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[番外地8] 高橋洋一は安倍・菅応援団論客として様々なメディアで安倍政権擁護、政権批判叩きをしてきたことで有名 中川隆
5. 中川隆[-10667] koaQ7Jey 2020年10月24日 07:07:43 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[1]
高橋洋一は竹中・安倍・菅応援団で反日売国奴
高橋洋一は安倍・菅応援団論客として様々なメディアで安倍政権擁護、政権批判叩きをしてきたことで有名。
「ついにあなたの賃金上昇が始まる」などとアベノミクスを礼賛していた高橋洋一氏が内閣官房参与。ちなみに実際の賃金は2000年を起点にして名目も実質もマイナス。政権の不祥事を徹底擁護してきた忠勤ぶりが認められたのだろうが、ここまで露骨だと乾いた笑いしか出ない。

アメリカが日銀に異次元金融緩和させた目的は日本の銀行と大企業の乗っ取り
アベノミクスで日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取られる。特に日本国債を日銀に売って、その金でアメリカ国債を買った日本の銀行はすべて債務超過になって欧米資本に乗っ取られる。

アベノミクスとは何だったのか(Live配信2020/9/1) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9ZMZjUkBPow

2018.5.28「安倍首相の売国政策を糾弾する」大西つねきの週刊動画コラムvol.28
https://www.youtube.com/watch?v=VFEBdHhOv5A

資金不足を続けている対外純債務国(10兆ドル;1,100兆円)が発行する米国債は、ゼロ金利の日本・欧州の金利と、2%から2.5%の金利差(イールド)があるという理由から、売れていきました。

しかし今は、コロナショックからのFRBの緊急利下げで、米国債も金利ゼロです。ゼロ金利のドル国債を買うと、日本、欧州、中国からはドル安のリスクを、金利ではカバーできません。

短期で投機的なドル先物買いの動きは別ですが、2年単位の中期では、債務国の通貨のドルに金利差がない時は、基軸通貨とは言っても「円に対してドル安」の材料になります。

因みに、高橋洋一が激賞したアベノミクスの実体は
「アベノミクスの成果」【事実をいえば……】
安倍政権の発足直前(2012年10月〜11月)、政府は、80円台から105円(2013年12月)への円安を生むため、30兆円のドル買いを、秘密裏に、郵貯・かんぽ生命等の政府系金融機関に、行わせています。


25円(30%)の円安目的の、「円売り/ドル買い」マネーが、米国系投資銀行に入って、ヘッジファンドから、2012年末から日本株の買い越し(5兆円規模)になり、日経平均が8,500円台だった株価が、1万4,000円に上がっています(2013年末)。

これが、「アベノミクスの成果」とされたのですから、内実は白々しいことでした。当時の当メールマガジンにも書いたことです。

通貨と株価の大きな変化には、いつも、資金量をもっとも大きくできる政府と中央銀行、および政府系金融機関が関与する原因があります。
https://www.mag2.com/p/money/911417


日本円が超円安になった理由
「アベノミクス」の正体
日本食潰す金融投機資本に貢ぐ 2013年5月17日付

安倍政府が発足して以後、「アベノミクス」と呼ばれる異次元の金融緩和や公共投資を中心とする政策が台頭し、急激な円安と株高の局面があらわれている。

昨年11月に民主党・野田政府が解散を表明した時点で8600円台だった日経平均株価は、半年たった今年5月中旬には1万5000円台まで急騰し、為替相場は1j=79円台だったものが102円台まで円安になるなど、世界的に見ても例がないほど大きな変動が起こっている。

海外投資家が時価総額のうち七割を占めている株式市場が熱狂し、さらに円安でトヨタをはじめとした輸出企業が過去最高益を上げるなど、金融緩和と為替マジックで金融資本や一部大企業がバブルに浸っている。

ところが一方で、燃油や穀物を中心に日本国内では生活必需品の価格が急騰し始めるなど、国民生活に深刻な影響が広がっている。「アベノミクス」でいったいなにが起きているのか、どうなっていくのかが重大な関心を集めている。


 

 バブルに群がる海外投資家

 この間、日経平均株価はリーマン・ショック以前と同レベルの価格まで急騰してきた。それほど好景気なわけでもなく、むしろ怒濤の首切りや製造業の海外移転を経て失業や貧困が全国的な範囲で広がり、生活実感としては悪化しているにもかかわらず、「日本株、年初から45%の上昇率」「1万5000円台回復」が叫ばれている。今後はさらに1万6000円台、1万7000円台まで上昇するとエコノミストたちが煽っている。

 しかし株式市場もよく見てみると、東証一部の約6割にあたる1000近くの銘柄が値下がりしている。株価が急騰している4割のなかでは円安効果の恩恵を受けた自動車産業や、ソニー、パナソニック、三菱電機といった企業が年初から倍近い株価をつけている。逆に株価が急落している企業としては不動産関係や、国内小売りのヤマダ電機、イオン、東芝などの企業群だ。

 東証の株式時価総額は昨年10月末には261兆円まで落ち込んでいたのが、今年4月末の段階では411兆円にまで膨れあがっている。わずか半年で150兆円がなだれ込んでいる。この半年の推移を見てみると、11月に14兆円増加し、12月には26兆円増加、1月に29兆円、2月に13兆円、3月に23兆円、4月には46兆円とすさまじい勢いで資金が流入しているのがわかる。

 このなかで投機の中心的なプレイヤーとして振る舞っているのが海外のヘッジファンドや投資家といわれ、時価総額の大半は国内資金ではなくこうした海外資金であることが明らかになっている。

サブプライム危機で行き場を失った膨大な余剰資金がヨーロッパを食い物にし、ギリシャ、スペインなど南欧諸国の国家破綻でボロもうけした後しばらくは中国や新興諸国のバブルに巣くっていたが、それも一段落ついて今度は「アベノミクス」バブルに大集結していることを反映している。


 加熱する米国債の購入 日銀の金融緩和で


 国債市場は株式市場よりも規模が大きく、世界的には株式市場の3倍にもなるとされている。この間の円安で輸出企業は潤ったといわれているものの、円安そのものが国債暴落で、1j=80円の段階で例えば1万円の日本国債の価値がドルベースで換算すると125jだったのが、いまや1j=100円超えなので、その価値は100jと大幅に下落することになった。

 こんな日本国債を持っているよりは、ドル建ての米国債を購入した方が儲かるという判断が働いて、日銀が金融緩和すればするほど米国債買いが加熱して、海の向こうに資金が流れ出していくことになっている。

円建ての日本国債を売り払って円を調達し、その円を売り払ってドルを買って米国債を購入するのが流れになり、あるいは国債を売り払った資金で株式市場に投機する動きとなった。


 安倍政府、日銀による異次元の金融緩和は、米国債購入という形で吸い上げられ、あるいは国際金融資本の博打の源泉として食い物にされる仕組みになっている。

リーマン・ショック後に、米国ではFRBが気狂いじみた量的緩和を実行し、銀行群の損失処理にあたり、ヨーロッパではECBが負けず劣らずの量的緩和をやり、市場に資金を供給してきた。そうしたマネーに寄生し、バブルを渡り歩いてきたのがヘッジファンドで、熱狂した後に売り浴びせることは、過去に日本市場でも経験済みだ。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/enyasukabudakanokagedekyuurakusurukokusai.html
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/490.html#c5

[番外地8] (三橋貴明総合スレッド) 中川隆
15. 2020年10月24日 07:36:30 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[2]
624金持ち名無しさん、貧乏名無しさん (ワッチョイ abbc-9Kcm [121.84.101.101])2020/10/23(金) 19:31:03.15ID:TiGuWlii0
理解出来てないんなら
お願いだからこのスレに付きまとわないで・・
これ以上粘着するとストーカー行為で訴えられますよ。

脅しじゃありませんからね!

625金持ち名無しさん、貧乏名無しさん (ワッチョイ abbc-9Kcm [121.84.101.101])2020/10/24(土) 06:45:44.26ID:s81jmHwF0
このスレに対する、これ以上のコピペDoS攻撃は
荒らしとして報告します!

あんたなんか嫌い!もう来ないで・・・

626金持ち名無しさん、貧乏名無しさん (ワッチョイ 1d24-9Kcm [126.141.250.233])2020/10/24(土) 07:34:59.17ID:9dTzKcmB0

真理の徒は石もて追われ

だね、
知恵遅れの詐欺師 三橋貴明の人気は凄いね
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/452.html#c15

[リバイバル3] アナログケーブルはLANケーブルが一番良い? スピーカーケーブルは細ければ細い程良い? 中川隆
12. 2020年10月24日 07:42:49 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[3]
「音楽&オーディオ」の小部屋
オーディオ秋の陣〜JBLからグッドマンへ〜 2020年10月24日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e892738663e3bfd9812ef965b6e791a3

「すっかりAXIOM80の音が変わりましたね。以前よりもさらに良くなってます。変わったのはRCAケーブルだけですから、(ケーブルの)効果は歴然としてます。私も使ってみたいので製作者に1ペア作成していただくようにお願いできませんか」と、オーディオ仲間のYさんから依頼されたたのは先日のことだった。

「ハイ、取り次ぐだけなら構いませんよ」と、Tさん(東海地方)にお願いしたところ、快く引き受けていただき「あっという間」に到着した。いつものことながら感謝です!

Yさんによると、DAコンバーター(TAD)とパワーアンプ(マーク・レヴィンソン)との直結用ケーブル(XLR用:70cm)とのこと。

現在使用中のケーブルは8万円相当だからお値段的には1/20程度でコスパからして信じられないが、試聴結果の報告を首を長くしてお待ちしているところ。

去る17日(土)に我が家にお見えになったので、このケーブルをお渡ししたところ(Sさん宅の)SPケーブルのバナナ端子が銀製だったため経年劣化で腐食して音質に曇りが生じたので「Yラグ端子」を注文されており、その交換と一緒に試聴したいとのことで「ちょっと待ってください」とのことだった。

それはさておき、当日は先日訪問した四国のオーディオ愛好家「S」さん宅の思い出話に花が咲いた。

同じ「AXIOM80」でも箱が違うと音がすっかり変わるようで我が家では意図的にわずか1.5pの薄板で作っているので「箱鳴り」を大いに利用しているが、Sさん宅では「厚い板」のがっちりした「バックロードホーン」の箱(80kg)に収納されているので箱鳴りをさせていない分、芯のある音が聴けるので、総合的に見ると「一長一短」、音楽ソースによって評価がまちまちで手前勝手に「引き分け」ということにさせてもらおう〜(笑)。

この日は「AXIOM80」でいろんな曲を聴くうちに、「実は気になっていることがあります。ケーブルでこれだけ変われば、現在倉庫に保管しているグッドマンの「トライアクショム」(口径30センチ:同軸3ウェイ)がどういう変化を遂げるか大いに興味を持ってます。」

「それは面白そうですね。私も興味あります。JBLの2ウェイよりはきっといいと思いますよ。」と、両者の意見が珍しく一致した(笑)。

JBLよ、しばらくさようなら〜。

「善は急げ」とばかり、翌日の午後に30分ほどかけて入れ換え終了。

RCAコードとSPコードはいずれも「LAN素材」にして、胸をワクワクさせながら試聴したところ、実はそれからがたいへんだった。

久しぶりに鳴らしたせいかどうも歪みっぽい音が左チャンネルからする。高音域用アッテネーターの接触不良の模様で、もう60年以上も前のユニットだから仕方がないかなあ。

いろんなCDをかけながらエージングを続けていると1時間ほどしてからどうやら馴染んできた。

オーディオは比較試聴しないと良さが分かりにくいので、まずRCAケーブルについて既存のケーブルとの聴き比べをしてみると、爽快感というのか曇りの無さが随分違っており、一方的に「LANケーブル」に軍配を上げた。

次に、SPケーブルを「銀の単線」に代えて比較してみた。すると中高音域の抜けとか色艶は「LAN」に優位性があり、その一方中低音域の量感は「銀線」に一日の長があった。こればかりは好き好きでもっと時間をかけて判断することにした。

なお、この同軸3ウェイだと1台のアンプで済むのでアンプもいろいろ代えてみた。

「300B」シングル、「PX25」シングル、「6098」シングル、「2A3」シングル、「171」シングルなど「より取り見取り」だったが、秋の季節に相応しいグッドマン独特の翳りを表現できるとなるとやっぱり「PX25」かな。

言い方は悪いが「同じ穴の貉(むじな)」(英国勢同士)ですかな、これは(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e892738663e3bfd9812ef965b6e791a3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1081.html#c12

[リバイバル3] 酷い音のインチキ・レプリカを量産して伝説の評価を落とした Goodmans Axiom80 中川隆
71. 中川隆[-10666] koaQ7Jey 2020年10月24日 07:43:40 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[4]
「音楽&オーディオ」の小部屋
オーディオ秋の陣〜JBLからグッドマンへ〜 2020年10月24日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e892738663e3bfd9812ef965b6e791a3

「すっかりAXIOM80の音が変わりましたね。以前よりもさらに良くなってます。変わったのはRCAケーブルだけですから、(ケーブルの)効果は歴然としてます。私も使ってみたいので製作者に1ペア作成していただくようにお願いできませんか」と、オーディオ仲間のYさんから依頼されたたのは先日のことだった。

「ハイ、取り次ぐだけなら構いませんよ」と、Tさん(東海地方)にお願いしたところ、快く引き受けていただき「あっという間」に到着した。いつものことながら感謝です!

Yさんによると、DAコンバーター(TAD)とパワーアンプ(マーク・レヴィンソン)との直結用ケーブル(XLR用:70cm)とのこと。

現在使用中のケーブルは8万円相当だからお値段的には1/20程度でコスパからして信じられないが、試聴結果の報告を首を長くしてお待ちしているところ。

去る17日(土)に我が家にお見えになったので、このケーブルをお渡ししたところ(Sさん宅の)SPケーブルのバナナ端子が銀製だったため経年劣化で腐食して音質に曇りが生じたので「Yラグ端子」を注文されており、その交換と一緒に試聴したいとのことで「ちょっと待ってください」とのことだった。

それはさておき、当日は先日訪問した四国のオーディオ愛好家「S」さん宅の思い出話に花が咲いた。

同じ「AXIOM80」でも箱が違うと音がすっかり変わるようで我が家では意図的にわずか1.5pの薄板で作っているので「箱鳴り」を大いに利用しているが、Sさん宅では「厚い板」のがっちりした「バックロードホーン」の箱(80kg)に収納されているので箱鳴りをさせていない分、芯のある音が聴けるので、総合的に見ると「一長一短」、音楽ソースによって評価がまちまちで手前勝手に「引き分け」ということにさせてもらおう〜(笑)。

この日は「AXIOM80」でいろんな曲を聴くうちに、「実は気になっていることがあります。ケーブルでこれだけ変われば、現在倉庫に保管しているグッドマンの「トライアクショム」(口径30センチ:同軸3ウェイ)がどういう変化を遂げるか大いに興味を持ってます。」

「それは面白そうですね。私も興味あります。JBLの2ウェイよりはきっといいと思いますよ。」と、両者の意見が珍しく一致した(笑)。

JBLよ、しばらくさようなら〜。

「善は急げ」とばかり、翌日の午後に30分ほどかけて入れ換え終了。

RCAコードとSPコードはいずれも「LAN素材」にして、胸をワクワクさせながら試聴したところ、実はそれからがたいへんだった。

久しぶりに鳴らしたせいかどうも歪みっぽい音が左チャンネルからする。高音域用アッテネーターの接触不良の模様で、もう60年以上も前のユニットだから仕方がないかなあ。

いろんなCDをかけながらエージングを続けていると1時間ほどしてからどうやら馴染んできた。

オーディオは比較試聴しないと良さが分かりにくいので、まずRCAケーブルについて既存のケーブルとの聴き比べをしてみると、爽快感というのか曇りの無さが随分違っており、一方的に「LANケーブル」に軍配を上げた。

次に、SPケーブルを「銀の単線」に代えて比較してみた。すると中高音域の抜けとか色艶は「LAN」に優位性があり、その一方中低音域の量感は「銀線」に一日の長があった。こればかりは好き好きでもっと時間をかけて判断することにした。

なお、この同軸3ウェイだと1台のアンプで済むのでアンプもいろいろ代えてみた。

「300B」シングル、「PX25」シングル、「6098」シングル、「2A3」シングル、「171」シングルなど「より取り見取り」だったが、秋の季節に相応しいグッドマン独特の翳りを表現できるとなるとやっぱり「PX25」かな。

言い方は悪いが「同じ穴の貉(むじな)」(英国勢同士)ですかな、これは(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e892738663e3bfd9812ef965b6e791a3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/686.html#c71

[近代史5] バイデン スキャンダルを必死で隠すマスコミ 中川隆
1. 2020年10月24日 07:47:34 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[5]
10-24 あまりにもアヤシイ情報の出どころについて
2020/10/24






http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/335.html#c1
[近代史5] 中央銀行による金融緩和と政府による現金給付を紙幣印刷で無理矢理支えるために金融市場に膨大な資金を流し込めば、噴き上がる… 中川隆
1. 2020年10月24日 08:23:33 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[6]

2020年10月24日
米株市場は黄金の20年代と類似 内容伴わない企業も

1920年代のアメリカ人は永遠に繁栄すると思っていたが、バブル崩壊し第二次大戦を引き起こした

コロナ拡大なのに株価は最高値

コロナ以前の米ダウ平均高値は、2020年2月12日の2万9551ドルだったが3月23日に1万8591ドルまで下落しました。

このまま経済危機かと思われたが下落は一瞬で、10月現在は2万8000ドル台と元の水準を回復しています。

この間コロナは収まるどころか拡大を続け、アメリカでも欧州でも患者数は増え続けていました。

不思議な現象の理由は中央銀行の金融緩和と政府の経済支援策で、短期間に数百兆円がばら撒かれた。

トランプ政権は夏までに2兆4000億ドル(250兆円)を支出し、追加で2兆ドル(210兆円)の支出法案を決めようとしている。

総額4.4超ドル(450兆円)ものコロナ対策費で、日本の56兆円緊急補正予算が見すぼらしく見えるほどです。


アメリカはこの予算で企業に融資し、労働者が働かなくても給料を受け取れるようにしました。

しかも一定の条件付きで、給料支払いに使った融資は返済しなくても良い事になっている。

これだけではなく産業界には航空会社などに大型支援を実施し、経営難なのに金余りで株価が上がった。

黄金の20年代に類似

米中央銀行FRBも金融緩和で民間にお金を貸し出し、銀行はFRBから借りて民間に貸し出している。

労働者が受け取った金は消費や返済や投資で企業に集まり、企業はその金を株に投資した。

この結果空前の株高が起きているが、本来の企業業績や企業価値とは無関係に株価が上がりました。


典型的なバブル経済であり、80年代後半の日本や1920年代のアメリカの状況とも似ている。

20年代のアメリカは黄金の20年代と呼ばれる超好景気で、この時期の高度成長でアメリカは超大国になった。

日米開戦時に日本では牛車で戦闘機を運んでいたが、アメリカは個人がスポーツカーを乗り回していました。


20年代の人々は「不況は古い経済システムのせい」だと考え、今後もう不況は起きないと考えていました。

今世界は「本当なら大恐慌の真っただ中」なのに、政府がお金をばらまいたせいで「不況が起きない世界」になっています。

本当にFBや日銀や政府が無限にお金を発行して経済を維持すれば良いが、どんな物も有限です。

テスラは無限に成長するか

中央銀行はいつか金融緩和を縮小するし、政府は「財政が厳しいので支出を減らして増税しよう」と思いつくでしょう。

するとバブル崩壊カウントダウンになり、1929年のアメリカや1991年の日本のようになります。

2020年の米株式市場で最も株価が上がったのはテスラで、年70万台程度の販売台数なのに株式総額では自動車世界一になりました。


さらに呆れたことに「まだ1台も自動車を生産していない」ニコラは10ドルから79ドルに高騰した。

その後ニコラは20ドル以下に急落しているが、テスラの未来を暗示しているかも知れない

GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)は物を製造しておらず、iPhoneを作っているのは中国企業です。


物を製造していないので加速度的に成長できたが、テスラは自動車という現物を自分で製造する必要がある。

根本的に成り立ちが違うのに投資家は、テスラもフェイスブックのように無限に成長する夢を描いている
http://www.thutmosev.com/archives/84190201.html#more
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/332.html#c1

[近代史5] なぜ株価だけ「V字回復」? 実体経済は恐慌さながら… 猛烈な金融緩和に浮き立つ市場 中川隆
4. 中川隆[-10665] koaQ7Jey 2020年10月24日 08:24:21 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[7]

2020年10月24日
米株市場は黄金の20年代と類似 内容伴わない企業も

1920年代のアメリカ人は永遠に繁栄すると思っていたが、バブル崩壊し第二次大戦を引き起こした

コロナ拡大なのに株価は最高値

コロナ以前の米ダウ平均高値は、2020年2月12日の2万9551ドルだったが3月23日に1万8591ドルまで下落しました。

このまま経済危機かと思われたが下落は一瞬で、10月現在は2万8000ドル台と元の水準を回復しています。

この間コロナは収まるどころか拡大を続け、アメリカでも欧州でも患者数は増え続けていました。

不思議な現象の理由は中央銀行の金融緩和と政府の経済支援策で、短期間に数百兆円がばら撒かれた。

トランプ政権は夏までに2兆4000億ドル(250兆円)を支出し、追加で2兆ドル(210兆円)の支出法案を決めようとしている。

総額4.4超ドル(450兆円)ものコロナ対策費で、日本の56兆円緊急補正予算が見すぼらしく見えるほどです。


アメリカはこの予算で企業に融資し、労働者が働かなくても給料を受け取れるようにしました。

しかも一定の条件付きで、給料支払いに使った融資は返済しなくても良い事になっている。

これだけではなく産業界には航空会社などに大型支援を実施し、経営難なのに金余りで株価が上がった。

黄金の20年代に類似

米中央銀行FRBも金融緩和で民間にお金を貸し出し、銀行はFRBから借りて民間に貸し出している。

労働者が受け取った金は消費や返済や投資で企業に集まり、企業はその金を株に投資した。

この結果空前の株高が起きているが、本来の企業業績や企業価値とは無関係に株価が上がりました。


典型的なバブル経済であり、80年代後半の日本や1920年代のアメリカの状況とも似ている。

20年代のアメリカは黄金の20年代と呼ばれる超好景気で、この時期の高度成長でアメリカは超大国になった。

日米開戦時に日本では牛車で戦闘機を運んでいたが、アメリカは個人がスポーツカーを乗り回していました。


20年代の人々は「不況は古い経済システムのせい」だと考え、今後もう不況は起きないと考えていました。

今世界は「本当なら大恐慌の真っただ中」なのに、政府がお金をばらまいたせいで「不況が起きない世界」になっています。

本当にFBや日銀や政府が無限にお金を発行して経済を維持すれば良いが、どんな物も有限です。

テスラは無限に成長するか

中央銀行はいつか金融緩和を縮小するし、政府は「財政が厳しいので支出を減らして増税しよう」と思いつくでしょう。

するとバブル崩壊カウントダウンになり、1929年のアメリカや1991年の日本のようになります。

2020年の米株式市場で最も株価が上がったのはテスラで、年70万台程度の販売台数なのに株式総額では自動車世界一になりました。


さらに呆れたことに「まだ1台も自動車を生産していない」ニコラは10ドルから79ドルに高騰した。

その後ニコラは20ドル以下に急落しているが、テスラの未来を暗示しているかも知れない

GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)は物を製造しておらず、iPhoneを作っているのは中国企業です。


物を製造していないので加速度的に成長できたが、テスラは自動車という現物を自分で製造する必要がある。

根本的に成り立ちが違うのに投資家は、テスラもフェイスブックのように無限に成長する夢を描いている
http://www.thutmosev.com/archives/84190201.html#more
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/270.html#c4

[近代史5] 新型コロナウイルス対策による経済の麻痺は富豪への資産集中を促進する 中川隆
9. 中川隆[-10664] koaQ7Jey 2020年10月24日 08:24:54 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[8]

2020年10月24日
米株市場は黄金の20年代と類似 内容伴わない企業も

1920年代のアメリカ人は永遠に繁栄すると思っていたが、バブル崩壊し第二次大戦を引き起こした

コロナ拡大なのに株価は最高値

コロナ以前の米ダウ平均高値は、2020年2月12日の2万9551ドルだったが3月23日に1万8591ドルまで下落しました。

このまま経済危機かと思われたが下落は一瞬で、10月現在は2万8000ドル台と元の水準を回復しています。

この間コロナは収まるどころか拡大を続け、アメリカでも欧州でも患者数は増え続けていました。

不思議な現象の理由は中央銀行の金融緩和と政府の経済支援策で、短期間に数百兆円がばら撒かれた。

トランプ政権は夏までに2兆4000億ドル(250兆円)を支出し、追加で2兆ドル(210兆円)の支出法案を決めようとしている。

総額4.4超ドル(450兆円)ものコロナ対策費で、日本の56兆円緊急補正予算が見すぼらしく見えるほどです。


アメリカはこの予算で企業に融資し、労働者が働かなくても給料を受け取れるようにしました。

しかも一定の条件付きで、給料支払いに使った融資は返済しなくても良い事になっている。

これだけではなく産業界には航空会社などに大型支援を実施し、経営難なのに金余りで株価が上がった。

黄金の20年代に類似

米中央銀行FRBも金融緩和で民間にお金を貸し出し、銀行はFRBから借りて民間に貸し出している。

労働者が受け取った金は消費や返済や投資で企業に集まり、企業はその金を株に投資した。

この結果空前の株高が起きているが、本来の企業業績や企業価値とは無関係に株価が上がりました。


典型的なバブル経済であり、80年代後半の日本や1920年代のアメリカの状況とも似ている。

20年代のアメリカは黄金の20年代と呼ばれる超好景気で、この時期の高度成長でアメリカは超大国になった。

日米開戦時に日本では牛車で戦闘機を運んでいたが、アメリカは個人がスポーツカーを乗り回していました。


20年代の人々は「不況は古い経済システムのせい」だと考え、今後もう不況は起きないと考えていました。

今世界は「本当なら大恐慌の真っただ中」なのに、政府がお金をばらまいたせいで「不況が起きない世界」になっています。

本当にFBや日銀や政府が無限にお金を発行して経済を維持すれば良いが、どんな物も有限です。

テスラは無限に成長するか

中央銀行はいつか金融緩和を縮小するし、政府は「財政が厳しいので支出を減らして増税しよう」と思いつくでしょう。

するとバブル崩壊カウントダウンになり、1929年のアメリカや1991年の日本のようになります。

2020年の米株式市場で最も株価が上がったのはテスラで、年70万台程度の販売台数なのに株式総額では自動車世界一になりました。


さらに呆れたことに「まだ1台も自動車を生産していない」ニコラは10ドルから79ドルに高騰した。

その後ニコラは20ドル以下に急落しているが、テスラの未来を暗示しているかも知れない

GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)は物を製造しておらず、iPhoneを作っているのは中国企業です。


物を製造していないので加速度的に成長できたが、テスラは自動車という現物を自分で製造する必要がある。

根本的に成り立ちが違うのに投資家は、テスラもフェイスブックのように無限に成長する夢を描いている
http://www.thutmosev.com/archives/84190201.html#more
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/228.html#c9

[近代史5] バイデン スキャンダルを必死で隠すマスコミ 中川隆
2. 2020年10月24日 08:26:28 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[9]

2020.10.24
ジョー・バイデンの新たな疑惑が浮上、その疑惑を封印しようとするサイバー巨人
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202010240000/


 ジョー・バイデン前副大統領の息子である​ハンター・バイデンの電子メールの内容​をワシントン・ポスト紙が伝え、その内容をツイッターとフェースブックが検閲でブロックしていることが話題になっている。ウクライナの天然ガス会社ブリスマ・ホールディングス(本社はキプロス)や中国のエネルギー会社CEFCを相手に、バイデン家がいかに稼いでいるかを電子メールは明らかにしているのだ。

 ウクライナでは2014年2月、バラク・オバマ政権がネオ・ナチを使い、アメリカへの従属を拒んだビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。このクーデターから2カ月後、ハンターはブリスマの重役に就任している。ジョーが副大統領としてクーデターに深く関与していたことは言うまでもない。

 当時、ハンターが重役になったブリスマは捜査の対象になっていて、その捜査を指揮していたのが検事総長を務めていたビクトル・ショーキン。このショーキンを解任させるためにジョー・バイデンはウクライナ側に圧力を加え続けたという。このスキャンダルは1年ほど前に発覚している。

 FOXニュースのジョン・ソロモンによると、2015年終わりから16年初めにかけての数カ月間、バイデンは検事総長を解任するようウクライナ側に圧力をかけていたと6名ほどのウクライナの高官が語っている。ウクライナの議員、アンドリー・デルカチによると、バイデン前副大統領はブリスマからロビー会社を介して90万ドルを受け取ったという。

 ​ジョー・バイデンが検事総長を解任するように求めたことはバイデン自身が認めている​。彼は2018年1月23日、CFR(外交問題評議会)で、10億ドル欲しければ検事総長だったビクトル・ショーキンを6時間以内に解任しろと恫喝、実際に解任されたと自慢しているのだ。

 また、ハンター・バイデンは2017年8月の時点でCEFCから顧問料を受け取っていた。その1月に父親は副大統領を辞め、大統領を目指さないと考えてのことかもしれないが、この年の内に汚職事件が発覚する。CEFCがチャドの大統領を買収しようとしたとアメリカの司法省は11月に主張、その事件の関係したとして起訴された人物に対し、翌年の12月に有罪の判決が出ている。CEFCを創設した葉簡明は2018年3月に中国で逮捕された。

 こうした内容を含む電子メールの存在を伝えたのはニューヨーク・ポスト紙。修理業者に預けられていたラップトップ・コンピュータに電子メールが記録されていたのだが、そのコンピュータを取りに来ないことからFBIへ連絡、その内容が明らかになり、外へ漏れたということのようだ。この話が事実かどうかは不明だが、ツイッターとフェースブックはハッキングされた可能性があるとして検閲の対象にしたという。

 ところで、ニューヨーク・ポスト紙はニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポストと同じように親イスラエルだが、この2紙と違って修正シオニストに近い。修正シオニズムの創始者とも言える人物はウラジミール・ヤボチンスキーだが、アメリカでその秘書を務めていたベンシオン・ネタニヤフの息子がイスラエル首相のベンヤミン・ネタニヤフだ。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202010240000/
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/335.html#c2

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
14. 中川隆[-10663] koaQ7Jey 2020年10月24日 09:58:38 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[10]
チューブ・オーディオ・ラボ ドイツ球『RES964』

オーダーアンプ作成『RES964』     ・・・2020/7/27〜【8/21 更新〜終了】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/10/2020_RES964.html


 アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。
8/21無事完成の運びとなりました。
1・シャーシ図面
シャーシ図面

2020/07/27
◆ シャーシ図面
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ
シャーシ

2020/08/08
◆ シャーシ
 シャーシが出来上がって来ました。
トップパネルは1.6mm厚の鋼板で・・・重いモノを載せても大丈夫です。
若干の手直し後は塗装に出せるように・・・と

3・アモルファス
アモルファス


2020/08/14
◆ アモルファス
 思いのほか塗装が早めに出来上がって来ました。
 何時もの黒色・・・では無く暗緑灰色?
 新しい塗装色です、何か・・・新鮮ですネ

 此のアンプの要・・・アモルファスコアのOUTです。
 TSMプロダクツの特注手巻きトランス・・・良いから使うのです。

4・部品取付
部品取付


2020/08/14
◆ 部品取付
 大体の部品が取付終りです。
 トップパネル式は部品が取付け易くて作業性がとても良いです。

5・配線途中
配線途中


2020/08/16
◆ 配線途中
 シャーシの設計段階で周到な部品配置などやりませんので・・・配線をしながら 何処に付ければ邪魔に為らないか等など・・・と考えながらやっています。
後一歩でワイヤー配線が終りです。

6・思案どころ
思案どころ


2020/08/17
◆ 思案どころ
 出力管のバイパスコンデンサーが重なって・・・此で良いと言い聞かせていましたが、 気になってしまい・・・変更します。

7・やり直し
やり直し


2020/08/17
◆ やり直し
 同じキーストン社の1L2P端子が出てきました・・・此で当らずに取り付けられます。
 ヤッパリ・・・スッキリしましたネ

8・調整
調整


2020/08/18
◆ 調整
 何とか調整までこぎ着けました。
 フィラメント電圧を適正値にする作業が思いのほか手こずります。
 抵抗を何種類か用意して・・・其れでも合いませんので、サーミスタと抵抗を組み合わせて・・・ 何とか4Vの電圧が出ました。

9・配線終了
配線終了

2020/08/19
◆ 配線終了
 残暑厳しき中・・・エアコンフル稼働で・・・
 配線が終わりました。
 適正電圧に為るように調整用の抵抗を決めて・・・終了
 ハムバランスを調整・・・高能率のSPでも無音状態です。
 テレフンケンのRES964を使う限りAC点火でも十分なハムレベルに押さえられると思います、 DC点火回路を省略出来ますので、随分回路が簡単になり作りやすく為ると思います。

試聴へと続く・・・

10・DUG
DUG


2020/08/20
◆ エージング
 真空管アンプのエージングには不向きな一番暑い日でした。
 新宿DUGでのライブ録音・・・随分前に伺いましたが、今の状況はコロナで厳しいでしょうね
 暑い日に真空管アンプのエージングは辛いモノが有ります、時間と共に音が締まって来るのが判ります。
 三本吊りフィラメントの964を聴いていると・・・此で十分、高額なRE604は要らないか・・・ナ
11・試聴U
試聴U


2020/08/21
◆ 試聴U
 引き続き仕上げの試聴を繰り返しています。  コンデンサー、トランス等のエージングを兼ねて試聴をしています。
 手持ちの真空管を差し替えて・・・964も色々有るのですが、暑い中探すのも億劫ですので 手近に有ったモノを挿して、整流管は色々出てきましたので動作確認がてら差し替えての試聴です。

12・RES964
RES964


2020/08/21
◆ RES964
 2年前の真空管オーディオフェア撤収の時に、お客様の足も途絶えましたので964アンプと ローサーの組み合わせでガンガン鳴らしました・・・凄い音でしたヨ 整流管もサイドコンタクトのAZ1は、お値段も安いですしメッシュプレートも有りますので、 RES964と共にお勧めです、割と安価にドイツ球の実力を楽しめます。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/10/2020_RES964.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c14

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
15. 中川隆[-10662] koaQ7Jey 2020年10月24日 09:59:44 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[11]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『VT-52』     ・・・2020/7/27〜【9/17更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/12/2020_VT-52.html


 アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。
 少し間が空きましたが、3台集中製作…ようやく3番目の再開です。9/10〜

1・シャーシ図面 1
シャーシ図面 1

2020/07/27
◆ シャーシ図面 1
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ図面 2
シャーシ図面 2

2020/07/27
◆ シャーシ図面 2
 図面は直接計測しないでください。
 サイズはイメージです。◇◇
3・シャーシ
シャーシ


2020/08/10
◆ シャーシ
 部品を取り付けて・・・若干の修正をして、真空管は手元に有りますので挿して見ました。
 初段はレーセオン2C52、WE刻印のVT52、整流管はロジャース5X4G・・・
VT52を沈めましたので、整流管の背が高く為りました・・・思案の為所ですね。

更に続く

4・部品取付
部品取付


2020/08/27
◆ 部品取付
 シャーシの塗装も上がって来ましたので、軽い部品から取り付けます。
 トランス類は最後にしたいのですが、背面の端子が邪魔して付かなくなりそうなので・・・ 付けちゃいました。

5・配線開始
配線開始


2020/09/10
◆ 配線開始
 大分間が空きましたが、VT52アンプの配線を始めました。
 部品レイアウトは前回のPX4アンプと同じですので、配線の取り回しも一緒なので サクサクと進む予定です。

続く

6・配線終了
配線終了


2020/09/13
◆ 配線終了
 配線が終わりました。
 前回のPX4アンプとは出力管周りが違うだけで、後はほぼ同じですからスムースに進みました。
 後は調整ですが・・・DC点火回路がヘタレないか一寸心配ですがVT52のフィラメントは1Aですので、 まあ大丈夫でしょう。

7・フィラメント
フィラメント


2020/09/15
◆ フィラメント
 先ずはフィラメント電圧を規定値に合わせます。
 AC点火で実用に為るのは4V迄で、それ以上はDCにしないとハムが取り切れません。
 今回DC/DCコンバータを使いましたが、取付には絶縁ワッシャーを使って下さい。
 パターンにビスが触れてアースに落ちます、フィラメントの片側がアースです・・・ ヒューズが切れました、この原因が分るまで悩んだのですよ・・・

8・調整終了
調整終了


2020/09/15
◆ 調整終了
 DCコンバータに絶縁ワッシャーを入れて・・・今度は大丈夫です。
 プレート電圧、バイアス電圧も良いところに入っています。
 暫く初期エージングです、DCコンバータの発熱もフィラメント1Aですので大丈夫の様です。
9・2C52
2C52


2020/09/17
◆ 2C52
 順調にエージングが進みました。

 初段はレーセオン社の2C52です、余り馴染みが無いかも知れませんが12.6Vの 球を使うために電源トランスを特注致しました。
 とても良い作りの軍用球です。

10・ケルテス
ケルテス


2020/09/17
◆ ケルテス
 エージングも3日目になりまして、鳴らし始めとは比べようも無いくらいの変わりようです。
 WE球の中でもVT25AとVT52は共通の趣があります、比べるとグリッドのピッチが違うくらいで プレートは同じかと思います、グリッドのピッチが荒い分VT52の方が端正な音がします。
 今回整流管にカナダロジャースの5X4Gを使いました。
 此の組み合わせは、高音の抜けは良い低音の厚みはあるしVT52はホント良い音がします。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/12/2020_VT-52.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c15

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
16. 中川隆[-10661] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:00:52 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[12]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『PX4』     ・・・2020/7/27〜【9/8完成】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html


 オーダーアンプの作成経過の報告スタイルです。
 9月8日…色々有りましたが完成です。
1・シャーシ図面 1
シャーシ図面 1

2020/07/27
◆ シャーシ図面 1
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ図面 2
シャーシ図面 2

2020/07/27
◆ シャーシ図面 2
 図面は直接計測しないでください。
 サイズはイメージです。◇◇
3・シャーシ
シャーシ


2020/08/09
◆ シャーシ
 VT52アンプも同じシャーシなので、右側のVRツマミがケースに近くて操作し難いです。
 メインのVRは左右のレベル合わせで使って頂き、ボリューム調整はプリアンプで・・・
此のアンプのシャーシほぼ中央にバイアス切り替えのSWを追加致しました、此でRE604系の出力管も使って頂けます。
更に続きます。

4・塗装上がり
塗装上がり●


2020/08/23
◆ 塗装上がり
 塗装が上がって来ました。
 OUTとプレートCHはアモルファスコアでの特注です、 前回964アンプのOUTと今回のCHが同じコアですので、 出力トランスのコアの大きさが判ると思います。
 さて・・・其れでは部品の取付へと進みます。

続く

5・上面
上面


2020/08/27
◆ 上面
 PX4アンプの部品がほぼ取付きました。
 今まで黒色ばかり使っていましたが、此の色も良い感じですね・・・ VT52アンプとの違いはRS289のプレート結線用の赤い端子と、PX4〜604の切替えSWです。

6・端子側
端子側


2020/08/27
◆ 端子側
 後ろの端子側です。
 良い部品を使っています、入出力端子は音(株)製を使いました。
 入力端子は音(株)の特許製品で、アース側から繋がりますのでそのままピンケーブルを 抜き差し出来る優れものです。

7・配線始め
配線始め


2020/08/30
◆ 配線始め
 部品の取付が終わりましたので、配線を始めました。
 電源トランスの上は出力管のDC点火回路です、此の部分は最初に配線しておかないと 後からの配線が出来ませんので・・・

8・配線途中
配線途中


2020/09/03
◆ 配線途中
 少しずつですが進んでいます・・・ 後は出力管のバイアス切り替えのSW周りですが、 上手く抵抗の処理をやらないと収まりませんので、 此が厄介なのですよ・・・

9・バイアス切り替え
バイアス切り替え


2020/09/6
◆ バイアス切り替え
 厄介な所の配線がヤット終わりました。
 此処はもう頭の体操ですね・・・ 部品の大きさと、限られた端子とで部品の配置を考えて・・・ ゴチャゴチャしていますが、何とか収まりました。

此でPX4系とRE604系の球が安全に使用可能です。

10・調整
調整


2020/09/08
◆ 調整
 配線が全て終わりましたので、始めにフィラメント電圧の調整です。
 DCコンバータのポテンショメータで規定の電圧を調整して・・・簡単に電圧が合わせられます。

11・トラブル
トラブル


2020/09/08
◆ ●トラブル●
 出力管をPX4からRS289に差し替えて数時間エージング・・・ オヤッ・・・片側の音が歪みっぽいしDCコンバータがヤケに熱い、 無理も無いか、RS289のヒーターは2.1Aの電流が流れますので発熱も凄いです。
 熱暴走でフィラメント電圧の低下ですね・・・

12・完成
完成


2020/09/08
◆ 完成
 アッサリとDC点火回路を外しました。
 AC点火です、危惧していたフィラメントハムも気にならない程度に収まりまして、 高価な出力管にも安心です。

13・RS289
RS289


2020/09/08
◆ RS289
 先ずはRS289でエージングです・・・高真空の球ですので、うっすらとバルブトップにグローが見えます。
 プレートに十字のフィン・・・良いですね、オーディオアンプと言うより独逸の送信機と言う感じです。

14・RS289U
RS289U


2020/09/08
◆ RS289U
 電源を入れてからヒーターが点灯するまで2〜3分掛かります、 球が切れているのでは・・・と思うくらい時間が掛かります。
 カソードが赤くなってからも30分位経たないと本領を発揮しません・・・気の短い人には向かない球です。

15・アルページオネソナタ
アルページオネソナタ


2020/09/08
◆ アルページオネソナタ
 音も大分締まってきましたのでPX4に変えてシューベルトを・・・ チェロが歌います、特に2楽章が大好きなのです。

16・RE604
RE604


2020/09/08
◆ RE604
 銘球バリュームの604でバッハを・・・ 唯々聴いています至福の一時です。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c16

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
17. 中川隆[-10660] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:02:19 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[13]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『ヨーロッパ管RE604』     ・・・2019/12/24〜【完成 2020/5/14】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html

アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。

 ヨーロッパ管はフィラメント電圧4Vなのですが、6Vの出力管も有るので・・・其れも使える様に・・・ 4V管も電流値が色々ですので、DC点火では電圧調整をレオスタットで・・・厄介ですよね。
4VはAC点火で、6VはDC定電圧で行くことにしました。
1・部品集め
部品集め

2019/12/24
● 部品集め
 今年真空管の大量仕入が有りまして・・・
 資金が枯渇状態で思うように進みませんが、金額の大きい物はそこそこ揃えられて来ました。
トランスとシャーシは共に特注品です・・・今後の展開は順調に推移する事を願って・・・
2・シャーシ
シャーシ

2020/2/12
● シャーシ
 相変わらずの黒色のブツブツ塗装です。
 文字を入れて・・・部品の取付に入りました・・・
塗装の厚さを考慮して穴は大きめに開けています、
前はヤスリがけでしたが・・・知恵が付きました。
3・部品取付
部品取付


2020/3/1
● 部品取付
何しろ切替えSWが多いのです・・・
人間欲張ると碌な事が無い、あの球此の球と色々使いたい・・・
気持は私も同じですが、其の分工作が厄介で時間も掛かります。
4・プレートチョーク
完成


2020/3/3
● プレートチョーク
 前段球のプレート負荷に TSMプロダクトのチョークを使います。
 2個で良いのですが・・・今回は2台分の製作ですので、2倍の時間を費やしています。
 フロント部分のパーツが付きました、ロゴマークを入れる場所が無いので・・・ 切替えSWの下にさりげなく・・・

5・OPT
OPT


2020/3/5
◆ OPT
 出力トランスは20Wアモルファスカットコアです。
 7Kと3.5Kを二次側で切替えますので、8Ω 16Ω 32Ωで巻いて貰いました。
 何かと融通を効かせて貰っていますTSMプロダクトさんに感謝。
 引出線はWEの20ゲージで配線です。

6・部品取付完了
部品取付完了


2020/3/7
◆ 部品取付完了
 重たいトランスの取付が終わりました。
 電源部分が半分を占めます・・・贅沢なWチョーク回路です。
 後は・・・6V回路をもう一工夫オープンコアですので、ボンネットが付きます。

7・配線準備
配線準備


2020/3/27
◆ 配線準備
 手前に有りますのが6Vフィラメント用のACアダプターを固定する金具です。
 最初は結束バンドで縛ろうと思ってましたが・・・
プロの仕事では無いと・・・板金で金具を製作して貰いました。
 配線がゴチャゴチャしてます・・・上手く纏まるでしょうか・・・

8・インピーダンス切替え
インピーダンス切替え


2020/4/8
◆ インピーダンス切替え
 頭の中がゴチャゴチャして・・・配線図だけでは間違いそうなので、 実体図を書いて其れを見ながら配線して・・・と、OUTの3.5Kと7Kの切替えです、 SPの8Ωと16Ωに対応しています。

9・6V管用ACアダプター
6V管用ACアダプター


2020/4/14
◆ 6V管用ACアダプター
 ヨーロッパ6V管用のACアダプターです。
 小型ですので便利です、ダイオード整流では此のスペースに収まらないでしょう・・・
突入電流防止にサーミスタを入れます、厄介な工作が終ったので配線に移ります。

10・
フィラメント電圧切替え


2020/4/19
◆ フィラメント電圧切替え
フィラメントの切替え配線を終えて・・・ホッと一息
 ご覧のように整流管の二個使い、半波の整流管も使える様に・・・ 電源トランスは、3.8V5Aの巻線を出して貰いました、クライアントの要望が複雑さに輪を掛けます。

11・配線途中
配線途中


2020/4/21
◆ 配線途中
 B電源の配線が終わりました。
チョークコイルの上にバイアス抵抗の取付板が付きますので、此処の配線を先に済ませます。
12・配線途中其の2
配線途中其の2


2020/4/25
◆ 配線途中其の2
 バイアス抵抗切替えの配線を残し・・・ほぼワイヤー配線を終えました。
 スッキリ感は無いですが・・・ コンパチアンプで有ることを考えれば致し方ないかな・・・

13・バイアス切替
バイアス切替


2020/4/29
◆ バイアス切替
 いよいよ此のアンプの要・・・バイアス切替えの配線へと移って行きます。
 何しろステレオですので、2回路分の配線が入り組んでいます。
 間違いの無いように行き先に番号を記入して・・・

14・調整
調整


2020/5/6
◆ 調整
 配線が入り組んでますので間違いが無いか・・・ 最初に電源を入れるときは未だにハラハラドキドキです。
 電圧を測定して抵抗値を決めます、何度かやっている内に面倒になりまして・・・ 電流計を入れました・・・RES964で30mAチョット流れています。
 良い感じに仕上がりました。

15・終了
終了


2020/5/9
◆ 終了
 大分手間取りましたが、電圧配分も上手く行きまして終了の運びになりました。
 部品も収まるところに収まった感じです・・・と言ってしまえば簡単ですが、 左下ホーロー抵抗の手持ちが無くて、片道60Kmを高速道路を使って・・・ 何だかんだで結構思い入れの強いアンプと成りました。

16・試聴
試聴


2020/05/09
◆ 試聴
 先ずはRES964から・・・未だエージングが進んでませんので、下の方が膨らみ気味ですが・・・ TSMプロダクトのアモルファスOUTのお陰でしょうか、静かな休日の午後にローサーが歌います・・・
 甘い香りのモカと音楽と・・・至福のひととき
試聴(エージング)もお仕事です。

試聴パートUへ続く

17・試聴パートU
RS289


2020/05/14
17◆ RS289
 此の球は、カソードが赤くなるまで結構時間が掛かりますので・・・ 最初はヒーター断線かと思う位です。
 RS289の音は慣れると此の球で無ければ・・・
弦楽器の音は素晴らしいの一言です。

18・試聴パートU
RE604


2020/05/14
18◆ RE604
 バリューム昇華フィラメントの604です・・・
 流石に銘球! 何を聴いても破綻が有りません。

19・試聴パートU
PX650


2020/05/14
19◆ PX650
 手持ち唯一の6V管です。
かなり古い年代の球ですが・・・とても元気です。
 まだまだエージング不足ですが、角の取れた音で女性ボーカルでの再生では・・・思わずニッコリ

20・試聴パートU
L491D


2020/05/14
20◆ L491D
 私は敬意を込めて魚焼きと呼んでいます。
 此の球ほど見て良し聴いてよしは他に無いのでは・・・と思うくらいです。
 スピード感の有るスッキリとした音は、ブルージーなケニーバレルのギターに合いそう・・・

21・試聴パートU
RGN564


2020/05/14
21◆ RGN564
 半坡整流管ですので2本使いです。
 メッシュプレートですので、フィラメントが透けて見えます。
 良いですね・・・此だから真空管は止められません。

22・試聴パートU
後ろ姿


2020/05/14
22◆ 後ろ姿
 シャーシ内部や裏側など・・・普段見えない所に凝って作っています。
 滅多に見れない裏側です・・・如何でしょうか

23・試聴パートU
全体


2020/05/14
23◆ 全体
 全部ドイツのナス管で揃えて見ました。
 質実剛健の機械と言う感じのアンプが好きなのです・・・
此ばかりは変えられません。

24・試聴パートU
ヒラリー・ハーン


2020/05/14
24◆ ヒラリー・ハーン
 若干17歳のヒラリー・・・カワイイ
今までバッハの無伴奏は色々聴いてきましたが・・・
 参りました。
 ソナタ3番のラルゴ・・・
優しく包み込まれるような音色は絶品です。

 さて、長い間のお付き合いありがとうございました。
 今回のコンパチアンプは複雑な作りこみ・・・
 その分丁寧な仕事を心掛け時間をかけてまいりましたが、ようやく完成の運びとなりました。

 時間を掛けた分、エージングと言う名の試聴に未だ聴きたい真空管は有るのですが・・・
クライアントを何時までも待たせる訳にも行きませんので、此で終了いたします。
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c17

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
18. 中川隆[-10659] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:04:04 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[14]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成 その2『ヨーロッパ管コンパチアンプ』   ・・・2020/05/21〜【6/14完成】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/06/2020_06.html

さて、 先日(2020/5/14)完成しましたコンパチアンプ

『ヨーロッパ管RE604』  
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html


をもう一台作ることになりました。
同一仕様で2台目と言うことになります。

従って、今回の仕上がりは仕様が分かっている分早めの完成となる…予定です。
では、完成までまたお付き合いお願いします。

 ※仕様:ヨーロッパ管フィラメント電圧:4V管=AC点火:6V=DC定電圧
1・配線始め
配線始め

2020/05/21
● 配線始め
 前回と同じコンパチアンプの2台目です。
 前回で試行錯誤を繰り返しましたので、スムースに運びそうです。

2・配線途中
シャーシ

2020/6/3
● 配線途中
 前回と同じアンプですので、割とスムースに進んでいます。
 でも・・・複雑さは変わり有りません・・・

3・配線途中その2
配線途中U


2020/6/9
● 配線途中U
 さて、上の写真と間違い探し!?・・・か…
 CRの取付が終り後は、バイアス抵抗の配線を残すのみと為りました。
4・配線終了
配線終了


2020/6/13
●配線終了  前回のコンパチアンプに変更が有りましたので、配線の様子もチョット変わった箇所が有ります。
 此で配線が終わりました、前回分で電圧配分が上手く行っていますので・・・
後は試聴へと進みます。

5・試聴
試聴


2020/6/14
◆ 試聴  前作のアンプで色々な球を試しましたので、 今回は銘球RE604のバリュームでじっくりと・・・
整流管はRGN2504のブラックメッシュを選びました。
 ローサーが歌うジュリーロンドンのハスキーボイスをツマミに・・・
良い時間が流れています。


 と言うことで、無事に2台目のコンパチアンプが完成致しました。
 同じ仕様で2台目となると、やはり予定より早く進みましたね。
 この調子で、次は新作アンプか・・・

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/06/2020_06.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c18

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
19. 2020年10月24日 10:08:07 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[15]
チューブ オーディオ ラボ

以前製作致した71Aのアンプ紹介をYouTubeに理想のオーディオ研究所(当工房販売代理店【板橋商会様】)からアップされていますのでご覧ください。

チューブオーディオラボ製の71Aアンプです。
少しずつ詳細をご案内していきます。
ご興味のある方は販売代理店の板橋商会(理想のオーディオ研究所)までご連絡下さい。
http://www.arisan58.com/





















http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c19
[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
20. 2020年10月24日 10:11:10 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[16]
チューブ・オーディオ・ラボ
6AV5GAシングルステレオアンプの製作       4/26〜 【更新 5/6】紆余曲折・・・完成です。
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/11/2019_11.html

 前作の6FD7アンプの上位アンプとして6AV5GAシングルステレオアンプの製作です。
 テレビ球の聞き慣れない球で、私も初めての球ですので結果が楽しみでは有るのですが、 最後までお付き合い下さい。
1・使用部品
使用部品

4/26
■ 使用部品
 いきなり塗装まで終わったシャーシと使用する部品などです。
 急いでいましたので、先にシャーシだけ穴開けを終わらせました。

2・部品取付
部品取付

4/26
■ 部品取付■
 肝心の出力トランスは、TSMプロダクツの手巻きトランスです。
 電源トランスは、170mAの容量が有りますので結構大きいですね・・・ 出力管にタップリ電流を流す計画です。

3・配線前
配線前


4/26
■ 配線前
 GT管ですので、配線はやりやすいと思います・・・
 事前にラグ版を立てて・・・後で部品が付かなくなると嫌ですので。

4・配線途中
配線途中


4/29
■ 配線途中
 ワイヤー配線がほぼ終わりまして、後はCRの取付になりましたが・・・ 取付位置が決まるまでは、試行錯誤が有って結構時間が掛かります。
 もう少しスマートに纏めたいとは・・・何時も思っているのですが。

5・パラ止め
パラ止め


5/3
◆ パラ止め
 6AV5GAの配線が終了して調整に入ったのですが・・・ナント発振してしまいました。
 アース周りの配線を変更して・・・此は不安定の状態での変更ですので結構勉強になります。
 大分良くなりましたが・・・未だ止まりません・・・ プレートとグリッドにパラ止めを入れて・・・ダメでした。

6・配線変更
配線変更


5/3
◆ 配線変更
 諦めて出力管を変えましょう。
 手持ちのオクタルベースで部品の変更無しで使えそうな球は・・・ タングソル6AR6WAが有りました、ピン配列が違うだけでそのまま使えそうです。
 ソケットの配線を外してやり直しです。

7・配線終了
配線終了


5/3
◆ 配線終了
 変更した配線が終わりました。
 今度は・・・大丈夫です、ハムノイズも出ません。
 部品が大きいので・・・何かスッキリしませんが、上手く行きました。

8・完成
完成


5/6
◆ 完成
 出力管の変更がありましたが、何とか完成致しました。
 電圧配分も6AR6WAの規格内に収まりホットしています。
 前段球の6SL7も茶ベースの球に・・・見た目も大事ですので、 自分では良い感じと思うのですが・・・。

9・試聴
試聴


5/6
◆ 試聴
 連休中2〜3日ボリュームを絞ってエージングしてからの試聴です。
 片側PM7と・・・片側PM6の変則ステレオで・・・ 今田 勝リーダーアルバムからグリーンキャタピラを(知りませんよね) 出力トランスが良いのか・・・出力管が良いのか・・・ローサーが良いのか・・・ 高音の抜けは良いし、低音も量感タップリだし・・・とても良い感じです。。


さて、紆余曲折・・・6AV5GAから6AR6WAアンプに・・・
6AV5GAでのトラブルは、球個体が原因かも知れません。
変更は正解か・・・ご視聴いただき評価を頂きたいと思います。
当工房としては、よい選択(管球交換)だったと思います。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/11/2019_11.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c20

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
21. 中川隆[-10658] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:15:23 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[17]
チューブ・オーディオ・ラボ

今回は、前に製作しました6AR6シングルアンプタイプUです。

6AV5GAシングルステレオアンプの製作 
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/11/2019_11.html


6AR6シングルアンプタイプU     8/12 【更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/13/6AR6.html

部品取付
●8/3 部品取付
 シャーシの穴開け塗装が終りまして・・・部品の取付に入りました。
 要の出力トランスはTSMプロダクト、お気に入りの逸品です。
取付終了
●8/3 取付終了
 全てのパーツが取付きました。
 前作アンプのチョークとブロックコンデンサーを入れ替えて配置しています。
 配線のやりやすさよりコンデンサーを熱から保護・・・と考えてです。

後ろ側
●8/3 後ろ側
 後ろ側はこんな感じで・・・
 出力端子は信頼の音(株)製・・・結構お高いですが、パーツはケチらずに・・・です。

配線途中
●8/8 配線途中◆
 チョット連日の暑さで中だるみが有りましたが、ハンダ鏝作業を進めています。
 前回のカップリング(デルリトモ1KV耐圧)が大きすぎましたので・・・
今回は400V耐圧のウエストキャップを採用です。

配線終了
●8/11 配線終了
 配線が終わりました、電圧配分も思惑通りに収まりまして・・・調整無しで終了です。
 後は・・・手持ち出力管の電流値チェックを・・・近似値のペアを使います。

エージング
●8/12 エージング
 出来上がってから変更が有りました・・・整流管に6106を採用したのですが、
6AR6の電流が思いのほか流れましたので・・・
長時間使用を考えて容量の大きなGZ34に・・・
初段管はRCAのVT229(6SL7)に変更です。
 暑い日が続きますので、此処は涼しげなシベリウスをヌブーのバイオリンで・・・
6AR6に60mAくらい流すととても迫力の有る音が出てきます・・・とても良い感じです。

配線途中
●8/12 後ろから
 真空管のプリントが後ろ側になってしまいました・・・
配線のやりやすさから致し方ないのですが・・・
前から見えた方が見栄えは良いですね。
 今後の課題と致しまして・・・終了です。

 
 さて、無事!?エージングも一段落・・・
次はRS289とコンパチアンプへ・・・そして・・・


 あとは、真空管オーディオフェア へ出展するのみ・・・

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/13/6AR6.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c21

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
22. 中川隆[-10657] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:16:38 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[18]

オーディオフェア2019に向けて・・・
去年の真空管オーディオフェアで、 RS289プッシュプルアンプを出展致しましたが、
ご購入頂きましたので・・・今回はお値段を抑えて、シングルアンプの製作です。


RS289シングルアンプ     8/21 【更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/14/RS289_14.html


使用部品

●8/11 使用部品
 アンプの要・・・出力トランスはTSMプロダクト、20Wアモルファスコア。
 ドライバートランスも同じくアモルファスコアで・・・
 RS289との組み合わせで最強のシングルアンプに仕上げたいと思います。

部品取付
●8/13 部品取付
 部品の取付が終わりました。
 オクタルソケットが見当たらず、出てくるまで結構時間が掛かりましたが・・・
穴の修正無しで収まりました。

配線開始
●8/13 配線開始
 ドライバートランスを内蔵する関係で、ある程度の配線を
進めて置かないと後からでは配線が出来ませんので、
今考えるとシャーシ寸法を大きくして、シャーシ上に
取り付けた方がやりやすかったなー・・・

配線途中
●8/17 配線途中
 AC周りの配線が終わりました。
 此処まで進めば・・・半分終わったも同然・・・と上手く行くでしょうか。
 後は、ドライバートランスの組込みへと・・・問題が生じなければ良いのですが。

ドライバートランス
●8/18 ドライバートランス
 ドライバートランスの組込みが終わりました。
 アースポイントがトランスの下側になっていまして・・・
チョット厄介でしたが、何とか無事に収まりました。
 トランスは、10K:40KのDC10mAで巻いて貰いました。
配線終了
●8/19 配線終了
 配線が終わりました。
 何か・・・ギュウーと詰まった感じですね・・・ 本当はスッキリ作りたかったのですが、今後の課題です。

球の実装
●8/19 球の実装
 では球を挿して・・・内部と違ってスッキリしています。
 整流管はムラードでイギリス製を・・・チョット拘ってヨーロッパ球の採用です。

ボンネット
●8/19 ボンネット
 トランスがオープンコアですので、ボンネットが付きます。
 裏返しにしても真空管が当りませんので・・・便利です。
 此処で電圧のチェックと調整を・・・無事に終了です。

エージング
●8/21 エージング
 此のRS289はヒーターの立ち上がりが遅くて電源を入れても球が切れているのでは?・・・と思うほどです。
 暫く・・・ヒーターのエージングです。
上から
●8/21 上から
 ボンネットの上側を空けていますが、其れほど熱くならないので・・・
塞いでも大丈夫みたいです、此の次は後ろ側だけパンチングで仕上げます。

試聴
●8/21 試聴
 久しぶりのRS289・・・2日目位から実力を出してきました。
 スピードが速くて音抜けが良いし・・・上から下まで十分伸びているし・・・
アモルファスOUTのお陰でしょうか、ローサー大喜びです。

 
 エージングも順調、後は10月の真空管オーディオフェア で、実機のご確認いただきご試聴下さい。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/14/RS289_14.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c22

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
23. 2020年10月24日 10:18:19 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[19]
真空管オーディオフェア2016年10月9日 チューブオーディオラボ
2016/10/22





真空管オーディオフェア2016年10月9日、チューブオーディオラボ出展。
試聴室の録音再生です。

オリジナルLowther巨大キャビネット、オリジナルPX25PP、オリジナルラインイコライザーアンプ、ガラード401で試聴していただきました。

チューブオーディオラボURL:http://shinkuukan2.web.fc2.com/

チューブオーディオラボでは、真空管アンプ作成はもとより、各種オーディオ機器の修理 メンテナンスも行っております。お気軽にご相談ください。 tubeaudiolabo@rouge.plala.or.jpまで!E-Mail)
作成協力:板橋商会

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c23
[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
24. 中川隆[-10656] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:19:24 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[20]

2016年10月9日、チューブオーディオラボ出展 その2
2016/10/21




試聴室の録音再生です。
オリジナルLowther巨大キャビネット、オリジナルPX25PP、オリジナルラインイコライザーアンプ、ガラード401で試聴していただきました。

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c24
[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
25. 中川隆[-10655] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:20:20 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[21]
2016年10月9日、チューブオーディオラボ出展 その3
2016/10/31





http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c25
[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
26. 中川隆[-10654] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:21:35 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[22]

真空管オーディオフェア2016年10月10日 チューブオーディオラボ その4
2016/11/03




真空管オーディオフェア2016年10月9日、チューブオーディオラボ出展。
試聴室の録音再生です。
Majestic(マジェスティック)励磁スピーカー、オリジナル励磁電源、Western Electric 275Aパワーアンプ、CEC CDプレーヤー、で試聴していただきました。

チューブオーディオラボURL:http://shinkuukan2.web.fc2.com/

チューブオーディオラボでは、真空管アンプ作成はもとより、各種オーディオ機器の修理 メンテナンスも行っております。お気軽にご相談ください。 tubeaudiolabo@rouge.plala.or.jpまで!E-Mail)

6FD7アンプが下のURLで紹介されております。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ef...

作成協力:板橋商会

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c26
[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
27. 中川隆[-10653] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:27:04 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[23]
チューブオーディオラボ 6AR6 の感想ブログ


Audio miniature garden 2020
http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html

昨年の令和元年はアナログオーディオ中心にこだわりが加速して、3台のプレーヤーに使用するアームが6本にまで増殖することとなった。

使用するカートリッジはこれまでMC型一辺倒だったが、年末に購入したMM型SHURE M44Gのキレのある音色が気に入り、新たな常用カートリッジとして加わった。

またフォノイコにも純正のSHURE M64を組み合わせることでロックなどの曲種で満足感が高まっている。

最も音色に影響のあるスピーカーには、クラシックからロックまで英国Goodmans2機種のSPシステムを使い分けている。

これらの美しい響きを持ったスピーカーに高い駆動力を持った300Bシングルと音楽性の高いUESUGI OLSON TYPEのアンプを組み合わせることで、幅広い曲種を十分満足感の得られる状態で楽しんでいる。

今年もアナログを中心に熟成を進め、心地良い音楽をのんびり楽しむ時間を増やしてゆきたいと考えている。

〈6系統のアナログ入力〉


Nottingham GRACE G-565F + Ortofon MC-30s


Nottingham INTERSPACE-ARM + LYRA Clavis.D.C


Nottingham audio-technica AT-1503II + SHURE M44G


Garrard401 audio-technica AT-1503III + Ortofon Classic-GE


Garrard401 audio-technica AT-1501II + Ortofon MEISTER-GE


Thorens TD126mkIII SME3010RB + Thorens MCH-II

★〈2020年1月現在の我が家のシステム構成〉

Analog

AMP

SPEAKER


player

tone-arm

cartridge

MC-trans

PHONO-EQ

PRI

POWER


Thorens

TD-126 MK III Centennial

SME

3010R/B

Thorens

MCH-II

Ortofon

T-30

Marantz7

SUN

VALLEY

SV-91B

300B

Single

GOODMANS

2WAY

▼▼▼▼

AXIOM 22 MK II

+

TREBAX

Garrard
401

audio-technica

AT-1501 II

Ortofon

SPU

MEISTER GE

Western

Electric

KS-9450

Nottingham

Interspace.Jr

Grace G-565

Ortofon

MC-30

SERIES

EAR 834P

Garrard
401

audio-technica

AT-1503 III

Ortofon

SPU

Classic-GE

J's

No.6600

Chriskit

MARKY

Custom

UESUGI

TAP-31

OLSON

TYPE

NON-NFB

EL34PP

GOODMANS

3WAY

▼▼▼▼

AXIOM 150 MK II

+

MIDAX

+

TREBAX

Nottingham

Interspace.Jr

Interspace arm

LYRA

Clavis D.C

Langevin

408A

Nottingham

Interspace.Jr

audio-technica

AT-1503 II

SHURE

M44G

SHURE

M64

このような構成で幅広く音楽を楽しんでいる。

少し苦手なジャズはディアゴスティーニ/LPコレクションの定期購読を続けていたが、徐々にピンとくるアルバムも少なくなって来たのでNo.59を最後に止めてしまった。

クラシックについてはGoodmans AXIOM22MkIIの2WAYと300Bシングルアンプの組み合わせにより、ほぼ不満のない音色を得られるようになった。

POPS&ROCKはメインアンプをUESUGI EL34PPに入れ替えた後、MM型カートリッジの素晴らしさに目覚めさせられたSHURE M44Gとそれに対応する石のフォノイコライザーを導入することにより、こちらもあとわずかで終着点を迎えようとしている。

昨年はオーディオを通じての交流も活発化し、我が家の愛機を試聴していただくだけでなく、巡礼に足を運んで貴重な体験をさせていただいた。

今年も更に有意義な交流を続け、新たな刺激として楽しんで行きたいと考えている。          1/1


■ EMPIRE598のレストア

 


年末からのんびりと、使用しなくなって埃をかぶったEMPIRE598のレストアを手掛けている。

まずターンテーブルのプラッターをサブシャーシから引き抜き、アームやモーター、スイッチなど外せるものは全て取り外す。

ウッドケースは紙やすりで磨いてワトコオイルを塗り重ね、からぶきしてからTANNOYのウッドワックスで仕上げることにする。

発売当時は結構高額なPLだったが、内部のフローティング構造は実にシンプルでチャチなものである。

シャーシと外周ターンテーブルは紙やすりで磨いた後、メッキ調のシルバー塗装を施してクリア塗装でガードすることにした。

オリジナルの990アームは改造に失敗して使用不能となったため別に購入した980アームを搭載しているが、このアームは通常のSMEタイプのヘッドシェルを使用できるように改造されており、内部配線材も新しいものに交換している。

何度もシャーシの塗装に失敗するが、ようやく完成した。

SHURE M44Gを組み合わせてオシャレにジャズでも楽しもうかと考えたが、フォノイコ経由のアースが不完全なためか盛大にノイズが出る。

まあ、焦らずのんびりまいりましょう。                          1/6


   


    


昨日に引き続きEMPIRE598の調整を行う。

特に出力するフォノケーブルについてはアームの980が配線材直出しなので、背面にターミナルを設置してRCAケーブルで出力できるようにした。

昨日の仮配線ではSHUREのフォノイコ経由でアンプに繋いだところ、アースが浮いた状態のためか盛大にノイズが出ていた。

今日はプリのフォノに直接繋いでアースも直接取ったところ、バッチリ音出しに成功。

スイッチを入れてターンテーブルを回転させると、僅かにドイツ製大型モーターから「ゴーッ」と回転音が聞こえるが、ボリュームを上げてもゴロもなくSN比も問題ないレベル。音質もSHURE M44Gとの相性がぴったりで、キレの良いジャズが壁面いっぱいに響き渡っている。なかなか良い状態に仕上がったものだと自己満足している。 

  1/7

■ オーディオ巡礼 「オートグラフを愛するクラシック愛好家編」


今年初のオーディオ巡礼として、昨年の夏から2回ほどご来訪いただいた東京都杉並区のsigetaさん宅へお邪魔する機会を得た。

sigetaさんはご自宅でレコードを楽しむだけでなく、多い時には月間に5回もコンサートに通われているという熱烈なクラシック愛好家である。


 


お住まいになっているのは阿佐ヶ谷と高円寺の中程に位置する閑静な住宅地である。

お邪魔して2F和室10畳オーディオルームに案内されると、一部床がフローリングとなった部分に設置された巨大なTANNOYオートグラフにまず目を引き付けられる。

購入されたのは50年ほど前にTEACが代理店となった頃で、購入時の使用ユニットはHPD385だったが、後になってM-Goldに入れ替えたとのことだ。

また部屋の入り口にはこちらも巨大なEMT-927Dstが設置されているが、一般家庭のオーディオルームにこれら世界最高峰の機器が収まるだけで、その存在感に圧倒されてしまう。

使用されているアンプ群はWEアンプの修理依頼でアメリカまで出張されるという技術者の方の手によるもので、以前はWE-91Bレプリカを使用されていたらしい。

下の左画像奥がプリアンプで手前がレイセオンの送信管?を使用したパワーアンプとのことだ。

下右の画像はそのパワーアンプの別整流アンプとのことで、これが左右2台構成となっていて凄まじい熱量を発している。


 


今回特に音質バランス改善のため導入されたというルームチューニングでは、オーディオリプラスのハーモニックディフューザーを壁面のコーナーに設置し、オートグラフの弱点である長大なバックロードホーンがもたらす低域のこもり感を解消させているとのことだ。

sigetaさんのシステムは一般家庭のユーザーが望みうる世界最高峰の機器を組み合わせられているが、この他手掛けられているこだわりとして各種WEケーブルやルームチューニングアイテム、電圧関係のダウントランスなど多岐にわたっている。

また、使用されているアンプやこの純鉄コアMCトランスのように、高い技術力を持ったエンジニアのサポートにより、市販品のレベルを超えた組み合わせを実現されている。

EMT-927Dstに搭載されているアームはオルトフォンRF-297でカートリッジにはSPU-MEISTERを組み合わせられているが、昇圧トランスを貴重なWE-618やJ's赤ドット付初期型No.41、No.6600などからこちらの大型トランスに変えることで、描き出される音の世界が違ってくるとおっしゃっていた。

早速、取り揃えられた超弩級機器の説明もそこそこに、貴重なクラシック・オリジナルプレスの数々を試聴させていただく。

オートグラフを聴くのは何年ぶりだろうか? 

