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2012年1月04日22時25分 〜
コメント [経世済民74]  マヤ暦の予言に記されていない2012年のリスク−Wペセック  ts
13. 2012年1月04日 22:25:03 : HeQUaWw94s
すみません。誤字がありました。

× 地が流れているのに止めない。
○ 血が どんどん流れているのに止めない。

工事現場で 働いていた朝鮮人だったそうですが 犬なべを御馳走になったほど
仲良くしてくれたそうです。 しかし その大喧嘩を観てから 怖くなったと語ってました。

日本では 心療内科のレベルが低いので 精神病の定義や知識が無いです。
欧米では 変な宗教が流行ったり 騙される人が少ないのは 心療内科のレベルが高く、
カウンセリングも頻繁に受けて 心のケアに関心が高いからだと言われます。

検索すると・・・
【真実】韓国の子供の10人に3人は精神障害者!(韓国MBCテレビ)
 http://blogs.yahoo.co.jp/zainichi_busters/14539595.html

とあります。 韓国人は 精神疾患の多い民族なんですね。
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/563.html#c13

コメント [マスコミ・電通批評12] 韓国整形美女アンドロイドのために”ふくしま”を大幅カットしたNHK (太陽光発電日記by太陽に集いしもの 一陽来福
30. 2012年1月04日 22:27:28 : XJL2YLIhEs
消えろ。そう?猪苗代湖ズだって、強制的に出さされて嫌々出たわけじゃないよ。紅白がどんな番組かNHKがどんな局か、マルモリの2人じゃあるまいし、知らないわけじゃないでしょ。承知の上で出てるんじゃないです?誰を出すのか選ぶのはNHKだけど、断る自由は彼らにもある。断る歌手はいっぱいいる。彼らは出た。『バカな奴ら。何で断らなかったんだ!!』て思うのは、そりゃ自由ですが。
紅白のおかげでこういうグループがこういう歌を歌ってることを知った、うちの親みたいなのもいるし。ちなみにうちの親はテレビ好きだが、『ぽぽぽぽーん』のCMを見たことがナイらしい。
http://www.asyura2.com/11/hihyo12/msg/549.html#c30
記事 [原発・フッ素19] 原発約90%が停止  「異例の状態で本格的な冬?」 ⇒ 「原発不要を実証する記念すべき冬」 (暗黒夜考
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/f07e3972edb8d817560ba585fc6395ae
暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜
2012年01月04日

 原発約90%が停止 「異例の状態で本格的な冬?」⇒「原発不要を実証する記念すべき冬」


(転載開始)

◆原発 異例の状態で本格的な冬
 12月25日 8時7分 NHKニュース

玄海原発4号機の停止によって、国内の原発は90%近くが止まるという異例の状態で本格的な冬を迎えることになります。

電力会社ごとに見ますと、すべての原発が止まっているのは、東北電力の4基、中部電力の3基、北陸電力の2基、日本原子力発電の3基となっています。

また、関西電力では、今月16日、福井県にある大飯原発2号機が定期検査のため停止し、原発11基のうち10基が止まっています。

一方、運転の再開に向けては、再開の判断の前提となる安全評価「ストレステスト」が、定期検査で止まっている各地の原発で実施され、これまでに北海道電力、関西電力、四国電力、それに九州電力の8基のテストの結果が、国の原子力安全・保安院に提出されています。

しかし、原子力安全・保安院の審査が終わったケースは1つもありません。

また、運転を再開するためには、地元の自治体の了解を得なければなりませんが、自治体の多くは、再開に慎重な姿勢を崩していません。

運転を続ける国内の6基も、来年1月以降、春までに順次、定期検査で停止する見通しで、運転を再開する原発がなければ国内のすべての原発が止まることになります。


◆浜岡原発再稼働、津波対策しても知事「認めぬ」
 読売新聞 1月1日(日)20時14分配信

菅直人前首相の要請で全面停止している中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)について、川勝平太・静岡県知事は、読売新聞の取材に「福島第一原発事故で(浜岡原発と同じ)沸騰水型は危ないというのが日本人の共通認識になった」として、中部電の津波対策が完了しても再稼働を認めない方針を初めて明言した。

静岡県や地元4市は中部電と安全協定を結んでおり、知事が容認しなければ、再稼働は実現しない。

中部電は東日本大震災後、高さ18メートルの防波壁の建設などを柱とする約1000億円の対策工事に着手。2012年末までに完成させる予定だが、川勝知事は、浜岡原発3、4号機が福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉、5号機がその改良型であることを問題視し、「津波対策ができても再稼働の話にはならない。事故を繰り返さないためにはパラダイム(思考の枠組み)を変えるしかない」と述べた。

(転載終了)


年末年始にかけて、性懲りもなく”原発利権村”連中による「原発再稼動」を探る動きが見受けられるが、福島第1原発にてあれだけ重大な事故を引き起こし、今尚同事故が収束しない現状で、本気で「原発再稼動」を考える精神構造は一体全体どうなっているのであろうか?

まあ、マトモな神経の連中でないことは百も承知であるが、それでもその厚顔無恥な無神経ぶりには辟易とさせられる次第である。

年末に九電・玄海原発4号機が停止したことによって、いよいよ国内の原発の実に90%近くが止まった計算になるが、残る6基もこの春までには定期検査で停止することから、ここからがまさに”正念場”である。

上記記事にあるように、糞NHKは「異例の状態で本格的な冬を迎える」などと眠たいことを言っているが、実際には「原発全停止」でも尚、電力需要的に問題ないことを示す「原発不要を実証する記念すべき冬」になることであろう。

以前のエントリーでもコメントしたとおり、民間企業の自家発電を活用すれば、国内の原発が全て停止したとしても問題ないのが日本の電力需給の真相である。
にも拘らず、NHKをはじめとする大手メディアも大手新聞主要五紙も、経産省・電力会社とグルになって、「電力不足」を盾にした”恫喝行為”を喧伝しているのである。

特に原発依存度の高い関電管内では「冬の電力不足キャンペーン」を大々的に喧伝しているが、笑止千万、この春にはこれがまったくの”デマカセ”であることが露呈するであろう。

そして、「浜岡原発の停止」は、菅直人全総理が残した唯一の功績(実際は横田基地・横須賀を心配したアメリカの指示)と言ってもよいであろうが、現在停止中の同原発について、上記2つ目の記事にあるように、川勝平太・静岡県知事が「津波対策が完了しても再稼働を認めない方針」を初めて明言したことの意義は大きいであろう。

他の国内の原発も同様、地元の知事の承認なく原発を再稼動させることは不可能であるが、知事さえマトモならもはや原発など再稼動不可能ということである。

逆に、昨夏に北海道電力泊原発3号機の運転再開を容認した高橋はるみ・北海道知事のような電力会社とズブズブの関係にある”腐れ”知事の場合、原発の再稼動も十分あり得るので、原発の”地元”の有権者の方々はこのような人物を知事に選出しないことが肝要であろう。

地元の県知事・市長が完全に”原発マフィア”に取り込まれている玄海原発などは、原発再稼動の機会を手薬煉引いて待っている連中がおり、特に注意が必要であろう。

兎にも角にも、この冬を原発に依存することなく乗り切り、「電力不足キャンペーン」というミエミエの”ヤラセ”により「原発再稼動」を目論む”原発利権村”連中を手詰まりに追い込むべく、「原発不要を実証する記念すべき冬」としたいものである。


※参考1「原発再稼動を目論む「電力不足キャンペーン」の大ウソ 〜民間企業の自家発電を活用すれば原発など不要〜」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/7ce1a90ac6b70ea0a000e4c2a499fd5f

※参考2「震災後で初! 定期検査中の北海道電力泊原発3号機が営業運転に移行へ」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/8eab1fc598085e4f9c2df71c47eaf877


http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/813.html

コメント [自然災害17] 震度5弱以上、昨年は最多 17年分相当68回 taked4700
02. 2012年1月04日 22:31:26 : xQbwOjWS1Y
>>震度観測地点は統計開始時から大幅に増えており、単純な比較は難しいという。
>これは震度で計算するから。
震度のほうがまだ直接的にわかるからでは?
マグニチュードはもっと間接的な計算になる。

>マグニチュードで集計すればそれよりは正確な値が出る。
>なぜマグニチュードでも報道しないのか疑問。
地震観測点が大幅に増えているわけだから、
マグニチュードで、それより正確な比較になるとは限らない。

日本の震度階級は1908年から
マグニチュードはアメリカで暫定的に使用されたのが1935年
マギニチュードが日本に入ってきたのはもっと後なので
マグニチュードで比較すると正確になるとは限らない。

※おまけ
毎日が地震観測点
時事が震度観測地点
気象庁は地震観測点と震度観測点(震度観測点とは別物)
おそらく時事の方が記事は不正確だと考えられる。
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/681.html#c2

コメント [原発・フッ素19] 明石昇二郎さんに聞いた 「原発崩壊」の危機/原発は、本気の情報公開を! - マガジン九条 千早@オーストラリア
04. Ryukyuan.isao-pw 2012年1月04日 22:31:30 : YrP2vZDuHZBQs : u5btJ5mJr2
★ 原発災害で破滅する前に!全ての原発停止を!
http://isao-pw.mo-blog.jp/isaopw/2011/11/post_5624.html
★愛川欽也パックイン・ジャーナル3時間スペシャル
http://isao-pw.mo-blog.jp/isaopw/2012/01/post_578a.html
★誰も書かない原発列島、恐怖の実態!
http://isao-pw.mo-blog.jp/isaopw/2011/10/post_783e.html
★誰も書かない自爆用原爆1000発以上の衝撃!
http://isao-pw.mo-blog.jp/isaopw/2011/11/post_7105.html
★福島原発災害の現状と子供達の未来
http://isao-pw.mo-blog.jp/isaopw/2012/01/post_f112.html

http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/809.html#c4
コメント [自然災害17] 震度5弱以上、昨年は最多 17年分相当68回 taked4700
03. 2012年1月04日 22:32:36 : xQbwOjWS1Y
×マギニチュード
○マグニチュード
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/681.html#c3
コメント [原発・フッ素19] ニュース解説 眼  原発が問う日本の在り様@青木理 (Nuclear F.C : 原発のウソ)  赤かぶ
03. 2012年1月04日 22:32:53 : qJMzwPEVjY
◎20120104 たね蒔き 「新年一人目のゲストはあの玄侑宗久さん!」〖録音〗

http://www.youtube.com/watch?v=zbBSMRasKVw
http://www.youtube.com/watch?v=p3oeX9mACsk
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/793.html#c3

コメント [カルト8] [肯定派vs否定派] マヤの大予言「2012年人類滅亡」は本当にやってくるのか?  赤かぶ
01. 2012年1月04日 22:33:31 : HbXyG274M6
ククルカン(Kukulcan、Kukulkan)とは、マヤ神話の至高神、創造神。
グアテマラ高地の神で、グクマッツ(Gukumatz「羽毛もつ蛇」)とも呼ばれ、アステカでいうケツァルコアトルと同一。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3

龍も「羽をもつ蛇」と言えないか。

確かなことは、日本は滅亡すること。何年後かの平均寿命は60歳前後だろう。
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/781.html#c1

コメント [経世済民74] 年末年始にかけて欧州経済崩壊が加速 〜『経済崩壊は 誰にとっての危機か?』そのカラクリ〜 (暗黒夜考) 一陽来福
06. 佐助 2012年1月04日 22:37:27 : YZ1JBFFO77mpI : gHqpcm4bVU
ユーロの出現は、為替フロートによるリスクを無くし、ドルの支配から独立した固定通貨経済圏を誕生させた。しかし世界の準備通貨と各国の保有する国債で、ユーロがドルを上回ってしまった。そうするとドル暴落は不可避となり止まらなくなった。このことで世界の工業生産の三分の一を占める欧州の同一通貨は、第二次世界金融恐慌の打撃を、かつてのスターリング地域のように軽減させることになる。だから面白くない奴らがユーロ叩きを加速させた。

困ったユーロ国は、加盟各国の保有キンを合算し、ユーロ通貨の発行尺度とする。その結果、ユーロ上昇。ドルと円下落。世界の国が、激烈なキン争奪戦争をスタートさせる。その前に日本は郵政やTPPと消費税増税した分をIMFに与え米欧日で協力しようとするが,効果なく世界恐慌は益々深みに嵌る。

そこでドル暴落から米国は「保有しているキンを尺度に通貨を発行する」キン返り政策を採用せざるをえない。しかしキンとのリンクは1ドル60円になるか,新興国のバブルが崩壊するか,EUで債権デフォルトが起きない限りしないはず。

そしてニクソンのキン離れによる為替フロート制は終わる。だから世界の為替システムは、まず、ドルとユーロ通貨に各国がリンクする固定レート時代へ移行する。次に,国家がキン買いの主役となるキン獲得競争の勝者が三極目&四極目の世界通貨となる。

ドル暴落を防止するため米国は、通貨の発行尺度を保有キンにする政策(金本位制)を提案するとドル暴騰してユーロ・円下落することになる。日本政府は、日本国民のキンの輸出入と売買を禁止し、日銀のみの買上げ実施。世界の保有キンは、ドルとユーロと円に、ほぼ三分割され、世界通貨は三極支配体制となる。

世界は早く三極通貨体制に移行すると世界恐慌は3年で収束沈静化する。ところがキンが世界通貨の信頼を直接支え、為替を固定化することに成功しても、時間とともに、キン相場とキンの公定相場との乖離が再発する。その結果、再びキン離れへの移行が不可避となる。

そして再びバブルを繰り返すことになる。日本は最新鋭の自然エルネギーから最新鋭の産業革命が2013年ごろからスタートすることになる。日本政府が世界恐慌を認識しないでキンとのリンクもしないとTPPや消費税増税によって国内は古今未曾有のパニックを迎えることになる。(日本が最大の打撃を受けるのは確実である)

このことから日本は新しい技術や先覚商品の開発に成功した、個人と企業と産業は、スーパーバブル下で、縮小を軽減できるだけでなく、急成長することが可能で,大企業の交代劇が起きることになる。「基軸通貨の交代期に必ず起きる」1933年第一次世界的スーパーバブルの中心の米国は、求人を四分の一以下に激減させ、給与所得は平均30%減になり、失業者は瞬間的に、三人に一人まで拡大した。米国を襲った1930年代の大恐慌が、各産業のトップ企業を入れ替え、次の時代をリードする企業を誕生させ急成長させた世界的企業の多くは、1930年代をチャンスにして登場した企業なのです。

そして世界信用収縮恐慌を他国のことと放置すると,地方銀行の取り付け騒ぎや倒産が避けられなくなる。そして全国の銀行のモラトリアムが世界中で発生する。ギリシャ・イタリア・スペイン・中国・韓国・日本など該当する国家が殆ど。予期できない出来事が、次々と発生するため、実態経済(企業の決算・生産・雇用・消費)にパニックが起きる。日本の政治家は間抜けなので何が起きるか恐ろしい。

http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/572.html#c6

コメント [原発・フッ素19] 静かな死  日本を待っている恐怖のシナリオ (Nuclear F.C : 原発のウソ)  赤かぶ
32. 2012年1月04日 22:38:09 : 22KmOnIE2Y
騒いでいただくことはありがたいことです。
賠償金が継続していただけます。
福島県民にとって最高の幸せです。
更に被ばくの訴えお願いします。
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/778.html#c32
コメント [自然災害17] 近い将来、首都圏は3回大きく揺れます(長尾年恭:東海大学地震予知研究センター長) supernote
02. 2012年1月04日 22:40:05 : xQbwOjWS1Y
東海大学地震予知研究センター長がダメなのか、聞いた記者がの筆耕力がダメなのか判別できない記事だな。
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/683.html#c2
記事 [ペンネーム登録待ち板6] rmt_2u@yahoo.co.jp
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http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/2311.html
コメント [原発・フッ素19] 自主避難者にたいして冷たい報道が元旦に2つもあった。(ざまあみやがれい!)  赤かぶ
04. 2012年1月04日 22:47:57 : oXjyYrHR4I
 こんな事は、原発事故発生後、政府が率先して「自主的避難家族に対して、住民表を移していなくても、各地域の社会保障が受けられる」ように、ただちに予算をつけるべきだった。今からでも即刻やるべきだ。
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/803.html#c4
コメント [議論30] Re: 2号機については、地震でサプレッション・チェンバー付近が損壊したという見解を田中三彦、小出裕章ら三氏が明らかに 短足鰐
02. 短足鰐 2012年1月04日 22:48:07 : 1dEIvwQCPSw5M : zqw7Lv8Ckk
 (本人の言い分)

 2号機圧力抑制室の損壊原因≠「水素爆発」発表(東電)から読み解く事故の経緯
 http://www.asyura2.com/11/genpatu17/msg/298.html
 投稿者 あっしら 日時 2011 年 10 月 08 日 15:24:12: Mo7ApAlflbQ6s

 2号機の“爆発”は「計器故障」とうそぶく東電:2号機のS/C損壊まで否定する腐敗臭漂う東電中間報告書
 http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/836.html
 投稿者 あっしら 日時 2011 年 12 月 03 日 04:35:07: Mo7ApAlflbQ6s


http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/526.html#c2

コメント [原発・フッ素19] 石田衣良 日本人は東京電力と社員を憎むのを止めた方がいい (NEWSポストセブン)  赤かぶ
107. 2012年1月04日 22:48:53 : RHM5r1acS6
石田衣良さんて、思ったより頭の悪い人だったんですね。意外です。
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/787.html#c107
記事 [テスト24] Re: テスト
20111226第4回市民シンポジューム「週刊金曜日編集部企画委員・成澤宗男氏 〜新自由主義とは何か 9.11事件の真相」


http://www.asyura2.com/11/test24/msg/398.html
コメント [原発・フッ素19] 石田衣良 日本人は東京電力と社員を憎むのを止めた方がいい (NEWSポストセブン)  赤かぶ
108. 2012年1月04日 22:53:19 : CGaB34XTl
>正当な批判はすべきなんですが、「会社を潰してしまえ」とか
>「社員の給料をゼロにしろ」とか、無茶苦茶なことをいう人もいる。

何が無茶か!
「会社を潰してしまえ」とか「社員の給料をゼロにしろ」とか、それだけじゃ足りないよ!
資産全部没収でも当たり前だろ!
今の幹部も、退職した幹部も全部だー!
命まで獲られなけりゃたいしたもんじゃないか。
この御用作家が!
曲がったその口、ペンと一緒に折ってしまえ!


http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/787.html#c108

コメント [原発・フッ素19] 違います。最優先は全国の原発の核燃料をすべて地震の影響の少ない地域へ運び出すこと。 taked4700
15. 2012年1月04日 23:01:35 : XJL2YLIhEs
山本太郎さんとのバラエテイ番組内での対談で、森永卓朗さんが、原発を動かすべきだと言っていた。今、停電してないのは、めっちゃくちゃ節電しまくってるからだ、こんなこといつまでもしてられない、と。そうなの?皆さんそんな、家で会社で、めっちゃくちゃ節電しまくってるの?『節電中』の札はいたるところで見るが。さっさと何とかしろと思うような不便さを感じたことはないし、こんなことしてたら日本経済が破綻する、というのは製造業じゃナイせいかよくわからない。
だったらルミナリエみたいな、家の壁をサンタが登るみたいな電気の使い方は禁止すべきだっただろーとか、思うんだが。LEDだかナンだか知らんが『停電させないために、皆さんエアコンの設定下げましょう!』でやることじゃないだろー。
光より熱の方が電気食うとしても、さ。
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/781.html#c15
コメント [原発・フッ素19] 石田衣良 日本人は東京電力と社員を憎むのを止めた方がいい (NEWSポストセブン)  赤かぶ
109. 2012年1月04日 23:04:36 : qrsmacl0Og
へー、そうですか。
たいした精神だ、震災をテーマにコメディーですか。
偉い!…これアイロニー。
右の頬を叩かれたら、左の頬を叩けとさしだせ。
日本人は日本人同士、キズナをもって愛しあわなければならない。
もちろん、何をされても日本人は東電と東電社員を憎むのを止めたがいい。

すごい博愛精神!
しかし、そんな博愛精神をもてといわれなくても、
いずれ日本人は大人しくゆでガエルのごとく死んでいく。

松本清張ぐらいの大物本物になら、原発人災を書くことを許すが、
残念ながら、彼はもう生きていない。



http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/787.html#c109

コメント [アジア13] 韓国国籍を取得しない在日朝鮮族が増えている!!! びっくりカメラ
01. 2012年1月04日 23:05:45 : QiD7e8R01Y
まったくさぁ〜!60年以上も代々、逃げてばっかり、ズルイんだよ〜!こんなの朝鮮戦争で、祖国の為に死んで行った、生粋のチョン民族の戦争未亡人や遺族は怒り爆発だよ〜!オマケに、逃げて儲け続けて、どっち付かずで、ラクしてさぁ〜!こんなのばっかりだったら、そのうちに、国家、祖国が、ろくにない、パレスチナとか、クルドみたいになるよ〜!いくらバカだ、チョンだって言ったって、ウン千年来に渡る、伝統の、チョン半島があるんだよ〜!逃げてばっかりの裏切り者は、悪いけど、シナだったら、とっくに死刑だよ〜!それを、60年以上も、代々、逃げ続けてさぁ〜!とんでもない連中だよ〜!
http://www.asyura2.com/09/asia13/msg/841.html#c1
コメント [原発・フッ素19] 脱原発のココロ/漫才コンビ おしどり/自ら取材 被ばく者代弁/芸も真相も 大事やねん/「震災前」脱し、成長を(東京新聞) gataro
08. 2012年1月04日 23:07:27 : EZFwjGafqM
確か、ロックフェラーは原発反対だよね。
ロスチャイルドが推進派。
みんなの党はロックフェラーの犬ってことだ。
まあ、でも、原発無くすなら、糞ロックフェラーを利用する事もしなければならないけどね。
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/794.html#c8
コメント [カルト8] [肯定派vs否定派] マヤの大予言「2012年人類滅亡」は本当にやってくるのか?  赤かぶ
02. 2012年1月04日 23:10:09 : EsSyEGl6e6
何回修正するんだよ・・・
外れる度に新しい解釈が発見されて延長されていく
世界一いい加減な妄言
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/781.html#c2
コメント [自然災害17] 緊急地震予報 仙台で夜光雲 元日のM7地震は大震災の前震の可能性 三が日は要注意! (世相両断)  赤かぶ
23. 2012年1月04日 23:11:42 : EsSyEGl6e6
>>21
あん?
適当な事言ってるけど肝心な福島で発見されてねぇんだろ?
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/673.html#c23
コメント [自然災害17] 緊急地震予報 仙台で夜光雲 元日のM7地震は大震災の前震の可能性 三が日は要注意! (世相両断)  赤かぶ
24. 2012年1月04日 23:19:32 : EsSyEGl6e6
気になったので、調べたら
放射性物質、放射線の発見は1895年
夜光雲が最初に発見されたのは1885年

10年とながーい間が開いてますがな
核兵器に関する「仮説」は放射線の発見から更に40年後、夜光雲の初観測から50年後

…およそ100年って所だけで妄想重ねちゃったんだな
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/673.html#c24

コメント [経世済民74] 発電するほど赤字、火力頼みの電力会社苦境 (読売 12/18) 乃依
06. 2012年1月04日 23:20:41 : EZFwjGafqM
よくこんな酷い記事投稿するな。神経疑うわ。
あ、そうか、ゴミウリの馬鹿記事を嘲笑うために投稿したのね。
なら、納得。
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/571.html#c6
コメント [カルト8] アメリカ真の支配者、ロスチャイルド家の崩壊・分裂とは?・news-us(米英仏を消毒すると世界平和が実現できるようです) 小沢内閣待望論
27. 2012年1月04日 23:20:45 : ZhUzZHEESo
>驚くべきことに、ロスチャイルド家の当主が日本人と恋愛関係にあったのです。
>願いかなわず悲恋となるも、日本を第二の故郷と考えるのは自然でしょう。

おめでたいね。この一文以降読む気が失せた。

(ピ)
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/725.html#c27

コメント [原発・フッ素19] 4号機の燃料プールは震度5には耐えられない!? (カレイドスコープ)  赤かぶ
06. 2012年1月04日 23:30:43 : BVdT8HvwzA
みなさんが大騒ぎするほど4号炉は崩壊していませんよ。
危険だ危険だと煽るのはいい加減にしたほうがいいですよ。
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/807.html#c6
コメント [原発・フッ素19] 静かな死  日本を待っている恐怖のシナリオ (Nuclear F.C : 原発のウソ)  赤かぶ
33. 2012年1月04日 23:33:20 : q2KL4oRSWw
>>32

自分の大切な人間を大病で失っても、同じくフカしていられるかな。
残念ながら海には県境がないからね。あんたが口にするその水だって疑った方がいい。
せいぜい長生きするこったwwwww


http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/778.html#c33

コメント [戦争b8] ケムトレイルを描くドキュメンタリー、 『大規模な間引き - 空気編』の予告編 千早@オーストラリア
02. 2012年1月04日 23:35:42 : DVany25yfs
>2008年4月20日にシドニーのスパイの手配で自分の頭上に撒かれるまで、
>情熱を持って否定してくるのはやっぱりそれがお仕事だから、というケースが99%
(以上?)だと思っています。
明らかに被害妄想です。

だいたい、人工を減らしたがっているなら、出生率が低下してるところではなく
上昇してるところに撒くでしょう。ふつうに考えればね。
経済支援もいらなくなるし。
ケムトレイルとやらを撒いているのが阿呆の集団であれば別ですが。
http://www.asyura2.com/11/warb8/msg/557.html#c2

コメント [原発・フッ素19] 静かな死  日本を待っている恐怖のシナリオ (Nuclear F.C : 原発のウソ)  赤かぶ
34. 2012年1月04日 23:37:11 : 545SbpbMvo
江戸川区立南葛西第二小学校が学校行事で福島でスキー合宿 放射能汚染はチェルノブイリ級とも

1 : 三銃士(岩手県):2012/01/04(水) 21:53:50.02 ID:oGvxnQqc0 ?PLT(12000) ポイント特典

(再)江戸川区南葛西第二小学校、春江小学校、福島へスキー旅行

東京都江戸川区の区立南葛西第二小学校が、2012年2月に3泊4日の日程で、福島県の西白川郡にある「国立那須甲子自然の家」にて
スキー合宿を行うという情報提供がありました。

保護者の間で不安が広がっており、何とか、世の中に周知し、合宿先の変更などの対応をしてもらいたいとの声が上がっているようです。

・日程:2012年2月14日より3泊4日
・場所:福島県 国立那須甲子(なつかし)青少年自然の家
・住所:福島県 西白河郡 西郷村 大字 真舟字村火6−1

上記リンク先の地図で、合宿の場所と放射能汚染の度合いを確認しますと、青少年自然の家は、チェルノブイリ級の放射能汚染地域。
小学生がスキー合宿を行うのに適した場所であるとは思われません。

管理人も地図を見ましたが、汚染の高い郡山や那須塩原からそう遠くありません。(@を参照)
こちらがその手紙。上記サイトより転載。(Aを参照)
安全軽視し、より高い可能性を考えず安全と判断しているのがわかります。何より事故のあった原発により近い、
汚染の高い場所に行こうとする感覚が、教育者としてありえない話です。
有志による放射線量計測でも、非常に高い数値を出してます。(BCを参照)
近隣の白河市。(Dを参照)

なぜ、あえて、わざわざ、福島へ行く??保護者の方が反対したようですが、断固として計画を変えるつもりはないようです。
子どもの安全を預かる教育機関として、学校は原発事故が起こったことを学校は考慮すべきです。
http://sekaitabi.com/edogawaski.html
@http://sekaitabi.com/wp-content/uploads/2011/12/ski.png
Ahttp://sekaitabi.com/wp-content/uploads/2011/12/skiletter.png
Bhttp://sekaitabi.com/wp-content/uploads/2011/12/hakatte.png
Chttp://sekaitabi.com/wp-content/uploads/2011/12/hakatte2.png
Dhttp://sekaitabi.com/wp-content/uploads/2011/12/shirakawa.png


31 : 国連職員(福岡県):2012/01/04(水) 22:03:42.10 ID:be6/HHKq0
人柱かい?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/778.html#c34

記事 [原発・フッ素19] 不審な死を遂げた反原発の町議>原子力発電を考える〜原発を止めた町から〜 上村康広さんの話
東京新聞の社説を紹介・転載した投稿についたコメントで教えて戴いたのですが、反原発派だった三重県は南伊勢町議会の議員、上村康広さんが変死したという情報です。まずは47NEWSの記事

そして、反原発の人だったと伝えるツィッター

そのリツィートにあったリンクのブログ記事を下に転載しておきます。

反原発派と推進派の間が相当険悪だったことが読み取れるので、その関係なのか或いは福島原発事故後の活動を阻止しようとする者の仕業なのか?

「伊勢署は事件と事故の両面で捜査している」

と上の記事にもありますが、上村さん所有の散弾銃は車外にあったけれども、上村さんは運転席で倒れていたという点。暴発で撃たれてから運転席に座った可能性もゼロではないのでしょうが、ちょっと不自然では?

下に転載する記事を書いたたかふさんも、同じ疑問を持っていました。

とにかく本当の捜査をしてほしいものです。
では、以下転載。

2011-06-05 14:33:26
原子力発電を考える〜原発を止めた町から〜 上村康広さんの話
テーマ:電力会社と闇

6月5日 名古屋生活クラブが主催する「原子力発電を考える〜原発を止めた町から〜」という講演会に行きました。演題は2題です。そのうちの上村康広さんの話について書きます。

上村康広さんは南伊勢町議会の議員です。と書くと堅苦しいイメージですがとてもおいしい牛肉を育てる畜産家で、とても親しみやすい雰囲気をもった方でした。ずーっと話を伺いたいと思っていたので今日は話を聞けてとても有意義な時間を過ごしました。

まずは芦浜原発計画の経緯をwikipediaから転載いたします。
====================

中部電力は1963年、熊野灘への原子力発電所建設計画を公表し、翌1964年に芦浜地区を候補地を決定した。しかし1966年には地元の漁業関係者が衆議院科学技術振興対策特別委員会の視察を阻止する「長島事件」が発生するなど、計画当初から反対運動が行われていた。そのため1967年には当時の田中覚知事が計画を棚上げした。

しかし1977年に国は芦浜地区を要対策重要電源に指定した。1984年には三重県も原発関連の予算を計上し、県議会も立地調査推進を決議している。1994年には、南島町古和浦漁協と紀勢町錦漁協も調査の受け入れに同意した。しかしなお各漁協で対応が分かれていた。

1996年には南島町芦浜原発阻止闘争本部が県民81万2335人の反対署名を北川正恭知事に提出した。これを受けて1997年3月に県議会は調査・建設の冷却期間を置くよう求めていた南島町の請願を全会一致で採択した。同年7月に県は中部電力に対して、立地予定地からの社員引き上げを正式に要請し、1999年まで冷却期間となった。1999年には北川知事が国内やドイツの原発を視察したほか、南島町、紀勢町から意見聴取を行っていた。

白紙撤回 2000年2月22日、北川正恭知事は県議会で「計画の推進は現状では困難、白紙に戻すべきだ」と表明した。その理由として、計画発表から37年もの間地元住民を苦しめてきたのは県にも責任があるとした。また「電源立地にかかる四原則三条件[1]」を満たしていないと述べた。当時、県民の53%、南島町民の86%が原発に反対していた。一方で紀勢町では原発推進派の勢いが勝っていた。

中部電力としては原子力発電を浜岡1ヶ所に頼っているという現状があり、是が非でも芦浜地区に原子力発電所を建設したいという思惑があった。しかし知事の発言を受けて、中部電力の太田宏次社長は計画を白紙に戻すことを表明した。

国は2010年までに原発を16-20基増設することを計画していた。しかし1999年に発生した東海村JCO臨界事故と芦浜原発の白紙撤回は、この計画に大きな影響を与えたと言われている。
====================

以下は上村さんの講演の内容ですが、メモと記憶を辿って書きますのでもしかすると間違いがあるかもしれません。

1964年に原発計画の候補地となった当時は多くの人が建設に反対していた。そして町によって推進派になったり反対派になったりした。

10年ほど話し合いが続いたが、その間に中曽根康弘が巡視艇に乗って芦浜を視察に来るということになり、漁師たちが船で妨害しこれを阻止した。これが「長島事件」という。これにより20数名が有罪判決を受けたという。

高谷副知事が南島町民?との話し合いで原発建設には南島町住民の同意が得られることが必要だという内容の文章を明記、捺印した。これにより副知事は更迭された。

隣町の大紀町(旧錦町)は推進派であり、この町とは大変ないがみ合いとなってしまう。暴力的な事件に発展し最終的に機動隊が出動する騒動となった。その後、田中覚知事は原発計画を棚上げにする。これが最初の計画停止である。

三重県知事は田川亮三(自民党)の時代となった。彼は奇しくも福島原発を視察し、安全性を確信してしまったらしい。これを受け中部電力は町内に入り込み住民の推進工作を強めた。そして三重県もこれに続いた。


上村さんの住む南島町は真珠養殖がさかんで、これによる利益はけっこうなものだったという。したがって住民の心は一枚岩で反対運動ができた。しかし時代の流れで真珠養殖が儲けにならなくなり、ハマチ養殖に移っていった頃に事件が起きた。

ハマチ養殖の餌に混ぜられた抗生物質の問題だ。この抗生物質の使用により漁師の指が腐り落ちたなどと報道され、1400円/kgだったハマチの値段が600円/kgまで落ちたという。この裏には当然のように中部電力が見え隠れしていた。この指が落ちたという人物は2人いて、上村さんは両方とも知っている人間。二人とも別の原因で指を切断していたことも知っていた。一人はハマチの餌であるミンチをつくる機械に指をはさまれ、もう一人は全然別の原因とのこと。しかも、話をでっち上げたのは既に漁師は辞めていた後の話だということだ。

中部電力はハマチ養殖で借金を抱えた住民に対し、金を貸すよと持ちかける。ただし町民が連帯で借りなければだめと条件を付けた。何人も借金すれば返済金を払える人もいれば払えない人もいる。しかし中部電力は連帯だから全員で返せと返済を受け付けなかったらしい。

こうして手を替え、品を替え、中部電力は反対派住民に対し工作を進める。

住民が住民を見る目はまず第1に原発反対派か推進派かになるという。推進派の人が一人亡くなれば、反対派の人が「よかった」と言う。その逆もしかりである。
例えば転んでいる子供がいれば「あの子は推進派か反対派か?反対派なら助けてやろう」という心情になるそうだ。なぜかと言えば漁業組合員が215名。このうちの半分が賛成すると海洋調査が行われる。海洋調査を行えば必ず原発が建つと言われるほど、ほぼイコールのもの。だから反対派にとって推進派の頭数が減ると言うことは「よかった」となるのである。

あるとき上村さんの妹夫婦が推進派に回った。これにより兄弟間で喧々諤々あり疎遠になってしまった。親を見ている子供同士(従兄弟同士)も遊ばなくなった。上村さん曰く「一般的に身内ほど信頼関係は強い。でもこういう自体になると信頼感が強いほど正反対のエネルギーに換わってしまう。」と・・・。


原発は麻薬と同じである。
財政難の過疎地に誘致をもちかけ、電源三法による交付金を過疎の町に落とす。原発を作ったら維持管理費がかかり、当然その財源不足になる。で、また新しい原発を建てる。この繰り返し。
議員は議員で町民のためにあれを建てた、あそこを直したっていうことで人気があがるらしい。
農業はだめ、漁業もだめとなると原発に頼りたくなる現状があるのが過疎地の問題である。

上村さんがこれだけは言っておきたいが、原発推進派もお金が欲しくて原発を推進したいと言っているわけではない。みんな子供たちに借金を残したくないという気持ちがあるからなんだ、これだけはわかって欲しいと力を込めていた。


芦浜は呪われた土地と言われており、原発建設の声が高まるとどこかで事故が起きている。チェルノブイリ、東海村、そして福島だ。今、計画が停止しているのは福島の犠牲の上になりたっている。

芦浜原発の計画はなくなったわけじゃない。建設予定地は中部電力が今でも所有しているし、中部林業という中電の子会社がその土地をきれいに管理している。もし浜岡原発が廃炉になれば中部電力の原発は0になる。その時、再び建設計画が持ち上がるのが怖い。

菅総理はなぜ不信任案を提出されたのか、あれは原発に手を出したからだ。浜岡を止めたから既得利権を守りたい推進派の抵抗にあったと思われる。

====================

うまく思い出せない部分もありますが大体、こんな内容でした。
(今度ボイスレコーダー買わなきゃ)

許せないのは電力会社も国も財政難で高齢化が進む過疎の村をターゲットにして
住民の絆を引き裂き、情報操作を行い、麻薬着けにしてしまうことですね。

質疑応答から1点追加

質問:
デモや署名運動といったことは広がりつつありますが、それ以外に脱原発にむけ我々ができることは何かありますか?(例えば政治的な何らかの方法とか)

回答:
芦浜原発の時は住民の同意がなければ原発の建設は認められないという文章を副知事が書き判を押してもらった。これが三文判であったためモメた経緯はあったが、これは大事な事だったと思う。81万人以上の署名を集めたことも大きな力になったと思う。とにかく国民が原発に対して嫌だと言うことが大事。後はしっかりとした反原発の考えを持った政治家を選ぶことじゃないでしょうか。

2011.6.5
(転載終わり)

「国民が原発に対して嫌だと言うことが大事」

奇しくも、冒頭で触れた東京新聞の社説を受けて書いたように、政治家やメディア等々の言うことを鵜呑みにせずに国民が自ら動かなければ駄目だということですね。

事件であれ事故であれ、今後も反原発に大いに貢献なさったであろう方の死は誠に残念であります。ご遺族のためにも、真相が判明するよう祈りつつ

合掌


★転送・転載の際は、この記事のURL
http://insidejobjp.blogspot.com/2012/01/blog-post_04.html
を必ず入れてください。

一人でも多くの人々に読んでもらうため、
これを読んだあなたも周りの人々に知らせてくださいね。
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/814.html

コメント [原発・フッ素19] 福島県庁が県外に疎開した県民を「連れ戻す」セクションを新設する 赤かぶ
07. 2012年1月04日 23:38:23 : 8q6g7JQLFQ
何の罰ゲームですか?
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/804.html#c7
コメント [原発・フッ素19] [社説] 民の力をいかそう お任せ体質さようなら - 東京新聞 TOKYO WEB 千早@オーストラリア
06. 千早@オーストラリア 2012年1月04日 23:40:01 : PzFaFdozock6I : s108hWs4Aw
05さん、

情報、ありがとうございました。
今、

不審な死を遂げた反原発の町議>原子力発電を考える〜原発を止めた町から〜 上村康広さんの話
http://insidejobjp.blogspot.com/2012/01/blog-post_04.html
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/814.html

としてアップしました。
とても残念ですね。
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/805.html#c6

記事 [リバイバル3] ウェスタンエレクトリック伝説


                        \               , イ
                      l!   ヽ 、         ,. ( /
                        jl     ヾ 、    ,. (   /
                      l !.       iヘ.  /       /─ -  _
                       l !       !∨             `> 、
                      l i      /l l                  `ヽ
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                      ヽ 、  /   ! L- ´  ̄ `>、                ヘ
        ___.            ヾ 、 _i   .j j: : :_: : : : : : : : :ヽ            ヘ
      ,. (////////`>、         `ー|   / 斤´ 7 `ヽ: : : : : : ヘ            ヘ
   ////////////////∧         j.  ノ ,辷ンゅ  ∨: : : : : :ヘ            ヘ
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  ∨////////////////////               !j ////j: : : : : : : : !            i
.   ヽ//////////////////,{                /////!: : : : : : : :i             !
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      ヽ//////////                ///////,l: : : : : : : : :i            l
      //////////                 ////////,l: : : : : : : : : !             j
     .//////////> 、_              /////////!: : : : : : : : : ヘ            /
     ////////////////`ヽ             i/////////l: : : : : : : : : : ヘ          /
    .////////////////////ヽ          !/////////l : : : : : : : : : : ヘ        /
   .i/////////////////////∧         ∨///////ヽ: : : : : : : : : : :ヽ      ./
   !'//////////////////////∧         ヽ////    ',: : : : : : : : : : : :ヘ   /                 /
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   !/////////////////////////∧       γ´フ´     ヽ: : : : : : : : : : : : :\                   /
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       ∨////////////////////////////ヽ//////////////////////フ\:j\: l            /、7/////
      ヽ//////////////////////////////////////////////////,ノ     `            / !/>: ´: :
        \///////////////////////////////////////////////ノ                 ムr//,|: : : : :
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             i//////////////////////ヽ^ヘ   リ         l                {!   ヾヘ: : : :
             |///////////////////に==, そ´          ヘ                !   }∧、:_:
             !/////////////////////r-='_、 !           ヘ                i   //r―
             |/////////////////////(ノ´//} `ー-_,         ヽ                i  l//!
              |//////////////////////////fj^i´ ̄           ヽ              ∨ j//L_
                  l'///////////////////////////∧             \              ∨/r―‐

WE12Ahornでバッハ/EMI LPを聴く
http://www.youtube.com/watch?v=m6xIs1jGSZI&feature=related

WE12Ahornでバッハ/日本Victor SPを聴く
http://www.youtube.com/watch?v=acpapygUvI4&feature=related

DSD DiscをWE25Bシステムで聴くジャン
http://www.youtube.com/watch?v=PYVe_X7IkQs&feature=related

WE15Bシステムで1929年録音のベートーベンを聴く
http://www.youtube.com/watch?v=zSRMcr6_LMY&feature=related

DIY Western Electric 15A horns
http://www.youtube.com/watch?v=OzAeypFw81I&feature=related

DIY Western Electric 15A horns ll
http://www.youtube.com/watch?v=fYhpRlY_EfM&feature=related

1928 Western Electric cinema speaker
http://www.youtube.com/watch?v=nFX392pNeiA

Western Electric WE12AでJimmy Witherspoon/Singin' The BluesよりSpoon's Bluesを聴く
http://www.youtube.com/watch?v=hZSaFztVtYc&feature=related

Western Electric WE 24-Aホーン+WE 594-A + ELTUS 4181×2
http://www.youtube.com/watch?v=qjz4tH8463U

WE25BホーンシステムでAll Of Me/Herzlichst, Inge/Inge Brandenburgをかける
http://www.youtube.com/watch?v=qIw5H7zkY8M&feature=related

Western Electric 757-A Monitor SystemでRenata Mauroを聴く
http://www.youtube.com/watch?v=lpwsrRCS9Ss

WE757Aで寺島レコードを聴く
http://www.youtube.com/watch?v=hWQewdIzNj8&feature=related

WE12AホーンでBing Crosby(1935年録音)を聴く
http://www.youtube.com/watch?v=3mn3nOgw8uE&feature=related

Western Electric sound at STAIN
http://www.youtube.com/watch?v=Z7ZKGC-mXrY
http://www.youtube.com/watch?v=_9GqJwrbcE4


ウエスタンラボ Western Electric 商品一覧
http://www.westernlabo.com/45.html
http://www.westernlabo.com/66.html

サウンドパルコ Western Electric 商品一覧
http://www6.ocn.ne.jp/~kuniharu/topjp.htm

エイフル Western Electric 商品一覧
http://www.eifl.co.jp/index/information/index.html
http://www.eifl.co.jp/index/main.html

エイフル ヴィンテージオーディオ博物館
http://www.eifl.co.jp/index/vam/index.html

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      ||   ′i|   l  ,ニ、    /}、/ } |
      |     {   !   lィ、_ ノ    /イノ!イ  ;
      |、 !  、 ヽ  l 代 ソ     じ' ハ/
      l Y|  i \   | l ::::::    ' :::/  }
       ; ノ!|   ゝ-‐`ー .l、ゝ   r ァ /  /
      〃 リ /    ヽl >  _ ィ'}ヽ  /
     /  / /      マ!|   // ハ /
     / ,  ,′       i }l !  // / l
    / /   !       リ l l // /   |
    / /    |  i      ヽl ∨/ /  |
   ノ /     : l       ヽ./  }   l
  ( イ       l l        {   /   |
   ヽ!       ‖       、 : /   |
    人       l        ヽV      |
   ん、ヽ.     |          }     )

1. 原点が最高到達点  

1920年代から30年代に設計された、WE555と594Aが、今日に繋がるオーディオ・スピーカーの原点であろうことは、誰もが承知する事実である。しかし今日100年の時を経てして、おそらくはこのスピーカーを凌ぐものは現れていないと云っても過言ではないだろう。ベル研究所では、音響に関する基礎研究は、すべてやりつくされていたと伝えられるが、ウエスタン・エレクトリックのスピーカー群は、まさに到達点にあったのだ。歴史が下り、量産のための技術は、飛躍的に進化したが、究極の性能をそして音楽を追求し再現するという技術は、ウエスタン・エレクトリックの時代に頂点を極めた。おそらくは、フレッチャーシステムが歴史の上での頂点に位置するのだろう。

実は、ウエスタンは、555迄の時代と、594A以降の時代で、世界が異なっている。555は、蓄音器からマグネチックを経た時代の集大成の作品であるのに対し、594Aは、新しい挑戦の時代の製品なのだ。594Aは、いわゆるハイファイの原点、開始点、そして実は到達点でもある。そう。到達点が555と594Aの二つあるのだ。どちらもがウエスタンの究極であるが、それぞれが時代の分水嶺になっている。そのようなわけで、ウエスタンを極めるためには、555だけ、594Aだけでは、すまされず、双方のシステムが必要となる。どちらが優れるということはない。歴史上の双璧がここに極まっているのだ。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we555_r1/we555_r1.htm

ウエスタン・エレクトリックのシステムを構成する個々のコンポーネントを開発するために費やされているコストと時間は、尋常なものではない。しかも当時世界最高水準のベル研究所のスタッフがこれに従事していた訳だからなおさらである。人材、資金、時間が湯水の如く投入されている。ウエスタン・エレクトリックとベル研究所の音響システムの開発にかける姿は、さながら後年のNASAのプロジェクトに近いものがある。製品のどれ一つとってみても、当時の最高の素材が使用されており、技術は歴史的にも最高の水準にある。もし当時のベル研究所のスタッフが、今日の素材を手にしたら、どのような物が出来上がるのだろうかと想像すると戦慄が走る思いだ。

最高の音響システムを構築する一つの方法は、当時のウエスタン・エレクトリックのシステムを忠実に再現することであろう。理由は、その状態で完全なバランスがとられているからだ。しかしながら、バランスのとりかたには複数の解があるはずで、当時のシステム構築者が取りえなかった別の解があるはずで我々にはこれに挑戦することで、ウエスタンのコンポーネントからシステムとして別の魅力を引き出すことも可能ではないかと思う。ウエスタンのオリジナルのシステムを超えようとか冒涜する意図はもとよりない。もしウェンテが現代に生きていたら、どのようなシステムを開発しようとするだろうと、技術ロマンに心を躍らせる。

555コンプレッション・ドライバーを色々と聴いてみると、その完成度と技術水準の高さを超えたところに、造り手の意図を感じ取ることができるような気がする。このドライバーは、あきらかにホーンと一体で使用することを前提に設計されている。

そしてターゲットにしている音は、蓄音機が表現できる生の音楽のプレゼンスである。
蓄音機は、機械振動から直接音波を作りだしているので同じ系のなかで音を処理している。これに対し、スピーカーを使用すると機械振動、すなわち機械系から電気系に変換し、これを増幅して機械系に再変換を行っている。一般に、系の変換を行うと、何らかの情報が失われる可能性がある。私は、プレゼンスではないかと直感している。このプレゼンスこそ、生の音の肌触りであり、そこに演奏家がいるという佇まい感であり、さらには再生装置が消え、そして演奏家さえ意識させず、ただ音楽のなかに包まれる世界への到達がある。

2004年1月15日から21日までの7日間は、忘れることができない。追い込み途中で、すごい音の世界が出現してしたのである。RCA1444のエージングとフィールド電源の調整がどツボにはまった。調整途中で、まだ音は濁っており、分解能も出ていない、コーラスの分離が悪い。しかし只ひとつ、今までのどこでも体験したことのないプレゼンスが現出したのである。

二階で再生しているのだが、我が家は三階建てなのだが、どの部屋で聴いても同じ音量で、音楽が壁を貫通して浸透していくのである。まるでニュートリノのようである。レコードに入っている音と実在の音との識別がつかない。だれかがそこにいるのかと回りを見回すと、実はそれがライブ録音の聴衆の囁き声だったり、物音がしたと思うとそれがレコードに入っていた音であったり、何より凄まじいのは、スピーカーを隣室から聴くと、もうそこにホロヴィッツが、ビル・エバンスが、パハマンが、マルが居て、ピアノを弾いているのである。もう倒錯の世界である。1月19日は、仕事もせずに朝から晩まで聴きとおした。友人にメイルしたら、浜松から飛んできた。当人もたいへんな識者で経験も豊富な音響の専門家だが、絶賛ものだった。すべてのジャンルにわたって、ヴォーカルも弦もすばらしいが、特にピアノは空前絶後であった。空気感が出ている。人の気配があり、そこに佇んでいるのである。

しかし良いことは続かない。運命の日はやってきた。2004年1月22日夕方、いいかげんな仮組み状態のRCA1444のフィールド電源をまともに作り直したとたん、プレゼンスが消失してしまった。あの音が再現しないのである。はじめのうちは、軽く考えて、また明日やってみようとその日は休んだ。しかしその後まる一ヶ月格闘したのだが、ついにその世界は帰ってこなかった。元のとおりにしても再現しないのである。1444のエージング過程のある状態とフィールド電源、あらゆうる状況が、偶然にバランスしたのだろう。WE555と1444の速さが合った瞬間、15Aホーンの世界にワープしたのだろうか。

私の友人もこのような状態に出遭うことがあり、そのときは、周囲のオーディオ・ファイルを呼び集める。いつ再現するか知れない世界だからだ。オーロラか流星群かはたまた蜃気楼か、科学と芸術と夢幻の世界が精妙に交錯するオーディオの世界の魅力である。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/expr2023/expr2023.htm


事の始まりは、Western Electric 755Aスピーカーが拙宅にやってきたことに始まる。聴きなれたレコードを何枚かかけてみると、愕然としてしまった。当然のことではあるが、愛聴盤というものは、どこにどんな音が入っているかを暗記しているものであるが、このスピーカーで聴くそれは、まったく別物であった。今迄聴こえていなかった音が、豪華絢爛に再現されてくるのであった。
 
