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2017年5月23日時分 〜
コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
14. やもめーる[-836] guKC4ILfgVuC6Q 2017年5月23日 00:02:33 : 85nyBW95iE : NCItWr4FBZc[-19]
>>12
オマエガナ!!(爆)
火の粉を振り払うのにに躍起だね「テメー」君!!(笑)
ア〜チチ、アチチ、燃えているんだろうか〜♪(by郷ひろみさん、笑)
とっと燃え尽きてこの世から消えろこの戯けが!!(笑)
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c14
コメント [政治・選挙・NHK226] 加計文書に第2弾も 安倍官邸が怯える文科省大物幹部の影(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
40. 宇宙の塵[215] iUaSiILMkG8 2017年5月23日 00:03:25 : qi5lxyBCBY : QRTw4gz@Fsc[4]

>>37さん、ナイスコメント。

こんな記事を載せることを恥ずかしいと思わない方が恥ずかしいよね。
「当紙のライバルは夕刊フジと三流週刊誌であります。朝日や毎日や東京や日刊ゲンダイにはとてもかないません。」と白状しているようなものだね。ゴミだね。タダでも読む気しないね。
 
また、こんな記事をコソコソ書かせる奴らも、はっきり言ってダニだね。税金を食い散らかすダニだね。

大掃除が必要だね。
 
 
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/130.html#c40

コメント [政治・選挙・NHK226] 加計学園問題、自民党内で「安倍首相の意向」との見方広まる…文科省内部の上層部潰しか(Business Journal)  赤かぶ
13. TondaMonta[108] gnOCj4KOgoSCgYJsgo@CjoKUgoE 2017年5月23日 00:05:22 : CruJEbltoQ : k3GaeUftAq8[38]
これを言うと年齢がばれてしまうのだが,昔は,手で区分けし,集票していた。
開票所には,全候補の代理人がいて,100票の束が一つできたら,窓の外にいる別の代理人に合図を送っていた。全ての開票所でそういうことを「ムサシ」からみたら,面倒くさいことをやっていた。
しかしムサシが選挙に利用されるにつれて面倒くさいことは次第に疎んじられ,現在に至る。投票所へ行くと地域の選ばれた人々が日当をもらい,投票を見守っている。不正など起こるはずもない。

 しかし投票が締め切られ,集計の段階になれば,その人たちは家に帰ってしまう。市町村の選挙管理委員会の人員も家路につく。ムサシの集計機械と担当者だけが残る。これではプログラムの入れ替えが可能で,買収された担当者は不正に目を瞑る。また,集計機械はプログラミング読み取りである。
 事前のチェックではムサシ担当者も役場の担当者も入念に読み取りに間違いがないか,チェックする。ほとんど間違いは認められない。例えば,北海道5区の池田候補と,小池候補の二人対決の場合,事前チェックではまちがいがないことが確認される。
 しかし,選挙前日にムサシ関連の技術者が「再点検」に訪れ,プログラムを入れ替えてしまう確率が高い。池田候補の票の33.3%が小池候補にカウントされるようなプログラムを集計機械に組み込むと小池候補の票が俄然増える。

 これは譬えだが,前日の「再点検」が怪しい。再点検がないところでは,「何回か事前チェックをすると,次の回つまり投票終了後に前述の譬えが生じる可能性もある。
 そういうトリックに詳しい方の意見を本ブログで聞きたいのに,論点がズレているように思う。

 最良の解決策は,ムサシの集計機械利用のみならず,選挙管理委員会が任命した役場職員が候補者の監視の下で,手作業で開票・集計することである。

 機械と手作業で集計すれば,より正確に集計され,一票の価値が重んじられる。その点,「一票の格差」なんて言いうのは二の次で,投票された票が正確にカウントされることが前提であろう。

 もちろん,手作業のおけるインチキもアメリカ大統領選にもあり,Brexitのときもあり,スコットランド独立国民投票のときもあった。したがって2重,3重の監視が必要であろう。それを一般企業に丸投げするのは,一票の価値を軽んじるものである。

 昔,カナダ製の或るプログラミングを少し習ったことがあるが,本当に面白い。プログラミングさえ,順序正しくやれば,どんなこと,どんなインチキでもやれる。他方,将棋のAIに名人でさえ2連敗である。最近のプログラミン技術は人間の能力を超えたようだ。

補記:建物の数基(ABC)のエレベータを考えてみよう。上へ行きたいとき,人は↑のボタンを押す。或る人は↓を押す。時間差もある。しかしどのエレベータが来るか分からない。なかなか来ないので人は苛立つ場合もある。
 しかし多くの「場合分け」をしてプログラミングしているので,同じ階に同時に2基のエレベータが来ることはない。同時に来たように見えても,時間差(押した時刻差)がある。
 アッキーが3階にいて↑を押したとき,2階より下に向かっているAとBは直ぐに来ない。4階より上に向かっているCも来ない。
 しかしいつかは,ABCのうち一つは来る。もしAが1階まで,Bが2階まで降りるとすれば,Bが来る可能性が高い。 
 しかしCが4階で止まることになった場合,BかCが来ることになる。するとどちらが来るのか,それは,アッキーが押した時点でBが2階に近ければBが,Cが4階に着く時間がBが2階に着く時間より短い場合は,Cが来る。
 しかしまた,Aが1階に着く時間がBとCより短い場合,Aが来るのである。つまり,バレーではないが,時間差が大事である。すなわち,上下のボタンが押された時刻に依存するようにプログラミングがされているのである。
(エレベータが81基になっても,原理は同じ。)

 かくして,投票数が1対1.3となった場合は,全投票数に対して集計が1.3対1と逆転するようにプログラムすることも可能である。そういうプログラムは,すでに指摘されているように,地方によって異なる。

補記2:皆様のパソコンに時計が組み込まれているでしょう。時計つまり時刻差が大切なのです。時計がない大型コンピュータはより混乱するでしょう。


お粗末でした(プログラマーってそれほど頭良くないですね)。

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/176.html#c13

コメント [原発・フッ素48] ほう!これはすごい! 原発25キロ圏内「ベビーラッシュ」の理由(PRESIDENT Online) 赤かぶ
20. 知る大切さ[8522] km2C6ZHlkNiCsw 2017年5月23日 00:06:38 : rXmQVSTR26 : wmfWUboB@Eg[4356]
震災前の南相馬市では、一年間に約750人の新生児が生まれていました。
今は年に約400人

400/750=8/15

(保育園・幼稚園)入園状況
2011年4(予定)2313人
2017年4 1310人

1310/2313=13/23


5/8<13/23

なんか無理やりペンの力でベビーラッシュを演出していないか?

よつば幼稚園が南相馬市では他の幼稚園の立地に比べて比較的に線量が低いから
セレクトされて定員オーバーとかじゃないの?
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/146.html#c20

コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
15. 2017年5月23日 00:07:37 : oejbIhddYI : KWlDRkhVYw0[1]
>>12
お前もやたら必死だな笑
加計や森友問題がそんなに気になるか笑
安倍が関与してないなら、そんなに必死になる必要がない。
共謀罪もそうだが、自民党はお前の嫌いな中国や朝鮮のような監視国家にしようとしてるんだけど笑
仕事でコメントしてるんだろうが、自民党工作員はこの矛盾にどう答えてくれるんだろうな?
音符野郎いつものように逃げんなよ!
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c15
コメント [原発・フッ素48] 東京・世田谷区立中学校の健康診断でクラスの半分以上が甲状腺腫の疑いありと診断された  魑魅魍魎男
61. 2017年5月23日 00:11:31 : VjyoU5MoHI : MQlpD@G_VNo[1]
>>47

・平成29年4月20日 上馬1丁目の区道上で 0.25 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.070 μSv/h でした。
・平成26年12月10日 上祖師谷ぱる児童館(上祖師谷4丁目)の工作室付近で 0.251 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.319 μSv/h でした。線量軽減措置を行い、再測定したところ、最大 0.196 μSv/h となりました。
・平成24年11月13日 粕谷2丁目の区道上で 0.4 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.135 μSv/h でした。
・平成24年10月5日 八幡山1丁目の区道上で最大 9 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.123 μSv/h でした。
・平成24年10月4日 等々力5丁目の区道上で 0.23 μSv/h を超えたとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.123 μSv/hでした。
・平成24年8月1日 区立深沢保育園(深沢5丁目)の玄関横排水管付近等で 0.73 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.468 μSv/hでした。線量軽減措置を行い、再測定したところ、0.153 μSv/h となりました。
  :
(以下省略)

# ホットスポットということになろうか、確かに高い線量の場所があるね。
# これだけ通報されていれば、区としても詳しく測定せざるを得ないのではないか。
# マップのようなものができているのかも知れない。作らないとおかしい!
 

http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/142.html#c61

コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
16. 2017年5月23日 00:13:34 : cc1ytMAeRE : wQs6X0xSI9Y[7]

加計、籠池背後の思想集団は、中国と韓国の反日主義に対抗する保守派拠点の上、

○反オバマ、反グローバリズム、反ソロス
○反ロスチャイルド、反イスラエル

というのが趣旨。当然、

○反NHK

ということになる。


このようなわけなので、たぶん、

○旧オバマ指令によりソロス人脈が加計・籠池背後の思想集団潰しに出た

わけだろうか。?

オバマ大統領にとっては、統一教会潰し、日本保守派の反米主義潰し、ファシズム潰しの一環だ。

共産主義とは、大資本・金融帝国が教会権力や王国権力と対抗するために、
国際社会の世俗的平準化と統合を図る、そのために機能させられている。

日本共産党は、オバマべったりだったから、仏ロスチャイルド系の可能性、
とすれば、指揮系統は実は、日銀やロックフェラーと同じということになる。
財務省が安倍降ろしの黒幕と囁かれている。

ただ、出来事中、籠池子息が共産党を褒めたのは、自分らを捨てた自民党に対する嫌味に過ぎない、自民党にとって籠池は元々、選挙の際の集票装置に過ぎない。



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c16

コメント [政治・選挙・NHK226] 松本人志に関する名言、来た〜  赤かぶ
5. やもめーる[-835] guKC4ILfgVuC6Q 2017年5月23日 00:14:18 : 85nyBW95iE : NCItWr4FBZc[-18]
昔とんねるずが嫌いでダウンタウンに傾倒していた時期
があった。今思うと恥ずかしいが(苦)同じフジテレビで
高待遇な扱いを受けたあの表面的は乱暴者だった
とんねるずの石橋貴明でさえそんなことは言わない。
石橋の方が今は大人だ。やはり吉本のやり方は乱暴だ。
石橋よ頼む、ダウンタウンを大阪へ押し返してくれ!!


http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/204.html#c5

コメント [政治・選挙・NHK226] <ヤバすぎ>菅官房長官が国連に抗議!「共謀罪に関する国連書簡は不適切なものだ」⇒ネット「マジで国連脱退しそう」 赤かぶ
1. 2017年5月23日 00:14:28 : kuQPLXaoL6 : DFlDQAn4vj0[1]
安倍極右政権は国際社会から孤立しつつある。北朝鮮と同じである。高市早苗も言論弾圧を懸念する国際機関の調査を拒否、
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/211.html#c1
コメント [原発・フッ素48] 東京・世田谷区立中学校の健康診断でクラスの半分以上が甲状腺腫の疑いありと診断された  魑魅魍魎男
62. 2017年5月23日 00:14:49 : VjyoU5MoHI : MQlpD@G_VNo[2]
>>47
・平成29年4月20日 上馬1丁目の区道上で 0.25 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.070 μSv/h でした。
・平成26年12月10日 上祖師谷ぱる児童館(上祖師谷4丁目)の工作室付近で 0.251 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.319 μSv/h でした。線量軽減措置を行い、再測定したところ、最大 0.196 μSv/h となりました。
・平成24年11月13日 粕谷2丁目の区道上で 0.4 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.135 μSv/h でした。
・平成24年10月5日 八幡山1丁目の区道上で最大 9 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.123 μSv/h でした。
・平成24年10月4日 等々力5丁目の区道上で 0.23 μSv/h を超えたとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.123 μSv/hでした。
・平成24年8月1日 区立深沢保育園(深沢5丁目)の玄関横排水管付近等で 0.73 μSv/h を測定したとの通報
 → 区で再測定したところ、最大 0.468 μSv/hでした。線量軽減措置を行い、再測定したところ、0.153 μSv/h となりました。
  :
(以下省略)

# ホットスポットということだろうか、確かに高い線量の場所がありますね。
# これだけ通報されていれば、区としても詳しく測定せざるを得ないのでしょう。
# 既にマップのようなものができているのかも知れない。作らないとおかしい!
 


http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/142.html#c62

コメント [原発・フッ素48] 東京・世田谷区立中学校の健康診断でクラスの半分以上が甲状腺腫の疑いありと診断された  魑魅魍魎男
63. 2017年5月23日 00:15:58 : VjyoU5MoHI : MQlpD@G_VNo[3]
(重複すみません!削除お願いします)

http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/142.html#c63
コメント [政治・選挙・NHK226] 「天皇は祈るだけでよい」。発言主は、平川祐弘東京大名誉教授か、それとも渡部昇一上智大名誉教授(故人←死人に口なしってか) 赤かぶ
9. 2017年5月23日 00:18:20 : quMKleKEOA : apQvoj4eROs[249]
本当は国事行為のみをするんじゃなかったっけ?

皇后なんかだと光明皇后みたいに慈善の仕事があるんだろうけど、
今の天皇が慈善マニアになったのは前立腺をやられて女性化していると解釈すべきなのか?
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/166.html#c9

コメント [政治・選挙・NHK226] 政府が、最も国民に聞かせたくない演説はこれだ!安倍が青ざめた山本太郎の褒め殺し。 赤かぶ
19. 2017年5月23日 00:19:57 : lh1GGwoOtM : YsxGZGc1SWo[928]
まさに傑作ですな!
福島原発事故後、山本氏が初めて政界に打って出た時、彼が高校中退であることをバカにして笑うコメントがここにもたくさんあったが、今ではネトウヨさえも彼を揶揄できないようです。
実に頼もしい限りだ。近い将来、必ず日本の首相になってもらいたい人です。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/154.html#c19
コメント [政治・選挙・NHK226] 北朝鮮の独裁体制がイヤな人は共謀罪法案に反対すべし!羊の群れ日本人は何度でもダマされる。 赤かぶ
9. やもめーる[-834] guKC4ILfgVuC6Q 2017年5月23日 00:19:59 : 85nyBW95iE : NCItWr4FBZc[-17]
>>6
てな事言って、内心ウズウズしてんだろ?(笑)
「ああ、偉大なる将軍様〜!!早くイルボンを征服して
マヌケな皇族の代わりに座ってください!!」てな(笑)
図星だがそうだろ?「テメー」(笑)
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/173.html#c9
コメント [政治・選挙・NHK226] 松尾 貴史‏ さんの問いかけに、同感だ。なぜスポーツイベントの開催に合わせて、憲法改正なのか  赤かぶ
1. 2017年5月23日 00:21:30 : quMKleKEOA : apQvoj4eROs[250]
それは日本スゴイオリンピックを記念してUFOが来るからじゃないの?

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/205.html#c1
コメント [原発・フッ素48] 北朝鮮有事の原発テロ対策について、原子力規制委員会は「何も話し合っていない」(HARBOR BUSINESS) 赤かぶ
7. 2017年5月23日 00:23:22 : Uu8QZXmdFs : 2QF9Oht6lMc[1]
まじめにテロ対策を考えたら、原発を廃炉・閉鎖する以外にないという
結論に至る。屋根はペラペラだからね。

だからテロ対策について話し合うわけがない。

http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/151.html#c7

コメント [政治・選挙・NHK226] 松尾 貴史‏ さんの問いかけに、同感だ。なぜスポーツイベントの開催に合わせて、憲法改正なのか  赤かぶ
2. 2017年5月23日 00:24:02 : lh1GGwoOtM : YsxGZGc1SWo[929]
「スポーツの政治利用はいけない」というのは世界のどこでも建前でしかないのかもしれないが、その建前さえも微塵もないほどに、超あからさまに利用しちまっていいいのかよ?
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/205.html#c2
コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍官邸が文科省前事務次官の「加計学園文書は本物」実名証言ツブしの謀略! 読売と週刊誌に“出会い系バー通い”リーク  赤かぶ
1. 2017年5月23日 00:26:03 : Mi9duAnuac : 3t@6s0It9ec[10]
無理を通せばその分綻びも大きくなる
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/210.html#c1
コメント [経世済民121] 超金融緩和続けばハイパーインフレの恐れ、「出口戦略」検討を―石破元自民党幹事長がアベノミクスを批判 赤かぶ
2. ピッコ[1291] g3ODYoNS 2017年5月23日 00:27:26 : GJJuGZxsFs : @EcljS0yhKI[120]
>1. 中川隆 こいつ、知恵遅れだろ 終戦直後で焼け野原になった時でもハイパーインフレなんか起きなかった

知恵遅れはアンタよ。 みなさん、中川隆が言うことはウソ出鱈目ばかりだから、相手にしちゃダメよ。

「結局、借金大国日本は財政破たんを迎えるのか(戦後のハイパーインフレと預金封鎖を検証)」 より
http://toyokeizai.net/articles/-/97230

*太平洋戦争の最中、巨額の戦費のかなりの部分は、国の中央銀行である日本銀行が国債を直接引き受けることで調達していました。もう少し具体的に説明しましょう。政府が発行した大量の国債は、日銀が直接引き受ける形で購入します。その購入代金はどこから出ているかというと、日銀がお金を「作り出す」のです。中央銀行には、日銀券や日銀当座預金を作り出すことができるのです。

この仕組みは、現在のアベノミクスの「異次元緩和」と同じです。違いといえば、発行された国債を直接引き受けるか、いったん民間銀行が引き受けて、それを日銀が購入するかという点だけです。日銀がこれだけ大量のお金を供給すれば、当然、通貨(日本円)の価値は急落します。通貨の価値が下がれば、相対的に物価が上昇します。

こうして円安が進むと、海外からモノを輸入するときに輸入額が膨らんでしまいます。すると輸入インフレが起こり、さらに通貨の価値が下がるという悪循環に陥ってしまい、余計にインフレが進んでしまうのです。戦時中の統制経済の下では、それはそれほど顕在化しませんでしたが、戦後の経済混乱気に一気にそれが露呈したわけです。また、敗戦により、日本円や日本国債の信任も大きく落ちていたことも原因です。

戦後のハイパーインフレを一刻も早く抑え込むため、政府はいくつかの大胆な対策を打ち出しました。1946年2月16日、当時の幣原喜重郎内閣が突然、「インフレ対策として3月3日をもって従来の紙幣の流通を停止し、新しい紙幣を発行する」と発表しました。新円に切り替えるというのです。

どのようにしたのでしょうか。原則的には、いったん旧円をすべて預金口座に入れさせて、それを引き出すときに新円に切り替えるのです。ただし、それだけではありません。切り替えの際に「預金封鎖」をして、毎月引き出せる金額を1世帯あたり500円に制限したのです。こうして市中に流通する貨幣量を減らし、インフレを抑えようとしました。*
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/745.html#c2

コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
35. 2017年5月23日 00:27:47 : 1RFEkLSxKM : GDNH4KJh0Mc[191]
野党を批判する前に野党を応援してあげたらと思う
自分達の代わりに国会で戦ってくれているのは野党なわけだし
批判だけなら馬鹿の自分でもいくらでもできるよ
なさけないのは野党ではなくマスコミなのではと思う時もある
伝えるべきことしっかりと伝えず
連日北朝鮮かトランプか自民党の応援ばかりしているし
もっと憲法改正や共謀罪や天皇の退位問題を取り上げろよ
と言いたい
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c35
コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍晋三首相は、朝敵(天皇陛下の敵、北朝鮮の敵)か、天皇陛下の信任が厚い小沢一郎代表は「皇室典範特例法案」に反対! 笑坊
6. やもめーる[-833] guKC4ILfgVuC6Q 2017年5月23日 00:28:38 : 85nyBW95iE : NCItWr4FBZc[-16]
>>2
安倍晋三こと李晋三も「隠れ外国人参政権の
賛同者」ですが何か?(笑)あの公明党とつるんでいる
限りはね(笑)。相変わらずおやびんの
「触れないで欲しい関係がある」の寅さんよろしくの怪しげな
口上の受け売りってか!?(笑)
まぁ、当たり前ですが李晋三自身「コリアン」ですからね(笑)
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/179.html#c6
コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
17. 2017年5月23日 00:30:44 : Mi9duAnuac : 3t@6s0It9ec[11]
ネトウヨが過敏に反応するって事はかなりのものあるってことだな
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c17
コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍官邸が文科省前事務次官の「加計学園文書は本物」実名証言ツブしの謀略! 読売と週刊誌に“出会い系バー通い”リーク  赤かぶ
2. 2017年5月23日 00:30:52 : 0qklbItMQQ : 0nNlvA6YNfE[14]
出会い系バーに通うことより 準強姦で逮捕直前にもみ消す方がずっと悪い。国のお金を横領し、仲良しなら犯罪者を支援する官邸だ。出会い系バーに通って何か問題があるか。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/210.html#c2
コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
18. 2017年5月23日 00:32:11 : 1RFEkLSxKM : GDNH4KJh0Mc[192]
どんどん公開しちゃってください
でも また誰かが言論のテロだとか言い出しそうですね
そしてまた誰かがツイッターでいいねをするんだろうか?
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c18
コメント [政治・選挙・NHK226] ロイター:安倍政権が国連特別報告者に抗議の英文記事。  赤かぶ
1. 2017年5月23日 00:35:10 : n8SitkzjXg : reM66gowbg4[44]

哀れなり日本人、
でも仲間たちがいる
北朝鮮・中国そして日本・・・表面はどうあれ本質は同じ社会(アメポチ財界自民党が支配している戦犯・売国「象徴天皇」制の国)のお粗末―――後世、歴史博物館展自国。


http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/214.html#c1

コメント [政治・選挙・NHK226] 「安倍晋三が被告です」 市民が昭恵夫人、迫田前理財局長らを刑事告発(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
23. 2017年5月23日 00:35:52 : w7KhaNXmHQ : a9Fs28N9iZI[50]
告発を支持するやつらって国会全く見てないんだろうな
告発前後で明らかに答弁内容が減った
捜査に支障をきたすから。当たり前だわな。
そんなことも分からない奴等が告発支持して、しばらく音沙汰なしになって、時期が来たら不起訴。
目に見えてる

本当に反安倍とかいうなら、国民の知る権利、国政調査権等を否定すんなよな
安倍のケツ舐め扱いされるのは心外だわ
安倍のケツ舐めてんのは告発者と告発支持者、お前らだ!!
国会見てから喋れ!
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/203.html#c23

コメント [政治・選挙・NHK226] <批判殺到>維新の丸山穂高議員、共謀罪成立直後に笑顔 質問後の様子が炎上! 赤かぶ
26. スポンのポン[6715] g1iDfIOTgsyDfIOT 2017年5月23日 00:36:34 : ub3Hx2T5Ns : HiNKVHdYRfQ[1368]



>>16.

■読む価値なしのゴミコメントマーク ー>「^^」

 
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/159.html#c26

コメント [原発・フッ素48] ほう!これはすごい! 原発25キロ圏内「ベビーラッシュ」の理由(PRESIDENT Online) 赤かぶ
21. 知る大切さ[8523] km2C6ZHlkNiCsw 2017年5月23日 00:38:00 : rXmQVSTR26 : wmfWUboB@Eg[4357]
南相馬市の住民基本台帳を置いとくね。
http://www.city.minamisoma.lg.jp/index.cfm/8,2740,c,html/2740/20170413-162532.pdf

見方としては、、、
事故以前の年齢の平均と7-13の平均

事故発生以降の年齢0-6の平均
ベビーラッシュと言えるものがあるかだね。

後、
本文の
>震災前の南相馬市では、一年間に約750人の新生児が生まれていました。
の約750名の出処が不明?
この約750名毎年生まれていたが本当ならメチャ若年層での生存確率が
低いて事に?
まさかね?
幼稚園・保育園・小学校低学年でしょっちゅう児童のお葬式があってないと
今現在の人口構成に合致しなそう、 それか南相馬市以外に転出とか?
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/146.html#c21

コメント [政治・選挙・NHK226] 室井佑月が共産党・小池晃に説教!?「共産党はネットの使い方が下手すぎ」「ネトサポに対抗する組織つくれ」(リテラ) 赤かぶ
5. 2017年5月23日 00:39:06 : 1RFEkLSxKM : GDNH4KJh0Mc[193]
ネトサポみたいな組織を作ったとして
阿修羅でもすでに起きてる現象だけどさ
書き込んだ相手に「馬鹿」だの「死ね」だのみたいな暴言を
お互いに浴びせかけているような事が色々なところで起きたら
げんなりしない?
自分は嫌だなぁ
なんかお互いに落ち着いて議論できる方法ってないですかね?
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/157.html#c5
コメント [政治・選挙・NHK226] 天皇退位は、恒久法で対応すべきなのだ。(かっちの言い分) 笑坊
1. 2017年5月23日 00:42:10 : n8SitkzjXg : reM66gowbg4[45]

古代奴隷制社会の遺物=日本国憲法第1章「天皇」・・・そんなもんサッサと無くしましょう。
権力者に利用される、税金の無駄です。

天皇家も国民の一員として働き暮らせばよいことです。
それとも、その座にしがみつきたいのでしょうか?
利用されるだけだと思いますがねえ



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/209.html#c1

コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍官邸が文科省前事務次官の「加計学園文書は本物」実名証言ツブしの謀略! 読売と週刊誌に“出会い系バー通い”リーク  赤かぶ
3. 2017年5月23日 00:44:15 : Mi9duAnuac : 3t@6s0It9ec[12]
逆に言えば、そこまでするってことはあのあの文書は本物で安倍政権にとっては致命的という事になりますね
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/210.html#c3
コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
36. スポンのポン[6716] g1iDfIOTgsyDfIOT 2017年5月23日 00:45:03 : ub3Hx2T5Ns : HiNKVHdYRfQ[1369]
 
 
 
■ここで民進党にケチをつけている人間は一人残らず自民党の工作員です。

 まともな人間ならば自民党のほうが百万倍腐っていることなど常識のはず。
 
 
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c36

コメント [政治・選挙・NHK226] <ヤバすぎ>菅官房長官が国連に抗議!「共謀罪に関する国連書簡は不適切なものだ」⇒ネット「マジで国連脱退しそう」 赤かぶ
2. 2017年5月23日 00:46:25 : fRxx0Ql0AA : XfDwYBrD3ZA[99]
国連という国家転覆デマ流布団体を共謀罪で摘発しないといけないな
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/211.html#c2
コメント [経世済民121] 超金融緩和続けばハイパーインフレの恐れ、「出口戦略」検討を―石破元自民党幹事長がアベノミクスを批判 赤かぶ
3. 2017年5月23日 00:47:31 : dQg1K14Yvs : vCMjuYRAu0I[11]
石破さんは自民党の中でも数少ないまともな政治家じゃないですか。
知恵遅れなんて失礼ですよ。

http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/745.html#c3
コメント [政治・選挙・NHK226] <実際は逆>NHKの印象操作が超悪質!共謀罪「反対派はバカ」「賛成派は賢い」という絵ヅラを作り上げる! 赤かぶ
1. 2017年5月23日 00:47:40 : lh1GGwoOtM : YsxGZGc1SWo[930]
まあ、ねえ。NHK自体への信頼度がどれくらい残ってるかにもよりますよ。
この絵を見てなおのこと信用しなくなる人もいるだろう。
庶民を甘く見てはいけない。

だって、アベノミクスも何も恩恵なかったのをみんな知ってるから。
なのに「『こだわり消費』で景気が回復してます」とか言って、その例としてネット通販で北欧雑貨を集めて洒落た部屋を飾り、デンマーク製の布でオーダーメードの服を頼む女性をニュース番組で登場させたりしているようなNHKです。

あれ見てどれくらいの人が共感できると思ってるのか?
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/216.html#c1

コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
37. スポンのポン[6717] g1iDfIOTgsyDfIOT 2017年5月23日 00:48:53 : ub3Hx2T5Ns : HiNKVHdYRfQ[1370]
 
 
 
>>23.

■もう一匹、クズ発見!

 自民支持者は全員、人間のクズ。
 
 
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c37

コメント [政治・選挙・NHK226] 「安倍晋三が被告です」 市民が昭恵夫人、迫田前理財局長らを刑事告発(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
24. 2017年5月23日 00:48:59 : 4wRYnlbxGk : 8B@kNzVqf4A[1]
4月22日に告発状を提出して、受理不受理はまだわからない状況
まだ有効な告発は存在しないのである

にもかかわらず、「告発前後で明らかに答弁内容が減った」とはどういうことですか?
告発前後とは、何月何日ですか?
与党は「告発されたから答弁しません」と言ったのですか?

国政調査権を否定してませんよ
あなたはどうするべきだというご意見ですか? 「安倍を批判するな」ですか?
具体的に述べてください

お前だ >23

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/203.html#c24

コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
19. 2017年5月23日 00:49:17 : mmlU3BHvQE : NVE268uqFsU[1]
早く公開したほうがいい
石井のように殺されるぞ
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c19
コメント [原発・フッ素48] 東京・世田谷区立中学校の健康診断でクラスの半分以上が甲状腺腫の疑いありと診断された  魑魅魍魎男
64. 2017年5月23日 00:50:03 : tgB3pTnIXY : TFFrMssdVpA[77]
赤い紙?なんでその色何だかね
普通なら子供がそんなもの貰ってきたら母親はSNSにアップするだろうね
そういうアップされた写真が無いのはなんでだろうかね?

http://www.jabts.net/koujyousen-jigyou/kakka_ken/index.html
此処に他県での結果が出ているが
長崎でも5mm以下の結節や2.0cm以下ののう胞を見つけたのは
検査した人数の42.5%に見つかってる訳なんだけどね。
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/142.html#c64

コメント [政治・選挙・NHK226] 「安倍晋三が被告です」 市民が昭恵夫人、迫田前理財局長らを刑事告発(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
25. 2017年5月23日 00:53:06 : 4wRYnlbxGk : 8B@kNzVqf4A[2]
訂正
5月22日に告発状を提出して
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/203.html#c25
コメント [原発・フッ素48] 東京・世田谷区立中学校の健康診断でクラスの半分以上が甲状腺腫の疑いありと診断された  魑魅魍魎男
65. 2017年5月23日 01:02:51 : vC5SKWKk9Y : 0pi4qLPDTR0[1]
そうそう このスレッド世田谷区長に通知済みです。
さて、どう反応が出るか楽しみだね
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/142.html#c65
コメント [政治・選挙・NHK226] 「陛下 政府に不満」とスクープ報道した毎日新聞の衝撃  天木直人 赤かぶ
49. 2017年5月23日 01:12:01 : UisOgfFeLk : 4ghwjXmS18c[5]
いったいこの天コロがどれだけお前らに影響を与えたと妄想するんだ?

戦争の反省をしてるといっても、こいつら天皇は日本国民に対して謝罪してないだろう

暴走を反省してない。

安倍の暴走も戦前の反省をしていないから。

この天コロ今上< `∀´>(本当は百済の朝鮮人)は何も出来ないわけではない。

実はこのくせ者今上は、安倍と色々話しているし情報を共有している。絶対だ。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/139.html#c49

コメント [政治・選挙・NHK226] <ヤバすぎ>菅官房長官が国連に抗議!「共謀罪に関する国連書簡は不適切なものだ」⇒ネット「マジで国連脱退しそう」 赤かぶ
3. 2017年5月23日 01:15:32 : lh1GGwoOtM : YsxGZGc1SWo[931]
>>2

国連脱退するなら個人でやってね。
あなたと安倍ちゃんと、菅ちゃんとあと何人かで。
国連が何でも正しいというわけではないのは知ってるが、私はとりあえずいいから。

同志だけで竹島にでも上陸して「瑞穂の国独立国家」でも叫んで世界と戦ってくれ。
もちろん、共謀罪もあっていいだろう。
軍事政権にしようが、独裁国家にしようが徴兵制を敷こうが自分たちの国なんだから好きにデザインしなよ。

もちろん、私ら日本人には関係ない話だから、どうなろうとしらばっくれるが悪く思うなよ。

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/211.html#c3

コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
38. 2017年5月23日 01:19:08 : n8SitkzjXg : reM66gowbg4[46]

≫10,11 ―――短絡思考の典型かな

>ミュンヘン五輪では、・・・リオ五輪では軍隊が出てまで警備をしていた。

誰に吹き込まれて、そんなアホコメ書いているのか知らんが、
「五輪」を引き合いに出す愚かさよ・・・自民党流のオドシ文句のようで軽薄すぎ、
日本はオウムサリンも世界で有名だぞ、、、だからといって『共謀罪』などなんも必要ありません。
お主のオツム軽すぎ!

>近々のテロ対策は現代日本の至上の課題であることは間違いない。

アメポチ財界自民党の悪政が続くので日本社会が汚れて荒れている、世界からも懸念の声が上がっている、、、日本人を危険にさらしているのは自民党の作り出す政治による。
自民党政治が無くなれば「近々のテロ」など起きません。
テロが起こるとすれば、それは自民党政治が原因なんですがね。
それとも、お主、
―――「近々のテロ」とは何か、また、その原因を書けるか???自分のオツムだけで披露できるか?


http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c38

記事 [原発・フッ素48] 「脱原発」、賛成が多数=スイスで国民投票 (時事ドットコム) 

「『脱原発』、賛成が多数=スイスで国民投票」 (時事ドットコム 2017/5/22)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052200199

【フランクフルト時事】スイスで21日、原発の新設を禁止し、再生可能エネルギーを推進する改正エネルギー法への賛否を問う国民投票が行われた。開票結果は賛成58.2%に対し、反対41.8%と、「脱原発」支持の民意が示された。投票率は42.4%。

 スイスは2011年の東日本大震災での東京電力福島第1原発事故を受け、脱原発方針を決定。改正法はこの方針に基づくもので、昨年9月に議会で承認されたが、その後国民負担増加への懸念を理由に反対派が署名を集め、国民投票に持ち込んだ。(2017/05/22-06:39) 関連ニュース

---------(引用ここまで)-------------------------

脱原発は世界の趨勢であり、この流れはとどまることはないでしょう。

原子力にしがみついている日本は、技術の進歩から取り残されるばかりです。

http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/152.html

コメント [政治・選挙・NHK226] 総理の犯罪の本丸は、加計学園 多くの官僚、政治家が証拠を握っている 安倍は加計学園に触れられるのを怖がっている 兵頭正俊 赤かぶ
19. 2017年5月23日 01:24:31 : qjfRYv79rI : _YojuZEz6FY[1]
安倍の犯罪は数多い

帰化人政治家は犯罪者

日本から出て行け!

北朝鮮の日本向けのニュース映像協力もおかしいと思わないか

絶対北の映像提供は、日本側が金払っている。

なんで日本が北朝鮮の映像毎日大量放送しているのに、文句言ってこないんだ?

ようするに   安倍の北工作  

自民党も安倍を下ろさないしオワコン腐れ党


http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/175.html#c19

コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
39. 2017年5月23日 01:25:43 : QN6QTJlZ11 : 9XwazgQtb5Q[44]

重症!
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c39
コメント [原発・フッ素48] 東京・世田谷区立中学校の健康診断でクラスの半分以上が甲状腺腫の疑いありと診断された  魑魅魍魎男
66. 2017年5月23日 01:25:55 : Uu8QZXmdFs : 2QF9Oht6lMc[2]
>>65
無駄だね。

世田谷区長が、
 「おっしゃる通り、甲状腺腫の疑いのある児童が増えて困っているんですよ」
と認めるわけがないだろうが。

放射能汚染調査すらごまかしてるんだからね。

http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/142.html#c66

コメント [戦争b20] 北朝鮮の核弾頭搭載ICBMの開発は、全面戦争以外に阻止できない 岡崎研究所(WEDGE) :国際板リンク 赤かぶ
3. 2017年5月23日 01:28:18 : E1CyQeWkoc : wBTygumReAE[2]
北朝鮮の日本向けのニュース映像協力もおかしいと思わないか

絶対北の映像提供は、日本側が金払っている。

なんで日本が北朝鮮の映像毎日大量放送しているのに、文句言ってこないんだ?

ようするに   安倍の北工作  

自民党も安倍を下ろさないしオワコン腐れ党
---------------------------------------------
アメリカの外交方針は、日中間で敵対関係が存在し、日本がアメリカの核と軍事力に依存する、
そしてアメリカは日本を軍事拠点にしながら、中国との経済関係を維持する、
それがベストのアジア政策だと考えてるから、

そういう路線の上にアメリカがイニシアチブを握るTPPと、沖縄の基地と、
ある程度管理された北朝鮮の核と、 中国の尖閣領有権主張とが、
フルセットの外交の道具になっている。
http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/354.html#c3

コメント [戦争b20] 北朝鮮、中距離弾道ミサイル発射実験に成功と発表(BBC News) 赤かぶ
7. 2017年5月23日 01:30:28 : E1CyQeWkoc : wBTygumReAE[3]
アメリカ共和党  
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

北朝鮮の日本向けのニュース映像協力もおかしいと思わないか

絶対北の映像提供は、日本側が金払っている。

なんで日本が北朝鮮の映像毎日大量放送しているのに、文句言ってこないんだ?

ようするに   安倍の北工作  

自民党も安倍を下ろさないしオワコン腐れ党
---------------------------------------------
アメリカの外交方針は、日中間で敵対関係が存在し、日本がアメリカの核と軍事力に依存する、
そしてアメリカは日本を軍事拠点にしながら、中国との経済関係を維持する、
それがベストのアジア政策だと考えてるから、

そういう路線の上にアメリカがイニシアチブを握るTPPと、沖縄の基地と、
ある程度管理された北朝鮮の核と、 中国の尖閣領有権主張とが、
フルセットの外交の道具になっている。
http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/352.html#c7

コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
20. 2017年5月23日 01:33:34 : S1ZkLVCWJ2 : JjUbMilP6Iw[14]

A級戦犯を本気で称賛する輩は、世界中から忌嫌われてる。それが未だ悟れないお子ちゃま世襲内閣だから、恥さらし。

ロシアはミサイル技術を北朝鮮に全面的に支援し、石油も充分に提供している。おまけにマンビョンボン号までも就航させてる始末。アヘンがプーチンにどれほど馬鹿にされてるが手に取るように分かると言うもの。

今の棄民党は、世界中の物笑いだんべ〜〜〜〜
.
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c20

コメント [政治・選挙・NHK225] 「共謀罪」強行採決。安倍首相「欠席」理由 赤かぶ
11. 2017年5月23日 01:35:30 : xR7rv94K9c : ysD5bd7OWG0[1]
--北朝鮮の対日映像協力  まさに茶番
反論できないだろう

日本が北朝鮮の映像使ってるのに北朝鮮は抗議しないのかwwwwwwwwwwwwwww
北朝鮮が日本のマスコミに映像送ってきて協力してるだろうがwwwwwwwww

北朝鮮の外貨獲得手段にチョンの安倍が協力してるの明らかだろうがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/900.html#c11

コメント [政治・選挙・NHK225] 「共謀罪」強行採決。安倍首相「欠席」理由 赤かぶ
12. 2017年5月23日 01:36:04 : xR7rv94K9c : ysD5bd7OWG0[2]
北朝鮮の核開発疑惑で、軽水炉をスイスの多国籍企業が納品して、
その多国籍企業の役員にラミーことラムズフェルドがいる
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/900.html#c12
コメント [政治・選挙・NHK225] 「共謀罪」強行採決。安倍首相「欠席」理由 赤かぶ
13. 2017年5月23日 01:37:01 : kqG6NRziyk : DaoLBNMK3eQ[12]
アメリカの外交方針は、日中間で敵対関係が存在し、日本がアメリカの核と軍事力に依存する、
そしてアメリカは日本を軍事拠点にしながら、中国との経済関係を維持する、
それがベストのアジア政策だと考えてるから、
そういう路線の上にアメリカがイニシアチブを握るTPPと、沖縄の基地と、
ある程度管理された北朝鮮の核と、 中国の尖閣領有権主張とが、
フルセットの外交の道具になっている。
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/900.html#c13
記事 [原発・フッ素48] 日本で最大2800万人避難も 韓国原発の事故影響試算 (日経) 

「日本で最大2800万人避難も 韓国原発の事故影響試算」 (日経 2017/5/21)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H6M_R20C17A5CR8000/

東京電力福島第1原子力発電所事故を踏まえ、韓国の原子力の専門家が21日までに、韓国の原発で使用済み核燃料の火災を伴う事故が起きた場合の被害規模を試算した。気象次第で放射性物質が日本の広範囲に飛来し韓国以上の甚大な被害が出て、日本で最大2830万人が避難を余儀なくされる恐れを指摘した。

 試算した米シンクタンク、天然資源保護協会(NRDC)の姜政敏上級研究員は「地震や津波などの自然災害だけでなくテロや北朝鮮のミサイル攻撃が事故につながる事態も排除できない」としている。

 韓国南部釜山市にある古里原発3号機で、使用済み燃料プールの冷却機能が失われて火災が発生し放射性物質セシウム137が大量に放出されたと想定。2015年1月〜12月の気象条件での被害を調べた。

 15年1月の気象条件では、西から東に吹く偏西風の影響で、西日本を中心に日本の最大6万7千平方キロメートルが放射性物質で汚染され、最大2830万人に避難が必要になる可能性がある。各都道府県の被害など詳細は不明だが、姜氏が作成した図解では、山口県から四国、紀伊半島まで帯状に、地表のセシウム濃度が1平方メートル当たり200万ベクレル以上の被害地域が広がる。

 9月の気象条件では、最大で韓国の国土の半分以上に当たる5万4千平方キロメートルが汚染され2430万人が避難。日本の首都圏に近い地域や東北にも被害が及ぶ。

 北朝鮮や中国に被害が出るシナリオもある。〔共同〕

--------(引用ここまで)-----------------------------------

たとえ韓国の原発事故により日本が甚大な被害が出ても、韓国は第2次大戦までの
日本の侵略・支配で被った被害を理由に、決して賠償には応じないでしょう。

チェルノブイリ原発事故で多大な被害が出たドイツの賠償要求を、かつてのナチス侵略で
多大な損害を被ったとしてソ連が一蹴したのと同じです。

放射能汚染に国境はありません。
反・脱原発は国を越えて互いに協力して進めなければなりません。


http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/153.html

コメント [マスコミ・電通批評15] 米も日本も些細な言い回しを炎上させるマスコミはろくなもんじゃない・・・・二階氏「いきなりですよ」…今村氏の更迭で不満 怪傑
4. 2017年5月23日 01:39:36 : kqG6NRziyk : DaoLBNMK3eQ[13]
北朝鮮の対日映像協力  まさに茶番
反論できないだろう

日本が北朝鮮の映像使ってるのに北朝鮮は抗議しないのかwwwwwwwwwwwwwww
北朝鮮が日本のマスコミに映像送ってきて協力してるだろうがwwwwwwwww

北朝鮮の外貨獲得手段にチョンの安倍が協力してるの明らかだろうがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
http://www.asyura2.com/16/hihyo15/msg/334.html#c4

コメント [マスコミ・電通批評15] 「共謀罪」か「テロ等準備罪」か 報道各社、割れる表記(テロが無くてもテロ等準備?!) 戦争とはこういう物
5. 2017年5月23日 01:42:50 : kqG6NRziyk : DaoLBNMK3eQ[14]
日本が北朝鮮の映像使ってるのに北朝鮮は抗議しないのかwwwwwwwwwwwwwww

北朝鮮が日本のマスコミに映像送ってきて協力してるだろうがwwwwwwwww


北朝鮮の対日映像協力  まさに茶番
反論できないだろう

北朝鮮の外貨獲得手段にチョンの安倍が協力してるの明らかだろうがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
http://www.asyura2.com/16/hihyo15/msg/331.html#c5

コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
1. 2017年5月23日 01:46:40 : lh1GGwoOtM : YsxGZGc1SWo[932]
朝日が久々にジャーナリストらしい報道をしたら早速テロ認定ですか?
先が思いやられます。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c1
コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
21. 2017年5月23日 01:47:50 : tk2jt2TyQA : xA4P9s4@UBw[1]
>19

いや、ホントにそれ、マジな話
スガの顔見たかあれは、マズイぞ
追い詰められると牙を剥く可能性がある
スガの横浜ルートならコロシヤさんの用意も簡単
今回何が マズイかと言うと
安倍だけがアウトならスガは動かない
しかしスガは国連の書簡を送った職員を個人扱いで抗議
此れではスガは安倍と一緒に沈没の可能性
だからスガは自分だけは生き残ろなければ ならないと必死
それがあの顔だ

今夜中にスガルートでコロシヤサさんが動いているか?
リークに関係した官僚、証拠入手した政治家
兎に角誰か一人でも
見せしめにコロセば
資料の追求も緩み
リークした関係者も証言を止めるだろう

とにかく、みなさん、今夜はコロシヤに警戒して下さい
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c21

記事 [経世済民121] 東芝、銀行が融資停止を示唆…6月に監査法人交代で決算提出「強行」の可能性(Business Journal)
         東芝・綱川智社長(つのだよしお/アフロ)


東芝、銀行が融資停止を示唆…6月に監査法人交代で決算提出「強行」の可能性
http://biz-journal.jp/2017/05/post_19174.html
2017.05.23 文=鷲尾香一/ジャーナリスト Business Journal


 東芝が上場廃止に向かって、坂道を転がり落ちている――。

 東芝が15日に発表した「2016年度通期業績見通し」は、純損益が9500億円の赤字となった。17年3月末の債務超過額は株主資本ベースで5400億円、純資産ベースで2600億円となった。東芝は同時点での債務超過が決定したことで、東証1部から2部への転落することになる。18年3月末までに債務超過が解消できなければ、上場廃止となる可能性は高い。

 15日に記者会見した綱川智社長は、18年3月末には記憶用半導体フラッシュメモリー事業の売却により、債務超過は解消できるとの見通しを示した。しかし、肝心の半導体事業の売却手続きは、共同投資する米ウエスタン・デジタル(WD)との意見が食い違い、暗礁に乗り上げている。

 WDは米現地時間の14日、東芝による半導体事業の売却が契約違反に当たるとして、中止を求める仲裁の申立書を国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所に提出したと発表した。綱川社長は記者会見で「WDにプロセスを止める根拠はない」と強気の構えを示した。しかし、この問題が簡単に決着するとは考えづらい。もし、半導体事業の売却が遅れれば、債務超過解消のための原資を調達するのは難しくなる。

■“離れ業”

 苦境に立たされる東芝をさらに追い詰める可能性があるのが、監査法人とメインバンクだ。

 4月下旬、東芝が監査法人を現在のPwCあらた有限監査法人から別の監査法人に変更する検討を行っているとの報道が相次いだ。後任の監査法人には、準大手の太陽有限監査法人が有力視されていた。こうした一連の動きは、PwCあらたを一段と頑なにしている。

「PwCあらたは、相当に気分を害したのではないか。両者の関係が簡単に修復できるとは思えない」(監査法人幹部)

 16年4−12月期決算に続き、17年3月期決算も監査法人の「意見」を得られないまま「見通し」というかたちで発表せざるを得なかったのは、「PwCあらたとの協議が難航しているため」(メインバンク関係者)だ。

 決算発表は、監査法人の「意見」は必要ない。ただし、6月末に法定期限を迎える有価証券報告書の提出には、それが必要となる。

「両者の今の状況では、6月末も間に合わないのではないか。おそらく、東芝は有価証券報告書の提出先である関東財務局に、提出期限の延長を求めるだろう。6月の株主総会で監査法人の交代を行い、後任監査法人に延長された有価証券報告書の提出期限までに監査を終了してもらい、『意見』をつけるという“離れ業”をやってのけるしかない」(同)

 もし、このシナリオが進んでいるのであれば当然、PwCあらたは6月末の有価証券報告書の法定期限までに監査を終了することなどないであろう。まさしく、監査法人が東芝にとって“前門の虎”となっている。

■追加融資に“二の足”も

 三菱UFJフィナンシャル・グループは17年3月期決算で、東芝向け融資を「要管理債権」に引き下げた。

「三菱UFJは東芝のメインバンクではないとはいえ、同行が債務者区分を引き下げれば、他行も引き下げに動かざるを得ない」(メガバンク幹部)

 要管理債権への引き下げは、多額の引当金を積まなければならなくなるため、メインバンクといえども、追加融資には“二の足を踏む”可能性が高まる。

 みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は15日の決算発表の記者会見で、「東芝をサポートする姿勢は基本的に変わらない」と述べた。しかし、ある条件が付いていることは重要な意味を持つ。それは、6月末の有価証券報告書の法定期限に監査法人の意見が得られず、「上場廃止問題が現実味を帯びてくれば、融資姿勢を見直す大きな要素になる」としたことだ。

 メインバンクといえども、東芝に対して適正な融資を行わなければ、株主代表訴訟を受けるリスクがある。

「今の東芝とメインバンクの関係は、何がなんでも東芝を救うというような状況ではない」(メガバンク幹部)

 こうした冷めた声も聞かれるなか、今やメインバンクは“後門の狼”に変身する可能性を秘めている。

(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)


http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/746.html

コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
22. 2017年5月23日 01:56:02 : tk2jt2TyQA : xA4P9s4@UBw[2]
そして警察のみなさん
警察官に成ったの理由は給料おた職員を絵だけじゃないでしょ
まだ、あなたの中に良心と正義が残っているなら
スガのコロシヤを見て見ぬ振りをしてはいけない
見つけたら、正しく対応して下さい
刃物か薬物か銃を持っている筈
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c22
コメント [政治・選挙・NHK226] <本末転倒>山佳奈子教授が指摘「共謀罪ができると、国際組織犯罪防止条約への日本の参加がスムーズに行かなくなる可能性」 赤かぶ
1. 人間になりたい[360] kGyK1ILJgsiC6IK9gqI 2017年5月23日 01:57:35 : Igew9LiSCV : jX5tMsGMxX4[184]

そもそも、安倍晋三のやっていることは全て本末転倒。それは人間性の欠如から来るものである。
本来、政治は国家、国民、公共のためのものであるが、安倍類の政治は自分のための政治である。
国会で追求されると立法事実が全て破綻するのはそのためだ。
当然、共謀罪はテロや国際組織犯罪防止条約のためではなく、国民を締め付けるためのものである。

モリが来て、カケが来たかと思ったら、テロ対策にはクソの役にも立たないザルが来た。
県外、国外で潰れた鳩山政権の崩壊理由は、官僚の嘘の書類。
そんな書類は存在しないと外務省が発表した。
さぞかし、鳩山由紀夫は狐につままれたような気持ちだろう。
これからの国会の追求は、モリ、カケ、ザル、キツネということになる。
国会は蕎麦屋か〜〜〜〜〜〜!!
 
 
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/217.html#c1

記事 [経世済民121] 定年退職後の「家庭内管理職」夫が社会問題化…家族に指図&激高、心身を壊す妻も(Business Journal)

定年退職後の「家庭内管理職」夫が社会問題化…家族に指図&激高、心身を壊す妻も
http://biz-journal.jp/2017/05/post_19176.html
2017.05.23 文=喜屋武良子/清談社 Business Journal


 定年退職後も「会社で偉かった自分」を忘れられず、家庭内で上司のように振る舞い、家族に偉そうに命令し、ついには家族に愛想を尽かされる「家庭内管理職」が注目を浴びている。

 この言葉が注目されたきっかけは、1月13日付読売新聞朝刊の投書欄「人生案内」に掲載された、40代男性による悩み相談だった。

「同居する父が、管理職だった有名企業を数年前に退職後、家でも管理職のように振る舞い、困っています」

 定年退職した父親が家事にもこまごまと口を出し、家族が反論すると嫌みを言い続けるため手がつけられない、というのである。この投書は週刊誌でも取り上げられ、3月17日には『ノンストップ!』(フジテレビ系)でも「家庭内管理職夫」の特集が組まれた。

 なぜ今、「家庭内管理職」がクローズアップされているのか。『他人を平気で振り回す迷惑な人たち』(SBクリエイティブ)などの著書を持つ精神科医の片田珠美氏は、「団塊の世代の退職とともに、『家庭内管理職』の問題が表面化するようになった」と語る。

■こんな人は危険?家庭内管理職の特徴と共通点

 片田氏によれば、団塊の世代のなかには定年退職後も会社の顧問や相談役を務めたり、パートタイマーとして働いたりしていた人が多いという。

「ところが、団塊世代が一斉に退職してから数年がたち、今や彼らも70代にさしかかっています。そうした人たちがずっと家にいるようになり、家庭内管理職の行動に悩まされる家族が、ここ数年で一気に増えている印象です」(片田氏)

 確かに、筆者と同世代であるアラサー、さらには少し上の世代を見わたすと、定年退職した父親の言動に困り果てている人は意外なほど多い。

「母や私の一挙一動を細かく監視していて、一瞬でも私物をリビングに置いていたら『今すぐ片付けろ』と怒鳴り散らす」

「意見したら、『今まで育ててやったのは誰だと思っているんだ』と激高する」

 周囲に聞き取りを行うと、こんな話が続々と出てくる。定年退職した団塊の世代の父親たちは、なぜ家庭内でこれほど偉そうに振る舞うのだろうか。

 片田氏は「家庭内管理職にはいくつかの特徴がありますが、ひとつは『自分自身を過大評価している』という点が挙げられます」と話す。

「家庭内管理職のなかには、『自分がどれほど偉かったか』を語り、成功体験を周囲に繰り返し話す人がいます。『どうしてこんなに勘違いできるのか』と周囲があきれるほど、自分自身の能力を実際よりも高く評価していることが多いのです」(同)

 また、家庭内管理職には「自分は特別という特権意識」を抱いているケースも非常に多いという。

「彼らの特権意識が学歴や役職などの具体的な根拠に基づいていることもありますが、特に根拠がなく、単に勘違いしているにすぎないこともあります。彼らが家庭内管理職となって自分のルールや価値観を家族に押し付けるのは、『自分は特別だから絶対正しい』『誰よりも賢い』と勝手に思い込んでいるためです」(同)

 さらに、自分の言動が家族や他人にどんな影響を及ぼすかを理解しようとしない「想像力の欠如」も、しばしば認められるという。そして、片田氏が「家庭内管理職に共通する傾向」として挙げるのが、「自己愛が強い」という点だ。

 自己愛が人一倍強い人は「認められたい」という承認欲求も強いので、定年退職して「会社という偉そうにできる場」がなくなると、満たされない思いにさいなまれる。そのため、家庭内で承認欲求を満たそうとするわけだ。

■現役時代にダメ社員でも家庭内管理職になる?

 問題は、家庭は会社とは違うということだ。家庭における彼らは、もはや命令したり指示したりする立場ではなく、家族も彼らの部下ではない。

「つまり、承認欲求を満たせない環境に置かれているわけですが、家庭内管理職はその現状を受け入れられず、相変わらず家族に対して上司のように振る舞い、自分の欲求を満たそうとする。そこに、まず問題があります」(同)

 家庭内管理職に陥りやすいのは、現役時代に会社でバリバリ働き、多くの部下に指示していた人だけではない。やっかいなことに、現役時代にそれほど大きな成果を挙げられなかった人も、家庭内管理職になることがあるという。

「そういう人が陥りがちなのが、現役時代に『こうだったらよかったのに』と思っていた願望を現実と思い込む『幻想的願望充足』というパターンです。現役時代の自分が理想通りではなかったからこそ、定年退職後に自分自身を過大評価し、ことさらに『俺は偉かったんだ』と強調して、家庭内管理職として振る舞ってしまうのです」(同)

 そして、親が家庭内管理職の家庭で育った人の場合も、「同一化」というメカニズムが働き、自分も同じように振る舞う可能性が高くなる。会社で偉かったか否かにかかわらず、承認欲求をこじらせると、誰でも家庭内管理職に陥る可能性があるわけだ。

 家庭内管理職が家族に押し付ける命令は、「正論」に聞こえるかもしれない。だが、根底に潜んでいるのは「自分がいかにすごいか、認めてほしい」という願望のみである場合が多い。それだけに、彼らの言動に振り回される家族にとってはいい迷惑といえる。

■定年後では遅い!家庭内管理職にならないために

 片田氏によれば、特に家庭内管理職の実害が大きいのが妻だという。

「子どもなら、経済的に自立すれば家庭内管理職の親と離れることができます。一方、妻は夫から逃げることができません。私の外来に通院している患者さんのなかには、夫が定年退職して以降、動悸が激しくなり、眠れなくなったと訴える女性もいます」(同)

 なかでも、60歳以上の女性は専業主婦の割合が高く、経済的な自立が難しいので、なかなか離婚に踏み切れない。家庭内別居のような冷え切った関係になっても、「もう少しの辛抱だから」と自分に言い聞かせ、家庭内管理職の夫と一緒に住み続けるケースが多いという。

 誰にとっても不幸な結果しか招かない家庭内管理職。では、自分がこの先、そうならないためにはいったいどうすればいいのか。片田氏は「自分自身の承認欲求を見つめ直すことが大切」だと語る。

「その上で、会社だけで認められようと思わず、何か没頭できる趣味などを持ち、承認欲求を満たすことのできる場を広げるといいでしょう。現在の社会では、会社で満足のいく結果を出せる人というのは少数派。特に、40代以降になると自分の着地点も見えてきます」(同)

 片田氏が面談を行っている会社員のなかには、30代後半で出世コースから外れた後、絵画を習い、展覧会に出品するなどして交友範囲を広げている人がいるという。

「正直言って、定年退職してから仕事以外で生きがいを見つけるのは難しい。できれば、会社に勤めている間に視野を広げておきたいところです」(同)

 自己愛や「自分を認めてほしい」という欲求は、誰でも持っているものだ。重要なのは、そのやっかいな欲求とうまく折り合いをつけて生きること。定年後に家庭内管理職というモンスターになってからでは遅いのである。

(文=喜屋武良子/清談社)


http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/747.html

コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
23. 2017年5月23日 02:01:48 : tk2jt2TyQA : xA4P9s4@UBw[3]
>22

> 警察官に成ったのは給料をもらう為だけでは無いでしょう

こっちが正しい文
前の意味不の文章は誤り
すまんかった
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c23

記事 [医療崩壊5] 有名うつ病薬、服用で殺人や自殺多発…製薬会社の研究データ捏造蔓延を衝撃告発(Business Journal)

有名うつ病薬、服用で殺人や自殺多発…製薬会社の研究データ捏造蔓延を衝撃告発
http://biz-journal.jp/2017/05/post_19179.html
2017.05.23 文=岡田正彦/新潟大学名誉教授 Business Journal


 厚生労働省のデータによれば、日本人の100人中3〜16人が生涯に1回は「うつ病」を経験することになるそうです。誰にとっても無関心ではいられない、うつ病の薬にまつわる驚きの数々をご紹介します。

 ジュード・ロウ主演の映画『サイド・エフェクト(副作用)』(2013年)は、うつ病治療薬の副作用で次々に悲惨な事件が起こるというストーリーでした。架空の薬がテーマでしたが、セリフのなかに「パキシル」という実在の薬も出てきました。以下は、この薬をめぐって実際に起こった事件で、映画づくりのヒントになっていたと思われるものです。

 米国ワイオミング州に住む男性、ドン・シェル氏(当時60歳)には、37年間連れ添った妻と2人の子供がいて、初孫も生まれたばかりでした。家庭生活はハッピーだったものの仕事のストレスが大きく、以前から近所の精神科クリニックでうつ病の薬を処方されていました。しかし、ちょっとした副作用があり、服薬を中断していたそうです。

 再び眠れない日々が続くようになり、別のクリニックを受診したところ、うつ病による不眠症と診断され、パキシルが処方されました。前に飲んでいた薬と同系のものであることを、医師も本人も気づかなかったようです。

 飲み始めて2日後、シェル氏は突然、2丁の拳銃を持ち出し、なんと妻、娘、それに孫の3人を射殺してしまいました。娘婿は、1年間悩んだ末、「自分の家族に起こった悲劇は薬のせいだ」として、製薬会社を訴えることにしました。その頃、全米各地でこの薬を飲んだ人の自殺騒ぎが相次ぎ、5,000件ともいわれる訴訟が起こされていました。

 多くの裁判が進行する過程で、この薬をめぐるさまざまなスキャンダルが暴露されました。まず18歳未満の青少年を対象にした追跡調査が、少なくとも3件行われていたにもかかわらず、1つしか論文として公表されておらず、しかもその内容に捏造が行われていたと、司法当局によって断定されました。

 極めつけは、この薬の効果が、プラセボ(偽薬)より劣っていることを示すデータが隠蔽されていたという事実です。つまり、この薬はうつ病の症状をむしろ悪化させてしまうものだったのです。しばらくして米国の政府機関FDA(米国食品医薬品局)も、ようやく重い腰をあげ、製薬企業に対して「18歳以下の青少年に使用すると自殺のリスクが高まる」という一文を添付文章に加えるよう指示しました。日本国内でも同様の措置が取られたのは言うまでもありません。

■捏造、隠蔽は日常茶飯事

 しかし、話はこれで終わりませんでした。米国で発行されている「ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」は、サイエンスのあらゆる分野を通じて世界最高レベルと評価される医学専門誌です。その編集長を務めていた医師マーシャ・エンジェル氏が、「この薬に限らず、精神科治療で使われる薬はすべて疑惑に包まれており、信用ができない」という主旨の告発本『ビッグ・ファーマ(巨大製薬企業)』を発表したのです。

 世界の巨大製薬企業にとって、論文の捏造、隠蔽は日常茶飯事。それどころか、科学的研究を装った巧妙な「薬の調査」を行い、偽りのエビデンスを日々つくり出しているという内容でした。この事実については、同氏が見解を発表するよりずっと前に私も気づき、2001年刊の『治療は大成功、でも患者さんは早死にした』(講談社)にまとめています。

 同氏の本には、私の想像をはるかに超えた記述もありました。巨大製薬企業は、単にデータを操作しているだけでなく、なんと新しい病名をつくり出して世の中の不安を煽り、薬の販売量を増やしていたというのです。

 01年9月11日、世界貿易センタービルがテロ攻撃によって破壊されたあと、この薬のメーカーは、ビル崩壊の映像とともに「ソーシャル・アングザイエティ・ディスオーダー(社交不安症)」という新しい病名と「耐え難い恐れ、絶望感などに」というコマーシャルフレーズを繰り返し流したのだそうです(注1)。

 この薬は、日本国内でも2000年に発売され、広く使われています。私のもとを訪れる患者さんのなかにも、すでに他の病院で処方されているという人が多くいます。一連の出来事は、すべて巨大製薬企業と有名医師との癒着に起因したものでした。次回以降、これらの実態を詳しく紹介していくことにします。

(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)

【参考文献】
(注1)Sunset B, Social anxiety disorder campaign. Marketing Campaign Case Studies, on line, 2009.


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/613.html

コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
40. けろりん[2465] gq@C64LogvE 2017年5月23日 02:04:34 : ECjf10sQlw : SsGV36BfDk4[566]


共謀罪_通過すりゃ、下手にデモすら打てなくなる可能性すらある。
いまなら、お買いものモードでのお気楽祭りのような気分で出向けるが、
これからは・・、
結構・・神経尖らせる、マジモードの真剣気分に取り組む気構えが必要になる
・・・まるで、専制君主統治国家並みに陥ることが__考えられるな・・。


GDP___いまや先進国内でも、ドツボどん底レベル・・・。
法治体制も___これからは、発展途上国フィーリングの
まるで、サウジや北朝鮮並みに移行しながら
あほう低脳世界へと、移って行くんじゃないか・・・?


奴隷のホントウの敵は、支配者ではなく
仲間の奴隷そのもの__とはよく言ったものだ。
奴隷国民体制は、奴隷国民自身の
要請・要望から成り立っているんだ。
ネトウヨ種族を見ていりゃ、ハッキリ分かるな・・。

国民全体の80%ぐらいが・・その種族だ・・・。
ネトウヨ種族+ネット難民で_その全体比率99%__。
多勢に無勢で__どうしようもない・・・。

終わっとるわ。


http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c40

コメント [政治・選挙・NHK226] <ヤバすぎ>菅官房長官が国連に抗議!「共謀罪に関する国連書簡は不適切なものだ」⇒ネット「マジで国連脱退しそう」 赤かぶ
4. 2017年5月23日 02:05:15 : fjl2G9Zmro : eMcPigBWLHg[76]
流石、隠れ中核派非転向政権の面目躍如だな。

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/211.html#c4
コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍首相が朝日の加計学園報道をFacebookで「テロ」認定! やっぱりこいつは共謀罪で言論を取締るつもりだ(リテラ) 赤かぶ
23. 2017年5月23日 02:05:18 : aDnSvZ9mUA : eeYmw@idcu8[-511]

報ステ「加計学園が提出した書類はたった2枚wしかもMERSをMARSと間違えてるw」 →嘘ニュースでした


2017/05/22(月) 19:05:58.30 ID:Aar/lB9W0 BE:135853815-PLT(12000)
?PLT(12000)

報ステ
国家戦略特区会議に提出された資料では、京都産業大学がA4で20枚に対して、加計学園のものはわずか2枚。
http://i.imgur.com/ifxJiBv.jpg
http://i.imgur.com/HdmiwE0.jpg
http://i.imgur.com/9IeZVAb.jpg

報ステ。森ゆう子議員。
加計学園のわずか2枚の資料の中に「エボラ出血熱」を「M・A・R・S」と書いてある。「M・E・R・S」の間違いです。この資料自体が間違っている。
http://i.imgur.com/JSbOP1m.jpg
http://i.imgur.com/GVw3BZ1.jpg
http://i.imgur.com/cIf2y8v.jpg

動画 7:58〜
http://dai.ly/x5mukux

http://hayabusa9.2ch.net/test/read.cgi/news/1495406103/

447 名無しさん@涙目です。(新疆ウイグル自治区) 2017/05/22(月) 16:56:04.76 ID:Prn+6sm20
テレビでMARSと大写しされた資料が実は加計が作ったものじゃなかった。

商工会議所が作成した資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/hiroshimaken_imabarishi/imabari/dai2_sankou2.pdf

加計が応募した際に出した資料はこっち
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/hiroshimaken_imabarishi/imabari/dai2_shiryou6.pdf

2つの資料はここから見れる。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/hiroshimaken_imabarishi/imabari/dai2_shiryou.html

おまけ、京産大の資料は多分これ
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h28/teian/161017_shiryou_t_1.pdf

TVって怖いなと思いました。

2017/05/22(月) 19:09:33.63 ID:a3vJal/q0
知ってた速報

加計関係はそもそも今治が2007年から加計と組んで申請しまくってた事実が何故か放置されてるからな

2017/05/22(月) 19:11:17.74 ID:cnzHH6wo0

このネタで必死に書き込んでた奴いたよね

2017/05/22(月) 19:35:26.91 ID:IYfUxIkq0
>23

そうそう。
京産に決まりかけてたのに、加計にしか申請できない規定に変えたとか、加計は適当な申請でも通った、って何度も書いてた奴いたわ。ソースは出してこなかったけど。

2017/05/22(月) 19:16:28.06 ID:cL4a+l0v0

産業大はそもそも申請0だと聞いたが・・・

2017/05/22(月) 19:38:36.72 ID:DA3ZcwoT0

加計の資料は作成日が1月だな。
今治は9月で京産は10月
国家戦略特区会議が10月だから加計の資料は作成時期が会議の時期とあっていない。

2017/05/22(月) 19:40:12.71 ID:mdC9tfPW0

安倍を倒すのを社是とするのはいいけど、捏造や嘘や怪文書で、それが達成できると思ってるの?

もうマスゴミは一度潰さないとだめだろこれ

http://hayabusa9.2ch.net/test/read.cgi/news/1495447558/抜粋
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/192.html#c23

コメント [政治・選挙・NHK222] 完全にアウト!稲田朋美は辞任せよ(simatyan2のブログ) 赤かぶ
131. 2017年5月23日 02:05:57 : t1sOaSJVtg : blcVs2G5I6c[1]
<電波系希望の音声判断>、闇の中を照らす、<亀居城・六時の鐘・耳目寺仁王・海福院・絵巻>!
<両国橋の大陰謀>、サムライの原稿が無かったら、まったく、分らんかった世界!
世界中一緒、チョン公が6茶9茶暗躍、奴隷売買の暗黒大陸をやっていたんだ!
<集団ストカー=在日朝鮮人>、日本人成り済まし、日本乗っ取りの大犯罪をやっている!

乗っ取られた長州藩、奇兵隊の暗躍を見逃し!
組織犯罪をやられている、自分だけ分っても結局は助からん、強制的に殺される!
書き始めて反響が大きい、まとめる事が至難のワザ、支離滅裂な原稿に変る!
<絶えず電波攻撃を頭に直接受けながら、更に電波工作員の集団ストカーが動き廻る>!

真逆に変えることは至難のワザ、犠牲者が教えてくれる、国家犯罪!
国家秘密の捏造、奴隷法案で戦時中へ逆戻り、それは絶対、阻止せんと危ない!
電波攻撃の意図が分った以上、これ以上、ノサバラセルことは出来ない!
チョン公たちは限度限界を超えている、<殺伐とした自分達の要求>を通そうとしている!

電波攻撃が一方的立った為、罷り通っていたんだ、
日本人成り済まし、極悪非道、在日朝鮮人の集団ストカーは危機感を覚える!、
反日は相棒を悪役に変えて、伸し上る、後ろから撃つ国民性、民度が違い過ぎ!
中国⇒日本<天草の奴隷売買>⇒ロシア⇒アメリカ、寄生虫国家の大陰謀!
集団ストカーのチョン公は、宗教団体・893に成り代わって苦情をいっぱい入れる連中!

【上念司】 米軍司令部 ソウルから撤退 米人の避難
https://www.youtube.com/watch?v=slNPW0neU58
【韓国崩壊】釜山市が日本から7兆円をぶんどり、考えられない事業を計画している事が発覚ww 馬鹿げた妄想で韓国経済を復活させる模様!
https://www.youtube.com/watch?v=PtAvLTPud9c
日本の加害団体についての総括
http://mkawa.jp/blog-category-23.html
※拡散※ヤフートップの韓国批判記事がヤバイことになってるぞw 《韓国崩壊》
https://www.youtube.com/watch?v=IX1Tdk-VCZY
【韓国崩壊】『世界で一番嫌われている民族は韓国人』ヤフートップで異例の報道!! 韓国人観光客の嫌われっぷりが明らかにwww【嫌韓嫌中ちゃんねるほぼ日】
https://www.youtube.com/watch?v=JyzwDOsQb1I
こんなにいる! あの有名な犯罪者も実は韓国人!!
https://www.youtube.com/watch?v=Tspv3eIJ23Y
【藤井厳喜】韓国に日本が騙されてきた理由が衝撃だった!K国の悪事が暴かれる【韓国崩壊】
https://www.youtube.com/watch?v=wn_A1aPIrqQ
「幻聴」「幻視」を疑似体験
http://ai.2ch.net/newsplus/oyster/1395/1395672017.dat


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/334.html#c131

コメント [政治・選挙・NHK226] 沖縄「第3の県紙」八重山日報、本島の報道に新風 何て骨体
7. 2017年5月23日 02:09:27 : fjl2G9Zmro : eMcPigBWLHg[77]
八重山日報を天下の読売新聞は支援してやれよ。
それと一刻も早く沖縄読売テレビも開局しろよな。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/196.html#c7
コメント [政治・選挙・NHK226] <実際は逆>NHKの印象操作が超悪質!共謀罪「反対派はバカ」「賛成派は賢い」という絵ヅラを作り上げる! 赤かぶ
2. ピッコ[1292] g3ODYoNS 2017年5月23日 02:09:29 : GJJuGZxsFs : @EcljS0yhKI[121]
>「共謀罪だかなんだか知りませんが」

確かに、世論調査で「共謀罪がどういうものかよくわからない」国民が多いという結果が出ている。 憲法に抵触するような、国民の自由が脅かされる危険性が多いこの重要法案について、いかにNHKがきちんと放送で伝えていないかが表れた結果だ。 何のための公共放送か? 「共謀罪」の前にも、特定秘密法案とか、安保法案とか、何だかよくわからないうちに強行採決で次々に決まっていった。 アベノミクスだって、将来へのツケと大きなリスクを抱えながらやっていることを、多くの国民は今なお解ってないと思う。

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/216.html#c2

記事 [原発・フッ素48] 放射能汚染土の再利用、環境省が実証実験、土木工事の資材として(2017/5/18 福島民報)
         実証試験で造成された盛り土を視察する伊藤氏(手前左)ら   


放射能汚染土の再利用、環境省が実証実験、土木工事の資材として(2017/5/18 福島民報)
http://radiation7.blog.fc2.com/blog-entry-5860.html
Monday, May 22, 2017 東京江戸川放射線


 環境省は17日、東京電力福島第一原発事故に伴う除染で生じた土壌の再生利用の実証試験を行っている南相馬市小高区の東部仮置き場で、実証試験の状況を報道関係者に公開した。伊藤忠彦環境副大臣、桜井勝延市長も現場を視察した。

 実証試験は、除染土を公共工事などの資材として再生利用するために安全性を確認するのが目的。現場では、除染土のスクリーニング、異物除去の過程や資材化した除染土を土で遮蔽(しゃへい)した試験盛り土などが説明された。

 視察後、伊藤氏は再生利用の受け入れ先の決定に向けて「現場を見てもらう機会を設け、情報開示をするなどして理解と信頼を得たい」と述べた。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2017/05/post_15088.html

http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/154.html

コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
2. 2017年5月23日 02:13:37 : aDnSvZ9mUA : eeYmw@idcu8[-510]

spark @Yonge_Finch
私はカナダでは移民1.5世だった。それがまた日本という別の国で移民1世になった珍しいケース。 他の移民1世と同じく苦労し、日本で生活の基盤を作った。 しかしそれを捨てることを決意するぐらい、安倍政権は恐ろしい。 崩壊のスピードがあまりにも急でむしろ私の準備が間に合わないぐらいだ。

今私がカナダに戻ることは、もう一度移民1世になることを意味する。
https://twitter.com/Yonge_Finch/status/863971276729143297

安倍政権有能ですね(笑)
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c2

コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍首相が朝日の加計学園報道をFacebookで「テロ」認定! やっぱりこいつは共謀罪で言論を取締るつもりだ(リテラ) 赤かぶ
24. 2017年5月23日 02:19:19 : IJjjrLkBu1 : Tp0IihGPIW0[1803]
  チャップリンは、その主演映画の中で主人公に、一人殺せば殺人者、沢山殺せば英雄だ、というセリフを言わせたが、個人の行為と国家権力者の行為との矛盾を象徴したセリフとして有名である。
    今、共謀罪の可決を与党と官僚が企図しているが、総理が官邸に官僚を住まわせている段階で、もはや共謀罪の対象となっておかしくないのである。
   なぜなら、諸外国でもまともな国は、血税を預かり采配する立場の者と首脳が懇意にすれば公金の流用が画策される可能性があるとして、限度を超えた事務方と首脳との接触は戒めている筈だ。
   行政事務上の瑕疵や誤謬は、血税を預かり実務をしている以上は起こり得るが、それを国民納税者を代表してチェックする立場である閣僚が、事務方と懇意であっては管理監督機能が発揮できない可能性が高いのである。
   実際に事件化しなくても可能性のある状況を避けるのは当然である。
   租税主義国で、国民から血税を徴収しそれを議会で国民総意として立法する国民代表議会制民主主義国を標榜している以上、疑いを掛けられる前に、立法府トップと行政府トップとの密な接触は戒めなければならない。
   ところが、総理官邸に官僚が何人も住み着き、夫人にまで付いているのだから、当然総理とも濃密な接触があると疑われても仕方の無い状況であり、日夜政官が接触していれば、国家規模の腐敗、汚職の要因として見られても仕方が無い。
   テロの防止を理由に、犯罪実行前の段階で疑うことを前提としているのが共謀罪の本旨であるところ、官邸に共に寝起きしている首相と官僚が、血税の使途に関して清廉潔白だという証拠は無いのだから、取り合えずはマスコミに疑惑の目を向けられることに官邸が抵抗があるとすれば、共謀罪の一刻も早い成立を願う首相の国会での振る舞いとは、甚だ矛盾しているのである。
   国家的テロは公金や公有地が介在する為に大規模であり、加計事件の単位が一件で数十億円を下らないことを鑑みても、権限行使可能な立場の者が官邸に集えば、それこそ兵器や核燃料から麻薬まで、膨大な資金が采配出来るのであり、納税者が関与出来ない水面下で政官のトップによる権限行使が企図される可能性が有るという点で、官邸と官僚との癒着構造こそがテロ疑惑であり、第一義的に共謀罪の対象とされるべきなのである。
   一人殺せば殺人鬼、沢山殺せば英雄だ、とのチャップリンのセリフ通りの理不尽が存在するのであり、、権限行使可能な立場の政官トップの一体化で国家的規模の犯罪も可能であるところ、国家要人によるテロ疑惑を納税者やマスコミが注視するのは、租税主義国の国民として、当然の義務であろう。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/192.html#c24
コメント [政治・選挙・NHK226] 小野田紀美参院議員が「米国籍を喪失しました」 「蓮舫民進党代表はいつになったら説明するの」の声(産経新聞) 最大多数の最大幸福
5. 2017年5月23日 02:22:12 : aDnSvZ9mUA : eeYmw@idcu8[-509]
>>1

【ウソはダメ!】

菅義偉官房長官、「蓮舫」ベストマザー賞受賞へのコメントで「二重国籍疑惑」をチクリ

2017/05/17(水) 01:08:43.42 ID:kHBOjFq00●.net PLT(13500)
?PLT(13500)

 ウソはだめ−。菅義偉官房長官が12日の記者会見で、民進党の蓮舫代表をチクリと皮肉る一幕があった。

 蓮舫氏は11日、東京都内で開かれた「ベストマザー賞」の授賞式後、自身の子育て方針について「『ありがとう』『ごめんなさい』をちゃんと言えるように教えてきた」と記者団に述べた。

 これを踏まえて「子育てで何が重要か」と記者に質問された菅氏は、即座に「私はやはり、ウソをついちゃだめだということだけはずっと言っていた」と答えた。
二重国籍問題で発言を二転三転させた蓮舫氏を当てこすった?https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170512-00000538-san-pol

http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news/1494950923/
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/143.html#c5

コメント [政治・選挙・NHK226] <実際は逆>NHKの印象操作が超悪質!共謀罪「反対派はバカ」「賛成派は賢い」という絵ヅラを作り上げる! 赤かぶ
3. 2017年5月23日 02:37:50 : aDnSvZ9mUA : eeYmw@idcu8[-508]

でも在日コリアン擁護の場合だと何故か称賛か黙認するのが阿修羅民だよね(笑)
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/216.html#c3
コメント [政治・選挙・NHK226] 松本人志が共謀罪に「いいんじゃないか」「冤罪が多少あってもプラスになる」 法案の中身を知らないまま安倍擁護する悪質  赤かぶ
38. けろりん[2466] gq@C64LogvE 2017年5月23日 02:42:34 : ECjf10sQlw : SsGV36BfDk4[567]


>9XwazgQtb5Q
>納得できる修正案を出せなかった野党の不甲斐なさを責める。
>自民党の共謀罪に瑕疵があっても、全体としてはうけいれられるのである。
__________________________

これだけで、工作員__だと判別できるだろ?

廃案以外の選択肢がない中の「修正案」とは何のこっちゃ?
・・・どの全体の、誰が受け入れているんだ?
>17. [ 9XwazgQtb5Q ]・・・由緒正しそうな工作員。
おまえは、どこから湧いて来てるんだ?
・・・官邸周りのアルバイターか?

消えかかってほとんど実態も希薄な、中核・革マル話題などで
印象操作もパラノイアな___おトボケ工作員__のおまえ・・。
> [ 9XwazgQtb5Q ]



・・・・それと・・・、

芸能人に「 さん 」など付けるな___ボンクラ。

あほうか?



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/189.html#c38

コメント [政治・選挙・NHK226] <実際は逆>NHKの印象操作が超悪質!共謀罪「反対派はバカ」「賛成派は賢い」という絵ヅラを作り上げる! 赤かぶ
4. めんたいこ[1452] gt@C8YK9gqKCsQ 2017年5月23日 02:47:32 : whZnCMB6Nw : pV3fcFSwpe4[2]

NHKだか犬HKだか犬アッチ逝けぇ〜だか分からんが、ごろつき放送局?

受信料をムシリ盗る山賊みたいな盗賊みたいな極悪ゴロツキ詐欺放送局では?

こんな、ゲス局のガセ報道にカネまで払って契約している脳天気がいるのが

元凶だわ。積極的に契約解除してカネなんか払うな。カネ払うとゆう事はコノ

ゲス局を認め援助して応援しているに他ならない。こんな局を視聴していると

脳みそが腐るよ。国民の奴らは見る見ない関係なく受信契約してカネだけ出せ!

     by安倍将軍さまのNHK。

裁判でも何でもやってくれと、最初から絶対に契約しない事ですな。

奴ら、罰則規定の無い放送法を持ち出すが、テメエらも毎日放送法違反ばかり

やっている。二、三、四に完全に違反。 ザケンナ。

第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)
の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明ら
  かにすること。

NHK受信料を払ってしまった人必見!契約解除・取り消しの方法や手順
http://hitorinokurasi.com/archives/610 

これはヤバイ…安倍政権と「放送法遵守を求める視聴者の会」がもくろむ言論統制
https://matome.naver.jp/odai/2145104184253685201



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/216.html#c4

コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
3. めんたいこ[1453] gt@C8YK9gqKCsQ 2017年5月23日 02:55:28 : whZnCMB6Nw : pV3fcFSwpe4[3]

このバカの存在ソノ物がテロやんけ。ましてや無能で100害以上のくせして

国会議員、オソロシヤ総理大臣やったりなんかして国滅ぼす本物の政治テロリスト。


http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c3

コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
4. 2017年5月23日 02:58:43 : HUI5SFedJA : 7Sq9gp4YhtY[21]
テロリズムの定義を知らない奴しか「言論テロ」という新定義を思いつかない。
しかも外形標準で見るかぎり、言論をテロ扱いする行為の方がテロリズムの定義に合致している。

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c4
コメント [政治・選挙・NHK226] <共謀罪>菅官房長官「上司をぶん殴ろうと何人かで相談したって、検挙なんかしない」  赤かぶ
15. 2017年5月23日 03:15:01 : IJjjrLkBu1 : Tp0IihGPIW0[1804]
  トップというのは殆ど法案について充分に理解していないのだろう。
   それもその筈、総理や閣僚となれば、過労死予備軍の会社員とは違うにしても、日常的に頻繁に来客もあり、かつまた財界や官界の人間との交流もあり、分刻みのスケジュールであろう。
   とすると、官僚が持ち込んだ法案を、閣議で喧々諤々と専門知識や秘書などに関連書物などを持って来させて検討した後に委員会や本会議に掛ける、ということもしていない筈である。
   例えば国旗国歌が法制化された際にも、官房長官あたりは、強制することは無い、と軽く牽制したが、実際に現場で進捗してみれば、起立だけでは気が済まず、実際に声を出して歌っているか、校長や教頭が徘徊して教員の口元に耳を近づけて確認したなどという事態になっているのである。
   この際、校長や教頭は歩き回って教員の口元を検査しているのだから、当然ながら自分達は起立斉唱とは程遠い状態であるところ、起立斉唱していない本人が起立斉唱を強制することになったのだから、本末転倒が起こった、という事だ。
   これと同様、一般人が取り締まりの対象となることは無い、などとトップは観念しているようだが、世の中には警察を退職した幹部や天下り先を転々としている公務員が無数に存在し、彼らが喰う為の任務を探しているのは、文科省がシステム的に天下り斡旋をしていることで明らかであろう。
   新聞を持ち込んで公益法人に天下りして一日を過ごしている退職公務員が存在している以上、彼らが、ナチの時代のカポー役となっても不思議では無い。
   退職したら傾聴ボランティアやホームレスの炊き出しを手伝う、などでは無く、それ以上の権威を帯びた仕事を求めるに、こうした、一般人の中から犯罪予備軍を探し出してリストアップし、実際に組織の中に入っての調査役を喜んでやる者も居るだろう。そのための新法であると言っても過言では無いのではないか。
   実際に検挙に至るまでに、様々な媒体を使い内偵し、その後は組織体に食い込んで事情聴取、最後はそれらしい供述書を作成し、容疑者として報告すれば一丁上がり、という事も、充分に有り得るのである。
   その後は、実際に検挙はされないにしても、容疑を掛けられた者が社会に居づらくなるのは日本の風土からしても充分に考えられるのである。
   警察に任せた、検挙に至るまでの、組織体における組織員のプライヴァシーの把握そのものが目的化すれば、天下り先としては非常に満足の行く仕事であろう。
   問題は、松本の言うような冤罪が起こるのは必至であるところ、冤罪という前に、内偵や事情聴取によって名誉を傷付けられた場合の回復手段がどれほど考慮されているか、である。
   安倍首相が、国会で批判を受けて「失礼ですよ」と切れるような事が容易に怒り得るのだが、その尊厳の回復手段が充分に用意されていなければ、法治国家とは言えないのである。
   名誉の回復のための法的手段の保証として、法廷に出廷するための休暇の法制化、あるいは弁護士費用などの公的補助は必須だろう。
   ところが、裁判員裁判に指名された会社員でさえ会社から批判される、という状況では、共謀罪の対象となった「一般人」の名誉の回復のための訴訟は及ぶべくもない。
   松本の軽率なところは、冤罪を晴らすための手段を何も考えていないことである。法治主義は、法を作るのみでは無い。人がその原則を引き出しから出して法廷で正義のために時間を掛けて闘う事が出来る、という充分な保証があってこそ、法治主義国と言えるのであるが、松本の言うように、冤罪を当然生むであろう予防拘禁という共謀罪の法案には、冤罪を晴らすための手段の保証が完全に欠けている点で、強行採決以前の問題なのである。
  
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/167.html#c15
コメント [原発・フッ素48] 放射能汚染土の再利用、環境省が実証実験、土木工事の資材として(2017/5/18 福島民報) 赤かぶ
1. 2017年5月23日 03:23:50 : Fy8l2KiFcE : xiHks0D@m_Q[1]
アホのアベの地元でだけ、
使ってくれ。

http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/154.html#c1
コメント [政治・選挙・NHK226] <ヤバすぎ>菅官房長官が国連に抗議!「共謀罪に関する国連書簡は不適切なものだ」⇒ネット「マジで国連脱退しそう」 赤かぶ
5. めんたいこ[1454] gt@C8YK9gqKCsQ 2017年5月23日 03:24:33 : whZnCMB6Nw : pV3fcFSwpe4[4]

アホの金田呆相を国連に逝かせて身振り手振りで精神誠異説明させれば良い。

口では説明出来ないだろうから万国共通のジェスチャーで納得させ得るまで

帰国させなければ良い。まぁ、だから日本はイツまで経っても敵国条項は

そのまま、常任理事国なんて絵に書いた餅。1000年以上は早いわな。

福島原発が終息するかも知れない数百年後には? 201?に日本の狂人と

アメリカの狂人、北朝鮮の狂人でミサイル、大陸間弾道弾、放射能、サリン

のバラ撒きで地球がお月様みたいになってるかもね。

国連も日本のキチガイどもがガタガタ騒げば日本に国連軍を駐留させて監視

してくれると有難いね。ついでに事が起こると遅いので現在日本のヤバイ奴ら

を裁判に掛けてきれいにシテ欲しい。そのくらいの保険金は国連に払っている

と思ふが。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/211.html#c5

コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
1. 2017年5月23日 03:43:00 : eUTpkAQIBY : _ykxv7Bctt8[304]
同属会社ww

暫く前に、韓国の財閥我儘お嬢の
「ナッツリターン」なる報道が
世間を騒がせた事があったが、
一太と晋三のコラボはさしずめ、
「ナッツブーメラン」ってとこかw

因みに英語のナッツには、
木ノ実という意味の他に、
「アホ、クルクルパー、間抜け、
おっちょこちょい」等の意味がある。

今井へのいいね、「ナッツ空砲」は
一体誰の仕業かな〜〜?

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c1

コメント [政治・選挙・NHK226] 「安倍晋三が被告です」 市民が昭恵夫人、迫田前理財局長らを刑事告発(田中龍作ジャーナル) 赤かぶ
26. 2017年5月23日 03:59:24 : Dvz5pxVxe2 : 0cYBfKSIf4A[68]
>>24
> あなたはどうするべきだというご意見ですか? 「安倍を批判するな」ですか?

>>23 氏じゃないけど、代わりに応えると『国会が閉会するまで待ったら』と言う事だと思いますよ。


> 与党は「告発されたから答弁しません」と言ったのですか?

----------------------------------
菅野完‏ @noiehoie · 9時間9時間前

はいどうぞ。石井の答弁。
https://t.co/HQlGqKHNiQ

速記文字起こしはこちら
https://togetter.com/li/1112245
----------------------------------

2017/05/19の衆議院国土交通委員会 1:46:22から
石井「一方、補助金適正化法違反容疑で籠池氏への告発が受理され、3月30日国土交通省に捜査当局より協力依頼が。従って、既に公表したもの以外に確認した資料等については捜査に関わるため、お答え差し控える」

のような答弁になります。もちろん、この件でも告発状が受理されれば、内容にもよりますが、昭恵夫人や迫田前理財局長に関しての答弁も同じようになる可能性が高いと思いませんか?
>>3 氏が『筋が悪いよ筋が。』と言ったのは、そのためだと思います。


 なかなか進展がなくても、刑事告発しなければ、閉会するまでに何か出てくるかもしれません。でも、刑事告発すれば、その可能性は、更に低くなるという話です。国会が閉じるまで待つべきと言うのは、そのためです。それに検察が当てになるかは、皆さんご承知の通りかと。


http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/203.html#c26

コメント [政治・選挙・NHK226] 共謀罪成立でこんな言論弾圧が…一枚の集合写真で出版関係者や研究者ら60人が検挙された横浜事件の恐怖(リテラ) 赤かぶ
1. 2017年5月23日 03:59:51 : eUTpkAQIBY : _ykxv7Bctt8[305]
出世欲、そしてクラスでイジメる
側、嘘をチクる側に加担しないと、
自分がイジメられる、
又は排除される側になるだろうという
恐怖。

つまり、加害者になる者は、
警察等の組織員だけとは限らないのだ。

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/212.html#c1

コメント [政治・選挙・NHK226] すごいぞ、松本人志!「いいんじゃないか」「冤罪が多少あってもプラスになる」と、法案の中身もろくすっぽう知らないまま共謀罪 赤かぶ
1. 2017年5月23日 04:04:26 : Q82AFi3rQM : Taieh4XiAN4[834]
松本ヒトシって人はどうしてこんなに世間にしゃしゃり出ているのか?
(汚い顔だと前々から感じてはいたが頭の中も顔と一緒か。)
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/215.html#c1
コメント [政治・選挙・NHK226] 「陛下 政府に不満」とスクープ報道した毎日新聞の衝撃  天木直人 赤かぶ
50. けろりん[2467] gq@C64LogvE 2017年5月23日 04:14:05 : ECjf10sQlw : SsGV36BfDk4[568]

皇室全員チョン___とか、
天コロ今上_____とか、


本当に・・、キミらは過激だな? 
チョー過激派か?
ultra-extremist___か?


____________________________________

ワシらの親族は・・・富国強兵時期に・・天皇家に銀山をパクられたが・・・、
日本郵船や三井物産や大学職員などに、就職斡旋の手配が取られて・・・
戦後もおっさん連中は・・安泰にやってこれた、特区供与を受けている。

その代わりに・・・銀山をパクられたその当時の当主は・・・
ワシの遠い祖先だが・・・数千人の銀山労働者が路頭に迷う責任から
自害・切腹で__詫びを入れた__。
ところが、天皇家と三菱は知らぬ存ぜぬと__見て見ぬフリを決め込んだ。
天皇家は本質的に___大泥棒の血筋__というのは、その時に明確になったな。

泥棒した相手の家系を丸ごと、天皇家に組み込んで、誤魔化すんだよ。


富国強兵の戦費と強兵軍事政策で__国内の子女史を日本郵船で大量に
西洋&米国&南米へ向けて___慰安婦人身売買で資金を作っていった。
朝鮮半島や、遼東半島、満州、中華、へ向けて大量のアヘン売買での
戦費拠出の商売に狂奔していた__歴史的事実がある。

福沢諭吉、伊東博文、らを使いながら___
戦争間際になれば__皇族連中とともに、岸や児玉や笹川らが
満州&中華大陸で、アヘン商売に大活躍していた・・・。

これも、歴史的事実だな・・・。


西洋列強「 帝国主義 」の手本をソックリそのまま踏襲し・・
全世界を相手にしながら__英国青写真の計画のまんま
根こそぎ自滅していったんだな・・・。
原爆までお見舞いされてな・・。


戦後の英国金融王族連中にとっての
最大の功労者が__ガーター騎士・ヒロヒトさんだ。
ジャパンハンドラー連中に、未だに
< 旭日大綬章 >をお授けになられている・・・。

勲一等旭日大綬章ほか___ジャパン調教者・受賞者一覧


●カーチス・エマーソン・ルメイ
 ( 米空軍参謀総長・日本民間人大殺戮首謀者・軍需産業戦争屋 )
●チャード・リー・アーミテージ
 ( 米元国務副長官・軍需産業戦争屋 )
●ラムズフェルド
 ( 米元国務副長官・デマ大量破壊兵器イラク破壊首謀者・軍需産業戦争屋 )
●ジョセフ・ナイ
 ( 日本人調教・理論構築屋 )

テレビ漬けの愚民層には、サッパリ意味がわからんだろうな?

____________________________________


戦後、GHQは、主な前方後円墳を調査したが・・・
出てくるのは、半島周りか、中華周りの、文化級遺産が主なんだ。

明かせない理由が___わかるだろ?


歴史には__オモテとウラがある。



講座_その1/


「 天皇 」(てんのう、すめらみこと、すめろき)
という名称は、7世紀後半に在位した第40代・天武天皇の頃に、
それまでの「 大王 」(おおきみ)に代わって用いられ始めた。


___天皇という概念は、このクニでは600年代に初めて登場する。
___天皇という概念は、そもそも( 基本的という意味はない_論点典拠確認的_だ。 )紀元前700年頃の中華は『 周 』で歴史上初めて出てくる。それが『 天帝 』および『 皇帝 』__これは、西洋でいうGODと同じ意味を持っている。この島国に帰化してきた中華の『 中臣(=藤原) 』と半島から文化技術と同時に渡来してきた和歌の本拠地『 倭国王朝 』が、半島から見える日の出る島国を我らの再建の場所にしようと・・・、飛鳥奈良を通じて・・荘園制度と官位の十二階という、< 貴族官僚/農奴 >制度を作り上げていった。・・・それまでは、「 おおきみ 」という概念しか無かったんだ。・・・ゆえに、飛鳥以前には・・極端なミッシングリングがこのクニには存在する。

神武???____完璧なる捏造だよ。

歴史的・考古学的に__そんなモノはどこにも存在しないんだ。
官位の十二階という、< 貴族官僚/農奴 >制度は、
それまでの、カタカムナおよびひらかな神代文字のうえに、官僚統治制度としての漢字文化を中華人が被せてきているんだ・・・。

太平洋戦争後の・・・いま、現在も__だ、
和製英語が大流行りに流行っているだろ???
支配構造の文化的反映として、コトバにも露出してくるんだ。


皇起2,700年は、中臣藤原出身地__
漢字の本国、紀元700年前の< 周 >朝にあるんだ。


ココは、紀元3,600年の
カムナガラは、大王のクニなんだ。

飛鳥・奈良以前には、
天皇なんぞ影も形も存在しないんだ。
全部、記紀の記述の中でしか存在しないんだ。

『 おさの集合体 』のクニなんだ。
そもそもから、この島国は・・・。
突如として、奈良飛鳥から
天皇・貴族連中が__奈良の大仏(仏教)とともに、
半島や中華から乗り込んできたんだ・・。


そもそもの、古神道(物部氏)は、存在したんだよ・・
これを中臣(=藤原)は、焚書にして全部燃やし尽くした・・。

講座_その2/

蔵の守( 宮内庁_実行部隊 )

________________________________________
 
 
戦後、ドレイパーはダグラス・マッカーサーの上官として、
日本の総支配者として来日し、日米安保条約を起草し、
日本への米軍駐留を永久化し、自衛隊を創立させる。
 
名目は、共産主義中国への防波堤として日本に軍隊を持たせる、
つまり中国共産党軍と日本に、「 戦争を行わせる 」ためである。
 これは、明治維新からの欧州・金融王族連中のもともとの青写真である。


 
しかし、中国共産党軍は米軍が育てた軍隊であり、ドレイパーの目的は、米軍直結の中国軍と米軍直結の日本の自衛隊を戦わせ、アジア人同士を殺し合わせる事にあった。「 劣ったアジア人=有色人種を減らす 」ためである( 山極晃「 米戦時情報局の延安報告と日本人民解放連盟 」大月書店 )。 この中国と日本に戦争を行わせ、有色人種を減らす政策は、現在も継続している。
 
 
ドレイパー一族は、ディロン・リード社という兵器売買と兵器購入資金融資の軍事金融企業を経営している。ドレイパーは、中国共産党軍にも、自衛隊にも、兵器を販売している。ドレイパーの兵器販売高をアップさせるために、日本と中国は戦争をする事になる。 クリントン大統領時代のペリー国防長官が、このディロンの社長である。
 
 
 
第二次世界大戦中、昭和天皇ヒロヒトは、敵国の戦争省最高幹部であるドレイパーから兵器を大量に輸入し、日本軍に高額で売り付け、利益をスイス銀行に蓄財していた。天皇とドレイパーは、兵器密売の共同事業者として、兵器販売促進のため日米戦争を行っていた。戦後、来日したドレイパーが最初に行った事は、天皇への兵器密売の「 売掛金=未払い代金の回収 」であった( この点は、天皇の側近であった渡辺武の「 渡辺武日記 対占領軍交渉秘録 」東洋経済新報社を参照 )。
 
 
戦争末期、ドレイパーは、天皇が無条件降伏を申し出ると同時に、「 戦争犯罪人として自分を処刑しないで欲しい 」と命乞いをした事に対し、天皇の命の保証と戦後における天皇制度の維持を確約し、それと引き換えに、日本に原爆を投下し終えるまで無条件降伏を承認しない、という条件を出した。天皇は広島・長崎への原爆投下を事前に承認し、それと引き換えに、自分の命と地位の延命を手に入れた。天皇は、自分1人が助かり、それと引き換えに、広島、長崎の市民の皆殺しを承諾した。
 
これが、「 同業者、兵器密売企業の共同経営者 」
天皇とドレイパーの密約である。
密約はまだある。

ヒロヒトは沖縄を米軍に「 永久貸与 」した。
吉田茂は、ただのオモテの傀儡だ。

_____________________
皇居( 旧・江戸城 )一神教統治センター

最近のデータ(2001年5月)では、

皇居内_水道代・930万円/1ヶ月
皇居内_電気代が840万円/1ヶ月
皇居内_東京ガス代・340万円/1ヶ月

皇居内_NHK受信料・約180万円/年間
( テレビ約120台分 )
_____________________
 
江戸城統治・宮内庁体制__役1,500人。



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/139.html#c50

コメント [政治・選挙・NHK226] <ヤバすぎ>菅官房長官が国連に抗議!「共謀罪に関する国連書簡は不適切なものだ」⇒ネット「マジで国連脱退しそう」 赤かぶ
6. 2017年5月23日 04:14:48 : Q82AFi3rQM : Taieh4XiAN4[835]
菅官房長官も安倍晋三氏と一緒に悪相が進行中。

明らかに、汚い顔が精神状態崩壊を示し始めている。
6月で安倍内閣が「終わる」ことが避けられないか
らだろ。


http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/211.html#c6

コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
5. 谷口恵梨香[6] kkqM@4xil5yNgQ 2017年5月23日 04:18:45 : I0J1Zk8qHE : lugQKZ45pck[6]
長いですが腹が立つのでコメントさせて下さい(ひっそりとブログに書いたことと重複してますが)

いかにも頭の悪い安倍さんのやりそうなこったなぁと思ったのであるが。

この話自体ツッコミたい点が多すぎる……

まず、「言論テロ」ってなんじゃそりゃ。
「テロ」というのは言うまでもなく、不特定多数の人々を(生命を奪うという)恐怖に陥れる行為のことを指すわけだが、ならば「言論テロ」なんてものは存在しないんじゃないの、そもそも、って話である。

言論だけで、不特定多数の人々の生命を奪うなんて不可能で、どんなに脅したとしても爆弾などの「物理的行為」がなければ「テロ」ではない。(物理的行為を伴うからこそ「煽動」や「煽り」ではなく「テロ」なのだ)

だから、このフェイスブックを書いた今井一隆というヒトはかなりトンチンカンなことを言っているのだ。

それを真に受けて「テロ」という言葉で、朝日を非難する安倍氏って一体……てな話になっちゃうわけである。そしてこんな曖昧な話で朝日やその他一般人を取り締まれるようになる共謀罪の怖さがひしひしとわかってしまうわけである。

そういうリクツを言うと、比喩的な意味で「言論テロ」という言葉を編み出して使ったんだろう、とまあ賢い読者は推測するわけだが、
だとすると、この「言論テロ」というのは「デマ(正確でない報道)で多くの人を煽動する」という意味で使ってるのかな? と思うわけだ。

さらに、どういう文脈で「言論テロ」という言葉を使ったのか、という話になる。

この今井一隆というヒト、朝日の加計学園の一連の報道に対して、「言論テロ」と言っても過言ではない、ということを言っている。ここで「言論テロ」という言葉を使っているから、なんとなく煙に巻かれた感じがしちゃうのだが、これを「デマで大衆を惑わす」という言葉に置き換えると……

このヒトが言いたいことは、
朝日新聞の加計学園の一連の記事はデマであり、そのデマ記事で大衆を惑わしている、
ということになる。

安倍氏はこれに対して「いいね!」を押したわけですよ!
これ、安倍氏は、朝日新聞の報道はデマだ、と主張していると解釈して良いのでしょうかね。

デマだ、というなら、「いいね!」なんてスタンプ押してる場合じゃなくて、きちんとした調査をしなさいよ、っていうことだよね。
朝日新聞に正式に謝罪を要求しなさいよね、ってことだよね。

もちろんそんなことはできない。
なぜなら、記事はおおむね事実であり、そんなことをしたら薮蛇でさらに不都合な真実が出て来てしまうからである。
要は清廉潔白とはほど遠い。ズブズブの関係なわけである。(森友と一緒)

「デマ」という言葉が出て来ていたら、さすがの安倍氏も、いいね!はできなかったと思うが、この「言論テロ」という言葉の定義上存在しえない事象の言葉に、いいね!をして、朝日を弾糾する安倍氏、バカジャネーノ、何考えてんの? とまずはこきおろしたくなる。

さて、その後、朝日は第二報で、

安倍氏が、「言論テロ」にいいね!を押したことに関して記者会見で管官房長官に正したところ「承知していない」という回答だった、と報じている。

安倍氏、逃げましたね〜、
いいね!を押すぐらいなら、言えばいいじゃない、堂々と。
朝日の報道があまりにも酷くて、あれは報道じゃない、「言論テロ」というのは全くその通りです、って。

表に出て、堂々と言えない(自分が間違ってるから)くせに、身内のところ(Facebookとか読売とか日テレとか)では意気揚々としゃべる。
こんなのが首相でいいの?