1960年代から80年代までの名演を交響曲、ワーグナー、バイオリンソナタ、声楽など次から次へと、また持参した2019年新譜の「ニュー・イヤー・コンサート」を含めあっという間の充実したひと時を過ごさせて頂いた。

今回聴かせて頂いたsigetaさん宅の音は、TANNOYを初めて聴いた当時の感動が、年月を重ねるにごとにさらに美化されてゆくといった音の記憶を上廻る、これまで経験したことのないまさしくTANNOYトーンと呼べるものではないだろうか。

最初に比較的新しいプレス盤を聴いた時、オートグラフ独自の長大なバックロード・ホーンを通して放出される低域のややこもった音色に違和感を感じたが、徐々にこちらの耳が慣れてくると素晴らしいホールトーンを堪能できるようになる。

sigetaさんのお話によると、以前は過剰な低域バランスに苦労したが、ルームチューニングを施すことによりかなりバランスを改善することができたとのことであった。

特に素晴らしかったのはオートグラフが生産されていた同時期の古い英国SAXやEMIのオリジナルプレスで、適度なホールトーンを伴った低域の抜けの良さと高域の繊細な響きのバランスに感動させられた。

神経質な金切り声に成りがちなルートビッヒが、豊満で慈悲深い、笑みを称えた歌声で歌っている・・・・・。

低域の量感を抑えるのに苦労されているという反面、調整が不十分な小型エンクロージャーのIIILZなどで感じる、高域の刺激的な響きは嘘のように影を潜めているようだ。

ヴァイオリンソナタでも高域が上ずるようなことは全くなかった。

しかし日本のような少し面積の狭い和室を使って、EMTや膨大な熱量を発する大型送信管を用いたアンプなどの強力な駆動系でオートグラフを手懐けるには、相当な努力が必要だとsigetaさんのお話から伺うことができた。

最高級の機材を組み合わせているのだから、良い音が出て当たり前と思うのが普通だが、そうはいかないのがオーディオの奥深いところでもある。

要は限られた空間でバランス良く聴こえるように、それぞれの機器をどのように組み合わせ調整して行くかが、オーディオの難しさであり醍醐味なのかもしれない。


  

またオートグラフを使う上での重要な調整ポイントとして、長年の使用に伴って緩みが出た15インチユニットを固定するネジを、均等なトルクで締め付けることが重要だとおっしゃっていた。

オートグラフのホールトーンにどっぷり浸かった後、帰宅して我が家のグッドマンで同じアルバムを聴くとその低域の質の違いに驚かされる。

そんな中でも耳に慣れた響きが心地よく感じられ、sigetaさんの機器に比べると大人と子供ほどの違いはあるが、これはこれでバランスが取れているとひとりごちた自分がいるのである。

sigetaさん、素晴らしいひと時をありがとうございました。                                        1/10


■ Shure M44E

レストアしたEMPIRE598がなかなか好ましい音色なので、組み合わせるShureのカートリッジを別途購入する。

今度は楕円針だ。

ボディは1978年から83年までの間に生産されたカモメマークで、付いていた新品の交換針N44EはスイスのPfanstiehlのものらしい。

同じ楕円針でも昨年購入したKYOWAブランドの上位機種の旧型N55Eとはかなり出力や音質傾向が異なり、クラシックなども無難にこなす大人しく繊細な音のするカートリッジである。

昨年試したN55Eと同様、全体的にキレが薄れてエッジが甘くなるのが楕円針の音色傾向となっているようだ。

このカートリッジ一つで色々なジャンルの音楽を楽しむのであれば、この楕円針が最も適しているのかもしれない。

しかし我が家のように複数のカートリッジで音楽を楽しむ場合は、高域の繊細感と低域の豊かな響きに限ればMCタイプカートリッジに優位性があるので、こちらのMM型ではタイトな切れ味を追求することにしたい。

そんな訳で、昨年Nottinghamで試して高域の強調された音色のため上手く生かせなかった丸針のN44-7を試したところ、ちょうど良いバランスにおさまったのでEMPIRE598にはこの丸針を常用とすることにした。                               1/11


■ 箱庭式ルームチューニング


先日お邪魔した杉並区sigetaさん宅のルームチューニングに触発され、我が家でも試してみることにした。

しかしsigetaさんが使われているような市販のチューニングアイテムは高価なためとても手が届かないので、我が家に見合ったグッズを活用して挑戦してみることにする。

その使用したグッズというのは「必殺 卵トレー!」である。

お値段の方はネットで20枚3,000円ほどで手に入り、壁に取り付けるカラー画鋲と合わせても4,000円でお釣りが来るという圧倒的なコストパフォーマンスだ。

こんな子供騙しのアイテムで音質が改善されるようであれば全く儲け物ではないか。

画像の通り、SPを設置している壁面の上部角と中央天井部分にこのグッズを設置して試聴したところ、「あ〜ら不思議」横と奥に部屋が広くなったような音場効果と音源の分離度が高まってプレゼンスの改善がはっきりと認められた。物は試しでやってみるもんだな〜。

特に我が家のような少し狭い部屋を使用している場合には、さらに効果が発揮されるのかもしれません。

嫁殿は見るなり「何かの巣があるみたいね」と言っている。

あまり見た目を物々しくしたくはなかったが、音質が良くなるんだから我慢しましょう。

sigetaさん曰く「団子状になって耳に飛び込んでくる音の塊がほぐれて、いろいろな楽器の音が聞こえるようになったのは驚きだった」とのことだったが全く同感で、こんなチープなグッズで同じような効果が得られるとはまさしく目から鱗である。

sigetaさんありがとうございました。                    1/12

ルームチューニングアイテムを設置して試聴を続けている。

ハイビジョンTVでは画面が細かいところまで鮮明に見えるようになるのと同じで、音の分離度が改善されてクッキリ感が強まり、弦楽器群などの高域が強調されて聴こえるように感じる。

壁面左右に設置しているトレーは左右の音場の広がりに影響し、中央上部のトレーは音場の奥行き感とコントラストに影響を与えているようだ。

最終的にそのコントラストを若干緩和するため、左右スピーカー中央の壁面と天井に装着しているトレーの天井部分だけ外し、加えて2WAYスピーカーの高域アッテネーターを少し絞ることでバランスを取ることにしている。

余韻も深まって低域の量感も増加し、スケールが大きくなったように聴こえるのは2WAY、3WAYとも同じ傾向である。

これまでは映画館やコンサートホールの中程で聴いている感覚だったのが、今回のルームチューニングを実施する事で前の方に座ってかぶりつきで鑑賞しているイメージに変わって来ている。

少し音のメリハリが強まる事で聴き疲れに繋がらなければ、この状態で楽しもうと考えている。今回使用したトレーには壁面色に併せて水性スプレーで塗装を施しているが、音を拡散するだけで吸音効果がないのが影響しているのかもしれない。                                 1/13


■ 続・箱庭式ルームチューニング


その後色々な曲種を聴いているが、やはりコントラストが強くなり過ぎてクラシックの弦楽器群が煩く感じるようになって来た。

トレーは当初壁面左角に7枚と右角はエアコンがあるので6枚、中央上部に4枚使用していた。

この状態だとフォーカスが合って定位がハッキリするのは良いが、高域がキツくエッジが立ちすぎる。

アッテネーターでツイーターのレベルを絞ると緩和するが、今度は高域の繊細感が死んでしまう。

そんな訳で使用する枚数を少しずつ減らしてみる事にした。

最初は左角が5枚と右角に4枚に減らしたところ、ピントがややソフトフォーカスになって高域のキツさは治るが、今度は低域の膨らんだ不自然な音色となってしまった。

続いて中央上部を2枚に減らしたところ、低域の自然な響きが戻り高域の柔らかさが戻って来たように聴こえる。

ツイーターのアッテネーターを元のレベルに戻してもうるさく感じなくなって、繊細感のある本来の響きに戻ったようだ。

この状態だと中央最前列のかぶり付きで聴いているのが、少し席を後ろに移動して全体を見渡せる感じで聴こえるようになった。

更に左角3枚と右角2枚、中央上部2枚と天井部分1枚にまで枚数を減らしてリスナー側背面の壁にも同様に設置したところ、響きが自然のまま奥行き感が出て来た。

音源の定位の方もトレーを使用する前に比べてハッキリしているので、バランス上この状態が一番良いのではと考えている。

それぞれのご家庭で音楽を楽しまれているオーディオルームは、当然のことながらカーテンや敷物、家具などの設置状態によって音の反響条件が違ってくる。

このような方法でトレーの枚数を増減させて試聴してみるのが一番確かだ。

幸いトレー自体はとても軽く、画鋲で数カ所壁面に刺すだけで簡単に設置できるのでそれほど苦にならない。

スピーカーの間に何も置かず空間となっている場合は、この壁面にトレーを並べても効果があるそうだ。

我が家での効果はかなりあると実感したので、是非一度お試しいただくことをお勧めする。                                    1/15

最終的にSHURE M44の交換針は、オリジナルでカンチレバーがヨレヨレになったN44Gを使用している。

使用し始めたEMPIRE598が快調なこともあり、最近はロックをもっぱらこの1970年代のプレーヤーを使って聴いている。

トランジスターを使用した業務用純正フォノイコとの組み合わせで低域の締りもバッチリだ。

楕円針のN44E/N55Eは切れ味の面で不満が残り、未使用のまま終わってしまった。

N44-7も相性が良いかと思ったが、少し高域が煩く低域の締りも甘い感じがするので出番が無くなった。

不思議なのは同じM44Gでも先に購入したカモメマークなしのボディにJICOの交換針を装着したものと、このカモメマークにオリジナルの針を装着したものでは音色がかなり違ってくることだ。

SMEシェルを使用して古いカモメマークM44Eのボディにメキシコ製オリジナル針を装着したこちらの個体の方が、Ortofon木製シェルを使用しウッドハウジングでボディ剛性強化したものより左右の音の広がりが自然で聴きやすい音色となる。

EMPIRE598を使用するようになってNottinghamの外付けアームが余ったので、出番の無くなっていたDENON DL-103シリーズの再使用を目論んでいる。

組み合わせるフォノイコが足りないので、現在安価でコンパクトな現行品を選別中である。                                1/21


■ フォノイコライザー


マエストロ・ガレージさんに注文しておいた現行品のフォノイコがユキムより届けられた。

店主の谷口さんにも相談して決めたのが、こちらのMoFi Electronics Studio Phono2という2019年の中頃に発売された機種である。

この米MoFiはモービル・フィデリティというレコード・CDの復刻を手掛けている会社らしいが、決め手となったのはこの製品の監修をEARのパラヴィッチーニが行っているという点だった。


さて、ノッティンガムに増設したショートアームを使いSHUREのフォノイコとM44の組み合わせを楽しんでいたが、アメリカ物はアメリカものでということで、久しぶりにEMPIRE598を引っ張り出してきて使い始めたのがコトの起こりである。

しかしノッティンガムのショートアームで別のカートリッジが使えるようになったまでは良かったが、今度はフォノイコが足りないので活用できないままでいた。

昨年からのアームの増殖により使用する機器も増え、狭いオーディオルーム環境ではフトコロ状態以前にこれ以上大袈裟な機器を置くスペースもない。

そんな訳で置き場所を取らない、可能な限りの低価格での選出となった訳である。

組み合わせるカートリッジは長らく出番の無くなっていたDENON DL-103/103C1が真っ先に頭に浮かぶが、VL型のDECCAやMI型EMPIRE辺りでも良いかと考えていた。


現物はご覧の通り手のひら大のコンパクトなサイズで、この価格帯だと電源部がチープなのは致し方ないが、音質を考慮して電源スイッチは省略されている。

こちらのフォノイコを使用するにはプリのChriskitはライン入力が既に一杯なので、Marantz7に接続してGoodmans2WAYで楽しむことになる。

底面のディップスイッチで負荷インピーダンスを47KΩ(MM)に設定し、簡単な接続を済ませて早速試聴開始。

まず最初はトランス無しでDECCA MarkV-EEから音質を確認する。

EARなどと違ってシンプルな機種なので当初はあまり期待しないつもりだったが、聴き始めはいつもハラハラ、ドキドキするものだ。

しかし出てきた音は一聴して低域の厚みの無い高域の繊細感だけが際立った価格通りの音色だったが、この音はこれまでに聴いた経験のある組み合わせバランスを欠いた時の中性的なデッカの音質だった。

やはりこんなモノかと半分諦めかけたが、気を取り直して本命のDENON DL-103にチェンジして試してみることにする。

組み合わせるMCトランスは相性の良いALTEC/Peerless4722だ。

そうしたところ寝起きのボケた音質が目を覚ました如く、やっとのことで低域に重量感のある耳に馴染んだまさしくDENONの音が再現され始めた。

年末より使い始めた古いSHURE製フォノイコに比べ、ワイドレンジかつノイズレスなクリアな音質が展開され、音の滲みを感じられないのが特長となっている。

低域が若干軟調となる傾向にあるが、DENON特有の息の詰まるような重苦しさが影を潜め、身軽な抜けの良さが加わったような気がする。

使用開始して数時間後には更に広がりのある音場とキレの良さが見え始めたので、真空管デバイスの機器と同じく寝起きが悪いのかもしれない。

まずは目出度く期待以上の音質を得られることとなったので、これから色々な曲種を楽しもうと考えている。                      1/23

※谷口さんにこのような電源SWが無い機種の使用方法をお伺いしたところ、すぐにメーカーに確認いただき常時電源を入れた状態で問題はなく、音質面でも極力繋いだままで使って欲しいとの回答を頂戴した。

また半導体アンプでも数十時間のエージングは必要とのことで、やはりDECCAでの聴き始めはまだまだ寝起きの悪い状態だったようだ。

そんな訳でお値段の方は大変安価ながら、RCAプラグが少し緩い点を除くと作りもしっかりしていて質感も高いように感じた。

音質面でも真空管アンプでは味わうことのできなかったクリアで見通しの良い音場が新鮮で、昭和の名機DENONの新しい面を引き出せたように感じている。

エージングが進むと更に音質の改善がありそうなので、今後の楽しみが増えたと喜んでいる。

谷口さん、ありがとうございました。

■ 続・フォノイコライザー


新しいフォノイコをプリアンプに接続している時、これまで聴いたことのない原因不明の異音が発生した。

使用しているプリアンプMarantz7に接続している機器は下記の通りとなっている。

フォノイコ入力→PHONO1(Ortofon T-30+Thorens MCH-II)/PHONO2(WE KS-9450+Ortofon SPU MEISTER GE)

ライン入力→TV(Studio Phono2+Peerless4722+DENON DL-103)/AUXILIARY(EAR845P+Ortofon MC30s)

新しいフォノイコ(一番右)にケーブルを配線する時は、一端セレクターをAUXILIARYに切り替えて音が出ないよう作業を実施していた。

PHONO1/PHONO2のアースはプレーヤー→MCトランス→プリアンプまで伸びているが、ライン入力に接続しているフォノイコからプリアンプにはアースは接続されていない。(アースはプレーヤー→MCトランス→フォノイコまで)

この状態で新しいフォノイコのINPUTにケーブルを接続すると、プリのセレクターを別接続に切り替えているにも関わらずSPから「ブロロロ〜」とバイクのエンジンがアイドリングしているような異音が発生するのである。

ケーブルを動かして微妙に接続状態を変えるとノイズが出なくなるツボがあるが、フォノイコの接続を外すと当然その異音は出なくなる。

現在はいろいろケーブルを動かして異音のしない状態で音出ししているが、SPボックスの上に置いているために使用しているユニットの強力なアルニコ磁石が影響しているのか原因は不明である。

その後、2日ほど通電状態が続いており、試聴時間も10時間を超えているのでエージングはかなり進んだ状態にあると思われる。

当初感じた高域のキツさを和らげようとDL-103のリード線をオーグラインからDUCCに変え、MCトランスからフォノイコに伸びるケーブルもOrtofon7NからSMEケーブルに変更している。

同じ半導体を使用したSHURE製フォノイコと比較しても、ワイドレンジかつ精細度の高い音質傾向がリスナーに緊張感を感じさせているものとなっている。

組み合わせるカートリッジの音質にも影響されるのは当然だが、ジャズなどの曲種に向いているのではないだろうか。

同じ曲をEARに切り替えて聴いてみると、価格の違いが大きいので当然と言えば当然だが、「音の雰囲気」や「ゆとり」が全く異なって聴こえる。

そりゃそうでしょう。まだまだいろいろ試してみることがありそうですね。                               1/25

※追伸 

AUXILIARYからのアイドリング・ノイズは、やはり置き場所を変えても接続時に必ず発生する。

スピーカーは無関係で依然として原因不明だが、なぜか本体トップパネルのサブソニックフイルター・スイッチをONにすると止まる。

そして再びサブソニックフィルターをOFFにすると異音は消えたままとなるので、そのやり方で使用している。

パーツの不具合でなければ良いのだが、今度谷口さんに聞いてみましょう。

※発振ノイズ

谷口さんに問い合わせたところ、「入力インピーダンスとフォノイコの出力インピーダンスとの間で整合が取れないなどの原因で、発振(ハウリング)を誘発している可能性がある」とのことだった。

併せて電源の取り方など何項目か対応策をご教授いただくが問題の発振は解消しなかった。

使用するプリとの相性の可能性もあるとのことでChriskit Mark Y Customのプリを使用した3WAYのシステムで試したところ、なるほどおっしゃる通りこちらでは全く発振しない。

やはりMarantz7のようなオジーちゃんには孫のような今時の半導体フォノイコは馴染まないのかもしれません。こんなこともあるんだな〜。

オジーちゃんと相性が悪いというのも困った話だが、しょうがないので別のオジーちゃんのシステムで使用することにしましょう。

まあ、音質的にはジャズなどの曲種に向いていることもあるので、POPS&ROCK用の3WAYシステムで使用する方がベターかもしれません。 

それにしても今回のようにオーディオ専門店で購入すると、後々困ったときに適切な助言をいただけるのもありがたい。

谷口さん、いろいろとありがとうございました。                                     1/27


■ EMPIRE 598N

新たなフォノイコMoFi Electronics Studio Phono2はEMPIRE598の純正組み合わせで使用することにした。

昇圧トランスを使用してMC型のDENON DL-103と組み合わせて聴いていたが、中域の上の方に妙な出っ張りというかつっかえる部分があってヴォーカルなどがキツく響く傾向がある。

ケーブルやリード線を替えMCトランスを別のものに組み合わせたりしたがこの傾向は解消せず、カートリッジをDENON DL-103C1にしてもダメだった。

やはり高音質レコードを制作する会社のフォノイコだけありHi-Fiに特化した切れ味の良い音作りがされているようで、我が家の古いヴィンテージ機器と組み合わせるにはやはり相性的に無理があるのかもしれない。

なんとかこの異端児を使いこなせないものかとコントラストの淡いMI型EMPIRE1000ZE/Xと組み合わせてみたところ、低域に少し軟調な傾向はあるが量感、広がりとも十分で中高域の刺激的な響きも出ないことが分かった。

そんな訳でレストアしたEMPIRE598との純正組み合わせが実現することになった。                               1/31

■ あるところにはあるもんだシリーズ 第二弾

昨年の年末に手に入れた新品のGoodmans MIDAX650に続いて、またもや新品未使用のクロスオーバーネットワークをヤフオクにて調達した。

出品された方の話では半世紀ほど前に購入後、いつか使用するつもりで保管してきたものらしいが、未だに未使用品とはあるところにはあるもんですね〜。

このGoodmans XO-950/5000は3WAY用のネットワークで、既にAXIOM150MkIIのSTAGE3スピーカーシステムで使用している。

今回予備用に購入したが、使用時には内部コンデンサー(1.5μF/8μF)の交換が必要となる。

現在使用しているネットワークは、専門業者に依頼してWESTCAPとDEARBORNのハーメチックタイプのオイルペーパーに交換済だ。

WESTCAPの1.5μFはAXIOM22MkIIのSTAGE2スピーカーシステムのネットワークXO/5000でも使用しているが、容量の大きい8μFはアメリカでも入手困難となっているため、現行品のフィルムコンを使おうかと思案中である。

耐圧の方も指定のものより大きければ良いというものでもないらしく、なかなか悩みどころでもある。                                     2/1


■ オーディオ定例会


   

本日はsigetaさんに都合3回目となる来訪をいただき、前回から変更となった機器やルームチューニングの効果などをご確認いただいた。

併せて愛用されているWE純鉄コアのMCトランスをお持ちいただいたので、我が家のWEトランスとの比較試聴を実施した。

この超ヘビー級のMCトランスは、使用する際には磁気テープをそれぞれのトランスに巻いて内部の磁気が外に漏れないようにされているとのことで、このテープを巻く巻かないで音が違うとおっしゃっていた。

SPU-MEISTERに組み合わせてクラシック音源を試聴したが、音質の方は我が家のWEトランスを上廻る中域に濃密な味を持つ「コッテリ系」である。

特にバイオリンの甘い響きとコーラスの分離度の高さは秀逸で、通常のWEトランスの音色を濃厚さで凌駕しているようだ。

主にGoodmans2WAYを使用して試聴をするが、薄くなりがちな中域の密度が上手くマスキングされ、充実した円やかな音質バランスとなっている。

我が家でクラシック系常用となっているMCH-II+Ortofon T-30の組み合わせで比較試聴してみると、剛と柔ほどの違いがあり興味深かった。

続けてsigetaさんに、昨年秋に導入したUESUGI OLSON TYPE NON NFBアンプをEMPIRE598+2000ZEXの純正組み合わせを使って試聴いただくが、音の広がりや金管の力強い響きなどに満足いただきMM/MI型の音色の美しさを再認識したとのことだった。

システムを設置している壁面とリスナー側壁面に設置した箱庭的ルームチューニングについても、比較試聴した訳ではないのではっきりした事は言えないが、音場に奥行きが出たような気がするとの事だった。     

前回sigetaさん宅にお邪魔した際にお借りした、この「巨匠たちの音、巨匠たちの姿」は大変参考になる書物だった。

小生のようなコンサートに出る機会が少なく家庭で聴覚に頼るばかりのレコード愛好家にとって、視覚を補う想像力をもたらしてくれる知識の広がりは、音楽を聴く楽しみを倍増させてくれるものである。良い書物に出会ったと喜んでいる。

sigetaさん、本日もありがとうございました。                      2/6


■ 新規アンプ導入計画(1) 「企画立案編」


 


名古屋の先輩に勧められ、今年度最大のアンプ製作BIGプロジェクトが始動開始!

もちろん自分一人の力でなんとかなるものではないので、現在とある工房に製作をお願いしたところである。

構想=半月(My Vintage Audio)  製作=TAラボ(新潟)  製作費=ウン十万円(断捨離推進委員会)  協賛=Y下企画(名古屋)  後援=Sigeta出版(東京)

果たして見どころ満載のこの企画、完成試聴会は今年の夏頃となりそうだ。乞うご期待。                       2/16

    

■ 新規アンプ導入計画(2) 「直熱三極管編」


 


そもそもこの企画、Y下先輩の「英国のVintage-SPには同じ英国の直熱三極管が最も適している」から始まった。

GECで開発された古典ビーム管KT66は長年QUADIIで愛用してきたTUBEだが、直熱三極管のPX25/PX4も同じく英国生まれの真空管だった。

古いナス管は価格が高騰していて手が出ないが、ちょうどタイミング良く新型ST管のPX4がヤフオクに出品されているのを発見したので落札した。

ブランドシールはKT66でも使用したことのあるMarconiロゴだが、OSRAMと同じ英国MOV(Marconi-Osram Valve Co.Ltd.)で作られていたものだ。

アンプ製作を依頼している工房の方のお話では、ST管タイプはフィラメントが切れやすくハムレベルが下がらない個体が多いとのことだった。

続く・・・・・・・・                                   2/17


    

■ 新規アンプ導入計画(3) 「搭載真空管選別編」 

          


  


話は前後するが、まだ年金支給年齢に至っていない現状を鑑みると、我が家の大蔵省の厳しい追及を逃れるため極力コストをカットする工夫が必要となってくる。

新型コロナウイルスの全世界的な蔓延に伴うGDPのマイナス成長が続くこの時期に、表立った突発的な支出を要求するには社会的背景が悪すぎる。

もちろん断捨離委員会の活動を活発化させるのも財源を確保する主要な有効策の一つである。

そんなこともあり、製作していただく工房とも相談して使用する真空管はこちらで用意することにさせていただくことになった。

前述のとおり、本命の直熱三極管はすでに調達済みである。

残る初段や整流管なども製作工房と相談しながら、手持ちの英国製TUBEをチョイスして活用することにした。

初段管は6SL7系の在庫が手持ちにないためMullard ECC82/12AU7でお願いすることにして、整流管には出力管と同じ形状のCOSSOR 53KUをチョイス。

初段管も無骨な古典球に拘りたかったが、まあ脇役にはあまり個性を期待せずにこの辺りで我慢することにしましょう。

続く・・・・・・・・・                                               2/18


    


■ 新規アンプ導入計画(4) 「初段管変更編」 


計画当初は初段管に手持ちのECC82を使用する予定でいたが、よくよく考えてみるとミニチュア管では見た目のバランスが貧相なことに気がついた。

そこでアンプ工房でもお勧めいただいた6SL7系のTUBEを調達することにする。

幸いなことに以前所有していた300Bシングルアンプの初段で使用していた6SN7系より市場相場はそれほど高くないようだ。

今回調達したTUBEは英コードKB/FE(STC)CV1985/ECC35と米RAYTHEON5691、同じくRCA6SL7GTスモークガラスの3種類である。

そのうち流通量の少ない(STC/Oldway)CV1985と6SL7の最高峰となる高信頼管RAYTHEON5691については流石に値段の方も少し高かった。

RAYTHEONのVintage管は品質の高さで評判だが、よくよく調べてみるとこのRAYTHEONの赤ベースはRCAのOEM品のようである。

英STCvs米RAYTHEON、この2本が本命と対抗馬になりそうだ。

とりあえずこの3種類ぐらいあれば何とかなるでしょう。

続く・・・・・・・・・                                               2/28

    


■ 最近のアナログ事情

明日から早くも弥生3月を迎える。

2月22日に昨年より15日も早く春一番が吹き、梅も満開となって待ち侘びていた本格的な春の到来に水をさしたのが新型コロナウィルスの蔓延だ。

当初は3月の初旬から京都の実家へ両親の見舞いと並行して中国〜九州縦断旅行を計画していたが、さすがに延期とせねばならなかった。


オーディオの方は依然として不満のない音色を味わっている。

クラシックはもっぱらEMPIRE598にMI型の1000ZE/Xを使用して、壁面いっぱいに広がる独特のゆったりとした音色を楽しんでいる。

組みわせたMoFiのフォノイコもMC型のDENONを使用すると中域に違和感を感じたが、若干淡いEMPIREの色彩感にクッキリとしたスパイスを効かせているようだ。

この美しいMI型の音色に味を占め、後発で最上位機種のEMPIRE4000D/IIIに付け替えてみると、どうしたことかゆとりのないこじんまりとした音色となってしまう。

このEMPIRE1000ZE/Xはいつもリード線でお世話になっている旭川のkeisさんの手によって山本音響工芸製ヘッドシェルに組み合わされたカートリッジだが、リード線は直付けとなっているらしく微妙なチューニングが音質の向上に影響しているのかもしれない。


こちらはOrtofon SPU-GEをA-CRAFTのアダプターを介してアルミブロック削り出しのヘッドシェルに装着し、リード線には古いWE線材を使用した吟醸リードを組み合わせたカートリッジである。

MCトランスにはJ's No.6600を組み合わせているが、オリジナルのGシェルで使用した時よりにじみ感のない歯切れの良いタイトな音色が得られ、ロックなどのパルシブな音源にはちょうど良い感じに仕上がっている。                                  2/29

    


■ Garrard401 キャビネットの再塗装


3月に入っても新型コロナウイルスの蔓延がさらに規模拡大しているのが恐ろしい。

デマが広がって石油危機の時同様に、トイレットペーパーの買い占めが起こっているのは日本独自の現象だろうか?

このGarrard401は2007年に導入後、我が家の主力アナログ・プレーヤーとなっている半世紀前に製造された名機301の後継機種である。

アームはaudio-technicaの局用タイプを2本装備しており、主にSPUなどロー・コンプライアンスのOrtofonカートリッジを組み合わせて使用している。

同時期の1960年代後半に発売されたEMPIRE598Nがレストアにより美しく蘇ったので、こちらの1970年代前半に製造された後期型Garrard401についても、あちらこちらに傷が目立ったキャビネットのレストアを実施することにした。

ターンテーブル本体には針を落とす時に手が掛かるあたりに塗装の変色が見られるが、稼働10年以上で音色は当然のこと機能的にも問題はない。

最近フェルト製のパッドが磨耗してブレーキが掛かりにくくなったので、ブレーキパッドの取り替えパーツを注文しているところである。

モーターの分解清掃には手を付けたことはないが、軸受けだけは定期的に分解清掃してOILを入れ替えている。

軸受けのスラストプレートはカーボン製に交換し、アイドラーとスラストパッドは共に一回新品交換している。

ボディの部分的な変色については、色々なクリーナーを試してみたが黒ずみは取れなかった。

積層キャビネットはサンドペーパーで研磨してワトコオイルを重ね塗りしたのち、TANNOYウッドワックスを塗り込んで磨きをかけている。

なんとかエンパイヤ同様美しく蘇ったので、今後も我が家のアナログ・オーディオの主力として頑張って回り続けてくれることを期待している。

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注文していたGarrardフェルト製ブレーキパッドと化学合成OILが届いた。

これまではEMTのOILを使用していたが、こちらの純正OILに交換したところ、粘度が低いのか若干回転数が速くなったように感じた。

起動後半回転ほどで定速に達するし、回転も滑らかなのでアイドラーはまだまだ大丈夫な様子。ブレーキもパッドの交換でしっかり効くようになった。

OIL注入のため軸受けを分解清掃したところ、スラストパッドの摩耗が進んでいるようなので様子を見て注文することにしよう。

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■ Garrard401用パーツのあれこれ

ストックを漁っていたら使用ずみアイドラーが2個出てきたので、記憶を辿ると2回交換しているのを思い出した。

それほど状態も悪くなかったので表面を研磨して試してみたところ、どちらとも半回転ほどで定速になるのでまだまだ使用できそうだ。

復元のやり方は、硬化して少し湾曲していた表面を電動ドリルに挟み、800番程度のサンドペーパーで直線が出るよう研磨する方法である。

捨てないで取っておいたのが正解だった。なんとかなるもんだな〜。

スラストパッドの方は現在2mm程度の直径で当たりが出ているが、どの程度が寿命なのかわからない。

こちらはすでに交換したスラストパッド。

中央部分にスピンドルとの接触によって3mm弱ほどの面積が摩耗している。

この直径が大きくなることによってスピンドルとの接触面が増加するわけだから、抵抗が増えるということだろうか?

また摩耗することにより音質にはどのような影響があるのだろうか?

今回、試しに中央のスピンドルと接触する部分にボールベアリングを使用した、UPGRADE SPINDLE THRUST PADなるものをイギリスから調達することにした。

お値段の方も純正パーツを国内で購入するより、国際送料込みでも安価となっている。

たまたま見つけたこの改良型スラストパッドの英文記事によると、「使用しているソフトリン青銅ボールベアリングはスピンドルより材質が柔らかく、ボールベアリングのみが摩耗する場合、スピンドルの表面接触が最小限に抑えられるため摩擦が減少し、音質が向上する。」とのことであった。

はてさて、海を渡って届けられるまでは2ヶ月ほどかと思われるが、到着するのが楽しみである。                           3/9


    

■ Mullard ECC83


  


ECC83/12AX7はプリアンプやフォノイコなどで使用する機会の多いTUBEである。

Marantz7ではカップリング・コンデンサーやセレン整流器などオリジナル仕様のパーツに変更後の試聴にて、やはりオリジナル通りのTelefunken◇マークが最も相性の良い真空管だと確認している。

この独製◇マークに肩を並べるTUBEとして英Mullard製のものがあるが、そのムラードの中でも製造時期やタイプによって音質が違ってくる。

我が家には高信頼管となる軍用CV4004や後期に製造されたECC83/12AX7(CV492)ショート・プレートについてはまだ使用可能なストックが多く残っているが、1950年代の後半まで製造されていた、音質の良いと言われるロング・プレートの在庫が少なくなっていた。

最近はヤフオクでもこのロング・プレートの出品は少なくなってきており、たまたまアムトランスさんに入荷したのを見つけたので即購入した。


我が家にある17mmロング・プレートはMullardの旧ロゴ(中央:B9I)とFisherロゴ(左:B8F)の2種類で、全てゲッターがシングルサポートのラウンドタイプである。

今回調達したのは1957年製造の角形Dゲッター(右:B7A)で、e-Bayなどには出品されているが日本では最近滅多にお目にかかれないTUBEだった。

2本しかないので使用するのが勿体無いが、また試聴する機会があればChriskitのプリアンプにでも試してみようかと考えている。          3/10


    

■ 6AR6シングルアンプが到着


「新規アンプ導入計画」で製作を依頼している新潟のチューブ オーディオ ラボさんから、アンプが完成するまでの間に試聴用アンプをお借りすることになった。

この6AR6シングルアンプ2号機は昨年の真空管オーディオフェアに出品されたアンプで、1号機はすでに別のオーディオ愛好家の元へ嫁いで行った。

6AR6は米WEが開発した小型の5極管で、現在でも比較的安価に手に入るようだ。(このアンプでは3極管接続で使用されております。)

開発当初はWEでも製造されていたが、その後はTung-Solなどの他メーカーでの製造が大半となったTUBEである。

管球王国の「歴代の5極管/ビーム管 50種の音質比較テスト」でも、5極管接続ながら高い評価を受けている。

真空管博士のブログでの説明にあるとおり、3極管接続時にはPX4系PP3/250にそっくりな特性を示しているTUBEである。

(球球コレクション プアマンズPP3/250)


(製作記についてはTAラボさんのHPに公開されおります。)


さて、英国SPをこよなく愛したオーディオ評論家の故上杉氏が製作監修した UESUGI TAP-31に一旦席を譲っていただき、AXIOM150MkIIを使用したグッドマン3WAYにはSV-91Bをカップリングして、クラシック用に使用しているAXIOM22MkII2WAYをこのアンプと組み合わせることにした。


  


使用されている真空管は、初段に6SL7を1本、出力管はTung-Solの6AR6と整流管にGZ34といったコンパクトで可愛らしいアンプである。

内部の配線は流石に美しくまとめられており、配線材にはWEを使用されている。

また、出力段のカップリングに使われているのは音質の良いWEST CAPと思われ、随所に高質なパーツを使用されていて完成度は高い。

音質の良し悪しは当然のことながら、この「見た目が美しい」ということが所有する喜びを増加させるポイントではないかと考えている。

たまにオーディオ雑誌などでお世辞にも美しいと言えない、乱雑な配線で作り上げた自作アンプ記事を見ることがある。

自作ならまだこの乱雑さが努力の証として我慢もできるだろうが、完成品を購入する場合は音の良さに加えて美しさが選択の重要なポイントとなって来る。

音が良ければ良いというものでもないだろう。

音質の決め手となるトランスには、ラボさんお勧めのTSM  Productsの手巻きトランスが使われている。

当方で製作を依頼しているアンプにもこの手巻きトランスでとお願いしているが、少し高価なアモルファス・コア製を希望している。

ユーザーにとって重要なポイントとなる価格の方も、このような質の高いパーツを採用している割にはとてもリーズナブル価格設定となっているので驚いた。


試聴結果は追々記入させていただくが、来週のオーディオ定例会でSigetaさんにご来訪いただくので、その時までに本調子となるよう聴き込む予定である。

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■ 6AR6シングルアンプの試聴@


これまでAXIOM22MkIIの2WAYを駆動していたSV-91B(右)と比較するとかなりコンパクトにできていることが分かる。

出だしは軽いPOPS系の音源から試してみる。

まず最初に感じるのはSV-91Bが捻じ伏せるような力強さが特徴なのに対し、こちらは低域の量感も程々ですっきりとした瑞々しさが持ち味となっている点である。

価格が倍以上違うSV-91Bと比較するのも可哀想な話だが、クラシックの良さを楽しませてくれると言った部分ではそれほど遜色もない。

両者の最も大きな違いは低域の量感とその構築力にあり、SV-91Bが重戦車のようなガッシリした押し出しの強さを持っているのに対し、6AR6シングルは質の良いリッチな響きと余韻が特徴となっているようだ。

さて、本命のクラシック音源の試聴に入る。

POPSなどではこじんまりとして少し淡白に感じた音質が、クラシックではこってりとした織物のような彩でオケを描き分ける能力には驚くことになる。

声楽を聴くと中域の上の方に少し引っかかったトゲのような部分を感じるが、これはTAラボのKさんがおっしゃっていた整流管GZ34に起因しているのだろうか。

馬力が乏しい分少し音場が狭まったようにも感じるが、しかし弦楽器群の合奏にもコクがあるし金管楽器の緊張感のある響きも素晴らしい。

特に良いのが音の色付けがはっきりしている点で、色々な楽器の音の強弱が色彩感を伴って息遣いのような生命力を感じさせてくれるアンプである。


このシングルアンプにはプリアンプのMarantz7を組み合わせている。

使用上のポイントとして、シングルアンプの出力が低いため出力ボリュームをMaxに上げており、さらにミニマムで使っていたプリのOUTPUTレベルを中程まで上げることができるようになったことも音質の向上に影響しているのかもしれない。

圧倒的な馬力はないが必要十分な力感があり、なんといっても色彩豊かな彩が素晴らしくて、なるほど評価が高いのも肯けるものと感じた。


機器を変えた当初は変わった部分が良くなったように感じることが多い。

このアンプもまず最初のつかみはOKだが、一週間ほど試聴を続ければ短所も見えてくるかもしれない。じっくりと参りましょう。          3/13  PartII


    

■ 6AR6シングルアンプの試聴A


6ARシングルアンプの試聴を、じっくりといろいろな曲種で続けている。

このような試聴では、その日の機器の状態やこちらの体調によって感じ方が違って来ることもあるので、その辺りはご了承いただきたい。

2日目にはウォーミング・アップにより冷めた体が温まって動きが軽くなるように、伸びやかでダイナミックな音色に変化してきた。

POPSやJAZZでも初日はどちらかというと大人しく理性的だった音質が、低域の量感が増してよく弾み、ダイナミックな迫力が加わるようになった。

個々の質感をはっきりと描き分け、説得力のある音を聴かせてくれるという点は、初日に感じた印象と変わっていない。

見た目はコンパクトなアンプだが、結構馬力と細やかな表現力を兼ね備えているのは手巻きの出力トランスが影響しているのだろうか?

逆にクラシックでは押し出しの強い中高域に、弦楽器ではそれほどでもないが少し粗い響きを金管や声楽で感じるようになる。

この辺りは使用している初段管(RCA/6SL7)と整流管(Zaerix/GZ34)を差し替えることによってかなりニュアンスが違って来るかもしれない。

工房のKさんに承諾いただいたので、明日はこの辺りを手持ちの真空管で「球転がし」を仕掛けてみようかと考えている。

小出力のため音場が少し中央に集まる傾向はあるが、それでも音が団子になることもなく質感の異なる音色で描き分ける点には感心させられる。

今日はPOPS系で迫力ある音楽を楽しませてもらった。明日の「球転がし」での音質の改善が楽しみである。                    3/14


    


■ 6AR6シングルアンプの試聴B


昨日の試聴ではようやく本領を発揮し始めたようで、躍動感が出て迫力ある音色に変化してきた。

POPSやJAZZなどは特に不満を感じなかったので、本日はクラシックでの中高域の粗さを「球転がし」によって改善ができるものか試すことにする。

前述したが少し不満に思っている点が、声楽テノールやオケ金管楽器の乾いたような粗い響きである。

逆にこの高域の粗さについてはJAZZなどの曲種においてはプラスとして作用することが多く、なんとも痛し痒しである。

この刺激的な響きが真空管を取り換えることによって若干でも改善できるとすると、オールマイティーに使用できるアンプとなるはずだ。

さて、交換してみるTUBEは前段の6SL7と整流管である。

オリジナルの6SL7GT/VT-229は米RCAのブラック・プレート/ボトムゲッターで、整流管は英ZaerixのTUBEだがエッチングコードもないので日本製かもしれない。

特に工房のKさんからは、この整流管の交換により高域の質感が改善できるとアドバイスを受けている。

クラシックでのこれらの問題点を解消するためには、やはり英国製の真空管を使うべきだろう。

6SL7は互換球のSTC/ECC35、整流管には同じくSTC/CV717/5R4GYかCOSSOR53KU/CV378などをチョイスすることにした。

最初に初段管をSTCに交換して試聴する。

残響が増してホールトーンが豊かに聴こえるようになり、弦楽器群に繊細感が加わって細やかに美しく響く。

声楽のテノールの声質にも温かみが出始め、初段の変更だけでもかなり改善されたように感じる。

さらに初段管をそのままに整流管をSTCに付け替えると、弦楽器の繊細な響きに滑らかさと柔らかさが出てきて、テノールの声質も血が通うと言うのか芯の強さがある割にキツい響きとならなくなった。

全体的な響きに柔軟性が出ることによって、持ち前の息遣いのような音色の強弱がさらに美しく表現されるようになる。

整流管をCOSSOR53KUに替えると同質な音色傾向ながら、さらに重心が下がって奥行き感が加味される。

この状態だと全く不満のない堂々とした音色を味合わせてくれるようになった。


コンパクトなサイズが嘘のように、フロアタイプの大型SPを楽々と鳴り響かせる力を持った音楽性の高い真空管アンプと感じている。                 3/15


    

■ SV-91B 300Bシングルアンプ


  

GOODMANS AXIOM22MkIIのSTAGE2/2WAYには音楽性豊かな6AR6シングルを組み合わせたので、こちらのSV-91BはAXIOM150MkIIのSTAGE3/3WAYで使用することにした。

このアンプは名古屋のアンプビルダーY下さんの手によりSUNVALLEY SV-91Bを大幅に改良されたもので、外観も高級感溢れるものとなっている。

Y下先輩の説明によると、310A-310Aのみ交流点火で300Bは直流点火に改造してあり、カップリングCにSPRAGUE/バンブルビー、抵抗はA&B、カソードコンデンサには銀タンタルを使用しているとのことだった。

これまでは基本通り、3WAYにシングルアンプは荷が重いと考えてプッシュプルで駆動し、こちらのアンプは2WAYで使用していた。

また、昨年までは真空管をオールウエスタンで使用していたが、秋頃より出力管を日本製TAKATSUKI TA-300Bに交換して楽しんでいる。

今回初めてこのアンプを3WAYに組み合わせてみたが、驚いたことにUESUGIのプッシュプルより厚みと馬力のある低域を聴かせてくれている。


以前、整流管の聴き比べを実施した時に最も馬力と勢いを感じたSYLVANIA VT-244を、WE-274B刻印から取り替えてPOPS&ROCKを中心に楽しむつもりでいる。

少し甘い香りが漂うAXIOM22MkIIを隅々にまで血を通わせてくれるような高い駆動力を持ったこのアンプ。

硬質でリッチな響きのAXIOM150MkIIからは、どのような音色を引き出してくれるのだろうか?   楽しみである。                         3/16

    

■ オーディオ定例会


本日はSigetaさんをお招きして、恒例となりつつある定例会を開催する。

今回のメニューは新潟のTAラボさんにお借りしている6AR6シングルアンプの試聴と、お持ちいただいたルーム・チューニング・グッズの効果検証である。

我が家で試聴を続けているそのアンプは現在、クラシックに最も適している組み合わせ(初段STC/ECC35整流管COSSOR53KU)に差し替えて使用している。

Sigetaさんにはまずオリジナルの真空管に戻して試聴していただき、その後「球転がし」を行って音色の変化を二人の"耳"で実施することにした。

最初に初段から交換するが、我が家の英STC/ECC35、米RAYTHEON5691、RCA6SL7GTスモークガラスとSigetaさんにお持ちいただいたKen-Rad VT-229、RCA5691赤ベースに加え、オリジナルのRCA 6SL7GT/VT229の6種類。

整流管の方は英STC/COSSOR、米RCA JAN CRC 5R4GY、WE-274B刻印に加え、こちらもお持ちいただいたRCA80などが試聴ラインナップである。

ソースはクラシックアナログ盤を使用し、カートリッジにはSigetaさんも愛用されているOrtofon SPU MEISTERを組み合わせた。

(Garrard401+SPU→Marantz7→6AR6シングル→Goodmans Axiom22MKII/STAGE2)


   


初段RCA+出力管米Tung-Sol+日ZaerixのオリジナルTUBEに戻して、試聴を実施されたSigetaさんのご感想は、

低域から高域までストレスなく質の高い音色を聴かせてくれる、クラシックには丁度良いバランス感を持ったアンプではないか。

以前のSV-91Bよりこちらの組み合わせの方が、クラシックでの試聴では相性が良いように感じるとの初見であった。

さて初段管から「球転がし」終えた後のSigetaさんのご感想は、少し渋い傾向の英国管より高域がよく伸びて音色の明るい米国管に好感を持ったとのことである。

Sigetaさんが選ぶ初段管のベスト3は、RCAとRAYTHEON/5691赤ベース、オリジナルのRCA VT-229ボトムゲッターだった。

また整流管の方ではWE-274B刻印がダントツのNo.1で、COSSORの柔らかい音色も好ましかったとの評価である。

最終的なアンプの感想としてSigetaさんからは、「山椒は小粒でもピリリと辛い」ではないが小振りな容姿にも関わらず、相当熟成された好ましい音色と感じた。

併せて出力の低いアンプの場合には駆動力に問題が出ることがあるが、SPが能率の高いGoodmansでは軽々とドライブする力強さを感じたとのことだった。

当方は初段や整流管ともやや渋めの英国系の音色に好ましさを感じたが、アンプ自体の評価は概ね同じようなものである。

次にご自宅で2セット愛用されているオーディオ・リプラスのルームチューニンググッズの効果検証を実験する。

まず画像の通り、お持ちいただいた1セット(2個)をそれぞれのSPの天板の上に設置して聴いてみる。

これだけでも音質に顕著な変化が表れるが、明らかに高域がヒステリックに響きすぎてこの配置ではいま一歩の評価となる。

次に外側のSPの壁面に立て掛けて配置してみると、音場が自然な広がりを見せて聴きやすいバランスとなることを発見する。

Sigetaさんからは我が家で設置しているチープな「必殺チューニング・グッズ」の効果により、増設しなくても自然な音場が再現されているのではとのことであった。

最後に、新たな組み合わせとなったSV-91BとGoodmans AXIOM150MKII/3WAYの音色や、Ortofon SPUシリーズ(GE/Classic GE)の聴き比べを実施して本日の定例会を終了する。

Sigetaさん、本日もありがとうございました。                                      3/19

※追伸   Sigetaさんから本日の試聴感想を、掲示板の方にご投稿いただきました。

             興味のある方はそちらもご覧ください。    ↓

     https://zawazawa.jp/bcjd0i1lnr55w007/topic/1

    

■ Garrarad401 アップグレード・スピンドル・スラストパッド

依然として世界的なパンデミックは終息への光明が見えてこない。

そんな中でも四季は普段通りの移り変わりを見せ、3月中旬よりいよいよ気温も上昇して埼玉でも桜の開花が進んでいる。

イギリスからGarrard401用のUPGRADE SPINDLE THRUST PADが届いた。

3/9に注文したから到着するまで2週間弱と意外に早かった。

画像下ボールベアリングが付いたパッドとその左に交換用ベアリングが2個、白っぽいガスケット2枚と商品内容の印刷物が送られてきたパーツの全てである。

当初考えていた価格には国際配送料が含まれておらず、到着時に着払いで送料分3600円払ったので購入金額は合計9000円となり、国内で純正パーツを購入するより少し割高となってしまった。

現在は円高が進んでいるので、日本での購入価格が値下がりしているようだ。

交換用のボールベアリングが2個付属しているので、こちらのパッドの音質に問題がなければ当分は交換品の購入は必要ないと思われる。

このボールベアリングの素材がミソのようで、国内にもかなり出回っているKokomo kitはセラミック製なの対し、こちらはスピンドルの素材より柔らかい青銅製となっているようだ。

早速スピンドルの底を磨いて清掃し、新たなパッドを装着してプラッターを回転させてみた。

少し摩耗の進んだオリジナルのスラストパッドと回転数はほぼ同等で、音質の方も今のところは大きく変わったところがある訳でもなかった。

馴染んでくるまでもう少し様子を見てみることにいたしましょう。                                        3/21

    

■ TELEFUNKEN ECC83について


愛用しているMarantz7Rの真空管は現在、オリジナル通りのTELEFUNKEN ECC83◇を使用している。

このアンプを2002年に中古購入した時にはレプリカ専用の曙光電子製ECC-83とともに、TELEFUNKEN ECC83◇リブ・プレート58年製同ロット6本が付属していた。

購入後しばらくは真空管のみTELEFUNKENに替え使用していたが、2012年にカップリング・コンデンサを後期オリジナルでも使用されているSPRAGUE BLACK BEAUTYに取り替えたところ、音質が激変したので整流方法もオリジナル通りのセレン整流器を使ったものに変更している。

カップリングCを替えるまでは神経質で薄っぺらい音質に不満があり、よく「球転がし」を仕掛けて少しでも満足の行く音質にならないか足掻いていたが、交換後は全く不満もなくなってTELEFUNKEN ECC83◇の組み合わせが定着しその後の変更はなくなった。

購入して18年近くが経過しているわけだから、ここ数年で購入当初から使用している58年製リブ・プレートにも劣化が見え始めた。

そんな訳で現在は、フォノ段V1〜V2とライン段V4〜V5はエミ減により新品の◇マークに交換しているが、V3/V6のバッファはまだ使用可能である。

早晩寿命が来ることは確かなので、今回このTELEFUNKEN ECC83◇のストックを新たに調達することにした。

画像の4本は共にダイヤ・マーク付きの本物で、左側2本がリブ・プレートと右側2本はスムース・プレート品である。

今回のテーマはプレート横に開いている穴の有無で、スムース・タイプには横穴が2(〜4)箇所上下に開けられているが、リブにはそれが無かった。


TELEFUNKEN ECC83◇マーク/リブ・プレート
TELEFUNKEN ECC83◇マーク/リブ・プレート(横穴なし)

TELEFUNKEN ECC83◇マーク/スムース・プレート
TELEFUNKEN ECC83◇マーク/スムース・プレート(横穴2箇所)

色々調べてみたところ、プレートの長さはMullardなどとは違って全て17mmのロングタイプしかなく、プレート表面がリブとスムースの2種類あることはわかっていたが、プレート横の穴の有無についてははっきりと理解していなかった。

そんな訳で真贋を確かめる時にボトムに◇刻印は必須ながらプレート横に穴がないのは本物ではないとの噂もあるが、リブ・プレートにはそもそも横穴が無いようだ。

さらにスムース・プレートの横穴も画像のTUBEは上下2箇所だが、3〜4箇所空いているTUBEもあるようなので、この辺りもご注意いただいた方が良いだろう。
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■ TUBE TESTER (真空管試験機)

計測器マニアには(真空管だけに)タマらないTUBE TESTERのお話。
最近不必要となった真空管の断捨離を推進しているが、それでも諸々100本以上のストックがある。

それらの真空管の良否やペア組みの選定をするため、エミッション型とGM測定型の2種類のTUBE TESTERを使用している。

※共にアメリカ製機器ですから117Vにステップアップして使用しております。


エミッション型はHEATHKIT/IT-17という機種で、ヤフオクで調達したものである。

若干計測数値が怪しかったので、自力で劣化の可能性のあるオイル・コンデンサーをフィルムコンに、またセレン整流器をダイオードに交換している。

更に頑固親父さんに依頼して測定値に影響する不良抵抗などの良品交換を実施してもらっている。

○IT-17での合否判定方法

@電源を入れる。右中段のSET LINEダイヤルをOFFの位置から時計回りにメーターの針がLINE TEST中央の50を示すまで上げて行く。

A画像にはCalibration Tubeの6L6メタル管が先に挿してあるが、中央の窓表示から左右のダイヤルを回して6L6を選び出す。


B判定する6L6 TYPE→3/FILAMENT→6.3/PLATE→27/TOP(T)→CDE/BOTTOM(B)→GHの計測条件表示を確認する。

C右下段のTYPEダイヤル→3/左中段のFILAMENTダイヤル→6.3/左下段PLATEダイヤル→27に合わせる。

D下段横一列(A〜N)のレバーC・D・E→T(TOP)上に上げる、G・H→B(BOTTOM)下に倒す。

E右上のSHORT ADJ. LINEノブを下に押し下げて合否判定(BAD/?/GOOD)する。

判定結果はGOOD(58〜100)の88を示しているので非常に良好という判定になる。(BADは42以下)


GM測定型は軍用TV7でお馴染みのHICKOKが1950年代に生産したModel 533を、セカイモン経由でアメリカより調達したものである。

購入当初は計測時にメーターの揺れ(フラつき)症状が出ていたので、頑固親父さんに依頼してメンテナンスをお願いしている。

修理内容は、回路図上はメーター端子にコンデンサーが配置されていたが欠落していたので加え、計測スイッチのクリーニングを行なっている。

○Model 533での測定方法

測定精度を判断するため、アメリカより画像のModel533で使用可能なCalibration tubeを調達している。

RCA製メタル管で5628μmhoの正確な計測値が示されている。

このTUBEを使用して計測の手順を説明する。

@左中段のPOWERスイッチをON。(右中段パイロットランプ点灯)

A下段表示窓に右側のダイヤルを廻して6L6を選び出す。

B測定するTUBE TYPE 6L6→右側PILOTランプ左のFILAMENTダイヤル→6.3/中段横一列SELECTORS(7つのノブ) →左からJ・R・5・3・4・7・2/

中段左BIASダイヤル→23/中段右ENGLISHダイヤル→88にそれぞれ合わせる。

PRESS(測定ボタン)P4/MUT.COND(基準値)5000

C合否判定する時は右下MICROMHOSレバーを左ENGLISHに合わせる。

D計測前に下段横一列ボタン右端のLINE.ADJを押して、メーターの針をボタン左のLINE ADJUSTノブを回して中央のLINE TESTに正確に合わせる。

EP4ボタンを押してスケール上の針の位置で判定する。GOOD(緑)範囲内を指せば合格、REPLACE(赤)なら交換、?は早めの交換必要。

FGM計測時には、右下MICROMHOSレバーを計測するTUBEの値から3000/6000/15000スケールの中から選択。6L6→6000スケール

GP4ボタンを押してスケールの値を直読する。


  

GM計測値は5600を超えた付近を示しているので、Calibration tubeの実測値(5628)とほぼ合致している。

※ENGLISHでの合否判定を行なっていないが、GM測定で基準値5000を超えているのでそれだけでも元気な状態と判断できる。


更にこのModel 533にはLIFE TESTという便利な機能(右下スイッチ)がある。

通常の合否判定やGM測定時には上NORMALで計測する。

真空管の寿命を判断する時、下LIFE TESTでのGM計測値がNORMALの計測値の75%以下なら寿命、といった仕組みである。

6L6ではGM基準値だけで廃棄値が分からなかったが、廃棄値がわかるTUBEではこの値を下回ると既に寿命と判定できる。

GM測定値が廃棄値〜基準値の間であれば使用可能、基準値を上回れば元気な状態と判断している。

新品でもGM基準値を下回るTUBEもあるが、合否判定などと組み合わせて状態を管理している。

この試験機は大変重たくて、計測するたびに肩が悲鳴を上げている。                               3/28

    

■ 桜の開花状況

あと数日で新年度を迎える。

毎年この時期になると、近隣の荒川沿い遊歩道に咲き乱れる桜並木を撮影することにしている。

今年は3月20日(金)「春分の日」の花見となったが、東京に比べるとこちらはやや開花が遅れているようだ。

樹によっては満開に近いものもあるが、その隣が蕾だったりするので、並木全体が一斉に満開となるような感じではない。

3月下旬になって、新型コロナウイルスの世界的な蔓延拡大を受け、各国で厳しい外出制限や渡航禁止処置が取られている。

そのため生活必需品への需要が集中して、スーパーのトイレット・ペーパーの棚などは依然として品不足が続いている。

経済活動の長期間停止を余儀なくされた中小企業の倒産増加が予測される中で、なんとあのTOYOTAがパンデミック長期化に備えて1兆円もの融資枠を銀行団に要請したのは驚きだった。

定年して外出機会が減少し引き篭もりに近い生活を送っている我が家では、幸いなことに感染などのリスクは少ないが、週3〜4日通っている地元スポーツクラブの施設利用が禁止となって、喜んで良いのかますますオーディオに接する機会が増えている。                              3/30

    

■ 無題・・・・・

月末に実家より急報があり、深夜高速にて京都へ車を走らせる。

新年度初日から数日を掛けて一通りのお弔いを終え、一旦関東に舞い戻る。

新型コロナの急激な感染拡大により身動きが取れなくなるのを恐れ、初七日を待たずして早めに帰路につくことにしたのである。

西に位置する鴨川の桜並木は8分咲きだが高野川の方は満開に近く、火葬場に赴く車列に最後の彩りを添えていた。 4/4

    


■ Chriskit MARKY Custom

今年度最大のプロジェクト「新規アンプ導入計画」の進捗状況は、真空管をチョイスしたCの後、工房の製作開始待ちが続いている。

老境に差し掛かると、この「待ち侘びる」=『その時や事態が来ることを非常に期待して時を過ごす』というのも楽しいものだ。

その工房から借り受けた6AR6シングルアンプは、その後もクラシック向きの美音を楽しませてくれている。

さて、Chriskit MarkYのプリアンプと組み合わせ、ROCK&POPS用GOODMANS AXIOM150MkII/3WAYで使用するようになったSV-91Bは、

理想的で素晴らしいマッチングを見せている。

Chriskitプリアンプは昨年、カップリング・コンデンサをWEST CAPに交換して電解コンデンサーも一部銀タンタルに換装している。

UESUGI TAP-31とコンビを組んでいた時、使用する真空管については試聴して決め込んだがそのままとなっていた。

新たなSV-91Bとの組み合わせでは馬力のある重低音に満足感も高く、搭載フォノイコを使用したOrtofon SPU-GEのタイトな音質は全く素晴らしいものだ。

そんな中、Mofiのフォノイコをライン段に繋いだEMPIREの音質にも特に不満はないが、Shureフォノイコ経由のShure M44-Gの音質に高域のトゲがあるのが唯一不満となっていた。

そんな訳でこの辺りの問題を解決できないかいつも通りの「球転がし」を仕掛け、音質の変化を試してみることにした。

これまではフォノ段V1〜V2にLUXの選別管MATSUSHITA12AX7G/バッファV3にはMullard ECC83Long・Plate/ライン段V4〜V5のECC82にはMullard CV4003(8136)/V6バッファにはTELEFUNKEN ECC83◇という組み合わせだった。

これをV1〜V2にMullard ECC83Long・P/バッファV3にTELEFUNKEN◇/V4〜V5のECC82にはMullard 4003(8136)/V6バッファにはMullard ECC83Long・Pを組み合わせて、Marantz7Rなどの過去の経験を生かした最強の組み合わせでチャレンジしてみることにした。

特に不満がある訳でも無かったフォノ段についても、MullardとTELEFUNKENの組み合わせに替えて試聴を開始する。

低域の量感と高域の解像度をあわせもったMullard/Long・Pに◇マークの組み合わせは、キレ味の増加が聞き辛さにつながるのではとも思う。

そんなことを考えながら試聴したところ、やはり圧倒的な押し出し感のあった低域の勢いが弱まり、迫力の落ちた上品な音に変わってしまった。

そこでバッファには元通りMullard/Long・Pを使い、V1〜V2には米RAYTHEON12AX7A/Black・Plateを持ってきたりもしたがこれも今一歩。

最終的にはV1〜V2をがむしゃらな勢いで闊達な音色のMITSUBISHIとして、バッファにもMullard/Long・Pという元通りの組み合わせに戻った。

次に少し違和感のあった問題のライン段である。

ボックスプレートのCV4003(8136)をそのまま残して、バッファのTELEFUNKEN◇マークをMullard/Long Pにチェンジする。

そうすることで切れ味抜群の◇マークから、高域をやや大人しく色付けさせる狙いがある。

その結果、違和感のあったShure M44-Gで思い通りの改善効果を得られ、EMPIREでもグルーブ感のある音色のまま高域の抜けが良くなった。

今回もこのような試行錯誤の結果、なんとか理想に近い音色で楽しめるようになったと感じている。      

もちろんケーブルの変更などでも音質は大きく変わる。

しかしアンプに内蔵されている真空管の「球転がし」の方が、微妙な音質の変更が可能で交換作業に手間取らないのが良い。

好みの音に色付けを変えられる真空管アンプは素晴らしいと今更ながら感じている。                            4/5

    

■ 緊急オーディオ活動宣言

遅ればせな感じが否めないが、緊急事態宣言が発令されることとなった。

細かな対応は各自治体の判断に委ねられる模様だが、不要不急の外出自粛要請が強まりそうだ。

子供たちは体力を発散する場を失われストレスが溜まる心配が深まるが、オーディオを趣味とする年配のおじさんたちは引きこもりが全く苦にならない。

そんな訳で趣味の音楽鑑賞やオーディオ実験室の取り組みを細々強化することにしましょう。

本日のテーマは「ターンテーブルシート(マット)」である。

主にクラシックを楽しんでいるGoodmans AXIOM22MarkII/2WAYは、TAラボよりお借りしている6AR6シングルアンプを使って駆動している。

アナログ・システムにThorens TD126+MCH-IIを使う場合、これまでと違って低域方向へのバランスが少し希薄なため、高域がヒステリックに感じることがある。

このトーレンスのプレーヤーには付属していたマットは厚過ぎてカートリッジの高さ調整が難しく、ブチルゴム系シートOYAIDE/BR-12を組み合わせている。

このタングステン配合シートは明るく押し出しの強い音質特性が、どちらかといえばROCKやJAZZ向きではないかと考え、今回新しいシートを試してみることにした。

昨今、アクセサリー類にも高単価の波が押し寄せていて、1万を超えるような商品も多数販売されているが我が家ではそんなグッズに用はない。

選んだのは比較的安価なAETのシート(HPDM-2913M)で、「アナログリスナーに捧げる新世代ターンテーブルマット」の謳い文句が明記されている。

重みのあるゴム系のオヤイデと比較すると軍需用途に開発された新素材らしく、Nottinghamの純正マットと同じような非常に軽いマットだ。

Garrard401には5mm厚の純毛フェルトシートを使用しており、NottinghamにはパイオニアのJP-501ブチルゴムシートを使用している。

どちらかというとゴム系のシートは低域方向の量感が豊かになり重心が下がるが、フェルト系は抜けが良くなって濁り感がなくなる傾向がある。

その抜けの良さが効果的に働いて、高域に独自の繊細感を持っているMCH-IIの音色が柔らかくなれば有り難い訳だ。

さて、クラシック系ソースを使用して、早速比較試聴を実施することにしよう。

一聴して新たに購入したAET機能素材シートは、音場に立体感は出るが高域のサーフェスノイズが耳につく、やや密度の薄い音色で即NGとなってしまった。

やはり軽めの素材は無理かと早々に諦めて、ゴム系の手持ちのシートを片っ端から試してみることにした。

  

この中で比較的バランス良く聴こえたのが、厚めのThorens 純正マットと東京防音の安価なハネナイト素材のマットである。

そんな訳でThorens純正マットは厚過ぎてアームの高さが足りなくなるので、これまで使用する機会のなかった東京防音のマットを選ぶことにした。

OYAIDEのマットと比較して、優しく大人しいバランスの音色となる点が良かった。

軽量の機能素材のシートは、余程低域の量感があるシステムでないと音色バランスが取れないのではないだろうか。                      4/7

    


■ 久しぶりにMCカートリッジの話題

引きこもりオーディオ活動継続中。

こちらはNottingham INTERSPACE-ARMに装着しているLYRA Clavis.D.C(ダ・カーポ)である。

発売はSPU MEISTERと同時期の1995年。

STEREO SOUND「コンポーネント・オブ・ザ・イヤー'94〜'95」のカートリッジ部門で、SPU MEISTER と1位を分け合っている。

高精度インタースペース・アームを生かせるカートリッジとして中古で購入したが、購入後十分に活用しないまま不注意にもカンチレバーを根本から折ってしまった。


  


そのまま廃棄するのも忍びないので、たびたびお世話になっている富山の修理業者にお願いして外径接合により根本からカンチレバーを付け替えた。

オリジナルはセラロイカンチレバー+針先3×30μダイヤモンド無垢針のところ、アルミパイプカンチレバー+ダイヤモンド接合楕円針で修復している。

左画像のオリジナルと右画像の修復後を比べていただくと、カンチレバーが倍以上の太さになっているのがお分かりいただけると思う。

心臓部の強力なネオジウム磁石は同じで音質がどれほど変わったかはよく分からないでいるが、安価な修理代を考えれば文句は言えない。

さて、久しぶりにパワーアンプをSV-91Bに入れ替えたGoodmansSTAGE3/3WAYを使って愛聴盤に針を落としてみた。

MCトランスにはLangevin408Aを組み合わせている。


Pink Floyd 『P・U・L・S・E』


こちらは1995年にリリースされた新生ピンク・フロイドのライブ・アルバムである。

その後の『LIVE IN GDANSK』や『LIVE AT POMPEII』などライブの原型となるが、『狂気』の再現を含んだこちらのアルバムが最も完成度が高いと感じている。

巨大なドーム型ステージに降り注ぐライティング・シャワーが生み出す幻想的なイメージを、このカートリッジは立体的な構築力で余すことなく表現してくれる。

ワイドレンジで緻密な表現力が持ち味のカートリッジだが、それが決してきつさや煩さに繋がっていないところに好感を持っている。           4/10

    

■ 真空管のソケット

引きこもりオーディオ活動継続中。


SV-91Bアンプの音質には満足しているが、以前一度交換した整流管用GTソケットの具合が今一歩しっくりこない。

しっくりこないと言うのは音質的な問題ではなく、真空管を挿入してもグラ付きが激しくてなんとなく頼りなく感じている点にあった。

前回交換したのはオリジナルと同様の中国製オクタルセラミックタイプだが、今回はもう少し品質の高いUSA製を選ぶことにする。

同時に300BのUX4ピンの方も、セラミック中国製からUSA製に交換したかったが、こちらは取り付けサイズが合わず断念した。

左上はAMERICAN PHENORIC(アンフェノール)UX4ピン、右上は40年ほど前にウエスタン狂のオーディオ仲間からもらった米NATIONALセラミック4ピンソケットだが、ともにサイズやピン配置の問題で取り付け不可となった。

GTソケットはいつもお世話になっているバンテックさんより調達した、信頼性の高い米EBY製のMIL規格オクタルソケットだ。

  


しかし、UX4ピンソケットについてはe-bayを含めネットを通じてかなり探してみたが、良質なものはほとんど枯渇しているようだ。

現在生産されている中国製はいつも通り財布に優しいのはありがたいが、工作精度が低い上にバラツキも多く、接触不良を起こすものがあるようだ。


GTソケットを良質なものに取り替えたところ、期待通りピンの食い付きも良くなって精神衛生上すこぶるよろしい。 

今回、真空管アンプの重要なパーツであるソケットを従来の中国製から質の良い国産かUSA製に改良したかったが、またしても持ち越しとなった。

相変わらずハンダの技術に上達が認められず、配線材の被覆を焦がすなど全く汚い仕上がりで悲しい限りである。                              4/13

    

■ AXIOM22MkII+UESUGI TAP-31


いつまで続くのか、引きこもりオーディオ活動継続中。


久しぶりにEL-34TRIODE/NON-NFBプッシュプルアンプUESUGI TAP-31を持ち出し、GOODMANS AXIOM22MkII STAGE2に組み合わせて聴いてみる。

考えてみると昨年このアンプが我が家に来てから、組み合わせるのは初めてだ。

ここ数ヶ月に渡って6AR6シングルアンプで楽しんできたが、やはりプッシュプルのアンプで駆動すると音質傾向がかなり違ってくるのがすぐ分かる。

音場の見通しが良くなり、それぞれの音のエッジがハッキリして解像力と描写力がともに高まって聴こえる。

シングルでは詳細に描写するのではなく全体をシルキータッチで包み込む音質傾向が、コントラストのハッキリした分だけきめが荒くなったように聴こえてくる。

よく伸びた低域にも十分なパワーを感じさせる力強さがあり、この低域が土台となり全帯域に渡って説得力のある音質傾向を特徴付けている。

プッシュプルの中では比較的繊細で柔らかい美音系アンプに感じたが、シングルアンプと比較すると男性的に感じるほど音質傾向が異なっていた。

やはりクラシックオンリーで楽しむなら、シングルアンプの滑らかさを好ましく感じた。                               4/14

    

■ 接点クリーニング

至って真面目に、引きこもりオーディオ活動継続中。

本日のテーマは真空管アンプ愛好家なら必ず経験のある「ガサ、ゴソ」ノイズの解消にチャレンジである。

一時緩和したと思ったが、最近またChriskit MarkYプリアンプの発するこのノイズが気になり始めた。

これらのノイズはもっぱら真空管のピン(足)とソケットピンの酸化が引き起こす接触不良が原因となっている。

真空管のピンはクリーニングや磨きをかければ何とかなるが、劣化したソケットの方はこれまで新品に交換するしかないと考えていた。

Marantz7では同じ問題で悩まされた時にいつもの専門店に修理をお願いしたところ、真空管ソケットがカシメ留めされているために簡単に交換することができず、ピンを1本ごとに交換するしかなく苦労したとの話を伺った。

こちらのプリアンプは1970年代中頃の製品で、真空管はプリント基板に取り付けられた基板用のMT9ピンソケットを使用するタイプである。

これをシンチなどに取り替えれば問題は解決するはずだが、ソケット取り替え時にボケをかまして基板のパターン切れなどを起こすのが心配である。

ソケットの寿命は承知だが、何とか接触不良を解消できないものかとクリーニングを徹底してみることにした。

いつもは基本の綿棒と歯間ブラシに無水エタノールを使って処理しているが、今回は和光テクニカルのオイルとクリーナーを試してみることにする。

ゲイグなどの接点復活材は避けた方が良いとの話もあるが、こちらのアイテムはアルコールを主成分としているので悪影響はないかと思われる。


  


手順としては、真空管のピンやソケットピンをメタルクリーナーMC13を使って汚れを落とし、チタンオーディオオイルTi-102で保護する。

ソケットのクリーニングには歯間ブラシを使用していたが、今回使用した先の尖った工業用綿棒もなかなか優れものである。

今回この方法でクリーニングした結果、直近でクリーニングしたばかりだった真空管とソケットの両方とも、使用した綿棒には黒ずみが出ている。

クリーニング後の結果については、「ガサ、ゴソ」ノイズはかなり改善され気にならなくなったが、耳を澄ませば継続的なホワイトノイズも出ている。

たぶんこれはこのアンプ固有のもので、少し雑音が大きめなのは全体的なハンダの劣化などが影響しているものと考えられる。

今度症状が悪化した時は、やはりソケットの交換が必要なのかもしれない。

その時には頑張って、基板用ソケットの交換にチャレンジすることにしましょう。                                        4/15

    

■ EMPIRE4000DIII

  


依然として引きこもりオーディオ活動を継続中。

今回は1970年代に生産され、その後半世紀近く経過した令和の時代に至っても愛用者の多い、EMPIREのMI型フラッグシップ機がテーマとなる。

現在アナログプレーヤーのEMPIRE598Nには、EMPIRE1000ZE/Xの純正組み合わせでポップスなどを中心に楽しませてもらっている。

この1970年代初頭の米国製プレーヤーには、内部配線をオーグラインと102SSCに換装したEMPIRE980アームを搭載しており、音質の方もオリジナルの古臭いナローレンジなものからリフレッシュされている。

以前その1000ZE/Xと音質を比較し、全く精彩を欠いていた4000DIII。

その後、そんなはずでは無いとテクニカのスタイラスクリーナーでクリーニングを行なっていたところ、針先が取れて無くなってしまった。

高倍率のルーペで針先を確認したところ、円柱形の金属台座は確認できるがスタイラスチップだけ綺麗に取れており、これは明らかに安価な接合針の構造だ。

このカートリッジは90年代に調達したもので、カタログには「4面でカットされたダイヤのムク針」とあるし高価な価格設定からダイヤモンド無垢針が妥当だが、そもそも販売価格が6〜7割引と2春価格に近いものだったことを思えば実際のところはハッキリしない。

とにかく今更オリジナルは諦めて、今回は右画像のJICO製の交換針(シバタ針)を調達することにした。

組み合わせるヘッドシェルは1000ZE/Xが山本音響工芸製HS-1A(アフリカ黒檀)で、4000DIIIの方はHS-3(ツゲ材)を使用している。

音質の好ましい1000ZE/Xにはドライカーボンのスペーサーがシェルの上に挟んであるが、4000DIIIの方は新たに調達したカーボンシートのサイズが少し大き過ぎるので、シャルとカートリッジの間に取り付けた。


  

さて、新しい交換針に付け替えてカーボンシートを使用した4000DIIIは、先日試聴したものとは全く別物の響きを見せている。

やはり針先が既に寿命だったようで、これまで嫌と言うほど聞かされてきた評価のとおり、フレッシュでワイドレンジなとても心地の良い音だ。

1000ZE/Xと比較しても帯域が上方に伸びた影響で重心がやや持ち上がり、低域のにじみが消えて情報量の多いクリアな音質となっている。

LPを2〜3枚と聴き進むに連れて下ろし立ての針先が馴染んできたのか、低域の量感が増して中高域にキレが出てきた。


「そうだ、そうだ、この音質だよ」と納得してポップスの愛聴盤に次々と針を落とし、ニンマリと悦に浸っている。                              4/21

    

■ SHELTER


引きこもりオーディオ活動を継続中。

SHELTERは旧FRの技術者が1986年に立ち上げたアナログオーディオ専門メーカー。

今回導入したMODEL501Classicはアルミカンチレバーに丸針を装着したオーソドックスな構造のカートリッジで、販売開始は2007年頃のようだが現在でも品揃えに名を連ねているベーシック機種である。

丸針の名器として人気のあるDENON DL-103と比較されることが多いらしいが、現代版日本製カートリッジの音質を試してみたくなり購入することにした。

我が家にもDL-103/DL-103C1の2機種があるが、どうしても高域の潤い感や艶かしさを乏しく感じて、もっぱらOrtofonの楕円針を愛用している。

そのような音質傾向が針先の形状に影響されているとすれば、また同じ結果になるのかもしれない。

さて、組み合わせには今年度調達した現行Mofiのフォノイコに、昇圧トランスはDENONの時と同じくPeerless4722を使用することにした。

POPS&ROCKの愛聴盤を使用して慎重に針を落とすと、一聴して音数の多いワイドレンジな音質が感じ取れる。

音域的には中低域に重心を落としたバランスで、高域の質感がソフトなためか耳障りな音の一切しない心地良い音色が持ち味だ。

かといって高域が伸びていない訳ではなく、繊細感もありそれなりの情報量を持っている。

音場の左右の広がりと奥行きともに自然で、伸び伸びとした響きや余韻の美しさを感じることができ、DL-103とはかなり異質な音質に感じた。

製作に当たった技術者は鉛筆に例えると「2B」と喩えていたが、決して太いばかりの音質ではない好ましい響きを持っている。                           4/23

※追記・・・・・・・何気なく90年代のSTEREO SOUNDを眺めていたら、1995年/No.116にこのカートリッジに関する記事があった。

501TypeIIの試聴記で、「本機の姉妹機としてモデル501の針先を0.65milの丸針としたモデル501クラシックがある」との説明があった。

    

■ SHELTER MODEL501 Classic


引きこもりオーディオ活動を継続中。


昨日から試聴開始した新しいMCカートリッジ。

誇張された意図的な色付けを全く感じさせない、自然な音色がとても気持ちが良い。

ライブ録音を聴いていても、その会場の中に溶け込んでいるような感覚を味合わせてくれるカートリッジだ。

低域の押し出しに迫力があるとか高域にキレや艶があるという感じはしないが、なぜかほのぼのとした心地よさを感じさせてくれる。

清流のような滑らかさを持ったカートリッジで、オーディオ機器の存在を忘れさせるような味わいを持っている。

このナチュラルな感覚はとても貴重で、常用のカートリッジとなって使用する頻度が多くなりそうだ。                                      4/24

    

■ オーディオ工作室  「増設アームベース編」  

引きこもりオーディオ活動を継続中。

本日は、Nottinghamのプレーヤーに増設している「自作アームベースの改良に取り組む」の巻。

左がSHELTERを使用しているGRACE G-565ロングアーム、右は現在お休み中のaudio-technica AT-1503IIである。

これまではベースの底4カ所に振動吸収ゴムを貼り付けていたが、自重がそれほどでも無いためグラ付きがあり頼りなかった。

オーディオ用スパイクに交換するのが最も効果的かと思われるが、オーディオ用と銘打っただけで値段が大きく跳ね上がる。

そこで身の回りの金具で利用できるものはないかと考えたところ、棚板を固定するスクリュー式ダボを思いついた。

これなら高さの調整も可能だし強度も十分で、なんといってもコストが大幅に安くて済む。


早速、いつもお世話になっている近所のホームセンターで購入したのが、ダボのオス、メスとそれを埋め込むときに使うダボ錐ドリルである。

真鍮タナダボ メス(10個) \150
真鍮タナダボ オス(10個) \150
六角軸ダボ錐(10mm) \848
   
小計 \1,148
外税 \114
合計 \1,262


お値段の方は上記の通り、圧倒的なコストパフォーマンスで、2台分(8個)使用しても2個余ります。

オーディオスパイクなら1台分(4個)でも5,000円以上するのは間違いありません。

さて、作成手順は@ゴム製クッションを取り除き Aドリルで穴を開け Bダボ(メス)を埋め込む 、で小一時間ほどで完成した。

少しネジの遊びが大きいので高さを調整するのにコツがいるが、グラ付くこともなく十分使用可能なレベルではないだろうか。

固形のグリスなどを流布すればちょうど良い塩梅になるのかもしれない。

如何なものでしょうか?

場所さえあればアームの増設はそれほど難しくはありません。

Ortofon/SME/FRなど人気のアームは高価なので、格安で高性能なアームを吟味して使用しております。                     4/25

※追記

高さ調整のためタボを緩めた時に発生するネジの遊びについては、万能グリースを塗り込んでほとんど気にならなくなった。

さらにTAOCのボード上にアームベースを設置すると簡単に横滑りするので、手持のオヤイデのスパイクベース(4個/約1,600円)をダボの下に置いたところ、ベースがその分高くなるがコストパフォーマンス最高の理想的なアームベースが完成した。


  


メデタシ メデタシ。                                                                     4/26


    


■ 不思議なSHELTER


 


引きこもりオーディオ活動。

継続してSHELTERのカートリッジで楽しんでいる。

昨年試聴したKOETSU BLACKに似てハーモニーがとても自然で美しく表現されるが、こちらの方がワイドレンジでさらに滑らかさがある。

この辺はボロンカンチレバー+ラインコンタクト針とアルミカンチレバー+丸針の違いによるものなのだろうか。

また、光悦の時には感じなかったが、なぜかこのカートリッジで音楽を楽しみたいと思わせる不思議な魅力を持ったカートリッジだ。

POPS&ROCKなどではよく弾む低域の量感も十分だし、クラシックでは弦楽器のナチュラルな繊細感がとても心地よく感じられる。

それほど高価でもなくネット上にも愛用者からの投稿はあまり見かけない機種だが、十数種あるカートリッジのなかで特にお気に入りのものとなった。

4/28


    

■ GRACEのトーンアーム

引きこもりオーディオ活動。

GRACE(品川無線)はオーディオ関連の開発企業で、1980年代のCDの登場によりオーディオからは撤退するが、現在も会社自体は存続している。

特にNHK放送技術研究所と共同開発したMM型カートリッジのF-8シリーズや、工作精度の高いトーンアームは1970年代からオーディオマニアの憧れの的だった。

我が家でもこのGRACEとaudio-technicaのアームを愛用しているが、製造後半世紀近く経っても高い品質と音質の良さを維持しているのは驚きである。

それらのアームは21世紀に入ってから中古購入したものだが、選んだ理由がOrtfonやSME、FRなどの人気商品と比べ手頃な調達価格にあるのは間違いない。

さて、画像はG-545(F)ショートアームとG-565(F)ロングアームである。

後発のモデル番号末尾にFがついている商品は、4チャンネルレコード再生向け低容量シールドケーブルが採用されている。

ジンバル・サポート方式を軸受に採用した美しいフォルムも、音質だけでなく所有したいと思わせる大きな要因となっている。

工作精度の高さはこのウエイトのネジ一つからも窺える。


ピッチが昔のインチネジのようで簡単に換えが効かないのが困り物だが、ネジ先の白いストッパーは単純に接着してあるわけでなく埋め込まれる構造となっている。

こちらは2種類の純正フォノケーブル。

左が通常のケーブルで、右がモデル番号末尾にFがついている商品に付属している低容量シールドケーブルだ。

低容量シールドケーブルの方にはPC-4の型番がある。

この「低容量」というものがよく理解できなくて色々調べたところ、1970年に開発された4chステレオ(CD-4)の音楽ソフトに対応した、高い周波数帯域を減衰させないフォノケーブルのことだった。

さらに当時のようなMMカートリッジの全盛時には、カートリッジごとの負荷容量に環境を整えないと、高域が強くなったりすることがあったとのことだ。

MCカートリッジでは特に気にする必要はないらしいが、最近使用する機会の増えたSHUREやEMPIREなどの使用時には注意が必要だということになる。

SHELTERのカートリッジ購入後は、MM/MI/VL型などの機種はEMPIRE598で使用するようになった。

GRACEのアームではもっぱら軽針圧MCカートリッジを使用しているので低容量シールドケーブルの必要性はないはずだが、一度音質の比較をしてみることにした。

カートリッジには最近お気に入りのSHELTERを使用することにする。

まず、純正2種類のケーブル比較では、やはり後発の低容量シールドケーブルの方が若干レンジが広く、ワンランク上の印象を持つが基本的には同傾向の音色だ。

どちらも半世紀前の古い製品でどのような線材を使用しているのかは明らかではないが、OFC(無酸素銅)などの導体はすでに採用されていたのだろうか?