  それはあたかも、澱んだ東京の空に浮かぶ見慣れた星空から、一転して空気の澄み切った山の頂きから仰ぎ観る天空の星星の情景そのままに、天空一面、星、星、星のショーの大星夜を目の当たりにしたようなものだった。

星星が煌く音となり、その微粒子が壮大な音楽を構築しているかのようであった。今迄、自分は一体、何を聴いてきたのだろうという悔しさと、まだレコードにもCDにもいくらでも秘められた音が入っているのだという嬉しさが頭の中を過ぎった。
 


  755Aの悲劇と再臨  

その後、悲劇が襲うこととなる。S社製高級アンプの200Wの出力が、暴走し耐入力6Wのボイスコイルを焼損するのである。アンプのケミコンからは白煙が上がり、755Aは無言に沈黙した。私の人生は、この後暫しセピア調に色どられる。
 
  しかし再生装置は、工業製品である。見事に復旧した755Aは、ボイス・コイルの位置合わせと、ビスコロイドの調整により、以前に増してその再生能力を高め、復活したのである。S社のアンプは、クズ鉄として葬られたのは、ご想像のとおりである。以降、Western には、出力トランスのあるアンプを使用することとした。また、壊れたものは、自分で修理、動いているものも自分でメンテナンス、チューニングを心がけている。おかげで、カートリッジのダンパー交換からWE555のオーバーホール、調整までするに至った。



     
  2A3シングルアンプ  

市販の高級アンプが逝ってしまったあとは、20年前に設計した2A3のシングルアンプを引きずりだしてきて使った。出力は、3Wで、トランスを背負っているので、スピーカーには直流が流れないので、安全である、というか、傷めるほどの出力が出ないのだ。  
WE755Aは、そのシステムの音を忠実に表現する。アンプの音をそのまま出してしまうところがある。アンプの素性が露呈してしまうのだ。オーディオ用のアンプでは、周波数特性とか、歪みがどうのとかという基準は、みんなクリアしている。音色がどうのこうのという問題も、組み合わせる装置やケーブルでコロコロと変わる。これに一喜一憂していたのでは、永遠に堂々巡りである。

そこで、新しい基準を設けることにした。これは単純明快で、本来ソースに入っている音が聴こえるてくるか否かを基準にしようというものである。もはや、音色の好みの問題ではない。再生できているかいないか、聴こえてくるかこないかであるから誰でも分かる。音が完全に再現できていれば、あとは各自の好みで音色を決めればよい話しである。

比較は、単純明快である。アンプを用意して、ソースを再生してみる。片方のアンプの再生された音が、あたかもスモッグのかかった大都市の夜空に見る星の数としよう、大星夜アンプの目指す音は、あたかも空気の澄みわたった高山の頂きから仰ぎ見る夜空の星々のショー、あたかも宝石箱をひっくりかえしたように、豪華絢爛な音の輝きを堪能しようというものである。本来そこにあるものをただ、あるがままに再生しきろうというただそれだけである。一般のアンプは、そこまで徹底して造られていない。出しきれていない音の部分を音色を付加することで補い、あたかも再現できているかのごとくの音を造り上げている。再生できていない部分の音を他の音に尾ひれをつけて修飾を加え、バランスさせているのだ。大星夜アンプ基準で比較試聴するとその差には唖然とすることとなる。

     
  非日常世界

  大星夜アンプ基準でアンプが追い込まれていくと、場合によっては非日常的な世界への入り口を垣間見ることがある。伝説のショパン弾きと語りつがれている、ウラディミール・ド・パハマンの演奏が、78回転のSPにわずかに残されている。RVCがこれをLPに復刻して発売している。当然CD版もある。このレコードを普通の超高級システムで再生すると、騒々しいスクラッチ・ノイズの中に沈んだ演奏がか細く聴こえてくるだけである。スモッグの濃い空を通して遥かかなたの星を見ようとしてもかすみ、揺らぎ、その何たるかは、茫洋として分からない。

カートリッジレベルからモノラルで追い込んだシステム、アンプは大星夜級を使用する。そしてこれにWestern Electric 555 Receiver を繋ぐ。キャパシターのカットオフは200Hzである。スクラッチ・ノイズは、音楽とは完全に分離して聴こえるので、まったく邪魔にならない。

眼前に100年の時の流れを遡って、パハマンが現れる。そこに居るのである、そして私たちに語りかけている。その声は血の通った、まさに肉声を彷彿させる。ひとたび演奏に入ると、モノトーンのはずの100年前の演奏が、総天然色のような色彩を帯びてくる、その演奏はあまりに美しく、ひとたび剥製となった動物の心臓が再び鼓動を始め、血を得て、生き返ってきたかの様を呈する。まさに黄泉がえりである。あまりに生々しく、美しさを通り越した不気味さ不可思議ささえ感じられる。

  常人は、私も含めてこの世界には、踏み込まないほうが無難かも知れない。これは、Western 555 Receiver の特異なる世界で、594A Loud Speaking Telephone では、再現しない世界であり、WE555 の謎のひとつである。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/starnight/starnight.htm

孤高のドライバー Western Electric 594A


1933年4月27日に行なわれた、ワシントン・フィラディルフィア間141マイルの電話回線を使用したオーケストラの立体音響伝送実験(オーディトリ-・パースペクティブ)は、ベル研究所が当時の最高水準の技術を結集したエクスペリメントとして歴史に残る。このためのシステムは、膨大なコストと人員が投入された。当時の技術水準と貨幣価値を今日に比較換算するならば、NASA的なプロジェクトと考えてもよいだろう。

このときの再生用のシステムが、幻のフレッチャー・システムであり、おそらくは人類史上最高のシステムと評価できるものだ。すべては、このエクスペリメントのために研究開発された。

このスピーカー・システムは、低音部に20インチの巨大な金属振動版を持った折り曲げ低音ホーンと大口径4インチ振動版を持つ中高音用のホーンドライバーで構成されている。中高音ドライバーは、マルチセルラホーンである。このシステムは、当時の映画産業界から劇場用としてのリリースの声が大きかったが、低音ホーンのエコー現象もあり、実際に業務用の装置としては量産されることはなかった。製造された数は、10本に満たないと思われる。

しかしながら、このシステムの中高音用のドライバーは改良を経て、世に出されることとなる。これがWE594A Loud Speaking Telephone 、すなわち今日我々が目にすることのできる、あのWE594Aドライバーである。その生まれからしてただならぬ血統のスピーカーである。このドライバーの性能は隔絶したものである。自動車に例えるならば、F-1レーサーのようなものだ。

WE594Aは、WE555とは異なり、2Wayのシステムとして、あくまで低音用のスピーカーと併用することを前提に作られている。しかし皮肉なことに、このドライバーとつなげられる相棒は、かのフレッチャーシステムの巨大金属振動版低音ホーン・ドライバーだけなのである。これ以外の紙の振動版のウーファーでは、やすやすとはつながらない。

WE594Aは、その生まれから、まさに孤高の存在であった。究極の理想を求めて設計され、卓越した性能を発揮するが、それとバランスできるウーファーがないのである。

最近は、いろいろなところで594Aが鳴っている。しかしその多くは、我々に忍耐を強いるようなサウンドを轟かせている。オーナーは、これがウエスタンのすばらしい音なのだから、この良さが分からない者は、オーディオを語る資格がないといわんばかりの情熱を傾注する。聴衆も自分の耳に自信がないからか、恐れ入って敬意を持って、いい音だと絶賛する。裸の王様の世界そのままである。正直な人は、私はこの音を好きになれませんとかウエスタンの音というものはこの程度のものかと思ってしまうかも知れない。

このような悲劇は誰のせいでもない。そもそも本来のウエスタンの音を聴いたことがある人がいないのだ。それはもう70年以上前にこの空間から発して、そして消えてしまい、人々に語り伝えられた、伝説の音なのである。今日に生きる人々は、当時のシステムを可能な限り再現し、失われた音を復活させようとしているのだ。私は、その情熱に心から協調する。しかし再現された音が、はたしてその本来のウエスタンの音であるかどうかの検証は、とても難しい。

この"孤高の"594Aドライバーは、そもそも鳴らすのが至難の代物なのだ。よって、やかましい音で鳴っている594Aに出会っても、達観しようではないか。趣味でF-1レーザーを所有しているようなものだと思えばよろしい。そしていつの日にか鳴らしきることを生きがいとすれば、これはすばらしいライフワークとなる。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we594a/we594a.htm?.tok=bcwjY6SBu.hmxIxe&.dir=/594A&.src=ph

  594A Driver + 24A Horn
 
音響分野の技術研究が最高水準にあった時代、ベル研究所が惜しみなく研究開発費と人材を投入して完成させた、歴史上の頂点に立つドライバー・ユニットWE594A型

 このドライバーは追い込めば追い込むほどにその能力を発揮していくという、レーシング・マシン的な色彩を放つ。このドライバーを理想状態で鳴らし、これに低音をマッチングできれば、ウエスタンの一つの峰の頂上に到達できるのではないかと思う。しかしまだ、555という謎の峰も霧の中に見え隠れする。

 594Aに接したときには、そのストイックさの中に啓示を見る思いだ。くたびれたときには、一休みしてWE555の世界に安堵を見出そう。
 
http://homepage3.nifty.com/western/audio/24a594a/24a594a.htm


  Western Electric 551 Driver  


マグネチック方式最後のドライバー トーン・ポリシーは555に引き継がれている

551のトーンは、蓄音器のもつ絶妙のプレゼンスを彷彿させる。この551以降ウエスタンのドライバーは、有名な555に引き継がれるが、555ドライバーの音はこの551のトーン・ポリシーを受け継いでいる。すなわち血脈の音である。


生、原音のプレゼンスを求めた蓄音器、

それを目指した551、

その血を受け継ぐ555ドライバー

と世代が変わってもその求めるところは変わらない。技術革新という意味では、この551と555の間には飛躍的なものがある。そして近代ハイファイの原点であり到達点となるの594Aドライバーに引き継がれる。

555と594Aの世界は全く異なるが、いずれもが到達点であり双璧である。蓄音器、551、555、594Aと聴いてみると人類の音楽芸術と音響技術の歴史的変遷と融合を理解できる。

  551は、約500オームのインピーダンスとして扱い、真空管式の500オームの二次インピーダンスのトランスがついたアンプで鳴らさなければいけない。低い周波数をカットするために0.1u程度の品質のよいキャパシターを直列につないで使用する。魂に浸透するような音の世界が現出する。

マヘリア・ジャクソンやバッハのパルティータを深夜に静かに鳴らす。こうなると蓄音器に近い世界で、555も594Aもタジタジである。もうHMV203を持ち出すしかない。SPの復刻をこのドライバーで架けるとそこらの蓄音器ではとても追いつかないものがある。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/551/551.htm

オーディオシステムの音を過去から現代まで沢山のマニアの音を聴かせて頂きましたが一つの共通点が見えくる、その共通点とはオーディオを長くやっている人ほど音はけして高音質、大音量ではなく音楽を聴かせる音になっている。しかも真空管を採用したデバィスがほとんどで半導体アンプや今流行のデジアンプで鳴らした音は良かったことは一度もない、「電気臭い音の代表だ」半導体アンプは音が平板になりスピーカーの回りでしか音が鳴らない、

音に関して熟成したマニアの音は低域も高域も欲張らずバランスの取れたサウンドを聴かせてくれます。家庭の部屋でコンサートホールと同一の音などは再現することは不可能に近いが真空管アンプを使用すると不思議とコンサートホールの雰囲気感が出てくる、

ウェスタンエレクトリックのサウンドは現代から見れば特性は悪いはずですが真空管アンプで鳴らすと音楽を心地よくリラックスして雰囲気感を大切に聴かせてくれる響きを持っている。確かに(生の音)とは違う音ですが独特なサウンドで中域に密度がありコクのあるサウンド、現代の上も下も伸ばした中域の薄い貧弱なスピーカーとは方向性が違う、

名器と名の付くスピーカーは「音楽を美味しく聴かせてくれる」楽器の要素が秘められている、英国のヴィンテージスピーカーもウェスタンに共通した部分が多少感じ取れる。オーディオを追求して行くと最終的にはクレデンザ、HMVなどの蓄音機などの電気臭くない音を意識するのではないだろうか

http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-009.html


ウエスタン・ラボ 訪問
http://www.westernlabo.com/

知らない人が見れば、ガラクタにしか見えない・・・・

巨大なハリボテ、薄いベニアで作られペナペナ・・・

普通のオーディオマニアが見たら、到底許せない作り

「こんなのでイイのかよ?」

イヤ違うんです、こうでなければ成らないのですw


15Aホーンを聴きたい・・・

オーディオを語る時、どんなに技術が進歩しようともWE(ウエスタン・エレクトリック)は避けられない関所になる・・・・

真空管WE300Bがあまりにも有名ですが・・・


本来はモノラル・トーキー時代の映画館用オーディオ、40年代の映画には WE のロゴが大きく出ています

そしてウエスタン15Aホーンはその核心にあると言っても過言ではありません

20年以上前、元会社の上司がWE教でして、15Aホーンの魅力をシツコク語っていました


ベル研究所から始まるその話は長く、結論は究極のオーディオはウエスタンだと・・・

私には理解不能でこの人は耳(アタマ)がおかしいとしか思いませんでした

WEはトーキー時代に大きな映画館で大音量再生をするための手段でしかないと思っていました

そもそも、家庭用ではありませんしステレオ・レコード再生ましてやCDなんて論外ですが・・・

百見は一聴にしかず・・・

まずは御覧ください・・・

555です

励磁型ウーハー

ウエスタンのウーハーにボックスはありません

ほぼ平面バッフル・・・・

その昔、WE教の上司に質問しました


「なぜウーハーボックスがないのですか?」

「バカだな、スピーカーは裸で鳴らすのがイチバン!」

「それじゃ低音が出ないのでは?」

「バカだな、ウエスタンはユニットだけで低音が出るんだ!」

「置いとけばOK」

「失礼しました・・・」

理解不能でしょ・・・


15Aホーンの音

姿を見て、どんな音が出るのか?想像すらできません

ホーンの音と言えば、防災無線の拡声器や運動会で使うトランペット・スピーカー

かなりハードな音を連想できますが・・・・

柔らかく、伸びやか、付帯音が少なく、バケモノスピーカーの存在が無い

詰まった感じは無く、ホーン特有の音なんですがクセの無い柔らかい音にはビックリ!

ペナペナのホーンで起きそうな付帯音やクセが感じられません

さぞかしハードでシャープ、歯切れ良い音がするかな?

姿はモンスターですが、音は全くその逆

ハッタリや脅かしはなく、雄大なスケール感で包まれます

巨大ホーンにも拘わらず、無指向音場型スピーカーが鳴っているような・・・

ペナペナのホーンが塩梅良く共鳴しているのか?


「コレってナンなのよ」


ダイナミック・スピーカーの音に慣れている耳には捉え処がありませんが劇場の音ってコレのこと言うの?


グレードはかなり高い、流石ウエスタン、期待を大きく裏切られました

ソースはAD、シンフォニーと女性JAZZボーカル

シンフォニーはスケール感が大きく、伸びやかでスピーカーの存在が感じられ無い

イヤな混濁感や付帯音が少ないので素晴らしい

女性JAZZボーカルは、分解能が少し足りなくて口がデカクなりますがチョイと除電すれば一発で問題解決しそうな・・・

百見は一聴にしかず、現代スピーカーの同じ様な音とは違った光る個性を実感

コレ聴けば、熱狂的マニアの存在が分かります

帰宅してショールームで音聴いたら、イイ/ワルイとは違う違和感を感じました

嗚呼、流石ウエスタン 15Aホーン伝説がなんとなく理解できました

ココはまるでタイム・マシンで時空を遡ったような錯覚を引き起こす・・・

ビンテージであり、現代には通用しないと思っていましたが・・・・

光る個性があり、もの凄く魅力ありました

15Aホーンの音を聴いて本当に良かった、60年以上前に確立された技術だとすれば現代のオーディオは進歩していないかも知れない

特にスピーカーについては、現代の技術は脇道に外れて迷路に迷い込んだだけかも・・・

http://d.hatena.ne.jp/arcs2006/20110310


                           _  -一'´     `丶 -‐ 、,. -─_ァ、
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音の認識とバランスの秘密


可聴周波数帯をはるかに超えたスピーカー・システム、極超低歪率の高性能アンプより、古い電蓄のほうがいい音に聴こえることがある。心のノスタルジーの共感か聴覚上の錯覚による現象なのか、その謎は深い。

都会の雑踏のなかでも、母親は、はるか遠くの我が子の泣き声を聴き分けることができる。音響的に測定すると聞こえないはずのレベルである。名器と呼ばれる楽器は、測定上同じレベルの音量であっても、遥か遠くまで音が通り、多くの聴衆を魅了する。PA用のスピーカーは、同じ音量でも家庭用のものと違って、はるかに遠くまで音がとぶ。音の世界は不可思議である。

しかしこの謎を解かなくとも解はある。それは原音である。そう私たちの日常に溢れる、この音こそがリファレンスになる。なるべく多く演奏会にいこう。そして生の音に触れよう。家に帰ってから、自分のシステムの前で眼をつぶろう。あの臨場感が、感動が甦るであろうか。
     
  蓄音機やウエスタン・エレクトリックの時代の音楽といえば、オーディオの音は生演奏と隣合っていた。当時、録音はそれほどには多くなかっただろうし、なにしろ再生装置は、演奏会に一生行けるほどに高価であった。人々は、今よりはるかに多く生の音に接していたに違いない。当然音響装置を開発していた人たちもこの生演奏をリファレンスにして、システムを設計していたのである。ここに古い時代のシステムが現代においても人の心を捉える理由があろう。現代とは、リファレンスが違うのだ。  


  センサー耳と情報処理脳


音や音楽を聴くということは、実は耳と脳の情報処理のコンビネーション作業である。耳はセンサーの役割をしており、そのセンサーからの情報は、脳で処理されて最終的に判断され音として認識されている。測定器万能の近代では、各種の測定器で音波の実態や音響特性は詳細に分析できるようになってきている。しかしこの基準で設計、製作された最新の音響システムも必ずしも我々に良い音には聞こえるとは限らない。これは人の脳の情報処理のプロセスの考慮不足が原因だろう。人の脳は、耳というセンサーから送られてきた情報を測定器などとは異なった基準で判断し、あるときは不要な情報は無視し、また欠損した情報は補完して判断している。

  蓄音機やウエスタン・エレクトリックの時代、そう、測定器が進化していなかった時代、生の演奏が再生装置の音のリファレンスだった時代の技術者は、このことを直感的に知っていたと思われる。この時代の再生装置を聴いてみると、その音造りのなかに、あきらかにこの点に着目した設計が見受けられる。
 
私の使用しているシステムは、ほとんどがモニターやPA用などの業務用の装置である。実はPA用の装置は、家庭用の音楽鑑賞用の装置とは目的が違うのである。

家庭用の"高級"オーディオ装置は、ユーザーがあり、音楽を聴きたいときに電源を入れてもらえる。つまりこれらの装置は、聴いてもらえるという立場に置かれている、幸せな装置なのだ。PAやアナウンス用の装置はこの点が全く異なる。これら装置は人に情報を伝達することに存在目的がある。聞きたくない人にも、無理矢理にでも情報を伝達しなければならない。聴く気のない人の情報処理脳にアテンションを送り込まないといけない。そのように設計されているのだ。

PAでは、音が飛ばなければならない。伝達能力、遠達性が求められる。それでいて、音質が悪くてはいけない。

プロは、この装置を使ってお金を頂戴しているからである。音が悪ければ金を稼げない。業務用の器材は聴かせることを目的に造られている。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/nazo1/nazo1.htm

名演、名曲、名器とよい音の秘密  


測定器などで定量化できる基準としては、音の大きさ、周波数特性、歪み、位相、過渡応答などがある。また、人によって尺度や捕らえ方が異なるだろうが、濁った、澄んだ、明るい、暗い、軽い、重い、湿った、乾いた、などさまざまである。一つの方法として、ライブの音、演奏会の音、原音を心に留めておき、さまざまなオーディオ・システムの音を聴いてみてはいかがだろうか。

私は、あまり歪みや周波数特性には細かくはこだわらないほうだ。周波数特性の場合は、40万の法則というのが知られており、再生周波数の上限と下限を掛けて40万近くの値になるのが、バランスがよいと言われているものだ。可聴周波数が、20Hzから20KHzとされているのは、確かに乗すると40万になる。

WE555ドライバーの高域のカットオフを7.5KHzとすると、低域を53Hzにとらなければならい。これはいくらなんでも無理な注文なので、低域を200Hzにすれば高域は2KHzとなる。
実は2KHzというのはそれなりに高い音であり、200Hzのほうも結構低い音である。この条件でWE555を一発で鳴らしてみる。きちんと音楽になって聴こえるのである。

人間の脳の情報処理能力が、再生周波数以外にある情報を狭い帯域内にある情報から補完するのである。同様の実験を現代の高級な装置で実験してみると、音楽情報があきらかに不足して聴こえる。つまり脳の情報処理システムの補完が十分機能していないように思われる。蓄音機やベル研究所の人たちは、あきらかにこのことを知りながらモノを作っていたようだ。脳の情報処理システムをうまく機能させるための音響システム設計は、現代の測定器群が提供するデータとは、別のファクターにも注目する必要があるのだろう。

     
  音と音楽は、どのように処理、認識され、記憶されているのだろう
 
  まず音は、空気中を疎密波として伝達され、これが耳の鼓膜を振動させる。また体全体が振動として受信する。鼓膜の振動と骨伝導は、この時点で周波数特性、過渡特性、歪や分割振動などのあらゆる非直線性をもつ。まずセンサー部分がこのような状態である。続いて神経を経由して情報は脳に送られて処理されるが、脳の処理はさらに複雑だ。フレッチャー・マンソン・カーブに見られるように、可聴周波数帯域においても感度レベルが大幅に異なるし、明らかに変化量に対しては、敏感に反応している。これらの膨大な情報量は、さらに最終的に記憶として再構築されて、そのイメージを思い出しやすい形で記録されていると考えられる。
 
あらためて、ノイズにまみれた、ウラディミール・ド・パハマンのSP復刻の葬送行進曲を聴いてみる。あきらかに、時系列上で音が欠落して失われている。つまり音符に該当する音が録音上欠落しているのである。しかし演奏を聴いている我々は、この欠落した音符を見事に補完して聴いているのである。気にならないのである。

ホロヴィッツのピアノの演奏もよく聴くと存在しないタッチの音を我々が補完して、聴こえるかのごとく誘導する弾き方をしている。こんなに速い運指で微細な音の強弱を表現できるはずがなく、ピアノの機械的な音の強弱の表現限界以上の音のグラディーションを出している、というか、それを我々の脳が補完できることを知っていて、その補完能力を駆使して、限界を超えた世界を表現しているようだ。

脳は、このように情報としての信号を処理している。我々が名演であるとか、よい音だという感じるのは、脳の情報処理の結果で判断されている。実は、音の良し悪し、脳の認識は、装置の過渡特性に深く係わっている。周波数特性よりもはるかに重要かもしれない。20KHzまでリニアに再生できる一般のシステムよりも、13KHz程度しか再生できない装置でも、過渡特性が優秀であれば、高い音をより正確に識別できるのである。ベル研究所のスタッフは、この事を知り抜いて製品を開発しているのか。

   
  この仕組みに精通すると、コストをかけずにうまくバランスをとって、”よい音”のするシステムに仕上げることができる。反面、高性能の装置や、名器を組み合わせても、バランスの悪い音になることがある。性能が高いが故に再生できた情報も、それとセットで必要になる情報が揃っていないと、脳はその情報をうまく処理できずに、結果としていい音として我々に認識されないことになる。これが、バランスをとるということなのだ。
 
ウエスタンのシステムをオリジナルの状態のコンビネーションで使用するというのは、ある意味で正解である。ウエスタンは、まさにその状態でバランスをとっている。
ウエスタンのスピーカーのリード線などを見ても、こんなところに細くて純度の低い銅線を何故使用するのだろうかと思うが、実はそれでもってバランスをとっている。6Nや7Nを使用すると破綻することがある。594Aのダイヤフラムのリード線も細い。オリジナルのWE755Aのリードも初期は細い。アルテック以降の755Aでは、"良い"銅線が使用されている。バランスというものの本質が分かっていない後期の設計者が、抵抗値が低ければよい音になるだろうと思って、変えてしまったものかも知れない。

いずれにしろ、ALTEC 755Aは、外見も仕様も全く同じだが、Western 755Aの音はしないのである。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/nazo2/nazo2.htm


ウエスタン・エレクトリックという迷路


欧米のハイエンド製品を手にしても満足が得られなかったユーザーは、次に禁断の世界に入り込みます。

ご承知の通り米国の頂点、ウエスタン・エレクトリック(WE)の扉を開くことになります。

この時、この道を歩む人は冷静さを失っていました。なぜならば、WEの機器を使用している環境や背景を全く考慮していなかったからです。

この時代の米国には優れた業務用の機材がたくさんあります。1920年以降米国の優れたエンジニアは通信や映画産業に関わりをもちます。その結果WEのみならずRCAやランシング、アルテック等がすばらしい製品を生み出しました。しかしこれらのポテンシャルが如何に優れていても映画館や大きいホールで発揮されるものです。

少なくとも50畳以上の部屋があればある程度本来の能力を発揮するとは思いますが、こうした恵まれたリスニングルームを所有できる人は例外中の例外ではないでしょうか?
私もかつては、音楽再生ではWE594Aを上回る最高級ドライバーといわれるランシングのドライバーに、ウーファーの最高傑作の一つであるRCAのユニットをダブルで使用しました(もちろんフィールド型ユニットです)。 ベートーベンのシンフォニーをかけると30m離れた隣地のテニスコートで、街の雑音に打ち消されることなく明確に聞こえ驚きました(駆動アンプは300Bシングルで最大出力は7Wです)。

なんと家の中よりはるか離れた外の方がしっかり聞こえるのです。ここにWEの業務用機器の本質があるのではないでしょうか?

多量の空気があって初めて素晴らしく聞こえるのです。

また、現存するこれらの機器で良品は少なく、その上相当高額です。家一軒分をつぎこんでも多くの人はオーディオのターミナル(終着駅)とは感じないようです。 日本人特有の舶来信奉とWEという究極のブランドがそうさせるのかも知れません。

http://www.rrltd.co.jp/rrplaza/episode/vol04.html


スピーカーの能率


■能率の低いスピーカーは鈍感でボロいものしかありませんから、騙されてはなりません。

■80db台の低能率の「ボロい」スピーカーなどに数十万円も支払っていてはなりません!

■高能率スピーカーはレンジが狭いなどというデタラメがあちこちに書き込まれています(要注意!)。


スピーカーの能率は、オーディオの最も重要な基本事項であって、まず最初に知るべきことです。スピーカーには、「能率」という表示がされています。それは、「db」という単位で表示されています。ごく普通の能率のスピーカーは、その能率は、90dbくらいでしょう。ヤマハのNS1000MやNS10Mあたりのスピーカーで、能率90dbです。

能率が3db違いますと、音量が、2倍違います。87dbの能率のスピーカーは、能率90dbの、NS1000Mに比べて、同じワット数を入れても半分の音量しか出ません。逆に、能率93dbのスピーカーは、同じワット数を入れても、能率90dbのYAMAHA NS1000Mあたりのスピーカーの、2倍の音量が出ます。

さて、ここから先が重要です。能率が6db違っていますと、2×2=4倍違います。9db違いますと、2×2×2=8倍の音量の差になります。

アルテック(Altec)A7、A5というような往年のプロ用スピーカーを例にします。世界中のコンサートホール、映画館用のスピーカーで、今も、あちこちのホールで使われているものです。アルテックA7、A5の能率は、105dbにも及びます。90dbと比較すると、15dbも違いますから、3dbが5回分です。能率90dbのスピーカーとの音量差は、32倍です。能率の計算は、2×2×2×2×2です。

32倍も音量が違うということは、能率90dbのスピーカー、YAMAHA NS1000Mで、100Wのアンプを使わなければ鳴らせなかった場所でも、能率105dbのスピーカーさえあれば、たったの3W程度で、同じ音量で鳴るということを意味します。

スピーカーの品質、能率は、時代とともに、どんどん落ちているかのようです。ひどいスピーカーですと、能率がたったの84dbしかない小さなスピーカーが、50万円や100万円近い値段であったりします。その84dbという能率と、105dbという能率で、再計算してみます。

2×2×2×2×2×2×2=128倍の音量差です。

能率84dbのスピーカーで普通に聞くのに、50Wのアンプが必要だとします。能率105dbのアルテック A7、A5というようなスピーカーには、たったの、0.4Wのアンプがあれば十分です。1Wもいらないです。

1930年代頃のWE(ウェスタンエレクトリック)の38センチや46センチ口径などのフィールドスピーカーというような類のスピーカーの能率は、実に、115dbもあります。こればかりは、あまり知られていません。

115dbー84db=31dbの能率差です。

2を10回かけた数字より上ですから、1024倍よりも上で、1200倍くらいでしょうか。仮に、3万ワット×2のステレオアンプがなければ、84dbのスピーカーでは、武道館でのコンサートは出来なかったとします。しかし、能率115dbのフィールドスピーカーを持ってくれば、たったの25W×2のステレオアンプで、つまり、クラウンD45で、武道館ですら鳴らせるということを意味しています。コンサートホールだから大きなアンプが必要なわけではなく、スピーカー次第、全くもって、スピーカーの能率次第です。

数字が大きすぎて分かりにくいかもしれません。能率84dbのスピーカーに100Wのアンプをあてがうとします。115dbのフィールドスピーカーに、0.083Wのアンプをあてがうのと、全く同じ音量です。0.1Wもいらないことになります。

このことを知っているか知らないかによって、アンプの選択は、根底から変わってしまうと思います。スピーカー次第で音量が簡単に100倍以上、場合によっては、1000倍以上も違ってしまうのですから、50Wのアンプか100Wのアンプかなどという選択など、まったく無意味であることは、誰にでも分かることです。

また、能率90dbのスピーカー、ヤマハのNS1000Mなどで10Wもあれば十分過ぎるほど十分な爆音が出ます。したがって家庭での使用に300Wや500Wなどのアンプなどは、全く不要であり、音も悪いので、使う意味があるとは思えません。

ただし、能率115dbというような、WE(ウェスタンエレクトリック)のフィールドスピーカーの本物は、あまりにも高性能過ぎて、非常に危険なものであるうえ、非常に高額です(誰が本物のF1マシンを運転できましょうか?)。絶対に近づかないでください。

あまりにも鋭く敏感であるゆえ、セッティングできるはずがありません。この種のものを使い切るには、クラウンD45など、プロ用の中でも、小型の、超高性能アンプが、まず第一に必要ですが、それだけでうまくいくとは思えません。近づかないほうが無難です。

オーディオやスタジオモニターには、100dbくらいの超高性能ではあるが、危険というほどでもないという程度のスピーカー、100dbというのは、そのギリギリのラインですが、そのあたりこそが理想的でしょう。


プロの中のプロのレコーディングエンジニアが低能率スピーカーを斬る!


○○○のスピーカーはモニターには不適切です。 音の輪郭は出ていますが音楽の表現が薄い状態です。

理由は簡単で能率が88dbのスピーカーでは音楽の微妙なニュアンスは表現出来ておりません。その具体的な例を書きます。

高能率のスピーカーでは例えばリバーブの消えて行く様子が最後まで聞き取れますが、低能率のSPではあるレベルまで小さく成るとストンと消えてしまいます。そうとう大きな音で再生しなければ繊細で微妙な弱音まで聴こえず、大きな音は部屋の影響も大きく、多くのその他の問題が生じます。今回、貴殿に送ったCD「b-flat」高能率のSPと低能率のSPでは聴こえ方が全く違います。ぜひ同じ音量で聞き比べして下さい。


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Bさんのコメント: 能率88dbのスピーカーでは、本当にダメだった!

実は、小型スピーカーを「○○○○sch ○○-51?」に買い替えまして能率の違いに驚いているところです。


今までは88dbでしたが、今度は92db。その差は4db。音量の差もさることながら音の濃さが全然違う。

88dbでは「リバーブが消える。」と書いてあった記憶がありましたが、まさにそうですね。


ネットで見た「スピーかーの能率の差」という事で面白かったのが、低能率のスピーカーでは「さっきの音は無かった事にしておこう。」とありました。

つまり、その情報に音として反応出来ない。低能率スピーカーはまさに鬼門ですね。

聞き比べると、全く面白くない。全然音楽じゃないです。ゴミというのがよくわかります。

スピーカーの能率が90dbを超えないとアンプの性能の比較は出来ないんじゃないでしょうか?

88dbという低い能率のスピーかーですと音が薄くて判別が難しい。92dbあると細かい音がよく出ます。非常にリアルで、分解能力にアンプの限界すら感じます。

とにかく、出てくる音が段違いで楽しいです。

http://www.procable.jp/setting/03.html

個々の機器は小さな原子核反応炉のようなものであり、それが相互に結びつくと、大きな反応体として動作していると想像してみてください。 私自身の体験からいって、反応炉どうしが反応し合わなければ、いかに大型フロアスピーカーでも、ラジカセ並みの音しか出ません。 

デッカアーク型スピーカーを例に挙げてみましょう。 キャビネットに組み込まれているグッドマン社製20cmフルレンジユニットのマグネットは、500円硬貨より少し大きい位で一見非力なスピーカー。 それに極めて小さな出力(1Wそこそこ)のパイ社製ブラックボックスアンプリファイアーを接続すると、50畳あまりのオフィスいっぱいに良質な再生音で満たされるます。 それを一度聴いていただければ、たちどころに反応力というものを理解していただけます。 現代の数百ワット出力アンプリファイアーを使用して低能率スピーカーを駆動するのとは、まったく異なったスタイルで動作しているとしか考えられません。 

ここに電気信号再生の本質的な問題の根源があります。 ヴィンテージオーディオの時代、電気信号の伝達に使われる電流の量は、質的なものを伝える為だけ有れば十分でした。 電気信号という船を浮かべ進めるだけの水量があれば、それ以上必要はなく、それ以上あると、かえって反応力を損なってしまうのでした。 それゆえにむやみな大出力アンプは製造されませんでしたし、必要もなく、当時のスピーカーに接続しても良い成果は決して得られません。 例をあげてみましょう。 今日のヴィンテージオーディオファンであればどなたでも御存じである、WEのトーキー用スピーカーで説明してみます。

WEシアターサプライスピーカーは、基本的に低域、高域にホーンロードをかけています。 そのため巨大なものになり、初期の555レシーバーをフルレンジに使ったシステムでも長大なホーンロードと開口部が必要です。 のちのTA4181Aと594A型ユニットを搭載したミラフォニックシステムは、さらに巨大な仕掛けのものになります。
 
スピーカーは大きいのに、アンプリファイアーの出力はとりわけ大きなものではなく、555レシーバー専用アンプリファイアーであった41、42、43アンプリファイアーでも、今日のトランシスターアンプ出力から考えれば、特別大きな出力ではありません。 そうした比較的小出力で劇場での使用に耐え、なおかつ効果的な広告が可能です。
 
WEのトーキーシステムの中で働いている、電気信号自体の性質が、現代のオーディオとは全く別の力を保持しているのです。 それこそが核反応的な連鎖であり圧縮、拡張と言うやり取りの後に、再生結果として提示されるのです。 ただアンプリファイアーが連結して圧縮、拡張を行っていっても、そのままでは核反応を発生させることは出来ません。 問題は電気信号の圧縮と拡張が、何のために行われているかです。 

今日のオーディオでは、この圧縮と拡張は利得を得る為であるとか、アンプリファイアーの出力の増大として解釈されていますが、この時代のシアターシステムはそうではありません。 それは電気信号の加工に使われたのです。 加工され、可変された電気信号は、アンプリファイアーの出力という船に乗って、スピーカーに送り届けられ確実に爆発します。 しかしこれだけでは核反応爆発力を長続きさせることは難しい。 確実に誘爆させ、それを連続的爆発に導くには、スピーカーを臨界に保ち、いったん電気信号が入ったらそのまま臨界点に達する様にしなければなりません。 

そこでコンシューマーユースホームオーディオとは、全く別の仕掛けを持った機材が必要になってきます。 WEのアンプリファイアーがその大きさの割に出力が小さいのは、ここに仕掛けが施されているからです。 出力より反応力の方に重きを置いたアンプリファイアーだったのです。 アンプリファイアーに限らず、光学式サウンドトラックフィルムの入力から、終段のスピーカーシステムに到るまで、あらゆる個所に反応する仕掛けが仕込んであります。 つまりWEのトーキーシステム全体が反応体の固まりであり、そのシステムブロックの一個一個が原子核反応炉みたいなものです。 こうした仕掛けがあるからこそ、小さな出力であっても大規模な拡声が可能です。 逆にいえばWEのスピーカーシステムの優秀さの証しでもあります。 

およそWEのトーキーシステム全体を見渡し、その反応力の値を考えた場合、もっとも強力な力を示すのはスピーカーです。 WEに関わらずRCAやヴァイタヴォックス、BTH、アルティック等のシアターシステムのスピーカー能率は大変高く、標準的には1W入力あたり105〜110 dbほどになります。 これはコンシューマーユースのものと比べればかなりの高能率であり、音圧も出るのですが、それはあくまで1W入力時の話です。 劇場で使用する際は、もちろん1Wで済むはずがありません。 当然もっと多くの入力信号を送ることになりますが、さて、ここで能率と音圧の秘密をお話ししなければなりません。

WEのトーキースピーカーは、入力信号の上昇に対してリニアに追従して働きます。 入った分だけ音圧が大きくなるのです。 なんだそれは当り前ではないかと思われるかもしれませんが、失礼ですがそう思う方は真のトーキー用スピーカーの何たるかを知らず、ちゃんと聴いたことが無い方です。 何故ならWEだけでなく真のトーキー用システムが、圧縮、拡張、反応力の三つの力を総動員して、核反応力を発生させたなら、人間はそのすさまじい音圧にリスニングルームに座っていることすら不可能です。 トーキーシステムとはその様なものです。

 スピーカー自体の入力信号に対する変換効率、能率がコンシューマーユースのものとはまったく別物であることを意味しています。 WEトーキーシステムにとってスピーカーの能率とは、再生音における最低保証値であり、1W入力−105/110dbという値は、アイドリング時のエンジン回転数と同じ状態にあるのです。 

ところがこの値はコンシューマーユースにあってはこの値はむしろ、最大音圧レベルに近いものであり、これを考えると両者のIW入力−105−110dbという値は業務用の場合は最低値を示し、コンシューマーユースは最高値であると言うことになります。 そして反応力という立場からみると、両者の能率、音圧レベル特性値とは、1W入力に対する反応力の値であるということに思い当たります。 これがマジックです。 

私達はこのことを知らずに来てしまった。 

確かに能率という面から見ればシアター用スピーカーは1Wでも鳴ります。 しかしそれは反応力がなければ、ただ鳴っているだけです。 シアタースピーカーシステムを鳴らすには、たとえ1Wでも確実に核反応を発生させるアンプリファイアーでなくては、シアタースピーカーの真の能力を示すことは出来ません。 しかしシアタースピーカーを家庭で使用する場合、そのほとんどが核反応力が殺されているのが現実です。 そうでなければ、すさまじい音圧レヴェルでレコードを鑑賞することになり、これは劇場かそれに準じるスペースを確保されている方にのみ許されることです。 

たとえ、そうした空間で映画を上演するならまだしも、レコードを再生するとなると、それは家庭で鑑賞するために制作されたレコード本来の音質とは程遠いものであるのは、ユーザーご自身が良くわかっていることでしょう。 それでは反応力で動くスピーカーが、他の様式で動作して生み出される再生音は、どうでしょうか。
 
シアターサプライ用システムを開発した会社は、家庭での音楽の繊細な表現に用いるためのコンシューマーユースも研究開発しました。 シアターシステムを家庭でそのままレコード再生に使用するとなると単なるPAにすぎなくなり、ホームユースオーディオシステム全体が難聴患者のための拡声機となってしまいます。 したがって転用するにあたって、シアター用とはまた異なる仕掛けが必要になってきます。 特にフォノイコライザーとその後のラインプリに重きを置き、多種多様な可変機能を付属させていきます。 それはレコードという音楽媒体に対して反応させるものです。 一時流行した入力信号を可変させないプリアンプが、大出力パワーアンプと組み合わされた時、拡声機的な再生音となることを思い出していただきたいのです。 

こうした拡声器的再生音は、ヴィンテージ時代のハイフィデリティではまずありえないものでした。 信号とは可変されるもの、というのがポリシーだったからです。 

それではここでシアターシステムスピーカーを汎用転用して、ホームユースとして製造されたモデルについて書いてみましょう。  これらの品は生まれはPAですが、ホームユース品として販売され、なおかつ評判も良いスピーカーシステムです。 米国JBL・ハーツフィールド、パラゴン、エレクトロヴォイス・パトリシアン、英国ヴァイタヴォックスコーナーホーン型等がざっと思い当たります。 アルテック、A7、A5を入れなかったのは、これらは完全なPAであるためです。 又独オイロダインもPAの部類に入るので書きません。 

上記のスピーカーシステム群における共通点は、クリップシュ型の変形コーナーホーンを採用していることです(パラゴンはフロントロードですが。 これらのスピーカーシステムは、一見1Wあたりの入力をコンパクトなボディで、シアターシステム並の音圧レベルを得る為のものにみえますが、実際にPAとして使うと問題が生じます。 PAにとって必要欠かさざる音の到達距離がより短いのです。 確かに家庭用としては他の形式のものより、格段に音は飛びます。 しかし、純粋なシアターPAと比べるとかなり落ちるのです。 

私はこれを試したことがあります。 アルテック1570Bアンプリファイアーで音圧レベルは小さな劇場並みで実験したのですが、10mまではヴァイタヴォックスコーナーホーンもロンドン・ウエストレックスホーンシステムも、音圧と浸透力いずれも変わりません。

 15mを過ぎると途端にヴァイタヴォックスの方が落ちてきて、20mを過ぎると完全にウエストレックスによる再生音が到達してきます。 これは1570Bの入力ボリューム目盛6くらいのポジションでのことで、ゲインをもっと開放するとその差はさらに広がります。 これがクリップッシュ型コーナーホーンの特性で、ハーツフィールド、EVパトリシアン、英ヴァイタヴォックス各社が、コーナー型クリップッシュホーンを用いたのは、業務用機のPA臭を取り除き、ホームユース用に仕立てる為、絶妙なる仕掛けを仕込んだからです。
 
これらはいずれもコーナー型である為、中高音用ホーンがリスナー正面に向くことはなく、中高域を反射させてきつくなるのを避けています。 それでもコンプレッションドライバーの再生音は、他のコンシューマーユースのモデルと比較すれば相当エネルギーは強いのです。 そこで製作者は、中高音ホーンをキャビネットでカバーしたのです。

 ヴァイタヴォックスコーナーホーンや、EVパトリシアンの中高音ホーンがキャビネットに内蔵されているのは、ただ全体としてのデザインを考慮しただけではなく、それなりの理由があります。 ヴァイタヴォックスコーナーホーンの中高音カバーを取り去ると、再生音は途端にPAくさくなります。 そして低音ホーン開口部面積と、中高音ホーンの開口面積比率にも念入りに計算された意味があります。 中高音ホーン開口面積に対し、低音ホーンの開口面積はかなり大きくなっており、それはとりもなおさず、ホームユース的に豊かな低音再生を狙ったがゆえなのです。
 
反応力という観点から見れば、反応力自体をコントロールしていることにもなります。

 それは事実であり必要なことでもあります。 ホームユースは最大音圧というものが限定されているからです。 それは慎重に製作者側の意図する所によって音響デザインされており、シアター用スピーカーをホームユースに使われる方がしばしば陥る音優先のシステムとは異なるのです。 なぜなら、これらのスピーカー群はレコード再生に必要な音色とゆたかな音楽性を備えています。 全ては有能なエンジニア達が音楽の為に考案製造したシステムであり、反応力の抑制は音楽の女神へ捧げられた供え物でもあったのです。

http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/51748646.html
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/51749181.html
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/51749261.html

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☆ 復刻版 ウェスタン・エレクトリック・スピーカー

@ gip-laboratory

http://www.amtrans.co.jp/audio/gip/lineup.shtml
http://www.gip-laboratory.com/home.html


ヴィンテージスピーカーの最高峰・・・・ それはWestren Electricと断言して、それに異論を唱える人は少ないでしょう。

それらの本当の価値を知っている人なら皆、口々にWestern Electricを讃える事でしょう。 私も確信を持って断言します。
 
私のオーディオ経験のなかで、WEのTA-4181Aと594Aを超えるスピーカーに遭遇したことがありません。

ウェスタンエレクトリック社は1930年代に業務用スピーカーや周辺の音響機材を映画館や音楽ホールに向けて、レンタルをしていた会社で、最先端の技術を誇っていました。

 その音響技術の優秀性は米国のみにとどまらず、ヨーロッパ、そしてアジアに至る各国で認められ、世界各国の著名な音楽ホールの音響設備として設置され、当時の集中排除法(現在日本の独占禁止法)による規制を受けるほどでした。またその性能は現代の最先端技術を以っても、音の浸透性、初動感度、解像度、色彩感、音色感に至るまで、すべてを上回る性能のスピーカーは存在しません。しいて現代の物で上回るとするならば、スペースファクター(サイズの小型化)、 大量生産によるコストの削減ではないでしょうか。

 また多くの会社が、このウェスタンエレクトリック社製スピーカーの優秀性にひかれ、特許権が切れた昨今、レプリカ製造を試みましたが、色や形は同じでも、そのスピーカーから発する音までは同じ物を作ることは、極めて困難なものでした。

 そもそも販売を目的としたものではなく、映画館にレンタルとして貸出すことを目的としていたため、製造数はもともと少ないものでした。更に時代の流れから映画館を廃業し、このスピーカーの価値を知らない人たちが、映画館の取り壊しなどに伴い、破棄するなど、現存する数は激減してしまいました。また、製造から70年以上たった昨今、コーン紙の破れ、ボイスコイルの脱落、ボイスコイルのこすりなど、状態の良い物が少なく、コンディションが良いウェスタンエレクトリック社製スピーカーは、 極めて少ないと言われております。

 このウェスタンエレクトリック社製スピーカーの優秀性が再認識されている今、オーディオマニアの中では、最も高価で、 最も入手困難なスピーカーとして認められています。

 この度、当社は、多くの会社、マニアが成し得る事が出来なかったウェスタンエレクトリック社製スピーカーの、復元をすることに成功しました。 復元の道のりは険しく、コンディションのよいウェスタンエレクトリック社製スピーカーを入手することから始まり、それを分解、 分析し精巧に復元しました。そのGIP製スピーカーの評価は、専門誌でも、ウェスタンエレクトリック社製と比べても、 音の浸透性、初動感度、解像度、色彩感、音色感に至るまで、引けをとらないスピーカーと高く評価をいただきました。

垂延のサウンド・・・。

1920年代から1930年代のトーキー創生期から完成期の間、シアターシーンを席巻したWestern Electric 社のスピーカーの中で、 TA-4181AウーファーとWE-594AドライヴァーはWestern Electric 社の技術を結実したモデルと言うことができ、 その感動のサウンドは伝説となっています。フィールドタイプスピーカーのスピードの速さと重厚な音色は、 全ての音楽ソースに対応する能力を持っています。 


いつかはウェスタンサウンド。

そんな方々のためにG.I.P Laboratoryは、数年の歳月をかけ、スピーカーの試行錯誤を行ってまいりました。 そして、その輝ける重厚なサウンドの響きをG.I.P Laboratoryは現代に蘇らせました。私たちが目指す音の終着点、それがウェスタンサウンドだと考えます。 G.I.P LaboratoryはWestern Electric 社のレプリカスピーカーを通じて、音楽の素晴らしさ、オーディオの醍醐味を皆様にお届けします。

http://www.gip-laboratory.com/seihinn.html
http://www.amtrans.co.jp/audio/gip/

ウエスタン・スピーカーユニットの復刻版

私共、G.I.P.Laboratoryでは、米国Western Electric(以下WEと略)のスピーカーユニットの中から、特にフィールド型の代表的なスピーカーユニットの復元と製作を行っております。

 それぞれのオリジナルユニットの基本設計を基に、その構造から素材まで、出来得る限りに忠実に復元致しました。 条件を統一してオリジナルユニットとの一対一の比較試聴をしても、その差の聴き分けが非常に困難だと自負できる程の製品がこの度完成致しました。 また、その完成に至るまでの度重なる試作の過程で、同じ素材・同じ構造を用いながらも、様々な音を作る技術も経験的に体得できました。

http://www.gip-laboratory.com/seihinnunit.html

ウエスタン・スピーカーシステムの復刻版

これまで、私共はWestern Electric を代表する、スピーカーユニットの復元をしてきました。そこで、それらのスピーカーユニットを使用したスピーカーシステムを開発いたしました。

 スピーカーユニットは勿論、Enclosure・Horn・Net Work に至るまで全てGIP Laboratory製です。自社のスピーカーユニットの良さを十分に活かせるように音作りをしてきました。

 現在のスピーカーシステムとは違い、部屋の何処にEnclosureを設置するか・Hornの向きをどうするか・・・・など、システム自体で音を調整出来る要素が非常に多いので、使い手次第でどのような音にもなります。使いこなしが難しいですが、自分の目指す音をどうすれば出せるか?それに向けて少しづつセッティングを変えていく・・・

 苦労もあると思いますが、それがまた一つの楽しみではないでしょうか?

http://www.gip-laboratory.com/seihinsystem.html

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A エルタス – ELTUS


WE製品をリース廃止後、日本で最初に一般に販売しました

Western Electricスピーカーを上回ると自負しています

◇ELTUSのオリジナルスピーカー◇・596 ・594EQ ・TA-4181-EQ◇防磁型AV対応◇
http://eltus.net/

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B 音のエジソン

WE555ドライバー用木製カールホーン(特注品)

http://www.otono-edison.com/original/set/oogataset.html

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☆ ウェスタンエレクトリック 真空管

Western Electric
http://www.westernelectric.com/products.html

Consumer/Professional Products

WE 300B - Western Electric™ 300B Vacuum Tube
http://www.westernelectric.com/products/300b.html

WE 274B - Western Electric™ 274B Vacuum Tube
http://www.westernelectric.com/products/274b.html

WE 308B - Western Electric™ 308B Vacuum Tube
http://www.westernelectric.com/products/308b/308B.pdf

WE 437A - Western Electric™ 437A Vacuum Tube
http://www.westernelectric.com/products/300b.html

WE 417A - Western Electric™ 417A Vacuum Tube
http://www.westernelectric.com/products/we417a/417A.pdf

KT88 - Genalex Gold Lion KT88
http://www.westernelectric.com/products/kt88.html

http://www.westernelectric.com/products.html

世界の名球300Bを聞き比べる

http://emissionlab.net/300B.html
http://www.anc-tv.ne.jp/~suzuki3/amp_12AX7_300B_rofucin/World-excellent-tube300B.html
http://www.kit-ya.jp/blog/index.php?eid=994
http://www.kit-ya.jp/blog/index.php?eid=3116


☆ ウェスタン・エレクトリック スピーカーケーブル (AIWのライセンス生産品)

http://www.bright-tone.com/pages/2.html
http://www.spreadsound.com/?mode=cate&cbid=260621&csid=0
http://www.garrettaudio.com/Wire.html
http://www.procable.jp/products/we16.html
http://www.procable.jp/we.html
http://logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/pav/1259634486/

WE製SPケーブルを試す
http://homepage3.nifty.com/stonetechno/we%20sp%20cable.html

      /⌒X⌒ヾ%ヽ     ,. -  ,.-----‐'      \
    /⌒X ,.二、ヽ爻ハ  /  / (_二二 _/ ̄_     ヽ
/⌒X不ヽソノ{ 仄 } } 厂}人/ //        〈_/´     ̄`ヽ '.
,.二、{弋ソ,.二弋辷ンノノ-‐〈 /  {    ヽ     i  |      ハ
{ 仄 }} 八 仄} `辷ン八うY } :|  八  、   \ ヽ.!   レ-、ヽヽ ∧
_‐(>( 辷ン 仄ィ介=≦ミ、N   \ \   }_  |:i  |'^ヽ|i :! :!:!∧
、Y/ ,.二、`Y_ノ-=彡'´`ー'´^ミ!、  i :ト、\x(_\ |:| i :!} } !| | :|:レ'
ノ( { 仄 }}八 《《 _,. -=≠  ,.ィ=ミ茫N  `´ィ芹rt刈:! | !'´ 爪 !ハト!
⌒ヽ 辷ン{ } }}}´_,.ィ伝ミヾ {以刈ゞヽ   `¨´ | | | 「´i | N:|
Y 二 ヽ 人ノノノハ ゞ┴'   、` }   }         ! ! !八 |从八
{ 仄} }} ノミ辷彡'}      ,. '  从 ヽ'_       !:/:/レ人( ヽ
弋辷ン乂}{ミ辷彡'}    _,. - /辷`ヽ  `    //://  ̄`ヽ
辷彡'辷彡{ミ辷彡'}>、   ´ /辷彡}  `  (イj:/         '.
辷彡'辷彡{ミ辷彡'}j  ≧=- '辷彡} _____} _,. /           '.   /
辷彡'辷彡'⌒{辷彡}   { !辷彡}´       /           i/
八  `ヽ.  /{辷彡}    ヽ j辷彡} 、 /    /             |
ヘ      `V {辷彡}_  /  )ノ´  ヽ_, /            / ;
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2. WEのある音楽空間「赤兵衛」 (喫茶) 


2010.5.4

愛好者の訪問を心待ちしています。
予約制なので、予め電話して下さい。

お代はお一人2,000円(コーヒー付き)
お出掛けの際には、是非、愛用のレコード、CDをご持参下さい。

埼玉県越谷市恩間新田402
п@090−2536−2986 藤原健


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2005.12.18

親父の知人からの情報で、連れられて出掛けたのが最初です。秋まで、群馬県北部の猿ヶ京温泉にあった「喫茶店」です。

国道17号沿いにあり、周囲とは異彩を放つ山小屋風の建物なので、気が付いた方も多かったのではないだろうか。店に入ると、中世ヨーロッパに一挙にワープします。建物は太い木をいかにも無造作そうにふんだんに使っている。床は大谷石のような柔らかい?石張り。建物の壁は3面がガラス張りで、解放できる構造となっています。

南側の壁際に、WE(ウエスタンエレクトリック)のスピーカーシステムがどっかと据えられている。兎に角、大きい。下の波板の後に、2本のウーファー(低音を出す部分)が隠れている。 その上に載っているのが、黒い金属の部分が(マルチセルラー)ホーンと言って、その後に付いているドライバー(振動板)から出る音をスムーズに導く通路となっている。

親父に言わせると、ウーファーとホーンとドライバーは大きいほど、偉いらしい。
室内を改めて歩き回ると、ヨーロッパアンティーク家具がさりげなく置かれている。その中でも、特に異彩を放つのは、室内中央の巨大な鞴(ふいご)です。

           右チャンネルSP群

このスピーカーは低音、中音、高域のSPユニットで構成されています。

ツルの嘴のような細いホーンを持ったツイター(高音部)は珍しい。このお陰で、高域が伸び、高音不足の時に気になるトーキー色は少ない。波板の後に18インチウーファーが二本隠れている。この波板はウーファーの音が拡散させるデフィーザーの役目なのでしょう。本来はこの波板の周囲にバッフルが付くはずですが省かれています。これが付けば、低音域がもう少し伸びるハズです。

           左チャンネル群全景

朝、窓を開け放し、遠方に見える山の四季の移り変わりを借景にして、音楽を聴く。この主人はこれを求めて、この場所に来たらしい。確かに贅沢です。

マルチセルラーホーン(オリジナル)、ドライバー、ATT

     EMT927(フォノイコライザー付き?)