しかも、首相という立場で、居酒屋談義に加わってしまう軽率さ。
一国民が「朝日新聞、テロだよなー」っていうのと、国家権力の最高峰にいる人が「朝日新聞、テロだよなー」っていうのでは、全く話が違ってくる、というのがどうしてわからないのか。
ジャーナリズムをこういう形でこきおろし、弾圧する首相というのはただただ頭が足りないとしか言えない。

そう言われると、「私にだって言論の自由があるんです!」って叫ぶ愚かさ。
いや、アンタ、権力側の人だからさ……同じ土俵にいるわけないじゃなん。朝日が間違ってるというなら堂々と表から説得しなさいよ、証人喚問でも何でもしてさ。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c5

コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍官邸が文科省前事務次官の「加計学園文書は本物」実名証言ツブしの謀略! 読売と週刊誌に“出会い系バー通い”リーク  赤かぶ
4. 2017年5月23日 04:21:30 : Q82AFi3rQM : Taieh4XiAN4[836]
官邸が焦りまくっているのがわかる。
面白い。
「前」の役人が何しようが今関係ない。

「今」破廉恥罪を背中にしょったまま
国会議員やってるやつ自民党に一杯い
るだろ、あれはどうすんだよ馬鹿ヤロ。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/210.html#c4

コメント [政治・選挙・NHK226] <暴露>文科省職員が断言「『なかった』という結論は安倍官邸の指示。調査は出来レース」(毎日新聞) 赤かぶ
26. 2017年5月23日 04:24:15 : uTf5b9F6M6 : yHCAyVIPMP8[-48]
内部文書よりも怪文書!加計学園の申請書2枚に綴り間違い、誰が作ったのか?
これを読んで申請許可したのは誰かをハッキリ特定させろ!!!
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/160.html#c26
コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
6. 2017年5月23日 04:25:32 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[1]
「言論テロ」というのは比ゆであって、具体的には「ペンの暴力」ということですよ。
朝日が、出所の不明な怪文書を公器を使って流布したことはペンの暴力だとわたしも思いますね。
これでは凶暴罪を批判できない。
ということです。正論です。

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c6
コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍官邸が文科省前事務次官の「加計学園文書は本物」実名証言ツブしの謀略! 読売と週刊誌に“出会い系バー通い”リーク  赤かぶ
5. 2017年5月23日 04:30:36 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[2]
前川がどうしたの? 「総理のご意向」なんて、あんな間違いだらけの作文を事務次官が書くとはとてもおもえないが、書いていたとしたらバカだとおもうね。
おそらく前川が証言したとしたら、一部改ざんされているというのじゃないかな。
あまりにもひどい謀略だとおもうね、わたしは。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/210.html#c5
コメント [経世済民121] 超金融緩和続けばハイパーインフレの恐れ、「出口戦略」検討を―石破元自民党幹事長がアベノミクスを批判 赤かぶ
4. 2017年5月23日 04:31:27 : F9uwab2vpM : sUT3eqZW4IE[92]
石破さん

自民党にしてはマトモな発言ですね。
ぜひ、将来の日本のためにも
安倍を引きずり降ろしましょう

http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/745.html#c4

コメント [経世済民121] 超金融緩和続けばハイパーインフレの恐れ、「出口戦略」検討を―石破元自民党幹事長がアベノミクスを批判 赤かぶ
5. 2017年5月23日 04:34:15 : Aq7FRm7SXc : 6l4hCxMsuTk[44]
デフレは続く。
国債をすべて現金化することは正しい。なぜならば、税として徴収される現金が国家から日銀に移動する仕組みを厳守するからだ。借りた金は必ず返済する国家なら、デフレ以外に起こりようがない。金融危機も起こらず、デフレが継続するのは、国債の現金化が唯一の手段だ。出口は増税であるべきだ。インフレが起こりようがない。当然ゼロ金利も継続する。増税で消えるのは国債と現金だ。債務と債権は同時に消える。これが正しい仕組みだ。
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/745.html#c5
コメント [政治・選挙・NHK226] 「陛下 政府に不満」とスクープ報道した毎日新聞の衝撃  天木直人 赤かぶ
51. けろりん[2468] gq@C64LogvE 2017年5月23日 04:50:32 : ECjf10sQlw : SsGV36BfDk4[569]


(26) 初代__継体天皇・・531年3月10日没__あたり前後が 初代の天皇になる。
(38) 12代__天智天皇
(40) 14代__天武天皇

倭国( 遼東半島=中華と朝鮮半島の境界地域のクニだな )
が新羅半島統一で・・・消滅した。
半島から見える、日が昇る__この島国で
『 倭国の再建 』を目論んだんだ・・・な。


古神道( 物部氏 )と天皇貴族は
本来__何のカンケイもない。

古神道と、貴族奴隷制度は
そもそも真っ向から真逆のモノなので、
物部氏は大抵抗したが__中華仏教徒・中臣に滅ぼされた。



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/139.html#c51

コメント [政治・選挙・NHK226] 「陛下 政府に不満」とスクープ報道した毎日新聞の衝撃  天木直人 赤かぶ
52. けろりん[2469] gq@C64LogvE 2017年5月23日 04:59:48 : ECjf10sQlw : SsGV36BfDk4[570]

この島国から・・・日の昇るところを見れば、
太平洋のど真ん中の__海底の『 龍宮城 』になる。


日の昇るところの天子___なんぞ、
完璧なガイコクジン____になる。

そもそもが、中華人&半島人なので__
遣唐使もカンタンに出せる。
それまでの__太いパイプがあるんだ。

漢字もよく分かる。
ゆえに、奈良平安時期から
急速に漢字が普及しだしたんだな・・・。

こんなモノは、太古でもなんでもない・・
ほんの最近のハナシだ。


ギリシャのソクラテス以下の文献なんぞも
大量に残っているんだ・・・。
プラトン時代なんぞは、ほぼ 2,500年前のハナシだ。



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/139.html#c52

コメント [国際19] CIAの対中国スパイ網が壊滅、中国当局が情報提供者を次々殺害―米紙 赤かぶ
1. 2017年5月23日 05:02:58 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[3]
そりゃトランプのせいですよ、旦那。トランプはアメリカを崩壊させる。
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/506.html#c1
コメント [原発・フッ素48] 北朝鮮の新聞が報じた「放射能の雲」の正体 原発テロの予告か (livedoor NEWS) 魑魅魍魎男
16. 2017年5月23日 05:03:56 : 7Mao2VQWW2 : E5G9pNPmu9I[46]
>>15
北朝鮮は安倍祖父の子分の笹川良一の弟が作ったアベノ国だから不思議じゃない
だらだらと長ったらしい作文は邪魔だなぁ
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/132.html#c16
コメント [国際19] ツイッター創設者、米大統領の当選関与に謝罪:悪性通貨膨張は燃え尽きるまで‥ 手紙
1. 2017年5月23日 05:05:36 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[4]
わたしらからみると、ツイッターを活用したトランプ陣営の作戦勝ちと映るが、西欧諸国の倫理では、そうじゃないのだね。
あんなトンデモを当選させて申し訳ないということになる。このあたりは日本人の感覚とはちょっと違うような気がした。
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/505.html#c1
コメント [国際19] ロシアとの「癒着」疑惑でいよいよ高まるトランプ・リスク  はがれ落ち始めた期待(現代ビジネス) 赤かぶ
3. 2017年5月23日 05:09:10 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[5]
わたしは国際政治には素人ですが、ここが正念場とはおもわないです。
このトンデモ爺さんは、これから数々のデタラメやミスを連発して、そのたびに大騒ぎになるでしょう。そして、そのたびに米国の威厳は失墜する。
そういうことの連鎖の末、どうなるかということでしょうね。
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/501.html#c3
コメント [経世済民121] なぜか急速に経営悪化企業リスト…パチンコ業界は総崩れ、タカタは債務超過寸前(Business Journal) 赤かぶ
2. 2017年5月23日 05:12:49 : 7Mao2VQWW2 : E5G9pNPmu9I[47]
北朝鮮を支援するルートがパチンコ以外に確立されたんだろか
朝鮮天皇の日銀が輪転機を北朝鮮に貸し出すとか
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/725.html#c2
コメント [国際19] 有力メディアを使い、正体不明の情報源が語った真偽不明の話で大統領を攻撃するクーデター状況(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
1. 2017年5月23日 05:13:30 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[6]
この櫻井ジャーナルというのは、いってることが支離滅裂。
てか、ちゃんと欧米の新聞記事くらいちゃんと読めよ。
たとえばトランプ自身がテレビのインタビューに答えて三回、おれは捜査対象になっていないか尋ねたといっている。映像もみたよ。
そういうことがそもそも大問題になっていることの基本としてあるのだよ。
なにをばかばかしい妄想を垂れ流しているんだよ。
ばかじゃないか。
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/494.html#c1
コメント [政治・選挙・NHK226] 松本人志が共謀罪に「いいんじゃないか」「冤罪が多少あってもプラスになる」 法案の中身を知らないまま安倍擁護する悪質  赤かぶ
39. 2017年5月23日 05:13:38 : q0Lz7Emlg2 : _Rla5CKWmV4[84]
松本は権力に媚びるよな まただんだん腑抜けたしまりの無い顔になっている。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/189.html#c39
コメント [国際19] 特別検察官任命 トランプ大統領「最大の魔女狩りだ」 赤かぶ
2. 2017年5月23日 05:17:01 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[7]
さっさと闇から闇に葬るにかぎるね、こんな老害は。笑
かといって対立候補だったクリントンが悪辣な大統領じゃないかというとそうじゃない。
悪辣であることにはかわりないが、トランプは野卑で露骨なのが問題なんだろうね。
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/479.html#c2
コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
2. 2017年5月23日 05:19:43 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[8]
中国や韓国、ロシア、米国などより日本ははるかに平和でおだやかな国ですよ。
そんなにこの国がいやなら出て行けばいいのじゃないかと思うのですがね。
なにが不満なのか?? もちろん不備な点は山ほどあるけど、反日思想とは相容れないね、わたしは。中国の工作員ならともかく、わたしは日本人だからねえ。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c2
コメント [政治・選挙・NHK226] 石破氏、孤立状態 安倍首相との対決に意欲も(産経新聞):現下の情勢で「国防軍を保持する」で国会発議できるはずがない 最大多数の最大幸福
2. 2017年5月23日 05:29:28 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[9]
こと改憲論議に絞っていえば、これで安倍より石破のほうがはるかに危険であることがはっきりしたね。

おそらく新潮や文春に吹き荒れる安倍おろしは、安倍が改憲に消極的になったことから米国を怒らせたことが原因だろう。

もし安倍のいうように9条への自衛隊明記という「加憲」だけに終わればとうぶんは改憲はできない。海外派兵もおぼつかない。そうなると米国は怒り心頭だろう。


http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/207.html#c2

コメント [政治・選挙・NHK226] 「陛下 政府に不満」とスクープ報道した毎日新聞の衝撃  天木直人 赤かぶ
53. けろりん[2470] gq@C64LogvE 2017年5月23日 05:34:24 : ECjf10sQlw : SsGV36BfDk4[571]

『 周りは海だらけの、竜宮城と仲のよい
  天女のクニから参りました__中華大陸の大将どの 』


___これが島国人・遣隋使の、自然な挨拶になる。


日出ずるトコロだった・・・なんぞ__
ガイコクジンにしか分かりまへんわ__になる。
それに、何を今更大仰に____になる。

中臣&聖徳以下・・・ゼンブ
侵略部隊の連中らの、島国乗っ取り・背乗りなんだよ・・・。



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/139.html#c53

コメント [お知らせ・管理21] 2017年5月 削除依頼・削除報告・投稿制限連絡場所。突然投稿できなくなった方は見てください。2重投稿削除依頼もこちら 管理人さん
211. 中川隆[-7545] koaQ7Jey 2017年5月23日 05:40:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
>>207, >>208 は CIA工作員だよ

体制側に都合の悪いコメントを削除したいんだな
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/484.html#c211

コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
41. 2017年5月23日 05:44:21 : iGgwlrblNs : 0l3taXbb7Z8[1]
北朝鮮やイスラム国(ISIS)などのテロリスト、そしてこれらを背後で操っている
世界のテロリスト国家。
これを支援しているテロリスト安倍晋三や自民・公明・維新、日本会議を壊滅させる
のが本当の「テロ等準備罪」であるべき。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c41
コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
7. 2017年5月23日 05:56:21 : XhdrWZxhDo : hdR0AQi@pbg[1]
いや自由な言論に対してテロ(破壊効果)を齎しているのはアベ政権の方だろ…

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c7
コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
3. 子猫[106] jnGUTA 2017年5月23日 05:58:29 : hpCQzY5eBE : g_FBNPq5kpo[21]
やはり、ここに出てきました 国民の最大の敵が、2番さんですねー
本当に、国民の最大の敵は国民とは、間違いないです。
2番のバカタレが、橋下や青山、辛坊の手下に違いないですねぇ。
皆さん覚えておきましょう。国民の最大の敵ね。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c3
コメント [リバイバル3] マルクスはやはり正しかった _ もうすぐ共産革命の嵐が吹き荒れる時代がやって来る 中川隆
19. 中川隆[-7544] koaQ7Jey 2017年5月23日 06:16:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

サイコパスとその理念が世界を動かしている「悪意の時代」の中で

今回ご紹介するプラウダに載っていた記事の内容は、要するに、

「アメリカから始まり西洋(および多くの西洋の影響を受けている国)全体に広がっている現在の社会は、全体が《サイコパス的》価値観に支配されている」

(略)

ちなみに、「サイコパス」という言葉は、精神病質者をサイコパスと呼ぶ。

ひとことで言えば、サイコパスというのは、

「自分のナルシズムを満足させるためには他人をどれだけ傷つけても構わないし、無慈悲で冷酷で共感の気持ちもない。しかし、人をコントロールする魅力と能力を兼ね備えている人物」というような感じでしょうか。

こういうものは昔は「不思議で特殊だった品性」ですが、今の社会では不思議でも何でもなく、むしろ「憧れの対象」になったりしています。

普通は周囲から見て困るこのような品性が「企業理念から見れば最適」だと考えられる場合が今は多いようです。


【わずらわしいサイコパスたちがこの世界を動かしている】

アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏は、成功者の偶像であり、若手起業家の理想的なモデルとして挙げられることが多いが、彼と共に働いた従業員の多くは、彼の抑止できない怒り、人への侮辱、人のやる気をくじくことなどについて、「彼と働くことは地獄だった」と認めている。

ある人物は、ジョブズ氏の事務所に呼び出された時に「ギロチン台に登るかのようだった」と飛べる。

ジョブズ氏を知る人々は、彼を「嫌な男」、「失礼な人間」、「耐えられない人間」と話す。

ジョブズ氏の最高の友人の1人であるジョナサン・アイブ氏(アップルの最高デザイン責任者)は、ビジネス・インサイダー誌に次のように語っている。

「彼が不満を感じた時に、彼がそこから解放されるカタルシスを得る方法は誰かを傷つけることだった。あたかも社会的規範というものが彼には当てはまらないかのようだった」

これから述べようとしていることは、サイコパス、つまり「反社会的人格障害」または「自己愛的人格障害」を持つ人間のことだ。

平気で人を傷つけ、他者に冷淡で、良心が欠如し、そして、自己中心的で、他人を侮蔑することなどがこのタイプの主な特徴の一部だ。共感と思いやりが完全に欠如しており、他人に害を与える行動をまったく反省することもない人たちのことだ。

そこに共通するのは、他人との共感の欠如、あるいは思いやりの欠如、不十分な社会的スキル、また、道徳的概念や、法的な規範を軽視する態度などだ。

しかし、それらの負の面が弱く出ている場合、特定のサイコパスたちは、そのサイコパス本人から影響を受ける人々を高度に「機能的」にし、そして、逆説的に、彼本人を多国籍企業や国家、あるいは教会のトップとしての成功に導く。

犯罪心理学の研究者ロバート・ヘア(Robert Hare)氏は、囚人などのサイコパスと、企業トップや政治家などとの関連についての数少ない研究を指導した一人だ。
それによれば、大企業や金融企業のトップにいる人たちの中のサイコパスの割合は 20人に 1人、あるいは全体の 4%だった。少ないように見えるかもしれないが、これは、一般の社会のサイコパスの割合の4倍高いのだ。

ヘア氏によると、「ウォールストリートでは、その割合は 10人に 1人」だという。


【共感心と罪悪感の欠如】

「組織や大企業の中で、サイコパスは、権??力と影響力を持ち、そして絶対的な権力を上位に昇格させる機能を作動させることができる」

(中略)

アメリカのシンクタンク「ブルッキングス研究所」のダレル・ウェスト(Darrell West)氏は、たとえば、企業の法および経営管理に原因があると強調する。

完全自由主義のエコノミストで、彼の教え子たちの考えを釘付けにしたミルトン・フリードマン(Milton Friedman)氏は 1970年に以下のように記している。

「株主価値の最大化こそが企業の唯一の責務であり、つまり、企業の唯一の社会的責任は、利益を最大化することなのだ」

これは複合化されており、また、最も権威のある学校だけが、ビジネス管理のための経済学と貿易の最高の権威を与えられる独自のコースを持っているという事実により認識される。

(略)

フリードマンのイデオロギーは、多国籍企業の役員やオピニオンリーダーを形成し、他者に対しての協調と責任の欠如の勧め、つまり、経営技術と会社の利益のことだけを考えさせるということを教育している。

サイコパスたちは「他人を操作するツールとしてそれを使うために、道徳的な行為をしているふりをする」が、同様に、ビジネスで成功する「連中(bastard)」は、利益を上げるためなら何でも行い、そして、それは彼らの文化と環境が利益を供給しなければならないという「道徳的な正当性」によって動機づけられている。
彼らは、彼らのサイコパスとして定義される行動や言動が(企業利益の増加に伴い)現実として評価されるので、社会で「成功」していく。

ヘア氏たちのチームの研究では、このサイコパス的な精神性がビジネス・キャリアとしての頂点に位置しているという不吉な証拠を挙げている。

彼ら(サイコパス的な精神性を持つ人たち)は、チームをまとめる協調の精神性を持たず、従業員たちからの評価も悪いという、客観的には実力のない管理者であるにも関わらず、彼らは、「創造的かつ革新的で、素晴らしい戦略的思考を持つ者」と上司によって評価されることが多い。

歴史を見てみると、有名な石油界の大物ジョン・D・ロックフェラーは、競争相手を躊躇なく台無しにするような、「私のお金は神によって与えられた」というようなことを宣言したことが思い出される。ロックフェラーはサイコパスの気質を持っていた。

これらの精神性は、アメリカ合衆国の環境に見出される。すなわち、その「自由」と「個人主義」においてだ。

経済的に繁栄する理想的な場所であるアメリカは、同時にこの(利益第一主義の)考え方を形作った。

つまり、自由の国アメリカの理念は、「貧しい人たちは彼らの過ちにより貧しいのだ」ということであり、そんな人たちを支援する価値はないという理念だ。

このアメリカの「邪悪な主義(evilism)」は、大西洋を越えてヨーロッパに渡っている。

イタリアの銀行家トマッソ・パドア=シオッパ(Tommaso Padoa-Schioppa)による「改革」の真の意味に関する言葉は以下のようなものだ。

「ヨーロッパ大陸においては、構造改革の包括的なプログラム、年金、健康、労働市場、教育は、単一の原則によって導かれる必要がある。20世紀の中で、それらは単一ではなく仕切られたが、それにより、人々は直接苛酷さと接触することがなくなった。それにより、挫折や制裁をなくしてしまい、彼ら自身の品性の欠陥を賞賛することがなくなってしまった」

つまりは今、西洋「文明」全体が、米国のエッセイストであるマイケル・エナーによって記述された点に達しているのだと思わざるを得ない。それは以下の記述だ。

「見るといい。何もかも逆さまだ。医師は健康を破壊し、弁護士は正義を破壊し、大学は知識を破壊し、政府は自由を破壊し、主要メディアは情報を破壊し、宗教は精神性を破壊しているばかりだ」

現在のこの世には「社会に隠された全身全霊の悪意」が存在する。

その悪意は、力の頂点であるサイコパスを選択しているということだろうか。

そして、「サイコパスがシステムの不可欠な部分として機能する」今の社会では、サイコパスたちが、その業績により、大衆から崇拝され、彼らの生き方が模倣されているということになるのだろうか。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=325238
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=325239

「アラブの春」とは何であったのか


1980年代からネオコン/シオニストやイスラエルはイラクのサダム・フセイン体制を倒すべきだと主張していた。

イラクに傀儡政権を樹立させれば、ヨルダン、イラク、トルコの親イスラエル国でイランとシリアを分断することができると考えたからである。

すでにイラクを破壊、今はシリアを侵略している。

 欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めたことのあるウェズリー・クラークによると、1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがシリア、イラン、イラクを殲滅すると口にしていたという。そうした発言の背景には、そうしたネオコンの戦略があったということだ。

「アラブの春」、「民主化」、「人権」などは侵略を正当化するために掲げた中身のない看板にすぎない。

イラクを攻撃する際にはアメリカ軍が乗り出しているが、その後、傭兵を使い始める。1970年代の終盤、ズビグネフ・ブレジンスキー国家安全保障担当補佐官が考えた作戦に基づいて編成されたサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団を中心とする武装勢力をソ連軍と戦う傭兵部隊として使い始める。

 イラクでの戦乱が続く中、2007年にシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌で、アメリカ(ネオコン)、イスラエル、サウジアラビアは手を組み、シリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始、ヒズボラが拠点にしているレバノンを攻撃すると書いている。さらに、イランにもアメリカの特殊部隊JSOCが潜入して活動中だとされている。

 その秘密工作が顕在化したのが2011年春。北アフリカで発火した「アラブの春」だ。

おそらく「プラハの春」をイメージとして取り入れたのだろうが、リビアやシリアではサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団、つまりアル・カイダ系武装集団を使った軍事侵略にほかならなかった。侵略の主体はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアだが、さらにフランス、イギリス、カタールといった国々が加わる。シリアではトルコやヨルダンも参加した。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608170000/


クリントン国務長官は、後に“アラブの春”と呼ばれるようになった、イラク占領後、2003年に、ブッシュ政権によって明らかにされた大中東プロジェクトの一環として、アラブ中東の至る所で、アメリカが資金提供した政権転覆の波を解き放つ陰謀にもどっぷり浸かっていた。

2011年、アメリカ政府が、フリーダム・ハウスや全米民主主義基金などの“人権”NGOを、いつも通り、億万長者の投機家ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー財団や、アメリカ国務省やCIA工作員と共謀して利用する、アメリカによる“アラブの春”の最初の標的となった三国は、ベン・アリのチュニジア、ムバラクのエジプトと、カダフィのリビアだった。

アメリカ政府による、2011年“アラブの春”による特定中東国家の不安定化の時期と標的が、公表されたばかりの機密解除されたクリントンから、私的なリビア“顧問”で友人のシド・ブルーメンソール宛の電子メールとの関係で、今や新たな意味が浮かび上がっている。ブルーメンソールは 当時のビル・クリントン大統領を、モニカ・ルインスキーや他の性的スキャンダル問題で、弾劾されることから守った一流弁護士だ。


カダフィのディナール金貨

一体なぜアメリカ政府が、ムバラクのように亡命だけで済ませず、カダフィを個人的に破壊し、殺害しなければならないと決めたのかは、多くの人々にとって謎のままだ。カダフィが、アメリカが資金提供しているアルカイダ“民主的反政府”テロリストによって、残虐に殺害されたと知らされると、クリントンは、CBSニュースで、ユリウス・シーザーの有名な言葉を、むかつくような、ふざけた言い換えをし“来た、見た、彼は死んだ”と言い放った。彼女は心から気味悪い笑いをしながら、この言葉を言ったのだ。

リビアにおける、いや、それを言うなら、アフリカとアラブ世界におけるムアマル・カダフィの業績については、欧米ではほとんど知られていない。今、国務長官として、オバマ政権の対カダフィ戦争を指揮していた時期のヒラリー・クリントン電子メールの新たな部分が公表されて、戦争の背景に、劇的な新たな光が当てられることになった。

カダフィを抹殺し、リビアの国家としての全てのインフラを破壊するというのは、ヒラリー・クリントンの個人的判断ではなかった。判断は、アメリカ金融オリガーキーの極めて高位の集団が下したものであることは今や明らかだ。彼女はこうしたオリガーキーの命令を実行する、ワシントンの政治道具の単なる一人に過ぎない。介入は、石油貿易で、ドルに置き換わる金本位制のアフリカ・アラブ通貨を創設するというカダフィの良く練られた計画をつぶすのが目的だったのだ。1971年に、アメリカ・ドルが、ドルの金兌換を放棄して以来、ドルは劇的に価値を失った。アラブとアフリカのOPEC加盟産油諸国は、1970年以来、アメリカ政府によって、アメリカ・ドルでのみ支払うよう命じられているドルのインフレが、2001年までには、2000%以上にまで跳ね上がり、石油販売で得た購買力の消滅に長いこと反対してきた。

新たに機密解除されたクリントンの電子メール中の、2011年4月2日付けのシド・ブルーメンソールから、ヒラリー・クリントン国務長官宛のメールで、ブルーメンソールは、カダフィを排除すべき理由をあかしている。不明の“高位の情報筋”の話を引用するという口実で、ブルーメンソールは、クリントンにこう書いていた。“この情報筋が入手した機微情報によれば、カダフィ政府は143トンの金と、同様な量の銀を保有している… この金は、現在の反乱以前に蓄えられたもので、リビアのディナール金貨に基づく汎アフリカ通貨創設のために使用する予定だった。この計画はフランス語圏アフリカ諸国に、フランス・フラン(CFA)に対する代替を提供するべく設計されていた” このフランス関連の部分も、カダフィ・ディナール金貨の氷山の一角にすぎない。

ディナール金貨、そして更に

今世紀の最初の十年間、サウジアラビア、カタールなどを含むアラブ湾岸OPEC諸国は、ノルウェーの石油ファンドの成功を元に、膨大な石油やガス販売による収入のかなりの部分を本格的に国家のソブリン・フアンドに向けはじめた。

アメリカの対テロ戦争、イラクとアフガニスタンでの戦争や、2001年9月以降のアメリカによる中東政策全体への不満の高まりから、大半のOPEC加盟アラブ産油諸国は、1971年8月15日に、アメリカ政府が投げ捨てた金兌換のドルの代わりに、石油価格天井知らずに上がり、ヘンリー・キッシンジャーが好んで“オイル-ダラー”と呼んだものを作り出した1970年代以来、習慣になっている、手癖が悪いニューヨークとロンドンの銀行家に任せるのではなく、石油収入の益々多くを、国が管理するファンドに振り向けるようになっている。現在のスンナ派-シーア派戦争、あるいは文明の衝突は、実際は、2003年以降の、地域における“分割して、統治せよ”というアメリカによる操作の結果だ。

2008年、益々多くのアフリカとアラブの産油諸国が国家の石油とガス収入を、国が管理するファンドに向けていることが、ウオール街とシティー・オブ・ロンドンにとって大きな懸念となった。何兆ドルもの莫大な流動性を、彼らがもはや支配できなくなる可能性があるのだ。

今にして思えば、アラブの春のタイミングは、膨大なアラブ中東の石油の流れだけではないものを支配しようとする、アメリカ政府とウオール街の取り組みと緊密に繋がっていたことが益々見えてくる。新たな主権国家資産ファンドに集積された、彼らの何兆ドルものお金を支配することも、お同じ位重要な狙いだったのだ。

ところが、最新の2011年4月2日のクリントン-ブルーメンソール電子メールで、今や確認された通り、ウオール街とシティー・オブ・ロンドンの“お金の神様”に対し、アフリカとアラブ産油国世界から、質的に新たな脅威が出現しつつあったのだ。リビアのカダフィ、チュニジアのベン・アリと、エジプトのムバラクは、アメリカ・ドルから独立した金に裏付けられたイスラム通貨を立ち上げようとしていた。私は、2012年始めに、スイス金融・地政学会議で、このプロジェクトに関する豊富な知識をもったアルジェリア人から、この計画の話を初めて聞いた。文書は当時ほとんどなく、この話は私の記憶の中で棚上げになっていた。今や、アメリカ政府によるアラブの春の凶暴性と、リビアの場合の切迫感を総体的に把握できる、遥かに興味深い構図が現れたのだ。


‘アフリカ合州国’

2009年、当時、アフリカ連合議長だったカダフィは、経済的に窮乏したアフリカ大陸に“ディナール金貨”を採用するよう提案した。

イギリスとフランスの支援を得て、NATOによるカダフィ政権破壊の法的隠れ蓑を与えてくれる国連安全保障理事会決議を得ようというアメリカの決断に先立つ数ヶ月間、ムアマル・カダフィは、アフリカの産油諸国とアラブのOPEC加盟諸国が、世界市場において、彼らの石油販売に使用するはずの、金に裏付けられたディナール創設を組織していた。

ウオール街とシティ・オブ・ロンドンが、2007年-2008年金融危機で、ひどく厄介な状態にあった時に、もしもそういうことが起きていれば、ドルの準備通貨としての役割に対する影響は、深刻というだけでは済まされなかったはずだ。アメリカ金融覇権とドル体制にとって、弔いの鐘となっていたはずだ。膨大な未探査の金や鉱物資源を誇る世界で最も豊かな大陸の一つアフリカは、何世紀にもわたり、意図的に、低開発のまま留め置かれたり、発展を阻止するための戦争にさらされたりしてきた。国際通貨基金と世界銀行は、ここ数十年、アフリカの本当の発展を抑圧するための、アメリカ政府の道具だ。

カダフィは、アフリカ連合のアフリカ産油諸国や、イスラム教諸国に、ディナール金貨を主要通貨と為替手段とする同盟に参加するよう呼びかけていた。各国は、石油や他の資源を、アメリカや他の国々に、ディナール金貨でのみ販売することになるのだ。2009年、アフリカ連合の理事長だったカダフィは、アフリカ連合加盟諸国の会議で、リビア・ディナールと、ディルハム銀貨を、アフリカの石油を世界が購入できる唯一の通貨として使用するというカダフィ提案をした。

彼らの石油に対する、アラブOPEC諸国の主権国家資産ファンドと共に、他のアフリカ産油諸国、特にアンゴラとナイジェリアは、2011年のNATOによるリビア爆撃の当時、自分自身の国有石油の主権国家資産ファンドを作る方向で動いていた。カダフィのディナール金貨という考え方と結びついた、こうした主権国家資産ファンドは、イギリス・ポンド、フランス・フラン、ユーロ、あるいはアメリカ・ドルであれ、植民地的な通貨支配からの独立というアフリカの長年の夢を、現実のものにしていたはずなのだ。

彼が暗殺された当時、アフリカ連合の議長として、カダフィは、共通の金貨を持った、主権あるアフリカの諸国の連合、アフリカ合州国計画を推進していた。2004年、53カ国が参加する汎アフリカ議会は、2023年までに単一の金貨を持ったアフリカ経済共同体計画を立てていた。

アフリカの産油諸国は、オイル-ダラーを破棄し、彼らの石油とガスに対する、金による支払いを要求することを計画していた。参加国としては、エジプト、スーダン、南スーダン、赤道ギニア、コンゴ、コンゴ民主共和国、チュニジア、ガボン、南アフリカ、ウガンダ、チャド、スリナム、カメルーン、モーリタニア、モロッコ、ザンビア、ソマリア、ガーナ、エチオピア、ケニヤ、タンザニア、モザンビーク、コートジボワール、更に、新たな大規模石油埋蔵を発見したばかりのイエメンがあった。アフリカのOPEC加盟諸国、四カ国-アルジェリア、アンゴラ、ナイジェリア、巨大産油国で膨大な天然ガス埋蔵量を誇るアフリカ最大の天然ガス生産国と、最大の埋蔵量を持つリビアも-新たなディナール金貨制度に参加する予定だった。

カダフィに対する戦争で、アメリカ政府から前衛役を振り付けられていたフランスのニコラ・サルコジ大統領が、リビアは世界の金融の安全に対する“脅威”とまで呼んだのも何ら不思議ではない。

ヒラリーの‘反政府派’中央銀行を創設

カダフィを破壊するためのヒラリー・クリントンの戦争の最も奇妙な特徴の一つは、石油豊富なリビア東部のベンガジでアメリカが支援した“反政府派”、戦闘のさなか、彼らがカダフィ政権を打倒できるどうかはっきりするずっと前に、“亡命中の”欧米式中央銀行を設立したと宣言した事実だ。

反乱が始まってわずか数週の内に、反乱指導部は、カダフィの国営通貨庁を置き換える中央銀行を設立したと宣言した。反政府派委員会は、捕獲した石油を売るための彼ら自身の石油会社の創設に加え、“ベンガジ中央銀行を、リビア通貨政策を行う資格を有する通貨当局として認め、リビア中央銀行総裁を任命し、ベンガジに暫定本部を設置する”と発表した。

戦闘の結果が明らかになる前に、金に裏付けされたディナールを発行していたカダフィの主権ある国立銀行におきかわる欧米風中央銀行創設という奇妙な決定について発言して、ロバート・ウェンツェルは、経済政策ジャーナル誌で“民衆蜂起から、わずか数週間で作られた中央銀行など聞いたことがない。これは単なる寄せ集めの反政府派連中が走り回っているだけでなく、かなり高度な影響力が働いていることを示唆している”と言っている

今やクリントン-ブルーメンソール電子メールのおかげで、こうした“かなり高度な影響力”は、ウオール街と、シティー・オブ・ロンドンとつながっていたことが明らかになった。2011年3月に、アメリカ政府によって、反政府派を率いるべく送り込まれた人物ハリファ・ヒフテルは、カダフィの主要な軍司令官をつとめていたリビアを去った後、それまで20年間の人生を、CIA本部からほど遠からぬバージニア州の郊外で暮らしていた。

もしカダフィが、エジプトやチュニジアや他のアラブのOPECと、アフリカ連合加盟諸国とともに- ドルではなく、金による石油販売の導入を推進することが許されていれば、世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの未来にとってのリスクは、明らかに金融上の津波に匹敵していただろう。


新たな黄金のシルク・ロード

ドルから自立したアラブ・アフリカ金本位制度というカダフィの夢は、不幸にして彼の死と共に消えた。ヒラリー・クリントンの身勝手な“保護する責任”論によるリビア破壊の後、現在あるのは、部族戦争、経済的混乱、アルカイダやダーイシュやISISテロリストによって引き裂かれた修羅場だ。カダフィの100%国有の国家通貨庁が持っていた通貨主権と、それによるディナール金貨発行はなくなり、ドルに結びつけられた“自立した”中央銀行に置き換えられた。

こうした挫折にもかかわらず、今や同様な金に裏付けされた通貨制度を構築すべくまとまっている国家の全く新たな集団は実に注目に値する。それぞれ世界第三位と、第一位の産金国であるロシアと 中国が率いる集団だ。

この集団は中国の一帯一路・新シルク・ロード・ユーラシア・インフラストラクチャー大プロジェクト建設と結びついている。これには、世界の金取引の中心として、シティー・オブ・ロンドンと、ニューヨークに置き換わるための中国による極めて確固たる措置である中国の160億ドルのゴールド開発基金も関わっている。出現しつつあくユーラシア金本位制度は、今やアメリカ金融覇権に対する、全く新たな質の挑戦になっている。このユーラシアの挑戦、その成功あるいは失敗が、我々の文明が生き残り、全く異なる条件のもとで繁栄できるようにするのか、あるいは破綻したドル体制と共に沈むのかを決定する可能性が高い。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-cc58.html

巨悪の根源、アメリカにノーを突き付けたフセイン 2002年 7月


こんなことを書いても、「独裁者の下、秘密警察だらけのイラクで、まさか?」と思う人も多いと思うけれど、イラクに行く度に、世界の中で、こんな平和で美しい都市があり、苛酷な条件下でも、こんなに優しい人々がいるのだ、「生きていてよかった」と逆にこちらが励まされることが多い。

六月十七日の朝日朝刊に「米大統領、フセイン大統領暗殺容認」の記事が出ていた。声高にテロ撲滅を叫び、テロ支援国とかってに決めた国々を核攻撃で脅している本人が他国の指導者の暗殺を命じている。まるでブラックジョークであるが、そんな大統領に忠誠を誓い、共同軍事行動に踏み込もうという首相がいるなら、その顔を見たいものだ。

 筆者の考えでは、アメリカはフセイン大統領を亡き者にしようと焦っていることは間違いないが、アメリカに楯突くイラク国民をジェノサイドしてしまおうと目論んでいることもまた事実である。

今、週刊『金曜日』に本多勝一氏が連載で書いているように、あの湾岸戦争で、アメリカは、電力や貯水場などの生活に重要なインフラの破壊に重点におき、非戦闘員、とりわけ、女性や子供を標的にした学校、病院、シェルターなどをピンポイント爆撃したのも、地球の寿命ほど長く放射能の被害をもたらす劣化ウラン弾を投下したのも、そうしたフセイン大統領と一体となってアメリカに反抗するイラク国民自体の絶滅を目指してためであろう。

第二次大戦中の沖縄戦や、東京大空襲はじめ日本本土の焦土化作戦、広島、長崎への原爆の投下もさらに、ベトナム戦争、アフガン空爆その他の第三世界への干渉戦争は、兵器産業や巨大石油資本の営業部のブッシュ政権が受け継いでいる伝統的覇権主義の発露であろう。


筆者がバグダードの国際連帯会議に出席していた五月一日には、フセイン大統領が昨年出版し、ベストセラーとなった小説『ザビーバと王』が、パレスチナ生まれの詩人アディーブ・ナシールにより戯曲として脚色され、ラシード劇場で上演されていた。フセイン大統領はさらに小説を二つ、『難攻不落の砦』と『男たちと都会』も発表している。

 何はともあれ、西欧のメディアで描かれているサダム・フセイン像と大分違う。

 大統領の誕生祝いに参加した青年男女、市民の表情は、複雑な国内の宗派、民族の相違を克服して、幼稚園から大学まで無料、医療費もほとんど国庫負担、住居その他民生の向上に力をそそぎ、今日、アメリカに膝を屈しない国にまで育て上げたことへの感謝の気持ちを伝えようという熱気がうかがわれていた。そして、イラクに対するアメリカの不当な抑圧政策のへの怒りがその心の底にマグマのように燃えているからであろう。

 筆者が感銘しているのは、発展途上国では類のない児童文化の育成に力を尽したり、識字運動への熱意で、ユネスコから過去に二回も表彰されている。

 実は、この先頭に立ったのは外ならぬサダム・フセイン大統領である。それは何故か。それは、生まれた時にすでに父親は他界しており、はじめ小学校にも満足に入れなかった幼い日の悔しさがあるようだ。その背景に苛酷なイギリスの植民地政策があった。彼の貪欲な読書欲、そして祖国再興への使命感は、イラク人に共通する国民性であろう。
http://www.kokuminrengo.net/old/2002/200207-inter-ab.htm

2011年10月1日 米国にとって鳩山由紀夫とフセインとカダフィは同じ極悪人


アメリカにとって、イラクのサダム・フセインとリビアのカダフィ大佐はアメリカに敵対する極悪人のような存在だった。そして、実はアメリカの目で見ると日本の鳩山由紀夫氏もまったく同列の極悪人に見えていた可能性がある。

確かに強面(こわもて)のフセインとカダフィに比べて、我らが鳩山由紀夫氏はどこか頼りない印象でもあるが、アメリカは外見で彼らを見ているのではない。思想と行動で彼らを見ている。

そして、アメリカは彼らに共通項を見出し、明確に敵として認識した可能性が高い。


白アリに国家を食い荒らされているアメリカ

「強いドル」とはアメリカの政治家がよく口にするセリフである。アメリカにとっては世界を支配している象徴が基軸通貨としてのドルであり、決済手段としてのドルである。

ところが、2008年9月15日のリーマン・ショック以降、アメリカは目に見えるほどのスピードで急激に衰退が顕著になってきていて、それと平行して基軸通貨としてのドルの信認が揺らいでいる。

アメリカは、本当ならば2008年のリーマン・ショックでグローバル経済は破綻してもおかしくないような崖っぷちにまで追い込まれた。必死に破綻を回避して現在に至っているが、世界がアメリカを見る目がどんどん厳しくなってきている。

アメリカは2011年7月に累積債務の上限引き上げ問題に紛糾して、危うく国家破綻(デフォルト)する寸前にまで追い込まれた。

オバマ政権はタイムリミットぎりぎりの段階で何とかそれを回避したが、赤字削減学が低いとして今度は米国債の格下げで市場を動揺させることになった。

家の中で白アリが見つかると、その家の柱は食い荒らされて脆弱になっている可能性がある。

今のアメリカは莫大な負債という白アリに国家を食い荒らされている。

その結果、州財政が破綻していく問題であったり、失業率が高止まりしている問題であったり、FRBが莫大な不良債権を抱えて身動きできなくなっている問題であったり、米国債が格下げされる問題が、次から次へと噴出しているのである。

それぞれの問題を応急処置のように対処しても、もう間に合わないところにまで来ている。

そして、これらの出来事のひとつひとつが、ドルの衰退を示唆するものになってしまっている。

アメリカが覇権国家でいられたのは、世界で唯一ドルを印刷できる国だからである。ドルが信用されなくなってしまうと、アメリカは死ぬ。

だから、必死になってドルの価値を守るしかアメリカは生き残れない。

ドルを守る=ドル防衛のために、アメリカは何だってするだろう。死に物狂いになって、ドル離れを食い止め、ドルの前に立ちふさがる敵は徹底的に破壊しようとするはずだ。

「基軸通貨としてのドルを守るためにアメリカは死に物狂いである」という姿をまず、私たちは切実に意識しないとならない。


ドル防衛のために何でもするアメリカ


通貨基軸としてのドルの信頼低下

アメリカは大きな問題を抱えており、世界中がそれを認識している。その結果起きているのが米国債とドルの信頼低下である。

特に、通貨基軸であるドルはここ数年でどんどん価値を減退させており、それが日本では円高ドル安として認識されている。

実は、このドルの信頼低下がすべての問題を引き起こしているのである。

今までドルに変わる通貨基軸などないと世界は認識していた。しかし、今では世界中が「アメリカが国家破綻したらドルが紙切れになってしまう」という危惧を持っている。

国連までもが、米ドルが通貨基軸としての信認を失ってグローバル経済そのものがリクスにさらされているという見方を表明している。2011年5月25日のことだった。


国連が米ドル信頼の危機を警告、今年の日本の成長率予測を引き下げ

国連は25日、昨年12月に出した「世界経済情勢と見通し2011」の中間見直しを発表し、米ドルの主要通貨に対する価値が下がり続ければ、米ドルに対する信頼の危機、さらには米ドルの「崩壊」が起こりかねないと警告した。

中間報告は、主要通貨バスケットに対するドル相場が1970年代以来の水準に低下したことを挙げ、このトレンドの一因に、米国とその他主要国との金利差、米の公的債務の維持可能性に関する懸念の高まりがあると指摘。

「(予想される)外貨準備の一段の価値低下が起これば、それをきっかけに準備通貨としての信頼の危機が生じ、国際金融システム全体がリスクにさらされる」とした。

IMFと言えば、2009年3月25日、ドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)専務理事はこのようなことを言っていた。

「米ドルに代わる新たな基軸通貨の創設に関する議論は合理的であり、今後数か月以内に実施される可能性がある」「新たな基軸通貨について議論することは全く道理にかなっており、数か月以内に協議が行われるだろう」

2008年 リーマン・ショック、アメリカ経済崩壊
2009年 ストロスカーン、米ドル以外の基軸通貨示唆
2010年 ギリシャ危機、勃発
2011年 5月、ストロスカーン、レイプ疑惑で逮捕

ここで覚えておきたいのは、ドミニク・ストロスカーン氏は明確に米ドルに変わる基軸通貨が必要だと主張していたことだ。アメリカにとってストロスカーンは、「とんでもない男」に見えていたに違いない。

アメリカの見方は2011年5月に世界が共通認識することになった。ストロスカーンは「レイプ魔だった」のである。


レイプで逮捕されたドミニク・ストロスカーンIMF専務理事


アメリカの決死のドル防衛

ドルの通貨基軸としての地位が揺らいでいるのが今のアメリカの状況である。

アメリカの当面のライバルになるのはユーロだが、このユーロは実は2006年には紙幣供給量がドルを超えており、アメリカにとっては非常に危険なライバルになった。

ユーロ紙幣は2002年に紙幣の流通を開始しているのだが、イラクのサダム・フセイン政権は石油の決済をドルからユーロへ変更すると言い始めてアメリカと鋭く対立するようになり、崩壊していった。

1999年 決済用仮想通貨としてユーロ導入
2000年 フセイン、石油の通貨をユーロに変更
2001年 アメリカ9.11同時多発テロ事件
2002年 1月1日ユーロ紙幣流通開始
2003年 フセイン政権、崩壊


アメリカの敵として葬られていったサダム・フセイン

中東GCC(湾岸協力会議)でも、原油のドル決済をやめて、中東独自の通貨「カリージ」を作って、それで決済をする方向が2008年あたりに決定した。

しかし、そのあとにアメリカと鋭く対立するようになり、2009年にはドバイ・ショックで中東湾岸諸国が危機に陥っていった。そして今、湾岸諸国は通貨どころか、国家存続の危機に立たされている。

2008年 リーマン・ショック
2008年 GCCによる中東独自通貨の導入決定
2009年 ドバイ・ショック
2010年 アメリカによるカリージ延期要請
2011年 中東諸国、暴動・デモで全面崩壊

アフリカでもドルに変わる通貨としてアフリカ共同体の共通通貨をアフリカ連合が画策していた。特に中心となったのがリビアのカダフィ政権である。

しかし、これもカダフィ政権が崩壊したことによって恐らく延期、もしくは中止になっていく可能性もある。

2002年 アフリカ連合(AU)発足
2008年 リーマン・ショック
2009年 AU総会議長にカダフィ大佐就任
2010年 アフリカ共通通貨構想の現実化
2011年 1月、北アフリカ諸国、次々と崩壊
2011年 8月、リビアのカダフィ政権、瓦解


アフリカ共通通貨を主張していたカダフィ大佐


イランは2007年にやはりフセイン政権と同じく石油の決済をドルからユーロへと変更している。

しかし、アメリカはイランを厳しい経済制裁を2007年に課して、事実上、イランの石油が国際市場で販売できないようにしてしまっている。

ユーロ決済云々の前にイランは石油販売ができないのである。イラン攻撃についてはずっとアメリカで検討されていたが、いまだそれは行われていない。

イランは強国であり、いったん攻撃となるとアフガンやイラクのようにすぐに終わらない可能性がある。しかし、アメリカはそれをする計画を立てていた。

ところが、2008年9月にリーマン・ショックが起きて、もうアメリカはそれどころではなくなった。

2005年 アフマディ・ネジャド政権発足
2007年 石油決済をドルからユーロへ変更
2007年 アメリカによるイラン経済制裁
2007年 イランの石油は国際市場では販売禁止
2008年 アメリカ、イラク攻撃を計画
2008年 リーマン・ショック。アメリカ経済危機

イランは首の皮一枚で生きながらえている。偶然にそうなったのか、それとも最後の手段で残しているのかは分からない。


アメリカにとって非常に危険な男、イラン・アフマディネジャド大統領


日本が沈んで行った理由

ちなみに、共通通貨についてはアジアでも検討されていて、これを強力に推進しようとしていたのが鳩山由紀夫氏だった。


鳩山代表、「アジア共通通貨」を提唱

次期首相候補の鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)民主党(DPJ)代表が、10日発売予定の月刊誌「Voice」で、アジア地域の経済的および政治的な連携強化に向けた、アジア共通通貨の創設を提唱した。

出版社から入手した論文によると、鳩山氏はアジア共通通貨について、世界的な金融危機が将来起きた場合の衝撃を回避し、地域の政治的対立を軽減することに役立つと述べた。さらに、鳩山氏は、アジア地域において経済協力と安全保障のルールをつくりあげていくべきだと述べた。

もし、アジアに共通通貨ができあがったら、アジアの経済規模からしてドルの通貨基軸としての地位は完全に崩壊してしまうのは間違いない。

これはアメリカにとっては非常に危険な動きだった。端的に言うと、アメリカにとって、鳩山由紀夫はフセインやカダフィと同じくらいの極悪人だったことになる。


アジア共通通貨を提唱した鳩山由紀夫

そのせいなのかどうかは知らないが、結果的に言うと、アジア共通通貨を提唱した日本は現在、崩壊の危機に瀕している。

2008年 リーマン・ショック、アメリカ経済危機
2009年 鳩山氏、アジア共通通貨創設を提唱
2009年 民主党政権発足
2010年 鳩山由紀夫氏、失脚
2011年 東日本大震災、福島原発爆発

もちろん、2011年の東日本大震災、福島原発爆発は「偶然」起きた災害なのでアメリカが関係しているわけではない。アメリカは「トモダチ」作戦で助けてくれたではないか。

しかし、この震災によって、もはや日本はアジア共通通貨どころではなくなってしまったのは確かだ。

ちなみに、「ドル基軸通貨見直し論」は中国からも出てきている。これは周小川人民銀行(中央銀行)行長が2009年3月23日に「国際通貨システムに関する考察」と題する論文を発表したものが下敷きになっている。


周小川論文の波紋、中国から「ドル基軸通貨見直し論」
周小川人民銀行(中央銀行)行長は、3月23日、人民銀行のホームページに「国際通貨システムに関する考察」と題する論文を発表した。この内容は、ドルを国際基軸通貨とする現行の国際通貨システムには欠陥があり、ドルの代わりに国家主権を超越した新基軸通貨を創造すべきであり、当面はIMFの特別引出権(SDR)を活用すべきというものであった。

この論文に対し、英国タイムズは、「中国のドルに対する挑戦である」と論評し、米国オバマ大統領は、「私は(新たな)基軸通貨を創造する必要があるとは考えない」と反発した。しかし、国連の専門家チームのリーダーでノーベル経済学賞の受賞者でもあるスティグリッツは、これを支持している。

何度も言うが、ドルが基軸通貨でなくなった瞬間にアメリカは崩壊する。したがって、中国が「敵」になるのであれば、アメリカは容赦なく中国を破壊して回るだろう。


中国の将来にとても危険な発言をしていた周小川氏

アメリカが最終的に中国を破壊するのは、可能性としてゼロではない。中国がどのように破壊されるのかは、日本にとっては他人事ではないのは言うまでもない。(日本が完全に破壊され、二度と復活できない暗黒時代が来る)

アメリカが必死になってドル防衛をしている姿が世界中のあちこちで見て取れる。

ドル通貨基軸を揺るがす最大のライバルがユーロなのだとすると、当然今回のユーロ崩壊劇もアメリカの謀略が裏にあると考えていいだろう。

ギリシャの累積債務問題は、元はと言えばゴールドマン・サックスがギリシャ政府にアドバイザーとして入り込んでから始まったとも言われている。

ユーロが安定すると常にギリシャ危機が再燃する仕掛けになっていく。格下げのタイミングも絶妙だ。

最終的にユーロはどうなっていくのか。ユーロがドルを揺さぶる潜在的な危険性を持つ限り、ユーロの将来は極めて暗いと言ってもいいのではないだろうか。

なぜか。アメリカがそれを許さないからである。
http://www.bllackz.com/2011/10/blog-post.html


2011年10月24日月曜日


カダフィが死んで高笑いするヒラリーと八方美人外交の日本


欧米はアジア・アフリカを侵略し、植民地支配し、その富を奪うことで豊かになったという歴史がある。つまり、暴力で豊かになってきたという歴史が刻まれている。

暴力と成功体験がリンクしているのである。だから、根本的なところで暴力的であることが悪いとは思っていない。特にアメリカは建国史から暴力にまみれているのでそういう傾向が強い。

もちろん、暴力的であることが世界に支持されるとはアメリカも思っていないので、そこでアメリカが取ってつけた錦の御旗が「正義」である。どこかの国を「悪」に仕立て上げて、「悪を倒す」という名目で暴力を振るいに行くのである。


来た、見た、死んだ

なぜ暴力を振るうのかというと、そこの土地の指導者をいいように操ってその国の国富を収奪するためだ。だから、アメリカは「いざとなったら暴力がモノを言う」ことを否定していない。

その体質は、今回のリビアのカダフィ大佐が血まみれになって引きずり回されて殺されたのを見て、ヒラリー・クリントンがカエサル気取りで大喜びするのを見ても分かる。


"We came, we saw, he died"
(アメリカは来た、見た、カダフィは死んだ)

そういって、ヒラリー・クリントンは自分がプロポーズされたかのように屈託なく喜び、心から笑っているのが分かるはずだ。

別に私もカダフィが死んで悲しいとも思っていないが、これほどまで単純に喜べるわけでもない。

むしろ、これからリビアは収拾がつかない混乱に陥ることになるのは分かっている。喜ぶべきものではないはずだが、アメリカの戦略が一歩進んだことに、ヒラリーも喜びを隠せなかったのだろう。


捕獲され、死にゆくカダフィ大佐の最期の姿


カダフィが死んだと聞いて、心から喜ぶヒラリー・クリントン

何度も書いているが、アメリカは国家戦略の中に暴力を埋め込んでおり、世界中のどこの国も、アメリカの暴力から逃れられない。

言うことを聞かない国は叩きつぶせ(米軍)
相手が悪ならば、自分はそれ以上の悪になれ(CIA)
叩きつぶせないなら手を結べ(米政権)


アメリカの暴力哲学

アメリカの暴力哲学は歴史上、ほぼ一貫して行われていることは誰でも知っている。そもそも世界最大の軍需産業はすべてアメリカに集中している。

ロッキード・マーチン、ボーイング、レイセオンを筆頭として、そこにぶら下がる無数の企業がアメリカを支えている。

ノースロップ・グラマン、ユナイテッド・テクノロジー、ゼネラル・ダイナミックス、ハネウェル、アライアント、ロックウェル・コリンズ、L3コミュニケーションズ。

これらの企業はアメリカの雇用を支えると同時に、多くの政治家を排出して、アメリカの暴力を支えている。だから、アメリカの政治が暴力と縁が切れないのは当然のことである。

雇用を支える必要があるから、暴力は正当化される。その暴力正当化の歴史が長かったので、それがアメリカのDNAになっているとも言える。

だから、アングロサクソンがアメリカ大陸に「侵略」して、ネイティブ・アメリカン(インディアン)を根絶やしに侵略し、虐殺し、絶滅品種に追いやったのは「正当化」される。

また、日本に原爆を落として一瞬にして20万人の人々を焼き殺したのも「正当化」されている。

ベトナムではナパーム弾、絨毯爆撃、枯葉剤と、おおよそ考えられる非人道的な皆殺し作戦を実行していた。

湾岸戦争では劣化ウラン弾を使用して現地を放射能まみれにした。すべて「正当化」されていて謝罪の言葉は聞いたことがない。

また、イラク・アフガン・パキスタンで、大量虐殺が発生していても、それが正義のためであると喧伝された上に「正当化」されている。これらの国の市民が誤爆や誤射で何人死のうが同じだ。

ヨーロッパのほうも南米やアフリカを激しく収奪してきた。現在のアフリカの問題、中東の問題、イスラエルの問題は、すべてイギリスやフランス等が種をまいたと言っても過言ではない。

リビアの空爆はNATO軍が行った。多くの市民が死んでいったが、ここでの暴力は「正当化」されている。カダフィの死も、アメリカの正義戦略の中で行われて目的が達成された。

ヒラリー・クリントンの高笑いは、アメリカの暴力がまたひとつの国を崩壊させたという満足感の現れである。


リビアの反政府軍はアメリカのカダフィ排除戦略に乗っている。
http://www.bllackz.com/2011/10/blog-post_24.html

2016年11月4日
今回は、ヒラリー・クリントンなる人物が、アメリカの国務長官として何をしてきたかを、まず調べてみることにします。
    *

 さて「国務長官」というと、まるでアメリカの国内行政における最高責任者のように聞こえてきますが、実は日本の「外務大臣」にあたる外交政策の責任者です。
 アメリカの「防衛省」は、今は「防衛総省」(別名ペンタゴン)と言っていますが、かつては「戦争省」と言っていました。

 日本では「陸軍省」と誤訳(意図的?)されていますが、第2次大戦が終わる前までの正式名称は、「United States Department of War」すなわち「アメリカ戦争省」でした。

 まるで外国にたいして侵略戦争をし続けてきたアメリカの歴史を象徴するような名称ですが、アメリカにとって軍事力による外交=戦争は、内政よりも重要な「国務」であったからこそ、「外務省」を「国務省」(United States Department of State)と名付けたのかも知れません。

 アメリカ軍人として伝説的な英雄スメドレー・バトラー将軍は、退職したあと自分が軍人として果たしてきた役割を振り返って『戦争はペテンだ』という著書を著し、そのなかで、右のような事情を、次のように述べています。

 「私は、大企業、ウォール街、銀行、お偉方の用心棒として時を過ごした。
要するに私は資本主義に奉仕する恐喝者でありギャングの一員だった」

「私はウォール街の利益のために中米の六つの共和国の略奪を手伝った。恐喝の記録は長い」

「ギャングの親玉アル・カポネがやれたのは、せいぜい三つの地区のボロ儲けの口を操っただけのことだ。私なんか3大陸を操ったんだ」
(『肉声でつづる民衆のアメリカ史』上巻442頁)


 このスメドレー将軍のことばは、アメリカ外交の本質を赤裸々に暴露しているのではないでしょうか。

    *

 それはともかく、ブッシュ氏が大統領になったとき、「9・11事件」を口実にアフガニスタンを爆撃し、それをイラクへの侵略戦争に拡大したのですが、それでもアメリカによる戦争は中東の小さな範囲にとどまっていました。ところがオバマ大統領とヒラリー国務長官のもとで、戦火は一気に地中海沿岸の北アフリカ(リビアの内戦)や東ヨーロッパ近辺(ウクライナやシリアの内戦)にまで拡大しました。

 それどころか、今まではブッシュ大統領が表立って手出しをしなかった中南米にまで手を出してクーデター工作をおこなうようになりました。このような戦争やクーデターの拡大に深く関わってきたのが、ヒラリー国務長官でした。

 いま深刻な人道危機をもたらしているシリアの内戦について、ヒラリー女史が「リビアと同じような飛行禁止区域をもうけるべき」だと強く主張していることは前回の拙稿で紹介したとおりです。

 アサド政権の要請でロシアが本格的にイスラム原理主義集団の掃討作戦に乗りだし、彼らの拠点を空爆し始めてからは、ダーイッシュ(今まではISISとかイスラム国と呼ばれていた)などのイスラム原理主義集団諸派は、負け戦です。

 サウジを中心とする湾岸諸国が資金と人員を供給し、アメリカやNATO諸国が(さらにイスラエルも)裏で、武器や特殊部隊を派遣して軍事訓練をしてきたにもかかわらず、この状態なのです。

 アメリカの基本戦略は、あくまでアサド政権の転覆です。そのためにはロシア軍の空爆をやめさせる必要があります。ロシア軍の空爆はアサド政権の正式な要請によるものですから、国際法に則った行為ですが、イスラエルやNATO諸国(トルコも含む)のシリア領内における空爆は領空侵犯になりますから、どうしてもリビアの時と同じような「飛行禁止区域」の設定が必要になります。

 これを強く主張しているのが、先述のとおり、ヒラリー女史です。

 しかし、ロシアは安全保障理事国ですから今のままでは国連の許可を得ることができません。残された道は、偽の人道危機をつくりだして、「ロシア軍やアサド軍は民間人を無差別に殺傷している」とか、「彼らは化学兵器を使っている」とかの口実で、世論を喚起して彼らを押さえ込む以外にありません。

 他方、ロシアの主張は次のとおりです。

 「リビアでは『独裁者カダフィが自国の民衆を無差別に爆撃して大量の死傷者を出している。だから飛行禁止区域を』という口実で、カダフィはイスラム原理主義集団と戦う手段を奪われてしまった。その結果、何が生まれたか。国土の荒廃と大量の難民だった。同じことをシリアでも繰りかえすつもりか」
    *
 シリアになだれ込んでいるイスラム原理主義集団は、サウジを中心とした湾岸諸国からだけでなく、ロシアのチェチェンや中国の新疆ウイグル地区といったイスラム教徒が多い地域からも流入してきています。彼らはロシアや中国を不安定化させる勢力としてCIAが以前から訓練してきた勢力だと言われています。

 ですから、シリアが内戦で崩壊した場合、そこで勝利したイスラム原理主義集団は、次の攻撃目標として、ロシアや中国に還流し、ロシアや中国を不安定化させることに最大の精力を注ぎ込むことになるでしょう。

 今やEUとアメリカに対抗する勢力として経済的にも軍事的にも対抗する大国になりつつある動きを、アメリカとしては何としても阻止しなければなりません。

 BRICsという興隆しつつある経済共同体の中心がロシアと中国だから、これはなおさら、アメリカにとっては放置できない事態です。

 だからこそ、ロシアと中国を不安定化させることが必要なのです。

 かつて中東一円からイスラム原理主義集団(ビンラディンもその中の一人でした)をかき集めてソ連をアフガニスタンに引きずり込み不安定化し崩壊させた方法を、シリアでもやろうというわけでしょう。

    *

 しかし、これはロシアや中国にとっても座視できない重大事です。

 ロシアと違って、中国は表立ってシリアに味方しては来ませんでしたが、最近、中国も、アサド政権を支えるために、裏で大きく動きはじめていると言われるのも、このような情勢から見ると当然のこととも言えます。

 ですから、ヒラリー女史が「シリアに飛行禁止区域を!」と大声で叫び、「ロシアやシリアが言うことをきかないのであれば軍事力の行使もいとわない」と主張することは、世界大戦になることを意味します。

 この戦いは、NATO諸国やサウジなどの湾岸諸国と一緒になって、アメリカが、ロシア=シリア=イラン=中国といった勢力と、軍事力で戦うことになるからです。

 前回の論考で述べたことですが、イギリスの高級紙インデペンデントだけでなく、ヒラリー女史の自叙伝を書いたディアナ・ジョンストンなどが、イタリアの新聞インタビューで

「クリントン氏の大統領選の勝利は、第3次世界大戦の勃発も含め予想外の結果をもたらす可能性がある」

と語っているのも、このような背景をふまえてのことだと、私は理解しています。

    *

 ここで、もうひとつ考えておかねばならないことは、ロシアの軍事力はシリアにおける原理主義集団との戦いで明らかになったように、通常兵器ではアメリカ軍をはるかに凌駕しているということです。

 ですから、アメリカ軍がロシア軍や中国軍と戦って本気で勝つつもりならば、残されている手段は核兵器による先制攻撃しかありません。

 しかも集団的自衛権でアメリカに縛られることになった日本も、否応なしに、この核戦争に巻き込まれるかも知れません。

 しかし、いったん核戦争が起きれば、生き残れる国はほとんどないでしょう。今は、それほど深刻な事態なのです。

    *

 話が少し横道にそれたので、クリントン女史に話を戻します。

 ロシアはヒラリーの主張する「飛行禁止区域の設定」について、「シリアをリビアのように破壊して、再び大量の死傷者を出し、EU全土を更なる難民であふれさせようとするのか」と怒っているわけですが、このリビア内戦にヒラリーは、どのようにかかわっていたのでしょうか。

 2016年10月20日は、リビアの元首だったカダフィ大佐が、アルカイダの一派に惨殺されて5周年になる日でした。

 カダフィが殺されたとき、ヒラリー女史は国務長官として、NATO軍のリビア攻撃を指揮・監督する立場にいたのですが、カダフィ惨殺の報が届いたときCBSのインタビューの中で

「来た・見た・死んだ」"We came, We saw, He died"

と、身振り手振りをまじえて、嬉しげに言っています。

 この言葉は、共和制ローマの将軍カエサル(日本ではシーザーとして知られている)が言ったとされることば「来た・見た・勝った」をもじったものですが、その嬉しげに語っている映像がユーチューブに流れ、ヒラリー女史の冷酷さ・好戦性を浮き彫りにするものとなりました。

    *

 では、リビアとはどのような国で、カダフィとはどのような人物だったのでしょうか。

 元財務省高官(財務次官補)で、かつウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者だったポール・グレイグ・ロバーツ氏は、このカダフィ惨殺五周年の日に、自分のブログで、それを次のように書いています。

 「ムアマル・カダフィは、世界で最も進歩的な指導者だった。カダフィはリビアの石油の富をリビア国民のために使っていた。

 彼は宮殿ではなく、立派なテントではあるが、テントで暮らしており、アメリカ政府の中東同盟国であるサウジアラビアや産油首長国支配者一族につきものの、ヨーロッパ高級車や他のあらゆる身の回り品のコレクションを持っていなかった。

 リビアでは、教育・医療・電力は無料だった。ガソリンは事実上無料で、1リットル14セントで売られていた。子どもを産んだ女性は現金の助成金を貰い、カップルが結婚すると現金の助成金が貰えた。リビアの国営銀行は無利子で融資し、農民には無償で開業資金を供与した。」


*Hillary's War Crime
「ヒラリーの戦争犯罪」

    *

 ロバーツ氏はこれらの事実を、グローバル・リサーチという独立メディアに載せられた「リビア:知られては困る、カダフィに関する10の事実」という小論に依拠しながら書いているのですが、日本では全く紹介されていない事実ばかりです。

 このロバーツ氏が依拠した小論には、カダフィが計画していた世界最大の灌漑施設の地図も載せられていて、驚かされました。カダフィの言う「緑の革命」は単なる夢想ではなかったのです。

 しかし日本で紹介されているカダフィ像は、アメリカ政府から流れてきた情報にもとづいた「自分の国民を冷酷に支配する独裁者」という悪魔化されたものばかりでした。


*Global Research
"Libya: Ten Things About Gaddafi They Don't Want You to Know"
「リビア:知られては困るカダフィ10の事実」

    *

 では、上記のような理想国家をつくろうとしていたカダフィ政権を、なぜアメリカとNATOは倒そうとしたのでしょうか。それをロバーツ氏は、先の引用に続けて次のように書いています。

 「カダフィがアメリカ政府から自立していたことが彼の没落をもたらしたのだ。若い頃のカダフィの目標は、アラブを欧米の略奪に抵抗できる一つの連合に組織することだった。

 それが思うように進展しないことにいらだった彼は、汎アフリカ主義に向かい、アメリカのアフリカ軍に参加するのを拒否した。また彼は、ドルではなく金をもとにしたアフリカ統一通貨を導入ようとした。そうすればアフリカをアメリカの金融覇権から解放できるからだ。

 カダフィは、中国のエネルギー企業にリビアのエネルギー資源を開発させた。以前から地中海におけるロシアの存在に腹を立てていたアメリカ政府は、今や中国の存在にも向き合わねばならなくなった。だからアメリカ政府は結論を出した。カダフィは悪い連中と付き合っているので退陣させるべきだと。」

    *

 私は今まで、アメリカとNATO軍によるカダフィの追放は、リビアの石油が目当てだとばかり思ってきたのですが、実はもっと深い理由があったのです。「ドルによる世界支配」を維持し、「中国のアフリカ進出」を阻止することが、カダフィ追放の真の理由だったのです。

 では、何を口実に、どのような手段で、カダフィを追放するか。それがアメリカにとって次の問題になります。米軍が直接、アフリカに乗りだしてリビアを破壊するのでは、世界の世論はもちろんのこと、アフガン戦争やイラク戦争に嫌悪感が強くなっているアメリカの世論も賛成しないでしょう。ではどうするか。それをロバーツ氏は先のブログで次のように説明しています。

 「アメリカ政府はイスラム原理主義者を使って傭兵を編成し、シリアと同様、連中を『反政府派』と名付け、リビア政府にけしかけた。

 カダフィ軍が勝っていることが明らかになると、アメリカ政府は、初心(うぶ)で騙(だま)されやすいロシアと中国の政府を罠(わな)にかけ、国連でリビア領空に飛行禁止空域を設定することを認めさせた。それを実行するのはNATO軍だ。

 飛行禁止空域の口実は、カダフィによる民間人攻撃を防ぐためということだった。しかしそれは嘘だった。本当の理由は、主権国家のリビアが自分の領空を使えないようにして、傭兵と戦っている地上軍をリビア空軍が支援できないようにするためだった。

 ロシアと中国がこれに騙されて、安全保障理事会の議決で拒否権を行使しそこねると、今度はアメリカとNATO自身が、決議に違反してNATOの空軍力を用いてカダフィ軍を攻撃した。こうして戦局はCIAが組織した傭兵に有利になった。

 カダフィは捕らわれ惨殺された。それ以来、かつて繁栄し成功していた国家リビアは混乱・混沌の極みだ。それは、オバマ政権が望んでいたものだ。」

    *

 ところが今やイギリスでは議会による調査報告書が、「カダフィが欧米の覇権にとっての障害と見なされていたがゆえにリビアは破壊された」と明白に結論づけているのです。だからこそ、ロバーツ氏は上記のブログを次のように締めくくっているのでしょう。

 「注目すべきなのは、ニュルンベルク裁判をもとにした国際法では、彼女が有罪であることは明らかなのに、この戦争犯罪について、この「殺人婆」(killer bitch)に質問したマスコミは皆無だということだ。

 なぜなら、この戦争はヒラリーが国務長官の職に就いているときに、彼女の監督下で準備されたものだからだ。

 もうひとつ注目すべきなのは、この「殺人婆」を所有している巨大な政治力を持ったひと握りの集団オリガーキーと、連中の手先である「売女マスコミ」 (presstitute=press+prostitute)は、この戦犯を次期アメリカ大統領にするつもりだということだ。

 この「殺人婆」や「売女マスコミ」という言葉づかいのなかに、元アメリカ財務省高官だったロバーツ氏の憤りが伝わってくるような気がします。

 ヒラリー女史にたいする怒りもさることながら、ロバーツ氏の大きな怒りは、トランプ叩きに終始しているアメリカの大手マスコミにも向けられているのです。

 それにしても、実名で公けにしているブログなのに、よくぞここまで大胆に言い切れるものだと、その勇気に感心・感動しました。日本の元政府高官に、このようなひとはいるのでしょうか。私は寡聞にして知りません。

    *

 以上で「シリアに飛行禁止区域を!」と主張するヒラリー女史の冷酷さ・好戦性が少しは分かっていただけたかと思いますが、これだけでは、リビア空爆の残酷さや戦犯性が今少し伝わりにくいように思いますので、そのようすを物理化学者・藤永茂氏のブログ「私の闇の奥」から引用して紹介したいと思います。

 このブログの日付は「2011年8月31日」となっています。カダフィが惨殺されたのは10月20日ですから、そのことを念頭において読んでいただければと思います。

 「いま、リビアについての我々の関心は(好奇心は)、カダフィが何処でどのようにして捕まり、どのように処分されるかに釘付けにされているようですが、我々の本当の関心は、今回のリビア内戦でNATOが何をしたか、何をしているかに集中されるべきだと私は考えます。

カダフィの政府軍による大虐殺からリビア国民を守るという名目の下に開始されたNATOによるリビア空爆は、想像を絶する物凄さで行なわれました。8月23日のNATOの公式発表によると、過去5ヶ月間にNATO空軍機の出撃回数は2万回を超えました。1日あたり130回の物凄さです。

 対地攻撃を行なった戦闘爆撃機が1機に複数の爆弾や誘導ミサイルを搭載しているとすると、正確激烈な破壊力を持った数万の爆弾やミサイルがリビアの人々の上に降り注いだことになります。

 リビアの人口約650万人、人口的には福岡県と佐賀県を合わせた位の小国です。ミサイルの標的が戦車であれ、輸送車両、船舶であれ、カダフィの住宅であれ、放送局、大学であれ、無人ではない場合が普通でしょうから、多数の人間が殺傷されたに違いありません。8月上旬に、NATO空爆による死者2万という報道がちらりと流れたことがありましたが、あり得ない数字ではありません。

 しかも、NATOの反政府軍支援は空爆に限られたわけではありません。大型ヘリコプターなどによる兵器、弾薬、物資の補給も行なわれ、地上でも多数のNATOやCIAの要員が間接的に参戦した模様です。しかし、こうしたNATOの活動の具体的報道は殆ど完全な管制下にあります。

 これだけの規模の軍事暴力が、国際法的には全く合法性のないままで(UNの決議内容をはるかに超えて)、人口数百万の小独立国に襲いかかったのです。まことに言語道断の恐るべき前例が確立されました。カダフィと息子たちの今後の命運など、この暴虐行為の歴史的意義に較べれば、3面記事の値打ちしかありません。」

    *

 これを読んでいただければ、ロバーツ氏が先に、「注目すべきなのは、ニュルンベルク裁判をもとにした国際法では彼女が有罪であることは明らかなのに、この戦争犯罪について殺人婆(killer bitch)に質問したマスコミは皆無だということだ」と言っていたことの意味が、改めてよく理解できるのではないでしょうか。

 そして、満面に笑みを浮かべて「来た・見た・死んだ」と言ったヒラリー女史にたいして、ロバーツ氏が悪罵を投げつけたくなった理由も。

    *

 それにしても、藤永氏は1926年生まれですから、2016年11月の現在で、氏は90歳前後のはずです。

 九州大学やカナダのアルバータ大学で教鞭を執っていた一流の物理化学者でありながら、老体にむち打ちつつ、NHKや朝日新聞などの大手メディアが目をつむって通り過ぎている事実を掘り起こし、上記ブログを通じてそれを私たちに伝える仕事を続けておられます。

 唯々(ただただ)、頭が下がります。

    *

 ところでリビアの事態は、単にカダフィの惨殺に終わったわけではありませんでした。

 前述のとおり、この戦争は全土を瓦礫に変え、「リビアの民主化」どころか大量の死者と難民をうみだしただけでした。そしてリビアはいまだに混沌の極致にあります。

 そのうえ今度は、このような惨劇をシリアに輸出しようとしているのがヒラリー女史なのです。

 それは単に彼女が「シリアにも飛行禁止区域を!」と叫んでいるからだけではありません。リビアで使ったイスラム原理主義集団を、実際にシリアに輸出しようとしてきたのが、ヒラリー女史を外交政策の責任者とするアメリカだったからです。

 この間の事情を櫻井ジャーナル(2016年8月20日)は次のように伝えています。

 「カダフィ体制が倒された直後、リビアのベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その映像がユーチューブにアップロードされた。その事実をイギリスのデイリー・メイル紙でさえ、伝えている。リビアを侵略した軍隊は空がNATO軍、地上はアル・カイダ系のLIFG(リビア・イスラム戦闘団)だった。

 リビアを破壊した後、侵略軍はリビア軍の倉庫から武器/兵器を持ち出してトルコへ運んでいる。勿論、戦闘員も同じように移動した。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設。輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたとも伝えられている。

 運び出された武器/兵器の中に化学兵器も含まれ、これをシリアで使い、政府軍に責任をなすりつけてNATO軍が直接、シリアへ軍事介入する口実にしようとしたと言われている。」

    *

 これを読むと、リビアから傭兵集団が兵器もろともトルコを経由してシリアに輸送されていることが分かります。しかも輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設で、輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたというのですから、二重の驚きです。というよりも二重の犯罪と言うべきかも知れません。それはともかく、櫻井ジャーナルの説明は次のように続いています。

 「そうした武器や戦闘員の輸送をアメリカ国務省は黙認した。2009年1月から13年2月まで国務長官を務めたヒラリー・クリントンもこの工作を知っていたはず。

 しかも、クリントンの部下にあたるクリストファー・スティーブンス大使は2012年9月10日、CIAの武器輸送担当者と会談、その翌日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。勿論、武器はトルコ経由でシリアの侵略軍へ渡される手はずになっていた。

 その9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃されてスティーブンス大使が殺されている。リビア議会が首相を指名する前日だ。その2カ月後にCIA長官を辞めたデイビッド・ペトレイアスはヒラリーと緊密な関係にあることで知られ、このルートからもシリアでの工作を知らされていたはずだ。」

    *

 これを読むと、アメリカ大使館や領事館はCIAの拠点になっていることがよく分かります。日本のアメリカ大使館や領事館も同じ機能を果たしているのでしょうか。

 しかし、ここでもっと重大なのは、その領事館が襲撃されてスティーブンス大使が殺されていることです。ヒラリー国務長官が公的なメールサーバーを使わずハッカー攻撃に弱い私的メールを使ったことが、大使殺害につながったかもしれないのです。

 あるいは、うがった見方をすればこのような極秘事項を手配した人物だけに、それを外部に知られては困るから、密かにテロリスト=傭兵集団に頼んで大使を消してもらったのでしょうか。

 櫻井ジャーナルはこれについては何も述べていないのですが、この私の仮説が正しければ、これほど身の毛のよだつ話はないでしょう。櫻井氏は、これに続けて次のように述べているだけです。

 「クリントンは戦争犯罪人と言われても仕方のないようなことをしてきたわけだが、欧米の支配層はクリントンを支持してきた。投機家で体制転覆に多額の資金を提供してきたジョージ・ソロスも支援者のひとり。

 この支配層は軍事的に世界制覇を進めるだけでなく、巨大資本が国や国際機関を支配する仕組みを作り上げようとしている。それがTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、そしてTiSA(新サービス貿易協定)の3点セットだ。」

    *

 ヒラリー女史の好戦性、あるいはヒラリー女史が大統領になると、なぜ第3次世界大戦になる危険性があるかは、以上の説明で、かなり分かっていただけたのではないかと思います。

 しかし彼女の好戦的履歴は、このリビア爆撃にとどまるものではありません。

 とはいえ本稿もすでにかなり長くなってきていますので、以下ではその略歴だけを紹介して、この論考を閉じたいと思います。以下の引用は先の櫻井ジャーナル(同日付け)からのものです。

 「ウィキリークスによる電子メールのハッキング情報が続いている。今回は投機家で体制転覆に多額の資金を提供してきたジョージ・ソロスだ。

 彼がターゲット国の体制を転覆させるために使っているオープン・ソサエティ基金もハッキングされたという。そうした電子メールの中には、ソロスがヒラリー・クリントンに対してユーゴスラビア=アルバニア情勢に対する対処の仕方をアドバイスするものがある。そのメールが書かれたのは2011年1月24日で、国務長官だったクリントンはソロスのアドバイスに従って動いたようだ。

 ヒラリー・クリントンは夫が大統領だった1990年代、マデリーン・オルブライト(国連大使から国務長官)やビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)と連携して政権をユーゴスラビアに対する先制攻撃へと導いているが、その背後にソロスがいたということだろう。国務長官に就任したオルブライトが主導する形で1999年3月にNATO軍は偽情報で環境作りをしながらユーゴスラビアを先制攻撃、ひとつの国を破壊した。」

    *

 上記に登場するマデリーン・オルブライトとビクトリア・ヌランドという二人の女性は好戦的人物として有名ですが、この2人を、戦争にあまり乗り気ではなかった夫のビル・クリントンに紹介し強引に新しい国務長官や国務副長官の首席補佐官に据え付けたのも、ファーストレディだったヒラリー女史だったと言われています。

 ですから、彼女のタカ派ぶりは、ここでみごとに発揮されていると言えます。

 櫻井ジャーナルの叙述は、さらに次のように続いています。

 「2003年11月にはジョージア(グルジア)で「バラ革命」、04年から05年にかけてはウクライナで「オレンジ革命」があり、新自由主義体制になった。

当然、一部のグループが不正な手段で国民の財産を奪って莫大な富を築き、その後ろ盾になっていた西側の巨大資本も利益や利権を手にした。こうした「革命」でもソロスはスポンサーとしての役割を果たしていた。

 言うまでもなく両国の庶民は貧困化、そうした状況への怒りからソロスたち西側の富豪や巨大資本にとって好ましくない方向へ動いた。そこで仕掛けられたのがウクライナ首都キエフのクーデター。

2014年2月22日、ネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を主力とするグループがビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力的に排除している。そのクーデターを現場で指揮していたのがヌランド国務次官補だった。クリントンは2013年2月に国務長官を辞めているが、ヌランドは彼女の同志だ。」

    *

 私は「バラ革命」や「オレンジ革命」のニュースを聞いたとき、旧ソ連圏の東ヨーロッパで、新しい民衆運動が起きているものと信じていました。

 しかし今から考えると、実に巧妙に仕組まれた「偽の民衆革命」だったのです。これは一種のクーデターでした。

 しかも、このクーデターは東欧だけにとどまりませんでした。ヒラリー国務長官のもとで、クーデターは中米にまで飛び火していました。あの悪名高いブッシュ大統領ですら、やらなかったことです。以下の櫻井氏による説明は次のようになっています。

 「クリントンが長官に就任したのはバラク・オバマが大統領に就任した2009年1月のことだが、その年の6月にホンジュラスで実行されたクーデターでクリントンは黒幕的な役割を果たしたと言われている。約100名の兵士が大統領官邸を襲い、マヌエル・セラヤ大統領を拉致し、コスタ・リカへ連れ去っている。

 現地のアメリカ大使館は国務省に対し、クーデターは軍、最高裁、そして国会が仕組んだ陰謀であり、違法で憲法にも違反していると報告している。つまり、クーデター政権には正当性がないと明言した。

 このクーデター政権は翌2010年、最初の半年だけで約3000名を殺害したとも報告されている。そのクーデターの背後にクリントン長官がいたということだ。」

    *

 以上で櫻井ジャーナルからの引用を終えます。まだまだヒラリー女史の好戦性・冷酷さを示す事例に事欠かないのですが、長くなりすぎていますので、ひとまずここで筆をおきます。今のアメリカ情勢を理解する一助にしていただければ幸いです。

 ただ一つだけ付け加えておきたいことがあります。それはアメリカの民衆が、知れば知るほどヒラリー女史に嫌気がさしているのに、他方の大手メディアがトランプ叩きに終始しているという事実です。

 これでは、アメリカ民衆は「どちらがワルとして我慢できるか」という選択肢しか残されていないことになります。これはアメリカ史上、最悪の大統領選挙と言えるでしょう。

 ただ私たち日本人に一つだけメリットがあるとすれば、今までアメリカは理想の国、民主主義のモデル国だと思われていたのに、それは虚像に過ぎなかったことが、この選挙戦を通じて見えてきたことではないでしょうか。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/hirarikurintontohadarekage.html


2017.03.02
世界制覇を今でも目指す米国の勢力はウクライナで攻勢を強め、シリアでの巻き返し図る(その1)

ロシアのビタリー・チュルキン国連大使が急死して8日後の2月28日、国際連合ではシリアに対する制裁を強化するように求める決議がロシアと中国の拒否権で阻止された。勿論、大使の死でびびるような2カ国ではない。この決議はアメリカ、イギリス、フランスが提出したもので、これらの国々はOPCW-UNの報告書を根拠に、2014年と15年にシリア政府軍が塩素を使用したと主張している。

 しかし、この報告書が示している根拠、証拠は信頼度の低いもの。その根拠薄弱な話を西側支配層の配下にある有力メディアがその中から都合の良い部分を都合良く解釈し、大声で叫んでいる。つまり、いつものパターンだ。

 シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すためにアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)をシリアへ侵入させ、破壊と殺戮を繰り広げてきた国はアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなど。今回、決議を提出した3カ国も含まれている。

 1991年にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はシリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしたと欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の元最高司令官、ウェズリー・クラークは語っているが、その中で最初に破壊されたのはイラク。大量破壊兵器という偽情報を有力メディアに広めさせ、2003年3月に配下の国々を従えて軍事侵略したのである。

 シリアでの戦闘は2011年3月に始まっている。リビアで似たことが始まった翌月のことだ。両国でも侵略勢力は偽情報の流布に力を入れてきた。そうした偽情報を発信していたひとつが2006年にイギリスで設立された「SOHR(シリア人権監視所)」。そこから出てくる話を西側のメディアや「人権擁護団体」は垂れ流してきた。

 SOHRは設立当時からCIAやイギリスの情報機関MI6が背後にいると指摘されていた。アメリカの反民主主義的な情報活動を内部告発したエドワード・スノーデンが所属していたブーズ・アレン・ハミルトン、プロパガンダ機関のラジオ・リバティが存在しているとも言われている。

 内部告発を支援しているWikiLeaksが公表した文書によると、SOHRが創設された頃からアメリカ国務省の「中東共同構想」はロサンゼルスを拠点とするNPOの「民主主義会議」を通じてシリアの反政府派へ資金を提供している。2005年から10年にかけて1200万ドルに達したようだ。

 こうした工作が始まった直後、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2007年3月5日付けニューヨーカー誌で、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの「三国同盟」がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始した書き、その中心にはリチャード・チェイニー米副大統領、ネオコン/シオニストのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてバンダル・ビン・スルタンがいると書いている。

 ハーシュの記事に登場するバリ・ナスルはサウジアラビアについて「相当な金融資産があり、ムスリム同胞団やサラフ主義者と深い関係がある」としたうえで、「サウジは最悪のイスラム過激派を動員することができた。一旦、その箱を開けて彼らを外へ出したなら、2度と戻すことはできない。」と語っている。

 このナスルはジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院のディーンで、CFR(外交問題評議会)の終身メンバー、つまりアメリカ支配層の一員だ。そのナスルもムスリム同胞団やサラフ主義者、つまりアル・カイダ系武装集団を使う危険性を警告していた。

 2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は倒され、カダフィ自身は惨殺された。NATOの航空兵力とアル・カイダ系のLIFGの地上部隊が連携しての攻撃だった。政権が崩壊した直後にベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられたている。その映像はYouTubeにアップロードされ、デイリー・メイル紙も伝えていた。リビアでの任務が終わったアル・カイダ系武装集団の戦闘員は武器と一緒にシリアへ移動していく。

 その後のシリア情勢に関するホワイトハウス向けの報告書をアメリカ軍の情報機関DIAは2012年8月に作成している。その中で反シリア政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、そうした勢力を西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているしていた。バラク・オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないとしているわけだ。

 また、オバマ政権が政策を変更しなかったならば、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告、それはダーイッシュという形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がトランプ政権で安全保障担当補佐官に就任する予定のマイケル・フリン中将だ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703010000/


2016.12.13
シリアで政府軍と戦っているのはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュであり、反体制派はいない

 シリアで政府軍が戦っている相手に「反体制派」というタグをつけているマスコミが存在する。かつて、日本のアジア侵略を「大東亜共栄圏」を建設するためだと主張した人たちがいるが、それと同じようなものだ。

 リビアやシリアで体制転覆を目指して戦っている集団が「反体制派」でないことは戦闘が始まった2011年春の段階で指摘されていた。シーモア・ハーシュなどが何年も前から予告していたことが引き起こされたのだ。

 2012年8月にはアメリカ軍の情報機関DIAが反シリア政府軍の主力がサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、そうした勢力を西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとバラク・オバマ政権に報告している。その結果として、シリアの東部分にサラフ主義に支配された地域が作られるとも警告、それはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実のものになった。この報告書が書かれた当時のDIA局長がトランプ政権で安全保障担当補佐官に就任する予定のマイケル・フリン中将だ。

 こうした武装勢力の戦闘員は武器/兵器と同じようにシリアの外から入った。リビアのムハンマド・アル・カダフィ体制が倒された後、戦闘員や武器/兵器をアメリカなどはシリアへ移動させたが、その拠点になったのがベンガジのアメリカ領事館だったことは本ブログでも紹介した。そこが2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。

 サラフ主義から現在のタクフィール主義者は生まれた。この人びとはタクフィール(背教徒宣告)して人を殺す。2012年6月にエジプト大統領となったモハメド・モルシはシーア派へのタクフィールを許可、シリア侵略を後押しした。この許可はイラン侵略も視野に入っているのだろう。

 こうした侵略の背後にはネオコンの世界制覇戦略がある。ソ連消滅後、アメリカが唯一の超大国の超大国になり、その超大国を自分たちが支配していると認識した彼らは世界制覇プランを描き上げたのだ。1992年2月にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)たちが作成したDPGの草稿がそのプラン。「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 ソ連の消滅は西側支配層の傀儡だったボリス・エリツィンたちが仕掛けた。この事実は本ブログでも何度か指摘している。2度とソ連のようなライバルが出現しないように、彼らは旧ソ連圏のほか西ヨーロッパ、東アジアなどが成長しないような方策をとろうとし、力の基盤になるエネルギー源が地下に存在する西南アジアを支配しようと考えた。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、DPGが作成される前の年にウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていている。ソ連が消滅する前から彼らは世界制覇の野望を持っていたわけで、ソ連消滅はそうした野望を顕在化させることになった。

 しかし、このプランはジョージ・H・W・ブッシュ大統領が再選に失敗、ビル・クリントンが大統領に就任したことでお蔵入りになる。それを蔵から引きずり出したのがファースト・レディーだったヒラリー・クリントン。彼女と親しいマデリーン・オルブライトが国連大使から国務長官へ異動した1997年1月のことだ。そして1999年3月、NATOはユーゴスラビアを先制攻撃した。ちなみに、オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子。ヒラリーのもうひとりの友人、ビクトリア・ヌランドは当時、国務副長官の首席補佐官を務めていた。

 本ブログではすでに書いたことだが、ウォルフォウィッツをはじめとする好戦派はユーゴスラビアを破壊、解体するため、ウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成された直後からプロパガンダを始めている。例えば、ニューズデイのボン支局長だったロイ・ガットマンは1992年8月、ボスニアで16歳の女性が3名のセルビア兵にレイプされたと書いているのだが、これは嘘だった。この嘘を広めた功績で、後に彼はピューリッツァー賞を受賞している。

 2003年3月にアメリカ政府が始めたイラクへ侵略戦争も嘘を広めることから始めた。この時は偽情報を発信する目的で国防総省の内部にOSP(特殊計画室)が作られた。その室長に選ばれたエイブラム・シュルスキーはシカゴ大学でウォルフォウィッツと同じ教授について博士号を取得している。ふたりはネオコン仲間だ。

 1990年代からアメリカの侵略戦争に広告会社が深く関与してくるようになったことも本ブログで書いてきた。偽情報の作成と流布は彼らにとって御手の物だ。そうした偽情報をアメリカなど西側の有力メディアは垂れ流し、アメリカの政府や議会はそうした嘘を暴くメディアやサイトに「偽報道」というタグをつけ、検閲しようとしている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612130001/

2015-09-05
ユーロの大量難民受け入れを促進するグローバリストの裏側
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20150905T1620500900


ユーロの為政者たちは「多文化主義」を強力に推進しており、移民を大量に自国に入れ、難民を大量に受け入れている。

ユーロという枠組みで国境をなくし、人の出入りを容易にして人種を混合して「世界はひとつ」を実現しようとしている。

この動きを「グローバリズム」という。

グローバリズムが推進され、それに反対する保守的な政党はすべて「極右」というレッテルを貼られてメディアで叩かれるのは、現在の支配階級(エスタブリッシュメント)がグローバル化によって莫大な利益を得るからである。

なぜ、現在の支配階級はグローバル化によって利益が得られるのか。

それは支配階級の資金源のほぼすべてが「多国籍企業」から来ているからだ。

彼らのほとんどは多国籍企業の所有者なのである。だから多国籍企業が求めるものが、彼らの基本政策となる。

その多国籍企業こそがグローバル化を求めているので、現在の強大な影響力を持った支配階級は、迷うことなくグローバル化に向かって突き進む。


100%の確率で「巨大多国籍企業」の所有者

フォーブスの億万長者ランキングをひとつひとつ見れば、そのすべてが「多国籍企業」の所有者であることが分かるはずだ。

(1)ビル・ゲイツ(マイクロソフト社)
(2)カルロス・スリム(テレフォノス・デ・メヒコ)
(3)ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ)
(4)アマンシオ・オルテガ(ザラ)
(5)ラリー・エリソン(オラクル)
(6)チャールズ・コーク(コーク・インダストリーズ)
(7)デイヴィッド・コーク(コーク・インダストリーズ)
(8)クリスティ・ウォルトン(ウォルマート)
(9)ジム・ウォルトン(ウォルマート)
(10)リリアンヌ・ベッタンクール(ロレアル)

上位10位の億万長者を見ても、100%の確率で「巨大多国籍企業」の所有者である。それに続く億万長者もまた然り。

ロスチャイルド一族、ロックフェラー一族、デュポン一族、ヴァンダービルト一族、メロン一族等は、こうした億万長者のリストに入っていない。

しかし、こうした旧財閥一族がもう億万長者ではないのかというとそうではない。

彼らはそれぞれ自分たちの財団を所有しているが、その財団が多国籍企業の株式を大量に所有している。旧財閥一族は今でも財団を通して巨万の富を得ているのだが、ただリストに載らないように振る舞っているだけである。

つまり、すべての支配層は多国籍企業に通じている。

そのため、多国籍企業にとって素晴らしいことは、支配階級にとっても無条件に素晴らしいことでもある。

その多国籍企業がグローバル化を求めているのであれば、すべての支配階級がグローバル化を一心不乱に推進するのは当然のことである。


なぜ多国籍企業にグローバル化は重要なのか?

では、なぜ多国籍企業にグローバル化は重要なのか。もちろん、「市場」が全世界に広がれば広がるほど成長と利益が手に入るからだ。

そして、全世界の人間が「共通の文化」を持っていればいるほど、同一製品を大量生産することができて低コストで利潤を追求できるからだ。

さらに、全世界に進出できるようになると、賃金の安いところで工場を作り、賃金の高いところで商品を売るという芸当も可能になる。

多国籍企業にとってグローバル化は自分たちが「より儲ける」ために必要不可欠のものなのである。だからこそ、多国籍企業の所有者である支配階級は、全力でグローバル化を推し進めることに余念がない。

その国の文化や伝統など、そんなものはグローバリストにとっては邪魔な存在でしかない。

文化や伝統のような独自のものが強く残っていると、その文化や伝統に商品をローカライズしなければならないのでよけいなコストがかかる。

コストを消すためにはグローバル化を推進して、価値感も文化も「同じ」にするのが一番だ。

国家の力が強大であると、国が地場産業を守るために関税をかけたり保護貿易を進めたり多国籍企業に寄生をかけたりするので、国家も邪魔になる。

多国籍企業にとって、すでに「国家」という概念は自分たちの邪魔なものになっている。だから国家を弱体化させ、ブロック化させ、最終的に国家を単に地域の役場レベルにまで弱体化した方が良いとグローバリストは考える。

こうした多国籍企業の圧倒的な影響力を背景に選ばれたのが先進国の政治家たちである。

先進国の政治家たちが揃いも揃ってグローバリズムを推し進め、それに対して何の疑問も抱かないのは、そういう人間だけを支配階級が「選択」しているからである。


難民受け入れに反発する国民をどう押さえるか?

