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風力発電は環境を破壊するだけでなく低周波音で風車病・睡眠障害を引き起こす
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/145.html
投稿者 中川隆 日時 2018 年 3 月 17 日 08:59:47: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 太陽光発電は国家経済を破綻させ環境も破壊する 投稿者 中川隆 日時 2018 年 3 月 17 日 08:03:56)


2007年末、東伊豆の別荘地では1500`h×10基の風力発電が運転を始めた直後から、住民のなかで健康被害が続出した。

この因果関係を調べるため、事故で風車が停止しているとき、団地自治会が独自に疫学調査を実施した【表1】。不眠、血圧、胸・腹・歯・鼻・耳痛などの症状が、風車が停止することで大きく改善したことがわかる。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/6965

クリーンエネルギーと称しての風力発電がありますが、あれを間近で見たことがある人がどれ程居られますでしょうか?

あの、圧倒的な威圧感、不快な風切り音、そして、小さなことではありますが、渡り鳥の事故死なんてのもあります。

一番クリーンな様な気はしますが、あの巨大風車はあるべき姿だとは思え無いのですけどね・・・。

風力を利用するにしても、もっと他のやり方があるのではないかと。
http://ssoubakan.com/blog-entry-2586.html

風車騒音の健康影響  北海道大学大学院 工学研究院教授 松井利仁 2017年7月28日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/3979

 北海道石狩市では、石狩湾周辺に3000`h以上の風車四六基(総出力16・7万`h)が建設されようとしていることに、市民が粘り強い反対運動を起こしている。先日、本紙に石狩湾岸の風力発電を考える石狩市民の会のメンバーから大量の資料が送られてきた。そのなかで5月13日に開催したシンポジウムでの、北海道大学大学院工学研究院教授・松井利仁氏(工学博士)の講演「風車騒音による健康影響と石狩湾新港周辺三事業の影響評価」が地元で大きな反響を呼んでいることも記されていた。講演内容は専門家の見地から低周波音の人体への影響をとらえたもので、同じように風力発電と向き合っている下関市民にとって、もっとも知りたい内容を含んでいることから、松井氏に直接連絡をとり講演要旨を紹介することに快諾を得た。松井氏は北海道や札幌市の環境影響評価審議会委員も務めた。なお、最近下関市の安岡沖洋上風力発電を計画する前田建設工業が松井氏を訪ねて意見を求めており、「周辺人口が多すぎるので、この計画では健康影響が出る」と伝えたことを本人が明らかにしている。以下、その講演要旨を紹介する。

騒音で人が死んでいる

 風力発電がもたらす環境影響は、一つは自然破壊、漁業環境破壊、それと今からお話する人への影響、健康への影響、この二つが大きなものだ。

 まず札幌市を対象にした騒音、交通騒音の健康影響について見てみたい。札幌市で環境要因でもっとも人が死んでいるのは騒音だ。騒音で人が死ぬというメカニズムは風車騒音も共通している。この交通騒音の健康影響というのは世界的に、とくにヨーロッパでは常識になっている。6年前の2011年、フィンランドの研究所がおこなった研究で、フィンランド、ドイツ、ベルギーなど欧州六カ国で粒子状物質、交通騒音、ベンゼン、ダイオキシン、ホルムアルデヒドなどでどのぐらい健康損失が生じているかの推定値を明らかにした。100万人当たり1年間でどのぐらい損失しているかという数値で、ある人が1年早く死んだら1年損失である。明らかにトップは粒子状物質(6,000〜10,000)だ。これは日本でも全体的に見ればトップで、健康損失は年間3万人といわれている。ただし北海道はそれほど汚染されていない。

 二番目が実は交通騒音(500〜1,000)だ。粒子状物質とはひと桁違う。一方、最近豊洲で話が出てきたベンゼンは2〜4で、さらに桁がちがう。ホルムアルデヒドは0〜2。交通騒音は粒子状物質に次いで二番目に高いのだが、よくマスコミをにぎわすのはベンゼンとかダイオキシン、ホルムアルデヒド。実際には交通騒音はそれより三桁ぐらいリスクが高い環境要因である。

 従来、騒音は不快感を及ぼしたり生活妨害を起こす環境要因にすぎないと主張する人が多い。しかし現在WHOをはじめ騒音の健康影響を研究している者の常識は、「聴取妨害は不快感を及ぼすけれども、睡眠妨害はさまざまな身体的健康影響を及ぼしている」というものだ。

 WHOの資料だが、複数の地域で住民を対象に道路交通騒音と心筋梗塞の発症リスクとの関係を調査した。騒音が80デシベルで1・5倍になっている。つまりその地域に住んでいると、他の地域よりも1・5倍、心筋梗塞の患者が多い。増えた分の50%は騒音が心筋梗塞の発症につながっている。日本の騒音の環境基準は、三大死因の一つである心筋梗塞の患者が15%増加するところに設定されており、けっして住民の健康を保護していない。これが騒音の環境基準の現状だ。

 札幌市でこのWHOの計算方法をそのまま用いて試算した。毎年45,000人(札幌市の50人に1人)が道路交通騒音で軽度の睡眠障害を起こし、毎年150人が道路騒音で心疾患を発症し、そして毎年20人が道路騒音による心疾患で死亡することになる。これを札幌市の主要道路周辺に限って見てみると、道路交通騒音による生涯死亡リスク(死因)は100人に1人。これはとんでもなく高い数値で、たとえばベンゼンの環境基準は100,000人に1人の生涯死亡リスクを採用している。

 他の死因と比べてみた。札幌市の各種年間死亡率で見ると、道路騒音による心疾患で100,000人当たり毎年30人が亡くなっている(高い数値の場所)。もちろん一番多いのはがんで、100,000人当たり年間278人、脳血管疾患で71人だ。しかし不慮の事故23人、自殺22人、腎不全21人よりも騒音で亡くなっている人の方が多い。低周波音も同様に危ない。このことが余り知られていない。

低周波音とその発生源

 低周波音とはどういうものか? 環境省は100ヘルツ以下の音を低周波音と呼んでいる。超低周波音は20ヘルツ以下で、これは国際的に決められている。国によっては200ヘルツ以下を低周波音としているところもある。私もその方がいいと思う。苦情を見ているとその範囲の苦情がけっこうあるからだ。ところが国はどうしたかというと、これすら関係のないものにしてしまった。今年5月、環境省は「風力発電については、耳に聞こえない超低周波音(20ヘルツ以下)には健康影響との関連は見られないので、低周波音に注目して評価するのでなく、聞こえる騒音レベル(A特性)で評価せよ」という実に非科学的な内容の通達を出した。

 低周波音の発生源は、高架道路(橋が揺れると一種の大きなスピーカーになり、揺れる振動数によって低周波音が出る)、風力発電、室外機(ヒートポンプ、エコキュート)などさまざまなものがある。日本で最初に低周波音事件が起こったのは西名阪自動車道路という高架道路だった。

 西名阪自動車道路の問題がマスコミで話題になったのは昭和50年頃。「朝起きてみたら位牌の位置が動いていた」ということで話題になった。次に平成9年頃から家庭用ヒートポンプ(エコキュート)が普及しはじめた。寝室のすぐ横でエコキュートがずーっと回っていて寝られない。電気で回るエコキュートはまだましで、ガスで回る場合、50ヘルツの原付エンジンが寝ている部屋のすぐ横で夜中にずーっと回っているのと同じだ。

低周波音の物理的特徴

 低周波音は普通の騒音と違う特徴がある。
 まず、低周波音は遠くまで届く。4,000ヘルツの騒音は2`離れると音の大きさにして200分の1以下にボーンと下がる。これと比べ63ヘルツとか125ヘルツなどの音は、2`離れてもほとんど減衰しない。1`、2`離れたら影響は減るだろうというのは甘い考えで、人間の耳では差がわからないぐらいだ。遠くまで届いてしまうのが低周波音だ。

 低周波音がやっかいなのは建物に入ってきやすいことだ。高い音は窓を閉めれば音の大きさは落ちる。デンマークでの実測例だが、100ヘルツをこえるとある程度減衰するが、50ヘルツあたりだと窓を閉めても変わらないか、窓を閉めると室内のレベルが上がった。どうしてそうなるかというと、一番の理由は共鳴だ。日本の家屋の場合に起こっているのは、天井と床の間での共鳴だ。天井と床の間が2・5bぐらいで、床面と天井面でレベルが上がる。床に布団を敷いて寝るとレベルの高いところで寝ているということになる。床ではとても寝られないので、簡易ベッドをつくって枕を上げたら寝られるということも起こっている。

 低周波音でどんな影響が出るか。40年前の1977年、西名阪自動車道の周辺で低周波音の健康影響が出る事件があった。周辺住民が「頭痛・頭重」「不眠(睡眠障害)」「イライラ」「肩こり」「めまい」(多い順)という症状を訴えた。注目すべきはパーセンテージで、周辺20bまでのところに77人が住んでいたが、そのうち2人に1人が「頭痛・頭重」「眠れない」という症状を訴えた。また4人に1人が「めまい」を訴えた。これは健康影響以外のなにものでもない。「頭痛・頭重」「肩こり」「めまい」というのは音で生じる影響とは考えられない。そうではなくて内耳の前庭という所で空気の振動を検知することによる障害だ。これはいわゆる風車病と同じ症状だ。

 低周波音で風車病の症状が起こるというのは、日本では40年前に知られていた。海外よりも早かった。それなのにいまだに低周波音を否定する人がいるのが私にはわからない。とくに騒音専門家といわれている人たちがこれを知らない。

健康被害が起る仕組み

 人間の耳は、鼓膜があって中耳があって、蝸牛というところで音を分析して脳に伝える(図1)。そこには前庭という機関があって、頭の傾き、頭の振動を検知して体の平衡機能を保っている。音は鼓膜から入ってきて、まず前庭窓を刺激し、中のリンパ液を振動させて、一部は蝸牛に伝わって音として感じる。前庭窓から蝸牛の間に卵形嚢(のう)、球形嚢という二つの器官があり、ここが振動を感じる感覚器官だ(図2)。入ってきた振動はまずこの二つを振動させてから蝸牛に入る。卵形嚢・球形嚢は低周波音でしか反応しない。

 

 低周波音による「公害病」はいくつかに分類できる。一つは低周波音が聞こえることによって「小さい音」でも気になって眠れない環境性睡眠障害。中・高周波音では小さい音は気にならない。「小さな音」が気になるかどうかは個人差があり、騒音計で評価することは困難だ。もう一つは今紹介した前庭への刺激で、耳に聞こえる音としてではなく圧迫感・振動感を感じることによって眠れなくなるのと、振動によってめまい、頭痛、肩こりを起こしていわゆる風車病となる。「音が気になる」かどうかより、物理刺激との関係が強い。さらにもう一つ、上半規管裂隙症候群(SCDS)という障害を持っている方がいる。1998年に発見されたもので、有病率は1〜5%。その方は低周波音、とくに超低周波音の感受性が極めて高い。この三つが発症機序である。