一回り小型の930は時折見かけるが、珍しい。ターンテーブルの外周は、LPより2回りほど大きい。カートリッジはEMTのTSD15がメインのようであった。

   プリアンプ、300Bシングルアンプ、クレルMD1

CDトランスポートMD1とDACステラボックスST−2 96/24は、宿泊棟に泊まった時に親父が持ち込みました。これなら、ここに合うだろうと思ったようです。ぴたりと収まりました。

主人はCDはほとんど聴きません。

     SP電磁石用真空管式電源

なんなんだこれ!一見、風変わりな真空管アンプとしか見えないでしょう。


結局、ここには1年あまり通いました。この間に、モノラルがステレオになり、ホーンが大型に代わり、電磁石の電源が真空管式になりと、行く度ににシステムが少しずつ変わっていきました。

このWEシステムは実はオリジナル品ではありません。WEをリニューアルしたものです。幾ら保存状態が良くても、半世紀も経てば、当然、経年劣化はあります。クラシックカーだって、乗るのであればレストアは必要なのと同じです。


ウーファーのコーン紙は同じ会社の紙で貼り替えてあります。

アンプ類は、WEオリジナルの良質パーツを集め、リビルドしたものです。

プリアンプはWE回路を元に組み上げたもの。パワーアンプはWE回路の300Bシングルアンプのモノ仕様です。

劣化のないホーンを除き、古そうに見えるけれど新品?なのです。


主人はクラシック、特に歌劇が好きなようであった。 なぜ、WEを使うのかと尋ねたことがあります。 50年前の音楽を聴くには、50年前の装置が似合うとの返事が返ってきました。

他のジャンルLPもあります。親父のリクエストに応えて、ジャズも掛けてくれました。親父が持ち込んだこともあります。親父に言わせれば、低音の極低いところは出ていない。音像もハッキリしない。残留雑音も多い・・・・・と生意気なことを言っています。

結局、10回近く行き、今年の夏は泊まり込みもしたのですから、親父のセリフは全く当てになりません。

赤兵衛の音を一言で言えば、青空のようにスカッとしている。箱に閉じこめていない音とはこう言う音なのかもしれません。親父の部屋には滅多に入らない母もWEの音は気に入ったようでした。僕も床から見上げながら聴き入りました。ビクター犬と言うのがいたそうだが、僕はさしづめWE亀であろうか。

この店は都合により2005年10月初めに閉じました。ご主人は何れの日にか、ルードウィヒ城で鳴らしたいと夢を語っていた。さて、あれからどうなったのか。あちこち、あてもなく彷徨っているのかとカメながら案じていました。

そんな時に、久しぶりに電話がありました。


「ホテルにいる。赤兵衛の4倍の床面積のところで最終調整中である。今なら、ゆっくり聴くことができるので、良ければ、開店前に来ないか。」 と嬉しい知らせでした。

窮すれば通づる、・・・あれば、救う神ありである。場所は某有名スキー場のホテルらしい。

親父は暖かくなったら行きたいと言っているが、僕はホテルに入れて貰えそうもないので、つまらない。

http://pub.ne.jp/kamekutobu/?entry_id=19924

 ■名前 : 320I
 ■日付 : 05/7/24(日) 6:26

群馬県の北、猿ヶ京温泉の赤兵衛(喫茶店) のオーディオ装置の話です。

WEの装置があると言うので、この2年余り、時折、出かけています。初めモノラルから始まり、行くたびに、ホーンの形状が変わっていたり、一本だったウーファーが2本になっていたり。ツイターが加わっていたり、ホーンがWEオリジナルの大型(4×3分割のマルチセルラ)になったり・・・変わっております。最後に、励磁電源のなんやら分からん、大型整流管(タンガーバルブ?)の付いたものが付いていました。漸く完成しました。

お酒でも飲みながら、ゆっくり聴きたいと思い、泊まりで出かけてきました。(この喫茶店、宿泊施設の一部なのです。)

初め、WEオリジナル製品と思っていましたが、骨格はWEでも、例えば、


ボイスコイルは新規に巻き替えている。

コーン紙はホーレイ製?の新品の張り替え・・・

アンプ類もWE300Bもモノラルですが、回路はオリジナルを元にしているものの新品ネットワークも何もかも、古の匂いぷんぷんですが、全部リニューアルされているらしいのです。

秋葉の高級手作りメーカー ELTUS の作であることが分かりました。(多分、パーツはオリジナル品等の良品を集めて、組み立てたものと推定する。)

WEの型番は分かりませんし、リニューアルされていますので、その型番を言っても意味はないでしょう。

装置が置かれている場所は、スイスの山小屋風、広さは40坪位あるでしょうか。調度品は、アンティーク品山小屋風。天井高さは3m位はありそうです。床は大谷石みたいな柔らかめの石畳。SPの裏側には四季折々の山脈が見えます。

波板の陰に隠れた18インチダブルウーファー(平面バッフル形式ですが、バッフルがない。)その上の大型マルチセルラホーン、見落としてしまいそうな鶴の嘴のようなツイターこのツイーターのお陰で、所謂、トーキーの音ではありません。

レコードを持って行けば、掛けてくれます。元々はクラシックが中心のようですが、ジャズでも、なんでもあります。貴重盤もありそうです。

因みに、LPプレーヤーは EMT927 アームはオリジナル イコライザー付き カートリッジはTSD15でした。


好きでやっているとは言え、経営的には非常に厳しい様子。機会がありましたら、寄ってやってみて下さい。こんな音もあるのかと、物理特性だけではないですね〜宣伝じみた投稿で失礼しました。(Mozilla/4.0

(compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)>


 
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 ■名前 : KOBA
 ■日付 : 05/7/24(日) 23:18

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WEやそのレプリカはこれまで聞いてきましたし、TA4181ウーハーは現用ですので、多少の補足をさせていただきます。

ダイナミック型ウーハーの特許はRCAにありましたので、WEは長年555トーキングレシーバー1本と超大型ホーンで低域を頑張ってきましたが、特許の許諾があったJENSEN社にウーハーの製造を委託して作らせたものですオリジナルコーン紙のものなど1本100万はするのではないでしょうか。

強靱な軽いコーン紙のフィクスドエッジのもので、現代ウーハーのように下への伸びはありませんが、歯切れの良いハイエナジーな厚みのある音がしますね。


>初めモノラルから始まり、行くたびに、ホーンの形状が変わっていたり、
>一本だったウーファーが2本になっていたり。ツイターが加わっていたり、
>ホーンがWEオリジナルの大型(4×3分割のマルチセルラ)になったり・・・
>変わっております。


この延長でALTECの同型があります。ところが、WEとは音が違い、音が縞模様になって出る、頭を動かすと中高音の音量が上がったり下がったり・・

WEではこれがほとんどありません。

WE・ベル研究所解体→ALTEC

からのコストダウンではないかと思います。素晴らしいホーンですね。オリジナルとするとお値段は1本50万は超えるのでは?

>最後に、励磁電源のなんやら分からん、大型整流管(タンガーバルブ?)の付いたものが付いていました。


4B28タンガーバルヴと思います。うちにさまざまなメーカーのそれが8本ほどあります。電球のフェラメントの上に円盤状の電極がある、教科書の整流管の構造をそのままの原始的な構造ですね。当時は自動車のバッテリー充電用にも使われたようです。

4181は電磁石ですので、DC24Vを供給する必要があります。スイッチング電源ではキレが、タンガーバルヴでは厚みが出ます。これも電圧を22V〜25Vに可変すると、ウーハーのダインピングF0が変わって、音圧ともども好みの締まりのある音から、ふっくらした音まで調整することができる希有のものです。現在でもALTEC515 JBL140−4Cを上回る最強ウーハーのひとつと思います。


>初め、WEオリジナル製品と思っていましたが、骨格はWEでも、例えば、ボイスコイルは新規に巻き替えている。コーン紙はホーレイ製?の新品の張り替え・・・


そこのものならホーレーのWE TA4181 4191のALTECサービスがホーレーに注文した補修用と同等です。ダンパーが布ですけど、当初のオリジナルは紙です。エルタス製のものはいいものですよ。


>アンプ類もWE300Bもモノラルですが、回路はオリジナルを元にしているものの新品
>ネットワークも何もかも、古の匂いぷんぷんですが、全部リニューアルされているらしいのです。


WE310が2段のもので、トランスは松尾電機のマリックブランドのものですね。よいトランスメーカーの高級品を使っています。オリジナルWE91アンプとはちょっと音調が違って、よく言えば家庭用としては聞きやすい音のようです。

オリジナルは、狭い部屋ではきつめの感じを受けることもあるようです。オリジナルはわずか10W未満でホールの末席に音を浸透させるための明快な音調に感じます。それと、カンノ製作所のWE300Bシングル、管球王国ご発表の是枝重治氏製WE300Bシングルアンプあたりが好みによってですが、個人的には300Bの生かし方をそれぞれのポリシーでやられている作品に思います。


>波板の陰に隠れた18インチダブルウーファー(平面バッフル形式ですが、バッフルがない。
>その上の大型マルチセルラホーン、見落としてしまいそうな鶴の嘴のようなツイター
>このツイーターのお陰で、所謂、トーキーの音ではありません。


597ボストウィックTWのレプリカですね。オリジナルともども個人的にはWEの唯一の失敗作と聞こえるものです。昨日のヴァイタボックス使いの方ともここは同じ意見でした。WE594の強靱なエナジーに比べると細い音に聞こえます。


>因みに、LPプレーヤーは EMT927 アームはオリジナル イコライザー付き カートリッジはTSD15でした。


今のレベルでも凄みのある音が出る大変よいプレーヤーですね。スペースがあれば欲しいです。昨日のトーレンス プレスティッジの方もオルトフォンSPUが使えれば927なのだが とおっしゃっていました。


>こんな音もあるのかと、物理特性だけではないですね〜


ああいった厚みのあるハイエナジーな音は現代のアバロン、ウィルソンなどでは絶対に出せない音ですね。お部屋は30畳、できれば50畳位あるとなおいいといったもので、普通の家庭で使えるシロモノではないように思います。4畳半でオートグラフを聞くような。
(Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)>

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 ■名前 : 320I
 ■日付 : 05/7/25(月) 7:33

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>WEやそのレプリカはこれまで聞いてきましたし、TA4181ウーハーは>現用ですので、多少の補足をさせていただきます。
>私の記憶です。管球王国で多少の沿革と技術解説がされていたと思います。
>ダイナミック型ウーハーの特許はRCAにありましたので、WEは長年555>トーキングレシーバー1本と超大型ホーンで低域を頑張ってきましたが、特許の許諾があったJENSEN社にウーハーの製造を委託して作らせたものです>オリジナルコーン紙のものなど1本100万はするのではないでしょうか。
>強靱な軽いコーン紙のフィクスドエッジのもので、現代ウーハーのように下へ
>の伸びはありませんが、歯切れの良いハイエナジーな厚みのある音がしますね。


フィックスですし、平面バッフル?、実は平面バッフルまで至っていない。ウーファーの生の音を聴いているのだと思います。かなり上からだら下がり、50hz以下は出ていないでしょう。

私はJBL2220A(130A)の低域を伸ばそうと苦労したことがありましたが、レベルは別として、無理せんのが良いんだと改めて思いしらされました。すかーっとする音です。私が気に入っている音は低音ですね。元々のユニットはどうなっていたんだか分かりませんが、何れにしても、6,70年前の品、敢えて、張り替えているのだと思います。

「ELTUS」は古ければ古いほど良いと思ってはいないようです。経年変化による、やれは当然あることですし、業務用であったとすれば、尚更です。錆びた?コイルもコーンも交換する。果たして、それが新品当時のWEと比べてどうかは、誰も比較できないでしょうん。

フィルムに印画された信号には、低域も高域もかなり限られた帯域だったのではではないでしょうか。WEのSPはその帯域の上下を十分にカバーしていたと想像します。


>>>初めモノラルから始まり、行くたびに、ホーンの形状が変わっていたり、
>>一本だったウーファーが2本になっていたり。ツイターが加わっていたり、
>>ホーンがWEオリジナルの大型(4×3分割のマルチセルラ)になったり・・・
>>変わっております。
>>この延長でALTECの同型があります。
>ところが、WEとは音が違い、音が縞模様になって出る、頭を動かす
>と中高音の音量が上がったり下がったり・・
>WEではこれがほとんどありません。
>WE・ベル研究所解体→ALTECからのコストダウンではないかと
>思います。


商売として考えると、ここは省略できる。安くできる・・・

と結局は、改良と言う名の下に、コストダウンが進み、後は言わずもがなです。P0は輸出されなかった。国外での修理ができないと言うのが大きな理由であったのでしょう。スイングアームのメカ変遷をみてみますと、コストダウンの歴史でもあるようです。


>素晴らしいホーンですね。
>オリジナルとするとお値段は1本50万は超えるのでは?


その位はするかもしれません。手作りとすれば、結構な代金となるので、オリジナルの方が安い。と言うことのようです。


>>最後に、励磁電源のなんやら分からん、大型整流管(タンガーバルブ?)の付いたものが付いていました。
>>4B28タンガーバルヴと思います。
>うちにさまざまなメーカーのそれが8本ほどあります。
>電球のフェラメントの上に円盤状の電極がある、教科書の整流管の構造>をそのままの原始的な構造ですね。
>当時は自動車のバッテリー充電用にも使われたようです。
>4181は電磁石ですので、DC24Vを供給する必要があります。
>スイッチング電源ではキレが、タンガーバルヴでは厚みが出ます。
>これも電圧を22V〜25Vに可変すると、ウーハーのダインピング
>F0が変わって、音圧ともども好みの締まりのある音から、ふっくら
>した音まで調整することができる希有のものです。


まー、拘りは分かるのですが、近くによると、唸っている。迫力は感じますが、これはどうなんだかと思っています。

>現在でもALTEC515 JBL140−4Cを上回る最強ウーハー
>のひとつと思います。


永久磁石と励磁式、どうなんでしょう。磁束密度、総磁束・・・・
この辺を弄れば、基本的な音色も少しは弄れる気がします。

>そこのものならホーレーのWE TA4181 4191のALTEC
>サービスがホーレーに注文した補修用と同等です。
>ダンパーが布ですけど、当初のオリジナルは紙です。
>エルタス製のものはいいものですよ。紙製ですと、痛みも早いでしょうね。F0ももっと高くなりそうです。
>>アンプ類もWE300Bもモノラルですが、回路はオリジナルを元にしているものの新品
>>ネットワークも何もかも、古の匂いぷんぷんですが、全部リニューアルされている
>>らしいのです。
>>WE310が2段のもので、トランスは松尾電機のマリックブランドのもの>ですね。
>よいトランスメーカーの高級品を使っています。
>オリジナルWE91アンプとはちょっと音調が違って、よく言えば家庭用と>しては聞きやすい音のようです。>オリジナルは、狭い部屋ではきつめの感じを受けることもあるようです。
>オリジナルはわずか10W未満でホールの末席に音を浸透させるための明快
>な音調に感じます。


そうなんですか。現在、ラックマウント式のものを注文しているようです。どこかのお寺さんに納めたものと同じとか・・・・カートリッジはSP再生用のWEを元に針圧を軽くして、LPのモノラルが掛かるものを注文しているようです。

>それと、カンノ製作所のWE300Bシングル、管球王国ご発表の是枝重治氏製
>WE300Bシングルアンプあたりが好みによってですが、個人的には300B>の生かし方をそれぞれのポリシーでやられている作品に思います。


確かに温和し目です。これは、店主の好みを反映したものでしょうから、何とも言えません。ネットワークのATTの調整でもかなり弄れる印象です。尤も、アンプからSPまで10数メートル、普通のWE製らしいSPコードで伸ばしている。ダンピングファクターからみても、緩めにならざるを得ないでしょう。

全段差動300BPPアンプ、持ち込んだらどうだろうなんて妄想もしましたが・・・かなり、ミスマッチになりそうです。


>>>波板の陰に隠れた18インチダブルウーファー(平面バッフル形式ですが、バッフルがない。)その上の大型マルチセルラホーン、見落としてしまいそうな鶴の嘴のようなツイター
>>このツイーターのお陰で、所謂、トーキーの音ではありません。
>>597ボストウィックTWのレプリカですね。オリジナルともども個人的には
>WEの唯一の失敗作と聞こえるものです。>昨日のヴァイタボックス使いの方ともここは同じ意見でした。>WE594の強靱なエナジーに比べると細い音に聞こえます。


そうなんですか。WEの他のツイターを聴いたことはありません。これで、トーキー色を一歩、抜き出ていると思ったんですが・・・

>>>因みに、LPプレーヤーは EMT927 アームはオリジナル イコライザー付き カートリッジはTSD15でした。
>>今のレベルでも凄みのある音が出る大変よいプレーヤーですね。
>スペースがあれば欲しいです。
>昨日のトーレンス プレスティッジの方もオルトフォンSPUが>使えれば927なのだが とおっしゃっていました。


トーレンス プレスティッジは今にも繋がる製品・・・・EMTは昔の品です。駆動方式も全く異なります。SPUが掛かるアームも付いていたと思いました。


>ああいった厚みのあるハイエナジーな音は現代のアバロン、ウィルソン
>などでは絶対に出せない音ですね。
>お部屋は30畳、できれば50畳位あるとなおいいといったもので、
>普通の家庭で使えるシロモノではないように思います。


全くそうですね。広さは30坪以上はありそうです。本当はもっと欲しいと言っていました。景観も音の一つである。音も景観の一つであると感じました。まー、そこに行くと、自然に細かいことは気にしなくなる。と言う不思議な空間です。高価そうなアンティーク品に囲まれ、最初は少し落ち着かなかったのも事実です。

ホーンシステムをと言えば、今はアバンギャルドと思いますが、WE系列の音は聴く機会がないとなかなかないと思います。また、WEを鳴らす環境はかなり贅沢な空間を要求します。WEと言っただけで、高価なだけの骨董品・・・・

今流のハイファイではありませんが、半世紀以前も前に、こう言うのがあったのかも聴くのも良いかと

>4畳半でオートグラフを聞くような。


家の場合、まさにそれですね。ううーん。現実は厳しい。
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 ■名前 : KOBA
 ■日付 : 05/7/26(火) 5:44
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>元々のユニットはどうなっていたんだか分かりませんが、何れにしても、6,70年前の品、敢えて、張り替えているのだと思います。
>「ELTUS」は古ければ古いほど良いと思ってはいないようです。


若干の裏事情をお話しますと、もうTA4181の良品は残っていないのです。アメリカからは日本や香港、韓国のブローカーがすべて買い漁ってしまったので、もはや商品自体が入荷できないようです。ウェスタンサウンドインクでもレプリカを作りましたが、背景事情はそんなところかと思いますね。レプリカを作ったうえでオリジナルの初期の方が とは言えないような。

>経年変化による、やれは当然あることですし、業務用であったとすれば、尚更です。
>錆びた?コイルもコーンも交換する。果たして、それが新品当時のWEと比べてどうかは、誰も比較できないでしょうん。


管球王国でオリジナルとサウンドインクのレプリカとの比較試聴があります。新さんも結構ストレートにお書きになっておられます。ご一読してみてください。やはりオリジナルが といった内容でした。

>フィルムに印画された信号には、低域も高域もかなり限られた帯域だったのではではないでしょうか。
>WEのSPはその帯域の上下を十分にカバーしていたと想像します。


社是が「ワイドレンジ」ですから(^^;)

>>>最後に、励磁電源のなんやら分からん、大型整流管(タンガーバルブ?)の付いたものが付いていました。
>まー、拘りは分かるのですが、近くによると、唸っている。
>迫力は感じますが、これはどうなんだかと思っています。


これは聞き比べしたうえでないとおわかりいただけません。

>永久磁石と励磁式、どうなんでしょう。
>磁束密度、総磁束・・・・
>この辺を弄れば、基本的な音色も少しは弄れる気がします。


これもエルタスにはアルニコのパーマネントタイプもありますから聞き比べいただかないとおわかりいただけません。そのレプリカは個人的にはヒノオーディオの社長部屋にあるサンライトの18インチ+2インチドライバーの同軸のウーハー部分に大変近い音調に聞こえます。この辺のレプリカになると、4181同型に拘るのは懐の関係でもどうかとは思いますね。


>>そこのものならホーレーのWE TA4181 4191のALTEC
>>サービスがホーレーに注文した補修用と同等です。
>>ダンパーが布ですけど、当初のオリジナルは紙です。
>>エルタス製のものはいいものですよ。
>>紙製ですと、痛みも早いでしょうね。F0ももっと高くなりそうです。


ところがそうでもないようです。なんと言っても朝から晩まで大音量で鳴らしっぱなしのシアター用ですし、あのベル研がそんな痛みの早い素材を使うわけがありません。

>そうなんですか。WEの他のツイターを聴いたことはありません。
>これで、トーキー色を一歩、抜き出ていると思ったんですが・・・


WEには他にツイーターはありません。いずれにしても、部屋込みのもののようです。

個人的には、WE594あたりは手に入れてみたい衝動がありますが程度がいいものを選ぶと1本150万ではちょっと無理です(>_()いつでも近い価格で売れるという意味では、お金→モノ→お金となるものなんですが・・・

お部屋ともどもスゴイものがあるお金持ちの道楽ですね。


>全段差動300BPPアンプ、持ち込んだらどうだろうなんて妄想もしましたが・・・
>かなり、ミスマッチになりそうです。


WEドライバーやウーハーは現代アンプでもよく鳴るようですよ。

WE594はJBL375等に基本設計がひきつがれていますし、TA41814191はALTEC515等をさらに強力にしたようなものですから。

実際にFMアコースティックで鳴らされている方もおられるようです。全段差動といっても、トランジスターではポピュラーな回路ですし、差動回路はマランツ等でも古くからあったようです。別段何か特別なプッシュプルアンプの音になるわけではないようですから。むしろWE171トランスやマリック、カンノのパーマロイコアのトランスの威力が強烈な気がします。
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 ■名前 : 320I
 ■日付 : 05/8/31(水) 21:06
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残念なお知らせです。猿ヶ京のWEの店、9月一杯で閉店するとなりました。

以前、本人より聞いていたのですが・・・・、

来るべき時が来たと言う感じですコーヒー一杯で音楽三昧(歌劇が多かった)できる貴重な店だったんですがね。残念ですね。誠に残念です。

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 ■名前 : KOBA
 ■日付 : 05/9/1(木) 0:32
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>残念なお知らせです。
>猿ヶ京のWEの店、9月一杯で閉店するとなりました。
>コーヒー一杯で音楽三昧(歌劇が多かった)できる貴重な店だったんですがね。


残念なお気持ち よく伝わってきます。拙宅からも日帰りが可能ですので、店じまいの前にはお邪魔させていただければと思っています。

料理でも、拘りの店は次々消滅して、当地でもファミレスをはじめとする全国チェーン店系、失礼ながら俄イタ飯屋、パスタ屋とか、無国籍料理と称するものばかりが増えていっているのですね。

素材もスーパー調達レベルの、一見こだわりっぽい単独店も店の裏にはハインツの缶詰ソースが並んでいるというお粗末ぶりで。

伴侶には是非、子供にはハンバーグ、カレーもいいけど、郷土の素材を使った郷土料理を覚えて作るようにお願いしています。スターバックスやドトールも待ち合わせや時間つぶしにはいいですが、かような店では流れている時間そのものが違うのではないでしょうか。

WEこそ部屋込みですから。ちなみに店じまいされた後は、その場所はどうなってしまうのでしょう?

そうして、せっかく揃えられた壮大な装置群は・・・?

いずれにしても、本家WEをベースにいろいろとチョイスされた装置からは勝手に、ALL WEよりも家庭用としても聞きやすい音調に振られておられるのではと想像しておりました。実際が楽しみです。せっかくのご紹介を無駄にしないように今週の金曜に急遽足を運んでみます。

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 ■名前 : 320I
 ■日付 : 05/9/3(土) 19:30
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久しぶりに出かけて来ました。元々、2年間の契約で、それが少し早まったということでした。閉店の理由は経営不振ではありません。経営なんて初めから考えていなかった。謹んで、訂正申し上げます。

お客様が来れば、一緒に聴こうと言う程度であったようです。

夢は膨らみ、もっと広いところで鳴らしたいと贅沢なことを言っています。こちらも、あそこのホテル、美術館が合いそうなんて、勝手なことを言ってきました。早く落ち着き先が決まれば良いのですが・・・・

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 ■名前 : KOBA
 ■日付 : 05/9/3(土) 20:08
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>元々、2年間の契約で、それが少し早まったということでした。
>閉店の理由は経営不振はありません。経営なんて初めから考えていなかった。
>謹んで、訂正申し上げます。


よかったですね。JAZZ喫茶、音楽喫茶なんかは今や経営的には大変だと思います。余程のお金持ちが道楽でやるとかでないと大抵続かないようです。

横浜在住当時も、老舗のJAZZクラブが2軒閉鎖してしまいました。ウン十年といった老舗がです。

よい喫茶があれば是非紹介しあって、近くに行ったときには寄ったりしていかないと、かような文化が衰退しかねません。よいところがあれば、隠れ家としてとっておくというのではなく、紹介し合うのがいいと思います。

当地で向井滋春カルテット、板橋文夫カルテット、東山力哉、バカボン鈴木ら6バンドを招いて文化ホールを借り切ってGIGを開催したのです。東京からもバスでファンが来られました。1つのグループで東京、横浜ではライブハウスを埋められるものです。残念ながら地元からの観客はわずかで、1年でおしまいです。地元ファンが、来年もまた来てください といった挨拶を音楽家とされていましたが、ホントは、来年はもっとたくさん仲間を連れて毎年行って、イベントをペイさせる手伝いをしないと続かないようです。

どんな立派なハイエンド装置を備えても、生には勝てません。

当地でJAZZライブハウスを経営しようと思って、JAZZでは珍しいベーゼンドルファーを入れようと、入港した沢山の中からよいものをセレクトいただく、こけら落としをやっていただく約束まで某有名ピアニストとしていましたが、経営の目処(赤字が出ない程度)が立たず断念せざるをえませんでした。

若者ファンが次々生まれるROCK POPS系は叔父が市内でライブハウスを経営して好調です。クラシック、JAZZを地元放送局等の企業協賛、自治体の後援なく行うというのは地方では極めて難しいことを知っていますから、あまり好きなグループでなかろうと行くようにしております。

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http://audiofan.net/board/log/tree_836.htm

2006.2.25 05:22:12

赤兵衛がなくなったのは誠に残念です。

ここにあったWEの装置(とは言っても、オリジナルではなく、初期性能を取り戻すべく忠実にアセンブリーされた品?)は、今、猿ヶ京からトンネルを隔てたスキー場にある某有名ホテルの一室で、今度は平面バッフルを加えたより、理想的な形で鳴っているはずです。 しかし、自分はそこに行くのを躊躇しています。

私が好きだったのは、


古城の一室と見まがうような部屋、

そこに置かれたヨーロピアンアンティーク、

周囲の景観、そして、超然とした主人・・・、

これらが渾然と一体化している・・・・・「WEのある音楽空間・赤兵衛」が好きだったのです。

http://pub.ne.jp/kamekutobu/?entry_id=19924


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i i 川i!ハ/" _!   | │川 ヾ:ii ゙'∨     |    ゙ヾiヽヽ;||:::::i':::::::::::::::::::::::::
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ヾ ! ヾ、ヽ ゙ヽi |!iヾ、ヽヽヽ              ,,!r''~      `~゙'''''ヽ、


赤兵衛のWEシステム その後 


赤兵衛のWEシステムはその後どうなったのでしょうか。

群馬県猿ヶ京温泉から一山越えた新潟県のスキー場のホテルに転居したことは知っていました。

        (ELTUS製)WEスピーカーシステム

装置は今も変化し続けていた。 と言うか、WEの活躍華やかし当時はこうであったろうと言うシステムに一歩ずつ近づいている印象である。

*赤兵衛時代との主な変更点

@SPに横バッフルが加わった。上にも下にもバッフルが付くと言うのが本来の形らしいのですが、天井高の制限で無理なようです。バッフル面積が広くなるほど、低域限界が下がることになります。

ASPが移動できるように鉄製フレームのキャスターの上に載せられていた。後壁との距離調整、SPの向きを変える場合は便利です。 キャスターと言うと、ぐらぐら動くような悪い印象を与えるが、移動後、固定脚を伸ばすので、SPは完全に固定される。 絨毯の下はコンクリートと思われる。赤兵衛に置かれていた時はあれほど大きく感じたのにその威圧感はない。

Bプリアンプが直熱アンプに変更されていました。



WEを話題にすると良くある質問、型番は何?てことなんです。 自分も興味があり、SPの裏に回って見た。ELTUS製と書かれていて、WEの元の型番は分かりません。WEに詳しい人なら、画像で判断できるかもしれません。

     WEスピーカーシステム

側面 床に置かれた、2つの電球が光っているように見えるのが、励磁SP用電源です。WEのSPの磁石は永久磁石ではない電磁石なんです。そのために電源が必要なのです。

オリジナル信仰というものがあります。何でも経年変化はあります。古い車をそのまま使うか、レストアして使うか。

WE製SPと言っても、全てELTUSが分解し、組み替えている。ウーファーのコーン紙は新品である。50、60年前のものがその当時の性能を維持できていないと考えているのであろう。即ち、WEシステムではなく、ELTUS製WEシステムと言うことになる。

                   ツイター


影で支える健気な鶴嘴。WEのツイターへの評価は????です。このツイターがシステムの音色を少なからず影響を与えているように感じる。トーキー時代の人の声の再生ならいざ知らず、楽器再生なら必須と思う。 配線が二組、見えますが、その内の一組が電磁石用配線である。

以下、ミッドドライバー、ウーファーも同じ。

               ミッドレンジドライバー

クロスオーバー周波数は分からない。何れにしても、この装置の再生帯域の大部分はここから出ているのだと思う。

         ウーファー 46cm?口径のダブルウーファー


では、SP以外の装置の紹介 音の入り口から

                EMT927

自分はこの機種がLPプレーヤーの一つの完成型と考えている。カートリッジはTSD−15? EMT927は手放す予定であると言う。RCA製ギアドライブ式ターンテーブルに換えるのだそうだ。カートリッジはWE製になる。

プリアンプが変わった。直熱式に換えたのだそうだ。これまで使っていたプリアンプと比較して、大分、良くなったと言っていた。

直熱アンプと言うことなので、残留ノイズが気になるところである。 このWEシステムの能率は110db/m・wは越えているから、アンプの残留雑音はどうしても目立つ。幸い、試聴距離まで10m位あるので、まー我慢できるところである。

直熱プリアンプ+300Bシングルアンプ(側面)

下の段が電源部である。

       これまで使っていたプリアンプ

役目をひとまず終えたELTUS製プリアンプ。次の主人を待ちわびている。想像通り、アンプの寝起きは悪い。音が落ち着いてきたのは1時間ほど経ってからでしょうか。 LPはあまりここには置いていないとのこと。ここで、2時間ほど、色々なジャンルのLPを聴かせて貰いました。やはり、圧巻だったのはオペラでしょうか。

さて、折角のこのWEシステムですが・・・・ 置いてある場所が、今、季節休業中である。直ぐに行って聴こうと思ってもそれは無理である。 その一方で、WEシステムオーナーは、みんなに聴いて貰いたい、赤兵衛に聴きに来られた方にはその後の変化を実際に聴いて貰いたいと願っている。 試聴希望者とオーナーの都合が合えば、試聴は可能である。

現在、赤兵衛と言う名前はなくなりましたが、今、越谷で再生しているようです。今回は喫茶店(赤兵衛も商売としては全然成り立っていなかったでしょう。)としてではなく、自宅を開放しているようです。

http://pub.ne.jp/kamekutobu/?entry_id=177289#more

2010.5.4

猿ヶ京の赤兵衛で2年、苗場プリンスホテルで1年、新潟市立美術館で1年半。幾多の変遷を経て、故郷に戻ってきました。

ここは元赤兵衛店主藤原さんが22歳の時、バイタボックスのコーナーホーンを入れるために作ったものだと言う。と言うか、こう言うものを作りたいと親に無心したらしいのだ。理解がある親を持って幸せと言うか、道楽息子を持った親はさぞ大変だと思う。
面積は25畳位、天井高は一般の住宅より高い。10m位離れたところには道があり、車も通るが、音はほとんど入ってこない。

建物の遮音性を考えているのだろう。二重窓になっている。その窓からは小さな公園が見えました。

家具は赤兵衛時代から見慣れたもの。だから、初めてお邪魔したにもかかわらず、違和感がありません。

          フォノイコライザー、プリアンプ、SP励磁電源、パワーアンプ
トランスドライブパワーアンプ(モノラル仕様)×2台

以前見たときはWE300B(あるいはA)だったと思ったが、今はJAN・・・・WE・・・に変わっていました。この球は300B(A)より古い球で、出力は1Wだそうです。なお、JANはジャンクのこと。今は古物品、故障品の代名詞になっていますが、本来は軍放出品が語源だそうです。軍規格品の球と言うことのようです。今度、PICOに行ったら、軍用通信機の中を覗いてみます。多分、WEのパーツがごっそり入っていることでしょう。

明かりは間接照明。全て白熱球でした。蛍光灯はノイズ源になる可能性があります。

       左側  EMT927(初期型)      右下 RCA業務用プレイヤー

今回の訪問の目的の一つがこのRCA業務用プレイヤーを見ることでした。ターンテーブルの下にはもう一つターンテーブルがあります。慣性質量を増やし、回転を滑らかにするためと思われます。この軸の下に可変回転モーターを直付けすれば、ダイレクトドライブ・プレイヤーになります。

縦軸に90度に交差する横軸があり、両軸の交差部にギアが内蔵されているはずですが、直接見ることはできません。 横軸にはモーターが直付けされています。ギア比を変え、回転数を落とし、縦軸に伝えているものと想像されます。 ですから、ギアドライブプレイヤーと言うべきものなのです。

このプレーヤーは完全オリジナルではありません。オリジナルのままでは、回転の制御が完全にはできない。また、ゴロが大きく、実際の使用には問題があることが分かり、改良を加えたようです。 オリジナル性は極力残しながらも、改良を加えると言うのがエルタス流のようです。いろいろ試した結果、結局4年?の月日が必要だったのです。

 WE?製アーム&エルタス製モノカートリッジ

?を加えたのは元々、このアームは現在J型アームになっていますが、オリジナルはストレートアームだったのです。ステレオ再生を意識して、変更したようです。

インサイドフォースキャンセラーも何もない。当時、針圧は10g以上だった。今は8g位掛けているようです。これだけ掛ければインサイドフォースキャンセラーは入らないかもしれません。専用カートリッジなら、針圧調整もいらないかもしれません。

でも、針圧の調整は出来ます。どうするかと言うと、アームの上に丸い金属片が見えますが、これを前後に移動するのです。原始的と言えば原始的ですが、十分なのでしょう。

余談ですが、レコードの音が悪くなった理由にはいくつかあるそうです。モノラルがステレオになったこと。アームがガッチリした角形から軽量アームになったこと。

 SP

今まで、広い場所に置かれていましたが、限られた空間(とは言っても私から見れば贅沢な空間)に移ってきましたので、変更がありました。12開口の巨大なマルチセルラーホーンから、10開口のマルチセルラーホーンに変わりました。

低音ボックスは一度、二回りほど小さなものに変えられましたが、やはり不満が生じ、元に戻したそうです。本来、両翼にバッフル板が付くはずなのですが、スペース上は流石に無理だったようです。

ツイターはホーンの上に載せられていました。理由を訊きましたところ、「音のスピードが速いから奥に」と言ってました。

ウーファー、中音ドライバー、ツイターの振動板の位置はほぼ揃っていると思います。バッフルがなくなり、低域不足を心配しましたが、そんなことはありませんでした。コーナーに置かれているため、ホーン効果もあるのかもしれません。

さて、肝心の音の印象ですが 、言葉で説明することができません。限られた時間の中、十分と言えませんが、ジャズ、ボーカルを中心に聴かせて頂きました。今度お邪魔するときは、是非、夜、バーボンを携えて行きたいと考えてます。

http://pub.ne.jp/kamekutobu/?entry_id=2899295

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3. ウェスタンエレクトリックの音とは _ 俺の装置はウェスタンだ、下々のマニアとは違う


1) 湯布院 音楽時代館 

大分県由布市湯布院町川上無田1524の1


湯布院の音楽時代館の蓄音機の展示室とビクター犬のニッパー君です。

7〜8年前になるでしょうか、家内と家内の両親と湯布院に行きました。家内の実家の長崎から雄大な阿蘇を通ってレンタカーでドライブで行きました。温泉も旅館の料理も良かったのですが最も印象に残ったのが音楽時代館に立ち寄れたことです。

展示室を見た後喫茶室で珈琲を飲んでいたら、喫茶室にはウエスタンエレクトリックのトーキーシステムがBGMで鳴っているのに気がつきました。

装置の中を覗いてみると出力管に本物のWE-300Bの真空管が2本ささっていました。お店の人に、これWE-300Bですよね。ということはこの装置は86-B型ですね。と尋ねただけでお店の人が目を丸くして、お客さんなんでそんなことまで知っているのですかと驚かれました。

こんなに詳しいお客さんは見たこと無いので、蓄音機も聴いて見ますかと展示室に案内してくれて、ガラス戸を開けて大型のコンソール型の蓄音機のセットをしてくれました。(普段は展示のみだそうです) ひょっとして、これビクターのクレデンサーという蓄音機ですかと尋ねたら、またまた驚かれました。かけてくれたレコードはカザルスの無伴奏チェロ組曲でした。78回転のSP盤です。

今度は私が驚きました、初めて聴く蓄音機の名器クレデンサーから出てくるカザルスの演奏の音が帯域は狭いのですが素晴らしいのです。しかも朗々と鳴り渡ります。

メカニカルなアコ−スティックな装置でレコードの音がこれほど再生されるとは思ってもみなかったです。当時のクラフトマンシップを感じます。

http://onpara.jp/share/around/QO005/757_index.html
http://takoyakiongaku.blog.so-net.ne.jp/2008-04-22-1


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2) 湯布院 山荘無量塔(MURATA)Tan's bar (タンズバー)


静寂の空間で至福の時を '10/09/28 ('10/09 訪問) singlemalt (1027)

何気なく柔らかなソファに身を預けて頭上を見上げると、天井まで高く仕切られた構造。地元の知り合いによると建物自体も音響効果を考慮した設計との事。壁に設置されたウェスタン・エレクトリックの大スピーカーから出る音は館内全体の空間を音響空間としている事が分かりました。昼間はクラシックを流していますが、弦楽器が空間を利用してしっとりとした音色を奏でていました。


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スピーカー、ソファ、暖炉 '10/02/05 ('09/12 訪問) ねこちゃん (128)


ここは、湯布院へ行くと必ず寄るお店。 朝からカフェが始まり、夕方はBARへと変わります。

ウェスタン・エレクトリックの大きくて真っ赤な劇場用スピーカー(素直にかっこいい)

その下にめらめらと燃える暖炉。そして選曲が良し。

朝のグレゴリオ聖歌、昼のモーツァルトのクラリネットコンツェルト、夜はジャズ。

ゆったりとソファに座って、高い天井から降ってくる音を聴きながら珈琲を飲むときの幸福感といったら・・・・!!!

暖炉が大・大・大好きなわたし、ポイントが幾つも重なっている、大切な場所です。

カップはジノリのベッキオホワイトで、これも何年も変わっていません。

http://r.tabelog.com/oita/A4402/A440201/44000143/dtlrvwlst/

アタイは、ひょんなことから湯布院に行くことになりまして、昨日帰ってきたんです。

無量塔(むらた)という、湯布院御三家と呼ばれる旅館がある。そこのBarというか喫茶室に、Western Electric 16aってデカイスピーカーがある。

WEというのはオーディオ界においては伝説の領域、ALTECもJBLも3極真空管300Bのハナシも、遡るとそこにいきつく。

WEの製品は、東京でも聴けるところはいくつかあるのでしょうが、無量塔のこの雰囲気がヨサゲでいってきたわけです。試聴用CDは例のEフリードマンのツゴイネル、そして亡くなった石野見幸(美幸の方がいいな)

真ん中に紅い16aがあって、低域のコーンが左右にみえる。小さくみえるラッパがツイーターです。

広い席には品のないオヤジ連中がタバコを吸っている。俺は、こーゆう人間が大嫌いなのよ。HiFiセットの前で音楽も聴かないでタバコを吸うなんて、典型的なマヌケ人間。禁煙にしない無量塔も悪い、

評価−1

露骨にイヤな顔をして、ここは禁煙の席はないの?って聞いてみたのよ^^

そーしたら11時から禁煙だと??
よく、わからないけど、外で5分くらい遊んでいたら、タコが帰ったので品のいいみっちゃんのご入場・・

ばははは、クラシックにしてくれというから、自分で焼いたVi特集のCDをだした、録音は最悪。このCDを再生できたら装置は一級品。

ところが、ウエイターがなにもわかっていない。音が小さい!

大きくしてくれって言ったら、ほかのお客様がいるから、ほどほどでだと@@

おい、ここはWEの装置を売りにしている音楽場だろ。等身大の音を出さずに、なんで、音楽がわかるんだ、ふざけろコロッケ。。

社長は天才とかいわれているオトコのようですが、こんな営業姿勢じゃたいしたことない、

評価−2


で、遠くからきこえる音を聴いていたんですが、うほほほ、音はいい。

諸君の駄耳じゃ、どこがいいかわかるはずもないけど、中低域の透明感と膨らみ、そしてウーハーとの繋がりがいい。高域も無理に伸ばしていない。オケの合奏部が厚みをともなって自然に再生される。

この装置で「運命」を全開にして聴きたかったのですが、望むべくもなく柔らかいケーキみたいものを食べて帰ってきました。


あの無量塔のシステムは、サウンドデンが調教していたんですね :

http://www.soundden.com/murata.html

『大分県湯布院町 空想の森美術館の傍に山荘・無量塔はあり、昼はティールーム夜はバーとなるスペース。

タンズバーにWEが鎮座しています。小さな音量でも、浸透力のあるWEのスピーカーは、貴方を異次元の世界へと誘ってくれます。由布院へ行かれたら、WEを聴いてコーヒーを飲みましょう。充実感のある贅沢な時間をお約束します。』


 
使用機器

ELTUS4181 WE555 16A 

KANNO K597
KANNO MU300N KP300 EMT927
MARANTZ CD95(Tuned)
VJ DAC9710+BAT9110
DENTEC ST-BASE SLC OF1

http://www.sansou-murata.com/facilities/tans_bar/index.html

これで音はいいけれども、使い方がわかっていないという謎が解けたわけだ。藤本社長、WEの音は小さくても浸透力があるって無量塔のことをかばってますが、暗に音量が小さいことの不備を指摘しています。

http://sniperfon.exblog.jp/7719098/
http://sniperfon.exblog.jp/7742026/


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3) レストラン、コンコルド

http://www10.big.or.jp/~dh/index_j.html
http://logsoku.com/thread/gimpo.2ch.net/pav/1146488712/
http://www.youtube.com/watch?v=n_b4GpqNB7k


千葉県の館山にありますコンコルドの佐久間駿氏は真空管アンプ界では国内はもとより海外でもその知名度をお持ちの66歳になられる方で直熱3極管アンプのオーソリティーで、佐久間トーンの愛好家が全国に沢山お見えです。

 6月の後半に所用で千葉県に行ったおり館山のレストラン・コンコルドを訪問して佐久間トーンの音を聴かせて頂きました。  佐久間氏の愛用のスピーカーは、アルテックのA−5、クリプッシュホーン、ローサ、ウェスタンエレクトリックの4つのスピーカーがあり、この中で佐久間氏のお気に入りのローサとウェスタンを音量を上げて試聴させて頂いた。


真空管アンプのオーディオレストラン コンコルド」
http://www.youtube.com/watch?v=pe_cxXvmY8Y&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=eM3yfWyvLtY&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=bbzFsWGYQK4&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=ZVER7x2yGpI&feature=related

 ウェスタンの555から奏でる音は芳醇な密度のある音質でこれがウェスタンとは思えない大人しくて優しい音です。レンジはナローレンジですが音のまとめ方は素晴らしいの一言で、これぞ匠のワザです。このウェスタンで聴いたチェンバロの音はウェスタンらしからぬ音で、今まで沢山のウェスタンを聴いて来ましたが、ここのウェスタンだけは他には無い、シットリ感のある癒し系の音です。

 次に聴かせて頂いたのは、一つのボックスに入った英国のローサの4発入りのスピーカーです。このローサのユニットはすべてビンテージ物で、私も初めて見るユニットです。この4つのユニットは大変ユニークな取り付けになっています。 アンプ側のスイッチの設定で同時に4つを鳴らすことも出来、個々でも鳴らすことの出来る面白い発想のシステムです。同じローサでも年代が違えば音も違う大変遊び心のあるスピーカーで、私も始めて体験した。

 私個人も英国のスピーカー党ですが、このローサも魅力のある音で大変捨てがたい渋みのある音色です。

私も現在、グッドマン、ヴァイタボックス、ステントリアンの3種類を愛用していますが、やはり英国のスピーカーは音質より音楽を聴かせてくれる音楽性のあるスピーカーと思います。

 先程のウェスタンとローサを比較しますと不思議と同じような音になっています。オーディオは不思議なものでスピーカーを変えれば音は変わるはずですが、その人の感性でチューニングしますと同じような音になってしまう。 佐久間氏にはオーディオマニアのファンもいれば、演奏家の方も沢山支持している方もいると聞かされましたが、この音を聴きますとうなずける部分もあります。

 佐久間氏のウェスタン、ローサを845のアンプでじっくりと聴かせて頂くと、現代のスピーカーとは一線を引いた音ですがこの音には好みが分かれると思う、私のビンテージスピーカーとウェスタン、ローサと比較しますと共通点のある部分があります。その共通点は中域の響きを大事にして音楽を美味しく聴かせてくれるのです。

http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003.html


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            )人ミ、.弋トミ、  、    / {ノ /〃/ノノイ / /
               jノ} ノ代_   、.. .-乂 弋 ( {! λ(__:( / /
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4) O本氏

オーディオ仲間の一人であるO本氏のシステムは

プレーヤーが松下製でカートリッジがデンオンのDL−103、
メインアンプは自作でWE−205Dシングルアンプ、
プリアンプも自作です。

スピーカーはウェスタンエレクトリックのドライバー、555を特注の12Aのカールホーン

で音楽を聴いていました。このウェスタンだけは家庭で聴く気が起こらない。部屋の中に排気口のダクトのようなものを2つ設置して、かぶりつきでスピーカーの前で聴く、こんな不自然な聴き方がウェスタンなのか?