そういった目で、現在のヨーロッパで起きている移民や難民の大量流入を見ると、こうした難民を受け入れるというのはグローバリストにとっては「素晴らしいこと」であることであると気付くはずだ。

大量の「安い賃金で働く人間」がなだれ込み、大量の「消費者」が生まれる。

しかも難民が増えれば増えるほど、ヨーロッパが持っていた伝統や文化というものは破壊され、難民たちが持っていた文化もヨーロッパの文化に触れて薄められていく。つまり、両方が同時に画一的な文化に染まっていく。

これは、多国籍企業にとって都合が良い展開だ。

もちろん、30万人も難民が一気になだれ込んで来るのだから、ただでは済まない。

現在のヨーロッパは大混乱に見舞われており、難民が増えるに比して難民排除の動きもまた活発化してヨーロッパ圏は「難民崩壊」する可能性がある。

それでもヨーロッパの政治家たちが大量難民を受け入れるのは、そうすることによって国が混乱しても「多国籍企業は儲かる」からである。

しかし、大量の難民が押し寄せてしわ寄せを受け、難民の受け入れに反発する国民をどのように押さえるか……。

最近、グローバル・メディアは、トルコ海岸で死んだシリア難民の三歳児の死をクローズアップして、「難民を受け入れないと悲劇が繰り返される」「難民を助けなければならない」という洗脳工作を一挙に繰り広げている。

そして、難民の流入に反対する人間は「かわいそうな三歳児を見なかったのか。人間としての感情がないのか」と吊し上げて非難する世論形成を作り上げている。

かくしてユーロ圏には大量の難民が押し寄せても、それに反対することはできなくなっていく。そして、多国籍企業はモノを売る人間が数十万人も増えて歓喜に湧く。

世の中は多国籍企業が儲かる方向で動いている。資本主義社会の支配者は、多国籍企業だからである。


今後、難民の受け入れに反対する人間は、この写真を突きつけられ「かわいそうな三歳児を見なかったのか。人間としての感情がないのか」と吊し上げられることになる。
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20150905T1620500900


アフリカ女性を略奪・奴隷にした白人たちの現代の罪意識


『地獄の季節』で有名な詩人アルチュール・ランボーはフランス人だが詩人を辞めた後はいろんな職業を転々としながらさまよい歩き、やがてアフリカで武器商人となっていた。

なぜアフリカだったのか。フランスもかつては「帝国」であり、東南アジアのカンボジアだけでなく、アフリカの北西部に植民地を持ち、そこでは多くのフランス人が進出してビジネスをしていたのだ。

当時のヨーロッパが競って世界の未開国に突き進んで植民地にしていったのは、言うまでもなく「略奪」で国家発展をするためだった。

ヨーロッパはいろんなものを略奪した。金・銀・宝石から、珍しい文化遺産、毛皮、植物、食物。植民地にした地域から「何を奪えるか」が帝国の重要課題であり、奪えるものが多ければ多いほど帝国は繁栄した。

最も徹底的に、かつ収奪的に奪っていったのはイギリスだが、フランスも後を追ってアフリカを次々と植民地化していき、そこから手に入れた略奪物資で国全体が豊かになっていった。

「植民地から奪えるだけ奪え」というのは国策だった。だから植民地には政府の統制の取れた軍隊とは別にランボーのような山師的な人間も大量に入り込んで現地に蠢いていた。そして、山師はアンダーグラウンドで手に入れていたものがあった。それは何だったのか。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20160714T0220080900.html


RK: 彼らのやり方は、少数によって大多数の人々を管理して富を独占する。
  そのやり口を見ていると、まるで人間を家畜と考えていて、
  ある意味非常に効率的に管理支配していますね。

BEN:ここが農耕民族である日本人には理解しにくいところで、
  彼らの発想は非常に遊牧民的というか、非常に残酷なのです。

  それはユダヤ人の割礼なんかもそうですが、
  乳牛でもちょっとでも乳の出が悪いとすぐ殺処分するし、
  主人の言うことを聞かない暴れるオスだと、すぐに断種して
  睾丸を抜いてしまうんです。

  だけどこれが農耕民族だと、牛や馬は家族扱いにして大切にする。
  彼ら動物は田畑を耕したり、荷物を運んだりする使役動物だから、
  日本の昭和初期頃までは家の中で大切に飼って、
  潰して食用にすることもあまりなかった。それだけ感覚がまったく違うわけです。

  事実、遊牧民たちは農耕民族のことを、草を食べる
  あるいは穀物と言い換えてもいいのですが、
  羊人(Sheeple シープル)と呼んでいます。

  その羊人である農耕民族を管理するために「羊飼い」としての一神教
  (キリスト教やユダヤ教)があり、その神を動かすことで
  全体を支配するという考えです。

  これまでもその発想でずっと世界を支配してきたのです。

  ですから支配者たちから見ればその他大勢の庶民は同じ人間ではなく、
  「羊人」という家畜にすぎません。

  だから増えて管理が面倒になれば「間引こう」となるし、
  劣等な種族は断種して子孫を作らせないようにする。

  家畜を使って利益を得れば、当然のように牧場主がすべてを奪い取る。

  文句を言えば餌を減らし、ムチで叩いて大人しくさせる。

  このようにして食料と軍事力で世界を管理・コントロールしている連中が
  存在しているのです。
http://8729-13.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-a3d1.html


【噴水台】強者にだけ謝罪するドイツ 2016年01月11日
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]


アドルフ・ヒトラーの著書『わが闘争』が絶版から70年ぶりの今月8日、ドイツで再出版された。

この本は1925年に36歳のヒトラーがミュンヘン暴動で投獄された当時、ナチズムの思想的土台を整理した自叙伝だ。

ナチ崩壊後に版権を得た独バイエルン州が出版せず、事実上の禁書だった。
しかし昨年末に70年の著作権が消滅すると、ドイツ研究所が激しい反対を押し切って「極右人種主義を防ぐにはナチズムの正確な理解が必要」として再出版したのだ。

その間、国内外を問わず、『わが闘争』出版禁止は反省するドイツの良心の象徴のように描写されてきた。

反省をしない日本とは違い、ドイツはナチズムなら接触さえできないようにこの本を禁止したという論理だった。

ところがこの悪名高い本が出てくると、世界メディアは「ナチズムを批判するための措置」という形で再出版も美化している。出版を禁止しても解除してもドイツはいつも模範的な国と見なされているのだ。


しかし本当にそうだろうか。隠れている歴史を見てみよう。
ドイツの醜悪な顔が一つ一つ見えてくる。

1904年、ドイツは植民地のナミビアから土地を奪うためにヘレロ族・ナマ族を無惨に殺害した。

井戸に毒をまいたという話もある。

20世紀初めの人種虐殺だった。

ヘレロ族8万人のうち6万5000人、ナマ族2万人の半分の1万人が死亡した。

これだけでなくドイツは生存者2000人を強制収容所に入れて人体実験もした。その後、ドイツは遺体を本国で運んで研究用として使用し、2011年に20人の遺骨を本国に返した。

ドイツ人はあまりにも純真であるためヒトラーという狂った人物にだまされ、悪行を犯したようになっている。しかしドイツ人はヒトラーの登場前から悪魔の人体実験をしていた。

ドイツは繰り返されるナミビア政府の謝罪要求にもかかわらず、100年が過ぎた2004年に虐殺の事実を認めた。それも首相ではなく経済開発相が演説して一言述べたのがすべてだ。しかし経済的賠償は拒否し続けている。

日本の否定的なイメージを強化するため、我々は「誠実なドイツ」という虚像を築いて見たいものだけを見ている。

もう一つ。それではドイツはなぜユダヤ人だけに頭を下げるか。
専門家らの答えはこうだ。

「米国内のユダヤ人の影響力が強く、ナミビア人は弱いから」。

悲しくもこれが国際社会であり、これが「不都合な真実」だ。

日本からきちんと謝罪を受けようとするのなら、我々から強くならなければいけない。

ナム・ジョンホ論説委員
http://japanese.joins.com/article/627/210627.html

ドイツは1884年から1915年にかけて南西アフリカを植民地にしていました。

そこでドイツは先住民であるヘレロ族・ナマクア族を反乱に対する報復として虐殺しました。

20世紀最初のジェノサイドといわれている1904年から1907年にかけてのヘレロ・ナマクア虐殺である。

ヘレロ族の80%、ナマクア族の50%が虐殺されたといわれています。

南西アフリカはドイツが第一次世界大戦に敗北し国際連盟の委任統治領となりました。


ホッテントット蜂起

ドイツ本国にもこの無残な植民地統治についてある程度報告された。しかし国民の大多数はこの強制収容所での残虐行為を容認したようだ

1906年、議会で社会民主党がホッテントットへの弾圧があまりにも過酷だとして政府を追求した。

これに対し、首相ビューロウは社会民主党を追い落とす絶好の機会ととらえ、議会を解散し総選挙に訴えた。当然争点はこの蜂起事件についてだった。

国民はホッテントットへの過酷な弾圧を支持し、社会民主党の議席数は急落した。後世になりこの選挙はホッテントット選挙と呼ばれた。


首相ビューロウとはベルンハルト・フォン・ビューローのことで1900年から1909年の間、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の下、帝国主義政策を推進したプロイセンの貴族です。

異教徒・異民族に対する宗教的偏見・人種的偏見はドイツ人の血であり本性です。

日本人はドイツの歴史を知らなさ過ぎる。ドイツ人の本性を知らなさ過ぎる。


国家社会主義ドイツ労働者党はヒトラーが入党する前から公然とユダヤ人弾圧を綱領に掲げていました。

ユダヤ人だけが例外とされる理由は存在しません。

ヘレロ族・ナマクア族と同様にユダヤ人も虐殺された。
それは疑いようが無い事実です。

ただし600万という数字は疑わしい。とはいえ犠牲者の数がどうであろうと虐殺があったことには変わりありません。
http://qa.life.auone.jp/qa6948335.html


「アメリカは正気を取り戻せるか」と「アメリカン・ジハード」が指し示すもの 2009-11-26


アメリカは正気を取り戻せるか―リベラルとラドコンの戦い 2004/10
ロバート・B. ライシュ (著), Robert B. Reich (原著)
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AF%E6%AD%A3%E6%B0%97%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%88%BB%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%81%8B%E2%80%95%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%83%A9%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBB-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A5/dp/4492222545


の感想から連想したことなどを。


 さて、以下、「ラドコン(Radcon)」というのは「ラディカル・コンサバティブ(radical conservatives)」の略称で、よく言われるネオコンとほぼ同じ人々のことを指している。

「ラドコンにとって規律を行き渡らせる究極の道具は市場である」(150ページ)

「当時、フリードマンの提案をまともに受け取った人はほとんどいなかったが、ラドコンが支配するようになった今、その考えが主流となった」(152ページ)

「ラドコン社会学者のチャールズ・マレーは次のように言う。『今日のアメリカで、あなたが本当に頭がよければ、おそらく本当によい学校に入ることになり、収入のよい仕事に就くことになり、給料も上がり続けるだろう』」( 157ページ )


→では、右翼であるラドコン(ネオコン)と市場原理主義者の共通の「根」は何か。  


「当時(南北戦争後の好景気時代『金メッキ時代』の支配的な経済理論は自由放任であり、その哲学的ルーツは社会ダーウィニズムとして知られるようになった。

 今生きているアメリカ人でハーバード・スペンサーの著述をなにがしかでも読んだことのある人はほとんどいないだろうが、彼の著作は19世紀の最後の30 年間、アメリカに強烈な影響を与えた。・・・

(ハーバード)スペンサーと彼の信奉者にとっては、市場は人格を発展させる場であった。勤労は人々に生き残るために決定的に重要な道徳的規律をもたらした。

生きることは、最も強い道徳的素質を持っている者だけが生存できる競争的闘争であった。・・・

「適者生存」という言葉をつくったのはチャールズ・ダーウィンではなくスペンサーだった。・・・

スペンサーの熱心な信奉者だったイェール大学の政治・社会学教授ウィリアム・グラハム・サムナーはこれを簡潔に説明した。

『金持ちは生き残り繁栄するに値するが、貧者はそれに値しないだけの話だ。』」(159〜160ページ)


→強い者が勝つ、あるいは勝った者が強いのであり祝福されるべきである、と考えるところが、そのまま市場原理主義の考え方に当てはまるということなのだろう。


 一方、ラドコンが積極的に他国・他民族を侵略してよしとするのもまた、

勝てば良い、負けた者は劣っているのだから虐殺されても文句は言えない

との考えが根にあるということになる。


「強い者が勝つ」

あるいはさらに進んで

「どんな手を使っても勝てばいい、勝った者が強い者であり、祝福されるべきである」

という弱肉強食の論理は、市場原理主義の典型的なたとえだが、実はこれは侵略戦争の論理でもあるのではないか。


 市場原理主義とラドコンの共通性を論じるのに、ハーバート・スペンサーのことが取り上げられたが、彼の文章はマフムード・マムダーニ著「アメリカン・ジハード」でも

「付随的な損害を斟酌せず、完璧な幸福という大計画を実行に移しつつある勢力は、邪魔になる部族の人類は絶滅に追い込む」(注の1ページ)

と紹介され、この時代の思想傾向がどのようなものであったかが次のように記されている。


「『帝国主義が劣等人種を地上から排除することによって文明に貢献した』」

とする考え方は、自然科学、哲学から人類学や政治学に至る、十九世紀のヨーロッパ思潮の中に広く表明されている。

イギリス首相、ソールズベリ卿が一八九八年五月四日、アルバート・ホールで行った有名な演説で、

「大雑把に言って、世界の民族は生き延びていく民族と滅びていく民族の二つに分けられる」

と述べたとき、ヒトラーはわずか九歳、

ヨーロッパの空気は

『帝国主義こそ、自然の掟によれば、劣等人種の必然的破滅に通じている生物学的に必然のプロセスなのだ』

という確信が瀰漫していた」


→マムダーニは、こうした時代思潮を背景にニュージーランドのマオリ族やドイツ領南西アフリカのヘレロ族などが絶滅させられていったとし、

ヘレロ族についてはドイツの遺伝学者オイゲン・フィッシャーがその強制収容所で人種混淆の実験を行い、

「ヘレロ女性とドイツ男性の混血児は心身ともにドイツ人の父親に劣っていた」

などといった結論を引き出して「人間の遺伝原理と人種的予防措置」を著したとする。

さらに、それをヒトラーが読み、フィッシャーをベルリン大学の学長に任命し、その教え子の1人が、アウシュビッツで人体実験を行ったヨーゼフ・メンゲレだったという関連性を指摘して、19世紀後半の「適者生存」—社会ダーウィニズムが20世紀前半のナチズムを人脈的にも思想的にも支えたことを明らかにしている。


 もちろん「ラドコン・イコール・ナチズム」と短絡的に考えてはならないが、「強者の論理」であったり「人種差別的」であったりする点には、両者に共通性を感じないわけにはいかない。

世界の「衆人環視」の中、あの時代もこの時代も「大虐殺」が公然と行われたことも、両者の同質性を疑わさせるに十分ではないだろうか。
http://d.hatena.ne.jp/takamm/20091126/1259251365

弱い民族に襲いかかる弱肉強食の歴史はまだ終わっていない


動物界では弱肉強食の世界だが、人間もまたその弱肉強食のルールに支配されている。人間の歴史を紐解くと、弱い民族は常に侵略され、弱い民族の文化・言語は消し去られている。

弱い民族は、大事に保護されるのではない。侵略され、大虐殺され、結果として淘汰されるのだ。

それを一番よく知っているのは、アメリカ人だ。なぜなら、彼らはネイティブ・アメリカンの土地を侵略して国を作ったという歴史から始まったからだ。

アメリカ大陸は本来はネイティブ・アメリカンのものだったが、白人たちはこの先住民を徹底的に殺し続け、結局は彼らの95%を虐殺したと言われている。

人類史上でも類を見ない「大量虐殺の歴史」がそこにあったと言うしかない。イギリスから移住したアングロサクソンが、先住民族を淘汰して今のアメリカにしたのである。

そして、かろうじて生き残った先住民族(ネイティブ・アメリカン)は、今や天然記念物のように指定地区に押し込まれて貧困の中で細々と生きている。


大虐殺は200年ほど前まで世界中で普通に起きていた

アメリカ人は、弱い民族を大虐殺して、自分たちがそこに居座った。だから、「自分たちが弱ければ淘汰される」という本能的な恐怖を持っている。自分たちがそうしたのだから、そうされるという意識を忘れない。

オーストラリアもまた白人の国ではなかった。

しかし、イギリスから島流しにされたアングロサクソンが先住民族だったアボリジニを大量虐殺して、白人の国「オーストラリア」になった。アボリジニはその90%を虐殺されたと言われている。

その頃のアボリジニは、スポーツとして狩りの対象にされていた。信じられないかもしれないが、白人たちは先住民を「獲物」にしていたのである。

また、害虫の駆除のつもりだったのか、井戸に毒を入れたり、孤島に置き去りして餓死させたりしていた。

ラテン・アメリカでは、先住民だったインカ帝国の末裔はことごとく皆殺しにされて、残った女性はほとんどがレイプされて混血児を産むようになった。

今やラテン・アメリカは混血国家として知られているが、それは大虐殺とレイプの結果であることを日本人はもっとよく知っておいたほうがいい。

南米の混血は美しい。その美しさには血の歴史がある。(南米の混血女性が美しいのは、美しい女性だけを選別したから)

この大量虐殺は古代史ではない。つい200年ほど前まで人類が行っていた所業である。


鎖につながれたアボリジニ。アボリジニは、スポーツとして狩りの対象にされていた。信じられないかもしれないが、白人たちは先住民を「獲物」にしていたのである。


言葉も消され、伝統も、文化も、すべて根絶やし

弱い民族は一方的に駆逐され、歴史から抹殺される。そんな民族が生きていたという痕跡すらも消し去られる。そうやって歴史は無数の弱小民族を消してきた。

近年においてもこのような状況である。人類の歴史を長いスパンで見ると、淘汰された民族は夥しいリストになる。言葉も消され、伝統も、文化も、すべて根絶やしにされる。

衰退した民族が、そのまま「保存」されるのはあり得ない。

衰退した国家には強大な国家が入り込み、強大な国家が衰退した民族を駆逐していく。非常に荒々しい手段で、強制的に歴史から消していく。

現在、中東で大虐殺が繰り広げられているが、こうした大虐殺が続けば続くほど、シリア・イラクは疲弊していき、国家的にも民族的に衰退していくことになる。

いったん衰退が確実となると、それが故に他民族がその真空を埋めていく。長期化する内戦は、その民族に大きな危機をもたらすのである。もしかしたら、それが絶滅のきっかけになる可能性もある。

弱体化した民族は、他民族にとっては「獲物」なのである。

現代文明の下で、私たちはすでに人類が石器時代のような弱肉強食の社会ではなくなったと考えている。

しかし、依然として兵力という名の「暴力」が国家の基盤となっているのを見ても分かる通り、いつでも弱肉強食の社会に戻る危うさを秘めている。

そうであるならば、自分たちの民族が衰退しつつあるのか、それとも強大になりつつあるのかを見極めるのは、非常に重要なことであるのは間違いない。

弱体化しているのであれば、未来に淘汰が待っているからだ。


現在、中東で大虐殺が繰り広げられているが、こうした大虐殺が続けば続くほど、シリア・イラクは疲弊していき、国家的にも民族的にも衰退していくことになる。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20150529T0236190900.html


セオドア・ルーズベルト (1858年10月27日 - 1919年1月6日)

アメリカ合衆国の軍人、政治家であり、第25代副大統領および第26代大統領。

彼はその精力的な個性、成し遂げた業績と合衆国の利益、国の発展期に示したリーダーシップと、「カウボーイ」的な男性らしさでよく知られる。

彼はノーベル賞を受賞した初のアメリカ人であった

彼はアウトドアスポーツ愛好家および自然主義者として、自然保護運動を支援した。

ルーズベルトは歴代アメリカ合衆国大統領のランキングで現在でも偉大な大統領の一人として格付けされる。


ルーズベルトとインディアン

ルーズベルトが大統領職に就いた時代は、すでにインディアン民族が保留地(resavation)に強制移住させられ、表立った軍事衝突は終わった後だった。1901年の大統領就任祝賀パレードにはアパッチ族のジェロニモが見世物として連れてこられ、コマンチ族のクアナが騎馬参列している。クアナとは、二人でコマンチ族の土地で狩りをする仲だった。

一方で、故郷アイダホからワシントン州に強制連行されたままのネ・ペルセ族の窮状について、世論の批判が高まっていたのに対してまったく放置した。ギボン将軍が後押ししたジョセフ酋長の嘆願も、まったく無視し、死ぬにまかせた。「ノーベル平和賞」を受賞したルーズベルトだが、インディアン民族に対しては歴代大統領の絶滅政策を支持していた。


彼はマニフェスト・デスティニーのなかの「インディアンに対する虐殺と土地の略奪」について、次のように述べている。


それ(インディアンに対する虐殺と土地の強奪)は回避不能だったし、最終的には有益なことでした。

女・子供を含む無抵抗のシャイアン族のバンドが米軍によって徹底虐殺された「サンドクリークの虐殺」については、次のように賛辞を送っている。


これほどまでに、まさしく正当で、有益な行いが、フロンティアで起こったのです。

また、こうも発言している。


私は、「死んだインディアンだけが良いインディアンである」とまでは言いませんよ。しかし、私は10人インディアンがいたとして、そのうち、9人まではそうじゃないかと思っています。それと、私はあまり10人目については真剣に考える気になれませんね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%AA%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

『月刊日本』10月号
施光恒「国民生活の根幹が破壊されている」より

厚労副大臣が外資系製薬会社の御用聞きをする異常さ


── 安倍政権は、対日直接投資推進会議の枠組みを利用して、規制改革を加速させようとしています。

【施】 投資拡大の名のもとに、あからさまにグローバル投資家や企業にすり寄る姿勢を見せています。日本国民ではなく、グローバルな資本が、日本の政策を決めてしまう事態が進行しているのです。

 対日直接投資推進会議が昨年3月に発表した「外国企業の日本への誘致に向けた5つの約束」には、重大な問題点が含まれています。「一番ビジネスしやすい環境を整えますから、日本にぜひ投資してください」と、グローバル投資家、企業に露骨に阿る内容です。

 どの「約束」にも疑問を感じるのですが、特にひどいのは五つ目の約束です。そこには、「日本に大きな投資を実施した企業が政府と相談しやすい体制を整えます」と書かれています。この約束にしたがって設けられた制度が「企業担当制」です。多額の投資をする外資系企業の相談相手として各省庁のナンバー2クラス、つまり副大臣や政務官をつけるのです。まさにこれは、日本の政権幹部と海外の大企業との結託です。「外資系企業サマに様々な便宜を図れるように御用聞きをさせていただきます」ということです。

 そして、外資系企業の要望に沿って規制改革を断行しようとしています。すでに今年5月には、規制・行政手続の簡素化について検討するための「規制・行政手続見直しワーキング・グループ」の設置が決まり、8月17日にその第1回会合が開かれました。

 しかも、規制改革について、早期に結論が得られるものについては先行的な取り組みとして年内に具体策を決定し、速やかに着手するとしています。

 すでに、副大臣を担当者、つまり相談窓口としてつける外資系企業として、IBM、ジョンソン・エンド・ジョンソン、デュポン、ファイザー、フィリップス、マイクロンテクノロジー、メルクなどが選定されました。このうち、ファイザーとメルクが製薬会社、ジョンソン・エンド・ジョンソンとフィリップスが医療機器メーカーで、厚生労働省の副大臣が担当者になることが決まっています。

 外資系企業は、日本でビジネスがしやすいように、日本の規制やルールを撤廃するよう、担当者である副大臣に対して要求することになるでしょう。担当者が経産省の副大臣ならばまだ理解できますが、製薬会社や医療機器メーカーの担当者に厚労省の副大臣が就くのは問題でしょう。医療や労働など国民の健康や生活に直結する問題を扱い、国民生活を守る役割を担うはずの厚労省が、国民一般ではなく、外資系企業の要望を直接聞く立場に転落してしまっているのですから。

 子宮頸がんワクチン「ガーダシル」を製造しているメルクは、厚労省の副大臣に対し直接、ワクチン接種を推進してほしいという要望を突きつけてくるかもしれません。あるいは、外資系企業が一斉に、解雇規制の緩和など労働法制の変更を厚労副大臣に迫ってくるのではないでしょうか。

 四つ目の約束にある「海外から来た子弟の充実した教育環境の整備を図る」という政策も大きな問題を含んでいます。すでに、国家戦略特区では公設民営学校の設置が認められており、日本の公立学校の校舎を利用して、アメリカなどの団体が英語で教育を行う学校を作ることが可能となっています。日本の税金を使って外国人が望む教育環境を整えようとしているのです。

 例えば、対日直接投資推進会議には、日本貿易振興機構が4月に、在日外資系企業・外国人材の要望をまとめた文書が提出されており、その冒頭に「インターナショナルスクールは学費が高すぎるので、日本の公立学校を国際化するほうが良いのではないか」という意見が挙げられています。

 本来、外国人子弟の教育は、外国人自身、あるいは彼らを雇用している外資系企業が負担すべきものです。それを日本の税金で賄おうとしているのです。日本の公立学校の在り方を外国人に合わせる必要などありません。(以下略)  
http://gekkan-nippon.com/?p=9484

【施 光恒】「国民」軽視が招くもの 2016/09/30


今回の蓮舫氏の二重国籍問題で明らかになったように、野党の政治家の多くは、国家への帰属意識や愛国心といったものをあまり重視してきませんでした。

そのことが、国民一般のもつ野党への信頼性を損ねてきたのではないか。
また、国民に信頼されうる有力野党がほとんど存在してこなかったことが、日本の民主政治の質を低下させているのではないか。

しかし、最近は、問題なのは、民進党などの野党陣営だけでもないようです。

残念ながら、与党である自民党のほうにも、日本という国家・国民の将来を真剣に考えて政治をしているのかどうか疑わしく感じることが少なからずあります。
(´・ω・`)

本メルマガでもたびたび指摘していますが、最近の自民党の政治は、「グローバル化」信仰に取りつかれ、米国をはじめとするグローバルな投資家や企業の影響を強く受けすぎているのではないかという点です。


(【施 光恒】「『企業担当制』という約束」(『三橋貴明の新日本経済新聞』2015年4月3日)
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/04/03/se-56/


「企業担当制」とは、多額の投資をする外資系企業の相談相手として各省庁のナンバー2クラス、つまり副大臣や政務官をつけるという制度です。

グローバル企業からさまざまな要望を直接聞き、日本に進出しやすいように規制緩和など各種の便宜をはかろうとするものです。

この「企業担当制」という制度、経世済民の観点からすれば、やはり奇妙だと言わざるを得ません。外資系企業の意思によって、日本の国民一般の生活に悪影響が及ぼされる可能性は否定できません。

当然ながら、外国の企業や投資家は、日本国民の生活の安定や安全、日本経済の長期的発展などに特段の関心を持ちません。

例えば、外国企業からすれば、日本に進出する際、各種の安全基準は、できるだけ緩いほうがいいわけです。

労働法制も、なるべく厳しくなければ助かります。

従業員の解雇はしやすいほうがいいですし、残業代もできれば払いたくないでしょう。

法人税は安いほうが助かりますし、企業の社会保障費の負担も少ないにこしたことはありません。

上記のリンク先の文章でも触れていますが、「企業担当制」の制度の下で、特に、グローバルな製薬会社や医療機器メーカーの相談相手として、厚労省の副大臣がつくのはかなり問題ではないかと思います。

医療や労働など国民の健康や生活に直結する問題を扱い、国民生活を守る役割を担うはずの厚労省が、国民一般ではなく、巨大外資の要望を直接聞く立場になってしまうのは、さすがにまずいでしょう。

人々の生活の安心や安全を脅かすような過度の規制緩和が行われてしまう恐れは残念ながら否定しがたいのではないでしょうか。
(´・ω・`)

このように、最近では、与党も「グローバル化」に踊らされてしまっており、政治を通じて国民生活を何としても守るという気概が薄れてしまってきているように思います。

国民一般が、野党だけでなく、与党も信頼できなくなってしまえば、深刻な政治不信、ひいては国民の連帯意識の弱体化は避けられません。

そうなれば結果的に、新自由主義者というか、グローバルな投資家や企業の思うつぼです。人々の暮らしが、ますます食い物にされてしまいかねません。

与党も野党もしっかりしてもらいたいものです。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/09/30/se-83/


【施 光恒】「企業担当制」という約束 2015/04/03


少し前の話になりますが、3月17日に政府の審議会「対日直接投資推進会議」は、海外から日本への投資拡大のための「5つの約束」というものを発表しました。

海外からの投資を呼び込むため日本は下記の5点について努力しますと、外国政府や外国企業に対して約束したのです。

「海外企業の対日直接投資加速へ 政府が5つの約束を決定」(FNNニュース 2015年3月18日配信)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00288394.html


5つの約束とは、次のものです。(政府発表の文章、そのままです)。


(1)百貨店・スーパーマーケット・コンビニエンスストア等で外国語で商品を選んで買い物をいただけるよう、病気になったときも外国語で安心して病院で診療いただけるよう、車や電車・バスで移動する際も外国語表記で移動いただけるようにします。

(2)訪日外国人が、街中のいろいろな場所で、我が国通信キャリアとの契約無しに、無料公衆無線LANを簡単に利用することができるようにします。

(3)外国企業のビジネス拠点や研究開発拠点の日本への立地を容易にするため、すべての地方空港において、短期間の事前連絡の下、ビジネスジェットを受け入れる環境を整備します。

(4)海外から来た子弟の充実した教育環境の整備を図るとともに、日本で教育を受けた者が英語で円滑にコミュニケーションが取れるようにします。

(5)日本に大きな投資を実施した企業が政府と相談しやすい体制を整えます。また、日本政府と全国の地方自治体が一体となって、対日投資誘致を行うネットワークを形成します。

(上記の「5つの約束」の詳細については下記のサイトをご覧ください)。
「内閣府 対日直接投資推進会議」HP
http://www.invest-japan.go.jp/promotion/

いかがでしょうか。

まあ、なんか情けないですよね。最初の(1)の「買い物をいただけるよう…」とか「外国語表記で移動できるよう…」なんて日本語の文章自体がどこかヘンになっていますし…。
(・_・;)

それに、こういう「国際公約」を作る最近の政治のやりかた、私は、気に入りません。

日本国民に周知する前に、「5つの約束」を外国や外国企業に対して発表し、既成事実を作っていくというのは、言うまでもなく、民主政治に反しています。

「5つの約束」について問題にしたい点は多々あるのですが、今回は、「企業担当制」の創設についてです。上記の約束(5)の一環として作られる制度です

(「企業担当制」については、先月、産経新聞の九州・山口版の拙コラムでも扱いました。そちらもご覧ください。)
「企業担当制 自国民保護へ十分な監視を」『産経新聞』(九州・山口版)(平成27年3月12日付)
http://www.sankei.com/region/news/150312/rgn1503120044-n1.html


この「企業担当制」とは、「海外から日本に重要な投資をする企業には、安倍内閣の副大臣や政務官を相談相手につける」という構想です。外国企業からさまざまな要望を直接聞き、進出しやすいように各種の便宜をはかるというのです。

この構想、ちょっとヘンだと思いませんか。

あからさまに、日本の政権の高級幹部と海外の大企業が結託し、企業に様々な便宜をはかるよう御用聞きしますよ、ということですので。

普通、政治と企業とが近い関係にあれば、注意が必要です。一般国民の利益ではなく企業の利益が優先されるのではないかと、マスコミなどは警戒します。

また、外国勢力が、日本の政治に影響を及ぼすことにも、通常は注意が促されます。

実際、日本の政治が、外国の政府、企業、個人からの影響のため、国民本位でなくなってしまうことを恐れ、そうならないように各種の規制がかけられています。

外国人の政治献金が禁じられているのも、放送局に外資規制がかけられているのも、また、外国人の参政権を認めるべきでないのも、政策が外国の影響を受け、国民本位でなくなってしまう事態を避けるためにほかなりません。

「政府と企業の癒着の恐れ」、「外国勢力から影響を受ける恐れ」という二つの懸念があるのに、「企業担当制」については、マスコミは、ほとんど批判していないように思います。なんか不思議です。もうちょっと警戒心をもって報じてもいいのではないでしょうか。

「グローバル化」の一環だから、ということで、批判の矛先が鈍っているのではないかと懸念します。

確かに、海外からの投資は、株価を引き上げたり、雇用を生み出したりするプラスの効果もあります。

しかし、グローバル化の進む現代の経済においては、グローバルな投資家や企業の利益と日本の一般国民の利益が必ずしも一致するとは限りません。

周知の通り、現在の日本はデフレ継続中です。したがって、国内市場ではモノが売れません。日本企業でさえ、投資を手控えて、内部留保をため込んでいるのが現状です。

日本企業でさえ投資を手控えるほど日本市場は稼ぎにくい状況にあるのに、「海外企業を呼び込んできたい、そのための口利きを政府の高級幹部が直接行おう」ということですから、「企業担当制」では、おそらくいろいろな「サービス」が行われるはずです。

グローバル企業に有利で、たいていの場合、日本の一般国民には不利な「サービス」です。

おなじみのものとしては、例えば、法人税の減税でしょう。

グローバル化時代の税制の基本原則は、「国境を超えて移動できる企業や投資家、富裕層には甘く、国境を移動できない一般庶民には厳しく」です。この基本原則に忠実な税制が「海外企業からの要望」、「投資を呼び込むために必要」という言い訳のもと、ますます整備されていきそうです。

他の「サービス」としては、「岩盤規制の打破」です。周知の通り、政府は、「エネルギー、医療、農業、雇用、教育」などを「規制産業」と称して、これらの分野の規制緩和を行うと繰り返し強調しています。

しかし、これ、日本の一般国民の生活という観点からすれば、結構恐ろしい話です。

これらの分野は、いうまでもなく国民生活の根幹です。「人々の生活の基盤となるので、あまり直接的に市場原理を導入してはならない」ということで、これまで政府や自治体が監督してきた部分が大きいわけです。

それなのに、そういう経緯をきれいさっぱり忘れ、最近は「既得権益」をぶっ壊して、市場原理にさらすぞ! それこそ前向きな改革なんだ!!と、安倍政権は、躍起になっています。

企業からすれば、国民生活の根幹に関わる「エネルギー、医療、農業、雇用、教育」などは、デフレでもとても「稼ぎやすい」領域です。

人々は生活が苦しいときでも、電気やガス、水道などのインフラは使いますし、医療も受けます。食品も買わなければなりません。教育についても、不況下でも、なるべくよい教育を子供に受けさせたいというのが人情です。

デフレの渦中にあっても、この領域であれば、企業は、安定したビジネスが期待できるわけです。

市場として国際的にみても非常に大きく、またデフレだろうがなんだろうが安定的に稼げる日本のこの種の領域に、グローバル企業は、参入したくてたまらなかったわけです。

「企業担当制」では、これらの領域のいっそうの規制緩和も海外企業から要望されるでしょうし、政府のほうも、「海外企業や投資家の皆様にご満足いただけるよう」それに応えていくのでしょう。

昨日(4月2日付)の日経新聞の第一面は、「裁量労働制の対象拡大──金融やIT、専門知識持つ法人営業職に」という労働規制緩和に関する記事でした。
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS01H51_R00C15A4MM8000/

これも、「岩盤規制の打破」の一環です。「雇用」分野の規制緩和です。

「企業担当制」ができた暁には、グローバル企業と日本政府高官との間にホットラインが敷かれるわけですから、この種の変革がさらにどんどん進められるようになるはずです。

日本人は、「外国人からこれこれの要望がある」という議論に大変弱いですからね。国内の議論ではなかなか進まなかった各種「改革」も、「企業担当制」という御用聞き制度からあがってきた要望と絡めることによって、結構簡単に実現するようになっていくのではないでしょうか。

また、「企業担当制」では、グローバル企業と政府高官や中央省庁とのホットラインだけではなく、事実上、各地の自治体とのホットラインも作られます。

政府は、各自治体間で、海外から投資や企業を引き込んでくるための競争をさせたいのでしょう。一種の「御用聞き競争」になりそうです。「法人税引き下げ競争」とか「規制緩和競争」、「補助金あげる競争」、「外国人向けの病院や学校などの施設を日本の税金で作る競争」など、グローバル企業やその従業員に便宜をはかる競争が行われそうです。
(+_+)

ホント、現在の日本では、「グローバル化」というのは、我々の通常の感覚を麻痺させる一種の「マジック・ワード」として機能しているように思います。

企業と政府が直結してしまう危険性がマスコミなどにほとんど指摘されず、スルーされてしまっているわけです。

「グローバル化」の名のもとに進められる各種「改革」提案に、もう少し警戒心をもってもいいのではないでしょうか。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/04/03/se-56/

ニコライ・ニキフォロフ通信情報大臣によれば、ロシアは外国ソフトに、毎年約 200億ルーブル(3億ドル以上)費やしているが、ロシア企業は同様な IT ソリューションを政府に提供する用意ができているという。

検索してみると、New Cloud Technologies というのは英語訳社名で、元のロシア語名があり、MyOffice も、元のロシア語名称がある。
http://ncloudtech.com/

主権国家としては、ごもっともな選択肢。

一方、TPP を推進しているこの属国では、こうした選択肢は完全に排除される。ISDS 条項。大本営広報部、別名、マスコミは、TPP のおそろしさには絶対に触れない。

冷静に考えれば、主権喪失の危険性、豊洲の土壌の危険さより、遥かに深刻、かつ明白と思うのだが。

電車の中で、隣の男性が読んでいた経済紙、シンガポール首相が来日して、TPP 批准を進めるようせっついているという記事をちらりとみた。

この人物、アメリカにもとんで、大統領と早く批准しましょうと宣伝している。

TPP 加盟で、日本も、シンガポール同様全員が英語しか話さない国になることだけは確実。


大本営広報部の漱石ドラマ、第二回、精神のおかしくなった漱石、

「イギリス人の母国語を勉強して何になる」

と叫んだ。

史実かどうかは別として、漱石は、日本で大学教育が、日本語でできることこそ、日本文化向上の結果の素晴らしいことで、大学教育が英語で行われたのを懐かしく思う精神を批判している。

英語の達人の賢明な洞察。今頃、漱石は、歯ぎしりしているだろう。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/microsoft-outlo.html


グローバリスト官僚 2015-11-20


『グローバリズムは国民経済を弱体化させるのみならず、国民を、

「国境を越えた移動が困難で、母国語(日本の場合は日本語)を話し、労働と対価としての所得で生活する国民」

 と、

「国境を越えて移動が可能で、母国語ではなくグローバル言語(現在は英語)を話し、労働の対価としての所得ではなく、資本利益(配当など)で生きていくグローバリスト」

 に二分化する。国民が英語を話す「少数派グローバリスト」と「それ以外の多数派の国民」に分断され、各国の安全保障や社会保障が揺らいでいくのだ。安全保障や社会保障は、国民の「共同体意識」なしでは成立しない。すなわち、ナショナリズムが重要なのだが、グローバリズムは国民の連帯感を破壊する。』


 
 11月20日の日本農業新聞の「小話往来」に、信じがたい記事が載っていました。

『小話往来「日本語軽視が露呈」

 政府が「日本と米国がリードした」(安倍晋三首相)と誇るTPP交渉。実際、日米で参加12カ国の国内総生産(GDP)合計の8割近くを占め、日米の批准がなければ発行しない。しかし、大筋合意した協定文には「英語、スペイン語 およびフランス語をひとしく正文とする」と定め、日本語は入っていない。

 19日の民主党経済連携調査会。篠原孝氏(衆・長野)が「(日本語を)要求してけられたのか」とただすと、外務省の担当者は「日本語を正文にしろと提起したことはない」と認めた。

 同省は以前、日本が遅れて参加したことを理由に挙げていた。だが、同様に後から参加したカナダは一部地域でしか使われないフランス語も正文に認めさせた。矛盾をつかれても同省は「カナダには政治的に非常に重要な課題だ。日本語をどうするかという問題とは文脈が違う」と言ってのけた。

 政府自ら自国の言語を軽視しているともとれる発言に岸本周平・同調査会事務局長は「今のは聞かなかったことにする。議事録から削除」と切り捨てた。(東)』

 いかがですか?


 「2016年 」の国民の二分化。グローバル言語を話す「グローバリスト」と、日本語を使う「日本国民」とに、現実の日本で国民が二分化されていっていることが分かると思います。


 当たり前ですが、TPP交渉において、交渉に当たる外務官僚は、「日本国民」を代表する立場です。あるいは、カナダの交渉官もまた、カナダ国民を代表する立場にあります。


 カナダでは、ケベック州などがフランス語を公用語として定めています。とはいえ、メインの言語は圧倒的に英語になっています。


 そのカナダですら、国内の「一部の国民」のために、TPPの正文の言語としてフランス語を押し込んだわけです。カナダの交渉官が「カナダ国民」を代表している以上、当然だと思います。


 日本農業新聞の記事にもある通り、TPP協定はアメリカ、もしくは日本国が批准しない場合は、失効となります。それに対し、カナダは別に抜けたところで、他の国々が批准すれば、TPPは発効します。


 それにも関わらず、TPP協定の正文について、日本の外務官僚は「日本語」を要求しなかったわけです。しかも、国会で、

「カナダには政治的に非常に重要な課題だ。日本語をどうするかという問題とは文脈が違う」

 と、発言した。すなわち、外務官僚は、

「日本国民は、別にTPP正文を日本語で読む必要がない」

 と、判断したことになります。


 別に「売国奴」という話ではないと思います。むしろ、問題はより深刻で、彼ら外務官僚は、

「日本国民は英語を話し、国境にとらわれず、グローバルに生きることが正しい」

 と、勝手に思い込んでいるグローバリストなのです。彼らは、日本国民が日本語ではなく、英語で生活、ビジネスすることを「正しい」と思い込んでいるわけです。結果、国民国家としての日本国が壊れていっています。


 すでに、日本では教育分野における「英語化」が進められています。同時に、「国」を背負って外国との交渉ごとに当たる外務官僚までもが、日本語を軽視する。


 もちろん、日本国や日本語を軽視する官僚は、文部科学省や外務省にばかりいるわけではありません。と言いますか、日本を軽視するグローバリスト官僚が「いない」省庁を、わたくしは思いつくことができないでいます。


 国土交通省の官僚ですら、この自然災害大国日本の国土を守る立場にありながら、

「日本の土木・建設企業が潰れても、外国企業から土木・建築サービスを提供してもらえばいい。自然災害の発生時にどうするか? もちろん、自然災害の際には我々を助ける契約にしておけばいい」

 と、信じがたいまでに安全保障軽視なセリフを言ってのけた人物がいます。


 それにしても、日本農業新聞の外務官僚の発言を読むと、我が国が冗談抜きで「亡国の危機」に瀕していることが分かります。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12097581104.html


日本は現在でも米国の軍事占領下にある _ 日本の政治を決定している日米合同委員会とは

なぜ、日本では国会議員が地方議員の仕事をしているのか 2015年6月15日
http://www.yamamotomasaki.com/archives/1991


日本政治を図らずも30年近く見てきて、いつも不思議に感じてきたことがある。

それは、「地方分権」と言われながら、いまだにすべての情報は中央、東京に集中し、内政における大枠の情報がほとんど東京に集中していることである。しかも国家主権にわたる外交、安全保障、国の経済政策、教育政策、福祉政策、医療政策、その他の分野でも大きな方針、政策は、すべて霞ヶ関から、国会議員に「勉強会」という形で官僚から卸されてくるのである。

そこで国会議員になった人間は、その中の一つか二つの分野に精通し、期数を重ねることによっていわゆる族議員というものになって、その内政の利権のお裾分けに預かる。この仕組みが、今も続く戦後の日本政治である。

さらに不思議なことは、その霞ヶ関に大きな政策を棚卸ししてくるのが、戦勝国であるアメリカなのである。

今回は、その大きな役割の一つを担っている「日米合同委員会」なるものを改めて紹介したい。不勉強の小生はこの組織のことを知ったのが、十年ちょっと前である。2011年の311以降、ネットや一部の本でもやっと言及されるようになったが、多くの日本人はマスコミがほとんど報道しないので全く知らないのではないだろうか。

そのためにいまだに一般の日本人には、認識されていないが、「日米合同委員会」というものが、戦後日本政治をコントロールしてきた最重要会議であることは間違いないのである。憲法で規定された国権の最高機関である国会を現実には超越していると言っても過言ではない。今回の安保法制を巡ってもテレビのニュース等で、あたかも日本が独立国としてこの法制を審議しているかのような報道がなされているが、残念ながら、このような報道は戦後に創られた共同幻想を維持するためものでしかない。


ところで、話題の書である矢部宏治氏は『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』で、矢部宏治氏は、「日米合同委員会」についてこう書いている。


日本はなぜ帰途と原発を止められないか


「官僚というのは法律が存在基盤ですから、下位の法体系(日本の国内法)より、上位の法体系(安保法体系)を優先して動くのは当然です。裁判で負ける側には絶対に立たないというのが官僚ですから、それは責められない。

しかも、この日米合同委員会のメンバーがその後どうなっているかを調べてみると、このインナー・サークルに所属した官僚は、みなそのあと、めざましく出世している。

とくに顕著なのが法務省で、省のトップである事務次官のなかに、日米合同委員会の元メンバー(大臣官房長経験者)が占める割合は、過去17人中12人。そのうち9人は、さらに次官より格上とされる検事総長になっているのです」

日米合同委員会の構成メンバーを見ると、米側がほとんど軍人である。

米側代表は在日米軍司令部副司令官である。

代表代理として在日米大使館公使、在日米軍司令部第五部長、在日米陸軍司令部参謀長、在日米空軍司令部副司令官、在日米海軍司令部参謀長、在日米海兵隊基地司令部参謀長である。在日米軍の軍人が威嚇するかのごとく居並んでいる。


日米合同委員会の日本側代表は外務省北米局長である

代表代理は、法務省大臣官房長、農林水産省経営局長、防衛省地方協力局長、外務省北米局参事官、財務省大臣官房審議官である。選挙で選ばれた政治家は一人も入っていない。


これは極めて象徴的な演出で、米国側は意識的に軍人を出している。現在も日本が米国の軍事占領下にあることの象徴なのだろう。わかりやすく言えば、日本官僚はネイティブの日本支配者であり、在日米軍の意向を受けて官僚の利権を維持拡大しているというわけである。

そして、日米合同委員会から多くの検事総長を出す。そして日本の対米隷属に異を唱え、真の独立を目指す人間を裁判にかけて攻撃する。その対象になったのが、最近では小沢一郎氏であった。

また、日米合同委員会で決まったことが公表されることはない。記録として残されることもない。いわば密約である。それが日本官僚を通じて政権与党である自民党に降ろされている。前回のレポートでも指摘した覇権国である米国経済の実情を考えると、もっと多くの日本人がこのことを知るべき時を迎えている。

日米合同委員会1日米合同委員会2

下記の参考資料を読んでいただければ、総理になった人間ですら、日米合同委員会のことを知らなかったことがわかる。日本の政治は見事なまでに空洞化しているのである。


<参考資料>

(*週プレNews 2014年12月16日より)

「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」で話題の矢部宏治が鳩山友紀夫と“日本の真の支配者”を語った!

矢部宏治

鳩山友紀夫元首相(右)と矢部宏治氏が日本が「真の独立国」として新しい戦後を歩むための方法を議論


<民主党・鳩山政権の崩壊と沖縄の基地問題を出発点に、日本の戦後史を振り返った話題の新刊

『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社インターナショナル)
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%81%E3%80%8C%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%80%8D%E3%82%92%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B-%E7%9F%A2%E9%83%A8-%E5%AE%8F%E6%B2%BB/dp/4797672897


の著者・矢部宏治(やべ・こうじ)氏。
そして、まさにこの本を執筆するきっかけとなった鳩山友紀夫元首相。

このふたりが、辺野古移設反対派の圧勝に終わった11月の沖縄県知事選や総選挙を踏まえ、事実上、今も米軍の占領状態が続いているこの国の姿と、日本が「真の独立国」として新しい戦後を歩んでいくためにはどうすればいいのか、その方法を考えた!>


首相の時はわからなかった「見えない敵」の正体

―まずは鳩山さんに、矢部さんの本を読まれた率直な感想から伺いたいのですが?


鳩山  正直申し上げて“ぶったまげた”というか、矢部さんがここまで勇気を持って取材され、この本を書かれたことに敬服しました。先にこの本を読んでいれば、私も総理を辞めずに済んだかもしれない、と(笑)。

もちろん、私は自分の非力について言い訳する気はありません。総理として一度は沖縄県民に期待感を与えながら(県外移設を)実現できなかったのは私に大きな責任があります。

ただ、この本を読んで、当時、自分がもっと政治の裏側にある仕組みを深く理解していれば、結果が違っていた部分もあるのかなとは思いました。それだけに、自分が総理という立場にありながら、この本に書かれているような現実を知らなかったことを恥じなきゃいかんと感じるわけです。


矢部  鳩山さんは以前、インタビューで「官僚たちは総理である自分ではなく『何か別のもの』に忠誠を誓っているように感じた」と言われていましたが、その正体がなんであるか、当時はわからなかったのでしょうか?


鳩山  物事が自分の思いどおりに進まないのは、自分自身の力不足という程度にしか思っていませんでした。本来ならば協力してくれるはずの官僚の皆さんには、自分の提案を「米軍側との協議の結果」と言って、すべてはね返されてしまって。分厚い壁の存在は感じながらも「やっぱりアメリカはキツイんだなぁ」ぐらいにしか思っていなかった。その裏側、深淵の部分まで自分の考えは届いていなかったのです。

 しかし、矢部さんのこの本はもっと深いところで米軍と官僚組織、さらには司法やメディアまでがすべてつながって一体となった姿を見事に解き明かしてくれて、いろんなことが腑(ふ)に落ちました。この本を読んで、目からうろこが何枚落ちたかわからないくらい落ちましたね。


矢部  在日米軍と日本のエリート官僚で組織された「日米合同委員会」の存在は、当時ご存じなかったということでしょうか?


鳩山  お恥ずかしい話ですが、わかりませんでした。日米で月に2度も、それも米軍と外務省や法務省、財務省などのトップクラスの官僚たちが、政府の中の議論以上に密な議論をしていたとは! しかもその内容は基本的には表に出ない。

 私が総理の時にアメリカから「規制改革をやれ」という話があって、向こうからの要望書に従って郵政の民営化とかがドンドンと押しつけられた。そこで「この規制改革委員会はおかしいぞ」というところまでは当時もわかっていたのですが。


矢部  日米合同委員会は基本的に占領以来続く在日米軍の特権、つまり「米軍は日本の国土全体を自由に使える」という権利を行使するための協議機関なのですが、この組織が60年間続いていくうちに、そこで決まったことには、もう誰も口出しできないという状況になってしまった。

 なかでも一番の問題は、日米合同委員会のメンバーである法務官僚が、法務省のトップである事務次官に占める割合は過去17人中12人、そのうち9人が検事総長にまで上り詰めている。つまり、米軍と日本の高級官僚をメンバーとするこの共同体が、検察権力を事実上握っているということなんです。

 しかも、在日米軍基地の違憲性をめぐって争われた1959年の砂川裁判で、当時の駐日米国大使だったダグラス・マッカーサー2世が裁判に不当な形で介入し、「日米安保条約のような高度な政治性を持つ問題については、最高裁は憲法判断をしない」という判例を残してしまった。ですから日米合同委員会の合意事項が仮に憲法違反であっても、日本国民にはそれを覆(くつがえ)す法的手段がない。


鳩山  それはつまり日米合同委員会の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先されるということですよね。そのことを総理大臣の私は知らなかったのに、検事総長は知っていたし役人も知っていたわけだ。


矢部  ですから、鳩山さんの言う「官僚たちが忠誠を誓っていた何か別のもの」、つまり鳩山政権を潰(つぶ)したのは、この60年続く日米合同委員会という米軍と官僚の共同体であり、そこで決められた安保法体系だというのが現時点での私の結論ですね。


―そうした仕組みの存在を知った今、鳩山さんはどのような思いなのでしょうか。

鳩山  日米合同委員会に乗り込んでいきたいぐらいだね。「何をやってるんだ、おまえら!」みたいな感じで。

 ただ、そういうものが舞台裏で、しかも、憲法以上の力を持った存在として成り立っていたとしても、決してメディアで報道されることもないし、このメンバー以外にはほとんど知られないような仕組みになっているわけですよね。

矢部  このような「見えない力」の存在は、政権内にいないと、野党の立場ではまったく知り得ないものなのでしょうか?


鳩山  私も自民党時代がありましたので、8年は政権党にいたわけですが、当選1回や2回の新人議員の間は、官邸内部で何が動いているか知りようもありませんでした。でも与党の一員としては扱ってもらっていたと思います。

 それが野党となると、与党、特に与党の中枢の方々とは情報量が圧倒的に違う。官僚も野党に話す場合と与党に説明に行く場合では、丁寧さも説明に来る人の役職も全然違う。そのぐらい野党に対しては、官僚は区別し、冷たい対応をしていました。

 つまり、自民党政権と官僚機構が完全に一体化していたということです。野党は圧倒的に情報過疎に置かれているのは事実で、国民はその野党よりも情報が少ない。

 この先、特定秘密保護法によって、ますます国民には何も知らせない国になるわけで、非常に恐ろしいことだと思います。

日本全土が「米軍の基地」という現実

矢部  「横田空域」という、1都8県の上に米軍が管理している広大な空域がありまして、日本の飛行機はここを飛べない。これなんか典型的な「米軍が自由に日本の国土を使える」事例ですね。


鳩山  私も横田空域のせいで、日本の航空会社が非常に不自然な飛行ルートで飛ばされていることは知っていましたが、「沖縄と同じように、米軍の優位性というのが東京や関東周辺にもあるんだな」という程度にしか理解していなかった。

 しかし、具体的に図を見ると、関東上空がこれほど広範囲に米軍に「占領」されているという事実に仰天しますよね。沖縄だけではなくて、実は日本全体がアメリカに今でも支配されているも同然ですから。


矢部  飛行ルートの阻害もありますが、それより問題なのは、米軍やCIAの関係者が日本の国境に関係なく、この空域から自由に出入りできる、入国の「裏口(バックドア)」が存在することです。これはどう考えてもおかしな話で、こんなことは普通の主権国家ではあり得ません。

 この問題なんて国際社会にアピールしたら、みんなすごく驚くと思うんです。これは今、日本で起きているほかの問題、特に原発の問題にも絡んでくる話ですが、日本という国が置かれている状況の歪(ゆが)みやおかしさを伝えるいい事例になると思っています。

 結局、日米安保条約とは、米軍が「日本の基地」を使う権利ではなく、「日本全土」を基地として使う権利を定めたものなのです。

 旧安保条約の第1条で米軍にその権利が認められ、60年の安保条約で文言は変わっていますが、その権利は残されている。これを「全土基地方式」というのですが、これはなんとしても国際社会にアピールして変えていかないといけない

鳩山  矢部さんの本だと、米軍がそんなことをできる根拠は、敗戦国である日本を今でも「敵国」と見なした、国連憲章の「敵国条項」があるから、という話でしたが。


矢部  そこの説明は少し複雑で、旧安保条約第1条には、そうしたメチャクチャな軍事利用のあり方は、日本側が望み、アメリカ側がそれに応えたものだということが書かれている。そうした戦後処理を日本が望んだ以上、日本の主権や国民の人権がいくら侵害されていても、国連は口を出せないというロジックになっているんです。一種の法的トリックと言ってもいい。

 ですから、日本にちゃんとした政権が誕生して、国際社会で堂々と議論し、「全土基地方式はやめてくれ」と言ったら「それは敵国条項があるから無理だ」とは絶対ならないと思います。

米軍の占領状況を米国民に訴えろ!

鳩山  矢部さんのような方の努力もあって、私もようやく目隠しが外れて真実が見えてきたわけですが、問題はそこから先をどうするかです。やはり一部の人たちだけが目隠しを外すんじゃなくて、日本の国民の多くに触れられるPR戦術というか、日本の戦後の背後には何があるのかをきちんと解き明かす手段が必要だと思いますね。

 それと、日米関係に関わっている米軍関係者を除けば、アメリカの議会や国民は日米合同委員会なるものがどういう役割を果たしてきたのか、それが今も日本の主権をさまざまな形で侵害している事実も知らないと思います。しかし、こうした状況はアメリカの国民から見ても「異常なこと」だと映るはずですから、われわれが海外、特にアメリカの議会や国民に対して「日本は今も事実上、米軍に占領されているけれど、本当にこれでいいのか?」と訴えることが重要です。


矢部  情報発信という意味では、今、ドイツなど多くの国が日本の原発汚染に対して「何を考えてるんだ!」って相当に怒っている。基地の問題だけだと「勝手にやっててくれ」となるかもしれないけれど、原発の問題はそうはいかない。全地球的な問題です。

 あれだけ深刻な原発事故を起こした日本がなぜ、今再び原発推進への道を進もうとしているのか? その背景には「日米原子力協定」という、自国のエネルギー政策すらアメリカの同意なしには決められないという、客観的に見ても非常に歪(いびつ)な構造がある。それをうまく国際社会にアピールできたら、こうした日本の歪んだシステムに世界の光が当たる可能性はあります。

鳩山  そうですね、日本のメディアも完全に取り込まれてしまっているのであれば、基地の問題だけではなく、原発も併せて海外に訴えるほうが、圧倒的に意義があると思います。

ただし、そうした「外圧」に頼るだけでなく、結局はこの国の政治を変えない限り、そして多数派にならない限り、こうした流れは大きく変えられません。

*2015.03.16 NEWSポストセブンより

「米軍幹部と日本の官僚が進路決める「日米合同委員会」の存在」


東京都港区南麻布。都内屈指の閑静な高級住宅地も、そこだけは異空間が広がる。

入り口には屈強なガードマンが立ち、脇には「100%、IDチェック」と書かれた案内書きがある。米軍施設の「ニューサンノーホテル」である。


 在日米軍関係者は、

「ここは赤坂の米国大使館以上に、米国にとって重要な施設。表向きは来日した米軍関係者の宿泊施設ですが、米海軍情報部や CIA の拠点が置かれていて、日米のインテリジェンスの集積地です」

と説明する。

 日本のメディアどころか、政治家も立ち入れない。そんな場所で、日本の高級官僚と在日米軍関係者は、定期的に会合を重ねていた。それが日米合同委員会後述するが1960年に締結された日米地位協定(※注1)をどう運用するかを協議する実務者会議だ。


※注1/1952年に旧安保条約と同時に発効した「日米行政協定」が前身。1960年に日米安全保障条約を締結した際に改めて交わされた。 

そこでは、日本の安全保障の根幹に直接かかわる問題から、米軍基地と周辺住民の諍いまで協議される。 前者は在日米軍基地の移転・縮小、米海兵隊の新型輸送機オスプレイの配備といった問題、後者は基地内のゴミ処理、航空機の騒音問題などだ。

かつては、米兵の犯罪並びにその処遇も、開かれた法廷ではなく、密室の話し合いによって、解決がなされたこともあった。 

日米合同委の組織は、米国側は在日米軍司令部副司令官、在日米大使館公使など、日本側は外務省北米局長を代表として法務省大臣官房長、防衛省地方協力局長といった面子だ。

 日本側の代表者及び代表代理は、将来的に事務次官を狙えるポストにある。そんな高級官僚が、在日米軍や米大使館の有力者と密議を交わすことから、日米合同委は「影の政府」との異名もつく。

 ただし、彼らが一堂に会するわけではない。同委員会は、基地問題、刑事、環境など35の分科会や部会に分かれ、担当ごとに参加者が決まる。実際に出席したことのある官僚が明かしてくれた。


「日米の責任者(担当者)が最低一人、書記および通訳などの職員が最低二人は出席する。対話は基本的には日本語で行なわれますが、日本側も英語の話せる通訳を連れているため、微妙なニュアンスで日米の解釈が異なるという事態は生じない」


 関係者らの話をまとめると、毎月2回ほど開かれ、開催場所は米国と日本で持ち回りとなる。米国ならニューサンノーホテル、日本の場合は外務省を中心に、分科会や部会ごとに代表者の所属する官庁内で開催されているという。

 だが、会合の中身は一切明かされない。合意の一部は外務省、防衛省のホームページに公表されているが、それも簡潔に記されているだけだ。

 同委員会を所管する外務省北米局に日米合同委の詳細を問い合わせても、「回答できるのは、既に公表しているものだけ」の一点ばりで、防衛省広報課に問い合わせても、「外務省が所管なので、外務省に聞いてください」という堂々巡りだった。


 元琉球新報論説委員で、在日米軍基地問題に詳しい沖縄国際大学大学院教授・前泊博盛氏は語る。


「日米合同委に合意内容を公表する義務はない。日米双方の合意がない限り公表しない取り決め(※注2)になっているからです。」


※注2/1996年2月に、日米両政府は日米地位協定の9項目についての運用改善で合意。「日米合同委員会の公表」もそこに含まれた。しかし、結果的に「合意内容」の公表こそ一部改善はされたものの、会合内容が公表されることはなかった。


 「基本的に軍事関係の取り決めなので米軍側は、情報を出したくない。また、米軍に有利に推移した合意内容を表に出して、日本人の神経を逆なでしたくないという思いもある。日本側としても、米国との交渉に負けた、との誹りを避けるために、できるだけ隠密に事を収めたい」


 必然的に日米合同委は「密約の温床」になってしまう。(終わり)
http://www.yamamotomasaki.com/archives/1991

日本はアメリカの仮想敵国 _ 米軍は日本が独立するのを阻止する為に日本に駐留している
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/528.html


私たち日本人の意識構造が英語学習によっていかに「家畜化」されてしまっているのかを検証

英米人の考え方や生活様式が合理的であり、日本人の考え方や生活様式は非合理的だという思い込みが、日本人の脳に定着していて、いまだにそこから脱却できていない。

英語教育・英語学習がこのような姿勢を助長してきた側面も否定できないと思うのです。


 明治維新で日本が新しい社会をつくろうとしたときオランダ語を勉強していた福沢諭吉が英語に切り替えたことからも分かるように、明治の日本でも英語が大流行しました。しかし英語一辺倒だったわけではありませんでした。

 二葉亭四迷によってロシア文学が翻訳されたのも明治時代でしたし、文学者としても有名だった森鴎外も実は本名は森林太郎と言い、本職は陸軍軍医(軍医総監)でした。そのため東大医学部卒業後に、陸軍省派遣留学生としてドイツに留学もしています。

 イギリス留学後に東京帝国大学で英文学を講じた夏目漱石も、長男の純一にはフランス語やドイツ語を学ばせ、英語を学ばせていません。次男の伸六が学んだ外国語もドイツ語で、慶應義塾大学文学部予科に進み、同独文科を中退しています。

 つまり「文明開化」に明け暮れた明治でさえ、英語一辺倒ではなかったのです。

 ところが日本では、アジア太平洋戦争に敗北しアメリカ軍が占領者として入り込んでくるようになってからは英語の全盛時代を迎えるようになりました。

 アメリカとしても占領期間が終わった後も日本を当時のソ連や社会主義中国にたいする防波堤として利用するために英語教育を重視しました。

 そのためにトルーマン大統領は、講和条約(1951年9月8日)が結ばれる8か月以上も前の1月22日に、ジョン・フォスター・ダレス(ロックフェラー財団理事長)を特使とする「講和使節団」を日本に派遣しました。

 このとき文化顧問として同行したロックフェラー3世は、帰国してから2か月後に(1951年4月16日)、80頁にもおよぶ日米文化関係の「機密」報告書を提出しています。

 ここで注目されるのは、この報告書が「英語教育プログラムのもつ潜在的な可能性」を強調して次のように述べていることです。

 「英語教育プログラムは表向きは英語教育法の改善を手助けすることであるが、実際には健全なアメリカの理念を日本社会に浸透させる道がこのプログラムによって約束される。」

 「資格のある英語教育専門家が日本に滞在していれば、教科書の執筆ならびにアメリカ合衆国の選定教材を日本に紹介する際に、折ある度に彼らは影響力を行使することができ、しかも長期にわたって影響を及ぼしつづけることができる。」

 「日本人は生活のあらゆる部分において英語の学習を受け入れる傾向があるので、英語教育の分野には潜在的に大きな可能性が認められる。」

(以上、拙著『英語で大学が亡びるとき』明石書店、176―178頁)
https://www.amazon.co.jp/%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E3%81%A7%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%8C%E4%BA%A1%E3%81%B3%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%8D%E2%80%95%E3%80%8C%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E5%8A%9B-%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E4%BA%BA%E6%9D%90%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%AA%E3%83%AD%E3%82%AE%E3%83%BC-%E5%AF%BA%E5%B3%B6-%E9%9A%86%E5%90%89/dp/4750342661


 そもそもロックフェラー3世がダレス特使の文化問題顧問として日本に派遣されたのは、トルーマン大統領が1951年に 「心理戦略本部」(PSB:Psychological Strategy Board)を創設したことに由来しています。

 ですからロックフェラーの機密報告書「英語教育プログラム」も、日本にたいする心理戦すなわち「いかにして日本を『半永久的な米国依存の国』にするか」という戦略の一部として提案されたものでした。

 松田武『戦後日本におけるアメリカのソフト・パワー、半永久的依存の起源』(岩波書店)は、1951年1月に日本政府と対日講和条件を協議するために東京を訪問した時のダレス国務長官を次のように描写しています。

 「ダレスは公衆の面前では、日本のことを『戦勝国によって指図される国』ではなく『相談される当事国』と表現し、雅量のある調子で語った。しかし私的な場所では、解決すべき主たる重要な問題は『我々の好きな場所に我々の好きなだけの期間、我々の好きなだけの軍隊を駐留させる権利を手に入れることではないのかね』と側近に語った。…そして実際にアメリカ政府は、日本の領土内に合衆国の基地システムを保持することに成功した。」(126頁)

 こうして日本は、沖縄の基地問題に象徴されるように、アメリカ兵が犯罪を犯しても、垂直離着陸機オスプレイが事故を起こしても、政府が独自に調査し処罰できない軍事的従属国になっています。そして軍事的に従属しているだけでなく文化的にも従属するようになり、「アメリカのものは優れているが日本のものは劣っている」と思考形態をいつのまにか身につけてしまいました。

 というよりも軍事的従属は、英語教育などを通じた文化工作の結果として生まれた文化的従属の結果でもありました。あるいは軍事的従属は文化的従属と手を携えながら進行したと言うべきでしょう。

 その典型例がカタカナ語の氾濫です。明治の知識人は外来語を何とか日本語に移し替えようとして悪戦苦闘しながら新しい語彙・新しい日本語を創造する努力を積み重ねて来ましたが最近はそのような努力を放棄して、英語教師でさえ意味のとりづらい「コンプライアンス」などという語を、NHKでさえ平気で使うようになってきました。

 これは老人や子どもにとって生活上の障害になるだけでなく、明治の知識人が外国語と格闘するなかで日本語を磨き、それを土台にして創造力を鍛えてきた先達の遺産を放棄するという意味で、知的退廃につながっていきます。

 日本のノーベル賞受賞者の多さも、このような先達の知的努力が生み出したものの成果だとも考えられるからです。

 このような知的努力を放棄しているかぎり、小学校から英語を導入しても、そのような世代からはノーベル賞受賞者は決して生まれないでしょう。

 それどころか、日本の進路を大きく左右しかねないTPP(環太平洋経済連携協定)という協定文書は、正式な交換文書であるにもかかわらず、政府はその日本語版を要求しなかったばかりか、全文の翻訳すらもおこなおうとしませんでした。

 こうして、国会議員は内容もよく分からないままTPPへの賛成を強いられることになりました。

 カナダが、英語国であるにもかかわらず、ケベック州の公用語が仏語であるという理由だけで、協定文書の仏語版をも要求したのと、なんという大きな違いでしょう。

 これはまさに知的退廃の極みです。これでどうして国益を守ることができるのでしょうか。これでどうして安倍首相の言う「美しい国」を築くことができるのでしょうか。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/gunjitekijuuzokutobunnkatekijuuzoku.html


「恥の文化」の力 From 施 光恒(せ・てるひさ)@九州大学


このところ特に強く感じるんですが、最近の日本人って、ホントに自信を失ってますよね。といっても、周りの大学生などと話していると、若い世代はそれほどでもないように思うのですが、50代後半〜60代ぐらいの人たちは、なんか日本は経済も文化も根本的にダメダメみたいな感情をもっているように思います。

だから、「バスに乗り遅れるな」とか「世界の孤児になってもいいのか」「これからは英語、英語、留学、留学、トーフル、トーフル」「アジアに打って出るしかない」みたいな強迫的ともいえるグローバル化衝動が生じるのかなあなどと日々感じております。

こういう日本人の自信のなさの背景には、一つは、日本の道徳に対する不信感があるようです。

たとえば、「日本人は同調主義的だ」「自律性や主体性がない」「権威に弱い」「周りの他者や世間の目ばかり気にする」ということがよく言われます。

なんでこんなイメージが広まったかといえば、一つの理由として、アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトが書いて終戦後、日本でベストセラーになった『菊と刀』の議論があると思います。

この本の中で、ベネディクトは、日本は「恥の文化」だといって、日本の一般的な道徳観をかなり悪く言っています。

ベネディクトの説明によると、「恥の文化」とは、「ものの良し悪しを判断する際に、他者の目や世間の評判のみを基準とする外面的な道徳が支配的な文化だ」というんですね。

要するに、周りに他者や権威者の目がなければ、日本人は悪いことしますよ〜というわけです。

逆に、ベネディクトは自分とこのアメリカの道徳は「罪の文化」であり、自律的だといっています。たとえば、「罪の文化」は、「道徳の絶対標準を説き、良心の啓発を頼みとする」と書いています。

つまり、アメリカ人は、「良心を重視するので、誰もみていなくても悪いことしませんよ、自律的ですよ」というんですね。

こういう「恥の文化=他律的、外面的」、「罪の文化=自律的、内面的」という図式を『菊と刀』で展開して、日本の道徳を否定的にみるわけです。

『菊と刀』は、終戦直後の日本でよく読まれました。戦争でみんな自信を失っていたんでしょうね。日本人は真面目だから、戦争で負けたのは、自分たちに何か欠陥があったからに違いない。アメリカ人の言うことをよく聞いて反省しなければならない、と考えたのだと思います。

それで、「日本文化 = 恥の文化 = 良心が弱く、権威にも弱く、他律的で同調主義的だ」というイメージを受け入れてしまったんだと推測します。

でも、このイメージ、正しくないですよね。
たとえば、日本は、米国に比べれば、はるかに治安が良く、犯罪も少ないと思います。
電車に財布を置き忘れても無事に届けられる確率は、日本は世界で最も高い部類に入るでしょう。
人に見られてなければ悪事を犯すなんてことは、大部分の日本人には思いもよらぬことです。
権威に弱いというのも、間違いだと思います。日本ほど、政治家の悪口をいう国民はそうそういないように思います。私も例にもれませんが(^_^)

つまり、ベネディクトは、日本の道徳をひどく矮小化し、間違って理解していたと思います。現代の日本人も、残念ながらベネディクトの理解に影響されてしまっているところ多々があるようです。

ベネディクトの「恥の文化」の理解のおかしさについて、いくつも指摘したいことがあるのですが、今回は、上の新聞記事でも書いた一点だけ触れたいと思います。

「恥の文化」で敏感に感じとるべき他者の視点として、同時代の他者や世間だけではなく、死者の視点、つまり過去の世代の人々の視点もあるということをベネディクトは見逃していたということです。

現代の日本人も忘れがちかもしれませんが、日本の伝統では、死者の視点を常に身近に感じ、死者に思いを馳せることに、とても価値が置かれていました。
(なんか五月の連休ではなく、お彼岸に書いたほうがいいような内容ですね…。スミマセン…)
f(^^;) フタタビポリポリ

私はすごく好きな文章でよくとりあげるのですが、民俗学の祖・柳田国男は、この点についてとても美しく書いています。

「私がこの本のなかで力を入れて説きたいと思う一つの点は、日本人の死後の観念、すなわち霊は永久にこの国土のうちに留まって、そう遠方へは行ってしまわないという信仰が、おそらくは世の始めから、少なくとも今日まで、かなり根強くまだ持ち続けられているということである」(『先祖の話』)

「日本を囲繞したさまざまな民族でも、死ねば途方もなく遠い遠い処へ、旅立ってしまうという思想が、精粗幾通りもの形をもって、おおよそは行きわたっている。

ひとりこういうなかにおいてこの島々にのみ、死んでも死んでも同じ国土を離れず、しかも故郷の山の高みから、永く子孫の生業を見守り、その繁栄と勤勉とを顧念しているものと考えだしたことは、いつの世の文化の所産であるかは知らず、限りもなくなつかしいことである。

それが誤りたる思想であるかどうか、信じてよいかどうかはこれからの人が決めてよい。我々の証明したいのは過去の事実、許多の歳月にわたって我々の祖先がしかく信じ、さらにまた次々に来る者に同じ信仰をもたせようとしていたということである」(「魂の行くえ」)。

つまり、柳田国男によると、日本の多くの人々は、人が死んだら故郷の山のあたりに魂は昇って行って、そこから子孫の生活をずっと見守っているというのですね。そしてお盆になると降りてきて、子孫や近所の人たちと一緒に過ごして、お盆が終わるとまた戻っていく。そういうふうに考えられてきたというわけです。

私は、この考え、すごく好きです。私も死んだら、近くの山の頂上あたりにふわふわと漂って、後の世代の人々の生活をぼーっと見ていたいなあ、なんて思います。
柳田国男が「…限りもなくなつかしいことである」といった気持ちがわかるような気がします。
(^-^ )

少し話がズレました…。
(-_-;)

柳田国男がここで述べているのは、日本人の道徳は、死者、つまり過去の世代の人々に思いを寄せ、彼らの意を汲むことを重んじてきたことだと解釈できます。

つまり「恥の文化」は、同時代の他者や世間のみではなく、今は声をあげることのない過去のさまざまな人々の思いを感受し汲みとってはじめて完成するということです。

同時代の他者の観点やその総体としての世間の観点だけでなく、過去に生きたさまざまな人々の視点やその集合体としての祖霊に思いを馳せる。
それを通じて、いわば横軸(同時代)だけでなく、縦軸(伝統)の視点を身につけ、時間のつながりのなかで自分の位置を反省し、遠い将来まで見据えたうえで自分がいま何をなすべきかを立体的かつ複眼的に考えられるようになる。

本来の「恥の文化」とは、とても奥深く、そこまで求めたものだと思います。

そこをベネディクトは見抜けなかったし、現代のわれわれ日本人も、忘れがちのような気がします。

現代では、死者とのつながりが忘れられ、縦軸が疎かになっているので、(私もえらそうなことはまったく言えませんが)ふらふらと周囲の目ばかり気になり、自分を見失い、何をなすべきか定まらない人が増えているように思います。

靖国の問題だけではないですが、現代の日本人にとって困ったことの一つは、戦前と戦後で意識の分断が生じやすくされてしまったことですよね。

それが、日本人が本来の力を発揮するのを難しくしているのではないかと思います。

逆に言えば、日本にもう少しおとなしくしていてもらいたい国々は、何かにつけてそこに付け込もうとするんですよね。

戦前と戦後の意識の分断をどう修復すれば一番いいのか私にはわからないところも多いのですが、一つ言えると思うのは、戦前の人々も、現代の我々も、根本ではあまり変わっていないと認識することなんじゃないでしょうか。国民性って、そう簡単に変わるものではありませんので。そしてもっと身近に過去の世代の人たちに思いを馳せることではないかと思います。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/05/03/se-12/

内田樹 2017.01.15 「民の原像」と「死者の国」


高橋源一郎さんと昨日『Sight』のために渋谷陽一さんをまじえて懇談した。
いろいろ話しているうちに、話題は政治と言葉(あるいは広く文学)という主題に収斂していった。

そのときに「政治について語る人」として対比的に論じられたのが「安倍首相」と「天皇陛下」だった。

この二人はある決定的な違いがある。

政策のことではない。霊的ポジションの違いである。
それについてそのときに話しそこねたことを書いておく。

なぜ、日本のリベラルや左翼は決定的な国民的エネルギーを喚起する力を持ち得ないのかというのは、久しく日本の政治思想上の課題だった。

僕はちょうど昨日渡辺京二の『維新の夢』を読み終えたところだったので、とりわけ問題意識がそういう言葉づかいで意識の前景にあった。


維新の夢 (ちくま学芸文庫) 2011/6/10 渡辺 京二 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E7%B6%AD%E6%96%B0%E3%81%AE%E5%A4%A2-%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E4%BA%AC%E4%BA%8C%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E5%8F%B2%E8%AB%96-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E5%AD%A6%E8%8A%B8%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E4%BA%AC%E4%BA%8C/dp/4480093796


渡辺は西郷隆盛を論じた「死者の国からの革命家」で国民的規模の「回天」のエネルギーの源泉として「民に頭を垂れること」と「死者をとむらうこと」の二つを挙げている。

すこし長くなるけれど、それについて書かれた部分を再録する。

渡辺によれば第二回目の流刑のときまで西郷はスケールは大きいけれど、思想的には卓越したところのない人物だった。

「政治的な見識や展望はどうか。そういうことはみな、当時の賢者たちから教えられた。教えられれば、目を丸くして感心し、それを誠心実行に移そうとして。勝海舟、横井小楠、坂本竜馬、アーネスト・サトウ、みな西郷に新生日本の行路を教えた人で、西郷自身から出た維新の政治理念は皆無に等しかった。だから、この維新回天の立役者はハリボテであった。

だが、政治能力において思想的構想力において西郷よりまさっていた人物たちは、このハリボテを中心にすえねば回天の仕事ができなかった。これは人格の力である。

この場合人格とは、度量の広さをいうのでも、衆心をとる力をいうのでも、徳性をいうのでもない。それは国家の進路、革命の進路を、つねにひとつの理想によって照らし出そうとする情熱であり誠心であった。革命はそういう熱情と誠心によってのみエトスを獲得することができる。エトスなき革命がありえない以上、西郷は衆目の一致するところ最高の指導者であった。」(『維新の夢』、ちくま学芸文庫、2011年、341頁)

彼は戊辰のいくさが終わったあと、中央政府にとどまらず、沖永良部島に戻るつもりでいた。「官にいて道心を失う」ことを嫌ったのである。

島は彼の「回心」であったというのが渡辺京二の仮説である。

島で西郷は何を経験したのか。

渡辺は「民」と「死者」とがひとつに絡み合う革命的ヴィジョンを西郷がそこで幻視したからだと推論する。

「西郷は同志を殺された人である。第一回流島のさいは月照を殺され、第二回には有馬新七を殺された。この他にも彼は、橋本左内、平野国臣という莫逆の友を喪っている。」(343頁)。

この経験は彼に革命家は殺されるものだということを教えた。革命闘争の中では革命家は敵に殺されるだけでなく、味方によっても殺される。「革命を裏切るのは政治である」。

死者はそれだけでは終わらなかった。

寺田屋の変で西郷は旧友有馬を殺された。西郷の同志たち、森山新蔵、村田新八、篠原國幹、大山巌、伊集院兼寛も藩主の命で処罰された。渡辺は「これが西郷を真の覚醒に導いた惨劇である」と書く。

事実、この直後に西郷が知人に書き送った書簡にはこうある。

「此の度は徳之島より二度出申さずとあきらめ候処、何の苦もこれなく安心なものに御座候。骨肉同様の人々をさえ、只事の真意も問わずして罪に落とし、また朋友も悉く殺され、何を頼みに致すべきや。馬鹿らしき忠義立ては取り止め申し候。お見限り下さるべく候。」

西郷は同志朋友を殺され、同志朋友と信じた人々によって罪に落とされた。もう生者たちに忠義立てなどしない。自分が忠義立てをするのは死者たちに対してだけだと西郷は言外に宣言したのである。

彼が維新回天の中心人物として縦横の活躍をするようになるのは、彼が「お見限り下さるべく候」と書いた「あと」の話なのである。同志朋友を殺した島津藩への忠義を断念し、死者のために生きると決意したときに西郷は政治家としてのブレークスルーを果した。

「いまや何を信ずればよいのか。ここで西郷の心は死者の国へととぶ。彼はもう昨日までの薩摩家臣団の一員ではない。忠義の意図は切れた。彼は大久保らの見知らぬ異界の人となったのである。彼の忠誠はただ月照以来の累々たる死者の上にのみ置かれた。」(346頁)

みずからを「死者の国の住人」と思い定めた西郷は島で「民」に出遭う。
西郷はそれまでも気質的には農本主義者であり、護民官的な気質の人であったが、民はあくまで保護し、慰撫し、支配する対象にとどまっていた。それが島で逆転する。

「彼が島の老婆から、二度も島に流されるとは何と心掛けの改まらぬことかと叱られ、涙を流してあやまったという話がある。これは従来、彼の正直で恭謙な人柄を示す挿話と受けとられたきたと思う。しかしかほど正直だからといって、事情もわきまえぬ的外れの説教になぜ涙を流さねばならぬのか。老婆の情が嬉しかったというだけでは腑に落ちない。

西郷はこの時必ずや、朋友をして死なしめて生き残っている自分のことを思ったに違いない。涙はそれだから流れたのである。しかしここで決定的に重要なのは、彼が老婆におのれを責める十全の資格を認めたことである。それは彼が老婆を民の原像といったふうに感じたということで、この民に頭を垂れることは、彼にとってそのまま死者を弔う姿勢であった。」(347頁)

「革命はまさにそのような基底のうえに立ってのみ義であると彼には感じられた。維新後の悲劇の後半生は、このような彼の覚醒のうちにはらまれたのである。」(348頁)

長い論考の一部だけ引いたので、論旨についてゆきずらいと思うけれど、僕はこの「民の原像」と「死者の国」という二つの言葉からつよいインパクトを受けた。
渡辺京二の仮説はたいへん魅力的である。歴史学者からは「思弁的」とされるかも知れないが、僕は「これで正しい」と直感的に思う。

という読後の興奮状態の中で源ちゃんと会ったら、話がいきなり「大衆の欲望」と「死者の鎮魂」から始まったので、その符合に驚いたのである。

『維新の夢』本で、渡辺京二は日本のリベラル・左翼・知識人たちがなぜ「国家の進路、革命の進路を、つねにひとつの理想によって照らし出そうとする情熱と誠心」を持ち得ないのかについてきびしい言葉を繰り返し連ねている。

それは畢竟するに、「民の原像」をつかみえていないこと、「死者の国」に踏み込みえないことに尽くされるだろう。

「大衆の原像」という言葉は吉本隆明の鍵概念だから、渡辺もそれは念頭にあるはずである。

だが、「死者の国」に軸足を置くことが革命的エトスにとって死活的に重要だという実感を日本の左翼知識人はこれまでたぶん持ったことがない。

彼らにとって政治革命はあくまで「よりよき世界を創造する。権力によって不当に奪われた資源を奪還して(少しでも暮し向きをよくする)」という未来志向の実践的・功利的な運動にとどまる。

だから、横死した死者たちの魂を鎮めるための儀礼にはあまり手間暇を割かない。
日本の(だけでなく、世界どこでもそうだけれど)、リベラル・左翼・知識人がなかなか決定的な政治的エネルギーの結集軸たりえないのは「死者からの負託」ということの意味を重くとらないからである。僕はそう感じる。

日本でもどこでも、極右の政治家の方がリベラル・左翼・知識人よりも政治的熱狂を掻き立てる能力において優越しているのは、彼らが「死者を呼び出す」ことの効果を直感的に知っているからである。

靖国神社へ参拝する日本の政治家たちは死者に対して(西郷が同志朋友に抱いたような)誠心を抱いてはいない。そうではなくて、死者を呼び出すと人々が熱狂する(賛意であれ、反感であれ)ことを知っているから、そうするのである。

どんな種類のものであれ、政治的エネルギーは資源として利用可能である。隣国国民の怒りや国際社会からの反発というようなネガティブなかたちのものさえ、当の政治家にとっては「活用可能な資源」にしか見えないのである。かつて「金に色はついていない」という名言を吐いたビジネスマンがいたが、その言い分を借りて言えば、「政治的エネルギーに色はついていない」のである。

どんな手を使っても、エネルギーを喚起し、制御しえたものの「勝ち」なのである。

世界中でリベラル・左翼・知識人が敗色濃厚なのは、掲げる政策が合理的で政治的に正しければ人々は必ずや彼らを支持し、信頼するはずだ(支持しないのは、無知だからだ、あるいはプロパガンダによって目を曇らされているからだ)という前提が間違っているからである。

政策的整合性を基準にして人々の政治的エネルギーは運動しているのではない。
政治的エネルギーの源泉は「死者たちの国」にある。

リベラル・左翼・知識人は「死者はきちんと葬式を出せばそれで片がつく」と思っている。いつまでも死人に仕事をさせるのはたぶん礼儀にはずれると思っているのだ。

極右の政治家たちはその点ではブラック企業の経営者のように仮借がない。「死者はいつまでも利用可能である」ということを政治技術として知っている。
それだけの違いである。けれども、その違いが決定的になることもある。

安倍晋三は今の日本の現役政治家の中で「死者を背負っている」という点では抜きん出た存在である。

彼はたしかに岸信介という生々しい死者を肩に担いでいる。祖父のし残した仕事を成し遂げるというような「個人的動機」で政治をするなんてけしからんと言う人がいるが、それは話の筋目が逆である。

今の日本の政治家の中で「死者に負託された仕事をしている」ことに自覚的なのは安倍晋三くらいである。だから、その政策のほとんどに対して国民は不同意であるにもかかわらず、彼の政治的「力」に対しては高い評価を与えているのである。
ただし、安倍にも限界がある。それは彼が同志でも朋友でもなく、「自分の血縁者だけを選択的に死者として背負っている」点にある。

これに対して「すべての死者を背負う」という霊的スタンスを取っているのが天皇陛下である。

首相はその点について「天皇に勝てない」ということを知っている。

だから、天皇の政治的影響力を無化することにこれほど懸命なのである。

現代日本の政治の本質的なバトルは「ある種の死者の負託を背負う首相」と「すべての死者の負託を背負う陛下」の間の「霊的レベル」で展開している。
というふうな話を源ちゃんとした。

もちろん、こんなことは新聞も書かないし、テレビでも誰も言わない。
でも、ほんとうにそうなのだ。
http://blog.tatsuru.com/

フィリピン大統領: 西洋は他国に自分たちの文化を押し付けるな2017年3月21日
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5885


フィリピンのドゥテルテ大統領が吠えている。フィリピンが現在行なっている麻薬撲滅政策のもとで超法規的な殺人が行われているとしてEU議会の政治家たちがフィリピンを非難しているが、これに対してドゥテルテ大統領が答えている。Guardian(原文英語)など各紙が報じている。


西洋の介入主義

一般的に言って、日本では有り得ないことが海外では行われる。だからフィリピンで現在行われている超法規的な麻薬撲滅について、その是非を議論をするのはこの記事の目的ではない。

ここで取り上げたいのは、西洋諸国が当たり前のように行う内政干渉全般に対するドゥテルテ大統領の主張である。彼がオバマ元大統領を含む西洋の政治家を嫌っている理由はこの一点に尽きる。彼は彼の麻薬撲滅政策を批判するEU議会の政治家に対して、はっきりと次のように言った。


この地球上で各国政府がどうあるべきかということについて、自分の文化や信仰を他国に、とりわけフィリピンに押し付けるな。

何故自分のことだけ考えないのか? 何故われわれとまぐわる(原文:fuck with us)必要がある? 忌々しい。

歴史的に、西洋諸国は自分を正義と信じて他国への政治的、軍事的介入を行なってきた。その最たる例が、存在しない大量破壊兵器を理由に行われたアメリカのイラク侵略であり、しかし大抵の西洋人は一国を侵略したことさえ多少の失敗としか思っていないだろう。


反グローバリズムと介入主義

そうした介入は軍事介入の形で行われることもあれば、国連などの国際機関が平和や人権の名のもとに政治的圧力として行われることもある。介入主義はグローバリズムの本質だからである。日本人は国際機関がどういうものかをもっと知るべきである。

•イギリスのEU離脱でOECDと財務省が化けの皮を剥がされる
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3687



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/704.html#c19

コメント [リバイバル3] マルクスはやはり正しかった _ もうすぐ共産革命の嵐が吹き荒れる時代がやって来る 中川隆
20. 中川隆[-7543] koaQ7Jey 2017年5月23日 06:17:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

トリクルダウンはあり得ない


経済関連の「詭弁」の一つに、仮説を「原則」であるかのごとく扱い、結論を断定するという手法があります。

例を挙げますと、

「トリクルダウン理論により、富裕層・法人減税は正しい」

「クラウディングアウトが起きるから、国債発行はダメ」

「マンデル・フレミング・モデルにより、変動相場制の国では財政政策が無効」


などになります。

クラウディングアウトとは、政府の国債発行が「金利上昇」を招き、企業の投資が減少するため、経済成長が阻害される。というロジックなのですが、現実の日本(欧州でも)ではデフレで民間の資金需要が不足し、政府の国債金利はむしろ「下がって」います。

マンデル・フレミング・モデルはクラウディングアウトの延長で、政府の国債発行・財政政策の拡大が「金利上昇」と「通貨高」をもたらし、輸出減により財政政策によるGDP拡大分が相殺される。よって、変動相場制の国において財政政策は無効。というロジックなのですが、長期金利0.23(!)%の国で、何言っているの? という感じでございます。

しかも、第二次安倍政権発足以降、「通貨安」が大幅に進んだにも関わらず、日本の実質輸出は増えていません。純輸出で見ても、原発を稼働しないため、外国からの原油・LNGの輸入が増え、マイナス(純輸入)が拡大していきました。

さらに言えば、日本銀行が国債を買い入れている以上、「国債発行=金利上昇」などという単純なモデルが成立するはずがないのです。MFモデルにしても、財政出動が金利上昇、円高をもたらすのがそんなに怖いなら、金融政策を併用すれば済む話です。

要するに、クラウディングアウトにせよ、MFモデルにせよ、

「絶対に財政出動の拡大はダメ。国債発行もダメ」

という「結論」がまずあり、その結論に導くための詭弁として持ち出されているに過ぎないのです。


とはいえ、この種の詭弁が政界を支配し、財政政策による需要創出が実現しないため、我が国はいつまでたってもデフレ状況から抜けられないでいます。

トリクルダウンも同じです。

トリクルダウンとは「富裕層減税や法人税減税により、国内の投資が拡大し、国民が豊かになる」というロジックになっています。

減税分を「国内の投資に必ず使う」ように政府が強制できるならばともかく(できません)、資本の国境を越えた移動が実現したグローバリズムの時代に、トリクルダウンなど成立するはずがないのです。

しかも、法人税を減税し、企業の現預金を増やしたところで、デフレで投資利益が見込めない以上、国内の設備投資が拡大するはずがありません。

上記の理屈は、「常識」に基づき考えてみれば、誰でも理解できるはずです。特に、損益計算書やバランスシートに触れる機会が多い経営者であれば、一発で分かるでしょう。

ところが、現実にはトリクルダウンが成立するという「前提」に基づき、法人税減税をはじめとする構造改革が推進されています。

それどころか、もはや政府はトリクルダウンという「言い訳」をする必要すら感じていないのかも知れません。


竹中氏が今回、トリクルダウンを否定しましたが、これは別に、

「トリクルダウンがあると嘘ついていました。ごめんなさいね」

とう話ではなく、

「トリクルダウンなど、あるわけがない。政府に甘えず、各人が努力せよ。負けたら、自己責任」


と、責任を「国民」に丸投げしたに過ぎません。

それにしても、中国が改革開放を推進した際、ケ小平は「人民」に対する言い訳として、トリクルダウン仮説の一種である先富論を持ち出しました。中国のような共産党独裁国であっても、勝ち組に優しい政策をする場合は、トリクルダウン仮説で「言い訳」をする必要があるのです。

ところが、日本ではもはやトリクルダウンという「言い訳」すらなされず、格差を拡大することが明らかな構造改革が推進されていっています。

この状況を「怖い」と思うのは、三橋だけでしょうか。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/01/11/mitsuhashi-345/


「トリクルダウンあり得ない」竹中氏が手のひら返しのア然 2016-01-06    

 さて、今さらですが、トリクルダウンとは何でしょうか?


