較しても大したものだったと思います。
2018/05/15(火) 09:54 | URL | 疑問 #iydQorAY
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-3756.html#more


▲△▽▼

松たか子ver(日本語吹替版)「Let It Go」 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=4DErKwi9HqM

『アナと雪の女王』/2014年3月14日(金)公開
公式サイト:http://www.disney.co.jp/movies/anayuki

ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン 配給 (C)Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

17. 中川隆[-10224] koaQ7Jey 2019年5月22日 23:10:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2115] 報告

どうして日本のスピーカーは世界に評価されないのか? _ 2


日本語は表現力が高いので、インド・ヨーロッパ語の様に音楽的な表現を併用する必要が無い:


世界で最も《 繊細 》な表現をもつ日本語


 雨や風といった自然の気象を表現する言葉や、魚を分類する言葉などの具体例を調べてみるならば、日本語の中に存在するそれらの数の多さに誰もが唖然とすることでしょう。日本語は、外的な事物を対象にした場合のみならず、内的な世界に向かう場合であっても極めて繊細なのです。

 日本語、英語、中国語、台湾語の4ヶ国語を自在に語れる、台湾の李登輝・前総統は、「じっくり考えたい時、私は日本語で考えている」 と語っているそうです。

 私は中国語を話せませんが、100ページ分の中国語を日本語に翻訳すると、どうしても150ページになってしまうことを経験しています。中国語には現在・過去・未来という時制がないこと等も原因の一つですが、対人関係や周辺状況などによっておのずと表現の異なってくる日本語の繊細さが、中国語にはないのです。

 この言語的特長は、「日本人が中国人(外国人)に対して、相手を気づかった繊細な表現をしても無駄である」 ことを示しています。中国語には繊細な表現がないのですから、日本語の繊細さがおのずと生み出している 「日本人の謙虚な態度が、中国人(外国人)には伝わらない」 のです。また、「中国の政治的傲慢さの出所は中国語を話す民族であるから」 とも言えるのです。


○《繊細さ》 それは日本語の中に生きている横の秘儀である 【現実世界での日本の優位性】○

 認知心理学の表現を借りると、「認識できないものは存在しない」 ことになります。言い換えるならば 「言葉で表現できないものは存在しない」 ということです。つまり、「細やかな表現を持つ日本人にとって存在する世界が、細やかな表現を持たない外国人には存在しない」 のです。このことを逆の方向から表現するならば、「言葉で表現できない外国人に創れないものが、言葉で表現できる日本人には創れる」 ということになります。

 常に未知の領域を目指して開発されてゆく最先端産業技術の領域や、繊細な感情表現を背後に内包するアニメなどのストーリー展開において、日本語を話せる人のみが、常に世界の先頭に立って、開発し生産し表現し続けることになるのは必然的なことなのです。

 さて、次に 《繊細》 さ とは全く逆と思われる、《曖昧》 な 表現が活きる日本語の特徴を、その背景から探って見ましょう。


曖昧な表現が活きる日本語の背景


 今日では、日本のアニメがもたらした 「カワイイ(可愛い)」 とか 「ビミョー(微妙)」 といった意味の曖昧な単語が、世界中に広がっています。輸入先の各国では、これらの言葉がいろんな場面によって、異なった意味に用いられているため翻訳できず、「日本語の音」 をそのまま印刷して出版しています。

 言うまでもないことですが、日本語を話す日本人どうしならば、曖昧語を用いた表現でも即座にコミュニケーションが可能です。その理由は、「細やかな感情表現」 や 「音が媒介する意味の広がり」 を言葉の背後で共有しているからです。


■ 細やかな感情表現を持つ日本語 ■

 細やかな感情表現の有無を比較するには、小説や映画のラブストーリーの描かれ方を見るのが例として相応しいでしょう。

 外国のラブストーリーの面白さは、階級や身分の異なる者どうしが、それらの障害を乗り越えて互いを求め合うという “ 状況の中 ” にある ものが殆どです。 故にストーリー展開に引き込まれる傾向があります。「ロミオとジュリエット」 や 台湾・中国でブレイクした 「寒玉楼」 など、みなこのパターンに分類されます。 一方、日本人が心打たれるラブストーリーとは、「相手を思いやる優しさ」 とか、「相手を労わる美しさ」 とか、「惻隠の情」 といった “ 情感の中 ” に見出されるものなのです。

 繊細な日本文学や、日本映画だけを対象にし日本人の審査員だけが選ぶ日本映画大賞の最優秀作品の良さ(美しさ)を、外国人が分るかどうか、日本語の特徴から考えて、かなり難しいと思うのです。


■ 音が媒介する意味の広がりをもつ日本語 ■


 具体例を挙げるならば、「神」と「火水」、「姫」と「秘め」、「松」と「待つ」、「結び」と「生す霊」、「日の本」と「霊の元」、「性」と「生」と「正」と「聖」と「誠」、「愛」と「天意」、「真剣」と「神権」 など、神道の世界では、一つの音を聞いて同音の単語を瞬時に複数思い浮かべることは、「一を聞いて十を知る」 ための大前提になっているのです。神道の世界はここから始まると言っても過言ではありません。

 派生的な事例ですが、日本語の特徴として、音で表現する擬態語や擬声語が非常に多いことが挙げられます。 「ヨタヨタ歩く」 と 「ヨロヨロ歩く」 の違いを日本人に説明する必要はありませんが、外国人にこの違いを理解してもらうためには、ややこしい単語を用いて説明することが必要になります。 前編に記述してきたように、古代の日本人は現代の日本人より遥かに音(言霊)に対して敏感だったようですが、現代の日本人であっても、音としての日本語の特徴に多くを依存して使い分けを行っているのです。


●《言霊》それは日本語の中に生きている縦の秘儀である 【精神(霊的)世界での日本の優位性】●


 音は言葉以前の原初的なものです。日本人が自然の美しさや自然に対する畏怖を感じた時、深い感情をともなって、「ああ」 とか 「おお」 等の母音の単音表現が出てくるのです。感情表現としての音、この原初的な音に細やかな感情表現が乗せられた時、日本語は繊細であるが故に強力なエネルギーをもった言霊となります。

 この原初的な音(母音)を日本語の中に持つが故に、日本は言霊を介して宇宙(神)へと通ずる回路を脳の中に保持している、世界で唯一の特殊な民族集団として<言霊の国・日本>を形成しているのです。
http://74.125.153.132/search?q=cache:Dsy-yxb-UusJ:blogs.yahoo.co.jp/bmb2mbf413/30487456.html+%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%AA%9E+%E6%84%9F%E6%83%85%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%84&cd=6&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

18. 中川隆[-10223] koaQ7Jey 2019年5月22日 23:25:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2116] 報告

どうして日本のスピーカーは世界に評価されないのか? _ 3


神道や仏教はインド・ヨーロッパの宗教と違って音楽との親和性が低いですからね:


アメイジンググレイス ヘイリーによるア・カペラ
https://www.youtube.com/watch?v=uofG9z66LXg
https://www.youtube.com/watch?v=uofG9z66LXg&feature=player_embedded#!


無意識を自覚。自分が何に洗脳されているか一瞬で知る方法 2015-02-05


インドの女性は歌が好きだ。インド・コルコタにいたとき、ひとりの女性が口ずさむように、静かで優しい歌を歌ってくれたことがある。

彼女は普段はどちらかと言えば粗野な喋り方をする女性で、感傷的な感情をほとんど持っていないようにも見えた。

しかし、物憂げな部屋の中で暇を紛らわすように歌ったその歌は、とても感傷的なリズムで、抑制された美しい声に私は聞き惚れて涙がこぼれそうになった。

声のトーンも彼女の普段の粗野なものが消えていて、まるで彼女が別人になったかのような不思議なものであった。

「それは何の歌だい?」と尋ねると、彼女は部屋の神棚に飾っている私の知らない神の写真を指さして「昔の歌(Old Song)よ」と答えた。

確かにそうだろうと思う。街の騒々しいボリウッドソングとはまったく違った趣(おもむき)の歌だった。そのとき、私は知らなかったのだが、のちにこのような歌は「マントラ」と呼ばれていることに気付いた。


宗教ソングの美しい旋律の歌にある世界観に危機感

彼女が歌っていたのは、こちらだ。「ガヤトリ・マントラ」という。ガヤトリ・マントラも同名で別曲がいくつもあるが、この曲が一番美しい。


オーディオファイルを読み込めません


マントラという言葉は初めて聞く言葉ではない。それは呪文だか呪術だとか、そういうニュアンスで私は覚えていたので、歌までマントラという括りをすることに驚いた。

今となっては彼女がアカペラで歌ったそのマントラがどんなものだったのか旋律が思い出せないのだが、その歌を聞いたときの感情は生々しく思い出すことができる。

美しい歌を聞いたときの感動の震えがそこにあった。そして、ずいぶん後になって私は「これは危険だな」と意識したのだった。美しさに取り込まれてしまいそうなのが分かっていた。

その歌がマントラなのであれば、その歌の先にヒンドゥー教が待っている。人は美しい歌を聞いて感動し、その歌の世界観に浸って自分の心を癒すことができる。

宗教はそういった歌の効用をよく知っていて、それを巧みに使って心を操っていく。

キリスト教徒は賛美歌やゴスペルに涙を流す。

たとえば、「アメイジング・グレイス」や「What A Friend We Have In Jesus」などをじっくり聞いていると、キリスト教徒は涙がとまらなくなるという。

人口に膾炙する美しい旋律(リズム)と、その詩の内容の優しさが加わって心に響くようだ。

インドのマントラも美しい旋律のものがいくつかあって、ガヤトリ・マントラ(GAYATRI MANTRA)などはよく知られている。

ただ、古い歌にはよくあることだが、ひとことでガヤトリ・マントラと言っても、膨大な種類のリズムと歌詞があって、同じ歌でもまったく違うように聞こえる。


シヴァ神と、妻パールバティ。ヒンドゥー教お馴染みの世界観。


美しさは無条件に人の心に染み入っていく

ガヤトリ・マントラは様々な歌手が歌っている。たとえば、ドイツ出身の歌手、デヴァ・プレマールの歌うガヤトリ・マントラも私が聞いた上記のものと同一のものだ。

Om bhur bhuvah svaha
tat savitur varenyam
bargo devasya dhimahi
dhiyo yonah prachodayat

彼女はドイツ人だ。なぜドイツ人女性がヒンドゥー語でガヤトリ・マントラを歌っているのか最初は戸惑った。

調べてみると、彼女は子供の頃から父親にマントラを聞かされていたらしく、その影響が強かったようだ。こういった珍しい経歴の人もいる。彼女は歌を通してヒンドゥーに取り込まれていた。

欧米でも、このようなヒーリング的なものを求める人たちにはよく売れているようだ。

人は、このような歌から精神世界や宗教に取り込まれていく。その典型的な例がマントラの旋律にあった。

美しさは無条件に人の心に染み入っていく。

そして何度も何度もそれを繰り返すことによってその歌の世界が自分の感情と同化していく。

そこに宗教的なメッセージがあれば、歌と同時に人はそれをも無意識に受け入れてしまう。歌が美しいゆえに拒絶反応すら起きることがない。

これは一種の巧妙な洗脳とも言える。アメイジング・グレイスやガヤトリ・マントラのような美しい旋律の中に宗教を散りばめて人々を取り込んでいくのである。


皆と一緒に歌い、感動を共有し、その宗教と一体化

教会や寺院で人々は何をやっているのか。賛美歌を歌っているのではなかったか。

賛美歌は神を讃える歌詞をリズムに載せたものである。それを皆と一緒に歌い、感動を共有し、その宗教と一体化する。

日本が無神論者のような人が多いのは、仏教が美しい歌を「開発」しなかったからだと私は強く思っている。

念仏は眠気を誘うが宗教心を芽生えさせない。そういう意味で仏教の親玉は他の宗教と比べると知恵が足りなかったのだろう。

ヒンドゥー教もキリスト教も、歌だらけだ。

インド人は幼い頃からマントラを聞いて、歌って、その世界観の中で生きていき、成人する頃には頭の中はその思考から離れられない。

あの真っ青な荒唐無稽な神は私にとっては単なる滑稽なフィクションだが、彼らにはそうではない。それが自分の血肉に染み付いた大切な精神世界なのだ。

同じことがキリスト教にも言える。あの十字架にぶら下がっている死体は、やはり私にとっては滑稽なフィクションだが、彼らはそれを「なんという友、私たちのジーザスよ」と感極まっている。

子供の頃からくり返しくり返しそれを聞いて、それを歌い、それが思考の基盤になっていている。

父親も母親も、そして兄弟も地域社会も、自分のまわりがすべてそのひとつの宗教に染まっている。

そこまで行くと、その宗教を否定することは両親や地域社会や文化をすべて裏切ることになる。

美しい歌があり、心地良い思い出がすでに蓄積されている。だから、いくら荒唐無稽だとしても、その宗教を否定することなどできなくなってしまっている。否定する意味もない。

そして、村ぐるみで、町ぐるみで、国ぐるみで宗教を擁護し、それを認めない者を「自分を否定した」と憎むようになる。たったひとつの美しい旋律の歌が、そのような篤い宗教心の人間を生み出しているのは間違いない。

自分の気に入った歌の世界観が、あなたの世界観

私が感銘を受けたガヤトリ・マントラは、その一曲で私をヒンドゥー教に向かわせる可能性も威力もあった。

美しい旋律の曲が人生を変えるというのは本当だ。自分の気に入った歌を思い出して欲しい。

あなたは無意識にその歌の世界をなぞって生きているはずだ。

それに気がつかなかった人もいるかもしれない。そして、それに気がつくと、恐ろしくなる人もいるかもしれない。

あなたが子供の頃から知っている好きな歌が、あなたを洗脳した歌だ。そして、その歌の世界が、あなたの世界観である。

あなたの自分の世界観は、実はあなたが考えた世界観ではなく、歌で洗脳された世界観だ。

あなたが何に洗脳されたか知る方法は、あなたがどんな歌が好きなのかを思い出すだけでいい。

自分の愛する歌は、それ自体が自分の感情に対する訴えかけを失ってからもずっと後まで、意思決定や性格形成に影響を与え続ける。

私がガヤトリ・マントラでヒンドゥーに染まらなかったのは、理由はひとつだ。

私は、タイでタイの美しい歌に聞き惚れ、カンボジアでカンボジアの美しい歌にしっとりとし、インドネシアでやはり美しい歌に心を奪われた。

多くの国の美しい曲が、私をひとつの思考や哲学や宗教や国にとどまらせるのを許さなかった。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20150205T0253220900.html


2011年2月4日金曜日
無意識を自覚する方法。自分が何に洗脳されているか、一瞬で知る方法


インドの女性は歌が好きだ。

インド・コルコタにいたとき、ひとりの女性が口ずさむように、静かで優しい歌を歌ってくれたことがある。

彼女は普段はどちらかと言えば粗野な喋り方をする女性で、感傷的な感情をほとんど持っていないようにも見えた。

しかし、物憂げな部屋の中で暇を紛らわすように歌ったその歌は、とても感傷的なリズムで、抑制された美しい声に私は聞き惚れて涙がこぼれそうになった。


マントラという歌

声のトーンも彼女の普段の粗野なものが消えていて、まるで彼女が別人になったかのような不思議なものであった。

「それは何の歌だい?」と尋ねると、彼女は部屋の神棚に飾っている私の知らない神の写真を指さして「昔の歌(Old Song)よ」と答えた。

確かにそうだろうと思う。街の騒々しいボリウッドソングとはまったく違った趣(おもむき)の歌だった。

そのとき、私は知らなかったのだが、のちにこのような歌をマントラというのだと分かった。

マントラという言葉は初めて聞く言葉ではない。それは呪文だか呪術だとか、そういうニュアンスで私は覚えていたので、歌までマントラという括りをすることに驚いた。

今となっては彼女がアカペラで歌ったそのマントラがどんなものだったのか旋律が思い出せないのだが、その歌を聞いたときの感情は生々しく思い出すことができる。

美しい歌を聞いたときの感動の震えがそこにあった。そして、ずいぶん後になって私は「これは危険だな」と意識したのだった。

美しさに取り込まれてしまいそうなのが分かっていた。

その歌がマントラなのであれば、その歌の先にヒンドゥー教が待っている。

ガヤトリ・マントラ

人は美しい歌を聞いて感動し、その歌の世界観に浸って自分の心を癒すことができる。

宗教はそういった歌の効用をよく知っていて、それを巧みに使って心を操っていく。

キリスト教徒は賛美歌やゴスペルに涙を流す。

たとえば、「アメイジング・グレイス」や「What A Friend We Have In Jesus」などをじっくり聞いていると、キリスト教徒は涙がとまらなくなるという。

人口に膾炙する美しい旋律(リズム)と、その詩の内容の優しさが加わって心に響くようだ。

インドのマントラも美しい旋律のものがいくつかあって、ガヤトリ・マントラ(GAYATRI MANTRA)などはよく知られている。

ただ、古い歌にはよくあることだが、ひとことでガヤトリ・マントラと言っても、膨大な種類のリズムと歌詞があって、同じ歌でもまったく違うように聞こえる。

私が聞いているガヤトリ・マントラは YouTube で見つからないのだが、近いのはドイツ出身の歌手、デヴァ・プレマールの歌うガヤトリ・マントラかもしれない。

Deva Premal and Miten - Gayatri Mantra
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=d63COahIpVM

Om bhur bhuvah svaha
tat savitur varenyam
bargo devasya dhimahi
dhiyo yonah prachodayat

彼女はドイツ人だ。なぜドイツ人女性がヒンドゥー語でガヤトリ・マントラを歌っているのか最初は戸惑った。

調べてみると、彼女は子供の頃から父親にマントラを聞かされていたらしく、その影響が強かったようだ。

こういった珍しい経歴の人もいる。彼女は歌を通してヒンドゥーに取り込まれていた。

欧米でも、このようなヒーリング的なものを求める人たちにはよく売れているようだ。

人は、このような歌から精神世界や宗教に取り込まれていく。その典型的な例がマントラの旋律にあった。

美しさは無条件に人の心に染み入っていく。

そして何度も何度もそれを繰り返すことによってその歌の世界が自分の感情と同化していく。

そこに宗教的なメッセージがあれば、歌と同時に人はそれをも無意識に受け入れてしまう。歌が美しいゆえに拒絶反応すら起きることがない。


美しい旋律の歌が人生を変える

これは一種の巧妙な洗脳とも言える。

アメイジング・グレイスやガヤトリ・マントラのような美しい旋律の中に宗教を散りばめて人々を取り込んでいくのである。

教会や寺院で人々は何をやっているのか。賛美歌を歌っているのではなかったか。

賛美歌は神を讃える歌詞をリズムに載せたものである。それを皆と一緒に歌い、感動を共有し、その宗教と一体化する。

日本が無神論者のような人が多いのは、仏教が美しい歌を「開発」しなかったからだと私は強く思っている。

念仏は眠気を誘うが宗教心を芽生えさせない。そういう意味で仏教の親玉は他の宗教と比べると知恵が足りなかったのだろう。

ヒンドゥー教もキリスト教も、歌だらけだ。

インド人は幼い頃からマントラを聞いて、歌って、その世界観の中で生きていき、成人する頃には頭の中はその思考から離れられない。

あの真っ青な荒唐無稽な神は私にとっては単なる滑稽なフィクションだが、彼らにはそうではない。それが自分の血肉に染み付いた大切な精神世界なのだ。

同じことがキリスト教にも言える。あの十字架にぶら下がっている死体は、やはり私にとっては滑稽なフィクションだが、彼らはそれを「なんという友、私たちのジーザスよ」と感極まっている。

子供の頃からくり返しくり返しそれを聞いて、それを歌い、それが思考の基盤になっていている。

父親も母親も、そして兄弟も地域社会も、自分のまわりがすべてそのひとつの宗教に染まっている。

そこまで行くと、その宗教を否定することは両親や地域社会や文化をすべて裏切ることになる。

美しい歌があり、心地良い思い出がすでに蓄積されている。だから、いくら荒唐無稽だとしても、その宗教を否定することなどできなくなってしまっている。否定する意味もない。

そして、村ぐるみで、町ぐるみで、国ぐるみで宗教を擁護し、それを認めない者を「自分を否定した」と憎むようになる。


アメイジンググレイス
http://www.youtube.com/watch?v=uofG9z66LXg&feature=player_embedded#!


多くの国の美しい曲

たったひとつの美しい旋律の歌が、そのような篤い宗教心の人間を生み出しているのは間違いない。

私が感銘を受けたガヤトリ・マントラは、その一曲で私をヒンドゥー教に向かわせる威力もあったはずだ。

美しい旋律の曲が人生を変えるというのは本当だ。自分の気に入った歌を思い出して欲しい。

あなたは無意識にその歌の世界をなぞって生きているはずだ。

それに気がつかなかった人もいるかもしれない。そして、それに気がつくと、恐ろしくなる人もいるかもしれない。

あなたが子供の頃から知っている好きな歌が、あなたを洗脳した歌だ。そして、その歌の世界が、あなたの世界観である。

あなたの自分の世界観は、実はあなたが考えた世界観ではなく、歌で洗脳された世界観だ。

あなたが何に洗脳されたか知る方法は、あなたがどんな歌が好きなのかを思い出すだけでいい。

自分の愛する歌は、それ自体が自分の感情に対する訴えかけを失ってからもずっと後まで、意思決定や性格形成に影響を与え続ける。

私がガヤトリ・マントラでヒンドゥーに染まらなかったのは、理由はひとつだ。

私は、タイでタイの美しい歌に聞き惚れ、カンボジアでカンボジアの美しい歌にしっとりとし、インドネシアでやはり美しい歌に心を奪われた。

多くの国の美しい曲が、私をひとつの思考や哲学や宗教や国にとどまらせるのを許さなかった。
http://www.bllackz.com/2011/02/blog-post_3799.html

  
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釈迦が理解できなかった本当の信仰とは:


ディーバ。アプサラ。巫女。神聖なる女性に隠された闇とは?


今から1000年ほど前、ちょうどインドで大勢力を誇っていたのがチョーラ帝国(チョーラ朝)だった。

最盛期のチョーラ帝国は現在のインド・ベンガル州からバングラデシュを抜け、東南アジア南部、あげくにインドネシアまでを含む大帝国だった。

そして、インドのみならずアジア一帯のあちこちに石窟寺院を残している。

こういった寺院には非常に多彩で複雑な彫刻が施されているが、そこに描かれている女性が、「デバダシ(Devadasi)」である。

チョーラ帝国の時代、寺院で信者ややってくる人々に踊りや歌やサービスを提供する女性たちがいた。

彼女たちが「デバダシ」と言われる存在であり、初期は恐らく崇高で崇められる女性たちであったと思われる。

若干ニュアンスは違うが、日本の巫女(みこ)を想像すれば、彼女たちの存在は分かりやすいかもしれない。


ディーバ、デバダ、デバダシ。この共通点

アンコールワットもびっしりと女性の彫刻が施されているが、彼女たちはデバダ(Devada)と呼ばれており、やはりチョーラ帝国のデバダシと同様の役割があった。

こちらはよく「仙女」と訳されている。現代のカンボジアでは、仙女と言えば、デバダという古語ではなく、アプサラという言葉のほうが使われている。

ベトナム戦争からポルポト政権の激動を生き抜いたカンボジアのシハヌーク王は、ことさらアプサラたちが踊るのを見るのが好きだったと言われる。

あの手首を独特に回すアプサラたちの踊りは確かに優雅で美しく魅力的だ。歌や踊りの訓練を受けて、寺院に来る人々を魅了したデバダシ、デバダ……。

ヨーロッパではオペラ歌手のプリマドンナのことをディーヴァ(Diva)というが、これは「歌姫」と訳される。

今はもう歌姫というのはオペラのプリマドンナのことだけではなく、カリスマのある女性歌手はみんな歌姫(ディーヴァ)と言うようになっている。

この Diva というのが、Devadasi、Devada に近い語感があるので、もしかしたらチョーラ帝国のデバダシから派生した用語なのかもしれない。

Devadasi
Devada
Diva

並べて見ると、一目瞭然だ。


デバダシ・カーストの女性。チョーラー帝国の巫女がデバダシだ。


神聖なるものと裏返しの、「闇」が存在している

1981年にはフランスでそれを題名にしたディーヴァという映画が公開されているが、出てくるのはオペラ歌手であり、これに映画の主人公と「娼婦」が絡んでくる。

このフランス映画の監督が、ディーヴァと娼婦を登場させたのは、深い意味があったのかどうかは知らない。しかし、それほど奇妙な取り合わせではなかった。

カンボジアの仙女(アプサラ)をことさら愛したシハヌーク国王だったが、かつてアプサラは歌や踊りだけではなく、妖艶な「性の化身」でもあった。

そして、ポルポト政権からその崩壊までの東南アジア史上最悪のジェノサイド(大量虐殺)を生き抜いたアプサラたちは、その貧しい教え子たちに踊りを継承させることになる。

しかし、教え子たちは踊る前に生きる必要があり、若い女性が売春に駆り立てられていたのが1980年代以降の現状だった。

2000年に入っても、アプサラ志願の女性は、相変わらず売春ビジネスをしていた。(アプサラを踊る娘。貧困地区に棲む天使(アプサラ)の笑み)

日本の巫女はかつては処女性が重視されていたのだが、一方で密教の巫女には「性の儀式」もあったという噂もあって、その姿は一様ではない。

宗教の裏側で、なぜか神聖なるものと裏返しの、「闇」が存在しているのである。神聖なる女性に隠された「闇」とは、すなわち「セックスの提供」だ。

巫女はかつて漢字で「神子」と書くこともあった。

そして、「神子」と言えば、英語では「シャーマン(shaman)」、すなわち呪術師と同一にされている。

だから、巫女を Devada ではなく、Shaman と訳すのが正しい現代語かもしれない。


写真はカンボジアのアプサラ。カンボジアのアプサラは「仙女」。インドでのアプサラは「水の妖精」になる。


現在、デバダシは寺院に囚われた「娼婦」

シャーマンとはシャーマニズム(呪術)を通して神と交信する人なのだが、密教系のシャーマンは、しばしばセックスを通して神と交信する。Shaman と Devada と 性がここでも結びついている。

密教と言えばキリスト教にも拝蛇の密教があって、その教義は性と結びついていた。

キリスト教は歴史的にも数々の異端の教え、異端の集団を生み出しており、セックス教団も数多く存在する。これらの教団に属する女性たちは信者であって、デバダでもある。

では、チョーラ帝国のデバダシはどうなっているのだろうか。

もともとインドは神々と性は別に秘されているものではない。神々が何百日にも渡ってセックスをやめなかったような伝承が残っているくらいで、リンガ・ヨーニに至っては、それが何を意味しているのか誰もが知っている。

シヴァリンガというのは、シヴァ神の男性器をそのまま現しており、ヒンドゥー寺院にはそれらのシンボルが安置されている。女性たちは男性器に礼拝し、油を先端に差す。

リンガ・ヨーニのミニチュア版もインドではどこにでも売っているが、それらはすべて聖なるものであり、礼拝に欠かせないものである。

ヒンドゥー教というのはそのような宗教であり、はじめてインドにやってきてトラヴィダ人やタミル人と接したアーリア人は、その土着のアミニズムに取り込まれて、今では彼らもインド人でありヒンドゥー教徒になった。

そして、そのヒンドゥー教の中にデバダシはしっかりと根づいているが、時代が繰り上がるたびにデバダシは世俗化し、カースト化し、そして意味合いが変質した。

現在、デバダシは寺院に囚われた「娼婦」として残されており、一種の売春カーストになってしまっているという。

貧困家庭が子供をデバダシとして売り飛ばし、少女は性奴隷としてずっと売春をしながら生きていく。

聖女、巫女、神子、仙女、歌姫、と様々な単語や意味となって世界の歴史をくぐり抜けてきた Devadasi が、最後には売春カーストとなっているわけだ。

男は誰でも彼女たちを金で買うことができる。しかし、かつての神聖なる姿がそこにあるのかどうかは分からない。


デバダシ・カーストの女性。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130113T0403570900.html



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光が乱舞する心の深層の世界

仏教タントラではブラフマン(創造神)とアートマン(真我)の合一を体験することをサマジー(三昧耶)・・・暝想の極致という。
ダンマ(真理)に接近しこれと合一する(即身成仏)ことを目的にした、究極的な高度で、深い暝想のはてに、浄化がある。


○想像力は目にみえないものを見させる

 ハワイのフラダンスは、もともと神に奉げれていた神舞であった。
フラの巫女には、女神ペレのマナ(霊力)が感応してくる。
ハワイ語でマナとはスピリチャル・パワーのことだという。
そこで、もともとフラは神霊との交流の儀式であった。

 始めに、詔(みことなり)や、リズムと歌で、神々しい雰囲気と聖なる場を整える。
「真如」の導入である。

次に、フラのダンサーは、そのリズムで踊りながら陶酔し、やがて「没我」となる。
そこに、神霊が「感応」する。
恍惚が踊り手を支配する。
すると、神からの返答が現れ、「天恵」が現象化する。

こうしたプロセスをもつ古代儀式は、世界中に普遍的にある。
ダンスがそもそも交霊術であることを示してくれる明確な例はスーフィのダンス、鎌倉時代に起きた一遍の「踊念仏」などが上げられよう。
不乱の舞は、「没我」に至るには欠かせなかったのだろう。


 古代的な交霊は、表面的にしか物事を見ない人々には理解できない。
エンタテインメント化されたショウとしてのフラよりも、マナ(スピリチャル・パワー)と一体になったフラは偉大で神聖である。
ハワイ島では、古代と同じ”のり”で女神ペレへの感謝のフラが、今でも行われている。

これが奇跡なのだろう。

 なんであれ、音楽とダンスとは一体であり、それは神楽(かぐら)だった。
日本の祭の神輿(みこし)の”のり”が、それなのだろうか。
洸惚感、あの陶酔感は、御輿(御神体)を担ぐことによって、はじめて感じることができる。

神輿を担ぐことは、スピリチャル・ダンスだった。
真の芸能には、「真如」「天応」「没我」「天恵」の4つのプロセスが必ず組み込まれている。

だからこそ喜びと生きる力を与えていた。
現代では、真のイベントは少なく、その一部か、残り物だけとなってしまっている。

それは、大音響のロックの陶酔感とはあきらかに違うものである。
http://hwbb.gyao.ne.jp/akione-pg/Japanese/008.html


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9. 晴れ間[972] kLCC6orU 2016年2月04日 23:26:47: xni5yVaf3k : Fxfse0RTtHo[94]

>あなたが子供の頃から知っている好きな歌が、あなたを洗脳した歌だ。そして、その歌の世界が、あなたの世界観である。
>あなたの自分の世界観は、実はあなたが考えた世界観ではなく、歌で洗脳された世界観だ。
>あなたが何に洗脳されたか知る方法は、あなたがどんな歌が好きなのかを思い出すだけでいい。
>自分の愛する歌は、それ自体が自分の感情に対する訴えかけを失ってからもずっと後まで、意思決定や性格形成に影響を与え続ける。

まさにその通りでしょうね。

YouTube で、ISかそれと関係のあるところの動画で、少年がコーランの朗唱をしているのを見たことがあります。陶然として朗唱する様は、何か狂気めいたものというか、批判を絶対に受け付けない、超越的な性質を感じさせました。

多くのムスリムは、コーランの文言を深く理解していなくても、ただ単に歌を聴くように感じているのかもしれません。(ワファ・スルタンが、自分の母親はモスクから聞こえてくるコーランの意味なんて分かっていなかった、という意味のことを書いていたように記憶しているのですが、その箇所を再度確認する手間が取れません。)

アラブ人は、コーランは、人間が書いたものとは思えないほど美しい、と言います。(これはマクシム・ロダンソンが話していたことです。)

しかし、音の美しさと、詩句の中身(意味) とは、全く別物。

美しい調べに乗せて、恐ろしい詩句が意味も分からないまま唱えられているとしたら、・・・怖いですね。まさに洗脳装置。

でも、アラブ語自体は、音の面で美しい言語ではないですよ。気管支の奥の方から息を出して(kとかhとか) 発音するので、とても聞きづらいです。ある人(日本人) は私に「痰が飛んできそうだ」と言いました。北アフリカのワイルドなアラブ語だからかもしれません。アラビア半島の人は、北アフリカの人が話すアラブ語について、「あれはアラブ語じゃない!」と言います。

日本語の方が、音が優しくて、きれいです。


私は子供の頃から、日本の歌謡曲に親しみを感じたことがありません。親が歌謡曲嫌いだったので、家の中に歌謡番組が流れるなんてこともありませんでした。硬派だったから、フォークソングとかいうのも嫌いだった。ビートルズなんてのも、どこがいいのかさっぱり理解できなかった。文学少女だったから、音のない世界で、活字を追うことだけが好きだった。現実世界の音は邪魔だったのです。

私はオペラも嫌いです。なぜ嫌いなのかな、と考えて、歌詞があるからだ、とあるとき気付きました。歌詞の中身に共鳴できないから、好きになれなかった。歌詞さえなければ・・・、音だけでいいのに。

うちで音楽を大音声でかけるのは、雷雨のときだけ。うちのワンちゃんが雷を怖がるので、互いに邪魔にならないものを探して見つけたのが、モーツァルト。モーツァルトをかけると犬は落ち着きます。

そろそろ、シャンソンを紹介するブログを再開します。




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10. 晴れ間[973] kLCC6orU 2016年2月05日 19:45:26: xni5yVaf3k : Fxfse0RTtHo[95]

>日本が無神論者のような人が多いのは、仏教が美しい歌を「開発」しなかったからだと私は強く思っている。
>念仏は眠気を誘うが宗教心を芽生えさせない。そういう意味で仏教の親玉は他の宗教と比べると知恵が足りなかったのだろう。

この点については、私は違う意見かな。

仏教でも、行事で歌われる声明(しょうみょう) とか、仏前で歌われるご詠歌(和讃) とかありますね。大陸伝来の声明とは異なり、ご詠歌は、日本語に独特のものでしょう。お経とは違うけど、お経のようにも聞こえますね。
ご詠歌を美しいと感じるか否かは別として、五七五の節回しということは、日本語に固有のリズムなのでしょう。

昔、NHKの番組で、長崎の隠れキリシタンが歌う賛美歌を聴いたことがあります。キリシタン禁令下、キリスト教の賛美歌も日本の風土の中で土俗化して、まるでお経かご詠歌のようなものに変わっていました。聖母子像なんか拝めないから、像も表向きは仏像に変わっていました。(細部までは記憶していません。)
日本の風土からは、キリスト教の賛美歌のようなものも、コーランの朗唱のようなものも、生まれません。

五七五の詩文に節をつけても、単調な曲にしかならないでしょう。壮麗さとは無縁。

日本は米作ができて、雑穀や根菜もよくできて、時々飢饉はあっても、比較的生活に恵まれていたので、人は優しくても生きられたんですよ。
だから、敵を退治するための、過酷な宗教は不要だった。(日蓮くらいかな、厳しい姿勢を取っていたのは。私は仏教のことはよく知りません。)

あ、あ、私が好きな音は、水の音と、鈴の音です。宮下富実夫が天河大弁財天社に奉納した音楽に出てくるような鈴の音。
http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/352.html#c3


19. 中川隆[-10202] koaQ7Jey 2019年5月23日 15:08:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2137] 報告

ソニーのスピーカーの最高傑作 SS-R10


そして、1996年ソニー創立50周年に発表されたのがこちら、

SS-R10

当時のソニー社長、大賀典雄氏の希望によって約四年前から着手されたフルコンデンサースピーカー。(大賀氏はクォードESLや、マーチンローガンを愛用されてたそうです。)

フルコンデンサーに依る3way式スピーカー。コンデンサー式スピーカーの問題点を徹底して克服しようと開発された意欲作です。

コンデンサー式の最大の弱点である低域の再生音圧をウーファーユニットを上下、前後で片側で計4枚使用し(38cmウーファーの7個分の面積)量感豊かな低域を実現しています。
http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto/130412/index.html


DYNA-HAL -音の細道(27)

第一章『 It's a SONY 』

 1995年8月7日午前11時。既に、この時間でも思わず立ちくらみを覚えるほどの熱暑が東京の街並みをすっぽりと飲み込んでいた。先週は家族を引き連れて伊豆高原で夏休みを取っていたこともあり、品川駅前に降り立つと夏の日差しにつき物の騒々しい蝉の鳴き声が幻聴となって蘇ってくるようだ。目指すは五棟のビル群からなり約1,500人が勤務するというソニー株式会社の芝浦テクノロジーセンター、同社のオーディオ部門が研究開発を行っている本拠地である。

3年前のオーディオフェアーで参考出品された同社のコンデンサー型スピーカーが今年いよいよ製品化されるということで、ある事情も手伝って一般公開の前に単身で聴きに行くことになったのである。

早速受付で記名をして外来者用の名札を付け試聴室に向かう。そこで同社のホームAV部門オーディオ二部・商品設計二課の茶谷郁夫課長、道下政美係長、佐藤浩氏、国内営業部オーディオ営業部付きの山本順光氏という皆様にお出迎え頂いた。実は、この日に丁度ご不在であった同課のもう一人のスタッフである佐藤和浩氏が、前述の「ある事情も手伝って」という経緯の張本人なのである。お陰様で私が開催している毎月の試聴会は大変ご好評を頂いており、回を重ねる毎に皆様のご支持を頂き愛好家の輪が広がっているのである。この案内状の発送部数も年内には一千部に達する拡大を見せている。昨年からだったろうか、熱心に毎月この試聴会に通ってこられた青年が、この佐藤和浩氏だったのである。名前よりも先に顔を覚えてしまった私が、ある日話しかけてみたらソニーでスピーカーを作っているというではないか。しかも、海外のハイエンドオーディオに対しての知識と情報、そして何よりも、それらの外国製品に対する理解を私以上に持っておられる。「こんな人が作っているスピーカーだったら、是非聴いてみなくてはいけない。」と思ったのである。これまでにも、海外メーカーのトップの人達に出会うたびに、その人となりを見て、その会社が作り出す製品に対して信頼感と期待感を膨らませてきた。そんな私にとって、この佐藤和浩氏との出会いは、まさにソニー製オーディオコン
ポーネントの再評価をするきっかけとなってくれたのである。

それに、今回のスピーカーの開発に当たられた4名のうち3名が、佐藤和浩氏の27歳を筆頭に30代前半と大変若い技術者であるということにも関心が持たれた。この随筆でも過去に何回か触れたように、私は日本メーカーの設計者に対して次のような要望を持っている。

「海外製品に対しての広い視野と最新の情報を取り込み、家庭用の再生装置として現代の日本人が求める感性を理解し、これらの時代的な変化を察知して海外製品との共存共栄出来る音質表現を模索して欲しい。」

こんな私の身勝手な言い分に答えてくれそうな期待感が、佐藤和浩氏との会話のなかで次第に高まってきたのである。

第二章『ソニーというオーディオ企業』

 これは意外と知られていない事実なのだが、昭和40年頃まで、マッキントッシュ、トーレンス、オルトフォン、KLH、といった海外のオーディオ製品を日本に紹介し販売していたのは、他でもないこのソニーだったのである。また、よく笑い話しとしてお話するのだが、私も仕事がら様々な職種のお得意様がある。しかし、この世の中の数ある職業の中でも、この職種の人達だけはお付き合いがないというものがある。それは、「政治家とヤクザ」である。従って、その多くの顧客の中には、古くからお付き合い頂いているソニーの社員も多い。

その方々に、以前から伝統的に共通していることが一つある。トヨタ、ニッサンといった自動車業界では考えられないことだが、こと高級オーディオに関してはソニーの自社製品を使っている人は皆無といってもよいくらいにお目にかかったことがない。

もっとも、日本の他メーカーでも、オーディオを趣味にしている人々は大同小異の傾向である。「趣味は趣味、仕事は仕事」と割り切って考えられており、自分の金で自分の好きな音を楽しみながら仕事にも反映させていく、という「音の勉強に対する自己投資」という解釈もあってよいと思う。もちろん、日本の大手メーカーの社員もサラリーマンである以上は、自社製品で認めるものがあっても高くて手が
出ないという現実的な選択も大いにあると思う。

さて、今回のソニー製フル・コンデンサー型スピーカーの開発は、当時は取締役社長であり、現在は取締役会長に就任された大賀典雄氏の希望によって約四年前から着手された。

その大賀氏も前述の例にもれず、英国のクォードESL、現在では米国マーチンローガンのコンデンサースピーカーを愛用中ということである。

大賀氏ご自身は、声楽でバリトンを歌うことでも知られており、当然オーケストラを中心としたクラシック音楽の再生音には強い関心を持たれていた。

採算ベースだけを考えて商品化を行う、そんな姿勢が日本企業の習性であると思ったら大間違い。音楽とオーディオに対する情熱が今回のようなプロジェクトを発進させたというのは、むしろ海外メーカーのトップが決断するモノ作りの本能に近いものを感じるところがある。

その大賀氏から直接の命題を仰せ使ったのが、ホームAV部門オーディオ二部・商品設計二課の課長であり主任研究員の前田敬二郎氏であった。しかし、大変残念ながら白血病に犯された前田氏は、昨年志し半ばにして遂に帰らぬ人となってしまったのである。

その意志と熱意を継いで、先にご紹介した同課の茶谷氏をはじめとする皆さんが、ソニー株式会社の創立50周年モデルとして完成にこぎつけたのである。

ちなみに、1996年5月7日がソニー株式会社の創立50周年記念日であり、今年の秋から発売するモデルをその記念碑としていくという事である。

さて、茶谷氏にソニー・フルコンデンサーの開発意図が、従来からあった他社のコンデンサースピーカーに対して、どの様なところにあるのかを聞いてみた。


「大変単純な目標ですが、なかなか実現出来なかった課題です。

ハイブリッド構成(低音再生にコーン型のダイナミック型スピーカーを組み合わせる方法)に頼らず、全帯域を文字通りフル・コンデンサーで再生するというものです。

しかし、誤解のないようにお願いしたいのはソニーが手がけたからと言って、コンデンサー型の原理から発祥する再生音圧の限界点を飛躍的に向上させた、という様な型破りでオーバーなものではありません。むしろ、コンデンサー型の原理には忠実に従いシンプルな構成によって、従来の完成度不満を感じるフルレンジ・コンデンサー型、あるいはハイブリッド構成のコンデンサースピーカーでは満足出来ない
、そんな人々のために開発したものです。」


なるほど、お話を耳で伺いながら、すでに私の目はフル・コンデンサーの実物に吸いつけられていた。


第三章『正攻法の選択が生んだ奇手』

 高さが2メートル近くある物が多い海外製のプレーナー型スピーカーの大きさから比べると、ソニーのフル・コンデンサーは明らかに日本的サイズである。横幅も800ミリ程度、高さも1,535ミリ、と私の胸元くらいでほとんど威圧感はない。正面から見て、トゥイーターが取り付けられている内側は垂直にカットされているが、外側は上に向かって幅が狭くなる片側が丸くふくらんだ台形をしている。私が聴かせて頂いた試作機はラワン合板で出来ており、厚み0.5ミリのウォールナット仕上げのツキ板で覆われていた。ただし、ユニットが取り付けられている55ミリもの厚みを持たせた長方形の板材は合板だが、このラウンドしている外側の湾曲部分は無垢材から削り出している。最終的にはラワン合板にするか、もう一つの素材候補である米松合板を採用するかどうか、今後決定されるということだがウォールナット仕上げの外観には変更はない。

さて、肝心なユニットだが、独立した3ウェイ構成のすべてに化学的な分類でいう、ポリエチレン・テレフタレートと呼ばれる6ミクロンの超薄膜が採用されており、音響工学的に言って相当面積に存在する空気の質量よりも軽い素材であるという事だ。この処理方法は企業秘密ということで教えてはもらえなかったが、フィルムの厚みの100分の1の厚みで、特殊な導電材を化学処理してコーティングしている。

ちなみに、他社の場合には8ミクロンから16ミクロン程度の薄膜を使用しているものが多い。また、これに施す導電材も多くは酸化錫などを含む導電塗料をスプレーで吹いて塗布するような原始的な手法をとっているところもあり、時には薄膜自体の質量よりも重たい層になっているものもあるようだ。

ユニットは縦方向に長い長方形で、各帯域が上下に一対ずつ6個が取り付けられている。トゥイーターは幅二五ミリで高さが500ミリ、ミッドレンジは幅70ミリで高さが500ミリ、ウーファーは幅270ミリで高さが500ミリ、というのが1ユニットの振動面積で、これが縦方向のインライン状に二列並んでいる。

このウーファーは両チャンネル合わせて単純計算すると、38センチ口径のコーン型ウーファー七個分に相当する振動面積を持っていることになる。

コンデンサー型であるので、これらの面積の振動膜を固定極が一定のギャップをもって挟む事になる。この固定極となる黄銅製パンチング・メタルは琺瑯のような表面仕上げがなされ、外界との環境的な絶縁によってシステムからのノイズ発生を絶つという大きな役目を負っている。


クォード社のESLは梅雨時にはジーというノイズが発生してしまい、製造元もそれを認めているが対応は不可能とされていた。

米国のマーチンローガンも、エアコンの風を直接受けるとコンディションが損なわれるという。

まず、国産である以上は自国の気候風土による環境変化に十分な配慮をしたというのは、当然でありながら大変難しい課題をクリヤーしたということで評価に値する。私としても、安心して販売出来るものであるのは大変ありがたいことだ

そして、3ウェイ構成のクロスオーバー周波数は、下から600Hzと4キロHzに設定され、オクターブ当たりマイナス18デシベルというスロープ特性を持つネットワークで帯域分割されている。

凝っているのは各帯域の高電圧バイアスの設定である。

トゥイーターは2,000ボルト、ミッドレンジは4,000ボルト、ウーファーは8,000ボルト、と帯域によってバイアス電圧を独立させているのである。

しかも、固定極と振動膜のギャップも、トゥイーターでは前後の片側に0.3ミリずつ合計0.6ミリ、ミッドレンジは一ミリずつ合計二ミリ、ウーファーは5ミリずつ合計10ミリ、受持ち帯域別の細分化が行われている。

この配慮によって高域の再生帯域は、一枚の振動板で駆動されるコンデンサー型では至難の技とされている40キロHzまで確保されているのだ。


さて、この様な概要をご理解頂いたあとで、このソニーが開発したフル・コンデンサーの面目躍如たる最大の特徴が、独自の低域再生法にある事を特筆しておきたい。

一般的に言って、ダイナミック型スピーカーの振動板のように大きな振幅が得られないため、中・高域に対して低域の再生音圧が低下し低能率となってしまう

そこで、どうしても低域の再生音圧を高める、ということがシステム全体の能率の向上のために必要となってくる。

更に、コンデンサー型スピーカーで超低域まで再生帯域を拡大しようとすると、必然的に次のような問題に直面する事となる。

まず、一般的なコーン型のウーファーに対して、振動板の質量が比較のしようがないくらいに極小であること。これは、オーディオ信号に対するトランジェント(過渡特性)が大変素晴らしく向上するというコンデンサー型最大の利点を生むが、低域再生に関してはそれ自身のエフゼロ(最低共振周波数の意・単純に言えば低域の再生限界として理解しても間違いではない)を引き下げることが難しいという相反する一面がある。

そこで、多くのプレーナー型の場合には、低域ユニットの振動面積を 大きくして低域の再生音圧を引き上げようとし、同じに音響的な負荷(アコースティック・インピーダンス)を大きく取ることによって低域再生の限界点を引き下げようとする。

ちなみに、一般的な箱に取り付けられたダイナミック型スピーカーの場合には、ユニットの後方に存在するエンクロージャーの容積や、バスレフポート、パッシブラジエーター、バックロードホーン、などの手段によってエフゼロを調整することが可能であり、低域の再生レベルもエンクロージャーの助けを借りることが出来るので小型化しやすい。反面、エンクロージャーの設計が独特の個性となって特有の質感を演出してしまう点が、以前から箱の音として指摘されている問題点となっている。

それでは、単純に言ってコンデンサー型をはじめとするプレーナー型スピーカーは、ひたすら低域ユニットの振動面積を大きくしていけば良いのかというと、当然ながら家庭用としての大きさの許容範囲もあり、いくつかの課題も発生してくる。これは他社のコンデンサー型スピーカーにも共通することだが、ソニーのフル・コンデンサーの場合にはウーファーの動作を高い周波数に向かって、オクターブ当たりマイナス18デシベルというスロープ特性で中・高域をカットしながら600Hz以下を再生させようとしている。音波の波長が3.4mもある100Hzや倍の6.8mもある50Hzは、単純に言って1秒間に振動膜が100回50回と前後に振動するわけだ。そして、仮に600Hzの音を例に上げれば、波長が0.56m程度で、文字通り1秒間に600回振動しなくてはいけない。

低域再生を重視して振動面積を増やすということは、目標とした特定の帯域だけを再生するならばよいのだが、前述の数値を例に上げれば、ひたすら振動膜を大きくしていった反作用として600Hzの再生に肝心なトランジェントが伴わず、正確な倍音の表現に支障をきたす事となってしまう簡単な実験で、団扇をゆっくりと大きな振り方であおぐ分には抵抗は感じないが、同じ振り方で激しく高速であおごうとすると強い空気抵抗を感じるのと同じ理屈だ。また、低域の楽音でもオルガンやコントラバス、ウッドベースのように継続した音波を比較的ゆったりと発するものと、キックドラムやエレクベース、シンセサイザーによるプログラムを打ち込んだ鋭い立上りの低音など、低域の再生には倍音を多く含んでいるがゆえに、重厚な脈動感を捕らえるべきスピード感も求められるのである。こうした難関をクリアーするために、ソニーが採用した手段とは何か。両チャンネルの振動板の裏表を合計すると38センチ口径のウーファー七個分に相当する振動面積を持たせてしまった、幅270ミリ高さが500ミリの振動膜を内蔵するアッセンブリーを何とそっくりもう一つ貼りあわせる形で後方に取付けダブルウーファーとしてしまったのだ。

正面から見ると1枚に見えるウーファーの振動膜が、その後にちょうど1センチの間隔を隔ててもう一つの振動膜があり、同一ユニット二つが抱き合せに取り付けら
れている形だ。このシステム全体で使用されているウーファーの振動板は全部で8枚ということになり、この一対の振動膜は外界とは小さな通気孔で結合された空気層を挟んでおりパラレルで同相駆動されている。誤解のないように念を押すが、この通気孔はバスレフのような低域輻射を意図したものではない。航空機に乗せて輸送を行う際、気圧変化によって振動膜が破れないようにと単純な理由からである。話しをもとに戻すと、プレーナー型の場合には前述の音響抵抗の考え方として当然振動膜の後方にも空気が存在しており、振動板の負荷としては前後両方を考慮しなくてはならない。リスナーの眼前にある振動板から聴こえてくる音も、実は前後両方の負荷によって得られた低音を聴くことになる。

しかし、手前側の振動板の後方にあるはずの負荷が見かけ上無くなるために、先程の団扇の例で言えば高速で振り回しても空気抵抗を感じない状況が得られる
というわけだ。従って、同面積で振動板が一枚だけの場合に対して、約6デシベルの再生音圧の向上を実現させた。

更に、前述の課題点の逆説的な効用を生み出しており、何と30Hzを余裕を持って下回る超低域までのエクステンションと、ミッド・バス帯域に十分なトランジェントを与えることに成功しているのである。もちろん、この抱き合せとなった一対のユニットの微妙にして完璧なエフゼロ調整は、この手法を駆使する上で欠かすことの出来ない条件となっている。

それでは、各ユニットごとのエフゼロは、前述の面積と音響インピーダンス以外の条件では、一体何によって決定されるのか。それは、コンデンサー型の場合、少なくとも振動膜のテンション(貼り付けるときの張力の調節)によって左右されることが多い。テンションを強めて張っていくと高域の再生には有利になるがエフゼロも上昇する。テンションを緩めていくとエフゼロは低下するが、度が過ぎると振動膜が不規則な動きを始めて変調歪が増加してしまう。

言うまでもなく、この調整も高精度のうちに処理されているという。そして、振動膜二枚を擁する片側上下二つのウーファーには、このエフゼロを更に拡散させる効果を狙ってユニークな使い分けがなされている。通常、パワーアンプから出力されたオーディオ信号は、スピーカー内臓のネットワークを通過して各帯域に分割される。コンデンサー型の場合は、この後で高圧バイアス回路であるトランスを経由して固定極に電位変化をもたらすことになる。

この際、トランスのインダクター成分と振動板の前後に存在するキャパシタ
ー成分を応用した共振回路に、トランスからの出力に対して抵抗をシリーズで挿入することによって定数の変化を与え、ネットワーク以外のハイカット・フィルターを下側のウーファーにかけている。

この作用によって、2本のウーファーは異なる高域特性を持つことになり、スタガー動作をするように下側のウーファーを駆動している。この工夫によって、エフゼロの4オクターブから8オクターブ上に発生する周波数特性の谷を埋めることが可能となり、120Hzから240Hzに相当する低音楽器群の充実した再
生を実現している。このエフゼロと逆特性となる気になるインピーダンス・カーブだが、簡単な話アメリカのアヴァロンと大変酷似しているそうだ。

つまり、30Hzから40キロHzにわたって所々に緩やかな起伏はあるものの、ほぼ平坦であり大きな山谷はなく、最低でも3オームを維持しているとの事だ。パワーアンプからすれば、仕事のしやすい相手であることは間違いない。

思えば、英国のクォード社が世界初のフルレンジ・コンデンサー型スピーカーを発表したのが、何と私がこの世に生まれた1957年である。これから数年の後、第二章の冒頭でご紹介したようにソニーは海外のオーディオ製品を輸入し始め、KLHなどを参考としながらコンデンサー型スピーカーの開発をしていた。

同時期には、国内メーカーのいたるる所で同様な取組みがなされ、スタックスは自社ブランドでの製品化に成功した。

しかし、ソニーを含むその他のメーカーは商品化の容易さから、ダイナミック型のスピーカー作りに移行し、コンデンサー型の研究開発を断念していたのだ。

この、ソニーにおける昭和40年前後のコンデンサー型スピーカーの研究論文は現在も同社に保管されている。30年後の現在においても、立派に今回の製品化につながる基礎研究の土台となっていたことをお知らせしておきたい。

創立50周年を迎えようとするソニー株式会社の30年前の悲願が、私と気さくに語らうような若者たちの手によって完成される。そんな、日本人の手になるソニーのフル・コンデンサーを、私の手によって皆様にご紹介したい。こんな気持ちを、私の職性と性格からお察し頂ければ何よりである。


第四章『設計者の本領』

 お通し頂いた試聴室は、おおよそ四〇畳程度はあろうかという大きめの部屋である。

スピーカー後方の壁面から1.5メートルほど手前に、そのフル・コンデンサーが1セットだけ置かれている。

床には結構毛足の長い絨毯が敷き詰められており、私が話す肉声の帯域はライブであるが、壁二面が二重のカーテンで覆われていることもあり、低域と高域の両端ではかなり吸音されているのが一聴してわかった。

スピーカー本体は試作を繰り返してきた末の物であろうか、ユニットの周辺部にはケーブルも露出しており悪戦苦闘の後がうかがえる。その各ユニット周辺の後側は、分厚い板材がえぐり取られており後方への放射がスムースに拡散されるように配慮されていた。後日うかがってわかったことだが、このスピーカー本体のパネルそのものは、開発当初に作られたものをユニットの開発を行いながらずっと使い続けてきたもので、量産に当たっては更に改善された本体パネルを採用するということであった。つまり、この日聴かせて頂いたのは、現時点における試作過程の最新の姿であり、ユニットの開発の最終段階のもので、これから最終的な仕上げに向けて変更点が多々残された状態ということだ。

さて、過去の経験から、ここをコンデンサー型で聴いてみたいという曲で、聴きなれているCDを持参してきた。私が日頃聴いているシステムを意識してご用意頂いたものか、

マークレビンソンのプリアンプとクレルのパワーアンプ、
そしてソニーのCDP−R10のペアでセッティングされている。


まず、弦楽器を中心としたクラシックで聴き始めた。ハッと思い付いた第一印象は、「アレッ試作段階の割には、落ち着いているじゃないか。」と思われるほど、既に感性の領域といっもよい安定感が感じられるのだ。この感想を裏付けるものとして、各ユニットのつながりに誇張感や強調感と言ったアクセントは皆無であり、楽音の質感を大変自然に表現しているのである。コンデンサー型以外の動作原理の
物も含めて、ダイポール型の放射パターンを持つスピーカーを一つの集合体として考えて、過去に聴いた何種類かのプレーナー型スピーカーで見受けられた、ヒステリックにけばだつような印象がないのである。

「これは長時間聴いてもいいなァ。安心して聴ける。」

これが、大貫妙子のヴォーカルを聴きはじめるころになると確信に変わる。イントロでのウッドベースがふくらみもせず、見事にコントロールされている。この曲は
ちょうどジェネシスVで聴いたときに膨張したウッドベースとなり、サーボコントロールアンプのパラメーターを変更した経験のあるサンプルとして記憶に新しい演奏だ。「コンデンサー型にあって重量感とスピード感の両立か。ウーン、何だか期待出来そうだな。」と、後ろで控えているソニーの社員の皆さんに気どられまいと、口元が緩んでしまう表情を見られないようスピーカーに顔を向けたまま聴き続けた。

次に、これもジェネシスVの試聴で使った曲で、オルガンのスタッカートとメッゾソプラノのデュオによる壮大な空間表現を聴く。

「ウン、これはジェネシスVの勝ちだな。でも、待てよ。去年のテクニクスのように部屋とシステムが変わってから、あれほど評価が変わってしまった事もあった。こいつを私のフロアーに持ってきたとしたら、果たしてどんな可能性を見せてくれるんだろうか。」色々と考えをめぐらせているうちに二七曲も聴いてしまった。量産に向けた最終試作を九月末頃には間に合わせるという営業の山本氏の力強いご返事を頂き、お礼を申し述べて炎天下の品川駅へと向かったのである。

あれから一週間後の8月13日、九州に出張しておられた佐藤和浩氏が私の元を訪ねてくれた。お気の毒なことに、製品の仕上げに向けてのツメで夏休みも返上だということだ。さすがにソニーの本拠地に乗り込んでいった日は、いつものペースで好き放題の注文を付けるのも憚られたが、自分のホームグラウンドでは遠慮なく設計者本人である佐藤和浩氏に私の所感をぶつけることが出来た。

「コンデンサー型で一番おいしいはずの、あの余韻が少なかったよ。」

「ええ、そうなんですよ。吸音性が高いあの部屋の特性なんですよ。
いつだったか、違う所で鳴らしたら高域が出過ぎたのに驚いたくらいです。あの試聴室も改装する必要があると思っています。」

と、佐藤氏は即答。

「低域のズーンと余韻を引くはずのキックドラムがドシッで終わってしまって、あっさりし過ぎだったけど。」

と、私は続けてきいてみた。

「それも承知しています。パネル構造の本体が強度不足なのが原因です。
あの日お聴かせしたのは三年間使い込んできた初期型の試作パネルなんで、量産モデルは大分強度を高めた設計になっています。」

なるほど。「ユニットの固定極に対しては、企業秘密という琺瑯のような絶縁処理がされていますね。外側から手で触れても安心ですが、振動板と向き合う内側はどうなっていますか。」

と、見えない所も聞いておきたかった。

「よくぞ聞いてくれました。これがコンデンサー型として最も他社に誇れる点なんです。
クォードの場合には固定極が剥き出しになっているので、バイアス電圧や増幅した音楽信号電圧の絶縁は振動膜と固定極の間にある空気の絶縁耐圧に依存しているわけです。従って、湿度の影響によって空気自体の絶縁耐圧が下がると放電現象が起きて、ノイズが発生してしまうんです。

そこで、我々はバイアス電圧など高電圧の絶縁を空気層に頼らずにすむよう、固定極全体に絶縁処理を施したんです。

この固定極は一枚一枚2万ボルトの耐圧検査をしていますので、万一固定極と振動膜が接触してもスパークを起こす心配はありません。

ほんとうに、ここまで来るのに苦労したんですよ。」

苦労したということを明るく楽しそうに語られてしまうと、こちらもつられて笑みが漏れてしまう。でも、これが趣味であるオーディオ製品を設計する人々には大切な事だと思う。作っている本人が喜びと生き甲斐を感じながら作り上げたもので
なければ、使う方にも大切なそれらの気持ちが伝わるはずがない。

でも、人情だけでは商品評価は出来ないぞ、と心を鬼にして次ぎの質問。

「クォードもマーチンローガンも、その固定極のパンチングメタルの穴の大きさは均一みたい。
振動板を前後に挟んでいるパンチングメタルは、振動板に対してアコースティック・インピーダンスとして一種の負荷となっているはずだね。とすれば、この穴の大きさによってユニットのエフゼロが変化しちゃうんじゃないかな。
これって問題にならないの。」

「川又さん、鋭いご指摘ですね。それって確かに問題になるんですよ。
特に、ウチの場合は3ウェイですから、帯域別に穴の大きさを変えているんです。トゥイーターが一番小さい穴で、ミドからウーファーへと大きくなっているんです。これも、手間暇かけてコンピューターを使ってシミュレーションを繰り返したり、厚みは同じで穴の大きさが何通りもあるパンチングメタルを何枚も作って、きちんとユニットとして組み立てて試聴を繰り返したんですから、明確な根拠として自信のある音に仕上げてきたつもりです。

エッ、他社はどうかって?  
理由は色々あるんでしょうが、皆さん同じ穴の大きさの一枚パネルを使ってますね。」

顔で楽しそうに話されると、よけいに自信として受け取れてしまうのが不思議な佐藤氏のキャラクターである。お若いのに大した説得力だ。

「トゥイーターをインライン状に上下1メートルに渡って配置してある割には、水平方向の指向性が狭く感じられたのはなぜ。」

と、続けた。

「それはトゥイーター自身の振動板の幅が音圧を求めた関係で広い事と、最大の原因はミッドレンジのユニットとの間隔が広過ぎることにあります。

このトゥイーターの幅も六種類くらい、長さも同程度の種類を試作して、全部聴きながら決定したバランスなんです。

アポジーのリボントゥイーターのように細くしたいのですが、コンデンサー型はリボン型とは違い振動膜の全周を固定しているため、あまり幅を狭くすると実際の面積比以上に可動部分が減ってしまい能率が低下してしまうんです。

だから、カット・アンド・トライで実際に作ってみないと結論が出なかったんです。

それから、ミッドレンジとの間隔も、設計仕様では改めてありますからご心
配なく。」

と佐藤氏の解答。

「振動板の面積に対して、アポジーのバッフルデザインは小さな面積だね。
それに、トゥイーターの内側にあるバッフル板の末端も細い上にラウンド加工されてるね。
高域の拡散がきれいになされるような配慮はどうだろうか。」

と、私も他社比較を交えながら、ここぞとばかりに質問を繰り返す。

「確かに望ましい処置です。しかし、川又さん。アポジーのパネル構造が強度的に如何なものかはご存じでしょう。私は、それを配慮した上でパネルのバッフル効果とのバランスを図りながら、最終的には最大限の強度を持たせるつもりです。」

と、勉強の跡が見えるスキのない解答だ。私も勉強という意味では、ひけをとらない数のコンポーネントを聴いてきたつもりだ。ハイ・スピードとして印象付けられる物もあったので。

「ダイナミック型の場合には当然ボイスコイルがあって、特異なインピーダンスカーブもあるよね。インピーダンスが周波数によって変化するということは、均一な電流を送りこむことが難しいということでパワーアンプの力の見せどころとなるわけだ。でも、スピーカーの電気的な特性はその動作原理において、正確な波形電送を行うためのハイスピード化につながるものがあると考えているんですが、いかがですか。」

「川又さんのおっしゃるハイスピードの概念というのは、判り易くていいですね。ダイナミック型は振動板の質量や箱の存在から、本当の意味でのトランジェントを探り出すのは大変な事だと思います。コンデンサー型の場合には、それらはないわけですから反応の速さは比較のしようがないくらいです。しかし、もっと簡単に言えば、コンデンサー型は音波を発生させるために電流を流す事を必要としない、という概念こそが大切なことなんです。振動膜上に均一に分布させた電荷に対して、固定極より昇圧した音声信号を与えることによって振動膜を駆動するコンデンサー型の原理は周知の所でしょうが、最も肝心なことは、コンデンサー型では電流を流してはいけないということです。

放電という電流が流れる現象が起きれば、音になるどころかトラブルの原因になるだけです。

一口にコンデンサー型の電気的特性を語ればこんな感じかな
でも、パワーアンプに優秀なものを望むという点ではダイナミック型と同じですね。」

淀みなくお話になる佐藤氏は、総合メーカーであるソニーの社員でありながら、今回のフル・コンデンサーに合わせるべきアンプには、自社製へのこだわりは持っていないようだ。

「スピーカーの位置や角度で音質表現が変化しやすいですね。言い替えれば、リスナーとスピーカー、そしてルームアコースティックを考慮した上でのセッティングが必要だと思うね。私が出掛けていってやるのももちろん可能だけれど、ソニーとしてはどう考えているのかな。」

と、実際に販売した場合の納品面で考えられる営業的な問いかけもした。

「ご指摘の通り、セッティングは非常にデリケートな問題です。数年先はわかりませんが、しばらくの間は我々の設計チームがお客様のご自宅までセッティングに伺う事が必要だと考えています。」

なるほどね。私の知りえる限りの技術的知識をもとに投げかけた質問に対しても佐藤氏の解答は、ご苦労と実践のもとに得たノウハウを根拠としており、お茶を濁す程度の回避的な解答ではなく明確で納得の行くものが即答でポンポン返って来る。

ジム・ティールのようなエンジニアが会社の代表者としてスポークスマンを兼ねているのとはひと味違って、まさに日本人設計者の本領発揮とも言うべき爽快さである。この日もあっという間に一時間以上も話し込んでしまい、つい足止めをしてしまったようだ。これから何処へいくのかと尋ねたら、

「これからS君の家へ行って、川又さんが売ったジェネシスVを聴きに行くん
ですよ。」

と、私のフロアーで同僚の道下氏と待合せをしてS氏のお宅へ向かっていった。
佐藤氏と旧知の間柄であるS氏も私のお得意様の一人であり、佐藤氏ご本人も当フ
ロアーでお買物をして頂いている関係なのである。夏休み返上でフル・コンデンサーの仕上げに取組み、週末の休みにも友人の自宅へ聴きに行く。なんと、勉強熱心なことかと感心してしまった。

確か、老子であったと思うのだが、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と言う格言がある。佐藤氏の場合には、海外のハイエンドに対して「敵を知る」というよりは、お友達感覚で敵と仲良くなってしまうようだ。敵視するよりも、その方が相手の音という性格をよく理解出来るのもうなずける。

「私が付けた注文にも、こんな人が答えてくれるのだったら納得出来る。これから一体どんな素晴らしい音に仕上がるのだろうか。そして、それは私のソニー観を根底から変える作品となる事だろう。」

と、私の期待は更にふくらんでいく。意外にも、オーディオに深い根を持っていた
世界企業のソニー株式会社、その社風とも言うべき人材育成と30年に渡る基礎研究の成果として、間もなくソニー本来のオーディオとして開花しようとしている。
                                    【完】
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto27.html

20. 中川隆[-10201] koaQ7Jey 2019年5月23日 15:11:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2138] 報告


SONY SS-R10
※受注生産品(左右1セット) ¥3,000,000(2台1組、1996年頃)
https://audio-heritage.jp/SONY-ESPRIT/speaker/ss-r10.html


フルコンデンサー型を採用したRシリーズのフロア型スピーカーシステム。

SS-R10は3ウェイ設計となっており、全帯域にコンデンサー型ユニットを採用しています。

このコンデンサー型ユニットには、ソニーのスピーカー技術の他に、コンデンサー型マイクロホンで培った薄膜技術やテレビの高電圧での高度な絶縁技術が投入されています。

セットの表面から見ると、ウーファー、ミッドレンジ、トゥイーターそれぞれ上下に2ユニットずつ使用した6ユニット構成に見えますが、実際には8ユニット構成となっており、ウーファーは上下とも2組のユニットが重ね合わされた2重構造4ユニットとなっています。これにより、ウーファーとしてのドライブ能力を高め、コンデンサー型では困難であった量感豊かな低域を実現しています。

低域には270x570mmのコンデンサー型ウーファーを4ユニット、中域には70x500mmのコンデンサー型ミッドレンジを2ユニット、高域には25x500mmのコンデンサー型トゥイーターを2ユニット搭載しています。

これらのユニットには家庭用ラップの約1/10の重さしかない6μm(6/1,000mm)の振動膜を使用しています。そのため、スピーカー動作中の前後の空気層の実効的な質量と比較しても極めて軽く、しかも全面が駆動されため際立って優れた音の分解能を持っています。

コンデンサー型で必要な昇圧用トランスには、容量的に十二分に余裕を持たせた大型で高音質なものを採用しています。さらに、電気的に信頼性を上げ、さらに振動に対しても強くするため、バイアス回路とともにエポキシ樹脂で封入されています。

また、ネットワーク部も高音質部品で構成しただけでなく、本体とは別ボックスにすうrことで振動防止と相互の電磁的な影響を遮断しています。

機種の定格

方式 3ウェイ・8スピーカー・コンデンサー方式・フロア型

ユニット
低域用:27x50cmコンデンサー型x4
中域用:7x50cmコンデンサー型x2
高域用:2.5x50cmコンデンサー型x2

定格インピーダンス 4Ω

実効周波数帯域 35Hz〜40kHz -10dB
クロスオーバー周波数 600Hz、4kHz

定格入力 50W(8Ω)
最大入力 100W(8Ω)

出力音圧レベル 80dB/W/m(2.83V)

推奨アンプ 100W〜200W(8Ω)

電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 20W

最大外形寸法
(専用中継ケーブル突起含む) 本体:幅805x高さ1,545x奥行525mm
    パネル部厚み:150mm(グリル含む)
ネットワークボックス:幅785x高さ230x奥行290mm

重量
本体:約76kg(グリル含む)
ネットワークボックス:約18kg

付属 スパイク
本体・ネットワーク間の中継ケーブル
電源ケーブル(プラグアダプター付き)
https://audio-heritage.jp/SONY-ESPRIT/speaker/ss-r10.html

21. 中川隆[-10200] koaQ7Jey 2019年5月23日 15:34:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2139] 報告
SS-R10
3WAY SPEAKER SYSTEM ¥1,500,000(1台)

1996年に,ソニーが発売したスピーカーシステム。ソニーとしてはSS-GR1以来の高級スピーカーシステムで,ソニーのような大手メーカーとしてはきわめて珍しい(というより前例のない)エレクトロスタティック・スピーカーシステムでした。

エレクトロスタティック型は静電型,コンデンサー型などとも呼ばれ,超軽量な振動膜が静電応力によって振幅する構造となっており,分割振動が無く,低歪,平坦な位相,高速応答を実現できるなど,スピーカー技術者にとってもある意味理想の方式といわれています。高音域用ユニットとしては古くから製品が作られていましたが,全帯域をエレクトロスタティック型で再生するフルカバーシステムとなると,難しい面もあり,これまでもQUAD、 MARTIN LOGANなど,海外のメーカーを中心にいくつかのブランドに限られ,少数派となっていました。

そして,国内ではスタックスがすぐれた製品を作っていました。そんなエレクトロスタティック型(ソニー自身はコンデンサー型と称していました。)のフルカバーシステムに,大メーカーであるソニーが挑戦し,ユニットの基礎研究から数え,6年間の歳月をかけて研究し,完成させたのがSS-R10でした。

エレクトロスタティック型では,1ユニットでフルレンジをカバーすることも可能で,1ユニット構成のシステムが主流ですが,振幅の大きな低音域の再生に問題が生じたり,そうした低音域の再生に主眼を置くために高音域の再生にしわ寄せがくるという問題点がありました。特に,高域再生においては,平面波であるがゆえに,指向性がレーザー光線のようにビーム状になり左右のスピーカーの正面中央から少しでも聞き手がずれたり頭を動かすと音像が結ばなくなるなどの現象も大きな問題点としてありました。

そこで,SS-R10は,高域の指向性をビーム状から脱却させ,極力リスニングエリアを広げるために,3ウェイ構成をとっていました。ユニット構成は,上下に2ユニットずつ配した3ウェイの6ユニット構成に見えますが,実際には8ユニットという構成で,ウーファーに4ユニット,スコーカーに2ユニット,そして,トゥイーターに2ユニットとなっていました。ウーファーが4ユニット構成になっているのは,上下とも2組のユニットが組み合わされているためで,こうすることでウーファーとしてのドライブ能力を高め,量感のある低音を実現しようとしたものでした。

ユニットの振動膜は,家庭用ラップフィルムの1/10の重さしかない厚さ6μmで,振動膜の前後の空気層の実効的な質量と比較しても充分に軽く,全面駆動により際立ってすぐれた音の分解能を可能にしていました。

ユニット1枚の高さは500mmで共通となっており,ユニット1枚の幅は,ウーファーが270mm,スコーカーが70mm,トゥイーターが25mmで,一般的なユニットの3ウェイスピーカーシステムと水平方向の指向性パターンは近いものとなっていました。振動膜の表面には,導電性ポリマーを化学的に形成する加工がされており,

振動膜の母体は透明であるが,加工後も淡く色をまといつつも透明なものとなっていました。振動膜を挟む穴の開いた電極の母体は真鍮で,その表面を絶縁のためのエポキシが包んだ形になっていました。

エレクトロスタティック型スピーカーには,エンクロージャーが必要でないため,エンクロージャーの影響を受けず原理的に素直な音質が実現できます。反面,ほとんどただのパネルという形状のため,強度がとれにくく,たわみが生じる可能性があったり,振動の基点の強度が弱くなるなどの弱点がありました。

そこで,SS-R10ではパネルの強度を飛躍的に高めていました。パネル部は,米松を6センチ厚の合板にしたものを使用し,ねじりやたわみに強いきわめて強固なものとし,聴感上のS/N比も大きく上がっていました。

6cmという厚みは,ユニットに厚みに対してかなりの厚みになるため,開口部の凹みが大きくなり,空洞の共振等,音の拡がりへの影響の可能性も出てくるため,角を滑らかに削り取るなど念入りに加工されていました。

また,フレームにあたる米松製パネルは,響きの良さから選ばれたということでした。

エレクトロスタティック型スピーカーの発音原理は,電極と振動膜とにバイアス電圧をかけ,そのうえで電極にトランスによって昇圧された音楽信号を流すと,電極の電圧が変化し,振動膜を動かすことになるというもので振動膜の前後にある電極が,振動膜を挟んでプッシュプル動作で振動膜を駆動することで正確で繊細な音の再生が可能となっていました。2枚の電極に振動膜が挟まれた状態が,コンデンサーの構造そのものであることから,日本ではコンデンサー型とも呼ばれ,ソニー自身もSS-R10をコンデンサー型スピーカーシステムと称していました。

こうした動作原理であるため,エレクトロスタティック型は電源が必要で,本体後部についたボックスの内部には,電源トランス,保護回路,バイアス回路,信号トランスが内蔵されていました。電源トランスは,ウーファー用,スコーカー用,トゥイーター用独立で3個搭載されており,歪み感が少ないためついパワーを入れがちになりやすいエレクトロスタティック型ゆえ,トゥイーターにのみ保護回路が内蔵されていました。フロント面下部の通常緑のLEDが保護回路が動作すると赤に変わるようになっていました。バイアス回路は,ウーファー,スコーカー,トゥイーター,それぞれ独立で,スコーカー用,トゥイーター用は基板を共有し,ウーファー用は専用基板になっていました。音楽信号を昇圧する信号トランスも容量的に充分余裕を持った大型のものがそれぞれ独立で搭載されていました。基板はガラスエポキシ基板で,各部品を付けた後,信号トランスも含めてエポキシ樹脂を充填して密閉した構造になっていました。これは高電圧を扱う回路やパーツをホコリや湿気から隔離し防振するためでした。

ネットワーク回路は,高電圧部の影響を排除するために,本体とは別ボックスとされていました。パーツは高品質なものが厳選され,負荷抵抗は耐入力を上げるため大型のものが採用され,フィルムコンデンサーも大容量のものが採用されるなど,各パーツ類はいきおい大型のものになり,相互干渉させないように余裕をもって配置するため,ネットワークボックスも非常に大きなものとなっていました。ネットワークボックスと本体とを接続する付属ケーブルは,接続コネクターに,PA用のパワーアンプとスピーカーの接続に使用されるスピコンが使用され,信頼性を高めていました。

以上のように,SS-R10は,ソニー初の,そして唯一のエレクトロスタティック型のフルカバーシステムとして, 高い完成度を実現していました。それまで存在していた同方式のスピーカーシステムに比べ,正攻法で高い技術レベルをもって完成したシステムとなっていました。それまでのものと比べ使いやすさは高められていたとはいえ,音圧レベルが80dB/W/mと低く,パワーアンプもある程度以上のものが必要とされ,ドライブ感や迫力を求めると難しさはあるものの,晴れ晴れと澄みきった音場感や繊細で歪み感のない音は独自の魅力をもつもので,こうしたスピーカーを大メーカーであるソニーが作ったこともある意味驚異的であったと思います。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。

名演奏に接したときの感動にも似た心の解放感。
フルコンデンサー型,SS-R10。
あくまでも上質のリアリティを求めた
細部にわたる入念な作り込みが,
その存在を忘れさせるような
自然な音場空間を生み出します。

◎全帯域でコンデンサー型ユニットを使用した
 3ウェイ構成のスピーカーシステム

◎2重構造のウーファーにより
 低域も量感豊かに再現できます

◎極薄の振動膜が生み出す優れた音の分解能

◎キャビネット・レスによる素直な音質

◎細部にわたって高音質優先設計
http://knisi2001.web.fc2.com/ss-r10.html

22. 中川隆[-10199] koaQ7Jey 2019年5月23日 15:41:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2140] 報告

2011年 07月 08日
DVDシアターとハイエンドオーディオ


コンデンサー型スピーカーとは、静電力を利用して、振動板を駆動するスピーカーで静電型スピーカーとも呼ばれている。2枚の振動板を 向かい合わせ直流電圧をかけてやると極同士がひきつけあう。一方を堅い物質、もう一方を薄い柔らかい物質(振動板)にする。

ここにアンプからの音声電流を 流すとスピーカーの振動板として機能する。 この形式をシングル型と呼ばれるが、固定板と振動板の間は極めて薄く大きな振れ幅はとれないことからツィーターとしてしか利用できない。

実際のコンデンサースピーカーは2枚の固定極の間に振動板をはさむ形のタイプのものが主流である。この方式をプッシュプル型と呼ぶが、こちらのほうが大きな振れ幅をとれるので、フルレンジ・ウーファーとして利用が可能になる。

わたしは、これをWプッシュにして効率を稼ぎサッカーボールのような球面体の無指向性の点音源と、天井・壁・床の六面全体に平面パネルのスピーカーを配置したオーディをルームを作ったことがあります、

その素晴らしさは言葉で表現するのは難しい、だが実物をお聴きになれば驚愕されることは間違いないと思います。残念なことに震災でなくしてしまったのですが、最近、それを復活してみたいと思い有志を募って、ハートクイエク 仙台 BASE CAMPで音楽を聞くアメニティーとしてコンデンサー型スピーカーを作るプロジェクトを立ち上げたいと思います。

完成したモノをお聴きになれば、大面積のスーパーウーファーから重低音がふわっと圧力として感じる感覚、歪の少ない中高音、感動すること間違いなし。16Hzから20kヘルツを超える周波数範囲を二つの点音源のスピーカーと大規模な平面音源で構成するコンサートホールが出来上がります。