そんな訳で今回、オヤイデフォノケーブル自作セットにカルダスのM-DINプラグを使用して、新しいケーブルへの交換を思いついた。

(GRACEのフォノプラグの差し込みプラグは画像の通り、現在主流のメスではなくオスタイプなので、自作するしか新しくする方法はない。)

このオヤイデのセットで使用しているケーブルは102SSCの1芯シールド線で、この導体はEMPIRE980の内部配線材としても使用している。

流石に半世紀の間にオーディオ用として使用される導体も、進化を遂げているのは間違いないことが交換してすぐに感じ取れる。

不純物だらけの古いWE銅線をいまだにオーディオマニアが好んで使用している例はあるが、音楽性はともかく明らかに音数が増えクリアで力強い音質に変わった。

エンジンの馬力がアップしてスピードが時速から音速に変わり、シワだらけだったヨボヨボの老人がはち切れんばかりの肉体を持った若者に変身したイメージだ。

値段は安価なのでもう一本作り、Ortofon MC30シリーズを使用しているお隣のGRACE G-565Fも新しいケーブルに付け替えることを考えている。                         4/30


    

■ オーディオ工作室 「フォノケーブル編」


引きこもりオーディオ活動延長戦。

今日のテーマはMC型以外のカートリッジで使用することにした、EMPIRE598用フォノケーブルの作成である。

以前に何度か投稿させていただいているが、この1970年代のアメリカ製プレーヤーはアームをEMPIRE980に交換しており、アームの内部配線をプレーヤーキャビネットの後部ターミナルまで伸ばしてそこからRCAケーブルで配線できるように改造している。

これまではプレーヤーからSHURE M64フォノイコまでの配線はFUJIKURA RG-174/U(線間容量101pF/m)を使い、そこからプリアンプへはBELDEN8412(線間容量108.3pF/m)を使用していた。

MM型などのカートリッジではそれぞれの負荷容量に環境を整えないと高域が強調されるとのことだったので、フォノケーブルを線間容量の異なるCANARE2芯シールドケーブル(線間容量73pF/m)に交換してみることにした。

負荷容量に適応させるといっても、その範囲がカートリッジからフォノイコまでの全ての配線(リード線〜アーム内部配線〜フォノケーブル)と、フォノイコまで含まれるというから話がややこしい。

一般的なMM型カートリッジの推奨負荷容量は100〜200pFを指定しているらしいが、このカナレのケーブルは長さを考慮しても100pFほどである。

ちなみに先日製作したGRACEのフォノケーブル(102SSC 3398-SY)は、線間容量280pF/mである。

これがリード線やフォノイコまで含まれると一体どれぐらいの負荷容量になるのかは想像もつかないが、結局合わせてみるしかないとの結論に至った。

そんな訳で秋葉原の千石電商から部品を配送で取り寄せ製作を開始する。

今回選んだケーブルはThorensにも使用しているカナレの2芯ケーブルで、プラグは前回のGRACEと同様にスイッチクラフトの金メッキプラグを使用する。


    


左はプレーヤーとフォノイコを接続しているFUJIKURAの(MIL規格同軸)RCAケーブルで、右が今回製作したCANARE RCAケーブルである。

方向性は皮膜にプリントされている文字に合わせている。

一時間ほどで完成しEMPIRE1000ZE/X(静電容量100pF)で試聴すると、 ベルデンとは線間容量にもそれほど大きな差がないためか音質も大きな違いはないように聴こえるが、交換後の方が低域のにじみが消え見通しが良くなった。

しばらく聴いていると、ベルデン特有の滲み(よく言えば厚み)が消えた分、音場がすっきりしてそれぞれの楽器の分離が良くなったように感じている。

負荷容量の高いSHURE M44(450pF)ではまだ試していないが、問題が無ければこのまま使って行こうと考えている。                         5/10


    

■ 6AR6シングルアンプの試聴C

引きこもりオーディオ活動延長戦

依然としてクラシックを聴くときは、チューブ オーディオ ラボ さんからお借りしているシングルアンプを使っている。

整流管には英STC/CV717/5R4GYを使用していたが、最近になって高域の質感が滑らかで音色に温もりのあるGZ32/CV593に変更している。

一昨年トランスの寿命によりQUADIIの使用を諦めたときに整流管のMULLARD GZ32/CV593の大半を処分したが、エッチングコードが無く出所が分からない2本が手元に残っており、その内の1本を試してみたところなかなかの音色だった。

ブラウンベースにG.P.O.(General Post Office)の印字があり、構造からMULLARDブラックバーン工場製と思われるが、管壁のコードが消えてしまっている。

STC/CV717/5R4GYでは高域が少し平面的な音色となっていたが、ゆったりとした奥行きを感じさせてくれる鳴り方はまさしくMULLARDの響きそのものだ。

最近は老化のため聴力の衰えもどんどん進んでいるようで、日によってはカートリッジを変えてもあまり音質の差を感じなくなってきた。

若い頃には高域の鋭い響きによって頭が痛くなることがしばしばあったが、幸か不幸か最近はかなり長時間聴き続けないとこの違和感を感じなくなっている。

外出自主規制と同時に体育館の使用ができなくなり、4月初旬よりスポーツで体を酷使する機会がめっきり少なくなっている。

還暦後に再開したスポーツでの肉体疲労はかなり改善されたが、腕を振った時のボキボキ音と肩の痛みだけは整骨院に通ってもなかなか抜けなかった。

最近になって肩甲下筋のマッサージ動画がYouTubeに投稿されているのを発見し、試してみたところ長期間苦しんでいた肩の痛みがやっと引いてきた。

ランニングやウォーキングだけは適度に実施しているが、6月からは体育館通いを再開できないものかと考えている。                                 5/13


    

■ 新たに調達した真空管

ホームタウンの埼玉県は依然として外出自粛が解除されないので、引きこもりオーディオ活動延長戦が続いている。

真空管アンプとアナログレコードで音楽を楽しんでいるオーディオ愛好家は、真空管やカートリッジを替えることにより色々な音色を楽しむことができる。

そんな訳で真空管全盛期に各国で生産された音質の優れたTUBEを探し出し、その音色を楽しむことが真空管愛好家の楽しみとなっている。

今回調達したBRIMAR(STC)6060/CV4024(12AT7WA)は、1950年代後半から60年代初頭にかけて製造された黄色Tデカールの貼られた希少球だ。

昨年にUESUGI TAP-31を導入するまではECC81/12AT7の使用経験はなく、純正のPHILIPS ECGに加えてTELEFUNKEN ECC81◇を購入してあった。

そのTELEFUNKEN ECC81◇1本にノイズが混じるようになったので手頃なTUBEがないか物色していたが、同じダイヤマークの出物もあまり見かけないので、こちらのBRIMAR「Yellow T」に狙いを定めヤフオクにて落札した。

BRIMARは通常の1970年代に製造されたECC83を複数個所有しているが、特にこれと言ったクセのないナチュラルな響きが持ち味のTUBEだと感じていた。

それらと比較するとこの古い「Yellow T」は英国パートリッジのトランスが聴かせてくれた高域の美しい硬質感と、グッと締まった迫力ある低域を楽しませてくれる。

Telefunken801Sなどと並び称されると言うのも納得させられる音質ではないだろうか。

Chriskitプリアンプのライン段に使用しているMullard M8136/CV4003を少し増幅率の高いこちらのTUBEに変えると、低域がタイトに締まり高域の美しい輝きが俄然生きてくる。

想像以上にBRIMARの「Yellow T」は良いTUBEだ。


お次は手持ちの在庫が意外と少ない独SIEMENSブランドのE82CC/12AU7Aである。

SIEMENSは僅かにTriple-Mica E83CCをフォノイコEAR-834Pの初段で使用しているのみで、我が家では英Mullardの影に隠れたBRIMAR同様、♢マークの後塵を拝するブランド扱いとなっている。

この他に我が家のストックを見てみると、1980年代に調達した珍しいE82CCのシングルフランジのTUBEしかなかった。

Chriskitプリアンプで音質を確認してみたが、Mullard M8136/CV4003と相通ずる、ゆったり感のある滑らかで肌触りの優しい音質だった。

Chriskit MarkY CustomはパワーアンプSV-91Bと組み合わせ、GOODMANS 3WAYを使用して主にPOPS&ROCKを楽しんでいる。

今回の試聴でゆとりある優しい音質のMullard/SIEMENSより、エッジがはっきりしてゴリゴリ感のあるBRIMAR「Yellow T」を組み合わせることにした。    

5/20


    

■ 新たに調達した真空管 Part2

他県への移動自粛が徐々に緩和される中、新型コロナ感染患者が再び増加し始めている北九州市などの状況が心配だ。

さて、6月最初の投稿はまたしても真空管の話題。

これまでECC81(12AT7)系TUBEの使用経験はなかったが、昨年導入したUESUGI TAP-31に使われているので徐々にストックを増やしている。

プリアンプChriskit MarkYのライン段に使用されているTUBEをECC82からBRIMAR ECC81に変更すると、響きに実在感が出てきたのでこちらもECC81系に変更。

UESUGI TAP-31に付属しているオリジナル12AT7WCはPHILIPS ECG(シルバニア製)だったが、まず最初に最高峰のTELEFUNKEN ◇マークを調達した。

しかしこのTUBEの1本にノイズが出始めたので、新たにBRIMARの「Yellow T」を調達してこれをプリアンプに転用したところ好結果を得たというわけだ。

今回調達したのはBRIMAR/CV4024で、BRIMARの「Yellow T」より後に製造されたもののようだが、程度も良さそうだったので購入することにした。

購入後、早速HICKOK真空管試験機にて良否判定とGM測定を行い、さらに実機に装着してノイズなどの音質確認を実施している。                    6/2


    

■ MM型カートリッジのその後


先日、MM型カートリッジに合わせて線間容量の低いシールド線を使い、EMPIRE598用に新たなフォノケーブルを自作した。

その後、MI型EMPIREやVL型DECCA、MM型SHURE M44の各種カートリッジで試聴を続けている。

BELDEN8412を使用していた時にはEMPIREのカートリッジが最もバランス良く聴こえたが、交換後に聴くとなぜか腰高のバランスとなってしまった。

それとは逆にSHURE M44シリーズの音質が最もバランス良く響くようになった。

現在我が家にはSHURE M44のボディは3種類、前期カモメマークのM44GとM44E、後期型番のみボディのM44Gがある。

針は6種類、後期ガード付きのオリジナルN44GとN44-7、JICO製N44-7とN44G、KYOWA製N55E、スイスPfanstiehl製N44Eがある。

色々組み合わせてみて最も音質の良かったのが、画像のカモメマークM44Gに後期ガード付きオリジナルN44Gを組み合わせたものだった。

N44E/N55Eの楕円針ではキレが乏しく音質傾向が一挙に大人しくなり、逆にN44-7では少し乾いた荒っぽい暴れ気味の音質となる。

カモメマークM44Gに後期ガード付きオリジナルN44Gの組み合わせでは、このカートリッジの持ち味であるキレやパンチに響きの良さが加わって、これまで聴いた中ではMM型として最高の音質を楽しむことができた。

特にROCK系の曲種には相性がバッチリで、十倍以上の価格のMC型をも凌ぐ音質を味わうことができる。

今後このEMPIRE598ではこの組み合わせがリファレンスとなりそうだ。                                                           6/2 Part2


    

■ 塗装の不思議

MM専用で使用しているEMPIRE598(980アーム搭載型)プレーヤー。

SHURE M44の音質が気に入って、最近使用する機会がめっきり増えている。

今年の冬に徹底的にレストアして、再塗装を行った件はすでに投稿させていただいている。

その時に投稿した画像とアウタープラッターの色が変わっているのをお気付きいただけるであろうか?

実はシャーシやアウタープラッター用に選んだ塗料はオリジナルと同色のシャンパン・ゴールド塗料が見つからなかったので、アサヒペン「メッキ調スプレー/シルバー」を使用して、さらに保護の意味もありクリア塗装で上塗りしている。

最近、何気なしにゴムシートを取り外してみたところ、アウタープラッターの塗料が溶けてネバネバとシートに貼り付いてしまっていた。

塗装の乾燥が十分でないまま使ったのが原因かとも考え、今頃になって使用した塗料の説明書きを注意深く読んだところ、

※金属表面に金属粉を浮かして金属光沢を出すようにしていますので、乾燥後も手や衣服などが触れると金属粉が付着し金造光沢が損なわれます。

※外観が変わったりハガレを生じたりするので、クリアなど他の塗料を上塗りしないでください。

と記入されているが、色だけを考えていてこの注意書きなどは全く気にしていなかった。

アウタープラッターは手に触れると説明の通りシルバーの粉が手に付着するが、シャーシ本体は触れても全然問題もなく表面はクリア塗装でしっかりガードされている。


  


しかしこのプレーヤーに付属する上質なゴムマットは、製造後半世紀が経過しているにも関わらず未だに柔らかく光沢もあり、レコードを載せても吸い付くようである。

今度は念を入れてプライマーで下地処理を行い、プラモデル用タミヤ/ゴールドスプレーで塗装することにした。

さらにタミヤ/クリアカラーで表面保護したが、今回もしばらくすると一部塗料が溶けたようにベトついて、左画像のように所々ゴムマットに塗装が剥がれてしまっている。

しっかり乾燥させたつもりだがまだ十分に乾いていないのか、またこのゴムマットを載せると塗料との相性が悪くて溶け出してしまうのか全くわからない。

仕方なく薄い紙をゴムマットと同じ大きさに切って、右画像のようにゴムマットの下に挟んで使うことにした。

こうすればゴムマットが塗装面に接触することもなく、溶けることもないと考えたがいかがなもんでしょうか?                                    6/4


    

■ 続・塗装の不思議


なぜ本体シャーシの塗装は問題ないのにプラッターの塗装は溶けるのだろう?

この不思議な問題を解決するため、塗装についてあれこれ調べてみた。

そうしたところ、ターンテーブルマットの柔軟性を保つためにゴムに添加されている可塑剤が影響しているのではということが分かった。

この可塑剤が塗装面に付くと塗料が溶ける性質があるとのことで、だからシャーシ本体の塗装には問題なかったとの結論に達した。

そんな訳でこの可塑剤の影響を受けないクリアスプレーはないかとあれこれ探してみたところ、車用のCRCシャーシーコートクリアが使えそう。

早速、この水性コート材を表面に流布して使うことにした。

再び可塑剤の影響を受けると最初から塗装をやり直さなくなるので、プラッターとマットの間には紙を挟むことにした。                       6/7


    


■ 2台のGoodmans

有難いことにこの稚拙なHPの愛読者が少なからずいらっしゃることを、最近いろいろな場面で知るようになった。

掲示板やオークションを通じてなどで、記入した本人が忘れているのに以前の投稿にありましたとお申し出いただくと、苦労して作成した甲斐があるというものだ。


現在愛用しているGoodmansのスピーカー2台体制となってから早くも1年が経過したが、それぞれ全く不満を感じさせない音質を楽しませてくれている。

このAXIOM22MARKII(2WAY)とAXIOM150MARKII(3WAY)2機種を曲種別に使うようになってから、聴覚の衰えの影響もあるかもしれないがあまり音質に際立った違和感を覚えなくなった。

カートリッジや真空管の組み合わせによって音質の一部に不満を感じることはあるが、昔のように聴いているのが苦痛ということがほとんどない。

昔所有していたTANNOYのコーネッタ Monitor-Red IIILZは、エンクロージャーがもう少し大型で横幅が30cmほど広かった。

その当時のことを振り返ってみると気難しいユニットを手懐けるのに苦労して、単純に音楽に浸れたのはわずかな時間だったような気がする。

せっかく2台で楽しむならもっと音質の異なる、違ったメーカーのスピーカーを使い分けた方がいろいろな曲種を楽しめるのではと当然思う。

特にロックやポップスならアメリカ系の歯切れの良い音質を持つJBL/ALTECなどが楽しめるような気もしたが、実際に試してみると頭が痛くなってくるのだ。

たぶん音楽を聴く感性の根本的な部分でGoodmansが醸し出すこの英国の音質が肌に合っているらしく、低域が出る出ないや高域に繊細感があるやキレがあるなど曲種によって音色に若干の味付けを加えて使用している。

同じメーカーの2機種のSPにどれほどの音質差があるかというと、基本的な音質の色目や風合いは同質だがAXIOM22の2WAYでは高域が瑞々しくかつ甘く響く。

AXIOM150MARKIIと比較して低域のゆとりと高域の艶やかさが両立しているユニットだから、2WAYでの使用でその長所を最大限味わえると考えている。

一方、AXIOM150MARKIIの3WAYではスコーカーが加わることにより、クッキリとした持ち味に音の厚みが増し、奥行きやスケール感をメリットとして感じられる。

ツイーターはともに純正TREBAXを使用しているが、異なる真空管やカートリッジを組み合わせることにより、高域に繊細感を持った響きの2WAYと低域に馬力と高域にキレのある3WAYと言った具合に音色に変化を付けている。

主に2WAYではクラシックやヴォーカルものを、3WAYではPOPSやROCKなどの曲種を楽しんでいる。

しばらくはこの体制が続くものと考えている。                                                                                          6/10


    


■ オーディオ工作室 「MCトランス・ケーシング編」

本日は、WE-9450インプット・トランスのリケーシングを実施する。

これまでは某オーディオ専門店が製作したものをそのまま使用していたが、ベースの真鍮プレートがすぐ酸化して黒ずむのが難点だった。

MCトランスのケーシングはすでに5台目となり、今回もいつもの通りタカチのアルミケースを利用して製作することにする。

画像はすでにケースにドリルで穴を開け、プライマーで下地処理を施した状態。

内部配線材にはWE単線を使用して、悩みどころのRCAジャックはアムトランスさんから調達することにした。

当初はオヤイデさんの少し値段の高いロジウムメッキ仕上げを使用するつもりでいたが、どうしてもプラグの食いつきが甘いため方針変更する。

スイッチクラフトのジャックが一番安心して使えるが、別途絶縁ワッシャーを使用すると長さが足りなくなる恨みがある。


  


さて、ケースに直接塗装しても問題はないが、EMPIREの塗装で使用したプライマーがあるので念のために下地処理を施して塗装に入る。

今回もサビたまんまで塗れるカラースプレーを使い、仕上げにクリアスプレーでガッチリ塗装をガードすることにしよう。

内部配線についてもこれまで気に留めていなかったワイアリングの美しくさを考慮して、直線的な配線を心掛けている。


  


こんな感じに仕上がりましたが、いかがなもんでしょうか?

流石に工作室も回を重ねるごとにレベルが上がってきたようで、塗装やハンダなどの見栄えもよく我ながらなかなかの出来と満足している。

未使用のウエスタン22GA単線(錫メッキ・ゴム・紙巻)を使用したためか、音質が少しタイト気味になったような気がする。

こんな短い内部配線材についてもエージングが必要と言うことか?

前回製作したJs No6600との揃い踏みで、奥にはLangevin 408Aが収まっております。                                  6/17


    


■ 丸針の考察

ふっと考えてみると、最近になって丸針を使用する頻度がめっきり増えてきている。

以前はOrtofonやMCH-IIなどのラインコンタクト(楕円)針ばかり使用していたが、最近気に入っているSHELTERやSHUREは共に丸針だ。

昔からカートリッジの名機といえばOrtofon SPUとDENON DL-103がお決まりだったが、 小生の好みはDENONの丸針ではなくSPUの楕円針だった。

本日は平成のSHELTERと昭和のDENON DL-103丸針の音質の違いについて、試聴しながら比較してみることにする。

ステップアップトランスとフォノイコは共通でALTEC/Peerless 4722、MoFi Electronics Studio Phono2を使用する。

これまでDL-103については、90年代に購入した103C1や最近やっと購入したオリジナルタイプとも、あまり常用とする機会がなかった。

オルトフォンと比較すると全体的にタイトな印象で、響きが少ないところに大きな違いがあると感じていた。

低域の質感がオルトフォンでは「ボン、ボン」と鳴るところ、DENONでは「ガン、ガン」と響きの乏しい硬めの音色となり、高域の方もオルトフォンでは艶感や余韻を感じられるが、DENONでは直線的でやや押し出しの強いメタリックなものとなっているところが特徴だ。

派生モデルのC1の方は、上下とも帯域が拡大して音質にナチュラル感が出てややソフトな印象を持つが基本的な音質は同色である。

そんな持ち味がJazzなどの曲種では功を奏して愛好家を増やしているものと想像するが、クラシック愛好家にはこの直線的な高域は味気なく感じるだろう。

丸針についてそんな風に感じていたが、最近購入したSHELTER MODEL501Classicの響きがあまりにもナチュラルですっかり気に入ったのである。

再度そのSHELTERと同じアルミカンチレバー+丸針を採用したDENONを比べてみると、かなり音質傾向が異なるのを感じる。

DENONはこれまでの記憶とあまり異なった響きもなく、相変わらず硬い低域と直線的な高域が持ち味と感じられた。

SHELTERの方は響きの豊かさが美点となっており、さらに音の重なり具合「ハーモニー」がとても美しく表現されるカートリッジだ。

低域の質感も少しくぐもった乾いた感じはあるものの、「ボン、ボン」と楕円針に近い響き方をしている。

マグネットはSHELTERがネオジウムを使用しており、DENONはアルニコマグネットとのことなのだがこの辺りに違いがあるのだろうか?

そんな訳で、DENON DL-103の出番はこれまで通りあまり期待できない結果となってしまった。

DENON DL-103の丸針について色々調べていたところ、NHKと協同で放送用ステレオ・ピックアップの開発を実施するにあたり、その設計方針と構造の概略の中に  「ステレオ・レコードやモノーラル・レコードを共通のカートリッジで再生できること」との項目が含まれており、この内容を満たすために「針先球面半径を0.65ミルとした」との記事があった。

そんな訳で同じ針先構造を持つSHELTERについても同様の扱いが可能だろうから、モノラル盤にはこれらの丸針を使えば良いと考えている。    6/19


    

■ 新規アンプ導入計画(5) 「製作開始編」 


「待てば海路の日和あり」 「果報は寝て待て」 「石の上にも三年」 「急いては事を仕損じる」 「急がば回れ」 これぐらいでどうでしょう ?

企画立案後4ヶ月強を経て、遂にラボのK村さんから「手巻きトランスが納品されたので製作を開始します」との連絡が入った。

思い起こせばこの4ヶ月の間に、新型コロナウィルスの世界的な蔓延や実父の死去など、未曾有な出来事が起こっている。

さて、いよいよ待ちに待った新規アンプの塗装色や出力インピーダンスなど、電話にて諸々打ち合わせを行って希望内容を伝えた。

出力は8〜9Wになるとのことだったが、GOODMANSには十分な出力である。

お借りしている6AR6シングルアンプは、相変わらずなかなかの美音をたのしませてくれているが、このアンプを上廻る音質を期待するのは贅沢だろうか?

今後のために具体的な回路内容など、しっかりお伺いしておく必要がありそうだ。

完成を待ち詫びる日々も、いよいよあと僅かとなる。                                                                      6/26


    


■ 新規フォノイコライザー

いよいよ新規アンプの製作は回路構成もほぼ決定し、図面作成が終わってCAD外注にまで進んでいる模様である。

アンプ工房のK村さんや真空管博士のMさんなどのご尽力により、当初の構想では英国直熱三極管PX4を使用したシングルアンプ企画だったものが、独テレフンケンの球も楽しめるコンパチアンプにパワーアップしている。

いよいよもって、完成が待ち遠しい。

さて、本日は新規に調達した古いSHELTERのフォノイコがテーマ。

使用するプレーヤーにアームを増設したことによりフォノイコが足りなくなり、今年初めにパラヴィッチーニが監修した安価な現行フォノイコを購入して使用していた。

その後、新たに導入した丸針カートリッジSHELTER MODEL501Classicの音質が気に入り、組み合わせるフォノイコも純正タイプに組み合わせを変更することにした。

このSHELTER MODEL216 CR型フォノイコは、1995年〜2005年ごろまでロングランで販売されていた人気機種である。

キングオブアナログのパラヴィ翁が監修したMoFi Electronics Studio Phono2は、古いMarantz7真空管プリアンプに組み合わせると原因不明の発振が起こるなど組み合わせに無理があったようだが、こちらのフォノイコはそのような古いヴィンテージ機種にも寛容で相性も悪くなさそうである。

音場に厚みがあり豊かな響きが持ち味で、真空管機種と組み合わせても全く違和感のないものである。

フォノイコの入れ替えとともに、最近めっきり出番の少なかったNottingham INTERSPACE-ARMのLYRA Clavis.D.Cを、Ortofon MC-30Sに入れ替えてみた。

Clavis.D.Cは流石に情報量も多く切れ味鋭い音質が魅力となっているが、音がストレート過ぎて情感が乏しく感じてしまう。

以前このアームにOrtofon MC-30SUPERIIを組み合わせたときは、痩せた彩の少ない音質で今一歩納得できないものだったが、後継機種のMC-30Sではゆったりとした奥行きと高域の切れ味がうまい具合に調和していて、なかなか良い塩梅で音楽を楽しませてくれそうだ。        

やはりカートリッジはオルトフォンから抜け出せないでいる。                                         7/6


※追記・・・・・古いSTEREO SOUND(1995年/No.116)にこのSHELTER 216とカートリッジ501TypeIIの試聴記についての掲載があり、その姉妹機としてモデル501Classicの紹介についても記入されていたので、同時期に販売されていた組み合わせであることが分かった。


    


■ 組み合わせあれこれ

またまた東京のコロナ感染者数が右肩上がりに増加しており、隣接する埼玉や千葉の感染者数も同様の傾向にある。

3密(ソーシャルディスタンス)で感染を防ぐのにも限界があり、早くワクチンの開発が着地しないと経済が立ち行かなくなるのではと心配している。

さて、こちらはロングランを続けているEAR-834Pフォノイコライザー。

発売当初はECC83の3本構成だったが、最近では中国製コピー商品に対抗して、あまり聞き馴染みの無い13D16双三極管へ仕様変更となっている。

基盤上には依然としてECC83のプリントがあるので、我が家では3本ともECC83ヴィンテージ管に変更して使用している。

これまではOrtofon MC30シリーズと組み合わせ、パラヴィッチーニがデザインした内蔵トロイダルトランス経由でクリスキットのプリに繋いでいた。

先日、Nottingham INTERSPACE-ARMをMC30シリーズに組み替え、LYRA Clavis.D.CをEARのフォノイコ経由に入れ替えた。

響きが乏しくタイトに締まったClavis.D.Cの音質を少し滑らかにしようと、このフォノイコのTUBEを交換して試してみる事にしたのである。

これまではV2〜V3にMullard Short-Plateを、初段のみSIEMENS Triple-Maicaを使用していたが、これらをコクの出るMullard CV4004に変更してみる。

さらにクリスキットのライン段はBRIMAR「Yellow T」ECC81を組み合わせていたが、少しケバが立ち過ぎるのでバッファーをあまり出番の無かったナチュラルなBRIMAR ECC83に変更することにした。

これらの真空管変更により、なんとか意図する音色方向に改善された模様。

SHELTERのフォノイコとカートリッジの組み合わせはMarantz#7に繋いでいるが、製作者の意図する低音の太さが顕著となってまさしく「2B的音色」となっている。

太い音質が特徴となているだけではなく、結構細かい情報を拾ってくるのがこのカートリッジの持ち味だ。                                                  7/17


    

■ ORTOFON Erik Rohmann Signature

我が家では昔からOrtofonのSPUを愛用している。

その中で最も気に入っているのが1992年に1000個限定生産で発売されたSPU MEISTER GEで、磁気回路にはネオジウム・マグネットが採用されている。

その他にもオリジナルSPU-GEや復刻されたClassic GE、コイルに銀線を使用したリファインモデルのGOLD GEやネオジウム・マグネットのSYNERGYなどを使用して来たが、GOLDとSYNERGYは音色が気に入らずに放逐してしまった。

クラシックにはThorens MCH-IIの存在が見逃せないが、 MEISTERはあらゆる楽曲をオールマイティーに楽しませてくれる唯一のカートリッジだ。

またOrtofonのMC30シリーズを2機種(MC30SUPERII/MC30s)所有しているが、こちらは残念ながらヴォーカルなど限られた曲種での使用が常である。

さて、今回ご紹介するMC-ERはMEISTERと同時期の1991年に発売された500個限定生産モデルで、ネオジウムマグネットと発電コイルに7N銅線を使用し、ベリリウム製カンチレバーにファイン・ラインスタイラスの振動系が採用されている。


ボディーはMCシリーズと共有されていて磁気回路も1993年発売のMC30sと同等だが、音質の方はどちらかと言うと繊細な切れ味が持ち味のMCシリーズと違って、SPUのような低い重心と安定感を感じさせる音質バランスに仕上がっている。

MC30シリーズではどうしても腰の座った低域を求めるのは難しく、女性的で少し浮ついた音質が表現力の欠落につながっているように感じている。

その点こちらのMC-ERはSPU譲りの中低域の密度の濃さを持ち合わせており、POPS&ROCKを幅広く楽しませてくれるカートリッジだ。

MCトランスにはLangevin408Aを組み合わせているが、SPUと同じく絶妙の相性を見せている。

1998年発売で新技術を盛り込んだJubilieやその磁気回路と振動系を継承しているKontrapunktなども使ってみたかったが、2005年に発売された新世代のSYNERGYが期待外れだったので原点回帰する構図となった訳である。

これでMC30シリーズの方もお役御免となるかもしれないなあ。 7/28


    

■ 新規アンプ導入計画(6) 「シャーシ完成編」 


例年より長かった梅雨も明け、今度は打って変わって記録的な猛暑の夏を迎えている。

連日発表される新型コロナウイルスの感染者数は下降線を辿る気配もなく、東京や大阪などの大都市だけでなく地方都市での拡大傾向が恐ろしい。

さて、待ちに待ったアンプ製作の方も佳境を迎えている。         http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html

一度に3台ものアンプ製作に入り、ラボのK村さんもバテ気味なのではないだろうか。

塗装されていないので全体的な雰囲気が掴めないが、ケース左奥にはTSM Productsの手巻きアウトプット・トランスが配置され、左側縦に配置された初段管と中央の出力管の間にあるのが、真空管博士の説明にあった手巻き大型チョーク・トランスではないだろうか?

シャーシのほぼ中心にはバイアス切り替えスイッチがあり、これでRE604系のTUBEも使える事になった構図である。

ラボのK村さんから、「Rチャンネルのボリューム位置がトランスケースに近いので操作がしにくいです。アンプのボリュームは左右のレベル合わせに使って頂き、プリアンプで音量調整を行うようにして下さい。」とのご説明があったが、見たところでは特に問題はなさそうだ。


回路をご検討いただいた真空管博士の説明によると、このアンプの回路はクラングフィルムの回路も参考にしながら、無色に近く、ほんのりと薄化粧をしたような音質を目指したとのことだった。

美音系のPX4とスピード系のRS289に加えてRE604系の古典球が揃えられれば、Goodmansのシステムは1系統で済むかもしれません。

続く・・・・・・・                  8/10


    

■ 新規アンプ導入計画(7) 「出力管の点火方式」


経験のない遠い昔の戦争を彷彿とさせるような未曾有のコロナ禍で、連日発表される感染者や死亡者の夥しい人数に感覚が麻痺して来ている。

アメリカを中心とした中共制裁の行方とともに、一般報道では伝えられない中共内部の権力闘争にも注意が必要だ。

そんな世界情勢に目を奪われがちだが、猛暑に伴う熱中症死亡者数にも驚きが隠せない日々が続いている。

さて、ソーシャルディスタンスの影響により(笑)長らく待ち焦がれていたアンプ製作の順番が訪れ、益々ラボの新着・更新報告が楽しみとなっている。

昨日、ラボのK村さんからご連絡があった時に、素人ながら回路についていくつか質問させていただいた。

シャーシにハムバランサーが装備されているのを発見して出力管の点火方式をお伺いしたところ、直流点火方式を採用しているとのことだった。

この音質に深く関わるフィラメントの点火方式については諸説あるらしく、我が家で愛用しているSV-91BについてもY下先輩によって、ウエスタンアンプと同様の交流点火方式への改造が試みられているが、結局のところ前段のみ交流点火に収まり出力管についてはハムノイズの少ない直流点火に戻されている。

ラボのK村さんによると、確かに大規模映画館用のスピーカーを駆動するようなウエスタンの300Bアンプは全て交流点火方式を採用されており、SPと観客との距離が広ければ問題はないが、SPと近距離で対面する家庭用オーディオではどうしてもハムノイズの影響を受ける弊害があるとのことだった。

交流点火方式を採用した300Bアンプの音質は聴いた経験はないが、現在愛用しているこのSV-91Bアンプの音質には満足している。

点火方式により一番影響を受けると思われる高域には、美音とまでは行かないまでも適度なキレと繊細感があり、実在感のある中域とダンピングの効いた低域が大変好ましいバランスに仕上がっている。

新規アンプについては、真空管博士に考案いただいたプレートチョーク結合回路と、量販品では得られないK村さんの製作ノウハウによって、長らく続けて来たオーディオ道楽の最後のアンプになることを期待している。

特にこれまで経験のないコンパチアンプということで、数々の名だたる出力管が使えることは大きなメリットとなるだろう。

アンプ完成時には自前で準備したMarconi PX4のST管と、ラボさんから供給いただくTelefunken RS289の音質を楽しみながら、できればPX4系ナス管とROE604系のTUBEもコレクションに加えたいと考えている。                                           8/24

    

■ 新規アンプ導入計画(8) 「塗装完了編」


塗装が完了したことで、全体の雰囲気が見えて来た。

今回の塗装はグリーン系のハンマートーンで実施されており、高級感のある好ましい色だと感じている。

要となるアウトプット/プレートチョーク・トランスはアモルファス・コアの特注サイズのものを使用しているとのこと。

続く・・・・・・・。                                        8/25

    

■ 新規アンプ導入計画(9) 「パーツ取り付け編」


  


外装部品の取り付けが完了して全容が見えてきた。

入力端子などそれぞれパーツの質感も高く、堂々たる雰囲気を醸し出しているが、右後部電源トランス関連のブラック色が上手くアクセントになれば良いが・・・・・。

続く・・・・・・。                                          8/27


    


■ 新規アンプ導入計画(10) 「配線開始編」

中央2個のバランサー右側に出力管の直流点火回路を設置。

ゼネラルの電源トランス、出力管ソケットの上部にDALEのメタルクラッド抵抗が見える。

続く・・・・・・。                                                                  8/30


    

■ 激動の令和2年


未曾有の危機に直面している2020年(令和2年)も残すところ4ヶ月となるが、8月中旬頃からようやくコロナ新規感染者の減少が明らかなものとなってきた。

しかしウィズコロナの時代に入って人々の生活様式が一変し、ワクチン開発後のアフターコロナの時代には、肌をつき合わせた人と人との直接的な関わりからネットワークを通じた間接的な関わりへ大きく移行していくのではないだろうか。

20年ほど前から始めたこのホームページもコロナ渦のひきこもり影響を受けてか、3月頃から急激な訪問者数の伸びが顕著となって、7月にピークを迎えている。

特に直近の2〜3ヶ月はウクライナやロシアの複数の外部ページからのリンクが増加しており、原因が特定できずに不思議に思っている。

さて、今年2020年のオーディオの目玉は、なんといっても「新規アンプ導入計画」である。

2月の企画立案編から約7ヶ月が経過し、ようやく今月9月に着地完成の見通しである。

このコンパチアンプが導入されることにより、我が家のオーディオがどのように変わっていくのかが楽しみだ。                 9/1


    

■ 新規アンプ導入計画(11) 「配線途中編」

各トランスや基本パーツなどの配線が完了。

SPRAGUEの電解コンデンサーが取り付けられている。

RE604系使用時のバイアス切り替えスイッチ配線へと続く・・・・・・。                                                                  9/3

    


■ 新規アンプ導入計画(12) 「バイアス切り替え配線編」

出力管バイアス切り替え配線完了。

カップリングにWEST CAP、バイパスコンデンサーにはROEが採用されている。

完成まであと少し。

続く・・・・・・。                                                                  9/5


    

■ 新規アンプ導入計画(13) 「熱暴走トラブル編」

Telefunken RS289にてエージング中、直流点火回路のDCコンバータが熱を持つとのことで、出力管の点火方式が交流点火に変更となったようだ。

直流点火基盤を取り外して交流点火に切り替えるが、フィラメントハムも問題なく収まり完成に近づく。                    9/6


    

■ 新規アンプ導入計画(14) 「完成編」


点火回路の熱暴走トラブル修復後、出力管を入れ替えながら順調にエージングを進めている。

明日には我が家に到着予定。                                         9/7

    

■ PX4/RS289/RE604 コンパチブル・シングルアンプ


TUBE AUDIO LABO 6AR6シングル(手前)とPX4コンパチアンプ(奥)
PX4/ RS289/RE604コンパチブルアンプ

チューブ・オーディオ・ラボに制作をお願いしていたアンプを、わざわざK村さんが炎天下のなか新潟よりお持ち下さった。

当初は英Marconi PX4シングルアンプで依頼したが、ラボのK村さんや回路をご検討いただいた真空管博士の助言もあり、独Telefunken RS289(RV210)やRE604系の各種古典球も使用できるコンパチタイプに仕上げていただいた。

準備しておいたPX4に加えてラボさんからRS289を購入し、貴重なRE604は一旦ラボさんのストックをお借りして音質を確認後、真空管博士より調達予定である。

更にTelefunken RV210も試聴用にお借りしている。

Telefunken RE604

Telefunken RV210

Telefunlen RS289はプレートキャップの不具合により、再送していただくこととなった。


 


シャーシの塗装色にも高級感があり、全体的なサイズバランスも良好に感じている。

特にRE604ナス管を使用した時のグラマラスなボリューム感が非常に好ましい。

コンデンサーや手巻きトランスのエージングに2ヶ月ほどかかる予定なので、それぞれの出力管の試聴感想は追々アップさせていただくことにする。

本日短時間だったが、K村さんと動作確認がてらそれぞれのTUBEを試聴してみる。

どのTUBEを聴いても好ましく感じさせる音色の中で、特にウエスタン300Bを凌駕するというRE604のリアルな音質は素晴らしかった。


当初、電源トランスの上部に設置されていた出力管の直流点火回路が取り外されている。

交流点火方式での動作に変更した結果、電源投入時に「ブ〜ン」とハム音がするが、しばらく経つと全く気にならないレベルに収まっている。

K村さんのワイアリングはいつもながら美しく、仕上がりも上質で文句のないものだ。

K村さん、本日はありがとうございました。                                    9/8

   

■ コンパチブル・シングルアンプの音質/PX4編


まず最初は本命のMarconi PX4から試聴を開始している。

旧型ナス管(OSRAM)や同型管のPP3/250(MAZDA)の方が良かったのだが、高額となるため新型のドーム管ではなく音の良いST管を選択した。

当初予定通り、初段管にSTC CV1985/ECC35、整流管はCossor 53KUと英国勢で脇を固めて聴き始める。

数々の愛聴盤に針を落とし、一番最初に感じたのが音場から溢れんばかりのダイナミックな低域の響きである。

オケを聴いてるとキャンバスの隅々まで濃厚な下地を描いたように各楽器群が豪放磊落に響き渡り、半端のないゴージャス感を感じさせる。

音数の多さだけでなく響きにはコクがあり、ピアニッシモでの繊細感、音の重なりなどのデリケートな表現も申し分ない。

これまで使用してきたアンプとの一番大きな違いは、それぞれの楽器がクローズアップしてマクロ的に響かせる点である。

各楽器のパートが音場にはっきりと浮かび上がり、オペラでの歌声もこれまでの記憶より、舞台上で太く大きく堂々とした歌声を聴かせてくれる。

高域には刺々しさを感じさせず、英国機器の持ち味となっている硬質感のある明晰さが美しく、エージングが進めば更に柔らかさが加味されるだろう。

レコード中心に20時間ほど試聴を進めたところで、組み合わせる初段管や整流管を交換してみた。

前段はSTCで違和感なく落ち着いたが、整流管の方はCossorで感じられる弦楽器のコクのある飴色の響きが好ましいが、やや暴れ気味の音質となるため、落ち着きのある響きのRaytheon5U4Gを組み合わせている。

英国勢で固めたかったが、期待していたMullard GZ32では高域がヒリ付き気味で、低域方向の厚みも薄くなるなど現状では今一歩の結果だった。

エージングが進んで全体的に角が取れたところでCossorに戻そうと考えている。
現状では剛が優っている印象だが、アンプ全体にくまなく血が通い、柔よく剛を制するバランスに行き着いた時が短しみである。 9/10

   

■ 続・Marconi PX4

新作のアンプは完成した後、ラボさんの方でエージングを兼ね8時間ほどの試聴を済ませているとのことだった。

そのアンプが我が家に来て4日目、25時間ほど試聴を進めているが、愛聴盤に針を落とす度に驚きの連続が続いている。

PX4で試聴を開始して三日目ほどのところで、微妙な音質の変化が現れ始めた。

どうやらダイナミックな音場を形成していた原因は滲み気味な音質が影響していたようで、全体的に音像が締まり始めるとともに、少し重苦しく厚化粧気味だった音場に軽快感が出始め見通しが良くなって来た。

同時に太く大きく膨らみ気味だったそれぞれの音源が、ピントが合ったように小振りに聴こえるように変化している。

ここで再度、整流管をCossorに戻して音源に色彩感を加味するが、現在のところPX4にはこの組み合わせがベストのようだ。

新たなアンプを導入したシステムでは、Goodmans AXIOM22MkIIを使って、主にクラシックをアナログで楽しむことにしている。

カートリッジはThorens MCH-IIとOrtofon MEISTERを使用しているが、ともに長年愛用して来たMC型の名器だ。

MCH-IIでプッチーニのオペラを聴くと、昭和30年代生まれの方ならお分かりになると想うが、総天然色で映画を観たような趣で音楽が奏でられる。

MEISTERでは解像度が高いためか、そのような誇張した色彩感は薄らいで爽やかな自然な音場が形成されるのが特徴だ。(トランスはWEを使用)

オーケストラなど大編成の曲種では、各楽器の低音が床に反射してホールトーンが下方向に伸びるという、豪華絢爛な音質を聴かせてくれている。

特に中央左右に配置された弦楽器群が、厚みを持った帯状の合奏となってとても心地よく響く。

しかし、ソロ器楽曲の中でピアノなどは組み合わせるプレーヤー自体の音質影響を受け、これらのカートリッジも明暗を分けている。

フローティングタイプのThorens純正組み合わせは、重厚感あるグランドピアノの響きを聴かせるのに対し、リジットなGarrardシステムを使用したMEISTERでは、高域の煌めきが強すぎて若干腰高な印象を持った。

さて、明日からは次の出力管、ラボさんからお借りしているTelefunken RV210の試聴に入ることにしよう。                         9/12

   
■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RV210編


ラボさんよりお借りしたTelefunken RV210はオーディオ用の傍熱三極管である。

真空管博士の説明を借りると、「RV210はPX25並みの出力が得られる球ですが、今回のアンプでは軽い動作での使用となります。あまり高価な球ではないので面白い存在と思います。」とのことだった。

細身のTUBEはステムから上部がスモークガラスで覆われているため、内部構造を見ることができなくなっている。

この真空管に差し替えてアンプの電源を入れても、PX4の時のような「ブ〜ン」「グオ〜ン」という立ち上がりのハムノイズは一切しない。

出力の方はPX4とほとんど変わらないようだ。

PX4とその音質を比べると、このアンプの持ち味となっている「コクの深い音」には変わりはないが、少し色彩感が薄いような気がする。

もちろん耳で聴く“音”には目で識別する色は分からない筈だが、醸し出される音色が色をイメージさせるのである。

その反面、高域の繊細さと締まった低域に特長を持っており、なんとなくECC83ダイヤマークを連想させる音作りだ。

この出力管でドビッシーの「海」を聴いていると、ダイナミックな波のうねりの高さや大きさを如実に感じさせてくれるが、葛飾北斎の「富嶽三十六景」で描かれた景観が、鉛筆で描いた精密なデッサン画のような風情で聴こえてきた。

RV210のどこまでも冴え渡ったダイナミックな音質は、濃厚な色目の油絵を見るようなPX4の音質とは性格が全く異なっている。

弦楽器独奏では冷徹なまでに強い浸透力を見せるが、大編成モノになると少し粗めで調和を欠く傾向は、音の締まり具合の強さが影響しているのだろうか?

声楽のバリトンを聴いていても少し上擦った、腰高で神経質な歌声に聴こえる傾向があるようだ。

反面、ヴァイオリンやチェロソナタなどでは演奏者の技巧が花火のような煌めきでリスナーに訴えかけられ、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。

ドラマティックな曲目でもRV210の良さが明快となるので、ひょっとするとPOPS&ROCKなどの曲種にも向いているのではと感じた。

しかしこのTUBEの個性的で素晴らしい音質は、次に控えている同じテレフンケンRS289の期待度をさらに高めるものとなった。                        9/14

※追伸

真空管博士よりRV210の補足説明があった。

「RV210はプレート損失25Wの傍熱型三極管です。内部抵抗はとても低くWE300BやDA30と同じくらいです。WE300BやDA30より少し増幅率が高いので直線性は良好です。プレート形状を工夫して電極間の静電容量を低減しているので純三極管の中ではハイスピードな方です。音声信号を扱う様々な用途に使用されていたようです。(業務用アンプ・送信機のモジュレーター・有線ラジオ設備・電話通信設備)  

フルオペレーションですと7W近く出ますが、今回のコンパチアンプでは軽い動作で3W程度と思います。

RV210には弟分とも言うべきAD101という球があります。コンパチアンプではRV210同様PX4の設定で使用可能です。出力はRE604と同じくらいですのでRE604の傍熱バージョンと言えるかもしれません。

テレフンケン製の安価な球でRENS1374dという五極管があります。ST型の初期の球はメッシュプレートの外側にワイヤーリングによるシールドを施すという他に類を見ない構造をしています。出力は1W弱と小さいですが音質は良好です。PX4の設定で使用可能でお値段も@8000円程度です。」

ということだが、やはり真空管の神様である。

   

■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RS289編


いよいよ期待の送信用五極管Telefunken RS289の試聴に入る。

形状はRV210とほぼ同じだが、こちらはフィラメントの灯りや内部構造がはっきり確認できる。

真空管博士曰く、「RS289はテレフンケンが開発した送信管です。アメリカ型の増進管は高域に偏った音の球が多いのですがRS289は違います。三極管接続にすると極めて内部抵抗が低く素晴らしい低音を聞かせてくれます。物理特性はAD1やEdと非常に近くオーディオ専用管に全く引けを取りません。送信管特有の高域の抜けの良さを兼ね備えていますからとてもワイドレンジな球です。電極容量はとても小さく前段管の6SL7に優しい球でもあります。値段が安いのでスペアチューブの心配もありません。」と良いとこ尽くめな球のようである。

出力の方は僅かにRV210より小さいようで、電源投入時のハム音も一切無かった。

先に試聴したテレフンケンのオーディオ用傍熱三極管RV210は、個性的な正しくスペシャルTUBEだ。

低域の締まり具合や解像度の高さが際立っていて、切れ味の鋭い日本刀を思わせる音質が持ち味だった。

その反面、ゆったりとした響きや余韻を拭い去ったような音色が、大編成の楽曲になると温度感の低さとハーモニーの欠落を招いてた。

さて、今回のRS289の音質は、キレの良い高域はRV210の長所をそのままに、低域方向の量感を増した余韻も豊かなバランスとなっている。

大編成のオーケストラを聴いてもふくらみを持ったホールトーンを感じることができて、RV210ほど硬質な高域もそれほど苦にならなかった。

しかし一旦、豊かなホールトーンとブリリアントな響きを持ったPX4で大編成のオーケストラを聴いてしまうと、流石にこちらは少し物足りなく感じてしまう。

テレフンケンの2本を音質比較すると、個性的な音質はRV210に一歩譲るとして、トータルのバランスはRS289の方が優っているように感じる。

これらのTUBEを使用した時の音色がJAZZやROCKなどの曲種で問題が無ければ、もう1系統のシステムは役目が無くなってしまうのでは・・・・・・。

※真空管博士のRS289の補足説明。

「ある方はRS289で聞くとストラディバリとガルネリの違いが明瞭に分かると仰いました。これはRS289の解像度の高さのなせる業でしょう。

RS289は送信管ですから受信管より真空度が高いのです。更にはグリッドのプラス領域まで入力を加えますから動作時のピーク電流は相当なものになります。球自体は大きくはありませんがヒーターパワーはPX25やDA30同等であり豊富なエミッションを実現しています。

それからコンパクトな電極構造も見逃せません。送信管は電極間の静電容量をできるだけ小さくするためにプレートは小さい方が良いのです。電極間の静電容量が小さければ抜けの良いハイスピードな音が期待できます。これらのことを踏まえると低周波増幅使用時のRS289は非常に楽な動作をしているといえます。RS289の解像度が高いのは、高い真空度、豊富なエミッション、コンパクトな電極構造が寄与していると考えています。」   

9/17

   

■ 続・Telefunken RS289

新作アンプが我が家に到着して約10日、聴き始めてから35時間ほど経過している。

真空管博士の詳細な説明を伺って、ますますTelefunken RS289の完成度の高さを感じることとなった。

しかしクラシック系の小編成や弦楽器の再生に最適なTUBEだが、オケなどの大編成になると解像度の高さが災いしてか、臨場感の乏しい音質と感じていた。

そんな中、本日はPOPS&ROCKを中心に試聴を行なってみたが、予想通りこのテレフンケンのTUBEは、これらのタイトでパルシブな曲種にも適している。

特にエージングがまだ足りないのか少しマットな響きが気になるが、ドラムのタイトな響きやベースのボディに喰いこむリズム感は申し分ない。

別系統でPOPS&ROCKを聴く時に使用している、SV-91B→Goodmans AXIOM150MkII 3WAYより、よく締まった響きは心地よく感じられるようだ。

3WAYは低音の厚みや奥行き感はあるが鈍重傾向で、2WAYが持つ軽快感とよく前に出る音質傾向が影響しているのかもしれない。

前段や整流管を入れ替えて、このTUBEで大編成モノを聴けるようになるのなら、我が家のシステムは1系統で十分かもしれません。

しかし、異なる機器を使用して変わった雰囲気で音楽を聴いたり、真空管やカートリッジを色々変えて愛器に触れるのもオーディオの楽しみなので、無理せずにこのままのスタイルで参りましょう。

再びクラシックに戻って交響曲に針を落とす。

TUBE自体のエージングが進んだのか低域の量感も増してきたようで、少しボリュームを上げると澄み切った迫力のある表現力がなかなか良い塩梅だ。

しばらく聴いていると、ストレートで音質が厳しすぎる傾向はあるものの、オーケストラのフレッシュでドラマティックな表現も悪くないと思うようになってきた。

さて、いよいよ次は博士の説明で300Bを凌駕するというTelefunken RE604の出番となる。

ひょっとするとこのTUBEがRS289の音質の幅をさらに広げてくれるのかもしれません。 9/19

   


■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RE604編

いよいよ待ちに待ったTelefunken RE604の出番を迎えた。

このアンプを製作依頼するまでは、ウエスタン300A/OLD300Bなどの噂は良く聞いていたが、こちらの独製古典球については存在すら知らなかった。

真空管博士によると

「RE604は1933年〜1941年にかけて製造されたバリウム昇華型フィラメントの球が最高です。このタイプは酸化被膜フィラメントの最高性能を誇る300B以上の性能です。出力こそWE300Bに及びませんが動作における直線性においてはWE300Bを全く寄せ付けません。」

とのことだった。

試聴に使ったRE604はチューブ・オーディオ・ラボさんからお借りしている同タイプのTUBEだが、現在博士に調達を依頼しており、まもなくバリウム昇華型フィラメントの中期型と後期型の極上品が到着予定となっている。


 

このTUBEを使用する時は、出力管ソケット上部にあるトグルスイッチをRE604側に倒して使用することになる。

まずグリュミオーのヴァイオリンソナタから試聴を開始する。

聴き始めてすぐに硬質な美音を隈取るように立ち昇る鮮やかな色香を感じることになる。

解像度はこれまで試聴した2種類のテレフンケンTUBEよりさらに高まり、弦を抑える指がネック上で動く時に出る僅かな擦れ音も聴こえてくる。

先に試聴したテレフンケンTUBEの解像度の高さと硬質感は確かに素晴らしかったが、それが音質を冷たく感じさせる要因ともなっていた。

しかしこのRE604は高い解像力を持ちながら、その音質に暖かさや気品が感じられるのは期待以上の驚きである。

最初に試聴したPX4の音色はすでに忘れかけているが、先のテレフンケンTUBEとは格の違いを見せているのは確かだろう。

真空管博士やK村さんからその音色の素晴らしさを散散伺っていたが、この芳しい色気を持った音はこれまで聴いたことのないものだ。

ほっと胸を撫で下ろしてシュタルケルのバッハに針を落とす・・・・・・・。

さて、続けて聴いた交響曲のレコードは、セルがコンセルトヘボウを指揮した蘭フィリップス盤だ。

このレコードを数日前にPX4で聴いた時は、これまでコンセルトヘボウで聴いたことのない弦楽器群の左右の厚みに驚かされたが、こちらのRE604では各楽器の微動だにしない定位感とクローズアップしたようなリアルな音場再現が、想像以上の美音となって音楽を楽しませてくれている。

弦楽器のユニゾンや金管楽器の咆哮にすら刺激的な趣は全く感じさせず、申し分ない中低域の厚みは上質なホールトーンを体験させてくれる。

嬉しい誤算だが、今まで全く知らなかったドイツのTUBEが、英国の名球と呼ばれたPX4をも音質に於いて上廻っているのではと思わせるものだ。

これまで昭和の中学生時代からオーディオを続けてきて半世紀近くが経過している。

高校入学祝いで初めて手にしたのはパイオニアのトランジスタアンプだった。

その後真空管の音質の良さに目覚め、米DYNACO/Marantz、英QUAD、伊UNISON RESERCH、日LUX/ELEKIT/SUNVALLEY/Chriskit/UESUGIなど数々のメーカー製アンプを使用してきた。

プロ製作者によるオリジナルアンプでTANNOYオートグラフを駆動されているsigetaさんも、いかに優秀なメーカー製アンプより技術的な信頼を置けるアンプビルダーが、部品や回路に拘りを持たせて製作したオリジナルアンプの方が音質は優れているとおっしゃっていた。

当然のことながらメーカー製アンプは商品化して購入者に複数台販売されるが、使用されるパーツなどは特性にバラツキの少ない安全性を考慮した現行部品を採用する場合がほとんどで、完成後の品質確認についても人間の耳によるヒアリングではなく、機械を使用して標準化、平準化された特性を確認するのが大半だろう。

その点オリジナルアンプは、生産終了品や現行品に関わりなく音質の良いパーツを自由に選択し、ノウハウを持った技術者により確実な手作業で製作されている。

さらに複数台の商品化ではないから、完成後に同じ品質(音質)を求められる訳でもないので、1台1台の高音質化が計れるという構図だろう。

Y下先輩が大改造した半オリジナル91B型アンプの音質も素晴らしいが、我が家も結局このオリジナルアンプが終着点となりそうだ。

う〜ん、まさしく至福の時が続いている。                       9/20

   


■ 続・Telefunken RE604


Telefunken RE604を使用して二日目。

昨日の感動は本物かと未だに興奮気味の頭を冷やし、極力冷静な気持ちに立ち返って試聴を始める。

これまでの経験の中で、機器や部品を交換した当初はその音質の変化が「音が良くなった」と思い込み、後日聴いてみると前のほうが良かったということも度々ある。

電源を投入すると、PX4ほどではないが「ブ〜ン」とハム音がして、その後稼働時のフィラメントハムも気にならない程度に発生している。

前段のTUBEはSTCから変わりはないが、整流管をMullard GZ32から再びCossorに戻している。

この黒ベースのMullardは、エッチングコードが見当たらないためどこの工場で製造されていたものか分からないが、高域が上ずって低域も厚みが薄い。

今のところCossorが一番バランス感が良いように感じているが、今度茶ベースのSTCを試してみようか。

カートリッジは低域の量感が芳醇なフローティングのThorens純正組み合わせを使用していたが、交響曲などではOrtofon MEISTERの柔らかい響きも好ましい。

聴き始めの昨日は、ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器や、交響曲、オペラなどでその音質の良さに触れ、感激した記憶が脳裏に残っている。

早速その試聴結果を真空管博士にメールで報告したところ、次のような返信をいただいた。

「RE604気に入って頂けたようで安心いたしました。RE604は銘球と言われながらベストコンディションで鳴らしている人は少ないと思います。回路は私が基本設計を行いましたが配線材や半田を含めた使用パーツの絶妙な選定はK村さんの経験のなせる技でしょう。さらには私たちの無理な注文を快く引き受けてくださるTSM Productsさん手巻きのプレートチョークコイルとOPTの威力も絶大です。自画自賛になりますがこれまでのアンプの中でコストパフォーマンスは最高ではないかと思っています。私がアンプのコンパチ化をお勧めしたことを喜んでいただけているようなので安心いたしました。」

チューブ オーディオ ラボのK村さんからも久方ぶりにご連絡を頂いたが、RE604のバリウム昇華型フィラメントが音質の肝となっているのではとのことだった。

また、PX4にも初期型で音質の良いバリウム昇華型フィラメントのTUBEがあるとのことだったが、滅多に出てこないとのことなので聞かなかったことにしよう。

そういえば真空管博士も、PX4系出力管の頂点はバリウム昇華型フィラメントのナス型管で、その次はPP3/250最初期のニッケルプレートですとおっしゃっていた。

二日目に入り、この音色に耳が馴染んできたのか昨日聴いた新鮮な驚きは減ってきたが、初めて針を落とした愛聴盤の旋律でハッとさせられる驚きが続いている。

PX4では厚みとコクのあるゴージャスなホールトーンに驚かされたが、このRE604には高解像度に支えられた明確な定位があり、さらに響きも柔らかい。

半年以上待った甲斐もあり、このアンプの音色は素晴らしいとホッと胸を撫で下ろし満足感に満たされている。

今週は最近アンプを新調したとおっしゃっているsigetaさんが来訪されるので、この新しいアンプの評価が楽しみである。                          9/21

   

■ バリウム昇華型フィラメント RE604

青森の真空管博士より、待望のTelefunken RE604の他、お願いしていた数種類のTUBEが届いた。

チューブ オーディオ ラボからお借りしていたRE604は初期型と中期型だったが、こちらのチューブは中期型(1934/8)と後期型(1941/4)の組み合わせである。

スイスから取り寄せられた極上品とのことだが、博士の方でベースピンのハンダの入れ替えクリーニングを実施していただいている。

以前、SV-91Bで使用していた整流管(WE-274B刻印)が接触不良を起こし、ベースピンにハンダを流し込んで復活した経験があるが、古典球ではありがちなこのようなトラブルが起きないよう博士の対応も流石に万全である。


 


さらに博士お勧めの比較的安価な五極管Telefunken-RENS1374dと整流管のBRIMAR-5Z4G、その他今回のアンプに使用するわけではないが米GE12AX7 Long-Plateが手に入ったとのことだったので、こちらも2本ほど頂戴することにした。

我が家のストックにはGE12AX7/ECC83のShort-Plateは軍用を含め数種類あるが、淡白で少しボヤけた音質のためこれまで出番が全くなかった。

独テレフンケンにはLong-Plate(17mm)タイプしかないが、英ムラードでも後発のShort-Plate(14mm)より、1959年頃まで製造された初期型Long-Plate(17mm)の方が音質は良いので、米GEのLong-Plate(17mm)を一度試してみたかった。

RE604には長年灯が入っていないだろうから現在エージング中だが、博士のお話だと長期間未通電だった球には、直熱管で24時間以上が必要とのことだ。

エージング中の球がどのような経過を辿っているのかについて、以下のような博士独自の考察をご教授いただいた。

1.管壁や電極等からガス成分がイオン化して真空度が低下し始めガスによりIpは増加し始める。

この時点では音のフォーカスが甘く感じることが多いように思います。

2.球全体が十分に温まりゲッタが活性化すると管内ガスの吸着が始まり真空度が上昇し始めIpは減少傾向に転じます。

この時点のIpの減少はフィラメントやヒーターの性能が落ちているのではなく真空度の上昇によってガス電流が減少するためです。

3.管内ガスの吸着が完了すると再びIpは微増傾向となり、Ipの増加が止まればエージング完了です。

  この時点になると解像度が増し低音の締まり具合も良好となります。

球の状態にもよりますが、直熱管で24時間以上、傍熱管で36時間以上はかかります。

お付き合いいただいてまだ日は浅いが、真空管博士の知識には脱帽する思いである。

それぞれの音質評価についてはまた後日・・・・・・。                                              9/24

   

■ オーディオ定例会

本日はsigetaさんをお招きして、新作アンプの試聴会を実施した。

前回お越しいただいたのは、コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令される前の3月だったから丁度半年ぶりとなる。

その間にsigetaさんのシステムもプリアンプをリフレッシュされたようで、プロ用機器のグレードがさらに改善された模様である。

上の画像は、昨日真空管博士から届いたTelefunken RENS1374dと整流管BRIMAR 5Z4Gを用いた組み合わせである。

このメッシュプレートの傍熱五極管はTelefunken RS289のようなトップのプレートグリッド接続ではなく、ベースのピンにスクリーングリッドを接続する構造となっている。

真空管博士からの使用上注意点として、「SP端子の接続を既存の16Ωから8Ωに替えて使用することで、さらに締まった低域を聴くことができます」というものだった。

さて、新作アンプのプレートチョークの音質がどのようなものか、興味津々だったとおっしゃるsigetaさんのご感想は・・・・・・。

まず聴き始めの冒頭に一言、「変わりましたね〜。」

「古典球ということで何というかもう少し古臭い音をイメージしておりましたが、そんな感じは全くしません。」

「すごい世界に足を踏み入れたものですね。」

そんな驚きの言葉だった。

出力管はMarconi PX4から始まり、Telefunken RS289→Telefunken RENS1374d→Telefunken RE604の順に試聴を行う。

前段のSTC CV1985/ECC35→RCA5691に続いて、整流管のCossor→BRIMAR 5Z4G→KEN-RAD VT244→WE-274B刻印→STC5R4GYを次々に付け替えて試聴を続けるが、予想通りそれぞれのTUBEで大きな音質の変化を感じ取ることになる。

出力管ではPX4とRE604が大編成で音数の多さを発揮するゴージャス系、RS289とRENZ1374dがソロ系で強みを発揮するTUBEと意見が一致した。

あくまでも我が家の機器組み合わせでの場合だが、PX4よりわずかにRE604に音の深みが上廻るのではとの評価だった。

意外と音質の良さが確認できたのは、当方も昨日到着後ほとんど試聴を行なっていないRENS1374dだった。

テレフンケン特有の低域の締まりの良さに加え、柔らかな余韻もあって大編成のオケを聴いても無理のない自然な響きを感じとることができた。

前段ではやはりSTCの良さが光り、整流管ではCossorとSTCが双璧ではないか・・・・・・・。

アンプ自体の音質については、交流点火の音なのかプレートチョークが影響しているのか判断できないが、太い豪快な音がするように感じるとのこと。

出力管から前段や整流管まであれこれ入れ替えて音色を確認し、別系統のシステムで新たに調達したOrtofon MC-ERの音質も確認していただいた。

盛り沢山のメニューで、無駄話もなくあっという間に時間が過ぎる定例会となった。

アンプの基本性能が高いためか、TUBEを入れ替えるたびに比較的好ましい評価を頂戴したが、概ね当方が感じたものに近いものだった。

一方、オーディオで音楽を楽しむには問題ないが、原音再生視点で考えると実際の演奏会ではここまで豊潤な低音は聴こえて来ないとおっしゃっていた。

改めてsigetaさんご本人から試聴感想を掲示板にご投稿いただくことになっているので、本音についてはそちらを待つことにしよう。                   9/25


※追伸   sigetaさんから本日の試聴感想を、掲示板の方にご投稿いただきました。

             興味のある方はそちらもご覧ください。    ↓

     https://zawazawa.jp/bcjd0i1lnr55w007/topic/1


   


■ 2020年9月現在のシステム構成

ANALOG

AMP

SPEAKER
PLAYER
TONE-ARM
CARTRIDGE
MC-TRANS
PHONO-EQ
PRI
POWER
THORENS
TD-126MKIII
Centennial
SME
3010R/B
Thorens
MCH-II
ORTOFON
T-30

Marantz7
TUBE
AUDIO
LABO

PX4/RE604
Compatible
Single
Marconi
Telefunken

GOODMANS
2WAY
▼▼▼▼
AXIOM22MKII
+
TREBAX

GARRARD
401
audio-technica
AT-1501 II
ORTOFON
SPU
MEISTER-GE
Western
Electoric
KS-9450

Notthingham
Interspace-Jr

GRACE G-565/1
LYRA
Clavis D.C.
EAR 834P
GARRARD
401
audio-technica
AT-1503 III ORTOFON
SPU-GE
J's
No.6600

Chriskit
MARKY
Custom

SUN
VALLEY
SV-91B

300B
Single
TAKATSUKI


GOODMANS
3WAY
▼▼▼▼
AXIOM150MKII
+
MIDAX
+
TREBAX


Notthingham
Interspace-Jr

Interspace-arm
ORTOFON
MC-ER
Langevin
408A

Notthingham
Interspace-Jr

GRACE G-565/II SHELTER
MODEL501
Classic
PEERLESS
4722
SHELTER
MODEL
216
EMPIRE 598N
EMPIRE
980
SHURE
M44G

SHURE
M64

↑ ↑


9月に入り待望の新作アンプが到着したので、我が家のシステム構成はリニューアルすることとなった。

4台のアナログプレーヤーを使用して、MC型からMM型まで数多くのカートリッジで音楽を楽しませて貰っている。

最近はアナログレコードが復活して古い名盤がリカッティングされて発売されることも多く、傷のない新品で購入できるようになったのは嬉しい限りである。

もう少し広いオーディオルームで音楽を聴くことができないか常々考えていたが、大きな部屋でオーディオを楽しむのはそれはそれで大変らしく、12インチのSPを使用するならば、音響面で我が家の約8畳の広さはちょうど良いのかもしれない。

今年中はこの構図で古典球を各種楽しんでゆくつもりである。                                          9/27

   

■ 2つのTelefunken

Telefunken RS289

Telefunken RENS1374d


我が家で試聴するソースは約50%がPOPS&ROCKで、クラシックが40%、その他10%程度の割合となっている。

新作アンプは出力管を挿し替えることで、これらの曲種をほとんど無理なく楽しむことができる優れものだ。

クラシックは主にMarconi PX4とTelefunken RE604を使用し、POPS&ROCKやソロ楽器はTelefunkenの2種類のTUBEを使用している。

新作アンプの音質を料理に例えるとアクセントの効いた関東風の味付けで、優秀なアウトプットトランスの影響かシングルアンプに関わらず重心が低い。

特にこれまで使用してきた各種アンプと2WAYの組み合わせでは、音場密度がやや希薄で柔かな浮遊感を感じさせるのは良いが、音質自体が軽い印象があった。

その点今回の新作アンプでは、重心が落ちてどっしりとした安定感があり、さらにコクと豊かな響きを併せ持った音質が最大の長所となっている。

特にPX4を使用した時は濃厚さが増して豚骨ラーメンのようなコクの深さが出てくるが、RE604はさしずめ風味豊かな味噌ラーメンといった趣である。

それに比べるとテレフンケンのRS289/RENS1374dは、すっきりした爽やかな喉越しを生かした塩ラーメン的な音質である。

同じ塩ラーメンのカテゴリーではあるが、RS289は細麺のストレートタイプでRENS1374dの方は縮れた太麺の図太さを感じさせる違いがある。

このRENS1374dは先日の定例会に於いてもsigetaさんから高評価をいただいたTUBEで、暖かくなるまでは実力を発揮しない寝起きの悪さはあるが、持ち味のパンチの効いたダイナミックな音色はROCKなどのパルシブな曲種にも抜群の相性を見せている。

何となく音のニュアンスをお分かりいただけたのではと勝手な解釈をしているが、ラーメンは嫌いであまり食べてことがなく、味がよく分からないとおっしゃるオーディオ愛好家の方にはお許し願いたい。

そんな訳でコンパチアンプの利点を味わい始めているが、このアンプと軽量コーン紙を使用した12インチGoodmans2WAYを組み合わせることで、オールジャンルの曲種を楽しめるシステムとなりそうだ。                                   9/29

   

■ レイアウト変更


コロナ禍という未曾有の危機に直面した2020年も、残すところあと3ヶ月となった。

海外では感染者の増加に歯止めが掛からない国もあり、早急なワクチン開発が待たれるところである。

さて、我が家のオーディオは先月末の2日間を利用してレイアウト移動を敢行し、思い切ってシステムを一系統に集約してみた。

これでしばらくSV-91BとGOODMANS 3WAYの組み合わせは、別室で待機してもらうことになる。

気分を変えて違うカートリッジの音質を楽しむのも良いが、アナログが7系統あっても結局いつも使用するカートリッジは決まってくる。

そんな訳でアナログの方も、Marantz7で3台のフォノイコとともに使用できるカートリッジを5系統に絞り込んだ。

音質の肝となるAXIOM22MKIIのエンクロージャーは音質が良いと言われている進工舎製を使用しており、ツイーターは純正のTREBAXを組み合わせている。

ある意味セオリー通りで以前と同じSP配置に戻した構図だが、SPの中心から中心までの間隔は220cmとレイアウト変更前より若干広くなった。

嫁殿と老夫婦二人で一系統のシステムを別部屋に運び出し、新たなレイアウトに配置が完了するだけで丸一日がかりの作業となった。

おまけに久しぶりの肉体労働がたたって夫婦共々腰痛に悩まされ、近所の極楽湯に湯治に行く羽目となってしまった。

(特にSV-91Bは送信管用の大型アウトプットトランスを採用していることもあり、24kgもあるヘビー級アンプだ。)

<2020年10月からの新たなシステム構成>

ANALOG
AMP

SPEAKER

CARTRIDGE
TONE-ARM

CARTRIDGE

MC-TRANS

PHONO-EQ

PRI

POWER

THORENS

TD126MKIII

Centennial

SME

3010R/B

Thorens

MCH-II

Ortofon

T-30

Marantz7

TUBE

AUDIO

LABO

PX4/RE604

Compatible

Single

Marconi

Telefunken

GOODMANS

2WAY

🔻🔻🔻

AXIOM22MKII

TREBAX

GARRARD

401

audio-technica

AT-1501/II

Ortofon

SPU

MEISTER-GE

WESTERN

ELECTRIC

KS-9450

audio-technica

AT-1503/III

SHURE

M44G

SHURE

M64

Notthingham

Interspace-Jr

Interspace-arm

Ortofon

MC-ER

EAR845P

GRACE

G-565F

SHELTER

MODEL501

Classic

Peerless

4722

SHELTER
MODEL216

さて、やっと機器の移動や配線も完了して試聴に入る。

アンプ完成から半月以上が経過してその音質にも徐々に慣れ、TUBEごとの特徴もおぼろげながら掴めるようになってきた。

これまでと使用している機器に変更はないが、SPケーブルWE16GAが少し寸足らずなため、先日sigetaさんから頂戴したヴィンテージWE線をSP側に加えている。


SP間に物が無くなって空間に広がりが出たためか、響きに窮屈さが無くなり壁一面に広がる音場がとても心地よいものとなった。

さらに音場に漂う微妙な雰囲気も感じられるようになるなど、見通しが良く透明度の高い音質に改善された模様である。

その影響か若干高域の切れ味が増したように聴こえ、弦楽器の柔らかい響きがやや薄らいだようにも感じる。

ツイーターのレベルを調整するなどして、今後は愛機たちにもこの新しい環境に馴染んでもらうことにしましょう。                10/1

   

■ ルームチューニング

レイアウトを変更しただけなのに、結構出てくる音のニュアンスが違って来ている。

今回のレイアウトは3m×3.6mの長方形短辺にSPを配置しており、これまで長辺に2セット置いていた状態と比較して内側AXIOM22MKIIのSP間隔は広がっている。

低域の響きが増したのは良かったが、高域の質感が硬くシャープなものとなっている。

組み合わせている機器にほとんど変更はないが、置き方を変えることで部屋自体の響きが違ってくるのだろうか?

それとも部屋の音響特性を改善するために使用している「卵トレー」を、今回の変更に合わせSP間の天井部分に追加したのが良くなかったのかもしれない。

このトレーを最初に試した時も、枚数が多すぎるとコントラストが強くなりすぎて聴き疲れする傾向があったのを思い出した。

そんな訳で追加したSP間天井部分のトレーと、左右側面カーテン上部に設置していたトレーの天井部分も撤去することにした。

その結果、直線的な音質に柔らかさが出始めて、なんとかバランス上の問題が改善されたように感じている。

チューブ オーディオ ラボのK村さんから、古いWEトランスで使用されていた線材とnassauのハンダを分けていただいた。

このハンダはプラグのホットに馴染ませるだけで結構音質が改善されるとのことで、我が家のWE昇圧トランスにこの線材とハンダを使用して内部配線をやり直した。

いつも使っているKESTERに比べて綺麗にハンダを乗せるのが難しく、当方のような下手くそな初心者が使用するのはなかなか難しい物だった。

うまく乗らずに何回か接触不良を起こしてやっとのことで音出し完了するが、ヘボなハンダ付けでは逆に音質が悪化するのではと心配になる。

そんなこんなで当分の間は調整の日々を過ごすことになりそうだ。

そろそろ新作アンプのエージングも終了して落ち着いてくる頃合いではないだろうか。                                   10/2

   

■ 多国籍混成アンプ

新たなレイアウトで連日試聴を続けている。

本日は出力管に独Telefunken RENS1374dを使い、前段に旧ソビエト軍用MELZ/6N9S、整流管には米軍用SYILVANIA/VT-244といった強力な布陣の組み合わせ。

いろいろ試聴した結果、ロックに限っていうとこのテレフンケンの五極管がベストと感じている。

これまで使用して来たプッシュプルアンプと比較しても、締まったドラムや太いベースが2〜3割パワーアップして轟くところが素晴らしい。

一緒に聴いていたメタル好きの嫁殿も、若かりし1980年代昭和の愛聴盤を聴いて、これまで気が付かなかった音が聴こえるようになったと喜んでいる。

RS289の解像度の高いゾリゾリ感のある高域も素晴らしかったが、こちらのTUBEは低域の量感と太さで優っている。

この出力管の音の太さや締まり、広帯域なバランス感は安定していて、前段や整流管を米・英など他のTUBEに入れ替えても大きな影響を感じさせない。

整流管のSYILVANIA/VT-244は相変わらず蛇口全開のじゃじゃ馬で、MELZ/6N9SはRCA/5691赤ベース同様、音質がクリアな反面やや硬さがある。

鬼門のクラシックは、バランスの良かったPX4の高域に少し違和感を感じているので、もう少し前段や整流管の選別にも時間が掛かりそうだ。

チューブ オーディオ ラボのブログでは、新たにフォノイコライザーの試作情報が掲載されている。

なぜか同じタイミングで使用しているSHELTERのフォノイコに片chの音が出ない接触不良が発生し、直るか分からないがとりあえず修理に出している。

なんかタイミングが良すぎるな〜(笑)                                   10/3

   

■ POPSに最適な組み合わせ

お次はPOPSやボーカルなど、少し大人しい曲を聴くときの真空管の組み合わせについて・・・・・。

やはり出力管については、最もスタンダードなMarconi PX4の出番となる。

今回こちらのTUBEに入れ替えて試聴してみると、レイアウト移動後初めて音質を確認した時に感じた違和感は嘘のように消えている。

レイアウト移動による音質の変化に耳の方が当初違和感を憶えたのか、それとも試聴を続けるうちに徐々に機器が新しい環境に馴染んできたのかどちらだろう?

ROCKに最適なTelefunken RENS1374dに比べ、こちらは温度感がグッと上がって響きの優しい安定感のある音質となるが、打楽器のドラムではチューニングキーを緩め気味でベースも少し太めの音質に変わるなど、それぞれの楽器の音質にも変化が現れている。

ROCKに最適なTelefunken RENS1374dの特筆すべき音質特徴は、音の締まりと解像度の高さにある。

その一例として、この出力管で80年代にヒットしたデュエットのバラード曲を聴いた時、これまではSP間中央部分からそれぞれシンガーの歌声がぼんやり聴こえていたが、初めて左右に並んだ状態(女性左側、男性右側)で定位し眼前に浮かび上がった。

一方、Marconi PX4の全体的な特徴は、低域から高域までのバランス感の良さに加え、奥行きを伴った臨場感のある優しい響きではないだろうか。

音の固さが薄れて柔軟性が出る分、肌触りの良い上質な響きが加味されるように感じられる。

そしてこの出力管には前段のSTC CV1985/ECC35に加え、整流管にはBRIMAR/5Z4Gといった純英国勢のサポートがふさわしい。

この組み合わせは最もノーマルかつ全方位的な音質バランスを兼ね備えており、全てのジャンルに於いて音楽を破綻なく楽しませてくれるものだ。

さて、ここまではほぼ順調にそれぞれの曲種で満足感を得られる音質を味わうことができた。

いよいよ最後に残ったのはクラシックである・・・・・・。                                                   10/6

   


■ クラシックに最適な組み合わせは?

Marconi PX4

Telefunken RE604


いよいよ最終関門のクラシックを検証する・・・・・。

これまでの試聴で、長年使用して来たプッシュプルやシングルアンプを凌駕する音質をこの新作アンプはもたらしてくれている。

ROCKやJAZZなどの曲種には音の締まりとキレが要求されるし、POPSやボーカルなどでは心地よい音の温もりと響きの美しさが必要だ。

しかしクラシックになると少し話はややこしく、コクのある弦楽器の胴鳴りや湿り気のある肉声の響き、ホールトーンを感じさせる残響など要求が多岐に渡る。

まず最初にオールマイティーなPX4を試してみると、前段や整流管などPOPSと同じ組み合わせでは音が少し鈍重傾向となり、抜けや見通しが今一歩に聴こえる。

整流管をCOSSOR/53KUに換えると粗かった高域に細やかさが加わって低域の響きに軽快さと躍動感が出始め、持ち味のブリリアントで硬質な輝きが生きてくる。

オペラやコンチェルトなどでは歌手の肉声やソロ楽器が音場にクローズアップされ、オケとの融合がとても気持ちの良い相乗効果を醸し出している。

この組み合わせで1950年代に録音されたオペラの英EMI/ASD録音盤などを聴くと、最高の気分を味わうことができそうだ。

一方、80年近く前に製造されたバリウム昇華フィラメントのTelefunken RE604はどうだろう。

このTUBEは古典球を愛してやまない真空管博士やアンプビルダーのK村さんから最高の評価を得ており、レイアウト変更前に実施した定例会でもshigetaさんからPX4を超えるのではとの感想を伺っている。

2本とも同じ昇華型フィラメント構造だが、全体形状は画像左の後期型が僅かに背が高くなっている。

高域の繊細感に優れ、抜けの良さが持ち味の整流管COSSOR/53KUを組み合わせたPX4では、豪華絢爛に響く高域がやや派手な音質を見せていたものが、このTUBEに換えると重心が下がって雄大ないぶし銀の音質バランスに表情が変わってくる。

同じテレフンケンのRS289/RENS1374dはやや温度感が低いが引き締まったストレートな音質が持ち味となっていたが、こちらのTUBEでは光の当て方によって色目が変わって見える肌触りの柔らかいビロード地を想わせるような奥深い音色が味わえる。

さらに整流管を前段と同じブラウンベース英STC CV1985/ECC35に交換すると、繊細感が増して重厚感がやや薄らぎ、音質に見通しの良さと軽快な躍動感が出て来るなど全く甲乙付け難い選択となる。

どちらにしてもPX4ほど絢爛豪華に響くリッチな趣きはないが、回転数を落としたような重厚で渋い音色傾向を持っており、オケの弦楽器群のユニゾンが心地よくほぐれて特に鳴り終わった後の余韻がとても美しく聴こえる。

やや帯域は狭いが、高域の豊かな余韻や中域の濃厚なコクともに申し分なく、予想通りクラシックにはRE604が最適なTUBEと確認できた。

新作アンプが我が家に到着してからほぼ1ヶ月が経過している。

いろいろな曲種を試聴したが、このコンパチアンプは各種古典球を使用することで、幅広いジャンルの曲種を満足ゆくレベルで楽しめるものだ。

真空管博士によるとRS289/RENS1374dのように、あまり市場には出ていないが音質の良い古典球がまだまだ存在するとのことなので、今後はそれらのTUBEの音質を楽しんで行きたいと考えている。                                             10/8

  

■ 5系統に絞り込んだアナログの楽しみ方


この半月の間どっぷりと試聴を続けた結果、コンパチアンプを使った音楽ジャンルごとの楽しみ方も理解できるようになってきた。

現在主力ソースのアナログはSPシステムを縮小した結果、5系統が使用可能となっている。

Marantz7に装備されたフォノイコ入力を使用しているのは、WE-KS9450でステップアップするOrtofon/MEISTERとJ'sトランスを内臓したOrtofon/T-30で昇圧するThorens/MCH-IIのMC型カートリッジ2機種である。

カートリッジの中で最も使用する機会が多いのがOrtofon/MEISTERで、クラシックをメインにほぼオールジャンルで活躍している。

幅広いジャンルに対応するMEISTERに比べ、MCH-IIはクラシック専用のカートリッジとなっている。


Ortofon SPU MEISTER GE

Thorens MCH-II


最も使用頻度の高いMEISTERの音質にとても似ているのが、発売年代の近いOrtofon/MC-ERだ。

こちらのカートリッジは現在EAR/834Pのフォノイコを組み合わせており、ステップアップもパラヴィッチーニ翁ご自慢の内蔵トランスを使用している。

MEISTERと同様に、馬力のあるブリリアントでリッチな響きが楽しめるため、主にPOPSで使用することが多い。

Ortofon MC-ER

SHELTER MODEL216/EAR 834P

ROCK専用に使用しているのが、フォノイコSHELTER/MODEL216+SHELTER/MODEL501ClassicとSHURE/M64+SHURE/M44Gの純正組み合わせだ。

最もガツンとパンチが効いて弾ける音を聴かせるのがMM型SHURE/M44Gで、SHELTER/MODEL501Classicはこれに重低音の豊かな響きが加わる。


SHURE M44G

SHELTER MODEL501 Classic

どの組み合わせを聴いていても、これまで気が付かなかった音にハッとさせられるのは、アンプの基本性能が優れている証ではないだろうか。

レコードに針を落とすたびに、自然とニンマリとした笑顔になってくるのが分かる。                             10/10

■ Telefunken RS vs RENS

現在のところROCK&POPSを中心として、最も出番の多いのがTelefunken RENS1374dだ。

RS289と同じ五極管だがRENSの方は低域の量感が増えて、やや中高域に持ち上がった軽めの音質バランスが改善されているように聴こえる。

このRENSを使用する時は真空管博士から使用上の注意として伺った通り、SPインピーダンスを16Ωから8Ωに接続変更して使用している。

先日博士と電話で情報交換していた折に、低域の音質の違いはSP端子の変更に影響されているのではとの話になって、同じ条件で再検証することにした。

そんな訳でRS289を使用するのは久しぶりとなるが、SP端子をRENSと同じ条件の8Ωに接続して試聴を開始する。

以前試聴した記憶と違って中高域が乾いたマットな音質となり、持ち味の切れもやや薄らいだようで、低域の量感や広がりも期待したほど感じない。

結論としてこのRS289を8Ω端子で使用すると、最大の利点だった高域の解像度も低下してあまり魅力のない音質となってしまうようだ。

再びRENSに戻すと、高域のゾリっとした切れ味と低域の押し出し、ダンピングの効いた躍動感とも申し分なく、やはり我が家のコンパチアンプにはこの豆タンクのようなフォルムをしたRENS1374dの方が相性が良いことを再確認できた。

RS289

RENS1374d


いよいよエージングも終盤に近づいて、ますます本領を発揮して来た模様。                             10/12


■ Telefunken RENSの可能性

整流管各種
6SL7系初段管各種


コンパチアンプに古典球を使って試聴を繰り返した結果、ROCK&POPSなどのジャンルではRENS1374dが最も相性の良いTUBEと感じている。

流石にクラシックではPX4やRE604など銘球の音質が優っているが、先日ROCK盤を楽しんでいたそのままの流れでクラシック盤に針を落としてみたところ、エージング効果も出て来たのか当初不満だった低域の広がりや量感をそれほど問題なく感じるようになった。

その反面高域の潤いや艶感に物足りなさがあり、細部に渡る描写力は十分に感じられるものの、やや乾燥した音質が影響しているのかもしれない。

そんな訳で基本的な音質には問題ない訳だから、初段管や整流管の変更により細かな表現力が改善できないか試してみることにした。

音質に影響力がより大きいのは整流管の方だが、高域の質感となると初段管での改善も見込めるのではないか。

初段管では音の輪郭や表層的な部分に違いが現れるが、整流管になると根本的な音質バランスが使用する真空管によって変わるようだ。

現在初段管6SL7系のストックは、英STC ECC35の他、米RCA5691/ RCA6SL7GT(スモーク)、 米RAYTHEON5691、旧ソビエト MELZ/6N9Sがある。

整流管は英Cossor53KU/Mullard GZ32(CV593)/STC5R4GY、米KENRAD VT-244/SYLVANIA VT-244/RAYTHEON 5U4Gなどである。

これらを各種組み合わせて試聴を行い、音質改善が計れないものか試してみることにした。


その結果、前段にRCA5691(赤ベース)と整流管にCossor53KUを使用する組み合わせに落ち着いた。

じっくり腰を据えてクラシックを楽しむ時はPX4やRE604を使用するが、気軽に音楽を聴く時はこの組み合わせでオールジャンルが楽しめそうだ。

しばらく聴いていると、オーケストラの立体的な音場がとても好ましく、弦楽器の繊細な響きもなかなかのものでこれはこれで魅力のある音色である。

10/16

■ 新たな整流管

ZENITH/Super Silvertone 5Y3G(Raytheon) / DARIO GZ32

Silvertone(Ribbed Plate)/ZENITH(Smooth Plate) 5Y3G


青森の真空管博士からまた魅力的な整流管が送られて来た。

博士のお宅には3000本近いTUBEストックがあるとのことで、真空管マニアには応えられない桃源郷のような場所と勝手にイメージしている。

以前送っていただいたBRIMAR-5Z4Gは残念ながら、先日電源を投入した際に管内にポンポンと花火のような火花が散って昇天してしまった。

RENS1374dのような小振りのST管と組み合わせるには、Cossorや5U4G系の整流管はサイズが大き過ぎるのでこれぐらいがちょうど良い大きさである。

黒ベースにZENITHとSuper Silvertoneの商社名が刻印されているのは5Y3GというRaytheonで製造されたTUBEで、ともに音質の良いフックフィラメント構造を持っているがスムースとリブでプレートタイプが異なっている。

もう一種類は仏DARIO GZ32で、我が家で使用していたDARIO GZ32がエミ減となっていたのでちょうど良いタイミングだった。

こちらのDARIOも製造時期が古いようで、これまで使用していたのは通常のスクエアゲッタだったが、こちらはトレーを逆さまにしたようなRENS1374dと同じ形状のゲッタとなっている。

DARIO GZ32 OLD

DARIO GZ32 NEW


5Y3Gの音質は、若干帯域が狭まって音場が中央に集まるような傾向はあるものの、音色バランスは滑らかで温かみのあるものだ。

GZ32の方は音場に広がりが出て余韻も豊かになり、テレフンケンの几帳面な音色を和らげるような大らかさを持っている。


全体的なバランスを見ても、出力管とほぼ同じくらいのサイズで収まりがよろしい。

どちらにしても製造時期が近いTUBEを組み合わせると、相性の問題で音質もそれなりに良くなるのかもしれません。                             10/20

■ Telefunken RENS1374d ナス管

東北地方に実在する桃源郷から新たなTUBEが届いた。

現在最も使用頻度の高いRENS1374dのナス管で、滅多にお目にかかれない初期型である。

これらの古典球は同じ種類のものでも製造メーカーごとに型番が異なっており、共通化がなされていない。

このTUBEもRENS1374d(Telefunken)=L4150D(Valvo)=E453(Philips)=APP4100(Tungsram)=P440N(Triotron)=RS4353・RS4553(Vissuaex)=TE53(Dario)として、ヨーロッパの数多くのメーカーで1932年頃から製造されていた。


今回送られて来たものには管頂に独Telefunkenの同じロゴ印字があるが、博士の説明によるとTelefunkenはValvoと相互にOEM供給しており、背の高い方はValvoで製造されたTUBEとのことで、内部構造もグリッドやメッシュサイズなど若干異なっている。

最初はやはり少し寝ぼけた音質で、何十年も寝かしてあったTUBEだとすると、はっきり目覚めるまでにかなりの時間が必要かと思われる。

現在使用しているST管と違って基本的にはふくよかな余韻を感じさせ、エッジの角が丸まってカチッとした硬質感が抑えられた大人しい音質だ。

どちらかというとスケールを落とした小振りなRE604のような音色に感じるが、ガラスの形状が影響しているのだろうか?

