最近、1605年の慶長地震は津波地震であったとして、従来の地震系列から離れる可能性も指摘されてきた。
テレビで紹介されたことであるが、東海南海地震に含まれている慶長地震は、これまでも、津波が大きいのにゆれがさほどの規模でなかったことが不可解に考えられていたが、その理由として震源地が想定されていた領域よりも南よりで、浅い地層の軟泥部で生じたため、地層のずれがゆるやかで、ゆれが小さかったのではないかと、研究結果が出された。そして、地震規模が小さくても大津波がくる場合もあるので、小規模地震にも注意が必要なことが指摘されていた。詳しくは下記の新聞社記事を参照。
さて、そうすると、東海南海地震予想地域よりも南部のこの領域にも地震エネルギーが蓄積されているとはいえ、すでに考えられているものと比較して、ひずみの蓄積が小さいのではなかろうか。つまり、地震生起周期がより長くなるのではないか、それは慶長地震が東海・南海地震の地震列からはずれることになり、これら(東海・南海)の地震の予想生起周期も変わってくるのではなかろうか。
なお、もともと連動することで系列化が想定されことになったと思われる、永長東海地震に続く康和南海地震( 1099年)は、文献解釈上の誤りで存在しなかったこともある。
--記---
...「慶長地震は、通常の南海トラフ地震とは別の周期で起きた、違うタイプだった可能性がある」。5月、千葉市であった学会で、東京大総合防災情報研究センターの古村孝志教授(地震学)はこう指摘し、警鐘を鳴らした。「とすれば、その発生周期は不明。次はいつ起きてもおかしくない」...
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003115417.shtml