本来はウェスタンのスピーカーは劇場の銀幕の後ろに置いて鳴らすスピーカーなのに、一般家庭に持ち込んで聴くスピーカーとは思えない。

ウェスタンのスピーカーを聴かせるときは決まってドリス・ディーのレコードが定番になっている。クラッシックのバイオリンなどの弦楽器を鳴らすと振動板がアルミのせいなのか高い音が冷たい響きになる。どうもコスル音は苦手なのかも、ただし映画のサウンドトラックのレコードをかけると確かにその魅力に惹かれるものはある。

ウェスタンの555の音は中域が少し喧しく聞こえる、このスピーカーを上手く鳴らすのは至難の業だと思う。それより音を聴く前にあの排気口のようなダクトが気になって音楽どころではなかった記憶がある。

O本氏のウェスタンを聴くと世間で大騒ぎするような特別な音ではなかった、鳴らし方が悪いと言えばそれまでだけど、ウェスタンはもっと大きな部屋で鳴らさないとその良さが出ない、劇場のスピーカーを家庭に持ち込んで聴くのは、どだい無理のような気がした。

http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003.html


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5) 福井県の永平寺町のM月氏


私の友人のM月氏より部屋をリフォームしたのでウェスタンサウンドの真髄の音を聴きに来ないかとお誘いがありました

私も過去には沢山のウェスタンスピーカーを聴いて来ましたがアンプからスピーカーまでオールウェスタンの音など一度も聴いた経験はありません。果たしてウェスタンはどんな音なのか、聴かせていただく以上は検事の耳で聴くためには比較対照は私が使用しています マランツ#7、サンバレーのSV−91B(C−タイプ)と D/AコンバーターはModel−2 を持参してウェスタンアンプとの違いを自分の目と耳で美化した建前論でなく本音で皆さんにお伝えしたい、

 ウェスタンマニアやウェスタンを扱うビンテージショップ等は

(ウェスタン以外はオーディオではない!)

とウェスタン以外のオーディオを(小バカ)にしていますが、本当にウェスタンサウンドは別世界の音なのか、今回は「泣く子も黙る」ウェスタンサウンドの真髄と魅力をコラムをお借りして迫りたいと思います。


 ウェスタンと言えばスピーカー、真空管の300Bが巷では最高峰と言われていますが、オーディオシステムの中でスピーカーシステムは自分の個性が特に主張されます、高いスピーカーは良い、安いスピーカーは悪い、とは誰も断言は出来ません。自分の好みに合えばそのスピーカーこそが最良の友であり伴侶でもあります。

ウェスタンサウンドを考えるとそれ以前のサウンドは蓄音機のサウンドであり、かの有名なビクトローラ・クレデンザがウェスタンの原点ではなかろうか、実際クレデンザのホーン構造を見ますとウェスタンの12A、15A、のカールホーンに良く似た構造をしています。(蓄音機の音等は良い音ではない)と思われがちですが、本当に良い音とは電気臭くない音ではないだろうか、生の音を良く聴きますと電気の音はしません、(エレキギター、シンセサイザーは別物)

生の音こそ自然な音です。音はすべてに生が基準になります。

 クレデンザのサウンドボックスを外してウェスタンの555ドライバーを実装して試聴した経験から不思議とクレデンザの音に非常に近い音になります。その時の印象ではアコースティクな響で現代の音とはかけ離れた音に脅威を感じました、これこそ電気臭くない自然な音なのかも知れません。

 アルテック、JBLはウェスタンから分かれた会社ですが、ウェスタンサウンドを聴きますと両者ともあきらかに音の違いが認められます。永い間アルテックやJBLでオーディオを楽しんでこられた方は最終的にはウェスタンに(はまる)方が沢山お見えでそれだけの魅力があるのがウェスタンかも、

過去のビンテージスピーカーでアルテック、JBLに限らずタンノイ、グッドマン、ヴァイタボックス、などの初期型のスピーカーはウェスタンの音色と音作りに一脈通じる気がします。皆さんもタンノイのスピーカーをお持ちの方が沢山お見えですがこのスピーカーも原点はウェスタンになります。タンノイでもモニターシルバー実装のオートグラフを私の友人宅で聴きますとウェスタンの香りが漂ってきます。このように書きますとウェスタンこそがオーディオの源流かも知れません。

写真の左側がウェスタンのスピーカーシステムになります。右側のホーン付きのドライバーがかの有名な555Wです。このドライバーは励磁型と呼ばれています。ホーンは12A,15Aとは違うストレートホーンの25Aです。

555Wのドライバーユニットのアップ写真でウェスタンエレクトリックとシールが貼ってあります。右側のスロートは15個の口がありこの部分へアタッチメントを取り付けて555Wドライバーを実装します。

ウェスタンとの比較試聴に使用しました我がサンバレーのSV−91B(C−TYPE)とマランツ#7、Model2です。SV−91Bアンプはサンバレー主催のペンションウィンズで行なわれたアンプ持ち寄りの会に持参したものです。

右側の写真は新藤ラボラトリー製の特注のネットワークでコンデンサーはすべてウェスタンを使用している。

使用アンプは WestrexのRA−1574

RA−1574アンプは遥か昔の映画が全盛の時代のアンプである

パワーアンプの内部写真です。使用している球は807パラプッシュで出力は150W×2の300Wの大出力アンプです。頭にRAが付くのがレコーディング用でTAが付く場合はシアター用になります。このアンプの価格はモノラール2台で¥250万以上もするそうです。アンプ内部の使用トランスは不明ですがアンプのカップリングコンデンサーは私の大好きなスプラーグのブラックビューティータイプのカラーコードの入ったバンブルビーコンデンサーが使われています。

RA−1574アンプの正面よりの写真でメーターが付いているのがパワーアンプで下側が電源装置になります。

写真の右側がウェスタンの25Aマルチセラーホーンです。材質は鉄かダイキャストで出来ていると思います。ホーンの長さは約1mでこのスピーカーが劇場で使用されていたと思うと凄い

低音はウェスタンのTA−4181ウーファでサイズは46cmの巨大スピーカーです。クロスオーバーは500Hzで使用しています。右側の写真はこのシステムの所有者でM月氏です。これを見ますとウェスタン25Aのホーンの巨大さが理解できると思います。スピーカーボックスは米松合板の特注ボックスを使用、TA−4181と555WのタンガーバルブはSPボックス内に収容されています。

今回の試聴用CDプレーヤーはLINのNMIMIKを使用して試聴しました。

 システムのラインナップ

CDP LINN MIMIK
D/A サンバレーModel2
プリアンプ マランツ#7
メインアンプ サンバレーSV−91B(C)

http://www.kit-ya.jp/product_info.php?cPath=86_87&products_id=667



試聴CD   アールヒーブ コジェーナのヘンデルの歌曲

すべての接続が完了して早速の音出しになった、チェロの独奏が鳴り出した瞬間、素晴らしいの一言です。チェロの胴鳴りと弦をこする震えが聞こえる大変心地よい響きでコジェーナの歌声がしびれるぐらい魅力的です。音のバランスはピラミッドバランスになって押しの強いしかも奥行き感を伴った音である。試聴に立ち会ったN氏もただ唸るばかりだ、

このSV−91Bでウェスタンを鳴らすと今までの違う顔が見えてくる、例えを言えば水を得た魚のように生き生きと音楽が迫ってくる。私も今まで沢山のウェスタンを聴かせて頂いたがこの音こそ紛れも無いウェスタンの音で私が聴いた限りでは自他ともに認める日本でもトップクラスの音だ、

 持ち主のM月氏も言葉が出ないぐらいだ、M月氏いわく

「この音は木の香りがする電気臭くない音だ」

と絶賛している。木の香り?音をお風呂で言うならポリのユニットバスとヒノキ風呂を例えにした違いなのか、

 確かにこのサウンドは枯れた音であるが、この音色はアルテックやJBLとは違う味のある独特な音を持っている、間髪を入れずに友人のN氏が

「このウェスタン555Wの音はY下氏のグッドマンの3Wayと非常によく似た音ではないか、グッドマンはもう少しスケールダウンした感じだ、」

確かに目を閉じてウェスタンスピーカーをじっくりと試聴していくとこの音は私の愛用しているグッドマンの3Wayと非常に良く似た音色になっている、イギリスのグッドマンはどちらかと言うと薄曇的な多少暗い音になるがウェスタンは多少明るい開放的な浸透力のある感じがした、そう思うとウェスタンのスピーカーが無くてもグッドマンのスピーカーで十分である。

グッドマンと言えばAXIOM−80,AXIOM−301が巷では有名であるが、私の使用しているホーンタイプのグッドマンは多少音の抜けや音色がAXIOMタイプとは異なる。 この点をM月氏に問いただすと

「グッドマンこそウェスタンサウンドに近い、ウェスタンのツィーターは594よりグッドマンのトレバックス100の方のが相性がある」

と指摘していた、ウェスタンのレベルを上げて行くとグッドマンと変わらない音になるのか、グッドマンのレベルを上げて行くとウェスタンサウンドになるのか、グッドマンはウェスタンを意識した音作りのように思える。M月氏はこのウェスタンスピーカーとは別に名古屋の日劇で使用されていたグッドマンのスピーカーを持っている。将来このウェスタンをすべて売却して最後はグッドマンで聴きたいと洩らしていたのが印象に残った、

私が想像していたウェスタンサウンドはもう少しアコースティクな音を期待していたが現実は多少違っていた、しかしこのサウンドこそ紛れも無いシアターサウンドで俗に言うコマーシャル的なサウンドだ、こんな雄大な素晴らしいサウンドならもっと広い部屋で鳴らせば恐らく感動ものであろう、しかし現実的に日本の家屋では無理だと思う、


 いよいよ我がサンバレーのSV−91BとRA−1574との鳴き比べになった、

 早速Westrex RA−1574を接続、プリアンプはマランツ#7を使用、果たしてどのように音が変化するのか三人とも固唾を呑んで見守った、CDは先程試聴したコジェーナのヘンデルの歌曲集である。CDをトラック4にしてボリュームを同じレベルに合わせた、

 先程のチェロの独奏から音出しでコジェーナの歌声が流れた瞬間、さすがにWestrexは違うと言いたいが残念ながら微妙な音の変化しかつかめない、多少高域がナローな音であるがSV−91Bとは差がでないがRA−1574は出力管がUY−807にもかかわらずWE−300Bと遜色のない音で鳴るのは立派としか言いようがない、ただWestrexの方のがシアターサウンドらしい音の出音だけれども緻密さはSV−91Bのが良い、これにはN氏、M月氏も同感であった、一番的確な違いを言うならRA−1574とSV−91Bとは音作りの方向性が若干ではあるが違うのが感じられる、その違いとはRA−1574は倍音の量が少なく感じるがSV−91Bのが倍音の量が多く感じる、その差ぐらいで音の広がり、ホールトーンの効いた奥行き感は変わらない、

管球王国などやオーディオ雑誌でのウェスタン試聴記の記事などを読むとウェスタンサウンドは別格の存在に見られるが、私個人としては別格な存在とは思えない、ウェスタンのスピーカーシステムを鳴らすにはSV−91Bでも十分過ぎる位、素晴らしいサウンドを聴かせてくれるのがわかり大変勉強になった一日であった、


世のウェスタン所有者はとかく王様になるタイプが多い、

「俺の装置はウェスタンだ、下々のマニアとは違う、」

と見下げた感覚で簡単には聴かせてくれないウェスタンマニアが多い、このようなマニアこそ私に言わせれば「猫に小判、豚に真珠」と言いたい、

ウェスタンマニアになるとケーブルからパーツ迄何でもウェスタンでないと気にいらない、(これは一種の病気としか思えない)このようなマニアこそ良い音を出す術を知らない、また音さえわからないから音作りは他人まかせ、ウェスタンだから良い音が出るだろうと思ったら考えが甘い!、

確かに上手く鳴らせば素晴らしい音になるのだろうが、本当に良い音で鳴らされているウェスタンマニアは極少数だと思う、これだけの大がかりなシステムになれば至難のワザだと感じる、私はウェスタンサウンドが最高の音とは思っていない、ウェスタンの10分の1いや20分の1の費用でウェスタンと同等の音は出るはず、それがオーディオの面白さだ!  

今回は高価なケーブルなど一切使用せずホームセンターで売られているケーブル類での試聴だがそれで十分である、世にある高価なゴムホースのようなケーブルで音が良くなるのなら誰も苦労はいらない、そんな所に投資するならもう一台アンプを買うか好きな音源を集めたほうのが利口である。

 M月氏は沢山のウェスタンのアンプをとっかえひっかえして使ってきた豊富な経験の持ち主である、苦労に苦労を重ねて最後はこのシステムこそ自分が求める音であると強い眼差しがヒシヒシと伝わってくる、彼にとってはこの音こそオーディオの桃源郷もしくは極楽浄土なのかも、

http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-006.html

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6) 湯布院のAさん宅


湯布院町の高台にある老舗旅館「山のホテル夢想園」の総支配人A氏は日本でも有数のオーディオ愛好家。私にネットワークのイロハを教えていただいたのもA氏だが、とにかくご熱心でスピーカー、アンプの研究には言うに及ばず東奔西走されて様々な愛好家の音を実際に試聴され豊富な場数を踏まれて聴覚を磨き上げられているのが通常の愛好家に見られない大きな強みである。

そのご自宅の音は「推して知るべし」、私も少なくとも年に2〜3回はお伺いして自分の耳を洗い直す契機にしているが、先日訪問する機会があったのでその超ど級システムを紹介しよう。

≪システムの概要≫

CDトランスポート・DAコンバーター → アキュフェーズ

プリアンプ → 西部音響の特注品

パワーアンプ → WE300B菅球アンプ特注品

スピーカー

低域 → エルタスTA−4181+自作の低音用ショート・ホーン
中域 → WE−555ドライバー+17Aホーン
高域 → カンノ597ツィーター


いまや伝説の域に達したウェスタンの555ドライバーと巨大な17Aホーンの組み合わせは通常のオーディオという概念の枠内では表現できない音質である。1930年代当時のアメリカの巨大な映画館で使用されることを念頭に置いたこのシステムは人間の声をことのほかリアルに響かせピアノが目の前で演奏されているような錯覚に陥らせる。オーディオ愛好家であれば一度は聴いておくべき音だろう。

トランスの専門家が作った特注のWE300Bのパワーアンプ(モノ×2台)はありきたりのアンプではない。特別に電源部を強化し別固体としたアンプは独自のトランス(オールパーマロイで木材で包装)の仕様とあいまって底知れない力強さを秘めている。この音を聴くとアンプの本質は出力ではなくて電源部だと改めて目を覚まされる。また、音質を決める重要なポイントとしてスピーカーに近接するネットワークも独自のトランスを使用するなどことのほか重視されている。因みに、アンプとネットワーク込みのお値段はクラウン1台分とのこと!

http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/b12123ef5c3f602ee57fae2fe09cd74d/?cid=efca4d25974b323a3217e344a4edabfa&st=1

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{ 仄 }} 八 仄} `辷ン八うY } :|  八  、   \ ヽ.!   レ-、ヽヽ ∧
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、Y/ ,.二、`Y_ノ-=彡'´`ー'´^ミ!、  i :ト、\x<_\ |:| i :!} } !| | :|:レ'
ノ( { 仄 }}八 《《 _,. -=≠  ,.ィ=ミ茫N  `´ィ芹rt刈:! | !'´ 爪 !ハト!
⌒ヽ 辷ン{ } }}}´_,.ィ伝ミヾ {以刈ゞヽ   `¨´ | | | 「´i | N:|
Y 二 ヽ 人ノノノハ ゞ┴'   、` }   }         ! ! !八 |从八
{ 仄} }} ノミ辷彡'}      ,. '  从 ヽ'_       !:/:/レ人< ヽ
弋辷ン乂}{ミ辷彡'}    _,. - /辷`ヽ  `    //://  ̄`ヽ
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4.  ウエスタン伝説


2001年4月10日放送のテレビ東京『開運!なんでも鑑定団』春のスペシャルに、松竹の録音技師だった佐々木秀孝の遺品の数々が登場。佐々木は趣味と仕事を両立させたオーディオ・マニアで、京都の未亡人宅の床が抜けそうなほどの膨大なコレクションは素人目には粗大ゴミの山としか映らないが、処分する前に一度、鑑定してもらいたいとのことでスタジオに運び込まれたのだ。

これが実は、若いオーディオ・マニアの面々がヨダレを垂らさんばかりの逸品、珍品ぞろいで、粗大ゴミどころか宝の山と判明。WEの巨大な劇場用スピーカーとアンプ一式で時価1500万円。その他、スペアの真空管や各社のマイクなど、総額7200万円という鑑定結果に未亡人も驚愕していた。

http://channel.slowtrain.org/movie/column-isan/isan_bn/isan0705.html


過去の遺物とも言える「真空管」が何故か価格が上昇しているらしい。 

オーディオマニアの間でも真空管アンプは人気で、真空管アンプの名器とされる「300B」を買い求める客が増えて、価格が高騰しているらしい。 

初期の生産品だと、2本1組で20万円〜40万円もの値段がついているとのことです。


300Bを買い取った富豪!?〜

今でも、お客様からお尋ねの多い300Bの動向。

中でもウエスタン300Bが高値で取引されているのは周知の事実。そんな入手困難な300Bならいっそ版権は勿論、人まで買収して300Bを手にしたいと画策した人がいるとか...............

http://www.pdma.jp/archives/51215952.html


           / 乃了   `ヽ  ヽ∨∧ヽ \`、
              //_/7 ′     ハ `、〈〈_ノ ノ   ヽヽ
       r,ニY/」 ′〃   , ' l| ト、 l l ̄l「`、   | ハ
       __〉イ〃 ,  /, l   / ,イ!} |リ 八 ヽ |ハ
       〈 rク// ,′ ,'/l‖ ,' /厶‐十ナ/}小、ヽ ∨/  、
    , -ァ7イ {  l   |l ハ ト、 { l /ィ乏f千ァ l |ヽ}_ノ   、、 `、
  // 〃l ハ  、 レイ下丶、j′'ヾ゙ジ  // rヘ川 U ヽ ヽ
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{_/    ヾ \/ ヽ\ヾ`ー'′       { !  仆//  ,′ | ヽ  ヽ
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      , -‐'´/ハ 、 { |lヽ、      ∠ニ-V リ / /  ∨
  ,.|ヽ .ヽヽ、ヽ| ,'  ,..-,, `ヽ''-''-'、 __ヾ  ,,. -‐ V"´ __ `ヽ、_ ,
r''".| ヽヽ _,.´,, ',´´        `ヽ、'   ,.. - ''"´   ``ヽ 、`ヽ、ィ
|  ,|  川ヽ、/ /ト-;:::、        u丶 '´         .....ヽ、 i  /l
| ハ  |! j/ ./::`:::::、                        .:::r::、::.ヽ レ'  |
   ヽヽヽ .、 i   : : : : : : : : : : : : u: :/   、: 。: : . . .  . : : : : : ': : : :|    k   
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(無線と実験 1982年7月号 HiFi の原点!! ウエスタン・エレクトリックより)
ウエスタンスピーカーの謎を解明! 対談:八島 誠 ★ 木下正三


♪ ウエスタン伝説といいますか、スピーカーにしても何かしら謎めいた部分があるわけですが、このことに関し、どのようにお考えですか。


八島 我々のような戦前派は劇場で音を聞いたわけですよね。この音が、自宅の高級システムとは桁外れの良い音がしていたわけですよね。それで当時のマニアはウエスタン、ウエスタンと大騒ぎをしていたわけですが、製品を見せることもしなければ、売る事もしない。ただ我々は劇場のカーテンの裏から出てくる音だけで想像するより他になかったわけですよね。パーツも売ることもしなかったわけですから、故障してもわるい部分は返却しなければならない。ということで現物を見た人はまずいませんでした。こういう事から伝説めいたものが出てきたのではないかと思います。


木下 当時から、そのような神話めいたものがあったのですか。


八島 そうです。音はすれども姿は見えぬ、といいますか、物を見ることが出来なかったんですよね。 ですから調べようもないし、配線図もない、ある限られた人しか物を見ることが出来なかったんですね。ですから劇場であるシステムを入れたとしますね、そうするとマニュアルが一冊ついてくるんですが、そこには使い方しか書いてないんですよね。いわゆるトラブルチャートみたいなものは付いてこないんですよね。

しかも内部に手を入れると罰金を取られるんです。その代わり何時でも完璧な状態でいられるように、リース時の条件の一つとして保障しているんですね。逆に音が鳴っている最中に機械がストップしてしまったという時には何時間か以内に元に戻らない時にはウエスタンがペナルティーを払うということになっていました。それだけクオリティーの維持には気を使っていたんですね。これらのことからウエスタンの伝説めいたものが生まれたのだと思います。ウエスタンの幻の代表としては、597というトゥイーターがあるんですが・・・・・・・。


木下 これはいわゆるボストウィックと呼ばれているものですね。


八島 そうです。これはいわゆる設計者の名前ですね。ウエスタンのシステムがだんだんワイドレンジになってきまして、当時は30Hzから10000Hz迄をワイドレンジと言っていたのですが、555ではどんなに上手に組み合わせても10000Hz迄再生は出来ませんでした。そこで597を付けて3Way化を促進したのですが、当時597の値段が相当高く、ウエスタンとしては597を付けるだけの予算のない時には、救済処置として555の振動板に沿って1mm程の隙間をあけて蓋をし、背圧を高め、これにより高域を延ばすことを考えだしました。これによりかなりワイドレンジ化が可能となったのです。

 また597を付けても当時の人たちにはチリチリッといった雑音のようにしか聞こえず、超高域アレルギーといいますか、いわゆる良い音としては認められなかったわけです。そういうこともあり、せっかく取り付けても全て取り外してアメリカへもっていってしまいました。そこで幻のスピーカーと呼ばれるようになったのです。


木下 これは日本だけのことですか。


八島 そうです。日本だけのことなんですが、要するに絶対数が少ないということです。アメリカでは幻とは呼ばれていませんでした。日本だけの呼ばれ方ですね。

我々がウエスタン・スピーカーに興味を持っているのは戦前モデルですね。戦前のモデルといいますと、まず100%フィールドタイプです。ウエスタンとしてはパーマネントモデルには相当抵抗があったと思います。どういうところに抵抗があったかと言いますと、ウエスタン製品は全てリースであるということ、それで初期特性を出来るだけ長く保たせようとすると、世の中のパーマネント型スピーカーでは不可能なんですね。ウエスタンの技術者も私にいってたんですが、世の中にパーマネントがマグレットというものは無いよというわけですね。ギャップの中に交流を流しますと、だんだんと磁力が弱くなっていくんですね。 ですから当時から優れたパーマネント型スピーカーがあったにもかかわらず、ウエスタンとしてはフィールド型にしたというわけです。

スピーカーの規格といいましてもフィールドがどういう規格になっているか、また電源がついているかどうか、またどのような物であるか等というものしかなく、我々が欲しい許容入力は何Wとか、能率は何dbあるのかといった規格は、戦前のモデルにはこの種の規格の発表は一切無いんです。

ということはウエスタンのスピーカーが使われる目的というのはシステムの一部としてみているからなのです。スピーカー単体を売るのではないんですから、データーを発表する必要はないというわけです。

戦後モデルといいますと、1945年からのモデルですが、その後FM局向けにスピーカーをたくさん作って売ってたんです。この時に始めて周波数特性とか許容入力等、今日のデータに見られるのと同じ様な規格を発表したんです。ただしスピーカーの能率の関してはウエスタンは30フィートの距離で測定しているんです。この時の能率が100dですから、いかに高能率かがわかると思います。


木下 30フィートで100dbですか。


八島 明らかに、そういうデータを発表しているわけです。ただ私達が今、問題にしているのは戦前型モデルでして、このシリーズに関しては先ほど言いましたようにリースが目的ですからデータを発表する必要か無いんです。そういう意味でデータは無いんですが、0.25W の出力で朗朗とスピーカーが鳴るということは、いかに能率が高いかがよくわかっていただけたかと思います。ところで実際に測定していただいて594の能率はどの位ありましたか。


木下 1m/Wに換算しますと、110db位だと思いましたが・・・・・・。


八島 そうですか。そういうデータが出れば、それを信用せざるを得ませんが、実際には聴感状の能率はもっと良いはずです。こういう言い方をしますと、本誌には相応しくない発言になってしまいますが、先ほど、聞いてもらいましたように、0.25W出力のアンプで、何故あれだけ鳴るのか不思議なんですよね。ウエスタンスピーカーのデータに関して私は世界で一番持っていますが、戦前のスピーカーの詳しいデータは一切無いですね。私自身も一番興味あるデータなんで、あらゆるものを探したんですが、無いですね。


木下 ウエスタンエレクトリックが当時果たした功績にはどんなものがあったのでしょうか。


八島 大正3年といいますから、1914年ですね。この年にベル研究所が電話、中継器等の附対設備、増幅器等を受けもつ処としてウエスタンエレクトリックがあったわけです。ウエスタンエレクトリックの母体がベル研だったわけです。いわゆるこの年頃からウエスタンの役割がはっきりしてきたのです。

 オーディオのほかに高周波関係にも業務を拡げていきました。この頃、機械式吹き込みのレコードを再生して、大勢の人に聞かせるシステムは無かったわけです。この頃の蓄音機というものは個人を対象とした物しか無かったわけですね。ですから大勢の人に聞かせるためには音を大きくしなければならないわけです。そこでウエスタンとしてはどうしたかというと、蓄音機から出る音をマイクロフォンで拾って、おそらく0.5W位の出力のアンプと高能率ドライバーと巨大なホーンに取り付けて聞かせたのが、いわゆるファブリック・アドレス(PA)の始まりではないかと思うんです。これが1924年頃のことです。

その後トーキーの吹き込みと再生を手がけるのですが、この時、新たなセクションとして作ったのがエレクトロリサーチ(ERPI)なんです。このエレクトロリサーチが機械を作り、商品化したのがウエスタンエレクトリックなんです。この当時どんなに生産しても需要に追いつかず日夜フル生産していたんです。この頃大反響を起こしたのが有名な“ジャズシンガー”なんですね。

その後、アメリカは経済大恐慌になり、さしものウエスタンもこの影響をもろにかぶるのですが、その時17000人ぐらいの社員を今の言葉でいうレイオフしたわけです。それでそれらの人達から職を無くすわけにはいかないので、家庭用の家具を作ったり、用品を作ったりしていましたね。私の知っている物ではストーブ(オーブン)もありました。ミシンも作れば、フライパンまでも作っていました。しかし、このような状況時でもエレクトロリサーチはフル操業だったといわれています。一般には余り知られていないのですが、ウエスタンがフライパンを作っていたのは、後にも先にもこの時だけです。

木下 短期間だけだったんですか。


八島 そうです。ほんとの短期間だけでした。社員を首にしないためにですね。この頃は毎年ウエスタンの大きな収入源であった電話機の売り上げが大きく落ち込んではいたのですが、なんとか不況を乗り越えたんですが、ここで感心するのはウエスタンの製品は絶対に売らなかったわけですね。

 全てリースでした。このリースであるというのがウエスタンの大きなポリシーで、売り物は作らない、と徹底していました。

ただしウエスタン製品を借りる時の料金は相当高かったらしいですね。 それにもかかわらずハリウッドは全てトーキーシステムに成りましたよね。それだけノウハウを持っているという事だと思います。


 『555と555Wの違いについて』


木下 555と555Wはどのように違うんですか。


八島 1929年にノースカロライナ州に工場を移したんですが、同じ人間が同じ型を使って作ったのが 555でしてイリノイ州で作った物が555Wとなっています。


木下 そうしますとWの付いている物のほうが古い製品ということになりますね。


八島 そうです。ウエスタンの発表によると555も555Wも全く同じであるといっています。これはですね、真空管でも同じことが言えまして300Bと300Aとの関係ですが、これも全く同じ物でして、300Aが作られたのが古いだけであって、300Bとの違いはありません。


木下 555を分解してみますと振動板はごく普通のアルミのように見えたんですが、資料では材料名について何か書いてあるのでしょうか。


八島 資料によりますとジュラルミンの振動板となっています。


木下 594ですと振動板の色が全く違いますが、こちらの材質は何ですか。


八島 これもジュラルミンです。ただジュラルミンといってもピンからキリまでありますし、加工方法にもノウハウがありますから、ウエスタンならではの仕上がりになっています。見た目も美しいですよね。

 特にサビが出てないのには感心しますね。ただ555は物によってはサビが出るのもあります。何故か。


木下 私が見た限りでは594のダイアフラムにはアルマイト処理がしてあるように見えたのですが、いかがでしょう。


八島 ウエスタンはこれに関して一切発表していません。

 『エッジワイズ巻きボイスコイルの元祖はウエスタン』

木下 ボイスコイルを見て驚いたのですが、現代の最高級ドライバー等に使われているコイルの材質、形状が当時すでにあったというのには少なからずびっくりしました。アルミ線でエッジワイズ巻きになっているんですがアルミ線の絶縁皮膜はアルマイトなんでしょうか。それともエナメル系のものなんですか。


八島 さあっー。絶縁皮膜についてはよくわかりませんが、ウエスタンはよくエナメルは使っていますがコイルについてはわかりません。


木下 エッジワイズ巻きというのはJ.B.ランシングが始めて開発したと伝えられていますが・・・・・。


八島 ウエスタンが最初です。


木下 ウエスタンの誰が開発したかということはご存知ですか。


八島 いやっー。名前まではわかりませんね。

 『555ドライバーについて』


八島 日本だけに限らずアメリカでも555もどきのスピーカーが沢山出てきましたが、まず何処から模倣するかというと、外形をそっくりに作りますね。しかし材質のクオリティーが全く違うんです。

 ウエスタンの資料にはただキャストアイアンとしか書いてないのですが、キャストアイアンでは一番よい物は純鉄に近いものですよね。この純度の高い物を使っているというのがウエスタンの良さなんですね。ちなみに他メーカーではこの純鉄の段階で皆つまずいています。

 高度な純鉄を作るには難しいのです。


木下 一部にはパーメンジュールを使っていると、よく聞くんですが、たまたまバート・ロカンシーに直接聞いた話では、アイアンだと言っていました。日本ではパーメンジュールだと思っている人が多いのですが。


八島 なにを根拠にパーメンジュールと言うのか、私には良くわかりませんが、ここいらからも幻や伝説めいたものが生まれてくるのかも知れません。いくら研究しても同じ鉄が作れないので、パーメンジュールだと思ったりするんでしょうね。


 『ウエスタンの特性について』


木下 ウエスタンを測定してみてインピーダンスカーブがフラットに出てきたんです。ちょっと信じられないんです。


八島 そうですか。公称16Ωです。


木下 直流抵抗を測ってみても15Ω近いですね。大きな値と言えます。普通の16オームのホーン形スピーカーの直流抵抗はだいたい10Ω前後なんです。ここら辺にも秘密がありそうですね。私自身の経験として現在TADブランドのプロ用スピーカーを何種類か作っているのですが、これを開発する時に1934年のウエスタンの文献をいくつか読ませてもらったのですが、当時の理論を現時点に当てはめてもまったく過不足ないもので、これに現在の素材技術と加工技術をドッキングさせれば、セオリーは同じでも現代最高のものが作れると思うんです。


八島 そうです。そのとうりだと思います。私はね、現在の技術を持ってすれば最高のものが出来ると思っていますし、出来ない方が不思議だとさえ思っています。

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm

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5. ウェスタンエレクトリックのトーキー・システム

岡俊雄著『フィルム・ミュージック』('88・教育社) によると、1924年に電信電話会社ATT(現AT&T)の子会社のウェスタン・エレクトリック(WE)がディスク式電気録音・再生システムを完成。倒産寸前のワーナーはWEのディスク式トーキーに社運を賭け、音楽と効果音入りのサウンド版映画を製作。続いて『ジャズ・シンガー』が世界初のパート・トーキー劇映画として成功を収め、翌年、同じくアル・ジョルスン主演『シンギング・フール』('28)も記録的な大ヒット。その記録は『風と共に去りぬ』('39)まで破られなかった。

 ディスク式トーキーのディスクとは、なんのことはない、撮影機や映写機と同期回転させるレコードなのだ。この方式には大きな欠陥があった。録音時間が短い。フィルムやテープのように容易に編集できない。再生用のレコードがすぐにすり切れる。レコードの針を落とす位置にはスタートマークがあるが、フィルムが切れたりすると同期が狂って画面と音声がずれてしまう。

 1926年、フォックス社はシオドア・ケースのフィルム式(光学式)録音システムの特許を買い取り、さらにWEに技術協力を求め、1927年4月30日、ムービートーンと名付けたフィルム式トーキーのニュース映画を公開。こちらのほうが映画技術史の上では『ジャズ・シンガー』よりも画期的な出来事だった。

 メジャー各社もフォックス=WEのムービートーンを採用。後発のRCAはメジャー以外の映画会社に自社のフィルム式トーキーを売り込んだ。ワーナーも1931年ごろにはディスク式からフィルム式に変換。こうしてWEとRCAがアメリカのトーキー映画市場を独占した。

 フィルム式トーキーのサウンドトラックには、WEの可変濃淡型(上映用フィルムの端にバーコードのような縞模様を記録)とRCAの可変面積型(心電図のようなギザギザ模様を記録)がある。そのシマシマやギザギザに映写機の光が当たり、光の強弱を光電管が電流に変換して(録音はその逆の方法で、録音専用フィルムに音声だけを記録する)アンプで増幅する過程は同じなので、2つの方式には互換性があった。映写機を選ばないことがトーキー普及を早めた。1929年、WEは日本進出を計画。トーキーで他社に遅れをとった日活が提携を申し出て、1933年に第1作を製作。こうしてWEの録音・再生システムが日本映画界にもたらされた。

一方、WEよりも低コストの国産トーキーの研究を各社が続けた末、松竹が土橋式トーキーを完成。その日本初の本格的オール・トーキー映画『マダムと女房』(1931)の録音機を自作した松竹の録音技師・土橋武夫のインタビューが『聞き書 キネマの青春』(1988・リブロポート) に収録されている。彼は土橋式トーキーの研究中に、ぜひさわってみたいものだと思っていたWEの優秀なフィルム式トーキー録音機(当初、WEは機密保持のために厳重な監視を付けて日本の映画会社に貸与していた)を、いつどこで入手したのか、自宅の研究室に今も保存していると語っているのには驚いた。こんな物持ちのいい人はいないだろうと思っていたら、上には上がいた。

http://channel.slowtrain.org/movie/column-isan/isan_bn/isan0705.html

トーキー・システムの始まり


 1925年にワーナー社とW.E.の共同出資によって、サミュエル・ワーナーを社長とするヴァイタフォン社が発足する。その商標、ヴァイタフォンによる初めての映画として、翌年8月にニューヨーク・フィルハーモニックの音楽をフィーチャーした『ドン・ファン』が封切られる。 ハリウッドにおけるトーキー映画の製作プランがただちにスタートして、そのための防音設備のあるスタジオが音響学のエキスパートの知識を集めて建てられた。 アル・ジョンソン主演のトーキー映画『ジャズ・シンガー』の撮影は1927年の4月にスタートし、同年10月にニューヨークで封切られる。この映画の成功があまりにセンセーショナルだったので、もはやすべての映画製作者たちは、トーキー映画の定着を信じないわけにはいかなくなっていた。

 この、『ジャズ・シンガー』のトーキー再生につかわれた『ヴァイタフォン・システム」は、録音された音の情報が直径16インチ、33.33r.p.m.のディスクに刻まれている。このディスクを、フィルム・プロ ジェクターのモーターとギアで結んでシンクロナイズさせたターンテーブルの上で回す。 ディスクに 刻まれた音を拾いだすのは『4-A』リプロデューサーだ。

アンプは『8-A』と『9-A』または『10ーA』、後に『41-A』と『42-A』『43-A』が用いられて、スピーカーは『555』レシーヴァー に『12-A』と『13ーA』ホーンをそれぞれ数台組み合わせたものだった。 

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ウエスタン 対 RCA  


映画は人々の娯楽の主流だった時代、映画産業とその設備装置には最先端の技術が投入された。ベル研究所で開発され、ウエスタン・エレクトリックで製造されたシステムはその王者の地位に君臨したが、これに果敢に挑戦するものも現れた。そのひとつに名門RCAがある。

ウエスタン・エレクトリックは、フレッチャー・システムのノウハウを投入した594Aドライバーを使用したシステムを旗艦としていたが、これに対抗すべくRCAは、フェノリック振動版を用いたMI-1443ドライバーを開発し594Aに挑んだ。RCAはMI-1443フィールド・ドライバーとペア組みするために、MI-1444ウーファーも開発し敢然とウエスタン・エレクトリックの牙城に挑んだ。


  先端技術の特許戦  


  ベル研究所はコンプレッション・ドライバーに関係する多くの基本特許を有していた。しかしながらコーン型のウーファーを作るための特許は、GE(General Electric)が押さえていたため、ウエスタン・エレクトリックではウーファーの供給は、JensenからOEMで受けていた。RCAは親会社GEの持つ特許をフルに利用できたためフィールド型のMI-1444型15インチ(38センチ)ウーファーを開発できた。そしてMI-1443型ドライバーと組み合わせたシステムを構築した。このシステムに使用されたのが下の劇場用のネットワークである。


 
超怒級RCA劇場用ネットワーク


  ネットワークは巨大な鉄製の箱に納められていっる。左側が高さ46センチ、幅38センチ、奥行21センチのネットワーク本体で、右側がMI-1443ドライバーのレベル調整用のインダクタ型のアッテネータである。重量はざっと25キロ以上はあり、やすやすとは持ち上がらない。ネットワークの回路は、実に興味深い構成で、今日では考えられないような回路だった。

下の写真は、この箱の中身であるが、部品は2種類4個だけである。左上と右下がキャパシタで、右上と左下が空芯コイルである。空芯コイルだけでも1個が4キロ以上、10mHという規格である。後ろに見える配線用のケーブルの太さは直径2センチ近くのものだ。ウエスタン・エレクトリックに対抗しようというRCAの気合が伝わってくる。  


   
  遠き先端技術の闘いのロマンへ

 
ウエスタンとRCAのシステムとしての戦いは、実際になき合わせ試聴会が行われ、音の良さとしてはRCAが勝ったという話を聞くことがある。もしこれが事実ならば、これはWEが594Aドライバーを持ちながらも、これとマッチンングできるウーファーを開発しなかったことによるウエスタンの不利と、MI-1443ドライバードライバーで劣勢のRCA は、自社で優秀なMI-1444ウーファーを開発し超怒級のネットワークとともにトータルなシステム性能で辛勝したのではないかと推測する。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/RCA_Network/RCA_Network.htm

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ウェスタン・エレクトリックのトーキー用機器詳細

1) レシーヴァー

@ Western Electric 551 Driver  

マグネチック方式最後のドライバー トーン・ポリシーは555に引き継がれている
ウエスタン・エレクトリックのマグネチック方式最後を飾る業務用のドライバーである。一般に3Aホーンをつけて使用される。そのためオリジナルの音を聴くためには、3Aホーンが必要となる。3Aホーンで聴いたときに初めて真価が発揮される、というか549W/551は、この時代の専用ホーン群を使用することを前提に設計されている。
551のトーンは、蓄音器のもつ絶妙のプレゼンスを彷彿させる。549Wも同じ音だが、551のほうがインピーダンスが高めで音量が大きく改良されている。日本には549Wの防水仕様がたくさん入っているが551は少ない。銘記と言われる蓄音器の音の世界に近いものがある。

この551以降ウエスタンのドライバーは、有名な555に引き継がれるが、555ドライバーの音はこの551のトーン・ポリシーを受け継いでいる。すなわち血脈の音である。


生、原音のプレゼンスを求めた蓄音器、

それを目指した551、

その血を受け継ぐ555ドライバー

と世代が変わってもその求めるところは変わらない。技術革新という意味では、この551と555の間には飛躍的なものがある。そして近代ハイファイの原点であり到達点となるの594Aドライバーに引き継がれる。

555と594Aの世界は全く異なるが、いずれもが到達点であり双璧である。蓄音器、551、555、594Aと聴いてみると人類の音楽芸術と音響技術の歴史的変遷と融合を理解できる。


 
  551 Driverの鳴らしかた  

  インピーダンスが非常に高いので、よく雑誌の試聴では、出力トランスを逆に接続して、一次側をこのドライバーに二次側の8オームをアンプ側につないでマッチングをとる記事が見受けられるが、これでは真価が発揮されない。出力トランスの一次側は、数キロオームに達しこのドライバーのインピーダンスとしては高すぎるし、さらに中間にトランスを入れるというのはまったくもって可哀相な話だ。
 
  551は、約500オームのインピーダンスとして扱い、真空管式の500オームの二次インピーダンスのトランスがついたアンプで鳴らさなければいけない。低い周波数をカットするために0.1u程度の品質のよいキャパシターを直列につないで使用する。魂に浸透するような音の世界が現出する。

マヘリア・ジャクソンやバッハのパルティータを深夜に静かに鳴らす。こうなると蓄音器に近い世界で、555も594Aもタジタジである。もうHMV203を持ち出すしかない。SPの復刻をこのドライバーで架けるとそこらの蓄音器ではとても追いつかないものがある。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/551/551.htm


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A Western Electric WE 555 Receiver


 『555-W』は1926年、本格的に始まったトーキー映画ヴァイタフォン)用に開発された、ウェスタン製 のレシーヴァー(スピーカーのことを同社では伝統的にレシーヴァーあるいはラウド・スピーキング・テレフォン=L.S.T.と呼ぶ)である。

形式的には世界初の業務用ムービングコイル型コンプレッション・ドライヴァーであり、12-Aホーンをスクリーン上部に、13-Aホーンを舞台下のオーケストラ・ボックス内に設置し、『555-W』と組み合わせただけで、数百人〜2千数人規模の客席を持つ劇場のすみずみまで、充分に音のサーヴィスすることができた。

ちなみに、そのころの同社のトーキー用アンプリファイアー(以下アンプ)は、主力であった8-A+9-Aで1.69W、ブースター・アンプの10-Aを付加しても19Wという驚くべき小出力であった。

『555-W』(当初、製造ははイリノイ州ホーソーン工場で行なわれていたが、Serial No.20.000盤台からノースキャロライナ州バーリントン工場に移管され、〔W〕のサフィクスを省略)は、従来のスピーカーの常識をことごとく打ち破る、革命的な製品として彗星のように登場した。軽量なアルミリボン線によるエッジワイズ巻きヴォイスコイル(90%以上が導体で占められる)の採用、正中断面がM字状にらる17STアルミ合金ダイアフラムには、同社のハリソンH.C.Harrisonの発明によるタンジェンシャル・エッジが採用され、大型ホーンとの組合せのフルレンジ使用による大振幅を可能にしている。さらにダイアフラム前方に近接して設けられたフェイズプラグも、特許の範囲に含まれる。業務用に求められる絶対的耐久性、高感度、広い周波数特性とダイナミックレンジ、加えて低比率を実現したこのユニットは、またたく間に世界を席巻する。 

 中略

 ホーンとの組合せによっては、帯域バランスや指向性、エネルギー感が微妙に変わるため、設置する部屋や好みの音楽に合せて選択できる愉しみがある。まず、最も著名で我が国のシアターでも多用された

15-Aホーン・システム(17-Aカーブド・ホーン〔3層の合板製〕+7-Aレシーヴァー・アタッチメント+『555』)

を一応の標準として、それぞれの大まかな傾向を比べてみることにする。

この15-A ホーン・システムの特徴は、フルレンジで用いた場合、開口部が大きい(52×52インチ〔132.1cm〕、カットオフ周波数57Hz)ためか、かなりの低域までフラットなレスポンスを持ち、しかも一般的なコーン型ウーファーにありがちな押しつけがましさが一切ない。SP盤が特にいいが、モノラールのLPぐらいまでは、いまもって超一流のサウンドが得られる。そしてホーンに近づいても離れても音量差をあまり感じないのは、開口部の波面が平行面に近くなっている証拠である。

 6-Aと11-Aは残念だが割愛する。12-A(カーブドホーン)は13-A(フォールデッドホーン)と同時開発の“ヴァイタフォン”最初期の傑作で、双方ともソリッドウッドを繋ぎ合わせた豪華版である。適当な内部損失と重量(12-Aは180ポンド〔81,5kg〕、13-Aは250ポンド〔113.3kg〕が功を奏して、クリアーで彫りの深い陰影に富んだ表情を得意とする。公表されているカヴァレッジ・アングルは水平30度、垂直40度だが、実際には開口部の平行面の反射があるためか、水平の指向性は意外に広い感じである。12-Aは電気吹込み方式のテスト時のモニターに多用されたのは当然だろう。13-Aのほうは音道が長く、2回の折り返しがあるせいで音が低域寄りになる。

 中略

 また後の“ミラフォニック・サウンドシステム”になってから使用された25-Aホーン(フラットフェイス、15セル・メタル・ストレート)は、2ウェイシステムで使用した時にひじょうに使いやすいホーンとして、忘れることはできない。

 中略

 大まかなところだけ述べると、まずバックチャンバを塞ぐ蓋だが、ワイヤークロスとブラス板の2種類がある。これは特に低域に関する差があり、伸びとダンピングの面ではクロスに軍配が上がる。

 中略

 フィールドコイル励磁電源のタイプによる音の差はかなり大きく、タンガーバルブは艶の乗った澄み切った音、セレン整流器は引き締まったデリケートな音、バッテリーは近代的な切れ込みの鋭い音、 といった傾向を示す。

『555』を現代に活かすには

 15-Aホーン・システムは、映画館の標準システムといっても過言ではないほど広く普及した。

 これを41-A+42-Aまたは46-Aアンプと組み合わせれば、往時の音をそのまま愉しむことができる。

 もし、このようなシステムが入手できたとしたら、ホーンを天井吊りにし、音軸をリスニング位置に合せて、まずはフルレンジで鳴らしてみることをお薦めする。音響製品に関するさまざまな悩みを一掃してしまう。説得力のあふれるサウンドに圧倒されるはずである。また、レシーバーを複数個使用も興味深い結果をもたらすことは確実で、これは17-Aホーン以外のホーンでも同様である。

 通常、高域のレンジが拡大し、静寂感が増してくる。

 より高度な使い方を追求し、現代のデジタル・ソースまでの適応を考慮するならば、同社の2ウェイ〜3ウェイ(ワイドレンジ・システム)への展開を図ったのと同様のテクニカル・スキルを、オリジナル通り踏襲するのがベストである。

それが1933年、バッフルに1〜6本の『TA-4151-A』(D.C.型は『TA-4153-A』を加えて低域を強化し、高域に「596-A』/『597-A』をプラスしたシステムである。 そして、ここにウェスタン・サウンドは一つのピークを迎えることになる。

 中略

 ウーファーは後面開放型キャビネットかプレーンバッフルに取り付けるのが、『555』とのつながりをスムースにする鉄則で、トゥイーターは1〜4μFのコンデンサーにより低域をカットして付加すればよい。 いずれにしても『555』になるべく広い帯域を受けもたせるのがコツで、ディヴァイディング・ネットワークもオリジナルを参考にいろいろ試してみたい。『555』でレコードを鳴らすと、演奏家の肌のぬくもりが一緒につたわってくるような感じがありありとする。そこには“音”だけではなく、“音楽” がある。 『555』は工業製品でありながら、工芸品の域にまで達した、たぐい希な存在である。


 このサインはウェスタンの発声装置を設けた劇場の入り口に誇らしげに掲げられていたものです。

 ウエスタンとしては珍しくTalking Pictures at theit Best!と書いてある、その自信の程を見せている。

 これは1933年に作られたもので当時のアンプリファイアーは41・42・43型、また12A・13A・14Aホーンと555Wが使われいました。なんと75年前のことです。  (2008年記)

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm


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Western Electric 555の修復のお話

  原点が到達点
 
1920年代から30年代に設計された、WE555と594Aが、今日に繋がるオーディオ・スピーカーの原点であろうことは、誰もが承知する事実である。しかし今日100年の時を経てして、おそらくはこのスピーカーを凌ぐものは現れていないと云っても過言ではないだろう。ベル研究所では、音響に関する基礎研究は、すべてやりつくされていたと伝えられるが、ウエスタン・エレクトリックのスピーカー群は、まさに到達点にあったのだ。歴史が下り、量産のための技術は、飛躍的に進化したが、究極の性能をそして音楽を追求し再現するという技術は、ウエスタン・エレクトリックの時代に頂点を極めた。おそらくは、フレッチャーシステムが歴史の上での頂点に位置するのだろう。

私は、Western Electric 555 Driverを使用している。これは、ビンテージであるが、同時に工業製品でもある。つまり設計図をもとに生産され、故障しても修理可能であり、不調のときは調整ができるということである。私は、オルトフォンやEMTのカートリッジを分解して、自分で調整したり、ダンパーの交換をしている。自分で使用するものだから、製造が終了したものは、自分で面倒をみなければ毎日使えない。私の555 Driver も入手したときは、難物であったが、メンテナンスし調整して見事に甦った。ここにその概要を紹介しよう。


 
  70余年の歳月で錆びた振動版

  当然のことながら、懐に余裕のあるはずもなく、入手したWE555は難物であった。音がどうもビリついて、歪むのである。そのうちドライバーを逆さまにして振ると、スロートから白い粉がぱらぱらと落ちてくる。一番外側の6本のネジを外してフェイズ・プラグを抜くと、なんと、アルミニウムの振動版が錆びて、酸化アルミニウムがへこんだ表面一面に付着している。反対側のボイスコイルのついているほうは問題ない。振動版の厚みは、0.002インチである。復旧に挑戦することにした。

  綿棒と、研磨材、マシンオイル、ベンゼン、容器その他を用意する。まずは、研磨材をマシンオイルに溶かし、粘度を下げて作業のし易い柔らかさに調合する。ただひたすら静かに、最低限の研磨圧力しか加わらないようにして、外周から内側へと綿棒を動かし研磨を行う。まずは、表面の酸化アルミニュウムを取り去らなければならない。第一段階の作業が終了したら、ベンゼンで研磨材とマシンオイルと酸化アルミニウムが混合した白い液状油を丁寧に溶かして取り去る。第二段階は、表面を鏡面になるまで、均一に研磨する。このときは、数ミクロンのアルミニウムが削りおとされるので、オイルは、やや黒ずんだ色になる。

  酸化アルミニウムが取り去られた状態だが、また振動版に数ミクロンではあるが、錆が食い込んだ跡が認められ、均一な金属光沢が得られていないので、さらに注意深く、均一に研磨を続ける。均一に研磨されれば、ゆがみのない光沢が得られる。5回程、研磨とベンゼン洗浄を繰り返し、均一に研磨されたかを確認しながら地道に作業を続ける。
 
  作業完了に近い状態の振動版の様子である。美しい光沢が甦りつつある。黄色いタグが見えるが、これはフェイズ・プラグ、振動版ユニットとヨークの最初の取り付け位置を忘れないようにするためのマークである。これによって振動板は、数十年の歳月を越えて甦ったのである。このあと振動版には塗膜処理をする.