市販されていた製品

QUAD ESL63

昔はコンデンサ型スピーカーも多く市販されていたようだが現在はほとんどなく、据え置き型スピーカーとしてはイギリスのQUAD(クォード)が有名です。


ユニットの仕様

1.形式:エレクトロスタティック(静電型)スピーカー:中高域エレメント×2/ベースエレメント×2許容入力:55V

2.出力音圧レベル:86dB/2.83Vrms

3.定格インピーダンス:8Ω

4.外形寸法:670(W)×940(H)×315(D)mm

5.重量:20.5kg


視聴してみたが能率が低い(このサイズでで86dbしかない)アンプの出力が小さいのかと思うほどである。これはもしかしたらコンデンサー型に特有のバイアス電源の問題かもしれない、もっと高い電圧にしてはどうだろうか。ユニットパネルに時間差をつけて電気信号を流すことで、点音源的なものを狙っていると書いてあったが、やはり平面波的な音の出方である。音は全体のバランスとしては低域が弱く感じ、ジャズやポップスより、弦楽器を中心としたクラシック系の室内楽が得意だと感じた。魅力的な製品ではあったが静電型は導電方に較べて迫力に欠ける、もう少し大出力の出せるものが必要だと感じました。このほかにもマーチンローガンなどいくつかのメーカーがありましたが何れも似たような性能でした。

最初に手に入れたのがSTAXのELS8X

https://freeuniv.exblog.jp/iv/detail/?s=15083176&i=201107%2F08%2F25%2Fe0197725_1552924.jpg


日本のSTAXも昔は多くの据え置き型コンデンサー型スピーカーをだしていましたが、現在はヘッドフォン専用メーカーとなったようです。
このスピーカーではもつぱら、室内楽を中心に聞いていましたが、低音不足のためピアノなど100Hz以下の音を再生するにはもっと大きな振動版が必要だと感じウーハーをつくってみようと思ったのがきっかけです。電極にはパンチメタルを使い、振動幕には東レのルミラーという10μm厚さのポリエステルフィルムを使用して幅900mm高さ1800mmの平面パネルを8枚製作し両脇に配置して利用しました。この効果は絶大でした、一般に静電式の物は低音が出ないと通説になっていますが,そのようなことはありません、それなりの設計をすれば、目的に見合ったものが作ることが出来ます。その後パネルの枚数が次第に増えて天井周辺の壁総てから音が出るような、残教室になり、コンサートホールのデーターを基にDSPを利用してディレーをかけて効果を加えることにしました。

さらにバイアス用の高圧電源を5000Vにしたり、駆動用にアンプに高耐圧のオペアンプ(PA-85)などを利用して直流から再生できるものにしました。そして、最後に作ったのがサッカーボールと同じ5角形の組み合わせでステレオ用の点音源として2個を製作したシステムが完成しました。

これによって、満足できるシステムと成り1990年にスタートしたフルスクラッチのオーディオシステムが出来上がり、いろんな人たちが来ては素晴らしいと感動してくれました、友人の中にはCDの販売をしている大型店舗で試聴用に設置したり、建設会社に勤めている研究者からは会議室のスピーカーとして利用したいなどの申し入れなどがありました。このようにして完成したシステムは市販品とはまるで異なるものが作れるということが実証できました。結果としてSTAXのELS8Xはお役ごめんとなりました。

その後、SONYから SS-R10という型番で、受注生産品(左右1セット)¥3,000,000(2台1組)、1996年頃まで販売していた記憶があります。既に自作のものが格段に優れたものであったので興味の対象にはなりませんでしたが価格の凄さに驚きました、そしてある日シャープの研究所長がやってきて技術を公開してほしいということから駆動用のアンプを作ってもらったりいろんな形で協力した時代がありました。

https://freeuniv.exblog.jp/iv/detail/?s=15083176&i=201107%2F08%2F25%2Fe0197725_15524667.jpg


SS-R10の概略はフルコンデンサー型を採用したRシリーズのフロア型スピーカーシステム。SS-R10は3ウェイ設計となっており、全帯域にコンデンサー型ユニットを採用しています。このコンデンサー型ユニットには、ソニーのスピーカー技術の他に、コンデンサー型マイクロホンで培った薄膜技術やテレビの高電圧での高度な絶縁技術が投入されています。

セットの表面から見ると、ウーファー、ミッドレンジ、トゥイーターそれぞれ上下に2ユニットずつ使用した6ユニット構成に見えますが、実際には8ユニット 構成となっており、ウーファーは上下とも2組のユニットが重ね合わされた2重構造4ユニットとなっています。これにより、ウーファーとしてのドライブ能力 を高め、コンデンサー型では困難であった量感豊かな低域を実現しています。低域には270×570mmのコンデンサー型ウーファーを4ユニット、中域には70×500mmのコンデンサー型ミッドレンジを2ユニット、高域には25×500mmのコンデンサー型トゥイーターを2ユニット搭載しています。これらのユニットには家庭用ラップの約1/10の重さしかない6μm(6/1,000mm)の振動膜を使用しています。そのため、スピーカー動作中の前後 の空気層の実効的な質量と比較しても極めて軽く、しかも全面が駆動されため際立って優れた音の分解能を持っています。コンデンサー型で必要な昇圧用トランスには、容量的に十二分に余裕を持たせた大型で高音質なものを採用しています。さらに、電気的に信頼性を上げ、さらに振動に対しても強くするため、バイアス回路とともにエポキシ樹脂で封入されています。また、ネットワーク部も高音質部品で構成しただけでなく、本体とは別ボックスにすうrことで振動防止と相互の電磁的な影響を遮断しています。

コンデンサースピーカーは典型的な全面駆動型スピーカーで、動電型のような局在駆動型に比べ振動板に剛性を必要とせず、強度 さえ保てれば、いくらでも薄くて軽い膜が振動板に使えるので、分割振動も起こらずいわば理想的なスピーカーとなる可能性を秘めている。が、しかし、


(1) 高音で鋭い指向性が生じる。

(2) 背面圧の回り込みによる低音の減衰を防ぐのが難しい。

(3) パルシブな低音によって生じる反作用力による有害な振動が生じる

(4) 低音で振幅が大きくなり、振動板が極板に近づくと非直線性が大きくなり歪みが生じる。

(5) 我が国のように湿度が高い環境ではスパーク放電により振動板膜が損傷しやすい。

(6) これらの欠点を克服しようとするとかなり高価になる。


といった、致命的とも言える欠陥があるのであまり普及してない。

しかし、一度その音を聴くと後へは戻れないという人もいるようで、中高音域の音のクリアさは抜群との評判である。私自身、その昔、スタックスのELS-8Xを使ったことがあり、そのクリアな音に魅せられ、その後この欠陥を克服したシステムとして完成させました。
https://freeuniv.exblog.jp/15083176/

23. 中川隆[-10198] koaQ7Jey 2019年5月23日 16:30:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2141] 報告

YAMAHA NS-1000M

NATURAL SOUND SPEAKER SYSTEM  ¥108,000(1台)

ヤマハが1974年発売以来23年間にわたって作り続け,20万台以上売れたという,言わずと知れた国産スピーカーの名機です。

他の多くのメーカーにとって,そしてヤマハ自身にとって本当の意味でどうしても超えられなかった,独走を続けた孤高の名機でした。

何と言っても,高純度(99.99%)のベリリウムをLSIの製造にも用いられていた電子ビーム真空蒸着によって真空中で直接ドーム型振動板に成形した,スコーカーユニットとツィーターユニットが大きな特徴でした。

ベリリウムは,ハードドームユニットに使われる金属系素材の中でも,比重が小さく,高い剛性と硬度を持つというもので,ハードドーム型振動板としてかなり理想的な特性を備えていたようです。特に音の伝播速度については非常に優れていました。そのため,NS-1000Mの中高域の音のすばらしさは,現代のスピーカーと比べてもそんなに遜色はないのではと思います。さすがにピアノメーカーでもあるためか,ピアノの音は絶品だと思います。

ベリリウムは,その毒性の問題で,今はスピーカーにはあまり使用されていないようですが,海外メーカーでは最近になって採用されている例も見られます。そして,このNS-1000Mの成功は,その後ハードドーム型ユニットの全盛期を招いたとも言われています。


ベリリウムダイアフラム   

ツィーターJA-0513は,直径23mm,0.03g以下という超軽量のドーム型振動板を搭載し,粘弾性樹脂と熱硬化性樹脂を二重コーティングした布製のタンジェンシャルエッジが採用され,スコーカーとの音のつながりをスムーズにする低いfo(1kHz)を実現していました。

ボイスコイルは直径23mmで,ベリリウム振動板直結のアルミ線エッジワイズ巻きが採用されていました。ボイルコイルの背後空間のセンターポールはテーパー化されて,不整形に吸音用ウレタンが充填され,共振の影響を抑えていました。


NS-1000MのトゥイーターNS-1000Mのスコーカー


スコーカーJA-0801は,直径68mmの大口径のベリリウムドーム振動板を搭載し,ツィーター同様に粘弾性樹脂と熱硬化性樹脂を二重コーティングした布製のタンジェンシャルエッジが採用され,ウーファーとの音のつながりをスムーズにする低いfo(300Hz)と低歪率を実現していました。

ボイルコイルは,直径66mmの大口径で,銅リボン線エッジワイズ巻きとして高い効率を実現していました。振動板背後は,センターポールをくり抜き,バックキャビティに通じ,また,エッジの背後はボイスコイルボビンの空気穴を通じ,さらにアウターポールにも空気穴をあけてエッジ部の空気を逃がすようにして,振動板,ボイルコイル,エッジなど各部分の空気圧が同一になるように考慮された設計となっていました。

磁気回路は,直径156mmとウーファーと同一口径という大型のマグネットを採用し,磁束密度は16,000gaussを確保していました。


ウーファーJA-3058は口径30cmの紙コーンでしたが,これも強力なボイスコイルを持ち,じっくり検討され開発された特製コーン紙を使った強力なユニットでした。辛口のツィーター,スコーカーの音に比べ,ウーファーの音はやや甘口だったので,それをバランスをとって鳴らすのがこつでした。 また,エッジ部が当時一般的だったウレタンエッジではなく,熱硬化性樹脂と粘弾性樹脂を二重コーティングした布製だったのも特徴で,そのため,長く使ってもエッジ部がぼろぼろになることがなく,高いリニアリティを実現していました。

磁気回路は,直径156mmの大型マグネットを採用し,ボイスコイルは銅リボン線のエッジワイズ巻きとなっていました。


ネットワークも強力なものが搭載されていました。専用の大型モールドベースにMP(メタライズド・ペーパーコンデンサー)が林立し,線形の太いしっかりとしたコイルが整然と配置されたもので,かなりのコストがかかったものでした。

アッテネーターには,二重巻き線の耐入力特性のよい大型のものが搭載され,スコーカー用,ツィーター用それぞれ−∞〜 +3dBまで連続可変することができるようになっていました。
               
キャビネットも頑丈な作りで,すぐれたユニットをしっかりささえていました。前面バッフルボード24mm厚,背面板25mm厚,側板,天板,底板には20mm厚の高密度パーチクルボードを用い,ウーファーの取付穴の上部に厚さ24mmの合板を背面板にわたして補強材とするなど,各所に補強も施され,きわめて頑丈な構造となっていました。黒塗装仕上げでスピーカーユニットの頑丈なアルミダイキャストフレームの銀色とよくマッチし,虚飾を排した精悍なデザインでした。全面の金属製の網は取り外しができませんが,ユニットをしっかり保護してくれます。音質的にはどうなのか分かりませんが。 

YAMAHA NS-1000
NATURAL SOUND SPEAKER SYSTEM ¥145,000(1台)


また,同一ユニットを使用し,黒檀高級ウレタン仕上げのエンクロージャーをもち,サランネットも付属した落ち着いた色調のNS-1000も当初発売されていました。前面バッフルボード29mm厚,背面板40mm厚,側板,天板,底板24mm厚という,より重量の増したやや大型のエンクロージャーを持つだけに,音の方もやや重厚感を増した感じになっていました。


以上のように,NS-1000Mは,モニターと名乗っているだけあって,高域から低域までエネルギーバランスがとれており,バランスのとれた再生音でした。しかし,アンプの素性の違いもよく出し,アンプが駆動力がないとウーファーがしっかり動いてくれず,アンプの力をある程度求めるところもありました。しかし,家庭でも使いやすいサイズと音のスピーカーだったと思います。

国営放送スタジオ

当時,スウェーデン国営放送のモニタースピーカーに採用されたということで,初めて海外で認められた国産スピーカーとも評され,このことも人気につながりました。当時,スウェーデン国営放送の試聴・選定にあたっては,アナウンサーの声がもっとも忠実に再現されていたことが決めてであったと言われています。

1997年3月の生産中止が残念がられた1台でした。
ベリリウムユニットの生産やネットワーク,アッテネーターのパーツの入手が困難になったということなのでしかたありませんが・・・・。まさに,国産スピーカーの歴史に残る名機だったと思います。

以下に当時のカタログの一部をご紹介します。



ツィーター,スコーカーに
ベリリューム振動板採用
音楽の心を
明解な音像の中で豊かに表現
すぐれた素材から開発された
高性能スピーカーシステム


◎ベリリューム振動板の開発と採用

◎新開発の特性コーン紙採用のウーファー

◎音質を執拗にチェックしたネットワーク

◎ブラックの精悍なデザインと
  高級仕上げのエンクロージャー
http://www.niji.or.jp/home/k-nisi/ns-1000m.htm
             


▲△▽▼


ヤマハ NS1000M を考える
mixiユーザー 2005年12月18日 01:30


1974年(私の生まれ年!)以来23年にわたり20万台を販売したスピーカー史上最も成功?したスピーカー

果たしていいスピーカーだったのか、私の父の実話を元に語らせていただきます

?ウーハーが動かない!

はっきりいって市販の30万クラスのアンプでは駆動不可能です。
もともと甘めに設定されてるにも関わらずこのウーハーは動かない。

これにぴったりあうのは電源をしっかりとった真空管アンプ。もしくはトランジスタなら純A級アンプ。これじゃないと動かない


?ベリリウムツイター&スコーカー

甘いウーハーに比べ辛口な高音域。今では毒物扱いのベリリウムが使われているツイターとスコーカーの分解能は現代のスピーカーと比べても遜色がない。いや、むしろ高性能。ヴォーカルの口の開き方、オーケストラにおける楽器の位置まで指摘できるほどの表現力には脱帽。

?基本的にはモニターなんだよ!?

本来、置き場を選ばないはずです。しかし、バスレフポートを持たない密封型のエンクロージャーは異常に置き場、部屋の環境に敏感。ほんらい、聞く側の立場としてはすっきりとした環境で聴きたいのも事実。しかし、現実は毛布をひいたり、わざと雑誌を積み上げたりと、低音を引き出すのに汗をかく。

?首を突っ込んで聴くスピーカー?

一般的なスピーカーが部屋を共鳴し、耳に心地よい音を伝えるのに対し、NS1000Mは部屋の反射音を考えず頭を突っ込んでまるでヘッドフォンのように聴くのが一番だという。何か前近代的な精神主義世界を感じる。


これってスピーカー? ?NS1000って

残念ながらオーディオファンを魅するルポテンシャルを持ちながら誰も鳴らしえなかった世紀の謎品。

その問題は1wayであること。どんなに低く見積もっても低音と中音、高音は別のアンプで駆動されないと全然性格が違う。できれば3wayで駆動したいところだ。しかし、そんなことをする人は誰もいやしないのが現実。例えばJBLの4344MK?ならバイアンプ駆動に挑戦する人はいるだろう。しかし、ペアで30万のスピーカーにそんな投資をする人はいないのだ。だったら30万で納得のいくまとめをするのがヤマハの義務ではなかったのでは?志の高さは分かるが、意あって力足らず。運よく鳴らすことができた人もいるだろうが、一握りだろう。

言っては悪いが10万以下のうちのJBLの方がまとまりがよく、音を楽しませてくれる。最近ビクターはこの衰退産業に力を注いでいる。ヤマハはオーディオの老舗だ。ここで一つオーディオマニアをぞっこんにさせるスピーカーの開発をしてもらいたい。今は儲からなくてもどう市場はどう動くか誰にも想像つかないのだ。

ここで提言したい。どうだろう、20万クラスでヤマハの技術を結集したトールボーイを作ってみては。もちろん志は50万クラスのスピーカーだ。そこから無駄を省き、我慢を重ねた結果の20万の、いわゆる中流層が手をだしやすい価格のものを作ってはどうだろう?その我慢を重ねたコストダウンの技術はヤマハの将来を占うはずだ。時代の変化は厳しいものがあるが、ぜひヤマハには日本を代表するオーディオ機器メーカーとしての誇りを保っていただきたいものである
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=331724&id=3469611



▲△▽▼


ヤマハNS1000Mの位相調整♪ 2017-04-24
https://blog.goo.ne.jp/audiospacecore/e/3d8e8f98f7cb68098d6ebbc430dba2f3

この時代のスピーカーはクロスオーバーの位相がまだ合わせられない時代の3ウェイで、今の時代に聴くとユニットがバラバラに聴こえちゃいます。(^_^;)

もちろん今の時代だから位相を合わせる技術がどこのメーカーにもあるかというとそうではないですけど…(^_^;)

Dynaudio社はスペックシートにクロスオーバーの位相差角が書いてあるものがあります。
これは位相を合わせる技術があるという証拠です。
大体60〜90度以内に収まってれば位相が合って聴こえます。

YGアコースティック社はなんと5度以内という驚異的数値です!!

4344でもそうですが、NS1000Mにも付いていますレベル調整用のアッテネーターを使って位相を合わせるというテクニックがあります♪

やり方は簡単なのですが、結構経験を積まないと違いが分かりにくいかも知れません。。

ユニット間のモジュレーションの無いポイントを探します。

簡単に言いますと、2つのユニットが1つのユニットで鳴っているように聴こえるポイントを探すのです!(^^)v

レベルを調整するんじゃないんです。

なので、場合によってはマイナスゲインにしたのにグッと音が前に出てくることがあるんです!

お客さまがズレるといけないのでマーキングされてました!

個体差があるので左右で若干位置が違いましたし、他のNS1000Mを同じ位置にしても位相が合わないと思いますので予めご了承下さい。(^_^;)

位相が合ったポイントで調整してお客さまに聴いてもらったらとてもビックリされてました!!

こんなに違うんですね!!!と!

あたかもフルレンジが鳴っているような一体感が出ます!!

もしアッテネーターの付いているスピーカーをお使いの方がいらっしゃいましたら是非やってみて下さいね♪
https://blog.goo.ne.jp/audiospacecore/e/3d8e8f98f7cb68098d6ebbc430dba2f3

24. 中川隆[-10197] koaQ7Jey 2019年5月23日 17:40:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2142] 報告
DRACの末裔による徒然の日々
YAMAHA、NS-1000を最良に鳴らす方法 2011-01-05
https://sawyer.exblog.jp/12639976/


小生が使用しているYAMAHA,NS-1000は1978年、今から33年前に購入したものだ。

以来、一度不注意にてスピーカーケーブルを接触させて、右のツイーターを飛ばしたことぐらいで、後は何のトラブルもなく、長年傍に置いてきた。

しかしその音と言えば、ピアノではまずまずだが、弦となると、時によっては突然本性をあらわにするがごとく、鋸バイオリンさながらの音を発するのであった。

NS-1000がなんとかまともな音になるようにと、いろいろ手立てをくわえて来たが、どうしようもなく、それでQUAD、ESL-63を入手することにした。

ドライブパワーアンプは、LUXのB12・・・150Wモノラルコンストラクション×2という、当時ではかなり優れたもの。

それにYAMAHA、C-2aという、今でも現役のかなり優れ物のプリアンプでコントロールしていた。

それ以前使用していたYAMAHA、CA-1000Uというプリメインアンプに比べると、NS-1000は重心が下がった各段に良い音がしたが、QUADは全く其の力を発揮できないばかりか、頻繁にアンプがクラッシュするので、その都度ヒューズを交換しなければならないという厄介なことに陥った。

一方NS-1000は、以前よりは少しましになったが、とてもじゃないがクラシック音楽全般を聴くにはトゲがぬぐい去れず満足度が低かった。

それでアンプを、ハーマンカードンhk−87×2で、擬似ブリッジ方式とし、出力を推定300W/Chほど出るようにした。

その結果、音に馬力が出てESL-63のによるアンプクラッシュは、免れることが出来たが、擬似ブリッジの弱点、アンプの歪などの悪い点も倍以上に増長されるから、出てくる音は余り気持ちのよい音とはいえなかった。

NS-1000も、1986年に購入したQUAD,ESL-63も、アレコレやってはみたが、結局満足度の高い音では鳴ってくれす、諦めかけていた2001年のある日のこと。

もう少しで見逃してしまいそうなオーディオ雑誌のごく小さな記事に「ESL専用のアンプ」InnersoundのElestrostatic Amplifierが発売されたとあって、・・QUADやSTAX,Martin Logan など、コンデンサータイプのスピーカーをドライブするのに最適と宣伝されていた。

それで藁をもすがるように、InnersoundのElestrostatic Amplifierをデモしてもらい、そのドライブ能力の高さに、高額ではあったが、まよわずに購入を決意した。

それから7年間は蜜月時代。

QUADが今まで経験しなかったようなハイレベルな音・・・室内楽は言うに及ばずマ^ラーブルックナーワーグナーといった巨大なオケも難なくこなしてを聞かせてくれ、その結果YAMAHA、NS-1000を邪魔物のように部屋の片隅に追いやってしまった。

33年連れ添ってきたが、もうNS-1000と格闘することにはさよなら・・・そう想っていたのだが、なんと皮肉なことか、どっこい問屋はそう簡単に下ろさない。

2008年夏、オーディオルームのエアコンが壊れたが、冷風扇でなんとか凌ごうとしたのが悪かった。
ある日QUADのコンデンサーがリークし始めてしまったのである。

こうなるとお手上げで、修理となるが、費用は60万ほどかかる見積もり。
実は修理はこれで2度目。
その時は20万ほどかかったガ、小生が現役であったから、サラリーマンの特権たるボーナスでなんとかなった。

しかし今は事情がちがって、余りにもの高額に怯えて、手も足もでなく、しかたなくYAMAHA,NS-100に再登場願うことにした。

さて、ここからが本日の本題だが、初めてInnersoundのElestrostatic Amplifierでドライブすると、それまでのNS-1000では再現不可能であった・・・これがNS-1000の潜在能力なのかと、初めて実感することが出来るほどの豊かな音で鳴り響いたではないか。


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30年にも渡ってNS-1000と戯れてきたが、一度たりとも満足できる音で鳴ってくれたことのない、この厄介者が、人格が変わったかのように変貌し、素晴らしい音を響かせてくれた。

InnersoundのElestrostatic Amplifierの能力の高さは、コンデンサースピーカーだけに、その能力を発揮するものではなく、ダイナミックス型ピーカーにおいても十分すぎる能力を発揮してくれるという事実に、うれしい驚きを獲得することとなった。

それでもよくよく聴いていると、まだ何かが物足りない・・というか、刺激的な音で鳴る場合が、減ったとはいえ、まだ存在することに気がついた。

それで金銭的余裕もないことだし、アレコレ周辺機器をいじることはやめて、設置環境を見直すことにして、実施したのがTAOKを2種類重ねてスピーカー台としたこと。


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そしてこれが1番効果的なことであろうが、アッテネーターを極端にいじって、ツイーターもスコーカーも0db・・・これが「標準」だと思っている人がかなり多いと思われ、小生も30年間0dbにしていたのをいずれもほぼ-4db・・・メモリではそう見えるが、その付近でいちばん聴覚的に良いと思われる位置を耳で聴いて設定した。

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アナログとCD、SACDとDVDオーディオでチェックした、その結果。

ツイーター、スコーカーのアッテネーターを絞った悪影響が出ることは全くなくて、それどころか重心がさらに低くなって、バランスのとれた音楽的な音(オーディオ的な音ではなく)で鳴り響き始めてくれたのである。

クラシックでは、定評だったピアノの音は響きが丸くなって、楽器の音色がわかるようになり、弦の音が艶やかで美しく、いつも試しにするアナログのベルリンフィル六重奏団のブラームス弦楽六重奏の最高音部でも、決して金切りとならなくなった。

アートブレーキーの「モーニン」では、JAZZ喫茶の4344などよりもレベルの音響で鳴りはじめてくれた。

カラヤン/ベルリンフィルのベートーヴェン、ミサソレムニス(1974年盤)でのシュライヤー(T)や、ショルティ/シカゴ交響楽団でのルケッティ(T)の張り上げた声も全く歪まなくなった。

そして現在、YAMAHA,NS-1000は、その能力をフルに発揮してくれ、QUADが破損してもじゅうぶんにクラシック、JAZZを問わずに、素晴らしい音を響かせてくれるようになったのである。

部屋がライブ気味であるのなら、アッテネーターを絞ってみるのが、良い効果を生む・・・・損な発見をしたのが苦節30年立ってからというわけであるから、このスピーカーを愛好している方、未だ多いと、御見受けするから、音に不満がある方は是非お試しください。

アッテネーターを0dbからさらに「絞る」・・・なかなかできない発想でした。


Comments(15)


Commentedby ま〜さん at 2011-01-09 12:53 x

S先輩、オーディオ・ネタ待ってました!NS-1000はかつてオーディオ全盛時代にヤマハが本気で製造した素晴らしいSPではないでしょうか。言いたいことをはっきり言ったため、鳴らす難しさが出てきたと思います。一生ものだとおもいますよ。



Commentedby noanoa1970 at 2011-01-09 13:31

ま〜さん さま
このSPは中古市場にたくさん出ています。ということは、たくさん売れたと同時に、手放す人が多い証拠でもありますね。
でもたぶんほとんどの方はこのSPの力を存分に発揮できないままに手放されたのではないでしょうか。このSPの能力をフルに発揮するためには、高品質で高出力の…思いのほか費用のかさむアンプが必要でして、ほとんどのユーザーがそうであるような、価格バランスを取ったシステム構成だと、よい音で鳴ってくれません。小生もようやくこのSPの真の実力を知ることとなり、クラシックでもジャズでもとてつもなく素晴らしい音が鳴り響いています。(決して大げさではないです)JBLの4344などを凌駕してしまうのですから、すごいことです。
貴君は確かタンノイのユーザーでしたね。音に満足されてますか?
能力を十分発揮されているでしょうか?



Commentedby ま〜さん at 2011-01-10 10:16 x

S先輩、よく覚えていらっしゃいますね。私のSPはタンノイのGRFメモリーです。で、ご質問への答えですが、とても十分に能力を発揮させているとは言えません。タンノイを本当に鳴らしたら、どんな音が出てくるのか?タノノイのスピーカー・エッジは固く、個性が強いんです。それで、とにかく聴くことだと思っています。自分の好きなディスクを時間をかけて聴いて、自分で探っていくしかないでしょう。ところで私もかつて、QUADのESLが本当に欲しい時期がありました。しかし、当時ペアで80万円という価格は、私には高すぎました。でも、あの音触は好きでしたね。他では得られない独特のものでしたから。S先輩のESLの音については、別の先輩から聞いて知っています。ベタ褒めでしたよ。うらやましかったなあ。



Commentedby noanoa1970 at 2011-01-10 11:21

ま〜さん さま
GRFでしたか、それはよいSPをお持ちですね。
タンノイは効率のよいSPですが、だからと言って、皆がやりがちな、極小出力の、球のA級アンプなどで鳴らすのには限界があります。タンノイも進化しているのですから、昔のイメージで装置を組むと失敗することが多いようです。たとえばQUADでもダイナミック型SPを鳴らすことを目的としたアンプでは、どんなに高級なものでも、QUADの潜在能力まで引き出すことはできません。しかしコンデンサー型SPに完全に対応するアンプで鳴らすと、今まで経験したことのないような音で鳴ってくれます。
コンデンサーSP専門のアンプで組んだ小生の環境で聞いた人間のほとんどが驚くことになるのです。彼らの経験値やイメージとは全く違った音が鳴っているからです。
でもQUADの最大の欠陥は、壊れやすいということ。Quality Unit Amplifier Domesticの略ですが、家庭用とは言い難いことで、設置環境に依存するし、修理費はものすごく高額ですので、いまだに修理に出せないでいる、もったいない状況です。
それでもあの音をもう一度聞きたいと思うこのごろです。



Commentedby ま〜さん at 2011-01-11 09:17 x

もう一つ、忘れていました。S先輩のリスニングルームの天井はすごく高いですよね。最近の研究でも、天井が高ければ低域のリバウンドによる音響への悪影響(定在波と言われている)を避けることが出来る、ということです。確か3メートル50センチ位ありましたよね。この影響も大きいと思います。私の部屋は一般的な2メートル40センチなので、低域の処理にはイコライザーを使用しています。しかしそれでも、まだまだ不十分です。



Commentedby noanoa1970 at 2011-01-11 17:09

ま〜さん さま
アキュフェーズ、ヴィクター、パナソニックの高級イコライザーでも、これに頼ると、なかなか抜けられなくなってしまいませんか。依然小生も実施したことがありますが、音質はそれなりにピュア接続よりも悪化することが多いです。もし定在波が顕著な場合は、ナチュラルなものでそれを吸収する方向が望ましいと思います。イコライザーで測定値がもしわかれば、その周波数を吸収するように試行錯誤することを勧めます。ちなみに小生の天井裏には、ギッシリとグラスウールを詰め込んであります。以下のURL参考ししてみてください。ただし、小生は未使用です。URLhttp://www.phileweb.com/review/article/200910/01/69.html…昭和電線のクワイアットパネルという製品一度確認されたし。
最近はオーディオ関連商品も、テクノロジー発達が顕著だから
役に立つものがかなり存在するようです。


Commentedby ま〜さん at 2011-01-11 17:15 x

有難うございます。私のイコライザーはアキュフェーズです。ご紹介いただいた情報、確認してみます。


Commentedby KENat 2012-01-23 21:06 x

僕もNS1000Mを所有しています。あるご縁で設計にも関係している、ヤマハのかなり上の方にいらしたエンジニアの方と知り合いまして(CDの規格とかを考えだした方だそうで、知る人ぞ知る方とほかの方よりお聞きしましたが。。)あてネッターのことに関しては同じ事を言っていましね。。−3DBにしてウファーと揃うような設計になっているとか。。それと。。直接に床に置くということも当時は考えていたようですね・・それで 上とのバランスを取るとか・・・・


Commentedby noanoa1970 at 2012-01-24 00:52

KEN さんこんばんは
相当偉い方と知り合われたそうで、なによりです。小生は長い時間をかけてたどり着いた方法でいたが、おそらく万人が0dbで使用していると思われます。更に多分1000は和室で聴くの前提に設計されているようですから、ライブな洋室で聴くときには相当調整を必要とするようです。そのあたりの説明がないのがとても残念なことです。モニターSPを家庭で着く難しさを持っていますね。直接床に置くという発想もおそらく和室での発想ではないでしょうか。座して聴くと中高音が耳の高さに揃います。


Commentedby tomtonat 2012-12-21 13:31 x

noanoa様
こんにちは
InnersoundにNS1000ですか。良いかもね。
Quadが破損って残念ね。

私はマーチンローガンで頑張ってますが、当方のは壊れるそぶりも見せません。アンプは色々あってクレルのKSA50Sに落ち着いてしまいInnersoundは眠り、NS1000Mも冬眠中です。
−3db+NS1000M+E300って、遊べるネタです。



Commentedby noanoa1970 at 2012-12-21 19:38

tomtonさま、コメント有難うございます。
QUADは今年の正月に修理から戻りました。
それで、今はもっぱらQUADデ聴いています。
ナーチンローガンは、使用したことはないですが、E-300に決定する直前にクレルKSA80を持ち込んでもらい3日ン試しました。次にE-300を持ち込みデモしてもらって1週間聴きましたが、部屋の環境など比較し、E-300に決めました。クレルはもう中古しかない時だったので、調子も優れなかったかもしれません。QUADが壊れてからの2年間、YAMAHAを調整し、結局アッテベーターを絞ることで、今までで最高の音になりました。QUADが直って聴きましたらYAMAHAがQUADに近い音がしたのには驚きでした。


Commentedby tomtonat 2012-12-26 17:50 x

naonao様、こんにちは。
ハイブリットと純ESLの違いがE-300とクレルKSAの違いになるのかもしれません。
電圧だけでいい純ESLはE300、電流を流がすハイブリットにはKSAかも。

先週スタッドパネルを外して点検したら急に音が出なくなって
大慌て、半田はずれでした。数千V近くある電線の修理はこわごわ。無事音がでて、やれやれでした。



Commentedby noanoa1970 at 2012-12-26 20:34

tomtonさん、こんばんは。
なるほど、そのようなことがE-300の説明書きに書いてありました。
通常の電流タイプのアンプは、どんなに高出力でも、SPが低負荷になると、高域が出にくくなるといいます。

Commentedby IchiZatouat 2014-12-17 03:24 x

NS-1000は、ちまたでは低域が出ないとよく言われてますが
本当は中高域の能率が良すぎて低域が出ないように感じる
のではないかと。
というのは、他の小型スピーカーと切替器で切り替えるとアンプのボリュームの位置はそのままで音が大きくなります。
また、超大音量にしたときには低域はちゃんと出ています。
つまりアッテネータの位置は、おもいきってマイナス側にして高域を絞ってあげて普通一般のスピーカと同じレベルにしてあげた状態でアンプの
ボリュームを上げる。
というのが正しいセティングではないかと
急に思い至りアッテネータを絞って聞き始めたところで
この記事にたどり着いてあ〜やっぱりそうなんだ
と確信した次第です。
ただマイナス4まで絞ってはいませんでした。
試して見ます。



Commentedby noanoa1970 at 2014-12-19 09:10

IchiZatouさん
その通りだと思います。アッテネーターをどのくらい絞るかは部屋の環境によるものと思います。
https://sawyer.exblog.jp/12639976/

25. 中川隆[-10196] koaQ7Jey 2019年5月23日 17:46:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2143] 報告

YAMAHA NS-1000M - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=YAMAHA+NS-1000M

オーディオの足跡


YAMAHA NS-1000M
1974年発売
¥108,000(1台、1978年頃)
¥119,000(1台、1993年頃)
https://audio-heritage.jp/YAMAHA/speaker/ns-1000m.html


永くリファレンスとして愛用されるものを創ろうという基本思想のもと、ベリリウム振動板などのヤマハ独自の技術を投入して開発されたスピーカーシステム。

1974年から1997年までの23年という長期間にわたり販売され、スウェーデン国営放送やフィンランド国営放送でモニタースピーカーとして使用されました。


中高域の振動板にベリリウム振動板を採用しています。

この振動板は、LSI製造技術に用いられている電子ビーム真空蒸着法と特殊合金技術を応用し、独自の技術力によって開発に成功したもので、高真空中で製造するため、圧延板材により仕上げたものより化合物が少なく、高純度を実現しています。
また、一度原子状またはプラズマ状にしてから蒸着するため、絞り成型では困難な深いドーム形やタンジェンシャルエッジをもつものなどが、製造可能となっています。

さらに、腐蝕しやすいベリリウム素材に約5ミクロンの厚さで特殊コーティングを施すことにより、大気中の有害な諸成分から保護することにも成功しています。

低域には30cmコーン型ウーファーであるJA-3058Aを搭載しています。

振動板には、長年の素材研究の積み重ねの経験から開発されたコルゲーションつきコーン紙を採用しています。またエッジには熱硬化性樹脂と共振抑えの粘弾性樹脂を2重コーティングした布が用いられ、入力信号に対するリニアリティを高めています。

磁気回路には156φのフェライトマグネットを採用しており、ボイスコイルは銅リボン線のエッジワイズ巻となっています。

中域には8.8cmドーム型スコーカーであるJA-0801を搭載しています。

ヤマハ独自の製法による振動板径68mmのベリリウムダイアフラムを採用しています。またエッジにはNS-690などのソフトドーム型開発時の研究成果である粘弾性樹脂と熱硬化性樹脂を含浸させた2重コーティングのタンジェンシャルエッジを採用し、ベリリウムの特長を損なうことなく充分な形状保持と中心保持能力を得ています。また、ボイスコイルは66φの大口径を採用し、銅リボン線エッジワイズ巻とすることで効率の増加を図っています。

この振動系はベリリウム振動板・ボイスコイル・エッジなど各部分の、背後の空気圧が同一となるよう考慮された設計がされています。振動板背後はセンターポールくり抜きバックキャビティに通じ、ボイスコイル背後は磁気回路の底板に空気穴をあけてバックキャビティに通しています。またエッジの背後はボイスコイルボビンの空気穴を通じて、さらにアウターポールにも空気穴をあけてエッジ部の空気を逃がしています。

磁気回路は156φの大型マグネットを採用しており、磁束密度16,000gaussを得て、過渡特性を向上させています。

振動板の剛性の増加と指向性の向上を計るため曲率半径の小さいドーム型が採用されています。このために帯域外の軸上特性に起る干渉による谷を、ディフューザーを採用することにより抑え、軸上の特性を可能な限り広域まで伸ばし、トゥイーターとのクロスオーバー周波数付近のつながりを改善しています。

高域には3.0cmドーム型トゥイーターであるJA-0513を搭載しています。

振動板にはベリリウム素材の特質を生かした重量0.03g以下という23mm軽量振動板を採用しており、粘弾性樹脂と熱硬化性樹脂を二重コーティングした布製のタンジェンシャルエッジを採用し、不要な共振を抑えています。

ボイスコイル径は23mm、ベリリウム振動板直結のアルミ線エッジワイズ巻が採用され、振動系全体でも軽量に仕上げられています。

またNS-690のトゥイーターなどの研究成果であるボイスコイルの背後空間の、センターポールをテーパー化して不整形に、吸音用ウレタンを充填するなど共振の影響を抑えています。

ネットワーク部の設計には、電気的特性のチェックだけでなく、基本的な実際の聴感を重視し、カットアンドトライによって試聴を繰返して決定しています。

ウーファー回路には、1.0φのホルマール線を使用し大口径フェライトコア入りボビンの採用により、直流抵抗の減少と耐入力特性の向上を計っています。

またスコーカー、トゥイーターのレベルを設定するアッテネーターには2重巻線の耐入力特性の良い大型のものを採用しています。

エンクロージャーは完全密閉のブックシェルフ型4面仕上げで、ブラックフィニッシュのデザインを採用しています。

NS-1000Mでは、前面バッフル24mm、背面板25mm、側板、天板、底板には20mmのパーティクルボードを採用しています。さらにウーファー取付穴の上部に24mm厚の合板を背面板に渡して強固な補強材とし、各所に適切な補強を施しています。

仕上げは、クロスネット無しで黒色半艶仕上げとなっています。


機種の定格

方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型

使用ユニット
低域用:30cmコーン型(JA-3058A)
中域用:8.8cmドーム型(JA-0801)
高域用:3.0cmドーム型(JA-0513)


再生周波数帯域 40Hz〜20kHz
クロスオーバー周波数 500Hz、6kHz、12dB/oct
最低共振周波数 40Hz

インピーダンス 8Ω

出力音圧レベル 90dB/W/m

定格入力(JIS連続) 50W
最大許容入力 100W

レベルコントローラー 中・高音、連続可変型

外形寸法 幅375x高さ675x奥行326mm
重量 31kg
https://audio-heritage.jp/YAMAHA/speaker/ns-1000m.html

_____

YAMAHA NS-1000
¥145,000(1台、1978年頃)

NS-1000Mと同一のユニット構成を採用し、仕上げが異なるスピーカーシステム。

中高域の振動板にベリリウム振動板を採用しています。

この振動板は、LSI製造技術に用いられている電子ビーム真空蒸着法と特殊合金技術を応用し、独自の技術力によって開発に成功したもので、高真空中で製造するため、圧延板材により仕上げたものより化合物が少なく、高純度を実現しています。
また、一度原子状またはプラズマ状にしてから蒸着するため、絞り成型では困難な深いドーム形やタンジェンシャルエッジをもつものなどが、製造可能となっています。

さらに、腐蝕しやすいベリリウム素材に約5ミクロンの厚さで特殊コーティングを施すことにより、大気中の有害な諸成分から保護することにも成功しています。

低域には30cmコーン型ウーファーであるJA-3058を搭載しています。

振動板には、長年の素材研究の積み重ねの経験から開発されたコルゲーションつきコーン紙を採用しています。またエッジには熱硬化性樹脂と共振抑えの粘弾性樹脂を2重コーティングした布が用いられ、入力信号に対するリニアリティを高めています。

磁気回路には156φのフェライトマグネットを採用しており、ボイスコイルは銅リボン線のエッジワイズ巻となっています。

中域には8.8cmドーム型スコーカーであるJA-0801を搭載しています。

ヤマハ独自の製法による振動板径68mmのベリリウムダイアフラムを採用しています。またエッジにはNS-690などのソフトドーム型開発時の研究成果である粘弾性樹脂と熱硬化性樹脂を含浸させた2重コーティングのタンジェンシャルエッジを採用し、ベリリウムの特長を損なうことなく充分な形状保持と中心保持能力を得ています。また、ボイスコイルは66φの大口径を採用し、銅リボン線エッジワイズ巻とすることで効率の増加を図っています。

この振動系はベリリウム振動板・ボイスコイル・エッジなど各部分の、背後の空気圧が同一となるよう考慮された設計がされています。振動板背後はセンターポールくり抜きバックキャビティに通じ、ボイスコイル背後は磁気回路の底板に空気穴をあけてバックキャビティに通しています。またエッジの背後はボイスコイルボビンの空気穴を通じて、さらにアウターポールにも空気穴をあけてエッジ部の空気を逃がしています。

磁気回路は156φの大型マグネットを採用しており、磁束密度16,000gaussを得て、過渡特性を向上させています。

振動板の剛性の増加と指向性の向上を計るため曲率半径の小さいドーム型が採用されています。このために帯域外の軸上特性に起る干渉による谷を、ディフューザーを採用することにより抑え、軸上の特性を可能な限り広域まで伸ばし、トゥイーターとのクロスオーバー周波数付近のつながりを改善しています。

高域には3.0cmドーム型トゥイーターであるJA-0513を搭載しています。

振動板にはベリリウム素材の特質を生かした重量0.03g以下という23mm軽量振動板を採用しており、粘弾性樹脂と熱硬化性樹脂を二重コーティングした布製のタンジェンシャルエッジを採用し、不要な共振を抑えています。
ボイスコイル径は23mm、ベリリウム振動板直結のアルミ線エッジワイズ巻が採用され、振動系全体でも軽量に仕上げられています。

またNS-690のトゥイーターなどの研究成果であるボイスコイルの背後空間の、センターポールをテーパー化して不整形に、吸音用ウレタンを充填するなど共振の影響を抑えています。

ネットワーク部の設計には、電気的特性のチェックだけでなく、基本的な実際の聴感を重視し、カットアンドトライによって試聴を繰返して決定しています。

ウーファー回路には、1.0φのホルマール線を使用し大口径フェライトコア入りボビンの採用により、直流抵抗の減少と耐入力特性の向上を計っています。

またスコーカー、トゥイーターのレベルを設定するアッテネーターには2重巻線の耐入力特性の良い大型のものを採用しています。

エンクロージャーは完全密閉のブックシェルフ型4面仕上げで、ブラックフィニッシュのデザインを採用しています。

NS-1000では、前面バッフル29mm、背面板40mm、側板、天板、底板には24mmのパーティクルボードを採用しています。さらにウーファー取付穴の上部に24mm厚の合板を背面板に渡して強固な補強材とし、各所に適切な補強を施しています。
仕上げは、黒檀裏タンと層仕上げとなっており、落ち着いた色調のサランネットが付属しています。

機種の定格

方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型

使用ユニット
低域用:30cmコーン型(JA-3058)
中域用:8.8cmドーム型(JA-0801)
高域用:3.0cmドーム型(JA-0513)


再生周波数帯域 40Hz〜20kHz
クロスオーバー周波数 500Hz、6kHz、12dB/oct
最低共振周波数 40Hz

インピーダンス 8Ω

出力音圧レベル 90dB/W/m

定格入力(JIS連続) 50W
最大許容入力 100W

レベルコントローラー 中・高音、連続可変型

外形寸法 幅395x高さ710x奥行349mm
重量 39kg
https://audio-heritage.jp/YAMAHA/speaker/ns-1000.html

26. 中川隆[-10192] koaQ7Jey 2019年5月23日 23:21:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2147] 報告

Fostex FE103E - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Fostex+FE103E


FOSTEX(フォステクス) FE103En
https://www.fostex.jp/products/fe103en/

▲△▽▼


大山美樹音 究極の自作 スピーカー追求道
Fostex FE103Eの利用レビュー
http://www.diyloudspeakers.jp/5000html/fostex/10/fe103e.html


Fostex FE103E 取り説より特徴抜粋

1.ESコーン紙採用
2.バスレフからバックロードまで対応するバランスのとれたQ0、M0値
3.高能率、高耐入力、ワイドレンジ

Fostex FE103E大山の評価

 fostexのFEシリーズの原点がこの103シリーズ。30年以上にわたる超ロングセラー商品で今もって人気の衰えないフルレンジ型スピーカーである。FE103M(メモリアル)や6N-FE103(ボイスコイルを6N利用)、FE103G(金色仕上げ)など103の限定ユニットまでいくつか登場している。

 このスピーカーユニットはあまりに有名で、専用のエンクロージャーも長岡先生はたくさん書かれている。有名どころではD-10バッキーやBS-10などがある。市販スピーカーの一部にも利用される実力は折り紙つき。

 万能型スピーカーユニットでどのような種類のエンクロージャーでも利用可能であり、バックロードホーンでもかろうじてok。しかしバックロードで使う場合はΣシリーズのほうが低域の歯切れは良くなる。

 音の特徴は、フルレンジ一発で聞く場合耳あたりがよく特定の周波数でのピークやディップを感じない。FFシリーズのような高域のピーキーさもなく自然に伸ばしている。
http://www.diyloudspeakers.jp/5000html/fostex/10/fe103e.html


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アマゾン
FOSTEX フルレンジ FE103En
価格: ¥ 6,240 通常配送無料
https://www.amazon.co.jp/FOSTEX-FE103En-%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8/dp/B002SE3GAW

カスタマーレビュー

ハード 5つ星のうち5.0
自作派なら一度は使っているだろう名機 2015年11月14日


もう初代103から数えて何個目になるかわかりません。1970年代後半〜80年代くらいから自作スピーカーブームになったかと思いますが、その頃から基本的には変わらない素晴らしい音質ですね。

スピーカーコーンの素材、センターキャップの素材はいろいろとありますが、やっぱり普通の「紙」コーンが明るさ・分解能・ナチュラルさでは一番じゃないでしょうか。よく「フルレンジの良さは自然な音で定位が決まること」と言われますが、将にそれを体現しているユニットと思います。

但しFOSTEXのFEシリーズ全般に言えますが、低音は工夫しないと出ません。本当に出ません。出てはいますが中高域がレベルが高く良すぎて低域がよく見えない、と言うほうが的得ているでしょうか?

私は本機種で幾つもエンクロージャ(スピーカーボックス)自作しましたが、普通のバスレフ型では体積大きめに取り、かつ余程懇切丁寧に根気よく作らないと低音感が感じられません。ですから、やはり多くの方がおっしゃるようにBH(バックロードホーン型)で鳴らすのが一般的でしょう。ただ、これは私の体感上の話に過ぎないかもですが、BHではあまり音道長く取ると小音量では違和感があります。ユニット自体の力不足や音圧不足でホーンを十分ドライブ出来ていないのかもしれませんが、音道は1メートル程度に抑えたほうがスピード感があってよさげな気がします。この10pユニットでも馬鹿でかいBHや音響迷路型を作ってローエンドも限りなく伸ばすのだ!という方もおられますが、その場合は上位機種(磁気強化型)にするか、中音量以上で鳴らすのが前提ではないでしょうか。ま、見た目は本格的でカッコいいですけどね。

また、そもそもが10pのユニットですから、あまり大きなエンクロージャでは設置の側面で問題があることも多々あるのでは。。

私は基本的に小音量でレスポンスの良さ活かした使い方しており、BHも欲張らず比較的小型のものを使っています。103用で売られている比較的廉価なBHキットとかがお手軽だし、一番良いかもしれませんね。仮にバスレフ型で作るにしても本機では大きめの箱が必要ですから、それと比較すると小型BHでもそんなにサイズ的に違いはありません。ブックシェルフ程度といっても過言ではありません。

ちなみにこれもよく言われていますが、エージングには相当時間がかかります。一日に少し聞く程度だ、という人は最初の音出しで落胆せず、半年くらい長い目で見たほうがいいです。そのかわりエージングが進むと本機特有の「紙臭さ」が引っ込み「角」が取れ、ナチュラルさに迫力と艶が加わり、何ともいえぬ良い雰囲気が出てきます。その時、ネットワークなど余計なものを介さない小口径フルレンジ一発の素晴らしさ、本機の真の実力が体感できると思います。

もし、エージング?そんなことより手っ取り早く良い音聞きたい!という向きは本機に手出さないほうが賢明です。同社のFF105WKあたりで6リットル程度の標準バスレフ作るか(FF105WKもバスレフ形に特化した素晴らしい機種で、最初から結構いい音で鳴ります。私も持ってます)、DALIやJBLなどのエントリーモデルをおススメします。

個人的には、この名機が末永く愛され、1世紀レベルでの超ロングセラーになることを祈っています。私のレビューが少しでもお役に立てれば幸甚です。
https://www.amazon.co.jp/FOSTEX-FE103En-%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8/dp/B002SE3GAW


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オーディオの足跡 FOSTER/FOSTEX FE103
¥1,980(1個、1972年頃)
¥2,800(1個、1976年頃)
¥3,300(1個、1992年頃)
https://audio-heritage.jp/FOSTEX/unit/fe103.html


フォステクスの伝統を活かしたFEシリーズの10cmコーン型フルレンジユニット。

非常に長い期間販売されました。

ロールエッジや、耐熱性で効率の良いボイスコイルを採用しており、フルパワーでも低歪を実現しています。

70年代頃までは16Ωと8Ωの2種類のバリエーションがありましたが、その後8Ωだけ生産が継続されました。

発売当時からFE-103の磁気回路強化型としてFE-103狽焜宴Cンナップされていました。

※FE-103は販売期間中に仕様変更が何度か行われているようです。

最初期〜70年代前半のFE-103はマグネット背面からボルトが露出した設計となっています。その後マグネット部とラベルが変更され、その後はFostexラベルへと変更されていっています。

最初期のカタログでは推奨エンクロージャーの設計が異なりました。

※上は最初期の周波数特性(軸上50cm)です。
測定方法が違うため能率が大きく異なります。

機種の定格

方式 コーン型フルレンジスピーカー

口径 10cm

インピーダンス

16Ω(1976年頃)

最低共振周波数 80Hz
再生周波数帯域 fo〜18kHz

出力音圧レベル
96dB/W/50cm(1968年頃)
88dB/W/m(1972年頃)
89dB/W/m(1976年頃)

入力
15W(Mus.)
10W(最大、1968年カタログ記載)

Mo
1.85g(1968年頃)
2.7g

Qo
0.3(1968年頃)
0.35

実効振動半径(a) 4.0cm

マグネット重量 193g

磁束密度
10,000gauss(1968年頃)
11,000gauss

総磁束 29,000maxwell(1968年頃)

標準エンクロージャー方式 バスレフ型(6リットル)

8.5リットル(1976年頃)
総重量 630g

エンクロージャー寸法図、上は60年代のもので下は90年代のものです。

標準エンクロージャー

後期のFE-103

初期の詳細寸法図

https://audio-heritage.jp/FOSTEX/unit/fe103.html

27. 中川隆[-10191] koaQ7Jey 2019年5月23日 23:25:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2148] 報告

大山美樹音 究極の自作 スピーカー追求道
FOSTEX/FOSTERというメーカー 
http://www.diyloudspeakers.jp/5000html/fostex/fostex.html


 FOSTER/FOSTEXは1949年西村茂廣氏および篠原弘明氏が東京渋谷に「信濃音響研究所」を設立し、スピーカーの製造を開始したものが前身です。その10年後には名称を「フォスター電機株式会社」と改称し現在に至ります。

 「フォスター」の製品は基本的にはOEM供給が基本。 ソニー、ヤマハ、 ノキア、AKGなどのハイエンドオーディオのスピーカーや、デジタルレコーダーメルセデスベンツ、ホンダ、GM、フォードなど車載用スピーカー、ipodのヘッドフォンなど幅広い。OEMなのでfosterというブランド名の記載はないが、様々な製品に組み込まれているのでほとんどの人は日常知らず知らずのうちにフォステクスの音は聴いているはずです。

 われわれが入手できる一般の市販品やスピーカーユニットについてはFOSTERの社内カンパニーであるフォステクスが「FOSTEX」ブランドで製品を販売しています。「fostex」というと自作派のための一中小企業と勘違いしている人もいるかもしれませんがとんでもない。グループ全体は東証一部上場の世界企業です。

FOSTEXユニットの特徴

 フォステクスのユニットは自作派特に長岡鉄男先生のスピーカーには気っても切れない縁にあるスピーカーユニットであり、長岡先生の作品はざっとみても90%以上はフォステクスのユニットを利用しての設計である。

 ユニットはまさに先進技術の固まりと言っても過言ではないでしょう。マグネシウム振動板の成型技術や、20センチクラス口径フルレンジで軽量振動板など枚挙に暇がないほどである。fostexの単体ユニットは世界標準の10年先を走っているとも言われている。

 フォステクスユニットの最大の特徴はフルレンジユニットである。フルレンジとは一つのユニットから全ての音域を出すのを目的としたもの。オーディオ創世記の20世紀の初頭から存在するが大半のメーカーは売れないのを理由に、マニアの求めるこの究極のユニットの開発をやめてしまった。マルチのが売りやすいからである。フォステクスのみが孤軍奮闘。ハイエンド用途のフルレンジに関してはどこのメーカーも追いつけないくらいレベルの高いものとなっている。

お勧めリンク

フォスター電機株式会社
https://www.foster.co.jp/

フォスター電機株式会社フォステクスカンパニー
https://www.fostexinternational.com/index-com.shtml

大山の個別スピーカー利用後の評価 
http://www.diyloudspeakers.jp/5000html/fostex/fostex.html

28. 中川隆[-10190] koaQ7Jey 2019年5月23日 23:47:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2149] 報告

Audio Nirvana 2012年04月28日
https://www.highcraft.org/diary-detail/255


Audio Nirvanano はあまり耳慣れないメーカーですが、多分企業ではないのかと思います。

聞いた話では、FOSTEX をこよなく愛したフルレンジマニアの資産家のアメリカ人がいまして、その方はが言うには、

「昔の(日本製)FOSTEXは良かった・・・」らしいのですが、近年の製品には満足できず、遂にはポケットマネーで納得のゆくユニットを製作するに至ったそうです。

アメリカでは、こんな物を生産する工場は殆どなく、もちろんそんな個人の話をまともに聞くわけもなく、世界中のユニットメーカーから依頼を受けて生産している、中国の工場で製品化させたものです。裏側のシールは、セントルイスの夜景で、そこにお住まいなのでしょう。当然USA製にしたかったと思います。

このユニットは、横浜ベイサイドネット様で取り扱っておりますが、何でも秋葉原のコイズミ無線様との提携話があった際に、小泉社長が訪れ、提携商品とは考えていなかった AudioNirvanaの6.5インチを見るなり、これをくれと急遽コイズミ無線様で取り扱う事になってしまったとか。往年のオーディオファンにはたまらない雰囲気をかもし出す、そんなユニットがこのメーカーの魅力の一つです。

強い思い入れ、正に入魂の商品だからでしょう、現在ではアメリカのフルレンジマニアの中では人気のメーカーのようです。にもかかわらず専用のホームページもなく、個人取引の様な状態なのでしょう。今では、38cmフルレンジからこの3インチの物まで、殆どのサイズがラインナップさせています。

音の方は、3インチの場合ですが、FOSTEX好きでもあったためか、その傾向の良さを持っています。スタジオかホールの奥の奥の人がちょっと話した声まで聞こえてきます。このCDにこんな音があったっけ?と思うほどの表現力です。華やかなデンマーク製の物と比べて、低重心で落ち着いた印象です。FOSTEXに慣れている我々には、なじみやすいと感じています。F社には大変失礼ですが、高域を稼ぐ為か?音量を上げるとギャーギャーと耳にきつい音が感じられますが、その商品は周波数を少々控えめにしている為か、音量を上げても全くうるささを感じません。

中国製の為でもあり、何処かで作ったユニットの同材を別の商品にして販売するケースを時々見かけます。ひどい例では、Scanspeakの人気商品を生産していた工場が、メーカー(依頼主)を通さず、商品を横流しする事態もありました。このユニットも、同じコーン紙を使っている物をたまに見かけますが、それとは別物とお考え下さい。重要なのはエッヂにあり、振幅を大きく取るのではなく、どれだけのスピードが確保できるかで設計されています。コーン紙も優れていますが、ここが特徴です。このサイズで8Ω、88.4dBはFOSTEX以外殆ど見当たりません。なんだか良く解らないメーカーの商品ですが、採用を決めた理由がそこにあります。

どちらかと言えば10インチ、8インチの物からの技術移行なのでしょうが、全商品にこの様な特徴があると感じています。38cmのユニットはすごいですよ、150リッター以上は必要ですが、この迫力と自然さは流石です。

オーディオ関連では、大手メーカーとは異なる魅力を持つ組織(個人)が、沢山の製品を世の中に紹介しています。それもオーディオの魅力だとも思います。弊社もその一役を担える様に努力して行きたいと考えています。
https://www.highcraft.org/diary-detail/255


▲△▽▼


Commonsense Audio Audio Nirvana - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Audio+Nirvana+

世界の AudioNirvana(オーディオニルバーナ)
http://audioelex.blog.fc2.com/blog-entry-316.html?sp
http://audioelex.blog.fc2.com/blog-entry-317.html?sp

Common Sense Audio HP
http://www.commonsenseaudio.com/

Common Sense Audio - ホーム Facebook
https://ja-jp.facebook.com/anspeakers/

amazon.co.jp Audio Nirvana
https://www.amazon.co.jp/Audio-Nirvana/b/ref=bl_dp_s_web_4278037051?ie=UTF8&node=4278037051&field-lbr_brands_browse-bin=Audio+Nirvana

PHILE WEB 製品データベース - AUDIO NIRVANA
https://www.phileweb.com/ec/index.php?m=1772&s=&p_min=&p_max=&r=20&o=1&c=

欧米製300Bアンプ : Audio Nirvana 300B トランス結合、真空管整流 シングルアンプ (アメリカ)
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/120.html

29. 中川隆[-10189] koaQ7Jey 2019年5月24日 00:08:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2150] 報告
>>28
>「昔の(日本製)FOSTEXは良かった・・・」らしいのですが、近年の製品には満足できず、遂にはポケットマネーで納得のゆくユニットを製作するに至ったそうです。

最近のフォステクスFEのE/Enは音が悪い 2012/10/6


 自作評論家は本当の事を書きませんが、最近のフォステクスFEのE/Enは音が悪ですネ。

やはり、中国生産になったからでしょうか。

関係者に

「もう昔のような良質のパルプが枯渇してしまったのでは?」

と尋ねると

「パルプはあるんだが水が無い」

という返事でした。


その「水」というのが企業秘密らしく、詳しい事は教えてもらえませんでしたが、おそらくパルプを水洗いする「水」が中国の、それではダメだということではないかと、思っています。

昔のFEはサブ・コーンの付いている 16/20cmは紙臭いので別として、8〜12cmはメーカー製スピーカーの追従を許さない、価格を超えたヴォーカルの素晴らしさや、圧倒的な音場感がありました。

長岡先生もピュア・オーディオにはスワンがいいと、おしゃってましたしネ。
実際、アンプやCDプレイヤーのテストの時は、スワンで行っていました。

それに比べると、今のFEは甘くみてもイマ1.5という感じです。
その他のフルレンジも軒並みダメで、まぁまぁなのはFX120ぐらいでしょうか。

もちろん、古くからのマニアは、それを分かっていて、どんどんフォステクスから離れてしまうのを、必死で繋ぎ止めるために、とても高価なフルレンジを限定発売しているのです。

限定ユニットは売りっぱなしで、コーンの張り替えは行ってくれませんし、あれでシナ・アピトン合板でも使ってスピーカー作ったら、メーカー製のスピーカー・システムが買えちゃいますヨ!! 

やはりベーシックなFEの音が良くならないとネ。

ちなみにFEのEΣなんて、バカバkしいぐらい音が悪いです。
https://blogs.yahoo.co.jp/s_tubotarou/30252226.html

30. 中川隆[-10188] koaQ7Jey 2019年5月24日 00:34:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2151] 報告
>>28
>「昔の(日本製)FOSTEXは良かった・・・」らしいのですが、近年の製品には満足できず、遂にはポケットマネーで納得のゆくユニットを製作するに至ったそうです。

>>29
>自作評論家は本当の事を書きませんが、最近のフォステクスFEのE/Enは音が悪ですネ。
>やはり、中国生産になったからでしょうか。

2009年10月18日 FOSTEXの話しませんか?
https://smcb.jp/communities/5921/topics/484917


うーたんさん

FOSTEXは昔フォスターの名前で多くのスピーカーユニットを安価に提供してくれていて、自作派の味方でした。
というか、今でもそうですね。

私もFE-103を2発使って自作した銘器?など元気で明るい印象が好きです。
最近ではバックロードホーンに特化したユニットなど独自路線の製品を出してくれるのもますます好印象です。

みなさんにとってFOSTEXとはどんな存在ですか?


ニッパさん 2009年10月25日 08:18

うーたんさん お早う御座います 
フォステクの ほとんどは中国で生産されてるので 寂しい気も 
コストなんでしょうが
で 中国にまねされる・・・(;´Д`A ```

バッロード用 基本は軽いコーンで 極端なストロークしない
磁気回路の強いタイプですよね どちらかというと あまり 対入力が低い
それで ボイスコイルが細くてスクエアorショートボイスコイル ギャップが狭い
狭ければ 当然磁束密度は上がります
↑を ダンパーとか加工すると 平面バッフルに合うんですよ

FE-203Σとか ダンパーカットでかなり 良い感じなりました
だから ラウザー・アキシオム80とか良いんです 

バスレフ向きは ダンプして重くなったコーンに
ロングストローク 対入力が高く ボイスコイルは
太くてギャップが広く ロングボイスコイル 当然能率は下がる 
平面バッフル向きではない


うーたんさん 2009年10月25日 07:12

そんなに儲かるようにも思えないので販売戦略ならそれもしょうがないと思いますが、ちょっと節操がないような気も最近しています。
しっかり磨き上げたものを量産効果で安価に売る。
これが真の庶民の味方だと思うのですが・・・。
競争相手がいないので競争原理が働かないとも言えるかも。
まあ、地道に続けてほしいです。

高能率、バックロード用に特化・・・。
このコンセプトには大賛成です。


ニッパさん 2009年10月24日 22:18

販売促進じゃ? 売れ切れたら
また 半年〜1年で 似たようなの出してきます
よく マグネットだけ 強化したの 出してくるけど
音は? ての多いですよ


うーたんさん 2009年10月24日 19:56

フォステクスの話に戻るんですが、最近ユニットの限定販売が多いですよね。
あれはどういう意味なんでしょうか?
評判のいいユニットは定番化してくれたらいいと思うのですが・・。
それにしても高額なものはちょっと×ですねェ〜。

いつまでも長岡先生のように庶民の味方であってほしい・・・と思うのは私だけでしょうか?


ニッパさん 2009年10月24日 11:22

自作=安い これは なかなか。。。。

設計や構想練って時が 一番楽しい
いざ できると そこから 調整やら改造
一喜一憂しながら またそれも良しと
自作で安く済ませたいのか
市販品に無いから 自作するかでも違います
うちのアンプなんて とても・・・・(;´Д`A ```
市販品で済めばと 思っていますが 使えないから



あっしゃんさん 2009年10月22日 21:52

自作=安いなどとは思ってはいけませんね。上に書いたのは若い頃の思い出話です。フォステクスにまつわるね。私の現在のシステムも気に入るまでいじりまわしてます。これも昔からの自作経験の延長線上です。オリジナルより高くついてます。


うーたんさん 2009年10月22日 21:16

最近、木材も高価ですから自作もお金がかかります。
オークションで不人気なスピーカーシステムを買ってその箱を利用するっていう手もありますが、その箱があまり出来がよくないってこともおうおうにしてありますね。

まあ、すこしずつお金を貯めてやっと買えたっていうパターンがいちばん好感がもてます。

私はというと、このところの株価上昇で売り時を狙っていますが、意外とまだ上がるんじゃないかと思って売ることができないんですよね。
バックロード作成のための資金はもう一歩です。

サブプライムの時は数百万円損をしました、えへへ・・(自嘲)。


ニッパさん 2009年10月22日 21:03

うーたんさん LPのジャケットです 
基本かわいこちゃんが 好き アイドル大好きなんて
そうですか  実験室です 

(゜O゜;アッ! 今日 お仕事で 森カンナさんと 一緒で すてきな 良い香が
ロケ車に彼女が載ると 芳香剤の何倍も良い香が
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&source=hp&q=%E6%A3%AE%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%8A&lr=lang_ja&um=1&ie=UTF-8&ei=DUrgSqv4CdeCkQX65rytAg&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CBIQsAQwAA
あっしゃさん 独身・・・ うちは 3人目のカ〜チャンです (o_ _)ノ彡☆バンバン
自作=値段と 音が吊り合わない でチャレンジですよね
でも こだわると メーカー品 ぽんと買えば済む
それより 数段 工程や予算も 実はかかるんです

自作=安いは  最後は 無理と



あっしゃんさん 2009年10月22日 20:42

盛り上がりましたね〜♪
フォステクスと言えば多種多様のユニットがありフルレンジ40cmなんてのもありました。
ASWを作る時に安い20cmウーファーFW202を使ったのを覚えてます。
初めて買ったドライバーはD232。安かった。セクトラルホーンはコーラルAH-502の方が安かった。
とにかく若い頃はお金が無かった。アルバイトニュースも無かったし、もちろんヤフオクなんか無かった。
ネットワークパーツが意外に高くて困りました。フォスのしかわからんかったもんね。
少しゆとりができてアンプやLPプレーヤーは上級品が買えるようになってからもスピーカーだけは自作でした。
再び自作熱が出てきたのは再び独身になった16年前からです。


うーたんさん 2009年10月22日 04:59

ニッパさん

オーディオにドップリですね。
HPも立ち寄らせていただきました。
なかなか惹きつけるフロントページに感心しました。
ミーハーっぽい壁の写真が妙に気になりますが・・?

とにかく、ご自分の自由に使える部屋があってうらやましいです。


ニッパさん 2009年10月21日 13:00

(゜O゜;アッ! ケーブルも 石塚氏手製による トラィガードケーブル
20年では高すぎて 商品化出来なかった 試作品です
1m5万なんて 20年前は ありえない 値段 今なら有るけどね
この ケーブル 叩いてもいっさい 音が出ない
オシロでテスト済みです
ナンバーワンじゃなくて オンリーワン 違う世界なのかもしれません


ニッパさん 2009年10月21日 09:10

うーたんさん 車売る前に 是非遊びに来てください
完全 自作 オーディオの世界
カートリッジ オーダー品試作品多数 アーム自作 プレーヤーは
数人で 旋盤屋さんに 挽いてもらった トランスは デンオンの側だけで
UTCで イコライザーは クリスキット改と大沢作バランスプリ・バランスパワー
こんどは マグネット石塚作飽和磁気回路22000↑に大沢作コーン紙・・・
オンリーワンばかりです ヾ(;´▽`A``アセアセ



うーたんさん 2009年10月21日 05:39

いいです。
いいです。

駅に近いので、車乗らないしそろそろ売ろうかと・・・・。
少し、淋しい。


ニッパさん 2009年10月20日 23:11

(゜O゜;アッ! ほんとですね フォステクスのはずが (*_ _)ペコリ
車とオーディオとカメラは 近いですよね
カメラは 恐くて 近づけません ヾ(;´▽`A``アセアセ
是非 行動起してください 悪い虫が騒ぎはじめちゃいましたか (*^m^*) ムフッ



ニッパさん 2009年10月20日 21:58

これ 真ん中らへんの音聞けば 1分30秒から
風邪 完全に治るかも
ほかの 病気が再発しても 責任は持ちません

https://www.youtube.com/watch?v=VsMgA2JvUlg&fea


ちなみの 写真は乗っていたときの カリブラです


ニッパさん 2009年10月20日 20:57

ゆうさん 自分ちょと前まで 車代の3倍くらいかけて
オーバー300キロ フルチューン車乗ってましたよ
カーボーイ見開きで出たことも 2L 450PS↑・・・
L 230PS (*≧ ω ≦*)ブププッ
車は面白いです 直線番長で 最高速やゼロヨン・・・・おじじで参加
その車は オペルカリブラて DTMに出てた 
まあ 普通は 誰も知らない 5ナンバーでGTRやスープラそしてフェラーリポルシェ
ちぎって 大黒PAで 追いついてきて この車なんですか?!?!と
いまは いかに かーちゃん説得して スパー7買う算段・・・・・・・(@@;)
もちろん 一番パワーの無いの買う予定
一度 600PS ロータリーターボの7借りたり ボグゾールとか
高パワーは 7に合わない ケントユニットで 細いタイヤで ステアリングマシンがいい

うーたんさん アンプのパワーと確かに 大排気量にてるかも
V8はカマロ アイロックジーの5.7Lが最高で 
小排気量は ゴルフ2 GTI 某横浜のステージ2組んで それはそれで楽しかったです
まあ どんな車でも 今は早いしね 
じじいが 運転してる 旧車のが 何倍もカッコいいですね


うーたんさん 2009年10月20日 20:20

うぁ〜っ!
車の話で盛り上がってますね。
そもそも私がアンプのパワーを車の排気量に例えられるか?って話からですよね。

そういえば今の若い人、車に興味ないみたい。
スポーツカー乗ってる人をみても、何かダサく感じるようです。
高級な自転車乗ってた方がカッコよかったりして・・・。



ニッパさん 2009年10月20日 18:07

ゆうさん 今時は軽でも67馬力あるから 今の人にはわからないですね
今の軽の 車重が半分以下かも・・・・ で燃費は ハイブリットより 良かった
昔弟が ヨタ8昔乗ってて 普通に1L 35km走りました 
ホンダは1L50kmくらい 走ったと 思います
高能率なんで 5結のシングルです プロフィールにHP載せてます
極めて極端な 自作オーディオですが
X1-R 恐怖のタックインですね オーバーフェンダーが カッコ良かった
ハンドル切っても曲がらないから いかに 重量移動で 
フロント すかすかですよね 自分はX-1チューンに 横に乗って 横転した事が有ります
ロールゲージが有って 助かりました 
1wしかない アンプで 高能率スピーカで がんがん鳴らす そんな 感じ?
使える パワーバンドが 狭い (*≧ ω ≦*)ブププッ
オーバーレブ気にしながら 運転だもんね 
おっと ボリューム上げすぎたとか 

低能率スピーカーにパワーを入れた音? はGTRとかスープラとかじゃ
(゜O゜;アッ! 三菱GTOかも (o_ _)ノ彡☆バンバン


ニッパさん 2009年10月20日 09:52

おおお フロンテクーペお乗りだったんですか
友人に フロンテクーペ狂さんがいて
今5台くらい 2台登録で1台が サンデージムカーナレース用
2台が部品用とか・・・・・・・・・(;´Д`A ```
ジムカーナは570ccボアUP 菅谷チャンバー CRキャブ バイクじゃありませんが о(^▽^笑)
バイクのGT550用ピストン入れて ヘッド加工でなんと 65馬力も出てるんです

http://www.youtube.com/watch?v=LEd2metPsJw

音だけ 聞いてると 物凄いんですが 周りの車見ると
安全な速度域 ほんと 面白い車ですよね
きっと 今のミニバンのが 早いのかもね

6BQ5シングルに多摩音響LA16繋いで 聞いてますよ 
FEより 反応がいい ( ̄ー ̄)ニヤリ



ニッパさん 2009年10月19日 22:11

車とは ちょと 話が違うけど
最新のGTRは誰が乗っても それなりに早いけど
これも ハイグリップタイヤのおかげなんでしょうね

昔の車に 今のタイヤ付けると 足回りやひいてはボディまで・・・・
タイヤ自体もロープロで 82%なんて 扁平率 ほとんど無いし

ここも 同じなのかも 同じコーナーGTRは100キロでも なにも気にせず曲がりますが
きっと 同じコーナー60キロで小排気量のミニや丸もちやアウトビヤンキなら
大騒ぎです フロンテクーぺとかでも でも 数倍楽しいのかも
早く安全に移動できる車が良いのか 移動自体を楽しむ車が・・・
このへんも 似てるのかもしれませんね



うーたんさん 2009年10月19日 21:23

P610は当時友人のステレオ(一体型)の裏ブタを開けたらAタイプが入っていました。
アンプが真空管だったのですがふっくらした低音が妙に心地よかったことを覚えています。
耐入力3Wでも十分ですね。

確かにアンプの大出力って何だろうと考えることが時々あります。
車で言うと排気量でしょうか?
たしかにスポーツカーの加速感は魅力でしょうが、オーディオでも同様のことが言えるのでしょうか?
スピーカーの能率(車で言うと車体重量)がよければそれで済むような気がしますが・・・。

昔は小出力アンプしか作れなかったのでスピーカーの能率は重要でしたが、今は能率は二の次になってしまったような気がします。


ニッパさん 2009年10月19日 00:08

スピーカユニットの改造してる方て 居ませんか?
今のスピーカて 100wアンプで壊れないのが
自分が作っている スピーカは 10wでも壊れる 
(゜O゜;アッ! 当然10w入れたら 物凄い音が・・・
ケーブルの問題で 開放で スピーカが壊れる
メーカー製ではありえないのですが
1wで十分聞ける 小音量で 聞けるスピーカて 今はとても少ない
1wしか出ない アンプもないし 普通に50w〜100w もしくは それ以上ですよね
メーカー製では 壊れたら メーカーの責任・・・・・
反応の良いスピーカは 今は皆無です 悲しいです



こーちゃんさん 2009年10月18日 22:18

自作派の私はフォステクスのユニットにお世話になってます。最近は此処しかユニットを製作してないのが残念です、昔は各社競って色んなユニットを出してましたね、その頃私は只雑誌を眺め、凄い人達が居るなーと関心してました。そんな私が在るJAZZバーのライブで親しくなったベースマンが長岡氏のスピーカーを自作してらして、ぜひ見せて欲しいと休みの日に伺い、そのスピーカーにビックリ、形が煙突の様なネッシーJr、首が伸びた1目小僧の様なスワンでも、音が凄く良いのに又ビックリしました。その師匠に色々と教わり私の自作熱病が開花しました。又スピーカー自作同好会なるものを作り、月1回に月例会を例の蕎麦やさんで開催し、自作スピーカーでJAZZを聴き、熱くオーデオ、ユニット他を語っております。



ニッパさん 2009年10月18日 21:41

ゆうさん 自分は古いのかな 6ハンて言えば 三菱(610)・パイオニア(PE)・松下(ゲンコツ)
が3強で その下に安い フォスターやコーラル アイデンとか 中学生には 憧れだった記憶が


ニッパさん 2009年10月18日 21:36

UPは白いコーンで JBL LE-8Tのイメージですね
今は FXが近いのかな FEと比べると おとなしい感じで
白い ダンプ材が塗られた センターがアルミでボイスコイル形が大きい

本家LE-8TもUP-203やヤマハJA2770も使った 事が有ります
テクニクスもコーラルでもありましたね


うーたんさん 2009年10月18日 15:57

ニッパさん
コーラルFLAT8を買ったのはちょっとエピソードがありまして、そのころ雑誌を見ながら4cHのリア用としてフォスターのUP163を買おうと決めて秋葉原に行ったんです。
ところが、いざ買おうとしてふと20cmの方が大きいからいいかなと色気が出てしまいこれを入手することになりました。
UP163はどうだったか知りませんが、確かにコーラルではFLAT6の方が評判良かったですね。



ニッパさん 2009年10月18日 14:34

うーたんさんコーラルは ダンボール箱製作の会社になっているそうです
フラットは8より6の方が人気有りましたよ 音がチョと違うんです
FEも20cmが良い人と10cmとか8cmの方が良いとか
自分はFE-163が 13cmも有りますよね



ニッパさん 2009年10月18日 14:30

知っております 最初の名前は朋だったかな 景山式 今は調所電器が引き継いでいますね
調所電器のD-2に 興味あります
80年代は古山平面が有名 確か 調所電器が作っていたはず
ハイルドライバーの2wayが 有名でしたね
昔 友人が使っていて 池上まで 何度か遊びに行きました



ポチトリさん 2009年10月18日 12:49

うーたんさん

ご存知かもしれませんが、バスレフ用のユニットは、ロングギャップ、ショートボイスコイルで、磁束密度も低目になっています。
振動板のストロークも確保され、Qも高めに設定されているようで、バスレフの効果を出しやすいように設計されているようです。

音は、落ち着いたもので、弦を聞いても、刺激的な音は出ません。
ストロークが大きく取れるためか、トーンコントロールで低音をかなり上げても、分解能が落ちません。
結果として、非常にバランスの良い音に聞こえます。確かにクラシックを聞いても問題ないです。

最も、このユニットの価格だったら、同価格で2Wayを構成して、総合的にさらに高性能なシステムを作るのは可能だとは思います。

しかしながら、シンプルかつコンパクトな、フルレンジユニットを使ったシステムで、ある程度の性能を得られるという、精神衛生上のメリットはあります。


うーたんさん 2009年10月18日 11:45

ポチトリさん
MG-100HRにはちょっと食指がうごいたんですが能率の低さとクラッシック向けだとの噂もあって見送ることにしました。
もう完売したようですが音はいかがですか?


