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[近代史4] チュチェ思想は朝鮮古来の儒教思想であって、共産主義とは何の関係も無い 中川隆
3. 2020年8月14日 06:29:33 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[1]

 虚構にしがみつく国2020年08月13日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1216.html

 韓国が、徴用工賠償判決によって、日本企業資産を強制収奪しようとしていることは、毎日たくさん報道されている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-04/QEI5Y9T0G1L801

 これが、日韓国際条約違反であり、条約は国内法よりも上位にあるという世界的な司法規範を完全に無視して行われるため、日本政府は、現金化の段階で金融制裁など報復を行うと表明している。
 これによって、事実上、日韓の国交が断絶するのは確実であるが、文在寅政権は、これを一切思慮に入れず、断交による決定的不利益よりも、自分たちの正当性を主張するという異様な虚構にしがみついた構図になっている。

 韓国の司法は、国際的な司法原理を完全に無視して意味不明の理不尽な判決を下すことで知られている。例えば、遡及法だ。
https://www.iza.ne.jp/smp/kiji/world/news/190711/wor19071110450009-s1.html

 私が、2018年3月にツイッターを永久凍結された理由は、5年前、2013年のツイートが2018年に定められた「自殺幇助ツイートを排除するルール」に抵触したというものだった。
 どんな昔のツイートでも、その後に定めたルールで排除するというのがツイッターの痴呆的な管理懲罰方針で、これを遡及懲罰といい、国際的に司法では絶対に行ってはならない原理とされている。
 韓国の司法は、こうした遡及懲罰を何のためらいもなく行うめちゃくちゃな司法なのだ。

 韓国為政のめちゃめちゃぶりは、今更説明の必要もないのだが、なぜ、こんな異常精神がまかり通るのかといえば、その原因は、儒教にあると、私は過去のブログで何度も説明してきた。

 蘇る儒教の迷妄 2018年04月28日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-329.html

 韓国についての奇っ怪な情報 2019年01月26日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-628.html

 国を拘束するもの 2019年09月02日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-857.html

 儒教国は見栄とメンツだけで成立している。中身は空っぽ、本当に何もない……2019年11月01日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-922.html

 儒教というのは、人間活動の原理に身分差別を置くもので、「序列が下の者は、上の者に従う」という単純明快な原理で、人間社会のすべてを管理しようとする思想である。
 それは儒教の最大教書、「論語」にある「知らしむべからず、依らしめるべし」とともにあって、序列が上の者は、知識や財産を独占して、下の者に分け与えることで権威を維持するというシステムである。

 朝鮮社会では、日本で言えば南北朝時代に、李氏王朝が中国から儒教を導入し、国家権力を維持するための思想教育として利用した。
 日本やベトナムでも、同じような身分差別思想が、江戸時代初期に導入された。

 朝鮮では、非常に観念的な思想体系となり、独自の発展を遂げたが、その基礎原理が人間差別であることには変わりない。
 儒教国家では共通して、身分序列差別のシステムが成立し、現代に至るまで深刻な影響が続いている。

 李氏滅亡後の韓国でも、奴隷制度こそ朝鮮総督府の命令で廃止されたが、カーストに類似した差別制度が現代にまで生き残っている。
 北朝鮮では、現在三大階層・51階級の身分差別制度が生き残っている。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E8%BA%AB%E6%88%90%E5%88%86

 韓国でも、日本の江戸時代の身分制度に似た、白丁・常民・中人・両班などの階級意識が強固に残っているため、みな自分が上位の身分であると必死に偽ろうとし、車に乗るときでも、小さな車だと目下に見られるため、大きな車に乗りたがる。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E6%B0%8F%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%81%AE%E8%BA%AB%E5%88%86%E5%88%B6%E5%BA%A6

 この身分制度が何を生んだかといえば、多くの人々が、自分の先祖の階級を糊塗して、上位にあると見せたがり、虚構の地位を作り出そうとしたこと。
 だから、権力者の氏姓である金氏が異常に増えて、最高階級の両班もありえないほど異常に増えた。
 それに、身分が低い者を、嘲笑し侮蔑する敵対感情を広く浸透させたことである。韓国で軽自動車が売れないのは、こうした差別意識によるものだ。

 つまり、韓国では、自分がどれほど他人よりも優位にあるかの虚構にしがみつこうとする民族意識が成立してしまっている。
 自分は選ばれた人間であり、目下の人間は嘲笑する対象でしかない。とりわけ、日本人は、韓国人よりもランクの低い民族であり、日本文化は何もかも韓国のお下がりにすぎない、という偏屈な虚構にしがみつく人が極めて多い。
 これが韓国における「反日思い込み」の原点である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E8%B5%B7%E6%BA%90%E8%AA%AC

 実際問題として、天皇家が朝鮮経由で日本に渡来した証拠は山ほどあるが、残念なことに、天皇家の本当の根拠地は、高句麗であり、天皇の祖姓である弓月氏や秦氏も、中央アジア騎馬民族の末裔であって、金・清を建国した女真族(満州族)に非常に近く、現在の韓国人の祖先と確認されている沿海州エベンキ族(オロチョン)とは本質的に異なっている。
 それでも、天皇家が百済武寧王末裔の史料があるために、高句麗→百済人を朝鮮から追い出したはずのエベンキ族が、「天皇は自分たちの末裔」と誤認する事態になっている。

 金正日が、横田めぐみさんを拉致して、金正恩を産ませた理由も、横田早紀恵さんに、天皇家と李家両方の血が流れていて、その権威を利用したいからに他ならない。
 朝鮮半島における権力者にとって、最大の価値は、血筋=権威なのだから。

 文在寅政権は、こうした虚構の価値=見栄とメンツを至上価値と勘違いした人々に支持された政権で、日本と事実上、断交することで、韓国経済は取り返しのつかない致命的な打撃を受けて崩壊してゆくのだが、そんなことよりも、「自分たちより目下の日本人を許さない」という反日感情に拘泥し、自分たちがどんな運命に遭うことになるのかさえも計算できないほど宗教的感情に洗脳されきっている。
 https://president.jp/articles/-/37798

 もう、ここまで頑なに反日意識が硬直してしまっていると、世界中の誰の助言も耳を貸さず、ひたすら国家経済崩壊に突き進む以外の道はない。
 実は、こうした理不尽で硬直した思考法は、すでに100年以上も前から、日本人や他の外国人から繰り返し指摘されてきた。

 福沢諭吉が脱亜論で、朝鮮李氏の理不尽な硬直ぶりを批判したのは、すでに130年以上も前のことだ。
https://www.news-postseven.com/archives/20180416_657811.html?DETAIL
 
 《左れば斯る国人に対して如何なる約束を結ぶも、背信違約は彼等の持前にして毫も意に介することなし。
 既に従来の国交際上にも屡ば実験したる所なれば、朝鮮人を相手の約束ならば最初より無効のものと覚悟して、事実上に自ら実を収むるの外なきのみ》
(『時事新報』明治三十年十月七日)

 西郷隆盛が征韓論を主張した理由も、「跳ぶが如く」のなかで詳しく説明されているが、李氏朝鮮の差別制度、奴隷制が、どれほど理不尽で非人間的なものかを知って怒り、韓国を民主化しようとしたものと言われている。

 また、明治時代のイザベラ・バードらの旅行記でも、朝鮮の差別制度を激しく糾弾し、「朝鮮には盗む側と盗まれる側の二つしかない」と指摘している。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E7%B4%80%E8%A1%8C

 結局、日本軍部による朝鮮順化政策は、結果として朝鮮を貧苦と差別、無教養、不合理、苦悩から救ったことになるが、これについて、朝鮮人のメンツを潰したものとして、現代に至るまで「千年の恨」を旗印に日本攻撃を続けている。

 韓国は、こんな虚構にしがみついたまま流されて、どこに向かおうとしているのだろう?
 日本は、韓国政府による徴用工訴訟現金化が発生するとともに、韓国に対し200項目近い制裁を実行すると表明している。
 そのなかでも、韓国にとって最大の致命傷になるのは「信用状停止」である。
 https://hunade.com/korea-lc

 もし、これが実行されれば、韓国はすべての為替取引を現金だけで行う事態となり、輸出産業の多くが崩壊してしまうことになる。
 https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190708/pol1907080002-n1.html
 いいかえれば、BIS規制が適用された銀行のような事態だ。
 
 こうなれば、名実ともに断交という事態になり、韓国は中国に統合される方向に歩き出す以外、生き延びる道はない。文在寅政権は、それも見越して強硬手段に訴えている可能性があるが、そうなれば、韓国内の保守勢力が黙っておらず、事実上、軍事クーデターや内乱が発生することになるだろう。

 現在、日本には50万人近い、在日朝鮮・韓国人が居住している。その数倍の帰化者もいて、プロスポーツ・芸能界・土木建築・遊技場経営・飲食店経営・宿泊施設経営などに関しては、日本人よりも活動的で、大きな役割を担っている。
 山口組や稲川会のような暴力団組織も大半が韓国・朝鮮人で占められていて、日本の右翼グループも同じだ。いわば、日本文化の一部を担っているのだ。

 この在日居住者たちが、事実上の日韓断交後、非常に困った立場に置かれることになる。祖国に対するアイデンティティを示せば、確実に日本の地域社会から孤立してしまうからだ。

 また、日韓議連や日韓トンネル期成議連が示すように、安倍晋三をはじめとして韓国統一教会と極めて深い関係の政治家も多数いて、韓国から大量の若者たちを移民させる予定でいたものが、日本側の反韓ナショナリズムの高揚とともに、大変な困難に陥る。

 現在、中国による尖閣列島侵略行動は、頂点に近づいていて、安倍政権による報道統制で現状の確認ができない状態だが、時間の問題で、中国が尖閣実効支配を行うのは確実とみられている。
 そうなると、中国に依存せざるをえない韓国と、アメリカに依存する日本の距離は、もはや取り返しのつかないほど遠くなるだろう。

 おそらく、金融だけでなく、交通も遮断されることになるだろう。
 そうなれば、今度は、韓国の反日グループが対馬を占拠するような事態も生まれることになる。
 安倍晋三は、統一教会から莫大な資金援助を受けてきたので、韓国に対して明確な主張を示すことができないのだ。竹島返還要求どころではなく、対馬をめぐって、軍事衝突が起きる可能性も視野に入れなければならなくなる。

 韓国軍は、数年前からアメリカに対して、日本本土を爆撃可能な爆撃機の購入を打診していた。韓国の最大の仮想敵国は、北朝鮮ではなく日本なのだ。
  https://dot.asahi.com/aera/2019090200053.html?page=2

 いったい、この先、韓国はどこに向かって歩いてゆくのだろう?


http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1216.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/566.html#c3

[近代史4] 日本のマネタリーベース、マネーストック、貨幣乗数 中川隆
1. 2020年8月14日 07:07:55 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[3]
【青木泰樹】広義の政府負債から眺めると
投稿日: 2016/09/10 From 青木泰樹@京都大学レジリエンス実践ユニット・特任教授

先月も報道された「国の借金、1053兆円(平成28年6月末現在)」。

もはや風物詩と化したマスコミのプロパガンダですが、財務省が3か月ごとに発表する統計(「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」)に基づいて報道されますので、ほとんどの国民は嫌でもこの嘘を年間4回聞くことになります。

刷り込みを狙っているのでしょうね(そもそも国民経済は政府と民間経済から成り立っており、民間を無視して政府だけを抜き出して「国」と決めつけるところに土台無理のある話です)。

この統計には、一般政府の債務に分類されない「償還や利払いが租税からなされない財投債」も借金として計上されており、かなり盛り込んだ数字になっています。
少しでも大きな金額に仕立てあげて、増税の地ならしのために「国は借金漬けで大変だ」という印象を政治家や一般国民に抱かせようとしている意図を、大半の皆さんは既に見抜かれていることでしょう。

本日は、「広義の政府の負債」についてお話しします。

それを突き詰めていけば、経済成長(経済の健全化)を目指す財政運営がいかに重要であるかを理解できると思います。

政府の負債(借金)と聞けば、先ず国債が思い浮かぶでしょう。

国債は政府負債の中心ですから(6月末で800兆円強あります)。

他方、一般の人にはあまり知られていませんが、ベースマネー(現金)もまた政府の負債なのです。

正確には日銀券は日銀の負債ですが、政府と日銀(中央銀行)のバランスシート(B/S)を結合した「統合政府(広義の政府)」を考えれば、日銀券は政府の負債となります(日銀のB/Sの負債側に日銀券、資産側に国債、政府のB/Sの負債側に国債、資産側に徴税権が置かれますから、両者を足し合わせるとそうなります)。

現在、ベースマネーは約400兆円です。

財務省は「国の借金」の中にベースマネーを加えておりません(加えればもっと大きな数字に見せることができるでしょうに)。

さすがに償還義務も利払いも必要ない現金残高を「国の借金」と強弁するのは躊躇(ためら)われたからでしょう。

さて「広義の政府負債=国債残高+ベースマネー(現金残高)」と定義して、この観点から金融政策および財政政策を考えます。

先ず、日銀は量的緩和(国債買取り策)によって何をしているのでしょうか。

実は「民間保有の国債」と「現金」を交換しているだけなのです。
すなわち日銀と民間銀行の間で政府の負債同士を交換しているだけなので、量的緩和によって民間保有の広義の政府負債残高は変化しません。

政府負債の増減とは全く関係のない政策なのです。

それでは、量的緩和のメリットは何でしょうか。

ひとつは、償還も利払いも必要な「負担になる政府負債(国債)」を、そうした必要のない「負担にならない政府負債(現金)」と交換することによって政府の負担を減らせることです(民間に対して利払いや償還をしなくて済みますから)。

次に、金利全般を押し下げて資金の借りやすい経済環境を整えることです。
この二つは量的緩和によって確実に実現できました。

しかし、日銀の思惑通り(教科書通り)にインフレにはなりませんでした。その理由は、私がよく持ち出す下記の定義式を見れば簡単にわかります(ここで非金融部門は個人と企業から成る実体経済を指します)。

「ベースマネー(B)=金融部門保有の現金(B1)+非金融部門保有の現金(B2)」。

「マネーストック(M)=B2+非金融部門の預金(D)」。


量的緩和は銀行保有の国債と交換にB1(日銀当座預金)を増やすだけの政策ですから、当然のことながら、直接マネーストックは増えません。

実体経済の規模を表す名目GDPに影響を及ぼすのはマネーストックですから、量的緩和だけでは景気に影響を及ぼすことができず、それゆえインフレにもならないことは自明です。

しかし既存の経済学では、民間経済を二部門に分けず一元的に考えますので、B1とB2を区別することができず、それらを一緒くたにしてしまいます(同じ鍋に入れる)。

結果的に金融部門と非金融部門(実体経済)が混在した中でベースマネーとマネーストックを考えることになりますから、ほとんどの経済学者は貨幣認識に関して間違えます。

例えば両者の関係を「貨幣乗数(M÷B)」と定義して、貨幣乗数の値が安定的(一定値で推移する)なら、「ベースマネーによるマネーストック管理は可能である」といった岩田日銀副総裁の好きそうな結論が出てくるわけです。

しかし、現実経済では貨幣乗数の値は不安定で、量的緩和をすればするほど低下を続けています。

これは当たり前のことで、多少専門的になって申し訳ないのですが、経済学の貨幣乗数の定義式に「銀行の超過準備(現金)」は入っていない(論理的に入れられない)からなのです。経済論理で理屈がつけられないのです。

そうした現実的要素を捉えるための認識手段として、私は再三再四、「民間部門を二分割し、かつ貨幣の役割を考慮して貨幣循環を考えましょう」という動態的貨幣論を唱えているわけです。

さて、量的緩和(B1の増加)によってマネーストックは自動的に増えないことが理解されたと思います。

それでは、マネーストックが増える条件は何でしょう。

それは実体経済(非金融部門)の預金(D)が増えることです。

そのためには企業や個人が銀行融資を受けて投資を行うことが必要です(投資支出が他者の所得増になり、結果的に預金が増えるのです)。

すなわち、この不確実な世の中でリスクを負って借金をする人(投資者)がいてはじめて、言い換えれば「借金」があってはじめて経済は成長するのです。

注意すべきは超過準備(B1)から融資が行われたのではなく、信用創造によって民間に新規の購買力が生まれたのですから、この場合、日銀当座預金の額は変わらないことです(無論、政府負債残高も変わらない)。

ところが先行き不透明な現況で民間の資金需要は低迷せざるを得ません。

金利が底ばいを続ける中、さらに僅かの金利低下があったとしても実物投資を刺激しないことはこれまでの経験から実証済みでしょう(投資が実質金利のみに依存するのは経済学の世界だけの話)。

しかし日銀は銀行に融資を拡大させるために、マイナス金利を導入しました。

銀行にペナルティを課して融資を促す政策ですが、民間に資金需要の無い状況では、いたずらに銀行収益を圧迫させ、リスク資産への投資を促すだけです。
投機を助長し金融を不安定化させる政策ですから、天下の愚策といえましょう(マイナス金利の深堀はさらに混迷をもたらします)。

マネーストックを増やすもう一つの手段は、非金融部門の現金(B2)を直接増やすことです。

これは民間金融機関を通さない「新規の政府負債の創出」ですから、ミルトン・フリードマンのヘリコプターマネー(元祖ヘリマネ)ですね。
以前指摘したように、昨今のヘリマネの定義はさまざまです。


そのとき紹介した若田部昌純早大教授のヘリマネの定義は「貨幣を増やし、増えた貨幣が恒久的に残ること」で、ヘリマネと量的緩和の違いは「増やした貨幣を将来回収するか否か」でありました。

定義は約束事にすぎませんから、人それぞれどのような定義であっても、そこから有意な論理が展開されれば問題とはなりません。

ただし若田部氏の定義は、「新規の政府負債の創出」を意味しないので、フリードマンの元祖ヘリマネとは全く別物といえます。

若田部氏の定義を現実的観点から解釈すれば、「日銀当座預金を増やし、増えた日銀当座預金が恒久的に残ること」をヘリマネと言っているのですから。

先述した通り、量的緩和によっても広義の政府負債は不変ですから、将来民間銀行から現金を回収しようとしまいと政府負債残高に変わりはありません。

ヘリマネといった奇策を用いることなく、新規の政府負債の創出を伴うことなく経済を成長させ、結果的にマネーストックを増加させる手段こそ財政出動なのです。
以前より指摘しているように、「日銀保有の国債を徐々に新規の政府債券(無利子長期国債)と交換する」という適切な出口戦略をとれば、いわゆる国債の累増に起因する問題は完全に解消します。

もちろん、この場合も広義の政府負債残高は変わりません。

ただし日銀が量的緩和を今後も継続すると、民間保有の国債が干上がることになります。

民間金融機関にとって国債は長期資金の運用手段として、また担保用としてある程度保有する必要がありますから、この事態は避けねばなりません。

そのためにも、また現在の日本を取り巻く様々な脅威(地震や台風といった自然災害、外国からの軍事的圧力等)に備え、かつ国土の比例的発展を促すための資金調達手段として適切な量の建設国債を発行する必要があるのです。

日銀が買い、政府が売る。

これが金融政策と財政政策のバランスをとる王道なのです。

肝心なのは、建設国債は市中消化されねばならないことです(日銀が量的緩和をしている以上、金利は上がらない)。

銀行に国債を与える必要があるからです。

市中消化によって日銀のB/Sの負債側にある日銀当座預金から、同じく負債側の「政府預金」へ現金が移動することになります。

すなわち日銀当座預金の中で超過準備として死蔵されたカネ(所得を生まない不活動貨幣)を、政府が建設国債の発行により調達し、実体経済(非金融部門)へ注入することによって所得化するカネ(活動貨幣)に転換するのです。

結果的にマネーストックは増加し、名目GDPも増加するのです。

民間主体が投資意欲のない(借金しない)状況で、政府が社会に有益な投資のための借金をすることで、経済は成長するのです。

この場合、建設国債が市中消化されているわけですから、当初からの広義の政府負債残高は変化しません。

それゆえヘリマネではないのです。

近視眼的に日銀当座預金の増加を以って、それがあたかも財貨への需要増をもたらすと捉え、ハイパーインフレの危険性を唱える主流派学者の間違った懸念も生じないでしょう。

現行の枠組みの中で真っ当な政策を実施すれば、ヘリマネを持ち出さなくとも景気浮揚は可能なのです。
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/992.html#c1

[番外地8] またデマ流してる、「貨幣プール論」は正しいよ 中川隆
2. 中川隆[-11879] koaQ7Jey 2020年8月14日 07:12:35 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[4]
またデマ流してる、「貨幣プール論」は正しいよ
通貨は基本的にはバブルで、お金の総量を増やすと貨幣価値が減っていっていずれ紙屑になります。
お金が増えれば貨幣価値がその分下がるので、要するに、紙幣に書かれている10,000円という数値を100,000円に書き換えたという様に貨幣単位が変わったというだけの話です。

国内で流通する貨幣の価値の総額は国の工業製品、農作物、サービス価格、輸出量等の供給能力で決まっているので、貨幣が増えても減っても貨幣価値の総額は変わりません。 貨幣の名目数値が増減するだけです。

マネーサプライが毎年増えている国は毎年貨幣価値が小さくなっているので、 GDP、政府支出、地価と株価は、実質価値が減らない様に、毎年上がり続けています。

詳細は

ドルは既に紙くずになっている
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616

東京金(ゴールド)の上場以来の約38年間のロングチャート
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/commodity/lineup/gold/long_chart.html

【日本のマネタリーベース、マネーストック(左軸、兆円)、貨幣乗数(右軸、倍)】
http://mtdata.jp/data_71.html#MBMS

ただし、貨幣価値が減ったからといって給料を上げてくれる親切な会社はないので、実質賃金は下がります。
日本人の給料が上がらないから、人件費を反映する物価も上がらない

しかし、外国に行けば日本円が紙屑になっているのがわかります。
しかし、日本国内での商品価格のコストの大半は人件費なので、貨幣価値が減っても物価はあまり上がりません。
それで日本の物価だけは上がらずデフレ経済になるのですね。  日銀金融緩和の結果、国内物価が上がっていないだけで、円は海外では紙屑になっている。