 風車騒音と風車病・睡眠障害との因果関係について。風車病(風車症候群)と名前をつけたのはヨーロッパの研究者ニーナ・ピアポントだが、彼女が風車の近くに住んでいる人を調査して「転居したら治る」ということを調べた。それはきわめて強い因果関係を証明している。関連の可逆性という。2000年代のことだが、この時点で疫学関係者は風車病というのは低周波音で起こると確信していたはずだ。ところがいまだにそう思わない人がいる。耳鼻科ではもっと前から、音が前庭を刺激して「めまい」が起こるというのはチュリオ現象として教科書に書いてある。実はチュリオ現象は前庭器官の診断に使われている。

 もう一つ、低周波音による「環境性睡眠障害」については、すでに複数の疫学調査結果(環境省を含む)で風車騒音と「睡眠障害」との関係は明らかにされている。にもかかわらず環境省は「睡眠障害」という言葉を使わない。家庭用ヒートポンプ(エコキュート)による「睡眠障害」に関しては、2年前の2015年に、参照値以下のレベルでも睡眠障害が起こるということを消費者庁が認めている。低周波音で睡眠障害が起こることは明らかで、これを否定する人は科学者ではない。

環境省の対応と問題点

 環境省は実に非科学的なことをやっている。WHOは1999年に低周波音についての知見を出した。「A特性騒音レベルによる評価は不適切である」「低周波音が多く含まれる騒音に対しては、より低いガイドライン値が推奨される」「低周波音は低い音圧レベルでも休息や睡眠を妨害する可能性がある」ということをいっていた。

 低周波音について環境省は、寄せられた苦情に対して2004年に参照値という目安をつくった。参照値というのは、10人に1人が寝室で「気になるレベル」を調べたものだ。そして環境省は参照値を目標値にしないよう通達した。住民の1割に影響が出るような値では住民を保護できないからだ。また、参照値は室外機など定常的な低周波音を対象としており、風車の風切り音のような規則的な変動がある場合はもっと「気になる」からだ。ところが事業者は通達を意図的にねじ曲げて、「環境省は参照値を使うなといった」といって、もっと緩い「環境基準値」や「気になる―気にならない曲線」、5割の人に影響が出るような数値を目標値にした。これは倫理観のある人間の行為ではない。利益追求しか考えない事業者やコンサルタント会社による公害犯罪だと思う。

 先にのべたように環境省は今年5月、「風力発電から発生する騒音に関する指針」を出した。環境省が選んだ専門家は「風車騒音の影響は“聞こえる音”による生活妨害や不快感である」「“聞こえる音”なら騒音レベルで評価できる」「“聞こえる音”なら風車以外の騒音のある地域では基準値を緩めるべき」というものだ。なぜこういう論理を環境省が採用したのか、信じられない。これに対して選ばれなかった専門家、私だが、「環境省の研究でもすでに睡眠障害との因果関係が示されている。それを生活妨害とか不快感という言葉で矮小化するな」「WHOは20年前に騒音レベルでの評価を否定している」「前庭への影響は低周波音だけであり、人間は低周波音を聞き分けて“気になる”のだ」と反論している。

石狩の住民はどうなる

 石狩湾新港周辺に計画されている風力発電事業について、人体への健康影響を評価してみた。影響の評価方法は「圧迫感・振動感」に注目したもので、事業者が提出している準備書をもとに、H特性音圧レベルから圧迫感・振動感を優先的に感じる住民の症状発生率を算出した。「圧迫感・振動感」の優先知覚率は「気になる曲線」より控えめである。

 まず、石狩コミュニティウインドファーム(3,200`h×7基)だが、発症率1%以上のところに住宅地、住宅街がある。300人以上の周辺住民に健康リスクが生じる可能性がある。さらに風車は工業団地の真ん中にあるが、工業団地内では発症率は20%、30%、つまり3人に1人、場所によっては2人に1人が圧迫感・振動感を優先的に感じ、睡眠障害などの健康リスクが生じる可能性がある。仮に工業団地に1,000人働いていたとすると、30人ぐらいは圧迫感・振動感を感じ、その半数以上は就労困難になる可能性がある。

 次に銭函風力発電(3,400`h×10基)だが、工業地帯からは少し離れている。石狩市樽川地区、札幌市手稲区山口団地のあたりで0・5〜1%ぐらいの人に健康リスクが生じる可能性がある。計算すると300人以上に健康リスクが生じる可能性がある。全員が発症するとはいわないが、ゼロになることはありえない。

 そして一番問題の石狩湾新港洋上風力(4,000`h×26基、図3参照)だが、石狩市のほとんんどの住宅地と札幌市北区屯田、手稲区の大部分、小樽市銭函市街地で0・5〜1%をこえる住民に影響が出る(図3のだ円で囲った部分)。個人のリスクは小さくても人口が多いので、トータルとして約2,000人に健康被害の発症リスクがある。これだけ人口密集地の近くに大規模洋上風力発電がつくられるところは他にない。

低周波での科学の限界

 さて、水俣病の場合を考えてみたい。「経済成長にブレーキがかかるから」「原因は厳密に特定できない」という理由で水俣病は約10年間放置され、企業は有機水銀の垂れ流しを続けた。それをサポートしたのが科学者だ。彼らは「原因はまだはっきりわかっていない」ということをいい続けた。のちにそれは「非科学的」と裁判で否定されたが、残念ながら彼らはその後も何の痛みもない。それにマスコミも協力した。「中央の権威がこういっている」という報道をして国民を納得させた。熊本大が解明した「有機水銀説」は闇に葬られた。御用学者には鹿児島大学長というポストと研究費が与えられた。

 風車騒音被害の場合はどうなるか? 「パリ協定の目標を達成しようと思ったら再生可能エネルギーを増やさなければならない」といって、住民が睡眠障害や風車病を訴えているのに聞き入れない。そして水俣病の場合は個人の科学者が住民の健康被害を否定したが、低周波音の場合は日本騒音制御工学会という学会自体が否定している。原子力学会が原発の推進をやっているようなものだが、実際には原子力学会に加入している研究者で反対している学者もいる。ところが騒音制御工学会は低周波音について非科学的な発表を続けている。それはこの学会が環境省からの委託研究がないとやっていけないからだ。現状は半分以上が委託研究だ。なので私は去年、騒音制御工学会をやめた。

 世界的には騒音・低周波音の健康影響についてかなりわかってきている。欧州では2002年にEUが環境騒音指令を出し、2009年にはWHOが夜間騒音ガイドラインを定め、騒音対策が進められている。六月に国際会議があるが、心疾患だけでなく、脳血管疾患、糖尿病、がん、精神疾患など、睡眠障害に起因するさまざまな疾患との関係が医学的に明らかにされつつある。低周波音は欧州WHOが風車騒音のガイドラインを策定中である。

 しかし日本ではどうなっているか。国の法律は40年前の知識にもとづいたもので、国民の健康は保護されない。さらに地域差がある。騒音は地域指定されているところしか法律が適用されない環境基準だ。もし大気汚染で「ここの地域に住んでいる人には基準を適用しない」というようなことをいったら大騒ぎになるが、それをやっている。

 1999年と2009年のWHOガイドラインにある健康影響を無視している。
 また司法も、国の法律が定める基準値にもとづいて判断をおこなっている。私も裁判の証言にかかわってきたが、健康影響、睡眠障害をとり上げてくれる裁判官はいるが、最高裁までいくとWHOガイドラインすら科学的根拠なく否定している。裁判所はここまでできるのかと思う。

 騒音・低周波音の健康影響が無視され続ける理由は、地球環境問題と同じ構図だと思うが、資本主義の下で利益追求を目的としているからだ。騒音・低周波音で人が死ぬと思っていないので、健康保護より利益追求を第一にしている。被害者が訴えても他人事だ。また、騒音・低周波音はほとんどの事業に関連し、どんなアセスメントでも騒音が出てくるため、利益追求には厄介な環境要因になり、何とかなきものにしたいと考えている。そのために騒音専門家を起用する。一番の責任者は東京大学名誉教授の橘秀樹氏で、環境省の環境審議会騒音振動部会などで約20年間、環境行政を歪めてきた。

 最後に石狩湾岸の風力発電事業に対してだが、国はそもそも睡眠障害・風車病を認めておらず、そうしたなかで住民が因果関係を立証するのは困難だ。騒音・低周波音については法律で住民は保護されていない。そして事業者は「不特定多数の住民への加害」という、自分の家族にもいえない恥ずかしいことをやっている。私は、事業者はこの恥を理解できないが、その家族、出資者といわれる住民、マスコミは理解できるかもしれないと思っている。もう一つは騒音規制法による停止命令を自治体の長に出させることだ。風力発電は国が国策として進め、科学者がそれをサポートしているもので、水俣病と同じ構図なのだということを知ってもらいたい。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/3979

石狩風車の低周波音測定結果と健康被害 元札幌医科大学講師・山田大邦氏の論文より 2018年2月8日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/6965

 政府・経済産業省は、化石燃料を消費せず二酸化炭素を出さない風力発電や太陽光発電を「クリーン・エネルギー」といって建設を促進している。これに対して大型風車が建っている地域の住民から、健康被害の訴えがあいついでいる。ところが、原因となっている低周波音について厳格な測定がおこなわれたことはあまりなく、ずさんな測定で「問題なし」として住民の訴えが退けられている地域も少なくない。さらに環境省は平成28年、「風車騒音は聞こえない超低周波音ではなく聞こえる騒音の問題として扱う」という指針を提案した。元札幌医科大学講師の山田大邦氏(生物物理学)は、北海道石狩市で稼働している1500`h級風車の音を実際に測り、超低周波音領域が最大音圧レベルで、その原因が風車特有の風切り音とその倍音構造(後述)にあることを確認した。山田氏の承諾を得て、『日本の科学者』2017年12月号(日本科学者会議発行)に発表した論文「石狩既設風車の低周波・超低周波音測定と健康被害」を引用しながら、その内容を紹介したい。

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 空気の振動が耳に伝わり、鼓膜を振動させることによって、人は音として感じる。1秒間に振動する回数を周波数といい、ヘルツという単位であらわす。振動の回数が多ければ高い音、少なければ低い音になる。また、高い音と大きい音は異なり、音の大きさ(強さ)はデシベルという単位であらわす。

 人間の耳が聞こえる範囲は20ヘルツから2万ヘルツといわれる。低周波音とは人間の耳に聞こえにくい100ヘルツ以下の音のことで、ほぼ聞こえない20ヘルツ以下の音を超低周波音という。

 風車が生む健康被害は、騒音被害とは区別される低周波音・超低周波音(風車の羽が空気を切り裂いて生まれる振動)を主な原因とするもので、それは頭痛、不眠、動悸や胸の圧迫感、息切れ、めまい、吐き気などの自律神経失調症に似た症状を生む。低周波音は騒音と違って反射・吸収が少なく、貫通や乗り越えが顕著なので、二重サッシの防音壁は効果がないどころか逆に被害を拡大するし、騒音が距離を離すと減衰するのに比べて低周波音は遠くまで届く。低周波音による健康被害を解決するには、風車の撤去か住民の転居しかないといわれている。

 この健康被害については、東伊豆(静岡県)、青山高原(三重県)、由良町(和歌山県)などの住民や医師が訴えている。2000年以降は発電量増大のための風車の大型化・大規模化が進み、2010年の環境省報告では、風車から1`以内、1基1000`h以上、1施設10基以上、総出力5000`h以上の場所での苦情件数の増加・継続化が明らかになっている。

