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[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
1. 2021年4月07日 06:31:36 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[1]
EMT 930stを使い続けて
清滝練一郎/久和亮平/吉田秋生
http://www.audiosharing.com/people/nakahara/emt.htm


10年以上ひとつの機種を使い続ける……、簡単そうでいて、なかなか難しい。もちろん、だらだらとつきあってきてはなんの意味もないが、真剣にとりくんできた10年は、ずっしりとした重みがある。その機械の長所だけでなく、欠点も見えてくる。ときには欠点だけがやたら目につく時期すらある。そんなときを乗り越える、するといままで以上に密なつながりができるはず。 この企画では、タイトルどおりに、ひとつの機種にこだわり続けて10年以上つきあってきた方々に、その思いのたけを語っていただいた。座談会は、お互いの装置を紹介したあとではじまった……。

久和 吉田さんのラインナップを見ていると、瀬川冬樹氏のことを思い出すのですが。
吉田 やっぱりそうですか。実は930stを選んだのも、マークレビンソンのアンプや4343を選んだのも、私なりの瀬川イズムの追及からなんです。
久和 なぜ瀬川氏なのですか。
吉田 氏の書かれたものだけが、私に音を想像させた、ということにつきます。志向する音の方向が似ているのかもしれません。
久和 吉田さんが930stをお買いになったころには、マイクロのRX5000が出ていたはずですが、なぜマイクロを選ばれなかったんですか。
吉田 瀬川氏は、ふたつのスピーカーで再生する現在のオーディオの限界を十分知ったうえで、その範囲内でその可能性を、レコードならではの音の美しさを追及されていたように思うんです。例えば、かつて評論家の瀬川氏はピラミッドのT1(注1)の優秀さを認めながらも、JBLの2405の切り絵的な魅力に騙されていたい、というようなことを言われましたが、私がマイクロではなく、930stを選んだ理由も、そこです。
 音を物理的な側面から判断すると、マイクロのプレーヤー、特に現在のSX8000IIのほうが上でしょう。そのことは素直に認めますし、興味もあります。
 でも、私の場合、その凄さに感心はしても感動はしなかった。音楽を聴いた感動という点で、930stだったわけです。久和さんはどういう理由からですか。
久和 一言でいえば、レコードでぼくの望む「美しい音」を出してくれるプレーヤーは、EMTしかなかった。ここで説明しておきたいのはぼくにとっての「美しい音」についてです。
吉田 久和さんのラインナップ、特にアンプのクワドエイトとスモの組合せからすると、音楽のアクティブな面を重視されているような気がしますけど。
久和 おっしゃるとおりで、ぼくは演奏家の動き、音楽の表情の変化といったものを、すごく重視するんです。それには音楽のエネルギー、演奏家の持つエネルギーが、ストレートに勢いを失うことなく、こちらに伝わってほしいし、それがない音には、どんなに姿形が整っていても、傷ひとつない繊細な音でも、ぼくは美しいと感じない。つまり生きた音でなければだめなんです。
 もうすこし具体的にいえば、ヴァイオリニストのシゲティ(注2)ですね。彼は、新即物主義(ノイエ・ザッハリヒカイト)と紹介されることが多かったためか、きたない音を出すように言われていますが、ほんとうにそうなのか、そんなことを言っている人たちは、シゲティをきちんと聴いているのか、と言いたくなるんです。シゲティの音は、なんといったらいいかな、目的のある音、意志が感じられる音、芯のある音ですか。そんな気がしますし、ぼくはシゲティの音をひときわ美しいと感じています。
清滝 久和さんのおっしゃりたいことは、よくわかります。シゲティは、自己に厳しい誠実な演奏家で、実にいい音を出しますからね。
吉田 いま誠実という言葉が出てきましたけど、同じことを930stにも感じられませんか。
久和 感じます。
吉田 930stはプロ用機器だから、つくり手のへんな思い入れのある音は、絶対に出さない。押しつけがましい音を出さない。そこに私は、EMTの誠実さを感じます。
久和 同感です。それでいて、表情がヴィヴィッドで美しい。そして求心力がある。だから音楽を聴いて、気持ちがいい。たまらないですね。
清滝 930stの音には930stならではの味があるように感じますし、930stの愛用家でもあった五味康祐氏が書かれておられるように、同じレコードをEMTでかけると、コーラスやオーケストラの人数が増して聴こえるのも、930stならではのレコード音楽の魅力だと思うんです(注3)。これらがEMTを選んだ大きな理由ですが、もうひとつ、絶対的な信頼性、安心感がほしかったんです。
 私が若い時代の機械は、いまと違って安定していなかった。あれこれ調整していい状態まで追い込んでも、翌日には不安定になっていたりする。そういう経験がありますから、いつ聴いても安定しているものが無性に欲しくなったんです。
吉田 それは私にもあります。さきほどの話に戻りますけど、マイクロを選ばなかった理由のひとつはそこなんです。
 私だってオーディオマニアですから、いい音を出すために調整するのは好きです。けれども一度調整したら、後は大丈夫というのでなければ生理的にだめなんです。マイクロのプレーヤーは、たびたび調整を要求するような、そんな感じを受けたもので、930stにしたんです。
清滝 歳をとっていくと、強くそれを感じるようになります。だから、私の使っているものは、シーメンスのスピーカー(注4)にしても、エッグミラーのアッテネーター(注5)にしても、定期的なメンテナンスさえすれば、安定した性能を維持できる。それはスポーツカーのような飛び抜けた性能の高さではないけれども、メルセデス・ベンツのミディアムクラスの4ドア・セダン的なよさ、快適さがある。プロ用の機械の堅実さ、ドイツ製品の生真面目さがある。この歳になると、そのことがほんとうにありがたい。
久和 シーメンスのオイロフォンは知っていますが、エッグミラーって、なんですか。
清滝 昔のノイマン社のミキシングコンソールについていたスライド式のアッテネーターです。私の知っている範囲で申しますと、バランス対応のモノーラル型で、マイナス85dBまで絞れます。インピーダンスは、ドイツの古い製品ですから、一般的な600Ωではなく200Ωです。またEMTのプレーヤーのクイックスタート・ストップを連動させる端子もついています。パーマロイのシールドカバーで保護されている中身は、ひじょうに緻密なつくりです。故障したら、製作者のエッグミラー氏以外は直せないんじゃないかと思わせるほどで、ある時代のドイツの凄さが充分伝わってきます。
久和 EMTのプレーヤーのために存在しているようなアッテネーターですね。もういまは手に入らないんでしょう。
清滝 いまでもときどきパーツ店に出ているようです。
久和 ちなみにおいくらでしたか。
清滝 私は数年前に知人を通じて手に入れましたが、もちろん中古ですけど、2つで7万円ほどですね。
久和 いまだとどのくらいするんでしょうね。
清滝 お店の良心次第でしょう。
久和 ところでそういうアッテネーターをお使いだということは、当然インピーダンス・マッチングをとられているわけでしょう。
清滝 エッグミラーを見つけてきてもらったのもそうですけど、機械の接続も信頼できる専門家の知り合いにまかせているんです。彼自身、プロ用機器をうまく使いこなしている人ですから、そへんのことも熟知している。彼に言わせると、一時期はやりましたプリアンプのかわりにフェーダーを使うのと似てはいるけれども、インピーダンス・マッチングの概念があるかないかで、根本的に違うそうです(注6)。
久和 ぼくがクワドエイトを選んだのもそこなんです。930stに限らず、プロ用機器のアウトは600Ωのバランスゆえに、それを守らなければならないということは、時折耳にしますから(注7)。クワドエイトだと、これもプロ用ですから、入力も出力も600Ωのバランス、二芯シールドのケーブルでつなぐだけでいいというのがありがたいんです。もちろん音も気に入っています。
吉田 私は155st(930st内蔵のイコライザーアンプ)を使っていないんです。理由は、いまおふたりが話されていることなんです。155stのほんとうの音は、600Ωでターミネイトしないと聴けないと、ある人から言われたんです。私は機械をいじるのは得意としませんから、600オームにあわせるなんてとんでもないことなんです。電気に強い人は、抵抗を取り付けるだけだからそんなの簡単だよ、といいますけども。それに抵抗の種類によって音も変わるわけでしょう。どのパーツを選んだらいいのかもわからないし、たとえ抵抗一本でもアンプをいじるのは、心情的にやりたくない。
 とにかく私は、これでいいんだろうか、間違って使っているんじゃないか、もっといい使い方があるんじゃないか、という精神的な不安定さを感じながら、音楽を聴くのもオーディオ機器を使うのも嫌なんです。やや消極的なオーディオとの接し方かもしれませんが、心底安心して聴きたい、自分の理解の範囲内で装置を使いこなしたいという理由から、155stを使うのはやめたんです。
 でも時折、を通して聴きますけど、私の好みでは、LNP2Lのイコライザーアンプの音をとります。久和さんはどうなんですか、当然LM6200のイコライザーと155stの音を比べたうえで、いまの状態にされているわけでしょう。
久和 ぼくが持っているクワドエイトにはイコライザーアンプはついていないんです。イコライザーアンプがついているのはLM6200Rなんです。RのついているLM6200(注8)は、それほど日本に輸入されなかったようで、中古もほとんど出ないらしいんです。ぼくもいろいろ探しましたけど、見つけ出せなかった。それでRなしのほうにしたんです。こちらのほうはプロのミキサーがけっこう使っているようで、その方面にコネがあると手に入るんです。
吉田 インピーダンス・マッチングの話がでましたけど、プロ用機器にとって、それは当たり前のことでしょう。ところがコンシュマー機器は、ほとんど無頓着。ときどきこれでいいのかなと思うんですけど。
久和 理論的な根拠はありませんけど、ぼくの感覚論からいえば、コンシュマー機器のローインピーダンス送り、ハイインピーダンス受けは信号の波形伝送にはいいかもしれないけど、エネルギー伝送には向いていないような気がする。やはりエネルギーを送るなら、600Ω送りの600Ω受けにするしかないんじゃないかと思うんです。だからぼくは、プロ用機器中心の組合せになったんです(注9)。
吉田 たしかに同じ1Vの信号を送るにしても、600Ωのほうが電流が多くケーブルを通る。つまり電力として大きくなる。
久和 もっとも最近ではケーブルにあまり電流を流さないほうが、接点やケーブルのもつ抵抗成分の影響を受けにくいという意見もありますから、ぼくが言う600Ω優位論は、さっきもいいましたように、あくまでも感覚論ですけど……。
清滝 でも、その感覚論というのが、オーディオには必要なのではありませんか。それにいい悪いは別として、600Ωのほうが、ケーブルによる音の違いが少ないでしょう。
吉田 そうかもしれませんね。先日、チェロのアンコール1MΩを聴く機会があったんですが、とにかくCDプレーヤーとアンコール間のケーブルを変えると、ものすごく敏感に音が変化する。そのときは、アンコールは、なんて敏感なアンプなんだと思いましたが、いまの話を聞いていると、それだけではないようですね。1MΩという高い値で受けているわけですから、ケーブルに流れる電流は極端に少ない。だからケーブルの差がはっきりと出る、そうは言えないでしょうか。
久和 たぶんそうでしょう。だからといってぼくは1MΩ受けを否定はしないし、ケーブルの差がよく出るほうがいいという人も大勢いるはず。でも、ぼくはケーブルによって、がらがら音が変わるのは、できれば敬遠したい。
清滝 それに600Ωにしますと――私の場合200Ωですけど――私の装置のように、EMTのプレーヤーとシーメンスのスピーカーの間にアッテネーターを入れるだけという、簡単至極な仕掛けで音がきちんと聴けるわけですから、インピーダンス整合という面倒くささはあるものの、それに見合うメリットは十分あると思います。
吉田 お話を聞いていて驚くのは、おふたりとも、かなり以前からバランス伝送をやられているんですね。バランス伝送が話題になりはじめたのは、5、6年前くらいからでしょう。特に久和さんは、パワーアンプの出力までバランスでしょう。これはちょっとした驚きです。
久和 言われてみるとそうですけど、ぼくとしては自分の使っている機械を、きちんと使いこなそうとしたら、自然とバランス伝送になったわけですから。
清滝 私もそうですね。好きな機械を集めて、専門家の彼にきちんと接続・調整してもらったらバランスになっただけですから。
久和 ところで清滝さん、もしかして930stのイコライザーは(管球式の)139stなのでは?
清滝 いいえ、155stです。いわゆる古物を使っているから、イコライザーも139st(注10)だと思われたのでしょうけど。
久和 そうですけど。
清滝 私には球でなければという考えはないんです。オイロフォンのアンプもトランジスター式ですし。
久和 それにしても清滝さんの趣味は、渋いですね。どういう音がするのか、すごく興味があります。
清滝 ハイファイ装置というよりも電気蓄音機という印象の音ですよ。
吉田 ドイツ製蓄音機ですね。
清滝 渋いといえば聞こえはいいですけど、いまの若い人が聴かれると、古くさい、と感じられるかも。なにしろ、どれもこれも博物館行きの製品ばかりですから。
吉田 博物館行きといえば、販売店の人から聞いた話ですけど、アメリカのオーディオ関係者が、930stのことを、ミュージアム・プレーヤーと言ったらしいんです。博物館行きという意味でしょう。
久和 確かに、アメリカのハイエンドのオーディオファイルの技術志向からすると、そういわれても仕方ないかもしれないけど、製品としての完成度から言えば、比較にならない。逆に930stを見習えと、ぼくは言いたい。それに技術的にも930stのほうが本質的なところがあるということも、強く言いたい。
 具体的にいえばサスペンション(注11)。世の中のほとんどのプレーヤーのインシュレーターやサスペンションのコンプライアンスは、縦方向だけでしょう。ところが930stの専用サスペンションは横方向がメインでしょう。
清滝 ステレオレコードの縦方向(逆相成分)と横方向(同相成分)のどちらの信号を重視するかの違いですね。私はまず横方向を重視すべきだと思いますけど。
久和 ぼくもそう思います。実際サスペンションをロックしたときの音の劣化は大きいですから(注12)。
吉田 センターに定位する音像の実体感が、かなり違ってきますね。ロックすると、センター定位の音像がまわりの音にとけこんでしまう。
久和 世の中のプレーヤーは横方向の振動に対して、もっと気を配るべきではないですか。それからプレーヤーとしての使いやすさ、つまみの大きさ、配置、アームリフターの自然さ、誤操作をふせぐ配慮、そして長期間に渡って安心して使えるということ、まだまだ930stから現代の製品が学ぶことはいろいろあると思うんです。
清滝 確かに930stは、大きさといい、使いやすさといい、ほんとうによく出来た機械ですね。完成度という点では、927Dst(注13)よりも上でしょう。
久和 927Dstの名前が出たところでおふたりにお聞きしたいんですが、927Dstに対するコンプレックスはありませんか。 清滝 ないですね。927そのものを見たことがありませんから。
吉田 瀬川氏が930stから927Dstに買い換えられていますから気にはなりましたけど、価格と大きさで諦めました。一度は聴いてみたいと気持ちはもっていますけど、聴いてしまうと、後が怖いな、という気持ちもありますし、幸か不幸か、いままで聴く機会もありませんでしたので、私もコンプレックスはありません。
久和 そうですか。ぼくは、「Dstコンプレックス」と勝手に名付けていますけど、かなり強くある。 吉田 音を聴かれたからでしょう。 久和 聴き比べの機会があったんです。もう、完全に「白旗」ですよ。ある程度の格の違いは想像していましたけど、あれほど違うとは。
吉田 そんなに違うんですか。瀬川氏もかなり違うと書かれていましたけど。
久和 なにもかも927Dstが上手なんです。フォルティシモの瞬発力とエネルギーが違う、ピアニシモも凄味のある底力を感じさせるし、すごいリアリティで楽器ひとつひとつが提示され、耳が惹きつけられてしまう……。大人と子供ですね、927Dstと930stは。
清滝 927Dstの凄さは、写真を見ただけでも伝わってきますが、その「凄さ」というのは、家庭内でレコードを楽しむには過剰なまでの凄さのように私には思えますけど、久和さんはどう思われましたか。
久和 過剰だと思います。でもそれは理性の部分での判断でしかないんです。それに927Dstはレコードを楽しむためのプレーヤーではないんです、れコードをしゃぶりつくすためのプレーヤーだと思います。とにかく927Dstの音を聴くと、理性なんか吹っ飛んでしまう。茫然自失になる。しばらくして気を取り戻して、自分に言い聞かせるんです、927Dstは大きすぎる、930stのほうが製品としては完成度が高い、専用サスペンションがないから苦労するぞ、それにいま程度のいいのが少ない、もしあっても数百万円するぞ……。むなしくなりますね……。
吉田 それだけの音の違いは、どこからきていると思われますか。
久和 いろいろあるでしょう。例えばメインターンテーブルの大きさが違う、サブターンテーブルがDstだと高精度のガラス製、それにスピンドルが芯のエラスティックスピンドルで、トーンアームもロングの997でしょう。それからモーターの大きさも違う。930stのモーターもいまどきのプレーヤーからすると、圧倒的に大きい。けれどもDstは、さらに大きい。
吉田 あれだけのモーターは、いまどき洗濯機にもついてないんじゃないかと思わせるほどですからね。
久和 最後はやはりメインベースの材質の差でしょう。930stの樹脂製にたいしてアルミダイキャストですからね。これらの違いが積み重なって、あれだけの音の違いとなって表れるんだと思うんです。
 だからぼくは、すこしでもDstに近づけないかと、数年前に出た930st用のガラスターンテーブルシートと927Dst用のスタビライザーを買ったんです。
吉田 神田オーディオで出していたものでしょう。私も気になっていたんですけど、疑わしいかなと思って、手を出すには到らなかった。
久和 噂は聞いています。あれはドイツ製ではないとかね。でも実物はよくできていますよ。ガラスの裏表に貼られているゴムシートは、927Dstのそれとそっくりですし、加工精度もなかなかいい。これだったら、喜んで騙されますね、音もぼく好みになりましたから。ただしクイックスタート・ストップの機能は使えなくなりますけど。
清滝 さしずめ930「D」stといったところですか。
久和 お恥ずかしい。こっそうそう呼んでいるんです(笑)。
吉田 久和さんは、言動一致ですね。クワドエイトやザ・パワーをだてに使われているわけじゃない。
 ところで、TSD15はSFLタイプ(注14)でしょう。
久和 一応丸針も持っていますけど、ほとんどSFLですね。丸針が気が向いたときに、ときどき聴くぐらいです。清滝さんはどうですか。
清滝 丸針のほうが主ですね。オイロフォンにそのほうがあっていますし、馴染みのある音がしますから、安心して聴けます。
久和 ぼくは反対で丸針だとどう調整しても、トレースが困難なレコードがあって、完全にまかせきれない。どんなレコードにも対応できるという点で、SFLタイプが安心できるし、信頼しているんです。
吉田 私もトレースに関しても音色的にもSFLですね。一時期、SFLが出る前にトーレンスのMCH(注15)を使っていたんです。新しさを持っているけれども、私の印象では、やはり「トーレンス」なんです。EMTがプロ用に対して、トーレンスはコンシュマー用(注16)、その違いが音の芯の部分というか、核のところで違うような気がするんです。音楽の訴求力でEMTをとったんです。それでも丸針だとトーレンスも捨て切れずにいたところにSFLの登場でしょう。音のプロの音、つまりEMTの音が聴ける、それからはSFLだけです。
 でも不思議ですね、MCHとSFLは、針先の違いくらいでしょう。それなのに、あれだけ音が違う。思うに、トーレンスは一貫してベルトドライブ、一方EMTはトーレンスの製品をベースにした928(注17)は例外として、930stも927Dstもアイドラードライブ。この方式の違いと、MCHとSFLの音の違いは、性質的に同じような気がしますけど、どう思われますか。
久和 われわれはアマチュアで製品開発をしているわけじゃないので、実際に市販されている製品を聴いただけの印象からの判断になりますけど、力強い音を求めるならば、アイドラードライブだと思います。なにかベルトドライブには頼りなさを覚える。特にフォルティシモの最後の一押しが、アイドラードライブにはあっても、ベルトドライブには感じられない。反対にピアニシモはベルトドライブのほうがいい、きれい。これも感覚論で、なんの根拠もありませんけど。
吉田 EMTのアイドラードライブとSFL、トーレンスのベルトドライブとMCH、彼らは、それぞれの方式のもつ本質的なものを見抜いている、そんな感じですね。これがヨーロッパの音づくりの巧みさなんでしょうか。
清滝 そうかもしれませんね。
 実は私もSFL針は持っているんです。新しい演奏家の録音を聴くときには、SFL針の助けが必要となることが多いものですから。
 私の装置のありかたと年令から、故人となった演奏家の古いレコードばかり聴くように思われるでしょうが、新しい人たちのものも積極的に聴いているつもりです。指揮者ですと、アバドやカルロス・クライバー、ジュリーニ、ブリュッヘンですが、とくにそのなかでも最近のジュリーニの素晴らしさには正直驚いています。それからピアニストですと、アルゲリッチ、ブレンデル、内田光子、弦だとマイスキーやクレーメル、そういった人たちのレコード、当然デジタル録音になるわけですが、丸針というか、装置そのものが古いかな、と少々気になるところが出てくるんです。そんなときのとりあえずの手段としてSFL針に登場願うわけですが、それでも苦しいのは認めざるを得ないですね。たとえばベルクの『ヴォツェック』、ベームのものだと丸針でもいいんです、けれどもアバドになると、SFL針を使っても、十全ではないような気がする。
久和 意外です、清滝さんのラインナップからして、古い演奏家ばかりで、それもアナログ録音のみを好まれるものと、勝手に想像していましたから。
清滝 それで最近CDを試してみようかなと思っているんです。なにしろ新しいレコードは、輸入盤でもLPを手に入れるのが大変になってきましたから。音も大事ですけど、やはりなんといっても聴きたい音楽を聴きたいときに聴けるということのほうが大切ですから。すでにいくつかのCDプレーヤーは試しています。
吉田 久和さんは?
久和 使っています。スチューダーのA730(注18)です。
吉田 やっぱり。久和さんにはA730しかないでしょう。音の点からいっても、600Ωバランスの送り出しの点からいっても。
久和 吉田さんはどうなんですか。
吉田 いま3台目で、ワディアの組合せです。WT3200のトランスポートと D/AコンバーターはX32ですの組合せです。
久和 CDとLP、聴く割合はどのくらいですか。
吉田 半々くらいか、時にはCDのほうが多くなりますね。なぜかというと、CDでしか聴けないソフトがずいぶんあるでしょう。新しい演奏家もそうですけど、特に昔の演奏家のものですね。
 確かにLPもあるんでしょうけど、ほとんど市場に出てこないし、出てもとてつもなく高かったりするし、LPでも復刻されていないものがCDで出ているでしょう。それから地味な存在だけど忘れがたい演奏を残している人、例えば私にとっては瀬川氏がお好きだったエリカ・ケート(注19)、それからヨッフムのレクイエム(注20)などです。エリカ・ケートはオイロディスクとEMIから追悼盤が出ていますし、ヨッフムのレクイエムも一昨年の12月にCD復刻されています。いままでずっと聴きたいと思っていたものが、やっと聴けるようになる、この喜びをCDは与えてくれるわけでしょう。LPにこだわりすぎていては味わえない喜びです。
 だから、LPに執着しすぎるのは、どうかと思うんです、私個人の考えとしては。
 もっとも昔からオーディオをやってきて、どんなSPもLPも所有されていて、新しい演奏家は聴かないというのならば別ですけどね。
久和 ぼくも同じですね。デジタルを目の敵にしたり、LPのみにこだわって音楽の幅を狭くするのは本末転倒でしょう。
 CDの音はいかがですか。
吉田 思い切ってワディアにしたのも、2台目のCDプレーヤーでかなり満足のいく音が出たからで、さらに大きな可能性を目指してなんです。ですからかなり満足していますし、デジタルのもつ可能性の大きさが、ようやく見えてきたような気がします。そうなると、巷のアナログ信者がいっていることに対して、疑問を持つようになりました。
久和 具体的には?
吉田 ヴァイオリンについてです。よくヴァイオリンはアナログに限る、デジタル録音を含めてCDはまったくだめみたいなことが言われていますけど、ほんとうかなという気持ちです。
 私もヴァイオリンは人に負けないほど好きですし、うるさいほうだと思っていますが、CDのヴァイオリンは悪くないどころか、そうとうなレベルだと思います。
久和 ヴァイオリンに関しては、録音サイドと再生サイドで、かなりギャップがあるみたいです。録音サイドでは、ヴァイオリンは位相差成分が豊富だからデジタル録音でなければならないという意見がある一方で(注21)、再生サイドではヴァイオリンのソロはモノーラルで十分どころか、モノーラルのほうがいいという人までいる。
吉田 私は録音サイドの意見に賛成です。モノーラルのヴァイオリンの音は、いい悪いは別として、独特の世界だと思っていますから。
久和 その独特の世界を、ぼくはみとめないわけではないし嫌いでもない。しかし、その独特な音が染みついて、それが基準となってしまうから、デジタル録音のヴァイオリンはひどい、つまらないということになると思うんです。それにデジタル録音が高域をカットするのはヴァイオリンが高音楽器ということが一緒くたになって、勝手にイメージができあがった、とぼくは見ています。
吉田 初期のデジタル録音の中にはひどいものもありますけど、デジタル録音が、ハードと録音テクニックの進歩で、シンプルなマイク・セッティング、それも無指向性のマイクが主流になるにつれて、自然な質感のヴァイオリンを聴くことができるようになった。そして、そういう録音はLPで聴くよりも優れたCDプレーヤーで聴いたほうが、録音のよさがそのまま出てくるように思いますが、清滝さんはどうですか。
清滝 難しいところですね。
 ただ五味康祐氏も、『西方の音』で、昔のレコード、いわゆるモノーラルではヴァイオリンの高音はラッパかピッコロに聴こえる、と書かれています。だから悪いとおっしゃるのでなく、逆にモノーラルのそんな弦の音でないと、氏のお好きなベートーヴェンの弦楽四重奏のアダージョがきこえてこない、と。実はきっとこの話題が出ると思って、『西方の音』をもってきているんです。これは大事なことですので、多少長くなりますけど、正確な引用文をのせていただきます(注22)。
 久和さんや吉田さんのおっしゃりたいことは理解できますけど、難しいとしか言えないですね。
吉田 いろいろなことを考えさせられる文章ですね。
久和 同感です。古くならないどころか、いまの時代こそ、みんなに読んでほしい本ですね。
清滝 久和さんにお聞きしたいのは、私の印象としては、LPがエネルギー伝送のイメージをもつのに対して、CDこそ信号は形伝達の最たるものだと思うんです。エネルギー伝送を重視される久和さんとしては、いかがお考えですか。
久和 おっしゃるとおりです。
 LPはカッティングの段階から、ものすごいエネルギーを必要としますから。
吉田 その凄いエネルギーを完全に取りだそうとすると、久和さんにとっては927Dst しかないんでしょう。
久和 また927Dstですか(苦笑い)。
吉田 清滝さんや私と違って、927Dstにこだわっておられるのは、久和さんの再生スタイルの理想の具現化だからでしょう。清滝さんが言われたように、エネルギー伝送のイメージが薄いCDと久和さんがどうつきあわれるか、それから930stから927Dstに買い換えられるのか、ひじょうに興味ありますね。
久和 ぼくのこれからはいいとして(笑)、おふたりは、これからも930stでいかれるのですか。
清滝 レコードを楽しむプレーヤーとして930stには満足していますから、買い換えるつもりは毛頭ありません。これからの興味は自分の好みにあうCDプレーヤーを見つけること、そして、いまの装置とうまく馴染ませることですね。
吉田 清滝さんも第一候補はA730ですか。
清滝 そうなりますね。ワディアやゴールドムンドもいいと思いますが、いかんせん、私の装置と音の上でうまくいったとしても、全体の雰囲気がくずれてしまいますから、やはりスチューダーですね。
吉田 実は、930stとは別にマイクロのSX8000IIが欲しかった時期があったんです。でも、ワディアが930stでは聴けない音を出す、ワディアで出ない音を930st聴かせる、といういまの状況になって、より930stの魅力がわかるようになりましたから、これからも使い続けていくつもりです。一方CDプレーヤーは、これからもクォリティアップしていくつもりですが、いまのワディアにかなり満足していますから、どちらかといえばスピーカーの交換が先ですね。
久和 エッジが傷んでいるんでしょう(注23)。
吉田 ウレタンエッジですから、傷みに関してはどうしようもないですね。それで思うんですけど、もし瀬川氏が生きておられたら、どのスピーカーを使われているかな、と。
久和 それでしたらダリのスカイライン2000をお聴きになるのをお薦めします。実はぼくも620Aでは、最近のぼくの要求に十全に応えていないな、と感じていて、交換の予定なんです。スカイライン2000は、その候補のひとつなんです。
吉田 久和さんは、その前にやはり927Dstでしょう。いま思い出したんですけど、神田オーディオから927Dst用のサスペンションが以前発売されていたでしょう。つまり、927Dstにはサスペンションがないから苦労する、という言いわけは通用しなくなる。
久和 確かにおっしゃるとおりです(苦笑い)。
 で、スピーカーに戻ると、スカイライン2000はリボン・トゥイーターで、しかも後面開放型という、見方によってはややゲテモノ的なところも持ち合わせてますけど、とにかく音が伸びやかで、いきいきとしている。瀬川氏が、このスピーカーを使われるかどうかわかりませんが、きっと高い評価をされるんじゃないかと思えるほど、みずみずしくて楽しい音を聴かせてくれる。
吉田 そういうことを聞くと、すごく興味をそそられますね。それにヴァイオリン好きとしては、リボン・トゥイーターというのは、やはり大きな魅力ですから。
久和 最後にお訪ねしたいことがあるんです。サスペンションの930−900の後ろ側からリード線が出ているでしょう。これはどこにつなげばいいんですか。
清滝 あれはアース用ですから、プレーヤー本体の出力ピンを固定しているネジ、それもアースをとっているほうにつなぐんです。
久和 そうなんですか。輸入代理店や販売店に聞いたんですけど、わからなくて……。
清滝 もっとも私がわかってやったわけではなく、専門家の彼のおかげなんです。彼からの受け売りですが、ヨーロッパの機械では黄色と緑色のまだらの線はアース線だそうです。きちんとサスペンションのアースをとると、音も変わります。ピアニシモがより静かになり、ひっそりとした表情がはっきりと出てくるようです(注24)。
吉田 私もそれがわからなくて、いろいろな雑誌や取扱説明書を調べてみたんですけど、すくなくとも私が見た範囲では、どれもふれていなかった。その他にもノウハウ的なことがあったら、教えていただけませんか。
清滝 あとは電源コードにシールド付きのものを使うことですか。これも音が静かになって、その分、表情が豊かになる。サスペンションのアースにしても、シールドの必要性を最近とみに感じるようになってきました。
久和 これからもますますシールドのテクニックが要求されるようになるんじゃないですか。その点、TSD15はふつうのカートリッジと違ってリード線がむきだしになっていない。金属製のシェルでシールドされている(注25)。こういう細かい部分も見逃せなくなると思いますけど。
 吉田さんならではの使いこなしはありますか。
吉田 私はトライガードのシート(注26)と厚手のフェルトを、本体の下に敷くことですね。細かいディテールにまとわりついていたもやがなくなりますし、音場感がすーっと広がります。それに、ぱっと見、なにかをやっているなと思わせないところが、結構自分では気に入っているんです。
 久和さんはいかがですか。
久和 オイルです。
吉田 もしかして例のスクアランですか。
久和 トライガードを使われているんですから、ご存じですよね。ぼくはスクアランオイル(注27)に全面的に交換しています、シャフトのオイル、モーター、アイドラーのセンター、スピード調整用のパッドまで、すべて。
 最初は恐る恐るでしたけど、音を聴くと、そんな心配はなくなりましたね。とかにくターンテーブルの起動は速くなるし、ストップ後の惰性回転の時間も長くなる。それに音の変化も大きいんです。特に低音楽器の鳴り方。音程の変化がはっきりしてきたし、よりリズミックになって、レコードを聴くのが、ほんとうに楽しくなりました。
吉田 そういう話を聞くと、私も、と思うんですけど、肝心の信頼性はどうですか。
久和 すくなくとも4年ほど使っていますが、なんのトラブルもないですし、スクアラン自体、ぽっと出の新製品のオイルではなくて、第二次大戦中には、すでに軍で使われていたそうです。深海鮫の肝油からつくるらしいですけど。
清滝 そのせいですか、おかげで戦時中はアンモニア臭い鮫の肉の配給があって、よく食べさせられました(笑)。子供心に、なぜ鮫の肉だけあるんだろうと思いましたけど、やっと謎がとけました。

(1992年秋 掲載誌・サウンドステージ)
http://www.audiosharing.com/people/nakahara/emt.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c1

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
3. 2021年4月07日 06:39:33 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[3]
EMT930st
https://community.phileweb.com/mypage/entry/3224/20150806/48373/


2015年08月06日
久しぶりにファイルウェブを眺めると、ずいぶん難しいテーマが花盛り。
ただし
ファイルウェブは音楽の素晴らしさや、オーディオ機器の楽しい話題を皆で共有する場。
そう言った話題が少ないなぁ。
データ形式や権利や法律の話ではツマラナイ!。
だってその人の部屋でどのように音楽が奏でられているのか全く見えないもの。

じゃぁ
卒業生でちょっと恥ずかしいけれど久しぶりに私の現状を「akahanamizuki エピローグ編」と題し書いちゃおう!と思いました。ファイルの皆様、この図々しさをどうぞ寛大な心で許してください。


私はBeolab9000やLindemann820でCDやSACDディスク再生を、その後ファイルウェブ入会少し前にKlimaxDSを導入しファイル再生をしていました。自分なりに一所懸命やったつもりでしたが・・・・・。昨年秋ころから、立て続けに「再生音楽を奏でるオーディオ機器の前で」自分が真っ白な灰になることを経験しました。自分の今までの乏しい経験や知識なんてぜーんぶ燃やして灰どころか真空になってしまわないとコリャ人生の損だ。こざかしい文学なんて全部捨て去ってしまえ。

真空になると、不思議なもので
今まで全く縁のないものと思っていた機器と出会うことができました。

我が家に迎え入れた順に紹介します。
1)パワーアンプ  Zeiss Ikon Dominal L


真空管モノラルアンプです。
整流管EZ12の後EF-40x2段で電圧の昇圧と劇場毎のフィッティングを行うトリミング、ピーキングの補正回路が入ります。その後EF-40のインバータへ渡され、出力管はEL-12のPP。
真空管は当時の新品デッドストックを2廻り分確保しました。


結構いっぱいになりましたがなんかいい感じ。来年の正月には全部新品にして一日だけ聴いてみようかな(笑)。


2)SimensStudioMonitor(Tannoy製MonitorRed15inch)


オーストリアのレコーディング・スタジオから某販売店に輸入納入されてから、約30年。前店主が「コレクション」として売るつもりなく大事にされていたのを現店主に代替わりしたこともあって・・というモノで、OEM提供されているMonitorRed15inchは一度もエンクロージャーから出たことがない「箱入り娘」。クロスオーバーネットワークを含め新品のようでした。


私にとってとても幸運だったのはSignature Diamondとほぼ等価交換であったこと。通常の相場からはどう考えても安い。安すぎます。
30年前の仕入れ値は今考えるより遥かに安価だったこと、長年お付き合いしている販売店であったこと、タンノイの英国箱ではなく通常の形?をしていないこと。それに(小声になりますが)現代アンプやSPケーブルの組み合わせには難しい側面のあるSPであること、(さらに小声になりますが)付属していたアンプ(もともとはアクティブSPなんです)が部品の劣化により本来の性能を発揮していなかったこと、などなどが私にとって良い方向に働いてくれました。
付属アンプはオーバーホールで蘇り、リシュブルク邸でつなぎ役を終えたのち、現在さらに細かな調整を行っていただいています。

Zeiss、1960年代に使われていたSPケーブルのデッドストック新品と出会って
本来の性能を見せ始めていると感じます。


3)Klangfilmモノラルラインアンプ


CDやDSを初段とした場合のラインアンプとして、「Kl-V004」2台とオリジナル電源を組み込んでもらい作成していただいたもの。古い録音を聞くためにSTEREO↔MONOの切変えもつけてもらいました。もともとが2台なので左右独立に音量調節が可能であり、ステレオの最後の微調整には非常に重宝します。EF40の1球仕様。ZeissでもEF40は使われているので真空管を新たに買う必要がないところも私には幸運でした。

ストラさんや、KYLYNさんはCD→3)→ZeissのT-Padアッテネータ→1)→2)で聴いていただきました。
最新録音にもかかわらずグレース・マーヤさんはなかなかの演奏でした。
ぱっと60年くらい遡って、ナット・キング・コールさんは流石の演奏でした。
が・・・・・
KlimaxDS/Kは既にありませんでした(即席CDシステムで失礼しました。でも在りし日にKlimaxDS/Kのルンダールトランス出力での再生と、BeoSound9000+Klangfilmラインアンプでの再生を比較して私は呆然としてしまいました。)