ポチトリさん 2009年10月18日 10:31

昔は、「マグネットが強力=音が良い」と単純に思っていました。
マグネット2段重ねのFE-103Σなどには、あこがれたものです。

最近のFOSTEXのユニットは、ずいぶん洗練されてますね。
最近、久しぶりにFOSTEXのMG-100HRでスピーカーシステムを作りました。
HR形状の、マグネシウム振動版という、FOSTEX独自の技術に引かれました。
値段相応といわれればそれまでですが、ユニットの作りも丁寧で、トッププレートの厚さや手間のかかったであろう旋盤加工の後等を見ると高級スピーカーメーカーの製品という風格があります。

これからも、元気で先端的な製品を出し続けて、アマチュアの制作意欲を掻き立てて欲しいものです。

後で、コミュニティーのアルバムに製作過程の写真を載せておきます。


ニッパさん 2009年10月18日 10:10

(゜O゜;アッ! それと 当時からも ホーンはゴトウ・YL・加藤研(マシュルーム)・マクソニックなど
超高級メーカーも有り フルレンジだと エクザクト・多摩音響・丸尾再音研究所・古山平面スピーカとか
やはり フォステクスは自作の入り口 ステレオ紙で 自作スピーカの代表でしたね
長岡さんや江川さんいろんな スピーカ発表され 毎月楽しみでした



うーたんさん 2009年10月18日 10:03

Sanochiさん
バイオセルロースって、知らないです。



うーたんさん 2009年10月18日 10:01

コーラルといえば昔FLAT8を使ったことがあります。
元気はありますが紙くさい音でした。
能率が高いのがマルです。
サンヨーへの部品供給もしていたはず・・・。

特殊ダンボール業・・・とは?
ダンボールに使う紙をスピーカーのコーン紙に使うとか・・・考えすぎか。



ニッパさん
2009年10月18日 09:53

自作の入り口 迷路の入り口かも ( ̄ー ̄)ニヤリ
今 台湾メーカーや中国メーカーなど かなり安く売っているので
がんばってもらいたいなぁ 

あとは 特殊ダンボール業になった コーラル 
コーラルの方が 元気な音で フォステクスのが ちょと 丹精な音のイメージが
その昔は 16cmスピーカ全盛の頃は 三菱・パイオニア・コーラル・フォステクス・アイデン・・・

外国メーカーは20cmで国内メーカー16cmで 競争がすごかったなぁ・・・ちと話がそれたか
https://smcb.jp/communities/5921/topics/484917

31. 中川隆[-10184] koaQ7Jey 2019年5月24日 05:34:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2156] 報告

オーディオスペースコア
フォステクス G2000 試聴で思ったこと&裏技♪ 2010-12-06
https://blog.goo.ne.jp/audiospacecore/e/9d8b6f9b64f6e748cfc987f7594e7611


今回はG2000を試聴しましたが、TIAS2011で結構良い鳴りっぷりだったのでメーカーよりお借りしました♪

ツィターとMIDは純マグネシウムを使った振動板で、以前にブックシェルフG1300等を試聴しましたが、マグネシウムコーンのエネルギーにはなかなか感心するものがありました(^.^)

それゆえに、ウーハーとのエネルギーバランスや音色や音速が合わないのも気になりましたが、今回のG2000も同様の印象でした。

また、ウーハーはパラレルではなくクロスしてるので4WAY設計。
しかし、意外と駆動力のないアンプでも鳴ります。(^^)

むしろ、駆動力がありすぎだとSPの裸特性が出すぎるので少し緩めのアンプがいいのかも知れません。

経験上、20cmウーハー2本でこのサイズの割りに低域のエネルギーが少ない印象です。

いつも思うのですが、

バイワイヤーのSPですが、どういう接続で最終的に特性を合わせているのかが疑問です。

他社でも何社か設計者の方に聞いたことがあったのですが、100%の方が、「考慮してません」という回答。(^_^;)


音を聴けば分かるので、早速色んな接続で聴いてみました♪

まずは、コア推奨の接続方法、クロス方式。

低域と高域のバランスは良いみたいですが、抜群にいい感じではないです。
バイワイヤーで位相特性を含む設計しているメーカーだとこの接続方式が抜群にいいんですが。。(^_^;)

次は、下のLF側に接続。

マグネシウム独特のエネルギー感が損なわれ、高域が減衰した感じでイマイチ。

次は、上のHF側に接続。

少し高域主張のサウンドですが、マグネシウム独特のエネルギー感と鮮度が高いので、これが結構捨てがたい音でした。

こうやって、色々やってみて、
どれかひとつに「バッチリ!」と、
定位やエネルギーバランスが良いなら、それで設計してるのかと思いますが、
今回はどれも特化したサウンドはなく、設計思想に反映してないのではないかと思いました。

ここで裏技をひとつ!(^^)

端子上のアッテネーターですが、レベル調整として使うのではなく、
クロスオーバーの位相調整に使うと定位や繋がりが凄く良くなりますよ♪
実際試聴機では左右の個体差がメモリ読みで0.3dBから0.5dBありました。(^_^;)
現場に居合わせたお客様もビックリされてました。

レベルを下げたのに、楽器や声の余韻が正確に伸びてハーモニクスが繋がり、一体感が出るんです!

ノーマルに戻すと、余韻が無くなりツィターとMIDがバラバラになっちゃいます。(^_^;)
位相が合うとレベルを下げてもエネルギーが出るんです。(^^)
当たり前の話ですが。。笑

ちなみに写真ではノーマルになってますが、調整後はノーマルではありませんので見間違いのないようにお願いします。(^^ゞ

ユニットメーカーがスピーカーシステムを作るといったことは非常に素晴らしいんですが、技術的にそれぞれ難しい面があるのか、なかなか難しいんですね。
そういう面で考えると、DYNAUDIO社はシステムもユニットもすべて自社設計生産で位相計算までされてる素晴らしいメーカーだということも強く感じました。

ユニットは素晴らしいと思うので是非システムとしての完成度を極めていって欲しいです♪
https://blog.goo.ne.jp/audiospacecore/e/9d8b6f9b64f6e748cfc987f7594e7611


▲△▽▼


価格.com - FOSTEX G2000 価格比較
https://kakaku.com/item/20444211333/

FOSTEX(フォステクス) G2000
発売日:2008年 7月下旬 (生産終了)
https://www.fostex.jp/products/g2000/


特長

世界初*純マグネシウムHRスコーカー

音楽再生に重要な帯域に世界初、純マグネシウムHRスコーカーを採用。
高い応答性を持ちながら金属固有の付帯音の少ない純マグネシウムを特殊成形法でHR振動板形状とすることによ り、固有共振の発生を抑制し、透明感の高い奥行きのある中音域の再生を実現しています。

さらに軽やかでナチュラルな広がりの音場空間をもたらす、優れた磁気特性を有する純鉄ポールピースを使用し た口径比最大級のφ100mmのフェライト磁気回路を採用しています。

高音用に25mmリッジドーム型純マグネシウムツィーター

金属でありながら、しなやかなで厚みのある再生を可能にする純マグネシウム振動板を採用。

さらにボイスコイルよりドーム先端までの距離が異なる新開発のリッジドームを採用し、素材面/構造面からも固 有の色づけを廃した、最高域でのピークの無いナチュラルな高域特性を実現し、アルニコ磁気回路とともに艶やか な高域再生を可能にしています。


中・低音用ロングボイスコイル20cmHRウーハー

中・低音用/低音用ウーハーには固有の共振を押さえ、軽くて強靱な振動板形状として開発されたHR振動板を採 用しています。

350Hzまでを受け持つ中・低音用ウーハー用磁気回路にはφ145mmのフェライト磁石を2枚使 用したロングボイスコイル方式としてます。

また、振動板の素材にはバナナパルプをベースに、独自の抄紙技術により高弾性カーボンをはじめ数種類に及ぶ 新素材を配合し、素材ベースから癖の無い軽くて強い振動板を求めました。


低音用ロングボイスコイル20cmHRウーハー

深い沈み込みのある最低音域再生を目指し、低音用ウーハーにはプレート幅14mm/ボイスコイル巻き幅 27mmの超ロングボイスコイル仕様とし、メインマグネットにはクラス最大級のφ156mmフェライト磁石を2 枚使用した大型強力磁気回路です。
クラス最大級の駆動力を持つ磁気回路により、高い応答性とともに力のある低域を再生します。

4Wayスタガード・バスレフ型スピーカーシステム

エンクロージャーを上部中低音ウーハーと下部低音ウーハーに2分割し、それぞれ受け持つ帯域に最適化された スピーカーユニットに応じた容量を持ち、スタガード・バスレフ型とした4Wayです。

台座部分には自身で不要な特定共振をしないHR錘を3個取り付け、響きの調整と重量バランスを取ったフロアー スタンディング型です。


ブナ合板/楠・ユーカリ合板、パーチクル、MDF使用のエンクロージャー

エンクロージャーは、天然木の響きを重視しバッフルには剛性の高い18mm厚ブナ合板に新開発、楠・ユーカリ 合板15mmを貼り合わせ33mm厚としてます。

天・底・側板には豊かな響きと剛性を高める目的で、9mm厚の 板をあえて張り合わせ再合板化した27mm厚のパーチクルボードを使用。裏板には18mm厚のMDFを配し強度分 布を最適化し、ナチュラルでクリアーな響きを持たしています。

また、仕上げにはバッフルに特長ある木目を持つサテンシカモアを使用し、側板にはブナの柾目天然突き板にピ アノ光沢塗装仕上げとしました。


MIDコントローラー

G1300/G1302で好評の試聴環境にフレキシブルに対応するMIDコントローラーも装備しています。 このコントローラーは従来のツィーターのアッテネーターのようにツィーター帯域全体の音量を変化させるのでは なく、スコーカーとツィーターとの繋がり感をコントロールします。

コントローラーはツィーターに直列に接続されないため、最高音域が変化せずに、懸念される音質劣化がない優 れた調整能力を実現しています。


高品位ネットワーク部材/バイワイヤリング対応 銅削り出し金メッキターミナル


入力端子は接点損失を考慮して銅削り出しの金メッキターミナルを使用し、バイワイヤリングに対応してます。 さらに内部配線には、新開発の銅・銀合金撚り線を使用し接点はすべて金メッキスリーブによるカシメ接続を行い、音質の劣化を防いでいます。

ネットワークに用いたコイル・コンデンサーはスピーカークラフトユース向けに開発されたこだわりの高品質・ 低損失のコイルやコンデンサーを使用し、クラスに相応しいネットワーク素子を採用してます。


主な仕様

形式 4Wayバスレフ型

クロス 1.8kHz/350Hz/80Hz

出力音圧レベル 90dB/W(1m) 2.83V入力時 93dB(1m)

再生周波数帯域 30Hz~35kHz (-10dB)

使用ユニット
25mm純マグネシウムツィーター(高音用)
10cm純マグネシウムミッドレンジ(中・低音域)
20cmHR形状振動板ウーハー(中・低音域)
20cmHR形状振動板ボトムウーハー(低音域)

インピーダンス 4Ω

最大許容入力 150W

外形寸法 317(W)×1,174(H)×360(D) mm
質量 60kg

エンクロージャー素材
ブナ合板・CE合板(楠・ユーカリ) (バッフル板)
パーチクルボード(天・底・側板)
MDF(裏板)

仕上げ サテンシカモア天然突き板・ブナ柾目天然突き板 ピアノ光沢塗装仕上げ
カラー バイオリンレッド(VR) ファゴットブラウン(FB)
https://www.fostex.jp/products/g2000/

32. 中川隆[-10175] koaQ7Jey 2019年5月24日 18:59:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2171] 報告
>>23, >>24, >>25 に追記

価格.com - 『YAMAHA NS-1000M と現在のスピーカー を比べると?』 のクチコミ掲示板
https://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=17057650/

YAMAHA NS-1000M と現在のスピーカー を比べると? 2014/01/10
スレ主 山葉音響さん


ここを読んでると いまだ話題にのぼるNS-1000Mですが、今でも最高の音質と言えるのでしょうか?

FOSTEX GX250、B&W 8シリーズ、DYNAUDIO M3、JBL 4319、などと比べて どちらのが良いのでしょうか?

フルレストアしてあるNS-1000M と現代のモニター系 どちらが買いですか?

▲△▽▼

たなたかたなたかさん 2014/01/10 23:39(1年以上前)

確か90年位に、当時人気の"607"、"333"、"717"等の花形プリメインでは巧く鳴らず、アルパインLUX"109u"だけが巧み鳴らしていた記憶が有ります。

腕力ごり押しだけでは駄目で、重いパルプウーハァーと繊細なボロンスコーカー(だったかな?)のバランスを揃える時間(エイジィング)凄く懸かる頑固者ですね。

"B&W"・"ディナウデオ"・"PMC"・"KRK"等とは違う難しさが有ったと思います。
強いて言えばSCMモニターの忍耐・時間を求められ、それを堪えられると至極な音で答えてくれる感じかな?(う〜ん微妙)。


たなたかたなたかさん 2014/01/11 01:02(1年以上前)

拝啓、又間違い有りて再投稿です。
いや〜ボロンじゃなかったですねぇ!、ベリリュウムですね。
それとアッテネーターが付いてるですけど定期的に回してやらないと(グリグリ捻る)、数年後にガリちゃんですよねぇ。
其処が少し面倒臭いかも知れませんが。

HDMaister_さん 2014/01/11 03:31(1年以上前)

YAMAHA NS-1000Mの話が出たので余談ですが、NHK 『偉大なるお年寄り「人生の大先輩に学ぶ健康長寿の秘訣』 という
番組内で1人暮らしで 99歳の長岡三重子さんと言うおばあさんの部屋内にも きれいなNS-1000Mが置いてありましたね。
http://www.nhk.or.jp/you-doki/archive/life/20140109.html (お年寄りのご用達品 定番かい?)
それにしてもNS-1000M は BOXのみとかエンクロージャとユニットの切り売りされるケースが多くいまだに仕上げようとするファンが多いみたいですね。

1000Mの特徴は良くも悪くも密閉での量感も緩みも無い低音とクールな高域だとユニット構造からは推察します。
中古が多く出回っているのは故人の遺品処分も多いでしょうが、ゆったりとした低音が出る今のバスレフ型への買い換えも多いはずですから、1000Mに多くの期待は禁物だとも思いますよ。
ヴェアリアスクラフトさんが作ってるバスレフ化kitも結構売れてるようですしね。

20〜30万円の予算でしょうか? 個人的には遊びで2代目3代目ならともかくとして、1台メインの体制なら1000Mは手を出さないでB&W805シリーズとかのが良いかと・・・・・


LE-8Tさん 2014/01/11 06:04(1年以上前)

音の好みは、人其々ですから・・・

今市販中のSPに比べてもNS1000Mの方が好みだと思う人もいらっしゃれば好みじゃ無いと思う人もいらっしゃるでしょう。

小生の様に小音量で聴く場合が多ければ中低音域以下の量感が乏しいと感じる方が多いとは思います。
暖色系の音では無いけど、フォステクスの様な寒色系かと問われればそうでも無い中間色って感じでしょうか?


130theater 2さん 2014/01/11 06:30(1年以上前)

当時、このNS-1000Mとテクニクス7(SB7000)
http://www.audio-heritage.jp/TECHNICS/speaker/sb-7000.html

とでどちらを購入するかで迷いました。

NS-1000M は金属振動板によるスピーカー構成、
テクニクス7はペーパーとトゥイーターがシルクドームとバスレフ

と、音色的には正反対でした。

カラッとした乾いた感じのNS-1000M、しっとりゆったりしたテクニクス7・・・
音色は正反対ですが迷いましたね!。

当時、リニアフェーズを謳いテクニクスもオーディオに10000番シリーズを投入し、かなり力が入っていました。
話題からズレますがカートリッジは色々買いましたが、Technics EPC-205Cmk2,3で私はMM型は完結しました。
リニアフェーズなどの新技術、ボロンという聞いた事もない最先端素材(原子記号;Bホウ素)、サマリウムコバルトという超強力マグネット採用のカートリッジカンチレバー・・・なにかワクワクしました。

で、スピーカーはテクニクス7にしました。今なら両方買っていますね。


スレ主 山葉音響さん 2014/01/11 12:49(1年以上前)

たなたかたなたかさんを始め多くの皆様ありがとうございます。
賛否両論と言うかNS-1000Mを冷めた目で見ているマニアさんが多いのも意外でした 国産ものだと歴代最高のスピーカーだと思っていたからです。
ひとつわからないのは今売られている小型ブックシェルフ型よりもかなりデカくて重いのに低音が出ないんですよね?
ウーハーが弱いのか弱点なんでしょうか?不思議です。
フルレストア品なら大丈夫だと思っていたんですがアッテネーターも定期的に回してやらないと数年でガリちゃんとはいやですよね。
ところでYAMAHAからはNS-1000Mに似たような新製品はもう出ないんでしょうか?


Strike Rougeさん 2014/01/11 13:00(1年以上前)

30センチクラスのウーハーを搭載したレガシィスピーカーの方が最近のトールボーイスピーカーよりポテンシャルが高いと感じるモノです。

現役でその手のスピーカーを探すとJBLかタンノイあたりに限られてきますね。

で、1000Mに限りませんが、試聴比較出来ないものを選択することは全くお勧めしません。

他人がどんなに絶賛しようがね。


デジタル貧者さん 2014/01/11 14:17(1年以上前)

>国産ものだと歴代最高のスピーカーだと思っていたからです。

まあ、ここを読んでると「NS-1000M最高」と思ったり「ダイヤトーン最高」と思ったりする事もあるでしょうね。

当時NS-1000Mにはさほど感銘は受けませんでしたね。

>ところでYAMAHAからはNS-1000Mに似たような新製品はもう出ないんでしょうか?

YAMAHA曰く出す予定は全くないそうです。
直接YAMAHAに聞く人は多いようで。

素朴に思うことさん 2014/01/11 14:39(1年以上前)

NS-1000Mの欠点を克服したようなものが FOSTEX GX250あたりなんだと思います。

YAMAHA NS-1000M が今でも愛される理由のひとつは その小型ブック型にはない、落ち着いたドッシリとした見た目の良さからではないでしょうか。
ボクも見た目は好きですが、あそこまで大きくなくとも充分満足できる製品が多くあるから 買うまではいきません。

Strike Rougeさん 2014/01/11 14:47(1年以上前)

ハンネからはヤマハ大好きな方なんでしょうね。
オモロイつうか好きなメーカーではあります。
楽器がオリジナルかな? ロゴはトリプル音叉ですからね。

バイクにボート、楽器繋がりのAV音響機器、ピアノ造りを活かした家具、撤退しましたがスキー板にラケットも手掛けてましたね。

テンモニとセンモニはヤマハスピーカーの双璧かもしれません。

歴代最高かどうかは多少怪しい感がありますが・・・・・・

密閉スピーカー好きなメーカーでした。

〉今うられている小型ブックシェリフ型よりもかなりデカくて重いのに低音が出ないんですよね?

店頭処分、半額以下投げ売りの598を衝動ゲットしたことがありますが、低域量感はサッパリでした・・・・・

早々に諦め、手放してしまいましたが(^_^;)

岡チャーンさん 2014/01/11 14:51(1年以上前)

最近のYAMAHAの音は私の耳ではキンキンに聴こえちゃうので敬遠してたんですが、作りの良さはさすが国内メーカーだと感じますね。

ちなみに私は、YAMAHAのセンモニ好きです。

晴れの日はお散歩さん 2014/01/11 15:11(1年以上前)

>今でも最高の音質と言えるのでしょうか?

結局は聴く方の好みの問題ですよね。
ヤマハNS-1000Mの音はFostex,B&W,Dynaudio,JBLのどれとも結構明確に異なるように思います。その個性がご自身にとって他では得難いものであるならばNS-1000Mを最高と感じるのでしょうね。
ちなみに私は、当時オンキョーMonitor2000Xと比較し1000Mは高音域が線が細く少しナーバスに感じたのでのびのびと明るい音の2000Xを選んだ記憶があります。

レストア品のお値段は結構なものが多いようですが発生する人件費や時間を考えればやむお得ないでしょう。ただ元値20万ちょっとの製品に対しそれだけの費用をかけることが適切な方策なのかは良く考えた方がよいかも。


たなたかたなたかさん 2014/01/11 18:35(1年以上前)

僭越ながら再講釈します。失礼ながら山葉音響さんは文面から観るとお若い方かな?
当然当時音を知らないし答える側は多分最低20年位のベテラン諸氏です。"607"や"333"は判っても、"717"や"109u"はご存知ないでしょうね?、千モニの音作りに同時期人気アンプの2千番を使ったそうです。

このアンプの音(当然今のYAMAHAとは全く違う)が今無いので、例えられる物も皆無で質問主さんがベストコンディションの千モニを聴け無いかもしれません。私は運良く10年位使い込んだ物(エイジィング出来た物)を聴ける環境が有ったので、音の良さも鳴らす難し様も判るつもりです。

ビギナー(素人)さんが手を出すと大変だよ!と進言します。

"アンプ選び"
"部屋の広さ"
"音量は上げられるか?"
"床の条件に重量級SP台の用意"

等の覚悟がありますか?、覚悟あれば否定はしません。悪しからず。

LE-8Tさん 2014/01/11 19:31(1年以上前)

>ひとつわからないのは今うられている小型ブックシェリフ型よりもかなりデカくて重いのに低音が出ないんですよね?

ちゃんと低音域は出ますよ。
ある程度まで音量を上げると体感出来る(体に響く?床が振動する)低音が出てきます。
同じ程度の音量で LE8T-H よりもね。S3500(25pWウーファー)よりは少なめ。
小生の場合は、バイアンプで使えるように改造(改悪)したので小音量でも問題無く聴いてますけど。

どちらにせよ、今の市販品を買った方が良いとは思いますよ。
NS1000Mは販売終了後年月経ってるし、20年以上のロングセラーのSPなので其れなりに中古の玉は有るでしょうが、ユニットの固着とかコンデンサの劣化とか問題も有りますから。


HDMaister_さん 2014/01/12 00:57(1年以上前)

そうですよね、全てがそうでないにしろhttp://sakumo.kir.jp/V_kraft/AUDIO-3menteSP4-85_YAMAHA_NS-1000M.html

ここまでやらないと 当時の新品と同じとはいかないはずです。

ただスレ主さんが言うにはフルレストア品=フルオーバーホール品とのことなんで大丈夫かな・・


スレ主 山葉音響さん 2014/01/12 13:21(1年以上前)

多くの多くの皆様、また多数のご意見ありがとうございます。
さすがマニアのみなさんだけあって略されてる品番とかほぼ分らない状況です。

E-8Tさん S3500(25pWウーファー)というのはヤマハでしょうか?
1000Mが30cmなのにそれより小さくても低音出るんですね。

Strike Rougeさんレガシィスピーカーとはスバル純正でしょうか? 
初めて聞くもので知らなくてすみません。

たなたかたなたかさんすみません。607"や"333"はサンスイとソニーでしょうか?
"717"や"109u"あと2千番は分りませんでした。
もしかして今のアンプだと合わないということですか?

デジタル貧者さんもう出ないとはこれだけ人気あるのに不思議ですね。

クリームパンマンさん 2014/01/13 07:52(1年以上前)

音の好みは人それぞれ、
バスレフ型の量感ある低音、密閉型の締りのある低音、
これは好みの問題ですので比較するのも変な話です。

LE-8Tさん 2014/01/13 08:34(1年以上前)

言葉足らずで申し訳ない。
S3500ってJBLのスピーカーで
25pウーファーが2発 + ホーンツィーター って構成です。
(計算上は、36p程度のウーファー)

NS1000Mと略同じウーファーを使ってると言われたNS690系の音は、NS1000Mよりも低音域は豊かに聴こえてた。(NS690系のウーファーのエッジは柔らかなウレタンエッジ)
NS1000MよりNS690系の方が一般向けで良い様には思います。
但し、ウーファーの固着やウレタンエッジの劣化等NS690系も弱点は有りますし、今のSPを聴き慣れてる方からすると高域に物足りなさが出るかも知れません。

やっぱり傑作RS-1506U 38-2Tも可さん 2014/01/13 16:07(1年以上前)

NS1000をモニター化したのが1000Mで10万ちょっとの価格でした。
ヨーロッパの北欧の放送局のモニターとして採用されたということで人気となったモデルだったと思います。
価格の割にはパフォーマンスがよかったんではないかと思います。
いずれにせよ、ヤマハの顔となったモデルには間違いはありませんでした。

元・副会長さん 2014/01/13 19:00(1年以上前)

 えーっと、要するにトピ主さんは何をされたいのですかね。
NS-1000Mを買いたいのですか? 
今までの書き込みを読むと、トピ主さんはNS-1000Mの音を聴いたことがないとお見受けしますが、それで合ってますか?

>フルレストアしてあるNS-1000Mと現代の
>モニター系、どちらが買いですか?

 オーディオ機器なんて「聴いてナンボ」の商品ですから、トピ主さんが「フルレストアしてあるNS-1000M」を試聴されて、それが現行のスピーカーよりも音が良いと思ったのならば買うのを検討すれば良いし、そうじゃなかったら買うのをやめればいい・・・・ということに尽きるのではないでしょうか。

 確かにNS-1000Mは過去における人気機種の一つですけど、現時点で入手して使う価値があるかどうかは、人それぞれの価値観と音の好み次第でしょう。

>YAMAHAからはNS-1000Mに似たような
>新製品はもう出ないんでしょうか?

 出ません・・・・というか、出せないでしょう。
オーディオフェアの会場で某評論家が言ってたように記憶していますが、
今のYAMAHAにはNS-1000MやセパレートアンプのC-1&B-1、アナログプレーヤーのGT-2000、CDプレーヤーのGT-CD1といった往年の名機と呼ばれているような機種をリメイク出来るような技術力もスタッフも不在であるとのことです。

 まあ、たとえリメイク出来たとしても、喜ぶのは往年のマニアか一部の好事家だけかと思いますけどね。

 余談ですが、YAMAHAに101Mという超弩級のメインアンプ(価格が100万円。重量が60kg)がありましたが、昔それが大手スーパーの家電コーナーに置かれていたのを目撃したことがあります。今で例えれば、西友やイトーヨーカドーの家庭用品コーナーにピュア・オーディオ機器が展示・販売されるようなものですから、昔はオーディオを取り巻く環境は現在とはまるで違っていたことを痛感しますね。

ほにょVer2さん 2014/01/14 15:27(1年以上前)

NS- 1000Mのユーザーです。今でも現役で使ってます。もう、30数年使ってます。
一言で言うと、無駄な音を鳴らさない、多少神経質な音を出すスピーカーと言う感じでしょうか。

30cmのウーハー積んでますが、今時のスピーカーに比べると、低音は必要最低限出ているかな、と言う感じにきこえるかもしれませんね。
このスピーカーは、迫力ある音場を再現させるものではなく、音像と定位置とカッチリした音場を確認するためのスピーカーです。
ある程度満足感のある低音を得るためには、普通のスピーカーよりもアンプの物量が必要です。パワーに物言わせて大音響で鳴らせる環境をお持ちなら、納得出来る実力を持ちます。

因みに、過去、私がこのスピーカーに繋いだ歴代のアンプは、サンスイの初代AU- D907ltd、AU- X11ヴィンテージ。そして、今は、防音のオーディオルームにてデノンのPMA- SX でドライブしてます。


Kyushuwalkerさん 2014/01/14 22:36(1年以上前)

私もアンプにパワーがあれば低音は出ると思います。
私もいまはモノラル接続です。
各ユニットの固着などの掃除と、ネットワークの見直しができるなら、
安い中古を買ってもいいと思います。
フルレストア品はちょっと高いような気がします。
軽井沢という工房に出すという手もあります。

スレ主 山葉音響さん 2014/01/16 18:55(1年以上前)

また多くの書き込みありがとうございます。
総合判断して NS-1000M の購入は見送ることとしました。
当時最高でも技術進歩というのは無視できないレベルに達しているのかもしれないですね。
同じモニター系でも現代のモニター系を検討することにしました、

みっどぼんどさん 2014/01/19 12:14(1年以上前)

いまさらですが。
当時のオーディオ事情がNS-1000Mの評価を上げていたと思います。
主役ソースがアナログレコードで、RIAAを使用していたため、どうしても超低音のノイズが乗ります。
レコーディングもアナログなので、機種間に超高音再生の能力差が厳然と存在していました。
密閉型でベリリウムツィータのNS-1000Mは、超低音ノイズのネガを消すとともに、超高音をリニアに再生する、というモニターとしてのツボをついていた、それなのに10万円程度で買えた、という製品だったと記憶しています。

今のデジタルオーディオ環境では、もし新品状態のものが入手できても、その良さを発揮出来ないのではないでしょうか。


ドンシャリオヤジさん 2016/08/20 23:12(1年以上前)

NS1000Mは良いSPですよ、私も特別仕様を所有しています。
置き方・部屋などで影響は大きいですが、ただ色気がない(モニターだから仕方ないでしょうが)

長いことAUDIOをしていると特性とかでは表現出来ないものがあると思います。

自動車に例えると、排気量が少ないが、過給して出力を出している(数値は良いが、人為的)
それよりも能率の良い(反応がよい)SPのほうが空気感があって良いように感じています。

自宅ですはELAC247SEの横にALTEC A7があります。
ELACを聞いているときは良いSPと感じていますが、A7を鳴らすと空気感が全く違います(音楽が自然に感じます)

他にBRAUNやスペンドールもありますが(NS1000Mと並んでいます)・・・こちらは色気がある、さ行かな?

色々書きましたが、結局自分の好みです。

だけど、NS1000Mはすごいスピーカーです。
手放せません。

ドンシャリオヤジさん 2016/08/21 09:35(1年以上前)

NS1000Mの台はTAOC
理由は展示会でTAOC社員の方が「当社のモニターとして使用している」と言われていたから
ちなみにアンプはアキュフェーズでした。
ケーブルはベルデン9497です、うるさいセンモニが落ち着いた音になる。

SPの外装は鏡面塗装(北海道製)です。

低域は出過ぎるほど出ています(乾いた締まった音です、密閉型の良い所)


参考
「ドンシャリオヤジ AUDIO三昧」
https://blogs.yahoo.co.jp/pri_30_a


hoskinsさん 2016/11/27 16:22(1年以上前)

約2年半前に、長岡式バスレフに改造後の、感想ですが、ボリュームを9時の位置から上にすると、ウーファーの低音が、相変わらず、ズンズンと響きます。エージング効果もあるのだと思います。

この2年半の間に、実績ある専門業者に、ウーファーとスコーカーを外して送り整備してもらいました。
ピアノの音、声楽、シンフォニー、ジャズ、歌謡曲、アメリカのオールディーズ、ジャンルを選ばず大活躍しています。

プリメインアンプは、ヤマハA2000で、これも、一度、専門業者に整備してもらいました。このアンプも響きが繊細にして、骨太な感じがして、気にいってます。


hoskinsさん 2017/06/25 15:35(1年以上前)

アンプをA-2000からラックスマンの507uxに買い換えました。濃密なサウンドに生まれ変わりました。昭和のスピーカーが現代のアンプの力で、見事に鳴ってます。
https://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=17057650/

33. 中川隆[-10117] koaQ7Jey 2019年5月26日 21:39:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2232] 報告

>>7 STAX 静電型スピーカーシステム

に追記


甦れ STAX ELS-8X コンデンサースピーカー
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05


かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、大型コンデンサースピーカーがありました。

STAX社のELS-8Xです。

ダメになった発音ユニットの3ミクロン厚の振動膜の張替え・修復に成功したELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現しました。

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。

あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。

なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

おそらく世界最高の精緻な発音ユニットと音質を備えた STAX ELS-8X を中心に、コンデンサースピーカーについて綴ります。
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05


▲△▽▼

甦れ(1回)STAX ELS-8X コンデンサースピーカー [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17

甦った8X

■序

8Xふたたび

眼前にぱあっと広がるリアルな音場。
あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。
今まで経験したことがない明確な定位。

低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。
なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。

修復成ったSTAX ELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現した。


オーディオルームの8X
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真1:修復がほぼ終わったSTAX ELS-8Xを、オーディオ部屋に運んで試聴>

**8Xの後ろの黒い箱は、8Xがダメになっていた期間の代替機として使っていたALTECのMODEL 19。

これはこれで大した器である。

右端の真空管アンプは、当ブログの別テーマ『原器を目指した「最終アンプ」』の主人公**


ELS-8Xとは

かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、コンデンサースピーカーがあった。

STAX社のコンデンサースピーカー ELS-8Xである。

ELSすなわち「Electrostatic Loud Speaker」。

英国QUADなど海外では、この方式のものをESL「ElectroStatic Loudspeaker」と呼んでいる。

8Xは左右それぞれのスピーカーに8つの発音ユニットが付いているので「8」、
そしてほぼ改良し尽くした最終・最高のモデルなので(これは勝手な推測)「X」。

スタックス工業株式会社のフラグシップ機であり、コンデンサー型の各種オーディオ製品に最後までこだわり続けた同社の誇りと象徴、ELS-8X。

思い切り人手をかけた「熱意」が伝わってくる作り。

音響の基盤となる物量投入の分厚い木製バッフルと、よき時代の「ものづくり日本」でしかできない精緻かつ堅牢な発音ユニット。

8Xはその無比・無上の再生音とともに、日本のオーディオ界の文化財的な「宝」に値するだろう。

この8Xをバラし、発音ユニットを分解し、洗いざらい調べ尽くした私は、「こんなものを作っていては事業は成り立たない」と呆れたものだ。

昔のスタックス工業株式会社が今もあって、世界第1級のELS(ESL)を作り続けてほしかった、という願望の裏返しである。

私の感覚では、当時、たとえ2倍の価格で同数の売り上げがあったとしても採算はおぼつかない。
それほど入念な作りである。

8Xの発音ユニットを分解した結果、海外のESLのそれと、大きな相違点があることに気が付いた。

ダイアフラム(振動膜)と固定電極とのギャップ(距離)、それと成極電圧(数千ボルトのバイアス電圧)との配分関係が大きく違うのである。

ギャップが狭い!。

この相違点には、なにかとても重要な意味があるに違いない。

なぜなら、8Xが選択した配分関係の発音ユニットを製造するには、大幅なコストアップが不可避だからである。

つまり必然的に精緻・精密な作りをせざるを得ない構造となる。

なにか特別にいいことがないかぎり、そのような選択をする筈はない。

推測であるが、8Xの発音ユニットの比類ない音質は、この相違点に一つの秘密があるのではないだろうか。

8Xはこのような素性の、今や誰も作れない(事業性がない)スピーカーである。
もし、今も健全で完動している8Xのオーナーがおられたら、いい環境の中で大切に大切に使い続けていただきたいと切にお願いしたい。

ちなみに私の8Xより数年古く、30年近く使われていた8Xでも、いい環境の中にあれば、まったく健全で音質の劣化も認められない状態を保つことが実証された。

そのことについては当ブログ内の別テーマ、「i氏山荘訪遊記(第2話)」で触れているので、よろしければ訪ねていただきたい。

この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17


<写真2:全域ユニットの固定電極のパンチングメタル。低域ユニットとも共通>

**この精緻な加工を見てほしい。孔の細かさ、開孔率の高さ、孔のエッジの丸め加工(裏・表とも)など、これを見ただけで8Xが内外ともに突き抜けた存在であることが分かる。高域ユニットのものはさらに細かい。


この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット

**固定電極の表面電界は、均一で平らで滑らかであることが求められる。そのためには、パンチングメタルの孔を可能な限り小さくする必要がある。また、音が抵抗なく通るよう、開孔率はできるだけ高くしなければならない。それらを満たしてなおかつ、機械的強度や、振動対策を考えねばならない。これらのことから、パンチングメタルとその周辺構造は、ESL製品のクオリティーを知る上での重要なチェックポイントになる**


瀕死の8X

8Xが我が家に来たのは1987年であった。

それから10数年愛聴してきた8Xを、私は知らず知らずの間にダメにしていた。
周囲の環境に問題があった。

左右で都合16個ある発音ユニットの半数以上が、能率の低下で鳴らなくなった。

不調に気づいた時、すでに製造元のスタックス工業株式会社はなく、別の組織に様変わりして、8X修復の望みは完全に失われていた。

問題の箇所が発音ユニットにあることは見当がついた。
しかし8Xの発音ユニットは、もともと修理ができる構造ではない。

組み立てにネジなどは使われておらず、接着剤で完全に一体化され、分解できるようにはなっていない。

故障すればユニットをまるごとそっくり交換する。

その当時、荒技でも裏技でも、なんとか修復の手立てはないかと足掻いてみたが、結局どうにもならないことが、はっきりしただけであった。

それでも「いつの日にか」と、一種のライフワーク的な思いで納戸に押し込んだ。
瀕死の8Xは古シーツに包まれ、いつ覚めるともしれない眠りに就いたのである。


放電によりフィルムに空いた穴

<写真4:固定電極と振動膜との間で高圧がスパークして開いた穴。その周囲が損傷している>

**フォーカスが外れているが、ついでにパンチングメタルの加工のアップも見ていただきたい。高い電圧は尖った先に電界が集中して放電を引き起こす。だから打ち抜いた孔のバリなどはあってはならず、さらに角も丸く磨くかなければならない**


緊急決起ボタン

瀕死の8Xは納戸の隅で、10年近くの長い年月を過ごした。
ところが2013年の早春、「いつの日にか」は突然やってきた。

あるきっかけで、私の心の中の「緊急決起ボタン」が押されたのだ。
8Xは狭い納戸から明るい部屋に運ばれ、裏蓋を外された。

高圧プローブで電圧が測られ、2現象オシロスコープでオーディオ信号を観測され、試料として1つのユニットが取り外された。

高域発音ユニットの成極電圧1.8KV正常、全域および低域の成極電圧3.5KV正常。
発音ユニットへのオーディオ入力信号は、高域入力正常、全域入力正常、低域入力正常。

まず最初の行動は、不具合が確かに発音ユニットにあることの再確認だった。
それからが五里霧中、暗中模索。

蘇生へ向けての下準備を開始した。

インターネットに張り付いて「ElectroStatic Loudspeaker」、「Repair」などを検索キーワードに、内外の関連情報を収集する日々が続いた。

いろいろ試みて、やはり修理は不可能な場合、同形、同寸法の発音ユニットを自分で作ることも検討し、部材の見積もりも取った。

目の前に現物見本があるので、選択肢として「あり」だろう。
修復に必要な振動膜や導電コート材等の主要な材料は海外に求めた。

日本は優秀な材料を多種生産しているが、残念ながら個人が僅かばかりの量を入手することができない。


クーロン力

さて、基本中の基本であるが、コンデンサースピーカーの振動膜を駆動する力はクーロン力である。

電荷の+と−が引き合い、+と+、−と−が反発し合う電気の根元的な力である。
電極板の面積、間隙の距離、印加する成極電圧。

それらと、振動膜を駆動する力との関係は?(前出の話と関係する)
まずそのあたりの基本原理のお勉強から必要となった。

早稲田大学では古くから、研究室やクラブ活動などにおいて、コンデンサースピーカーの研究を伝統的に行っており、その論文を何本もインターネットで公開していた。

早稲田大学大学院平成15年度修士論文「スイッチングアンプ駆動コンデンサスピーカに関する研究」など、コンデンサースピーカーを語る上で極めて重要かつ貴重な情報が満載である。

なおこの論文は、初歩的な基本原理のお勉強から書き出しているので、興味のある方はぜひとも検索されたい。

ちなみに、薄いフィルムの平面を全面駆動するコンデンサースピーカーといえど、振動膜はピストン運動をしていない。

「コーン型スピーカーは分割振動するが、コンデンサースピーカーはピストン運動であるため平面波が出る」、というのは誤りである。

レーザーでドップラー効果を利用したスキャニング振動計を使って、各種のモデルを実測した写真を見ることができる。

そして春も浅くまだ寒い日が続く頃から、初夏の暑さが感じられる頃まで、なにかに憑かれたようにがんばった。
その結果、驚くことが起こった。


甦った8X

瀕死の白鳥が奇跡的に甦った。

軽くしなやかな新しい羽にはえかわり、大空に舞い上がったような感動。
このようなことが自分の手で、これほどうまくいくとは思ってもいなかった。

発音ユニットの振動膜を、極薄・極軽、元の半分の厚みの3ミクロン・ポリエステルフルムで張り替えることに成功した。

その結果が冒頭の音響空間の出現である。
なんという幸運か。

優れた基本設計と入念な工作、長年にわたる改良の積み重ねにより到達した、STAXの頂点であり最終モデルであった8X。

それを一人のSTAXファンのアマチュアが、なんの裏付けもないまま「3ミクロンの修復」を試み、一発で成功してしまった。

世の中全般、普通はそれほど甘くはないので、多分、コンデンサースピーカーのダイアフラムには、「けっこういいかげん」なところがあるに違いない。

振動膜の張力や、導電コートの電気伝導に関する各種パラメータの値(つまり導電コート剤の種類やその塗布のしかた)などには、ある程度の許容範囲があるように思える。

薄いフィルムの張力を測る計器も、導電コーティングの非常に高い抵抗を測るメグオーム計や絶縁抵抗計もなく(普通のテスターでは測定不可能)、すべて素人の手作業による「勘」を頼りにフィルムを張り、導電剤を塗布している。

もちろん失敗してやり直したユニットもあったが、うまくいったユニットは、それぞれのユニット間の音の違いは聞き分けられない。

だからたぶん、限定された誤差範囲内で、ある程度の「ファジーさ」があるのだろう。

甦った音響は、8Xの新たな頂が、まだ先に聳えている可能性を示唆しているように思える。

スタックス工業株式会社が今にあれば、きっとさらなる高峰に到達しているに違いない。


外枠ヘフィルムを張る手順の最初の工程

<写真5:発音ユニットの振動膜を張る手順の最初の工程>


**まず、発音ユニットより大きなフレームに、3ミクロン厚のポリエステルフルムを、破断一二歩手前ほどの強い張力で張り締めていく。この作業が終わった後、おもて面に導電コーティングを施す**


高域ユニットのフィルムを2つを同時に張る

<写真6:発音ユニットの外枠に導電コーティング済のフィルムを接着する作業>

**いくつかのユニットの張り替えに成功していたので、調子に乗って高域ユニットを2つ並べて同時に作業してみた。これもうまくいった。接着剤が乾いたら、周囲のフィルムを切り落とせば振動膜を張る作業は終了**


この「甦れSTAX ELS-8X」では、8X修復の顛末を中心に、それらにまつわる話などを綴ろうと思います。

なお当ブログ内の別テーマ、

「i氏山荘訪遊記(第2話)」
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


で、この8Xとi氏のスピーカーシステムとの関連についての記事が少しあります。
そちらもお訪ねください。


厳重注意!

コンデンサースピーカーの修理は、生命の危険が伴います。

8Xでは4000V(4KV)、他の機種では6000Vを超えるものもあり、通電中の内部にはそのような電圧が「そこら中に」かかっています。

電流は微小ですが、触れた場合の電撃ショックは大きく、どのような結果を引き起こすか分かりません。

また電源を切っても、数日間は完全に放電しきらない場合もあります。
身の安全を守るため、家電製品の注意書きにある「サービスマン以外は裏ぶたを開けたり、分解したりしないでください」、のお約束をよろしくお願いいたします。

(第1話 おわり)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17



▲△▽▼

i氏山荘オーディオ訪遊記(第2話) [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


平面バッフルの音空間とSTAX ELS-8Xの音空間

■竹集成材平面バッフル

i氏山荘の現状のスピーカーシステムの基本構成は「竹集成材の平面バッフル3Way+大容量密閉箱ウーハー」である。

氏の描く基本形は、この平面バッフルを主放射源とするものである。

低域を補完するウーハーの最終形態は今後の課題としている。

これらは氏のオリジナルな自作であり、特に平面バッフルに竹集成材を採用したことや、その工作の巧みさは、今まで他に製作例がないと思われる。

またそのセッティングには、日常の家庭生活を考慮する必要のない山荘の「自分だけスペース」ならではの豪快さがある。

スピーカーの背壁は、急勾配の2階屋根に沿って傾斜した板張り。

その最奥に大容量密閉箱型ウーハが置かれ、その1mほど手前に平面バッフル型3Wayスピーカーシステムが、床と天井の梁との間に設けた強固な支柱に取り付けられている

(第1話の写真1)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14


この「1mほど手前」の間隔が問題を起こしているのであるが、その解決はのちほど。

上下が固定された丈夫な太い支柱に、バッフルをがっちりと取り付けた構造が、このスピーカーシステム全体の音響を左右する大きな要素の一つになっているのだろう。

いずれにしてもこのスピーカーシステムが感動的な音場を形成する要因は、音の主放射源の平面バッフル方式にあると思われる。

平面バッフル方式のよさを評価する先達は大勢おられるが、ここの場合はそれが顕著に現れた好例だろう。


この平面バッフルスピーカーにはつぎの特徴がある。

・バッフルの材料に竹の集成材を採用た3Way方式。構成はツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。

・スピーカー開口部のエッジに滑らかなR付け加工。

・表側全面のニス塗装。


穴あけ加工等、すべて自作である。
木工の腕は本職跣(はだし)であり、プロの指物師(さしものし)や大工の見習いとして即決採用かもしれない。
オーディオ道楽だけでなく、年中次々と発生する山荘の補修等の大工仕事を、各種の電動工具を揃えてやっているらしい。


i氏山荘SP平面バッフルのアップ

<写真1:竹集成材平面バッフル3Wayシステム>

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


**構成は上からツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。この写真の16cmフルレンジはDS-16Fが付いている。SPの穴の周囲のみごとなR加工**


■「箱」では得難いこの感動はなにか

山荘訪問初日、ああだのこうだの、CDをとっかえひっかえしながら配置を工夫した。

どうも位相的な微妙な違和感が付きまとうように聞こえる。

ウーハーと平面バッフルとの前後の間隔が1m強ある。

どうやらウーハーの直接音が、平面バッフルの背面放射と干渉しているのではないかと見当をつけ、とりあえずの荒仕事で位置を変える。

平面バッフルを上下逆さまにして、ウーハーの箱の天板の高さに持ち上げる。
そしてウーハーを平面バッフルと同じ面まで前に出す。

フルレンジユニットはDS-16Fから三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えた。
さて、この取って付けの仮配置で音を出す。

この時の感激は、当訪遊記(第1話)の冒頭「序」のとおりである。
このような音の空間に入った時が、音楽好きオーディオファイルの至福の瞬間である。

聴き慣れた音源から発見される新たな音響的感動、それによって初めて感じ取ることができた音楽的感動が次々と出現し、涙腺を刺激する。

ああ、このステージはこうだったのか。
この演奏はこういう響きだったのか。
この楽器はそこで鳴っていたのか。
この歌手は、この演奏家は、ここまで微妙・精妙な表現をしていたのか。


その時、氏もこの境地にいたと思う。
あれはどうか、これはどうだろうと、次々とCDを取り替えては聴いている。

いやー、すばらしい。
これほどの音場感が出るシステムは本当に稀である。
お金を掛ければ実現できるものでもない。
この音響はどこから、どういう理屈で出てくるのだろう。
やはり平面バッフルに何らかの要因があるのだろう。


i氏山荘SP全景 after

<写真2:第1話の写真1の配置では微妙な違和感があったので、このような応急処置をして音を出してみる>

**さてbefore→afterの結果は・・。竹集成材平面バッフルのフルレンジユニットは、三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えてある**


■STAX ELS-8Xとの共通点

今回の山荘訪問は、都合で氏に送り迎えしてもらった。

山荘に向かう前に、拙宅の修復成ったSTAXの大型コンデンサースピーカーELS-8Xの試聴をしてもらう目的もあった。

20数年ほど前から、氏はこの8Xを何度か聴いているのであるが、オーディオ道楽に染まってからは聴いていない。

8Xは片側に8個の発音ユニットがあるが(写真2)、ここ10年来、その半数近くの能率が下がり、使用できなくなった。

いつの日にか、なんとかしようと、納戸の小部屋に押し込めてあった。
8Xの代替機はALTECのMODEL 19を選んだ。

大型であるが、家庭に設置するタイプとして音響的に最高の器の一つだろう。

8Xとの音の質感の違いは当然ながら大きいが、これはこれで「大したものだ」と思う。

8Xを製造したSTAX工業株式会社はその後会社の形態が変わり、今後とも8Xが修理を受けられる可能性は完全に断たれている。
でもいつの日か、耳の聞こえるうちに、目がなんとか利くうちに、手先が自由に動くうちに、そして気力があるうちに修復したいと思っていた。

そうこうしているうちに自適生活に入り、怠惰な日々を2年も送っていたが、今年になってあるスピーカーを聴くにおよび、8X修復への「緊急決起ボタン」が押された。

この話は当ブログの別テーマ、「甦れSTAX ELS-8X」で綴ろうと思うが、かなりオーバーに言えば4・5ヶ月の寝食を忘れた苦楽の結果、3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った振動膜の張り替えに成功した。

オリジナル8Xは、ツイータ4ミクロン厚、フルレンジとウーハーは6ミクロン厚である。
それをすべて3ミクロン厚で張替えた。

その3ミクロン厚の超軽量振動膜の威力だと思うが、長年の8Xオーナーである自分が腰を抜かすほどの音響空間が再現されるようになった。

これを氏に聴いてもらった。

さて、氏は8Xの前に立つや、「これ平面バッフルですよね」、と一言。

「あっ!」。
迂闊であった。

発音原理や形がまったく異なるため、コーン型SPユニットを取り付けた平面バッフルと同一であることの意識が希薄であった。

氏の言うとおりである。
8Xは畳1畳ほどの木材の分厚いバッフルに、8個のSPを取り付けた平面バッフル型スピーカーそのものだ。

私は修復成った8Xから、今まで体験したことがないすばらしい音場の広がりと明確な定位が再現されることを知ったが、氏の山荘の音場も、これと類似の効果なのだと思っている。

「逆相になるが背面からも前面と同じ音が放射される」。

「背圧がかからないため、ダイアフラム(振動板)がもっとも自由に動く形態」。


事実としてこの平面バッフルの効果を、どのように理論づければいいのか分からないが、音場の再現や音響の品質に極めて有効に働いているに違いない。

余談であるが修復成った8Xを聴いた「蛙の子」の息子が、その音に驚いて、すぐさま同じ8Xを手に入れた。

ちょうどその時期、奇跡的タイミングで売りに出たらしく、二度とない幸運にめぐり合ったといえる。

片側の音が小さいという不具合がある出物だったが、私の8Xと比べられないほどの美品であり、不具合の原因だった高電圧発生部を修理して完動している。
よほど環境のよい部屋で、大切に使われていたのであろう。

この8Xも氏に聴いてもらった。
すべての発音ユニットが、これもまた奇跡的に健全な状態を保っており、オリジナル8Xの音が聴ける。

氏は一言、「これはこれでアリですね。少し力強いかな」。

部屋も置き方もアンプも異なるが、確かに3ミクロン厚の音と少し違う。


新旧2組の8XDSC_6847

<写真3:修復作業がほぼ終わった8Xの裏側と(左寄り)、息子が入手した同じ8X(右寄り)>

**左右それぞれ8個の発音ユニットから成る平面バッフル型であることが分かる。上下シンメトリー。内側から外側に向かって高域ユニット×2、全域ユニット×2、低域ユニット×4の3Way構成**


8X振動膜張りDSC_6769

<写真4:8Xの発音ユニットの振動膜の張替え作業>

**3ミクロン厚のポリエステルフィルムを、かなり強い張力をかけた状態で、ユニットのフレームに貼り付ける工程**


■山荘SPシステムの次のステ―ジ余談が長くなったが、山荘2日目の朝は早起きし、朝食も早々に音を出した。

昨日と同じく、本当にすばらしい音響と音場感である。
音楽に深く入り込める至福の再生音だと思う。

しかし少し気になる。

ウーハーの箱の天板が音を反射し、どうもその悪影響があるような感じがする。

天板の上に布団などを重ねて置くと、かなり改善されるので多分そうだろう。
ほんの僅かな違和感であるが、これがなくなれば良い方向の相乗効果で、格段の向上があるかもしれない。

とりあえずの実験としてウーハーの箱を分解し、前面パネルだけの平面バッフルの形で音を出してみよう、ということになった。

電動ドライバーを片手に、氏は箱と格闘を始めた。
しかし「大工見習いもどき」の氏の手に成る箱は、頑丈に作りすぎて簡単には分解できないことが分かった。

薄手の長袖の上着が必要な山荘の朝であるが、30分ほど汗をかいて、とりあえずの実験は諦めた。

さてこの課題を氏はどう解決するだろうか。
来年の春頃かな。
冬の氷点下で冷凍庫と化した山荘でも厭わない。
そのときは次のステージにグレードアップされた、さらにすばらしい音響空間に浸ることができるだろう。

(第2話 おわり)u

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

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甦れ(2回)8X コンデンサースピーカー(2)SR-1との出会い [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]


今日の日記は、瀕死の8Xを「いつの日にか」、と思い続けたこだわりの源泉と、今後綴っていく修復日記の伏線になるようなエピソードについて記します。


■SR-1との出会い

若者の足なら、STAX本社の館、現在の東京都有形文化財「雑司が谷旧宣教師館」まで歩くのは、わけもない距離である。
JR池袋駅から南東に、徒歩で10分もかからない。

しかし微かな記憶には、国電池袋駅から路面電車に乗ったような情景が浮かぶ。
多分そうだったのだろう。
田舎から出てきて日も浅く、地理に不案内な学生である。
都電(路面電車)で行けば迷わない、と誰かに言われてそうしたのかもしれない。


STAX本社を訪問した目的は、イヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3の購入であった。

自分が請うたのか、あるいはご好意だったのか覚えていないが、そのとき試聴ルームに案内され、フルレンジ・コンデンサースピーカーESS-6A(であったはず)を聞かせていただいた。

これが当ブログ表紙冒頭の「私はこの館で音の洗礼を受けた・・・」のシーンである。


ESS-6Aが奏でる音楽。

その未体験の音響は、一生忘れることのない感動を残した。
そしてそのとき購入したSR-1。
これがその後、私の耳に「オーディオを聴く際の音の基準」を形づくることになる。

つまり私が歩いてきた「オーディオの道」を遡れば、源流は池袋の雑司が谷にある旧宣教師館に行き着く。


学生時代のオーディオシステム


<写真1:これ1枚しかない学生時代のオーディオ装置>
**古くなれば本当にセピア色になるんですね**

写真は、機器の揃い具合から、学生時代の終わり頃のものだろう。
STAX SR-1はスネかじりであったが、レコードプレーヤーなどは自前である。
(SR-1はトリオのアンプ類の下の戸棚の中に見える)。

当時、春休みや夏休みなどに帰省して、浜松の日本楽器(YAMAHA)で高額報酬のバイトをやらせていただいた。

あの頃、浜松の日本楽器は、オーディオ評論などで高名な青木周三氏を招いて、レコードコンサートなどを定期的に催し、地方のオーディオ文化の発展や啓蒙に貢献していた。

浜松城公園に近い公会堂(?)で催された夜のレコードコンサートに、担当の綺麗なお姉さんに誘われてついて行ったことなど、とてもリアルに甦ってくる。

大通りの四つ角に面した店舗には、高級オーディオのフロアもあり、写真のレコードプレーヤーはそこで調達した。

アームはSTAX UA-7、ターンテーブルはSONY TTS-3000、カートリッジはFidelity-ResearchのFR-1とそのヘッドアンプFTR-2。

スピーカーは三菱ダイヤトーンP-610xx(続くサフィックスは覚えていない)を、その標準箱もどきに入れている。

ツイーターは当時のボクらの大定番、大ベストセラー、驚異の価格/性能比、Technics 5HH17。
この1枚の写真だけで、一冊の物語になるほどの思い出が湧いてくる。

バイトに通っていた時、浜松駅近くの新幹線ガード下あたりに「ナルダン」という喫茶店があり、そこのご主人に、いろいろとお世話になった。
ありがとうございました。

様々な思い出が甦る「これ1枚だけ」の写真である。


SR-1をめぐる高城重躬先生とSTAX社員との逸話

イヤースピーカーSR-1にはいろいろなエピソードがある。

ある日、高城重躬先生宅にSTAXの技術者ら数人が訪れた。

先生は悪戯に、氏のマルチチャンネル・システムの各帯域のアッテネータを少しズラして、「君たち、これを調整してバランスのいい音にしてごらん」と促した。

結局彼らは悪戦苦闘の末、僅かの違いを残して、元に近い状態に戻してしまった。
先生はこのことの講評に、「普段、イヤースピーカーを聴いている彼らの耳が、よく訓練されているからだろう」とおっしゃったという。

古いオーディオファイル諸兄の間では、伝説の逸話である。

私のオーディオは、形あるものも、ないものも、すべてにこの話のエッセンスが溶け込んでいるように思う。

さて、私のイヤースピーカーSR-1と、イヤースピーカー用アダプターSRD-3は、今どこにあるのだろう。

私自身が育て親を捨てることなどあり得ないので、屋根裏のダンボール箱のどこかに眠っているはずである。
発見できたら、その音を聴いてみたい。
耳パッドは元々ダメになっていたが、たぶん鳴ると思う。
「私の基準」を育んだ音をもう一度聴きたい。


■STAXもう一つの傑作はSR-001

SR-1はその後、改良された新モデルが次々と出て今日に至っている。

私もその間、Lambda Nova Signatureなど2種類ほどのイヤースピーカーを買い替え、ドライバーユニットSRM-T1とともに所持している。

SR-1を原型として、現在の最新鋭モデルまでの変遷は、時代とともに進化を重ねてきたものであり、当然の流れである。

しかしSR-001は、その流れとちょっと違う。
コンセプトが全然違う、と言ってもいい。

従来のAC電源が必要なイヤースピーカー用アダプターを、乾電池で動作するポータブルにした。

従来のイヤースピーカーを何十分の一程度に小型化した。

STAX工業株式会社から今日の有限会社STAXに至るまで、世に送り出した製品で、他社が追従できない画期的な傑作が3つある。

他にも評価すべき意欲作はいくつかあるが、代表すればこの3つだろう。

1.コンデンサー型イヤースピーカー
2.フルレンジ・コンデンサースピーカー
3.コンデンサー型の超小型イン・ザ・イヤースピーカー・システム


私はこの「3.」の初代機SR-001を手にしたとき、本当に凄いものを開発したと感嘆した。

これ、嘘ではなく本当にコンデンサー型ですよ。

その当時私は、ウォークマンのたぐいのヘッドフォン・ステレオに、SONYのNT-1とNT-2を使っていた。
iPodが出現する前の話である。

NT-1/2は、切手大のデジタル・マイクロカセットを記録メディアとするデジタルレコーダーである。

サンプリング周波数32KHz、量子化ビット数 12bit折線(17bit相当)、圧縮方式 ADPCMのデジタル信号を、幅僅か2.5mmのテープにヘリカルスキャンで記録・再生する。

もっともSONYらしい、宝石のような、輝けるSONY製品の一つである。
当時、このNT-1やNT-2のすばらしい音質に応えられるヘッドフォンは皆無であった。

SR-001を使ってみた。
感激!。

音全体はイヤースピーカーを踏襲しているが、まず低音に驚かされる。
SR-001の低音は、他社の如何なるヘッドフォンより深くて生々しい。
この音を外に持っていける!。

私は写真2の「お出かけセット」を、通勤や出張、旅行などに離さず持ち歩いた。
そしてウォークマン型の終焉。

本来ならばSONYが出して然るべき、また出せる可能性があったにもかかわらず、iPodは門外漢のAppleから出た。

それから通常タイプのイヤフォンの高音質化競争が始まった。
私の「お出かけセット」もiPodになった。

しかしSR-001を原型とする、携帯できるイン・ザ・イヤースピーカー・システムは、イヤースピーカーとともに、世界に誇る傑作であると確信している。

(アダプターの側面に付いているライン入力ジャックは、その取り付け場所が悪く、じゃまになって使いにくい。しょうがないので、その脇に穴を開け、ラインケーブルを直付けした)


SR-001DSC_7091
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/SR-001EFBC88E7B8AEE5B08FEFBC89DSC_7091.jpg


<写真2:SR-001とNT-2。iPod出現前の私の携帯オーディオシステム>

■8X修復の手掛かりなし

さて8X修復の話であるが、情報はまったくない。

英国QUADのESLやESL-63系に関するrepair記事は、具体的かつ詳細なものが山ほど出てくる。

しかしSTAXのコンデンサースピーカーの内部構造や、修理に関する情報はネット上のどこを探しても出てこない。

ただ1つ、8Xの高圧電源部の修理を、絶縁ワックスをドライヤーで融かして行ったという国内記事があった。

高電圧発生回路は、4段のコッククロフト回路、とある。

具体的記述はそれのみであるが、確かにそのとおりであった。

当ブログの「i氏山荘訪遊記(第2話)」の「かえるの息子」が入手した8Xの修理の際、目視できるダイオードの結線状況から推測し、彼が回路図を書き起こした。
この話は次の日記で綴りたい。


新8X高圧電源部全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE9AB98E59CA7E99BBBE6BA90E983A8E585A8E699AFEFBC88E6B888EFBC89.jpg


<写真3:「かえるの息子」の8Xの高圧電源部(修理前)>

**電源トランスと4個のコンデンサーが入った小部屋が、絶縁ワックスで充填されている。それらの一部が透けて見える。不良コンデンサーを交換するには、この大量の蝋をかき出さねばならない。さてどうすれば・・。左上の基板上の抵抗素子のアレイは、私の8Xより一つほど古いバージョンの仕様を示す**

STAXカタログ内部構造
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/STAXE382ABE382BFE383ADE382B0E58685E983A8E6A78BE980A0EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89.jpg


<写真4:STAXのコンデンサースピーカーのカタログの一部分>
**発音ユニットの基本構造が描かれている**


発音ユニットの構造はカタログの模式図のみ

発音ユニットを分解する前に、その構造を知る必要がある。
構造が分からないまま、手荒なことはできない。
致命的なダメージを与えたら、はいそれまでよ、になる。

しかし、喉から手が出るほど欲しかった発音ユニットに関する具体的情報は皆無であった。

唯一、STAXのコンデンサースピーカーのカタログに、発音ユニットの内部構造の簡略スケッチがあった。

基本構造は正しく描かれているが、修復工作に最も重要な部分が省略されている。
でもこの図が、構造を推理するための大きな手掛かりとなった。

これらは次回以降の日記に順次綴っていこうと思います。

(第2話 おわり)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-25



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甦れ(3回)8X コンデンサースピーカーもう一つの8X電源修復 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09


今日の日記は、私の8Xの修復ではなく、もう一つの8X、「かえるの8X」の高圧発生電源部の修理について綴ってみます。

「かえるの8X」を修理してみて、同時期のロット(同じ時期に作られた8X)には、高圧発生電源部のコンデンサーの不具合が発生する恐れがあったのでは、と心配になったからです。

また、8Xとは直接関係のない、わき道にもけっこう深く迷いこみますが、すみません。


おやじの耳はいい?

芸術作品などに向かい合う際の審美感覚。

「鑑賞眼」とはちょっと違う気もするが、「心に沁み込む度合い」のようなもの。
映画、演劇、音楽、文学、絵画・・、といったものを味わう能力のようなものは、年を重ねるに従い、深まるのではないかと思う。

オーディオの音を聴く力も然りである。
聴力はどんどん衰えるのに、「コクや妙味を味わう」能力は向上するように感じられる。


8Xの健康管理

「かえるの息子」が入手したELS-8X(委細は「i氏山荘」第2話)。

自分のアパートに収容するスペースがないので、我が家に置いてある。
その8Xの健康維持のため、ときどき聴いている。

置いてある部屋は防音施工ではないが、家中に響く大音量も出してやる。
GECのKT88が挿してあるAIR TIGHTのATM-2は、太くてずっしりした音が出る。

大編成のオーケストラなど、床の振動が体に伝わって、実に豪快に楽しめる。

8Xから、ALTECの416-8B 38cmウーハー(「いとし子」第3回の写真1)を凌ぐほどの、床が震える低音が出る。

これって、プッシュプル方式独特の音なのだろうか。
今まで経験したP-Pの音は、どうも雰囲気が似ている。


新8X全景
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E696B08XE585A8E699AFEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_7442.jpg


<写真1:「かえるの8X」は別室に置いてある>

**私の8Xとは比較にならないほどきれい。どのような環境で使われていたのか不思議である。左右合計16個の発音ユニットがすべて健全なのも信じがたい。購入して間もない頃の私の8Xが帰ってきたような錯覚に陥る**

新8Xアンプ類

<写真2:「かえるの8X」を鳴らすために急きょ集めた機器類>

**木の穴から顔を出しているリスだか、モモンガだかの後ろがAIR TIGHT ATM-2**


わき道談 AIR TIGHT ATM-2

余談であるが、このATM-2は、AIR TIGHTブランドのA&M社が創立間もない頃に購入した。

取り扱い説明書らしいものはなく、案内状は手書きであり、回路図も手書きであった。
内部のはんだ付けも下手で、重い本体を送り返すのも面倒なので自分で何箇所も補修した。
そのことを電話で伝えると、社長さんが「職人がまだ熟練してなくて・・」と、えらく恐縮しておられた。
しかしこの器の作りと、基本コンセプトは、とても共感できる。

回路はP-P増幅器の基本中の基本形、教科書どおりであり、妙な細工は一切なし。
あとはシャシー、トランス、各種の電子部品、それらの配置などなど、部品の品質・性能と、全体設計の良否で勝負、である。
私の「最終アンプ」のコンセプトと通じている。


このATM-2は、GECのKT88のゲッターがほとんどなくなるまで愛用し、今のGEC KT88は2代目である。
驚くべきことに、ゲッターがほとんどなくなったGECのKT88のip(プレート電流)は、新品のものと大きな差はなかった。
つまり交換の必要はなかったことになる。

そんな状況のATM-2、面白いことがいっぱいあった。
それらの話は別のタイトルで綴った方がいいとは思うが、楽しい思い出がいっぱいで、筆が止まらない。

初段の12AX7と、位相反転の12AU7、ドライバーの12BH7Aの銘柄やロットの違いで、出てくる音や、音の性質がコロコロ変わる。
NF(ネガティブフィードバック)も外した。

その話をしたら、「そんなことされたら音になりませんがな」とAIR TIGHTの方に言われた(本社は大阪)。

NFを外し、初段の12AX7を12AU7に替え、元のX7周りの定数をU7に合わせて少し変更することにより、明らかに、明確に「音が活きる」。
それによる他の聴感上の問題は特に出ない。
(こんなこと、やってはいけません。もはや時効の昔の話ですし、これは私が所持するATM-2だけに限ったことですから。P-PのNFを外すなど、もってのほかの愚行はおやめください。私、今は元通りにしてますから・・(~_~;) )


ごく初期に作られた私のATM-2。

バイアス・チェックメータのロータリーSWのガリには、ずーと悩まされ続けてはいるが、この器、全体的にはとても信頼できる、すこぶる良品だと思っている。


オリジナル8Xの音

すみません、話を元にもどします。
この8X、すべての発音ユニットが、完璧に良好な状態を保っている。

半数以上がダメになった私の8Xとは雲泥の差であるが、前オーナーはどのような環境で使っておられたのだろう。
本当にありがたいことである。

鳴らしてみる。
はて、こんなによかったのかな、と首をかしげる。
ハッとする。
またハッとする。

100%オリジナルのSTAX ELS-8Xの音が、これほど聴く人の心を、音楽の中に引き込むとは。
私の8Xが健全であった10年ほど前の状況と、今、鳴らしている環境に大きな違いはないはずである。
部屋は違うが、あの頃の私の8Xも、このように鳴っていたのだろうか。
ハッとだらけの、体が緊張するほどの臨場感を聴いていたのだろうか。
あの頃の音を忘れているだけなのか。

私の8Xの製造シリアルナンバーは400番台、かえるの8Xはそれより50番ほど古い。
見た目では、発音ユニットもバッフルも同一であり違いはない。

ただ、裏ぶたの内側に、へんな吸音材がしっかりと貼り付けてあった(それが正規仕様)。
誰かに指摘されてそうしたのか、それとも自分たちが考えたのか、背面放射を少しでも減らそうとしたためと思うが、音響抵抗になるようなものは、百害あって一利なし。
一苦労して完全撤去した。

私の8Xの頃には、吸音材の愚行は「改善」されていて付いていない。

つまり2つの8Xは、まったく同一である。
間違いなく私の8Xからも、同じ音が出ていたはずである。

とすると、当時の私の聴く力が浅かったことになる。
やはり、私が年をとったおかげで、音楽オーディオを味わう力が深くなったせいだろう。
そうに違いない。


「コンデンサースピーカー」の呼称は?

わが国ではこの方式のスピーカーを、一般的に「コンデンサースピーカー」と呼んでいる。

この方式による全帯域スピーカーの製品化は、1957年、英国Quad社の「Quad ESL」が最初である。
優美な曲面を描く「あれ」である。
すばらしい造形、私の「永遠のあこがれ」である。

これらはESL、すなわち「ElectroStatic Loudspeaker」。
「コンデンサー型」ではなく「静電型スピーカー」と呼ばれている。

昔、STAX社の製品に、コンデンサー型カートリッジがあった。
ご年配のターンテーブル愛好家諸兄には、そのカートリッジに特別の思いを持っておられる方も多い。

針先の動きをコンデンサーの容量の変化として取り出し、FM変調、検波の処理を経て、オーディオ信号を作り出す仕掛けである。

エンコーダー/デコーダーを含め、現代の技術で再開発すれば、どのような音が出るのだろうか。
さて、このカートリッジは、「コンデンサー型」と呼ぶに相応しい。
そのものズバリ、「コンデンサーの容量の変化」がキーポイントだからである。

しかしQuad ESLやSTAX ELS-8Xなどのスピーカーは、「静電型スピーカー」と呼ぶ方が実態を表している。

発音の原理にコンデンサー、つまり「蓄電」の有意性はない。
あくまで「静電」によるクーロン力こそが、音を出す源であり、この方式のスピーカーの本質である。

まあ呼び方など、この発音ユニットから飛び散る比類ない音を浴びればどうでもよくなるが・・。


かえるの8Xの高圧発生電源の修理

重要なご注意

STAX ELS-8Xの高圧発生電源部は、4000V近くの電圧が発生します。
感電した場合、人命にかかわります。

発音ユニットに供給される高圧は、高抵抗を介するため電流は微小ですが、感電した場合の電撃(ショック)は大きく、やはり人命にかかわります。

高圧発生電源部は、その供給元であるため、感電した場合はかなりの電流が流れると思われます。
それには生命の危険があります。

この高圧発生電源部を修理・修復・稼動させるには、4〜5000Vの高電圧と、その取り扱いに関する知識と経験が必要です。
この点のご配慮を、くれぐれもよろしくお願いいたします。


なおこの日記の、修理についての記述は、あくまで「かえるの8X」単体に関するものであり、他の8Xが同一の作りや仕様であるか否かは分かりません。

また、ここの記述や写真や図も、修理の「参考の一つ」や「ヒントの一つ」にしていただくためのものです。
修理に際しては、あくまで、それぞれの修理対象の現物を実地に調査・解明して、その上で適切な対応を検討されるようお願いいたします。


訳あり

承知の上であったが、かえるの8Xは、右側完動、左側音圧低下、の「訳あり」として彼が手に入れた。

訳あり側の発音ユニット各部の電圧を測ると、すべての発音ユニットの成極電圧(バイアス電圧)が、正規の1/3以下であることが分かった。
このことから、不具合箇所は高圧発生電源部だろう、と推測できる。

左右の高圧発生電源部のボックスを引き出し、裏ぶたを外すと、意外なことが分かった。
完動している右側の高圧発生電源部に、メーカーで(多分)修理を受けた形跡がある。

充填されている蝋に、手を加えた跡があり、コンデンサーが取り替えられている。
左側とはメーカーが異なるものに交換されていた。
要するに、右側にもコンデンサーのトラブルがあったことになる。

左側の高圧発生電源部は、工場出荷時のままであることは見れば分かる。
つまり、このシリアル番号の近辺のものは、高圧発生電源部の、たぶんコンデンサーが「弱い」ことが推測できる。

不具合の左側の高圧発生電源部も、右側と同様に、いずれかのコンデンサーがダメになっているのだろう。

整流用ダイオードは蝋漬けになっていないので、テスターで良否をチェックした。
すべて健全であった。


高圧発生電源部修理前
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<写真3:修理を受ける前の高圧発生電源部>

**電源トランスと4つのコンデンサーが入っている小部屋は、蝋で充填されている**


高圧発生電源部ダイオード側
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<写真4:蝋の小部屋の壁裏のダイオード類>

**写真上部に蝋の小部屋とコンデンサーが見える。見えているコンデンサーの下にも、さらに3つのコンデンサーが埋められているとして、このダイオード類の配置などを、よーく観察していると、回路図が見えてくるようになる、かな**


高圧発生電源部の回路推測

充填されている蝋の中に、電源トランスとコンデンサーが複数個、漬けられているとする。
その上で、写真4:のダイオードなどの結線状況から推理して、4段のコッククロフト・ウォルトン回路と仮定した。

かえるの息子が予想回路図を描いてみた。
多分正解だろう。

使われていたコンデンサーは、チューブラー型(リード型)の0.01μF、耐圧3000Vが4個。
ここでは手持ちの都合で、0.047μF、耐圧2000Vのものを使った(耐圧は3000Vが安心)。


高圧発生電源部回路図
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E9AB98E59CA7E799BAE7949FE99BBBE6BA90E983A8E59B9EE8B7AFE59BB3EFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89.jpg


<写真5:高圧発生電源部の整流&昇圧回路の推測回路図>

**雑な絵ですみません。かえるの彼が、その場にあった紙に描いたスケッチ。4段のコッククロフト・ウォルトン回路と推定された。赤字の電圧が修理後の数値。ただし成極電圧調整VRが最小のときの電圧であり、VR最大時は、これの約140%に上昇する。通常はVR最大で使う>

大量の蝋を取り除く

缶ビールを輪切りにして蝋の容器を作る。
ドライヤーで充填されている蝋を熱し、柔らかくして小さなスプーン状のものでかき出す。

その前に、ダイオードを熱風から守るために、何らかの工夫をしておく必要がある。

熱してはかき出し、また熱してはかき出す。
いやというほど繰り返す。

この作業はコンデンサーの周りだけでよい。
トランス周りはそのままでかまわない。


コンデンサーの交換

底につくまで蝋をかき出すと、4つのコンデンサーが現れる。
それを全点、交換する。

狭い空間の中、順にコンデンサーを取り外して、新しいものを順に取り付ける。
かなりアクロバット的な技が要求される。
この作業、よほど器用な方でないと難しいかもしれない。

交換が終わった段階で十分な目視チェックをして、誤りなしを確認する。


高圧電源コンデンサー交換
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E9AB98E59CA7E99BBBE6BA90E382B3E383B3E38387E383B3E382B5E383BCE4BAA4E68F9BEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6887.jpg

<写真6:コンデンサーの周りの蝋を取り除き、全部のコンデンサーを交換する>

**手持ちの0.047μF、耐圧2000Vのコンデンサーの寸法は少し大きすぎた。最上部のコンデンサーは裏ぶたに接触する恐れがあるため、絶縁チューブを被せた**

電源を投入して動作試験

発音ユニットへの接続はつながったままであり、外さないでおく。
各部、要所要所の電圧をチェックする。

かえるの8Xの修理後の場合、発音ユニットの成極電圧端子(高域)1.9KV、全域および低域3.7KVであった。
いずれも高圧発生電源部の成極電圧調整VR最大時。

この状態で音を出してみたり、電源のON/OFFを繰り返したり、電圧可変VRを回したりして実働試験を行い、確信が得られれば再び蝋で充填する。


再び蝋で充填

缶ビールの蝋を電熱器などで温める。
蝋って、断熱材のように熱が伝わりにくく、なかなか融けてくれない。
アルミホイルで覆うなどの工夫をして、完全に融けたら(融けると透明になる)、空気を排除しながら完全に充填されるように、少しずつ慎重に注入していく。
完了したら、十分に冷えるまで待って実働試験を行い、問題がなければ元通り本体に収め、めでたく修理完了となる。

高圧電源蝋充填
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/E9AB98E59CA7E99BBBE6BA90E89D8BE58585E5A1ABEFBC88E7B8AEE5B08FE38388E6B888EFBC89DSC_6890.jpg

<写真7:ひととおりの動作確認後、「小部屋」を融かした蝋で再び充填する>

**蝋が茶色の部分は、まだ冷えていない半透明の状態。冷えるとクリーム色になる**

かえるの息子が帰ってきたときは、夜通し8Xを聴いている。
8Xの前のソファーで横になって朝まで聴いている、たぶん寝ている。

自分のアパートにも「けっこうそこそこ」のシステムがあるが、音の出方が根本的に違って聞こえるらしい。

この違い、おおまかには、一般的なヘッドフォンやイヤフォンと、STAXのイヤースピーカーとの違い、と思っていただければ近いと思います。


オリジナル8Xの音。

昔は気付かなかった深い味わい。

8X本来の素晴らしさを、「もう一つの8X」が教え示してくれた。
この歳になってようやく気付く、なさけない感性である。

(甦れ8X(第3話)もう一つの8X電源修復 おわり)�

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09



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甦れ(4回)8X コンデンサースピーカー成功!発音ユニットの分解 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20


今日の日記は、8Xの発音ユニットの構造を、文字通り「開」「示」します。

STAX ELS-8X 修復の基礎データーとなる核心部分です。

魚ではあるまいし、ですが、本当に「二枚おろし」に開いてしまいました。
発音ユニットの修復作業には、さらに「三枚おろし」にしなければなりません。
三枚の話は後日として、私、釣りはやらないし、魚、もちろんさばけないです・・。


すみません、またちょっと脇道・迷い道ですが、8Xに関連ありなので・・・

射程70m、8Xで那須与一が今に甦る
吉祥寺駅前の大道芸
10年ほど前の吉祥寺の駅前。

買い物をしての帰り道であった。
人だかりの輪の中から、ペンペン、ジャランジャランと三味線のような音が聞こえてきた。
けっこう激しく演っている。

輪の隙間から潜り込んで少し近づく。
芸人風の三味線弾きが、津軽三味線ぽい演奏を演っている。
ちょうど佳境に入ったのか、強烈な音と激しいリズムが盛り上がり、そして万華鏡のような音色の変化に続く。

足がすくんで動けない。
一挺の三味線の、大オーケストラを凌ぐダイナミズム。
まさに圧巻の「音」と「音楽」であった。

「道端の芸」でさえ、これほどまでに人を感動させる。


最初に「音」ありき。
まず「音」。

そしてその「音色」や「響き」があり、「拍子」、「旋律」、「和声」などは、そのあとの話。

昨今、音楽とは、どうやらそういうものではないかと思うようになった。

続く話は今日の日記の後半で・・。

左右裏アップ
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<写真1:向かって右側の本体から高域発音ユニットを取り外したところ>

**不完全ながら、鳴らしながら修復作業を行ったので、ダミーの板をはめてある。修復したユニットが、一つ、また一つと増えるごとに、加速度的に音がよくなっていった**


8Xの発音ユニットの取り外し

8Xの発音ユニットを本体から取り外そう。

それぞれの発音ユニットは、その両脇をアルミチャンネルの棒で押さえられている。

アルミチャンネルとは、断面が「コ」の字形のアルミの棒であり、8Xに使われているものは、「コ」の字の中にピッタリと木材の角棒が埋め込まれている。

発音ユニットを取り外すには、該当するアルミチャンネルを固定している木ネジを外すだけでよい。


STAXカタログ原理
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<写真2:STAXのカタログに載っている発音ユニットの電極端子の状況>

**3つの小丸が端子。甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**

元ユニット電極部
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<写真3:高域発音ユニットの電極端子部分>

**中央上のポリカーボネイト製のビスで留めてある端子と、その真裏の同端子が固定極の端子。ユニット右端の上に突き出た端子が振動膜の端子**


発音ユニットの電極端子

再三お知らせしていますが、STAX ELS-8Xは、電源ケーブルを外しても、場合によっては数日間、高電圧がチャージされている場合があります。
4000V(4KV)近くの高い電圧ですので、感電した場合は人命にかかわります。
この方面の知識と経験がない方は、けっして裏ぶたを開けないよう、お願いいたします。

さて、アルミチャンネルを外したら、発音ユニットの電極端子にハンダ付けされている3本のリード線を取り外す(2本は、アルミチャンネルを外す前に取り外しておくほうがよい)。

各端子の状況は写真1、2、のとおり。

ハンダの融けた雫が、発音ユニットにかからないよう、細心の注意で作業する。

3つの端子のリード線を外せば、発音ユニットを本体外に取り出すことができる。
発音ユニットの側面全部(四面)は、軟らかな蝋でコーティングされているが、この蝋は後で取り除くことになる。

実はこの蝋、極めて重要な役目を果たしている。
その話は最重要事項の一つでもあり、後日の日記に改めて綴りたい。


発音ユニットの構造を推理する

STAX ELS-8Xは受注生産品であり、同じ形の各部品を、何千・何万個と作って組み立てたものではない。

なので、ロットにより時期により、構造や寸法が少々異なるかもしれない。
まずこのことが前提であることをご理解いただきたい。


STAXカタログのユニット内部構造
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<写真4:STAXのカタログに載っている発音ユニットの構造>

**甦れ8X(2)で紹介したカタログの絵を拡大したもの。**


カタログのこの絵、概略図としては分かりやすく描けている。
私もこの絵から、発音ユニットを分解するための重要なヒントを得た。

まずはこの絵をよーくご覧いただき、基本的な構造の成り立ちを頭に入れておく。
そして続く写真を詳細に観察すると、まあだいたい「こんなことだろう」というイメージが湧いてくると思う。


元ユニット端側面
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<写真:5高域発音ユニットの上部の側面>