 日本では、環境省が2004年に「聴感実験において約9割の人々が寝室で煩わしいけれど許容できるレベル」として「心身に係る苦情に関する参照値」を設定している。しかし、これに対して日本弁護士連合会は2013年、@医師等で調査研究機関を組織し、低周波音の長期暴露による被害実態の疫学調査をおこなうべきである、A「100ヘルツ以下の音は聞こえにくい、10ヘルツ以下の音は聞こえないから、いずれも生理的な影響は考えられない」という考えを前提にした「参照値」を撤回し、ポーランド等外国先進例の基準をもとに暫定基準を設けるべきである、B@にもとづいて健康被害防止可能な規制基準をつくり、風車立地やエコキュート(ヒートポンプ給湯器)の設置場所の基準を策定すべきである、との提言を発表した。

 和歌山県の医師・汐見文隆氏は、「参照値」は耳から入ってくる音を聞き取る気導音の実験値をもとにしたもので、骨導音を無視しており、「低周波音被害者を切り捨てるための悪魔の目安でしかない」とのべている。

 

 日本の「参照値」と外国の基準とを比較すると【図1】、オランダは50〜60歳代の被験者のうち、敏感な人から「10%目」の人を基準としている。これは健常者平均値の聴覚閾値(いきち、50%の人が聞こえる)より5デシベルずつ低い。また、ポーランドでの疫学調査・閾値実験などによって設定された被害者救済基準は、100ヘルツ以下の領域で日本より10デシベル以上低い。

 さらにスウェーデン、デンマーク、オランダ、イギリス、ドイツ、オーストリアなどでは、恒常的な回転に連動しない純音、突発音があれば、ペナルティとして実測値に五デシベルを加えることが決まっている。諸外国の例から、日本では音に敏感な人を保護するさらなる規制強化が必要だということがわかる。

数値測定し被害を実証

 低周波音による自律神経失調症的な症状は、低周波音を測定し外因を証明することによって客観性が裏付けされることになる。これまで風車による健康被害が起こっても、原因を究明し事業者に責任をとらせることができないまま、転居によってようやく被害を逃れている被害者も多い。したがって被害現場での低周波音の正確な測定は、問題の解決には不可欠のものである。

 山田氏は、風力発電が生む問題を実証的につかむため、北海道石狩市で既に建設され、運転している風車の低周波音を、2014年6月から今年1月まで3年半にわたって測定し、所属する科学者会議北海道支部大規模風力発電問題研究会で議論を重ねてきた。

 石狩新港周辺は工業団地である。工場従業員や住民への健康被害を懸念して建設場所の変更を求めた知事意見が環境省・経産省によって無視され、3事業者による20基(7万`h)の風車が既に環境アセスメントを終了し着工している。計画当初の発電量を変えずに設置基数を変えて一基あたりの出力を五割増としており、石狩市を中心に札幌市北区・手稲区、小樽市まで低周波音被害が心配されていたのである【図2】。


 山田氏は測定を開始するにあたって、音の測定方法を次のように決めた。

 国・環境省や事業者が騒音測定で用いるA特性は、聴覚の機能が低周波音を聞き難いという特性を表現したものである。だが、風車からどのような音がどのように出ているかは人への影響を考える基本になるので、はじめから低周波音は人への影響がないとして軽視することは科学的態度とはいえないことから、そうした補正をしない平坦特性を用いて測定をおこなった。

 また、国・環境省が周波数分析に用いる3分の1オクターブバンド法では、10ヘルツ以下では1、1・25、1・6、2・0、2・5ヘルツ…など代表点の大きさだけをあらわし、これからずれた周波数は正しく表現されない。しかし健康被害を出しているのだから、どこがその発生源か、対策はどうするかと考えないと科学技術の進歩はない。そこで周波数成分を正確にとらえる高速フーリエ変換分析法(FFT法)も用いた。

 山田氏は、2005年と2008年に建設された石狩市民風力の1500`h級風車3基を対象として、1基のみ回転している風車音を測定してきた。測定の条件は、@工場停止時、A定格回転時、B風車から100bの位置で測定する、とした。定格回転とは、風車が効率よく発電する、支柱の高さ位置で12〜25b/秒の風が吹いたときの状態である。

参照値超えた西端風車

 まず、3基のうちの西端風車の場合である。西端風車はベスタス社製で出力は1650`h、定格回転は1分当たり14・3回転である。測定された原音は、1・4秒周期の恒常的な突発音であった。これは風車の3枚の羽の風切り音であり、「ヴォーン、ヴォーン、ヴォーン」という音圧変動のくり返しが風車音の特徴である。

 これをFFT法で分析したのが図3である。縦軸は下端から始まる時間、横軸に周波数(ヘルツ)、濃淡で音圧レベル(デシベル)を示した。音圧が強い箇所が濃く表示されている。


 これを見ると、20ヘルツ以下の超低周波音領域で、0・7ヘルツを基本にして、1・4、2・1、2・8、3・5、4・2、4・9ヘルツと続く倍音位置に大きな音圧の固有音があることがわかる(白抜き矢印)。また、低周波音領域の16・7、22前後、34、60、100ヘルツのところに、音圧レベルが一定の大きな純音がある(黒矢印)。この純音というのは、風車の羽による高い周波数の風切り音と、風車のギア系や風向きにあわせるモーターなど多様な機械音からなっていると考えられる。

 図4は64秒時の周波数特性図(断面図)であり、FFT法と3分の1オクターブバンド法の二つの分析結果を同時に示したものである。FFT法の分析結果には、超低周波音領域に音圧レベルが大きいピークが並んだ倍音構造が示されている。また、3分の1オクターブバンド法でも、16・7、60ヘルツの大きなピークは共通している。3分の1オクターブバンド法では超低周波音領域のピークを確認できないが、その4倍の精度を持つ12分の1オクターブバンド法では10ヘルツ以下でもFFT法と同じ位置にピークを確認することができた。

 環境省の「参照値」に照らしてみると、60ヘルツと100ヘルツの音が参照値を上回っており、アウトである。ポーランド基準に照らして見ると、16・7ヘルツ、34ヘルツも危険領域となり、それは純音であることからペナルティの5デシベルを測定値に加えると基準オーバーとなる。とくにFFT法では、以上の周波数で突出した音圧レベルを示していることがわかる。これらが頭痛やめまい、不眠を引き起こす原因である。

さらに上回る中央風車

 次に、西端風車と同じ出力の中央風車でも同じ条件のもとで測定した。羽の直径が西端風車よりも小さい(西端82b、中央74b)ために、定格回転は1分当たり19・2回転、先端の速度は時速265`bと新幹線なみで、西端(時速216`b)より高速である。この先端速度の差は、羽が風を切るさいの突発音圧成分の3倍増となっており、超低周波音領域の成分の増大となる。

 図5でこのことを示している。図4と比べると、超低周波音領域で音圧レベルが西端風車よりも約10デシベルずつ大きい。また、低周波音領域の30、60、90、100ヘルツ音が、ポーランド基準はもちろん「参照値」もオーバーする。さらに純音へのペナルティ5デシベルを加えると基準を大幅にこえることになり、国際的なレベルから見て中央風車は停止すべきだと指摘することができる。

   

 なお、40デシベルの横線「日中暗騒音」は、日曜日夕方、風車が全基ストップし工場も止まっているときに測定した結果のうち、20ヘルツ以下の最大値である。中央風車では、この状態よりも30デシベルずつ音圧が大きい風切り音の倍音が見られる。恒常的にこうした音にさらされている住民は、慢性的な健康被害を起こす可能性がある。

 では、実際に健康被害を発症している人と低周波音との関係はどうだろうか。

 石狩の既設風車のそばに住むある住民は、2005年に風車が稼働し始めてから頭痛や耳鳴りで苦しみ、家を離れるとその症状が消えて眠れることから、全国の風車病の被害者の症状に似ていると訴えていた。そこでこの住民が頭痛や耳鳴りで目覚め、眠れなくなったときに、その場で音を測定した。

 それが図6である。測定開始後30秒前後の、原音の音圧を示している。風車の3枚の羽が回転する1・54秒ごとに突発変動音があらわれている(折れ線グラフ上の矢印)。

 図7は被害者宅内の音をFFT法で分析したものである。超低周波音領域で0・65ヘルツを基本とした風車特有の倍音構造があらわれている(白抜き矢印)。倍音構造とは、風車の風切り音がもっとも音圧の強い周波数を基本としつつ、さらに大きな周波数でも連動して強い音圧があらわれることをいう。

 図8は測定開始後490秒の時点での周波数特性をあらわしたものである。3分の1オクターブバンド法では、40ヘルツのところに「参照値」に近い山があり、被害の原因になっている可能性がある。位置を正確に示すFFT法ではそれは36ヘルツの音として検出されており、音圧は周辺周波数よりも30デシベルも突出している。これは図7上端の黒矢印3個の中の左の矢印で示されている、風車特有の回転に連動しない純音の一つである。

 3分の1オクターブバンド法で示されるポーランド基準と比較すると、この40ヘルツの純音がオーバーしている。100ヘルツの純音も危険領域となっており、ペナルティ5デシベルを加えると基準を超過するため、回転数の減少か停止が必要になる。

 さらに超低周波音領域の一部では、静かな状態の「日中暗騒音」より10デシベルも高く、静まりかえった夜間では大きな刺激になっている可能性がある。調査では、石狩既設風車の音は深夜、2`離れた場所にも届いていることがわかっており、敏感な人は風車病を発症する可能性がある。

 分析結果から、風車の低周波音が健康被害を発生させていることは明らかである。しかもこの測定結果は、定格回転(1分当たり14・3回転)よりも遅い13回転であり、工場や車などの環境騒音の少ないはずの深夜の測定値である。なお、住宅だけでなく、風車から650b離れた工場の従業員の中にも同じような健康被害で退職している人が複数おり、退職すると症状が消えたそうだ。

風車停止で被害が改善

 2007年末、東伊豆の別荘地では1500`h×10基の風力発電が運転を始めた直後から、住民のなかで健康被害が続出した。この因果関係を調べるため、事故で風車が停止しているとき、団地自治会が独自に疫学調査を実施した【表1】。不眠、血圧、胸・腹・歯・鼻・耳痛などの症状が、風車が停止することで大きく改善したことがわかる。


 この結果を受けて住民が動き、今後は夜間に住宅直近の風車3基を停止すること、次に近い風車2基の回転数を4割減らすこと−−という内容の協定を、自治会と事業者と東伊豆町の三者で結んだという。これによって睡眠障害は7割減った。ただし、それでも耐えられず転居した家族もいる。

 石川島播磨(IHI)の技術者で元成蹊大非常勤講師の岡田健氏は、風車音に含まれる1〜10、10〜100、100〜1000ヘルツの3つの成分のうち、低速から中速、高速へと風車の回転数が増大するにつれて、主に1〜10、10〜100ヘルツ成分が増大することを示している。石狩の調査でも、風車の中速回転(西端風車)と高速回転(中央風車)を比較すると、FFT法でも3分の1オクターブバンド法でも、高速回転では50ヘルツ以下の成分が大きくなり、とくに10ヘルツ以下が大きくなっている。超低周波音が風車病の原因を究明するうえで無視できないものだということであり、東伊豆で症状が改善したのも風車の回転数を減らしたことがその一因になっているということである。