  フィールド・コイル(磁気回路)のオーバーホール  

  ダイヤフラム・カバーを外したあとは、ボイス・コイルを挟む、円状のヨークのギャップを注視する。この部分に鉄粉などが付着していることがある。本来ヨークは、純鉄製のはずなので、磁化しないはずだが、わずかな不純物が混じっていたと思われ、それがフィールド・コイルで駆動され続けることにより、磁化がすすんだと思われる。このあとは、最外周の8本のボルトを外して、磁気回路をオーバーホールする。接点部分のネジやワッシャーは、数十年を経過しているから、錆が上がっている。先ほどの振動版の研磨と同様の方法で、錆を落す。内部には、鉄粉や埃などがあるので、清掃する。振動版に比べれば、はるかに楽な作業である。  


 
ボイス・コイル位置調整

最後は、最大の難関のひとつである。ボイス・コイルの位置調整である。ダイヤフラムを外すのは、十分に注意すれば、普通の人にでも出来ないことはない。しかしボイス・コイルを正確にギャップの適正位置にセットするのは、容易ではない。そのための位置ガイドがないのだ。また縦方向の位置(深さ)に関しては、ゴムのパッキンが間に挟まっているが、経年変化で硬度、厚みともに変わっているはずなので、そのままの状態で、ボルトを締めこむと、僅かながら、深い位置にセットされてしまうはずだ。何しろボイスのまき幅は、約3ミリ程度しかないので、ギャップとの深さ方向での位置の違いは、音に現れるはずだ。

  水平方向に関しては、ボイスコイルの真円度に誤差が大きいので、うまくセットしないとギャップとボイスコイルが擦ってしまう。固定するボルトの精度も高くないので、当然誤差が発生する。位置ガイドがないのがつらい。


  ハスキルに助けてもらう  

  実際に音を出しながら、位置調整をすることにした。使用するレコードは、クララ・ハスキルのピアノで、モーツアルトのピアノ・コンチェルト24番、K491である。この曲の録音は多いが、1960年11月15日にパリで録音したものである。指揮は、イーゴリ・マルケビッチ、コンセール・ラムルーのオケである。

  まずは、音が出る位置を水平方向で探す。ボイスがタッチしていると音が出ない。そのあとは、全曲を通して、音がびりつかないところを探す。最後は、抑揚感とオケのニュアンスで、ボイスの深さを含めて調整する。深さ方向には、パッキンのへたりのぶんを上の方に持ち上げる必要があるので、名刺を数枚、音を聴きながらはさんで調節する。

組みあがってからでも安心してはいけない。フィールド・コイルに電流を流すと2時間ほどの通電で、本体が温まってくる。こうなると、ヨークが熱膨張によって、わずかに位置がずれる。4時間以上の通電後、再び同様の調整を行う。555や594Aは、フィールドに電源が入ってから音がまとまってくるまでに数時間はかかる。私の場合は、フィールド・コイルは、24時間通電している。タンガーの人はそうはいかないと思うので、常時通電は、トランジスタの定電流回路で行っておき、聴くときだけタンガー電源に繋ぎ変えればよいだろう。

  ホーンと594Aの話は、また別の機会に書くことにしよう。実は、ウエスタンは、555迄の時代と、594A以降の時代で、世界が異なっている。555は、蓄音器からマグネチックを経た時代の集大成の作品であるのに対し、594Aは、新しい挑戦の時代の製品なのだ。594Aは、いわゆるハイファイの原点、開始点、そして実は到達点でもある。そう。到達点が555と594Aの二つあるのだ。どちらもがウエスタンの究極であるが、それぞれが時代の分水嶺になっている。そのようなわけで、ウエスタンを極めるためには、555だけ、594Aだけでは、すまされず、双方のシステムが必要となる。どちらが優れるということはない。歴史上の双璧がここに極まっているのだ。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we555_r1/we555_r1.htm


WE 555振動版 ダイヤフラム修理

  WE555振動板引き出し線の金属疲労
 
1920年代から30年代に設計製造された、WE555は、名器中の名器であるが、同時にベストセラーでもあった。約2万本が製造されたといわれている。しかしフルレンジでの使用がほとんどで、アンプの大出力化にともない、故障が増えていった。そのため何度も改善がされたが、振動版にも多くの種類がある。私の使用しているものは、中期のオリジナル振動板だが、やはり引き出し線が振幅による金属疲労で断線した。かなりの数の555の振動板の引き出し線は、同様の金属疲労によって断線しかかっているものがあると思うが、断線が近くなってくると音質に悪影響が及ぶので、そのようなときはハンダ付けし直したほうがよい。


  しなやかな銅線で、エッジが動きやすくする

  WE555Wのオリジナルの振動板の引き出し線は、斜めに細い銅線がダイヤフラムの溝に沿って引き出されており、エッジの動きを妨げることがないが、実に断線しやすくなる。断線したときは修理がやっかいになる。今回は、横引き出しの板状のリードに銅線をハンダ付けしたが、白いビニールテープの裏側は、純銅のより線のままにして、ダイヤフラムの動きをさまたげないようにした。

  このため、ターミナルのハウジング部分にリードの延長ハンダ付け部分があたるので、この部分をまずヤスリで研磨した。

  さらに小型のボール盤で、切削部の形状を整える。  

  作業完了の状態。
 
  オーバーホールと再くみ上げ

 

  3年ぶりくらいで分解したが、内部のギャップ部に細かい鉄粉が付着していた。また赤いサビが一部に発生していたので、これらとともにホコリも綺麗に清掃してオーバーホールした。元通りに組み上げて調整したが、以前、ソースによって時折感じられた音の濁りがキレイに解消した。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we555_r2/we555_R2.htm


WE 555 ダイヤフラムリード断線修理


私の使用しているWE555の一本が、時々音が途切れるようになりやがてまったく音が出なくなってしまった。デジタル・マルチメーターで測定すると、ボイスコイルはオープン状態であった。大パワーを加えたわけでもないので、ボイスコイルが断線したとは考えられない。さっそく分解して目視で検査したが、下の写真のようにどこも断線しているような気配はない。

  さらに注意深く検査すると、片側の平型引き出し線が、ボイスコイルボビンの中で断線していた。長期に渡って振動が続くことにより、金属疲労によって断線したものと思われる。これでは、ちょっと外見から見たところでは判断がつかないところだ。  
  さっそく、素材を調べてみたところ、りんせい銅の厚さ0.095ミリ、幅が1.90ミリのスペックであることが解ったので、下の写真のように、同一寸法、形状のものを無酸素銅板から切り出して作成した。

  破断した引き出し線をとりはずし、新規作成の引き出し線を注意深く、ボイスコイルのボビンに入れてやる。上のほうのエッジから、アルミのエッジワイズ線が、引き出し口のところに斜めに降りてきているのが解る。この場所で、引き出し線が、アルミのエッジワイズ線とカシメて接合させている。

  新しい引き出し線で接続が完了したところ。二時間ほどで完全に復元したが、一般の人が真似て作業すると必ずといっていいほど失敗するので、お勧めしない。本当に信頼できる腕のよい業者にたのんだほうがよい。簡単に見えるこれらの工程も分解してから、調査、修復法の研究、修復のための冶具の製作と作業準備に二ヶ月をかけている。周到に準備して集中して作業すれば、修理は短時間で終わる。たとえボイスコイルが断線しても修理は可能なので、こわした人はあきらめて捨てたりしてはいけない。これは文化遺産なのだ。
 
http://homepage3.nifty.com/western/audio/we555_r3/we555_R3.htm


ウエスタンのシステムをオリジナルの状態のコンビネーションで使用するというのは、ある意味で正解である。ウエスタンは、まさにその状態でバランスをとっている。

ウエスタンのスピーカーのリード線などを見ても、こんなところに細くて純度の低い銅線を何故使用するのだろうかと思うが、実はそれでもってバランスをとっている。6Nや7Nを使用すると破綻することがある。594Aのダイヤフラムのリード線も細い。オリジナルのWE755Aのリードも初期は細い。

アルテック以降の755Aでは、"良い"銅線が使用されている。バランスというものの本質が分かっていない後期の設計者が、抵抗値が低ければよい音になるだろうと思って、変えてしまったものかも知れない。いずれにしろ、ALTEC 755Aは、外見も仕様も全く同じだが、Western 755Aの音はしないのである。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/nazo2/nazo2.htm

555+24A+1444実験システム WE555を24Aホーンで鳴らしてみる話


ウエスタン・エレクトリックのシステムを構成する個々のコンポーネントを開発するために費やされているコストと時間は、尋常なものではない。しかも当時世界最高水準のベル研究所のスタッフがこれに従事していた訳だからなおさらである。人材、資金、時間が湯水の如く投入されている。ウエスタン・エレクトリックとベル研究所の音響システムの開発にかける姿は、さながら後年のNASAのプロジェクトに近いものがある。製品のどれ一つとってみても、当時の最高の素材が使用されており、技術は歴史的にも最高の水準にある。もし当時のベル研究所のスタッフが、今日の素材を手にしたら、どのような物が出来上がるのだろうかと想像すると戦慄が走る思いだ。

最高の音響システムを構築する一つの方法は、当時のウエスタン・エレクトリックのシステムを忠実に再現することであろう。理由は、その状態で完全なバランスがとられているからだ。しかしながら、バランスのとりかたには複数の解があるはずで、当時のシステム構築者が取りえなかった別の解があるはずで我々にはこれに挑戦することで、ウエスタンのコンポーネントからシステムとして別の魅力を引き出すことも可能ではないかと思う。ウエスタンのオリジナルのシステムを超えようとか冒涜する意図はもとよりない。もしウェンテが現代に生きていたら、どのようなシステムを開発しようとするだろうと、技術ロマンに心を躍らせる。

555コンプレッション・ドライバーを色々と聴いてみると、その完成度と技術水準の高さを超えたところに、造り手の意図を感じ取ることができるような気がする。このドライバーは、あきらかにホーンと一体で使用することを前提に設計されている。そしてターゲットにしている音は、蓄音機が表現できる生の音楽のプレゼンスである。蓄音機は、機械振動から直接音波を作りだしているので同じ系のなかで音を処理している。これに対し、スピーカーを使用すると機械振動、すなわち機械系から電気系に変換し、これを増幅して機械系に再変換を行っている。一般に、系の変換を行うと、何らかの情報が失われる可能性がある。私は、プレゼンスではないかと直感している。このプレゼンスこそ、生の音の肌触りであり、そこに演奏家がいるという佇まい感であり、さらには再生装置が消え、そして演奏家さえ意識させず、ただ音楽のなかに包まれる世界への到達がある。



ストレート・ホーン

555ドライバーは、ホーンなしの状態でもフル・レンジで実に華麗に音楽を再現する。ボーカルやピアノなどが特に素晴らしい。3Aホーンなどで聴いてみるとその素性のよさに感動する。しかし短いホーンでは低音を補ってやらなければならない。今回はWE594用に開発された24AホーンをWE555に接続してみる。低音は、RCA1444フィールド型15インチ(38センチ)を2発使用して実験システムを組んでみる。この24Aホーンは最終的には594Aドライバー使用するが、このストレート・ホーンに低音をマッチングさせ、15Aの世界に迫れるかを実験してみる。ウエスタンのカール・ホーンは曲げられているが、これは実用性を重視したためであり、研究所の実験では、巨大で長いストレート・ホーンが使用されていたに相違ない。そこでの研究成果をもとに、いかにストレートの状態の音を損なわず、うまく折り曲げ、また巻いて、現実的に使用可能な大きさにする苦心が行われたと推測する。




実験システムの概要

WE555は、基本的にはエッジの共振周波数が低いのでフルレンジのドライバーと考えることができる。そのためなるべくフルレンジに近い動作をさせてやるためにネットワークのカット・オフ周波数を112Hz、6dB/octにとった。24Aホーンのカットオフは200Hz台なので、ウーファーのクロスオーバーを高めにとり聴感上の音響エネルギーをバランスさせる方法をとる。問題は、ドライバーとウーファーの能率の差であるが、音質を劣化させる抵抗成分は意地でも入れない。ドライバーのほうが強ければ、ウーファーをダブルにする。これで3dB差が縮じまる、足りないぶんはホーンロードをかける。ドライバー側にアッテネータを入れたレベル調整はしない。それでも合わせきれない場合は、フィールド電源の制御と出力トランスのインピーダンス・マッチングで調整する。くどいようだが、意地でもドライバーに直列に入るハイパスのキャパシタ一発だけにする。ウーファー側も意地でも巨大空芯コイルのインダクタを一発にする。ネットワークは、プレゼンスを殺してしまうので最低限に押さえたい。


RCA1444ウーファーのマッチング

RCA1444、15インチウーファーは、RCA1443コンプレッション・ドライバーとのコンビネーションで、RCAがウエスタンに挑戦した気合の入ったコンポーネントで、その実力はWEに優るとも劣らない。(残念ながら、ドライバーのほうはWEのほうが役者が一枚半から二枚ほど上手だろうと私は推察する。)しかし594Aコンプレッション・ドライバーに追いつくことのでくる低音用のウーファーはざらにはない。恐らくは18インチ(46センチ)フィールド型のTA4181ウーファーを4発、ホーンロードをかけてちょうどいいくらいだろう。594Aとのコンビネーションは、ディジタル信号処理を使った別のアプローチで考えてみる。今回は、RCA1444をダブルで使用し、部屋の音響特性も考慮してクロスオーバーを507Hz 6dB/Octと高めにとって重ね合わせている。音響エネルギーの調整は、1444のフィールド電源でコントロールする。このフィールド電源は、1本あたり115Vの200mA程度が定格であるが、質のよい乾いた低音を軽々と出すには、定格よりかなり低い電圧のところにあるようだ。よって一本ではWE555にはバランスできないので、二本並列に使用する。各ウーファーには、独立して空芯ネットワーク・インダクタを挿入する。ネットワークに使用したキャパシターとインダクタは、RCAの1444/1443ドライバーの劇場用の専用ネットワークで使用されていたもので、2個ずつのオイルコンと空芯コイルが鉄製の配電盤のようなボックスに収納されており、重量は優に15Kgに達するものだ。下のウーファーの口径が38センチであるから、この24Aホーンというのがたいへんな代物であることがよくわかる。まだこの写真では、低音側にホーン・ロードがかかっていない。




プレゼンスと位相差

このシステムでは、ドライバーと低音用のウーファーの振動版の位置が、約60センチ異なっている。この差は、かなり重要なファクターで、ドライバー側の音が2ミリ秒ほど遅れている。人間の耳の検知限界は、実は1ミリ秒とかなりの精度をもっているので、この差は確実に音の差に反映している。この時間差はアナログの世界では制御できない。今低音と高音をマルチ・チャンネル駆動し、DSP(ディジタル信号処理)を使ってそれぞれの時間軸を制御して、これがプレゼンスに与える影響を調べてみたいと思っている。(ちょっと説明すると、ディジタル信号処理で、遅延回路を利用し、各チャンネルの信号に時間差を設定する。ユニットの振動版の位置を自由に前後に移動させるのと等価のことが行える、意識的に位相差やエコーを作り出したり、キャンセルすることができる。)このためにSH-D1000を購入したのではあるが、DAの出来がこのクラスにマッチするレベルにないので、改造が必要だ。



幻の7日間

2004年1月15日から21日までの7日間は、忘れることができない。追い込み途中で、すごい音の世界が出現してしたのである。RCA1444のエージングとフィールド電源の調整がどツボにはまった。調整途中で、まだ音は濁っており、分解能も出ていない、コーラスの分離が悪い。しかし只ひとつ、今までのどこでも体験したことのないプレゼンスが現出したのである。二階で再生しているのだが、我が家は三階建てなのだが、どの部屋で聴いても同じ音量で、音楽が壁を貫通して浸透していくのである。まるでニュートリノのようである。レコードに入っている音と実在の音との識別がつかない。だれかがそこにいるのかと回りを見回すと、実はそれがライブ録音の聴衆の囁き声だったり、物音がしたと思うとそれがレコードに入っていた音であったり、何より凄まじいのは、スピーカーを隣室から聴くと、もうそこにホロヴィッツが、ビル・エバンスが、パハマンが、マルが居て、ピアノを弾いているのである。もう倒錯の世界である。

1月19日は、仕事もせずに朝から晩まで聴きとおした。友人にメイルしたら、浜松から飛んできた。当人もたいへんな識者で経験も豊富な音響の専門家だが、絶賛ものだった。すべてのジャンルにわたって、ヴォーカルも弦もすばらしいが、特にピアノは空前絶後であった。空気感が出ている。人の気配があり、そこに佇んでいるのである。

絶望の22日

しかし良いことは続かない。運命の日はやってきた。2004年1月22日夕方、いいかげんな仮組み状態のRCA1444のフィールド電源をまともに作り直したとたん、プレゼンスが消失してしまった。あの音が再現しないのである。はじめのうちは、軽く考えて、また明日やってみようとその日は休んだ。しかしその後まる一ヶ月格闘したのだが、ついにその世界は帰ってこなかった。元のとおりにしても再現しないのである。1444のエージング過程のある状態とフィールド電源、あらゆうる状況が、偶然にバランスしたのだろう。WE555と1444の速さが合った瞬間、15Aホーンの世界にワープしたのだろうか。

私の友人もこのような状態に出遭うことがあり、そのときは、周囲のオーディオ・ファイルを呼び集める。いつ再現するか知れない世界だからだ。オーロラか流星群かはたまた蜃気楼か、科学と芸術と夢幻の世界が精妙に交錯するオーディオの世界の魅力である。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/expr2023/expr2023.htm

スタープレーヤー555 素性の良さが、装置を選ばず歌ってしまうお話


たしかにオーディオでは、システムのバランスがポイントである。バランスというと、同程度の性能装置を巧くミックスする平均的なバランスをとる手法を想像しがちだが、アンバランスというバランスもある。マリア・カラスがスカラ座で歌えば、それは最高レベルのバランスだ。しかしもし彼女と友達になって、町の公民館で歌ってもらったらどうであろうか?この取り合わせはアン・バランス極まりなく、環境はとても悪いだろうがカラスはカラスに違いなく、その歌声はすべての悪条件をものともせず、会場はまさに興奮の坩堝と化すにちがいない。

ウエスタン・エレクトリックのシステムは、非常に高価であり伝説と迷信の中に存在し、高いレベルで完全なバランスを追求するのはとても難しい。しかしながら、アン・バランスのバランスを理解すると、そこには、別の愉しみ方がある。ここでは、ウエスタン・エレクトリックの名器といわれる555ドライバーをアン・バランスな世界で、思う存分歌って戴こうと考えた。


1万1000円のアンプとCDプレーヤー

使用する装置は、普通のCDプレーヤーと普通のアンプである。ここでは、中古で1万円で購入したテクニクスのSL-P777とこれまた、フリマで千円でころがっていたソニーの333ESXのプリメインアンプだ。さてここで、スタープレーヤーのWE555ドライバーに登場してもらう。ポイントは、メインアンプとの接続ケーブルをなるべく、太く短くすること。高価な電線は必要ない。

あとは、ハイパス・フィルター用のキャパシタを直列に入れること。このキャパシタは、40uFから80uFくらいの無極のフィルム・コンデンサを使う。実は、このキャパシタは無くてもいいのだが、トランジスタ・アンプが壊れると、場合によっては直流がボイス・コイルを焼損するので、保護用としても入れたほうがよい。

ちなみに40uFだとカットオフが、248Hz、80uFだと124Hzであるから、この間で好みで選べばよい。

ただし、人間の耳は、進化の過程で人の音声を識別できるように特別に発達していると私は考えているので、人間の声の帯域に入る音を一つのスピーカーでカバーするのがポイントであると思う。

人の声の周波数成分は、100Hzくらいから入っているが、8,000Hzから200Hzまでは、絶対に555ひとつにまかせたほうがいい。低いほうの250Hz位までは、人間の耳はかなりシビアに識別するので、400Hzとか800Hzでクロスするとユニットに跨る音の差がバレてしまう。ギリギリで、6dB/octの300Hzだろう。


ホーンの選択

さて次は、ホーンであるが、WE555はホーン次第でかなり音が変わる。またホーンと一体で音作りがなされているともいえる。

ホーンも随分と高価なので、ピアノ・ソロなどはホーンなしの裸でも十分いける。いろいろ試したが、手ごろな価格でコンパクトなものとしては写真の31Aタイプのホーンがよいと思う。ただしスロートの径があわないので、アタッチメントを探す必要がある。このアタッチメントは、ウエスタンの純正品がないので適当なものを探す。自作する方は、ブリキの板で3Aホーンをデッド・コピーするのがよい。3Aは、ペアで40から50万円もするので作ってしまおう。ただし、オリジナルの音にはならない。しかし彷彿させることはできると思う。31Aホーンは作れないが、アルテック製でも音は変わらない。というか、WEブランドでもアルテックブランドでも、ホーン鳴きのするものとしないものがあり、個体差が大きい。また鳴かせない鳴らし方と鳴かせる鳴らし方があって、これは、鉛のシートをホーンにかぶせて調整すればよい。またやかましい感じがある時は、ドライバーから出た音がぶつかる内部の曲がり部分に布やマウス・パッドを置いて調整する。



低音の追加

さて低音の追加であるが、最近のスピーカー・システムは、小型でも十分な低音が出るが、励磁型のコンプレッション・ドライバーの音の速さには、遅くてとても追いつかない。当のウエスタンでもウーファーが追いつかないので、励磁ドライブで15から18インチの大口径を複数個つかって、輻射面積を稼ぎさらにホーン・ロードをかけている。この点は、人間の耳と脳の情報処理系をうまく騙して、その補完能力を利用しよう。実際に低音が十分に出ていなくとも、倍音がうまく識別できると人の耳は、基音が出ているように錯覚してくれる。すぐにはわからなくとも、十数分くらい時間をかけると、この補正がかかってくる。あとは毎日聴いていると、プログラム化されやすい。

最近のアンプは、だいたいバイ・ワイヤリングできるので、1つを555にもう一つを今使用しているスピーカー・システムにつなぐ。さて市販のスピーカー・システムの中音域を担当しているスコーカーというものは、555に比べると、というか比べてはいけないのだが、まったく歌わない。このスコーカーの音をだまらせなければいけない。かといって、ウーファーの線をスピーカーボックスから単独に引き出すのは少々乱暴である。というか不要になった時に引き取り手がつかない。

そこで、スコーカーを鳴らしたままで、音の出口にふたをする。ツイーターがついている場合は、これはそのまま鳴らしておいたほうがいいことが多い。なにしろ、555は8,000Hz迄しか再生しないからだ。お勧めは、ツイータにもふたをしてしまい、このふたの開き具合を変えて、好きな音のバランスに調整する。


レベルの調整

さて、これでスター・プレーヤーのステージができた。ポイントは、555になるべく自由に歌ってもらうことにある。そして、不足する低音や超高音を、ほんの少しだけ既存のスピーカーシステムで加えてやる。555と既存のスピーカーのレベルの調整は、マルチアンプが望ましいが、バイ・ワイヤリングでは難しい。

そこで、WE555の励磁電源の電圧を変えて、ドライバーの特性と音圧を調整する。WE555の定格は、7Vの1.5Aだが、この電圧を落していくと音の浸透力と飛び方が弱くなっていき、音が遅くなり寝てくる。同時に低音の出方が軽くなり全体的に甘い音になり音も小さくなっていく。組みあわせる一般のスピーカーは能率が低いものほど、パワーリニアリティーはあるが、音が遅く、寝ておりボケて繊細さが減少する傾向にある。低音と超高音だけ使用するので、あまり気にする必要はない。

併用するスピーカーシステムにマッチするところに、励磁電源の電圧を落して調整する。音量のレベルを合わせる目的で絶対に抵抗性のあるものをアンプとスピーカーのボイスコイルの間に入れてはいけない。

こうして調整してみると555ドライバーの素晴らしさにあらためて驚かされる。フィールド電源の電圧をかなり下げても素性のよさはかわらない。むしろ協調性が出てくる。アンプもあまり選ばず自由に歌いまくるので、もう脱帽して聴くしかない。ちなみに当方が555とサブ・システム・コンビネーションを組んでみたのは、クリプシュのラ・スカラである。低音のクリプシュ・ホーンのクロスは、400Hz、ツイーターのクロスは、6,000Hzである。中音のスコーカーのスロートにゴムのチューブを詰め込んで、猿轡(さるぐつわ)にしてある。このアン・バランスなシステムでマリア・カラスが見事に歌いあげるのは、555とコンビネーションを組んでいるスピーカーの名前が、ラ・スカラ(スカラ座)だからなのかも知れない。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/starplayer/starplayer.htm

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B WE 594-A Receiver


 1936年、“ミラフォニック・サウンドシステム”と名づけられた新型トーキー映画再生装置が、ウェスタン/E.R.P.I.から発表された。このシステムこそ、同社がそれまでに蓄積した、理論解析とテクノロジーとノウハウの集大成であり、結果として映画音響の分野における一大金字塔を築くに至ったのである。なかでもスピーカーシステムには「ダイフォニック」(2ウェイの意)という名が与えられ、新時代の到来を高らかに謳いあげている。
 
この「ダイフォニック」の中・高域を担うのが、『594-A』レシーヴァー(『555』も一部使われた)で、ウェントE.C.Wenteの手によるものである。

基本設計は、1933年4月に行なわれたフィラデルフィア〜ワシントンDC間の3チャンネル立体音響伝道実験に用いられた中・高域ユニットと変わらないが、業務用としての利便性と量産性を高めるために、一部のデザインの変更を受けている。その主たるものがターミナルの位置と形状、ヴォイスコイルのリードアウト部、レシーヴァー・アタッチメント取り付け部(ネジ込み式からボルト・オン式に。それに伴い防塵用のシルクネットを新設)などがある。しかし、これらは全体の設計理念に影響を与えるほどではなく、バック・プレッシャー型のこのユニットは、その後のコンプレッション・ドライバー設計の主軸たるべき偉大な革新性を持つものであった。

ヴォイスコイルは0.016×0.025インチ(0.41×0.64mm)のエッジワイズ・アルミニウム・リボン線(35ターン、D.C.抵抗は12.5Ω)で、直径は4インチ(10.16cm)。

0.002インチ(0.051mm)厚のプレーンなエンボス加工の施されたダイアフラム(アルミニウム合金製。パテントにはジュラルミン製と記されている)に、クラフトペーパーのライナーが熱硬化性の樹脂系接着剤で内貼りされ、裾が固着されている(形状は細かい台形か波形)。

 ダイアフラムのエッジは、“annular compliance”と呼ばれる、比較的狭いロ−ルエッジである。

 また、ダイアフラム全体の色が何種類か存在し、音の違いが云々されることもあるが、これは防錆のためのフェノール系塗料によるもの(ロットごとに異なる)で、基本的に音の差は全くないといってもいい。このダイアフラムの形成はたいへん滑らかで、また同種のものと比べても異例に弾力性に富んでいる。さらに、イコライザーの精度の高さと堅牢さも特筆すべき点で、真鍮ブロックから削る出された4個の円錐状パーツは、各々3ヶ所に設けられたスロットに、所定のスリットを厳密に保つようにキーで銀鑞づけされ、ポールピースと合体した後、あらためて表面の切削加工が行なわれる、という念の入れようである。ヴォイスコイルが入る磁気ギャップの底が、キャビティ効果を生じないように塞がれているところも、先進性を感じさせる。
 
 中略

 『594-A』は天吊りした24-Aホーン(エネルギッシュな音が魅力)、26-Aホーン(スケール感に優れる)と、理想的にはTA-7396(『TA-4181-A』レシーヴァー2本収納)あるいはTA-7397(同4本)低域バッフルに組み合わせて(当然、非対称ウイング付属)、聴きたいものである。

アンプは当然ながら86+87がベスト。


『TA-4181-A』低域レシーヴァーは、大型のコーン紙からの連想か、『594-A』に比べスピード感が欠けるという向きもあるように仄聞するが、オリジナルの低域バッフルとディヴァイディング・ネットワークを使用すれば、あらゆるソースでそういう事実はない、と確認済みである。

 いずれにしても、ウェスタンが、否、人類が創出した最高のトランスデューサーは何かと問われれば、私はこの『594-A』だと断言して憚らない。

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm

Western Electric 594A

4 インチの巨大ダイヤフラム、その美しさに息をのむ

孤高のドライバー

1933年4月27日に行なわれた、ワシントン・フィラディルフィア間141マイルの電話回線を使用したオーケストラの立体音響伝送実験(オーディトリ-・パースペクティブ)は、ベル研究所が当時の最高水準の技術を結集したエクスペリメントとして歴史に残る。このためのシステムは、膨大なコストと人員が投入された。当時の技術水準と貨幣価値を今日に比較換算するならば、NASA的なプロジェクトと考えてもよいだろう。このときの再生用のシステムが、幻のフレッチャー・システムであり、おそらくは人類史上最高のシステムと評価できるものだ。すべては、このエクスペリメントのために研究開発された。このスピーカー・システムは、低音部に20インチの巨大な金属振動版を持った折り曲げ低音ホーンと大口径4インチ振動版を持つ中高音用のホーンドライバーで構成されている。中高音ドライバーは、マルチセルラホーンである。このシステムは、当時の映画産業界から劇場用としてのリリースの声が大きかったが、低音ホーンのエコー現象もあり、実際に業務用の装置としては量産されることはなかった。製造された数は、10本に満たないと思われる。

しかしながら、このシステムの中高音用のドライバーは改良を経て、世に出されることとなる。これがWE594A Loud Speaking Telephone 、すなわち今日我々が目にすることのできる、あのWE594Aドライバーである。その生まれからしてただならぬ血統のスピーカーである。このドライバーの性能は隔絶したものである。自動車に例えるならば、F-1レーサーのようなものだ。

WE594Aは、WE555とは異なり、2Wayのシステムとして、あくまで低音用のスピーカーと併用することを前提に作られている。しかし皮肉なことに、このドライバーとつなげられる相棒は、かのフレッチャーシステムの巨大金属振動版低音ホーン・ドライバーだけなのである。これ以外の紙の振動版のウーファーでは、やすやすとはつながらない。WE594Aは、その生まれから、まさに孤高の存在であった。究極の理想を求めて設計され、卓越した性能を発揮するが、それとバランスできるウーファーがないのである。

ライフワーク

最近は、いろいろなところで594Aが鳴っている。しかしその多くは、我々に忍耐を強いるようなサウンドを轟かせている。オーナーは、これがウエスタンのすばらしい音なのだから、この良さが分からない者は、オーディオを語る資格がないといわんばかりの情熱を傾注する。聴衆も自分の耳に自信がないからか、恐れ入って敬意を持って、いい音だと絶賛する。裸の王様の世界そのままである。正直な人は、私はこの音を好きになれませんとかウエスタンの音というものはこの程度のものかと思ってしまうかも知れない。

このような悲劇は誰のせいでもない。そもそも本来のウエスタンの音を聴いたことがある人がいないのだ。それはもう70年以上前にこの空間から発して、そして消えてしまい、人々に語り伝えられた、伝説の音なのである。今日に生きる人々は、当時のシステムを可能な限り再現し、失われた音を復活させようとしているのだ。私は、その情熱に心から協調する。しかし再現された音が、はたしてその本来のウエスタンの音であるかどうかの検証は、とても難しい。

さきに述べたとおり、この"孤高の"594Aドライバーは、そもそも鳴らすのが至難の代物なのだ。よって、やかましい音で鳴っている594Aに出会っても、達観しようではないか。趣味でF-1レーザーを所有しているようなものだと思えばよろしい。そしていつの日にか鳴らしきることを生きがいとすれば、これはすばらしいライフワークとなる。


理詰め

このドライバーは、ベル研究所で研究設計されている。すべて基本設計は理詰めで行われている。そして実際の実験によって検証、評価され、そのフィードバックでさらに煮詰められている。中途半端な相性問題など微塵もない。特定の音色はあるが、システムの音をそのまま過敏に容赦なく出してしまう。

うるさく鳴る場合は、スピーカー以前のシステムの音がすでに"うるさい"のである。生気のない音がする場合は、すでにドライバーに信号がたどり着くまでに生気が失せているのである。ドロンとにごって団子状態になるのは、同様にドライバー以前に問題がある。

このドライバーがきちんと鳴る装置は、他のスピーカーもきちんと鳴らせるだろう。リファレンスというものはそういうものだ。このようなリファレンス装置を追い込むのは、たやすくはない。フィールド電源、ネットワーク、ウーファーとの(音の)繋ぎかた、すべてにわたって、理詰めですすまなければならない。そして最後に耳とと心でバランスをとっていく。このドライバーは、システムの性能が良い方向に正しく向上すれば、それに敏感に反応し、的確に素晴らしい音の世界を現出する。難しく、手こずるが裏切ったりすることがない。

ホーンとウーファー

594Aドライバーは、システムの違いを如実にさらけ出してしまう。それは、ネットワークするウーファーの十倍以上だろうか。つまりある点でバランスしているときに、システムを少々アップグレードすると、ウーファーに対してドライバーが、過敏に反応して音を変えてしまう。そうするとドライバーがイッてしまったバランス点を追いかけて、ウーファーを再バランスしなければならないのである。その労力は当然十倍に及ぶ。

業務用の使い方では、これでは成り立たないので、594Aにレベル合わせと称してアッテネーション(信号経路に直列に抵抗成分を追加する)をして、594Aの生気を殺して、ウーファーが追いつける程度に鈍くして使う。しかしこれは、594Aの真の実力ではない。この状態では、耐入力と最大音圧レベルでは優位だが、WE555一本のほうが魅力的である。

594Aと組み合わせるホーンも難しい。31Aホーンでは、594A単体の魅力を出し切ることはできないが、クロスオーバーを高くとると、ウーファーとのマッチングが容易になるので、スピーカーシステム全体としての性能、バランスも素晴らしいものになる。高音域もかなり伸びるので実に好ましい。ウーファーも励磁型であれば15インチ二発か18インチ一発でなんとかなる。

これが24Aホーンになると、その聴感上の音響エネルギーは尋常ではなくなる。これにバランスさせるためのウーファーは、励磁の18インチをホーンロードを掛けても最低2発は必要だろう。25Aとか26Aホーンになったら、さらにその上を行くわけだから、もう体育館とか劇場に設置して聴くよりほかはない。F-1のようにサーキットに出かけることを思えば、まだまだ大した道楽ではないが。


仲間と巡礼

このような大物を一人で追い込むには、何度も生まれ変わらないとできない。よって、専門分野の異なる仲間と共にいろいろと研究、試行をしながら進んでいくのが好ましいと思う。信頼のおけるショップの助言も有益である。そしてできるだけ多くのいろいろのシステム音と生の演奏を聴くことである。音の求道者は、すべからく巡礼をしている。私も自分の研究や巡礼の成果をホームページにできるだけ公開したい。参考になればよいが、迷いから救うつもりが一層混迷の度を深めることにもなりかねない危惧もある。たかが道楽と一喝するのはたやすいが、私の不徳の至りもあろう。ただひとつだけ言いたいことは、音楽とオーディオの世界は、深く、極めれば極めるほどに感動的で素晴らしいということだ。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we594a/we594a.htm?.tok=bcwjY6SBu.hmxIxe&.dir=/594A&.src=ph


24A+594A 周波数特性

  594A Driver +24A Horn  

音響分野の技術研究が最高水準にあった時代、ベル研究所が惜しみなく研究開発費と人材を投入して完成させた、歴史上の頂点に立つドライバー・ユニットWE594A型を、594A専用に開発されたオリジナルの24Aホーンに装着して特性を実測した。測定は、20Hzから20KHzまでのサインウェーブを連続スィープさせ、これをマイクで採音し、FFT処理し、ピーク・レベルをプロットした。

ジェネーレータと増幅装置系の周波数特性は、ほぼフラットで、スピーカーの実特性にはほとんど影響しない。しかし測定用のコンデンサ・マイクロホンが故障しているので、安価なダイナミック型のマイクロホンで採音した。そのため周波数特性データとしては、このマイクロホンの”性能の悪い点の”特性ぶんをかさ上げして考えなければならないが、その劣化ぶんを考慮しても素晴らしい特性である。尚、測定位置はホーン開口部正面から2メートルで、信号系には30uFのフィルム・コンデンサがドライバー保護用に挿入されている。このデータは、あくまでこの装置の素性を把握するための情報としてみていただきたい。測定装置が完全ならば、これを上回る特性が計測されるはずである。
 
  測定に使用した594Aは、WE中期のオリジナル振動版である。日本では26型や31型のホーンがよく使用されているが、26型のマルチセルラの場合は、指向性が非常に優れるが、高音域の周波数特性が24A型に比べて落ちるといわれている。無線と實験誌に26型の実測データが掲載されたことあるが24型のデータがないので、計測してみた。左端のレベル表示は、音圧の表示ではなく、取り込んだラインのレベルをソフトウェアで処理した表示になっているので、相対的に見ていただきたい。
 
  この装置は、拙宅での標準システムではあるが、このドライバーは追い込めば追い込むほどにその能力を発揮していくという、レーシング・マシン的な色彩を放つ。このドライバーを理想状態で鳴らし、これに低音をマッチングできれば、ウエスタンの一つの峰の頂上に到達できるのではないかと思う。しかしまだ、555という謎の峰も霧の中に見え隠れする。どちららの峰が高いかなどの議論は不要であるが、過渡特性を含めたデータで比較してみたいと思う。  

  物理学を動員してはいるが、この世界というものは、芸術と科学と人間の感性のバランスの上に成り立っていることを忘れたくない。そこから、先人の成し遂げたもの、追い求めたものを感動と尊敬の中に学びとることができる。我々はその偉大さの前に謙虚になり、そこが次の時代の出発点になる。594Aに接したときには、そのストイックさの中に啓示を見る思いだ。くたびれたときには、一休みしてWE555の世界に安堵を見出そう。
 
http://homepage3.nifty.com/western/audio/24a594a/24a594a.htm

システムの周波数特性を実測しDSPで補正する実験

  WE594A ドライバ + 1444 デュアル・メインシステム  

拙宅に居座るメインの装置は、Western Electric ドライバーユニットWE594A型を、594A専用に開発されたオリジナルの24Aホーンに装着したものだ。これに低音部をどのように付加していくかが課題である。音響エネルギー的には、594A+24Aに勝てるウーファーは、ホーンロードなしでは4181級の18インチの励磁ウーファーを4から3発。ホーンロードをかけても2発は必要となる。これをバッフルにつけると、もう体育館とか劇場で聴くしかない。これを東京の狭い個人の住宅で鳴らしてみようという魂胆がこの実験につながっている。

低音部は、WE555実験システムで使用したRCA MI-1444フィールド型38センチ・ウーファーを2発、後面を開放した板に取り付けただけのもので、低音は(測定データのように)回り込みのためにそれほど出ない。(音はかなり速い。)

その状態でシステムの周波数特性を実測する。測定は、20Hzから20KHzまでのサイン波を連続スィープさせ、これをマイクで採音し、FFT処理しピーク・レベルを連続プロットした。

  下のグラフィックスの上のほうが、修正前のシステムの周波数特性測定で、下のほうが修正後の特性である。文明の利器を使用することにより、物量を投入しなければ解決できなかった低域の周波数特性問題にも解決の一途があることがわかる。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/freqadjust/freqadjust.htm

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C Western Electric 597-A Reciever


 本機は、ボストウィックLee G Bostwickが1929年に開発した高域再生用レシーヴァーである。

 ヴォイスコイルはエッジワイズに巻かれたアルミニウム線で、直径1インチ(2.54cm)。ごく薄いクラフ トペーパーで裏打ちされ、0.002インチ(0.051mm)厚のバフ仕上げが丁寧に施された17STアルミ合金ダイアフラムに固着されている。エッジはフラットのままだが、これは高域専用のため、振幅を大きくとる必要がないからである。

ダイアフラムの全重量はわずか160mg、カットオフ2kHz(開口部2インチ強〔約5cm〕、長さ4.75インチ〔12.06cm〕の亜鉛合金ホーンの中に、砲弾型のイコライザーが設置されている。E.R.P.I.のエクイップメント・ブリテンには計7種類のタイプが存在すると記されているが、 『596』と『597』で0.25ポンド(113.25g)重量が異なる(ヨーク部のフィニッシュとターミナル構造が違う)のと、フィールドコイルの電圧と電流値が用途別になっているだけで、ヴォイスコイルのインピーダンスと耐入力電圧も有意差がないため、基本的にはすべて同一のユニットと考えてよいだろう。

 本機は『555』を中心とするシアター・サプライ、3ウェイの“ワイドレンジ・システム”(1933年、2ウェイもある)に登用されたせいで、『555』と同様な設計思想に基づいて製品化されたと思われがちである。事実そのように用いた場合、音色がきわめて近似しており、受持帯域が違うだけという捉え方が一般的のようで、特許に示されている図や設計者自信が発表したBell Laboratories Recordの記事中写真にも、15-Aホーン・システムと組み合わせた写真やその測量グラフが出ていることもあり、そう信じてしまうのも無理ない。 だが、それは本機の持つ力の一端なのではあるまいか。

傍証だが、その根拠はいくつかある。

まず、1933年当時の光学式録音高域限界は10kHz止まりで、本機の高域周波数限界12kHzを下回ることである。 加えて先述のTA-7272-A 2ウェイ・システム(キャリングケース入りの小型システムで、『TA-4151-A』と組み合わされた)の存在。

 さらにケラーA.C.Kellerらが開発に執念を燃やしていた縦振動ディスク(高域は12kHzまで伸びていた)のデモストレーションに用いられた、移動式プレーンバッフル(『595-A』15インチ低域用コーン型レシーヴァー8本に4本の『597-A』。4本と2本の組合せもある)があること。

そして何よりも、“ワイドレンジ・システム”のトゥイーターとして用いた時と2ウェイの高域ユニットに使った場合の、得られるサウンドのあまりにも大きな差である(クロスオーヴァー周波数はどちらも同じ3Hz)。 前者では、存在感を決して誇示することなく、あくまでも静かに、音楽の中にまろやかに溶け込でいく鳴り方。

 通常トゥイーターを必要としない『594-A』レシーヴァーを中心とした「ダイフォニック・システム」でも、本機を付加する効果は大きいといえよう。音場のできかたというか、雰囲気づくりの上手さにおいては、『596-A/597-A』の右に出るものはない。 

しかし本機をひとたび2ウェイで用いると、その性格は一変する。例えば『TA-4151−A』と組み合わせると、高域が伸びるというよりは、むしろ中域がぐっと充実して、切れ込みと締りが増す印象になるのだ。エネルギッシュかつスピード感豊かで、モニターライクな現代的サウンド。これこそ『596-A』本来の慣らし方なのでないだろうか、と思わせるものがある。 確かに設計上の形態からいえば、本機は『555』の系譜に属するという指摘は正しい。

しかし、仮説だが、思想的には、キャビティの設計、つまりホーンの喉部に設定されたイコライザーとダイアフラムの間隙のとり方。最初からフルレンジ再生を狙わない手法。高域の指向性がビーム状に鋭くなるのを防止する小型ホーンの採用。タイム・ドメインを考慮したパテント図版中のユニット配置(同軸型ユニットがすでに提案されている)。複雑な熱処理を必要としないシンプルなエンボス加工のダイアフラムとヴォイスコイルの接着法など、むしろ超弩級ユニット『594-A』の、先駆的製品として性格が強いのではないろうか。そう考えれば、このユニットの音の二面性も理解しやすいように思われる。

なおボストウィックはコーン型ユニットの設計も数多く行っているが、世界初のドーム型レシーヴァーのパテントホルダーとしても著名である。

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm


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D Western Electric TA-4181-A Receiver


 本機は1936年、ウェスタンが渾身の力を込めて新開発したシアター・サプライ、“ミラフォニック・サウンドシステム”のステージ(ダイフォニック)用低域レシーヴァー・ユニットである。口径18インチ(45.72cm)の超弩級で『TA-4151-A』と同様、ジェンセン社がウェスタンの仕様書に則って製品化したものだ。

まず、漆黒に塗られたマッシヴな外観を、とくとご覧いただきたい。巨大なキャストアイアン製マグネット・ヨーク(フィールドコイル)、分厚いダイキャスト成型のバスケット(フレーム。高剛性のアルミニウム合金製)、そして見るからに強靭そうなコーン紙。いかにも大型なユニットだが、仔細に観察すればバランスを失したところは一点たりともなく、メカニズム的にも完成度はきわめて高い。これは間違いなく「本物」だ、と鳴らす前から確信を持って言い切れる製品である。なるほど、本機ならは中・高域ユニット『594-A』の強烈なエネルギーを、存分にサポートできるはずである。

  ジェンセン社は当時、18インチのモデルだけでも、『M-18』(5kHzまでレスポンスを持つ、マルチパーパスのスタンダード)、『L-18』(3kHz以上を急降下させたウーファー専用)、『V-18』(中・高域を張り出させ、声の伝達性を高めた)、『HF-18』(9kHzまで再生帯域が伸ばされたハイファイ型)の4ラインを持ちそれぞれA.C.型とD.C.型が用意されるため、計8タイプを擁する、大スピーカー・メーカーであった。しかし、ウェスタンの要求するスペックは、これらの製品をはるかに上まわる、きわめて厳しいものだったのである。  

驚くべきは、ギャップ部の磁束密度と加工精度を大幅に上げなければならなかったことである。加えて、使用帯域は50〜300Hz(クロスオーヴァー周波数の300Hzは、当時としてひじょうに低い)。歪率は低く、耐入力は高く、それでいながらセンシティヴィティはさらに高めなければならない。これらの条件はすべて、ジェンセン社の旧来の設計手法では実現不可能といってよかった。つまり、全くの新製品として素材の面から見直しながら迫られたのである。ベル・ラボの支援を仰がなければならなかったのは、いうまでもない。 

こうして『TA-4181-A』は、従来の低域レシーヴァーをはるかに凌駕した特性を獲得、共振の分散を図った見事な設計の3種類のキャビティ(ショートホーン)付低域バッフルに搭載されて、登場した。 ヨークとポールピースは大幅に大型化、素材も一新して磁束密度が高められた。バスケットも新規設計されている。コーン紙はパルプの繊維が長く、スティフネスを高めるとともに軽量化を狙ったもの。 スパイダー(ダンパー)はコーン同様の紙製コルゲーション(これはジェンセン製も同じ。布製のものは低域は延びるが、歯切れは悪い)・タイプが用いられ、ヴォイスコイル・ボヴィンの強度は徹底的に高められた。

 サフィックス〔A〕が付されたモデルは更にギャップ部の磁束密度の上昇を図り、フィールドコイルの消費電力を増加させ(25Wから30W)、磁気回路をリファインし、1ポンド(0.45kg)であるが重量も増加している。

 『TA-4181-A』は、バッフルとの組合せでも同様だが、中・高域のレシーヴァーの選択により、その表情が一変する。 『594-A』との組合せでは、締まっていてかつ押し出しのいい堂々とした音。音場感の描写も、これ以上のものはないとつくづく思わせる。
一方、『555』との組合せでは、量感がたっぷりと出てきて、よく拡がるスケール感豊かな音になる。

それにつけても、このユニットを存分に鳴らしきることのできる広大な空間が、どうしても欲しくなる。いやがうえにも煩悩をかき立てる製品である。


『TA-4181-A』のスペックは、

ヴォイスコイル・インピーダンスが11.7Ωー400Hz 、15Ωー1kHz。
フィールドコイルはD.C.24V−1.0A、D.C.抵抗は24Ω。

またフィールドコイル仕様の異なる『TA-4194-A』(D.C.10V-2.25A、D.C.抵抗=4.45Ω。本来はこのモデルが『555』と組み合わせるM-5システム用)がある。


 外形寸法が18インチ(45.72cm)の円形、奥行きが10インチ(25.4cm)、重量は48ポンド(21.74kg)。

 取付け孔径は16.25インチ(41.28cm)である。

 なお『TA-4185-A』(フィールドコイル規格がD.C.105〜125Vー230mA、D.C.抵抗=500Ω)は、口径こそ同じ18インチのモデルだが、むしろジェンセンのラインに近い製品である。


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E Western Electric TA-7401タイプ

 TA-4181ーA低域レシーヴァー×2基用でオリジナルプレーンバッフル付きの前高は6フィート6インチ〔198.1cm〕。 重量=567ポンド(256.9kg、レシーバー含まず)。

 本機は主に天井の低いレヴュールームでモニターとして使われていた。

 材質はFir、ダーク・ウォール/オイル・ステイン仕上げ


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F Western Electric 755A

プロローグ
 
私の書斎にWestern Electric 755Aがやってきた日のことは、忘れられない。東京都内の文人宅から、そろそろと自家用車で、品川の自宅まで運んだ。システムに繋いで、そろそろと音出しをしてみる。 聴きなれたレコードを何枚かかけてみると、愕然としてしまった。当然のことではあるが、愛聴盤というものは、どこにどんな音が入っているかを暗記しているものであるが、このスピーカーで聴くそれは、まったく別物であった。今迄聴こえていなかった音が、豪華絢爛に再現されてくるのであった。
 