この側面をよく観察すると、全部で6層あるように見える。

茶色のベークライトが2層+白い塩ビ(実は透明)が2層+茶色のベークライトが2層である。

右手に見える、貼り付けてあるようなチップは、たぶん各層が剥がれないように補強するためのものか。

このチップは側面の数個所に接着されている。
側面の蝋のコーティングを除去すれば分かりやすくなるのだが、残念ながらその写真を撮ってない。


元ユニット角の2面
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<写真6:高域発音ユニットの下部の角付近>

**この写真は、各層が鮮明ではないが、全体の状況を観察していただきたい**

発音ユニットを魚のごとく「二枚おろし」にする

さて、発音ユニットの基本構造がおぼろげに見えてきたとしよう。
真ん中から2つに割っても大丈夫そうだ。

次の目標は、このユニットを「二枚おろし」のように、真半分に割りたい。
見た目では、各層がしっかり接着されていて、いずれの層も分割できそうにない。
いろいろと苦慮した。

真ん中の透明な層(白く見えるが)は、アクリルか何かだろう。
そこを「発泡スチロール・カッター」のような電熱線で、鋸を挽くように融かしていったらどうだろう。

ベークライトは熱に強いから、透明層だけ融けるはずだ。
最悪、電動工具で切断か。
などなど1・2日悩んだ。


元ユニット二枚おろし
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<写真7:真半分に「二枚おろし」した発音ユニット>

**上側に元の振動膜が付いている**


あっけないほど簡単だった「二枚おろし」

「二枚おろし」は超簡単だった。
まず、「補強チップ」は削り取っておく。

透明の層は、ベークライトとの接着面も、透明同士の接着面も、カッターナイフの刃をうまく入れると、パリパリと接着面に沿ってきれいに剥がれた。
魚をおろすのにコツがいるのと同様、カッターナイフの刃をうまく入れるのもコツがいる。

また、刃を深く入れすぎると、パンチングメタルを傷つけるので注意が必要である。

この思ってもいなかった「幸運」は、たぶん、20数年経たことによる接着剤の劣化ではないかと思う。

接着剤は、見た目や、硬さの感じから推測すると、おそらくエポキシ系だろう。
そして透明の部分は、硬さからアクリルではなく塩ビ(塩化ビニール)だろう。
ベークライトと塩ビとの、接着剤の親和性があまりよくなかったのかもしれない。
その一方、ベークライトのベースと、同じベークライトのバーとは、完全に一体になったように強固に接着されており、カッターの刃など、まったく受け付けない。
たぶん同じ接着剤であるが、材質によって接着力に大きな違いがあるようだ。

いずれにしろ発音ユニットは、みごとに、本当にみごとに「二枚おろし」になった。

やった、ヤッター!。
この時点で、この先も「やれそうだ!」と明るい目標が定まった気がした。
人の人生に、そう多くはないであろう「大きな喜び」の一つに数えてもいいほどのうれしさであった(他愛もないものに・・であるが)。


元ユニット内面フィルム付
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<写真8:高域発音ユニットを「二枚におろした」片側の内面>


元の振動膜が残っている側。透明なのでよく判別できないが、ななめのに走る反射光でかろうじてフィルムの存在が分かる。

ベークライトの基盤(ベース)、ベークライトのバー、塩ビのバー、パンチングメタルなどの位置と相互の関係をよーく観察していただきたい。
外枠の上下の穴は、分解前にあけたもの。

この穴は再組み立て時に必要となるが、今回は触れない。


核心!発音ユニットの基本構造

写真3〜6をよく観察すれば、おおよその構造は推測できる。
実際の発音ユニットの基本構造と、各部の「アバウトな寸法」は、図1のようになっていた。

図のイメージは、全域および低域の発音ユニットのものであるが、高域ユニットも基本は同じである。

ただし高域ユニットのパンチングメタルは、両端の形が半円ではなく、角を丸めた「角」である(ベースの開口部は半円形)。

なお、パンチングメタルの厚さは、U字アームを持ったマイクロメーターのようなものを持っていないので測定できていない。
が、甦れ8Xの初回で指摘した、「ギャップが狭いという他のESLとの大きな違い」が、この図で分かると思う。


発音ユニット図面
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<図1:発音ユニットの基本構造図>


さてさて構造が判明したまでは、うますぎる展開でした。
あとは工夫次第、アイデア次第、やる気次第ですが、この後のアイデアを搾り出すには、かなりの体力を消耗することになりました。


本通りから、再び脇道に入りますが、お付き合い願えれば幸甚です。

那須与一CD

<写真9:CD「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」>
**私の愛聴盤50選(があるとすれば)のなかの一枚**

和楽器の再生も大得意の8X

8Xで聴く平家物語。

那須与一の緊迫のシーンが、目の前でリアルに展開される。
終わった後、しばらく動けない。
こんなもの、爺様しか聴かない、と思っていたが、とんでもなく現代的であった。
この演奏家の琵琶、超現代的だと思う。

CD、「琵琶 中村鶴城 平家物語をうたふ」。

地下鉄神谷町駅から虎ノ門へ向かって、大通りを少し行って右に折れたあたりに、琵琶の製作工房がある。

そう、和楽器の本物の琵琶、非常にめずらしいが都心にある。
以前、会社の別館が近くにあったので、ときどき覗いて見学した。

理由は聞かなかったが、その工房に中村鶴城のCDが何種類か置いてあった。
売り物だというので、数枚求めた。
10数年前のことである。

那須与一の扇までの射程距離70m
このCDの中の「那須与一」、だれもが知っている物語。

源平合戦のさなか、一艘の小船の上に、うら若き乙女が扇をかざした竿を持って立つ。

この扇、みごと射てみよ、という挑発というか、誘いである。

周りの者から射手に推薦された「下野国の住人、那須太郎資高が子にて、那須与一宗高」が、義経の命を受け、命を懸けて挑む感動の物語である。

馬上、距離を縮めるために海に入っても、扇までの距離が「7段」(約77m)あるように見えたという。

物語の脚色を勘案して50mとしても、揺れる船、自分は海中で足掻く駒の上、風もあったというから、どだい無茶な話である。

オリンピックのメダリスト、「中年の星」といわれた山本博選手の現代の弓矢でも、100に1つもダメなのでは、と思う。


琵琶の強音でスピーカーのボイスコイルが飛ぶ

この物語を、薩摩琵琶の名手、中村鶴城が演じている。
圧巻である。

それまでは平家物語の琵琶、総じて私には聴いていられなかった。
ひどくつまらない。

それを中村鶴城の演奏が、琵琶という楽器の印象を180度ひっくり返してしまった。
この楽器から出る音の、あらゆる可能性を「使い倒す」ような奏法である。
この楽器、凄まじくダイナミックな楽器である。

撥弦楽器でこれに匹敵するものはおそらくないだろう。

弦を撥(ばち)で強打するフルパワーの一撃は、スピーカーのボイスコイルが飛び(焼け切れること)、コンデンサースピーカーの振動膜が裂ける。

その恐怖が伴うほどの衝撃音が鼓膜を刺す。

この楽器、出せる音の幅(音程のことではない)がとても広く多彩である。
演奏法も「多芸」である。

こういったパルス的な大衝撃音も、8Xは易々と平気でこなす。

ついでにいえば、8Xによる篠笛もたまらなくいい。
篠笛の、歌口を切る空気流の雑音を伴った音色の魅力など、苦もなく再現する。
篠笛は日本独自の「庶民の笛」であり、何の付属物もない竹筒1本の簡素な横笛である。

そこに篠笛の、単純のようで深みのある音色の妙があるのだろう。


修復した8Xで繰り広げられる源平絵巻。

与一が、騒ぐ海が、足掻く駒が、折れんばかりに引き絞られた弓弦(ゆんづる)が<このシーン、琵琶の弦を撥で強くしごいてその効果音を出す>、唸りを曳いて扇に吸い込まれる鏑矢(かぶらや)が、超現実映像のように目の前に広がる。

8Xはそういう世界に連れて行ってくれる音のリプロデューサなのです。


(甦れ8X(第4話)成功!発音ユニット「二枚おろし」 おわり)が


コメント 5


升金 勲

貴ブログ拝見しました。8Xという私には初めての情報。分からないながら最後まで読みましたが、全然わからない。凄いことをやっているんですね。音が録音され、それがCDになり、再生プロセスを経て耳に入る。「生」の音が諸々のキカイを通してニンゲンの耳に入るのに、絶対に「生」は再現されないものだと、以前から信じていました。だから、よく言われる「CDを10枚買うなら1回でもライブに行きなさい」という言葉に同調していました。8Xというのは、それほどに再現性がいいんですね。

話は変わりますが、15,6年前、タイガーウッズが鹿児島に来て「カシオワールド」に出場した際、大枚1万円を払って見に行ったことがありました。彼のドライバーショットの「音」のすごさに強いインパクトを受けました。あの音はテレビ中継などでは絶対に再現できませんね。なんというか、空気を切り裂くような「ソニックフォーン」とでもいうのでしょうか。「ピシュッ」というか、とても文字では表現できません。勿論中継のマイクでは集音できないし、諸々のキカイを通り、電波に乗せて家庭まで届けることなど不可能です。それほど彼のドライバーの「初速」は桁外れだったのだと感じました。1万円で体験できたことはまさに僥倖でした。
貴兄の音に対する博学で解説して教えてください。
by 升金 勲 (2013-11-21 10:59)


AudioSpatial
升金さま。ご訪問ありがとうございます。
すみません。内容が今流にいう「コアなもの」なので(マニアックすぎるものなので)、申し訳ないです。

「8X」というのは、過去、スタックス工業株式会社(同名の株式会社は今はない)が製作販売したESL-8Xという「コンデンサー型」のスピーカーです。

今現在、オーディオ愛好家が使っているスピーカーの、音を発生させる原理の違いによる種類には、つぎのようなものがあります。

@ボイスコイルによるフレミング右手の法則型(一般的なSPがこれ。コーン型とホーン型がある)

Aリボンによるフレミング右手の法則型(RCAのマイク、美空ひばり伝説の「77DX」の逆の原理です)

Bマグネプレーナー型(フレミング右手の法則型ではあるが、振動板は平面フィルムです)


Cコンデンサー型(磁石の力を使わない。文具の下敷きなどをこすると、ちぎった紙片がくっつく、あの静電気の力の応用です)

Dイオン型(こんなのも実際にあります。空気をイオン化して、そのイオンをクーロン力で直接駆動します)

とまあ、代表的にはこんなところです。

8XはCに当たります。

CとDは、空気を動かす仕掛けの重さが飛びぬけて軽い、ところがミソです。

Dなどはその極端な例で、「動かす物」がなく、空気を直接動かします。

CDの力はクーロン力なので、@〜Bの磁石の力に比べて段違いに小さい、という問題があります。

8Xなどは、そこをいろいろ工夫して、「琵琶の強音」も再生できるようになっています。

Dは高音専用のツイターしか実用機はありません。

どの世界にも、目的のためには、いろんな仕掛けを考え出しますね。
ゴルフのクラブの作りなど、スピーカーの比ではないですよね。たぶん。
by AudioSpatial (2013-11-22 03:17)


AudioSpatial
升金さま。先ほどの私の返信、ちょっと訂正です。

総体的な意味で「フレミング右手の法則」と書きましたが、より正確には、「左手」の法則、の方が適切です。

「右手」:導体が動いて、電気が発生する。
「左手」:導体に電気が流れて、力が発生する。

といった違いです。
by AudioSpatial (2013-11-22 09:45)


人形町

張り替え成功だけではなく
できれば測定をしていただきたいです。
STAXが認めてくれる性能が確保されているか。
by 人形町 (2014-06-30 13:13)


AudioSpatial
人形町さん、ご訪問ありがとうございます。

申し訳ありませんが、おっしゃっておられる趣旨が、よく理解できません。この8Xを製造した「STAX工業株式会社」は、すでにこの世になく、残念ながら聴いてもらいたくても、その望みは叶いません。できることなら、ぜひとも当時お世話になったSTAXの方々に聴いていただきたいところです。

また、メーカーが認める/認めないは、私の道楽には何の関係もありません。蛇足ですが、8X完全オリジナルの完動品が、隣の部屋で鳴っております(ブログにその記事あり)。

さらに測定の件ですが、その必要性を私は感じておりません。訓練された耳は、測定器以上の性能を持っていると思っております。音響のハイエンド付近の領域に、一般的な測定器は役に立たないとも思っています。あくまで、ただのオーディオ道楽のことですから、そこのご理解を、よろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-06-30 14:40)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20



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甦れ(5回)8X コンデンサースピーカー構造の詳細と修復手順 [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

比類ない再生音が2つ

STAX ELS-8Xの比類のない再生音。

その秘密は、世界に類のない精緻な作りの発音ユニットと、分厚い木材でがっしりと作られた、広い面積の平面バッフルとの組み合わせにあります。

当時の経営者の、コンデンサースピーカーに懸けた情熱を一身に受けて成長した、本当にすばらしい、まるで嘘のような「作品」です。

当時から8Xは、そのような稀有な存在であったのではないかと思います。


その8Xが2式。

このような事態になろうとは、昨年の今頃は夢にも思わなかったことでした。

製造から30年近く経た今も、まったく健全そのものの姿で朗々と鳴り響く1台と、ほとんどの発音ユニットがダメになり、当ブログに綴っている修復を受けて甦り、オリジナルを凌ぐほどの音を響かせるようになった1台。

それが我が家にあるなど、本当に何が起こったのか不思議な気持ちです。


家内の認可を受けた唯一の機器8X

今年も、はや師走。
昨年の今頃、「瀕死の8X」は狭い納戸に捨て置かれたまま、その存在すら忘れられていました。

家内と一緒に、池袋のサンシャイン60ビルの向かいのマンションの一室にあった、STAXのショールームに出向き、8Xその他を試聴させてもらった思い出のスピーカーです。

後にも先にもオーディオ機器の中で、家内の認可を受けたものは、この時の8Xただ一つです。

そんな思い入れの8Xであり、「いつかは修理して・・」と思いつつも、現実的には無理だろうな、と、ほとんど諦めていました。

それがどうなって、いま現在のような「8Xが2台」の奇跡が起こったのか、私自身も理解できないほどの急展開の1年でした。


02)オ部屋の8X_DSC_7855
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<写真1:私の8Xの対ニャン子ディフェンス網>

**家庭の諸般の事情により、だいたい19時から24時頃にかけて、重要機器類が収められている我がオーディオ部屋のセキュリティーは、5匹のニャン子の侵入を阻止できない状況にある。とりわけニャン子の攻撃に弱いのは、トーンアーム系とスピーカー系である。これらがやられては国家の存亡にかかわる。

そこで8Xは、少しゆるいが、多少の効果はあるディフェンス「網」を構築した。写真のように、下半分を「虫除けアミ戸」用の、目の粗いネットで、うまく覆った。いくらかは音に影響があると思うが、やむなし**


今日の日記

さて、今日の日記は前回に続き、分解して明らかになった8Xの発音ユニットの構造に、もう一歩迫ります。

さらにはその構造を基礎にして、発音ユニットを修復する工程の大筋を、図面と写真で公開します。

内外の各種のESL(コンデンサースピーカー)の修復や、ESLの研究、また、興味を持たれている方などに、何かの参考の一つにでもなれば幸いです。


8Xを超えるには

8Xの発音ユニットを分解すると、その「作り」が、他のESL(コンデンサースピーカー)と比べて突出して精巧・精密・入念であることが見て取れる。

この「入念な作り」は、かつてのスタックス工業株式会社が、長年にわたってコンデンサースピーカーの音を研究し尽くした「結果」が、形になったものだと思う。
発音ユニットは「こうしなければいい音は出ない」。

材質、形、構造、パンチングメタルの形状と加工、成極電圧、絶縁材と絶縁法、ダイアフラムの材質と導電剤の処理、その他諸々。

私は当時の経営者が「コンデンサー型」製品に懸けた情熱の「結論」を信じたい。

8Xを超えるものを作るには、その人以上の「情熱と年月」が必要である。
そうあるべきだと思う。


戻れない

久し振りに2台の8Xが同時に鳴った。

週末に帰った「かえる息子」が、バッハの教会カンタータなどを聴いている。
その全集のCD Boxの中古を安く買ってきたらしい。

めずらしくボリュームを上げているので、非防音のドアの外に、透き通ったテノールの響きが伝わってくる。

その声に誘われ部屋の中に入ると、そこには豊かな響きの教会の大きな空間が広がっていた。

思わず「いいな」、と声をかける。
「これ聴いたらもう戻れないよ」、と返す。

余談であるが、私がバッハの教会カンタータの魅力に目覚めたきっかけは、今もよく覚えている。

第199番、BWV199「わが心は血の海に泳ぐ」をFM放送で聴いたときである。
まだ学生の頃かもしれない。
ソプラノもオーボエも、旋律が美しい。
まるでオーボエ協奏曲のような部分もある。
それ以降、このジャンルでどれか一つ、といわれれば、今も即答でBWV199をあげる。


8X_
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<写真2:もう1台の8X>

**「甦れSTAX ELS-8X」でしばしば登場する別の8X。「かえるの息子」が入手した完璧な状態のオリジナル8X。母親は「じゃまだから早く持っていけ」というが、彼のアパートには、もはや置けるスペースはない**

1週間ぶりの私の8X

鳴っていたもう一台は私の8Xである。

PCオーディオ用のパソコンを、新マシン、新OS(といってもWindows7)に移行作業中であったため、ここしばらく、機器に灯が入らなかった。

それがこの週末、まだ不安定ながらも、ようやくPCのライブラリーや、ブルーレイ・ドライブによるCDが再生できるようになった。

Windowsは、VistaやWindows7以降、PCオーディオには問題が多かった従来のMME(オーディオやサウンドのカーネルミキサー)部分に変更が加えられたようである。

しかし周辺の諸々が、その変更に追いついてくるまで、今しばらく時間が必要であり、私の場合、従来のXPでのやり方を、7でも取り敢えず踏襲せざるを得なかった。

私のPCオーディオについては当ブログ「オーディオルームのコンポーネントたち」第2回の「私のPCオーディオと・・」をご訪問いただきたい。

8X修復の留意点

STAX ELS-8Xの発音ユニットは、そもそも修理できるようには作られていない。

その構造を知れば、故障したら修理するなどの考えが、設計当初からまったくなかったことがよく分かる。

なので他社のESLのように、ネジを外して分解し、不具合箇所を修理して、再び組み立てネジ止めして修理完了、といったことができない。

つまり8Xの発音ユニットに「修理マニュアル」は存在しない。

あるとすれば「修理」ではなく「製造マニュアル」であるが、それもないだろう。

製造には手工業的な部分が多く、それを文字にしたマニュアルの記述は困難であり、おそらく職人の口伝・直伝の世界に近かったのではなかったかと思われる。


といった状況なので、もし修復を試みる方がおられたら、まず手始めに1つの発音ユニットを分解し、それの各部の採寸から始めて、詳細な構造を徹底的に調べ上げることからスタートする必要がある。

とにかく、まずは分解だけを目的に、あれこれ試みることである。

修復の各工程には、それぞれ各自が工夫して解決しなければならない問題点が次々と出てくる。

ある問題をクリアするのに、何日も悩むことが何度もあった。
修理不可能なものを強引に修理するのであるから、とにかく一にも二にも「工夫」するしか手はない。


発音ユニットの構造の詳細

さて前回(第4回)の続きとして、発音ユニットの構造図を公開したい。

前回の図を含めてこれらの図から、発音ユニットの基本構造をよく読みとっていただきたい。


完璧二枚おろし
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<写真3:「二枚おろし」にした発音ユニット(写真は全域・低域ユニット)>
**この写真は、たまたま完璧に半分に分割できた例**


この例では、運良く写真左側のように振動膜が破れずそのまま残った。

フィルムを指先で押してみると、想像を超えた大変強い張力で張られていることが分かった。

周辺のフレームにあけられた穴(2.5mmφ)は、表裏の位置がズレないように分割前にあけておく。

パンチングメタルの放電の痕に黒いサビ等が発生している。

振動膜の電極(銅箔)が左端手前に見える。

また、写真11・12・13で見られる「導通ガイドライン(黒い線)」のオリジナル(フレーム上の白い線)を確認することができる。


背面側1/2分解図
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/03EFBC89E8838CE99DA2E581B4EFBC91EFBC8FEFBC92E58886E8A7A3E59BB3B5.jpg


<図1:背面側1/2の分解図>

**前回(第4回)の「二枚おろし」の片側。振動膜の面で真半分に分割した背面側。写真3の右側にあたる。私の場合、水色のバー(1mm厚の塩ビ。色は透明)のみ、図のように剥離できた。これは使い回しせず、塩ビ板から切り出して新しいバーを作る。私は数が多かったので業者に作ってもらった**

前面側1/2分解図
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/04EFBC89E5898DE99DA2E581B4EFBC91EFBC8FEFBC92E58886E8A7A3E59BB3B5.jpg


<図2:前面側1/2の分解図>
**写真3の左側にあたる。**


表裏合わせた状態
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/05EFBC89E8A1A8E8A38FE59088E3828FE3819BE3819FE78AB6E6858BB5.jpg


<図3:表裏両面を合わせた状態。>
**元のユニットは、このような状態で各層が接着され、一体になっている。接着剤はたぶんエポキシ系**


表裏合わせて固定する要領
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/06EFBC89E8A1A8E8A38FE59088E3828FE3819BE381A6E59BBAE5AE9AE38199E3828BE8A681E9A098B5.jpg


<図4:発音ユニットの修復が完了した後の完成ユニット>

**元のユニットのように接着剤で固定すると、やり直しができないため、図のようにビス止めをする。表裏にあらかじめ2.5mmmの穴をあけてあるので、図のようにそれぞれバカ穴とタッピングを施す。金属のビスは厳禁。ポリカ・ネジを使う。**

さて、これらの図から、発音ユニットの基本構造を読み取ることができたとして、次はユニット修復の作業工程の話に移りたい。

使用した材料や消耗品、使い方、入手法などは、後日の日記で綴ろうと思う。

なお、ユニットの穴あけにはボール盤が必要である。
私はホビー・模型用の卓上ボール盤を使って、すべての作業を行った。
精度不足であるが、そこは技(?)で補い、まあ十分役に立った。

作業工程(大工程)

工程1:二枚おろし

ユニット側面の蝋は除去。
分割前に図4の位置に2.5mmのガイド穴をあけておく。
透明な塩ビのバーの面での剥離を試みて、写真3の状態に分割する。
塩ビのバーは再使用しないので破損してもよい。
パンチングメタルは、その後の作業の前に、マスキングテープで養生しておく。
接着剤等の残留物は、ていねいに取り除き、接着面に凸凹がないように処理をする。


工程2:新しい塩ビ・バーの接着
分割されたユニットはソリが出るので、写真10・12・13にあるような治具(私の場合はアルミチャンネルを利用
)を用意しておく(ユニット両端を治具にビス止めしてソリを防ぐ)。
そのあと、あらかじめ寸法に合わせて作っておいた塩ビ・バーを元のように接着する。


工程3:枠にあけた穴の処理
ユニットの分割前にあけた穴を、片側は3.2mmのバカ穴をあけてサグリ。
もう一方はM3のタップを切る。


ザグリ
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11

<写真4:3.2mmのバカ穴とザグリ>

**本体の表側に当たる1/2ユニットの穴の処理。パンチングメタルやその周囲の蝋コーティングを保護するために、マスキングテープでしっかり養生しておく(重要)。高電圧がかかるので、ゴミ、埃、異物などの混入はあってはならない**


タッピング

<写真5:裏側ユニットのM3タッピング>
**穴の数が多く、大変しんどい作業になるが、がんばるしかない**


工程4:ダイアフラムを大枠に張る

私の場合は3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った。

写真のように木枠を作り、布テープでコーティングしておく(フィルムとの馴染みがよい)。
適当にフィルムを張った後、張力が全方向に均等にかかるよう、セロハンテープで徐々に張り締めていく。
この張り締めを十分な張力に達するまで数回繰り返す。


振動膜フレーム準備

<写真6:大きめの木枠の準備>

**しっかりした木材で、がっちりとしたフレームを作る。角は金具で補強する。フレームは布テープでコーティングしておくと、フィルム張りの作業に都合がよい**


振動膜ロール置始

<写真7:あまりシワが寄らないようにフィルムをそーっと置いていく>
**写真のように、マスキングテープをうまく活用する**

振動膜張始

<写真8:フィルムを張り締めていく最初の状態>
**まだ張力はかかっていない**

振動膜張完

<写真9:フィルム張り締め完了>

**全方向均等に張り締めていく。数cmに切ったセロハンテープで、マスキングテープ上を次々と引っ張って張り締めていく。感覚としては、破断1.5歩手前でよい。最初に一度、破断するまで実地検証することをお勧めします**


工程5:フィルムへの導電剤コーティング

この工程がもっとも神経を使う緊張の場面となる。
すばやく、ていねいに、むらなく、確実に作業しなければならない。
極力埃の少ない部屋での作業が望まれる。
本来はクリーンルームで行う作業である。
私は風呂場で行った。
写真の撮影どころではないので写真なし。
すみません。
材料や手順の詳細は後日の日記で。

工程6:木枠フィルムをユニット枠へ接着

ユニット側をかさ上げして、木枠が「宙ぶらりん」になるように準備をしておいてから接着する。
鋭利な突起物でもないかぎり、木枠の重みでフィルムが破れることはない。
切り離しはカッターナイフか半田ごてで行う。


振動膜貼付全景

<写真10:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着>

**不織布ワイパーをたたみ、接着面を押さえて確実に接着させる。その後は木枠の重みで自然に圧着させておき、乾燥を待つ。不織布ワイパーは、入手が容易な写真6にある「BEMCOT M-3U」を使った(フィルムへの導電剤コーティングの作業にも、これを使う)**


振動膜貼付接写

<写真11:ユニットの枠に木枠のフィルムを接着のアップ>
**フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料で導通ガイドラインをフレームに描いた(黒い線)。セロハンテープで張り締めの様子も見える**


工程7:導通ガイドラインをフレームに描き、端子を接着

フィルム全面の電荷が均等になるように、導電塗料を枠の四辺に「井桁」状に書き、振動膜の端子を付ける(習字の筆を使った)。
端子は導通性粘着剤の銅箔テープを使った。


膜切り取り

<写真12:振動膜フィルムの貼り付け作業完了>
**フィルムで塞がれたフレームの穴の部分は、半田ごての先端であけておく**


振動膜の電極

<写真13:振動膜の端子を付ける>
**このユニットを本体のどこに取り付けるか決めてなかったので、端子を両端に出したが、無駄な放電可能性の存在は好ましくない。片側のみに設けるべきである。**


工程8:表裏1/2のユニットを合わせ、ポリカ・ビスで固定

ユニット表面にビスの突起があると、本体への固定の際の障害になる(短辺のビスとナットは問題ない)。
組み立て後、防塵用のネット(洗剤で洗った後、使いまわし)を接着する。

元と修後のユニット
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/17EFBC89E58583E381A8E4BFAEE5BE8CE381AEE383A6E3838BE38383E38388DSC_6805EFBC88E7B8AEEFBC89.jpg

<写真14:組み立て終わったユニット(上)と、次に修復を受けるユニット(下)>
**修復後の外観はこのようになる**


工程9:四辺の側面に絶縁テープを巻く

オリジナルのユニットのその部分は、蝋でコーティングされている。
最終的には蝋で処理したいが、当面は絶縁テープで代用して、しばらく(1年間ほどか)様子をみる。

調べてみたが、蝋の種類やその入手法が分からない。
このあとは本体に取り付けて、音出しテストとなる。


手作業品の修復は、一にも二にも「工夫」あるのみ
これらの写真を見るだけでも、8Xの元の発音ユニットが、いかに手工業的に作られていたかが分かると思います。

さらに修復には、新品の組み立て作業にはないような、厄介な問題があちこちに発生します。
それらを「工夫」によって一つひとつ解決していかねばなりません。

でもまあ、ユニットの修復も、3つ目か4つ目になると、工程や手順もいろいろ修正され、あとはもう「その道の職人」になったような調子で作業できるようになるものです。
そこまで行けば、手間と、やたらと時間のかかる作業を、ルーチンワーク的にやるだけになりますが、それほど根気が続くものでもありません。


そしてやってみて分かった大事なことを一つ。

たとえば10個ほどのユニットを修復するには、マスキングテープ(幅は各種)、セロハンテープ、不織布ワイパー、絶縁テープ(布製、ゴム系各種)、接着剤、アルコール(無水エタノール)、ティッシュペーパーなどを、大量に消費します。
これらを惜しみなく、湯水のごとく使わなければ、いい仕上がりになりません。
またこれらを含めて、一切の材料や消耗品は、必ず一流メーカー品を使うことをお勧めします。

接着剤を使うために時間に追われ、また息を止めて一発勝負でやる作業もあり、粗悪品でモタモタしている場合ではありません。


オーディオ道楽だから、また深い想い入れのある8Xだからこそやれた、そうでなければやってられない、面倒この上もない、しんどくも楽しい作業でした。

次回の日記は、振動膜への導電剤の塗布を中心に綴ろうかと思います。
ドキドキしてスリル満点の作業です。


(甦れ8X(5)構造と修復の核心部公開 おわり)

コメント 4


kroyagi
 始めましてkroyagiと申します。

 私も永年8xの前身であるELS-6Aを愛用してまいりましたがご他聞に漏れずユニットの能率低下のため使用できなくなってしまいました、どうしたものかと途方にくれていたところこちらのブログに出会い勇気づけられました記事を参考に再生に取り組みたいと思います、

よろしければ使用したフィルム、塗料、接着剤などが知りたいので続きをupしていただけないでしょうか、1台でも多くstaxのスピーカーを生きながらえせるために。

 宜しくお願いします。                 
by kroyagi (2014-07-29 20:25)


AudioSpatial
kroyagiさん、ご訪問ありがとうございます。返信が遅くなって申し訳ございません。

ELS-6Aですか。あの時代に、ここまで精緻なコンデンサースピーカーを作った日本のメーカーがあったことが、まず、日本の誇りであり、日本のオーディオ史の金字塔ですね。8Xを分解し、レストアしてみて、初めて、あまたの海外製コンデンサースピーカーとは一線を画した精密・精緻、そして、こうでなければならない、という作りの素晴らしさを発見することができました。

kroyagiさんご指摘の、フィルムや、それに塗布する導電剤その他について、できるだけ早く、ブログを更新したいと思います。フィルムと塗布する導電剤は、スウェーデン在住のコンデンサースピーカー・ファンで、ボランティア的に、小分け通販をしてくれている方から取り寄せました。今もまだ、材料があるのかどうか、ちょっと、問い合わせをしてみます。
by AudioSpatial (2014-08-02 13:39)


AudioSpatial
kroyagiさん、先日おたずねのフィルム等の入手先について、別の方からも問い合わせがありました。

そこで、入手先のURL等を取り急ぎ、お知らせいたします。

私が、発音ユニットのフィルムと、導電剤、およびフィルムの接着剤を取り寄せたMT Audio Design のホームページのURLです。
ESLのリペアについて、とても参考になりますのでご覧ください。

http://user.tninet.se/~vhw129w/mt_audio_design/


上のMT Audio Designのホームページの「Quad ESL-63 Element Repair」のページの本文冒頭部に、「MT Audio Design ESL Repair Shop」のタグがありますので、それをクリックするとESL Repair Shopのページ(下記URL)が開きます。このショップに、フィルムと導電剤およびフィルムの接着剤の在庫を問い合わせてみてください。

http://user.tninet.se/~wea635n/mt_audio_design/mt_audio_archives/esl_repair_shop.htm

ではよろしくお願いいたします。
by AudioSpatial (2014-08-15 02:49)


kroyagi
お返事有難うございます、まさか私と同じ6Aを所有の方がいらっしゃり再生に取り組もうとしているとは、また私もサブとしてJBL S-101改を使用しているので偶然とはいえ縁を感じます。
早速MT Audio Designに問い合わせてみますありがとうございました。
今後も問い合わせる事が有るかもしれませんが宜しくお願いします。
by kroyagi (2014-08-17 17:37)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-12-11


34. 中川隆[-10106] koaQ7Jey 2019年5月27日 11:29:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2244] 報告

i氏山荘オーディオ訪遊記
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/archive/c2304761631-1


i氏山荘のオーディオ部屋の出来事を中心に綴ります。16cmや20cmのSPユニットを取り付けた平面バッフルの音場感、自然な広がり感、臨場感、目の前で演(や)ってる感など、再現される音響空間が感動的です。

頼りない感じの16cmから、耳を圧する大音量が飛び出すことに驚き、それでも破綻しない再生音の品位に感激です。平面バッフルのすばらしさを、さらに追求していきます。


(1)i氏山荘オーディオ訪遊記(第1話) http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14
   **激安ダイドーボイス16cmSPのよさを発見**

(2)i氏山荘オーディオ訪遊記(第2話) http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1
   **箱型では得難い平面バッフルの感動的な音場**。

(3)i氏山荘(第3話)改造! 背面開放型ウーハー http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19
   **密閉型ウーハーの大胆改造**

(4)i氏山荘(4)755E、Golden8T新設、訪問雪解け待ち編 http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-03-28  **往年の20cmSP、755E・New Golden 8T・8P-HF1が加わり、高まる期待**

(5)i氏山荘(5)圧巻ASHIDAVOX、755E GOLDEN8 CD408 403A 他を圧倒 http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-26 **「美濃和紙」の超軽量コーンASHIDAVOX 20cmが往年の内外著名SPを圧倒**

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/archive/c2304761631-1

35. 中川隆[-10093] koaQ7Jey 2019年5月27日 15:13:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2257] 報告

i氏山荘オーディオ訪遊記(第1話) [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14


恐るべし平面バッフルとP-610

■序

場所はi氏山荘のオーディオルーム
夜も更けて日付が変わった午前1時すぎ。

二人の大人がもう何時間も、ああだこうだとやっている。
ガタガタ、ゴトゴト、それにキュルキュルと電動ドリルの音もする。
期待と予想を遥かに超えるいい感じになってきたのでやめられない。

16cmSPユニット平面バッフルの音場感、その自然な広がり感、臨場感、目の前で演(や)ってる感など、音響空間がすばらしく感動的である。

16cmのこんな柔なもので、耳を圧する大音量が飛び出すことに驚き、それでも破綻しない再生音の品位に感激する。

三菱ダイヤトーンP-610DB。
竹集成材平面バッフル。

ただしこのスピーカーシステムは構築途上であり、まだ数段は向上するだろう。
今回ようやく「基本形はこれでいける」と確信が得られた状況にある。

取りあえずのバラック設置であるが、それでも音源をとっかえひっかえ聴きまくるほど音楽が楽しい。
オーナーも私も、聴くのが嬉しくてしょうがない状態であった。
おそらくこの時、氏の脳裏には次のステップがイメージされ、耳にはその音が響いていたに違いない。

簡単に工作できるなら、今すぐ試みたい改造箇所もあったが、さすがにそれは明日やろう、ということになった。


深夜

静寂が支配する深い雑木林。
木の精の眠りを妨げる不逞な輩の、やかましい騒ぎもようやく収まる。
灯りを消した山荘の天窓から、黒々とした枝葉を縫って、ちらちらと星が見えていた。

「i氏山荘オーディオ訪遊記」は、この山荘の音空間の出来事を中心に綴ろうと思う。
山荘が舞台なので、たまにしか更新できないがお許し願いたい。

私がブログを開設するのはこれが最初であり、そのファーストライト (first light)の対象をi氏山荘に向けさせていただいた。

氏の勧めと、ブログや各種の発信・コミュニケーションツールの薀蓄(うんちく)を聞かせてもらい、ようやく決心した次第である。

ちなみにfirst lightとは、氏の第一の道楽(天文と望遠鏡)に敬意を払ったもので、天文台などで新望遠鏡が完成したときの、最初の試験観測のことである。


■山荘の音空間

広葉樹に囲まれた山荘のベランダに出て、梢を渡る風の囁きに耳を澄ます。
コンコンコンと遠くに啄木鳥(きつつき)の木を打つ音が、僅かなエコーを伴って聞こえる。
他に音はない。

時折、あちらこちらから、ポトッとか、カサッとか、突発的な単発音が届く。
落ち葉の上には沢山の団栗(どんぐり)が撒かれている。
自然に落ちた茶色玉の中に、先日の台風で吹き飛ばされたのか、青い玉が新鮮な色合いを添える。

もう9月も下旬。
「今まで経験したことのない」豪雨や猛暑の夏も、ようやく衰えた2013年の初秋である。

余談であるが、屋根のひさしの裏側の板に啄木鳥が穴を開け、その中に大きな蜂が巣を作ったとのこと。
穴は2階屋根の非常に高い位置にあり、それをいかなる方法で塞いだか、氏の苦労話がおかしかった。


こういった雰囲気の山荘の2階、間仕切りを開け放った40畳ほどのフロアの半分をオーディオルームが占めている。

この空間なら、音も好き勝手に飛び回ることができるだろう。

今回の訪問の目的は、氏が数年前から構築中のスピーカーシステムの試聴である。


i氏山荘SP全景
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14

<写真1:山荘のスピーカーシステム>

**今回山荘に到着した時点の、あれこれ変更する前のbefore状態。
今回この配置等を少し変更し「これでいける」感を共有**


■進化の原点

もう1年以上にもなるが、前回訪問した時の話を少しさせていただきたい。

この部屋で、ああだこうだ言いながら、大小何種類かの箱型スピーカーを聴いた。
密閉、バスレフ、大小、いろいろある。

箱型以外にも、氏は以前から平面バッフル型のよさを語っており、いくつかの試作品があちこちに置かれている。

その中で「なにこれ」と、思わず口を衝いて出るようなものが大容量密閉箱30cmウーハーの天板の上に乗っていた。

ちょとした悪戯で作ってみたような「板切れバッフル16cm4連スピーカ」である(写真1のウーハーの箱の上に片側だけ見える)。

幅30cmもない板に、スピーカ穴を4つ一列に開けただけのもの。

ユニットは16cmダブルコーン、作りはシンプルの極みであり、コーン紙を指先て触れると、いかにも薄く軽量であることが分かる。

DS-16F(写真2)。

ユニットにメーカー名は記されていないが「ダイドーボイス」らしい。

単価はえらく安い。
普通に考えれば、オーディオファイルが相手にするようなものではない。
どんな音が出るのかお楽しみ、の感覚で音を出してみる。

「板切れ」の置き方などあれこれ試みながら、大容量密閉箱30cmウーハーとの2Wayとして聴く。

自身の不覚と反省をこめて、「オーディオを探求する者、形や価格、風評など、あらゆる偏見に囚われてはならない」。

なんとその板切れからは、実に新鮮、活き生きとして明瞭自然な音場がワッと広がった。

音楽を楽しむ装置として、ここにあるスピーカーシステムの中では、この板切れ平面バッフルが「No.1」である。

多少耳につく音域はあるが、いっぱいに広がる音場間は何にも勝る。

先に聴いた箱型には、大汗をかいた労作や、少なからず散財したもの、定評のユニットを装着したものなど、氏のいろいろな思い入れがあるに違いない。
でもやはり「激安16cmユニットの板切れ」がベストである。

氏が平面バッフルを基本形にしよう、と決めたのはこの時らしく、それが今回の訪問で聴く竹集成材平面バッフル実現のきっかけとなっている。


ダイドーボイス16cmと団栗

<写真2:ダイドーボイス16cmダブルコーンSPユニット>
**i氏山荘のスピーカーシステムの基本形を決めるきっかけとなったSPユニット**

(第1話 おわり)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14

36. 中川隆[-10092] koaQ7Jey 2019年5月27日 15:28:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2258] 報告

i氏山荘オーディオ訪遊記(第2話) [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1


平面バッフルの音空間とSTAX ELS-8Xの音空間


■竹集成材平面バッフル

i氏山荘の現状のスピーカーシステムの基本構成は「竹集成材の平面バッフル3Way+大容量密閉箱ウーハー」である。

氏の描く基本形は、この平面バッフルを主放射源とするものである。
低域を補完するウーハーの最終形態は今後の課題としている。


これらは氏のオリジナルな自作であり、特に平面バッフルに竹集成材を採用したことや、その工作の巧みさは、今まで他に製作例がないと思われる。

またそのセッティングには、日常の家庭生活を考慮する必要のない山荘の「自分だけスペース」ならではの豪快さがある。

スピーカーの背壁は、急勾配の2階屋根に沿って傾斜した板張り。

その最奥に大容量密閉箱型ウーハが置かれ、その1mほど手前に平面バッフル型3Wayスピーカーシステムが、床と天井の梁との間に設けた強固な支柱に取り付けられている(第1話の写真1)。

i氏山荘SP全景
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14


この「1mほど手前」の間隔が問題を起こしているのであるが、その解決はのちほど。

上下が固定された丈夫な太い支柱に、バッフルをがっちりと取り付けた構造が、このスピーカーシステム全体の音響を左右する大きな要素の一つになっているのだろう。

いずれにしてもこのスピーカーシステムが感動的な音場を形成する要因は、音の主放射源の平面バッフル方式にあると思われる。

平面バッフル方式のよさを評価する先達は大勢おられるが、ここの場合はそれが顕著に現れた好例だろう。


この平面バッフルスピーカーにはつぎの特徴がある。

・バッフルの材料に竹の集成材を採用した3Way方式。
構成はツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。

・スピーカー開口部のエッジに滑らかな R付け加工。

・表側全面のニス塗装。


穴あけ加工等、すべて自作である。
木工の腕は本職跣(はだし)であり、プロの指物師(さしものし)や大工の見習いとして即決採用かもしれない。
オーディオ道楽だけでなく、年中次々と発生する山荘の補修等の大工仕事を、各種の電動工具を揃えてやっているらしい。

i氏山荘SP平面バッフルのアップ
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

<写真1:竹集成材平面バッフル3Wayシステム>

**構成は上からツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。
この写真の16cmフルレンジは DS-16F が付いている。SPの穴の周囲のみごとなR加工**

■「箱」では得難いこの感動はなにか


山荘訪問初日、ああだのこうだの、CDをとっかえひっかえしながら配置を工夫した。

どうも位相的な微妙な違和感が付きまとうように聞こえる。

ウーハーと平面バッフルとの前後の間隔が1m強ある。
どうやらウーハーの直接音が、平面バッフルの背面放射と干渉しているのではないかと見当をつけ、とりあえずの荒仕事で位置を変える。

平面バッフルを上下逆さまにして、ウーハーの箱の天板の高さに持ち上げる。
そしてウーハーを平面バッフルと同じ面まで前に出す。

フルレンジユニットはDS-16Fから三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えた。

さて、この取って付けの仮配置で音を出す。

この時の感激は、当訪遊記(第1話)の冒頭「序」のとおりである。
このような音の空間に入った時が、音楽好きオーディオファイルの至福の瞬間である。

聴き慣れた音源から発見される新たな音響的感動、それによって初めて感じ取ることができた音楽的感動が次々と出現し、涙腺を刺激する。

ああ、このステージはこうだったのか。
この演奏はこういう響きだったのか。
この楽器はそこで鳴っていたのか。
この歌手は、この演奏家は、ここまで微妙・精妙な表現をしていたのか。

その時、氏もこの境地にいたと思う。
あれはどうか、これはどうだろうと、次々とCDを取り替えては聴いている。

いやー、すばらしい。
これほどの音場感が出るシステムは本当に稀である。
お金を掛ければ実現できるものでもない。

この音響はどこから、どういう理屈で出てくるのだろう。
やはり平面バッフルに何らかの要因があるのだろう。


i氏山荘SP全景 after
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

<写真2:第1話の写真1の配置では微妙な違和感があったので、このような応急処置をして音を出してみる>

**さてbefore→after の結果は・・。

竹集成材平面バッフルのフルレンジユニットは、三菱ダイヤトーン P-610DB に取り替えてある**

■STAX ELS-8Xとの共通点

今回の山荘訪問は、都合で氏に送り迎えしてもらった。

山荘に向かう前に、拙宅の修復成ったSTAXの大型コンデンサースピーカーELS-8Xの試聴をしてもらう目的もあった。

20数年ほど前から、氏はこの8Xを何度か聴いているのであるが、オーディオ道楽に染まってからは聴いていない。
8Xは片側に8個の発音ユニットがあるが(写真2)、ここ10年来、その半数近くの能率が下がり、使用できなくなった。
いつの日にか、なんとかしようと、納戸の小部屋に押し込めてあった。


8Xの代替機はALTECのMODEL 19を選んだ。
大型であるが、家庭に設置するタイプとして音響的に最高の器の一つだろう。
8Xとの音の質感の違いは当然ながら大きいが、これはこれで「大したものだ」と思う。

8Xを製造したSTAX工業株式会社はその後会社の形態が変わり、今後とも8Xが修理を受けられる可能性は完全に断たれている。
でもいつの日か、耳の聞こえるうちに、目がなんとか利くうちに、手先が自由に動くうちに、そして気力があるうちに修復したいと思っていた。
そうこうしているうちに自適生活に入り、怠惰な日々を2年も送っていたが、今年になってあるスピーカーを聴くにおよび、8X修復への「緊急決起ボタン」が押された。

この話は当ブログの別テーマ、「甦れSTAX ELS-8X」で綴ろうと思うが、かなりオーバーに言えば4・5ヶ月の寝食を忘れた苦楽の結果、3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った振動膜の張り替えに成功した。

オリジナル8Xは、ツイータ4ミクロン厚、フルレンジとウーハーは6ミクロン厚である。
それをすべて3ミクロン厚で張替えた。

その3ミクロン厚の超軽量振動膜の威力だと思うが、長年の8Xオーナーである自分が腰を抜かすほどの音響空間が再現されるようになった。
これを氏に聴いてもらった。


さて、氏は8Xの前に立つや、「これ平面バッフルですよね」、と一言。

「あっ!」。
迂闊であった。

発音原理や形がまったく異なるため、コーン型SPユニットを取り付けた平面バッフルと同一であることの意識が希薄であった。
氏の言うとおりである。

8Xは畳1畳ほどの木材の分厚いバッフルに、8個のSPを取り付けた平面バッフル型スピーカーそのものだ。

私は修復成った8Xから、今まで体験したことがないすばらしい音場の広がりと明確な定位が再現されることを知ったが、氏の山荘の音場も、これと類似の効果なのだと思っている。


「逆相になるが背面からも前面と同じ音が放射される」。

「背圧がかからないため、ダイアフラム(振動板)がもっとも自由に動く形態」。

事実としてこの平面バッフルの効果を、どのように理論づければいいのか分からないが、音場の再現や音響の品質に極めて有効に働いているに違いない。

余談であるが修復成った8Xを聴いた「蛙の子」の息子が、その音に驚いて、すぐさま同じ8Xを手に入れた。
ちょうどその時期、奇跡的タイミングで売りに出たらしく、二度とない幸運にめぐり合ったといえる。

片側の音が小さいという不具合がある出物だったが、私の8Xと比べられないほどの美品であり、不具合の原因だった高電圧発生部を修理して完動している。
よほど環境のよい部屋で、大切に使われていたのであろう。


この8Xも氏に聴いてもらった。

すべての発音ユニットが、これもまた奇跡的に健全な状態を保っており、オリジナル8Xの音が聴ける。

氏は一言、「これはこれでアリですね。少し力強いかな」。

部屋も置き方もアンプも異なるが、確かに3ミクロン厚の音と少し違う。


新旧2組の8XDSC_6847
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

<写真3:修復作業がほぼ終わった8Xの裏側と(左寄り)、息子が入手した同じ8X(右寄り)>

**左右それぞれ8個の発音ユニットから成る平面バッフル型であることが分かる。

上下シンメトリー。
内側から外側に向かって高域ユニット×2、全域ユニット×2、低域ユニット×4の3Way構成**


8X振動膜張り

<写真4:8Xの発音ユニットの振動膜の張替え作業>

**3ミクロン厚のポリエステルフィルムを、かなり強い張力をかけた状態で、ユニットのフレームに貼り付ける工程**

■山荘SPシステムの次のステ―ジ余談が長くなったが、山荘2日目の朝は早起きし、朝食も早々に音を出した。
昨日と同じく、本当にすばらしい音響と音場感である。
音楽に深く入り込める至福の再生音だと思う。

しかし少し気になる。
ウーハーの箱の天板が音を反射し、どうもその悪影響があるような感じがする。

天板の上に布団などを重ねて置くと、かなり改善されるので多分そうだろう。
ほんの僅かな違和感であるが、これがなくなれば良い方向の相乗効果で、格段の向上があるかもしれない。

とりあえずの実験としてウーハーの箱を分解し、前面パネルだけの平面バッフルの形で音を出してみよう、ということになった。

電動ドライバーを片手に、氏は箱と格闘を始めた。

しかし「大工見習いもどき」の氏の手に成る箱は、頑丈に作りすぎて簡単には分解できないことが分かった。

薄手の長袖の上着が必要な山荘の朝であるが、30分ほど汗をかいて、とりあえずの実験は諦めた。

さてこの課題を氏はどう解決するだろうか。
来年の春頃かな。

冬の氷点下で冷凍庫と化した山荘でも厭わない。
そのときは次のステージにグレードアップされた、さらにすばらしい音響空間に浸ることができるだろう。

(第2話 おわり)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

37. 中川隆[-10091] koaQ7Jey 2019年5月27日 15:43:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2259] 報告

i氏山荘(第3話)改造! 背面開放型ウーハー [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19


■密閉箱を背面開放型ウーハーに大胆改造

豪快というか、大胆というか、ウーハーの大容量密閉箱を、水平に切断し、上半分・下半分に分けてしまった。

「大工見習いもどき」のi氏に電動工具を持たせたら、何をやらかすか分からない。

私の提案は、ウーハーの大容量密閉箱の前面パネルを取り外し、平面バッフルのウーハーとして、どんな音が出るか聴いてみよう、ということだった。

ところが氏は、「前面パネルをどうしても外すことができなかった」、「だから考えたあげく、水平に半分に切断した」、という。

もちろんウーハー本体は取り外しての工作であるが、内部の補強材や吸音材に阻まれて、大変な作業だったらしい。。

私はこの衝撃的な方法を発想することができなかった。
なんと乱暴な、いやいや実にみごとな発想の転換。
このアイデアごっこは、完全に私が負けた。


2つに分けられた長細い箱。

その2つを左右に分けて立て、背面開放箱とする。
その後の余計な工作の手間がかからない、一石二鳥の方法である。

つまり片側は以前の天板が前面パネル、反対側は底板が前面パネルになるわけだ。
なんと合理的な方法だろうか。
平面バッフルとは少し異なるが、まあ試してみる価値は大いにある。


10月の3連休、i氏は山荘に篭った。
最終日に写真付きのメールが来た。

「結論から先に言うと、やって大成功でした!」から始まる文面から、氏の喜びと興奮が直に伝わってくる。
全文を公開したいほどであるが、氏の体面とイメージが損なわれそうなのでやめます。

低音の量感が見違えるように増し、深みも加わって分解能も大きく向上した、とのこと。
CDにこんな低音が入っていたのかと驚いた、ともある。

どんな音場が展開されたのか、だいたい見当がつくが、そうこなくてはいけない。
次のステージに上る階段がしっかり出来上がったようだ。
本当によかった。


i氏山荘SP全景
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14

**第1話の写真1の転載。

前回、氏の山荘を訪問した際の最初の状態。平面バッフルから1mほど後方の密閉箱ウーハー。その「1mほど後方」が音響的問題の発生源であった**


i氏山荘SP全景 after
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

**第2話の写真2の転載。

山荘に滞在中に配置を変更した。ウーハーの箱を平面バッフルの面まで前に出す。問題点が大きく改善された。しかしまだウーハーの天板による反射(?)が少し気になる**


I氏山荘3ステップ目の全景写真
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19

<写真1:10月の3連休に作業したという、氏のアイデアによるウーハー密閉箱の大胆改造>

**大変な喜びと興奮。大成功だったらしい**

(第3話 おわり)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19

38. 中川隆[-10090] koaQ7Jey 2019年5月27日 16:21:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2260] 報告


i氏山荘(4)755E、Golden8T新設、訪問雪解け待ち編 [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-03-28


前回、i氏山荘を訪ねたのは昨年の秋であった。
冬に向かう山は、季節の訪れが都会にくらべてかなり早い。
あたり一面に敷き詰められた枯葉が、そこ、ここ、と、落ちてくる団栗(どんぐり)をやさしく受け止める。

梢の高みには、そよぐ風があるのだろう。
その団栗の音がポツン、コソッ、カサッっと微かに聞こえ、遠くから啄木鳥(きつつき)のコンコンコンコンという連打が、残響を伴って落葉樹の林の中を響きわたる。

10月2日の山荘は、そのような風景であった。

豪雪

今年の冬は、全国の広い範囲で過去に記録が無いほどの豪雪となり、大きな被害が出た。
特に2月の大雪は、i氏山荘方面も地元の人が経験したことがない積雪となり、山荘付近の山あいでは2mに迫るほどであったという。

山荘に通じる山道は除雪もできず、人が踏み入ることが不可能となり、長期にわたり完全に遮断されていた。


屋根は、オーディオルームは、大丈夫か

お気の毒ではあるが、i氏はたぶん、2mの雪が屋根を押し潰し、2階のオーディオルームをペシャンコにしている悪夢を見たかもしれない。
私なら夢どころではなく、胃がおかしくなっていたと思う。

あの不思議なほどに、音場や響きの具合がいいオーディオ部屋を失うのは、いかにももったいない。
豪雪以来、私も気になっていたが、確認する方法がないという。

雪に埋もれた山荘へのアタック決行

心配していても始まらない。
3月後半の連休の前に、「何とか登れるかもしれない」、という情報を得て、i氏夫妻はついに山荘へのアタックを決行するに至った。

車高が高く悪路に強い4WDも出番はなく、数100m下のベースキャンプに置き、足元はアイゼン、いや「かんじき」で固めた出で(いで)立ちで、山腹を目指して登攀を開始した。

「かんじき」の効果は抜群

どこで調達したのか聞きそびれたが、わりあい小さな「かんじき」が、未踏の雪中を歩くのに、抜群の威力を発揮するらしい。

夫妻揃って「かんじき」の効能に、感激しきりであったという。


山荘は目立った被害なし

とのことで、そのときの写真を数枚いただいた。

この雪が融けて車で登れるようになるのは、いつ頃になるだろう。
この写真からも、日に日に力を増してきた太陽の光を感じる。

草も木も、あらゆるものがいっせいに芽吹き、山全体が萌黄色(もえぎいろ)に染まるのも間近だろう。


*雪山荘初アタック

<写真1:大雪もだいぶ融け、ようやく辿り着いた山荘の無事を確認>


あれれ! ビンテージもののスピーカーが付いている
いただいた写真から、i氏山荘の現時点のスピーカーシステムは写真2のようになっている。

ご無沙汰している間に、いろいろやっていたようである。

「i氏山荘(第3回)」からの変更個所は、中央寄り上部に取り付けられた新設の平面バッフル3連の20cmSPである(作りはバラックとのこと)。

また、両脇のウーハーが、以前のテスト用バラックの背面開放型から、きちんと作ったパイン集成材の平面バッフルに取り替えられている。


*14年3月時点SP 2014-03-23
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8A14E5B9B4EFBC93E69C88E69982E782B9SP202014-03-23201020212036.jpg


<写真2:現時点のi氏山荘スピーカーシステムの様子>

新設の20cm3連の平面バッフルは「テスト用のバラック」であり、穴の細工も「いいかげん」ということです。

そのことでオーナーは、この写真をお見せするのをイヤがっていたことを、読者の方々にお伝えしておきたいと思います。 (^ ^;


新しく加わった20cmスピーカーは、上から順に、

・CD408-8B Altec (同軸2Way)
・New Golden 8T  Richard Allan (ダブルコーン)
・755E Altec (パンケーキ型)

その下段は、前回の日記で紹介した竹集成材の平面バッフル16cmスピーカーであり、上から順に

・P-610DB ダイヤトーン
・DS-16F ダイドーボイス
・FE166 フォステックス

である。


ビンテージSPがこの場所でどのように鳴るか

新規参入の CD408-8B と 755E は、本来、館内・構内におけるアナウンス放送が目的のスピーカーであり、人の声の明瞭度に重きを置いて設計されているはずである。

一方のNew Golden 8T はオーディオ用のハイファイ目的のスピーカーである。
これらの実際の音の対比はとても興味がある。

さて、新規参入組のスピーカーは、いずれも古い時代のものであるが、i氏山荘のオーディオルームの平面バッフルから、i氏の耳に、そして私に、どのように響くのだろうか。
これはかなり面白い試聴になると思う。

昨年10月からのi氏山荘スピーカーシステムの変遷

参考までに「i氏山荘」(1)〜(3)で紹介したスピーカーシステムの変遷を、写真でざっと追ってみたいと思う。


*SP変遷1
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8ASPE5A489E981B7EFBC91_12-08-18201520202054.jpg

*SP変遷2
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8ASPE5A489E981B7EFBC93_PA142159.jpg

                       
<写真3:Ver.0 と Ver.1>

一番最初のVer.0では、平面バッフルとウーハーの音の放射面の距離が離れており、再生音も位相的に問題があると思われるため、Ver.1のように配置換えを行った。

*SP変遷3
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8A14E5B9B4EFBC93E69C88E69982E782B9SP202014-03-23201020212036.jpg
                      
<写真4:Ver.2 と 現時点Ver.3>

Ver.1のウーハーBoxの天板が、音を反射して悪影響があるように思われ、大胆にもウーハーBoxを水平真半分に「ぶった切り」、両サイドに立てた。
Ver.1の天板と底板が正面になる背面開放型の箱としてテスト的に使用。
写真右は先の写真2と同じ現時点の状態。

さてさて、改めてこれらの変遷写真を見ると、このステージ上の大勢のスピーカーたちを、どのように整理し、うまくまとめていくか、いろいろと「楽しみが多すぎる」状況になっている様子である。

さて何から、と言っても、まずは聴かなければ。


往年のRichard Allanやパンケーキが待っている。
古い時代の傑作スピーカーが、現代に、どんな音を響かせるか。

さあ、雪が融け、i氏山荘を訪問できる「山の春」はいつ訪れるのだろう。


(「i氏山荘(4)755E、Golden 8T新SP増設、雪解け訪遊予告編」 おわり)


コメント 8

I氏山荘無事で良かったです!
ガーデンテーブルが埋まっている写真には驚きました
この先どう進化されるのか目が離せませんね。
自分はビンテージと真逆の方向ですが(^^;;;
by いちあい (2014-03-29 11:48)


i氏山荘の音を聴くと、SPユニットやアンプなどの個々の音の違い以前に、部屋そのものが勝手に作り出してくれる音響が、いい方向に作用しているように感じます。

アハハ、確かにRichard Allanとは真逆ですね。でも、超最新鋭JOB225(255?)で、けっこう曲者のRichard Allanを鳴らしてみたいですね。
by AudioSpatial (2014-03-29 17:42)


実はつい最近、アシダボックスの 8P-HF1 という日本のビンテージSPを1本だけ手に入れました。

自宅の簡易バッフルでの視聴ですが、とにかくやさしく澄んだ音にびっくりです。
コーンSPに関しては、時代は進化ではなく退化してきたんだと思えます。
こうご期待。
by I氏 (2014-03-30 13:01)


I氏さん、ASHIDAVOX の 20cmを入手されたとのこと。
「とにかくやさしく澄んだ音」との感想は、「やはりそうか」、と思いました。

あのユニットの第一の特徴は、コーン紙が軽いことですよね。
その軽さの効能ですね。
「ダイヤフラムは極力軽くあるべし」が、いいスピーカーの「お約束」だと思います。

いやいや、試聴の楽しみがさらに増えましたよ。
by AudioSpatial (2014-03-30 17:32)


コーン紙は美濃紙で作られていて、質量は1.3gしかないそうです。
by I氏 (2014-03-30 20:30)


I氏さん、美濃紙で1.3g。これも「やっぱり」ですね。

軽いことは覚えていたのですが、美濃紙で1.3gは知りませんでした。
SPのコーン用に、現地で特別に作らせたんでしょうね。
そうなると、コーン紙の張替えは、おそらく絶望ですね。

ASHIDAVOX のヘッドフォンは、昔、現場で使ってたんですよ。今もそうかも、です。
by AudioSpatial (2014-03-30 22:18)

1.3gは16cm(6P-HF1)のほうで、8P-HF1(20cm)は2.7gでした。
それでもすごく軽いですが。
by I氏 (2014-04-01 05:52)



往年の20cmSPで、「超軽量」と言われているコーンが 5g程度。
現代SPの軽量クラスが10g程度らしいので、ダントツに軽いですね。
さて、その音は・・・期待が高まる。
by AudioSpatial (2014-04-01 12:57)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-03-28

39. 中川隆[-10089] koaQ7Jey 2019年5月27日 17:10:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2261] 報告

i氏山荘(5)圧巻 ASHIDAVOX、755E GOLDEN8 CD408 403A 他を圧倒 [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-26

ASHIDAVOX(アシダボックス)8P-HF1。

「ダイナミック型フルレンジスピーカーの世界的傑作」程度の賞賛では、とても足りない。
まさに「超」を付けるべき傑作と見た(いや、この耳で確かに聴いた)。

i氏山荘のオーディオ部屋の、平面バッフルに取り付けたいくつかの著名ビンテージ・スピーカー。

この試聴環境において、ASHIDAVOX 8P-HF1は圧巻であり、他のすべてを圧倒した。

なぜこのASHIDAVOXが「マイナーな傑作」で終わったのか。


高く評価したオーディオ評論家はいた。
しかしそれがなぜ、「幻の傑作」などと言われる経過を辿ったのか。
数量が出なかったのか、生産が間に合わなかったのか?

発売は1957年、その頃はまだ日本のオーディオ環境は貧しく未成熟であった。
早く生まれすぎたのかもしれない。
しかし、かなりの長期間、市場にあったはずである。
当時のオーディオ・ジャーナリズムは、どのような反応をしたのだろうか。

ダイナミック型フルレンジの「音質世界一」のユニットがどこかにあるとしよう。
ASHIDAVOX 8P-HF1 は、それに勝るとも劣ることは決してないだろう。


Made in Japan。

使われているのは、コーンの最適素材を追い求めて辿り着いた日本古来の美濃紙。

この純日本 made の「世界に冠たる」はずであったスピーカーユニットが、なぜ埋もれたのか。
なぜ埋もれさせたのか。
まったく残念であり不可解である。


しかし ASHIDAVOX 20cmフルレンジが、山荘に用意されたいくつかの錚々たる「世界の名器」を、下品な表現ではあるが「ぶっちぎり」の差で圧倒した事実。

そして、このスピーカーの素晴らしさをよく知っている方々が、現在、少数ながらも厳として存在すること知り、多少は溜飲を下げた次第である。

いまだからこそ、オーディオ環境が整った現代であるからこそ、聴く人にこのスピーカーユニットの秀逸さが分かるのかもしれない。

感動の幕開けは満天の星

ゴールデンウイークに入った4月の末、夜9時前。
道は思ったより順調で、予定より早く山荘到着。
助手席から枯れた芝に降り立ち、反って背を伸ばす。

おお!すごい。
視界には、思わず息を呑む光景が私たちを出迎えてくれた。

満天の星ぼし。
林に囲まれ、頭上の一角だけが開けた天空は、白い微細な粒子を撒き散らしたような星屑で埋め尽くされていた。
無数の星というより、もはや白い粉が薄く撒かれているように見える。
このような光景を見たのは何十年ぶりであろうか。

そして天頂を少し下ったあたりに、驚くほど赤く輝く火星があった。
赤い!
火星って、こんなにも赤いのか。
都心を離れた郊外でも、火星の赤みは誰にもよく分かる。
しかし、このような赤い色に見えることはない。

標高1,100mほどのi氏山荘の空。
無窮をゆびさす北斗の針が天高く舞い上がり、感動の天体ショーが今回の訪問の幕開けであった。

前回訪問時の興奮、まず三菱ダイヤトーンP-610DBを聴く

コーヒーとお菓子でドライブ疲れを癒すのもそこそこに、2階のオーディオ部屋に上がった。

今回の2階は、写真のように、前回の日記「i氏山荘(4)」の状況よりもバッフルが増えて、取り付けられているスピーカーユニットの数も増えている。

どうやらi氏は、近頃、内外のビンテージの20cmをいくつか集め、なにやら思案している様子である。


              
<写真1:今回の各ユニット試聴用の平面バッフルの配置>

https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC91DSC_9970EFBC88E69687E5AD97EFBC89.jpg
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC91DSC_9967EFBC88E69687E5AD97EFBC89.jpg
              

**TANNOYの口径の謎については後段で説明あり**


前回の訪問では、竹集成材バッフルに取り付けた三菱ダイヤトーンP-610DBの鳴りっぷりに驚嘆した。
このユニットから出るはずがないほどの大音量と、それでも破綻しないすばらしく素直な音質、それに雄大な音場と明確な定位に夢中になり、CDをとっ替えひっ替え聴きまくったものであった。


スピーカーは、鳴らし方により、発揮できる性能に大きな違いが生じる

50年ほど昔のことであるが、P-610は、私が最初に手に入れたスピーカーユニットであり、学生時代はそれを薄型の「標準箱もどき」に入れて聴いていた(「甦れSTAX ELS-8X(第2回)」の写真1に、その箱の一部が写っている)。

P-610はかなり長く聴いていたので、素性はそこそこ分かっているつもりであったが、ここでの体験は、結局、P-610について、何も分かっていなかったことを思い知らされることになった。

私の反省であるが、上記の太字のことは肝に銘じておく必要がある。

もちろんこのようなことはスピーカーの初歩であり、誰もが知っている常識である。

しかし、ここで鳴っているP-610と、私の鳴らしてきたP-610と、同じP-610のユニットの音であるとは誰も信じない。
かなりの「耳」の持ち主でも、信じられないだろう。
それほどの違いが出る、ということである。

メインスピーカー選びのためのバッフル仮配置

この配置には問題があるかも・・。

2階のオーディオ部屋に入ったときの第一印象。

写真1のように取り付けられたスピーカーの全体配置を見て、左右の両端が白木のバッフルで塞がれていることに、何となく「閉塞感」があった。

というのは、前回、P-610DBやその他のスピーカーの音場の広がりや定位の素晴らしさに驚いたときの配置は、下の写真2の状況である。

バッフルの配置の変遷写真は、前回の「i氏山荘(4)」に載せたが、その前回の写真3Ver.1が、下の写真である。

前回の訪問時に、竹集成材バッフルを、ああだこうだと配置がえをして、「とりあえずのベスト」とした位置がこれである。

両脇が新しいバッフルで塞がれている前回の日記の写真3Ver.2とVer.3は、写真を送ってもらっただけで、私はまだ聴いていない。


*SP変遷2
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8ASPE5A489E981B7EFBC92_image.jpg


<写真2:前回の訪問時、「とりあえずのベスト」としたバッフルの位置>
**平面バッフルの左右にも広く空間があることに注目**

前回の訪問時、この配置の平面バッフルの、あまりにも素晴らしい音の広がりと定位の「謎」は、バッフルの背面放射の音が、後ろの壁や床・天井に反射して、それが抵抗なくリスナーの耳に届いているからだろう、と推察していた。

それが今回の配置では、両側が塞がれている。
中央のリスニングポイントの椅子に沈むと、音を出す前から、一種の圧迫感のようなものが感じられた。

さあ、P-610DBから音が出た。


広がった音場と甘くなった定位

私が持ち込んだ聞き慣れたCDの音が、オーディオ部屋いっぱいに広がった。
「満ち満ちる」という感じであり、あそこのスピーカーから音が出ている、という感覚がまるでない。

このような「広がり感」は想像していなかったが、定位は思ったとおり曖昧になり、ピンポイントにならない。

やはり推測していたとおり、「定位」には、背面の音の反射が重要な要素になっているのだろう。

ただし、いまここで話していることは、スピーカーの再生音のかなり高度なレベルのことであり、先の「Ver.1」の状態のときの定位感を知っていて、それを基準にしての評価である。

オーディオファンが初めてこの席に座れば、このままでもおそらく驚きの再生音であり、音場であろう。

いずれにしろ、スピーカーユニット単体の評価に支障がある問題ではない。

いよいよ全ユニットの試聴開始

さて、前回の訪問で素晴らしい音響を聴かせたP-610DBをしばらく鳴らし、これをレファレンスにして耳慣らしと感覚の較正を行った。

フルレンジ・ユニットの20cmが7本、25cmが1本、16cmが3本、いよいよ試聴開始である。


            
<写真3:今回試聴した各ユニットが取り付けられたバッフルの表・裏>

https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC93DSC_9987.jpg
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC93DSC_9956.jpg


25cmの1本は、TANNOY Monitor HPD/315/8と銘板に印刷されているが、奇妙なことに25cmである。

バッフルの表側と裏側の様子は、下の写真3であり、そのTANNOYのユニットの最後部の銘板は紛れもなく正規のもので、デザインも正規「TANNOY Monitor HPD/315/8」とあった。

このユニットは、TANNOYの小型スピーカーシステム「EATON」から、i氏が自ら取り外したものであり、何も手は加えていないという。
製造工程の何らかの間違いなのか、何なのか、まったくの謎である。

試聴で分かったこと 世間の「評判」どおりではない

これらの内外の著名ユニットの試聴は実に楽しく、二人でi氏のCD、私のCD、様々なジャンルを聴きまくった。
私は今回、「ここぞ」とばかり、試聴の際のレファレンスにしているCDをたくさん持ち込んだ。


そこで分かったこと。

「定評」は当てにできない。

ALTEC 755Eはこのように素晴らしい。

TANNOY同軸25cmはこの音色が他にはない良さ。

Richard Allan NEW GOLDEN EIGHTはこの鳴り方が絶品。

それぞれの著名ユニットには、古くから「このユニットの音はこうだ」のように、「定評」のようなものがある。
そして音色は違えど、どれも魅力ある素晴らしい音のユニットだと言われてきた。
私も、「そういうものだろう」と思っていた。

スピーカーユニットの真の性能を聴く唯一の方法は

あくまでi氏山荘の写真1の平面バッフルでの試聴であるが、各ユニットの音は、昔から言われていた「定評」、そしてその評判から、私が想像していた音とはかなり違っていた。

各種のユニットの中には、ある容量の密閉箱に入れたり、指定されたバックロードをかけたりすることを前提に設計されたユニットがあるかもしれない。
そのようなユニットは、平面バッフルでは本領を発揮できない可能性もあるだろう。

しかし平面バッフルには、箱に入れるよりも、はるかに平等な試聴ができるメリットがある。
それぞれの「箱」固有の様々な「クセ」(音響的パラメーター)にくらべ、平面バッフルの「クセ」は圧倒的に少ないと思われる。

なお、平面バッフルの取り付け位置による差異も心配であったが、実験の結果、その違いによる再生音への影響は問題になるレベルではなかった。


試聴の音量は大き目で

そしてここでの試聴は、かなり大きな音である。

ある程度の大きな音を出さなければ、「音」の機微を聞き取ることはできないし、ユニットの真の能力を知ることはできない。

音量を上げていくと、耳につく付帯音が出てくるとか、明らかに歪っぽくなるユニットがいくつかあった。

もちろんユニットのビビリなどの不良ユニットの話ではなく、オーディオに興味がない人には、おそらくわからないほどの違いのことを言っている。


i氏山荘の体験から、「広い部屋」、「平面バッフル」、「大き目の音量」。

この3つの要素が、ダイナミック型スピーカーの試聴に最適な条件ではないかと思える。

この試聴環境下で各ユニットは、逃げも隠れもできない誤魔化しようのない状況に置かれる。
これがそれぞれの「裸のユニット」の、真の性能を聴く唯一の方法ではないかとさえ思える。

「評判」とちがうじゃない

今回のバッフル配置での試聴は、私は始めてであるが、当然ながら、この試聴用バッフルを自力で作り上げたi氏は、すでに十分聴きこんでおり、各ユニットの評価は済んでいる。
しかしそれは口にしない。


夜も更けて、01時を回った。
標高1100mの山中、4月末でもまだまだ肌寒い。

一通りも二通りも十分に聴き、試聴の結論はとっくに出ている。

「定評」があり、オークションでも高値がつくユニットが、まったくの期待外れであったりすることに、いちいち驚いてはいられない。
先の段の小タイトル「試聴で分かったこと 世間の「評判」どおりではない」の意味がこれである。

松下電器Technicsの「げんこつ」が意外

今回試聴した各ユニットの「特別な一つ」を除き、今後自分が使うスピーカーとして、どれか1つを選ぶ。

とすれば、私はTechnicsの「げんこつ」を手許に置きたい。
たいへん素直でありバランスもいい。

大音量では、少し何か限界のようなものを感じるが、今回の各ユニットの中では「迷うことなく」この松下電器 20PW49Sを選ぶ。


<写真4:とてもいい感じで印象に残った「松下20PW49S」ゲンコツ>

https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC94DSC_9983.jpg

さて、今回試聴した海外の著名ユニットが、意外にも評判どおりではなかった。

ただし、先にお断りしたように、あくまでここの環境における平面バッフルでの試聴である。
何らかの箱に入れ、別の環境で鳴らせば、また別の話になるだろう。

圧巻、圧倒、圧勝、ASHIDAVOX

今回の試聴において、ASHIDAVOX の前に、各種著名ビンテージ・スピーカーは色を失った。

それぞれのユニットの、いい点・悪い点などを比較して・・、などと比べている状況ではなかった。

今日の日記の冒頭に、品の悪い言葉ではあるが、と断った「ぶっちぎり」であり、その他のユニットの評価や比較など意味がないほどの圧巻であった。


冒頭の繰り返しになるが、なぜこれほどのユニットが埋もれているのか。

まちがいなく、この手の20cm前後のビンテージスピーカーでは、世界の超一級品であり、真のオーディオファンには、きっと高く評価されるに違いないユニットである。

                      
<写真5:ASHIDAVOX 8P-HF1>

https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC95DSC_9975.jpg
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**背面の写真のコーンをよく見ると、紙の表面の状態が少し観察できる。
エッジ部(フィックスド・エッジ)は繊維が粗になっており、向こうの光が透けて見えている**


この8P-HF1は、とにかく音が際立って明瞭である。
自然で、素直で、バランスがいい。

そして絶え入る微弱音から、鼓膜を圧し、窓ガラスをビリつかせる最強音まで、何の苦もなく簡単に出る。

弦楽器の微妙なニュアンス、ボーカルのリアル感、アタックの弾ける反応、大オーケストラの重厚な響き、20cmでは出るはずのない深くて厚い低音。

高域も、不足というほどの不満は感じない。
私ならツイーターはいらない。


ASHIDAVOX 8P-HF1 から、本当に信じがたい音が再現された。
実体験の私でさえ、信じがたいユニットであり音である。

まして、この話をブログで見ただけで、にわかに信じられる話ではないだろう。
しかし真実であり、実話である。

ASHIDAVOX 20cmフルレンジスピーカーの秘密

ASHIDAVOXのHF1シリーズには、ここでの20cm(8P-HF1)と16cm(6P-HF1)の2種類があった。

国の内外を問わず、他のどのユニットにもない顕著な特徴は、「コーン紙」が圧倒的に軽いことである。

16cmの6P-HF1ではコーン質量1.3g、振動系実効質量2.9g。
20cmの8P-HF1ではコーン質量2.7g、振動系実効質量5.3g。


とある。

ビンテージものの20cmSPの中で、「超軽量」と言われているコーン質量が 5g程度。
現代SPの軽量クラスが10g程度なので、ダントツの軽さである。

奈良時代から伝統の軽くて強い美濃和紙を採用

この常識を覆した軽量コーンが実現できたのは、その素材にある。

ASHIDAVOX 6P-HF1、8P-HF1のコーン紙は「美濃紙」である。

美濃和紙。
美濃の国、現在の岐阜県において、奈良・平安の時代から生産されていた、古来より最高級と珍重されてきた和紙である。

漉(す)き方に特徴があり、一般的な縦揺りに、横揺りを加えた独特の複雑な漉き方により、繊維がむらなく整然と絡み合い、「柔らかくて強い」紙になるという。

軽い、柔らかい、強い。

この特徴を持つ紙を、スピーカーのコーンに漉き上げ、最適な磁気回路を与えたのが6P-HF1、8P-HF1である。

コーンは、エッジを含めて一体成形(フィックスド・エッジ)であり、エッジ部は光が透けて見えるほど繊維の密度が粗に漉かれている。

もちろん、コーンが軽ければいい音が出るわけではない。

しかし私は、いいスピーカーの条件として、「コーン紙の質量」と「振動系実効質量」がともに極力小さいこと、が最大の要素ではないかと思っている。

その上で、最適な磁気回路を設計する。

いずれにせよ、美濃紙コーンを採用することにより、世界の超一級の20cmフルレンジ・スピーカーユニットが誕生したことは事実である。


取説に「低音再生能力は30センチを上廻る性能です。」とある

写真6は、今回試聴した8P-HF1に同梱されていた「取扱い説明書」を写真撮影したものであり、不鮮明であるが、参考までにお見せしたい。

その「周波数特性について」の項目に、「低音再生能力は30センチを上廻る性能です。」と書かれている。

このような「タワゴト」は、誰もが誇大広告ならぬ「誇大説明文」と思って読み飛ばす。

『8P-HF1のエフゼロ(最低共振周波数)は45Hz、その点のQが0.56であり、25Hzからの低音再生ができ、他のウーハーの及ぶところではない』云々。

確かにエフゼロやそのQ値は、20cmでは驚異的である。
しかし30cmや他のウーハーに勝つ、と言ってしまうと、これはもはや「大ボラ」と言われてもしかたがない。

ところが・・。


*アシダボックス説明書
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AE382A2E382B7E38380E3839CE38383E382AFE382B9E8AAACE6988EE69BB8EFBC91EFBC88E38388EFBC89.jpg
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AE382A2E382B7E38380E3839CE38383E382AFE382B9E8AAACE6988EE69BB8EFBC93EFBC88E38388EFBC89.jpg
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AE382A2E382B7E38380E3839CE38383E382AFE382B9E8AAACE6988EE69BB8EFBC94EFBC88E38388EFBC89.jpg
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AE382A2E382B7E38380E3839CE38383E382AFE382B9E8AAACE6988EE69BB8EFBC95EFBC88E38388EFBC89.jpg

            
<写真6:ASHIDAVOX 8P-HF1に添付されていた取扱い説明書>


説明文は真実を語っていた

しかし、この説明文は真実を語っていた。

「他のウーハーの及ぶところではない」などは言葉の綾として、まったく信じがたい低音が、この20cmから湧き出てきた。
この不思議な現象を、私は初めて体験した。
30cmのウーハーから出る低音に、勝るとも劣らない音量の、深い低音が本当に出る。


ダイナミック型スピーカーファン必読の「JBLが書いた解説書」

この不思議な事実は、あり得る話であることを解説した興味深い資料がネットにある。

JBLのサイトであるが、ダイナミック型コーンスピーカーについて、原理や構造、使いこなし方まで網羅した、非常に分かり易くて丁寧な解説が、図解で載っている。
ダイナミック型スピーカー・ファンには「必読」と言っていいだろう。

JBLのホームページの下にある「JBLテクノロジー解説|JBL by HARMAN」の項目には、「JBLコーンユニットの基本構造」から「インピーダンスとアンプとの組み合わせ」までの5項目がある。

その「低音再生能力」の項目(下記URL)に目を通していただきたい。

http://jbl.harman-japan.co.jp/about/tech.php?id=4

「[4] スピーカーシステムの低音再生能力について」の下の「■大口径システムへのこだわり」という小タイトルの部分である。

そこには、

(上記URLから一部引用)

『小口径システムには小口径システムなりの低音の表現があり、設計やチューニングの巧みさから、大きさ(小ささ)を感じさせない豊かな低音を再生するシステムもあります。』

というくだりがある。

「低音再生には大口径システムが有利であることは物理的事実であり、JBLは大口径スピーカーにこだわっているが、小口径でも、豊かな低音を再生できるシステムもある」と言っている。

その豊かな低音を再生できる小口径スピーカーの極め付けが、まさに ASHIDAVOX 8P-HF1である。

i氏は、今後のバッフルの「本設置」の計画に、低音はどうやらウーハーを使わずに8P-HF1だけで行こうとしている気配がある。

「これだけ(低音が)出るんだからいらないでしょう」などと言っている。

まあ、8P-HF1を本番用の平面バッフルに取り付け、そのバッフルのみを最良の位置に配置してから、低音・高音を補足する必要があるかないか、ゆっくり聴きくらべればいいだろう。


翌朝
いろいろな小鳥の鳴き声が、微かに聞こえてくる。
少し曇っているようであるが、空は明るい。


https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC97DSC_9923.jpg
            
<写真7:オーディオ部屋の天窓から。ようやく芽吹いた木々の梢>

昨夜は02時頃まで 8P-HF1に夢中であった。

i氏から「凄いです」とは聞いていたが、聴いた音は想像を超えていた。

せっかく苦労して集めた銘ユニットの聞き比べもそこそこに、関心は 8P-HF1 の一点のみ。

メインにするスピーカーユニットが、あれこれ迷うことなく決まってしまったのは楽でよかったが、どうも「不条理感」が残る。

繰り返しになるが、なぜこの超傑作スピーカーユニットが、「知る人ぞ知る」などの属性を付けて語られるのか。

性能のよいものが、必ずしも商売上の勝者にはならないことは世の常である。
私もよく知らない古い時代のことであるが、まことに残念な話である。

そんなことをボンヤリ考えながら起き出し、まず機器の電源を入れる。
コーヒーを一杯、そしてすぐさま、各ユニットを鳴らしてみる。

やはり 8P-HF1 は「圧巻」である。

その後の会話は、各ユニットの試聴話しではなく、8P-HF1で聴く自分の好きな曲やアーティストの「押し売り」になってしまった。

なにを聴いても楽しい、素晴らしい。

クラシックがどうの、ジャズがどうの、ボーカルがどうのといった、合う合わないなど、まったく意味はない。
8P-HF1はそういう鳴りっぷりであった。

後日談

20cmユニット取り付け本番用の、竹集成材バッフルを発注したとのこと。
もうそろそろ出来上がる頃かもしれない。

今回訪問時の、各種スピーカーユニット試聴のためのバッフル配置については、両脇が塞がれていることに、何となく閉塞感があったことを、先のどこかの段で書いた。
この件について先日、i氏からうれしいメールが来た。

ところで、ご指摘のことをやってみました。

両脇のバッフルを取り去り、アシダが付いているバッフル1枚だけにし、さらに床上げをしました(つまり、元の位置です)。

何と、前回より圧倒的にクリアーで臨場感が出ました。
ご推察通り、後ろからの音が大きく影響していたのですね。

ありがとうございました。
というわけで、また聴いてもらわなければなりません(笑)。

次の訪問時には、晴れて20cmユニット本番用の、新たな竹集成材平面バッフルを聴くことができるだろう。

とても楽しみである、が、ウーハーとツイーターをどうするか、それをどのように検証するか、まだいい案が浮かばない。


(「i氏山荘(5)圧巻ASHIDAVOX、755E GOLDEN8 CD408 403A 他を圧倒 」 おわり)


コメント 8


JOB225使い
by いちあい (2014-05-26 20:46)


でもこの「美濃紙SP」には驚きましたよ。
私の「最終アンプ」ならぬ、この手の「最終スピーカー」ですね(笑)。
そのうちJOB225で鳴らしてみたいです。
by AudioSpatial (2014-05-27 03:43)


アシダボックス試してみたいです。
先日オークションで8P-HF2を落札しましたが、ジャンク品でエッジの破れがあるのですが、何とか音出しが出来ればと思っています。

商品はまだ届いていないのですがエッジの補修を参考にしたいと思います。
8P-HF2については、ネットで調べても殆んど情報が無くどなたかご存知の方あれば教えてください。
by 七村 (2016-10-22 12:17)


茨城県に住んでいるものです。アシボックスのユニットでジャズを聞いています。

6P−HF1は自作のダブルバスレフの箱に入れて、
又、8P-HF1は1975年にビクターから販売したFB-5というバックロードホンに入れて

両方ともフルレンジで300Bに真空管アンプで鳴らしています。

特に8P-HF1とバックロードホンとの組み合わせもとても良いと思われました。
by オカダ (2016-10-23 11:42)


七村さん、8P-HF2はダブルコーンですよね。
私は聴いたことがないのですが、きっとHF1の高音を補うために開発されたのでしょうね。よかったら、音の傾向を教えてください。
by I氏 (2017-03-31 07:15)


オカダさん、バックロードホーンだと、さらに低音が強化されますね。
私もハセヒロのエンクロージャを持っているので、いつかやってみます。
by I氏 (2017-03-31 07:18)

HPD315A愛用

アシダボックスはぜひ入手して、じっくり聴いてみたくてウズウズしてきました。
が、近頃はオークションにも出てこないので、手に入りませんね。
アシダ音響でも復活させる気はないようでして、残念。

ところで、HPD295A に HPD315A と銘打ってしまったメーカー側の珍しいミスの件ですが、次のような事例がありましたので、魚拓に取りました。
https://megalodon.jp/2017-0707-2328-40/https://page.auctions.yahoo.co.jp:443/jp/auction/j440969465


これを見ますと、DEVONのHPD315A付属のスピーカー端子プレートに HPD295A とプリントされています。

これを見ますと

@組み立てている職人がいい加減で検品体制も甘い
A余った部品を流用したり欠品部品を他の部品で代用したりしていた・・

ことが推察できます。

Aに似た話ですが、モニターゴールドからモニターレッドに移行するときなど、
両者の過渡的な個体もあったようです。

HPD時代は創業者が心臓発作で3回も倒れたそうで、@の原因も捨てきれません。
今となっては謎ですね。
by HPD315A愛用 (2017-07-07 23:52)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-26

40. 中川隆[-10088] koaQ7Jey 2019年5月27日 17:20:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2262] 報告

ASHIDAVOX 8P-HF1


フルレンジスピーカーのお手本のようなアシダボックスの20cmユニットです。コアキシャルや巨大マグネットのユニットに隠れて発売当時はあまり人気がなかったようです。今では、高能率で真空管アンプにぴったりのユニットですが、中古品でもめったにお目にかかれません。軽量コーンでフィックスドエッジです。


インピーダンス 8Ω

最低共振周波数 50Hz
再生周波数特性 fo〜14000Hz

出力レベル 96dB
最大入力 8W

マグネット アルニコ
重量 1.5kg
http://www5b.biglobe.ne.jp/~tritium/8phf1.htm

41. 中川隆[-10084] koaQ7Jey 2019年5月27日 17:50:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2266] 報告

超軽量の美濃漉き和紙コーンを使った芸術品、世界最高峰のロクハン アシダボックス 6P-HF1


フルレンジスピーカー・アシダボックス16p を真空管EL34単段シングルアンプで鳴らす - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=l2cFOIufUYk

オーディオの足跡 ASHIDAVOX 製品一覧 アシダボックス
https://audio-heritage.jp/ASHIDAVOX/index.html


ASHIDAVOX 6P-HF1
¥870(1台、1960年代頃?)
https://audio-heritage.jp/ASHIDAVOX/unit/6p-hf1.html

MRコーンを用いた16cmフルレンジスピーカーユニット。
MRコーンは従来より軽量化と歪の低減が図られています。


周波数特性図
https://audio-heritage.jp/ASHIDAVOX/unit/6p-hf1.html


機種の定格

型式 16cmコーン型フルレンジユニット

V.Cインピーダンス 4Ω

再生周波数帯域 30Hz〜15kHz
周波数偏差 ±5dB
最低共振周波数 65Hz ±4Hz

出力音圧レベル 97dB/W以上

振動系実行質量 2.9g
空隙磁束密度 7,600gauss

公称入力 3W

最大許容入力
6W(フラット入力)
8W(中域専用、100Hz以下カット)

取付寸法 158mm
バッフル開口径 130mm
重量 0.75kg
https://audio-heritage.jp/ASHIDAVOX/unit/6p-hf1.html


▲△▽▼

幻のロクハン、世界最高峰のロクハン ASHIDAVOX 6P-HF1 2013/10/20
https://blogs.yahoo.co.jp/kei94211/47627120.html


今回は手持ちのヴィンテージ?スピーカーユニットを紹介します。

まずは〜

ASHIDAVOX 6P-HF1
https://blogs.yahoo.co.jp/kei94211/GALLERY/show_image.html?id=47627120&no=0
https://blogs.yahoo.co.jp/kei94211/GALLERY/show_image.html?id=47627120&no=1

ASHIDAVOX 6P-HF1 です。最初からすごいのが登場です。

(と、思います)


この幻のロクハン、世界最高峰のロクハンと言われた6P-HF1・・・。

・・・なるほど、取り扱い説明書には〜〜

https://blogs.yahoo.co.jp/kei94211/GALLERY/show_image.html?id=47627120&no=5


“ウルトラ フルレンジHi-Fiスピーカー”とあります。

“ウルトラ”!! “ウルトラ”ですよ(笑)。


このユニットは昭和55年頃 電気屋さんのガラスケースの中に陳列されていたのを見た事がありました。
でも、当時 高校生の僕は「アルミダイキャストフレームでロールエッジでマグネットが大きいユニット」が低音が出る高級機と考えておりましたので、古いラジオなんかに付いていそうなこの貧乏臭いユニットには目もくれませんでした。


イメージ 3
https://blogs.yahoo.co.jp/kei94211/GALLERY/show_image.html?id=47627120&no=2

エッジの部分が分かりますか?薄くなっているでしょ?。

古くなって薄くなったのではありません。

このユニットの特徴はMRコーンという名前のコーン紙を使用しております。

取扱説明書には“MRコーン”の素晴らしさが「これでもか!」と言う位紹介されております。

さて、先日 結婚式の席でアシダ音響の御曹司とお話出来る機会がありました。

僕よりも20歳位若い彼にデジカメのこの写真を見せましたら

彼は・・・「これは、美濃和紙なんですよ」・・・・。

・・・「ユニットの再発の要望がありますが金型は何とかなっても

  (紙を漉く)職人がいません」・・・・・。

と言っておりました。職人はとっくの昔に他界されていて、

手漉きで生産していたと思われるこのMRコーン、

中心から徐々に薄くなってエッジの部分は光が透けて来る位に薄く仕上げる・・・まさしく職人技です。


僕は淡い希望を抱きながら、彼に「会社にデッドストックがありませんか?」と聞きましたが「残念ながらございません」との返事が返ってきました。

まあ、当然と言えば当然の返事に僅かな望みはいとも簡単に打ち砕かれました。


ところで・・・

MRコーンの“M”は美濃のM?でしょうか?