 山田氏は論文の最後で、次のようにまとめている。

 今回、平坦特性とFFT分析を使って測定し、風車の音は10ヘルツ以下の超低周波音領域に大きな音圧の風切り音とその倍音を持つことがわかった。この領域を過小評価するA特性で風車の音を扱ってはならないということである。また、国・環境省が用いる3分の1オクターブバンド法以上に周波数成分を分解できる12分の1オクターブバンド法によって風車の健康被害を解明すべきである。

 大型風車で羽の先端速度が大きい場合には超低周波音領域の音圧がさらに大きくなり、また超低周波音は減衰し難いので、健康被害が遠方まで及ぶ可能性がある。風車を抱える自治体は健康調査を実施すべきである。東伊豆の住民運動が夜間出力規制を実現したことを力として、石狩でも住民サイドに立つ研究者と市民運動との共同で関係自治体を動かす必要がある。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/6965


 

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コメント
 
1. 中川隆[-13462] koaQ7Jey 2018年6月22日 18:12:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16000]
「絶対に進めるべきではない」 安岡沖洋上風力発電について前田市長が明言
山口県2018年6月21日
https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/8433

事業者に申し入れを 言葉より大切なのは行動


本池妙子市議の質問に答弁する前田晋太郎市長(18日、下関市議会)

 下関市議会の6月定例会の一般質問で、下関市民の会の本池妙子市議(長周新聞社)は、下関で大きな問題となっている安岡沖洋上風力発電建設計画について質問した。計画浮上からすでに9年が経過するなかで、住民の反対世論の高まりと根強い反対運動によって建設計画は進んでいない。このなかで、市長選のさいに「住民の反対があるかぎり賛成することはできない」とのべた前田市長の見解を追及した。これに対し前田市長は住民がかかえる不安と反対世論の広がりにふれ、再度「絶対に進めるべきではない」と反対の意志を表明した。

 本池市議は、この5年余りのあいだに安岡地区や綾羅木地区の自治連合会、医師会や商工会、宅建協会、漁業者など20団体以上が風力反対の陳情をおこなってきたこと、住民による1000人規模のデモ行進が3回おこなわれ、横野地区では毎月国道沿いに立って風力反対を訴える街頭活動がのべ1万人をこえる住民の参加のもとで継続しておこなわれてきたこと、反対署名は10万2200筆をこえるなど、住民運動が急速に広がっていることをのべた。そして、「みなさんがこれほどまでに真剣に反対運動を続けるのは、風力発電が生み出す低周波音による健康被害の不安が払拭できないからだ。風力の低周波音については、全国・世界各国で苦情があいついでいる。住民がもっとも不安に思っているこの低周波音の問題について、市民の健康と暮らしを守るための環境保全と公害防止の役割を担っている環境部はどのように認識しているのか」と問い、市が独自の調査をしているのかも問うた。

 これに対し水津環境部長は、反対運動がおこなわれていることは十分認識しており、署名についても大変貴重な意見として受けとめているとのべ、低周波音の問題については市単独で独自の調査はしていないと答弁した。


傍聴席でやりとりを注目する市民

 本池市議は、低周波音の被害の実例として、豊北町の牛農家の廃業や、三重県青山高原、和歌山県由良町、静岡県東伊豆など全国各地の風車の近くに住む住民が、睡眠障害、頭痛、耳鳴り、めまい、吐き気という共通した症状を訴えていること、医師や研究者はその原因は低周波音にあり、転居以外に解決方法はないといっていることをのべた。しかし国は、低周波音について厳格な測定も医師による疫学調査もおこなっておらず、規制基準もつくっていない。そしてそれを逆手にとって、事業者の側が住民の反対を無視して自然エネルギーの補助金ビジネスに突き進む構造になっている実態を指摘した。

 実際に、前田建設工業が平成28年の準備書説明会で、風力がまだ稼働してもいないのに「低周波の影響は問題ない」といい、「風車騒音は耳に聞こえない超低周波音ではなく、聞こえる騒音の問題として扱う」といっていることにふれ、「こういう姿勢なら、仮に風車が建設され住民が健康被害を訴えたとしても、“因果関係は認められない”といって相手にされない事態を心配しなければならない」とのべ、「市民の暮らしにとってゆるがせにできないのであれば、解明が進むまで待ったをかけるなり、責任ある対応を地方自治体としてはやらなければならない」とのべた。

 続いて、昨年3月の市長選のさいに安岡公民館で「地元の賛同が得られていない以上、風力発電を絶対に推進するわけにはいかない」とのべた前田市長に、再度見解を問うた。これに対し市長は、「安岡沖の風力発電事業においては、地元安岡地区・綾羅木地区のみなさんが非常にご心配をされていることが今でも続いていると理解しているし、心配な気持ちが私自身にもある」として、「住民の反対がこれだけ多くある以上、この事業は絶対に進めるべきではない、という気持ちは選挙のときから一貫して今でもまったく変わっていない。この場でも大きな声でみなさんにお伝えしておきたい」とのべた。


洋上風力発電建設に反対する1000人デモ(2017年)

 市議が、環境アセス準備書にかかる市長意見で前田市長がはっきりした態度表明をしなかったことに住民のなかで大きな失望が広がったとのべ、「市長としては、科学的解明も明らかでなく、よくわからないのに、事業者が風力発電を建設するのを開けて通すのか、それとも民意を代表してストップをかける意志があるのか」と問うと、市長は、「私はこの事業に対して、すべきでないと一貫していっている。(事業を)応援しているかのようないいまわしはまったく違い非常に遺憾に思う。私は一貫して、みなさんがご心配される以上進めるべきではないといい続けている。低周波については、私は医者ではないし、医学的見地の結果的な臨床がきちんとされていないから、そこに首長として判断を突っ込むというのは私の立場としては越権していると思っているからいっていないだけだ。みなさんがこれだけ大きく(反対)しているというのは知っているし、その心配を払拭したいし、市民の安心安全を守りたいから、首長として、やるべきではないといい続けている」と強くのべた。そして「この話が来るまで下関は平和だった。それがこういうふうになってしまったというのは残念で悲しく思っている。今までケンカする必要のなかった人たちが非常に仲が悪くなったり、いい争ったりしてとんでもない迷惑だ」と腹立たしさを込めて語った。

 本池市議は最後に、欧米では環境規制が進んだ結果風力発電のブームが去り、大量の在庫が日本に押しつけられようとしている背景にふれ、「関門地域が洋上風力の実験台にされ、在庫のはけ口にされるのではたまったものではない。環境アセスの手続きにかかわりなく、前田市長は安岡沖洋上風力発電に反対する態度を表明すべきだ」と訴えた。

 なお、前田市長については、真に郷土を思い、住民の暮らしを守る気慨があるのなら、経済産業省及び前田建設工業に対して、「やめてくれ!」と正式に申し入れに行くことが求められている。それでも相手にされないのであれば、地元同意や首長判断すら超越した力で進められる事業とは何なのか、地方自治とは何なのかを問い、制度の歪みを是正させるべく、国や関係機関にも出向いて交渉することが求められている。具体的行動がともなうのか否かをみなが注目している。
10万署名は市長の得票の2倍超にもなるもので、その対応は2期目を考えるうえでも重要な指標となる。
https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/8433


2. 中川隆[-13380] koaQ7Jey 2018年10月23日 07:37:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19471] 報告

2018年10月23日
ドイツの100%エコ発電 送電網コストなどで行き詰まり


ドイツでも膨大なコスト負担や太陽パネルや風車による環境破壊が起きている

画像引用:https://www.power-technology.com/wp-content/uploads/sites/7/2017/09/1l-image-48.jpg

EVや風力は「無公害」ではない

以前から指摘されていたことではあったが、欧米のマスコミもようやくEVや自然エネルギー信仰に疑問を持ち始めた。

例えばEVでありさえすれば無条件に無公害で、ガソリン車より環境に良いと言っていたがそんな事はない。

太陽光や風力発電も無条件に他の発電方式より環境に良いわけではなく、場合によっては環境悪化を招く。


まずEVについては現在の先進国の発電方法では、一般的なHV車や1Lクラスのガソリン車よりCO2排出量が多い。

EVは製造時と廃車時に多くのCO2を出し、発電方法が火力だとガソリン車より走行時のCO2も多く出してしまう。

各国は徐々に自然エネルギーの比率を増やしているが、短期間に劇的に無公害発電になったりはしない。


マサチューセッツ工科大学の研究では、テスラSよりも1.5Lガソリン車(三菱ミラージュ)の方がCO2排出量が少ないという結果が出ている。

差はそれほど大きくないので将来は逆転するかも知れないが、大きなEVより軽自動車のほうが、今後もCO2排出量は少ないでしょう。

EVで長い航続距離を確保するには大きなバッテリーが必要で、車体が重い車ほど有利なのでEVはどんどん大型化している。


小さいEVは100キロ以下しか走行できず、実用性に乏しいものが多いのでガソリン車に替わるのは難しい。

風力や太陽光の環境負荷

次に批判されているのは風力発電で、ハーバード大学の研究者らは大量の風力発電は地球温暖化を招くと警告している。

米国の風力発電は発電量の8%を占め、2050年までに30%以上になると予想されています。

ハーバード大学のチームによると米国の発電を全て風力に転換すると、米国の地表温度が0.24℃上昇する。


風力発電の風車が気候変動を引き起こし、降雨量を減少させたり植物が生育しにくくなり、地球環境に変動を起こすという。

サハラ砂漠のような荒野に設置した場合ですら悪影響が多く、まして森林を切り開いて大量の風車を設置したら悪影響しかない。

研究チームでは風力発電による環境負荷は石炭発電より少しマシだが、太陽光発電の約10倍もあると結論づけている。


最後は太陽光発電で、以前ドイツは国内のエネルギーを100%再生可能エネルギーだけで賄う目標を立てていました。

非現実的だというので目標を60%に下げたが、それも非現実的というのでもっと下げる事になるでしょう。

非現実的な理由その1はコストで、先日日本では北海道で大規模停電があり、本州から送電できないのが問題になっていました。


九州では逆に太陽光発電の電力が余ってしまい、本州に送電できないので一時太陽光発電の買取を中止しました。

本州と北海道や九州と電力をやりとりする設備がないのが原因で、太陽光発電を買い取るにも新たな設備が必要です。


こうした設備はすべて大手電力会社が支払っていて、結局はわれわれ電力購入者が払わされています。

今の時点ではEVより小型ガソリン車のほうがエコロジー


elec-cars-vs-standard-FT
引用:https://lockerroom.johnlocke.org/app/uploads/2017/11/elec-cars-vs-standard-FT.jpg

