

とうとう1ドル153円台の猛烈円安…「高市トレード」で外国人だけがウハウハという大矛盾
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/378642
2025/10/09 日刊ゲンダイ

円安加速の叩き売り状態(C)JMPA
「高市トレード」が市場を揺るがしている。自民党の高市新総裁の選出以来、鮮明にする積極財政への期待から株価は高騰続き。日経平均は8日、5営業日ぶりに反落したが、終値4万7734円99銭は史上最高値圏にある。
空前の株高に沸く一方、金融緩和の維持を志向する高市氏の「サナエノミクス」が織り込まれ、日銀の早期利上げ観測は後退。円相場では日米の金利差を意識した円売り・ドル買いが猛烈に進み、8日はとうとう一時1ドル=153円台をつけた。
対ドルでは約8カ月ぶりの円安水準。総裁選の投開票日直前の前週末から1週間足らずで実に6円ほどの大幅下落だ。円は幅広い通貨で売られ、対ユーロでは1999年のユーロ導入後の最安値を更新した。
「いくら日本株が上昇しても、円の価値が急激に下がればドル・ユーロ建てなら、まだまだ安い。円安加速の叩き売り状態です。同様に不動産も海外資本による投資熱が増し、高騰していく。今や日本人にはマイホームが一生働いても手が出ない“高値”の花。海外投資家を喜ばせる高市トレードは、超が付く外国人優遇策なのです」(経済評論家・斎藤満氏)
安倍路線継承の壮大なマッチポンプ
高市トレードで過度な円安基調が続けば、インバウンド市場は一段と活気づく。8日は権威ある旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」(米国版)が2025年版の「世界で最も魅力的な国」を発表。日本が3年連続1位に選ばれた。コスパ最高の「安い日本」を目指し、ますます外国人観光客が押し寄せてくる。オーバーツーリズム問題がさらに顕在化し、あえて高市の真偽不明の言説を引き合いに出せば「奈良公園の鹿が蹴られる」心配は増すのだ。
「サナエノミクスはアベノミクスの焼き直し。いわゆる“外国人問題”とは相いれない政策です。しかも安倍元首相が『円高是正』と『デフレ克服』を訴えた頃と異なり、いま必要なのは『行き過ぎた円安是正』と『インフレ退治』。タイミングもアベコベで、物価高に苦しむ日本人の暮らしを犠牲にし、外国人に媚を売るようなもの。高市氏が唱える『外国人対策の強化』とは大いに矛盾します」(斎藤満氏)
声高に「外国人はけしからん!」と叫ぶなら、アベノミクスの否定がスジ。成長戦略に「観光立国」を掲げ、30年までにインバウンド6000万人の政策目標を設定したのも安倍だ。安倍路線継承で外国人天国の円安を放置。それでも排外主義をあおるのは、壮大なマッチポンプでしかない。
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「サナエノミクス」や「高市トレード」に関しては、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などで、より詳しく報じている。
http://www.asyura2.com/23/hasan136/msg/570.html
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。