 トリクルダウンとは、

「富裕層や大企業を豊かにすると、富が国民全体にしたたり落ち(=トリクルダウン)、経済が成長する」

 という「仮説」です。トリクルダウン「理論」と主張する人がいますが、単なる仮説です。


 上記は今一つ抽象的なので、より具体的に書くと、

「富裕層減税や法人税減税をすると、国内に投資が回り、国民の雇用が創出され、皆が豊かになる(=所得が増える)」

 となります。


 要するに、グローバリズム的な、あるいは新古典派(以前は古典派)経済学的な「考え方」に基づき、所得が多い層を優遇しようとした際に、政策を「正当化」するために持ち出される屁理屈なのでございます。


 ちなみに、大恐慌期のアメリカでは、財閥出身の財務長官アンドリュー・メロンが「法人税減税」を推進した際に、まんまトリクルダウン仮説が用いられました。 


 さて、現代日本において、トリクルダウンで安倍政権の法人税減税に代表される「グローバル投資家」「グローバル企業」を富ませる政策を正当化していたのが、みんな大好き!竹中平蔵氏です。


『「トリクルダウンあり得ない」竹中氏が手のひら返しのア然
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/172701/1


 テレビ朝日系の「朝まで生テレビ!」。

「激論!安倍政治〜国民の選択と覚悟〜」と題した1日放送の番組では、大田区の自民党区議が「建築板金業」と身分を隠し、安倍政権をヨイショするサクラ疑惑が発覚。「今年初のBPO入り番組」とネットで炎上中だが、同じように炎上しているのが、元総務相の竹中平蔵・慶応大教授の仰天発言だ。


 番組では、アベノミクスの「元祖3本の矢」や「新3本の矢」について是非を評価。

冒頭、「アベノミクスは理論的には百%正しい」と太鼓判を押した竹中平蔵氏。

アベノミクスの“キモ”であるトリクルダウンの効果が出ていない状況に対して、

「滴り落ちてくるなんてないですよ。あり得ないですよ」

と平然と言い放ったのである。


 トリクルダウンは、富裕層が富めば経済活動が活発になり、その富が貧しい者にも浸透するという経済論だ。2006年9月14日の朝日新聞は〈竹中平蔵・経済財政担当相(当時)が意識したのは(略)80年代の米国の税制改革だった。

その背景には、企業や富裕層が豊かになれば、それが雨の滴が落ちるように社会全体に行きわたるとする『トリクルダウン政策』の考え方があった〉と報じているし、13年に出版された「ちょっと待って!竹中先生、アベノミクスは本当に間違ってませんね?」(ワニブックス)でも、竹中氏は

〈企業が収益を上げ、日本の経済が上向きになったら、必ず、庶民にも恩恵が来ますよ〉

と言い切っている。


 竹中平蔵氏がトリクルダウンの旗振り役を担ってきたのは、誰の目から見ても明らかだ。

その張本人が今さら、手のひら返しで「あり得ない」とは二枚舌にもホドがある。

埼玉大名誉教授で経済学博士の鎌倉孝夫氏はこう言う。


「国民の多くは『えっ?』と首をかしげたでしょう。ただ、以前から指摘している通り、トリクルダウンは幻想であり、資本は儲かる方向にしか進まない。竹中氏はそれを今になって、ズバリ突いただけ。つまり、安倍政権のブレーンが、これまで国民をゴマカし続けてきたことを認めたのも同然です」(後略)』


 そもそも、トリクルダウンが成立するためには、絶対的に必要な条件が一つあります。それは、富裕層なり大企業で「増加した所得」が、国内に再投資されることです。前述の通り、トリクルダウンとは、富裕層や大企業の所得が「国内の投資」に回り、国民が豊かになるというプロセスを「仮定」したものなのです。


 現代の説明も、かなり抽象的ですね。

「トリクルダウンは、富裕層が富めば経済活動が活発になり、その富が貧しい者にも浸透するという経済論」

 まあ、それはそうなのですが、正しくは

「富裕層が富み、国内に投資がされる」ことで経済活動が活発になる

という話なのです。


 すなわち、資本の移動が自由化されたグローバリズムの下では、トリクルダウンなど成立するはずがないのです。特に、デフレーションという需要不足に悩む我が国において。


 富裕層減税や法人税減税で、「富める者」の可処分所得を増やしたところで、「グローバリゼーションで〜す」などとやっている状況で、国内への再投資におカネが回ると誰が保証できるのでしょう。誰もできません。


 結局、企業は対外直接投資、富裕層が対外証券投資におカネを回すだけではないのでしょうか。特に、日本のように国内にめぼしい投資先がなく、国債金利が長期金利で0.26%と、異様な水準に落ち込んでしまっているデフレ国では。というか、国内における投資先がなく、民間がおカネを借りないからこそ、長期金利が0.26%に超低迷してしまっているわけですが。


 無論、国境を越えた資本移動が制限されていたとしても、トリクルダウンが成立するかどうかは分かりません。減税で利益を受けた富裕層や企業が、国内に投資せず、増加した所得を「預金」として抱え込んでしまうかも知れません。


「いやいや、貯蓄が増えれば金利が下がり、国内に投資されるので、トリクルダウンは成立する」

 などと学者は反駁するのかも知れませんが、長期金利0.26%であるにも関わらず、国内の投資が十分に増えないデフレ国で、何を言っているの? 頭、悪すぎるんじゃないの? という話でございます。現在の日本は、企業の内部留保までもが史上最大に膨れ上がっています。


 お分かりでしょう。トリクルダウンが仮に成立するとしても、その場合は、

「国境を越えた資本の移動が制限されている」

「デフレではない」

 と、最低二つの条件が必要になるのです。ところが、現実の日本はグローバル化を推し進めつつ、同時にデフレです。トリクルダウンが成立する可能性など、限りなくゼロに近いわけでございます。


 そんなことは端から分かっていたし、何度も著作等で訴えてきたわけですが、残念ながらマスコミの主流は

「トリクルダウン理論により、法人税減税は正しい」

という、「頭、悪すぎるんじゃないの?」理論が主流を占めていました。


 少なくとも、現在の日本において、トリクルダウン前提の経済政策は「間違っている」と、全ての国民が認識する必要があるのです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/


続 トリクルダウンはあり得ない 2016-01-07


 昨日は、単にトリクルダウン仮説について解説しただけで、竹中氏の「真意」には踏み込みませんでした。

そもそも、竹中平蔵氏はなぜ「トリクルダウンはあり得ない」と語ったのか。


 安倍総理は、年頭の記者会見において、フジテレビの西垣記者の「選挙に向けてこの半年、国会が今日から開く中、どういった目標を掲げていかれるお考えでしょうか」という質問に対し、

「将来の老後に備えて、あるいは子育てのためにも使っていくことになるわけでありまして、これは正に成長と分配の好循環をつくっていくという新しい経済モデルを私たちは創っていく。その「挑戦」を行っていかなければいけないと思います」

 と、答えました。


 「分配」という言葉を総理が使ったのは、初めてのような気がいたします。


 わたくしは昨年末に刊行した徳間書店「2016 年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済 勝ち抜ける日本 」において、


『安倍総理は2015年1月28日の参院本会議で、民主党の質問に答えるかたちで、

「安倍政権としてめざすのはトリクルダウンではなく、経済の好循環の実現だ」

 と、トリクルダウンを否定した。

 だが、実際に安倍政権が推進している政策は、消費税増税をはじめとする緊縮財政にせよ、法人税の実効税率引き下げにせよ、あるいは様々な構造改革にせよ、明らかに特定のグローバル投資家を利する政策ばかりだ。

 グローバル投資家に傾注した政策を推進しつつ、トリクルダウンを否定したため、筆者はむしろ総理が国内の所得格差の拡大を歓迎しているかような印象を受けたものである。

 すなわち、富裕層やグローバル投資家、大企業を優先する政策を打つ政権は、言い訳としてトリクルダウン理論を持ち出すのだ。

法人税減税や消費増税、構造改革など、国内の所得格差を拡大する政策を繰り出しつつ、トリクルダウンすら否定するのでは、余計に問題ではないだろうか。』


 と、書きました。


 朝生のを見た限り、竹中氏は別に、 「トリクルダウンはあり得ないんです。ごめんなさい」というニュアンスで「トリクルダウンはあり得ない」と語ったわけではないわけです。


 トリクルダウンなど起きえない。
政府の政策で富が「滴り落ちる」のを待っている方が悪い、

というニュアンスでトリクルダウンを否定したのでございます。

すなわち、格差肯定論としてのトリクルダウンの否定なのです。


 そもそも、トリクルダウン仮説は民主主義国家において、一部の富裕層や法人企業に傾注した政策をする際、有権者である国民に「言い訳」をするために編み出されたレトリックなのです。


「富裕層や大手企業を富ます政策をやるけど、いずれ富は国民の皆さんに滴り落ちるので、安心してね」

 というわけでございます。


 つまりは、政治家がグローバリズム、新自由主義的な構造改革、緊縮財政を推進し、国民の多数を痛めつける際に「言い訳」として持ち出されるのがトリクルダウン仮説なのです。


 竹中氏がトリクルダウンを否定したのは、構造改革を推進するに際し、国民に言い訳をする必要性を感じなくなったのか、あるいは言い訳するのが面倒くさくなったのかのいずれかでしょう。


「面倒くせえな。トリクルダウンなんてあるわけないだろ。

政府の政策で、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧困化し、それでいいんだよ。

どうせ、負けた奴は自己責任なんだから」


 と、一種の開き直りで「トリクルダウンはあり得ない」と竹中氏が発言したと確信しています。


 とはいえ、総理が「分配」と言い出したということは、竹中氏はともかく「政治家」にとっては、「トリクルダウンすらない構造改革、富裕層・大企業優遇政策」は、有権者に説明がつかないということなのだと思います。


「竹中氏がトリクルダウンを否定した。へ〜え。

つまり、あんた(国会議員)たちは富める者がさらに富み、貧困層はますます貧困化する政策を肯定するんだな?」

 という突っ込みを受けるのは、安倍総理とはいえどもきついでしょう。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12114721167.html

「真面目に働くことによって明るい未来が拓く」という今までの資本主義の基幹を為していた牧歌的な時代は、グローバル化が進めば進むほど過去のものになりつつある。
現代の資本主義は、全世界を巻き込んだ凄まじい競争を強いる弱肉強食の資本主義である。企業は競争に打ち勝つために、素早く巨大化し、素早く時代に対応し、利益を極大化させることが望まれている。

利益を極大化させるためには、余計なコストがかかる雇用を必要最小限にするのが手っ取り早い。人間を雇うというのは、企業から見ると凄まじいコストなのである。

年500万円の人間を20年雇用したら、その1人だけで1億円のコストがかかる。実際にはこれに福利厚生から事務所代から雑費等含めて、かなりの出費がある。

単純に言えば、人は雇わなければ雇わないほどコストは削減される。そのために企業は、ありとあらゆる方法で雇用を削減する方法を考え出す。

それが派遣雇用の拡充であったり、アウトソーシングであったり、途上国の工場移転であったり、IT化であったり、ロボット化であったり、人工知能であったりする。

現在はそうした「雇用を排除する動き」が同時並行で行われ、加速している時代である。

これがさらに進んでいくのが2016年以降の動きだ。「働いても働いても豊かになれない」というワーキングプア層が社会の大半を占めるほどの苛烈な社会になっていくのだ。

今起きているこの大きな動きに私たちはひとり残らず飲み込まれていることに注意しなければならない。2016年以降、この流れが変わるというのはあり得ない。

「会社に雇われて働く」というのは、ワーキングプアになるというのと同義語になる。

まだ多くの人は半信半疑かもしれないが、よほどのエリートでない限り、「会社に勤める」というのは貧困に落ちる危険な行為になりつつあるのだ。
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20160101T1601100900


富裕層が仕掛けているのは、自分たちが100戦無敗になる方法


100戦無敗になるにはどうしたらいいのか。簡単だ。徹底的に弱い相手と戦うことだ。たとえば、大人は3歳児と戦ったら必ず勝つ。

大人が常に3歳児と戦い続ければ、常に勝ち続けることができる。それは勝負ではなく、リンチになるはずだ。大人はその気になれば、殴り殺すことさえ可能だろう。

だから、スポーツはこういった「大人vs子供」のような、最初から勝負が分かりきっているような組み合わせを禁止する。惨劇を避けるためだ。

それを不服として、大人が「自由に勝負させろ」と叫んでいたら、どうかしていると思われるはずだ。

しかし、それはスポーツの世界だからどうかしていると思われるだけで、実社会ではそのあり得ない競争が行われる世界なのである。

100万円の資産しかない人間が、100億円の資産を持つ企業と無理やり競争させられるのが資本主義の掟である。巨大な者が「もっと自由を」という時は、「弱者を叩きつぶす自由をくれ」という意味なのである。


落ちこぼれた人間には金すらも出したくない政府

「どんどん競争させろ。競争のルールは必要最小限にしろ。弱い者がどうなったところで知ったことではない」

これが資本主義を拡大解釈した「市場原理主義」の正体である。日本は2000年に入ってから、この弱肉強食の市場原理主義が小泉政権下で組み入れられた。

事実上の実行者は、当時、経済財政政策担当大臣と金融担当大臣を兼任していた竹中平蔵だった。

この男によって社会経験の浅い若年層は非正規労働者に追い込まれ、どんどん生活が不安定化しくことになる。

こういった格差が生まれるのは当然だと竹中平蔵は言っている。さらに、「日本はまだまだ格差が少ない社会だ」との認識も示している。

つまり、もっと激しい競争社会して、それによって弱者がもっと増えても別に構わないというスタンスである。さらにこの男は2016年に入ってからトリクルダウンも否定している。

トリクルダウンというのは「資産家や大企業を先に豊かにすると、富が国民全体にトリクルダウン(滴り落ちて)、経済が成長する」というものだ。

ケ小平の唱えた「先富論」に似ているものだが、竹中平蔵はそのトリクルダウンもないと言った。強い者はどんどん富むが、その富は弱者に回らない弱肉強食の社会を日本に取り入れたのがこの男である。

竹中平蔵は派遣会社の会長なのだが、派遣会社というのは労働者の稼ぎをピンハネする事業をしている。ピンハネして、要らなくなったら捨てる。

その結果、労働者が弱者になったとしても「それは、その人の自己責任だ」と言うのが竹中平蔵の理論なのである。

弱者など、どうでもいい。落ちこぼれた人間には金すらも出したくない。だから、この男が小泉政権下でしたのは、社会保障支出の大幅な削減だった。

その結果、高齢者も、障害者も、シングルマザーもみんな追い込まれて、生活保護受給者は大幅に増えることになった。


努力しても這い上がれない社会が来ている

弱肉強食の市場原理主義を取り入れればそうなることは、はじめから分かっていた。なぜなら、強欲な資本主義の総本山だったアメリカがそうなったからだ。

アメリカではレーガン政権がこの市場原理主義を推し進めた結果、1%の富裕層と99%の低賃金層という超格差社会を生み出して、今でもその格差の分離は広がっている。

アメリカでは、強者と弱者が明確に分離しており、その格差は極限にまで近づこうとしている。富める者はさらに富み、貧しき者はさらに貧しくなっている。

中流階級は激減し、2010年には貧困者が4620万人に達した。7人に1人は貧困層だ。さらに、予備軍まで入れると、3人に1人は生活に追われている状況になっている。

問題なのは、この格差が固定化しつつあるということだ。アメリカン・ドリームはすでに消失している。努力しても這い上がれない社会がやってきているのである。

当然だ。競争を開始する時点での条件に大きな格差がついている。スタートラインが富裕層と貧困層とではまったく違う。正当な競争になっていないのである。

貧困層は満足な給料がもらえない職業を転々とするしかなく、結局、働いても働いても豊かになれないワーキングプアが常態化してしまう。

貧困が固定化するのは、次の5つの要因がある。

(1)生活に追われ、疲れて何も考えられなくなる。
(2)低賃金で自分も子供も教育が受けられなくなる。
(3)金を含め、あらゆるものが不足してしまう。
(4)這い上がれない環境から自暴自棄になっていく。
(5)社会的影響力がなく、権利は保障されない。

いったん貧困に堕ちると、この5つの要因が同時並行で始まっていき、その中で押しつぶされてしまう。

これは、アメリカだけの問題ではなく、今や日本の底辺の問題でもある。すでに、日本の底辺もこの5つの要因にがんじがらめにされて、這い上がるのが絶望的に難しい社会になっているのである。


アメリカでは、強者と弱者が明確に分離しており、その格差は極限にまで近づこうとしている。富める者はさらに富み、貧しき者はさらに貧しくなっている。


貧困層は、相変わらず見捨てられていた

格差が固定化されるというのは、富裕層と貧困層の超えられない一線ができるということである。人々は分離し、この両者は次第に違う文化を生きることになる。

暮らす場所も、食べる物も、通う学校も、遊ぶ場所も、付き合う人も、すべて違っていく。そして、この両者は互いに相手に無関心になり、話す言葉すらも違っていくようになる。

日本もそうなる危険性が高い。格差は固定化して、堕ちてしまった人は、社会から見捨てられて生きるようになっていく。

2014年3月。私は10年ぶりにインドのコルカタに向かって、インドの貧困地区がどうなっているのかを確認しに行った。

その結果、どうだったのか。書籍『絶対貧困の光景』で書いたのだが、かつての貧困層はインドの経済発展からものの見事に取り残されていた。

コルカタは、確かに一部は経済発展していた。

ところが、貧困層はまったく経済発展の恩恵に浴していなかったのだ。彼らは社会から無視され、相変わらず社会から見捨てられていた。

10年前、貧困の中で生きていた女性たちは今もまだまったく同じ状態で放置されていた。彼女たちは路上で暮らし、路上で物乞いをし、スラムは相変わらずスラムのままだった。

先進国と変わらないマンション、ショッピングモールができていて、富裕層がベンツを乗り回しているその横で、10年前に貧困層だった人たちは、まだ路上を這い回って生きていた。

(堕ちたら、這い上がれないのだ……)

竹中平蔵が言った通り、「トリクルダウン」など、影も形もなかった。貧困層に富はこぼれ落ちていなかった。完全に置いてけぼりだ。

そういった状況は私もよく知っていたはずだった。しかし、実際にそんな現状を目の前に突きつけられた時に感じたショックは、決して小さなものではなかった。

格差が固定化され、弱者が見捨てられ、貧困層が大量に増え続ける社会がどんなに悲惨な社会なのか、日本人はもっと真剣に考えるべきだ。

日本はそんな道を辿ろうとしているのである。


スラムの子供たち。富める者は富み、貧しい者は奪われるのであれば、この少年と幼い妹には未来はない。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20160118T0438270900.html


2016-02-06
難民・移民が流入して大混乱しても、それが止まらない理由


移民問題・難民問題は、今やユーロ圏を揺るがす火薬庫と化してしまった。

排斥デモ、異民族敵視、憎悪、相互対立は、多民族国家を目指した国のほとんどが経験している。多民族共生というのは、口で言うほど簡単なものではない。

共生どころか、むしろ衝突となり暴力の応酬となってしまう。当然だ。ひとつの地域に、文化がまったく違って、考え方も根本からして異なる人たちが押し込まれる。

民族によっては、マナーも違えば、常識も違えば、言葉も違えば、人種も違う。

何もかも違った人間がどんどん増えていくと、受け入れる側からすると、自分たちの文化が侵略されていると捉えるのは、避けられない。こういった対立は、これから世界中で吹き荒れることになる


しかし、だからと言って、移民・難民の流入や、多民族国家の動きが頓挫するとは、絶対に考えない方がいい。

どんな問題が起きても、どんな激しい国民の抵抗が起きても、グローバル社会に参加した国家では、それが強引に行われていくことになる。

なぜなら、グローバル化していく社会の中で、国家という枠組みが邪魔になっており、今は「国家」という枠組みを取り壊そうとする動きが加速しているからである。

「自国文化を守ろう、自国の歴史を大切にしよう」という動きは、「保守」とは呼ばれず、「極右」とグローバル・メディアによってレッテル貼りをされている。

世界中のメディアは、保守を必ず「極右」として扱い、レイシストと断定する。それはグローバル化を後退させる動きなので、「絶対に許されない思想」と認定して、封印されていく。

グローバル化を阻止する動きは、絶対に許されない。

多国籍企業、金融市場、巨大メディアは、グローバル化する社会の中で支配権を拡大していく過程にある。

世界を動かしているのは国民ではなく、多国籍企業、金融市場、巨大メディアである。そして、これらの企業の各ステークホルダー(関係者)たちである。

全員が揃って陰謀に荷担しているという見方もあるが、実際のところは、陰謀論によって動いているというよりも、グローバル化した方が「より儲かる」というシンプルな原則によって突き動かされていると言った方がいい。

儲かるのなら、儲かる方向に向かって資本が殺到していく。それがあたかも何らかの指示があるように一方方向に動いているように見える。

事業家や金融資本は何者かに命令されて動いているわけではない。儲かる方向に向かって動いていたら、それはグローバル化の方向だったのである。


ロンドンの光景。もうすでにロンドンでは44%近くが非白人となっていると言われている。移民・難民の流入や、多民族国家の動きは止まらない。


儲かるから、グローバル化が推し進められるのだ

グローバル化したら、世界のすべてが多国籍企業にとって市場になる。そうなれば、単純に儲かる。だから、多国籍企業はぶれることなくグローバル化を推し進める。

グローバル化したら、賃金の安い国で物を製造することができるようになる。そうなれば、コスト削減できる。そして、競争力が付いて儲かる。

グローバル化したら、移民が大量に入ってきて、やはり低賃金で人が雇えるようになる。そうなれば、またもやコスト削減ができる。だから、移民政策や、多文化主義は推進されるのだ。シンプルだ。

貿易を行うに当たって、国をまたぐたびに関税を取られたら損をする。だから、国がなくなればいいと考えるのが多国籍企業でもある。儲けのためには、関税を取る国家という存在が邪魔なのだ。

販売を行うに当たって、各国の違いに合わせて商品をローカライズするのは無駄なコストである。言語が英語か何かで統一できれば、ローカライズする手間がなくなる。だから、国がなくなればいいと考えるのが多国籍企業である。コストのためには国家という存在が邪魔なのだ。

販売を行うに当たって、文化が違っているとやはりその国に合わせなければならないが、それも無駄なコストである。だから、移民を入れて、混ぜて、独自文化を薄めさせれば、文化に合わせる手間もなくなる。

だから、文化がなくなればいいと考えるのが多国籍企業でもある。移民・難民を大量に入れて「多文化共生」にするのは、その国の独自の文化を消すのに最良の方法だ。


パリの光景。41%が非白人の人口となっている。グローバル化したら、移民が大量に入ってきて、低賃金で人が雇えるようになる。そうなればコスト削減ができる。だから、移民政策や、多文化主義は推進される。


世の中は多極化しているのではない。逆だ

ありとあらゆるものが、国家の消滅、国家の役割縮小、国家の無力化を目指している。上記以外にも、そんな動きは次々と動いている。

通貨が違っていれば、為替の変動というものに注意を払わなければならず、それは多国籍企業にとっては手間である。国家をブロック化するか、もしくは国家を消滅させれば為替も統一するので便利だ。だから多国籍企業は、通貨の統一を邪魔する国家という概念を消し去りたい。

巨大メディアも、言語・文化がどんどん統一されていけば、情報収集も、情報提供も、世論誘導もやりやすい。だから、グローバル化に乗るのは「得する」動きだ。そのために、言語・文化の守り手である国家を消滅させたい。

インターネットもまた、「情報」という分野で世界を統一しようとする動きである。インターネット企業は、世界がグローバル化すればするほど儲かる仕組みになっている。だから、国家間の情報遮断は許しがたいことであり、やはり国家という概念を消し去りたいと思っている。

グローバル化は、それを突き詰めると、世界が「ひとつ」になるということだ。世界が「ひとつ」というのは、要するに国家も、文化も、言語も、通貨も、すべてが「ひとつ」になるという意味である。

現在、そのような社会に向かっている。世界は多極化しているのではない。完全にその逆だ。

グローバル化の動きは、「ひとつ」になる動きだ。国家のブロック化は、「ひとつ」になる動きだ。多文化主義の動きは、「ひとつ」になる動きだ。金融市場の国際化は、「ひとつ」になる動きだ。移民促進の動きは、「ひとつ」になる動きだ。

グローバル化によって、世界は統一化されようと動いている。多極化しているというのは、単に政治の力学の話であって、世の中全体の動きではない。

多極化していると見せかけて、世の中はグローバル化によって「ひとつ」になろうとしているのである。

絶対に移民政策が止まらないのは、世界が「ひとつ」になるためだ。本当に、単純な話だ。そうすれば多国籍企業、金融市場、巨大メディアは儲かるのである。そして今や、すべての国がグローバル化に向かって暴走している。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20160206T0136500900.html

サッカーとか、ワールドカップの様子を見ていると、「日本戦見てない奴は非国民」みたいな攻撃的な同調圧力が異常に高まっていましたね。全員が同じものに、同じように熱狂することを強制する。この同調圧力がこの20年くらいどんどん高まっている。
均質化圧と同調化圧。それはやはり学校教育のせいなんだと思います。

学校はどこかで子どもの成熟を支援するという本務を忘れて、子どもたちを能力別に格付けして、キャリアパスを振り分けるためのセレクション装置機関になってしまった。

子どもたちを格付けするためには、他の条件を全部同じにして、計測可能な差異だけを見る必要がある。

問題は「差異を見る」ことじゃなくて、「他の条件を全部同じにする」ことなんです。みんな叩いて曲げて同じかたちにはめ込んでしまう。そうしないと考量可能にならないから。同じ価値観を持ち、同じようなふるまい方をして、同じようなしゃべり方をする子どもをまず作り上げておいて、その上で考量可能な数値で比較する。

見落とされているのは、この均質化圧が財界からの強い要請で進められているということです。


彼らからすれば労働者も消費者もできるだけ定型的であって欲しい。

労働者は互換可能であればあるほど雇用条件を引き下げることができるからです。

「君の替えなんか他にいくらでもいるんだ」と言えれば、いくらでも賃金を下げ、労働条件を過酷なものにできる。


消費者もできるだけ欲望は均質的である方がいい。

全員が同じ欲望に駆り立てられて、同じ商品に殺到すれば、製造コストは最小化でき、収益は最大化するからです。

ですから、労働者として消費者として、子どもたちにはできるだけ均質的であって欲しいというのは市場からのストレートな要請なんです。

政治家や文科省の役人たちはその市場の意向を体して学校に向かって「子どもたちを均質化しろ」と命令してくる。


―均質化と同調圧力を押し返し、本来の「知のありよう」を取り戻すのには、やはり教育がキーワードになっているのでしょうか?

教育だとは思いますよ。でも、今の学校教育は閉ざされた集団内部での相対的な優劣を競わせているだけですから、そんなことをいくらやっても子どもは成熟しないし、集団として支え合って生きて行く共生の知恵も身につかない。

保護者も子どもたちも、どうすれば一番費用対効果の良い方法で単位や学位を手に入れるかを考える。最少の学習努力で最大のリターンを得ることが最も「クレバーな」生き方だと思い込んでいる。

でも、学校教育を受けることの目的が自己利益の増大だと考えている限り、知性も感性も育つはずがない。人間が能力を開花させるのは自己利益のためではなくて、まわりの人たちと手を携えて、集団として活動するときなんですから。

でも、今の学校教育では、自分とは異質の能力や個性を持つ子どもたちと協働して、集団的なパフォーマンスを高めるための技術というものを教えていない。

共生の作法を教えていない。それが生きてゆく上で一番たいせつなことなのに。


僕は人間の達成を集団単位でとらえています。ですから、「集団的叡智」というものがあると信じている。長期にわたって、広範囲に見てゆけば、人間たちの集団的な叡智は必ず機能している。エゴイズムや暴力や社会的不公正は長くは続かず、必ずそれを補正されるような力が働く。

ですから、長期的には適切な判断を下すことのできるこの集団的叡智をどうやって維持し、どうやって最大化するのか、それが学校でも最優先に配慮すべき教育的課題であるはずなのに、そういうふうな言葉づかいで学校教育を語る人って、今の日本に一人もいないでしょう。学校教育を通じて日本人全体としての叡智をどう高めていくのか、そんな問いかけ誰もしない。

今の学校教育が育成しようとしているのは「稼ぐ力」ですよ。

金融について教育しろとか、グローバル人材育成だとか、「英語が使える日本人」とか、言っていることはみんな同じです。

グローバル企業の収益が上がるような、低賃金・高能力の労働者を大量に作り出せということです。


文科省はもうずいぶん前から「金の話」しかしなくなりました。

経済のグローバル化に最適化した人材育成が最優先の教育課題だと堂々と言い放っている。

子どもたちの市民的成熟をどうやって支援するのかという学校教育の最大の課題については一言も語っていない。子どもたちの市民的成熟に教育行政の当局が何の関心も持っていない。ほんとうに末期的だと思います。

―モノや資源のレベルでも、教育のレベルでも、色んな意味での持続可能性というのは、一人一人がそういった知のマップを作ることだと思います。このマッピングをどうやって可能にして、共生の知恵をもった社会に作ることができると思われますか。

今の日本の制度劣化は危険水域にまで進行しています。いずれ崩壊するでしょう。ですから、目端の利いた連中はもうどんどん海外に逃げ出している。シンガポールや香港に租税回避して、子どもを中等教育から海外に留学させて、ビジネスネットワークも海外に形成して、日本列島が住めなくなっても困らないように手配している。彼らは自分たちが現にそこから受益している日本のシステムが「先がない」ということがわかっているんです。でも、「先がない」からどうやって再建するかじゃなくて、「火事場」から持ち出せるだけのものを持ち出して逃げる算段をしている。


僕は日本でしか暮らせない人間をデフォルトにして国民国家のシステムは制度設計されなければならないと思っています。

でも、日本語しか話せない、日本食しか食えない、日本の伝統文化や生活習慣の中にいないと「生きた心地がしない」という人間はグローバル化した社会では社会の最下層に格付けされます。

最高位には、英語ができて、海外に家があり、海外に知人友人がおり、海外にビジネスネットワークがあり、日本列島に住めなくなっても、日本語がなくなっても、日本文化が消えても「オレは別に困らない」人たちが格付けされている。

こういう人たちが日本人全体の集団としてのパフォーマンスを高めるためにどうしたらいいのかというようなことを考えるはずがない。どうやって日本人から収奪しようかしか考えてないんですから。
http://blog.tatsuru.com/2014/09/05_1112.php


イスラム女性が酒を飲み、ダンスをし、ランジェリーを着る 2014-01-25


女性がアルコールを飲んで酔っ払う。そして、男たちの前でダンスする。女性がフィットネスに精を出す。女性がビリヤードをする。女性がベランダに出てタバコを吸う。女性がセクシーなランジェリーを買う。

何か問題があるだろうか?

もちろん、先進国で女性がアルコールを飲んでダンスしたところで、それが問題になるわけではない。しかし、それがイランだったら?

もちろん、イランでも表立ってこのような行為をしたら、公開処刑にされる可能性がある。しかし、時代は変わりつつある。

厳しい戒律の中、黒いベールに包まれているイラン女性も、ホメイニ師が仕掛けた1979年2月のイスラム革命以前は、実は自由はファッションが許されていたイスラム戒律の緩い国でもあった。ミニスカートをはいていた女性すらもいたのだ。

そんな時代が、イランの底辺で少しずつ戻りつつあるという。もちろん大ぴらではない。ゆっくりと、である。


世界標準に相容れない価値観は消すという流れ

インターネットによる結びつきは、全人類に共通の価値観を定着させようとしつつある。

先進国も、後進国も、今では人々の着ているものは、ほぼ同じものになりつつあり、食べ物の嗜好も統合されてきた。

もちろん、国による違いや地域差も、依然として残っている。犬食が悪いとか、鯨が悪いとか、イルカ漁が残酷だとか、激しい議論がある。

実は、そういった議論は「異質を失くす方向」で統一される可能性が高い。「世界標準に相容れない価値観は消してやる」というのが現在の社会の動きなのである。

かつては、それぞれの国にはそれぞれの衣装があった。

日本でもアメリカでもイギリスでもアフリカでも中国でも、それぞれその国特有の「衣装」があった。

現在は、そういった衣装は「民族衣装」と特定カテゴリー化されて、気がつけば「普段着るものではない」ということにされている。

そして、どこの国でもプライベートはTシャツ、ビジネスではスーツというものに統一されていく。そして、世界はどこも代わり映えしない世界となった。

どのようにして、そうなるのか。

それはグローバル企業の莫大な「広告」によって為される。広告によって人々の意識は変えられて、いつしかTシャツやジーンズ等が良いという嗜好になっていくのである。

そして、それと平行して、色も質も豊富なTシャツやジーンズ等が大量に入って来る。それらは先進国の若者も着ているので、後進国の人々も嬉々としてそれを着る。


グローバル化の本質は、画一化なのである

インドの女性たちはその美しいサリーを捨て、Tシャツにジーンズを履くようになっている。

男たちはとっくの前に民族衣装など捨てていて、背広とワイシャツとネクタイに変身している。

カンボジアも10年ほど前まで誰もがクロマーと呼ばれる手ぬぐいを帽子の代わりに頭に巻いていたが、今どきそんなカンボジア人がいたら、ただの田舎者だと思われるだけだ。

カンボジア人は今や工業製品で作られた安物の帽子をかぶるか、帽子をかぶらないでヘアスタイルの方に凝るようになった。

彼らにしてみればそれは新しいものを追い求めているのかもしれない。しかし、先進国の人々が見れば、「カンボジア人がグローバル化された」ということなのである。

グローバル化の本質は、画一化だ。

グローバル化によって画一化されることで、企業は「同じ製品」をどこの国でも大量に売りつけることができる。

国ごとに好みが違っていたら、その国に合わせてローカライズしないとならない。企業にしてみれば手間がかかる。インド女性がサリーを着ていたら、多国籍企業のジーンズ会社は困るのだ。

サリーは大量生産できないし、インドにしか売れない。しかし、インド人を画一化させて全員にTシャツとジーンズを履かせることに成功すれば、グローバル化された企業はインドで大儲けすることができる。

インド人にTシャツとジーンズを履かせること、それが「画一化」させるということである。


グローバル化の中で画一化されるように洗脳された

グローバル経済は見かけだけではない。考え方も、技術も、欲しがるものも、すべて画一化する。

たとえば、インターネットを使うための技術は世界中どこでも同じものである。そして、インターネットに接続されるOSや機器も数社ほどの製品に統一されている。

パソコンならマイクロソフト、スマートフォンならアップルやグーグルが頭脳を独占している。その世界で人々は画一化されたブラウザを使い、画一化されたSNSで友達を見つける。

車を見ても、バッグを見てもそうだ。先進国の男も後進国の男も欲しがる車はメルセデス・ベンツであり、女の欲しがるバッグはルイ・ヴィトンである。

すべての国の人たちが判で押したかのようにベンツやルイ・ヴィトンを欲しがる。画一化されたのだ。グローバル化の中で画一化されるように洗脳されてしまった。

しかし、本人だけは、なぜか自分が「画一化」されたとはまったく気がついていない。気がついていないが、しっかり「画一化」されてしまっている。

味覚もそうだ。その国にどんな飲み物があったとしても、グローバル化された社会で人々はコカコーラを飲み、ペプシを飲む。ラオスで飲むコカコーラも、タヒチで飲むコカコーラも味は同じだ。画一化されてしまっている。

中国は今でもポーレイ茶を飲んでいる。中国や香港やチャイナタウンを歩くと、あの独特の香りを街中で嗅ぐことができる。

しかし、若者はコカコーラを飲み歩き、マクドナルドのハンバーガーを食べる。

こういったグローバル化はイスラムの世界をも浸食しているのである。いずれ、イスラム世界も長い時間をかけてグローバル化されて、画一化されて来るだろう。

イランの女性たちの動きは、そういった時代の最先端となっている可能性がある。


アルコールを飲んで、ダンスをして、楽しむイラン女性。ホメイニ師が見たら激怒して処刑してしまうだろう。


おしゃれを楽しむイラン女性。もともとイラン女性はとても美しいことで知られている。

ベランダで顔も髪も隠さないで喫煙するイラン女性。タバコは別に珍しくない。髪も顔も隠さないというところが珍しい。

ランジェリーに凝るイラン女性。黒いベールの下は、とてもエロチックであると言われている。

ビリヤードをするイラン女性。こうやって女性が少しずつ街に出て人生を楽しむことが、時代を変える第一歩になるが、皮肉にもそれはグローバル化の中に取り込まれる第一歩にもなる。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20140125T0348290900.html

そういえば、つい数年前までインドでは髪や身体を洗う時には泥を使っていたが、今では安く変える石鹸やシャンプーが浸透していっている。
これらの石鹸やシャンプーは貧しい人たちでも買えるように小分けで売られている。

メーカーはユニリーバ。イギリス企業(正確にはイギリスとオランダに経営機能を持つ多国籍企業)である。


インドに浸透していく多国籍企業ユニリーバ。男は「ユニリーバ」と聞いても知らない人も多いかも知れないが、女性はみんなこの企業を知っている。


侵略されても、それが文化侵略などとは思わない

ユニリーバはインドで確固たるブランドを築いている。これらの人たちが生活レベルを上げるたびに、ユニリーバの高級商品が彼らの手に渡っていくことになる。

グローバル化は、安い労働力と巨大な市場を求めて世界中のどこにでも浸透していくから、地元産業は衰退し、残った企業は淘汰されていく。

日本では昔、よろず屋という形態の店があったが、今ではそんな店を捜しても見つからないかもしれない。なぜならすべて淘汰されてコンビニがそれに取って変わったからだ。

フィリピンに、サリサリ・ストアという「よろず屋」「雑貨屋」形態の個人ショップが多く見かけるが、もしフィリピンの経済状況が上がっていくなら、これらのサリサリ・ストアは淘汰されて消えていくことになる。

国がグローバル化に組み込まれると、このような個人店舗から吹き飛んでいくのは定石の動きだから誰でも分かる。

すでに1985年前後からグローバル化に飲み込まれたタイでも、コンビニエンス・ストアが幅を利かすようになって個人ストアを駆逐してしまった。

コンビニで売られるものは、自国の大企業のものと、海外の多国籍企業のものに二分される。

日本でも、コカコーラやエビアンなどは普通に売っているが、これらが多国籍企業であるのは言うまでもない。

スーパーもデパートもショッピングモールも、地元のものがスケールで敗退して、莫大な資本を投下できる多国籍企業がゆっくりと確実にその地に浸透していく。

テスコ、カルフール、ウォールマートという巨大ショッピングモール店はそれぞれイギリス、フランス、アメリカの資本だが、買い物をする人間がそんなことはいちいち考えていない。

趣味が良い空間で、大量のものがあって、安く買えるのであれば、どこの国の資本でも歓迎するし、それが文化侵略などとは思わないのである。


フィリピンのサリサリ・ストア。この国もグローバル化に飲まれると、やがてこういった個人商店の店は、大資本によるコンビニやショッピングモールに駆逐されて消えていくことになる。

すべてが画一化されたようなモノクロの世界

外国資本のショッピング・モールに入っているテナントは、マクドナルドだったり、ケンタッキー・フライド・チキンだったり、あるいはスターバックスだったりする。

しかし、それらに目くじらを立てる人間もいない。これらは新興国にとって、先進国の香りがする「素晴らしい企業」であり、文化侵略どころか「憧れ」だ。

かくして、これらの多国籍企業はゆっくり、着実に、アジアに浸透していき、やがてどこの国に行っても代わり映えのしない多国籍企業の看板に埋め尽くされる。

グローバル化はアジアを激変させている。そして、文化を画一化させていく。

多様化を失っていく文化は、人間の増加によって次々と野生動物が絶滅していく姿にだぶる。

グローバル化に対応できない国は絶滅していく。グローバル化に対応した国は均質化・画一化していく。グローバル化がとことん浸透すると、賃金もやがては画一化していく。

多国籍企業は経済的な論理で激しいグローバル化を追い求めているが、その結果についてはほとんど無視されているように思える。

グローバル化の行き着く先は、すべてが画一化されたようなモノクロの世界だ。世界中、どこに行っても同じ光景、同じ商品、同じ価値観で固定化される。

多国籍企業は、その商品が全世界を覆い尽くすまで止まらないのは間違いない。この動きに歯止めはかからない。資本主義が終わるまで続く。

すでに私たちは、日本にいても、タイにいても、シンガポールにいても、コカコーラを飲み、マクドナルドを食べ、スターバックスでくつろぐことができる。

幸せだろうか?


これがどこの国か分かるだろうか。タイだ
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20131110T2225020900.html


日本も含め、全世界は最後に同じ文化になってしまうのか?


中国やインド、そして東南アジアの各諸国が台頭してきたのは、グローバル化が加速したからだ。

グローバル化が加速するとなぜこれらの諸国が台頭することになるのかというと、簡単に言えば「人的コストが安いから」である。

では、なぜ世界はグローバル化していくのかというと、企業間の競争があって、そこでは結果的にコスト削減を徹底的に行い、利益を上げたものが勝利を手にするからである。


コストを削減するには人件費を削減するのが一番早い。

あるいは、安い労働力を使うのが良い。

当然、どこの企業もこの2つに目をつけて、この2つは同時に行われた。具体的に言うと、以下のことが、同時に行われた。

(1)賃金の高い先進国の労働者の削減
(2)賃金の安い新興国の労働者の確保

賃金の安い国はどこだったのか。それは中国であり、インドであり、東南アジア諸国であった。


残った正社員は、リストラするか賃金削減するか

先進国の失業問題は、グローバル化によって必然的に起きたことだ。

日本人の労働者がそれに巻き込まれるのは、時間の問題だったのだ。

だから、小泉政権時代からそれは加速していったが、日本はもっと早く賃金削減が起きてもおかしくなかった。

本来であれば、バブルが崩壊して企業がコスト削減に走らなければならなかった1990年代に賃金削減が起きてもおかしくなかった。

そうならなかったのは日本には終身雇用という文化があったからで、企業が無理していたという言い方もできる。日本企業にも良心があったということだ。

結局、無理に無理が重なってどうにもならなくなったので、企業側はどんどん工場を新興国に移し、本社側の人員は派遣に切り替えた。

そして、残った正社員は、リストラするか賃金削減するかの二者択一になった。

2000年代に入ってから、この両方が平行して行われたのである。

・日本の賃金はまだ高いから、正社員はもっと削られる。
・賃金はもっと削減される。


サラリーマンをやっている人間は、もはや一部分の人間しか生き残れないことになる。グローバル化の本質を考えると、どうしてもそのような動きになってしまうからだ。

すべては賃金の安い国へと仕事が流れていく。

それが中国であり、インドであり、東南アジアだったのだ。


大量のコマーシャルを流して、その文化の中に浸透

この中で、中国とインドはよく特別化されることが多いが、それは理由がある。

最も大きな理由は「人口」だ。これらの国は安い労働力を使えると同時に、支払った賃金で潤うと、人口の多さがそのまま販売の市場につながっていく。

中国とインドはこの2国だけで人口は26億くらいで地球上の人口の40%ほどを占めているから、市場としての魅力は抜群である。

そのためには、この国に巣食う貧しい人達がもう一段階豊かになる必要もある。

それで労働コストが上がったのであれば、今度はバングラやアフリカが「世界の工場」になって、そこで作ったものを中国やインドに売るという流れになる。

多国籍企業は新興国に大量のコマーシャルを流して、どんどんその文化の中に浸透している。

まさにその動きこそがグローバル化の動きであって、これがアジアを強制的に変化させている原因だ。

アジアの文化に浸ってのんびりしたいと思っていたら、アジアの姿がどんどん変わって取り残されてしまう。


その背景には、多国籍企業の顔がちらつく。

古き良きアジアは、もはや幻想の中にしか存在しない。


______


なぜ「日本文化はいずれ死ぬ」と断言することができるのか

私たちは自国を愛しており、自国の文化、自国の言語、自国の歴史を愛している。これは誰でも心に持っている気持ちであり、国を大切にする気持ちは決して消えることはない。

しかし、「自分の国を大切に思う」という気持ちは、これから次々と踏みにじられることになる。これは現代社会の大きな方向性として、知っておくべきだ。

「自分の国を大切に思う」というのは、グローバリズムに反するものだからだ。グローバリズムは、国を消失させる動きであることは、もう誰もが気付いている。

グローバル化は文化を破壊し、最終的に国を破壊する。

そうなる理由は簡単だ。文化がそれぞれの地域で違っていると、ローカライズするのにコストがかかるからだ。

文化が違っていると、文化に合わせなければならない。「合わせる」というのが多国籍企業にとってコストであり、不確定要素になる。

国家がなくなり、文化が均質化すれば、全世界で同じ物を売ることができて、全世界に支配権を得ることができる。


独自文化は破壊される方向性にあることを認識せよ

グローバル化にとって、独自文化は邪魔だ。理解できないし、ローカライズには手間がかかるし、無視すれば市場をとりこぼすことになるからだ。

だから、私たちは気が付かなければならない。

グローバル化がこれからも進むのだから、「独自文化は破壊される方向性にある」ことを。もっとはっきり言うと、こういうことになる。

「日本文化は必ず破壊される」
「日本人は日本のものではなくなる」

日本だけではなく、すべての国がそうなる。欧米ではすでに多文化主義が執拗に推進されている。

移民が続々と入り込み、人種が地域文化に馴染まないで混乱し、国内で大きな混乱が起きているにもかかわらず、それは粛々と推進されている。

ドイツでも、イギリスでも、フランスでも、オランダでも、ノルウェーでも、すべての国でまったくブレることなく多文化主義が推し進められている。

もちろん、こういった多文化主義に反対し、「独自文化を守れ」という動きは市民の間から大きな声となって湧き上がっているのは言うまでもない。

世界各国で、次々と保守政党が立ち上がって支持されている。

しかし、こういった移民排斥の運動は、世界中で「差別主義者」のレッテルを貼られる。そして、その政党は「極右団体」と称され、グローバル・メディアによって徹底的に糾弾されて、叩き潰されていく。
http://www.bllackz.com/2013/10/blog-post_20.html?utm_source=BP_recent


金持ちが長生きして貧困層が早死にする現象が鮮明化する


米ライス大学とコロラド大学ボルダー校の共同研究では、アメリカ人の寿命は1930年代は59.85歳、ざっくり言えば約60歳だったのだが、これが2000年代になると77.1歳になっており、70年で驚異的な寿命の伸びが確認されたという。

しかし、悲しいことがある。

1940年代生まれの富裕層と貧困層の寿命を分けると、貧困層の寿命は圧倒的に短くなっており、最大では富裕層よりも12年も早く亡くなるという。

同じ結論は2016年に米医学界の学会誌「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」が指摘している。富裕層と貧困層の平均寿命は今も拡大し続けている。

超富裕層と絶対貧困層という風に、収入の差を広げていけばさらに寿命の差は明確になる。絶対貧困で暮らす人たちは超富裕層に比べて男性は14.6年、女性は10.1年も短かった。

アメリカの貧困層は、パキスタンやスーダンのような途上国の人たちの平均寿命と同じなのである。貧困に堕ちたら、先進国に生まれても後進国で生まれても関係ないということだ。

ただし、都会の貧困層は都会のインフラを利用できることもあって、貧困層でも若干は長生きできるようだ。もっとも、それでも富裕層の快適な環境と寿命を手に入れることができないのだから慰めにもならない。


身体の具合が悪いからと言って仕事を休めない

富裕層が貧困層よりも長生きするというのは、2つの見方があるのに気付かなければならない。「金持ちは長生きする」という見方と、「貧困層は早死にする」という見方だ。

どちらが正しいのかというのではなく、「金持ちは長生きする」という現象と「貧困層が早く死ぬ」という2つの現象が同時並行で起きているというのが正しいのだろう。

医療が充実し、早期治療や健康維持の方法が確立されていくと、富裕層も貧困層も同時に恩恵を得る。しかし、どちらかと言えば富裕層の方が受ける恩恵が大きい。

なぜなら、医療は「ただではない」からである。

病院で検査を受けるのも、高度医療を受けるのも金がいる。金がモノを言う。富裕層には問題がない金額でも、それは貧困層には大きな問題になることが多い。

金がかかると思ったら、貧困層は医者に行かない。そのため、本当であれば医者にいかなければならないような病気やケガでも放置して、それを重篤化させてしまうことが多い。

その前に、時間の余裕がたっぷりある富裕層と違い、貧困層は身体の具合が悪いからと言って仕事を休んでしまえばたちまち生活に窮するので休めない。

そのため、たとえば貧困層は歯の治療などを放置することが多いことがよく知られている。

虫歯や歯石や歯槽膿漏などは早期に治療を受けていれば完治できるものだが、放置しておくとどんどん歯が悪くなって最終的にすべてを失うこともあり得る。

そのために早い段階で治療を受ける必要があるのだが、生活に余裕がなければ、どうしても仕事よりも治療を優先してしまうことになる。

あらゆる身体の不調を放置するので、それが積もり積もって寿命に反映されていく。歯を失うと固いものなどがうまく食べられなくなり、それで栄養が偏るようになって寿命が短くなるというのはよく知られている。

歯を失うと固いものなどがうまく食べられなくなり、それで栄養が偏るようになって寿命が短くなるというのはよく知られている。


富裕層と貧困層は、食べているものも違う

富裕層と貧困層は、食べているものも違う。富裕層が少々高価でも、オーガニックで栄養価が高く、健康的で、身体に優しいものを継続的に買える収入がある。

しかし、貧困層は往々にして、カロリーが高くて身体に悪くても、安いものを選んで食べることになる。安い価格でカロリーを取ろうと思うと、砂糖と添加物と油脂と加工物でまみれたジャンクフードを食べるしかない。

それしか食べられないので、栄養のバランスなどほど遠い食生活になる。

こうした食事はたまに食べるくらいならいいのだが、それを常食するとやがて体調を悪化させ、病気やケガをしやすい体質になっていく。

富裕層は食べれば食べるほど健康になるのに、貧困層は食べれば食べるほど不健康になっていく。

グローバル経済は、食品に関してもどんどんコストを下げて安いものを大量に売るために品質を次第に劣悪化させていく。そして、消費者をリピーターにさせるために、砂糖や油脂のような常習と依存を生む物質を意図的に含有させる。

多国籍企業の作り出す食べ物というのは、そのほとんどは常軌を逸する量の砂糖をまぶし、油脂をどっぷりと含ませたものである。

そうすれば、消費者が常食し、依存し、その結果として商品が売れるのだから、批判されても絶対に止めない。

富裕層は教育の中でそうした食品が身体に悪いことを知り、避け、より良い食品を選んで食べるようになることが多い。親が子供の健康を守るためにそうする。

しかし貧困層は、教育よりもテレビに影響されて毒々しい食品を食べるように洗脳されており、自らジャンクフードに飛びついて離れられない。

後でそれが身体に悪いと言われても、もうすっかり中毒になっているので止められない。そして、身体を壊すまでそれを食べ続けて、最後には寿命に影響する。

貧困層は教育よりもテレビに影響されて毒々しい食品を食べるように洗脳され、自らジャンクフードに飛びついて離れられない。


貧困層の暮らす劣悪な環境とはどんな環境なのか?

富裕層は快適な環境の中で、ストレスなく暮らすことができる。貧困層は劣悪な環境の中で、様々なストレスを抱えながら暮らすことになる。

途上国に行って劣悪な安宿やスラムに泊まると、「劣悪な環境」というのがどんな環境なのかすぐに知ることになる。

エアコンなどないので、部屋は気が狂うほど暑い。部屋の中で蒸されて意識が朦朧とすることもある。シャワーを浴びようと思うと水が出なかったり、水が濁っていたりする。

そもそもシャワーなどなくて、雨水が溜まったバケツの濁った水を浴びるのがシャワーだというところもある。1990年代後半のカンボジアでは、ほとんどがそうだった。

(「売春地帯をさまよい歩いた日々:カンボジア編)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20110201T0000000000.html


食事中はハエが食べ物にたかり、夕方になったら蚊の大群が襲いかかる。中にはマラリア蚊もいたりするので、蚊に刺されてマラリアになる人も多い。

ベッドに横になると今度は南京虫が襲いかかってくる。東南アジアのスラム、あるいは南アジアのスラムは南京虫の温床になっているベッドも多い。

(トコジラミ。部屋に入ったらベッドのシーツをまくって裏を見ろ)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20120914T0045320900.html


飲み水はドブのような臭いがしたり、食べ物にも虫が混じっていたりするのは日常茶飯事だ。

貧困層というのは、そんな劣悪な環境の中で暮らし、劣悪な仕事に就き、劣悪な食べ物を食べるしかなく、医療の恩恵にもあずかれない。

そして、そんな環境から抜け出せない絶望感もあれば、自暴自棄もある。これで富裕層と貧困層の寿命が同じだったら、それこそ奇跡であると言わざるを得ない。

結局、貧困層はこうした劣悪な環境に追い込まれてもがくしかない人生が待っており、それが寿命に反映して「金持ちが長生きして貧困層は早死にする」という統計となって表れる。

現代の資本主義は、歯止めがきかない弱肉強食の資本主義と化している。

(204倍もの格差の中で自由競争しても、一生勝てないのが現実)
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20130907T1628000900


今後、「金持ちが長生きして貧困層は早死にする」は、もっと鮮明になっていくはずだ。

結局、貧困層は劣悪な環境に追い込まれてもがくしかない人生が待っており、それが寿命に反映して「金持ちが長生きして貧困層は早死にする」という統計となって表れる。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20160711T0146060900.html



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/704.html#c20

コメント [原発・フッ素48] 東京・世田谷区立中学校の健康診断でクラスの半分以上が甲状腺腫の疑いありと診断された  魑魅魍魎男
67. 2017年5月23日 06:17:48 : Ug0pvK2oLg : QUFiWOj8K1U[12]
 多摩散人です。

 世田谷区と言えば、区長は保坂展人じゃなかったか。保坂展人は革マル系ですよ。電話をかけてみたらどうでしょう。どの中学校かも発表させればよい。保坂さんも隠蔽に協力しているのかな。

>56 知る大切ささんへ。

 それから、アッキード疑惑の続報は、サボっちゃだめだよ。安倍総理が火だるまで破滅するのは、何週間後ですか。
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/142.html#c67

コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
8. あおしろとらの友[249] gqCCqIK1guuCxoLngsyXRg 2017年5月23日 06:18:56 : QfXOUmfMKc : WUewjqnCV8k[1]
朝日新聞は権力者にテロ(脅威)を与えている。朝日新聞は内心ほくそ笑んでるに違いない。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c8
コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍首相はどういうときにキレるのか? 室井佑月と共産党・小池晃が安倍のデタラメ国会答弁を徹底分析(リテラ) 赤かぶ
12. 石爺[364] kM6W6g 2017年5月23日 06:19:43 : RU3sAuaixg : vuRW108KvSM[310]
7氏>

 おつしゃるとおりだと思います。

 今朝の朝日小学生新聞に掲載されていたのですが、「カラス侵入禁止」の

 ポスターでカラスがゴミの集積所にこなくなるとの岩手県の東大研究の

 報告がのっていました。孫に取られたの詳しくは読めませんでしたが、

 やつていけないことを理解できる、カラスのほうが上等ですね。


 


 
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/102.html#c12

コメント [政治・選挙・NHK226] 加計問題 実はNHKのスクープのはずが官邸が妨害の為に眞子様ご婚約をリークして潰したと東京新聞の望月衣塑子記者 何て骨体
10. タコれす[21] g16DUoLqgrc 2017年5月23日 06:25:58 : Gqcanym7h6 : KUXUGSx1zjE[1]
婚約者(フィアンセ)の小室某⁉︎も、小室哲哉氏に似かよっているような気がしますがネ〜~_~;
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/168.html#c10
記事 [議論31] 北ミサイル…急激進化の裏に“天才科学者”の金正植(キム・ジョンシク)/報ステ・ニュース
北ミサイル…急激進化の裏に“天才科学者”の金正植(キム・ジョンシク)/報ステ・ニュース
報道Station・News 2017年5月22日 (月)
http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/news/detail.php?news_id=200930

 北朝鮮の朝鮮中央テレビが22日夕方、ミサイル実験の様子を公開した。最新の移動式発射台が弾道ミサイルを載せ、発射するまでの一部始終が映し出されていた。ミサイルは約500キロ飛行し、日本の排他的経済水域外の日本海に落下したとみられている。金正恩政権以降、ミサイルの発射実験は急増。アメリカ本土を直接核攻撃ができる大陸間弾道ミサイルの獲得に向けて着実に進んでいる。

 いま“天才科学者”の金正植(キム・ジョンシク)という人物に注目が集まっている。ミサイル開発の実績が認められ、北朝鮮で最高の名誉にあたる“共和国英雄”の称号も受けているとういう。アメリカや韓国の情報機関などは、この男がミサイル技術の大幅な進化の中心人物だとみている。金委員長は、科学者に目に見える形で優遇することで、急速な技術力の向上につなげてきた。我々が入手した北朝鮮の内部文書には、金委員長が去年5月に演説で話した内容が記されている。そこには、「軍事力は反米決戦と社会主義建設の勝利のための決定的な担保である」とある。

 つまり、アメリカにまで届く核兵器を持ち、あくまでも核保有国としての立場にこだわってアメリカとの交渉に臨むという。アメリカのティラーソン国務長官は「彼らが核兵器計画を続けることは安全保障や繁栄につながらないというメッセージを受け取ることを願う」と警戒感を強めている。

http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/475.html

記事 [戦争b20] (論議板)北ミサイル…急激進化の裏に“天才科学者”の金正植(キム・ジョンシク)/報ステ・ニュース
・北ミサイル…急激進化の裏に“天才科学者”の金正植(キム・ジョンシク)/報ステ・ニュース
 http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/475.html
 投稿者 仁王像 日時 2017 年 5 月 23 日 06:26:54: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc

http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/355.html
コメント [原発・フッ素48] 日本で最大2800万人避難も 韓国原発の事故影響試算 (日経)  魑魅魍魎男
1. 2017年5月23日 06:32:57 : G19ubCIFuo : dejBD@m4OkI[3]
日経って御用新聞だぞ、阿修羅掲示板運営組織の魑魅魍魎男
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/153.html#c1
コメント [原発・フッ素48] 「脱原発」、賛成が多数=スイスで国民投票 (時事ドットコム)  魑魅魍魎男
1. 2017年5月23日 06:34:04 : G19ubCIFuo : dejBD@m4OkI[4]
ドイツは1970年代から原発廃止を言ってるからね
米国、ソ連と大きな事故が発生する度に騒いでいる
昔から環境を政争にしてる国だから
ヨーロッパの脱原発なんてプロパガンダにすぎない
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/152.html#c1
コメント [リバイバル3] マルクスはやはり正しかった _ もうすぐ共産革命の嵐が吹き荒れる時代がやって来る 中川隆
21. 中川隆[-7542] koaQ7Jey 2017年5月23日 06:35:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

イラク戦争の背景


東北学院大学講師・世界キリスト協議会前中央委員
川端 純四郎

 ご紹介いたします。

 先生は1934年のお生まれです。東北大学文学部に学ばれ、博士課程を終えられてから、ドイツのマールブルグ大学に入学されました。帰国後、東北学院大学教員として35年間お勤めになりました。その後ひきつづき講師として、現在も勤務されています。一貫して平和、人権、政治改革の活動に積極的に関わっておいでになりました。

 「9条の会」の講師団メンバーとしても、全国を股にかけて講演なさっており、昨年は1年間で80回以上の講演会を開いておられます。

 先生は今朝8時前に仙台を発ち、はるばる鋸南町においで下さいました。今日の講師としてほんとうにふさわしく、よいお話をうかがえると思います。早速、先生からお話をうかがいたいと思います。 先生、どうぞよろしくお願いいいたします。
                                        安藤

 みなさん、こんにちは。 安房郡の水清き鋸南町に伺って、こうしてお話できることをありがたいと思っています。初めておうかがいしました。木更津まで来たことはあるのですが、今日、電車で君津を過ぎたらとたんに山が美しくなり、あそこまでは東京郊外のなんとまあみっともない風景でしたけれど、あそこから南に来ると一気にほんとうに昔のよき日本の風景がよみがえってくるようでした。ほんとうに嬉しく思いました。

 いま、「さとうきび畑」の朗読と、合唱団のコーラスをお聞きしたのですが、どちらも聞いていて涙が出ました。

 私は、戦争に負けた時小学校6年生でした。仙台で敗戦を迎えましたが、仙台も空襲で全滅いたしました。街の真ん中にいましたから、もちろんわが家も丸焼けでした。忘れられない思い出があります。街の真ん中の小学校でしたから、同級生が一晩で8人焼け死にました。隣の家の、6年間毎日いっしょに学校へ適っていた一番仲の良かった友達も、直撃弾で死にました。今でも時々思い出します。

 今このような歌を聞くと、どうしてもその人のことを思い出します。思い出す私の方はもう70になりますが、記憶に出てくるその三浦君という友達は、小学校6年生のまま出てきます。どうして小学校6年で人生を終わらなければいけなかったのか、生きていてくれたらいろんな事があったのに、と思います。戦争なんて二度としてはいけない、というのが一貫した私の願いです。

 私は牧師の家に生まれました。父はキリスト教の牧師で、教会で生まれ教会で育って、讃美歌が子守歌でした。牧師の中には戦争に反対した立派な牧師さんもおられたのですが、私の父のような多くの普通の牧師は、政治や社会に無関心で魂の救いということしか考えていませんでした。で、私もその親父に育てられましたから、大学を出、大学院に入って博士課程までいって、ずっとキルケゴールや実存哲学という、魂だけ見つめているような学問をやっていて、政治とか経済、社会とかは25歳までいっさい関心がありませんでした。

 25歳の時チャンスがあって、ドイツ政府の招待留学生となってドイツヘ勉強に行くことになりました。1960年のことでした。1960年にドイツへ行ったというだけで、どんなにノンポリだったか分かります。安保改訂問題で日本中が大騒ぎの時、それを尻目に悠々とドイツ留学に行ったのです。幸か不幸かまだ世界は貧しくて、飛行機などというものは贅沢な乗り物で、まだジェット旅客機機はありませんでした。プロペラ機でヨーロッパヘ行くには途中で何遍も何遍も着地し、給油して、今のようにノンストップでシベリヤを越えて、などというのは夢のような話でした。しかもベラ棒に高いのです。船の方があの頃はずっと安かったのです。特に貨物船に乗せてもらうと飛行機よりずっと安いのです。そこで一番安いのを探して、5人だけ客を乗せるという貨物船をみつけました。

 その船で神戸を出航し、インド洋からスエズ運河をぬけ、地中海を渡ってイタリアのジェノバに上陸。そこから煙を吐く蒸気機関車でアルプスを越えて、ドイツのマールブルクという町に着きました。

 実は、飛行機をやめて船で行ったということが、私の人生を大きく変えることになりました。あの時もし飛行機で行ったなら、私は一生、世間知らずの大学に閉じこもって勉強だけしている人間で終わった、と思います。

 ところが船で行ったおかげで、しかも貨物船に乗ったおかげで、私は途中のアジア・インド・アラブの国々をくわしく見ることができました。まっすぐ行けば船でも二週間で行くそうですが、何しろ貨物船ですから、途中港、港に寄って荷物を下ろし、また積んで、一つの港に4日から5日泊まっているのです。おかげでその間、昼間は上陸してそのあたりを見て歩き、夜は船に帰って寝ればいいのですから、東南アジアからアラブ諸国をくまなく見て歩きました。

 1ヵ月かかりました。神戸からジェノバまでのこの船旅。その時見たものが、私の人生を変えたのです。何を見たかはお解りですね。アジアの飢えと貧困という厳しい現実にぶつかったのです。

 降りる港、港で、ほんとうに骨と皮とに痩せせこけた、裸足でボロボロの服を着た子供達が、行く港も行く港、集まって来るのです。船の事務長さんに、「可哀想だが、何もやっては駄目だよ。1人にやると収拾がつかなくなるよ」と言われていました。だから心を鬼にして払いのけて通り過ぎるのですが、その払いのけて通り抜ける時に触った子供の肩、肉などなんにもない、ただ骨と皮だけのあの肩、あの感触が、今でも時々蘇ってきます。

 船に帰って、眠れないのです。明日も、あの子供たちに会う。どうするか。私が考えたことは、「神様を信じなさい。そうすれば救われます」と言えるか、ということでした。

どんなに考えたって、言えるわけがありません。飢えて捨てられた孤児たちに、こちらは着るものを看て、食うものを食っておいて、「神様を信じなさい、そうすれば救われます」などとは、口が裂けても言えないと思いました。牧師館で生まれて、キリスト教しか知らずに育って、キリスト教の学問をして来て、それではお前キリスト教って何なのか、25年お前が信じてきたキリスト教とは、飢えた子供たちに言えないようなキリスト教なのか。とれが私の考えたことでした。

 もし言えるとしたら、ただ一つしかない。そこで船を降りて、服を脱いで、子供たちに分けてやって、食っているものを分けてやって、そこで一緒に暮らす、それなら言える。言えるとしたら、それしかありません。言えるじゃないか、と自分に言い聞かせました。

 それなら、船を降りるか──。くやしいけど、降りる勇気がありませんでした。折角これからドイツヘ勉強に行くという時、ここで降りて、一生インドで暮らすのか、一生アジアで暮らすのか、どうしてもその気にならないのです。
 ですから理屈をこねました。

 「降りたって無駄だ。お前が降りて背広一着脱いだって、何百人人もいる乞食の子に、ほんの布切れ一切れしかゆきわたらないではないか。自分の食うものを分けてやったって、何百人もの子供が1秒だって、ひもじさを満たされる訳がないじゃないか。お前が降りたって無駄だ。それは降りたという自己満足だけで、客観的にはあの子らはなんにも救われない。」

 「だから降りない、勇気がないのではなく、無駄だから降りない。」と自分に言い聞かせるのです。でも、降りなければ「神様を信じなさい」とは言えません。言えるためには降りなければならない、しかし降りても無駄なのだ。

 堂々巡りです。寄る港、寄る港でこの間題に直面しました。毎晩毎晩同じ問題を考え続けて、結局、答えが見つからないまま、閑々として港を後にしました。、出港の時、あの子たちを見捨て自分だけドイツへ行くことに、強い痛みを感じました。これは永く私の心の傷になって残りました。

 このようにして初めて、世の中には飢えた仲間がいるという、当然分かっていなくてはいけない事実に、何ということでしょう、25にもなってやっと気づいたのです。飢えた子供たちがいる、それを知らんぷりしてドイツに行くのか、お前が降りてあの子たちと一緒に暮らすことはあまり意味ないかも知れない、しかしやっぱり船を降りないのだとしたら、せめて世の中に飢えた子供なんか生まれないような社会を作るために、自分で何かしなければいけないのではないか。ただ魂の中だけに閉じこもっていていいのか。

 これが、私がヨーロッパヘ行く1ヵ月の旅で考えたことでした。

 ドイツヘ行って、宗教の勉強をしました。ブルトマンというドイツの大変偉い先生の所に1年いて、いろいろ教わりましたが、結局、私の結論としては、実存哲学だけではだめだということでした。自分が自分に誠実に生きる──これが実存的、ということですが、それだけでは駄目だ。自分が生きるだけでなく、みんなが人間らしく生ることができるような世の中になるために、自分にできる何か小さなことでもしなければいけない。

 こう思うようになって、日本に帰ってきたのです。

 それじゃあ、世の中で、そのように飢えて死ぬような子がいなくなるような社会とは、どうすれば出来るのか。これはやっぱり、飢え、貧困、戦争、差別、そういうものが生まれる原因が分からなければ、除きようがありません。原因を勉強しなければいけない。そのためには社会科学を勉強しなければいけない。特に経済学を勉強しなければいけない──。

 ドイツヘの留学は、大学院の途中で行きましたので、帰国して大学院に復学しました。幸い東北大学は総合大学ですから、中庭をへだてて向こう側が経済学部でした。帰ってきた次の日から、私は、経済学部の講義を経済原論から、授業料を払わずにもぐりで、後ろの方にそっと隠れてずっと聞きました。

 それからもう45年になりますが、ずっと宗教哲学と経済学と2股かけて勉強してきています。今日も、多少経済の話を申し上げるわけですが、やっぱり自分がクリスチャンとして、今もクリスチャンであり続けていますが、同時に、自分の救いということだけ考えていたのでは申し訳ないと思うのです。現実に飢えて死ぬ子がいるのです。ユネスコの統計によると、毎日2万人の子が栄養不足で死んでいるそういう世の中、このままにしておくわけにはいかない、自分でできることは本当に小さいけど、その小さなことをやらなかったら、生きていることにならない──。そう思って45年過ごしてきたわけです。

 キリスト教の中でずっと生きていますので、一般の日本の人よりは外国に出る機会が多いと思います。特に世界キリスト教協議会という全世界のキリスト教の集まりがあります。その中央委員をしていましたので、毎年1回中央委員会に出かけて、1週間か2週間会議に参加しました。世界中のキリスト教の代表者と一つのホテルに缶詰になり、朝から晩までいろいろと情報交換したり論議したりします。そのようなことを7年間やりましたので、世界のことを知るチャンスが多かったと思います。それを辞めてからも、自分の仕事や勉強の都合で、今でも毎年二週間ぐらいはドイツで暮らしています。そうしていると、日本ってほんとうに不思議な国だということが分かってきました。

 日本にいるとなかなか分からないのです。島国ですし、おまけに日本語という特別な言葉を使っています。他の国との共通性がない言葉です。ヨーロッパの言葉はみんな親戚のようなものですから、ちょっと勉強するとすぐ分かります。一つの言葉の、ドイツ弁とフランス弁、ベルギー弁、オランダ弁というようなものです。日本で言えば津軽弁と薩摩弁の違い程度のものです。津軽と薩摩では、お互いに全然通じないとは思いますが、それでも同じ日本語なのです。ヨーロッパの言葉とはそういうものです。ですからお互いに何と無く外国語が理解できるというのは、別に不思議なことではないのですね。ですから、自分の国のことしか知らないという人は、非常に少ないのです。

 新聞も、駅に行けばどんな町でも、ヨーロッパ中の新聞が置いてあります。ドイツのどんな田舎町へ行っても、駅にいけばフランスの新聞もイタリアの新聞も売っていますし、それを読める人がたくさんいるのです。そういう社会ですから、日本人とはずいぶん違います。自分の国を客観的に見られる。他の国と比べて見ることができるのです。

 日本にいると比べられません。そのうえ、日本はマスコミが異常です。ワンパターンのニュースしか流しません。ヨーロッパではいろんなテレビがあって、テレビごとに自由な報道をやっています。バラエティー番組のようなものがなくて、ニューハ番組が充実しています。きちんとした議論をテレビでやっています。ですから日本にいるよりは、比較的自分の国の様子を客観的に見られることになります。ドイツに行く度に、日本とは不思議な国だなあと思うのです。

 例えば、もうだいぶ前、バブルの頃です。日本のある有名なモード会社がミラノに支店を出しました。そしてマーケティング調査をしました。どんな柄が流行っているか、アンケートを集めそれを整理するために、イタリア人女性3人雇ったそうです。アンケートの整理をしていたら5時になりました。あと少ししか残っていなかったので、日本ならの常識ですから、「あと少しだからやってしまおう」と日本人支店長は声をかけました。ところがイタリア人女性3人は、すっと立って「5時ですから帰ります」と言って出て行こうとしました。思わず日本人支店長は怒鳴ったのだそうです。「たったこれだけだからやってしまえ」と。途端にこの日本人支店長は訴えられました。そして「労働者の意志に反する労働を強制した」ということで、即決裁判で数万円の罰金をとられました。

 これがヨーロッパの常識です。つまり9時から5時までしか契約していないからです。5時以後は命令する権利はないのです。9時から5時までの時間を労働者は売ったんであって、5時以降は売っていないのですから、自分のものなんです。会社が使う権利はありません。当たり前の話です。

 その当たり前の話が日本では当たり前ではないのです。残業、課長に言われたので黙ってやる。しかもこの頃は「タダ残業」ですからネ。本当にひどい話です。常識がまるで違うのです。あるいは有給休暇。ドイツのサラリーマンは年間3週間とらねば「ならない」のです。3週間休まなければ罰せられます。日本は有給休暇など殆どとれません。ドイツでは取らないと罰せられます。ですからどんな労働者でも3週間、夏はちゃんと休んで、家族ぐるみイタリアへ行ってゆっくり過ごしてきます。有給になっているからです。或いは日本では1週間40時間労働です。ドイツはもう随分前から36時間です。土日出勤などありえない話で、日本のように表向き40時間労働でも、毎日毎日残業で、その上休日出勤、日曜日には接待ゴルフなど馬鹿なことをやっています。接待ゴルフなど、ドイツには絶対ありません。日曜日は各自が自由に使う時間で、会社が使う権利はないのです。

 そういうところもまるで常識が違います。或いは、50人以上だったと思うのですが、50人以上従業員がいる会社、工場は必ず、労働組合代表が経営会議に参加しなければいけないことになっています。そんなことも、日本では考えられないことです。ですから配置転換とかもとても難しいし、労働者の代表が入っているから、簡単に首は切れません。

 そういういろんな面で、日本の外に出てみるとびっくりするようなことが山ほどあります。日本という国は、高度に発達した資本主義国の中で例外的な国なのです。資本主義が発達した点では、アメリカにもフランスにもドイツにも負けないのですが、資本主義が発達したにしては、労働者が守られていない。或いは市民の権利が守られていない。会社の権利ばかりドンドンドンドン大きくなっているのです。それが日本にいると当たり前のように思われています。外国で暮らしていると、日本は不思議な国だと分かります。特にこの数年それがひどくなってきているのではないでしょうか。

 私たちの暮らしは、戦後50何年かけて、少しずつよくなってきました。例えば年金なんかも少しずつ整備されてきた。健康保険制度も整備されてきた。介護保険も生まれてきた。或いは、労働者も土曜日チャンと休めるようになってきた。ところがこの数年、それが逆に悪くなつてきています。年金は削られる一方、介護保険料は値上がりする、労働者は首切り自由でいくらでも解雇できる。労働者を減らすと政府から奨励金が出る。タダ残業はもう当たり前・・・。

 特にこの数年、構造改革という名前で、日本の仕組みが変わってきています。いま申し上げたように、戦後50年かけてみんなで、少しずつ少しずつ作ってきた、いわば生活の安心と安全を守る仕組み、そういうものが今はっきり壊されかかっているのではないでしょうか。

 小泉首相という人は「自民党をぶっ壊す」といって当選したのですが、この4年間を見ていると、あの人は自民党を壊したのではなく「日本を壊した」のではないかと思われます。これまで日本が戦後50年かけて作ってきた社会の仕組みが、バラバラにされているのです。フリーターとかニートがもう30%でしょう。そうなると当然、この人たちは生きる希望がありません。お先真っ暗。いまさえよければ、ということになる。ですから若者が当然刹那的になる。人生の計画なんて立たない。今さえよければということになっていきます。

 昔なら10年に1回あるかないかのような犯罪が、いま毎日のように起きています。私は仙台にいますが、この正月には赤ん坊の誘拐事件で一躍有名になってしまいました。あんなことが日常茶飯事として起こっています。栃木県で女の子が山の中で殺された事件は、まだ解決されていませんが、こんな事件が今は「当たり前」なのです。世の中がすさんできて、何が善で何が悪なのか、みんなに共通な物差しというものがなくなったというふうに思われます。

 そのような世の中の変化、私は多分、「構造改革」というものがその犯人なのだ、と思っています。

《逆戻りの原因はアメリカの変化》

 その構造改革というのは、どこから来たのか。もちろんアメリカから来たのです。アメリカが変化した、日本はそのアメリカに右ならえをした、それが構造改革です。

 それでは何が変わったのか、これが一番の問題です。この変化の行き着くところが、憲法改悪です。

 社会の仕組み全体がいま変わろうとしているのです。憲法も含めて。いったい何がどう変わるのか。いったいどういう構造をどういう構造に変えるということが構造改革なのか。そこのところがアメリカを見ればよく分かってきます。アメリカがお手本なのですから。

 アメリカはソ連崩壊後変わりました。ソ連とか東ドイツは自由のないいやな国でした。昔1960年に西ドイツヘ留学した折、東ドイツへ何回か行く機会がありました。ふつうはなかなか行けないのですが、幸いキリスト教国なので、ドイツのキリスト教はしっかりしていまして、東ドイツと西ドイツに分裂しても、教会は分裂しなかったのです。東西教会一つのまんまです。ですから、教会の年1回の大会には、西で開く時は東の代表がちゃんと来たし、東で開く時は西の代表が行けたのです。ですから一般の人の東西の往来が難しかった時でも、キリスト教の人だけはかなり自由に行き来ができました。

 私も連れていってもらって、何回か東ドイツへ行って見ました。ご存じのように自由のないいやな国でした。ですからソ連や東ドイツが崩壊したのは当然だし、いいことだと思います。しかしソ連や東ドイツが100%悪かったかというとそんなことはありません。良い部分もありました。何から何まで全部ひっくるめて悪だったというのも間違いです。基本的に自由がない。ですから、ああいう国は長くは続かない。これは当然そうだと思います。滅びたのは当然だと私は思います。

 しかし同時に、良い面はなくしては困るのです。良い面は受け継がなければいけません。最も目につくのは女性の地位でした。これは立派なものでした。いまの日本なんかより遥かに進んでいました。男女の平等が徹底的に保障されていました。専業主婦などほとんど見たことがありません。だれでも自由に外に出て、能力に応じて働いていました。それができるような保障が社会にあるのです。文字通りポストの数ほど保育所があって、子供を預け安心して働きに出られるようになっていました。同一労働同一貸金の原則はきちんと守られていて、女性だから賃金が低い、女性だからお茶汲みだけなどというようなことは一切ありませんでした。これは凄いなと思いました。あれは、日本はまだまだ見習わなければいけないことです。

 もう一つ私がびっくりしたのは、社会保障です。私が初めて東の世界を見たのは、何しろ1960年の頃のことです。日本はまだ社会保障がない時代でした。いま若い方は、社会保障はあるのが当たり前と思っておられる方も多いと思いますが、そんなことはないのです。日本は1972年が「福祉元年」といわれた年です。それまでは、福祉はなかったのです。大企業とか公務員だけは恩給がありましたが、商店の経営者とか家庭の主婦なんか何もありませんでした。健康保険も年金も何もありませんでした。72年からようやく国民皆年金、国民皆保険という仕組みが育ってきたのです。

 もともと資本主義という仕組みには、社会保障という考えは無いのです。自由競争が原則ですから、自己責任が原則です。老後が心配なら、自分で貯めておきなさい。能力がなくて貯められなかったら自業自得でしょうがない。こういうのが資本主義の考え方です。労働者が、そんなことはない、我々だって人間だ、人間らしく生きていく権利がある。だから我々の老後をちゃんと保障しろと闘って、社会保障というものが生まれてくるのです。自然に生まれたのではありません。

 労働者が団結して闘って、止むを得ず譲歩して社会保障が生まれてくるのです。資本主義の世界で最初の社会保障を行ったのはビスマルクという人です。ドイツの傑物の大首相といわれた人です。ドイツの土台を作った人ですが、この首相の頃、何しろマルクス、エンゲルスの生まれた故郷ですから、強大な共産党があり、国会で100議席くらいもっていました。そこで、ビスマルクが大弾圧をやるのです。社会主義取り締まり法という法律を作って共産党の大弾圧をし、片方では飴として労働者保険法という法律で、労働者に年金を作ります。世界で初めてです。辞めた後年金がもらえる仕組み、病気になったら安く治してもらえる仕組みを作った。こうやって鞭と飴で労働運動を抑えこんでいったのです。

 社会保障というのは、そうやって労働者の力に押されてやむを得ず、譲歩として生まれてくるのです。放っておいて自然に生まれてくるものではありません。

 そこへ拍車をかけたのが、ソ連や東ドイツです。ソ連や東ドイツヘいってみて、1960年の時点なのですから、日本にまだ社会保障などなかった時、そう豊かではなかったのですけれども、老後みながきちんと年金をだれでも貰える、そして、病気になればだれでも、医者に行って診察を受けて治療を受けられる。これにはほんとうに驚きました。これが社会主義というものかと、その時は思いました。ただ自由がないのです。例えば、牧師さんの家に泊めてもらうと、こちらがキリスト教徒ということが分かっていますから、牧師さんも信用して内緒話をしてくれるわけです。

外国から来る手紙はみな開封されていると言っていました。政府が検閲して開封されてくる。だから、「日本へ帰って手紙をくれる時は、気をつけて書いてください。政府の悪口など書かれると私の立場が悪くなるから。手紙書くときは開封されることを頭に入れて書いてくれ。」というふうに言われました。こんな国には住みたくないなと思いましたけれど、同時に社会保障という点では驚きました。こういうことが可能な社会の仕組みというのがあるんだなあ、とこう思ったのです。

 その後、スターリン主義というものによって目茶苦茶にされていくのですが、私の行った頃はまだ、東側の社会保障がある程度きちっと生きていた時代です。こうして、ソ連や東ドイツが社会保障というものを始めると、資本主義の国もやらざるをえなくなってきます。そうでないと労働者が、あっちの方がいいと逃げ出してしまいます。ですから西ドイツが一番困りました。地続きですから、何しろ。ですから、東に負けないだけの社会保障をしなければならなかったのです。そうすると、自由があって社会保障があるのですから、こっちの方がいいということになります。いくら向こうは社会保障があっても自由がないのです。こうして西ドイツは大変な犠牲を払って、社会保障先進国になってきました。そのことによって、東ドイツに勝ったのです。

 実際西ドイツの労働者は、別に強制されたわけではありません。自主的に西ドイツを選んだのです。ですからあのような東西ドイツの統一も生まれてきたのです。

 つまり資本主義の国は、ひとつは自分の国の労働者の闘いに押されて。そこへもってきて、ソ連、東ドイツの社会保障という仕組みの外圧で、それに負けるわけにいかないものですから、そういう力があって、社会保障というものを造り出していくのです。しかし社会保障というものは莫大な財源がかかります。


《社会保障をやめて小さな政府へ──構造改革の中身(1)》

 いま日本政府は社会保障をどんどん削っていますけど、それでも国家予算の中で一番多い費目は社会保障です。大変な財源が必要なのです。そこで資本主義の国は、新しい財源を見つける必要ができてきます。

 そこで見つけたのが2つ。1つは累進課税です。それまでの資本主義にはなかった、累進課税という新しい仕組みです。つまり収入の多い人ほど税率が高くなるという仕組みです。日本でも1番高い時は1980年代、1番大金持ちはの税率75%でした。ですから、年収10億あれば7億絵5千万円税金にとられたのです。今から考えれば良く取ったものです。今は35%です。大金持ちは今ほんとうに楽なのです。35%ですむのですから。年収10億の人は3億5千万払えばいいのです。昔なら7億5千万取られたのです、税金で。「あんまり取りすぎではないか、これは俺の甲斐性で俺が稼いだ金。それを取り上げて怠け者のために配るのか。」と彼らはいいました。

 そうすると政府は、「いやそういわないでくれ。そうしないと、資本主義という仕組みがもたない。だから体制維持費だと思って出してくれ。そうでないと社会主義に負けてしまう」と言って、大金持ちからたくさん取ったのです。大企業も儲かっている会社からたくさん税金取った。法人税もずっと高かったのです、以前は。こうやって大金持ち、大企業からたくさん取る累進課税で一つ財源を作ったのです。

 もうひとつは、企業負担です。サラリーマンの方はすぐお分かりですが、給料から社会保障で差し引かれますね。そうすると、差し引かれた分と同額だけ会社が上乗せするわけです。自分が積み立てたものが戻ってくるだけなら、貯金したのと同じです。労働者の負担する社会保障費と同額だけ会社も負担しているのです。倍になって戻ってくるから、社会保障が成り立つわけです。

 これも資本主義の原則からいえば、おかしいことです。いまいる労働者の面倒を見るのは当たり前です。会社は労働者がいるから成り立っているのですから。だけど、辞めてからは関係ないはずです。契約関係がないのですから。辞めた人が飢え死にしようがのたれ死にしょうが、会社の責任ではないはずです。

 だけども一歩ふみこんで、それでは資本主義の仕組みがもたないから、労働者が辞めた後まで面倒みてくれ、そこまで企業負担してくれ、そうしないと資本主義がもたないから、ということになります。

 こうやって、社会保障というものが資本主義の国で成り立っているのです。これは、ただの資本主義ではありません。資本主義の原則に反するような累進課税とか、企業負担というものを持ち込んで、社会主義のよいところを取り入れた資本主義です。これを「修正資本主義」と呼びました。

 資本主義の欠点を修正して、社会主義に負けないようないい仕組みに造り直した資本主義ということです。学者によっては、資本主義の経済の仕組みと社会主義経済を混ぜ合わせた「混合経済」と呼ぶ人もいます。所得再配分機能を政府が果たすということです。もちろん修正資本主義というものは、このような良い面だけではなくて、公共事業という名前で国民の税金を大企業の利益のために大々的に流用するというようなマイナスの面もあることも忘れてはなりません。

 しかし、ともかくこうやって、西側の世界は、自由があって社会保障がある、そういう社会に変わっていくのです。そのことで東に勝ったのです。ところが、そのソ連と東ドイツが居なくなったのです。

 その前にもうひとつ。先進資本主義国というのは或る一種の傾向として、労働者が闘わなくなってきます。これは先進資本主義国の宿命のようなものです。つまり資本主義国というのはご存じのように、地球上の大部分を占めている低開発諸国、貧しい第3世界といわれた世界から、安い原料を買ってきてそれを製品にして高く売っています。そして差額、莫大な差額を儲けている。超過利潤と呼ばれています。だから遅れた国は働けば働くはど貧しくなるのです。一生懸命働いてコーヒー豆作っても、それを安く買われてチョコレートやインスタントコーヒーなどの製品を高く買わされるのですから、結局差額だけ損をすることになります。

 この20年、先進国と遅れた国の格差は開く一方、全然縮まらない。地球上の富を先進国が全部集めちゃって、とびきりぜいたくな生活をやっています。ですから先進国の労働者にも、当然そのおこぼれの分け前に預かるので、低開発国の労働者にくらべれば、ずっと豊かになります。豊かにれば闘わなくなってしまいます。その上、それを推し進めるようなありとあらゆる謀策が講じられているのです。

 資本主義というのは、物を売り続けなければなりたたちません。売ったものをいつまでも使われていたのでは、資本主義は成り立たないのです。早く買い換えてもらわなければなりません。いま、日本の車はよく出来ているので、30年は楽に乗れるのに、30年乗られたら日本の自動車会社はみな潰れます。3年か5年で買換えてもらわなれりばいけません。買い替えてもらうには、自分の車は古いと思ってもらう必要があります。ですからコマーシャルで、朝から晩まで何回も、「あんたは古い、あんたは古い。こんないい車ができてます。こんな新しい車が出ましたよ。もっといいのが出ましたよ」と宣伝して洗脳しいるのです。だから3年も乗ると、どうしても買換えざるをえない心境に引き込まれてしまいます。全てのものがそうです。まだまだ使えるのに新しいものに換えてしまう。そういう仕組みができているのです。

 そうしないと、資本主義はもちません。ですから労働者はどうなるかというと、「次、この車に買換えよう、次、パソコンこっちに買換えよう、次、今度はデジタルテレビに買換えよう、じゃあセカンドハウス、つぎは海外旅行・・・」。無限に欲望を刺激され、自分の欲望を満たす方に夢中になって、社会正義とか人権とか考えている暇がなくなっていくのです。

 いま日本の大部分がそうですね。「もっといい生活を」ということだけ考えています。ほかの人の人権だの社会正義なんて見向きもしない。見事に資本の誘惑にひっかかってしまいます。

 もちろん、欲しいからって、お金がなければ買えません。家がほしい、車がほしい、パソコンほしい・・・。それが、実はお金がなくても買える、なんとも不思議な世の中です。ローンというものがあるのですね。

 フォードという人が見つけたのです。それまでは、「つけ」で何か買うなどということは、労働者にはありませんでした。労働者が「つけ」で買ったのはお酒だけです。酒飲みはお金がなくても飲みたいのです。だから酒屋だけは「つけ」がありました。大晦日に払うか払わないかで夜逃げするかどうかもあったでしょうが、今は家を「つけ」で買う、車を「つけ」で買う、なんとも奇妙な世界になってきました。これをフォードが始めたのです。それまでは、自動車というのは大金持ちのものでした。フォードが、あのベルトコンベアーというのも発明して、大量生産を始めたのです。そうなれば、大量に売らなれりばなりません。大量に売るためには労働者に買ってもらわなくてはなりません。でも労働者にはお金がないのです。そこで、ローンという、とんでもないものを考え出したのです。ローンなら金がなくても買えるんですから、みんな買う。当然な話です。

 そりゃあ豊かなのに越したことはありません。マイホームが欲しくなる。ですからみんなローンで買う。そして「マイホーム」という感じになるのです。でも本当はマイホームではありません。あれは銀行のものです。払い終わるまでは、所有権は銀行のものです。銀行から借りてローン組んだだけなんです。こうして次々と新しいものを買わされていく。そのローンは多くの場合退職金を担保に組みます。一度退職金を担保にローンを組んでしまったら、ストライキはできなくなります。会社と闘って退職金がすっとんだら終わりなのです。家も途中でおしまいになってしまいます。ですから、ローンでマイホームが変えるようになってから労働運動は一気に駄目になりました。みんな闘わない、会社と喧嘩したくない、というふうになります。これはもちろん、向こうは計算済みのことです。

 ですから、高度に発達した資本主義社会というのは、労働者が、ある程度ですが、豊かになり、そして、このような消費社会に組み込まれてしまって、身動きができなくなるのです。

 こうして、いま日本では労働組合も、労働運動もストライキもほとんど力を失いました。そうなれば、政府は社会保障なんて、何も譲歩する必要がはありません。労働者が必死になって運動するから、止むを得ず健康保険とか年金制度とかやってきたのであって、労働者が闘わなければ、その必要はないのです。いま、どんどん社会保障が悪くなってきています。次から次から悪くなる。20年前だったら、いまのように社会保障が悪くなったらたちまち、大ストライキが起こりました。しかし今は何も起きません。労働組合が弱体化している、労働運動が骨抜きという状態です。

 そこへもってきて、ソ連や東ドイツがいなくなったのです。こうなればもう社会保障をやる必要はありません。社会保障は止めます、修正資本主義は止めます、ということになるわけです。修正資本主義にはいろいろな意味があるのですけど、一つの特徴は、大金持ちや大企業からお金を取って、弱い立場の人たちに配るところにあります。所得再分配と言われる働きです。だから政府は大きな政府になります。こういう仕組みが修正資本主義で、いろんなマイナス面もあるのですが、プラスの面も大いにあります。

 この仕組みをやめる、というのが今のアメリカです。もう政府は面倒みません、自分でやりなさい、と自由競争に戻る。自由競争一筋。これが、ソ連が崩壊した後に新しくなったアメリカの仕組みなのです。そして、それに日本が「右へならえ」ということなのです。

 それに対してヨーロッパは、アメリカのいうことを聞かず、「われわれはこれからも、社会保障のある資本主義でいきます。むき出しの裸の自由競争には戻りません」。これがヨーロッパなのです。なぜヨーロッパがそういえるかというと、労働運動が強いからです。先進資本主義国なのになぜ労働運動が弱くならないのか。これはこれで時間をかけて考えなければならない問題なのですが──。

 現実の問題として強い。ヨーロッパだって大企業は社会保障を止めたいにきまっています。しかし止めると大騒ぎになります。労働者が絶対に言うことを聞きません。だからやむを得ず守っているのです。企業負担もうんと高いです。日本の会社の倍以上払っています。ですからトヨタ自動車もフランスに、フランス・トヨタを作っていますけど、日本トヨタの倍以上払っています。それでも儲かっているのです。

 ですから、ヨーロッパでも、社会保障は少しずつ悪くなってきてはいますが、日本に比べれば遥かに違います。このようにして、ヨーロッパはアメリカと別の道を進み始めました。アメリカは剥き出しの資本主義に戻りますが、ヨーロッパは修正資本主義のままでいこうとしています。

 しかし、それでは競争で負けます。アメリカや日本は企業の社会保障負担がうんと減っていますから、利潤が増えています。ヨーロッパは高い社会保障負担でやっていますから、儲けが少ないのです。そこで競争しなくてすむようにEUいうものを作って、枠を閉ざしちゃいました。アメリカや日本の会社がヨーロッパに来るときは、ヨーロッパ並みの負担をしなければ、EUには入れません。だからEUの中でやっている時には、日本にもアメリカにも負ける心配はないのです。

 そういう仕組みを作って、アメリカとは別の道を進み始めました。そのためにユーロという別のお金も作りました。イラク戦争で表面に出てきたのですが、イラク戦争がなくても、ヨーロッパはアメリカとは別の道を進み出していました。もう2度とアメリカとは一緒にならないでしょう。

《規制緩和とグローバリゼーション − 構造改革の中身(2)》

 もう一つ、ソ連、東ドイツ崩壊の結果、アメリカが大きく変化したことがあります。それは何かというと、大企業・大資本を野放しにしたことです。

 ソ連がいる間は、大企業や大資本に、「あなた達は資本主義なんだから儲けたい放題儲けたいだろうけど、それをがまんしてください。あなたたちがやりたい放題にやったら、他の資本主義国はみんな負けてつぶれてしまう。アメリカの資本と競争できるような資本などどこにもありませんから。そうなれば、ソ連の方がましだということになる。だから、やりたい放題は抑えてほしい」と言ってその活動を制限してきました。

 具体的に何を抑えたかというと、為替取引を規制したのです。これが一番大きな規制です。いまではもう、中央郵便局へ行って「ドル下さい」といえば、すぐドルをくれます。「100ドル下さい」といえば「ハイこれ1万2千円」。ユーロでも、「下さい」といえば「100ユーロ・ハイ1万4千円」とすぐくれます。でもこれはごく最近のことです。それまでは、外貨・外国のお金は、日本では勝手に手に入りませんでした。お金を外国のお金と取り替える、つまり為替取引は厳重に規制されていて、個人が勝手にはできなませんでした。外国旅行に行くとか、何か特別な理由が認められた時しか、外国のお金は手に入りません。

いまは何も制限ありません。自由にだれでもいつでもできます。理由など聞きませんから、100ユーロとか千ドルくださいと言えば、そのままくれます。これが為替取引の自由化というものです。これがなかったのです。ソ連が崩壊するまでは、アメリカも厳重に規制していました。それをとっぱらったのです。理屈っぽく言えば、資本の国際移動が自由にできるようになったということです。こうして、アメリカの巨大な金融資本が、世界中を我が物顔にのし歩く時代が来るのです。

 もうソ連も東ドイツもなくなったのですから、「いや永いことお待たせしました。今日からもう儲けたい放題儲けていいですよ。やりたい放題やっていいですよ」ということになったのです。これが規制緩和とことです。規制緩和ということは要するに、大資本が野放しになったということです。そうなったらどうなるか、世界第2の経済大国といわれる日本でさえ、全然太刀打ちできません。アメリカの巨大資本、金融資本・銀行ですね。日本の銀行とは勝負になりません。ボブサップと私が裸で殴り合ぅようなもので、一コロで殺されてしまいます。

 それでもやれというなら、ボブサプは手と足を縛ってもらって、目隠ししてもらって、こちらは金槌でも持たしてもらって、それでやっと勝負になるのです。今まではそうだったのです。それを全部外して自由にする、無条件で自由競争にするというのです。負けないためには、相手に負けない位大きくなるしかないですから、合併、合併、合併。あっという間に30ほどあった都市銀行が3つになってしまったのです。UFJとか「みずほ」とか、元何銀行だったか覚えておられる方おられますか。すぐ言えたら賞金をさし上げてもよろしいのですが、まず、言える方おられないでしょう。合併、合併であっという間に3つになりました。3つにになってやっとなんとか対抗できるというくらいにアメリカの巨大銀行というのは大きいものなのです。それでもダメで、長銀はのっとられてしまいました。北海道拓殖銀行も山一証券ものっとられてしまいました。次々とのっとられています。

 ついこの間は青森県の古牧という温泉がのっとられまし。広くていい温泉なんですけど、驚いたことにゴールドマンサックスでした。世界最大のアメリカの金融投資会社、ハゲタカファンドの代表のようなものです。これがどうして古牧温泉なのかと思ったのですが、テレビで放送していました。古牧だけではありません。他に28ケ所、超有名温泉みんな買い占めちゃったのです、ゴールドマンサックスが。

どうするかというと、従業員みんな首切っちゃってパートにして、腕利きのマネージャーを送り込み、部屋をヨーロッパ、アメリカ向きに整備しなおして、欧米からの観光客をワーツと呼ぼうという作戦なんですね。儲かるようにして高く売るのです。ゴールドマンサックスが経営するのではありません。いま赤字の会社を買い取って、儲かるように造り直してすぐに売っちゃうのです。これが投資銀行のやっていることです。確かに、いわれてみればそのとおりで、日本の温泉ほどいいものはありません。知らないだけで、こんないいものは世界中どこにもありません。だから日本の温泉の良さが分かったら、おそらくヨーロッパ、アメリカからごっそり観光客が来ると思います。そこにゴールドマンサックスが目をつけたのですね。そして近代経営やって外国人が来て楽しめるような設備に変えて、世界中にジャパニーズスパーなんていって売り出す気なのですね。ですから、そのうち皆さんも温泉にいらっしやるとみんな英語で案内され、アメリカのお湯の中に入ることになってしまいます。

 アッという間に日本はアメリカ資本に乗っ取られようとしています。去年のホリエモン合併もそうです。今年から商法改正(改悪)して、乗っ取りを認めるということになったのです。株の等価交換、面倒な仕組みですから詳しいことは申し上げませんが、アメリカ株1億ドル分と日本の株1億ドル分を、等価父換していい、こういっているんです。ところが、アメリカの株の値段が高いのです。ですから1億ドルといっても、株の数からすると、例えば千株位しかない。日本は株が安いですから、同じ1億ドルで1万株位あるのですね。そうすると、千株と1万株で取り替えますから、あっという間にアメリカは大株主になってしまう。この等価父換を認めると、日本の大企業全部乗っ取られてしまう。

 そこで、日本の優良企業が狙われています。超優良企業を株式等価交換で、簡単にアメリカが乗っ取ることができる。今年からそれが可能になるはずだったです。それで去年、実験をやったのですね。ホリエモンにやらせてみたのです。ホリエモンはアメリカのリーマン・ブラザースから借りてやったのです。で、出来そうだなと分かったので、アメリカはお金を引き上げてしまいました。ホリエモンに乗っ取られては困る、いずれ自分が乗っ取るのですからネ。最後の段階で資金引き上げましたたから、ホリエモン降りる外なかった、多分そういう仕組みだったのではないかと思います。

 今年から自由に、日本中の会社をアメリカが乗っ取れるはずだったのですが、あのホリエモン騒動のおかげで日本の大企業が震え上がり、政府に泣きついて、「なんとか商法改正を見送ってくれ」と。それで見送りになりました。ですから、ちょっと一息ついているのです。今年すぐ、乗っ取られるというわけではありません。でも、いつまでも見送りというわけにはいかないでしょう。2・3年後には解禁。そうなれば、日本はほぼアメリカ資本に支配される、ということになるでしょう。

 日本ですらそうなのですから、まして、フィリピンとかタイとかいう国はたまったものではありません。あっという間に乗っ取られてしまいます。アメリカに勝手に経済的属国にされてしまう。それに対して、いやそんなの困るから、アメリカ資本が自分の国の株を買うことを法律で禁止する、というようなことをやろうとすると、アメリカはそれを認めないのです。グローバリゼーションだから地球はは「一つ」だというのです。いくら規制緩和しても相手国が法律で規制してしまったら終わりです。ですから、自分の国だけ勝手に現制することは認めません、地球はひとつですよ、グローバリゼーションですよ、ときます。フメリカの大資本が地球上のどこの国でもアメリカ国内と同じ条件で商売できるようにする、これがグローバリゼーションです。いやだと断ると制裁を加えられます。

 クリントン大統領の時は経済的制裁だけですんだのですが、ブッシュになってから、軍事的制裁になりました。いうことを聞かないと軍事制裁だぞという、これがネオコンという人たちの主張です。イラクを見ればみな震え上がるでしょう。ですから、アメリカの言いなりにグローバリゼーションで国内マーケットを開放して、アメリカ資本に全部乗っ取られてしまう、というのがいま着々と進行しているのです。

《アメリカの孤立》

 そこでどうなったかというと、ヨーロッパと同じように、「そんなの困る。自分の国の経済の独立は自分たちで守りたい」という人たちが手を繋いで、「アメリカに支配され引きずり回されないように、防波堤を作ろう」という動きが始まりました。だいたい5・6年前からです。アセアン(ASEAN東南アジア諸国連合)の動きが始まりました。5つの国です。インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン。元来はアメリカが造らせた組織だったのですが、いつのまにか自主独立を目指す組織に成長しました。

 手を繋ぎ、アメリカに引きずり回されないように、アメリカの資本が勝手に入ってこないように、自分たちの経済は自分たちでやりましょう、と。ところが、ASEANが束になったってアメリカにはとてもかないません。そこで、知恵者がいました。アセアンだけではかなわないので、中国と手を繋いだのです。「アセアン、プラス中国で、アジアマーケットを作り、アメリカにかき回されないようにしよう」しようというのです。確かに、中国が入ったらアメリカはうかつに手が出せません。しかし中国だけ入れると、反米色があまりにも露骨ですから、「アセアン、プラス・スリーでいきましょう。アセアン+日本+韓国+中国、でいきましょう」ということになります。日本はアメリカの51番目の州だといわれているのですから、日本が入れば、アメリカも安心します。

 EUのように、アセアン+スリーで、自分たちの経済は自分たちでやれるように、アメリカに引きずり回されないような自立したアジアマーケットを形成することが目標です

 ただひとつ、日本が具合が悪いのです。日本はそのスリーに入っているのですが、(アセアンの会議に)行く度に「アメリカも入れろ、アメリカも入れろ」というのです。アセアン諸国はアメリカから自立するために作っているのですから、「アメリカを入れろ」といわれたんじゃあ困るので、結局日本は棚上げになってしまいます。実際にはアセアン+中国で、経済交流が進んでいます。いずれ2010年には、東アジア共同体・EACというものを立ち上げる、という動きになっています。

 そうなってくると韓国が困りました。日本・アメリカ側につくのか、中国・アセアン側につくのかで、2・3年前から中国側に大きく傾いています。留学生の数を見ると分かります。中国の北京大学には世界中の留学生が集まります。21世紀は中国と商売しなければメシが食えなくなることが分かっていますから、将釆、中国語がしゃべれる人が自国のリーダーになり、中国の指導者に友達がいないと困ります。それには北京大学に留学するのが一番いいのです。あそこはエリート養成学校です。この前行った時聞いてみたのですが、入学試験競争率5千倍だそうです。超難関です。大学の構内を歩いて見たのですが、広い敷地に6階建てのアパートが36棟ぐらい建っていて、みな学生寮です。全寮制。そばに教職員住宅があって、朝から晩まで共に暮らしながら勉強しています。授業は朝7時からです。ものすごく勤勉に勉強しています。

35年間私は大学の教員でしたが、愛すべき怠け者の学生諸君を教えてきたわが身としては、「あ、これはかなわないなァ、20年もしたら──」と思いました。向こうは国の総力を上げて次の時代の指導者を養成しているのです。日本はもう全然、ニートとかフリーターとかいって、若者の気迫がまるでレベルが違います。これは置いていかれるな、という気持ちになりました。このように世界中の国が、いま一流の学生を北京大学に送り込んでいるのですが、去年、北京大学留学生の中で一番数が多いのが韓国なのです。

 おととしまで韓国の学生は殆どアメリカヘ行っていました。去年あたりから中国へ変わったようです。つまり韓国は、21世紀の自国は、アメリカ・日本ではなく、中国・アセアンと組むことで繁栄を図りたい、と向きを変えたということです。

 それに拍車をかけたのが小泉首相の靖国参拝。これで韓国は怒っちゃってあちらを向いた。そうなると、アセアン、中国、韓国と繋がって、日本だけはずされてしまった、という状況がいま生まれつつあります。

 さらに中国は、数年前からいま、「ふりん政策」を国の方針としています。フリンといっても男女の不倫ではありません。富、隣。隣の国を富ます、隣の国を豊かにする──富隣政策です。隣の国と仲良くする。中国だけ儲けたのでは相手に恨まれてしまいます。英語では「ウィン、ウィン」(win-win)というようです。どっちも勝つ、中国も儲けるけど相手も儲けるような関係を必ず作っておく、ということが基本政策です。

 つまりアメリカは、やっとソ連を倒したと思ったら、今度は中国が出てきたのですから、中国を目の敵にしているのは当然です。中国にすれば、アメリカにやられないためには、単独では対抗できませんから、周りの国と手をつなぐ、ということです。

 アメリカは修正資本主義を止めて自由競争の資本主義に戻りました。その結果大企業・大資本は野放しになりました。そのためにアジアにそっぽを向かれることになりました。アメリカにはついていけない。アメリカに勝手にされては困る。もちろんアメリカと喧嘩をしては駄目ですが、自分の国は自分の国でやれるようにしなければならない──、というふうに変わったのです。

 そして最後に、3年前から南米が変わりました。ようやく日本でも報道されるようになりましたからご存じと思います。ただ日本のマスコミはちょっとしか書きませんから、気づいておられない方もおありかと思います。南米がものすごい勢いでアメリカ離れを始めたのです。

 今まで200年、南米はアメリカの裏庭といわれていました。アメリカはやりたい放題やっていました。チリは世界一の銅の産出国ですが、このチリの銅はすべて、アナコンダというアメリカの銅会社が一手で採掘していました。だからいくら掘ってもチリは豊かにならない。アメリカのアナコンダだけが儲かるのです。