送電網やバイオマス発電の問題

日本全土で太陽光などを無制限に買い取り、本州や北海道九州と相互供給できるようにするには、日本のGDPと同じ500兆円もかかると言われています。

ドイツも同じで太陽光や風力発電所は北部に多く、工場が多い南部と電力網がつながっていないので、余ったら捨てています。

ドイツの電力のうち自然エネルギーは約33%で最初からあった水力が3%、木材を燃やすバイオマスが7%ほどを占めています。


木材を燃やして発生する以上のCO2を森林が吸収するので排出量ゼロだという理論は、日本では受け入れられていない。

日本には最初から国土の70%の森林が存在しているので、その木を燃料に燃やしてもCO2が減ることはない。

砂漠にでも植林して森林を増やして燃料にするなら、バイオマス発電でCO2は減るでしょう。


残念ながらドイツなどが言っているバイオマス発電は、CO2の規制逃れでしかない。

バイオマス発電がCO2を排出しないという前提に問題があるので、最初から存在した水力も除くと、ドイツの再生可能エネルギー比率は現在約23%と言えます。

日本も水力とバイオマスを除いた再生可能エネルギー比率はたった7.5%(2017年)で今後も穏やかな増加に留まるでしょう。


ドイツでは太陽光や風力発電が多い北部と工業地帯の南部をつなぐ送電網を整備しているが、膨大な費用に批判が高まっている。

コストは国民に転嫁されるので、メルケルの与党も再生可能エネルギーだけに力を入れすぎたと認め、石炭生産を増加させている。

あまり石炭発電を増やせないので結局ドイツはロシアから大量の天然ガスを輸入して、火力発電している。


メルケルが掲げた「原発ゼロ、火力ゼロ、100%自然エネルギー」は破綻しようとしており、修正を余儀なくされるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/77916693.html

3. 中川隆[-13433] koaQ7Jey 2018年11月04日 05:53:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19957] 報告

出力抑制、風力発電でも 九電が初の実施 太陽光に続き
11/3(土) 20:30配信 朝日新聞デジタル

 九州電力は3日、大停電の回避を目的に再生可能エネルギーの受け入れを一部遮断する「出力抑制」を実施した。先月中旬に離島を除き国内で初めて実行してから通算5回目。過去4回はいずれも太陽光発電のみを抑えたが、この日は風力発電も初めて対象にした。

 3日は午前9時から午後4時に取り組み、最大38万キロワットを抑えた。九電は抑制の対象事業者を輪番で選んでいる。風力の事業者は約60件で太陽光の約2万4千件に比べて少ないが、5回目で初めて対象に含まれることになった。九電は4日の日曜も実施する。

 出力抑制は、電力の需要と供給のバランスが崩れ、大規模な停電になるのを防ぐための措置。これまではいずれも、天候に恵まれて太陽光発電などの供給が上がる一方、冷暖房やオフィス需要の落ちる土日に実施している。(山下裕志)

4. 中川隆[-13500] koaQ7Jey 2018年11月08日 18:02:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20281] 報告

風力発電も気候変動の原因に、環境負荷は太陽光発電の約10倍 研究
2018年10月5日 12:22 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/articles/-/3192229?cx_part=outbrain


【10月5日 AFP】化石燃料に代わるエネルギー源として期待のかかる風力発電だが、大気中に熱や水蒸気を再分配するために気候変動の原因となっているとする研究論文が4日、学術誌「ジュール(Joule)」で発表された。

 米ハーバード大学(Harvard University)の研究チームによると、米国全体の電力を風力発電で賄った場合、風力発電所を設置した地域の地表温度は0.54度、米本土全体の地表温度は0.24度上昇するという。

 この論文の執筆者の一人、ハーバード大のデービッド・キース(David Keith)教授(工学、公共政策)は、「風力はあらゆる環境的尺度で石炭より優れているが、その環境への影響を無視できるわけではない」と指摘した。

 19世紀末以降、地球の平均気温は約1度上昇しているが、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」は、環境への重大な影響を回避するため、平均気温の上昇を1.5〜2度に抑えることを各国に求めている。

 風力発電が気候変動に与える影響はこれまでにも研究されてきた。米科学誌サイエンス(Science)に最近発表された研究によると、サハラ砂漠(Sahara Desert)の一画に風力発電用のタービンを集中的に設置した場合、周辺の気温や降雨量、ひいては植生にまで影響を及ぼすという。

 ハーバード大の研究チームによると、同等のエネルギー生成率で比較した場合、風力発電による環境負荷は太陽光発電の約10倍に上るという。

 キース氏は、「風力発電の恩恵はゆっくりと積み重なっていくが、風力発電が気候に与える直接的な影響はすぐに現れる」と説明し、「向こう10年という視点で見れば、風力がもたらす気候への影響は実は石炭やガスよりもいくつかの点で大きい。向こう1000年という視点で見れば、風力は石炭やガスよりもはるかにクリーンだ」と指摘している。(c)AFP

5. 中川隆[-13645] koaQ7Jey 2018年11月27日 17:55:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21217] 報告
営利優先で電力不安定化招く本末転倒 再エネビジネスが引き金となるブラックアウト 2018年11月27日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/10143

 電気を安定的に供給することは、国民生活と生産活動を維持するために国と電力会社が負っている社会的な責任である。先日、北海道でブラックアウトが起き、全道295万戸が電気のない生活を強いられたが、電気なしの生活を送ることは今の文明社会では困難だ。ところが太陽光発電や風力発電といった、それ自身不安定きわまりない再生可能エネルギーを増やし続けた結果、この電気の安定供給が脅かされている。象徴的な事件が、九州電力が先月におこなった太陽光発電事業者とつながる送電線を切り離す「出力制御」だ。九電はその後も太陽光や風力を切り離す出力制御をくり返しており、それに続いて四国電力が出力制御の準備を進め、最近では中国電力、東北電力、沖縄電力も太陽光や風力の出力制御をする準備を進めると公表した。いったい何が起こっているのか見てみた。

 電力は、常に同時同量(発電量=使用量)、つまり需給バランスを一定に保っておかなければならない。それが崩れると周波数が乱れ、送電線につながる工場の機械や家庭の電化製品が壊れるため、発電所が自動停止して大規模停電(ブラックアウト)になる。そのため電力会社は年間計画、時間計画にもとづいて数分単位でそれを調整している。

 北海道では、地震によって道内の電力需要の半分近くをまかなっていた苫東厚真火力発電所がストップし、需要に対して供給が追いつかずにブラックアウトが起きた。全道295万戸・530万人もの人が2日間、暗闇のなか、家電製品も使えない生活を強いられた。

 それとは逆に供給が増えすぎたのが九電の例だ。政府が2012年にFIT(固定価格買取制度)を開始して以来、土地が安く日照条件のいい九州では太陽光発電に事業者が殺到し、導入量の合計が807万`hになったうえ、10月13、14日には九州の広い地域で晴天となり、太陽光の発電量が急激に増えた。たとえば14日は、発電量が最大となる午前11時〜11時30分に供給力は合計1242万`hに達する一方、需要は758万`hにとどまる見通しになった。そのまま放置すれば需給バランスが崩れてブラックアウトになる危険性が出たため、九電は出力制御に踏み切った【図参照】。

 太陽光は日照時間によって発電量が変動する不安定な電源で、晴天で発電量が増えるが、夜間や雨の日はゼロに近くなり、供給を調整することなどできない。もっと不安定なのが風力で、風速12〜14bという、傘がさしにくく歩きづらいほどの風が吹くとき、はじめて効率よく発電する。風速3b以下のそよ風程度では発電はできないし、風速25b以上の暴風になると故障を避けて自動停止する。

 一方、原子力は常に臨界を維持しなければならず、出力調整などやれば大事故につながりかねない。そこで電力会社は火力発電の出力を増やしたり絞ったりして発電量を調整してきた。しかし、もはや火力によって調整ができないほど太陽光の発電量が増えすぎてしまったのだ。電力会社間で電気を融通する連系線を増強することや、大規模蓄電池をつくることも課題に挙がっているが、いずれもコスト面で現段階では実現困難と見られている。

 再エネの先進地、ヨーロッパではどうか? デンマークは電力の約4割を風力でまかなう「風力大国」だと宣言している。しかし、ヨーロッパは国境をこえて送電線がつながっており、実際には自分のところの不安定な風力の電気は送電線に雲散霧消させて、ドイツやフランスの電気を使っている。

 また、原発を減らし風力や太陽光を爆発的に増やしたドイツでは、雲のかかり具合、風の吹き具合によって電気が頻繁に足りなくなるため、バックアップのための火力がドイツ国内だけでは足りず、オーストリアにも待機させており、そのため年間で莫大な補償金を隣国に支払っている。

安定供給より優先されるビジネス

 ところが、電気の安定供給には役に立たない太陽光発電や風力発電の建設に、全国で参入する企業が後を絶たない。これに対して各地で住民の反対運動が活発になっている。

 長野県では、Looop社(東京)が諏訪市霧ヶ峰下で進める全国最大規模のメガソーラー計画「諏訪市四賀ソーラー事業」に対して、住民が地域ぐるみで反対運動を起こしている。

 計画では霧ヶ峰近くの森林に、面積196・5f、つまり東京ドーム約40個分の土地にソーラーパネル31万枚を敷きつめるというもの。この地域の山林を大規模に伐採するとともに、10dトラック5万台分の土を運び出すという。通常、ソーラーパネルを設置する場合、敷地内の樹木はすべて根こそぎ切り倒し、豊かな腐葉土におおわれている場合はそれをすべてはがして運び出し、やせた土地に強力な除草剤を散布してパネルを設置する。障害物をなくして発電効率を高めるためだ。地元のアセスで事業者はそれを否定しているが、住民は信用していない。


7月の豪雨で60b四方にわたり地盤とともに崩落したソーラーパネル(姫路市)

 住民がもっとも危惧しているのは、森林を大規模に伐採することで保水力が失われ、災害時に土砂崩れや大洪水を引き起こす可能性があることだ。計画地の脇を流れる横河川はこれまで大雨でたびたび氾濫し、地域住民に被害を及ぼしてきた。もう一つは、計画地の下には諏訪市(上流域)や茅野市(下流域)をカバーする水道水の水源があること、また茅野市の生活水や田んぼの水になる大清水湧水が流れていることだ。

 計画地は上桑原牧野農業協同組合、上桑原共有地組合、同山林組合が所有する土地だが、組合員の高齢化で山林の維持管理が困難になるなか、そこにつけ込んでLooop社が土地の買収に動いたという。当初は別の企業が、初期の太陽光1`h時当たり40円(現在は18円)のときに申請し20年間運転する認定を受けており、その権利をLooop社に売った。

 そこで地元の農家らが中心となって茅野市米沢地区Looopソーラー対策協議会を立ち上げ、役員らが8〜10月にかけて100ある区や自治会の役員会に出向いて反対署名を訴えたところ、その7割近くが賛同し、全市的な署名運動になった。集まった4万8900の署名はその後、県知事に提出したという。

 その後、同協議会と諏訪市など六市町村の有志でつくる「太陽光発電問題連絡会」が10月8日に「メガソーラー問題シンポジウム」を呼びかけると、300人定員の会場に入りきれない500人が詰めかけ、うち200人は別会場でモニター画面で参加することになった。

 事務局は、「地元はもちろん、福島県や京都府、岡山県、九州からの参加もあった。メガソーラーが各地で大きな問題になっており、情報交換を求めて来ていた。台風や豪雨災害でソーラーパネルが崩れたという問題だけでなく、太陽光の建設には大規模な森林の伐採がともない、住宅地のそばの裏山が狙われている。災害や飲み水の危険性があり、住民として黙っておれない思いがある。1月には東京で集会をやり、経産省や環境省に申し入れをしようと話し合っている」とのべている。