職人のイニシャルでしょうか?

それとも物理的特性か何かの かしら文字をとったものなのでしょうか?

すっきりしたいのでご存知の方がいらっしゃれば教えて下さいませんか?


・・・後から思ったんですが、アシダ音響の若旦那に聞いておけば良かった。

先程までのユニットの写真は時々試聴するユニットで、この元箱写真は“NOS品”です。


取扱説明書、取付ネジ、全て揃っているオリジナルNOS品です。

・・・・写真撮影したので乾燥剤を入れてまた大切に保管します。


“コーヒーと音楽クレシェンド”さんのホムペに6P-HF1の音が紹介されていますが全くその通りと思います。


僕はP-610指定箱に取り付けて聴いたりしますがこのプアーなユニットから本当に信じられない雄大な低音が出て来るのです。
16cm口径とは思えないスケールです。


ただし、アタック感やスピード感という再生音を望んではいけません。


超軽量コーン紙ならではの反応の良い音ですが、耳に突き刺す様な刺激的な音は

出しません。しかし、輪郭がボケていると言うわけでもありません。


低音も高音も音色的に現在のユニットとは全く別の音を奏でるスピーカーユニットで、ゆったりとした優しい音はリラックスして音楽にのめり込めます。

アメリカでも欧州でもない“純日本”的な音とでも言いましょうか。

クレシェンドさんの230ℓ密閉箱とは行きませんが、今後せめて150ℓ位の箱を作って鳴らしてみたいです。


ASHIDAVOX スピーカーの性能を根本から改革したMRコーン

コーン型スピーカーではコーンの設計が最も重要です。

それはスピーカーの周波数特性や歪特性、更に能率の良否にもコーンの性質が大きく影響します。


就中、Hi-Fiスピーカーの性能や音質を支配する決定的要素は、コーンの材質と物理的性質により
従来スピーカーを選定する第一の条件とされておりました磁束密度はスピーカーの設計上、コーンの物理的性能から生まれる諸条件によって決定される、むしろ二次元的な条件なのであります。


このような観点から、コーンの材質と製法を根本的に改革し完成したのがMRコーンであります。

MRコーンはスピーカーの周波数特性、過渡特性及び歪率において、いまだかつて求めても得られなかった全く理想的なコーンとして、従来のHi-Fiスピーカーの性能を一段と高めた画期的なものです。


(1)MRコーンの質量は同口径のスピーカーのコーンと比較して 1/2以下の質量です。


(2)MRコーンの繊維構造は機械的振動に対して非常に強靭で 剛性に富んでいます。


(3)MRコーンの形状はエッヂのQが振動部のQより低くなっていますから、従来の様にエッヂにビスコロイドなどを塗布する必要がなく、硬化に依る経年変化やゴミの付着による特性劣化の心配がありません。


V.Cインピーダンス 4Ω・8Ω・16Ω  

空隙磁束密度  7.600gauss

再生周波数帯域  30Hz−15.000Hz  

公称入力     3W

周波数偏差   ±5db 

最大許容入力 6W

最低共振周波数  65Hz ±5Hz      

(フラット入力)出力音圧レベル 97db/W         

取付寸法     158o

振動系実効質量  2.9g         

バッフル開口孔径 130o

MRコーン質量 1.3g           

重量 0.75kg

イメージ 7
https://blogs.yahoo.co.jp/kei94211/GALLERY/show_image.html?id=47627120&no=6

以上、取り扱い説明書からでした。


to be continued

コメント(27)


名前は、聞いたことあるような・・・(笑)。
諸元を見て納得です。
薄くて軽いコーン紙、高能率。悪い筈が無い!
よく入手されましたね。お宝です(^O^)。
[ びーわん ] 2013/10/20(日) 午後 8:24


薄くて軽いコーン紙ですが丈夫ではないでしょうネ。
だいぶ低い帯域の低音を量感たっぷりに再生しますが
音量を上げるとコイルが焼けるどころか
エッジがぶっ飛ぶのではないかと心配になります。
[ kei94211 ] 2013/10/20(日) 午後 9:16


ASHIDAVOX 6P-HF1、僕もよく知りません。
考えてみれば、スピーカーの事 何も知りません。
どんなメーカーなのでしょうか?

・・・。
[ のんき ] 2016/2/7(日) 午後 9:59


ASHIDAVOXは“アシダ音響”と言いまして

“米国マグナボックス”の極東代理店の“アシダカンパニー”を元にした由緒ある日本の音響メーカーなんですヨ。

戦後、スピーカーを製造始めて、有名なところではスタジオで使われるヘッドフォンなどを製造してました。
昭和30年代〜50年代まではスピーカーユニットにもかなりのバリエーションがあった様です。
16cm口径の“6P-HF1”、 20cm口径の“8P-HF1”はアシダボックスの最後のユニットだったんでしょうねぇ。
ですから今は幻のSPユニットなんです。

ところで 戦後、“福音電機”としてスピーカー製造を始め、 後に“PIONEER”となりました。“
福洋音響”が後に“CORAL”となりました。

気がつかれましたでしょうか? どちらも“福”が付きます。

実は“親戚”関係にあった様ですヨ。 パイオニアとコーラルは・・。
[ kei94211 ] 2016/2/8(月) 午後 8:54


秋空に映える赤とんぼのように、薄い羽根で奏でる幻の名機中の名機です。
さすが美濃漉き和紙の芸術品
[ iso*sob* ] 2016/9/26(月) 午後 8:40


iso*sob*さま、コメントありがとうございました!
とても美しい譬えに肝銘しました。
先日、エッジにひび割れを発見して補修しました。
宜しかったらご覧下さい(笑)。
[ kei94211 ] 2016/9/26(月) 午後 8:58


当方も一本似たような破れが有り美濃和紙の薄手古紙をネットで購入利用し薄糊付けし貼付け後、水筆で均し仕上げました。
乾いた後修復箇所を墨汁を薄めた液で塗装しました。違和感なくまずまずの補修でした。
音質にも今のところ影響はなさそうです。
[ iso*sob* ] 2016/10/1(土) 午後 9:15

> iso*sob*さん

6P-HF1のエッジは振幅に耐えられないと思うほど極薄ですよね。
ひび割れ、破れは必然的なものなのでしょう。
6P-HF1の説明書にはコーン紙の貼替え金額が明記してありますが
不可能な現在、愛しさを込めて補修するしかありません。
[ kei94211 ] 2016/10/2(日) 午前 8:57

季節外れのコメントです。現在76歳で終活中です。五体満足に暮らしていますが、娘二人も独立して私のささやかな趣味のがらくたも風前のともしびです。大正の終わりに生まれた電気趣味の人に組み立てて頂いた真空管ラジオの箱の中に窮屈に閉じ込められていたものを外して、保管してあります。近いうちに探してみます。モノのラジオなのに、二個入れてありました。
[ aon*m*24 ] 2017/6/9(金) 午後 5:48


aon*m*24 さま、コメントありがとうございました!
私、昭和37年生まれで、まだまだ終活には程遠いです。
コメントの内容から想像するに、まだまだお元気そうで嬉しく思いました。
保管されていると思われる“ASHIDAVOX 6P-HF1”・・拝見したいです。
是非、UPの程、お願い致します。
[ kei94211 ] 2017/6/9(金) 午後 7:43


> kei94211さん
ハイ! そうです。只今ぼちぼちです。息切れがしています。
カメラもパソコンも買い替え時期をすぎていますが、自分に相応しいと格闘しながらつかっています。
[ man**194*jpjp ] 2017/6/10(土) 午前 9:05

> kei94211さん
探し出しました。
私の所有するものは時代ももう少し古いようですので、MRコ−ンになる前ではないでしょうか?
マグネツトカバーの印字の色も違いますので。
[ aonami24 ] 2017/6/10(土) 午後 7:07

aonami24さま。拝見致しました。
6P-HF1には 4Ω、8Ω、16Ωとインピーダンス違いのモデルがあります。
又、鉄板プレスフレームも塗装されたモノと未塗装(素地)のモノがあった様です。

4Ωモデルのマグネットカバーにされてる印字のプレートが黄色なのかは私には分かりません。
何せ見た事があるのは 8Ωだけだし所有してるのも8Ωですから・・。

それからアシダには昔かなりのSPユニットがあった様ですが
“MRコーン”をうたい文句に誕生したのは 6P-HF1と 20cm口径の 8P-HF1だけだと思います。

所有されてる6P-HF1はセンターキャップがありませんが切り取られたのか剥がれ落ちたのかどうなんでしょう?
[ kei94211 ] 2017/6/10(土) 午後 8:50


> kei94211さん
私のは4Ωですので黄色という事と理解しておきます。
センターキャップは気が付きませんでした。切り取りはしておりませんので、はがれおちたのかもしれません。
段ボールの中を探してみます。
[ man**194*jpjp ] 2017/6/10(土) 午後 10:27

> man**194*jpjpさん

“6P-HF1”は昭和55年の販売価格が\2.150-とあります。

松下の“ゲンコツ”(EAS20PW09)が\3.900-、 三菱のP-610Aが\2.800-、
この頃にまとめ買いして置けば良かったと今は思いますが、当時はこのユニットに全く興味がありませんでした。

現在、国内での現存数はかなり少ないと思われます。
Yオクでも滅多に出て来ませんが、出品されると中古品にもかかわらずあっと言う間に販売当時の5倍位の値段に上がります。
センターキャップは剥がれ落ちたのでしょう、探して接着して大切にされて下さい。
[ kei94211 ] 2017/6/11(日) 午前 6:47

今から50年前、高校生の時に聴いていました。
サブロクのベニヤ合板を半分に切って取り付け、部屋の両隅の鴨居に下向けに載せて、トリオの真空管アンプとパイオニアのリムドライブのプレイヤーにマイクロのMMカートリッジで当時出たばかりの英DECCAのアナログLPなどを聴いていました。
あの音はもう出ません!
[ 竹内 愼 ] 2018/1/14(日) 午後 0:30

僕、50年前は保育園でした。
父が買って来たポータブルプレーヤーで ウルトラマンやおばけのQ太郎のドーナツ盤を聴いてました。
[ kei94211 ] 2018/1/14(日) 午後 2:01


6p-hf1の黄色ネームプレート16Ωを1ユニットを譲ってもらいました。
60年代初頭はまだまだステレオに買い換えるより、モノラルでしたので、1個のみは理解できます。
今のアンプは超弩級の1950代の球式です。ここは真空管42の出番かと考えます。
しかしトランスが問題です。タンゴの808が愛想が合うかも、もう1個と共に楽しみが増えました。
[ shi***** ] 2018/7/17(火) 午後 0:42


42どころか、45も50も聴いた事がありません。
TANGOも、もう有りませんけど shi*****さまは 808搭載の42Ampを計画されているのですね。
[ kei94211 ] 2018/7/17(火) 午後 8:39


42アンプでは非力を感じ、WE349A出力のWE132Aタイプアンプ、出力トランスはファインメットで聴いています。
嫌な音がせずなかなかよろしい。
低い音も明解で、PIM16Aとはかなり性格が違う事を確認し、デジタルの嫌な音も何とか聞け、もう1個欲しいです。
[ 渋谷 ] 2018/8/4(土) 午後 5:45


渋谷さま。 前回コメントを頂いた方でしょうか?
だとしたら、6P-HF1の16Ωがもう1個欲しいと言う事でしょうか?
[ kei94211 ] 2018/8/5(日) 午前 5:54

前回コメントしたものです。
6p-hf1の16オームは1個しか所有していませんので、できればコーン紙のザラッとした初期タイプの16オームが欲しいです。
今持っているのは磁石が弱っているのか、出力音圧レベルが低くなっています
[ 渋谷 ] 2018/8/5(日) 午前 10:49
https://blogs.yahoo.co.jp/kei94211/47627120.html
 

42. 中川隆[-10066] koaQ7Jey 2019年5月28日 07:20:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2285] 報告

日本製のスピーカーは どんな名作でもすぐに消えてしまう理由

彼女たちが夢を持って成功をつかんでくれたら私は夜も眠れないほど嬉しい


北朝鮮のような超独裁政権では、統治者である金正恩を脅かすほどの権威や才能や能力を発揮する人間は必ず粛清される。ナンバー2は信頼されるのではない。警戒されるのである。どんなに忠誠を誓っても無駄だ。抹殺される。

しかし、才能や能力がある人間が叩き潰されていくのは、別に北朝鮮だけで見られるものではない。

どこの世界でもそうなのだが、今までの秩序をつぶすような形で目立つと、どんなに才能があろうが能力があろうが、まわりから「図々しい」「立場をわきまえていない」と思われて潰されてしまう。

才能があるのは素晴らしいことなのだが、同時に新しい才能は警戒の対象である。才能があればあるほど、そして能力があればあるほど、「危険人物だ」と思われて潰されていく。

日本でも年功序列の時代が長かったので、上司を凌駕するような能力を持っていると、潰されるばかりか、警戒されて排除されることもある。

能力がある者が能力を発揮できないような悲しい状況に置かれる。才能があるばかりに潰されるという現象は、全世界のどこでも起きている。才能を持った人間は、秩序を崩壊させる異端者として、どこの世界でも嫌われる。

そして、嫌われたくないがために才能を捨ててしまったり、挑戦をあきらめてしまう人もいる。(鈴木傾城)


自分を殺して今のままでいようとする

革新的なビジネスプランを持った若い経営者は潰される。あまりにも超絶的な才能を持った人間も業界から追い出される。

今までの世界を覆すような斬新なアイデアを持った表現者も、やはり受け入れられるよりも排除されることが多い。

そんな超絶的なものでなくても、集団の中でただ単にリーダーシップを取ろうとするだけでも、「でしゃばっている」として、まわりから打たれたり、叩かれたり、妬まれたり、批判されたり、足を引っぱられたりすることがある。

才能がある人間は、その組織や集団の中で既得権益を得ている人間にとっては、自分の利益を奪う有害な存在となるので「敵」なのである。

「自分たちが持たない何か」を持つ人間は、まわりを敵に回す。たとえば、「夢」を持つことすらも、夢を持たない集団の中では異端児と化す。まわりに、嫉妬を巻き起こしてしまうからだ。

前向きに夢を持った人を叩くというのは、冷静に考えると不可解にも思えるが、その夢が実現したら追い抜かれた自分たちが惨めになると思うと、どうしても夢を壊そうとして足を引っ張る人が出てくる。

その醜悪な現実を見て、多くの人は自分の才能を開花させるよりも、それを自分で殺して今のままでいようとする。人は誰でも、まわりに批判され、憎まれ、悪口を言われ、時には罵倒されたり中傷されたりされたくないのだ。

そんな目に遭うのなら、何もしない方がいいと思ってしまう。何もしないで、集団の中で漂うように生きていると、台頭できないが叩かれることもない。楽だ。

人は往々にして楽な方に流されていくので、「楽になれるのであれば夢を捨てよう」「軋轢を生み出すのであれば、何もしないでいよう」と無意識に考える人が出てきても不思議ではない。

そして、何もしない理由として、いつしか「どうせ私には無理だ」という考えを持つようになる。

「わたしは無理なの」と言った

世の中には才能のある人も多い。しかし、才能を発揮する前に潰されていったり、自分から才能を捨ててしまう人も多い。

そうした人たちを私は人生の中で何人も見てきた。

今まで、いろんな女性と出会ってきた。彼女たちの中には、本当にたくさんの言語を知っていて、タイ語、インドネシア語、クメール語、英語、フランス語と、次々と言葉を切り替えて、私を楽しませてくれる女性もいた。

「すごいね。通訳の仕事とかできるね」と私が言うと、彼女は「私はできない。学校に行ってないから」と答えた。しかし、彼女の才能は明らかにどこかの大学を卒業した人たちを凌駕していた。

あまりよく目が見えない女性もいて、暗い部屋の中、紙を折って精巧な置物を作っていた女性もいた。アーティストだな、と私はしみじみと思った。うまくそれを売ればきっと買う人はたくさんいただろう。しかし、彼女は自分の才能には微塵も気付いていなかった。

身長が高くて、スラリとしていて、モデル顔負けのスタイルを持った女性もいた。彼女は私に「モデルになりたい」と言って、ホテルの部屋でいろんなポーズを撮って私を楽しませてくれた。

「オーディションは受けないの?」と聞くと、彼女は首を振った。「私よりもすごい子はいっぱいいるから」

みんなそれぞれ才能を持って、もしかしたらその才能で自立できるのかもしれないと思ったが、彼女たちの多くは「わたしは無理なの」と言った。

本当は無理ではないのかもしれないが、彼女たちはその才能を発揮したくないと考えており、自分の持って生まれた才能を捨ててしまっているように見えた。

彼女たちが成功をつかんでくれたら

自分の持って生まれた「良さ」や「才能」や「能力」というのは、それが自分のものだから、何か重大な価値があるもののように思えないのかもしれない。

傍から見たら才能があるとすぐに分かるのに、自分自身がそれを否定してしまい、「磨けば光る」ものを放置した挙げ句に捨て去るようなことをしてしまう。

得意を捨てて苦手で生きるのだから、生きにくい人生になってしまうのは当然だ。

本当は自分の中にある才能や能力を大事に、そして慈しんで育てて上げなければいけないのだが、まわりが「才能ある人間は引きずり降ろせ」と言わんばかりに、寄ってたかって才能や夢を潰してしまう。

人は不思議なことに、肯定的な意見よりも否定的な意見の方を強く認識してしまう癖があって、そういった否定を投げかけられると動揺し、無意識にそれを受け入れてしまう。そして今度は、自分で自分を否定するようになってしまう。

これは、誰にとっても他人事ではない。誰にでも起こりえる経験だ。

もしかしたら、あなたにも希有な才能があって、まだ種が発芽していないのに、発芽する前から踏みにじられてしまっているのかもしれない。

世の中は何でもそのようになってしまっているので、それはあなたも無縁ではなかったはずだ。とすれば、本当に必要なのは、自分で自分の才能を慈しみ、育て、愛し、信じることだと言うしかない。

私が知り合った女性の誰かが、そこから羽ばたいて大きな才能を開花してくれる可能性はゼロではないはずだ。彼女たちが挑戦してくれたら、もしかしたら道が開けるかもしれないのだ。私はそれを願っている。

彼女たちが成功をつかんでくれたら、私は夢見心地になって夜も眠れないほど嬉しい気持ちになるだろう。(written by 鈴木傾城)

私が知り合った女性の誰かが、そこから羽ばたいて大きな才能を開花してくれる可能性はゼロではないはずだ。彼女たちが挑戦してくれたら、もしかしたら道が開けるかもしれないのだ。私はそれを願っている。
https://blackasia.net/?p=13029

43. 中川隆[-10061] koaQ7Jey 2019年5月28日 07:50:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2290] 報告

日本製のスピーカーは どんな名作でもすぐに消えてしまう理由

20cmコーン型フルレンジユニット ASHIDAVOX(アシダボックス)8P-HF1。


「ダイナミック型フルレンジスピーカーの世界的傑作」程度の賞賛では、とても足りない。

まさに「超」を付けるべき傑作と見た(いや、この耳で確かに聴いた)。

今回の試聴において、ASHIDAVOXの前に、各種著名ビンテージ・スピーカーは色を失った。

それぞれのユニットの、いい点・悪い点などを比較して・・、などと比べている状況ではなかった。

今日の日記の冒頭に、品の悪い言葉ではあるが、と断った「ぶっちぎり」であり、その他のユニットの評価や比較など意味がないほどの圧巻であった。

冒頭の繰り返しになるが、なぜこれほどのユニットが埋もれているのか。

まちがいなく、この手の20cm前後のビンテージスピーカーでは、世界の超一級品であり、真のオーディオファンには、きっと高く評価されるに違いないユニットである。


なぜこのASHIDAVOXが「マイナーな傑作」で終わったのか。
高く評価したオーディオ評論家はいた。

しかしそれがなぜ、「幻の傑作」などと言われる経過を辿ったのか。
数量が出なかったのか、生産が間に合わなかったのか?

発売は1957年、その頃はまだ日本のオーディオ環境は貧しく未成熟であった。
早く生まれすぎたのかもしれない。

しかし、かなりの長期間、市場にあったはずである。

当時のオーディオ・ジャーナリズムは、どのような反応をしたのだろうか。

ダイナミック型フルレンジの「音質世界一」のユニットがどこかにあるとしよう。
ASHIDAVOX 8P-HF1は、それに勝るとも劣ることは決してないだろう。

Made in Japan。

使われているのは、コーンの最適素材を追い求めて辿り着いた日本古来の美濃紙。
この純日本madeの「世界に冠たる」はずであったスピーカーユニットが、なぜ埋もれたのか。

なぜ埋もれさせたのか。
まったく残念であり不可解である。

しかしASHIDAVOX 20cmフルレンジが、山荘に用意されたいくつかの錚々たる「世界の名器」を、下品な表現ではあるが「ぶっちぎり」の差で圧倒した事実。
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-26


▲△▽▼

私のオーディオ人生 第15回忘れられた昭和の名品 by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-015


今回のコラムは(6月17日)の店主日記でご紹介されたパイオニアのユニット、昭和の名品を題材にしました。じっくりと読んで楽しんでいただければ幸いです。


昭和のレトロスピーカー


 ヴィンテージと言う言葉を聞きますと何となく高貴な古い高級品のイメージが湧きます、古い物がすべてヴィテージと表現するのはおかしいような気がしますが、オーディオの世界でもすぐに海外の古いものをヴィンテージと言いますがガラクタで粗大ごみのような物でもヴィンテージにしてしまうのは如何なものか、

 日本の昭和30年代の時代と言えば最近よく聞くレトロと言う言葉は大変懐かしい響きに聞こえます。このレトロを題材にした日本映画(ALWAYS三丁目の夕日)が大ヒットしています。この映画を見ますと古き良き昭和の時代を反映した大変良い映画で携帯もパソコン、CD、テレビもない時代なのに人と人との繋がりと絆は今の時代とは随分違う気がするのは私だけではないはず、この時代はまだ高度成長の前になりオーディオも電気蓄音機からLPレコード再生の高忠実度とかHi−Fiと呼ばれる時代に入っていきますがこの当時の音楽再生装置は私達の時代でなく我々の親の時代になります。

 私達の世代は最初から海外のスピーカー(アルテック、JBL、タンノイ)等からスタートした人は極少数で海外のスピーカーの音などはほとんどの方は聴いたことも見たこともない時代を過ごしてきました、

当時のステレオマニアが自作するのは皆さんが記憶にある

パイオニアのPAX−A20,20F,PIM−16,20、
ナショナルの8PW−1、
三菱のP−610、
コーラルの8CX−50


ぐらいでこれでもこの時代でも贅沢なスピーカーで小型のレコードプレーヤーに安いクリスタルカートリッジで自作の真空管アンプから流れる柔らかい響きを一人静かにパーシーフェースの「シンシアのワルツ」やフランクチャックスフィールドの「星に願いを」の音楽を夜更けまで楽しんでいた時代ではなかったのではないか、

少ないアルバイト代を注ぎ込んでスピーカーユニットのスペックを穴のあくほど見ては予算との兼ね合いを考えたあげく大事そうにユニットを2個買ってみかん箱のような自作箱に入れて「これがステレオか」と一人悦に入っていた記憶は皆さんにもあるはずです。(勿論この当時は親から高級なセパレートステレオなど買ってくれるはずはない)


 当時のスピーカーは高域が「シャリン・シャリン」低域は「ドン・ドン」の今で言うドンシャリが流行していましたが、これこそステレオの音で友達に聴かせては自慢していた方も身に覚えがあるはず、また友達から高級なセパレートステレオを聴かされて自慢された方も昔を懐かしみながら悔しい思いを経験した方もきっと沢山いるはずです。

 それより以前の1950年代の中頃の音は私を含めて団塊世代の皆さんも経験どころか記憶にはないはずですが今の年齢が70代から80代の方たちは記憶の片隅に残っているかもしれません。この時代は私達の親達の時代です。

想像ですが当時はダンスホール、音楽カフェなどに行ってはジャズやクラッシック音楽をカフェのマスターや仲間たちと音楽談義を楽しみながらコーヒーやアルコールを飲んで青春を謳歌していたと思う、おそらく此処で聴くレコードの音は自分の家の電蓄とはかけ離れたHiFiの世界だったのかも知れません。


50数年の時を超えて今宿るPAX−12B

 今回ご紹介しますスピーカーユニットは1954年(昭和29年)にパイオニア(当時の福音電機)から発売された複合型スピーカーです。このユニットのスペックを少しご紹介します。(パイオニアの歴史からお借りした抜粋)


発売年 1954年(昭和29年)

形式 30p複合型スピーカー(ツィーターはコーンタイプ)

マグネット ウーファ、ツィーター共アルニコマグネット

ネットワーク オイルコンデンサーだけによるツィーターのローカット

クロスオーバー約3000Hzぐらいと思われる
※クロスオーバー用のコンデンサーが完全にパンクしていて計算不能

インピーダンス16Ω

許容入力10W

重量4.5Kg

出力音圧レベル102dB/W周波数特性35Hz〜16KHz


※初代の福音電機の複合型スピーカーは1952年(昭和27年)発売のPAX−12Aになり、この12Bは2年後の1954年の発売になります。

昭和30年代後半に型番がインチからセンチに変わりPAX−30Bと変更されました。

このユニットのフレームを見ますと左右に取手が付いています。

多分このユニットは民生用ではなく業務用に使われたのではないか、
当時の業務用なら小ホール、学校の音楽室、音楽カフェ、ダンスホールなどで活躍していたのではないだろうか、

マグネットカバーのエンブレムを見ますと

「FUKUIN ELECTRIC WORKS,LTD,TOKYO」

の名前が入っています、今のパイオニアは当時では「福音電機」と言われていました、

昭和29年の発売ですが当時としては塗装の仕上げとフレームの作りが「日本の工業技術ここにあり」と感心させられます。


ユニットを2本並べた状態ですが50数年の年輪を感じさない昭和のレトロスピーカーですが音も現代のスピーカーには負けないぐらい良い音で鳴ります。

マグネットカバーを外しますと大型のヨークを使っています、手前に見えるネットワーク用のオイルコンデンサーで合格の検印のスタンプが押してあるのを見ると当時も品質管理には厳しかったと思われます。

このユニットの製作に携わった方がこのコラムをお読みになれば懐かしさが込み上げてくるのではないでしょうか、


昭和のレトロスピーカーを鳴らす、

 当時はおそらく使用するアンプもスピーカーボックスも現代とはかけ離れた粗末なもので音楽を楽しんでいたのかも知れませんからこのスピーカーの能力等ははっきり言ってわかりません。

当時の日本の技術力と欧米の技術力とは相当な隔たりがあったのではないか、

現代のオーディオマニアは海外志向になりスピーカーはアルテック、JBL、タンノイ等の海外製しか興味を示さないマニアばかりになってしまったきらいがある。

国産品はバカにされ片隅に追いやられてしまったのは否めないのと日本の気候条件の変化による保存状態が悪いのでほとんどが処分されてしまったと考えられる。


パイオニアPAX−12Bを鳴らす使用機器

CDプレーヤー CEC製TL−51X

DACはサンバレーで購入した真空管式 MODEL2

プリアンプは私がレストアしたマランツ#7

メインアンプはサンバレーのSV−2(2007)300Bドライブの845シングルアンプでの試聴です。

ボックスは店主日記でご紹介されたタンノイ風のコーナー型でボックスの材質はフィンランドバーチ

ネットワークはヴァイタボックスに合わせた自作品を供用

使用のソースはいつも聴いているコジェナのヘンデルアリア集

このラインナップで上手く鳴らなかったら即粗大ゴミかお蔵入りだ、


早速ヴァイタボックスのDU−120コアキシャルユニットをボックスから外してパイオニアのPAX−12Bを取り付けた、果たしてどんな音で鳴るのか今まで以上に興味が湧いて来るのが自分でもわかる、

今までは英国のGOODMANS、VITAVOX、ステントリアン、ワーフェデールのオール英国の伝統あるスピーカーを使ってきたけれど日本製だけはイメージすら湧かない、

ひょっとして昔聴いたドンシャリのような音なのか、分解能も悪く特性だけを追っかけた音楽性のかけらもない酷い音となれば「所詮国産か!」とバカにして諦めが付く、これまで英国ヴィンテージスピーカーやウェスタンの音を自分の耳と肌で感じ取ってきたから十分比較もでき理解もできるはずだ、


SV−2(2007)で鳴らすパイオニアPAX−12Bの音

 SV−2(2007)でスタートだが50年の歳月を経て出てきた音に正直に言って言葉が出ない、

コジェナのチェロから始まる独奏を聴いた瞬間、これが本当に国産のスピーカーなのか?自分の耳を疑った、

「素晴らしい音で陰影を伴った渋く味のある音だ、」

今まで鳴らしてきた英国ヴィンテージスピーカーと何ら遜色はない非常に落ち着いた響きで音の出方と傾向を一言で言えばタンノイのレッドとシルバーの音にヴァイタボックスを混ぜ合わせたような響きで私が所有しているグッドマンの音色に近い感じがしないでもない、

じっくり聴くと英国スピーカーもPAX−12BもY下トーンになってしまっている、どんなにスピーカーを変えても自分の感性が全面に出てきているからガラリとは変わらない気がしてきた、

まだユニットを実装してエージングも無の状態でのスタートのため多少音抜けが悪い感じだがエージングすればもっと良くなるはずだ、

 今回の試聴用のSV−2(2007)は見事に昭和のレトロスピーカーを鳴らしきった凄いポテンシャルを秘めた文句なしの第一級のアンプで私はこのアンプには改めて感服した、是非このSV−2(2007)のアンプを導入して色んなスピーカーを鳴らして頂きたい、

お叱りを受けるかも知れないがマッキン、マランツ等のメインアンプで鳴らして満足しているマニアは私に言わせればまだまだ「ヒヨコ」だ!


 50数年間の眠りから覚めて即良い音を望むのはお門違いである。
おそらくこの時代のレコードの聴き方は現代のマニアックな虫眼鏡で覗いた聴き方とは方向性が違う、端的に言わせてもらうとスピーカーの存在感と機器を忘れて音楽をさりげなく聴く方法が適していると思う、

多分設計者はアメリカンサウンドを意識して研究開発されたと思うが私の印象ではアメリカンサウンドとは多少ニアンスが違う地味な音に聴こえてくる、

  
 このスピーカーの名前を教えずに聴かせたのなら100人が100人とも国産とは見抜けないと思うぐらい素晴らしいユニットだ、

事実このユニットを実装してヴィンテージスピーカーの大先生でもある西山氏に試聴して頂いたら「これが国産?」と驚いていた、

今までの国産スピーカーは個性がなく特性だけを追っかけたスピーカーのイメージで正直言って私も見向きしなかったがこのスピーカーを聴くと当時のスピーカーの技術者の凄腕と努力が伝わってくるような気がする。


昭和のレトロスピーカーをバカにするな!

 オーディオのハイエンドマニア達がスピーカーはウェスタン、アルテック、JBL、タンノイでないと駄目だとかスピーカーは外国製に限ると主張する方が沢山いるが(私もその一人だった)本当に良い条件での国産スピーカーを聴いたことがあるのだろうか

一度も聴かずに風の便りや人の噂だけを鵜呑みにして評価するのはオーディオマニアとしては恥ずかしいのではないか、

 日本の伝統ある工業製品であるパイオニアの半世紀前のスピーカーがこれだけ素晴らしい音で鳴るとは聴いて見るまではわからなかった、正直に言って私は脱帽である。

 このユニットの開発に携わった多くの技術者とユニットを組み上げた職工さんや個々のパーツなど苦労に苦労を重ねて作り上げた下請けの町工場の工員さん、「戦後の日本の工業技術ここにありき」で奮闘された気持がひしひしと伝わってくる、

当時のエンジニア達は欧米のスピーカーを徹底的に研究されたのではないか、
しかも外観がジェンセンのG−610Bに良く似ているのも頷ける、

スピーカーのフレームの検印に個人名のスタンプが押してありますがこれを見ますと当時も高レベルな品質管理をされていた製品だと思う、

多分このスピーカーの設計者や製作に携わった多くの方達はこの世にいない人もいるかも知れませんがこの方達のお陰で今日の日本のオーディオ文化がありパイオニアの70年の伝統と歴史があるような気がしてならない、
 
 このように書きますと日本人である以上海外のスピーカーよりもっと身近に感じてきます。タンノイやJBL、アルテック等の海外スピーカーも良いがもう一度昭和のレトロスピーカーを見直す時が来るような気がする、その時に是非国産のレトロスピーカーを加えて頂きたい、

 今回の比較試聴で英国ヴィンテージスピーカーがドレスの似合う素敵な「貴婦人」的な音ならこのPAX−12Bは和服の似合う「京美人」の音に例えられるぐらい上品な音で音楽を聴かせてくれた。

また50数年の時を超えてエージングもこれからですが時間が経てばもっと素晴らしいサウンドで音楽を楽しませてくれると思う、


 今回ご紹介しました半世紀以上前のパイオニアPAX−12Bは欧米のヴィンテージスピーカーと比較しても何ら見劣りがしないぐらい素晴らしい音楽を奏でてくれたが鳴らし方次第で石ころにもなりダイヤモンドにもなるのではないかと痛切に感じた、

 ヴィンテージショップ等では国産のスピーカーは価値がないと決めつけてバカにする、

名前は伏せたいがお粗末なブリキ板で作ったようなフレームに亜鉛メッキで仕上げてフェライトマグネットを装備しただけの海外のコアキシャルタイプのヴィンテージスピーカーが高値で取引されているがこんなのにどこに価値観があるのか音以前の問題だと思うのだが、


 国産のスピーカーのすべてが良いとは思わないが隠れた名品もあるはずだ、それを探し出して上手く鳴らす、これも一つのオーディオの醍醐味ではないだろうか、

「舶来のブランド」も良いがこんな立派な「Made in Japan」の存在があるのを忘れてはならないと思う、

私は声を大にして言いたい「昭和のレトロスピーカーをバカにするな!」と、


一度は言ってみたいセリフ

 ウェスタンマニア、最新の舶来のブランド志向で固めたスーパーマニアの天狗達のスピーカーシステムにこの部分の音が悪いとケチを付けたら相手はきっと「あんたのスピーカーは何処のスピーカーだ!名前を教えろ!」と目を吊り上げて怒るだろう、

その時胸を張って「僕のスピーカーは昔のパイオニアです!」と言ったら「何んだ!国産か!」とバカにされお叱りを受けるか鉄拳が下るだろうなぁ、

こんな連中に「一度は言ってみたいセリフ」だが怖くて言えないかも、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-015

44. 中川隆[-10057] koaQ7Jey 2019年5月28日 09:04:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2294] 報告


欧米信仰のオーディオファイルは安倍晋三と同じメンタリティ−

望月衣塑子『安倍晋三大研究』から - 内田樹の研究室 2019-05-28
http://blog.tatsuru.com/2019/05/28_0558.html


東京新聞の望月衣塑子さんと特別取材班による『安倍晋三大研究』(KKベストセラーズ)の中で望月さんと対談をしている。その中の私の発言の一部を「予告編」として掲載する。

今回のトランプ来日の「異例の接待」に安倍政権の従属的本質が露呈したが、その仕組みについても私見を述べている。

 安倍さんがつく嘘には、「シナリオがある嘘」と「シナリオのない嘘」の二つがあるみたいですね。とっさに口を衝いて出た「シナリオがない嘘」から始まって、「シナリオのある嘘」へと移ってゆく。

 もろもろ不祥事のきっかけは、首相の意図せざる失言です。「それは言ってはダメ」ということを不用意に洩らしてしまう。その場で自分を大きく見せようとしたり、相手の主張を頭ごなしに否定するために「言わなくてもいいこと」を口走ってしまう。その点については自制心のない人だと思います。「その点についてはさきほどは間違ったことを申し上げました。お詫びします」とちょっと頭を下げれば済むことなのに、頑強に誤まったことを拒否する。

 性格的に自分の非を認めることがよほど嫌なんでしょうね。だから、明らかに間違ったことを言った場合でも、「そんなことは言っていない」「それは皆さんの解釈が間違っている」と強弁する。「立法府の長です」なんていう言い間違いは、国会で平身低頭して謝らないと許されない言い間違えですけれど、これについても絶対に謝らなかったですね。間違いを認めず、勝手に議事録を改竄した。

「立法府の長」とか「私や妻が関係していれば」発言がその典型ですけれど、不用意なことをつい口走ってしまう。その失敗を糊塗するために、官僚が走り回って、つじつまを合わせて、もともと言ったことが「嘘ではないこと」にする。首相の不作為の「言い損ない」がまずあって、それをとりつくろうために官僚たちが「シナリオのある嘘」を仕込む。第二の嘘には間違いなく「シナリオライター」がいると思います。誰か「嘘の指南役」がいて、「こういうステートメントでないと、前言との整合性がとれないから、これ以外のことは言ってダメです」というシナリオを誰かが書いている。(...)

 こういう違法行為で最終的に罪に問われるのは、実行犯である官僚たちなわけですよね。政治家はあくまで「私は知らない。そんな指示を出した覚えはない」と言い張る。それに、官僚たちにしても、たしかに具体的な指示を聞いたわけではないんです。上の人間に皆まで言わせず、その意向を察知して、「万事心得ておりますから、お任せください」と胸を叩くようなタイプでないと出世できない。だから、「忖度」というのは政治家と官僚が「阿吽の呼吸」で仕事をしている限り、原理的にはなくなることはないと思います。

(...)

 首相の「とにかく非を認めるのが嫌だ」という頑なさは常軌を逸していると思います。でも、人は失敗を認めないと、誤りの修正ができない。失敗を認めない人は同じ失敗を繰り返す。過去の失敗だけでなく、これから取り組む政治課題についても、自分の能力が足りないから「できない」ということ言いたくない。だから、「できもしない空約束」をつい口走ってしまう。人格的な脆弱性においてここまで未成熟な為政者をこれまで戦後日本にはいたことがない。このような為政者の登場を日本の政治プロセスは経験したことがないし、予測してもいなかった。だから、そういう人間が万一出て来た場合に、どうやってこの為政者がもたらす災厄を最小化するかという技術の蓄積がない。

 アメリカは、その点がすぐれていると思います。デモクラシーというのは、つねに「国民的な人気があるけれど、あきらかに知性や徳性に問題がある人物」を大統領に選んでしまうリスクを抱えている。アメリカでは、建国の父たちが、憲法制定時点からそのリスクを考慮して、統治システムを設計した。「問題の多い人物がたまたま大統領になっても、統治機構が機能し続けられる」ようにシステムが作られている。

『アメリカのデモクラシー』を書いたアレクシス・ド・トクヴィルがアメリカを訪れたときの大統領はアンドリュー・ジャクソンでした。トクヴィルはジャクソンに面会して、このように凡庸で資質を欠いた人物をアメリカ人が二度も大統領に選んだことに驚いていますけれど、同時に、このような愚鈍な人物が大統領であっても統治機構が揺るがないアメリカのデモクラシーの危機耐性の強さに対して称賛の言葉を書き記していました。

 いまでもそうだと思います。ドナルド・トランプは知性においても徳性においてもアメリカの指導者として適切な人物とは思えませんけれど、とにかくそれでもアメリカのシステムは何とか崩れずに機能している。議会や裁判所やメディアが大統領の暴走を抑止しているからです。

 アメリカ人は政治に大切なものとして「レジリエンス(復元力)」ということをよく挙げますけれど、たしかに、ある方向に逸脱した政治の方向を補正する復元力の強さにおいては、世界でもアメリカは卓越していると思います。そして、いまの日本の政治過程にいま一番欠けているのは、それだと思います。復元力がない。

 日本の場合、明治維新以後は元老たちが総理大臣を選んできました。非民主的なやり方でしたけれど、「国民的人気はあるけれど、まったく政治的能力のない人間」が登用されるというリスクは回避された。戦後の保守党政治でも、「長老たち」の眼鏡にかなう人物でなければ首相の地位にはつけなかった。でも、そういう「スクリーニング」の仕組みはもう今の自民党では機能してないですね。(...)

 彼の生育環境がどうであったか、どのようなトラウマを抱えていたのか、そういったことを心理学的に分析することは安倍政治を理解するためには、いずれ必要になると思います。でも、問題は彼の独特のふるまいを説明することではなくて、嘘をつくことに心理的抵抗のない人物、明らかな失敗であっても決しておのれの非を認めない人物が久しく総理大臣の職位にあって、次第に独裁的な権限を有するに至っていることを座視している日本の有権者たちのふるまいを説明することの方です。いったい何を根拠に、それほど無防備で楽観的にしていられるのか。僕にはこちらの方が理解が難しい。どうして、彼のような人物が政治家になれ、政党の中で累進を遂げ、ついに独裁的な権限をふるうに至ったのか、それを可能にした日本の統治機構と有権者の意識の方に関心がある。

 これは安倍晋三という政治家個人の問題ではなくて、日本のデモクラシーの制度の問題だからです。この六年間、ずっと政権批判をしてきましたけれど、最終的に、安倍晋三という個人を分析してもあまり意味がないというのが僕の得た結論です。彼を「余人を以ては代え難い」統治者だと見なしている多くの日本人がいるわけですけれど、そのような判断がいったいどういう理路をたどって成立するのか、その方に僕は興味がある。安倍さんはいずれどこかの時点で首相の地位を去る。でも、彼を独裁的な権力者にして担ぎ上げた政治体制と国民意識がそのあとも手つかずで残るなら、いずれ第二第三の安倍晋三が出てくることを防ぐ手立てがない。(...)

 彼を担いでいるのは「対米従属マシーン」という政官財学術メディアを巻き込んだ巨大なシステムです。彼らは日本の国益よりアメリカの国益を優先的に配慮することによって、アメリカから「属国の代官」として認証されて、その地位を保全されている。清朝末期にいた「買弁」と機能的には同質のものです。

 ただ、清末の買弁が自分たちは「悪いこと」をしているという犯意があったのに対して、日本の対米従属マシーンのメンバーたちにはその意識がありません。彼らは「アメリカの国益を優先的に配慮することが、日本の国益を最大化することだ」ということを本気で信じているか、あるいは信じているふりをしている。だから、主観的には罪の意識はないのです。日本のために、国土と国民を守るためにアメリカに従属していることのどこが悪い、と自分を正当化することができる。

 もともとこの仕組みは「対米従属を通じての対米自立」というきわめてトリッキーな戦後日本の国家戦略の産物だったわけです。最終目的はあくまで「対米自立」だった。吉田茂の時代から田中角栄の時代まで、サンフランシスコ講和条約から、沖縄返還まで、その軸はぶれていないと思います。

 でも、安倍政権では、もう「対米自立」は国家目標としては掲げられていない。「対米従属という手段」がどこかで自己目的化した。対米従属マシーンのメンバーであることによって国内での高い地位と高額の収入を約束されている限り、彼らにしてみたら、対米従属はエンドレスで続いて欲しい「ステイタス・クオ」であるわけです。

 ふつうの国の統治者は自国益を最優先するけれど、安倍政権は自国益よりもアメリカの国益のほうを優先する。日本国民から吸い上げた税金をアメリカの軍隊や企業にどんどん注ぎ込む。日本の国内産業の保護育成を犠牲にしても、アメリカの企業のために市場を開放する。アメリカの国際政策はどんな不細工なものでももろ手を挙げて賛成する。世界を見渡してみても、これほどアメリカにとって便利な政府は存在しない。だから大事にして当然です。
(...)

 アメリカにとって、安倍晋三というのは一面ではきわめて好都合な政治家だけれども、危険な政治家でもある。集団的自衛権を発動して、アメリカの海外派兵の「二軍」として働くこと、アメリカ製の武器をどんどん買ってくれること、巨額の「ホスト・ネーション・サポート」予算で米軍基地を維持拡充してくれることなどは米軍にとっては大変好ましいことでしょうけれど、そういう日本の「軍事優先」がどこかで節度を超えて、軍事上のフリーハンドを要求するようになると、それはアメリカにとっては東アジアに新たなリスク・ファクターが出現することを意味する。

 もし、改憲が「アメリカから押し付けられた憲法」を否定するだけでなく、アメリカの統治原理そのものを否定することを意味するとしたら、ホワイトハウスもいい顔はしないでしょう。その点では、アメリカは必ずしも一枚岩ではない。日本を実質的に支配しているのは「アメリカ」というより、端的に米軍とそれにつらなる軍産複合体です。対米従属といいますけれど、実質的には日米合同委員会を通じて日本をコントロールしているのは米政府ではなく在日米軍です。そして、米軍の意向は必ずしもアメリカ人すべての意向ではない。当たり前です。現に、『ニューヨークタイムズ』のようなリベラル系のメディアは一貫して安倍内閣のナショナリズムや改憲志向や慰安婦問題への取り組みを批判してきた。

 改憲で日本が平和主義を捨てることを望んでいる隣国はアジアにはいません。改憲を強行すれば、当然中国韓国はじめてアジア諸国との外交関係は緊張する。そのようにして西太平洋の地政学的安定を損なうことをおそらく多くのアメリカ人は望んでいない。

 アメリカからすれば「いまで十分」ということだと思います。平和主義国家としては桁外れの防衛予算を組んで、アメリカ製の兵器を買ってくれている。これ以上好戦的な国になってもらうことはない。アメリカの本音は、「日本は黙ってアメリカの言うことを聞いていればよい」ということに尽くされると思います。

 僕たちは忘れがちですけれど、アメリカにとって日本は太平洋戦争で二九万人のアメリカ兵を殺した国です。日本では『鬼畜米英』はもう死語ですけれど、『リメンバー・パールハーバー』は今でもアメリカでは感情喚起力のあるスローガンです。日本は属国だけれど、かつての敵国なのです。属国として厳しい支配下においているのは、ほんとうのところはこの「おべっかつかい」を信用していないからです。この感情的な非対称を日本人は忘れているんじゃないですか。
http://blog.tatsuru.com/2019/05/28_0558.html

45. 中川隆[-10045] koaQ7Jey 2019年5月28日 15:06:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2306] 報告

アシダボックス 6PーHF1 2015/5/10
https://blogs.yahoo.co.jp/yoko_yama888/16704567.html


能率の良いスピーカーを検索していてアシダボックス 6PーHF1 がヒットした。

驚いたのは、「幻の名機」扱いで中古市場で6万円(ペア)前後の価格がついていた。

オーディオを始めた昭和40年ごろ 6PーHF1 は売っていた。
しかし使っているのを見たことはなかった。

我が家も三菱、パイオニア、アイデンは使ったがアシダボックスが選択肢に入った事は1度もない。


イメージ 1
https://blogs.yahoo.co.jp/yoko_yama888/GALLERY/show_image.html?id=16704567&no=0


今は「希少」らしい。たぶん売れなかったのだと思う。
高くて買えなかったのではなくて使う人が少なかったのだと・・・

見た目も安っぽい。

オーディオの足跡に周波数特性が載っていた。


型式 16cmコーン型フルレンジユニット
V.Cインピーダンス 4Ω
再生周波数帯域 30Hz〜15kHz
周波数偏差 ±5dB
最低共振周波数 65Hz ±4Hz
出力音圧レベル 97dB/W以上
振動系実行質量 2.9g
空隙磁束密度 7,600gauss
公称入力 3W


改めてみると、見た目はラジオ用のようでも信じられないスペックをもっている。コーンが軽い。一度聞いてみたい。反応の早い、好きな音が聞こえそうです。

《注意》音圧レベル97dB となっていますが、現在の表示方法(距離1メートルでの音圧)では 91dbになると思います。

パイオニア PE-16 が98dbですから似たような数値です。


イメージ 4
https://blogs.yahoo.co.jp/yoko_yama888/GALLERY/show_image.html?id=16704567&no=3


電波科学 1969-6 臨時増刊に

「16cmスピーカをいかに使うか」

岡原勝 氏の記事がありアシダボックス 6PーHF1 が紹介されている。


イメージ 2
https://blogs.yahoo.co.jp/yoko_yama888/GALLERY/show_image.html?id=16704567&no=1

当時の価格 780円。

イメージ 3
https://blogs.yahoo.co.jp/yoko_yama888/GALLERY/show_image.html?id=16704567&no=2


岡原氏の評価は高いがこのユニットは上手く鳴らすのが難しそうで、 100リットルぐらいの巨大な箱が必要と書いてある。

我が家がオーディオを始めた頃、すでに低能率・ワイドレンジの小型スピーカに向かっていた。
フルレンジといえば JBL LE-8T が憧れだった時代。

コメント(5)


アシダボックスって知りませんでした。
「オーディオの足跡に・・」とあったので見てみたら「ASHIDABOX」ってたしかにありました。
しょっちゅう見てましたが、全く気付きませんでした。

気になって調べたら、まだこの会社は存在するんですね。
沿革を見るとかなり古い会社で、業務用のほうが主力みたいですね。

当時の価格はパイオニアや三菱の610の半分ほどなのにあまり市場に出回ってないのは、宣伝力でしょうか。
試験結果の表を見ると、他の機種と比べてそれほど劣ってるようにも見えませんが。

エフゼロ78Hzというのもダントツで、当時の16cmではすごい数値ではないでしょうか。
これだけの広帯域・高能率ユニットがなぜ脚光を浴びなかったのでしょう?

2015/5/11(月) 午前 1:08 おやじ sp.


これを書きながら「アシダボックスが良いらしい」という噂を思い出しました。
友達の誰かが言っていました。大昔です。

売れなかった(?)のは宣伝力でしょうかね?

当時の6半と言えば三菱で決まりでした。
高度成長期にこの「見た目」では売れそうにありません。

また、当時は6.5インチや8インチのフルレンジは国産でも沢山あり、JBLのほかに舶来ではエレクトロボイス、ローサー、フィリップス、リチャードアレンなど選択
肢は山ほどありました。

ツボに嵌まったら良い音がしそうですが、100リットルの大きな箱や平面バッフルを置くには広いスペースが要りそうですし、そういう条件が揃えばもっと上に向かうはずです。

軽くて反応が良いというのは、おやじさんの好みに入りそうですが、6半一発では我慢ができませんよね。絶対に。

2015/5/11(月) 午前 8:57[ 団塊-28号 ] .

あまりにも懐かしいので、はじめてコメントしました。

アシダボックスの6P−HF1・・昭和42年の高校生1年の時に、こずかいをためて買ったスピーカーです。

当時は自作の6BQ5シングル・アンプと6GA4シングル・アンプでした。

この6P−HF1は、非常にコーン紙がやわらかいため、ソフトないい音のするスピーカーでした。

そのために密閉では、かなり大型でないと駄目で友人は120リットル位の密閉箱でしたが、板を買う金もなく畳半畳くらいの平面バッフルにして部屋の天井に取り付けて聴いていました。

低音も良く出てバランスの良いスピーカーです。

その後、このスピーカーは弟に譲りました。

このほかに20センチの8P-HF1と言うのもあったのですよ。でも当時は6P-HF1のほうが人気がありました

2015/9/8(火) 午後 10:53 HIROちゃん

そうですか。使っていましたか。

パイオニアのPE16を使っていた友人が「アシダボックスが良いらしい」という噂を聞いています

が、やはり100リットルはきついですね。一度聴いてみたかった SPです。

私が少し上ですが HIROさんとはほぼ同年代です。

同じように6BQ5と6GA4を使いました。

山水からSWシリーズのトランスが出ていてそれを使いました。
音が出ただけで感動したものです。

2015/9/12(土) 午後 4:14[ 団塊-28号 ]


懐かしいなぁ〜!
40年くらい前、1600円位で購入し、とりあえず40Lくらいのダンボール箱に入れて鳴らしてました。

エッジがコーンと一体で漉き込んであり、たぶんコーンの最後の何層かをエッジと一体で漉き込んであったと思います。透かすと向こうが見えそうでした。

磁石は小さなものだったので、パワーは入りませんでした。

大音量では音質が荒れます。

小音量では高域はあまり出ませんが、低域から中域まで朗々となる聴きやすいSPでした。

音は好きでした。

ちゃんとしたBOXに入れて鳴らしたかったのですが、引っ越し中に無くしてしまいました。残念...
2018/5/6(日) 午後 10:25[ まー ]
https://blogs.yahoo.co.jp/yoko_yama888/16704567.html

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2004年 12月 11日 ASHIDAVOX 6PHFIユニット
http://www.hasehiro.co.jp/old/jyonnobi/jyonnobi_old/jyonnobi-05-01.html


ここ地元の三条市でもオーディオ好きな方が結構多くおられて、皆さん私の会社に時々遊びに来られます。

その中のお一人、Hさんが先日「このユニットをMMに付けてみて欲しい」と、 見た こともない日本製のビンテージユニットを持って来られました。

サイズは16センチフルレンジで、メーカー名はアシダ音響(株)です。

この会社 は今も立派に 営業されており、現在は業務用のスタジオヘッドホーンなどの有名なメーカーだそうです。


このユニットのコーンは和紙でできていて、エッジ部まで一体の和紙なのです

H氏 の言われるままユニットを陽射しに向けるとエッジ部だけが薄く、そこが円周状に透けて見えます。たぶん手すきで加工をし たも のと思います。

背面の磁石は大変心もとないほど小さいのですがアルニコです。

本体重量も0.75Kgと気抜けするほど軽く、見せて頂いたカタログ性能の、音圧レベル 97dB、周波数特性30Hz〜15、000Hzはとても信じられませんでした。

ダイヤトーンのロクハンに似たフレームですが、こちらの方が早かったのでは、 とのことです。

その後、後発の有名メーカーのブランド力におされたことが原因なのか生産が中止になりましたが、その音質のとりこになっていたH氏は廃盤前に、60個ほど買うつもりでメーカーと交渉し、OKを取れたのですが、資金の 都合で断念。

最近再連絡を取ったら、すでに金型は処分され、その時の和紙をすく職人もいな くて、もう完全に再現はできないとメーカーに言われ
「あの時買っておけば」と大変悔やんでおられました。

濃いグレーの和紙のコーンは見たからに、優しそうな音が出てくることを想像できました。

数日後、MM−181Tに取付ける専用フロントバッフルが完成、H氏とご友人達を 呼んで試聴会。

まずは、柔らかい声の女性ジャズボーカルの入ったnoonのCDから聴きはじめま した。

暫くしてから皆さん口々に「良いね‐」

私も同感でした。

仕事柄、今まで様々なユニットを聴いてきましたが、このユニット は今まで聴いてた音とジャンルが違う感じでした。

とにかく優しい音です。それでいてきちんと音に芯があるので長時間聴いてても聴き疲れず、また聴き飽きしないのです。

ボーカルが耳に優しく、フワーッと羽毛に包み込まれているような女性のささやきに心地良く酔えるのです。

長く聴いていても本当に聴き疲れしないのです。

低域の倍音の響きが何とも心地良く、皆さんウットリされていました。

途中でヒダスキインシュレターを敷いたら、優しさのなかにクッキリと鮮明さが増し、更に魅力的な音になりました。

H氏は当時のカタログも大事に保管されておられ、その説明からも、MRコーンと名 付けられた非常に軽くて(振動系実質重量2.3g、コーン1.3g)
しかも繊維構造により強靭なこのコーン紙が最大の特徴のようです。

聴いているうちに、私もこのユニットのとりこになってしまいました。

音楽を純粋に 楽めるユニットです。

注意して見ていると、たまにヤフーオークションに出ているそうです。

個性的なユニットが市場にいっぱい有った、あの良き時代にMMスピーカーを発売していたら、今よりどんなに楽しかっただろうかと想像してしまいます。

「長谷弘さん、いつかユニットまで作ってしまいましょうよ」

とお客様から良く言われます。こういうユニットを知ってしまうと、作れるなら本当に作ってみたいという欲求にかられます。
http://www.hasehiro.co.jp/old/jyonnobi/jyonnobi_old/jyonnobi-05-01.html


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ヤフオク
幻の名機 ASHIDAVOX アシダボックス 6P−HF1 単品 動作確認済 アシダ音響
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e354105129

即決価格: 20,000円(税0円)
開始時の価格: 18,000 円
入札件数: 2 (入札履歴)


幻の名機 ASHIDAVOX アシダボックス 6P−HF1 単品 動作確認済 アシダ音響 の出品です。


アシダボックス・アシダ音響社製のロクハン16cm フルレンジ スピーカーです。

動作確認済です。

世界最軽量の美濃和紙製のコーン紙は、外周部が極薄のフィクスドエッジになっていて、最高の音質を得ています。


信じられない低域の伸びを備えており、また20cm の8P−HF1より軽快で音切れがよいとも言われています。


平面バッフルや後面開放で聞く音は、言いようのない心地よさにうっとりとさせられます。

コーン紙は美濃和紙製で世界最軽量です。コーン紙外周部は極薄のフィクスドエッジになっています。

このようなコーン紙は今は職人がいないため作れません。


この16cm フルレンジユニットはとても貴重品で有る上、今となっては状態の良い物は入手困難となっています。

この商品も経年の退色や小さなクラックの補修対応があります。

そのうち小さなクラック補修跡については約2箇所ほどが確認できます。

しかしながら、少なくとも自分の駄耳では、無クラック品との音質の差異は特に感じられません(私感ですが)。

型式:16cmコーン型フルレンジユニット
V.Cインピーダンス:16Ω
インプット:3W
取付寸法:158mm
バッフル開口径:130mm

写真のものが出品物の全てです。
程度は写真で確認いただき、ノークレーム・ノーリターンを守れる方、
取引連絡と決済完了までを24時間以内に完了できる方、また商品到着後に受け取り連絡を24時間以内に完了できる方のみでお願いします。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e354105129


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ヤフオク! -「ASHIDAVOX 」- 中古品の落札相場、落札価格
https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch?auccat=&tab_ex=commerce&ei=utf-8&aq=-1&oq=&sc_i=&exflg=&p=ASHIDAVOX+HF1&x=0&y=0


46. 中川隆[-10036] koaQ7Jey 2019年5月28日 18:44:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2315] 報告

ASHIDAVOX 6P-HF1 機器組込型 2016年02月04日
https://ameblo.jp/gomiya-blog/entry-12124989964.html


アシダボックスの6P-HF1、久しぶりに出会いました。

ASHIDAVOX

百種類以上のあらゆるフルレンジを所有していた時期があったのですが

その中でも友人・来客から郡を抜いて音楽性評価が高かったのがこのユニットです。


海外の銘フルレンジ・ユニットも色々使ってきましたが

これほどストレスなく軽やかに鳴ってくれるユニットはそうそうないと思います。

10年ぶりだろうか、、、未練のあったユニットだけに再開がとても嬉しい。


今でこそヤフオクなどで6〜15万などという海外の銘機たちと渡り歩く価格をしておりますが、

60年代の記事を見ると定価はなんと、870円!!!!

ASHIDAVOX

あまり知られていないのですが、

実はこのユニット、今でも市場よりも遥かに安く手に入る方法があるんです。


ASHIDAVOXはもともとは拡声器などを作るメーカーで家庭用品よりも業務用が本業です。

その為とある映写機やオープンデッキ、館内放送用スピーカーなど

私が実際バラして抜いた品だけで10種類のアイテムにOEMとして組み込まれておりました。


興味ある方は、是非探してみてくださいね。

そして、このユニットの音質の秘訣はやはりコーン紙が大きいと思います。


ASHIDAVOX


フィクスドのエッジ部のこの薄さ、そしてコーン紙の深めなカーブ

三極管の真空管と鳴らすと本当に素晴らしいです。


さて、実家にボロの箱があったとおもうので近々とってこよう。
https://ameblo.jp/gomiya-blog/entry-12124989964.html

47. 中川隆[-10035] koaQ7Jey 2019年5月28日 18:45:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2316] 報告

フルレンジSPに戻った方 Part3 - 1417941619 - したらば掲示板
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1417941619/

200: RW-2 :2016/01/10(日) 02:59:54 HOST:159.229.156.59.ap.yournet.ne.jp

今日はパイオニアのPIM-20Aをまったりと鳴らしておりました
パワーアンプは EL84の3結ppでパワーは4W程度です。

EL84などと言いますとキザっぽいのですが、なんのことはない6BQ5のことです。ビーム管でもない5極管ですから、昔はペン音として忌み嫌われていて6F6/42などと並び好まれない球の一つでしたが、実際に自作してみますと悪口を言う御方は少ないですね。3結にしましたのでより上等。

すてれお道に入門した40年ほど昔はこの手のスピーカーユニットしか買えませんでした。

コーラルの6A-7やアシダの6P-HF1が@1000円前後。

三菱のP-610やパイオニアPE-16が@2000円くらい。
PIM-16Aは2〜300円安かったと思います。

PE-20や松下のゲンコツは高値の花。

PIM-20Aは16Aの20cm版で2トーンデザインが素敵です。

最近は良い音を求めるよりも懐かしい音を求めるようになってきました。
音楽に感動し始めたあの頃の音です。レンジも解像度もペケですから音には期待しません。
音に神経を尖らせませんから音楽に没頭できます。音楽を楽しむはこの程度で宜し。


201: SAT-IN :2016/02/06(土) 13:47:18 HOST:43.75.239.49.rev.vmobile.

アシダと言えば6PのASHIDAVOX(アシダ音響)はヘッドフォンやイヤホンのメーカーとして健在しています。

その6Pの上8Pが今になってオークションで17万19万ですから、世の中わからない。
メーカーに当時のノウハウが残っているならば復刻されては如何でしょうか。


217: トランジスタ :2017/04/02(日) 15:55:03 HOST:FLA1Abs091.osk.mesh.ad.jp

Wharfale Super 8/RS/DD
50年前に買ったダブルコーンフルレンジ。

エンクロージャをいろいろ変えて愛聴してきた。ARU付き大型箱から超小型の自作箱まで。最後に選んだのは三菱製P610用の市販箱。

表面取り付けし吸音材交換。屈託なく大らかでとても明るい音がする。
特にヴォーカルが良くてドリス・デイ、バルバラ、岸洋子等をよく聴いた。
今は観葉植物の置き台状態でフルレンジに戻ることはないが、たまに懐かしくなり昔を楽しんでいる。


218: SAT-IN :2017/04/02(日) 18:27:23 HOST:dcm2-119-241-50-27.tky.mesh.ad.jp

ワーフェデール・Super-8はf特を見る限り、その平坦な特性にそそられるユニットです。
同じことはフィリッブスの3800だかにも言えることでして、フルレンジファンとして一度は試してみたいユニットです。


219: RW-2 :2017/04/03(月) 14:00:48 HOST:94.233.156.59.ap.yournet.ne.jp

ヨーロッパ勢(英国、独逸、蘭、チェコ等)のフルレンジのコーン紙は、薄くて
硬めでダブルコーンが多いです。

音も日本モノや米国モノと違って特徴がありますね。

英国モノは2〜3KHzを張り出させて高域を強調してたり。音が家宅構造での中低域に埋もれないような配慮かもしれません。

独逸モノはもっと上の5〜6KHzを強調している感じがします。
弦の音やスピーチの滑舌さを狙ってるのかもしれません。

いずれにしても分割振動と相まってカーカーコーコーした紙臭い音になるのは仕方ないですね。

しかしそれが悪いばかりではなく、その突っ張った音にリアリティを感じる方も多いので人気が衰えないのでしょね。

三菱の昔のP610始めアシダやコーラル、フォステクス等々にもその傾向はあります。音造りとして、いたし方ないところではあります。

JBLのLE8Tのように厚く内部損失を持ったコーン紙にすれば紙臭さは無くなるんですが、高域不足と感じたり、能率が落ちますからね。
軽快さか重圧な音か。両タイプ鎮座が吉か。


220: SAT-IN :2017/04/03(月) 17:51:44 HOST:dcm2-110-233-245-219.tky.mesh.ad.jp

コアキシャルは別にしてシングルやダブルコーンのフルレンジ一発で可聴帯域を平坦にカバーしようと言うのはどだい無理な話なんです。

それを百も承知で使おうとするのは何らかのメンタリゼーションが介在するからでしょうか。
あれも愛、これも愛、松坂慶子の歌じゃありませんが、あれもこれもオーディオなんですね。
エチルアルコールや純水を飲んだとて美味くないのと同じようなものかと思います。

かと思えば、当方は特性うんたらかんたらも垂れますから勝手なものです。


317: QS :2019/01/17(木) 19:58:33 HOST:dcm2-110-233-247-195.tky.mesh.ad.jp

アシダのフルレンジについて書こうかと思いましたが、持たずして語るより
検索してもらったほうが良いでしょう。

現行当時にマイナーなイメージしか持たなかったのは間違いでした。
評論家も誉めて金にならんものには関心が無かったかも?


>でっかい密閉箱で使います

何故か6半に関しては矛盾しているようでいて、正道なんですね。
P-610なんかも4chのリアスピーカー(オマケ)みたいな箱に入れて、いい加減に扱うと、まさに 4chのオマケみたいな音(オーディオ志向的には)しか出ません。
但し、意図してそれを狙うのも有りです。
今、昔のラジオみたいな音を出すのにP-610はハイファイ過ぎるかな?

321: RW-2 :2019/01/19(土) 11:46:09 HOST:127.236.241.49.ap.yournet.ne.jp

P-610は値段が倍しましたからね。

アシダのようなあの手の6半ユニットは重宝されてたんですね。

大型のラジオ用、電蓄用やスピーチ用で。磁気回路が小さいのが宜しい。
能率を上げるためコーン紙は薄くエッジ一体型。
コーン紙はエッジに近い程薄漉です。

アシダは当時貧乏人の味方長岡氏がさかんに使ったのでけっこう売れたと思います。

松下やパイオニアやコーラルにも同じようなユニット(@800円〜1000円)がありましたし、
東芝やコロムビアのその手の6半も持ってます。
その中でアシダは一番上等でしたね。

323: QS :2019/01/19(土) 12:28:27 HOST:dcm2-119-243-54-241.tky.mesh.ad.jp

アシダは ASHIDABOXの6P・8P が今になって称賛されてます。

このへんが現行当時は大して評価もされず消えていったのが不思議。
ステレオ誌にての試聴記事もパッとしない評価でした。

今さら持ち上げてみたところで吊り上げたいならいざ知らず、どうにも仕方のない話ですけどね
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1417941619/

48. 中川隆[-10034] koaQ7Jey 2019年5月28日 18:47:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2317] 報告

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/02/22 13:22 ID:???

20年ぶりにオーディオを再開しようと、ここをのぞいたものです。

むかしアシダヴォックスってあったけど……。
いまもありますか?