それはあたかも、澱んだ東京の空に浮かぶ見慣れた星空から、一転して空気の澄み切った山の頂きから仰ぎ観る天空の星星の情景そのままに、天空一面、星、星、星のショーの大星夜を目の当たりにしたようなものだった。

  星星が煌く音となり、その微粒子が壮大な音楽を構築しているかのようであった。今迄、自分は一体、何を聴いてきたのだろうという悔しさと、まだレコードにもCDにもいくらでも秘められた音が入っているのだという嬉しさが頭の中を過ぎった。


 
     
  755シリーズの伝説

管球王国の特集などで、さまざまな755シリーズのスピーカーが紹介されて以来、WE755Aは、多くの人の知るところとなった。WE755Aを入手後も、KS-14703、ALTEC 755A,755Cと結構な数の755シリーズのスピーカーを聴きまくった。その結果は、尋常なものではなかった。755シリーズのスピーカーは、一本一本音がちがうのだ。一般には、WE755A,KS-14703,ALTEC 755A,755Cの順で音が良いと信じられており、値段もその順番になっている。しかしその実態は、シリーズの差よりも固体差のほうが大きいのだ。特定個体の比較でWE755Aよりも音の良いKS-14703個体もあった。755Aは、製造後50年を経ており、オリジナルでも経年変化が多く、さらにはこの高名さの故に修復の加えられたものもかなりある。修復の程度も製造後20年目で一度、さらに40年目で二度目といった複数の修復が加えられたものもある。私が入手したユニットは、外見はかなりみすぼらしかったが、偶然にもまったくのオリジナルで、音質的にも優れたものだった。


     
  755Aの音について
 
Western Electric 755Aは、非常に高い分解能と忠実な再現力を目指して設計されたスピーカーで、高音域には、このスピーカーに特徴的な独特の音色が色づけされている。スピーカーでは、高い分解能や描写力を追求すると、音楽再生上のバランスが崩れたり、過度に妖艶な音を発したり、はたまたピュアすぎても蒸留水のような味気ない音になることがあるが、WE755Aの場合は、非常に高い分解能と忠実な再現力に、たぐいまれなバランスと音楽性を実現している。高音域の音色も音楽性を高めることはあっても、いささか品格を貶めるものではない。おそらくは、マグネット型フルレンジコーン型のスピーカーの最高傑作のひとつにまちがいないだろう。

  どのように鳴らすか  

専門誌の特集などに、WE755Aは、鳴らすのが難しいと書かれてある。これはこのスピーカーが、非常に繊細かつ敏感に、そのシステムの音を実に忠実に出してしまうからだと思う。だからシステムの悪いところはより悪く、よいところはよりよく再現してしまうのではないかと思う。うまく鳴らないのは、途中の問題個所を直せばよろしいということだ。システム全体を高度にバランスさせれば、驚くほど素晴らしい音で鳴る。反面、これはとても興味深いことだが、このスピーカーの固有の魅力的な高音域の音色は、これらの一切に関係なく美しく歌う。かなりいい加減なシステムでも、このスピーカーを繋ぐと、おやっと思わず振り返るような音が聴かれる。


     
  755Aのペア組み  

もともとWE755Aは、個体差が非常に大きく、製造時の歩留まりも非常に悪かったものと思われる。またすでに製造後50年以上も経過しているので、使用状況による経年変化も大きく、個別のユニットの音色の相違は、非常に著しく、音色的にペアをとるのは至難の業と言える。ショップの話では、20から30本くらいでやっと何本かのペア取りができるとのこと。私としては、モノラルで追い込んで使用するか、音の違う2本をステレオの左右の音を聴き比べて、相性のあうほうに繋げば、それでよいと思う。しかし、これではステレオ再生時にうまく定位させるのが難しい。
     


  低音が出ない
 
JBLの075というツイーターは、すばらしい音がする。この音そのままで低いほう迄、全部カバーしてくれないかという欲求にかられることがあった。WE755Aの場合もこのバランスのままもう少し低音が出てくれないものかと泣きたくなる思いをしている人も多いのではと思う。低音に関して云えば、ユニットの個体差によって、高音は若干弱いが低音が少しは出るというものがある。これは初期に製造されたものなどで、アルニコ磁石の減磁がすすんだことによるものだろう。またエッジに塗られているビスコロイドは硬化が進む。

一般に755Aは、低音が出ないといわれているが、これは、50年以上かけてエッジのビスコロイドが硬化して、f0(最低共振周波数)が高くなり、低音でにくくなるためだ。この意味で現存する755Aは、製造時の状態とはまったく違った音になっていると思われる。どうしても低音という場合には、箱で出すか、音色的に合うユニットで低音を補うことになるが、どちらも試練が待ち構えている。私の場合は、魔法箱と称する箱を使用して楽器として鳴らしている。あとは平面バッフルがよいだろう。


     
  追い込みと試練  

とても高い分解能と高度な再現力のあるスピーカーだから、鳴らすために追い込むときには、覚悟と注意が必要になる。私の場合、モノラルレコードで追い込んでいく段階で、困った経験をした。たとえばクラシックの二重奏や四重層を聴くと、個別の演奏パートの楽器の音がはっきり分離して聴こえてくる。

バイオリンの演奏も指の動きが見えるような錯覚すら覚える。演奏家の呼吸のスーハー音も当然ごとく聴こえ、レコーディングの音の色づけまでもわかる。こうなってくると、ピアノのミスタッチや演奏のテンポの乱れや伴奏が合わずに必死で追いかけたり、はたまた追いつくのを待っていたりが手にとるように分かるようになってしまう。今まで、とても気にいっていた愛聴盤の演奏が実はあまりに下手糞だったというのが分かってしまうと、もう騙されていたような気分になって、この盤から遠ざかることになってしまう。このようにして、再び聴けなくなった"過去の愛聴盤"がたくさん出来上がってしまった。

反面、今までわけのわからなかったように聴こえるような演奏が、理解できるようになり、名演の名演とされる所以が分かってくる。また、今までに聴こえてこなかった音が聴こえてくるため、レコード・ライブラリのもう一度聴きなおすことになり、これはまた、今までにない発見になる。


  箱
 
  15ミリ厚のベイ松合板製のWE指定箱がひとつと、研究中の共振タイコ原理箱(通称魔法箱)がひとつ、そしてカラ松合板の900X900ミリの平面バッフル、ラワンかまぼこ状態反りの900X900ミリの平面バッフル、20x30ミリのバッフル(壁面共振用)などなど。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we755a/we755a.htm


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G WE 713-C Receiver


 グレイに塗装されたなんの変哲もない外観、磁気回路を構成するポールピースには、何ヶ所か溶接された痕もなまなましいタイプがある。外形寸法は

直径4.3125インチ(10.95cm)×奥行4.875インチ(12.38cm)

というコンパクトさ、重量も8ポンド(3.6kg)程度のため、超弩級ユニットを見なれた目には、いささか頼りなさげに映るのも無理からぬことだ。 しかし、このレシーヴァー・ユニットが絞り出すサウンドの、とてつもない実在感と爽快感は、まさに格別で、かの『594-A』の血筋をまぎれもなく受け継ぐ、正統的なものである。確かに4インチ・ダイアフラムのエネルギー感には及ばない部分がないわけではない。だが、それを補ってあまりある近代性と、品格とデリカシーを併せ持つ。

『713-C』に範を仰いだドライヴァー・ユニットの数は限りないほど多いが、音で超えたという話はついぞ聞いたことがない。 これほど本機の持つ驚異的なパフォーマンスを如実に証明する事実はないだろう。

『713-C』は757-Aモニター・システムの高域ユニットとして用いられる。この『713-C』は『713-A』(1942年開発)を原型とする。同社は当時、光学録音装置などを除くシアター・サプライ部門から撤退していたが、ベル・ラボとE.R.P.I.(1941年からウェスタンの一部門、E.R.P.D.となる)ではレシーヴァーの研究開発が続行されていた。その成果の一つがこの『713-A』で、同社では初めてのパーマネント・マグネット型高域レシーヴァーとして製品化、753-Cモニター・システムに搭載される。


ダイアフラムはアルミ合金製で厚さ0.002インチ(0.051mm)、
ヴォイスコイル径は2インチ(5.08mm)、
エッジはロール・エッジ、
インピーダンスは16Ω(『713-B/713-C』は4Ω)

である。当時、鉄とニッケル、アルミニウム合金磁石にコバルト、銅、チタンなどを添加して改良する技術が急速に進歩しており、また、ある特定な方向において磁性が高くなるように磁場中冷却をかけたり、材料の凝固時に特殊な鋳型を用いて結晶組織を一方向に揃える、異方性磁石の製造法が確立されたための採用だと思われる。ただし、これらのいわゆるアルニコ系磁石は、きわめて硬く脆いため、通常の鋼材のように鍛造や圧延は不可能である。成型法は鋳造のみであり、精度が必要な部分は切削加工に頼らざるを得ない。この難しいマテリアルを、ウェスタンはいち早く使いこなし、バック・プレッシャー型高域レシーヴァーに採用したわけで、いつもながら、その先進性には驚かされる。

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm


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H WE 728-B Receiver


 いま見ても、12インチ(30.48cm)・ユニットにしては浅い頂点のコーン紙に、4インチの大口径ヴォイスコイルを与え、奥行を3.78インチ(9.60mm)強に抑えた設計は、この上なくユニークである。これは明らかにフルレンジ再生とスペース・セイヴィングを第一義に考えた構造である。

マグネットは俗に壺型と称される、漏洩磁束を極小に抑え、磁場中冷却で異方性を高めた強力なアルニコ・タイプ。磁化には、もちろん「マグネタイジング・コイル」が必要である。

コーン紙には間隔の狭い1山2本線のコルゲーションが1ヵ所設けられ、センターキャップ状の部分も、ヴォイスコイル・ボビンを取付ける段差を作り、そこからあらためてドーム状に盛り上げてプレスするという、たいへんに凝った一体成型品になっている。
紙のコーンだけに、さすがにスパイダー〔ダンパー)レスというわけにいかず、布の樹脂含侵コルゲーション型が採用されているが、その幅の設定も実によく検討された跡をうかがわせる。なおコーン紙のエッジはフィクスト型だが、ヴィスコロイドが塗布され、逆共振による中域のディップを防止している。ヴォイスコイル・ボビンはフェノール製である。型番から類推しても、本機は1930年代後半から40年代にかけてベル・ラボで研究・開発が進められていたことは、間違いないと思われる。

40年代半ばに発表されたカタログに本機の開発コンセプトが載っているが、これが恐ろしく高度な内容である。

@広帯域再生 
Aレスポンスが均一であること 
B低レベルの再生時でも、あらゆる種類の歪が減少させられていること 
C正確な過渡応答を実現する適度なダンピング特性と、リニアリティを改善すること
D広範囲に均一な音響エネルギーを拡散できること 
E突然のピークパワーに対応できる耐入力特性をもつこと。


 いまのエンジニアで、フルレンジ・ユニットの分野において、これらの命題に対して真正面から取り組む者が、全世界で果たして何人いるだろうか。研究費と研究者の多募ではない。「志」の高さと情熱の問題なのである。多分、ベル・ラボにとってもウェスタンにとっても、よき時代に開発されたユニットであったのではあるまいか。

 さて、この『728-B』が、また泣かせる音を奏でるのである。熱い血潮が流れている、とでもいうのだろうか。12インチ・ユニットの常識を破るスケールの大きな、威風あたりをはらう雄大な鳴りっぷり。加えて切れ味鋭い再現性。本機の設計時の「志」の高さは、やはり音に如実に現れているのである。

再生周波数レンジは60〜10,000Hz、ヴォイスコイル・インピーダンスが4Ω、カヴァレッジ・アングルは50°を確保している。つまり先の6条件は、ほぼ完全に満たされている。本機をウーファーとして使っても、これまた素晴らしい。外形寸法は
直径12.34インチ(31.35cm)、奥行3.78インチ(9.60cm)、重量は17ポンド(7.7kg)。


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I ウェスタン・エレクトリック WE757-A (1947年)


『757』は、1947年に発表されたニューライン・オブ・ワイドレンジ・ハイクォリティ・スピーカー・シリーズ中の2ウェイ・システムで、主に放送局用のプログラムソース・モニターとして使用されたものである。

低域ユニットは、『728-B』12インチ(30.48cm)型ダイレクト・ラジエターで、本来はフルレンジ・ユニットとして開発されたものである。

中・高域は、『713-C』レシーバーとKS-12027ホーンが組み合わされている。

 『713-C』はアルミ合金製のダイアフラムを持ち、高域は15.000Hzまで伸びており、カヴァレッジ・アングルは水平、垂直とも90°となっている。

この2つのユニットは、702-Aディヴァイディング・ネットワーク(1kHz)および700-A アッテネーションパネル(HF用)により、きわめて滑らかに結合されている。

本機は明瞭度の高い美しい音が特徴で、ウエスタン・サウンドの一方の雄といえるものだ。第2次世界大戦後生まれのこのシステムは、現代のプログラムソースにも充分に対応できる、きびきびとした反応のよさがあり、胸のすくようなスピード感は圧巻である。しかもその中に、伝統の音の厚みと表現力の多様さが色濃く残されているのだから、エンスージャストにはたまらなく魅力的である。

『757-A』の外形寸法は、

幅30.5インチ(77.5cm)、高さ20インチ(50.8cm)、
底面奥行13.75インチ(34.9cm)、上面奥行11.25インチ(28.6cm)

という前面傾斜型エンクロージュアで、モニター・ブース前方の壁に傾斜面が下を向くように設置されるのが正式である。バッフル面は粗い板紙の繊維をモール ドして形成した音響処理材が貼られているため、箱鳴りなどのノイズは皆無。

周波数特性は60〜15.000Hzで、インピーダンス4Ω、
許容入力30W(ピーク)、
重量82ポンド(37.1kg)


ウエスターン757Aは、FM/AM放送局やレコーディングスタジオなどのモニター用として1947年に開発されたシステムである。 使用ユニットは、

12インチ口径フルレンジ「728B」と「713C」

ドライヴァー+「KS12027」ホーン、

そして「702A」ネットワークと「700A」アッテネーターによる2ウェイ構成で、クロスオーヴァー周波数は1kHzである。 エンクロジュアは密閉型。主なスペックスは、

周波数帯域60〜15,000Hz、耐入力30W、インピーダンス4Ω

となっている。「757」タイプのドライヴァーには「A/B/C」の3タイプがあり、

「A」はアルミ合金製 振動板を採用したヴォイスコイル・インピーダンス16Ωのモデル、

「B」はフェノリック振動板でヴォイスコイル・ インピーダンスは4Ω、そして本機で採用している

「C」は、「A]と同じ振動板を搭載し、ヴォイスコイル・インピーダンス は4Ωとなっている。


「757」内部には、前面バッフルとネットワーク側以外のすべての面に紙製の吸音材が貼られている。 なお、本機は製造された数が極めて少ないため、日本国内にあるオリジナルシステムは20本程度と思われる。


 ●型式:2ウェイ2スピーカー、密閉型
●使用ユニット:L.F.・WE728B、H.F.・713Cドライヴァー+KS1207ホーン
 ●クロスオーヴァー周波数:1kHz(702Aネットワーク)
●インピーダンス:4Ω)
●最大許容入力:30W
 ●再生周波数帯域:60〜15.000Hz
●外径:約W775×H508×D337mm
●重量:36.9kg

http://gokudo.co.jp/Vanguard/bekan2/bekkan.htm


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2) ホーン

@ 3A Horn


555ともマッチする549W/551用のストレート・ホーン

  ホーンを精妙に鳴かせて演出する至芸の世界
 
この時代の蓄音器やウエスタンのホーンには感心する。緻密に設計されているだけではなく、ホーン自体を実に精妙に共振させて音作りをしている。完璧に鳴きを殺した25A、24Aホーンなどのデッドニングにも驚嘆するが、これとは全く逆にこれほど見事に金属の微細な共振を音の一部として精妙に使われては、まったく脱帽するしかない。

549Wや551ドライバーは、この3Aホーンのコンビネーションが標準仕様だ。4Aでもいいかもしれない。たしかにショップの中には、知ってかしらずか他のホーンを3Aホーンと称して販売しているくらいである。しかしできれば、もともとの3Aホーンのほうが良いと思う。写真は555ドライバーの口金にも合うので、3Aホーンを551に取り付けているところだが、このホーンは針金をかけるためのリングがあって、蓄音器と同様にそこから空中に宙吊りにして使用する。朝顔ラッパが他のものに触れてはいけない。振動が消されてしまうからだ。この微振動があってはじめて3Aホーンは、真価を発揮する。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/3a/3a.htm

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A Western Electric WE 12-A Horn


 555レシーヴァーと平行して開発されたステージ天吊り専用木製ホーンで、木製部2ピース、レシーヴァー・アタッチメント1ピース(キャストアイアン製)が結合された形を採っている。12-Aは後に開発された17-Aよりも木部が厚く(ソリッドウッドを使用)、リジッドに作られているため、音のヌケのよさは秀逸である。

音道長=11フィート(3.35m)、カヴァレッジ・アングル=水平30度、水直40度、
外形寸法は

全幅=45インチ(114.3cm)、全高=67.5インチ(171,5cm)、奥行=47インチ(119.4cm)、重量は555込みで200ポンド(90.6kg)。

 最低周波数は62Hz 

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B Western Electric WE 13-A Horn


 ステージ下部設置用フォールデッド型木製ホーン、555用。クレイドルと称する台に乗せられ、開口部に固定された金具により、21.5インチ(54.6cm)から、39.5インチ(100.3cm)まで高さ(角度)が変えられる。音道長は14フィート(4.27m)、カヴァレッジ・アングルは水平30度、水直40度。外形寸法は

全幅=62.5インチ(158.8cm)、全高58インチ(147.3cm)、重量250ポンド(113.3kg)。

 12-Aの開口部は45×45インチ(114.3cm)、本機は62.5インチ×42.5インチ(108cm)と大きい。

 最低周波数は50Hzで12Aと同時に鳴らすと図太い音と繊細な音の混ざり合いになり聴きづらくなります。オーディオに詳しい方が資料を基に12-A:upper positionと13-A:lower positionの記載をもって高音用、低音用の目的でないとの指摘をされています。しかし実際に使ってみると当時ウェスターン・エレクトリックがVictorに製造を依頼した目的は高音用12-Aは天井近くに客席に直接音が届くよう、低音用13-Aは舞台スクリーン裏か舞台下のオーケストラボックスに天井に向けて高音成分が観客に届かないようにセッティングされたものと解釈しています。

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C Western Electric WE17-A Horn/WE15-A Horn System


 ステージ・スピーカーシステムに用いられたウェスタンの主力木製ホーン。1928年開発。

 555レシーヴァーと7-Aアタッチメントを加えたシステムとして、15-A のコード番号が与えられている。

 シナ材の3層ベニア(薄板の木目を直角ではなく、同方向に揃えて貼ってある)を蒸気で湾曲させ、ニレ木材のフレームに固定した木製部(2ピース構造)、アタッチメントのキャストアイアン部分(2ピース構造)が、ボルト・ナットで結合されている。ホーン側部に示されている点線は、音軸を示すもの、

レシーヴァー・アタッチメントは

7-Aが555×1基用、8-Aが2基用、16-Aが3基用、10-Aが4基用、

と4種類がある。 7-A使用の場合、

音道長は約14フィート(4.27m)、
カヴァレッジ・アングルは水平30度、垂直40度。

外形寸法は
全幅=6.375インチ(143.2cm)、全高=70.5インチ(179.1cm)、奥行=53.125インチ(134.9cm)、 重量=140ポンド(63.4kg)

最低周波数は57Hz 


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D Western Electric 24-A Horn


 ステージ用ラミネートメタル製12セル、フラットフェイス型ホーンで594-A用。ミラフォニック・サウンド・システムの高域に使われたが、555レシーヴァーが使用された例(24-B)もある。カヴァレッジ・アングルは70度以内。

レシーヴァー・アタッチメントは3種あり、19-Aが594-A×1基、19-Bが594-A×2基、19-Cが555×1基用である。

外形寸法は開口部で全幅35インチ(88.9cm)、全高26インチ(66.0cm)、

奥行27インチ(68.6cm・595-A×1基装着時)、28.13インチ(71.5cm・2基装着時)、35.75インチ(90.8cm・555×1基装着時)、重量41ポンド(18.6kg・594-A装着時)、

35ポンド(15.9kg・同555装着時)

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E Western Electric 25-A Horn


 ステージ用メタル製15セル、フラットフェイス型ホーンで、555レシーヴァー用。カヴァレンジ・アングル=70度以上(水平)。レシーヴァー・アタッチメントは、20-A(555×1其用)、20-B(555×2基用) が用意されている。

 外形寸法は開口部で 全幅40.5インチ(102.87cm)、全高25インチ(63.5cm)、

奥行34.125インチ(86.68cm・555が1基の場合)、31.625インチ(80.3cm・同2基の場合)、

重量80ポンド(36.2kg)

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F Western Electric WE31-A Horn


 モニター用またはP.A.用アルミニウム・ダイキャスト製ホーン。594-Aとの組み合わせの他、27-Aレシーヴァー・アタッチメントを使用し、713-A/B/C、720-Aレシーヴァーとの組合せも可能。

 カットオフ周波数は300Hz。120度の水平カヴァレッジ・アングルはウェスタンのホーンで最大。

 垂直は40度。サイズは全幅23インチ(58.4cm)、全高9インチ(22.9cm)、奥行15インチ(38.1cm)、

 重量9.5ポンド(4.3kg)。 周波数レンジ300Hz〜10kHz(594-A使用時) 

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm


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Western Electric 31A ホーン


  元々は、594A ドライバーに使用するために設計されたものであるが、27A型アタッチを使って720,713シリーズにも使用することができるのもので、実にコンパクトで使いやすいものだ。横幅23インチ、高さ9インチでホーン長は15インチである。使用周波数は、594Aドライバーとの組み合わせでは、400から10KHzをカバーできるが、同じ型を使用して、後年ALTECが製造をひきついだ。ALTEC730ドライバーにも使用された。  

  センターに補強のためのブリッジがあるが、この部分はコルクなどの材料をつめてあり、直接金属が接触しないように配慮されている。さて鳴らしかたであるが、このホーンには実にいろいろなものがあって、ホーン鳴きの程度もまちまちである。またこの鳴き加減をブリッジのスリットにはさむ材料で調整することができる。

  どの程度鳴かすかは、システムのバランス次第である。また、ホーンの折り曲げ部分の内部にマウスパッドや布などを置いて、音の"うるささ?"を調整する。594A, WE555, 730で使用してみたが、24Aとは比較にならないが、コンパクトで使いやすいホーンである。移動するPA装置として活躍したと思われる。私の場合は、"鳴かさない"鳴らし方を選んだので、鉛のシートでホーンを覆って使った。別のページで出てくるシルバーのタイプは、鳴かないのでそのまま使用することができた。やはり鳴かさないで使用するのがホーンの本来の姿である。24や25のデッドニングは、あまりに見事である。ホーンを叩いてみるとその音にほれぼれする。後の黒い3Aホーンなどは、蓄音機のホーンと考えればよく、これは精妙に鳴らさなければならない。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/31a/31a.htm


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       ; ノ!|   ゝ-‐`ー .l、ゝ   r ァ /  /
      〃 リ /    ヽl >  _ ィ'}ヽ  /
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3) ネットワーク


Western Electric TA-7375-A Network

 “ミラフォニック・サウンドシステム”用の主力ディヴァイディング・ネットワーク。

 クロスオーヴァー周波数は300Hz、12db/oct。インピーダンスは12Ω。

 リタデーション・コイル(ASA-1317)は空芯式、キャパシターTA-4187には大型でかつ誘導電力率のよいオイルコンデンサーを使用している。なおR1、R2、L3によるシンプルなハイパス・イコライザーはシステム・トータルでの最終的な音質コントロールを意図したもので、通常は外してもよい。

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm


594A/1444 ネットワーク
 
メインシステム用のネットワークを変更した。594Aドライバーは、繊細な音の表現を余すことなく精緻に伝えるが、そのエネルギー感と音の速さは並みのものではない。あらゆるウーファーが追いつかないのである。ウーファーは当然フィールド型を使用するが、ウエスタン標準構成のTA-4181をもってしても歯がたたない。ネットワークの設計はどてもむずかしい。

  594Aはとても能率が高いので、ウーファーとのレベル合わせには困ってしまう。信号系統に何かを挿入するだけで音が変わってしまう。マルチ・チャンネルでドライブすればよいと思われる方もいらっしゃるが、そうするとまた仕掛けが大掛かりになり、追い込みはさらに厳しくなる。うまくやらないと肝心のプレゼンス(空気感とでもいいましょうか)が消しとんでしまう。

今回は、真空管アンプのメリットを最大限に活かして、出力トランスの巻き線の2オームで594Aを、16オームで、ウーファーをドライブすることにした。RCA MI-1444は、インピーダンスが30オームなので、2本を並列に接続してさらに能率を稼いでいる。輻射面積から計算すると、18インチ(46センチ)を若干上回る規模である。

  配線は、アクロテックのS-1040を使用し、出力トランスからユニットまでの配線も最短で、30センチ、最長でも50センチと短くしてある。クロスオーバーは、カットオフが373Hz - 6dB/octである。インダクターは下の写真にある、RCA の劇場用のネットワーク用の巨大な空芯コイルXT-2299Bで、重量が、1台4.1キロある。インダクタンスは、実測値で、最小4.2mH、最大10.4mH間を何段階のタップで設定できるものだ。ノギスの先端の幅が示してあるが、巻き線部分の幅が14センチある。空芯コイルの場合、このクラスにならないと風のような低音、空気感の再現はむずかしい。  

  以前は、このインダクタを使用して、(周波数補正実験1のとき)は、24Aホーンのカットオフ近くの220Hzと、かなり低いクロス・オーバーで使用していたが、装置をリスニング・ルーム202に移動したため、部屋の特性が大きく変わったので、ネットワークも含めて作り直した。このインダクタのDCR実測値は、10.4mHポジションで、約0.9オームである。さらに低いDCRのためには、下にあるトロイダル・コアを使用した、平角銅線を縦巻にした特注のインダクタを使用する手がある。この場合実測DCRは、0.1オームに下げられる。コアを使用した場合は、同じインダクタンスを得るのに、サイズを小さくでき、また抵抗値を低くできるメリットがあるが、コア独特の音の性格が出てしまうので、注意を要する。ちなみにこのトロイダル・コアではRコア系の材質が使用されているようで音が太く表現される。当方の大星夜級真空管アンプは、とにかく繊細、クリーン、音の速さをテーマにしているために音が優しく、かつ細く聴こえる傾向がある。このようなアンプでは、意図的にこのようなコア入りのインダクタを使って、音を太くしてやるという手もある。一般のアンプでは、ウエスタンのオリジナルも含めて、もともと音を太くするための回路的な工夫をしてある場合が多く、コア入りインダクタの使用は、音に色づけがされる場合もあるので、この点に留意しておく必要があるかも知れない。その点、空芯コイルは無難といえば無難である。

理想的には、6Nクラスの銅線で、空芯またはアモルファスとかファインメットとか純鉄のコアを使用してインダクタを巻くのがいいのかもしれないが、最近は特殊なコアや6N以上の銅線もなかなか入手できない。風のように軽く速い低音への道は、険しく遠い。

  さて、ご本尊のシテムのほうもクロス・オーバーが変更になり、周波数特性を測定し直したところ、220Hz付近にピークが発生していたので、回り込みを少しでも減らすために、とりあえずバッフルを変更した(7/20/2004)。以前の状態は、Room202の写真どおり、フロント・ショート・ホーンのスタイルをとっているが今回のシステム変更でも、594Aと1444の振動板の位置がまだ約70センチと大きくずれている。これは人間の位相差識別限界最小値の2倍以上である。将来は、振動版の位置を594Aに合わせた低音ボックスとホーン・ロードをかけた大型のバッフル方式で作り直す予定だ。まだまだ道は遠い。
 
http://homepage3.nifty.com/western/audio/network/network.htm


WE594 RCA 1444 ネットワーク 2号

澄み切った中高音と風のような軽低音の再生のための大袈裟なネットワークの設計

メインシステム用のネットワークを大幅に変更した。594Aドライバーは、繊細な音の表現を余すことなく精緻に伝えるが、そのエネルギー感と音の速さは並みのものではない。あらゆるウーファーが追いつかないのである。ウーファーは当然フィールド型を使用するが、ウエスタン標準構成のTA-4181をもってしても歯がたたない。ネットワークの設計はどてもむずかしい。今回は、クロスオーバーを一気に200Hz付近まで下げた。ホーンのカットオフ周波数まで使いきってしまう。反射の発生に関して問題になりそうであれば、後でエキステンションで調整する。

  以前のシステムは、クロスオーバーを300Hz付近に設定していたが、鈴木慶江のアリアの声の中に濁りを感じた。この濁り感は、クロスするウーファーの上の周波数帯域から発生していた。そこで、24Aホーンの威力に全てを託し、594Aコンプレッション・ドライバーのクロスオーバーを200Hz迄下げた。この組み合わせで、部屋を含めた周波数特性は、すでに実測してあるので特性上の問題はない。詳細は当HPの周波数特性計測の項を参照して戴きたい。ネットワークの回路図は以下のようになった。
    
さてウーファーのほうが大問題である。クロスを200Hzに下げるためには、きわめて良質の12mHという大型のインダクタが必要になる。このインダクタは、超低DCRが必要とされ、しかも音質的に優れたものが必要になる。このため、特注で12mHの平角銅線の縦巻きトロイダル・インダクタを2個巻いてもらった。下の写真が特注のインダクタである。(残念ながら、2005年6月に製造中止との話である。)

  当初、このインダクタを1個だけ使用して12mHのクロスオーバーを作成した。ところが、300Hzでクロスしていた時に出ていた、底域の風のような軽い低音が出てこなくなってしまい閉口した。問題はわずかに増加したコイルの銅線のDCRである。このシステムは、アクロテックのS-1040を使用して最短の配線を行っているが、、10センチのケーブル長が音の違いになって出てしまう。そこで、12mHのトロイダルをシリーズに接続して24mHを作り、これと並列に超低DCRの20mHの重量10Kg以上の巨大なリアクトルを接続して、合成インダクタンスがほぼ設計値になるようにした。さすがにこのネットワークの威力はなかなかのもので、低域がいとも軽々と速く再生されるようになり、594Aの低域になんとかマッチするようになった。
 
  しかしこの方法は一般的ではない。200Hz以下かつ12dB/Oct 以上という低い周波数で急峻にカットする場合にのみ有効である。300Hzでは失敗する。理由は人間の耳の特性にある。300Hz近辺では、まだ人間の耳は鋭敏に音を識別してしまうのでごまかしが効かない。さすがに200Hz以下になると人間の声の周波数成分がかなり少なくなってくるので、耳が違いを識別できにくくなる。こうなるとインダクタの素材の差の相違の影響というか、この識別が甘くなる。しかしDCRの差による過渡特性の識別は、十分に可能である。このトレード・オフを利用したというか、人間の非線形な耳の特性を利用した作戦である。C4の10uは、スロープを決定するが澄み切ったボーカルを聴くときには必須だが、ピアノのリアリティーを求めるときには、外したほうが良い。普段はつけた状態にしてある。その他の詳細は、本HPのネットワークの項目を参照されたい。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/594_1444_nw2/594_1444_nw2.htm


WE594 RCA 1444 ネットワーク 3号

15インチダブル・ウーファーでの200Hzクロスオーバー、風のような低音を再生するネットワークの設計

メインのリスニング・ルーム202号のスピーカー・システムを大幅に変更した。おおがかりなホーン支持金属アレイ・フレーム製作作業の末、低音用のダブル・ウーファーの振動版面を24Aホーンの前端より約1メートル後方の移動し、今まで気になっていた位相差を合致させた。クロスオーバーも200Hzに変更し、風のような軽い速い低音再生を目指した。計算上のバランスでは、15インチ・ウーファー4発または、18インチ・ウーファー2発にしたかったが、低音のボックスとホーンの"建設"が間に合わないので、涙をのんでWE594Aドライバーにアッテネーションを行った。

  アッテネーションは、RCA劇場用の大型ネットワークに使用されるカプリング・トランスフォーマーXT-736である。アッテネーションによるレベル変更では、やはり音が甘くなるので、594A側のフィールド電源を一切の抵抗を経由しないように設計を変更し(チョーク・コイルのみを使用)若干電圧を上げて、音の浸透力を上げて補った。
 
  594Aドライバーは、繊細な音の表現を余すことなく精緻に伝えるが、そのエネルギー感と音の速さは並みのものではない。あらゆるウーファーが追いつかないのである。ホーンのカットオフ周波数まで使いきってしまう。反射の発生に関して問題になりそうであれば、後でエキステンションで調整する。200Hzクロス付近での周波数特性はすでに実測してあるので、これにウーファーの特性をあわせる。実測特性に関しては当HPの周波数特性計測の項を参照して戴きたい。ネットワークの回路図は以下のようになった。  
軽くて速い低音の再生のため、超低抵抗のネットワーク・インダクタが必要となる。このためウーファー用のクロス200Hz用のローパス・フィルタでは、特注で12mHの平角銅線の縦巻きトロイダル・インダクタを2個巻いてもらった。下の写真がネットワークの写真である。12mHのトロイダル(RC-12L)をシリーズに接続して24mHを作り、これと並列に左奥にある超低DCRの20mHの重量10Kg以上の巨大なリアクトルを並列接続して、合成インダクタンスがほぼ設計値になるようにした。10から12mHの大きなインダクタンスがあるが、合成直流抵抗は数百ミリ・オームと、ディジタル・テスタで計測できないほど低い。さすがにこのネットワークの威力はなかなかのもので、低域がいとも軽々と速く再生されるようになり、594Aの低域にマッチするようになった。ウーファーが15インチ4発あるいは、18インチ2発になったときには、ネットワークは、右手前のカプリング・トランスを外して2号状態に戻す予定だ。右手に見えるのは、自動車用のパンタグラフ・ジャッキ。ホーンやドライバーをセットするときには、各種4本のジャッキを使用する。

  しかしリアクトルを用いたこの方法は一般的ではない。200Hz以下かつ12dB/Oct 以上という低い周波数で急峻にカットする場合にのみ有効である。300Hzでは失敗する。理由は人間の耳の特性にある。300Hz近辺では、まだ人間の耳はけっこう鋭敏に音を識別してしまうのでごまかしが難しい。さすがに200Hz以下かつ12dB/Oct以上のクロスになってくると、鉄芯リアクトルの音の癖を、耳が違いを識別できにくくなる。こうなるとインダクタの素材の差の相違の影響というか、この識別が甘くなる。これに比べて直流抵抗値の差による過渡特性の差の識別は、十分にシビアである。この人間の非線形な耳の特性を利用した作戦である。C4の10uは、スロープを決定するが澄み切ったボーカルを聴くときには必須だが、ピアノのリアリティーを求めるときには、外したほうが良い。普段はつけた状態にしてある。その他の詳細は、本HPの他のネットワークの項目を参照されたい。下の図は、594Aに-6dBのアッテネーションを行った場合の部屋の特性を含めた実測周波数特性。ウーファーとコンプレッション・ドライバーのレベルがおおむね合っている。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/594_1444_nw3/594_1444_nw3.htm


WE594 RCA 1444 ネットワーク 6号

15インチダブル・ウーファーでの660Hzクロスオーバー、紆余曲折の結果のネットワーク

  WE594A/1444 ダブル・ウーファー用ネットワーク4号5号---方針を大きく変更
 
この6号を試すまでに,実はたいへんな紆余曲折がありました.出力トランスをファインメットの特注(4号)から,タムラに変更(5号),その後にLUXのOY36型(6号)に変更しました.出力トランスは,アンプから外してスピーカーの近くまで持ってきてあります.こうすることによりスピーカーケーブルを短くできるからです.出力トランスの変更によって音は大きく変化します.最終的にOY36型に変更したおかげか,低音の量感が増しスピード感も速くなってきました.そこで,全体のネットワークの見直しを行いました.

  5号までの考え方は,MI-1444が594Aに全く追いつかないので,594A側のクロスオーバーを徹底的に低くとる作戦でした.そのため,ホーンのカットオフ近くの200Hzまで,クロスオーバーを下げて,MI-1444の遅さを594Aの下側の速さで補うアプローチです.しかしこうすると,MI-1444のウーファー側のクロスオーバーが低くなることにより,直列に入れるインダクターの容量がどんどん大きくなってしまいます.直前の設定では,何と12mHという大きな値です.こうすると大型の超低DCRのインダクタでも,0.1オームから0.05オーム程度のDCRをもつことになります.このDCRの大きさによって,低音のスピード感が損なわれてしまうのです.1444をネットワークなしのフルレンジで鳴らしてみたところ,とんでもなく”いい低音”がでたので,いかにインダクタのDCR成分が音を殺しているかがわかりました.つまり,低音が遅いので,クロスオーバーを低くした.ところがそのせいでさらにLが大きくなりDCRが増えて,いっそう低音を遅くしていたわけです.

  そこで,DCRを下げるために下の写真にあるインダクタを使用してみました.元々は電源トランスなのですが,とても優秀な作りで,ACインダクタとしてそのまま使用できるものです.2次側のインダクタンスは,5mH,DCRはディジタル・テスタで測定値が出ないほどに低いです.平角銅線を巨大なコアに巻いています.(このトランスは,横須賀の南條氏よりご提供戴きました.同氏はトランスのプロフェッショナルでいらっしゃいます.この場をお借りして御礼申し上げます.またこのトランスは電源トランスとしてもきわめて高性能なので,この実験後は,励磁電源のトランスに使用予定です.)南條氏のHPは,こちらです.実に深い造詣を感じさせます.トランスに関しては,是非来訪熟見されることをお勧めします.  
   

  660Hz クロスオーバーネットワーク回路

アッテネーションは,トランスの二次タップだけで行い,抵抗成分を極力排しています.L1が今回導入した5mHのインダクタです.L2は,12mHの平角銅線の縦巻きトロイダル・インダクタと20mHの大型リアクトルを切り替えて使用しています.回路はきわめてシンプルになりました.

  660Hz クロスオーバーネットワークの実装
 
  下の写真が,今回の6号のネットワーク回路の実装状態です.右がOY36のリモート・トランス,上の黒い色が20mHのリアクトル,下が今回導入の5mHのインダクタ,左が12mHの特注のトロイダル・インダクタです.ウーファー側のインダクタのDCRが下がって,低音の質が向上しています.コンプレッション・ドライバー側は,クロスオーバーが上がったため低いほうをサポートする必要がなくなり音質が向上しています.”低音が出ているように”に聴こえる250から450Hzのカバーが薄くなったぶん,いわゆる”低音が出ている”感は減少しています.が,全体的な音質が向上しています.このあとシビアに調整を進めていく予定です.

http://homepage3.nifty.com/western/audio/594_1444_nw6/594_1444_nw6.htm

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4) スピーカーケーブル


  ケーブルの長さで音が変わる  

スピーカーに限らず、オーディオシステム、部品間を繋ぐ電線の問題は実に頭の痛い問題である。つながないことには音が出ないので、電気を使う装置の宿命としてつきまとう。電線不要の蓄音機がうらめしい。この問題であまりに悩むと電線病となる。すべてを電流伝送にすればよいのだが、あらゆるコンポーネント間が電圧駆動になっているため、この問題は避けて通れない。ここでは、私の考え方と解決のヒントを紹介しよう。

  WE755Aは、8インチの秀作、不世出のフルレンジ・ユニットである。このスピーカーは、高能率で実に細かい音を再現するに長けているが、ボイスコイルのインピーダンスが4オームと低く(ごく普通のスピーカー・ケーブルでは特に顕著だ)、アンプとの接続が全長1メートルくらいでは20センチ程度の長さの差があると音に出てしまう。むっとして、ケーブルを短く切るが、短ければ短いほどによい。理論的にも現実的にもケーブルは無いのが理想的である。将来は、スピーカーも電流駆動にしたいと思っているが、この分野はまだまだ研究が必要だ。  

  低いインピーダンスのスピーカーは、ケーブルの影響を受けやすい。下図左にあるように、SPケーブルが長い場合、ケーブル自体の抵抗が多くなり、アンプ側からみると、ボイス・コイルを駆動しているのか途中の配線を駆動しているのか、訳がわからなくなる。WE755Aスピーカーのボイスコイルは、銅線を直径1インチのボビンに35回程度巻いてあるだけである。交流的には磁界内でインピーダンスを持つが、DCR(直流抵抗)では、2オーム程度と低い。周波数が低くなってくるとDCRはより大きな問題となってくる。
 

  プロ用システムの600オームインピーダンス伝送  

家庭用の装置では、ケーブルの長さは数メートル程度でおさまるが、劇場や野外PAなどの場合では、このケーブル長が数十メートルに及ぶことがある。このため業務用の装置では、アンプからの出力インピーダンスを高く送り出している。歴史的に業務用の装置ではアンプからは600オームの送り出しにして、スピーカーのすぐ近くにマッチング・トランスを設置し、ここでスピーカーのインピーダンスにあわせる。ケーブルが短い場合は、当然トランスを入れないほうが音質的に優れるが、使用される環境が特定できないプロユースでは、安定した性能を発揮するために、高めのインピーダンスで送り出して、マッチングをトランスで取るようにしている。

  多くのウエスタン・ユーザーは、シアター用のシステムをそのまま自宅のリスニング・ルームに持ち込んで聴いていると思われる。バランスどりもこのプロユースのインターフェースで行っている。しかしながら、ホーム・ユースでは、ケーブル長が短ければ、高いインピーダンスで送り出す必要もなく、間にマッチング・トランスを入れる必要もない。これら取り去ることにより、理論的にも現実的にもシステム性能は、飛躍的に向上するはずである。束縛から解き放たれたウエスタンのドライバーは、想像を絶する音の世界を現出する。基本性能の高さをいかにマスクして使いやすくしているかが、如実にわかる。しかしウェスタンのドライバーを、素の状態で他の装置とバランスをとるのは、至難の業である。これはレーシング・マシンのチューニングの世界に通じるものがある。


 
  リモート・トランス方式  

  高性能のスピーカーケーブルは、非常に高価である。私のように懐に余裕のない者は、数メートルのケーブルに十万円も出せない。というか、もともと無いのが最高の状態のものに、泣く泣く資金を投入するというのは、技術的にも忍びない。そこで、数メートルの範囲であれば、アンプの出力トランスをアンプの外に出してしまえ、ということになった。これが、私流のリモート・トランスという方法である。普通は出力トランスは、上左図のようにアンプのシャーシの中に収まっているが、これを外して上右図のようにスピーカーのすぐ傍にもってきてしまう。そうすると低インピーダンスの配線部分は、とても短くてすむ。数十センチくらいと短ければここには、目いっぱい高いケーブルを使ってやることもできる。アンプとトランス間は、高目のインピーダンスでつながっているし、電流は数十ミリアンペア程度と極めて少ない。よってケーブル延長の影響は、スピーカーの場合より圧倒的に少ない。但しこのケーブルには数百ボルトの電位があるので、感電に気をつけないといけない。またアンプとトランス間はすべてはんだ付けでやらなければ危険である。回路がプシュプル方式の場合は、お金さえかければ、さらに効果的な回路構成をとることができるが、一般の人にはお勧めしない。ここで節約した資金は、別の場所に投資したほうがいいと思う。



  モノーラル・アンプを使う
 
このリモート・トランス方式にしなくとも、モノラルのアンプを2台にして、それぞれをスピーカーのすぐ傍に置く手がある。この場合、コントロール・アンプとメイン・アンプの間のケーブルは、通常の電圧伝送であっても、まだまだ伸ばす余裕がある。スピーカーのケーブルは、ボイスコイルのインピーダンスが低いので延ばせないのである。私の使用しているウーファーRCA 1444のインピーダンスは、30オームである。よってケーブルの影響を受けにくい。これも業務用のものである奥ゆかしい仕様になっている。反面、ネットワークのインダクタが巨大化するが、その点は本HPのネットワークの項目も参照されたい。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/sp_cable/sp_cable.htm


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5)プリアンプ


@ Western Electric TA-7387 Amplifier


 『TA-7387』はP.E.C.信号の増幅用、“ミラフォニック・サウンドシステム"に用いる『1086-A』の前置アンプとして設計された。 

機能は『49』と同様だが、『49』が映写機と隣接した場所に設置するハイインピーダンス入力であるのに対し、本機はキャビネットに収納された状態で映写機の壁に直接マウントされ、映写機とは離れた場所に位置するため、インプット・トランスを設けたローインピーダンス対応となっている。

アンプは262Aシングル・ステージのシンプルなものなのだが、アウトプット・トランス132ーCの出力側には、シャーシー内部に固定式のデーヴァン製アッテネーターFP-39(巻線抵抗を内臓)と、回転式アッテネーターTA-4190が、シリーズに結合されている。

 劇場におけるステージ・レシーヴァーの音量は、このTA-4190でコントロールした。 262Aのヒーター用A.C.10Vおよび B電源200Vの供給は『86』から行われるが、特に高圧側は『1086ーA』内の716-Aアパレイタス・ユニットを通じてサプライされる。このユニットにはリタード・コイルが179-Aと221-Aの2種類のヴァージョンが存在する。
 一般的には、『1086-A』ばかりがエンスージャストの間で脚光を浴び、本機はあまり目立たない存在だが、音量調整用のアッテネーターを持たない『86-A/C』アンプには、必要不可欠な存在といってよく、付加することによる音質の向上ぶりは、目を見張らせるものがある。“ミラフォニック・サウンドシステム”の本領を発揮するのに、絶対欠かせない製品だといっても過言ではない。

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A Western Electric 49 Amplifier


 『49』は1928年、プロジェクターに付属する2Aまたは3A P.E.C.(フォト・エルクトリック・セル)光学式ピックアップの微小信号を、ラインレヴェルにまで増幅する前置アンプとして開発された。

 「49-A/B』では、P.E.C.信号をダイレクトに電圧増幅管239Aで受け、インターステージ・トランスを経て、出力管239Aを通り、アウトプット・トランス127-Cの2時側から500Ωでラインアウトしているが、1931年の『49-C』からは、真空管が264Aに変わる。また2A P.E.C.が3Aなって出力が20dbほどアップしたため、インターステージ・トランス246-Aを抵抗結合回路に変えている。

 本機はローレヴェルを扱うアンプだか、各真空管に個々のシールドケースは設けず、黒いスティール製のキャビネットにアンプ全体を収納してシールドし、映写機のかたわらに床から鉄製のポールを立てて、その上にマウントした。アンプ本体のコンストラクションは、真空管、トランス類をマウントしたサブシャーシーが10本のスプリングで揺り籠のように外枠から吊り下げられ、スプリング自体に通電性を持たされ、信号、電源などの電流の経路となる。このフロティング機構はローレヴェル増幅での、マイクロフォニック・ノイズやアコースティック・フィードバック防止に効果絶大だ。

 『49』のフィラメントは、ほとんどバッテリーにより点火(D.C.12V)されたが、P.E.C.のポレレイジング電源を兼ねるB電圧90Vは、『42』、『46』のB電源から、D-9610または700-Aフィルター・ユニットを通じて供給される。現在、『49』をフォノイコライザーに改造して使用する向きもあるようだが、元来30db程度のゲインしかないフラットアンプなので、トータルゲインを確保するためには、昇圧比の高いインプット・トランスを使うか、本機をシリーズ接続するか、あるいは前か後にラインアンプを置く必要があり、なかなか難しい。しかし直熱管によるフォノイコライザーは、真空管アンプ愛好家の見果てぬ夢である。

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B Western Electric 41 Amplifie


Western Electric WE 41 42 43 Amplifier

 『41』−『42』−『43』は、本格的にトーキー映画普及の見通しが確立した1927年から1928年にかけて、ウェスタンが開発した“ヴァイタフォン”と呼ばれるシアター用サウンドシステムの、アンプリファイアー(以下アンプ)部である。

この3台のアンプは単独に用いられるではなく、あくまでも『41』が『42』を駆動し、更に大出力が要求される場合『42』が『43』を駆動するインテグレーテッドなシステムとして設計されている。

『41』に使用されている真空管は、マイクロフォニック・ノイズのきわめて少ない293A、プレート用のB電圧は『42』から供給され(D.C.390V)、フィラメント点火用のD.C.12Vは、外部のストレージ・バッテリーからサプライされる。このD.C.12Vはフィラメント点火と同時に、一部を分圧しグリットにバイアス電圧を供給しており固定バイアスとセルフ・バイアスの折衷の動作になる。これはウェスタン独特のバイアス印加方で同社のスクライグンE.O.Scrivenの着想によるものである。

“ミラフォニック・サウンドシステム”登場の1936年以降には、大容量型のタンガーバルブ式カーレント・サプライTA-5035、TA-7276などが開発され、導入されたため、ステージ・スピーカーのフィールドコイル電源、映写用プロジェクター・ランプの電源、および『41ーA』のD.C.12V電源を1台でまかなうことが可能になった。このタンガーバルブ式電源の12V出力のフィルター部はきわめて厳重で3個のリード・コイルとTA-4115乾式電解コンデンサー「2μF」によるπ型フィルターを経て供給されている。D.C.12V回路にシリーズに入れられているフィラメント電流調整用の35-Nレオスタットも、抵抗線を張ったステップの接点を持つ、大変に凝った造りのものである。



Western Electric 『200-A』


 『41』ー『42』-『43』アンプ・システムは、ウェスタンの101型ラックに設置される。 そのいちばん上に設置されるのが200-Aパネルで、6系統のステージ・スピーカーと1系統のモニター・スピーカーのON/OFを行う。そして7-Aオートトランスを内蔵し、500Ωライン出力を555Wレシーヴァーのヴォイスコイル・インピーダンスに変換する。オートトランスは鉄心の上に、一つの連続した巻線を持ち、その一部は1次巻線と同時に2次巻線ともなって共通に動作するものである。

7-Aは同社が発表した周波数が信じられないほどの広帯域感と豊かな密度感を持っているのが特徴だ。

 ステージ用レシーヴァーまでは、パラレルに数十メーターのケーブルが引き回されることのなるので、アンプの不安定動作や発振防止のため、アウトプット・トランス127-Aの1次側のセンターに、シリーズにリタード・コイル109-A〔実側値5H、D.C.抵抗120Ω)が1個追加され、グラウンドに対してLCフィルターを形成している。