 一方、風力発電をめぐっては、政府は全国4カ所に促進区域をつくり、一般海域の最大30年の占用を認め、洋上風力発電の建設を推進する法律を、今の国会で成立させようとしている。その促進区域の一つ、秋田県の由利本荘市では、事業者のレノバ(東京)が海岸から1・5〜3`のところに、8000〜9500`hの巨大風車を70〜90基建てる計画を出してきたことに対して、住民が「由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会」をつくり運動を広げている。

 すでに陸上には60基以上の風力発電が建っており、住民から頭痛やめまい、睡眠障害などの訴えが出ている。同会はとくに風車に近接している1000人を対象にアンケート調査をおこない、低周波による健康被害の実態を明らかにするとしている。


秋田県由利本荘市で稼働中の海岸風力発電

大企業の為の市場創出

 こうした住民生活を無視した、後は野となれ山となれ式の企業が横行するのも、安倍政府が2030年度の電源構成に占める再エネの比率を22〜24%に上げるといって国策で再エネを推進し、風力や太陽光、バイオマスに参入する企業を増やすためにFITで20年間、高い価格でその電気を電力会社に買い取らせることを保証しているからだ。そのカネは、すべての国民から「再生可能エネルギー促進賦課金」を毎月の電気料金のなかに含めて徴収することで捻出している。

 それはアメリカのオバマ政府がうち出した、グリーン・ニューディールという名の景気刺激策の延長線上にある。アメリカでは「地球温暖化防止」「低炭素社会」を掲げて、原子力とともに再生可能エネルギーによる景気刺激策に舵を切った。「CO2による地球温暖化の危機」を訴えてきた国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の議長自身、ロックフェラー財団の再生可能・持続可能エネルギーアドバイザーとして、大企業にあぶく銭を稼がせるCO2排出権取引の指南をやっていたことが暴露されている。そして日本では福島原発の大事故後、原発推進の総本山である経済産業省が、一方で原発を再稼働させながら、他方で「エコでクリーン」と宣伝して再エネ・ビジネスを煽ってきた。

 2011年に当時の民主党・菅政府は、再生可能エネルギー促進のために、民有林や国有林、保安林、農地などにかかっている規制を緩和することを提言した。これと同じものを安倍内閣が2013年に「農山漁村再生可能エネルギー法」として閣議決定し、翌年5月から施行している。それは「これまで農地法で農業利用しか認めていなかった第一種農地でも、農地として再生することが難しい荒廃農地と、今後耕作が見込めない耕作放棄地は再エネ事業への転換を認める」「風力発電の風車は設置に必要な面積が比較的小さく、一度建ててしまえば農作業に支障は出ないので、それ以外の農地でも導入できる」「再エネを導入する事業を2018年までに全国100カ所に増やす」としている。その結果、日本中の山野も海もところかまわず風車を建てたりソーラーパネルを敷き詰めたりすることが可能になり、住民との大矛盾となっている。

 こうして「原発にかわるクリーンな再生可能エネルギー」といって風力や太陽光を増やせば増やすほど、再エネ・ビジネスで一握りの大企業がもうかるだけで、住民生活や地域の環境が脅かされるとともに、電気の供給はますます不安定になり、国民は常にブラックアウトの危険と隣り合わせの生活を強いられることになる。それは社会に甚大な損害を与えるもので、各電力会社が出力制御に踏み出さざるをえないまでになっている。社会などどうなってもかまわないという、新自由主義の本末転倒を象徴している。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/10143

6. 中川隆[-12742] koaQ7Jey 2019年1月25日 12:53:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22231] 報告

スクープ 日立、風力発電機生産から撤退へ
1/25(金) 11:14配信 日経ビジネス



 日立製作所が風力発電機の生産から撤退することが、日経ビジネスの取材で25日、明らかになった。すでに新規の受注活動を停止しており、契約済みの製品の生産が終わり次第、埠頭工場(茨城県日立市)での風力発電機の生産を止める見通しだ。日立は子会社が提携する独メーカーの風力発電機の販売と、保守や運転支援などのサービス事業に軸足を移す考えだ。

【関連画像】日立の風力発電機は価格が高いとされていた(茨城県日立市の埠頭工場内)

 国内の風力発電機メーカーは、三菱重工業と日本製鋼所が事実上生産から手を引いている。日立の撤退で、風力発電機を生産する国内企業はなくなる。日立は英原発計画も凍結しており、エネルギー事業の再構築を急ぐ。

 日立は2012年に富士重工業(現SUBARU)から風力発電機事業を買収、主に陸上に設置する出力2000kWと、洋上向けの5000kWの2種類の風力発電機を開発・生産している。地面から吹き上がる風を効率よく受けて回る「ダウンウインド型」と呼ぶ独自技術に強みを持つ。山の多い日本の地形に向いているため、新規設置の国内シェア(台数ベース)は2016年度に約4割を占めるなど、業界内でも一定の評価を得ていた。

 ただ、日本市場は、世界に比べて圧倒的に小さい。2017年に世界で稼働を始めた風力発電所の出力は計5250万kW だったのに対し、日本はたったの16万2000kW。18年も19万2000kWにとどまる。日立の製品は「価格が高い」(業界関係者)といわれてきたが、主力の国内市場がなかなか育たない中では、規模の拡大によるコスト削減効果も引き出しにくい。

 日立はアジア市場に進出し、規模を拡大する戦略を練っていたが、独シーメンスや米ゼネラル・エレクトリック(GE)などとの競争は激しい。このまま国内で自社製品を製造し続けても対抗するのは難しいと判断したようだ。

 日立は子会社の日立パワーソリューションズ(日立PS、茨城県日立市)を通じて独風力発電機メーカーのエネルコンと提携関係にある。今後はエネルコンとの協業を強化。日立本体でもエネルコン製品を販売する。保守や運転支援などのサービス事業は日立PSと統合し、収益力を高める考えだ。

7. 2020年12月01日 15:30:26 : TeSPmPYaIw : Y29haTNpSDRudjY=[10] 報告

地方狙い撃ちの風車建設ラッシュ 海外市場頭打ちで在庫処分列島と化す 相次ぐ外資の参入
2020年11月30日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/19294


 昨年から今年にかけて、全国各地の海にも山にも大規模風力発電の建設計画が次々と持ち上がり、驚いた住民たちが各地で反対する会を立ち上げて行動を始めている。東京に本社を置く大企業や外資系企業が、人口減少、少子高齢化に直面する地方をターゲットに、国が旗を振る再生可能エネルギービジネスにわれ先に殺到し、「風車列島」ともいえる事態をつくり出している。しかも風車の規模はますます大きくなり、洋上風力では原発1基なみの100万`hをこえる事業も目白押しとなっている。全国でなにが動いているのか調べてみた。


https://www.chosyu-journal.jp/shakai/19294


 「1基9500`hから1万2000`hの超巨大風車を、海岸からわずか1・5`から2・4`のところに100基前後も建てるというのは世界に前例がない。2`内には病院や老人福祉施設、学校や保育所、居住地があり、ハタハタなど漁業への影響も大きい。人体実験場にされるわけにはいかない」

 秋田県の由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会(佐々木憲雄会長)とAKITAあきた風力発電に反対する県民の会(金森信芳代表)は8月、1万筆あまりの反対署名と、すでに稼働中の陸上風車による健康被害を訴える20人からの聞きとり調査を添え、経産省や国交省、秋田県、由利本荘市に洋上風力中止の申し入れをした。

 秋田県では「能代市・三種町・男鹿市沖」と「由利本荘市沖(北側)」「由利本荘市沖(南側)」の3カ所が今年7月、国の再エネ海域利用法にもとづく促進区域に指定された。この地域の洋上風力が総事業費5000億円ともいわれるなか、国から指定事業者に選ばれようとしてすでに11の事業者が名乗りを上げ、環境アセスを開始している【地図参照】。

 名乗りを上げているのは、「能代市・三種町・男鹿市沖」では、

@大林組、関西電力、東北電力の合同会社、風車最大56基・最大総出力44万8000`h、

A中部電力と三菱商事パワー、同60基・48万`h、

B住友商事、ウェンティ・ジャパンなどの共同事業体、同50基・54万`h、

C日本風力開発、同172基・72万2000`h。

「由利本荘市沖」では、

@レノバ、東北電力などの合同会社、同88基・83万8200`h、

ARWEリニューアブルズ(ドイツ)と九電みらいエナジー、同70万`h、

B中部電力と三菱商事パワーとウェンティ・ジャパン、同105基・84万`h、

C日本風力開発、同83基・78万`h。

秋田沖ではその他に3事業者が計画を発表している。

 そして最近、東京電力ホールディングスと中部電力が設立したJERA、電源開発、総合エネルギー開発エクイノール(ノルウェー)の3社が、この2つの促進区域での事業参入をめざして共同事業体を設立した。

 しかし、こうした動きが起こっているのは5カ所の促進区域、4カ所の有望な区域、6カ所の一定の準備段階にある区域だけではない。まだ指定されていない地域でも、今後の促進区域指定を狙って事業者が動き出している。その一つ、北海道の石狩市では、国の促進区域に指定されることを前提にしてすでに6つの事業者が殺到し、環境アセスを開始している。

 石狩市沖を狙う事業者は、

@グリーンパワーインベストメント、1万2000〜1万5000`hの風車を最大80基・最大総出力96万`h、

Aジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)、9500〜1万4000`h×最大105基・同100万`h、

BJERA、8000〜1万4000`h×最大65基・同52万`h、

Cシーアイ北海道合同会社、200基・同100万`h、

Dインフラックス、9500〜1万2000`h×最大140基・同133万`h、

Eコスモエコパワー、8000〜1万2000`h×最大125基・同100万`h。


石狩市の街中で稼働している風力発電(北海道)

 これに対し、石狩湾岸の風力発電を考える石狩市民の会は、巨大風車が低周波音・超低周波音をまきちらし、それによる健康被害は石狩市から札幌市中に及ぶとして、風力発電の建設をストップさせるためチラシ1万枚を作成して戸別配布している。また、石狩湾新港風力発電の建設を進めるグリーンパワーインベストメントが、コロナを理由に住民説明会を中止するなど住民にほとんど説明をしないまま、送電線の埋設工事を始めていることに注意を喚起している。

 その他の大規模洋上風力の計画を含め、現在わかっている総出力10万㌗以上の計画だけを地図に示した。陸上風力の計画は多すぎて地図には書ききれない。北海道では、陸上と洋上をあわせると数基から100基をこえる風力発電建設計画が50カ所以上もあり、合計すると1300基以上建てる計画が動いている。四国ではすでに156基の風車が稼働し、加えて計画中の風車は323基にものぼるという。

 中国地方では、山口県3、広島県3、島根県3、鳥取県3の陸上風力発電計画が動いている。広島県では、県西部の広島市佐伯区湯来町と廿日市市吉和地区、山県郡安芸太田町にまたがる山間部の尾根を中心に、電源開発が4300`hの風車を最大36基建てる計画を進めている。総出力は15万4800`h。地域住民が「中国山地の風力発電建設を悲憤する会」「広島西ウインドファームの風力発電を考える会」をつくり、地域への訴えを始めている。