4)EMT930st(155st + 930-900 + TSD15SFL + EMT929 , 1983年3月EMTから出荷EMT-FRANZ製)


KlimaxDS/K、NAS、HUB、アナログ電源、そして手持ちのSACDのほぼすべてを売り払った結果、しばらく「音無し生活」を経験した後、幸運なことに出会うことができました。
余談ながら
EsotericのSACDのオークション価格は非常に高価で、初期のものはほとんどオリジナルLPと同じ値段で取引されています。中国の方が多く買われるようです。中国では手に入らないからでしょうか・・・。音楽的価値とは無関係な相場と感じています。

モーターから全バラシ、155stも部品単位からチェックされ諸特性調整されました。
トルク豊かなアイドラードライブですが、KlimaxDS/Kより静かかと思うほど静粛で・抜群の安定感があります。


アームリフターがレバーと「リニア」に反応し、針をLPにおろす瞬間は繊細に調整でき、まるで指先と針が一体化するようです。ヴォリュームを絞ったりする必要なく、針に対しても優しいと思います。iPadでDSを操作するより快感です(笑)。
155stはモノラルにも対応しています。OFD25もご厚意で出会いがあり手に入りましたので時々つけてモノラルオリジナル盤を楽しみたいと思います。でもモノラルオリジナル盤そのものをそんなに持っていませんし、なによりTSD15SFLからOFD25への変更は針圧もカートリッジの重さも違うのでそのたびにアームの調整が必要です。調整のたびアームを酷使することにもなりかねませんし悩ましい。結局もう一台モノラル専用に買いなさい・・・などとささやく人がいて大変困っています(笑)。今は無理。
復刻された6μ溝のモノラルLPであればTSD15SFLを使用し155stをモノラルとすれば問題なく聞けますし、15μグルーブ時代のLPを聴くのであれば(TSD15SFLでも聴けますが)TSD15丸針を使用します。SFLと丸針は針圧もカートリッジの重さも同じなので、OFDの時と違って付け替えれば良いだけなのがうれしいところです。現在丸針はありませんが幸運を待っているところです。

ストラさんやKYLYNさんが来られた時にはEMT930st →155 → Zeiss・T-Padアッテネータ→ZeissIkonDominal L → SimensStudioMonitor(MonitorRed15)は間に合わずお聞かせできませんでした。

私は
音楽を演奏者の気概、時代の空気ごと楽しめれば、どんなにいいことだろう・・・
と思ってオーディオに取り組んできた気がします。
CD・SACDを経験し
リッピングやダウンロードしたファイルミュージックを経験し
そして
LPを経験することになりました。

上記全てを聴いてきた
「ズスケ4重奏団演奏、ラズモフスキー第3番、Eterna」
「クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団演奏、大地の歌、英EMI」
「カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー演奏、ラ・ボエーム 英Decca」
などを
改めてオリジナルLPを手に入れて聴いてみると、まだまだ発展途上の私のシステムであってもその素晴らしさといったら・・・


ズスケ4重奏団 ラズモフスキー3番第4楽章、ベートーベンの宇宙に自らを捧げつつ一体となって疾走する弦4組。その木質感、ザクサク感。
大地の歌。終楽章の告別。クレンペラー教授の描く底知れぬ慟哭。ルードウィッヒの歌唱。
ボエーム。若い二人の愛の始まり、華やかなクリスマスのドラマの同時進行、いてつく雪の日別れを悟って歌う二人、そしてヒロインの絶唱。
何と素晴らしいんだろう。

ハイレゾ、DSD、24/192PCM、HDD、SSD、LAN、PC、DS・・・・・・。「現代になったからこそいい音で聴くことができるようになった」と言う表現には気をつけなくてはいけません。私がまさにそうでした。


さて、他にも

ストラ「シトロエンの飛ばし屋」シリーズとして
1)SigDにいちゃもんをつけようと、意気揚々と乗り込んできたが、肩透かしをくってぽかんとしたあげく、やっぱり意気揚々と帰っていた事件。
2)重いトランスを北陸新幹線宅急便として一生懸命運んでもらった事件
3)「真空管に色がついているのは何故か」講釈事件。

とか

KYLYNさんシリーズとして
1)八代亜樹初版CDR絶品!事件
2)日本酒「能鷹」グイッといったあと「鮎正宗」さらにグイッといき、北陸新幹線乗り過ごしそうだった事件

とか

リシュブルグ・シリーズとして
1)噂の隠れレストラン「リシュブルグ亭」の絶品肉料理とは
2)そこで思わずakahanamizukiが今は亡きアマティにつぶやいた失礼なツブヤキとは(ああ余りに申し訳ない)

とか(ここまで登場の皆さん。失礼の段、平に御容赦を)


akahanamizukiシリーズ(鬼教官による特訓シリーズ。akahanamizukiの眼に涙)として
1)ZeissのEL12バイアス調整特訓
2)EMT930STオイル調整特訓
3)EMT930プラッター取り付け&回転数調整特訓
4)EMT930配線特訓
5)EMT930アームおよび針交換およびインサイドフォースキャンセラー取り付け特訓
6)EMT930針圧調整特訓
7)LP手磨き特訓(レコクロスの折りたたみ方、アトマイザー使用し霧吹き・素早く展開・制限時間2分でくまなく吸引・最後に女子の肌を拭くがごとき仕上げ磨き)
など。(しかしながらあれだけ叩き込んでもらったのに覚え悪く・すぐに忘れるだめな私。ああ涙)

とか

業者シリーズとして

1)レッド・モニターを販売店が最初現代アンプで鳴らした時、「キングギドラの咆哮」のような低音の乏しい金切声。
オーケストラなんて160pの高さ。店員さん「予想通りの音だったでしょうか・・・」
私:「なんじゃーこれはーこんなの買ってられんッ!!!」ではなく
「うーん怪鳥の叫び声だねェ。キングギドラだ。腰高だし。でもこんなもんでしょ」
(・・・・だって30年間鳴らされてないフィックスド・エッジ。)

2)アース工事(私の使用機器がたまたまアースを前提に設計されていたので行ったに過ぎません)
第一種接地工事の契約。勇躍電気工事店挑戦。0.8Ω。(笑)「自己新です」とうれしそう。


なんかの間違いじゃないのか?と何回測り直しても0.8Ω。


工事費はiPadAir2 64Gくらい・・・。
音は変わりますが、だからどうした・・・・でしょうか。
LPオリジナル盤の違いに比べたら微々たるモンでしょう。

などなど、いろいろ楽しいことがありましたが、いつか詳しく書くかもしれないかな?

そして

音楽を聴く時間はかえって短くなりました。
毎日聴くのです。聴きたくて聴きたくて聴きたくてしょうがない。
音量はリスニングポジションでせいぜい85〜86dBといったところ。
でも
聴き応えがあるのです。
DSのときは、ながら聞きやBGM的な聴き方だった・・・と妻からも指摘されました。鋭いなぁ。
音楽がかかると耳と脳がひきつけられて
自分の調子がよいと頭の中に音楽が展開する。
まんじりともせずに一面が終わる。否応無しに集中してしまいます。
そんなに長時間聴かなくても満足します。

やっぱり
オーディオは素晴らしい音楽を聴くためにあるのだと思います。


Today’s LP


グラナドス・スペイン舞曲集 / アリシア・デ・ラローチャ
「これから世界に羽ばたいていく」時期の演奏は、再生装置がなければ遡って聴くことはできません。
アリシア・デ・ラローチャが豊かな才能を振りまいていたスペイン時代の演奏。
私はこのLP演奏を初めて聴いたとき、涙が止まりませんでした。
「これを買わないで一体何を買うんだ」
血眼になって探しても、オリジナル盤1964年盤のHispavox HH 10-68は見つかりません(涙)。
レアなんですね。相当難しいよう・・・。おそらくほとんど絶望的か。スペインプレスだし。
やっと見つけたHISPAVOXの 1971年・再発盤。スペインプレスです。
2曲目。オリエンタールの美しさといったら、たとえようがありません。


レス一覧

akahanamizukiさん、お久しぶりです。

再生環境が随分と変わられましたが、最後はやはり聴いている人間の能力ですね。
あえて偏見に満ちた物言いをいたしますが、「自らの能力以上の情報を聴きとることはできない」のです。

今の音と機器に辿りつかれたのはakahanamizukiさんがそうあるべく思われたからな訳ですし、これからも新たな演奏や機器との出会いがあると思います。

私としては音楽を演奏する側の「最前線」にも新たな出会いがあることを期待しておりますけれども。


なにはともあれ、これからも今後の行動記録を書き込んでいただければとても嬉しいです。
byfuku at2015-08-06 01:05

akahanamizukiさん、お早うございます。
お久しぶりです!

ストラさんからの風の便りで、少しは情報を得ては居たのですが、
これはまた、怒濤の遍歴ですね。まさに人生の転機のようです。

新しい機器との格闘の数々や、伝説の方々のエピソードなど、
是非拝見させていただきたいネタが満載です(笑)

これからもまた、色々とご披露いただけることを期待しています。
by矢切亭主人 at2015-08-06 05:01

akahanamizukiさん 

>ファイルウェブは音楽の素晴らしさや、オーディオ機器の楽しい話題を皆で共有する場。そう言った話題が少ないなぁ。データ形式や権利や法律の話ではツマラナイ!。だってその人の部屋でどのように音楽が奏でられているのか全く見えないもの。

全く同感ですね。不毛な記事が多すぎます。音楽と全く関係ない話で、この暑さのなか、我慢の限界を超えていました。

そこへ、清涼剤のような、楽しいお話。隅から隅まで同感です。長野の師匠のお宅も含めて、ぜひお伺いしなければ!
byGRF at2015-08-06 06:15

akahanamizukiさん

お久しぶり。というか、おかえりなさいでしょうか。全く別物になった新システム、楽しそうですね。

某氏の「ファイルウェブなんて時間の無駄、人生の無駄」という言葉が胸に突き上げてくるような虚しさで、オレも「卒業」しちまおうかなぁと思った刹那の絶妙のタイミングでの再光臨でしたね。

これからも楽しい投稿(こういう内容なら長文でも構いませんよ-爆)を期待しています。
byベルウッド at2015-08-06 10:09

お久しぶりでございます

こういうタイムトラベル理論でしたらワクワクしますね!
しかし舵取り急転回をしてからの突き抜け方がまた凄いです・・。
モノラル専用機、良い出物があるといいですね!^_^
byにら at2015-08-06 16:19

おおお!!!
お帰り〜〜〜(^^)/*****

やっぱり、こういうお話は「長文」でも楽しいね!

全て色々と繋がって、絡み合って、紡ぎ合って、出来上がった一枚の羽衣ですね。
一部ヤバい方々がコンガラガって面白そうですが(爆!

オーディオは最後はSPから振動が伝わって来る音楽に心まで震える世界と思います。
そこには新しいとか古いとか関係ない。
あるのは伝えたい気持と、受け止めるしなやかな心でしょうね。

人それぞれでしょう。
オーディオの世界は、それぞれの主観でしか表現出来ない、それぞれの音楽世界の万華鏡なのだと思います。

また、面白い展開が有ったら、お気楽に、ゲロッパ!!!

では、では
byバズケロ at2015-08-06 21:57

akahanamizukiさん こんばんは

EMT930stとは時代を逆上りましたね!

私も930とは28年つきあいましたので親近感が湧きます。

最初はステレオ用に一台しかしMono針を手に入れてからステレオ用とMono用にわけて愛用していました。

写真を見たところ指掛けも外して使用されているようなのでいい感じに使いこなしておられるのはお見事です! 鬼教官が居て良かったですね。

イコライザーの出力ゲイン調整やアームとリフターの調整等もされていいると思いますが、それを完璧におこなえばレコードを聴くことに専念できるでしょう。

EMT930stほどレコードをかける操作が楽なプレーヤーは無いとあえて言いきります。
byトラウトマン大佐 at2015-08-06 22:07

fukuさん。お久しぶりです。

そうですね・・・。聴き取る力はとても大事。
しかし
私の場合
聴き取る力よりもっと重要だったのは
良い物を我執なく受け入れる態度だったように思います。

私の今聴きたい音楽は
オリジナル盤をアナログプレイヤーで再生するのと
KlimaxDS/Kでファイル再生したのでは
どんな文学で補おうとしても違いが大きい。
違わないのでは・・・とがんばっていた私ですが
がんばっていたと言うよりは囚われていたのだと思います。
まっさらな気持ちで音楽を聴けば誰もが感じるのに
そうならないのは自分の頭の問題です。

音楽の最前線が何処にあるのかは難しいですが
ジャズやクラシック音楽の演奏、録音とも最盛期はとっくに過ぎていることから眼を背けると「最新はいつも最高」の隘路に嵌る。オーディオも似ている側面があると思います。


今後もよろしくお願いいたします。
byakahanamizuki at2015-08-07 04:30

矢切亭主人さん お久しぶりです。

ファイルウェブに参加した時には全く思っても見なかった方向に舵をキルことになりました。
自分の聴きたい音楽がなんとなく定まったことが第一です。
私は空気中に放たれた音が溶け合いハーモニーを形成する瞬間をパッケージした録音作品を好むようです。
そのためにはどうすればよいのかを考えるようになりました。

ファイルウェブをきっかけとして知己を得た伝説の方々(笑)のエピソードは書けないことの方がもっと楽しく可笑しいんですょ。顔もあわせることもなくネットの虚構の世界で張り合い反目しあうことは空しいことです。ファイルウェブはリアルへのよいキッカケにしてこそ生きる場ではないでしょうか。

アナログは遥かに先輩である矢切亭主人さんの工夫もネタとしてご披露していただければありがたいなぁ!

今後もよろしくお願いいたします。
byakahanamizuki at2015-08-07 04:31

GRFさん。お久しぶりです。

今年
東京国立博物館を見学する機会が有りました。
本館の展示で既にノックアウトされていました。
横山大観らの合作旅人日記も良かったけれど、日本刀に釘付けになりました。
長船の名品や、石田正宗など
ショウケース越しに見ているこちらの周辺の空気までヒンヤリと変化させるかの如くの存在感でした。
しかし
最後に行った法隆寺館が驚きでした。1600年の時を超えて残っている仏像、器、そして楽器。そこに何も文学で紹介記事がなくても、圧倒的な本物の雰囲気は誰にでもわかります。
(紹介文を見ると並んでいる仏像ほぼ全部が重要文化財以上)
動けなくなっていました。

美辞麗句で宣伝しているDSDや、PCMはいつまで残るのでしょうか。
サンプリングレートやビット数を少しづつ上げて何の意味があるのでしょうか。
毎月発売される高価な機器は10年後残るのでしょうか

少なくとも自分より長生きであろうソフト、機器を選ぶ。
機器を選ぶ時
認識能力・審美眼を求められているのはユーザー。
ソフトも機器も選ぶことしかできない。選ぶときが勝負。
自分の実力以上の音は決して出ないな・・・と改めて思いました。

GRFさんは英コロンビア、英EMI、英DECCAのオリジナル盤を多数お持ちです。
以前お伺いしたときは聞かせていただく時間が残念ながら有りませんでした。
いつかぜひに聞かせてください。

今後もよろしくお願いいたします。
byakahanamizuki at2015-08-07 04:32


ベルウッドさん お久しぶりです。

ファイルウェブ全部が人生のムダ・・・とは思いません。
感謝しています。
ファイルウェブのおかげでいろいろな出会いがあり
私はこうなったわけですから。

しかし
虚構の世界で、自分の中に何もなくなっても発言し続けることのないようにと自戒しています。よく考え吟味しないと言葉が軽くなってしまい取り返しが尽きません。文章のようで真実がなく、すらすらペラペラと書いているだけになってしまいます。私が卒業宣言した理由のひとつです。

自分の中で「貯金が出来たら」また書くかもしれませんが・・・
未来は未定です。

では。
byakahanamizuki at2015-08-07 04:33


「ワインディングロードの爆走シトロエン」ストラさん どーもッ。

タイミングはともかく、ストラさんたちシリーズが長いので長文になったんですョ。私のせいじゃありません(笑)。何回も直接会って楽しく遠慮なくやり合っていますので書けないエピソードの方が遥かに多いし面白いけれど。いつも失礼ばかりしてスイマセン(笑)。

だからですが
活字だけでは見えない典型的な音の世界・・・と言うけれど、ストラさんがこう言ったってことはこうか、ん、とするとこの人はそれをこういっているからコウカ・・・と遠くにいてもなんとなーくうかがい知ることが出来ます。ストラさんの評価と同じにはなりません。ストライコライザーをアカハナイコライザーで変換する必要があります。行動範囲の広いストラさんと一緒に「なんとなく旅」(笑)。

今度はリシュブルグさんを「暴走シトロエン」に乗っけて来るのですか?安全運転ですよ。峠道にフラッと入るのは禁止。
残念ながら今度は肩透かしのネタがない。つまんないなぁ。うーん、そうだなぁ、オリジナル盤1枚を春日山の通行料にします。お願いしますね(笑)。
では。
byakahanamizuki at2015-08-07 04:34


にらさん お久しぶりです。


自分の頭が変わるかどうかが一番重要でした。

新しく何を導入したのかはもちろん大事。
しかし
何を残さないで捨てたかも重要だと思います。

整理し吟味し捨て続けないと
モノが増えるばかりで価値のナイモノアルモノがごちゃごちゃ。

SACD400枚もっている
CD3000枚持っている
HDDの中に5Tのデータが入っている
なーんて言っている奴は自分の聴きたい音楽がわかっていない恥ずかしい奴です。選ばないからこそそんなにあるんです。
何を隠そう自分でした。


SACDはほぼ全て売却、CDも選別中で1/10以下にします。HDDはもはや無用の長物。決断できたのは「音楽の力」のおかげです。

今後もよろしくお願いいたします。
byakahanamizuki at2015-08-07 04:37


EVAさん お久しぶりです。

EMT927stはLoge邸で930stと共に聴かせていただいていますが、本当に素晴らしいプレイヤーです。
しかしながら、それこそ手に入れようとしても条件のよいモノを見つけるのは大変で、値段も高い。今は憧れとしておきます。
EMT930stも素晴らしいプレイヤー。
初めて使うアナログプレイヤーがEMT930stなんて・・・
私が使えるようになるとは夢にも思いませんでした。
縁を大事に使いたいと思います。

では。
byakahanamizuki at2015-08-07 04:38


バズケロさん お久しぶりです。

そうですね。
「シリーズ登場人物」の方々とは
絡み合ってはいますが
いがみ合っているわけではないので楽しいんです。

オーディオは人それぞれです。
でもそれは
「どのソフトを選ぶのかは、人それぞれ」だから違うのだと思います。
オーディオの音を一番変えるのはソフトです。ソフトが決まって初めて次に機器がきまります。

また
自分好みに鳴らす・・・なんてできるのだろうかとも考えるようになりました。
オーディオ機器は私の心を推測して私好みに鳴らすことは出来ないはずで、ただソフトに入っている情報を出しているだけ。
自分に出来ることは
良いソフトと能力のある機器を必死に選ぶことしかありません。

買ってから、手を入れなくてはいけない機器を買うのはどこか間違っていると思います。手を入れる必要がない機器を買うのが本道です。
何を買うのかわからない、その能力がないユーザーが
いろいろな情報に惑わされて漂流することになる。
ソフトもハードもオーディオは何を選び買うかこそが最重要である
使いこなしの話は本質を隠す危険がある。痛感しています。

何を隠そう私がそうでした。授業料をダイブ払いました。


今後もよろしくお願いいたします。
byakahanamizuki at2015-08-07 04:39


トラウトマン大佐さん お久しぶりです。

155stの出力ゲインはその後のZeissTPadアッテネーターでベストの位置で音量調整できるように調整しています。左右差の微調整にも活躍しています。

リフターはバーが頂点に来たときに針がLPに設置するように調整してもらいました。指かけは必要なく、使い勝手がとてもよく、レコードがとてもかけやすいです。

OFD25でモノラルの例えばバイオリンやピアノを聴くと、用意にステレオに戻れなくなってしまいますので悩ましい・・・。
頻回に針交換を行うのは手間や万が一の針損傷、アームの損傷がおこりうるので悩ましいところです。
もう1台930を用意してモノ・システムを分けるのが一番良い方法ですねぇ。とはいえ今は我慢です。EQはいつまでも155stでいいの?という意見もあるでしょう。
byakahanamizuki at2015-08-07 04:41


おはようございます。
完全に出遅れました。

シトロエンの飛ばし屋シリーズの、
2)重いトランス…
は、今となっては、良い思い出にしてらっしゃるハズ?(すみません、ストラさん)
今度、クレンペラーの大地の歌とズスケのラズモフスキー聴かせて下さい。
多分、シトロエンシリーズに追加になるはずです(笑)。

しかし、こうやって、シリーズ化されてるのを見ると、縁って不思議なものですね。
皆さんに感謝です。

私も早く、
ラローチャ聴きたい!
大地の歌を聴きたい!(これは無いですが)
ボエームも聴きたい!(これも無いですが)
◯ラードが買わなきゃ…
でも、来月にはきませんよ(笑)。
おじいちゃんの通年席は、またのお楽しみに?
byRICHEBOURG at2015-08-07 08:02


akahanamizukiさん、お帰りなさい。

はなちゃんこの暑さでへばってないでしょうか?
心配です。

清々しく、羨ましく、良い感じで音楽に委ねられている様で何よりです。
色んな意味で現状のアタシではそこに辿り着けませんが、ぼちぼちやっております。
アルミの箱買って穴あけとか・・・(笑)
来年あたりお江戸経由(ナゼ?w)で爆走シトロエンに便乗して伺えればイイなぁと勝手に妄想しております。
破壊王様達&その連れ達が暴れ回るので、ながら聴きしかできないデーンちゃんでしたm(_ _)m
byデーンちゃん at2015-08-07 08:07

akahanamizukiさん、おはようございます。

ガラリと変わってしまわれましたね。複数のお宅に伺わせていただきましたが、全く毛色の異なるシステムです(◎o◎)オオー
ここまでさせてしまった魅力はなんなのか?
もしまたチャンスがあれば、お伺いさせていただければ幸いです(レコードは一枚も持ってないので通行料が払えない!?)。
by2Hくん at2015-08-07 08:11

RICHEBOURGさん どうも。

ラローチャは譲り?ましたが、大地の歌はかっさらいました。
早いもん勝ちさ。はっはっは。いいだろー。

RICHBOURGシリーズが一番地球ドラマチックかもしれませんね。
例えば・・・

1)ディスクユニオンでSACD100枚以上一気に叩き売ってレジの人に「買い取り金額は・・・・・です」と呼び出され、その額により店中の注目を集めたこと。男だねェ。かっこよすぎ。
2)ヴァイタボックスの夢が泡になった翌日にアビーロード・モニターレッドが出てきたこと。そんなことってあっていいのか羨ましすぎ。
3)あてにしていたakahanaタクシー。当日まさかのドタキャン。おいおいどーすんだ。大変失礼しました。
4)アマティが去ってアビーロード・モニターレッドがくるまで数週間音無し。その間「頭の中でクレンペラー教授の告別とラローチャのバッハを脳内再生しています」エアギターならぬエアSPだ!!!うーカッコイイゼ。。アカハナもまねしたけど現れてくれなかった。がっくし。
5)まぁでも一番ドラマチックだったのは「悩める1時間」事件でしょう。
アビーロード・モニターよりビックリしました。

まじかこの組み合わせ・・・でした。
頭を変えるとこうまで「機器がむこうから寄ってくる」のか。
何かを持っているとしか思えん。
人生には迷っている暇がない時がある。と私も勉強しました。

私は頭の中を変えるのに2年以上かかっています。ところがRICHEBOURGさんは数か月しかかかっていない。そのとらわれない柔軟性がマブシイ!若いっていいなぁ。
横目でその炎にあぶられて、私も白い灰はおろか真空になってしまいました。

9月には音もなく何かがまわっているんでしょうね。んんん?。当然デッカ付きで。
よろしゅうです(笑)。
byakahanamizuki at2015-08-07 13:19

デーンちゃんさん お久しぶりです。

「はな」
食欲旺盛。KYLYNさんに2分間は激しく興味を示しましたがその後は腹出して寝ていました。
家の中で一番涼しいところを常に探り当て移動し元気いっぱいです。

お江戸経由のシトロエンは、春日山がどんなに止めても二日酔いのKYLYNさんなど全く関係なく当然のように峠を攻めていきました。ある意味北陸新幹線より楽しいかもしれません。
機会があればぜひシトロエンに乗りお越しください。

では。
byakahanamizuki at2015-08-07 13:21

akahanamizukiさん、こんにちわ
RIRAです

EMT 930stはイーですね〜
私も先日お店で聴かせてもらいましたが、
芯の音を厚く出すような良いプレーヤーだと思いました

特にスタジオ想定なので、
拡大鏡や証明など目にも優しいですね〜

私は店員と商談中にも関わらず、
顔はEMT の奏でる音楽の方を向いていました(笑)


整理するのは重要と私も思い、
せっせと物の整理をしてます。
しっかり検討して判断することで、
地肉にもなり忘れることができる・・・
心にも、売ればお財布的にも良いと思います

こうやって人は洗練させていくのでしょうか?
byRIRA_ at2015-08-07 16:34


akahanamizukiさん、どうもです。

今年は暑いですね・・・でもakahanamizuki邸の機器群はもっと熱いことになっていますね(笑)

EMT930stは聴いてよし、眺めてよしですね。精悍なアンプ群ともよく合っています。
LPも選別しながらイイモノを収集されているようで、これも楽しみです。

聴き応えがあるので、長時間でなくても満足できる・・・自宅で素晴らしい音楽を楽しめるのは大きな喜びですよね。

また、はなちゃんに会いにお邪魔させてもらいますね!
byKYLYN(キリン) at2015-08-08 11:24

2Hさん お久しぶりです。
マジコの調子はいかがでしょうか。

>ガラリと変わってしまわれましたね。複数のお宅に伺わせていただきましたが、全く毛色の異なるシステムで・・・

その通りでしょう。私自身がこうなるなどとは1年前には全く予想していませんでした。ファイルウェブに参加していなければ
決してこのようにはならなかったと思います。
何が原動力かと言えば、本文中にも書いていますが「音楽」です。
素晴らしいクオリティを持った録音作品とその再生に出会って
自分の狭小な経験にこだわっていられなくなりました。

以前は都合がつかず失礼いたしました。
もし越後方面に来られることがあったら連絡してみてください。
楽しみにしております。

では。
byakahanamizuki at2015-08-08 14:53

RIRAさん お久しぶりです。

我が家で他のアナログプレイヤーを聴いた事がありませんので
音質は語れないのですが
SP、アンプとも同時代のドイツ製プロ用機器ですので、ガラードやフィリップスではなく
EMT930stが良いであろうと考えました。
スイッチの確実な操作感、アームリフターの操作感、安定性・静粛性・・・
アナログ初心者の私にとって、扱いやすいプレイヤーでとても気に入っています。

他の人はどうかわからないのですが
私の3000枚あったCDのどれをかけても良い音で鳴っていたのか・・・といえば、全然そんなことなかったと思います。
何を残すか・・・と共に
何を残さないか・・・を常に考える。
厳選した100枚あればきっと幸せになれるのでしょうが
それまでには相当数の残さないものがあるはずです。
そうでないとキチンとしたオーディオにはならないなとやっとわかりました。

気付くまで時間がかかりすぎましたが(笑)。

では。
byakahanamizuki at2015-08-08 14:55

KYLYNさん 日記では(笑)お久しぶりです。

ホントに暑いですね。

ただ幸いにKlimaxDS/KやNAS、HUB、アキュフェースのアンプが稼動していた去年の夏より、遥かに電気料金は下がりました。
NAS、DSは常時オンでしたし、SP(SigD)の能率が低かったのでアンプはしんどかったでしょう。
真夏でも電気代を気にせずオーディオが楽しめるのはありがたいです。

KYLYNさんにCDで聴いていただいたカイルベルト指揮の運命交響曲もオリジナルLPで聴くとコントラバス、チェロといった低弦群のキザミが素晴らしいです。

ずっとわかっていなかった、そして認識してからも見て見ぬふりをしてきたこと。

DS時代の聴き方は音楽に対して真摯ではなかった。
ながら聴き、寝転がり聴き、なんとなく流しているだけ、ということも多かった。その程度の音質だったし、その程度の「脳力」だったし、その程度の「ソフトの選び方」だった。
しかし
心の深いところで響き渡った音楽との出会いがあって、
オーディオを聴いて「音楽が自分の中に入ってくる感覚」をようやく認識しました。

名盤・名演奏を聴く為にオーディオがある。
聴く力を磨かなければ音楽は入ってこない。クオリティのあるソース、機器を選ぶ。
自分・ソフト・機器は三位一体。
名盤を聴いたことで導いてもらった。
BGMでは満足できるわけないし、DSではどうやっても・・・。
デジタル化・ファイル化しているときにあまりに多くの情報が失われ過ぎている。
SACDに続き、DSを断ち切る事になるとは1年前には想像もしませんでしたが
人生は短く一回きりですから、思い立ったが吉日。
上記を全て売り払ったお金でなんとかEMT930stとなりました。

KYLYNさんが来たときには間に合わず大変失礼しました。
また暇を見つけておいでください。
(最初の2分間だけは、はなの大歓迎に耐えてくださいね。)
byakahanamizuki at2015-08-08 14:58

https://community.phileweb.com/mypage/entry/3224/20150806/48373/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c3

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
4. 中川隆[-5947] koaQ7Jey 2021年4月07日 06:41:59 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[4]
Decca Decolaがお嫁入り
EMT930st について 2017-08-23
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/c24ab096249ef19f607a08f3e8f9dc49

 EMT930は1956年に発表された。EMT(Elektro-Mess-Technik)はそれ以前にも1950年にドイツ放送技術研究所との共同開発で「R35」、1951年に独自開発で「R80」(50台製造)、同年にEMT927を発表している。EMT930はEMT927のスケールダウンしたものでプラッターの直径は33cm、重量は約半分の23kg。初期の製品にはオルトフォン製RMA229アームが、1971年頃からトーレンス設計のEMT929アームが装着された。搭載されるフォノイコライザーはEMT930のシリアルNo,3588まではEMT139(真空管モノラル)、No,3589〜10949は名称もEMT930stとなりEMT139st(真空管ステレオ)、No,10950以降はEMT155もしくはEMT155stとなる。しかし市場のEMT139stの僅少さから実際には注文によって色々なバリエーションがあったのだと思う。何れにしてもシリアルNo,10750以降の製品には真空管イコライザーは搭載できない。

 搭載されるフォノイコライザーはEMT133を除いて全て同じ寸法、接続となっている。(もしEMT139対応機にEMT155を接続したら壊れるのだろうか?と思って回路図と接続図を確認したら大丈夫なよう)EMT155の標準カートリッジはOFS25とOFS65でカタログではプレーヤーシステムにはカートリッジが2個とも付属されて販売している。「st機」にはTSD15が1個付属していた。(面白いと思ったのは付属の2個はサファイア針ということでこれはコストダウンを図ったのか?このカタログの記述には明らかなマチガイも見受けられるのでミスプリントかもしれないし天下のEMTがそんな事するか?などと思ってしまう)EMT155とEMT155stの違いはモノラルとステレオだけでなく入力レベルが10mv、1mVと感度差が10倍あった。これはOFシリーズの出力はTシリーズの10倍程度あったためでOFカートリッジをEMT155stに接続すると大振幅再生では歪んでしまう。(初めてOFD25をEMT930stに繋いだ時に歪んでしまって慌てたことを思い出します)2台のプレーヤーを納めるコンソールもカタログにあり、1.55Vのライン出力に至る全てのパーツがシステムとして提供されていた。まさに「The 業務機」でユーザーは提供されたものをただ正確に使用するだけ、保守点検の契約も当然あったと思います。
 EMTのモノラルカートリッジは別項にあるようにオルトフォンのOEMのOFD25、OFD65と自社製造のTMD25、TND65。TMDとTNDの出力はTSDと同じでこれはモノラルレコード再生時にフォノイコライザーを交換せずに対応する事が可能で特に78s SPレコード再生には(専用カートリッジは不可欠だったから)過渡期には重宝されたと思われる。しかしOFシリーズとTシリーズは機構の違いから(当然ですが)音質が全く異なる。オーディオファイルはモノラル再生では圧倒的にOFシリーズを支持するのではないだろうか(ジジイの思い込み)。

 このEMT930stは自分にとって3台目。先の2台はお嫁に行きました。
 
 プレクシグラスのサブテーブルの下には円盤状の金属板があるのだがこの個体には欠品している。 

  
 クイックスタートのスイッチは3段階の切り替えで卓のフェーダーと連動するリモートコントロールの場合は黒いプラスチック部を上に持ち上げてから後方へ倒すとロックされる。 

 
 60Hz仕様もあるようだが(以前韓国からモーターだけ輸入したことがあったがそれが60Hz仕様だった)基本的に50Hzの軸が付いている。説明書には進相コンデンサーが各々の周波数で指示されている。モーター軸の交換はできない構造なので周波数の変更はモーターの交換もしくは周波数変換機を使うことになる。EMT930のモーターは30Wなので(EMT927は35W)それに見合った規格のもので良いわけだが故障などで今までに数回交換している。100W程度の変換機ではEMT930は賄えるのだがEMT927ではダウンした。扇風機や200Vの大きな冷却ファンを騒音対策のために100Vでゆっくり回して冷却するなど色々と工夫してみたが現在は200W程度のものを使っていてやはり動力の駆動電源の連続運転は結構無理がかかるものらしい。ヨーロッパ製品を西日本地区で使用するにはそれなりの苦労が要ります。この電源の質は回転の質にダイレクトに影響するのは容易に想像できる。それに加えてターンテーブルの回転数の微調整は軸の中心部にあるフェルトリングをプラッターに押し当ててのフリクションでコントロールしているわけでそれを嫌って40Hz台の可変周波数でこの部分をキャンセルすることでS/Nを上げるという製品も存在する。
 この形式のモーターは「適当な負荷をかけることで回転が安定する」という解説を読んだことがあるのでこの方法が最良かどうかはわからない。また周波数変換機は低周波発振器とアンプとトランスがあればできるらしいので以前適当なトランジスタステレオアンプで実験したことがあったが見事に両chとも壊れてしまった。(ちなみにこのアンプは状態を説明して売却したが落札した方は出力段全てのトランジスターを交換して復活されてたらしく大いに感心した)「真空管式の周波数変換機を製作する」と仰っていた方がおられるので発表されたらぜひ追試してみようと思っています。

 EMT930のメンテナンスガイドを見ると「アイドラーは1年で交換」とあって純正部品も提供されていたが最近はどうなっているのだろうか?流石にアマチュアではマニュアルどおり1年毎に交換している人は少ないと思うが、いよいよ寿命が来て購入した純正部品は円筒形の透明プラスチックのケースに本体と共に交換時にはめる手袋まで入っていて(ゴム部に素手で触らないように)感動した。本来黒色のゴムだったがある時から純正で提供されていた飴色ゴムのアイドラーが短命で(硬化が早い)新品でストックしていたモノも使用不能に陥っていてがっかりした事がある。ダメになってしまった多くの在庫を抱えていた販売店さんも知っています。そのうち純正部品はとても高価だったので秋葉原にあった今はなき「K無線」にお願いしてゴム交換だけやってもらっていた。ある時いつものように電話してお願いしようとしたらご主人の娘さんという方がでて「店主はもう高齢なのでお店を閉めることになった。ゴム交換を外注していたF工場を紹介するので直接交渉してください」と親切にも連絡先を教えてくれた。それからはその町工場(だと思う)に度々アイドラー再生をお願いしていた。ところが次第に注文が多くなって本業の合間に行っていた事に本腰を入れる事になったらしくある時から作業料金が3倍!になっててこれには驚いた。今ではあちこちでこの作業を行ってくれる業者がいるし最重要部品なので品質の差が音にも顕著に現れるとは思うが比較できるほど発注していない。一度だけ初期のゴム再生アイドラーを純正のと比較試聴した事がある。居合わせたある方はやはり純正が優っていると言っていたが私は違いはよくわからなかった。EMTのようなメジャーなアイドラー以外でも敬遠していたマイナーなレコードプレーヤーのゴム部品も軸周りがダメになっていなければ再生できることがわかって選択の幅が広がったのは良かったと思う。

 その他の消耗部品として回転調整用のフェルトリング、これは常に押し付けられながら回転するので当たり前に擦り減る。交換は周辺の金属部品一式だがフェルトをドーナッツ状に切って張り替えている。ストロボは今まで幸いにも切れたことはない。プラッター軸底部にあるボールベアリングもEMT930では交換したことはない。EMT927ではあるのだが、、それについてはまたの機会に。アイドラーの上下にはベークライトのようなワッシャーが入るのだがこの交換も実はした事がない。モーターの進相コンデンサーはMPコンで経時的に容量が抜ける傾向らしくそうなると振動が増える。EMTからも補正用の小容量コンデンサーの詰め合わせセットが供給されていた。かつてEMT製品の代理店をしていた「河村電気研究所」の解説では50Hzの進相コンデンサーの公称値は1.75μFだが実際のベストの値は1.75〜1.9μFの間に存在する(パンフレットより)らしい。ちなみに同パンフレットに付属していた価格表を見ると1975年5月1日の段階でEMT930は950,000円 EMT927は1,200,000万円から値上がりして1,500,000円 TSD15が55,000円 OFD25が30,000円となっていてEMT930の価格が高い事に少し驚きます。EMT927との価格差も現在を考えれば少ない。


 さてプラッター軸とモーター、アイドラー軸への注油だがEMTからはミシン油のような専用オイルが供給されていて定期的な交換、注油は必須。割とご近所の方のEMT930がオイル切れでプラッター軸が錆びてたという話も聞いています。純正以外でもスクワランオイルや他の高性能オイルの使用記を目にする。純正オイルの供給はされているのかもよくわからないが(どこに訊いたらいいのか)無いよりはマシだろうとテキトウなマシンオイル(ミシン油)を使っていた。今回ちょっと反省して純正以外でどんなオイルが入手できるか調べてみてその中の一つを注文してみた。厳密には色々と並べて比較試聴すべきだろうが、ちょっと人間のパワーが足りない。


3 コメント

2019-08-15 14:48:59
EMT 930に関心があります。

モーターの冷却に関して。木製キャビネットを自作し、入れてお使いのご様子。強制的な冷却はしていないのでしょうか?