現在のところは今一歩はっきりとしない音質だが、エージングと共にキレが加味されてくるかどうかは今後一週間ほど試聴してみないと分からないようだ。

ST管で聴くことができる素晴らしいキレと、RE604のような奥の深い大らかさが合わさった音質になれば文句なしになるのではと期待している。

10/22

■ 古典球の長所と短所


Telefunken RENS1374d ナス管のエージングを続けているが、使用して二日目には劇的に音の締まりと伸びやかさが出始めた。

その辺りのところを真空管博士にお伺いしてみた。

アマチュア愛好家(私):「先に使用していたST管の方はそれほど最初から寝ぼけた音がしなかったんですが、ナス管はなぜこんなに寝起きが悪いんでしょうか?」

真空管博士:「ナス管とST管の使いはじめの音質差は管内の真空度の違いから来ています。ST管が製造される頃には真空ポンプの性能が大きく改善して、製造直後から真空度が高いことが要因となっています。ナス管製造時にはまだ真空度が低く、エージングによるゲッタの活性化により管内の真空度がじわじわと高まって、低域の締まりや解像度の増加が顕著となって現れます。」

なるほどそういうことだったのだ。

以前、真空管のエージングについてお話を伺っていたのを思い出したが、その時は傍熱管では36時間ほどのエージングが必要だとの話だった。

そんな訳でこれまで寝ぼけて弟分のST管とは全く別人の出来の悪い兄貴だったTUBEが、にわかに優秀で模範的な実力を示しはじめた。

そんなこんなで良いことばかりかと思えばさもあらず・・・・・・・。

古典球の弱みは製造後1世紀近い年月が過ぎているため、その分だけ品質の低下をリスクとして考慮しておかないといけないという面にある。

真空管博士のようにその品質を徹底的に吟味して全世界からTUBEを調達し、その後には真空管試験機にて良否を判定してピンの劣化したハンダを入れ替えるなど徹底したリファインを実施したとしても、実際にアンプに装着して長時間音出しをすると不具合が出るパターンがあるのだ。

今回博士からお譲りいただいた貴重なTUBEについても、最初に届いたRENS1374dのペアは片方のノイズが収まらないので品質の高い良品に入れ替えてもらっているし、今回のナス管についてもValvo製の片方からノイズが出るのでTelefunnken製に交換してもらい完璧なフォロー対応を受けている。

「どうしても試験機などでは判別できないリスクがあるので、できれば複数を調達するよう心がけています。」とは博士の弁であるが、これを独自でe-bayにて海外から調達し、実機に装着して問題が起きた時を考えると誠にゾッとする話である。

この辺りも博士が古典球の良さを日本のオーディオ愛好家に広めたいという、真空管への愛情が垣間見えるところである。

そんな訳で1930年代の人間が100年近い時を経て現代にタイムスリップし、その昔の素晴らしさを融合させていくという側面も伺える物語のような話でもある。

当時はラジオ程度にしか使用されていなかった真空管を、現代の高品質パーツに融合させて音楽を楽しむという、新たな発見がそこにはあるのかもしれない。

10/24


http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c27

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
28. 中川隆[-10652] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:29:52 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[24]
「音楽&オーディオ」の小部屋
「地震情報」が取り持った新しい真空管アンプ 2019年05月21日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/43b58b64fb161c8ef7ffab7309a31641


あれは2週間ほど前のことだったろうか。

「東北地方に地震」とのテロップがテレビに流れたのでさっそく「北国の真空管博士」に電話して安否をご確認。

「御無事でしたか?」「ハイ、それほど揺れた感じはありませんでしたよ」

「貴重な真空管は大丈夫でしたかね?」「アハハ、被害はありませんでした」

笑われたところをみると、ホンネがバレたかな(笑)。

博士の所蔵される古典管は極めて珍しい希少管ばかりだし程度のいいものが”わんさ”とあるので地震と聞くと気になって仕方がない。

ものはついでと「何か目新しい情報はありませんか」とお訊ねすると、

「はい、このところ古典管が品薄になって高騰しているので、比較的手に入りやすい球で代用できるものがないか、もっぱらチェックしています。

アッ、そうそう、チューブ・オーディオ・ラボさんが新しいアンプを作られたそうですよ。出力管は6AR6です。

〇〇さんにはなじみの薄い球でしょうが、3極管接続にすると「PP3/250=PX4」そっくりの特性になります。あなたが大好きなブリティッシュサウンドに変身しますよ。」

「ほう、それはぜひ試聴してみたいですね!」「それなら連絡をとってみましょう」

そして、すぐに博士から出力管「6AR6」についてメールが届いた。

「6AR6は1945年にベル研究所(WE)によってWE350Bの後継管として開発されたようです。 当時WE350Bはその信頼性の高さからレーダーの掃引用として使われていました。

しかしWE350Bは大型のため機器の小型化には問題が有りバルブを小型化した特殊なWE350B互換球を使用していたようです。

そこでレーダーに最適なコンパクトかつ信頼性の高い球として6AR6が開発されたわけです。 6AR6は極初期にWEが少量生産したのみでその後はTungsolに引き継がれました。

数社が製造したようですが圧倒的にTungsol製が多いです。 ビーム管として極めて優秀な6AR6ですが、私が検証したところ三極管接続にすると英国を代表する古典管の銘管PP3/250とほぼ同じ動作をするのです。

今回のチューブ・オーディオ・ラボさんによる6AR6シングルアンプは6FD7アンプ同様極力シンプルな構成として6AR6の素顔を存分に堪能できる内容となっています。

良質なインターステージトランスを使用して古典に倣った回路構成とすれば米系出力管でありながらブリティッシュ・サウンドが聴けるかもしれませんので今後の発展が楽しみです。」

とのことだった。

文中の「PP3/250」(英国マツダ)だが、めったにオークションに出てくることも無く古典管マニア垂涎の球としてつとに知られている希少管である。

我が家では英国系の出力管として「PX25=PP5/400」を愛用しているが、人によっては「PP3/250=PX4」の方が好きという方もいるほどで実力伯仲といったところだろう。

古典管の泰山北斗「博士」折り紙付きの「6AR6」アンプなので期待に胸を膨らませていたところ、昨日(20日)になって新アンプが我が家に到着した。

   

構成は初段管が「6SL7」、出力管が「6AR6」、整流管が「6BY5GA」。出力トランスは今どき珍しい「手巻き」で知られる「TSM Products」製。

さっそくスピーカーをJBLの「D123+075」で聴いてみたところ、ウ〜ン、これは素晴らしい!(笑)

パワー感、情報量、透明感、分解能など何ら不足を感じない。欠点のないアンプとはこういうアンプを指すのだろうか。

取り分け「PP3/250」と同じ動作をするという「6AR6」の中高音域の艶は流石で、アメリカ球なのにイギリス系のほのかな色香を感じさせるのが不思議。

これまで「PP3/250」アンプを聴いたことがないが、おそらく同等か、いやもしかしてそれ以上ではなかろうかと思わず夢が膨らんだ。

次にスピーカーを「AXIOM80」にして聴いてみた。

すると中高音域の情報量が多いせいかやや暴れ気味の感じがしたので取り付けている「AXIOM80」(復刻版)から「最初期版」への変更の必要性を感じたが、念のためにと前段管(6SL7)を「シルヴァニア」から手持ちの「STC」の「CV569=ECC35=6SL7」に代えてみたところ見事に暴れが収まって心地よい響きになったのには驚いた。

   

左がシルヴァニア(アメリカ)、右がSTC(英国)。

いずれにしても、JBLシステムもAXIOM80も気が遠くなるほどうまく鳴ってくれる!(我が家の試聴環境ではという条件付きです)

さあ、あとは購入するかどうか大いに心が揺れ動くが決め手は「懐」次第といったところですね。とりあえず「予約1号」として登録しておくことにしよう(笑)。

最後に、出来るだけ多くの方に聴いていただきたい(製作者)とのことなので、貸出しOKのようですよ。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/43b58b64fb161c8ef7ffab7309a31641
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c28

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
29. 中川隆[-10651] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:30:55 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[25]
「音楽&オーディオ」の小部屋
凄いアンプ! 2018年08月17日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1d3bebb26d2c711e725b08136e58ec71


連綿と続いた「SPユニット遊び」もようやく一段落し、今度は我が家の6台の真空管アンプとの相性テストに移ろうとした矢先に朗報が飛び込んできた。

「今年の秋の真空管オーディオフェア(東京)に出品予定の真空管アンプがようやく完成しました。まだプロトタイプですが一度試聴してみませんか。」

新潟県の老舗の真空管アンプ工房「チューブオーディオラボ」のK村さんからだった。

「いやあ、それはまたとない機会ですね。ぜひ試聴させてください。」と、一つ返事。

それから3日ほどして我が家に到着したものの、あまりの容れ物の大きさに仰天した(笑)。

        

すぐにK村さんと交流のあるKさん(福岡)に連絡して、「かねがね話題に上っていたアンプが到着しましたよ。よろしかったら明日一緒に試聴してもらえませんか?」

「エッ、急な話ですね。多分うかがえると思いますが・・。」と、当然のごとく歯切れが悪い。

「どうも無理を言ってすみません。」

翌日の午後、予定通りお見えになったKさんともども新型アンプの試聴に入った。

アンプの概要を紹介しておこう。

プッシュプル方式で出力管は「RS289」(テレフンケン:1942年製)×4本、整流管は「83」(水銀蒸気入り:刻印)、アンプの要である出力トランスとドライバートランスは「TSMProducts」特注品というなかなか凝ったツクリ。

「RS289」は5極管(傍熱管)だが、それを3極管接続にしてあり、第二次世界大戦中のドイツ地上(戦車)部隊の通信用に製造された球である。兵士の生命ひいては国家の存亡にかかわる真空管だからツクリの精度は民生用の比ではない。

70年以上も前の希少な球だし、さぞやあの独特のドイツ語の発音にも適応した優れた球なのだろう。戦後になってロシアから大量に出てきたりするそうで、おそらく戦利品として持ち帰ったと推測される。いまだに戦争の爪痕が色濃く反映された球として実に興味深い。

かっては、血まなぐさい戦いの中で使用されていた真空管が見事に現代に蘇り芸術鑑賞用として優雅な音で我々の耳を愉しませてくれるなんて、天と地ほどのあまりの境遇の違いに「これこそ本来の使命だ!」と、真空管もきっと喜んでいるに違いない(笑)。

これらの珍しい真空管の採用は「北国の真空管博士」のアドバイスを参考にされており、独自の「裏技回路」なども組み込まれているとのこと。

アンプのスイッチは2段階に分かれており、まず、整流管の「ヒートアップ・スイッチ」をオン、3分ほどしてアンプのパワースイッチをオン、傍熱管なので本格的なサウンドを出すまでには30分ほどかかるという代物である。気忙(ぜわ)しい人にはまず向かないアンプ(笑)。

テストに使ったスピーカーはワーフェデールの2ウェイ、CDシステムはdCS(イギリス)のトラポとDAC、プリアンプは12AX7を6本使った真空管式。

記念すべき最初の試聴盤はKさんともども愛好してやまない「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364」(モーツァルト)。

          

「五嶋みどり」と「今井信子」のコンビだが、ヴァイオリンとヴィオラの押したり引いたりの「阿吽の呼吸」が神業としか言いようがないほどの素晴らしい演奏。モーツァルト一筋に40年以上に亘ってひたすら聴き込んできた自分が言うのだからどうか信じてほしい(笑)。

ほかにもパールマン盤やグリュミオー盤も持っているが「みどり・信子」コンビの方が断然上回っているので同胞としてまことにうれしくなる。

第一楽章から耳を澄まして聴いてみたが、Kさんともども「可聴帯域の周波数レンジをすべて網羅している印象です。これまで聞こえてこなかった音が聴こえてきますねえ。」と感嘆しきりだった。

プッシュプル方式だから中低音域の厚みとスケール感はほぼ予想した通りだったが、中高音域の透明感もシングルアンプと比べてそん色がないことに驚いた。

二人で驚嘆しながら次から次にCD盤を取り換えて鑑賞に耽った。マルサリスの「バロック デュオ」も素晴らしかった。ホーンタイプのユニットを使っていないのに、唾が飛んでくるほどのトランペットの迫力と勢いに圧倒された。サキコロ(ソニー・ロリンズ)のシンバルもバッチリ!

「とても我が家でこんな音を出すのは無理です。」とKさんが白旗を掲げられるほど(笑)。

さらにこのアンプはスピーカーを完全に牛耳っているところが頼もしい。両者の関係はケースバイケースで様々だが、あるべき姿はやはりアンプがスピーカーをコントロール下におく主従関係に尽きる。

それに、いかなるオーディオ機器もじっくり聴き込むと何かしら欠点が見えてくるものだが、このアンプに限ってはそういうことが感じられそうにない印象を受けた。

実を言うと我が家の6台の真空管アンプも相当なレベルに到達していると自負していたのだが、中低音域の分解能と分厚い響きには正直言ってとうてい敵いそうにない。

Kさんが辞去された後、K村さんに連絡した。

「このアンプはだいたいどのくらいのお値段を考えられているんですか。」と単刀直入に切り込んだ。

「う〜ん、そうですねえ・・・・。〇〇万円ぐらいですかねえ。」と、まだ具体的なお値段までは想定されていなかったご様子。

実を言うと、このところ知人に委託して不要になったオーディオ機器をオークションに出品してもらったところ、その代金がかなり溜まっている。

いわば軍資金だが、たとえば3ペア持っていた「AXIOM80」のうち1ペアを処分したところ「278千円」と予想以上の価格だったし、真空管のWE300Bオールドは「300千円」近いお値段だったし、ほかにもいろいろあって「懐」はかなり潤っている状況だ。

それに、真空管「RS289」のストックにも限界があり「早い者勝ち」になることは目に見えている。

まさに「猫に鰹節」のような危険な(?)状況だが、はてさて、どうしようか・・・(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1d3bebb26d2c711e725b08136e58ec71
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c29

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
30. 中川隆[-10650] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:34:28 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[26]
「音楽&オーディオ」の小部屋
真空管アンプはハンダで音が変わる! 2017年01月27日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/c/45d6e4b9b842f142d7022ba9f57e4c44


今回ばかりは表題をどうするか迷った。話題沸騰中の「6FD7」アンプに関することなので「魅惑の真空管アンプ〜その12〜」にするか、それとも「真空管アンプはハンダで音が変わる!」にしようか。

結局、「風変わりなタイトル」を付けたときの誘引力は無視できないので(笑)、後者にしたが、その代わりカテゴリーは「魅惑の真空管アンプ」のままなので、実質「〜その12〜」としておこう。

さて、我が家に真空管アンプ「6FD7」の完成品がやってきてからおよそ1か月。

     

今ではエース級として八面六臂の大活躍で、「グッドマンAXIOM150マークU・イン・ウェストミンスター」を鳴らすときには欠かせない存在になっている。

これまで主にPX25シングルアンプを使ってきたが、弦楽器はいいもののピアノの再生に難があって時折り甲高い音にヒヤリとすることがあったが、それがこの「6FD7」アンプだと弦楽器もピアノもボーカルも「何でもござれ」で、まずはひと安心。

たかがテレビ用の小さな真空管が大型の古典管に対して互角以上の勝負をするのが不思議でたまらないが、改めてその主な理由を3点ほど列挙してみると、

☆ 出力管がドライバー機能と出力機能とを併せ持っているため信号の伝達ロスが極めて少ない

☆ 個人の手巻きによる優秀な出力トランス(周波数の再生帯域が7〜5万ヘルツを誇る)が利いている

☆ 百戦錬磨のアンプビルダーたちが知恵を振り絞った独自の回路

ところが、これらに加えてほかにも大切な秘密があったんですよねえ(笑)。     

結論から言うと、それは真空管アンプを製作する時に欠かせない「ハンダ」のブランドにあったのだ!

判りやすいように、このアンプの製作者様(Kさん)との問答を再現してみよう。

Kさん「使用するハンダの種類で音は随分変わりますよ。端的な例を挙げるとエレキ・ギターですね。ギターの内部配線のハンダを変えるだけで音が一変するので、(ハンダの種類に)拘るエレキ奏者がとても多いです。

真空管アンプにしても以前古いウェスタン製のアンプを修繕したことがありますがソックリそのまま復元したのに肝心の音の方が蘇りません。原因は使うハンダにありました。爾来、古いアンプを修繕するときは可能な限り使用されているハンダを吸い取ってそのまま使用することにしています。」

「ほう〜、たかがハンダごときでそんなに音が変わりますか!ちなみにこの6FD7アンプはどのくらいハンダ付けの箇所があるんでしょう?」

Kさん「そうですねえ。手元に回路図があるので数えてみましょうか。1,2,3・・・・。全体で65か所ぐらいですかねえ。」

「そんなに沢山ありますか!そのうち音声信号系統と電源系統に分けるとすると、どのくらいの比率になりますかね。」

Kさん「音声信号系統のハンダ付けの箇所となりますとおよそ35か所ぐらいになります。」

「ハンダは一種の抵抗素材ともいえますから35か所もの関所があればハンダの種類によって音が変わるというのは十分納得できますね。ちなみにこれまで使用された中で一番音のいいハンダのブランドは何ですか?」

話はいよいよ核心に迫っていく(笑)。

Kさん「それは〇〇〇です。もう市販はされていませんので昔買い込んだものを大切に使っています。古いアンプでも回路はそのままで結線の箇所をこのハンダに入れ替えるだけで音が激変しますよ。」

「そうですか!この6FD7アンプにもそのハンダを使っていただいているんでしょうね?」

Kさん「もちろんです!」

ああ、良かったあ(笑)。

世にアマチュアのアンプ・ビルダーさんは数多いが、どうしてもプロに及ばないのはこういうところに一因があるのかもしれない。

血なまぐさい激動の幕末期に、「新選組」が「勤王の志士」たちを襲撃したあの有名な「池田屋騒動」事件で当時現場で死亡したのはなまじ剣術の腕に心得のある連中ばかりだったという。腕に覚えのない面々はハナから逃亡したおかげで命が助かった。

「生兵法は大怪我の基」ということを言いたいわけだが、ほんとうに家庭で音楽をいい音で聴きたいと思ったら、つまらないプライドは捨てて(よほどのプロ級は別だが)、ハナからプロが作ったアンプを使った方がいいと思うが、これはちょっと言い過ぎかなあ(笑)。



魅惑の真空管アンプ〜その11〜
2017年01月12日 | 魅惑の真空管アンプ
今年の元旦のお天気のように「新年早々から幸先の良いスタート!」にピッタリ当てはまる出来事があったので、胸を躍らせながら報告しよう(笑)。

テレビ用の真空管「6FD7」を使ったアンプについては「魅惑の真空管アンプ」シリ〜ズとして、新たにカテゴリーを設けて連載しているが、次から次に話題が出てくるのでオーディオをますます楽しませてくれる。

このアンプを「デモ用として使っていいですよ。」と「チューブ・オーディオ・ラボ」さん(新潟県)から預かったのは「真空管オーディオフェア」(東京都)が終了した10月上旬のことだった。

音質が我が家のシステムにマッチしていたのですぐに注文したところ、よそ様からの注文が相次いだため「お馴染みさんは後回し」の原則(?)のもとに待たされること3か月、ようやくこのほど待望の完成品が届いた。

舌なめずりしながら、さっそく試聴してみたところ「デモ用アンプ」をさらに上回る出来栄えだった。

          

左側がデモ用アンプで右側が完成品だが基本的な部品の配置は変わっていないものの、いろんなところが改良されている。

列挙してみると、

☆ 電源供給の要となる電源トランスが容量の大きいものに変更され、それに応じて「6FD7」のプレートにかける電圧が190Vから220Vへアップ、また電解コンデンサー(2本)も300Vから500Vへと大幅にアップされている。

☆ デモ用アンプはグッドマン(能率97db)のときには目立たなかったが、フィリップス(能率100db)のときに微かな残留雑音(ハムノイズ)が感じられてやや気になっていたのだが今回のアンプでは完璧に抑えられていた。つまりSN比が大幅に向上している。

☆ SPターミナルがネジ式からバナナプラグ式に変更されてSPコードが接続しやすくなった。

さらに肝心の音質だが、周波数レンジの拡大は言うに及ばず、スピード感、透明感から音のゆとり感までまったくケチのつけようがない。

我が家ではこれまで「PX25」アンプが王様として君臨してきたが、その牙城に迫らんとする勢いがある(笑)。

「6FD7」はドライバー管機能と出力管機能が一体化しているので信号の伝達にロスが無く、その辺のメリットが音のスピード感に寄与しているのだろう。我が家のジャジャ馬的な存在の「AXIOM80」(最初期版)との相性では、弱点である中低音域の量感を増やし、鋭すぎる高音域を抑え気味にするなど、このアンプが今のところベストの組み合わせといっていい。

先月(2016・12月)、同じ「AXIOM80」をこよなく愛好されている横浜市のSさんがデモ用アンプを試聴されてこのアンプの購入を決定されたが、完成品はそれ以上の出来栄えなので決して期待を裏切らないと思う。Sさん、あとしばらくの辛抱ですよ〜。

さっそく製造元様に次のように申し上げた。

「完成品は素晴らしい仕上がりぶりです。デモ用アンプとはかなり違います。もし、デモ用アンプを借りて試聴したいという申し出があっても、むしろ悪い印象を持たれるとまずいので貸さない方がいいかもしれません。完成品を新たにデモ用としたほうがいいので早急に(完成品を)送付していただくわけにはいきませんか。」

すると、製造元様から「それは分かりますけどフル稼働してもチョット追いつかない状況です。もし希望者がありましたら、おおよその音の傾向とか自宅のシステムとの相性の具合とか、大まかな範囲でよろしければという条件付きで貸していただくわけにはいきませんか。」

「ハイ、それもそうですね。」

ところが皮肉なことにその懸念がすぐに現実のものとなった。

このほど、兵庫県にお住いの「I」さんという方からメールが来て「6FD7」アンプを借りて試聴したいという申し出があったのだ(笑)。

すぐに次のような苦心(?)のメールを発信した。

「現在、お貸出しできるデモ用の<6FD7>アンプは手元にありますが、このほどチューブ オ−ディオ ラボさんから別誂えの完成品を受け取りました。

すると、周波数レンジの広さや残留雑音の低減など著しく改良されています。したがって、おおよその音の傾向とかご自宅のシステムとの相性がおおまかに試すという意味でデモ用アンプを試聴されるならいいと思いますが、おかしな先入観を持たれない方がいいので、まずもって完成品の方を聴かれた方がいいと思います。

完成品を貸し出せる予定はおよそ1月末とのことです。

それまでに、どうしてもデモ用アンプを試聴ご希望なら<送料着払い>になりますが送付してもいいですよ。」

すると「それでは待ちましょう。」というメールが返ってきた。

ハイ、それが非常に賢明な選択だと思います(笑)。


魅惑の真空管アンプ〜その10〜
2016年12月27日 | 魅惑の真空管アンプ
クラシック音楽の世界では「9」という数字が忌み嫌われていることをご存知だろうか。

たとえばマーラー作曲の『大地の歌』は、交響曲第8番に次いで完成され、本来ならば「第9番」という番号が付けられるべきものだった。しかし、ベートーヴェンやブルックナーが第9交響曲を書いて世を去っていることを意識したマーラーは、この曲に番号を与えず、単に「大地の歌」とした。

その後に作曲したのが純然たる器楽作品であったため、これを交響曲第9番とした。マーラーは続いて交響曲第10番に着手したのだが、周知のとおり未完に終わり結局「第九」のジンクスは成立してしまったという逸話がある。

こういう大作曲家たちに“あやかる”のは、まことに不届き千万だが(笑)、書き連ねてきた「魅惑の真空管アンプ」シリーズも「〜その9〜」に留めておくつもりだった。

だが、しかし、どうしても「〜その10〜」を書かざるを得なくなったので以下、その辺の事情について記してみよう。

1970年前後のテレビ用の真空管を出力管にした「6FD7」アンプだが、ほとばしるようなエネルギー感にたいへんな魅力を秘めており、新たにカテゴリーを設けて「魅惑の真空管アンプ」シリーズとして連載してきた。

製作者様からのご好意によってデモ用アンプを預かっているので希望者(メール)に貸し出しているが、大いに好評を博し注文が相次ぐ状況となって累計20台近くとなって目が回るほどの忙しさ。納品は3月以降ということになっている。

これまでの実戦では5勝3敗1引き分けといったところで、すでに5人の方が申し込まれている。

          

つい最近では、12月上旬、横浜市にお住いのSさんに1週間ほど貸出していたところ、どうやらご当家のシステムと相性が良かったみたいで、めでたく購入の運びとなった。

ここで、Sさんから届いた試聴結果のメールを紹介させていただこう。匿名ということで無断掲載お許しください。

「試聴させていただきましたアンプの受注は大盛況との由、何よりと存じます。AXIOM80を常用しておる方もさほど多くはないと思いますが、このスピーカーで音楽と対峙している時の緊張感には麻薬的なものがあり、時間的、予算的な側面はあったにせよ、それでもついつい戻ってきてしまう繰り返しの50数年でありました。

その昔学生時代に、西部百貨店池袋店のオーディオコーナーに瀬川冬樹さんが相談窓口をされていたことがあり、小生の好みのジャンルや予算、装置の相談をした事があるのですが、その時スピーカーはAXIOM80とタンノイVLZで充分ではないかとのアドバイスを頂きました。

まあ、貧乏学生相手の話だったかも知れませんが、小生は既に瀬川教の信者となっておりましたので、その後は向上心を放棄し、ひたすらそのアドバイスを金科玉条として今までやってきました(苦笑)。

今般折角の機会を頂きましたので、これからは時に可愛い『6FD7メインアンプ』を活かしてシャープな輝きのある元気ある音を楽しみたいと思います。 この度は色々とお世話になり有り難うございました。」

いやあ「6FD7アンプ」の凄さを共有できて光栄です!

それにしても瀬川冬樹さんですか〜、懐かしい・・・。

昔はそれこそいろんなオーディオ誌を読み漁ったものだが、一番肌にピッタリきた評論家は瀬川さんだった。

Sさんと同様に無条件の「瀬川教の信者」だったし、今だってそうだが、ご存命中に一度でもお会いしたかったのでSさんがほんとにうらやましい。こういうときこそ、「しがない田舎暮らし」を恨みたくなる(笑)。

もし瀬川さんが長生きされて今でもご活躍されていたら、現在の日本のオーディオ界もこんな惨状にならなかったのでは、と思わせるほどの魅力的な感性の持ち主だった。

2013年に復刻された瀬川さんの遺稿集「良い音とは 良いスピーカーとは」は今なお座右の書になっている。

                     

以前のブログにも書いたことがあるが、この本の中で強く印象に残る一節を紹介してみよう。

「コダックのカラーフィルムの染色の良さは世界的に知られている。それは映画の都ハリウッドが育てた色だといってもいい。そのハリウッドがトーキーの発達とともに生み・育てたのがウェストレックスのトーキーサウンドであり、アルテックのA7に代表されるシアタースピーカーである。

世紀の美男・美女が恋を語るスクリーンの裏側から、広い劇場の隅々にまで明瞭でしかも快いサウンドをサーヴィスするために、シアタースピーカーの音質は、人の声の音域に密度をもたせ、伴奏の音楽や効果音の現実感を損なわないぎりぎりの範囲までむしろ周波数帯域を狭めて作られている。

大きなパワーで鳴らすことが前提のスピーカーの場合に、低域をことさら強調したり帯域を延ばしたりすれば恋の囁きもトンネルで吠える化け物になってしまうし、低音域のノイズも不快になる。高音もことさら延ばしたり強調すればサウンドトラックの雑音や歪が耳障りになる。

こうしたスピーカ−が生まれたのは、1930年代で、その頃のレコードや蓄音機の性能からみればトーキーのシステムはワイドレンジであり、高忠実度であった。けれど現在の高忠実度の基準からみればシアタースピーカーはもはや広帯域とは決して言えない。

しかしこのことから逆に、音楽や人の声を快く美しく聴かせるためには、決して広い周波数レンジが必要なのではないということを知っておくことは無駄ではない。

低音が80ヘルツ、高音が7〜8キロヘルツ、この程度の帯域を本当に質の良い音で鳴らすことが出来れば人間の耳はそれを本当に良い音だと感じることが出来るのである。」

以上のとおりだが、要するに周波数レンジを拡大することは決して悪いことではないが、それは「基本的な周波数帯」(80〜8キロヘルツ)において「分解能」と「透明感」をしっかり確保していることが大前提となっての話。

言い換えると、80ヘルツ以下の低音と、8キロヘルツ以上の高音は「おまけ」と考えておけば、実に視界がすっきりする。

しかも「基本的な周波数帯」が十全だと、それ以下の低音もそれ以上の高音も欲しくなくなるから不思議。

その点、「6FD7」アンプは「基本的な周波数帯」をしっかり確保したうえで、低音域も高音域もほどよく伸びているのでまったく言うことなし。我が家の「AXIOM80」の線の細さをピッタリ補完してくれるし、Sさんはとても「いい買い物」をされたに違いないと思っている(笑)。


魅惑の真空管アンプ〜その9〜
2016年11月17日 | 魅惑の真空管アンプ
このシリ〜ズもとうとう9回目になった。「前回からの続きです」と、いきたいところだが、もし初めから事情を知りたいという方は「カテゴリー=魅惑の真空管アンプ」を設けていますのでどうぞ〜。

さて、主人公の「6FD7」アンプだが「異人さんに連れられて」放浪の旅に出たのは去る5日(土)のことだった。

それから福岡県の2か所、兵庫県の1か所と他流試合を経て我が家に戻ってきたのがこの14日(月)。

その結果だが、採用が1件、不採用が1件、保留が1件ということだった。採用、不採用ともに奇しくも相手のスピーカーはタンノイさんだったのがご愛嬌(笑)。それも、より低音域が重視される大型システムの方で採用となり、小型システムの方で不採用となったのはこのアンプの重厚な性格をよく表わしているようだ。

兵庫県の別のマニアの方がJBLの「150−4C」(38センチ・ウーファー:片チャンネル2発)の鳴りっぷりが気に入られて、即注文となったのも頷ける。

さらにまた、使われているプリアンプとの相性によって命運が分かれた可能性も否定できない。

なにはともあれ、10日ぶりに我が家に戻ってきたこのアンプを遊ばせておくのは勿体ない。不在中、2台のアンプを繋ぎ替えて楽しんでいたが、今度は改めて実力確認の意味で胸をワクワクさせながら3台による聴き比べを実施した。

       

相手が定評のある「71系」アンプ2台とくれば、不足はなかろう。左側から順にアンプを紹介しておくと、

「471−B」アンプ

前段管が「6SN7GTB」(ボールドウィン)〜出力管「471−B」(デフォレ)〜整流管「380」(カニンガム)

「6FD7」アンプ

改めて言うまでもないがテレビ用の真空管「6FD7」(複合管)を使っていて、整流管は「6BW4」。出力トランスは個人の手巻きによるもので、製作者によると周波数特性は「7ヘルツ〜4万ヘルツ」というから驚異的な数値を誇っている。

道理で、こんな小さな図体のアンプからあんなに深々とした低音が出るはずである。このトランスが(このアンプの)「陰の主役」といっても過言ではあるまい。

「371ーB」アンプ

前段管「AC/HL」(英国マツダ:ナス管)〜インターステージ・トランス〜出力管「371−B」(カニンガム)〜整流管「OK−X213」(メッシュプレート)

そして、試聴に使ったシステムは次のとおり。

CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS)〜DAコンバーター「27iXVer3.0」(ワディア)〜上記の3台のパワーアンプ〜スピーカー「AXIOM150マークU」で、プリアンプは抜き。

結果からいくと3台とも「いずれアヤメかカキツバタ」、ほんとうに惚れ惚れするような鳴りっぷりだった。

強いて言えば、「471−B」アンプのゲインが少々高過ぎてDAコンバーターのボリューム位置が「30/100」程度となって、どうしても不利な状況となり、この場合に限ってはプリアンプを噛ました方がよかった。

残るは「371−B」アンプと「6FD7」アンプとの一騎打ち。両者ともゲインが同じくらいでDAコンバーターのボリューム位置が「60/100」程度で丁度いい塩梅。

音の陰影というか、彫の深さからいくと「371−B」アンプに軍配が上がり、音の立ち上がり、立下りといった「スピード感覚」から言えば、やっぱり「6FD7」アンプの方が一枚上。

こうなると、もう好き好きだがクラシックもジャズも両方聴きたいと欲張るとなれば明らかに「6FD7」アンプだろう。

ただし、先日購入したフルトヴェングラー・ボックス」の中のオペラ「魔笛」(1951年版:ライブ)を聴くと、明らかに「371−B」の方が舞台の雰囲気の再現性に優れていた。さすがに1930年代の古典管の面目躍如という気がした。

したがって「6FD7」アンプは優れた近代録音盤の方とマッチングがいいといえる。

それに面白いことに気が付いた。「AXIOM150マークU」をウェストミンスターの上に置いているので頭の上から音が降ってくる感じがあったが、「6FD7」アンプに切り替えたとたんに音の重心が見事に下がり耳の高さで音が出ている感覚に襲われた。音にも目方があるのかと驚いたほど(笑)。

それにしても誰が聴いても、「これがアンプとスピーカー合わせて10万円前後の音?」とはきっと信じられないに違いない。

最後にピンコードについて。

実は「これを使ってみてください」と、つい最近いただいた「ウェスタンの単線」を使ったピンコードがある。いろんな線材を試されて、ようやくこの単線に行き着かれたそうだ。

          

実はその昔、ピンコードや電源コードで音の変化を大いに楽しんだ時代があったが、そのうち飽きてしまって「どうせ50歩、100歩」と思うようになった。

したがって、今回のピンコードもその類だろうとあまり乗り気ではなかったが、実際に使ってみて音が激変したのには驚いた。それもDAコンバーターとパワーアンプを直結するときに使うと威力絶大の効果を発揮した。音が艶やかになって生気がより一層出てくるのだ!

さっそく14日(月)の夜、注文した。「是非同じものがワンペア欲しいです。お金は払いますから〜。」(笑)。



魅惑の真空管アンプ〜その8〜
2016年11月08日 | 魅惑の真空管アンプ
「魅惑の真空管アンプ」シリ〜ズもいよいよ8回目を迎えた。第一回を登載したのが10月18日だからおよそ3週間の間に8回なので、ほぼ3日ごとの更新ペースになっている。

単にテレビ用の真空管に過ぎない「6FD7」が意外な実力を秘めていることへの驚き、そしてその新鮮さに興味を魅かれる方が多いようで、上々の反応ぶりにこちらもつい熱が入ってしまう(笑)。

さらに製作者様の情報によると、実際に試聴していただいた方々からもご好評のようで、早くも1回目のロット「5台」が完売となり、2回目のロットを準備中とのこと。

しかし、よく考えてみると、お値段も手ごろだし、持ち運びに便利な軽さだし、音も見かけによらず重心の低い本格派なのでむしろ売れない方がおかしいくらいで、サブアンプとして使いながらも、ひょっとしてメインアンプを凌駕するかもしれない可能性を秘めているところが何とも頼もしい。

今でも評判を聞きつけて乗り気になった方々から試聴希望のメールが当方にもいくつか舞い込んでおり、順番待ちの状態だが、そのメールの内容を拝読させていただくと真空管アンプの「低音域のエネルギー感と制動力」に悩んでいる方がいかに多いかを実感する。実は、かくいう自分もそのクチなのでほんとうに身につまされている。

さて、去る5日(土)、福岡方面の試聴希望者のとりまとめの窓口にあたるKさんがこの「6FD7」アンプを引き取りにお見えになった。名残惜しいがしばしの別れとなるので、アンプの編成替えをしなければならない。

もちろん、Kさんにはお見えになったついでに丁度いい機会だから我が家のシステムを試聴していただいた。

何といっても今回のハイライトはにわか作りの「AXIOM150マークU」の試聴である。

            

画像のライトブルーの箱に容れた「150マークU」(口径30センチ)だが、設置してしばらくしてからちょっとした細工を施した。というのは、聴いているうちに、たしかに素性のいい音なんだけどやはり(箱が)後面開放だと音にタメがないことに気付いた。

グッドマンのユニットはすべてそうだが、ユニットの振幅時に何がしかの負荷を与えた方がメリハリがつくので、ARU(背圧調整器)もどきに、適当に細かい穴を開けた板に補強材をガッチリ張り付けて箱の後ろ側を塞いでみたところ、明らかに音のクオリティが向上した。ほんのちょっとしたことだが、スピーカー周りの細工の効果はアンプを替えたどころの比ではない。

折角だからKさんがお見えになる前にぜひ作業をやっておこうと取り掛かり、ギリギリの前日の夕方にようやく完成をみた。

当日は秋晴れの中、11時過ぎにお見えになったKさんに一番最初にこのシステムを聴いていただいた。

まず、優秀録音で知られるヒラリー・ハーンの「プレイズ・バッハ」を聴いていただいたところ、ほんとうに驚かれたご様子。イヤ、けっして大げさではない(笑)。

「音の佇まい、音色の艶やかさといい、これが一番いい音ではないでしょうか!グッドマンの赤色マグネットのトライアクショム(口径30センチ)を別宅でちょくちょく聴いてますが、この150マークUは優るとも劣りませんよ。」と、仰るのだ。

「たしかに、これが一番いい音かもしれませんね。このユニットは私の好みにピッタリです。ツィーターが無くてもシンバルがとても繊細な響きを出してくれますし、低音域の質感もこれで十分です。オーケストラからボーカル、ジャズまであらゆるソースに対応できますので、これ1台あれば十分でしょう。早いうちにこのユニットに巡り会っておれば無駄遣いしなくて済んだのですが・・・。」

実は内心複雑である。

「150マークU」のユニットは2個とも中古の安物のジャンク品だし、箱の材料は厚さ1センチほどのありふれた集成材だし、プリアンプもパワーアンプも予備役に編入していた残り物を使ったし、こんな安普請のシステムから我が家で一番いい音が出るなんて絶対に許せん!(笑)

ちなみに、集成材の箱の厚さは1.15センチだが、音が鳴っているときにそっと触ってみるととてもいい振動が伝わってきて、この共振が心地よいサウンドを生み出してくれているのだろう。

改めてオーディオに見かけや値段は通用しないと、痛感した!

まさに、うれしい悲鳴だが午前の部はこれで終了。そして波乱は午後に起こった。

午後からは話題の「6FD7」アンプで「AXIOM300+スーパーツィーター」そして「AXIOM80」の試聴に移った。

Kさんは先月(10月)の13日に我が家に到着した「6FD7」アンプを既に試聴されているのだが、そのときに比べると「随分音がこなれてきましたねえ。明らかにエージングの効果が出てますよ。」と、ひとしきり感心されながら二人で「6FD7」アンプの特徴を述べ合った。

低音域はどんな使い方をしても破綻がなさそうなので、あとは中高音域の素直さをいかに引き出すかが使い主の腕の見せ所だろう。

しばらく試聴してから、「今度はひとつ3ウェイの音(箱はウェストミンスター)を聴いてみましょうか。」とお誘いしたところ「いや、私は3ウェイの音は結構です。」とかたくなに拒否される。

まあ、そんなに言わなくてもと、アンプのスイッチを入れて強引に聴いていただいたところ、30分もせぬうちに、そそくさと帰り支度を始められて、「今日はもうこの辺で帰らせていただきます!」。

「エッ、まだいいじゃありませんか。」

「いや、帰宅してから早く6FD7アンプを試聴したいものですから。」

日頃のKさんに似合わぬ言動なので「?」・・・。

思い当たるのに完璧なフルレンジ愛好派で知られるKさんのことだから、3ウェイの音を耳が受け入れず我慢できなかったに相違ない。

「Kさんを殺すのに刃物は要らぬ、3ウェイの音を聴かせればいい。」と、初めて気が付いた(笑)。

モーツァルトが幼少の頃、トランペットの音が大嫌いで聴いただけで恐怖に打ち震えたという逸話があるが、Kさんの耳はまさにモーツァルト並みだ!

フルレンジで聴いていると、つい周波数レンジの広さが欲しくなるので「3ウェイ」にするのだが、するとハーモニーがおろそかになって、ふたたびフルレンジに戻る。そういうことの繰り返しが実験用のウェストミンスターの箱に限って延々と続いている。

まあ、大いに楽しんでいるので仕方がないか(笑)。


魅惑の真空管アンプ〜その7〜
2016年11月03日 | 魅惑の真空管アンプ
前回からの続きです。

29日(土)午前の部でいかんなく実力を発揮した「6FD7」アンプだが、午後の部に入ってからはまず「PX25」アンプの登場となった。

前回掲げたテーマの3番目「AXIOM300+スーパーツィーター」と4番目「大改造したPX25アンプ」の検証である。

          

「AXIOM300」はオークションに頻繁に出品されている「AXIOM301」とよく間違えられるが、これは似て非なるものでたった1番違いにもかかわらず、れっきとしたグッドマンのアルニコ・マグネット・タイプである。ここでもDAコンバーター「エルガー プラス」との直結でスタートした。結局、以降プリアンプの出番はなし。

「PX25アンプは随分変わりましたね〜。これならわざわざPP5/400の出番はなくても済みそうです。スーパーツィーターも十分効果を発揮してますよ。この音は以前、友人宅で聴いたグッドマンのトライアクショム(3ウェイ)の音とそっくりです。」と、Sさん。

先日、オークションで滅多に出品されないトライアクショムを執念が及ばず、とり逃したことを今でも忘れ切っていないが、これでどうやら胸が収まった(笑)。

30分ほど音楽に浸ってから、Sさんがおもむろに「アンプをPX25から6FD7に変更して聴いてみたいですねえ。」

そ〜ら、おいでなすった!(笑)

それからが本日のクライマックスだった。試聴盤は女性ボーカルからヒラリー・ハーンの「プレイズ・バッハ」、ブルックナーの「交響曲8番」(チェリビダッケ指揮:リスボンライブ盤)などさまざま。

じっと目を瞑って聴かれていたSさんだが、やおら「いやあ、こんな小さなアンプから出てくる音とはとても信じられませんよ。カーテンをして聴いたら、大型アンプで駆動しているみたいです。ヒラリー・ハーンのヴァイオリンはこれまで聴いた中では最高です。音のスピードが信じられないほど早いです。大規模編成の曲でも破綻がありません。このアンプぜひ欲しいですねえ。〇〇さんと同タイプのもので結構ですからさっそく注文をお願いします。」

「この出力管6FD7は複合管のためドライバー機能と出力機能が一体化していますのでスピードが並外れて早いのでしょう。たいへんなメリットですよ。アンプ発注の件は製作者にすぐに連絡しておきます。いくらアメリカからの直輸入ルートがあるといっても、スペア管などのことも考え合わせると本数に限度が有りますので早い者勝ちです。なかなか評判が良くて注文が舞い込んでいるようですが、まだ間に合うと思います。」と、自分。

実際に試聴してみての注文だから説得力がある。これまでこのアンプを実際に聴いた人間は自分も含めて7名。そのうち実際に注文したのは3名。保留が1名だから確率は50%だ。高いか低いかは読者のご判断に任せよう。

最後にテーマの5へ。「我が家のベストの組み合わせを探る」

たいへん熱のこもった本日の試聴会もいよいよSさんの帰りの電車の時間が迫ってきた。いよいよ真打ち「AXIOM80」の登場である。

          

AXIOM80(イギリス)は復刻版も含めて製作年代によってツクリ(コーン紙の軽さやカンチレバーの質など)が微妙に変わり、したがって音質も微妙に異なるが、我が家の「AXIOM80」はSさんと同様にオリジナル「最初期版」のものである。ただし、いつ故障してもいいようにスペアとして「復刻版」を2ペア保管しているが、出番はまったくない。

女性ボーカルを聴いたが、思わず息を呑むほどの美しさだった。何という透明感、デリケートな表現力・・・。

ときどき「いい音」ってなんだろうと思うことがある。別に公式的な尺度があるわけでもなし、人それぞれの感性でもって「それで良し」としているだけだ。

したがって世界中に「いい音」がいくつも氾濫しているわけだが、我が家の場合「いい音」の「物差し」は「可聴周波数の全域に亘って透明感があること」に尽きると思っている。

ただし「透明感って何?」と訊かれても言葉で表現するのは無理だが、「それはAXIOM80を聴いていただくと自ずと分かると思います。」と答えるしかない(笑)。しかし、このAXIOM80は鳴らし方が難しくて、アンプとの相性が悪かったりすると耳障りで騒音以外の何物でもない。

まあ、そういうわけで長年「ああでもない、こうでもない」と彷徨しているわけだが、今回はうまくいったようだ。

「やっぱりAXIOM80は空前絶後のスピーカーですねえ。とても複雑なツクリで潜水艦のソナー探知用に開発されたというだけのことはありますよ。」と二人で嘆息した。6FD7アンプとはどちらもスピード感(音の立ち上がり)を身上としているのでとても相性がいい。

これで我が家のベストの組み合わせは決定した。しかし、これは持ち主しかわからない微妙な心理なのだがこの音は日常的に聴くべきではないように思う。だいいち自分のようなガサツな人間にはもったいない。ひっそりと大切に保存しておき、お盆と正月、そしてお客さんが見えたときにだけ聴けばいい音だ(笑)。

いつものことながら今回も実り多き試聴会だった。

SさんをJR別府駅まで送った後、すぐに製作者に連絡をとったところ「6FD7アンプ製作」2台分(自分とSさん)の了解を得た。

とにかく、お値段がリーズナブルだし、軽いので持ち運びに便利だし、音もいいし、シンプルな回路で球も丈夫だし、こういう四拍子そろったアンプはなかなかお目にかかれない。

少なくとも今年中には新たな「6FD7」アンプが完成するだろうから、今度はSさん宅でどういう活躍を見せるか、とても楽しみ〜。


魅惑の真空管アンプ〜その6〜
2016年11月01日 | 魅惑の真空管アンプ
今回のブログはテレビ用の真空管「6FD7」を使ったアンプが登場するので「魅惑の真空管アンプ」シリ〜ズとして分類しておこう。また、カテゴリーとして新たに「魅惑の真空管アンプ」を15番目に設定したのでバックナンバーをご覧になりたい方はどうぞ〜。

さて、去る29日(土)、およそ9か月ぶりに我が家にお見えになったSさん(福岡)。

その間、我が家のシステムの方もかなり変遷しているので頭が混乱しないように事前に主要なテーマを設定しておいた。

1 新たに導入を決定したデモ用アンプ「6FD7」の試聴

2 ウェストミンスターの箱に容れた「AXIOM110」(25センチフルレンジ)を核とした3ウェイシステムの試聴

3 「AXIOM300+スーパーツィーター」の試聴

4 大改造した「PX25アンプ」の試聴

5 我が家のベストの組み合わせを探る

こうして書き上げてみると、改めて9か月間にすっかりシステムが様変わりしていることに驚くが、はたして変化することがいいことなのかどうか、確たる自信があるわけでもない。こういう状況のもとで同じスピーカー「AXIOM80」(グッドマン)を愛用している仲間から意見をもらうは大いに参考になる。どうせ「似た者同士」だが(笑)。

午前9時半から午後3時まで昼食を挟んで、5時間半みっちり試聴してもらいながら意見交換を行ったのでその模様をおいおい述べていくとしよう。

まず1から。

           

関西のMさんに貸出していた「6FD7」アンプだが、この日の試聴のために27日(木)に約束通り返してもらった。余談になるがMさんはなかなかお気に召されたようで既に製作を依頼されたとのこと。

さて、この日は始めから我が家のエース級のシステムで聴いてもらうことにしたので日常用のワディアのDAコンバーターの出番はいっさいなし。したがってシステムの構成は次のとおり。

CDトランスポート「ラ ヴェルディ スカラ」(dCS) → DAコンバーター「エルガー プラス」(dCS) → プリアンプ「大西式プリ」 → パワーアンプ「6FD7シングル」 → スピーカー「AXIOM110+ワーフェデールのコーン型ユニット+JBL075ツィーター」3ウェイシステム

スピーカーを前半の部(午前中)は同上のとおり3ウェイを、後半の部(午後)はフルレンジに分けて、試聴することにした。

はじめに、女性ボーカルを聴いていただいたが、Sさんの第一声は「低音域のエネルギー感は目を見張るものがありますが、中高音域の透明感というか抜けは今一つですね〜。」

長いお付き合いを背景に、思ったことをズバリと指摘されるのがSさんのいいところ(笑)。

「プリアンプを外してDAコンバーターのエルガー・プラスから直結にして聴かせていただけませんか。」

そういえば、ワディアとの直結はしょっちゅうやっているが、エルガーとの直結は滅多に試したことがない。これもボリューム調整機能が付いているので可能だ。RCAコードを差し替えるだけだから簡単そのもので1分で完了。

「いやあ、これは素晴らしい!何よりも気になっていた中高音域に透明感が出てきました。やっぱりプリアンプが邪魔していたんですねえ。この音はわたしの大好きなブリティッシュ・サウンドそのものです。6FD7アンプは私も是非欲しいですね。それに出力管もさることながら出力トランスの優秀性が際立っていると思います。」

広い帯域を身上とするこの出力トランスに目を付けられたSさんの慧眼には驚いた。

「市販されている機械巻きのトランスと違って個人の丁寧な手巻きによる出力トランスですからその効果は歴然としています。それこそ製作者は福岡市近郊の方だそうですよ。北国の博士が優秀性に着目され実際に使用されていますので折り紙つきです。このトランスの存在なしに、この音は語れないでしょう。」と、自分。

それにしても、Sさんは絶対的なプリアンプ使用派だと思っていたので「プリアンプを外す」というご提案は意外だった。

「ケースバイケースでプリアンプの程度次第ですよ。中途半端なものなら入れない方がいいです。この6FD7の特徴は無色透明なところにあるようですからスピーカーの個性をそっくり活かすならプリアンプ無しの方がいいと思いました。これがテレビ用の球だなんてとても信じられませんよ。」

さあ、ここから我が家の手持ちのアンプテストに入った。このDAコンバーター直結状態のもとで次々にアンプを取り代えて試聴した。何しろアンプの個性が一目瞭然に分かるのだからこたえられない。

そして「171シングル」「71Aシングル」「71Aプッシュプル」「2A3シングル」がいずれも枕を並べて討ち死に〜。何も比較してやらなければ誇り高く生き残れたものを・・・、無念(笑)。

それにしても、このチビちゃんアンプ「6FD7」は出力トランスが出力管を生かしているのか、出力管が出力トランスを生かしているのか、どうも両者の主従関係がよく分からない。いい真空管アンプとはそういうものだろう。もちろん、独特の回路も良質な整流管も陰の主役だ。

なお、併せて2のテストもしたわけだが、この“にわか作り”の3ウェイシステムは十分鑑賞に耐え得るものだった。自画自賛になるがフルレンジのときよりもずっと広帯域になってハーモニーにも違和感はない。

ちなみに前々回のブログで紹介した時と比べると、「〜1100ヘルツ」は従来どおりだが、「1100〜9000ヘルツ」はワーフェデールの「コーン型ツィーター」に、「9000へルツ〜」はJBL「075ツィーター」に変更している。

高音域(9000ヘルツ〜)に加えたJBL075ツィーターは、ブリティッシュ・サウンドとは異色の存在にもかかわらず「生かさず、殺さず」で、挿入したマイカ・コンデンサー「0.1μF」が功を奏したようだ。

以上で午前の部は終了し、昼食を挟んで今度は午後の部へ〜。

いよいよ「PX25アンプ」による「AXIOM300+スーパーツィーター」、そして「AXIOM80」の駆動という我が家の生命線の登場だが、ここでも意外な展開に心の底からビックリ(笑)〜。

以下、続く。


魅惑の真空管アンプ〜その5〜
2016年10月27日 | 魅惑の真空管アンプ
ブログの原稿をツクルのは嫌いでもないがそれほど好きでもないし、まあ厭わないという程度だが、この「魅惑の真空管アンプ シリ〜ズ」のときだけはいつも胸がワクワクするのはいったどうしてなんだろう?

それは、お値段とかブランドとか外見にいっさい惑わされない「ホンモノの真空管アンプを紹介できる喜びと痛快さにある」といえば言い過ぎだろうか(笑)。

さて、前回の「シリーズ〜その4〜」で述べたように、低域不足で悩んでおられる関西在住のMさんに急いで試聴していただこうと、この「6FD7」アンプを送付したのが23日(日)、そして翌日の午後には無事到着の運びとなった。

          

Mさんの第一声は「真空管って人間と同じだなと思いました。外見と肩書だけで判断は出来ませんね。3時間くらい聴き惚れていました。明日、試聴レポート送ります。」

そして、25日(火)の夜に期待のメールが届いた。

「簡単なレポートお送りします。 最初にオーディオルームですが、自宅ではなくおよそ2Kmくらい離れた所に以前、八百屋を営業していた店舗を改造(防音設備無し)道楽部屋にしました。広さは50帖位、30年位になります。

システムは現在4セットありまして、そのうちの1つアルテックA4は結納が済み嫁入り前です。

低域不足はJBLシステム(150ー4C×2+375+075)とアルテック822システム(803A×2+803C)です。

マイルスのカインド・オブ・ブルー(LP)聞きました所、ポールチェンバースのベースが今まで引き込んでいたのに前に出てきました。CDだともっと出てくるでしょうね。

中低域がこれだけ安定した音がでるので非常に聞きやすいです。低域が出なければ、つまらないと何時も思っていますので、6FD7アンプは<凄い!>の一言です。

部屋が広いので音量はかなり上げますが、それでもつまみ位置は11時〜1時の間です。2ワット以内の出力だそうですが、余裕ありすぎです。

また、CD直出し時の再生周波数レンジの広い事。今まで聞かれなかった音が聞こえますのでビックリです。

RCA845シングル、WE300Bパラシングル等大小5セット所有していますが、ディスプレイになりそうです。

アルテックA4(515B×2+288C×2)とアメリカ・タンノイ(ゴールド15インチ・国産箱?)の低域は何とか出ている感じでしたが、メリハリのあるしっかりした低域に変わりました。

中高域は直熱3極管アンプの方がいいかな?と思ってましたが、いやいや負けていません。同等以上です。

というわけで、すぐにでも注文したいのですが〇〇様にお願いできるのでしょうか。

またはメーカー様へ注文すればいいのでしょうか?6FD7アンプが1日も早く手に入れられるようご協力宜しくお願い致します。」

これは大変なことになった。想像以上といっては失礼になるが、部屋の大きさを含めてこんな豪華なシステムはおそらく日本でも有数だろう。いくら低域不足といっても我々とはちょっとレベルが違う(笑)。

慎重に一考してから、次のように返信した。

「Mさんは凄いシステムをお持ちですね!あの高名なJBLのウーファー<150−4C>を片チャンネル2発とは恐れ入りました。50畳の部屋といい、私のシステムとはスケール感が桁違いです。

舞台が大きくなればなるほど6FD7アンプが実力を発揮できたようでうれしくなりました。

実は<このアンプは一通りオーディオ仲間たちの試聴が済んだあとは私に引き取らせてください>と、製作者様に申し上げて了解をいただいていたのですが、この株をM様にお譲りしましょう。<6FD7アンプ>もその方がきっと喜ぶと思います(笑)。

話が複雑にならないように出来るだけ早期の引き渡しなども含めて製作者様には私の方から交渉してみます。」


魅惑の真空管アンプ〜その4〜
2016年10月25日 | 魅惑の真空管アンプ
この「魅惑の真空管アンプ シリ〜ズ」も早くも4回目を迎えた。最初の稿を登載してから丁度1週間が経過したが、なかなかの反響振りで、まず1日当たりのアクセス数がこれまでで最高の「800 IP」台に到達するなど通常の2割増し近い伸びには驚いた(笑)。

おそらく、巷には高額な真空管アンプが溢れかえっており、少々食傷気味のところに「安価なテレビ用の真空管からいい音が出る!」という意外性と新鮮さが受けたのだろう。

改めて製作関係者に敬意を表し、「真空管オーディオの真髄ここにあり」と言いたいところだが、「いい音」かどうかを最後に決めるのは当事者である。

関西の読者の方(仮にMさんとしておこう)から「JBL、アルテックのスピーカーを使ってますが低音不足に悩んでいます。6FD7の記事を拝見して、これだと思いました。ぜひアンプ製作の依頼をしたいのでお願いします。」という趣旨のメールが届いた。

当方の記事の内容を信じていただいたのはありがたいし、まことに光栄の至りだが、自分は過去にオーディオ専門誌の記事を鵜呑みにして散々涙を流してきたのでMさんに同じ轍(てつ)だけは踏んでほしくない(笑)。

そこで「音の好みやシステムとの相性の問題がありますので、一度試聴されてから決めた方がいいと思いますよ。試聴が一段落したらこのアンプを送付しますのでしばらくお待ちください。」と、返事した。

真空管アンプの低音域の問題は自分もメチャ苦しんできたのでMさんのお気持ちは痛いほどよく分る。できるだけ早く送ってあげよう。

さて、オーディオ仲間のNさん(大分市)にお貸ししていた「6FD7」アンプだが、貸与期間の三日が経過したのでさっそく回収に出かけて持ち帰った。結局Nさんから「このまま置いていって欲しい」という言葉は最後まで聞けなかった(笑)。

しかし、このアンプはまだ来たばかりなので、いろいろ鳴らし方を研究するところがあって興味が尽きない。

不在中の3日間で頭に描いていたのが「今度はプリアンプを通さずに聴いてみよう」だった。これほど(音の)重心の低いアンプならプリアンプ無しでもうまく鳴ってくれそうな気がする。

レコードと違ってCDオンリーの愛好家の場合「プリアンプ不要論」は延々と続く「古くて新しいテーマ」である。

何ごとも「シンプル・イズ・ベスト」なので、プリアンプ無しでいい音が出ればそれに越したことはない。「プリアンプは必要悪だ」という思いはずっと変わらない。

ちなみに6年半ほど前に投稿した「プリアンプはもう要らない?」は、いまだに過去記事の閲覧数ではいつも上位に食い込むほどの常連組だ。

そのくらい「プリアンプ不要論」に対して読者の関心度の高さが伺えるわけだが、当時と違ってこのテーマに対する(現時点の)じぶんの結論は「結局、相性の問題に尽きる」と考えている。

つまりDAコンバーター、メインアンプ、スピーカーがそれぞれの長所と欠点を補い合い「三位一体」として、うまく調和してくれればそれでヨシ、もし、そうじゃないときはプリアンプを介入させた方がマシ。

もちろんDAコンバーターにボリューム調整機能が付いていることが前提条件である。プリアンプの代わりにアッテネーターを使うなんてのは論外だ(笑)。

今回の実験ではDAコンバーターに「27ixVer3.0」(ワディア)、メインアンプに「6FD7シングル」、スピーカーに「AXIOM110」(グッドマン:箱はウェストミンスター)という組み合わせだった。

ちなみにこのDAコンバーターは初めからプリアンプを使用しなくてもいいような仕様になっており、出力インピーダンスは「1Ω以下」となっている。

胸をワクワクさせながら聴いてみたところ、これぞこれまで聴いた中でベストのサウンドだと唸ったねえ!(笑)。

周波数レンジの広さ、音の立ち上がりの早さ、低音域の力感と制動力も申し分なし。しかもDAコンバーターのボリュームが「60/100」あたりで十分な音量が確保できるのでエネルギー感にも余裕がある。さらにプリアンプを入れていた時よりも明らかに高音域が素直になっている!

これなら「WE300B」アンプや「PX25」アンプの出番はもうないと一瞬思ったが、瞬間風速での感想は危険だし、後々ブログが書きづらくなるので、断言するのは止めておこう(笑)。

このアンプの生みの親の「北国の博士」にこの状況をぶつけてみると「ケース・バイ・ケースですがプリアンプを入れると、どうしてもレンジが狭くなりがちです。その点この6FD7アンプは低音域から高音域までレンジの広さが持ち味なのでたしかに直結の方がいいかもしれませんね。」

そういうわけで、これからこのアンプを持っていって他流試合をする場合、プリアンプを使わなくて済むように予備のワディアのDAコンバーターも携帯してセットにして試聴しようと決めた。

実は思い当たる節がある。このDAコンバーターはつい最近コンデンサーを36個も替えたりしてオーバー・ホールしたのだが、その効果が如実に出てきたようなのである。以前、パワーアンプと直結したときにはもっとボンヤリした音だった記憶がある。成る程、あのときは10年以上も経過してコンデンサーが劣化していたせいで性能をフルに発揮できなかったのか・・・。

大枚をはたいて懐が痛かったけど、やっぱり修繕して良かった(笑)。

             

というわけで、調子に乗って次から次にテスト盤を試聴した。

エンヤの「Caribbean Blue」では冒頭の「ガツン」という衝撃音に対して真空管アンプによってはスピーカーから「ザザッ」という音が出て(アンプが)クリップするのが常だったが、この「6FD7」アンプはその気配が微塵もなくスンナリ通り過ぎていったのには感激。

ジャズの「サキソフォン・コロッサス」(ソニー・ロリンズ)の1曲目「セント・トーマス」の冒頭のシンバル(マックス・ローチ)はマニア泣かせの一撃だが、こればかりは惜しいことにきらびやかさがイマイチだった。

これは明らかにスピーカー(フルレンジ)のせいだろう。こういう音はJBL「075ツィーター」の独壇場だが、もう拘らないことに決めた。

これまでこの1曲のためにどれだけ苦労し、そのせいでシステム全体がおかしくなったか、身を持って体験している。

オーディオは捨てることも肝心だ。

と、偉そうに吐(ぬ)かしてみたが、単に根気が失くなってしまっただけかもしれない…(笑)。



魅惑の真空管アンプ〜その3〜
2016年10月23日 | 魅惑の真空管アンプ
前回からの続きです。

久しぶりに低音域が充実した真空管アンプに出会って、ついウキウキしてしまうが(笑)、このアンプ、我が家ではうまく鳴ってくれたけど、「よそ様のお宅ではどうなんだろう、もしかして内弁慶かもしれないなあ」なんて思いながらいそいそと武者修行のたびに出掛けた。

コンパクトな「6FD7」アンプをクルマに積み込んで目指すは大分市内のMさん宅、Nさん宅と巡回の予定だ。

まずMさん宅のタンノイ・オートグラフとクリプッシュホーンの2台のスピーカーとの対戦。

       

オートグラフを駆動している「KT88プッシュプル」(新藤ラボ)、クリプッシュホーンを駆動している「マランツ8B」アンプをわざわざ外しての対決と相成った。いずれも真空管アンプとしては高出力を誇っているので有名だ。

これに対して、この「6FD7」アンプはたかだか出力が2ワット前後だが、そのハンディにもめげず十分伍していける戦いぶりだった。個人的な感想では「クリプッシュホーン」の方とより相性がいいようで、両者ともアメリカ出身らしい屈託がなくて伸びやかな音が大きな魅力。

そして肝心のMさんのご感想といえば終始当たり障りのない表現で、一言でいえば「そんなに飛び付くほどでもない」という印象を受けた(笑)。ご本人の好みやプリアンプとの相性などいろいろあるのでこればかりは仕方がない。

1時間半ほど試聴して今度はNさん宅へ向かった。いよいよ「アルテックA5」との対戦だ。

             

接続されていたアンプは泣く子も黙る「WE300Bシングルアンプ」(モノ×2台)で、カンノのトランスを使った逸品だが、これを「6FD7」アンプと入れ替えて試聴した。お値段からすると月とスッポンだ(笑)。

結果的には本日の3台のスピーカーとの試聴の中では「アルテックA5」が一番相性がいいように思えた。シンプルな回路の持ち味が存分に発揮されているようで、音の立ち上がりや低音域への制動力など、まるで水を得た魚のよう。

とりわけマイルスの「カインド・オブ・ブルー」は圧巻。ベースが奥に引っ込んで鳴らしづらいという定評がある盤だが、さすがはアルテックでとてもバランスが良くて我が家ではとてもこんなにうまく鳴ってくれない。

           

「このアンプはなかなかいいですねえ。」と、Nさんがポツリと洩らされた。

「2〜3日ぐらいなら置いていってもいいですよ。折角なのでWE300Bアンプとじっくり比較試聴してください。」

このアンプは鳴らせば鳴らすほど音が良くなっていく感じがするが、来年の春までたっぷりと貸与期間をいただいているので、これからいろんなお宅にお邪魔して「道場破り」をさせてもらうのが楽しみ〜(笑)。


魅惑の真空管アンプ〜その2〜
2016年10月20日 | 魅惑の真空管アンプ
前回からの続きです。

真空管オーディオに嵌り込んで40年以上になるが、ときどき真空管(出力管)の種類っていったいどのくらいあるんだろうと考えることがある。同種の球でもプレート電圧などいろんな仕様の違いがあり、おそらく気が遠くなるほど夥しい数があるに違いない。

そういう中から実際に使われてみてクチコミで段々と評判が伝わっていき「WE300B」や「PP5/400」などの名管伝説が生まれていくのだろうが、実は秘めたる実力を有しながら誰も知らない、使わない、そして注目されない球だってきっとあるに違いない。ましてやテレビ用の球なんて「オーディオ用には無理」とハナから無視されてもちっとも不思議ではない。

こういう市井の中に埋もれてしまい一顧だにされない球の中から「回路などの工夫次第でいい音が出る」球を発掘することは、まるで砂浜の中から一粒のダイヤモンドを見つけるようなもので、これこそ真空管を愛好する人間の醍醐味だといっても過言ではあるまい。

北国の真空管博士が掘り出された「6FD7」はまさにそういう球だった。

          

再掲画像左側の2本がそうだが、ミニチュア管を一回り大きくしてふっくらさせたような可愛らしい図体だ。用途は1970年前後のカラーテレビ用(アメリカ)で、家庭で長時間点けっぱなしという酷使される環境を前提として作られた丈夫さと、アメリカにおける長きにわたる古典管製造のノウハウを併せ持った球だという。

ドライバー機能と出力機能が一体化した複合管のため、きわめてシンプルな回路が持つ優位性が存分に発揮されたアンプというのが第一印象だった。

試聴しながら「低音域の制動力が見事です。ウェストミンスターのバックロードホーンを苦もなくコントロールしてますよ。アンプがスピーカーを牛耳ってます。こんな小さな球からこれほど力感の溢れるサウンドが聴けるなんてとても信じられません。これは凄いアンプですよ。」

一緒に聴かれていたKさんも「いやあ、これほどとは思いませんでした。(ジャズの)ベースの音はこれが一番ですね。周波数レンジも広くて録音された音声信号をそのまま出してくれる感じです。回路がシンプルな分、音のスピード感も申し分ありません。たしかに、これは凄いアンプです。」

二人でひたすら、凄い、凄いを連発(笑)。

「お値段が安い割には音がいい」という次元を明らかに突き抜けており、目隠しでこの音を聴いたらどなたもこんな小さなアンプから出てくる音とは信じられないに違いない。

無論、人によって評価が左右されることは否めない。どちらかといえばアメリカ系サウンドで「音声信号をいっさいの装飾なしにそのまま出す」ところにプラス面とマイナス面が同居していて、その辺が好き嫌いが分かれるところだろう。

自分の場合は「音の粒立ちとエネルギー感」が圧倒的に買いで(笑)、現用の「PX25」アンプや「171」アンプには求められない持ち味があるので、ぜひこのアンプをメイン・アンプの一角として戦列に加えようと決心した。

ただし、この「6FD7」は国内では製造されなかったし、オークションにも出品されることはまずない。したがってアメリカからの直輸入品に頼らざるを得ないのが実状だ。

また、独自の工夫が為された回路、個人が手巻きした出力トランス(これがたいへんな優れもの!)、小粒だけどピリッと辛い整流管(6BW4)、配線材はウェスタン製、使用ハンダはナッソといった「絶妙なバランス」のもとに成り立っているので、この球を使いさえすれば誰が作ってもいい音が出るという保証はない。

アンプ製作者のKさん(新潟県)によると、ヒアリングテストでは片チャンネルにはオートグラフを、もう片方にはローサーを繋いで最後の音質調整をされた由。

「低音が出過ぎて困るほどで対策に苦労しました。」とのことで、通常のアンプとは真逆なのがユニークだ。

こんな凄いアンプを独り占めするのは勿体ないし、いろんなスピーカーを試したい気が湧き起こったので、さっそく武者修行の旅に出ることにした。

行く先は大分市内のMさん、Nさん宅でこのアンプによる試聴テストの申し込みをしたところ両者とも一言のもとにご快諾(笑)。

対戦相手はタンノイ「オートグラフ」、「クリプッシュホーン」(アメリカ)そして「アルテックA5」という強敵たち。

相手にとってまったく不足なしだが、この一騎打ちの結果やいかに〜。

以下、続く。


魅惑の真空管アンプ〜その1〜
2016年10月18日 | 魅惑の真空管アンプ
1か月ほど前からちらほら耳にはしていた。

「1970年前後のカラーテレビ(アメリカ)に使用されていた球を使ったアンプを作って楽しんでいる方がいる。テレビ用の真空管ともなると誰も見向きもしないのでお値段は格安だが、信じられないほどいい音が出るらしい。」

この話題の出力管は「6FD7」という、ドライバー機能と出力機能が一体化した珍しい複合管でこれまで聞いたこともない球だが、こういう稀少球の出所となると例によって北国の真空管博士にトドメをさす(笑)。

博士に詳しくお伺いしたところ、近隣にお住いのウェスタンの名管「205D」に精通した名うてのアンプ・ビルダー(Hさん)が、博士のお薦めで子供さん用にとこの球を使ったアンプを作ってみたところあまりの音の良さに驚かれたとのこと。

その話を聞きつけられたのが新潟県で老舗の真空管オーディオショップを経営されるKさん。この方もまた百戦錬磨のアンプ・ビルダーさんだ。「名人は名人を知る」で、博士とはご昵懇の仲である。

先日(10月9日〜10日)開催された「第22回真空管オーディオ・フェア」(東京)で、この「6FD7シングルアンプ」を製作し出品したところ、こんな小さなアンプからこれほど力強い音が出るのかと、注目の的だったそう。

こういう話を聞きつけて黙って見逃す手はない。このアンプをお借りしてぜひ我が家で試聴させてもらおう!