マネーフローが10倍になれば貨幣価値が1/10になり、不動産価格と株価も本来の適正価格である10倍になる。
別に金融緩和で増えた金で不動産価格や株価が上がるのではなく、不動産価格や株価が本来の適正値に戻るだけです。
貨幣価値が1/10になっても、給料はそれ程上がらないので、実質賃金も1/10になります。
商品価格の大半は人件費なので、物価はあまり上がりません。
これが金融緩和してもインフレにならない理由ですね。

そもそも欧米の物価と日本の物価を比較すれば 1ドル=20円程度が適正値なのに、1ドル=110円まで超円安になっている。タイでもラーメン1杯が1000円になっているよ。

ドル自体が紙屑になっていると言われているのに、そのドルに比べても円のこの安さ。

日本人がアメリカに留学できなくなったのはアメリカの授業料が年間何百万円になったからだよ。アメリカでアパートを借りてもワンルームが月30万円だから、日本人はアメリカ留学すらできない。

そもそも日本人が作っている日本の野菜や傘、洋服や日曜品ですら日本人には高値の花になっている。こういうのをハイパーインフレーションというんだよ 。

GDPの増加率や経済成長率には意味はありません。
中国やアメリカの様にGDPがいくら増えても、いくら経済成長しても国民の生活が良くなる訳ではありません。
政府がいくら金融緩和しても財政出動しても絶対にデフレから脱却できません。

日本のキャッシュフローが増加し続けているのに名目賃金が増えないというのは大西つねきさんが問題にしていますね:

いま220兆円を配らなければいけない理由:大西つねきからの緊急告知と拡散のお願い - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dawE3Kjgmbg
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/181.html#c2

[番外地8] またデマ流してる、「貨幣プール論」は正しいよ 中川隆
3. 中川隆[-11878] koaQ7Jey 2020年8月14日 07:39:26 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[5]
またデマ流してる、「貨幣プール論」は正しいよ
通貨は基本的にはバブルで、お金の総量を増やすと貨幣価値が減っていっていずれ紙屑になります。
お金が増えれば貨幣価値がその分下がるので、要するに、紙幣に書かれている10,000円という数値を100,000円に書き換えたという様に貨幣単位が変わったというだけの話です。
国内で流通する貨幣の価値の総額は国の工業製品、農作物、サービス価格、輸出量等の供給能力で決まっているので、貨幣が増えても減っても貨幣価値の総額は変わりません。 貨幣の名目数値が増減するだけです。
マネーサプライが毎年増えている国は毎年貨幣価値が小さくなっているので、 GDP、政府支出、地価と株価は、実質価値が減らない様に、毎年上がり続けています。

詳細は

ドルは既に紙くずになっている
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616

東京金(ゴールド)の上場以来の約38年間のロングチャート
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/commodity/lineup/gold/long_chart.html

【日本のマネタリーベース、マネーストック(左軸、兆円)、貨幣乗数(右軸、倍)】
http://mtdata.jp/data_71.html#MBMS

ただし、貨幣価値が減ったからといって給料を上げてくれる親切な会社はないので、実質賃金は下がります。
日本人の給料が上がらないから、人件費を反映する物価も上がらない

しかし、外国に行けば日本円が紙屑になっているのがわかります。
しかし、日本国内での商品価格のコストの大半は人件費なので、貨幣価値が減っても物価はあまり上がりません。
それで日本の物価だけは上がらずデフレ経済になるのですね。  日銀金融緩和の結果、国内物価が上がっていないだけで、円は海外では紙屑になっている。

マネーフローが10倍になれば貨幣価値が1/10になり、不動産価格と株価も本来の適正価格である10倍になる。
別に金融緩和で増えた金で不動産価格や株価が上がるのではなく、不動産価格や株価が本来の適正値に戻るだけです。
貨幣価値が1/10になっても、給料はそれ程上がらないので、実質賃金も1/10になります。
商品価格の大半は人件費なので、物価はあまり上がりません。
これが金融緩和してもインフレにならない理由ですね。

そもそも欧米の物価と日本の物価を比較すれば 1ドル=20円程度が適正値なのに、1ドル=110円まで超円安になっている。タイでもラーメン1杯が1000円になっているよ。

ドル自体が紙屑になっていると言われているのに、そのドルに比べても円のこの安さ。

日本人がアメリカに留学できなくなったのはアメリカの授業料が年間何百万円になったからだよ。アメリカでアパートを借りてもワンルームが月30万円だから、日本人はアメリカ留学すらできない。

そもそも日本人が作っている日本の野菜や傘、洋服や日曜品ですら日本人には高値の花になっている。こういうのをハイパーインフレーションというんだよ 。

GDPの増加率や経済成長率には意味はありません。
中国やアメリカの様にGDPがいくら増えても、いくら経済成長しても国民の生活が良くなる訳ではありません。
政府がいくら金融緩和しても財政出動しても絶対にデフレから脱却できません。

日本のマネーストック M2 が増加し続けているのに名目賃金が増えない(実質賃金が減り続けている)というのは大西つねきさんが問題にしていますね。大西さんの話は間違いが多いですが、この部分は正しいです:

いま220兆円を配らなければいけない理由:大西つねきからの緊急告知と拡散のお願い - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dawE3Kjgmbg
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/181.html#c3

[文化2] ゆとり教育を推進した三浦朱門の妻 曽野綾子がした事 _ これがクリスチャン 中川隆
238. 2020年8月14日 09:04:34 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[6]
【藤井聡】文科省迷走、鼻でわろてまうわ
2020/08/13






http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/492.html#c238
[近代史4] ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界 中川隆
1. 中川隆[-11877] koaQ7Jey 2020年8月14日 09:59:34 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[7]
新自由主義の時代


2020.08.14
生活に余裕がなければ国際問題も国内問題も考えられない
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202008130000/


 日本の庶民は自分たちを貧困化させ、社会を破壊する政治家を当選させてきた。最近あった東京都知事選挙も例外ではない。日々の生活に追われ、国際問題は勿論、国内の政治や経済についても考える余裕がないからだと考えている人もいるようだが、おそらく、それは正しい。


 「革命的人民」は「人民」に生活の余裕がなければ存在できない。だからこそ権力者は庶民を貧しくし、公教育を破壊し、メディアを支配しようとするのだ。そうしておけば、庶民の不満が高まってもコントロールできる。ターゲット国の庶民を操ることもできる。


 日本では1970年代から富の集中が加速度的に進んだ。マーケットを崇拝、「民営化」という名目で私的権力を強大化して国を上回る力を彼らに与えた結果だ。それにともない、大多数の庶民は貧困化していく。世界をこうした方向へ導いた信仰は「新自由主義」と呼ばれている。


 この信仰で教祖的な役割を果たしたのがシカゴ大学の教授だったミルトン・フリードマン。その先輩とも言える学者がフリードリッヒ・フォン・ハイエクだ。ハイエクはアメリカの株式相場が暴落した後、1930年代に私的な投資を推進するべきだとして、政府の介入を主張するジョン・メイナード・ケインズと衝突した。そのハイエクの教え子にはデイビッド・ロックフェラーも含まれている。


 新自由主義が庶民を疲弊させ、国力を衰えさせることは明かだったことからリチャード・ニクソン大統領でさえアメリカへ導入することをためらった。この信仰に基づいて体制を最初に作り替えたのはチリだ。


 チリでは1973年9月11日にCIAを後ろ盾とするオーグスト・ピノチェトが軍事クーデターを成功させ、サルバドール・アジェンデ政権は倒された。その際、アジェンデ大統領は死亡している。CIAの背後にはヘンリー・キッシンジャーがいた。


 1979年から90年にかけての時期にイギリスの首相を務めたマーガレット・サッチャーもハイエクと親しかった。「先進国」と呼ばれている国の中で最初に新自由主義を導入したのはサッチャー時代のイギリスである。1970年代にイギリスはシティを中心にしてオフショア市場/タックス・ヘイブンのネットワークを作り出している。その中心は言うまでもなく金融の中心地、シティだ。


 日本へ新自由主義を導入したのは中曽根康弘であり、その政策をさらに進めたのが小泉純一郎、菅直人、野田佳彦。それを安倍晋三が引き継いだ。中曽根の民営化を象徴するのが「国鉄」だとするならば、小泉は「郵政」だ。現在、年金や健康保険の仕組みが破壊されようとしているが、それだけでなく食糧や水も私的権力へ渡されようとしている。


 郵政民営化には三井住友出身の西川善文をはじめ、竹中平蔵、ゴールドマン・サックスのCEO(最高経営責任者)を務めていたヘンリー・ポールソン、そしてCOO(最高業務執行責任者)だったジョン・セインが深く関与している。その後、竹中は人材派遣会社、パソナの会長に就任する。


 言うまでもなく、人材派遣会社は非正規社員の増大で大儲けした。そうしたことを可能にする政策に竹中も深く関与している。そうした政策が庶民を貧困化させている原因のひとつだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202008130000/  
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html#c1

[近代史5] 新自由主義の時代 中川隆
1. 2020年8月14日 10:00:27 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[8]
ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界


【マネタリズムとは】フリードマンの思想から日銀の実践までわかりやすく解説 2020年3月25日
https://liberal-arts-guide.com/monetarism/


マネタリズム(monetarism)とは、経済現象における「貨幣(マネー)」の役割を重視し、貨幣の量によってその他の経済上の変数も変化すると考える、経済学上の考え方のことです。

簡単に言えば、貨幣の量を増減させることで物価や失業率にも変化を与えることができる、と考える経済学の立場のことです。

現代の日本でも、景気刺激のために、中央銀行(日銀)によって大量のお金が市中に投入される「量的緩和政策」が行われています。

この政策こそ「マネタリズム」の立場から考えられたものですが、その効果に対しては疑問が持たれています。

1章:マネタリズムとは

もう一度確認しますが、マネタリズムとは貨幣の供給量によって物価や失業率などのそのほかの経済上の値も変化すると考える、経済学上の立場のことです。

文字通り「マネー(貨幣)」の役割を重視する立場と考えると良いと思います。

マネタリズムを創出したのは、フリードリヒ・ハイエク(Friedrich August von Hayek)やミルトン・フリードマン(Milton Friedman)といった「新古典派」と呼ばれた経済学者たちです。

これから、なぜ彼らがマネタリズムを創出するに至ったのか詳しく説明します。

マネタリズムの具体的な政策について知りたい場合は、2章からお読みください。

マネタリズムが登場したのは、20世紀半ばごろから、それまで主流だったケインズ経済学が現実の経済現象を説明できなくなってきたためです。

1-1:マネタリズムとケインズ経済学

そもそも、ケインズ主義とはケインズ(John Maynard Keynes)が提唱した経済学の体系であり、非常に簡略化して言えば、
不況時は、企業が投資しないため、国家が金融政策や財政政策(大規模な工事など公共支出を増大させる)を行い、需要を作り出す
国家が需要を作ることで失業率が改善し、完全雇用に近づく

というものです。

第二次世界大戦後の多くの西側先進国は、ケインズ経済学に基づき、国家が積極的に経済活動に介入する「大きな政府」的な政策を行ったのです。

参考
「大きな政府」的な政策について、以下の記事でも説明しています。

【社会自由主義とは】定義・政治的立場から批判までわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/social-liberalism/

【福祉国家とは】3つの分類と誕生〜現代までをわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/welfare-state/


しかし、1960年代〜70年代に入ると、多くの国でケインズ主義的な政策が行き詰まりました。それが「スタグフレーション」という現象です。


スタグフレーションとは、物価は上昇するのに失業率は上がる(つまり、人々は貧しくなるのに物価が上がってモノが買えない)という現象のことです。

ケインズ経済学は、スタグフレーションを想定していませんでした。そこで、フリードマンらの経済学者たちは、ケインズ以降の経済学(マクロ経済学)を再検討しました。

1-2:マネタリズムのケインズ派批判

フリードマンらはケインズ派の理論が、スタグフレーションを説明できないとして批判し、新たに生み出したのがマネタリズム的な経済思想でした。

まず、ケインズ派のマクロ経済学における物価と失業率の関係について説明します。

ケインズ派の経済学は、「物価が上がると失業率が下がる」という「フィリップス曲線」を前提に理論を構築していました。

メモ
フィリップス曲線とは下記のように説明される曲線のことです。
失業率が上がる(労働需要が下がる)と賃金(労働サービスの価格)は下がる
逆に、失業率が下がる(労働需要が上がる)と賃金にも下落圧力がかかるが、労働者の抵抗があるため下がりにくい

賃金が上がることは物価が下がることであると言えるため、物価と失業率の関係をあらわす図として有名になった

イギリスの経済学者フィリップスによって、1861年から1957年までのイギリスのデータを用いて明らかにされたものです。ただし、後に曲線の正確性が批判されました。

しかし、繰り返しになりますが現実の経済現象として、物価が上がり失業率が下がらない「スタグフレーション」が起こったため、ケインズ派の理論の修正が求められました。

実際、マネタリズムの立場から考えると、
人々が物価上昇を期待し、その通りに物価が上がった場合は、賃金を上げることを求める→賃金が上がる

生産者は物価が上がったことで「生産物への需要が増えた!」と勘違いする(貨幣錯覚)が、しばらくたつと自分の勘違いに気づき、生産量を元に戻す

つまり、結果的に生産者は生産量を変えることはないため、労働需要は増えない(失業率は下がらない)

ということになります。

この説明だと、「物価が上昇するのに失業率が下がらない」というスタグフレーションの状況が説明可能です。

1-3:マネタリズムの金融政策への考え方

上記の考え方から、マネタリズムの立場の金融政策への考え方も導き出されます。

まず、ケインズ派の経済学は、以下の2つの経済政策を行ってきました。

財政出動:公共事業によって国家が需要を作り出し、不況時にもお金を回す1
金融政策:金利政策によって金利を下げ、企業がお金を借りやすくする2

これに対して、フリードマンらのマネタリストはどちらも不況を改善する効果はないと、下記のように批判しました。

財政出動:政府の支出は増えても、支出の財源として高い税金を支払った人の支出や、国債などの公債を購入した人の支出はその分減る(クラウディングアウト)。
金融政策:金利を下げても、「貨幣錯覚」が解消されると生産者が生産を増やすことはないため、投資も増えない。そのため、失業率も改善されない。
したがって、金融政策は貨幣の供給量を一定の割合で増加させ続ける方法を採用すべき(k%ルール)。

こうしてフリードマンらマネタリストとケインズ派は、経済政策をめぐって激しく論争しました。

特に重要なのが、フリードマンが中央銀行による金融政策について、利子率を操作するのではなく貨幣の供給量を一定の割合で増加させ続けることが大事である、と主張した点です。

このマネタリズムの思想は、現代の日本の金融政策にも影響を与えているからです。

そこで2章では、マネタリズムの立場で行われている金融政策とその妥当性について、詳しく説明します。

まずはここまでをまとめます。


1章のまとめ
マネタリズムは、ケインズ経済学をベースにした経済政策がスタグフレーションに対処できないことから、フリードマンらによって生み出された経済学の立場
マネタリズムは、貨幣の供給量が他の変数に影響を与えると説明する

2章:マネタリズム的な金融政策の考え方

それではこれから、マネタリズムの立場から考え出された金融政策の具体的な内容を説明します。

端的に言えば、マネタリズムの金融政策とは、「景気を刺激し失業率を改善するために、中央銀行の働きによって貨幣の供給量を増大させよう」という考えのことです。

では、「貨幣の供給量を増やす」とはどういうことでしょうか?そもそも、中央銀行に「貨幣の供給量を増やす」ことがなぜできるのでしょうか?基本的な点から説明します。

2-1:貨幣の供給量を増やす仕組み

これから解説することについて、先に結論を述べると、
「貨幣」はマネーストックとベースマネーの2種類に分けられる
中央銀行が貨幣の供給量を増やしたところで、投資を刺激し失業率を改善することは難しい

ということになります。

しかし、これだけでは難しいかもしれませんので、まずは貨幣の2つの種類から説明していきます。

2-1-1:マネーストックとは

あなたは、「お金」と言うと何を想像しますか?

100円玉、1円玉などの硬貨や1000円札、1万円札などの紙幣を想像すると思います。その「お金」に銀行の預金口座の残高を足したものが、「貨幣」と定義されるものです。


■貨幣とは
紙幣(不換紙幣)
硬貨(補助貨幣)
預金の残高

また、紙幣や硬貨も銀行の口座に貯めたり、そこから引き出したりして使っているという意味で、「貨幣」はすべて「預金」であると言っても良いでしょう。

そして、一国における「預金」の残高の総額のことを「マネーストック」と言います。

「わざわざ難しい言い方をする必要はないのでは?」と思われるかもしれませんが、金融政策について理解する上では、マネーストックとこれから説明するベースマネーについて区別することが大事です。そのため、まずは違うものとして覚えておいてください。

2-1-2:ベースマネーとは

預金口座にある残高の総額がマネーストックですが、それに対して、市中(つまり民間の)銀行が中央銀行(日本なら日銀)に持っている口座にある残高の総額を、「ベースマネー」と言います。

順を追って説明します。

@日常的な取引は銀行のシステム上で完了する

そもそも、あなたは誰かとお金のやり取りをするときに、どのように「貨幣」を使っていますか?

少額の買い物なら紙幣や硬貨を使って取引すると思います。しかし、高い買い物や企業間の取引においては、自分の口座から相手の口座への振り込みで行うことが多いのではないでしょうか?

つまり、現代の世界においては、実際のお金のやり取りはリアルな実体のあるお金ではなく、銀行のシステム上の電子的なやりとりだけで行われることがほとんどなのです。


たとえばあなたと、あなたとお金を取引する企業(A社)がいたとして、ともに「ゆうちょ」に口座を持っていたとしましょう。

その場合、あなたとA社はゆうちょの電子システム上でお金をやりとりし、通帳に印字されるだけで「お金のやり取りを完了した」ということになります。

A銀行間の取引のために中央銀行に口座が作られる

このように、日常的なお金のやり取りのほとんどは銀行のシステム上で完結するのですが、多くのケースで上記の例とは違い、あなたと取引先の口座が別の銀行にあることの方が多いはずです。

その場合、

あなたの銀行Aと取引先の銀行Bが、それぞれ銀行Cに口座を作っておく
銀行AとBが、銀行Cの口座に一定のお金を預金しておく
そして、取引があるたびに、Cの口座からお互いに取引した金額を差し引きする

ということを行えば、複数の銀行間での取引が、同じ1つの銀行の口座間での差し引きだけで完了することができます。

このように、市中(つまり民間の)銀行が銀行間の取引のために口座を作るのが、中央銀行(日本なら日銀)なのです。

B銀行は中央銀行の口座に一定のお金を置いておかなければならない

市中の銀行はこのような目的から、中央銀行に作った取引用の口座(当座預金)に一定の預金を置いておかなければなりません。

なぜなら、一度の企業間取引で巨額の金額が動く場合もあるため、当座預金に少額しか残っていなければ、支払う側の銀行の預金が足りなくなる可能性があるからです。

そのため、中央銀行の当座預金には一定の「準備率」に従って、「準備預金」を置いておくことが定められています。

この、市中の銀行が中央銀行に持つ当座預金の残高のことを、「基礎」という意味で「ベースマネー」と言うのです。

整理すると下記のようになります。

マネーストック
市中の銀行の口座にある預金の残高で、企業や個人によって預金されており、企業や個人によって日常的に決済等に利用される

ベースマネー
銀行が銀行同士の取引のために、中央銀行に置いておく預金の残高で、金融政策によって利用される(後述)

さて、ここまでのお金(貨幣)の2つの種類を区別できれば、マネタリズムの立場による金融政策を理解することも難しくありません。

2-2:マネタリズムの金融政策

繰り返しになりますが、マネタリズムの立場から考えると、貨幣の供給量を中央銀行が操作することで金利を下げ、企業に投資を促し、景気を刺激することができるということになります。

そして、マネタリストが考える、操作できる「貨幣」とはベースマネーのことです。マネタリズム的な金融政策によって、市中の銀行が日銀に持つベースマネーの金額はものすごい金額になっています。

まずは、中央銀行がベースマネーを増やす仕組みと、ベースマネーを増やすことで金利が下がるメカニズムを説明します。

2-2-1:金利政策と量的政策

中央銀行(日銀)は、お金を供給したり銀行間取引のための口座を作っておくことだけが仕事ではありません。金融政策によって、国内の景気を刺激したり、過熱した景気を抑制したりする役割も持っています。

金融政策には、以下の2つがあります。

金利政策
市中の銀行にお金を貸す時の金利を操作すること
(金利が下がれば企業はお金を借りやすくなり、投資を増やせる、つまり景気を刺激できると考えられる)

量的政策
市中の銀行が持っている国債や手形を中央銀行が売買することで、供給するお金の量を操作すること
(たとえば日銀が市中の銀行から国債を買い上げ、市中の銀行の口座にお金を支払うことで、お金の供給量を増やし、景気を刺激できると考えられる)

特にマネタリストが重視する政策が、量的政策です。

中央銀行が市中の銀行から国債を買い上げると、中央銀行にある市中銀行の口座(当座預金)に国債代としてお金が振り込まれます。つまり市中の銀行が持つお金が増える=ベースマネーが増えるというわけです。

「それがなんで金融政策になるの?」

と疑問かもしれませんが、結論を言えばベースマネーを増減させることが金利を上げ下げすることになるからです。

市中の銀行は、毎日膨大な数のお金のやり取りを銀行間で行っています。そのため、時には当座預金の残高が足りず「短期金融市場」からお金を借りなければならない場合もあります。

メモ
短期金融市場とは、1年以内に返済する短期のお金の貸し借りを行う市場のことです。

各銀行が中央銀行に持つ口座の残高が増えれば、短期金融市場に出回るお金も増えるため金利が下がります。一方、中央銀行に持つ口座の残高が減れば、短期金融市場に出回るお金が減るため金利が上がります。

(言うまでもないことですが、お金を貸せる人が増えれば誰からでも借りられるため、金利が高い人からお金を借りようと思いませんよね。その結果、お金を貸せる人は自分から借りてもらうために金利を引き下げます。短期金融市場もこれと同じ原理です。)

このように、中央銀行は量的政策において、市中銀行が持つ国債や手形などを買い上げたり逆に売ったりすることで金利を操作し、景気に刺激を与えようとするのです。

覚える必要はありませんが、量的政策における中央銀行の仕事に以下の2つがあります。

買いオペ・・・市中の銀行から中央銀行が国債などを買い上げること(金利を下げる)

売りオペ・・・中央銀行が持つ国債などを売り、市中の銀行に買ってもらうこと(金利を上げる)

2-2-2:量的政策の欠点

ここまで説明してきたように、マネタリズムの立場では、主に量的政策を行うことでベースマネーを増やし、金利を操作することで景気に影響を与えようとします。

しかし、ベースマネーを増やす、つまり市中の銀行が中央銀行に持つ口座にお金を積み上げることで、本当に景気は刺激されるのでしょうか?