神奈川県で930stを使用している方、「LP一枚であっちっちになり、心配している」との記述があります。その方は、裸のシャシーのまま使用しています。

このような業務機で、異常な加熱は考えられません。以下の類推をしていますが、どうお考えですか?


1 異常な加熱は異常。故障している。
2 推定使用室温が低い。(涼しいところで使え)
3 裸のシャシーで使うのが間違っている。キャビネットやコンソールに設置し、吸気(排気)ファンを使うのが当たり前。
迷っています (小泉 久直)


2019-11-30 18:59:48
写真で見たヤフオクのEMT930stを買うか買うまいか迷っています。今まで、ガラード401を使っています。来夏、京都に越しますので、ヤフオクの商品は、60Hzのものです。
 もし、取説がありましたら、お代は払いますので、分けていただけないでしょうか。
 また、操作については、難しいことはないでしょうか?


Re. (koban)
2019-11-30 22:23:05
 こんにちは 
 私はヨーロッパ製品は周波数変換機と昇圧トランスで対応することが多いです。米国製品は60Hzなので当地でも便利なことはあります。
 取説はwebで閲覧できますので検索してみてください。
 操作についてですが特に他のプレーヤーと変わりないと思います。速度調節がちょっと変わってますが問題なく行えます。

 EMT930との出会いの驚きは今でもよく覚えています。時間を忘れて次々にレコードを聴き漁りました。幸せな時間でした。
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/c24ab096249ef19f607a08f3e8f9dc49

EMT930st について(2)
2017-08-27
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/90e2ffd7cd616ebfaf993ac9a04ec247?fm=entry_awc


 Amazonに注文していたオイルが届きました。
 
 30mlで3,832円とかなり高価です。EMTオイルに比べると粘度はかなり低い。ターンテーブル軸受、モーター軸受用のAudio oilでチタン入り。チタン皮膜を形成して摩擦を65%程度減らすとのこと(基準はなんだろう?)古いオイルはしっかりと取り除いた方が良いとのこと。30mlだとターンテーブル軸受けやモーター、アイドラー軸全てに足りる。


 モーター軸周囲にあるフェルトはプラスチックの板で押さえられている。通常は隙間からのオイル補給でいいのだが、今回は全面的に交換なのでこのプラスチック板を外してフェルトも外して給油するつもりだった。しかしプラスチックは脆くなっていて外す時に2つに割れてしまった。。しかし周囲の金属の溝にはまり込むので安定するため支障なしと判断してこのままとします。軸周囲のフェルトは一塊で外せそうもなかったので(板も割れて腰が引けた)古いオイルを拭き取ってからチタンオイルを染み込ませてから板を戻した。

 アイドラー軸はよく掃除して、またアイドラー上部のフェルトもオイルをよく拭き取って再使用する。アイドラーの上下にはベークライト様のワッシャーが入ります。

 一応新品はあるのだが今回は再使用する。戻したフェルトに十分に給油して。

 プラッター軸受はネジ3本で固定されている。ペイントロックされているので多分今まで一度も外されていない様子。オイル交換は軸受のボトムを外してもいいのだがオイル漏れが心配なので軸受ごと外して中を拭き取って交換する。


 フリクションブレーキを外して331/3の定速からアイドラーを解放してどの程度回転が続くかを見るとオイル交換前は6 1/4回転した。(ただしほとんどオイルが入っていない状態だったので参考程度)新たなチタンオイルは溢れるまで入れる。ブレーキなしで同じ様に回してみると17 3/4回転した。止まりそうな低速でもなかなか停止しないのが印象的。チタン皮膜の形成には10時間程度はかかるとのことで楽しみです。

 一連の作業後はアイドラーやターンテーブル内側、モーター軸をよく無水アルコールで拭き取ります。オイルはミスト状となって沈着するので度々この作業は必要。これで試聴してみると、、困ったことが起きました。アイドラーがモーター軸に対して滑るのです。クイックスタートをスタンバイするとプラッターの回転が止まってしまう。プラッター軸の位置は少々遊びがあって調整代があるがオイルの付着で滑っていること以外原因は考えられない。早速無水アルコールで拭き取ってみるもやはり立ち上がりは鈍い。今までこんなトラブルは起こったことがない。やはり高性能オイルの扱いは慎重にする必要があると感じた。拭き取りを繰り返してみます。

 肝心の音は、、アイドラーが滑っている状態では正確な判断はできないわけだが不思議なことに「そういった傾向の音」ではなくとても好ましい。アイドラードライブ業務機の特徴であるゴリゴリ感や溜めがある感じが薄れて素直に滑らかに発音するしモーターの振動の減少や全体の静寂感を感じる。この変化は予想以上だがひょっとするとアイドラーに付着してしまったオイルが一番の要素なのかもしれない。しばらく稼働させてたら(LP5枚くらい)アイドラーのオイル皮膜が切れてきたのかクイックスタートスタンバイ時でも回転は止まらなくなった。静寂感は変わらないので良い方向へ変化したと考えることにします。


 隣町のパーツ屋さんに行ってブラ見していたら店員さんが「お客さん、おもろいもんがありまっせ!」と言って(嘘です)説明してくれたのがこれです。

 名前も説明書も無い袋入り。調べてみるとどうやら話題の製品のようで名前は「LCR-T4」で中華製。抵抗・コンデンサ・インダクタ・ダイオード・トランジスタ・FET等が測定可能というマルチ測定器。
 ICソケットはいっぱい穴が見えるが基本的に1,2,3の3端子しかなく適当にパーツを差し込んで黄色のボタンを押すと測定できるという超アバウトなもの。店頭で見本の周りに散らかっていたパーツをかたっぱしから試してみてから購入した。価格は2000余円だったがネットで調べると送料込みで1000円以下で購入できるらしい。
 ちゃんと使えそうだったので一緒にメタルのケースも買って組み込んでみた。

 懐かしのゲームボーイみたいです。。
   
 トランジスターの選別や私のようなカラーコードの苦手なヒトにはぴったり。表示は自動で消える。マルチメーターは珍しくも無いがこれが数百円(現地では3$らしい)で売られるというのは、、、ちょっと複雑な気分です。安く買えなかった事が気にならないくらい感動的な製品です。

 ところで今回のパーツ屋さん訪店の目的はEMT155stを通さずにカートリッジの出力をダイレクトに取り出すアダプターを作る事。方法は2つあってアームの出力にある7pinソケットから取り出す方法とEMT155stの代わりにコネクターにつなぐ方法。7pin方法だとプレーヤーの裏の作業になるので交換はちょっとやりにくいのとMT7pinプラグは持ち合わせて無いのでもう一方の方法で行きます。EMT930stにEMT155stを装着する時はガイドに沿って滑らすとプラグインするようになっている。同寸法幅のケースは入手できなかったが奥側の壁に沿って押し込めばコネクター接続されるように採寸して組み立てた。肝心のコネクターは以前購入したレプリカ物。
 
 今回はシールド線引き出しとしました。これ以上接点を増やしたく無いため。線材はホントはEMT2121を使いたいところだしピンプラグもEMTロゴが入っていればカッコよろしいのだが何の変哲も無い国産マイクコード。4線コードなのでホット、コールド共にパラにして使う。コールド側はそれに網線が加わるのでなかなか大変。でもずっとこのコード使ってます。

 以前書いたようにEMT155stにOFD25など高出力モノカートリッジを繋ぐと大振幅で歪んでしまいます。EMT155などのモノラルフォノイコライザーが手元のない場合は直接信号を引っ張り出して他の方法で昇圧、イコライズする必要がある。問題なく聴けている場合もあるかと思いますが。。手持ちの昇圧トランスを聞き比べてみた。EMT930stでは初めての試み。

 このEMT930stの程度は普通だと思いますが、ハンマートーンの剥がれが目立つ。アマチュアの憧れ「ハンマートーン」だが手軽なスプレーはほとんど見られなかった(と思います)今回「染めQ」から出ているのをAmazonで購入。

 ハンマートーンでも各色揃っている。まだスプレー塗装していないがまずEMT930stのお化粧直しをしてみた。こんな感じで剥がれてます。デッキは樹脂製。

 小筆でタッチアップして

 結構目立たなくなった。剥がれ部分は塗膜分凹んでいるので肉盛りしつつ行う。

 ターンテーブルの周囲に33 1/3,45,78のマークと謎の凹みがある。
 
 放送で欠かせないレコードの頭出しをする場合に、回転を止めて頭出ししたらレコードの種類に応じた回転数のマークまで針を下ろしたまま手動で戻してクイックスタートのスタンバイをする。ほんのわずかだが定速に達するまでの時間が必要なためで隣の写真の窪みは信号を遮断していたリレーがONとなる位置で回転再開からONになるまでの遅延回路が組み込まれている。クイックスタートは卓のフェーダーとも連動できこれらの機能でストレスなくスムーズに送り出しができる(遅延回路を意識することはなくこの窪みも調整時のマークかと思う)。Thorens TD124では同じくサブターンテーブルを用いるが上方向に持ち上げて回転をストップさせている。Garrard 301でもBBC仕様では何と軸ごとプラッターを上下させて巨大なサブテーブル(ストロボを兼ねる)との接続をコントロールしている。EMT950になるとターンテーブルの逆回転も電気的になりスイッチで行う。頭を決めたらデジタルカウンターをリセットしてから逆回転させるとカウンターはマイナス表示となり、そこからスタートさせると「0000」で回路が繋がる、、というもの。これらは家庭の音楽鑑賞には何の意味もないわけだし各所に負担がかかると言われているが酷使に耐える機構が業務機としての条件だと思うし単純にとても興味深い。
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/90e2ffd7cd616ebfaf993ac9a04ec247?fm=entry_awc
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c4

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
5. 2021年4月07日 06:44:20 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[5]
audio identity (designing)宮ア勝己
Date: 5月 20th, 2009
930stとLNP2(その1)
http://audiosharing.com/blog/?p=629

中野区白鷺のマンションに住まわれていたとき、
瀬川先生は、EMTの930StとマークレビンソンのLNP2を使われていた。
説明は不要だろうが、どちらにもフォノイコライザーアンプがある。
瀬川先生は、どちらのフォノイコライザーアンプを使われていたのか。

ステレオサウンド 43号では、
「ずいぶん誤解されているらしいので愛用者のひとりとしてぜひとも弁護したいが、
だいたいTSD15というのは、EMYのスタジオプレーヤー930または928stのパーツの一部、みたいな存在で、
本当は、プレーヤー内蔵のヘッドアンプを通したライン送りの音になったものを評価すべきものなのだ。」、
「TSDでさえ、勝手なアダプターを作って適当なアームやトランスと組み合わせて
かえって誤解をまき散らしているというのに、SMEと互換性を持たせたXSDなど作るものだから、
心ない人の非難をいっそう浴びる結果になってしまった。EMTに惚れ込んだ一人として、
こうした見当外れの誤解はとても残念だ。」と、
TSD15、XSD15のコメントに、それぞれ書かれている。

55号でのプレーヤーの試聴記でも、内蔵イコライザーアンプの155stを通さない使い方を、
「異例の使い方」「特殊な試聴」とも書かれている。

これらの記事を読むと、おそらく930stの内蔵イコライザーアンプを使われているんだろうと思える。
その一方で、LNP2のイコライザーアンプを使わないというのも、なんとももったいない、と思う。

それに155stの設計は古い。1970年代においてすら、最新のアンプとはいえない。
LNP2のほうが新しい。そう考えると、どっちだったのかと迷う。


1 Comment

pippin
5月 22nd, 2009
REPLY))
930stとLNP-2Lのフォノイコライザー、どちらを使うかは悩むところですね。
私はどちらも929側のフォノケーブルの差し替えで、その時の気分によって使い分けるようにしています。
1本は930stの155stからXLRケーブル(3番ホット)を経てLNP-2Lのライン入力へ。
もう1本は929アームからTH-7559を経てLNP-2Lのフォノ入力へ・・という感じです。
TSD15のみでモノラル盤もステレオ盤も聴きたい場合などは、930stの内蔵フォノイコライザー155stが便利ですね

http://audiosharing.com/blog/?p=629
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c5

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
6. 2021年4月07日 06:45:43 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[6]
Date: 5月 21st, 2009
930stとLNP2(その2)
http://audiosharing.com/blog/?p=630

やはり930stを愛用されていた五味先生は、どちらだったのか。
930stの内蔵アンプなのか、それともマッキントッシュのC22のフォノイコライザーアンプなのか。

「オーディオ愛好家の五条件」で真空管を愛すること、とあげられている。
「倍音の美しさや余韻というものががSG520──というよりトランジスター・アンプそのものに、ない。」とある。
しかし、別項で引用したように、930stの、すべて込みの音を高く評価されている。
ステレオサウンドにいたときに確認したところ、やはり内蔵の155stを通した音を日ごろ聴かれていたそうだ。

五味先生の930stは、オルトフォン製のトーンアーム、RMA229が搭載されている。
ちなみにモノーラル時代の930のそれはRF229である。
930が登場したのが、1956年。モノーラル時代であり、内蔵イコライザーアンプは、管球式の139である。
シリアルナンバーでいえば3589番からステレオ仕様の930stになる。
これにはステレオ仕様の管球式の139stが搭載されている。

そしてシリアルナンバー10750番から、トランジスター式の155stとなり、
14725番電源回路が変更になり、17822番からトーンアームがEMT製929に変更となる。
ただ155stが登場したのが、いつなのかは正確には、まだ知らない。

ただ929が登場したのが1969年で、
155stの兄弟機153stとほぼ同じ回路構成のフォノイコライザーアンプを搭載した928(ベルトドライブ)は、
1968年に登場していることから、おそらく60年代なかばには930stに搭載されていただろう。

155stは、片チャンネルあたりトランジスター8石を使ったディスクリート構成で、入出力にトランスを備えている。
153stは、LM1303M、μA741C、μA748Cと3種のオペアンプを使い、
出力のみトランジスター4石からなるバッファーをもつ。
もちろん入出力にトランスをもつが、155stと同じかというとそうでもない。

出力トランスは1次側に巻き線を2つもち、そのうちの1つがNFB用に使われている。
電源も155stは+側のみだが、153stは正負2電源という違いもある。

回路図を見る限り、155stと153stの開発年代の隔たりは、2、3年とは思えない。
となると155stは、60年代前半のアンプなのかもしれない。
LNP2よりも、10年か、それ以上前のアンプということになる。

http://audiosharing.com/blog/?p=630
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c6

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
7. 2021年4月07日 06:46:50 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[7]
Date: 5月 21st, 2009
930stとLNP2(その3)
http://audiosharing.com/blog/?p=631


「幻のEMT管球式イコライザーアンプを現代につくる」、
この長いタイトルを考えたのも記事の担当者も私で、
初回のカラーページで紹介したEMT純正の139、139stはどちらも完動品で、
155stとの比較試聴もやっている。

使ったプレーヤーは私が直前に購入したトーレンスの101 Limitedで、155stは内蔵した状態で、
139と139stは外付けで外部電源と接続し、いわゆる単体イコライザーアンプとして使った。
モノーラルの139は2台用意していたので、試聴はもちろんステレオで行なっている。

電源の違いも考慮にいれなくてはならないし、もう25年ほど前のことだから、かなり曖昧だが、
意外と管球式の2機種は古さを感じさせなかった。
むしろトランジスター式の155stに、どちらもいえば古さを感じた。
とはいえまとまりのよさは見事で、いわばアクの強いTSD15をうまく補正し活かしている感じは、
155stに分があったように記憶している。

瀬川先生は、ステレオサウンド別冊の「コンポーネントステレオの世界」の80年度版か81年版だったかで、
928を組合せで使われたときに、内蔵イコライザーアンプについて、
928内蔵のモノの方が設計が新しいので、155stよりも現代的な音になっている、といったことを発言されている。

ということは、アンプ単体として見てたときは、瀬川先生も、155stには、やや古さを感じられていたのだろう。
それでも自宅では、155stを通して使われていたはずだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=631
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c7

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
8. 2021年4月07日 06:47:41 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[8]
930stとLNP2(その4)
http://audiosharing.com/blog/?p=632

昨日、偶然にも入手出来た「コンポーネントステレオの世界 ’78」で、瀬川先生は、
4343に惚れ込まれた読者のために、最高に鳴らすための組合せとして、
EMT 930stとマークレビンソンLNP2Lを使われている。

組合せのラインナップの次のとおり。

スピーカーシステム:JBL 4343(¥680,000×2)
コントロールアンプ:マークレビンソン LNP2L(¥1,180,000)
パワーアンプ:SAE Mark 2600(¥755,000)
プレーヤーシステム:EMT 930st(¥1,150,000)
インシュレーター:EMT 930-900(¥280,000)
組合せ合計:¥4,725,000

4341と4343の違い、Mark 2500とMark 2600の違いはあるが、
瀬川先生が、当時常用されていたシステムそのままといえる組合せである。

4343について「JBLというメーカーは、時代感覚をひじょうに敏感に受け取って、
その時代時代の半歩前ぐらいの音を見事に製品化した」もので、
「ベストに鳴らすためには、プレーヤーからアンプまで、
やはり現代の最先端にある製品をもってくる必要がある」と言いながら、930st、である。
http://audiosharing.com/blog/?p=632
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c8

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
9. 2021年4月07日 06:48:25 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[9]

930stとLNP2(その5)
http://audiosharing.com/blog/?p=633

前年までと違い、「コンポーネントステレオの世界 ’78」では、それぞれ2組の組合せをつくられている。
瀬川先生の4343の、もうひとつの組合せは次のとおり。

スピーカーシステム:JBL 4343(¥680,000×2)
コントロールアンプ:DBシステムズ DB1 + DB2(電源部)(¥212,500)
パワーアンプ:ラックス 5M21(¥240,000)
トーンコントロールユニット:ラックス 5F70(¥86,000)
プリメインアンプ:トリオ KA7300D(¥78,000)
フォノモーター:ガラード 401(¥49,000)
トーンアーム:オルトフォン RMG309(¥43,000)
       フィデリティ・リサーチ FR64(¥50,000)
プレーヤーキャビネット:レッドコンソール LAB-II(¥67,000)
カートリッジ:オルトフォン SPU-G/E(¥34,000)
       エレクトロ・アクースティック STS455E(¥29,900)
昇圧トランス:オルトフォン STA384(¥27,000)
組合せ合計:¥2,226,400(DBシステムズ + ラックスの場合)
      ¥1,765,900(トリオの場合)

ここでもプレーヤーには、930stと同じアイドラードライブの401を使われている。
アンプには新しいモノを使われているにも関わらず、である。

ちなみにエレクトロ・アクースティックとはエラック(ELAC)のこと。
これは瀬川先生からきいた話によると、エラックの輸入元(もしくは輸入しようとしていた会社)が、
なぜかエラックを自分の商標として登録してしまったばかりか、
エラックの輸入元が他の会社になってもそのままで、
さらに商標登録の期間がきれたら更新して、という嫌がらせとしか思えないことを続けていたため、
やむなくエレクトロ・アクースティックを使っていたとのこと。

「こんなことは許されないことだ」と、怒りのこもった口調だった。

http://audiosharing.com/blog/?p=633
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c9

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
10. 2021年4月07日 06:49:08 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[10]

930stとLNP2(その6)
http://audiosharing.com/blog/?p=634

DBシステムズのアンプは、マッキントッシュの製品と比較すると、およそ製品とは呼べない面をもつ、
ある種、尖鋭的なところが、音にもつくりにも感じられる。

コントロールアンプのDB1は、ガラスエポキシのプリント基板に入出力のRCA端子、
電源端子を取りつけたものを、そのままリアパネルとしている。
いちおう絶縁のためラッカーで覆ってあるものの、いわば剥き出しに近い状態である。

マッキントッシュでは絶対にやらないことを、デビュー作で堂々とやっている。
フロントパネルもそっけない仕上げで、ツマミもおそらく市販されているものをそのまま流用している感じ。
とにかく、設計者が余計と判断したところには、まったくお金や手間をかけない。
設計者の信じるところの、実質本位なつくりを徹底している。

回路構成も、1970年代のアンプとは思えないもので、
差動回路も上下対称のコンプリメンタリー回路も使っていない。
他がやっているから、といったことはまったく気にしていない。

そんなアンプなのだが、とにかく切れ込みの鋭い、繊細で尖った音を聴かせてくれた。
とっつきにくい音と受けとめられる人も少ないないかもしれないが、
それでも存在価値(いい意味でも悪い意味でも)充分なところを気にいる人も、また少なからずいたであろう。

朝沼予史宏さんが、一時期、使われていた。
まだステレオサウンドに書き始められる前、朝沼という名前を使われる前、
フリーのライターとして編集に携わられていたころだから、
私には、朝沼さんではなく、本名の「沼田さん」だった。

沼田さんがまだ独身で、西新宿のマンション住まいだったころ、
スピーカーはQUADのESLにそっくりのダルキストのDQ1とB&Oのスピーカーを使われていた時期、
アンプはDBシステムズだった。

沼田さんがいちばん尖っていたころの話だ。

DB1の尖りぐあいは、ある種のエネルギッシュな印象にもなっていた。
そんなアンプを、瀬川先生は選びながら、プレーヤーはガラードの401を選ばれたのは、
930stと同じ理由から、である。
http://audiosharing.com/blog/?p=634
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c10

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
11. 2021年4月07日 06:49:58 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[11]

瀬川冬樹氏のこと(番外)
http://audiosharing.com/blog/?p=635

「コンポーネントステレオの世界 ’78」に、芳津翻人(よしづ はると)氏という方が、
「やぶにらみ組み合わせ論(IV)」を書かれている。
IVとあるくらいだから、ステレオサウンド 4号(67年秋号)からはじまり、
13号(70年冬号)、17号(71年冬号)に亘って書いている、と前書きにある。

私が読んだ4回目の記事は、小型スピーカーの組合せの記事。
スピーカー選びから始まって、ロジャースのLS3/5A、スペンドールSA1、
JR(ジム・ロジャース)JR149の組合せを、他の筆者とは違う視点からあれこれ悩みながらつくられていて、
「素人の勝手なたわごと」とことわっておられるが、どうして、なかなかおもしろい。
文章も書き慣れているという印象を受ける。

だから5回目を期待していたのだが、結局、(IV)でおしまい。
ステレオサウンドにはいってから、先輩のIさんにたずねた。
「どうして、芳津翻人さんを使わないんですか」と。

まったく想像してなかった答えだった。
「芳津翻人さんは、瀬川先生のペンネームだから」。
さらに「芳津翻人を違う読み方をしてごらん。ハーツフィールドと読めるでしょ」。

JBLのハーツフィールドは、瀬川先生にとって憧れのスピーカーだったことは、どこかに書いておられる。
ただ山中先生のところで聴かれたとき、憧れのスピーカーではあっても、
自分の求める世界を出してくれるスピーカーではないことを悟った、ということも。

それでも憧れのスピーカーは、いつまでも憧れであり、芳津翻人という名前をつくられたのだろうか。

瀬川先生だということをわかった上で読みなおすと、たしかに「瀬川氏」とよく出てくるし、
音の評価も、瀬川先生とよく似ている。

オーラトーンのスピーカーは好みと違うとあるし、ドイツのヴィソニックの評価はなかなか高い。
このへんは、まさに瀬川先生とそっくりだ。

瀬川先生がいなくなり、芳津翻人さんもいなくなった。

http://audiosharing.com/blog/?p=635
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c11

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
12. 2021年4月07日 06:50:36 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[12]

930stとLNP2(その7)
http://audiosharing.com/blog/?p=636


1977年には、国産のプレーヤーシステムは、ほぼすべてダイレクトドライブになっていた。
ワウ・フラッターは、930st、401よりも一桁以上少ない優秀さで、
401のように、ある程度の重量のあるそしてがっしりしたキャビネットに、取付け方法も工夫しないと、
ゴロが出るようなモノは皆無だった。

使いやすく性能も優れているにも関わらず、大事な音を再現してくれる良さから、瀬川先生は、
あえて旧式の930stや401を選択されるとともに、
「このところ少しDD(ダイレクトドライブ)不信」みたいなところに陥っているとも発言されている。

401を中心としたプレーヤーは、EMTではなくオルトフォンとエラックのカートリッジの組合せで構成されている。
これは、EMTのTSD15を単体で使ってほしくないという、気持の現われからだろう。

さらに「コンポーネントステレオの世界 ’78」では次のように語られている。
「このプレーヤー(930st)にはイコライザーアンプが内蔵されていますから、LNP2Lというコントロールアンプをなぜ使うのかと、疑問をもたれるかもしれません。事実その点について、他の場所でもいろいろな方から訊ねられます。念のためにいえば、930stのいわゆるライン出力をアッテネーターを通してパワーアンプに入れれば、スピーカーから音が出てくるわけですね。それなのになぜ、コントロールアンプを使うのか。
 これは自分の装置で長時間かけて確かめたことですが、プレーヤーのライン出力をアッテネーターだけを通して直接パワーアンプにいれるよりも、このマークレビンソンのコントロールアンプで、しかもイコライザーを使わないで、AUXからプリアウトまでの回路を通した音のほうが、いいんです。つまりLNP2Lの半分しか使わないことになるんだけれど、そうやってスピーカーを鳴らしたほうが、音楽の表権力や空間的なひろがりや音楽のニュアンスなどが、ひときわ鮮やかに出てくるんですね。このことは、技術的にいえばおかしいのかもしれません。しかし現実問題としては、私の耳にはそういう形にした場合のほうが音がよく聴こえるわけです。」

http://audiosharing.com/blog/?p=636
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c12

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
13. 2021年4月07日 06:51:13 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[13]

930stとLNP2(その8)
http://audiosharing.com/blog/?p=637

LNP2Lは、フォノ入力から出力まで計3つのモジュールを、信号は通っていく。
だから、フォノアンプを使わないでも、3分の2は使っていることになるし、
瀬川先生のLNP2Lはバッファー搭載だったはずだから、4分の3の使用となる。

とはいえ瀬川先生はまったくLNP2Lのフォノアンプを使われなかったかというと、そうでもないだろう。
ステレオサウンド 38号の瀬川先生のリスニングルームには、
930stの他にラックスのPD121にオーディオクラフトのAC300MCの組合せがあり、
写真をよく見ると、EMTのXSD15が取りつけてある。930stにはTSD15の旧型がついている。

「コンポーネントステレオの世界 ’78」でも、
「自分自身では、そういいながら、トランスと組合せて単体でよく使いますけど、
これはEMTの癖を十分に知っているんでやっていることで、ふつうの方にはあまりおすすめできません」と。

これはLNP2Lのフォノアンプに接がっていたのだろう。

ところでLNP2にはなかった入力端子が、JC2にはついていた。
REMOTE PHONOという端子で、これはAUXと同じライン入力。
つまり、イコライザーアンプ内蔵のプレーヤーを接続するための端子なのだろう。

JC2が登場した1974年、イコライザーアンプ内蔵のプレーヤーシステムは、EMT以外に何があったのだろうか。
私が知る限り、少なくとも日本に輸入されていたモノには、ない。

マーク・レヴィンソンは、自宅ではLNP2よりもJC2を常用している、とインタビューで答えている。
ということは、レヴィンソンはEMTのプレーヤーを、この時期、使っていたのだろうか。
http://audiosharing.com/blog/?p=637
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c13

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
14. 2021年4月07日 06:51:51 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[14]

930stとLNP2(その9)
http://audiosharing.com/blog/?p=638

「インドに行き古典音楽についての勉強をアリ・アクバール・カーンの示した道に沿ってすすめたい」と考え、
1972年に旅券と飛行機の切符まで手にしていたマーク・レヴィンソンは、
録音器材を入手するために、わざわざスイスに立ち寄っている。
なにもスイスまで行かなくてもアメリカでも手に入るものだろうと思うのだが、
レヴィンソンはステラヴォックスを訪ねている。

ここでステラヴォックスの社主のジョルジュ・クエレに相談にのってもらい、演奏家の道を断念し、
オーディオ・エレクトロニクスへ向かう道を選択している。

クエレとの対話の中で、エレクトロニクスの道に進みながらでも、
「音楽に対するひとつの精神的な基盤を維持することは可能なのだという確信」を得たからである。

その基盤とは「沢山の人々がレコードをきくことに対して抱いている欲求、それを満たすために、
テクノロジーを音楽および音楽家に奉仕するものとして使うことの必然性をはっきりと認識すること」と、
ステレオサウンド 45号に掲載されている特別インタビューで語っている。

70年代当時、アメリカでEMTがどういう位置づけにあったのか、輸入されていたのかは、はっきりしない。
ステラヴォックスを買いに、わざわざスイスまで行くということは、意外にも輸入されていなかったのかもしれない。
そうだとしたらEMTも輸入されていたどうかは微妙なところだろう。
それとも輸入されてはいたけれど、旅費を使ってでもスイスで買ったほうが安かったのかもしれない。
まだ会社を興す前の話である。

スイスには、トーレンスがある。
http://audiosharing.com/blog/?p=638
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c14

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
15. 2021年4月07日 06:52:26 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[15]

930stとLNP2(その10)
http://audiosharing.com/blog/?p=639

レヴィンソンがスイスに渡ったときに、
トーレンスのベルトドライブ機をベースにしたEMTの928の存在を知ったのか、
それ以前に知っていたのか、どうかは判断しようがないが、
ほとんどなんの根拠もない推測(妄想にちかい)だが、928を使っていたのではないかと思えてくる。

927Dst、930stのイメージと若き日のレヴィンソン自身のイメージがうまく結びつかないのと、
928ならば、なんとなくレヴィンソンが使っていても不思議ではないという気がするというだけなのだが……。

もしそうだとしたら、JC2のREMOTE PHONOの説明がつく。
電源がPLS150への変更による強化、入出力端子がRCA端子からCAMAC規格のLEMO端子になったときに、
シリアルナンバー2148番からのJC2(日本での型番はJC2L)にはREMOTE PHONO端子はない。
かわりにPHONO入力が2系統に増えている。

さらに内部も変更が加えられ、フォノカードに、A3、D5、D6の3種類が用意されるようになった。
A3が、いわゆる通常のフォノ入力で、MM型カートリッジもしくは昇圧トランス、ヘッドアンプ用。
D5、D6はMC型カートリッジ用で、D5カードの説明には、
System D5 offers 54 and 60dB gain positions. 54dB is recommended as the optimum for the EMT cartridge. The gain setting will yield an incredible signal to noise ratio without overloading for EMT.
と記されている。

D5カードがゲインを54、60dBに切り換えられるように、A3カードも、30、40dBと切換え可能だ。
こちらの説明は次のとおり。
Certain high output moving coil cartridges such as the EMT, the Supex 901, the Satin, and the Ultimo, may be used in more efficient systems with the 40dB gain implemented.

