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えずら爺様に会うてきたとこじゃが
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投稿者 きゃべ爺 日時 2003 年 11 月 15 日 10:57:57:jfzS9MOte8/0k

(回答先: ちょっと考えてみました 投稿者 マルハナバチ 日時 2003 年 11 月 14 日 12:59:41)

やぁ,どなたかお呼びかな?おお,まる爺さんか?失礼!ちゃめ爺様じゃった.
最近ワシももうろくしてなぁ.どうも人の名前とか右から左に抜けてしもうて...
まさか堂利得多がベルナルド・リエターとはほんに,思いもセなんだ.とはいえ,
例のサークルではしゃぎ回っておるくらいだから,まぁほとんど死んだと見ても
大差無かろう.くくっ.

ジキル島の密謀というのをご存知じゃろか?1910年のことじゃ.この島のク
ラブハウスに島の持ち主を含むロンドン紳士らが内密に集合し,10日間泊り
込みで,連邦準備システムのからくりを練り上げたというのじゃが.この草案
を議会に飲み込ませるのに,彼らは4年間かかっておる.あらゆるメディア・
学術機関を総動員して国民に宣伝・洗脳を行なったわけだが,そもそも議員
たちの大半は議案を読んでも何も分らなかったようであるな.あと残りの部分
に対しては,例によって買収と脅迫を併用したというのが真相のようじゃ.

ところで,例のダビンチ研究所のフォーラムだが,動きから察するにどうも既
にこの「宣伝」の段階に入っているようにも思われる.彼らは彼らなりに100年
間使ってきたマネタリシステムのリフォームを目論んでおるということじゃろう.
まぁ,言ってみれば現代のジキルクラブハウスということなのではないか?

あっしらさん,サムさんがそれぞれ明快な答えを示されておられるので,ワシ
ごときがでしゃばる幕でもないが,「どこからでも」という誘いに乗ってちょとば
かり,書き散らしてみよう.貨幣とは何かと問われれば,ワシはメディアである
と答えよう.これを霊体と読み直せば,その凝り固まったものが神となるのは
必然の理でもあろう.つまり,物神である.凝り固まる,ないしお金が際限なく
積もるというのは,貨幣の持つストックできるという性質(蓄積機能)による.

どうも日本人はあらゆる点において,ストックということに対しあまり熱心で
はないように思われる.建築などを見ても一目瞭然だが,ストックという概念
にほとんど無縁であるようだ.西洋的な自然科学が発達しなかった真因もこ
こにあるのではないか?もちろん,普遍的知識をストックと見る立場で言っ
ているのだが.いずれにせよ,世界銀行家たちの棲む飽くなき欲界が我々
の目には果てしなく遠い世界のように感じられてしまうのも無理はない.

お金を増やす知恵が学問であるか否かという問いに答えるのはやや難しい.
ダビンチ研究所の連中なら,これがそれだというのだろうが,ワシもようやく
それと逆流するもう一つの流れを見つけることができた.おそらくどちらも「科
学」と呼ぶことはできないだろう.「化学」となら呼びようもあるかもしれんね.

エズラ・パウンドを読んだことはおありかな?ワシも名前くらいは知っておっ
たが,これまで一行も読んだことはおらなんだ.今回初めて数行読んだのだ
が,そこでワシはひょっとしてエズラの生まれ変わりではないかと思うくらい
似ていると感じてしまった.(お断りしておくが,ワシはニューエイジらの転生
とかの与太話はまったく信じとらんよ.)この世に自分とこんなに似た人間が
存在するなど思ってもみなかった.もちろん,スケールにおいて1:100以上
の歴然たる差があることは認めざるを得んがね.

エズラ・パウンドはWWIIのときムッソリーニのファシスト政権を支持してイタ
リアにとどまり,米国向けの宣伝放送に協力した罪に問われて13年間精神
病院に幽閉されている.パウンドが電気椅子に座ることを免れたのはすでに
ノーベル賞を獲得していたエリオットやジョイスなど多くの友人たちの懸命な
る国際的助命活動によるものだ.(東京ローズは釈放されたが,それ以外で
は敵国でマイクを握った者はほとんど死刑になっている.)