 ブラジルは世界一の鉄の産地です。これもみな掘っているのは欧米の会社で、いくら掘ってもブラジルは豊かにならない。ベネズエラは世界第五位の産油国です。これもみなアメリカの石油資本が持っていく。

 こういう国はこれまで軍事独裁政権でした。政治家は、自分の国の資源をアメリカに売り渡し、自国の国民の反発は力で抑えつけ、莫大なリベートを貰って自分たちだけベラボウな贅沢をしてきました。これがアメリカと南米のパターンだったのです。

 それが、3年ほど前から、「おかしいではないか。やっぱりベネズエラの石油はベネズエラ人のものだ。石油を掘ったら、ベネズエラが豊かにならないとおかしいではないか。いくら掘ってもアメリカだけ儲けるのはおかしい。石油をアメリカの石油会社から取り上げて、ベネズエラで掘ることにしよう。国有化しよう」というような政策を訴える大統領が、当選するようになりまし。この3年間で、南アメリカは80%が、このような自主独立派の大統領になりました。アメリカ資本に任せず、自国の経済は自分でやろうという政策を掲げた大統領が、次々と当選したのです。

 いまでは、南アメリカでアリカの言いなりというのは、多分コロンビアしかないと思います。あとは殆どみな、自分の国は自分でやりましょというふうに変わってきました。ベネズエラのウゴ・チャベスという人がそのチャンピオンです。ご存じですね、時の人です。アメリカはそのチャベスの当選を必死になって妨害したのですが、結局ダメでした。チャベスが圧倒的多数で選出されました。その彼の言い分がふるっているのです。

 「失礼にならないようにアメリカから遠ざかりましょう」というのです。いきなり遠ざかったのではゴツンとやられますから、アメリカを怒らせないように、喧嘩しないように、少しずつ「小笠原流」で遠ざかって自主独立に向かいましょうというのです。

 これがいま世界の合言葉です。「失礼にならないようにアメリカから遠ざかる。」日本もそうしなければいけない、と私は思っているのですが。絶対にやりません。

 こうやってアメリカは、ソ連や東ドイツがなくなってから、修正資本主義をやめて、いまの言葉でいえば「新自由主義」という仕組みに代わりました。日本はそれに右ならえしたのです。いま申し上げたように、このアメリカの新自由主義経済に無条件で追随しているのは、日本しかありません。あとはみな、「失礼にならないように」距離をおきました。

日本だけが無条件でついていきました。だから「ポチ」だといわれるのですネ、確かにポチと言われてもしょうがないほど、無条件でついていきます。それは恥ずかしいことですが、日本が追随していく。これが構造改革なのです。修正資本主義経済から新自由主義経済に変わるということです。簡単にいえば、弱い人の面倒を政府が見るような仕組みから、もう弱い人の面倒は見ませんという仕組みに、変わっていく──。これが構造改革です。

 だから、社会保障はどんどん悪くなる。自由競争で勝ち組と負け組がある。中には1千万ぐらいのマンション買って落ち着いているのもいる。片方には、国民健康保険料さえ払えなくて医者にも行けない。そういう人がもう全国で膨大な人数出てきている。まさに格差社会です。

 どんどんその格差が広がっています。金持ちからお金を取って弱い人の面倒を見る、というのが修正資本主義なのですが、それを止めてしまいました。野放しなのです。強い人はますます強くなり、弱いものは負けたら自己責任なんですよ。こういう仕組みにいま変わったのですね。

 それがいいか悪いか、止むを得ないのかどうかは、いろいろな立場によって考えが違うのですが、事実はそうなったのです。

 しかしヨーロッパは別の道をとっています。このように別の道もありうるというのも事実なのです。ヨーロッパのように社会保障を止めない資本主義もあり得るのです。

 日本の場合、アメリカほど徹底していませんが、流れとしては「政府はもう弱い人の面倒は見ません」、という方向に大きく動いています。


《憲法改悪の要求》

 こうして、アメリカは新自由主義経済で自国の企業を野放しにして、それを世界中に押しつけようとしたのですが、意外に抵抗が大きかった。ヨーロッパはいうことを聞かない。アジアも聞かない、南米も聞かない。これでは困るので力づくで押しつける。こういうことになるのですね。力づくで押しつける時に、最大の目標・ターゲットはもちろん中国です。やっとソ連を倒して、21世紀はアメリカが王様になれると思ったら、中国が巨大な国になってきて、アレリカの前に立ふさがっいます。このままではアメリカは王様ではいられません。中国を抑え込むことが21世紀へ向けてのアメリカの最大の長期的課題になっています。しかし戦争はできません。中国と戦争したのでは共倒れになります。唯一の道はエネルギーを抑えることです。

 ネオコンという人たちの書いた文章を読むと、非常にはっきり書いてあります。21世紀にアメリカが世界の支配権を握るには、中近東の石油を抑えなければならないというのです。中国は石油の自給ができません。どんどん石油を輸入していますが、殆どいま中近東から輸入しています。アメリカが中近東の石油を抑えれば、中国はアメリカのいうことを聞かざるをえなくなる。当然でしょうね。

 世界一の産油国サウジ・アラビアはすでにアメリカ側の国です。そこで第二の産油国であるイラクをアメリカは分捕りたいのですが、その理由がありません。そこでアメリカは「大量破壊兵器、テロ応援」という嘘をつきました。プッシュ大統領も、ついにウソであったことを認めました。

 ではなぜイラク戦争をやったのか。本当の理由はまだ公表されていません。しかしネオコンという人たちの文章を読むと、明らかに「石油を抑える。抑えてしまえば中国は言うことを聞かざるをえない」。ここに本当の理由があったことは明白です。そうだとすれば、恐ろしい話ですが、(次に)絶対にイランが狙われます。

 世界第1の産油国サウジアラビアは、昔からアメリカの同盟国です。第2位のイラクは抑えてしまいました。そしてイランは第3位の産油国です。ここを放っておいたのでは意味がないのです。中国はいくらでもイランから石油の輸入ができます。どうしてもイランまで抑えなければならないというのは、アメリカでは、いわば常識です。どんな新聞雑誌でも次はイランだということが堂々と語られています。

 ライス国務長官も3日前、「今イランに対するは軍事力行使の予定はない」と言っていました。「今は」です。イランは核開発やっているというのが理由です。たしかに妙な国ですが、しかし別に悪い国ではありません。あのあたりでは1番民主的な国です。曲がりなりにも選挙で大統領を選んでいますから。女性はみな顔を出していますし、大学へもいっています。イランは近代化した国なのです。サウジアラビアなどの国に比べたら、ずっと民主的な近代国家です。イスラム教のお妨さんが、選挙で選ばれた大統領より偉い、というのだけが変ですが、全員がイスラムですから、他国がとやかく言うことではないです。

 ですから、イランが悪魔の国というのは嘘なのです。イラクがそういわれたのも同じで、要するに悪魔の国と誤解させて、戦争しかけてもやむを得ないと思わせるための宣伝が行われているのです。

 イランはイランで、自分で自分他ちの国を近代化していけばいいのであって、核兵器持つなといっても、隣のパキスタンもインドも持っているのです。こちらのイスラエルもです。イランだけ持つなといっても、聞くわけありません。イランに持たせたくないのなら、「俺も止めるからあんたも」と言わなければなりません。「俺は持っている。お前だけ止めろ」と言ったってイランが聞くわけありません。そんな理屈が通るはずがないのです。実に馬鹿な理屈です。

本当にイラクに核開発をやめさせたいのなら、イギリスもフランスもアメリカも 「先ず自分が止める、だからお前も止めろ」と言うしかありません。お前だけ持つなと言って、聞くと思う方がどうかしています。核開発は現在の大国の論理では抑えられません。イランに言わせれば、「イラクがなぜあんなに簡単に戦争しかけられたかといえば、核兵器を持っていなかったからだ。持っていたら恐ろしくてとても戦争なんか仕掛けられない」ということになります。だからイランはいま核開発を急いでいるのです。核兵器を持たないとアメリカに攻められるから。そう思い込んでいるのです。

 そう思わせるようなことをアメリカはやってきたのですから、イランに核兵器開発を止めさせるためには、イラクから撤収して、中東の平和は中東に任せる、という姿勢を示すしかありません。自分がイラクを分捕って居座ったままで、イスラエルやパキスタンやインドの核兵器には文句をいわずイランにだけ、というのは通じない理屈です。実にゆがんだ国際常識というものが罷り通っている、と思います。

 もしアメリカがイランまで分捕ってしまえば、サウジアラビア、イラン、イラクと合わせて、世界の石油の70%ぐらいになるはずですから、中国はアメリカのいうことを聞かざるをえなくなります。だからつぎはイランだというのが、ネオコンの論理です。

 ただ問題は、イランに戦争を仕掛けるとしても単独ではできなません。兵隊がたりない。徴兵制ではなく志願兵制度ですから。いま、ありったけの兵隊さんがイラクに行っています。あれ以上いないのです。だからハリケーンが来ても出せなかったのですね。そうすると、イランに出す兵隊なんていないのです。そこで、アメリカの右翼新聞の社説など、堂々と書いています。「イラクにいるアメリカ軍でイランを乗っ取れ。カラッポになったイラクの治安維持は、日本にやらせろ」と。
 アメリカの論理から言えばそうなるのでしょう。自衛隊にイラクの治安維持をといいますが、実際は内乱状態ですから、今も毎日アメリカ兵は毎日5人位殺されています。そんなこと引き受けたら、自衛隊員何人死ぬか分かりません。第一そんなことは、憲法9条があるかぎりできないのです、絶対に。憲法があるおかげで、自衛隊はイラクにいますけれども、ピストル1発撃つことができないのです。憲法9条第2項というのがあるのです。自衛隊は戦力ではない・交戦権はないとなっていますから、不可能なのです。だから給水設備備を作るとか、学校修理とか、そういうことしか出来ません。これじゃあアメリカから見れば役に立たないのです。


《平和憲法こそ 日本生存の大前提》

 そこで、「9条2項を変えて、戦争ができる自衛隊になってくれ」というのがアメリカの強い要求なのです。みんな分かっています。言わないだけです。日本の新聞記者も知っています。しかし、「9条変えろ」がアメリカからの圧力、と書くと首になるから書かないだけです。でも誰も知っています。アメリカのに戦争に参加しなさい、という強い圧力がかかっているのです。

 ここのところをよく見極めておくことが必要です、「9条を守る」ということは、「アメリカの言いなりにならぬ」ということと一つ、なのです。

 アメリカと喧嘩しては駄目ですから、「失礼にならないようにアメリカから遠ざかる」のが何よりも大切です。仲良くするけれども言いなりにはならない、ということです。ところが、憲法が危ないという、この危機的な状況にもかかわらず、国内で労働運動が弱体化していますから、ストライキも起きない。大きなデモも起きない。大反対運動も起きない──。という状況です。

 ではもう駄目なのでしょうか。そうではないと思います。それには日本の国内だけではなく、世界に目を向ける、アジアに目を向けるこちとが必要のです。ご存じのように、これからの日本は、中国と商売せずには、生きていけなくなりま。いま、大企業だけですけど、多少景気がよくなってきています。全部中国への輸出で持ち直したのです。中国マーケットがなくなったら日本経済はおしまいだ、ということは誰も分かってきています。

 お手元の資料の中の(貿易額の)丸い円グラフは、2003年のもので少し古いのですが、アメリカ20.5%、アジア全体で44.7%、つまり日本にとって一番大事な商売の相手は、アメリカではなくてアジアなのです。

 アジアと仲良くしなかったら、経済が成り立たないところへ、いま既にさしかかっているのです。左隣の棒グラフは2004年ですが、左上から右に折れ線がずうっと下がってくる。これが日本とアメリカの貿易です。点線で右へずうっと上がっていくのが中国との貿易。遂に去年(2つの折れ線が)交差し、中国との貿易の方がアメリカとの貿易額より多くなりました。しかも鋏状に交差していますから、今後この2つは開く一方になってきています。

 つまり、あと2・3年もすれば、日本は中国との商売なしには生きていけない、ということが国民の常識になるということです。いま既に、中国を含めたアジアが、日本の一番大事なお客さんなんです。仲良くしなければいけません。一番大切なお客さんの横っ面ひっぱたいたんじゃ商売は成り立ちません。

 靖国参拝などというものは、一番大事なお客さんの横面ひっぱたくと同じことなのですから、個人の信念とは別の問題です。小泉首相は総理大臣なのですから、個人の心情とは別に日本の国全体の利益を考えて行動しなければいけません。それは総理大臣の責任だと思います。その意味でアジアと仲良ぐできるような振舞いをしてもらわなければ困るのです。

 もう一つ。アメリカとの商売はこれからどんどん縮小していきます。それは、ドルというものの値打ちがどんどん下がっていくからです。これはもう避けられません。

 昔はドルは純金だったのです。1971年まで、35ドルで純金1オンスと取り換えてくれました。だからドルは紙屑ではありませんでした。本当の金だったのです。

 われわれのお札はみな紙屑です。1万円なんて新しくて随分きれいになりましたけど、綺麗にしただけちょっとお金がかかって、印刷費に1枚27円とかかかると聞きました。27円の紙がなぜ1万円なのか。これは手品みたいなものです。あれが5枚もあるとなかなか気が大きくなるのですが、本当は135円しかないのです。それが5万円になるのは、法律で決めているのです。日銀法という法律で、こういう模様のこういう紙質のこういう紙切れは1万円、と決められている。だから、あれを1万円で受け取らないと刑務所に入れられます。法律で決まっているからです。ですから日本の法律の及ぶ範囲でだけ、あれは1万円なのです。その外へ出ると27円に戻ってしまいます。

 金と取り換わらないお札というのは、簡単にいえばその国の中でしか通用しません。他の国へ行ったら、その国の紙屑と取り換えなければ通用しません。ところが、ドルだけは世界で通用しました。純金だからです。

 ところが、1971年にアメリカはドルを金と取り換える能力を失いました。ベトナム戦争という馬鹿な戦争をやって莫大な軍事費を使ったのです。背に腹は代えられなくてお札を印刷し、航空母艦を造ったりミサイル、ジェット機を作ったりしたのです。そのために、手持ちの金より沢山のお札を印刷しちゃったのです。

 その結果、アメリカは、ドルを金と取り換える能力を失ったのです。そこで、71年8月15日、ニクソン声明が出されました。「金、ドル交換停止声明」です。あの瞬間にドルも紙屑になったのです。ドルが紙屑になったということは、ドルがアメリカの国内通貨になったということです。

 ところが、問題はそれ以後なのです。世界で相変わらずドルが適用したのです。皆さんも海外旅行へ行かれる時は、大体ドルを持って行かれますね。どこの国へ行っても大丈夫なのです。金と取り換えられないお札が何故世界で適用するかは本当に不思議で、経済学者にとって最大の難問なのです。いろんな人がいろんな答を言っていますけど、あらゆる答に共通しているのは、ひとつは「アメリカの力の反映」だから、ということです。

 つまり、日本が自動車を作ってアメリカヘ売ります、ドルを貰いますネ。日本は損をしているのです。自動車という貴重なな物質がアメリカへ行って、紙屑が返ってくるのですから。物が減ってお札だけ増えると必ずバブルになります。

 バブルの犯人はそこにあるのです。日本が輸出し過ぎて貿易黒字を作り過ぎているのです。だから日本は、アメリカに自動車を売ったら、「純金で払ってください」と言わなければなりません。ところがそう言うと、ジロッと睨まれてお預けになってしまいます。日本には米軍が5万人います。「アメリカのドルを受け取らないとは、そんな失礼なこと言うなら、在日米軍クーデター起こしますよ」、これで終わりなのです。黙って受け取ってしまう。だから日本は無限に物を提供し、無限に紙屑をもらう。こうしていくら働いても日本人の生活はよくならないのです。しかもその紙屑でアメリカの国債を買っています。アメリカに物を売って、払ってもらった代金をアメリカに貸している。言ってみればツケで輸出しているようなものです、現実に。アメリカにいくら輸出しても日本は豊かにならない仕組みになつています。

 2週間前に『黒字貿易亡国論』という本が出ました。有名な格付け会社の社長さんですが、「貿易黒字を作るから日本は駄目なのだ」、ということを詳しく論じたたいへん面白い(文芸春秋社の)本です。確かにそうだと思います。だからドルは、本当は受取りたくないのです。みんな紙屑なんです。だけど受け取らないと睨まれる。アメリカの軍事力が背景にあるのです。

 その力をバックにして、紙切れのお札を世界に通用させている。例えていえば──餓鬼大将が画用紙に絵をかき1万円と書いて鋏で切り、これ1万円だからお前のファミコンよこせ、とこれを取り上げる──のと同じです。いやだと言ったらぶん殴るのです。怖いから黙って渡して紙屑もらうことになります。その紙屑で、他の人から取り上げればよいのです。「お前のバイクよこせ、よこさなかったらいいつける」。「あの人、あんたの紙屑受け取らない」、するとガキ大将が釆て、ゴツンとやってくれる──。餓鬼大将の力の及ぶ範囲ではそれが通用するのです。

露骨にいえば、ドルがいま世界に適用しているのは、そういう仕組みが一つあります。

 もう一つは、ソ連の存在です。もし紙屑だからアメリカのドルを受け取らないといったら、アメリカ経済は潰れます。アメリカが潰れたらソ連が喜ぶ。だから紙屑と分かっていても受け取ってきた。ソ連に勝たれては困るから──。

 これも確かに一理あります。ということは、ソ連がいなくなって、紙屑は紙屑だということがはっきりしてきたのです。今まではソ連がいるために、紙屑なのに金のように適用したが、今や「王様は裸だ」というのと同じで、「ドルは紙屑だ」といっても構わない時代です。

 ともかくドルが危ないのです。私が言ってもなかなか信用してもらえませんが、経済誌『エコノミスト』、一流企業のサラリーマンなら必ず読んでいる雑誌すが、これの去年9月号が中国“元”の特集でした。その真ん中へんに「プラザ合意20年」という対談がありました。その中で、榊原英資さんは「5年以内にドル暴落」と言っています。

 榊原さんは大蔵省の元高級官僚で日米為替交渉の責任者を10年やりました。円・ドル問題の最高責任者だった人です。「ミスター円」といわれていました。通貨問題に最も詳しい現場の責任者です。停年で大蔵省をやめて今は慶應大学の先生になっています。この人が「5年以内にドルが暴落する」、つまりドルが紙屑だということが明らかになる日が近いと言っているのです。

 ソ連がいる間は隠されていたのですが、いまはもう、ドルは紙屑だから受取りたくないという人たちが増えてきています。これまでは世界通貨はドルしかなかったので、受け取らなければ商売ができなかったのですが、今ではユーロという代わりが出来てしまいました。ドルでなくてユーロで取引する国が増えてきています。そしてユーロの方が下がりにくい仕組みになっています。ドルは下がるのです。

 なにしろアメリカは、永いことドルが世界通貨ということに慣れてきました。だから自動車が欲しければ日本から自動車買って、アメリカは輪転機を回せばよいのです。紙とインクがあればいいのですから。ほかの国はこんなことできません。自動車が欲しければ、一生懸命働いて何か輸出し、その代金で輸入しなければならないのです。アメリカ以外の国は全部そうやっているのです。

 輸入は輸出と一緒です。輸入するためには輸出しなければなりません。ところがアメリカだけは輸出しないで輸入ができるのです。ドルという紙切れが世界通貨ですから。極端に言えば、欲しい自動車や石油を日本やアフリカなどから買って、紙とインクで支払う。実際そうして世界の富がアメリカに集まったわけです。

 71年以降の30年間、この仕組みのために、世界中にドルが溢れ出ました。ドルがどんどん増えますから、当然値打が下がります。こうしてドル下落傾向。(資料の一番下のグラフがそうです。円が上がっていく様子、為替取引だから短期的には上下しますが、長期的には間違いなく円高。ドルがドンドン下がるのは確かです。)これがあるところまでいくと、ガクッと下がります。

 あるところまでいくと、「ドルは信用できない、下がる通貨は持っていたくない」となります。ですからドルを受け取らない、ユーロか何か、別な、下落しない通貨でなければ受け取らないということが出てくる。そうなるとドルは暴落します──。榊原氏がそういっているのです。

 ヨーロッパはユーロでいくでしょう。アジア経済圏はなんといったって元です、中国の。中国は賢いですから、元を押しつけないで、何かアジアの新しい通貨を作るかもしれません。しかし元が中心になることは間違いないでしょう。ドルはアメリカでしか使われなくなる。そうすると、今まで全世界で使われていたドルが、みんなアメリカに集まって来るわけですから、アジア、ヨーロッパで使われいていたドルがみな戻ってきて、簡単にいえばドルの値打が3分の1に下がることになります。

 アメリカの生活は大きく収縮します。一家で3台自動車持っていた家は1台に。1台持っていた家は止めなくればならなくなる、ということです。

 アメリカ経済の収縮。これは大変恐ろしい話なのです。世界経済が大きく収縮し、日本経済は大きな打撃を受けます。しかし避けられない動きなのです。いつのことか分からないが、そう遠くない将来にドルの信用がドンと落ちていく。結果として日本がアメリカにだけ頼っていたら、大変なことになります。

 いまのうちに、アメリカに輸出してドルをもらったらユーロに代えておいた方がいい。ユーロの方は下がらないからです。EUという所は、国家財政が赤字だと加盟できないことになっています。赤字だと穴埋めにお札を出すので乱発ということになって下がるのです。だからユーロは一応下がらない仕組みになっています。乱発できないようになっているのです。ドルは短期的に持つのはかまわないが、3年、4年と長期的に持っていると下がってしまいます。それならユーロにしておいた方がいいとか、これから生まれるかもしれないアジア通貨にしておいた方がよいとかいうことになります。世界の大企業や国家が、決済のために多額のドルを持っていますが、これがユーロに切り替えられるとなると、ドルはもう世界通貨ではなくなります。

 そうなると、アメリカだけに依存している国は、大変苦しくなります。21世紀の日本を考えた時、アメリカと仲良くするのは大切ですが、しかしアメリカ一辺倒では駄目な時代になっているのです。アジアと仲良くしなければいけません。

 しかしアジアと仲良くするのには、無条件ではできません。なぜなら、60年前、アジアに戦争を仕掛けて大変な迷惑をかけた。その後始末がちゃんとできていないのです。仲良くするするためには、60年前のマイナスを埋めるところから始めなければいけません。別に難しいことではないのです。「あの時はごめんなさい。2度とやりませんから、勘弁してください」。これで済むわけです。

 問題は、「2度とやりません」が、信用してもらえるかどうかです。信用してもらうための最大の決め手が「憲法第9条」です。憲法9条第1項、第2項がある限り、日本は2度と戦争はできません。イラクの状態を見ても、自衛隊は鉄砲一発撃てない。(世界中)みんなが見ています。この憲法9条第1、第2項がある限り、日本は戦争はできません。だから安心して日本と付き合うのです。

 もし日本が憲法9条を変えて、もう1回戦争やりますということになったら、アジアの国々は日本を警戒して、日本との付き合いが薄くなってしまいます。いま既にそうなりつつあります。小泉首相は靖国に何度も行く。自民党は憲法9条を変えることを決め、改憲構想まで発表した。アジアの国々は用心します。「そういう国とは、あまり深入りしたくない」。

 小泉首相は「政冷、経熱」でいいじゃないか、といいます。政治は冷たくても経済では熱い関係というのでしょうが、そんなことはできません。中国と日本の経済関係はじわっと縮小しています。統計でもそれははっきり出ている。

 おととしまで中国の貿易のトップはアメリカでした。次が日本、3位はEU。これがひっくり返ってしまいました。去年はトップはEU、2位アメリカ、3位日本です。明らかに中国は日本との商売を少しずつ縮小させている。その分EUに振り替えています。

 去年5月、ショッキングなことがありました。北京・上海新幹線という大計画をEUに取られました。北京〜上海って何キロあるのでしょう。日本の本州より長いのではないでしょうか。このとてつもない計画があって、去年、まだ予備調査の段階すが、日本は負けました。ドイツ、フランスの連合に取られました。予備調査で取られたということは、本工事は駄目ということです。中国にすれば、日本にやらせるのが一番便利なのです。近いですし、新幹線技術も進んでいます。まだ1度も大事故を起こしたことがありません。ドイツもフランスも、1回ずつ大事故を起こしたことがあります。技術からいっても資本からいっても、日本にやらせれば一番いいのに、日本が負けました。明らかに政治的意図が働いたと思われます。日本との関係を深くしたくない。いざという時、いつでも切れるようにしておく。いざというとき、切れないようでは困る。そういうことではないでしょうか。

 いまのままアメリカ一辺倒でいいのでしょうか。私は長島さんをよく思い出します。後楽園での引退試合の時、最後に「読売ジャイアンツは永久に不滅です」といったのです。永久に不滅どころか、去年のジャイアンツのサマといったらもう、見ていられない。アメリカもそうなるのではないでしょうか。小泉首相は「アメリカは永久に不滅です」と、いまもいっているのですが、そうではないのではないでしょうか。

 アメリカにさえ付いていれば、絶対大丈夫という時代は終わったのです。アメリカとも仲良くしなければいけませんが、しかしアジアとも仲良くしなければいけない、そういう時代がいま来ているのです。仲良くするのには、憲法9条を守ることが大前提です。これを止めてしまったら、アジアとは仲良くできません。

 憲法9条は、日本にとって“命綱”です。いままでは、憲法9条というと、「理想に過ぎない。現実は9条で飯食えないよ」という人が多く、中には鼻で笑う人もいました。しかしいまは逆です。9条でこそ食える。9条を変えたら、21世紀日本の経済は危ないのです。

 憲法9条を守ってこそ、この世紀の日本とアジアとの友好関係を守り、日本も安心して生きていけるのです。こういう世の中をつくる大前提が憲法9条です。憲法9条は美しいだけではなく、現実に儲かるものでもあります。そのことがやっと分かってきました。

 奥田経団連会長は、去年までは小泉首相を応援して靖国参拝も賛成だったのですが、そんなこといってたらトヨタは中国で売れなくなります。そこで今年の正月の挨拶でついに、「中国との関係を大事にしてほしい」と、向きが変わりました。
 財界が、中国と仲良くしなければ自分たちは商売ができない、となってくれば、日本の政治の向きも変わるだろうと思います。あと3年たてば多分、これは日本の国民の常識になってきます。中国と仲良くしないと経済が駄目になる。それは中国のいいなりになることではないのです。良くないことはきちんという。だけど敵にするのではなく、仲良くする。でなければ、日本の経済は成り立たない。これがみんなの常識になってくるでしょう。

 これまで60年、アメリカベったりだったから、アメリカから離れたら生きていけないと皆思ってきました。しかし現実の数字はそうでなくなっています。一番大事な経済の相手は、もうアメリカではなくアジアなのです。これに気づくのにあと2・3年かかるでしょう。これが世論になれば、もう、憲法を変えるなどということは、絶対にできません。

 しかし、この3年の間に、国民の世論がそのように変わる前に、憲法が変えられてしまったら、どうにもなりません。

 あと3年、必死の思いでがんばって、子供たちに平和な日本を残してやるのが、私たちの務めだと思います。そう思って、私も必死になってかけ回っています。あと3年ぐらいはまだ生きていけるだろうから、なんとしても3年間は9条を守るために全力をつくしたいと決心しています。

 ありがたいことに、9条を変えるには国民投票が必要です。国会で決めただけでは変えられません。国民投票で過半数をとらないと、憲9条は変えられないのです。逆にいえば、これによってこちらが憲法9条を守る署名を国民の過半数集めてしまえばいいことになります。住民の過半数の「9条を守る」署名を3年間で集めてしまう。そうすればもう、変えることは不可能になります。

 そうすれば、子供たちに憲法9条のある日本を残してやれます。2度とアジアと戦争する国にならないようにして、そしてもし長生きできれば、新自由主義という方向、つまりアメリカ言いなりではなく、もっと自主的な経済ができるように、せめてヨーロッパのような修正資本主義、ルールのある資本主義の仕組みにもう一度戻すこともできるでしょう。

 日本中で、飢えている人、因っている人、貧しい人が、それでも人間らしく生きていけるような、最低限の保障ができる、生きる希望が出る──。そういう社会にすることが大切なのだ、と思います。これは長期的展望です。簡単にはできません。一度、新自由主義になってしまったので、10年位かかるでしょう。国民が賢くなって、正しい要求を政府につきつけていかなければいけません。その中心になる労働運動の再建が必要です。

 結局国民が主権者なんですから、国民の願いがかなうような、そういう日本に作り替えていきたいなと、そういう道を進んでいきたいなと思います。

 鋸南町は合併を拒否なさったというので、日本でも有数な自覚的な町といえます。合併するとまず住民自治がダメになります。大きくなるということは、住民自治が駄目になることでもあります。住民が主人公になる町こそ大切。ぜひこの美しい山と海と禄のある町で、1人1人が主人公であるような地域共同体というものを、みんなが助け合える町になることを私も希望して、講演を終わらせていただきます。
http://kyonannet.awa.or.jp/mikuni/siryo/2006/kawabata-kouen060114.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/704.html#c21

コメント [政治・選挙・NHK226] <実際は逆>NHKの印象操作が超悪質!共謀罪「反対派はバカ」「賛成派は賢い」という絵ヅラを作り上げる! 赤かぶ
5. あおしろとらの友[250] gqCCqIK1guuCxoLngsyXRg 2017年5月23日 06:36:28 : QfXOUmfMKc : WUewjqnCV8k[2]
「なんだか知りませんが、反対」はけっこう国民の気持ちを反映している。むしろ内部議論にはまり込むと逆に判断が難しくなる。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/216.html#c5
コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
42. 2017年5月23日 06:38:37 : Ry2X1CTSds : vxMsgc9B50U[57]
 提案型政権民進党に対し、相手は提案など勘案することをしない暴走政権である。

 維新のように別動隊による見掛け倒し修正案は受け入れているように見せるだけ。

 目を覚ませ民進党は森友、家計問題を解決させない限り審議拒否を貫く覚悟をせよ

 審議すれば「ハイ時間です」の強行採決が待っているだけであり、結論は見えている る。

 暴走を止めるには審議を拒否するのが一番でありその理由を明確にせよ。

 国民は審議拒否により何が起きているのかをより知ることになり、野党に軍配があが
 る。

 国会での現政権での話し合いは無意味に近い、真のリーダーがでてくれば変わるかも
 しれないが安倍晋三では不可能だ。論より証拠、委員長による職権による委員会開催
 審議すれば「審議を充分おこなった」との審議不十分の状態での採決。

 数で対抗できない以上審議拒否は国民も肯定することになる。共謀罪は審議に応じな
 い事だ。応じるならば、を解明させてからだ。

 参議院で野党が結束して安倍晋三による私物化事案を集中審議するのが先決だ。

 国家の私物化は国民に対する背任であり、会社組織ならば取り締まり役会で退任させ
 られる。

 因みに、維新議員を信用している大阪人は激減しておりいずれ消滅するであろう。

 橋下徹がメディア戦略で頑張るであろうが、馬脚を現した維新に賛同する者は少ない

 
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c42

コメント [原発・フッ素48] 東京・世田谷区立中学校の健康診断でクラスの半分以上が甲状腺腫の疑いありと診断された  魑魅魍魎男
68. 2017年5月23日 06:41:27 : G19ubCIFuo : dejBD@m4OkI[5]
>>67
阿修羅掲示板の運営方針が安倍叩き、原発推進派叩きで集客というだけの話ですよ

人を増やすためなら扇動投稿も厭わない悪質デマサイト

http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/142.html#c68

コメント [政治・選挙・NHK226] 「ドはドーナッツのド ファはファシズムのファー!」(香山リカ) 何て骨体
2. 2017年5月23日 06:44:56 : jbDvKkAmsQ : WBKM_dUGbuE[24]
ミは民進のミ じゃね。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/152.html#c2
記事 [戦争b20] 朝鮮の力は米国の恐怖戦略に破滅を宣言する/論評;日本もわれわれの打撃圏内にある(朝鮮中央通信


(朝鮮中央通信−ネナラ(平壌外国文通信社)
http://www.naenara.com.kp/ja/news/?0+99041


[2017-05-20]


朝鮮の力は米国の恐怖戦略に破滅を宣言する


虚勢を張る米国の横面を再び張り飛ばしながらわれわれの地対地中・長距離戦略弾道ロケット「火星12」型が大空に力強く打ち上げられたことに関連して朝鮮中央通信社は19日、資料論説「朝鮮の力は米国の恐怖戦略に破滅を宣言する」を発表した。

論説は、自主権守護のもう一つの威力ある霊剣である「チュチェ弾」が誕生したのは暴悪と戦争を追求し、核恐喝だけをこととする米国をどのように治めるべきかを世界に見せた歴史の壮挙であり、急速度で強化されている朝鮮の無限大の力の噴出であるとし、次のように指摘した。

こんにち、朝鮮に対する「最大の圧迫と関与」を唱えて誰それを試そうとする米国の恐怖戦略、アメリカ式虚勢はわれわれには絶対に通じない。

他の国と民族に極度の不安心理と脅迫の雰囲気を作って侵略的目的を容易く達成したりする恐怖戦略は近代、植民地争奪に乗り出した列強が軍事力の弱い国々の海域に大砲を装備した艦船を送り込んで砲声を響かせ、強迫していた「砲艦外交」に起源を置いている。

「砲艦外交」が侵略国家の間で流行っていた時期、米国もそれを海外侵略の主要方式の一つとした。

第2次世界大戦の終結を控えて世界初の核保有国、帝国主義のかしらに登場した米国は、「砲艦外交」戦略をより暴圧的な核恐喝戦略に切り替えた。

戦後、世界政治構図が社会主義と資本主義に分かれるようになると、米国の戦略は日を追って成長、強化される社会主義国家を恐喝し、崩壊させるところに集中された。

米国は反動的な「マッカーシズム」の鼓吹で自国民を狂的な「アカ狩り」に駆り出す一方、その海外版である冷戦を宣布して社会主義国家を「悪魔」化する中傷宣伝と共に、それに対する軍事的対決を本格化した。

米国の恐怖戦略は、対朝鮮敵視政策で極致を成した。

20世紀中葉、朝鮮侵略戦争を挑発した米国は、日本に対する原爆攻撃によって最初の核惨禍を被った直接的被害者である朝鮮人民にまたもや原爆脅威を加える犯罪的蛮行を働いた。

トランプ執権後、米国の恐怖戦略は史上最悪を記録している。

朝鮮核問題の解決を外交安保政策の第1次的事項にして対朝鮮政策を「最大の圧迫と関与」に確定したトランプ行政府は、われわれに対する「接近法はすなわち、先制攻撃」であると言いふらして自分らの戦略が歴代米行政府の政策をしのぐ強硬敵視戦略であることを少しも隠していない。

ホワイトハウスの高位人物らとメディアを総動員して「軍事的選択が卓上にある」だの、「北朝鮮問題の解法は軍事的方法しかない」だの、何のという大々的な脅威攻勢を加えたことにも満足せず、トランプ自身が直接ツイッターにわが共和国を「世界的な脅威」の対象に仕立て、「警告」文を載せ続ける醜態も演じた。

史上最大規模の「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル17」合同軍事演習に核戦略資産はもちろん、特殊戦武力と装備も大々的に投入し、われわれの「首脳部除去」と「体制転覆」を狙った先制攻撃訓練を悪らつに強行して朝鮮半島にもう一度の危険極まりない核戦争の危機をもたらした。

こんにち、米国の恐怖戦略は核戦略爆撃機と大陸間弾道弾(ICBM)、原子力潜水艦などの3大戦略資産を総動員する危険極まりない核恐喝戦略と共に、われわれの周辺諸国、関連諸国まで朝鮮に対する極端な政治的・外交的孤立と高強度経済制裁、しつこい文化的浸透へ駆り出す全方位的・複合的形態に強行されている。

世界の平和と安全を破壊し、国際社会の不安と危機だけをもたらす米国の恐怖戦略によって地球上には弱肉強食が乱舞し、正義と真理が踏みにじられる不法無法が横行している。

しかし、米国のこの横暴非道な恐怖戦略は唯一、朝鮮でだけでは絶対に通じない。

わが共和国は核保有国も対抗する考えすらできない「唯一超大国」に70余年間も立ち向かって戦いながら、たった一度も躊躇(ちゅうちょ)や動揺もすることがなかったし、いつも迎え撃つ攻撃精神と不屈の意志を持って自主、先軍、社会主義の道に沿って力強く前進してきた。

ごう慢な米国を蹴り飛ばして恐ろしいスピードで発展する朝鮮の国力、悪の帝国を最終的に破滅させる朝鮮の剛勇な勢いは、米国の大げさな恐喝戦略こそ、核なき国、力の弱い民族、意志の薄弱な者だけを選んで翻弄する虚勢戦略、「空大砲戦略」にすぎないということを明白に立証している。

数千の核弾頭と「世界最大の経済実体」を誇る米国を戦りつさせている朝鮮の巨大な力は決して、お金や原爆にあるのではない。

朝鮮の勝利を保証する戦略的縦深、その勝利をもたらす決定的要因はまさに、偉大な思想の力である。

こんにち、偉大な思想の威力と核兵器でもっても壊せない一心団結、強大無比の軍事力、不可能を知らない底知れない自強力を持っているわが共和国は不敗の強国として世界に燦然(さんぜん)と光を放っている。

米国が核を持ってわれわれを威嚇、恐喝していた時代は永遠に終息した。

今や、米国がわれわれにとって脅威と恐怖の存在ではなく、かえってわれわれが米国にとって最大の脅威と恐怖となっている。

強権と専横、侵略と干渉で血塗られた米国の恐怖戦略にけりをつけ、平和で繁栄する新しい世界の建設を先導していく朝鮮の力は偉大である。

わが共和国は今後も、正義の力で自国を守り、朝鮮半島と地域、世界の平和と安全を強固に守っていくであろう。


朝鮮中央通信



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(朝鮮中央通信−ネナラ(平壌外国文通信社)
http://www.naenara.com.kp/ja/news/?19+4225


[2017-05-21]


論評;日本もわれわれの打撃圏内にある


われわれが戦略弾道ロケット「火星12」型の試射で成功した後、日本が非常に騒がしく振舞っている。

日本の執権者は5月16日、米太平洋軍司令官ハリスとの会談で、「北朝鮮の核およびミサイル脅威」に対処して同盟関係を強化し、緊密に連帯していくことを確約した。

これに先だって12日、日本財務相の麻生と米財務長官のムニューシンが会談を行って対朝鮮「経済制裁強化」を謀議し、麻生はその後の記者会見でわれわれに対して「常識もない国」などとけん伝した。

一方、外相をはじめとする高位閣僚が我先に差し出がましく出て「今は対話ではなく、圧力を強めるべき時」などと言って、かいらい政府に各種の注文と助言を吐いている。

これは、アジアの核強国、アジアのロケット盟主国の地位に堂々と上がった朝鮮の強大な威力と戦略的地位に恐れおののいた連中のせん越で無分別な妄言だと言わざるを得ない。

われわれが新たに開発した戦略弾道ロケットの発射以降、誰よりも不安がっているのがまさに、日本の反動層である。

日本は、米国上司に追従して反共和国制裁策動に狂奔することによって、自らわれわれの打撃圏内により深く入る結果を招いた。

こんにち、米本土と太平洋作戦地帯がわれわれの打撃圏内に入っており、せん滅的報復打撃のあらゆる強力な手段がわれわれの手中にあるという現実は、罪多き日本をして極度の被害妄想で悩むようにしている。

去る3月、秋田県で第2次世界大戦以降初めて住民退避訓練が行われ、最近は有事の際、南朝鮮にある5万7000人余りの自国民を緊急避難させるための政府の対策用意が本格化するなど大騒ぎが起こっている。

日本人の間で地下退避壕と放射性物質を防ぐ空気清浄器に対する需要が急増しているという事実は、列島にまん延する危機感を見せる端的な実例である。

臆病な犬が騒々しく吠えるというが、われわれに対する制裁・圧力騒動で締め付けられる恐怖症を和らげようとする日本の行為は、政治小国の幼稚な思考だけを現すだけである。

日本反動層は、無分別に振る舞ってはいけない。

実戦配備された核兵器を含むわれわれのすべての軍事的攻撃手段は、米本土と共に在日米帝侵略軍基地を精密照準し、せん滅的な発射の瞬間だけを待っている。

今からでも、災いを呼びつける愚行をやめ、自粛する方がよい。


朝鮮中央通信





http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/356.html
コメント [お知らせ・管理21] 2017年5月 削除依頼・削除報告・投稿制限連絡場所。突然投稿できなくなった方は見てください。2重投稿削除依頼もこちら 管理人さん
212. 2017年5月23日 06:49:19 : 4BEw1pJ3kg : fr3b_SGFWFY[182]
>205
管理人さんへ

ご確認ありがとうございます。
現在表示されております。

経緯は
201を書いたときは確かに消えていて
PC再起動などもしてみましたが
表示されませんでした。
この時私のコメント一覧を
出してみると載っておりましたので
復元は可能かと思っておりました。

その後、表示されたのを確認しておりました。
お手数おかけいたしました。
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/484.html#c212

コメント [政治・選挙・NHK226] <実際は逆>NHKの印象操作が超悪質!共謀罪「反対派はバカ」「賛成派は賢い」という絵ヅラを作り上げる! 赤かぶ
6. 2017年5月23日 06:49:31 : TTove59uGY : Qj2rNfLAplc[1]
>>3のレイシスト木卯正一のようなキチガイネトウヨにとって、共謀罪は一番にオマエラの首を絞める法律なんだが、バカは気楽でいいなw
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/216.html#c6
コメント [アジア22] 「慰安婦問題広めるため国連に入った」韓国外相に初の女性?日本が“緊張”=韓国ネット「こんな日が来るとは!」「慰安婦合意は 赤かぶ
1. 2017年5月23日 06:49:31 : jbDvKkAmsQ : WBKM_dUGbuE[25]
こういうロビー活動紛いの韓国人職員が多いんだろう。
その延長線上にナンチャラ委員会の勧告みたいなものがある。
http://www.asyura2.com/17/asia22/msg/698.html#c1
コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
43. 2017年5月23日 06:50:06 : Ry2X1CTSds : vxMsgc9B50U[58]
昔の自民党議員は気骨ある者多し、安倍晋三のような総理大臣が現れたならば、自浄作用が内部から働き辞任や辞職に追い込んできたはずだ。

田中角栄先生の薫陶を受けた小沢一郎氏の指摘は正しく、政権交代の覚悟があるかないかが問われている。このままでは、日本国衰退は避けられようがない。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c43

コメント [アジア22] 礼節を重んじる日本人が韓国人を容赦なく嫌う理由、専門家は「原因は歴史にある」と指摘―中国メディア 赤かぶ
1. 2017年5月23日 06:51:27 : jbDvKkAmsQ : WBKM_dUGbuE[26]
武士道を基礎の規範にしている日本人にとって、『嘘吐き』は尤も破廉恥な行為と感じる。
だからチョーセンジンは嫌われる。
http://www.asyura2.com/17/asia22/msg/696.html#c1
コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍政権がテロ対策として喧伝しているTOC条約の説明は、まったくの牽強付会。国連の報告に対して、菅官房長官が強く抗議って 赤かぶ
6. 2017年5月23日 06:53:02 : PYK6AsiOLs : 9aVBgHWUTKk[1]
>牽強付会 

 マスコミ関係社員は平から管理職まで
 自分の事と思っても対抗出来ないまで
 奴隷精神に染まってしまったのか?

 国民に真実を判らせた代価で生きている事を
 放棄してしまったら、マスコミ関係では
 生きられないことを知るべき。

 国民が記事を買わなくなる。
 売れなければ社員は要らなくなる。
 社も存続不可能。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/199.html#c6

コメント [政治・選挙・NHK226] <ヤバすぎ>菅官房長官が国連に抗議!「共謀罪に関する国連書簡は不適切なものだ」⇒ネット「マジで国連脱退しそう」 赤かぶ
7. 2017年5月23日 06:55:48 : XcI9qVMjS2 : Tn1OvbHDHak[38]
平成のリットン調査団事件、そのうち岸田外相が「国連を相手にせず」なんて国連総会で演説するのか。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/211.html#c7
コメント [リバイバル3] マルクスはやはり正しかった _ もうすぐ共産革命の嵐が吹き荒れる時代がやって来る 中川隆
22. 中川隆[-7541] koaQ7Jey 2017年5月23日 07:02:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

時代錯誤なリカードの比較優位論

2017年05月09日
日銀の黒田総裁がアジア開発銀行(ADB)の年次総会で、金融政策について「(経済の)教科書を文字通り適用できない」と、こぼす場面がありました。

しかし残念ながら、黒田氏が読んでいる教科書は算数ですが、今の経済は数学で動いているのであり、対応がつかなくて当然です。

マネタリーベースを拡大すればインフレ、算数ではそう書いてありますが、数学では金融政策の方向性、資金の流出入量、人口動態からの消費動向など、様々なものが加味されます。

日本ではいくらマネタリーベースを増やしても、消費が弱いので物価が上がらない。買わないからモノの価値が上がらないのです。

3月の毎月勤労統計は、実質賃金が前年同月比で0.8%減。これで消費が盛り上がるわけもありません。しかも深刻なのは、パート労働者の時間当たり賃金は2.1%増なのに、実質賃金は2.2%減。つまり単価は上がったけれど労働時間が減ったために、手取りが減った。

企業が労働力を確保しよう、とするために薄く広く集めた結果、一人一人には恩恵が行きわたりにくい。そして恐らく、増えた部分は年金を減らされる高齢者の補填に回っているのであり、これでは経済がうまく回るはずもありません。


日銀のある幹部が、金融緩和を止めてインフレ目標が未達となったとき、支払うコストが膨大、として金融政策をつづける、と述べました。簡単に言えば、ここで止めると景気も回復していないから、日銀が抱えた資産のネガティブな部分にかかるコストが日銀の経営を圧迫するから、つづけるしかない。というダメ経営者の典型のようなことを言い出したのです。

残念ながら、日銀が東芝と重なってみえます。失敗した政策を見直しもできず、泥沼に嵌まっていく。平気で数字のうそをつく安倍政権といい、数字すら正しく読み解けない日銀といい、この国では数字がすでにおかしくなり始めているのでしょう。

「経済学者の9割が安倍ノミクスは危険」という中での、爆騰する市場が示す数字、何を信じるか、さえこの国ではおかしくなり始めてしまっているのでしょうね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/



植民地インドの後釜にされた日本


 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。

 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。

 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。

 一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。


仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。

 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている:


輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。

 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。

 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである.
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html


インド,日本そしてその次は?  


アメリカ政府も大資本も日本のマネーを吸い取っているのです。アメリカの日本経済研究者の間には次のような見方が強いそうです。

―『2015年くらいまで、日本の金を使ってアメリカの繁栄を支える。2015年になれば日本の金は尽きてしまう。その時は中国とインドをアメリカ財政の補給源にする』

「2020年の世界」という2004年秋に作られたアメリカ政府部内のリポートには、「2020年にはアメリカのパートナーは中国とインドだ」と書かれています。 つい先日、アメリカの著名な大学教授がNHK・BSで「中国とインドがアメリカのパートナーだ」と明言したということです。アメリカの有力な経済人も同趣旨の発言をしています。

アメリカは日本の富を緻密に計算して「2015年限界説」を述べているのでしょう。日本はアメリカによって使い捨てにされようとしているのです。
http://wanderer.exblog.jp/4632381/

2016年 04月 20日:トランプ氏は正しい、自由貿易は米国民を殺す

Robert L. Borosage


[14日 ロイター] - 2016年の米大統領選に向けた政治論争のなかで、通商政策が焦点となっている。共和党指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ氏は中国からの輸入品に45%の関税を主張している。

また、民主党指名を目指すバーニー・サンダース上院議員からのプレッシャーを受け、ヒラリー・クリントン前国務長官まで、オバマ米大統領が進める環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対している。同氏は以前、貿易協定の「模範」とまで称賛していたにもかかわらずだ。

いま明らかになりつつあるのは、米国のグローバル通商政策・関税政策がいかに破壊的なものだったかという点だ。確かに、輸入品の価格低下とその多様化は、米国民に恩恵を与えた。だが、その一方で米国は過去に類を見ないほどの貿易赤字を抱えており、その額は現在、年間約5000億ドル(約54.5兆円)、すなわちGDP(国内総生産)の約3%に相当する。

中国との貿易に限っても、米国は1990年から2010年までに、推定240万人の雇用を失っている。対中貿易収支も、記録を開始して以来となる過去最大の赤字である。企業は人件費が安く環境保護・消費者保護の規制がほとんどない中国のような国々へ良質な雇用を移転させてしまい、米国には地域社会が丸ごと荒廃してしまった例がいくつもある。

エコノミストの試算によれば、人件費の安い国々との貿易に伴い、米国のブルーカラー労働者の賃金は年間約1800ドル低下してしまったという。解雇された労働者は所得も家も失い、結婚もできず、希望を失っている。次の職を見つけるために驚くほど長期にわたって苦労したあげくに、多くは以前よりも低い収入の職に就かざるを得ない。

貿易協定による恩恵の大部分は、企業のバランスシートを改善し、投資家、経営上層部を潤わせる。一方で労働者は、所得も、雇用の安定も、力も失っている。

では、米国の新たな通商政策とはどのようなものだろうか。

第1に、批准待ちの状態になっているTPPを放棄し、現在進行中の環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)の交渉を中断することにより、最近の貿易協定のテンプレート(ひな形)とは縁を切ることだ。

新たな通商政策は、今までとは異なる原理に基づくものになる。ハーバード大学ケネディスクールで国際政治経済学を研究するダニ・ロドリック教授が主張するように、貿易は、それ自体が目的ではなく、手段として見なされるべきだ。連邦政府は、米国が、そして他国が、自身の価値観を追求できるような貿易システムを模索すべきなのである。

良識あるシステムの下では、各国は労働者の権利保護や環境関連法制など、自国の社会的な取り決めを守っていけるだろう。議会は、貿易協定について明確な目標を定め、何を交渉の対象とするかを決定する権限を取り戻し、進行中の交渉内容を知ることができるようになる。大統領に秘密交渉を認め、議会は合意内容を修正できずに賛否だけを表明せざるを得なくなるファストトラック権限は撤回されるだろう。

また、貿易協議の実質も大きく変わるだろう。たとえば、製薬会社の特許権の執行に関する詳細な交渉の代わりに、労働者に影響を与える差し迫った問題が新たに注目を集めることになる。「パナマ文書」が暴露した租税回避スキャンダルが裏付けているように、グローバル企業に対する課税の強化と調和、タックスヘイブン(租税回避地)の閉鎖と協調的な税務執行が交渉の中心になるだろう。気候変動対策としてグローバルな炭素排出価格の設定推進も優先課題になる。各国が通貨操作に対して報復する権限を与えることも重要だ。

経済政策研究センターのディーン・ベイカー共同所長が提案する取り組みとして、医師、歯科医師、弁護士の過剰な所得を守っている障壁の排除がある。海外で訓練を受けた医師や歯科医師が米国で開業できるようになれば、年間900億ドル、1人あたり約300ドルの医療費が節約できるとベイカー氏は試算している。

また国際的な交渉によって、医療研究に対する公的な直接融資を行うグローバル基金が誕生する可能性もある。研究の成果はパブリックドメインのままとなる。ベイカー氏の試算では、米国において、医薬品のコストが下がれば、年間3600億ドル、対GDP比で2%、1人あたり約1100ドルの節約になるという。これはTPP推進派が同協定から得られるとする恩恵よりもはるかに大きい。

下院最大の議員連盟として70名以上が参加する「進歩的議員連盟」は、思慮に富む代替的な包括通商政策を提示している。この計画では貿易の拡大、ただしバランスの良い貿易を目標として掲げている。米大統領の立場から、米国が5年間で貿易収支をほぼ均衡状態にまで持っていくことを計画していると発表することもできる。そうすれば貿易黒字を抱える諸国は、国内需要を増やし、輸出主導の成長への依存を低下させなければならないと気づくだろう。またグローバル企業も、もし米国市場にアクセスしたければ、米国内でもっと投資した方がいいことに気がつくはずだ。

より均衡のとれた貿易を求める声は、2009年の金融危機発生後に開催された主要20カ国・地域(G20)会合でも支持されていた。だがドイツと中国が危機を脱するために輸出に力を入れたことで、この合意は長続きしなかった。

貿易収支均衡は、かつて著名投資家ウォーレン・バフェット氏が提唱したように、トレードバウチャー制度によって実現することも可能だ。一定の額の財を輸入する権利を企業に与え、毎年その額を予想輸出額に近づけていく仕組みだ。または、米国の主要貿易相手国について、米国が遵守すべき貿易赤字の上限をそれぞれ定めてもいい。そうすれば貿易相手国には、輸入増加と輸出削減を迫るプレッシャーがかかり、さもなければ事実上の関税として作用する課徴金を支払うことになる。

第2に、議連が提案する計画には、労働者の権利、人権、消費者保護、環境保護を実現する手段を詳述している。これらの課題について各国がその希望に応じてより厳しい法制を定める権利も保護される。貿易協定によって必須医薬品に対する妥当な価格でのアクセスが確保されることも必要とされる。こうなれば、特許による保護を拡大しようとする製薬会社の企ても抑制されるだろう。

第3に、議連の計画では、貿易協定が「国家としての権利」を尊重することを求めている。これを実現するために、投資家対国家間の紛争解決制度(ISD制度)は撤廃され、グローバル投資家は各国の法制度に依拠せざるをえなくなる。グローバル企業が腐敗した国内制度に懸念を持つのであれば、自家保険をかけるか、別の国に投資すればいい。

また計画は、政府調達に関する「米国製品優先購入(バイ・アメリカン)」政策を拡大し、擁護することになる。自分が納めた税金が、世界中の雇用を支えるためではなく、自国の雇用を支えるために使われることを要求できるようにすべきなのだ。

第4に、実はこの計画は、自由貿易主義者が理屈のうえで支持していることをうまく達成することになる。つまり、グローバル貿易の勝者が敗者に補償を与えるということだ。

失業した米国の労働者は、拡大貿易調整支援法に基づく支援を得られる。以前より賃金の低い仕事に就かざるを得なければ、拡大された失業給付・賃金保険を受けられる。新たなイニシアチブでは、工場閉鎖によって打撃を被った地域社会に対する的確な支援が提供されるだろう。米国よりも労働者の賃金が高いデンマークとドイツでは、労働者が貿易システムの犠牲にならないよう、米国よりはるかに多くのリソースを高度な研修・就職斡旋プログラムに投じている。

明快な産業戦略も、より均衡のとれた貿易のためにプラスになる。すなわち、すでに世界を席巻しつつある「グリーン産業革命」に欠かせない製品の発明、製造、販売における優位を生かすことに特化した戦略である。

米政府の現在のシステムの支持者は、自由貿易か保護主義かという選択を装っている。だが、現在のような貿易協定は自由貿易を生み出すものではない。特定の利権のための選択的な保護を行っているだけだ。米国の破滅的な貿易赤字は、グローバリゼーションの避けがたい帰結ではなく、通商・関税政策の意図した結果なのである。


サンダース、トランプ両候補は、米国の現在の針路の愚かしさを暴くのに貢献した。

我が国の通商政策は、少数の利益に有利なルールの典型的な例である。労働者が不利になり、CEOたちがますます高額の所得を得るなかで、エコノミストたちも、米国の異常なまでの格差拡大に彼らが直接貢献していることを認めるようになっている。進歩的議員連盟の提案は、理にかなった代替案が可能であることを示している。米国の現在の窮状は、政治と権力の問題であり、運命ではないのだ。


*筆者は進歩主義的な米シンクタンク「Institute for America’s Future」の設立者。姉妹団体「Campaign for America’s Future」の共同ディレクターも務める。
http://jp.reuters.com/article/borosage-trade-idJPKCN0XH05T?sp=true


三教授のサマーズ論の解説 14/7/28(807号)


•サマーズとトマ・ピケティへの大きな反響

本誌14/6/30(第803号)「サマーズとトマ・ピケティ」
http://www.adpweb.com/eco/eco803.html


で取上げた、米国経済の長期停滞論が日本でも注目され始めた。サマーズ元財務長官は消費や投資の減少などで、米国経済が長期停滞に陥ると警告している。この話は、筆者が本誌にこれまで述べてきたことに合致するところが多い(筆者は長期停滞論に関してこの他にいくつかの原因を仮説として提示している)。

サマーズ氏は、この対策として米国のインフラの大改修や成長産業への投資促進策を提言している。またフランスの経済学者のトマ・ピケティは所得格差の拡大が全体の消費を抑え需要不足を生むと指摘している(この点についてサマーズも同じことを言っている)。両者の主張は欧米で反響を呼んでいる。長期停滞論に人々が何となく共感を覚えるからであろう。リーマンショック後の落込みから日・米・欧の経済は、程度の差はあるが回復基調にある。しかし期待したほどの力強い回復ではないと人々は感じている。


先進国においてこれまでの経済論壇の主流派(つまり古典派、新古典派経済学)の議論は、もっぱら供給サイドを重視するものであった。例えば職業訓練によって労働市場のミスマッチをなくすといったものである。また彼等、主流派は供給サイド重視の観点から、潜在成長率を高めることを主張してきた。このためには規制緩和による構造改革が必要と言い続けている。

一方、サマーズとトマ・ピケティは消費と投資の不振による需要不足を問題にしている。ただ各国政府も全く需要サイドを無視してきたわけではない。実際、リーマンショック後の急激な経済の落込みに対して、財政出動などによる需要創出政策を実施した。しかしギリシャの財政危機が起り、各国は一転して緊縮財政に転じた。英国は付加価値税、そして日本は消費税を増税し、また米国は軍事費などの財政支出を削減している。


ところでIMFは14年の先進国の需給(デフレ)ギャップが110兆円(GDPの2.2%に相当)と推計している(しかし筆者はこれを小さ過ぎると指摘した)。サマーズは米国のGDPは潜在GDPを10%も下回っていると主張している。ところが日本では内閣府がデフレギャプを0.2%、日銀はなんとデフレギャツプが解消し、逆にインフレギャップが0.6%生じていると実にばかげたことを言っている。これも主流派(供給サイド重視派)の影響であろう。

実際、現実を見れば欧州は若者の失業率が10%を越えており、設備投資も盛上がりに欠けている。米国も失業率は低下しているが、非正規雇用が増えているだけである。各国政府は、この状況を見て苦慮している。しかし財政が逼迫していると思い込んでいるので、財政政策は打てず、もっぱら金融緩和に頼っているのが現状である。ところがトマ・ピケティは、今日の状況においての金融緩和はさらに所得格差を拡大すると批判している。

筆者は、経済論壇の主流派が世間から相手にされなくなる時期が近付いていると見ている。サマーズやトマ・ピケティの説が全て正しいかどうかは別にして、需要サイド重視という考えが、世間に何か新鮮なものと受取られている。これも今日の経済論壇の主流派がボロボロになっているからであろう。


サマーズやトマ・ピケティの主張は、当たり前のことと筆者は考える。需要があれば経済は成長し、需要が不足すれば経済は停滞する。したがって先週号で取上げたように需要が旺盛な新興国や途上国は、条件さえ揃えば高い経済成長が可能である。

逆に供給サイドがネックになって経済成長が出来ないなんて、例外的なケースである。過度に一次産品に依存し製造業が貧弱な、ブラジルやアルゼンチンなどの南米諸国やロシア、そして近代産業のほとんどない途上国の一部などに限られる(一方、少し前の中国なんて一週間に電気が3日間しか供給されない状況で高い経済成長を続けてきた)。この限られた国々にしか適用できない主流派経済学のポンコツ理論で、成熟した日・米・欧の経済を分析し経済政策を進めようとしてきたことがそもそもの間違いだったのである。


•日経新聞のサマーズ理論の解説

昨年11月サマーズはIMFの会議で長期停滞論を初めて論じ注目された。IMFは元々経済論壇の主流派色(つまり古典派、新古典派経済学)が強い機関である。このIMFでさえ先進国全体でデフレギャップを前述の通り110兆円と推計している。たしかにこの数字は異常に小さいが(サマーズは米国のデフレギャップをGDPの10%としているので、米国だけで110兆円なんて軽く越える)、IMFでさえデフレギャプの存在を認め問題にしたことに意味がある。ちなみにデフレかどうかは、このデフレギャップで見るべきなのに、ポンコツエコノミスト達はいまだに物価の上がり下がりで見ようとする。

本来、長期停滞論は日本で言い出すべきものである。ところがバブル崩壊後、何を勘違いしたのか日本では供給サイド重視の論調が一斉を風靡し、今日でもこの路線が続いている。逆に日本では、サマーズ氏のような需要サイド重視や積極財政を唱える経済学者やエコノミストがほとんど排斥されて行った。

ところが欧米経済も日本経済を追い掛けるようにデフレが深刻になったのである。ようやく欧米もデフレに真面目に取組もうという雰囲気が出てきたのである。この先駆けとなっているのがサマーズとトマ・ピケティと筆者は捉えている。


情けないのが日本の経済論壇であり、いつも米国の経済学の流行りを追い掛けるしか能がないのである(人材不足が深刻)。おそらく米国の経済論壇で需要サイド重視の流れが定着すれば、日本も追随する可能性がある。そしてその徴候が既に出ていると見られる。

7月26日発行の週刊東洋経済は、トマ・ピケティの特集を組んでいる。また日経新聞は7月14日から3日間に渡り、サマーズの長期停滞説を経済学教室で取上げている。経済論壇の主流派(古典派、新古典派経済学)色が極めて強い、つまり供給サイド重視一辺倒の日経がサマーズの長期停滞論を取上げたのには筆者も驚いた。


3日間の執筆者は、福田慎一東大教授、池尾和人慶応教授、そして岡崎哲二東大教授である。3氏ともサマーズ氏が需要不足を根拠に長期停滞論を展開していることを紹介している。ただ岡崎氏だけは、米国の投資率(GDP比率)はまだ15%程度とまだ比較的高く投資と実質金利の関係では米国の停滞説は早計と見なしている。

ただ三氏とも長期停滞という点では日本の方が事態は深刻という分析をしている。それなら、何故、これまで日本で需要不足に起因する長期停滞を警戒する声が出なかったのかという話になる。やはりこれも米国が動かなければ日本は動かないという情けない図式なのであろう。


しかし三氏ともサマーズ氏の総需要政策には必ずしも賛同していない。今日のような過度の金融緩和状態での需要政策は、バブルを発生させると三氏は主張している。筆者は現状では簡単にバブルが起るとは考えないが、中には先走りしてバブル崩壊の惨状を説いている者までいる(福田教授)。

三教授は、サマーズ氏の長期停滞論を受けた対策をそれぞれ提示している。少子高齢化と財政健全化に正面から向き合って経済の構造を改革することが急務(福田教授)。サマーズ氏は成長戦略に消極的であるが、政治的忍耐力を持って成長戦略を実行(池尾教授)。高齢化社会に適合する経済構造への移行(岡崎教授)。それにしても「これらは一体何だ」といった惨めな政策のオンパレードである(対策を思いつかないのなら「ない」と言えば良い)。三教授の対策を見ると、やはり今日の日本の経済学者にサマーズ論の解説は無理だったようである。

日経新聞がサマーズ氏の長期停滞論を取上げたので筆者も日経も少しは変わったのかと思った。しかし23日の「エコノミクス・トレンド」では、柳川東大教授が「供給能力の天井 克服を」とまさに供給サイド重視一辺倒の文章を書いている。柳川氏はサマーズ氏の長期停滞論を引用しながらこれを書いているのだから驚く。また24日には「大機小機欄」に隅田川氏が同様の論調で間抜けなコラムを書いている。

そもそも日本経済は需要の天井にぶつかっても、供給の天井にぶつかることは百パーセントない(三教授でさえ日本のデフレが一番深刻と言っているではないか)。現実の経済の実態を知らずに経済を論ずる人々は幸せである。どうも日経新聞は、リハビリ程度では治らないほどの重病である。
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経済コラムマガジン 16/10/24(913号)


落日の構造改革派


•スッポリ抜けているもの

日本経済は低成長が続いている。筆者達はこの原因を需要不足と分析している。この主な要因は、日本で30才台、40才台の「消費年齢世代」の人口が減少していることである(需要不足なのだから「生産年齢世代」の人口の減少は主な問題ではない)。また所得(可処分所得)が伸びないこともこの一つの要因になっている。さらに他にも需要不足の要因は色々と考えられるが、ここではこれ以上の言及は省略する。

これに対して、低成長の原因は需要サイドではなく、日本の供給サイドに問題があるからと主張する者が実に多い。この考えから導き出される対策は日本の構造改革ということになる。先週号で述べたように、この構造改革派によとって、筆者達が主張する財政支出による需要創出政策は、むしろ日本の構造改革にとって邪魔であり障害になるらしい。


構造改革派の発想は古典派経済学理論(新古典派経済学を含む)に根ざしている。いわゆる「セイの法則」、つまり作ったものは全て売れるという法則が成立つ世界である。したがってもし売れ残りや失業が生じるなら供給サイドに問題があるということになる。具体的には生産設備が陳腐化していて製品が時代に合わないとか、労働者の質に問題があるということになる。

構造改革派の対策は、まず規制緩和などによる競争政策の強化ということになる。これによって劣化した生産設備やゾンビ企業の退出を促すことになる。また技術的に劣る労働者には教育・訓練を施すということになる。これらの話は、構造改革派に染まっている日経新聞などのメディアでもよく見かける。


構造改革派の経済成長理論の支柱となっている定式がある。それについて

08/9/15(第541号)「経済成長の定式(モデル)」
http://www.adpweb.com/eco/eco541.html

14/7/7(第804号)「経済成長の三つのパターン」
http://www.adpweb.com/eco/eco804.html


などで説明した。

これは経済学の教科書に載っている

g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+ n(労働人口増加率)

である

(これに技術進歩を加味すると

g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)+t(技術進歩)

になる)。

したがってs(貯蓄率)が一定なら、経済成長率を大きくするには合理化などによって資本係数を小さくし、労働者に教育・訓練を施し労働投入量を増やせば経済は成長することになる。

上記の経済成長理論の定式は、一見正しく当たり前のように感じる。ところがこれには「スッポリ抜けているもの」がある。それは「需要」である。もし需要不足が常態化しているなら、上記の定式は何の意味もない。つまり構造改革派は、需要サイドを全く見ていないのである。まさに「作ったものは全て売れる」という「セイの法則」の世界にいる。このように構造改革派の経済理論は著しく現実離れしている。


ところが安倍政権の登場で状況は一変した。安倍政権は第一の政策をデフレ経済からの脱却とした。つまりデフレギャップの存在を公式に認め、この解消を第一の政策目標に置いたのである。政府機関も渋々とデフレギャップの存在を認めるようになった。

ところが政府機関の公表するデフレギャップはいつも1〜2%と異常に小さい。これは

16/8/1(第902号)「大きな車はゆっくり回る」
http://www.adpweb.com/eco/eco902.html


で述べたように、デフレギャップの算出に「可変NAIRUアプローチ」という浮き世離れした手法を採っているからである。またデフレギャップ異常が小さいため、潜在成長率も異常に小さく算出されている。

筆者達は、ヘリコプター・マネーによる需要創出政策を唱えている。しかし構造改革派に染まった日本の経済の論客は、デフレギャップが小さいのだからたちまち日本経済にインフレが起り物価が高騰すると脅かすのである。これもヘリコプター・マネー政策への一つの雑音である。


•有り得ないデフレギャップの1〜2%

日本経済の成長率を高めるには、生産性の向上しかないという話をよく聞く。この根拠は潜在成長率がこれだけ小さくなっているのだから、生産性を上げる他はないというのである。具体的には規制緩和によって競争を活発にすることや生産工程への新機軸の導入、そして労働者の教育・訓練などである。ちなみに本誌では過去

01/9/10(第221号)「「生産性」と「セイサンセイ」の話」
http://www.adpweb.com/eco/eco221.html


で、この話を取上げたことがある。

しかしこれらの全てが前段で紹介した構造改革派のセリフと一致する。つまり生産性を上げるということは構造改革を実施することと同じ意味である。言い方を変えると構造改革を行うことによって生産性が上がるという話である。

たしかに国全体ではなく一つの企業で考えると、注文が殺到し生産が間に合わない場合は生産工程の改善(新機軸の導入などを含め)や従業員の教育・訓練が必要になってくる。つまりこの生産性の向上によって注文増に対応するということは有りうる。しかし反対に注文が少なくなるケースが有りうる。この時にはリストラによる生産性の向上という方法が考えられる。また場合によっては不採算部門の整理といういうことが必要になる。


しかし一国の経済を考える場合と一企業を対象にする場合では事情が異なることがある。たしかに国全体の需要が伸びている時代なら、国も企業もやるべきことは似ている。言っているように生産性の向上ということになる。企業はこれによって限られた生産資源(生産設備と労働者)をより効率的に使って最大限の生産を行うのである。国はこの動きを税制などで支援することになる。

ところが今日のようなデフレ経済で需要不足が常態化している現状では、国と企業では利害が異なるといった事態が起る。例えば企業は売上が落ちれば、当然、前述のような生産性の向上のためリストラを考える。しかし国にとって企業のリストラによる失業者の増加は由々しき問題となる。


このように構造改革派の論客は、経済の高度成長期のように需要がどんどん増える時に適合したかもしれない稚拙な経済理論(供給サイドの重視)を、慢性的な需要不足が続く今日の日本にも適用しようとしているのである。筆者はこのことを間違っているとずっと言って来た。

精一杯優しく言えば、構造改革派の面々は現実の経済に疎い「おバカ」の集りということになる。少しでも現実の経済を知っているなら、1〜2%のデフレギャップとかほとんどゼロの潜在成長率といった現実離れしたことは決して言わない。本当にデフレギャップが1〜2%なら、景気は超過熱状態であることを意味する。そのような状況ならほとんどの生産設備の稼働率は100%であり、商店やデパートの店先には買い物客が殺到し長い行列を作っているはずである(終戦直後の日本や旧ソ連時代の店頭と同じように)。

また本当にデフレギャップが1〜2%なら、どの企業や商店ではこれ以上売ることのできる製品や商品の在庫がなくなっていて、営業担当者のほとんどの仕事は注文を断ることになっているはずである。したがって販売促進のための広告・宣伝なんてとんでもないことである。このように「可変NAIRUアプローチ」によって導き出されるデフレギャップの数字はばかばかしく有り得ないものである。


さすがに構造改革派の中にも、段々と問題は供給サイドだけでなく、需要サイドにもあるのではないかと考える者が現れるようになった(日本の供給サイドは特に大きな問題がないと筆者は見ている)。明らかに構造改革派は落日を迎えている。しかしいきなり財政支出による需要創出というわけには行かない。筆者の記憶では、最初に需要サイドに着目した構造改革派は「霞ヶ関埋蔵金」を問題にした人々である(埋蔵金を使っての需要創出をしろと主張)。

その次は外国人観光客の誘致を唱える人々である。これは外国人観光客の買い物による需要増を狙っている。そして最近ではTPP締結が注目されている。ところでアベノミクスの第三の矢である「成長戦略」の柱は規制緩和などによる構造改革だったはずである。ところが奇妙なことに最近になって「成長戦略」の第一はTPPという話が出るようになっている。これは TPP による輸出増が狙いである。

このように外国人観光客の誘致やTPPの目的は需要増といっても外需の増加ということになる。たしかに構造改革よる供給サイドの強化といった現実離れした考えからは、これらはいくらか進歩していると言える。しかしこれに対して筆者達は、これ以上外需依存を高めるのではなく(外需依存はいずれ円高で苦しむことになる)、財政政策(ヘリコプター・マネーなどによる)による内需拡大政策を主張しているのである
http://www.adpweb.com/eco/


貯蓄と貧困 再論(セイの法則をめぐって)
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/908.html

経済学には、売り切れる経済学と、売りきれない経済学がある。

(私の説明がつたなくて何のことを言っているのかわからないという方がいらっしゃるかもしれないので、

小室直樹『資本主義のためのイノベーション(革新)』
http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%8F%E5%AE%A4%E7%9B%B4%E6%A8%B9-%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%82%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AB-%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E9%9D%A9%E6%96%B0-%E5%B0%8F%E5%AE%A4-%E7%9B%B4%E6%A8%B9/dp/4822229025


から、

第4章 イノベーション(革新)理解のための経済原論 の冒頭部 
−「有効需要の原理」と「セイの法則」だけ分かれば、あなたも立派な経済学者− 
を数ページこちらに引用→ (『情況へ…shn』19.1小室直樹)しておきます。

「経済学は、アダム・スミスから始まり今日にいたる古典派とケインズ派とからなる。古典派は自由放任を唱え市場万能論者である。ケインズは古典派を批判した。本章は中学1年程度の数学で理解できる。」だそうです。)


売り切れる経済学とは古典派で、セイの法則が成立するとします。

セイの法則を小室直樹は少し長く説明していますが、私が昔読んだときにはもっと単純な説明であったと思います。

"supply creates its own demand"、供給は自分自身に対する需要を生み出す。

一番単純な例を考えると、床屋さんの商品は散髪することで、散髪料金が2500円なら、一人散髪をすると2500円の収入が発生する。市場に或る商品を提供すると、同額の収入がもたらされる。少し複雑な場合を考えると、120万円のトヨタカローラが一台売れると120万円の収入がもたらされる。120万円は土地(自然)、労働、資本という生産の三要素にそれぞれ地代、賃金、利潤として支払われ、それらは地主、労働者、資本家の収入になる。商品の総額と収入の総額は等しい。

ここまでは当たり前で、ケインズ派もマルクス派もだれも反対しない。
ここから先が違う。

古典派は、人は商品を売って収入を得てそれで何かを買い(消費)、残りは必ず投資するだろう、と考える。自分で投資しないときは人に貸し、借りた人はただ利子を払うのではなく必ず投資する。500兆円の商品が市場にもたらされるときは500兆円の収入が発生し、それは必ず500兆円の需要になる。収入は必ず支出される。ため込まれてしまうことはない。だからたとえ市場の一部で売れ残りが発生してもそれと同額の購買力が他方に残っているのだから、市場に任せておけば必ず売り切れるように市場自身が調整する。…

マルクスは、資本主義においては「売り」は強制されるが「買い」は強制されない、だから必ず「買い」が不足する、と批判しました。売り上げを握りしめて模様眺めをすることだってできるわけです。

ケインズは流動性選好という言葉で説明しています。

たとえば「投機」目的のためには自分の収入をなるべく現金に近い形で(流動性の高い形で)持っている必要がある。すると、収入が現金で持たれている分だけ商品が売れ残り、失業が発生する。

収入が貯蓄され、貯蓄が投資されずに溜め込まれると失業、貧困が発生する。

ここまで説明すると必ずと言っていいほど

いや、「三面等価の法則」があって、必ず売り切れることになっているのだ、というコメントが寄せられるのですが、「三面等価の法則」というものはない、あるのは「三面等価の原則」なのだそうです。

野口悠紀雄もたしかビデオニュースドットコムで「貯蓄が失業の原因だという考えがあるが」と意見を求められて「三面等価の法則があって、売り切れるのです」と答えていました。

三面等価の原則に関してはこちらがわかりやすくまとめられています。
→   http://free-learning.org/?page_id=390#05

検索する場合は、フリーラーニング→速習マクロ経済学→part2国民経済計算−日本経済をどう測る?→第5回 三面等価の原則 です。


テキストでは

「三面等価の原則は統計上の操作を行うことによって常に成立する統計上の原則にすぎません。しかし、この原則より、現実経済の需要と供給も等しいと勘ちがいする人が多いので気を付けましょう。」

と中扉で注意を呼びかけられています。(石川秀樹 「速習!マクロ経済学」65ページ)

その「三面等価の原則」というのは

 (生産面からみると)国内総生産・500兆円
=(分配面からみると)国内総収入・500兆円
=(支出面からみると)国内総支出・500兆円

ですが

「国内総生産より、国内総支出が小さい場合、生産した分より支出が少ないので、ものが売れ残り、倉庫に売れ残り品が増えます。ところが統計上は、この売れ残った分は、その作った企業が支出したと考え、在庫品増加という項目にして国内総支出に加えるのです。(中略)

 このように考えれば、統計上は、支出面の国民所得(国内総支出)と生産面の国民所得(国内総生産)とは常に等しくなります。」

「しかし、これは、統計上は、売れ残った分は作った企業が支出して買ったことにしてしまうので、等しくなるというだけで、現実の生産量と需要量(支出額)が等しく売れ残りがないということではありません。」(同67ページ)

個々ばらばらの生産額の数字を集計すると、個々ばらばらの収入額の合計とは誤差や漏れがあって必ずしも一致するとは限らないから、統計上はその数字をそろえる、というのはわかる。しかし総支出額も操作して揃えてしまうというのは一種のトリック、インチキで、「勘ちがいする・させる」の元になるのではないか。

貯蓄の一部が投資されないでため込まれると商品が売れ残り失業が発生するからその分を(政府が)新たに投資しなければいけない、と話を進めると

「売れ残り在庫は在庫投資という投資だから、投資しているのだ」

という反論が寄せられたことがあったのですが、それが「勘ちがい」なのでしょう。

で、野口悠紀雄もその勘ちがいをしている一人なのでしょうか。

例えば薄型テレビ業界に参入するために1000億円をかけて工場を建てた、労働者も雇った、部品も仕入れた、これが1000億円の投資だ。一方、売れるはずの見込みが外れて10万円のテレビ100万台が売れ残ってしまった、これが1000億円の在庫だ。この二つが同じだ、投資だ、という人にまともな経済運営は可能なのでしょうか。

結局小室直樹の結論も一緒で、貯蓄が投資されずに溜め込まれると失業が発生する。

だから貯蓄を吸収しきるだけの国債を発行して公共事業をするなり、「何とか手当」という口実を作ってお金を使いたいという人にばらまけば売れ残りが一掃されて市場の機能が回復する。市場を否定するのではなくて、市場の機能を回復させるために、貯蓄分をプラスマイナスでゼロにするだけのバラマキをしなければいけない。

または、初めから、お金を使う必要のない人にはお金が回らない所得体系にしなければいけない。

 また、いったん売れ残り・失業が発生すると、立場の弱い商品から投げ売りが始まる。

底辺の「労働力」は一番立場の弱い商品だから、すぐ値崩れが起こる。つまり貯蓄によって不当廉売を強いられることになる。すると、不当に安値を付けられた労働の買い手はその分不当な利益を得ることになる。
だから、アメリカ大統領選で語られたという「真面目」に働いて自分の生活を成り立たせてきた人間(53%の納税者)、対、「税金で食わしてもらっている人間」(47%非納税者)という対比そのものが不当なものだといえる。

労働力の供給に関する古典派・新古典派の理論では労働者は労働するかしないか自分で選べることになっている。ある時間働いて得られる収入と、そのために失われる余暇とをはかりにかけていいほうを選ぶのだという。そんな労働者を見たことがあるか。それはまるで食べるには事欠かない親がかりの学生アルバイトだ。

 ならば国民一人当たり100万円のベーシックインカムを保証して働くか働かないか自由に選べるという条件を作り出せば古典派・新古典派の市場の理論が実現するといえる。

(「セーの法則」を眺めていたらこんなことも言えるのではないか。

日本は労働賃金が高いから国際競争力が失われる。…

 ある業界で賃上げが行われ、計10兆円賃金が上がり、それがすべて価格に転嫁されて、国内の全商品の値段が計10兆円上がったとする。けれどその時、その商品を買う国民の総収入も10兆円増えているのだから、国民全体が損をするわけではない。損をするのは輸出業界だろう。輸出のために労働者の賃金を貧しい国並みに引き下げるというのは、本末転倒ではないか。

 特に農業問題でも同じだ。

 日本の農業が全体で10兆円の農産物を生産していたとする。しかし外国では同じものを8兆円で作っている。ならばといって日本の農家も値下げして8兆円で作ることにしたら、国民の総収入も2兆円減ってしまう。国民の利益が全体として増えるわけではない。

 その8兆円の農産物を輸入してしまったら、国民の総収入が8兆円失われ、8兆円の商品が売れ残り、8兆円分の失業が発生する。…)
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/908.html

わたくし共は以前から「グローバリズム」(厳密には「日本国民を貧しくするグローバリズム」)を批判してきたのですが、アメリカでも似たような議論が起きています:


コラム:TPPで米国が払う自由貿易への代償 2015年 04月 13日


[10日 ロイター] - 自由貿易は米国政府の合言葉だ。オバマ政権が環太平洋連携協定(TPP)妥結に向け、政府に貿易交渉権限を委ねる「ファストトラック」と呼ばれる貿易促進権限(TPA)の取得に意欲を示すのは、政府の伝統の一部でもある。しかし、一連の証拠が示すところによると、発展途上の低所得国に通商上の完全な最恵国待遇を認めれば、往々にして米国のコスト負担になる。

エコノミストたちは自由貿易がもたらす大きな利益に関して、古典派経済学の基本原則である比較優位説を引き合いに出す。もし貿易相手国・地域が互いに最も得意な分野に集中すれば、最終的に双方が豊かになると主張するのだ。

米国は19世紀、その理論が誤りであることを証明した。欧州向けに鉄や綿花を輸出する一方で、「未発達な」自国の産業を保護するために高い関税を設けた。1890年代までに米国はほとんどの先進産業分野において英国を凌駕した。米国にとってそれが容易に達成できる目標であったのは、当時の英国が純粋な自由貿易の実現を頑なに目指していたためだ。

最新の研究は、相互に恩恵を及ぼす貿易およびオフショアリング(外国への業務移管・業務委託)の相手国と、そうではない相手国を分けて考える一助になる。貿易もしくはオフショアリングの相手国が先進国だった場合、米国の賃金は上昇する傾向にある。しかし、途上国が相手だった場合、とりわけ熟練度が低い労働者や中程度の労働者の賃金は低下する。

このような賃金の下落効果は製造業に限ったことではなく、他の業界の同じような職にも及ぶ。一般に製造業の賃金はサービス業より高い。しかし、輸入や生産の海外移転が増えると、製造業の雇用削減圧力は一段と強まり、職を失った労働者が従来より賃金の低いサービス業に移行するドミノ効果が生じる。こうして賃金の縮小は全体に及ぶのである。

賃金の低下圧力は、生産の海外移転よりも途上国からの輸入によりもたらされる場合の方がはるかに影響が大きい。それは中国が貿易相手国である場合に最も顕著に表れる。中国から輸入が10%増加した際に、米国の関連する職種の賃金は全体で6.6%低下した。さらに、ほぼ全てのケースにおいて賃金の低下は、とりわけ高卒未満の学歴しかない低所得労働者に最も厳しい打撃を与える。

米国の製造業の雇用者数は1970年後半にピークを迎え、その後全般的に減少傾向にある。しかし、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2000年が明らかに分岐点となった。そこから中国からの集中的かつ壊滅的な米国市場への製品流入が始まったのだ。

2000─2009年の間に米国は約600万人分の雇用を失った。これは2000年の雇用者の約3分の1に相当する。最近は緩やかな雇用回復がみられ、製造業で2010年以降に85万人の職が創出されたが、減少分を埋め合わせるには少なすぎる。

中でも破壊的なブランドとしての中国の競争力は軋轢を生んでいる。世界で最も効率性の高い製鉄会社の1つである米ニューコアの例を考えれば分かる。ダン・ディミッコ元最高経営責任者(CEO)によると、ニューコアが1トンの粗鋼生産に要する労働時間はわずか0.4時間、賃金にして約8─10ドルにすぎない。原料の大半はスクラップだ。一方、中国では割高な鉄鉱石を使用しているうえ、米国への出荷コストは1トン当たり約40ドルだ。

ディミッコ氏は近著「アメリカン・メード」の中で、仮に中国の労働コストがゼロだった場合でも、中国の製鉄業者が自国市場でニューコアより安値で販売することはできないと主張する。しかし、過去1年間のうち大半で、中国の低価格の鉄鋼製品は米国市場になだれを打って流入しており、ディミッコ氏は違法な「不当廉売(ダンピング)」の明らかな証拠だと指摘する。これに対して中国政府は当然のように、すべては公正な貿易ルールにのっとった行為だと主張している。

しかし、中国はわれわれと異なるルールに基づいて動いている。有力な製造業企業は大半が国有企業であり、資金調達から用地のリース、税制や燃料費まで共産党が決定するコストで提供されており、あらゆる形で政府の補助を受けているからだ。

さらに悪いことに中国政府は近年、欧州や米国企業に対し、大型契約の受注の条件として特許技術を移転するよう圧力を掛けている。

顕著な例は国有企業の中国商用飛機(CACC)と米航空・宇宙関連企業7社の間の提携だ。米国側では航空機大手ボーイングとゼネラル・エレクトリック(GE)が主導した。参加した米企業はすべて中国に対してかなりの特許技術を提供している。GEの重要資産である航空電子工学技術は契約の主要部分を占める。先進の航空工学技術は中国側が軍事面で強い関心を示した分野だ。GEは技術が軍事部門に漏えいすることはないと主張し、それに反する証拠が見つかった場合はプロジェクトすべてを終結すると約束している。当然のことだ。

中国のこれまでの実績を見ると楽観的にはなれない。中国は現在、世界最大の高速鉄道産業を有し、記録的なスピードで鉄道整備を推進する。独シーメンス、川崎重工業など先進国企業から車両を購入し、それらの技術を自社製品に応用するリバース・エンジニアリングを進めている。これらが標準的な手段となりつつあるのだ。中国に対するコンピューター供給契約の大半は、ベンダー側がソフトウエアの設計図に当たるソースコードのコピーを中国政府に提供することを義務付けている。どんなハイテク企業でも成功のカギを握るのはソースコードだ。

中国は偉大な国家であり、非凡な才能と勤勉な人民を抱える。しかし、政府の官僚機構には深刻な腐敗が露呈しており、官僚たちはルール対して口先だけの約束をすることもしばしばだ。数十年前に米国の鉄鋼会社が外国企業のダンピングに不服申し立てを行った時、これらの米企業はさらに進歩した競争相手からの保護措置を求めていると受け止めた人もいるかもしれない。だが、特にニューコアのような企業には、そうした見方はあてはまらない。

今こそ中国のような収奪的な競合相手に対して、法に基づく処方薬を投与すべき時だ。中国はTPP交渉に参加していないが、その急速な経済発展は途上国すべての目指す目標となりつつある。米国政府は、自国企業に対する公平な処遇を確保する備えができて初めて、新興国との自由貿易協定の検討を始めるべきだ。
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0N40JS20150413?sp=true

 グローバリズムに基づく自由貿易−ここでは「モノ・サービス」に限らず、「カネ(資本)」そして「ヒト(労働者)」の移動の自由化も含みますが−により先進国の国民は貧困化していきます。特に、グローバルスタンダードが確立した世界では、製品もサービスも、

「どこの国で作っても、同じような品質」

 になってしまうのです。


 よく、農業「改革」を叫ぶ人が「付加価値を高めて〜、世界で戦う〜」などと主張していますが、現実には困難です。グローバリズムにおいて、最も重要なのは「価格」なのです。

 というか、付加価値、付加価値言うなら、まずはあんたがやってみなさい。付加価値を高めて、価格差10倍をひっくり返してから言ってくれ、てなもんです。


 グローバリズムが進展した結果、先進国から雇用が失われるか、もしくは国内の雇用が「安い人件費」からの外国移民に奪われていきます。日本、西欧、北米の国民の実質賃金が下がり、貧困化し、世界は「フラット化する」ことになるわけです。


そもそも、先進国の企業の経営者が工場を外国に移転するのは、そちらの方が「儲かる」ためです。先進国側の労働者の雇用が失われ、彼らが稼いでいた所得が企業経営者、投資家、工場が移転された先の労働者、そして消費者に移転されます。すなわち、投資家からしてみれば「資本利益率」が最大化されるのです。


 本来、資本利益率の最大化は、「技術開発投資」「人材投資」そして「設備投資」という、国内における投資活動で実現されるべきものです。とはいえ、投資拡大は費用増でございますので、

「そんな無駄なことにカネを使うならば、外国に工場を移転して資本利益率を最大化せよ」

 これが、グローバル株主資本主義の決定的かつ最大の「危険」なのでございます。


 無論、資本を外国に移転すれば、短期的には利益が増えます。とはいえ、国内の投資が先細りになるため、中長期的には技術力が失われ、さらに国民が貧困化していきます。


 先進国は、次第に発展途上国化していきます。逆に、工場や技術が移転されてくる発展途上国は、次第に先進国の方向に近づきます。
 最終的には、世界がフラット化され、めでたし、めでたしという話です。


 勘弁してください・・・。


 申し訳ないですが、わたくしは世界の他の全ての国々が貧しいままだったとしても、日本国が繁栄し、国民が豊かになることを望みます。なぜなら、わたくしは日本国民であり、外国の国民ではないためです。しかも政治家でもありませんので、綺麗ごとを言う必要もないわけです。


 また、現在の先進国がグローバリズムの「進展度合いを引き下げ」(グローバリズムを批判すると、すぐ「鎖国するというのか!」とか言ってくる単純おバカさんがいるので、こう書いておきます)、自国の国民が豊かになる「黄金の四半世紀」と同じ路線に戻れば、先進国の国民のみならず、途上国の国民も潤うことになるでしょう。理由は、巨大で膨張する先進国の需要に対し、途上国側が「自国で発展させた技術、ノウハウに基づき生産した製品、サービス」を輸出していくことができるためです。


 外国資本が途上国にやってきて、工場を建設し、安い労働者をこき使いながら先進国に輸出するモデルでは、途上国側に真の意味で「供給能力」はつきません。つまりは正しい意味の「経済成長」は不可能なのです。


 中国は、それを理解しています。だからこそ、外国資本を招くときは、「えびす顔」を見せ、大歓迎し、自国に技術を移転させたら、「悪鬼の顔」となり、容赦なく追い出そうとするわけです。(逆に、取れるもの取れないうちは、追い出しませんが)


 短期の利益を追求した先進国(特に酷かったのが日本)の企業経営者たちは、中国の「やり方」にすっかり騙され、今や自国の安全保障を危機に陥れてしまったわけでございます。


 いずれにせよ、自由貿易一つとっても、話はシンプルではないのです。本エントリーに書かれている「情報」を頭にインプットするだけで、

「TPPは自由貿易です。自由だからやるんです(竹中平蔵氏が実際にわたくしに言ったセリフそのままです)」

 あるいは、

「比較優位論があるから、自由貿易は常に善」

 などと子供じみたことを主張し、グローバリズムやTPPを推進している連中が、いかに「危険か」が分かるでしょう?
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/

セイの仮説の呪縛 2015-06-04


 実体経済が失速する中、株価のみが上昇する。中央銀行の金融緩和にも関わらず、実体経済における投資が増えず、行き場を失ったおカネが証券市場に流れ込む。日本などの主要国と同じ現象が、中国でも起きています。


 もっとも、中国の株価上昇ペースは「極端に早い」ため、近々、2008年同様に上海株式市場が暴落する可能性は決して低くないと思います。上海総合指数の時価総額は、6月1日時点で対前年比2.37倍に膨張しました。


 上記の「実体経済が振るわない中、株価のみが上昇する現象」、すなわち所得と資産価値の乖離について、第一生命経済研究所の熊野英生氏が恐ろしく適切なコラムを書いていらっしゃったので、ご紹介。

『コラム:カネ余り第二幕、株価上昇の背景=熊野英生氏
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0OI15Z20150602


熊野英生 第一生命経済研究所 首席エコノミスト

[東京 2日] - 2万円を突破した日経平均株価が、目先どんどん株価が上昇していきそうだというストーリーを合理的に説明することは、エコノミストにはつらいところだ。

 何しろ、最近の日本の経済指標は悪いものが目立つ。足元のファンダメンタルズだけでは説明しづらい。4月の消費支出が大きく減少し、生産統計も4―6月にかけて低調だ。5月上旬に発表された決算は良かったが、それは過去の業績拡大である。日本の景気は、「長い目でみて良くなっていく」と婉曲話法を用いて説明せざるを得ない。

そこで発想を逆転させて、「景気が足踏みするから余剰マネーが株価を押し上げている」と説明してみよう。すると、すっきりと説明できる。これは日本のみならず、米国や中国にも共通することだ。

 金融緩和の効果が効いているから、先行きの強気予想に基づき、資産価格の上昇が後押しされるという説明である。株価上昇は、マネタリーな要因なのだ。(後略)』

 ことは「経済学」の大元に関わります。


 実体経済において、経済学の前提である、

「供給が需要を創出する、セイの法則」

 ならぬ、

「セイの仮説」

 が成立しているならば、金融緩和により実体経済で投資が拡大するはずです。すなわち、企業が銀行融資を受け、投資を拡大するわけです。


 ところが、現在の世界(日本、ではありません)では需要が不足し、セイの仮説が全く成立していません。結果的に、金融緩和で銀行に「おカネを貸しやすくする」を実施しても、おカネは実体経済には向かいません。株式市場(あるいは土地)に向かい、資産価格を押し上げます。


 反対側で、実体経済の投資は活性化せず、つまりは「需要」が増えないため、GDPがマイナス成長になり(1−3月期のアメリカ)、乗用車生産が激減し(中国)、実質賃金が低迷を続ける(日本)というわけでございます。


 上記の「セイの仮説の誤り」に政策担当者が気が付き、需要創出策という適切な政策を打ってもよさそうなものですが、株価の上昇が「実体経済の不振を覆い隠してしまっている」というのが現状なのでございます。


 リーマンショック前も、ほぼ同じ現象が発生し、株価をはじめとする資産価格が大暴落し、実体経済を一気に痛めつけました。同じことが起きるのでしょうか。


 あるいは、このまま資産価格と所得の乖離が拡大していくのか。まさに、ピケティのいう「r>g」が継続するわけですが、そうなると「持続不可能な格差」が拡大し、社会は不安定化していかざるを得ないでしょう。


 いずれにせよ、主流派経済学の基盤となっている「セイの仮説」は、まさに呪いとして機能してしまっています。各国は、早急にこの「セイの仮説の呪縛」を打ち払う必要があるのです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12034756797.html

経済成長の三つのパターン 14/7/7(804号)

•経済成長の定式(モデル)

今週は、改めて経済成長のメカニズムについて述べる。このテーマはこれまで何回も取上げてきた。まず


08/9/15(第541号)「経済成長の定式(モデル)」
http://www.adpweb.com/eco/eco541.html


で説明したように、経済学の教科書には、

g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)

で示される経済成長の定式がある。


しかしこの定式が規定しているのは供給サイドである。

つまりこの定式は暗黙のうちに生産されるものが全て消費されることを想定している。

まさにこれは古典派経済学(新古典派を含め)の「セイの法則」の世界である。


しかしケインズは「セイの法則」が成立するのは特殊な状況においてのみと説明する。彼は古典派経済学がこのような特殊理論であることを証明するため「一般理論」を著したのである。

筆者も、「セイの法則」が通用するのは、生産力の極めて乏しかった大昔や大きな戦争で生産設備が徹底的に破壊されるといった特殊なケースに限られると認識している。


教科書で学ぶ経済成長理論は、事実上、古典派経済学の世界である。

上記の定式に従えば、経済成長率を大きくするには貯蓄率を大きくし、資本係数を小さくする必要がある。資本係数を小さくするには、技術進歩による生産性の向上や社会の構造改革ということになる。また労働人口を増やすことも有効ということになる。

しかしこれらは全て供給サイドの話であり、またこのg(経済成長率)は潜在的な成長率に過ぎない。したがってケインズの指摘したような需要不足が起れば、これは全く成立たない定式になる。

ところがほとんどの経済学者やエコノミスト(さらには多くの政治家やマスコミ人まで)は、今日でも役立たずのこの定式にしがみついている。

それどころか自分達がこの定式にしがみついているという事さえ理解していないのである。


筆者は、単純に需要があれば経済は成長し、反対に需要が減少すれば経済は停滞し、場合によってはマイナス成長になるとずっと主張してきた。つまり少なくとも今日の日本にとって、供給サイドの経済成長の定式なんかまるで関係がない。また世間に流布している経済成長への処方箋はほとんどが嘘である。

新興国や途上国が高い経済成長を続けているのは大きな需要があるからである。何もない途上国の人々には、物やサービスに対して飢餓感に似た大きな需要がある。たしかにこのような国には経済成長の定式が適用できるかもしれない。

実際、ある程度の条件(具体的には政治の安定や基礎的な国民教育など)が揃えば、今日、元々十分な需要がある新興国や途上国は経済成長を続けることができる。仮に資金が不足していても、投資機会が乏しくなった先進国から潤沢な余剰資金が流れてくる。つまり貯蓄の必要性は小さい。また技術がなくとも先進国から技術を伴った最新設備を導入することができる。

また経済発展に必要なインフラも、例えば携帯電話などの登場によってハードルが低くなっている(以前は電話線網の設置工事から始める必要があった)。要するに旺盛な需要さえあれば、どのような国でも経済成長は可能なのである。いずれにしても規制緩和や構造改革なんて経済成長にほとんど関係がない。


先進国の中で、米国は比較的高い経済成長を続けてきた。これについて筆者は

01/6/18(第212号)「需要があっての経済成長」
http://www.adpweb.com/eco/eco212.html


で米国の貯蓄率が低下していることに着目した分析を行った。しかし今になって思えばこれは不十分な説明だったと感じる。筆者は、米国に流入した膨大な移民(合法・違法を問わず)の影響をもっと考えるべきだったと今日思っている。

米国は先進国の中でもめずらしく人口増加率が大きな国である。これは移民の影響が大きい。特に移民の出生率は大きく、移民の代表であるヒスパニック系住民だけでも既に5,000万人(全人口の17%)を越えている。何千万もの移民の流入は、米国に新興国・途上国の一国が生まれたようなものである。何も持たずに米国へやってきたのだから移民には旺盛な需要がある。これによって

07/11/5(第503号)「米国のサブプライム問題」
http://www.adpweb.com/eco/eco503.html


他で述べたように、これまで米国の経済成長率がある程度かさ上げされてきたと筆者は考える。


•精神的に分裂状態

先週号でフランス経済学者のトマ・ピケティが、1930年代から1980年まで小さかった米国の経済格差が、1980年(レーガン大統領時代、つまり新保守主義台頭期)以降大きくなったと指摘した話をした。そして経済格差が大きくなると、国全体では貯蓄が増え経済成長にはマイナスに働くとトマ・ピケティは主張している。すなわち米国では特にヒスパニック系の移民が増えることによる需要増が、このマイナスを打ち消していたとも見られる。

ところが米国の比較的高い経済成長率は、レーガン大統領以降の規制緩和や構造改革のお陰と新古典派のエコノミストは間抜けたことを言い続けている。

彼等は、経済成長が需要で決まるということをどうしても認めたくないのである。

そして経済成長の定式から導かれる理論と「経済成長は需要が決める」という経済理論(筆者などが主張する)との間には大きな溝がある。

ここをはっきりさせず曖昧なまま日本で経済論議が進められてきた。これが原因で日本の経済学者やエコノミストが言っていることが分かりにくく混乱している。

経済学者は、学校で供給サイドの新古典派の経済成長理論の定式を教える。

ところが彼等は、実際の経済成長の実績や予想の分析には、内閣府が作成する経済成長の数値(速報値、改定値など)を使う。

この内閣府の数値は、供給サイドではなく需要サイドを積上げたものである。具体的には、個人消費、設備投資、公共投資、住宅投資、政府消費、在庫投資、そして純輸出(輸出−輸入)を合計したものである。