少なくともEMTのカートリッジは使っていたのだろう。

http://audiosharing.com/blog/?p=639
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c15

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
16. 2021年4月07日 06:53:08 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[16]

930stとLNP2(その11)
http://audiosharing.com/blog/?p=640


LNP2のモジュールの数は通常で、VU駆動用のものを含めて8つ、オプションのパッファーを加えると10。
JC2とはいうと、フォノアンプ、ラインアンプのモジュールがそれぞれ2つずつ、
それにフォノアンプ・モジュール用の専用の電源モジュールの計5つ。
オプションとして、ヘッドアンプのJC1のモジュールタイプ(JC1SM)を、
フォノアンプ・モジュールの間に組み込めるようになっている。

フォノアンプ・モジュールはフロントパネル寄りにあり、モジュールとリアパネルのあいだに、
RIAAイコライザー用のカードが挿さっている。
コンデンサー、抵抗から構成されている。このカードが、フォノアンプのNFB素子となる。
このカードを交換することで、JC2のフォノアンプは、A3、D5、D6システムへとなる。
シリアルナンバー2148以前のJC2はどうなっていたかというと、ABCDEFの6つのシステムが用意されていた。
JC2のINSTRUCTION MANUAL には、こうある。

A System
Two UP-1A cards are normally supplied with the JC-2 unless otherwise specified. This system accepts Input impedance: 47kOhms.
B System
The UP-1B system offers lower sensitivity but increased headroom for the highest output magnetic phono cartridges.
C System
This set provides exact equalization for the Brüel & Kjaer series of cartridge measurement records. Information on request.
D System
This system includes two UP-1D cards and a JC-1SM module. It offers DIRECT moving coil cartridge input.
E System
Provides equalization and DC current source for certain gauge cartridges. Information on request.
F System
Flat response amplification. Specify application and requirements.

http://audiosharing.com/blog/?p=640
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c16

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
17. 2021年4月07日 06:53:46 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[17]

930stとLNP2(その12)
http://audiosharing.com/blog/?p=641

LNP2のフォノアンプには、このようなキメ細かい対応は用意されていない。
両機種のブロックダイアグラムやこれらのこと、
さらにLNP2は信号系のモジュールはすべて共通だが、
JC2はフォノアンプとラインアンプのモジュールは回路構成からして異ることなどを比較してはっきりしてくるのは、
JC2はアナログディスク再生に、LNP2はライン入力に主眼がおかれていることだ。

JC2の、この構成は、のちにディネッセンのJC80を生むことにつながっていく。
そしてJC2のもつ可能性が本領発揮となるには、ML6までの時間を必要とした。
JC2は未完の大器的色あいが濃い。

このことは別項「Mark Levinsonというブランドの特異性」で書く予定だが、
もう少し先、というかかなり先になりそう。

実は、この項は2回で終るつもりだったのが書いているうちに(その12)になってしまった。
ML6のことも書き始めると、かなり長くなりそうな気がする……。
http://audiosharing.com/blog/?p=641
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c17

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
18. 2021年4月07日 06:54:25 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[18]

930stとLNP2(余談)
http://audiosharing.com/blog/?p=642


瀬川先生は、ステレオサウンド 55号でも、専用インシュレーター930-900なくしては、
「930stの音の良さは全く生かされない」と断言されている。
「コンポーネントステレオの世界 ’78」の組合せで、当然使われている。

930-900をお使いの方ならば、後ろ側に短いリード線が出ているのに気づかれているだろう。
意外と、このリード線をどこにも接がず、そのままにされている方も少なくないようだ。

930-900についてくる、たった1枚の説明書(ともいえいない内容)には、
どこに接続しろ、とは書いてなかったと記憶している。
不親切だともいえるのだが、930stはプロ用機器であり、
これを使うのは本来プロの現場に携わっている人たちだから、
そんなことは書かなくてもわかっているだろう、とEMTの人たちは考えていたのだろうか。

たしかにそうなのだが、それでもインシュレーターだけで約30万円もするのだから、
輸入元が独自に説明書をつけてもよかっただろうに、とは思う。

ではどこに接続するのか。

930-900から出ているリード線をよく見てほしい。
黄色と緑のまだら線だ。基本的にこれはアース用の配線を示している。
次に930stの出力端子の周辺をじっくり見てほしい。
このコネクターを固定しているネジのところに、同じ模様のリード線が接続されているはず。

私は101 Limitedを使っていたとき、ここに接続していた。
これ以外に接続はできない。ちょうどよい長さになっていることにも気がつく。

もっとも接がなかったからといってハムが出たり不具合が生じるわけではない。
ただ、いまのように高周波ノイズが飛び交っている状況では、
原則としてデッドメタル(どこにも接続されていない金属)は極力なくしたい。

デッドメタルをなくすことで、ほんのわずかSN比が向上するかもしれないし、
場合によっては、音が悪くなることもないわけではない。

ここは先入観をもたずに音を聴いて、どうするかは判断してほしい。

http://audiosharing.com/blog/?p=642
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c18

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
19. 2021年4月07日 06:55:03 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[19]

930stとLNP2(補足)
http://audiosharing.com/blog/?p=643


EMTとプロ用機器のメーカー、トーレンスはコンシューマー用機器のメーカー、
トーレンスのプレーヤー(TD125)をプロ用機器として仕上げたのがEMTの928であり、
トーレンス同様、コイルスプリングによるサスペンション機構を備えているし、
三相シンクロナスモーターを使用していところは、930stも928も同じだが、
928は発振器とアンプによる駆動方式を採用することで、電源周波数の50Hz、60Hzに関係なく使用できる。

ただストロボスコープに関しては、切替スイッチがついている。

930stと928は、アイドラーかベルトかという違い以上に、
細部を見ればみるほどコンセプトそのものの違いがわかってきておもしろい。

930stとトーレンスの101 Limitedにも、ちいさな違いがある。
すべてのロットがそうなっていたのかまでは不明だが、少なくとも私が使っていた、ごく初期のモノは、
出力端子の裏側に抵抗がハンダ付けしてある。
930stの回路図には、この抵抗は存在しない。

101 Limited (930st) の出力端子は、1a、1bが右チャンネルの+と−、4a、4bが左チャンネルの+と−で、
この抵抗は1aと1b、4aと4bを結ぶように取りつけられている。
出力に対し並列に入っているわけで、インピーダンス整合のためのものであることは、はっきりしている。

930stはプロ用機器でプロが使うモノとして、この抵抗は取りつけられていない。
930stが使われる現場では、必要のないものだし、使う人もインピーダンス整合のことは理解しているからだ。

その930stをコンシューマー機器として出すにあたっての、これは、トーレンスの配慮であろう。

101 Limitedが使われるであろう、一般家庭にあるコントロールアンプで
600Ω(もしくは200Ω)の入力をもつモノは、まず存在しないからだ。

トーレンス101 Limitedは、930stの色を塗り替えただけのモノではない。
たった抵抗2本のことにすぎないが、ここにメーカーの良心を感じる。

http://audiosharing.com/blog/?p=643
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c19

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
20. 2021年4月07日 06:55:47 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[20]
瀬川冬樹氏のこと(その58)
http://audiosharing.com/blog/?p=645

知りたかったことが、もうひとつ「コンポーネントステレオの世界 ’78」にあった。
瀬川先生がヨーロッパのコンサートホールでの低音について、どう感じておられたか、があった。
     ※
パワーアンプにSAEのMARK2600をもってきたことの理由の一つは、LNP2Lを通すと音がやや細い、シャープな感じになるんですが、このパワーアンプは音を少しふくらまして出すという性格をもっているからです。
それを嫌う方がいらっしゃることは知っています。しかし私の貧しい経験でいえば、欧米のコンサートホールでクラシック音楽を聴いて、日本でいわれてきた、また信じてきたクラシック音楽の音のバランスよりも、低域がもっと豊かで、柔らかくて、厚みがある音がするということに気がつきました。そこでこのMARK2600というパワーアンプの音は、一般にいわれるような、低域がゆるんでいるとかふくらみすぎているのではなく、少なくともこれくらい豊かに低域が鳴るべきなんだと思うんですね。
     ※
やっぱりと思い、うれしかった。
この発言から30年が経っているいまも、日本では、低音を出すことに、臆病のままではないだろうか。

http://audiosharing.com/blog/?p=645
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c20

[リバイバル3] レコードプレイヤー EMT 930st 中川隆
21. 2021年4月07日 06:56:22 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[21]

930stとLNP2(その5・補足)
http://audiosharing.com/blog/?p=646

(その5)に書いた4343の組合せのトーンアームに、フィデリティ・リサーチのFR64がある。
これはFR64Sのほうではなく、アルミニウム製のFR64を選ばれている。
こちらを瀬川先生は高く評価されていた。

一般に評価の高いステンレス製のFR64Sについては、「私の試聴したものは多少カン高い傾向の音だった。
その後改良されて音のニュアンスが変っているという話を聞いたが、現時点(1977年)では64のほうを推す次第。」
とステレオサウンド 43号に書かれている。

もう1本のほう、オルトフォンのRMG309については、こう書かれている。
「SPU(GおよびA)タイプのカートリッジを、最もオルトフォンらしく鳴らしたければ、
やはりRMG309を第一に奨めたい。個人的には不必要に長いアームは嫌いなのだが、
プレーヤーボードをできるだけ堅固に、共振をおさえて組み上げれば、しっかりと根を張ったようなに安定な、
重量感と厚みのある渋い音質が満喫できる。こういう充実感のある音を、
国産のアームで聴くことができないのは何ともすしぎなことだ。」

この時期、オルトフォンのRMG212が再発売されている。
かなり以前に製造中止になっていたのだが、
瀬川先生が、1975年に来日したオルトフォンの担当者に要請したのが、再生産のきっかけである。

こうやって読んでいくと、瀬川先生がアナログプレーヤーに求められていたものが、
すこしずつはっきりしてくるような気がする。

http://audiosharing.com/blog/?p=646
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html#c21

[リバイバル3] チェロ AUDIO SUITE + Performance 中川隆
34. 中川隆[-5946] koaQ7Jey 2021年4月07日 07:00:28 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[22]
audio identity (designing)宮ア勝己
Date: 5月 20th, 2009
930stとLNP2(その1)
http://audiosharing.com/blog/?p=629

中野区白鷺のマンションに住まわれていたとき、
瀬川先生は、EMTの930StとマークレビンソンのLNP2を使われていた。
説明は不要だろうが、どちらにもフォノイコライザーアンプがある。
瀬川先生は、どちらのフォノイコライザーアンプを使われていたのか。

ステレオサウンド 43号では、
「ずいぶん誤解されているらしいので愛用者のひとりとしてぜひとも弁護したいが、
だいたいTSD15というのは、EMYのスタジオプレーヤー930または928stのパーツの一部、みたいな存在で、
本当は、プレーヤー内蔵のヘッドアンプを通したライン送りの音になったものを評価すべきものなのだ。」、
「TSDでさえ、勝手なアダプターを作って適当なアームやトランスと組み合わせて
かえって誤解をまき散らしているというのに、SMEと互換性を持たせたXSDなど作るものだから、
心ない人の非難をいっそう浴びる結果になってしまった。EMTに惚れ込んだ一人として、
こうした見当外れの誤解はとても残念だ。」と、
TSD15、XSD15のコメントに、それぞれ書かれている。

55号でのプレーヤーの試聴記でも、内蔵イコライザーアンプの155stを通さない使い方を、
「異例の使い方」「特殊な試聴」とも書かれている。

これらの記事を読むと、おそらく930stの内蔵イコライザーアンプを使われているんだろうと思える。
その一方で、LNP2のイコライザーアンプを使わないというのも、なんとももったいない、と思う。

それに155stの設計は古い。1970年代においてすら、最新のアンプとはいえない。
LNP2のほうが新しい。そう考えると、どっちだったのかと迷う。


1 Comment

pippin
5月 22nd, 2009
REPLY))
930stとLNP-2Lのフォノイコライザー、どちらを使うかは悩むところですね。
私はどちらも929側のフォノケーブルの差し替えで、その時の気分によって使い分けるようにしています。
1本は930stの155stからXLRケーブル(3番ホット)を経てLNP-2Lのライン入力へ。
もう1本は929アームからTH-7559を経てLNP-2Lのフォノ入力へ・・という感じです。
TSD15のみでモノラル盤もステレオ盤も聴きたい場合などは、930stの内蔵フォノイコライザー155stが便利ですね

http://audiosharing.com/blog/?p=629


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Date: 5月 21st, 2009
930stとLNP2(その2)
http://audiosharing.com/blog/?p=630

やはり930stを愛用されていた五味先生は、どちらだったのか。
930stの内蔵アンプなのか、それともマッキントッシュのC22のフォノイコライザーアンプなのか。

「オーディオ愛好家の五条件」で真空管を愛すること、とあげられている。
「倍音の美しさや余韻というものががSG520──というよりトランジスター・アンプそのものに、ない。」とある。
しかし、別項で引用したように、930stの、すべて込みの音を高く評価されている。
ステレオサウンドにいたときに確認したところ、やはり内蔵の155stを通した音を日ごろ聴かれていたそうだ。

五味先生の930stは、オルトフォン製のトーンアーム、RMA229が搭載されている。
ちなみにモノーラル時代の930のそれはRF229である。
930が登場したのが、1956年。モノーラル時代であり、内蔵イコライザーアンプは、管球式の139である。
シリアルナンバーでいえば3589番からステレオ仕様の930stになる。
これにはステレオ仕様の管球式の139stが搭載されている。

そしてシリアルナンバー10750番から、トランジスター式の155stとなり、
14725番電源回路が変更になり、17822番からトーンアームがEMT製929に変更となる。
ただ155stが登場したのが、いつなのかは正確には、まだ知らない。

ただ929が登場したのが1969年で、
155stの兄弟機153stとほぼ同じ回路構成のフォノイコライザーアンプを搭載した928(ベルトドライブ)は、
1968年に登場していることから、おそらく60年代なかばには930stに搭載されていただろう。

155stは、片チャンネルあたりトランジスター8石を使ったディスクリート構成で、入出力にトランスを備えている。
153stは、LM1303M、μA741C、μA748Cと3種のオペアンプを使い、
出力のみトランジスター4石からなるバッファーをもつ。
もちろん入出力にトランスをもつが、155stと同じかというとそうでもない。

出力トランスは1次側に巻き線を2つもち、そのうちの1つがNFB用に使われている。
電源も155stは+側のみだが、153stは正負2電源という違いもある。

回路図を見る限り、155stと153stの開発年代の隔たりは、2、3年とは思えない。
となると155stは、60年代前半のアンプなのかもしれない。
LNP2よりも、10年か、それ以上前のアンプということになる。

http://audiosharing.com/blog/?p=630



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Date: 5月 21st, 2009
930stとLNP2(その3)
http://audiosharing.com/blog/?p=631

「幻のEMT管球式イコライザーアンプを現代につくる」、
この長いタイトルを考えたのも記事の担当者も私で、
初回のカラーページで紹介したEMT純正の139、139stはどちらも完動品で、
155stとの比較試聴もやっている。

使ったプレーヤーは私が直前に購入したトーレンスの101 Limitedで、155stは内蔵した状態で、
139と139stは外付けで外部電源と接続し、いわゆる単体イコライザーアンプとして使った。
モノーラルの139は2台用意していたので、試聴はもちろんステレオで行なっている。

電源の違いも考慮にいれなくてはならないし、もう25年ほど前のことだから、かなり曖昧だが、
意外と管球式の2機種は古さを感じさせなかった。
むしろトランジスター式の155stに、どちらもいえば古さを感じた。
とはいえまとまりのよさは見事で、いわばアクの強いTSD15をうまく補正し活かしている感じは、
155stに分があったように記憶している。

瀬川先生は、ステレオサウンド別冊の「コンポーネントステレオの世界」の80年度版か81年版だったかで、
928を組合せで使われたときに、内蔵イコライザーアンプについて、
928内蔵のモノの方が設計が新しいので、155stよりも現代的な音になっている、といったことを発言されている。

ということは、アンプ単体として見てたときは、瀬川先生も、155stには、やや古さを感じられていたのだろう。
それでも自宅では、155stを通して使われていたはずだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=631



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930stとLNP2(その4)
http://audiosharing.com/blog/?p=632

昨日、偶然にも入手出来た「コンポーネントステレオの世界 ’78」で、瀬川先生は、
4343に惚れ込まれた読者のために、最高に鳴らすための組合せとして、
EMT 930stとマークレビンソンLNP2Lを使われている。

組合せのラインナップの次のとおり。

スピーカーシステム:JBL 4343(¥680,000×2)
コントロールアンプ:マークレビンソン LNP2L(¥1,180,000)
パワーアンプ:SAE Mark 2600(¥755,000)
プレーヤーシステム:EMT 930st(¥1,150,000)
インシュレーター:EMT 930-900(¥280,000)
組合せ合計:¥4,725,000

4341と4343の違い、Mark 2500とMark 2600の違いはあるが、
瀬川先生が、当時常用されていたシステムそのままといえる組合せである。

4343について「JBLというメーカーは、時代感覚をひじょうに敏感に受け取って、
その時代時代の半歩前ぐらいの音を見事に製品化した」もので、
「ベストに鳴らすためには、プレーヤーからアンプまで、
やはり現代の最先端にある製品をもってくる必要がある」と言いながら、930st、である。
http://audiosharing.com/blog/?p=632



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930stとLNP2(その5)
http://audiosharing.com/blog/?p=633

前年までと違い、「コンポーネントステレオの世界 ’78」では、それぞれ2組の組合せをつくられている。
瀬川先生の4343の、もうひとつの組合せは次のとおり。

スピーカーシステム:JBL 4343(¥680,000×2)
コントロールアンプ:DBシステムズ DB1 + DB2(電源部)(¥212,500)
パワーアンプ:ラックス 5M21(¥240,000)
トーンコントロールユニット:ラックス 5F70(¥86,000)
プリメインアンプ:トリオ KA7300D(¥78,000)
フォノモーター:ガラード 401(¥49,000)
トーンアーム:オルトフォン RMG309(¥43,000)
       フィデリティ・リサーチ FR64(¥50,000)
プレーヤーキャビネット:レッドコンソール LAB-II(¥67,000)
カートリッジ:オルトフォン SPU-G/E(¥34,000)
       エレクトロ・アクースティック STS455E(¥29,900)
昇圧トランス:オルトフォン STA384(¥27,000)
組合せ合計:¥2,226,400(DBシステムズ + ラックスの場合)
      ¥1,765,900(トリオの場合)

ここでもプレーヤーには、930stと同じアイドラードライブの401を使われている。
アンプには新しいモノを使われているにも関わらず、である。

ちなみにエレクトロ・アクースティックとはエラック(ELAC)のこと。
これは瀬川先生からきいた話によると、エラックの輸入元(もしくは輸入しようとしていた会社)が、
なぜかエラックを自分の商標として登録してしまったばかりか、
エラックの輸入元が他の会社になってもそのままで、
さらに商標登録の期間がきれたら更新して、という嫌がらせとしか思えないことを続けていたため、
やむなくエレクトロ・アクースティックを使っていたとのこと。

「こんなことは許されないことだ」と、怒りのこもった口調だった。

http://audiosharing.com/blog/?p=633



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930stとLNP2(その6)
http://audiosharing.com/blog/?p=634

DBシステムズのアンプは、マッキントッシュの製品と比較すると、およそ製品とは呼べない面をもつ、
ある種、尖鋭的なところが、音にもつくりにも感じられる。

コントロールアンプのDB1は、ガラスエポキシのプリント基板に入出力のRCA端子、
電源端子を取りつけたものを、そのままリアパネルとしている。
いちおう絶縁のためラッカーで覆ってあるものの、いわば剥き出しに近い状態である。

マッキントッシュでは絶対にやらないことを、デビュー作で堂々とやっている。
フロントパネルもそっけない仕上げで、ツマミもおそらく市販されているものをそのまま流用している感じ。
とにかく、設計者が余計と判断したところには、まったくお金や手間をかけない。
設計者の信じるところの、実質本位なつくりを徹底している。

回路構成も、1970年代のアンプとは思えないもので、
差動回路も上下対称のコンプリメンタリー回路も使っていない。
他がやっているから、といったことはまったく気にしていない。

そんなアンプなのだが、とにかく切れ込みの鋭い、繊細で尖った音を聴かせてくれた。
とっつきにくい音と受けとめられる人も少ないないかもしれないが、
それでも存在価値(いい意味でも悪い意味でも)充分なところを気にいる人も、また少なからずいたであろう。

朝沼予史宏さんが、一時期、使われていた。
まだステレオサウンドに書き始められる前、朝沼という名前を使われる前、
フリーのライターとして編集に携わられていたころだから、
私には、朝沼さんではなく、本名の「沼田さん」だった。

沼田さんがまだ独身で、西新宿のマンション住まいだったころ、
スピーカーはQUADのESLにそっくりのダルキストのDQ1とB&Oのスピーカーを使われていた時期、
アンプはDBシステムズだった。

沼田さんがいちばん尖っていたころの話だ。

DB1の尖りぐあいは、ある種のエネルギッシュな印象にもなっていた。
そんなアンプを、瀬川先生は選びながら、プレーヤーはガラードの401を選ばれたのは、
930stと同じ理由から、である。
http://audiosharing.com/blog/?p=634


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瀬川冬樹氏のこと(番外)
http://audiosharing.com/blog/?p=635

「コンポーネントステレオの世界 ’78」に、芳津翻人(よしづ はると)氏という方が、
「やぶにらみ組み合わせ論(IV)」を書かれている。
IVとあるくらいだから、ステレオサウンド 4号(67年秋号)からはじまり、
13号(70年冬号)、17号(71年冬号)に亘って書いている、と前書きにある。

私が読んだ4回目の記事は、小型スピーカーの組合せの記事。
スピーカー選びから始まって、ロジャースのLS3/5A、スペンドールSA1、
JR(ジム・ロジャース)JR149の組合せを、他の筆者とは違う視点からあれこれ悩みながらつくられていて、
「素人の勝手なたわごと」とことわっておられるが、どうして、なかなかおもしろい。
文章も書き慣れているという印象を受ける。

だから5回目を期待していたのだが、結局、(IV)でおしまい。
ステレオサウンドにはいってから、先輩のIさんにたずねた。
「どうして、芳津翻人さんを使わないんですか」と。

まったく想像してなかった答えだった。
「芳津翻人さんは、瀬川先生のペンネームだから」。
さらに「芳津翻人を違う読み方をしてごらん。ハーツフィールドと読めるでしょ」。

JBLのハーツフィールドは、瀬川先生にとって憧れのスピーカーだったことは、どこかに書いておられる。
ただ山中先生のところで聴かれたとき、憧れのスピーカーではあっても、
自分の求める世界を出してくれるスピーカーではないことを悟った、ということも。

それでも憧れのスピーカーは、いつまでも憧れであり、芳津翻人という名前をつくられたのだろうか。

瀬川先生だということをわかった上で読みなおすと、たしかに「瀬川氏」とよく出てくるし、
音の評価も、瀬川先生とよく似ている。

オーラトーンのスピーカーは好みと違うとあるし、ドイツのヴィソニックの評価はなかなか高い。
このへんは、まさに瀬川先生とそっくりだ。

瀬川先生がいなくなり、芳津翻人さんもいなくなった。

http://audiosharing.com/blog/?p=635


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930stとLNP2(その7)
http://audiosharing.com/blog/?p=636

1977年には、国産のプレーヤーシステムは、ほぼすべてダイレクトドライブになっていた。
ワウ・フラッターは、930st、401よりも一桁以上少ない優秀さで、
401のように、ある程度の重量のあるそしてがっしりしたキャビネットに、取付け方法も工夫しないと、
ゴロが出るようなモノは皆無だった。

使いやすく性能も優れているにも関わらず、大事な音を再現してくれる良さから、瀬川先生は、
あえて旧式の930stや401を選択されるとともに、
「このところ少しDD(ダイレクトドライブ)不信」みたいなところに陥っているとも発言されている。

401を中心としたプレーヤーは、EMTではなくオルトフォンとエラックのカートリッジの組合せで構成されている。
これは、EMTのTSD15を単体で使ってほしくないという、気持の現われからだろう。

さらに「コンポーネントステレオの世界 ’78」では次のように語られている。
「このプレーヤー(930st)にはイコライザーアンプが内蔵されていますから、LNP2Lというコントロールアンプをなぜ使うのかと、疑問をもたれるかもしれません。事実その点について、他の場所でもいろいろな方から訊ねられます。念のためにいえば、930stのいわゆるライン出力をアッテネーターを通してパワーアンプに入れれば、スピーカーから音が出てくるわけですね。それなのになぜ、コントロールアンプを使うのか。
 これは自分の装置で長時間かけて確かめたことですが、プレーヤーのライン出力をアッテネーターだけを通して直接パワーアンプにいれるよりも、このマークレビンソンのコントロールアンプで、しかもイコライザーを使わないで、AUXからプリアウトまでの回路を通した音のほうが、いいんです。つまりLNP2Lの半分しか使わないことになるんだけれど、そうやってスピーカーを鳴らしたほうが、音楽の表権力や空間的なひろがりや音楽のニュアンスなどが、ひときわ鮮やかに出てくるんですね。このことは、技術的にいえばおかしいのかもしれません。しかし現実問題としては、私の耳にはそういう形にした場合のほうが音がよく聴こえるわけです。」

http://audiosharing.com/blog/?p=636


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930stとLNP2(その8)
http://audiosharing.com/blog/?p=637

LNP2Lは、フォノ入力から出力まで計3つのモジュールを、信号は通っていく。
だから、フォノアンプを使わないでも、3分の2は使っていることになるし、
瀬川先生のLNP2Lはバッファー搭載だったはずだから、4分の3の使用となる。

とはいえ瀬川先生はまったくLNP2Lのフォノアンプを使われなかったかというと、そうでもないだろう。
ステレオサウンド 38号の瀬川先生のリスニングルームには、
930stの他にラックスのPD121にオーディオクラフトのAC300MCの組合せがあり、
写真をよく見ると、EMTのXSD15が取りつけてある。930stにはTSD15の旧型がついている。

「コンポーネントステレオの世界 ’78」でも、
「自分自身では、そういいながら、トランスと組合せて単体でよく使いますけど、
これはEMTの癖を十分に知っているんでやっていることで、ふつうの方にはあまりおすすめできません」と。

これはLNP2Lのフォノアンプに接がっていたのだろう。

ところでLNP2にはなかった入力端子が、JC2にはついていた。
REMOTE PHONOという端子で、これはAUXと同じライン入力。
つまり、イコライザーアンプ内蔵のプレーヤーを接続するための端子なのだろう。

JC2が登場した1974年、イコライザーアンプ内蔵のプレーヤーシステムは、EMT以外に何があったのだろうか。
私が知る限り、少なくとも日本に輸入されていたモノには、ない。

マーク・レヴィンソンは、自宅ではLNP2よりもJC2を常用している、とインタビューで答えている。
ということは、レヴィンソンはEMTのプレーヤーを、この時期、使っていたのだろうか。
http://audiosharing.com/blog/?p=637


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930stとLNP2(その9)
http://audiosharing.com/blog/?p=638

「インドに行き古典音楽についての勉強をアリ・アクバール・カーンの示した道に沿ってすすめたい」と考え、
1972年に旅券と飛行機の切符まで手にしていたマーク・レヴィンソンは、
録音器材を入手するために、わざわざスイスに立ち寄っている。
なにもスイスまで行かなくてもアメリカでも手に入るものだろうと思うのだが、
レヴィンソンはステラヴォックスを訪ねている。

ここでステラヴォックスの社主のジョルジュ・クエレに相談にのってもらい、演奏家の道を断念し、
オーディオ・エレクトロニクスへ向かう道を選択している。

クエレとの対話の中で、エレクトロニクスの道に進みながらでも、
「音楽に対するひとつの精神的な基盤を維持することは可能なのだという確信」を得たからである。

その基盤とは「沢山の人々がレコードをきくことに対して抱いている欲求、それを満たすために、
テクノロジーを音楽および音楽家に奉仕するものとして使うことの必然性をはっきりと認識すること」と、
ステレオサウンド 45号に掲載されている特別インタビューで語っている。

70年代当時、アメリカでEMTがどういう位置づけにあったのか、輸入されていたのかは、はっきりしない。
ステラヴォックスを買いに、わざわざスイスまで行くということは、意外にも輸入されていなかったのかもしれない。
そうだとしたらEMTも輸入されていたどうかは微妙なところだろう。
それとも輸入されてはいたけれど、旅費を使ってでもスイスで買ったほうが安かったのかもしれない。
まだ会社を興す前の話である。

スイスには、トーレンスがある。
http://audiosharing.com/blog/?p=638


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930stとLNP2(その10)
http://audiosharing.com/blog/?p=639

レヴィンソンがスイスに渡ったときに、
トーレンスのベルトドライブ機をベースにしたEMTの928の存在を知ったのか、
それ以前に知っていたのか、どうかは判断しようがないが、
ほとんどなんの根拠もない推測(妄想にちかい)だが、928を使っていたのではないかと思えてくる。

927Dst、930stのイメージと若き日のレヴィンソン自身のイメージがうまく結びつかないのと、
928ならば、なんとなくレヴィンソンが使っていても不思議ではないという気がするというだけなのだが……。

もしそうだとしたら、JC2のREMOTE PHONOの説明がつく。
電源がPLS150への変更による強化、入出力端子がRCA端子からCAMAC規格のLEMO端子になったときに、
シリアルナンバー2148番からのJC2(日本での型番はJC2L)にはREMOTE PHONO端子はない。
かわりにPHONO入力が2系統に増えている。

さらに内部も変更が加えられ、フォノカードに、A3、D5、D6の3種類が用意されるようになった。
A3が、いわゆる通常のフォノ入力で、MM型カートリッジもしくは昇圧トランス、ヘッドアンプ用。
D5、D6はMC型カートリッジ用で、D5カードの説明には、
System D5 offers 54 and 60dB gain positions. 54dB is recommended as the optimum for the EMT cartridge. The gain setting will yield an incredible signal to noise ratio without overloading for EMT.
と記されている。

D5カードがゲインを54、60dBに切り換えられるように、A3カードも、30、40dBと切換え可能だ。
こちらの説明は次のとおり。
Certain high output moving coil cartridges such as the EMT, the Supex 901, the Satin, and the Ultimo, may be used in more efficient systems with the 40dB gain implemented.

少なくともEMTのカートリッジは使っていたのだろう。

http://audiosharing.com/blog/?p=639


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930stとLNP2(その11)
http://audiosharing.com/blog/?p=640

LNP2のモジュールの数は通常で、VU駆動用のものを含めて8つ、オプションのパッファーを加えると10。
JC2とはいうと、フォノアンプ、ラインアンプのモジュールがそれぞれ2つずつ、
それにフォノアンプ・モジュール用の専用の電源モジュールの計5つ。
オプションとして、ヘッドアンプのJC1のモジュールタイプ(JC1SM)を、
フォノアンプ・モジュールの間に組み込めるようになっている。

フォノアンプ・モジュールはフロントパネル寄りにあり、モジュールとリアパネルのあいだに、
RIAAイコライザー用のカードが挿さっている。
コンデンサー、抵抗から構成されている。このカードが、フォノアンプのNFB素子となる。
このカードを交換することで、JC2のフォノアンプは、A3、D5、D6システムへとなる。
シリアルナンバー2148以前のJC2はどうなっていたかというと、ABCDEFの6つのシステムが用意されていた。
JC2のINSTRUCTION MANUAL には、こうある。

A System
Two UP-1A cards are normally supplied with the JC-2 unless otherwise specified. This system accepts Input impedance: 47kOhms.
B System
The UP-1B system offers lower sensitivity but increased headroom for the highest output magnetic phono cartridges.
C System
This set provides exact equalization for the Brüel & Kjaer series of cartridge measurement records. Information on request.
D System
This system includes two UP-1D cards and a JC-1SM module. It offers DIRECT moving coil cartridge input.
E System
Provides equalization and DC current source for certain gauge cartridges. Information on request.
F System
Flat response amplification. Specify application and requirements.

http://audiosharing.com/blog/?p=640


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930stとLNP2(その12)
http://audiosharing.com/blog/?p=641

LNP2のフォノアンプには、このようなキメ細かい対応は用意されていない。
両機種のブロックダイアグラムやこれらのこと、
さらにLNP2は信号系のモジュールはすべて共通だが、
JC2はフォノアンプとラインアンプのモジュールは回路構成からして異ることなどを比較してはっきりしてくるのは、
JC2はアナログディスク再生に、LNP2はライン入力に主眼がおかれていることだ。

JC2の、この構成は、のちにディネッセンのJC80を生むことにつながっていく。
そしてJC2のもつ可能性が本領発揮となるには、ML6までの時間を必要とした。
JC2は未完の大器的色あいが濃い。

このことは別項「Mark Levinsonというブランドの特異性」で書く予定だが、
もう少し先、というかかなり先になりそう。

実は、この項は2回で終るつもりだったのが書いているうちに(その12)になってしまった。
ML6のことも書き始めると、かなり長くなりそうな気がする……。
http://audiosharing.com/blog/?p=641


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930stとLNP2(余談)
http://audiosharing.com/blog/?p=642

瀬川先生は、ステレオサウンド 55号でも、専用インシュレーター930-900なくしては、
「930stの音の良さは全く生かされない」と断言されている。
「コンポーネントステレオの世界 ’78」の組合せで、当然使われている。

930-900をお使いの方ならば、後ろ側に短いリード線が出ているのに気づかれているだろう。
意外と、このリード線をどこにも接がず、そのままにされている方も少なくないようだ。

930-900についてくる、たった1枚の説明書(ともいえいない内容)には、
どこに接続しろ、とは書いてなかったと記憶している。
不親切だともいえるのだが、930stはプロ用機器であり、
これを使うのは本来プロの現場に携わっている人たちだから、
そんなことは書かなくてもわかっているだろう、とEMTの人たちは考えていたのだろうか。

たしかにそうなのだが、それでもインシュレーターだけで約30万円もするのだから、
輸入元が独自に説明書をつけてもよかっただろうに、とは思う。

ではどこに接続するのか。

930-900から出ているリード線をよく見てほしい。
黄色と緑のまだら線だ。基本的にこれはアース用の配線を示している。
次に930stの出力端子の周辺をじっくり見てほしい。
このコネクターを固定しているネジのところに、同じ模様のリード線が接続されているはず。

私は101 Limitedを使っていたとき、ここに接続していた。
これ以外に接続はできない。ちょうどよい長さになっていることにも気がつく。

もっとも接がなかったからといってハムが出たり不具合が生じるわけではない。
ただ、いまのように高周波ノイズが飛び交っている状況では、
原則としてデッドメタル(どこにも接続されていない金属)は極力なくしたい。

デッドメタルをなくすことで、ほんのわずかSN比が向上するかもしれないし、
場合によっては、音が悪くなることもないわけではない。

ここは先入観をもたずに音を聴いて、どうするかは判断してほしい。

http://audiosharing.com/blog/?p=642


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930stとLNP2(補足)
http://audiosharing.com/blog/?p=643

EMTとプロ用機器のメーカー、トーレンスはコンシューマー用機器のメーカー、
トーレンスのプレーヤー(TD125)をプロ用機器として仕上げたのがEMTの928であり、
トーレンス同様、コイルスプリングによるサスペンション機構を備えているし、
三相シンクロナスモーターを使用していところは、930stも928も同じだが、
928は発振器とアンプによる駆動方式を採用することで、電源周波数の50Hz、60Hzに関係なく使用できる。

ただストロボスコープに関しては、切替スイッチがついている。

930stと928は、アイドラーかベルトかという違い以上に、
細部を見ればみるほどコンセプトそのものの違いがわかってきておもしろい。

930stとトーレンスの101 Limitedにも、ちいさな違いがある。
すべてのロットがそうなっていたのかまでは不明だが、少なくとも私が使っていた、ごく初期のモノは、
出力端子の裏側に抵抗がハンダ付けしてある。
930stの回路図には、この抵抗は存在しない。

101 Limited (930st) の出力端子は、1a、1bが右チャンネルの+と−、4a、4bが左チャンネルの+と−で、
この抵抗は1aと1b、4aと4bを結ぶように取りつけられている。
出力に対し並列に入っているわけで、インピーダンス整合のためのものであることは、はっきりしている。

930stはプロ用機器でプロが使うモノとして、この抵抗は取りつけられていない。
930stが使われる現場では、必要のないものだし、使う人もインピーダンス整合のことは理解しているからだ。

その930stをコンシューマー機器として出すにあたっての、これは、トーレンスの配慮であろう。

101 Limitedが使われるであろう、一般家庭にあるコントロールアンプで
600Ω(もしくは200Ω)の入力をもつモノは、まず存在しないからだ。

トーレンス101 Limitedは、930stの色を塗り替えただけのモノではない。
たった抵抗2本のことにすぎないが、ここにメーカーの良心を感じる。

http://audiosharing.com/blog/?p=643


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瀬川冬樹氏のこと(その58)
http://audiosharing.com/blog/?p=645

知りたかったことが、もうひとつ「コンポーネントステレオの世界 ’78」にあった。
瀬川先生がヨーロッパのコンサートホールでの低音について、どう感じておられたか、があった。
     ※
パワーアンプにSAEのMARK2600をもってきたことの理由の一つは、LNP2Lを通すと音がやや細い、シャープな感じになるんですが、このパワーアンプは音を少しふくらまして出すという性格をもっているからです。
それを嫌う方がいらっしゃることは知っています。しかし私の貧しい経験でいえば、欧米のコンサートホールでクラシック音楽を聴いて、日本でいわれてきた、また信じてきたクラシック音楽の音のバランスよりも、低域がもっと豊かで、柔らかくて、厚みがある音がするということに気がつきました。そこでこのMARK2600というパワーアンプの音は、一般にいわれるような、低域がゆるんでいるとかふくらみすぎているのではなく、少なくともこれくらい豊かに低域が鳴るべきなんだと思うんですね。
     ※
やっぱりと思い、うれしかった。
この発言から30年が経っているいまも、日本では、低音を出すことに、臆病のままではないだろうか。

http://audiosharing.com/blog/?p=645



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930stとLNP2(その5・補足)
http://audiosharing.com/blog/?p=646

(その5)に書いた4343の組合せのトーンアームに、フィデリティ・リサーチのFR64がある。
これはFR64Sのほうではなく、アルミニウム製のFR64を選ばれている。
こちらを瀬川先生は高く評価されていた。

一般に評価の高いステンレス製のFR64Sについては、「私の試聴したものは多少カン高い傾向の音だった。
その後改良されて音のニュアンスが変っているという話を聞いたが、現時点(1977年)では64のほうを推す次第。」
とステレオサウンド 43号に書かれている。

もう1本のほう、オルトフォンのRMG309については、こう書かれている。
「SPU(GおよびA)タイプのカートリッジを、最もオルトフォンらしく鳴らしたければ、
やはりRMG309を第一に奨めたい。個人的には不必要に長いアームは嫌いなのだが、
プレーヤーボードをできるだけ堅固に、共振をおさえて組み上げれば、しっかりと根を張ったようなに安定な、
重量感と厚みのある渋い音質が満喫できる。こういう充実感のある音を、
国産のアームで聴くことができないのは何ともすしぎなことだ。」

この時期、オルトフォンのRMG212が再発売されている。
かなり以前に製造中止になっていたのだが、
瀬川先生が、1975年に来日したオルトフォンの担当者に要請したのが、再生産のきっかけである。

こうやって読んでいくと、瀬川先生がアナログプレーヤーに求められていたものが、
すこしずつはっきりしてくるような気がする。

http://audiosharing.com/blog/?p=646
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1032.html#c34

[近代史3] 高名なオーディオ評論家は信用してはいけない 1 _ 瀬川冬樹 中川隆
2. 中川隆[-5945] koaQ7Jey 2021年4月07日 07:02:13 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[23]
audio identity (designing)宮ア勝己
Date: 5月 20th, 2009
930stとLNP2(その1)
http://audiosharing.com/blog/?p=629

中野区白鷺のマンションに住まわれていたとき、
瀬川先生は、EMTの930StとマークレビンソンのLNP2を使われていた。
説明は不要だろうが、どちらにもフォノイコライザーアンプがある。
瀬川先生は、どちらのフォノイコライザーアンプを使われていたのか。

ステレオサウンド 43号では、
「ずいぶん誤解されているらしいので愛用者のひとりとしてぜひとも弁護したいが、
だいたいTSD15というのは、EMYのスタジオプレーヤー930または928stのパーツの一部、みたいな存在で、
本当は、プレーヤー内蔵のヘッドアンプを通したライン送りの音になったものを評価すべきものなのだ。」、
「TSDでさえ、勝手なアダプターを作って適当なアームやトランスと組み合わせて
かえって誤解をまき散らしているというのに、SMEと互換性を持たせたXSDなど作るものだから、
心ない人の非難をいっそう浴びる結果になってしまった。EMTに惚れ込んだ一人として、
こうした見当外れの誤解はとても残念だ。」と、
TSD15、XSD15のコメントに、それぞれ書かれている。

55号でのプレーヤーの試聴記でも、内蔵イコライザーアンプの155stを通さない使い方を、
「異例の使い方」「特殊な試聴」とも書かれている。

これらの記事を読むと、おそらく930stの内蔵イコライザーアンプを使われているんだろうと思える。
その一方で、LNP2のイコライザーアンプを使わないというのも、なんとももったいない、と思う。