『41-A』の外観は、ウェスタン・エレクトリック社が「ジャパニーズ・ブラック」と呼ぶ黒を基調としている。

『41』は『42』を駆動するための電圧増幅アンプである。回路は直熱3極管239Aの3段増幅というシンプルなもの。

構造的には19インチ・リレーラックマウント・サイズのパネルの両面に組み上げられ、前面下部には黒い四角形のカヴァーが取りつけられている。上部には電流監視用のメーターが2個。左側のメーターは239Aのプレート電流用〔フルスケール2mA)で、3本の239Aのプレート電流をスウィッチで選び、1本ずつチェックすることができる。右側のメーターは、239Aのフィラメント電流監視用(フルスケール300mA)。パネル右側にある電流調整のためのレオスタットで手動調整する。3本の239Aフィラメントは、全部シリーズに接続され、トータル270mAにセットするのが規定値である。239Aの後続管264A/B/Cでは、これが300mAに増える。
 
3本の真空管は、アンプパネル前面下部のカヴァー内部のフローティングされたサブシャーシに、130-Aソケットによりマウントされている。 防振のために、2重のコイルスプリングの中央に真空管のピンが貫通するようにつくられた130-Aソケットは、フェルトを介して真鍮製のサブシャーシにマウントされ、シャーシは防振ゴムを挟み込んだコの字型のスティール・ブラケットでパネルに固定してある。 サブシャーシー全体を覆う銅版製のカヴァーは真空管のシールド用である。更に、そのカバーの内部はフェルトが貼られている。マイクロフォニック・ノイズ、アコースティック・フィードバックを避ける為の実に巧妙な仕組みだ。

『41-A』は入力信号をインピーダンス200Ωの233-Eインプット・トランスで受ける。233-Eの2次インピーダンスは25KΩで、昇圧比は1:11.2。インプット・トランスの2次側には、23接点の26-Aポテンショメーターがあり、1ステップ3dB。合計22ステップのゲイン・コントロールが可能になっている。抵抗値の合計は177.941Ω(≒180Ω)。26-Aは後術の38シリーズの抵抗8個と独自の巻線抵抗15個を組み合わせたもの。調整ノブに固定された目盛り板をサム・スクリューでロックすることができる。ポテンショメーターを出た信号は初段の239Aに入る。初段と2段目の間には「High-Low」のゲイン選択スイッチがある。ジーメンス型の2極切替え多接点スウィッチである。

High側は0dB、Low側はー15dBの設定。

これを『41』−『42』というシステムの場合は「High」、『41』−『42』−『43』という組合せの場合は「Low」で使う。


 『43-A』のゲインは15dBの為、双方のシステムのトータルゲインは等しい。ゲイン選択後、信号は239A2段で増幅され、出力端子に接続される。239Aの終段はそのままパワーアンプ『42』のインプット・トランス233-Gの1次側16kΩに接続され、負荷となる。そのプレート電流は1.35mAから1.55mA、出力は19mWである。『41』用に『42』から供給される390VのB電圧は、まずリタード(チョーク)・コイル109-Bを通り、各真空管のプレート電流監視マーター切り替えスウィッチを経て、各々のプレート回路に接続される。


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6) パワーアンプ



@ Western Electric 42Amplifier


 『42』は『41』により駆動されるパワーアンプである(価格は206ドル25セント)。『42-A』のインプット・トランス233-Gの1次インピーダンス16kΩは、『41』の終段管239Aのプレート負荷となり、2次側が205Dのプッシュプル・ステージを直接スウィングする。 搭載される真空管は205Dが4本、そのうち2本は出力管、他の2本は2極管接続(グリッドとプレートをつなぐ)で整流管として用いられる。 
 
 出力管205Dのグリッド・バイアスは、セルフ・バイアス方式が採られており、フィラメント・トランス(303-C)の4.5V巻線のセンタータップから575Ωの抵抗でグラウンドされている。インプット・トランスの2次側の中点も、48kΩの抵抗でグランドされているが、その際バイアス抵抗のホット側、つまりフィラメント・トランスのセンターと、入力トランス2次側のセンターが0.5μF〜1.0μFのコンデンサーで接続されている。

アウトプット・トランスの1次側のセンタータップには、電流計〔フルスケール100mA)が入れられており、プレート電流60mAを監視する。B電源は、パワー・トランス303-Bの高圧巻線430V×2を2本の205Dによって両波整流する。整流後の高圧はフィラメント巻線のセンタータップから取り出される。フィラメント巻線構造は複雑になるが、リップルの低減と接続の長期安定性の点で有利な方法である。フィルター回路を通過後のB電圧は440V〜450V、205Dの実効プレート電圧は410V〜420Vになる。『42-A』のアウトプット・トランス127-Aは1次インピーダンス8kΩ、2次インピーダンス500Ω/250Ωである。

『42』の電源スウィッチは時計回りのみの回転式で、ポジション@で各真空管のフィラメントがオンのなり、ポジションAで高圧が印加される。

 『42』はパネル正面から見て上部左側に出力管の205Dが2本、右側に整流管用の205Dが2本、専用ソケット116-Aに差し込まれている。そして、それぞれはパーフォレイテッド・メタルを小判型に成形した放熱および真空管保護用グリルに囲まれ、頭が手前にくるよう横向きにセットされている。 ベースはバヨネットで回転ロックされるが、その時、205Dのグリッドは垂直になり、使用中のフィラメントのたるみによるグリッド接触事故を防いでいる。

ゲインは『42』単体で25dB、『41』単体の42dBと合わせると合計67dBになる。

『42』の最大出力は1.9W。

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A Western Electric 43Amplifier


 『41』ー『42』は出力1.9Wのアンプシステムとして、1,000席以下のシアターでは充分に実用になった。しかし、それ以上の規模の映画館においては、より大出力が要求され、そのためのブースター・アンプとして『43』が開発される。

『43』は『42』の出力(500Ω)で駆動される。

インプット・トランス241-Aは、単体の1次インピーダンスが275Ω、2次側が3,370Ω、昇圧比1:3.5であるが、外ずけ抵抗の610Ωで調整され、入力インピーダンスは500Ωn整合されている。

出力管には、211E(後には242)が2本、整流管にも同一のチューブが2本使用される。
『43』が一般のパワーアンプと異なる最大のポイントは、出力管のプレート供給電圧が750Vと高圧電流であることだ。これは後の『B-43-A』で、1,050Vに引き上げられる。このような電圧の印加は、一般のコンシューマー・アンプのように、不特定なユーザーが使うという前提では、生命にかかわる危険があるため、採用は難しい。

『43』の回路は基本的に『42』と同一のコンセプトで、それをスケールアップしたもの。

 インプット・トランスはダイレクトに出力管211をプッシュプル・スィングする。そのバイアス抵抗は、200Ωと112Ωをシリーズ接続した312Ω(出力管1本分に換算すると624Ω)である。

出力管と、整流管のフィラメントは、10V/6.5Aがセンタータップつきで2回路、フィラメント・トランス(307-B)から供給される。

アウトプット・トランス(128-A)は、円筒型。リングコアの、高価なトロイダル巻線構造で、1次インピーダンス6.5kΩ、2次インピーダンス500Ω、重量約14ポンドの巨大なものである。アウトプット・トランスの1次側センタータップには、211×2本分のプレート電流計(フルスケール200mA)が入る。このメーターの前に発振防止用のリタード・コイル(136-A)が挿入され、B電源につながるのも『42』と同様の手法。

B電源用のパワー・トランス(307-A)は、760v×2で両波整流後、1μF×9個のパラレル接続されたオイル・コンデンサー群×2と、リタード・コイル(137-A)でフィルタリングされる。137-Aリタード・コイルの実測値は20H(D.C.抵抗225Ω)である。インプット・トランス(241-A)の2次側はセンタータップから48kΩでグランドされている。このセンターと出力管のフィラメント・トランスのセンターが0.5μFのコンデンサーで結ばれ、信号電流を還流させているのも『42』と全く同じである。 

『43』に使われた真空管は211E→242A→242B→242Cと年代順に推移する。

 242はプレート損失が100W増強されたため、『43-A』の高圧トランス307-Aをピアレス製AR-1054Aに変更し、750VのB電圧が1,050Vになった。カソード・バイアス抵抗値も上がった。

 アウトプット・トランスも、スピーカーにダイレクトに接続できる低インピーダンスの2次巻線を持つAR-1053-A、あるいはD-95659(1次=8kΩ、2次=1Ω、4Ω、9Ω、16Ω。これは『10-A』のローインピーダンス対応型で、後の『87』にも使用された)に変わり、出力は9.5Wから一気に24Wとなる。

 『41』-『42』で駆動された『43-A』の音は、『42』の音を色濃く残しながら、音楽の表情がより深くなり、強い説得力を持つ。9.5Wの出力とは関係なく、圧倒的であふれるような色彩感に満ちたサウンドは、他のアンプでは全く得られないものである。


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B Western Electric 86 Amplifier


WE-86-C回路図
http://kankyu.ehoh.net/page013.html

 『86』は、1934年に発表されているが、’35年のType1〜4システム、’36年のM-3〜4“ミラフォニック・サウンドシステム”の「ダイフォニック」システムをドライヴするパワーアンプとして運用、出力管300Aをプッシュプルで用いた、ウェスタンでもっとも著名な製品の一つである。

300A採用のアンプは、『D-95036-F/G』、『86』、『91』、『92』と、1938年以降の製造された『TA-7467』、『TA-7477』があるが(他に300Bを採用した『42』、『46』のモディファイド・ヴァージョンなどがある)、ファイナルステージがプッシュプルの『86』。シングルの『91』、この2種がシアター用として、もっとも重要な存在である。 


前置アンプ用電源は、『49』では714-A(D.C.90V)、『TA-7387』あるいは『80』を用いる場合には、716-A(D.C.200V)アパレイタス・ユニットを内蔵する。 

『86』は(A)と(C)型で最小47db から最大99db、(B)型で36dbから96dbの幅広い固定式ゲイン・コントロールが行えるのが特徴である。
 
まず入力信号は1次インピーダンス200Ω、2次インピーダンス110kΩ、昇圧比1:23.5のインプット・トランス261-B(パーマロイ・コア)で受ける。

 『86-A』のアウトプット・トランスは166-A、『86-B』では166-B、『86-C』では159-Bとなる。

 159-Bは1次インピーダンスが4.13Ω、2次が6Ωと12Ωで、

6Ωのタップの場合 3.5Ω〜7.5Ωのインピーダンスを持つレシーヴァー、

12Ωの場合には7.5Ω〜15Ωのレシーヴァー

を接続するようにとの指示がある。 300Aのバイアス抵抗(ワード・レオナルド製)は、60オームと510Ω(合計570Ω)で、ここには300A×2本分の電流が流れるから、1本分に換算すると1.140Ωになる。わざわざ60Ωと510Ωに分割してあるのは、B電源と510Ωの間に16μFの電解コンデンサーを接続し、A.C.分(B電源のリップルや出力管のアンバランスから生ずる歪)をキャンセルする手法である。また同時に300Aの、高域における電源インピーダンスを下げる効果もある。『86』はウェスタンで最初に本格的に電解コンデンサー(エアルヴォックス製)を採用したアンプで、これも画期的なことであった。

 『86-A』『86-B』とも、パワー・トランスには当初60Hz専用のコア・ヴァリウムの小さめのもの(323^B)が採用されたが、発熱およびレギュレーションの点で不利なため、1935年に47Hz〜63Hz対応のD-96970に交換された『B-86-A/c-86-A/86-C』が生まれる。

 『86』は、映画産業の隆盛の波に乗った、ワイド・フリクェシー&ヴォリュウム・レンジを謳う“ミラフォニック・サウンドシステム”を導入したシアター用に、1934年から’37年の間、大量に生産された。 客席数が800〜1500席、100,000〜250,000立方フィート(2,831〜7,079m3)のエア・ヴォリウムを持つシアターでM4システムや、M3システムにおける、ステージ・レシーヴァー駆動用の終段アンプとして充分な実力を発揮した。
 TA-4161-A低域レシーヴァー、594-Aレシーヴァー、26-Aホーンを主体とする“ミラフォニック・サウンドシステム”を本機で鳴らしてみると、わずか15Wの出力であるにもかかわらず、その卓越した表現力、色彩感豊かな描写、そして圧倒的な重量感は現代の数百Wのアンプに勝とも劣らないことを強烈に思い知れされる。

オーディトリアムにおける音響機器のテクノロジーは、1930年代にはすでに完成の域に達していた。それが現代民生用オーディオシステムにあまり継承されていないことは残念でならない。音響技術および音楽ソフトの分野に関しては、S/Nが改善され、ダイナミックレンジおよび周波数レンジも拡大してきたが、その代償として失われたものも多いことを考え直す時期に来ているのではないだろうか。

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm


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C WE−91B


WE-86-C回路図 ・WE300Bシングル回路図
http://kankyu.ehoh.net/page013.html



WE-300Bをシングルで使ったアンプとしてその信頼性と設計の良さが語り継がれている。初めて原型のWE-300Aが1936年にWE-1068トーキー映画アンプシステムのWE-86アンプに使われた。その後WE-91Aに使用、改良された300Bが投入されると91Bに改版となった。
電圧増幅はWE-310A(Ef=10V)を2段使い、十分な増幅度を得ている。入力はフォトセル用にT1で昇圧しハイゲインとしている。整流管は274Aを採用して300Bとウォームアップ時間を合わせている。

オリジナルはモノラルアンプ オーディオ用には入力Tと初段を省略する回路が参考にされてきたがオーバーオールのNFBなどの極めて高度な補正が施されている回路は今でも色褪せない。現代版復刻アンプがステレオ仕様で
 
サンバレー SV-91BU (発売元: ザ・キット屋)
http://www.kit-ya.jp/product_info.php?cPath=86_87&products_id=667

として発売されている。

http://kankyu.ehoh.net/page003.html

  現代に適したアンプ回路

 
古い時代に設計されたアンプの回路を見ると、そのシンプルさに驚く。現代では、このような回路では、電源の影響で、音質の劣化が著しいだろう。私は、昔の回路設計が悪いとは思わない、むしろ現代の設計が見習うべきところも多いのではと思っている。私が申し上げているのは、おそらくは、20年前、さらにもっと以前は、オーディオ装置は、同じ装置であっても、もっといい音で鳴っていたに違いないということだ。

これは、AC電源の品質による。現代の家庭用の100Vの電源は、あまりにノイズで汚染されているのだ。特にディジタル装置から発せられるノイズの凄まじさには、おそろしいものがある。ACに乗った高周波のノイズは、電源トランスを貫通し、信号経路に混入し、混変調を発生させ、ひずみの元凶となる。電源雑音による音の違いは、システムのグレードが上がると顕著になる。時間帯により、音質に大きな違いがあるというのは、AC電源品質が時間により変わることが、音に反映しているということであり、システムのグレードがかなり高いという証拠でもある。
 
  真空管アンプがブームであるが、多くは古い時代の回路が基本になっている。これらの回路は、昔、AC電源が”清流”だったころに考案されたもので、当時は、問題なく優れたものだったが、現代の電源事情では、十分な性能を発揮できない。反面、現代に設計された、アンプでは現代の電源事情下で設計されてあり、電源の影響を考慮した回路化が成されている。そのため、昔の名器が、ソリッド・ステートのアンプの音に及ばないこともあり得るのだ。
 

  AC電源の影響を受けにくいアンプ

  私の製作した大星夜級のアンプでは、電源に重点を置いている。2A3PPアンプのB電源は、6段のパイ型フィルターで、高圧から、チョーク・インプット経由で所望のB電圧まで落としており、AC電源の影響を受けにくくなっているので、時間による音の違いは少ない。当初パイ型フィルターの段数と次第に増やしていったが、増やせば増やすほど、音質の向上がみられた。まるで、吟醸酒を造るために、精米歩合を上げて、米の外側を削って、糠としてどんどん捨てていくようなものである。4段までやった段階で、かなり良くなったが、夜9時近辺の時間帯では、やはり音質が劣化する。2003年12月の段階では、総段数6段、最終の3段は、左右独立になっている。当然電解コンデンサーは使用していない。このアンプの詳細は、別のところで述べることにする。(2003年12月に7段に変更、音質の向上より、バランスの取り直しの目的での変更)  

  アンプの内側で、このような電源対策をしたが、これ以上段数を増やすよりは、AC電源側に、ノイズ・カット・トランスを入れて、アンプに入る前の対策を加えてはどうかと考えた。アンプの回路的には、真空管からは定電流に近いかたちに電源が見えているはずなので、ノイズ・カット・トランスを入れても飛躍的に良くはならないだろうと考えていた。下の写真は、ユニオン電機さんの 100V : 100V 500VAのノイズ・トランス。一次と二次が上下に別々に巻いてある。2000VAのものも購入したが、やはり容量には、重たいが、余裕があったほうが良い。

  ところが、予想以上に大星夜性が向上したのである。回路理論の予測以上の音質の向上があったのだ、そこで徹底的にやるタイプの私は、ノイズ・トランスをもう一個作って、2段の構成にしてみた。結果は、驚くことにさらに大星夜性が向上したのである。ただし、私のメインアンプのほうは、それなりに追い込んであるので、バランスが若干崩れ、繊細な音にはなっていったが、音が弱くなるきらいが出てきた。ノイズ・トランスを使用する場合は、それを入れることを前提にした、システム・バランスを取る必要があるだろう。
 


  古典回路とノイズ・トランス
 
  昔のウエスタン・エレクトリックのアンプや、その回路を元に設計されたアンプを使用している方も多いと思うが、これらの回路は、電源にノイズが少なかった時代の設計なので、現代の環境では、その実力を発揮していないだろうと思われる。現代の電源事情を考慮した、回路の設計が必要である。まずは、ノイズ・カット・トランスを(一段でよい)入れてみよう。電源は、清流でなければならない。
 
  2006年現在では、電鍵精機社、ユニオン電機社、サウンド社、ライン・ノイズ・フィルターなど、その他自作のものまで含めて十種類ものノイズ・フィルタリング機器を使用している。但し、あまり多段にフィルタリングをすると音が弱くなることもあるし、雑音も音としての役割があるので、本HPの音の謎のコラムも参照して戴きたい。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/noise1/noise1.htm

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D WE 124A (Lengevin108A)


Western Electric からライセンスを受けLengevin 社が製造した108型アンプ-回路は、WE124に忠実である。

  Langevin 108Aは、同社がWestern Electricから、ライセンスを受けて生産し、レコーディング・スタジオや放送局等の業務用システムに使用されていたもので回路は有名なWE124に忠実である。108型は拙宅に輿入れして初めて知ることとなったが、この108型はA,B,C,Dと4機種あり、それぞれWestern Electric 124のAからDに対応している。

WE124の回路は、今日に至る近代的プシュプルアンプの原点を見る思いの回路構成になっている。すなわちトランスによらず、ドライバー段の真空管による位相反転であるが、その手法はPG位相反転?という、ムラードやPKに慣れた私たちから見ると超古典型の回路である。帰還の掛けかたも独特である。恐らくは耳で煮詰めた回路では思われる。古典アンプは、どうしてこんなことをするのか良く分からない回路が随所に登場して興味深い。2段増幅のゲインの不足は、インターステージ・トランスを最初において5倍程度の利得を稼いでいるようだ。124D(108D)型の場合は、このインターステージの場所に618A型のイントラと1612による増幅段があり、3段の構成になる。この108Aは、6SJ7-6L6が使用してあり、1946年製である。



  甦るビンテージの音  

  まずもって、1940年代の製品が現存し、そして動作するということに敬礼しなければならない。歴史を生き抜いてきたビンテージには真摯な姿勢で向かわなければならない。電源を入れずに数日間回路と実装を十分に調べる、不明部分は実物から回路を起こしなおす。かかる作業の間は人間様のほうはアルコールは禁物である。アルコールは清掃が必要なときに使用する。
 
  電気的性能は、近代的な真空管アンプに比べて落ちているのは致し方ない。残留雑音、歪、周波数特性は、経年変化により劣化している。動作点もずれているだろう。しかし60年を経過して、実用に十分以上の電気特性を維持しているのは、驚嘆に値する。基本設計の秀越さが伺い知れる。自作モノの"高性能アンプ"などは、60年も生き長らえることはないだろう。
 
  さて肝心の音であるが、負帰還ペントードの音のよいところを存分に引き出したもので、音が十二分に煮詰められており、すばらしくバランスがとれている。あらゆるソースと使用環境で、破綻をきたさないプロの音作りだ。常日頃無帰還トライオードで、レーシング・マシンのようなピーク性能重視の不安定?で、大袈裟で危なっかしい装置を聴きなれている者にとっては、実に安心して聴ける音である。私には、このようなアンプの音は永遠に作れないだろうと思った。人格の陶冶が必要である。ある意味で大成した音である。出力トランスもWestern 117Cでないのが良いのかもしれない。あえて聴かそうとりきまないのが好感が持てる。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we124/we124.htm


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E WE274B 刻印


回路設計でいくら追い込んでも、素材の差が残ってしまう。

  電源回路をいろいろと設計して評価する。定電圧、定電流、シャント、チョークやらコンデンサやらダイードやらも登場して賑やかなことこの上ない。回路的にいろいろと考えてみて、また測定したり評価してみるのだが、各方式による差と特定の素子による差が交錯して、悩むことしきりである。セレンで整流するとダイードよりよかったりすると、スイチング雑音の点で有利だとか、整流素子にはある程度のインピーダンスの高さがあったほうが有利なのかという仮説を立てたりする。それではということで内部抵抗の低い水銀蒸気整流管を使用してみると、これはこれで好結果を出したりする。
高内部抵抗仮説がゆらいだと思いきや、高内部抵抗管のWE274Bを試してみると、これがまた素晴らしい。高額であるということ、ウエスタンの伝説がプラシーボ効果として働いているわけではなく、本当によい。

かくして回路方式優劣仮説の検証は、素材の個体差を含めた良否と交錯して、音の迷宮は、ますます深まり、やはり名球は存在するのだろうかということになってしまう。回路方式でやることをやったら、あとは素材にすべてを委ねるしかないのだろうかしら。

    
  謎の整流管
 
  固体差や素材の差を回路技術や方式でなんとかできないののかと四苦八苦する。この範囲であれば、シミュレータやら測定器で調べたり追い込める。やりつくしてくたびれ果てたところで、この真空管を整流回路に挿すと、もう溜息しか出ない。この真空管をモデリングすることはできない。

あらゆる回路設計の苦労が名品の前で色あせてしまう。

金持ちには敵わないのか?という諦観とともに、やがてはこの真空管を作りおおせた人たちとその時代に静かで深い感動と尊敬を覚えるようになる。現代では失われてしまった、古の匠とその情熱が、フィラメントの灯とともに現代に蘇るのである。真空管には寿命がある。熱電子を放出しながらエミッションが減退していく。60年以上も生き続けているこの真空管もまたその命を終える日が来る。  

  やがては消えてゆく運命を儚むよりも、今この音を聴ける至福に感謝すべきだろう。しかしおそらくは、私がこの世を去ったあとでもこの真空管は、世界のどこかで熱電子を放出し続けているに相違ない。所蔵している人は大事に使いましょう。そして他の人にも聴かせてあげましょう。でも使わないのに買占めたりはやめましょう。高すぎたら買うのはやめて、誰かのところに拝聴に参りましょう。それによって人の輪がいちだんと大きく広がってまいります。
     
  フィールド型のスピーカーで後ろにトランスと真空管を背負っているものがありますが、このような球を背負われてたら敵いません。逆に互換の球をさしてもそのスピーカー本来の音にならないわけですから、これもまた奥の深い世界であります。
 
 http://homepage3.nifty.com/western/audio/we274b/we274b.htm


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7) レコードプレーヤー

@ Western Electric 203-A Reproducer Set


 『203-A』リプロデューサー・セットは『4-A』リプロデューサーと2-A(D-87994)アームが2本、ターンテーブルが2台、左右にセットされたコンソール型レコードプレーヤーシステムである。

2台のターンテーブル中央には、メイン電源スウィッチと、D-89345ポテンションメーターがあり、左右の出力を切り替えてレコード演奏が連続して行なえるようになっている。映画の幕間のレコード演奏サーヴィスの他、放送局でも使用された。

『203-A』はKS-5282という、A.C./D.C.兼用の減速用ギアを持つ、ブラシ式モーターのタイプ(消費電力100W)があり、ガバナーによる回転調整により、50Hz、60Hzのどちらにも対応可能である。このモデルは後者よりキャビネットの厚みがモーターが小さくなった分薄くなっていて、重量も3分の1程度に減少しており、可搬性は高まっているが、モーター音は逆に大きめである。

 同じ『203-A』でもKS-5203エディカーレント・モーターが使用されており、3相のスター結線の巻線に複合型の4個の進相コンデンサーを投入、減速用のギアを用いずにモーター自体の回転が78rpm(60Hz)でロックする。ダイレクトドライブの元祖ともいえるような構造である。ただし消費電力は当然ながら180Wと、今日的なレベルから見ると多めである。

左右のプレーヤー双方には、それぞれモーターのON/OFFスウィッチが設けられ、スウィッチをONにするとスチール製のランプシェイドが点灯し、いかにも古典的な雰囲気をただよわせる。また、アームをアームレスト位置に収めた状態での4-Aリプロデューサー・ヘッドの真下には使用済みの針をためる針壺があり、固定用のスクリューをゆるめるだけでそのまま針が落下して即座に交換可能となっている。針壺の左側には、プッシュし式アームリフターがあるが、これは演奏終了後のリフトアップ専用である。当時のウェスタンのSPレコードは内周から外周にかけるタイプでした。左右2個の4-Aヘッドの後に、それぞれ独立した7Aイコラオザーを介し、705-Aコントロールキャビネットに内蔵されているのと同等のアッテネーター部に信号入力される。出力は畏敬1系統で500Ωの出力インピーダンスを持つ。41-Aや46-Cにダイレクト入力することでも充分な再生音量が得られる。

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Western Electric 2-Aアーム


 『4-A』には2種のアームが用意されている。トーキー・サウンドトラック・ディスク用の16インチタイプ1−Aと、一般レコード用の12インチタイプ2−A(D-87994)である。

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A Western Electric 4-A Reproducer


 1927年には、『4-A』リプロヂューサーが登場する。『4-A』は『3-A』と同様、通常の鉄針が使用され、純正アームにマウントした場合、針圧は約130gとなるが、100g以下にしても針先のジャンプや、再生音のビリつきなどが一切発生しないほど、きわめて安定したトレーシングが可能である。鉄合金系の円盤の薄い金属ダイアフラムは、裏側のみ金貼りが施され、盤面に対して垂直に位置する。

 蓄音機のサウンドボックスと同様の配置となる。サウンドボックスにある鉄針固定用のトンボに相当するスチール製のノブが、ダイアフラムにダイレクトに半田づけされており、水平方向にのみフレキシビリティを持つ。ダイアフラム内側の磁極は近接しギャップを設けて配置されている。

 振動板は固有振動をおさえるため、硝酸ベンゾールとひまし油の強粘性の混合油にひたされており、振動系全体がオイルダンプ方式になっている。 その形式が再生音そのものにもよく現れており、ノーダンプの『3-A』の立ち上がりの鋭いサウンドと比較すると、ピーク・ディップの抑えられた、しっとりとぬれたような、耳あたりのよい心地よいサウンドをかもし出す。

『4-A』のラベルには、〔No,1,284,623、No.1,586884〕の2種のパテントナンバーが表記されている。前者は、磁器回路方式に関せて、エジャートンH.C.Egertonが申請し1918年11月12日に認可されたもので、原理は同じだが、『3-A』のバランスト・アーマーチュア方式と全く異なった磁器回路方式である。これは、ホーン型の512-Wレシーヴァーなどにも応用されている技術である。後者はエルメンG.W.Elmenによるマグネティック・マテリアルに関するもので、磁器回路素材に、鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルトの合金を採用していることを示し、高性能磁石の元祖が採用されていることを表す。 

 『4-A』リプロデューサーは、L.C.Rがシリーズに結線されたイコライザーの『7-A』と必ず組み合わせて使用された。これは信号のホット側とコールド間をシャントするSP録音特性の等化用であり、当時約5kHzまで再生帯域を保障していたSP盤の、不要信号を急激に下降させるハイカット・フィルターになっている。 このイコライザー『7-A』本体のラベルにもパテントナンバーが表記されている。

 その〔No.1,453,980〕は、1923年5月1日に認可されたホイトR.S.HoytによるL.C.Rを用いたアッテネーション・イコライザーに関する数理理論であり、AT&T社保有で、主として電話のイコライザーに多用されているものだ。

『4-A』の信号は『7-A』を通り、『203-A』リプロデューサー・セットに内臓されるD-89345ポテンショメーター、あるいは別個のアッテネーション・ボックスである702-A、703-A、705-Aコントロールキャビネットなどを経て出力され、当時の200Ω入力をもつアンプに入力された。

また、D-86850リプロデューサー・セットに内蔵されているD-86637 L型アッテネーターの場合は、100Ωのシリーズ抵抗を介して、出力インピーダンスを259Ωに整合させている。

 本機はトーキー・システムのリプロデューサーとして最高級の蓄音機をはるかに越えるバランスのとれた再生音を、より多くの人々に伝達することを可能にしたもので、当時の聴衆を圧倒した製品として著名である。
 

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B Western Electric 109Type Reproducer Group


 1039年になってウェスタンは、画期的なリプロデューサーを開発した。当時アメリカ各地に陸続きと建設された、FM放送局での使用が目的とされた製品である。 

ウェスタンでは、『9-A』リプロデューサー+5-Aアームと組合せて使用する。

KS-13386イコライザー(+ケーブル・アッセンブリー)ならびに171-Aリピーティング・コイルなどを用意。これらが組合され、システム全体を『109タイプ』リプロデューサー・グループと呼んだ。

 リプロデューシング・ヘッドには、『9-A』と『9-B』の2つのモデルがある。
 『9-A』は針先が2ミルのダイアモンド製で、多数の放送局へ供給するプログラムに使われた、トランスクリプション・ディスク用である。これは、水平あるいは垂直カットのディスクで、比較的狭い音溝を持ち、直径16インチのものが多い。 『9-B』ヘッドは、針先が2.5ミルのサファイア製で、一般のレコード(SP)などの太目のグルーヴを持つレコード用である。

『9-A(B)』の特徴は、一つのヘッドの中に2つの発電コイルを持ち、その2つのコイルの接続組合せで、水平カットと垂直カットの2種類のディスクの再生ができるようになっていることである。 水平カット・ディスク再生時には、垂直方向で発生する信号をキャンセルするコイルの接続方法がとられるため、トレース時にスクラッチ・ノイズや歪みが軽減される。一方、垂直カット・ディスクの再生時には、水平方向で発生する信号をキャンセルするコイル接続になるため、やはり同様の効果がある。


Western Electric KS-13386+171-Aは、イコライザー特性の切替え、垂直および水平信号の切替え、インピーダンス・マッチングの機能を持ち、イコライザーは、7つのポジションが選択できる。 

Aカーヴの特性はトランスクリプション・ディスク用で、最も一般的に使用されたものである。水平カットと垂直カットの選択と、それぞれのポジションで、2種類のイコライザー特性が得られる。 

Bカーヴは、水平カット専用で、3種のイコライザー特性が得られる。一般のレコード(SP)再生では、そのうちの1つを選ぶ。

 厳密なカーヴ指定がないのは、ディスクのコンディション〔新品か、何回もの使用で磨耗したレコード)かによって、よりよい再生音、あるいはよりよいS/Nが得られるポジションを選択できるようにする為だ。イコライザーの出力インピーダンスは、30Ω、250Ω、500Ω(600Ω)が選択できる。イコライザーの後に来くる前置アンプの入力インピーダンスに適応した出力インピーダンスを選べばよい。

 その場合にも、純抵抗でターミネートしなければならない。イコライザーの出力レベルは、-60db〜-80dbの間で、ディスクの録音レベルによって異なる。


    |〃、 ii  川 ヾ  レ'/::::::::::〃爪::::::川::::::::||:::ヽ::::i::::::::::::i!\ \::::::::::
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i i 川i!ハ/" _!   | │川 ヾ:ii ゙'∨     |    ゙ヾiヽヽ;||:::::i':::::::::::::::::::::::::
ノ ノ/リ,,,,,,二三テ=''" ヽノル |ノノヽヾ ノ  、,,,ノ,、     iヽ:::||:::::i'::::::::::::::::::::::::::::
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6. WE300B伝説

300B小史


1927年前後でしょうか、映画に音が付いたのは。トーキーって奴ですね。高いお金を取る劇場のため、家庭用の電気蓄音機とは桁の違うお金がかけられました。もうひとつ、ベルリンオリンピックの民族の祭典やハリウッドを見れば判ることですが、当時の映画産業全体が国威発揚のための国家的事業だったのです。共産国ではありませんから、私企業のかたちにはなっていました。米国でその音響部門を担っていたのが、ウェスターンエレクトリック、WEと略します。

アメリカでは電話も公営ではありません。アメリカの電話を作って来たのがベル電話会社、後のアメリカ・テレフォンアンドテレグラムAT&Tです。その海外版がインターナショナル・テレフォンアンドテレグラムIT&T。CIAなどの海外工作員はここの肩書きをよく使います。AT&Tの音響通信機器製造部門がWE。その一部門があのベル研究所です。真空管の話ばかりしていますがトランジスタの発明もベル研究所、特許はWEが持っていました。

その映画の為に1933年に作られたのがWE300Aという真空管です。この真空管のおかげで、とてつもなく大仕掛けだった映画のアンプを少し小さく出来るようになりました。その後1938年に出来たのがWE300B。

ただ、ウェスターンのアンプも真空管も全て劇場にリースされて一般の市場に出ることがありませんでした。極々一部の人の手に渡って、噂だけが極一部の人に広まりました。個人のオーディオで使おうなんて思いもよらない事だったのかも知れません。

丁度その頃始まった戦争で、レーダーが実用化されて、その性能と信頼性から300Bは軍艦のレーダーに、整流管として使われました。軍用で使われるとなると人の命が掛かってきます。少しでも不具合があればどんどん取り替えます。そのため軍艦が出航するときには小さな部屋一杯に真空管を詰めて出かけたようです。その後そうした軍艦も時代につれて退役します。レーダーだって新しくなるでしょう。軍にストックされた大量の300Bが少しづつ日本でも出回りだしたのが、1970年代ではなかったかと思います。

売ってる場所も数も限られていました。お金さえ出せばいくらでも手に入るといった代物ではありません。

一本3万5万、古い物ではもっと高いものもあったでしょう。試そうと思っても、買おうと思っても、中々手に入りません。噂が噂を呼んで、ほとんど神話になって行きました。あらゆる真空管を知って最後に、特別のつてとお金の両方を持つ人のみが持つ事を許される、そんな真空管だったのです。

こうした古い真空管を有り難がるのは、日本のアマチュアだけの話だったのですが、段々その影響が世界中に及び始めました。十分商売になると踏む人も出て来ました。90年代の中頃になって中国やロシアでも300Bを作り始めました。本家のウェスターンでも再生産を始めました。

今や初めての真空管が300Bという人もざらにいます。(昔の人が聞いたら卒倒しかねません)

誰にでも、どこでも買える、一番身近な真空管になってしまいました。

再生産ではない昔のウェスターン300Bは今でも、もの凄く高価です。 もの凄く高い昔の球と、今の中国製が同じ音なら貧乏人も幸せですが、そうは問屋がおろしてくれません。

http://kawa.weblogs.jp/things/audio/index.html

昨今のAUDIO用の頂点として君臨するのが「W.E(ウェスタン・エレクトリック)社」のWE300Bで「ATT、ベル研究所、その他」の基で映画映写機、劇場用拡声器、船舶拡声器(特に軍用艦船、客船)用等の音声及び音楽増幅器(アンプ)の終段増幅に最適となるよう開発製造された真空管(他にも多品種有り)で1960年代までは 前出の機器の「保守用」としてしか製造されていませんでした。(購入時には使用不能とのしかるべく複数の役職者のサイン又は現物のどちらかか 時により両方を求められることもあった とか)

現在では AUDIOマニア向けの2CHーHiFiメイン(パワー)アンプ用として300B、2A3、845、DA30等AUDIO用として中国製(複数社)、ヨーロッパ製、ロシア製、米国製、英国製、とそれぞれ競って製造されていて数千円〜数万円まであります。

尚 「WE300B」は「W.E社」としては1988年が最後の製造年でブランド、製造設備、人員ともに売却され、1990年代以降のものは買収した会社がそのまま受け継いでWE300Bとして現在も製造販売されています。木箱に二本ペアーとして売られているのは 多分「旧W.E社」のものではないと思われます。

http://okwave.jp/qa/q1915036.html


300B 欲しくても1985年までは市販されていなかった真空管


今でこそ直熱3極出力管の代表のようにランクされる 300B ですが、つい最近の1985年頃までは欲しくても入手不可能な真空管でした。特にウエスタン・エレクトリックの300Bは高価であるとかの問題ではなく、雑誌などには製作記事は時折掲載されるものの、肝心の300Bが入手出来ず、秋葉原などの真空管販売店の得意客になり、300Bが出たら連絡してもらうという様な手順を踏んで購入出来る真空管だったようで、300Bを持っている事自体がステータスの時代だったようです。

300Bは1933年に開発された300Aの改良型で、もともとは映写装置の電源回路の制御用として開発されたと聞いています。その後映画がトーキー化され、映画の音声増幅用として使われたようです。

当時の映画館の映写や音声設備はレンタルが全てで、そのメンテナンスなどの業務を全て行っていたのがウエスタン・エレクトリックの関係会社で、設備に使われていた真空管などの消耗品は全て保守マニュアルに従い、規定の使用時間が来れば交換されていたとの事です。

もちろんこれらの補修用の真空管が市場に出回ることなど皆無で、関係者以外の入手は困難であったそうです。私は、1950年代に日本で製造された岡谷のHF-300B Auditron以外、1980年前半まで、ウエスタン・エレクトリックの純正300Bは日本でも海外でも見たことはありませんでした。

カナダやイギリスなどでウエスタン・エレクトリックの関連会社が300Bをライセンス生産し、300Bや4300Bなどの名称で製造していましたが事情は同じだったようです。

憧れのウエスタンの300Bも1988年以降、ロシア、東欧、中国などで類似品の生産が始まり、それらの真空管を使ったアンプのキットや完成品が安く発売されるようになると、ウエスタン・エレクトリックの純正品ではなくても、安くていつでも入手できる環境が整い、300Bを使った真空管アンプが爆発的に売れたわけです。

これらのウエスタン・エレクトリック以外の300Bが大普及したもう一つの理由がフィラメントの直流点火で、大いにハム音などの直熱式真空管アンプの質的向上に貢献しました。このことが可能になったのはシリコン整流器の発展で、直流の大きな電流が安定的に取り出せるようになり、真空管アンプのハム音対策やS/N(信号対雑音)比の向上に大いに貢献しました。シリコン整流器の発明までは真空管アンプの出力管のフィラメントを直流点火するアイデアは有ったのですが、実用的ではありませんでした。

現代の真空管アンプはまさしく1930年代に開発された真空管に現代の半導体素子が電気を供給し、お互いのメリットを生かした使用方法が使われていると言えます。

http://www.trn-japan.com/300B.html

No.300と言う真空管は1932年ウエスタンエレクトリックで300Aとして開発され、当時はP損失30Wでしたが1936年に40Wに改良されその翌年には300Bとして型番変更されています。

300Bは映画用トーキシステムとして1086アンプや91-Bアンプに使用されていますが、同時にコンソールアンプの電源抵抗管にも多用されており、また軍用にも納入していたようです。NASAでは電源レギュレータに300Bを大量に使用していたとのことです。

1952年からは断続的に製造していますが1969年以降はBellに製造を移管した後1988年に製造を中止しています。米国ではハインツ-カウフマンとセトロンがBellの承認を受け製造をおこなっていました。他国ではカナダのノーザンエレクトリックと英国S.T.C.(4300A.4300B)が有名です。日本では1974年に岡谷電機産業(株)がHF-300Bと言う型番でモデファイして発表しています。

WE-300Bとしては1995年にWestrexにて製造が再開され1997年復刻版300Bが再デビューして現在に至っています。最近は中国-ロシア-チェコなどでも製造される様になり、中にはWE-300Bと同じ規格とは思えない程、異質な代物も出て来てバラエティに飛んだ時代となり、それなりに違った楽しみ方が出来そうです。ここでは、WEの年代による違いや色々なメーカーの300Bを掲載しております。

3 0 0 B World
http://emissionlab.net/


300Bは米ウェスタン・エレクトリックが誇る大型3極出力管です。とっても作りがよく他の民生用球とはかなり差のある出来栄えです。かなり大型のST管でその姿も男性的な美しさと言われています。アメリカの真空管にしては、フィラメント効率等もよくシングル接続でも大きな出力が取リ出せる真空管です。

以前は、映画館等でウェスタンのシアター・システムとして使われていました。ウェスタンのシアター・システムはレンタルでしか供給されなかったようなので、一般の人間には見ることも手に入れることも難しかったようです。1980年頃に廃館になった映画館で使っていたアンプが出てきたのですが50年近く毎日使われたはずなのに、まだちゃんと動作することが確認されたことがあり、その長寿命も全くの別格といえるでしょう。

信頼性も高く、以前トランジスタ時代にも関わらずNASAではその信頼性の故にこの真空管をレギュレーターとして使っていたそうです。ちゃんと正しく動作させれば、我々が使う範囲においては、一生使えそうな感じです。高級品ですが、そういう意味では安いかもしれません。

この真空管、信頼性だけでなく音のよさでも、とても評判のいいもので、いまだに市販の真空管アンプに使われてでてきます。人気が高いので、限定でたまに作製されるらしいです。私も実際に何度かこの真空管を使ってアンプを作りましたが、使っていたアルテックのスピーカーとの相性もあるでしょうけど、とても柔らかくスケールの大きな音が出ていました。今回、今までのSTC−4033Xのアンプをグレード・アップするにあたり、手元にある直熱管を一通り検討したのですが、4033Xの良さを崩さずに、同じ傾向でよりグレードの高いものを考えた時にこの球しかなかったのです。

http://www.ne.jp/asahi/ballads/sound/amp3.htm

真空管にもいろんな種類があって音色も違うし寿命にも大きなバラツキがある。さらに、同じ型番の真空管でもメーカーによっても差がある。

寿命が長くて音質もいいということで真空管の王者として昔から君臨しているのはもちろんウェスタン社のWE300B。

一時製造が中断されていたものの近年の真空管ブームに乗って再開されたが、現在のものはペアで約8万円前後(ネット上)だが、これが1950年代製造のオールドものになると、戦争に実用されていた名残もあって入念に作られた高信頼菅(なにせ人の命がかかっている!)ということで20万円以上。しかし、これが実は音質もよくて一番安上がり。

この300Bオールドは20年使っても劣化しないといわれている。つまり極論すると無限の寿命といってもよい。とりあえずこの時点で1年当たりに換算するとわずか1万円となる。 拙宅の300Bオールドも生産後50年以上経過しているが、使い始めの時点で中古品だったにもかかわらず、以後約10年間ほとんど毎日使っているがビクともしないので驚いている。 これが中国製の300Bになるとペアで3万円前後だが1〜3年前後で劣化するとなると1年当たりに換算すると同じ1万円。しかも音質には明らかに差がある。どちらが得かは明らかだろう。


マッキントッシュの有名なMC275アンプに使用されているKT88(4本)もたしかに音質は迫力があっていいのだが毎日使った場合、約2年ほどで劣化するそうで不経済なことこのうえない。 これから新たに真空管アンプに挑戦する方がもしいるとすれば、WE300Bアンプにしておくのが、あとあとスペア菅の入手などいろんな意味で無難だし音質もよくお薦めである。

ただし、オーディオの常道としては、まず好みのスピーカーを設置し、次にその駆動に適したアンプを選ぶのが順番だろう。真空管アンプは出力があまり出ないので、使用しているスピーカーの能率が低い時には不適である。

http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1147661b0ccb82b9b993b4163b427127

出力管にWE300Bの真空管を使用したアンプ(mono×2)を使い始めて10年以上になる。その間、整流管のWE422Aを含めて故障が1回もない。製造されたのが1950年代後半にもかかわらず、あれだけ毎日使ってビクともしないのだからまさに、驚異的寿命だ。

知識の受け売りで恐縮だが、300Bは、当時アメリカの国策として軍事用の通信機器に流用されたこともあり、国の資金が相当投入されたと聞くが、人命がかかっていることからこれほど丁寧かつ頑丈に作られたものとみえる。

それにしても、当時のウェスタン社の技術力は並外れたもので、ノーベル賞級の研究者も相当居たというが、品質の信頼性はきわめて高く、当時の製品は真空管をはじめとして、トランス、コンデンサーなどオークションでいまだに高値で取引されているのも十分納得できる。

私の現用システムも300Bをはじめ、トランス、コイル、コンデンサー、SPコードなどあらゆる要所で恩恵を蒙っており、これらがなくなれば完全に崩壊する。一時、節約根性を出してセトロン社の300Bを購入したことがあるが、当たり外れがあったのだろうが、使用時間100時間前後で、アンプのスイッチを入れて管が温まり始めるとSPからバリバリと大きな雑音が出だしたのであわてて使用中止にした。安物買いの銭失いとはこのことだった。

しかし、「管球王国」によると近年は随分質のいい代用管が出現しているようで、KRの300B(バルーンタイプ)などは形もよく少し食指をそそられるが、なにぶん現用中の300Bが故障しないのでどうしようもない。いくら評判が良くてもオリジナルを超えることはないだろうと自分に言い聞かせて我慢している。

ところで、代用管としてCRCの4300BLXも所有しているが、WE300Bと入れ替えただけで1枚ベールがかかったような音になり、もう音楽を聴く気がしなくなる状態になる。価格がオリジナルと比べて6分の1なので、比較するのが酷なのだが、たかだか真空管1ペアでシステム全体が様変わりするので、オーディオとはまことにコワイ世界である。

http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/387d7045b9fb7780f4b2a053fc7b72c8

46投稿者:現行300Bの音  投稿日:2008年08月30日(土) 22時06分58秒

現行300Bの音をひと通り総括してみたいと思います。まず原点に立ち返って300Bの音って・・・?て訊かれたら皆さん、どう答えます?私なら

「音の立ち上がりに独特の間合いがあって僅かなタメの後、フッと立ち上がる気配感、そしてふっくらと膨らみながら響きをしっかり残して収束していく鳴りの良さが特徴の球。それほど音のエッジを際立たせることなく内声部の厚み,ハーモニーで聴かせる球」

とお答えしたいと思います。でも基本的にはこういうキャラクタの300Bですが勿論ブランド,メーカによって音は百花繚乱。十把一絡げに語ることは出来ません。ごく簡単にそれぞれの音の正確をレヴューしてみましょう。勿論単純な優劣をつけようという話ではありません。

 まず最初はGD4-300BC。これは現行300B群の中では最もシャープで高解像度な明るい音です。先ほど300Bの個性として「それほど音のエッジを際立たせることなく」と書きました。勿論これは悪い意味ではありませんが4-300BCはそんな300Bのキャラを有しながらも現代的で彫りの深い音と言えるでしょう。堅牢なカーボンプレート,タイト製のソケットなどに裏付けられたモノづくりの凄さとともにビシッとピントの合った音が魅力です。出音の良さといいますか音量感が優れているのも大きな特徴です。

 次にSvetlana300B。この球は現行球の仲では最もWE300Bを意識した造られ方をしていて4-300Bのような新たな試みは無い代わりにベーシックで質実剛健な球といえるでしょう。音は端整で暴れのない、どちらか言うと生真面目な表現です。バランス的にはまさに中庸。高域も低域も特に欲張っておらず300Bの持ち味を忠実に復刻した「現行標準300B仕様」と言える内容です。昔はSve300Bは高かったんですが、今や随分お値打ちになりました。


次は本丸WE300Bです。

WE300Bの音を言葉で表現するのはとても難しく、いつも言葉を選びます。何故ならWE300Bの魅力を語っているといつしか真空管アンプの魅力そのものに話がすり替わってまう・・・それほどに魅力的であり且つ真空管アンプの原点ともいうべき神々しさを湛えた球でもあります。音的には冒頭に述べた響きの良さに加え骨太でしっかりと腰を落とした重心の低さ、そしてコクと言いますか、特に中低域の倍音の厚み・・・単にボワっと出るのでもなく幾重にも音のベールが織り重なったようなしっかりした密度感が本当に素晴らしいと思います。

私どものアンプで特にSV-91BにWE300Bを差し替えた時の変化・・・

いきなりビシっと鞭が入ったように音力が増し音が近くなる様は快感のひと言です。まさに最上級に相応しい風格と音ですね。


 続いてはPrime300Bです。これについては既に現行300Bの定番として皆さんに認めて頂いて多くの方がお使い下さっているので今更コメントの必要もないかもしれませんが、わたし的にはあらゆる300Bの中で最も響きが良く、厚みのあるサウンドだと思っています。銅プレート,金メッキのグリッド,ガラスの厚みにまで拘って製造していただいている球でGD4-300BCと対照的なキャラクタと言えるかもしれません。勿論解像度が低いとかダイナミックレンジが狭いという事ではありません。とにかく「たっぷり」聴かせてくれる・・・そんな300BがPrimeだと憶えておいて下さい。

 最後に補足的にエレハモ300Bについて。この球は高域の抜けが良く低域も締まっていて音の浸透力という点では大変優れている球です。501SEの標準球としてEHを採用したのはこのアンプの特徴である後乗りの滑らかさに僅かに高域の明るさを加えたかったから。そういう意味では良い中和効果を発揮してくれていると思います。バラツキがやや大きく選別は大変ですが一時期のようにエミ減トラブルもなく現在は品質も安定していますので、今後も501SEの標準球として頑張ってもらおうと思っています。

WE300Bはなかなか手が届かないとしても30000円前後でこれだけ選択肢がある訳ですから是非皆さんも洋服を着替えるように違う300Bを用意して気分やソースで差し替えて楽しむ・・・なんて事は如何でしょうか。こんな芸当が出来るのも真空管アンプならではの醍醐味ですから。

http://www.kit-ya.jp/blog/index.php?eid=1629


日本ではちょっと神格化された感もあるWE300Bですが、あまりにも有名な上に、批判的な意見もよくみかける真空管ですね。ただ、いかに優れた真空管といえども、アンプに組み込まれて初めて音が出る訳です。よく300Bの音質は・・云々のコメントを見かけますが、アンプは真空管だけで音質が決まる訳では無いという当たり前の事に注意する必要があるんじゃないかと感じます。

同じ真空管を使っていてもアンプが違えば相当に音は違って来ます。ただ、300Bに関しては何台か聴いたことはありますが、比較的、似通った印象を持った記憶があります。そういう意味ではかなり個性の強い真空管かも知れません。

http://blog.beans-sound.com/?eid=157118


現在使っているアンプはWE(ウェスタン)300B (1950年代の3桁番号、以下「オールド」)を使った真空管アンプ。(中高域用:モノ×2台)。

            
このWE300Bという真空管は、周知のとおり音質と耐久性の両方を兼ね備えた出力菅の「王者」として、もう70年近くも君臨している。 しかし、10年以上前から中国とか東欧、ロシアなどから300Bと同規格の真空管が出回り始めた。 とにかく価格が大幅に安いのがメリットでオールドに比べるとおよそ10分の1程度だが、その割には結構使えるというのが自分の印象。 3年ほど前にGD4300B(中国製)を購入して実際に使っているが、テレビを試聴している限りオールドと何ら遜色なし。

つい先日、オーディオ仲間の湯布院のAさんがお見えになったので、CDの試聴にこの4300Bと「オールド」〔写真左)との比較実験をやってみた。   試聴盤はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲4番の第二楽章。演奏はグリュミオーで指揮はコリン・デービス。かなり古い録音だが、いまだにこれを超える演奏はない。 始めに4300B,次にオールド、そしてまた4300Bの順番で差し替えた。 じっと目を瞑って聴いておられたAさん、やおら「分かりました」と一言。

「4300Bも大変な善戦ですが、明らかにオールドの方が一枚上です。 高域方向への抜けと情報量が違います。

4300Bは高域部分が華やかですが中域から高域にかけての部分がちょっと薄いですね。

一方のオールドはきちんとしたピラミッド型の音になっています。」


同様の感想を持ったが、これまで真空管をピンからキリまでいろいろ買い漁っての所見だが、近代の真空管ほど高域にクセがあって華やかに鳴るので”ちょっと聞き”はいい。 一方、1950年代前後の真空管は実に穏やかで、聴いた当初は物足りなさを覚えるが時間の経過とともに音の厚みでじわっと本領を発揮してきて長時間聴いても飽きがこない。

この傾向は例外なくそうで、はじめからハイ上がりの派手な音を出す真空管はとかく要注意である。とはいえ、これはあくまでも個人の好みの問題なので念のため。

http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/02345b76f919915734558da6b7565371


出力管にWE300Bの真空管を使用したアンプ(mono×2)を使い始めて10年以上になる。その間、整流管のWE422Aを含めて故障が1回もない。製造されたのが1950年代後半にもかかわらず、あれだけ毎日使ってビクともしないのだからまさに、驚異的寿命だ。

知識の受け売りで恐縮だが、300Bは、当時アメリカの国策として軍事用の通信機器に流用されたこともあり、国の資金が相当投入されたと聞くが、人命がかかっていることからこれほど丁寧かつ頑丈に作られたものとみえる。

それにしても、当時のウェスタン社の技術力は並外れたもので、ノーベル賞級の研究者も相当居たというが、品質の信頼性はきわめて高く、当時の製品は真空管をはじめとして、トランス、コンデンサーなどオークションでいまだに高値で取引されているのも十分納得できる。

私の現用システムも300Bをはじめ、トランス、コイル、コンデンサー、SPコードなどあらゆる要所で恩恵を蒙っており、これらがなくなれば完全に崩壊する。一時、節約根性を出してセトロン社の300Bを購入したことがあるが、当たり外れがあったのだろうが、使用時間100時間前後で、アンプのスイッチを入れて管が温まり始めるとSPからバリバリと大きな雑音が出だしたのであわてて使用中止にした。安物買いの銭失いとはこのことだった。

しかし、「管球王国」によると近年は随分質のいい代用管が出現しているようで、KRの300B(バルーンタイプ)などは形もよく少し食指をそそられるが、なにぶん現用中の300Bが故障しないのでどうしようもない。いくら評判が良くてもオリジナルを超えることはないだろうと自分に言い聞かせて我慢している。

ところで、代用管としてCRCの4300BLXも所有しているが、WE300Bと入れ替えただけで1枚ベールがかかったような音になり、もう音楽を聴く気がしなくなる状態になる。価格がオリジナルと比べて6分の1なので、比較するのが酷なのだが、たかだか真空管1ペアでシステム全体が様変わりするので、オーディオとはまことにコワイ世界である。

http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/387d7045b9fb7780f4b2a053fc7b72c8


福岡県にお住まいのKさんから電話があって、突然ですがお昼頃にお伺いして音を聞かせてもらえないかというお話。

「どうぞ〜」とひとつ返事。Kさんはまだ40歳前後の方で真空管アンプの自作派。とてもご熱心で自ら「音キチ」と自認され、各地のオーディオマニアを身軽く訪問されて耳を鍛えておられる。 丁度システムも全面的に改造した直後だし、いい機会だと今回はいろいろ比較しながら一緒に試聴してみた。

その前に現在の我が家の2系統のシステムについて確認。


第1システム

  低域用アンプ    → ケンウッド「01−A」2台
  低域用スピーカー  → フォステクスSLE20W〜3本
  中高域用アンプ  → 真空管PX25シングル
  中高域用スピーカー → アキシオム80

第2システム

  低域用アンプ   → ケンウッド「01ーA」
  中高域用アンプ  → 真空管PX25シングル〔別)
  スピーカー    → タンノイ・ウェストミンスター 

共通

CDトランスポート → ワディア270(クロックリンク)
DAコンバーター → ワディア27ixVer3.0

※ このDAコンバーターの出力を分配器で4つに分けてアンプ側へ供給している。

☆ 第一システムに焦点を絞って、アキシオム80を駆動する真空管アンプの比較。

片やPX25シングル・ステレオアンプ
片やWE300Bシングル・モノアンプ×2台

「WE300Bのほうが断然いいです。高域のヌケが違います。 ヴァイオリンの音色に艶があってしなやかです。実にいい音ですね〜。 知り合いのHさんがこういう音が好きなので次回に是非連れてきます」

「そうかなあ。PX25も捨てがたい味があると思うけどなあ。
ステレオ・アンプとモノ×2台の物量の差が出たのかもしれないね。」

(PX25の真空管自体はWE300Bよりも上だと思うが、我が家のアンプのトランスが貧弱なので本来の魅力を発揮し切れていない)


☆ WE300Bシングル・モノアンプに絞り込んで出力管同士の比較。
      
片や1950年代の「WE300B(オールド)」
片や近代管のゴールデンドラゴンの「4300BC」
     
「WE(ウェスタン)が300Bの再生産を止めたせいか、値段が高騰してます。オールドともなると途方もない値段がしてます。大切に使ったほうがいいですよ」

「エッ、再生産を中止したの?そりゃたいへん。これからは簡単にスペアが当てに出来ないなあ。それじゃあゴールデンドラゴン〔中国製)の4300BCを持ってるので比較してみようか」

両者では値段がまるっきり違っていて先入観が入るとまずいので、片チャンネルに4300BC,もう片方にはWE300を別々に挿し込んでKさんにブラインドテストで試してみた。 テスト盤(ソニーロリンズの「サキソフォン・コロッサス」モノラル)にじっと耳を澄ましていたKさんが軍配を上げたのは何と左チャンネルの4300BC!