 また、熊本県水俣市では東京本社の3事業者――電源開発、日本風力サービス、JRE――が、同市山間部の尾根筋に、3450〜4300`hの風車を合計64基(最大総出力26万`h)建設する計画を進めている。地元住民が「ちょっと待った! 水俣風力発電の会」「茶ん亀嶺な会」を結成。「計画地は住宅、学校などに隣接しており、騒音・低周波音による人や牧畜への深刻な被害がある」「水源地の山の大規模開発で、水資源の悪化や自然災害を誘発する」と問題点を指摘し、「海を殺し、人の生命や健康まで奪われた水俣。さらに山の恵みまで奪うのか。水俣に風車はいらない」と、計画の白紙撤回を求めて署名運動を始めている。

 そのほか宮城県では、県内19カ所の陸上風力発電計画が同時に環境アセスメントにかかっている。

 福島県では、大熊町や浪江町、川内村を含めた地域に、阿武隈風力発電事業(総出力15万6400`h)、阿武隈北風力発電事業(40万4200`h)、阿武隈南風力発電事業(17万5000`h)などの計画が進行しているが、それは「福島原発事故からの復興を世界にアピールするイノベーション・コースト構想」の一環だという。

政府がカネも場所も保証 電気の必要ではなくビジネスのため

 このように全国各地の風力に事業者が群がるのは、政府が再生可能エネルギーを国策として推進しているからだ。

 とくに洋上風力について、政府・経産省は2021年度から毎年約100万`hを新規に導入する目標を示している。これは「投資判断としては年間100万`hが少なくとも5〜10年間続く必要がある」との財界の要求に応えたものだ。これによって現在2万`hである洋上風力の発電能力を、2030年までに原発10基分に相当する1000万`h、2040年までには3000万`hまで増やすとしている。

 そして、政府は今年4月から再エネ海域利用法を施行した。それによって促進区域において国から指定事業者に選定されれば、30年間一般海域を占用することが保証される(現行の都道府県条例では3〜5年)だけでなく、そこで発電する電気を20年間、高い価格で国に買いとってもらうことが保証される。その原資は、国民が毎月払う電気料金の中に含まれる「再エネ発電賦課金」だ。

 そのなかで風力の市場から得られる莫大なもうけを手にしようと、東電をはじめとする電力会社や商社、石油・ガス会社、ゼネコンなどがあいついで参入している。

 さらに最近の特徴は、投資会社をバックにした外資系企業が日本市場をターゲットに押し寄せていることだ。鹿児島県のいちき串木野市、南さつま市、日置市沖で進行している吹上浜沖洋上風力発電は、米国の世界最大手の資産運用会社から融資を受けた再エネ企業インフラックスが事業者だ。それも9500〜1万2000`hの風車を102基建てる(最大総出力96万9000`h)という。現在、世界最大の洋上風力はイギリスのウォルニー・エクステンション(65万9000`h)だが、それを抜いて世界最大になる。インフラックスは佐賀県唐津市沖や北海道石狩湾沖でも計画を進めている。

 また、同じく唐津市沖に60万`hの洋上風力を計画しているアカシア・リニューアブルズは投資会社マッコーリー・キャピタルの融資を受ける企業であり、山口県美祢・長門市や熊本県水俣市などで風力を計画しているジャパン・リニューアブル・エナジーは米ゴールドマンサックスが出資してつくった再エネ事業会社だ。国民が電気料金として払った金が、外国資本に巻き上げられることになる。

 そのうえ、風力発電に必要なパーツは1万点以上といわれるが、すでに日立製作所をはじめ国内の風力発電機メーカーは市場から撤退しており、欧米市場では頭打ちになった外資系企業が日本を在庫処分の対象にしようと狙っている。

人間には優しくないエネルギービジネス

 風力発電を含む再生可能エネルギーは「地球に優しい」「原発に替わるクリーンなエネルギー」と宣伝されている。だが風力は人間には優しくない。風力が稼働している地域ではどこでも、少なからぬ住民が健康被害に苦しめられている。

 21基の陸上風力がある和歌山県由良町では、1990`hの風車から1・3`の所に住んでいた女性が、風車の振動で夜も寝られず、本を読もうとすると字が読めず、気分が悪くなり車に乗って遠く離れたコンビニの駐車場で仮眠をとる生活を強いられた。役場も病院も風車との因果関係を認めず、こうして苦しみながら死んでいった住民は多いと地元の人が訴えている。

 日本だけでなく世界中で、風力発電による睡眠障害、頭痛、耳鳴り、めまい、吐き気などの症状を訴える住民が出ている。高血圧が悪化したり、心臓血管の病気が悪化する場合もある。原因は風車が出す、耳には聞こえない低周波音、超低周波音だ。人間の内耳器官や頭蓋骨、内臓、子宮などが共鳴振動を起こし、さまざまな症状を引き起こす。騒音と違って二重サッシでも壁でも防げないし、雨戸や襖、部屋全体が共鳴する場合もあり、転居以外に解決策はない。

 尾根筋に建設される陸上風車は、森林を大規模に伐採し、巨大なブレードを運ぶために道路の拡幅もおこなうため、水源の汚濁や水量の変化、土砂災害の誘発を各地の住民が危惧している。洋上風力は海底を大規模に掘削しコンクリートを流し込んで土台をつくるため、潮の流れが変わり漁場が破壊されると漁師たちが声を上げている。「再生可能」といいながら自然を壊す、本末転倒した事業であり、地球にも優しくない。

 また、風力発電は電気を安定的に供給するためのものでもない。風力は風速12〜14bという、傘がさしにくく歩きづらいほどの風が吹くとき、はじめて効率良く発電する(定格出力)。風速3b以下のそよ風程度では風車が回っていても発電はできないし、風速25b以上の暴風雨になると自動停止し、羽は破損しないよう風に平行に向きを変える。風がなくても、強すぎてもだめという不安定な電源だ。だから風力の多い北海道電力や東北電力では、風の強い日は風力からの送電を停止している(解列)。風力は頻繁に変動するので、それにあわせて火力の出力を上げ下げするとよけい燃料を食うからだ。

 というのも、電力系統は同時同量(発電量=使用量)でなければ大停電(ブラックアウト)を起こす。だから電力会社が年間計画、時間計画にもとづいて数分単位で調整している。この間、九州電力は太陽光の事業者とつながる送電線を切り離す「出力制御」を何度もやったが、それも太陽光の発電量が増えすぎて、火力では調整がきかなくなったからだ。不安定な電源である風力は、現状では電気の安定供給に貢献しないし、火力を減らせない。

 そもそも電気はあまっている。多くの原発が停まったままなのに、休止中の火力が多いことがそれを証明している。

 結局、外資をはじめとする大企業が先を争って風力発電をつくろうとするのは、CO2を減らすためでも、消費者に電気を安定供給するためでもなく、金もうけのためだ。金もうけのために、再エネには住民同意を得る法的規制がないことをいいことに、水面下で漁業権を持つ漁業者を買収して「地元同意を得た」として調査を開始し、市や県に促進区域に立候補するよう働きかける強引な動きが各地で起こっている。


地方を草刈り場にするな 各地で運動起こる

 では、こうした国策を跳ね返す展望はどこにあるのか?

 山形県の出羽三山に総出力12万8000`hの陸上風力を建設する計画をうち出していた前田建設工業は9月、計画の白紙撤回を表明した。そこには故郷を守るための政党・政派をこえた住民の立ち上がりがあった。

 風力計画が持ち上がり、大学の教員が危険性を訴えると、出羽三山の山伏たちが立ち上がった。全国に何千何万といる出羽三山に修行にきたOBに連絡をとり、そこから一気に反対署名が広がった。同時に地元の有志が集まって「出羽三山の風車建設に反対する会」を結成し、8月31日に記者会見。羽黒町観光協会の呼びかけに応え、鶴岡市内の飲食店、農場、産直業者、たね屋、精肉店、養鶏場、寺院、理美容店、書店、漢方薬店、医院や整体院など100をこえる店舗・団体が一斉に名前を出して署名活動を開始した。それが鶴岡市長や庄内町長、山形県知事を動かして反対表明につながり、記者会見からわずか1週間で前田建設工業の撤退表明となった。

 同じ前田建設工業が進める山口県下関市の安岡沖洋上風力発電も、住民の立ち上がりによって実質頓挫に追い込んでいる。7年前、前田建設工業が住民説明会を開くと、学者や医師が風力発電の健康被害を訴え、その内容が全市に伝えられた。安岡地区の自治会や医師会、漁業者、商工会、宅建協会が次々と市長に反対の陳情をおこない、風力反対署名が10万筆をこえるなか、市議会は風力反対の陳情を全会一致で採択した。反対する会は毎月の街頭活動や1000人デモ行進を旺盛におこない、漁業者は補償金の受けとりを拒否して風力反対を貫いている。

 前田建設工業は、調査を妨害したといって反対する会の住民4人を裁判に訴え、裁判所は約1500万円もの損害賠償金の支払いを住民に命じたが、この事実が全市に知らされると、市民が続々と反対する会にカンパを寄せ、総額は1000万円をこえている。また、子どもも大人も1日楽しめる「安岡マルシェ」を何度も企画し、そこに出店したグループが売上を丸ごと反対する会に寄付するなど、困った時は住民同士の絆で助け合って乗り切ってきた。「企業のもうけのために住民生活を脅かすな」「安心して暮らせる故郷を子や孫に引き継ごう」を合言葉に、地域コミュニティの力を強めてきたことが、国策を跳ね返す大きな力になっている。

https://www.chosyu-journal.jp/shakai/19294

8. 中川隆[-15269] koaQ7Jey 2021年11月15日 08:43:00 : WByHHcQUzE : c1RmRy5mVXdmMkU=[27] 報告
調査報告/原子力発電所における秘密
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/363.html

原子力発電は本当に危険なのか?
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/148.html

北海道停電で露呈した「原発を稼働しないリスク」
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/261.html

太陽光発電は国家経済を破綻させ環境も破壊する
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/144.html

風力発電は環境を破壊するだけでなく低周波音で風車病・睡眠障害を引き起こす
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/145.html

バイオマス発電のウソ 森林伐採しCO2増加を招く
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/322.html

原発廃炉作業は放射能に強い中国人移民に任せるのが正解
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/520.html

反原発運動は中国・朝鮮工作員が扇動していた
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/702.html

菅、枝野、北沢が妨害しなければ福島原発事故は起きなかった
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/747.html  

太陽光発電・風力発電等の再生可能エネルギー発電は国家経済を破綻させ環境も破壊する
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/435.html

バイオマス発電の為に放火による森林火災が世界中で激増
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1038.html

電力自由化 地方では弊害
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/962.html

新電力の契約プランによって「突然電気代が10倍になった」などのトラブルが多発
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1573.html

菅、枝野、北沢が妨害しなければ福島原発事故は起きなかった
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/424.html

放射能汚染地帯から子供たちを避難させなかった人々
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/986.html

地球温暖化はデマだった?
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/137.html

極悪の殿堂、東京電力
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1561.html

東電福島第一原発汚染水の太平洋への放出の影響
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1630.html

9. 2021年12月03日 14:19:03 : G5ABra6JXc : RVZDMkZkZll6d2M=[41] 報告
スケールがケタはずれ!世界の自然エネルギー発電のヤバい実力(FRIDAY)
http://www.asyura2.com/21/hasan135/msg/610.html
https://friday.kodansha.co.jp/article/216291
2021年11月30日 FRIDAYデジタル