「真空管アンプはパワーとお金をかければかけるほど音が悪くなる」という通説があるが(笑)、「誰にも手が届く価格帯で音がいいアンプこそあるべき姿だ」と思っているので、(博士のご紹介のもとに)Kさん(新潟県)にお願いした。

「6FD7アンプにたいへん興味がありますので是非試聴してみたいです。よろしかったら真空管オーディオ・フェアの終了後に我が家に送付していただけませんでしょうか?」

すると「ハイ、いいですよ。じっくり試聴してください。期間は来年の春ごろまでOKです。その頃にはエージングも済んで一段とレベルアップした音で戻ってくることでしょうから。」とご快諾。

いやあ、厚かましいお願いに対してありがたいことです!心構えとして球もコンデンサー類も何もかも新品なのでエージングが完全に済んでいないことを念頭に置きながら聴いたほうが良さそうだ。

そして、間髪を入れず真空管オーディオ・フェア終了後の11日に「6FD7」アンプが新潟県を出発。別府到着は13日(木)。

さっそくオーディオ仲間のKさん(福岡)に連絡した。

「噂の6FD7アンプが13日に我が家に到着予定です。クロネコに問い合わせたところ、通常の配達なら夕方になるそうですが、営業所まで取りに来てくれれば14時頃にはお渡しできるとのことですがどうされますか?」

「ハイ、是非試聴させてください。もう今から胸がワクワクしています。」(笑)

さあ、当日は朝からの曇り空だったが暑からず、寒からず、「オーディオ三昧」にはもってこいの日だった。

いつものように10時半ごろにお見えになったKさんと、とりあえず我が家のシステムを試聴。

前回と変わったところはグッドマンの「AXIOM110」(ウェストミンスターの箱入り)の導入と、前段管に「LS7」(GEC)を導入した「PX25シングルアンプ」だった。

最初にクラシックを聴いていただいたがジャズの方が音の変化が分かりやすいので試聴に選んだCD盤はシェリー・マンの「マイ・フェア・レディ」。

すると「クラシックもジャズも両方うまく鳴ってくれますねえ。音を聴くのならともかく、音楽を聴くのであればスピーカーはやっぱりグッドマンですよ。」と、ご満悦。

ちなみに、オーディオシステムの音をクラシックで調整するか、それともジャズで調整するか、なかなか興味深いテーマだと思う。

オーディオの世界では「その道の権威だ!」と自称される方がたくさんいらっしゃるので、「物言えば 唇寒し 秋の風」だが(笑)、自分の拙い経験で述べさせてもらうと「クラシックで調整したシステムはジャズがうまく鳴らないことが多い」、その一方、「ジャズで調整したシステムはクラシックもうまく鳴ることが多い」というのが正直な感想だ。

つい先日、ジャズマニアの「I」さん(東海地方)からメールが来て「いつもジャズで調整したままでクラシックを聴きます。」とあったので、思わず頷いたことだった。ジャズを聴くときのスピード感(音の立ち上がり)重視とクラシックを聴くときの量感重視について優先すべきはどちら?答えは自ずとわかるだろう。

ま、各人の好みの問題だが(笑)。

さて、そうこうするうちに待望の14時近くになったので、クルマで15分ほどのクロネコさんの営業所にアンプを受け取りに出かけた。

予定の定刻通り到着して取り置きされていたのでひと安心。図体もコンパクトだし重量もそれほどではないので腰を傷めなくて済む。年寄りに優しいアンプだ(笑)。

すぐに我が家に持ち帰って梱包を解いて設置しケーブル類を繋いだ。最初の試聴スピーカーは「AXIOM110」で、材料代がたかだか5万円程度というこの破格の小型アンプがウェストミンスターのバックロードホーンをどう鳴らすのか、半信半疑ながらKさんともども固唾を呑んで耳を澄ました。

そして「こんな小さな球から・・・」と、二人ともビックリ仰天(笑)。

          

以下、続く。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/c/45d6e4b9b842f142d7022ba9f57e4c44
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c30

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
31. 中川隆[-10649] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:39:24 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[27]

理想のオーディオ研究所
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理想のオーディオ研究所(板橋商会)は、音楽再生において
虚飾を排した一生涯にわたり世界に誇れる製品を販売します。

取り扱い品目

・チューブオーディオラボ 真空管アンプ
・テクトロントランス ・TSM トランス
・カスタム高能率スピーカー
・Lowther ユニット エッジ交換 ダンパー修理
チューブオーディオラボ 45 パラシングルステレオ
チューブオーディオラボ RS289PP ステレオ

商品リスト

■チューブオーディオラボ 真空管アンプ

全ては音楽を楽しむ為に製作されたアンプです。
雄大ながらも繊細な音色を実現する為、回路設計で特許を持っている真空管を知り尽くした製作者は、アンプに
妥協のない緻密なデザインをします。
また、アンプを形にする技術も随一です。そのワイヤリングを見て頂ければ納得して頂けるでしょう。
工程は設計から製作までを全て一人で責任もって行う徹底ぶりです。
使用パーツの選定にも勿論妥協がありません。真空管、トランス、コンデンサ、抵抗、シャーシ、線材、ハンダ
の選定にも一切の手抜き無しです。というか手抜き出来ないそうです。
是非フェアでは、そのありのままの音をお聴きください。


poweramp

・テレフンケン RS289PP ステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球付き
・テレフンケン RS289 シンングルステレオパワーアンプ
TSM アモルファスカットコア仕様 球付き
・6AR6 シングルステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球別
・50 シングルステレオパワーアンプ(F704 用ソケット販売可)
テクトロンカットコア仕様 球別
・45PP ステレオパワーアンプ
テクトロンカットコア仕様 球別
・テレフンケン RES664D シングルモノブロック
パワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球付き
・テレフンケン RE604 系コンパチプル
シングルモノブロックパワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球別
※テレフンケン RES664D 使用可でお作り出来ます。その他、使用球はご相談下さい。
・13FD7 シングルステレオパワーアンプ 球付き
TSM オリエント EI コア仕様
・71A シングルステレオパワーアンプ 球付き
パートリッジトランス仕様


priamp

・c3o ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ 球付き


上記は現在までチューブオーディオラボで製作してきた一例にすぎません。非常に好評で何台も売れたものや、
一点もので大好評だったものを記載しました。その他、特注も賜りますのでお問い合わせください。

アモルファスカットコアにバージョンアップしたものも製作出来ます(ファインメットも可能。)。
TSM 製またはテクトロン製のもの、それぞれ製作可能です。
ただし、シャーシ構成が変わった場合、ステレオ構成からモノブロックへ変更等の可能性があります。

価格はその都度お見積りをお出ししますのでご相談下さい。


■テクトロントランス

値段も確かですがこれ以上の音を奏でるトランスはあるのだろうかと思います。設計・部材が非常にしっかりし
ており、大型なコアを磨き上げ、そこに太い線を巻きつけます。その為重量も非常に重くなりますが、音楽信号
の損失のない性能を誇ります。その設計思想の為、小型のものは製作出来ませんので、ご了承ください。チュー
ブオーディオラボ製のアンプの特に超重量級アンプに使用されています。製造会社のツゲ電気は唯一ピアレスの
OEM の権利を持っているという一面をみても、普通ではないトランスということが分かるでしょう。最高のも
のを求める方は是非お使い下さい。


・電源トランス
・出力トランス
・ドライバートランス
・チョークトランス
・その他特注トランス等
※コア材オリエントからファインメット等ご用意出来ます。
・ファインメット MC ステップアップステレオトランス
(レコードファンの方は是非ご使用ください。究極のトランスです。)


■TSM トランス
チューブオーディオラボ製のアンプに使用されています。非常に安価ながらも電源トランス以外の高品質トラン
スを特注で制作しています。その音は一言でいうと、鮮烈! 音楽のエッセンスを上から下までダイレクトに伝
えてくれます。このトランスで制作されたアンプでモニターシルバーをお使いの方が、「このアンプ最高ですよ!」
と興奮してお電話頂いたことは記憶に新しい事です(RS289PP ステレオパワーアンプ)。TSM は他社にも技術
提供、指導するような、確かな技術を持っている会社です。自作の方も是非お使い下さい。

・15w オリエント出力トランス
・25w オリエント出力トランス
・50w オリエント出力トランス
・インターステージトランス CS10
・インターステージトランス CS20
・アッティネータートランス オリエント
・アッティネータートランス アモルファス
・アッティネータートランス ファインメット
※シールドケースは付きません。
電源トランス以外の特注品ご相談承ります。
コア材種類についてもお問い合わせ下さい。


■高能率カスタムスピーカー

板橋商会のメインスピーカーです。高能率なので真空管アンプに最適です。スタジオモニタリング用スピーカー
ですが、非常に音楽性があります。色々使用しましたが、結局このスピーカーに落ち着きます。ユニットはビン
テージではなくアメリカ製の現行品です。

・RCS38
高能率 38cm 同軸 2way 35Hz〜20kHz(±5dB)
98dB/w/m H740×W530×D450mm
ケーブル付き 2 台
・RCS30
高能率 30cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
96dB/w/m H600×W400×D350mm
ケーブル付き 2 台
・RCS25
高能率 25cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H520×W360×D300mm
ケーブル付き 2 台
・RCS20
高能率 20cm 同軸 2way 60Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H450×W320×D280mm
ケーブル付き 2 台
※ご必要でしたらサランネットお造りいたします(別途料金。)。
5


■Lowther ユニット補修
・エッジ交換(キョン革エッジに張替ユニット 1 個につき)
・ダンパー修理(キョン革ダンパー交換ユニット 1 個に付き)


■真空管

■ビンテージハンダ


For overseas customers, please contact us by e-mail.

販売代理店:板橋商会ホームページ
http://www.arisan58.com(理想のオーディオ研究所)

板橋商会メールアドレス itabashi.trading0358@gmail.com
板橋商会代表 村上 武(takeshi murakami)
板橋商会住所:板橋区本町 31-3 703

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[近代史4] チューブ オーディオ ラボ の格安真空管アンプ 中川隆
1. 中川隆[-10648] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:40:33 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[28]
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取り扱い品目

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・テクトロントランス ・TSM トランス
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チューブオーディオラボ 45 パラシングルステレオ
チューブオーディオラボ RS289PP ステレオ

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■チューブオーディオラボ 真空管アンプ

全ては音楽を楽しむ為に製作されたアンプです。
雄大ながらも繊細な音色を実現する為、回路設計で特許を持っている真空管を知り尽くした製作者は、アンプに
妥協のない緻密なデザインをします。
また、アンプを形にする技術も随一です。そのワイヤリングを見て頂ければ納得して頂けるでしょう。
工程は設計から製作までを全て一人で責任もって行う徹底ぶりです。
使用パーツの選定にも勿論妥協がありません。真空管、トランス、コンデンサ、抵抗、シャーシ、線材、ハンダ
の選定にも一切の手抜き無しです。というか手抜き出来ないそうです。
是非フェアでは、そのありのままの音をお聴きください。


poweramp

・テレフンケン RS289PP ステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球付き
・テレフンケン RS289 シンングルステレオパワーアンプ
TSM アモルファスカットコア仕様 球付き
・6AR6 シングルステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球別
・50 シングルステレオパワーアンプ(F704 用ソケット販売可)
テクトロンカットコア仕様 球別
・45PP ステレオパワーアンプ
テクトロンカットコア仕様 球別
・テレフンケン RES664D シングルモノブロック
パワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球付き
・テレフンケン RE604 系コンパチプル
シングルモノブロックパワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球別
※テレフンケン RES664D 使用可でお作り出来ます。その他、使用球はご相談下さい。
・13FD7 シングルステレオパワーアンプ 球付き
TSM オリエント EI コア仕様
・71A シングルステレオパワーアンプ 球付き
パートリッジトランス仕様


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・c3o ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
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上記は現在までチューブオーディオラボで製作してきた一例にすぎません。非常に好評で何台も売れたものや、
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■テクトロントランス

値段も確かですがこれ以上の音を奏でるトランスはあるのだろうかと思います。設計・部材が非常にしっかりし
ており、大型なコアを磨き上げ、そこに太い線を巻きつけます。その為重量も非常に重くなりますが、音楽信号
の損失のない性能を誇ります。その設計思想の為、小型のものは製作出来ませんので、ご了承ください。チュー
ブオーディオラボ製のアンプの特に超重量級アンプに使用されています。製造会社のツゲ電気は唯一ピアレスの
OEM の権利を持っているという一面をみても、普通ではないトランスということが分かるでしょう。最高のも
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・電源トランス
・出力トランス
・ドライバートランス
・チョークトランス
・その他特注トランス等
※コア材オリエントからファインメット等ご用意出来ます。
・ファインメット MC ステップアップステレオトランス
(レコードファンの方は是非ご使用ください。究極のトランスです。)


■TSM トランス
チューブオーディオラボ製のアンプに使用されています。非常に安価ながらも電源トランス以外の高品質トラン
スを特注で制作しています。その音は一言でいうと、鮮烈! 音楽のエッセンスを上から下までダイレクトに伝
えてくれます。このトランスで制作されたアンプでモニターシルバーをお使いの方が、「このアンプ最高ですよ!」
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・25w オリエント出力トランス
・50w オリエント出力トランス
・インターステージトランス CS10
・インターステージトランス CS20
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※シールドケースは付きません。
電源トランス以外の特注品ご相談承ります。
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■高能率カスタムスピーカー

板橋商会のメインスピーカーです。高能率なので真空管アンプに最適です。スタジオモニタリング用スピーカー
ですが、非常に音楽性があります。色々使用しましたが、結局このスピーカーに落ち着きます。ユニットはビン
テージではなくアメリカ製の現行品です。

・RCS38
高能率 38cm 同軸 2way 35Hz〜20kHz(±5dB)
98dB/w/m H740×W530×D450mm
ケーブル付き 2 台
・RCS30
高能率 30cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
96dB/w/m H600×W400×D350mm
ケーブル付き 2 台
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95dB/w/m H520×W360×D300mm
ケーブル付き 2 台
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高能率 20cm 同軸 2way 60Hz〜20kHz(±5dB)
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■真空管

■ビンテージハンダ


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[近代史3] 新潟県 南魚沼市 チューブ・オーディオ・ラボ _ マイナー出力管を使った廉価な真空管アンプ製作 中川隆
9. 中川隆[-10647] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:41:11 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[29]
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・テクトロントランス ・TSM トランス
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チューブオーディオラボ 45 パラシングルステレオ
チューブオーディオラボ RS289PP ステレオ

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■チューブオーディオラボ 真空管アンプ

全ては音楽を楽しむ為に製作されたアンプです。
雄大ながらも繊細な音色を実現する為、回路設計で特許を持っている真空管を知り尽くした製作者は、アンプに
妥協のない緻密なデザインをします。
また、アンプを形にする技術も随一です。そのワイヤリングを見て頂ければ納得して頂けるでしょう。
工程は設計から製作までを全て一人で責任もって行う徹底ぶりです。
使用パーツの選定にも勿論妥協がありません。真空管、トランス、コンデンサ、抵抗、シャーシ、線材、ハンダ
の選定にも一切の手抜き無しです。というか手抜き出来ないそうです。
是非フェアでは、そのありのままの音をお聴きください。


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・テレフンケン RS289PP ステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球付き
・テレフンケン RS289 シンングルステレオパワーアンプ
TSM アモルファスカットコア仕様 球付き
・6AR6 シングルステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球別
・50 シングルステレオパワーアンプ(F704 用ソケット販売可)
テクトロンカットコア仕様 球別
・45PP ステレオパワーアンプ
テクトロンカットコア仕様 球別
・テレフンケン RES664D シングルモノブロック
パワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球付き
・テレフンケン RE604 系コンパチプル
シングルモノブロックパワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球別
※テレフンケン RES664D 使用可でお作り出来ます。その他、使用球はご相談下さい。
・13FD7 シングルステレオパワーアンプ 球付き
TSM オリエント EI コア仕様
・71A シングルステレオパワーアンプ 球付き
パートリッジトランス仕様


priamp

・c3o ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ 球付き


上記は現在までチューブオーディオラボで製作してきた一例にすぎません。非常に好評で何台も売れたものや、
一点もので大好評だったものを記載しました。その他、特注も賜りますのでお問い合わせください。

アモルファスカットコアにバージョンアップしたものも製作出来ます(ファインメットも可能。)。
TSM 製またはテクトロン製のもの、それぞれ製作可能です。
ただし、シャーシ構成が変わった場合、ステレオ構成からモノブロックへ変更等の可能性があります。

価格はその都度お見積りをお出ししますのでご相談下さい。


■テクトロントランス

値段も確かですがこれ以上の音を奏でるトランスはあるのだろうかと思います。設計・部材が非常にしっかりし
ており、大型なコアを磨き上げ、そこに太い線を巻きつけます。その為重量も非常に重くなりますが、音楽信号
の損失のない性能を誇ります。その設計思想の為、小型のものは製作出来ませんので、ご了承ください。チュー
ブオーディオラボ製のアンプの特に超重量級アンプに使用されています。製造会社のツゲ電気は唯一ピアレスの
OEM の権利を持っているという一面をみても、普通ではないトランスということが分かるでしょう。最高のも
のを求める方は是非お使い下さい。


・電源トランス
・出力トランス
・ドライバートランス
・チョークトランス
・その他特注トランス等
※コア材オリエントからファインメット等ご用意出来ます。
・ファインメット MC ステップアップステレオトランス
(レコードファンの方は是非ご使用ください。究極のトランスです。)


■TSM トランス
チューブオーディオラボ製のアンプに使用されています。非常に安価ながらも電源トランス以外の高品質トラン
スを特注で制作しています。その音は一言でいうと、鮮烈! 音楽のエッセンスを上から下までダイレクトに伝
えてくれます。このトランスで制作されたアンプでモニターシルバーをお使いの方が、「このアンプ最高ですよ!」
と興奮してお電話頂いたことは記憶に新しい事です(RS289PP ステレオパワーアンプ)。TSM は他社にも技術
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・15w オリエント出力トランス
・25w オリエント出力トランス
・50w オリエント出力トランス
・インターステージトランス CS10
・インターステージトランス CS20
・アッティネータートランス オリエント
・アッティネータートランス アモルファス
・アッティネータートランス ファインメット
※シールドケースは付きません。
電源トランス以外の特注品ご相談承ります。
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■高能率カスタムスピーカー

板橋商会のメインスピーカーです。高能率なので真空管アンプに最適です。スタジオモニタリング用スピーカー
ですが、非常に音楽性があります。色々使用しましたが、結局このスピーカーに落ち着きます。ユニットはビン
テージではなくアメリカ製の現行品です。

・RCS38
高能率 38cm 同軸 2way 35Hz〜20kHz(±5dB)
98dB/w/m H740×W530×D450mm
ケーブル付き 2 台
・RCS30
高能率 30cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
96dB/w/m H600×W400×D350mm
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95dB/w/m H520×W360×D300mm
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高能率 20cm 同軸 2way 60Hz〜20kHz(±5dB)
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■Lowther ユニット補修
・エッジ交換(キョン革エッジに張替ユニット 1 個につき)
・ダンパー修理(キョン革ダンパー交換ユニット 1 個に付き)


■真空管

■ビンテージハンダ


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http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/459.html#c9

[近代史3] 新潟県 南魚沼市 チューブ・オーディオ・ラボ _ マイナー出力管を使った廉価な真空管アンプ製作 中川隆
10. 中川隆[-10646] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:42:17 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[30]
詳細は

超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/459.html#c10

[リバイバル3] 一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ? 中川隆
17. 中川隆[-10645] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:19:53 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[31]
超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html

チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『VT-52』     ・・・2020/7/27〜【9/17更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/12/2020_VT-52.html

 アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。
 少し間が空きましたが、3台集中製作…ようやく3番目の再開です。9/10〜

1・シャーシ図面 1
シャーシ図面 1

2020/07/27
◆ シャーシ図面 1
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ図面 2
シャーシ図面 2

2020/07/27
◆ シャーシ図面 2
 図面は直接計測しないでください。
 サイズはイメージです。◇◇
3・シャーシ
シャーシ


2020/08/10
◆ シャーシ
 部品を取り付けて・・・若干の修正をして、真空管は手元に有りますので挿して見ました。
 初段はレーセオン2C52、WE刻印のVT52、整流管はロジャース5X4G・・・
VT52を沈めましたので、整流管の背が高く為りました・・・思案の為所ですね。

更に続く

4・部品取付
部品取付


2020/08/27
◆ 部品取付
 シャーシの塗装も上がって来ましたので、軽い部品から取り付けます。
 トランス類は最後にしたいのですが、背面の端子が邪魔して付かなくなりそうなので・・・ 付けちゃいました。

5・配線開始
配線開始


2020/09/10
◆ 配線開始
 大分間が空きましたが、VT52アンプの配線を始めました。
 部品レイアウトは前回のPX4アンプと同じですので、配線の取り回しも一緒なので サクサクと進む予定です。

続く

6・配線終了
配線終了


2020/09/13
◆ 配線終了
 配線が終わりました。
 前回のPX4アンプとは出力管周りが違うだけで、後はほぼ同じですからスムースに進みました。
 後は調整ですが・・・DC点火回路がヘタレないか一寸心配ですがVT52のフィラメントは1Aですので、 まあ大丈夫でしょう。

7・フィラメント
フィラメント


2020/09/15
◆ フィラメント
 先ずはフィラメント電圧を規定値に合わせます。
 AC点火で実用に為るのは4V迄で、それ以上はDCにしないとハムが取り切れません。
 今回DC/DCコンバータを使いましたが、取付には絶縁ワッシャーを使って下さい。
 パターンにビスが触れてアースに落ちます、フィラメントの片側がアースです・・・ ヒューズが切れました、この原因が分るまで悩んだのですよ・・・

8・調整終了
調整終了


2020/09/15
◆ 調整終了
 DCコンバータに絶縁ワッシャーを入れて・・・今度は大丈夫です。
 プレート電圧、バイアス電圧も良いところに入っています。
 暫く初期エージングです、DCコンバータの発熱もフィラメント1Aですので大丈夫の様です。
9・2C52
2C52


2020/09/17
◆ 2C52
 順調にエージングが進みました。

 初段はレーセオン社の2C52です、余り馴染みが無いかも知れませんが12.6Vの 球を使うために電源トランスを特注致しました。
 とても良い作りの軍用球です。

10・ケルテス
ケルテス


2020/09/17
◆ ケルテス
 エージングも3日目になりまして、鳴らし始めとは比べようも無いくらいの変わりようです。
 WE球の中でもVT25AとVT52は共通の趣があります、比べるとグリッドのピッチが違うくらいで プレートは同じかと思います、グリッドのピッチが荒い分VT52の方が端正な音がします。
 今回整流管にカナダロジャースの5X4Gを使いました。
 此の組み合わせは、高音の抜けは良い低音の厚みはあるしVT52はホント良い音がします。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/12/2020_VT-52.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html#c17

[リバイバル3] 英国の気品 PX4 シングルアンプ  中川隆
13. 中川隆[-10644] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:21:22 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[32]
超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html

チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『PX4』     ・・・2020/7/27〜【9/8完成】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html

 オーダーアンプの作成経過の報告スタイルです。
 9月8日…色々有りましたが完成です。
1・シャーシ図面 1
シャーシ図面 1

2020/07/27
◆ シャーシ図面 1
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ図面 2
シャーシ図面 2

2020/07/27
◆ シャーシ図面 2
 図面は直接計測しないでください。
 サイズはイメージです。◇◇
3・シャーシ
シャーシ


2020/08/09
◆ シャーシ
 VT52アンプも同じシャーシなので、右側のVRツマミがケースに近くて操作し難いです。
 メインのVRは左右のレベル合わせで使って頂き、ボリューム調整はプリアンプで・・・
此のアンプのシャーシほぼ中央にバイアス切り替えのSWを追加致しました、此でRE604系の出力管も使って頂けます。
更に続きます。

4・塗装上がり
塗装上がり●


2020/08/23
◆ 塗装上がり
 塗装が上がって来ました。
 OUTとプレートCHはアモルファスコアでの特注です、 前回964アンプのOUTと今回のCHが同じコアですので、 出力トランスのコアの大きさが判ると思います。
 さて・・・其れでは部品の取付へと進みます。

続く

5・上面
上面


2020/08/27
◆ 上面
 PX4アンプの部品がほぼ取付きました。
 今まで黒色ばかり使っていましたが、此の色も良い感じですね・・・ VT52アンプとの違いはRS289のプレート結線用の赤い端子と、PX4〜604の切替えSWです。

6・端子側
端子側


2020/08/27
◆ 端子側
 後ろの端子側です。
 良い部品を使っています、入出力端子は音(株)製を使いました。
 入力端子は音(株)の特許製品で、アース側から繋がりますのでそのままピンケーブルを 抜き差し出来る優れものです。

7・配線始め
配線始め


2020/08/30
◆ 配線始め
 部品の取付が終わりましたので、配線を始めました。
 電源トランスの上は出力管のDC点火回路です、此の部分は最初に配線しておかないと 後からの配線が出来ませんので・・・

8・配線途中
配線途中


2020/09/03
◆ 配線途中
 少しずつですが進んでいます・・・ 後は出力管のバイアス切り替えのSW周りですが、 上手く抵抗の処理をやらないと収まりませんので、 此が厄介なのですよ・・・

9・バイアス切り替え
バイアス切り替え


2020/09/6
◆ バイアス切り替え
 厄介な所の配線がヤット終わりました。
 此処はもう頭の体操ですね・・・ 部品の大きさと、限られた端子とで部品の配置を考えて・・・ ゴチャゴチャしていますが、何とか収まりました。

此でPX4系とRE604系の球が安全に使用可能です。

10・調整
調整


2020/09/08
◆ 調整
 配線が全て終わりましたので、始めにフィラメント電圧の調整です。
 DCコンバータのポテンショメータで規定の電圧を調整して・・・簡単に電圧が合わせられます。

11・トラブル
トラブル


2020/09/08
◆ ●トラブル●
 出力管をPX4からRS289に差し替えて数時間エージング・・・ オヤッ・・・片側の音が歪みっぽいしDCコンバータがヤケに熱い、 無理も無いか、RS289のヒーターは2.1Aの電流が流れますので発熱も凄いです。
 熱暴走でフィラメント電圧の低下ですね・・・

12・完成
完成


2020/09/08
◆ 完成
 アッサリとDC点火回路を外しました。
 AC点火です、危惧していたフィラメントハムも気にならない程度に収まりまして、 高価な出力管にも安心です。

13・RS289
RS289


2020/09/08
◆ RS289
 先ずはRS289でエージングです・・・高真空の球ですので、うっすらとバルブトップにグローが見えます。
 プレートに十字のフィン・・・良いですね、オーディオアンプと言うより独逸の送信機と言う感じです。

14・RS289U
RS289U


2020/09/08
◆ RS289U
 電源を入れてからヒーターが点灯するまで2〜3分掛かります、 球が切れているのでは・・・と思うくらい時間が掛かります。
 カソードが赤くなってからも30分位経たないと本領を発揮しません・・・気の短い人には向かない球です。

15・アルページオネソナタ
アルページオネソナタ


2020/09/08
◆ アルページオネソナタ
 音も大分締まってきましたのでPX4に変えてシューベルトを・・・ チェロが歌います、特に2楽章が大好きなのです。

16・RE604
RE604


2020/09/08
◆ RE604
 銘球バリュームの604でバッハを・・・ 唯々聴いています至福の一時です。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/443.html#c13

[近代史3] 世紀の捏造? ”ガス室はなかった” は本当か? 中川隆
3. 中川隆[-10643] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:29:04 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[33]

灰になった110万人「死者の名前見つけたい」
今も続く保存作業、虐殺の歴史後世に アウシュビッツ生存者の消せない記憶(3)
2020/10/24
https://www.47news.jp/47reporters/5412850.html


アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)の有刺鉄線と監視塔。現在は博物館として公開されている=1月、ポーランド・オシフィエンチム(共同)

 窓の外に有刺鉄線が走る作業室は静けさに包まれている。白衣姿のスタッフが皮の古い旅行かばんを手作業で修復し、大人から幼児用まで当時の色を保つ大小の靴も修復を待つ。いずれもアウシュビッツ強制収容所の収容者の遺品だ。犠牲者は110万人以上。9割をユダヤ人が占めるが、大半は名前すら記録されず、死の詳細は分かっていない。かつての収容所施設に設けられた作業室では今も、膨大な遺品の保存や犠牲者の身元解明など虐殺の歴史を後世に伝える地道な作業が続いている。(共同通信=森岡隆)

アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)として使われた建物で、移送されてきた人々のかばんを修復する博物館のスタッフ=1月、ポーランド南部オシフィエンチム(共同)
 ▽犯罪の証拠

 「紙の資料から収容所の建物の部材まで、あらゆるものを保存する」。当麻さくらさん(37)=神戸市出身=が話す。ナチスが1940年、占領下のポーランド南部の都市オシフィエンチムに開設したアウシュビッツ。第2次大戦後、施設跡はポーランド国立のアウシュビッツ・ビルケナウ博物館として運営され、見学者受け入れのほか、資料の保存や修復などを続けてきた。当麻さんは博物館に勤務する約80人の保存担当職員の1人だ。

アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)として使われた建物で、収容者の手紙の保存作業をする当麻さくらさん=1月、ポーランド南部オシフィエンチム(共同)
 犠牲者の服や靴、ナチス親衛隊(SS)隊員が撮った写真など10万を超す資料を所蔵し、スタッフは一点一点に保存処置を施す。ユダヤ人たちが収容されたれんが造りのバラックも保存のため解体し、個々の部材を薬品で処理する。劣化対策はかつて電流が流れていた収容所の有刺鉄線や鉄線を支えるコンクリートの柱にも及ぶ。戦後75年を経て生存者は減り続け、間もなく戦後世代が悲劇を語り継ぐ時が来る。その時、こうした資料が実相を後世に伝える直接の証拠となるからだ。

アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)の施設として使われた建物で、移送された人々の靴を見る当麻さくらさん=1月、ポーランド南部オシフィエンチム(共同)
 博物館には今も収容者ゆかりの品が持ち込まれる。当麻さんは日々、収容者の遺品に接し、傷やしみの位置も覚えてしまうという。「手を加えるのではなく、あくまで75年前と同じ本物の状態を保つ。この作業に終わりはない」

 ▽消えた人々

 アウシュビッツでは誰がどのような最後を遂げたのか、大勢の死の詳細が不明だ。クシシュトフ・アントンチュクさん(52)ら職員12人は100万件以上の記録が入力された博物館の「収容者データベース」などを基に、犠牲者の身元を1人でも多く明らかにしようとしている。

 欧州各国からアウシュビッツに移送されたユダヤ人は到着直後、7割以上がガス室に送られ、残りは強制労働に就くために名前などを登録された。到着直後にガス室へ送られた人は約90万人。SSはその名前を記録せずに遺灰を近くの川や穴に捨て、人々の痕跡は消えてしまった。一方、約40万人が登録されたが、飢餓や病気などで半数がその後、アウシュビッツで死亡した。

 大戦終盤の44年末以降、ソ連軍がアウシュビッツに迫り、SSは犯罪の証拠を消しに掛かった。膨大な記録文書の9割以上を廃棄し、アウシュビッツ第1収容所から約3キロ離れた広大なアウシュビッツ・ビルケナウ収容所(第2収容所)では四つの大型ガス室の破壊に着手した。最後に残ったガス室を爆破した翌日の45年1月27日、ソ連軍がアウシュビッツに到着し、収容所を解放した。第1収容所とビルケナウなどには衰弱した約7千人が残っていた。

 「アンネの日記」を書いたユダヤ人少女アンネ・フランクの父オットーもこの時解放された。だが、アンネは既にビルケナウからドイツ国内の強制収容所に移送され、現地で2月に死亡したとみられる。

 ▽巨大なパズル

 犠牲者の特定には困難がつきまとう。記録の大部分が失われ、現存するものも姓名のどちらかが欠けるなど不完全だったり、判読不能だったりする場合が多いからだ。欧州各国から移送された収容者の名前が実際とは異なるつづりで登録され、混乱を招くケースも目立つ。

 「だから戦後75年を経ても、パズルのピースを埋めるような作業を続けている」とアントンチュクさん。スタッフは記録のデータ化や米国やイスラエルなど国外の公文書館などとも協力して犠牲者の情報を集め、登録された約40万人の6割の名前をこれまでに特定した。

アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)の施設として使われた建物で、データベースを基に犠牲者らの身元特定を進めるクシシュトフ・アントンチュクさん=1月、ポーランド・オシフィエンチム(共同)
 ▽追悼作業

 ドイツへの抵抗運動に加わり、捕まったスタニスワフ・ヤシンスキという20代のポーランド人男性がいた。アウシュビッツに近い都市クラクフから移送され、戻らなかったことだけが分かっていた。アントンチュクさんがロシアから提供されたSS作成の収容者の死亡証明書を調べていた際、アダム・ソスナという男性の書類に行き当たった。死亡日は43年1月。出生地などの個人データがヤシンスキと重なり、本人がソスナの偽名を名乗っていたと思われた。

 ヤシンスキの家族から逮捕前の写真を受け取り、現存する4万枚の収容者の顔写真からこの時期、クラクフ経由で到着した人々の写真と一枚一枚照らし合わせていった。囚人番号77587。ついに同じ人物が見つかった。データベース上で番号をたどると、死の2カ月前に着いたことが判明した。遺体は焼却されていた。

ドイツ語で「アルバイト・マハト・フライ(働けば自由になる)」と表示されたアウシュビッツ強制収容所(第1収容所)の門=1月、ポーランド・オシフィエンチム(共同)
 今もアウシュビッツの犠牲者の子や孫たちが肉親の消息を求め、博物館に連絡してくる。SSにとって収容者は番号にすぎなかったが、親族にとってはかけがえのない存在だ。

 「110万を超える人々がここで犠牲になり、遺灰を捨てられた。1人でも多くの名前を見つけ、人生の最後の空白を埋めたい。名前を見つけるのは彼らを追悼することだと思っている」。アントンチュクさんが力を込めた。(終わり)

https://www.47news.jp/47reporters/5412850.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/346.html#c3

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
61. 中川隆[-10642] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:48:49 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[34]

超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html


チューブ・オーディオ・ラボ ドイツ球『RES964』
オーダーアンプ作成『RES964』     ・・・2020/7/27〜【8/21 更新〜終了】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/10/2020_RES964.html


 アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。
8/21無事完成の運びとなりました。
1・シャーシ図面
シャーシ図面

2020/07/27
◆ シャーシ図面
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ
シャーシ

2020/08/08
◆ シャーシ
 シャーシが出来上がって来ました。
トップパネルは1.6mm厚の鋼板で・・・重いモノを載せても大丈夫です。
若干の手直し後は塗装に出せるように・・・と

3・アモルファス
アモルファス


2020/08/14
◆ アモルファス
 思いのほか塗装が早めに出来上がって来ました。
 何時もの黒色・・・では無く暗緑灰色?
 新しい塗装色です、何か・・・新鮮ですネ

 此のアンプの要・・・アモルファスコアのOUTです。
 TSMプロダクツの特注手巻きトランス・・・良いから使うのです。

4・部品取付
部品取付


2020/08/14
◆ 部品取付
 大体の部品が取付終りです。
 トップパネル式は部品が取付け易くて作業性がとても良いです。

5・配線途中
配線途中


2020/08/16
◆ 配線途中
 シャーシの設計段階で周到な部品配置などやりませんので・・・配線をしながら 何処に付ければ邪魔に為らないか等など・・・と考えながらやっています。
後一歩でワイヤー配線が終りです。

6・思案どころ
思案どころ


2020/08/17
◆ 思案どころ
 出力管のバイパスコンデンサーが重なって・・・此で良いと言い聞かせていましたが、 気になってしまい・・・変更します。

7・やり直し
やり直し


2020/08/17
◆ やり直し
 同じキーストン社の1L2P端子が出てきました・・・此で当らずに取り付けられます。
 ヤッパリ・・・スッキリしましたネ

8・調整
調整


2020/08/18
◆ 調整
 何とか調整までこぎ着けました。
 フィラメント電圧を適正値にする作業が思いのほか手こずります。
 抵抗を何種類か用意して・・・其れでも合いませんので、サーミスタと抵抗を組み合わせて・・・ 何とか4Vの電圧が出ました。

9・配線終了
配線終了

2020/08/19
◆ 配線終了
 残暑厳しき中・・・エアコンフル稼働で・・・
 配線が終わりました。
 適正電圧に為るように調整用の抵抗を決めて・・・終了
 ハムバランスを調整・・・高能率のSPでも無音状態です。
 テレフンケンのRES964を使う限りAC点火でも十分なハムレベルに押さえられると思います、 DC点火回路を省略出来ますので、随分回路が簡単になり作りやすく為ると思います。

試聴へと続く・・・

10・DUG
DUG


2020/08/20
◆ エージング
 真空管アンプのエージングには不向きな一番暑い日でした。
 新宿DUGでのライブ録音・・・随分前に伺いましたが、今の状況はコロナで厳しいでしょうね
 暑い日に真空管アンプのエージングは辛いモノが有ります、時間と共に音が締まって来るのが判ります。
 三本吊りフィラメントの964を聴いていると・・・此で十分、高額なRE604は要らないか・・・ナ
11・試聴U
試聴U


2020/08/21
◆ 試聴U
 引き続き仕上げの試聴を繰り返しています。  コンデンサー、トランス等のエージングを兼ねて試聴をしています。
 手持ちの真空管を差し替えて・・・964も色々有るのですが、暑い中探すのも億劫ですので 手近に有ったモノを挿して、整流管は色々出てきましたので動作確認がてら差し替えての試聴です。

12・RES964
RES964


2020/08/21
◆ RES964
 2年前の真空管オーディオフェア撤収の時に、お客様の足も途絶えましたので964アンプと ローサーの組み合わせでガンガン鳴らしました・・・凄い音でしたヨ 整流管もサイドコンタクトのAZ1は、お値段も安いですしメッシュプレートも有りますので、 RES964と共にお勧めです、割と安価にドイツ球の実力を楽しめます。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/10/2020_RES964.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c61

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
62. 中川隆[-10641] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:50:25 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[35]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『ヨーロッパ管RE604』     ・・・2019/12/24〜【完成 2020/5/14】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html
アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。

 ヨーロッパ管はフィラメント電圧4Vなのですが、6Vの出力管も有るので・・・其れも使える様に・・・ 4V管も電流値が色々ですので、DC点火では電圧調整をレオスタットで・・・厄介ですよね。
4VはAC点火で、6VはDC定電圧で行くことにしました。
1・部品集め
部品集め

2019/12/24
● 部品集め
 今年真空管の大量仕入が有りまして・・・
 資金が枯渇状態で思うように進みませんが、金額の大きい物はそこそこ揃えられて来ました。
トランスとシャーシは共に特注品です・・・今後の展開は順調に推移する事を願って・・・
2・シャーシ
シャーシ

2020/2/12
● シャーシ
 相変わらずの黒色のブツブツ塗装です。
 文字を入れて・・・部品の取付に入りました・・・
塗装の厚さを考慮して穴は大きめに開けています、
前はヤスリがけでしたが・・・知恵が付きました。
3・部品取付
部品取付


2020/3/1
● 部品取付
何しろ切替えSWが多いのです・・・
人間欲張ると碌な事が無い、あの球此の球と色々使いたい・・・
気持は私も同じですが、其の分工作が厄介で時間も掛かります。
4・プレートチョーク
完成


2020/3/3
● プレートチョーク
 前段球のプレート負荷に TSMプロダクトのチョークを使います。
 2個で良いのですが・・・今回は2台分の製作ですので、2倍の時間を費やしています。
 フロント部分のパーツが付きました、ロゴマークを入れる場所が無いので・・・ 切替えSWの下にさりげなく・・・

5・OPT
OPT


2020/3/5
◆ OPT
 出力トランスは20Wアモルファスカットコアです。
 7Kと3.5Kを二次側で切替えますので、8Ω 16Ω 32Ωで巻いて貰いました。
 何かと融通を効かせて貰っていますTSMプロダクトさんに感謝。
 引出線はWEの20ゲージで配線です。

6・部品取付完了
部品取付完了


2020/3/7
◆ 部品取付完了
 重たいトランスの取付が終わりました。
 電源部分が半分を占めます・・・贅沢なWチョーク回路です。
 後は・・・6V回路をもう一工夫オープンコアですので、ボンネットが付きます。

7・配線準備
配線準備


2020/3/27
◆ 配線準備
 手前に有りますのが6Vフィラメント用のACアダプターを固定する金具です。
 最初は結束バンドで縛ろうと思ってましたが・・・
プロの仕事では無いと・・・板金で金具を製作して貰いました。
 配線がゴチャゴチャしてます・・・上手く纏まるでしょうか・・・

8・インピーダンス切替え
インピーダンス切替え


2020/4/8
◆ インピーダンス切替え
 頭の中がゴチャゴチャして・・・配線図だけでは間違いそうなので、 実体図を書いて其れを見ながら配線して・・・と、OUTの3.5Kと7Kの切替えです、 SPの8Ωと16Ωに対応しています。

9・6V管用ACアダプター
6V管用ACアダプター


2020/4/14
◆ 6V管用ACアダプター
 ヨーロッパ6V管用のACアダプターです。
 小型ですので便利です、ダイオード整流では此のスペースに収まらないでしょう・・・
突入電流防止にサーミスタを入れます、厄介な工作が終ったので配線に移ります。

10・
フィラメント電圧切替え


2020/4/19
◆ フィラメント電圧切替え
フィラメントの切替え配線を終えて・・・ホッと一息
 ご覧のように整流管の二個使い、半波の整流管も使える様に・・・ 電源トランスは、3.8V5Aの巻線を出して貰いました、クライアントの要望が複雑さに輪を掛けます。

11・配線途中
配線途中


2020/4/21
◆ 配線途中
 B電源の配線が終わりました。
チョークコイルの上にバイアス抵抗の取付板が付きますので、此処の配線を先に済ませます。
12・配線途中其の2
配線途中其の2


2020/4/25
◆ 配線途中其の2
 バイアス抵抗切替えの配線を残し・・・ほぼワイヤー配線を終えました。
 スッキリ感は無いですが・・・ コンパチアンプで有ることを考えれば致し方ないかな・・・

13・バイアス切替
バイアス切替


2020/4/29
◆ バイアス切替
 いよいよ此のアンプの要・・・バイアス切替えの配線へと移って行きます。
 何しろステレオですので、2回路分の配線が入り組んでいます。
 間違いの無いように行き先に番号を記入して・・・

14・調整
調整


2020/5/6
◆ 調整
 配線が入り組んでますので間違いが無いか・・・ 最初に電源を入れるときは未だにハラハラドキドキです。
 電圧を測定して抵抗値を決めます、何度かやっている内に面倒になりまして・・・ 電流計を入れました・・・RES964で30mAチョット流れています。
 良い感じに仕上がりました。

15・終了
終了


2020/5/9
◆ 終了
 大分手間取りましたが、電圧配分も上手く行きまして終了の運びになりました。
 部品も収まるところに収まった感じです・・・と言ってしまえば簡単ですが、 左下ホーロー抵抗の手持ちが無くて、片道60Kmを高速道路を使って・・・ 何だかんだで結構思い入れの強いアンプと成りました。

16・試聴
試聴


2020/05/09
◆ 試聴
 先ずはRES964から・・・未だエージングが進んでませんので、下の方が膨らみ気味ですが・・・ TSMプロダクトのアモルファスOUTのお陰でしょうか、静かな休日の午後にローサーが歌います・・・
 甘い香りのモカと音楽と・・・至福のひととき
試聴(エージング)もお仕事です。

試聴パートUへ続く

17・試聴パートU
RS289


2020/05/14
17◆ RS289
 此の球は、カソードが赤くなるまで結構時間が掛かりますので・・・ 最初はヒーター断線かと思う位です。
 RS289の音は慣れると此の球で無ければ・・・
弦楽器の音は素晴らしいの一言です。

18・試聴パートU
RE604


2020/05/14
18◆ RE604
 バリューム昇華フィラメントの604です・・・
 流石に銘球! 何を聴いても破綻が有りません。

19・試聴パートU
PX650


2020/05/14
19◆ PX650
 手持ち唯一の6V管です。
かなり古い年代の球ですが・・・とても元気です。
 まだまだエージング不足ですが、角の取れた音で女性ボーカルでの再生では・・・思わずニッコリ

20・試聴パートU
L491D


2020/05/14
20◆ L491D
 私は敬意を込めて魚焼きと呼んでいます。
 此の球ほど見て良し聴いてよしは他に無いのでは・・・と思うくらいです。
 スピード感の有るスッキリとした音は、ブルージーなケニーバレルのギターに合いそう・・・

21・試聴パートU
RGN564


2020/05/14
21◆ RGN564
 半坡整流管ですので2本使いです。
 メッシュプレートですので、フィラメントが透けて見えます。
 良いですね・・・此だから真空管は止められません。

22・試聴パートU
後ろ姿


2020/05/14
22◆ 後ろ姿
 シャーシ内部や裏側など・・・普段見えない所に凝って作っています。
 滅多に見れない裏側です・・・如何でしょうか

23・試聴パートU
全体


2020/05/14
23◆ 全体
 全部ドイツのナス管で揃えて見ました。
 質実剛健の機械と言う感じのアンプが好きなのです・・・
此ばかりは変えられません。

24・試聴パートU
ヒラリー・ハーン


2020/05/14
24◆ ヒラリー・ハーン
 若干17歳のヒラリー・・・カワイイ
今までバッハの無伴奏は色々聴いてきましたが・・・
 参りました。
 ソナタ3番のラルゴ・・・
優しく包み込まれるような音色は絶品です。

 さて、長い間のお付き合いありがとうございました。
 今回のコンパチアンプは複雑な作りこみ・・・
 その分丁寧な仕事を心掛け時間をかけてまいりましたが、ようやく完成の運びとなりました。

 時間を掛けた分、エージングと言う名の試聴に未だ聴きたい真空管は有るのですが・・・
クライアントを何時までも待たせる訳にも行きませんので、此で終了いたします。
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c62

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
63. 中川隆[-10640] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:51:01 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[36]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成 その2『ヨーロッパ管コンパチアンプ』   ・・・2020/05/21〜【6/14完成】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/06/2020_06.html
さて、 先日(2020/5/14)完成しましたコンパチアンプ

『ヨーロッパ管RE604』  
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html


をもう一台作ることになりました。
同一仕様で2台目と言うことになります。

従って、今回の仕上がりは仕様が分かっている分早めの完成となる…予定です。
では、完成までまたお付き合いお願いします。

 ※仕様:ヨーロッパ管フィラメント電圧:4V管=AC点火:6V=DC定電圧
1・配線始め
配線始め

2020/05/21
● 配線始め
 前回と同じコンパチアンプの2台目です。
 前回で試行錯誤を繰り返しましたので、スムースに運びそうです。

2・配線途中
シャーシ

2020/6/3
● 配線途中
 前回と同じアンプですので、割とスムースに進んでいます。
 でも・・・複雑さは変わり有りません・・・

3・配線途中その2
配線途中U


2020/6/9
● 配線途中U
 さて、上の写真と間違い探し!?・・・か…
 CRの取付が終り後は、バイアス抵抗の配線を残すのみと為りました。
4・配線終了
配線終了


2020/6/13
●配線終了  前回のコンパチアンプに変更が有りましたので、配線の様子もチョット変わった箇所が有ります。
 此で配線が終わりました、前回分で電圧配分が上手く行っていますので・・・
後は試聴へと進みます。

5・試聴
試聴


2020/6/14
◆ 試聴  前作のアンプで色々な球を試しましたので、 今回は銘球RE604のバリュームでじっくりと・・・
整流管はRGN2504のブラックメッシュを選びました。
 ローサーが歌うジュリーロンドンのハスキーボイスをツマミに・・・
良い時間が流れています。


 と言うことで、無事に2台目のコンパチアンプが完成致しました。
 同じ仕様で2台目となると、やはり予定より早く進みましたね。
 この調子で、次は新作アンプか・・・

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/06/2020_06.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c63

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
64. 中川隆[-10639] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:52:09 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[37]
オーディオフェア2019に向けて・・・
去年の真空管オーディオフェアで、 RS289プッシュプルアンプを出展致しましたが、
ご購入頂きましたので・・・今回はお値段を抑えて、シングルアンプの製作です。

RS289シングルアンプ     8/21 【更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/14/RS289_14.html


使用部品

●8/11 使用部品
 アンプの要・・・出力トランスはTSMプロダクト、20Wアモルファスコア。
 ドライバートランスも同じくアモルファスコアで・・・
 RS289との組み合わせで最強のシングルアンプに仕上げたいと思います。

部品取付
●8/13 部品取付
 部品の取付が終わりました。
 オクタルソケットが見当たらず、出てくるまで結構時間が掛かりましたが・・・
穴の修正無しで収まりました。

配線開始
●8/13 配線開始
 ドライバートランスを内蔵する関係で、ある程度の配線を
進めて置かないと後からでは配線が出来ませんので、
今考えるとシャーシ寸法を大きくして、シャーシ上に
取り付けた方がやりやすかったなー・・・

配線途中
●8/17 配線途中
 AC周りの配線が終わりました。
 此処まで進めば・・・半分終わったも同然・・・と上手く行くでしょうか。
 後は、ドライバートランスの組込みへと・・・問題が生じなければ良いのですが。

ドライバートランス
●8/18 ドライバートランス
 ドライバートランスの組込みが終わりました。
 アースポイントがトランスの下側になっていまして・・・
チョット厄介でしたが、何とか無事に収まりました。
 トランスは、10K:40KのDC10mAで巻いて貰いました。
配線終了
●8/19 配線終了
 配線が終わりました。
 何か・・・ギュウーと詰まった感じですね・・・ 本当はスッキリ作りたかったのですが、今後の課題です。

球の実装
●8/19 球の実装
 では球を挿して・・・内部と違ってスッキリしています。
 整流管はムラードでイギリス製を・・・チョット拘ってヨーロッパ球の採用です。

ボンネット
●8/19 ボンネット
 トランスがオープンコアですので、ボンネットが付きます。
 裏返しにしても真空管が当りませんので・・・便利です。
 此処で電圧のチェックと調整を・・・無事に終了です。

エージング
●8/21 エージング
 此のRS289はヒーターの立ち上がりが遅くて電源を入れても球が切れているのでは?・・・と思うほどです。
 暫く・・・ヒーターのエージングです。
上から
●8/21 上から
 ボンネットの上側を空けていますが、其れほど熱くならないので・・・
塞いでも大丈夫みたいです、此の次は後ろ側だけパンチングで仕上げます。

試聴
●8/21 試聴
 久しぶりのRS289・・・2日目位から実力を出してきました。
 スピードが速くて音抜けが良いし・・・上から下まで十分伸びているし・・・
アモルファスOUTのお陰でしょうか、ローサー大喜びです。

 
 エージングも順調、後は10月の真空管オーディオフェア で、実機のご確認いただきご試聴下さい。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/14/RS289_14.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c64

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
65. 中川隆[-10638] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:53:25 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[38]
チューブオーディオラボ 6AR6 の感想ブログ

Audio miniature garden 2020
http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html

昨年の令和元年はアナログオーディオ中心にこだわりが加速して、3台のプレーヤーに使用するアームが6本にまで増殖することとなった。

使用するカートリッジはこれまでMC型一辺倒だったが、年末に購入したMM型SHURE M44Gのキレのある音色が気に入り、新たな常用カートリッジとして加わった。

またフォノイコにも純正のSHURE M64を組み合わせることでロックなどの曲種で満足感が高まっている。

最も音色に影響のあるスピーカーには、クラシックからロックまで英国Goodmans2機種のSPシステムを使い分けている。

これらの美しい響きを持ったスピーカーに高い駆動力を持った300Bシングルと音楽性の高いUESUGI OLSON TYPEのアンプを組み合わせることで、幅広い曲種を十分満足感の得られる状態で楽しんでいる。

今年もアナログを中心に熟成を進め、心地良い音楽をのんびり楽しむ時間を増やしてゆきたいと考えている。

〈6系統のアナログ入力〉


Nottingham GRACE G-565F + Ortofon MC-30s


Nottingham INTERSPACE-ARM + LYRA Clavis.D.C


Nottingham audio-technica AT-1503II + SHURE M44G


Garrard401 audio-technica AT-1503III + Ortofon Classic-GE


Garrard401 audio-technica AT-1501II + Ortofon MEISTER-GE


Thorens TD126mkIII SME3010RB + Thorens MCH-II

★〈2020年1月現在の我が家のシステム構成〉

Analog

AMP

SPEAKER


player

tone-arm

cartridge

MC-trans

PHONO-EQ

PRI

POWER


Thorens

TD-126 MK III Centennial

SME

3010R/B

Thorens

MCH-II

Ortofon

T-30

Marantz7

SUN

VALLEY

SV-91B

300B

Single

GOODMANS

2WAY

▼▼▼▼

AXIOM 22 MK II

+

TREBAX

Garrard
401

audio-technica

AT-1501 II

Ortofon

SPU

MEISTER GE

Western

Electric

KS-9450

Nottingham

Interspace.Jr

Grace G-565

Ortofon

MC-30

SERIES

EAR 834P

Garrard
401

audio-technica

AT-1503 III

Ortofon

SPU

Classic-GE

J's

No.6600

Chriskit

MARKY

Custom

UESUGI

TAP-31

OLSON

TYPE

NON-NFB

EL34PP

GOODMANS

3WAY

▼▼▼▼

AXIOM 150 MK II

+

MIDAX

+

TREBAX

Nottingham

Interspace.Jr

Interspace arm

LYRA

Clavis D.C

Langevin

408A

Nottingham

Interspace.Jr

audio-technica

AT-1503 II

SHURE

M44G

SHURE

M64

このような構成で幅広く音楽を楽しんでいる。

少し苦手なジャズはディアゴスティーニ/LPコレクションの定期購読を続けていたが、徐々にピンとくるアルバムも少なくなって来たのでNo.59を最後に止めてしまった。

クラシックについてはGoodmans AXIOM22MkIIの2WAYと300Bシングルアンプの組み合わせにより、ほぼ不満のない音色を得られるようになった。

POPS&ROCKはメインアンプをUESUGI EL34PPに入れ替えた後、MM型カートリッジの素晴らしさに目覚めさせられたSHURE M44Gとそれに対応する石のフォノイコライザーを導入することにより、こちらもあとわずかで終着点を迎えようとしている。

昨年はオーディオを通じての交流も活発化し、我が家の愛機を試聴していただくだけでなく、巡礼に足を運んで貴重な体験をさせていただいた。

今年も更に有意義な交流を続け、新たな刺激として楽しんで行きたいと考えている。          1/1


■ EMPIRE598のレストア

 


年末からのんびりと、使用しなくなって埃をかぶったEMPIRE598のレストアを手掛けている。

まずターンテーブルのプラッターをサブシャーシから引き抜き、アームやモーター、スイッチなど外せるものは全て取り外す。

ウッドケースは紙やすりで磨いてワトコオイルを塗り重ね、からぶきしてからTANNOYのウッドワックスで仕上げることにする。

発売当時は結構高額なPLだったが、内部のフローティング構造は実にシンプルでチャチなものである。

シャーシと外周ターンテーブルは紙やすりで磨いた後、メッキ調のシルバー塗装を施してクリア塗装でガードすることにした。

オリジナルの990アームは改造に失敗して使用不能となったため別に購入した980アームを搭載しているが、このアームは通常のSMEタイプのヘッドシェルを使用できるように改造されており、内部配線材も新しいものに交換している。

何度もシャーシの塗装に失敗するが、ようやく完成した。

SHURE M44Gを組み合わせてオシャレにジャズでも楽しもうかと考えたが、フォノイコ経由のアースが不完全なためか盛大にノイズが出る。

まあ、焦らずのんびりまいりましょう。                          1/6


   


    


昨日に引き続きEMPIRE598の調整を行う。

特に出力するフォノケーブルについてはアームの980が配線材直出しなので、背面にターミナルを設置してRCAケーブルで出力できるようにした。

昨日の仮配線ではSHUREのフォノイコ経由でアンプに繋いだところ、アースが浮いた状態のためか盛大にノイズが出ていた。

今日はプリのフォノに直接繋いでアースも直接取ったところ、バッチリ音出しに成功。

スイッチを入れてターンテーブルを回転させると、僅かにドイツ製大型モーターから「ゴーッ」と回転音が聞こえるが、ボリュームを上げてもゴロもなくSN比も問題ないレベル。音質もSHURE M44Gとの相性がぴったりで、キレの良いジャズが壁面いっぱいに響き渡っている。なかなか良い状態に仕上がったものだと自己満足している。 

  1/7

■ オーディオ巡礼 「オートグラフを愛するクラシック愛好家編」


今年初のオーディオ巡礼として、昨年の夏から2回ほどご来訪いただいた東京都杉並区のsigetaさん宅へお邪魔する機会を得た。

sigetaさんはご自宅でレコードを楽しむだけでなく、多い時には月間に5回もコンサートに通われているという熱烈なクラシック愛好家である。


 


お住まいになっているのは阿佐ヶ谷と高円寺の中程に位置する閑静な住宅地である。

お邪魔して2F和室10畳オーディオルームに案内されると、一部床がフローリングとなった部分に設置された巨大なTANNOYオートグラフにまず目を引き付けられる。

購入されたのは50年ほど前にTEACが代理店となった頃で、購入時の使用ユニットはHPD385だったが、後になってM-Goldに入れ替えたとのことだ。

また部屋の入り口にはこちらも巨大なEMT-927Dstが設置されているが、一般家庭のオーディオルームにこれら世界最高峰の機器が収まるだけで、その存在感に圧倒されてしまう。

使用されているアンプ群はWEアンプの修理依頼でアメリカまで出張されるという技術者の方の手によるもので、以前はWE-91Bレプリカを使用されていたらしい。

下の左画像奥がプリアンプで手前がレイセオンの送信管?を使用したパワーアンプとのことだ。

下右の画像はそのパワーアンプの別整流アンプとのことで、これが左右2台構成となっていて凄まじい熱量を発している。


 


今回特に音質バランス改善のため導入されたというルームチューニングでは、オーディオリプラスのハーモニックディフューザーを壁面のコーナーに設置し、オートグラフの弱点である長大なバックロードホーンがもたらす低域のこもり感を解消させているとのことだ。

sigetaさんのシステムは一般家庭のユーザーが望みうる世界最高峰の機器を組み合わせられているが、この他手掛けられているこだわりとして各種WEケーブルやルームチューニングアイテム、電圧関係のダウントランスなど多岐にわたっている。

また、使用されているアンプやこの純鉄コアMCトランスのように、高い技術力を持ったエンジニアのサポートにより、市販品のレベルを超えた組み合わせを実現されている。

EMT-927Dstに搭載されているアームはオルトフォンRF-297でカートリッジにはSPU-MEISTERを組み合わせられているが、昇圧トランスを貴重なWE-618やJ's赤ドット付初期型No.41、No.6600などからこちらの大型トランスに変えることで、描き出される音の世界が違ってくるとおっしゃっていた。

早速、取り揃えられた超弩級機器の説明もそこそこに、貴重なクラシック・オリジナルプレスの数々を試聴させていただく。

オートグラフを聴くのは何年ぶりだろうか? 

1960年代から80年代までの名演を交響曲、ワーグナー、バイオリンソナタ、声楽など次から次へと、また持参した2019年新譜の「ニュー・イヤー・コンサート」を含めあっという間の充実したひと時を過ごさせて頂いた。

今回聴かせて頂いたsigetaさん宅の音は、TANNOYを初めて聴いた当時の感動が、年月を重ねるにごとにさらに美化されてゆくといった音の記憶を上廻る、これまで経験したことのないまさしくTANNOYトーンと呼べるものではないだろうか。

最初に比較的新しいプレス盤を聴いた時、オートグラフ独自の長大なバックロード・ホーンを通して放出される低域のややこもった音色に違和感を感じたが、徐々にこちらの耳が慣れてくると素晴らしいホールトーンを堪能できるようになる。

sigetaさんのお話によると、以前は過剰な低域バランスに苦労したが、ルームチューニングを施すことによりかなりバランスを改善することができたとのことであった。

特に素晴らしかったのはオートグラフが生産されていた同時期の古い英国SAXやEMIのオリジナルプレスで、適度なホールトーンを伴った低域の抜けの良さと高域の繊細な響きのバランスに感動させられた。

神経質な金切り声に成りがちなルートビッヒが、豊満で慈悲深い、笑みを称えた歌声で歌っている・・・・・。

低域の量感を抑えるのに苦労されているという反面、調整が不十分な小型エンクロージャーのIIILZなどで感じる、高域の刺激的な響きは嘘のように影を潜めているようだ。

ヴァイオリンソナタでも高域が上ずるようなことは全くなかった。

しかし日本のような少し面積の狭い和室を使って、EMTや膨大な熱量を発する大型送信管を用いたアンプなどの強力な駆動系でオートグラフを手懐けるには、相当な努力が必要だとsigetaさんのお話から伺うことができた。

最高級の機材を組み合わせているのだから、良い音が出て当たり前と思うのが普通だが、そうはいかないのがオーディオの奥深いところでもある。

要は限られた空間でバランス良く聴こえるように、それぞれの機器をどのように組み合わせ調整して行くかが、オーディオの難しさであり醍醐味なのかもしれない。


  

またオートグラフを使う上での重要な調整ポイントとして、長年の使用に伴って緩みが出た15インチユニットを固定するネジを、均等なトルクで締め付けることが重要だとおっしゃっていた。

オートグラフのホールトーンにどっぷり浸かった後、帰宅して我が家のグッドマンで同じアルバムを聴くとその低域の質の違いに驚かされる。

そんな中でも耳に慣れた響きが心地よく感じられ、sigetaさんの機器に比べると大人と子供ほどの違いはあるが、これはこれでバランスが取れているとひとりごちた自分がいるのである。

sigetaさん、素晴らしいひと時をありがとうございました。                                        1/10


■ Shure M44E

レストアしたEMPIRE598がなかなか好ましい音色なので、組み合わせるShureのカートリッジを別途購入する。

今度は楕円針だ。

ボディは1978年から83年までの間に生産されたカモメマークで、付いていた新品の交換針N44EはスイスのPfanstiehlのものらしい。

同じ楕円針でも昨年購入したKYOWAブランドの上位機種の旧型N55Eとはかなり出力や音質傾向が異なり、クラシックなども無難にこなす大人しく繊細な音のするカートリッジである。

昨年試したN55Eと同様、全体的にキレが薄れてエッジが甘くなるのが楕円針の音色傾向となっているようだ。

このカートリッジ一つで色々なジャンルの音楽を楽しむのであれば、この楕円針が最も適しているのかもしれない。

しかし我が家のように複数のカートリッジで音楽を楽しむ場合は、高域の繊細感と低域の豊かな響きに限ればMCタイプカートリッジに優位性があるので、こちらのMM型ではタイトな切れ味を追求することにしたい。

そんな訳で、昨年Nottinghamで試して高域の強調された音色のため上手く生かせなかった丸針のN44-7を試したところ、ちょうど良いバランスにおさまったのでEMPIRE598にはこの丸針を常用とすることにした。                               1/11


■ 箱庭式ルームチューニング


先日お邪魔した杉並区sigetaさん宅のルームチューニングに触発され、我が家でも試してみることにした。

しかしsigetaさんが使われているような市販のチューニングアイテムは高価なためとても手が届かないので、我が家に見合ったグッズを活用して挑戦してみることにする。

その使用したグッズというのは「必殺 卵トレー!」である。

お値段の方はネットで20枚3,000円ほどで手に入り、壁に取り付けるカラー画鋲と合わせても4,000円でお釣りが来るという圧倒的なコストパフォーマンスだ。

こんな子供騙しのアイテムで音質が改善されるようであれば全く儲け物ではないか。

画像の通り、SPを設置している壁面の上部角と中央天井部分にこのグッズを設置して試聴したところ、「あ〜ら不思議」横と奥に部屋が広くなったような音場効果と音源の分離度が高まってプレゼンスの改善がはっきりと認められた。物は試しでやってみるもんだな〜。

特に我が家のような少し狭い部屋を使用している場合には、さらに効果が発揮されるのかもしれません。

嫁殿は見るなり「何かの巣があるみたいね」と言っている。

あまり見た目を物々しくしたくはなかったが、音質が良くなるんだから我慢しましょう。

sigetaさん曰く「団子状になって耳に飛び込んでくる音の塊がほぐれて、いろいろな楽器の音が聞こえるようになったのは驚きだった」とのことだったが全く同感で、こんなチープなグッズで同じような効果が得られるとはまさしく目から鱗である。

sigetaさんありがとうございました。                    1/12

ルームチューニングアイテムを設置して試聴を続けている。

ハイビジョンTVでは画面が細かいところまで鮮明に見えるようになるのと同じで、音の分離度が改善されてクッキリ感が強まり、弦楽器群などの高域が強調されて聴こえるように感じる。

壁面左右に設置しているトレーは左右の音場の広がりに影響し、中央上部のトレーは音場の奥行き感とコントラストに影響を与えているようだ。

最終的にそのコントラストを若干緩和するため、左右スピーカー中央の壁面と天井に装着しているトレーの天井部分だけ外し、加えて2WAYスピーカーの高域アッテネーターを少し絞ることでバランスを取ることにしている。

余韻も深まって低域の量感も増加し、スケールが大きくなったように聴こえるのは2WAY、3WAYとも同じ傾向である。

これまでは映画館やコンサートホールの中程で聴いている感覚だったのが、今回のルームチューニングを実施する事で前の方に座ってかぶりつきで鑑賞しているイメージに変わって来ている。

少し音のメリハリが強まる事で聴き疲れに繋がらなければ、この状態で楽しもうと考えている。今回使用したトレーには壁面色に併せて水性スプレーで塗装を施しているが、音を拡散するだけで吸音効果がないのが影響しているのかもしれない。                                 1/13


■ 続・箱庭式ルームチューニング


その後色々な曲種を聴いているが、やはりコントラストが強くなり過ぎてクラシックの弦楽器群が煩く感じるようになって来た。

トレーは当初壁面左角に7枚と右角はエアコンがあるので6枚、中央上部に4枚使用していた。

この状態だとフォーカスが合って定位がハッキリするのは良いが、高域がキツくエッジが立ちすぎる。

アッテネーターでツイーターのレベルを絞ると緩和するが、今度は高域の繊細感が死んでしまう。

そんな訳で使用する枚数を少しずつ減らしてみる事にした。

最初は左角が5枚と右角に4枚に減らしたところ、ピントがややソフトフォーカスになって高域のキツさは治るが、今度は低域の膨らんだ不自然な音色となってしまった。

続いて中央上部を2枚に減らしたところ、低域の自然な響きが戻り高域の柔らかさが戻って来たように聴こえる。

ツイーターのアッテネーターを元のレベルに戻してもうるさく感じなくなって、繊細感のある本来の響きに戻ったようだ。

この状態だと中央最前列のかぶり付きで聴いているのが、少し席を後ろに移動して全体を見渡せる感じで聴こえるようになった。

更に左角3枚と右角2枚、中央上部2枚と天井部分1枚にまで枚数を減らしてリスナー側背面の壁にも同様に設置したところ、響きが自然のまま奥行き感が出て来た。

音源の定位の方もトレーを使用する前に比べてハッキリしているので、バランス上この状態が一番良いのではと考えている。

それぞれのご家庭で音楽を楽しまれているオーディオルームは、当然のことながらカーテンや敷物、家具などの設置状態によって音の反響条件が違ってくる。

このような方法でトレーの枚数を増減させて試聴してみるのが一番確かだ。

幸いトレー自体はとても軽く、画鋲で数カ所壁面に刺すだけで簡単に設置できるのでそれほど苦にならない。

スピーカーの間に何も置かず空間となっている場合は、この壁面にトレーを並べても効果があるそうだ。

我が家での効果はかなりあると実感したので、是非一度お試しいただくことをお勧めする。                                    1/15

最終的にSHURE M44の交換針は、オリジナルでカンチレバーがヨレヨレになったN44Gを使用している。

使用し始めたEMPIRE598が快調なこともあり、最近はロックをもっぱらこの1970年代のプレーヤーを使って聴いている。

トランジスターを使用した業務用純正フォノイコとの組み合わせで低域の締りもバッチリだ。

楕円針のN44E/N55Eは切れ味の面で不満が残り、未使用のまま終わってしまった。

N44-7も相性が良いかと思ったが、少し高域が煩く低域の締りも甘い感じがするので出番が無くなった。

不思議なのは同じM44Gでも先に購入したカモメマークなしのボディにJICOの交換針を装着したものと、このカモメマークにオリジナルの針を装着したものでは音色がかなり違ってくることだ。

SMEシェルを使用して古いカモメマークM44Eのボディにメキシコ製オリジナル針を装着したこちらの個体の方が、Ortofon木製シェルを使用しウッドハウジングでボディ剛性強化したものより左右の音の広がりが自然で聴きやすい音色となる。

EMPIRE598を使用するようになってNottinghamの外付けアームが余ったので、出番の無くなっていたDENON DL-103シリーズの再使用を目論んでいる。

組み合わせるフォノイコが足りないので、現在安価でコンパクトな現行品を選別中である。                                1/21


■ フォノイコライザー


マエストロ・ガレージさんに注文しておいた現行品のフォノイコがユキムより届けられた。

店主の谷口さんにも相談して決めたのが、こちらのMoFi Electronics Studio Phono2という2019年の中頃に発売された機種である。

この米MoFiはモービル・フィデリティというレコード・CDの復刻を手掛けている会社らしいが、決め手となったのはこの製品の監修をEARのパラヴィッチーニが行っているという点だった。


さて、ノッティンガムに増設したショートアームを使いSHUREのフォノイコとM44の組み合わせを楽しんでいたが、アメリカ物はアメリカものでということで、久しぶりにEMPIRE598を引っ張り出してきて使い始めたのがコトの起こりである。

しかしノッティンガムのショートアームで別のカートリッジが使えるようになったまでは良かったが、今度はフォノイコが足りないので活用できないままでいた。

昨年からのアームの増殖により使用する機器も増え、狭いオーディオルーム環境ではフトコロ状態以前にこれ以上大袈裟な機器を置くスペースもない。

そんな訳で置き場所を取らない、可能な限りの低価格での選出となった訳である。

組み合わせるカートリッジは長らく出番の無くなっていたDENON DL-103/103C1が真っ先に頭に浮かぶが、VL型のDECCAやMI型EMPIRE辺りでも良いかと考えていた。


現物はご覧の通り手のひら大のコンパクトなサイズで、この価格帯だと電源部がチープなのは致し方ないが、音質を考慮して電源スイッチは省略されている。

こちらのフォノイコを使用するにはプリのChriskitはライン入力が既に一杯なので、Marantz7に接続してGoodmans2WAYで楽しむことになる。

底面のディップスイッチで負荷インピーダンスを47KΩ(MM)に設定し、簡単な接続を済ませて早速試聴開始。

まず最初はトランス無しでDECCA MarkV-EEから音質を確認する。

EARなどと違ってシンプルな機種なので当初はあまり期待しないつもりだったが、聴き始めはいつもハラハラ、ドキドキするものだ。

しかし出てきた音は一聴して低域の厚みの無い高域の繊細感だけが際立った価格通りの音色だったが、この音はこれまでに聴いた経験のある組み合わせバランスを欠いた時の中性的なデッカの音質だった。

やはりこんなモノかと半分諦めかけたが、気を取り直して本命のDENON DL-103にチェンジして試してみることにする。

組み合わせるMCトランスは相性の良いALTEC/Peerless4722だ。

そうしたところ寝起きのボケた音質が目を覚ました如く、やっとのことで低域に重量感のある耳に馴染んだまさしくDENONの音が再現され始めた。

年末より使い始めた古いSHURE製フォノイコに比べ、ワイドレンジかつノイズレスなクリアな音質が展開され、音の滲みを感じられないのが特長となっている。

低域が若干軟調となる傾向にあるが、DENON特有の息の詰まるような重苦しさが影を潜め、身軽な抜けの良さが加わったような気がする。

使用開始して数時間後には更に広がりのある音場とキレの良さが見え始めたので、真空管デバイスの機器と同じく寝起きが悪いのかもしれない。

まずは目出度く期待以上の音質を得られることとなったので、これから色々な曲種を楽しもうと考えている。                      1/23

※谷口さんにこのような電源SWが無い機種の使用方法をお伺いしたところ、すぐにメーカーに確認いただき常時電源を入れた状態で問題はなく、音質面でも極力繋いだままで使って欲しいとの回答を頂戴した。

また半導体アンプでも数十時間のエージングは必要とのことで、やはりDECCAでの聴き始めはまだまだ寝起きの悪い状態だったようだ。

そんな訳でお値段の方は大変安価ながら、RCAプラグが少し緩い点を除くと作りもしっかりしていて質感も高いように感じた。

音質面でも真空管アンプでは味わうことのできなかったクリアで見通しの良い音場が新鮮で、昭和の名機DENONの新しい面を引き出せたように感じている。

エージングが進むと更に音質の改善がありそうなので、今後の楽しみが増えたと喜んでいる。

谷口さん、ありがとうございました。

■ 続・フォノイコライザー


新しいフォノイコをプリアンプに接続している時、これまで聴いたことのない原因不明の異音が発生した。

使用しているプリアンプMarantz7に接続している機器は下記の通りとなっている。

フォノイコ入力→PHONO1(Ortofon T-30+Thorens MCH-II)/PHONO2(WE KS-9450+Ortofon SPU MEISTER GE)

ライン入力→TV(Studio Phono2+Peerless4722+DENON DL-103)/AUXILIARY(EAR845P+Ortofon MC30s)

新しいフォノイコ(一番右)にケーブルを配線する時は、一端セレクターをAUXILIARYに切り替えて音が出ないよう作業を実施していた。

PHONO1/PHONO2のアースはプレーヤー→MCトランス→プリアンプまで伸びているが、ライン入力に接続しているフォノイコからプリアンプにはアースは接続されていない。(アースはプレーヤー→MCトランス→フォノイコまで)

この状態で新しいフォノイコのINPUTにケーブルを接続すると、プリのセレクターを別接続に切り替えているにも関わらずSPから「ブロロロ〜」とバイクのエンジンがアイドリングしているような異音が発生するのである。

ケーブルを動かして微妙に接続状態を変えるとノイズが出なくなるツボがあるが、フォノイコの接続を外すと当然その異音は出なくなる。

現在はいろいろケーブルを動かして異音のしない状態で音出ししているが、SPボックスの上に置いているために使用しているユニットの強力なアルニコ磁石が影響しているのか原因は不明である。

その後、2日ほど通電状態が続いており、試聴時間も10時間を超えているのでエージングはかなり進んだ状態にあると思われる。

当初感じた高域のキツさを和らげようとDL-103のリード線をオーグラインからDUCCに変え、MCトランスからフォノイコに伸びるケーブルもOrtofon7NからSMEケーブルに変更している。

同じ半導体を使用したSHURE製フォノイコと比較しても、ワイドレンジかつ精細度の高い音質傾向がリスナーに緊張感を感じさせているものとなっている。

組み合わせるカートリッジの音質にも影響されるのは当然だが、ジャズなどの曲種に向いているのではないだろうか。

同じ曲をEARに切り替えて聴いてみると、価格の違いが大きいので当然と言えば当然だが、「音の雰囲気」や「ゆとり」が全く異なって聴こえる。

そりゃそうでしょう。まだまだいろいろ試してみることがありそうですね。                               1/25

※追伸 

AUXILIARYからのアイドリング・ノイズは、やはり置き場所を変えても接続時に必ず発生する。

スピーカーは無関係で依然として原因不明だが、なぜか本体トップパネルのサブソニックフイルター・スイッチをONにすると止まる。

そして再びサブソニックフィルターをOFFにすると異音は消えたままとなるので、そのやり方で使用している。

パーツの不具合でなければ良いのだが、今度谷口さんに聞いてみましょう。

※発振ノイズ

谷口さんに問い合わせたところ、「入力インピーダンスとフォノイコの出力インピーダンスとの間で整合が取れないなどの原因で、発振(ハウリング)を誘発している可能性がある」とのことだった。

併せて電源の取り方など何項目か対応策をご教授いただくが問題の発振は解消しなかった。

使用するプリとの相性の可能性もあるとのことでChriskit Mark Y Customのプリを使用した3WAYのシステムで試したところ、なるほどおっしゃる通りこちらでは全く発振しない。

やはりMarantz7のようなオジーちゃんには孫のような今時の半導体フォノイコは馴染まないのかもしれません。こんなこともあるんだな〜。

オジーちゃんと相性が悪いというのも困った話だが、しょうがないので別のオジーちゃんのシステムで使用することにしましょう。

まあ、音質的にはジャズなどの曲種に向いていることもあるので、POPS&ROCK用の3WAYシステムで使用する方がベターかもしれません。 

それにしても今回のようにオーディオ専門店で購入すると、後々困ったときに適切な助言をいただけるのもありがたい。

谷口さん、いろいろとありがとうございました。                                     1/27


■ EMPIRE 598N

新たなフォノイコMoFi Electronics Studio Phono2はEMPIRE598の純正組み合わせで使用することにした。

昇圧トランスを使用してMC型のDENON DL-103と組み合わせて聴いていたが、中域の上の方に妙な出っ張りというかつっかえる部分があってヴォーカルなどがキツく響く傾向がある。

ケーブルやリード線を替えMCトランスを別のものに組み合わせたりしたがこの傾向は解消せず、カートリッジをDENON DL-103C1にしてもダメだった。

やはり高音質レコードを制作する会社のフォノイコだけありHi-Fiに特化した切れ味の良い音作りがされているようで、我が家の古いヴィンテージ機器と組み合わせるにはやはり相性的に無理があるのかもしれない。

なんとかこの異端児を使いこなせないものかとコントラストの淡いMI型EMPIRE1000ZE/Xと組み合わせてみたところ、低域に少し軟調な傾向はあるが量感、広がりとも十分で中高域の刺激的な響きも出ないことが分かった。

そんな訳でレストアしたEMPIRE598との純正組み合わせが実現することになった。                               1/31

■ あるところにはあるもんだシリーズ 第二弾

昨年の年末に手に入れた新品のGoodmans MIDAX650に続いて、またもや新品未使用のクロスオーバーネットワークをヤフオクにて調達した。

出品された方の話では半世紀ほど前に購入後、いつか使用するつもりで保管してきたものらしいが、未だに未使用品とはあるところにはあるもんですね〜。

このGoodmans XO-950/5000は3WAY用のネットワークで、既にAXIOM150MkIIのSTAGE3スピーカーシステムで使用している。

今回予備用に購入したが、使用時には内部コンデンサー(1.5μF/8μF)の交換が必要となる。

現在使用しているネットワークは、専門業者に依頼してWESTCAPとDEARBORNのハーメチックタイプのオイルペーパーに交換済だ。

WESTCAPの1.5μFはAXIOM22MkIIのSTAGE2スピーカーシステムのネットワークXO/5000でも使用しているが、容量の大きい8μFはアメリカでも入手困難となっているため、現行品のフィルムコンを使おうかと思案中である。

耐圧の方も指定のものより大きければ良いというものでもないらしく、なかなか悩みどころでもある。                                     2/1


■ オーディオ定例会


   

本日はsigetaさんに都合3回目となる来訪をいただき、前回から変更となった機器やルームチューニングの効果などをご確認いただいた。

併せて愛用されているWE純鉄コアのMCトランスをお持ちいただいたので、我が家のWEトランスとの比較試聴を実施した。

この超ヘビー級のMCトランスは、使用する際には磁気テープをそれぞれのトランスに巻いて内部の磁気が外に漏れないようにされているとのことで、このテープを巻く巻かないで音が違うとおっしゃっていた。

SPU-MEISTERに組み合わせてクラシック音源を試聴したが、音質の方は我が家のWEトランスを上廻る中域に濃密な味を持つ「コッテリ系」である。

特にバイオリンの甘い響きとコーラスの分離度の高さは秀逸で、通常のWEトランスの音色を濃厚さで凌駕しているようだ。

主にGoodmans2WAYを使用して試聴をするが、薄くなりがちな中域の密度が上手くマスキングされ、充実した円やかな音質バランスとなっている。

我が家でクラシック系常用となっているMCH-II+Ortofon T-30の組み合わせで比較試聴してみると、剛と柔ほどの違いがあり興味深かった。

続けてsigetaさんに、昨年秋に導入したUESUGI OLSON TYPE NON NFBアンプをEMPIRE598+2000ZEXの純正組み合わせを使って試聴いただくが、音の広がりや金管の力強い響きなどに満足いただきMM/MI型の音色の美しさを再認識したとのことだった。

システムを設置している壁面とリスナー側壁面に設置した箱庭的ルームチューニングについても、比較試聴した訳ではないのではっきりした事は言えないが、音場に奥行きが出たような気がするとの事だった。     

前回sigetaさん宅にお邪魔した際にお借りした、この「巨匠たちの音、巨匠たちの姿」は大変参考になる書物だった。

小生のようなコンサートに出る機会が少なく家庭で聴覚に頼るばかりのレコード愛好家にとって、視覚を補う想像力をもたらしてくれる知識の広がりは、音楽を聴く楽しみを倍増させてくれるものである。良い書物に出会ったと喜んでいる。

sigetaさん、本日もありがとうございました。                      2/6


■ 新規アンプ導入計画(1) 「企画立案編」


 


名古屋の先輩に勧められ、今年度最大のアンプ製作BIGプロジェクトが始動開始!