もう一度整理すると、マネタリズムの考えでは以下のようになっています。

量的政策でベースマネーを増やし、金利を下げる
金利を下げることで企業がお金を借りやすくなる
企業が投資を拡大し、雇用が増え、失業率が改善される

しかし、景気が刺激されるためには、金利が下がってお金が借りやすくなるだけでなく、企業がお金を借りたい、お金を借りて投資したいと思えなければなりません。そのため、量的政策は必ずしも景気を刺激するとは考えられないのです。

実際、現在の日本でも量的政策が積極的に行われていますが、私たちにはあまり景気が良くなった実感がないのではないでしょうか?


2-3:日本で行われているマネタリズム

日本では、第二次安倍政権で行われている一連の経済政策が、「アベノミクス」と言われています。

アベノミクスには当初3本の柱があると言われていました。

大胆な金融政策1
機動的な財政政策2
民間投資を喚起する成長戦略3

現在の首相官邸HPを見るとBの成長戦略しか目立ちません(※)が、もともとはこの3本柱の経済政策が主張されていました。

※首相官邸「アベノミクス」2020年1月3日時点

アベノミクスの3本の矢

そして、@の大胆な金融政策として行われたのが、日銀による「買いオペ」です。

安倍政権下では黒田日銀総裁によって、巨額の量的政策が実践され、日銀当座預金の残高は下記のように急速に増大しています。

日銀当座預金の残高の推移
https://liberal-arts-guide.com/monetarism/


2019年11月の月末時点で404兆6556億円のお金が、日銀当座預金に積み上げられていることになります(ベースマネーはこれに流通している日銀券残高を加えた額になります)。

(データ引用元:日本銀行時系列統計データ検索サイト)
https://www.stat-search.boj.or.jp/index.html

マネタリストの立場から考えると、これだけの当座預金が積み上げられているということは、その分、市中の銀行から企業への貸し出しも増えているはずです。

第二次安倍政権が発足したのが2012年末ですが、その頃の当座預金残高は「47兆2438億円」で、2019年11月の当座預金残高は「404兆6556億円」ですので、当座預金の残高は約8.5倍になったことになります。

それに対して、実際に銀行が行った「貸出」や市中の銀行における「預金量」がどのくらい増えたか見てみましょう。

2012年末の「貸出」は「463兆1183億円」、「預金」は「574兆1542億円」です。

それに対して2019年11月の「貸出」は「540兆3187億円」、「預金」は「733兆6569億円」です。

つまり、第二次安倍政権下においては、

量的政策によって、日銀当座預金の残高が約8.5倍になった
銀行から企業等への貸出は約1.17倍、預金は約1.28倍になった

ということが言えます。

(データ引用元:日本銀行時系列統計データ検索サイト)
https://www.stat-search.boj.or.jp/index.html


ベースマネーが急増したのに対して、実際の銀行からの貸出が増えておらず、結果として企業や個人の持つ銀行口座の預金も大して増えていないことが分かると思います。つまり、量的政策には限界があると言えるのではないでしょうか。

参考
マネタリズムと新自由主義は親和的です。新自由主義について、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

【新自由主義とは】定義・問題点・生まれた背景をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/neoliberalism/

【サッチャリズムとは】具体的な政策や社会への影響をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/thatcherism/

マネタリズムはリカードの「貨幣数量説」への回帰でもあります。リカードについて詳しくは以下の記事で説明しています。

【リカードの思想とは】『経済学および課税の原理』から徹底解説
https://liberal-arts-guide.com/david-ricardo/

2章のまとめ

ベースマネーとは銀行間取引のために、日銀の口座に置かれる預金の残高のことで、金融政策の対象となるもの

マネーストックとは、企業や個人が持つ銀行の預金の総額のこと
マネタリズム的な金融政策では、貨幣の供給量を操作する量的政策が行われる


最後に今回の内容をまとめます。


この記事のまとめ

マネタリズムとは、貨幣の供給量の役割を重視し、貨幣供給量を増やすことで景気が刺激されると考える立場

日本のマネタリズムは、量的緩和政策として実施されたものの、それほど効果を上げていないと考えられる

https://liberal-arts-guide.com/monetarism/
 
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/268.html#c1

[文化2] ゆとり教育を推進した三浦朱門の妻 曽野綾子がした事 _ これがクリスチャン 中川隆
239. 中川隆[-11876] koaQ7Jey 2020年8月14日 10:07:14 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[9]
愚民化教育・ゆとり教育の背景


2020.08.14
生活に余裕がなければ国際問題も国内問題も考えられない
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202008130000/


 日本の庶民は自分たちを貧困化させ、社会を破壊する政治家を当選させてきた。最近あった東京都知事選挙も例外ではない。日々の生活に追われ、国際問題は勿論、国内の政治や経済についても考える余裕がないからだと考えている人もいるようだが、おそらく、それは正しい。


 「革命的人民」は「人民」に生活の余裕がなければ存在できない。だからこそ権力者は庶民を貧しくし、公教育を破壊し、メディアを支配しようとするのだ。そうしておけば、庶民の不満が高まってもコントロールできる。ターゲット国の庶民を操ることもできる。


 日本では1970年代から富の集中が加速度的に進んだ。マーケットを崇拝、「民営化」という名目で私的権力を強大化して国を上回る力を彼らに与えた結果だ。それにともない、大多数の庶民は貧困化していく。世界をこうした方向へ導いた信仰は「新自由主義」と呼ばれている。


 この信仰で教祖的な役割を果たしたのがシカゴ大学の教授だったミルトン・フリードマン。その先輩とも言える学者がフリードリッヒ・フォン・ハイエクだ。ハイエクはアメリカの株式相場が暴落した後、1930年代に私的な投資を推進するべきだとして、政府の介入を主張するジョン・メイナード・ケインズと衝突した。そのハイエクの教え子にはデイビッド・ロックフェラーも含まれている。


 新自由主義が庶民を疲弊させ、国力を衰えさせることは明かだったことからリチャード・ニクソン大統領でさえアメリカへ導入することをためらった。この信仰に基づいて体制を最初に作り替えたのはチリだ。


 チリでは1973年9月11日にCIAを後ろ盾とするオーグスト・ピノチェトが軍事クーデターを成功させ、サルバドール・アジェンデ政権は倒された。その際、アジェンデ大統領は死亡している。CIAの背後にはヘンリー・キッシンジャーがいた。


 1979年から90年にかけての時期にイギリスの首相を務めたマーガレット・サッチャーもハイエクと親しかった。「先進国」と呼ばれている国の中で最初に新自由主義を導入したのはサッチャー時代のイギリスである。1970年代にイギリスはシティを中心にしてオフショア市場/タックス・ヘイブンのネットワークを作り出している。その中心は言うまでもなく金融の中心地、シティだ。


 日本へ新自由主義を導入したのは中曽根康弘であり、その政策をさらに進めたのが小泉純一郎、菅直人、野田佳彦。それを安倍晋三が引き継いだ。中曽根の民営化を象徴するのが「国鉄」だとするならば、小泉は「郵政」だ。現在、年金や健康保険の仕組みが破壊されようとしているが、それだけでなく食糧や水も私的権力へ渡されようとしている。


 郵政民営化には三井住友出身の西川善文をはじめ、竹中平蔵、ゴールドマン・サックスのCEO(最高経営責任者)を務めていたヘンリー・ポールソン、そしてCOO(最高業務執行責任者)だったジョン・セインが深く関与している。その後、竹中は人材派遣会社、パソナの会長に就任する。


 言うまでもなく、人材派遣会社は非正規社員の増大で大儲けした。そうしたことを可能にする政策に竹中も深く関与している。そうした政策が庶民を貧困化させている原因のひとつだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202008130000/  
http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/492.html#c239

[近代史4] 新型コロナウイルス肺炎は「間質性肺炎」で致死率100% ? 中川隆
77. 2020年8月14日 10:17:41 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[7]
コロナ後遺症、世界で続出
倦怠や息苦しさ、関節痛…
2020/8/14 09:15 (JST)8/14 09:23 (JST)updated


新型コロナウイルスに感染し退院後も体調不良が続く人を対象にしたリハビリ施設で、運動する元患者の男性(左)=7月22日、イタリア・ジェノバ(ゲッティ=共同)

 新型コロナウイルスに感染し、退院後も呼吸器疾患を含む「後遺症」が続くとの報告が世界中で相次いでいる。倦怠感や息苦しさのほか関節痛が数週間残る人もおり、感染者の約1割は症状が長引いているとの調査もある。陰性に転じた後、長期間職場に復帰できない人も多く、日本の厚生労働省も今月から研究を本格化させる。

 訴えが多いのは倦怠感、胸の痛みなどのほか、せきや嗅覚障害。集中力や記憶力の低下なども報告されているが、頻度や持続期間など不明点はまだ多い。

 英ロンドン大キングスカレッジなどが約400万人を対象に調査した結果、約10人に1人の割合で症状が3週間以上続いていた。

https://www.47news.jp/news/new_type_pneumonia/5136339.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/741.html#c77

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
10. 中川隆[-11878] koaQ7Jey 2020年8月14日 13:18:35 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[8]
Mr.トレイルのオーディオ回り道
アンプやスピーカーには「性格」が有る
2020年07月24日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/0fb76bde110a480ae54886261a1891da

アンプやスピーカーには「性格」(目的)が有る。個人的に「生の音の再現」を目指すグループと「気軽に音楽を楽しむ」グループとに分かれる様だ。WEの系譜のグループは「トーキーサウンド」も含めて「生々しさ」を追い求めて来た系譜だ。WE→ALTEC→JBL等の流れは眞に「WEの系譜」。私のメインの「オリンパスシステム」は「生音の再現」を目指して来た。

同じJBLのユニットを使っても、組み合わせるアンプを変えて「音楽を楽しむ」システムにしているのが「自宅システム」だ。「生音」のエネルギー感を入れられない環境で、超小音量で音楽を表現できる様に苦心している。

「サブシステム」は「音楽を気楽に楽しめる」システムだと位置づけている。スピーカーのサイズも30cmウーハー以下を使って、機動性(低重量)のシステムにしている。以前は英国製やドイツ製SPも使っていたことが有る。(スペンドールBC-U.ハーベス・タンノイVLZ・テレフンケン等) ヨーロッパのスピーカーは全体的に気軽に「音楽を楽しむ」事に重点が置かれている。(一部バスピンやオイロダインも有るが劇場型でWE系に近いモノは少ない)

アンプでも同じ事が言える。先日取り外したエクスクルーシブのC3+M4の組み合わせは「生演奏型」のアンプで、サブシステムには似つかわしくないと判断した。メインシステムであれば採用したかもしれない。だが既にメインシステムのアンプは固まっている。(出来上がっている)

SONYのアンプはこの辺の「立ち位置」がどの辺なのかを探っている。「気楽に音楽を楽しむ」システムでも使え、「生演奏型」にも使えるのか?

スピーカーもメーカーやサイズ、SPユニットの方式も色々有る。同様にアンプも色々なメーカーや回路方式が色々有る。どれが正解なんてない。結局はオーナーが好みと財政力で決めるしかない。個人的には小さなスピーカーシステムでも「音楽が楽しめる」音質に仕上がっていれば十分だと思う。大艦巨砲主義で大型のスピーカー・大型のアンプでないとは思っていない。雑誌に引きづられない事だ。自分の「目的」をハッキリさせて置くべきだ。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/0fb76bde110a480ae54886261a1891da

▲△▽▼


WEスピーカーはやたら古めかしかったり、厳めしい音で魅惑的な音がする ALTECと違って正直良くないんですね。

みんながWEの盛名の威光でありがたがり、良い物だと信じ切っている、つまりWE信仰。

日本人の右に倣えだとか、所有欲だとか、やはり骨董品なんですよ。実物は良くない。

古いクラシックの重量盤しか合わない。聴いてみれば分かります。
ただし、WEのアンプ群は本当に素晴らしく最高のものが存在する。
あとはWE755A や ミラフォニックシステムも良い。

Western electric 300B のフィラメントは海底ケーブル用や電話局用の真空管のために開発したもので40,000時間の寿命がある。(24時間付けっぱなしで4年間) 一本、一本、シリアルナンバーを振って管理している。6c33cがロシアを代表する名球でWE300Bがアメリカを代表する名球。


アルテックの館で使っているWE300Bは1988年製の最終生産のもの。
以降はすべて再生産である。1988年は大量にWE300Bが作られており
OEMで他のところで作られたものも混じっており注意が必要なのだそうだ。


アンティークオーディオも古ければなんでもいいわけじゃなくて、
よい物はホンの一握りと言っておられました。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c10

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
11. 中川隆[-11877] koaQ7Jey 2020年8月14日 13:29:01 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[9]
ALTEC A7

実際に自分で買ってみて感じたのは絶望だけだった。

デカすぎるし音も悪すぎる。

ネットワークもマルチも。

なんだこれはPAの音か。

解像度が低すぎるし、レンジも超狭い!

まさに五十年前の古ぼけた音。

なにをやってみてもどうにもならない。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c11

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
12. 中川隆[-11876] koaQ7Jey 2020年8月14日 13:42:03 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[10]
ALTEC 604E は大変な傑作機で、音軸が揃い位相特性の精度が高いため音場感が出る。

華麗な音色である。アルティックトーンをしっかり残しながらハイファイになっている。Cタイプと比べると切れがあり現代的な音になっている。同軸で音像定位がよく空気感をよく表現できる。

ALTECの超大型システムのように雑にならず歴然と締まった音の印象。現代にも通用する。

天井が高く空間が広いのでプラネタリウムを見ているような広大な音場空間が出現します。

ホーンも上向きになっていて、音場の高さがよく出ていた。実演のエネルギー感と熱気がある。

音のまとまり感も他のALTECのスピーカーより歴然と優れていて驚異的な性能だと思う。

音圧は100dBくらいでしんどくなるらしいが、十分なハイエナジー&ハイプレッシャーサウンド。
後ろに従えている巨大な二機は120dBを涼しい顔で歪みなく再生してしまう。
ただ以前は120dBまで上げていたが真空管でドライブすると85dBでも満足できる音が出ているという。

評価の高いシリーズ機ではもっともロングランの製品で、1975年当時全米のレコーディングスタジオでアンケートを取ったところスタジオ使用率全米一位の実績を持つモニタースピーカーだった。

月日が流れて現在になって、性能的には過去の物になったかというと、そうだとは言いかねるものがある。604はベークスパイダー(蝶)ダンパーとフィックスドエッジの古いタイプは現代録音だとかパイプオルガンを再生するとアッという間にダンパーがへし折れる。

その時点でオリジナル喪失します。エレクトリの営業でALTECのプロでも515を折っている。

注意が必要である。1967年に製造開始した製品だが世代を重ねて性能も向上しており

シンセサイザーで作ったエレクトリック音源にも完全に対応している。オリジナルコーンの威力で低域もスパッとキレがある。主はオリジナルコーンの重要さを力説されていたが、確かにこれは重要だと感じさせられた。従来機より明らかに空間表現が向上している。

全体的に平坦化されたウェルバランスなハイファイ・トーンで鋭く立ち上がる音が改善されており、現代物ソースばかり聴く人にはこちらがベストだろう。シルバーのハンマートーン塗装の下は木製キャビネットだがコツコツと叩いてみると質感は金属の箱にやや近い。

オリジナルコーンでオリジナルキャビネット。箱が大変綺麗で素晴らしい。

604なのに高域が耳に刺さらないがアッテネーターが背面にありドライバーの音を絞っている。

6畳間だと、本当にほんっっとに605Aか605Bにしておいた方がいい(笑)

604は高域がきつく耳がおかしくなる(笑)


実は他の有名なヴィンテージの銘機と呼ばれるものは大抵このモデルの足元にも及ばない。

ALTECの一大傑作でまさに決定版です!

でもみんなALTECならA5とかA7とか大きい方に行ってしまう。共振が大きく音が汚れるし、大雑把な音なのに。

ALTECの館ではスピーカーの間隔はかなり広く取られていた。

「セッティングの正解は二等辺三角形ではなく正三角形なんです」


ALTEC A5 の515ウーファーと288コンプレッションドライバー(ニイパッパッ)だとホーン311と上手く合わないのではないか?A7の511Bホーンなら良いが、ダブルウーファーだとエネルギー感がマッチするので世間では低く言われているが817Aでシステムを組んでいるのです。というお話しを伺いました。


ALTECは現代スピーカーと比べると音楽の表情が断然に魅力的なんです!表現力がある!
現代のスピーカーは無表情に感じられるのですね。


原材料のコバルトの主な産出国だったコンゴ共和国が内乱に突入して供給が途絶えた。

アルニコ磁石から急遽フェライト磁石に切り替わったが「音が良くない」 とみんな一斉に離れた。

ただ古いスピーカーはコーン紙が綺麗でもボケた眠い音のものが非常に多い。

減磁が主な原因だが再着磁は基本的に良くない。

後はネットワーク部品が劣化してる。


よく中古ショップでALTECの大型は眠いボンヤリした音で鳴っているが

減磁とネットワークCの劣化が原因。


ALTEC LANSING 405 A オールアルミコーンのユニットミニフロントローディング。

見事なアルティックトーン。これはサブの小型モニター用スピーカーなのだが、
WE755 A とかには敵わないとのこと。

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c12

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
13. 中川隆[-11875] koaQ7Jey 2020年8月14日 13:45:54 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[11]

ALTEC 604AB の音の値打ちの内訳は、ユニットとネットワークで50%、

箱が50%。つまり箱が適当では駄目ですよという話でした。


ALTEC 604 B C E 8G を実際に聴いたけど、自分が持ってる604Cが
もっともエンターテイニングな音。Eはハイファイ・トーンでアルティックらしさも
しっかり残ってて現代物ソースのみならこちらの方が良いかも知れない。

Bは普遍的でモニター的だが同系の最高峰である。8Gは振動版が重く地味な印象。


ALTEC 604C は軽薄かもですがエンターテイニングな演出感は強烈。

次がだいぶ薄くなってEだと思う。眩しいまでの明るさや輝かしさは ABと比べても際立って多いのです。自分は即物的なのでCで良いかなあ。

ABはキリッとした端麗辛口といった感じで大吟醸の味わいとスッキリしたコクがあるが、もっと普遍的でモニターライク。ALTEC 604はA〜Eまで。

「私はあまり米国製は認めていないのですが、アメリカ西海岸でしたら
ジムラン、ALTEC、Tru-sonicの三羽ガラスですね、ALTECなら604AとBまで、
ここまではランシングが在籍していた頃ですから」

「ウィリアムソンアンプなど英国製のヴィンテージアンプの方がハイファイで細部まで描き切る分解能がある。音質は女性的で綺麗。アメリカの方が個性があり重厚で厚みがある。

その分ディティールは曖昧になり音は緩さが気になるような気もします」


「ヴィンテージスピーカーは現代高性能アンプの広帯域や制動力を要求していないものがある。
スピーカーユニットとキャビネットとパワーアンプでほぼ音が決まる。
JBLの要求ダンピングファクターは1、ALTECは5。600とかのアンプ持ってくると音が詰まる。
スピーカーとアンプどっちも制動してしまうから」


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c13

[リバイバル3] アンプの音はトランスで殆ど決まってしまう 中川隆
26. 中川隆[-11874] koaQ7Jey 2020年8月14日 13:47:32 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[12]
「真空管アンプは7割トランスで決まると聞きます」

『その通りです。日本で作られた最高峰のトランスはTAMURAがオリンピックの時に
作ったものなのです。それをアメリカに持って行くとアメリカの中級グレードなんです。

アメリカの最高級トランスをイギリスに持って行くと、大体イギリスの中級クレードなんです。』
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/760.html#c26

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
14. 中川隆[-11873] koaQ7Jey 2020年8月14日 14:01:19 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[13]
ALTEC 817A (Gauss JBL)

ALTECの巨大な劇場用ホーンシステム
38cmダブルウーファーの "フロントロード" が効いている

グレイの巨大ALTECは高難度と保存環境の劣悪さも重なって酷い音ばかりだが、
いい音を出す個体も知ってる

『楽器と同じでペイントを塗り直すと音が死ぬ』 という事で817は昔の趣きのまま使用されてる。
グレイの巨大ALTECは高難度と保存環境の劣悪さも重なって酷い音ばかりだが、

純正ALTECシステムは暖かく甘い芳醇でリッチな音です。
ニュートラルで無色透明なデジタルアンプでも上記の音になる。

実物を店舗でみても 『大きいな』 程度ですが自分の部屋に入れると巨大さに狼狽する。

巨大な為、部屋には置けず、保存環境が半屋外ガレージなどが多いので劣化が激しい。

ホーンスピーカーの進化の歴史 Western>>ALTEC>>JBL>>TAD>>JBLですが、

美音系が好きで色気ある女性Vocalを追求すると、楽器的スピーカーになるけど、

大口径ホーン+ウーファー構成も一度ハマると抜け出せない魅力がある。

設置可なら超大型機が欲しい。等身大を超えるスケールは迫力抜群。

ALTECはこの外観で本当に 『最上位楽器的スピーカー』 に匹敵する音楽性がある!