それに155stの設計は古い。1970年代においてすら、最新のアンプとはいえない。
LNP2のほうが新しい。そう考えると、どっちだったのかと迷う。


1 Comment

pippin
5月 22nd, 2009
REPLY))
930stとLNP-2Lのフォノイコライザー、どちらを使うかは悩むところですね。
私はどちらも929側のフォノケーブルの差し替えで、その時の気分によって使い分けるようにしています。
1本は930stの155stからXLRケーブル(3番ホット)を経てLNP-2Lのライン入力へ。
もう1本は929アームからTH-7559を経てLNP-2Lのフォノ入力へ・・という感じです。
TSD15のみでモノラル盤もステレオ盤も聴きたい場合などは、930stの内蔵フォノイコライザー155stが便利ですね

http://audiosharing.com/blog/?p=629


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Date: 5月 21st, 2009
930stとLNP2(その2)
http://audiosharing.com/blog/?p=630

やはり930stを愛用されていた五味先生は、どちらだったのか。
930stの内蔵アンプなのか、それともマッキントッシュのC22のフォノイコライザーアンプなのか。

「オーディオ愛好家の五条件」で真空管を愛すること、とあげられている。
「倍音の美しさや余韻というものががSG520──というよりトランジスター・アンプそのものに、ない。」とある。
しかし、別項で引用したように、930stの、すべて込みの音を高く評価されている。
ステレオサウンドにいたときに確認したところ、やはり内蔵の155stを通した音を日ごろ聴かれていたそうだ。

五味先生の930stは、オルトフォン製のトーンアーム、RMA229が搭載されている。
ちなみにモノーラル時代の930のそれはRF229である。
930が登場したのが、1956年。モノーラル時代であり、内蔵イコライザーアンプは、管球式の139である。
シリアルナンバーでいえば3589番からステレオ仕様の930stになる。
これにはステレオ仕様の管球式の139stが搭載されている。

そしてシリアルナンバー10750番から、トランジスター式の155stとなり、
14725番電源回路が変更になり、17822番からトーンアームがEMT製929に変更となる。
ただ155stが登場したのが、いつなのかは正確には、まだ知らない。

ただ929が登場したのが1969年で、
155stの兄弟機153stとほぼ同じ回路構成のフォノイコライザーアンプを搭載した928(ベルトドライブ)は、
1968年に登場していることから、おそらく60年代なかばには930stに搭載されていただろう。

155stは、片チャンネルあたりトランジスター8石を使ったディスクリート構成で、入出力にトランスを備えている。
153stは、LM1303M、μA741C、μA748Cと3種のオペアンプを使い、
出力のみトランジスター4石からなるバッファーをもつ。
もちろん入出力にトランスをもつが、155stと同じかというとそうでもない。

出力トランスは1次側に巻き線を2つもち、そのうちの1つがNFB用に使われている。
電源も155stは+側のみだが、153stは正負2電源という違いもある。

回路図を見る限り、155stと153stの開発年代の隔たりは、2、3年とは思えない。
となると155stは、60年代前半のアンプなのかもしれない。
LNP2よりも、10年か、それ以上前のアンプということになる。

http://audiosharing.com/blog/?p=630



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Date: 5月 21st, 2009
930stとLNP2(その3)
http://audiosharing.com/blog/?p=631

「幻のEMT管球式イコライザーアンプを現代につくる」、
この長いタイトルを考えたのも記事の担当者も私で、
初回のカラーページで紹介したEMT純正の139、139stはどちらも完動品で、
155stとの比較試聴もやっている。

使ったプレーヤーは私が直前に購入したトーレンスの101 Limitedで、155stは内蔵した状態で、
139と139stは外付けで外部電源と接続し、いわゆる単体イコライザーアンプとして使った。
モノーラルの139は2台用意していたので、試聴はもちろんステレオで行なっている。

電源の違いも考慮にいれなくてはならないし、もう25年ほど前のことだから、かなり曖昧だが、
意外と管球式の2機種は古さを感じさせなかった。
むしろトランジスター式の155stに、どちらもいえば古さを感じた。
とはいえまとまりのよさは見事で、いわばアクの強いTSD15をうまく補正し活かしている感じは、
155stに分があったように記憶している。

瀬川先生は、ステレオサウンド別冊の「コンポーネントステレオの世界」の80年度版か81年版だったかで、
928を組合せで使われたときに、内蔵イコライザーアンプについて、
928内蔵のモノの方が設計が新しいので、155stよりも現代的な音になっている、といったことを発言されている。

ということは、アンプ単体として見てたときは、瀬川先生も、155stには、やや古さを感じられていたのだろう。
それでも自宅では、155stを通して使われていたはずだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=631



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930stとLNP2(その4)
http://audiosharing.com/blog/?p=632

昨日、偶然にも入手出来た「コンポーネントステレオの世界 ’78」で、瀬川先生は、
4343に惚れ込まれた読者のために、最高に鳴らすための組合せとして、
EMT 930stとマークレビンソンLNP2Lを使われている。

組合せのラインナップの次のとおり。

スピーカーシステム:JBL 4343(¥680,000×2)
コントロールアンプ:マークレビンソン LNP2L(¥1,180,000)
パワーアンプ:SAE Mark 2600(¥755,000)
プレーヤーシステム:EMT 930st(¥1,150,000)
インシュレーター:EMT 930-900(¥280,000)
組合せ合計:¥4,725,000

4341と4343の違い、Mark 2500とMark 2600の違いはあるが、
瀬川先生が、当時常用されていたシステムそのままといえる組合せである。

4343について「JBLというメーカーは、時代感覚をひじょうに敏感に受け取って、
その時代時代の半歩前ぐらいの音を見事に製品化した」もので、
「ベストに鳴らすためには、プレーヤーからアンプまで、
やはり現代の最先端にある製品をもってくる必要がある」と言いながら、930st、である。
http://audiosharing.com/blog/?p=632



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930stとLNP2(その5)
http://audiosharing.com/blog/?p=633

前年までと違い、「コンポーネントステレオの世界 ’78」では、それぞれ2組の組合せをつくられている。
瀬川先生の4343の、もうひとつの組合せは次のとおり。

スピーカーシステム:JBL 4343(¥680,000×2)
コントロールアンプ:DBシステムズ DB1 + DB2(電源部)(¥212,500)
パワーアンプ:ラックス 5M21(¥240,000)
トーンコントロールユニット:ラックス 5F70(¥86,000)
プリメインアンプ:トリオ KA7300D(¥78,000)
フォノモーター:ガラード 401(¥49,000)
トーンアーム:オルトフォン RMG309(¥43,000)
       フィデリティ・リサーチ FR64(¥50,000)
プレーヤーキャビネット:レッドコンソール LAB-II(¥67,000)
カートリッジ:オルトフォン SPU-G/E(¥34,000)
       エレクトロ・アクースティック STS455E(¥29,900)
昇圧トランス:オルトフォン STA384(¥27,000)
組合せ合計:¥2,226,400(DBシステムズ + ラックスの場合)
      ¥1,765,900(トリオの場合)

ここでもプレーヤーには、930stと同じアイドラードライブの401を使われている。
アンプには新しいモノを使われているにも関わらず、である。

ちなみにエレクトロ・アクースティックとはエラック(ELAC)のこと。
これは瀬川先生からきいた話によると、エラックの輸入元(もしくは輸入しようとしていた会社)が、
なぜかエラックを自分の商標として登録してしまったばかりか、
エラックの輸入元が他の会社になってもそのままで、
さらに商標登録の期間がきれたら更新して、という嫌がらせとしか思えないことを続けていたため、
やむなくエレクトロ・アクースティックを使っていたとのこと。

「こんなことは許されないことだ」と、怒りのこもった口調だった。

http://audiosharing.com/blog/?p=633



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930stとLNP2(その6)
http://audiosharing.com/blog/?p=634

DBシステムズのアンプは、マッキントッシュの製品と比較すると、およそ製品とは呼べない面をもつ、
ある種、尖鋭的なところが、音にもつくりにも感じられる。

コントロールアンプのDB1は、ガラスエポキシのプリント基板に入出力のRCA端子、
電源端子を取りつけたものを、そのままリアパネルとしている。
いちおう絶縁のためラッカーで覆ってあるものの、いわば剥き出しに近い状態である。

マッキントッシュでは絶対にやらないことを、デビュー作で堂々とやっている。
フロントパネルもそっけない仕上げで、ツマミもおそらく市販されているものをそのまま流用している感じ。
とにかく、設計者が余計と判断したところには、まったくお金や手間をかけない。
設計者の信じるところの、実質本位なつくりを徹底している。

回路構成も、1970年代のアンプとは思えないもので、
差動回路も上下対称のコンプリメンタリー回路も使っていない。
他がやっているから、といったことはまったく気にしていない。

そんなアンプなのだが、とにかく切れ込みの鋭い、繊細で尖った音を聴かせてくれた。
とっつきにくい音と受けとめられる人も少ないないかもしれないが、
それでも存在価値(いい意味でも悪い意味でも)充分なところを気にいる人も、また少なからずいたであろう。

朝沼予史宏さんが、一時期、使われていた。
まだステレオサウンドに書き始められる前、朝沼という名前を使われる前、
フリーのライターとして編集に携わられていたころだから、
私には、朝沼さんではなく、本名の「沼田さん」だった。

沼田さんがまだ独身で、西新宿のマンション住まいだったころ、
スピーカーはQUADのESLにそっくりのダルキストのDQ1とB&Oのスピーカーを使われていた時期、
アンプはDBシステムズだった。

沼田さんがいちばん尖っていたころの話だ。

DB1の尖りぐあいは、ある種のエネルギッシュな印象にもなっていた。
そんなアンプを、瀬川先生は選びながら、プレーヤーはガラードの401を選ばれたのは、
930stと同じ理由から、である。
http://audiosharing.com/blog/?p=634


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瀬川冬樹氏のこと(番外)
http://audiosharing.com/blog/?p=635

「コンポーネントステレオの世界 ’78」に、芳津翻人(よしづ はると)氏という方が、
「やぶにらみ組み合わせ論(IV)」を書かれている。
IVとあるくらいだから、ステレオサウンド 4号(67年秋号)からはじまり、
13号(70年冬号)、17号(71年冬号)に亘って書いている、と前書きにある。

私が読んだ4回目の記事は、小型スピーカーの組合せの記事。
スピーカー選びから始まって、ロジャースのLS3/5A、スペンドールSA1、
JR(ジム・ロジャース)JR149の組合せを、他の筆者とは違う視点からあれこれ悩みながらつくられていて、
「素人の勝手なたわごと」とことわっておられるが、どうして、なかなかおもしろい。
文章も書き慣れているという印象を受ける。

だから5回目を期待していたのだが、結局、(IV)でおしまい。
ステレオサウンドにはいってから、先輩のIさんにたずねた。
「どうして、芳津翻人さんを使わないんですか」と。

まったく想像してなかった答えだった。
「芳津翻人さんは、瀬川先生のペンネームだから」。
さらに「芳津翻人を違う読み方をしてごらん。ハーツフィールドと読めるでしょ」。

JBLのハーツフィールドは、瀬川先生にとって憧れのスピーカーだったことは、どこかに書いておられる。
ただ山中先生のところで聴かれたとき、憧れのスピーカーではあっても、
自分の求める世界を出してくれるスピーカーではないことを悟った、ということも。

それでも憧れのスピーカーは、いつまでも憧れであり、芳津翻人という名前をつくられたのだろうか。

瀬川先生だということをわかった上で読みなおすと、たしかに「瀬川氏」とよく出てくるし、
音の評価も、瀬川先生とよく似ている。

オーラトーンのスピーカーは好みと違うとあるし、ドイツのヴィソニックの評価はなかなか高い。
このへんは、まさに瀬川先生とそっくりだ。

瀬川先生がいなくなり、芳津翻人さんもいなくなった。

http://audiosharing.com/blog/?p=635


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930stとLNP2(その7)
http://audiosharing.com/blog/?p=636

1977年には、国産のプレーヤーシステムは、ほぼすべてダイレクトドライブになっていた。
ワウ・フラッターは、930st、401よりも一桁以上少ない優秀さで、
401のように、ある程度の重量のあるそしてがっしりしたキャビネットに、取付け方法も工夫しないと、
ゴロが出るようなモノは皆無だった。

使いやすく性能も優れているにも関わらず、大事な音を再現してくれる良さから、瀬川先生は、
あえて旧式の930stや401を選択されるとともに、
「このところ少しDD(ダイレクトドライブ)不信」みたいなところに陥っているとも発言されている。

401を中心としたプレーヤーは、EMTではなくオルトフォンとエラックのカートリッジの組合せで構成されている。
これは、EMTのTSD15を単体で使ってほしくないという、気持の現われからだろう。

さらに「コンポーネントステレオの世界 ’78」では次のように語られている。
「このプレーヤー(930st)にはイコライザーアンプが内蔵されていますから、LNP2Lというコントロールアンプをなぜ使うのかと、疑問をもたれるかもしれません。事実その点について、他の場所でもいろいろな方から訊ねられます。念のためにいえば、930stのいわゆるライン出力をアッテネーターを通してパワーアンプに入れれば、スピーカーから音が出てくるわけですね。それなのになぜ、コントロールアンプを使うのか。
 これは自分の装置で長時間かけて確かめたことですが、プレーヤーのライン出力をアッテネーターだけを通して直接パワーアンプにいれるよりも、このマークレビンソンのコントロールアンプで、しかもイコライザーを使わないで、AUXからプリアウトまでの回路を通した音のほうが、いいんです。つまりLNP2Lの半分しか使わないことになるんだけれど、そうやってスピーカーを鳴らしたほうが、音楽の表権力や空間的なひろがりや音楽のニュアンスなどが、ひときわ鮮やかに出てくるんですね。このことは、技術的にいえばおかしいのかもしれません。しかし現実問題としては、私の耳にはそういう形にした場合のほうが音がよく聴こえるわけです。」

http://audiosharing.com/blog/?p=636


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930stとLNP2(その8)
http://audiosharing.com/blog/?p=637

LNP2Lは、フォノ入力から出力まで計3つのモジュールを、信号は通っていく。
だから、フォノアンプを使わないでも、3分の2は使っていることになるし、
瀬川先生のLNP2Lはバッファー搭載だったはずだから、4分の3の使用となる。

とはいえ瀬川先生はまったくLNP2Lのフォノアンプを使われなかったかというと、そうでもないだろう。
ステレオサウンド 38号の瀬川先生のリスニングルームには、
930stの他にラックスのPD121にオーディオクラフトのAC300MCの組合せがあり、
写真をよく見ると、EMTのXSD15が取りつけてある。930stにはTSD15の旧型がついている。

「コンポーネントステレオの世界 ’78」でも、
「自分自身では、そういいながら、トランスと組合せて単体でよく使いますけど、
これはEMTの癖を十分に知っているんでやっていることで、ふつうの方にはあまりおすすめできません」と。

これはLNP2Lのフォノアンプに接がっていたのだろう。

ところでLNP2にはなかった入力端子が、JC2にはついていた。
REMOTE PHONOという端子で、これはAUXと同じライン入力。
つまり、イコライザーアンプ内蔵のプレーヤーを接続するための端子なのだろう。

JC2が登場した1974年、イコライザーアンプ内蔵のプレーヤーシステムは、EMT以外に何があったのだろうか。
私が知る限り、少なくとも日本に輸入されていたモノには、ない。

マーク・レヴィンソンは、自宅ではLNP2よりもJC2を常用している、とインタビューで答えている。
ということは、レヴィンソンはEMTのプレーヤーを、この時期、使っていたのだろうか。
http://audiosharing.com/blog/?p=637


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930stとLNP2(その9)
http://audiosharing.com/blog/?p=638

「インドに行き古典音楽についての勉強をアリ・アクバール・カーンの示した道に沿ってすすめたい」と考え、
1972年に旅券と飛行機の切符まで手にしていたマーク・レヴィンソンは、
録音器材を入手するために、わざわざスイスに立ち寄っている。
なにもスイスまで行かなくてもアメリカでも手に入るものだろうと思うのだが、
レヴィンソンはステラヴォックスを訪ねている。

ここでステラヴォックスの社主のジョルジュ・クエレに相談にのってもらい、演奏家の道を断念し、
オーディオ・エレクトロニクスへ向かう道を選択している。

クエレとの対話の中で、エレクトロニクスの道に進みながらでも、
「音楽に対するひとつの精神的な基盤を維持することは可能なのだという確信」を得たからである。

その基盤とは「沢山の人々がレコードをきくことに対して抱いている欲求、それを満たすために、
テクノロジーを音楽および音楽家に奉仕するものとして使うことの必然性をはっきりと認識すること」と、
ステレオサウンド 45号に掲載されている特別インタビューで語っている。

70年代当時、アメリカでEMTがどういう位置づけにあったのか、輸入されていたのかは、はっきりしない。
ステラヴォックスを買いに、わざわざスイスまで行くということは、意外にも輸入されていなかったのかもしれない。
そうだとしたらEMTも輸入されていたどうかは微妙なところだろう。
それとも輸入されてはいたけれど、旅費を使ってでもスイスで買ったほうが安かったのかもしれない。
まだ会社を興す前の話である。

スイスには、トーレンスがある。
http://audiosharing.com/blog/?p=638


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930stとLNP2(その10)
http://audiosharing.com/blog/?p=639

レヴィンソンがスイスに渡ったときに、
トーレンスのベルトドライブ機をベースにしたEMTの928の存在を知ったのか、
それ以前に知っていたのか、どうかは判断しようがないが、
ほとんどなんの根拠もない推測(妄想にちかい)だが、928を使っていたのではないかと思えてくる。

927Dst、930stのイメージと若き日のレヴィンソン自身のイメージがうまく結びつかないのと、
928ならば、なんとなくレヴィンソンが使っていても不思議ではないという気がするというだけなのだが……。

もしそうだとしたら、JC2のREMOTE PHONOの説明がつく。
電源がPLS150への変更による強化、入出力端子がRCA端子からCAMAC規格のLEMO端子になったときに、
シリアルナンバー2148番からのJC2(日本での型番はJC2L)にはREMOTE PHONO端子はない。
かわりにPHONO入力が2系統に増えている。

さらに内部も変更が加えられ、フォノカードに、A3、D5、D6の3種類が用意されるようになった。
A3が、いわゆる通常のフォノ入力で、MM型カートリッジもしくは昇圧トランス、ヘッドアンプ用。
D5、D6はMC型カートリッジ用で、D5カードの説明には、
System D5 offers 54 and 60dB gain positions. 54dB is recommended as the optimum for the EMT cartridge. The gain setting will yield an incredible signal to noise ratio without overloading for EMT.
と記されている。

D5カードがゲインを54、60dBに切り換えられるように、A3カードも、30、40dBと切換え可能だ。
こちらの説明は次のとおり。
Certain high output moving coil cartridges such as the EMT, the Supex 901, the Satin, and the Ultimo, may be used in more efficient systems with the 40dB gain implemented.

少なくともEMTのカートリッジは使っていたのだろう。

http://audiosharing.com/blog/?p=639


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930stとLNP2(その11)
http://audiosharing.com/blog/?p=640

LNP2のモジュールの数は通常で、VU駆動用のものを含めて8つ、オプションのパッファーを加えると10。
JC2とはいうと、フォノアンプ、ラインアンプのモジュールがそれぞれ2つずつ、
それにフォノアンプ・モジュール用の専用の電源モジュールの計5つ。
オプションとして、ヘッドアンプのJC1のモジュールタイプ(JC1SM)を、
フォノアンプ・モジュールの間に組み込めるようになっている。

フォノアンプ・モジュールはフロントパネル寄りにあり、モジュールとリアパネルのあいだに、
RIAAイコライザー用のカードが挿さっている。
コンデンサー、抵抗から構成されている。このカードが、フォノアンプのNFB素子となる。
このカードを交換することで、JC2のフォノアンプは、A3、D5、D6システムへとなる。
シリアルナンバー2148以前のJC2はどうなっていたかというと、ABCDEFの6つのシステムが用意されていた。
JC2のINSTRUCTION MANUAL には、こうある。

A System
Two UP-1A cards are normally supplied with the JC-2 unless otherwise specified. This system accepts Input impedance: 47kOhms.
B System
The UP-1B system offers lower sensitivity but increased headroom for the highest output magnetic phono cartridges.
C System
This set provides exact equalization for the Brüel & Kjaer series of cartridge measurement records. Information on request.
D System
This system includes two UP-1D cards and a JC-1SM module. It offers DIRECT moving coil cartridge input.
E System
Provides equalization and DC current source for certain gauge cartridges. Information on request.
F System
Flat response amplification. Specify application and requirements.

http://audiosharing.com/blog/?p=640


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930stとLNP2(その12)
http://audiosharing.com/blog/?p=641

LNP2のフォノアンプには、このようなキメ細かい対応は用意されていない。
両機種のブロックダイアグラムやこれらのこと、
さらにLNP2は信号系のモジュールはすべて共通だが、
JC2はフォノアンプとラインアンプのモジュールは回路構成からして異ることなどを比較してはっきりしてくるのは、
JC2はアナログディスク再生に、LNP2はライン入力に主眼がおかれていることだ。

JC2の、この構成は、のちにディネッセンのJC80を生むことにつながっていく。
そしてJC2のもつ可能性が本領発揮となるには、ML6までの時間を必要とした。
JC2は未完の大器的色あいが濃い。

このことは別項「Mark Levinsonというブランドの特異性」で書く予定だが、
もう少し先、というかかなり先になりそう。

実は、この項は2回で終るつもりだったのが書いているうちに(その12)になってしまった。
ML6のことも書き始めると、かなり長くなりそうな気がする……。
http://audiosharing.com/blog/?p=641


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930stとLNP2(余談)
http://audiosharing.com/blog/?p=642

瀬川先生は、ステレオサウンド 55号でも、専用インシュレーター930-900なくしては、
「930stの音の良さは全く生かされない」と断言されている。
「コンポーネントステレオの世界 ’78」の組合せで、当然使われている。

930-900をお使いの方ならば、後ろ側に短いリード線が出ているのに気づかれているだろう。
意外と、このリード線をどこにも接がず、そのままにされている方も少なくないようだ。

930-900についてくる、たった1枚の説明書(ともいえいない内容)には、
どこに接続しろ、とは書いてなかったと記憶している。
不親切だともいえるのだが、930stはプロ用機器であり、
これを使うのは本来プロの現場に携わっている人たちだから、
そんなことは書かなくてもわかっているだろう、とEMTの人たちは考えていたのだろうか。

たしかにそうなのだが、それでもインシュレーターだけで約30万円もするのだから、
輸入元が独自に説明書をつけてもよかっただろうに、とは思う。

ではどこに接続するのか。

930-900から出ているリード線をよく見てほしい。
黄色と緑のまだら線だ。基本的にこれはアース用の配線を示している。
次に930stの出力端子の周辺をじっくり見てほしい。
このコネクターを固定しているネジのところに、同じ模様のリード線が接続されているはず。

私は101 Limitedを使っていたとき、ここに接続していた。
これ以外に接続はできない。ちょうどよい長さになっていることにも気がつく。

もっとも接がなかったからといってハムが出たり不具合が生じるわけではない。
ただ、いまのように高周波ノイズが飛び交っている状況では、
原則としてデッドメタル(どこにも接続されていない金属)は極力なくしたい。

デッドメタルをなくすことで、ほんのわずかSN比が向上するかもしれないし、
場合によっては、音が悪くなることもないわけではない。

ここは先入観をもたずに音を聴いて、どうするかは判断してほしい。

http://audiosharing.com/blog/?p=642


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930stとLNP2(補足)
http://audiosharing.com/blog/?p=643

EMTとプロ用機器のメーカー、トーレンスはコンシューマー用機器のメーカー、
トーレンスのプレーヤー(TD125)をプロ用機器として仕上げたのがEMTの928であり、
トーレンス同様、コイルスプリングによるサスペンション機構を備えているし、
三相シンクロナスモーターを使用していところは、930stも928も同じだが、
928は発振器とアンプによる駆動方式を採用することで、電源周波数の50Hz、60Hzに関係なく使用できる。

ただストロボスコープに関しては、切替スイッチがついている。

930stと928は、アイドラーかベルトかという違い以上に、
細部を見ればみるほどコンセプトそのものの違いがわかってきておもしろい。

930stとトーレンスの101 Limitedにも、ちいさな違いがある。
すべてのロットがそうなっていたのかまでは不明だが、少なくとも私が使っていた、ごく初期のモノは、
出力端子の裏側に抵抗がハンダ付けしてある。
930stの回路図には、この抵抗は存在しない。

101 Limited (930st) の出力端子は、1a、1bが右チャンネルの+と−、4a、4bが左チャンネルの+と−で、
この抵抗は1aと1b、4aと4bを結ぶように取りつけられている。
出力に対し並列に入っているわけで、インピーダンス整合のためのものであることは、はっきりしている。

930stはプロ用機器でプロが使うモノとして、この抵抗は取りつけられていない。
930stが使われる現場では、必要のないものだし、使う人もインピーダンス整合のことは理解しているからだ。

その930stをコンシューマー機器として出すにあたっての、これは、トーレンスの配慮であろう。

101 Limitedが使われるであろう、一般家庭にあるコントロールアンプで
600Ω(もしくは200Ω)の入力をもつモノは、まず存在しないからだ。

トーレンス101 Limitedは、930stの色を塗り替えただけのモノではない。
たった抵抗2本のことにすぎないが、ここにメーカーの良心を感じる。

http://audiosharing.com/blog/?p=643


▲△▽▼

瀬川冬樹氏のこと(その58)
http://audiosharing.com/blog/?p=645

知りたかったことが、もうひとつ「コンポーネントステレオの世界 ’78」にあった。
瀬川先生がヨーロッパのコンサートホールでの低音について、どう感じておられたか、があった。
     ※
パワーアンプにSAEのMARK2600をもってきたことの理由の一つは、LNP2Lを通すと音がやや細い、シャープな感じになるんですが、このパワーアンプは音を少しふくらまして出すという性格をもっているからです。
それを嫌う方がいらっしゃることは知っています。しかし私の貧しい経験でいえば、欧米のコンサートホールでクラシック音楽を聴いて、日本でいわれてきた、また信じてきたクラシック音楽の音のバランスよりも、低域がもっと豊かで、柔らかくて、厚みがある音がするということに気がつきました。そこでこのMARK2600というパワーアンプの音は、一般にいわれるような、低域がゆるんでいるとかふくらみすぎているのではなく、少なくともこれくらい豊かに低域が鳴るべきなんだと思うんですね。
     ※
やっぱりと思い、うれしかった。
この発言から30年が経っているいまも、日本では、低音を出すことに、臆病のままではないだろうか。

http://audiosharing.com/blog/?p=645



▲△▽▼

930stとLNP2(その5・補足)
http://audiosharing.com/blog/?p=646

(その5)に書いた4343の組合せのトーンアームに、フィデリティ・リサーチのFR64がある。
これはFR64Sのほうではなく、アルミニウム製のFR64を選ばれている。
こちらを瀬川先生は高く評価されていた。

一般に評価の高いステンレス製のFR64Sについては、「私の試聴したものは多少カン高い傾向の音だった。
その後改良されて音のニュアンスが変っているという話を聞いたが、現時点(1977年)では64のほうを推す次第。」
とステレオサウンド 43号に書かれている。

もう1本のほう、オルトフォンのRMG309については、こう書かれている。
「SPU(GおよびA)タイプのカートリッジを、最もオルトフォンらしく鳴らしたければ、
やはりRMG309を第一に奨めたい。個人的には不必要に長いアームは嫌いなのだが、
プレーヤーボードをできるだけ堅固に、共振をおさえて組み上げれば、しっかりと根を張ったようなに安定な、
重量感と厚みのある渋い音質が満喫できる。こういう充実感のある音を、
国産のアームで聴くことができないのは何ともすしぎなことだ。」

この時期、オルトフォンのRMG212が再発売されている。
かなり以前に製造中止になっていたのだが、
瀬川先生が、1975年に来日したオルトフォンの担当者に要請したのが、再生産のきっかけである。

こうやって読んでいくと、瀬川先生がアナログプレーヤーに求められていたものが、
すこしずつはっきりしてくるような気がする。

http://audiosharing.com/blog/?p=646
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/312.html#c2

[番外地9] 所得税ゼロ、社会保険の掛け金ゼロ、法人税70% でいい 中川隆
1. 2021年4月07日 07:08:58 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[24]
>公共事業が無駄って、耐震強化とか津波対策も無意味なんでしょうか?

無駄ではないけど今やる必要はないよ、地方を無人にしようとしているのに道路を作っても仕方ないだろ

ニューディール政策もヒトラーの積極財政もソ連の5か年計画もすべて失敗しているよ。
そもそも官僚はどういう公共事業をやったらいいか全然わからないんだよ
http://www.asyura2.com/21/ban9/msg/286.html#c1

[近代史02] あの名画の舞台となった伊香保温泉は今… _2 中川隆
16. 中川隆[-5944] koaQ7Jey 2021年4月07日 07:57:07 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[25]

消えゆくストリップ劇場、踊り子たちの胸中は
女性客増加で新しい風も
2021/4/7
https://this.kiji.is/752033017214320640?c=39546741839462401

広島第一劇場で踊るゆきなさん=3月4日

 昭和の香りが色濃く残るストリップ劇場の閉館が続いている。かつては全国に400軒近くあったとされるが、今では約20軒と衰退の一途をたどる。時代の変化に伴い客は激減し、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に立たされる劇場も少なくない。芸術性の高い踊りや、物語性のある演出で女性客も増えつつあるが、特に地方の劇場は経営が厳しい。「失いたくない」。ストリップ劇場の灯を消すまいと、今日も各地で踊り子たちは舞っている。彼女たちの胸の内に迫った。(共同通信=松田優)


 ▽切なげに見えた笑顔

 中国地方に唯一残る広島第一劇場。何度も閉館の危機を乗り越えてきたが、5月20日をもって46年の歴史に幕を下ろすことが発表された。

 3月初旬に取材で同劇場を訪れると、出番前に楽屋で化粧をしながら、踊り子のゆきなさん(26)が口にした。「どの劇場で踊るときも、これが最後かもしれないという気持ちは常に持ってる。ゆくゆくはなくなってしまう文化であることを受け入れているから、一瞬一瞬を大切にしたい」


出番直前のゆきなさん=3月4日
 午後3時半、客席の年季の入った赤い椅子には、まばらに男性客が座る。鮮やかな黄色の羽織を着たゆきなさんが、たった一人、スポットライトを浴びていた。衣装の裾がふわりと客席をかすめ、甘い香りが漂う。照明を浴びて舞う姿が、観客それぞれの瞳に映った。

 この日の出番を終えた午前0時ごろ、ゆきなさんは記者を行きつけの鉄板焼き屋に連れて行ってくれた。雨が降っていて、肌寒い夜だった。

 「『受け入れてる』とか冷静に言っちゃったんですけど」。お好み焼きを待つ間、ゆきなさんが思い出したように切り出す。「さっき踊りながら、やっぱりこの場所はなくなってほしくないなと思っちゃった」

 私服姿のゆきなさんが、照れたように笑った。ステージで舞う姿と違う表情は、少し切なげに見えた。

 ▽時代の流れ

 ストリップは戦後間もなく誕生した大衆文化だ。踊り子は主に10日ごとに劇場を移り、旅をしながら全国各地で踊る。関東の劇場で十日間踊った翌朝に新幹線で移動し、午後からは関西や九州の劇場でまた十日間踊ることも珍しくない。地方の劇場の場合は、楽屋で寝泊まりすることも多い。

 大衆芸能史に詳しい江戸川大教授の西条昇(さいじょう・のぼる)さんによると、全盛期の1960年代半ばから70年代の半ばごろには全国各地に400軒近い劇場があった。しかし、観客参加型の過激な演出に走る劇場が出始め、性風俗産業化が進んだ。85年に風営法が改正され取り締まりが強化されると、相次ぐ摘発や客足の低迷などにより劇場が激減。現在では20軒をきるまでになった。2000年代前半からは、テレビや雑誌などメディアで紹介される機会が減り、新たな若い男性客の獲得が難しくなったことも、大きな理由の一つだという。

広島第一劇場の楽屋で出番前に準備するゆきなさん=3月4日
 ▽AV女優の引退公演

 西条さんは一方で、女性客が増えていると指摘する。東京の老舗劇場、浅草ロック座ではプロジェクションマッピングなど最新技術を取り入れながら、さまざまな踊りの場面で構成した「レビュー」仕立ての公演を行っている。西条さんは「源氏物語やシェークスピアの作品を題材にするなど、公演にテーマがある。大勢で踊る群舞をショーとして見せ、まるでミュージカルのよう」と評す。

 この数年で客層に変化が見られるようになった。2016年、女性ファンも多い人気AV女優だった上原亜衣さんの引退公演が浅草ロック座で行われたことをきっかけに、ショーとしての魅力を知った女性客が足を運ぶようになったという。

 「引退公演には、客席の3、4割を女性が占めていた。それ以前にも徐々に増えつつはあったが、以降ここ5年の間でさらに増えている印象を受ける。あの公演は、ストリップ劇場に女性客が増え始めたひとつの大きなターニングポイントだと考えている」と西条さんは話す。性的な印象が先行するストリップだが、物語を感じる構成や芸術性の高い踊り、そして美しく鍛え上げられた肉体美で、今は女性も楽しめるショーへと変化している。

 愛媛県松山市の温泉街にある「ニュー道後ミュージック」では、コロナ禍で客足が戻らず売り上げは例年の3割ほどになった。ストリップ劇場は性風俗業に当たるため、国の持続化給付金の対象外に。家賃や光熱費、出演料などを払うため行った2度のクラウドファンディングでは、いずれも支援者の半数が女性だったという。新たな客層の開拓は期待が持てるが、劇場経営を取り巻く環境は厳しいことに変わりはない。それでも、踊り子たちはこのストリップ文化への思いを胸に舞っている。

飲食店がひしめき合う歓楽街の一角に立つ広島第一劇場(上)。赤いじゅうたんの敷かれた舞台に、壁面に張られた大きな鏡が特徴だ(下)
 ▽人生の交差点

 牧瀬茜(まきせ・あかね)さん(44)は、20歳のとき初めて見たストリップに心ひかれ、23年前に踊り子になった。過去には全国各地を飛び回りながら、年に300日以上舞台で踊っていたと言うが、「ステージが生きがいになっていたから、休みなんていらなかった」。

 昨年10月、ニュー道後ミュージックを訪れると、楽屋で寝泊まりする牧瀬さんは、布団や着替えなど、必要最低限のものだけが置かれた小さな個室で、出番の合間に野菜スープを作って食べていた。

 「仲の良い踊り子が引退したときの寂しさだったり、体の状態とか家族のことが理由で自分もやめるかどうか考えたことはあった。でも、踊りやステージが嫌になったことは一度もない」。しかし、デビュー以降毎年のように閉館を目の当たりにしてきた。「ストリップ劇場は人生の交差点。お客さんは時に、踊り子の裸に彼女たちの生きざまを見ているような。そして時に、踊り子の裸にお客さん自身の人生や、言葉にならない胸の内を映しているような。こういう大切な場所を失いたくない」

ニュー道後ミュージックのステージに立つ牧瀬茜さん=2020年10月、愛媛県松山市
 2011年から踊り子を続ける小宮山せりな(こみやま・せりな)さんは、「デビュー当時は女性客がいたら、踊り子同士で話題になるくらい珍しいことだった。最近は本当に増えていて、ほぼ毎回見かける。新しい時代が来ている気がします」と話す。小宮山さんは「エアリアル」と呼ばれるアクロバティックなパフォーマンスを披露する数少ない踊り子の一人だ。「また見たいと思ってもらえるような踊りをしたい」。そのステージは、ストリップを見たことがない人が抱くイメージとは大きく異なる。

 天井からつるした布を体に巻き付け空中でポーズをとったり、フラフープのようなリングにつかまり、回転しながら次々とポーズを変えていったり―。アスリートのように鍛えられた腹筋に浮かぶ汗が、舞台上でミラーボールの光を反射する。

 「地方の劇場で踊るときは、何か爪痕を残したいという気持ちが特に強い。ストリップって、裸を見て感動したり涙が出てきたりする、素敵な日本の芸能だと思う。自分のステージを見たお客様がまた足を運んでくれて、少しでも劇場に貢献できたらいいな」。出番前、鏡の前で黙々と着物を着付けながら、鏡面に映る自分の姿を見つめそう話した。

小宮山せりなさんは「エアリアル」と呼ばれるパフォーマンスを披露する数少ない踊り子の一人だ=2020年11月、広島第一劇場
 ▽キスの壁

 広島第一劇場の楽屋から舞台へと続く階段の壁には、無数のキスマークがある。30年ほど前に引退した踊り子が残したのが始まりといい、この場所で踊った幾人もが、それぞれの思いを胸に唇を寄せてきた。

 今回のストリップ劇場の取材を始めた昨年10月から、劇場を、ストリップを愛するさまざまな人たちから話を聞いてきた。3月の取材最終日、ゆきなさんのその日最後のステージを撮影する前に、もう一度キスの壁の前に立った。薄暗い階段の横に残る、いくつもの赤い唇の跡。形や大きさもばらばらで、はっきりと見える新しく付けられたようなものもあれば、うっすらと輪郭だけが分かるものもある。この壁に、一体どれだけの人生や思いが込められてきたのだろう。彼女たちには、踊り子としての人生だけでなく、家族がいて、友達がいて、地元があり、一人の女性としての人生がある。客席にいる私たちは、身ひとつで立つ踊り子たちの、生きてきた軌跡を見せてもらっているのではないだろうか。どうかこの場所がなくならないでほしい。この先も、おのおのの人生を持ち寄った私たちと、それぞれの人生を見せてくれる踊り子たちに、ストリップ劇場という場所が同じ時間を流してくれますように。

 劇場の古びた外壁を打ち付ける雨音を聞きながら、そう思った。

広島第一劇場の楽屋から舞台へと続く壁に付けられた、踊り子たちのキスマーク=3月4日
 出番を控えたゆきなさんの、白くきゃしゃな手がそっとその壁に触れた。「劇場や文化を大切に守ってきた先輩方の思いを引き継いでいきたい」。午後11時、黄色の羽織を翻し舞台へと向かっていった。

https://this.kiji.is/752033017214320640?c=39546741839462401
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/356.html#c16

[近代史4] CDプレーヤー・DAC・パソコンオーディオ 中川隆
10. 2021年4月07日 08:00:07 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[26]
レコードプレイヤー EMT 930st
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/119.html#c10
[リバイバル3] EMT927st の世界 中川隆
16. 中川隆[-5942] koaQ7Jey 2021年4月07日 08:02:19 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[28]
EMT 927 (EQ139st / RM-309)          
http://www.jupiteraudio.com/10022/10022.html

アナログを語る上で避けて通ることが許されない、燦然と輝くEMT 927st。
しかもその最高峰とされるイコライザー139st付きです。
コンディションはMint状態です。

まさしくミュージアムクラスです。
これ程の物はまるで砂漠の中から一粒のダイヤを探すような確率でしょう。
これを手に入れたオーナー様だけが味わえる至福の時は、決して他の人と時間を共有したくない程のものであり、人としての理性をも狂わせる程です。

全てが完動品であることはもちろん、さらに年数と共にくる経年劣化の接着系、オイル系、特にモーター内部のスラストパッド他、完全を期した芸術品としてオーバーホール致しました。

ターンテーブルの慣性モーメントから得られる内包的なエネルギーだけでも、聴き手を引きずり込んでしまう凄さは言葉になりません。
凄味と包容力の融合、これ程までの音に癒されたいものです。
実にオーナーになられる方が羨ましく思えます。
一緒に時を過ごしたいものです。

*ウッドケース・ダストカバーは別売です。
http://www.jupiteraudio.com/10022/10022.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1151.html#c16

[リバイバル3] EMT927st の世界 中川隆
17. 中川隆[-5941] koaQ7Jey 2021年4月07日 08:04:44 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[29]

20th Century Audio Technology
20世紀オーディオ・テクノロジー (オランダ)
ing. J.P. (Hans) van Vliet
ハンス・ファン・フリート 
EMT 139st b
https://soundbox.co.jp/EMT_139stb.htm
(EMT930/EMT927 用 真空管式イコライザ・アンプ、復刻新品) ¥760,000 (税別) 

EMT155トランジスター・イコライザ搭載のEMT927、EMT930オーナーにとって一番ほしいものはなんといっても真空管式イコライザのEMT139stでしょう。 しかしオリジナル・モデルは現状ではきわめて入手が困難です。 こうしたEMT927、930ターンテーブルオーナーの要望にこたえ、オリジナルモデルに回路はもちろん、その部品一つ一つにいたるまで忠実に再現しました。 EMT927では155st を取替えて使用できます。 EMT930ではシリアル番号が14000番以前のモデルではそのまま入れ替え可能です。 それ以降のモデルでは真空管用の電源が本体から供給できません。そこで別売の電源をご用意しました。930本体の裏側にコネクターを増設して使用します。価格¥140,000(税別)より。


特徴 

全て手作りのハード・ワイヤー・コンストラクション
新規製作のシャーシにオリジナルの塗装を再現しています。
専用のメカ部品は新規に制作。.
EMT純正の(ドイツHAUFE 社製)入力および出力トランスを搭載。
金メッキ端子採用の真空管ソケット
真空管は選別したヴィンテージの TELEFUNKEN ECC81 と ECC83 を搭載。
スイッチは高信頼のスイス製を採用しました。
ゲイン、周波数特性、S/N比、ひずみ率等の特性はオリジナルと同等もしくは凌駕しています。
コントルール・パネルが付属します。.
オリジナルの139stの回路図のコピー等技術資料が添付されます。
RoHS規制に準拠しています。.
本体は1年、真空管は6月の保証期間です。.