つまり彼等は、経済理論は供給サイドであるが、現実の経済分析は需要サイドで行うといった精神的に分裂状態である。

これを誤魔化すために、彼等は極めて悪質な細工を使う。

例えば需要と供給のギャップであるデフレギャップを異常に小さく算出するのである。


経済成長理論を構築したのは、ハロッドやサミュエルソンといったケインズの弟子達である。しかし彼等が作った経済成長の定式は、供給サイドだけに着目したものであり、事実上、需要サイドを無視している。

唯一需要サイドも考慮したのがハロッドである。ハロッドは、自分達が作った経済成長理論では、需給の不均衡に陥る危険性があることを認識していた(均衡点はナイフの刃の上を歩くように不安定と説いた)。今日の日本などの先進国の経済を見れば、ハロッドの認識が正しかったと言える。もっともサミュエルソンやソローなど当初新古典派と呼ばれた経済学者も後に考えを変えている。これについては来週号で触れる。


筆者は、経済発展段階によって適用できる経済成長のメカニズムは異なると考える。これを筆者は三つのパターンに分けて理解している。

一つは新興国や途上国のような十分な需要のある国のものであり、

もう一つは日本や欧州の先進国のように慢性的な需要不足に陥る国の経済成長メカニズムである。

もう一つ加えるならば、米国のような新興国・途上国の要素を併せ持つ国の成長パターンがある。

つまり供給サイドの経済成長の定式がある程度当てはまる国と全く適用できない国、そして米国のようなそれらの中間の国ということになる(ただし米国は今後日本などのグループに近付くと考える・・つまりサマーズの言っている長期停滞)。

このようなその国が置かれている状況を無視して経済政策を押し進めるから、訳の分からないことになる。例えば国内に十分な需要がない状態で設備投資を刺激しても、民間企業が設備投資を行うはずがない(設備投資が需要のある新興国・途上国に流れるのは当たり前)。またNISA(少額投資非課税制度)を拡充すれば、ますます個人消費が減少することになる。ましてや消費税増税なんてもっての他である。
http://www.adpweb.com/eco/eco804.html


ポンコツ経済理論の信奉者達 14/7/14(805号)


「セイの法則」が意味を持った時代もあった

先週号で、

g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)

で示される経済成長の定式は古典派(新古典派を含む)の経済理論の本質を示すものと説明した。

これは供給サイドだけを規定したものである。一方、需要サイドでは作ったものは全て消費されるという「セイの法則」が暗黙のうちに想定されている。したがって現実の経済で需要不足が当たり前になれば何の価値もない定式になる。


つまり慢性的に需要が不足している今日の日本など先進国にとっては、ほとんど関係のない定式である。今日のような低成長になれば、需要サイドだけを見ていれば十分であり、供給サイドはほとんど無視して良い。

ところが役立たずの経済学者やエコノミストは、相変わらず既にポンコツとなったこの定式にしがみついて経済成長戦略とか言っているのだから驚く。


この理解を容易にするため、s(貯蓄率)とv(資本係数)についての説明を行う(ただし平均値と限界値への言及はややこしくなるので割愛する)。

v(資本係数)は資本(K)/総生産額(Y)で算出される。

資本(K)は総資本ストックであり、総生産額(Y)はGDP(国内総生産)や総国民所得と読み替えても良い。

v(資本係数)はより小さな資本(K)でより大きなGDPを産み出す国では小さくなる。つまりこの数値が小さいほど生産効率の良い国である。


また古典派経済学では

S(貯蓄)=I(投資)と s(貯蓄率)=i(投資率)

が成立していることになっている。したがってI(投資)やs(貯蓄率)が大きくv(資本係数)が小さい(生産効率の良い)国ほどg(経済成長率)は大きくなる。

つまり貯蓄(つまり投資)が大きく生産効率の高い国ほど経済成長が高いという、分かりやすい話である(正しいかどうかは別)。


また生産物(GDPと見なして良い)を消費財と資本財に分け、この議論を補足する。

生産物の全てが消費財で資本財がゼロの国は、総資本ストックが増えないので生産力が増えない。したがって古典派経済学の世界では経済成長ができなことになる。反対に消費を切り詰め(貯蓄を増やすことと同じ意味)、それを投資に回す国は高い経済成長が実現できるということになる。


第二次世界大戦で生産設備が壊滅的な打撃を被った日本は、戦後、消費を削り設備投資に資金を回した。貯蓄が奨励され、預貯金の利息への課税を免除するマル優制度まで導入した。また企業は多額の銀行借入れを行い、最新鋭の生産設備を導入した(古くて生産効率の悪い設備が戦争で破壊されたことが幸いした)。このため日本の企業の自己資本比率はずっと小さかった。

人々も新技術を学び日本全体の生産性は飛躍的に向上した。これによって日本のv(資本係数)は欧米先進国より小さいまま推移している(傾向としては近年大きくなっているが)。この結果、日本製品は驚異的な競争力を持つことになった。しかし生産力が大きくなり過ぎたため日本国内では生産物が全部消費されず、余った生産物は輸出されるようになった。戦後、日本の貿易収支は慢性的に赤字であったが、1964年の東京オリンピックの年を境に貿易収支が黒字に転換した。この様子は

11/3/7(第653号)「日本が貿易立国という誤解」
http://www.adpweb.com/eco/eco653.html


で紹介した。


少なくとも1973年のオイルショックまで日本は高いレベルの設備投資が続いた(それ以降も日本の設備投資のGDP比率は欧米に比べ大きい)。これが原因で日本は過剰生産力を常に抱えることになった。したがって日本経済は景気後退で国内需要が縮小すると、直に輸出ドライブが掛かるという状態になった。

しかし日本の貿易収支と経常収支の黒字幅が拡大するにつれ、欧米からの批難が大きくなった。この貿易のインバランス解消のため円高が要求され、従順に日本はこれに従ってきた(この点が中国と大きく違う)。しかしどれだけ円高になっても、日本はそのハードルを乗り越え貿易黒字を維持してきた。この結果、とうとう1ドル76円と言った明らかに行き過ぎた超円高に到った。

このように見てくると1973年までの高度経済成長期は、日本経済は古典派(新古典派)経済学の経済成長の定式がほぼ当て嵌まっていたと考えて良い。戦争で着の身着のままになった日本国民の需要(テレビや冷蔵庫を買い、次は車や住宅を買いたいといった時代)は旺盛であった(人口構成も関係するがこの話は後日に)。また一時的に生産過剰になっても余剰生産物は輸出すれば良かった。特に日本製品は圧倒的な国際競争力を持っていた。つまり作ったものは全て消費(輸出を含め)されるといった「セイの法則」がある程度意味を持った時代はたしかにあった。


•高所得国の罠

今日の平均的な日本人は、一応の耐久消費財と住宅を所有している。したがってこれから日本で飛躍的に消費が伸びることは考えられない。消費物資が不足しているとしたなら、これは若い年代層、特に低賃金の非正規労働者であろう。しかしそれも彼等の親が住宅や車を所有しておれば、これらを購入する意欲は弱くなる。

ただし購買意欲が弱いと言っても、昔の日本(高度経済成長期)や今日の新興国・途上国と比べた話である。実際のところ今でも日本の耐久消費財や住宅の購入はそこそこ高いレベルにある。例えば日本では自動車が年間500万台程度売れている。中国は自動車ブームと言われているが、年間の販売台数は2,500万台程度である。中国の人口は日本の10倍であるから、つまり一人当りの平均では日本は中国の倍の車を購入している計算になる。

住宅も日本は年間100万戸建築されていて、人口が2.5倍の米国とほぼ同じ数字である(ただし米国の方が住宅の耐用年数は長い)。また資産家や株価上昇の恩恵を受けた者達は、高額商品を盛んに買っている。しかし国全体の消費の伸びという点では極めて弱く、ここが問題であり、このままではとてもデフレ脱却なんて無理と言いたい。


日本など比較的高い所得水準が続く国においては、国民は既に一揃の耐久消費財や住宅を所有していると考えて良い。したがって需要と言っても買い替え需要が中心になる。つまり爆発的な需要増というものは生まれにくくなっている。

また日本のように高い消費レベルが続いている国では、これ以上の消費はどうしても選択的になる。消費が個人の考えや趣味に左右されるのである。多くの人々が同じような電化製品や車を買い求めた現象は過去のものとなった。つまり昔のような大ヒット商品というものが現れにくい。要するに今日の日本の平均的な消費レベルが低いわけではないので、これを飛躍的に伸ばすことが難しいのである。


これまで経済成長が著しかった新興国の経済が今日怪しくなっている。このような現象を「中所得国の罠」と呼ぶケースがある。「高所得国」になる前に既にもたついているのである。

しかし「中所得国の罠」が存在するなら「高所得国の罠」があって良いと考える。筆者は、前から人々に消費意欲に限界みたいなものがあるのではないかと考えてきた。これに関連し

98/4/20(第62号)「消費の限界を考えるーーその1」
http://www.adpweb.com/eco/eco62.html

99/8/30(第128号)「日本経済と欲求の限界(その1)」
http://www.adpweb.com/eco/eco128.html

などで、消費者の欲求にも限界があるという仮説を唱えてきた。


しかし一方には消費や需要は無限という経済論を唱える者がいる。

作ったものは全て消費されるという、例の間抜けな「セイの法則」の信奉者達である。

また中には規制緩和で需要が増えるといった奇妙な経済論を平気で説く者までいる。これについて

04/3/29(第338号)「規制緩和に飛びつく人々」
http://www.adpweb.com/eco/eco338.html


他で筆者は、純粋に需要が増えるのは、麻薬、銃、売春、賭博といった公序良俗に反するものの規制緩和だけと述べた(規制緩和の影響はほぼ中立と説明)。

しかし筆者は、日本の消費や需要を確実の伸ばす方法はあると主張してきた。

それは国民の所得を増やすことである。

増えた所得の一定割合は消費に向かう。国民所得を増やすには財政支出を増大させれば良い。

一時的に国の財政赤字が増えても、将来、税収増となって返って来る(政府紙幣の発行や永久債の日銀買入れという手段もある)。また今日の長期金利が0.5%と、市場は国債の増発を催促しているのである。

この手の肝心な政策を考えず、「特区」とか「岩盤規制の緩和」による成長戦略とか言っているからおかしいのである。

これを言っている人々は、既にポンコツで廃棄処分にすべき経済成長の定式(モデル)の信奉者なのである。
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一家に一台が需要の天井 14/7/21(806号)


•需要サイド重視という風潮

先週まで述べたように、教科書の経済成長理論は供給サイドだけを規定したものである(需要は常に十分あるというばかげた暗黙の前提がある)。当然、これは日本など成熟した国の現実の経済には全く当て嵌まらない。ところが教科書のこの間違った記述を本当のことと信じている者が極めて多い。特に学校で、一生懸命、経済学を学んだ秀才タイプ(教科書に書いてあることは真実と思い込み、柔軟に物事を見ることができないタイプ)がこれである。また公務員試験などの各種試験の経済学の出題もこの教科書からなので問題は大きい。

このタイプは経済学者やエコノミストだけでなく、政治家や官僚、そしてマスコミ人などによく見られる。彼等は「自分は教科書でよく勉強し間違っていない。間違っているのは現実の方」と堅く信じている。そのためかこのタイプが好むのが「構造改革」である。「構造改革」によって、現実の経済を自分が信じている経済理論が機能する形に変えようというのである。ところがこの間違った認識を持った人々が、現実の経済政策に影響力を持っているのでさらに問題を大きくしている。実際、今日の経済成長戦略のほとんどは、この教科書の記述に沿ったものである。


教科書の古典派経済学の中心命題は、資本の蓄積と生産性の向上である。これに関連した例え話がある。ある漁師が魚を一匹ずつ釣っているとする。しかしこれでは自分が食べる分の魚しか釣れない(つまり生産物が全て消費される自給自足時代の経済である)。そこで魚を釣る時間を割いて、漁師は網という資本財を作製する。この網という資本財によって以前より多くの魚を獲ることができる。

この結果、漁獲(生産物)に余剰が生まれ、これによって漁師はさらに別の網を手に入れることができる。網という資本財がさらに増えるので、漁獲量ももっと増え、余剰はさらに大きくなる。そこで漁師を資本家と読み替え、経済の概念を一人の漁師から一国全体に広げると新古典派の経済成長理論になる。


新古典派の

g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)

で示される経済成長の定式が正しければ、資本主義経済は自律的に成長するメカニズムを内在していることになる。したがって経済はこれによってどこまでも持続的な成長が可能という話になる。

この経済成長理論の信奉者は、日本経済がこの定式通りに成長しないのは、政府の経済への余分な介入や労働組合の存在が原因と訴える。彼等は、例えば政府が資本家から税金を取ることによって資本蓄積の邪魔をし、これを無駄な公共事業に使っているとずっと主張してきた。また彼等は各種の規制によって資本蓄積(投資)の機会を奪われ、さらにこの規制が国の経済の生産性を低下させたと言っている。まさに供給サイドだけを見ている者の言い分である。


この古典派経済学に沿った経済成長のメカニズムは単純である。したがってたとえ法律しか学んでこなかった政治家や官僚でも簡単に理解できる。実際、高度経済成長期の日本を思い浮かべたり、これまでの中国などの経済成長を目の当たりにすると、この定式がもっともらしく見える。

大学の教師はこの単純な経済成長論を学生に教えて生活をしている。しかし経済理論そのものは単純であるが、厳密性という名のもとに複雑な数式で化粧しているので学ぶ者にとって難しく感じる。彼等が教える経済理論は、なにか新興宗教の教義や密教の奥義と通じる所がある。したがって学ぶ者は苦労して数式が解けると、自分のステージが上がって経済が解ったような気になる。

ただこの単純であるが幼稚な経済理論を唱えてきた日本の経済学者も最近では少し不安になっている(ほぼノイローゼ状態になっていると言って良い・・これについては翌週取上げる)。これまで彼等は低成長になったのは日本の政府の対応や日本の社会の在り方に問題があったと片付けてきた。つまり日本固有の障害で日本経済は低成長に陥ったと誤魔化しておけば良かったのである。


ところが日本における経済認識が大きく変わる兆しが出てきた。

14/6/30(第803号)「サマーズとトマ・ピケティ」
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で取上げたように、欧米の経済成長の論議において、供給サイドではなく需要サイドを重視するという考えが注目されるようになっている(筆者に言わせれば当たり前の話)。筆者は、そのうちこの流れが日本にも及んでくるのではと考える。

まずトマ・ピケティの著作の日本語版翻訳がそのうち出版され、反響が出ると予想される。また米国経済が長期停滞に陥ったと説くサマーズは、この対策として米国の老朽化したインフラの大改修を主張している(まさに批難を浴びながらも昔から日本でやってきたこと)。日本でもこの需要サイド重視という風潮が及んでくれば、これまで「真っ赤な嘘」を風潮してきた経済学関係者の立場がなくなるのである。


•日・米・中の年間新車販売台数

古典派(新古典派を含め)の経済成長理論がおかしいことは、昔から相当の人々が気付いている。たしかに需要が旺盛で作れば全てが売れる時代の企業経営者は、どれだけ生産力を引上げるかが経営の最重要課題であった。日本の高度経済成長期の企業経営を思い浮かべれば良い。銀行からの借入金でどんどん設備投資を実施し、人を雇い入れ、生産工程を改善して生産性を上げることが経営の要諦であった。まさに新古典派の

g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)

で示す経済成長の定式が適用できる世界であった。

ところが段々と売上が伸びない時代になる。経営者は、新製品の開発や販売促進を行うだけでなく、従業員のリストラをおこなって合理化を進めるようになった。そして国全体で売上(需要)が伸びない事態に陥ったのがここ20年くらい(筆者は、既に40年も前からこの徴候は出ていたと言ってきた)の日本経済である。

資本主義経済では需要不足が起るというケインズ理論は、戦後一時的にもてはやされた。しかし米国産業の競争力が弱くなった頃から、ケインズ理論に対する風当たりが強まった。ただケインズ理論を否定した後の埋草に使われたのが、なんとポンコツ同然の古典派経済学であった。


経済成長が続き生産力が増せば、そのうち需要不足が起ることは誰でも分かる。ところが日本の経済学者は、この当たり前のことを絶対に認めようとはしない(生活が掛かっているのであろう)。このばかばかしさを示す一つの方法として、各国の新車販売台数の推移を取上げ、これを分析してみる。

次の表は日本、米国、中国の年間新車販売台数の推移を示している。ただし日本だけは、ベースが年度であり、また98年度から01年度までは乗用車のみの集計である。


日・米・中の年間新車販売台数(万台)


年  日本  米国  中国 

98
(414) 1,544 167

99
(419) 1,677 208

00
(426) 1,724 215

01
(430) 1,702 237

02
587 1,681 325

03
589 1,664 456

04
582 1,686 520

05
586 1,694 587

06
562 1,650 722

07
532 1,608 879

08
470 1,319 963

09
488 1,040 1,365

10
460 1,155 1,806

11
475 1,273 1,851

12
521 1,444 1,930

13
569 1,549 2,198


まず目を引くのが中国の物凄い伸び率である。ここ10年間は毎年10〜30%程度の増加を示している。中国の国民所得の伸びはすごく、自動車に対するニーズが極めて高いことは分かっていた。しかし国内産業振興という中国政府の政策があり自動車に対する輸入関税は極めて高い。また人民元が低く操作されていることもあり、中国への自動車輸出はほぼ不可能であった。

したがって中国で車を売ろうという外国企業は中国政府の方針に従い、現地企業との合弁で中国国内に生産拠点を設ける他はなかった。しかし車に対して旺盛な需要があったから、外資は大挙して中国に進出した。つまり中国には十分な需要があったので、むしろ問題は供給サイドであった。まさに中国の自動車産業こそ新古典派の

g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)

の経済成長の定式が適用できる世界であった。

はたして外資は、設備資金の提供に加え、生産性の高い最新の生産設備を中国に導入した。つまり

s(貯蓄率)/v(資本係数)

は外資導入によって大きくすることができたのである。また中国にはタダ同然(人民元が極めて低く抑えられているため)の余剰労働力がありn(労働人口増加率)は確保されていた。このように中国の自動車産業はほぼ古典派経済学の理論通りの経済成長を成し遂げているのである。


一方の日・米は08年のリーマンショック後のスランプを除き、年間に売れる車の台数はほぼ一定である。まさに日米は買い換え需要が全てと言って良い。つまり生産力増強の投資はほぼ必要がない。投資が行われるとしたなら設備の減耗を補う程度か合理化に伴う投資であり、その他では車に新装備を施すもの(例えばハイブリッド)に限られる。実際、少なくとも日本国内ではここ10年くらいは、新工場の建設は全くない(米国は、新工場の建設される場合、どこかの工場が閉鎖されているケースが多い)。

つまり日米はともに需要の天井にぶつかっているので、新古典派の

g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)

の経済成長の定式は無関係である。しかし日本も米国も、今の中国と同じような高度成長期が過去にあった。ところがある程度まで来ると、全く伸びなくなったのである。


ここまでの話は自動車産業だけを例に採った。これは自動車産業の規模が大きく、また関連産業が広く(ガソリン販売、保険など)、適当と思われたからである。実際、中国では車以外の産業でも同じような高度成長が続いてきた。これからの関心は、中国の高成長がいつまで続くかということになる。

しかしその中国で成長に陰りが既に出ている。一つは過剰在庫を抱えた住宅産業である。他にも自動車産業に先行して成長してきた電機産業が既に需要の天井にぶつかったと見られる。今年のテレビの販売が減少に転じると予想されている。おそらくエアコン、冷蔵庫、洗濯機といった他の家電製品も近々減少に転じるものと考えられる。これも家電製品は既に一家に一台以上普及していて、旺盛ただった需要が消えているからである。

やはり耐久消費財は、一家に一台というものが一応の需要の天井になるようである。唯一中国で一家に一台普及していないのは自動車だけということになる。つまり中国でさえ、新古典派の経済成長理論が適用できなくなる時代が近付いているのである。それにしても日本でこのポンコツ経済学を教えている人々は、一体何を考えているのであろうか。
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リカードの比較優位説 2011年11月18日


『列強の植民地化政策と、比較優位』


悪魔の碾き臼 新自由主義の推進者池田信夫などが賞賛するTPP賛成論の中では、リカードの『比較優位説』なる聞き慣れない言葉が突然言い出されている。

デヴィッド・リカード(David Ricardo、1772年〜1823年)は、各国が比較優位に立つ産品を重点的に輸出する事で経済厚生は高まる、とする『比較生産費説』を主張したイギリスの経済学者。

『比較優位』とは比較生産費説ともいい18世紀の膨張するイギリスの帝国主義を経済学の立場で合理化・説明している。

比較優位論は、『国際分業の利益』を説く理論であるが、ダーウィンの進化論の悪しき庶子である社会ダーウィニズムや優生学との共通点を考えることが出来そうです。

この『比較優位論』とは18〜19世紀当時全盛だった過酷な帝国主義(植民地主義)的な、自由貿易を推進する考え方でリカードモデルの基本である。

穿って考えれば、この『比較優位論』の意味とは、1813年よりイギリスの対インド貿易が自由化(関税自主権の剥奪)され、産業革命のイギリスから機械製綿織物がインドへ流入、インドの伝統的な綿織物産業が完全に破壊され植民地化された例や、『自由貿易の確立』を口実にしたアヘン戦争(1839年〜1842年)でイギリスが清を半植民地化した、当時の西欧列強諸国の無慈悲で過酷な植民地化政策を経済理論的に正当化する為の武器でもあった。

屁理屈と膏薬は何処にでもつくとは言うが、幾ら『悪魔の碾き臼』の新自由主義とは言え、200年も前のこんな血まみれの禍々しい過去の亡霊『比較優位』が今頃蘇るとは地下のデヴィッド・リカードも苦笑いしているだろう。


『水説:比較優位とTPP』潮田道夫 毎日新聞 2011年11月16日

ある女性弁護士がその町で1番のタイピストでもある場合、彼女が利益を最大にするには、タイピストを雇わず自分で書類をタイプするのがよいだろうか。

答えは給料を払ってでもタイピストを雇い、自分は弁護士業務に専念すべきだ、というものだ。

仮に10万円給料を払っても、その時間を弁護にあてれば15万円の報酬を得られる。ふたりともトクする。

タイピストはタイプの能力で弁護士に劣るのに、2人の関係においてはタイピングで『比較優位』を有する。

この『劣っていても優位』というのがミソである。

経済学者リカードが自由貿易の正しさを説くのに初めて使った経済学上の大原理だ。何でもかんでも自国で生産するより、各国が比較優位を有するものを分業し、貿易する方が利益になる。

女性弁護士のたとえ話はあのサミュエルソンが、教科書史上空前のベストセラー「経済学」のなかで、比較優位の応用問題として述べていることである。分かりやすい。

今度の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について、経済学者はほとんどが賛成に回った。比較優位の観点からは自由貿易を推進することがどの国にとっても利益になるのは明白で、経済学の教えに忠実であれば賛成するのが当然だからだ。
で、TPP推進論を述べるに当たって、多くの経済学者は『比較優位』を説き、

『であるからTPP参加は当然である』

と胸をはったのであるが、多くの場合、人々を納得させられなかった。ある先生は

『タイピストという例えが古すぎたかな。そういう職種はもう存在しないと注意された』

と反省していた。ま、それは軽口として、経済学者がTPP問題で人々をうまく説得できなかったのは事実で、まじめな方々はちょっとショックを受けているようだ。

JPモルガン証券の北野一氏によれば、1950年代、『法皇』と称された一万田尚登日銀総裁や民社党委員長になる西尾末広衆院議員らは、日本は乗用車生産を中止し輸入したほうがよい、と主張したそうだ。


『比較優位からすると両者は正しいことを言っていたのかもしれない。当時、日米自由貿易協定(FTA)で合意していれば、いまの日本にトヨタもホンダもなかっただろう』

と言う。なるほど。

ともあれ、自由貿易論も自由貿易神話論も、TPPを機にボンヤリ聞いていれば分かるという段階を過ぎ、聞き手に学習を強いている。やれやれ、えらいことになってきたなあ。
(専門編集委員)

『科学と偽科学』

毎日新聞など大手マスメディアは全員がTPP推進の方針で一致しているので、この上記のコラム『水説:比較優位とTPP』潮田道夫専門編集委員も、勿論推進の為の記事を書いている。・・・はず、なのである。


確かに、コラムの前半の4分の3はリカードの比較優位を使ってTPPの効用(正さ)を説いている。ところが続く6行は、この『比較優位』論が誰にも支持されなかった事実が述べられている。

最後の8行に至っては、正反対に前半部分(リカードの比較優位説)が真っ赤な嘘(偽科学)である明確な事例を書いている。潮田氏はコラムで何が言いたい(目的)のだろうか。


半世紀前には日本の自動車産業など、アメリカの足元にも及ばないほど貧弱な、リカードの比較優位説では絶対に無理な(産業として無駄な)代物だったのです。当時のトヨタクラウンはアメリカの高速走行には耐えられずエンジンが焼け付いたし日産エコーは98キロ以上だとプロペラシャフトが脱落して仕舞い大事故を起こしている。

過去のイギリスとインドや清の歴史が証明している様に、国内産業保護の関税がなければ(自由貿易なら)今の日本の自動車産業の隆盛はあり得ない。日本政府の手厚い保護政策(関税と消費税の戻し税以外にも免税や各種の優遇策)の結果、日本の自動車産業は、今では絶対的な比較優位を獲得した。

自動車に限れば『比較優位』は、今では日米の立場が逆転しているのです。トップメーカーGMまでが倒産の危機に瀕し、連邦政府の全面支援で息を吹き返したアメリカの自動車産業は、日本のマスコミでは報道されていないが実はTPPに反対している。


科学の仮説とは、誰が何を説いても良いが必ず第三者の検証作業に耐えて初めて定説となる性質を持っている。『事実』とは違いすぎる、間違っていた仮説は捨て去られる。

究極の新自由主義であるTPPの賛成論が、崩壊した18〜19世紀の帝国主義の経済論理(間違いが証明されている偽科学)を出すまでに落ちぶれ果てたとは驚くばりで、実は潮田道夫氏は、毎日新聞専門編集委員の立場なので嫌々TPP推進を言っているが、本心でTPP推進が売国行為である事実を、誰よりも良く知っているのです。

だから潮田氏は、迂闊に一見するだけならTPP推進に見えるが最後まで読めば正反対になる支離滅裂で意味不明のコラム『水説:比較優位とTPP』を書いたのでしょう。

『ブードゥー教経済学池田信夫の比較優位論』


『無制限の規制緩和』が格差拡大やワーキングプアの大量発生など間違いであることが証明されている新自由主義のミルトン・フリードマンを、未だに『最強の経済学者』として信奉する目の前の事実が見えない自称マクロ経済学者の池田信夫が、今回は比較優位論を絶対視して『リカードの比較優位も知らないのか』と、TPPに反対する人々を口汚く罵っている。

比較優位とは、巨大な対象を扱うマクロ経済学ではなくて、その正反対の微細な経済単位が対象の経営学の御粗末な誤用である事実に気が付かないふりを装う。

リカードの比較優位が成立する為には、完全雇用とか為替の完全な固定相場制とか人口増加率がゼロであるなど形而上学的な絶対にありえない経済モデルを採用した時だけ限定的に成り立つが、普通はその逆で成立しない。

貿易で一国が大きな貿易黒字を得る場合、その相手国は輸入超過となって貿易赤字なる。貿易では(グローバリストの好きな)Win-Win はない。片一方が黒字なら、片一方は必然として絶対に赤字になる。

相撲の白星の数と黒星の数が必ず『同じ』であるように国家間の貿易でも原理は同じで、それ以上でもそれ以下でもない。例外は一つも生まれない。

この事実は中学生でも気が付くが、池田氏は

『リカードの比較優位の原理を知らないバカ』

と罵るばかりで、この子供でも判る論理には絶対に答えない。答えたくとも答えられないのですよ。池田信夫は、


『日本のような製造業に比較優位をもつ国が農産物に高率の関税をかけて農業を保護するのは、製造業を犠牲にして世界経済を収縮させているのだ。
このとき貿易黒字になるか赤字になるかはどうでもよい。』


と、無茶苦茶である。

経済学では、経常収支の『赤字』は大問題である。日本を除く世界各国の普通の政府も同じで、池田信夫的には『どうでも良い貿易などの経常収支の大赤字』を問題とするのですよ。

そして今世界経済の大問題のアメリカのデフォルト危機や欧州のPIIGS諸国のソブリンリスクも同じで、各国の抱える大赤字が全ての原因である。

勿論オバマアメリカ大統領のTPP推進の目論みも全く『同じ』である。日米の倍近い貿易不均衡の是正(アメリカの大赤字の解消)であることは論を待たない。


『貿易黒字を目的にするのは17世紀の重商主義で大間違いである』

と主張する池田信夫の非科学性には呆れるばかりで、科学的に正しいものは時間には無関係で例え17世紀であれ紀元前であれ正しい。

まともな国家(政府)なら貿易赤字を忌避し黒字を目指すのは、力士が白星を目的に土俵に上がるのと同じで、(八百長を除けば)時代に関係ない絶対的な真理である。

21世紀の今でもアルキメデスの原理は矢張り正しくて、否応なく誰も逆らえないのですが、今とは大違いのアメリカが絶対的な比較優位を保持していた時代のポール・サムエルソンの『経済学』など、今では誰も信用していない。

サミュエルソン『経済学』の明確な間違いが、半世紀の時間の検証によって証明されているのです。

http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/ec52d4bbc8ecd0e74524b831157f3363


経済成長の定式(モデル)08/9/15(541号)


構造改革の定式化


自民党の総裁選で経済論争が行われている。その中で積極財政派と財政再建派の主張は、正しいかどうかを別にして分りやすい。しかし上げ潮派(構造改革派)の言い分が曖昧である。そこで今週から筆者なりに上げ潮派の主張の背景にある経済理論を解明してみる。

まず最初に理論経済における経済成長の定式(モデル)を示すと次のようになる。


g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)


v(資本係数)とはY(生産・所得)1単位を増やすのに必要なK(資本・・生産設備など)である。つまり


v(資本係数)=K(資本)/Y(生産・所得)


となる。そこでv(資本係数)が一定ならば(技術進歩がなく生産設備の効率が不変ならば)、s(貯蓄率)が大きい国ほどg(経済成長率)が大きくなる。

つまり生産されたもの(所得)が、なるべく消費されず貯蓄され、これが投資に回される国ほど経済成長率は大きくなる。極端なケースで生産されたものが全て消費されるような国は、経済成長率はゼロになる(外資の導入はないものとする)。またs(貯蓄率)が同じ大きさであっても、資本係数(生産(所得)1単位を増やすのに必要な資本量)が小さい、したがって生産効率の高い資本備えている国の方が経済成長率は大きくなる。

次にこの定式にn(労働人口増加率)の要素を加味すると次のようになる。


g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)


この式は

s(貯蓄率)/v(資本係数)が一定ならば、n(労働人口増加率)が大きい国ほど経済成長率が大きくなる。


よく上げ潮派の政治家やエコノミストが

「人口がこれから減るのだから、日本は経済成長のため積極的に移民を受入れる必要がある」

と主張するのもこのような定式が頭の中にあるのであろう。


さらにここにt(技術進歩あるいは生産性の向上)の要素を加味すると次の通りになる。


g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)+t(技術進歩)


ただしこのt(技術進歩あるいは生産性の向上)は、資本(生産設備など)と労働の双方の効率化の成果を外に出して一つにまとめたものである。

具体的には、生産工程の改良や新しい技術を体現した設備の導入であり、労働者の教育・訓練による生産性の向上である。


またt(技術進歩あるいは生産性の向上)を外に出さない表現も考えられる。

この場合「技術進歩あるいは生産性の向上」は、v(資本係数)を小さくするとか、n(労働人口増加率)を大きくするものとして理解される。


上げ潮派(構造改革派)は

「構造改革なくして経済成長なし」

と主張する。しかしこの「構造改革」という言葉がはっきりしない(もっとも構造改革派の人々もこれを本当に理解しているか疑わしいが)。そこで筆者の示した経済成長の定式(モデル)でこれを考えてみる。

構造改革とは端的に言えばt(技術進歩あるいは生産性の向上)を大きくすることである。その方法はの

v(資本係数)を小さくし、n(労働人口増加率)を大きくすることである。

たしかにこれによってg(経済成長率)は大きくなる。


これをさらに具体的に説明する。


v(資本係数)=K(資本)/Y(生産・所得)


である。v(資本係数)を小さくするには、K(資本)が一定ならそれから産まれるY(生産・所得)を大きくするような「技術進歩あるいは生産性の向上」を行うことになる。

またY(生産・所得)が一定ならば、一単位のY(生産・所得)を産出するためのK(資本)を小さくするような「技術進歩あるいは生産性の向上」を行うことになる。

さらに教育・訓練による労働の生産性を向上させることがn(労働人口増加率)を大きくする。


これらを一つの企業で考えた場合、当り前の話である。しかしこれを一国の経済で考えた場合は多少複雑になる。

一国の資本(K)と言った場合、民間の生産設備や販売設備などだけではなく、道路や港湾と言った公共資本や社会資本も含まれる。

また一国のY(生産・所得)はGDPということになる。

したがってY(生産・所得=GDP)の増加に結び付かないような公共投資を構造改革派は「無駄な公共投資」と批判する。


また上げ潮派(構造改革派)は「官」が「民」より非効率と考え、政府部門の縮小を訴える。

「「民」にできることは「民」」

ということになる。そして社会全体の「技術進歩あるいは生産性の向上」のために行う施策が、規制緩和などの競争促進政策である。このように構造改革に必要な具体的な施策は、規制緩和や公企業の廃止や民営化ということになる。

スッポリ抜けているもの


ところが上げ潮派(構造改革派)が念頭に置いていると思われる経済成長の定式(モデル)には、大事なものがスッポリ抜けている。

抜けているのは「需要」である。

彼等が訴える施策は全て「供給サイド」に関するものに限られる。

しかしどれだけ企業や国を効率化しより多くの生産物を生産しても、需要がなければ生産物は余る。生産物が売残れば、その次には資本や労働が余剰となり、資本や労働の遊休が生じる。

しかし上げ潮派(構造改革派)の考えには、

作った物は全て売れ消費される

というびっくりするような前提条件が、暗黙のうちに設定されている。ところが上げ潮派(構造改革派)の人々は、このことに気付いていないか、もしくは気付いていても誤魔化す。多くの場合、単に需要不足が原因で遊休設備や失業状態になっていることを、上げ潮派(構造改革派)は認めない。


彼等は遊休設備や失業という現実を突き付けられても、遊休状態の設備は既に陳腐化して使い物にならないと決めつける。また失業者は、生産性の向上に追いつけない人々であり、新たな教育・訓練が必要であると主張する。したがって一時的に余った資本や労働といった生産資源は、もっと生産性の高い成長分野にシフトさせるような構造改革が必要があると説く。このように上げ潮派(構造改革派)は供給サイドのことしか言わない。

しかし筆者は遊休設備の全てが陳腐化しているとは考えない。また職に就いている人と失業している人の間に、技術や知識に大きな差は認められない。そういう事ではなく、多くの場合需要の不足によって遊休設備や失業が発生していると考えるべきである。特に日本は慢性的に需要不足(内需不足)に陥る体質にあり(このことを本誌は何回も取上げてきた)、むしろ構造改革を目指す政策がさらなる需要不足を促進している。


上げ潮派(構造改革派)の考えの背景には、

「作ったものは全て売れる」という古典派経済学の「セイの法則」がある。


しかし現実の経済を知っている者は「そんなばかなことはない」とすぐ分る。ところが頭がおかしい構造改革派は、この単純な経済理論の信奉者なのである。

「セイの法則」が成立つのは極めて特殊な時だけと指摘したのはケインズである。

たしかに「作ったものは全て売れる」のは、例えば戦争で大半の生産設備が破壊され極端な物不足に陥った国や、新興国における経済の高度成長期くらいのものである。古典派の特殊理論に対して、彼は一般的な一国の経済状態での理論展開を行った。ケインズは著書「一般理論」で、ごく普通に需要不足が起き、遊休設備や失業が発生するメカニズムを解明した。またケインズの弟子のハロッドは、経済成長理論を展開したが、供給と需要の増大の過程での両者の関係の不安定さを指摘した。

ケインズは需要不足による不況が起ることを理論的に解明した。彼はその場合には金利を下げるだけでなく、政府が財政支出を増やすことによって需要を創出することが有効とした。今日このような政策は世界中の国で採られている。これもあってか第二次世界大戦後、先進資本主義国家は深刻な不況に陥っていない。


また上げ潮派(構造改革派)が盲目的に信奉する「供給サイド重視」の考えは、貿易収支が慢性的に赤字の米国で生まれた。たしかに米国のように供給サイドに問題のある国で、このような考えが一定の支持を得るのは解る。しかし慢性的に貯蓄が過剰で内需が不足し、過剰生産のはけ口を外需に頼っている日本に「供給サイド重視」の考えを適用しようとするからおかしくなるのである。

だいたい供給サイドに問題のある米国でさえ、今日サブプライム問題で不況になったため、減税などによる需要創出政策、つまりケインズ政策を行っているのである。需要創出政策を「オールドケインズ政策」と否定的な決めつけをするエコノミストや、自民党の総裁候補の中で今だに「私は構造改革派」と言っている人々は、頭の中の構造の改革が必要だ。

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技術進歩の恩恵 11/11/28(688号)

意味のない経済成長の定式(モデル)

人々の所得が増え、一人一人の国民が豊になるのが国家の理想と筆者は思う。

そのためには経済が成長する必要がある。本誌はこの経済成長の定式(モデル)を08/9/15(第541号)「経済成長の定式(モデル)」で取上げた。これを示せば


g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)+t(技術進歩)


となる。つまり机上の経済理論では、

s(貯蓄率)とv(資本係数)が一定ならば、労働人口が増え技術進歩がなされれば経済は成長することになる。

実に簡単な話である。しかしこの理論の最大の弱点は、これが供給サイドのみに着目していることである。したがってこの定式(モデル)が有効なのは生産力が乏しかった時代や、よほど産業の発展が遅れている国だけである。

今日、少なくとも先進国でこの経済理論があてはまる国はない。どの国も余剰の生産設備と労働力を抱えている。ところがいまだに構造改革派は「改革」が必要と寝ぼけたことを言っている。


今日、国の経済成長を決めるのは供給ではなく間違い無く「需要」である。毎年、10%前後の経済成長を続けている中国は、供給サイドに様々な大きな問題を抱えている。例えば慢性的な電力不足といった致命的な問題をずっと抱えて来ており、当分、これは解消される見通しがない。しかし旺盛な民間と政府の投資、さらに輸出の伸長といった需要増がこれまで続いて来たので(今後の見通しは不透明)、高い経済成長が実現できたのである。

つまり現実の経済においては、中国のように供給サイドに問題があっても需要さえあれば経済はどれだけでも成長する。つまり伝統的な古典派の経済理論なんて、現実の経済において何の役にも立たない。しかし経済学者は、これしか知らずまた現実の経済に興味がないので、今でも意味のない経済理論を学生に教えて生活をしている。


彼等は、日頃の言動と現実の経済の動きとの辻褄を合わせるため、供給サイドと潜在需要にミスマッチがあるといった奇妙な事を言う。彼等のいう潜在需要とは例のごとく医療や介護といったものである。

「この分野の規制緩和がなされないから、潜在需要が顕在化しないのだ」

と主張する。しかし仮にかれらの言っている事が正しくそれが解決したとしても大してGDPは伸びない。また医療や介護の需要を伸ばす有効な方法は、筆者は規制緩和ではなく予算の増額による医療や介護に勤務する人々の待遇改善と考える。決して規制緩和やフィリピンやインドネシアから看護士を連れてくることではない。


彼等は何十年も前から

「規制緩和が不十分で潜在需要が顕在化しない」

という間抜けな主張を続けている。つまり何でも需給のミスマッチと言って誤魔化そうとしている。しかし民間は、四六時中、どこに潜在需要があるのか必死になって探し回っている。供給力が需要をはるかにオーバーしている日本においては当り前の話である。実際、


09/4/13(第565号)「筆者の経済対策案」
http://www.adpweb.com/eco/eco565.html


で述べたように、少なくともリーマンショックの前までは日本の製品在庫率指数はずっと100前後で推移していた。つまり日本では、消費者が必要とする商品はピタリと供給されてきた。またサービスについても供給サイドにネックが生じているとは思われない。つまり日本経済はコンビニみたいなものであり供給サイドにさしたる問題はない。

ちなみにリーマンショック後の世界的な経済の混乱以降、この数値が乱れ始めた。ただし2010年から東北大震災の直前まではこの数値も落着きを取戻していた(100〜110程度で推移)。ところが震災後は再び120程度まで上昇している。おそらく復興事業の遅れによる、関連製品の在庫増が影響していると筆者は見ている。

豊かさを与えない技術進歩

昔の経済学のメインテーマは、供給力をいかにして上げるかであった。消費を抑えながら生産力を増やすための資本の蓄積(つまり投資)が重要であった。また生産資源の適正な配置が経済成長に有効と考えられた。そのためには価格メカニズムを働かせることが大切と考え、規制緩和による競争政策が必要とされた。

この経済理論の背景には、需要は無限にある(セイの法則)という錯覚がある。しかし前段で述べたように、たいていの先進国はどこも生産設備と労働力の余剰を抱えている。必要なのは供給力の整備ではなく「需要」である。


たしかにギリシャのような例外的な国がある。このギリシャのように慢性的に経常収支が赤字の国は、供給サイドの強化が有効である。そのためには一刻も早くユーロから離脱し、自国通貨を大幅に切下げることが必要と考えられる。

一方、少なくとも日本は需要不足の経済が常態化している。必要なのは需要創出政策であり、ギリシャのような国にとって必要な「改革」ではない。ただし通貨の切下げ(円安)は日本にとっても有効と考える。ただし経常収支の黒字が常態化している日本の通貨の切下げは、なかなか国際的に認められるものではない。


筆者は、先進国における需要不足の一つの原因を、長らく平和が続いたことによって生産設備の破壊がなかったことと考える(大きな戦争がなくせいぜい大災害があったくらい)。そしてもう一つ重要なことは、第二次世界大戦後、生産技術が飛躍的に向上したことである。つまり世界的な供給力の余剰が生じている。さらに世界的なバブル生成の過程で凍り付いたマネーサプライが積み上がった(GDPより金融資産の方が伸び率が大きく、これによって大きな有効需要の不足が生じている)。


筆者は、生産技術の向上、つまり技術進歩に注目している。技術進歩によって小さな生産資源(生産設備投資と労働力)の投入によって、より大きな産出が生まれるようになった。たしかに


需要は無限にある(セイの法則)


といった改革派の戯言(たわごと)が本当なら、問題(設備の遊休や失業)は生じない。ところがこれが大嘘だから今日問題が起っているのである。


毎年10%前後の高度経済成長を続けている中国で失業がなくならないといった奇妙な現象が起っている。同じような高度経済成長を経験した日本では、当時、人手不足が深刻で人件費がどんどん上がったが、中国の現状は対照的である。これについて本誌は10年前

01/11/12(第230号)「中国通商問題の分析(その2)」
http://www.adpweb.com/eco/eco230.html


で、この原因を中国が先進国の進んだ技術を取り入れながら経済発展したからと指摘した。

今日、中国でもバブルが起って物価上昇が起っているが、日本の高度経済成長期と比べれば大したことはない。むしろ中国の雇用問題は深刻で、人気のある公務員の募集に1,000倍の応募があったという話さえある。これだけの経済成長を達成しても失業問題が解消しない背景には、労働力をさほど必要としない進んだ生産システムを中国が取入れたからと筆者は考える。


技術進歩は人類にとって大事であり、人々に豊かさを与えるものと思われてきた。筆者も技術進歩は絶対に必要なものと考えている。技術進歩は、過酷で長時間の労働から人々を解放してくれるものと考えたい。実際、技術進歩によって日本では労働者の単純作業が軽減され、労働時間も短縮されてきた。例えば週休二日制も技術進歩なくして実現しなかったと考える。つまり日本もある時期までは良い方向に進んでいたのである。

ところが今日、日本ではむしろ労働強化の方向に向かっていて、雇用条件がどんどん悪くなっている。日本でも中国と同じように技術進歩の恩恵が人々に行き渡らず、むしろ人々を不幸にしているかのようだ。いつ頃からこのような事態が目立つようになったのか筆者も考える。大雑把な感想で申し訳ないが、筆者は日本で財政再建運動と構造改革運動が盛んになってからと思っている。
http://www.adpweb.com/eco/


TPPを推奨しようとする人達の背景にあるのは、比較優位説などの自由化が善であるとする間違った経済理論を踏襲していることである。

このような自由化理論は、欧米が植民地政策の推進や、アジアへの進出に当たってのプロパガンダであったことが分かっていないのである。このプロパガンダにより明治初頭の日本やアジア、そしてアフリカ諸国がどれほどの被害を受けたことか。これによりヨーロッパがどれだけ利益を受けたであろうか。


このことを理解せずうかつに比較優位説などを唱えてはならない。みんなの党などの賛成派は、その真意を理解せず、現実を理解せず、自分たちも昔と同じようにその恩恵を受けられると思っているのだ。


この理論は、単なる平均値の問題であり、それぞれの国が今より豊かになるという保証はしていない。総額が伸び平均値は上がるという理論に過ぎないのである。

比較優位説は、物物交換の場合で、同じような経済状態にある国同士で成り立つ特殊理論であり、貨幣経済が発達し、グローバル化した市場では、すべてが成り立つものではない。

特にバブル国やデフレ国との交易では成り立たない。

バブル国とデフレ国の交易は、一方的にインフレ国が、利益を得、デフレ国は損を被ることになるからである。お互いの利益にならないのである。

ここではデフレ国とインフレ国との交易を主に説明しよう。それを説明すれば比較優位説もどんなものか分かるからである。


生産量と資金量の間に大きな差額が生じているデフレ国とインフレ国の所得線の角度を、インフレ国が60度、デフレ国が30度としよう。インフレ国は、生産量に比べ資金量が著しく多くなっている。デフレ国は逆に生産量に比べ資金量が著しく少なくなっている。それゆえ所得線の角度が違っている。

(デフレの原理と消費税参照
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html

もちろん正常な国は45度である。


デフレの国は、生み出した付加価値に対する貨幣的評価が本来あるべきものより低く評価されるため、常に儲けの悪い状態にある。8時間の労働で6時間ぐらいの儲けしか得られない。(8時間労働で生み出した付加価値が、資金量が少ないため貨幣的評価が少なくなされる。)

逆にインフレの国は付加価値に対する貨幣的評価が高く評価されるため常に儲けが良い状態です。8時間の労働で10時間ぐらいの儲けが得られる状態です。

正常な国は当然の8時間の労働で8時間の儲けになります。

このような時デフレ国とインフレ国が通商を行ったとしよう。全体で平等に交渉が行われ、適材適所で生産が行われすべてが融合した時、資金量と生産量の差がなくなり所得線の角度が45度になった。めでたしめでたし。数値的には正しいでしょう。

しかしその内容を吟味すると、デフレ国はよりデフレが激しくなり、所得線の角度がさらに下がり20度になっており、インフレ国は所得線が70度になって、よりバブルが激しくなるのです。二つを足して90度これを2で割れば45度になる。

デフレの国は所得線が30度より下がっている。インフレの国は60度より上がっている。デフレの国は資金量がさらに少なくなり、インフレの国は資金量がさらに多くなる。

同じ労働時間でも、稼ぐ資金量が違うため、デフレ国は常にインフレ国にたくさん買われ、デフレ国はいつも少なく買うことになり、資金がどんどん流出していく。

デフレ国は物でもサービスでも資産でも、株式でもどのような物でも値下がりしているため、相手国側に有利に買われるのである。

インフレ国は反対に物でもサービスでも資産でも常に割高になっている。相手国側が買い難いのである。

しかもデフレ国は、ハートランド(産業経済基盤)から湧出する資金がほとんど無く逆に枯渇している状態である。それゆえ国内資産の換金売りが多く、海外資産の購入などほとんどできない。

逆にインフレ国は旺盛なハートランドの活動により、資金がどんどん湧出し、国内資産や海外資産の購入が活発になる。

このようなことが世界的に起こると、デフレの国は世界全体でいくらパイが増えようとも、その恩恵を被ることができずさらに食い物されるだけなのだ。


比較優位説でも結論は同じです。この理論は、正常な経済同士の間だけで成り立つものであるが、それでも適材適所の生産が行われ、全体のパイが大きくなっても、その恩恵は平均値以上の国がもっていくのであり、平均値以下の国は損失を被るものです。

そのため自由貿易による損失を防ぐため、あるいは自国の生活レベルを維持するため、競争力のない国はさまざまな障壁を儲けることになる。それは民主主義国家として当然のことなのです。

自由貿易を善とする考え方は、弱肉強食の考え方であり、強い国はより強く、弱い国はより弱くなる。自由貿易は万能ではない。適度に管理しながら全体の国富を上げて行くのが良いのです。それにはどの国もデフレでないことが前提になります。

現在デフレにあえぐ日本は、自由化をすればさらに不利被るのは必定です。この20年間日本はぼろ負けであり、一方的に負け続けているのです。

それは時間が経つにつれその差がどんどん大きくなっていきます。
例えばバブルの時、東京の人達の資産価格が寝ている間に上がり、その他の地域の人達は寝ている間に資産を買い取られたの同じようなものなのです。

資金不足による内需の停滞は多くの企業や個人に借金をもたらし、その返済のための換金売りが増えたため、商品価格や資産価格、株式が割安になっている。それが外資の餌食になっている。

最近になりようやく欧米がデフレに陥り始めたため、以前のようなぼろ負け状態ではないが、ここにカナダやメキシコなどの正常な経済国が参入すれば、確実に彼らに日本は食われるであろう。また中国や、東南アジアの国が入っても同じくすさまじい様相を照らすだろう。

TPPの怖さはアメリカだけにあるのではない。バブルの新興国の方が怖いのである。特にバブルの中国や発展する東南アジアが日本の富を食い荒らすのである。
アジアの発展を取り込むより以上に彼らに食われてしまうのだ。
デフレの国はそうではない国に食われてしまうのです。TPPの広がりは、デフレの日本にとって非常に悪いことです。このような非常識なことが日本で行われようとしているのです。

日本の山林や土地の多くが外国人に買われ、株式市場は外国人バイヤーがいなければ閑散としてしまうのが現状だ。上場企業の多くが外国資本に変わっている。

外資の導入などという甘い言葉にだまされ、日本の多くの企業が買われ、名前を変え、日本が食われているのです。

外資がいくら増えても、デフレの解消にはなりません。それは皆さんよくご存じでしょう。デフレは消費不足で起こっています。外資は消費をしません。企業を買収するだけなのです。

(デフレの成長戦略とは何か参照)


このことを経済専門家は如何に考えているのだろうか。政治家はどこを見ているのだろうか。相も変わらず間違った教科書紐解いて、デフレを促進し続けているのである。

第2次世界戦争後の世界経済の拡大期、欧米や日本がその拡大の恩恵の大半を享受し、南北間格差はさらに広まったのです。それは発展途上国の多くが、デフレ経済であり、内需が停滞し、伝統的産業が廃れ、輸出品が安く買い叩かれ、大量に外国に流れ、輸入品に国内産業が圧倒され、資金がどんどん流出したのです。そして多くの資産が外国資本に買われたのです。

今の日本と寸分変わりません。

そのようなことが現実に日本でこの20年間起こったのです。日本は自由貿易の敗者なのです。その根本的認識がないため、TPPを推進しようとするのです。

日本で反対しているのは、農業もそうですが、多くの地方経済が疲弊している地域です。彼らは身をもってその現状が分かっています。日本は敗者であること。これ以上の自由化は地場産業がなくなること、地域経済が崩壊することをよく知っているのです。

しかし今なお日本の中枢、官僚組織、公務員層、政治家達、新聞の解説者達は勝者だと思っているのです。

日本の敗退の主な原因はデフレだからです。それが内需を減退させ、輸出を促進しているのです。内需の減退は低価格競争を余儀無くさせ、輸入品の拡大をもたらしています。

日本人は怠けているのではなく、冒険をしないのでもない。ただ政策が悪いだけなのです。

船中八策
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/参照、

日本のウイニングショット
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/winningshot.html


今の日本は少しでもよいから資金を増やし消費を増やしたいのです。TPPはそれを真っ向から潰すものです。弱体化した経済を、解放して得することはなにもないのです。

TPP参加の中で、デフレから解消するのは至難の業だ。2千5年頃の日本にとって有利な輸出状況でも、一向に借金を返すことができなかったのだから。

日本は、デフレから逃れ、拡大再生産がなされる時までTPPなどの無制限な自由化に応じてはならないのです。
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/275.html

御用学者たちの真実 2016/10/24

財務省は、財政制度について議論する「財政制度等審議会」や、 国債管理政策について「有識者」から意見を聞く「国の債務管理の在り方に関する懇談会」といった会議を開き、 緊縮財政を推進しようとします。

各会議のメンバーは、基本的には財務省の官僚が選定します。

この種の会議の名簿に「委員」として掲載されることは、 特に「学者」にとってはステータスになります。

当然ながら、緊縮財政を推進する学者以外が財務省に選ばれることはありません。

いわゆる「御用学者」たちですが、 審議会や懇談会の委員に選出されれば、日経新聞などの「御用新聞」に寄稿する機会なども増えます。

御用学者たちが、財務省の飼い犬として御用新聞に緊縮財政推進論を掲載し、世論を動かそうとするわけです。

財務省は、審議会などのメンバー以外にも、「資料提供」「情報提供」など、 様々な手段で学者たちを手中に収め、 御用学者として成長させようとします。

財務省肝いりの御用学者たちは大学の中で教授としてのパワーを高め、その下に就いた准教授、講師、学生たちも、トップ(教授)と同じ路線を進みます。

何しろ、御用学者の下で、反緊縮財政論の論文を書いたとしても、採用されません。

というわけで、御用学者の弟子たちも、緊縮財政派として長じ、財務省に飼い犬として認められ、審議会や懇談会のメンバーになる。

彼らの弟子たちもまた、緊縮財派として教授への階段を上る。

と、御用学者再生産の構造がガッチリと組み上げられてしまっているのが、我が国なのでございます。

かつて、社会保障削減や緊縮財政を「正しい論旨」に基づき批判していた吉川洋氏も、今は立派な御用学者として「財政制度等審議会 財政制度分科会」の会長としてご活躍されています。

以前は、この手の「事実」が一般の国民に知られることはありませんでした。

とはいえ、最近はインターネット等、 新たな情報メディアの出現により、 御用学者たちの真実が世間に広まりつつあります。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/10/24/mitsuhashi-484/


時代錯誤の「比較優位の原理」を鵜呑みにしている自称経済学者 池田信夫


内田樹氏の知らない比較優位 (池田信夫blog)
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51752213.html


自由貿易で交易が活発になることによって、経済が成長すると思っている人が多い。この理論的根拠の一つがリカードの「比較優位の原理」である。

このリカードの理論は供給サイドだけで経済の成長を捉えている(需要は無限で生産したものは全て消費されるといった前提)。交易によって余った生産要素が他の物の生産に振り向けられ、経済が成長するといった理屈である。つまりデフレ経済の今日の日本には全く当てはまらない幼稚な経済理論である。

しかし教科書でこのリカードの「比較優位の原理」を学んだ学校秀才は、いかなる時にもこの理論が適合できると思い込んでいる。そしてこの自由貿易の障害が、関税であったり、また非関税障壁と呼ばれている補助金や各国の規制と考えている。

中でも最大の交易の障壁が関税という認識である。したがって関税撤廃を目指すTPPは、自由貿易の信奉者に熱烈に歓迎されている。しかしリカードの「比較優位の原理」が唱えられたのは、18、19世紀の牧歌的経済システムの時代を前提にしている。また後ほど述べるが、今日では関税以外の大きな貿易の障壁があることが常識になっている。

http://adpweb.com/eco/eco651.html


 池田氏は、『内田樹氏の知らない比較優位』のなかで、「「アメリカが強硬に日本のTPP参加を要求」しているというのは、何を根拠に言っているのだろうか。たとえばNYタイムズで"TPP"を検索すると、2件しか出てこない。その一つでBergstenは「大統領も共和党もTPPに関心をもっていない」と嘆いている。アメリカにとってTPPは、小国を相手にしたローカルな通商協定にすぎない。そこに主要な輸出先でもない日本が入って来ても来なくても、どうでもいいのだ」と書いている。

 米国政権が日本政府にTPP参加を要求しているわけではないという根拠の最初に、NYTの記事検索を持ち出すのには驚いた。 それは、TPP(や対日通商交渉)が米国国民やメディアにとってそれほど大きな関心事ではないことを意味しているとしても、米国政権が日本政府にTPP参加を要求していないという傍証にすらならない。 TPPのキーワードでNYTの記事を検索せずとも、米国政権が日本政府にTPP参加を強く望んでいることは、日本で報道されている米国政権の言動から十分にわかることである。

 日米の貿易関係は、「水平分業」で棲み分けがうまくいっている構造になっていると考えている。

 韓国企業との関係とは違い、それほど激しいつばぜり合いを演じることはなく、品目や対象地域(市場)で棲み分けている。(韓国企業とは、市場と品目(完成品)の両方で深刻な角逐状況にある)

 池田氏は、米国にとって日本が主要な輸出先ではないという説明を否定せずそのまま使っているが、ちょっと調べればわかるように、カナダ・メキシコ・中国に次ぐ第4位の位置にあり、英国やドイツよりも上位なのである。(対日輸出512億ドル:輸出全体の4.8%)

 池田氏は、さらに、「TPP反対派は、高校の政治経済レベルの経済学も理解していないことが多い」と指弾し、その根拠として、『比較優位の原理』を持ち出している。

 池田氏は、クルーグマン氏の教科書から説明を引用し、

「各国で生産費が異なるときは、相対的にコストの安い財に特化して輸出することによって世界全体の生産量が増え、双方の国が利益を得るWin-Winが実現するのだ。これがリカード以来知られている(そして内田氏の知らない)比較優位の原理である」

と教示している。 クルーグマン氏の教科書からの引用部分:

『アメリカでは1000万本のバラを栽培しているが、これに使う資源で10万台のコンピュータを生産できるとしよう。他方、南米では同じ資源で3万台のコンピュータしか生産できないとする。アメリカでバラの生産をやめて全量を南米から輸入したら、南米のバラの生産は1000万本増えてコンピュータの生産は3万台減るが、アメリカではバラの生産がゼロになってコンピュータの生産が10万台増える。つまり世界全体では、バラの生産量は変わらないが、コンピュータの生産量は7万台増える』

 この論理で、南米にコンピュータ製造をやめさせバラ栽培に傾注させられると考えているのならお手並み拝見である。

 まず、近代経済学は物理的量ではなく金額的量が基本の考察ベースである。

 バラ1000万本の付加価値とコンピュータ3万台の付加価値を比較しなければならない。それが同じなら、とりあえずは比較優位の論を受け入れよう。 しかし、バラの付加価値が100万Gでコンピュータの付加価値が130万Gなら、南米はご冗談でしょとバラ栽培への特化を拒否するだろう。  付加価値は同じだとしても、商品の性質も関わってくる。


● バラの盛りは短く、売り時に売れなければ、腐らせてしまい収入が大きく減少する。輸送にも気をつかわなければならない。

  コンピュータは、コストダウンペースや技術革新が速く生鮮食品とも揶揄されるが、バラほどではない。見切りをつけ安売りすればバラほどの大損は食わない。経済的腐敗はあるが、物理的腐敗はほぼない。

● バラの栽培も奥行きは深いと思っているが、近代資本制産業を発展させる動因はあまりない。コンピュータの方は、半導体・映像表示装置・ソフトウェア・製造装置など近代資本制産業を発展させる要素が詰まっている。

  近代国家として今後も成長を遂げたいと思っている国であれば、現段階の生産性は低くとも、コンピュータの製造を放棄したりはしないだろう。


 池田氏は、「比較優位の原理」を使って、「日本のような製造業に比較優位をもつ国が農産物に高率の関税をかけて農業を保護するのは、製造業を犠牲にして世界経済を収縮させているのだ」という結論を導いているが、製造業従事者がこの3年間だけで100万人も減少し(総数900万人)、若年労働者層の8%以上(200万人)が失業しているこの日本で、「製造業を犠牲にして」というロジックは通用しない。

 世界最高レベルの競争力を持つがゆえに、日本の製造業は、日本国内で労働力を使いこなせなくなったのである。日本の製造業にとって日本の労働力人口は過剰なのであり、農業を保護しようがしまいが、それは変わりないのである。

「比較優位の原理」は、そのような状況ではまったく通用しないのである。

 池田氏が批判している内田氏のブログは申し訳ないが未読なので、池田氏が引用している


『貿易において一国が輸出によって大きな貿易黒字を得る場合、その相手国は輸入超過となって貿易赤字が増えることになっている。ふつうはそうである。貿易では(グローバリストの好きな)Win-Win はない。片一方が黒字なら、片一方は赤字になる。』

という部分のみについて感想を述べたい。  貿易収支の不均衡からWin-Win はないということらしいが、貿易黒字の多寡がWINの指標だというのなら別だが、経済成長や国民生活の向上を指標にするのなら、Win-Win はありえる。


 池田氏の誤りは、内田氏の主張を「比較優位の原理」で裁断していることだ。比較優位は、静態的一時的な話としては通用しても、持続的なWin-Win が論証できているわけではない。  持続的なWin-Winの条件は、


○ 一つは、米国のように、膨大な貿易赤字にお構いなしで、旺盛な財貨の輸入ができる国があること。

 戦後世界の経済発展は、国際基軸通貨ドルの発行国で軍事的にも破格の力を持つ米国が、鯨飲馬食とも言える輸入超過構造を継続してきたことに支えられている。


○ もう一つは、米国の輸入超過構造を頼りに、近代的製造業の移転を通じて途上国の国民所得をアップさせるような貿易関係。

比較優位ではなく、コストの比較どころか製造条件さえない国に先進国が製造拠点を築き、そこに生産財や部品を輸出し、そこから米国や自国などに完成品を輸出するという構造だ。それにより、雇用された人々の所得が増加し、その所得が消費を通じてその国の経済社会全体に回る。進出先の国の所得水準が上がることで、製造拠点の生産量が増えたり、自国からの製品輸出が増える。

 というようなもので、「比較優位の原理」は、Win-Winの条件でもなければ、その論証にもなっていない。


以下のリンク先の比較は参考になります。

野田オバマ初会談―各紙は何を書き何を書かなかったか

http://d.hatena.ne.jp/oguogu/20110923/1316769113

オバマ大統領


『大統領は初顔合わせにもかかわらず、具体的な結果を明確に求めてきた』(朝日新聞)、『オバマ大統領が示したビジネスライクな要求』(毎日新聞)、

『一変した大統領の実務的な口ぶりに、同席の米高官らも驚いたという』(産経新聞)、『初顔合わせで、米大統領が懸案を巡り、ここまで単刀直入に善処を迫るのは異例といえる』(日本経済新聞)。


オバマ大統領の口調が、これまで行われた日米首脳会談とは違っていた事を各紙が伝えています。しかし、どうしてオバマ大統領が、そういう口調で話さなければならないのかという事まで触れた新聞社は一社もありませんでした。私は、各社の論説委員が国内の事だけしか考えていないからだと思わざるを得ません。オバマ大統領が日本との外交で結果を求めたのは、それだけアメリカ国内で追い詰められているからです。実際に世論調査では再選が危ういと言われていますから。

結局、オバマ大統領は、野田総理に得点になるような物を寄越せと言っているわけです。

http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/582.html


【経済学理論の虚妄】 「比較優位」というリカードの“詐欺的理論”が今なお生き延びている不可思議 

− 「自由貿易主義」は「保護貿易主義」である 


「国家破産15」ボードにも「比較優位」学説が散見されたので、それを俎上に乗せたい。

まず、「自由貿易主義」は、それが有利だと考える国家が主張する「保護貿易主義」だと考えている。

自由貿易がお互いの国民経済にとってメリットがあるという理論的根拠としては、「比較優位」という考え方が示されている。

「比較優位」は経済学で幅広く受け入れられている(流布されている)理論であるが、現実と歴史をとてつもなく捨象したモデルにおいでのみかろうじて成立するものでしかない。

ここで取り上げる「比較優位」の理論は、リカードの「比較生産費説」と「ヘクシャー=オリーンの定理」とし、その対抗理論(政策)としてリストの「幼稚産業保護論」を取り上げる。

経済学から少し離れ、経済が国民経済であり、国民経済が近代国家の基盤であることを考えれば、「比較優位」がどれほど“現実離れ”したものであるかわかる。
「比較優位」を根拠として、鉄鋼産業や機械産業を確立せず、それらを外国に依存した近代国家が、国際政治の荒波を乗り越えることができるのか?

「比較優位」を根拠として、食糧を外国に依存した国家が、農業の自然規定性と自然変動や国際政治の変動を考えたとき、それで長期的な国民生活の安定を維持できるのか?

諸外国と対等に交渉できる自立した国家をめざす統治者が「比較優位」を受け入れることはないだろうし、国民の安定的な生存を第一義とする統治者も、「比較優位」を受け入れることはないだろう。

また、グローバル化が進んだ戦後世界でも、日本を除く先進諸国は「比較優位」を度外視して食糧自給率100%をめざし、自由主義の権化と見られている米国でさえ、繊維・鉄鋼・家電・自動車・半導体と次々に対日貿易規制を強要してきたことなどを思い浮かべれば、「比較優位」が、建前や理論は別として、現実としては受け入れていないことがわかる。

「比較優位」が理論としては受け入れられていても、現実の近代世界史で「比較優位」に基づいて交易が行われたことはないというのが実態である。

(近代産業勃興期の英国も、相手国(インドなど)に強制するかたちで輸出増加を達成したのだから、相互が納得する「比較優位」で交易が行われていたわけではない)

しかし、このような政治論的立場から「比較優位」を批判することが目的ではないので、経済論理に限定してその誤りを考察したいが、先にリストの「幼稚産業保護論」を見ることにする。

■ リストの「幼稚産業保護論」


リカードの「比較生産費説」を批判したドイツのリストは、自由貿易があらゆる国に利益をもたらす政策だとしても、産業構造が不変で、短期静態的な条件でのみ適用できるとした。

例えば、ドイツが近代的な紡績工場を綿糸業の比較生産費を切り下げていけば、小麦の輸出国から綿糸という工業製品を輸出する工業国に変身し、生産が大きく拡大し、経済厚生水準も大きく向上すると説明し、国家の政策で、英国製品の輸入を抑え、綿糸の国内価格を引き上げることで綿糸工業の拡大を実現すべきだと主張した。そして、リストの考えはその死後1879年にビスマルクによって採用され、それが、ドイツの工業化を促進し、重化学工業で英国を凌駕するまでになった。

これは、19世紀末のドイツまで遡らなくとも、戦後の日本を考えれば理解できることである。

米国の産業に較べて劣っていた日本の産業がついには米国を凌駕するまでになった過程を考えれば、「幼稚産業保護論」どころか「幼稚国家保護論」に基づく政策によってそれが実現されたことがわかる。

戦後日本の高度成長期は、保護関税のみならず“舶来品は贅沢”という価値観まで国民に浸透させることで輸入を抑制し、外資の直接投資を原則禁止とし、輸出の増進を国策として取り組んだ成果である。

1960年前半までに「自由貿易」や「外資受け入れ」を政策として実行していれば、今では名だたる輸出優良企業のほとんどがなく、国民生活の水準も現実の歴史過程よりずっと下回るものになったはずである。

(安価な財の輸入により国民生活が一時的に上昇することは否定しない)

■ 戦後の発展途上国


「自由貿易」主義者が戦後世界を取り上げるときは、「幼稚産業保護論」で成功した日本ではなく、戦後独立を果たした発展途上国を対象とするだろう。
発展途上国はその多くが近代化をめざし、「幼稚産業保護論」に相当する「輸入代替工業化政策」を採った。

その具体的な政策は、保護関税・輸入数量割り当て・高い為替レートをベースに、育成対象の産業が生産する財の国内価格を引き上げ、その産業が必要とする資本財の輸入に必要な外貨を優先的に割り当てるという政策を採った。

しかし、このような政策が成果を上げることは稀であった。

戦後日本やかつてのドイツが成功を収める一方で、戦後類似的な政策を採った発展途上国がうまくいかなかった要因が何かを考える。

技術力・経営・活動力という歴史的蓄積の差異を総括的要因として上げることができるが、


● 資本における有機的構成の高度化すなわち固定資本比率と規模の拡大

戦後とっても「産業革命」から既に100年以上が経過し、二つの世界大戦を経ていることから、産業の機械化が生産装置と言えるまで高度化しており、国際競争力を確保するためには、競争優位の規模を実現するためには厖大な資本投入を必要とする。

特定産業を優遇的に育成するためには、他の産業に犠牲を強いることである。
資金(外貨)が不足しているのが途上国だから、国際借り入れを行い、生産した財を輸出することで返済していなければならない。

途上国はGDPの絶対的規模が小さいのだから、対外債務の返済負担が過大なものとなる。

対外債務の過大な負担はイコール国民生活の耐乏を意味するから、国際競争力を確保できるほどの規模で産業を確立するのは無謀な試みとなる。

せいぜいが「輸入代替」という規模に制約され、国内市場向けに販売されることになる。

しかし、産業育成の資金は国際借り入れだから、その債務履行分だけは、国民経済の需要が減少する。

巨額の生産財を国際借り入れで輸入しながら、それによって生産される財が国内市場だけで販売されていれば、その産業の維持さえ困難な国民経済状況になる。

● 自国通貨を高めに設定した為替レート

為替レートが“実力”以上に高ければ、国際借り入れも相対的に軽減でき、財の輸入も有利になる。

ところが、そのために財の輸出競争条件は厳しいものになる。

「輸入代替工業化政策」という国内市場に限定した考えであったが故に、途上国の産業は育成はうまくいかなかったと言える。

国際借り入れの返済のために国内需要は減少するのだから、最低でも、債務履行に必要な外貨を輸出で稼ぎ出さなければならないのである。

■ 東アジアの経済成長


東アジア地域は、ラテンアメリカ・南アジア・中東・アフリカと違って経済成長を達成した。

東アジアが経済成長を遂げたのは、「比較優位」に従った結果でもなく、「輸入代替工業化政策」を採った成果でもない。

成功の要因は、日本を中心とした外資を積極的に誘致し、輸出拡大と国内需要拡大を成し遂げたことにある。

自前の産業育成であれば国際借り入れが必要になるが、外資であれば、生産設備の投資は外資自身が行い、そこで働く人々の教育だけ面倒を見ればいい。

極端な例をあげると、外資の工場で生産される財が全量輸出されるのであれば、財が国内に供給されることなく、そこの勤労者が得る賃金がまるまる国内企業にとっての需要として増加することになる。

財の輸出でデフレ圧力がかかることなく、需要の純増加により産業活動が活発化するインフレ傾向を生み出すことになる。

そのような経済状況であれば、需要“純”増加を梃子に国内企業の力を徐々に高めていくことができる。 そして、産業育成に国際借り入れを行ったり高価な生産財を輸入する必要がないのだから、為替レートは安い状態でいいというか、外資誘致のためにも安いほうが有利である。


国内企業の力が付いて輸出ができるようになれば、安い為替レートが国際競争力の支えとして貢献することになる。

このような発展途上国の経済成長論理は、ここ10年の中国経済を顧みれば理解できるはずである。

■ リカードの「比較生産費説」


「比較優位」の先駆理論であるリカードの「比較生産費説」からまず見ていくことにする。 簡単に「比較生産費説」を説明すると、


「世界に英国とポルトガルの2ヵ国しか存在せず、生産している財も毛織物とワインの2種類しかないと仮定する。英国は毛織物1単位を生産するのに100人、ワイン1単位を生産するのに120人を必要している。

ポルトガルは毛織物1単位を生産するのに90人、ぶどう酒1単位を生産するのに80人必要だとする。そして、英国の全労動量を220人、ポルトガルの全労動量を170人とすれば、貿易が行なわれないときの2ヵ国の毛織物の総生産量は、英国1単位、ポルトガル1単位の合計2単位である。同様に、ワインの2ヵ国の総生産量も2単位となる。

         英国     ポルトガル   2ヵ国の総生産量  
 毛織物    100人     90人     2単位
 ワイン    120人     80人     2単位
 総労働力量  220人    170人


生産性という視点で見れば、毛織物とワインともポルトガルのほうが優位にある。
直感的に考えれば、ポルトガルが両方の財を英国に輸出すればいいということになるのだが、リカードは、“より生産性が優れている財に特化して生産した方がお互いにより利益を得ることができる”と唱える。

ワインを基準にすると、  

(100/120)0.83 < (90/80)1.13

だから、英国は毛織物の生産が相対的に得意ということになる。


毛織物を基準にすると、  

(120/100)1.25 > (80/90)0.89

だから、ポルトガルはワインの生産が相対的に得意ということになる。
だから、英国は比較優位の毛織物に特化し、ポルトガルは比較優位のワインに特化したほうがいいとする。


そうすれば、

        英国     ポルトガル  2ヵ国の総生産量 
 毛織物    220人      0人   2.2  単位
 ワイン      0人    170人   2.125単位
 総労働力   (220人) (170人)  


 2ヵ国の総生産量を見ればわかるように、貿易しない場合に比べて、総労働量に変化がないにもかかわらず、それぞれの財の生産量が増加する。」


このような“詐欺”的説明でリカードは、自由貿易がお互いの国民経済にとって有利なものだと主張した。

財の特性にふれることもなく二つの財だけを比較するだけで、国民経済の利害を論じるとはなんとも雑ぱく話である。

例として上げられたポルトガルは、当時英国の属国同然だったから反論をしなかったかもしれないが、まっとうな統治者がいればきちんと反論していたであろう。
仮想のポルトガル統治者による反論を試みる。

● ポルトガルの仮想反論


「私どもの生産性のほうが毛織物でもワインでも高いということがよくわかりました。しかし、私どもの国では毛織物とワインの生産量と需要はぴったり合っていて、ご提案の内容によって賃金総額が増えることはありませんから、生産量が増えてもそれらの需要は増加しません。余った財はどうなさるのですか?全部お金に代えるとしたら、安く売るしかないんじゃないですか?」

「リカードさん、ではこうしましょう。英国の毛織物とワインの需要量はどれほどですか?私どもでその分を生産して貴国に輸出して差し上げます。もちろん、現状の労働力量では生産量を増加させることはできませんから、おたくの国から労働者に来てもらって結構ですよ。ほら較べて見てください。


        英国   ポルトガル  2ヵ国の総生産量 
 毛織物     0人    220人   2.44  単位
 ワイン     0人    170人   2.125単位
 総労働力  ( 0人) (170人)


        英国     ポルトガル  2ヵ国の総生産量 
 毛織物    220人      0人   2.2  単位
 ワイン      0人    170人   2.125単位
 総労働力   (220人) (170人)


ワインの生産量は変わりませんが、毛織物は2.2単位が2.44単位に増加します。うちで全部生産したほうが毛織物も生産量が増えますよ」


「それがおいやでしたら、英国はワインを、ポルトガルは毛織物をという分担は如何でしょう。毛織物は機械産業も必要ですし、毛織物や機械産業を別の織物業の発展にも貢献します。ワインの生産量が減ることについては、飲酒抑制を呼び掛けて何とかしますから大丈夫です」


現代のリカードは、ポルトガルの反論にどう答えるのだろう。

国民経済の発展が、農業就業人口の減少とそれに代わる工業就業人口と商業・サービス業就業人口の増加という現象を伴ったこと、金額であるGDPでも同じ現象を示し、現在の日本の農林水産業がGDPに占める割合は1.4%しかないことを考えれば、ポルトガルがワインに特化すれば、その後どういう“発展”を遂げなければならないかを推測するのはそれほど難しいことではない。

■ ヘクシャー=オリーンの定理


 比較優位を説明する理論としては、リカードの「比較生産費説」の他に、ヘクシャー=オリーンの定理がある。

ヘクシャー=オリーンの定理は、貿易する2国間で生産関数と消費関数が同一であったとしても、2国間に要素賦存比率の違いがあれば両国で異なる財に比較優位が発生して貿易が有効になると証明したとされるものである。

ヘクシャー=オリーンの定理が成立する条件は、


(1)2国2財2要素モデル
(2)生産関数と消費関数は2国で同一
(3)市場は完全競争
(4)二つの国は一方が資本豊富国でもう一方が労働豊富国
(5)二つの財は一方が資本集約財でもう一方が労働集約財
(6)二つの要素は資本と労働であること。
(7)生産要素は国内では自由に移動できるが、国境を越えて移動できない


である。そして、要素賦存の違いが国内の財の相対価格に反映されるとする。
資本豊富国では、同一の生産関数の下では労働豊富国よりも資本集約財の相対価格が低く、労働集約財の価格が高くなる。

だから、各国は、自国に相対的に豊富にある生産要素を集約的に用いる財に比較優位をもつことになると結論する。

まず、この定理では、類似的な要素賦存比率である先進諸国間や途上諸国間の自由貿易の正当性を説明することができない。

先進国と発展途上国のあいだの自由貿易を正当化する説明として“限定的に”有効性を持っていることは認められるが、自由貿易ではなく、前述した外資導入による東アジア諸国の経済成長論理に較べれば劣った“経済利益”である。

また、発展途上国の位置づけを固定化するものであり、通貨的尺度で測られる資本増殖ではなく、財生産量の最大化や財価格の最小化が経済利益に直結すると考えたときのみ通用するものである。

日本経済や世界経済を見ればわかるように、「近代経済システム」では、財価格の極小化は経済利益をもたらすどころか、「デフレ不況」という経済的大災厄をもたらすことがわかっている。

「自由貿易主義」は、世界レベルで需要規模が大きく付加価値も大きい財の生産分野で国際競争力を誇っている国民経済の国家が主張する「保護貿易主義」なのである。

そして、それを高らかに唱え続けるためには、国内で完全雇用に近い経済状況が維持されていなければならない。

http://www.asyura2.com/2002/dispute3/msg/570.html

貿易とグローバリズム 05/3/7


リカードの「比較優位の原理」


ライブドアのニッポン放送買収劇は、色々な教訓を与えてくれた。日頃グローバリズムを唱えている日本のマスコミが一夜にして国家主義者に変身した。例えばテレビ朝日の広瀬社長は、政府が外資系企業による放送局への出資規制強化へ電波法や放送法の改正を検討していることについて「歓迎したい」と賛成する意向を示している。

今日、日本のマスコミは構造改革派やニュークラシカル経済学派に席巻されており、本来なら、市場至上主義を唱え、あらゆる規制に反対する立場のはずである。ところが自分達に降り掛かった災難に対してだけは、規制をして守れとはたいした了見である。まるで先週号で取上げた昔の社会党の政治家のように、日本のマスコミはダブルスタンダードである。


ところで筆者は、外資規制に賛成である。ただし放送業界だけに外資規制を適用するという考えには反対である(外国でもメディアに対して外資規制があることを根拠にしているらしいが)。全ての企業についても外資の規制を検討すべきと考える。そもそも筆者は、経済のグローバリズムそのものに疑問を持っている。筆者は、それぞれの国がメリットのある範囲で国際的な規制緩和を行えば良いという考えである。何でも規制を緩和すれば、国民が幸せになるという話は幻想と考える。

外国と交易することは、国とって良いことだという意見が強い。この考えの延長で、貿易をどんどん自由化したり、外国から大量の労働者の受入れることが良いことと考える人々がいる。日本にはFTAを積極的に進めることが必要と唱える政治家がいたり、経団連は単純労働者を日本も受入れるべきと考えている。

一般の人々の間には、素朴に日本人は国内に産出しない石油が使え、日本の製品が各国に輸出ができ雇用機会を確保できるという意見がある。しかし貿易というものは双方にメリットがあるから行われるのである。産油国は、その辺を掘ったら石油が出てきたのであり、そんなものを買ってくれる者がいることに感謝しているとも考えられる。交易が一方的に日本だけにメリットがあると考えるのはおかしい。


筆者は、経済のグローバリズムには光と影があり、今日、光の部分だけがやけに強調されていると考える。そこで本誌はしばらく経済のグローバリズムを取上げる。しかし経済のグローバリズムと言うと、テーマとして大きい。そこで経済のグローバリズムを「物の交易、つまり貿易」「資本の移動、つまり外資の進出」「人の移動、つまり外国人労働者」の三つの側面から論じたい。

まず「貿易」を取上げる。貿易が活発になることが、どの国にとっても良いという意見は誰もが主張したがるが、驚くことにこの根拠はとても薄弱である。このような考えの根本を辿って行くと、どうしてもリカードの「比較優位の原理」に到る。これについては中国との交易の関係で、本誌02/7/22(第261号)「中国の不当な為替政策」で取上げた。

「比較優位の原理」が適切に働くには、為替レートが適切な水準にある必要がある。しかし日本のように購買力平価より高い為替水準で推移している国がある一方、中国やインドのように購買力平価より著しく低い為替水準の国がある。さらに中国は、不適切な為替レートを米ドルにぺッグすることによってずっとこの不適切な為替レートを維持している。このようなことが許されるなら「比較優位の原理」が働くのではなく、全ての生産物は中国で生産することが有利になる。

だいたいリカードは18世紀後半の経済学者であり、当時は金本位制の時代である。つまり不適切な為替レートなんて考える必要がなかったのである。さらにリカードの唱える古典派の経済学では「生産した物は全て売れるというセイの法則」が成立っている。つまり「比較劣位」となって競争に破れても、生産者は他の物を生産する道があるという現実離れをした考えが根本にある。

やはり日本は内需拡大を


「比較優位の原理」は為替変動が適切でなければ適切に働かないだけでなく、古典派経済学の前提になっている完全競争下でなければ公正に働かない。ところが現実の経済では産業によって参入障壁の高さがまちまちである。参入障壁が高い産業は、政府の保護政策がなくとも自由貿易で損をすることがない。一方、参入障壁の低い産業は、貿易の自由化の悪影響をもろに受ける。

経済のグローバリズムと参入障壁の関係は、本誌でも

00/5/15(第162号)「経済のグローバル化とNGO」
http://www.adpweb.com/eco/eco162.html

で述べた。参入障壁の高さがまちまちの状態のままで、単純に貿易の自由化を進めれば、貿易の自由化で恩恵を受ける人々と、損害を被る人々に別れる。たしかに日本において所得格差の広がっているが、これも貿易の自由化の進展と関係している。また参入障壁が低い産業(農業などが典型)は主に地方に配置されており、貿易の自由化の進展は今日の地方経済の疲弊と密接な関係がある。

また部品工業を取り上げれば、参入障壁が低い汎用品を生産しているところは貿易の自由化で損害を受け、特殊な部品を造っているところは影響が少ない。たしかに汎用部品なんか作っている時代ではないという意見もある。しかし全ての部品メーカが特殊部品の製造メーカに簡単に移行できるわけではない。ましてや中国のような不当な為替政策を行っている国の台頭を容認することは問題である。

農業についても、北海道のような工作面積広く米に頼ることのない農業をやっている所と、本州のように農家が依然米作にこだわりを持つ地域とでは利害が対立する。北海道は貿易の自由化を容認するかもしれないが、本州の農家は簡単には農産物の自由化を容認できない立場である。このように貿易の自由化と言っても、国民の利害は一様ではないのである。


中国やインドの為替政策は不正であるとか、日本国内の産業構造を見ても競争が公正に行われるはずがないと言っても、貿易の自由化は確実に進んでおり、所得格差は大きくなっている。しかし中国やインドが簡単に政策を変えるはずがない。今日の日本の風潮を前提にするなら、残念ながら競争にさらされやすい産業の人々は、これに対抗する必要がある。物事を深く考える政治家もマスコミ人も少ない今日、これらの産業に携わる人々は自分で防衛手段を考える他はないという立場に追い込まれている。

日本の教科書には、日本は貿易立国であり、貿易で恩恵を受けていると記述されている。しかし単純にこのようなことが言えない時代になっている。貿易黒字が溜まれば、円高になる。円高を阻止するため資本の海外流出を続けると、今度は海外に持つ資産が増え、これからの利息や配当収入が増え、これがまた次の円高要因になる。円高になれば企業は合理化に迫られ、リストラを行い競争力を回復することになる。

政府が内需拡大をしない今日では、企業は輸出に頼ることになる。しかしこれが将来、自分達の首を絞めるのである。つまり貿易が、誰にとってメリットがあるのか分からなくなっている。企業のメリットと言っても、企業の経営者なのか従業員なのか、はたまた株主なのか、メリットを受ける者が分からない。


今期、最高益を記録したある企業では賃金の引下げを計画している。会社の利益は伸びているが、これは国内の販売の不振を海外事業がカバーしたからである。つまり国内従業員の給料を上げる理由がないのである。国内従業員は会社の海外進出に協力し、技術の海外移転に協力した。しかし海外事業発展の成果は、国内の従業員には還元されないのである。特にこの会社は外資の持ち株比率が高く、安易な国内従業員の賃上げはできず、むしろ賃下げに動いているのである。

このように日本は貿易に頼る貿易立国で、貿易によって国民は幸せになるという単純な概念は今日では通用しない。輸出が伸びれば、円高が進み、さらに輸出先の国での設備投資が要請される。会社は成長し生き残るが、国内の従業員や下請け業者はそのうち犠牲になるのである。

受験秀才のマスコミ人や政治家は、教科書の記述通り、貿易が盛んになれば国民は豊かになると信じている。政府も、FTAを推進すれば日本の経済成長率を押し上げると言っているが、これも一時的なものである(それもほんのわずかな数字)。むしろ将来、この反動の方が大きい。

今日では企業の利益が、国民や国家の利益とはならない時代になっている。筆者は、貿易黒字は、日本のODAの額に見合うだけで十分であると考える。もっと言えば所得収支が黒字であるから、さらに貿易黒字く小さくて良い。むしろ日本は、内需拡大を行って、海外に依存する度合いを低くしても成立つような経済に転換すべきである。  

来週は「資本の移動、つまり外資の進出」を取上げる。冷徹な資本の論理が正しく、これに逆らうのは資本市場の働きを歪めると言われている。たとえば「ライブドアの行動は、現行の法律の上で許されているのであり、これを否定することは市場を否定することになる」という意見はこれに沿っている。またこれがグローバルスタンダードとかアメリカンスタンダードと言われている。

しかし今回のようなだまし討ちのようなライブドア陣営の行動は、アメリカでも卑怯な行動と否定される可能性が強い。リーマンブラザースだって、米国なら今回のような商売を行っていたか疑問である。ハゲタカファンドだって、米国ではとてもやれないことを日本でやっている可能性が強い。それを日本のばかで思考力のない政治家やマスコミが、これがグローバルスタンダードと誤解しているのである。

http://adpweb.com/eco/eco380.html


中国の不当な為替政策 02/7/22

比較優位の原理


最初に、交易の有益性の理論的な背景を述べることにする。そのために分りやすい例えを用いる。まず北海道と鹿児島の交易である。

例えば北海道では、「じゃがいも」が極めて安く作れるが、「サツマ芋」の生産コストが物凄く高いとする。反対に鹿児島では「サツマ芋」を安く作れるが、「じゃがいも」の生産費がばか高いとする。このような場合、北海道は余計に「じゃがいも」を作り、これを鹿児島に売ることにし、反対に鹿児島は「サツマ芋」を増産し、増産分を北海道に売ることにする。そして北海道は「サツマ芋」、鹿児島は「じゃがいも」の栽培をそれぞれ取り止める。

このような交易を行うことによって、北海道と鹿児島の双方にメリットが生まれる。北海道は高コストの「サツマ芋」の栽培を止めることによって、生産資源を他の作物に振向けることができ、鹿児島も「じゃがいも」の生産資源を他の有益な作物に振向けられる。つまり北海道と鹿児島は、互いに低コストの生産物を交換することに、生産余力が生まる。さらにこのことによって所得の増加が可能になる。このように交易は、双方の所得増加と言うメリットを与えることになる。そしてここでポイントとなることは、交易が「双方」にメリットを与えると言う点である。

そしてこの交易によるメリットは、国内に止まらず、海外との交易にも広げることができる。このように互に生産コストが安い物を交換する、つまり外国と交易することによって双方の国に所得の増加がもたらされることを始めて理論的に説明したのがリカードである。そしてこれは「比較優位の原理」と呼ばれ、国際分業を推進する理論的根拠となっている。上の例の場合、北海道は「じゃがいも」が、そして鹿児島は「サツマ芋」が夫々「比較優位」と言うことになる。

人々がよく口にする

「自由貿易を推進し、交易を広めることは、双方にメリットがあり、これを阻害する障壁を除去することが大切」

と言うセリフの背景にも、このリカードの理論がある。WTOは、この精神に乗っとって、関税や補助金と言った貿易の障壁をなるべく低くすることによって、貿易の自由化を推進することを目的にした機関である。


たしかに先進国の間では、それぞれの国に得意な生産物があり、これを交易と言う形で交換すれば、互にメリットがあるるような気がする。しかし国際間の交易には、国内の交易とは決定的に違いことが存在する。貿易には為替が介在するのである。もちろん為替レートが適正な範囲に収まっているのなら問題はない。ところが日本のように購買力平価より著しく高く実際の為替レートが推移している場合には問題が生じる。

もっとも現実の円レートについては、購買力平価より高く推移している原因の大部分は日本に責任がある。まず国内需要が慢性的に不足しており、産業が輸出指向型になっていることがあげられる。さらに資本流出(為替介入による外貨準備金の増大も含まれる)による膨大な海外資産の累積があり、これらから発生する利息や配当が円高圧力となっている。本来なら、内需拡大を行ってこなければいけなかったのであるが、これが十分行われてこなかったツケが今日の円高となって跳ね返ってきているのである。


このように円レートはいびつな水準で推移している。しかし一方には、逆に購買力平価より著しく安い水準で推移している為替がある。中国の「元」やインドの「ルピア」などである。特に貿易量が増大している中国の「元」が大問題である。

01/5/28(第209号)「中国との通商問題」
http://www.adpweb.com/eco/eco209.html


で取上げたように、世銀の調査によれば、元の購買力は実際の為替レートのなんと4.55倍もある。ちなみに日本の円は逆に0.78倍の購買力である。これらの数値を元に、円と元の購買力を比較すると、中国の元は日本の円の、実に6倍の購買力があることになる。

今日、公定レートでは1元が15円である。したがって元の本当の購買力は、6倍の90円と言うことになる。また中国の元は米ドルにリンク(ベッグ)しており、特に今日のような円高が続けば、1元は100円、110円になる可能性がある。たしかに世銀の試算はちょっと古いが、中国の「元」が極めていびつな管理が行われているはたしかである。

中国の工業の発展がめざましいことは認めるが、中国の輸出の急増は、品質の向上ではなく、このようなとんでもない為替レートの維持政策によるものである。中国の工場労働者の賃金は、日本の20分の1とか、30分の1と言われているが、これはあくまでも公定レートの換算によるものである。元の購買力平価で換算すれば、3分の1から5分の1と言うのが実態である。

これは本誌で以前から述べていることであるが、こと中国の物価は、6倍で計算すると実態に合う。例えば、中国のGDPは1兆ドルを越えている。これを購買力平価で換算すると6兆ドル超と言うことになり、日本のGDPをはるかに越えることになる。もっともこれでも一人当りのGDPは、日本の8分の1から7分の1程度である。軍事費も公表されている額が200億ドルであるが、米国の国防省は、この3倍以上の650億ドルと見ている。もし国防省の見解が正しいなら、購買力平価で換算した中国の軍事費は45兆円となり、これは50兆円の米国に匹敵する額である。たしかに中国は年間50基ものミサイル基地を増設しいる。とても額面の200億ドルの軍事費ではとても賄えないような軍備の増強を行っているのである。


最初の交易の話に戻す。

「比較優位の原理」が働くには、交易を行う両国の為替が適正な範囲に収まっている必要がある。

日本の場合、対先進国でも厳しい円高を強いられている。しかしこれは日本が内需に依存する経済を実現することを怠ってきた結果でもあり、甘受すべき面もある。しかし対中国は事情が大きく異なる。あまりにも中国は異常な為替水準(常識を逸した元安)を維持している。これでは日本と中国の間ではとても「比較優位の原理」が働かないことになる。今後はほとんど全ての生産活動を中国で行うことが合理的となる。

ところで本来一時的に為替水準が異常な水準でも、しばらくすれば、パラメータである為替が適正な値に動くはずである。中国は、対日本だけではなく、米国を始め各国との貿易収支は大きな黒字である。つまりこのような状態が続けば、元が強くなり、円を始め各国の通貨が安くなるよう動くはずである。しかし中国は米ドルにしっかりリンクさせることによって、安い元を維持しているのである。特に中国の元は国外に持出しが禁止されており、各国が売買することによって元の為替水準に影響を与えることができない仕組になっている。

為替操作の結果


ドイツのフォークスワーゲンは、昨年チェコに自動車工場を造ることを検討したが、最終的にこれを取り止め、ドイツ国内に工場を造ることにした。チェコの人件費は、ドイツの5分の1であり、これはフォークスワーゲンにとっては魅力的である。しかしチェコのインフラの状況などを勘案すると、やはりドイツ国内の生産設備を増強した方が良いと言う結論になったのである。

ところが中国の人件費は、日本の20分1、30分の1である。これではいくら中国のインフラが劣っていても、日本の製造業は全て中国に移転した方が良いと言う結論になる。

このように全く「比較優位の原理」が働かない状態である。まさに中国の為替政策は、日本を始めとして、各国に対する産業の破壊活動である。

実際、日本だけでなく世界的に中国の為替政策の犠牲者がどんどん出てきている。香港は超不況で失業率は7.7%となっており、東南アジアや台湾の生産拠点もどんどん中国に移転している。メキシコの保税工場も、中国製品の対米輸出の急増で、瀕死の状態である。

中国が不適正な為替を是正すれば、人件費はチェコ並(ロシアも同じくらい)になるはずである。こうなれば、フォークスワーゲンの例ように、中国に移転した方が良い工場もあれば、やはり日本に置いておく方が良いと言った住み分けも起るはずである。ちなみにフォークスワーゲンは、中国に生産拠点があり、「サンタナ」などを製造しており、中国で4割以上のトップシェアーを占めている。


筆者が、危惧するのは、中国のこのむちゃくちゃな為替政策があまりも問題視されていないことである。本誌が異常な中国の為替政策を取上げたのは1年以上も前である。それ以降、中国の経済や中国との通商問題は、色々なメディアで取上げられている。しかしほとんど全てが、この不適正な為替操作には全くと言って良いほど触れない。中国の経済を考える場合には、為替を問題にしなければ、全く意味がない。したがって中国の実状を伝えるテレビ番組も全てピントが大きくづれている。


一般の人々も中国の為替政策を放任したまま、「比較優位の原理」が働かない状態が続けば、大変なことになると言うことに気がついていない。

ただ人々は何故か日本の製造業がどんどん移転していく様子を不安げに見つめているだけである。そのうちこの流れも変わると楽観的に考えようと努めている。しかし中国の為替政策が変わらない限り、この流れは止まらない。5年後、10年後には大変な事態になっているはずである。


国際的に中国の為替政策に無頓着なのは、国際機関の主流派となっている人々がほとんど欧米人と言うことと関係があると筆者は考える。まず欧州各国は、国外との経済交流は大きいが、大半がユーロ圏内であり、単一通貨ユーロ導入で、経済は為替変動にあまり影響されない。一方、米国は、元々GDPに占める貿易額の比率が小さい。さらに米ドルは世界の基軸通貨であり、これにリンクしている通貨も多い。つまり米国も為替の変動をあまり気にしなくても経済活動が行えるのである。

米国が多少気にするとしたなら次のようなケースだけである。米ドルが高くなった時の国内産業、特に自動車メーカーからの不満が出る場合である。また反対に米ドルが安くなった場合の産油国からのクレームが起るケースなどである。しかし総じて米政府は、選挙の時でもない限り、あまり為替を気にしていない。このように欧米の経済は、日本ほどには為替水準の動向に影響を受けないのである。

実際、WTOは各国の為替の水準や為替政策をほとんど気にしていない。ここは重要なポイントである。WTOは、交易を活発化させるために障害となるのは、関税と補助金、そして各国の商慣行や国内産業の保護を目的とした法律などの非参入障壁だけと考えている。ところが中国が行っているいる為替政策は、関税と補助金などと比べられないくらい大きな参入障壁である。しかしどう言う訳か、どうしてもWTOはこの事実を公には認めたがらないのである。かろうじて中国のWTOの加盟と同時に、中国に対する特別のセーフガード

(01/9/17(第222号)「対中国、WTOの特例保護措置」
http://www.adpweb.com/eco/eco222.html


を参照)を認めたことに止まっている。どうも米国やWTOの認識はまだまだ甘いようである。

また政治家だけでなく、経済学者やエコノミストも為替に関する関心が低い(米ドルの大幅下落によって米国の製造業は持直したと筆者は考えているが)。ニュークラシカル派の代表的な存在(教祖の一人)であるロバート・ルーカスなどは

「米国に居ながらフランスのワインと日本のスシが味わえる」

「中国へ生産拠点が移るのも、中国人の人件費が安い上に製品の質が向上しているからであり、これは自然の流れである」

と極めて単純に経済のグローバル化を礼讃している。しかしこの程度の発言なら小学生の意見とほとんど変わらない。中国が政策として、とんでもない為替水準を維持し、世界中の経済を撹乱していることには、全く考えも及ばないのである。

教祖が教祖なら、彼の日本の信者も信者である。日本が農産物に対してセーフガードを発動すると途端に反応し、

「自由貿易に反する」とか

「日本は競争力をつけるべき(中国の為替操作によって人件費が20分の1や30分の1になっていては、競争力もへったくりもないであろう)」

とばかな発言をしている。中には「WTOの交渉の進展のためには、日本はもっと農業分野の開放をおこなうべき」と言っている人々もいる。日本の食料の自給率はたったの40%であり、この数値はほぼ世界最低である。これをさらに下げろとまじめに言っているのであるから、本当にあきれる。

日本が行うことは、まずWTOに為替水準が著しく異常な水準にある国に対して是正を求めるよう要請することである。もしこれが認められない場合には、日本独自で、為替不適正国に対する特別関税を設ける他はない。もちろん日本と同じ被害を被っている国と同一歩調をとることも考えられる。そこで中国がこのような動きにクレームをつけるようなら、中国との貿易を大幅に制限するか、最悪の場合は取り止めることも考えるべきである。中国との交易を止めても、今なら日本にはほとんど被害がないはずである。むしろ今日の状況が続けば、それこそ抜き差し成らぬ状況に追込まれるだけである。