294 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/02/22 22:35 ID:DSGT5GRq
>>291さん

アシダ音響(商標 ASHIDAVOX)は存続してますが、売ってる製品のリスト見ると
ガッカリしますよ。別の会社だろ?って

http://www.ashida.co.jp/

でもオーディオ・メーカー(死語になりつつある)にOEMでヘッドホンなんか
を納めているようで、知らんうちに使ってるかもしれません。


298 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/02/23 02:30 ID:???
>>294
近所なので近くをよく通るのですが、あのアシダヴォックスの会社だとは思わなかった。
あまりきれいな建物ではなかったので(失礼)
そういえば、オーディオノートも倉庫みたいなところだったなア。
https://hobby.5ch.net/test/read.cgi/pav/1038673947/

49. 中川隆[-10033] koaQ7Jey 2019年5月28日 18:48:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2318] 報告

118 :ふじた:2001/06/05(火) 13:33

フルレンジは沢山使ったよ。いまも沢山持ってるよ。

今聴いてるのは、

JBLのD-130+2402、LE-8T、
EVのsp12、
ダイヤトーンP-610だ。


これらはJBLの大型ホーンシステムを聴いた後でも聴くに値するね。

コーラルも沢山もってるよ。

長岡のD-55もつくったよ。はじめはうろたえるくらい酷かったが
エージングで鳴り出した。来客を驚かすパフォーマンスには最適!
でも毎日聴いて安らげる音じゃない。たしかにHiFiなんだか。

やっぱりJBLのラッパらしいラッパの音、ボーカルにしびれる!
という音が好き。

P-610や、2S-305は派手さがないけど、しみじみといい音なんだよ。
昔の、実直で勤勉な日本人そのものだねぇ。

120 :40代のおじさん:2001/06/05(火) 18:17

>>118 さんからP-610の話が出ましたので。

No13 P-610DB ダイヤトーン
昭和20〜30年代生まれのラジオ少年、ステレオ少年達は6半と言わ
れた16センチフルレンジから、この道に入ったと言う方々が多いと思
います。私もその一人です。


当時の一般的な6半は、

アシダやコーラルの物が1000円前後。

オンキョーの赤いコーン紙の物がちょっと高くて、

BTS規格品のパイオニア PE-16と三菱のP-610Bが2000円弱だったと思います。

ダイヤトーンスピーカーシステムは当時から羨望の製品であり、6半でさえ、ダントツの人気がありました。

P-610Bのコーン紙に貼られた金色のダイヤトーンのシールも誇らしげでありましたし、手にした12歳の少年にとって人生最大の感動でした。

適当な箱を作り、最高の音だなと言いながら、毎日毎日聞いていました。

今、考えれば高音も低音も出てなかった筈ですが、ボーカル帯は下手にFiFi調ではなくて、自然な感じで良かった記憶が残っています。

 1980年頃CD時代が幕を開け、なんとP-610が一新されました。

アルニコタイプのDB。フェライトタイプのFB。矢紙がゴム製となり、エッジがフラットからロール型へ。

なんとチタン製のセンターキャップ付き。値段も3倍になりましたが、すぐに飛びつきました。

昔の感動をもう一度です。しかし感動は蘇りませんでした。

エッジの変更やボイスコイルの放熱等で入力は2倍以上に上がりました。低音の量感と高音の冴えは一聴して判りました。かなりHiFi調に変化していました。
ただ、低域の音像は定まらず、高域は線が細く多少シャクレた音で、ややハスキーボイス。あのリアルな中域が引っ込みぎみで残念でした。

これはこれで非常に良いユニットに違いありません。
ただ6半にしてはいろいろ詰め込み過ぎたかなと思います。

このユニットにはデジタル時代を迎えて葬り去られようとしているP-610に対し、50年の歴史を踏まえ最大の技術を投入した、ダイヤトーンの愛情と執念を感じました。   最終型は手にしていません。
http://mimizun.com/log/2ch/pav/991178100/

50. 中川隆[-10032] koaQ7Jey 2019年5月28日 18:49:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2319] 報告

【ほのぼの】フルレンジ4本目【点音源】

1 :これで十分@お腹いっぱい:04/04/10 23:44 ID:djGS9hjf

Hi-Fi創生期から庶民に愛し続けられたフルレンジ
そのマターリな味わいを語らいましょう


2 :これで十分@お腹いっぱい:04/04/10 23:45 ID:djGS9hjf


今まで出てきたユニット

 Fostex:FE83、FE103、FE107、FF125、FX120、FE208

 ダイトー:DS-16F、DIY Audio:SF80AMG、Tangband Speaker:W3-582SB

 ダイヤトーン:P610、パイオニア:PE-16M、パナソニック:20PW09(ゲンコツ)

 コーラル:BETA-8、FLAT-8、アシダヴォックス:6P-HF1、ロイーネ:RA-160

 Jordan:JX92S、JX62、Bandor:50ADW、JordanWatts:モジュール・ユニット

 Lowther:PM6A、AES:MK1、PHY-HP:KM30

 Altec:205、405、755E(パンケーキ)、JBL:LE8T、D130、Jensen:P8R

 Siemens:6W、Philips:AD2700M、リチャード・アレン:Golden8
 


3 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/10 23:53 ID:JRvYpCRr

テレフンケンあたりを聴いてみな

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/10 23:54 ID:JRvYpCRr

グッドマンもあるな

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/11 01:49 ID:zx6gJtx7

ゲンコツも。


172 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/05 11:47 ID:j62peR

グットマン 80,201,301
WE 728B,TA-4151A

も良かったな


173 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/05 11:59 ID:xWijbJHt

WEでフルレンジと呼べるものは755だけですが?(ようするに戦後の設計のみ)


166 :鉄人:04/05/05 10:59 ID:vIu9idMB

テクニクスのフルレンジが生産終了になるようですね。ショックを受けた私は
K無線に注文しました。夏までに注文を入れておけば良いとのこと。


176 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/05 12:47 ID:lDyziOGa
>>174
16F10なんてまだ在ったんだ。。。とっくに無くなってたかと思ってた。
適度な硬質感が70年代歌謡曲に似合ってたような甘酸っぱい思い出があるよ。


177 :172:04/05/05 12:56 ID:j62peRQe

Technics 国産では一番好きでした。
最近は聞いた事ありませんがクセもなく気持ちのいい音ですね、おいらも買っておこうかな


178 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/05 14:22 ID:Q9TYZcYv

F100シリーズは、オーディオ用じゃないけど、
ボーカルが飛んでくる感じで好きだった。
適当に小さめの密閉箱に入れておけば、AV用には今でも最適じゃないかと・・
F10、F20使ったことある人、お奨め教えてください。


183 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/06 19:39 ID:M+SXpYOf

ひょんなことで入手した10F100。

178氏の言うように、確かにオーディオ用ではない、と言う表現がこのユニット総てを語って足りると思う。

長岡氏の言っていた「女性ボーカルの口が大きくなってしまう」のとは違う、独特の周波数特性を持つ「特徴」のユニットであることは間違いない。

良い悪い・好き嫌いは置くとして、確かに個性の強いユニットで、いわゆる純粋なオーディオを楽しむには少々アレだけど、音楽を個性的に演出して、積極的に楽しもうとするには、 実に頼もしい仲間かも知れません。

言い方が悪いけど「根暗な方が鈴木亜美のファン」だとしたら、これを使えば絶対に明るい日常を演出出来ます。

超リニアな特性に、眉ひそめてバッハの管弦楽組曲を聴く様な音楽ファンではなく、どちらかと言うとカラオケ大好き、大塚愛で行こうと言う感覚の「演出」承知の音楽ファン向き、かな。

165 :もぐもぐ ◆x9IoVFUeJ2 :04/05/05 10:41 ID:pFZDKPGi

私の言う昔(まだそんなに年取ってないので)の16cmは

アシダボックスの6P−HFI
オンキョーのFR−16A
ダイアトーンのP610(91dBなのであまり高能率ではありませんけど)
パイオニアのPE−16
フォステクスのFE163
フィリップスのAD7063/M8
LOWTHERのPM−6(MKI)

とかです。(オーディオ的にはそんなに昔ではないでしょうけど)

私も20cmにはTWを追加しています。やはり高域は改善したいですね。(^−^)


168 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/05 11:30 ID:cCu2+FDF
>>165
十分にリアル昭和30年代という感じでつね。
アシダボックスなんて誰もシラねぇ(w

でもいずれも高能率とはいえない。95dBが最低ラインだろう。
それにローサーは20cmですな。勢いがあってイイ香具師だけど。
単純に昔のロクハンがいい。。。それだけだったのでは?


179 :もぐもぐ ◆x9IoVFUeJ2 :04/05/05 16:03 ID:pFZDKPGi
>>168さん
家の保管庫にある古いものを列挙しました。
アシダボックスについては現物があるというだけでそれ以上の事は資料も何もないのでわかりません。


185 :もぐもぐ ◆x9IoVFUeJ2 :04/05/06 23:16 ID:daYpAcjM

アシダボックスは昔プアなフルレンジユニットをオーディオ用として作っていました。今はヘッドフォンだけになってしまったようです。

フルレンジのまったり度はP610より上ではないかと思うような音色でたまりませんわん☆


186 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/06 23:25 ID:HQI53Vxh

まぁ、見えっ張り子さんの登場よ。
アシダボックスってなにかしら?
10minボックスならたまに見るけど・・・

http://www5b.biglobe.ne.jp/~tritium/8phf1.htm


187 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/06 23:44 ID:0+PN0iCp
>>185
アシダボックスは決して「プア」ではないよ。
むしろパリッとした極薄コーンのフィックスド・エッジで良質の古レンジの軽くて張りのあるコーンそのまま。
P610より低音が出るタイプと訊きました。
ヘッドフォンだって70年代ではプロ用のシェアNo.1ですよ。

洋モノ以外だとdだこと言い始める。困ったもんだ。
だいたいデッドストックで持ってる人って昭和40年代にオーディオやってた人だよ。
有名じゃない分、中古でも手に入らないんだから。


188 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/07 02:51 ID:OgKgVzlZ

以前のスレにも書いたと思うけど、アシダヴォックスの6P-HF1が一つだけ生き残ってる。
これを後面開放の奥行きの浅い小型BOXに取り付けて、モノラル専用のシステムとして6V6シングルAMPで使用中。

音はたしかに >>187氏のいうような傾向だったが、 今はだいぶんヘタレになってきてる。
しかし、それはそれなりに、往時をしのぶ物として存在価値あり・・て所。


190 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/07 20:24 ID:h3S8i+jd
>>188
6V6シングルですか。。。イイですね。
昔の古レンジを鳴らすとき、6V6か6BQ5か悩むときがあります。
3極管とは違った隈取りが音楽を面白くしますね。


191 :もぐもぐ ◆x9IoVFUeJ2 :04/05/07 23:06 ID:VZ/qyEvt

アシダボックスはフォステクスと並んで販売されていた時代に16cmユニットで
定価が1450円で販売されていたようです。

コストパフォーマンスを考えると当時は最強だったのではと思います。

新品箱入りが10個くらいありますけど、へたれてはきていないようです。
保管管理がしっかりされていれば劣化はあまりないようです。


192 :もぐもぐ ◆x9IoVFUeJ2 :04/05/07 23:35 ID:VZ/qyEvt
>>187さん
>昭和40年代にオーディオやってた人だよ。

そうとは言い切れないと思います。だって私の家にもあるんだもん☆(^−^)

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/08 00:11 ID:/kKmcYko

>>188レスです。

>>190
回路や外観も出来るだけ「当時」の雰囲気で・・・、
深シャーシー上にトランスやら真空管載せて前に矢型ノブつけたデザインです。

>>191
「へたれ」て来てるていうのはもう長年つかいこんだから(w
わたしゃ、これ大阪の日本橋で¥750で買ったよ。

でも、新品箱入りが10個!
いまじゃ一つ¥10000近い値段で取引されてるらしいよ Y(@O@)Y


194 :もぐもぐ ◆x9IoVFUeJ2 :04/05/08 00:36 ID:h1AzORd2

え!?定価1450円なのにどうしてそんなに高いのですか???

今のオーディオ環境を考えますととても能力的に不足している部分が多いって
思いますけど。年配の方が昔を懐かしんでいるためでしょうか??
(10000円あればもっといいユニット買えるのにぃ)


195 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/08 00:51 ID:/kKmcYko
>>194
もう無いから?
以前MJ(無線と実験)で話題になったから?

私にもわっかりましぇ〜ん!! (w

https://hobby3.5ch.net/test/read.cgi/pav/1081608260/

51. 中川隆[-10030] koaQ7Jey 2019年5月28日 19:08:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2321] 報告

ASHIDAVOX 6P-HF1 銘器 ペア 美品 フルレンジ アルニコ

名機 6P-HF1
アシダボックス・アシダ音響社製 16cm フルレンジ ペア 美品です。

超軽量な美濃和紙のコーン紙は、センターが比較的厚めで外周にかけて
徐々に薄く仕上がられ、エッジは向こうが透けて見えるほどの極薄です。

この美濃和紙コーンから(決して大袈裟でなく)素晴らしい音を奏でます。

かつて、日本の職人さんの技術は芸術の域に達していたことが、本品や
20cmフルレンジ 8P-HF1 を聴くことで伺い知れます。

生産終了から半世紀が経ち、残念ながら次世代への技術継承が途絶えたため
今となっては日本中で大切に保管されている僅か100-200本ほど、実はもっと少なくて数十本かもしれません。

この希少価値と高音質を、是非ご堪能ください。

http://hoshikatta.ciao.jp/otoku/vol2/2015/12/19/ashidavox-6p-hf1-%E9%8A%98%E5%99%A8-%E3%83%9A%E3%82%A2-%E7%BE%8E%E5%93%81-%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8-%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%82%B3/

52. 中川隆[-10018] koaQ7Jey 2019年5月29日 13:07:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2334] 報告

ASHIDAVOXのSPシステム
http://www3.ezbbs.net/cgi/reply?id=1000zxl_ko&dd=38&re=4646

名前:Moca 日付:7月3日(金) 13時28分

Original Size: 513 x 450, 62KB
https://audio-heritage.jp/ASHIDAVOX/speaker/ads-61.html

6P-HF1(4Ω)が2個入ったシステムなんだそうな・・・。

こんなの出してたんですねェ。
初めて知ったぞ、こんな物体!

1960年代の初め頃は、モノからステレオに移行しようとしてた時代、
横に長い形は、まだモノ時代の名残りとも思えるし・・(JBLのハークネスなんぞも同類?)

しかし、当時で¥13600とは!!!
ユニットの価格に比して高すぎなんじゃァないの?
結局は売れなかったんだろな(-人-)

ココのサイトに詳しいこと載ってる

https://audio-heritage.jp/ASHIDAVOX/index.html


4648.Re: ASHIDAVOXのSPシステム
名前:通りすがり 日付:7月3日(金) 22時57分


アシダ音響(株)

現在は、ヘッドフォン、イヤホン、宣伝などで使うトランペットスピーカを作っていますね。
こちらの本命サイトも面白いと思います。

http://www.ashida.co.jp/


ちょっとだけ古い物が整理棚に有ったので載せておきます。

カセットウォークマン13年ほど前の物(ソニーWM-EX3)
ブック型ラジオ(20年ほど前?)
どちらも動きます。

4652.Re: ASHIDAVOXのSPシステム
名前:ハニカミオヤジ 日付:7月5日(日) 1時9分

アシダの 6P-HF1 は昭和32年(1957)11月に発売されて
モデルチェンジされずに昭和55年(1980)迄は発売されていましたから
かなりのロングセラーだったのですね。

大昔のオデオフエアで全く人気の無かったアシダのブースに立ち寄って
アンケート用紙に答えたらデモンストレーション用のカセットを貰ったことを
思い出しました。


4653.Re: ASHIDAVOXのSPシステム
名前:杉ちゃん 日付:7月5日(日) 8時27分

Moca殿、

米マグナヴォックスの流れを汲むアシダヴォックスは、コーン質量が従来の半分というMRコーンを開発し6PH-F1と8PH−F1を作りよりましたが、

フルレンジとしては驚異的な30〜15KHzという周波特性を誇り
当時の価格¥680円!!というコレマタ驚異的な価格で、多くのゲルピンオーディオファンを作りましたがなぁ〜。

ノースさんが最近まで箱に入れて売ってたそうで、家庭で聞くには十分な性能でした。


4654.Re: ASHIDAVOXのSPシステム
名前:杉ちゃん 日付:7月5日(日) 8時29分


そのノースサウンド社が作った箱入りスピーカー

http://www3.ezbbs.net/38/1000zxl_ko/img/1246750143_1.jpg


4656.Re: ASHIDAVOXのSPシステム
名前:Moca 日付:7月5日(日) 16時4分

>通りすがり殿

この会社は本来、俗に言うトランペットスピーカーやヘッドホーン等がメインの会社だそうで、Hi-Fiユニットはどちらかというと、副業的にやってたみたいです。

>ハニカミオヤジ殿

6P-HF1は、特に故長岡鉄男氏の推薦などもあって
結構ヒット作と相成ったらしいですねェ。

ただ、年々コスト高になって長岡氏曰く「ローコストの名器」といった
長所(?)が次第に薄れていったのは残念な結果か・・・。


>杉ちゃん殿

ソコのサイトでは、欧米の、名だたる名ユニットと並び、
堂々たる風格でUpされとりますな。

それにしても、UpしたこのSPシステム、
大きさが本体だけで

860(W)/440(H)/390(D)mm
更に脚部の高さが305mm

となんとも当時出てきかけたステレオ電蓄(俗にアンサンブルステレオ)
に匹敵するデカさ!!

コリャ当時(も今も?)の日本の住宅事情では一台置くのも大変だわ
ましてやステレオで・・・なんて無理ポイわな。

4657.Re: ASHIDAVOXのSPシステム
名前:Moca 日付:7月5日(日) 16時10分

しかしこの形
ユニットを左右に独立させて、バスレフポート部分は共通の、
いわば「メカニカル2.1Ch」なんちゅうモンをデッチ上げる悪巧みを
喚起させるスタイルじゃわな。

4660.Re: ASHIDAVOXのSPシステム
名前:杉ちゃん 日付:7月6日(月) 12時38分

Moca殿
6PHF-1を使ってテッチャン設計の屏風SPを作ってらしゃったですね、
小生もサブロクのベニアに取り付けて、使ってましたが、

このSPはコーン紙がちり紙みたいにヤワなので、バスレフとか密閉は無理みたいです。

しかし、前記のようなバッフルに取り付けると、コンデンサーSPみたいな軽やかな音が楽しめます。

残念なのは四半世紀も経つとエッジがボロボロ・・
というより無くなっちゃってます。(笑)


4661.Re: ASHIDAVOXのSPシステム
名前:Moca 日付:7月7日(火) 0時7分

屏風型バッフルは意外と場所取るんよね。

http://www3.ezbbs.net/38/1000zxl_ko/img/1246892842_1.jpg

なるほど、折りたたんだら家具の隙間に押し込めるかもしらんが、
いちいち聴くたびに展開はチト面倒な・・・。

何回かの引越しなんかで、ユニットは一個破損、
今は生き残った1ユニットを、浅い後面開放箱につけて
モノ専用となって今だに現役で鳴っとります。

4664.Re: ASHIDAVOXのSPシステム
名前:Moca 日付:7月8日(水) 0時30分

ユニット自体、長年使い続けてかなりヘコが来ておりますのでねェ(笑)

しかし、ココまで来れば愛着も湧くというもの・・・(^ω^)

http://www3.ezbbs.net/cgi/reply?id=1000zxl_ko&dd=38&re=4646

53. 中川隆[-10010] koaQ7Jey 2019年5月29日 13:42:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2342] 報告


という事で、世界のスピーカー史上最高の音質の装置は


20cmコーン型フルレンジユニット ASHIDAVOX(アシダボックス)8P-HF1

を巨大なバッフル板に取り付けたもの



STAX ELS-8X
¥500,000(1台、1985年頃)
¥684,000(1台、1990年頃)
https://audio-heritage.jp/STAX/speaker/els-8x.html


でしょう。

適合アンプは

ASHIDAVOX は 出力 数ワットの三極管シングルアンプ

STAX は純正アンプ

STAX セパレートアンプ一覧
https://audio-heritage.jp/STAX/amp/index.html


マジコ とか YGアコーステックス程度では絶対に敵わないです。

▲△▽▼

甦れSTAX ELS-8Xコンデンサースピーカー
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-04-05

(5)i氏山荘(5)圧巻ASHIDAVOX、755E GOLDEN8 CD408 403A 他を圧倒
**「美濃和紙」の超軽量コーンASHIDAVOX 20cmが往年の内外著名SPを圧倒**
http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-26


▲△▽▼


ヤフオク! -「ASHIDAVOX 」- 中古品の落札相場、落札価格
https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch?auccat=&tab_ex=commerce&ei=utf-8&aq=-1&oq=&sc_i=&exflg=&p=ASHIDAVOX+HF1&x=0&y=0

54. 中川隆[-10003] koaQ7Jey 2019年5月29日 15:46:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2349] 報告


>アシダボックス 8P-HF1 の背面の写真のコーンをよく見ると、紙の表面の状態が少し観察できる。
>エッジ部(フィックスド・エッジ)は繊維が粗になっており、向こうの光が透けて見えている

アシダボックス 8P-HF1 の様な音が良いスピーカー・ユニットはすべてフィックスド・エッジだった


最大の特徴はエッジがコーン紙の延長でできているフィックスド・エッジである
エッジの材質が音質の大半を決めてしまう非常に重要な要素である

極めて大事なことなので再度言います

「エッジが音を決める!」

このフィックスド・エッジならウレタンやゴム系のように経年変化でボロボロに朽ち果てることは無い

それだけではない

ウレタンやゴム・エッジより能率が高く、最も重要な過渡特性(音の立ち上がりと立ち下がりのこと)が抜群によい

これが最強無敵で抜群の音質の根拠である

製造後およそ40年以上が経過しているというのにエッジ、コーン紙、フレーム、マグネットすべて新品のようにとてもきれい

昔使用していた 38cm・4wayの JBL4343 はわずか10年でエッジはボロボロに朽ち果ててしまった

今となっては ただの箱であり下駄箱にもならない
これは本当にスピーカーであったのであろうかと思う

プロ用と称していたこのスピーカーは評論家の瀬川冬樹氏がステレオ・サウンド誌で べた褒めしたため一世を風靡したものである

この JBL4343 はほとんどの大小メーカー及びほぼ100%の全国の販売店に採用され、考えられないほど多くのマニアが購入した
オーディオ界始まって以来の極めて異常な現象が全国で起きたのである
エッジがボロボロに朽ち果てるものでこの評論家と雑誌社は大儲けしたという話は有名だ。
ところが、瀬川冬樹氏はある問題で資産のすべてを失い、ガンでアッという間に旅立ってしまった
46歳という若さであった


スイス デュアル 西ドイツ工場製 完全オリジナル 楕円フルレンジ・スピーカー・システム

音質:

極めて質の高い本格的な音を聴くことができる
この音質こそが本物の真の音楽を聴くことができる音である
ずば抜けた音楽表現力がある
これは薄っぺらい安物の音ではない

例えると、特上の にぎりやサーロイン・ステーキである
並みとは旨さや旨味の密度がまるで違うのである
旨いものを食べたとき 旨味が口いぱいに広がるような
そういう音である

クラシックだろうがジャズだろうがボーカルであろうが抜群によく鳴ります
なぜならフィックスド・エッジだからである

ライブ盤では部屋いっぱいに音が広がり あたかもその会場にいるようだ
演奏者の息使い、ライブ会場の空気感まで明瞭に再生でき、実に楽しく音楽が聴ける
ヴォーカル、ピアノ、ベース、ヴァイオリン はあまりにも生々しい真実音である
シンバルはツイーターがついているかのような鳴り方である
バスドラやベース、チェロは踊るようによく弾み、ふくよかでありながらよく締まって、ボケずに音の輪郭や音程が明瞭に聴き取れて気持ちがよい
低音の量感は申し分なく、質も極上である

目の前で自分のために唱ってくれているような、そして、演奏をしてくれているかのようで手を伸ばすと届きそうな感じさえする
この盤はどう鳴るだろう、あの盤はどうだろうと、次々音楽が聴きたくなる音です
音の品位がよく、格調高く、彫りの深い音です
音楽の歓びや哀しみ、心を熱くする音楽表現力が抜群に優れている
ときには あたかも美しい女性の瞳が潤んでいるかのような表現力にウットリする
愛を燃やし、心を溶かし、綿みたいな雲の乗って深い感動の世界で時を忘れて朝まで聴いてしまう
心に染み入り夢心地の幸せに満たされる
とくにジャズはノリノリとなり、跳ね、踊り スイングし、エネルギーが爆発する
声は張りがあってよく通り生のような真実音
オーケストラは立体感があり、トゥッティにも優れていて生を彷彿とさせる 堂々たる鳴りっぷりである

フィックスド・エッジのため音量を絞ってもつまらない音にならず いい音で鳴る

これが最も大事なことである


そして、「音が矢のように飛ぶ!」

フィックスド・エッジの音の特徴は超ハイ・スピードに音が飛ぶことである

こうゆう音は聴いていて気持がよい

それだけではない

微弱信号が楽々再生できることである

これが最も重要であり大事なことである

では「飛ぶ音」 とは一体どんな音なのか。言葉で正しく伝えるのは難しく
これは体験してみないと分からない音かもしれない

WE(Western Electric) や Siemens の劇場用スピーカーは まず音が矢のように飛ばなければ使い物にならない
なぜなら、最後部の客席まで 例えば大地を揺るがす大砲のとどろきから 恋人のささやきや 虫の音(ね)まで かすかな音も明瞭に届けなければならない

1982年 当時大流行していた JBL 4343 (38cm・4way 60万円した) を使用していたが
これがまったく音が飛ばない

プロ用であると宣伝していたが 官僚の国会答弁と同じ「ウソ」であることが後に分かったのである

当時日本中の中〜上級者が瀬川冬樹という一人の評論家とステレオサウンドという雑誌社の「ウソ」に引っかかったのである
JBL4343 を購入した多くのマニアが騙されたのである
日本オーディオ史上初のマニア、販売店、多くの業界関係者、多くの大小メーカーを巻き込んだ大事件に発展していった

瀬川冬樹氏の急死と共に JBL4343 への熱病は急速にしぼんだ

Accuphase の M100 500W×2 で鳴らしていたが これまた、まったく音が飛ばないアンプであった
この飛ばない柔なアンプが100万円したのである

この時「音が飛ばない」スピーカーとアンプがあることが分かった
60万円のスピーカーも100万円のアンプもまったく飛ばなかったのである
飛ばない同士の組み合わせは最悪であった
あゝ160万円の授業料である
この当時のコンポーネントとしては最高級の組み合わせであったが、バカなことをしていたものである

では一体「飛ばない音」とはどんな音なのか

それは、スピーカーのまわりに音がまとわりつき 、聴き手に音が矢のように飛んでこない
そして、たいてい低音が引きずるように重く、特にドスン ドスンというような質のよくない低音は気分が悪くなり 聴くに耐えない。JBL4343 がこのような低音であった
こんな低音ならないほうがましだ

いくらボリュームを上げても飛ばない音は絶対に飛ぶことはない
ボリュウームの問題ではないからだ
例え小さな部屋で小音量で聴く場合であっても この「飛ぶ音」はがぜん威力を発揮する

優れた 「音が飛ぶ」スピーカーは音量を絞っても「つまらない音」とはならない
なぜなら、音楽の旨味成分である微細なニュアンスや倍音等の微弱信号も楽々再生できるからである

単なる大音量なら大抵のスピーカーは鳴る
ところが、微弱信号はどんなスピーカーでも再生できる訳ではない。ここが一番重要なところである

出来のよくないスピーカーほど微弱信号の再生が不可能となるため「つまらない おおざっぱな音」となり
大事なニュアンスが伝わらなく音楽にならないため面白くも何ともない

『スピーカーの優劣を判定するには音量を絞って微弱信号の再生ができるかどうかを聴くとすぐ分かる』

一度「飛ぶ音」を経験すると飛ばない音はもう聴く気がしないであろう

それにしても、JBL4343 も Accuphase も高価なだけに あゝ本当に「罪深い」と思う


例えばこの盤では:

ジャズ・ヴォーカルの名盤「ヘレン・メリル ウイズ クリフォード・ブラウン」(米Emarcy)
ヘレン・メリルのハスキーで洗練されたセンスとしっとりした情感やデリケートな表現が心に伝わって
自分のために唱ってくれているようで、手を伸ばすと届きそうな感じさえする
昔小さなライブ・ハウスでまじかで聴いたことがあるが、そのときを彷彿とさせるリアルさである

フィックスド・エッジによりずば抜けた美しい音質となっているのが大きな歓びである
あゝ深い感動の世界だ!
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o237764088


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ヤフオク 独 SIEMENS COAXIAL

過去3ヶ月の「 COAXIAL 」の統計データ情報
「COAXIAL」 に関する落札商品は全部で 98 件あります。

平均落札価格 9,532 円
最高落札価格 146,000 円
最低落札価格 100 円

独 SIEMENS COAXIAL/シーメンス コアキシャル 25cm 同軸2ウエイ・スピーカー・システム 平面バッフルの完動中古品のペアです。

コアキシャルは上級者の間で あまりにも有名である。
この音を聴くと他のスピーカーは雑魚(ざこ)同然に思うであろう。
コアキシャルは終生の伴侶≠ニなりうるスピーカーである。
コアキシャルはオイロダインと同じフィックスド・エッジである。
このエッジならウレタンやゴム系のように経年変化でボロボロに朽ち果てることは無い
これが本物のプロ用である

昔使用していた 38cm・4way の JBL 4343 はわずか10数年でエッジはボロボロに朽ち果ててしまった
今となっては ただの箱であり下駄箱にもならない
これは本当にスピーカーであったのであろうかと思う。

プロ用と称していたこのスピーカーは評論家の瀬川冬樹氏がステレオ・サウンド誌で べた褒めしたため一世を風靡したものである。
エッジがボロボロに朽ち果てるものでこの評論家と雑誌社は大儲けしたという話は有名だ
ところが、瀬川冬樹氏はある問題で資産のすべてを失い、ガンで46歳という若さでアッという間に旅立ってしまった
あゝ無常 哀れなり

SIEMENS COAXIAL の音質:

まるで次元の違う別世界の音である
この劇場用の音はいくら言葉で説明しても実際に聴かないと分からないかもしれない
この音を聴くと他はあまりにも柔(やわ)で聴くに耐えないであろう
生々しい真実音、圧倒的リアリティー、高解像力、高音楽表現力、超ハイ・スピードである
抜群の高音楽表現力により、実に楽しく音楽が聴ける
聴き手の心を揺さぶり感動の世界で幸福感に満たされる
これらは他のいかなるスピーカーとも大きく異なっている

クラシックだろうがジャズだろうがボーカルであろうが抜群によく鳴ります
なぜなら、音の立ち上がりや立ち下がり のことを過渡特性というが これが抜群によいからです
過渡特性のよくないスピーカーからいい音を引き出すことは不可能と言ってもよい

ライブ盤では部屋いっぱいに音が広がり あたかもその会場にいるようだ
演奏者の息使い、ライブ会場の空気感まで明瞭に再生できる
ヴォーカル、ピアノ、ベース、ヴァイオリン は生々しくあまりのリアルさにゾクッとする
バスドラやベース、チェロは踊るようによく弾み、ふくよかでありながらよく締まって、ボケずに音の輪郭や音程が明瞭に聴き取れて気持ちがよい
ヴォーカルは目の前で自分のために唱ってくれているようで手を伸ばすと届きそうな感じさえする
声は張りがあってよく通り生のような真実音
この盤はどう鳴るだろう、あの盤はどうだろうと、次々音楽が聴きたくなる音です
音の品位がよく、格調高く、彫りの深い美しい音です
音楽の歓びや哀しみ、心を熱くする音楽表現力に極めて優れている
音楽の感情表現力が凄いのである 他のスピーカーではこうはとても行くまい
ヴァイオリンもピアノも響きがキリッとしていて、しなやかでリアリティがある
ジャズは「水を得た魚」のようであり、エネルギーが爆発する すさまじさがある
オーケストラは立体感があり、トゥッティにも優れていて生を彷彿とさせる 堂々たる鳴りっぷりである
フォルティッシモでは部屋の空気を揺るがす強烈なパワーに本当に鳥肌が立つ

最も大事なことは、

本当にいいスピーカーは必ずかすかな音や演奏者の息使い、会場の空気感まで明瞭に再生できる
音量を絞ってもつまらない音にならず いい音で鳴るのが本当に優れたいいスピーカーである
そして、「音が矢のように飛ぶ!」

こうゆう音は聴いていて気持がよい。

では「飛ぶ音」 とは一体どんな音なのか。
言葉で正しく伝えるのは難しく、これは体験してみないと分からない音かもしれない。

ウエスタンやシーメンスの劇場用スピーカーは まず音が矢のように飛ばなければ使い物にならない。
なぜなら、最後部の客席まで 例えば大地を揺るがす大砲のとどろきから 恋人のささやきや 虫の音(ね)まで かすかな音も明瞭に届けなければならない。

1982年 当時大流行していた JBL 4343 (38cm・4way 60万円した) を使用していたが、これがまったく音が飛ばない。
プロ用と称しながら玩具同然である。

Accuphase の M100 500W×2(この超弩級ハイパワー・アンプは100万円した)で鳴らしていたが これまた、まったく音が飛ばないアンプであった。
玩具同然のアンプであったと言わざるを得ない。 100万円の玩具である。

この時「音が飛ばない」スピーカーとアンプがあることが分かった。
飛ばない同士の組み合わせは最悪であった。
この当時のコンポーネントとしては最高級の組み合わせであったが、バカなことをしていたものである。

では一体「飛ばない音」とはどんな音なのか。
それは、スピーカーのまわりに音がまとわりつき 、聴き手に音が矢のように飛んでこない。
そして、たいてい低音が引きずるように重く、特にドスン ドスンというような質のよくない低音は気分が悪くなり 聴くに耐えない。JBL4343 がこのような低音であった。
こんな低音ならないほうがましだ。

いくらボリュームを上げても飛ばない音は絶対に飛ぶことはない。
ボリュウームの問題ではないからだ。
例え小さな部屋で小音量で聴く場合であっても この「飛ぶ音」はがぜん威力を発揮する。
優れた 「音が飛ぶ」スピーカーは音量を絞っても「つまらない音」とはならない。
なぜなら、音楽の旨味成分である微細なニュアンスや倍音等の微弱信号も楽々再生できるからである。

単なる大音量なら大抵のスピーカーは鳴る。
ところが、微弱信号はどんなスピーカーでも再生できる訳ではない。ここが一番重要なところである。
出来のよくないスピーカーほど微弱信号の再生が不可能となるため「つまらない おおざっぱな音」となり、大事なニュアンスが伝わらなく音楽にならないため面白くも何ともない。

『スピーカーの優劣を判定するには音量を絞って微弱信号の再生ができるかどうかを聴くとすぐ分かる。』

一度「飛ぶ音」を経験すると飛ばない音はもう聴く気がしないであろう。
それにしても、JBL4343 も Accuphase も高価なだけに あゝ本当に「罪深い」と思う。
https://aucfree.com/items/u190943639

詳細は

どうしようもないダメスピーカー JBL 4343 がバカ売れした理由
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/944.html


55. 中川隆[-10001] koaQ7Jey 2019年5月29日 16:00:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2351] 報告

アシダボックス 8P-HF1 の様な音が良いスピーカー・ユニットはすべてフィックスド・エッジだった _ 2

エッジの材質が音質の大半を決めてしまう非常に重要な要素である

極めて大事なことなので再度言います

「エッジが音を決める!」

このフィックスド・エッジならウレタンやゴム系のように経年変化でボロボロに朽ち果てることは無い

それだけではない

ウレタンやゴム・エッジより能率が高く、最も重要な過渡特性(音の立ち上がりと立ち下がりのこと)が抜群によい

これが最強無敵で抜群の音質の根拠である

製造後およそ40年以上が経過しているというのにエッジ、コーン紙、フレーム、マグネットすべて新品のようにとてもきれい

昔使用していた 38cm・4wayの JBL4343 はわずか10年でエッジはボロボロに朽ち果ててしまった

フィックスド・エッジのため音量を絞ってもつまらない音にならず いい音で鳴る

これが最も大事なことである


そして、「音が矢のように飛ぶ!」

フィックスド・エッジの音の特徴は超ハイ・スピードに音が飛ぶことである

こうゆう音は聴いていて気持がよい

それだけではない

微弱信号が楽々再生できることである

これが最も重要であり大事なことである


フィックスド・エッジによりずば抜けた美しい音質となっているのが大きな歓びである
あゝ深い感動の世界だ!
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/o237764088


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リムエッジの種類
ハイファイ堂メールマガジン第710号 日本橋店
http://www.hifido.co.jp/merumaga/nihon/170908/index.html


真空管アンプで鳴らすスピーカーですが、やはり定説として高能率のスピーカーとの相性が良しとされています。

しかしながら、真空管アンプにはその構造からトランジスタアンプと比べて中低域の太さが持ち味の一つとしてあります。

低域が鳴りにくい低能率のスピーカーをあえて真空管で駆動してみると思いがけない相性を生み出す時があります。是非一度お試しを。

また、低域が鳴りにくいというご要望はお客様からよく聞くことがあります。
箱(エンクロージャー)の構造や、ネットワーク、ユニット、色々な要因があると思います。
そんな中、今回はウーファーユニットのストロークを補助するリムエッジの種類について調べてみました。


____



[ウレタンエッジ]

JBLやTANNOYに代表される発泡ウレタン整形によるエッジ。非常に動きが良い上に負荷が少なくしっかりと固定出来ます。音質重視でストロークもあるので小音量からしっかりと仕事します。
唯一の欠点は劣化素材で約10年周期で張り替えなければなりません。


____



[布エッジ]

国産スピーカーでよく見られるベーシックなエッジ素材。
繊維にダンプ材を入れてストロークさせています。
圧倒的な耐久性から密閉型のスピーカーに適した素材。
ゴム系ダンプ材の為、長期にわたる使用で硬化してしまう難点があります。

もしご自宅のユニットがガチガチに硬くなっている場合は是非ご相談下さい。修理で豊かな低域が取り戻せます。


____


[ゴムエッジ]

今やもっともポピュラーなエッジ素材。
昔からある素材ですが、国内外問わず採用される事が増えたエッジです。耐久性の高さ、バリエーションの豊富さ等魅力満載。
素材自体にやや重量がありウレタンに比べると初動作が重いですが、近年のものは随分と改善が進んでいます。

____


[フェルトエッジ]

純正としてはもう見かけなくなったマニアック素材。
簡単に入手でき加工も容易、品質に大きなバラつきがないので自作派の方が使う事がほとんど。
エッジとしての仕事はこなしますが、エア抜けやほころび等性能はそれほど高くありません。


____


[革エッジ]

セーム革に代表される割とポピュラーなエッジ素材。素材を薄く出来るのでユニットの動きはピカイチ!しっかりと低域を出したい方にオススメです。
しかしながら、薄手で柔らかい素材ですのでうまく張ったユニットでなければすぐにセンターずれを起こしてしまいます。あまり大きなユニットにはおすすめ出来ません。
右記DIATONE610のような小径ユニットにおすすめ。

____

[エッジレス]

分類分けとして属さない気もしますが、その名の通りエッジのない作り。ストロークの大きいウーファーユニットには向きませんが中域・高域用のユニットに見られます。
とは言ってもユニット自体ある一定量はストロークしますのでコーン部分の柔軟性が必要になります。
左記B&Wユニットですとケブラーコーン(繊維の折り込み素材)でしなってエッジの役割の肩代わりをしています。


____



[コルゲーテッドエッジ]

エッジ部分をコルゲーション形状にしストロークを確保した形状。ギザギザに折り目を入れているものが主流ですが、フラットエッジ、コルゲーテッドエッジ、アップロールエッジ、ダウンロールエッジ、Vエッジ、切れ目付きエッジ等たくさんの折り方があります。

____


[フィックスドエッジ]

コーン紙の延長上をコルゲーション状にしてエッジにしたものです。繋ぎがないのでズレにくく高耐久。コルゲーションを増したもの、ウレタンフォームを上からかぶせたもの、ダンピング材を塗布したもの、コルゲーションに角度をつけたものなど様々なものがあります。PA等思いっきりパワーをかけて鳴らせる形状です。

____

色々な素材、手法によって考え出されたユニットエッジですが、一概にこれが一番と決めきれるものではありません。

ご紹介させて頂いた様にそれぞれに特徴があり長所・短所があります。
またエンクロージャーやユニットとの相性もあります。

なかなかすっと決めれるものではありませんが、自分の音探しの参考にして頂ければ幸いです。

株式会社 ハイファイ堂 日本橋店 東 貴之
http://www.hifido.co.jp/merumaga/nihon/170908/index.html

56. 中川隆[-9974] koaQ7Jey 2019年5月30日 06:32:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2378] 報告

ASHIDAVOX 8P-HF1 2010/12/1
https://blogs.yahoo.co.jp/dotata/18264788.html


愛用のスピーカー 8P-HF1 の片方の音が歪んだり、時々途切れたりするようになった。
アンプを変えても症状が同じなので、ボックスから取外して確認してみた。

イメージ 2

 
やはりスピーカーのターミナルのネジが緩んで、コードとの接触が悪くなっていたようだ。
コードの方も銅色がくすんで、あまり導通が良くなさそうになっていた。


フレーム後部の銘板にも少し薄汚れが出てきている。

イメージ 3


真っ白だったセンタードームも茶色い「シミ」のようなものができている。

イメージ 4


「MR cone」と印刷されたシールもフチの部分からサビが出始めたようだ。
このシールはブリキのような薄い鉄板でできているらしい。

イメージ 5


音を聴いていても気付かなかったのだが、エッジの一番外側の部分に、2ミリほどの穴があいているのが見つかった。

イメージ 6


詳しく観察すると、何となく「虫食い」のようにも見える。

裏から何か薄い紙のようなものを貼り付けて、穴を塞ぎたいのだが、ちょうどフレームに当たる場所になっている。

表面から補修するより方法はないかもしれない。


いろんなサイトでエッジの交換(張替え)などの記事も拝見するのだが
このスピーカーには最初からそもそも「エッジ」というものがない。

「コーン紙ごと張替え」ということになるのだろうか。
(会社が存在していればの話だが・・・・・)


コメント(5)


ぐはー、これはまたものすごい物をおもちで ^^;)
こういう穴の修復に、塗るつけまつげのような素材って応用できないでしょうかねえ...と、いま思いつきました.はい.
2010/12/17(金) 午後 11:08 おやじーに

.
☆おやじーに さん☆
これはまたものすごい(古い)物です。

発売当時は安っちい物だったので、みんなぽんぽん捨ててしまって
そのために今では皮肉にも「レア物」になってしまったようですね。

耐入力がわずか5Wですから、2A3や6V6などの真空管アンプ専用に使っています。
不織布にボンドを染み込ませて、何とか裏側から貼り付けられないかと考え中です。
2010/12/18(土) 午後 8:08[ あんぷりん ]


https://blogs.yahoo.co.jp/dotata/18264788.html


▲△▽▼

8P-HF1の コーン紙 2010/12/19
https://blogs.yahoo.co.jp/dotata/18291723.html


イメージ 1
https://blogs.yahoo.co.jp/dotata/GALLERY/show_image.html?id=18291723&no=0


コーン紙の端に虫食いのような小さな穴があいているので、元箱の中にあった
「取扱説明書」を見ると、スミの方に小さく「コーン紙取替え金額」が記載されている。

配送料は別としても、実費+交換技術料としてはけっこう安かったようだ。

イメージ 2
https://blogs.yahoo.co.jp/dotata/GALLERY/show_image.html?id=18291723&no=1


 
あらためて説明書を見直してみると、価格は2950円、6P-HF1の方は何と1000円になっている。

当時の他の機種の価格は分からないが、「高級品」と呼べるものではなかったらしい。
https://blogs.yahoo.co.jp/dotata/18291723.html

57. 中川隆[-9970] koaQ7Jey 2019年5月30日 06:39:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2382] 報告

アシダ音響(株)−ご挨拶
http://www.ashida.co.jp/goaisatsu.html

アシダ音響(株)−会社沿革
http://www.ashida.co.jp/enkaku.html

アシダ音響 紹介
http://www.ohsaki-area.or.jp/townguide/konjyaku/img/konjyaku24.pdf

58. 中川隆[-9959] koaQ7Jey 2019年5月30日 09:08:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2393] 報告

「理想のスピーカー」との出会い
http://www.aafc.jp/Essay/2016/Turedure/20160907Turedure-02.pdf


中学時代、日活には「吉永小百合」「松原智恵子」「和泉雅子」の3 人の看板女優が人気を分け合っていましたが、美人美男 の好みも十人十色。

スピーカーも、やや控えめなヨーロッパトーンが好みの方、音が前に張り出す米西海岸のサウンドが好きな方、日本のスピーカーの様にあまり癖の無い音が好みの方と十人十色。人の好みを他人がとやかく言うのは、野暮というものです。

アルテックの604やタンノイの様な 38cm 口径の 2way 同軸は、技術的には 38cm 口径のウーファーに 1500Hz まで受け持たせるとか、1500Hz を再生させるためにはホーン口径が小さすぎるとか、かなり無理をした設計では ありますが、欠点を補って余りある魅力で熱心なファンを引き付ける訳でして。

話は変わりますが、秋葉原にあったヒノオーディオで、タンノイのユニットのコーン紙を改良タイプ?に交換した音を聞いたことが有りますが、低音のもたつきが消えモダンな音に様変わり。社長のドヤ顔が忘れられません。わたくしは、こちらの音の方が好みですが、タンノイファンがどう感じるはまた別問題です。

スピーカーに関しては、アマチュアにとっては難しすぎるファクターが多く、例えば

・アルニ コとフェライトとで、本当に音が違うのか

・ホーン型とダイレクトラジエーターで、どちらの音が良いか

・ダイレクトラジエーターの場合、ソフトドームとハードドームとコーン型とで、本当はどれが良いのか

・コーン紙が重い低能率タイプと、コーン紙が軽い高能率タイプで音が良いのはどちらか

・コーン紙の材質は、何が良いのか

・etc.

等々、本当に強いプロレスラーは誰かという問いに似た、開発の現場にいる人間でないと判らない様な疑問が数多くあります。

スピーカーユニットの販売店で聴いた話では、世界中のオーディオ用スピーカーに使われているユニットの多く(7割?)はフォステックスで作っているとの事で、このような話を聞くと、スピーカーに関しては、カー トリッジと同様、とてもア
マチュアの手に負えるものではないかもしれません。

販売店の試聴コーナーやマニアのリスニングルームでの試聴、あるいはメーカーのうたい文句や雑誌の試聴記を参考にスピーカーを購入する以外、アマチュアがスピーカーをチョイスする手段がないのが現実です。

ところで、メーカーのスピーカー設計の技術 者に、好きな様にスピーカーを作って良いと言うと、大概、ホーン型 3Way を作り始めると言う話を聞いたことが有りますが、ホーン型には独自の魅力が有るようです。

トランジェント特性を考えると、ダイレクトラジエーターに比べホーン型が断然有利で、色々な情報を整理すると、生の音を志向した場合にはホーン型の選択という意見が多いようです。正しい設計のホーン型スピーカーは、高音域が だら下 がり になり、且つドライバーと言えども分割振動が発生する事から、受け持てる周波数の範囲は狭く、正統派のホーンでシステムを組む場合は、高城重躬氏のように GOTO ユニッ トの 4way か 5way を選択せざるを得ないという事になります。

※高城 重躬氏は、日本のオーディオ黎明期をリードしたアマチュア研究家。

GOTOユニットの後藤氏の協力のもと、最高峰のユニットを真空管 OTLアンプのマルチウェイで駆動し、高忠実な再生を行った。糸ドライブ方式の先駆者としても有名。タンノイを愛した、作家の五味康祐 氏との論戦は有名。


※ GOTO ユニットは、 WE555 を代表とする WE のユニットを基に、吉村氏・後藤氏の技術で改良を加え、世界に並ぶ物のない最高レベルのドライバーユニットを世に出している。

その場合、低音用としてはコンクリートホーンか、軽量のコーン紙と強力な磁石を伴ったウーファー(アルテックか GOTO のウーファーを選択)の使用が必須。

ドライバーとアンプの間に抵抗が入るとトランジェント特性が損なわれることから、マルチアンプでドライブせざるを得ないと言う化け物の様な装置になると言う事で、いくら財力が有って購入出来たとしても、一生かかっても、まともな音を出すのは難しいかもしれません。

上記の 様な装置は、小生のオーディオ信条には 全く反しますが 、シッカリと 調整された GOTO の装置の音を一度は聴いてみたいとの思いはあります。生の音を志向すると、とんでもない深みにはまりそうです。

中学の頃は、少年マガジンに連載された「ハリスの旋風 」の主人公・石田国松の傍に 寄り添う委員長の様な女性が理想でしたが、考えてみればそんな人は居るはずもなく、「理想のスピーカー 」を 求め ると 言う事は、理想の異性を求める様なもの で夢のまた夢。だからこ そ、オーディオが面白いのかもしれません。

http://www.aafc.jp/Essay/2016/Turedure/20160907Turedure-02.pdf

59. 中川隆[-9958] koaQ7Jey 2019年5月30日 09:27:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2394] 報告


オーディオ専門店エレックスはゴトウユニット取扱店です。
http://www.elex.ne.jp/index6.html

電話でのご予約・お問い合わせは
TEL.:0284-64-7346  FAX: 0284-64-7347

〒326-0837足利市西新井町3495-2
営業時間AM10:30〜PM8:30


オンリーワンの音 世界を魅了するゴトウユニットの世界

ゴトウユニット本社視聴室 ゴトウユニットハイエンドユーザー


GOTO UNIT ゴトウユニット

GOTO UNIT ゴトウユニットと聞いてピンと来る方は、おそらくオーディオを趣味としている方の中でも相当なベテランの方、あるいは相当な上級者の方なのではないでしょうか。

ゴトウユニットSG188BLトゥイーターこのGOTOUNIT ゴトウユニットは、元々はYL音響時代からの流れをもち、1965年に後藤氏によって設立されたブランドになり、今では国内に留まらず海外のハイエンドオーディオマニアの間でも話題となる、伝説的なホーンシステムを主体とした超高級スピーカーブランドとなります。

設立当初より常に良いスピーカーとは何かを追求し続け、ひたすら前向きに研究し続けた音が多くのファンを生み出し、そこに秘められる膨大な理論がゴトウユニットの音に現れているのです。

ゴトウユニットの考える良いスピーカーの条件とは、

●過渡特性が優れていること
●能率が高い事
●平坦な特性である事
●指向性が良い事

以上この4点になります。

そのラッパのように見える独特の形状のホーンシステムは、普段巷に溢れているスピーカーに慣れ親しんだ目には、かなり奇妙にさえ映ります。

しかしそれは振動版の音を余さず空間に放出するためであり、そしてそこから流れてくる音楽は、音の違いを敏感に感じる感性をお持ちの方なら、静寂と躍動感溢れる音に魅了され、その生々しい音の虜になることでしょう。

そのような音が国内に留まらず、ゴトウユニットが海外のオーディオマニアにも高く評価される要因なのかもしれません。

ゴトウユニットは基本的にフロントプレッシャー型のユニットであるため、JBLやアルテック、TADなどのようなバックプレッシャー型のユニットのように広帯域再生には向かないため、どうしても3ウェイ〜5ウェイのマルチシステムで構成するようになります。

しかしそれはある意味ユニット本来の得意とする帯域を十分に鳴らしきれる事でもあります。

そのためゴトウユニットでオールホーンシステムを組む場合、しかもローエンドまでオールホーンシステムで考えた場合、その規模からリスニングルーム全体を根本的に見直すこともあります。

しかしご使用中のシステムのハイレンジだけゴトウユニットに変換するというのであれば、既存のシステムに簡単に付加させて使用することももちろん可能です。

ハイレンジだけゴトウユニットへの変更であっても、その流れ出る音のローエンドの表情まで一変する効果は十分に実感できるはずです。


ゴトウユニットは、残念ながら一般的なオーディオマニアの方なら誰にでもお勧めできる製品ではありません。

ある程度知識と経験も必要とし、音に敏感な耳の肥えたかなりの上級者向けの製品となります。

ゴトウユニットの高音質を十分引き出そうとする場合、どうしても知識や経験又は技術やノウハウなども必要になりますが、もしあなたが音と音楽をこよなく愛し、その追求に余念がない方にはとてもお勧めできる超高級スピーカーブランドといえるでしょう。

既存のシステムでは満足できないハイエンドユーザー向けの製品群ですが、世界中探してもこれしかないというシステムを構築できるその音楽再生の世界は、一度でもその音を聞いたらもう後戻りは出来なくなる、そんな魅力を兼ね備えたブランドなのです。

しかし一般的に非常に敷居の高く感じるGOTOUNITゴトウユニットですが、そのコンセプトを引き継ぎながらも一般的な使い方が出来るフルレンジもラインナップされており、もちろんGOTOUNITゴトウユニットの名に恥じないパフォーマンスを見せます。

コンパクトなリファレンスシステムとして、またメインシステムとは趣向を変えたサブシステムとして、アイディア次第でその可能性も無限大です。

小型ユニットであっても、世界に唯一のシステムを生み出すことが出来る事がGOTOUNITゴトウユニットの魅力かもしれません。

オールホーンシステムではちょっとと躊躇してしまうマニアの方にこそ、そのアイディアを生かしたシステム構築にお勧めできるユニットといえるでしょう。


※GOTOUNIT製品に関しましては、輸出入禁止項目に該当する項目が含まれますので、海外からのご注文及び持ち出しご希望の場合はお取引を控えさせていただきますので、日本国内でのご使用をお願いいたします。

information お知らせ

ゴトウユニットを使用したシステムアップを、ご予算に合わせてご提案いたしております。
ご質問お見積りなどお気軽にご相談ください。
またゴトウユニットの下取り、買い取り、委託販売も常時受け付けております。
詳しくはメール又はお電話でお問合せくださいませ。お知らせ

http://www.elex.ne.jp/index6.html

▲△▽▼



ゴトウユニット GOTO UNIT TWEETER
http://www.elex.ne.jp/index10.html

音楽のスケール感や空気感を伸びやかに表現するのが、ゴトウユニットの高音域トゥイーターです。

ゴトウユニットのシステムの高音域を受け持つだけではなく、お使いのスピーカーシステムのトゥイーターとしてご利用いただいても、システムのグレードを引き上げてしまうほどの実力があります。

音楽のスケール感や空気感を決定付けるともいわれる重要な帯域を受け持つトゥイーターには、振動板に軽量高剛性に優れたチタニウムをゴトウユニット独自の技術で形成した物を使用し、また硬くて音速がさらに早いといわれるベリリウム振動板を使用した仕様も用意しております。

お使いになる様々な環境にあわせ、スペックの異なる様々な仕様のトゥイーターをラインナップしております

小型で使いやすいSG-06もラインナップに加わりました。


高音用(High)

SG-16TT SG-160 SG-160BL

SG-188BL SG-06 SG-06F

エレックス オリジナル アルミ削り出しドライバー トゥイーター台

ゴトウユニットTWEETERの概要

ゴトウユニットのSG-I6TTは、最高音域を受け持つドライヴァーユニットで、 振動版はチタニウムを成形し、 またFRPエッジを採用、 125パイアル二コリングマグネットの磁気ギャップにパーメンジュールを使用した強力な磁気回路により、 ダンピングのよさと低歪みを実現しております。

更に磁気回路の磁石を130パイに大型化、 強力にしたものがSG-160です。

高い分解能と浸透性により、 自然にそして豊かに音楽を楽しむことができます。

ゴトウユニットのSG-160BLには、 現在最も音速が速いとされているべリリウムを振動版に採用し、ゴトウユニット独自の方法で成形したダイヤフラムを採用、そのため更なる音質の向上に成功致しました。

これはオーディオ界の布石となる製品であると自負致しております。

表示されているすべての機種ともに、カットオフ3000HZのアルミ丸棒くり貫きS-3000ALホーンを標準装備しています。

ゴトウユニットの音質を気軽に楽しむために、使いやすいSG-06もラインナップしました。

小型で使いやすいユニットですので、ゴトウユニットのニュアンス試してみたいという方でも、お使いのシステムのプラストゥイーターとしてもご利用いただけます。

もちろんその実力はゴトウウニットの名に恥じません。

ゴトウユニットでは、製品の高品質を維持するため受注生産となります。
特注製品依頼、バージョンアップ、納期に関しましてはエレックスまでお問い合わせください。
http://www.elex.ne.jp/index10.html

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ゴトウユニットドライバー専用ホーン
http://www.elex.ne.jp/index11.html


ゴトウユニットドライバー専用ホーンです。

ストレートに伸びたその特徴的な外見を持つホーンは、ドライバーからの音を余すことなくストレートに放出しやすくするため生まれました。

そのためダイレクトでかつ繊細な音楽信号が、途中で損なわれなく大気中へと伝わるのです。

ゴトウユニットではお使いになるドライバーや環境にあわせ、様々なサイズのホーンをご用意しております。

S-150朝顔型 S-150B S-200B S-300B
S-600 S-800

http://www.elex.ne.jp/index11.html



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ゴトウユニット AMPLIFIER/チャンネルデバイダー
http://www.elex.ne.jp/index12.html


ゴトウユニットといえば、その特徴的な形状と魅力的な音質を持つホーンシステムやドライバーなどで有名ですが、そんな究極のホーンシステムというスピーカーばかりがゴトウユニットのラインナップというわけではありません。

ゴトウユニットブランドのアンプやチャンネルデバイダーもその一つで、もちろんゴトウユニットを思う存分鳴らすために開発された製品群ですが、既存の一般的なスピーカーを繋いで鳴らすことも十分可能です。

いきなりゴトウユニットのホーンシステムでは敷居が高すぎるとお考えの方も多いはずですが、でもゴトウユニットの世界とはどのような世界なのかと興味を持つ方も多いでしょう。

そのような時、ゴトウユニットというブランドを体感する一つの選択肢として、ゴトウユニットのアンプ、あるいはチャンネルデバイダーなどを試してみる価値があります。

パワーアンプはもちろん純A級動作のアンプですので、スペック的な表示出力は小さめですが、繊細さに欠けたガサツなパワー至上主義のアンプとは違い、純A級アンプ特有のその繊細な音を実感できるはずです。

ただ再生スピーカとしては低能率の穏やかな反応のスピーカシステムよりも、ある程度高能率タイプで高反応のスピーカーの方が望ましいのですが、繊細な音でシンプルなフルレンジシステムをバランスよく鳴らしたい方にも是非試していただきたいアンプです。


EPH-2002/ステレオラインプロセッサー

EPH-3001A/A級ステレオパワーアンプ
EPH-3002A/A級ステレオパワーアンプ

EPH-4002/2-4ウエイチャンネルディバイダー

http://www.elex.ne.jp/index12.html


60. 中川隆[-9957] koaQ7Jey 2019年5月30日 09:31:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2395] 報告

新品 ゴトーユニット GOTO(受注生産品)
オーディオ専門店エレックス USED 中古オーディオショッピングサイト
http://www.elex.ne.jp/ecshop/index.php?dispatch=categories.view&category_id=55

メーカーお取り寄せの新品です。

ゴトウユニットは全品受注生産ですので、ご注文確定後におおよそ納期お知らせいたします。

このメーカーの品物は、申し訳ございませんが日本国内のみ販売可能です。

国内でご注文後に海外への持ち出しも御遠慮ねがいます。

販売完了品に関しましては、販売済み製品一覧へ転載いたしますが、

生産完了や定価売価の変更にすぐ表記対応できない場合ございます事了承ください。

ゴトウユニット ホーン
ゴトウユニット トゥイーターユニット
ゴトウユニット 中高音ドライバーユニット

ゴトウユニット 中低音ドライバーユニット
ゴトウユニット 低音ウーファーユニット+フルレンジユニット
ゴトウユニット アンプ+チャンデバ+他
http://www.elex.ne.jp/ecshop/index.php?dispatch=categories.view&category_id=55

61. 中川隆[-9956] koaQ7Jey 2019年5月30日 09:32:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2396] 報告

ヤフオク! -「ゴトウユニット」(スピーカー) - 新品・中古品の落札相場、落札価格
https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch/%E3%82%B4%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%88/23812/
62. 中川隆[-9955] koaQ7Jey 2019年5月30日 09:46:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2397] 報告

後藤精弥記念館 音楽夢工房
http://www.ne.jp/asahi/otoyume/home/index.html


GOTO UNIT ブログ
http://gotounit.blog.fc2.com/


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ゴトウユニットは、1965年に創業し、ハイエンドホーンスピーカーのメーカーとして国内外のお客様からご支持を頂いております。原音再生を実現するためのスピーカーに要求される条件に、ゴトウユニットは応えて参りました。お客様に最高の品質でお届けするため、受注生産方式とし、初期不良を防ぐため入念なエイジングを行って出荷しています。

極限に迫る低歪み率

 剛性が高く軽量な振動板を開発し、振動板周囲に歪みを軽減するFRPエッジを世界に先駆けて導入しました。

瞬時なドライブを実現する強力磁気回路

 磁気回路には、高磁率のアルニコ5DGマグネットならびに高透磁率の鉄材を使用し、磁気ギャップ部分には磁気飽和点の高いパーメンジュールを採用しています。(一部製品を除く)

厳選されたホーン形状

 ダイヤフラムの振動を能率よく、あまさず空間に放射するホーン形状にハイパーボリックホーンを採用しています。カットオフ周波数に近い所からホーンロードがかかり高域の抜けも良いのが特徴です。

ゴトウユニットが培った技術により、過渡特性に優れ、能率が高く、平坦な周波数特性で指向特性の良いホーンスピーカーをラインナップしています。また、ゴトウユニットの性能、特長を最大限発揮すべく、パワーアンプ、ラインアンプ、チャンネルデバイダー、LCネットワーク等もご提供しています。
http://goto-unit.jp/%e3%82%b4%e3%83%88%e3%82%a6%e3%83%a6%e3%83%8b%e3%83%83%e3%83%88/


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ゴトウユニット販売 オーディオアート
http://goto-unit.jp/


オーディオアートは、ゴトウユニットを国内外に販売し、音楽を愛するハイエンドユーザーの原音再生実現に向けて活動しています。

厳選された素材で実現された強力な磁気回路は、独自のFRPエッジによるハイレスポンスなトランジェント動作をダイヤフラムに実現させました。バイオリンの弦が奏でるビブラートの美しさや、金管楽器の突き刺さるような音は、ゴトウユニットならではの臨場感に浸れます。音楽と芸術を愛する創業者の故後藤精弥が成し遂げたホーンスピーカーを、これからもゴトウユニットが皆様のご愛顧に応えて参ります。

 ゴトウユニットは、故高城重躬氏を始めオーディオ評論家諸先生やオーディオおよび音楽愛好家の方々に支えられて参りました。(写真は、高城重躬氏の低音コンクリートホーン)

ホーン形状はいろいろありますが、ゴトウユニットは、丸形ストレートホーンが原音再生に最適なものとして推奨します。中低音タイプにおいては、ダブルスロートタイプがあり全長の短縮と、より音のスピード感に向上が認められます。

ダイヤフラムは、ジュラルミンとチタンを使用していますが、軽量化のため、極限まで薄く加工しています。

ウーファーは、ホーンタイプに対応したコーン紙をオプションで用意しています。

ヨーロッパのハイエンドユーザーには、ホーンスピーカーのレジェンドとして信頼されています。巨大なホーンによるパイプオルガンの再生は圧巻です。

オーディオアートは、ヨーロッパ、北米、アジアの現地の代理店と提携してゴトウユニットの販売サービスを行う海外総代理店です。海外からの日本オーディオ製品(ホーンスピーカー)のメンテナンスのご相談にも対応しています。

オーディオアート第一試聴室(オールベリリウム)12畳

東大阪市高井田元町2-28-19 Tel 06-6743-7743 Fax 06-6743-7720 email : kawakta@amitechs.co.jp

ご試聴いただけます。ご連絡ください。ご予約は、できましたらメールでお願いいたします。

オーディオアート第二試聴室(オールチタン)8畳

4ウェイマルチアンプシステム(オールA級パワーアンプ)のフロントスピーカーによる6.0.4配置の110インチスクリーン、ドルビーATMOSホームシアターをご堪能いただけます。サブウーファーの帯域を38cmダブルのウーファーが受け持ち、その低域の自然な臨場感は映画館以上に映画に埋没します。

東京試聴室もございます。是非ご連絡ください。
http://goto-unit.jp/

製品 – GOTO UNIT
http://goto-unit.jp/%e8%a3%bd%e5%93%81/

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後藤精弥氏について
http://www.ne.jp/asahi/otoyume/home/gotouseita.html

(有)ゴトウユニットの工房にて(右が後藤精弥氏)

〜 後藤精弥讃 〜

加藤敏久

後藤精弥・・・それは日本を代表するスピーカー技術者の名だ。
そして、間違いなく日本のオーディオの歴史を牽引した一人である。

生涯、純粋に、軽くて堅い振動板と強力な磁気回路というスピーカーの理想を追求し続け、 ついにこれ以上はないというドライバーを造り上げた本物の技術者だ。

この地球上で、膜状に成形可能な最も軽い元素、原子番号4番のベリリウム。
 このベリリウムをダイヤフラム(振動板)に使う。
 そして、磁気飽和の限界まで磁化させたアルニコ磁石を、ダイヤフラムが破壊される限界まで積み上げる。
 ボイスコイルを埋める隙間は狭いほどよく、そのわずかな隙間に驚異的な指先の器用さでボイスコイルを埋め込むのだ。

こうして、世界最高能率120db/wのドライバーを実現したのだ。

出る音は、トランジェント(過渡特性)の高さで他のスピーカーを圧倒する。
 一聴すれば誰にでもわかる違いである。
 音源に記録された電気信号をストレートに、羽毛のように軽々と音波に変える。
 真にスピーカーの存在を忘れさせる再生能力だ。

今や、ヨーロッパ、ロシア、アメリカ大陸、東南アジア、台湾、中国など、世界中のオーディオファンが、ゴトウユニットの音の卓越性を認識し、自己のシステムに取り入れ始めている。

スピーカーのドライバーユニット部門で世界を席巻できるのは、ゴトウユニットをおいて他にはないと断言できる。
 なぜなら、上述のとおり、原理的にこの地球における物理的な限界を極めたスピーカーだからだ。

<後藤精弥氏プロフィール>

(文責 加藤敏久)

新潟県出身

昭和17年東京の電気会社に就職。

  終戦後は、電球作りからスタート。集魚灯、クリスマス電球など手作り多数。

  指先の器用さは天性のもので、他社が投げ出した作業や修理を難なくやってのけた。

  この時代のさまざまなものづくりの経験が、後のドライバー作りに生かされた。

  映画セリフ用のダイナミックマイクロフォン、選挙用の拡声器と肩掛け用ハンドマイク、
 電車の車内アナウンス用拡声器の製作と、映画館のスピーカーの修理が、
 スピーカー技術の原点となった。

昭和32年頃、高城重躬(たかじょうしげみ)氏と出会う。

 日本電気のドライバーユニット555M(ウェスタン型振動板)の修理を頼まれたのが
 きっかけだった。

 高城氏は日本初のレコード評をしたオーディオ研究家で、
 既に大型装置を自作のアンプで鳴らしていた。
 高城氏の友人でお茶の水女子大学の物理学教授だった亀谷俊司氏とも知り合う。

  この二人は当時トゥイーターに楕円の紙製スピーカーを使っていた。
 このトゥイーターから何とかならないか手を付け始めた。
 亀谷氏が米国グッドイヤー社の商品名マイラーという素材を手に入れ、
 それを使ってみた。結果は上々。後藤氏はもっぱらこれをFRPと称した。
 日本で最初にコンプレッションユニットにFRPを使用したのが後藤氏である。
 このときから、高音はホーン型に変わった。

  当時は映画館全盛時代。
 ほとんどの映画館でWE555ドライバーが使用され、修理の仕事に追われた。
 このWEを模して中音ドライバーが作られた。
 この後、磁束密度を上げるパーメンジュール材との出会い、低音ホーンへの工夫と、
 高城氏との二人三脚の歩みが続く。そして、世の中はステレオ時代に入っていく。

昭和32年吉村氏とともにYL音響(現在エール音響)を創立。

昭和40年独立し、FRPエッジをうたい文句に、ドライバー製作に入った。

  高城氏録音の虫の音の再生をきっかけに、ダイヤフラムをチタンに変えた
 トゥイータ16TT誕生。それから中高音もチタン化。

昭和45年頃からスピーカーの修理を頼まれたのがきっかけで画家の岡鹿之助氏に出合い、弟子入り。
 後藤氏は小さい頃から絵を描くのが趣味だった。

昭和51年、ダイヤフラムのベリリウム化に着手。

  中音用のダイヤフラムまでベリリウム化に成功した時、
 音楽の友社「ステレオ」誌「今月の2000文字」に掲載された高城氏の文章を紹介する。

音楽の友社「ステレオ」誌「今月の2000文字」より

「・・・中音用のダイヤフラムがベリリウム化された。昨年から後藤精弥さんが取り組んでこられたものが完成、最初の品が私のところに運ばれた。中音用なのに高域まで実に素直にのび、分解能も非常によい。まず左方のシステムだけを取り換え、右方と聴き比べることにした。ベリリウムの方がずっとおとなしくてしかも切れ味が鋭く、左方から右方に切り換えると音が賑やかでどぎつく感じられる。これだったら文句なしにベリリウムに軍配があげられる。それですぐに右方も取り換えた。それにしてもこれだけ大きく変わるとは考えもしなかった。私のスピーカーシステムでこれまでの一番の大きな変革は19年前に3ウェイから4ウェイにした時であるが、今回の変わりようはこれに次ぐものといえる。10年程前に中高音用や高音用がチタンからベリリウムになった時も、目覚しい改善ではあった。しかも今回の中音用はそれを遥かに上回る程の前進であり、改めて中音の重要性を思い知らされた。

ベリリウムがなぜこれだけ音質に大きな影響をもたらすのか、これまでのチタンと材質の特性の違いを調べてみた。特性表からも分かるように、チタンの比重(密度)4.54に対し、ベリリウムは1.84、従ってダイヤフラムの厚さが同一なら重量はチタンの0.4倍しかない。しかし重量だけからすればマグネシウムの方が有利だ。ところがダイヤフラムの音響材料としての評価は、弾性係数(ヤング率)を比重で割った値で決められている。計算してみるとベリリウムは28000÷1.84=15217、チタンは11000÷4.54=2423となり、何とベリリウムはチタンの6.28倍、マグネシウムの5.88倍になる。それと音の一秒間の伝播速度もチタンやマグネシウムの2倍以上だ。これらの要素だけで音響材料としての音質の優劣が断定できるとは思わないにしても、今回の変わりようからすると成程とうなずける。

もっともベリリウムがいくら優れた特性を持っていても、これを使ってダイヤフラムを作るのは至難なこと。まず薄いシートの入手が容易でない。高音用ともなると非常に軽いダイヤフラムが必要で、薄いシートが不可欠だ。しかしメーカー成型の限度が20ミクロンまで、シートなら15ミクロンまで可能とのこと。そこで後藤さんはシートで貰い、無事成型、高音用に使用しているそうだ。私が以前に使っていたチタンの高音用は6ミクロンだったのに、2倍半もの厚いベリリウムの方がなぜよいのか、その理由は前述の通りである。中高音用は厚さ25ミクロン、今回の中音用は35ミクロンだが、このシートからドーム状に成型することがこれまた大変な仕事らしい。さらにこれにアルミリボンをエッジワイズしたボイスコイルを取り付けなければならない。この巻く技術も非常に難しい。こういった困難を克服して中音から上がすべてベリリウムになったのは、彼のこれまでのノウハウの積重ねと名人芸の賜物といってよいと思う。もっとも、ベリリウムも真空蒸着法を採用すれば大量生産も可能だし、既に市販品も出ている。しかしこれと薄板を加工したものとでは全く別物であることはいうまでもない。・・・」


(左 後藤精弥氏  右 高城重躬氏)

平成4年、NHKを通して北海道苫小牧市新冠町にレコード館設立の話。
 スピーカーシステムは後藤氏が設計しゴトウユニットで構成。
 平成9年竣工。低音ドライバーはSG146LD。
http://www.ne.jp/asahi/otoyume/home/gotouseita.html

63. 中川隆[-9954] koaQ7Jey 2019年5月30日 10:19:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2398] 報告

ホーンスピーカー

 「スピーカーはホーン型がよい」とは、金田氏の主張だけれど、私の場合、高城重躬氏の「音の遍歴」を読んだことでインプリンティングされてしまった部分がけっこうある。それゆえホーンといえばまずはオンケンと返って来そうな金田ファンの中にあって、私の頭に浮かぶのはゴトウユニットなのであった。

 長らく「かりそめの姿」と思いつつあまり値の張らない既製のスピーカーで過ごしてきたが、ここへきてようやくそのゴトウユニットに手を出してしまった。

といっても、しみったれ系のオーディオをやっておりますゆえ、そんなお金持ちが使うようなものをおいそれと買い込めるものではない。中古のしかもローコストモデルでとりあえず、ということで、一式まとめても現行の標準的ユニット1個分の値段にもならない投資だ。

はたして、このプアマンズ・ゴトウシステムの成否は?
http://web3.incl.ne.jp/tetsu/c7spSys/loudspeakers.html

ゴトウホーンシステム(ただし、ビンボー仕様…)
http://web3.incl.ne.jp/tetsu/c7spSys/gotoSys.html

ゴトウユニットがやって来た(^^)

 SG-37FRPとホーンS-400を手に入れた。30年前の製品である。

 SG-37FRPはゴトウユニットの中ではエントリーモデルだった。マグネットも小さく、同社のドライバーの中では能率も少し低め(といっても110dB/W/mもあるけれど)。比較的安価ではあったが、ゴトウユニットの名を冠して世に出しておくには性能に不足があったのか、それともゴトウを使おうというような人はみんなお金持ちなので、こうした性格のユニットには人気が集まらなかった、ということなのか、生産されていた期間はそう長くなかったと思う。

 ホーンのS-400も中止品だ。開口径30cm、カットオフが400Hz。現在では、ゴトウユニットの標準的なシステム構成は事実上4ウェイのみになってしまったが、そうなるとこのサイズのホーンは中途半端だということになるのだろう(当時の製品ラインアップではまだ3ウェイも想定されており、MJに出されていた広告には3ウェイのシステム構成例が載っていた)。

 現在このクラスの製品がラインアップにないということは、後藤精弥さんご自身がこれらを否定しているようにも受け取れて、あんまり嬉しくない。しかも、前オーナーはこれを1ヶ月ほど鳴らしてみただけで、後は死蔵していたのだという。よほど期待はずれの音だったのか?

 といった不安もなきにしもあらず、なのだけれど、なにしろ現行製品はみな高価だし、まあ入門用にはこれでもよかろう、とおっかなびっくり手を出した、という訳。


 フェイズプラグを囲んで丸穴が並んでいるのが判る。いかにも手作業でドリル加工されたふう。


 SG-37FRPだけではもちろん中〜中高域しか出ないので、これにウーファーとトゥイーターを足して3ウェイとする。

 トゥイーターはやはりゴトウの、SG-37とほぼ同時期の製品であるSG-17SAがほどなく手に入った。

 いささかくたびれていて少しメッキが浮いていたが、まあしょうがない。それより、ちょっと解せないことがある。マグネットに貼られたラベルにはSAとあるのだが、Sの後にAが付くやつはカットオフが少し高くなる小ぶりのホーンが付いているはずだ。しかしこのホーン、大きい。このラベルは正しいのか?また、再着磁歴ありということだったが、相当昔のことらしいのであまり意味はなさそう。ラベルの脇に「再着磁 BGM」なんていうシールが斜めに貼られていたのだが、シールのセンスがなんだかゴトウの仕事っぽくない。もしかして、BGMは会社名かな?

 それやこれやで、あまりきちんとした素性のユニットではなさそうなのだった。おまけに後で片方の音圧が少し小さいことが判明する。片側の減磁かと思ったが、ゴトウに修理を依頼したら振動板が交換されて戻ってきた。修理費用は意外とリーズナブル。

 疑念は持ちつつも、これで音圧も揃い、音色も使い込まれた側と差異は感じられず、一応ゴトウで看てもらったという安心感も得て、まずはメデタシメデタシ。

 これら中・高音のユニットおよびホーン、修理費をまとめても、現行の標準的なゴトウユニットの1本の値段よりまだ安い。かくも安価にゴトウユニットを味わおうという野望は、はたして実を結ぶのか?


ウーファーは?

 さて、ウーファーをどうするか。昔冷やかしで取り寄せたゴトウのカタログが手元にあるが、その最後の頁に載っている組み合わせ例のいちばんローコストなやつを見ると、SG-17SAとSG-37FRP+S-400ホーン、それに「良質の」30cmウーファー、という組み合わせが紹介されている。クロスは500Hzと5kHzとある。

 私の部屋ではスペースが苦しいので、もとよりあまり大きな箱は置けない。30cmのユニットとなると、比較的小さめの箱で使えるものでなければ難しい。JBL4311Aのウーファーだけ使う、という手も思いついたが、それ以外だと置ける箱とのバランスから20〜25cmが現実的だろう。

 高能率のホーンの中・高域と組み合わせるには、やはりできるだけ高能率であることが望ましいので、ナンタラスピークなどを筆頭とする能率が80dB台の最近の製品は端から候補になり得ない。マグネットもできればアルニコがいい。ゴトウの現行製品にSG-20WRというのがあるが、これなどはまさしく希望にぴったりの製品だ、値段以外は。さて、う〜、むぅ〜…

 と唸っていたところ、こんなの見っけ。

 今はなきDIATONEの20cmウーファー、PW-201である。なんと、デッドストックだ。アルニコマグネットで、インピーダンスは購入済みのゴトウユニット群と同じ16Ω。能率94dB/W/mは、この口径でこれ以上欲張るとウーファーじゃなくなる、といったところだろう。

 昔のスピーカー工作のムック本などにはよく載っていたユニットだが、写真から受ける印象はあまりパッとしなかった。上級機のPW-125と比べると、幅の狭いエッジとのっぺりしたコーン紙がなんだかあんまりやる気のない印象だったし、他社の現代的デザインのユニット群からすれば、このいかにも国営放送局用といった風情の姿形も垢抜けなく見えた。かつてのオーディオ少年たちが憧れた、というユニットではなかっただろう。

 しかし今こうして実物を手にしてみると、これは“いいもの感”が横溢している。当時現代的なデザインと見えた他社のユニットのほうが、今ではよほど古くさくて安っぽく見える。私の購入価格は2本で¥32,000だったが、後で本棚の隅の芸文ムック「D.I.Y.オーディオ」('82年発行)を見たら1本¥21,000となっていた。すごく得した気分♪(^^)。



 写真では判らなかったが、今回入手して初めてコーンがボウル状に湾曲していることを知った。パラボラカーブなのかどうかは不明だが、こうした形のコーンは特定の制限された帯域を再生する用途に使われることがある、とは古いスピーカー工作の本に書いてあったこと。



 カバーを外してみたところ。さすがは「局仕様」、マグネット周りはP-610よりずっと贅沢に作られている。

 moはなんとたったの12gだ。フォステクスの20cmフルレンジのmoを見てみたら、そっちのほうがまだ重いのだった。今ではなかなかこんなスペックのユニットはないだろう。う〜ん、キレのよい音が期待できそうではないか♪…というか、出るのか、低音?

 そんなわけで、当然ながらローエンドはあまり欲張れない。スペック上は50Hzからとなっているが、特性曲線を見ると50Hzのあたりは200Hzのレベルから10dB近く落ちている。

 ちょいと裸でアンプに繋いでみた。ら、はて、全然低音なんか出ないぞ…なんだか8cmくらいのラジオのスピーカーのような鳴り方でないかい。いくら箱に入れていないといっても、これでウーファーになるのだろうか?