最新フォトレポート インドのメガソーラー、アメリカの風力発電機群、中国のモンスターダム……

人類が生活できない不毛の地が、いま自然エネルギーの発電所として注目を集めている。


【インド】ラジャスタン州タール砂漠 ●太陽光発電 インド北西部にある世界最大級のソーラーパネル群。砂漠地帯で問題となる砂塵への対策として、専用の掃除ロボットが昼夜を問わず稼働

上の写真は、昨年3月に稼働を開始した世界最大規模の発電量を誇る太陽光発電施設『バドラ・ソーラーパーク』だ。インドの北西部ラジャスタン州タール砂漠にあるこの施設は、東京ドーム約1200個以上という広大な敷地内におよそ1000万枚の太陽光パネルが設置されている。

一日の発電容量は2245MW(メガワット)。これは日本の一般的な二人世帯約690万戸の一日の消費電力を賄える量である。日本でトップクラスの発電量を誇る岡山県美作市の75万枚の太陽光パネル群でさえ、一日の発電容量は200MWほどで遠く及ばない。

他にもアメリカのカリフォルニア州南部の都市・パームスプリングスには約2000基の風力発電機が広がり(7枚目写真)、中国湖北省には水力発電所として世界最大の発電量を誇る『三峡ダム』(8枚目写真)が稼働している。

巨大化が進む世界の自然エネルギー発電施設。その背景にはどのような要因があるのか。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が語る。

「巨大化が進んだ理由には発電コストの低下が挙げられます。地球温暖化が国際問題として取り上げられるようになって以降、技術革新が相次いだ。たとえば太陽光発電は、’12年には1MWを発電するのに1時間で平均217ドルが掛かっていましたが、’20年は57ドルです。8年間で約4分の1に低下しました。

その結果、より巨大な施設を作っても、ランニングコストの負担が減少した。今後もこの大規模化のトレンドは続くと思います。実際に来年も一日925MWを発電する『Nokhソーラーパーク』(インド)を始め、世界中で太陽光によるメガ発電施設の稼働が予定されています」

効率化を求めて各国が巨大な自然エネルギー発電施設を建造する中、一番注目を集めているのが風力発電だという。

「巨大化を進めるうえでの一番の問題は、敷地面積が確保できるかという点です。その課題に、風力発電は『海上』という答えを持っている。実際に洋上風力発電は、全自然エネルギー施設の中で一番の増加率が見込まれており、’20年は全世界の新規設備の発電容量が合計6GW(ギガワット)でしたが、’30年には80GWまで伸びるとされています。

とくにイギリスでは大型プロジェクトが目白押しで、“メガ発電”を超える大規模な“ギガ発電”施設が相次いでいる。’22年に稼働開始予定の1.4GWを発電する『ホーンシー2』はその筆頭です」(前出・山田氏)

その進化はまだまだ止まらない。

【イギリス】アイリッシュ海 ●風力発電


【イギリス】アイリッシュ海 ●風力発電

世界最大の洋上発電施設として’19年9月に稼働開始。高さ約190mという超巨大発電機87基が、東京ドーム3000個以上という広大な海洋上に広がる。

【モロッコ】ワルザザート ●太陽熱発電


【モロッコ】ワルザザート ●太陽熱発電

円環配置されたソーラーパネルに反射させ、中央にある塔に太陽光を集中させる「集光型」太陽熱発電所。同仕組みではモロッコ初の施設。

【中国】江蘇省宿遷(しゅくせん)市 ●太陽光発電


【中国】江蘇省宿遷(しゅくせん)市 ●太陽光発電

魚の形にデザインされたソーラーパネル群。中国には遊び心が込められた発電施設がいくつもある。

【中国】山西省大同市 ●太陽光発電


【中国】山西省大同市 ●太陽光発電

こちらはパンダをモチーフに配置。’22年までに同様の太陽光発電所が約100ヵ所建設される予定。

【中国】山東省済南市 ●太陽光発電


【中国】山東省済南市 ●太陽光発電

’17年開通の、太陽光パネルが敷かれた高速道路。将来的には走行中に電気自動車の充電も可能に。

【アメリカ】カリフォルニア州パームスプリングス ●風力発電


【アメリカ】カリフォルニア州パームスプリングス ●風力発電

カリフォルニア州には大規模な風力発電所がいくつも存在する。同州の南部・テハチャピ峠には、約5000台が山全体を覆う巨大施設もある。

【中国】湖北省宜昌(ぎしょう)市 三峡ダム ●水力発電


【中国】湖北省宜昌(ぎしょう)市 三峡ダム ●水力発電

世界最大となる2万2500MWを発電可能なモンスターダム。長江から流入する大量の水で、貯水量も最大クラスとなる393億㎥を記録する。

【アイスランド】ケプラヴィーク ●地熱発電


【アイスランド】ケプラヴィーク ●地熱発電

国内トップクラスの発電所。汲み上げた地下熱水の排水を利用した、隣接する温泉『ブルーラグーン』も有名。手前には入浴客が見える。

『FRIDAY』2021年12月3日号より

10. 中川隆[-14515] koaQ7Jey 2021年12月20日 10:20:35 : r6Bg08QnFk : OGxIUmNIYWdJaFU=[16] 報告
大規模洋上風力発電の海洋生態系への影響 東海大学生物学部海洋生物学科・河野時廣教授の講演から
2021年12月17日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/22317
 政府が「カーボン・ゼロ」の旗を振るなかで、全国各地に巨大洋上風力発電の計画が発表され、漁業者や住民が反対運動に立ち上がっている。着床式の洋上風力発電について、事業者は「土台が魚礁になり魚が集まる」と宣伝しているが、実証されてはいない。洋上風力発電は漁業にどのような影響をもたらすのか。
 これについて東海大学生物学部海洋生物科学科教授の河野時廣氏は、石狩湾岸の風力発電を考える石狩市民の会主催の学習会に招かれ、「大規模風力発電の海洋生態系への影響」と題して講演をおこなった。河野氏は長年の研究から、海洋の表層の状態は植物プランクトンの増殖や魚の成長に大きな影響をおよぼすこと、そこに着床式洋上風力発電を建てると潮の流れや水温に変化が起こり、魚の再生産に打撃を与えることを明らかにした。以下、その要旨を紹介する。

成層の破壊がもたらす影響

 海洋の表層の状態には、成層と混合(鉛直混合)という二つがある。

 成層とはなにか。空から太陽が照り、海面が温められると、海面が軽くなる。上に軽い水、下に重たい水があり、両者が混ざりにくい状態にあることを成層という。川から淡水が流れ込んだときも、軽い淡水が上に、重い海水が下になり、成層になる。

 一方、海面が冷やされて重くなると、重い水は下に落ちて混ざっていき、密度が同じ状態になっていく。これを混合(鉛直混合)という。風が吹いても混ざっていくが、それも混合だ。

 海面から100bまでは、風が吹いて混合した状態になっている。その下には重い水が存在し、重い水と軽い水の間に急激に変化する躍層ができる。全体的には上が軽い、下が重いので成層になっている(図@参照)。

 成層と混合はずっとその状態に在り続けるのではなく、一日のうちにも季節的にも行ったり来たりしながら、植物プランクトンの増殖に影響を与える。

 沿岸には潮汐(ちょうせき)流という、行ったり来たりする流れがある。それは横方向に動くので、そのままだと成層だが、風車の土台などの水中構造物があると渦ができ、かき混ぜられて混合になる。

 また、風車は風のエネルギーを電気エネルギーに変換する。この回転エネルギーにとられた分、風は風車の後方では弱まる(ウェイク)。風が吹くと風車の前方では海面が冷やされ、また海面をこすり、その下の層をかき混ぜるので混合になる。一方、風車の後方は風が弱められ、そこで太陽が照っていたり、川の水が流れ込んでいたりしたら成層がおこる。

 風車が一本立っていた場合、影響する範囲は風下の最大50`に及ぶことがわかっている。一方、水中の土台でかき混ぜる範囲は14`だ(図A参照)。風車がたくさん建っていると影響は非常に大きなものになる。

 この海の表層の状態と植物プランクトンの量との関係を、道東沿岸域で調査してみた。一月から七月にかけて、最初混合の状態にあったものから成層が発達してくると、植物プランクトンが増殖し、栄養塩を使い果たす(栄養塩がより深い場所から供給されないため)。しかし、台風が海をかき混ぜると栄養塩が深いところから上がってくる。表層の混ざり具合がプランクトンの増殖に影響する。

サケの回遊率減少にも

 では、洋上風力発電と成層、混合との関係を見てみたい。

 北海での調査で見てみると、風車に吹く風の影響はほとんど見られなかった。風車の風下で成層になった海域では植物プランクトンはわずかに増加し、元々成層していた海域ではわずかに減少するなど、大きな影響は出なかった。

 それよりも風車という水中構造物ができたことで潮の流れを攪乱し、それが成層を完全に破壊してしまうことが明らかになった。石狩湾のような成層が強くない海域(最短二週間で鉛直混合になる)では、構造物周辺は海水が上から下まで完全に混ざってしまうだろう。そのときの水温の変化が生態系に大きな影響を与えることになる。

 この成層の破壊がサケ資源にどのような影響を与えるのかを調べるため、石狩湾沿岸でサケの回遊調査をおこなった。石狩湾の定置網でサケを捕獲し、サケにデータロガー(記録装置)を埋め込み、2地点から放流して収集したデータを解析した。

 サケは冷たい水が好きで、ほとんど低温低塩分の層で遊泳する。石狩湾には石狩川の冷たい水が流れ込み、海面の表層に乗って10`沖まで広がっており、表層が低温低塩分、深層が高温高塩分である。サケはほとんど水面近くを泳ぎ、ときどき潜っていたことがデータからわかった。

 東北では逆で、サケはいつも海の底にいて、ときどき上に昇ってくるという。底の方が冷たいからだ。

 放流されたサケは、いったんカムチャッカ半島やベーリング海、アラスカ湾に行き、大きくなって卵を産むために故郷の川に帰ってくる。秋のことだ。そのときオホーツク海から稚内沖、宗谷海峡をへて南の石狩へ、という経路をへるが、そのときも水温の冷たいところをたどっている。

 石狩湾の水温と漁獲量の関係を調べてみても、9月から10月の水温が低いときに漁獲量が増加している。そして水温の極小と漁獲量の極大の日が一致している。つまりサケは、石狩川の匂いにひっぱられ、また石狩川の冷たい水に乗っかって河口まで帰ってくるのだと考えられている。

 その石狩湾に洋上風車が林立するとどうなるか? 風車によって海水が攪乱されて成層が完全に破壊され、冷たい水がなくなって水温が上昇すると、サケの回帰率が減少するし、河口にたどりつくまでに体力を消耗して卵の質が悪くなると予想される。

 一方、サケの稚魚を放流する春には、全体として海面は冷たく、表層だけは高温低塩分となっている。稚魚は暖かい方が生き残り率が高いことが知られている。このとき風車が成層を破壊して水温が低くなると、生き残り率が低くなる。サケの稚魚はとくに水温の変化に対して感受性が強い。

 まとめると、風車で成層が破壊されると、サケの再生産に大きな影響を与える。どこにどれだけの数の風車を建てるかで、生態系への影響の違いも出てくると思う。

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