最後に、中国の為替政策の変遷について述べる。今日の1元15円と言う為替レートが、何か合理的な経緯で決まっていると誤解している人々が多いはずである。しかしこれには合理性は全くない。実際、1,980年には1元は実に151円であり、1,990年には30円であった。つまり中国は実に簡単(適当)に「元」の信じられないほど大幅な切下げを行っている。ただ当時の中国経済が今日のように大きくなかったから誰も注目しなかっただけの話である。そして以前の為替水準なら、中国の人件費は1,980年で2分の1から3分の1であり、1,990年で10分の1から15分の1と言うことになる。

このように昔から中国は極めていい加減(適当)に為替を操作している。ところが何も知らない経済学者やエコノミストは、昔から中国の人件費は20分の1、30分の1だったと誤解しているのである。中国はおそらく東南アジア諸国との競争で勝てる水準を探りながら、為替をここまで操作してきたと思われる(たしかにここまで元が安くなれば、日本の企業も東南アジアから中国に生産拠点を移すようになった)。

「水が高いところから低いところに流れるようにコストの低い中国に生産拠点が移転するのは当然」

と判ったようなことを言っている識者と言われる人々が実に多い。しかしこの低コストは、中国政府が適当に決めていると言うことに気づくべきである。したがって万が一でも日本がものすごい努力をして、中国とのコスト競争に勝つようなっても、中国にとっては為替の切り下げをもう一度行えば済む話なのである。


このようなめちゃくちゃの中国の為替政策によって、企業倒産や工場の移転によって失業したり、不幸な目にあっている人々が相当いる。しかしマスコミやメディアには、不思議と中国の為替政策の不当性を指摘する声がない。外務省のチャイナースクールが話題となったが、どうも日本のマスコミもチャイナースクール化しているようである。来週はこのチャイナースクール化を取上げる。

小泉首相は、今日の深刻な日本のデフレ経済にもかかわらず、公共投資の削減や数々の公的支出の削減を進める方針である。およそ経済原則に反する政策のオンパレードである。しかしどうもマスコミはこれを悪い政策とは見なしていないようである(たしかに悪影響が現れるまでには時間がかかり、政策と結果の因果関係が分かりにくくなる)。

まず公共投資や他の支出を削減した場合、どう言う経済効果が期待されるのかを明示すべきである。もし財政赤字が減り、金利が低下するとか、投資や消費が増えると言う目算があるなら、そのような説明をすべきである。もう昨年のようないきなり補正予算を策定すると言ったみっともないことは止めてもらいたい。周りも小泉政権に景気対策を求めることを止めるべきである。本人の希望通りにさせる。そのかわり、結果についてはきっちり責任をとってもらうことが大切である。

これまでの小泉首相の行動を見ていて、筆者の知人は

「日本の首相は俺でもやれそうだ」

と言っていた。結果を見ようとしないのなら(失業が増えてもミスマッチで、株価が下落しても米国のせいにする)、どのような政策でも良いし、誰でも首相は勤まる。彼が進める政策の結果、日本の経済と社会がガタガタになっても、おそらく彼は「辞めれば良いのか」の一言であろう。彼を日本の首相に選んだ人々は、真剣に責任を感じるべきである。

竹村健一氏が、久しぶりにまとものことを言っていた。

「日本は、個人だけでなく企業も貯蓄を始めた。つまり巨額のその貯蓄は政府が使わざるを得ない。金利もこれだけ安くなったのであるから、政府は公共投資を減らすのではなく、今こそ増やすべきである。」

と言っていた。まさに正論である。


ただ今日、安易に大量の国債を増発することは難しい。たしかに国債利回りが3%(これでも国際的には一番低い金利)になるまで国債を発行すれば、数十兆円から100兆円程度の資金は調達できると思われる。しかし大手銀行だけでも70兆円から80兆円の国債を既に保有しており、利回りが3%(今日1.26%)と言うことになれば、相当大きな評価損を抱えることになる。地方銀行も大量の国債で資金運用している。預貸率が55%と言う銀行もある。残りの45%近くは国債と地方債の運用である。ここまで野方図に金利低下を放置していた政府の責任は大きい。

したがって今日、公共投資などの積極的な財政政策で、経済を活性化させ、銀行の不良債権問題を解決し、さらに財政再建を実現するには、我々が主張しているセイニアリッジ政策、つまり政府の紙幣発行特権(日銀の国債引受けも含む)を使う他はないのである。ところで竹村氏のこの「公共投資を増やす」と言う意見に対してマネックス証券の若い社長が、思わず反論しようとしていた。今日、公共投資の賛同者はテレビには出してもらえないのであろう。今日、「中国の為替政策」と「公共投資」はタブーである。このようなメディアの言論統制に勝てるのは、よほどの有力者に限られるのである。

http://adpweb.com/eco/eco261.html


関税以外の貿易障壁 11/2/21


WTOの弱体化


現実の経済を理論的に論じることは難しい。ましてや話が世界に及ぶと、整合性を持って経済を語ることが一段と困難になる。そのような事もあってか、中には議論の混乱を見越し、自分達にとって有利な政策を実現したいがために、とんでもない虚言・妄言を発する人々が出てくる。

TPPの議論に関しても、根拠が薄弱な意見がまかり通っている。例えば自由貿易こそが、日本にとって(日本だけでなく世界のどの国にとっても)極めて好ましいと主張する人々がいる。彼等はTPP参加こそ唯一正しい選択とまで喧伝する。

また日本のマスコミ人には「日本は貿易立国だ」という強い思い込みがある。彼等は経済が成長するには輸出を伸ばすことしかないとさえ思っている。しかし日本が高度経済成長していた時代は、主に内需が増えていた。むしろ低成長になってから、日本経済は外需に依存する度合が大きくなったのである。これについては来週取上げる予定である。


このように自由貿易で交易が活発になることによって、経済が成長すると思っている人が多い。この理論的根拠の一つがリカードの「比較優位の原理」であり、本誌は02/7/22(第261号)「中国の不当な為替政策」でこれを取上げた。

しかしこのリカードの理論は供給サイドだけで経済の成長を捉えている(需要は無限で生産したものは全て消費されるといった前提)。交易によって余った生産要素が他の物の生産に振り向けられ、経済が成長するといった理屈である。つまりデフレ経済の今日の日本には全く当てはまらない幼稚な経済理論である。

しかし教科書でこのリカードの「比較優位の原理」を学んだ学校秀才は、いかなる時にもこの理論が適合できると思い込んでいる。そしてこの自由貿易の障害が、関税であったり、また非関税障壁と呼ばれている補助金や各国の規制と考えている。

中でも最大の交易の障壁が関税という認識である。したがって関税撤廃を目指すTPPは、自由貿易の信奉者に熱烈に歓迎されている。しかしリカードの「比較優位の原理」が唱えられたのは、18、19世紀の牧歌的経済システムの時代を前提にしている。また後ほど述べるが、今日では関税以外の大きな貿易の障壁があることが常識になっている。


しかし第二次大戦後、自由貿易を推進する人々が常に問題にしたのが、この関税であった。GATT(関税と貿易に関する一般協定:WTOの前身)やWTOのメインテーマも関税であった。関税は単純であり目に見えやすいためか、これまでの交渉である程度まで引下げが実施されてきた。しかし補助金や規制などのその他の保護政策に話が及ぶと各国の利害がもろにぶつかり、話が進展しなくなった。


このため各国は、妥協が見込める国とのFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の締結に走り出している。しかしこれは一種の抜け駆けであり、世界中の国の一斉の貿易自由化を目指すWTOの精神に反している。FTAやEPAが結ばれる毎に、今日、WTOは弱体化している。

筆者は、今後の世界の貿易体制は、TPPに見られるようなグループ化による保護貿易と見ている。ところが自由貿易信奉者は、WTOの弱体化については何もコメントしなくなった。おそらくこれも、彼等の頭の中が混乱しているからであろう。


現行、日本の工業品の輸入関税率はほとんどゼロに近い。つまりTPPに加入した場合、相手国の関税が基本的にゼロになるのだから、輸出企業にとって極めて有利になる。したがって輸出企業に携わっている人々がTPPに賛成なのは理解できる。

ところでこれまで規制緩和や郵政改革などの改革運動では、幼稚な観念論者と強欲に自分の利益を求める者が結び付いていた。筆者は今回のTPP推進派にも同じ匂いを感じる(リカードの「比較優位の原理」などを信じるような観念論者と輸出で利益を得ようする者)。しかし今回は彼等がとんでもない矛盾を抱えそうである。

シー・シェパードのような説得不能な国

貿易の障壁が関税だけでないことは周知の事実である。WTOでも知的所有権といったものが問題になっている。しかし知的所有権は法律だけで縛れるものではない。その国の国民性というものが関係してくる。

先週号で取上げた環境問題も、今日、大きな障壁になっている。中国のように環境を無視する国は、環境を気にせず低コストで製品を製造し輸出することができる。しかし自由貿易の信奉者はこのような問題から逃げている。

しかし何度も繰返すが、筆者は、今日、世界貿易で最大の問題は為替操作と考えている。中国は大きな貿易黒字を続けながら、いまだに購買力平価の4分の1、5分の1の為替レートを維持している。実際、貿易の障壁の話なら、為替操作に比べれば関税なんて霞んでしまう。しかし為替操作はWTOで問題にならないし、自由貿易主義者も触れようとしない。


本誌は、昔、1人民元が1ドルだったことを指摘した。つまり1人民元が360円だった時代もあったである。今日の人民元レートは、対円で30分の1に減価しているのである。世界最大の貿易黒字国の通貨が、購買力平価の4分の1、5分の1でしか評価されていない異常な事態が起っている。

訳の分らない評論家は

「東京の中国人のアルバイトはよく働く」、

一方「日本の若者はニートとなって引きこもっている」


と発言している。彼等の考えでは、これが日本経済の低迷の原因らしい。しかし中国人のアルバイトとっては、中国の所得水準が低いことに加え、人民元が購買力平価の何分の1に維持されていることが大きい。

反対に日本の円が購買力平価より高く推移していることを考慮すれば、東京でのアルバイトの時給は、中国人にとって6,000〜7,000円程度に感じられるのである。時給が6,000〜7,000円ということになれば、日本の若者も目の色を変えて働くはずである。ニートも半減するであろう。

韓国も、近年、為替操作が目立つ国の一つである。KーPOPタレントの本国での低賃金が話題になっているが、これも彼等が日本に進出したことによって気付いたことと思われる。筆者は、これも少なからず韓国の為替操作が影響していると考える。


今日、一番のTPPの推進者は大手の輸出企業である。輸出企業がCMスポンサーとなっているため、メディアも概ねTPPに賛同している。しかしTPPはとんだ問題を孕んでいる。

これは先週号でも述べたように、TPPが中国排除を意識したものと見られるからである。既に中国に生産設備を移した企業にとって、このことが将来痛手になる可能性がある。せっかく中国を世界の輸出基地にしようと思っていた企業にとって、これまでの中国での設備投資が無駄になるのである。


TPP推進の母体である財界にも、中国との親密な関係を望む者が多い。しかし、今後、彼等はTPPを取るか、中国を取るかの選択に迫られる可能性がある。TPPの内容を見れば、両方を同時に取る(具体的には中国のTPP加入)ということはほぼ不可能である。

筆者は、日本のTPP参加の是非について、判断に正直迷っている。もし農業などへの悪影響が最小限に抑えられるのなら、TPP加入もしょうがないと思う今日この頃である。貿易を含め、国同士の付合いは、最終的には、国民同士の価値観の相違ということになると筆者は考える。

国民の価値観の違いが一定の範囲にある国だけがTPPに参加するのなら、筆者は日本もこれに加入しても良いと考えるようになっている。それにしても日本の周りは、領土問題に見られるようにデリカシーのない国ばかりである。日本はまるでシー・シェパードのような説得不能な国に取り囲まれているのだ。TPPに活路を見い出すのも悪くないかもしれない。もちろんTPP加入の目的は、自由貿易信奉者のそれと大きく異なる。
http://adpweb.com/eco/eco651.html


自由貿易理論の問題点〜リカードのウソ

貧困と環境破壊を招く自由貿易の問題点を検証する


このページでは、フェアトレード(公正貿易)の対極にあると考えられている、 自由貿易の問題点について説明したいと思います。

今、自由貿易は世界中で失業や貧困、環境破壊を引き起こしています。にも関わらず自由貿易を世界がやめないのは、 「比較優位」という経済学の考え方を信じているためです。18世紀のイギリスの経済学者リカードによって提唱された理論です。

比較優位とは、ものすごく簡単に言うと、 それぞれの国でそれぞれ得意なものを作ればいい。食料を作らなくてもその土地で採れたもので稼いで、輸入すればいい」と言う考え方です。この考え方を「信じている」というより、自由貿易にした方が儲かる人たちがいて、 そういう人たちによって、世界に経済が動かされているから、 みんなで信じているふりをしていると言った方が適切かも知れません。

今の世界で、途上国に貧困などの問題を引き起こしている大きな原因の一つに、 欧米先進諸国による穀物の過剰生産が挙げられます。先進国では、大型機械を使う大規模な農業が行われ、生産性を上げています。機械化、効率化が進むとともに、生産量が増大し、自国の需要以上に穀物が生産されるようになりました。

過剰生産を放っておくと、農産物価格が低下し、 農民が失業して都市に流入するなどして社会不安を引き起こしかねません。そこで、お金のある先進国では、補助金をつけて輸出をするようになります。補助金にはいろいろありますが、自国の農民に所得を保証したうえで、穀物を輸出相手国の国内価格か、 それ以下の価格にダンピングして売るのが目的になています。これにより、先進国の農民は救われます。

が、輸出先にも農民はいるわけです。先進国の補助金付きの安い穀物が入って来るようになって、 アジアやアフリカの途上国での主要産業であった農業が立ち行かなくなりました。これらの貧しい国ぐにでは、自国の農民に補助金を出すことはできません。結果、農民たちは輸入農産物に対抗するため、生産性を上げようとします。

先進国のように機械化するのではありません。より高い生産性を得られる土地を探すことになります。すなわち森林を焼いて畑を作れば、先進国の穀物に対抗できる価格での生産が可能になります。が、長くは続きません。そうした方式の農業は、土地から収奪する農業です。3〜5年で地力が落ちて養分がなくなり、作物が作れなくなります。そして耕作が放棄され、また別の場所を探すことになります。捨てられた土地は、すでに周りの森林もなくなっていて他から養分を供給されることもなく、荒れ果てます。

日本でもそうですが、耕作放棄された田畑は荒れ果ててしまい、回復させるのは困難です。熱帯では気温が高いために土地の有機物の分解が速く、 土地を覆っていた森林がなくなると雨や風によって薄い表土が流れてしまいます。場所によっては、砂漠化が進むことになります。こんなことの繰り返しで、途上国では新たに畑にできる場所はどんどん少なくなります。

行き場をなくした農民は、都市に出てスラムに集まります。あるいは、大地主のもとで小作人になるしかありません。でも、地主もそのうち農業を機械化するようになり、人がいらなくなります。結局農民は失業して、都市のスラムに流れこむことになります。

スラムでは、先進国の食糧援助があるために、貧しくてもとりあえず飢えることはありません。が、その援助のための食料は、先進国の余剰農産物のはけ口になっているという側面もあります。

先進国の補助金付きの農産物の輸出は、自国農民の保護のためでした。が、それはアジアやアフリカの生産性の低い零細農民を失業させ、貧困に陥らせる原因となりました。 生産性が低いというのは、それだけたくさんの人に職が与えられるということでもあったのに。

先進国で広く行われている化学肥料や農薬を大量に使い、地下水をくみ上げ大型機械で耕作する農業は、 自然から収奪する農業です。こんなことで生産性を上げても長続きはしません。異常気象にでもなればたちまち収穫が激減して、食料の不足を招くことになるでしょう。先進国こ援助に回せるだけの食料がなくなれば、世界的な食料不足、飢餓が引き起こされます。

かつて途上国で行われてきた農業は、 小規模ではあっても定期的に土地を休ませて行う持続可能な農業でした。とりあえずは飢えたりすることはなく、自給自足的な生活を送っていました。そこに入ってきたのが今の先進国による植民地支配です。やっとそこから独立したと思ったら、 今度は先進国から入ってくる安い農産物のために貧困と失業、環境破壊がもたらされることになりました。

途上国の農民が失業したり、貧困に陥ったりする原因には、かつての植民地支配の影響もあります。植民地支配や今の補助金付き作物の輸出といった、 途上国の人たちにとっては何も良いことのない経済の有り方は、自由貿易の考えに基づくものです。フェアトレードを行う団体は、ずっと「自由貿易より公正貿易(フェアトレード)を」と訴え、 活動をしています。


では自由貿易の何が問題なのか?そのあたりのことを次にお話します。

自由貿易の問題点〜比較優位のウソ


自由貿易の考え方を作ったのは、200年ほど前のイギリスの経済学者で商人のリカードです。リカードは、「比較優位」という言葉を使って、 国際分業をすることがすべての国にとって利益になると説きました。


槌田敦著「エコロジー神話の功罪 サルとして感じ、人として歩め」
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E7%A5%9E%E8%A9%B1%E3%81%AE%E5%8A%9F%E7%BD%AA%E2%80%95%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E6%84%9F%E3%81%98%E3%80%81%E4%BA%BA%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E6%AD%A9%E3%82%81-%E6%A7%8C%E7%94%B0-%E6%95%A6/dp/4795238529

という本に、リカード理論の問題点が わかりやすく解説されているので、この本で示されている考え方を使って、 自由貿易の問題点を探っていきたいと思います。


リカードは「貿易論」という本の中で、イギリスとポルトガルの毛織物と、 ワインの生産性の比較をしました。その中でイギリスは、毛織物が国内で生産されるワインよりも生産性が高く、 ポルトガルは、ワインの生産性が国内で生産される毛織物よりも生産性が高いと説明しました。つまり、イギリスでは農業に比べて工業の生産性が高く、 ポルトガルは工業に比べて農業が生産性が高いということです。そこで、それぞれの国で生産性の高い商品を交換すれば、 両方の国にとって得になると主張したのです。イギリスは工業国になり、ポルトガルは農業国になれば、両国ともに利益を得ることになる。これが比較優位という自由貿易、国際分業の理論的根拠となっている考え方です。

でも、本当にそうでしょうか?

もし、リカードが正しければ、今の世界はもっと違った形になっていたはずです。それぞれの国が比較優位なもの、得意な物の生産に特化し、輸出をしてお金を儲けて、 そのお金で必要な物を輸入すればいい。そうすればすべての国が利益を得て豊かになれるのなら、 なぜ世界には貧困に苦しむ国ぐにや人びとがこんなにも多く存在するのでしょうか?

カカオの生産が比較優位な国は、カカオの生産に力を集中して、輸出して儲けて、 必要な物はすべて儲けたお金で輸入すればいい。そうしていれば豊かになれるのなら、コーヒーの生産が比較優位な国はコーヒーの生産に特化して、 それを輸出して必要なものを外国から買えばいいということであれば、 なぜそうした商品作物の生産農家の多くが、貧困に苦しんでいるのでしょう?
コーヒー農家の生活については、

「あのスターバックスにも、フェアトレードコーヒーが!」
http://www.fair-t.info/ft-coffee/index.html


をお読みください。

貧困に苦しむカカオの生産地の中でもとりわけ状況が厳しいのは、 コートジボアールなど西アフリカの国ぐにです。この地では、のカカオ農園主たちは貧困に苦しんでいるのでしょうか?

なぜ子供たちを奴隷にしなければならないのでしょうか?

21世紀の今でも奴隷を使った生産が行われています。奴隷を使っているのなら、給料を払う必要がないから、 農園主は儲けているはずと思うかも知れませんが、農園主もまた貧しいのです。

なぜ、理論どおりうまくいかないのでしょうか?


リカード理論には、ごまかしがあるからです。


先ほどのイギリスとポルトガルの例で言えば、両国内での毛織物やワインの価格は関係ないというのが、 この理論の特徴です。イギリスの毛織物が、ポルトガルの毛織物より高くてもかまわないのです。

イギリス商人は、ポルトガルに行って自国の毛織物をポルトガル価格にダンピングして売ります。

イギリス商人が損するように見えますが、彼らは毛織物を売ることで、 ポルトガルのお金を手に入れることができます。

そのお金で安いポルトガルのワインを買ってイギリスで売れば高く売れるわけで、 商人は利益を得ることができます。

同じようにポルトガルの商人も、自国のワインをイギリスで売れば高く売れて、 それだけ多くのイギリスのお金を得ることができます。そしてポルトガルで買うより多くの毛織物をイギリスで買うことができます。

比較優位の考え方を使えば、お互いの商人が儲かるというのが、リカードの理論です。

もっとも、商人などという言葉は使わず、もっと学問的な言葉を使って説明し、 当時の経済学者たちを説得しましたが。

比較優位の理論は、経済学者たちが本や学問の世界だけで勝手に議論していてくれているだけなら害はないのですが、世界中がこの理論を信じてしまい、実行してしまったために、様ざまな問題が起こることになりました。

現実の世界にはイギリスとポルトガルだけでなく、もっとたくさんの国ぐにが存在します。毛織物とワインだけでなく、もっとたくさんの生産物が存在し、貿易が行われています。それに、リカードの理論ではお互いの国が儲かることになっているのですが、 実際に貿易を行うのは国ではなく、貿易商です。

それでもイギリスやポルトガルの商人が活躍して、利益を上げれば、 税金と言う形で国家は利益を得ることができます。が、ここに第三国の商人が介入したらどうでしょうか?

比較優位のウソ〜商人だけが儲かるしくみ


ここで、金と銀の貿易を例として、国際貿易について考えてみたいと思います。

A国とB国があって、A国では金1キロが銀5キロと同じ値段だとします。

そしてB国では、金1キロと銀100キロが同じ値段だとします。


A国:金1キロ = 銀5キロ
B国:金1キロ = 銀10キロ


私がA国の商人だったら、金1キロを持ってB国へ行きます。

そしてその金を売って銀を10キロ買います。

そしてA国に戻って金2キロを買います。A国とB国をただ往復するだけで、 手持ちの金を2倍にすることができます。

B国の商人も、国内で銀10キロを買ってA国に行き、金2キロを買うことで、 手持ちの金を2倍にすることができます。

いづれにしても両国ともに利益を得て儲かるように見えます。が、ここに第三国、 C国が加わると話が違ってきます。

C国の商人10キロを手に入れます。

その銀をA国に持って行けば、金が2キロ手に入ります。

手持ちの金を2倍にすることができるのです。しかし、A国とB国はどうでしょうか?

まずB国は、C国商人が持ってきた金1キロと、銀10キロを交換しただけなので、損得はゼロです。

A国も銀10キロと金1キロを交換しただけなので、同様に損得ゼロです。

両国ともに何の利益もありません。

C国商人だけが一方的に儲かるのです。


これが自由貿易によって商人が利益を手に入れる仕組みです。実際には関係国であるAB両国は、何の利益も得ていないのに、巧妙なトリックによって、 リカードは両国が儲かると主張し、世界はだまされたのです。

リカードは、お金儲けがうまい貿易商人でした。だから自分に都合の良い理論を作り出したのです。自分の理論の矛盾は承知の上で、一人大儲けをしてほくそえんでいたことでしょう。


C国商人を、多国籍企業とします。A、B国はアメリカと日本。


C国商人は、日本で比較優位の自動車を買い付けてアメリカに持っていきます。
そして自動車を売った金でアメリカの比較優位の安い米を大量に買い付けて日本で売ったら...。

こう考えると失業や貧困に苦しむ人が出ることなど、比較優位の理論で様ざまな矛盾、 問題が発生することが良くわかると思います。

次にぜひ、あなたに知っていただきたいのは、代表的な商品作物である、カカオについてです。 おいしいチョコレートの原料になるカカオですが、その生産に、 「奴隷」が使われていることを知っていましたか?

奴隷といっても10代前半くらいの少年の奴隷です。世界最大のカカオ産地、 西アフリカのコートジボアールの奴隷を使ったカカオ豆生産について、 それから自由貿易がもたらした単一栽培も問題点についてをご覧ください。

カカオ農園の少年奴隷問題 
http://www.fair-t.info/ft-cocoa/index.html

http://www.fair-t.info/economy-society/freetrade-ricardo.html


TPPや自由貿易は未だにリカードの比較優位論を根拠にしており、そして比較優位論は以下の三つが成り立たないと巧くいかないためです。


◆セイの法則:供給が需要を産み出す(逆じゃないです)
◆完全雇用
◆資本移動の自由がない


 最後の資本移動の部分ですが、工場などの資本移動が自由自在になってしまうと、リカードの比較優位論も何もあったものではないという話です。実際、アメリカは日独などの製造業の猛攻を受けた時期('70〜'80)に、本来であれば「技術開発投資」にお金をつぎ込むべきだったのですが、資本を外国に移すという道を選び、製造業の一部が「産業ごと」消えてしまいました。

 残った製造業(自動車ーメーカーなど)も、やはり技術開発投資を軽視し、自国や各国の制度システムを変えることで生き残りを図ります。すなわち、市場にあわせた製品開発をするのではなく、市場を自分に合わせようとしたのです。

 制度システムを変更するのは政府にしかできませんので、アメリカの自動車メーカーなどはロビイストや献金を通じて政府に影響力を発揮し始めます。しかも、アメリカの自動車メーカーは自国のシステムならともかく、外国(日本など)の制度システムも目の敵にし、「非関税障壁だ!」と叫び、政治力を使い、「市場を自分に合わせようと」したわけです。結果、現在のTPPに繋がる日米構造協議が始まりました。

 世界経済はいま、上記リカードの比較優位論の前提条件を三つとも満たしていません。こんな状況でTPPを推進したら、日本は物価がますます下落し、失業率が上昇することになります。恐ろしいことに、アメリカの方もそうなる可能性があります。

 木下栄蔵先生は、デフレに突っ込んでいる国同士の自由貿易協定は「ロス−ロス」になると警告していらっしゃいます。日本とアメリカがTPPで「ロス−ロス」になった日には、冗談抜きで世界は大恐慌目掛けてまっしぐらということになりかねず、そんな未来は心から願い下げだと思うわけです。

22 ■型に嵌めたがる習性の多面的考察

>比較優位論は以下の三つが成り立たないと巧くいかない

 リカードモデルに限らず、あらゆる自由貿易賛美論には、

「自分の求める品質の財・サービスを相手国が作れる」

という前提条件が組み込まれています。日本人なら「おい、おい、ちょっと待ってよ」と、この前提条件がいかに現実離れしているかすぐに気づくでしょ。

はっきり言って、「モデル」って名付けるのも馬鹿らしい「リカちゃんハウス」なんです、あんなもの。


 そもそも経済学は、「品質」なんて取り扱えません。

例えば、PS3とXboxの「品質」をポイント計算できる「客観的」基準なんて存在しない。近代以降の経済学は、そういった非客観的要素を排除し、市場売買価格を基礎に据えることによって数学を自在に取り込み、科学の装い(あくまで装いですよ)を身に纏うことができたんです。

 ここに気づいてない学者連中がほんとうに多いんです。経済学にそもそも出来ることと出来ないこと、を根元から考えたことがない。経済産業省の「信者」さんも恐らく同じなんでしょう。、自分のやってる学問を外から冷静に眺めたことがない。ただただひたすら「覚えた」だけ。いい意味で「遊んだ」経験がなく、例えば「自動車の排気音の文化的価値」なんてものを感じたことがない。そりゃ、「品質」なんか気になりませんよ。学歴はあっても、文明人・文化人じゃないんです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11049519345.html

グローバリストを信じるな


Againの定例経営会議で箱根湯本に集まり、平川くん、兄ちゃん、石川くんと日本の行く末について話し合った。

EUの先行き、日本のデフォルトの可能性から、TPPが「空洞化したアメリカ産業の最後の抵抗」という話になる。

いったいアメリカは自由貿易によって日本に何を輸出して、どういうメリットを得るつもりなのか?

この中心的な論点について、メディアは実はほとんど言及していない。


「TPPに参加しないと、『世界の孤児』になる」とか「バスに乗り遅れるな」

というような、「自己利益(というよりは「自己利益の喪失)」にフォーカスした言葉が飛び交うだけで、

「なぜアメリカがこれほど強硬に日本のTPP参加を要求するのか?」

という、アメリカの行動の内在的なロジックを冷静に解析した記事をメディアで見る機会はほとんどない。

まさか、アメリカが自国の国益はさておき日本の国益を守るために完全な市場開放を日本に求めているのだと思っている国民はいないと思うが、メディアの社説を徴する限り、論説委員たちはその数少ない例外らしい。

TPP参加は日本の国益のためだ、と推進派の人々は言う。だが、それではアメリカが日本に市場開放を求め理由を説明したことにはならない。アメリカが他国に市場開放を求めるのは、自国の国益がそれによって増大するという見通しが立つからである。そして、貿易において、一国が輸出によって大きな貿易黒字を得る場合、その相手国は輸入超過となって貿易赤字が増えることになっている。ふつうはそうである。

貿易では(グローバリストの好きな)Win-Win はない。片一方が黒字なら、片一方は赤字になる。

アメリカは自国の貿易収支が黒字になることをめざして他国に市場開放を求めている。それは「売りたいもの」があるからで、「買いたいもの」があるからではない。アメリカが自国の貿易黒字を達成すれば、相手国は貿易赤字を抱え込むことになる。

だから、「アメリカの求めに応じて、日本が市場開放することは、日本の国益を増大することになる」という命題を有意味なものにするためには、

「アメリカの国益を最大限に配慮することが、結果的には、日本の国益を最大化することになる」

という命題をそこに媒介命題としてはめ込むしかない。だが、「アメリカの国益を最大限に配慮することが、結果的には、日本の国益を最大化することになる」という命題は汎通的に真であるわけではない。

そう思っている人は少なからずいるが、それはあくまで個人的な「信念」であって、一般的真理ではない。もちろん私はそのような「風が吹けば桶屋が儲かる」式の推論にまるで根拠がないと言っているわけではない。経験的に「そういうこと」が繰り返しあったからこそ、彼ら(松下政経塾系政治家とか財界人とか官僚とかメディア知識人のかたがた)はそのような推論になじんでいるのである。

私とて経験則の有効性を否定するものではない。でも、その場合には、「この政治的選択は原理的には合理性がないが、経験的にはわりと合理性がこれまではあったので、これからも妥当するかも・・・」というくらいの、節度ある語り口を採用すべきだと思う。「バスに云々」のような、人を情緒的に不安にしておいて、その虚を衝いてガセネタをつかませるあくどいセールスマンのような安手の語り口は採るべきではないと私は思う。

誤解して欲しくないのだが、私は市場開放や自由貿易に「原理的に」反対しているのではない。その点については、ぜひご理解を頂きたい。ただ、市場開放や自由貿易は「主義」として採用すべきものではなく、国民経済に資する範囲で「按配」すべきものだという下村治の立場に与するのである。貿易政策の得失については、「これでいいのだ」と包括的に断定したりしないで、個別的に吟味した方がいいと申し上げているだけである。

とりあえず私たちが知っているのは「アメリカは必死だ」ということである。ここでTPPに日本を巻き込むことができるかどうかが「アメリカ経済の生命線」であるかのような悲壮な覚悟でアメリカは日本に迫っている。別に、日本の国運を案じて悲愴になっているわけではない。アメリカの行く末を案じて悲愴になっているのである。

アメリカの貿易について考える場合に、私たちがまず前提として理解すべきことは、「アメリカには、日本に売る工業製品がない」ということである。アメリカの製造業は壊滅してしまったからである。「ものつくり」という点について言えば、もうアメリカには世界のどんな国に対しても国際競争力のある「もの」を輸出する力がない。自動車も家電も衣料品も、なにもない。
一応作ってはいるけれど、クオリティについての信頼性が低く、割高なので、買い手がつかないのである。「もの」でまだ国際競争力があるのは、農産物だけである。

残りは「ノウハウ」、つまり「頭のなかみ」である。GoogleとAppleのような情報産業と司法、医療、教育といった制度資本を「金にするノウハウ」だけはまだ「売り物」になる。でも、正直に言うと、GoogleもAppleも、「なくても困らない」ものである。あると便利なので私も愛用しているが、ほんとうに必要なのか、と改めて考えるとわからなくなる。

「そうやって温泉宿にまでiPhoneやiPadを持ち込むことで、キミたちの人生は豊かになっていると言えるのかね。そんなものがあるせいで、キミたちはますます忙しくなり、ますます不幸になっているようにしか、オレには見えないのだが」

と兄ちゃんに言われて、私も平川くんも返す言葉を失ったのである。たしかに、そのとおりで、このような高度にリファインされた情報環境があった方がいいのか、なくてもいいのか、考えるとよくわからない。朝起きてパソコンを起動して、メールを読んで返事を書いているうちに、ふと気づくとが日が暮れ始めていたことに気づいて愕然とするとき、

「いったいオレは何をしているのか」

と考え込んでしまう。私が機械を使っているのか、それとも機械が私を使っているのか。『モダンタイムス』的不条理感に捉えられる。

兄ちゃんの話では、最近のサラリーマンたちはオフィスで朝から晩までプレゼン用の資料をパワーポイントとエクセルで作っているそうである。

「仕事の時間の半分をプレゼンの資料作りに使っているのを『働いている』と言ってよいのだろうか?」

と兄ちゃんは問う。情報環境の「改善」によって、私たちの労働は軽減されるよりはむしろ強化された。それは実感として事実である。家にいながら仕事ができるようになったせいで、私たちは外で働いているときも家にいるときも働くようになり、そうやって増大する作業をこなすためにますます高度化・高速化した端末を求めるようになり、その高度化した端末のせいで私たちのしなければいけない仕事はますます増大し・・・

エンドレスである。アメリカはこのエンドレスの消費サイクルに私たち「ガジェット大好き人間」を巻き込むことによって、巨大な市場を創設することに成功した。もうアメリカが「売ることのできるもの」は、それくらいしかない。

だから、アメリカの大学と研究開発機関は世界中から「テクニカルなイノベーションができそうな才能」を必死で金でかき集めようとしている。アメリカの先端研究の大学院に占める中国人、インド人、韓国人の比率は増え続けているが、それは彼らにアメリカで発明をさせて、それを絶対に故国に持ち帰らせず、アメリカのドメスティックなビジネスにするためである。いつまで続くかわからないが、しばらくはこれで息継ぎできるはずである。

「アメリカの大学は外国人に開放的で素晴らしい」

とほめたたえる人がよくいるが、それはあまりにナイーブな反応と言わねばならぬ。先方だって生き残りをかけて必死なのである。外国人だって、国富を増大させてくれる可能性があるなら、愛想の一つくらい振りまくのは当たり前である。これが「教育を商売にする方法」である。

アメリカの学校教育には「子供たちの市民的成熟を促す」という発想はもうほとんどない。

学校はビジネスチャンスを生み出す可能性のある才能をセレクトする機会であり、市民的成熟のためのものではない。

アメリカでは、高付加価値産業だけが生き残り、生産性が低い代わりに大きな雇用を創出していた産業セクターは海外に移転するか、消滅した。だから、「才能のある若者」以外には雇用のチャンスが減っている(失業率は2010年が9・6%だが、二十代の若者に限ればその倍くらいになるだろう)。ウォール街でデモをしている若者たちは「まず雇用」を求めている。これまでアメリカ政府は彼らに「我慢しろ」と言ってきた。

まず、国際競争力のある分野に資金と人材を集中的に投入する。それが成功すれば、アメリカ経済は活性化する。消費も増える。雇用も増える。貧乏人にも「余沢に浴する」チャンスが訪れる。だから、資源を「勝てそうなやつら」に集中しろ、と。

「選択と集中」である。

でも、それを30年ほどやってわかったことは、


「選択されて、資源を集中されて、勝った諸君」は、そうやって手に入れた金を貧乏な同胞に還元して、彼らの生活レベルを向上させるためには結局使わなかった、ということである。

それよりは自家用ジェット機買ったり、ケイマン諸島の銀行に預金したり、カリブ海の島を買ったり、フェラーリに乗ったり、ドンペリ抜いたり、アルマーニ着たり(たとえが古くてすみません・・・)して使ってしまったのである。


選択-集中-成功-富の独占というスパイラルの中で、

「選択から漏れ、集中から排除された、その他大勢の皆さん」

が絶対的な貧窮化にさらされ、今ウォール街を占拠している。彼らの運動に

「政策的な主張がないから、政治的には無力だろう」

と冷たく言い捨てる人々が日米に多いが、それは間違いだと思う。彼らが政府に何を要求していいかわからないのは、


「完全雇用は経済成長に優先する」


という(日本の高度成長を理論づけた)下村治のような「常識を語る人」がアメリカでは政府部内にも、議会にも、メディアにもいないからである。ウォール街を占拠している若者たち自身

「成長なんか、しなくてもいい。それより国民全員が飯を食えるようにすることが国民経済の優先課題である」

という主張をなしうるだけの理論武装を果たしていないのである。

「生産性の低い産業分野は淘汰されて当然だ(生産性の低い人間は淘汰されて当然だ)」

というグローバリストのロジックは貧困層の中にさえ深く根付いている。だから、彼らはこの格差の発生を「金持ちたちの強欲(greed)」という属人的な理由で説明することに満足している。「属人的な理由で説明することに満足している」というのは、それを社会構造の問題としては論じないということである。「強欲である」というのは「能力に比して不当に多くの富を得ている」という意味である。

問題は個人の倫理性のレベルにあり、国家制度のレベルにはない。「アメリカはこれでいい」のである。ただ、一部に「ワルモノ」がいて、国民に還元されるべき富を独占しているので、それは「倫理的に正しくない」と言っているのである。

このような一部の富者だけを利する経済システムは「アメリカの建国理念からの倫理的な逸脱」であって、構造的な問題ではない。だから、建国の父たちが思い描いた「あるべきアメリカの姿」に立ち戻れば問題は解決する。

彼らの多くはまだそう思っている。

アメリカのこの頽落はもしかすると「建国の理念のコロラリー」ではないのか・・・

という足元が崩れるような不安はまだアメリカ人のうちに広まっていない。それが最大の危機であるように私には思われる。


話を続ける。情報と教育の他、あと、アメリカが商売にしようとしているのは司法と医療である。これについては、専門家が的確に危険性を指摘しているから、私の方からは特に付け加えることはない。医療については、前にご紹介したYoo先生の『「改革」のための医療経済学』をご一読いただければよろしいかと思う。


そして、アメリカの最大の売り物は農産物である。

驚くべきことに、アメリカが「かたちのあるもの」として売れるのはもはや農産物だけなのである(あと兵器があるが、この話は大ネタなので、また今度)。

農産物はそれは「その供給が止まると、食えなくなる」ものである。Googleのサービスが停止したり、Appleのガジェットの輸入が止まると悲しむ人は多いだろうが(私も悲しい)、「それで死ぬ」という人はいない(と思う)。日本列島からアメリカの弁護士がいなくなっても、アメリカ的医療システムが使えなくなっても、誰も困らない。でも、TPPで日本の農業が壊滅したあとに、アメリカ産の米や小麦や遺伝子組み換え作物の輸入が止まったら、日本人はいきなり飢える。国際価格が上がったら、どれほど法外な値でも、それを買うしかない。そして、もし日本が債務不履行に陥ったりした場合には、もう「買う金」もなくなる。

NAFTA(North America Free Trade Agreement)締結後、メキシコにアメリカ産の「安いトウモロコシ」が流入して、メキシコのトウモロコシ農家は壊滅した。そのあと、バイオマス燃料の原材料となってトウモロコシの国際価格が高騰したため、メキシコ人は主食を買えなくなってしまった。基幹的な食料を「外国から買って済ませる」というのはリスクの高い選択である。

アメリカの農産物が自由貿易で入ってくれば、日本の農業は壊滅する。

「生産性を上げる努力をしてこなかったんだから、当然の報いだ」

とうそぶくエコノミストは、もし気象変動でカリフォルニア米が凶作になって、金を出しても食料が輸入できないという状況になったときにはどうするつもりなのであろう。同じロジックで

「そういうリスクをヘッジする努力をしてこなかったのだから、当然の報いだ」

と言うつもりであろうか。きっと、そう言うだろう。そう言わなければ、話の筋目が通らない。


でも、こういうことを言う人間はだいたい日本が食料危機になったときには、さっさとカナダとかオーストラリアとかに逃げ出して、ピザやパスタなんかたっぷり食ってるのである。

TPPについて私が申し上げたいことはわりと簡単である。


「生産性の低い産業セクターは淘汰されて当然」とか

「選択と集中」とか

「国際競争力のある分野が牽引し」とか

「結果的に雇用が創出され」とか

「内向きだからダメなんだ」


とか言っている人間は信用しない方がいい、ということである。そういうことを言うやつらが、日本経済が崩壊するときにはまっさきに逃げ出すからである。彼らは自分のことを「国際競争に勝ち抜ける」「生産性の高い人間」だと思っているので、

「いいから、オレに金と権力と情報を集めろ。オレが勝ち残って、お前らの雇用を何とかしてやるから」

と言っているわけである。だが用心した方がいい。こういう手合いは成功しても、手にした財貨を誰にも分配しないし、失敗したら、後始末を全部「日本列島から出られない人々」に押しつけて、さっさと外国に逃げ出すに決まっているからである

「だから『内向きはダメだ』って前から言ってただろ。オレなんかワイキキとバリに別荘あるし、ハノイとジャカルタに工場もってっから、こういうときに強いわけよ。バカだよ、お前ら。日本列島なんかにしがみつきやがってよ」。

そういうことをいずれ言いそうなやつ(見ればわかると思うけどね)は信用しない方が良いです。私からの心を込めたご提言である。

http://blog.tatsuru.com/2011/10/25_1624.php

池田信夫VS内田樹


TPP 対 反TPP、池田信夫センセイは詭弁を弄す2011.11.04 Friday


全体の論旨を無視して、部分だけを取り上げて批判して、さらに、それを根拠として全文の内容を否定する。こういう池田信夫の様な批判のやり方が、私は一番嫌いである。 卑怯だからだ。


内田樹氏が、TPPに反対する『グローバリストを信じるな』という記事をブログに書いた。その批判を池田氏がブログに書いた。しかし、この池田信夫と言う人物は、論理的整合性ということを知らないのだろうか?

ある人物が書いた、ある文章と、それとは違う別のところに書いた文章との論理的整合性が無いということはよくあります。それは、語る対象の人物が違う以上、ある程度仕方が無いのですが、この池田信夫という人物は、短い一つの文章の中でも、論理が破綻しています。

論理というか、言ってることが真逆だったりして驚きます。例えばこれ。

『グローバル化の最大の受益者は見えない』
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51751717.html

という文章の最初の方では、


>中国で700円でジーンズをつくれるとき、日本で7000円でつくる意味はない。

>中国に比較優位があるものは輸入すれば、あなたの実質所得は10倍になるのだ。


と書き、後の方では、


>理論的には、世界中で同一労働の賃金が同一になるまで進む。

>労働移動がなくても、低賃金労働の製品を輸入することによって労働を輸入するのと同じ効果があるからだ。

グローバル化で、あなたの賃金は10倍になると言っておきながら、同じ文章の中で、先進国日本に住むあなたの賃金は、発展途上国並になると言う。(発展途上国並になる、ではなく、平均化されて、発展途上国と変わらなくなるということですね。どっちにしろ、グローバル化で、記事の前半では賃金が増えると言い、後半で賃金が減ると言っています。)

(池田信夫の) 頭は大丈夫か?

ということで、池田信夫氏の『内田樹氏が知らない比較優位』という文章ですが、まず、文章の一番の要点を無視して批判している。文中の経済学的観点での間違いを指摘している(けど的外れ)だけで、肝心要の内田氏の結論、一番のキモを無視している。

内田氏は、アメリカが執拗に日本にTPP参加を迫っているというが、アメリカの世論、マスコミはTPPに関心が無いと池田氏は指摘する。

アメリカが、日本にTPP参加を迫っていないというなら、誰が迫っているのか?チリかブルネイかシンガポールか?

(池田信夫は)アホか。

内田氏がここでアメリカと言っているのは、アメリカの世論やマスコミじゃないことぐらい分かるはずです。

アメリカの金融、産業資本、財界、多国籍企業、その手先であるアメリカの政治家、官僚等、TPP利権に与れる者でしょう。日本にTPP締結を迫るのに、アメリカの世論やマスコミを煽る必要がどこにある?
逆にアメリカのマスコミや世論が日本にTPP参加を激しく迫れば、逆効果でしょう。怪しさも百万倍です。


>各国で生産費が異なるときは、相対的にコストの安い財に特化して輸出することによって世界全体の生産量が増え、双方の国が利益を得るWin-Winが実現するのだ。


というのが比較優位の原理であり、内田氏はこの比較優位の原理を知らないと池田氏は批判する。

しかし、『グローバリストを信じるな』を読んでみると、そのことについては、内田氏良く理解しているように読める。

>だが、「アメリカの国益を最大限に配慮することが、結果的には、日本の国益を最大化することになる」という命題は汎通的に真であるわけではない。

(中略)

>経験的に「そういうこと」が繰り返しあったからこそ、彼ら(松下政経塾系政治家とか財界人とか官僚とかメディア知識人のかたがた)はそのような推論になじんでいるのである。

>私とて経験則の有効性を否定するものではない。

というように、内田氏は、日米の関係において、Win-Winの関係は成立したこともあったであろうと述べていて、比較優位の原理を知らないという批判は的外れである。というか、卑怯であり腹立たしい。

全体の論旨を無視して、部分だけを取り上げて批判して、さらに、それを根拠として全文の内容を否定する。こういう批判のやり方が、私は一番嫌いである。卑怯だからだ。


さて、この池田氏が言う比較優位の原理ですが、大変に問題です。

>各国で生産費が異なるときは、相対的にコストの安い財に特化して輸出することによって世界全体の生産量が増え、双方の国が利益を得るWin-Winが実現するのだ。

まず、生産量が増えればそれだけで人類は幸せになるか?

なりません。生産量が増えても、それを分配するシステムが無い限り、格差と貧困が広がるだけの可能性が高い。現にそうなってるじゃないですか。『双方の国が利益を得る』というが、双方の国の誰か?という問題です。

グローバル化で利益を得るのは、多国籍企業、生産と流通、分配の『システムを所有する者』です。システムを所有しないもの、システムの支配を受けるもの、一般の消費者、労働者は酷い目に合わされる可能性が高い。コーヒー、ココア、天然ゴム、パーム椰子等、商品作物を作っている途上国の農民は、グローバル化で豊かな暮らしを享受していますか?

なぜ、自分たちの食べる食べ物も作れないで、貧困に喘ぎながら、先進国の企業に賃金を買い叩かれて、先進国の企業の売る高い食べ物を買わされているのか?

グローバル化で利益を得るのは誰か?

仮にグローバル化で生産量は増えても、普通の人が普通に暮らしやすい世の中になるとは到底思えません。

_________

コメント

池田センセイの物言いには甚だ不快感を催すのですが、まぁそれはいつもの事として・・・。

>実質所得は10倍になるのだ。

これは”実質”じゃなく、”実質的”なのでしょうね。グローバル化(←この語句がそもそもマヤカシっぽいです)=均一化なら、高所得国側の”実質”所得は減りますよね。”実質物価”が下がっても、”実質”所得がその割合より下がれば、”実質的所得”も下がり結局”豊か”にはなりません。

センセイの理屈では、得意な物を得意な者が効率よく生産・従事する事でモノやサービスのコストを下げ、すなわちその”価値”を下げる事が”豊さ”への道っと言う事なのでしょうか?。

既存の個性・文化伝統・風習・地域性・国民性を無視し、効率のみを優先して資本主義の都合で全てに均一化を計ることが、皆の幸せである言う見識には納得できません。

鍛冶屋 2011/11/04 6:24 PM


____


>生産量が増えても、それを分配するシステムが無い限り、格差と貧困が広がるだけの可能性が高い。
>。リ双方の国が利益を得る』というが、双方の国の誰か?という問題です。
>グローバル化で利益を得るのは、多国籍企業、生産と流通、分配の『システムを所有する者』です。

生産効率が上がり、生産量が増えても、その生産システム、分配システムを所有する者が肥え太るだけで、労働者、つまり、労働以外に交換手段(お金)を得ることが出来ないものは、徹底的に買い叩かれるということです。先進国だろうと、発展途上国だろうと同じことです。まったく、池田信夫氏の言説は腹立たしい限りです。

湧泉堂 2011/11/04 6:38 PM

_______


おはようございます。初めてお邪魔いたします。先般EXAスレッドで意見交換させていただいたローズです。湧泉堂さんとはEXA交流の親しさからコメ入れしたくなりましたので、よろしくお付き合いのほどお願い申し上げます。


さてTPPですが、ISD条項ぬき/知財ビジネスぬき、で、関税のみ撤廃/モノ主体というフレームでなら、参加すべきと考えています。"鎖国"と"開国"の価値の相違は、明治維新でも証明されていますので。しかし、米国の経済陰謀に対しては、日本として今の100倍ぐらい警戒しつつ、実証主体の理論武装の増強を実施すべきと思います。

という意味で、前述の、条件付き参加、論者です私は。

マルクスの資本論が経済学の表舞台から消えて早30年経過します。しかるに、彼の拡大再生産循環論は、企業家にとっては、規模の利益の追求、などでバックボーンにはなっているようです。反ケインズのピグーなどが端緒となり、昨今のノーベル経済学受賞学者たちは、資本主義経済学ではなく自由主義経済学にカジをきって久しいです。

湧泉堂さんも仰せのように、課題は、再分配システム/すべての厚生利益は消費者に回帰するシステムの実現、です。為政者も企業家も、マクロの優位さにばかり注力しているので、なかなか実現しそうにない昨今です。

人間(ミクロ社会)を真に幸福にする経済学や経済活動は、まだまだ未熟な地球世界のようです。

いけだ氏の持論サイトは、数年前に覗いた記憶があります。そのときは、偏狭的で、裏づけ理論も乏しい、ある意味、フツーの人だな、と感じ、わたし、ROMしなくなりました。湧泉堂さんブログのおかげで、久しぶりに彼の論に触れることができました。偏狭的なのは相変わらずですね。

裏づけ理論の提示のほうは、以前にだいぶ叩かれていたことから、今般は改善されているように、私は感じました。
ただし、(私が敬愛する浜矩子氏を、歪曲しながら否定しているので)、心証はワルイですが(笑)。

あと、僭越かつ失礼をお許しいただきたいのですが、

いけだ氏に関する湧泉堂さん

>グローバル化で、あなたの賃金は10倍になると言っておきながら、同じ文章の中で、先進国日本に住むあなたの賃金は、発展途上国並になると言う。


これは少し違いますね。彼の原文は、

・実質所得は10倍、ですから、賃金が10倍になる、とは言ってない、から。

・理論的には世界中で同一労働の賃金が同一になるまで進む、ですから、発展途上国並になる、とは言ってない、から。


ちなみに私は、世界中で同一労働の賃金が同一になるまで進む、これ同感なんです。

世界で最低人件費の最後の国(≒アフリカ)の殖産興業に行き着いたら、最高人件費の諸国(≒先進国)と最低人件費の諸国(≒南米&アフリカ)の、人件費水準の加重平均値あたりに落ち着くのでは、と推測しています。
なぜなら、最高諸国のそれは逓減し、最低諸国のそれは逓増していき、収れんするはずだから。


>というか、卑怯であり腹立たしい。
>全体の論旨を無視して、部分だけを取り上げて批判して、さらに、それを根拠として全文の内容を否定する。
>こういう批判のやり方が、私は一番嫌いである。卑怯だからだ。


同感です。いけだ氏がメジャー認知の一歩手前で停滞している原因です。


>さて、この池田氏が言う比較優位の原理ですが、大変に問題です。
>>。ハ各国で生産費が異なるときは、相対的にコストの安い財に特化して輸出することによって世界全体の生産量が増え、双方の国が利益を得るWin-Winが実現するのだ。)
>まず、生産量が増えればそれだけで人類は幸せになるか?


いけだ氏の原文には、生産量が増えればそれだけで人類は幸せになる、とは書いていないので、これについては湧泉堂さんの勇み足じゃないでしょうか?

なお、いけだ氏の言うWin-Winの環境が整うのは、今後おおむね50年はかかると思います。

わたし前述の、世界で最低人件費の最後の国(≒アフリカ)の殖産興業に行き着いたら、それ以降は、Win-Win成立の可能性が飛躍的に高まると思いますが、それまでは、弱肉強食/人件費による価格破壊の時代が続くので、真のWin-Winは成立するわけが無いからです。


>グローバル化で利益を得るのは、多国籍企業、生産と流通、分配の『システムを所有する者』です。


同感です。私すぐ上に記述の、その時期、が到来するまでは。

ローズ 2011/11/06 9:58 AM

_____


ローズさん、コメントありがとうございます。

賃金は発展途上国並になる、というよりは、平均化されて、発展途上国と変わらなくなるということですね。はい。

ローズさんは、世界レベルで、同一労働同一賃金になるとお考えのようですが、ずいぶんと楽観的なお考えのように思えます。私の考えでは、

『あらゆる労働はすべて、ほとんど同一賃金になる』

です。つまり、奴隷制度ですね。どんな職業に就こうと、労働者は、生きていけるだけの最低の賃金しか得られなくなるということ。なぜ、公認会計士や弁護士が就職難で、歯科医がワーキングプアなになってしまったのか?

それは、所詮は労働で賃金を得る職業だからです。支配階級、つまり、生産流通分配の『システムの所有者』、権利収入を得るものだけが圧倒的な富と権力を手に入れる。これが、グローバル化の行き着く未来です。説明します


新自由主義、強欲資本主義、自由競争自己責任主義、ネオリベラリズム、弱肉強食の殺戮の荒野資本主義を徹底的に推し進めると何が起こるか?

もっとも強い、もっとも資本力のある企業(グループ)が全ての産業を独占するようになる。(もはや企業間の競争も無い社会=共産主義社会実現)

当たり前です。資本力を利用して、官僚の天下りを受け入れ、政治献金で政治家を抱きこみ、マスコミに宣伝費を垂れ流して手なずける。そして、法律を捻じ曲げ、あるいは、自分たちに有利な法律に改定、新法を制定して何でもかんでもやりたい放題になるからです。

パチンコは賭博なのに、なぜ、取締りの対象にならないのか?警察官僚を天下りで受け入れ、政治献金をして、テレビで宣伝費をばら撒くからです。法律なんてあったもんじゃない。これが、世界レベルで起こるわけです。

資本主義を無制限に解放するということは、より資本力のあるものが無制限に勝つことになるから

たった一つの最強の資本グループが全ての産業を牛耳る世界(世界の共産主義化)では、どんな職業であろうと労働者の賃金は徹底的に買い叩かれます。

新自由主義とグローバル化を推し進めると、世界の共産主義化が実現し、どんな職業であろうとも、賃金労働者はすべてワーキングプア、奴隷になるということです。


★補足

>世界全体の生産量が増え、双方の国が利益を得るWin-Winが実現するのだ。

という池田氏の意見に対して、私は、疑義を呈しているわけです。『国が利益を得ること=人類を幸福にする』のか?国が利益を得ても、国民にその利益を分配するシステムが無ければ、格差と貧困が広がるだけであると。

湧泉堂 2011/11/06 10:51 AM

____


>賃金は発展途上国並になる、というよりは、平均化されて、発展途上国と変わらなくなるということですね。はい。

いえ、違います。

私が書いたのは、最高人件費の諸国(≒先進国)と最低人件費の諸国(≒南米&アフリカ)の人件費水準の加重平均値あたりに落ち着くのではと推測する、でした。ほぼ中央ゾーンに収れんする、という意味でした。それと、平均化されて発展途上国と変わらなくなる、は文章として間違っていませんか?


>ローズさんは、世界レベルで、同一労働同一賃金になるとお考えのようですが、ずいぶんと楽観的なお考えのように思えます。

いえ、その逆です。そういう覚悟をしている、という意味です。

なぜなら、泣いても笑っても、今後50年ぐらいのあいだに、地球全体が、避けようの無い物理メカニズムによって、すなわち、必然的に、そうなってしまうと考えるからです。狭いエリアで短期的に見ても、すでに、日本と中国は、そういうことになっています。(日本の人件費は逓減し、中国の人件費は逓増していっている)。


>私の考えでは、『あらゆる労働はすべて、ほとんど同一賃金になる』です。つまり、奴隷制度ですね。
>どんな職業に就こうと、労働者は、生きていけるだけの最低の賃金しか得られなくなるということ。

これら二つも、違います。
上記の、賃金水準の今後予測の結論が根本的に(≒間違っている)ので、それを前提にしてお書きの事柄は、別方向に行ってしまっていると考えます。


>なぜ、公認会計士や弁護士が就職難で、歯科医がワーキングプアなになってしまったのか?

需要の総量を無視した、供給の過剰、これによる、当然の結果です。その証拠に、需要と供給がバランスしていた時代の彼らの平均年収は、他に比して突出して高かったです。


>それは、所詮は労働で賃金を得る職業だからです。

はて?イミフです。
用益(サービス)も立派に価値がある職業だと思いますが。ゆえに、仰せのような就職難やワーキングプアの発生根拠には、なりえないと考えます。


>支配階級、つまり、生産流通分配の『システムの所有者』、権利収入を得るものだけが圧倒的な富と権力を手に入れる。
>これが、グローバル化の行き着く未来です。説明します
>新自由主義、強欲資本主義、自由競争自己責任主義、ネオリベラリズム、弱肉強食の殺戮の荒野資本主義を徹底的に推し進めると何が起こるか?
>もっとも強い、もっとも資本力のある企業(グループ)が全ての産業を独占するようになる。(もはや企業間の競争も無い社会=共産主義社会実現)
>当たり前です。資本力を利用して、官僚の天下りを受け入れ、政治献金で政治家を抱きこみ、マスコミに宣伝費を垂れ流して手なずける。
>そして、法律を捻じ曲げ、あるいは、自分たちに有利な法律に改定、新法を制定して何でもかんでもやりたい放題になるからです。
>パチンコは賭博なのに、なぜ、取締りの対象にならないのか?警察官僚を天下りで受け入れ、政治献金をして、テレビで宣伝費をばら撒くからです。


別方向にブッ飛んでいますが、お書きのことそのものは、仰せのとおりです。でも、上の事柄の説明としては、弱いです。というか別方向。


>法律なんてあったもんじゃない。これが、世界レベルで起こるわけです。

人間世界は卑しいですから、理想への過渡期なんだと思います。天下りもパチンコ献金も今後さらに規制され、早晩、なくなるだろうと考えます。


>資本主義を無制限に解放するということは、より資本力のあるものが無制限に勝つことになるから


たしかに1980年代までは、その面が強かったですが、それ以降は、当てはまらなくなってきています。開発力の乏しい巨大企業は、収益的にも資産的にも脆弱化してきています。価値が高いものを開発&提供している企業は、どんどん伸びてきています。


>たった一つの最強の資本グループが全ての産業を牛耳る世界(世界の共産主義化)では、どんな職業であろうと労働者の賃金は徹底的に買い叩かれます。
>新自由主義とグローバル化を推し進めると、世界の共産主義化が実現し、どんな職業であろうとも、賃金労働者はすべてワーキングプア、奴隷になるということです。

>たった一つの最強の資本グループが全ての産業を牛耳る世界(世界の共産主義化)では、どんな職業であろうと労働者の賃金は徹底的に買い叩かれます。
>新自由主義とグローバル化を推し進めると、世界の共産主義化が実現し、どんな職業であろうとも、賃金労働者はすべてワーキングプア、奴隷になるということです。


違います。共産主義化の真逆です。賃金の買い叩きも発生していません。地球世界をひとつの労働市場にした中での、理にかなった収れん、これに近づいていっているのです。鎖国は、200年前も現在も、誰のためにもならないのです。


>★補足
>>>世界全体の生産量が増え、双方の国が利益を得るWin-Winが実現するのだ。
>という池田氏の意見に対して、私は、疑義を呈しているわけです。
>『国が利益を得ること=人類を幸福にする』のか?国が利益を得ても、国民にその利益を分配するシステムが無ければ、格差と貧困が広がるだけであると。


これについては、先に既述のように

・分配システム不備なままでは、仰せのとおりです。
・人間(ミクロ社会)を真に幸福にする経済学や経済活動、これが喫緊の課題であり、私の願望でもあります。

ローズ 2011/11/06 12:06 PM


_______


ローズさん、コメントありがとうございます。

>それと、平均化されて発展途上国と変わらなくなる、は文章として間違っていませんか?

えーっと、これは、日本語の問題で、議論してもしょうがないような気もするのですが…。

グローバル化で平均化されて、賃金の高い先進国も、賃金の低い発展途上国も同一労働同一賃金になるということで、言ってることは同じではないですか?

先進国も発展途上国も、同じ賃金になるという意味で。こんなことで議論してもしょうがないと思いますが。

>はて?イミフです。
>用益(サービス)も立派に価値がある職業だと思いますが。
>ゆえに、仰せのような就職難やワーキングプアの発生根拠には、なりえないと考えます。

いや、あのですね、私が言っているのは、

『労働で収入を得る者 VS 権利収入を得る者』

ということです。サービスを提供しようが、教員だろうが、消防士だろうが、警察官だろうが、弁護士や医師だろうが、所詮労働をしないと収入が得られない者にしか過ぎません。ここで言う権利収入の権利というのは、『システムを所有する権利』で、システムとは、生産流通分配のシステムのことです。

もちろん、個別の企業で言えば、大企業のGMやソニーが衰退したりはしています。アップルや、グーグル、DeNAの台頭ということもあるでしょう。しかし、そういう個別の企業の話ではないのですよ。もっと大きな資本の流れを見れば、巨大な資本を握るものが富を膨らませ続けています。見えませんかね?

見えないよ!と言われればそれまでですが(笑)。

新自由主義、規制無き強欲資本主義とグローバル化の行き着く最終形態の話です。自動車メーカーも、経営統合や資本提携などで、各国小メーカー乱立から、大きなグループに統合されていく。強い企業が弱い企業を飲み込んでいく。


>別方向にブッ飛んでいますが、お書きのことそのものは、仰せのとおりです。
>でも、上の事柄の説明としては、弱いです。というか別方向。

別方向ではなくてですね。お金(資本力)さえあれば、何でもありだということです。法律も、世論も、道徳も、すべて乗り越えてゆける。

仮にパチンコ産業が衰退しても、資本は肥え太りながら、収奪を繰り返し、軽々と別の産業に乗り換えていく(国境も法律も乗り越えて)。都市銀行も3大メガバンクに統合されていきました。より巨大な企業(資本)に飲み込まれ、あるいは弱いもの同士が合併してより強くなり、統合を繰り返していく。

この世にたった一つの金融機関しかない世界(競争の無い社会。あるいは表向きは数社あっても、裏で利害を共にする関係)。一つの産業につき、一つの企業(グループ)しかない社会。さらに、最強の企業(資本)グループが、全ての産業を支配する社会。無制限の弱肉強食資本主義で、弱い企業は強い企業に飲み込まれ、統合されていく(長い目で見れば)。

ホワイトカラーエグゼンプションというのもありましたが、そうなれば、ホワイトカラー労働者の賃金も買い叩かれます。企業間の競争が無く賃金はコストだから。


>違います。共産主義化の真逆です。賃金の買い叩きも発生していません。
>地球世界をひとつの労働市場にした中での、理にかなった収れん、これに近づいていっている、のです。

新自由主義とグローバル化をこれからさらに推し進めれば、全ての労働に対する賃金、報酬は徹底的に買い叩かれます。これから、起こることです。


>需要の総量を無視した、供給の過剰、これによる、当然の結果です。

なぜ供給過剰になったのか?
なぜ、規制緩和、制度改革されたのか?
なぜ抵抗できなかったのか?
(資格の規制緩和が一般国民にとってどうかは別問題)

弁護士や公認会計士が巨大資本の所有者ではなかったからです(たいした権力が無かった)。システムの所有者でもないのに、高収入なのは目障りだった。個人が個人のまま力をもっていたのが邪魔だったのでしょう。弁護士や公認会計士は、所詮は資本の使いっ走りでしかなかった。新自由主義とグローバル化をこれからさらに推し進めれば、全ての労働に対する賃金、報酬は徹底的に買い叩かれます。今後、規制無き弱肉強食を推し進めれば、そうなります。部分を見れば逆流したり、渦を巻いていたりする所もありますが、大きな流れはそういうことです。

規制を撤廃した弱肉強食資本主義においては、国家や法律を超越して資本(企業)の論理がまかり通ります。巨大多国籍企業の経済活動が、全てに優先する。ISD条項や、米韓FTAやNAFTAが良い例です。

やがて最強の資本(企業)グループが生まれ、独裁体制が成立し(企業活動は法律に優先するから)、世界の共産主義化、労働者の奴隷化が実現します。これは、


>最高人件費の諸国(≒先進国)と最低人件費の諸国(≒南米&アフリカ)の人件費水準の加重平均値あたりに落ち着く

のようなことが起きた、そのさらに後に起こることです。


>鎖国は、200年前も現在も、誰のためにもならないのです。

アメリカ大陸に住んでいたネイティブアメリカンは、ヨーロッパ人の侵入で何か良いことがあったのでしょうか?

ピサロがやってきた南米は?

オーストラリア大陸のアボリジニは?

アイヌ民族は?

沢山の人々を奴隷として拉致され植民地化されたアフリカは?

コーヒー、ココア、天然ゴム、パーム椰子等、商品作物を作っている途上国の農民は、グローバル化で豊かな暮らしを享受していますか?

もともとは、自分たちの食べる食べ物を自分たちで調達して自給自足していた人たちですよ?

なぜ、自分たちの食べる食べ物も作れないで、貧困に喘ぎながら、先進国の企業に賃金を買い叩かれて、先進国の企業の売る高い食べ物を買わされているのですか?

生産流通分配、そして労働の機会も企業が独占しているからですよ。これがグローバル化の行き着く未来図です。

世界が共産主義化などする前に、ヨーロッパ経済危機や米国債デフォルトや中国バブル崩壊等によって、世界の経済システムは、システムクラッシュを起こすんじゃないでしょうか)
その後のことは私にはわかりません。)

湧泉堂 2011/11/06 3:08 PM

_____


湧泉堂さん一つ前のブログ記事の冒頭


>それよりは、グローバル化を拒否して緩慢に衰退して死に至るほうが、痛みが少ないかもしれません。
>どのみち、人は死ぬし、人類は絶滅するし、地球は消滅する(45億年も経てば)んだから、日本固有の文化などどうでもよいのかも知れませんが…。
>あるいは、鎖国して、アーミッシュのような生活をするのも一つの選択肢かも知れません。


湧泉堂さんの思想ポリシーが集約されています。

お気づきのように私は、システム等々の不備な点は人類の英知で打開して人類幸福の最適解を諦めずに追求する、という思想ポリシーですので、この辺は、永遠にマッチングしないと思っていましたし、100人いたら100人ともそういうものですので、それでいいと思っています。


>(先のご返信)ずいぶんと楽観的なお考えのように思えます。
>えーっと、これは、日本語の問題で、議論してもしょうがないような気もするのですが…。
>先進国も発展途上国も、同じ賃金になるという意味で。こんなことで議論してもしょうがないと思いますが。
>見えませんかね?見えないよ!と言われればそれまでですが(笑)。

書くほうだけが墓穴を掘っていることになるので、こちらはシラけます(笑)し、互いの議論のノリも損なわれますので、あまり価値は無いと思います。


>(先のご返信)賃金は発展途上国並になる、というよりは、平均化されて、発展途上国と変わらなくなるということですね。はい。

これについては、すでに、文章的な間違い指摘を済ませ、私の思う正解も提示し、そして、さきほど、後付け詭弁のような返信を頂戴していますが、

加重平均値あたりにほぼ収れんした時点で、もともとの発展途上国の水準からは高いほうに移動しているわけですから、発展途上国と変わらなくなる、という結論づけは間違っている、と思います。


>ここで言う権利収入の権利というのは、『システムを所有する権利』で、システムとは、生産流通分配のシステムのことです。

湧泉堂さんブログで頻繁に出てくるフレーズですが、具体的な意味の記述は無いまま、のように思いますので、
いい機会?ですので、お手すきのとき、具体的な、システム形態名/または多国籍集団名/あるいは官民合同のグループ名/とかをお教えください。


>もちろん、個別の企業で言えば、大企業のGMやソニーが衰退したりはしています。
>アップルや、グーグル、DeNAの台頭ということもあるでしょう。
>しかし、そういう個別の企業の話ではないのですよ。

私が先レスで書いたことも勿論個々の企業の断片的な事例ではありません。普遍的なウネリ(価値主義での優勝劣敗)です。


>もっと大きな資本の流れを見れば、巨大な資本を握るものが富を膨らませ続けています。見えませんかね?
>見えないよ!と言われればそれまでですが(笑)。

これも、いい機会ですので、お手すきのとき、具体的な、資本形態名/または多国籍企業名/とかをお教えください。


>この世にたった一つの金融機関しかない世界(競争の無い社会。あるいは表向きは数社あっても、裏で利害を共にする関係)。
>一つの産業につき、一つの企業(グループ)しかない社会。さらに、最強の企業(資本)グループが、全ての産業を支配する社会。
>無制限の弱肉強食資本主義で、弱い企業は強い企業に飲み込まれ、統合されていく(長い目で見れば)。


失礼ですが、過去の数々の打開実例をご存じないのでしょうか?
人類は愚かな面は多々ありますし失敗や誤認も多かったですが、ほぼどれも乗り切ってきたと考えます。

なお、反面教師の教訓として生かしてきたか?というと、苦笑する歴史ではありますが。


>弁護士や公認会計士が巨大資本の所有者ではなかったからです(たいした権力が無かった)。
>システムの所有者でもないのに、高収入なのは目障りだった。
>個人が個人のまま力をもっていたのが邪魔だったのでしょう。

ここまでくると、もう、教祖的レベルですので、なにをかいわんや、です。

>世界が共産主義化などする前に、ヨーロッパ経済危機や米国債デフォルトや中国バブル崩壊等によって、
>世界の経済システムは、システムクラッシュを起こすんじゃないでしょうか

世界は共産主義化の反対方向を力強く歩んでいますので前提としてはナンセンスですが、たしかに経済システムのクラッシュは早晩勃発すると思います。湧泉堂さんに同意です。

でもただし、私は、湧泉堂さんのように、悲観的ではないし、厭世的でももちろん無いので、湧泉堂さんご持論の終末イメージとは真逆の予測をしています。世界のビジネス人間は卑劣な面は持っていますが、しばらくしたら悪は善に叩かれ、価値あるモノや良いモノだけが生き残るという、自動制御が機能します。そこまでのリードタイムは長いですが、最後の最後は、悪行は衰退し、正義のシステムが勝ち残るのです。過去の勝利事例をもとに、人間の英知を信じませんか?
人間って、それほどの馬鹿ではないと思うんです。

ローズ 2011/11/06 5:05 PM


_______


ローズさん、コメントありがとうございます。


>>グローバル化で利益を得るのは、多国籍企業、生産と流通、分配の『システムを所有する者』です。

>同感です。私すぐ上に記述の、その時期、が到来するまでは。


はあ。同感いただいているとのことで『システムを所有する者』の説明は不要だと思いますが?

ジェイ・ロックフェラーだ!とか、ジェイコブ・ロスチャイルドだ!とか、国際金融資本だ!とか言ったところで仕方が無いでしょう。誰か特定の個人や団体ではなく概念ですから。そういう概念(道具)を使って、現象を説明しようとしているだけです。


議論が、言葉の細かい定義や、言葉遣い、言い回し、人格についての攻撃になってくると、私はあまり楽しくありません。不毛だからです。あまり建設的な議論にはならないでしょう。

池田氏が、文章の前半ではグローバル化で賃金が増えると言っておきながら、後半では賃金が下がると言っているという矛盾を指摘したまでです。

なぜそんな言い回しの細かい違いにこだわるのか理解できません。『平均化されて』ということの定義の問題にしか過ぎないのじゃありませんか?

一億人の人が年収1千万円で、十億人の人が年収百万円。平均化すると、550万円てことはないでしょう?

(一億人×一千万円+十億人×百万円)÷十一億人です。算数が苦手なので計算しませんが。一千万円の年収の人の収入は激減しますね。

>ここまでくると、もう、教祖的レベルですので、なにをかいわんや、です。

人間が世界や現象について理解しようとするときには、あるモデルを使って理解するより他ありません。事実はありのままに人間存在に届けられるのではなく、事実は概念によって区切られ、意味付けられて人間の意識に届けられます。例えば、世界を

『労働で収入を得るしかない者VSシステムを所有し、権利収入を得る者との対立』

というモデルで見ると何が言えるのか?ということを考えた次第です。

証拠を見せろ!と言われても困ります。こういうモデルで考えるとこういうことが言えますよという話です。


私は、議論に勝ちたいとか、相手を論破したいとかいう欲望は余り無いのです。私の欲望は、私の言うことを正しく理解して欲しいということです。議論のための議論には興味ありません。

湧泉堂 2011/11/06 7:13 PM


______

横レス失礼します。 

最初はよい議論の方向へ話が向かうかと期待していたのですが、途中からはやはり何時ものような流れになってしまい残念です。

>>ローズさんへ
議論の対象は、池田氏の記事に対する意見を述べ合う事ではありませんか?。

湧泉堂さんの解釈や発言、思考が理解できないまたは納得できない、ご自身のお考え方と違うからといって、その結論に至る証拠や実例を具体的に提示せよと言うのはいささか乱暴すぎるのではないでしょうか。池田氏の発言に対しローズさんなりの解釈・見解を示し、もしそれを証明したいのであれば、それを述べられるだけでよろしいのではありません?

鍛冶屋 2011/11/06 8:32 PM


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湧泉堂さんへ

いけだ氏の原文

@中国で700円でジーンズをつくれるとき、日本で7000円でつくる意味はない。中国に比較優位があるものは輸入すれば、あなたの実質所得は10倍になるのだ。

A理論的には世界中で同一労働の賃金が同一になるまで進む。労働移動がなくても低賃金労働の製品を輸入することによって労働を輸入するのと同じ効果があるからだ。


湧泉堂さんの誤謬≒スリカエ

@池田氏が、文章の前半ではグローバル化で賃金が増えると言っておきながら、

A後半では賃金が下がると言っているという矛盾を指摘したまでです。


湧泉堂さんの誤謬については既に指摘&説明済みなので割愛しますが、上記の、原文と湧泉堂さん代弁は、明らかに食い違っています。そういうのは、フェアじゃない、と言いたかっただけです。

>弁護士や公認会計士が巨大資本の所有者ではなかったからです(たいした権力が無かった)。
>システムの所有者でもないのに、高収入なのは目障りだった。
>個人が個人のまま力をもっていたのが邪魔だったのでしょう。

後付けで、概念による論述だと抗弁なさっていましたが、それにしてはリアルな事象を例示して、事実としては誰も信用しない説明でしたね。私は穏便にオブラートに包んで、教祖的うんぬんと書きましたが、はっきり言うと、間違っているんですよね。

はい、いずれの供給過剰も、怪しげなグローバル企業や巨大資本家コンツェルンが関係しているのではなく、

・仰せの司法試験合格者の激増そして就職難は、法科大学院の乱立からの派生。供給過剰。

・仰せの公認会計士試験の合格者の激増そして就職難は、会計士受験専門学校の乱立からの派生。供給過剰。

・仰せの歯科医師試験の合格者の激増そしてワーキングプア化は、私立歯科大学の乱立からの派生。供給過剰。


いずれも、個別事情と収益源としての、学校の乱立ですから、仰せのようなグローバル巨大システム集団とかの仕業では無いのです。

ちなみに私も、いけだ氏に対しては、好感はもっていませんので、弁護するつもりは皆無です。しかし、どんな評論家でも、その人なりにアップしている論述なので、批判するなら、もっとフェアに批判しませんか?だったのです。

たぶん湧泉堂さんもお嫌いな、歪曲した前提の上に、批判自論を積み重ねる、そういうアン・フェアなことを、湧泉堂さんご自身がおやりだったので、老婆心ながら指摘と正解提示をした次第です。

御用学者ならぬ御用コメントだけを、もしも想定または期待されておられるなら勿論それも自由ですが、それについて何か価値はありますか?

ローズ 2011/11/07 2:36 AM


______


ローズさん、コメントありがとうございます。

私は、こういうモデルで社会現象を見てみるとこういうことが言えますよというアイデアを提示しているだけで、それに賛同しろとか共鳴しろとか言っているわけではありません。そういうモデルを使わなければ、そうは見えないということは当たり前です。それについて、正しいとか間違ってるとか言い合いをしても不毛です。そういうモデルは採用しないということであれば、はいそうですかと言うより他ありません。


>はい、いずれの供給過剰も、怪しげなグローバル企業や巨大資本家コンツェルンが関係しているのではなく、
(中略)
>いずれも、個別事情と収益源としての、学校の乱立ですから、仰せのようなグローバル巨大システム集団とかの仕業では無いのです。

ある具体的な社会現象に、どういう力学が働いているかということについて、ある概念、モデルを用いて説明したと言ってるじゃないですか。特定の権力者や、企業の仕業だなどと言っているのではありません。

ジグムント・フロイトが、エス(イド)・自我・超自我のモデルで具体的な人間の行動を説明したように、モデルを使って現象を解釈したら、ということです。フロイトに向かって、エスや自我や超自我など実在していない!と言ったところで何になるんです?

概念やモデルは道具なので、使うか使わないかは自由ですよ。ところで、他人に対して、自分がわからないことを質問するときに、なぜそのように高圧的で居丈高な物言いをされるのでしょう。

離れ小島に島民が千人、仲良く暮らしておりました。

そこへ、船がやってきて、船員が島民を皆殺しにして島に住み着きました。

やがて、船でやってきた新しい島民は農耕と漁労の技術に長けていたので、生産性が上がり、人口は二千人に増えました。

おお!島民が、千人から二千人に増えた!漁業も農業も発展した!この島は、発展したので良かった!

旧島民の立場から見るか、新島民の立場から見るかで、物事の在り様は、まったく異なります。

湧泉堂 2011/11/07 7:37 PM

_______


またまた詭弁が続いていますね。

>ある具体的な社会現象に、どういう力学が働いているかということについて、ある概念、モデルを用いて説明したと言ってるじゃないですか。
>概念やモデルは道具なので、使うか使わないかは自由ですよ。


あなたは学者ではないみたいなので仕方がないのかも知れませんが、一般人でも賢人なら、抽象的モデルを使って論及する場合は、抽象的な事象に対して論ずるのが、正常な定石です。もしも、抽象的モデルを使って、具体的な事象を論ずるのなら、現実と真逆な結論づけは、説得力ゼロです。ですから、本当の知識人は、はなから、そういう愚は、おかさないのです。

例の、弁護士・会計士・歯科医師の事例なんぞは、具体的に原因背景が証明されているのですから、無理やり、モデルとかなんとかで言及すると、今やご自身も本当はお気づきのように、あのように、とんでもない頓珍漢な論及になります。


>旧島民の立場から見るか、新島民の立場から見るかで、物事の在り様は、まったく異なります。

これも、お得意の誘導詭弁ですね。私は、ここまでのコメ入れで、貴方のような、片方からだけ見た、そういう論及はしていません。全体双方の最適解を、あなたに対して、説いてきました。

あなたの【論法】を借りるなら、そんな片方からだけのモノの見方しても【仕方ないでしょう】、です。

ちなみに、あなたは、例の、セーフティネット必需論も含めて、とにかく弱者保護のスタンスのようですが、それについては、個人の自由思想ですので、少なくとも尊重は致します。もちろん、賛同するかどうかは、関係なく。


昨日だか、ブログ記事の部分訂正をしておられましたね。これは評価できます。
しかるに、残念ながら、あなたの頑迷さ(または当該知識そのものの錯誤)により、ほとんど変わり映えしていないですね。残念です。

>>>中国で700円でジーンズをつくれるとき、日本で7000円でつくる意味はない。
>>>中国に比較優位があるものは輸入すれば、あなたの実質所得は10倍になるのだ。

>と書き、後の方では、

>>>理論的には、世界中で同一労働の賃金が同一になるまで進む。
>>>労働移動がなくても、低賃金労働の製品を輸入することによって労働を輸入するのと同じ効果があるからだ。

>グローバル化で、あなたの賃金は10倍になると言っておきながら、同じ文章の中で、先進国日本に住むあなたの賃金は、発展途上国並になると言う。
>(コメント欄で注意を頂きましたので、訂正をいれさせていただきます。発展途上国並になる、ではなく、平均化されて、発展途上国と変わらなくなるということですね。
>どっちにしろ、グローバル化で、記事の前半では賃金が増えると言い、後半で賃金が減ると言っています。)


ハハハ(失礼!)、
どっちにしろグローバル化で記事の前半では賃金が増えると言い後半で賃金が減ると言っています、
ですか。また苦笑しました。

今回わたし初コメ以来、すでに2度も、あなたの知識錯誤やアン・フェアな他者批判の愚かさを指摘してきましたが、ブログ訂正ここに至っても、実質的には、なんら改善されていないのは何故か?

その(悲しい)答を、絞り込むことが出来ました。

失礼ですが、あなた、所得または可処分所得の余裕余剰の増加、と、賃金の増加、を、同一視しておられるようですね。言ってわるいですが、悪い意味で、あなた、とても珍しい御仁です。

ここの読者に、一定以上のレベルの知識人がいらっしゃるなら、苦笑しておられると思います。

_____


ローズ 2011/11/08 12:56 AM

実は、つくづく、あなたのことを不思議な論述者と感じたので、礼儀上、過去ログを以前よりも、さらにソコソコさかのぼって、ざっと拝読してみました。おかげで、ほぼ、解明できました(笑)。

以下に、特別おもしろかったふたつ、例示します。

湧泉堂さんブログ2011.02.02
http://miruton.jugem.jp/?eid=480#comments

>資本主義というのは、拡大再生産→拡大再消費

他の記事も、その殆どが、拡大再生産/システム所有者うんぬん、ほぼ、これ一辺倒ですね。
30年も前に廃れたマルクス経済学での資本主義論ですか?
現代は、とっくの昔から、自由主義経済学の時代ですよ。

拡大再生産論/システム所有者うんぬん、だけでは、湧泉堂さんも実は、しんどいのでは?
もっともっと現代学やリアル実態を、勉強しませんか?

それと、システム所有者うんぬん、ホント頻繁に出てきますが、不思議に、どの記事にも、その定義は皆無ですね。
また、お得意の論法である、モデルだからイイだろ、ですね?(笑)。
明確な知識、裏づけデータ、お持ちなんですよね?
まさか?
(笑)

>売上が上昇しないとき、企業は経費削減の方向に向かいます。
>所謂リストラというヤツです。人員削減、賃金カット、正社員から派遣社員への移行。
>そして企業は内部留保を増やし、株主配当と役員報酬を拡大する。

ハハハ(失礼)、まるで不勉強な高校生の政経の答案みたいなので、つい。

マーケティング活動や、VE/TOCによるコスト・リダクション活動、ニーズとシーズのマッチング、新規開発力の増強、CS向上活動などが、収益主要対策ですよ。
内部留保は、設備投資の原資化が、第一プライオリティ、ですよ。

まるで、大昔の共産党か社会党みたいですね。

>もちろん、いまさら世界が共産主義化するとは思っていませんが、
>これ以上経済システムが暴走し、人間を踏み潰すようなら、民衆は黙っていないでしょう。

あれあれ、上記2011.02.02湧泉堂さんブログでは、いまさら世界が共産主義化するとは思っていません、なのに、

ナント(笑)、今般2011/11/06湧泉堂さんコメントでは、世界が共産主義化などする前に、と、書いておられる、
* 湧泉堂 2011/11/06 3:08 PM=世界が共産主義化などする前にヨーロッパ経済危機や米国債デフォルトや中国バブル崩壊等によって世界の経済システムはシステムクラッシュを起こすんじゃないでしょうか。

失礼ですが、拡大再生産/システム所有者うんぬん、一辺倒だけでなく、誰もが失笑する共産主義化うんぬんも、場面によっては正反対になるんですね。
大丈夫ですか?


おしまいに、

やはり、私ローズ既述の直感はビンゴ!でした。
はい、あなたは、やはり、教祖さま、です。(笑)

なぜなら、あなたのブログ記事に対して、ほんのたまにあるコメントを見てたら、その証拠があります。

コメント文面から伺える、

・素朴な一般人からは、ブログ記事への賛同が多くて、

・幅広い知識をお持ちのかたからは、やんわり嘲笑されておられるから。


ではでは。(笑)。

ローズ 2011/11/08 6:19 AM コメントする
http://miruton.jugem.jp/?eid=539

ローズさんのは唯の言い掛かりにしか見えないですね。 これは経済ではなく生物学的な適応と淘汰の問題ですから。直観力がゼロのローズさんが経済の知識と論理だけでいくら考えても本質には到達できないのですね。

人類は天敵がいないので互いに殺し合って人口を減らすしかないのですね。だから、環境に適応した民族が適応できなかった民族を滅ぼすしか進化の道は無いのですね。


“世界のビジネス人間は卑劣な面は持っていますが、しばらくしたら悪は善に叩かれ、価値あるモノや良いモノだけが生き残るという、自動制御が機能します。そこまでのリードタイムは長いですが、最後の最後は、悪行は衰退し、正義のシステムが勝ち残るのです。過去の勝利事例をもとに、人間の英知を信じませんか?
人間って、それほどの馬鹿ではないと思うんです。“


“失礼ですが、過去の数々の打開実例をご存じないのでしょうか?
人類は愚かな面は多々ありますし失敗や誤認も多かったですが、ほぼどれも乗り切ってきたと考えます。“


ローズさんのこの言葉には笑ってしまいますね。


縄文人を滅ぼさなければ弥生人は日本列島を奪えなかったのですね。

アメリカインディアンを滅ぼさなければアングロサクソンはアメリカを奪えなかったのですね。

ネアンデルタールを滅ぼさなければホモ・サピエンスは生き残れなかったのですね。

全く同じ様に今、西欧人は有色人種を滅ぼそうとしているのですね。地球に68億人は多過ぎますから。

ロスチャイルドは地球の世界人口68億人のうち、40億人を削減する計画みたいですね。聖書の「黙示録」では人類の2/3が滅ぶことになっているので。


まあ、民族の優秀さでは西欧人が世界一ですが、生存できるかどうかは優秀さではなく環境への適応力で決まりますから、西欧人が最終勝者になる事は絶対に有りないんですけどね。

ローズさんは目先の10年・20年単位でしか物を考えられない人なんでしょう。研究者には一番向かない性格ですね。


湧泉堂さんの考え方の本質はこういう事でしょう:


グローバリズムは、帝国主義。 August 25, 2007


すこし、涼しくなってきた。アメリカの経済にも秋風が吹いている。このままだと、近い将来ドルの暴落という事態も考えられる。

政治的なアメリカの威信は、イラク戦争の失敗ですでに翳りを見せていた。必然的にアメリカはユニラテラリズムを採用せざるを得なかったということだろう。難破船からねずみが逃げ出すように、ブッシュ政権からは何人もの関係者が退散している。そして、政治的な威信失墜の兆しが、今度は経済的な信用崩壊へと接続されそうな気配である。クレジットクランチである。

日本の経済学者は、楽観論が多いようであるがこの度の住宅ローンの破綻に始まる米国経済の混乱と、連動する世界同時不況は予断を許さない状況になっている。アメリカの事態に関しては悲観的な観測を述べているエコノミストの一人、水野和夫の『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』
http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E3%80%85%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%B3%AA%E3%82%92%E8%A6%8B%E8%AA%A4%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E6%B0%B4%E9%87%8E-%E5%92%8C%E5%A4%AB/dp/4532352452

を読んだ。

 水野は、1995年を境にして、戦後が終焉し、日本も世界もこれまでの経済的な常識はもはや使い物にならないということを、実証的に裏付けてゆく。

彼はシンクタンクの保有しているあらゆるデータを分析することで、95年が時代の転路点であることを発見する。ここまでなら、多くの経済学者、エコノミストも予見することはできる。水野の創見は、それが経済の世界における近代の終焉であり、同時に資本による反革命の始まりであるという、経済システムの変換を読み込んだことである。

 大変に面白く、スリリングな理論である。

俺もかつて、94年という年が時代の転換点であると書いたことがあった。

「ぼくはビジネスの世界で、1994年を境に劇的な変化、価値変動がおこったと考えています。そしてその変化は日本中を隈なく覆い尽くして文化や人々の言葉づかいまで変えていくほどの繁殖力をもっていました。正確に言えばアメリカン・スタンダードというものがカバーする地域、人種、職業すべての価値観に大きな修正をもたらすものとなった」(『東京ファイティングキッズ』)

俺は、ビジネスの現場における人々の言葉づかいが大きく変わったことから、このアイデアを思いついたのであるが、水野は専門家らしく経済的な指標を読み解くことの中から、この転換が根源的なシステムの転換であることを「発見」する。そして、ポスト近代とは、インターネットや金融技術が牽引する超近代などではなく、帝国の再来,資本が、自らへの分配を確保するための反革命であると言うのである。 これは、実に目から鱗の指摘であった。

なるほど、グローバリズムとは、自由主義の拡大ではなく経済帝国主義であったのか。

そう考えればいろいろなことが腑に落ちる。そう考えなければ、グローバル企業の飽くなき膨張や、経済成長しながらも拡大する格差や周縁の疲弊といった問題がうまく理解できない。膨張しているのは、資本だけであり、国民経済ではないのである。

帝国主義とは何か。

レーニンはその帝国主義論でこう述べている。

「帝国主義とは、独占体と金融資本の支配が成立していて、資本輸出が著しく重要性を増し、国際的なトラストによる世界の分割が始まり、最強の資本主義諸国による世界の全領土の分割が完了したという発達段階に達した資本主義のことである。」

簡単に言えば、帝国主義とは、国益拡大のための際限のない周縁国の植民化であった。

帝国主義はどのようにして終結したのか。

それは、有限な世界の中で、覇権同士がぶつかり合い、経済的なブロック化が進行し、ついには戦争による以外、つまりは覇権の蕩尽という方法でしか決着をつけることができなかったからだ。

 いま起こっているグローバリズムとは、この帝国主義の時代における軍に代わって、企業が、世界経済を再分割してゆく動きであるといえるかもしれない。低賃金の労働力、飢えたマーケットを固定化、植民化するという形で、企業が国境を超えていく。
 
 「グローバリゼーションは誰の手にも負えないコントロール不可能な経済現象で、関わる者すべてはこれに影響を受け、そして、たまたま適切な準備ができていた者だけがその恩恵を受けることができるのだと考える人もいる」

(『ウォルマートに呑みこまれる世界』)
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AB%E5%91%91%E3%81%BF%E3%81%93%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%82%8B%E4%B8%96%E7%95%8C-%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%9E%E3%83%B3/dp/4478000905


ちょうどいま書評を書いている本の中で、その著者チャールズ・フィッシュマンが言っている。市場主義といい、グローバリズムといい、その渦中にいるものにとっては、それが時代の中の過程的なシステムであると考えるよりは、究極の姿であると考えやすい。ビジネスも政治も、限定的な時間の中での損得勘定しかできないからである。


「改革なくして成長なし」も

「成長がすべての怪我をなおす」

という法則も、限定的な時間の中でしか意味を持ち得ない。こういったスローガンは、何かの真理を言いあらわすというよりは、現在のシステムが、それを弁護ないしは強化するために言わせているのだと思ったほうがよいのである

http://plaza.rakuten.co.jp/hirakawadesu/diary/200708250000/


帝国主義・民主主義・グローバリズム


 帝国主義は悪で、民主主義は善、そして少し前までグローバリズムは正しかったと言うのが、良識派の人の認識である。そして、帝国主義 vs 民主主義の戦いが、第二次世界大戦で、正義が勝ったのだと言うのが常識となっている。しかし、この図式の中には忘れられていると言うか、隠蔽されている重要な事実が隠されている。

 帝国主義も民主主義もグローバリズムもプレイヤーが違うために一見違う目的を持つものだと考えられがちだが、役者(と出し物)が違うだけで、目的は15世紀から代わっていないという事なのだ。役者や出し物は代わっても同じ興行主が掛けている芝居(ヨーロッパの興行主がロスチャイルドで、アメリカはロックフェラー)に過ぎないと分かれば国際金融資本というものがどういうものかは自ずと明らかになってくるのだ。便宜的にユダヤと言う言葉を使う事もあるが人種としてのユダヤでも、イスラエルに住んでいる人達を指すものでも無い。そもそも、純粋なユダヤ人など本当は存在しないと考えるべきなのだ。

自虐史観に囚われた人達から見れば帝国主義と言えば枢軸国(日独伊)の事になるのだろうが、第二次大戦中の最大の帝国は間違いなく大英帝国だったし、日本が占領した地域の多くは大日本帝国では無くヨーロッパの列強の植民地だった。植民地を持っていると言う事は、フランスやオランダも当然帝国主義国家で、帝国主義を批判していたアメリカだってフィリピンを統治(満州を批判したアメリカだって傀儡政権を使ってフィルピンを植民地化していたのだ)していた立派な帝国主義国だったのだ。

 要するに戦勝国が善だとすれば帝国主義は悪では無く枢軸国だけは限定的に悪い帝国主義だったと考えなければならない。では、何故帝国主義は悪となったのだろうか。第二次世界大戦で悪の帝国主義国家が胡散霧消しただけでは無く、多くの植民地が独立し、ヨーロッパ列強が帝国主義を続けられなくなり帝国主義では金儲けが出来なくなったから悪になってしまっただけの話なのだ。第二次大戦は民主主義と帝国主義の戦いと言われているが、古い帝国主義と新興の帝国主義の戦いに過ぎなかったのである。その両方の帝国を育てたスポンサーは東インド会社のオーナーだった連中(ロスチャイルド)だったのだ。

 民主主義(資本主義)の方はどうだろう。帝国主義が無くなったあとに敵対したのは共産主義だった。ドイツや日本と言うビッグプレイヤー(勝つ事はないが取りあえず長い間戦争の相手を出来ると言う意味)がいなくなった時には、共産主義と言う種が大きく育っていた。

 敵対する相手がいない事には世の中は平和でなければいけないが、平和では金儲けは出来ない。日露戦争で日本に加担(シフを通じてロスチャイルドが支援)し、同時に共産主義者たち(実は労働者では無くロスチャイルドに資金を提供された貴族階級だ)はソビエトと言う国を興し、民主主義国家と渡り合えるようになった。冷戦と言う長い戦い(核兵器を競い合ったが、核兵器の原料は誰が支配していたかを忘れてはいけない)が続けられたが、アフガニスタンと言う火種を残しソビエトは崩壊したが、それは火種が出来たからであって、民主主義が正しかったからではなかったのだ。

 アフガニスタン侵攻と軍拡競争で疲弊したソビエトは消えてなくなり、世界は平和になる筈だったが、イラクによるクェート侵攻と言う出来過ぎのシナリオで中近東が火薬庫の役目を果たしてくれた。悪いアラブと良いアラブ、アラブとイスラエル、パレスチナとイスラエルと争いの種はいくらでもあるが、ロックフェラーは、911を口実にイラクとアフガニスタン(どちらもロックフェラーのテリトリー)に戦いを仕掛けて金儲けの種にし、オイルマネーを絞り取るためにドバイなどの窓口に資金を集めるために金融バブルを仕掛けてきたのが、ついこの前までの話だった。結局、世界の金融を実際に牛耳っているロスチャイルドには敵わなかったのが今なのである。グローバリズムも、要は金儲けのための一時的な道具だったのだ。

結論:世の中に数多ある主義主張やイデオロギーに正しいも何も無い。金を儲ける手段として機能している内は善で、そうでなくなれば悪になるだけの話なのだ。神聖ローマ帝国の御用銀行家がルーツのロスチャイルドは、英国だけでは無くユーラシアからアフリカ全体を支配する金融資本の総元締め。北米が主体のロックフェラーが出先に過ぎない(表面的に戦後60年以上最強に見えたが)のは仕方がない。イデオロギーなどという色眼鏡を外し、金の流れを見れば世の中の仕組みは非常に単純なのである。

http://maimaikaburi.blogspot.com/2009/01/blog-post_1042.html

マルクスは資本主義については正しかった 2011/11/05 (Sat) 22:40:26


 カール・マルクスは共産主義については間違っていたが、資本主義の大部分については正しかった、とジョン・グレイは書いている。

 金融危機の副作用として、ますます多くの人々がカール・マルクスは正しかったと考え始めている。19世紀の偉大なドイツ人哲学者、経済学者であり革命家は、資本主義は根本的に不安定であると信じた。 資本主義には、より大きなブームと破滅を作り出す傾向がビルトインされており、長期的には自分自身を破壊するにちがいないというのだ。

 マルクスは、資本主義の自滅を歓迎した。彼は、大衆的な革命が起こり、より生産的ではるかに人間的な共産主義システムを実現すると確信していた。

 マルクスは、共産主義については間違っていた。彼が予言的に正しかったのは、資本主義の革命のとらえ方においてだった。彼は、資本主義固有の不安定性を理解しただけではない――もちろん、この点で彼は、当時の、また現在の大多数の経済学者よりも鋭かったのだが。

 もっと深くマルクスが理解したのは、どのようにして資本主義が自分自身の社会的基盤――中産階級 the middle-class の生活様式――を破壊するか、ということだった。ブルジョアジーとプロレタリアというマルクス主義者の用語は古い響きをもっている。

 しかし、資本主義は中産階級を当時の厳しく抑圧された労働者の不安定な存在に似た状態におとしいれるとマルクスが主張するとき、彼は、われわれの生活の変化を予測していた。それは、いまわれわれが立ち向かっているものだ。

 彼は、資本主義を、歴史上もっとも革命的な経済システムとして描き出した。資本主義がそれ以前の経済システムと根本的に違っていることは疑い得ない。

 狩猟・採取民は、何千年もその生活を守り続け、奴隷は長期にわたって耕し、封建社会は何世紀も続いた。反対に、資本主義は、それが触れるものすべてを変化させる。

 資本主義は、絶えず変化するだけではない。企業と産業は、革新の絶えざる流れのなかで創造され破壊され、その一方で、人間関係は解体され新しい形態で再現する。

 資本主義は、創造的破壊のプロセスとして描かれてきた。資本主義が驚くほど生産的であったことは誰も否定できない。実際、現在のイギリスに暮らす誰もが、資本主義が存在しなかった場合に受け取っていたであろう収入よりも多くの収入を得ている。


否定的な帰結

 問題は、プロセスの中で破壊されてきたさまざまなもののなかで、資本主義が過去において依拠した生活様式を破壊してきたことだ。

 資本主義の擁護者たちは、次のように主張する。資本主義はあらゆる人に利益を提供するが、それは、マルクスの時代にはブルジョアジー――資本を所有し、生活において適切な水準の安全と自由を享受した安定した中産階級――だけが享受したものだ、と。

 19世紀資本主義においては、大多数の人々は何も持たなかった。彼らは、自分の労働を売って生活した。市場が低迷すると、彼らは厳しい生活に直面した。しかし、資本主義が発展するにつれて、ますます多くの人々がそこから利益を手にすることができるようになるだろう――資本主義擁護者たちはそう言う。