 と思ったが、コーンに耳を近づけてみると、これまで聞いたことがないような歯切れよい低音が聞こえるではないか。深々と包み込まれるような低域は想像で補うことにして、ここは量より質を期待しよう。

 エンクロージャーは、県内在住の木工趣味人の方にW450mm,H600mm,D300mmのオンケン型バスレフ箱を発注。合板製の安価なものだが、音に大きく影響しそうなバッフル板のみパインの集成材にしてもらった。

 PW-201の指定箱はけっこう大柄で、およそ90Lほどもある。私のこれは50Lくらいだが、このユニットを生き生き鳴らすための容量としては最小限度といったところだろう。が、私の今のオーディオ用スペースに置ける大きさとしてはこのあたりが限界に近い。いろいろと妥協せねばならないことはある。何が何でも低音ホーンを我がリスニングルームに、といった願望は今のところ持っていない。

 表面はワトコオイルで簡単に仕上げた。さっぱり醤油味、のつもり。木質に染み込んで硬化するので、表面をコーティングする重たい塗料を使うより、木の響きを生かせるのではないかと思う。あまり匂わなくなるまでけっこうかかったが、有機溶剤を使った塗料とは異なり、そんなに嫌な匂いではない。これを置いた部屋に戻ってくると、木工製品の香りがするのがちょっと心地よいくらい。


インスタントな置き台(^^;

 ウーファーの箱の上にゴトウユニットをただ置いたのでは転がって落ちてしまうので、それなりの台が必要だ。金田氏推奨はインライン配置。横から見て、各ユニットの振動板位置がそろっているのが望ましいが、低音ユニットと中音ユニットの位置を揃えるのはホーンが長くて無理だ。中高音ユニットをクロス周波数の1波長ぶん奥にずらして配置するのが次善の策だが、エンクロージャーの一番後ろに合わせても1波長分にならない。そういうときは「あまり気にせず」とも金田氏は書いているので助かる。

 凝った台の工作を考えてスケッチをあれこれ描いてみていたのだったが、エンクロージャーが仕上がっていよいよ音を出せるようになってくると、「早い!安い!旨い(?)」のアイディアが閃いた。さっそくホームセンターへ。

 買ってきました。テーマは「ノコギリは極力使うことなく、ドリルとねじ回しだけで作れる構造」ということで、MDFのボード、ウッドポール、三角柱。
 で、こうなった。



 なんだか○印良品か○販生活みたいな風情ではありますが、まあ私らしくはある、か…(^^;。


 MDFというのは初めて使ったが、なんだか紙みたいなもんですね。とりあえず硬いけれど、濡らすとほぐれてきそうだ。叩いてみても響きは良くないし、あまりお勧めできない感じ。

DC流クロスオーバーネットワーク

 マルチアンプシステムにするだけの用意はないので、まずはネットワーク式で。もちろんDC流に6dB/octだ。SG-37+S-400は、使おうと思えば500Hzからでも使えるようなのだが、どうやらそのあたりはPW-201のおいしい帯域らしい。それに、ウーファーのハイカットを低く取るとコイルが大きくなる。16Ωだとなおさらだ。ということで、クロスオーバー周波数は800〜900Hzと5kHzでいいだろう。

 設計した定数は下図のとおり。手持ちの双信V2Aの2.2uF、10uFと0.5mHのコイルを有効活用することを優先したため、中・高域はアッテネーターから先が14Ωほどになっている。

 ウーファーのローパスフィルターの3.3mHは、計算値だと2.7mHのほうが近い。しかし、今回のクロス周波数のあたりでは、PW-201のインピーダンスはもう20Ωを超えてしまっている。しかもカーブが右肩上がりになっており、若干大きめのLを入れておくのが吉と観た。

 このくらいのインダクタンスになると、空芯だと物量が必要になるのでけっこう高価だ。市販のコイルを探したが、見た中で最も安かったのが意外にも銅フォイル巻きのものだった。ちなみに、金田氏は帯状の導体に音楽信号を流すことに否定的だが、ここは金に糸目を付けることにして、ま〜いいや、と(^^;。

 いざ聞いてみたら、中高域は張り出し過ぎ、高域は思ったほど出ていない。しばらくの試行錯誤の結果がこれ。

 結果的にSG-37をずいぶんと抑えて使うことになってしまった。PW-201の高い方の帯域がやはり十分に減衰されないようで、SG-37の受け持ち帯域とかぶってしまうようだ。よりフラットさを求めるなら、むしろPW-201のインピーダンス補正を考えるべきかもしれないが、音にはよくなさそう。

 SG-17のほうは逆にもっと出すことに。かなり使い込まれていると思われるSG-17だが、やはり減磁もあるのかもしれない。


 それにしても、このSG-37の使い方はどうだろう。この帯域のパワーの99%以上をアッテネーターが喰っているという有様だ。う〜ん、勿体ないにもほどがある。
 とはいうものの、このおかげでS/N比が十分取れている訳でもある。我が300Bアンプ、そのままゴトウユニットに繋ぐと、たぶん回路の動作を支えているツェナーダイオード由来のものであろう「サー」というノイズが盛大に出てしまう。このネットワークを通した場合に比べ、音量が同じならS/Nは100倍も違うことになるわけだよな。なんてことだ…


ホーンの音

 実のところ、過大な期待はしていなかった。何しろ「あの」ゴトウユニットではあるものの、30年も前の旧製品だ。物量においてはCDM-1などよりはるかに贅沢だが、むしろ歪率など物理特性では現代のスピーカーに及ばないのではないかという不安があった。

 はたして、鳴らし始めの音は実に癖っぽかった。なにやら中高域が蓄音機のよう。音に鮮度が感じられない。独特の響きがつきまとい、細かなニュアンスが聞こえてこない。前オーナーがSG-37を1ヶ月でお蔵入りにした理由がこれだったか、と暗〜い気分に。

 しかし、幸い数日経つと癖が薄れてきた。30年もの間眠っていたユニットが本調子を取り戻すには、だいぶリハビリが必要だったようだ。

 さて、まともに鳴るようになってみれば、音の出方が全然違う!いや、これまで使っていたB&WのCDM-1と比べての話だけれど。

 私の聞き方というのは比較的小音量のほうだと思うが、高城重躬氏は雷鳴を再生して悦に入っていたようだし、金田氏にしてもかなりの大音量派らしい。それでなくてもホーンというとPAのイメージが強いから、ある程度大きな音を出さないと良さを発揮できないのではないか、という不安もないではなかった。が、そんなことは全くの杞憂だった。あまり音量を上げなくても、実にコントラスト鮮やかな、質量感のある音が出る。楽器の、振動している材質がよく感じられる音。小音量でも振動系が正確に動いている感じで、微細な音のニュアンスが損なわれない。意外にもコンデンサー型ヘッドフォンの音の出方に通じるものを感じる。そしてこの鳴り方の品のよさ。やはりPAのホーンとは訳が違うのだ。ゴトウユニットの最大入力はたったの5Wだし。それにしても、とうの昔にライン落ちしたローコストユニットでもこんななら、もっと上級のゴトウユニットはどれほどよいか…

 というわけで、むしろCDM-1の鈍さを思い知った次第。あれだって、近年の低能率なスピーカーの中ではけっこう鳴りのよいほうだと思っていたのだが、なるほど、こういう音を知ってしまえば今どきの低能率のスピーカーは、いくら歪みが少なく特性がコントロールされていたとしても、鈍くて聞いていられない、という主張があるのもうなずける。

 それぞれのユニットの位置がけっこう離れているにもかかわらず、音のまとまりが良好なのも意外だった。スピーカーの前1mの位置でも聴ける。クロスオーバーのカーブが緩やかなので、中域などは全部のユニットの音が重なっていることもあるだろう。が、HIGH・MIDを横に並べて試しで鳴らしたときにはかなり音源位置が離れていることによる不自然さを感じたことからすれば、やはりインライン配置の賜物だろうか。LOW-MID間は振動板位置を合わせられていないし、クロス周波数1波長ぶんのシフトというわけでもないが、特に違和感はない。きちんと合わせられればもっといいのかもしれないが。

 ウーファーはやはり安普請だけあってバランスが今一歩か。低域にピークが感じられたので、片側6個あるバスレフポートのうち3個をフィルター用のウレタンで塞いだら、まあまあ自然な感じになった。が、曲によってはまだまだ箱の音がする。このあたり、もう少し対策をしてみたい。しかし、このままでも曲がハマると実にイイ感じで鳴ってくれる。クラシックギターの胴鳴りなど、まことにリアルだ。ギターの胴は木の箱だから、構造・材質が似ているせいだろう。エレキベースは全然ダメ。

 ところでPW-201の反応の良さは、Lを通したのではだいぶスポイルされるような印象がある。思い切ってクロスを2kHzにして、2S-208よろしくPW-201はスルーで鳴らしてしまう、というのも面白いかも。けれどそれだとSG-37の受け持ち帯域は1オクターブ半くらいになってしまうのがなんだかなあ…。このあたり、マルチアンプにすれば解決してしまうんだが、と更なる欲が…

(そしてどんどんシステムが大掛かりになって、いつしか電源を入れるのも億劫になってしまっていることに気がつく、そして結局フルレンジ1発に戻る、とかいうオチだったり…いや、私の性格からすると十分あり得ることです(^^;。)


位置合わせ

 金田式推奨セッティングということで、振動板位置を揃えて設置した中音ユニットと高音ユニットだが、微調整して最適位置を見つけられたのかどうか判然としないまま時が経っていた。先人たちの言によれば、数ミリ移動しただけでも聴感には大きな変化がある、らしいのだが、私のところではユニットを前後に動かしてみても、そんなに変わって聞こえる感じはなかった。もちろん微妙に変わりはするのだが、「絶対にここでなければ」と断言できるほどの音楽表現力極大ポイント的な位置があるようには感じられなかったのだ。原因として考えられることといえば、

(1)もともと話が針小棒大である

(2)部屋の音響条件が悪くて違いが判り難い

(3)駄耳である


あたりが有力かと思われる。が、どれに該当するのか悩むよりも音楽を楽しんだほうがずっと有益な気がするので、とりあえず深く考えないことにしてせっせとレコードを聴く日々であった。

 ところが、あるとき気がついた。音を出しながら2組のスピーカーの間のちょっと手前で、かがんでスピーカーを少し見下ろすくらいの位置に私の頭が来たときに、何やら音が豊かになったように聞こえる。「あ?、ひょっとして…」

 これはつまり振動板位置から考えたら、トゥイーターは耳に近く、スコーカーは少し遠く、というふうになっている状態である。それなら、と、さっそく通常の聴取位置から見てそうなるように、トゥイーターを少し前に出し、スコーカーは奥に引っ込めてみた。突如高まる音の密度と立体感。「おおっ♪、コレだ!」

 なーんだ、なんのことはない、実はこれまで中高ユニットの位置について勝手な思い込みをしていたのだ。ダイアフラムが小さく軽量な高音ユニットは当然中音より音の立ち上がりが早いはず、よって高音ユニットの振動板位置が中音のそれよりは奥になった状態で音の位相が揃うに違いない、と。ちなみに、SG-17SAとSG-37FRPのマグネットのサイズは同一である。となれば、より振動系が軽いSG-17SAのほうが当然発音タイミングが早いだろう。そんな先入観があるものだから、位置の微調整と言っても、これまで高音ユニットを奥へやることしか試していなかったのだ。これじゃ見つかる訳がない(爆。

 写真の状態で最も音が朗々と聞こえるようになったわけだが、マグネットの位置で言えば、SG-37のほうが2cmほど奥になっている。マグネットのサイズは同一だから、それぞれのユニットの振動板があると考えられる位置を思えば、ずいぶんとスコーカーが引っ込んでいるような印象を受ける。

 これを納得するために、「振動板のすぐ近くでは空気がある程度“塊”になって動いていて、実際の“発音点”は振動板そのものよりは前のほう、だいたいフェイズプラグの先か、スロート入り口のあたりに出現する」という理屈を考えてみた。実際位置が揃っていると言えそうなのはそのあたりのように見える訳だが…ま、伝次郎先生の空気砲をイメージしながらそんなことを思ったが、たぶんウソでしょうね(^^;。コンプレッションドライバーの理論に詳しい方の教えを請いたいところです。

 さて、最適位置が見つかってみると、確かにそこから5mm(あえて3mmというのは控えて(^^;)ばかり前後しても音が貧相になるのが聞こえてしまう。カメラのピントを手動で合わせているような感覚。ピントの“山”は誰が聴いても判るくらい明瞭だ。ぴたり合ったときの気分の良さ。これも位相の整合性を保つ6dB/octクロスの賜物なのでしょうね、きっと。

 というわけで、上述の原因(1)〜(3)はすべて否定され(?)るとともに、音楽を聴くのが一層楽しくなったのでありました、メデタシ、メデタシ(^^)。


低音を整える

 既述のとおり、わが3ウェイシステムの低音には気になるピーク感がある。アコースティックギターでいうところのウルフトーンか。Q0の高いユニットを指定よりは小さいエンクロージャーに入れたことが一因であろう、との指摘を知人より頂いているが、うちのスペースではこれ以上大きい箱を置くのは無理。なんとかこのサイズで低音を手なづけたい。ユニットの方を交換するという手もあるが、PW-201はけっこう気に入っているので、できれば基本はこのままで。さて、そんなうまい方法があるものだろうか。

 当初考えていたのは、エンクロージャー内に平行面をなくすべく、適当に仕切り板のようなものを入れることである。となると、材料としてはある程度質量もあって、内部損失の大きいものがよさそうだ。コルクの板なんかいいのではないだろうか。

 というわけで、あれやこれやと凝った形状の仕切り板を考えること半年あまり。ところが、そろそろ実行に移そうか、という段になって突然大幅な方針変更をしてしまう、というのはドライバーの置き台のときのパターンだが、今回も期せずしてまたそうなってしまった(^^;。 安上がりで手っ取り早い、というまったく安直な理由から、実際に使うことになったのはこれである。


 「なつかしのおもちゃ」という表示のあるこれは、昔よく富山の薬売りが家々を回って置いていったあれ(という話に「うんうん」とうなずく人の年齢といえば…(^^;)、そう、紙風船。こんなものがまだ作られてるんだ、と思ったらやっぱり中国製だった。大・中・小の3個入りが10セットで800円(通販だからプラス送料のぶんもある)。これをエンクロージャー内に放り込んで、耳につく定在波の発生を抑えよう、という魂胆である。

 この方法は確か江川三郎氏(ご本人だったか周辺の誰かだったか忘れたが)あたりから広まった(というほどポピュラーでもない?)ものだったと思う。なにしろローコストで簡単。行動するより考えている時間のほうが大概遙かに長い私のような人間には、最も向いていると言えよう(爆。

 紙風船の材料の紙はパリパリ、カシャカシャと音がするので、材質的にはあまり好感触ではない。この音が楽音に絡んできたら嫌だが…もっとざっくりしっとりした質の紙を見つけて自分で紙風船を作れば理想的に思えるのではあるが、それは相当に気の長い話になるので、ここはまあうるさいことは言わないでともかく実験してみよう。

 エンクロージャー片側に、この紙風船を3セット、ということは都合9個を入れて底面からユニットの背あたりまで空間が埋まった(ちょっと写真が暗いですね…14本のネジによるバッフルの付け外しはたいへんメンドウなので、撮り直しは断念(^^;)。だいたいこんなもんでよかろう。

 しかし、なんといいますか、すごく違和感ある眺めではあるなあ…

 

 さあ、試聴。オー、いい感じではないですか!確かに効果あり。目論見どおり、エンクロージャー内の定在波はみごとに影を潜め、低音の動きがすっきり明快になったばかりか、中高音の透明度まで増した気がする。それでいて、低音そのものの量が減った感じはない。節度を保って弾む音、PW-201の美味しさがちゃんと出ている感じだ。心配していた紙風船の材質の音が聞こえてくるようなことは特にないようだ。

 というわけで、まずは成功。それも、対コスト比からすれば「大」を付けてもよいレベルだが、またも安直に済ませてしまったという引け目があるせいか、今ひとつ達成感があるようなないような…(^^;


ネットワーク小変更

 やっぱりいずれはマルチアンプ、と決め込んで、ネットワークにはあまり予算を配分しないという方針でやってきたが、いつまで経ってもマルチ化が実行される様子がないのはいかにも私らしいところではある(^^;。

 マルチ化はまだ当分先のことになりそうなので、ここいらで少しネットワークの能力向上を図ってみるかと、ウーファーのLPF3.3mHを銅フォイルの空芯コイルからコア入りのものに変更した。

 コア入りのコイルは音にコアのキャラクターが付く恐れがある、ということで空芯のものを選んでいたわけだが、このくらいのインダクタンスになると、空芯では巻かれている導体の長さもかなりのもので、DCRがけっこう大きくなる。当然音にも影響しないはずはない。これはコアがもたらすであろうキャラクターとはトレードオフであろうから、ひょっとしたら良質のコアを用いたコア入りコイルのほうが好結果を得ることができるかも、という可能性も否定できない。が、品質の良さそうなコアを使ったコイルというのは概して高価で、試してみるにも二の足を踏んでしまう。

 そこへ、こんなのが現れた。

 Jantzen Audio(「ヤンツェン」か「イェンツェン」と読むのだろうが、よく判りません)のトロイダルコア・コイルだ。デンマークの会社のようだが、このコイルについては販売店のサイトではポーランド製と表示されていた。

 どこにも角のないトロイダル。コアの断面もきれいな円形だ。何より魅力なのは、しみったれの私をして、音に確信を持てていない段階で手を出してみようかと思わせる程度に値段が手頃であることだ。見つけてから3日ほど熟考した末、「ポチっ」。

 これまで使っていた同じく3.3mHの銅フォイル空芯コイルと並べてみるとこのとおり。サイズはこのトロイダルコイルのほうがひとまわり小さく、持ってみても少し軽い。働きが同じなら、より重いもののほうが音がよさそうな気もするが、巻かれている導線の長さは銅フォイル空芯より明らかに短そうだ。公称のDCRは、フォイル空芯の0.66Ωに対し、トロイダルのほうは0.07Ωと、ほとんど1/10に過ぎない。若干軽くとも、このぶんのアドヴァンテージはないはずがないだろう。


 とはいえ何しろそもそも磁性体の周りに導線が延々這い回っているという代物ゆえ、期待は半分だけに控えておくことにして、さっそく入れ替えて聴いてみた。ら、いやいや、悪くないじゃないですか♪。低音の出方がよりスムーズになった、というより、むしろ中高域の明瞭さが増して音離れがよくなった感じだ。気になるコアの癖といったようなものは、私の駄耳には聞こえない。換えた直後こそ「これがコアの音か」と思えるような特徴が感じられるような気がしたから、空芯との音の違いというのは確かにあるのだが、それは違和感というのではなくて、しばらく聴いていたらもうこれが私にとって当たり前の音になってしまった。

 しかし、ネットワーク全体をちゃんとしっかりしたボード上に組んだほうがもっといいだろうな…と、ときどきは思っているんだけど、これもマルチ化同様思っているだけ(^^;。

http://web3.incl.ne.jp/tetsu/c7spSys/gotoSys.html

64. 中川隆[-9953] koaQ7Jey 2019年5月30日 10:32:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2399] 報告

ゴトウユニットが聴ける名曲喫茶


山梨 喫茶店 サウンドライフ ハーモニー
http://www.dourakuhouse.com/


〒405-0076 山梨県笛吹市一宮町竹原田1823 
Tel : 080-6733-5134


営業時間:15:00〜20:00までに入館ください。

定休日は毎週月曜日


アクセス
中央道一宮御坂インターを甲府方面へ約300m 白バイ訓練所前 交差点を左折し居酒屋だるまの目の前


地図
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92405-0076+%E5%B1%B1%E6%A2%A8%E7%9C%8C%E7%AC%9B%E5%90%B9%E5%B8%82%E4%B8%80%E5%AE%AE%E7%94%BA%E7%AB%B9%E5%8E%9F%E7%94%B0%EF%BC%91%EF%BC%98%EF%BC%92%EF%BC%93/@35.6403382,138.6676332,17z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x601bfc57e4745a9f:0x3901162e0d1d1c6a!8m2!3d35.6403382!4d138.6698219?hl=ja

◎真空管と4チャンネルオールホーンシステム

サウンドライフ・ハーモニーのオーディオシステムは、ゴトウユニットのスピーカーをメインとした、4ウェイオールホーンスピーカー群を、真空管による4チャンネルアンプ群で駆動しています。

ホーンスピーカーの繊細でスピード感あふれる、また、真空管による柔らかく透きとおった音色は、きっとお客さまに満足していただけることでしょう。 また、音楽にかかせないのがコーヒーです。ハーモニーでは、日本創芸学園でのコーヒーコーディネーターの資格を取得し、特にトレサビリティーを重視したスペシャルティーコーヒーを、堀口コーヒー狛江店より 直接仕入れております。 そのコーヒーが持つ、本来の香りと味を余すところなく引き出した一杯は、心和むものがあります。名曲を聴きながら、また、オーディオ論議にと、満ち足りた時間をお過ごしください。


音響とオーディオ機器へのこだわり

クラシックやジャズを最高の音響でお楽しみください。

より繊細な音楽を奏でるため、スピーカー群はいかに高能率なユニットであるべきか。また、アンプ群はいかにノイズを抑えるかが、まず第一の課題であると考えます。 スピーカーに至っては、振動系を極力軽くする事と磁気回路を強力にする事で、如何なる情報にも遅延する事なく追従しなければなりません。また、増幅系に至っては余計な残留ノイズやジョンソンノイズ等の電気信号を付加する事なく、演奏者が奏でる音楽そしてホールの響き、即ち、レコードやCDに刻まれた情報だけを忠実に再生しなければなりません。この2つは非常に難しい問題ですが、必要不可欠な条件であり、音楽を聴く側の最低限のマナーであると考えるからです。

ゴトウユニットのホーンスピーカー群の能率は110dBを超える超高能率であり、音楽に欠かせない繊細さ・スピード 感、空気感を余すところなく表現してくれます。

また、このスピーカー群を駆動するアンプは当店オリジナルで、極めて残留ノイズの少ない高忠実度・ワイドレンジの真空管アンプ群です。

特にパワーアンプは直熱三極管をAクラスで稼働させ、回路構成・配線の引き回し等試行錯誤を繰り返した結果、直熱管特有の残留ノイズはホーン内部においても皆無の状態であり、正に増幅系を感じさせない静かなアンプ群です。音楽を邪魔しません。

ゴトウユニットのホーンスピーカー群との共演により、消え入るようなピアニッシモからホールを揺さぶるフォルテまで、驚くべきダイナミックレンジの広さと音楽に欠かせないディテールを忠実に再生してくれます。


◎オーディオ機器紹介

メインシステム


・スピーカー群

ゴトウユニット 

・中低音 SG-505TT + S150アサガオストレートホーン、
・中高音 SG-370 + S800ストレートホーン、
・高音  SG-16TT  
・低音  アルテック  515E*2 当店オリジナル 50Hz 2/3λ エクスポネンシャルホーン

・アンプ群

・6922SRPPイコライザー搭載ゼロゲインプリアンプVRは12接点ラダー式アッテネーター/ー6dBパッシブ式4チャンネルフィルター

・低音 デュアルカップリングMos FET A級17W×2/残留ノイズ0.06mV/16Ω抵抗負荷時

・中低音‐中音‐高音 セトロン300B シングルA級7.3W×2/残留ノイズ0.32mV/16Ω抵抗負荷時

・プレーヤー

・プラッター部7.8kgインナーグリップ式/オリエンタルモーター製ACサーボモーター/糸ドライブブレーヤー
・トーンアーム SME3012+デンオンDL‐103

サブシステム


・スピーカー
ダイヤトーン    P-610A  フルレンジ

・プリアンプ
6DJ8 EQ内蔵プリアンプ  出力3系列

・メインアンプ
6A3 または 300B A級シングルアンプ
・レコードプレーヤー及びCDプレーヤー

    
コーヒーへのこだわり

おいしいコーヒーとは、香り・味 ともにコーヒーの種類でそれがしっかり表現できるものと考えます。現在のコーヒー市場は、コーヒー豆の流通経路が曖昧なものが多く、輸出の過程で混ぜこぜになってしまうケースが 多分にあると判断します。 また、コーヒーの挽き方・立て方もその豆に適した方法が必要です。当店では特にコーヒー豆の流通経路(トレサビリティー)に 着目して ・どこの農園の豆・ までをしっかりと把握し、品質の安定したコーヒー豆を使用しています。 まずは飲んでみてください。暖かいとき・すこし冷めた時・もう少し冷めた時、一杯のコーヒーでも味・香りがこれほどに違うのかをきっと気づいていただけるでしょう。また、コーヒー豆によってこれほどまでにと思われるほどの違いがわかっていただけるで事しょう。

○飲み物紹介


・コーヒー 
タンザニア・コロンビア・ブラジル他  450円 二杯目250円

・その他
・コーラ
 ジンジャーエル他  300円
・コーヒー豆  200g/1050円
・保存用ビン150円



手作りの真空管アンプ、レコードプレーヤーなど、オーディオ機器の製造・販売・修理もいたします。

手作りの真空管やアンプも取り扱っております

当店では、自作派の方々によるアンプ群の視聴(切り替えボックスにより当店6A3あるいは300Bとの聴き比べ)も行っています。 腕に自慢のアンプを是非持ち込んでいただき、オーディオ論議に花を咲かせませんか? (試聴用切り替え対応スピーカーは ダイヤトーンP-610A)  また、自作を希望するお客さまへのシャーシ等の販売や製作にわたってのアドバイス(日曜日毎に当店内にて製作も可能)もいたします。 これから自分の手で世界に一台しかない貴重なアンプを作ってみたいとご希望の方は大歓迎いたします。 一緒にシビれてみませんか。なお、完成品をご希望のお客さまには、ご好評を頂いている事から、受注により真空管アンプあるいはFETアンプを製作致します。使用目的や将来へのグレードアップを含め、ご相談ください。

いづれもノイズの非常に少ない高忠実・ナチュラルアンプです。 その他、スピーカーボックスの製作や設計、スピーカーエッジの修理等も行います。


☆アンプの作製にあたっては、スピーカーの能率、聞かれる音量等、お客さま一人一人環境が異なります。この為一般的なアンプは、低い能率のスピーカーに合わせた設計を行う事が多く、能率の良いスピーカーを使う場合はプリアンプ、パワーアンプ共にボリュームを下げるだけ下げた状態となり、澄みきった延びのある音楽を楽しむことが難しいのが現状です。原因は過剰な増幅による、残留ノイズやジョンソンノイズの付加、そしてボリューム絞りによる音質劣化に他ありません。

当店では、このような状況を回避するため、お客さまの状況を十分お聞きし、無理のない設計により作製をさせていただく事としております。そのため、幾度となく確認を取らせていただくこともありますが、ご理解くださるようお願いいたします。
http://www.dourakuhouse.com/

65. 中川隆[-9947] koaQ7Jey 2019年5月30日 12:07:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2405] 報告

GOTO UNIT - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%82%B4%E3%83%88%E3%82%A6+%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%88&sp=mAEB
https://www.youtube.com/results?search_query=GOTO+UNIT


オーディオの足跡

GOTO UNIT スピーカーシステム一覧
https://audio-heritage.jp/GOTOUNIT/unit/index.html
https://audio-heritage.jp/GOTOUNIT/index.html


ヤフオク! -「ゴトウユニット」(スピーカー) - 新品・中古品の落札相場、落札価格
https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch/%E3%82%B4%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%88/23812/


66. 中川隆[-9946] koaQ7Jey 2019年5月30日 12:10:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2406] 報告

2010-10-11
オーディオ評論家(技術者?)について 高城重躬氏他
https://ameblo.jp/k-kichi/entry-10674041071.html


過去のオーディオ評論をやっていた人の中で、もっとも私が高く評価している人は故人ですが高城重躬になります。高校の数学教師としての理論的な考え方と、幼少頃からクラッシックの専門教育を受けた経験を元に、黎明期のオーディオ界を牽引した偉人です。この時代、先駆者は居ない訳で、他人の真似事でなく、多くの先駆的な取組みを一介のアマチュアが実践したことは、驚愕的なことですらあります。数学者としての論理的背景と芸術家としての専門知識を高度に併せ持ち、原理原則に忠実で、それを自ら実践した姿が、多くの人々に共感を得たからだと考えます。天井据付の低音ホーンやストレートホーン、巨大な磁石とパーメンジュールという高磁束を得られる金属、チタンやベリリュームという振動板素材の採用、77極シンクロナスモーターによる糸ドライブターンテーブル、CD出現時も、その可能性の大きさにいち早く注目し、「諸君、脱帽したまえ。天才が現れた」とショパンを紹介したシューマンの言葉を引用し最大の賛辞を贈った先見の明、この人の功績を挙げれば本当にキリがありません。また高城氏が大金持ちでもなく、都立高校の教師という普通のサラリーマンと殆ど同じ収入条件という部分にも、大いに一般アマチュアを鼓舞した要素があったのではないかと思います。

この人が居なければ、オーディオ界はさぞツマラナイものになっていたのではないかと思います。高城氏の最も大きな成果は私はゴトウユニットの完成にあると思います。高城重躬氏とゴトウユニットの後藤精弥氏の合作と言っても良いこのスピーカーは何度も書きますが、世界に冠たる日本の誇るべき製品であるとさえ思います。ある意味、職人技による工芸品のようなものですが、その音質の素晴らしさは筆舌に尽くし難いものがあります。

高城重躬の対極に居たのが五味康祐で、この二人のバトルはオーディオ界を二分して一大論争を巻き起こしましたが、高城氏の考え方はオーディオ界の発展に貢献しましたが、五味氏の考え方はオーディオ界を破滅に導いたと私は評価しています。もっとも、現代のオーディオ零細メーカーの志向は五味氏のそれに近いものですが、結局は逃げでしかなく怪しげなオカルト商品が氾濫する下らないオーディオ界の一助となって、荒らしに荒らした挙句、自らは業を溜めに溜めて死んでいったのだから何と罪深いものかと思います。高城氏の考え方が、純粋にオーディオを技術として捉えたときに、現代でも立派に通用するのに対し、五味氏の考え方は古くて嘘臭く、正直、何の役にも立たないとさえ言えると思います。未だに五味氏に傾倒している人など居るのだろうか?仮にタンノイのオートグラフの愛好家はそうかも知れないけど、ノスタルジックや個人の好みならいざ知らず、これを最上の音のするスピーカーというなら私とは全く違った感性の持ち主だと思います。井の中の蛙というか、もう少し広い視野を持つべきでしょう。

高城氏が亡くなった後、使っていたゴトウユニットがオークションに出たのを見て驚きました。手書きでオーバーホールした日付やエッジを修正した日付の記述があり、高城氏が長期に渡り愛情を持って使い続けたのが分かりました。オークションで手に入れた人のブログで今でも確認出来ます。これはちょっと意外でした。高城氏の立場からすれば故障してもゴトウユニットの高価な製品もタダでもらっていたから、平気で無謀は実験をやれたり、あんな家ごと改造するような大掛かりなシステムが実現出来ていたと勝手に想像していたのですが、我々一般のユーザーと同じで故障すれば、修理して使っていたのだと改めて知ることになりました。まあ、知り合い価格ではあったかも知れませんが、何か高城氏の人間性を垣間見た気がしますね。これは「音の遍歴」等の著書から感じられる高城氏の人物像とも一致しており、こういう人間的に信頼できる部分においても高城重躬という評論家を評価している所存でもあります。

また、高城氏はレコード評論やCD評論は行っていたものの、殆どの場合においてメーカー製品の評価は自分の使用していた機器しか行っておらず、そういう意味で一般で言うメーカー製品の評論を生業にする普通のオーディオ評論家とは一線を画していたのも事実です。高城氏は都立高校の数学教諭という生業があり、オーディオ評論で生計を立てる必要がなかったことと、本当に自分が好きでオーディオをやっているだけで、メーカーの製品は自分が必要であれば購入はするが、また次に良い製品が出れば直ぐに買い換えるという方針であり、しかも比較的安価な国産メーカーの製品を使ったのは高城氏の良心であったと思います。まあ、実際にゴトウユニットで聴いた場合は、機器による音質差は僅かであり、本質的な部分さえシッカリしていれさえすれば、あとは音質の好みや使い勝手の範疇だったのではないかとも思います。

高城氏をオーディオ評論家と呼ぶのに抵抗がある人もいるのは事実ですが、自分の使用している機器を明確にし、自分の音質の好みや方針にブレが無く、万事平等に機器を評価して、さらに当時のマニアにおいて恐らく最高性能の機器を揃え、考え得る最高の条件での評価をしていた姿勢は、他のオーディオ評論家より余程立派であり、信頼のおけるものであったと思います。ただ、高城氏はゴトウユニットという究極のシステムまで行き着いてしまっていたため、それ以下の装置の評価を下すことを良しとしなかったのは、少し残念な気がします。まあ、ゴトウユニットは高価であったが、高城氏にとっては自分の求める中で最高のモノであり、その音質が得られるのであればお金には代えられないという絶対の評価をしているのだと考えます。高城氏にとっては、最もコストパフォーマンスの優れたスピーカーがゴトウユニットだったとも言えるかも知れませんが、これは仙人の領域で凡人はどうしても先立つものが頭を過ぎります。

今の時代に、高城氏と同じくらい強力な個性を出している人と言えば、DCアンプの金田明彦氏ですが、嫌いじゃないけど、その独裁者的な文章があまり好きではないというのは言えると思います。多くの人が同じ思いを描いているんじゃないかなあ。金田氏はアンプの回路発表ということを通じて、自らのオーディオ観を啓蒙していくというスタイルだが、時に、あまりにも暴論に近いような事を平然と記事にしている部分はどうかと思うこともあります。

ただ、マイクからテープレコーダーなどの録音機器の自作からレコードプレーヤーの回転系の制御、オンケンのスピーカーを終生使い続けている点など、一貫した思想があるのも事実で、多くのメーカー機器だけで固めたオーディオ評論家よりは、余程真面目で信頼が置けると思います。まあ、実際に金田氏に会った人の話では、製作記事にあるような偏屈者ではなく、もっと穏和で、完全にあれは読者を増やすための演出だという人もいます。

金田氏のシステムもオールホーン型のシステムですが、高城氏のゴトウユニットとは異なり、オンケンのドライバーとホーンを使い、低音はアルテック社のウーハーを片チャンネル4本使ったもので、システムのオリジナルは金田氏ではなく、田丸雅敏氏という人物だったと言われています。高城氏はアンプによる音質改善の限界を早くから認識し、究極のスピーカーを後藤精弥氏と一緒に開発して行きますが、金田明彦氏はスピーカーはオンケン製品に固定して、アンプによって音質の向上を目指して行きます。金田氏は以前より記事で強靭な音を出すためにはスピーカーユニットの強度が必要であり、強度が無いユニットからは力強い音は出ないと、暗にゴトウユニットを批判したような記述をしています。オンケンのユニットは小音量ならツイーターでも全帯域の信号を入れても異常音などしないとして評価しています。

オンケンのシステムは落ち着いた環境でジックリ聴いた事がないのですが、私個人的には、ゴトウユニットと比較してあまり良い音質のイメージは持っていません。無論、調整や周辺環境や機材そのものも違うので同一で比較するのはあまりに乱暴ですが・・・。昔、金田式アンプの製作に熱中した時に、生涯のスピーカーとしてオンケンのシステムを購入しようと思ったこともあったのですが、当時、もう一つの候補だった手作りに近いマイナーメーカーであるF社の平面スピーカーの方が、魅力的に聴こえてしまっていたこともあり、導入に踏み切れませんでした。いざ、社会人でボーナスが入ったときにはF社が秋葉原から見えなくなり、そして何度か試聴したオンケンのシステムの音質がどうしても馴染めず、また仕事が激務になってきたこともあり、小型で設置性も容易で、比較的音の好みに近かく、金属振動板という斬新さもあり、ボストンアコースティックのリンフィールド300Lを定価の6割引き近い価格で購入し、それから15年以上使い続けることになります。

この時の経験が、振動板位置や位相による音場の再現性といった部分への感心へとつながり、ラジオ技術誌上で話題になっていたユニウェーブの思想の影響も受け、その後、ホーンスピーカーから長い間、遠ざかる形となります。この時、聴いたオンケンの音が果たして本当のオンケンの音だったかと言えば少し自信はないのですが、その後、何度か聴いてきたオンケンのシステムの音質でも印象はあまり変わらないので、私には性が合わないということもあるのでしょう。この後の遍歴は今までのブログで書いた通りですが、あるところで聴いたゴトウユニットの音質に完全にノックアウトされ、自分の方向性が固まったように思います。オンケンの名誉のために申し添えておきますが、ツイーターのみを別のスピーカーに追加して聴いた時には、そのスピーカーの音質が劇的に改善されたため、素質は悪くないと思います。言葉で表現するのは難しいのですが、音が魅力的でないという在り来たりの表現しか出来ないのですが、逆にオンケンの音質が好きな人はこの無味無臭のサラリとした感触が、ホワイトキャンバスに聴こえ、音楽の持つ音質の全てを表現するのに余計な色付けがなく、最も好ましく聴こえるのではないのかとも思います。金田明彦氏は自分で録音した音源を再生することにも執念を燃やしていますのでそういう意味で行けば完全なるホワイトキャンバス系の音質が好みというのも分からないでもないです。

ただ、ちょっと最近疑問に思っていることもあり、金田氏が最近真空管をDCアンプに積極的に取り入れたりし、アンプについては音質的には完全なホワイトキャンバスを狙っているというよりは、多少なりとも音質の演出があるような部品選択になっているような気もします。穿った見方かも知れませんが、オンケンの無味無臭の蒸留水のような音色が、実際の楽器の美しさを表現し切らず、それを補う意味でアンプでの音質で個性を付けて演出しているようなことは有りはしないだろうかと・・・。ゴトウユニットについては、ある一定の基準以上なら好みの差はあるにせよ、アンプは逆に選ばないんですよね。こういってはなんだけど、ゴトウユニットは音色がともかく美しいんです。まあ、私など比較になるような次元での話ではないので、あくまで個人の感想程度の意見です。金田氏のオールホーンシステムを一度聴いてみたいなあ。そしたら、改宗ってこともあったりして。けれど、オンケンはホームページはあるものの、今はフルシステムは入手できないというか、希望者が何名か集まった時点でまとめて製作するようなシステムになっているようです。その点、ゴトウユニットは受注生産であっても、まだキチンと購入ができますからね。

ゴトウユニットとオンケンが出た以上、YL音響とエール音響についても触れない訳には行かないでしょう。実は、ゴトウユニットもオンケンもエール音響も元はYL音響から派生した会社で、元は同じです。YL音響の技術者たちが独立し起したのがゴトウユニットであり、オンケンであり、エール音響で、技術的な背景はどこも同じだと言えます。ただ、この中で、オンケンはフロントプレッシャー方式のドライバーではなく、バックプレッシャー型のドライバーを採用し一番近代的なユニットを作っておりました。ラジオ技術誌上での内外ドライバーユニットの測定において抜群の性能を示したことで知名度があがり、DCアンプの金田明彦氏のつかっているスピーカーとして評価を確立しました。ゴトウユニットは高城重躬氏との共同作業でともかく音質を第一義優先として実音との比較という過酷な試験と改良を繰り返し、チタン振動板、ベリリューム振動板、パーメンジュール磁極などマニアの度肝を抜くような発展を遂げました。その代償としてサウンド入力での耐入力が5Wしかなかったりと使い方を少しでも誤れば簡単に破損に至るデリケートさと、あまりに高額な価格も相俟って究極の装置としての名声を勝ち取りました。エール音響は地味ながら、ひたすらチタン振動板にコダワリ、ゴトウユニットのような極端な音質第一義主義に隔たることなく、実用での強度や仕上げとステンレスホーンなど拘り抜いた材質、ゴトウユニット等よりもマニアックな巨大な磁石やオールパーメンジュール磁極など、オーディオマニアのコダワリを金額無視で実現した化け物のようなユニットが特徴です。残念ながら、エール音響のシステムは試聴した経験がなく、音質評価は分かりません。YL音響はこれらの始祖にあたり、遠くはウエスタンエレクトリックの流れを引いており、社長の吉村貞男氏は元々NECの技術者だったと言われています。超マニア向けにユニットの製造と販売を行っており、本格的コンプレッションドライバーを使ったオールホーンシステムの全て(ユニット+ホーン)を市販していたのは後にも先にも先にもこのYL音響だけだと思います。ゴトウユニットの後藤精弥氏は父親がYL音響の下請けをしていた関係で、YL音響の振動板を作るなどの作業をしていました。吉村貞男氏は後藤精弥氏の感性と技術を高く買っており、勉強のために自費でヨーロッパのホールの音を聴かせに連れて行ったこともあったと言われています。エール音響の遠藤正男氏はYL音響の元工場長でYLのある意味正当な後継者と言えるかも知れません。ちなみにオーディオノートがYL音響の商標を引き継いでいますが、オーディオノートはその後、熱心なスピーカー製品の開発は行わず、今では銀を素材にしたオリジナルパーツを中心に作られた恐ろしいほど高価な真空管アンプの販売に力を入れており完全にこれらの路線からは外れてしまっております。オンケンの小泉永次郎氏は一説によるとゴトウユニットの後藤精弥氏の助手だったという話がありますが詳細は不明です。オンケンとエール音響は正式なホームページがあります。ちなみにエール音響のHPには1983年に吉村社長が亡くなった後に分裂したような記述がありますが、ゴトウユニットは1960年代からありますし、この記述は少しおかしな所があります。あくまで想像ですが、ゴトウユニットやオンケンなど各自のブランドが付いていましたが、実際の製作はYL音響が行っていたのではないかとも思われ、今でもエール音響は本家のオンケンが修理を受け付けないのに対し、代わりに修理などを行っているという話もあります。ちなみに、現在エール音響のユニットを作っているのはこの製作所でエール音響は設計のみとなるのだろうか?

オンケンは金田明彦氏、ゴトウユニットは高城重躬氏、エール音響は特定の人が居ないのでマイナーな部分もあるかも知れませんが、評論家で言えば金子英男氏がエール音響のユニットを使ったオールホーンシステムでした。ある人は、バイオリンの歴史的名器の一大産地だったイタリアのクレモナにちなみ、これらのユニットのことをクレモナユニットと命名していましたが、家内製手工業に近いこれらのユニットの特徴を良く現しているように思いますね。ホーンという理論に忠実だが音質を良くするようなアイディアや職人技に頼らなければならない部分はある意味一子相伝のような感じもして、何時までもこれらのユニットが入手できる環境であることを望まずには居られません。

オンケンやエールがあくまで製品として完成してから金田氏や金子氏が使い始めたのに対し、ゴトウユニットの高城氏は自らもユニットの改良に積極的に参画し、その音質評価やホーン形状の設計までを引き受けていたという部分においては、執念のようなのを感じずには居られません。それを形にすることに執念を燃やした後藤精弥氏の情熱にも頭が下がりますし、それはオンケンの小泉氏やエールの遠藤氏においても同じです。限られたユニットからマーラーの交響曲の全てを再現しようとアンプや演奏機器の開発を続ける金田氏も手法はともかく、凄いことには変わりありません。この人達は、自分の作品が有る訳で、それは言い訳のできないものであり、その確固たる自信には本当に敬服します。

まあ、このレベルに順位をつけることが野暮そのものなのですが、エール音響は聴いた事が無いので除外として、それ以外を得られた結果から判断して、そのアプローチの方向性の正しさや評価するとなると、私には高城重躬が一番なのではないかとやはり思いますね。金田氏のアンプも確かに魅力的な音がしますが、アンプにかける労力によっての音質改良とスピーカーを代えて得られる音質改良では遥かに後者の方が大きく、音質への支配力が圧倒的に高いことが分かります。また、最近発売になった金田氏自身によるDC録音のCDを買いましたが、お世辞を言えば非常に魅力的な音質だと思いますが、正直に印象を言えば独り善がりなCDだと正直思いましたね。私の聴覚が破壊されているのでそう聴こえるのかな?金田氏宅で聞かせてもらえばまた評価も違うかも知れませんが、客観的にヘッドホンで聴いてもみましたが、印象は変わりませんでした。あくまで結果ですので、いくら嘘の評価を自分にしても仕方ありませんので、私自身の感覚で評価するしか方法はありません。金田氏の音質が激変するという表記よりは、高城氏の音の遍歴の中の記述の方が余程、信憑性があるというのが正直な感想です。実際に金田式アンプを作り、金田式のDC録音を聴いて、そしてあるところで金田式アンプ駆動によるオンケンシステムで聴いての結果ですので、仮に私と違う結果となった人があるとすれば、その人はご自身の結論を信じるべきでしょう。ゴトウユニットを初めて使ったとき、私は高城氏が言っていた音質の向上というのをマザマザと実感してしまいましたので・・・。

音質が気に入らないスピーカーは散々アンプにこだわっても多少は改善されても、最終的にその傾向が消えることがなく、この音質に対する支配力は、やはりスピーカーを良くしない限り改良されるものではないという残酷な結果を迎えることになります。そのアンプに投入した費用をそのままスピーカーに投資すべきであり、スピーカーの良し悪しは最終的に耳で判断するべきでしょう。金田氏のオンケンのように高度に完成されたシステムとユニットを使っている場合においては、アンプによる音質改良もスピーカーのポテンシャルを引き出すという意味で重要な課題ですが、結局、マトモな性能を持つアンプで鳴らしてもちゃんと鳴らず、DCアンプのみでしか良い音が出ないとすれば、根本的に問題があるのはスピーカー側だと考えるべきではないかと言うのが私の考えです。無論、金田氏のシステムの音が悪いといっている訳ではなく、記事での内容を鵜呑みにすれば、毎回、劇的に音質が改良されるDCアンプにおいて、金田氏のオンケンシステムはDCアンプ以外ではマトモな音がしないという解釈になる訳で、このような記述に対するアンチテーゼのようなものとご理解頂ければと思います。

金田氏の悪口を言っているようにも見れますが、私は金田式アンプを使っていますし、ファンであり、その一貫した思考は物凄く評価しています。ただ、唯我独尊のような文章がちょっと嫌いなだけです。

改めて、高城重躬氏の「音の遍歴」を読むと今更ながら本当に勉強になります。究極のシステムの遍歴ですが、オーディオ初心者でも面白く読めると思います。健全なオーディオ生活を送る上での指針にもなると思いますので、「ステ○オサウ○ド」なんていうメーカーの提灯持ちの記事と広告だけで埋め尽くされている下らない雑誌を買うくらいなら、アマゾンなどで中古を探して是非読んでみて頂きたく思います。
https://ameblo.jp/k-kichi/entry-10674041071.html

67. 中川隆[-9943] koaQ7Jey 2019年5月30日 14:29:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2410] 報告

楽器としてのスピーカー 五味康祐
http://syokota888.ec-net.jp/to-u-kei-1-/number-12-item-musics-10-00-2018-09-20-/number-12-item-musics-10-b-table-of-contents-audio-culture-critic-2018-09-20-/number-12-item-musics-10-b-table-of-contents-speaker-as-instrument-gomi-kousuke-.html


カットオフ周波数などというもっともらしい理屈をきかされ、

低域を十全に再生するには口径のひろいコンクリートホーンが必要だ、

と有名な高城重躬先生のご高説を拝聴すると、これも試みねばなるまいと思い、

高城重躬先生ご設計になるコンクリートホーンをつくって先生製作のマルチアンプシステムで鳴らしたこともある。

(右の後藤ユニットはこの先生の推奨によるものだった。

ちなみに、のちにテレフンケンS8型を入手して両者を聴きくらべ、立腹のあまりコンクリートホーンを私はハンマーで叩き毀したノダ)

原則としては、スピーカーが優秀なら音はよく鳴るはずである。機種の異なるA、Bふたつのスピーカー・エンクロージャーがあって、Aは世評も高く優秀なら――当然、値段も高いが――Bに比して、すぐれたトーン・クォリティをもつと思うのが常識だ。解像能力で、あるいは高域(もしくは低域)の伸びのよさで、またプレゼンスでAはBにまさるはずなのである。

 でも実際は、そうは参らない。かけるレコードやテープによっては、優秀なはずのAよりむしろBが、音のまとまりよく、耳に快く響くことが現実にはある。レコードではなくアンプや、カートリッジを替えた場合も同様で、原則どおりにゆかぬ。そんな奇っ怪さ、物理特性を裏切る再生音というものの不思議さに呆然自失するところから、じつはオーディオの醍醐味――泥沼――がはじまると、私は思っている。人が音キチになるこれが発端だろうとおもう。

 私がスピーカーに血道をあげはじめたのは思えばずいぶん古いことだ。戦前、まだSP時代に、いわゆる電気蓄音器で音キチのスタートをきり、当時は最優秀といわれたウエスターン・エレクトリックや、ローラー、マグナボックスといった欧米のスピーカーを入手して、手製のキャビネットに納め、あるいは座敷いっぱいになる巨大なバッフル・ボードを自作して取り付けては、鳴らした。

 肝腎のソースが現在とは比較にならぬF特のわるい(ダイナミックレンジも狭い)レコードなのだから、よくなったところでタカは知れているようなものの、いささかでも改良して音がよくなるともう有頂天で、天下を取ったような気がしたものだ。

 2A3という当時はもっとも特性のいいと言われた真空管四本をつかった(ダブルプッシュ)のアンプで、ピックアップヘッド(カートリッジ)の磁石やゴムダンパーを替え、コイルを巻き替え、インピーダンスをあげるためのトランスなども特注した自家特製の装置で鳴らしていた。

 戦後、復員して日本へ帰ってみると、わが家は戦災で焼け野原になっており装置は跡形もない。以来、レコードを聴く心のゆとりがあるわけもなく、ひたすら食うものを求めて街をさまよった。ルンペンにもなった。

 ――それが、ふとしたことで或る人の知遇を得、その人の書斎でLPを聴かされた時は、こんなにもレコードの音はよくなっているのかと、息をのんで聴き入ったのを忘れない。昭和二十六年だった。なにひとつ私の身辺に心をなごませるものはなかった・戦後・――荒廃しきった私の内面にあった・焼跡・はこの時で終わった。私は人なみな生活を持ちたいと思い、自分もレコードを日常に聴ける人間になりたいと熱望した。

 定職にまずありつきたいとねがった。そういう意味で、私を立ち直らせてくれたのは思想でも、文学精神でもない。音である。いい音でレコードを聴きたいという願望だった。

 その人の紹介で、私は職に就くことができた。生まれてはじめて定収入というものを入手した。月収約九千円だった。当時の貨幣価値でも、これで妻と二人の間借り生活は苦しい。それでも自分で得た収入で生活できることにわれわれ夫婦は充実感をおぼえていた。

 ただし、当時LPはまだ輸入盤しかなく、それも一枚三千円で収入の三分の一である。とても買えない。もっぱらラジオの音楽番組をたのしんでいたが、安物のラジオだから音キチの私には不満である。せめてダイナミックスピーカーだけでも別に組んでキャビネットに納めれば見ちがえるほど音がよくなるのを私はむかしの経験で知っていた。

 たまたま、そのころパーマックスという六吋のスピーカーがラジオ店に出ているのを見つけた。二千八百円だった。われわれ夫婦の生活に二千八百円は無理な支出である。ひそかに質屋に通って生計を補ってくれる妻に、無理は言えない。

 といって、スピーカーはほしい。――そんな時、文学雑誌から短篇を書いてみないかと言われた。原稿料がもらえるのかとたずねたら出るという。ただし、掲載に価するできばえでなければならんぞ、と。

 それまで、自分好みなストーリーも何もない、散文詩のような小説ばかりを私は書いていた。言うまでもなく、まったく無名の文学青年だった。売文したくはなかったのだ。でも原稿料ではなくスピーカーが、この時の私はほしかった。

 私は書くことにした。掲載に価するもの――つまり「おもしろい小説」を生まれて初めて意図して、私は書きあげた。作品のプロットは、ドビュッシーの前奏曲第一集中の・西風の見たもの・からヒントを得たので、サブタイトルに・西風の見たものより・と書き添えたあたりに文学青年の私の名残がある。

 だがこれを見た編集長は、私が書く気になった理由を知っていたので、「・パーマックスがほしくて・と入れるのが本当じゃないか」と笑ったが、この短篇が、なんと芥川賞を受賞するという望外なことになり、おかげで私は文壇に出ることができた。かさねて言うが、この意味でも私を世に出してくれたのは、いい音で音楽を聴きたいという希いである。

 芥川賞を受けてからは、ようやく収入が多くなり、オーディオ部品にお金を注ぎこむことができるようになって、今日に至っているが、私の体験では、再生装置で最後にものを言うのはそのスピーカーシステムである。エンクロージャーである。

 身分不相応なまでに、私はさまざまなスピーカーを購入してきた。原稿の売れはじめた最初はグッドマンの十二吋だった。それから、久しくあこがれていたタンノイ・モニター15を買った。買った当座はすばらしいと思うが、いろいろレコードをかけるうちに、不満が生じる。そこで他のものを購入し、聴きくらべる。あとのがいいと思ったり、或るレコードの或る楽器の音色は前のがいいと思ったり……。

 泥沼に足を踏み入れたのだから心の安らぐことはないのが、この道の常なのはもう知りすぎているつもりでも、やっぱりうまく鳴れば狂喜するし、ちょっとでもわるいと飯も喉に通らぬほど憂鬱になる。

 どれくらい多くのスピーカーを私は買ったことだろう。思いつくままに名をあげても、

ワーフデール、
ステントゥリアン、
J・B・ランシング、
アルテック・ランシング、
テレフンケン、
フィリップス、
サバ、
後藤ユニット、
YL音響、
テクニクス、
コロムビア、
ヤマハ、
パイオニア、
ダイヤトーン、
エレクトロボイス、
ジョーダンワッツ、
EMI、
KEF、
ブラウン、etc.……

これらの機種を単体もしくはエンクロージャー(オリジナル)で購入したのはむろんだが、同じ機種にも製品のばらつきというのがあることを知って、よりよい音をもとめ

グッドマン Axiom 80 はつごう三個
タンノイ・モニター15を二個、
テレフンケン・オッパスを二個余分にもとめた。

わらってほしい、これでも私は満足できなかった男なのである。


 また、カットオフ周波数などというもっともらしい理屈をきかされ、

低域を十全に再生するには口径のひろいコンクリートホーンが必要だ、

と有名な高城重躬先生のご高説を拝聴すると、これも試みねばなるまいと思い、

高城重躬先生ご設計になるコンクリートホーンをつくって先生製作のマルチアンプシステムで鳴らしたこともある。

(右の後藤ユニットはこの先生の推奨によるものだった。

ちなみに、のちにテレフンケンS8型を入手して両者を聴きくらべ、立腹のあまりコンクリートホーンを私はハンマーで叩き毀したノダ)


 音というものは、いま私は断言できるのだが、たとえば一つのスピーカー・エンクロージャーの良否を識別するには、最低三年の歳月が必要である。ちょっと試聴したくらいで答は出るものではない。

 比較試聴してわかるのは、せいぜい二つのスピーカーの音色の差にすぎない。日ごろよく聴きこんだレコードを、それもまず十枚くらい(ピアノ曲、ヴァイオリン曲、それらの協奏曲およびコーラス、アリア、大編成のオーケストラ、チェンバー・オーケストラ、それに邦楽の三味線曲など)を、晴天、雨の日、深夜、朝、さまざまな湿度や寒暑の季節にわたって聴きくらべて、はじめて綜合的な良否は判別できるものだ。それぐらい、音色はさまざまな条件に左右される……物理特性だけで音楽美はつくり出されるものでないことを、三十余年、この道に血道をあげて私はさとった。

 つまり一機種の再生装置(とくにスピーカー・エンクロージャー)で、すべての曲の美しさやそのプレゼンス、生らしさを再現するのは無理であることを。マルチアンプのほうが単体で鳴らすよりアンプに無理がかからず、歪みの少ないのは自明の理である。2ウェイよりは4ウェイのほうが理論的にはいいにきまっているし、大口径のコンクリートホーンが出すのびやかな重低音は箱に納めたスピーカーからは絶対でてこない。そんなことはわかっている。


 だが、である。

 マルチアンプで4ウェイシステムをとったとき、トゥイーターとスコーカー、またウーファーの音色に微妙な差があって、どうかするとピアノ曲の低域はヤマハ、高域はスタインウェイのピアノを弾いているような違和感を、耳の敏感なリスナーなら感じるだろう。

 いかにピアノが生らしく響いても、ピアニストが右手、左手のピアノを弾いているがごときこの不自然さに平気でいられるためには、よほど鈍感な音楽への感受性が必要だ。そしてマルチアンプ・システムの場合――とくに自家製(トゥイーターはA社製、ウーファーはB社製といった)の場合、この違和感は不可避の現象となる。

 歪みなく鳴れば鳴るほど、現実に、すぐれたピアニストの生の演奏ではなくなっている。交響曲も同様で、NHK交響楽団とベルリン・フィルがごっちゃになって演奏するのだ。こんなバカなことがあろうか。どだい指揮者がいない。

 同じことはコンクリートホーンによる再生音にもいえる。

拙宅の場合にかぎらず、高名な高城重躬先生宅の音もそうだったが、虫のすだく声や消防車のサイレンは、まことに迫真的生々しさで聞こえるし、大オーケストラの強烈なffも歪みがない。この点は見事である。

しかし、声の発源体がイメージとしてあらわれてこない。音響だけあって楽器がないのだ。


 虫の声なら、リーン、リーンとどこからともなく聞こえるのが本当だろうし、風情もあろう。しかし、音楽はちがう。シューベルトの歌曲を聴くとき、アルトやバリトンの声は歌っている歌手はどこにもいないのだ。――ふつう、ステレオでぼくらが音楽を聴くとき、前方壁面――左右二基のスピーカーをすえた空間に、音源を彷彿する。ステージに立つ歌手の口もと、その表情や姿が美声とともにイメージとして浮き上がってくる。

 プレゼンスのいい再生音ほどそうなので、でもコンクリートホーンにはこのイメージがない。

声はすれど姿は見えず……幽霊である。オペラを好んで私は聴くが、幽霊の歌うフィガロなど真っ平だ。

コンクリートホーンを叩き毀した理由であった。


 素人考えで言うことだが、このイメージの欠如は「指向性」に関係があるように思われる。無指向性をなにかオーディオで重要なことのように宣伝するスピーカー・メーカーがいるが、私は信用しない。指向性がつよいと、たしかに音のサービスエリアは限られ、極言すれば、立体感を十分にともなう音を聴ける位置はリスニングルームのただ一点にとどまるだろう。

 その一点から少しでも左右にずれると、右(もしくは左)の音が強くなり歌手は左右どちらかのステージへ寄ってしまう。コンクリートホーン(マルチウェイ)で再生すればそういうことはないし、部屋のどこで聴いても音のかたちは変わらない。

 しかし、である。他人様にいっしょに聴いてもらうために私はレコードを鳴らすのではない。つねに音楽を鑑賞するのは私ひとりであり、一点しかないサービスエリアの、最適の位置に坐れば十分なのである。わが家はコンサートホールではないのだ。(他人様にほめてもらいたくて音のグレードアップをするつもりは毛頭、私にはありません。)

 かくて指向性の強さなどまったく私は意にしないで、スピーカーを選択することにしてきた。結果、いまわが家に残っているのはタンノイ・オートグラフと、テレフンケンS8型エンクロージャーである。他はことごとく知人に進呈したり、物置へほうりこんでしまっている。

 タンノイ(Guy R. Fountain Autograph )については、ステレオ雑誌などに紹介記事がでているので説明は略すが、家庭でぼくらがレコード音楽、FM放送を聴くにまず過不足ない――むしろ十分すぎる音域の広さ、プレゼンスの見事さ、音色の気品ある美しさを聴かせてくれるエンクロージャーである。

 とくにクラシック音楽に向いているし、その弦のユニゾンの厚みと繊細さを響かせる点では右に出るものがない。不満は、折返しホーン型なので、どうかすると音に「ホーン鳴き」の伴うことだろうか。

 したがって、ピアノの音がふくらみすぎて聞こえる。タッチが模糊とした感じになる。これだけは憾みだが、ほかは申し分がないし、とくに人声のリアルなフィーリングは特筆に価するだろう。たとえば「マタイ受難曲」や「メサイア」で合唱メンバーを背景にバス、テノール、アルト、ソプラノ、と独唱者が4人並んで歌うとき、拙宅ではオートグラフを約五メートル幅の壁の両側にすえてあるが、その壁面にハッキリ一人一人が並び立って、別々の位置で歌ってくれる。

 そんな独唱者の立像はあたかも眼前に居並んでくれるようで、どれほどボリュームを上げてもその身長は決して巨大にならないし、ステージにしっかり両足をふまえている感じが見える。この臨場感は実に快い。

 S8型は、トゥイーターだけ(左右二個ずつ)別のキャビネットに納められて部屋の両端に立てるようになっており、スコーカー(これも左右二個ずつ)は棺桶ほどの大きさの単体キャビネットの両側に、やや外向けに納められ、ウーファーはただ一個、同じキャビネットの内側で床へ下向けに取り付けてある。

 おもしろいことにそれも右寄りで、左は、黒田家の九曜の紋さながらな穴を開けてあるだけだ。これで十分すぎるステレオ感をもつ低音が鳴るのである。言うまでもないだろうが、この棺桶キャビネットの重さは、大の男ふたりが辛うじて持ち上げられるもので、音響学的にどんな根拠で設計されたのか知らないが、小林秀雄先生が拙宅でこのS8型を聴かれ、コンサートホールの一番よい席で「これは聴ける音だ」と感心された。

コンクリートホーンくそくらえの低音がこの棺桶から聞こえてくるのだから不思議である。

 要するに、さまざまなスピーカーをいじって私の痛感したことは、音楽を響かせるのは単体スピーカーのコーン紙ではなく、トゥイーターやウーファーでもなく、エンクロージャー全体であり、さらに言えばリスニングルームそのものということだった。部屋の音響条件が変われば同じスピーカーが別ものに聞こえることだってある。

 どこにスピーカーをすえるか、その位置をいろいろ移動させ、主に低音の鳴り方を考慮するのだが、ピタッとそれがツボにハマって、うまく低音の響いてくれた瞬間の快感は、これぞオーディオ狂の陶酔の最たるものだろうと思う。コンクリートホーンが低域に効果があることはわかりきっている。

 だが家屋をぶち抜き、あるいは新築してそんなものを誰もが建てるわけにはゆかんのだ。家庭の事情――経済事情?――のゆるす範囲内で、ぼくらは音楽を聴かねばならぬ。グレードアップをはからねばならぬ。その切なさ・無念さを誰だって胸に秘め、少しでも音をよくしようと苦心惨憺しているのが日本のオーディオ愛好家の姿ではないのか?

 私は、経済的に多少めぐまれた条件下にあり、めぐまれた条件をフルに活用してオーディオ装置をいじり、グレードアップを心掛けてきた。その私が、いま言えることは、いかに莫大な費用を投じ物理的条件を満たしても、測定器がどんな数値を出していてもどこかに生にはかなわぬ不満な音は生じるということだ。

 いつも私は思うのだが、大編成のオーケストラが響かせるff音のエネルギー――ベートーヴェンの交響曲にあっては、「現代のオーケストラの途方もない爆発力をもってしても色褪るほど、強大でなければならぬ」とフルトヴェングラーに言わせた「運命」のあのフォルティッシモのエネルギーが、スピーカーのコーンやジュラルミン振動でだせるわけはないのである。開口部二メートル余のコンクリートホーンだってしょせんは五十歩百歩なのだ。

 それなら、少々低音はこもりがちで、一万ヘルツあたりに粒子の荒さが感じられても、仕方のないことである。肝腎なのは唯物的な音ではなくて、音楽をぼくらは鑑賞することを忘れてはなるまい。現在のレコードに刻まれたトーン・クォリティは、また市販されるオーディオ部品の高級なものは、ほぼ、こうしたぼくらの要求を満たす程度には音質を保証してくれている。

 A機種が特別よくて、Bがわるいというようなことはまずない。したがって、あとは各人好みの音色で聴くこと、聴くための部品を選択することだ。

 カートリッジ、テープデッキ、アンプにもこれは言えるが、とりわけスピーカー・エンクロージャーが音色を決定づける大きな働きをなすと思えるので、本稿はスピーカーを主にまとめてみたまでである。

 四十年余の、わが音キチの人生をかえりみて、私は言う。再生装置で最も重要なのはスピーカーを選ぶことである。それをどんなシステムで鳴らすかである。それによって自ずとカートリッジやアンプ、チューナーは選択される。だが、どれほど装置に大金を投じようと、唯一絶対な装置というものはない。

 聴きこめばかならず不満はでてくるのである。

 ならば、グレードアップに無理をすることはあるまい。

コンクリートホーンなど、だまされても造ってはならぬ。

そんな閑があればいい音楽を、演奏を一度でも多く聴くことだ。自らを省みて、ラジオアンプに六吋のスピーカーをつなぎ、息をひそめて名曲を聴いた貧乏時代の私と、贅を尽したオーディオ装置をもついまと、どちらが真に純粋な音楽の聴き方をしているだろうかと思うのだ。

 装置を改良し、いい音で鳴ったときの喜びはたとえようもない。まさにオーディオ狂の醍醐味である。しかし、すぐれた音楽を聴くときの感動や悦びはそれにまさるものだ。音楽には神がいるが音には神はいない。

 決定的なこの違いをまず知らぬようで音質を改良して何になろう。そして神を見いだすことは、いまのきみの装置――FM受信からだって可能なのである。

 名曲を諸君、聴こうよ。
http://syokota888.ec-net.jp/to-u-kei-1-/number-12-item-musics-10-00-2018-09-20-/number-12-item-musics-10-b-table-of-contents-audio-culture-critic-2018-09-20-/number-12-item-musics-10-b-table-of-contents-speaker-as-instrument-gomi-kousuke-.html

68. 中川隆[-9942] koaQ7Jey 2019年5月30日 14:47:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2411] 報告

オーディオ巡礼(一)の一 五味康祐 1970年
https://blogs.yahoo.co.jp/jazz_hiroshi_classic/56212377.html


 岡画伯の装置は高城重躬氏の構成になるものだから,いっそ高城邸を訪ねればという意見が編集部であった。私は言った。高城氏のは,車でいえばプロトタイプのレース用マシンである。なるほどスピードは出るかも知れないが市販はされていない。

 トゥイーター一つにしても後藤ユニットやらの特別製,ウーファーも特製で(高城氏はこの”特別製”というのがお好きである)つまり一般ユーザーには手に入らない。

 本誌で”オーディオ巡礼”をはじめることになった。すでに多くの読者から小生の訪問を希望する申込を受けている。わりあい私は講演旅行や,取材で旅には出るほうなので,そんなおり,ふとその地方の愛好家の音を聴いてみたいと思うことが,これまでにもあった。しかし何日の何時に訪ねるとスケジュールを立てることが,どうにも私には出来ない。およそスケジュールにハマった行動というのが私は苦手で,けっきょく,むなしく其処を離れてしまう。せめて愛好家諸氏の電話連絡先でも編集部へしらせておいてもらえたらと思う。

 もう一つ,はじめにこれは言っておきたいが,けっして高級機種の音を聴こうとは思ってはいない(そういうことでなら日本に輸入された最高級のものは各パーツにわたって私は一応知っている)。私が聴きたいのはメーカーが公称する音ではない。その人の部屋で,創り出される音楽だ。同一メーカーの,同じアンプ,同じスピーカーを使っても各人の鳴らしている音はどこか皆ちがう。生活の場が違うように。ボリューム一つにしても,当人にとってはかけがえのない調整の一点というものがある。余人には多少ずれてもどうってことはないように聴こえるのに,当人には,その一点でなければ音楽は色あせてしまう。そういう一点を決定させるのはその人の教養だろう,生き方だろう。そんな,文学的表現がゆるされるならその人の人生の音を,私は聴きたい。

 よく,金にあかせてオーディオ誌上などで最高と推称されるパーツを揃え,カッコいい応接間に飾りつけて,ステレオはもうわかったような顔をしている成金趣味がいる。そんなのを見ると,私は横っ面をハリ倒したくなる。貴様に音の何が分るのかとおもう。こんなのは本でいえば,豪奢な全集ものを揃え,いわゆるツン読で,読みもしないたぐいだ。

 全集は欠けたっていいのである。中の一冊を読んで何を感じるか,それが君の生き方にどう関わりを持ったか,それを私は聴いてみたい。その人の血のかよった音を,聴きたい。

 重ねていうが,部品の良否は問うところではない。どんな装置だってかまわない。君の収入と,君のおかれた環境でえらばれた君の愛好するソリストの音楽を,君の部屋で聴きたいのだ。私はキカイの専門家ではないし,音楽家でもない。私自身,迷える羊だ。その体験で,ある程度,音の改良にサゼッションはできるだろう。しかしアンプの特性がどうの,混変調歪がどうのと専門的な診断は私に出来るわけがない。そういう専門家のもっともらしい見解に従って改良をやり,実は音のよくなったためしは私の場合,あまりなかった。大体,それでよくなるくらいなら,はじめっからメーカーはそのように作っているだろう(およそオーディオにくわしい専門家の頭脳を結集してメーカーは製品を造っている。それらを組合わせても,意のままに鳴らないのが音というやつである)。

 ディスクやテープを再生して音楽を聴く限り,そもそもナマそのままに鳴るわけがない。したがって再生音に,真の意味で良否があるわけがない。あるのは好きな音か,嫌いな音かだけだ。私はそう思っているから,好ましい音色を告げることは出来るが,改良に役立つ専門的知識を期待されて,訪問を望まれるなら,お互いに無駄なことも知っておいてほしいと思う。その上で,あなたの好きな演奏家のレコードを(いい音で鳴るレコードでもいいのだ)一緒に聴きたい。


 さて今回は,野口晴哉氏と岡鹿之助さんの装置を巡礼した。これには二つの理由があった。

 編集部では,第一回目だから,なるべくオーディオマニアの垂涎のまとであるような最高パーツの組合わせでどんなふうに鳴っているかを,聴いてみてくれという。できればグラビアに豪奢なそのリスニングルームの写真をでんと飾りたいと言う。阿呆な話だ。写真が音を出すわけではないぞ,と私は言ったが,「最高のパーツ」というこれには,弱い。

 野口氏は,私の知る限り日本で最もぜいたくな聴き方をしてこられた人である。昭和28年の初夏だったとおもうが,英国製の”アコースティカル・コーナーリボン・スピーカー”というのが,当時米オーディオ・フェアーに出品され,アルテック・ランシング820A(”A7”の前身)とともに最もすぐれた音質と評価されていた。私はそれにあこがれていたが,米ドルで七百ドル。当時は今とちがってオーディオ部品の輸入価格はドル千円の割合いになっていたから,つまり七十万円 ―無名作家には気のとおくなる値段だ。それが野口氏のところに購入されたと聞いて矢も楯もたまらず,訪問したことがある。

 野口さんとは無論それが初対面だったが,以前から,クレデンザでずいぶんSPを聴かれたという噂はきいていたし,昨日や今日のレコード愛好家でないことはわかっていたが,さて訪ねてみて驚いたことには,ステファン社のトルーソニック,アルテック・ランシング,タンノイ,ゼンセン,ワーフデール,当時めずらしかったジーメンスのスピーカーなどごろごろしている。たいがいの欧米製アンプもある。これはだいぶ私よりお熱いぞと思ったが,さてそんな数多のスピーカーとは別に,ひときは燦然たるコーナー・リボンが二階大広間の隅に ―金屏風のかどに据えられたあった。たしかリークのアンプ(ポイント・ワン)でバイナム指揮によるハイドンの交響曲97番を聴かせてもらった。オーケストラを聴くには繊細すぎる音色の感じがしたが,デッドな和室のためだろうとおもい,適度に残響のある天井の高い応接間で,しみじみ聴けたらなあと思ったのを忘れない。

 それはまぎれもなく正統派の,英国の伝統をひびかせる音だった。”正統派”という言い方はあいまいだが,リボン・トゥイーターの金粉をまき散らすような,それでいて粒子の一つ一つが輝きをもつその高音域の繊細な美しさは,ちょっと類がない。大体カートリッジやアンプは,ずいぶん改良され,機能に著しい進歩をみているが,スピーカーだけはコーンを(あるいはジュラルミン板を)振動させて音を出す方式は昔のままで,かわっていない。かけ出しのメーカーには,だからどうしても出せぬ音色というものがあるわけだ。かんたんにそれを私は伝統をもつひびきと呼ぶのだが,何にせよ”コーナーリボン”のかがやきは今も耳にのこっている。

 岡画伯の場合は,装置は高城重躬氏の構成になるものだから,いっそ高城邸を訪ねればという意見が編集部であった。私は言った。高城氏のは,車でいえばプロトタイプのレース用マシンである。なるほどスピードは出るかも知れないが市販はされていない。

 トゥイーター一つにしても後藤ユニットやらの特別製,ウーファーも特製で(高城氏はこの”特別製”というのがお好きである)つまり一般ユーザーには手に入らない。そんなものでどれほどいい音が鳴ろうと,高城氏のエリート意識は満足させられるだろうが余人に聴けないものなら,”巡礼”の対象にはなるまい,と。私の知りたいのは,ツーリング・カーの乗心地 ―もしくはそれを運転している人の,技術である。だれでも入手できてこそ,その音は論評の対象になる。

 その点,岡さんのは,ふつうに手に入るパーツで構成されており,私の印象に間違いなければ,それは高城氏の傑作のひとつだった。モノーラル時代だが,すでにマルチアンプシステムが採用され,高,中,低音ともスピーカーはワーフデール,ウーファーは底辺から天井へ向けてホーン型にまとめられたエンクロージァで,高城氏の創作である。その出す音のふくらみと,調和のとれたこころよい響きは,高城氏がどれほど音響学に造詣の深い人かを教えてくれた。私はこの岡邸の音をきいて,高城さんに心服し,以来ハイ・ファイを志向する若い編集者が相談にくると,「高城先生に作ってもらいなさいよ」とすすめた。何人かはそうして多忙な高城先生の厄介になった。むろん私もその一人だが,そういう意味で高城邸は当時,オーディオのメッカだったとおもう。

 ―以来十余年,いまでは欧米メーカーのパーツは容易に手にはいり,ことにスピーカー・エンクロージァはオリジナルで聴くことができる。そんな時代になっても岡画伯は,むかしのままで聴いていらっしゃるとつたえられていた。岡画伯のもとへ行けば,つまり音のふるさとがあるわけだ。さまざまな機種を購入し聴いてきた私のオーディオ遍歴で,もう一度,ふるさとの音へ帰れるのである。そう思うと,この”巡礼”をはじめる前に岡さん宅を訪ねておきたかった。何年ぶりかでお電話したら,「どうぞどうぞ」昔と変らぬ,人柄そのままな優しい声でうべなって下さった。日を約して私は訪ねていったわけだ。ちょうど,野口さんを訪問した翌日である―

 野口邸へは安岡章太郎が案内してくれた。門をはいると,玄関わきのギャレージに愛車のロールス・ロイス。野口さんに会うのはコーナー・リボン以来だから,十七年ぶりになる。しばらく当時の想い出ばなしをした。

 リスニング・ルームは四十畳に余る広さ。じつに天井が高い。これだけの広さに音を響かせるには当然,ふつうの家屋では考えられぬ高い天井を必要とする。そのため別棟で防音と遮音と室内残響を考慮した大屋根の御殿みたいなホールが建てられ,まだそれが工築中で写真に撮れないのが残念である。

 装置は,ジョボのプレーヤーをマランツ#7に接続し,ビクターのCF200のチャンネルフィルターを経てマッキントッシュMC275二台で,ホーンにおさめられたウェスターン・エレクトリックのスピーカー群を駆動するようになっている。EMT(930st)のプレーヤーをイコライザーからマランツ8Bに直結してウェストレックスを鳴らすものもある。ほかに,もう一つ,ウェスターン・エレクトリック594Aでモノーラルを聴けるようにもなっていた。このウェスターン594Aは今では古い映画館でトーキー用に使用していたのを,見つけ出す以外に入手の方法はない。この入手にどれほど腐心したかを野口さんは語られた。またEMTのプレーヤーはこの三月渡欧のおりに,私も一台購ってみたが,すでに各オーディオ誌で紹介済みのそのカートリッジの優秀性は,プレーヤーに内蔵されたイコライザーとの併用によりNAB,RIAAカーブへの偏差,ともにゼロという驚嘆すべきものである。

 でも,そんなことはどうでもいいのだ。私ははじめにペーター・リバーのヴァイオリンでヴィオッティの協奏曲を,ついでルビンシュタインのショパンを,ブリッテンのカリュー・リバー(?)を聴いた。

 ちっとも変らなかった。十七年前,ジーメンスやコーナーリボンできかせてもらった音色とクォリティそのものはかわっていない。私はそのことに感動した。高域がどうの,低音がどうのと言うのは些細なことだ。鳴っているのは野口晴哉というひとりの人の,強烈な個性が選択し抽き出している音である。つまり野口さんの個性が音楽として鳴っている。この十七年,われわれとは比較にならぬ装置への検討と改良と,尨大な出費をついやしてけっきょく,ただ一つの音色しか鳴らされないということは,考えれば驚くべきことだ。でもそれが芸術というものだろう。画家は,どんな絵具を使っても自分の色でしか絵は描くまい。同じピアノを弾きながらピアニストがかわれば別の音がひびく。演奏とはそういうものである。わかりきったことを,一番うとんじているのがオーディオ界ではなかろうか。アンプをかえて音が変ると騒ぎすぎはしないか。
https://blogs.yahoo.co.jp/jazz_hiroshi_classic/56212377.html


オーディオ巡礼(一)の二 五味康祐
https://blogs.yahoo.co.jp/jazz_hiroshi_classic/56212385.html

安っぽいヴァイオリンが,グワルネリやストラディバリの音を出しっこはないが,下手なヴァイオリニストはグワルネリを弾いたって安っぽい音しかきかせてくれやしない。逆にどんなヴァイオリンでも,それなりに妙音をひびかせたクライスラーの例もある。ツーリング・カーの運転技術と私が言うのはここなのだが,要するにその人がどんな機種を聴いているかではなく,どんな響かせ方を好むかで,極言すれば音楽的教養にとどまらずその人の性格,人生がわかるように思う。演奏でそれがわかるように。

 音とはそれほどコワイものだということを,野口さんの装置を聴きながら私はあらためて痛感し,感動した。すばらしい音楽だった。年下でこんなことを言うのは僭越だが,その老体を抱きしめてあげたいほど,一すじ,かなしいものが音のうしろで鳴っていたようにおもう。いい音楽をきくために,野口氏がこめられてきた第三者にうかがいようのない,ふかい情熱の放つ倍音とでも言ったらいいか。うつくしい音だった。四十畳にひびいているのはつまり野口晴哉という人の,全人生だ。そんなふうに私は聴いた。 ―あとで,別室で,何年ぶりにかクレデンザでエネスコの弾くショーソンの”ポエーム”を聴かせてもらったが,野口氏が多分これを聴かれた過去に重複して私は私の過去を,その中で聴いていたとおもう。音楽を聴くとはそういうものだろうと思う。

 岡画伯の場合は,高城さんと岡さんが響きの中で重複して私にはきこえた。岡画伯の部屋はアトリエだから,これ又うらやましいほど天井が高く,遮音も完全で,窓外を疾る車の騒音は入ってこない。

 十数年前の,そのアトリエのたたずまいをうろおぼえに私は憶えていた。高城氏の創られた音に初めて耳をかたむけたソファの位置も,おぼえていた。それにあの忘れようのないスピーカーエンクロージァ。

 しかし,鳴り出した音は,ちがった。ふるさとの音はなかった。当時はモノで今はステレオだからという違いではない。むかしはワーフデールで統一されていたが,今はスコーカーに三菱のダイヤトーン,トゥイーターは後藤ユニットに変っている。おそろしい変化である。後藤ユニットは,高域の性能でワーフデールを凌駕すると高城さんは判断されたに違いない。聴いた耳には,ティアックA6010のテープ・ヒスを強調するための性能としかきこえない。三菱のダイヤトーンは中音域のクォリティに定評がある。しかしワーフデールと後藤ユニットのあいだで鳴るその音は,周波数特性に於いてではなくハーモニィで,歪んでいた。ラヴェルのピアノ協奏曲が,三人の指揮者の棒による演奏にきこえた。ピアノもばらばらにきこえた。どうしてこんなことになったんだろう。あの高城さんがことさら親しい岡画伯の愛器を,どうしてこうも調和のない音に変えられたのだろう。むかしとそれは変らぬすばらしい美音をきかせてくれる部分はある,しかし全体のハーモニィが,乱れている。少なくとも優雅で気品のある岡画伯のアトリエにふさわしくない,残滓が,終尾のあとにのこる,そんな感じだ。

 むかしはそうではなかった。もっと透明で,馥郁たる香気と音に張りがあり,しかもあざやかだった。あの時聴いたバルトークのヴィオラ協奏曲のティンパニィの凄まじい迫真力,ミクロコスモスのピアノの美しさを,私は忘れない。どこへいったんだろう? こちらの耳が,悪いのか。

 ―おそらく私の耳のせいだろうとおもう。テープ・ヒスさえ消せば,以前とは又ことなった美しさを響かせるに違いないとおもう。高城さんほどの人が,さもなくてわざわざワーフデールを三菱や後藤ユニットに変えられるわけがない。かならず別な美点があるからに違いない。こちらはそういう方面にはシロウトだ。音はどうですかと岡さんにたずねられたら,私は,ヒスのことを言ったろう。しかし岡さんは,さほどヒスは気にせず聴いていらっしゃる,ご本人が満足されている限り,第三者が音の良否など断じてあげつらうべきでない,これは私の主義だ。相手がメーカーや専門家ならズケズケ私は文句を言う。だがそれが家庭に購入された限り,もう,人それぞれの聴き方がある,生き方に他人が口をはさめぬと同様,それを悪いとは断じて誰にも言えぬはずだ。第三者が口にできるのは,前にも言ったがその音を好きか嫌いかだけだろう。