EMT139stB 単独使用の為の電源ユニット 16ピンコネクター/入力/出力端子付き ¥140,000(税別)

https://soundbox.co.jp/EMT_139stb.htm


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EMT 139st のレプリカ
ing. J.P. (Hans) van Vliet | 20th century audio technologies
Grindmeer 15
3994JA Houten
The Netherlands
Chamber of commerce: Utrecht 53721527

EMT 139st b replica
https://www.jpvanvliet.nl/emt-139st-b-replica/

the return of the legend, designed in 1959 and, after more then 60 years, still available in 2020, brand new, hand-built in The Netherlands


The challenge

One of the most wanted parts for the earlier EMT 927st and EMT 930st professional turntables are the EMT 139st and EMT 139st b stereo phono tube equalizer amplifiers. Around the world there are only a handful of the original amplifiers left, they are very rare and highly sought-after and the ones still out there are the property of passionated EMT collectors and always in use in their beloved EMT 927st and/or EMT 930st turntables.

As a serious collector and user of some of these turntables I had the opportunity to buy an original EMT 139st b, serial no. 8059 from 1964 but I need more units to meet the need in the rest of my turntables, so the idea was to copy the original, easy to say, hard to do but the challenge was born, the challenge to prove it could be done: built it the classic way with new components and tailor made parts.

Finally, after months of meticulous reversed engineering of the original EMT 139st b, searching for original manufacturers of some parts, prototyping and testing, the original EMT 139st b was complete and perfect documentated down to the last screw and a first limited series was built for private use.


Continuation

So, the legend did return and I decided to start manufacturing new limited series to make this famous amplifier available for other EMT lovers around the globe.

Manufacturing of each limited series starts with purchasing all needed components and parts, either sourced from the original supplier or recreated in exact detail with no compromises or deviation from the classic design with the commitment to exactly recreating the finest replica of the EMT 139st b. The 139st bʼs are built with high-grade components and tailor made mechanical parts, in- and output transformers re-manufactured by HAUFE, the original German supplier, in accordance with the original EMT specifications, gold plated tube sockets, vintage Telefunken ECC81 and ECC83 smooth plate tubes and Swiss made gold plated switches for switching stereo/mono and equalizer characteristics. Assembly is completely done by hand in the same tradition as the original, passionately built with respect to the classic design to meet original EMT specifications. After manufacturing, rigorous quality control, measurements and testing, every 139st b is placed in one of my EMT 927st or EMT 930st turntables for an extended burn-in period.

The result of all this effort is that each 139st b represents a meticulous recreation of the original EMT 139st b, amazing its appearance inside and outside, amazing its sound and quality, amazing the equality to its famous old ancestor.


Technical background

The EMT 139st stereo phono tube equalizer amplifier was designed in 1959 as partner of the EMT 139 mono phono tube equalizer amplifier to fulfil the need of stereo sound reproduction with the professional studio turntables EMT 927st and EMT 930st. It was and is a professional state-of-the-art stereo phono tube equalizer amplifier with top quality in- and output transformers to amplify low level signals of dynamic (MC) cartridges to studio balanced line level (+6dB).

The first version was provided with de-emphasis characteristics for DIN, NARTB and RIAA, the second version of the EMT 139st was (re)designed in 1963 with de-emphasis characteristics for NAB-RIAA-DIN 33/45, DIN 78, BBC and FLAT and was called EMT 139st b. The EMT 139st b was in production with EMT until 1967 after which it was succeeded by the solid state version EMT 155st.

Making of

Gallery images are reflecting a couple of manufacturing moments.


Side by side

Gallery images are reflecting the original EMT 139st b on the left and the 139st b on the right, a “time out” of more than 50 years.


Features:

- Hand-built in limited series, each amplifier takes approximately 40 hours to built,

- Tailor-made chassis, case and control panel painted in original "hammered" medium grey,

- Tailor-made mechanical parts,

- Top quality in - and output transformers manufactured by the original German supplier HAUFE in accordance with the former EMT specifications,

- Gold plated tube sockets,

- Tested and selected vintage TELEFUNKEN ECC81 & ECC83 smooth plate tubes,

- Swiss made gold plated switches,

- Gain, frequency response, noise, distortion, all specifications are on par with or better than the original EMT 139st b,

- Comes with a screened control panel,

- Comes with a copy of the original EMT 139st b circuit diagram, technical information, instructions for operation and EMT Courier no. 5,

- Manufactured in compliance with RoHS/CE regulations,

- Warranty: 5 years on parts and labor (except tubes which carry 6 months).

Availability: in stock.

Price with vintage TFK tubes: € 4.495,--

Note 1: The 139st b can only be used in earlier EMT 927 and EMT 930 turntables with serial no's before 14725 with the necessary power supplies for the EMT 139 series pre-amps.

Note 2: On request the 139st b can be delivered with new JJ ECC803S gold pin and JJ ECC81 gold pin tubes, price with new JJ tubes: € 4.345,--

Please note:

Are prices are excluding Dutch VAT (21%) and packing/shipping costs, delivery worldwide in professional packing.

VAT free shopping for buyers outside the EU (European Union) and EU buyers with a valid VAT ID nr., EU buyers without a valid VAT ID nr. will be charged for Dutch VAT (21%).

Any fees (local taxes, import duties, PayPal etc.) not charged by the seller but related to the sale are the buyer's responsibility.

Payment by bank transfer is preferred, on request payment by PayPal is possible.
https://www.jpvanvliet.nl/emt-139st-b-replica/


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2020年06月17日
EMT139stのレプリカをGet !!(その1.)
https://91683924.at.webry.info/202006/article_8.html

https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/000/159235949143682363537-thumbnail2.jpg.html
 (左側が今回入手した、20世紀オーディオ技術社のEMT139st Bレプリカです。
右のシャーシはその電源部です。

それにしてもスゲー会社名ですね、オランダの会社だそうです。https://www.jpvanvliet.nl/index.html

 ベンプレ亭書斎のメインLPプレーヤーはEMT927stです。針はもちろんTSD15です。
 フォノイコライザーはオリジナルのEMT139stで聴いています。927、930のユーザーは139stではなく外部のフォノイコを使っておられる方が多いようですが、私の聴いた範囲では139stは素晴らしく音の良いフォノイコだと思います。

 927は元々馬力のある音が特徴ですが、139stを通すとその馬力が倍加、エッジのキリッとしたいかにも「独逸」という感じの音で凄いと思います。

 この139stの音の魅力は知る人ぞ知るです。なぜなら139stの完動品は年々減っていて、その音を聴いている人も次々と鬼籍に入られていますから。

 139stの生産されていた年月は意外に短く、1959年〜1963年だそうですから、生産台数も少ないでしょうし、60年ほど前にディスコンになった器械です。動作品の数が少ないのも、失われた物が多いのも仕方ないですね。

 1986年にステレオサウンドが企画して、カウンターポイント社が139stのレプリカ、SA-139stを作った事がありました。
音は良かったのかもしれませんが、これは回路も球(6DJ8でした)もトランスも全く違い、似てるのはサイズと形だけでした。

 さて私のEMT139stは購入当初は好調でしたが、その後2回調子を崩しました。その都度、親切な方に修理して頂きましたが、二回とも接触不良やCRパーツの寿命でした。

 今回3回目の不調に陥り、もう一度修理をお願いする事にしましたが、バックアップの139stが一台あればなぁと考えていました。
 真空管やCR回路は何とかなると思いますが、139stはHAUFE製の2個の入力トランスと2個の出力トランスが入っています。このトランスが切れたらオシャカですね。

 出力トランスの事は良く判りませんが、アンバラ出しなら回路を変更すれば無くてもイケるかもしれません。しかしMC入力トランスは必須でしょう。
 
 入力トランスに139stはハウフェのT210という40倍昇圧比のヤツを入れています。
 時代が下がってトランジスター式フォノイコの155stになると、やはりハウフェのT890という10倍昇圧比のトランスに変更されました。
 T890はいまでもオークションなどでたまに見かけ、私も2個ケーシングした物を持っています。しかしT210は探した範囲では見当たりません。

 もし139stがトランス断線でオシャカになったら、もう139stの迫力満点の音を聴くことは出来ないなぁと思っていました。

 しかし139stの音を今後も聴いていきたい927、930使いの人が今もいるのでしょうか、あるいは155stを使っていて、139stに交換したい人もいるのでしょうか、オランダの20th century audio technologiesという会社が139stのレプリカを作り、日本のサウンドボックスが輸入代理店になって輸入が開始されました。

 EMT139stがディスコンになって57年後の事です。
https://91683924.at.webry.info/202006/article_8.html


2020年06月17日
EMT139stのレプリカをGet !!(その2.)
https://91683924.at.webry.info/202006/article_9.html

 キーパーツの入出力トランスはハウフェの純正品という事です。内部のコンストラクションもオリジナルとよく似ています。
 以前のカウンターポイント・レプリカと異なり、出来るだけオリジナルに近づけようとした物の様で、シャーシの後部に16ピンのコネクターが出ており、927、930にはめ込むとそのまま音が出せるようになっています。

 トランスが同じなら似たような音が出そうです。肝心のトランスがNOSなのか再生産品なのかは分かりませんがハウフェのブランド品なら大外れは無いのでは?価格もバカ値ではないし。

 というわけで、Getしてしまいました。

 前記のように、このイコライザーは927、930にはめ込んで、その電源部からDCをもらうようになっていますが、927、930が無くても使えるように、別電源も売っていました。

 これは小型整流管(6C4)とブリッジダイオードを使用したありふれたものですが、値段がこなれていましたので、これも同時に購入しました。


https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/000/159235964652668864221-thumbnail2.jpg.html


 139stレプリカ(右側)の後面です。イコライザー後面に16ピンが出ており、ここを927、930にはめ込んで使うのがデフォ。
 この16ピンに、アース線、カートリッジの出力を受けるジャック、イコライザーアウトのジャックが出ており、別電源(左側)からのDCが受けられるコネクターを挿して使う事も出来ます。

 信号の入出力ジャックはバランス、アンバランス両方が選べるらしいですが、我が家に到着したものは受けがRCAアンバラ、出しがXLRバランスでした。

 ベンプレ亭書斎の2台のプリのうちの1台、ロンドンWE、グッドマンAXIOM22用のマンレイ・ミキサーはバランス受けなのでそのまま使えます。
 バスビン、WE13a用のプリ、是枝Lab.LL-AAはアンバラ受けなのですが、ここのプラグをXLR型に変えて(配線はアンバラのまま)繋いでも問題なく使えました。

 927stにはめ込んでの音と別電源を使用しての音を聴き比べてみました。
 音の傾向は当然同じですが、別電源を使用する方がノイズが下がります。なんとなく本体電源を使用する方が馬力がある感じなのですが、総合的に見て別電源の使用に軍配が上がりました。

 オリジナルの139stが無事帰還したら927stのフォノイコはオリジナルに戻しますが、こちらのレプリカ139stと電源部はモノラルLP用のTMD25(タンテはRCA70C-1)に使えますので無駄にはなりませんね。
https://91683924.at.webry.info/202006/article_9.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1151.html#c17

[リバイバル3] EMT フォノイコライザー155st 中川隆
1. 中川隆[-5940] koaQ7Jey 2021年4月07日 08:29:02 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[30]
Decca Decolaがお嫁入り
EMT155(st)について(1)
2017-09-15
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/51e066783e0c466d25b2e2502d12fa87

 EMT155stはソリッドステート構成のEMT155をステレオ対応したもの。両者の回路は同一で電源基板は共通。異なるのは増幅率だが基板上の結線で切り替え可能。

(出典 http://www.audiosharing.com/archive/german_audio/emt/) 

 入力トランス「T890」は1:10の昇圧だが2次側出力は2つのゲインの選択ができる。回路図では「c」の結線先が「d(1mV)」か「e(10mV)」になっていて基板図ではジャンパー線で選択するようになっている。

 手持ちの2台のEMT155で確認すると右下に各々「T890」入力トランスがあり(基板図はパーツ面からなので裏面)緑色と茶色のジャンパー線があって「緑がd」に「茶色がe」に繋がっていて10倍のゲイン差がある設定。d接続だとOFシリーズのカートリッジでは入力オーバーで歪んでしまう。ではEMT155stではどうだろうか?

 やはりEMT155と同じ基板(と思われる)2枚。ジャンパー線(茶色)は当然「d」に接続されている。ケースを外すと2枚の基板が上下面に現れてジャンパー線の変更も容易。EMT155と並べて内部を比べると

 4連と2連のボリューム、ロータリースイッチの違いが目立つがそれよりもEMT155の下部の空間と電源基板の電解コンデンサーと出力トランスの位置関係が目につく。トランスを避けてコンデンサーを配置している所などから開発の段階で既に将来のステレオ対応を考慮したのは確実。狭い空間にうまく収めていてメインテナンスもやりやすい。フォノイコライザーをモジュールと考えて何か不具合があればモジュールの交換で緊急対応したのだろうと思うがとても美しくて合理的。大したもんだと改めて思います。

 回路は信号路に6個の電解コンデンサーがあってトランスの1次側にも入っている。(ここだけ異なるのだが)EMT155stでは入力トランスにも電解コンデンサーが入っているのはなぜだろうか?メンテナンスする場合はイコライズカーブのチェックとともにコンデンサの良否の判定、交換がメインイベントになりそう。TMD,TNDなどのモノラルカートリッジを使用しRIAAカーブで再生する場合は表示「NAB RIAA DIN33,45」にすればステレオ時とカーブは変わらずモノラルで両ch出力される。
 通常EMT155stの表示板にはステレオ表記はあるのだが拙宅の表示板には無い。
 
 どうもこれはEMT155用の表示板と思われる。ステレオは5段、モノラルは4段の切り替えで当然ステレオポジションは無いわけでフォノイコライザーユニットの種類が変わっても表示板の交換で対応したわけだがステレオポジション以外は共通。
 またEMT153stは持ってないがプレーヤーデッキ上の切り替えはなくなり表示板を取り去った後の「穴」を塞ぐためのメクラ板が供給されている。本体にモノ、ステレオ切り替えと出力ゲイン調整ツマミが付いていてスクラッチフィルターは省略されている。入力のゲイン切り替えは入力トランスの1次側をパスすることで行なっているが「パス時には2次側の負荷抵抗を18kΩから68KΩに変更せよ」と書いてあるのでこれはMMカートリッジなどの高出力ハイインピーダンスカートリッジ対応の指示かと思います。OFシリースを入力トランスに入れてももはや歪まなかったのでは無いだろうか?信号路のコンデンサーも少ないし(それでも電解コンは入っているが!)真空管からオペアンプまで同じ本体で対応していたわけで。EMT928の内蔵EQとの違いは初段がオペアンプになったこと、オプションだったtreble adj.が無いことだが入力トランスは同じ、LINEアンプ部はほぼ共通の回路だが供給電圧が異なる。EMT153sは安定化電源まで搭載している。


 電子機器が推移していく一方で肝心のメカ部分は全く(と思うけど)変化していない。匠による機械の設計と製作技術は最初から完成されていたわけで。
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/51e066783e0c466d25b2e2502d12fa87


Decca Decolaがお嫁入り
EMT155(st)について(2)
2017-09-16
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/a2637b8611b8528bb796c4af59059aed

 EMT155(st)の整備をする場合にはプレーヤー本体から取り外して測定、整備する必要があり別電源を用意するかプレーヤー本体から電源を引き出すかする必要があります。EMT155(st)の電源の供給はプレーヤーの種類に応じて2種類あって前期は直流(12V〜15V)と交流(6.3V)の2系統、後期は交流(12.5V 145mA)1系統でどちらの形式のプレーヤーでも動作するようにEMT155(st)は設計されています。これはEMT927(st)と前期のEMT930(st)は管球式フォノイコライザーのEMT139(st)を標準搭載していたためで後継のEMT155(st)との互換性を持たせるための工夫だったわけで真空管のヒーター電源を利用しています。ところでEMT139Bのヒーター電源は初段のみ直流点火だが電圧は6.0V、しかしEMT155(st)へ供給する直流電源部(7aと7b)の電圧表示は回路図では12V〜15Vになっている。これはヒーター回路に接続すると消費電力が大きいため電圧降下を起こすことを見越した設計らしい。このヒーター回路にはブリーダー抵抗も入っていて将来のソリッドステート化を見越しての設計だった、、とは思えないがちょっと興味深い。電源は自作することにするが当然トランス1個で足りる交流1種類(後期型)にすることにします。適当なケースに16ピンコネクターと入出力ジャックなどを組み込んでみる。


 


 AC12.5Vは適当なACアダプターを分解して整流回路を取り外して改造した。しかし接続時にAC12.5Vにするにはどうしたらいいのかよくわからない。高い電圧をスライダックを使って実測しながら調整することにします。最終的に抵抗をACに入れるかコネクター7aと7bの間の直流に入れるかはまた検討します。
 
 実際に接続してみるとAC145mAの負荷ではほとんど電圧降下を起こさないことがわかりました。
 早速配線して音出ししてみる。

 、、、盛大にハムが聞こえる。EMT139Bの経験が役に立ってないぞー。入力ジャックはシャーシアースに接続されているが出力トランスの2次側はアースしてはいけなかった。ピンジャックをフロートするとハムは消えるがうまく処理できるだろうか。。

 手直ししてEMT155(st)アダプターは完成しました。

 出力トランスの出力は接地していません。今まで使っていたスイッチクラフトのRCAジャック用の絶縁スペーサーもあるらしいのですが残念ながら手元にはないので色々考えた末に2連の端子板付きのジャックとなりました。芸がないなぁ。。また買いに行ったパーツ屋さんにDC7.5Vのアダプターがあったのでトランス2次側のセンタータップ出力だとすると両端で丁度12.5V程度のACが取り出せそう、、と目論んで購入したのだが分解してみるとセンタータップなしのブリッジ整流であえなく却下となった。300円だったからまあいいか。。今まで使っていたアダプター内に電圧ドロップ用のホーロー抵抗を仕込んで両端接続でなんとか14Vにして対応。

 これで聴いてみると、、快調です。トランスケースの発熱も問題ない。これでようやくEMT155(st)の整備ができる環境が整った。また単独使用時にもアダプターとして重宝しそう。


 EMT155stの回路図を見ていて気づいたことですが途中で変更があったようで後期の回路図の入力トランスの1次側には33μFのコンデンサーが入っている。EMT155には無いモノなので気になっていたのだが初期のEMT155stにもこのコンデンサーは無い。なぜ追加されたのだろうか??
 TSD15用の昇圧トランス STX 20

 中には昇圧トランス T890/1 が(このトランスも大きさの異なる2種類あるようだがこちらは小さい方)また1次側にはシリーズに33μFのタンタルコンデンサーが、2次側には26.5kΩの抵抗器がパラに入っている。これらは後期型EMT155stの入力部分と同様の回路。またプリント基板上に出ている突起(写真)は1次側と2次側のアースを接続している部分で現在は導通しているがここを切断して切り離すこともできる(という仕様かと思う)実際にEMT930stからのカートリッジ引き出し線を接続するとハムが発生していてEMT155stの場合と同様にここを切り離す必要があった。
 ここまで来てこれはやはりEMt930st本体の接続がおかしいのでは無いか、、という気がして来た。信号ラインのアースとモーター関係のアースが混じってしまってハムが載るのでは無いか、、と。回路図と比べると接地を切り離す箇所もあるし。早速実行してみるも目立った変化はなく今後の課題となりました。

 EMT155(st)は一連のアナログレコード再生システムの一つのパーツであるわけですがその完成度には改めて感心することが多かった。EMT155とまったく同じ基板2枚を同一のケースに収めてステレオにしていること、仕様変更のあった新旧のプレーヤーに対応していること、内部にトランス以外の電源回路を装備していること、イコライザー回路の他にラインアンプが内蔵されていて出力調整もあることから単独で使用できるくらいの実力もあることなど。EMT155stの後継機のEMT153stはオペアンプを使用しておりスクラッチフィルターとイコライザーカーブ切り替えが廃止され(プレーヤー本体からの操作ができなくなった)性能も飛躍的に向上している(だと思う)。同じ筐体の中に真空管からオペアンプまでのオーディオの歴史の流れを見ているようで妙に納得する。しかし重厚から軽薄に移行したわけでは決してないとは思うが有難味が薄れたように感じるのも事実でこれは自分が技術者ではなくタダのアマチュアオーディオ愛好家だからだと思います。一点EMT各々の機器に共通しているのは増幅素子やプレーヤーのメカニズムは変化しても入出力にはトランスを用いていることでここは譲れなかったEMTのこだわりを感じる。

 しばらく聴いていても特に問題は感じないので測定はまた今度にします(測定機器は棚に仕舞ってしまったので)。
 EMT155(モノラル)に交換してみる。

 電源や引き出しは共通に使えます。モノラルなので当然片chしか出力しない。っと出力はされるが「バリバリ」というすごいノイズが入る。EMT155stに比べるとゲインが低い、、。出力調節の半固定ボリュームをドライバーで回すとさらに特大「バリバリ」でどうやら原因は此処のよう。ゲインが低いのは内部の結線がそうなっているからだった(EMT155(st)について(1)をご参照ください)。
 もう一機のEMT155と交換すると

 先ほどでは無いがやはりボリュームを回すとガリオーム状態。こちらのゲインはEMT155stと同じで先ほどのと結線が異なっている。
 ゲインの確認ができたところでカートリッジをOFD15と交換してみる。

 このアームのメインウェイトでは適正針圧はかけることができない(カートリッジが重すぎてカバーできない)。。やはり高ゲインEMT155では歪みます。通常のEMT155stではOFシリーズの再生は無理なようです。
 1/10ゲインのEMT155では良好に再生します。しばらく聴いてみる。


 シューベルト 死と乙女(Death and the Maiden)  Vienna Konzerthaus Quartet (Westminster 国内復刻版)

 しばらくTSDを聴いていたが久しぶりのOFDはやはり「強い音」、もしくは「きつい音」かもしれない。これに慣れてからTSDに戻すときっと「腑抜けの音」になってしまうのだと思う。モノラル復刻版なのでOFD15あたりがぴったりかと思います。EMT155stを装着している場合にOFDカートリッジでうまく再生するにはイコライザーをパスして信号を引っ張り出してなんとかするか、EMT155stの内部結線を変更するか、モノラル用にEMT155を用意しておき、取り替えるかする必要がある。なかなか面倒だしTSDに戻す時はまた変更しなくてはならない。。アームの調整(メインウェイトの交換やラテラルバランスウェイトの追加など)もいるしいっそのことモノラル専用のアームを別に設けるのも方法かと思う。EMT930st用に外付けブロックでこれを達成した写真を見たことがあります。EMT927stの場合はボードに穴を開ける必要があってなかなか勇気がいる。(EMT927Fのようにもともとダブルアーム用だった機器には穴が空いています)また新たなアームを取り付ける付近には電源があってノイズ対策が必要になる。現場ではOFシリーズはステレオレコードが主流になってからはあまり使われなかったのではないかと思います。しかしOFD25をはじめ実際に再生してみると圧倒的な魅力に溢れているのも事実でアマチュアとしてはなんとか両立させたいところではある。 
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/a2637b8611b8528bb796c4af59059aed
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1156.html#c1

[リバイバル3] EMT927st の世界 中川隆
18. 中川隆[-5939] koaQ7Jey 2021年4月07日 08:31:15 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[31]
EMT 927st / 155st   ¥5,500,000 (税込¥5,940,000)
http://www.jupiteraudio.com/10007/10007.html

当社秘蔵品の一台です。
世界的にも放送局等で導入され、君臨してきたドイツ有数のオーディオ機器メーカーEMT の最高峰アナログプレーヤー927st のご紹介です。

仕様は、EQ Amplifier 155st を標準装備した一般的な仕様となります。

アームはEMT 社 Banana 997 です。
カートリッジはEMT TSD-15 を付属しています。

販売にあたり、総合的にオーバーホールを施しました。
メカニカルな部分を含め、電気的な部分、特に電源供給部分及び155st を中心にフルメンテナンスをさせていただきました。

モーターも一度分解し、ベアリング研磨はじめベアリングの受けの交換、オイル交換を行い極限まで追い込みをかけ、回転数の安定感を確保しております。
そして、各むき出しの基板を安全上、透明のアクリル保護カバーで覆うことにより、PSE にも対応しております。

更には、ターンテーブルプラッターの裏側のブレーキフェルトが接地する部分を、新品時と同様にバフがけしております。
殆どの製品は、ご覧いただけるとわかると思いますが、接地面がツルツルで光っているものが多いと思われます。

こちらの個体は、スイッチを入れ回して直ぐに低速に入ります。
927は通常、最初は僅かに回転揺れがあり、しばらくすると落ち着くものが多いのですが、中にはこのような優秀なものもあるようです。

さて、その佇まいからしていかにもドイツ的であり、他のプレーヤーなどなぎ倒していくような雰囲気ですが、事実その通りかもしれません。
それほど威圧感も存在感もあり、他を寄せ付けません。
927 の舌に930 がありますが、同じEQ 155st を搭載していても、ここまで違うのかと驚嘆させられます。

930 はドイツの戦車で言うと、シャーマンのような存在で、それを圧倒する存在が、パンターやタイガーであったように、927 は唯一の孤高の存在であったのでしょう。

直径46cm というターンテーブルプラッターから繰り出される、はつらつとしたサウンドは別次元のようです。
殆どが二次元的に再生される中、三次元で音が表現され、ターンテーブルの上で演奏会が開かれてるようにさえ感じさせてくれます。
まさに、センセーショナルなサウンドです。

その圧倒的な存在感はその世界観をつくり、全てがそれを軸に回るという法則を生み出します。
現代プレーヤーのような、草食系サウンドではありません。
まさに肉食系です。
その野性味あふれたサウンドをぜひ聴いていただきたい。
ジャズはともかく、クラシックのピアノ系やオペラ等、それらを耳にした時あらゆる概念は変わることでしょう。

http://www.jupiteraudio.com/10007/10007.html  



▲△▽▼


Decca Decolaがお嫁入り
EMT155(st)について(1)
2017-09-15
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/51e066783e0c466d25b2e2502d12fa87
 EMT155stはソリッドステート構成のEMT155をステレオ対応したもの。両者の回路は同一で電源基板は共通。異なるのは増幅率だが基板上の結線で切り替え可能。

(出典 http://www.audiosharing.com/archive/german_audio/emt/) 

 入力トランス「T890」は1:10の昇圧だが2次側出力は2つのゲインの選択ができる。回路図では「c」の結線先が「d(1mV)」か「e(10mV)」になっていて基板図ではジャンパー線で選択するようになっている。

 手持ちの2台のEMT155で確認すると右下に各々「T890」入力トランスがあり(基板図はパーツ面からなので裏面)緑色と茶色のジャンパー線があって「緑がd」に「茶色がe」に繋がっていて10倍のゲイン差がある設定。d接続だとOFシリーズのカートリッジでは入力オーバーで歪んでしまう。ではEMT155stではどうだろうか?

 やはりEMT155と同じ基板(と思われる)2枚。ジャンパー線(茶色)は当然「d」に接続されている。ケースを外すと2枚の基板が上下面に現れてジャンパー線の変更も容易。EMT155と並べて内部を比べると

 4連と2連のボリューム、ロータリースイッチの違いが目立つがそれよりもEMT155の下部の空間と電源基板の電解コンデンサーと出力トランスの位置関係が目につく。トランスを避けてコンデンサーを配置している所などから開発の段階で既に将来のステレオ対応を考慮したのは確実。狭い空間にうまく収めていてメインテナンスもやりやすい。フォノイコライザーをモジュールと考えて何か不具合があればモジュールの交換で緊急対応したのだろうと思うがとても美しくて合理的。大したもんだと改めて思います。

 回路は信号路に6個の電解コンデンサーがあってトランスの1次側にも入っている。(ここだけ異なるのだが)EMT155stでは入力トランスにも電解コンデンサーが入っているのはなぜだろうか?メンテナンスする場合はイコライズカーブのチェックとともにコンデンサの良否の判定、交換がメインイベントになりそう。TMD,TNDなどのモノラルカートリッジを使用しRIAAカーブで再生する場合は表示「NAB RIAA DIN33,45」にすればステレオ時とカーブは変わらずモノラルで両ch出力される。
 通常EMT155stの表示板にはステレオ表記はあるのだが拙宅の表示板には無い。
 
 どうもこれはEMT155用の表示板と思われる。ステレオは5段、モノラルは4段の切り替えで当然ステレオポジションは無いわけでフォノイコライザーユニットの種類が変わっても表示板の交換で対応したわけだがステレオポジション以外は共通。
 またEMT153stは持ってないがプレーヤーデッキ上の切り替えはなくなり表示板を取り去った後の「穴」を塞ぐためのメクラ板が供給されている。本体にモノ、ステレオ切り替えと出力ゲイン調整ツマミが付いていてスクラッチフィルターは省略されている。入力のゲイン切り替えは入力トランスの1次側をパスすることで行なっているが「パス時には2次側の負荷抵抗を18kΩから68KΩに変更せよ」と書いてあるのでこれはMMカートリッジなどの高出力ハイインピーダンスカートリッジ対応の指示かと思います。OFシリースを入力トランスに入れてももはや歪まなかったのでは無いだろうか?信号路のコンデンサーも少ないし(それでも電解コンは入っているが!)真空管からオペアンプまで同じ本体で対応していたわけで。EMT928の内蔵EQとの違いは初段がオペアンプになったこと、オプションだったtreble adj.が無いことだが入力トランスは同じ、LINEアンプ部はほぼ共通の回路だが供給電圧が異なる。EMT153sは安定化電源まで搭載している。


 電子機器が推移していく一方で肝心のメカ部分は全く(と思うけど)変化していない。匠による機械の設計と製作技術は最初から完成されていたわけで。
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/51e066783e0c466d25b2e2502d12fa87


Decca Decolaがお嫁入り
EMT155(st)について(2)
2017-09-16
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/a2637b8611b8528bb796c4af59059aed

 EMT155(st)の整備をする場合にはプレーヤー本体から取り外して測定、整備する必要があり別電源を用意するかプレーヤー本体から電源を引き出すかする必要があります。EMT155(st)の電源の供給はプレーヤーの種類に応じて2種類あって前期は直流(12V〜15V)と交流(6.3V)の2系統、後期は交流(12.5V 145mA)1系統でどちらの形式のプレーヤーでも動作するようにEMT155(st)は設計されています。これはEMT927(st)と前期のEMT930(st)は管球式フォノイコライザーのEMT139(st)を標準搭載していたためで後継のEMT155(st)との互換性を持たせるための工夫だったわけで真空管のヒーター電源を利用しています。ところでEMT139Bのヒーター電源は初段のみ直流点火だが電圧は6.0V、しかしEMT155(st)へ供給する直流電源部(7aと7b)の電圧表示は回路図では12V〜15Vになっている。これはヒーター回路に接続すると消費電力が大きいため電圧降下を起こすことを見越した設計らしい。このヒーター回路にはブリーダー抵抗も入っていて将来のソリッドステート化を見越しての設計だった、、とは思えないがちょっと興味深い。電源は自作することにするが当然トランス1個で足りる交流1種類(後期型)にすることにします。適当なケースに16ピンコネクターと入出力ジャックなどを組み込んでみる。


 


 AC12.5Vは適当なACアダプターを分解して整流回路を取り外して改造した。しかし接続時にAC12.5Vにするにはどうしたらいいのかよくわからない。高い電圧をスライダックを使って実測しながら調整することにします。最終的に抵抗をACに入れるかコネクター7aと7bの間の直流に入れるかはまた検討します。
 
 実際に接続してみるとAC145mAの負荷ではほとんど電圧降下を起こさないことがわかりました。
 早速配線して音出ししてみる。

 、、、盛大にハムが聞こえる。EMT139Bの経験が役に立ってないぞー。入力ジャックはシャーシアースに接続されているが出力トランスの2次側はアースしてはいけなかった。ピンジャックをフロートするとハムは消えるがうまく処理できるだろうか。。

 手直ししてEMT155(st)アダプターは完成しました。

 出力トランスの出力は接地していません。今まで使っていたスイッチクラフトのRCAジャック用の絶縁スペーサーもあるらしいのですが残念ながら手元にはないので色々考えた末に2連の端子板付きのジャックとなりました。芸がないなぁ。。また買いに行ったパーツ屋さんにDC7.5Vのアダプターがあったのでトランス2次側のセンタータップ出力だとすると両端で丁度12.5V程度のACが取り出せそう、、と目論んで購入したのだが分解してみるとセンタータップなしのブリッジ整流であえなく却下となった。300円だったからまあいいか。。今まで使っていたアダプター内に電圧ドロップ用のホーロー抵抗を仕込んで両端接続でなんとか14Vにして対応。