ALTEC 「VOICE OF THE THEATER」 人の声の再生にかけては天下一品。

聳え立つ大型機のダイナミズムと、フロントロード繰り出す巨大スケール、大口径ホーンならではのリッチなミドルレンジ

「最上位の楽器的スピーカー」と同格の暖かな甘い「豊かな音」武骨な外観からは想像もできないが、

音楽性は極めて高い。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c14

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
15. 中川隆[-11872] koaQ7Jey 2020年8月14日 14:03:52 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[14]
「音楽&オーディオ」の小部屋
アルテックを使わない理由 2017年12月02日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/fde597cb035944ec68b14cc724b4adb6

先日、次のようなメールをいただいた。

「当方は、アメリカのSPを中心にいろいろ使用してきましたが、いつの間にかJBLばかりになってしまいました。しかし、1950年代前半の「ジムランシング」時代のユニットと1970年代以降のユニットは全く性格が違うような印象を受けます。まずは、日ごろの感謝と自己紹介まで。」

内容的にはボクシングでいえば軽くジャブ程度ということだろうか(笑)。すぐに返信した。

「拙いブログを読んでいただき恐縮です。昔のJBLの音は大好きです。細身の音の中に何とも言えない色気がありますよね。今のところアルテックがちょっと気になる存在になっています。もしアルテックを使わない理由がありましたらご教示ください。」

これもジャブ程度のお返しだったが(笑)、すると実に興味深い内容のご返信をいただいた。

「当方の周辺のオーディオの先輩・仲間の多くが、ALTECやタンノイを使用されております。なぜかJBLは「冷遇」されております。そんな中で、なぜJBLなのか?なぜALTECでないのか?本当に不思議です。

強いて言えば、次のことが理由かと思いますが・・・。

@ALTECはユニット・ネットワークの種類が限られており、組み合わせが極めて限定される。

AALTECは初期タイプ、特に最初期タイプのユニットに絶対的優位性がある。

ちなみに、当方も過去A7もどき、A5もどきを使用しました。その経験から、上のようなことを感じましたし、結局マニア 内での「最初期ユニットの取り合い」になってしまいそうな予感もしました。

この春にビンテージオーディオを始めたばかりの知人に請われ、所有していたALTECオリジナルの最初期エンクロージャーをお譲りした次第です。

最近、ALTEC 604E2(604−8Gのチューンアップ版のようです)というユニットとエンクロージャーを譲っていただきました。

結線したばかりで、これから調整を楽しみます。同軸SPを本格的に使った経験がなく、さてどうなることやら。当方はアナログ中心で、プリ・パワーとも管球式です。

「フルレンジSP」の記事は、かなり取り上げられましたね。「同軸SP」、機会があればぜひ取り上げてください。」

以上のような内容だったが「アルテックは初期のアルニコマグネット・タイプに限る。」と、耳にタコができるほど聞かされてきたが、やはりそういうことだった。

実はアルテックに限らず、SPユニットのうちフェライト(マグネット)タイプが、アルニコタイプを上回った例を知らない。

そもそもなぜアルテックを話題に載せたかというと、我が家のウェストミンスターのエンクロージャーにアルテックの同軸2ウェイ(口径38センチ)を放り込んだらどういう音がするんだろうと、ずっと気になっているから。

現状のJBL「D130」+「AXIOM80」(クロスオーヴァー500ヘルツ)にまったく不満はないものの、もともと同軸2ウェイ用のエンクロージャーなので回帰志向は常に頭の片隅にある。

それならオリジナルのタンノイ同軸ユニットを使えばいいじゃないかとご指摘を受けそうだが、この音がどうも・・・。

タンノイさんのファンは世に多いので、これ以上深入りしてあれこれ言うと差し障りがありそうなので止めておこう(笑)。

メールでご提案があった同軸SPについては口径38センチの分は惜しいことに前述のアルテックとタンノイさんぐらいで品薄なのが現状だが、30センチクラスとなるとグッドマンの「TRIAXIOM」(トライアクショム)シリーズが思い浮かぶ。

      

20年近くオークションと‟にらめっこ”してきたがいまだにお目にかかったことがない逸品だが、万一、ゲットする機会があればぜひ試してみたいところ。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/fde597cb035944ec68b14cc724b4adb6
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c15

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
16. 中川隆[-11871] koaQ7Jey 2020年8月14日 15:03:14 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[15]

20世紀的脱Hi-Fi音響論
【ランシングの挑戦】
http://quwa.fc2web.com/Audio-102.html

 ラジオ局における再生モニターはよほど美味しい仕事だったらしく、他の会社も開発に乗り出している。とくにランシング氏が1937年に開発したICONICスピーカーシステムは、再生周波数30Hz〜15kHzのうち45Hz〜10kHzを±2dBで再生できるもので、UCLA大学やNBC、CBSなどラジオ局の研究用として使用された。上記のオルソン博士の論文でも、広帯域なフラット再生はまだ研究段階のものであった。開発当初は、小規模PAもしくは高級電蓄の延長線のようなものだったが、テレビやラジオの高音質化のための高性能モニターとして注目を浴びた格好となる。FM放送開始の4年も前に、こうしたモニターの必要性を勝手に考えたランシング氏は、いわゆる天才肌の人でもある。ラジオ局の場合、RCAの製品を率先して使いそうなところだが、Presto社の場合といい、とてもクールで合理的な側面がある。


Lancing ICONICスピーカー(1937年、1939年広告)

左の用途にはPA&家庭用、右はラジオ・テレビ局用のモニターとして広告

 このICONICスピーカーは、その前年にランシング氏がMGM社のトーキーシステムのコンペで優勝した事件に続き、既往のスピーカー研究者によほどの衝撃を与えたらしく、上記のオルソン博士に続き、1941年にはベル研究所(すなわちWE社)からも753Aモニタースピーカーがリリースされる。ベル研究所のものは3wayで60Hz〜15kHzを誇っており、もはや意地で製作したものといえる。オルソン博士側も、これも意地で2wayのLS-1(MI-12424)を開発した。しかしこのスペック競争の多くは研究所向けのスペックであり、いずれのシステムもICONICに比べてさえ個体数が圧倒的に少ない。1947年にはWE社は2way化した753B/Cを発売し、翌年には757Aに席を譲っている。RCAも1947年に同軸2wayのLC-1A(MI-11411)を発売し、1940年代のスペック競争は終結する。

 しかし最後の勝者はWEでもRCAでもなく、1943年に発売されたAltec Lansing社のDuplexモニターであった。トーキー用の延長線で開発された従来のモニターに対し、同軸とすることによりスペースファクターや試聴性が抜群によくなった。そもそも狭い潜水艦のなかでソナー音を正確に聞き分けるための工夫が、録音スタジオや放送ブースで活かされたのだ。こうしてみると本来ICONICスピーカーは、WE社に対し商売仇だったのにいつのまにかWE→Altec→JBLという伝統が既製事実化されているのは、いささかおかしな感じがする。さらにAltec Lansing社のDuplexモニターの圧倒的な普及率の陰で、1940年代の過激なスペック競争の存在はほとんど忘れられている。個人的にはAltec Lansing社のDuplexモニターは、アメリカ全土でのサービス網の整備に長けていたため普及したのではないかと思う。この時期にはアメリカン・サウンドはほぼ完成に近づいたと言えよう。

 WE社が映画産業の遺産をAltec社に受け渡した後に、最後に目指したフロンティアは1941年に開始されるFM放送であった。卓上ミキサー、指向性可変型のハイブリッドマイク、そして狭いモニタールームに適した小型モニターなどを、1938年頃から立て続けにリリースした。ここでもWE社はトーキー時代のように独自規格で囲い込みを謀るが、例えWE社であっても新しい要素を加えることは難しかったらしく、メンテナンス・サービスを請け負っていたAltec社がこの業界に強い足場を築きはじめていた。755Aが発売される約10年前の1939年には、総アルミコーンの750Aが開発されていたが、1945年開発のAltec社400Bフルレンジに置き換えられることが多かったという。1947年の755Aの紙コーンでの製品化が時期的にやや遅かったといえる。
 ちなみにWE社の製品の性能は過不足なしの一級品。ここで755Aの特性をみるとフラットそのもので、Altec社の400Bが3.5kHzから下降する(これは狭い部屋で映画館のアカデミー特性を模擬したものと考えられる)のに対し、755Aは10kHzまでピシッと伸びている。むしろ400Bは聞き疲れのしない音の代表で、この時代のフルレンジの標準的な特性を示している。広くはオルソン博士のMI-4400型スピーカーに準じており、AltecがRCA解体の隙を突いて放送業界に挑む様子が伺える。高性能な755型が不利だったのは、戦後に技術移管されたAltecには既に604型があり、Hi-Fi再生のコンパクトモニターでは業界随一の実力を持っていたし、400Bのような放送業界用にレトロフィットした機種も同時に備えていた。つまりAltec内での755型の立ち位置は、いまさら感が拭えないのである。結局、755C(パンケーキ)は映画用簡易PA装置(スーツケース・スピーカー)か映画館のサイドスピーカーとしてトーキー市場の古巣に戻っていた。そのAltecを抜け出したJBLが1948年に家庭用にD130をリリースしたことを考えると、戦後のWE社には業務、家庭用のいずれの方向でもマーケティングに関する先見の明が欠けていたとも思えるのである。悪貨が良貨を駆逐するとまで言わないが、つい最近になるまで、D130に比べ755Aは本数も知名度も極めて低かったし、いわんや728、754に至っては全くの希少品である。


 他に755Aと同様のフラットな特性をもった放送局用の小型モニタースピーカーには、英GoodmansのAxiette 101、そして日本の三菱P610などがある。これらは録音ソースの編集作業用に開発されたもので、放送局には欠かせない簡易モニターである。これに上記のオルソン博士のMI-4400を加えてみると、アセテート録音された1940年代の放送規格の水準が判ると思う。端的にいうと、当時のマイクの特性と比べてみても、普段思っているほど悪くないのである。

 ただし、アメリカの歴史的録音のアーカイブでは、意外に当時の機材に関する情報が錯綜しているときがあるので気になる。例えばベニー・グッドマンの1938年カーネギーホール・コンサートでは、収録マイクがRCAの44型と書いてあるが、写真ではノイズに強い50型が使われている。ビング・クロスビーの1940年代のラジオ収録音源では、解説で1947年からAmpex製テープレコーダーが使われたとされ、78回転盤の弊害(ワン・テイクのみの収録、プレスの数珠つなぎによる音質劣化)が長々と語られるが、リマスターの項では16インチ33回転のアセテート盤(30分収録、ダイレクトカット盤)の取扱いについて書かれている。この辺が、テープ以前の録音に対する偏見がまだまだ強いことを物語っている。

http://quwa.fc2web.com/Audio-102.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c16

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
17. 中川隆[-11870] koaQ7Jey 2020年8月14日 15:10:07 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[16]
20世紀的脱Hi-Fi音響論
【伝統の8インチ・ユニット】
http://cent20audio.html.xdomain.jp/Audio-106.html


Rice&Kellogg開発のスピーカー
RCA 104(1925年)

 オルソン博士開発の局用モニター
RCA MI-4400(64-A)(1939年)

WE 755A (1947年)
放送局に限らずホームユースに最適と宣伝
 
 まず提案したいのは、ビギナークラスの8インチのフルレンジから始めて、モノラルの音に次第に慣れていくことが順当だということだ。8インチは高音と低音のバランスが良いし、初めてモノラルをじっくり聞いてみたいと思う人にはお勧めだ。とはいえ、ベテランだって結局はフルレンジに戻る人も多いと訊く。いわゆる鮒釣りの奥義と同じ理屈である。もし8インチが満足に鳴らしきれないようであれば、モノラルとは相性が悪かったとすんなり手を切るべきである。それだけエッセンスが詰まっていると考えて差し支えないと思う。

 このクラスはRice & Kelloggが1925年に開発した家庭用ダイナミック・スピーカーの初号機から、家庭での電気再生技術の歴史を背負った由緒あるサイズである。このスピーカーは英BTH、独AEGにも納品され、いわば世界中のラジオの出発点になった。1939年にオルソン博士によって開発されたRCAの局用モニター MI-4400も、ラビリンス型という複雑なバックロードホーンを持ちながら8インチのフルレンジを使用していた。1947年にリリースされたWE 755Aは、放送用モニターの他にホームユース(ラジオとレコード)にも理想的であると謳っていて(多分、WE社のホームユースはこれが唯一である)、このサイズのユニットがどこでも最高のクオリティで再生できることを強調している。これらは放送録音のモニターから民生用にダウンサイズされて使用している実態と重なっている。特に戦後は軍需の流れが変わって、いわば平和還元セールのような潤沢な技術資産が残っていたと思われる。
 8インチのフルレンジは、1950年代の米国製ユニットだけでもWE 755A、Altec 400B、755E、JBL D208、LE8T、Jensen P8P、Trusonic 80FR、EV SP8Bなどがあり、WE 755A以外はいずれも1本5万円程度で購入できるし、755Aはいくつかレプリカも製造されているので既に使っている人もいるだろう。いずれのユニットでも、箱は中判ブックシェルフ並の40〜60リットルもあれば十分で、バスレフ、密閉は好みで良い。頑張れば机の上にも十分乗るサイズである。

 ビンテージ・ユニットであれば90°のサービスエリアで均等に鳴るので、どの角度から聞いても違和感がなく、ステレオのように試聴位置にこだわらなくていい。1m以内のニアフィールドで聞く場合にも都合が良く、実際にラジオ局のモニタールームには、トークバックと呼ばれる、ちょうど校内放送のような音声確認モニターがあって、いつでもブース内の音が判るようにしてあった。校内放送との違いは、スピーカーからの距離で、精々2m以内には入っていること。モノラルだから大雑把でいいということではなく、人と話す距離がちょうど良いのである。8インチユニットはちょうど人の顔の幅に似ていて、さながら演奏者に音楽を通じインタビューをしているような感じになる。これをスピーカー2本で再生すると音の広がりは出るが、音像はずっと小さくなり印象も希薄になる。

【ミニワット・アンプとコンプレッサー】

 8インチだとアンプは1W級の真空管アンプでも十分になる。真空管アンプはクリップポイントまできっちり鳴らせるので、歪ませないための余裕度を必要としない。例えば755A用と思われるテレビ球を使った業務用トランスレスアンプは出力4Wだし、6V6プッシュの8Wアンプは移動映画館の簡易PAにも使われた。10Wの音響出力は隣近所に迷惑なレベルになる。実は、ミニワット球には素性の良いものが多く、出力の制限からオーディオ用から敬遠されている物も多いが、能率の良いビンテージ・ユニットであれば十分で、柔らかめの音なら2A3、45、スリムな音が好みなら6BQ8(EL84)、71、ナチュラル志向なら6V6、6F6などがある。今の90dB/w/mを下回るマルチウェイ・スピーカーならKT88、6L6、300Bといった太めの球でないとウーハーがバランス良く鳴らないが、95dB以上のフルレンジはそういう心配がないばかりか、むしろムッツリと動きがなくなる感じがする。多分、あまりに小出力なので球の駆動ポイントが合っていないため、音楽の躍動感が出ないのではないかと思う。NFBのかけ過ぎも躍動感が減るため要注意だろう。

 あとミニワット・アンプを使っていて便利だと思ったのがコンプレッサー。通常は生楽器のダイナミックスを整えることに使うことが多いので、既に整えた後の録音には必要ないというのが大方の意見だろう。ただし最近のリマスターCDは、オリジナル・テープから直接ダビングして編集することが多いが、CDのほうがオーバースペックだと思っているのか、ダイナミックレンジに関するコントロールは、薄味傾向にあることは否めない。ピアノからフォルテまでの幅がソースの最大限でとってあるため、ピアノでの音量が小さいのでボリュームを上げると、フォルテで小出力アンプがクリップして雑な音になる。この音量差を整えてあげるのがコンプレッサーである。試しに使ってみたのはBehringer Autocom MDX-1200というこれまた安物だが、ちゃんと仕事をしてくれるので重宝している。スレッショルドはミキサーのゲインと相対的なので参考にならないが−20dBu、レシオは1:4、アタック100ms、リリース0.5sくらいがちょうど良い。よくアナログのコンプレッサーを掛けると高域が鈍るという現象が起きるが、8kHz程度のレンジではほとんど気にならない。何となく思い出したのは、昔のMMカートリッジの音で、多分カートリッジそのものも磁気ヒステリシスがあるので、コンプレッサーが掛かったような感じになっていたかもしれない。もしくはラッカー盤のカッティング時に使用していたコンプレッサーが似たような性格をもたせているのかもしれない。フルトヴェングラーのベルリンでのライブは、元のリミッターの癖が消えて、逆にダイナミックに咆吼するし、ビートルズのBBCライブではドラムがビシバシ鳴り始める。この手の放送録音では自然なアコースティックにこだわる必要性はあまりないように思う。

 これがSP録音期に合わせて1920年代のラジオトランスを使うと、もともとトランスの音の立ち上がりが鈍いせいか、アタック100ms、リリース1s辺りで音のスピード感が増してくる。そして芳醇な艶が載ってくるというオマケもあり、コンプレッサー導入はいちおう成功といえるだろう。

【トーンコントロールとトランス】
 モノラル録音はレーベル毎の音質差を考えると、どうしてもアンプのトーンコントロールは必須だと思う。昔のアンプなら絶対に付いていたトーンコントロールは、元はLPのイコライザーカーブの違いを修正するものだったにせよ、モノラル時代の多様なトーンの違いを修正するためには必要だと思っている。これが無い機材を持っているなら、録音用機材として売っているEQ付のミキサーか、専用イコライザーを間に噛ませたほうが何かと融通が利く。小型ミキサーは、安いものなら1万円を切るものがあるし、ステレオ音源のモノミックスにも使えるので、意外に重宝する。

 ICチップで固められたCDやミキサーの味気ないところは、ライントランスなどで巧く帳尻を合わせた。多くのプリアンプで使われるMT管の素地は極めてHi-Fiで、ビンテージのアンプはInputあるいはOutputトランスの味付けで音決めがされていることが多い。そのため一般的なハイ・インピーダンス渡しの間を、これらのトランスでつなげれば良いことになる。ピアレスであれば素直なHi-Fi調のままで音の押し出しが変わるし、私のように変化を求めて狭い帯域のものを使うのも好みの問題である。

 以下は裏技も含めて、エレボイのSP8Bに合わせたときの、トランスとイコライザーの組み合わせ例を示す。SP8Bが強烈な高域をもっていて、ナチュラルだとかなりキツイ音になるので、ノーマルな音でも高域は抑え気味である。さらにUTC製のトランスは10kHzから緩やかにロールオフするタイプで、これを入れることで乾き気味のエレボイの音にウェットな質感が加わる。それでも全く抑えられないDecca ffrrのような高域の強い録音は、逆に5kHzからロールオフする1920年代のラジオ用トランス(Lissen社 Hypernik)で高域を大幅にカットしてから逆にブーストしてやる。どういうわけか、これで蜜のように甘いデッカ・サウンドが聞ける。実は戦前の録音を、ABの全く違うアプローチで聞き比べると、トーンにほとんど変化がないので、高域8kHzまでのトーンはほとんど同じであることが判る。Decca ffrrは聴感で4〜6kHzの辺りに強いピーク感があって、普通のフルレンジなら仰角をもつとロールオフしやすい帯域を補って良いプレゼンスを発揮するが、既にこの帯域をブーストしてあるエレボイのユニットでは逆鞘で、互いの主張を巧くキャンセルする必要がある。実務上はDecca ffrrのCDコレクションは少ないので、むしろ戦前の録音を巧く聞かせるエレボイの長所のほうが有り難いものと判断した。

 @普通の録音 トランス イコライザー

 英EMI
 米Columbia
 独DG UTC C2080

10kHz〜減衰

普段聴いている位置(2.5kHz以上を−6dB落として45°オフセット)
自分で思っていた以上にフラット志向だったのでガッカリ(?)