 岡さんは満足していらっしゃる。音をはなれれば,それはもう頬笑ましい姿とさえ私には見えた。何のことはないのだ,私だってヒスは気にするが,少々のハムは気にならないそういう聴き方をしている。ハムが妨げる低音よりは音楽そのものに心を奪われる幸わせな聴き方が,私には出来る。同じことだろう。野口さんのところでエネスコを聴いていて,あの七十八回転の針音がちっとも気にならない,ヒスは気になってもクレデンザの針音は気にならない。人間とは勝手なものだ。だからあの,ふるさとの音をもとめる下心がなければ,岡画伯のアトリエでひびいている音を,私は別な聴き方で聴いたかも知れないとおもう。それを証拠に,同行した編集者は「いい音でした」と感心しているのだ。もっとも公平な,第三者のこれは評価だろう。私の耳がやっぱり,悪かったのだろう。

                       (1970年)


▲△▽▼


【ジャズ・ヒロシの感想】

 五味康祐氏が書いた「オーディオ巡礼(一)」という記事は,ステレオサウンド第15号に掲載されたものである。

 ステレオサウンド社の企画により,五味氏が音楽愛好家宅を訪ねて,そのレポート記事を書いたものだが,内容からすると,2名の愛好家は何れも五味氏が以前お会いになり,その音を聴いたことがあるので,人選は五味氏によるものと思われるが,「編集部では,第一回目だから,なるべくオーディオマニアの垂涎のまとであるような最高パーツの組合わせでどんなふうに鳴っているかを,聴いてみてくれという。」ことからすると,編集部の人選だったが,偶然にも五味氏にとって旧知の間だったのかもしれない。

 このため,五味氏にとって,野口氏と岡氏の,それぞれ以前に聴いたことのある音との関連(比較)で記事が書かれている。

 野口氏については,以前の2階大広間と今回の四十畳とは同じ部屋なのかどうかわからないが,何れにせよ,人も羨むような条件のリスニング・ルームだし,増してウエスタンだけは手を出すなともいわれているパーツをはじめとする機器とあっては,確かに編集部のいう「オーディオマニアの垂涎のまと」であったことは,疑いようのないところだ。

 しかも,機器の構成が違っていた17年前と音色やクオリティそのものは,かわっていなかったと五味氏は感動しているが,五味氏の17年前の音の記憶にも凄いなぁと思う。

 「この十七年,われわれとは比較にならぬ装置への検討と改良と,尨大な出費をついやしてけっきょく,ただ一つの音色しか鳴らされないということは,考えれば驚くべきことだ。でもそれが芸術というものだろう。」と絶賛されているが,自分のような単なるオーディオ好きからすると,雲の上の出来事(「垂涎のまと」までにもならない)のように思える。

 その野口氏の音を聴いて,「要するにその人がどんな機種を聴いているかではなく,どんな響かせ方を好むかで,極言すれば音楽的教養にとどまらずその人の性格,人生がわかるように思う。演奏でそれがわかるように。

 音とはそれほどコワイものだということを,野口さんの装置を聴きながら私はあらためて痛感し,感動した。」とあるが,理屈上はそうなのだろうと納得できるが,実際,自分は様々な人の音を聴いてきたわけではないので,そのことを実感できないし,また,実感するのも難しいと思う。そこは五味康祐という男が,真剣に人生と向き合って生きてきたからこそ,得られた見識ではないかと思われる。

 また,「別室で,何年ぶりにかクレデンザでエネスコの弾くショーソンの”ポエーム”を聴かせてもらったが,野口氏が多分これを聴かれた過去に重複して私は私の過去を,その中で聴いていたとおもう。音楽を聴くとはそういうものだろうと思う。」と書かれているが,こういうところが五味氏独特の音楽観だと思う。

 岡氏のほうも,遮音も完全で,人も羨むような高天井のアトリエのリスニング・ルームであったが,これは十数年前と同じ部屋だったようだ。

 しかし,その数十年前の岡氏の音を「ふるさとの音」に例え,今回の巡礼では,「ふるさとの音」はなかったといっている。

 「ふるさとの音」で思い出したのは,クラシックの友人宅で,初めてスペンドールBCUを聴いたとき,実にいい音で鳴っていた記憶がある。そのスペンドールBCUの音は,自分の家の音よりもいいと思っていた。

 だがしかし,十数年後だったか?,再度,BCUを友人宅で聴いた時は,鮮度のない,モヤッとした音になっていたのには,驚いた。

 何が原因か分からないが,本人は,そのことを口にしなかったし,勿論,自分もいえなかった。

 多分,毎日のように聴いていると,その変化に気がつきにくいことなのだろうと思うが,ある意味,これもコワイことだ。

 自分のオーディオだって,手塩にかけて有頂天になっているかもしれないが,もしかすると,その変化に気がついていないのかもしれない。

 因みに,最近,彼の家でBCUを聴いたが,鳴らす部屋とプレーヤーやアンプが違っていたこともあってか,当時の音よりヴァイオリンがしなやかであった。やはりBCUは,一時代を画した名器だと思った。

 そんなこともあって,彼には,以前聴いたBCUの音について,こうだったと話すことができた。

 最後に,「あの,ふるさとの音をもとめる下心がなければ,岡画伯のアトリエでひびいている音を,私は別な聴き方で聴いたかも知れないとおもう。それを証拠に,同行した編集者は「いい音でした」と感心しているのだ。もっとも公平な,第三者のこれは評価だろう。私の耳がやっぱり,悪かったのだろう。」といっているが,五味氏の謙虚な気持ちと,岡氏への配慮だろうか。
https://blogs.yahoo.co.jp/jazz_hiroshi_classic/56212385.html

69. 中川隆[-9939] koaQ7Jey 2019年5月30日 16:22:41 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2414] 報告

オーディオ・マエストロ 2009年9月記
http://www.audio-maestro.com/luochi_sui_shii.html


マルチチャンネルシステムの進歩発達が1970年あたりで止まった。

世のオーディオシステムの主流からゴトーユニットやYLが外れ、マルチシステムに適したJBLユニット群もやがて廃れていきました。


高城氏のオールホーンシステムはデジタルチャンネルフィルタで、やっとその本来の性能が発揮できるでしょう。

五味康祐に例を取るとまだモノラルだった1950年代末頃の芸術新潮にこんな話がでています。

高城さんの指導でコンクリートホーンを作ったが低音が全然でない、部屋の片隅のホーンの近くに行くと盛大な低音が聞こえるが普段聴く位置では出ない、こんな阿呆な話があるか、と。

___

高城重躬、藤田不二共著(オーディオは高城、LPは藤田)の「LP辞典」1953年)などをみると昭和28年にはアンプやスピーカなどほとんど今日と同じオーディオ環境が出来ていたことが見て取れます。特にスピーカはウエスタンやタンノイ、アルテック、JBL、ワ−フデール、グッドマン等、今日と何一つ変りません。


部品定価表は壮観です。ウエスタンに例を取ると下記の様になっています。


728B--12インチ---30W--4Ω--60〜10000--35.7ドル


756A--10インチ---20W--4Ω--60〜10000--38.55ドル


755A--8インチ---8W--4Ω--70〜13000--24.6ドル


713C--トゥイータドライバー--25W--4Ω--800〜15000--97.2ドル


KS-12027--ホーン--67.62ドル


702A-ネットワーク--97.46ドル


757A スピーカシステム  275.09ドル


JBLでは


D130--15インチ---25W--16Ω--50〜12000--70.4ドル


途中機種は省略


175DLH--トゥイータ--25W--16Ω--1200〜  --114ドル


N1200--ネットワーク--16Ω-33ドル


になっていてこれがすべてのメーカに渡って詳述されています。WEがJBLと比較して意外に安価なのが驚きです。


さて戦後マルチアンプという方式が登場してきました。LやCを使ってパワーアンプの出力信号を分離するのではなくパワーアンプに入る前に分けてしまう方法です。むろん戦前から知られていたやり方なのですが広く一般化されるのは第二次世界大戦の終結を待たねばならなかったのです。これは主としてアメリカで発達してきました。米マランツは1950年代にマルチチャンネルデバイダ-モデル3を発売していますし日本でも1960年代始めには「NF回路設計ブロック」社が製品化しました。これはGTソケットを利用したプラグイン型で周波数の変更はユニットの差し換え交換で行うものです。高名なオーディオ研究家、加藤秀夫氏などは1950年台半ばには自作オールホーンスピーカシステムをマルチアンプで駆動されていて来日したマッキントッシュ社のマッキントッシュ氏が驚嘆したことは有名な話であります。


ホーンスピーカをマルチアンプで駆動することはまことに理にかなったことです。ホーンスピーカはホーンで適切な負荷が掛かった帯域以外はできるだけ急峻に遮断することが大事ですから正確な遮断特性が得られにくいLCネットワークは問題を生じやすいのです。


1960年代半ばにはこの方式は絶頂期を迎えました。各社からチャンネルデバイダーアンプが発売され普通のステレオ電蓄にも搭載されたことがあります。それに伴い理論的にもいろいろ研究が進みました。なかでも山根/山中(当時、東京工大機械工学科の学生だった山中文吉氏のこと)論争は有名です。伝達関数1という命題を巡っての論争でした。デバイダで分けられた信号をスピーカで再生し、もとの波形に戻るかどうかという論争です。むろんLCネットワークでもこの問題は発生するのですが、もともといい加減で杜撰なカーブのLC型では論争の対象にすらならない論題でした。伝達関数は一素子の6dB型では1になりますがそれ以外ではなかなか難しいことで、特にホーン型スピーカでは諸問題を円満に満たすことが困難で、結局そのことは決着をみなかったのです。


さてマルチチャンネルアンプの究極の形はトリオサプリーム1アンプに見ることができます。プリアンプとデバイダアンプ、それに3組のパワーアンプを組み込んだ3チャンネルマルチアンプでした。音はともかくとしても形は秀逸で瀬川冬樹デザインの最高傑作だと考えます。私はトリオの営業所でボザークスピーカと組み合わせた音しかしりません。厚手のビロードカーテンで吸音された環境で能率が低いボザークですから幾らマルチアンプとはいえ出力不足でした。低中高それぞれ30W20W10Wですから仕方がありません。これと相性が良いと思われるJBLはサンスイが輸入していました。これは1967年発売ですが理念としてはこの時点でほとんどいきなり終着点が示されていたわけです。思想的にこれがなぜ到達点なのかは別項の一体型マルチチャンネルアンプの試作の稿でお話したいと思います。


当時はトリオに限らずソニーにはプリメンアンプTA-1120を中心として大規模なマルチシステムがありましたし、山水電気にも管球機CA303、BA303、BA202を組み合わせた大掛かりなシステムがあったほどです。でも問題は各社ともチャネルフィルタにありました。


チャンネルデバイダは大きく二つに分類されます。パッシブ型とアクティブ型です。


増幅部を持たないパッシブ型にはCR型とLC型があります。CR型は抵抗とコンデンサーだけで構成するもので遮断カーブはふつう6dBで、12dBが限度です。インダクタを用いたLC型では12dBになります。それを使うためにはプリアンプはできる限り低インピーダンスで低負荷に耐える強力なものが必要です。またパワーアンプはできれば500KΩ以上の入力インピーダンスが必要でしょう。つまり半導体プリアンプと真空管パワーアンプの組み合わせが適するのです。


遮断カーブを急峻にするとスピーカのためには良い場合が多く、また不要な音がかぶりにくいので好まれるのですが遮断点付近で鋭いピークが出やすいので一筋縄ではいきません。ピーク発生は負帰還型などのアクティブ形式だけの現象と思われがちですがそうではありません。LC型でも発生するのです。


増幅素子を使ったアクティブ形はCR型と負帰還を利用したNF型にわかれますがそれぞれに増幅素子に真空管と半導体を使ったものがあります。


1 CR型


真空管回路CR型は出力インピーダンスが低く入力インピーダンスが高いカソードフォロア回路などでCR回路を駆動するのですがこれを2つ重ねれば12dBカーブが得られます。どうようにこれを半導体に置き換えれば半導体形CR型デバイダになります。


2 NF型


真空管カソードホロア回路の信号ループ内に2素子で構成されたCRを入れると12dBカーブで急峻な遮断特性が得られます。またこれにパッシブ回路でCR素子を追加すると18dBカーブが実現できるので真空管を使用したチャンネルフィルターは主にこの形式を持つものが多く、古くはラックスやオーディオリサーチなどから発売されていました。


またトランジスタ回路ではエミッタフォロア回路内にCRを挿入し同様に12dBカーブや18dBカーブを持たせていました。


こういう構成をNF型というのですが遮断点近辺でピークが出やすくまた12dBカーブでの最大減衰量は素子自体の利得で決まるので真空管回路では問題が出やすいものでした。


さてアキュフェーズ社は連綿とマルチアンプ思想を受け継いでいてPA機器メーカ以外ではほとんど唯一といってよいものです。近年に至ってすべてデジタル処理したフィルターアンプを発売しています。デジタルフィルタこそマルチチャンネルアンプの理想でしょう。いかなるデジタル嫌いの人間でもデバイダーアンプに限っていえばデジタルを拒絶することは出来ません。


そのことはデバイダアンプを作ってその実体を見れば理解できることなのです。アナログ回路にとってフィルター回路は困難を極めた鬼門であり遮断特性は無論のこと低雑音低歪み高音質というオーディオアンプに求められる性能を満足させることが大変難しいのです。特にシンプルイズベストという命題は絶対に実現不可能でありマルチチャンネルシステムの進歩発達が1970年あたりで止まったことが納得できます。世のオーディオシステムの主流からゴトーユニットやYLが外れ、マルチシステムに適したJBLユニット群もやがて廃れていきました。今のオーディオ文化は自力でシステムを作り上げる、あるいはどこかに依頼して自分の理想のシステムを作り上げることをすっかり忘れているようで、かろうじてWE趣味にその残照があるのみです。


高城氏のオールホーンシステムはデジタルチャンネルフィルタで、やっとその本来の性能が発揮できるでしょう。またYLの、超大型ドライバを用いた8m、10mホーンは時間遅延が自由に設定できるデジタルフィルタでないとその片鱗すら垣間見ることは不可能です。それらの性能が十分に発揮できる今日それに適したユニットがないとはまことに皮肉なことで先人達の不幸に思いを馳せずに居られません。たとえば五味康祐に例を取るとまだモノラルだった1950年代末頃の芸術新潮にこんな話がでています。高城さんの指導でコンクリートホーンを作ったが低音が全然でない、部屋の片隅のホーンの近くに行くと盛大な低音が聞こえるが普段聴く位置では出ない、こんな阿呆な話があるか、と。また私が30年以上前にはじめて小倉の菅野邸で音を聞かせていただいた時、10mホーンから低音がまったく出ていないのです。菅野さんのお話では低音ホーンだけ鳴らすと凄い音がするが555や597を鳴らすと消えてしまうとのことでした。次にお伺いした時4181ウーハにされていましたが、イスの近くに置かれた4181は素晴らしく朗々とした音を響かせていたものです。低音は近くで鳴らした方が良いとも仰っていました。普通どの装置でも低音は少し早めに鳴らした方が良く、とりわけ長い低音ホーンを使った装置では中高音を低音ホーンの長さ分遅らせることが大事なのです。10mホーンでは1/34秒ほど遅らせないといけません。これは伝達関数以前の問題であります。このことを実現するにはデジタルチャンネルデバイダの出現を待つ以外に方法はありませんでした。


デジタル方式の利点は時間遅延の自由度のほかにカミソリで切るがごとき急峻な遮断特性が得られることに尽きます。伝達関数のことは実際の音響空間ではほとんど意味をなさないことかもしれません。


50年のあいだにオーデイオ文化が変化変質していくことは仕方がないでしょう。小林秀雄の指摘通り極限まで便利になり意識せずとも良い音が手に入る時代になると失うものが多いのでしょう。大事な視点を見落としていてもそれなりの音はでるものです。そういう思いに至ったのは最近ハートレーユニットをマルチアンプで鳴らすようになったためです。これは今までなにをやっていたのかと思う素晴らしさで1970年代中頃にマークレビンソンがHQDシステム(ハートレー、クワード、デッカ)を完成させ、これを自社のフラグシップシステムとしていたことが痛切に理解できました。それと併用するLNC-2チャンネルデバイダもたいそう魅力がありました。いかにも理想主義者マークレビンソンです。でも特性はそれなりのものでしょう。


さて今どきのオーディオマニアの楽しみ方の一つにケーブル交換があります。確かに本質的な改善も期待できますが単に音のバランスを変えるために大枚を注ぎ込んでされる方も多くて、なんと無駄なことかと思うことが多いものです。アンプ交換もそうでしょう。低音不足や高域の過剰感を修正するためだけにアンプを変えるかたも多いのです。本質的な改善ではなく単に音のバランスを変えるためにアンプを交換することくらい馬鹿げたことはありません。マルチアンプシステムはセンスがよいオーディオフアンが取り組むもので、アンプ交換100万円、ケーブル交換10万円くらいの変化はボリウム一つで簡単に出来るのです。反面で音楽や理論が良く分からない初心者が不用意に取り組むと無残なことになるでしょう。ここ30年ほどはマルチアンプシステムは下火でありますが、それはネコも杓子もマルチアンプに走った過去の反動でしょうか。グラフィックイコライザの活用も最近一部で見直されていますが本当に良いものは皆無だと言うことを肝に銘ずるべきです。グラフィックイコライザの使用はパワーアンプにとって大きな負担になることもあるので乱用はいけません。でも個人的には、音質にダメージを与えることは明らかですがチェロ社のパレットには別の意味で魅力があります。


デジタルデバイダを使うことが前提ですが、オーディオ趣味に法外な出費が掛かるいまこそオーディオ趣味の本質を取り戻すために再びマルチチャンネルアンプシステムに取り組むことをお勧めするのです。小林秀雄いうところの「歴史を取り戻す」取り組みの一つであることは間違いありません。
http://www.audio-maestro.com/luochi_sui_shii.html

70. 中川隆[-9937] koaQ7Jey 2019年5月30日 16:34:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2416] 報告
エソテリックの大間知社長のご意見に頷く。 2010年3月14日
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-680d.html


本日のミュージックバード「PCMジャズ喫茶」のゲストはエソテリックの代表取締役社長の大間知基彰さんでした。ご本人もかなりのオーディオ・マニアだそうです。

大間知さん、スピーカーはホーン一筋で、ゴトーユニットを使っていたそうです。この辺りはアキュフェーズの元社長の故春日二郎さんと同じですよね。その昔、ゴトーユニットは絶大な権威がありました。オーディオ評論家の故高城重躬さんが愛用していたことで有名ですよね。巨大な低音ホーンを天上に付けるのが流行ったりしました(笑)。で、アバンギャルドのスピーカーを輸入しているのはエソテリックです。ホーンスピーカー好きな大間知さんだからみたいです。寺島さんとはこのアバンギャルドのスピーカーを通して知り合いになったとのこと。

大間知さんはクラシックがお好きだそうで、ジャズはあまり聴かないとのことでした。まあ今回はクラシックも良しとすることになったみたいです。

大間知さんは最初オーディオから生のような音を出したいと思って奮闘したとか。生録を自分でやったりしたそうです。生録会に大型のテープデッキを持っていったこともあるそうで、これは tommy さんと同じですね(笑)。先日tommyさんが生録会のことをブログにUPしていましたよね。CDになってからは、CDは生とは別の独自のジャンルという時期があったそうですが、最近はやっぱい生に近い音を目指すようになったそうです。

オーディオ機器の音決めの大事なポイント(着眼点)3つ。

1.各楽器が明確な音色と質感でハーモニーを奏でる。
2.ステージ上の演奏者を実像としてとらえられる。
3.演奏家のパッションをどう感じられるか。
とのことでした。いや〜っ、なかなかこれは難しい要求ですよ。さすがは、高級オーディオ、エソテリックの社長さんです。

ジャズのリファレンス音源としても使っているというのが、ヘルゲ・リエン・トリオの『スパイラル・サークル』だそうで、《タイム・ファイブ》をかけました。この録音の良さは空気感がとらえられているところ。楽器のテクスチャーが大切だと言っていました。このCDはクラシック・ファンもよく聴いているらしいです。このCDは確かに良い音だと思います。

ここでアナログ(レコード)の音について興味深い発言がありました。

カートリッジ(針)を通して聴くとある種のハーモニクス成分がのってくるとのことで、これが音楽を美化するのに有効なのだとのことでした。でもこのレコードの音はマスターテープの音とは違うそうで、CDがマスターテープの音に近いんだそうです。CDをナチュラルな方向で良くするのがDSD(ダイレクト・ストリーム・デジタル)だとも言っていました。これには私も賛同できます。いや〜っ、さすがです。オカルト・オーディオとは一線を画するまともなことを言っていると思いましたよ。

オリジナル盤(レコード)の価値は、マスター・テープが劣化しないうちにレコード化した鮮度感と流通数が少ない希少感だと言っていました。これもごもっとも。マスター・テープさえ良ければ、LPモノ時代の録音は素晴らしいという話も。

ここでまたレコードの音について。

大間知さんは昔NHKへプレーヤーをたくさん納入したことがあるそうです。納入時には色々な試験をしたそうですが、周波数特性を測る時、16KHzなどの高音を録音したテストレコードを何度もかけてテストするんだそうで、10数回もかけると高音信号がどんどんなくなってしまうんだとか。なので、テストレコードを何枚も持っていったそうです。つまり何を意味するかと言えば、レコードに刻まれた高音は10回もかければ溝がつぶれてしまうということのようです。それでも音楽のレコードをかける場合は高音がなくなった感じがしないとのことで、上記のようにカートリッジでトレースするとある種のハーモニクス成分がのって、レコードから無くなった高音を補っているんだろうとのことでした。確かに良い音がすると言われる(特にMCカートリッジ)は高音に共振があったりします。私はこの話を聞いて、なるほどそれは理にかなっているんじゃないかと思いました。

1956年LPモノ時代に録音された『エラ&ルイ』のSACDモノ版は音が良いということで、「スタジオ録音でストレスのない解放感を出すのは難しいのだけれど、この録音は音のストレスがない。スッピンを聴いてみよう。ひっかかりが心にうったえかけるのを喜ぶ人もいるが、そうではないもの。」と言いつつ、《アラバマに星おちて》をかけました。かけた後で大間知さんは「エラとルイのパッションを変にいじっていない。二人の存在感が圧倒的。」と言っていました。確かにそういう音でした。私、この音には正直参りました。

次もテストに使うCDでミシェル・ペトルチアーニ・トリオ(俗に言う赤ペト盤)の《酒とバラの日々》をかけました。大間知さんは「素晴らしい録音と演奏。ストレートな音と響き。音に品位がある。フランス人のエスプリ。」と言っていました。確かにその通りだと思いました。

ここで岩浪さんがNYのヴィレッジ・ヴァンガードでペトルチアーニのライブを見た時の話をしました。抱かれてきて椅子に座ったペトルチアーニは、一旦ピアノに向かうと集中して我を忘れて弾き、感情が伝わってくるという話でした。それを聴いた寺島さんは「ペトルチアーニの奇異な感じがダメ。」と言っていました。高野 雲さんが「PCMジャズ喫茶」にゲスト出演した時にペトルチアーニをかけたら、「神格化されているからダメ。」とか言っていたんですが、根本は「ハンデを克服しての奇跡の演奏。」みたいなのがダメということのようです。結局音楽以外のことで好き/嫌い(笑)。

次はクラシックの話になります。

エソテリック(ティアック)でアバンギャルドのスピーカーを輸入しているというのは前述しましたが、タンノイもティアックで輸入しています。そうか、タンノイもホーン型スピーカーでした。タンノイ愛好者の私としてはここでまた大間知さんに親近感が湧いてしまいました(笑)。

大間知さんはオーディオ評論家の故五味康祐さんのところでタンノイ(オートグラフ)を聴いて感動し、この良さを世間に知らしめたいということで、タンノイを輸入するようになったとのことでした。五味さんからは音楽が大事でそれ(いい演奏)を聴かないとダメだと教えられたそうです。何枚も持っていてもしょうがなく、いい演奏が100枚あれば十分だと言っていたそうです。この話を聴いてちょっと耳が痛い私でした。なにしろ物欲に任せてたくさんCDやレコードを持っていますからね(笑)。

大間知さんは最近ソフト作りに熱心で、過去の遺産を掘り起こして音の良いCDを作っているそうです。マスター・テープが良くて素晴らしい演奏が残っている1960年代の英デッカ(DECCA)の高音質CD化をしているんだとか。で、英デッカのリマスタリングで 『二ーベリングの指輪』 を作ったそうです。CD14枚+DVD1枚。ブックレットを入れて¥58,000。1000部限定販売で1か月で完売。オーディオ店だけに置いて、ソフトの人にもオーディオ店に来てもらうようにしたんだとか。

このCDは音を良くするためにオーソドックスなことをやったそうです。マスター・テープの良いやつを使いたいからと、まずはデッカに要請。JVCのエンジニア根本さんを説得してスタジオにD/Aコンバータ、ルビジウムクロック、エソテリックのケーブルなどを持ち込んで、電源状態の良い日曜日にリマスタリングしたんだとか。寺島さんは「ジャズでもやってみたいのでお願いします。今度出す『ベスト・オブ・ジャズバー』でやりたい。」なんて言っていました(笑)。大間知さんは「考え方が合えば。」というような返事でした。

「CDは素材を良くするのもあるが、(マスタリング時の)伝送系をよくするのもある。」とのことでした。上記のリマスターCDは海外のエンジニアが驚いているんだそうですよ。

現在エソテリックは海外で売れているなんて話も。海外での日本製品の評価はデジタル機器に対して抜群に高いんだとか。

ここでそのCDをかけることに。
ショルティ指揮ウイーン・フィルハーモニー・オーケストラで《第3幕、神々の黄昏、ジークフリートの葬送行進曲》のオケの部分だけ。「エネルギッシュ、パッション、濃密感を聴いてほしい。」とのことでした。聴いた後で寺島さんも「素晴らしいですね。聴きやすい部分もある。」と言っていましたよ。この部分は確かに躍動的で迫力があり楽しく聴けました。

世界には「ワグネリアン」というワーグナーの熱狂的なファンがいて協会もあるんだそうですね。ワーグナーは麻薬的とも言われるんだそうです。岩浪さんからこの話が出ました。さすがは岩浪さんです。

最後はボーカルものオーディオ・チェックCD。シャーリー・ホーンの黒人特有の声の粘りをチェックするとのことでした。ここでいつもの寺島さんの黒人女性ボーカル嫌い話が出てきましたよ(笑)。このCDはハモニカとギターとか色々な楽器が出てくるので、そこもチェック・ポイントだそうです。寺島さんが好きな曲《ビューテイフル・ラブ》(アルバム・タイトルは不明)をかけました。大間知さんによるとストレスを感じないほぐれた音。確かにそういう音でした。

今回は大間知さんのまっとうなオーディオ話に頷きながら番組を聴いていました。
さすがはエソテリックの社長さん。
今68歳なんだそうですが、この方もやっぱり凄くお元気なのでありました。

http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-680d.html

71. 中川隆[-9936] koaQ7Jey 2019年5月30日 16:48:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2417] 報告

オーディオマニアの喜び(一)五味康祐 1968年
https://blogs.yahoo.co.jp/jazz_hiroshi_classic/56197314.html


これまで私の体験したことが,オーディオに関心をもつ,若い人たちの参考になればとおもう ―

 私がはじめてステレオを聴いたのは十年前で,銀座の日本楽器店でテレフンケンS8型を購入した時である。百二十万円だった。プレーヤーはノイマン,カートリッジは同じくノイマンDST。SW・AM・FMの聴けるコンソール型で,べつに2トラックのテープレコーダーが附いていた。

 当時のことだから,無論,ステレオテープやディスクは海外品に俟たねばならない。さて聴いてみると,これが意外に音が悪い。というより,聴くに耐えない。そのくせレコードで放送されるのを聴けば ―むろん当時のFMでモノーラルだが ―わが家自慢の,高城重躬先生設計になるコンクリートホーンの音よりいいのである。私だけがそう思うのではなくて,誰に聴かせても問題にならないという。ホーンの開口部は約二メートル平方,ジムラン15インチのウーファー二個を,当時としては珍しいマルチアンプで鳴らしていた。スコーカーは同じく開口部約一メートルのホーン型で,トゥイーターにはワーフデールと,タンノイ・モニター15の高音部を併用した。アンプは高城先生に作ってもらった。

 そんな大仕掛けで聴くのと同じレコードを,FMで受信したら,テレフンケンの音質が数段すぐれた繊細さと,つやと,ふうわりした低音をひびかせる。あっ気にとられた。

 私は高城さんに,どうしてFMは音がいいのですかと尋ねた。NHKで,どんな悪いカートリッジでレコードを放送しているかを,当時私は知っていたからだ。しかし高城さんは確答されず,S8型でステレオを聴いてもらった時も黙ってられた。

 しかるにその後,”週刊朝日”の座談会で高城氏は「外国製ならいいとまだ思っている人がいる。或る小説家は百万円も出してテレフンケンを買いましたが,あの半分はキャビネット代ですね,飾り家具みたいなもの・・・・だいたいコンソール型で,いい音は鳴りませんよ」そんな意味のことを言われていた。

 たしかに,ステレオの音は悪いのだからお説の通りかも知れないが,しかし,FMで聴く限り,理想的なコンクリートホーンよりテレフンケンは音がいいのはどういうわけか。S8型は,トゥイーターが四個,スコーカー同じく四個,ウーファーは一個で,今でいう3D方式の変形だろうかとも思う。私はシロウトだから,もしかすればノイマンのカートリッジが悪いかとおもい,当時高城氏ご推薦のオルトフォンを接続してみた。やっぱり駄目であった。スピーカーが悪いのかとおもい,タンノイ二個を別のキャビネットに組んで鳴らしたが,駄目。ではアンプかと,リークのステレオ用に接続したが,やはり駄目。ステレオできこえるというだけで,到底,FMを受信した ―それをテープに録音した ―モノーラルの張りのある美しさ,輝きにも及ばない。私はあきらめ,以来S8型ではFMを聴くことだけに満足した。

 ところがその後,本誌でも述べたようにハンブルクでサバ(SABA)を買い,ロンドンへ渡ってデコラを聴いて驚倒し,タンノイのオートグラフと,テレフンケン・オッパス(OPUS)を買った。オートグラフをクワードで鳴らした時はじめて,ステレオ感なるものを味わったが,これは大事なことだ。今もってだがテレフンケンで満喫したあの,FMの輝くばかりな音の美しさを私は自分のものにしていない。

 FMで,ステレオが受信できるようになって,ずいぶん多くのチューナーを聴いている。はじめはサバで聴き,それからオッパスを聴き,クワードのチューナーをきき,ハーマンカードン1000,グルンディッヒRT50,トリオFX6A,ダイナコ,ラックスWZ30,ソニーST5000,マランツ10B・・・・ほぼ,各メーカーの製品で最高といわれるものを聴いている。OPUS以外はアンプに適不適もあろうかと考え,クワード,アコースティックUおよびTA,ナショナル・テクニクス10A,40A,デッカ・デコラセパレート,マランツ7Tおよび8B,ジムランSG520ならびにSE400S,マッキントッシュC22にMC275・・・・ほぼこれも各社の最高のアンプにそれぞれつないで聴いた。マランツのチューナーは三十八万円という,べらぼうな値段だが,さすがに,精巧で音質は群を抜いているようだ。ただし東京で聴くためには,受信周波数を変更せねばならず,私のはナショナルのオーディオ技術部がいじってくれたもので,「自信をもって直しました」というが,完璧かどうか分らない。10Bにはオシロスコープがついていて,そのセンターにチューニングのポイントを合わすようになっているが,アンプ温度の上昇につれて比奴,移動するからである。多少の移動は,不可避としても少々ひどい。それでも,ソニーの5000と比較すると低音域ののびといい,高音のつやといい問題にならないので,目下はマランツで聴いている。エンクロージァの問題もあろうが,アンプはマッキントッシュが合うように思う。

 ただ,プリの方は,どうかするとJBLのグラフィック・コントローラーにつないだほうが音にひろがりがあり,臨場感にまさるようだ。又おもしろいことにJBLのプリとメインできくより,プリをC22にしてメインだけをSE400Sにきりかえると,琴の合奏など一層ナマの音にちかくなる。

 これは読者諸君に知ってもらいたいのだが,だいたい,タンノイには石より真空管アンプが相性がよいと,一般に言われてきた。瀬川氏なども本誌上でこの点を力説している。瀬川君はタンノイを,どんなエンクロージァにおさめて聴いたんだろう。奈良に,マランツの球アンプを愛用しているNさんという,音にうるさい御仁がいる。N氏はアルテックで聴いている。が瀬川氏によればアルテックにもジムランは合わないそうだ。ところが拙宅のSE400Sを持参して,N氏のマランツ7型プリにつないだら低域ののびや,音の解像力は信じられぬくらいよくなった。拙宅で,7Tにつないだ時もそうだった。マランツのプリにはマランツのメインが一番いいはずと思っていたのが,必ずしもそうではなかったのである。

 むろんこれは,むしろスピーカー・エンクロージァに原因が(もしくは欠陥が)ある為かともおもう。私はけっしてジムランのSE400Sをマランツよりすぐれているとは言わない。石らしくない音のやわらかさと,低域の重厚なのびでは私の知る限り,アコースティックTAが最高だった。しかしTAにも不満があり,ダイナミックレンジに不足する。岡俊雄さん宅で,AR3で聴いたときは気にならなかったが,うちのオートグラフで他のアンプと聴き較べるとダイナミックスの迫力に欠けるのである。それに音の像が,ぼやける。この点ジムランは,分解能とダイナミズムで一頭地を抜いていた。瀬川君のお説の通りだった。だから一度瀬川家のスピーカーシステムで聴いてみないと,本当のジムランのよさは分からない。ただ,瀬川家の試聴室は六畳ぐらいだそうなので,そういう狭い部屋で音のかたちやプレゼンスを,真に識別できようとは ―大がかりなシステムであればあるほど ―私は疑問に思うのである。ジムランのパラゴンを六畳の部屋で聴いたことがあるが(マッキントッシュC22とMC275で)いやな音だった。

 私は,市販された限りにおいて,国産と輸入を問わず,いちおう名のある製品は聴いてきた。本誌あたりがとりあげるもので,聴いてないのはCMラボぐらいだろうか。マッテスはテレビ音響の試聴室で何度か聴かせてもらった。あの試聴室にはうちのと同じオートグラフが据えてあるが,耳を疑いたくなるほど悪い音で,部屋の条件が音質を左右するあんな悲惨な例は,パラゴン以来である。

 これは部屋のせいだろうと思う。われわれが知っている以上に,音は部屋がつくる。スピーカーやアンプではない。そして一つの部屋で,たとえばジムランのアンプにかえて音がわるくなれば,ジムランが悪いのだ。逆にジムランに代えてよくなったら,部屋の(又は音質の)諸条件にマッチしたそのジムランはいいとしかぼくらは言いようがないだろう。誤解をまねくかも知れないが,身銭を切って買い,自分の住んでいる部屋で聴いて,よくないパーツを客観的に(あるいは特性の上で)いいはずだなどと言ってみてもはじまるまい。イニシァティブは,聴くわれわれ自身にある。またタンノイやローサ―がそのエンクロージァにどれほど音質を左右されるかをぼくらは知っているが,今や部屋全体もあきらかに一個のエンクロージァと看做すべきだろう。おもしろいことに,あれほど音の悪かったテレフンケンS8型を,一個のスピーカーエンクロージャとみなして最近,マッキントッシュで鳴らしてみたが,その音のいいのに一驚した。どうかすればオートグラフより音にリアリティがある。高城氏は値段の半分は箱代だと言われたが,たしかにオートグラフだって箱代だけで六十万円はするのだ。いかに高城氏がスピーカーエンクロージャには(つまり音づくりについて)アマチュアだったかを知り,私は笑ってしまったが,音というのはそれぐらいコワイものだ。

 諸君が,スピーカーを,アンプやカートリッジを変えれば音がよくなると期待する気持は痛いほどわかる。私自身が,そうして一応かえられるだけのものは世評のよいものに変えてきた。その私が老婆心で言う。客観的に,およそ,最高のパーツなどはあり得ない。

 高城さんのお宅で自慢のホーンの音を幾度か私は聴いている。たしかに歪のない,スケールの大きな重低音をきくことが出来る。だが進呈するといわれたら私はことわるだろう。これは私一個の好みではなくて,奈良のN氏も同様の意見だった。「評判倒れで失望しました」N氏は試聴のあと,悲しそうにつぶやいた。高城先生を私は譏るつもりは毛頭ない。何処かにこれこそと唸るような素晴らしいステレオが鳴ってくれていることをわれわれは期待し,夢想してきた,その期待が高城家で裏切られたということだけの話である。

 では高城先生の音の,どこが気にくわなかったか?

 一言でいえば,音は鳴っているが楽器がない。その位置が明らかでない。人声をきくと一層これは明瞭で,たしかにソプラノを聴いても,バスをきいても倍音の余分な音をともなわずナチュラルな感じで鳴る。藤原義江氏の言葉ではないが,「トゥイーターとかいうやつは,シャ,シィ,シュ,シェ,ショとしか唄わん」ような悪声ではない。併し歌手がいない。高城家のあのリスニングルームで,どこからともなく空間いっぱいに,バリトンや,ソプラノのアリアがきこえているだけだ。声を出す人間 ―歌手の貌がない。姿がない。化け物である。これを私はと称する。
https://blogs.yahoo.co.jp/jazz_hiroshi_classic/56197314.html


オーディオマニアの喜び(二)五味康祐
https://blogs.yahoo.co.jp/jazz_hiroshi_classic/56197334.html


オーケストラも同様だった。各楽器群が,とりわけティンパニィが,凄まじい迫力をきかせるが,ティンパニィがうまく鳴れば交響曲を理解できうると思える人は仕合せである。それにティンパニィや大太鼓はオーケストラの当然後方上段に置かれている。うしろで轟かねばならないのに高城先生宅ではその位置不明で,突如として,いかにも皮を敲く音だけがとび出してくる。

 或る意味で,これは高城氏の責任ではなく,2トラックで立体感を出そうというステレオの致命的欠陥かもわからない。或いはマルチアンプシステムの,又はトランジスターアンプの欠陥かも。或る人の説では,スピーカーの指向性を排除しようとすればどうしてもそうなると言うことだった。つまり無指向性を企図すると楽器の定位はくずれるらしい。が,果してそれだけの理由で,正体不明の音になるのかどうか,シロウトの私には分からない。

 私自身は,今は音質そのものより音像に心ひかれる。本誌で今度特集しているマルチアンプシステムへの諸段階を,私も試聴してみた。たしかに,全域のスピーカーで鳴らすよりは,トゥイーター,スコーカーを加える方が音の歯切れはよくなった。交響曲でたとえると,部分的に,トゥイーターをつけた方が第一ヴァイオリンの音抜けはいい。ウーファーを加えた方が低弦の延びはいい。だがその代り,各楽器群はそれぞれ音の自己主張をやりだし,指揮者はいなくなってしまう。何のために指揮者はタクトを振るのか。ひっきょうは音の統一と,調和を欲するからだろう。音楽のハーモニィとはそういうものだろう。音楽を鑑賞するのに(ことにクラシックの場合)音の統一を失っては演奏とはいえまい。ピアノソナタでも同様で,3ウェイにしたら音質そのものは良くなろうが,極言すれば右手はスタインウェイを,左手はヤマハをたたいている。単体のスピーカーなら,音質は多少劣っても同じピアノを弾いている。

 くり返すが,そんな,或る部分の音の良さで再生装置が改良されたと思い込むのは,早計だと私は言いたいのである。ティンパニィがうまく鳴れば,ティンパニィのよくきこえるレコードばかりを集めたくなるのは人情だ。音楽鑑賞の本質から,それが,どれほど君自身を毒して行くかを言っておきたい。一応市販されるものの最高のチューナーや,アンプや,エンクロージァを買い揃え,いろいろ日数をかけて聴きくらべた私のこれは実感だ。マッキントッシュは確かにいい。その良さはジムランにもマランツにもクワードにも求められない。しかし同時に,それだけの良さに比肩する別な美点をジムランはもっている。マランツはもっている。クワードが更にはサンスイのAU777さえがもっている。あなたがサンスイをマッキントッシュにかえたところで,あなた自身が享受する音質向上は,音楽そのもの,曲そのものの感銘に較べればわずかなものだ。ステレオ雑誌の宣伝文や広告にまぎらわされてはならない。一応の水準で鳴っているなら,装置に金をかけるよりレコードを1枚でも多く買いたまえ,名曲を聴きたまえ。さんざん装置に金をかけた私が自分の愚かさを痛感して,これを言う。コンクリートホーンでオルガンの重低音やペダルの音がなまなましく聴こえれば嬉しくなって,オルガンばかり鳴らしたくなる。人に聴かせたくなる。あげくの果ては,台風で物干し台のこわれる音など録音して随喜する。高城先生への皮肉ではない。私自身が同じコンクリートホーンで,そういう音に狂喜したアホウさを体験したから言うのである。

 オーディオの世界は,アンプやスピーカーシステムをアテにして語られるべきものではない。生活するあなた自身が,日常生きているその場で論じるべきものだ。音色を支配するのはパーツではなく,あなたの生活だ。部屋だ。経済的余裕ができれば,広いリスニングルームを建てればよい。そこで初めて,その部屋にふさわしいパーツが見出されるであろう。

 オーディオマニアの喜びは,遂に,生活している場所にふさわしい音楽美をつくり出す所にある。コンクリートホーンでなければ低音が出ないなどとウソぶくやからは,度し難い偏執狂だ。私は断言するが,高城家のオールホーンの音より,私の家のタンノイオートグラフより,あなたの部屋の音楽がつまらないなどということは,絶対にあるわけがない。アンプは国産だろうと単体スピーカーであろうと,あなたがその装置で音楽を聴き込んでいる限り,他人のどんな装置よりもあなたには,大切なはずだ。その大切さがあなたの内面に音楽を生む。

                     
▲△▽▼


【ジャズ・ヒロシの感想】

 五味康祐氏が書いた「オーディオマニアの喜び」という記事は,ステレオサウンド第六号に掲載されたものである。

 五味氏がテレフンケンS8型を購入したのは,10年前というから,1958年のことになる。

 テレフンケンS8型を120万円を出して購入したと書かれているが,昭和33年のことだから,当時の金額としてはかなりのもの,高級品だったのだろう。

 五味氏の芥川賞受賞が,昭和28年のようだから,もうその頃は,人気作家として多額の印税が入っていたものと思われる。そうでないと,買えない代物だ。

 だから,最高級のアンプやSPなどゲットするという,オーディオ三昧の生活でもあったのだろう。

 しかし,オーディオは最高級のものを揃えたからといって,いい音を求めれば,これでいい,これで終わりということのない,きりのない世界で,それなりの悩みというか苦悩というか,音に対する不満が伴うという,正にオーディオ地獄だともいわれている。

 ここに書かれている五味氏のオーディオに関する内容は,そんな経験なくして言えないことを覗わせる。

 五味氏によれば,テレフンケンS8型の音は悪く,聴くに耐えないが,FM放送だけは,高城氏設計のコンクリートホーンより音がいいという。

 五味氏とはレベルが違うけれども,私が最初に国産としては高級の部類に属するコンポを揃えたときに,FM放送の方が音がいいと思った。

 しかも,チューナーはソニーのST5150という普及品で,アンテナはチューナーに付属するオマケ(とりあえず受信できる)のようなものだった。

 当時は,オーディオにズブのシロウトだったし,オーディオの友人からは,FMの帯域は,50Hz〜15,000Hzしかないから・・・・みたいにいわれたこともあって,FMの音についてどうこうといいにくかった気がしていた。

 これは私の推測だが,ⅬP再生の最大の要は,ハウリングにある。ハウリング・マージンという言葉があるが,盤を回さないで針をレコードの上に乗せ,アンプのボリュームを上げていき,ハウリングが起きないところまでが,そのマージンだというわけである。

 しかし,現実はリアルタイムに音を出しているわけだから,そのマージン内においてもその影響は少しはあるのではないかと思っている。

 したがって,ⅬP再生する限り,その影響から逃れるのは難しいが,その心配のないFM放送は,それだけクリアとなるので,音がいいと思われるのではないか。

 まして,テレフンケンS8型のようなコンソール型は,その点,全く不利となると思われる。

 しかしあの岩崎千明氏はパラゴンの上にマイクロのターンテーブルを載せていたようだが,このような例外もあるから,オーディオは難しい。

 FM放送のレンジが狭いといっても,長岡鉄男氏によれば,ⅬPで20K以上伸びているものは少なく,大抵は15Kあたりで下降しているといっているし,下だって50までとはいうけれど,20とか30あたりがフラットになる市販のSPだって殆どないんじゃなかろうか。だいいちそんな低音が出ていたら,家のどこかが振動してしょうがなくなるのではなかろうか。

 というわけで,5素子くらいの本格的FMアンテナと高級チューナーがあれば,ナマ放送は勿論のこと,レコード(今はデジタルか?)の放送でもいい音で聴けると思う。

 さて,「われわれが知っている以上に,音は部屋がつくる。スピーカーやアンプではない。」といっているが,これは私の経験上もそうだと思う。アバウトでいうと,半々(機器50%,部屋50%)じゃないかと思う。

 よくステレオサウンドで,菅野氏がオーディオ好きの家を訪問し何種類かのSPを聴いて,どのSPも家人の好みの音になっているというようなことを言っているが,部屋が同じならば,音は似てくるんじゃないかと邪推しているのだが・・・・

 ところで,記事にある高城重躬氏のコンクリートホーンのことだけど,もう30年くらい前のことだが,都立大附近を歩いていたら,偶然屋根の部分にそのホーンの外形のある家を見つけたことがあった。一般の人が見たら,なんじゃコリャ?となるでしょうね(笑)。

 ところで,音楽は好きだけど,オーディオには興味ないという向きもあろうかと思う。私もオーディオに目覚める前は,全く興味がなかった。

 その頃は,中高生の時で,近所のおじさんのステレオでクラシックに目覚め,我が家にもとねだりステレオを買ってもらった。バイトで稼いだ金でショルティ,ウイーン・フィルによるワグナーの楽劇「ジークフリート」を買った。しかし後年本格オーディオを聴いて分かったことだが,冒頭のティンパニィが奏する弱音のトレモロがおじさんのステレオでも我が家のステレオでも聴こえなかった。そういうプアなステレオでクラシックを聴いて,それなりに分かったと思ってるんだから,何ともいいようがありません。

 これは音がいい悪い以前の問題かもしれませんが,その頃はそれなりに音楽を楽しみ,音がどうのということは全く考えていなかった,意識していなかった。このままオーディオに興味を示さずに,音楽を聴いてきたとなれば,音楽を一人よがりの間違った理解で済ませてしまったかもしれない。

 まあ,あの頃はステレオといったって,ターゲットは多数派の昭和歌謡層で,クラシックを聴く層なんぞ意識していなかったのだろうし,まして造る方もクラシックの素養があったかどうか疑わしい(笑)。

 しかし,現代はそういうプアな音を聴かせる機器はないんだろうね。よくわかりませんが(笑)。

 まあ,人間の耳だって,出ている音なのに気がつかないということだってあるわけですから,どちらでもいいのかも知れません(笑)。

 さて,「音は鳴っているが楽器がない。」という話があるが,これはかなり高度なことなのかもしれない。

 昔はよく音像型と音場型というSPの分類をしていた。この分類によれば,それは前者なのかも知れないが,そういう問題ではないのかも知れない。

 声楽(声も楽器)でいうと,口から出る音だけが声ではなく,体全体で響いてくる音が声としての楽器であり,それとともに,そこで歌われているステージ感というようなものが感じられる(臨場感)のが理想だと思うのだが,オーディオ再生でそれが実現できているのかどうか,よくわからない。

 また,私がナマのオケで聴いた印象は,楽器の定位は分からなかった。定位というのは,オーディオに固有のことなのかも知れない。虫の音だって定位は分からない。それが分かれば,虫を捕まえることができるだろう。

 五味氏は「あなたがサンスイをマッキントッシュにかえたところで,あなた自身が享受する音質向上は,音楽そのもの,曲そのものの感銘に較べればわずかなものだ。」という件以下最後まで,自身のアホウさとその戒めを込め,読者に訴えている。

 その中で「オーディオマニアの喜びは,遂に,生活している場所にふさわしい音楽美をつくり出す所にある。」というのが,このエッセイのテーマへの回答だが,それには音響機器の使いこなしや音楽的素養が求められるのだろう。

 その努力の結果,音楽美が少しづつつくり出され,それは「他人のどんな装置よりも」自分自身にとって大切なものとなり,「その大切さがあなたの内面に」あらたな音楽の発見を生む,ということなのだろう。
https://blogs.yahoo.co.jp/jazz_hiroshi_classic/56197334.html

72. 中川隆[-9437] koaQ7Jey 2019年6月21日 02:12:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3045] 報告

平野紘一さん(マスターズ代表) Thu Nov 16 11:38:27 JST 2006

エンジョイオーディオ!その行く道は!?

 WRアンプの製作・販売を始めて、数年経った。
おかげ様でその製作台数は3桁になっている。

わたしのようにオーディオ黎明期から、繁忙期にオーディオで飯を食ってきた者には現状及び近未来が楽しみであり、心配である。

 長年、オーディオ業界にいるので(1965年から)、内外からいろいろ情報が入ってくる。 

皆さんの参考になるかどうか分からないが、ここに書いてみることにする。 

 まず、アメリカではオーディオ、とりわけ、ハイエンド・オーディオは非常にシュリンクしてしまっている。

振りかぶって言うと、共和党の金持ち優遇によって、金持ちしか、ハイエンド・オーディオを買えなくなったからである。

従って、アメリカのハイエンド・コンポは非常に高額である。
また、アメリカのオーディオメーカーの設立・廃業・転売が著しい。

 あの、有名なオーディオ誌”ステレオファイル”もあまり、みるべきものが無くなってきた。

マッキントッシュはクラリオンに支えられてきたのは故存知の方も多いと思うが、クラリオンが傾いてきて、マッキントッシュはリップルウッドの傘下に入ることになった。今後、どのような方向になるのか?


今年、創業60年になるJBLの新商品開発のエネルギーは素晴らしい。

 アメリカの友人に聞くと、JBLをアメリカの東海岸ではあまり見かけないと言う。

JBLを率いるハーマンさんはユダヤ人だけにクレバーであるから、JBLをうまく導いていくと思う。そうなると、JBLの商売はアジア、それも、日本、中国、台湾、それに韓国あたりのオーディオファイルの方々が買うのではなかろうか?
特に、最近の中国の富裕層の購買意欲がすごいらしい。

 金持ちではないオーディオ好きのアメリカ人は AVレシーバーを買って、スピーカーを自分できれいにセットして、SPケーブルは壁に入れてきれいに処理するらしい。

重点はやはりVであり、それからがAであると言う。
AVレシーバーは日本勢(DENON、パイオニア、ケンウッド、ヤマハなどなど)が強いと言う。

 ハイエンドオーディオではなかなか日本勢はむずかしそうである。
まず、スピーカーではサウンドバランスの点で、イエローがやったのは認めたがらないようだ。

スピーカーユニットでは日本の技術は世界一であったのだから、サウンドバランスは早く、彼等に任せれば良かったのだ。近年、パイオニアがそのようなシステムを取り入れて、かなり良いサウンドバランスになったと言う。
(つい、最近、CEATECでパイオニアのこの種のSPシステムは聴いた。かなり、聴かせる!)

 アンプでは、近年デジタルアンプが登場しているが、高周波を取り扱うので、もう、普通のオーディオメーカーでは他におえないところまできている。

すなわち、デバイスはIC製造ノウハウが必要だし、プリント基板は多層構造が必要である。こうなると、初期投資が大変で数が出る平面TV、5.1chサラウンド、カーオーディオ用アンプ、それこそipodのようなアイテムにデジタルアンプは皆さんの気がつかない分野にどんどん採用されている。
最近のTV、音質が違うとは、皆さん気がつかないかな?

 アメリカのハイエンド・オーディオは一握りのお金持ちが買えるものになってしまったから、日本での価格は¥100万を超えるものが多くなったのはそのせいでもある。

 それでは、ヨーロッパはどうかと言うと、まだ、かなり、健全である。

まだまだ、SACDはこれからだし、アナログレコードも健在で、アナログレコードプレーヤー、フォノアンプ、カートリッジなどもある。スピーカーが苦手だったドイツからエラックのような小型でありながら、優れた音質のSPが出てきたし、B&Wに至っては技術的にも、サウンドバランス的にも非常に評価が高い。アメリカでもB&Wはアメリカ勢を圧倒していると言う。

 価格も特に金持ちでなくとも、買えるようなリーゾナブルな製品が多い。
残念なのは、BBC出身のSPブランドに元気がややないことだ。BBC出身のエンジニアから、後継者への橋渡しが難しいのかも知れない。

 さて、日本の現状はどう見たらよいであろうか?

特にアンプに絞ると、アキュフェーズ、DENON、マランツ、LUXとブランドも限られてきた。そして、真空管アンプは中国製も多くなってきた。
そして、オークションを眺めると、懐かしいアンプが沢山、売りに出ている。
どう、考えたらよいのだろうか?
 
 医学的には聴覚・味覚は発生学的に皮膚感覚の一部である。そして、オーディオはエンジョイするものである。そこから、WRアンプのような、NFBアンプの問題点を解決したアンプもあるし、ノンNFB真空管アンプもあるし、小型・高効率(言わばオーディオのファーストフード)のデジタルアンプもある。
それぞれの主張があり、これぞオーディオは面白いと思う。

 最後に話が少しそれるが、NFBの発明者ハロルド・ステファン・ブラック氏に生前お会いしたS社のTS氏の話によると、NFBはMASTER &SLAVE システムであると言う。誤解されそうであるが、悪い意味ではないことを次回書かせていただこうと思っている。
 
 ”皆さん、一度きりの人生!楽しんでください。それには、広告も充分ではなく、地道にやっているところも尋ねてみると、新しい発見、喜びを得ることありますよ!”
http://west.wramp.jp/datawr13.html

73. 中川隆[-5656] koaQ7Jey 2021年4月16日 13:13:12 : mV2k7WRgio : MGYvb2xWOERxY0k=[18] 報告
Date: 1月 25th, 2021
日本のオーディオ、これまで(技術の植民地)
http://audiosharing.com/blog/?p=34008


昔もいまもそうなのだが、多くのオーディオマニアは、
日本製のスピーカーよりも海外製スピーカーをありがたがる傾向がある。

こんなことを書いている私自身もそうである。
そうであっても、トータルの音ではなく、
これまで日本のオーディオメーカーがスピーカー開発にかけてきた技術力は、
そうとうなものだった、と思っている。

スピーカーユニットの振動板の素材開発にしてもそうだし、
ユニットの構造もさまざまなものが登場してきた。

測定技術においてもそうだった。

いま海外メーカーが、技術的メリットを謳っていることの多くは、
ずっと以前に日本のメーカーが実現していたことだった。

なのに、そんなことをすっぽり忘れてしまっているオーディオマニアがいる。
若い世代のオーディオマニアならば、
そういった日本のスピーカー技術をよく知らないだろうからしかたないが、
私と同世代、上の世代においても、忘れてしまっているのか、
もともと興味がなくて調べることすらしなかったのか、
どちらにしても、その人が好きな海外メーカーのブランド名をあげて、
ここはすごい、といっている。

その技術は、ダイヤトーンがとっくに実現していましたよ、と返しても、
知らない、という。自分の知らないことは事実ではないような顔をする人もいた。

そんな人がえらそうことを若い世代に対して語ったりするのか。
そんなことも思うのだが、そんな人のことは実はどうでもいい。

欧米のオーディオメーカー、特にヨーロッパのメーカーがうまい、と感じるのは、
そんなふうに日本のオーディオメーカーが開発した技術を、
こなれたころになってうまく利用しているところにある。

1970年代から1990年代にかけての日本のオーディオメーカーは、
その意味では海外のオーディオメーカーにとっての技術の植民地といえるのではないか。
http://audiosharing.com/blog/?p=34008

74. 中川隆[-4113] koaQ7Jey 2021年6月21日 09:58:18 : U1K9HodENM : VUxCYU5QZlhIeS4=[12] 報告

2021年06月21日
不用品を高く買わせる方法に長けている欧米ブランド企業
http://www.thutmosev.com/archives/86101303.html


みんな高級外車は軽自動車より安全と思ってますが、そんな単純なデータはないです。
イメージとして高級で安全だから買うのです


マーケティングとは不用品を売る事?

ある人に言わせると現代の営業マンやあらゆる広告の役割は「客を騙して要らないものを売りつける」事だそうです。

もちろん家具を必要としていたりスマホを必要とする場合はあるが、あらゆる人は既にそうした物を所有しています。

例えば最近ランドセルが高級化し10万円を超えるものが売れていて、しかも1年前から予約しないと買えないそうです。

ランドセルがいくつ売れるかは、6年前の出生数を見れば「今年は前年比マイナス5%だな」などと推測できます。

年々販売数が減少している商品で、手作りの工程があり少数の職人が1年間かけて製造します。

ランドセルは2万円台のもありアジアで製造すれば1万円でもできると思うが、高級でカラフルなのが人気がある。


数千円のカバンでも役割は同じなのにランドセルを廃止しろという意見は少なく、今後も子供がいる限り売れ続ける。

ランドセルはちょっと見には全て同じだがよく見れば高価格なのが分かり、親の自尊心を満足させる。

子供が「10万円のランドセルが欲しい」と言うはずが無いので、実は親のプライドのために売られています。


高級自動車や高級スマホも、実は低価格な軽自動車や格安スマホと機能はあまり変わらない。

以前警察の統計を見て驚いたのだが、事故件数当たりの死亡率は、車種別では軽乗用車がもっとも少なかった。(軽貨物は多かった)

これは軽自動車は女性ドライバーが多く、女性の交通事故の多くは「時速40キロ以下」で起きているためです

日本製品が売れるには動機づけが必要

一種の数字の錯覚ですが最近の軽自動車は以前より安全なのは間違いなく、反対に最も死亡率が高いのは大排気量の外国車でした。

これはドライバーのほとんどが男性で事故時の速度が高いからで、フェラーリが危険という事ではない。

同じ軽でも軽貨物は死亡率が非常に高いが、これもドライバーの性別や速度や使用環境が影響しているかも知れない。


機能や安全性でベンツとワゴンRは大差ないのに、ベンツに乗っていると人間が高級に見えるので金持ちはベンツを買います。

スマホは安いアンドロイドは操作性で劣っていたが、最近は改善されて高級機との差は小さくなっている。

日本の女性はiPhoneが大好きで、iPhoneに非ずはスマホに非ずと思っている人も居る。


これらは本当は不要なのに購入したり、普及品でも良いのに高級品を購入する例で、消費者のハートを掴むことで売っています。

ダメだったのは日本の家電メーカーで、安い中韓製品よりシャープや東芝を買う理由を作り出せませんでした。

人々が「ベンツとワゴンRの機能は一緒なんだ」と気づいてしまえばベンツは売れず、日本の家電メーカーはそうなりました。


物が溢れている現代で要らない物を買ってもらうには、イメージや動機付けが決定的に重要です。

「家電製品てどれも同じでしょ」と思われたら人件費が安い国の製品が必ず勝ちます

先日あるスポーツ選手がグッチのTシャツを着ていて、ネットで調べたらアマゾンでは48万円で売られていました。


どう見てもただのTシャツに英語でGUCCIと書いてあるだけなので原価はせいぜい3千円、それを金持ちは数十万円で買っています。

欧米のブランド企業はこういう「不用品を高く売る方法」に長けていて、ある意味日本人も見習うべきかも知れない
http://www.thutmosev.com/archives/86101303.html

75. 中川隆[-13175] koaQ7Jey 2022年4月24日 18:03:04 : BZN3AY6AYA : a2lqa3RnYmIzL2s=[10] 報告
Date: 4月 24th, 2022
陰翳なき音色(その6)
http://audiosharing.com/blog/?p=37060


ステレオサウンド 36号に瀬川先生の「実感的スピーカー論 現代スピーカーを展望する」が載っている。
     *
 日本のスピーカーの音には、いままで述べてきたような特色がない、と言われてきた。そこが日本のスピーカーの良さだ、という人もある。たしかに、少なくとも西欧の音楽に対してはまだ伝統というほどのものさえ持たない日本人の耳では、ただひたすら正確に音を再現するスピーカーを作ることが最も確かな道であるのかもしれない。
 けれどほんとうに、日本のスピーカーが最も無色であるのか。そして、西欧各国のスピーカーは、それぞれに特色を出そうとして、音を作っているのか……? わたくしは、そうではない、と思う。
 自分の体臭は自分には判らない。自分の家に独特の匂いがあるとは日常あまり意識していないが、他人の家を訪問すると、その家独特の匂いがそれぞれあることに気づく。だとすると、日本のスピーカーにもしも日本独特の音色があったとしても、そのことに最も気づかないのが日本人自身ではないのか?
 その通りであることを証明するためには、西欧のスピーカーを私たち日本人が聴いて特色を感じると同じように、日本のスピーカーを西欧の人間に聴かせてみるとよい。が、幸いにもわたくし自身が、三人の西欧人の意見をご紹介することができる。
 まず、ニューヨークに所在するオーディオ業界誌、ハイファイ・トレイド・ニュウズ≠フ副社長ネルソンの話から始めよう。彼は日本にもたびたび来ているし、オーディオや音楽にも詳しい。その彼がニューヨークの事務所で次のような話をしてくれた。
「私が初めて日本の音楽(伝統音楽)を耳にしたとき、何とカン高い音色だろうかと思った。ところがその後日本のスピーカーを聴くと、どれもみな、日本の音楽と同じようにカン高く私には聴こえる。こういう音は、日本の音楽を鳴らすにはよいかもしれないが、西欧の音楽を鳴らそうとするのなら、もっと検討することが必要だと思う。」
 私たち日本人は、歌舞伎の下座の音楽や、清元、常盤津、長唄あるいは歌謡曲・艶歌の類を、別段カン高いなどとは感じないで日常耳にしているはずだ。するとネルソンの言うカン高いという感覚は、たとえば我々が支那の音楽を聴くとき感じるあのカン高い鼻にかかったような感じを指すのではないかと、わたくしには思える。
 しかし、わたくしは先にアメリカ東海岸の人間の感覚を説明した。ハイの延びた音をノーマル≠ニ感じない彼らの耳がそう聴いたからといっても、それは日本のスピーカーを説明したことにならないのではないか──。
 そう。わたくしも、次に紹介するイギリスKEFの社長、レイモンド・クックの意見を聞くまでは、そう思いかけていた。クックもしかし、同じようなことを言うのである。
「日本のスピーカーの音をひと言でいうと、アグレッシヴ(攻撃的)だと思います。それに音のバランスから言っても、日本のスピーカー・エンジニアは、日本の伝統音楽を聴く耳でスピーカーの音を仕上げているのではないでしょうか。彼らはもっと西欧の音楽に接しないといけませんね。」
 もう一人のイギリス人、タンノイの重役であるリヴィングストンもクックと殆ど同じことを言った。
 彼らが口を揃えて同じことを言うのだから、結局これが、西欧人の耳に聴こえる日本のスピーカーの独特の音色だと認めざるをえなくなる。ご参考までにつけ加えるなら、世界各国、どこ国のどのメーカーのエンジニアとディスカッションしてみても、彼らの誰もがみな、『スピーカーが勝手な音色を作るべきではない。スピーカーの音は、できるかぎりプログラムソースに忠実であり、ナマの音をほうふつとさせる音で鳴るべきであり、我社の製品はその理想に近づきつつある……』という意味のことを言う。実際の製品の音色の多彩さを耳にすれば、まるで冗談をいっているとしか思えないほどだ。しかし、日本のスピーカーが最も無色に近いと思っているのは我々日本人だけで、西欧人の耳にはやっぱり個性の強い音色に聴こえているという事実を知れば、そして自分の匂いは自分には判らないという先の例えを思い出して頂ければ、わたくしの説明がわかって頂けるだろう。
     *
ステレオサウンドが出しているムック「良い音とは 良いスピーカーとは?」にも収められている。

ここではスピーカーがつくられた国による音の違いなのだが、
同じことが時代による音の違いについてもあてはまるようなに、
最近思うようになってきた。

つまり、過去の時代の音の香り(匂い)については感じることがあっても、
同時代の香り(匂い)に関しては、自分の体臭がわからないのと同じように、
わからないのかもしれない、ということだ。

ウラッハは、遠い時代のクラリネット奏者である。
フレストは、まさに、いまの時代の同時代のクラリネット奏者である。

http://audiosharing.com/blog/?p=37060

76. 2022年6月13日 09:30:55 : agdRaMM22M : T0g0clMvalpUdTY=[5] 報告
Date: 6月 12th, 2022
日本の音、日本のオーディオ(その40)
http://audiosharing.com/blog/?p=37449

アグレッシヴとまでいわれたことのある日本のスピーカーから鳴ってくる音。
(その38)で引用している瀬川先生の文章も、そのことを伝えているし、
1980年代の598のスピーカーの音は、まさしくアグレッシヴだった。

それだけではない、ハイスピードを謳ったスピーカーシステムが、
一時期各社から登場していた。
ハイスピードを謳ったモノほど、そこから出てくる音はアグレッシヴであった。

その一方で、日本のスピーカーを代表する存在として、
日本の音とはっきりといえる存在として、ダイヤトーンの2S305があり、
2S305の音は、アグレッシヴからはほど遠い。

日本のスピーカーのアグレッシヴな音は、
店頭効果によって生み出されたもの──、そういう見方はたしかにできる。

でも、ほんとうにそれだけが理由なのだろうか。
日本のスピーカーシステムは、どの方向を目指していたのだろうか。

2S305の後に登場した日本のスピーカーで、
海外でも高い評価を得たのは、ヤマハのNS1000Mである。
鮮鋭な音といわれたNS1000Mである。

NS1000Mの登場と成功が、アグレッシヴな音を生み出すことにつながっていったのか。
NS1000Mの音は何度も聴いているけれど、
登場したころは、私はまだオーディオに関心をもっていなかったから、
当時のことを肌で感じているわけではない。

そのNS1000Mを、1980年代、ステレオサウンドの試聴室でじっくり聴く機会があった。
鮮鋭さを代表する音というよりも、充分に鳴らし込まれたその音は、
意外にも穏やかな面を聴かせてくれた。

日本の音、日本のスピーカーの音とは──、
について考えるときに思い出すのは、黒田先生の文章である。

ステレオサウンド 54号、スピーカーシステムの総テストで、
エスプリ(ソニー)のAPM8の試聴記に、それが出てくる。
     *
化粧しない、素顔の美しさとでもいうべきか。どこにも無理がかかっていない。それに、このスピーカーの静けさは、いったいいかなる理由によるのか。純白のキャンバスに、必要充分な色がおかれていくといった感じで、音がきこえてくる。
     *
これこそが、日本の音のはずだ。
残念なことにAPM8を聴くことはできなかった。
けれど、ダイヤトーンのDS10000は聴いている。

DS10000の音も、どこにも無理がかかっていない。

http://audiosharing.com/blog/?p=37449

77. 中川隆[-13034] koaQ7Jey 2022年6月13日 09:35:25 : agdRaMM22M : T0g0clMvalpUdTY=[9] 報告
期待外れのスピーカー _ 三菱 DIATONE フロア型スピーカー 2S-305 NHKモニター

Mr.トレイルのオーディオ回り道
期待外れのスピーカー
2022年01月01日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b3f0bd206d5a4c139aca8ab477b446fe


スピーカーも色々使いましたが、期待通りのドライブ力を示してくれるスピーカーは少ないですね。何らかの手を加えてやらないと思う様になってくれません。その中で、一番期待外れだったのがRS-305だと思う。NHKモニターと云われBTS規格だ・・・とか・・・。鳴らして見るのが一番理解が早い。

ノーマルの状態でも、内部配線を交換しても余り変わり映えがしなかった。ウーハーは何とか使えるようだと感じたが、高域の5cmコーン型は全く評価できないサウンドだった。低域もJBL D130の方がより明るくて、弾む低音が得られる。1972年当時はかなりの高額SPであったが、当時もこのSPはお店に並んでいたが、選択はしなかった。それが正しかったと納得した次第。ただ「モニタースピーカー」としては、「無表情」ゆえに正しいのかも知れない。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b3f0bd206d5a4c139aca8ab477b446fe

DIATONE 2S-305 ¥47,000(1台、1958年発売時)
¥56,000(1台、1968年頃)
¥78,500(1台、1969年頃)
¥120,000(1台、1971年頃)
¥200,000(1台、1975年頃)
¥250,000(1台、1977年10月1日改定)
¥350,000(1台、1984年頃)


1955年に発表された2S-660から3年を費やし改良されて誕生したスピーカーシステム。
NHK技術研究所との共同研究によって開発されました。

2S-305は何十年もの間、BTS-6131に規定された音質監視用R305の指定名称で、国内の放送局をはじめ海外の放送局や、音響専門メーカー、音響研究所で標準再生用として採用されました。
また、高い技術精度で作られる一つ一つのパーツをシステムとして完成させるため、エンクロージャーの製作、部品の組立て、取付けにいたる過程すべてが熟練した職人による手作業により行われていました。

低域には20cmコーン型ウーファーであるPW-125を搭載しています。
PW-125の振動系はクロスオーバー周波数1500Hz以上で高域が減衰するメカニカル・フィルターになっており、ネットワークを使用しなくても不要な高音の放射がありません。

高域には5cmコーン型トゥイーターであるTW-25を搭載しています。
このユニットの振動板は有効振動半径2cmとなっており、磁気回路には磁性材料の中でも高い方の飽和磁束をもつとされている鉄・コバルト合金を使用して、高能率化を実現しています。

エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。また、カバとラワンの薄板を1枚1枚接着し外角に丸みを持たせることで、回折現象による中・高域への影響を防止するとともに、機械的強度も高めています。

1台1台に無響室での実測データが添付されていました。

壁掛け用の2S-305C(灰色)や600Ωのマッチングトランス付もありました。

別売りオプションとして専用キャスターがありました。

周波数特性 2S-305の写真 詳細寸法図と断面図T 入力端子部
機種の定格
方式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・フロア型

ユニット等構成
低域用:30cmコーン型(PW-125)
高域用:5cmコーン型(TW-25)

ネットワーク:HP-170
再生周波数帯域 50Hz〜15kHz
40Hz〜16kHz ±5dB
入力インピーダンス 8Ω
クロスオーバー周波数 1.5kHz
定格入力 20W
最大入力 60W

出力音圧レベル 96dB/W 102dB/VA

ネットワーク 高域:12dB/oct
外形寸法 幅650x高さ880x奥行445mm
重量 45kg(1975年以降のカタログ記載)
50kg(1969年〜71年のカタログ記載)
別売 専用キャスターMC-1380A(¥30,000)

https://audio-heritage.jp/DIATONE/professional/2s-305.html

78. 中川隆[-13033] koaQ7Jey 2022年6月13日 09:37:20 : agdRaMM22M : T0g0clMvalpUdTY=[10] 報告
日本のオーディオ製品が欧米のオーディオファイルから相手にされない理由

Date: 4月 24th, 2022
陰翳なき音色(その6)
http://audiosharing.com/blog/?p=37060

ステレオサウンド 36号に瀬川先生の「実感的スピーカー論 現代スピーカーを展望する」が載っている。

     *

 日本のスピーカーの音には、いままで述べてきたような特色がない、と言われてきた。そこが日本のスピーカーの良さだ、という人もある。たしかに、少なくとも西欧の音楽に対してはまだ伝統というほどのものさえ持たない日本人の耳では、ただひたすら正確に音を再現するスピーカーを作ることが最も確かな道であるのかもしれない。

 けれどほんとうに、日本のスピーカーが最も無色であるのか。そして、西欧各国のスピーカーは、それぞれに特色を出そうとして、音を作っているのか……? わたくしは、そうではない、と思う。

 自分の体臭は自分には判らない。自分の家に独特の匂いがあるとは日常あまり意識していないが、他人の家を訪問すると、その家独特の匂いがそれぞれあることに気づく。だとすると、日本のスピーカーにもしも日本独特の音色があったとしても、そのことに最も気づかないのが日本人自身ではないのか?

 その通りであることを証明するためには、西欧のスピーカーを私たち日本人が聴いて特色を感じると同じように、日本のスピーカーを西欧の人間に聴かせてみるとよい。が、幸いにもわたくし自身が、三人の西欧人の意見をご紹介することができる。

 まず、ニューヨークに所在するオーディオ業界誌、ハイファイ・トレイド・ニュウズ≠フ副社長ネルソンの話から始めよう。彼は日本にもたびたび来ているし、オーディオや音楽にも詳しい。その彼がニューヨークの事務所で次のような話をしてくれた。

「私が初めて日本の音楽(伝統音楽)を耳にしたとき、何とカン高い音色だろうかと思った。ところがその後日本のスピーカーを聴くと、どれもみな、日本の音楽と同じようにカン高く私には聴こえる。こういう音は、日本の音楽を鳴らすにはよいかもしれないが、西欧の音楽を鳴らそうとするのなら、もっと検討することが必要だと思う。」

 私たち日本人は、歌舞伎の下座の音楽や、清元、常盤津、長唄あるいは歌謡曲・艶歌の類を、別段カン高いなどとは感じないで日常耳にしているはずだ。するとネルソンの言うカン高いという感覚は、たとえば我々が支那の音楽を聴くとき感じるあのカン高い鼻にかかったような感じを指すのではないかと、わたくしには思える。

 しかし、わたくしは先にアメリカ東海岸の人間の感覚を説明した。ハイの延びた音をノーマル≠ニ感じない彼らの耳がそう聴いたからといっても、それは日本のスピーカーを説明したことにならないのではないか──。

 そう。わたくしも、次に紹介するイギリスKEFの社長、レイモンド・クックの意見を聞くまでは、そう思いかけていた。クックもしかし、同じようなことを言うのである。

「日本のスピーカーの音をひと言でいうと、アグレッシヴ(攻撃的)だと思います。それに音のバランスから言っても、日本のスピーカー・エンジニアは、日本の伝統音楽を聴く耳でスピーカーの音を仕上げているのではないでしょうか。彼らはもっと西欧の音楽に接しないといけませんね。」

 もう一人のイギリス人、タンノイの重役であるリヴィングストンもクックと殆ど同じことを言った。

 彼らが口を揃えて同じことを言うのだから、結局これが、西欧人の耳に聴こえる日本のスピーカーの独特の音色だと認めざるをえなくなる。ご参考までにつけ加えるなら、世界各国、どこ国のどのメーカーのエンジニアとディスカッションしてみても、彼らの誰もがみな、

『スピーカーが勝手な音色を作るべきではない。スピーカーの音は、できるかぎりプログラムソースに忠実であり、ナマの音をほうふつとさせる音で鳴るべきであり、我社の製品はその理想に近づきつつある……』

という意味のことを言う。実際の製品の音色の多彩さを耳にすれば、まるで冗談をいっているとしか思えないほどだ。しかし、日本のスピーカーが最も無色に近いと思っているのは我々日本人だけで、西欧人の耳にはやっぱり個性の強い音色に聴こえているという事実を知れば、そして自分の匂いは自分には判らないという先の例えを思い出して頂ければ、わたくしの説明がわかって頂けるだろう。

     *

ステレオサウンドが出しているムック「良い音とは 良いスピーカーとは?」にも収められている。

ここではスピーカーがつくられた国による音の違いなのだが、
同じことが時代による音の違いについてもあてはまるようなに、
最近思うようになってきた。

つまり、過去の時代の音の香り(匂い)については感じることがあっても、同時代の香り(匂い)に関しては、自分の体臭がわからないのと同じように、わからないのかもしれない、ということだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=37060


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☆ 日本語は世界一「難聴者」にやさしい言語

どの国の言語にもそれぞれ固有の周波数帯というものがあり、母国の言語を繰り返し聞いて育つうちにその周波数帯以外の音を言語として聞き取る脳の感受性が失われていく。

そのため生後11歳くらいまでには母国語を聞いたり発音する能力に特化した脳が出来上がる。

日本語で頻繁に使われる周波数帯は125〜1500ヘルツで、英語は200〜12000ヘルツと随分と違う。日本語は世界の言語の中でもっとも低い周波数帯の言語で、英語は世界一高い周波数帯の言語である。

したがって、英語民族は高齢になると早い段階で高い音が聞き取りにくくなって不自由を感じるが、日本人はすぐには不自由を感じない。その点で日本語は世界一難聴者にやさしい言語である。

※ これは一人で二か国の言語を操るバイリンガルの「臨界期」が10歳前後と言われる所以でもある。また、英語圏の国で製作されたアンプやスピーカーなどのオーディオ製品には、高音域にデリカシーな響きをもったものが多いが、これで謎の一端が解けたような気がする。その一方で、とかく高音域に鈍感な日本人、ひいては日本のオーディオ製品の特徴も浮かび上がる。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c85e3a32c3aca5331dd2fb7adaf73d2a


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欧米人にはその良さがわからない日本のドスが効いた演歌


日本の軍歌:露営の歌 (Field Encampment Song)
https://www.youtube.com/watch?v=6hceNfhDFWY

日本の軍歌:同期の桜
https://www.youtube.com/watch?v=A3dVAnLmLQQ
https://www.youtube.com/watch?v=sdUrucGfoH4

『同期の桜』 台詞入り 鶴田浩二  大空に散った英霊へ
https://www.youtube.com/watch?v=IxJ2wcmy-2o

鶴田浩二 傷だらけの人生
https://www.youtube.com/watch?v=NyCG6epl1m8


王将 美空ひばり - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E7%8E%8B%E5%B0%86++%E7%BE%8E%E7%A9%BA%E3%81%B2%E3%81%B0%E3%82%8A

柔 美空ひばり - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%9F%94++%E7%BE%8E%E7%A9%BA%E3%81%B2%E3%81%B0%E3%82%8A

無法松の一生 美空ひばり - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E7%84%A1%E6%B3%95%E6%9D%BE%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%94%9F++%E7%BE%8E%E7%A9%BA%E3%81%B2%E3%81%B0%E3%82%8A

美空ひばり・悲しい酒 - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E7%BE%8E%E7%A9%BA%E3%81%B2%E3%81%B0%E3%82%8A+%E6%82%B2%E3%81%97%E3%81%84%E9%85%92  

美空ひばり 人生一路 - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E7%BE%8E%E7%A9%BA%E3%81%B2%E3%81%B0%E3%82%8A%E3%80%80%E4%BA%BA%E7%94%9F%E4%B8%80%E8%B7%AF+  

美空ひばり あの丘越えて - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E7%BE%8E%E7%A9%BA%E3%81%B2%E3%81%B0%E3%82%8A++%E3%81%82%E3%81%AE%E4%B8%98%E8%B6%8A%E3%81%88%E3%81%A6

真赤な太陽 美空ひばり - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E7%9C%9F%E8%B5%A4%E3%81%AA%E5%A4%AA%E9%99%BD++%E7%BE%8E%E7%A9%BA%E3%81%B2%E3%81%B0%E3%82%8A

津軽海峡・冬景色 石川さゆり 1977年
https://www.youtube.com/watch?v=8dCZHpoP2YI

藤圭子 圭子の夢は夜ひらく 1970年 紅白出場
https://www.youtube.com/watch?v=5SV1zpbIATU


「ダンシング・オールナイト」作詞:水谷啓二 作曲:もんたよしのり リリース 1980年4月21日
https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88++1980%E5%B9%B4

「赤いアンブレラ」作曲:もんたよしのり リリース 1980年10月5日
https://www.youtube.com/results?search_query=%E8%B5%A4%E3%81%84%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%A9+++%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%9F+++1980%E5%B9%B4


一方、欧米ではこういう色っぽい歌でないと人気が出ない:

ジュリー・ロンドン
Julie London-Boy on a dolphin - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=QArtb3nCC8I

A beautiful song by Julie London, from the movie "Boy on a dolpin"(1957) with Alan Ladd, Clifton Webb and Sophia Loren.  

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