もちろん自分一人の力でなんとかなるものではないので、現在とある工房に製作をお願いしたところである。

構想=半月(My Vintage Audio)  製作=TAラボ(新潟)  製作費=ウン十万円(断捨離推進委員会)  協賛=Y下企画(名古屋)  後援=Sigeta出版(東京)

果たして見どころ満載のこの企画、完成試聴会は今年の夏頃となりそうだ。乞うご期待。                       2/16

    

■ 新規アンプ導入計画(2) 「直熱三極管編」


 


そもそもこの企画、Y下先輩の「英国のVintage-SPには同じ英国の直熱三極管が最も適している」から始まった。

GECで開発された古典ビーム管KT66は長年QUADIIで愛用してきたTUBEだが、直熱三極管のPX25/PX4も同じく英国生まれの真空管だった。

古いナス管は価格が高騰していて手が出ないが、ちょうどタイミング良く新型ST管のPX4がヤフオクに出品されているのを発見したので落札した。

ブランドシールはKT66でも使用したことのあるMarconiロゴだが、OSRAMと同じ英国MOV(Marconi-Osram Valve Co.Ltd.)で作られていたものだ。

アンプ製作を依頼している工房の方のお話では、ST管タイプはフィラメントが切れやすくハムレベルが下がらない個体が多いとのことだった。

続く・・・・・・・・                                   2/17


    

■ 新規アンプ導入計画(3) 「搭載真空管選別編」 

          


  


話は前後するが、まだ年金支給年齢に至っていない現状を鑑みると、我が家の大蔵省の厳しい追及を逃れるため極力コストをカットする工夫が必要となってくる。

新型コロナウイルスの全世界的な蔓延に伴うGDPのマイナス成長が続くこの時期に、表立った突発的な支出を要求するには社会的背景が悪すぎる。

もちろん断捨離委員会の活動を活発化させるのも財源を確保する主要な有効策の一つである。

そんなこともあり、製作していただく工房とも相談して使用する真空管はこちらで用意することにさせていただくことになった。

前述のとおり、本命の直熱三極管はすでに調達済みである。

残る初段や整流管なども製作工房と相談しながら、手持ちの英国製TUBEをチョイスして活用することにした。

初段管は6SL7系の在庫が手持ちにないためMullard ECC82/12AU7でお願いすることにして、整流管には出力管と同じ形状のCOSSOR 53KUをチョイス。

初段管も無骨な古典球に拘りたかったが、まあ脇役にはあまり個性を期待せずにこの辺りで我慢することにしましょう。

続く・・・・・・・・・                                               2/18


    


■ 新規アンプ導入計画(4) 「初段管変更編」 


計画当初は初段管に手持ちのECC82を使用する予定でいたが、よくよく考えてみるとミニチュア管では見た目のバランスが貧相なことに気がついた。

そこでアンプ工房でもお勧めいただいた6SL7系のTUBEを調達することにする。

幸いなことに以前所有していた300Bシングルアンプの初段で使用していた6SN7系より市場相場はそれほど高くないようだ。

今回調達したTUBEは英コードKB/FE(STC)CV1985/ECC35と米RAYTHEON5691、同じくRCA6SL7GTスモークガラスの3種類である。

そのうち流通量の少ない(STC/Oldway)CV1985と6SL7の最高峰となる高信頼管RAYTHEON5691については流石に値段の方も少し高かった。

RAYTHEONのVintage管は品質の高さで評判だが、よくよく調べてみるとこのRAYTHEONの赤ベースはRCAのOEM品のようである。

英STCvs米RAYTHEON、この2本が本命と対抗馬になりそうだ。

とりあえずこの3種類ぐらいあれば何とかなるでしょう。

続く・・・・・・・・・                                               2/28

    


■ 最近のアナログ事情

明日から早くも弥生3月を迎える。

2月22日に昨年より15日も早く春一番が吹き、梅も満開となって待ち侘びていた本格的な春の到来に水をさしたのが新型コロナウィルスの蔓延だ。

当初は3月の初旬から京都の実家へ両親の見舞いと並行して中国〜九州縦断旅行を計画していたが、さすがに延期とせねばならなかった。


オーディオの方は依然として不満のない音色を味わっている。

クラシックはもっぱらEMPIRE598にMI型の1000ZE/Xを使用して、壁面いっぱいに広がる独特のゆったりとした音色を楽しんでいる。

組みわせたMoFiのフォノイコもMC型のDENONを使用すると中域に違和感を感じたが、若干淡いEMPIREの色彩感にクッキリとしたスパイスを効かせているようだ。

この美しいMI型の音色に味を占め、後発で最上位機種のEMPIRE4000D/IIIに付け替えてみると、どうしたことかゆとりのないこじんまりとした音色となってしまう。

このEMPIRE1000ZE/Xはいつもリード線でお世話になっている旭川のkeisさんの手によって山本音響工芸製ヘッドシェルに組み合わされたカートリッジだが、リード線は直付けとなっているらしく微妙なチューニングが音質の向上に影響しているのかもしれない。


こちらはOrtofon SPU-GEをA-CRAFTのアダプターを介してアルミブロック削り出しのヘッドシェルに装着し、リード線には古いWE線材を使用した吟醸リードを組み合わせたカートリッジである。

MCトランスにはJ's No.6600を組み合わせているが、オリジナルのGシェルで使用した時よりにじみ感のない歯切れの良いタイトな音色が得られ、ロックなどのパルシブな音源にはちょうど良い感じに仕上がっている。                                  2/29

    


■ Garrard401 キャビネットの再塗装


3月に入っても新型コロナウイルスの蔓延がさらに規模拡大しているのが恐ろしい。

デマが広がって石油危機の時同様に、トイレットペーパーの買い占めが起こっているのは日本独自の現象だろうか?

このGarrard401は2007年に導入後、我が家の主力アナログ・プレーヤーとなっている半世紀前に製造された名機301の後継機種である。

アームはaudio-technicaの局用タイプを2本装備しており、主にSPUなどロー・コンプライアンスのOrtofonカートリッジを組み合わせて使用している。

同時期の1960年代後半に発売されたEMPIRE598Nがレストアにより美しく蘇ったので、こちらの1970年代前半に製造された後期型Garrard401についても、あちらこちらに傷が目立ったキャビネットのレストアを実施することにした。

ターンテーブル本体には針を落とす時に手が掛かるあたりに塗装の変色が見られるが、稼働10年以上で音色は当然のこと機能的にも問題はない。

最近フェルト製のパッドが磨耗してブレーキが掛かりにくくなったので、ブレーキパッドの取り替えパーツを注文しているところである。

モーターの分解清掃には手を付けたことはないが、軸受けだけは定期的に分解清掃してOILを入れ替えている。

軸受けのスラストプレートはカーボン製に交換し、アイドラーとスラストパッドは共に一回新品交換している。

ボディの部分的な変色については、色々なクリーナーを試してみたが黒ずみは取れなかった。

積層キャビネットはサンドペーパーで研磨してワトコオイルを重ね塗りしたのち、TANNOYウッドワックスを塗り込んで磨きをかけている。

なんとかエンパイヤ同様美しく蘇ったので、今後も我が家のアナログ・オーディオの主力として頑張って回り続けてくれることを期待している。

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注文していたGarrardフェルト製ブレーキパッドと化学合成OILが届いた。

これまではEMTのOILを使用していたが、こちらの純正OILに交換したところ、粘度が低いのか若干回転数が速くなったように感じた。

起動後半回転ほどで定速に達するし、回転も滑らかなのでアイドラーはまだまだ大丈夫な様子。ブレーキもパッドの交換でしっかり効くようになった。

OIL注入のため軸受けを分解清掃したところ、スラストパッドの摩耗が進んでいるようなので様子を見て注文することにしよう。

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■ Garrard401用パーツのあれこれ

ストックを漁っていたら使用ずみアイドラーが2個出てきたので、記憶を辿ると2回交換しているのを思い出した。

それほど状態も悪くなかったので表面を研磨して試してみたところ、どちらとも半回転ほどで定速になるのでまだまだ使用できそうだ。

復元のやり方は、硬化して少し湾曲していた表面を電動ドリルに挟み、800番程度のサンドペーパーで直線が出るよう研磨する方法である。

捨てないで取っておいたのが正解だった。なんとかなるもんだな〜。

スラストパッドの方は現在2mm程度の直径で当たりが出ているが、どの程度が寿命なのかわからない。

こちらはすでに交換したスラストパッド。

中央部分にスピンドルとの接触によって3mm弱ほどの面積が摩耗している。

この直径が大きくなることによってスピンドルとの接触面が増加するわけだから、抵抗が増えるということだろうか?

また摩耗することにより音質にはどのような影響があるのだろうか?

今回、試しに中央のスピンドルと接触する部分にボールベアリングを使用した、UPGRADE SPINDLE THRUST PADなるものをイギリスから調達することにした。

お値段の方も純正パーツを国内で購入するより、国際送料込みでも安価となっている。

たまたま見つけたこの改良型スラストパッドの英文記事によると、「使用しているソフトリン青銅ボールベアリングはスピンドルより材質が柔らかく、ボールベアリングのみが摩耗する場合、スピンドルの表面接触が最小限に抑えられるため摩擦が減少し、音質が向上する。」とのことであった。

はてさて、海を渡って届けられるまでは2ヶ月ほどかと思われるが、到着するのが楽しみである。                           3/9


    

■ Mullard ECC83


  


ECC83/12AX7はプリアンプやフォノイコなどで使用する機会の多いTUBEである。

Marantz7ではカップリング・コンデンサーやセレン整流器などオリジナル仕様のパーツに変更後の試聴にて、やはりオリジナル通りのTelefunken◇マークが最も相性の良い真空管だと確認している。

この独製◇マークに肩を並べるTUBEとして英Mullard製のものがあるが、そのムラードの中でも製造時期やタイプによって音質が違ってくる。

我が家には高信頼管となる軍用CV4004や後期に製造されたECC83/12AX7(CV492)ショート・プレートについてはまだ使用可能なストックが多く残っているが、1950年代の後半まで製造されていた、音質の良いと言われるロング・プレートの在庫が少なくなっていた。

最近はヤフオクでもこのロング・プレートの出品は少なくなってきており、たまたまアムトランスさんに入荷したのを見つけたので即購入した。


我が家にある17mmロング・プレートはMullardの旧ロゴ(中央:B9I)とFisherロゴ(左:B8F)の2種類で、全てゲッターがシングルサポートのラウンドタイプである。

今回調達したのは1957年製造の角形Dゲッター(右:B7A)で、e-Bayなどには出品されているが日本では最近滅多にお目にかかれないTUBEだった。

2本しかないので使用するのが勿体無いが、また試聴する機会があればChriskitのプリアンプにでも試してみようかと考えている。          3/10


    

■ 6AR6シングルアンプが到着


「新規アンプ導入計画」で製作を依頼している新潟のチューブ オーディオ ラボさんから、アンプが完成するまでの間に試聴用アンプをお借りすることになった。

この6AR6シングルアンプ2号機は昨年の真空管オーディオフェアに出品されたアンプで、1号機はすでに別のオーディオ愛好家の元へ嫁いで行った。

6AR6は米WEが開発した小型の5極管で、現在でも比較的安価に手に入るようだ。(このアンプでは3極管接続で使用されております。)

開発当初はWEでも製造されていたが、その後はTung-Solなどの他メーカーでの製造が大半となったTUBEである。

管球王国の「歴代の5極管/ビーム管 50種の音質比較テスト」でも、5極管接続ながら高い評価を受けている。

真空管博士のブログでの説明にあるとおり、3極管接続時にはPX4系PP3/250にそっくりな特性を示しているTUBEである。

(球球コレクション プアマンズPP3/250)


(製作記についてはTAラボさんのHPに公開されおります。)


さて、英国SPをこよなく愛したオーディオ評論家の故上杉氏が製作監修した UESUGI TAP-31に一旦席を譲っていただき、AXIOM150MkIIを使用したグッドマン3WAYにはSV-91Bをカップリングして、クラシック用に使用しているAXIOM22MkII2WAYをこのアンプと組み合わせることにした。


  


使用されている真空管は、初段に6SL7を1本、出力管はTung-Solの6AR6と整流管にGZ34といったコンパクトで可愛らしいアンプである。

内部の配線は流石に美しくまとめられており、配線材にはWEを使用されている。

また、出力段のカップリングに使われているのは音質の良いWEST CAPと思われ、随所に高質なパーツを使用されていて完成度は高い。

音質の良し悪しは当然のことながら、この「見た目が美しい」ということが所有する喜びを増加させるポイントではないかと考えている。

たまにオーディオ雑誌などでお世辞にも美しいと言えない、乱雑な配線で作り上げた自作アンプ記事を見ることがある。

自作ならまだこの乱雑さが努力の証として我慢もできるだろうが、完成品を購入する場合は音の良さに加えて美しさが選択の重要なポイントとなって来る。

音が良ければ良いというものでもないだろう。

音質の決め手となるトランスには、ラボさんお勧めのTSM  Productsの手巻きトランスが使われている。

当方で製作を依頼しているアンプにもこの手巻きトランスでとお願いしているが、少し高価なアモルファス・コア製を希望している。

ユーザーにとって重要なポイントとなる価格の方も、このような質の高いパーツを採用している割にはとてもリーズナブル価格設定となっているので驚いた。


試聴結果は追々記入させていただくが、来週のオーディオ定例会でSigetaさんにご来訪いただくので、その時までに本調子となるよう聴き込む予定である。

3/13


    

■ 6AR6シングルアンプの試聴@


これまでAXIOM22MkIIの2WAYを駆動していたSV-91B(右)と比較するとかなりコンパクトにできていることが分かる。

出だしは軽いPOPS系の音源から試してみる。

まず最初に感じるのはSV-91Bが捻じ伏せるような力強さが特徴なのに対し、こちらは低域の量感も程々ですっきりとした瑞々しさが持ち味となっている点である。

価格が倍以上違うSV-91Bと比較するのも可哀想な話だが、クラシックの良さを楽しませてくれると言った部分ではそれほど遜色もない。

両者の最も大きな違いは低域の量感とその構築力にあり、SV-91Bが重戦車のようなガッシリした押し出しの強さを持っているのに対し、6AR6シングルは質の良いリッチな響きと余韻が特徴となっているようだ。

さて、本命のクラシック音源の試聴に入る。

POPSなどではこじんまりとして少し淡白に感じた音質が、クラシックではこってりとした織物のような彩でオケを描き分ける能力には驚くことになる。

声楽を聴くと中域の上の方に少し引っかかったトゲのような部分を感じるが、これはTAラボのKさんがおっしゃっていた整流管GZ34に起因しているのだろうか。

馬力が乏しい分少し音場が狭まったようにも感じるが、しかし弦楽器群の合奏にもコクがあるし金管楽器の緊張感のある響きも素晴らしい。

特に良いのが音の色付けがはっきりしている点で、色々な楽器の音の強弱が色彩感を伴って息遣いのような生命力を感じさせてくれるアンプである。


このシングルアンプにはプリアンプのMarantz7を組み合わせている。

使用上のポイントとして、シングルアンプの出力が低いため出力ボリュームをMaxに上げており、さらにミニマムで使っていたプリのOUTPUTレベルを中程まで上げることができるようになったことも音質の向上に影響しているのかもしれない。

圧倒的な馬力はないが必要十分な力感があり、なんといっても色彩豊かな彩が素晴らしくて、なるほど評価が高いのも肯けるものと感じた。


機器を変えた当初は変わった部分が良くなったように感じることが多い。

このアンプもまず最初のつかみはOKだが、一週間ほど試聴を続ければ短所も見えてくるかもしれない。じっくりと参りましょう。          3/13  PartII


    

■ 6AR6シングルアンプの試聴A


6ARシングルアンプの試聴を、じっくりといろいろな曲種で続けている。

このような試聴では、その日の機器の状態やこちらの体調によって感じ方が違って来ることもあるので、その辺りはご了承いただきたい。

2日目にはウォーミング・アップにより冷めた体が温まって動きが軽くなるように、伸びやかでダイナミックな音色に変化してきた。

POPSやJAZZでも初日はどちらかというと大人しく理性的だった音質が、低域の量感が増してよく弾み、ダイナミックな迫力が加わるようになった。

個々の質感をはっきりと描き分け、説得力のある音を聴かせてくれるという点は、初日に感じた印象と変わっていない。

見た目はコンパクトなアンプだが、結構馬力と細やかな表現力を兼ね備えているのは手巻きの出力トランスが影響しているのだろうか?

逆にクラシックでは押し出しの強い中高域に、弦楽器ではそれほどでもないが少し粗い響きを金管や声楽で感じるようになる。

この辺りは使用している初段管(RCA/6SL7)と整流管(Zaerix/GZ34)を差し替えることによってかなりニュアンスが違って来るかもしれない。

工房のKさんに承諾いただいたので、明日はこの辺りを手持ちの真空管で「球転がし」を仕掛けてみようかと考えている。

小出力のため音場が少し中央に集まる傾向はあるが、それでも音が団子になることもなく質感の異なる音色で描き分ける点には感心させられる。

今日はPOPS系で迫力ある音楽を楽しませてもらった。明日の「球転がし」での音質の改善が楽しみである。                    3/14


    


■ 6AR6シングルアンプの試聴B


昨日の試聴ではようやく本領を発揮し始めたようで、躍動感が出て迫力ある音色に変化してきた。

POPSやJAZZなどは特に不満を感じなかったので、本日はクラシックでの中高域の粗さを「球転がし」によって改善ができるものか試すことにする。

前述したが少し不満に思っている点が、声楽テノールやオケ金管楽器の乾いたような粗い響きである。

逆にこの高域の粗さについてはJAZZなどの曲種においてはプラスとして作用することが多く、なんとも痛し痒しである。

この刺激的な響きが真空管を取り換えることによって若干でも改善できるとすると、オールマイティーに使用できるアンプとなるはずだ。

さて、交換してみるTUBEは前段の6SL7と整流管である。

オリジナルの6SL7GT/VT-229は米RCAのブラック・プレート/ボトムゲッターで、整流管は英ZaerixのTUBEだがエッチングコードもないので日本製かもしれない。

特に工房のKさんからは、この整流管の交換により高域の質感が改善できるとアドバイスを受けている。

クラシックでのこれらの問題点を解消するためには、やはり英国製の真空管を使うべきだろう。

6SL7は互換球のSTC/ECC35、整流管には同じくSTC/CV717/5R4GYかCOSSOR53KU/CV378などをチョイスすることにした。

最初に初段管をSTCに交換して試聴する。

残響が増してホールトーンが豊かに聴こえるようになり、弦楽器群に繊細感が加わって細やかに美しく響く。

声楽のテノールの声質にも温かみが出始め、初段の変更だけでもかなり改善されたように感じる。

さらに初段管をそのままに整流管をSTCに付け替えると、弦楽器の繊細な響きに滑らかさと柔らかさが出てきて、テノールの声質も血が通うと言うのか芯の強さがある割にキツい響きとならなくなった。

全体的な響きに柔軟性が出ることによって、持ち前の息遣いのような音色の強弱がさらに美しく表現されるようになる。

整流管をCOSSOR53KUに替えると同質な音色傾向ながら、さらに重心が下がって奥行き感が加味される。

この状態だと全く不満のない堂々とした音色を味合わせてくれるようになった。


コンパクトなサイズが嘘のように、フロアタイプの大型SPを楽々と鳴り響かせる力を持った音楽性の高い真空管アンプと感じている。                 3/15


    

■ SV-91B 300Bシングルアンプ


  

GOODMANS AXIOM22MkIIのSTAGE2/2WAYには音楽性豊かな6AR6シングルを組み合わせたので、こちらのSV-91BはAXIOM150MkIIのSTAGE3/3WAYで使用することにした。

このアンプは名古屋のアンプビルダーY下さんの手によりSUNVALLEY SV-91Bを大幅に改良されたもので、外観も高級感溢れるものとなっている。

Y下先輩の説明によると、310A-310Aのみ交流点火で300Bは直流点火に改造してあり、カップリングCにSPRAGUE/バンブルビー、抵抗はA&B、カソードコンデンサには銀タンタルを使用しているとのことだった。

これまでは基本通り、3WAYにシングルアンプは荷が重いと考えてプッシュプルで駆動し、こちらのアンプは2WAYで使用していた。

また、昨年までは真空管をオールウエスタンで使用していたが、秋頃より出力管を日本製TAKATSUKI TA-300Bに交換して楽しんでいる。

今回初めてこのアンプを3WAYに組み合わせてみたが、驚いたことにUESUGIのプッシュプルより厚みと馬力のある低域を聴かせてくれている。


以前、整流管の聴き比べを実施した時に最も馬力と勢いを感じたSYLVANIA VT-244を、WE-274B刻印から取り替えてPOPS&ROCKを中心に楽しむつもりでいる。

少し甘い香りが漂うAXIOM22MkIIを隅々にまで血を通わせてくれるような高い駆動力を持ったこのアンプ。

硬質でリッチな響きのAXIOM150MkIIからは、どのような音色を引き出してくれるのだろうか?   楽しみである。                         3/16

    

■ オーディオ定例会


本日はSigetaさんをお招きして、恒例となりつつある定例会を開催する。

今回のメニューは新潟のTAラボさんにお借りしている6AR6シングルアンプの試聴と、お持ちいただいたルーム・チューニング・グッズの効果検証である。

我が家で試聴を続けているそのアンプは現在、クラシックに最も適している組み合わせ(初段STC/ECC35整流管COSSOR53KU)に差し替えて使用している。

Sigetaさんにはまずオリジナルの真空管に戻して試聴していただき、その後「球転がし」を行って音色の変化を二人の"耳"で実施することにした。

最初に初段から交換するが、我が家の英STC/ECC35、米RAYTHEON5691、RCA6SL7GTスモークガラスとSigetaさんにお持ちいただいたKen-Rad VT-229、RCA5691赤ベースに加え、オリジナルのRCA 6SL7GT/VT229の6種類。

整流管の方は英STC/COSSOR、米RCA JAN CRC 5R4GY、WE-274B刻印に加え、こちらもお持ちいただいたRCA80などが試聴ラインナップである。

ソースはクラシックアナログ盤を使用し、カートリッジにはSigetaさんも愛用されているOrtofon SPU MEISTERを組み合わせた。

(Garrard401+SPU→Marantz7→6AR6シングル→Goodmans Axiom22MKII/STAGE2)


   


初段RCA+出力管米Tung-Sol+日ZaerixのオリジナルTUBEに戻して、試聴を実施されたSigetaさんのご感想は、

低域から高域までストレスなく質の高い音色を聴かせてくれる、クラシックには丁度良いバランス感を持ったアンプではないか。

以前のSV-91Bよりこちらの組み合わせの方が、クラシックでの試聴では相性が良いように感じるとの初見であった。

さて初段管から「球転がし」終えた後のSigetaさんのご感想は、少し渋い傾向の英国管より高域がよく伸びて音色の明るい米国管に好感を持ったとのことである。

Sigetaさんが選ぶ初段管のベスト3は、RCAとRAYTHEON/5691赤ベース、オリジナルのRCA VT-229ボトムゲッターだった。

また整流管の方ではWE-274B刻印がダントツのNo.1で、COSSORの柔らかい音色も好ましかったとの評価である。

最終的なアンプの感想としてSigetaさんからは、「山椒は小粒でもピリリと辛い」ではないが小振りな容姿にも関わらず、相当熟成された好ましい音色と感じた。

併せて出力の低いアンプの場合には駆動力に問題が出ることがあるが、SPが能率の高いGoodmansでは軽々とドライブする力強さを感じたとのことだった。

当方は初段や整流管ともやや渋めの英国系の音色に好ましさを感じたが、アンプ自体の評価は概ね同じようなものである。

次にご自宅で2セット愛用されているオーディオ・リプラスのルームチューニンググッズの効果検証を実験する。

まず画像の通り、お持ちいただいた1セット(2個)をそれぞれのSPの天板の上に設置して聴いてみる。

これだけでも音質に顕著な変化が表れるが、明らかに高域がヒステリックに響きすぎてこの配置ではいま一歩の評価となる。

次に外側のSPの壁面に立て掛けて配置してみると、音場が自然な広がりを見せて聴きやすいバランスとなることを発見する。

Sigetaさんからは我が家で設置しているチープな「必殺チューニング・グッズ」の効果により、増設しなくても自然な音場が再現されているのではとのことであった。

最後に、新たな組み合わせとなったSV-91BとGoodmans AXIOM150MKII/3WAYの音色や、Ortofon SPUシリーズ(GE/Classic GE)の聴き比べを実施して本日の定例会を終了する。

Sigetaさん、本日もありがとうございました。                                      3/19

※追伸   Sigetaさんから本日の試聴感想を、掲示板の方にご投稿いただきました。

             興味のある方はそちらもご覧ください。    ↓

     https://zawazawa.jp/bcjd0i1lnr55w007/topic/1

    

■ Garrarad401 アップグレード・スピンドル・スラストパッド

依然として世界的なパンデミックは終息への光明が見えてこない。

そんな中でも四季は普段通りの移り変わりを見せ、3月中旬よりいよいよ気温も上昇して埼玉でも桜の開花が進んでいる。

イギリスからGarrard401用のUPGRADE SPINDLE THRUST PADが届いた。

3/9に注文したから到着するまで2週間弱と意外に早かった。

画像下ボールベアリングが付いたパッドとその左に交換用ベアリングが2個、白っぽいガスケット2枚と商品内容の印刷物が送られてきたパーツの全てである。

当初考えていた価格には国際配送料が含まれておらず、到着時に着払いで送料分3600円払ったので購入金額は合計9000円となり、国内で純正パーツを購入するより少し割高となってしまった。

現在は円高が進んでいるので、日本での購入価格が値下がりしているようだ。

交換用のボールベアリングが2個付属しているので、こちらのパッドの音質に問題がなければ当分は交換品の購入は必要ないと思われる。

このボールベアリングの素材がミソのようで、国内にもかなり出回っているKokomo kitはセラミック製なの対し、こちらはスピンドルの素材より柔らかい青銅製となっているようだ。

早速スピンドルの底を磨いて清掃し、新たなパッドを装着してプラッターを回転させてみた。

少し摩耗の進んだオリジナルのスラストパッドと回転数はほぼ同等で、音質の方も今のところは大きく変わったところがある訳でもなかった。

馴染んでくるまでもう少し様子を見てみることにいたしましょう。                                        3/21

    

■ TELEFUNKEN ECC83について


愛用しているMarantz7Rの真空管は現在、オリジナル通りのTELEFUNKEN ECC83◇を使用している。

このアンプを2002年に中古購入した時にはレプリカ専用の曙光電子製ECC-83とともに、TELEFUNKEN ECC83◇リブ・プレート58年製同ロット6本が付属していた。

購入後しばらくは真空管のみTELEFUNKENに替え使用していたが、2012年にカップリング・コンデンサを後期オリジナルでも使用されているSPRAGUE BLACK BEAUTYに取り替えたところ、音質が激変したので整流方法もオリジナル通りのセレン整流器を使ったものに変更している。

カップリングCを替えるまでは神経質で薄っぺらい音質に不満があり、よく「球転がし」を仕掛けて少しでも満足の行く音質にならないか足掻いていたが、交換後は全く不満もなくなってTELEFUNKEN ECC83◇の組み合わせが定着しその後の変更はなくなった。

購入して18年近くが経過しているわけだから、ここ数年で購入当初から使用している58年製リブ・プレートにも劣化が見え始めた。

そんな訳で現在は、フォノ段V1〜V2とライン段V4〜V5はエミ減により新品の◇マークに交換しているが、V3/V6のバッファはまだ使用可能である。

早晩寿命が来ることは確かなので、今回このTELEFUNKEN ECC83◇のストックを新たに調達することにした。

画像の4本は共にダイヤ・マーク付きの本物で、左側2本がリブ・プレートと右側2本はスムース・プレート品である。

今回のテーマはプレート横に開いている穴の有無で、スムース・タイプには横穴が2(〜4)箇所上下に開けられているが、リブにはそれが無かった。


TELEFUNKEN ECC83◇マーク/リブ・プレート
TELEFUNKEN ECC83◇マーク/リブ・プレート(横穴なし)

TELEFUNKEN ECC83◇マーク/スムース・プレート
TELEFUNKEN ECC83◇マーク/スムース・プレート(横穴2箇所)

色々調べてみたところ、プレートの長さはMullardなどとは違って全て17mmのロングタイプしかなく、プレート表面がリブとスムースの2種類あることはわかっていたが、プレート横の穴の有無についてははっきりと理解していなかった。

そんな訳で真贋を確かめる時にボトムに◇刻印は必須ながらプレート横に穴がないのは本物ではないとの噂もあるが、リブ・プレートにはそもそも横穴が無いようだ。

さらにスムース・プレートの横穴も画像のTUBEは上下2箇所だが、3〜4箇所空いているTUBEもあるようなので、この辺りもご注意いただいた方が良いだろう。
3/25

    

■ TUBE TESTER (真空管試験機)

計測器マニアには(真空管だけに)タマらないTUBE TESTERのお話。
最近不必要となった真空管の断捨離を推進しているが、それでも諸々100本以上のストックがある。

それらの真空管の良否やペア組みの選定をするため、エミッション型とGM測定型の2種類のTUBE TESTERを使用している。

※共にアメリカ製機器ですから117Vにステップアップして使用しております。


エミッション型はHEATHKIT/IT-17という機種で、ヤフオクで調達したものである。

若干計測数値が怪しかったので、自力で劣化の可能性のあるオイル・コンデンサーをフィルムコンに、またセレン整流器をダイオードに交換している。

更に頑固親父さんに依頼して測定値に影響する不良抵抗などの良品交換を実施してもらっている。

○IT-17での合否判定方法

@電源を入れる。右中段のSET LINEダイヤルをOFFの位置から時計回りにメーターの針がLINE TEST中央の50を示すまで上げて行く。

A画像にはCalibration Tubeの6L6メタル管が先に挿してあるが、中央の窓表示から左右のダイヤルを回して6L6を選び出す。


B判定する6L6 TYPE→3/FILAMENT→6.3/PLATE→27/TOP(T)→CDE/BOTTOM(B)→GHの計測条件表示を確認する。

C右下段のTYPEダイヤル→3/左中段のFILAMENTダイヤル→6.3/左下段PLATEダイヤル→27に合わせる。

D下段横一列(A〜N)のレバーC・D・E→T(TOP)上に上げる、G・H→B(BOTTOM)下に倒す。

E右上のSHORT ADJ. LINEノブを下に押し下げて合否判定(BAD/?/GOOD)する。

判定結果はGOOD(58〜100)の88を示しているので非常に良好という判定になる。(BADは42以下)


GM測定型は軍用TV7でお馴染みのHICKOKが1950年代に生産したModel 533を、セカイモン経由でアメリカより調達したものである。

購入当初は計測時にメーターの揺れ(フラつき)症状が出ていたので、頑固親父さんに依頼してメンテナンスをお願いしている。

修理内容は、回路図上はメーター端子にコンデンサーが配置されていたが欠落していたので加え、計測スイッチのクリーニングを行なっている。

○Model 533での測定方法

測定精度を判断するため、アメリカより画像のModel533で使用可能なCalibration tubeを調達している。

RCA製メタル管で5628μmhoの正確な計測値が示されている。

このTUBEを使用して計測の手順を説明する。

@左中段のPOWERスイッチをON。(右中段パイロットランプ点灯)

A下段表示窓に右側のダイヤルを廻して6L6を選び出す。

B測定するTUBE TYPE 6L6→右側PILOTランプ左のFILAMENTダイヤル→6.3/中段横一列SELECTORS(7つのノブ) →左からJ・R・5・3・4・7・2/

中段左BIASダイヤル→23/中段右ENGLISHダイヤル→88にそれぞれ合わせる。

PRESS(測定ボタン)P4/MUT.COND(基準値)5000

C合否判定する時は右下MICROMHOSレバーを左ENGLISHに合わせる。

D計測前に下段横一列ボタン右端のLINE.ADJを押して、メーターの針をボタン左のLINE ADJUSTノブを回して中央のLINE TESTに正確に合わせる。

EP4ボタンを押してスケール上の針の位置で判定する。GOOD(緑)範囲内を指せば合格、REPLACE(赤)なら交換、?は早めの交換必要。

FGM計測時には、右下MICROMHOSレバーを計測するTUBEの値から3000/6000/15000スケールの中から選択。6L6→6000スケール

GP4ボタンを押してスケールの値を直読する。


  

GM計測値は5600を超えた付近を示しているので、Calibration tubeの実測値(5628)とほぼ合致している。

※ENGLISHでの合否判定を行なっていないが、GM測定で基準値5000を超えているのでそれだけでも元気な状態と判断できる。


更にこのModel 533にはLIFE TESTという便利な機能(右下スイッチ)がある。

通常の合否判定やGM測定時には上NORMALで計測する。

真空管の寿命を判断する時、下LIFE TESTでのGM計測値がNORMALの計測値の75%以下なら寿命、といった仕組みである。

6L6ではGM基準値だけで廃棄値が分からなかったが、廃棄値がわかるTUBEではこの値を下回ると既に寿命と判定できる。

GM測定値が廃棄値〜基準値の間であれば使用可能、基準値を上回れば元気な状態と判断している。

新品でもGM基準値を下回るTUBEもあるが、合否判定などと組み合わせて状態を管理している。

この試験機は大変重たくて、計測するたびに肩が悲鳴を上げている。                               3/28

    

■ 桜の開花状況

あと数日で新年度を迎える。

毎年この時期になると、近隣の荒川沿い遊歩道に咲き乱れる桜並木を撮影することにしている。

今年は3月20日(金)「春分の日」の花見となったが、東京に比べるとこちらはやや開花が遅れているようだ。

樹によっては満開に近いものもあるが、その隣が蕾だったりするので、並木全体が一斉に満開となるような感じではない。

3月下旬になって、新型コロナウイルスの世界的な蔓延拡大を受け、各国で厳しい外出制限や渡航禁止処置が取られている。

そのため生活必需品への需要が集中して、スーパーのトイレット・ペーパーの棚などは依然として品不足が続いている。

経済活動の長期間停止を余儀なくされた中小企業の倒産増加が予測される中で、なんとあのTOYOTAがパンデミック長期化に備えて1兆円もの融資枠を銀行団に要請したのは驚きだった。

定年して外出機会が減少し引き篭もりに近い生活を送っている我が家では、幸いなことに感染などのリスクは少ないが、週3〜4日通っている地元スポーツクラブの施設利用が禁止となって、喜んで良いのかますますオーディオに接する機会が増えている。                              3/30

    

■ 無題・・・・・

月末に実家より急報があり、深夜高速にて京都へ車を走らせる。

新年度初日から数日を掛けて一通りのお弔いを終え、一旦関東に舞い戻る。

新型コロナの急激な感染拡大により身動きが取れなくなるのを恐れ、初七日を待たずして早めに帰路につくことにしたのである。

西に位置する鴨川の桜並木は8分咲きだが高野川の方は満開に近く、火葬場に赴く車列に最後の彩りを添えていた。 4/4

    


■ Chriskit MARKY Custom

今年度最大のプロジェクト「新規アンプ導入計画」の進捗状況は、真空管をチョイスしたCの後、工房の製作開始待ちが続いている。

老境に差し掛かると、この「待ち侘びる」=『その時や事態が来ることを非常に期待して時を過ごす』というのも楽しいものだ。

その工房から借り受けた6AR6シングルアンプは、その後もクラシック向きの美音を楽しませてくれている。

さて、Chriskit MarkYのプリアンプと組み合わせ、ROCK&POPS用GOODMANS AXIOM150MkII/3WAYで使用するようになったSV-91Bは、

理想的で素晴らしいマッチングを見せている。

Chriskitプリアンプは昨年、カップリング・コンデンサをWEST CAPに交換して電解コンデンサーも一部銀タンタルに換装している。

UESUGI TAP-31とコンビを組んでいた時、使用する真空管については試聴して決め込んだがそのままとなっていた。

新たなSV-91Bとの組み合わせでは馬力のある重低音に満足感も高く、搭載フォノイコを使用したOrtofon SPU-GEのタイトな音質は全く素晴らしいものだ。

そんな中、Mofiのフォノイコをライン段に繋いだEMPIREの音質にも特に不満はないが、Shureフォノイコ経由のShure M44-Gの音質に高域のトゲがあるのが唯一不満となっていた。

そんな訳でこの辺りの問題を解決できないかいつも通りの「球転がし」を仕掛け、音質の変化を試してみることにした。

これまではフォノ段V1〜V2にLUXの選別管MATSUSHITA12AX7G/バッファV3にはMullard ECC83Long・Plate/ライン段V4〜V5のECC82にはMullard CV4003(8136)/V6バッファにはTELEFUNKEN ECC83◇という組み合わせだった。

これをV1〜V2にMullard ECC83Long・P/バッファV3にTELEFUNKEN◇/V4〜V5のECC82にはMullard 4003(8136)/V6バッファにはMullard ECC83Long・Pを組み合わせて、Marantz7Rなどの過去の経験を生かした最強の組み合わせでチャレンジしてみることにした。

特に不満がある訳でも無かったフォノ段についても、MullardとTELEFUNKENの組み合わせに替えて試聴を開始する。

低域の量感と高域の解像度をあわせもったMullard/Long・Pに◇マークの組み合わせは、キレ味の増加が聞き辛さにつながるのではとも思う。

そんなことを考えながら試聴したところ、やはり圧倒的な押し出し感のあった低域の勢いが弱まり、迫力の落ちた上品な音に変わってしまった。

そこでバッファには元通りMullard/Long・Pを使い、V1〜V2には米RAYTHEON12AX7A/Black・Plateを持ってきたりもしたがこれも今一歩。

最終的にはV1〜V2をがむしゃらな勢いで闊達な音色のMITSUBISHIとして、バッファにもMullard/Long・Pという元通りの組み合わせに戻った。

次に少し違和感のあった問題のライン段である。

ボックスプレートのCV4003(8136)をそのまま残して、バッファのTELEFUNKEN◇マークをMullard/Long Pにチェンジする。

そうすることで切れ味抜群の◇マークから、高域をやや大人しく色付けさせる狙いがある。

その結果、違和感のあったShure M44-Gで思い通りの改善効果を得られ、EMPIREでもグルーブ感のある音色のまま高域の抜けが良くなった。

今回もこのような試行錯誤の結果、なんとか理想に近い音色で楽しめるようになったと感じている。      

もちろんケーブルの変更などでも音質は大きく変わる。

しかしアンプに内蔵されている真空管の「球転がし」の方が、微妙な音質の変更が可能で交換作業に手間取らないのが良い。

好みの音に色付けを変えられる真空管アンプは素晴らしいと今更ながら感じている。                            4/5

    

■ 緊急オーディオ活動宣言

遅ればせな感じが否めないが、緊急事態宣言が発令されることとなった。

細かな対応は各自治体の判断に委ねられる模様だが、不要不急の外出自粛要請が強まりそうだ。

子供たちは体力を発散する場を失われストレスが溜まる心配が深まるが、オーディオを趣味とする年配のおじさんたちは引きこもりが全く苦にならない。

そんな訳で趣味の音楽鑑賞やオーディオ実験室の取り組みを細々強化することにしましょう。

本日のテーマは「ターンテーブルシート(マット)」である。

主にクラシックを楽しんでいるGoodmans AXIOM22MarkII/2WAYは、TAラボよりお借りしている6AR6シングルアンプを使って駆動している。

アナログ・システムにThorens TD126+MCH-IIを使う場合、これまでと違って低域方向へのバランスが少し希薄なため、高域がヒステリックに感じることがある。

このトーレンスのプレーヤーには付属していたマットは厚過ぎてカートリッジの高さ調整が難しく、ブチルゴム系シートOYAIDE/BR-12を組み合わせている。

このタングステン配合シートは明るく押し出しの強い音質特性が、どちらかといえばROCKやJAZZ向きではないかと考え、今回新しいシートを試してみることにした。

昨今、アクセサリー類にも高単価の波が押し寄せていて、1万を超えるような商品も多数販売されているが我が家ではそんなグッズに用はない。

選んだのは比較的安価なAETのシート(HPDM-2913M)で、「アナログリスナーに捧げる新世代ターンテーブルマット」の謳い文句が明記されている。

重みのあるゴム系のオヤイデと比較すると軍需用途に開発された新素材らしく、Nottinghamの純正マットと同じような非常に軽いマットだ。

Garrard401には5mm厚の純毛フェルトシートを使用しており、NottinghamにはパイオニアのJP-501ブチルゴムシートを使用している。

どちらかというとゴム系のシートは低域方向の量感が豊かになり重心が下がるが、フェルト系は抜けが良くなって濁り感がなくなる傾向がある。

その抜けの良さが効果的に働いて、高域に独自の繊細感を持っているMCH-IIの音色が柔らかくなれば有り難い訳だ。

さて、クラシック系ソースを使用して、早速比較試聴を実施することにしよう。

一聴して新たに購入したAET機能素材シートは、音場に立体感は出るが高域のサーフェスノイズが耳につく、やや密度の薄い音色で即NGとなってしまった。

やはり軽めの素材は無理かと早々に諦めて、ゴム系の手持ちのシートを片っ端から試してみることにした。

  

この中で比較的バランス良く聴こえたのが、厚めのThorens 純正マットと東京防音の安価なハネナイト素材のマットである。

そんな訳でThorens純正マットは厚過ぎてアームの高さが足りなくなるので、これまで使用する機会のなかった東京防音のマットを選ぶことにした。

OYAIDEのマットと比較して、優しく大人しいバランスの音色となる点が良かった。

軽量の機能素材のシートは、余程低域の量感があるシステムでないと音色バランスが取れないのではないだろうか。                      4/7

    


■ 久しぶりにMCカートリッジの話題

引きこもりオーディオ活動継続中。

こちらはNottingham INTERSPACE-ARMに装着しているLYRA Clavis.D.C(ダ・カーポ)である。

発売はSPU MEISTERと同時期の1995年。

STEREO SOUND「コンポーネント・オブ・ザ・イヤー'94〜'95」のカートリッジ部門で、SPU MEISTER と1位を分け合っている。

高精度インタースペース・アームを生かせるカートリッジとして中古で購入したが、購入後十分に活用しないまま不注意にもカンチレバーを根本から折ってしまった。


  


そのまま廃棄するのも忍びないので、たびたびお世話になっている富山の修理業者にお願いして外径接合により根本からカンチレバーを付け替えた。

オリジナルはセラロイカンチレバー+針先3×30μダイヤモンド無垢針のところ、アルミパイプカンチレバー+ダイヤモンド接合楕円針で修復している。

左画像のオリジナルと右画像の修復後を比べていただくと、カンチレバーが倍以上の太さになっているのがお分かりいただけると思う。

心臓部の強力なネオジウム磁石は同じで音質がどれほど変わったかはよく分からないでいるが、安価な修理代を考えれば文句は言えない。

さて、久しぶりにパワーアンプをSV-91Bに入れ替えたGoodmansSTAGE3/3WAYを使って愛聴盤に針を落としてみた。

MCトランスにはLangevin408Aを組み合わせている。


Pink Floyd 『P・U・L・S・E』


こちらは1995年にリリースされた新生ピンク・フロイドのライブ・アルバムである。

その後の『LIVE IN GDANSK』や『LIVE AT POMPEII』などライブの原型となるが、『狂気』の再現を含んだこちらのアルバムが最も完成度が高いと感じている。

巨大なドーム型ステージに降り注ぐライティング・シャワーが生み出す幻想的なイメージを、このカートリッジは立体的な構築力で余すことなく表現してくれる。

ワイドレンジで緻密な表現力が持ち味のカートリッジだが、それが決してきつさや煩さに繋がっていないところに好感を持っている。           4/10

    

■ 真空管のソケット

引きこもりオーディオ活動継続中。


SV-91Bアンプの音質には満足しているが、以前一度交換した整流管用GTソケットの具合が今一歩しっくりこない。

しっくりこないと言うのは音質的な問題ではなく、真空管を挿入してもグラ付きが激しくてなんとなく頼りなく感じている点にあった。

前回交換したのはオリジナルと同様の中国製オクタルセラミックタイプだが、今回はもう少し品質の高いUSA製を選ぶことにする。

同時に300BのUX4ピンの方も、セラミック中国製からUSA製に交換したかったが、こちらは取り付けサイズが合わず断念した。

左上はAMERICAN PHENORIC(アンフェノール)UX4ピン、右上は40年ほど前にウエスタン狂のオーディオ仲間からもらった米NATIONALセラミック4ピンソケットだが、ともにサイズやピン配置の問題で取り付け不可となった。

GTソケットはいつもお世話になっているバンテックさんより調達した、信頼性の高い米EBY製のMIL規格オクタルソケットだ。

  


しかし、UX4ピンソケットについてはe-bayを含めネットを通じてかなり探してみたが、良質なものはほとんど枯渇しているようだ。

現在生産されている中国製はいつも通り財布に優しいのはありがたいが、工作精度が低い上にバラツキも多く、接触不良を起こすものがあるようだ。


GTソケットを良質なものに取り替えたところ、期待通りピンの食い付きも良くなって精神衛生上すこぶるよろしい。 

今回、真空管アンプの重要なパーツであるソケットを従来の中国製から質の良い国産かUSA製に改良したかったが、またしても持ち越しとなった。

相変わらずハンダの技術に上達が認められず、配線材の被覆を焦がすなど全く汚い仕上がりで悲しい限りである。                              4/13

    

■ AXIOM22MkII+UESUGI TAP-31


いつまで続くのか、引きこもりオーディオ活動継続中。


久しぶりにEL-34TRIODE/NON-NFBプッシュプルアンプUESUGI TAP-31を持ち出し、GOODMANS AXIOM22MkII STAGE2に組み合わせて聴いてみる。

考えてみると昨年このアンプが我が家に来てから、組み合わせるのは初めてだ。

ここ数ヶ月に渡って6AR6シングルアンプで楽しんできたが、やはりプッシュプルのアンプで駆動すると音質傾向がかなり違ってくるのがすぐ分かる。

音場の見通しが良くなり、それぞれの音のエッジがハッキリして解像力と描写力がともに高まって聴こえる。

シングルでは詳細に描写するのではなく全体をシルキータッチで包み込む音質傾向が、コントラストのハッキリした分だけきめが荒くなったように聴こえてくる。

よく伸びた低域にも十分なパワーを感じさせる力強さがあり、この低域が土台となり全帯域に渡って説得力のある音質傾向を特徴付けている。

プッシュプルの中では比較的繊細で柔らかい美音系アンプに感じたが、シングルアンプと比較すると男性的に感じるほど音質傾向が異なっていた。

やはりクラシックオンリーで楽しむなら、シングルアンプの滑らかさを好ましく感じた。                               4/14

    

■ 接点クリーニング

至って真面目に、引きこもりオーディオ活動継続中。

本日のテーマは真空管アンプ愛好家なら必ず経験のある「ガサ、ゴソ」ノイズの解消にチャレンジである。

一時緩和したと思ったが、最近またChriskit MarkYプリアンプの発するこのノイズが気になり始めた。

これらのノイズはもっぱら真空管のピン(足)とソケットピンの酸化が引き起こす接触不良が原因となっている。

真空管のピンはクリーニングや磨きをかければ何とかなるが、劣化したソケットの方はこれまで新品に交換するしかないと考えていた。

Marantz7では同じ問題で悩まされた時にいつもの専門店に修理をお願いしたところ、真空管ソケットがカシメ留めされているために簡単に交換することができず、ピンを1本ごとに交換するしかなく苦労したとの話を伺った。

こちらのプリアンプは1970年代中頃の製品で、真空管はプリント基板に取り付けられた基板用のMT9ピンソケットを使用するタイプである。

これをシンチなどに取り替えれば問題は解決するはずだが、ソケット取り替え時にボケをかまして基板のパターン切れなどを起こすのが心配である。

ソケットの寿命は承知だが、何とか接触不良を解消できないものかとクリーニングを徹底してみることにした。

いつもは基本の綿棒と歯間ブラシに無水エタノールを使って処理しているが、今回は和光テクニカルのオイルとクリーナーを試してみることにする。

ゲイグなどの接点復活材は避けた方が良いとの話もあるが、こちらのアイテムはアルコールを主成分としているので悪影響はないかと思われる。


  


手順としては、真空管のピンやソケットピンをメタルクリーナーMC13を使って汚れを落とし、チタンオーディオオイルTi-102で保護する。

ソケットのクリーニングには歯間ブラシを使用していたが、今回使用した先の尖った工業用綿棒もなかなか優れものである。

今回この方法でクリーニングした結果、直近でクリーニングしたばかりだった真空管とソケットの両方とも、使用した綿棒には黒ずみが出ている。

クリーニング後の結果については、「ガサ、ゴソ」ノイズはかなり改善され気にならなくなったが、耳を澄ませば継続的なホワイトノイズも出ている。

たぶんこれはこのアンプ固有のもので、少し雑音が大きめなのは全体的なハンダの劣化などが影響しているものと考えられる。

今度症状が悪化した時は、やはりソケットの交換が必要なのかもしれない。

その時には頑張って、基板用ソケットの交換にチャレンジすることにしましょう。                                        4/15

    

■ EMPIRE4000DIII

  


依然として引きこもりオーディオ活動を継続中。

今回は1970年代に生産され、その後半世紀近く経過した令和の時代に至っても愛用者の多い、EMPIREのMI型フラッグシップ機がテーマとなる。

現在アナログプレーヤーのEMPIRE598Nには、EMPIRE1000ZE/Xの純正組み合わせでポップスなどを中心に楽しませてもらっている。

この1970年代初頭の米国製プレーヤーには、内部配線をオーグラインと102SSCに換装したEMPIRE980アームを搭載しており、音質の方もオリジナルの古臭いナローレンジなものからリフレッシュされている。

以前その1000ZE/Xと音質を比較し、全く精彩を欠いていた4000DIII。

その後、そんなはずでは無いとテクニカのスタイラスクリーナーでクリーニングを行なっていたところ、針先が取れて無くなってしまった。

高倍率のルーペで針先を確認したところ、円柱形の金属台座は確認できるがスタイラスチップだけ綺麗に取れており、これは明らかに安価な接合針の構造だ。

このカートリッジは90年代に調達したもので、カタログには「4面でカットされたダイヤのムク針」とあるし高価な価格設定からダイヤモンド無垢針が妥当だが、そもそも販売価格が6〜7割引と2春価格に近いものだったことを思えば実際のところはハッキリしない。

とにかく今更オリジナルは諦めて、今回は右画像のJICO製の交換針(シバタ針)を調達することにした。

組み合わせるヘッドシェルは1000ZE/Xが山本音響工芸製HS-1A(アフリカ黒檀)で、4000DIIIの方はHS-3(ツゲ材)を使用している。

音質の好ましい1000ZE/Xにはドライカーボンのスペーサーがシェルの上に挟んであるが、4000DIIIの方は新たに調達したカーボンシートのサイズが少し大き過ぎるので、シャルとカートリッジの間に取り付けた。


  

さて、新しい交換針に付け替えてカーボンシートを使用した4000DIIIは、先日試聴したものとは全く別物の響きを見せている。

やはり針先が既に寿命だったようで、これまで嫌と言うほど聞かされてきた評価のとおり、フレッシュでワイドレンジなとても心地の良い音だ。

1000ZE/Xと比較しても帯域が上方に伸びた影響で重心がやや持ち上がり、低域のにじみが消えて情報量の多いクリアな音質となっている。

LPを2〜3枚と聴き進むに連れて下ろし立ての針先が馴染んできたのか、低域の量感が増して中高域にキレが出てきた。


「そうだ、そうだ、この音質だよ」と納得してポップスの愛聴盤に次々と針を落とし、ニンマリと悦に浸っている。                              4/21

    

■ SHELTER


引きこもりオーディオ活動を継続中。

SHELTERは旧FRの技術者が1986年に立ち上げたアナログオーディオ専門メーカー。

今回導入したMODEL501Classicはアルミカンチレバーに丸針を装着したオーソドックスな構造のカートリッジで、販売開始は2007年頃のようだが現在でも品揃えに名を連ねているベーシック機種である。

丸針の名器として人気のあるDENON DL-103と比較されることが多いらしいが、現代版日本製カートリッジの音質を試してみたくなり購入することにした。

我が家にもDL-103/DL-103C1の2機種があるが、どうしても高域の潤い感や艶かしさを乏しく感じて、もっぱらOrtofonの楕円針を愛用している。

そのような音質傾向が針先の形状に影響されているとすれば、また同じ結果になるのかもしれない。

さて、組み合わせには今年度調達した現行Mofiのフォノイコに、昇圧トランスはDENONの時と同じくPeerless4722を使用することにした。

POPS&ROCKの愛聴盤を使用して慎重に針を落とすと、一聴して音数の多いワイドレンジな音質が感じ取れる。

音域的には中低域に重心を落としたバランスで、高域の質感がソフトなためか耳障りな音の一切しない心地良い音色が持ち味だ。

かといって高域が伸びていない訳ではなく、繊細感もありそれなりの情報量を持っている。

音場の左右の広がりと奥行きともに自然で、伸び伸びとした響きや余韻の美しさを感じることができ、DL-103とはかなり異質な音質に感じた。

製作に当たった技術者は鉛筆に例えると「2B」と喩えていたが、決して太いばかりの音質ではない好ましい響きを持っている。                           4/23

※追記・・・・・・・何気なく90年代のSTEREO SOUNDを眺めていたら、1995年/No.116にこのカートリッジに関する記事があった。

501TypeIIの試聴記で、「本機の姉妹機としてモデル501の針先を0.65milの丸針としたモデル501クラシックがある」との説明があった。

    

■ SHELTER MODEL501 Classic


引きこもりオーディオ活動を継続中。


昨日から試聴開始した新しいMCカートリッジ。

誇張された意図的な色付けを全く感じさせない、自然な音色がとても気持ちが良い。

ライブ録音を聴いていても、その会場の中に溶け込んでいるような感覚を味合わせてくれるカートリッジだ。

低域の押し出しに迫力があるとか高域にキレや艶があるという感じはしないが、なぜかほのぼのとした心地よさを感じさせてくれる。

清流のような滑らかさを持ったカートリッジで、オーディオ機器の存在を忘れさせるような味わいを持っている。

このナチュラルな感覚はとても貴重で、常用のカートリッジとなって使用する頻度が多くなりそうだ。                                      4/24

    

■ オーディオ工作室  「増設アームベース編」  

引きこもりオーディオ活動を継続中。

本日は、Nottinghamのプレーヤーに増設している「自作アームベースの改良に取り組む」の巻。

左がSHELTERを使用しているGRACE G-565ロングアーム、右は現在お休み中のaudio-technica AT-1503IIである。

これまではベースの底4カ所に振動吸収ゴムを貼り付けていたが、自重がそれほどでも無いためグラ付きがあり頼りなかった。

オーディオ用スパイクに交換するのが最も効果的かと思われるが、オーディオ用と銘打っただけで値段が大きく跳ね上がる。

そこで身の回りの金具で利用できるものはないかと考えたところ、棚板を固定するスクリュー式ダボを思いついた。

これなら高さの調整も可能だし強度も十分で、なんといってもコストが大幅に安くて済む。


早速、いつもお世話になっている近所のホームセンターで購入したのが、ダボのオス、メスとそれを埋め込むときに使うダボ錐ドリルである。

真鍮タナダボ メス(10個) \150
真鍮タナダボ オス(10個) \150
六角軸ダボ錐(10mm) \848
   
小計 \1,148
外税 \114
合計 \1,262


お値段の方は上記の通り、圧倒的なコストパフォーマンスで、2台分(8個)使用しても2個余ります。

オーディオスパイクなら1台分(4個)でも5,000円以上するのは間違いありません。

さて、作成手順は@ゴム製クッションを取り除き Aドリルで穴を開け Bダボ(メス)を埋め込む 、で小一時間ほどで完成した。

少しネジの遊びが大きいので高さを調整するのにコツがいるが、グラ付くこともなく十分使用可能なレベルではないだろうか。

固形のグリスなどを流布すればちょうど良い塩梅になるのかもしれない。

如何なものでしょうか?

場所さえあればアームの増設はそれほど難しくはありません。

Ortofon/SME/FRなど人気のアームは高価なので、格安で高性能なアームを吟味して使用しております。                     4/25

※追記

高さ調整のためタボを緩めた時に発生するネジの遊びについては、万能グリースを塗り込んでほとんど気にならなくなった。

さらにTAOCのボード上にアームベースを設置すると簡単に横滑りするので、手持のオヤイデのスパイクベース(4個/約1,600円)をダボの下に置いたところ、ベースがその分高くなるがコストパフォーマンス最高の理想的なアームベースが完成した。


  


メデタシ メデタシ。                                                                     4/26


    


■ 不思議なSHELTER


 


引きこもりオーディオ活動。

継続してSHELTERのカートリッジで楽しんでいる。

昨年試聴したKOETSU BLACKに似てハーモニーがとても自然で美しく表現されるが、こちらの方がワイドレンジでさらに滑らかさがある。

この辺はボロンカンチレバー+ラインコンタクト針とアルミカンチレバー+丸針の違いによるものなのだろうか。

また、光悦の時には感じなかったが、なぜかこのカートリッジで音楽を楽しみたいと思わせる不思議な魅力を持ったカートリッジだ。

POPS&ROCKなどではよく弾む低域の量感も十分だし、クラシックでは弦楽器のナチュラルな繊細感がとても心地よく感じられる。

それほど高価でもなくネット上にも愛用者からの投稿はあまり見かけない機種だが、十数種あるカートリッジのなかで特にお気に入りのものとなった。

4/28


    

■ GRACEのトーンアーム

引きこもりオーディオ活動。

GRACE(品川無線)はオーディオ関連の開発企業で、1980年代のCDの登場によりオーディオからは撤退するが、現在も会社自体は存続している。

特にNHK放送技術研究所と共同開発したMM型カートリッジのF-8シリーズや、工作精度の高いトーンアームは1970年代からオーディオマニアの憧れの的だった。

我が家でもこのGRACEとaudio-technicaのアームを愛用しているが、製造後半世紀近く経っても高い品質と音質の良さを維持しているのは驚きである。

それらのアームは21世紀に入ってから中古購入したものだが、選んだ理由がOrtfonやSME、FRなどの人気商品と比べ手頃な調達価格にあるのは間違いない。

さて、画像はG-545(F)ショートアームとG-565(F)ロングアームである。

後発のモデル番号末尾にFがついている商品は、4チャンネルレコード再生向け低容量シールドケーブルが採用されている。

ジンバル・サポート方式を軸受に採用した美しいフォルムも、音質だけでなく所有したいと思わせる大きな要因となっている。

工作精度の高さはこのウエイトのネジ一つからも窺える。


ピッチが昔のインチネジのようで簡単に換えが効かないのが困り物だが、ネジ先の白いストッパーは単純に接着してあるわけでなく埋め込まれる構造となっている。

こちらは2種類の純正フォノケーブル。

左が通常のケーブルで、右がモデル番号末尾にFがついている商品に付属している低容量シールドケーブルだ。

低容量シールドケーブルの方にはPC-4の型番がある。

この「低容量」というものがよく理解できなくて色々調べたところ、1970年に開発された4chステレオ(CD-4)の音楽ソフトに対応した、高い周波数帯域を減衰させないフォノケーブルのことだった。

さらに当時のようなMMカートリッジの全盛時には、カートリッジごとの負荷容量に環境を整えないと、高域が強くなったりすることがあったとのことだ。

MCカートリッジでは特に気にする必要はないらしいが、最近使用する機会の増えたSHUREやEMPIREなどの使用時には注意が必要だということになる。

SHELTERのカートリッジ購入後は、MM/MI/VL型などの機種はEMPIRE598で使用するようになった。

GRACEのアームではもっぱら軽針圧MCカートリッジを使用しているので低容量シールドケーブルの必要性はないはずだが、一度音質の比較をしてみることにした。

カートリッジには最近お気に入りのSHELTERを使用することにする。

まず、純正2種類のケーブル比較では、やはり後発の低容量シールドケーブルの方が若干レンジが広く、ワンランク上の印象を持つが基本的には同傾向の音色だ。

どちらも半世紀前の古い製品でどのような線材を使用しているのかは明らかではないが、OFC(無酸素銅)などの導体はすでに採用されていたのだろうか?

そんな訳で今回、オヤイデフォノケーブル自作セットにカルダスのM-DINプラグを使用して、新しいケーブルへの交換を思いついた。

(GRACEのフォノプラグの差し込みプラグは画像の通り、現在主流のメスではなくオスタイプなので、自作するしか新しくする方法はない。)

このオヤイデのセットで使用しているケーブルは102SSCの1芯シールド線で、この導体はEMPIRE980の内部配線材としても使用している。

流石に半世紀の間にオーディオ用として使用される導体も、進化を遂げているのは間違いないことが交換してすぐに感じ取れる。

不純物だらけの古いWE銅線をいまだにオーディオマニアが好んで使用している例はあるが、音楽性はともかく明らかに音数が増えクリアで力強い音質に変わった。

エンジンの馬力がアップしてスピードが時速から音速に変わり、シワだらけだったヨボヨボの老人がはち切れんばかりの肉体を持った若者に変身したイメージだ。

値段は安価なのでもう一本作り、Ortofon MC30シリーズを使用しているお隣のGRACE G-565Fも新しいケーブルに付け替えることを考えている。                         4/30


    

■ オーディオ工作室 「フォノケーブル編」


引きこもりオーディオ活動延長戦。

今日のテーマはMC型以外のカートリッジで使用することにした、EMPIRE598用フォノケーブルの作成である。

以前に何度か投稿させていただいているが、この1970年代のアメリカ製プレーヤーはアームをEMPIRE980に交換しており、アームの内部配線をプレーヤーキャビネットの後部ターミナルまで伸ばしてそこからRCAケーブルで配線できるように改造している。

これまではプレーヤーからSHURE M64フォノイコまでの配線はFUJIKURA RG-174/U(線間容量101pF/m)を使い、そこからプリアンプへはBELDEN8412(線間容量108.3pF/m)を使用していた。

MM型などのカートリッジではそれぞれの負荷容量に環境を整えないと高域が強調されるとのことだったので、フォノケーブルを線間容量の異なるCANARE2芯シールドケーブル(線間容量73pF/m)に交換してみることにした。

負荷容量に適応させるといっても、その範囲がカートリッジからフォノイコまでの全ての配線(リード線〜アーム内部配線〜フォノケーブル)と、フォノイコまで含まれるというから話がややこしい。

一般的なMM型カートリッジの推奨負荷容量は100〜200pFを指定しているらしいが、このカナレのケーブルは長さを考慮しても100pFほどである。

ちなみに先日製作したGRACEのフォノケーブル(102SSC 3398-SY)は、線間容量280pF/mである。

これがリード線やフォノイコまで含まれると一体どれぐらいの負荷容量になるのかは想像もつかないが、結局合わせてみるしかないとの結論に至った。

そんな訳で秋葉原の千石電商から部品を配送で取り寄せ製作を開始する。

今回選んだケーブルはThorensにも使用しているカナレの2芯ケーブルで、プラグは前回のGRACEと同様にスイッチクラフトの金メッキプラグを使用する。


    


左はプレーヤーとフォノイコを接続しているFUJIKURAの(MIL規格同軸)RCAケーブルで、右が今回製作したCANARE RCAケーブルである。

方向性は皮膜にプリントされている文字に合わせている。

一時間ほどで完成しEMPIRE1000ZE/X(静電容量100pF)で試聴すると、 ベルデンとは線間容量にもそれほど大きな差がないためか音質も大きな違いはないように聴こえるが、交換後の方が低域のにじみが消え見通しが良くなった。

しばらく聴いていると、ベルデン特有の滲み(よく言えば厚み)が消えた分、音場がすっきりしてそれぞれの楽器の分離が良くなったように感じている。

負荷容量の高いSHURE M44(450pF)ではまだ試していないが、問題が無ければこのまま使って行こうと考えている。                         5/10


    

■ 6AR6シングルアンプの試聴C

引きこもりオーディオ活動延長戦

依然としてクラシックを聴くときは、チューブ オーディオ ラボ さんからお借りしているシングルアンプを使っている。

整流管には英STC/CV717/5R4GYを使用していたが、最近になって高域の質感が滑らかで音色に温もりのあるGZ32/CV593に変更している。

一昨年トランスの寿命によりQUADIIの使用を諦めたときに整流管のMULLARD GZ32/CV593の大半を処分したが、エッチングコードが無く出所が分からない2本が手元に残っており、その内の1本を試してみたところなかなかの音色だった。

ブラウンベースにG.P.O.(General Post Office)の印字があり、構造からMULLARDブラックバーン工場製と思われるが、管壁のコードが消えてしまっている。

STC/CV717/5R4GYでは高域が少し平面的な音色となっていたが、ゆったりとした奥行きを感じさせてくれる鳴り方はまさしくMULLARDの響きそのものだ。

最近は老化のため聴力の衰えもどんどん進んでいるようで、日によってはカートリッジを変えてもあまり音質の差を感じなくなってきた。

若い頃には高域の鋭い響きによって頭が痛くなることがしばしばあったが、幸か不幸か最近はかなり長時間聴き続けないとこの違和感を感じなくなっている。

外出自主規制と同時に体育館の使用ができなくなり、4月初旬よりスポーツで体を酷使する機会がめっきり少なくなっている。

還暦後に再開したスポーツでの肉体疲労はかなり改善されたが、腕を振った時のボキボキ音と肩の痛みだけは整骨院に通ってもなかなか抜けなかった。

最近になって肩甲下筋のマッサージ動画がYouTubeに投稿されているのを発見し、試してみたところ長期間苦しんでいた肩の痛みがやっと引いてきた。

ランニングやウォーキングだけは適度に実施しているが、6月からは体育館通いを再開できないものかと考えている。                                 5/13


    

■ 新たに調達した真空管

ホームタウンの埼玉県は依然として外出自粛が解除されないので、引きこもりオーディオ活動延長戦が続いている。

真空管アンプとアナログレコードで音楽を楽しんでいるオーディオ愛好家は、真空管やカートリッジを替えることにより色々な音色を楽しむことができる。

そんな訳で真空管全盛期に各国で生産された音質の優れたTUBEを探し出し、その音色を楽しむことが真空管愛好家の楽しみとなっている。

今回調達したBRIMAR(STC)6060/CV4024(12AT7WA)は、1950年代後半から60年代初頭にかけて製造された黄色Tデカールの貼られた希少球だ。

昨年にUESUGI TAP-31を導入するまではECC81/12AT7の使用経験はなく、純正のPHILIPS ECGに加えてTELEFUNKEN ECC81◇を購入してあった。

そのTELEFUNKEN ECC81◇1本にノイズが混じるようになったので手頃なTUBEがないか物色していたが、同じダイヤマークの出物もあまり見かけないので、こちらのBRIMAR「Yellow T」に狙いを定めヤフオクにて落札した。

BRIMARは通常の1970年代に製造されたECC83を複数個所有しているが、特にこれと言ったクセのないナチュラルな響きが持ち味のTUBEだと感じていた。

それらと比較するとこの古い「Yellow T」は英国パートリッジのトランスが聴かせてくれた高域の美しい硬質感と、グッと締まった迫力ある低域を楽しませてくれる。

Telefunken801Sなどと並び称されると言うのも納得させられる音質ではないだろうか。

Chriskitプリアンプのライン段に使用しているMullard M8136/CV4003を少し増幅率の高いこちらのTUBEに変えると、低域がタイトに締まり高域の美しい輝きが俄然生きてくる。

想像以上にBRIMARの「Yellow T」は良いTUBEだ。


お次は手持ちの在庫が意外と少ない独SIEMENSブランドのE82CC/12AU7Aである。

SIEMENSは僅かにTriple-Mica E83CCをフォノイコEAR-834Pの初段で使用しているのみで、我が家では英Mullardの影に隠れたBRIMAR同様、♢マークの後塵を拝するブランド扱いとなっている。

この他に我が家のストックを見てみると、1980年代に調達した珍しいE82CCのシングルフランジのTUBEしかなかった。

Chriskitプリアンプで音質を確認してみたが、Mullard M8136/CV4003と相通ずる、ゆったり感のある滑らかで肌触りの優しい音質だった。

Chriskit MarkY CustomはパワーアンプSV-91Bと組み合わせ、GOODMANS 3WAYを使用して主にPOPS&ROCKを楽しんでいる。

今回の試聴でゆとりある優しい音質のMullard/SIEMENSより、エッジがはっきりしてゴリゴリ感のあるBRIMAR「Yellow T」を組み合わせることにした。    

5/20


    

■ 新たに調達した真空管 Part2

他県への移動自粛が徐々に緩和される中、新型コロナ感染患者が再び増加し始めている北九州市などの状況が心配だ。

さて、6月最初の投稿はまたしても真空管の話題。

これまでECC81(12AT7)系TUBEの使用経験はなかったが、昨年導入したUESUGI TAP-31に使われているので徐々にストックを増やしている。

プリアンプChriskit MarkYのライン段に使用されているTUBEをECC82からBRIMAR ECC81に変更すると、響きに実在感が出てきたのでこちらもECC81系に変更。

UESUGI TAP-31に付属しているオリジナル12AT7WCはPHILIPS ECG(シルバニア製)だったが、まず最初に最高峰のTELEFUNKEN ◇マークを調達した。

しかしこのTUBEの1本にノイズが出始めたので、新たにBRIMARの「Yellow T」を調達してこれをプリアンプに転用したところ好結果を得たというわけだ。

今回調達したのはBRIMAR/CV4024で、BRIMARの「Yellow T」より後に製造されたもののようだが、程度も良さそうだったので購入することにした。

購入後、早速HICKOK真空管試験機にて良否判定とGM測定を行い、さらに実機に装着してノイズなどの音質確認を実施している。                    6/2


    

■ MM型カートリッジのその後


先日、MM型カートリッジに合わせて線間容量の低いシールド線を使い、EMPIRE598用に新たなフォノケーブルを自作した。

その後、MI型EMPIREやVL型DECCA、MM型SHURE M44の各種カートリッジで試聴を続けている。

BELDEN8412を使用していた時にはEMPIREのカートリッジが最もバランス良く聴こえたが、交換後に聴くとなぜか腰高のバランスとなってしまった。

それとは逆にSHURE M44シリーズの音質が最もバランス良く響くようになった。

現在我が家にはSHURE M44のボディは3種類、前期カモメマークのM44GとM44E、後期型番のみボディのM44Gがある。

針は6種類、後期ガード付きのオリジナルN44GとN44-7、JICO製N44-7とN44G、KYOWA製N55E、スイスPfanstiehl製N44Eがある。

色々組み合わせてみて最も音質の良かったのが、画像のカモメマークM44Gに後期ガード付きオリジナルN44Gを組み合わせたものだった。

N44E/N55Eの楕円針ではキレが乏しく音質傾向が一挙に大人しくなり、逆にN44-7では少し乾いた荒っぽい暴れ気味の音質となる。

カモメマークM44Gに後期ガード付きオリジナルN44Gの組み合わせでは、このカートリッジの持ち味であるキレやパンチに響きの良さが加わって、これまで聴いた中ではMM型として最高の音質を楽しむことができた。

特にROCK系の曲種には相性がバッチリで、十倍以上の価格のMC型をも凌ぐ音質を味わうことができる。

今後このEMPIRE598ではこの組み合わせがリファレンスとなりそうだ。                                                           6/2 Part2


    

■ 塗装の不思議

MM専用で使用しているEMPIRE598(980アーム搭載型)プレーヤー。

SHURE M44の音質が気に入って、最近使用する機会がめっきり増えている。

今年の冬に徹底的にレストアして、再塗装を行った件はすでに投稿させていただいている。

その時に投稿した画像とアウタープラッターの色が変わっているのをお気付きいただけるであろうか?

実はシャーシやアウタープラッター用に選んだ塗料はオリジナルと同色のシャンパン・ゴールド塗料が見つからなかったので、アサヒペン「メッキ調スプレー/シルバー」を使用して、さらに保護の意味もありクリア塗装で上塗りしている。

最近、何気なしにゴムシートを取り外してみたところ、アウタープラッターの塗料が溶けてネバネバとシートに貼り付いてしまっていた。

塗装の乾燥が十分でないまま使ったのが原因かとも考え、今頃になって使用した塗料の説明書きを注意深く読んだところ、

※金属表面に金属粉を浮かして金属光沢を出すようにしていますので、乾燥後も手や衣服などが触れると金属粉が付着し金造光沢が損なわれます。

※外観が変わったりハガレを生じたりするので、クリアなど他の塗料を上塗りしないでください。

と記入されているが、色だけを考えていてこの注意書きなどは全く気にしていなかった。

アウタープラッターは手に触れると説明の通りシルバーの粉が手に付着するが、シャーシ本体は触れても全然問題もなく表面はクリア塗装でしっかりガードされている。


  


しかしこのプレーヤーに付属する上質なゴムマットは、製造後半世紀が経過しているにも関わらず未だに柔らかく光沢もあり、レコードを載せても吸い付くようである。

今度は念を入れてプライマーで下地処理を行い、プラモデル用タミヤ/ゴールドスプレーで塗装することにした。

さらにタミヤ/クリアカラーで表面保護したが、今回もしばらくすると一部塗料が溶けたようにベトついて、左画像のように所々ゴムマットに塗装が剥がれてしまっている。

しっかり乾燥させたつもりだがまだ十分に乾いていないのか、またこのゴムマットを載せると塗料との相性が悪くて溶け出してしまうのか全くわからない。

仕方なく薄い紙をゴムマットと同じ大きさに切って、右画像のようにゴムマットの下に挟んで使うことにした。

こうすればゴムマットが塗装面に接触することもなく、溶けることもないと考えたがいかがなもんでしょうか?                                    6/4


    

■ 続・塗装の不思議


なぜ本体シャーシの塗装は問題ないのにプラッターの塗装は溶けるのだろう?

この不思議な問題を解決するため、塗装についてあれこれ調べてみた。

そうしたところ、ターンテーブルマットの柔軟性を保つためにゴムに添加されている可塑剤が影響しているのではということが分かった。

この可塑剤が塗装面に付くと塗料が溶ける性質があるとのことで、だからシャーシ本体の塗装には問題なかったとの結論に達した。

そんな訳でこの可塑剤の影響を受けないクリアスプレーはないかとあれこれ探してみたところ、車用のCRCシャーシーコートクリアが使えそう。

早速、この水性コート材を表面に流布して使うことにした。

再び可塑剤の影響を受けると最初から塗装をやり直さなくなるので、プラッターとマットの間には紙を挟むことにした。                       6/7


    


■ 2台のGoodmans

有難いことにこの稚拙なHPの愛読者が少なからずいらっしゃることを、最近いろいろな場面で知るようになった。

掲示板やオークションを通じてなどで、記入した本人が忘れているのに以前の投稿にありましたとお申し出いただくと、苦労して作成した甲斐があるというものだ。


現在愛用しているGoodmansのスピーカー2台体制となってから早くも1年が経過したが、それぞれ全く不満を感じさせない音質を楽しませてくれている。

このAXIOM22MARKII(2WAY)とAXIOM150MARKII(3WAY)2機種を曲種別に使うようになってから、聴覚の衰えの影響もあるかもしれないがあまり音質に際立った違和感を覚えなくなった。

カートリッジや真空管の組み合わせによって音質の一部に不満を感じることはあるが、昔のように聴いているのが苦痛ということがほとんどない。

昔所有していたTANNOYのコーネッタ Monitor-Red IIILZは、エンクロージャーがもう少し大型で横幅が30cmほど広かった。

その当時のことを振り返ってみると気難しいユニットを手懐けるのに苦労して、単純に音楽に浸れたのはわずかな時間だったような気がする。

せっかく2台で楽しむならもっと音質の異なる、違ったメーカーのスピーカーを使い分けた方がいろいろな曲種を楽しめるのではと当然思う。

特にロックやポップスならアメリカ系の歯切れの良い音質を持つJBL/ALTECなどが楽しめるような気もしたが、実際に試してみると頭が痛くなってくるのだ。

たぶん音楽を聴く感性の根本的な部分でGoodmansが醸し出すこの英国の音質が肌に合っているらしく、低域が出る出ないや高域に繊細感があるやキレがあるなど曲種によって音色に若干の味付けを加えて使用している。

同じメーカーの2機種のSPにどれほどの音質差があるかというと、基本的な音質の色目や風合いは同質だがAXIOM22の2WAYでは高域が瑞々しくかつ甘く響く。

AXIOM150MARKIIと比較して低域のゆとりと高域の艶やかさが両立しているユニットだから、2WAYでの使用でその長所を最大限味わえると考えている。

一方、AXIOM150MARKIIの3WAYではスコーカーが加わることにより、クッキリとした持ち味に音の厚みが増し、奥行きやスケール感をメリットとして感じられる。

ツイーターはともに純正TREBAXを使用しているが、異なる真空管やカートリッジを組み合わせることにより、高域に繊細感を持った響きの2WAYと低域に馬力と高域にキレのある3WAYと言った具合に音色に変化を付けている。

主に2WAYではクラシックやヴォーカルものを、3WAYではPOPSやROCKなどの曲種を楽しんでいる。

しばらくはこの体制が続くものと考えている。                                                                                          6/10


    


■ オーディオ工作室 「MCトランス・ケーシング編」

本日は、WE-9450インプット・トランスのリケーシングを実施する。

これまでは某オーディオ専門店が製作したものをそのまま使用していたが、ベースの真鍮プレートがすぐ酸化して黒ずむのが難点だった。

MCトランスのケーシングはすでに5台目となり、今回もいつもの通りタカチのアルミケースを利用して製作することにする。

画像はすでにケースにドリルで穴を開け、プライマーで下地処理を施した状態。

内部配線材にはWE単線を使用して、悩みどころのRCAジャックはアムトランスさんから調達することにした。

当初はオヤイデさんの少し値段の高いロジウムメッキ仕上げを使用するつもりでいたが、どうしてもプラグの食いつきが甘いため方針変更する。

スイッチクラフトのジャックが一番安心して使えるが、別途絶縁ワッシャーを使用すると長さが足りなくなる恨みがある。


  


さて、ケースに直接塗装しても問題はないが、EMPIREの塗装で使用したプライマーがあるので念のために下地処理を施して塗装に入る。

今回もサビたまんまで塗れるカラースプレーを使い、仕上げにクリアスプレーでガッチリ塗装をガードすることにしよう。

内部配線についてもこれまで気に留めていなかったワイアリングの美しくさを考慮して、直線的な配線を心掛けている。


  


こんな感じに仕上がりましたが、いかがなもんでしょうか?

流石に工作室も回を重ねるごとにレベルが上がってきたようで、塗装やハンダなどの見栄えもよく我ながらなかなかの出来と満足している。

未使用のウエスタン22GA単線(錫メッキ・ゴム・紙巻)を使用したためか、音質が少しタイト気味になったような気がする。

こんな短い内部配線材についてもエージングが必要と言うことか?

前回製作したJs No6600との揃い踏みで、奥にはLangevin 408Aが収まっております。                                  6/17


    


■ 丸針の考察

ふっと考えてみると、最近になって丸針を使用する頻度がめっきり増えてきている。

以前はOrtofonやMCH-IIなどのラインコンタクト(楕円)針ばかり使用していたが、最近気に入っているSHELTERやSHUREは共に丸針だ。

昔からカートリッジの名機といえばOrtofon SPUとDENON DL-103がお決まりだったが、 小生の好みはDENONの丸針ではなくSPUの楕円針だった。

本日は平成のSHELTERと昭和のDENON DL-103丸針の音質の違いについて、試聴しながら比較してみることにする。

ステップアップトランスとフォノイコは共通でALTEC/Peerless 4722、MoFi Electronics Studio Phono2を使用する。

これまでDL-103については、90年代に購入した103C1や最近やっと購入したオリジナルタイプとも、あまり常用とする機会がなかった。

オルトフォンと比較すると全体的にタイトな印象で、響きが少ないところに大きな違いがあると感じていた。

低域の質感がオルトフォンでは「ボン、ボン」と鳴るところ、DENONでは「ガン、ガン」と響きの乏しい硬めの音色となり、高域の方もオルトフォンでは艶感や余韻を感じられるが、DENONでは直線的でやや押し出しの強いメタリックなものとなっているところが特徴だ。

派生モデルのC1の方は、上下とも帯域が拡大して音質にナチュラル感が出てややソフトな印象を持つが基本的な音質は同色である。

そんな持ち味がJazzなどの曲種では功を奏して愛好家を増やしているものと想像するが、クラシック愛好家にはこの直線的な高域は味気なく感じるだろう。

丸針についてそんな風に感じていたが、最近購入したSHELTER MODEL501Classicの響きがあまりにもナチュラルですっかり気に入ったのである。

再度そのSHELTERと同じアルミカンチレバー+丸針を採用したDENONを比べてみると、かなり音質傾向が異なるのを感じる。

DENONはこれまでの記憶とあまり異なった響きもなく、相変わらず硬い低域と直線的な高域が持ち味と感じられた。

SHELTERの方は響きの豊かさが美点となっており、さらに音の重なり具合「ハーモニー」がとても美しく表現されるカートリッジだ。

低域の質感も少しくぐもった乾いた感じはあるものの、「ボン、ボン」と楕円針に近い響き方をしている。

マグネットはSHELTERがネオジウムを使用しており、DENONはアルニコマグネットとのことなのだがこの辺りに違いがあるのだろうか?