 これで聴いてみると、、快調です。トランスケースの発熱も問題ない。これでようやくEMT155(st)の整備ができる環境が整った。また単独使用時にもアダプターとして重宝しそう。


 EMT155stの回路図を見ていて気づいたことですが途中で変更があったようで後期の回路図の入力トランスの1次側には33μFのコンデンサーが入っている。EMT155には無いモノなので気になっていたのだが初期のEMT155stにもこのコンデンサーは無い。なぜ追加されたのだろうか??
 TSD15用の昇圧トランス STX 20

 中には昇圧トランス T890/1 が(このトランスも大きさの異なる2種類あるようだがこちらは小さい方)また1次側にはシリーズに33μFのタンタルコンデンサーが、2次側には26.5kΩの抵抗器がパラに入っている。これらは後期型EMT155stの入力部分と同様の回路。またプリント基板上に出ている突起(写真)は1次側と2次側のアースを接続している部分で現在は導通しているがここを切断して切り離すこともできる(という仕様かと思う)実際にEMT930stからのカートリッジ引き出し線を接続するとハムが発生していてEMT155stの場合と同様にここを切り離す必要があった。
 ここまで来てこれはやはりEMt930st本体の接続がおかしいのでは無いか、、という気がして来た。信号ラインのアースとモーター関係のアースが混じってしまってハムが載るのでは無いか、、と。回路図と比べると接地を切り離す箇所もあるし。早速実行してみるも目立った変化はなく今後の課題となりました。

 EMT155(st)は一連のアナログレコード再生システムの一つのパーツであるわけですがその完成度には改めて感心することが多かった。EMT155とまったく同じ基板2枚を同一のケースに収めてステレオにしていること、仕様変更のあった新旧のプレーヤーに対応していること、内部にトランス以外の電源回路を装備していること、イコライザー回路の他にラインアンプが内蔵されていて出力調整もあることから単独で使用できるくらいの実力もあることなど。EMT155stの後継機のEMT153stはオペアンプを使用しておりスクラッチフィルターとイコライザーカーブ切り替えが廃止され(プレーヤー本体からの操作ができなくなった)性能も飛躍的に向上している(だと思う)。同じ筐体の中に真空管からオペアンプまでのオーディオの歴史の流れを見ているようで妙に納得する。しかし重厚から軽薄に移行したわけでは決してないとは思うが有難味が薄れたように感じるのも事実でこれは自分が技術者ではなくタダのアマチュアオーディオ愛好家だからだと思います。一点EMT各々の機器に共通しているのは増幅素子やプレーヤーのメカニズムは変化しても入出力にはトランスを用いていることでここは譲れなかったEMTのこだわりを感じる。

 しばらく聴いていても特に問題は感じないので測定はまた今度にします(測定機器は棚に仕舞ってしまったので)。
 EMT155(モノラル)に交換してみる。

 電源や引き出しは共通に使えます。モノラルなので当然片chしか出力しない。っと出力はされるが「バリバリ」というすごいノイズが入る。EMT155stに比べるとゲインが低い、、。出力調節の半固定ボリュームをドライバーで回すとさらに特大「バリバリ」でどうやら原因は此処のよう。ゲインが低いのは内部の結線がそうなっているからだった(EMT155(st)について(1)をご参照ください)。
 もう一機のEMT155と交換すると

 先ほどでは無いがやはりボリュームを回すとガリオーム状態。こちらのゲインはEMT155stと同じで先ほどのと結線が異なっている。
 ゲインの確認ができたところでカートリッジをOFD15と交換してみる。

 このアームのメインウェイトでは適正針圧はかけることができない(カートリッジが重すぎてカバーできない)。。やはり高ゲインEMT155では歪みます。通常のEMT155stではOFシリーズの再生は無理なようです。
 1/10ゲインのEMT155では良好に再生します。しばらく聴いてみる。


 シューベルト 死と乙女(Death and the Maiden)  Vienna Konzerthaus Quartet (Westminster 国内復刻版)

 しばらくTSDを聴いていたが久しぶりのOFDはやはり「強い音」、もしくは「きつい音」かもしれない。これに慣れてからTSDに戻すときっと「腑抜けの音」になってしまうのだと思う。モノラル復刻版なのでOFD15あたりがぴったりかと思います。EMT155stを装着している場合にOFDカートリッジでうまく再生するにはイコライザーをパスして信号を引っ張り出してなんとかするか、EMT155stの内部結線を変更するか、モノラル用にEMT155を用意しておき、取り替えるかする必要がある。なかなか面倒だしTSDに戻す時はまた変更しなくてはならない。。アームの調整(メインウェイトの交換やラテラルバランスウェイトの追加など)もいるしいっそのことモノラル専用のアームを別に設けるのも方法かと思う。EMT930st用に外付けブロックでこれを達成した写真を見たことがあります。EMT927stの場合はボードに穴を開ける必要があってなかなか勇気がいる。(EMT927Fのようにもともとダブルアーム用だった機器には穴が空いています)また新たなアームを取り付ける付近には電源があってノイズ対策が必要になる。現場ではOFシリーズはステレオレコードが主流になってからはあまり使われなかったのではないかと思います。しかしOFD25をはじめ実際に再生してみると圧倒的な魅力に溢れているのも事実でアマチュアとしてはなんとか両立させたいところではある。 
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/a2637b8611b8528bb796c4af59059aed


EMT フォノイコライザー155st
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1156.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1151.html#c18

[近代史4] CDプレーヤー・DAC・パソコンオーディオ 中川隆
11. 中川隆[-5938] koaQ7Jey 2021年4月07日 08:32:30 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[32]
EMT フォノイコライザー155st
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1156.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/119.html#c11
[リバイバル3] アナログ レコードの世界 中川隆
33. 中川隆[-5937] koaQ7Jey 2021年4月07日 08:33:27 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[33]

EMT フォノイコライザー139st
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1149.html

EMT フォノイコライザー155st
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1156.html

EMT フォノイコライザー JPA66
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1150.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1145.html#c33

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
150. 中川隆[-5936] koaQ7Jey 2021年4月07日 08:43:22 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[34]
アナログ レコードの世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1145.html

EMT927st の世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1151.html

レコードプレイヤー EMT 930st
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1155.html

EMT フォノイコライザー139st
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1149.html

EMT フォノイコライザー155st
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1156.html

EMT フォノイコライザー JPA66
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1150.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c150

[番外地9] 所得税ゼロ、社会保険の掛け金ゼロ、法人税70% でいい 中川隆
2. 2021年4月07日 08:51:27 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[35]

77 7
1 分前(編集済み)
@登山本
>銀行の、システム開発を、行うとわかりますよ‼️
>三橋氏の言われてることは、正しいですよ!

そもそも銀行が自己資本を持っていなければ貸し出しはできない
預金通帳に金額を書けば金がゼロから生まれる訳ないだろ
自己資金を担保に貸しているだけだ

融資が焦げ付いた場合、預金などの他人資本に手を付けるわけにはいかないので、銀行には一定水準以上の自己資本を持つことが義務付けられています。 国際的な業務を営む銀行の場合、自己資本比率=自己資本÷融資額(リスクアセット)×100 の下限は8%、国内業務に限っている場合には4%という「自己資本比率規制」があり、これを維持することがBIS(国際決済銀行)によって義務付けられています。

77 7
77 7
1 秒前
@SPW
>イングランド銀行や全国銀行協会の論考を否定しようと言うのだから、救いようがない。

それは日銀当座預金の話だ。
政府はいくらでも自由に紙幣を発行できるんだから、イングランド銀行や全国銀行協会の論考なんかなくても当たり前の事だ。単に金を発行すれば貨幣価値が下がるというだけの事だ。
http://www.asyura2.com/21/ban9/msg/286.html#c2

[近代史5] 新型コロナウイルス対策による経済の麻痺は富豪への資産集中を促進する 中川隆
23. 2021年4月07日 09:44:42 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[36]
世界の富豪 アマゾンのベゾス氏1位 富裕層への富の集中進む
2021年4月7日 5時33分

アメリカの経済誌フォーブスは6日、ことしの世界の富豪ランキングを発表し、アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏が4年続けてトップとなりました。日本円で1100億円以上の資産を持つ「ビリオネア」と呼ばれる人は去年に比べ大幅に増え、富裕層がより多くの資産を持つ傾向が顕著になっています。

4年連続でトップとなったベゾス氏の資産は1770億ドル、日本円で19兆4700億円で、去年に比べて1.5倍以上に増えました。

2位は、電気自動車メーカー・テスラの経営トップ、イーロン・マスク氏で1510億ドル、16兆6100億円でした。

いずれも大幅な株価の上昇が主な要因と見られ、特にテスラの株価は、去年の同じ時期に比べて、およそ7倍に値上がりし、マスク氏は去年の31位から一気に順位を上げました。

このほか、ルイ・ヴィトンなどを持つLVMHグループ会長のベルナール・アルノー氏と家族が1500億ドルで3位、マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏が1240億ドルで続いています。

日本からは、ソフトバンクグループの孫正義社長が454億ドルで29位、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長と家族が441億ドルで31位に入りました。

資産が10億ドル、1100億円以上の「ビリオネア」と呼ばれる資産家の総数は、今回、2755人とこれまでで最も多くなりました。

これらの人の資産を合わせると13兆ドル余りとなり、去年より60%以上多く、新型コロナウイルスの感染拡大の中でも、急激な株価の上昇などで、富裕層により多くの資産が集まる傾向が顕著になっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210407/k10012960221000.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/228.html#c23

[番外地9] 所得税ゼロ、社会保険の掛け金ゼロ、法人税70% でいい 中川隆
3. 中川隆[-5935] koaQ7Jey 2021年4月07日 10:01:09 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[37]

77 7
77 7
1 時間前
@SPW
>イングランド銀行や全国銀行協会の論考を否定しようと言うのだから、救いようがない。

それは日銀当座預金の話だ。
政府はいくらでも自由に紙幣を発行できるんだから、イングランド銀行や全国銀行協会の論考なんかなくても当たり前の事だ。単に金を発行すれば貨幣価値が下がるというだけの事だ。

登山本
注目の返信
登山本
16 分前
@77 7 コンピューターシステムには、すべてのロジックが、組み込まれています。
窓口で端末をたたいて、通帳に、
書き込まれるですね!
いろいろな、条件はありますが、、、入力することで、通帳に記入され、出金して、家を買ったり、車が買えるんですね。
間違っていたら、、、大変なことになりますね‼️
システムが、すべてですわ!

77 7
77 7
1 秒前
@登山本
それは単なる金融処理のツールだろ
ソロバンを使って手で書いても、パソコン端末を使っても、やっていることは全く同じで、何千年も前から何も変わっていない。
本質がわからないから そういうツールの外見に騙されているだけさ。
貨幣というのは現在でも物々交換を効率化しただけのものさ。原始時代から何一つ変わっていない。
原始時代でも貨幣はそれ自体に価値が有るモノではなかったよ。
三橋何とかさんは経済の歴史を何も知らないんだ。
http://www.asyura2.com/21/ban9/msg/286.html#c3

[近代史4] アメリカの闇 政治を金で買う超富裕層 中川隆
3. 2021年4月07日 10:24:08 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[38]
ベトナム戦争の時もそうだったが、アメリカには自国軍を無敵の「神の軍隊」だと考えている人が少なくない。しかも、エリートは戦争を知らない。

ベトナム戦争時代、アメリカには徴兵制があったのだが、有力者の子どもが戦場へ派遣されないようにするため、「シャンパン部隊」が存在していた。

CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)の「フォーチュネート・サン」はこうした部隊のことを歌っている曲である。

今は徴兵制もない。戦争を知らないだけでなく、負けるという発想がアメリカのエリートにはない。それだけ危険な存在だということだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202104070000/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/634.html#c3

[近代史3] ヤクザは女性に言う事をなんでも聞かせる為に刺青をしている 中川隆
18. 2021年4月07日 10:33:29 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[39]
◆女に食わせてもらうためにやっている男たちの手口とは?
https://blackasia.net/?p=830


この世には、女たちの肉体を食い漁る男とは別に、女たちに寄生して吸血コウモリのように「金」を吸い続ける男たちの存在がある。

あるデリヘル嬢と、こうした男たちのことを話していた時、彼女はこのようなことを言った。

「優しく金を巻き上げるのがホスト、暴力的に金を巻き上げるのがDV男、寄生して金を巻き上げるのがヒモ……」

彼女に言わせれば、この中で一番最悪なのがDV男(家庭内暴力を振るう男)なのだが、「優しいお客さんと結婚した風俗嬢はたくさんいるんだけど、結婚したらみんなDV男になってるの」と私に言った。

風俗嬢が好きになるのがホスト、好かれるのがDV男、付き合ったらヒモになるということだ。

風俗嬢は金を稼ぐ。金を稼ぐところには悪人が寄ってくる。売春地帯やセックス産業は、本当に真面目で清廉潔癖な男は近寄らないので、男たちを分類すると悪人の比率が高い。

風俗嬢と結婚する男が家庭内暴力を振るう男の比率が高いとしても、それは驚きではない。アンダーグラウンドとはそんな世界だ。

男たちは言葉巧みに愛を囁いたり君臨したりして、女たちが稼いだ金を毟り取っていく。その手口は一様ではないのだが類型パターンもある。

https://blackasia.net/?p=830
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/194.html#c18

[近代史5] オーディオ関係のブログ 中川隆
20. 中川隆[-5933] koaQ7Jey 2021年4月07日 10:41:33 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[41]
audio identity (designing)宮ア勝己 
http://audiosharing.com/blog/

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/412.html#c20
[リバイバル3] EMT927st の世界 中川隆
19. 中川隆[-5932] koaQ7Jey 2021年4月07日 11:12:15 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[42]
レコードプレーヤー - 1144577792 - したらば掲示板
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1144577792/


164: でしべる :2014/01/16(木) 00:12:44 HOST:116-91-163-54.east.fdn.vectant.ne.jp
SP−10mk2&3
かったるくないですよ〜^^:
EMT927って憧れますね♪

165: 果報モン :2014/01/16(木) 00:24:19 HOST:zaq7ac40c2c.zaq.ne.jp
モダンJAZZやロックはガラード#301&#401
クラシック、トラッドJAZZ、ボーカルはトーレンス#124&#226
可も無く不可も無く、安心で使いやすいのがDP80でつね。

オイラの使用経験&体験でつ。

EMTなんぞは家庭での実用には不向き、40の峠で達観???しますた。
扱いやすいのが、・・・・・・ヤッパシでつ。

166: 果報モン :2014/01/16(木) 00:35:17 HOST:zaq7ac40c2c.zaq.ne.jp
補足

過去の愛機で手放したもの
@マイクロBL91L、同BL111、同5000、AデンオンDP80(SME3012)BラックスPD121(SME3009imp)etc

現在の愛機
@トレンス#124×2、#226、Aガラード401、Bエンパイア#698、CマイクロDD8でつ。

PLが一番場所を取り、場所を選ぶ厄介モン???かも・・・お察しくだされ
 
合掌!♪

167: 薬漬け :2014/01/16(木) 00:42:58 HOST:zaq77189080.zaq.ne.jp
>>164

でしべるさん、EMT927は元が検聴用ですから音は大小細かい音まで“山ほど”出てきますが、それだけに
音もシビア、「耳から血が出る音」といわれます。
(ちなみに未確認情報ながら、927の正規バージョンは通常の927stまでで、いわゆる927Dstは日本向け
特別仕様(従って正規の検聴用ではない)との話があります。然るべき人に聞いた話ながら、ちょっと驚き
ました。)

対して930stは、使えば使うほど味があります。プロ用だけあってこれほど操作性を考え抜かれて作られた
プレーヤーも少ないでしょう。
音はやや天井の低いピラミッドと言われ、自分でもそう思っていたのですが、最近ちょっと小細工をしました。
155stから直接プリアンプに行かずに、マークレビンソンML-1Lのラインに入力してRec Outで出し、それを
UESUGI U-BROS1のラインで受けて増幅しています。こうすると音が非常に瑞々しい音に変化します。
電気的な理由は私には説明はつきませんが、聴いた印象としては、です。

難点としては、メンテナンスフリーではないところでしょうね。面倒臭がり屋にはちょっと向きません。
(定期的にお店にメンテに出すということなら別です。)
その代わり、そうしてメンテナンスしていく限り、おそらく使っている本人より寿命は長いでしょう。

168: ディラン :2014/01/16(木) 01:28:23 HOST:FL1-122-130-211-80.kyt.mesh.ad.jp
>PLが一番場所を取り、場所を選ぶ厄介モン???かも・・・お察しくだされ
仰せの通リ、皆さん如何していらっしゃるのでしょう?
数mのフォノケーブル?イチイチセット?2台が限度。ああ〜、そうか皆さんこのADPにはこのプリと複数のセットでしたね。
当方は2台が限度。良かったです、PL,アーム、カート、プリ、さらにはパワーなんぞと考えれるとレコード聴く時間が無くなり末でつ。

169: 果報モン :2014/01/16(木) 01:46:14 HOST:zaq7ac40c2c.zaq.ne.jp
わかります。

EMT、ゴールド問答無用、トーレンスリファレンス、レビン損、BMW?etc
愛用者(殆んど飾り鴨?)のドヤ!顔。

良い子は真似をしないよう祈念&祈願&奇顔。(;一_一)

寒イボでますでつ。

170: 前期 :2014/01/16(木) 10:01:58 HOST:h116-0-244-116.catv02.itscom.jp
EMTは先輩技術者がもう何十年と愛用していますが薬漬けさんご指摘のとおり
定期保守さえ怠らなければ見事な性能を維持します。オーディオに限らず欧州
の高級品にはこういう設計思想のものが多いですね。
音は危なっかしいところがひとつもない。ガッシリした安定した響きでオケで
いえばBフィルみたい。
糸ドライブが裸足で逃げ出す音です。難点はボンビーには無縁の値段!

171: 薬漬け :2014/01/16(木) 14:22:21 HOST:s662105.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp
>>170 前期さん、こんにちは。

お値段ですが、中堅層が買う場合には耐久年数を考えると却って安いかも知れませんよ(笑)。
(悪友で比較的新しいDD を購うも数年で調子が悪くなり、これで数台買い替えている奴が
います。クワバラクワバラ(汗))

ただ、状態のいい個体に巡りあえるかが問題ですが…。これはガラードやトーレンスなど、
ヴィンテージプレーヤー一般に言えることかも知れませんね。

172: 前期 :2014/01/16(木) 14:57:29 HOST:h116-0-244-116.catv02.itscom.jp
>>171 薬漬けさん、こんにちは。

>数年で調子が悪くなり・・・・・

よほど当たりが悪かったのでしょうか。
拙宅の松下SP-10MK2は1980年に購入してから健気に働いてくれています。
専用のレジンモールドベースやアクリルカバーこみで\138,000でした。
安くはなかったですね。現役だから買えたようなものです。
今やジャンクを購入して香具師の改造にいそしむ惨めなボンビーです(涙)。

173: SAT-IN :2014/01/16(木) 16:49:48 HOST:s632038.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp
>松下SP-10MK2
凄いですね、モノホンですね。
ま、他が似非と言う訳じゃないんですが、プレーヤーにそこそこ金をかけるのは
案外難しいものです。
どうしてもアンプやスピーカーにウェイトが行きがちですからね。
トーレンスやEMTになるとまた別の世界の印象があります。

174: 薬漬け :2014/01/16(木) 18:32:16 HOST:s662105.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp
>>173

難しいですねえ…。
突き詰めて考えると、悪い言い方ですが「手を抜ける」ところは余り無いのですよね。
・スピーカー → 再生音の終局的な性格を決定する
・プレーヤー → 入り口で拾い得た以上の音情報は出てこない
・アンプ → 微細信号をおろそかにすると再生音に直結する

結局、何だかんだで全てに何らかの形で目配せをしなければならない、というのが実状と
なるのでしょうか。
まあ、程々でと思うのはケーブルぐらい…。(もちろん相性の吟味はしますが、値段は
無関係です。高価 ≒音は変わる ≠ 良い音、と思っていますので。)

176: SAT-IN :2014/01/16(木) 20:02:59 HOST:s632038.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp
「音は入り口から」と言う考え方でいくとプレーヤーはカートリッジと共に重要なウェイトを占めますね。
ただターンテーブル単体は回転精度以外に、アンプやスピーカーのような主張を捉えにくい(であろう)側面は感じます。

小生恥ずかしながら、今んとこストロボが止まって見えるから、まイイか!みたいな現状です。(だめだこりゃ)

177: 果報モン :2014/01/16(木) 21:42:08 HOST:zaq7ac40c2c.zaq.ne.jp

エライ!

少なくともEMTでドヤ顔する一部のミーハーよりはでつ

さすがわかっていらっしゃる。

ヘタレの警告!ワロタでつ。

369: でしべる :2014/11/23(日) 21:52:02 HOST:115-179-150-216.east.fdn.vectant.ne.jp
リムドライブのプレーヤーが欲しいなんて思い始めています。
リムドライブプレーヤー→真空管アンプ→PAX−20Fで聴いてみたい。

370: でしべる :2014/11/23(日) 21:59:36 HOST:115-179-150-216.east.fdn.vectant.ne.jp
リムドライブのゴムが劣化したら、修理は無理なんでしょうか?

371: アラン・ドロン :2014/11/24(月) 09:46:38 HOST:softbank219168067040.bbtec.net
デシベル様へ

今からリムドライブのプレイヤーを買うのですか。
修理は、業者に依頼ですね。高くつくと思いますよ。
若しくは、もう、アイドラーの修理はやっていないかもしれませんが。

372: でしべる :2014/11/24(月) 11:00:46 HOST:115-179-150-216.east.fdn.vectant.ne.jp
リムドライブプレーヤーにお目に掛かったことが無いもので、興味津々^^
トーレンス、ガラード、EMT等の高級機は無理なので・・・。
普及機でチャレンジという魂胆ですが、そうは問屋が卸さない?^^;

373: RW-2 :2014/11/24(月) 11:19:36 HOST:39.236.241.49.ap.yournet.ne.jp
>リムドライブのゴムが劣化したら

水道/配管用のゴムパッキン(合成ゴム)で宜しいのです。
@ヨタッたアイドラーの外周をゴムパッキンの内径より少し大きく切ります。
Aアイドラーをドリルに差し込んで廻して紙ヤスリを掛けて円を出します。
Bゴムパッキンに整形したアイドラーをハメ込み、接着剤を流してお終いです。

ゴムパッキンとオリジナルアイドラーの外径は厳密に同じでなくても良いのです。
一瞬疑問に思われるかもしれませんが、径の大きさは回転速度とは関係ないからです。
とはいいましてもモータースピンドルとリムの位置関係がありますのでなるべく
似た径のゴムパッキンを使用してくださいまし。

>業者に依頼ですね。高くつくと思いますよ

自分で考えて対処することが懐古趣味には必要なんでっせ。

374: でしべる :2014/11/24(月) 11:32:06 HOST:115-179-150-216.east.fdn.vectant.ne.jp
心強いレス、かたじけのうございまする^^
アイドラーの径が回転数に関係ないということに気付かされました^^;

375: 前期 :2014/11/24(月) 12:11:29 HOST:h115-165-107-096.catv02.itscom.jp
>>373
>径の大きさは回転速度とは関係ない・・・・・・

アララ、気前よく企業秘密を公開しちゃった(笑)。

376: RW-2 :2014/11/24(月) 12:44:08 HOST:39.236.241.49.ap.yournet.ne.jp
またア○ギな業者様から怒られますね〜 (略)

377: 前期 :2014/11/24(月) 15:06:36 HOST:h115-165-107-096.catv02.itscom.jp
↑ 怒られるだけならイイがそのうち運河に・・・・(略)。

378: SAT-IN :2014/11/24(月) 15:16:56 HOST:s1299069.xgsspn.imtp.tachikawa.spmode.ne.jp
ゴム類はハンズで大概のモノは揃ったのですが、今は扱い品目が減りました。
物色するならホームセンターのほうが良いかもですね。

379: 前期 :2014/11/24(月) 18:42:34 HOST:h115-165-107-096.catv02.itscom.jp
ま、どう工夫したところでモーターの振動はもろに伝わるでしょう!
EMTがイイのはモーターの工作精度がグンバツだからじゃないでせうか?

380: でしべる :2014/11/25(火) 01:14:40 HOST:115-179-150-216.east.fdn.vectant.ne.jp
EMT927は素晴らしい品質なのでしょう^^
凄い音がするそうです、聴いてみたいです。

381: V−LZ :2014/11/30(日) 18:20:26 HOST:120-51-93-137.nagano.fdn.vectant.ne.jp
ガラード301のアイドラーは普通に買えましたし
TEAC TN202マグネフロートのゴムベルトも買えました。
ビンテージも扱っている販売店は結構あるようですよ。

508: RW-2 :2019/01/14(月) 12:08:04 HOST:127.236.241.49.ap.yournet.ne.jp
>アナログLPは場所をとるので捨てる

CDが発売された当初はそうでしたよね。ところが高々直径12cmの盤を良い音で
聴くためのCDPときたらデカい。重い。2段重ねまで。バカバカしい。何の為に
小型化したのか。カーオーディオ用で宜し。で、5万円のCDPと100万円のCDPを
聴き比べると差はわずか。マニアや評論家は全然違うと言うんでしょうけどね。

509: 前期 :2019/01/14(月) 17:23:46 HOST:h220-215-170-060.catv02.itscom.jp
>マニアや評論家は全然違うと言う

ご記憶かもしれませんが昔ステサンでタンテのブラインドテストをやった
ことがあります。テスターの中に特別ゲストのマエストロ渡辺がいて他の
テスターと違ってEMTが断然よいと評価してました。
主催者がマエストロにその理由を聞くと「ピッチが安定している」と答えた
そうです。大方の技術者はそれについて懐疑的でつが・・・・

510: 薬漬け :2019/01/14(月) 17:38:37 HOST:zaq7d04c00f.zaq.ne.jp
指揮者の耳は通常の聴覚を超えてますからね(そうでないと勤まらない)。
意味のある指摘だと思います。
マニアや評論家は「リムドライブなのにまさか」とかいう先入観が邪魔するのではないかと。

511: 前期 :2019/01/14(月) 20:17:59 HOST:h220-215-170-060.catv02.itscom.jp
>>510
薬漬けさん、今晩は。

仰るとおりですね。指揮者に限らず音楽家の耳というのは測定器も真っ青
みたいですね。何かひとつの局面、例えば歪率とかスペアナとかに限定す
れば機械のほうが正確かもしれませんが演奏家の耳というのはそれらが
総合的かつ有機的に組み合わさって動特性の分析ができるということでせう。

512: RW-2 :2019/01/14(月) 21:20:59 HOST:127.236.241.49.ap.yournet.ne.jp
>マエストロ渡辺がいて他のテスターと違ってEMTが断然よいと評価

知人のオーディオ屋さんでEMT930stは何度も操作したことがありますが、あの価格で
あのモーターゴロはいただけない。そこは許してもワウフラッターが。リムドライブ
なので0.1%前後でしょか。国産のDDモーターなら5万円のフルオート機でさえ0.01%。

マエストロは全体の音で判断したんじゃないでしょか。ブリキ製のボード、アームとか
の鳴きとかも含めたいわゆる良く言う音楽性。イコライザーアンプは非常に良いですね。

513: 薬漬け :2019/01/14(月) 23:04:54 HOST:zaq7d04c00f.zaq.ne.jp
>>512 教授、こんばんは。

930のワウフラッターは0.075%のようですね。あと、ゴロの出る930は基本的に整備不良では
ないかと思うのですが……。自分で使っていて、非常に静寂だと思いますが……。
ちなみにボードは特殊樹脂なので、鳴きの要素は少ないと思います。(927は鋳物製)

渡辺暁雄氏が参加したこの特集、確かステサンでも前期――1970年代中頃前後だったかと
思いますが、当時のDDプレーヤーはどの程度の性能だったか?今と変わらなかったかどうかが
思い出せません。

514: RW-2 :2019/01/15(火) 00:48:10 HOST:127.236.241.49.ap.yournet.ne.jp
>ボードは特殊樹脂

すいません。言葉足らずでした〜。内部ですね。鉄板だらけです。アーム基部のカバーも
カンカン鳴きますでしょ。モターゴロは無音部トレース中にアンプボリューム上げますと
DD機とは比較にならないほどゴ〜〜。アイドラー受けのスピンドル部のフローティングは
ゴムでしょうか。コイルとのハイブリッドかもしれません。レンコは巻きの径を変えた
コイルスプリングになってます。やはりゴロは出ます。聴く分にゃ気になりませんけど。

でもほんとアイドラー機は音が力強い。ガラードやEMTは送りアイドラーなので特にね。
力強さの1番はDD機なハズですが聴感ではアイドラー機。裏というか内部ににゴジャゴジャ
と多数の機械部品がくっついてるのも良い意味で音楽性豊かな要因かもしれませんです。

515: AD :2019/01/15(火) 05:29:16 HOST:210.227.19.67
↑アイドラー駆動は慣性モーメント(閑静モーメントかも?)を最大に利用した方式ですね。
皿回しのアレです、最初の回しはじめの感じがずっと続くような。
DD方式では竹トンボを飛ばすときに両手ではさんでまわす感じかなぁ・・・。
やっぱ、技と力を感じるのは皿回しの方かな?最近どちらもほとんど見ませんけどね。

516: 前期 :2019/01/15(火) 10:42:25 HOST:h220-215-170-060.catv02.itscom.jp
>アイドラー機は音が力強い

よく聞く話でつが当方の駄耳では判別できません。駄耳に救われることも
あると負け惜しみを言っておきまつ。

517: RW-2 :2019/01/15(火) 11:55:53 HOST:127.236.241.49.ap.yournet.ne.jp
プラッターを回す力を考えますとDD式が一番大きな力が必要でアイドラー式と
糸ドライブ式が小さな力で済みます。自転車の車輪を回す場合ハブを回すには
力が必要ですがゴムタイヤ部なら小さな力で済みますでしょ。

アイドラー式と糸ドライブ式の大きな違いは、アイドラー式が絶えずグリップ
されて、トルクが伝わって回っているのに対して、糸ドライブ式は慣性モーメ
ントの止まりにくさを利用して回り続けます。前者は絶えずローギアで運転。
後者はオーバードライブでのクルーズコントロール運転の雰囲気ですね。

ってなことで、リジット的な回転で考えるとプラッター軸を直接廻すDD式が1番、
次がアイドラー式、次がベルト式、最後が糸ドライブ式。この順番が音の力強
さの順番じゃないかと思います。もっともプラッターの重量やモーターの力も
関係しますから一概には言いきれませんけどね。

https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1144577792/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1151.html#c19

[近代史5] ネオコンの世界 中川隆
25. 中川隆[-5931] koaQ7Jey 2021年4月07日 13:56:17 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[43]

2021.04.07
イランに見透かされているバイデン政権の政策(1/2)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202104070000/


 NPT(核兵器不拡散条約)に基づいて作成されたJCPOA(包括的共同作業計画)からの離脱をドナルド・トランプ米大統領が宣言したのは2018年5月8日のことだった。新大統領のジョー・バイデンはこの交渉へ復帰しようとしているが、イラン側はアメリカと話し合う前提条件として「全制裁の解除」を求めている。

 JCPOAが公表されたのは2015年7月。翌年の1月に発効している。その当時のアメリカ大統領はバラク・オバマだった。イランの交渉相手はフランス、イギリス、ドイツ、アメリカ、中国、ロシア、いわゆるP5+1(安全保障理事会の常任理事国プラスドイツ)である。

 JCPOAに参加したオバマ政権だが、中東の和平を望んでいたとは言えない。その頃、政権を好戦的な陣容へかえていたのだ。

 まず2014年8月にDIAのマイケル・フリン局長を解任。オバマ政権のシリア政策はムスリム同胞団とサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を支援するもので危険だと2012年8月の時点でDIAは警告していた。その警告通り、2014年にはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)が登場し、その残虐さをアピールすることになる。

 2015年に入ると、2月に国防長官は戦争に消極的だったチャック・ヘイゲルからアシュトン・カーターへ交代、9月には統合参謀本部議長はジハード傭兵を危険だと考えていたマーチン・デンプシーが退任して好戦的なジョセフ・ダンフォードが新議長に就任した。

 ムスリム同胞団とサラフィ主義者を中心とする戦闘集団による地上での攻撃だけでなく、シリアでもリビアと同じようにアメリカ/NATO軍による空からの攻撃を始めようとしていたのだろう。アメリカ/NATO軍が空から攻撃、地上ではジハード傭兵というコンビネーションだ。

 このプランは2015年9月30日に潰れる。デンプシーが退任した5日後にロシア軍がシリア政府の要請で介入、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュを敗走させ、その支配地域を縮小させたことでアメリカ/NATO軍による軍事介入は難しい状況になったのだ。そこでアメリカ、イギリス、フランスなどはクルドと手を組み、自国軍の地上部隊をシリアへ侵入させて軍事基地を建設しはじめた。軍事侵略以外のなにものでもない。

 ロシア軍が介入する2カ月前、オバマ政権が自国軍にシリアを直接攻撃させようとしていた中、JCPOAは発表されたのである。シリア攻撃に集中するため、イランをJCPOAでおとなしくさせておこうということだろう。バイデン政権はシリアでの軍事作戦を活発化させている。

 1980年代からアメリカのネオコン(シオニストの一派)はイラク、シリア、イランを殲滅する計画を立てていた。まずイラクのサダム・フセイン政権を倒して親イスラエル体制を樹立、シリアとイランを分断してそれぞれを潰すというものだ。イスラエルを中心に中東を作り直そうとしているとも言える。

 オバマ政権の動きはイランの国内情勢も影響しているだろう。2013年の6月にイランで行われた大統領選挙で勝ったハサン・ロウハーニはハシェミ・ラフサンジャニの側近だった人物で、西側の巨大資本にとって都合の良い人物だと見られていた。

 2011年春にオバマ政権はリビアとシリアに対する侵略戦争を開始する。手先として使ったのがムスリム同胞団やサラフィ主義者を主力とするジハード傭兵。その年の10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は倒され、戦力はシリアへ集中された。

 ところが、シリアのバシャール・アル・アサド政権を転覆させられない。そこでオバマ政権は2013年に入るとシリア政府軍が化学兵器を使用していると宣伝し始める。(これについては本ブログで繰り返し書いてきたので、今回は割愛する。)

 化学兵器の話が嘘だということは指摘され始めるが、それを圧倒するように西側の政府やメディアはシリア政府軍が使ったと宣伝、NATO軍によるシリア攻撃が決定的であるかのように伝えられはじめる。

 そして9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発のミサイルが発射されるが、途中で海へ落下してしまう。このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、明らかにされた。

 その後、イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、事前に警告はなく、この説明に説得力はない。ジャミングなど何らかの手段で落とされたのではないかと推測する人もいる。

 その月の22日、​シリアのアサド体制よりアル・カイダの方がましだ​と駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンはエルサレム・ポスト紙のインタビューで語っている。

 その2カ月後、イランとP5+1はジュネーブ暫定合意に達し、2015年のJCPOAにつながった。その頃、オバマ政権はシリアに対するアメリカ/NATO軍による直接的な攻撃を計画していた可能性が高い。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202104070000/

2021.04.07
イランに見透かされているバイデン政権の政策(2/2)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202104070003/


 イランの最高実力者である​アリー・ハーメネイー​はアメリカの交渉について、カネと力(飴と鞭)を使い、最初に決めた目的を追求し続けるとしている。アメリカは相手から利益を引きだそうとし、それを拒否されると騒ぎ立て、屈服させる。アメリカは約束するだけで約束を守らず、実際には何も相手へ利益を渡さないというわけだ。JCPOAもそうだと分析している。

 リビアもこの手口で破壊された。アメリカと交渉する過程でカダフィ政権は2003年に核兵器や化学兵器の廃棄を決めたが、アメリカは約束を守らず、「制裁」を解除しなかった。そして2010年、オバマ大統領はムスリム同胞団を使った侵略計画(PSD11)を作成、政権転覆に着手したのだ。リビアは侵略され、カダフィ体制は崩壊、カダフィ自身は惨殺された。リビアは現在、破壊、殺戮、略奪が横行、暴力が支配する破綻国家だ。

 ほかのケースでもアメリカは約束を守っていない。ドイツを巡ってソ連と交渉した際、アメリカ政府は東西ドイツ統一の後にNATOを東へ向かって拡大しないと約束していた。例えば、国務長官だったジェームズ・ベイカーはソ連のエドゥアルド・シェワルナゼ外務大臣に対し、統一後もドイツはNATOにとどまるものの、東へNATOを拡大することはないと約束している。ドイツのシュピーゲル誌によると、ロシア駐在アメリカ大使だったジャック・マトロックはアメリカがそのようにロシアへ約束したと語っている。