エズラ・パウンドは20世紀前半のヨーロッパ(ジャポニスムの時代でもある)
における芸術活動の渦の中で常に中心部にいた逍遙詩人である.ギリシャ・
ローマの古典からロマンス語文学を経て漢詩,能楽,俳句に及ぶ該博な素
養の上で,イマジズム運動を主導し多様な作品を残した.神智学に興味を
示し,ファシズムにシンパシーを抱いていたことは確かであるが,最終的に
は東洋に回帰し,孔子の思想に終着する.

経済学にも強い関心を持ち,多くの評論を書いた.『経済的民主主義』(New
Age,1919),『社会信用論』(1924)を書いたC・H・ダグラスをケインズに引き
合わせたのはパウンドである.(ケインズはロンドンでパウンドらの文学サーク
ルの周辺にいたようだ.)エズラ・パウンドは正統・異端の経済理論が交錯す
るこの時代の坩堝にも似た熱い局所でまさしく媒介者としての働きを示した.

ダグラスはイギリスの経済学者J.A.ホブソンの「資本主義経済では製品
は過剰に生産され、それが輸出によって解決されようとするために国際間の
紛争が起こる」という主張に共鳴し,「戦争を防止するためにも国内の購買
力を高める必要がある」と唱えた.この論はあっしら氏のS=D等式理論に
も通ずるものである.ダグラスの理論の基礎は「A+B定理」として知られる.

財の価格は,A(賃金、俸給、配当)の部分とB(原材料、利子費用、減価償
却費など)の部分から成るが,購買力として労働者に支払われるのはAに過
ぎず,AによってBを購入することはできないので消費者は余分の購買力の
供与を受けなければならない,つまり購買力を高めるためには信用を拡大
する必要があるとダグラスは考えた.この理論は(マルクスの剰余理論を引
くまでもなく誤りを含んではいるが,それなりの先見性がある)当時の経済学
の水準では受け入れ難いものであり,労働党や共産党からも否定された.

ケインズもダグラスの理論を受け入れず,表向きは無視した態度を取るが,
『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1935)の中では(しぶしぶとではある
が)ダグラスに言及せざるを得なかった.ガルブレイスは,『マネー、その歴
史と展開』で「ケインズ自身が述べているように,ダグラスはケインズに先ん
じていた」と評価している.私に言わせればケインズ理論はダグラスの剽窃
以外の何物でもない.ダグラスの名誉のために付け加えるならば,ケインズ
の立場が自由主義経済の慎ましい修正にあるとするとき,ダグラスは明らか
にマネタリシステムの転倒による資本主義の変革を意図していたと言える.

パウンドは貨幣数量論で知られる経済学者のアーヴィング・フィッシャーの
著作からゲゼルの劣化する貨幣理論を知り,それをポジティブに評価して
いる.ちなみにケインズはゲゼルの理論を「反マルクス主義的社会主義」
であり,基本的には健全であるとしたが,貨幣に代わる宝石,貴金属など
の貯蔵によって迂回可能であり,根本的解決にはならないとした.(これは
かつて私がゲゼルを一度却下したときの理由とほぼ同等である.)

今週はこの他にもかなりの量の経済論文を読んだのだが,頭には残って
ないし,リンクも見つからんよ.^^; まぁ,ここまでにして,お茶にしまひょ.

※エズラ・パウンドには興味深いさまざまなエピソードがあるが,ここでは
紹介できなかった.以下のリンクに簡潔にまとまった伝記があるので興味
があればお読みくだされ. 「歴史の中のエズラ・パウンド」Hideo Nogami
http://www1.seaple.icc.ne.jp/nogami/epihindex.htm

※馬場英治の今日の宿題: ダグラスのA+B定理の誤りを示せ.

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