そんな訳で、DENON DL-103の出番はこれまで通りあまり期待できない結果となってしまった。

DENON DL-103の丸針について色々調べていたところ、NHKと協同で放送用ステレオ・ピックアップの開発を実施するにあたり、その設計方針と構造の概略の中に  「ステレオ・レコードやモノーラル・レコードを共通のカートリッジで再生できること」との項目が含まれており、この内容を満たすために「針先球面半径を0.65ミルとした」との記事があった。

そんな訳で同じ針先構造を持つSHELTERについても同様の扱いが可能だろうから、モノラル盤にはこれらの丸針を使えば良いと考えている。    6/19


    

■ 新規アンプ導入計画(5) 「製作開始編」 


「待てば海路の日和あり」 「果報は寝て待て」 「石の上にも三年」 「急いては事を仕損じる」 「急がば回れ」 これぐらいでどうでしょう ?

企画立案後4ヶ月強を経て、遂にラボのK村さんから「手巻きトランスが納品されたので製作を開始します」との連絡が入った。

思い起こせばこの4ヶ月の間に、新型コロナウィルスの世界的な蔓延や実父の死去など、未曾有な出来事が起こっている。

さて、いよいよ待ちに待った新規アンプの塗装色や出力インピーダンスなど、電話にて諸々打ち合わせを行って希望内容を伝えた。

出力は8〜9Wになるとのことだったが、GOODMANSには十分な出力である。

お借りしている6AR6シングルアンプは、相変わらずなかなかの美音をたのしませてくれているが、このアンプを上廻る音質を期待するのは贅沢だろうか?

今後のために具体的な回路内容など、しっかりお伺いしておく必要がありそうだ。

完成を待ち詫びる日々も、いよいよあと僅かとなる。                                                                      6/26


    


■ 新規フォノイコライザー

いよいよ新規アンプの製作は回路構成もほぼ決定し、図面作成が終わってCAD外注にまで進んでいる模様である。

アンプ工房のK村さんや真空管博士のMさんなどのご尽力により、当初の構想では英国直熱三極管PX4を使用したシングルアンプ企画だったものが、独テレフンケンの球も楽しめるコンパチアンプにパワーアップしている。

いよいよもって、完成が待ち遠しい。

さて、本日は新規に調達した古いSHELTERのフォノイコがテーマ。

使用するプレーヤーにアームを増設したことによりフォノイコが足りなくなり、今年初めにパラヴィッチーニが監修した安価な現行フォノイコを購入して使用していた。

その後、新たに導入した丸針カートリッジSHELTER MODEL501Classicの音質が気に入り、組み合わせるフォノイコも純正タイプに組み合わせを変更することにした。

このSHELTER MODEL216 CR型フォノイコは、1995年〜2005年ごろまでロングランで販売されていた人気機種である。

キングオブアナログのパラヴィ翁が監修したMoFi Electronics Studio Phono2は、古いMarantz7真空管プリアンプに組み合わせると原因不明の発振が起こるなど組み合わせに無理があったようだが、こちらのフォノイコはそのような古いヴィンテージ機種にも寛容で相性も悪くなさそうである。

音場に厚みがあり豊かな響きが持ち味で、真空管機種と組み合わせても全く違和感のないものである。

フォノイコの入れ替えとともに、最近めっきり出番の少なかったNottingham INTERSPACE-ARMのLYRA Clavis.D.Cを、Ortofon MC-30Sに入れ替えてみた。

Clavis.D.Cは流石に情報量も多く切れ味鋭い音質が魅力となっているが、音がストレート過ぎて情感が乏しく感じてしまう。

以前このアームにOrtofon MC-30SUPERIIを組み合わせたときは、痩せた彩の少ない音質で今一歩納得できないものだったが、後継機種のMC-30Sではゆったりとした奥行きと高域の切れ味がうまい具合に調和していて、なかなか良い塩梅で音楽を楽しませてくれそうだ。        

やはりカートリッジはオルトフォンから抜け出せないでいる。                                         7/6


※追記・・・・・古いSTEREO SOUND(1995年/No.116)にこのSHELTER 216とカートリッジ501TypeIIの試聴記についての掲載があり、その姉妹機としてモデル501Classicの紹介についても記入されていたので、同時期に販売されていた組み合わせであることが分かった。


    


■ 組み合わせあれこれ

またまた東京のコロナ感染者数が右肩上がりに増加しており、隣接する埼玉や千葉の感染者数も同様の傾向にある。

3密(ソーシャルディスタンス)で感染を防ぐのにも限界があり、早くワクチンの開発が着地しないと経済が立ち行かなくなるのではと心配している。

さて、こちらはロングランを続けているEAR-834Pフォノイコライザー。

発売当初はECC83の3本構成だったが、最近では中国製コピー商品に対抗して、あまり聞き馴染みの無い13D16双三極管へ仕様変更となっている。

基盤上には依然としてECC83のプリントがあるので、我が家では3本ともECC83ヴィンテージ管に変更して使用している。

これまではOrtofon MC30シリーズと組み合わせ、パラヴィッチーニがデザインした内蔵トロイダルトランス経由でクリスキットのプリに繋いでいた。

先日、Nottingham INTERSPACE-ARMをMC30シリーズに組み替え、LYRA Clavis.D.CをEARのフォノイコ経由に入れ替えた。

響きが乏しくタイトに締まったClavis.D.Cの音質を少し滑らかにしようと、このフォノイコのTUBEを交換して試してみる事にしたのである。

これまではV2〜V3にMullard Short-Plateを、初段のみSIEMENS Triple-Maicaを使用していたが、これらをコクの出るMullard CV4004に変更してみる。

さらにクリスキットのライン段はBRIMAR「Yellow T」ECC81を組み合わせていたが、少しケバが立ち過ぎるのでバッファーをあまり出番の無かったナチュラルなBRIMAR ECC83に変更することにした。

これらの真空管変更により、なんとか意図する音色方向に改善された模様。

SHELTERのフォノイコとカートリッジの組み合わせはMarantz#7に繋いでいるが、製作者の意図する低音の太さが顕著となってまさしく「2B的音色」となっている。

太い音質が特徴となているだけではなく、結構細かい情報を拾ってくるのがこのカートリッジの持ち味だ。                                                  7/17


    

■ ORTOFON Erik Rohmann Signature

我が家では昔からOrtofonのSPUを愛用している。

その中で最も気に入っているのが1992年に1000個限定生産で発売されたSPU MEISTER GEで、磁気回路にはネオジウム・マグネットが採用されている。

その他にもオリジナルSPU-GEや復刻されたClassic GE、コイルに銀線を使用したリファインモデルのGOLD GEやネオジウム・マグネットのSYNERGYなどを使用して来たが、GOLDとSYNERGYは音色が気に入らずに放逐してしまった。

クラシックにはThorens MCH-IIの存在が見逃せないが、 MEISTERはあらゆる楽曲をオールマイティーに楽しませてくれる唯一のカートリッジだ。

またOrtofonのMC30シリーズを2機種(MC30SUPERII/MC30s)所有しているが、こちらは残念ながらヴォーカルなど限られた曲種での使用が常である。

さて、今回ご紹介するMC-ERはMEISTERと同時期の1991年に発売された500個限定生産モデルで、ネオジウムマグネットと発電コイルに7N銅線を使用し、ベリリウム製カンチレバーにファイン・ラインスタイラスの振動系が採用されている。


ボディーはMCシリーズと共有されていて磁気回路も1993年発売のMC30sと同等だが、音質の方はどちらかと言うと繊細な切れ味が持ち味のMCシリーズと違って、SPUのような低い重心と安定感を感じさせる音質バランスに仕上がっている。

MC30シリーズではどうしても腰の座った低域を求めるのは難しく、女性的で少し浮ついた音質が表現力の欠落につながっているように感じている。

その点こちらのMC-ERはSPU譲りの中低域の密度の濃さを持ち合わせており、POPS&ROCKを幅広く楽しませてくれるカートリッジだ。

MCトランスにはLangevin408Aを組み合わせているが、SPUと同じく絶妙の相性を見せている。

1998年発売で新技術を盛り込んだJubilieやその磁気回路と振動系を継承しているKontrapunktなども使ってみたかったが、2005年に発売された新世代のSYNERGYが期待外れだったので原点回帰する構図となった訳である。

これでMC30シリーズの方もお役御免となるかもしれないなあ。 7/28


    

■ 新規アンプ導入計画(6) 「シャーシ完成編」 


例年より長かった梅雨も明け、今度は打って変わって記録的な猛暑の夏を迎えている。

連日発表される新型コロナウイルスの感染者数は下降線を辿る気配もなく、東京や大阪などの大都市だけでなく地方都市での拡大傾向が恐ろしい。

さて、待ちに待ったアンプ製作の方も佳境を迎えている。         http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html

一度に3台ものアンプ製作に入り、ラボのK村さんもバテ気味なのではないだろうか。

塗装されていないので全体的な雰囲気が掴めないが、ケース左奥にはTSM Productsの手巻きアウトプット・トランスが配置され、左側縦に配置された初段管と中央の出力管の間にあるのが、真空管博士の説明にあった手巻き大型チョーク・トランスではないだろうか?

シャーシのほぼ中心にはバイアス切り替えスイッチがあり、これでRE604系のTUBEも使える事になった構図である。

ラボのK村さんから、「Rチャンネルのボリューム位置がトランスケースに近いので操作がしにくいです。アンプのボリュームは左右のレベル合わせに使って頂き、プリアンプで音量調整を行うようにして下さい。」とのご説明があったが、見たところでは特に問題はなさそうだ。


回路をご検討いただいた真空管博士の説明によると、このアンプの回路はクラングフィルムの回路も参考にしながら、無色に近く、ほんのりと薄化粧をしたような音質を目指したとのことだった。

美音系のPX4とスピード系のRS289に加えてRE604系の古典球が揃えられれば、Goodmansのシステムは1系統で済むかもしれません。

続く・・・・・・・                  8/10


    

■ 新規アンプ導入計画(7) 「出力管の点火方式」


経験のない遠い昔の戦争を彷彿とさせるような未曾有のコロナ禍で、連日発表される感染者や死亡者の夥しい人数に感覚が麻痺して来ている。

アメリカを中心とした中共制裁の行方とともに、一般報道では伝えられない中共内部の権力闘争にも注意が必要だ。

そんな世界情勢に目を奪われがちだが、猛暑に伴う熱中症死亡者数にも驚きが隠せない日々が続いている。

さて、ソーシャルディスタンスの影響により(笑)長らく待ち焦がれていたアンプ製作の順番が訪れ、益々ラボの新着・更新報告が楽しみとなっている。

昨日、ラボのK村さんからご連絡があった時に、素人ながら回路についていくつか質問させていただいた。

シャーシにハムバランサーが装備されているのを発見して出力管の点火方式をお伺いしたところ、直流点火方式を採用しているとのことだった。

この音質に深く関わるフィラメントの点火方式については諸説あるらしく、我が家で愛用しているSV-91BについてもY下先輩によって、ウエスタンアンプと同様の交流点火方式への改造が試みられているが、結局のところ前段のみ交流点火に収まり出力管についてはハムノイズの少ない直流点火に戻されている。

ラボのK村さんによると、確かに大規模映画館用のスピーカーを駆動するようなウエスタンの300Bアンプは全て交流点火方式を採用されており、SPと観客との距離が広ければ問題はないが、SPと近距離で対面する家庭用オーディオではどうしてもハムノイズの影響を受ける弊害があるとのことだった。

交流点火方式を採用した300Bアンプの音質は聴いた経験はないが、現在愛用しているこのSV-91Bアンプの音質には満足している。

点火方式により一番影響を受けると思われる高域には、美音とまでは行かないまでも適度なキレと繊細感があり、実在感のある中域とダンピングの効いた低域が大変好ましいバランスに仕上がっている。

新規アンプについては、真空管博士に考案いただいたプレートチョーク結合回路と、量販品では得られないK村さんの製作ノウハウによって、長らく続けて来たオーディオ道楽の最後のアンプになることを期待している。

特にこれまで経験のないコンパチアンプということで、数々の名だたる出力管が使えることは大きなメリットとなるだろう。

アンプ完成時には自前で準備したMarconi PX4のST管と、ラボさんから供給いただくTelefunken RS289の音質を楽しみながら、できればPX4系ナス管とROE604系のTUBEもコレクションに加えたいと考えている。                                           8/24

    

■ 新規アンプ導入計画(8) 「塗装完了編」


塗装が完了したことで、全体の雰囲気が見えて来た。

今回の塗装はグリーン系のハンマートーンで実施されており、高級感のある好ましい色だと感じている。

要となるアウトプット/プレートチョーク・トランスはアモルファス・コアの特注サイズのものを使用しているとのこと。

続く・・・・・・・。                                        8/25

    

■ 新規アンプ導入計画(9) 「パーツ取り付け編」


  


外装部品の取り付けが完了して全容が見えてきた。

入力端子などそれぞれパーツの質感も高く、堂々たる雰囲気を醸し出しているが、右後部電源トランス関連のブラック色が上手くアクセントになれば良いが・・・・・。

続く・・・・・・。                                          8/27


    


■ 新規アンプ導入計画(10) 「配線開始編」

中央2個のバランサー右側に出力管の直流点火回路を設置。

ゼネラルの電源トランス、出力管ソケットの上部にDALEのメタルクラッド抵抗が見える。

続く・・・・・・。                                                                  8/30


    

■ 激動の令和2年


未曾有の危機に直面している2020年(令和2年)も残すところ4ヶ月となるが、8月中旬頃からようやくコロナ新規感染者の減少が明らかなものとなってきた。

しかしウィズコロナの時代に入って人々の生活様式が一変し、ワクチン開発後のアフターコロナの時代には、肌をつき合わせた人と人との直接的な関わりからネットワークを通じた間接的な関わりへ大きく移行していくのではないだろうか。

20年ほど前から始めたこのホームページもコロナ渦のひきこもり影響を受けてか、3月頃から急激な訪問者数の伸びが顕著となって、7月にピークを迎えている。

特に直近の2〜3ヶ月はウクライナやロシアの複数の外部ページからのリンクが増加しており、原因が特定できずに不思議に思っている。

さて、今年2020年のオーディオの目玉は、なんといっても「新規アンプ導入計画」である。

2月の企画立案編から約7ヶ月が経過し、ようやく今月9月に着地完成の見通しである。

このコンパチアンプが導入されることにより、我が家のオーディオがどのように変わっていくのかが楽しみだ。                 9/1


    

■ 新規アンプ導入計画(11) 「配線途中編」

各トランスや基本パーツなどの配線が完了。

SPRAGUEの電解コンデンサーが取り付けられている。

RE604系使用時のバイアス切り替えスイッチ配線へと続く・・・・・・。                                                                  9/3

    


■ 新規アンプ導入計画(12) 「バイアス切り替え配線編」

出力管バイアス切り替え配線完了。

カップリングにWEST CAP、バイパスコンデンサーにはROEが採用されている。

完成まであと少し。

続く・・・・・・。                                                                  9/5


    
■ 新規アンプ導入計画(13) 「熱暴走トラブル編」

Telefunken RS289にてエージング中、直流点火回路のDCコンバータが熱を持つとのことで、出力管の点火方式が交流点火に変更となったようだ。

直流点火基盤を取り外して交流点火に切り替えるが、フィラメントハムも問題なく収まり完成に近づく。                    9/6


    
■ 新規アンプ導入計画(14) 「完成編」


点火回路の熱暴走トラブル修復後、出力管を入れ替えながら順調にエージングを進めている。

明日には我が家に到着予定。                                         9/7

    

■ PX4/RS289/RE604 コンパチブル・シングルアンプ


TUBE AUDIO LABO 6AR6シングル(手前)とPX4コンパチアンプ(奥)
PX4/ RS289/RE604コンパチブルアンプ

チューブ・オーディオ・ラボに制作をお願いしていたアンプを、わざわざK村さんが炎天下のなか新潟よりお持ち下さった。

当初は英Marconi PX4シングルアンプで依頼したが、ラボのK村さんや回路をご検討いただいた真空管博士の助言もあり、独Telefunken RS289(RV210)やRE604系の各種古典球も使用できるコンパチタイプに仕上げていただいた。

準備しておいたPX4に加えてラボさんからRS289を購入し、貴重なRE604は一旦ラボさんのストックをお借りして音質を確認後、真空管博士より調達予定である。

更にTelefunken RV210も試聴用にお借りしている。

Telefunken RE604

Telefunken RV210

Telefunlen RS289はプレートキャップの不具合により、再送していただくこととなった。


 


シャーシの塗装色にも高級感があり、全体的なサイズバランスも良好に感じている。

特にRE604ナス管を使用した時のグラマラスなボリューム感が非常に好ましい。

コンデンサーや手巻きトランスのエージングに2ヶ月ほどかかる予定なので、それぞれの出力管の試聴感想は追々アップさせていただくことにする。

本日短時間だったが、K村さんと動作確認がてらそれぞれのTUBEを試聴してみる。

どのTUBEを聴いても好ましく感じさせる音色の中で、特にウエスタン300Bを凌駕するというRE604のリアルな音質は素晴らしかった。


当初、電源トランスの上部に設置されていた出力管の直流点火回路が取り外されている。

交流点火方式での動作に変更した結果、電源投入時に「ブ〜ン」とハム音がするが、しばらく経つと全く気にならないレベルに収まっている。

K村さんのワイアリングはいつもながら美しく、仕上がりも上質で文句のないものだ。

K村さん、本日はありがとうございました。                                    9/8

   

■ コンパチブル・シングルアンプの音質/PX4編


まず最初は本命のMarconi PX4から試聴を開始している。

旧型ナス管(OSRAM)や同型管のPP3/250(MAZDA)の方が良かったのだが、高額となるため新型のドーム管ではなく音の良いST管を選択した。

当初予定通り、初段管にSTC CV1985/ECC35、整流管はCossor 53KUと英国勢で脇を固めて聴き始める。

数々の愛聴盤に針を落とし、一番最初に感じたのが音場から溢れんばかりのダイナミックな低域の響きである。

オケを聴いてるとキャンバスの隅々まで濃厚な下地を描いたように各楽器群が豪放磊落に響き渡り、半端のないゴージャス感を感じさせる。

音数の多さだけでなく響きにはコクがあり、ピアニッシモでの繊細感、音の重なりなどのデリケートな表現も申し分ない。

これまで使用してきたアンプとの一番大きな違いは、それぞれの楽器がクローズアップしてマクロ的に響かせる点である。

各楽器のパートが音場にはっきりと浮かび上がり、オペラでの歌声もこれまでの記憶より、舞台上で太く大きく堂々とした歌声を聴かせてくれる。

高域には刺々しさを感じさせず、英国機器の持ち味となっている硬質感のある明晰さが美しく、エージングが進めば更に柔らかさが加味されるだろう。

レコード中心に20時間ほど試聴を進めたところで、組み合わせる初段管や整流管を交換してみた。

前段はSTCで違和感なく落ち着いたが、整流管の方はCossorで感じられる弦楽器のコクのある飴色の響きが好ましいが、やや暴れ気味の音質となるため、落ち着きのある響きのRaytheon5U4Gを組み合わせている。

英国勢で固めたかったが、期待していたMullard GZ32では高域がヒリ付き気味で、低域方向の厚みも薄くなるなど現状では今一歩の結果だった。

エージングが進んで全体的に角が取れたところでCossorに戻そうと考えている。
現状では剛が優っている印象だが、アンプ全体にくまなく血が通い、柔よく剛を制するバランスに行き着いた時が短しみである。 9/10

   

■ 続・Marconi PX4

新作のアンプは完成した後、ラボさんの方でエージングを兼ね8時間ほどの試聴を済ませているとのことだった。

そのアンプが我が家に来て4日目、25時間ほど試聴を進めているが、愛聴盤に針を落とす度に驚きの連続が続いている。

PX4で試聴を開始して三日目ほどのところで、微妙な音質の変化が現れ始めた。

どうやらダイナミックな音場を形成していた原因は滲み気味な音質が影響していたようで、全体的に音像が締まり始めるとともに、少し重苦しく厚化粧気味だった音場に軽快感が出始め見通しが良くなって来た。

同時に太く大きく膨らみ気味だったそれぞれの音源が、ピントが合ったように小振りに聴こえるように変化している。

ここで再度、整流管をCossorに戻して音源に色彩感を加味するが、現在のところPX4にはこの組み合わせがベストのようだ。

新たなアンプを導入したシステムでは、Goodmans AXIOM22MkIIを使って、主にクラシックをアナログで楽しむことにしている。

カートリッジはThorens MCH-IIとOrtofon MEISTERを使用しているが、ともに長年愛用して来たMC型の名器だ。

MCH-IIでプッチーニのオペラを聴くと、昭和30年代生まれの方ならお分かりになると想うが、総天然色で映画を観たような趣で音楽が奏でられる。

MEISTERでは解像度が高いためか、そのような誇張した色彩感は薄らいで爽やかな自然な音場が形成されるのが特徴だ。(トランスはWEを使用)

オーケストラなど大編成の曲種では、各楽器の低音が床に反射してホールトーンが下方向に伸びるという、豪華絢爛な音質を聴かせてくれている。

特に中央左右に配置された弦楽器群が、厚みを持った帯状の合奏となってとても心地よく響く。

しかし、ソロ器楽曲の中でピアノなどは組み合わせるプレーヤー自体の音質影響を受け、これらのカートリッジも明暗を分けている。

フローティングタイプのThorens純正組み合わせは、重厚感あるグランドピアノの響きを聴かせるのに対し、リジットなGarrardシステムを使用したMEISTERでは、高域の煌めきが強すぎて若干腰高な印象を持った。

さて、明日からは次の出力管、ラボさんからお借りしているTelefunken RV210の試聴に入ることにしよう。                         9/12

   
■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RV210編


ラボさんよりお借りしたTelefunken RV210はオーディオ用の傍熱三極管である。

真空管博士の説明を借りると、「RV210はPX25並みの出力が得られる球ですが、今回のアンプでは軽い動作での使用となります。あまり高価な球ではないので面白い存在と思います。」とのことだった。

細身のTUBEはステムから上部がスモークガラスで覆われているため、内部構造を見ることができなくなっている。

この真空管に差し替えてアンプの電源を入れても、PX4の時のような「ブ〜ン」「グオ〜ン」という立ち上がりのハムノイズは一切しない。

出力の方はPX4とほとんど変わらないようだ。

PX4とその音質を比べると、このアンプの持ち味となっている「コクの深い音」には変わりはないが、少し色彩感が薄いような気がする。

もちろん耳で聴く“音”には目で識別する色は分からない筈だが、醸し出される音色が色をイメージさせるのである。

その反面、高域の繊細さと締まった低域に特長を持っており、なんとなくECC83ダイヤマークを連想させる音作りだ。

この出力管でドビッシーの「海」を聴いていると、ダイナミックな波のうねりの高さや大きさを如実に感じさせてくれるが、葛飾北斎の「富嶽三十六景」で描かれた景観が、鉛筆で描いた精密なデッサン画のような風情で聴こえてきた。

RV210のどこまでも冴え渡ったダイナミックな音質は、濃厚な色目の油絵を見るようなPX4の音質とは性格が全く異なっている。

弦楽器独奏では冷徹なまでに強い浸透力を見せるが、大編成モノになると少し粗めで調和を欠く傾向は、音の締まり具合の強さが影響しているのだろうか?

声楽のバリトンを聴いていても少し上擦った、腰高で神経質な歌声に聴こえる傾向があるようだ。

反面、ヴァイオリンやチェロソナタなどでは演奏者の技巧が花火のような煌めきでリスナーに訴えかけられ、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。

ドラマティックな曲目でもRV210の良さが明快となるので、ひょっとするとPOPS&ROCKなどの曲種にも向いているのではと感じた。

しかしこのTUBEの個性的で素晴らしい音質は、次に控えている同じテレフンケンRS289の期待度をさらに高めるものとなった。                        9/14

※追伸

真空管博士よりRV210の補足説明があった。

「RV210はプレート損失25Wの傍熱型三極管です。内部抵抗はとても低くWE300BやDA30と同じくらいです。WE300BやDA30より少し増幅率が高いので直線性は良好です。プレート形状を工夫して電極間の静電容量を低減しているので純三極管の中ではハイスピードな方です。音声信号を扱う様々な用途に使用されていたようです。(業務用アンプ・送信機のモジュレーター・有線ラジオ設備・電話通信設備)  

フルオペレーションですと7W近く出ますが、今回のコンパチアンプでは軽い動作で3W程度と思います。

RV210には弟分とも言うべきAD101という球があります。コンパチアンプではRV210同様PX4の設定で使用可能です。出力はRE604と同じくらいですのでRE604の傍熱バージョンと言えるかもしれません。

テレフンケン製の安価な球でRENS1374dという五極管があります。ST型の初期の球はメッシュプレートの外側にワイヤーリングによるシールドを施すという他に類を見ない構造をしています。出力は1W弱と小さいですが音質は良好です。PX4の設定で使用可能でお値段も@8000円程度です。」

ということだが、やはり真空管の神様である。

   

■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RS289編


いよいよ期待の送信用五極管Telefunken RS289の試聴に入る。

形状はRV210とほぼ同じだが、こちらはフィラメントの灯りや内部構造がはっきり確認できる。

真空管博士曰く、「RS289はテレフンケンが開発した送信管です。アメリカ型の増進管は高域に偏った音の球が多いのですがRS289は違います。三極管接続にすると極めて内部抵抗が低く素晴らしい低音を聞かせてくれます。物理特性はAD1やEdと非常に近くオーディオ専用管に全く引けを取りません。送信管特有の高域の抜けの良さを兼ね備えていますからとてもワイドレンジな球です。電極容量はとても小さく前段管の6SL7に優しい球でもあります。値段が安いのでスペアチューブの心配もありません。」と良いとこ尽くめな球のようである。

出力の方は僅かにRV210より小さいようで、電源投入時のハム音も一切無かった。

先に試聴したテレフンケンのオーディオ用傍熱三極管RV210は、個性的な正しくスペシャルTUBEだ。

低域の締まり具合や解像度の高さが際立っていて、切れ味の鋭い日本刀を思わせる音質が持ち味だった。

その反面、ゆったりとした響きや余韻を拭い去ったような音色が、大編成の楽曲になると温度感の低さとハーモニーの欠落を招いてた。

さて、今回のRS289の音質は、キレの良い高域はRV210の長所をそのままに、低域方向の量感を増した余韻も豊かなバランスとなっている。

大編成のオーケストラを聴いてもふくらみを持ったホールトーンを感じることができて、RV210ほど硬質な高域もそれほど苦にならなかった。

しかし一旦、豊かなホールトーンとブリリアントな響きを持ったPX4で大編成のオーケストラを聴いてしまうと、流石にこちらは少し物足りなく感じてしまう。

テレフンケンの2本を音質比較すると、個性的な音質はRV210に一歩譲るとして、トータルのバランスはRS289の方が優っているように感じる。

これらのTUBEを使用した時の音色がJAZZやROCKなどの曲種で問題が無ければ、もう1系統のシステムは役目が無くなってしまうのでは・・・・・・。

※真空管博士のRS289の補足説明。

「ある方はRS289で聞くとストラディバリとガルネリの違いが明瞭に分かると仰いました。これはRS289の解像度の高さのなせる業でしょう。

RS289は送信管ですから受信管より真空度が高いのです。更にはグリッドのプラス領域まで入力を加えますから動作時のピーク電流は相当なものになります。球自体は大きくはありませんがヒーターパワーはPX25やDA30同等であり豊富なエミッションを実現しています。

それからコンパクトな電極構造も見逃せません。送信管は電極間の静電容量をできるだけ小さくするためにプレートは小さい方が良いのです。電極間の静電容量が小さければ抜けの良いハイスピードな音が期待できます。これらのことを踏まえると低周波増幅使用時のRS289は非常に楽な動作をしているといえます。RS289の解像度が高いのは、高い真空度、豊富なエミッション、コンパクトな電極構造が寄与していると考えています。」   

9/17

   

■ 続・Telefunken RS289

新作アンプが我が家に到着して約10日、聴き始めてから35時間ほど経過している。

真空管博士の詳細な説明を伺って、ますますTelefunken RS289の完成度の高さを感じることとなった。

しかしクラシック系の小編成や弦楽器の再生に最適なTUBEだが、オケなどの大編成になると解像度の高さが災いしてか、臨場感の乏しい音質と感じていた。

そんな中、本日はPOPS&ROCKを中心に試聴を行なってみたが、予想通りこのテレフンケンのTUBEは、これらのタイトでパルシブな曲種にも適している。

特にエージングがまだ足りないのか少しマットな響きが気になるが、ドラムのタイトな響きやベースのボディに喰いこむリズム感は申し分ない。

別系統でPOPS&ROCKを聴く時に使用している、SV-91B→Goodmans AXIOM150MkII 3WAYより、よく締まった響きは心地よく感じられるようだ。

3WAYは低音の厚みや奥行き感はあるが鈍重傾向で、2WAYが持つ軽快感とよく前に出る音質傾向が影響しているのかもしれない。

前段や整流管を入れ替えて、このTUBEで大編成モノを聴けるようになるのなら、我が家のシステムは1系統で十分かもしれません。

しかし、異なる機器を使用して変わった雰囲気で音楽を聴いたり、真空管やカートリッジを色々変えて愛器に触れるのもオーディオの楽しみなので、無理せずにこのままのスタイルで参りましょう。

再びクラシックに戻って交響曲に針を落とす。

TUBE自体のエージングが進んだのか低域の量感も増してきたようで、少しボリュームを上げると澄み切った迫力のある表現力がなかなか良い塩梅だ。

しばらく聴いていると、ストレートで音質が厳しすぎる傾向はあるものの、オーケストラのフレッシュでドラマティックな表現も悪くないと思うようになってきた。

さて、いよいよ次は博士の説明で300Bを凌駕するというTelefunken RE604の出番となる。

ひょっとするとこのTUBEがRS289の音質の幅をさらに広げてくれるのかもしれません。 9/19

   


■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RE604編

いよいよ待ちに待ったTelefunken RE604の出番を迎えた。

このアンプを製作依頼するまでは、ウエスタン300A/OLD300Bなどの噂は良く聞いていたが、こちらの独製古典球については存在すら知らなかった。

真空管博士によると

「RE604は1933年〜1941年にかけて製造されたバリウム昇華型フィラメントの球が最高です。このタイプは酸化被膜フィラメントの最高性能を誇る300B以上の性能です。出力こそWE300Bに及びませんが動作における直線性においてはWE300Bを全く寄せ付けません。」

とのことだった。

試聴に使ったRE604はチューブ・オーディオ・ラボさんからお借りしている同タイプのTUBEだが、現在博士に調達を依頼しており、まもなくバリウム昇華型フィラメントの中期型と後期型の極上品が到着予定となっている。


 

このTUBEを使用する時は、出力管ソケット上部にあるトグルスイッチをRE604側に倒して使用することになる。

まずグリュミオーのヴァイオリンソナタから試聴を開始する。

聴き始めてすぐに硬質な美音を隈取るように立ち昇る鮮やかな色香を感じることになる。

解像度はこれまで試聴した2種類のテレフンケンTUBEよりさらに高まり、弦を抑える指がネック上で動く時に出る僅かな擦れ音も聴こえてくる。

先に試聴したテレフンケンTUBEの解像度の高さと硬質感は確かに素晴らしかったが、それが音質を冷たく感じさせる要因ともなっていた。

しかしこのRE604は高い解像力を持ちながら、その音質に暖かさや気品が感じられるのは期待以上の驚きである。

最初に試聴したPX4の音色はすでに忘れかけているが、先のテレフンケンTUBEとは格の違いを見せているのは確かだろう。

真空管博士やK村さんからその音色の素晴らしさを散散伺っていたが、この芳しい色気を持った音はこれまで聴いたことのないものだ。

ほっと胸を撫で下ろしてシュタルケルのバッハに針を落とす・・・・・・・。

さて、続けて聴いた交響曲のレコードは、セルがコンセルトヘボウを指揮した蘭フィリップス盤だ。

このレコードを数日前にPX4で聴いた時は、これまでコンセルトヘボウで聴いたことのない弦楽器群の左右の厚みに驚かされたが、こちらのRE604では各楽器の微動だにしない定位感とクローズアップしたようなリアルな音場再現が、想像以上の美音となって音楽を楽しませてくれている。

弦楽器のユニゾンや金管楽器の咆哮にすら刺激的な趣は全く感じさせず、申し分ない中低域の厚みは上質なホールトーンを体験させてくれる。

嬉しい誤算だが、今まで全く知らなかったドイツのTUBEが、英国の名球と呼ばれたPX4をも音質に於いて上廻っているのではと思わせるものだ。

これまで昭和の中学生時代からオーディオを続けてきて半世紀近くが経過している。

高校入学祝いで初めて手にしたのはパイオニアのトランジスタアンプだった。

その後真空管の音質の良さに目覚め、米DYNACO/Marantz、英QUAD、伊UNISON RESERCH、日LUX/ELEKIT/SUNVALLEY/Chriskit/UESUGIなど数々のメーカー製アンプを使用してきた。

プロ製作者によるオリジナルアンプでTANNOYオートグラフを駆動されているsigetaさんも、いかに優秀なメーカー製アンプより技術的な信頼を置けるアンプビルダーが、部品や回路に拘りを持たせて製作したオリジナルアンプの方が音質は優れているとおっしゃっていた。

当然のことながらメーカー製アンプは商品化して購入者に複数台販売されるが、使用されるパーツなどは特性にバラツキの少ない安全性を考慮した現行部品を採用する場合がほとんどで、完成後の品質確認についても人間の耳によるヒアリングではなく、機械を使用して標準化、平準化された特性を確認するのが大半だろう。

その点オリジナルアンプは、生産終了品や現行品に関わりなく音質の良いパーツを自由に選択し、ノウハウを持った技術者により確実な手作業で製作されている。

さらに複数台の商品化ではないから、完成後に同じ品質(音質)を求められる訳でもないので、1台1台の高音質化が計れるという構図だろう。

Y下先輩が大改造した半オリジナル91B型アンプの音質も素晴らしいが、我が家も結局このオリジナルアンプが終着点となりそうだ。

う〜ん、まさしく至福の時が続いている。                       9/20

   


■ 続・Telefunken RE604


Telefunken RE604を使用して二日目。

昨日の感動は本物かと未だに興奮気味の頭を冷やし、極力冷静な気持ちに立ち返って試聴を始める。

これまでの経験の中で、機器や部品を交換した当初はその音質の変化が「音が良くなった」と思い込み、後日聴いてみると前のほうが良かったということも度々ある。

電源を投入すると、PX4ほどではないが「ブ〜ン」とハム音がして、その後稼働時のフィラメントハムも気にならない程度に発生している。

前段のTUBEはSTCから変わりはないが、整流管をMullard GZ32から再びCossorに戻している。

この黒ベースのMullardは、エッチングコードが見当たらないためどこの工場で製造されていたものか分からないが、高域が上ずって低域も厚みが薄い。

今のところCossorが一番バランス感が良いように感じているが、今度茶ベースのSTCを試してみようか。

カートリッジは低域の量感が芳醇なフローティングのThorens純正組み合わせを使用していたが、交響曲などではOrtofon MEISTERの柔らかい響きも好ましい。

聴き始めの昨日は、ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器や、交響曲、オペラなどでその音質の良さに触れ、感激した記憶が脳裏に残っている。

早速その試聴結果を真空管博士にメールで報告したところ、次のような返信をいただいた。

「RE604気に入って頂けたようで安心いたしました。RE604は銘球と言われながらベストコンディションで鳴らしている人は少ないと思います。回路は私が基本設計を行いましたが配線材や半田を含めた使用パーツの絶妙な選定はK村さんの経験のなせる技でしょう。さらには私たちの無理な注文を快く引き受けてくださるTSM Productsさん手巻きのプレートチョークコイルとOPTの威力も絶大です。自画自賛になりますがこれまでのアンプの中でコストパフォーマンスは最高ではないかと思っています。私がアンプのコンパチ化をお勧めしたことを喜んでいただけているようなので安心いたしました。」

チューブ オーディオ ラボのK村さんからも久方ぶりにご連絡を頂いたが、RE604のバリウム昇華型フィラメントが音質の肝となっているのではとのことだった。

また、PX4にも初期型で音質の良いバリウム昇華型フィラメントのTUBEがあるとのことだったが、滅多に出てこないとのことなので聞かなかったことにしよう。

そういえば真空管博士も、PX4系出力管の頂点はバリウム昇華型フィラメントのナス型管で、その次はPP3/250最初期のニッケルプレートですとおっしゃっていた。

二日目に入り、この音色に耳が馴染んできたのか昨日聴いた新鮮な驚きは減ってきたが、初めて針を落とした愛聴盤の旋律でハッとさせられる驚きが続いている。

PX4では厚みとコクのあるゴージャスなホールトーンに驚かされたが、このRE604には高解像度に支えられた明確な定位があり、さらに響きも柔らかい。

半年以上待った甲斐もあり、このアンプの音色は素晴らしいとホッと胸を撫で下ろし満足感に満たされている。

今週は最近アンプを新調したとおっしゃっているsigetaさんが来訪されるので、この新しいアンプの評価が楽しみである。                          9/21

   

■ バリウム昇華型フィラメント RE604

青森の真空管博士より、待望のTelefunken RE604の他、お願いしていた数種類のTUBEが届いた。

チューブ オーディオ ラボからお借りしていたRE604は初期型と中期型だったが、こちらのチューブは中期型(1934/8)と後期型(1941/4)の組み合わせである。

スイスから取り寄せられた極上品とのことだが、博士の方でベースピンのハンダの入れ替えクリーニングを実施していただいている。

以前、SV-91Bで使用していた整流管(WE-274B刻印)が接触不良を起こし、ベースピンにハンダを流し込んで復活した経験があるが、古典球ではありがちなこのようなトラブルが起きないよう博士の対応も流石に万全である。


 


さらに博士お勧めの比較的安価な五極管Telefunken-RENS1374dと整流管のBRIMAR-5Z4G、その他今回のアンプに使用するわけではないが米GE12AX7 Long-Plateが手に入ったとのことだったので、こちらも2本ほど頂戴することにした。

我が家のストックにはGE12AX7/ECC83のShort-Plateは軍用を含め数種類あるが、淡白で少しボヤけた音質のためこれまで出番が全くなかった。

独テレフンケンにはLong-Plate(17mm)タイプしかないが、英ムラードでも後発のShort-Plate(14mm)より、1959年頃まで製造された初期型Long-Plate(17mm)の方が音質は良いので、米GEのLong-Plate(17mm)を一度試してみたかった。

RE604には長年灯が入っていないだろうから現在エージング中だが、博士のお話だと長期間未通電だった球には、直熱管で24時間以上が必要とのことだ。

エージング中の球がどのような経過を辿っているのかについて、以下のような博士独自の考察をご教授いただいた。

1.管壁や電極等からガス成分がイオン化して真空度が低下し始めガスによりIpは増加し始める。

この時点では音のフォーカスが甘く感じることが多いように思います。

2.球全体が十分に温まりゲッタが活性化すると管内ガスの吸着が始まり真空度が上昇し始めIpは減少傾向に転じます。

この時点のIpの減少はフィラメントやヒーターの性能が落ちているのではなく真空度の上昇によってガス電流が減少するためです。

3.管内ガスの吸着が完了すると再びIpは微増傾向となり、Ipの増加が止まればエージング完了です。

  この時点になると解像度が増し低音の締まり具合も良好となります。

球の状態にもよりますが、直熱管で24時間以上、傍熱管で36時間以上はかかります。

お付き合いいただいてまだ日は浅いが、真空管博士の知識には脱帽する思いである。

それぞれの音質評価についてはまた後日・・・・・・。                                              9/24

   

■ オーディオ定例会

本日はsigetaさんをお招きして、新作アンプの試聴会を実施した。

前回お越しいただいたのは、コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令される前の3月だったから丁度半年ぶりとなる。

その間にsigetaさんのシステムもプリアンプをリフレッシュされたようで、プロ用機器のグレードがさらに改善された模様である。

上の画像は、昨日真空管博士から届いたTelefunken RENS1374dと整流管BRIMAR 5Z4Gを用いた組み合わせである。

このメッシュプレートの傍熱五極管はTelefunken RS289のようなトップのプレートグリッド接続ではなく、ベースのピンにスクリーングリッドを接続する構造となっている。

真空管博士からの使用上注意点として、「SP端子の接続を既存の16Ωから8Ωに替えて使用することで、さらに締まった低域を聴くことができます」というものだった。

さて、新作アンプのプレートチョークの音質がどのようなものか、興味津々だったとおっしゃるsigetaさんのご感想は・・・・・・。

まず聴き始めの冒頭に一言、「変わりましたね〜。」

「古典球ということで何というかもう少し古臭い音をイメージしておりましたが、そんな感じは全くしません。」

「すごい世界に足を踏み入れたものですね。」

そんな驚きの言葉だった。

出力管はMarconi PX4から始まり、Telefunken RS289→Telefunken RENS1374d→Telefunken RE604の順に試聴を行う。

前段のSTC CV1985/ECC35→RCA5691に続いて、整流管のCossor→BRIMAR 5Z4G→KEN-RAD VT244→WE-274B刻印→STC5R4GYを次々に付け替えて試聴を続けるが、予想通りそれぞれのTUBEで大きな音質の変化を感じ取ることになる。

出力管ではPX4とRE604が大編成で音数の多さを発揮するゴージャス系、RS289とRENZ1374dがソロ系で強みを発揮するTUBEと意見が一致した。

あくまでも我が家の機器組み合わせでの場合だが、PX4よりわずかにRE604に音の深みが上廻るのではとの評価だった。

意外と音質の良さが確認できたのは、当方も昨日到着後ほとんど試聴を行なっていないRENS1374dだった。

テレフンケン特有の低域の締まりの良さに加え、柔らかな余韻もあって大編成のオケを聴いても無理のない自然な響きを感じとることができた。

前段ではやはりSTCの良さが光り、整流管ではCossorとSTCが双璧ではないか・・・・・・・。

アンプ自体の音質については、交流点火の音なのかプレートチョークが影響しているのか判断できないが、太い豪快な音がするように感じるとのこと。

出力管から前段や整流管まであれこれ入れ替えて音色を確認し、別系統のシステムで新たに調達したOrtofon MC-ERの音質も確認していただいた。

盛り沢山のメニューで、無駄話もなくあっという間に時間が過ぎる定例会となった。

アンプの基本性能が高いためか、TUBEを入れ替えるたびに比較的好ましい評価を頂戴したが、概ね当方が感じたものに近いものだった。

一方、オーディオで音楽を楽しむには問題ないが、原音再生視点で考えると実際の演奏会ではここまで豊潤な低音は聴こえて来ないとおっしゃっていた。

改めてsigetaさんご本人から試聴感想を掲示板にご投稿いただくことになっているので、本音についてはそちらを待つことにしよう。                   9/25


※追伸   sigetaさんから本日の試聴感想を、掲示板の方にご投稿いただきました。

             興味のある方はそちらもご覧ください。    ↓

     https://zawazawa.jp/bcjd0i1lnr55w007/topic/1


   


■ 2020年9月現在のシステム構成

ANALOG

AMP

SPEAKER
PLAYER
TONE-ARM
CARTRIDGE
MC-TRANS
PHONO-EQ
PRI
POWER
THORENS
TD-126MKIII
Centennial
SME
3010R/B
Thorens
MCH-II
ORTOFON
T-30

Marantz7
TUBE
AUDIO
LABO

PX4/RE604
Compatible
Single
Marconi
Telefunken

GOODMANS
2WAY
▼▼▼▼
AXIOM22MKII
+
TREBAX

GARRARD
401
audio-technica
AT-1501 II
ORTOFON
SPU
MEISTER-GE
Western
Electoric
KS-9450

Notthingham
Interspace-Jr

GRACE G-565/1
LYRA
Clavis D.C.
EAR 834P
GARRARD
401
audio-technica
AT-1503 III ORTOFON
SPU-GE
J's
No.6600

Chriskit
MARKY
Custom

SUN
VALLEY
SV-91B

300B
Single
TAKATSUKI


GOODMANS
3WAY
▼▼▼▼
AXIOM150MKII
+
MIDAX
+
TREBAX


Notthingham
Interspace-Jr

Interspace-arm
ORTOFON
MC-ER
Langevin
408A

Notthingham
Interspace-Jr

GRACE G-565/II SHELTER
MODEL501
Classic
PEERLESS
4722
SHELTER
MODEL
216
EMPIRE 598N
EMPIRE
980
SHURE
M44G

SHURE
M64

↑ ↑


9月に入り待望の新作アンプが到着したので、我が家のシステム構成はリニューアルすることとなった。

4台のアナログプレーヤーを使用して、MC型からMM型まで数多くのカートリッジで音楽を楽しませて貰っている。

最近はアナログレコードが復活して古い名盤がリカッティングされて発売されることも多く、傷のない新品で購入できるようになったのは嬉しい限りである。

もう少し広いオーディオルームで音楽を聴くことができないか常々考えていたが、大きな部屋でオーディオを楽しむのはそれはそれで大変らしく、12インチのSPを使用するならば、音響面で我が家の約8畳の広さはちょうど良いのかもしれない。

今年中はこの構図で古典球を各種楽しんでゆくつもりである。                                          9/27

   

■ 2つのTelefunken

Telefunken RS289

Telefunken RENS1374d


我が家で試聴するソースは約50%がPOPS&ROCKで、クラシックが40%、その他10%程度の割合となっている。

新作アンプは出力管を挿し替えることで、これらの曲種をほとんど無理なく楽しむことができる優れものだ。

クラシックは主にMarconi PX4とTelefunken RE604を使用し、POPS&ROCKやソロ楽器はTelefunkenの2種類のTUBEを使用している。

新作アンプの音質を料理に例えるとアクセントの効いた関東風の味付けで、優秀なアウトプットトランスの影響かシングルアンプに関わらず重心が低い。

特にこれまで使用してきた各種アンプと2WAYの組み合わせでは、音場密度がやや希薄で柔かな浮遊感を感じさせるのは良いが、音質自体が軽い印象があった。

その点今回の新作アンプでは、重心が落ちてどっしりとした安定感があり、さらにコクと豊かな響きを併せ持った音質が最大の長所となっている。

特にPX4を使用した時は濃厚さが増して豚骨ラーメンのようなコクの深さが出てくるが、RE604はさしずめ風味豊かな味噌ラーメンといった趣である。

それに比べるとテレフンケンのRS289/RENS1374dは、すっきりした爽やかな喉越しを生かした塩ラーメン的な音質である。

同じ塩ラーメンのカテゴリーではあるが、RS289は細麺のストレートタイプでRENS1374dの方は縮れた太麺の図太さを感じさせる違いがある。

このRENS1374dは先日の定例会に於いてもsigetaさんから高評価をいただいたTUBEで、暖かくなるまでは実力を発揮しない寝起きの悪さはあるが、持ち味のパンチの効いたダイナミックな音色はROCKなどのパルシブな曲種にも抜群の相性を見せている。

何となく音のニュアンスをお分かりいただけたのではと勝手な解釈をしているが、ラーメンは嫌いであまり食べてことがなく、味がよく分からないとおっしゃるオーディオ愛好家の方にはお許し願いたい。

そんな訳でコンパチアンプの利点を味わい始めているが、このアンプと軽量コーン紙を使用した12インチGoodmans2WAYを組み合わせることで、オールジャンルの曲種を楽しめるシステムとなりそうだ。                                   9/29

   

■ レイアウト変更


コロナ禍という未曾有の危機に直面した2020年も、残すところあと3ヶ月となった。

海外では感染者の増加に歯止めが掛からない国もあり、早急なワクチン開発が待たれるところである。

さて、我が家のオーディオは先月末の2日間を利用してレイアウト移動を敢行し、思い切ってシステムを一系統に集約してみた。

これでしばらくSV-91BとGOODMANS 3WAYの組み合わせは、別室で待機してもらうことになる。

気分を変えて違うカートリッジの音質を楽しむのも良いが、アナログが7系統あっても結局いつも使用するカートリッジは決まってくる。

そんな訳でアナログの方も、Marantz7で3台のフォノイコとともに使用できるカートリッジを5系統に絞り込んだ。

音質の肝となるAXIOM22MKIIのエンクロージャーは音質が良いと言われている進工舎製を使用しており、ツイーターは純正のTREBAXを組み合わせている。

ある意味セオリー通りで以前と同じSP配置に戻した構図だが、SPの中心から中心までの間隔は220cmとレイアウト変更前より若干広くなった。

嫁殿と老夫婦二人で一系統のシステムを別部屋に運び出し、新たなレイアウトに配置が完了するだけで丸一日がかりの作業となった。

おまけに久しぶりの肉体労働がたたって夫婦共々腰痛に悩まされ、近所の極楽湯に湯治に行く羽目となってしまった。

(特にSV-91Bは送信管用の大型アウトプットトランスを採用していることもあり、24kgもあるヘビー級アンプだ。)

<2020年10月からの新たなシステム構成>

ANALOG
AMP

SPEAKER

CARTRIDGE
TONE-ARM

CARTRIDGE

MC-TRANS

PHONO-EQ

PRI

POWER

THORENS

TD126MKIII

Centennial

SME

3010R/B

Thorens

MCH-II

Ortofon

T-30

Marantz7

TUBE

AUDIO

LABO

PX4/RE604

Compatible

Single

Marconi

Telefunken

GOODMANS

2WAY

🔻🔻🔻

AXIOM22MKII

TREBAX

GARRARD

401

audio-technica

AT-1501/II

Ortofon

SPU

MEISTER-GE

WESTERN

ELECTRIC

KS-9450

audio-technica

AT-1503/III

SHURE

M44G

SHURE

M64

Notthingham

Interspace-Jr

Interspace-arm

Ortofon

MC-ER

EAR845P

GRACE

G-565F

SHELTER

MODEL501

Classic

Peerless

4722

SHELTER
MODEL216

さて、やっと機器の移動や配線も完了して試聴に入る。

アンプ完成から半月以上が経過してその音質にも徐々に慣れ、TUBEごとの特徴もおぼろげながら掴めるようになってきた。

これまでと使用している機器に変更はないが、SPケーブルWE16GAが少し寸足らずなため、先日sigetaさんから頂戴したヴィンテージWE線をSP側に加えている。


SP間に物が無くなって空間に広がりが出たためか、響きに窮屈さが無くなり壁一面に広がる音場がとても心地よいものとなった。

さらに音場に漂う微妙な雰囲気も感じられるようになるなど、見通しが良く透明度の高い音質に改善された模様である。

その影響か若干高域の切れ味が増したように聴こえ、弦楽器の柔らかい響きがやや薄らいだようにも感じる。

ツイーターのレベルを調整するなどして、今後は愛機たちにもこの新しい環境に馴染んでもらうことにしましょう。                10/1

   

■ ルームチューニング

レイアウトを変更しただけなのに、結構出てくる音のニュアンスが違って来ている。

今回のレイアウトは3m×3.6mの長方形短辺にSPを配置しており、これまで長辺に2セット置いていた状態と比較して内側AXIOM22MKIIのSP間隔は広がっている。

低域の響きが増したのは良かったが、高域の質感が硬くシャープなものとなっている。

組み合わせている機器にほとんど変更はないが、置き方を変えることで部屋自体の響きが違ってくるのだろうか?

それとも部屋の音響特性を改善するために使用している「卵トレー」を、今回の変更に合わせSP間の天井部分に追加したのが良くなかったのかもしれない。

このトレーを最初に試した時も、枚数が多すぎるとコントラストが強くなりすぎて聴き疲れする傾向があったのを思い出した。

そんな訳で追加したSP間天井部分のトレーと、左右側面カーテン上部に設置していたトレーの天井部分も撤去することにした。

その結果、直線的な音質に柔らかさが出始めて、なんとかバランス上の問題が改善されたように感じている。

チューブ オーディオ ラボのK村さんから、古いWEトランスで使用されていた線材とnassauのハンダを分けていただいた。

このハンダはプラグのホットに馴染ませるだけで結構音質が改善されるとのことで、我が家のWE昇圧トランスにこの線材とハンダを使用して内部配線をやり直した。

いつも使っているKESTERに比べて綺麗にハンダを乗せるのが難しく、当方のような下手くそな初心者が使用するのはなかなか難しい物だった。

うまく乗らずに何回か接触不良を起こしてやっとのことで音出し完了するが、ヘボなハンダ付けでは逆に音質が悪化するのではと心配になる。

そんなこんなで当分の間は調整の日々を過ごすことになりそうだ。

そろそろ新作アンプのエージングも終了して落ち着いてくる頃合いではないだろうか。                                   10/2

   

■ 多国籍混成アンプ

新たなレイアウトで連日試聴を続けている。

本日は出力管に独Telefunken RENS1374dを使い、前段に旧ソビエト軍用MELZ/6N9S、整流管には米軍用SYILVANIA/VT-244といった強力な布陣の組み合わせ。

いろいろ試聴した結果、ロックに限っていうとこのテレフンケンの五極管がベストと感じている。

これまで使用して来たプッシュプルアンプと比較しても、締まったドラムや太いベースが2〜3割パワーアップして轟くところが素晴らしい。

一緒に聴いていたメタル好きの嫁殿も、若かりし1980年代昭和の愛聴盤を聴いて、これまで気が付かなかった音が聴こえるようになったと喜んでいる。

RS289の解像度の高いゾリゾリ感のある高域も素晴らしかったが、こちらのTUBEは低域の量感と太さで優っている。

この出力管の音の太さや締まり、広帯域なバランス感は安定していて、前段や整流管を米・英など他のTUBEに入れ替えても大きな影響を感じさせない。

整流管のSYILVANIA/VT-244は相変わらず蛇口全開のじゃじゃ馬で、MELZ/6N9SはRCA/5691赤ベース同様、音質がクリアな反面やや硬さがある。

鬼門のクラシックは、バランスの良かったPX4の高域に少し違和感を感じているので、もう少し前段や整流管の選別にも時間が掛かりそうだ。

チューブ オーディオ ラボのブログでは、新たにフォノイコライザーの試作情報が掲載されている。

なぜか同じタイミングで使用しているSHELTERのフォノイコに片chの音が出ない接触不良が発生し、直るか分からないがとりあえず修理に出している。

なんかタイミングが良すぎるな〜(笑)                                   10/3

   

■ POPSに最適な組み合わせ

お次はPOPSやボーカルなど、少し大人しい曲を聴くときの真空管の組み合わせについて・・・・・。

やはり出力管については、最もスタンダードなMarconi PX4の出番となる。

今回こちらのTUBEに入れ替えて試聴してみると、レイアウト移動後初めて音質を確認した時に感じた違和感は嘘のように消えている。

レイアウト移動による音質の変化に耳の方が当初違和感を憶えたのか、それとも試聴を続けるうちに徐々に機器が新しい環境に馴染んできたのかどちらだろう?

ROCKに最適なTelefunken RENS1374dに比べ、こちらは温度感がグッと上がって響きの優しい安定感のある音質となるが、打楽器のドラムではチューニングキーを緩め気味でベースも少し太めの音質に変わるなど、それぞれの楽器の音質にも変化が現れている。

ROCKに最適なTelefunken RENS1374dの特筆すべき音質特徴は、音の締まりと解像度の高さにある。

その一例として、この出力管で80年代にヒットしたデュエットのバラード曲を聴いた時、これまではSP間中央部分からそれぞれシンガーの歌声がぼんやり聴こえていたが、初めて左右に並んだ状態(女性左側、男性右側)で定位し眼前に浮かび上がった。

一方、Marconi PX4の全体的な特徴は、低域から高域までのバランス感の良さに加え、奥行きを伴った臨場感のある優しい響きではないだろうか。

音の固さが薄れて柔軟性が出る分、肌触りの良い上質な響きが加味されるように感じられる。

そしてこの出力管には前段のSTC CV1985/ECC35に加え、整流管にはBRIMAR/5Z4Gといった純英国勢のサポートがふさわしい。

この組み合わせは最もノーマルかつ全方位的な音質バランスを兼ね備えており、全てのジャンルに於いて音楽を破綻なく楽しませてくれるものだ。

さて、ここまではほぼ順調にそれぞれの曲種で満足感を得られる音質を味わうことができた。

いよいよ最後に残ったのはクラシックである・・・・・・。                                                   10/6

   


■ クラシックに最適な組み合わせは?

Marconi PX4

Telefunken RE604


いよいよ最終関門のクラシックを検証する・・・・・。

これまでの試聴で、長年使用して来たプッシュプルやシングルアンプを凌駕する音質をこの新作アンプはもたらしてくれている。

ROCKやJAZZなどの曲種には音の締まりとキレが要求されるし、POPSやボーカルなどでは心地よい音の温もりと響きの美しさが必要だ。

しかしクラシックになると少し話はややこしく、コクのある弦楽器の胴鳴りや湿り気のある肉声の響き、ホールトーンを感じさせる残響など要求が多岐に渡る。

まず最初にオールマイティーなPX4を試してみると、前段や整流管などPOPSと同じ組み合わせでは音が少し鈍重傾向となり、抜けや見通しが今一歩に聴こえる。

整流管をCOSSOR/53KUに換えると粗かった高域に細やかさが加わって低域の響きに軽快さと躍動感が出始め、持ち味のブリリアントで硬質な輝きが生きてくる。

オペラやコンチェルトなどでは歌手の肉声やソロ楽器が音場にクローズアップされ、オケとの融合がとても気持ちの良い相乗効果を醸し出している。

この組み合わせで1950年代に録音されたオペラの英EMI/ASD録音盤などを聴くと、最高の気分を味わうことができそうだ。

一方、80年近く前に製造されたバリウム昇華フィラメントのTelefunken RE604はどうだろう。

このTUBEは古典球を愛してやまない真空管博士やアンプビルダーのK村さんから最高の評価を得ており、レイアウト変更前に実施した定例会でもshigetaさんからPX4を超えるのではとの感想を伺っている。

2本とも同じ昇華型フィラメント構造だが、全体形状は画像左の後期型が僅かに背が高くなっている。

高域の繊細感に優れ、抜けの良さが持ち味の整流管COSSOR/53KUを組み合わせたPX4では、豪華絢爛に響く高域がやや派手な音質を見せていたものが、このTUBEに換えると重心が下がって雄大ないぶし銀の音質バランスに表情が変わってくる。

同じテレフンケンのRS289/RENS1374dはやや温度感が低いが引き締まったストレートな音質が持ち味となっていたが、こちらのTUBEでは光の当て方によって色目が変わって見える肌触りの柔らかいビロード地を想わせるような奥深い音色が味わえる。

さらに整流管を前段と同じブラウンベース英STC CV1985/ECC35に交換すると、繊細感が増して重厚感がやや薄らぎ、音質に見通しの良さと軽快な躍動感が出て来るなど全く甲乙付け難い選択となる。

どちらにしてもPX4ほど絢爛豪華に響くリッチな趣きはないが、回転数を落としたような重厚で渋い音色傾向を持っており、オケの弦楽器群のユニゾンが心地よくほぐれて特に鳴り終わった後の余韻がとても美しく聴こえる。

やや帯域は狭いが、高域の豊かな余韻や中域の濃厚なコクともに申し分なく、予想通りクラシックにはRE604が最適なTUBEと確認できた。

新作アンプが我が家に到着してからほぼ1ヶ月が経過している。

いろいろな曲種を試聴したが、このコンパチアンプは各種古典球を使用することで、幅広いジャンルの曲種を満足ゆくレベルで楽しめるものだ。

真空管博士によるとRS289/RENS1374dのように、あまり市場には出ていないが音質の良い古典球がまだまだ存在するとのことなので、今後はそれらのTUBEの音質を楽しんで行きたいと考えている。                                             10/8

  

■ 5系統に絞り込んだアナログの楽しみ方


この半月の間どっぷりと試聴を続けた結果、コンパチアンプを使った音楽ジャンルごとの楽しみ方も理解できるようになってきた。

現在主力ソースのアナログはSPシステムを縮小した結果、5系統が使用可能となっている。

Marantz7に装備されたフォノイコ入力を使用しているのは、WE-KS9450でステップアップするOrtofon/MEISTERとJ'sトランスを内臓したOrtofon/T-30で昇圧するThorens/MCH-IIのMC型カートリッジ2機種である。

カートリッジの中で最も使用する機会が多いのがOrtofon/MEISTERで、クラシックをメインにほぼオールジャンルで活躍している。

幅広いジャンルに対応するMEISTERに比べ、MCH-IIはクラシック専用のカートリッジとなっている。


Ortofon SPU MEISTER GE

Thorens MCH-II


最も使用頻度の高いMEISTERの音質にとても似ているのが、発売年代の近いOrtofon/MC-ERだ。

こちらのカートリッジは現在EAR/834Pのフォノイコを組み合わせており、ステップアップもパラヴィッチーニ翁ご自慢の内蔵トランスを使用している。

MEISTERと同様に、馬力のあるブリリアントでリッチな響きが楽しめるため、主にPOPSで使用することが多い。

Ortofon MC-ER

SHELTER MODEL216/EAR 834P

ROCK専用に使用しているのが、フォノイコSHELTER/MODEL216+SHELTER/MODEL501ClassicとSHURE/M64+SHURE/M44Gの純正組み合わせだ。

最もガツンとパンチが効いて弾ける音を聴かせるのがMM型SHURE/M44Gで、SHELTER/MODEL501Classicはこれに重低音の豊かな響きが加わる。


SHURE M44G

SHELTER MODEL501 Classic

どの組み合わせを聴いていても、これまで気が付かなかった音にハッとさせられるのは、アンプの基本性能が優れている証ではないだろうか。

レコードに針を落とすたびに、自然とニンマリとした笑顔になってくるのが分かる。                             10/10

■ Telefunken RS vs RENS

現在のところROCK&POPSを中心として、最も出番の多いのがTelefunken RENS1374dだ。

RS289と同じ五極管だがRENSの方は低域の量感が増えて、やや中高域に持ち上がった軽めの音質バランスが改善されているように聴こえる。

このRENSを使用する時は真空管博士から使用上の注意として伺った通り、SPインピーダンスを16Ωから8Ωに接続変更して使用している。

先日博士と電話で情報交換していた折に、低域の音質の違いはSP端子の変更に影響されているのではとの話になって、同じ条件で再検証することにした。

そんな訳でRS289を使用するのは久しぶりとなるが、SP端子をRENSと同じ条件の8Ωに接続して試聴を開始する。

以前試聴した記憶と違って中高域が乾いたマットな音質となり、持ち味の切れもやや薄らいだようで、低域の量感や広がりも期待したほど感じない。

結論としてこのRS289を8Ω端子で使用すると、最大の利点だった高域の解像度も低下してあまり魅力のない音質となってしまうようだ。

再びRENSに戻すと、高域のゾリっとした切れ味と低域の押し出し、ダンピングの効いた躍動感とも申し分なく、やはり我が家のコンパチアンプにはこの豆タンクのようなフォルムをしたRENS1374dの方が相性が良いことを再確認できた。

RS289

RENS1374d


いよいよエージングも終盤に近づいて、ますます本領を発揮して来た模様。                             10/12


■ Telefunken RENSの可能性

整流管各種
6SL7系初段管各種


コンパチアンプに古典球を使って試聴を繰り返した結果、ROCK&POPSなどのジャンルではRENS1374dが最も相性の良いTUBEと感じている。

流石にクラシックではPX4やRE604など銘球の音質が優っているが、先日ROCK盤を楽しんでいたそのままの流れでクラシック盤に針を落としてみたところ、エージング効果も出て来たのか当初不満だった低域の広がりや量感をそれほど問題なく感じるようになった。

その反面高域の潤いや艶感に物足りなさがあり、細部に渡る描写力は十分に感じられるものの、やや乾燥した音質が影響しているのかもしれない。

そんな訳で基本的な音質には問題ない訳だから、初段管や整流管の変更により細かな表現力が改善できないか試してみることにした。

音質に影響力がより大きいのは整流管の方だが、高域の質感となると初段管での改善も見込めるのではないか。

初段管では音の輪郭や表層的な部分に違いが現れるが、整流管になると根本的な音質バランスが使用する真空管によって変わるようだ。

現在初段管6SL7系のストックは、英STC ECC35の他、米RCA5691/ RCA6SL7GT(スモーク)、 米RAYTHEON5691、旧ソビエト MELZ/6N9Sがある。

整流管は英Cossor53KU/Mullard GZ32(CV593)/STC5R4GY、米KENRAD VT-244/SYLVANIA VT-244/RAYTHEON 5U4Gなどである。

これらを各種組み合わせて試聴を行い、音質改善が計れないものか試してみることにした。


その結果、前段にRCA5691(赤ベース)と整流管にCossor53KUを使用する組み合わせに落ち着いた。

じっくり腰を据えてクラシックを楽しむ時はPX4やRE604を使用するが、気軽に音楽を聴く時はこの組み合わせでオールジャンルが楽しめそうだ。

しばらく聴いていると、オーケストラの立体的な音場がとても好ましく、弦楽器の繊細な響きもなかなかのものでこれはこれで魅力のある音色である。

10/16

■ 新たな整流管

ZENITH/Super Silvertone 5Y3G(Raytheon) / DARIO GZ32

Silvertone(Ribbed Plate)/ZENITH(Smooth Plate) 5Y3G


青森の真空管博士からまた魅力的な整流管が送られて来た。

博士のお宅には3000本近いTUBEストックがあるとのことで、真空管マニアには応えられない桃源郷のような場所と勝手にイメージしている。

以前送っていただいたBRIMAR-5Z4Gは残念ながら、先日電源を投入した際に管内にポンポンと花火のような火花が散って昇天してしまった。

RENS1374dのような小振りのST管と組み合わせるには、Cossorや5U4G系の整流管はサイズが大き過ぎるのでこれぐらいがちょうど良い大きさである。

黒ベースにZENITHとSuper Silvertoneの商社名が刻印されているのは5Y3GというRaytheonで製造されたTUBEで、ともに音質の良いフックフィラメント構造を持っているがスムースとリブでプレートタイプが異なっている。

もう一種類は仏DARIO GZ32で、我が家で使用していたDARIO GZ32がエミ減となっていたのでちょうど良いタイミングだった。

こちらのDARIOも製造時期が古いようで、これまで使用していたのは通常のスクエアゲッタだったが、こちらはトレーを逆さまにしたようなRENS1374dと同じ形状のゲッタとなっている。

DARIO GZ32 OLD

DARIO GZ32 NEW


5Y3Gの音質は、若干帯域が狭まって音場が中央に集まるような傾向はあるものの、音色バランスは滑らかで温かみのあるものだ。

GZ32の方は音場に広がりが出て余韻も豊かになり、テレフンケンの几帳面な音色を和らげるような大らかさを持っている。


全体的なバランスを見ても、出力管とほぼ同じくらいのサイズで収まりがよろしい。

どちらにしても製造時期が近いTUBEを組み合わせると、相性の問題で音質もそれなりに良くなるのかもしれません。                             10/20

■ Telefunken RENS1374d ナス管

東北地方に実在する桃源郷から新たなTUBEが届いた。

現在最も使用頻度の高いRENS1374dのナス管で、滅多にお目にかかれない初期型である。

これらの古典球は同じ種類のものでも製造メーカーごとに型番が異なっており、共通化がなされていない。

このTUBEもRENS1374d(Telefunken)=L4150D(Valvo)=E453(Philips)=APP4100(Tungsram)=P440N(Triotron)=RS4353・RS4553(Vissuaex)=TE53(Dario)として、ヨーロッパの数多くのメーカーで1932年頃から製造されていた。


今回送られて来たものには管頂に独Telefunkenの同じロゴ印字があるが、博士の説明によるとTelefunkenはValvoと相互にOEM供給しており、背の高い方はValvoで製造されたTUBEとのことで、内部構造もグリッドやメッシュサイズなど若干異なっている。

最初はやはり少し寝ぼけた音質で、何十年も寝かしてあったTUBEだとすると、はっきり目覚めるまでにかなりの時間が必要かと思われる。

現在使用しているST管と違って基本的にはふくよかな余韻を感じさせ、エッジの角が丸まってカチッとした硬質感が抑えられた大人しい音質だ。

どちらかというとスケールを落とした小振りなRE604のような音色に感じるが、ガラスの形状が影響しているのだろうか?

現在のところは今一歩はっきりとしない音質だが、エージングと共にキレが加味されてくるかどうかは今後一週間ほど試聴してみないと分からないようだ。

ST管で聴くことができる素晴らしいキレと、RE604のような奥の深い大らかさが合わさった音質になれば文句なしになるのではと期待している。

10/22

■ 古典球の長所と短所


Telefunken RENS1374d ナス管のエージングを続けているが、使用して二日目には劇的に音の締まりと伸びやかさが出始めた。

その辺りのところを真空管博士にお伺いしてみた。

アマチュア愛好家(私):「先に使用していたST管の方はそれほど最初から寝ぼけた音がしなかったんですが、ナス管はなぜこんなに寝起きが悪いんでしょうか?」

真空管博士:「ナス管とST管の使いはじめの音質差は管内の真空度の違いから来ています。ST管が製造される頃には真空ポンプの性能が大きく改善して、製造直後から真空度が高いことが要因となっています。ナス管製造時にはまだ真空度が低く、エージングによるゲッタの活性化により管内の真空度がじわじわと高まって、低域の締まりや解像度の増加が顕著となって現れます。」

なるほどそういうことだったのだ。

以前、真空管のエージングについてお話を伺っていたのを思い出したが、その時は傍熱管では36時間ほどのエージングが必要だとの話だった。

そんな訳でこれまで寝ぼけて弟分のST管とは全く別人の出来の悪い兄貴だったTUBEが、にわかに優秀で模範的な実力を示しはじめた。

そんなこんなで良いことばかりかと思えばさもあらず・・・・・・・。

古典球の弱みは製造後1世紀近い年月が過ぎているため、その分だけ品質の低下をリスクとして考慮しておかないといけないという面にある。

真空管博士のようにその品質を徹底的に吟味して全世界からTUBEを調達し、その後には真空管試験機にて良否を判定してピンの劣化したハンダを入れ替えるなど徹底したリファインを実施したとしても、実際にアンプに装着して長時間音出しをすると不具合が出るパターンがあるのだ。

今回博士からお譲りいただいた貴重なTUBEについても、最初に届いたRENS1374dのペアは片方のノイズが収まらないので品質の高い良品に入れ替えてもらっているし、今回のナス管についてもValvo製の片方からノイズが出るのでTelefunnken製に交換してもらい完璧なフォロー対応を受けている。

「どうしても試験機などでは判別できないリスクがあるので、できれば複数を調達するよう心がけています。」とは博士の弁であるが、これを独自でe-bayにて海外から調達し、実機に装着して問題が起きた時を考えると誠にゾッとする話である。

この辺りも博士が古典球の良さを日本のオーディオ愛好家に広めたいという、真空管への愛情が垣間見えるところである。

そんな訳で1930年代の人間が100年近い時を経て現代にタイムスリップし、その昔の素晴らしさを融合させていくという側面も伺える物語のような話でもある。

当時はラジオ程度にしか使用されていなかった真空管を、現代の高品質パーツに融合させて音楽を楽しむという、新たな発見がそこにはあるのかもしれない。

10/24


http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html

28. 中川隆[-10652] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:29:52 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[24] 報告
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「音楽&オーディオ」の小部屋
「地震情報」が取り持った新しい真空管アンプ 2019年05月21日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/43b58b64fb161c8ef7ffab7309a31641

あれは2週間ほど前のことだったろうか。

「東北地方に地震」とのテロップがテレビに流れたのでさっそく「北国の真空管博士」に電話して安否をご確認。

「御無事でしたか?」「ハイ、それほど揺れた感じはありませんでしたよ」

「貴重な真空管は大丈夫でしたかね?」「アハハ、被害はありませんでした」

笑われたところをみると、ホンネがバレたかな(笑)。

博士の所蔵される古典管は極めて珍しい希少管ばかりだし程度のいいものが”わんさ”とあるので地震と聞くと気になって仕方がない。

ものはついでと「何か目新しい情報はありませんか」とお訊ねすると、

「はい、このところ古典管が品薄になって高騰しているので、比較的手に入りやすい球で代用できるものがないか、もっぱらチェックしています。

アッ、そうそう、チューブ・オーディオ・ラボさんが新しいアンプを作られたそうですよ。出力管は6AR6です。

〇〇さんにはなじみの薄い球でしょうが、3極管接続にすると「PP3/250=PX4」そっくりの特性になります。あなたが大好きなブリティッシュサウンドに変身しますよ。」

「ほう、それはぜひ試聴してみたいですね!」「それなら連絡をとってみましょう」

そして、すぐに博士から出力管「6AR6」についてメールが届いた。

「6AR6は1945年にベル研究所(WE)によってWE350Bの後継管として開発されたようです。 当時WE350Bはその信頼性の高さからレーダーの掃引用として使われていました。

しかしWE350Bは大型のため機器の小型化には問題が有りバルブを小型化した特殊なWE350B互換球を使用していたようです。

そこでレーダーに最適なコンパクトかつ信頼性の高い球として6AR6が開発されたわけです。 6AR6は極初期にWEが少量生産したのみでその後はTungsolに引き継がれました。

数社が製造したようですが圧倒的にTungsol製が多いです。 ビーム管として極めて優秀な6AR6ですが、私が検証したところ三極管接続にすると英国を代表する古典管の銘管PP3/250とほぼ同じ動作をするのです。

今回のチューブ・オーディオ・ラボさんによる6AR6シングルアンプは6FD7アンプ同様極力シンプルな構成として6AR6の素顔を存分に堪能できる内容となっています。

良質なインターステージトランスを使用して古典に倣った回路構成とすれば米系出力管でありながらブリティッシュ・サウンドが聴けるかもしれませんので今後の発展が楽しみです。」

とのことだった。

文中の「PP3/250」(英国マツダ)だが、めったにオークションに出てくることも無く古典管マニア垂涎の球としてつとに知られている希少管である。

我が家では英国系の出力管として「PX25=PP5/400」を愛用しているが、人によっては「PP3/250=PX4」の方が好きという方もいるほどで実力伯仲といったところだろう。

古典管の泰山北斗「博士」折り紙付きの「6AR6」アンプなので期待に胸を膨らませていたところ、昨日(20日)になって新アンプが我が家に到着した。

   

構成は初段管が「6SL7」、出力管が「6AR6」、整流管が「6BY5GA」。出力トランスは今どき珍しい「手巻き」で知られる「TSM Products」製。

さっそくスピーカーをJBLの「D123+075」で聴いてみたところ、ウ〜ン、これは素晴らしい!(笑)

パワー感、情報量、透明感、分解能など何ら不足を感じない。欠点のないアンプとはこういうアンプを指すのだろうか。

取り分け「PP3/250」と同じ動作をするという「6AR6」の中高音域の艶は流石で、アメリカ球なのにイギリス系のほのかな色香を感じさせるのが不思議。

これまで「PP3/250」アンプを聴いたことがないが、おそらく同等か、いやもしかしてそれ以上ではなかろうかと思わず夢が膨らんだ。

次にスピーカーを「AXIOM80」にして聴いてみた。

すると中高音域の情報量が多いせいかやや暴れ気味の感じがしたので取り付けている「AXIOM80」(復刻版)から「最初期版」への変更の必要性を感じたが、念のためにと前段管(6SL7)を「シルヴァニア」から手持ちの「STC」の「CV569=ECC35=6SL7」に代えてみたところ見事に暴れが収まって心地よい響きになったのには驚いた。

   

左がシルヴァニア(アメリカ)、右がSTC(英国)。

いずれにしても、JBLシステムもAXIOM80も気が遠くなるほどうまく鳴ってくれる!(我が家の試聴環境ではという条件付きです)

さあ、あとは購入するかどうか大いに心が揺れ動くが決め手は「懐」次第といったところですね。とりあえず「予約1号」として登録しておくことにしよう(笑)。

最後に、出来るだけ多くの方に聴いていただきたい(製作者)とのことなので、貸出しOKのようですよ。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/43b58b64fb161c8ef7ffab7309a31641

29. 中川隆[-10651] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:30:55 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[25] 報告
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「音楽&オーディオ」の小部屋
凄いアンプ! 2018年08月17日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1d3bebb26d2c711e725b08136e58ec71

連綿と続いた「SPユニット遊び」もようやく一段落し、今度は我が家の6台の真空管アンプとの相性テストに移ろうとした矢先に朗報が飛び込んできた。

「今年の秋の真空管オーディオフェア(東京)に出品予定の真空管アンプがようやく完成しました。まだプロトタイプですが一度試聴してみませんか。」

新潟県の老舗の真空管アンプ工房「チューブオーディオラボ」のK村さんからだった。

「いやあ、それはまたとない機会ですね。ぜひ試聴させてください。」と、一つ返事。

それから3日ほどして我が家に到着したものの、あまりの容れ物の大きさに仰天した(笑)。

        

すぐにK村さんと交流のあるKさん(福岡)に連絡して、「かねがね話題に上っていたアンプが到着しましたよ。よろしかったら明日一緒に試聴してもらえませんか?」

「エッ、急な話ですね。多分うかがえると思いますが・・。」と、当然のごとく歯切れが悪い。

「どうも無理を言ってすみません。」

翌日の午後、予定通りお見えになったKさんともども新型アンプの試聴に入った。

アンプの概要を紹介しておこう。

プッシュプル方式で出力管は「RS289」(テレフンケン:1942年製)×4本、整流管は「83」(水銀蒸気入り:刻印)、アンプの要である出力トランスとドライバートランスは「TSMProducts」特注品というなかなか凝ったツクリ。

「RS289」は5極管(傍熱管)だが、それを3極管接続にしてあり、第二次世界大戦中のドイツ地上(戦車)部隊の通信用に製造された球である。兵士の生命ひいては国家の存亡にかかわる真空管だからツクリの精度は民生用の比ではない。

70年以上も前の希少な球だし、さぞやあの独特のドイツ語の発音にも適応した優れた球なのだろう。戦後になってロシアから大量に出てきたりするそうで、おそらく戦利品として持ち帰ったと推測される。いまだに戦争の爪痕が色濃く反映された球として実に興味深い。

かっては、血まなぐさい戦いの中で使用されていた真空管が見事に現代に蘇り芸術鑑賞用として優雅な音で我々の耳を愉しませてくれるなんて、天と地ほどのあまりの境遇の違いに「これこそ本来の使命だ!」と、真空管もきっと喜んでいるに違いない(笑)。

これらの珍しい真空管の採用は「北国の真空管博士」のアドバイスを参考にされており、独自の「裏技回路」なども組み込まれているとのこと。

アンプのスイッチは2段階に分かれており、まず、整流管の「ヒートアップ・スイッチ」をオン、3分ほどしてアンプのパワースイッチをオン、傍熱管なので本格的なサウンドを出すまでには30分ほどかかるという代物である。気忙(ぜわ)しい人にはまず向かないアンプ(笑)。

テストに使ったスピーカーはワーフェデールの2ウェイ、CDシステムはdCS(イギリス)のトラポとDAC、プリアンプは12AX7を6本使った真空管式。

記念すべき最初の試聴盤はKさんともども愛好してやまない「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364」(モーツァルト)。

          

「五嶋みどり」と「今井信子」のコンビだが、ヴァイオリンとヴィオラの押したり引いたりの「阿吽の呼吸」が神業としか言いようがないほどの素晴らしい演奏。モーツァルト一筋に40年以上に亘ってひたすら聴き込んできた自分が言うのだからどうか信じてほしい(笑)。

ほかにもパールマン盤やグリュミオー盤も持っているが「みどり・信子」コンビの方が断然上回っているので同胞としてまことにうれしくなる。

第一楽章から耳を澄まして聴いてみたが、Kさんともども「可聴帯域の周波数レンジをすべて網羅している印象です。これまで聞こえてこなかった音が聴こえてきますねえ。」と感嘆しきりだった。

プッシュプル方式だから中低音域の厚みとスケール感はほぼ予想した通りだったが、中高音域の透明感もシングルアンプと比べてそん色がないことに驚いた。

二人で驚嘆しながら次から次にCD盤を取り換えて鑑賞に耽った。マルサリスの「バロック デュオ」も素晴らしかった。ホーンタイプのユニットを使っていないのに、唾が飛んでくるほどのトランペットの迫力と勢いに圧倒された。サキコロ(ソニー・ロリンズ)のシンバルもバッチリ!