A高域の強い音 トランス イコライザー

 Decca ffrr
 Westminster
   ・
   ・
   ・
 ラジオ音源=◎ Lissen Hypernik

5kHz〜減衰

1920年代のラジオ用トランスを通したスペシャルな特性
中域の腰がが太く、高域が上品に残っていて意外に好み

 実はこれらの特性はWE〜Altecの流派でいうと、@がWE 755A、AがAltec 400Bに近似している。

いずれも放送用モニターとして開発されたもので、発売が1947年と1945年と僅か2年の差であるが、Hi-Fi機器の民生化を境にした特徴の違いをよく表している。フォーマットでいうとSP盤とLPのトーンの違いを示しているようにみえるが、当時のアセテート録音機でも8kHzは優に達しているので、むしろ収録音の傾向がHi-Fi以前には3〜6kHzを強調していた(Marconi-Reisz製カーボンマイクは1935年頃まで放送局で活躍していた)ことが伺える。おそらく1941年にFM放送が開始された頃は、家庭でHi-Fi再生できるソースがラジオ以外になく、一般家庭では恩恵に与ることはほとんどなかったと思われる。このため、例えば金属コーンのWE 750などの高性能スピーカーは実用的ではなかった可能性が高い。その意味では、400Bのような古いワイドレンジ・ユニットは、単純なカマボコ型なのではなく、10kHzまで再生を保障した確信犯的な特性であることが判る。同じ考え方はRCA MI-4400(ラビリンス箱、1939年開発)についても言え、これはGE社のRice & Kellogg式ラウドスピーカーを改善しながら引き継がれた伝統的な特性である。

 Hi-Fi録音に合わせてフラットに持ち上げることだけが全てではなく、AM放送の規格内ギリギリのところで忠実度や明瞭性を確保しようとした歴史的経緯を弁えておくことが必要だ。これは条件の悪いPA機器の分野で常識として知られる内容で、今もShure社のボーカルマイクがライブ会場で重宝されるのは、子音をクリアに集音できるというちゃんとした理由があるのだ。


WE 755A:9kHzまでフラット(1947年)

Altec 400B:3.5kHzからロールオフ(1945年)


RCA MI-4400 ラビリンス箱(1939年)
Altec 400Bがこれをトレースしていることが判る


GE社が戦前からBBCに収めていたモニタースピーカーの特性(1930年代)


Marconi-Reisz製カーボンマイクの特性

      

ライブ会場に最適なShure社 SM57の特性
 結局のところ、相手の出方次第でコロコロ変わる以上、再生環境の最適化というのはイタチごっこであり、ふたつの特性を用意することが肝要となる。ところが一般的に2つ揃えるとなると、Hi-Fi用がゴージャスに膨れあがる傾向が否めず、SP盤はおろかラジオ音源用に贅を尽くすという例はあまり聞かない。逆に両者を一緒にするとどちらかを犠牲にしなければならないように思うかもしれないが、同じ試聴条件で演奏を比較できることがもたらす幸いは何事にも代え難いだろう。Hi-Fiにだけ目を向けていると、1950年代を境にミュージック・シーンがガラリと変わったように感じられるが、それはラジオ音源を知らないことによる錯覚だと悟るようになるのだから。


【中域が全て〜高域を断捨離】

 3番目に精神論と書いたのは、ハードウェアの整備以上にデリケートで整備が必要なのは、聴き手のメンタル面であると思ったから。何に興味があり、生活の中心がどこにあり、何を目指しているか、そういう立ち位置とオーディオはとても大切だと思う。終の住み処が大型ホーンシステムになるのか、フルレンジになるのかは、実はその人その人の勝手なのだと思う。やはりオーディオ・システムの構築のなかにライフスタイルがないと長続きしない。モノラルと付き合うからには、のんびり構えるというか、ど根性というものも必要なのだが、そこも精神的な要素に加えても良い。しかし、気構えというか心得はその時その時のものであり、長い目で見ると、とどのつまりライフスタイルに行き着くのだ。

 高音の最適化をメンタルな部分に含めたのは、モノラル音源の大きな壁であるHi-Fi以前の音源の扱いについて、どうしても8kHzの壁を取り払わないとコレクションの隔たりが生じるためだ。おそらく1950年代でさえ、LPでリリースされたものは全ての音源の10%程度だったと思われ、レコード業界とラジオ業界の趣向の隔たりもある。個人的には、音楽作品として鑑賞するのはレコード、ミュージシャンの演奏テクニックやタレントを知りたいのであればラジオ音源と思っている。ふたつ揃って始めて一人前と思うのだ。まだテレビのない時代、両者を一緒に聞き続けた当時の人は、どう感じていたのだろうか? 私の父が家庭にはじめて「ステレオ」を迎えた1970年中頃は、既にAM放送はレンジが狭く過去のものとなっていた。普通にラジオで聴いていたほうが素直に鳴っていたように思うが、「レコードとFMはステレオで」という感覚が刷り込まれていたのも事実だ。それでもテレビやビデオはAM並のレンジだったことを考えると、"ステレオ"でなくてもレンジ感が気にならない音源もあったのだ。これがさらに20年遡る1950年代はこうしたHi-Fi音源との峻別の初期段階にあったと考えて差し支えない。

 最近気付いたのは、今の時代のオーディオ的なリアリティが如何に作り物めいた音だということ。高音は何でもすぐそばで鳴っているように楽音を近くに引き寄せてくれるし、低音はそれだけで迫力や安定感を与える。だけど結局は、音楽を通じてコミュニケーションを取る、心を通じ合うというのは、そういった外面的なものではないはずだ。むしろアンサンブルからこみ上げる内声の絡み合いというか、中域でのタイミングやデュナーミクなどの骨格が重要なのだと思う。何と言っても音楽のフィジカルな部分は100〜1000Hzの中域に密集しているのだ。

 モノラル録音は、この点が1本勝負でストレートなのだ。よくジャズはモノラル時代が一番という声を聞くが、クラシックだって、ポピュラー音楽だって、実はモノラルが面白い。それは音楽的な本質の部分が、一定のスタンスで安定して聴けることも幸いしていると思う。この「一定のスタンス」とは、モノラル時代の拡声技術が、PA機器のノウハウを不断に使って、オープンな公共性を持っているという点である。それがラジオという家庭用機器にも現れている。PA機器というと、ラッパ拡声機や校内放送のような極端な例を思い浮かべるかもしれないが、小出力のアンプで効率よく伝達するノウハウというと判りやすいと思う。そのためのスピーカーを中心とする音響技術は、今のHi-Fiの常識の裏をかくようなところがあるので、一度よく噛み砕く必要がある。つまりAM放送と同じ80Hz〜8kHz(これが1932年 WE社のWide Range Systemと同じ)という必要帯域の枠内での演奏技術の発展史があり、1925年の電気録音開始から1950年代のLPレコードまでの四半世紀に跨る多様なトーンがある。普通の人ならここで躓く。面倒臭いので非Hi-Fiという括りで表現する。しかし、この鍵を一度こじ開けると、安定した音響技術に支えられた、華やかなレビューの世界が蘇るのである。

 実際に8kHzを限界とした再生音とはどういうものであろうか? 実は市販の多くのスピーカーは、8kHzまでビッチリと目を詰んだ音を出しているものは少ない。ほとんどは仰角が30度も付くと高域が減衰し始める。これはフラットなBBCモニターでも5〜6kHz辺りから、もうすこしおとなしいタンノイともなると2.5kHzから減衰する。一方で、高域の拡散がしっかり取れていて、8kHzまでしっかり出ているPA用のホーンスピーカーは、高域がキツイくらい出ていると感じる。ともかく突き刺してくるように直接音で迫ってくる。これは当時の規格で30ft(約9m)離れても高域のサービスエリアを保証しようとした結果であって、日本の一般家庭のように2m以内で聴くときには、ここまでの音響エネルギーを必要としないし、そもそも逃げ場がなくなるのだ。むしろ多少減衰してくれるくらいが心地良いのである。JBLだって家庭用のホーンシステムは、さすがにビームワイズを落としている。このように8kHzまでの録音品質とは、常識的な範囲での再生領域といえて、この帯域の密度で音楽の質が変わるともいえる。

 例えば、瀬川冬樹氏がステレオサウンド誌36号(1975年9月)の「特集・『スピーカーシステムのすべて(上)』」では、シアター用スピーカーについて「現在の高忠実度(ハイフィデリティ)の技術からみれば、シアタースピーカーはもはや広帯域とは決して言えない。しかしこのことから逆に、音楽や人の声を快く美しく聴かせるためには、決して広い周波数レンジが必要なのではないということを知っておくことは無駄ではない。低音が80ヘルツ、高音が7〜8キロヘルツ。この程度の帯域を本当に質の良い音で鳴らすことができれば、人間の耳はそれを相当に良い音だと感じることができる。」と述べている。これは日頃何気なく耳にしている放送品質の音響技術と共通したものであるが、同じ帯域内に投入した物量のレベルが高い=高級機材を揃え、しかも電気的な加工の少ないミックスで聴けるのが、モノラル時代の大きなアドバンテージである。

 これがステレオだと、まずサウンド・ステージのなかで楽器が配置され、さらにルーム・エコーによって空間の広さが表現される。しかしこれは、実際には架空の空間設定であり、時代やエンジニアの方針によって空間設定はバラバラで、この舞台が崩れると本来の演奏のバランスが判らなくなる。単に低音〜高音のバランスだけでは語り尽くせない、複雑な要素が潜んでいて、高級なオーディオになるほど、これらの相性の問題はいつも付きまとう。ジャズは音場が広くては困るし、クラシックは高域がうるさくては困る。こうして音場の雰囲気に呑まれて、骨格の部分以外のところで躓く要素が多いのである。

 加えて、ツイーターの音そのものは非常に小さい音響レベル(1kHzに対し10kHz以上は−20dB以下)なのに対し、スピーカーの特性上、振動板の軽い高音のほうがレスポンスが早く、全ての帯域より早く耳に到達する。これがマスキング効果となり、ツイーターの向きや音質が、音場やサウンドの傾向を決定付けるという、逆さまの状況が生まれる。これはツイーターの出す高域に支配されたオーディオで、実際の演奏のダイナミズムよりも、パルス波の質で音を判断する癖を耳に付けてしまう。これが音響心理学と呼ばれる分野の成果であり、20世紀の電気音響技術の基本的な考え方である。

 録音を表面的な音質評価から踏み込んで聞き込みたいとき、高域をあえて絶つことが必要だと思うのだ。そこで思い切って音場を構成する帯域、10kHz以上を絶ってみようと試みた。
 
古い8インチユニットで高域を断捨離
SP8B(2世代目)の特性(軸上計測、100Hz以下はフィルタリング)
このままだと高域がうるさいので適度にイコライザーで調整
      
Shure社 SM57の特性
特性がエレボイに似てる=PA屋さんの常識?

 そんなこんなで、結局、3ヶ月におよぶ高音の断捨離の結果、中域だけで十分に音響を把握できる耳ができあがった。こうなると、音楽の評価は全く以前と異なり、広く大らかになった。そしてサウンドに対する感性が、以前にも増してソフトウェア=演奏者寄りになった。ようするにハードウェア=機材をアレコレ考えて聴くことが無くなってきた。それに加え、録音の好き嫌いによって、聞かず嫌いな演奏というのも少なくなってきた。


【ラジオ音源を華麗にレビュー】

 再生装置も良い塩梅で軌道に乗ったところで、最終目的のアーカイヴの仕分けである。実は再生機器と音源のアーカイヴは、鶏と卵の関係にあり、再生装置が先かアーカイヴが先かという優先度はなく、どっちかが欠けると10年後には粗大ゴミと化してしまう。

 しかし、まず最初に愚痴を言わせてほしい。オーディオ愛好家が、モノラル時代のラジオ音源を真剣に取り組んで聴くということは、残念ながらほとんど聞かない。ラジオ音源のための再生装置がどうあるべきか? これは愚問なのである。オーディオ好きの人は、とかくラジオを卑下する。「ラジオみたいな音」というと、その装置がカマボコ型の非Hi-Fi的な音を指す隠語である。ほとんどの人が、安物のフルレンジを小型真空管で鳴らせば事足りると思っている。そもそも、日本製の安っぽいラジオしか知らないのが問題であることを悟ろうとしない。100〜6,000HzというAM放送の規格内でも、100〜2,000Hzと2,000〜5,000Hzの帯域を同じスピード感をもって、しっかり鳴らせるシステムというのは意外に難しい。この帯域だけで音楽表現の根幹を占めており、レンジ感だけで誤魔化しが利かない、一本勝負で造り込まれたユニットだけが覇者となる。

 JBLのD130を初めとする1940年代のワイドレンジ・ユニットも、現在のHi-Fi機器の基準では単体での評価が難しいユニットのひとつである。「SP録音には相性が良い」というかわりに、他に良い表現がないものだろうか? しかしこの評価の基準は、当時のPA用アンプ、カートリッジ、AM放送などの旧規格に囲まれながら、最高の音を提供しようということが理解できないことによる。ともかく1945〜49年の録音と再生機器は一般のオーディオ批評では評判が良くないのである。これは戦後のHi-Fi機器の売り込み時に刷り込まれたもので、GEのバリレラでさえ当時のオーディオ誌では、放送局でアセテート盤を再生するためにスペックが低いのだと説明される始末だった。しかし中域の肉汁がジュワッと出る感覚は、一度味わうと病みつきになるものがある。それと、この時代に壮年期を迎えたミュージシャンは暗黒時代の住人ではなく、むしろラジオを通じてアメリカ音楽のスタイルを築き上げた人々で、これを知らずしてアメリカ音楽の歴史を語るべからず、という調子である。そしてこのパンドラの箱を開ける鍵がHi-Fi以前の旧規格で製造されたオーディオ機器である。


1940年代のAM放送規格に沿ったAltec 400B(1949年)
5kHzからロールオフするフルレンジは1950年代にも多くみられた

GE社のバリレラ(IRM-8C:1948年)
当時としては最高品質だがHi-Fi対応ではない

よくある10kW送信機の特性(1949年)
1,2は従来型、3は新たにfeed backを加えた場合

PA用アンプの例(Altec A324A:1949年)
高域は4kHzからロールオフ

 ラジオは誰でもタダで聞けるからという理由で、わざわざお金を出す価値のないもの=安物というレッテルもある。これがそもそもの間違いなのであって、実は放送業界ほどお金の掛かる業界もそれほどないであろう。個人的にはラジオ音源は、品質に見合った適切な再生方法をもつことで、何倍もの魅力が増すものと信じてやまない。それこそ、誰もが納得のいく平均的な品質が守られてきたからである。逆にいうと、オーディオ的な音とは、ラジオの品質基準を大きく凌駕するものでなければならず、そこにはあの手この手の創意工夫が盛られていて、ときには基準を大きく外れることで売り込もうとする。このデフォルメの具合がオーディオ装置の相性の問題を産み出しているように思う。その意味では、クラシックもジャズもロックも、それ専用のラジオというのは存在しないのと同じように、ラジオ音源こそが脚色のない当時のスタンダードな音たり得るのである。

 ただし、ラジオ用に収録されたモノラル音源については、オーディオ的にも、音楽遺産としても、どういう位置付けをして良いのかあまり判らない。ほとんどはぶっつけ本番のワンテイク収録。スタジオのように何度も録り直したり、ダブを重ねて仕上げをすることもしない。品質規準によって収録も決まった方法で録られるため、音質はやや隈取りの強いクールそのもの。なかには、ミュージシャンのタレントを活かしたワイドショウもあり、ファンにとっては堪らない一品になるだろう。しかし、なかにはエアチェックを含む海賊盤(ブートレッグ)の存在が品の無さを助長するときさえある。これがラジオ放送用の音源を繰り返し試聴する場合に、常に付き纏う評価の難しさである。

 ラジオの報道性から考えると、再編されて発売されるCDは、新聞記事のスクラップのようでもあり、確かにこれも事実の一端ではあるが、それで作品としての完成度を問われた場合、これがミュージシャンの最終的な結論ですとは言い難い。しかし、同じ血のかよった人間に、いつでも最高という賛辞が必要だろうか? 否、そういう垣根を踏み越えてラジオ出演したミュージシャンの記録として大切なのである。そして良い放送録音には、その時代、その時間にしか成し得なかったマジックがある。

 そんなこんなで掻き集めた、以下のコレクションを総合的にみると、ラジオ音源のもつゲストの広範さ、タイトルの多さに気付くだろう。多分、ある音楽分野、ミュージシャンのディスコグラフィーなどで切り分けられた批評に慣れた人には、放送用音源に特化した演奏史、録音技術史が、これまでの作品分類に該当しなかったことも判るはずである。評価が遅れた理由は、ほとんどは放送時期が過ぎると二度と聴かれることがなかったためだ(あとラジオ放送が無料たり得た番組スポンサーの利権もあったかもしれない)。また、ライブ録音を正規録音の補足として考える向きの多いことも確かだ。しかし、これらを時間軸上に並べると、演奏史の事件の数々が浮かび上がってくる。録音の質よりも、それぞれが持つ歴史的なバックボーンの豊かさのほうが、遙かに勝っている点も見逃せない。ただし放送録音の品質を正しく評価することで、あるべき姿が浮かび上がってくることに注意が必要であろう。あくまでも時代毎の技術的限界のなかで、適切な音響の枠組みを与えてあげることで評価がしやすくなるのだ。放送録音の場合は、それがラジオとなる。ただその枠組みに与えられた多様性が、これまで想像していたよりずっと広範なのだ。まさに時代の文化そのものと言っていい、華麗なレビューが立ち上がるのだ。

http://cent20audio.html.xdomain.jp/Audio-106.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c17

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
18. 中川隆[-11869] koaQ7Jey 2020年8月14日 15:25:45 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[17]
20世紀的脱Hi-Fi音響論
B)ワイドレンジ・スピーカー
http://quwa.fc2web.com/Audio-01.htm

なぜかJBL+AltecのPA用スピーカーをモノラルで組んで悦には入ってます。

D130を詰めた200リットルのバスレフ箱(横置き用)
(上にちょこんと座る5cm径もなかなかの音)

旧型D130の特性


映画音声のアカデミー・カーブ


Micro Solution社の小型スピーカー

中央下がJBL D130を入れたバスレフ箱
左下がパイオニアPE-16Mを入れたバスレフ箱


 モノラルLPはオーディオ再生でも鬼門のひとつで、上記のような録音・再生の方法論の模索が続いた時期であることと相まって、直接音が主体のモノラル録音だからこそ一種のゴージャスさが必要かと思います。特にホールでのエコーが得られない家庭用システムには音の広がり感を演出するために、部屋の壁を利用したコーナー・ロード・ホーンや音響迷路を用いたラビリンス・システムなど、スピーカー自身に残響特性を持たせたものがモノラルLP時代には多く製作されました。そういう私は貧乏性なのでCD主体で単純なバスレフ箱で聴いてますが、モノラルのカートリッジから蒐集されてる人からみればヘタレの極みというわけです。

 とりあえずPA機器と放送機器との性格の違いを踏まえたうえで録音の問題に踏み込むと、アメリカ系が前者、ヨーロッパ系が後者の仕様が多いように思います。私自身はPA機器の代表格であるJBL D130と、放送用モニターのパイオニアPE-16Mを使っています。実際には綺麗に割り切れる問題でもないので、ふたつを同時に鳴らしてバランスをとる場合もあります。D130とPE-16Mとでは能率が10dB違いますので、低域だけが膨らむということなくバランスが保てるようです。

 D130で聴く日本のポップスはエコーがきついのでリズムが流れますが、PE-16Mだとすっきりと納まります。逆にジャズ・ボーカルはPE-16Mだと綺麗にまとまりすぎで、D130くらいグラマラスな鳴り方が好ましいです。中間的なのはクラシックのソプラノの声で、胸声のふくよかさと頭声の澄んだ倍音とのバランスがどうしても片方だけではとれず、両方で補完しあうというのが実状です。いずれD130にはホーンなどを付けてシアター向けのマルチウェイ・システムにチャレンジする機会があるかと思います。

   Altec 802C+511B、JBL D130
   802Cは1200Hzでカット、D130はスルー

http://quwa.fc2web.com/Audio-01.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c18

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
19. 中川隆[-11868] koaQ7Jey 2020年8月14日 15:29:51 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[18]
ようやくJBL D130にAltec 802C+511Bを加えて劇場用とコンサート用のPA装置の折衷的なシステムにしました。

802の前身801ドライバーはランシング氏のアルテック在籍中に開発したユニットで、いわば二世代目のユニットになります。

一方のD130はランシング氏がそれまでのMGM〜Altecのキャリアを一新した前向きに鳴るユニットです。D130はネットワークをスルー、802CはJBLのN1200ネットワークでローカットをし、D130と802Cはステレオ・アンプをそれぞれのユニットにバイアンプで繋いでます。

 こういう組合せは同様のものにAltecが1970年代に売り出した楽器用スピーカー1204Bがあって、そのときは低域用には421AというD130と同じようなアルミ・センターキャップを配したギターアンプ用ワイドレンジ・ユニットが使われていました。ただユニットは1950年代のものなので、ちょっと緩めのビター・スウィートな鳴り方です。

 古いポップスには相性がよく、Altecのホーンの甘い音がボーカルを中心に広がり、続いてD130の支えるインストがアップテンポに切れ上がっていくという感じです。一方でクラシックには相性があるようで、デッカ、コロンビアには合っていますが、グラモフォンやEMIは苦手でこの辺がクラシック向けでないという意見なのかもしれません。コーン型ツイーターのほうが合っているのかもしれません。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c19

[近代史4] 「日本人は生産性が低い」という都市伝説に騙されるな 中川隆
2. 中川隆[-11867] koaQ7Jey 2020年8月14日 16:00:19 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[19]

日本人は本当に生産性が低かった。私たちの年収が世界最速で下がるワケ=吉田繁治
2020年8月13日
https://www.mag2.com/p/money/951149


ポストコロナの日本で最大の課題となるのは「生産性の低さ」でしょう。世界の先進国と比較すると、生産性も年収も低水準にあります。日本政府がなぜか公開しない産業別の日米生産性比較、世界の世帯平均給与との比較データをもとに解説します。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)


もはや瀕死の日本経済

安倍首相は国会の閉会後、7月は記者会見にも出てきませんでした。根底の原因は、経済ではアベノミクスの成果を誇ってきましたが、消費税増税とコロナでの経済停止が、国際基準では幻想だったGDPの虚妄を剥いだからです。このため、国民に顔向けができなくなりました。

コロナ禍で、円安が誘導していたインバウンド消費(3,000万人:4.8兆円)も消えました。オリンピック需要も(当方の見解では)無くなっています。

日本の最重要課題は「生産性の低さ」

1995年以降の、日本経済のもっとも大きな問題は、産業の生産性の低さです。

米国のニューヨークでは、人と人が近づく対面産業(小売り、外食、サービス業)以外では、ほぼ100%の職種でテレワークが可能です。ニューヨーク市が外出の禁止をしても、対面型産業以外の会社業務は停止しません。企業の業務では、1990年代からデジタル・トランスフォーメーション(DX)が図られてきたからです。


小売では、店舗のないAmazonがあります(売上の年率増加20%)。ウォルマートやターゲットもWEB販売と宅配をおこなっています(WEB販売増加は前年比70%)。百貨店の高級ファッションは、商品の手触りも必要でしょう。百貨店は、外出自粛で破産と破産寸前になっています。百貨店は米国でもDX(デジタル・トランスフォーメーション)を果たしていないため、店舗を閉じると、売上がなくなります。

以上から、都市封鎖による経済の停止度合いでは、ジョブ・ディスクプション型(業務方法と成果を、会社と契約する仕事の方法)で自宅PCからインターネットを介したテレワークができる米国よりも、メンバーシップ型で担当の個々の成果責任が明らかではない仕事をしている日本のほうがはるかに深くなっています。外出自粛で「会社に行かないと仕事ができない」からです。

人的生産性の日米比較

なぜか日本では取り上げられることの少ない「人的生産性」を米国と比較すると、以下のようになっています。

企業の付加価値 ÷ 労働人時数(労働時間)=人時生産性(=人的生産性)です。
GDPは、人的生産性 × 8時間換算労働者数です。

出典:Productivity Level Database 1997 benchmark | Related releases | University of Groningen
https://www.mag2.com/p/money/951149


政府は、こういったデータを発表しません。都合が悪い経済の実態を示すからです。


経営陣がやるべき3つの仕事

人的生産性を高める投資と仕組み作りは、経営の本質的な成果とすべきものです。

経営者の仕事は、人的生産性が高くなる仕組みを作り、社員には、世間の30%増しの賃金を払って、利益を出すことです。このためには、業界平均の人的生産性の2倍でなければならなりません。


経営の仕事は3つです。

(1)現在の事業の、目標とする成果(利益)を上げる
(2)現在の事業のビジョンを示し、新事業の構想も固める
(3)社員の生産性を上げる仕組みと制度を作り、社員の賃金は、同じ業界の平均の30%増しとすることを続ける