「音の隈取りがひときわ鮮明です。右チャンネルの方は空間にフワっとした浮遊感があっていいのですがどちらをとるかと言われれば左チャンネルです」

「WE300Bのほうが奥ゆかしくて上品さがあるのでクラシック向き、
しかし音の鮮度は4300BCの方が一枚上なのでジャズ向きかな。

やっぱりオーディオは値段じゃないなあ〜」

http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/774dcca9443f075290271542ee59e264

現在所有している300Bの真空管は次のとおり。


1 WE(ウェスタン・エレクトりック社)300B (1950年代中ごろ製造のオールド)
2 WE300B(1960年代製造)
3 ゴールデンドラゴン4ー300BC(中国製:近代菅)
4 CRー4300B(中国製:近代菅)
5 セトロン300B(アメリカ)

以上の5種類で、名菅として定評のある300BのオリジナルといえばもちろんWE社製。前日に両君に聴いてもらったのは3の真空管。日頃、併用して使っているのは1の真空管で1と3の比較では価格が4倍ほど違うが一長一短で簡単に優劣は決められない。

そこで今朝は名誉挽回と思い切って2の真空管を押入れの片隅から引っ張り出して挿してみた。ところが一聴してあまりの歴然とした違いにビックリ仰天。 音の余韻が深く響きが豊かで1とも違うし3ともまるで違う。まるでアンプを取り替えた以上の差で音楽全体から受ける印象度が月とすっぽん。

特にメーカーが違うのならまだしも1とは同じウェスタン・エレクトリック社製なのにまったく違うのがどうも腑に落ちない。 しかし、違うものは違うのでどうしようもない。 1は2に比べると蒸留水みたいでサッパリとしすぎている。 それにしても同じWE300Bの真空管でもこれほどの差があるとは想像だにできず購入ルートは大いに吟味する必要があると納得。1950年代製造のオールドといっても実際に聴いてみるのが大切で真空管に付いている表示マークだけでは信用出来ない。

M田さんによると、近年になって製造されたWEの真空管の表示をつけ変えてオールドに仕立て上げる輩がいるそうで、そうすると値段が10万円以上跳ね上がるわけだが自分の持っている1の真空管もその類ではないかとおっしゃる。どうやら世知辛い世の中になったもの。

したがってWE300Bといってもピンからキリまであるのでほんとうに良質のものを手に入れようと思えばゆめゆめオークションなどで安直に購入しようなどとは思わないほうがベター。信用のある業者から、それも出来ることなら一度自分のシステムで試し聞きをしたほうがいい。

しかし、たかだか真空管の出来が違うだけで音質全体がこんなに様変わりするとは驚きだが、逆にSP側から言わせると「アキシオム80」がそれだけ微妙な差を表現できる極めて忠実度の高い再生能力を持っていると言えるのだろう。

http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/eb042cfe86982d8a2dfa3577935ddd71

オーディオ談義〜「真空管PX25とWE300Bの聴き比べ」2010年07月28日


PX25(イギリス)は欧州を代表する出力菅、片やWE300B(オールド)はアメリカを代表する銘菅。

マニアの間でも優劣の論議が果てしない夢の対決〜。

さ〜て、ちょっと早めにお見えになったM崎さん、出来上がってきたアンプを聴く前に、WE300Bのアンプのほうでまず試聴。

テスト盤はM崎さんの所望で内田光子さんが弾くベートーヴェンのピアノソナタ31番〔作品110)の第三楽章。終り際に強烈な低音が入っている。

ひとしきり聴いた後、いよいよ全面改修を施したPX25のアンプに入れ替え。結線を済ませてスイッチ・オン。「アキシオム80」ユニットにピタリと耳をくっつけてハム音を確認するもかすかなサーッという音。完璧、合格。見事なまでに治っている。

次に音出し。これまで聴いたことがないような澄んだ音が部屋中に広がっていく。


「素晴らしい!いやあ、こんな音が聴きたかったんです」と感激のあまり思わず口に出た。

「どこをどんな風に変えたんですか?」

「このアンプはどうもわけのわからない人が作ったみたいで、ちょっと回路がお粗末だったね。まず部品を全部バラしたうえで、最短距離で結線、部品をシャーシからできるだけ離す、シンプルな回路、アース一点主義といったところかな。測定器を見ながらハム音を最小に抑えるだけで3日間ほどかかってしんどかったよ。」


そして両菅の試聴結果については?

「やはりPX25のほうがクラシック向きだな。内田光子さんが目をつむって瞑想しながら弾いてる感じがするが、

300Bの方は目をはっきり見開いて演奏してる印象。ジャズとかポピュラーを聴くのなら出番が回ってくるくらいかな」


まったく同感だった。伝統あるイギリスのお国柄を偲ばせる奥ゆかしくて渋い、それでいて芯と艶のあるPX25のサウンドに改めて敬服。

やはりクラシックを聴くのならイングリッシュ・サウンドで決まりとの感を深くした。

http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/f8d04fd42e63119f31a401f0d9b35ef0

我が家のオーディオ・システムのメインは何といってもスピーカーの「アキシオム80」。 そして、このSPを駆動しているのは真空管アンプ「PX25」。                       
先日、アンプともどもあの定評ある真空管WE300Bと入れ替えて聴いてみたが、やっぱりイギリスのSPには同じ国の真空管が相性がいいみたいで、音の繊細さが違う。 改めてこの真空管が失くなると我が家のシステムは根底から崩壊してしまうとつくづく思い知らされた。

http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8f46df89e9e3c7d485e659928433f53d

WE300Bの規格外品にご注意!(再度のお知らせ) 2004,10,26, Tuesday


先ほど10月のご注文の集計と出荷の実績を纏めていたのですが10月をひと言で総括すると「ザ・WEなオクトーバー」というか実にウエスタンな10月であった事が分ります。例えば91B。何と受注したうちオールWE仕様が7割です。これは昨年12月からずっと調べて来ても最も高い数値です。理由は2つあると思うのですが

一つには300B復刻版(0439)をはじめとするウエスタン球の在庫が全国的に非常に厳しい中で私どもは独自の調達ルートで非常に在庫が潤沢であること、

もう一つには88年もののレアなWE300Bや50年代のJAN274Bなどが少数ですが入荷してきて本物志向の方からご注文が集中したことです。

事実私どももずっと04年モデルのWE300Bが入ってこずアメリカでは訴訟にまで発展していると聞いて一時期は「もう二度と入ってこないんじゃないか」と危惧した(というか半ば諦めていた)時期があったのですが、そんな中でもWE300Bを!という方が根強くおいでになったので、まあ売れなくてもいいや、保険の積りで少しだけ押さえたのが88年のWE300Bだった訳です。それが不思議なことに今や04年モデルを凌ぐ人気となり、気がつけば10月だけで10ペア以上も出ています。残念ながら今後は殆ど入荷しないだろうと言われておりますが、もしまた調達が出来ましたら在庫表にアップしてお知らせしようと思っています。

 一方で非常に残念な話も伝わってきています。 約一ヶ月前、皆さんには04年モデルのWE300Bの一部に

B品(規格外品、簡単に言えば製造されたものの出荷検品に通らず本来は破棄されるべきモノ)

が並行ルートで国内にも厳然と流通しており一部がオークションサイトなどでも見受けられるらしい、という事です。

勿論贋作を売っているという訳ではありませんからWE300Bであると言われれば確かに間違いないのですが、以前に申した通りウエストレックスの正規品の規格を満たしていない幾つかの特徴がありますので皆さんも十分ご注意いただきたいと思います。尤も出品者の方が事の次第をご存知でない事も十分に考えられますので皆さんも今後流通が安定するまでは自衛手段としてWE300B(97年以降の復刻品)をお求めの場合は是非下記を確認下さい。


1.(写真左上)箱は赤/青のツートンであるか

2.(写真右上)ベース部分のWEのペイントの裏側に6ケタのシリアルNo.が刻印されていて同番号の封印が箱にも貼付されているか

3.(写真左下)真空管と同梱でデータシートとウエストレックスの発行する保証延長登録カード,300Bの仕様書が入っているか


上記が満たされていない場合、残念ながら正規品ではありません。

念のため88年以前のオリジナル品は上記条件と全く一致しませんので誤解なきよう宜しくお願い致します。一番嘆かわしいのはこのようなものが流通しているという事は誰かがB品を出荷した、と言う訳で此処に今回の問題の根深さがあるような気がします。今年の初め頃、これが入荷してきた時は危うく私も売ってしまうところでした。でも何か変だな、という気が咄嗟にしたので売らずにとっておいて、自分のネットワークで調べていったら上記のような事が発覚したという訳です。先日の真空管オーディオフェアでもこの話が内輪で出たのですが業界内でもご存知ない方が多かったです。皆さんも後で詰まらない思いをなさる前にしっかり確認して調達される事をお奨めします。

http://www.kit-ya.jp/blog/index.php?eid=994


ウエスタン エレクトリック社製真空管 WE300Bは買える 2011年05月22日


300Bという真空管は、昔アメリカのベル研究所によって開発された劇場向けなどのプロ用真空管。その製造を行っていた会社が、ウエスタンエレクトリック社。この会社は1990年代に一旦消滅してしまいましたが、今世紀に入ってからアラバマ州ハンスビルに新工場を建設し、純正WE300Bの製造も再開されました。

300Bという真空管自体は、中国や東欧で製造された品物は多く流通していますが、その価格は大体1本15000円前後。

それに対し、製造再開した純正Western Electric社の300Bは4万円。

再開された工場と、300Bの製造工程は以下のサイトから見られます。

ココ→http://www.tubedepot.com/westrex1.html

ひと昔前は「300Bを買う」ということは「骨董品を買う」ようなもの。秋葉原の真空管専門店で見かけたとしてもとても手の届くような値段ではなかったです。
今でも旧Western Electricで製造されたVintage品は20万円もしています。

旧品と最新純正WE300Bの違いは、管球ガラスが昔は鉛ガラス、今は鉛フリーになっているらしい。

http://pinetailmatube.seesaa.net/article/202901358.html

新300Bをチャートに置くと・・・ 2011,08,11, Thursday


SV-91BIIIを使って自分の部屋で新300Bの音質評価を始めています。先日佛山の桂光で新300Bの二次試作を預かって来た事は申し上げましたが、実は僅かに工程の違うsample Aとsample Bを預かって来ており、これを一度音質的にきちんと評価してほしいと言われているのです。

先ずはフィラメントのバーンイン。整流管アンプの場合は整流管だけ抜いた状態で通電することでフィラメントのみ通電されB電圧が発生しない状態となりますのでフィラメント/ヒータのバーンインには最適な環境が整うことになります(なかには低圧だけ整流管で高圧はダイオードを使っているアンプもあるのでご注意を)。この状態で10時間通電を2セット行い最低限の枯化を行っていよいよテスト開始です。PCのHDDに格納した数々の信号音源/リファレンスソースを掛けて印象を積み上げていきます。

 そういえば現地で撮った写真(3枚目)をご覧になった皆さんから主にガラスの形状について様々なご意見をいただいていますので、少々補足。

当該写真の一番左のWE300Bはデートコード0613。つまりは本当に最後の最後に作られたWE300Bな訳ですが、そのWE300Bにも私の知るだけで4種類の形状(の違い)があります。実際はもっと沢山の型が存在したかもしれません。肩の張り、ウエストのくびれ方が微妙に異なっている訳ですが、今回私どもがベンチマークとしているのは最初期(50年代)の300B。Tさんに三拝九拝して刻印300Bをお借り出来ることになっていますが、まだ現物が来ていないので、その間87年と06年のWE300Bを使いこの球を評価していくつもりです。

 昨日から会社で鳴らし始めて感じた事は、今までの復刻300Bとは基本的な部分で音が違うと感じています。

全体に粒子感が細やかでよく解れていて帯域ごとの音色がよく揃っています。一部の現行300Bに見られるような中低域と高域で音の色味といいますか質感が異なる感覚がなく、情報量も極めて多いのでしっとりとしながらも音のエッジが曖昧にならない良さがあります。

現状の音を3月に書いたチャートに上書きしてみると・・・こんな感じ。

ver.4が低域寄りの倍音,ver.5は中域の張り出しを特徴とすれば今回のサンプルは中高域の倍音(音の拡がり)が圧倒的に優れています。

一部の現行品で音量を上げると明らかに高域が頭を打ってヒリヒリとした飽和感が出ますが、そういう器の小ささは全くありません。敢えていえばSvetlana300BとWE300Bの中間的表現と言えるかも・・・Svetlanaはフィラメントのフック部分で断線するトラブルが多かったので、私どものサンプルでもショックテストなどを行い電極部の堅牢度も厳しくチェックしていく必要があります。

 預かったサンプルではAタイプが明るめ、Bタイプは陰翳で聴かせるタイプです。AとBで何処がどう異なるかは敢えて聞いてきませんでした(先入観を避けるため)ので、レポートを現地に送る際にナゾナゾの回答を伺おうと思っています。

 復刻WE300Bは他の現行300Bと較べて確かに一頭地抜けた音質的な素晴しさがあるのは事実です。

しかしながらペア15万辺りで相場が形成されているのは明らかに異常です。これではWE300Bが投機対象になっていると本当のオーディオファンから敬遠されるのも無理はありません。私どもとしては常識的価格でどこまでWEの音質とスピリットを現代に蘇らす事が出来るのか・・・発注ロットは今までの5倍〜10倍必要ということで(全部のパーツが新規の型起し品ですので)、ひょっとしたら幻の300Bになってしまうかもしれませんが、やれるだけのことをやって、後はどれだけの仲間が集まるかということではないかと思います。

http://www.kit-ya.jp/blog/index.php?eid=3383

WE300Bオールドと復刻版の音質差 2011,08,12, Friday


今77年,88年,99年,06年のWE300Bと新300Bの5種類をとっかえひっかえしながらSV-91Bで聴き較べているところです。ちょっとこの写真をご覧下さい。右から77年,99年,06年,そして新300B二次試作です。こうやってみるとWE300Bでもシェイプに微妙な違いがあることが分かると思います。

77年と06年はちょっとズングリ、99年はやや細身。二次試作はこの3本の中では99年に最も近いことがお分りになると思います。

ただこの少々変な撮り方の写真はその外形の差異をお示しする為にアップしたのではありません。写真をクリックして大きな画像でよーく見ていただくとWE300Bは3本とも横方向に筋状の"紋"が見えるのが分かりますでしょうか。対して二次試作の表面は滑らかです。これが以前から申し上げているガラスの薄さの違いなのです。

言い換えればWE300Bは紋が出るほど限界までガラスを薄く仕上げていて、これがあのチーンという"お鈴"の音程を決定づけており、WE300Bの繊細で豊かな響きのポイントであろうと言われています。

対して二次試作は今までのものよりも薄くはなっているものの、WE300Bと比較するとまだ厚く、色味もやや褐色がかっていることが分かると思います。


 ただ最も大切な音に関して言うと、この二次試作、相当高いレベルまで来ていると申し上げておきます。市場で最も沢山流通している300Bは300BEH(ロシア)と300B-98(中国)の二種類だと思いますが、これらと比較して最も大きな差異として感じられるのはローレベルのグラデーション(階調表現です)でありピークで頭を打たないヘッドルームの高さです。今まで自宅ではオートグラフはPPメインで鳴らしてきましたが、今回の試作であれば91B(シングル)で十分。むしろその中高域の伸びやかさからMonitor GoldのEnergyを1ノッチ落としたほどです。

 今日偶然発見があったのはWE300Bが世代間で音質が異なることです。

試聴している時、うっかりしていて06年と77年を左右に挿して聴いていてあれ?と思ったのがきっかけでした。Tuttiでブオン!と膨らむその感じ・・・SPの外側に拡がる音場感が左右チャンネルで僅かに違うので確認したところ世代が違うことに気づいた訳ですが、

オリジナル(オールド)よりも復刻版の方が中低域の倍音が厚め・・・

言い換えればオールドの方が良い意味で渋い音だという事が分かったのです。

Ipはほぼ同じですので特性差ではありません。今回佛山で"音は復刻を狙うのかオールドか?"と訊かれた意味が漸く分かったという訳ですが、LPでもプレスで音が違うように同じWE300Bでも音が違うなんて、とても興味深いですね。これだから球との戯れは止められません(笑)。

http://www.kit-ya.jp/blog/index.php?eid=3384


2011-02-21 00:35

現在WE300B復刻版(9552)が来客中。まだmini91Bでのちょい聴きでしかWE同士の比較は出来ていませんが…自分のエミ減WE300Bオールドとは確かに微妙に音が違います。

復刻WEの状態、過去の使用時間は定かではないのでなんとも言えませんが、復刻版の方が高域がクリア、な感じです。

これが逆に「音の硬さ、新しさ」と感じる方もいるでしょう。

横への音の広がりは(現状では)エミ減WE300Bオールド(プリントとARMYのペア)の方が上と感じます。

オールドの方が高域の耳あたりが円やかで「音が濃く感じる」のは確かですね。

両者を聴いてわかったのですが、「WE300Bたる最大の特徴の一つ」は音色もさることながら【音のタメ】だと感じます。

例えば中低域(チェロの低音等)が、中国現行管だと【ブン】に対しWEだと【ウ”ゥン】みたいな(笑)。弦楽器を表現するにはこのタメが非常に重要で、これが音の実体感の再現に大きく貢献していると思います。これは新旧問わずWE300Bにあります。自分はガラスの薄さ(WEの方が薄い、響きが出やすい)が大いに関係しているのかな…と思っています。

また総じてWEの音は、自分の印象では「結構締まった音」です。ムラードの様な芳醇な雰囲気とは違います。もっと厳しい、それでいて機械的ではない音に自分は感じます。

オールドWEと復刻の関係については、色んな考え方が出来ます。「復刻WEで充分」とも言えるし、「やっぱりオリジナルWEでないと!」とも言えます。両者とも優秀な【音楽モニター管】だと思います。

http://cello300b.exblog.jp/12153216/


 

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7. ウエスタン・エレクトリックの歴史


ウェスタンエレクトリック(英: Western Electric, WE, WECo)は、アメリカ合衆国のかつて存在した電機機器開発・製造企業。1881年から1995年まで、AT&Tの製造部門として存在した。1995年、AT&TはAT&Tテクノロジーをルーセント・テクノロジーに改称し、スピンオフに備えた。この時点でウェスタン・エレクトリックは終焉を迎えた。

1929年ごろ、ウェスタン・エレクトリックは映画館の音響システムの製造も行っていた。ウェスタン・エレクトリックの Universal Base は、サイレントの映写機しかない映画館でトーキーを上映できるようにするシステムであった。また、映画館用広音域ホーンスピーカーも設計している。これは効率が高く、3ワットのアンプで映画館全体に音を響かせることができた。当時、高出力のオーディオ用真空管はほとんどなかったため、この開発は重要だった。

映画館向けにウェスタン・エレクトリックが1920年代から30年代にかけて設計・製造した音響機器は、耐久性と音質のよさからオーディオマニアなどのコレクション対象となっている。これには、大規模映画館用の巨大なスピーカーもあり、比較的低出力の真空管アンプで駆動される。

AT&Tへの機器供給業者として以外に、ウェスタン・エレクトリックはプロ用の録音再生機器も開発販売していた。以下のようなものがある。


ヴァイタフォン - トーキー映画システム

プロ用電気録音機器(1920年代末)- それまでは、レコードへの録音は蓄音機のホーンに向かって音を発することでレコードに溝を刻んでいた(アコースティック録音)。ウェスタン・エレクトリックは初めてマイクロフォンと増幅器と電磁式の針を使った録音を可能にした。

オーソフォニック - 電気録音されたレコード用の蓄音機

オプティカル・サウンド

モノラルの装置でも再生可能なステレオレコード録音方式

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF


WEの歴史100年


 WE社の前身は、100年にわたり事業を行なっており、1882年以来、アメリカ・クリーブランドで、グレイ・バートン社として開業され、その創業者は発明の才能優れた大学教授エリッシャー・グレイとそれ以前ウエスターン・ユニオン社の電信会社の副社長アンソン・スティガー将軍でした。最初わずかな資金でスタートした彼らの事業成功の要素はなにでしょう・・・・・・。創造力、活力、決断力ならびにより良いサービスの提供があると確信し、まずはクリーブランドで事業を開始し、後にシカゴに移転、電信機器や電気器具の製造と修理を行い、堅実な会信という信用を確立することを当面の目標として出発しました。 まもなく、その仕事の質が良くサービスが完全だと信用を得て、企業からの注文がしだいに増し、1872年までにこの商会は、30万ドルのウェスタン・エレクトリック製造会社に成長しました。

1876年、電話が発明されてからは、WEは新しい機器を競合製造する6社のひとつとなり、そのわずか5年後にベル会社は規格統一をして標準化された機器を確実に供給する製造業者が必要であると判断し、早くも1882年にはWE製造会社の経営権をにぎり、さらにすすんでウエスタン・エレクトリック会社としました。製品のデザインの品質とが優秀であり、従業員がお客に最高のサービスを提供しているということを、この商会ははっきり証明しました。

 WEはベル・システムの製造部門となり、ともに発展を続けました。 1898年(明治30年)に、WEは早くも日本に進出し、外資提携会社の第1号として、現在の日本電気(NEC)の設立に力を貸しています。85年も昔のことです。 WEのトレードマークとNECのそれが、兄弟のように似ているのも、この間の歴史の一端を示しています。このころ、日本では明治時代の始まりで、

明治2年(1869年)東京ー横浜間電信開始、
明治5年(1872年)新橋ー横浜間鉄道開通、
明治10年(1977年)西南の役 東京ー横浜間電話開通 

という状況でした。1876年びアメリカで発明されたばかりの電話が、もう日本で開通とは大変なことです。電話は、1876年のアレキサンダー・グラハム・ベルの発明以来、急速に発達し「ベル・システム」方式により、さらに通信量、信頼性が大きく向上し今日に至っています。 

ベル・システム(Bell Sysyem)の基本構造は、電話を世界中の人達に経済的に、また安心して使ってもらうためにシステムを研究、供給、運用という3分割とし、各社一体となって協力し事業の発展を図るというシステムです。


研究は、ベル・テレホン・ラボラトリーが当り、

提供(機器の製造)はWE、

運用(まとめ)はATTが受けもつという具合です。

ATTのこと 

 ATT方式とは、地上最大の企業といわれるATT(アメリカ電話電信会社)の経営方式のことで、ベル・システムとも呼ばれています。 ATTは、全米に22ある地域会社とベル電話研究所、通信機メーカーのウエスタン・エレクトリックなどの上に君臨する持ち株会社で、グループ企業の従業員は100万人を超えています。 そして、長距離通信を担う基幹回路網を直接管理し、地域子会社がそれぞれの地域内で通信サービスなどを行う仕組みになっています。 また、各子会社に対し通信機器の提供や資金面を含めた経営上の援助をする代わりに、各子会社から収入の1.5%〜2.5%を受けとって成り立っています。22の地域会社は、電話料金、サービス面などで互いに競合するので、いわゆる競争原理が働き、企業活動、サービスは常に向上するというわけです。

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm

     Western Electricと真空管の歴史

(無線と実験 1982年7月号 HiFi の原点!! ウエスタン・エレクトリックより ★安西勝太郎★


W.E. tubes
http://www.osk.3web.ne.jp/~euvalve/gallery/wepart1.html
http://www.osk.3web.ne.jp/~euvalve/gallery/wepart2.html


 ウエスタン・エレクトリック(Western Electric Manufacturing Company=以下WEと省略)は、すでに100年以上の歴史をもち、今までに数限りないアンプを世に出し、今マニアの間で現用になっているものも多いようです。また、WEの真空管を使ったアンプの記事が本誌上をにぎわすほどの人気があります。

真空管の成長とWE社 

 1992年、イギリスのフレミングが2極真空管を発明し、ダイオード名付けました。また、1906年にはド・フォレが3極真空管を発明して、その増幅作用を利用したシングルのオーディオ・アンプを発表しました。彼は真空管の改良、研究とともに各種サーキットも開発して、1912年にはマルチステージのトライオード使用のカスケード・アンプへと発展させました。これが真空管アンプのオリジナルといえましょう。 

このド・フォレの真空管をいち早く生産に移したのはWEですが、1915年には、バージニア・アーリントンで大陸横断電話回線の実験が行われており、ここですでに550本の真空管が使われたといわれています。 また、 この前年の1914年(大正3年)に、日本海軍は苦心の末、ATT製真空管を入手した・・・・・とあります。しかし、これらの実験の製造はWEという公算は大です。

 同じく1915年にはATT・WE真空管式無線電話装置により、アメリカーフランス間の通信成功とあります。 1917年には、電話局のレピーターに今日の直熱型3極管と同じハシゴ型グリッド電極構造をした真空管が使用されております。 1917年、WEはVT-1、2という2種類の直熱型3極管をアメリカ・シグナル・コーポレーション向けに作りました。 VT-1は受信用万能検波増幅管で、ラジオの初期にRCAが作ったUV-201型の原型といえるものです。VT-2は送信用の5W級発振・変調管で、オーディオ・アンプのパワー・ステージにも利用されました。これがパワー管の初めといえるようです。

 1919年、WEはさらに大出力のパワー管、50Wの大型送信管型WE-211を発表しました。また、受信用として乾電池でも使用できるエコノミーな小型管WE-215というピーナツチューブを作りました。そして、翌年には一般民生用真空管の量産も始めました。しかし、一般商品の発売はRCAが先行し、1919年にWEのVT-1に似た定格をもつUV-200および201を発表しております。 この真空管の製造元はGE(ジェネラルエレクトリック社)でした。 1920年、アメリカのH・アーノルドが酸化物陰極を実用化し、電子放射線量は、従来のタングステンに比し向上しました(現在の通常の受信真空管の陰極と原理的にはほぼ同一)。 また、アメリカWEによるKDKA局より、世界最初のラジオの正式放送が開始されるなどに伴い、送・受信用真空管に対して質量とも大きな期待がされるようになりました。 

1912、I・ラングミュアによって発明されたトリエーテッド・タングステン・フィラメント使用の高品質真空管199・201Aの製造が開始されました。 これらの真空簡に対する基本技術は徐々に開発され、現在の真空管の原型がほぼ出来上がりかけてきました。 1924年(大正13年)オランダ・フィリップ社は傍熱型酸化物陰極受信管の製造を開始し、日本では東京電気がトリエーテッド・タングステンフィラメントの199・201を発表し、またと東京・名古屋ではラジオの本放送が開始されました。その開始とともに日本では最初のラジオ関係の雑誌『無線と実験」が創刊されたのです。

ヒーター、フィラメントの構造


 真空管の陰極は構造によって直熱管型と傍熱管型とがあり、直熱管型の陰極はフィラメントといい、傍熱管型のそれは別に設けた加熱体の輻射により陰極を加熱し、この加熱体をヒーターといいます。 また、現在使用されいる陰極は主として次の種類です。 

(a) タングステン・フィラメント:
所要の放射電流(エミッション)を得るためには動作温度を高く (約2,500K°)する必要があり、それに従い加熱電力が大きくなるので、最近では保守用や特殊用以外にはあまり使われません。

(b)トリウムタングステン・フィラメント:
タングステンに1〜2%の酸化トリウムを混入したもので、 表面をある程度炭化してあり、還元されたトリウム原子がタングステンより低い温度(約2,000K°)でかなり良好な電子放射が得られるために、送信管では最も使用されています。 

(c) 酸化物塗布陰極(カソード等):
通常、ニッケルを基本金属としてその上に、酸化バリウム、酸化ストロンチウム等の酸化物を塗布したものです。その還元された金属原子により、良好な電子放射が得られ、動作温度はトリウムタングステン・フィラメントよりさらに低い(約100℃)ものです。しかし、傍熱型のものでは加熱体となるヒーターは通常、タングステンや合金が用いられます。


 さて、WEの歴史はそのままが優れた高信頼の通信用真空管の開発・製造・応用の歴史といえます。 WEのオーディオ用バルブのほとんどは電話のサービス網の拡大とともに、伝送系に使用する目的で開発・製造されてきました。 1930年代に入り映画産業の発展に伴い、世界最高といわれるウエスタンーン・トーキー・システム(映画発生装置の開発製造業)まで手がけ、オーディオ用直熱3極出力管のWE-300A(B)やビーム型出力管のWE-350A(B)など、歴史に残る名出力管が生まれてきました。この間、特記すべきオーディオ管は、電話用として開発され最も多量に使用されたという#100シリーズのオーディオ管のことです。


WE #100シリーズの真空管

 WE#100シリーズは、電話用に真空管が始めて実用化されたころに端を発し、ほぼ半世紀にわたって多数使用され、現在でも一部分の海底電線のケーブル中継基地で、また搬送式通信装置、電話用通信能力測定などを含めこれほど大量に使用された例は他にありません。 WEが開発した#100シリーズは、真空管界の最大の「功績者」としてエレクトロニクスの歴史に残るでしょう。

 このシリーズのバルブは定格内で使用した場合、持久時間も数万時間におよびイニシャル性能を長期間保持します。 WE-100シリーズは3大別でき、万能管ともいうべきWE-101D、高μ検波増幅用 WE-102D、さらにオーディオパワーチューブWE-104があります。ともに直熱3極管として真空管の教科書どうりの基本構造で、ウエスタン3極管の原型ともいうべき、2枚の平行したプレート、M型、V型に張られた酸化皮膜(オキサイド)フィラメントおよび梯子形格子のグリットの板極管です。 プループは丸く、排気孔は上部でシールされています。ソケットはWE-100L型で(通称スモールUVタイプ)で、ベースのバイヨネット・ピンで固定されます。この形状はタマ→ナス管→ドーム・トップのST管に変更されましたが、規格・性能などは全く変えられておりません。 Dタイプは後にフィラメント定格を改め、Fタイプ(4.5V、1Aで4.5Wを4.0V、0.5Aの2W)と省エネルギー化して、この時点から特有の逆形フィラメントになり、プレートも板極からアンドン型へと移行します。この逆3V型フィラメントの真空管の代表としてVT-25が上げられます。以上のようにWEは、真空管材料の研究を続け、成長していきました。


真空管のプロポーション

 この当時はまだ欧米各社とも真空管の規格・プロポーション等も、十分に共通化(標準化)されておらず、各社各様でした。 WE-100シリーズの系列として当時の日本では、1928年(昭和3年)に日本電気K.K.(NEC)が下術提携を結び、WE-100シリーズと同じ型番の真空管の中継用101Dと102Dを製造し、この技術を基礎とし各種の通信用真空管を製造しました。同じくイギリスのETC社では、WE-101D・102D・104Dのオリジナルから、改造したSTC4101G・4102G・4104Gシリーズを電話用に製造しました。また、WE-101Fタイプを更に小型化した。STC4019A・4020A(120改)シリーズも作られました。これらは広い意味で、いずれも101のファミリーといえましょう。


高性能WEの光電管

 トーキー映画のフィルムの“音”再生には光電管をはじめ周辺機器の基本性能が品位を決定します。

 WEでは、このトーキーの開始と同時にすでに世界最高といわれる光電管も開発しており、これにより名声を更に高めました(光電管は光の入力エネルギーの変化を電気的の変化に変換するバルブです)。35mmのトーキーフィルムのサウンドトラックの占める幅は約2.5mm、録音方式は通常(黒色)密度の変化や面積変化の2方式ありますが、いずれにしても、サウンド・トラックの流れにより録音(録画)された光エネルギーの変化を、光電管により電気的シグナルの変換させ、このオーディオシグナルをイコライジング(F特をフラットに直す)し、トーキー用アンプを動作させます。 

 WEのオーディオバルブの黄金時代、1930年初めより年の中頃までの代表的なA級動作の真空管の出力は0.87から650W、プレート電圧は350〜12500Vで、大出力の真空管は主としてオーディオモジュレーター(放送機用変調機)に使用されていました。 いずれも、WE直熱・純3極管のはずです。

 現在私達が、無理なく自作に使用できる上限は242Cの2W(RCA211相当)と284D(RCA845と近似)の40Wですが、212E、241B、308B(フィラメント14V、6A)もB電圧を1000Vに定めるとすると、20〜30Wは得られるはずです。また、242CはB電圧1000V時に出力15W、284Dは27W前後となります。

 WEのオーディオ用パワー管といっても、B級大出力用は殆どが放送機の変調機用です。しかし、純3極直熱出力管のハイパワーアンプの音色、迫力はまた格別のものであります。PP動作でもA級シングルで出力が僅かに4Wの268Aが同じB電圧で12倍の50Wと示されております(この例は特別としても・・・・)。 242C/211E 1250VのA級シングルで22WがB級PPでは200W、284DではA級S40Wから140Wに増強されます。 

242CがA級S時22Wから200Wと9倍もパワーが増え、284Dが40Wから3倍弱の140Wしか増えないのは、不思議に思う方もあると思いますが284DはA級オーディオ専用管で、Eb 1250V時、Ib 68mA、バイアス電圧はー218Vと非常に深くGグリッドをフルドライブするには約440Vppのシグナル電圧が必要です。しかし、A級シングルで40Wのオーディオ出力が得られます。

これに比較し、242Cはほぼ同じオペレーションでバイアス電圧は、-75V前後でドライブ電圧は150Vpp、A級シングル時の出力は22W程です。242CをB級ppのパワードライブを行うと(外形は同じでも送信用万能管ですから・・・・)。ドライブパワーにほぼ比例して出力は増加し、200Wのハイパワーが得られます。また、295A、331Aも(フィラメント電圧が10V3.25A)B電圧を1000V程のリレーティングを行い、約200Wの出力が得られます。 見慣れない型番のバルブでもオーディオアンプに使用すると、きわめて良好なWEトーンが楽しめそうです。

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm

           / 乃了   `ヽ  ヽ∨∧ヽ \`、
              //_/7 ′     ハ `、〈〈_ノ ノ   ヽヽ
       r,ニY/」 ′〃   , ' l| ト、 l l ̄l「`、   | ハ
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       〈 rク// ,′ ,'/l‖ ,' /厶‐十ナ/}小、ヽ ∨/  、
    , -ァ7イ {  l   |l ハ ト、 { l /ィ乏f千ァ l |ヽ}_ノ   、、 `、
  // 〃l ハ  、 レイ下丶、j′'ヾ゙ジ  // rヘ川 U ヽ ヽ
//   {l { い、、\V,ィf赤       //  ,ィ|l |  ト、 \
{_/    ヾ \/ ヽ\ヾ`ー'′       { !  仆//  ,′ | ヽ  ヽ
         ノ{ {  八_〉、   ` , - ァ  ゝ, ' V ハl /   ハ }   \
      , -‐'´/ハ 、 { |lヽ、      ∠ニ-V リ / /  ∨
  ,.|ヽ .ヽヽ、ヽ| ,'  ,..-,, `ヽ''-''-'、 __ヾ  ,,. -‐ V"´ __ `ヽ、_ ,
r''".| ヽヽ _,.´,, ',´´        `ヽ、'   ,.. - ''"´   ``ヽ 、`ヽ、ィ
|  ,|  川ヽ、/ /ト-;:::、        u丶 '´         .....ヽ、 i  /l
| ハ  |! j/ ./::`:::::、                        .:::r::、::.ヽ レ'  |
   ヽヽヽ .、 i   : : : : : : : : : : : : u: :/   、: 。: : . . .  . : : : : : ': : : :|    k   
    ヽヽヽヽ、ヽυ : : : : : : : : : : :, :'´: : : : : :ヽ : : : : : j : : : : : : : : : : :,'r;;=;;、  \
     \\ヽ ヽ、: : : :υ: : , : : : : : : : : : : : : : : : : : ι: : : : : : : : ιl L;;;ノ    \
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     ``ヽl. |   y \          ``''''     . :-、、: : : ,' ,'.、     ̄ ̄ :::ヾソ ,'
        ヽヽ  ト、 `` フ                 : :ヽ-く ,'  ヽ、  __    _,(,,,,,,,,,..--
: : : : : .     ヽ、|!: :`‐‐': : :                。 : : : :\ u  ,,,ι- ''"´´
: : : : : : : .      ,,,.. -- ーー-、 __             : : :,, -‐''´


参考


【妄想】ウエスタンを語れ 総合スレ【ゴミ】
http://logsoku.com/thread/hobby3.2ch.net/pav/1066415771/

ウエスタンエレクトリックってどうですか?
http://hifi.denpark.net/1113267242.html

【K.T】WE300A以外は塵です。はい。【WEヲタ】
http://hifi.denpark.net/1073143037.html

WE.300Bシングルの最強パワー・アンプは?
http://logsoku.com/thread/hobby5.2ch.net/pav/1115035462/

300Bシングルアンプに最適なスピーカー
http://logsoku.com/thread/awabi.2ch.net/pav/1290756114/

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            . /   ノ /   `丶      _ .. ,
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       /       {      /       | '.   /
        /l       /  i   /   ,、    |ハ  !
      ; l     l  | /,. '"     /ヽ.l_, |
      ||   ′i|   l  ,ニ、    /}、/ } |
      |     {   !   lィ、_ ノ    /イノ!イ  ;
      |、 !  、 ヽ  l 代 ソ     じ' ハ/
      l Y|  i \   | l ::::::    ' :::/  }
       ; ノ!|   ゝ-‐`ー .l、ゝ   r ァ /  /
      〃 リ /    ヽl >  _ ィ'}ヽ  /
     /  / /      マ!|   // ハ /
     / ,  ,′       i }l !  // / l
    / /   !       リ l l // /   |
    / /    |  i      ヽl ∨/ /  |
   ノ /     : l       ヽ./  }   l
  ( イ       l l        {   /   |
   ヽ!       ‖       、 : /   |
    人       l        ヽV      |
   ん、ヽ.     |          }     )


300B シングル・アンプ

新藤ラボラトリー Western Electric 300B Limited
http://www.shindo-laboratory.co.jp/Power-Amp/300B-limited.html

英国オーディオン社(Audion International) Audion Silver Night 300B Mk-III
http://www.soundbox.co.jp/Audion.htm
http://www.soundbox.co.jp/Audion%20brochure1.pdf

Melody Valve Hifi H300B ・Melody A3・SHW300B
http://www.e-staff-net.com/price/melody/melody_top/melody_top.html
http://www.trn-japan.com/
http://www.melody.com.au/

C.R.Developments  Woodham 300B
http://www.crdevelopments.com/woodham300B.htm
http://www.mmjp.or.jp/ippinkan/newpage120.htm

AIR TIGHT ATM-300 
http://www.airtight-am.net/products/atm300.html
http://members.jcom.home.ne.jp/k.kusunoki/audio/ATM300/ATM300.html

カインラボラトリージャパン A-300B, A-300P
http://www.cayinlabo.com/products/cayin/index.html

サンバレー SV-91BIII・TRV-M300SE・TRV-A300SER・TRV-A300SE・JB 300B ver.3
http://www.kit-ya.jp/product_info.php?cPath=86_87&products_id=667
http://www.kit-ya.jp/index.php?cPath=86_87
http://www.kit-ya.jp/index.php?cPath=86_72

トライオード TRV-M300SE
http://www.triode.co.jp/index.html
http://www.ippinkan.com/triode_trv-a300se.htm

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http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/491.html#c7
コメント [原発・フッ素19] 石田衣良 日本人は東京電力と社員を憎むのを止めた方がいい (NEWSポストセブン)  赤かぶ
110. 2012年1月04日 23:43:13 : j4EPfX22mc
東電や政府を、合理的な理由を付加することなく誹謗中傷することをやめるべし。
反原発論者(特に即時停止を訴える方)を、合理的な理由を付加することなく誹謗中傷することをやめるべし。
エア御用学者を、合理的な理由を付加することなく誹謗中傷することをやめるべし。
放射脳を、合理的な理由を付加することなく誹謗中傷することをやめるべし。

関係ないけど、追記しとくと、
ネトウヨを、合理的な理由なく誹謗中傷することをやめるべし。
自虐史観が大好きなサヨクを、合理的な理由なく誹謗中傷することをやめるべし。

その精神が日本人全てに行き渡ったと判断される頃(ネット上での稚拙な意見者が淘汰される頃)、世論は成熟される。
そして世論が牽引する形でもって、万人が希望を見出すことの出来る社会構想が出現する。
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60. 管理人さん 2012年1月04日 23:43:22 : Master
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不動明さん、タイトル規定違反です。投稿規定全文をコメント欄にコピペして3回音読して完了を報告してください。
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【「県民を逃がすな」厳命 S知事】
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コメント [戦争b8] 「きくち」と「森田」はやっぱり統一協会!!>クリス・バズビー教授を利用した森田玄ほか 千早@オーストラリア
24. 2012年1月04日 23:50:03 : rPy1sNLOag
統一教会関連

◆聖本1冊、3000万円!!!
http://blog.goo.ne.jp/koneko5623/e/a85500fc562117527fcd028c8178225c


◆統一教会:霊感・霊視・占い商法に注意
http://www.youtube.com/watch?v=gkLpfwJ1jqA&feature=player_embedded


◆極悪朝鮮カルト統一教会の実態
http://www.youtube.com/watch?v=ncm07cyZTBA&feature=player_embedded


◆極悪朝鮮カルト『統一教会』と関ってはいけませんよ
http://www.youtube.com/watch?v=fYoYgHnEddQ&feature=player_embedded
http://www.asyura2.com/11/warb8/msg/538.html#c24

コメント [音楽5] DOWN TOWN  シュガーベイブ(山下達郎・大貫妙子) 地には平和を
01. 2012年1月04日 23:50:51 : bQwKJlscJc
おもしろかったです。
この天才集団はスティーリー・ダンの影響うけたのかな〜?
と思いました。 スガ・シカオさんもでしょうか・・

門下生
http://www.asyura2.com/11/music5/msg/677.html#c1

コメント [音楽5] 山下達郎 with 吉田美奈子 / CLOSE YOUR EYES 地には平和を
01. 2012年1月04日 23:57:01 : bQwKJlscJc
ひたすらロマンティックで、
のびやかな歌声が素敵でございました。
キライな人は思いっきりイヤか〜もなァ・・・

門下生
http://www.asyura2.com/11/music5/msg/678.html#c1

コメント [日本の事件30] 平田容疑者 突然の出頭で逮捕/江川さん“死刑執行遅延が目的か” gataro
07. 2012年1月04日 23:58:59 : XJL2YLIhEs
05です。06さん、ありがとうございます。
死刑執行遅らせて、奪還計画でもあるんです?時効ってどうなってるの?殺人の時効撤廃が適用されるんでしょうか。
悪いのは自分で、自分を逮捕しなかった機動隊の人じゃないって、平田が言ってるらしいです。指名手配犯にかばわれる警察官。
私なんか昔から親とか教師に反抗ばっかして、怠け者で、生意気で、言う事聞かない悪ガキだったんですけど、真っ直ぐで聞き分けのいい良い子!!だったんだろうなあとか思っちゃいますね。平田。言われたことに、頭の中でさえツッコミ入れたりしないんだろなあ。
もったいないですね。オウムって、やったことのえげつなさもさることながら、偏差値高いのが多いのでも話題になってましたよね、東大京大がパーフェクトだとは思いませんけど、凄くないかったら、そこの部分は確かに凄いですよ。10回生れなおしても私なんかとても入れません。

私なら、まず何より若くてオトコマエの教祖じゃなきゃヤだ。その点で、オウムは論外、幸福の科学も学会もアウトだ。

http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/116.html#c7

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