 しかし、アメリカは約束を守らず、今ではロシアとの国境線に到達している。これを西側の有力メディアはロシアが西側に接近してきていると表現する。

 アクバル・ハシェミ・ラフサンジャニ元イラン大統領の弟、モハマド・ラフサンジャニは2018年8月、ドナルド・トランプ米大統領との交渉は間違いだと発言、ジャバド・ザリフ外相はトランプ大統領は信頼できないとしていた。

 JCPOAからの離脱を宣言する前、トランプは2017年4月にシリアをミサイル攻撃している。地中海に配置されていたアメリカ海軍の2駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射したのだ。

 数機では対応されてしまうと考えたのかこれだけのミサイルを発射したのだが、目標に到達したのは23発にすぎなかったとされている。それでもロシア側は防衛体制が不十分と考えたようで、その後、短距離用の防空システム、パーンツィリ-S1の配備を進めた。

 その1年後、4月にアメリカ、イギリス、フランスの3カ国がシリアをミサイル攻撃した。アメリカ軍によると、発射された巡航ミサイルは紅海にいたモンテレイから30機、ラブーンから7機、ペルシャワンにいたヒギンズから23機、地中海にいたジョン・ウァーナーから6機、フランスのロングドークから3機、B-1爆撃機から19機、イギリスのタイフーンやトルネード戦闘機から8機、フランスのラフェルやミラージュから9機で合計105機。

 アメリカ側の説明によると、そのターゲットはバルザー化学兵器研究開発センター(76機)、ヒム・シンシャー化学兵器貯蔵施設(22機)、ヒム・シンシャー化学兵器(7機)だったという。さほど大きくない施設に大量のミサイルを撃ち込んだことになる。

 それに対してロシア国防省は違った説明をしている。攻撃されたのはダマスカス国際空港(4機。全て撃墜)、アル・ドゥマイル軍用空港(12機。全て撃墜)、バリー軍用空港(18機。全て撃墜)、サヤラト軍用空港(12機。全て撃墜)、メゼー軍用空港(9機。うち5機を撃墜)、ホムス軍用空港(16機。うち13機を撃墜)、バザーやジャラマニの地域(30機。うち7機を撃墜)だという。攻撃に使われたミサイルの約7割を撃墜したというわけだ。

 アメリカ/NATO軍がシリアへ軍事的に制圧することは難しいことを2度のミサイル攻撃が証明した。この攻撃に対する迎撃能力を含め、ロシア軍の戦闘能力が高いことを世界は目撃し、アメリカに対する恐怖心は薄くなっていく。欧米の好戦派は計算を間違えた。トランプ大統領がJCPOAからの離脱を宣言したのは2度目のミサイル攻撃から1カ月後のことだ。

 ネオコンが主導するオバマ政権は2014年にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを実行、香港では反中国運動を展開した。ロシアと中国、そしてEUを揺さぶるつもりだったのだろう。

 ところが、それを切っ掛けにして中国とロシアは接近、両国は2015年に一帯一路(BRI/帯路構想)とユーラシア経済連合(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア)を連結させると宣言した。中国とロシアは戦略的同盟国だ。さらにイランが中国やロシアと手を握り、インドやパキスタンも仲間に入ろうとしている。

 バイデン政権はアメリカを「唯一の超大国」だと考え、どのような相手でも脅せば屈すると考えているようだが、そうした時代はすでに去った。この状況で勝負に出た欧米の私的権力は厳しい戦いを強いられることになるだろう。

 他国にアメリカが何をしでかすかわからない国だと思わせれば、自分たちが望む方向へ世界を導けるとリチャード・ニクソンは考えた。イスラエルのモシェ・ダヤン将軍は、狂犬のように思わせなければならないと語った。バイデン政権は究極的な「瀬戸際作戦」を仕掛けてくるかもしれない。(了)

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202104070003/
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/494.html#c25

[近代史4] 独裁者列伝 _ ベニート・ムッソリーニ 中川隆
4. 2021年4月07日 16:07:44 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[44]
【ゆっくり歴史解説】ムッソリーニ




【ゆっくり歴史解説】黒歴史上人物「ベニート・ムッソリーニ」[前編]




【ゆっくり歴史解説】ムッソリーニ失脚とイタリア南部の戦い【知られざる激戦78】



http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/808.html#c4
[番外地9] 現代日本人の縄文遺伝子 YHg-D1a2a1(旧D1b1)は日本の縄文人には殆ど見つからないので、縄文人(YHg- D1a2a2)とは似ているけど… 中川隆
1. 中川隆[-5930] koaQ7Jey 2021年4月07日 17:03:33 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[45]
天皇家の中国鏡を神体とする太陽信仰と天孫降臨
最新の核DNA解析で日本人には縄文人の遺伝子が入っていない事がわかった
従来 弥生人と言われていた民族も弥生前期は長江系 chousen 人、後期は 漢民族系 c house n 人で、完全に別民族です。
天皇一族は弥生時代後期に北九州に植民市を作り c house n との交易に従事し、漢文を書き、高価な中国製の鏡を大量に持って居たので、勿論 漢民族系 c house n 人です。

書紀で「天」は chousen 半島を指す。最新の核DNA解析で日本人には縄文人の遺伝子が入っていない事がわかった:
現代日本人の縄文遺伝子 YHg-D1a2a1(旧D1b1)は日本の縄文人には殆ど見つからないので、縄文人(YHg- D1a2a2)とは似ているけど少し違う民族なんですね:

 現代日本の「(本州・四国・九州を中心とする)本土」集団は、漢人系統(84.3%)と「縄文人」系統(15.7%)の混合、もしくは朝鮮人系統(87.6%)と縄文人系統(12.4%)の混合としてモデル化され、両者を統計的に区別できません。この分析が示唆するのは、日本の「本土」系統が直接的に漢人もしくは朝鮮人によりもたらされた、ということではなく、まだ古代DNAデータの得られていない、漢人と朝鮮人の系統に大きな割合を残した集団と関連した祖先的集団からもたらされた、ということです。

7人の「縄文人」は、紀元前1500〜紀元前1000年頃となる北海道の礼文島の船泊遺跡の1人と、紀元前3500〜紀元前2000年頃となる千葉市の六通貝塚の6人です。船泊遺跡の方は、高品質なゲノム配列が得られている女性個体ではなく、男性個体が分析対象となっており、この男性個体はmtHg-N9b1で、YHgは以前D1a2a2b(旧D1b2b)と報告されていましたが(関連記事)、今回はDとのみ報告されています。六通貝塚の6人のmtHgはいずれもN9bで、さらに詳細に分類されている3人のうち2人がN9b1、1人がN9b2aです。六通貝塚の6人のうち3人が男性で、YHgはD1a2a1c1(旧D1b1c1)です。

現代日本人のYHg-Dのうち多数派はYHg-D1a2a1(旧D1b1)ですが、これまで「縄文人」で詳細に確認されていたのは現代日本人では少数派のYHg- D1a2a2(旧D1b2)のみでした。

本論文はまだ査読前ですが、これは「縄文人」としては初めて確認されたYHg-D1a2a1の事例になると思います。これまで、「縄文人」ではYHg-D1a2a1が確認されておらず、YHg- D1a2a2のみだったので、YHg-D1a2a1が弥生時代以降に日本列島に到来した可能性も想定していたのですが(関連記事)、これでYHg-D1a2aが「縄文人」由来である可能性はやはり高い、と言えそうです。
https://sicambre.at.webry.info/202004/article_41.html  

漢民族の天皇一族が日本を乗っ取った手口

天皇一族は c house n を追われて日本に移民して以降

中国華北 → kan国ソウル
→ 福岡県伊都国 → 日向、大和 、丹後 → 北九州、瀬戸内、畿内
→ 沖縄、北海道・東北北半分を除く日本全土

の順に支配地域を広げて行った様です。

ヤマトの天 高天原(=chousen半島)
半島出身のスメラ尊の和風諡号にはかならず「天」がつく。

▲△▽▼

天皇のルーツが渡来系である可能性は昔から指摘されています。

これは近代国家の枠組みから外れるために、社会一般にも研究者間でもある種のタブー、
として扱われていた事は、昭和の時代から存在していました。
例としては、天皇家の埋葬が土葬で、chousen 式の埋葬法で古墳と似て山のような
盛り土である事は知られています。
古い時代の古墳が調査禁止となっているのは、そこから物的証拠が出てくるからです。

民俗学的考古学的に調査を行った話としては、天皇のルーツはchousen 半島の38°線付近の

小さな集落に、風習がとても似た村があると指摘されていて、それらは紛争地帯である
ために容易に近づく事は出来ないだろう、同行した当時KCIA局員の話としては、
そうした天皇の由来について何らかの事情を知っていたらしく、意見を聞かれ
「知らない方が良いこともあるのだ」と答えたという研究者の話が伝わっています。

この話はあるメディアに流れました。

▲△▽▼

現時点でわかっている事を纏めると

・chousen で長江の稲作民と縄文人に似た民族が混血して現代日本人と全く同じ遺伝子の日本語を話す無土器文化人になる

・chousen の無土器文化人(弥生人)が北九州に移民して水田農耕を始める

・ソウルに居た漢民族の天皇一族が北九州に移民、植民都市の伊都国を作り、日本人奴隷(生口)を青銅器・鉄と交換する奴隷貿易で稼いでいた。後漢の光武帝が贈った金印(漢委奴国王印)の「委奴」は「いと」と読む。

・神武東征・倭国大乱 → 天皇一族が日向・大和・丹後に天孫降臨、縄文勢力をジェノサイド、若い縄文女性は殺さないで性奴隷にした。

・ヤマトタケルの東征 → 関東の縄文勢力をジェノサイド、若い縄文女性は殺さないで性奴隷にした。

・坂上田村麻呂の蝦夷征伐 → 東北の縄文勢力をジェノサイド、若い縄文女性は殺さないで性奴隷にした。

・10世紀に沖縄へ日本人大量入植 → 沖縄の縄文勢力をジェノサイド、若い縄文女性は殺さないで性奴隷にした。

・10世紀に西表島・石垣島へ日本人大量入植 → 西表島・石垣島に先住していた台湾先住民をジェノサイド

信仰対象によってどの民族か簡単に判別できます:

縄文人
蛇信仰、巨木・磐座に神が降りる、死んだら円錐形の山からあの世に上がる

長江人
鳥信仰、集落の入り口に鳥居を設ける

c house n からの漢民族系渡来人
中国鏡を神体とする太陽信仰

▲△▽▼

天皇家は漢民族で百済語を話していた、
弥生人(chousenの無土器文化人)は日本語を話していた、
縄文人はアイヌ語を話していた。
http://www.asyura2.com/21/ban9/msg/234.html#c1

[番外地9] LINE問題とスパイアプリの裏側…ジェームズ斉藤が解説!2021.03.27 中川隆
2. 中川隆[-5929] koaQ7Jey 2021年4月07日 17:50:22 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[46]
日本政府と天皇は中国の味方だよ _ ドル基軸通貨支配はもうすぐ終わると考えているんだ:
LINE問題とスパイアプリの裏側…ジェームズ斉藤が解説!2021.03.27
https://tocana.jp/2021/03/post_203874_entry.html
ジェームズ いま日本ではLINE問題が炎上してますね。
──してます。でも、凄く違和感あるんですよね。なぜ、いまなの?っていう。LINEが韓国製のスパイアプリだってことは昔からわかってた話じゃないですか。

ジェームズ そうですね。LINEの創業者は李海珍氏で韓国情報院関係者というのは有名ですからね。確か2013年頃だったと思いますが、わざわざ韓国側が都内での日韓協議中対面で「LINEは我々が開発したアプリだ」とあっさり認めたことがありました。日本側はその情報をマスコミにリークしましたが、読売や朝日等の主要メディアは一切報道せず、週刊誌やスポーツ新聞での記事化に留まりました。後には今回問題となった中国への情報漏洩も2014年の時点で報道されています。だから、LINE側も認めているんですよね、スパイ・アプリだということは。それなのにロクに報道しないというのは、やはり日本の主要メディアは朝鮮系に支配されている証拠です。

──日本政府も日本政府ですよ。スパイ・アプリだってわかっていながら積極的に使用してますよ。今回問題になってる総務省なんてマイナンバーカードにも入れたいって言ってましたからね、マイナンバーカードの記者会見で。

ジェームズ 彼らはわかっていて日本国民の情報を他国に流そうとしているんです。そもそもLINEのサーバーはヨーロッパにあって、いま問題になっている中国だけでなく、欧米のどの国でも覗くことが可能になっています。それを20年近くやってきている売国政府が日本政府ですね。
日本のトップの多くは朝鮮系ですからね。最近、私はこの話をよくしていますが、なかなか皆さん、信じてくれないので、ひとつ面白い情報を出しましょう。これは2006年の中央日報の記事です。見てください。

──えっ、『安倍日本首相の父親「私は朝鮮人だ」』!? なんですか、これ?

ジェームズ 週刊朝日の記事を引用した記事ですけど、これは正しいんですよ。安倍さんのお父さんは本当にこう言ってたと私も聞いています。

ただし、記事に書いていないのが両班出身、つまり朝鮮の王族出身ということです。彼らはその出自に誇りを持っていますから、日本ではなく、韓国寄りの考え方をするんです。

──LINE問題の大元にはそれがあるんですね。

ジェームズ 韓国の情報院は自民党の朝鮮系、官僚の朝鮮系、在日系のテレビ局や電通、朝鮮系ヤクザ等を使い完全に日本社会に浸透しています。そもそも安倍政権時代に日本の国家安全保障会議のトップであった谷内氏、副官の兼原氏が朝鮮系ですから。彼らはLINE問題を指摘できたんですけど、あえてやらなかったんです。その理由は、谷内氏などが韓国系パチンコ団体とズブズブの関係があった等ありますが、一番は、当時のオバマ政権が中東、ロシアをターゲットにし、中国とはバイデンが組む状況だったためです。それで「LINEはスパイ・アプリ」という事実は、陰謀論として揉み消されました。

──それがなぜ、今また問題になったんですか?

ジェームズ それはアメリカ側からのリークがあったからです。アメリカの軍産複合体が中国のテクノロジー覇権を阻止しようとしているんです。

ジェームズ しかも、面白いのはその急先鋒が朝日新聞だということです。

実は朝日には親米派エージェントのグループが形成されています。すでにCIAエージェントと暴露された船橋洋一氏を筆頭に、M氏、K氏、S氏といった親米派がワシントンに送り込まれ、エージェントグループを形成しています。今回、朝日の記事はM氏が書いていますが、彼は米国の軍産複合体に近い人間です。私自身、彼ら全員と面識があり、彼らの米国人脈はワシントン現地でこの目で確認しています。彼らは私と同業者に当たりますが、当然ながら諜報員のスキルは持っておらず、同じ朝日でも工作活動までやったソ連のスパイの尾崎秀実とはタイプが違います。結局、彼らはエージェントなのでネタをもらい嬉しそうにスクープするだけです。

──朝日には親露親中だけでなく、親米もいるんですね。

ジェームズ います。米国は賢いので、反日朝日にたまに正論を言わせるという巧妙な工作をしています。そもそもCIAは「モッキングバード作戦」という、お抱えのジャーナリストにネタを提供して世論工作をするという諜報プログラムを冷戦初期より運営しており、現在も続いています。特に、米国での中露関連の諜報ネタのスクープはほとんどがモッキングバード作戦の一環です。また、親中朝日の記者ならば、中国国内では米国人には出来ない日本人の特徴を活かしたかなり際どい諜報活動ができます。船橋氏は以前北京でハニートラップにかかっているので、私の関係者の間では米国と中共を二股にかけた「二重スパイ」と言われているほどです(笑)。また、M氏は中国国内で諜報活動をやりすぎて一度拘束されています。

 ちなみに、これがCIAの協力者リストです。

http://cryptome.org/cia-2619.htm

船橋洋一の名前がありますし、ジャパンハンドラーのGerald Curtis教授もリストに載っています。Michael Flynnも載っていますね(笑)。

──本当ですね。Fの欄に「Funabashi, Yoichi Ashai Shimbun, Washington, DC」と書いてある!あと、ジェラルド・カーティスのwikiを見ると、「中央情報局(CIA)関係者のファイルによって情報源とされたことがあるが、アメリカの省庁やメディアが行う一般的な情報収集活動の域を出ず、特殊な協力者として活動している記録が公開されたことはない」となっています。

ジェームズ いえ、事実上公開されてますね。はっきり言ってジャパンハンドラーと言われる人はほぼ全てCIAです。彼らも「日本学」という超マイナーな学問でしか食っていけない者なので、売名行為が生き残り戦略となります。彼らは特に諜報訓練を受けていませんし、根っからの学者ばかりなのでそもそも諜報の才能がありません。しかし、日本政府が喜んでジャパンハンドラーに毎年数十億円を貢ぎ、将来の総理候補を「留学」の名目で送り込んでくるものですから、CIAから重宝されています。そもそもCIAは米国国内での工作活動は禁止されていますから、ジャパンハンドラーを使って人脈紹介を行います。ジャパンハンドラーも日本政府からの貢ぎ金を毎年確保するためには箔をつけないといけないので、こういった人脈紹介等のサポートは非常にありがたいものなのです。したがって、ジャパンハンドラーはうまくCIA側に誘導されて「委託諜報活動」をすることになります。ここが「公開されていない」という所以です。

──日本のマスコミはそんな連中を知日派とか親日家とか言って崇めるんですよ。

ジェームズ それは日本の為政者にとって都合がいいからです。ジャパンハンドラーたちに意見を言わせることで外圧を作り、為政者の望む政策を通します。そのために、日本政府はジャパンハンドラーたちに毎年官邸機密費や外務省広報予算から数十億円を支払っているのは前述した通りです。日本側が資金を提供する対日工作など世界でも珍しい現象ですが(笑)。
__________

明治天皇も昭和天皇も天皇家ではなく李氏朝鮮の王族や両班階級の血筋だった
鬼塚英昭 戦争はすべて八百長 『日本の真相』 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=eUIhcvcSmrA

【田布施システム】朝鮮系に乗っ取られた日本の裏歴史! 歴代首相を生み出す謎の村「田布施」を専門家が徹底解説!

https://tocana.jp/2019/12/post_130392_entry.html

菅義偉の黒い正体 ― スパイ、田布施システム、MI6、小渕恵三との繋がり
https://tocana.jp/2020/09/post_171763_entry.html

菅政権が「歴代最低」な理由 ― 中国版TPP「RCEP」に即署名、尖閣だけでなく全土を奪われる…グローバリストに魂を売った男
https://tocana.jp/2020/11/post_186999_entry.html
http://www.asyura2.com/21/ban9/msg/250.html#c2

[番外地9] 菅義偉率いる売国政権日本の空港の検疫体制がヤバい! 全データ抜き取り、追跡アプリ強制、検疫係員はすべて中国人 中川隆
1. 中川隆[-5928] koaQ7Jey 2021年4月07日 17:51:21 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[47]
日本政府と天皇は中国の味方だよ _ ドル基軸通貨支配はもうすぐ終わると考えているんだ:
菅義偉率いる売国政権日本の空港の検疫体制がヤバい! 全データ抜き取り、追跡アプリ強制、検疫係員はすべて中国人
2021.04.06
https://tocana.jp/2021/04/post_204738_entry.html

ジェームズ 先日やっと日本に戻りました。しかし、日本の空港の検疫はひどいですね。コロナの検疫ポイントが9カ所もあって入国するのに2時間半もかかりました。

──一体なにをやってるんですか? 検温とかだけじゃないんですよね?

ジェームズ 検温はなく、唾液の採取つまりDNAの採取です。その上で、やたらと情報入力が多くて、アプリのインストール確認に最も時間をかけてました。

──インストールは強制なんですね。

ジェームズ 強制です。応じない場合は50万円の罰金か6カ月の拘留だそうです。しかも、位置情報をOnにしているか必ずチェックするんです。外務省のホームページには「一日一回位置情報を送信」としか記載されていませんが、これは実質24時間の監視体制です。

──空港から出たあと切ったらダメなんですよね?

ジェームズ もちろんです。すぐに提携しているセコムがやってきます。また、メールアドレスと本人認証もありました。つまりフェイクなメールアドレスを用意すると入国できないようになっています。ですから、今回の新入国規制によって、本人と位置情報、本人と電話番号、本人とスマホ端末、本人と住所、本人とメールアドレス、本人とDNA情報などの大量の個人情報が菅政権に抜き取られています。心配なのはアプリにバックドアが搭載されていると永遠にデータが抜き取られることです。つまりDNAレベルの個人情報が政府のものになり、バックドアで日々の行動が完全に監視されるということです。

──なんか中国のような監視体制ですね。

ジェームズ そうです。問題はまさにそこで、実は今回一番恐ろしかったのはアプリ関係をチェックする係員がすべて中国人だった点です。

──えーっ! 日本の空港ですよね!? なんでそこに中国人がいるんですか?

ジェームズ たぶん、日本国籍を持つ中国人なんでしょう。しかし、仮に日本国籍を有する中国人だったとしても、絶対にやってはいけないことです。なぜなら、中共は現地にエージェントを送る場合、居住させて国籍を取得させたあとスリーパーとして使うからです。そもそも中共は諜報活動に人海戦術を行うので、「質より量」で勝負をかけてきます。彼らは「愛国教育」という名目で海外渡航前に必ずスパイ教育を受けます。むしろ受けなければ出国できません。つまり、海外にいる中国人は観光客を含めて全員スパイとして認識した方が賢明です。ただし、これは警備関係者にとっては常識で日本でもわかっているはずです。それをあえて中国人スタッフに任せるというのは菅政権が中国寄りだという証拠です。


成田空港内の検疫所。撮影厳禁下で撮った写真。場所は総合受付なので、スタッフは日本人であったが、普通にアプリ担当の中国人の補佐をしていた。

──LINE問題で8700万人の日本人のデータが中国に行っていたのに、未だにLINEは野放しですからね。

ジェームズ 部外者である私から見れば、売国政権にしか見えません。実際、今回の入国に際しても中国人スタッフが入国者のデータを管理していたのをこの目で確認しています。しかも写真撮影厳禁とされていましたから、日本政府側の隠蔽する意図は明らかでした。私は隠し撮りしましたが(笑)。写真だと日本人と中国人の区別がつきにくいので、動画も撮ろうと思ったのですが、さすがに無理でしたね。ここまで厳格な警備体制下で入国手続きを行うのは異常です。日本国をあげて、中国によるデータ抜き取りに加担しているとしか思えません。


──不思議なのは「なぜ日本政府がそんなことをするのか?」なんです。

ジェームズ 決まっています。中国利権トップの二階氏の差し金でしょう。つまり、この件は中国観光利権とセットになっているんです。なお、私が乗ってきた便は米国軍人及び軍属関係者ばかりで、横に並んでいた軍人などはこれから横田基地直行だと言っていました。しかし、中国人スタッフはそんな彼らの端末にもアプリを入れてチェックしていました。これによって在日米軍所属の軍人リストを作ることが可能になりました。

──それって同盟国を売ってることになりませんか?

ジェームズ 当然なります。そもそも在日米軍基地は日本の主権が及ばない治外法権地帯で、米軍軍人に検疫を強制することは米軍に対する不信と見なされます。そんな彼らに検疫を強制するのはやはりデータを中共に送るためとしか考えられません。

 実をいうと、日本は米軍軍人に対する情報活動が世界的に過激な場所なんです。特に東京と沖縄ではやりたい放題です。JFK暗殺容疑者のオズワルドも東京でKGBにリクルートされました。ですから今回の新入国規制により、米軍軍人関連の情報も狙われています。

 私が特に心配するのは米国諜報機関関係者の身の安全です。CIAなどの米国諜報機関は日本国内外の活動を問わず、「スパイ天国」の日本に大量に要員を送り込みますが、その際、「在日米軍基地配属」という身分で来るのがほとんどです。日本で堂々と活動しても日本の法律の対象にならず、やりたい放題できるためです。実際、CIA東京支部は世界最大規模を誇っています。しかし、彼らのデータが中共に筒抜けだと、話が違ってくるでしょう。さすが中共に魂を売った政権です。

──まあ、日本人の側からすればCIAだからスパイOKとも言えませんけどね(苦笑)。ただ、今の話を聞いてると、日本の空港はすでに中国のものになりつつあるといえそうですね。


ジェームズ はい。中国の浸透はかなり進んでいます。空港は個人情報の宝庫で、諜報戦の主戦場です。成田空港をはじめとする日本の全ての空港の情報ネットワークは中共に筒抜けと考えた方がいいです。一刻も早くそのことに日本人は気づかないとマズいです。

──空港のあちこちにある端末用の電源に携帯なんか差すとすべてデータを抜かれるってよく聞きますけど、本当なんですね。ともかく、コロナにかこつけた情報収集がどこでもひどいですよね。

ジェームズ その通りです。ただし、日本は少し異常です。米国も確かにコロナで騒いでいますが、なんだかんだ言ってかなり自由が約束されています。ロサンゼルスなど民主党拠点の地域でさえ、ここまでクソ真面目に検疫なんかやっていません。私が確認しているところでは日本レベルの検疫が実施されているのは、米国内ではおそらくハワイくらいでしょう。ハワイも中共の影響が強いところです。


──そこまでしないと自分の情報は守れないと。

ジェームズ その通りです。日本の皆さんに理解してほしいのは「これが日本政府の掲げる『ソサエティ5.0』の正体」だということです。彼らは「つながる社会」という聞こえの良いスローガンで日本のデジタル革新を社会レベルで行うことを推進していますが、実際はグローバリストの世界経済フォーラムの「第四次産業革命」をモデルとし、日本社会全体のビッグデータを中共に売り渡す事が真の目的です。そのいい例がLINEです。こういう日本で生きるには、個人レベルで私が行ったような工夫が絶対に必要になってきます。ちなみに、安倍、菅政権の内閣参与クラスは「上級国民」なので、検疫はおろか隔離も免除です。昨年海外から戻ってきた某内閣参与の方からそう聞きました。

 いずれにせよ、今回の入国検疫でわかったことは、今後、日本のコロナ検疫方針が「中共モデル」に変わるということです。次は確実に肛門検査でしょう(笑)。
http://www.asyura2.com/21/ban9/msg/285.html#c1

[近代史4] コロナの後遺症 中川隆
8. 2021年4月07日 18:20:47 : o2ntGCbK6k : MlcvUlhYVUlPOUU=[48]

新型コロナ禍の残念な行く末 2021年04月07日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1456.html

 昨年2月頃から、新型コロナに関するブログをたくさん上げてきた。
 コロナ禍が収束できない原因は、ほぼ自民党政権による人災と断定してよいだろう。
 コロナ禍の世界的蔓延が報道されるようになった初期段階、昨年1月頃の政権は、天下のアホ馬鹿=安倍晋三政権だったが、この男が、まともな政治、国家運営能力がないことが分かっていたから、今日の状況も必然的なものだった。

 安倍は、なにより東京オリンピックの実現を第一義に施策を組み立てた。安倍官邸は、都合の悪い情報を徹底的に隠蔽する体質だったので、コロナ禍が日本では蔓延しないかのようなウソの情報操作に頼ろうとし、このため、感染情報を隠す目的で、PCR検査について、行うフリだけで、実際にはまともに行わなかった。

 昨年3月までの段階で、テレ朝、玉川徹の指摘どおりに、感染者の現れた地区を大規模なPCRローラー検査で感染者をあぶりだし、見つかった者は隔離して治療するという唯一の具体的対策を綿密に実行していれば、おそらく今のようなパンデミック蔓延は食い止められた。
 日本人にとって不幸だったのは、最高権力者が安倍晋三という大嘘つきの無能者だったことだ。それを継承した菅義偉政権も、安倍とほとんど変わらない無能ぶりを世界に示している。
 
 新型コロナ禍の恐ろしい行く末 2021年01月26日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1385.html

 パンデミックの跫音が聞こえる 2021年01月06日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1364.html

アメリカの新型コロナウイルス、パンデミックの真相 2020年03月16日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1062.html

 だが、新型コロナ禍は、100年前のスペイン風邪と同等の威力で、世界中を席巻している。
 急性毒性、致死率についてはスペイン風邪より劣っているように見えるが、おそらくそれは違う。新型コロナの場合は、実は感染治療後の致死率が極めて高く、1割以上の人が退院後に死亡しているとの情報がある。
 
コロナ患者退院後12.3%死亡の衝撃 回復しても3割が再入院
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/284319

 全体の致死率も、場合によっては1割に迫っている疑いがあり、それならばスペイン風邪の死亡率と変わりはない。
スペイン風邪は、当時20億人の地球人口のうち5〜10%1〜2億人を死に至らしめたとの報告がある。
 https://www.msf.or.jp/news/detail/headline/mul20181115rf.html

 実は、新型コロナ禍の場合、RNAウイルスが多重感染を媒介として、どんどん強毒化変異・感染率増大変異を引き起こす疑いがあり、現在のところ、スペイン風邪のときほどの強毒変異が現れていないことから、今年これから、そんな恐怖の超変異ウイルスが登場する可能性が小さくない。

 それに、感染率の極端に激しい変異ウイルスが登場すると、「空気感染」能力を持ち、呼吸を通じて大気汚染から地球上全員が感染する可能性がある。スペイン風邪がそうだった。
 当時、人的交流の乏しかった自給自足のエスキモーやヒマラヤ遊牧民まで集団感染させられたのだから。

 だが、スペイン風邪が3〜4年目に、感染力の拡大と引き換えに弱毒化していったように、おそらく新型コロナウイルスも、来年あたりには、弱毒化して「普通の風邪」程度になってしまう可能性も小さくない。

 今日は、新型コロナ禍が、発病中よりも、むしろ退院後に猛威を振るっている現状の報道を見つけた。
 これは、昨年3月、新型コロナ発病が「間質性肺炎」=IPFをもたらす可能性があるとの警告がなされたときから、退院後に本当の恐怖がやってくることが指摘されていた。
 
「新型コロナウイルス肺炎は間質性肺炎」岐阜大学 抗酸化研究部門 特任教授 犬房春彦 2020年3月13日
 https://www.youtube.com/watch?v=QIKeQ_JQlfc&t=13s&ab_channel=%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%A9%9F%E6%A7%8B%E5%B2%90%E9%98%9C%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%AB%98%E7%AD%89%E7%A0%94%E7%A9%B6%E9%99%A2%E7%A7%91%E5%AD%A6%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%9F%BA%E7%9B%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%85%B1%E5%90%8C%E7%A0%94%E7%A9%B6%E8%AC%9B%E5%BA%A7%E6%8A%97%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%A0%94%E7%A9%B6%E9%83%A8%E9%96%80

 ちなみに間質性肺炎=IPFの5年生存率は30%、6年でほぼ全員死亡するといわれている。
https://pro.boehringer-ingelheim.com/jp/product/ofev/prognosis-and-acute-exacerbation-of-ipf-patients
今回は、間質性肺炎ではなく、大脳気質障害、精神的疾患をもたらしているとの報道だ。

 新型コロナ感染者、3分の1に「脳疾患」の症状 英研究 2021.04.07
 https://www.cnn.co.jp/fringe/35168961.html

 (CNN) 新型コロナウイルスに感染した患者の約3分の1が長期的な精神症状や神経症状を発症しているという研究結果が、6日の英医学誌ランセット・サイカイアトリーに掲載された。

 それによると、新型コロナウイルスに感染して回復した人の34%が、感染から半年以内に神経疾患または精神疾患の診断を受けていた。

 最も多かったのは不安障害で、新型コロナで治療を受けた患者の17%が診断を受けていた。次いで多かったのは気分障害の14%だった。

神経系の影響は入院した患者の方が重くなる傾向があったが、外来で治療を受けただけの患者の間でも一般的だった。

 論文を発表した英オックスフォード大学の研究者マキシメ・タケット氏によれば、新型コロナウイルスの重症度が高いほどこうした症状が出る割合も大きく、入院した患者ではこの割合が39%に増えていた。

 タケット氏は「新型コロナウイルスの方が、インフルエンザや呼吸器系の感染症に比べて事後の脳疾患や精神疾患が多いことが、我々の研究結果で示された」と述べ、半年以上が過ぎた後の経過も観察する必要があると指摘する。
 
 今回の研究は、この種の調査としてはこれまでで最大規模。研究チームは主に米国内で新型コロナウイルスに感染した患者23万6000人あまりの電子カルテを調べ、同じ期間に呼吸器感染症に感染した患者の記録と比較した。

 その結果、新型コロナウイルスに感染した患者はインフルエンザに感染した患者に比べ、神経疾患や精神疾患のリスクが44%高いことが判明。それ以外の呼吸器感染症に比べると16%高いことが分かった。

 さらに、新型コロナウイルスに感染した患者はおよそ50人に1人の割合で、脳に血栓ができる虚血性脳梗塞(こうそく)を起こしていた。

 一方、ウイルス感染との関係が指摘されることのある神経疾患のパーキンソン病とギランバレー症候群については、新型コロナウイルス感染後に発症者が増える形跡はみられなかったとしている。

 この研究にかかわっていない英ノッティンガム大学のムサ・サミ准教授は、膨大な数の患者の記録を分析できたという点でこの調査は重要だと評価。「『脳疾患』としての新型コロナウイルス感染症については相当な不安があることから、これは非常に重要なトピックだ」と述べ、新型コロナウイルスが脳や神経に与える影響をさらに詳しく調べる必要があると指摘している。
****************************************************************
 引用以上

 新型コロナ、およびアストラルゼネカのワクチンは、血栓症を引き起こすとの報道がたくさん出ている。
 https://www.afpbb.com/articles/-/3340773

 血栓症は、一般にホルモン異常や調整薬で、体内の血液がドロドロになって起きることが多い。実は、私も最近、血栓症に苦しんでいたので、特筆して書いておく。
 私の場合は、血尿が続き、排尿抵抗が大きくなったことから前立腺肥大=癌を疑い、シテロン(アンドロキュア)という前立腺癌治療薬を服用していた。

 これは男性ホルモンを抑制して、前立腺癌の肥大を抑圧し、あわよくば消滅させるというものだが、女性ホルモン・男性ホルモン・ホルモン抑制剤などは、副作用として血栓症が起きることが知られている。
 医薬品の副作用欄に書いてあるのは訴訟対策ではあるが、実際にかなりの頻度で起きる副作用ばかりであり、侮ってはいけない。むしろ服用すれば必ず起きると思う必要がある。

 シテロンを服用しだしてから、息切れがひどくなった。これも副作用欄に書かれている。服用をやめてダイアンというエストロゲン剤に変えてみても、やはり息切れが停まらない。
 理由は、血栓症が肺塞栓を引き起こすケースが多く、そこまで至らなくてもドロドロになった血液では肺胞細胞の酸素交換能力が損なわれるからだ。

 私の場合、血栓症の最初の症状は、片足のふくらはぎに、やや強い痛みが続いたことだった。これは「深部血栓症」の典型的な症状で、ふくらはぎ血管に血栓ができて、これが全身に運ばれ、肺塞栓・心筋梗塞・脳梗塞の原因になる極めて危険な症状である。
 放置すれば脳梗塞に至り取り返しがつかないので、原因薬剤を中止しなければならない。

 治療法としては、緊急的には薬局で売られているアスピリンなどを服用し、病院ではXプラーゼという血栓溶解薬を使う。
 私は、アスピリンを服用して、やっと症状が治まった。だから脳梗塞前症状が出たときはアスピリンが有効だが、よく似たアセトアミノフェンには、あまり溶解効果がないらしい。買うときはアスピリンであることを確認する必要がある。

 血栓は、肺塞栓や脳梗塞など以外に、全身に運ばれて、典型的には視力が急激に衰え、ものが二重に見えたり、ピントが合いにくくなる症状が出る。脳血管に入れば、ふらついたり、まっすぐ歩けない症状が出る。歩行中勝手に方向が曲がってゆく例もある。
 だからアスピリン服用後、視力が回復した場合は、血栓症・脳梗塞一歩手前だったということになる。
 虚血性脳梗塞を起こした場合は、平衡感覚が失われることが多い。
  
 恐ろしいのは、新型コロナに罹患して回復、退院した人の相当な割合に血栓症が起きて、上に紹介した症状が出てくる可能性があることだ。
 まずは、退院後、数十日して、ふくらはぎに痛みが出て視力が急激に落ちた場合。息切れがひどくなった場合は、血栓症による脳梗塞・肺塞栓を疑うべきだ。
 自宅にいて、ろれつが回らないときは、すぐにアスピリンを服用して、病院に行く必要がありそうだ。

 今後、新型コロナ禍が、どこに向かうのかだが、安倍晋三・菅義偉という日本人にとって不幸な人物が政権を得て、オリンピックや経済にしか目に入らず、情報を隠蔽することで感染をコントロールしようとしている以上、残念ながら最悪の結果に向かうしかない。

 それは日本国民全員感染だ。また、退院後数年間の致死率が、スペイン風邪を上回るようになるのではないかと予想している。
 もちろん日本経済も完全崩壊、ロシアや中国が、日本国土を分捕りに来るだろう。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1456.html

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1225.html#c8

   

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