1990年の資産バブル崩壊(地価と株価)のあと、資産の下落で借入金が過剰になった企業は、90年代からの30年、設備投資と情報化投資を減らし、負債を減らすためキャッシュフローの利益確保に走りました。

1990年代から、設備投資を、設備と機械の減価償却費以下に減らした企業は、日本経済の成長のエンジンではなくなったのです。


生産性が高くなったという「幻覚」

将来のGDP = 所得 = 人的生産性 × 8時間換算労働人口 です。

人口減の日本では、欧州のように移民を大量導入しない限り、労働人口は増えません。人的生産性の上昇しか、GDPを増やす方法はないのです。

ところが、日本経済の人的生産性の上昇は、年率0.5%〜1%ととても低くなっています。

アベノミスクでは、政府系金融機関による株買いが企図され、株式市場では30%は高い「官製相場」が作られています。政府系金融機関とは、年金運用のGPIF(総資金量160兆円)、郵貯(同200兆円)、かんぽ生命(同80兆円)、そして資金量が無限の日銀です。最初に郵貯とGPIFが株を買い、かんぽ生命が続き、4番バッターが日銀です。

日銀は、2014年以来、30兆円の株ETFを買っています。コロナショックのあとは、1年12兆円(1回が約2,000億円 × 60回(ほぼ毎週)です。

政府系金融機関が「買うだけで売らない」ため、日本株は30%は底上げされているでしょう。日経平均株価2万2,8437円(20年8月12日)のうち30%は、6,800円に相当します。

東日本大震災を受けた民主党政権では、8,500円を割っていた日経平均(12年6月)は、安倍政権の(1)量的緩和と(2)政府系金融による株買いを2つの主因として、以下のように2.3倍に上がっています。平均年率11%での上昇でした。

2013年6月:1万3,200円
2014年6月:1万4,900円
2015年6月:2万0,500円
2016年6月:1万7,000円
2017年6月:1万9,800円
2018年6月:2万2,100円
2019年6月:2万1,000円
2020年6月:2万2,200円

つまり、金融的な原因で株価が上がったことが、日本の実体経済が好調になり(失業率は減って)、生産性も高くなっているという幻覚を振りまいてきたのです。


この幻覚は、ドル建て生産性と給与を見ると、覚めるのです。


筋違いだったアベノミクス

アベノミクスの7年は、わが国の低い生産性に着目し、生産性を上げる、規制緩和を含む誘導(構造改革)をすべきでした。

ところが、実際に行ったことは、国債を日銀が買って、円を増発して銀行の現金(マネタリーベース)は500兆円に増やし、円安にすることだったのです。


円安政策とは、国際基準(ドル)での預金の価値が下がった国民にとっては、貧困化政策になります。これを示すのが、最初のページで紹介した「米国を100としたときの、日本の産業の人的生産性(2012年)」です。

ともかく、日本の産業の生産性は、低すぎます。

世帯所得平均も552万円となり、94年比で110万円も下がったため、韓国にも追い抜かれる寸前になったのです(主婦の70%の共稼ぎを含む)。

日本の転落は世界一激しい

思い起こせば日本は、1980年代の後期は、世界一の所得と資産でした。現在のスイスのような位置でした。転落は、世界一激しくなっています……。

※参考:世帯平均所得は552万円…世帯あたりの平均所得をさぐる(2019年公開版)(不破雷蔵) – 個人 – Yahoo!ニュース(2019年7月28日公開)


出典:【ランキング】世界の平均給料【2019】1〜30位 | Izanauのコラム
https://www.mag2.com/p/money/951149/3

生産性停滞の原因は「デジタル・トランスフォーメーション」の遅れ

生産性の停滞の原因は、世界の主要国と比べたときの、2000年代のモバイル化含むDX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れです。

数字の処理なので情報化投資の権化であるべき金融業を含む全産業が、80年代のレガシー・システム以降の、2000年代情報化投資を渋ってきたことです。


なぜ、渋ったのか?方向と方法が、経営者に見えていなかったからです。
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/748.html#c2

[近代史3] 「日本人は生産性が低い」という都市伝説に騙されるな _ 生産性が低いというのは賃金が安いというだけの事 中川隆
4. 中川隆[-11866] koaQ7Jey 2020年8月14日 16:02:37 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[20]
日本人は本当に生産性が低かった。私たちの年収が世界最速で下がるワケ=吉田繁治
2020年8月13日
https://www.mag2.com/p/money/951149

ポストコロナの日本で最大の課題となるのは「生産性の低さ」でしょう。世界の先進国と比較すると、生産性も年収も低水準にあります。日本政府がなぜか公開しない産業別の日米生産性比較、世界の世帯平均給与との比較データをもとに解説します。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)


もはや瀕死の日本経済

安倍首相は国会の閉会後、7月は記者会見にも出てきませんでした。根底の原因は、経済ではアベノミクスの成果を誇ってきましたが、消費税増税とコロナでの経済停止が、国際基準では幻想だったGDPの虚妄を剥いだからです。このため、国民に顔向けができなくなりました。

コロナ禍で、円安が誘導していたインバウンド消費(3,000万人:4.8兆円)も消えました。オリンピック需要も(当方の見解では)無くなっています。

日本の最重要課題は「生産性の低さ」

1995年以降の、日本経済のもっとも大きな問題は、産業の生産性の低さです。

米国のニューヨークでは、人と人が近づく対面産業(小売り、外食、サービス業)以外では、ほぼ100%の職種でテレワークが可能です。ニューヨーク市が外出の禁止をしても、対面型産業以外の会社業務は停止しません。企業の業務では、1990年代からデジタル・トランスフォーメーション(DX)が図られてきたからです。


小売では、店舗のないAmazonがあります(売上の年率増加20%)。ウォルマートやターゲットもWEB販売と宅配をおこなっています(WEB販売増加は前年比70%)。百貨店の高級ファッションは、商品の手触りも必要でしょう。百貨店は、外出自粛で破産と破産寸前になっています。百貨店は米国でもDX(デジタル・トランスフォーメーション)を果たしていないため、店舗を閉じると、売上がなくなります。

以上から、都市封鎖による経済の停止度合いでは、ジョブ・ディスクプション型(業務方法と成果を、会社と契約する仕事の方法)で自宅PCからインターネットを介したテレワークができる米国よりも、メンバーシップ型で担当の個々の成果責任が明らかではない仕事をしている日本のほうがはるかに深くなっています。外出自粛で「会社に行かないと仕事ができない」からです。

人的生産性の日米比較

なぜか日本では取り上げられることの少ない「人的生産性」を米国と比較すると、以下のようになっています。

企業の付加価値 ÷ 労働人時数(労働時間)=人時生産性(=人的生産性)です。
GDPは、人的生産性 × 8時間換算労働者数です。

出典:Productivity Level Database 1997 benchmark | Related releases | University of Groningen
https://www.mag2.com/p/money/951149


政府は、こういったデータを発表しません。都合が悪い経済の実態を示すからです。


経営陣がやるべき3つの仕事

人的生産性を高める投資と仕組み作りは、経営の本質的な成果とすべきものです。

経営者の仕事は、人的生産性が高くなる仕組みを作り、社員には、世間の30%増しの賃金を払って、利益を出すことです。このためには、業界平均の人的生産性の2倍でなければならなりません。


経営の仕事は3つです。

(1)現在の事業の、目標とする成果(利益)を上げる
(2)現在の事業のビジョンを示し、新事業の構想も固める
(3)社員の生産性を上げる仕組みと制度を作り、社員の賃金は、同じ業界の平均の30%増しとすることを続ける

1990年の資産バブル崩壊(地価と株価)のあと、資産の下落で借入金が過剰になった企業は、90年代からの30年、設備投資と情報化投資を減らし、負債を減らすためキャッシュフローの利益確保に走りました。

1990年代から、設備投資を、設備と機械の減価償却費以下に減らした企業は、日本経済の成長のエンジンではなくなったのです。


生産性が高くなったという「幻覚」

将来のGDP = 所得 = 人的生産性 × 8時間換算労働人口 です。

人口減の日本では、欧州のように移民を大量導入しない限り、労働人口は増えません。人的生産性の上昇しか、GDPを増やす方法はないのです。

ところが、日本経済の人的生産性の上昇は、年率0.5%〜1%ととても低くなっています。

アベノミスクでは、政府系金融機関による株買いが企図され、株式市場では30%は高い「官製相場」が作られています。政府系金融機関とは、年金運用のGPIF(総資金量160兆円)、郵貯(同200兆円)、かんぽ生命(同80兆円)、そして資金量が無限の日銀です。最初に郵貯とGPIFが株を買い、かんぽ生命が続き、4番バッターが日銀です。

日銀は、2014年以来、30兆円の株ETFを買っています。コロナショックのあとは、1年12兆円(1回が約2,000億円 × 60回(ほぼ毎週)です。

政府系金融機関が「買うだけで売らない」ため、日本株は30%は底上げされているでしょう。日経平均株価2万2,8437円(20年8月12日)のうち30%は、6,800円に相当します。

東日本大震災を受けた民主党政権では、8,500円を割っていた日経平均(12年6月)は、安倍政権の(1)量的緩和と(2)政府系金融による株買いを2つの主因として、以下のように2.3倍に上がっています。平均年率11%での上昇でした。

2013年6月:1万3,200円
2014年6月:1万4,900円
2015年6月:2万0,500円
2016年6月:1万7,000円
2017年6月:1万9,800円
2018年6月:2万2,100円
2019年6月:2万1,000円
2020年6月:2万2,200円

つまり、金融的な原因で株価が上がったことが、日本の実体経済が好調になり(失業率は減って)、生産性も高くなっているという幻覚を振りまいてきたのです。


この幻覚は、ドル建て生産性と給与を見ると、覚めるのです。


筋違いだったアベノミクス

アベノミクスの7年は、わが国の低い生産性に着目し、生産性を上げる、規制緩和を含む誘導(構造改革)をすべきでした。

ところが、実際に行ったことは、国債を日銀が買って、円を増発して銀行の現金(マネタリーベース)は500兆円に増やし、円安にすることだったのです。


円安政策とは、国際基準(ドル)での預金の価値が下がった国民にとっては、貧困化政策になります。これを示すのが、最初のページで紹介した「米国を100としたときの、日本の産業の人的生産性(2012年)」です。

ともかく、日本の産業の生産性は、低すぎます。

世帯所得平均も552万円となり、94年比で110万円も下がったため、韓国にも追い抜かれる寸前になったのです(主婦の70%の共稼ぎを含む)。

日本の転落は世界一激しい

思い起こせば日本は、1980年代の後期は、世界一の所得と資産でした。現在のスイスのような位置でした。転落は、世界一激しくなっています……。

※参考:世帯平均所得は552万円…世帯あたりの平均所得をさぐる(2019年公開版)(不破雷蔵) – 個人 – Yahoo!ニュース(2019年7月28日公開)


出典:【ランキング】世界の平均給料【2019】1〜30位 | Izanauのコラム
https://www.mag2.com/p/money/951149/3

生産性停滞の原因は「デジタル・トランスフォーメーション」の遅れ

生産性の停滞の原因は、世界の主要国と比べたときの、2000年代のモバイル化含むDX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れです。

数字の処理なので情報化投資の権化であるべき金融業を含む全産業が、80年代のレガシー・システム以降の、2000年代情報化投資を渋ってきたことです。


なぜ、渋ったのか?方向と方法が、経営者に見えていなかったからです。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/198.html#c4

[近代史3] 藤井聡先生は 「日本人は生産性が低い」というデマを撒き散らしているデービッド・アトキンソンが完全なバカだと言い切ってくれ… 中川隆
7. 中川隆[-11865] koaQ7Jey 2020年8月14日 16:02:59 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[21]
日本人は本当に生産性が低かった。私たちの年収が世界最速で下がるワケ=吉田繁治
2020年8月13日
https://www.mag2.com/p/money/951149

ポストコロナの日本で最大の課題となるのは「生産性の低さ」でしょう。世界の先進国と比較すると、生産性も年収も低水準にあります。日本政府がなぜか公開しない産業別の日米生産性比較、世界の世帯平均給与との比較データをもとに解説します。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)


もはや瀕死の日本経済

安倍首相は国会の閉会後、7月は記者会見にも出てきませんでした。根底の原因は、経済ではアベノミクスの成果を誇ってきましたが、消費税増税とコロナでの経済停止が、国際基準では幻想だったGDPの虚妄を剥いだからです。このため、国民に顔向けができなくなりました。

コロナ禍で、円安が誘導していたインバウンド消費(3,000万人:4.8兆円)も消えました。オリンピック需要も(当方の見解では)無くなっています。

日本の最重要課題は「生産性の低さ」

1995年以降の、日本経済のもっとも大きな問題は、産業の生産性の低さです。

米国のニューヨークでは、人と人が近づく対面産業(小売り、外食、サービス業)以外では、ほぼ100%の職種でテレワークが可能です。ニューヨーク市が外出の禁止をしても、対面型産業以外の会社業務は停止しません。企業の業務では、1990年代からデジタル・トランスフォーメーション(DX)が図られてきたからです。


小売では、店舗のないAmazonがあります(売上の年率増加20%)。ウォルマートやターゲットもWEB販売と宅配をおこなっています(WEB販売増加は前年比70%)。百貨店の高級ファッションは、商品の手触りも必要でしょう。百貨店は、外出自粛で破産と破産寸前になっています。百貨店は米国でもDX(デジタル・トランスフォーメーション)を果たしていないため、店舗を閉じると、売上がなくなります。

以上から、都市封鎖による経済の停止度合いでは、ジョブ・ディスクプション型(業務方法と成果を、会社と契約する仕事の方法)で自宅PCからインターネットを介したテレワークができる米国よりも、メンバーシップ型で担当の個々の成果責任が明らかではない仕事をしている日本のほうがはるかに深くなっています。外出自粛で「会社に行かないと仕事ができない」からです。

人的生産性の日米比較

なぜか日本では取り上げられることの少ない「人的生産性」を米国と比較すると、以下のようになっています。

企業の付加価値 ÷ 労働人時数(労働時間)=人時生産性(=人的生産性)です。
GDPは、人的生産性 × 8時間換算労働者数です。

出典:Productivity Level Database 1997 benchmark | Related releases | University of Groningen
https://www.mag2.com/p/money/951149


政府は、こういったデータを発表しません。都合が悪い経済の実態を示すからです。


経営陣がやるべき3つの仕事

人的生産性を高める投資と仕組み作りは、経営の本質的な成果とすべきものです。

経営者の仕事は、人的生産性が高くなる仕組みを作り、社員には、世間の30%増しの賃金を払って、利益を出すことです。このためには、業界平均の人的生産性の2倍でなければならなりません。


経営の仕事は3つです。

(1)現在の事業の、目標とする成果(利益)を上げる
(2)現在の事業のビジョンを示し、新事業の構想も固める
(3)社員の生産性を上げる仕組みと制度を作り、社員の賃金は、同じ業界の平均の30%増しとすることを続ける

1990年の資産バブル崩壊(地価と株価)のあと、資産の下落で借入金が過剰になった企業は、90年代からの30年、設備投資と情報化投資を減らし、負債を減らすためキャッシュフローの利益確保に走りました。

1990年代から、設備投資を、設備と機械の減価償却費以下に減らした企業は、日本経済の成長のエンジンではなくなったのです。


生産性が高くなったという「幻覚」

将来のGDP = 所得 = 人的生産性 × 8時間換算労働人口 です。

人口減の日本では、欧州のように移民を大量導入しない限り、労働人口は増えません。人的生産性の上昇しか、GDPを増やす方法はないのです。

ところが、日本経済の人的生産性の上昇は、年率0.5%〜1%ととても低くなっています。

アベノミスクでは、政府系金融機関による株買いが企図され、株式市場では30%は高い「官製相場」が作られています。政府系金融機関とは、年金運用のGPIF(総資金量160兆円)、郵貯(同200兆円)、かんぽ生命(同80兆円)、そして資金量が無限の日銀です。最初に郵貯とGPIFが株を買い、かんぽ生命が続き、4番バッターが日銀です。

日銀は、2014年以来、30兆円の株ETFを買っています。コロナショックのあとは、1年12兆円(1回が約2,000億円 × 60回(ほぼ毎週)です。

政府系金融機関が「買うだけで売らない」ため、日本株は30%は底上げされているでしょう。日経平均株価2万2,8437円(20年8月12日)のうち30%は、6,800円に相当します。

東日本大震災を受けた民主党政権では、8,500円を割っていた日経平均(12年6月)は、安倍政権の(1)量的緩和と(2)政府系金融による株買いを2つの主因として、以下のように2.3倍に上がっています。平均年率11%での上昇でした。

2013年6月:1万3,200円
2014年6月:1万4,900円
2015年6月:2万0,500円
2016年6月:1万7,000円
2017年6月:1万9,800円
2018年6月:2万2,100円
2019年6月:2万1,000円
2020年6月:2万2,200円

つまり、金融的な原因で株価が上がったことが、日本の実体経済が好調になり(失業率は減って)、生産性も高くなっているという幻覚を振りまいてきたのです。


この幻覚は、ドル建て生産性と給与を見ると、覚めるのです。


筋違いだったアベノミクス

アベノミクスの7年は、わが国の低い生産性に着目し、生産性を上げる、規制緩和を含む誘導(構造改革)をすべきでした。

ところが、実際に行ったことは、国債を日銀が買って、円を増発して銀行の現金(マネタリーベース)は500兆円に増やし、円安にすることだったのです。


円安政策とは、国際基準(ドル)での預金の価値が下がった国民にとっては、貧困化政策になります。これを示すのが、最初のページで紹介した「米国を100としたときの、日本の産業の人的生産性(2012年)」です。

ともかく、日本の産業の生産性は、低すぎます。

世帯所得平均も552万円となり、94年比で110万円も下がったため、韓国にも追い抜かれる寸前になったのです(主婦の70%の共稼ぎを含む)。

日本の転落は世界一激しい

思い起こせば日本は、1980年代の後期は、世界一の所得と資産でした。現在のスイスのような位置でした。転落は、世界一激しくなっています……。

※参考:世帯平均所得は552万円…世帯あたりの平均所得をさぐる(2019年公開版)(不破雷蔵) – 個人 – Yahoo!ニュース(2019年7月28日公開)


出典:【ランキング】世界の平均給料【2019】1〜30位 | Izanauのコラム
https://www.mag2.com/p/money/951149/3

生産性停滞の原因は「デジタル・トランスフォーメーション」の遅れ

生産性の停滞の原因は、世界の主要国と比べたときの、2000年代のモバイル化含むDX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れです。

数字の処理なので情報化投資の権化であるべき金融業を含む全産業が、80年代のレガシー・システム以降の、2000年代情報化投資を渋ってきたことです。


なぜ、渋ったのか?方向と方法が、経営者に見えていなかったからです。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/694.html#c7

[近代史4] 売国政治家列伝 _ 安倍晋三 中川隆
19. 中川隆[-11864] koaQ7Jey 2020年8月14日 16:27:53 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[22]
日本人は本当に生産性が低かった。私たちの年収が世界最速で下がるワケ=吉田繁治
2020年8月13日
https://www.mag2.com/p/money/951149
ポストコロナの日本で最大の課題となるのは「生産性の低さ」でしょう。世界の先進国と比較すると、生産性も年収も低水準にあります。日本政府がなぜか公開しない産業別の日米生産性比較、世界の世帯平均給与との比較データをもとに解説します。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)


もはや瀕死の日本経済

安倍首相は国会の閉会後、7月は記者会見にも出てきませんでした。根底の原因は、経済ではアベノミクスの成果を誇ってきましたが、消費税増税とコロナでの経済停止が、国際基準では幻想だったGDPの虚妄を剥いだからです。このため、国民に顔向けができなくなりました。

コロナ禍で、円安が誘導していたインバウンド消費(3,000万人:4.8兆円)も消えました。オリンピック需要も(当方の見解では)無くなっています。

日本の最重要課題は「生産性の低さ」

1995年以降の、日本経済のもっとも大きな問題は、産業の生産性の低さです。

米国のニューヨークでは、人と人が近づく対面産業(小売り、外食、サービス業)以外では、ほぼ100%の職種でテレワークが可能です。ニューヨーク市が外出の禁止をしても、対面型産業以外の会社業務は停止しません。企業の業務では、1990年代からデジタル・トランスフォーメーション(DX)が図られてきたからです。


小売では、店舗のないAmazonがあります(売上の年率増加20%)。ウォルマートやターゲットもWEB販売と宅配をおこなっています(WEB販売増加は前年比70%)。百貨店の高級ファッションは、商品の手触りも必要でしょう。百貨店は、外出自粛で破産と破産寸前になっています。百貨店は米国でもDX(デジタル・トランスフォーメーション)を果たしていないため、店舗を閉じると、売上がなくなります。

以上から、都市封鎖による経済の停止度合いでは、ジョブ・ディスクプション型(業務方法と成果を、会社と契約する仕事の方法)で自宅PCからインターネットを介したテレワークができる米国よりも、メンバーシップ型で担当の個々の成果責任が明らかではない仕事をしている日本のほうがはるかに深くなっています。外出自粛で「会社に行かないと仕事ができない」からです。

人的生産性の日米比較

なぜか日本では取り上げられることの少ない「人的生産性」を米国と比較すると、以下のようになっています。

企業の付加価値 ÷ 労働人時数(労働時間)=人時生産性(=人的生産性)です。
GDPは、人的生産性 × 8時間換算労働者数です。

出典:Productivity Level Database 1997 benchmark | Related releases | University of Groningen
https://www.mag2.com/p/money/951149


政府は、こういったデータを発表しません。都合が悪い経済の実態を示すからです。


経営陣がやるべき3つの仕事

人的生産性を高める投資と仕組み作りは、経営の本質的な成果とすべきものです。

経営者の仕事は、人的生産性が高くなる仕組みを作り、社員には、世間の30%増しの賃金を払って、利益を出すことです。このためには、業界平均の人的生産性の2倍でなければならなりません。


経営の仕事は3つです。

(1)現在の事業の、目標とする成果(利益)を上げる
(2)現在の事業のビジョンを示し、新事業の構想も固める
(3)社員の生産性を上げる仕組みと制度を作り、社員の賃金は、同じ業界の平均の30%増しとすることを続ける