「とても我が家でこんな音を出すのは無理です。」とKさんが白旗を掲げられるほど(笑)。

さらにこのアンプはスピーカーを完全に牛耳っているところが頼もしい。両者の関係はケースバイケースで様々だが、あるべき姿はやはりアンプがスピーカーをコントロール下におく主従関係に尽きる。

それに、いかなるオーディオ機器もじっくり聴き込むと何かしら欠点が見えてくるものだが、このアンプに限ってはそういうことが感じられそうにない印象を受けた。

実を言うと我が家の6台の真空管アンプも相当なレベルに到達していると自負していたのだが、中低音域の分解能と分厚い響きには正直言ってとうてい敵いそうにない。

Kさんが辞去された後、K村さんに連絡した。

「このアンプはだいたいどのくらいのお値段を考えられているんですか。」と単刀直入に切り込んだ。

「う〜ん、そうですねえ・・・・。〇〇万円ぐらいですかねえ。」と、まだ具体的なお値段までは想定されていなかったご様子。

実を言うと、このところ知人に委託して不要になったオーディオ機器をオークションに出品してもらったところ、その代金がかなり溜まっている。

いわば軍資金だが、たとえば3ペア持っていた「AXIOM80」のうち1ペアを処分したところ「278千円」と予想以上の価格だったし、真空管のWE300Bオールドは「300千円」近いお値段だったし、ほかにもいろいろあって「懐」はかなり潤っている状況だ。

それに、真空管「RS289」のストックにも限界があり「早い者勝ち」になることは目に見えている。

まさに「猫に鰹節」のような危険な(?)状況だが、はてさて、どうしようか・・・(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1d3bebb26d2c711e725b08136e58ec71
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c65

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
66. 中川隆[-10637] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:54:43 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[39]
詳細は

超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html



▲△▽▼

理想のオーディオ研究所
https://www.arisan58.com/

理想のオーディオ研究所(板橋商会)は、音楽再生において
虚飾を排した一生涯にわたり世界に誇れる製品を販売します。

取り扱い品目

・チューブオーディオラボ 真空管アンプ
・テクトロントランス ・TSM トランス
・カスタム高能率スピーカー
・Lowther ユニット エッジ交換 ダンパー修理
チューブオーディオラボ 45 パラシングルステレオ
チューブオーディオラボ RS289PP ステレオ

商品リスト

■チューブオーディオラボ 真空管アンプ

全ては音楽を楽しむ為に製作されたアンプです。
雄大ながらも繊細な音色を実現する為、回路設計で特許を持っている真空管を知り尽くした製作者は、アンプに
妥協のない緻密なデザインをします。
また、アンプを形にする技術も随一です。そのワイヤリングを見て頂ければ納得して頂けるでしょう。
工程は設計から製作までを全て一人で責任もって行う徹底ぶりです。
使用パーツの選定にも勿論妥協がありません。真空管、トランス、コンデンサ、抵抗、シャーシ、線材、ハンダ
の選定にも一切の手抜き無しです。というか手抜き出来ないそうです。
是非フェアでは、そのありのままの音をお聴きください。


poweramp

・テレフンケン RS289PP ステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球付き
・テレフンケン RS289 シンングルステレオパワーアンプ
TSM アモルファスカットコア仕様 球付き
・6AR6 シングルステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球別
・50 シングルステレオパワーアンプ(F704 用ソケット販売可)
テクトロンカットコア仕様 球別
・45PP ステレオパワーアンプ
テクトロンカットコア仕様 球別
・テレフンケン RES664D シングルモノブロック
パワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球付き
・テレフンケン RE604 系コンパチプル
シングルモノブロックパワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球別
※テレフンケン RES664D 使用可でお作り出来ます。その他、使用球はご相談下さい。
・13FD7 シングルステレオパワーアンプ 球付き
TSM オリエント EI コア仕様
・71A シングルステレオパワーアンプ 球付き
パートリッジトランス仕様


priamp

・c3o ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ 球付き


上記は現在までチューブオーディオラボで製作してきた一例にすぎません。非常に好評で何台も売れたものや、
一点もので大好評だったものを記載しました。その他、特注も賜りますのでお問い合わせください。

アモルファスカットコアにバージョンアップしたものも製作出来ます(ファインメットも可能。)。
TSM 製またはテクトロン製のもの、それぞれ製作可能です。
ただし、シャーシ構成が変わった場合、ステレオ構成からモノブロックへ変更等の可能性があります。

価格はその都度お見積りをお出ししますのでご相談下さい。


■テクトロントランス

値段も確かですがこれ以上の音を奏でるトランスはあるのだろうかと思います。設計・部材が非常にしっかりし
ており、大型なコアを磨き上げ、そこに太い線を巻きつけます。その為重量も非常に重くなりますが、音楽信号
の損失のない性能を誇ります。その設計思想の為、小型のものは製作出来ませんので、ご了承ください。チュー
ブオーディオラボ製のアンプの特に超重量級アンプに使用されています。製造会社のツゲ電気は唯一ピアレスの
OEM の権利を持っているという一面をみても、普通ではないトランスということが分かるでしょう。最高のも
のを求める方は是非お使い下さい。


・電源トランス
・出力トランス
・ドライバートランス
・チョークトランス
・その他特注トランス等
※コア材オリエントからファインメット等ご用意出来ます。
・ファインメット MC ステップアップステレオトランス
(レコードファンの方は是非ご使用ください。究極のトランスです。)


■TSM トランス
チューブオーディオラボ製のアンプに使用されています。非常に安価ながらも電源トランス以外の高品質トラン
スを特注で制作しています。その音は一言でいうと、鮮烈! 音楽のエッセンスを上から下までダイレクトに伝
えてくれます。このトランスで制作されたアンプでモニターシルバーをお使いの方が、「このアンプ最高ですよ!」
と興奮してお電話頂いたことは記憶に新しい事です(RS289PP ステレオパワーアンプ)。TSM は他社にも技術
提供、指導するような、確かな技術を持っている会社です。自作の方も是非お使い下さい。

・15w オリエント出力トランス
・25w オリエント出力トランス
・50w オリエント出力トランス
・インターステージトランス CS10
・インターステージトランス CS20
・アッティネータートランス オリエント
・アッティネータートランス アモルファス
・アッティネータートランス ファインメット
※シールドケースは付きません。
電源トランス以外の特注品ご相談承ります。
コア材種類についてもお問い合わせ下さい。


■高能率カスタムスピーカー

板橋商会のメインスピーカーです。高能率なので真空管アンプに最適です。スタジオモニタリング用スピーカー
ですが、非常に音楽性があります。色々使用しましたが、結局このスピーカーに落ち着きます。ユニットはビン
テージではなくアメリカ製の現行品です。

・RCS38
高能率 38cm 同軸 2way 35Hz〜20kHz(±5dB)
98dB/w/m H740×W530×D450mm
ケーブル付き 2 台
・RCS30
高能率 30cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
96dB/w/m H600×W400×D350mm
ケーブル付き 2 台
・RCS25
高能率 25cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H520×W360×D300mm
ケーブル付き 2 台
・RCS20
高能率 20cm 同軸 2way 60Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H450×W320×D280mm
ケーブル付き 2 台
※ご必要でしたらサランネットお造りいたします(別途料金。)。
5


■Lowther ユニット補修
・エッジ交換(キョン革エッジに張替ユニット 1 個につき)
・ダンパー修理(キョン革ダンパー交換ユニット 1 個に付き)


■真空管

■ビンテージハンダ


For overseas customers, please contact us by e-mail.

販売代理店:板橋商会ホームページ
http://www.arisan58.com(理想のオーディオ研究所)

板橋商会メールアドレス itabashi.trading0358@gmail.com
板橋商会代表 村上 武(takeshi murakami)
板橋商会住所:板橋区本町 31-3 703

https://www.arisan58.com/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c66

[リバイバル3] ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3 中川隆
1. 中川隆[-10636] koaQ7Jey 2020年10月24日 12:57:37 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[40]

ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB3 デラックス・エディション
2018-04-07
https://ameblo.jp/lajazzaudio/entry-12366431191.html


本品はWharfedale社(ワーフェデール社)から 1960年代に発売された非常に珍しい後方開放・無指向性フロア型 3ウェイ 3スピーカーシステムの最高峰、
Windsor Deluxe Edition(ウィンザー・デラックス・エディション)です

https://ameblo.jp/lajazzaudio/image-12366431191-14165596798.html

同社の創設者であり、SFBの設計者でもあるギルバート・ブリッグス氏が生涯もっとも愛したスピーカーがこの SFB3デラックス・エディションです

なんとこちらのスピーカー、音が四方八方どの角度から聞いても同じ音が楽しめるんです
部屋のどこにでも置けるものとして成り立たせたいというブリッグス氏は背面開放の性能を最大限に活かした設計を発案し、無指向性型へと到りました

■ 最高峰中の最高峰、103C-115方式の3ウェイシステム ■
本品はEV社が用意した3つの方式(内部設計)の中でも最高峰の103C-115方式。
https://ameblo.jp/lajazzaudio/entry-12366431191.html

英国の老舗ワーフェデールのSFB/3 2016/09/16
ハイファイ堂メールマガジン第659号 日本橋店
https://www.hifido.co.jp/merumaga/nihon/160916/index.html

今回は、つい先程外装メンテナンスが完了したばかりのスピーカーを紹介します。

英国の老舗メーカー・ワーフェデールのSFB/3です。

1950年代のビンテージ品で後面開放型という、どちらもメンテナンス経験の無いものでしたから、結構緊張して手掛けました。

出来るだけ手を加えないように、と心掛けていたのですが、前面の塗装に剥がれが有り、さらに部分的にニスを塗った跡が有りましたので、仕方なく塗装面を剥がしてオイルフィニッシュを施しました(木目を生かした仕上げにしております)。
後面は材の欠けた部分をパテ補修した程度で、出来るだけ手をつけない様にしました。
後面のグリルを外したところです。
バッフルの内部には、振動を減衰させる為の砂が封入されています(外装補修時、本体を逆様にした時「サー」と何か流れる音がしたので焦りました)。恥ずかしながらネットで調べて初めて知りました。


SFB/3のユニット&回路構成について紹介します。
12インチ低域用/10インチ中域用/3インチ高域用ユニット搭載の3ウェイです。
各ユニットの不具合(ビリつき・音圧差等)は、外注でメンテナンス実施済みです。
ネットワークは用いず、高域用ユニットはハイパスフィルターで中低域をカット、中域と低域用ユニットの再生帯域は各ユニットの特性に任せるという方式は、お馴染みDIATONE 2S-305も同じです。

高域用ユニットのみ上側(真上では無くやや後方に角度がついた状態)に向けて取り付けられています。


前面のオイル仕上げ以外にも、手を加えてしまった箇所が他にも有ります。
まずスピーカー端子ですが、専用のプラグ(バナナプラグとはサイズが異なる)を差し込まないと結線出来ない状態でしたので、汎用のバナナプラグ対応のものに交換しました(端子取付部が小さい為大きくて頑丈な端子を用いる事が出来ませんでした)。
せめて使い易いようにと、端子の取付けを少し下にずらしてケーブルを差し込み易いように処置しました。

もうひとつ、上部グリルの内側(高域用ユニットの上)に張られていたネットが、劣化して異物も固着していましたので、普段サランネット新規張替時に用いる生地(黒色)で張替しました。


年代的にペアで揃えて製品化していたスピーカーでは無さそうですので、2本揃えても外観に結構差が生じます。
後面グリルの中央に桟が無い方(画像右側)は、WHARFEDALEのロゴが消えかかっています。

なかなか後面開放型のスピーカーを聴く機会が有りませんので、テストも兼ねて色々なジャンルの曲を聴いてみる事にしました。

最初音を聴いた時は、音像がフワッとした感じといいますか、何かつかみどころの無い印象で、少し違和感が有りました。
ところがしばらく聴いていると、それがとても心地良く聴こえるようになり、「ああ、このスピーカーはこれでいいんだ」と思えるようになりました。
「スピーカーの存在を感じさせない音」とよくいわれますが、そのように感じました。

結局、かなり気に入ってしまいました。奥行が30cm程と、設置スペース的にも嬉しいサイズです。
当然アンティーク調インテリアに合いますので、例えばそのようなお店でさりげなく音楽を流しておきたい場合など、お勧めさせて頂きます。
https://www.hifido.co.jp/merumaga/nihon/160916/index.html


LPレコードとオーディオ 2015年09月05日
ターフェル・アナトミア
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52219684.html

ロンドンの友人とメールで ” mingei movement (柳 宗悦の民芸運動)” のことを話していたら、 こんな写真が送られてきた。

grey BuffleSFB buffle after stripping

水性剥離剤でバッフルのシルヴァーグレイのペイントを取り除く

SFB disassembled
Wharfedale SFB3 の解体写真  彼は英国オーディオ史上に残る名システムを元の姿と音質に戻すという冒険の最中にある。 

SFB8 スコーカはSFBのために製造された専用ユニットで10インチ、サラウンドは空気の通りを念入りに考慮したフォーム製なので、現存しているものはほとんどが写真のように毀損している。 専用ユニット仕様のため他の10インチユニットと交換するとシステムとしては、オリジナルと違う音に変質するので、要注意。 

Super 3 トウィータはWharfedale Super3 が上向きに取り付けられる。 センタキャップがアルミ製板のものがオリジナルで、通常のSuper3 よりも音が飛ぶようにデザインされている。

業者に修理を依頼するそうだ。  

EPSON001


ロイヤルフェスティヴァルホール檀上、ピアノの前に2台並んだデモンストレイション中のSFB3 に聴き入るオーディエンス。 右下手前がWharfedale社長ブリッグス。 戦前から50年代にかけて彼がこしらえたスピーカには民芸運動に通じるものがあると言う。 僕も同感だ。 そうでなければ、ロンドンの彼もこんなにまでして元に戻そうとはしないだろう。EPSON002 ACOUSTICAL社製ESLが最先端技術に裏打ちされたシステム、一方SFB(Sand Filled Buffle)は1956年発売、戦前のスタイルを踏襲した暖かみがあるシステム。 側板に手を入れる穴があって、聴かないときは壁際に運べるよう考慮された普段使いのスピーカ。 

グレイのオフィスに SFB3 が運ばれてきて、もう2年。 
何度も何度も調整して、この頃やっと聴けるようになってきた。
まだ完璧とまではいかないが、ほぼ発売時の状態にまで近づいていると感じている。
そうして聴いていると、このスピーカがいかにユニットに空気をからませようとしているか、 
肩の力が抜ける音楽が湧き出る広がり方で判ってくる。
これは平面バッフルとはまったく違う。
T氏に言わせれば平面バッフルは箱が出来ないやつが苦し紛れにするやっつけ仕事とのこと。
やれ、桜の板だ、やれ何の板だと板の自慢をするしかない。
一緒にされたらSFB3は、いい迷惑、なんだそうだ。

ロンドンのSFB3 もうまくいきますように。 近くの氏神様に祈ってきたよ。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52219684.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html#c1

[近代史4] イギリスのスピーカー 中川隆
13. 2020年10月24日 12:58:50 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[41]
ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/111.html#c13
[近代史4] 中川隆 _ アンティーク・オーディオ関係投稿リンク 中川隆
23. 中川隆[-10635] koaQ7Jey 2020年10月24日 12:59:49 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[42]
ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/109.html#c23
[番外地8] 高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた… 中川隆
1. 中川隆[-10634] koaQ7Jey 2020年10月24日 15:21:58 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[43]
高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた人物だ。そしてこんなデマも

高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議を攻撃する言説は菅政権を擁護するためのフェイクだらけ(リテラ)
http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/556.html

高橋洋一
>学術会議は一部の貴族のようなもの。引退間際の豪華なポストでお小遣い付き

ちなみに、自民党甘利もたいがいデマを飛ばしていたが、政府によって否定されて、こっそり・ひっそりブログを修正している。

必死で菅政権を擁護していたと思ったら、やっぱり「内閣参与」の餌付きだったか。

苦節8年頑張ったおかげで、ようやく政権の中枢へ。

しかし、デマやフェイクが専門職のような人間を政権の中枢に入れたらどうなるか。。。
菅の周りに、菅を喜ばせる人間ばかり配置した格好だ。
知性もなければ良識もない人間ばかり集めてこの国を潰す気か。

▲△▽▼

菅政権の弱肉強食の経済政策の方向性が明確になった肝いり人事
「成長戦略会議」や「内閣官房参与」のメンバーに新自由主義の規制緩和人脈がズラリ並んでいる。
内閣参与には、竹中平蔵に近い元財務官僚の高橋洋一嘉悦大教授が任命された。

 成長戦略会議には、人材派遣会社「パソナグループ」会長でもある竹中平蔵慶応大名誉教授とITコンサル企業「フューチャー」の金丸恭文会長。2人は安倍政権時代の「未来投資会議」からの継続で、金丸会長は官房長官だった菅の名代として、農協改革などを主導した。新たに起用されたデービッド・アトキンソン小西美術工芸社社長は、元金融アナリストで菅の知恵袋の一人。赤字の中小企業の退場を主張する再編論者だ。

 とりわけ戦慄するのが、司令塔が竹中だということである。小泉政権で過度な構造改革を推し進め、非正規労働者を増やし、経済格差を広げた、まさに新自由主義の権化のような人物。竹中が総務大臣だった時に副大臣を務めていたのが菅で、2人は「師弟関係」みたいなもの。自民党総裁選で菅が打ち出した「自助・共助・公助」のフレーズも自己責任と競争社会の実現を訴え続ける竹中仕込みと言われたものだ。

 竹中は安倍政権の7年8カ月の間、ずっと政府の経済政策の会議に席があった。だから「何も変わっていないのでは」と思うかもしれないが、それは違う。

 安倍政権では当初、経済財政諮問会議の民間議員に就くはずが、麻生財務相に煙たがられ、格下の産業競争力会議のメンバーになった経緯があった。

 それで裏でちょこちょこ我田引水の動きをして、規制緩和を仕切ってきていたのだが、菅政権になると「私が師匠です」とばかりに表舞台に出てきて、俄然、露出と存在感を高めている。

 メディアのインタビューや取材も積極的に受けて持論を提言。「淘汰されるべき企業を残しておくと、将来的に日本経済の弱体化につながる」とアトキンソン氏同様の「中小企業ゾンビ論」を展開中だ。さらには、1人月7万円を支給する「ベーシックインカム導入論」も披露。代わりに、生活保護や年金を廃止して財源に充てると言って、「弱者切り捨てだ」と批判を浴びた。

 揚げ句に、月刊「文芸春秋」11月号では、「コロナ禍で『東京問題』が浮き彫りになった」と、小池都知事を牽制して菅が使ったフレーズを繰り出し、「東京を米国のワシントンDCのような政府直轄地にせよ」とまで言い出した。

▲△▽▼

日本の株式を外資に乗っ取らせたのが竹中平蔵と高橋洋一の唯一で最大の業績

私達は洗脳されていました。不良債権の処理こそが構造改革だと。。。
彼等のやり口はこうでした。

一、株式は自己資本の半分以下にすること。
二、不良債権は二年で半減すること。不良債権処理に充てた資金には税金を課す ただし繰り延べ資産として7年間分認める


私達は国の命令で株式の売却を始めました。株の暴落が始まり長銀は国有化され長銀の株券は一夜で紙くずとなりました。数兆円の血税をつぎ込み身奇麗にした 長銀は瑕疵担保条項までつけて外資の手に渡りました。その後私達は恐ろしい光景を目にすることとなりました。

瑕疵担保条項によって死ななくても良い企業まで次々と息の根を止められて行きました。 その時つぶせばつぶすほど外資がもうかる条約だった事に私達は気づきました。

そんな時あの竹中が金融中枢に入ってきたのです。
そしていきなり繰り延べ資産は認めないと言い出したのです。税金は取っておきながら、です。人々はパニックに落ちました。株価は大暴落し、旧額面で80円を割り込んだ時、外資の増資申し入れを受け入れました。
四大メガバンクすべてが外資に自社株を叩き売ったとき、りそな銀行の国有化が決まり、長銀の時と同じく数兆円の国民の税金がつぎ込まれましたが、驚いたことに減資なし、株主責任は問わないという寛大な措置でした
あれほど株主責任を厳しく追及していた竹中 木○コンビの豹変でした。

その翌日から外資の数千億単位の株式購入が連日のように続きました。
日本の国富が外資の手に落ちて行くのを私達は茫然と見ているしかありませんでした・・・。
私達は竹中によって株式をもっと売り払えと指導されていたからです


http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/538.html#c1

[リバイバル3] 中川隆 _ 経済、ビジネス関係投稿リンク 中川隆
161. 2020年10月24日 15:45:06 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[44]
人間よりAI上司のほうがいい
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/138.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/813.html#c161
[番外地8] 今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば生活に必要な物がすべて作れる時代です。 中川隆
4. 中川隆[-10633] koaQ7Jey 2020年10月24日 16:07:12 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[45]
三橋さんは昭和脳ですね。
今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば日本人全員が生活に必要な物をすべて作れる時代です。
言い換えると、日本人の 3/4はやるべき仕事が無いんですね。
政府が公共事業で需要を増やしたところで日本人の 3/4がやっている、やってもやらなくても何も変わらないどうでもいい仕事の量が増える事はありません。
その金は不動産や株式市場に流れてバブルを起こすだけです。

日本人の 3/4 は、風俗、パチンコ、ヤクザとかラーメン屋、飲み屋とか、コンビニ・ガソリンスタンド・薬局・歯医者みたいに既に適正数の何倍も店舗がある仕事の様な、やってもやらなくてもいい労働生産性がゼロに近いサービス業をやって何とか食べているのです。

公共事業をやっても日本人の 3/4 のやる仕事ができるという訳ではないですね。
現在の日本がデフレだというのは言い換えると、技術の進歩で労働者が1日2,3時間も働けば生活に必要な食べ物や工業製品をすべて作れる時代になってしまった、それ以上の仕事はやってもやらなくても同じだという事です。

だから今は農業人口も200万人以下で日本全体の食糧消費の大半を簡単に作れるのです。
今は高齢者186万人が農業に従事しているだけです:
(農業就業人口は引き続き減少・高齢化)
農業就業人口のうち基幹的農業従事者(*2)数は、186万2千人となり、前年に比べて18万9千人(9.2%)減少し、200万人を下回りました。 また、65歳以上の割合は59.1%と前年に比べて2ポイント低下したものの6割を占めており、平均年齢も66歳と高齢化が進んでいます。

三橋さんは緊縮財政を続けると日本の供給力が壊滅して開発途上国になると騒いでいますが、元々日本は供給力が増えすぎて困っているのです。 食料も電気製品も住居も土地も日本では有り余っています。 ただ、労働者の賃金が安くて世の中に有り余っているものを消費できないというだけです。デフレギャップを減らすには、終戦直後にGHQがやった様に、意図的にインフレを起こして資本家の資産を目減りさせて労働者に再分配するしかありません。国債発行や公共事業をいくらやっても、増えた金はすべて資本家に持って行かれるだけで、労働者の実質賃金はどんどん下がっていきます。

日本の仕事の殆どはサービス産業なので、食べていく為にやってもやらなくても良い無駄な仕事をしている事になります。
人口が減ればそういう無意味な仕事をする必要も無くなるので、デービッド・アトキンソンの最低賃金を上げて、それに耐えられない中小企業は潰せ、というのは正しいです。存在価値が無い中小企業を淘汰するのは合理的です。

セブンイレブン、業績好調なのに大量閉店の闇〜月収26万円で疲弊するオーナーたち=栫井駿介
2019年10月24日
https://www.mag2.com/p/money/798181

安物・粗悪品の製造会社、アマゾンに対抗できない小売店、国債の利息でなんとか生きながらえている地方銀行、海外からの技術研修生を使わないとやっていけない会社、コンビニより多い歯科医院、外人留学生が居ないとやっていけない大学・専門学校、インバウンドで食べている旅館・観光会社、風俗等のヤクザのしのぎになっている仕事、パチンコ・IR

すべて日本の生産性を下げているだけの無意味・無駄な仕事です。

________

起業家の半数が1年で廃業し収入はバイト以下
起業しても10%以下しか継続できない
起業家の厳しい実態

10数年前から日本政府は起業を奨励していて、起業すれば必ず成功するかのようなキャンペーンをやっていました。

ブームに乗って実際に起業した人たちがどうなったか検証してみると、政府が振りまいた夢とは正反対の現実があった。

中小企業白書によると個人事業主として開業した人の約3割が、1年以内に廃業し、2年で約半数、10年後には88%が廃業しています。


個人ではなく会社を設立した場合、1年以内で6割が廃業(倒産)し、5年後には85%が廃業、10年後に残っているのは6%でした。

個人事業主より会社設立の方が、より速いペースで廃業しているのが分かります。

理由は自分ひとりでやるよりも、他人に給料を払えば余計なコストが発生するからだと考えられます。


会社を設立する人はだいたい、会社員として仕事がデキる人で、自信満々で部下を引き抜いたりして開業する。

いわば人生のピークで勝負をかけて起業するのだが、統計からは例外を除いて失敗に終わっています。

「起業に成功する人、失敗する人」のような本は多く出ていますが、そもそも会社の数は足りているのです。


現在存在している会社だけで世の中は足りているのに、そこに割って入って仕事を奪うのが「起業」だと言えます。

既存の会社には目の敵にされるし、会社員として実績があっても、おそらく助けては貰えないでしょう。

それでも起業して数ヶ月の間は、会社員だった頃のツテやコネから仕事を得られる場合があるが、それも無くなります。


起業する人には何かアイディアがあり「これが世の中に必要とされる筈だ」というような構想があると思います。

ところが革新的なアイディアの99%は、短期間で社会から不要になる事が多いです。

インターネット関係の新しいアイディアは1年もたずに陳腐化してしまい、事業として続かない事が多いです。


自分が住んでいる地域で30年続いている会社は、不動産とか床屋とか食堂とか、平凡で代わり映えしない業種しかないと思います。

まわりで10年続いている会社を見ても、喫茶店とかコンビニとか薬局、設計事務所や大工など「パッとしない」業種ばかりだと思います。
これが意味するのは新しいアイディアほど早く陳腐化している事で、生き残ったのは平凡で「ダサい」ものだったのでした。

日本政策金融公庫の調査で起業家の4割がが月商30万円未満だと発表されました。

月商はもちろん売上げであって、そこから様々な経費を差し引いたのが収入になります。

仮に月商の50%が利益になるとしても月収15万円未満な訳で、起業した人の家計が非常に苦しくなるのが分かります。

良く不動産ビジネスで「年商1億円」のように言う人が居ますが、不動産の利益は良くて年10%以下と言われています。

しかもこれは借金が無い場合なので、利子の支払いなどがあれば年商1億円でも「年収」は500万円以下かも知れません。

起業家の8割は1人で自宅で仕事をし、最近はネットで仕事をするネット企業家が増えています。

起業した人の多くは会社員時代より収入が減り、しかも労働時間が延びる傾向があります。

働いた分だけ収入になるのは、働かなければ収入がない事なので、特に時給に換算した収入が減少します。

会社では10人分の仕事を10人でやり、起業すると1人分の仕事を1人でやり、一見同じ事に思えるが効率が大幅に悪化します。


設計の仕事で起業したとしても、膨大な雑事が発生してやりたい仕事になかなか取り掛かれないでしょう。


顧客の獲得や対応、宣伝、値引き要求や代金不払い、理不尽なクレームなどありとあらゆるトラブルを1人で処理しなくてはならない。

一時的に成功しても、流行の業種ほどすぐに陳腐化して仕事と売上げが減るのが普通です。


時代の波を乗り越えて10年後に事業を続けていられる人は、10%前後というわけです。

________

失業者には国が十分な金を出せばいいだけでしょう。
MMTでお金はいくらでも発行できます。
生活困窮者の生活費を国で出せばいいだけですね。
日本は世界一の金持ち国で対外資産が沢山あるので、日本人は大して働かなくても食べていけるのです。

貧困者を救済した為にインフレになったら資産家の資産が目減りして所得再分配になるし(インフレ税)
超円安になったら日本の輸出企業の一人勝ちで、海外の競合メーカーはすべて倒産するし
日本政府が貧困者にいくらお金をばら撒いても大企業や資本家の資産が減るだけです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/504.html#c4

[近代史3] 東海アマ 民俗学がもたらす宝物 中川隆
1. 2020年10月24日 16:29:43 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[46]


 狒々と鬼、そして大蛇 2020年10月24日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1289.html

 私が民俗学を志して、さまざまな文献に目を通しているうちに、柳田国男の遠野物語や、大江の酒呑童子、八岐大蛇、黒髪山大蛇など、数えればキリがないほど怪獣伝説が生きていることに気づいた。

 これは世界でも同じで、ビッグフットや雪男、獣人伝説、大蛇伝説は無数といえるほど存在している。
 鬼については、狒々の一種に分類される可能性もあり、一方で、中世、西洋船が難破して赤鬼のような形相をした西欧人が、日本列島に上陸して「鬼」と表現された可能性は非常に強い。

 私が若い頃、何度も通った紀州大峰の前鬼という集落には、「鬼の子孫」とされた人が住んでいたが、最期の子孫である五鬼助五郎さんをもって途絶えた。
 五郎さんは前鬼で小仲坊という行者宿を営んでおられたが、宿泊ついでに、よく酒を酌み交わした。
 五郎さんは、完全に欧州人の人相であり、青い目をしておられたと思う。いろいろ話す内に、熊野に漂着したオランダ船乗組員の子孫なのだと確信した。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E9%AC%BC%E3%83%BB%E5%BE%8C%E9%AC%BC

 前鬼の歴史は1300年も続いているので、漂着は、奈良時代前期のはずだが、当時の民族移動で、西欧人がいたと考えるのは困難であり、もしかしたら戦国時代のポルトガル船の漂着子孫かとも見当をつけた。熊野は沿岸部の人口が多かったので、大峰の山に逃げ込んだのではなかろうか?
 大江の酒呑童子も、おそらく同じで、平安時代に丹波に漂着したコーカソイド系民族の大男ではなかっただろうか?
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%92%E5%91%91%E7%AB%A5%E5%AD%90

 全国の「鬼伝説」を調べてゆくと、どう考えても異形の人間そのものであり、外国人だったとしか思えないのだ。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AC%BC

 岩手県における、この種の民話を、まとめて取り上げた歴史的名著が、柳田国男の遠野物語だ。
 https://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/52504_49667.html

  このなかで、私が特に興味をそそられたのが「猿の経立」のような狒々を扱ったものだ。

  【四五 猿の経立はよく人に似て、女色を好み里の婦人を盗み去ること多し。松脂まつやにを毛に塗ぬり砂をその上につけておる故、毛皮けがわは鎧よろいのごとく鉄砲の弾たまも通とおらず。】

 【四六 栃内村の林崎はやしざきに住む何某という男、今は五十に近し。十年あまり前のことなり。六角牛山に鹿を撃ちに行き、オキを吹きたりしに、猿の経立あり、これを真まことの鹿なりと思いしか、地竹じだけを手にて分わけながら、大なる口をあけ嶺の方より下くだり来たれり。胆潰きもつぶれて笛を吹きやめたれば、やがて反それて谷の方へ走り行きたり。】

 「経立」とは、歳を重ねた老猿のことで、一種の妖怪であり、鉄砲で撃っても弾が通らないほどの毛皮で覆われている。この描写は、「狒々」に共通している。
 厚い毛皮に覆われているというのだから、これは外国人などではなく、私は縄文人が日本列島に移住してくる以前から棲んでいた原生古代人=「原人」と呼ばれるホモエレクトスではないかと考えていた。

 もちろん、縄文人以前のネアンデルタール人世代以前に絶滅したことになっているのだが、当時の原生林に覆われた素晴らしい自然環境のなかで、細々と生き残っていたとしても不思議ではない。
 遠野物語に出てくる経立は江戸時代の話なので、古くはない。それどころか、ビッグフット、雪男、中国の野人などは、現代にまで記録されている。
 以下の記録は、「経立」に実に似ていると思った。
 https://chkai.info/qingmaoren

 https://www.recordchina.co.jp/b74747-s0-c30-d0050.html
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%92%E3%80%85#:~:text=%E7%8B%92%E3%80%85%E3%80%81%E7%8B%92%E7%8B%92%E3%80%81%E6%AF%94%E3%80%85%EF%BC%88,%E5%A6%96%E6%80%AA%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%84%E3%81%86%E3%80%82

 【江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には西南夷(中国西南部)に棲息するとして、『本草綱目』からの引用で、身長は大型のもので一丈(約3メートル)あまり、体は黒い毛で覆われ、人を襲って食べるとある。
 また、人の言葉を話し、人の生死を予知することもできるともいう。長い髪はかつらの原料になるともいう。実際には『本草綱目』のものはゴリラやチンパンジーを指すものであり、当時の日本にはこれらの類人猿は存在しなかったことから、異常に発育したサル類に『本草綱目』の記述を当てはめたもの、とする説がある】

 最古の民俗文献である今昔物語にも狒々の逸話がたくさんあったはずだが、検索していても、昔のように無料で読める本文が出てこない。
 今昔物語でも、狒々は猿の神様として扱われていることが多い。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%BF%E7%A5%9E

 以下は、酒呑童子と同じ古典民話の典型的パターンではあるが、分かりやすく描かれている。
 http://www.pleasuremind.jp/COLUMN/COLUM063.html

 こうして、古い記録をあたってみると、○○人と表現される怪異な動物は、やはり、古代人の子孫が隠れ住んできたと考えるしかない。
 何せ、習近平とプーチンとトランプが世界人類を滅亡させようという、この現代というご時世に、インド洋の北センチネル島では、石器時代(1万年前?)の文化しか持たない民族が生き残り、近寄る異邦人を殺戮していると報道されている。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%8D%E3%83%AB%E6%97%8F

 これは、もはやロマンだ。殺人部族なんてケチな表現をしてる場合ではない。私の子供時代、1950年代には、まだ台湾やニューギニアには、センチネル族同様に近づく者を殺害する「首狩り族」が実在していた。まだ、たった60年前の話だ。
 彼らにはカリバニズムの習慣があり、「共食い」をするので、狂牛病が流行していたとの記録もある。

 同じころ、私は名古屋市天白区平針の周辺で、竹藪に住み、鼠や亀を主食とする「ポン・オゲ」と呼ばれた「サンカ」の生活を目撃していた。夜這いの習慣も、西日本の多くで生きていた。
 今や、サンカや木地屋だって、江戸時代の歴史博物館的存在だと思い込んでいる人が少なくないが、実際には、現在の60才以上の大半の人々が、自分の目で目撃してきたのだ。
 夜這いだって、そうだ。西日本にいる80才以上の婆さんに「夜這い」を聞いてごらん。みんな自分の実体験と重ね合わさった記憶を持っているはずだ。
 だから、狒々が実在していたって、何の不思議もない。

 生物学者たちは、ホモサピエンス以前の類人は、とっくに滅んだと決めつけているが、3億年前の魚シーラカンスだって生きていたし、メタセコイアだって純森林が残ってるし、生息条件に恵まれれば、ホモエレクトスが生き残ってきたことに何の不思議があるものか?
 遠野物語は、それが遠野の森の奥で、昭和前期まで生き残っていた可能性を示唆するものだ。

 もうひとつ、日本の古代民話に欠かせないのが、「大蛇物語」だ。

 もっとも有名なものが「ヤマタノオロチ」伝説だ。これはスサノオ神話とともにある。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%83%8E%E3%82%AA%E3%83%AD%E3%83%81

 こちらは黒髪山大蛇伝説、スサノオよりもリアルだ。
 https://www.kurokami-saga.jp/katsudou_annai/daijya_taiji.htm

 「鎮西八郎為朝」というからには、鎌倉時代の民話だろう。これなどは、日本民話の代表的なパターンで構成されている。
 有田にいたのは、元寇の役に出陣していたのだろうか?

 こちらは、それより古い南北朝時代の大蛇伝説
 https://somayaki.jp/daihizan.htm

 大蛇といえば、現代の我々は、ニシキヘビやアナコンダを思い浮かべる。これらは、体長10メートル、胴回り1メートルなんて珍しくもないほどで、馬や牛ですら呑み込んでしまう。
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/a/083000053/
 こんな巨大な蛇は日本にいなかったというのが定説だが、はたしてそうだろうか?
 いなかったなら、今昔物語など、たくさんの民話に登場するはずがない。

 大蛇の生息条件として気温がある。氷点下が続くような気温では、大蛇は生きてゆくことができない。しかし、平安時代から戦国時代までの中世、地球史には大きな温暖期があったので、この時代に、大蛇が生息できたとしても不思議ではない。
 以下の、今昔物語は、日本史における特異な温暖期に記録された民話である。
 
https://blog.goo.ne.jp/miyabikohboh/e/38254d9b84257d6876b23edc3910992a

 https://www.mikumano.net/setsuwa/daija.html

 https://blog.goo.ne.jp/miyabikohboh/e/8ef1c3501867156005c08264ef26b0a6

 https://japanese.hix05.com/Narrative/Konjaku/konjaku106.hebi.html

 この十数年、日本では、夏期に亜熱帯と見まごうような異常高温が続いているが、冬期でも、釣られたように温暖気候が生じている。
 こうなると、これまで厳冬の極低温によって繁殖を阻害されてきた動物たちが、幼獣が死なないですむため、異常に繁殖するようになった。
 例えば猪で、昔は福島県よりも北には生息できないと言われてきたが、今では青森県にまで生息を拡大している。ツキノワグマや鹿たちも同じだ。

 今の日本に、南方に棲む大蛇を連れてきたなら、九州あたりなら生き延びて繁殖できるのではないだろうか?
 だから、平安時代に大蛇が生息していても、繁殖条件は十分に満たされている。
 厳冬期に、良い穴蔵に入れば、江戸時代だって生息できたかもしれない。

 今回のブログは、ネタ切れにつき、番外の内容を書いた。だが、私が言いたかったのは、現代人、我々の思考、視野が狭過ぎるのではないかということだ。
 この地球上に生きるには、はるかに巨視的な視野が必要ではないかと書きたかった。

 私の若い頃には、「変なことを言うやつは異邦人=変人」として疎外されたものだ。
 私は、ずいぶん若い頃から、自分の人生は、もしかしたら茶番なのかもしれないと、たびたび思うことがあった。
 つまり、人間の実体は、はるか天の彼方の霊界にあって、肉体だけは、霊に支配されながら、茶番劇を体験することで、霊界では得られない物質界の体験を得る仕組みではないかという意味だ。

 だが、今から数十年前、こんなことを口にすれば、たちまち精神病院送りにされて薬漬けになり、一生病院から出てこれなかったのだ。
 私は、こんなことばかり空想していたので、とうとう、社会体制のエスカレータに乗ることができず、社会の片隅をとぼとぼと一人で歩いてきたのだ。

 巨視的という意味のなかには、霊界のことも、宇宙人のことも、引き寄せの法則のことも、世界の怪奇現象も、登山のことも、獄舎のことも、とにかく非日常的空間のことを含んでいる。
 そんな視点がないと、これからの凄まじい激動の時代に、我を見失わずに生き抜くことはできないぞ…… と思うから、変なことばかり書き続けようと思う。

http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1289.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1019.html#c1

[近代史4] スピーカーユニットは平面バッフルに取り付けるのが一番安くて、音も一番良い 中川隆
20. 中川隆[-10632] koaQ7Jey 2020年10月24日 17:08:38 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[47]

平面バッフルは箱が出来ないやつが苦し紛れにするやっつけ仕事とのこと。
やれ、桜の板だ、やれ何の板だと板の自慢をするしかない。


LPレコードとオーディオ 2015年09月05日
ターフェル・アナトミア
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52219684.html

ロンドンの友人とメールで ” mingei movement (柳 宗悦の民芸運動)” のことを話していたら、 こんな写真が送られてきた。

grey BuffleSFB buffle after stripping

水性剥離剤でバッフルのシルヴァーグレイのペイントを取り除く

SFB disassembled
Wharfedale SFB3 の解体写真  彼は英国オーディオ史上に残る名システムを元の姿と音質に戻すという冒険の最中にある。 

SFB8 スコーカはSFBのために製造された専用ユニットで10インチ、サラウンドは空気の通りを念入りに考慮したフォーム製なので、現存しているものはほとんどが写真のように毀損している。 専用ユニット仕様のため他の10インチユニットと交換するとシステムとしては、オリジナルと違う音に変質するので、要注意。 

Super 3 トウィータはWharfedale Super3 が上向きに取り付けられる。 センタキャップがアルミ製板のものがオリジナルで、通常のSuper3 よりも音が飛ぶようにデザインされている。

業者に修理を依頼するそうだ。  

EPSON001


ロイヤルフェスティヴァルホール檀上、ピアノの前に2台並んだデモンストレイション中のSFB3 に聴き入るオーディエンス。 右下手前がWharfedale社長ブリッグス。 戦前から50年代にかけて彼がこしらえたスピーカには民芸運動に通じるものがあると言う。 僕も同感だ。 そうでなければ、ロンドンの彼もこんなにまでして元に戻そうとはしないだろう。EPSON002 ACOUSTICAL社製ESLが最先端技術に裏打ちされたシステム、一方SFB(Sand Filled Buffle)は1956年発売、戦前のスタイルを踏襲した暖かみがあるシステム。 側板に手を入れる穴があって、聴かないときは壁際に運べるよう考慮された普段使いのスピーカ。 

グレイのオフィスに SFB3 が運ばれてきて、もう2年。 
何度も何度も調整して、この頃やっと聴けるようになってきた。
まだ完璧とまではいかないが、ほぼ発売時の状態にまで近づいていると感じている。
そうして聴いていると、このスピーカがいかにユニットに空気をからませようとしているか、 
肩の力が抜ける音楽が湧き出る広がり方で判ってくる。

これは平面バッフルとはまったく違う。
T氏に言わせれば平面バッフルは箱が出来ないやつが苦し紛れにするやっつけ仕事とのこと。
やれ、桜の板だ、やれ何の板だと板の自慢をするしかない。
一緒にされたらSFB3は、いい迷惑、なんだそうだ。

ロンドンのSFB3 もうまくいきますように。 近くの氏神様に祈ってきたよ。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52219684.html


詳細は

ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/511.html#c20

[近代史4] スピーカーユニットは平面バッフルに取り付けるのが一番安くて、音も一番良い 中川隆
21. 中川隆[-10631] koaQ7Jey 2020年10月24日 17:11:58 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[48]
Goodmans maxim BBCが卓上モニターとして使っていたので有名になった。
アルニコVマグネットの異例の強力な磁気回路を搭載。
精密感が凄いが冷たくならず軽快で柔らかく広がりのあるサウンドで
ウォームな雰囲気。英国スピーカーだが明るい陽気な音色。
甘い口で贅沢な酒に酔うような心地よさがある。

maxim は大変すばらしいですね。こんなインティメートな
雰囲気と味わい深さは現代のスピーカーでは得られないでしょう。
暖かく情緒があって繊細にして優美な音色が素晴らしい。


Goodmans maxim のような音は他の Goodmans では出ないそうだ。
すごくちっさいスピーカーだから大きなので同じ音が出るやつない?
と質問しても 「ない」 との事で残念です。

「復刻のaxiom80持ってたんですが、音が全然違います!」

「それは箱がオリジナルじゃないでしょ?」

「確かにそうでした」

「でしょ?」


Goodmansは現在のFostexのような立ち位置のメーカーで、
事業はスピーカーユニットの供給が主だった。
完成品としてのスピーカーシステムはあまり残っていないのが惜しまれるところです。

詳細は

グッドマン MAXIMスピーカーシステム
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1076.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/511.html#c21

[番外地8] 今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば生活に必要な物がすべて作れる時代です。 中川隆
5. 中川隆[-10630] koaQ7Jey 2020年10月24日 17:33:55 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[49]
三橋さんは昭和脳なんですね。
今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば日本人全員が生活に必要な物をすべて作れる時代です。
言い換えると、日本人の 3/4はやるべき仕事が無いんですね。
政府が公共事業で需要を増やしたところで日本人の 3/4がやっている、やってもやらなくても何も変わらないどうでもいい仕事の量が増える事はありません。
その金は不動産や株式市場に流れてバブルを起こすだけです。

日本人の 3/4 は、風俗、水商売、パチンコ、ヤクザとか、ラーメン屋・飲み屋・コンビニ・ガソリンスタンド・薬局・歯医者みたいに既に適正数の何倍も店舗がある、やってもやらなくてもいい、労働生産性がゼロに近いサービス業をやって何とか食べているのです。

公共事業をやっても日本人の 3/4 のやる仕事ができるという訳ではないですね。
現在の日本がデフレだというのは言い換えると、技術の進歩で労働者が1日2,3時間も働けば生活に必要な食べ物や工業製品をすべて作れる時代になってしまった、それ以上の仕事はやってもやらなくても同じだという事です。


だから今は農業人口も200万人以下で日本全体の食糧消費の大半を簡単に作れるのです。
今は高齢者186万人が農業に従事しているだけです:
(農業就業人口は引き続き減少・高齢化)
農業就業人口のうち基幹的農業従事者(*2)数は、186万2千人となり、前年に比べて18万9千人(9.2%)減少し、200万人を下回りました。 また、65歳以上の割合は59.1%と前年に比べて2ポイント低下したものの6割を占めており、平均年齢も66歳と高齢化が進んでいます。


三橋さんは緊縮財政を続けると日本の供給力が壊滅して開発途上国になると騒いでいますが、元々日本は供給力が増えすぎて困っているのです。 食料も電気製品も住居も土地も日本では有り余っています。 ただ、労働者の賃金が安くて世の中に有り余っているものを消費できないというだけです。デフレギャップを減らすには、終戦直後にGHQがやった様に、意図的にインフレを起こして資本家の資産を目減りさせて労働者に再分配するしかありません。国債発行や公共事業をいくらやっても、増えた金はすべて資本家に持って行かれるだけで、労働者の実質賃金はどんどん下がっていきます。

日本の仕事の殆どはサービス産業なので、食べていく為にやってもやらなくても良い無駄な仕事をしている事になります。
人口が減ればそういう無意味な仕事をする必要も無くなるので、デービッド・アトキンソンの最低賃金を上げて、それに耐えられない中小企業は潰せ、というのは正しいです。存在価値が無い中小企業を淘汰するのは合理的です。

セブンイレブン、業績好調なのに大量閉店の闇〜月収26万円で疲弊するオーナーたち=栫井駿介
2019年10月24日
https://www.mag2.com/p/money/798181

安物・粗悪品の製造会社、アマゾンに対抗できない小売店、国債の利息でなんとか生きながらえている地方銀行、海外からの技術研修生を使わないとやっていけない会社、コンビニより多い歯科医院、外人留学生が居ないとやっていけない大学・専門学校、インバウンドで食べている旅館・観光会社、風俗等のヤクザのしのぎになっている仕事、パチンコ・IR

すべて日本の生産性を下げているだけの無意味・無駄な仕事です。

________

起業家の半数が1年で廃業し収入はバイト以下
起業しても10%以下しか継続できない
起業家の厳しい実態

10数年前から日本政府は起業を奨励していて、起業すれば必ず成功するかのようなキャンペーンをやっていました。

ブームに乗って実際に起業した人たちがどうなったか検証してみると、政府が振りまいた夢とは正反対の現実があった。

中小企業白書によると個人事業主として開業した人の約3割が、1年以内に廃業し、2年で約半数、10年後には88%が廃業しています。


個人ではなく会社を設立した場合、1年以内で6割が廃業(倒産)し、5年後には85%が廃業、10年後に残っているのは6%でした。

個人事業主より会社設立の方が、より速いペースで廃業しているのが分かります。

理由は自分ひとりでやるよりも、他人に給料を払えば余計なコストが発生するからだと考えられます。


会社を設立する人はだいたい、会社員として仕事がデキる人で、自信満々で部下を引き抜いたりして開業する。

いわば人生のピークで勝負をかけて起業するのだが、統計からは例外を除いて失敗に終わっています。

「起業に成功する人、失敗する人」のような本は多く出ていますが、そもそも会社の数は足りているのです。


現在存在している会社だけで世の中は足りているのに、そこに割って入って仕事を奪うのが「起業」だと言えます。

既存の会社には目の敵にされるし、会社員として実績があっても、おそらく助けては貰えないでしょう。

それでも起業して数ヶ月の間は、会社員だった頃のツテやコネから仕事を得られる場合があるが、それも無くなります。


起業する人には何かアイディアがあり「これが世の中に必要とされる筈だ」というような構想があると思います。

ところが革新的なアイディアの99%は、短期間で社会から不要になる事が多いです。

インターネット関係の新しいアイディアは1年もたずに陳腐化してしまい、事業として続かない事が多いです。


自分が住んでいる地域で30年続いている会社は、不動産とか床屋とか食堂とか、平凡で代わり映えしない業種しかないと思います。

まわりで10年続いている会社を見ても、喫茶店とかコンビニとか薬局、設計事務所や大工など「パッとしない」業種ばかりだと思います。
これが意味するのは新しいアイディアほど早く陳腐化している事で、生き残ったのは平凡で「ダサい」ものだったのでした。

日本政策金融公庫の調査で起業家の4割がが月商30万円未満だと発表されました。

月商はもちろん売上げであって、そこから様々な経費を差し引いたのが収入になります。

仮に月商の50%が利益になるとしても月収15万円未満な訳で、起業した人の家計が非常に苦しくなるのが分かります。

良く不動産ビジネスで「年商1億円」のように言う人が居ますが、不動産の利益は良くて年10%以下と言われています。

しかもこれは借金が無い場合なので、利子の支払いなどがあれば年商1億円でも「年収」は500万円以下かも知れません。

起業家の8割は1人で自宅で仕事をし、最近はネットで仕事をするネット企業家が増えています。

起業した人の多くは会社員時代より収入が減り、しかも労働時間が延びる傾向があります。

働いた分だけ収入になるのは、働かなければ収入がない事なので、特に時給に換算した収入が減少します。

会社では10人分の仕事を10人でやり、起業すると1人分の仕事を1人でやり、一見同じ事に思えるが効率が大幅に悪化します。


設計の仕事で起業したとしても、膨大な雑事が発生してやりたい仕事になかなか取り掛かれないでしょう。


顧客の獲得や対応、宣伝、値引き要求や代金不払い、理不尽なクレームなどありとあらゆるトラブルを1人で処理しなくてはならない。

一時的に成功しても、流行の業種ほどすぐに陳腐化して仕事と売上げが減るのが普通です。


時代の波を乗り越えて10年後に事業を続けていられる人は、10%前後というわけです。

________

失業者には国が十分な金を出せばいいだけでしょう。
MMTでお金はいくらでも発行できます。
生活困窮者の生活費を国で出せばいいだけですね。
日本は世界一の金持ち国で対外資産が沢山あるので、日本人は大して働かなくても食べていけるのです。

貧困者を救済した為にインフレになったら資産家の資産が目減りして所得再分配になるし(インフレ税)
超円安になったら日本の輸出企業の一人勝ちで、海外の競合メーカーはすべて倒産するし
日本政府が貧困者にいくらお金をばら撒いても大企業や資本家の資産が減るだけです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/504.html#c5

[リバイバル3] ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3 中川隆
2. 中川隆[-10629] koaQ7Jey 2020年10月24日 17:47:03 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[50]
超稀少! Wharfedale W3 広い音場、そして豊かな音楽性♪♪♪
https://detailtext-aucfan.com/detail/yahoo/b160370250/

商品説明+++
●紹介

イギリスの名門スピーカーメーカー、ワーフェデールの<W3>(1959〜66年製造、少量生産)、
外観、動作共にコンディションのいい状態になります。
(以下長くなりますので、ご興味のある方だけご覧願います)

何年か前、銀座の某オーディオ店で見て以来捜し求め、ようやく2年前、海外より購入。
それが、この国の市場に滅多に出てこないワーフェデール<W3>でした。
海外でも状態の良い<W3>は滅多にお目にかかれません。2年に1度出るか出ないかです。
以来、メインのヴィンテージスピーカーとして、魅力ある音を愉しんできた<W3>ですが
今回、同じワーフェデールの上位モデルを購入したため出品いたします。

●概要
Whafedale<W3>はツィーターにSuper3、ミッドに5インチのW3、ウーファーが
WLS/12からなる3ウェイ。
1960年代のワーフェデールの中・上位システムにあたるSFB/3、W4、銘機エアデール
と同様に<W3>もツィーターが上向きに取り付けられているのが大きな特徴です。
ツィーターは欧州でも評価の高いSUPER3(薄型、組み込みタイプ)ですが
3インチの振動径とほぼ同じサイズの巨大なマグネットを持ち、反応も良く
透明感のある高域を奏でます。
ウーファーW12は有名な赤い帯のアルニコ・マグネットで、ウーファー前面に
黒く塗られた発砲スチロール(グリルで見えません)が直に貼られています。
これは高域ユニットとのバランスをとるために考案されたようです。
本体上部には高域、中域調整用のダイヤルがあります。

スピーカー本体の背面内側には薄いセラミックタイル(レンガ?)4枚が貼られており、
キャビネットの共振をほどよく押さえる効果を狙ったものと考えられます。
また、キャビネットは正面から見ると上下共に斜めにカットされ、
中域(ミッド)は斜め上方へ、低域は丸形バスレフポートで斜め下方へ放たれ、
音から考えたられたデザインがなされています。(イラスト写真参照)

以上のような技術が評論家より“包み込まれるようなサウンド”と評される
所以(ゆえん)かもしれません。
1950〜60年代、英国各都市の大きなホールを借り、自社スピーカーと生演奏を聴き比べる
試聴会を行ったワーフェデール設立者であるG.A.ブリッグス氏の試行錯誤と
自分の耳を信じて作ったスピーカーの魅力が<W3>には感じられます。

●感想
私感になりますが上向きのツィーターと高域ユニット背面が開いているためか
目を閉じて音楽にひとたび耳を傾ければ、部屋がコンサートホールに変わります。
クラシック、ヴォーカル、加えてジャズも伸びやかに部屋に鳴り響き、
やわらかく時に熱く! 演奏がより胸に響き! しかもサウンドステージが広い!
音場型のスピーカーシステムです。
20世紀半ばのあのオーディオ興隆期にホールの響きの再現を目指した
G.A.ブリッグス氏の情熱溢れたスピーカーだと思います。

上にあるダイヤル(高域、中域)を微調整し、聴きやすい位置が探せます。
サイズはブックシェルフとフロア型の中間ほどで扱いやすく、圧迫感のない大きさ。
キャビネットデザインにもヴィンテージ然とした雰囲気があります。

タンノイの個性的で味わいのある音、JBLのカラッとした空気さえ感じられるような音
とはまた違う、やわらかで、自然で、しかも音楽性のある音を
このワーフェデール<W3>は聴かせてくれます。
(試聴環境:真空管アンプ、10畳洋間、床フローリング、一部カーペット敷き、
ルームチューニングパネル使用)

注意!
ヴィンテージ品ですから経年による変化は必ずあります。
ですから、発売当時のユニット、ネットワークのパフォーマンスを出品者が
保証することはできません。あしからず、ご承知置きください。
修理歴(ないように思われますが)は不明です。

下に写真も載せておりますので、ご覧願います。

●参考
季刊アナログ誌、vol.39(2013年・春)、148ページに紹介記事があります。

●状態
・動作品(聴感上になります)
・キャビネットに小傷等はありますが、ヴィンテージとしてはたいへん良い外観状態です。
・片方のキャビネット上部、グリルの飾り縁取りがほんの少し下がっている部分があります。
・音質調整用(中域、高域)ダイヤル4個のうち、ひとつのダイヤルだけ回転位置が半分
ずれ、ガリが少し出ることもありますが、聴く分には支障ありません。
・グリルは取り外しができません。
・グリルの<Wharfedale>バッジもいい状態です。

●仕様
ユニット    12″WLS/12、5″W3、3″Super3
インピーダンス 12〜15オーム
最大入力    15W
レンジ     30Hz - 20kHz
大きさ     高さ71.6cmx幅35.8cmx奥行き30.8cm
重量      約21.5s / 1台

●付属品
・プラグ2セット(合計4個)写真参照。
・ケーブル2.5メートル、4本。(外皮に劣化部分あり)
プラグは精度の低い作りですし、ケーブル径も1mmほどですから
共に最初の音出し確認用とお考えください。
注)写真のオーディオボードは付属しません。
注)保証書、元箱はありません。

参考)W3のケーブル接続ターミナルは径、約3mmの差し込みタイプです。
通常のバナナプラグ(5mm)は使用できません。
当方で使用時はヴィンテージタイプの細いプラグを使い、その間に挟みものをして、
外れないように使用しておりました。
落札された方は安全のため、仕様に合わせたプラグ作成もご検討ください。

https://detailtext-aucfan.com/detail/yahoo/b160370250/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html#c2

[番外地8] フィッシャーの交換方程式 MV=PQ 中川隆
19. 中川隆[-10628] koaQ7Jey 2020年10月24日 19:00:31 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[51]
国債を発行すると、その金利でマネーストックが増え、増えた金が海外投資されるだけで、労働者の実質賃金は下がり続ける。円は現在も着々と紙屑化している。
この30年間汗水たらして働いた人の給料は実質1円も増えず資産は減り、一切働かず国債の金利収入だけを得た人の資産は倍増しました。経済学者によると現代は中世暗黒時代以上に貧富の差が大きく、人類史上最大の格差が生まれようとしている。


国債を大量発行すると、こういうメカニズムで労働者の実質賃金が下がる:


フィッシャーの交換方程式 MV=PQ

ここで

M はある期間中の任意の時点tにおける流通貨幣(通貨)の総量 (価値保蔵手段としての貨幣は含めない)
V は貨幣の"流通速度"(特定期間内に人々のあいだで受け渡しされる回数:貨幣の回転率のようなもの)売買契約の約定回数
P はある期間中の任意の時点tにおける物価水準(通常は基準年度を1としたデフレータ)
Q は"取引量" (特定期間内に人々のあいだで行われる取引量(quantity)の合計)

である。

交換方程式は取引経済の実態そのものの数式化であり、かならず両辺が一致する。

フィッシャーの交換方程式 MV=PQ は
販売価格総額=購買価格総額
という恒等式だから誰も否定できない。
フィッシャーの交換方程式は取引経済の実態そのものの数式化であり、かならず両辺が一致する。
新古典派経済学の考え方によると、労働供給が飽和する水準で実質GDPは均衡するので(セイの法則)、実質GDPは貨幣量や物価とは関係なく決定される。そこで貨幣量Mが一意的に物価水準Pを決めることになる。
フィッシャーのMが増加すればPも増加するという説明は、昔からある貨幣の中立性を数学的に洗練して叙述したものである。

古典派経済学の貨幣の中立説は貨幣量の増減は物価にだけ影響を与え、生産活動や雇用の増減などには影響を与えないとする説。古典派経済学の中心的な命題のひとつであり、中立説によれば、貨幣は社会的な分業や効率性をもたらす以上の役割はない。経済活動の本質は物々交換であり貨幣はその仲介を行っているにすぎず、貨幣量の増減は貨幣錯覚による混乱をもたらすが国富・国民経済の観点では中立的であり、国富の増大には貨幣量の拡大ではなく生産・供給能力の増強によるべきとした。
貨幣数量説は貨幣の中立性を前提にしており、物価の乱高下は流通貨幣量の管理によって押さえ込むことができるとする。
フィッシャーは、貨幣の流通速度:Vと1期間における財・サービスの取引量:Qは慣習的に(大きな)変動はないとみなした(実際はVを観測するのは非常に難しく、観測はほぼ不可能である)。だとすると、MV=PQの左辺のV、右辺のQが大きく変動しないのであるから、自明なこととして、この方程式においてMとPは常に比例することになる。そうであるならば、M(貨幣量)を増やせば、P(物価)も上昇することになる。あるいは、M(貨幣量)を減らせば、P(物価)も低下するであろう。そうだとすれば、政策論的に言えば、例えばある経済の物価を上昇させたいのであれば、貨幣量を増やせば物価が上昇させることができるとこの方程式から言えるだろう。あるいは、もし物価が下がっているならば、それは貨幣量が足りないからだということができるだろう。これが古典派の貨幣数量説の基本的な考え方である。

ミルトン・フリードマンに代表されるマネタリストは、Q/Vの構造に長期的な安定傾向を見いだし、短期的には貨幣の中立性が満たされないことはあるが、長期的には満たされるとする。このため貨幣量が増加すると一時的に実質GDPまで拡大することはありうるが、長期的には実質GDPは完全雇用できまる水準に低下し、物価Pの上昇をもたらすだけだと考える。Q/Vは一回あたりの発注ロット数の平均値をあらわすが、フリードマンは経済の期待成長力や期待収益率の多寡によって、1回あたりの受発注量が増減することは短期的に観察できる事実であるが、長期の統計においては安定した関係にあると実証した(この功績でノーベル賞を受賞)。

長期的には貨幣の中立性は成立し、金融政策は実体経済に影響を与えず、ただ名目変数を動かすだけであるという点では、新古典派経済学、マネタリスト、ニュー・ケインジアンの見解は一致している。
__

フィッシャーの交換方程式 MV=PQ を国内と海外で別にすれば正確に現状に当てはまっているよ
日銀が発行したマネーストックのかなりはドルに変えられて海外で流通している

だから超円安になって、スイスの最低賃金は時給4500円、昼食代1万円 になったのさ。

国内金融に対するフィッシャーの交換方程式 MV=PQ
M : 貨幣量 = マネーストックの内、実際に国内市場で流通している金額、ドルに変えられて海外で運用されている金額は含まない
V : 貨幣の国内での取引流通速度
P : 国内物価(基準年度を1とした GDPデフレータ)
Q:1期間における財・サービスの取引量 ≒ 実質GDP
PQ ≒ 名目GDP


ドルを商品、ドル価格を物価P、日銀異次元緩和で増えた円の総額を貨幣量Mとすると

海外金融に対するフィッシャーの交換方程式 MV=PQ
M : 貨幣量 (価値保蔵手段としての貨幣は含めない)V : 貨幣の取引流通速度
P : 物価(基準年度を1としたデフレータ)
Q : 1期間における財・サービスの取引量

が成立して、何故ドルが円ベースで高くなったか説明できる

国内で流通するマネーストックは異次元金融緩和以前と変わらないから国内物価も上がっていない
すべて フィッシャーの交換方程式 MV=PQ で説明できるよ
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/462.html#c19

[番外地8]  平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベル… 中川隆
3. 中川隆[-10627] koaQ7Jey 2020年10月24日 19:31:36 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[52]
日本政府が三橋さんが何時も言っている様な大規模財政出動や公共事業をやっていた時代も有りましたが、結果は大失敗に終わり、日本は二等国になってしまいました:
1985年のプラザ合意でドル-円が半値になって、日本は輸出で稼げなくなったので内需拡大する為に金融緩和してお金をばら撒いたのです。つまり、輸出企業の仕事が無くなったので内需振興で国民の仕事を増やそうとしたのです。

日米構造協議(1989年)は双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させました。
その段階で日本政府は三橋さんが何時も言っている財政出動・公共事業で国内需要を増やしました。

そしてその結果、円の貨幣価値が暴落して、日本のGDP,、日経平均と日本の不動産価格は暴騰しました。
しかし労働者の実質賃金は全く上がらなかったのです。
円の貨幣価値が暴落したのを見てCIAは日本経済を完膚無きまでに破綻させる為にバブル崩壊を仕掛けました:

1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。

 平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。

事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。

 ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。

 バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。

 バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。

 CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。


ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。

 かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
 「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。

 60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
 この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。

 その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。

 デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。

次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
 人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。

 大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
 しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。

 それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
 風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。

 彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。

 彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
 そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。

ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。

 こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。

 この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
 1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/506.html#c3

[番外地8] 1985年のプラザ合意でドル-円が半値になって、日本は輸出で稼げなくなったので内需拡大する為に金融緩和してお金をばら撒いたの… 中川隆
2. 中川隆[-10626] koaQ7Jey 2020年10月24日 19:33:01 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[53]
日本政府が三橋さんが何時も言っている様な大規模財政出動や公共事業をやっていた時代も有りましたが、結果は大失敗に終わり、日本は二等国になってしまいました:
1985年のプラザ合意でドル-円が半値になって、日本は輸出で稼げなくなったので内需拡大する為に金融緩和してお金をばら撒いたのです。つまり、輸出企業の仕事が無くなったので内需振興で国民の仕事を増やそうとしたのです。

日米構造協議(1989年)は双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させました。
その段階で日本政府は三橋さんが何時も言っている財政出動・公共事業で国内需要を増やしました。

そしてその結果、円の貨幣価値が暴落して、日本のGDP,、日経平均と日本の不動産価格は暴騰しました。
しかし労働者の実質賃金は全く上がらなかったのです。
円の貨幣価値が暴落したのを見てCIAは日本経済を完膚無きまでに破綻させる為にバブル崩壊を仕掛けました:

1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。

 平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。

事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。

 ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。

 バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。

 バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。

 CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。


ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。

 かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
 「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。

 60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
 この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。

 その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。

 デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。

次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
 人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。

 大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
 しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。

 それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
 風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。

 彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。

 彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
 そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。

ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。

 こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。

 この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
 1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/508.html#c2

[番外地8] 鬼塚 英昭の著書 中川隆
4. 中川隆[-10625] koaQ7Jey 2020年10月24日 20:30:50 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[54]
鬼塚英昭 氏の学説は既に定説になっているよ:
鬼塚 英昭とディビット・バーガミニの二人は昭和天皇の研究者として有名だよ。タブーに触れるので他の研究者はその分野は全く研究していないから、現在では二人の学説が定説になっている、既に関係者が全員死んでしまって、当時の話を聞けないから新しい調査・研究はもう不可能なんだ:
鬼塚 英昭の著書
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E9%AC%BC%E5%A1%9A-%E8%8B%B1%E6%98%AD/s?rh=n%3A465392%2Cp_27%3A%E9%AC%BC%E5%A1%9A+%E8%8B%B1%E6%98%AD

天皇の陰謀 天皇裕仁はかく日本を対西洋戦争に導いた
ディビット・バーガミニ著 松崎元訳
https://retirementaustralia.net/old/rk_tr_emperor_02_contents.ht

▲△▽▼

鬼塚氏を中傷するコメントをネット上で見かけるが、

一、あなたが鬼塚氏の何の本を読み
二、どこの箇所を指して事実を捻じ曲げて妄想で書いていると確信を持てたのか
三、その根拠たる文献資料を示されたい。

鬼塚氏ほどあらゆる文献資料を網羅し、
かつ眼光紙背に徹するが如く読み込んでいる人を私は寡聞にして知らない。
プロパガンダをまんま信じて洗脳されている歴史作家があまたある中で、
まさに掃き溜めの鶴、恩寵、僥倖のような存在である。


鬼塚氏を中傷するコメントは、
秦郁彦がバーガミニの『天皇の陰謀』を偽書と決め付けた手法と同じ。
”バーガミニの主張に該当する資料は、杉山元メモのどこにも見つからなかった”
などとと事実無根の主張をしている。

秦は防衛庁に職員として潜入していた草である。
秦のような田布施村王朝の関係者が、国家規模の資料改竄をしていると私は思う。
日中戦争拡大の現場証言も同様である。
池田純久が近衛文麿に責任転嫁する有名な証言は、その代表例である。


田布施村王朝は実に真摯な態度で、一貫して偽史を捏造してきた。
秦や白洲次郎や松本重治などの確信犯がプロパガンダを流布し、
それに御用作家やマスコミが追随してきたが、

鬼塚氏が膨大な資料を微分積分して導いた結論は、『仮説』ではなく真実である。
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/701.html#ctop

昭和天皇がスパイだとわかると困るから、鬼塚英昭やバーガミニを否定する勢力がいるんですね。
この分野はタブーになっているので大学の研究者は一切調査・研究をしていません。
当時の関係者に会って実際に話を聞いたのは鬼塚英昭とバーガミニの二人だけです。
もう既に関係者は全員死んでいるので、林千勝さんが研究するのは不可能です。
それで林千勝さんは先学の鬼塚英昭やバーガミニの有名な学術書には一切触れないんですね。



http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/522.html#c4

[近代史4] 近衛上奏文 中川隆
1. 2020年10月24日 20:47:59 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[55]
【沖縄戦:1945年2月14日】近衛上奏─近衛文麿が昭和天皇に早期講和を進言 第32軍、戦備レベルを上昇させる 護郷隊の第三次召集はじまる
2019/02/14
https://note.com/bouheitai1958/n/n6aaba703c765


近衛上奏文と昭和天皇の反応

近衛上奏 近衛文麿元首相はこの日朝、宮中へ参内して昭和天皇に拝謁し、所信を進言した。いわゆる近衛上奏である。近衛の所信は和紙8枚にわたる長文のもので、近衛上奏文と呼ばれる。

 近衛は上奏文において、このたびの戦争の敗戦は必至であるが、米英は「国体の変革」、つまり皇室の廃絶などは行わないだろうとし、ソ連を講和の仲介とすることなく、米英との早期のかつ直接の講和を訴えた。同時に「国体護持ノ立場ヨリ最モ憂フベキハ、最悪ナル事態ヨリモ之ニ伴フテ起ルコトアルベキ共産革命ナリ」と警鐘を鳴らし、軍部の一部にいるという共産分子を排斥し軍部を立て直し、和平を模索する必要があるということであった。
 近衛上奏の要点をまとめると、

(1)米英は国体の変革を求めていないので、早期に講和すべき。
(2)ソ連の日本や東アジアへの野心は強く、講和の仲介相手としてはならない。
(3)このままでは軍部における容共分子などによる革命が起きるかもしれない。
といったほどのものとなろうか。
 近衛上奏というと、要点の(3)の軍部における一部容共分子の存在や革命の切迫性などが陰謀論的に語られることがある。確かに近衛は五摂家筆頭という家柄もあってか、革命を恐れ、ソ連を敵視し、反共的態度を貫いていた。その上で日本国内での軍部の一部容共分子がソ連に使嗾されて革命を起こすかもしれないと上奏するわけだが、この部分については近衛がどこまで本気で上奏したかは疑問を呈する指摘もあり(事実として軍内にそうした勢力がいたとは考えられず、仮にいたとしても実際に革命を起せるだけの力はなかったであろう)、米英との和平を進めるためのある種の「煽り」であったともいわれる。
 むしろ注目すべきは、近衛が様々なルートを通じて米英に国体変革の意志はないと見抜いたこと、そしてこのころ小磯内閣はじめ各方面が期待していたソ連の講和の仲介などはあてにならないと断じているところである。近衛は別の文書で戦後の米ソ冷戦まで予測しており、国際情勢を明晰に見通していたといえる。
昭和天皇の反応 しかし、昭和天皇は、「米国は皇室抹殺論をゆるめておらず、徹底抗戦すべし」との梅津美治郎陸軍参謀総長の言葉に同意であるとし、軍の粛清を求める近衛に「それではどのような人事があるか」と難色を示した上で、「もう一度戦果をあげてからでなければなかなか話は難しい」と答えた。昭和天皇は早期講和ではなく、一度華々しい戦果をあげ、米英に対し有利な状況で講和を模索するべきだという、いわゆる「一撃講和」を唱え、近衛による上奏を退けたのであった。
 昭和天皇のいう、もう一度あげるべき「戦果」を求める戦場は、かかる情勢の中では沖縄と考える以外にない。そうすると昭和天皇が沖縄戦初頭において積極的に戦争指導し、主戦論を唱えたこともよく説明がつく。事実、上奏後の御下問において、昭和天皇は近衛に「梅津(美治郎参謀総長─引用者註)は南西諸島に敵を誘致して叩くといっている」との意味の言葉を発したともいわれている。昭和天皇における「沖縄戦」の位置づけがよく理解できる言葉だ。
 なお近衛は上奏文作成にあたり後に首相となる吉田茂と綿密な打ち合わせをしており、上奏後も吉田邸へ赴き会談している。そうしたこともあり、四月、上奏の内容が露顕し、軍部は反戦的・敗北主義的として吉田らを検挙している。

第32軍司令官、丙号戦備を下令
 第32軍牛島司令官は昨日の米機動部隊に関する情報により、米軍の南西諸島上陸を警戒していたところ、この日早朝、戦備レベルを上昇させ、南西諸島全域を丙号戦備に移行することを命令した。
 第32軍は44年9月、以下のごとく甲号戦備から丁号戦備まで四種の戦備を定めた。

球作命甲第四九号  第三十二軍命令 九月二九日同〇八〇〇 那覇

一 軍防衛作戦ノ為戦備ノ度ハ左記区分ニ基キ之ヲ実施スヘシ
 別命無キ際各隊戦備ノ度ハ丁号戦備トス
 但シ軍隊区分ニ基ク各兵団長ハ状況ニ依リ独断之ヲ下令(解除)スルコトヲ得

(イ)甲号戦備
 敵有力部隊ノ上陸(着陸)攻撃ノ虞アル場合ニシテ全部隊戦闘配備ニ就キ随時戦闘ヲ開始シ得ルノ準備ヲ整フルモノトス

(ロ)乙号戦備
 敵ノ上陸(着陸)攻撃ノ算少ナキモ空襲又ハ砲撃ヲ受クル虞アル場合ニシテ各部隊ハ対空(電探)竝ニ海上警戒ヲ厳ニシ所要ニ応シ監視哨ヲ増加スルト共ニ水際戦闘ノ準備ヲ整へ対空射撃ニ任スル部隊ハ全隊戦闘配備ニ就キ爾余ノ部隊ハ警戒連絡ノ処置ニ遺憾ナキヲ期シ砲爆撃ノ損害ヲ被ラサル如ク掩蔽ス
 空襲警報発令セラレタル時ハ別命ナク本戦備ニ移ルモノトス
〔乙号戦備下令間空襲警報解除セラレタル時ハ別命ナク丙号戦備ニ移ルモノトス〕

(ハ)丙号戦備
 敵機動部隊近接ノ徴アルカ又ハ敵飛行機、潜水艦偵察ノ虞アル等警戒ヲ強化スルノ要アル場合ニシテ各部隊ハ対空(電探)竝ニ海上警戒ヲ厳ニスルト共二対空射撃ニ任スル部隊ハ一部ヲ以テ警戒配備(高射部隊二在リテハ警急姿勢トス)二就キ爾余ノ部隊ハ迅速二掩薇下二待避シ得ルノ準備ヲ整へ特二我カ配備兵力等ヲ曝露セサル如ク留意スルモノトス
〔丙号戦備下令間警戒警報解除セラレタル時ハ別命ナク丁号戦備二移ルモノトス〕

(ニ)丁号戦備
 我カ哨戒圏及電波讐戒圏内ニ敵ヲ認メサル場合ニシテ各部隊ハ主トシテ対空(電探)及海上監視哨ニヨリ警戒ヲ行ヒ爾他ハ教育訓練築城交通作業其ノ他ノ勤務二従事ス
 但シ常ニ敵奇襲攻撃ニ対応シ得ル如ク所要ノ準備ニ遺憾ナキヲ要ス

二 戦備ノ度下令及解除ノ為ノ通信連絡規定ハ別命ス

(『帰還者報告綴』第二復員局:戦史叢書『沖縄方面陸軍作戦』より 〔 〕内は10月中旬に追加訂正された)
 通常時は丁号戦備であるから、丙号戦備へ移行したということは、戦局の緊迫度が一段階あがったということである。
 また14時頃、第32軍司令部は球参情電第368号により、「諸情報ヲ綜合スルニ南西諸島十五日払暁以降敵機動部隊ノ大規模空襲ヲ以テ十八日以降上陸攻撃ヲ受クル算大ナリト判断セラル」と警報し、軍司令部以下各隊は対上陸作戦を準備した。

第一護郷隊の第三次召集
 この日、羽地国民学校(現在の名護市立羽地小学校)に北部一帯の15歳から16歳の少年たちが集められ、第一護郷隊に召集された。
 第32軍は第9師団が沖縄から抽出されたため、護郷隊員を正規兵に再召集することで戦力の穴埋めをはかった。これによる兵員不足を補うため、第一護郷隊が第三次の召集をはじめたのであった。なお、第一次召集は前年10月の護郷隊編成時、第二次召集は同年12月ごろの護郷隊の配置変更時である。
 このころの召集年齢は17歳以上であることから、15、6歳の少年の強制的な召集は違法であり、あくまでも志願というかたちでなければならなかった。しかし第一護郷隊の村上治夫隊長は集められた少年たちを前に「護郷隊がいやな者は出てこい」と言い放ち、誰も出てこないことをうけて全員身体検査をして志願ということで召集してしまったといわれる。

参考文献
・『沖縄県史』各論編6 沖縄県史
・『名護市史』本編3 名護・やんばるの沖縄戦
・戦史叢書『沖縄方面陸軍作戦』
・同『大本営陸軍部』<10>
・「沖縄戦新聞」第5号(琉球新報2005年2月10日)
・玉木真哲『沖縄戦史研究序説』(榕樹書林、2011年)
・庄司潤一郎「『近衛上奏文』の再検討─国際情勢分析の観点から─」(日本国際政治学会編『国際政治』第109号、1995年5月)

https://note.com/bouheitai1958/n/n6aaba703c765
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1126.html#c1

[番外地8] 鬼塚 英昭の著書 中川隆
5. 2020年10月24日 21:20:55 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[56]
辰巳栄一元陸軍中将がCIAなのはCIA文書で確実だからね。
そもそも鬼塚英昭やバーガミニの間違いを指摘した人は一人もいないしね。
それに吉田茂はスパイ罪で刑務所に収監されていたから、アメリカのスパイであるのは間違いない。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/522.html#c5

   

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