1990年の資産バブル崩壊(地価と株価)のあと、資産の下落で借入金が過剰になった企業は、90年代からの30年、設備投資と情報化投資を減らし、負債を減らすためキャッシュフローの利益確保に走りました。

1990年代から、設備投資を、設備と機械の減価償却費以下に減らした企業は、日本経済の成長のエンジンではなくなったのです。


生産性が高くなったという「幻覚」

将来のGDP = 所得 = 人的生産性 × 8時間換算労働人口 です。

人口減の日本では、欧州のように移民を大量導入しない限り、労働人口は増えません。人的生産性の上昇しか、GDPを増やす方法はないのです。

ところが、日本経済の人的生産性の上昇は、年率0.5%〜1%ととても低くなっています。

アベノミスクでは、政府系金融機関による株買いが企図され、株式市場では30%は高い「官製相場」が作られています。政府系金融機関とは、年金運用のGPIF(総資金量160兆円)、郵貯(同200兆円)、かんぽ生命(同80兆円)、そして資金量が無限の日銀です。最初に郵貯とGPIFが株を買い、かんぽ生命が続き、4番バッターが日銀です。

日銀は、2014年以来、30兆円の株ETFを買っています。コロナショックのあとは、1年12兆円(1回が約2,000億円 × 60回(ほぼ毎週)です。

政府系金融機関が「買うだけで売らない」ため、日本株は30%は底上げされているでしょう。日経平均株価2万2,8437円(20年8月12日)のうち30%は、6,800円に相当します。

東日本大震災を受けた民主党政権では、8,500円を割っていた日経平均(12年6月)は、安倍政権の(1)量的緩和と(2)政府系金融による株買いを2つの主因として、以下のように2.3倍に上がっています。平均年率11%での上昇でした。

2013年6月:1万3,200円
2014年6月:1万4,900円
2015年6月:2万0,500円
2016年6月:1万7,000円
2017年6月:1万9,800円
2018年6月:2万2,100円
2019年6月:2万1,000円
2020年6月:2万2,200円

つまり、金融的な原因で株価が上がったことが、日本の実体経済が好調になり(失業率は減って)、生産性も高くなっているという幻覚を振りまいてきたのです。


この幻覚は、ドル建て生産性と給与を見ると、覚めるのです。


筋違いだったアベノミクス

アベノミクスの7年は、わが国の低い生産性に着目し、生産性を上げる、規制緩和を含む誘導(構造改革)をすべきでした。

ところが、実際に行ったことは、国債を日銀が買って、円を増発して銀行の現金(マネタリーベース)は500兆円に増やし、円安にすることだったのです。


円安政策とは、国際基準(ドル)での預金の価値が下がった国民にとっては、貧困化政策になります。これを示すのが、最初のページで紹介した「米国を100としたときの、日本の産業の人的生産性(2012年)」です。

ともかく、日本の産業の生産性は、低すぎます。

世帯所得平均も552万円となり、94年比で110万円も下がったため、韓国にも追い抜かれる寸前になったのです(主婦の70%の共稼ぎを含む)。

日本の転落は世界一激しい

思い起こせば日本は、1980年代の後期は、世界一の所得と資産でした。現在のスイスのような位置でした。転落は、世界一激しくなっています……。

※参考:世帯平均所得は552万円…世帯あたりの平均所得をさぐる(2019年公開版)(不破雷蔵) – 個人 – Yahoo!ニュース(2019年7月28日公開)


出典:【ランキング】世界の平均給料【2019】1〜30位 | Izanauのコラム
https://www.mag2.com/p/money/951149/3

生産性停滞の原因は「デジタル・トランスフォーメーション」の遅れ

生産性の停滞の原因は、世界の主要国と比べたときの、2000年代のモバイル化含むDX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れです。

数字の処理なので情報化投資の権化であるべき金融業を含む全産業が、80年代のレガシー・システム以降の、2000年代情報化投資を渋ってきたことです。


なぜ、渋ったのか?方向と方法が、経営者に見えていなかったからです。
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/789.html#c19

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
20. 中川隆[-11863] koaQ7Jey 2020年8月14日 17:14:52 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[23]
アルテックの大型システムにはも50畳以上の部屋が必要


ウエスタン・エレクトリックという迷路

欧米のハイエンド製品を手にしても満足が得られなかったユーザーは、次に禁断の世界に入り込みます。

ご承知の通り米国の頂点、ウエスタン・エレクトリック(WE)の扉を開くことになります。

この時、この道を歩む人は冷静さを失っていました。なぜならば、WEの機器を使用している環境や背景を全く考慮していなかったからです。

この時代の米国には優れた業務用の機材がたくさんあります。1920年以降米国の優れたエンジニアは通信や映画産業に関わりをもちます。その結果WEのみならずRCAやランシング、アルテック等がすばらしい製品を生み出しました。しかしこれらのポテンシャルが如何に優れていても映画館や大きいホールで発揮されるものです。

少なくとも50畳以上の部屋があればある程度本来の能力を発揮するとは思いますが、こうした恵まれたリスニングルームを所有できる人は例外中の例外ではないでしょうか?

私もかつては、音楽再生ではWE594Aを上回る最高級ドライバーといわれるランシングのドライバーに、ウーファーの最高傑作の一つであるRCAのユニットをダブルで使用しました(もちろんフィールド型ユニットです)。 ベートーベンのシンフォニーをかけると30m離れた隣地のテニスコートで、街の雑音に打ち消されることなく明確に聞こえ驚きました(駆動アンプは300Bシングルで最大出力は7Wです)。

なんと家の中よりはるか離れた外の方がしっかり聞こえるのです。ここにWEの業務用機器の本質があるのではないでしょうか?

多量の空気があって初めて素晴らしく聞こえるのです。

また、現存するこれらの機器で良品は少なく、その上相当高額です。家一軒分をつぎこんでも多くの人はオーディオのターミナル(終着駅)とは感じないようです。 日本人特有の舶来信奉とWEという究極のブランドがそうさせるのかも知れません。

http://www.rrltd.co.jp/rrplaza/episode/vol04.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c20

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
21. 2020年8月14日 17:22:03 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[24]
Western Electric のページ
http://www.yasunaga.co.jp/WE/WEhome.html


1) Western Electricについて

映画館、劇場の貸し出し(リース)システム

アルテックはWEの修理部門であった

 アルテックの業務用のアンプ、マイクプリ、スピーカはWEに比べて少し落ちる。


JBLはWEの音がする

 JBLの創始者J.B.ランシング氏はWEにもAltecにも在籍していた。特にWEのネットワークとか劇場スピーカを製造、納品していた。ネットワークはやはりJBLが最高にいい音がする。ようだ。

1954年ウエストレックスになった

 ウエストレックスは販売会社として輸出を主に行っていたと聞いていますが、現在もWestrex 300B、274A、274B 等を製造販売しています。
http://www.yasunaga.co.jp/WE/WesternE.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c21

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
22. 中川隆[-11862] koaQ7Jey 2020年8月14日 17:28:35 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[25]
アルテック、ジェンセン、JBL、タンノイのモニター系、それらを完璧に鳴らすには、WE(ウェスタンエレクトリック)のスピーカーケーブルが必用です。独特な、洗練されきったフラット感が必用なのです。上記のプロ用スピーカーが、どれもこれも鳴らしにくいこと、このうえないのは、現代のスピーカーケーブルの品質が悪すぎることが、原因の一つです。

WE(ウェスタンエレクトリック)のフラット、それは、100年続いた思想の中での「フラット」という意味にとられても構いませんし、現代においては、レコーディング・スタジオや放送局だけが残している、「本物のフラット」の音のことです。いや、それよりさらに美しいフラットな音のことです。

「WE」(ウェスタン・エレクトリック)についてご存知ないかたに少し説明を加えておきます。エジソンが出た直後から米国には、「WE」(ウェスタン・エレクトリック)という会社が登場しています。途中で社名をルーセント・テクノロジーに変えており、米国では、一種の謎めいた、帝国的な存在になってしまいましたが、今もそれは伝説的に、「WE」(ウェスタン・エレクトリック)と呼ばれています。

50年も60年も前の「WE」(ウェスタン・エレクトリック)の真空管アンプは、とてもタフで、今も映画館などで現役で使用されており、それが放出されると、200万円だの、状態の良いものですと、それ以上の値段で取引されている代物です。勿論、音が素晴らしく良いから、その値段が付くものですが、60年前の骨董品のようなプロ用アンプに、民生用のどれを持って来ても、到底かなわないという事実が、面白いと思います。それは、スピーカーケーブル一つとっても、全く同じ現象が起きています。


 
さて、このWE(ウェスタン・エレクトリック)の復刻版のスピーカーケーブルは、A.I.W.社という米国企業が製造しております。昔からWE((Western Electric))社は、自社で何かを製造するということがなく、常に下請け企業に、WE((Western Electric))の製品の製造は任せていました。スピーカーケーブルの場合には、それがA.I.W. 社だったのです。

WE(Western Electric)18GAという太さは、今の常識からは、とても細いです。しかし、細くて良いのです。いや、細くなくては、スピーカーの能力は、十二分に引き出せません。


さて、この写真は、ケーブルの構造です。ビニールみたいなもので絶縁されており、その回りは、美しい綿布で覆われています。とてもコストのかかる、二重構造になっております。これも理由があります。綿は帯磁しませんから、あえて使われています。オリジナルは、二本の線が、適度なピッチでよってあ ります。これも理由があります。ノイズを拾うことを、適正に、避けるためです。


当店の出す復刻版は、あらかじめよってあるものを出しております。

ストレートのケーブルを四本でバラで売っているのが、普通の復刻版です。したがって、値段は、そちらは倍になります。

「WE」(ウェスタン・エレクトリック)のスピーカーケーブルは、おそらく、アルテックやJBLの箱の内部のスピーカーケーブルより、高品位なものなのでしょうから、スピーカー内の配線を交換するならば、このレベルでないと意味がありません。勝手に太いものに交換されてしまっておられる場合は、おそらく、音を悪くしているだけですので、元に戻してあげて下さい。その際の適切な太さは14GAでもいいのですが、16GAくらいでしょうか。

世界最高峰のWE(ウェスタンエレクトリック)、伝説のWE(ウェスタンエレクトリック)の「復刻版」、

2m接続時の標準ともいえるWE(Western Electric)18GAのスピーカーケーブルをどうぞ。

通常100ボルト電源ですと、2mあたりが適正使用範囲です。もちろん機材やスピーカーによって変動がありますので、必ず合うとは言えません。平均がそれくらいという意味です。それ以上長いケーブルがご入り用のかたは、16GAを使ってください。

完璧主義の、そのまた上をいく、完璧なケーブルが、この、WE(ウェスタン・エレクトリック)、より線18GAの、復刻版です。
http://www.procable.jp/products/replica_we18.html



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予想ではおそらく「銀の単線」がトップだろうと予測していたところ、どうしてどうして「ウェスタンの単線」が一番良かった。透明感、高音域の艶など文句なし。さすが伝統の力!


下手の考え休むに似たり - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年03月13日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/650fbf93e8977fef304d07ee95ddfe8a

「AXIOM80」(以下「A80」)の「2発入り」を「ああでもない、こうでもない」と大いに楽しませてもらいながら、およそ1か月が経った。

A80の初期版と復刻版の違いは主に「音の重心」にあり、好き嫌いは別にして「正しい音」になると、「音の重心」が下がる。

たとえば有名な300B真空管だがブランドは数あれどオリジナルのWE製ともなると中国製などに比べて音の重心が見事に下がる。

同様に、A80の復刻版も初期版に比べてやや音の重心が上がり気味になるが、ほとんど気にならず許容範囲に収まるのはご愛嬌。

そして、DACを「エルガープラス」(dCS)、プリアンプをマランツ7型、パワーアンプを「6098シングル」に固定して以前から気になっていたSPケーブルのテストをやってみた。

はたしてどのSPケーブルが「A80」と相性がいいのか。

以前の四国の「S」さんのメールの中に「A80への結線は太いケーブルよりは細いものが合いました Westernの16GA」とあったのがずっと頭の片隅にあったので・・(笑)。

左から「銅の単線」、上が「銀の単線」、下が「ウェスタンの単線」、そして右がPADの「コロッサス」(1ペア分:3m)と計4種類。

SPケーブルのテストは簡単で、我が家の場合は左チャンネルを固定し、右チャンネルを順次変えていって同時に鳴らしていけばたちどころに優劣が判明する。

今回は「銀の単線」を基準にして「左チャンネル」に固定し、右チャンネルで他のケーブルを差し換えて試聴していった。

予想ではおそらく「銀の単線」がトップだろうと予測していたところ、どうしてどうして「ウェスタンの単線」が一番良かった。透明感、高音域の艶など文句なし。さすが伝統の力!

その一方、一番高価な「PAD」は悪くはなかったが、こんなに大仰で場所をとる代物をわざわざ使うほどのメリットは感じられなかった。したがってアッサリお蔵入り(笑)。

そして、一番安価な「銅の単線」も大善戦して「銀の単線」とあまり変わらなかったのも意外。
ことごとく予想が外れたので自分の耳が怪しいのかもしれないし、周辺機器との相性も当然のごとく無視できない。日を代えてもう一度トライしてみようかな(笑)。

最後に、「A80」とウェスタン製の単線の相性がいいことが分かったのでDACからプリアンプへのRCAケーブル、プリアンプからパワーアンプへのRCAケーブルもそれぞれウェスタンの単線を使ったものに取り代えた。
古い年代に製造されたオーディオ機器は周辺機器も当時の時代に統一した方がいいような気がしてきた・・・。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/650fbf93e8977fef304d07ee95ddfe8a


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スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 24GA (単線, 0.205 mm2, 高能率スピーカー用)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/892.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 24GA (メッキ, 単線, 0.205 mm2, 高能率スピーカー用
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/893.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 22GA (撚線、 0.326 mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/894.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 18GA (撚線、 0.823mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/882.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 16GA (撚線, 1.309 mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/883.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 14GA (撚線, 2.081 mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/884.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c22

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
23. 2020年8月14日 17:30:14 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[26]
配線の線材はWE製、銀ハンダで製作。

配線はWE製です。AWG22ですがAWG18が有れば良いのですが探せませんでした。メッキ線ですので、ハンダの「のり」は良く皮膜をカットする工具等を使い作業は早く終わりました。

単線は音が中域に寄り、撚り線はワイドレンジになるのが特徴のようです・・。

線材が少し細めなので、シンプルに見えます。ヒーター用のトランスを1個追加しました。厚みが30mmなので作業がしやすく、配線は楽にできました。参考までに線材は全長で約12m、銀ハンダは0.8mmで約5m使いました。

今回のアンプは、世界最高峰のWE製の単線のケーブルで配線してみました。

この線材は、AWG22ですので、太い線では有りません。
現代の常識からは、とても細い線です。詳しいことは分かりませんが、メッキ線の外側に布の様な物が巻かれています。これは帯磁を防ぐ為の様です。本来はAWG16のメッキ線のヨリ線等がスピーカー・ケーブルに有名の様です。

時々WEの電話線は駄目と言っている方がいますが、そんな話しは無いと思いますので、有ったら使ってみて下さい。有名なJBL、アルテックのスピーカやネットワーク等の中には、この線が使われているのは、この線の方が音が良いと言う計算の元に使われている様で、むやみに太い線に交換しても良い事は有りません。線材1つ取っても奥が深いですね・・・

ハンダ付けも銀製の物があるので、それを使ってみました。

煙の匂いが違うものの、使用感は変わり有りませんでした。雑誌を見ていて、完成品のプリント基板のハンダを除去して、銀ハンダで付け直して音が良くなった記事を見ましたが、感度の良い方はそれが分かるそうです。 
http://www.anc-tv.ne.jp/~suzuki3/amp_vt1_216a/a_vt1_216a.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c23

[リバイバル3] アルテックの世界 中川隆
24. 中川隆[-11861] koaQ7Jey 2020年8月14日 17:44:45 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[27]
Western Electric 755A vs. ALTEC LANSING 755 通称”パンケーキ”

ウエスタンのシステムをオリジナルの状態のコンビネーションで使用するというのは、ある意味で正解である。ウエスタンは、まさにその状態でバランスをとっている。

ウエスタンのスピーカーのリード線などを見ても、こんなところに細くて純度の低い銅線を何故使用するのだろうかと思うが、実はそれでもってバランスをとっている。6Nや7Nを使用すると破綻することがある。594Aのダイヤフラムのリード線も細い。オリジナルのWE755Aのリードも初期は細い。

アルテック以降の755Aでは、"良い"銅線が使用されている。バランスというものの本質が分かっていない後期の設計者が、抵抗値が低ければよい音になるだろうと思って、変えてしまったものかも知れない。

いずれにしろ、ALTEC 755Aは、外見も仕様も全く同じだが、Western 755Aの音はしないのである。
http://mikami.a.la9.jp/audio/nazo2/nazo2.htm


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WE755A についてのさまざまなお話
http://mikami.a.la9.jp/audio/we755a/we755a.htm 

プロローグ  

私の書斎にWestern Electric 755Aがやってきた日のことは、忘れられない。東京都内の文人宅から、そろそろと自家用車で、品川の自宅まで運んだ。システムに繋いで、そろそろと音出しをしてみる。


  聴きなれたレコードを何枚かかけてみると、愕然としてしまった。当然のことではあるが、愛聴盤というものは、どこにどんな音が入っているかを暗記しているものであるが、このスピーカーで聴くそれは、まったく別物であった。今迄聴こえていなかった音が、豪華絢爛に再現されてくるのであった。  


それはあたかも、澱んだ東京の空に浮かぶ見慣れた星空から、一転して空気の澄み切った山の頂きから仰ぎ観る天空の星星の情景そのままに、天空一面、星、星、星のショーの大星夜を目の当たりにしたようなものだった。


  星星が煌く音となり、その微粒子が壮大な音楽を構築しているかのようであった。今迄、自分は一体、何を聴いてきたのだろうという悔しさと、まだレコードにもCDにもいくらでも秘められた音が入っているのだという嬉しさが頭の中を過ぎった。  
     
  755シリーズの伝説


管球王国の特集などで、さまざまな755シリーズのスピーカーが紹介されて以来、WE755Aは、多くの人の知るところとなった。

WE755Aを入手後も、KS-14703、ALTEC 755A,755Cと結構な数の755シリーズのスピーカーを聴きまくった。その結果は、尋常なものではなかった。

755シリーズのスピーカーは、一本一本音がちがうのだ。

一般には、WE755A,KS-14703,ALTEC 755A,755Cの順で音が良いと信じられており、値段もその順番になっている。

しかしその実態は、シリーズの差よりも固体差のほうが大きいのだ。特定個体の比較でWE755Aよりも音の良いKS-14703個体もあった。755Aは、製造後50年を経ており、オリジナルでも経年変化が多く、さらにはこの高名さの故に修復の加えられたものもかなりある。修復の程度も製造後20年目で一度、さらに40年目で二度目といった複数の修復が加えられたものもある。私が入手したユニットは、外見はかなりみすぼらしかったが、偶然にもまったくのオリジナルで、音質的にも優れたものだった。

     
 
755Aの音について  

Western Electric 755Aは、非常に高い分解能と忠実な再現力を目指して設計されたスピーカーで、高音域には、このスピーカーに特徴的な独特の音色が色づけされている。

スピーカーでは、高い分解能や描写力を追求すると、音楽再生上のバランスが崩れたり、過度に妖艶な音を発したり、はたまたピュアすぎても蒸留水のような味気ない音になることがあるが、WE755Aの場合は、非常に高い分解能と忠実な再現力に、たぐいまれなバランスと音楽性を実現している。高音域の音色も音楽性を高めることはあっても、いささか品格を貶めるものではない。おそらくは、マグネット型フルレンジコーン型のスピーカーの最高傑作のひとつにまちがいないだろう。

     
  どのように鳴らすか  

専門誌の特集などに、WE755Aは、鳴らすのが難しいと書かれてある。これはこのスピーカーが、非常に繊細かつ敏感に、そのシステムの音を実に忠実に出してしまうからだと思う。だからシステムの悪いところはより悪く、よいところはよりよく再現してしまうのではないかと思う。うまく鳴らないのは、途中の問題個所を直せばよろしいということだ。システム全体を高度にバランスさせれば、驚くほど素晴らしい音で鳴る。反面、これはとても興味深いことだが、このスピーカーの固有の魅力的な高音域の音色は、これらの一切に関係なく美しく歌う。かなりいい加減なシステムでも、このスピーカーを繋ぐと、おやっと思わず振り返るような音が聴かれる。

     
  755Aのペア組み  


もともとWE755Aは、個体差が非常に大きく、製造時の歩留まりも非常に悪かったものと思われる。またすでに製造後50年以上も経過しているので、使用状況による経年変化も大きく、個別のユニットの音色の相違は、非常に著しく、音色的にペアをとるのは至難の業と言える。ショップの話では、20から30本くらいでやっと何本かのペア取りができるとのこと。私としては、モノラルで追い込んで使用するか、音の違う2本をステレオの左右の音を聴き比べて、相性のあうほうに繋げば、それでよいと思う。しかし、これではステレオ再生時にうまく定位させるのが難しい。


     
  低音が出ない  


JBLの075というツイーターは、すばらしい音がする。この音そのままで低いほう迄、全部カバーしてくれないかという欲求にかられることがあった。WE755Aの場合もこのバランスのままもう少し低音が出てくれないものかと泣きたくなる思いをしている人も多いのではと思う。低音に関して云えば、ユニットの個体差によって、高音は若干弱いが低音が少しは出るというものがある。これは初期に製造されたものなどで、アルニコ磁石の減磁がすすんだことによるものだろう。またエッジに塗られているビスコロイドは硬化が進む。

一般に755Aは、低音が出ないといわれているが、これは、50年以上かけてエッジのビスコロイドが硬化して、f0(最低共振周波数)が高くなり、低音でにくくなるためだ。この意味で現存する755Aは、製造時の状態とはまったく違った音になっていると思われる。どうしても低音という場合には、箱で出すか、音色的に合うユニットで低音を補うことになるが、どちらも試練が待ち構えている。私の場合は、魔法箱と称する箱を使用して楽器として鳴らしている。あとは平面バッフルがよいだろう。


     
  追い込みと試練  


とても高い分解能と高度な再現力のあるスピーカーだから、鳴らすために追い込むときには、覚悟と注意が必要になる。私の場合、モノラルレコードで追い込んでいく段階で、困った経験をした。たとえばクラシックの二重奏や四重層を聴くと、個別の演奏パートの楽器の音がはっきり分離して聴こえてくる。バイオリンの演奏も指の動きが見えるような錯覚すら覚える。演奏家の呼吸のスーハー音も当然ごとく聴こえ、レコーディングの音の色づけまでもわかる。こうなってくると、ピアノのミスタッチや演奏のテンポの乱れや伴奏が合わずに必死で追いかけたり、はたまた追いつくのを待っていたりが手にとるように分かるようになってしまう。今まで、とても気にいっていた愛聴盤の演奏が実はあまりに下手糞だったというのが分かってしまうと、もう騙されていたような気分になって、この盤から遠ざかることになってしまう。このようにして、再び聴けなくなった"過去の愛聴盤"がたくさん出来上がってしまった。


反面、今までわけのわからなかったように聴こえるような演奏が、理解できるようになり、名演の名演とされる所以が分かってくる。また、今までに聴こえてこなかった音が聴こえてくるため、レコード・ライブラリのもう一度聴きなおすことになり、これはまた、今までにない発見になる。


 

 
  15ミリ厚のベイ松合板製のWE指定箱がひとつと、研究中の共振タイコ原理箱(通称魔法箱)がひとつ、そしてカラ松合板の 900X900ミリの平面バッフル、ラワンかまぼこ状態反りの 900X900ミリの平面バッフル、20x30ミリのバッフル(壁面共振用)などなど。

 
5/9/2003(3/4/2005 写真追加)
http://mikami.a.la9.jp/audio/we755a/we755a.htm


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Western Electric  KS-14703 
http://www.jupiteraudio.com/2145/2145.html 

KSシリーズは1950年頃にALTEC社でアッセンブルされたと言われています。

ALTEC社は 755Aという型式で自社で製造しており、8Ωインピーダンス設定です。

KS-14703 は ALTEC社のアッセンブルで Western Electric社に収めた製品ですが、このヴォイスコイルインピーダンスは、WE社の 755Aと同様の 4Ω設定であり、ほぼ同等品と言って良いでしょう。

ただ、ウエスタンマニアの方達からすれば、一言二言あるかもしれません。

一般的にKS-14703はWEの755Aよりも分解能が高く、ハイファイ指向になり現代的になっていると書籍等で言われています。

だからといって、755Aが古くさい昔の音ということではないでしょう。
時代に応じて要求されたスペックで製造されており、1950年代後期に至ってはモノラルの時代からステレオの時代へと移行し、全てワイドレンジ化が図られ時代とともにハイファイへと加速的に移行した事実があります。

そしてWEの時代はトーキーの時代であり、それ以降音楽を楽しむという時代へと移行し、スペックの向上が図られたのも事実です。

音楽を聴く上で重要なのは、中域がどれだけしっかりしているかがよく問われるところですが、それは必須であり中域だけでも意味はありません。

しっかりとした中域に付帯して、低域、高域の必要性も必須であり、音楽のニュアンスを見極める上で、上から下までのしっかりとした情報が聞こえてこその音楽です。


本来、WE 755Aがセピア系のサウンドですが、KSはもう少しカラーレーションがしっかり付いたサウンドイメージでしょうか。

それだけに音楽の幅も広く、様々なソースに対応してくれます。
http://www.jupiteraudio.com/2145/2145.html


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ALTEC 755 について 2016-11-19
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/c003aa45613620602ef65da5e4ed65f5

 大阪のリティルオーディオ(リティルマネジメント)さん
http://www.labsp.net/

に修理に出していた「ALTEC755A」が帰ってきました。

 相変わらず匠の腕前で修理前後の写真を見比べても区別がつきません。もちろんトラブルも解消されました。いつものことですが修理後の測定結果も同封されています。

 隣町にオフィスがあった時にその作業風景を見学させてもらったことがあるのですが見識の高さと手際の良さに圧倒されました。いとも簡単そうに行うのを見たら「易しい作業かも」と勘違いする私のような素人がきっと大勢いると思う。事実その後はエッジの張り替えや、ボイスコイルの交換、コーン紙の移植などとても敷居が高くてできそうもないと思っていた作業を(無謀にも)行ってきた。うまくいったのも失敗したのもあったがとにかく「駄目元でチャレンジしてみよう」は自分の趣味の世界を広げてくれました。

 しかし今回は何と言っても「高額商品」なので師匠(勝手に弟子入り)にお願いした。トラブルは「ビビリ音が出る」で小入力の時は気づかなかったのですが少し大きな音になると発生するというもの。ボイスコイルが当たっていると思われました。同封されていた修理メモでは「ボイスコイルがバラけて外れていた」というもので修理はその部分の巻き直しという内容。過大入力が原因ということですが心当たりはないので以前から発生していたのかもしれない。オークションはいろんなリスクを伴います。貴重な文化財を素人の手で破壊しなくてホントに良かったです。「ALTEC755A」にはもうしばらくは生き延びて貰います。
 
 「ALTEC755A」は1954年から製造され自社以外でもAR社のスピーカーにも使われました。その後極短期間に少数のALTEC755B、1963年にはALTEC755C、1968年にはALTEC755Eが長期間にわたって作られました。このパンフレットによれば「ALTEC755A」のインピーダンスは8Ωのようです。どうも某雑誌別冊のALTEC特集で間違った記載があった様子。

 「ALTEC755A」の源流は有名な「Western Electric 755A」で主に公共の施設などで使われたユニットです。1947年に列車の車内放送用として開発されました。少し前までは米国の病院の取り壊しなどで大量に発見されて輸入されたと噂されましたが最近ではあまり聞かれません。手軽に「Western Electric の音」が味わえるということでとても人気が高く高値で取引されています。建物の壁や天井に埋め込まれていて人の目に触れなかったユニットはとても程度が良いものが多かった。ただ製造されてから70年程度経過していて音質の個体差が結構あると言われています。

 20年ほど前に関東のWE専門店を訪れたのもこのユニットの音を聴いてみたいという目的からでした。お店の人が用意してくれたのはCDウォークマンとアンプは忘れましたがソースは女性ボーカルでとても印象的な音だったと記憶しています。結局その時はKENYONのトランスを2個買って帰った。入手したのはそれからしばらく経ってからですが入手先は長野県のお店で送られてきた段ボール箱には「Western Electric」の文字がある!当時完実電気が再発売したWE300Bの元箱だったと思います。その気遣いに感動して思わずお礼の電話をした。やはりリアル店は「お客に夢を売って欲しい」と思う。口上代が高くても構わない。うまく騙して夢を見させて欲しい。。は暴言多謝。


 
 発表は1947年で口径の異なる3種類があった。(伝説のWE750Aはその10年前に発表されている。死ぬまでに聴く機会があるのだろうか?)

 
 これらもとても魅力的ですがWE755A以外は今の所縁がありません。壁の中の狭いスペースに収めるために配慮した設計になっているらしい。口径20cmのパンケーキと呼ばれた厚みの薄いスピーカーはWestern ElectricからALTECが生産を引き継いだわけですが最終型のALTEC755Eまで続きます。(「パンケーキ」の愛称はフェライトマグネットになってからとも言われている)

 Western Electric 755AとALTEC755Aの間にALTECが生産してWEに納入した「KS14703」というユニットがありこの3種の音色の比較が話題になることが多い。「KS14703」は見たことはあるのですが聴いたことはありません。

 左が「ALTEC755B」で右が「ALTEC755A」

https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/c003aa45613620602ef65da5e4ed65f5


 並べてみて違いを探すとフレームの塗装、エッジ、ターミナル、引き出し線、コーンの形態(Bが少し深い)、写真ではわからないがコーン紙の表面手触りなどが異なる。 

 「WE755A」は現在KSランドセル(KS12046)のレプリカに入っています。実際にはこの組み合わせは無かったと聞いています。
 
 「ALTEC755E」はヒースキットのバスレフ箱に入っています。この箱はSS-1という2wayスピーカーの箱で、その下にウーハーを増設できるという製品。譲っていただいた時ははっきりいってボロボロだったのですが頑張って塗装剥離してオイル仕上げにした。サランネットは手洗い洗濯して再使用です。
 
 ヒースキットは飛行機までキットで売っていて(ヒースさんはその飛行機の墜落で亡くなったらしい)いかにも合理的なアメリカらしい製品コンセプトだと思います。いずれもっと詳しく調べたいと思ってます。


 左は「ALTEC755E」、右は「ALTEC755B」

https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/c003aa45613620602ef65da5e4ed65f5

 引き出し線はとても細い。ワンタッチターミナル!

 コーン紙は基本的に同じではないかと思うほど良く似ている。

 左は「WE755A」、右は「ALTEC755A」

https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/c003aa45613620602ef65da5e4ed65f5


 ターミナル、引き出し線は同じに見える。「ALTEC755A」をKS12046 ランドセルレプリカ箱に入れて聴いてみます。

 KS12046レプリカは改造してあります。本来はボックス内ボックスがあり、ホントに小さい容量の箱なのですがオートトランスなどを載せるボードを切り取って裏蓋を新設しました。密閉箱の容量は2倍程度になったと思います。オリジナル箱では恐れ多くてとてもできない改造です。密閉度を高めるために工作精度には少々気を使いました。吸音材は現在は比較的多めに入れています。

 アンプは整備したWE86BでCDプレーヤーからアッテネータ経由で。WE755Aと比較してみると、、基本的には同系統の音味だと思います。「ALTEC755A」の方が線が太い感じ。悪く言えば少しピントが甘い写真。

 もう一つの箱(ラックマウント用の金具が付いている)に収まった「ALTEC755A」とも比べてみる。

 2個重なってますが上だけ鳴っています。ランドセル(改)と比べても大きな違いはありません。どちらも過不足なく気持ちよく鳴ります。(この箱のバッフル板は割れています。どうやってリペアするか検討中)

 「WE755A」と「ALTEC755A」はインピーダンスが4Ωと8Ωですが同一条件で比較していいのだろうか?とちょっと疑問に思います。

 数日間聴いてから「ALTEC755B」に換えてみますと、、。
 私の耳では「ALTEC755A」よりも「ALTEC755B」の方が「WE755A」に近いのではないかと聞こえました。まず音が軽々と出てきます。ひだが深くてしなやかな感じ。ピントも合っている。

 「ALTEC755B」の生産台数はとても少なく入手は困難なようですがこれは要注目かと。私が入手した時は常識的な価格でした。なぜ生産が継続されなかったかですが雑誌の情報では使われているコーン紙は初期の「ALTEC755C」のモノと似ているらしい。そうすると枯渇してきたアルニコ(アルニコV)から次世代のフェライト(インドックスV)への変更だけ、、か。また「ALTEC755A」から「ALTEC755B」の違いで一番大きいのはそれまでのフィックスドエッジからフリーエッジへの変更で以降継承される。目的ははっきりしないがエッジの変更により引き出し線が細くなったりのチューニングが施されていると思われる。

 初めて買ったJBLは「LE8T-H」でフェライトだった。当時すでにアルニコ製LE8Tは製造していなかった。学生の身であったので苦労して通販で並行輸入業者から購入。ずっと憧れのスピーカーだったがたどり着くまでにコーラルの「6F60」をカッコが似ているという理由で使っていた。また今でも続いている雑誌の売買欄にあった中古の「LE8T」(たしか17500円だったと思う)が欲しくて相手に送金するも送ってくる気配が無い。そのかわり下宿に警察が来て詐欺事件だという。「被害届を出されますか?」と。昔から悪い奴は居たわけだがやがて彼の父親と名乗る方からわび状とともにお金を送ってきた。嬉しかったのと同時に親に同情した。「LE8T-H」は手放してしまったがその後「LE8T」は出入りはあるが「LE8」と共に使い続けている。

 自分の先入観からかどうもフェライトのイメージが悪い。特にJBLユニットは前面から取り付けることが多いが磁気回路が大きければそれはムリ。あの大きさで良かったのだろうか?などと思う。

 「ALTEC755B」があまりにも良いので「WE755A」の入ったランドセルと並べて比較してみる。。やはり異なる。。「WE755A」は前にせり出すような凹凸ある音。「ALTEC755B」は奥行きのある凹凸。念のために端子の接続を変えてみて再確認。

 KS12046レプリカ箱ですが板厚は曲面加工している部分はかなり薄い箱です。サイドはデザインのためか10mm程度の板が取り付けられている。またオリジナルは(このレプリカももともとそうだったのだが)裏板が本体と独立していて壁にまず裏板を取り付けてから本体を裏板に引っ掛けるような構造になっています。そのとき上下どちらの向きでも取り付け可能で高い位置の場合は下向きに角度がつく取り付け方もできた。ボックス内には棚がありKSナンバーのトライアッド製のオートトランスが組み込まれていた。館内放送のアンプは電送タイプで各スピーカーでインピーダンスマッチングを行なっている。

 薄い板厚でボックスの鳴きを利用した音創りについてはよく語られる。かつて極厚板、過剰な補強でとにかく共振を排除する設計がスピーカーに限らず流行したがいつのまにかあまり言われなくなった。床に穴を開けて地面からコンクリートブロックを立ち上げたプレーヤー置き場など今見たらちょっと滑稽な光景。でも当時は良い音に対する熱意は今の比ではなかったと思う。

薄い板厚のボックスはなんとなく楽器風で手軽なのだが良い音にするには条件があるようで板の硬さが大切だという。これはバイオリンでも一緒で表裏板加工するときの重要な要素とのこと。(加工時に板を硬くするという技)最近ではビンテージバイオリンの解析が進んできて品格はともかく良い音の製品ができているらしい。ちょっと弾かせてもらったことがあるが国産高性能軽自動車みたいだと思った。

ちなみにストラディバリウスも弾かせてもらったことがある。なにか蝋人形のような恐ろしい顔をしたバイオリンだった。どういった経歴かわからないがなにかぞっとするものを感じた。(大抵は血統書のようなものがついていて美しい図鑑でストラドをはじめ有名なビンテージ品は把握されている。業者はそれを見ながらオークションに参加する)

バイオリンは各国で作られているが面白いことに地域ごとの序列がある。最高位はもちろんイタリアで現在はクレモナの復興が目覚ましい。かつて日本製のバイオリンが世界を席巻して昔からの産地は廃れてしまったのだが。その他ドイツでも有名なそして悲劇的な生涯のマエストロが存在した。次に東欧、アジアと続く。先ほどのバイオリンは実はアジアで作られたバイオリンのパーツを日本で加工、組み立て、塗装して完成させている。社長によれば木材からの削り出しから行なっていてはとても試行錯誤にならず分業することで数をこなすことができてはじめて発見できた事が多かったと。

 バイオリンはいつまでも「選ばれた人だけが操れることができるユダヤの魔法の箱」であってほしいと勝手に願っている。「ALTEC755B」と「WE755A」を聴きながら妄想が広がってしまった。今日は「勤労感謝の日」一日中音楽に浸る事ができて良かった。

 最期に登場する「ALTEC755E」

 同じようにランドセル箱に入れて聴いてみる。作りは簡素だし、フェライトだし、量産型だし、きっと勝負にならんだろう、、と思ってましたがなかなか聴かせます。低音は豊か、中高音も大きな不満はない。「WE755A」との価格差を考えれば健闘していると思う。

 違いは音の手触りというか輝きというか、粒子の大きさ、粉っぽさ、切れ味、実体感、くらいか。もっと言えば同じ系統とは思えないほど異なる音味。「ALTEC755B」と「ALTEC755C」と「ALTEC755E」の違いを聴いてみたいが残念ながら「ALTEC755C」は持っていないので想像の域は出ないがやはり磁石の変化の音に対する影響は大きかったのではないかと思います。バスレフ箱には合わないと言われてますがヒースキット「SS-1」で聴いた時、ようやくその評価が高い事が理解できたような気がしました。ほんの少しツイータで高域を補ったら随分違って聞こえると思います。
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/c003aa45613620602ef65da5e4ed65f5


▲△▽▼


mas********さん 2015/1/15 14:28:32

755Aコピー版 特徴を教えてください。

ほかにも パーマネント磁石でないのが あるようですが


1.サウンドベース555 755A 価格:120,000円(ペア/税別)

2.ウエスタン ラボ Products Inc.755A pair 販売価格 168,000円

3.サンバレーのWE755A復刻版 129,600円


補足
755EX 励磁(フィールド)型スピーカー ¥250,000/ペア English

その伝説的WE755Aをベースに励磁構造(Field Exciter)の設計にてこの755EXは完成しました。

励磁電圧可変可能な音造りにより お好みの音質が愉しめる低電圧励磁コイルの設計仕様としました。


こういうのも ありますが どうなのでしょう


i_m********さん 2015/1/15 15:33:28

はじめまして♪

ほうほう、検索してみました。

母体は同じ物のようですねぇ。中国の工場。

あとは納入先(販売会社)に合わせて、少しだけ違うらしい。

かなり昔から、フレームだったり、コーン紙だったり、パーツとしては出回っていた、さらに組み立て済みで、精度が良く無い固体も一時で回っていたので、やっと国内の企業がマトモに売れる状態に出来上がった、という事でしょう。

せめて、半額程度なら、私も触手が動きますが、(苦笑)

WEを好むオーディオマニアックが、日本には多いので、販売店1社だけでは難しかったかもしれないが、これだけマニアックな3社も集まれば、有る程度の量産めども立った、というところでしょう。

WEの755は、ウォールマウント用として開発され、後のアルテック時代(最終は755E)まで製造されていたユニットです。

劇場等の通路やいろんな場所、壁や天井に埋め込み、多用されたスピーカーで、人の声には抜群の定評が有る。

同社のスピーカー群に比べると、比較的大人しめな音、逆に言えば家庭内等で近接利用ならクセが少なくて聞きやすい、という傾向です。

基本的に。WE時代は一般販売はされていなかった(全ての機器、消耗品の真空管やケーブルまでも、リース)ので、AやCタイプの流通は非常に少ない。アルテックランシング扱いに成ってEタイプなら一般販売されたため、今でも個体数が多い、と言われています。

私も中古で755Eを入手したんですが、とにかく音量をドンドン絞って、やっと聴こえるくらいに成っても「歌詞の内容」が聴き取りやすい。これには驚かされました。それでいてかなりの音量に上げても音のバランスが変わらない、スピーカー工作が好きなのですが、この点には感服です。

天井や壁に取り付けるのが前提だったため、箱が小さいと低域が誇張された感じに成りやすい、このため大きな箱にするか、後面開放などにするか、少し悩む所でしょう。(この辺りは、個人の好みに成って来ますけれどね。)

音と対峙して聴く、というより、出て来た音に体をゆだねて、ゆったりと「音楽を楽しむ」というのには、大変良いユニットの一種です。

復刻版がどういう評価を受けるのか、多くのユーザーからの意見が出てくるのが楽しみです♪


i_m********さん 2015/1/16 13:04:01

高性能な永久磁石が無かった時代は、基本的に強力な磁力は電磁石、励磁型です。

マグネット部の素材や構造も、もちろん音に影響は有りますが、単に変わった/変わらない あるいは、オリジナルの音/いや違う という観点だけでの考察は、あまり有益では無いと思います。

結果的に、より好む音、扱いやすいサウンドが得られれば、それはどれで良いのですが、、、
とは、言ってもヴィンテージファンは、オリジナリティーを尊重する傾向が強いのも確かな事実です。

我家にも1本、電磁石タイプが有る(先代が入手したユニット)
電磁石部分がDC400Vって事なので、管球アンプとの組み合わせが大前提かな? 残念ながら、私は実際の音を聞いた事が無い。

電磁石型にもメリットとデメリットがあるのですから、単純に優劣言及する事は、パスします。

そもそも価格差が、、、(苦笑)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12140690137


▲△▽▼

・Western Electric 755A (1947) : インピーダンス 4Ω, フィックスドエッジ, 列車の車内放送用として開発, 建物の壁や天井に埋め込んで使用する
http://mikami.a.la9.jp/audio/we755a/we755a.htm

・Western Electric KS-14703 (1950) : インピーダンス 4Ω, フィックスドエッジ, ALTEC でアッセンブルした 755A 同等品
http://www.jupiteraudio.com/2145/2145.html


・ALTEC LANSING 755A (1954) : KS-14703 でインピーダンス を 4Ω から 8Ωに変更

・ALTEC LANSING 755B (1954) :インピーダンス 8Ω, 755A のフィックスドエッジからフリーエッジに変更

・ALTEC LANSING 755C (1963) : インピーダンス 8Ω, 755B のアルニコマグネットをフェライトマグネットに変更

・ALTEC LANSING 755E (1968) : インピーダンス 8Ω, フリーエッジ, フェライトマグネット, 通称”パンケーキ”
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/c003aa45613620602ef65da5e4ed65f5


・ SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋) LM 755A (2012) : 12万円・ペア/税抜, 中国 Line Magnetic社製, Western Electric 755A の粗悪なレプリカ
(WE755A が KSランドセル(KS12046)ボックスと組み合わされた事は過去には無い)
https://www.kit-ya.jp/products/detail/723


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1070.html#c24

[お知らせ・管理21] 2020年08月 困った時、意見、提案、相談などなんでも。管理人が24時間以内に必ず見るスレ 管理人さん
62. 2020年8月14日 19:15:54 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[28]
支那は学術用語
中国は俗称

だから正式には支那の方を使わないといけないよ
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/609.html#c62

[近代史3] 昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 藤木直人・上戸彩 高校教师 (TBS 2003年) 中川隆
5. 中川隆[-11860] koaQ7Jey 2020年8月14日 19:34:10 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[29]
このドラマはレベル低過ぎてこれ以上見る気が起きないですね。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1001.html#c5
[近代史3] 昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 藤木直人・上戸彩 高校教师 (TBS 2003年) 中川隆
6. 中川隆[-11859] koaQ7Jey 2020年8月14日 19:46:38 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[30]

ドラマ 新 高校ヘ師신 고교교사 第05話



http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1001.html#c6

   

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