 誇るべきキャリアは、もはや、少数の特権ではなくなるだろう。もはや人々は、毎月毎月、不安定な賃金で苦労して生活することはないだろう。貯蓄、自身が所有する家屋および相当な年金によって保護され、彼らは、懸念なしに生活設計することができるだろう。民主主義および富の拡張とともに、誰かがブルジョア的生活から締め出される必要はなくなる。誰もが中産階級になれるのだ。

 実際には、イギリスやアメリカ、その他の先進国では、過去2、30年間にわたって、反対のことが起こっている。仕事の安定は存在しない。過去の職業や専門は、ほとんど消えうせて、生涯にわたるキャリアというものはほとんど記憶でしかない。

 もし人々がなんらかの富をもっているとすれば、それは家の中にあるが、住宅価格はつねに上昇するわけではない。いまのように信用がタイトなときには、彼らは数年間にわたって停滞するだろう。快適に暮らすことのできる年金をあてにできる人はますます少数派になっており、多くは十分な貯蓄を持ってはいない。

 ますます多くの人々が、将来のことをほとんど考えることもなく、その日暮しをしている。中産階級の人々は、彼らの生活が秩序正しく展開すると考えたものだった。しかし、人生を、最後から一つずつ昇っていくステージの連続とみなすことは、もはや不可能だ。

 創造的破壊のプロセスのなかで、梯子は外されてしまい、ますます多くの人たちにとって、中産階級であることは、もはや人生の目標にさえならなくなっている。


リスクを負わされる人


 資本主義が発展するのにつれて、それは大多数の人々を、マルクスの言うプロレタリア階級の不安定な存在の新バージョンへと追い返した。現在の収入ははるかに高いし、ある程度は、戦後の福祉国家の名残によって衝撃から守られてもいる。

 しかし、われわれは自分の人生コースをほとんど効果的にコントロールしてはいない。われわれは不安定さのなかで生活しなければならず、その不安定さは、金融危機に対処するためにとられた政策によって悪化させられている。物価上昇のもとでのゼロ金利は、あなたのカネにマイナスの報酬をもたらし、やがてあなたの資産を腐らせるということだ。

 多くの若者の状況はもっと悪い。必要なスキルを身につけるためには、あなたは、借金を背負わなければならない。いくつかの点から、あなたは貯蓄に努めるように再訓練されなければならないだろう。しかし、もし出発点から借金を背負っていたら、貯蓄は、あなたにできる最後のことだ。何歳であれ、今日、大多数の人々が直面している可能性は、不安定な生活である。

 資本主義は、人々からブルジョア的生活の安全を奪い取るのと同時に、ブルジョア的生活を送ってきたようなタイプの人々を絶滅させてきた。1980年代には、ビクトリア朝的価値観のことがしきりに言われた。そして、自由市場の促進者たちは、それがわれわれを過去の健全な美徳に連れ戻すだろうと主張したものだった。

 多くの人々にとって、たとえば女性や貧困者にとって、これらビクトリア朝的価値観は、彼らの効果においてほとんど無意味なものになっただろう。しかし、より大きな事実は、自由市場がブルジョア的生活を支えた美徳を掘り崩す働きをすることだ。

 貯蓄が融けてなくなってゆくとき、質素倹約は、破滅への道になるかもしれない。たくさん借金をして、破産宣告することを恐れない人こそが生き残り、成功へむかうのだ。

 市場の力によって持続的に変化させられる社会では、伝統的価値観は上手く機能せず、それによって生活しようとする人は誰もがガラクタの山にたどり着く恐れがある。

莫大な富

 市場が人生のすべての曲がり角に浸透した未来を展望して、マルクスは、「共産党宣言」で、「すべての固定したものは消え去る」と書いた。ビクトリア朝初期――「宣言」は1848年に出版された――のイングランドに生活する者にとっては、これは、驚くほど遠くまで見通した観察だった。

 当時、マルクスが生活した社会の周縁部以上に固定的に見えたものはなかった。一世紀半ののち、われわれは、われわれ自身が、彼が予告した世界にいることを発見する。そこは、あらゆる人の生活が暫定的で一時的であり、いつでも突然の破滅が起こりうる世界だ。

 ごくわずかな人々だけが莫大な富を蓄積してきたが、それははかない、たいていは幽霊のような性質をもっている。ビクトリア朝時代には、とてつもない富者は、自分たちのおカネをどう投資するかという点で保守的でありたければ、くつろいでそうすることもできた。ディケンズの小説の主人公たちは、最終的には、遺産を手に入れ、その後は永久に何もしない。

 今日、安息地はどこにも存在しない。市場の急激な変動は、わずか数年後であれ、何が価値を持っているか知ることができないほどだ。

 このような永久に休息することのない状態は、資本主義の永続革命であり、資本主義は、現実的に考えられる限りのどんな未来にわれわれを連れてゆこうとしているのかと考える。

 通貨と政府は、われわれがずっと安全だと思ってきた金融システムのさまざまな部分と一緒に、ほとんど破滅しかかっている。たった3年前に世界経済を凍りつかせる恐れのあったリスクは、手つかずのままだ。リスクは国家にしわ寄せされただけだ。

 政治家たちが、赤字を抑制する必要について何を言っても、負債は返済できないほどのスケールで膨れ上がっている。 それらが膨れ上がるプロセスは、多くの人々にとって痛みをともない、多くの人々が貧しくなるプロセスと結びついている。

 結果は、非常に大きなスケールで激動が起こるという以上のものでしかありえない。しかし、 それは世界の終わりではないだろう。あるいは資本主義の終わりでさえないだろう。何が起ころうと、われわれは、依然として、市場がときはなってきた マーキュリー(商業の神様)のエネルギーとともに 生きてゆくしかないだろう。

 資本主義は、革命に導いてきたが、それはマルクスが期待したような革命ではない。燃えるようなドイツ人思想家はブルジョア的生活を嫌い、共産主義がそれを破壊することを期待した。そして、彼が予測したとおり、ブルジョア的世界は破壊された。 しかし、共産主義に席を譲ったのではない。資本主義がブルジョアジーを殺してしまったのだ。
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/726.html

【青木泰樹】「経済学を学ぶ理由は、経済学者に騙されないためです」


「経済学を学ぶ理由は、経済学者に騙されないためです」と経済学者ジョーン・ロビンソンは警句を発したと言われています。

経済論理は、特殊な前提条件の下で成り立つ理屈にすぎません。

いわば「狭い土俵の中」での話であることを忘れてはならないのです(学説ごとに土俵の広さは異なりますが)。

しかし、世間には経済学の原理原則を現実経済の分析に直接適用しようとする経済学者やエコノミストが後を絶ちません。

彼等は、経済学という土俵の中の理屈で、現実経済という土俵の外の話を論じるという過ちを犯しています。

言うまでもなく、現実経済は経済学の要求する前提条件を満たしておりません。
それゆえ現実経済を論じる(土俵の中に入れる)ためには、前提条件を緩める(土俵を拡げる)ことが必要です。

さしずめ私の指向する経済社会学はこれにあたります。

しかし、現在の主流派経済学(新古典派経済学の後継の諸学説)は、土俵を狭くすることに専心していきました。

その結果、経済学と現実経済の距離はますます開いていったのです。

経済学者の経済認識と現実経済のズレが拡大している以上、もはや経済学者の言をそのまま信じては現実経済の動向を見誤ることになります。

彼等の提言通りに経済政策が実施されたら、国民経済はたいへんな災厄(人災)を被ることになってしまうのです。

本日は、経済学の原理原則を絶対視すること、もしくはそれに基づき現実経済を認識することの危険性について具体的にお話ししたいと思います(分量の関係で二回に分けます)。

経済学の原理原則の具体的な題材として、著名なニュー・ケインジアンの学者であるグレゴリー・マンキューの提示する「経済学の10大原理」のうちマクロ経済に直接関わる二つの原理を取り上げます。

ちなみに10大原理は、マンキューの世界的なベストセラーである著書『経済学原理』に示されているもので、その邦訳書『マンキュー経済学』は経済学の教科書として有名ですので、ご存知の方も多いと思います。

今回取り上げるのは、「政府がお金を発行しすぎると物価は上がる」という貨幣に関する原理で、次回は「社会はインフレと失業の間の短期トレードオフ関係に直面している」という物価版フィリップス曲線に関する原理です。

いずれもリフレ派の経済学者の依拠する理論的基盤ですね。

これらの原理(いわば経済学者の経済観)で現実経済を認識するのは不適切であることを説明します。

以前、このコラムで三橋さんが貨幣の定義についての話をされていました。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/09/28/

その記事の中で興味深かったのは、貨幣(この場合は通貨)の定義をめぐる岩田規久男氏(現日銀副総裁)と三橋さんのやり取りです。

岩田氏は「貨幣はマネタリーベース(現金)」と考え、三橋さんは「貨幣はマネーストック(現金プラス預金)」と考えておりました。

実は、このやり取りの中に「経済学における貨幣の定義」と「現実経済における貨幣の定義」の相違が潜んでいるのです。

もちろん、岩田氏は前者の立場、三橋さんは後者の立場です。

この貨幣の定義の違いを理解するためには、国民経済の基本構造を知る必要がありますので、簡単なイメージを示しておきます。

国民経済は「政府ムラ」と「民間(経済)ムラ」から成り立っており、それぞれのムラには2軒の家が建っていると考えてください。

政府ムラの2軒は、「親(政府)」の家と、「子(日銀)」の家です。

民間ムラの2軒は、「銀行」の家と個人と企業が暮らす「実体経済(民間非金融部門)」の家です。

経済学の支配的な貨幣観は、「貨幣は民間経済の外で造られる」と考える外生的貨幣供給論です。

この点に関してはケインズ経済学もマネタリズム(新貨幣数量説)も同じです。
すなわち、貨幣は政府ムラの造る現金(マネタリーベースもしくはベースマネー)と定義されます。

民間ムラで現金を保有しているのは、銀行と実体経済に住む個人と企業ですから、その合計額を貨幣量と考えているのです。
ちなみに銀行は保有する現金を「準備」として日銀に預けております(日銀当座預金)。

他方、マネーストックは「実体経済内で保有されている現金と預金の合計額」として定義されます。

そこには現金に加えて、民間内部で銀行によって造られる「預金通貨」も含まれています。

言うまでもなく、マネーストックの動向、特に国内の財サービスの購入に使われるカネの量(アクティブマネー)の動向が景気動向(実体経済の規模の変動)に直接関係しています。

逆に、銀行の現金保有量の変動は景気に直接関係するものではありません。

超過準備が発生しようと、融資が増えるか否かは景気に依存するからです。

それゆえ、実体経済の動向を見る指標としてベースマネーよりマネーストックを重視するのは自然なことです。

それではなぜ支配的な経済学の貨幣の定義には、預金通貨が含まれていないのでしょう。

先に示した国民経済の簡略イメージを思い出してください。

個人や企業(実体経済)の保有する預金とは、「預け入れ」という名称がついておりますが、実際は銀行への「貸し付け」のことです。

すなわち実体経済の預金(資産)は、銀行にとっての同額の負債であり、民間経済内で合計すると純額としてゼロになってしまうのです。

その場合、民間ムラで資産(購買力)として残るのは現金だけとなります。

このように経済学の基本的な考え方は、単純に「政府」と「民間」を対峙させるだけで、各部門の内部(2軒の家の存在)にまで洞察を加えないために、どうしても現実経済を考える場合に齟齬が出てしまうのです。

しかし、経済学の貨幣の定義と現実のそれが異なっていようと、両者を関連づける概念があります。

それがマネーストック(M)とベースマネー(H)の比率として定義される「貨幣乗数(M/H)」です。

この貨幣乗数の値が一定の値として安定しているならば、「貨幣とは現金のことだ」とする経済学の定義を現実に適用しても問題はなくなります。

その場合、ベースマネーとマネーストックの間に一定の比例関係が常に維持されます(貨幣乗数の定義式を因果式と解釈すれば)。

例えば、貨幣乗数が7で安定していれば、ベースマネーを1兆円増やした時、マネーストックは7兆円増えることになり、政府はベースマネーの量を操作することでマネーストックを制御することが可能になるからです。

実際、岩田氏は、かねてからベースマネーによるマネーストックの制御は可能とする学問的立場を取っておりました(経済学の教科書の立場)。

ベースマネーによる制御が可能か否かに関して、以前、彼は当時日銀に所属していた翁邦雄氏と「岩田・翁論争」を起こしたくらいです。

それゆえ、岩田氏が、三橋さんに問われた時、「貨幣の定義はマネタリーベース」と答えたのは、当然でしょう。

しかし、岩田氏の強弁は、現実経済を前提とすれば成り立ちません。

貨幣乗数は、(金融政策の結果として)「事後的に算出されるHとMの比率」に過ぎないのです。

事前に決まっている数値(パラメーター)ではありません。

そのことは、政府から民間へ現金を注入する経路を考えれば容易にわかります。

日銀の量的緩和策を考えてみましょう。

日銀は民間ムラの銀行の保有する国債を買い取り、現金を渡します。

しかし、実体経済に現金を渡しているわけではありませんから、マネーストックは増えません。

なぜなら、「ベースマネーとして定義される現金(民間保有の現金)」と「マネーストックを構成する現金(実体経済保有の現金)」は、同一ではないからです。

先述したように、マネーストックの定義の中の現金に銀行保有分は含まれないのです。

このことさえ認識されれば、需給ギャップを解消し2%インフレを目指すとする量的緩和策の限界はおのずから明らかでしょう。

確かにベースマネーを増やすことは出来ます(量的緩和策とは、銀行保有の現金を増やす政策ですから)。

しかし、マネーストックを増やすには銀行による実体経済への融資が必要なのです。もちろん、融資の前提は実体経済の資金需要です。

それも不動産投資向けやM&A資金向けではなく、(景気浮揚のためには)国内の実物投資への融資の増加が必要なのです。

今後も量的緩和は継続されますから、貨幣乗数は下がり続けることになります。
それはベースマネーによるマネーストックの制御が不可能なことの端的な証(あかし)なのです。

政府から民間へ現金が流れる現実的経路を考慮しないどころか、融資自体を無視するのがマネタリズムです。

実は、銀行融資を考慮すると、

「貨幣的要因は実物的要因に影響しない」、

簡単に言えば、

「価格が変化しても取引量は変化しない」

とするマネタリズムの理屈(「貨幣の中立性」)が破綻するのです。

融資を受けた投資家は、自分の必要なものしか買いません。

それによって追加需要の生じた特定の財の価格は上昇しますから、相対価格体系(諸財の交換比率)は変化してしまうのです。

その結果、取引量も変化します(貨幣が非中立的となる)。

マネタリズムは、融資の代わりに、実体経済へ直接現金を渡す荒唐無稽な経路を考えました。

それが「ヘリコプター・マネー」です。

ヘリコプターで現金を実体経済へばらまくのです。

これは例え話と言われていますが、民間への貨幣の注入経路を持たないマネタリズムにとっては極めて重要な前提なのです。

さらに現金を拾う側にも厳しい条件が課されます。

例えば、10%の物価上昇を目指す政府が当該額の現金を民間にばらまくとします。

このとき拾う側は、現在保有している現金の10%だけ拾わなければなりません(それ以上でも以下でもいけません)。

そして拾った人達が、拾う前と同じ嗜好(消費パターン)を維持していたとすると、その時初めて、物価が10%上がり、かつ取引量は不変という状況が現れるのです。

如何ですか。

経済学の理屈は、厳しい前提条件を受け容れれば成立する真理であることに疑いはありません。

しかし、その条件が現実にどの程度妥当するかを考えずに、結論をそのまま受け容れてはなりません。

政府がお金を発行しすぎても、それを使わなければ物価は上がりません。

銀行へお金をたくさん渡しても、実体経済の人々がそれを借りて使わなければ物価は上がりません。

民間が使わない状況であるなら、政府が使う(公共投資)しか物価は上がりようがないのです。

ロビンソン女史は、「経済学を学ぶことは、同時に経済学の限界(適用範囲)を知ることでもある。それを理解した上で、経済学の原理原則に盲従するのではなく、現実経済の分析に適した方法を選択せねばならない」と言いたかったのかもしれません。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/11/07/aoki-20/

生産したら必ず売れる世界
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/11/23/mitsuhashi-320/

財・サービスは生産すれば、必ず売れる。

預金は必ず借り入れられ、投資に回る。

法人税を引き下げれば、必ず企業の設備投資が増える。

雇用環境は常に完全雇用が成立している。

金利を引き下げれば、必ず企業の投資が増える。

為替レートが下がれば、必ず輸出が増える。

国債を発行すると、金利が上がり、企業の設備投資が減り、成長率が下がる。

デフレ脱却のために必要なのは、マネタリーベースの拡大である。

個別価格が低下しても、余ったおカネが必ず他の財・サービスの購入に回るため、一般物価は上がらない。

潜在成長率を高めれば、成長する。

生産性向上は常に正しい。

消費税を増税しても、十分な金融緩和(定義不明)を実施すれば、デフレにはならない。


などなど・・・・。


上記、現在の日本で全く成立していない「常識」は、全て「ある仮設」を前提にしています。すなわち、セイの法則ならぬ「セイの仮説」です。

セイの仮説。「供給が需要を生み出す」という経済学の基本となる考え方に基づくと、経済成長のためには潜在GDP(供給能力)を高めればいいという話になります。

そのためには、規制緩和、自由貿易を推進し、競争を激化すればいい。政府の財政出動は、不要な需要を創出するだけなので、NG。

という話なのですが、上記は「デフレーション」という現象を想定していません。さらに、国民の安全保障も無視します。

そして、決定的な話なのですが、なぜかデフレ対策は「国民」を豊かにする政策であり、逆に緊縮財政・構造改革(規制緩和・自由貿易)というインフレ対策は、国民ではなく一部のグローバル投資家を潤す政策になってしまうのです。

ここで言うグローバル投資家には、もちろん一部の日本人も含まれています。

現在の世界は、デフレ期にも関わらず「インフレ対策」に各国が血眼になり、状況を悪化させてしまっています。その根っこには、そもそも、

「緊縮財政や構造改革というインフレ対策が、グローバル投資家を利する政策である」

という現実があるわけです。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/11/23/mitsuhashi-320/

秘書の仕事からリカードの比較優位論を考えてみた


週刊アサヒ芸能の連載で、自由貿易論者がことあるごとに持ち出す「リカードの比較優位論」について、

『例えば、筆者の会社に「執筆」と「筆者のスケジューリング」という、二種類の仕事があったとする(実際にある)。筆者が執筆、スケジューリングという二つの仕事において、共に秘書よりも生産性が高い、分かりやすく書くと「得意」だったとしよう。

その場合、筆者は秘書を雇わず、執筆とスケジューリングの二つの仕事を自分でこなすべきだろうか。そうはならない。雇われた秘書は、スケジューリング業務はこなせるが、執筆業務は全くできない。この場合、執筆という仕事を基準にすると、秘書はスケジューリング業務において、筆者よりも「比較優位にある」という話になるのだ。

というわけで、筆者は執筆業務に専念し、スケジューリングは秘書に任せた方が、全体としての「仕事の消化量」が増える。つまりは、筆者及び秘書の労働生産性が高まることになる。』

と、解説しました。リカードの比較優位論を「国家間の貿易」に当てはめ、かつ「経世済民」を志向した場合、実際には様々な条件・制約があるのですが、それらについては週刊アサヒ芸能の連載をご一読頂くとして、上記の「筆者と秘書の例」について、もう少し深く考えてみましょう。

実際、弊社では三橋が執筆や講演等に専念し、スケジューリングは秘書が担当しています。現在、三橋のスケジュールは複雑怪奇になってきており、各イベントについて理解し、日本の交通インフラを把握し、宿泊施設をどうするのか、地方講演が連続した際にはどうす移動するべきか、交通費の負担はどうするのか、現地での交通手段はどうするのかなどなど、様々なパラメータを理解しなければ、「生産性の高いスケジューリング業務」はできません。

さて、現在の三橋の秘書が入社した時点では、確かにスケジューリング業務についても、三橋の方が生産性が高かったのです。三橋が弊社の業務について熟知している以上、当たり前なのですが。

その後、秘書は様々な仕事の経験を積み、現在はスケジューリング業務について、三橋よりも「絶対優位(比較優位)」な状況に至っています。何しろ、毎日、毎日、次々に舞い込む依頼を調整し、スケジュールを組む業務を続け、様々な経験やノウハウを「蓄積」したわけですから、ある意味で当然です。

その間、三橋はスケジューリング業務を全くしていないわけで、「三橋のスケジューリング業務に関する生産性」は、間違いなく落ちています。

何を言いたいのかといえば、生産性は「仕事の経験の蓄積」という人材投資により向上しますが、逆に仕事をしないと低下していく一方という話です。

三橋のスケジューリングに話を絞れば、あまり大した話ではありません。とはいえ「国家」という視点で見た場合、話はまるで変わってきます。

例えば、日本国が「兵器生産(自衛隊は「装備品」と呼びますが)」「自然災害時の土木・建設サービス」「医療サービス」等、国民の安全保障に関連する生産について「比較優位にある他国」に任せた場合、我が国の安全保障は100%の確率で弱体化する、という話に間違いなくなります。

モノやサービスの生産の力(=供給能力)は、仕事の蓄積により向上する。同時に、仕事の蓄積が全く行われない場合、国家から「消滅」する。

という、当たり前の事実を認識すれば、「自由貿易は自由だからやる(竹中平蔵氏)」といった「考え方」が、いかにナイーブであるかが分かるはずです。ここで言うナイーブとは「純粋」ではなく、「幼稚」という意味を持ちます。

この種の幼稚な主張が、あたかも真実であるかのごとく受け入れられている我が国の言論空間に、三橋は危機感を覚えるわけです。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/

2016年07月04日
訪日外国人2000万人も経済はマイナス 外国人観光は経済に貢献しない

外国人が何千万人来ても、それで経済成長することは絶対に無い。


http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/a/5/a5a20193.png


外国人観光客は2016年も増え続けていて、この調子なら2000万人達成も可能だと言っています。

だが外国人がいくら増えても日本の景気は良くならず、むしろマイナス成長になっているのは何故でしょうか。


無策のツケを誰が払う?

政府は訪日外国人が1000万人を超えたとして、次は2000万人、あるいは3000万人だと言っています。

2011年の原発事故の後、増え続けた訪日客は特に安部政権が始まった2013年から、目だって増加しました。

安倍首相は「訪日外国人が増えたのは自分の手柄だ」と言っていて、それは別に構わない。


だが不思議なのは外国人が2倍に成っても日本のGDPがマイナス成長な事で、むしろ外国人が増えるほど経済が悪化している。

訪日外国人が増える事と、日本の経済成長に関係があるのかないのか、議論されませんでした。

皆当たり前のように「訪日客が増えれば経済効果がある」と言っているが、わたしはそう思いません。


訪日外国人がお金を使うのは、お金の流れを見ると輸出と同じで、例えば自動車1台輸出すると200万円のドルが得られます。

実際は原材料費などを輸入しているので1台100万円として、外国人が5人くらい訪日すると、交通費込みでそのくらい使います。

外国人がお金を使うのだから日本は儲かっている、と輸出論者は言うのだが、それは戦前から1980年頃までの話です。


その頃までは通貨は事実上固定相場制で、日本が何台自動車を輸出しても、1ドルは360円や200円で固定されていました。

ところが日本の輸出で大損をしたアメリカはぶち切れてしまい、ある日日本の大蔵大臣をNYに呼んで「今日から変動相場制にするから」と通告しました。

これが1985年のプラザ合意で、以来30年間日本はずっと円高不況で苦しんでいます。


同じ場所でクルクル回るだけのハムスター経済
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引用:http://pds.exblog.jp/pds/1/201209/15/22/f0189122_15113970.jpg


日本はハムスター経済?

変動相場制では輸出すればするほど円高になるので、輸出で儲ける自体不可能で、むしろ輸出するほど損をします。

アメリカのような輸入超過国のほうが儲かるように出来ていて、その為にアメリカはルールを変更したのでした。

観光客がドサドサやってきてお金を使うのも同じ事で、彼らの買い物のせいで円高になり、余計輸出企業が苦しむだけです。


固定相場制では「輸出するほど儲かった」が、変動相場制では「輸出するほど罰を受ける」のです。

2016年に入って中国ショックやイギリスショックで円高になり、一時99円に達してまた戻っています。

評論家はイギリスのEU離脱の影響と言っていますが、何も無くたって輸出と観光客のせいで円高になるのです。


安倍首相の経済政策をみると、円安に誘導して輸出や観光客を増やしているが、輸出が増えたら必ず円高になります。

輸出とはドルを円に交換するで、観光客もドルや人民元を円に交換し、際限なく円高になります。

なんだかハムスターが車輪を回しているが、同じ場所で自分が走っているだけ、というのを連想してしまいます。


輸出や観光客でお金を集めようとして必死に働いているのだが、こんな事をいくら頑張ってもゼロ成長のままです。

観光と輸出にはもう一つ大きな問題があり、日本人が働いた成果が国外に流出し、蓄積されない事です。

日本で自動車を生産しアメリカに輸出したら、日本には何もなくなり、アメリカには自動車が1台増えます。


輸出や観光で経済成長はしない

お金という紙切れを受け取る代わりに、高度な工業製品である自動車を渡すのは、あまり有利な取り引きではありません。

アメリカは受け取った自動車を何年か有効に使いますが、日本の自動車メーカーが受け取ったお金は有効に使われているでしょうか。

大抵は中国や海外に別な工場を建てたりして、日本人には何の恩恵ももたらしはしません。


あるいは企業の内部留保になったり、株価や地価を吊り上げたり、ロクな事に使われないのが現実です。

輸出や観光で日本が受け取った外貨は、一般国民のために使われる事は、まずありません。

外国人旅行者より国内旅行者を増やした方が経済効果が大きいのに、外国人を泊めるために日本人をホテルから追い出しているのです。


この政策を続ける限り、来年も再来年も、日本はゼロ成長でしょう。

ではどうすれば経済が成長するかと言うと、今まで書いた逆、つまり輸入を増やして貿易や観光を赤字にすれば、その分円安で輸出し易くなります。

貿易黒字の日本より貿易赤字のアメリカ企業の方が、成長力があり儲かっているのはこの為です。
http://thutmose.blog.jp/archives/62830797.html


2016年10月25日
自由貿易時代の終わり 世界の貿易額が縮小


自由貿易が人々を豊かにしたと主張するIMF幹部は、中国から賄賂をもらって統計をごまかして不正蓄財してきた。
引用:http://e.noticias.americadigital.pe/ima/0/0/2/1/4/214319.jpg


世界の貿易額が減少

今世界の貿易額が縮小していて、2015年の世界の貿易額は、前比12.7%減の16兆4,467億ドルに沈み、2016年もマイナスで推移している。

さらに今までは世界経済の伸び率を、世界貿易の伸びが上回っていたが、現在では貿易の伸びが下回っています。

「スロー・トレード」現象と言い、2016年の世界経済成長率は3.1%予想だが、貿易伸び率は2.8%予想です。


     


2016年4月から6月の世界貿易量はマイナス0.8%、1月から3月もマイナスだったので通年でもマイナスの可能性が高い。

2014年の世界貿易も、前年比0.8%増の18兆7,461億ドルに留まっていて、短期的な景気循環ではなく長期的な大きな流れになる可能性が高い。

IMFや世界銀行、欧米の経済責任者は「反グローバリズム」と呼び経済の敵だと主張しているが、果たしてそうなのだろうか。


IMFのラガルド専務理事は自由貿易が世界を成長させ、人々の福祉を向上させてきたと話しているが、日本ではそんな現象は起きていない。

むしろ自由貿易をするほど仕事を中国人に取られて貧しくなり、収入が減って消費もできなくなり、外国人観光客相手に物乞い商売に励んでいる。

実は欧米においても同じであり、アメリカでこの20年間にお金が増えたのは「富裕層」だけで、他の全員が貿易によって貧しくなりました。


アメリカ人の50%は資産を10万円以下しか持っていないそうですが、一方でアメリカ人の平均収入は日本人よりずっと多い。

年収数百億円や数千億円の人が「平均所得」を上げている一方で、アメリカ人の9割は昔より貧乏になっている。

欧州でも同様でギリシャは自由貿易で経済破綻し、イタリアや東欧諸国も右へ倣え、儲かっているのはドイツだけになっている。


自由貿易はくそだった

そのドイツでも豊かになったのは富裕層と「国営企業」のフォルクスワーゲン労働者などで、国営企業と公務員以外の労働者は難民のために家を追い出されている。

自由貿易なんか駄目だという否定論者が出てくるが、偉い人たちは彼らを保護主義者と呼びヒトラーと同列に批判している。

彼らの理論では第二次世界大戦は保護貿易によって自由貿易を止めたのが原因で、保護主義はヒトラー礼賛と同じ罪だそうです。


実際には自由貿易なんか世界の人々を豊かにせず、ただ金持ちを豊かにして、貧困者を作り出すシステムなのが分かってきた。

EUはイギリス離脱で崩壊しようとしているが、要するにEUの自由貿易なんかイギリス人を貧乏にしただけだというのが離脱の理由でした。

北米自由貿易圏NAFTAにしても、それがアメリカやメキシコの人々を豊かにしたという統計はない。


せいぜいで金持ちは豪華ヨットを増やし、貧乏人はシートで路上にテントを建てただけのことでした。

グローバリズムを主張する人たちは例えば日本政府が国内の産業や農業を促進することも「保護貿易で世界経済の敵だ」として批判している。

日本の農業が壊滅すれば貿易額が増えて世界経済は拡大するというのだが、日本人には何のメリットも無い。


公共事業や新たな産業への政府の投資も全て「保護貿易」で貿易を阻害して世界経済に打撃を与えるそうだ。

世界経済なんかくそ食らえと考える人が世界中に増えているのも無理からぬ事で、自国の雇用を捨てて自国民を貧乏にするようにIMFや世界銀行は仕向けている。

1991年にソ連が崩壊し世界貿易は拡大し続けたが、日本のGDPは縮小し続け、日本人は貧しくなり続けた。


国内の産業や農業を犠牲にして自由貿易を推し進めたからこうなったのであり、貿易は国民に何の役にも立たないのを実証しただけだった。
http://thutmose.blog.jp/archives/66835420.html

『富国と強兵 地政経済学序説』– 2016/12/9 中野 剛志 (著)
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492444386/asyuracom-22?p=TK

トランプ勝利もBrexitも「衆愚政治」ではない
エスタブリッシュメントの誤りが証明された 中野 剛志 2016年12月09日
http://toyokeizai.net/articles/-/145294


「グローバリゼーションは良いことだ」というエスタブリッシュメントの「常識」は、本当に正しかったのでしょうか(写真:SK Photo / PIXTA)

衰退著しい覇権国アメリカ、混乱する中東、クリミアを強引に奪取するロシア、東シナ海・南シナ海で挑発行為をやめない中国……。

パワー・バランスが大変動する今、「地政学」という、古めかしく、禍々しいニュアンスすら伴った言葉が現代によみがえってきている。一方、これまでの地政学的思考だけで、世界を分析し、生き抜くことは非常に困難ではないだろうか?

『TPP亡国論』において、日米関係のゆがみを鋭い洞察力でえぐり出した中野剛志氏による『富国と強兵 地政経済学序説』が、このほど上梓された。

本稿では、「富国」と「強兵」をキーワードに、トランプ現象や英国のEU離脱の背景にある「イデオロギー」をえぐり出す。


反省しようとしないエスタブリッシュメント


2016年6月の英国のEU(欧州連合)からの離脱の是非を問う国民投票、そして11月の米大統領選をめぐる世界の反応は、驚くほど酷似していた。

まず、いずれも事前の予測を覆す結果となった。そして、いずれの結果に対しても、世界の政治指導者や経済界、有識者あるいはマスメディアの主流派、いわゆる「エスタブリッシュメント」は驚愕し、恐怖し、あるいは侮蔑の視線を投げかけた。曰く、「内向き」「保護主義」「排外主義」「ポピュリズム」等々。

だが、問題は、英国のEU離脱やドナルド・トランプの勝利という結果それ自体にあるのではない。そのような結果を招いた原因の根本は、エスタブリッシュメントが抱くイデオロギーの誤りにある。それにエスタブリッシュメントが気づいていないこと、そして反省しようとしていないこと、そのことが最大の問題なのである。

エスタブリッシュメントが共有するイデオロギーとは、要すれば、おおむね次のようなものである。


世界は、グローバリゼーションという不可避・不可逆の潮流の中にあり、国家主権はますます制限される。モノ、カネそしてヒトはやすやすと国境を越えて移動するようになる。国家はもはやそれらを管理できないし、すべきでもない。なぜなら、グローバリゼーションは、各国に経済的な繁栄をもたらす最善の道であるのみならず、より平和な世界をもたらすからだ。つまり、経済的な相互依存が高まることにより、国家間の戦争はもはや割に合わないものとなるのである。「富国」を徹底すれば「強兵」は不要となるのだ。


このようなイデオロギーは、特に冷戦終結以降、広く流布したものである。

たとえば、1996年、著名な政治経済学者のリチャード・ローズクランスは、資本、労働、技術、情報が国境を越えて自由に移動するようになった世界においては、国家による領土への執着は過去のものとなり、国際社会はより平和になるだろうと論じていた。

それから20年が過ぎたが、このような世界観は、エスタブリッシュメントの間ではなお根強くある。「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」というわけである。

だが、2016年の英国の国民投票と米国の大統領選は、エスタブリッシュメントの期待を裏切り、国境や国籍にこだわる者たちの勝利に終わったのであった。

EUの東方拡大が英国離脱の引き金に

なぜ、英国のEU離脱やトランプの勝利は、エスタブリッシュメントのイデオロギーが招いた結果だと言えるのか。それは、それぞれの経緯を振り返れば分かる。

まず、英国の国民投票から見てみよう。

英国では、2008年から5年間で実質賃金が8%も低下していた。また、主に東欧の低賃金労働者が移民として流入し続け、その純増数は2015年に33万人を超えるに至った。離脱派は、この移民の急増こそが実質賃金の引き下げの要因だと主張したのだが、その主張は確かに正しい。

低賃金労働力である移民の大量流入という問題が顕著になったのは、2004年以降のEUの東方拡大からである。2004年、旧ソ連圏の8カ国とマルタ、キプロスがEUに加盟した。2007年にはルーマニアとブルガリアが、2013年にはクロアチアが加盟した。

EUの東方拡大は、経済統合によって国境の壁を著しく低くすることが、繁栄と平和への道であるという欧州のエスタブリッシュメントの理念を体現するものだった。だが、その東方拡大が英国のEU離脱の引き金を引いたのである。


そもそもEUの前身であるEEC(ヨーロッパ経済共同体)を創設した6カ国の間には、1人当たりのGDPの大きな格差は存在せず、1973年に加盟した英国の1人当たりGDPと原加盟国との間にも、さほどの開きはなかった。

しかし、2004年の東方拡大により、最も貧しい新規加盟国の1人当たりGDPは最も豊かな国のおよそ3分の1しかなくなり、2007年のルーマニアとブルガリアの加盟によりその数値はさらに下がった。そのような中で、EU域内の労働移動を自由にすれば、東欧の低賃金労働者が豊かな西欧諸国に殺到し、後者の実質賃金を押し下げることになる。英国政府が国境を管理できなければ、実質賃金の下落を止めることは不可能なのだ。英国の労働者層がEU離脱に票を投じたのも無理からぬ成り行きであった。

グローバリゼーション推進が生んだトランプ現象

米国でも同様の現象が起きていた。

1990年代以降、米国の戦略目標は、グローバリゼーションの推進であった。1994年に米国、カナダ、メキシコの間で発効したNAFTA(北米自由貿易協定)も、その一環である。

メキシコでは、NAFTAに加盟した結果、米国から安価なトウモロコシが流入し、農業が壊滅するにいたった。そして、困窮した地方のメキシコ人たちは不法移民として大量に米国に流入し、米国の労働者層はメキシコの不法移民によって職を奪われたと強い不満を抱いた。だから、NAFTAを見直し、メキシコとの国境に壁を築くというトランプの主張は、労働者層の強い支持を得たのである。

1990年代の米国は、中国に対しても、グローバル経済への統合を支援するという戦略を進めていた。中国を経済的な相互依存関係の中に絡めとり、グローバルなルールの下に服させれば、米国主導のアジア太平洋の秩序を認めさせることができると考えたのである。この戦略に基づき、米国は、中国の世界貿易機関(WTO)への加盟を後押しした。

だが、その結果、中国からの安価な製品の輸入や中国への企業の進出が拡大し、米国人の雇用が失われることとなった。1999年から2011年の間の中国からの輸入によって、米国の雇用は200万人から240万人ほど失われたと推計する研究もある。

問題は、NAFTAやWTOに限らない。この20年間、グローバリゼーションが進められたことで、英米をはじめとする先進諸国の実質賃金は伸びなくなり、労働分配率は低下し、格差は著しく拡大した。米国民の多くがTPP(環太平洋経済連携協定)を支持しなくなったというのも、何ら驚くに値しないのだ。

さらに金融のグローバリゼーションが進んだことにより、金融市場はバブルとその崩壊を繰り返すようになり、しまいには2008年のリーマン・ショックを引き起こした。それ以降、世界経済は「長期停滞」と呼ばれる不況に陥っている。

2008年以降、世界の国内総生産(GDP)に占める世界貿易の比率は横ばいで推移している。これは、戦後最長の停滞である。GDP比でみた海外直接投資のフローも、2007年以降、著しく低下し続けている。世界経済の景気動向を示すバルチック海運指数は、2016年に、1985年の算出開始以来の最低値を更新した。


いずれの指標も、グローバリゼーションが終焉したことを示しているのである。

にもかかわらず、エスタブリッシュメントは、なおグローバリゼーションを疑わず、あまつさえ、それをさらに推進しようとしている。それでは、深い閉塞感に陥った米国民がトランプのような人物に救いを求めるしかなくなっても当然ではないか。

なお、TPPの挫折をもって自由貿易体制の崩壊だと騒ぎ立てるのは早計である。TPPが発効しなくとも、環太平洋はすでに十分に自由貿易体制だ。米国の民意が拒否したのは、自由貿易体制そのものではなく、エスタブリッシュメントが過剰に進めたグローバリゼーション(TPPはその象徴)なのだ。

「強兵」なき「富国」を夢見ることができた時代は終わった

グローバリゼーションは経済的繁栄を約束しないというだけではない。それがより平和な世界をもたらすというのも間違いである。

大統領選の最中のトランプは、米国はもはや「世界の警察官」たり得ないと訴え、日米同盟の見直しにも言及して、わが国を震撼させた。だが、これもグローバリゼーションが招いた結果なのである。

すでに述べたように、グローバリゼーションは米国の経済力を弱体化させるものである。他方、軍事力を支えるのは経済力だ。経済力が衰えるならば、米国の軍事力も弱まり、「世界の警察官」たり得なくなる。

しかも、グローバリゼーションは米国民の豊かな生活を約束しないのである。ならば、米国民が多大なコストを負担してでもグローバルな秩序を守ろうという動機を失って当然であろう。

グローバリゼーションが「富国」をもたらし、「強兵」を不要とするはずだというエスタブリッシュメントのコンセンサスは、こうして破綻を露呈したのである。

さらに悪いことに、2000年代の中国は、米国の支援によってグローバル経済に統合されたのを利用して、まんまと輸出主導の高度経済成長を達成するとともに、年率2ケタ台のペースで軍事費を拡大した。中国は「富国強兵」を実践したのである。

その結果、アジアにおける米中間のパワー・バランスが崩れ始めた。それがまさに、中国による東シナ海や南シナ海への攻撃的な進出として現れているのである。そのアジアにおける危険な地政学的変動の只中に、わが国は置かれているのだ。

「強兵」なき「富国」を夢見ることができた時代は過去のものとなった。われわれは、再び「富国強兵」に否が応でも取り組まなければならないのである。
http://toyokeizai.net/articles/-/145294


2016.12.07
内田樹の研究室 『赤旗』インタビューロングヴァージョン

『赤旗』の12月4日号にインタビューが載った。
記事には書き切れなかったこともあったので、以下にロング・ヴァージョンを掲げておく。

―トランプが勝つと予想していましたか。

まさか。けっこういいところまでゆくだろうと思っていましたけれど、僅差でヒラリーが勝つと思っていました。実際、200万もヒラリーの得票の方が多かったわけですから「アメリカ人はヒラリーを選ぶ」という予測は間違ってはいなかったわけです。選挙制度のせいで、得票数の少ない方が大統領になってしまった。僕はヒラリーが別に好きじゃないけど、トランプは何をしでかすかわからないから怖いです。現段階ではアメリカの国際的な威信が地に落ちるだろうということしかわからない。


―トランプ勝利の背景に何があったのか。日本共産党は、第j回大会決議案で、アメリカ社会はグローバル資本主義のもとで格差と貧困が広がり、深刻な行き詰まりと矛盾に直面しており、トランプ勝利はそのひとつの反映にほかならないと指摘しました。

中西部の製造業で働く人たちが雪崩を打ってトランプに投票した。中産階級の没落と格差の拡大が、今回の投票行動に関与した最大の要因だったと思います。一握りの巨大多国籍企業や最富裕層に富が集中し、階層分化が極限化していくグローバル資本主義がついに限界に達した。トランプ登場はその断末魔の痙攣みたいなものじゃないですかね。

もちろん、グローバル資本主義の欠陥を補正できる手立てをトランプが持っているわけじゃない。たぶんトランプ政権下で、格差はさらに拡大し、トランプを支持したブルーカラーの生活はさらに苦しくなると思います。

でも、トランプはその「諸悪の根源」を資本主義システムではなく、ヒスパニックやイスラム教徒に転嫁することで本質的な問題を隠蔽した。排外主義的なイデオロギーを煽り立て、国内外に「アメリカをダメにした」元凶を見つけるように仕向ければ、失政が続いても、支持層の不満をしばらくの間はそらすことができるでしょう。


―日本でいえば、橋下・維新の手法や期待に似ていますね。

そっくりです。やることは洋の東西を問いません。体制の「不当な受益者なるもの」を特定して、これが「諸悪の根源」なので、これを排除すればすべての問題は解決するというデマゴギーです。攻撃する対象がユダヤ人なら反ユダヤ主義になり、対象が移民なら排外主義になる。大阪の場合は、公務員・教員・生活保護受給者などを「受益者」に仕立てて、それを攻撃して市民たちの不満をそらした。


―ヨーロッパでも同じような動きが生まれています。


ヨーロッパ諸国でも、次々と極右政治家が登場してきています。その前提になっている歴史的条件は「グローバル資本主義の終わり」ということです。

グローバル資本主義によって、世界はフラット化し、資本・商品・情報・人間が国境を越えて高速移動するようになった。グローバル化に適応できない人たち、高速移動できるような社会的機動性を持っていない人たちは下層に脱落した。

製造業の工場労働者が典型的ですけれど、特定の業種に特化した技術や知識で生計を立て、生まれ故郷の地域社会で暮してきた人は、グローバル化した世界では、それだけの理由で下層に振り分けられる。両親や祖父母の代までだったら「まっとうな生き方」をしてきたのに、まさに「まっとうな生き方』をしてきたという当の理由で下層に格付けされることになった。不条理な話です。ですから、彼らが「アンチ・グローバル化」に振れるのは当然なんです。

でも、彼らが選択した「アンチ・グローバル化」はさまざまな人種や宗教や価値観が相互に敬意をもって距離を置き、穏やかに共生するという方向には向かわなかった。そうではなくて、「自分たちさえよければ外の世界なんかどうなっても構わない」という偏狭な自国第一主義に向かっている。


―アメリカではサンダース現象が起き、世界中で格差と貧困をなくす運動が広がり、日本では市民革命的な動きが起きています。

あまり語られることがありませんが、19世紀までのアメリカは社会主義運動の先進国の一つでした。東欧ロシアからの社会主義者が19世紀末からアメリカに群れをなして移民していったんですから当然です。カール・マルクスでさえ青年期にはテキサスへの移住を夢見ていた。それくらいに当時のアメリカはヨーロッパに比べると自由で開放的な社会に見えた。けれども、ジョン・エドガー・フーヴァーのFBIの偏執的な反共活動と、1950年から54年まで猛威をふるったマッカーシズムによって、アメリカ国内の左翼運動はほぼ根絶されてしまった。

その「左翼アレルギー」もソ連崩壊、中国の「資本主義化」による「国際共産主義運動の終焉」によって「敵」を失った。サンダースの登場はアメリカ社会が70年に及ぶ「反共」のファンタジーから覚醒して、現実を見るようになった兆候だろうと思います。

いずれにせよ、トランプの登場によって、私たちがどのような歴史的転換点にいるのかはっきり可視化されました。グローバル資本主義の終りが始まったということです。

脱グローバル化は政治過程でも、経済活動の過程でもこれから必然的な流れとなるでしょう。この流れは市場の飽和と人口減という一国の政策レベルではどうにもならない人類史的条件の所産ですから、抵抗することができない。私たちにできるのは、「グローバル資本主義の終わり」をソフトランディングさせるための具体的な手立てを考えるだけです。世界中の人々が衆知を集めて知恵を絞るしかない。

そのような歴史的局面にあって、日本の反=歴史的な暴走だけが異常に際立っています。世界は脱グローバル化局面にどう対処するか考え始めたときに、今ごろになってグローバル化に最適化すべくすべての社会制度を変えようとしている。自分たちがどういう世界史的文脈の中にいるのか、日本の指導層はまったくわかっていない。何が起きているのか理解しないままに「アクセルをふかして」突っ込んでゆく。

安保法制、改憲、原発再稼働、TPP、南スーダン派兵、カジノ合法化、どれをとっても「なぜ今そんなことを慌ててやらなければいけないのか」理由がわからないことばかりです。

安倍首相自身は主観的には「最高速でグローバル化に最適化している」つもりなのでしょう。たぶん「慌てる」ということが「グローバル化」だと思っている。TPPがよい例ですけれど、先行きの見通せない国際情勢の中で「慌ててみせた」ことでいかなる国益を確保できたのか。

これから先の政治的な対立軸はそこに置かれるべきだと思います。

暴走する政治を止めて、とにかくいったん立ち止まる。今世界では何が起きているか、世界はどこに向かっているかを見つめる。先行きが見通せない時に、アクセルをふかして暴走すれば事故を起こすに決まっています。こんな政治をいつまでも続ければ取り返しのつかないことになる。「暴走」か「スローダウン」か。政治の対抗軸はそこだと私は思います。

国際情勢の変化と「脱グローバル化」に振れている市民感情を適切にとらえられれば、野党共闘が次の選挙で安倍政権を追い落とす可能性は十分にあると思います。
http://blog.tatsuru.com/

どうやら日本には、「保護主義」を忌み嫌うパブロフの犬がたくさん居るようです。
2017/01/24 FROM 藤井聡@内閣官房参与(京都大学大学院教授)

トランプ大統領の就任演説における最大のエポックは「保護主義」の姿勢を大統領として鮮明にした点にあります。

実際、アメリカの大手ニュースメディアCNBCは、次の様なヘッドラインでトランプ就任演説を報じています。

「Trump inauguration speech:
   ’Protection will lead to great prosperity and strength’」
トランプ就任演説:
‘保護主義こそが偉大な繁栄と強さにつながる’ 」

http://www.cnbc.com/2017/01/20/donald-trump-were-transferring-power-from-washington-back-to-the-people.html

この「保護主義」(※ NHKの全文訳より)を主張したたった一つのセリフがヘッドラインを飾ったその背景には、現代のアメリカはそもそも、(少なくともタテマエの上では)自由貿易主義を掲げ保護貿易を蛇蝎のごとく忌み嫌い続けた、という歴史的事実があります。

そのアメリカ大統領が、就任演説にて保護主義を前面肯定したわけですから、もうそれだけで大きなニュースになる、という次第です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170121/k10010847631000.html

ところが、日本では、このセリフは全く取り上げられませんでした。

新聞各社はこぞって、「アメリカ第一」(America First)を見出しに掲げた一方で、「保護主義」という言葉をほとんど用いなかったのです。

それどころか、あの天下のNHKが最初に公表した「演説全文訳」では、「Protection will lead to great prosperity and strength」というセリフがすっぽりそのまま抜け落ちるほど、軽視されていたほどでした。

ちなみにこれは、「軽視」というよりも「隠蔽」と言うに相応しいほどの対応。詳しくは、下記をご参照ください。
https://www.facebook.com/Prof.Satoshi.FUJII/posts/959135840854026?pnref=story

なぜ、日本のメディアは「保護主義」という言葉を、忌避し続けたのでしょうか?

その背景には、「ポリコレ」の影がちらつきます。

つまり、「保護主義」という言葉は「悪」を意味するもので、これを使うのは、政治的に(つまりポリコレの視点から)望ましくない――という空気が、言論空間を支配していたが故に、そういう空気に敏感なメディア界の「インテリ」達は、意識的か無意識的かはさておき「保護主義」という言葉を使うことを回避してしまっていた、という次第です。

一方で「アメリカ第一」は、ポリコレ棒にはひっかからない言葉。そもそも「アメリカ第一」なんてアメリカ大統領であれば当たり前の主張で、そんなものは何も驚くに値しません。そもそも、日本だって蓮舫の二重国籍があれだけ大問題となったのも、政治家たる者「日本第一」の姿勢が絶対的に求められているからに他なりません。

かくして、日本のメディアでは、差し障りのない「アメリカ第一」が見出しを飾る一方、差し障りある「保護主義」という言葉は、全文翻訳からすら削除される程に忌避され、隠蔽されたという次第です。

――ただし、よくよく考えれば、この「保護主義」は、決して滅茶苦茶なエキセントリックな過激なものでもなんでもありません。

そもそも貿易政策の方針を

  保護貿易 < − − − − − −> 自由貿易

の二元論で考えるとするなら、完全な「保護貿易」の国も、完全な「自由貿易」の国も、この世には存在する筈はありません。

保護にも自由にもそれぞれメリットデメリットがあるのですから、「超極端国家」は、捨て去った一方の考え方のメリットを受けることができず、結局は、大きく衰退せざるを得なくなるからです。

自由貿易のメリットは、自由な交換を通して、各国の長所短所を補いながら、万国が世界中の財やサービスを共有でき、より強い国のより強い産業がさらに発展していくところ、にあります。そのデメリットは、それが過剰になれば、弱肉強食が横行し、より弱い国のより弱い産業が育成できなくなると同時に、雇用が失われ、挙げ句に需要が縮小してデフレ化していくところ――にあります。

一方で、保護のメリットとデメリットは、ちょうどその「逆」になります。

だとすれば、それぞれの国の繁栄、さらに言うなら、世界の繁栄のためには、状況に応じた保護と自由の「バランス」が必要だ、ということになります。

(※ 折りしも、世界的な需要不足が指摘され続けている今日、デフレ圧力を高める「自由」に修正を加え、幾分「保護」を重視する方向に舵を切るのは、極めて理性的な当たり前の対応だと言うことすらできます)

いずれにせよ、保護が悪で自由が善であるわけでもなく、保護が善で自由貿易が悪、というわけではないのです。

もしも「善」があるとするなら、「保護と自由のバランス」こそが「善」なのであり、「保護と自由のアンバランス」「保護の過剰」「自由の過剰」こそが「悪」だ、ということになります。

この様に考えれば、今回のトランプの「保護主義」の宣言は、「保護と自由のバランス」において、「過剰」な自由貿易に「修正」を加えて「保護貿易」を幾分重視する側にリバランスを図ろうとする宣言だ、というものであるという実態が浮かび上がります。

そもそも、トランプとて完全な鎖国をするとは一言も言ってはいません。NAFTAをはじめとした様々な貿易協定を、一つずつ「見直す」と言っているに過ぎないのですから。

・・・・にも拘わらず、ここ数日テレビを見ていると、我が国の多くのコメンテーターが、

  「トランプの保護主義は危険だ」

という論調を口にし続けています。

そんな通り一遍のコメンテーター達の態度に「辟易」してしまうのは、筆者だけではないと思います。どうやら、彼らにしてみれば、

(1)トランプのマスコミや論敵に対して、ツイッター等を用いて悪態をつく行儀の悪い態度、

を批判するのとまったく同じ調子で、

(2)トランプの保護主義という行儀の悪い下品な主張

を批判する、というのが、「インテリとして望ましいふるまいと思われるのだ」と思っている節があります。

当方はもちろん、(1)については大いに批判すべきだと考えています。

(1)のツイッター政治は、それを「肯定」する論調が(かつてそれを振り回していた方から)一部主張されてはいるようですが、
https://twitter.com/t_ishin/status/822380771247669250
こういうツイッター政治を「放置」しておけば、政治権力者の横暴につながるのは必至です。

しかも、こうしたツイッター政治がまかり通るようになれば、「邪心」を持った人々がツイッター政治家にすり寄り、議会や法律をすっ飛ばしてその政治家を使って、世の中をその「邪心」に基づいて動かすようになるのもまた、必定です。だから、度を越した(1)の態度には、常に批判を差し向け、その暴走を食い止めることが必要なのですが――まぁ、これは常識の範囲。

したがって、この(1)を否定する風潮それ自身には、(その動機はさておき)同調はできるのですが、だからといって(2)の保護貿易の論調もついでに非難するのは、あまりにも短絡的。

繰り返しますが、「保護貿易が悪」なのではなく、「保護と自由のアンバランス」や「過剰な保護」「過剰な自由が悪」なのです。だから、トランプの「保護貿易」の主張を批判するなら、「現状に過剰な保護貿易が存在し、それによって、公益を大いに棄損している」ことを説明する義務があるのです。

ですが、彼らは絶対にそういう批判をすることはありません。彼らはただ単に、条件反射的に、つまり、

  「パブロフの犬」

の様に「保護貿易=悪」の図式で反応しているに過ぎません。

このままでは、日本と日米、世界を豊かにする「貿易政策」を議論することが不可能となってしまいます。

自由貿易に正義があるように、保護貿易にも正義があるのです。
同時に、保護貿易に不正義があるように、自由貿易にも不正義があるのです。

トランプ勝利という現象を、多面的に解釈しない限り、日本の繁栄や、日米の繁栄、そして世界の繁栄を育む貿易政策を議論していくことそれ自身が不可能となるでしょう。

私たちは如何なる政治的課題についても、「パブロフの犬」になることだけは避けねばならならないのです。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2017/01/24/fujii-233/


「日本第一主義」時代の幕開け。なぜグローバリズムは死んだのか?=児島康孝 2017年1月26日
http://www.mag2.com/p/money/31930

米国におけるトランプの勝利は、私に言わせれば「国民の生活実感がもたらした当然の結果」です。グローバル化はなぜ失敗したか?巷の評論家が見落としている点を解説します。

奥手な日本は今こそ「ジャパンファースト」に舵を切るべきである


自国民の保護に乗り出した英国と米国

英国と米国ともに、グローバル化よりも「自国民の保護が第一」という判断です。先進国の状況はというと、日本は貧困化し、EUという域内グローバル化を進めた欧州は当初の理想から大きく離れて大混乱。トランプ大統領による「雇用重視」への政策転換は、こうした中で起きました。

理論上は、正しいようにみえる「グローバル化」。コンサルタントや評論家はバラ色の「グローバル化」を主張しますが、これは間違いであったのです。問題はどこにあったのでしょうか。


巷の評論家は「雇用」を考慮していなかった

グローバル化の推進論者は、各国が得意分野に集中することで生産性が上がり、世界は良くなると主張します。一番良いものが、一番安い価格で買える社会です。まさに「そのとおり!」と短絡的に思いそうですね。

しかし、これには大きな誤りがあります。グローバル化は、各国の国民の収入がそのまま(あるいはそれ以上)で、雇用もそのままということが前提になっているのです。

なぜ、これまで多くの人がこの誤りに気が付かなかったのでしょうか? それは、こういう理由です。

ある「物」の値段が、ある国から輸入されることで、100円だったものが80円になったとしましょう。

100%→80%(20%のディスカウント)

食料品でも雑貨でも、こうしたことは日常的に起きていますね。安く買えると、大助かりですね。

一方、雇用は、デフレで給料が8割になったとか、そういうことではありません。雇用を失えば「収入ゼロ」です。

100%→0%

これにともなって、例えばすべての買い物の価格も同様にゼロになれば問題ないのですが、そういうことはあり得ません。つまり、物の価格が2割安とかになる一方で、収入はゼロ(10割安)とか、再就職や派遣労働で収入が3割(7割安)ということが、日常的に起きたわけです。

これをみますと、グローバル化で物の値段が安くなったメリットよりも、雇用の損失のほうがはるかに大きいことがわかります。

物の価格は「下方硬直性」があって、2割安とか3割安にはなるものの、ゼロにはならない。スーパーで、商品をゼロ円で販売していることはありません。一方、雇用はゼロになり、再就職で7割安とか8割安になるということです。雇用に関しては、下方硬直性がないのです。

これが、コンサルタントや評論家たちが、グローバル化(=デフレ傾向)で見落としている点です。なので、米国民がトランプ大統領に投票したことも、一般国民の生活実感からすれば当然ということになります。

賃金には下方硬直性がない

ちなみに、物の価格の下落分と、雇用喪失分(人件費削減分)の差は、どこに消えたのでしょうか? これは、グローバル企業の内部留保と、途上国の賃金アップに流れたわけです。

先進国では、雇用がなくなれば、景気悪化と政府の社会保障費増加が起こります。さらに、グローバル企業と途上国の賃金アップが進みます。

途上国の生活コストは安く、また先進国並みの物価になるには時間がかかります。一方、先進国では、雇用を失っても、途上国のような物価にまではなりません。

物価の下方硬直性。これがグローバル化をめぐる議論のカラクリです。難しい理論よりも、実際の生活実感の方が正しいわけです。昔の経済アナリストなどでも、賃金の下方硬直性を信じている人がいます。しかし現実は、物価の方に下方硬直性があり、賃金には下方硬直性はないということです。


なぜ、トランプ政権は「アメリカ第一主義」を実行できるのか

トランプ政権が本格始動し、雇用増加の施策・行政手続きの簡素化などを進めています。実は、日本も、経済分野での「日本第一主義」を進めることが可能なポジションにいます。「日本第一主義」というと軍事面を想像しそうですが、ここでは「経済分野」の話です。

ところで、トランプ政権の「アメリカ第一主義」は、なぜ可能なのでしょうか。その理由は、大きな消費市場をアメリカ自身が持っているためです。いわば、巨大な買い手であるわけです。

最近のアメリカは、グローバル化とか自由貿易という名目があり、大きな買い手の力をうまく活かすことができていませんでした。たくさん買っているのに、自身の雇用は失われ、中間層消失と貧困化が起こっていたのです。「これはおかしい」ということで、政策転換をしたわけです。

実は「日本」は有利なポジションにいる

では、日本の立場はどうなのでしょう。これまでは貿易摩擦とか、守りの一辺倒ですね。

GDPを見てみましょう。日本のGDPは、1990年代には、アメリカに追いつく勢いでした。しかし、その後は世界の経済成長の趨勢(すうせい)に取り残され、あっという間にポジションが低下しました。

1995年→2000年→2005年→2010年→2014年
(名目GDP、米ドル、単位100億ドル、総務省HPより)

日本:534→473→457→551→460

アメリカ:766→1028→1309→1496→1734

中国:73→120→229→600→1043

アメリカの4分の1、中国の半分というのが、最近の日本の姿です。

しかし、世界の経済成長に落ちこぼれたとはいえ、絶対額では欧州のドイツやフランスなどより上ですし、英国よりも上です。

1995年→2000年→2005年→2010年→2014年
(名目GDP、米ドル、単位100億ドル、総務省HPより)

日本:534→473→457→551→460

イギリス:123→155→241→240→298

ドイツ:259→194→286→341→386

フランス:160→136→220→264→282

イタリア:117→114→185→212→214

こうした立場は、経済の「日本第一主義」に非常に向いているのです。この「日本第一主義」は、雇用創出です。つまり、これまで日本が苦手だったり考えもしなかったこと、日本の巨大な消費市場を活用するということです。

手続きの簡素化など、外国企業の活動に便宜をはかる一方で、トランプ政権のように、こう言えばよいのです。
◾「これだけ日本市場で儲けてますね」
◾「生産拠点の一部でも、日本に移してもらえませんか」
◾「包装やパッケージだけでも、結構です」
◾「どれだけ、日本人を雇用していますか?」
◾「日本の業者に発注していますか?」

巨大な日本の消費市場で儲けている外国企業に、このように声をかけていけば良いということです。

買い手の力は強いです。発想だけ転換すれば、このようにして大量の雇用を生み出すことは可能です。日本人的には、「そんないやらしいことはできない」という感覚でしょう。しかし、外国はこうしたことを平気でやります。かつて日本が貿易摩擦で苦労したのとは、全く逆の話です。


日本は「日本の巨大な消費市場」の力を活用せよ

これは、日本が、外国人観光客の集客が苦手だったのと似ています。今でこそ積極的に外国人観光客を集客していますが、かつての日本は、海外旅行には行っても、外国人が日本に来ることは考えもつきませんでした。

これと同様に、日本の巨大な消費市場の力を活用することはほとんど考えつきません。巨大な消費市場を活用して、日本での雇用を生み出す。これは買い手のパワーがありますので、極めて有利です。これは、落ちぶれたとはいえ、いまだに世界有数のGDP・消費市場を持つ「日本」だからこそできる、向いている方法です。

「今さらアメリカに工場を戻しても」論の誤り

大手メディアでは、今さら製造業の拠点をアメリカに戻しても仕方がない、コストが高くつくだけという論調が多いですね。かえって消費者が高い商品を買うことになるだけ、とも。でも、商品価格の何割かの下落よりも、雇用の価値の方が大きいという話は先に述べた通りです。

「今さら製造業をアメリカに戻しても」論は、コンドラチェフサイクルで「技術革新の時代」に入りつつあることも関連してきます。

IT・AI分野で世界を独走するアメリカに、製造業の拠点を移すと何が起きるのか。想像もつかない、IT・AIと製造業の融合、新商品などが出てくる可能性があるのです。

例えば自動車業界では、電気自動車がこれまでの自動車産業を大きく変える可能性が出てきています。電気で動く仕組みに変わりますと、これまで重要だった部品がいらなくなったり、簡単なつくりでよくなったり、大きく変わります。自動車の「家電化」もあり得るわけです。そこに、ITやAIが結びつくと…。これまで途上国で低コストで従来通りに製造していた方法が、一挙に変わるかもしれないのです。

「今さら論」は、現状の延長線上が前提

「今さら論」は、これまでと同じ自動車を同じ方法でつくるということが前提になっています。このまま何も変わらないので、安くつくる方が良いに決まっているという発想です。

しかし、未来が現状の延長線上にあるとは限らず、想像以上の技術革新が起きる時代へと移ってきています。こうして考えると、アメリカに製造業の拠点を置くことは、マイナスではないということになります。それなりのメリットが出てくるはずです。

金融に例えますと、NYはオフィス賃料が高いですが、世界の金融系企業はNYに集まっています。コストだけ考えれば、田舎に会社をつくったほうが安いですよね。しかし、そうはなっていません。都会の方がメリットがあるので、NYに集まるのです。

ですから製造業も、ITやAIの技術革新が目覚ましいアメリカに拠点を置くことで、想像外のメリットが出てくる可能性が高いのです。





http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/704.html#c22

コメント [原発・フッ素48] コメント34 完全(初期非表示キング)(茶色のウ◯コ)外伝 学校給食のベクレル(飲膳時)を調査するには? 知る大切さ
3. 知る大切さ[8524] km2C6ZHlkNiCsw 2017年5月23日 07:03:17 : rXmQVSTR26 : wmfWUboB@Eg[4358]
 2013/09/21の【デマ散人】のポエムが下記。

ーーーーーーポエマーデマちゃんーーーーーーーー
私は自身は科学者ではないが、あるサークルを通じて、多くの専門家と知りあっていて、その人達およびその人達の周辺にいる専門家の大部分が、今の放射能騒ぎをまったく相手にしていないことを知っていました。今も知っています。また、私は、そういう放射能騒ぎを否定する私の意見を、誰はばかることなく自由に展開できる「場所」を持っていました。

 「阿修羅」も、それ自体は人口100人かそこらの閉ざされた「放射能ヒステリー病院の待合室」のようなものですが、そこへの投稿を通じて、「社会的発言」を行ってきた気分にもなれました。

 そろそろ素人である私の出番は終わり、プロの本当に科学的な説明が大衆に受け入れられる状況が近づいていると私は思います。今まで、科学的無知と正面から戦ってきた科学者が偉大であることはもちろんですが、沈黙してきた大部分の科学者は卑怯でも何でもありません。今は出来るだけ多くの資料を温存し、出来たら「阿修羅」のデータは全部保存して、反撃の時期に備えて下さい。

ーーーーーーーポエマはここまでーーーーーー
2013のデマちゃんこと【デマ散人】

確かに【デマ散人】は2017自らの行いで用済み扱いだ。
デマが信じる科学者は全くやってこなかったけどね。

未だに未練タラタラでいつですか?年々後ですか?
そうでうすか?の芸風で細々食い繋いでいるけどね。
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/145.html#c3

コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
9. 2017年5月23日 07:03:31 : Mi9duAnuac : 3t@6s0It9ec[13]
>出所の不明な怪文書

出所不明なのに、なぜか流した人物はわかってて官邸は一生懸命攻撃している不思議

ところでネトウヨは「出所不明」を繰り替えすように上から指示されているのでしょうか?
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c9

コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
4. 2017年5月23日 07:04:29 : 4BEw1pJ3kg : fr3b_SGFWFY[183]
>国民の最大の敵は国民である!

こうゆう空虚であるのに扇情的かつ「陳腐」なタイトルを
平気で掲げる人、書いてる中身は何の新味もないのに
売り込みたいのね。

内部対立をあおるっていうのは
一つの戦術だからね、悪意のある人にしかできないよ。
もし無意識につけたというなら、
ものを書く人間として未熟だ。

>つまり追求にブレーキをかける人間は、日本国民ではあっても
>立場は一般の市民と全く違うということです。

>こうした一般市民ではないプロ市民の政権擁護が最近目立つよう
>になってきました。

こんなふうにに書いてるのなら
「プロ市民に気を付けよう」とでも題しておけばいいものを。

あ、そうか、プロ市民はどちら側にもいるからかい。
じゃぁ、もっと端的に、
「権力の手先に気を付けよう」
で良かったんじゃないの?

なに、それじゃ当たり前すぎて注目されないってか?
何考えてんだか、そもそも注目しなきゃいけないような中身書いてないくせに。
やっぱり陳腐な手を使ってんじゃん、
カワイソーな人なんだね。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c4

コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
44. 歯磨き右近高山[1003] jpWWgYKriUWL342CjlI 2017年5月23日 07:07:36 : iZqFpUrjGM : bd8Efuw8RvU[3]
>>38さんに拍手を送ります‼

媚米棄民党こそがterroristに口実を与える性痔を推進している❗
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c44

コメント [政治・選挙・NHK226] 政府が、最も国民に聞かせたくない演説はこれだ!安倍が青ざめた山本太郎の褒め殺し。 赤かぶ
20. ジョンーk[19] g1eDh4OTgVtr 2017年5月23日 07:07:52 : 8NoF0bsPJc : @nPGDYlNcnU[2]
加計孝太郎って岸の身内なんだ〜。どうもこのことを知ってる人は多いらしい。これなら当然内閣はぶっ飛ぶな。知ってた人の中にまさかカゴ池氏は含まれないだろうな?だから遠まわしにまず森友出したような気もする。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/154.html#c20
コメント [政治・選挙・NHK226] 小沢一郎も呆れていた 共謀罪採決で“泣き言”の無能野党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
45. 2017年5月23日 07:12:48 : CPekk2cGjY : IoFPC1_zQ74[8]

国粋主義だと言ったり、媚米だと言ったり^^

いい加減な評価だな^^
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/198.html#c45

コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍官邸が文科省前事務次官の「加計学園文書は本物」実名証言ツブしの謀略! 読売と週刊誌に“出会い系バー通い”リーク  赤かぶ
6. 2017年5月23日 07:13:03 : Mi9duAnuac : 3t@6s0It9ec[14]
ネトさんも焦っているねえ
意味不明の成りすましを続けている
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/210.html#c6
コメント [原発・フッ素48] 政府のウソにダマされているあなたへ、ドイツの番組「フクシマの嘘」を紹介します。(お役立ち情報の杜(もり)) 赤かぶ
3. 2017年5月23日 07:15:10 : dLrC5DHnzU : YrZbvNV_JTo[1]
ドイツを持ち上げてるのは日本の支配層の太陽光発電推進マフィア

フランスから原子力発電で作られた電力を購入している事実をさりげなく無視又は隠蔽、
おまけに、国内に原子力発電所9箇所を非常時用に保持してる事実を完璧に無視。

しかも8基運転中という事実には絶対に触れない

マスゴミのドイツ上げがウザイ、ドイツのジーゼルは綺麗、日本人がガソリンエンジンに偏重するのは
無知だからだと、さんざん叩いたが、結果はどうだった? 
ドイツ他、酸性雨他の酷い環境悪化に苦しんでる、ざまあみろ!徳大寺w

こんどは、電力も同じ轍を踏むだろうw
これはドイツ人の根本的な欠点に思える、異様な自信過剰、人種偏見、一見合理主義に見える
行き過ぎた統制主義、あいまいさを許せない規律への傾倒。
ルーズさを許容できないことは軋轢を生む原因。
EUの破綻は決定事項、これもドイツ人の許容性の無さが最大の原因だ。

ドイツ人は親分肌ではなくて孤高の研究者タイプなのだ、自分を知れ。
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/150.html#c3

コメント [政治・選挙・NHK226] 天皇退位は、恒久法で対応すべきなのだ。(かっちの言い分) 笑坊
2. 2017年5月23日 07:18:15 : PYK6AsiOLs : 9aVBgHWUTKk[2]
一般国民が”有識者の特例法有りき”、に
違和感を感じて恒久法制定を、と回答している。

人間の死生観を「有識者とァヘ」が否定したと
受け止めた回答と見るのが妥当。

強行採決に持ち込む事は、国民大多数をないがしろに
する所行と理解出来ない政権に存続は不可能だろう。



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/209.html#c2

コメント [原発・フッ素48] 東京・世田谷区立中学校の健康診断でクラスの半分以上が甲状腺腫の疑いありと診断された  魑魅魍魎男
69. 2017年5月23日 07:18:34 : dLrC5DHnzU : YrZbvNV_JTo[2]
>>65
ついに魑魅魍魎男逮捕か
胸熱だな
早く顔写真を見たいぞ
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/142.html#c69
コメント [政治・選挙・NHK226] ロイター:安倍政権が国連特別報告者に抗議の英文記事。  赤かぶ
2. 乳良〜くTIMES[311] k_uXx4Fggq1USU1FUw 2017年5月23日 07:21:18 : iZqFpUrjGM : bd8Efuw8RvU[4]
リットン調査団を彷彿とさせる……とは上手い例え。

「人権抑圧法」を海外から批判されても、

「人権問題」なんだから、「内政干渉」なんて、「盗人猛々しい」科白を抜かすのは通用しない。それは「逆ギレ」。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/214.html#c2

コメント [原発・フッ素48] 政府のウソにダマされているあなたへ、ドイツの番組「フクシマの嘘」を紹介します。(お役立ち情報の杜(もり)) 赤かぶ
4. 2017年5月23日 07:27:19 : dLrC5DHnzU : YrZbvNV_JTo[3]
ドイツがEUの枠組みにこだわるのは、
自国優位な金融政策を維持できることと、
電力の変動を補うバッファー分の安定電源を他国に依存できることもあるわけ。
リスクを他国が担うしかけとして、EUが堅牢でなければいけない理由が
ドイツにはあるのね。
フランスやチェコ、ハンガリー、ポーランドなど周辺国の原発や火力最初からあてにしてる。
それ以前にドイツ自体が原発や石炭火力依存から脱却できていない。
脱原発と言うならフランスやチェコの電気買うなよ。
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/150.html#c4
コメント [政治・選挙・NHK226] <ヤバすぎ>菅官房長官が国連に抗議!「共謀罪に関する国連書簡は不適切なものだ」⇒ネット「マジで国連脱退しそう」 赤かぶ
8. 2017年5月23日 07:32:49 : Zr1pTXUXzA : rXJnTZnoO0k[4]
共謀罪で逮捕するなら、1番に自民、公明、維新の国会議員だろう。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/211.html#c8
コメント [政治・選挙・NHK226] <本末転倒>山佳奈子教授が指摘「共謀罪ができると、国際組織犯罪防止条約への日本の参加がスムーズに行かなくなる可能性」 赤かぶ
2. 2017年5月23日 07:36:35 : PYK6AsiOLs : 9aVBgHWUTKk[3]
>山佳奈子教授 

−が、指摘したのは、

 「国民をテロ攻撃する国家」は、つまり
 国際組織犯罪防止条約への参加を拒否されますよ

 と言っているわけだ。現政権の対応から見るにつけ
 国連とすれば当然そのように処理するとの想定は

 当たっている。
 
 
 
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/217.html#c2

コメント [政治・選挙・NHK226] すごいぞ、松本人志!「いいんじゃないか」「冤罪が多少あってもプラスになる」と、法案の中身もろくすっぽう知らないまま共謀罪 赤かぶ
2. 乳良〜くTIMES[312] k_uXx4Fggq1USU1FUw 2017年5月23日 07:38:02 : iZqFpUrjGM : bd8Efuw8RvU[5]
「冤罪」っていうのが「国家の犯罪」として、許せない事である事を知らないバカが「TVで羽振りが良い」だなんて、日本も末だね。


盛山正仁 Die偽氏は、「一般の人も関係に成り得る」と知りながら、「棄民党の党議拘束」により賛成票を投じるのか。

「良い憲法改正」が必要だろうけれど、「党議拘束を禁止」出来ないもんかね。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/215.html#c2

コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
10. 2017年5月23日 07:40:24 : PYK6AsiOLs : 9aVBgHWUTKk[4]
9さんコメント、グットジョブ。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c10
コメント [政治・選挙・NHK226] すごいぞ、松本人志!「いいんじゃないか」「冤罪が多少あってもプラスになる」と、法案の中身もろくすっぽう知らないまま共謀罪 赤かぶ
3. 乳良〜くTIMES[313] k_uXx4Fggq1USU1FUw 2017年5月23日 07:41:53 : iZqFpUrjGM : bd8Efuw8RvU[6]
訂正。

×許せない

○断じてあってはならない
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/215.html#c3

コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
5. 2017年5月23日 07:47:33 : PYK6AsiOLs : 9aVBgHWUTKk[5]
simatyan2のブログの
この発言は秀逸。

この様な視点でのコメントが読者を
現実に引き戻す役割を果たすんだな。

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c5

コメント [政治・選挙・NHK225] 衆院法務委質疑 山尾しおり議員 「マイクは、聞いていた!(金田法相が官僚からレクを受けたことをそのまましゃべるぞ)」  赤かぶ
40. ボケ老人[1682] g3uDUJhWkGw 2017年5月23日 07:48:39 : 08Tt0uxL56 : JtD17GQWPAo[146]
またまた、罵愚は遁走してしまったネ

   
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/680.html#c40

コメント [政治・選挙・NHK226] 松本人志が共謀罪に「いいんじゃないか」「冤罪が多少あってもプラスになる」 法案の中身を知らないまま安倍擁護する悪質  赤かぶ
40. 2017年5月23日 07:49:43 : yNywFulJFU : LHeMEY@jnTQ[94]
〈政府が右というものを左とは言えない」は元NHK籾井会長の名「迷」言だが、松本人志の「共謀罪」成立への「いいんじゃないか」。「冤罪が多少あつてもプラスになる」。発言は日本フアシズム時代の武闘派政権による反体制派的国民への弾圧迫害「数万人以上を逮捕し、550人以上を虐殺などした「治安維持法」の支持派の思考だつた。「共謀罪」も拡大解釈して反体制派を逮捕、処刑、するために悪用できる可能性が大である。当時も松本人志のような権力の太鼓持ちたちがそれに加担し、積極的平和主義「東洋平和」のためだとして「進軍ラツパ」と〈突撃」へと庶民を誘導した。「安倍総理は「言論テロ」だと称して反体制的言論も「テロ」の範疇に含めている感じだから歴史は繰り返すと思う。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/189.html#c40
コメント [政治・選挙・NHK226] 安倍官邸が文科省前事務次官の「加計学園文書は本物」実名証言ツブしの謀略! 読売と週刊誌に“出会い系バー通い”リーク  赤かぶ
7. 2017年5月23日 07:49:54 : Zr1pTXUXzA : rXJnTZnoO0k[5]
腐っている体から、膿を出したら中身が無くなった、それが今の自民党である。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/210.html#c7
コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
6. 乳良〜くTIMES[314] k_uXx4Fggq1USU1FUw 2017年5月23日 07:51:08 : iZqFpUrjGM : bd8Efuw8RvU[7]
私も紙の辞書で調べて、「nut」には「知性の無い奴」っていう意味があると知っていたけれど、

自公維に投票する輩は確かに「国民の敵」です。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c6

コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
7. 2017年5月23日 07:51:53 : NGUCbbAPlg : 3A1RfDro0A4[62]
ネトウヨはなりすますしをしても
プロ市民がとじゃすぐ鍍金がはがれるからおもしろいよねr
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c7
コメント [政治・選挙・NHK226] 民進またブーメラン、加計学園関与していた… 学部新設を強硬に要求「ぜひ実現してほしい」  : 省庁の抵抗に勝て! と主張 真相の道
74. 2017年5月23日 07:56:17 : jbDvKkAmsQ : WBKM_dUGbuE[27]
玉木某が獣医師会からの資金提供を受けて、国会で獣医師学部新設反対の質問をしていたということは、収賄罪に相当すると思う。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/146.html#c74
コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
8. 歯磨き右近高山[1004] jpWWgYKriUWL342CjlI 2017年5月23日 07:56:19 : iZqFpUrjGM : bd8Efuw8RvU[8]
見落としていたけれど、>>4は稀有なるバカウヨですね。

よく在る「棄民党ネトサポ」に比べて、恐るべき国語力の欠如。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c8

コメント [政治・選挙・NHK226] <加計のため>共産党が「政府関係者」から加計新資料を入手!小池議員「もう言い逃れ出来ませんよ。私たちは全部公開する。」 赤かぶ
24. 2017年5月23日 07:56:39 : TTove59uGY : Qj2rNfLAplc[2]
朝日も共産党小池さんの入手した原案とおなじものを入手して公開したね。

案外知られていないことなんだけど、霞が関では日本の新聞でクオリティーペーパーってどこだというと発行部数世界一の読売ではないんですね。

やはり朝日新聞なんですよ。
次に日経新聞ね。
だから朝日は良くも悪くも政権から疎まれたり懐柔されたりするわけだw

その朝日がだよ、官邸から加計についてはやるなときつくお達しを食らっていた禁を破って堂々と報じるようになったどころか、文書の入手から公開と矢継ぎ早にパンチを繰り出すことになった。
こりゃもう、官邸と記者クラブの申し合わせがぶっ壊れたということで、官邸は気が気じゃないと大慌てで火消しに回ってるというのが今の状況。
まあ、消せないだろうがね。

頑なに禁を守ってるのはNHKだが、こっちはディレクターが何度も手を替え品を替えて加計、森友、共謀罪をやろうと作製所を出しても上に話が行くと、その時点で全部ダメらしいね。
NHKには視聴者からメールや電話で加計や森友をなぜやらないんだ?と怒りの抗議が殺到して対応に追われているが、やりたいけれどできない事情も説明できず(箝口が敷かれてる)、現場は不満が溜まりに溜まっているらしい。

NHKがやり出したらもう即詰みなんだけどね、なんとかなんねえもんかね。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/206.html#c24

コメント [原発・フッ素48]  危険な原発の再稼働を憂い、福井県の住民が仮処分申請を申し立て、高浜原発の再稼働差し止めを求める 怪傑
1. taked4700[6188] dGFrZWQ0NzAw 2017年5月23日 08:01:50 : bvYL5mdl4A : 43jbl26jMDo[5]
頑張っていただきたい。福井県である程度以上の放射能漏れが発生すれば、日本全体がもう立ち直れない。

また、若狭湾、琵琶湖、伊勢湾という部分は日本列島の本州の中で最も陸域が狭い地域。大地震がかなり近い将来、この地域一帯で起こることは明らか。

天平、天正地震、濃尾地震なども起こって来ている。
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/127.html#c1

コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
9. 2017年5月23日 08:02:14 : jbDvKkAmsQ : WBKM_dUGbuE[28]
意識高い系の「国民」の敵は、体制側に飼いならされた衆愚たる「国民」である。
というサヨク諸氏お得意のレトリックだね。

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c9
コメント [政治・選挙・NHK226] ウルトラ御用新聞・産経の劣化ぶり 「こんなものに感化される連中がいるんだから、おったまげる」 小林よしのり 赤かぶ
14. 名阪神高速浪速[207] lryN45BfjYKRrJhRkaw 2017年5月23日 08:04:00 : iZqFpUrjGM : bd8Efuw8RvU[9]
>>3さんを支持。

安倍があまりにも酷いから、連動してより、酷くなったのが目立つだけ。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/174.html#c14

コメント [政治・選挙・NHK225] 安倍首相の進退にかかわる「決定的証拠」!  赤かぶ
71. 空虚[878] i_OLlQ 2017年5月23日 08:12:40 : n2HdcPmyP2 : EqDe1tbOeHM[3]
>>70 はろー 殿

応答ありがとうございますね。

貴殿のようなまっとうな心情の人が、もっと増えることを

切に願います。

政治には汚い側面が働くことは、宿命やもしれませんね…がしかし

人の根底にある善きものを棄てて、悪しき手段に支配されるような

者を支持し、我慾を満たさんとするような卑しい社会に暮らすことは

不幸以外の何物でもないとおいらは強く思う。

色んな人が居ていいんだ、けれど支配し支配される世界には反対し続けるよww。


http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/797.html#c71

コメント [リバイバル3] マルクスはやはり正しかった _ もうすぐ共産革命の嵐が吹き荒れる時代がやって来る 中川隆
23. 中川隆[-7540] koaQ7Jey 2017年5月23日 08:13:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

アメリカを心底恐怖させた国ソ連は消滅しました。

この時、アメリカ政府は、今後のロシアをどのようにしたらいいだろうかと考えました。

 心優しい日本人であれば、「経済危機に陥っているロシアに支援を送る」とかなんとか善意に基づいた行動をとるでしょう。

 しかし、「普通の国」アメリカはもちろんそのようなことは考えない

これは当然、「ロシアが二度とアメリカに反抗できないよう、この国を破壊し尽くそう」と考えた。

 アメリカは国際通貨基金(IMF)を通して、ロシアに「改革のやり方」を伝授した

 まず「政府による経済管理の廃止」。貿易が自由化され、西側の優れた製品がロシア市場になだれ込み、ロシアの国内産業は壊滅した。

 次に「価格の全面自由化」。国内産業が駆逐され、輸入に頼るしかない状況で、ロシアの通貨ルーブルは急落し、国内はハイパーインフレーションに見舞われた。改革がスタートした92年のインフレ率はなんと2600%、GDP成長率はマイナス14.5%。ロシア経済はアメリカの思惑通り破綻した。

 さらに大規模な「民営化」。国有財産はそれを今、手元に持つ人の所有となった。アパートの住人は、アパートの所有者となった。そして国有石油会社のトップは、その会社をほとんど無料で手に入れた。ここから生まれた新興財閥はエリツィン政権に賄賂を送って、税金をほとんど免除してもらった。当然、国家財政は大幅な赤字に転落した。
http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/218.html


ロシア 聖なる我等が国
ロシア 愛する我等が国
固き意志 偉大な栄光や
永久に汝が富ならん

   讃えよ我等が 自由なる祖国
   いざ集え 兄弟よ
   先人が知恵 我等がもとに
   讃えよ 汝が誇りを

新世紀を間近に控えた2000年。プーチン大統領は、それまでの愛国歌からソ連国歌のメロディーに変えました。

ソ連からの独立後のロシアには未来への希望が満ち溢れていました。共産主義の呪縛からの解放、独立、そして自由。しかしエリツィン政権のもとでは共産主義からは逃げられましたが、安定した生活は得られませんでした。そして独立を境にしロシアからは光が失われつつありました。ロシアの大国としての誇りが失われ、犯罪は多発し、誇りである軍隊はほぼ崩壊に近くなりました。

アメリカには頭が上がらなくなり、西欧との生活環境の落差は広がる一方。これらに追い討ちをかけたのが98年の経済危機。帝政ロシア、ソ連を通じ自らの経済を見つめてきた、またロシア人の誇りのルーブルが紙くず同然となりました。

ロシアの人々は現実に打ちのめされました。しかし。ロシアの人々はこんなことではへこたれません。・・ですが、やっぱり自分達の生活には限界が近づいてくるわけです。

エリツィンは何もせず酒ばかりのんでいる。国民の生活の不満は政治に向けられました。そんな中。1999年の大晦日。ロシアと全世界に衝撃が走りました。エリツィンが突如辞任したのです。

後任は元ペテルブルグ市長プーチン。名も知らぬ若き男に大国ロシアは委ねられたのです。国民はあまり期待をしませんでした。「エリツィンよかましなだけだろう」と。

しかし、そんな国民のさめた目を横目に、「強いロシア」を掲げた大統領は次々と改革を断行。経済はだんだんと回復。生活も苦しいながらも徐々に改善。なんと言っても「強いロシア」が現実に感じられるようになったのです。

もう昔の我々ではない。昔の栄光を取り戻そうじゃないか!

ロシアの人々は沸き立ちます。
http://www.medianetjapan.com/10/travel/vladimir/russian_house/russian_anthem.html

【プーチン大統領モンゴルを訪問】

モンゴル軍が演奏するロシア国歌を聞いて泣き出す 2014/09/06
http://www.liveleak.com/view?i=648_1409884280

チンギスハーン広場で温かい歓迎に泣くプーチン大統領。
モンゴルのツイッターで話題に。

ロシアの理解に必読、プーチン大統領誕生秘話  2015.5.21 杉浦 敏広 JBpress
オルガルヒの操り人形のはずが、糸が切れるや否や・・・
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43836


■朝日新聞連載「プーチンの実像」


 皆様既に御存知かと思いますが、朝日新聞が「プーチンの実像」というコラムを連載しました(2015年3月30日〜5月5日)。第一部・二部・三部からなる長期連載です。


 無名のプーチン氏がロシア連邦大統領に登りつめる軌跡を描いており、関係者に丹念にインタビューした力作で、大変読み応えがありました。今後1冊の本になるそうです、楽しみですね。


 しかし読まれた方には、多少なりとも消化不良の読後感が残ったかもしれません。筆者のもとには、そのような感想が多数寄せられました。


 無名のウラジーミル・ウラジーミロビッチ・プーチンがロシア首相・大統領に駆け上る背景は、本人が優秀・有能だからではなく、あくまでソ連邦国家保安委員会(KGB)内部では平凡な人物であり、御しやすいと当時の新興財閥(オリガルヒ)が判断したからにほかなりません。


 すなわち、プーチンは“軽い神輿”として担がれたというのが真相です。


 ここが一番肝腎な点なのですが、「プーチンの実像」ではこの点にあまり触れられていないのです。


 もちろん、オリガルヒ側の判断ミスであったことは、その後の事態の推移が証明しています。無名のプーチンを軽い神輿として担いだはずのオリガルヒは飼い犬に手を噛まれ、権力を掌握した有能なプーチン大統領に追放されてしまいました。


 ソ連邦国家保安委員会(KGB)第1総局第4課(海外諜報担当)に配属されたプーチン氏は1985年、KGB少佐として東独(当時)ドレスデンに赴任しました。赴任中に中佐に昇進し、私生活では2人の娘が誕生。彼はのちに「ドレスデン駐在中が一番幸せであった」と述懐しています。


 1990年に故郷のサンクト・ペテルブルクに戻り、KGBを辞職したプーチン中佐は、慣例により階級が1つ上がり予備役大佐になりました。一方、プーチン氏と同僚のセルゲイ・イワノフ現ロシア大統領府長官は現役時代KGB中将まで昇進し、現在は予備役大将です。


■1917年10月革命前夜


 ここで、プーチン大統領の出身母体であるソ連邦国家保安委員会誕生の歴史と、その時代背景を概観したいと思います。帝政ロシアは文字通り波乱万丈の歴史であり、興味が尽きません。


 今から約100年前の1914年8月に第1次世界大戦が勃発。宮廷を牛耳っていた怪僧ラスプーチンが暗殺され、帝政ロシアは大混乱に陥ります。


 1917年3月12日(旧暦2月27日)の2月革命によりニコライ3世が退位して、ケレンスキー臨時政府が樹立。ウラジーミル・レーニン(1870〜1924年)はかの有名な“封印列車”で、亡命先のスイスのチューリッヒから敵国ドイツを通過(*“敵の敵は味方”)、サンクト・ペテルブルクに凱旋しました。


 この年の11月7日(旧暦10月25日)、巡洋艦“オーロラ”号の冬宮(エルミタージュ)砲撃を合図に水兵が冬宮に突入し、ケレンスキー内閣は崩壊。この10月革命によりレーニン(本名ウリャノフ)を首班とするソビエト政権が樹立して、ボルシェビキ政権が誕生しました。


 一方、ロシア内部では赤軍と白軍の内戦が勃発。この機に乗じ、日本軍はウラジオストクに上陸。トルコ軍は黒海沿岸のグルジアのバツーミ(*露バクー原油の輸出港)を制圧、ドイツ軍はウクライナ全土とクリミア半島を占領。


 その後ボルシェビキ党は分裂し、かの有名なクローンシュタットの反乱が勃発。10月革命に参加した水兵が、10月革命の指導者に反旗を翻したのです。


 この頃からロシアでは赤色テロが始まり、ポーランド系ユダヤ人フェリックス・ジェルジンスキー(本名)を初代長官とする秘密警察(反革命・サボタージュ取締り全露非常事態委員会/別名“チェーカー”)が設立されました。


 この秘密警察組織はその後何回か名称を変更しましたが、“国家保安委員会”(KGB)、現在の“ロシア連邦保安庁”(FSB/ボルトニコフ長官)へと名前を変えながらも連綿と続くことになります。


 KGBのライバル組織GRU(赤軍参謀本部情報総局)は、レフ・トロツキー(1879〜1940年/本名ブロンシュテイン)により1918年に創設された赤軍の諜報機関です。「日本軍、北進せず」で有名なリヒャルト・ゾルゲ(アゼルバイジャン共和国バクー生)はGRUの諜報員であり、KGB所属ではありません。


■プーチン首相・大統領登場の時代背景


 プーチン大統領はソ連邦国家保安委員会出身です。これは本人が公表しており、秘密ではありません。ロシア大統領府のホーム・ページには、プーチン大統領自身の略歴が記載されています。


 ソ連邦は1991年末に解体されました。ソ連邦解体後の約8年間、ボリス・ニコラエビッチ・エリツィン(1931〜2007年)初代ロシア連邦大統領の政権下、魑魅魍魎とした新興財閥(オリガルヒ)がエリツィン周辺に“ファミリー”として君臨。“民営化”という錦の旗のもと、旧ソ連邦の国家資産を搾取していきました。


 その結果、第2期目のエリツィン大統領政権末期の1999年になると同大統領の支持率は1桁台に落ち、翌年6月の大統領選挙ではロシア共産党候補者が当選する可能性が大となりました。


 ロシア共産党候補者が大統領ともなれば、旧ソ連邦の資産を搾取した新興財閥の財産は再度国有化されかねません。担ぐ神輿は軽ければ軽いほどよい。焦った新興財閥が白羽の矢を立てたのが、当時無名の国家保安委員会出身のプーチン予備役大佐でした。


 プーチン中佐は東独ドレスデン勤務後(1985年〜1990年)、国家保安委員会を退職(実態は解職に近い)。傷心のプーチン予備役大佐を迎え入れたのが、当時のサプチャーク/レニングラード(現サンクト・ペテルブルク)市長です。


 その後、チュバイス統一電力公社社長やボロージン大統領府総務局長らの庇護を受けて出世の階段を上り始め、ロシア大統領府副長官に抜擢され、KGBの後身たる連邦保安庁(FSB)長官(1998年7月〜99年8月)にまで昇進したのです(肩書きはすべて当時)。


 その後1999年8月9日にステパーシン首相が突如解任されるや、エリツィン大統領から首相代行に任命され、ロシア下院の賛成多数をもって首相に就任しました(同年8月16日)。


 ステパーシン首相は大物で、“ファミリー”の言うことを聞かない。ゆえに、大物は解任して、無名の操り人形を首相に任命し、エリツィン大統領の後継者に指名することが伏魔殿の深奥で決定された。


 そこで無名の小物が“ファミリー”の操り人形として必要になり、一朝選ばれてエリツィンの後継者に指名された1人の男。それが、その昔“スパイ失格”の烙印を押された無名のプーチン氏だったというわけです。


 そのエリツィン大統領は1999年の大晦日、テレビ実況中継で目に涙を浮かべながら大統領職辞任を発表し、プーチン首相を大統領代行に指名。大統領辞任により、大統領選挙は2000年3月に繰上げ実施されることになりました。


 急な繰上げ選挙で慌てる有力候補を横目に、大統領選挙ではプーチン大統領代行が当選。同年5月、ロシア連邦2人目の大統領に就任しました。


 当時は油価が低迷しており、一時期バレル10ドルを割り込みました。ロシア国庫はほぼ空の状態になり、国民の不満は高まっていきました。


 しかし、エリツィン前大統領残滓が政権中枢に居残り、抵抗勢力が跳梁跋扈する伏魔殿の中にあっては、行政改革は遅々として進みません。


 そこでプーチン新大統領が“ファミリー”残滓に仕かけた抵抗勢力排除策こそ、レニングラード人脈重用による治安・情報機関の再編成でした。まず、治安・情報機関を身内で固め、次に大幅な内閣改造に着手。エリツィン前大統領“ファミリー”残滓を次々と政権中枢から追放していきました。


■プーチン大統領の権力掌握過程


 プーチン首相代行誕生後(1999年8月9日)、無名のプーチン氏が“エリツィン大統領ファミリー”の傀儡として権力の階段を登り始めました。これが上述のごとく、ソ連邦資産を搾取した新興財閥の権益を維持すべく、無名のプーチン氏に白羽の矢がたった背景です。


 プーチン首相代行が誕生した8月9日、西側の反応は予想通り“Putin, who?”でした。この時、いくつかの日系紙はプーチンの読み方が分からず「プチン首相代行誕生」と報道、後に「プーチン」に訂正しています。


 筆者は当時サハリンに駐在していましたが、米ロナルド・レーガン大統領誕生前後、当初「リーガン」と報道していた日系紙が後に「レーガン」と訂正した事例を想起した次第です。


 一方、政治の舞台では困ったことが生じました。エリツィン大統領の政敵は2000年6月の大統領選挙に向け、着々と選挙態勢を整えつつありました。しかし、プーチン氏は無名ですから、大統領選挙に当選する保証はありません。


 ルシコフ・モスクワ市長やプリマコフ元首相などの大物が当選すれば、“ファミリー”は息の根を止められてしまいます。


 そこで編み出された奇策が、プーチン氏を大統領にするための“ヤラセ戦争”でした。


 当時報じられた1つの仮説をご紹介します。当時のヴォローシン大統領府長官は1999年7月4日、仏ニース近郊ブリエにある国際武器商人ハショギ氏の別荘でチェチェン独立派シャミール・バサエフ野戦司令官と会談。仲介者は「灰色の枢機卿」ウラジスラフ・スルコフ大統領府副長官。


 この会談で両者は翌8月にバサエフ部隊がロシア南部のダゲスタン共和国に侵攻して、ロシア正規軍が反撃・勝利する悪魔のシナリオに合意したと言われています。


 この台本通り、チェチェン武装勢力約1500人が1999年8月、ダゲスタンに侵攻。ロシアは直ちに同地に国防省正規軍と内務省国内軍を派遣して、武装勢力の一掃に成功。第1次チェチェン戦争(1994年12月〜1997年)で負け戦の続いたロシア国民にとり、久々の勝利となりました。


 国民は勝利の美酒に酔い、無名のプーチン新首相の毅然たる態度は国民の間に瞬時に支持を獲得、名声は鰻登りに急上昇した次第です。


 次は、チェチェンが戦場に選ばれました。大統領選挙まで、プーチン人気を維持しなければなりません。そのための手段は、国民に勝利の美酒を飲ませ続けることです。プーチン新首相の号令一下、ロシアの精鋭部隊がチェチェンに侵攻したのです。


 1994年12月の第1次チェチェン戦争では新兵を投入したため、ロシア軍はチェチェン武装勢力に負けてしまいました。同じ轍を繰り返せば、逆効果。そこで今回は、最初から下士官・将校を中心とする筋金入りの精鋭部隊を投入。これが第2次チェチェン戦争(1999年9月〜2009年)です。


 ロシア軍は着々と戦果を挙げ、プーチン氏はさらに男を上げました。


■プーチン大統領/“ファミリー”排除


 しかし、プーチン人気は長く続きそうにもありません。そこで編み出されたのが、ウルトラCの大統領年末辞任・繰上げ選挙実施です。


 すなわち、エリツィン大統領の1999年大晦日の辞任や繰上げ選挙など、すべてシナリオ・ライターはオリガルヒであり、プーチン氏はオリガルヒの掌中で踊らされていたにすぎません。


 モスクワに権力基盤の全くなかったプーチンは、水面下で巧妙に権力基盤の確立・拡大に努めました。1999年12月にはモスクワに「戦略策定センター」を設立して、ゲルマン・グレフを中心とするテクノクラートに経済政策を立案させました。また、昔のKGB仲間を順次モスクワに召集し、情報機関の人事を刷新しました。


 プーチン氏の大きな転機は大統領選挙です。舞台の筋書きは“ファミリー”にとり予想外の方向に展開しました。決選投票を待たず1回目の投票で当選したプーチン氏にはオリガルヒの選挙資金が不要となり、操り人形のはずのプーチン氏が自立し始めたのです。


 “ファミリー”の利益を代弁するヴォローシン大統領府長官のシナリオは完全に狂い、ヤラセのはずの第2次チェチェン戦争は“ファミリー”の制御外の展開となっていきました。


 では、当時のオリガルヒは誰だったのか具体的に申せば、2期目のエリツィン大統領当選を演出したボリス・ベレゾフスキー、ウラジーミル・グシンスキー、ミハイル・ホドルコフスキーなどです。ベレゾフスキーの師匠ロマン・アブラモービッチはプーチン候補が大統領選挙当選後新大統領派に転向、今では政権支持側に立っています。


 追放されたオリガルヒの代わりに台頭したのが、プーチンのサンクト・ペテルブルク人脈、柔道仲間(ローテンベルク兄弟など)や友人たち(チムチェンコなど)ですが、この辺の人物像は『プーチンの実像』にも登場しておりますね。


 そして、プーチン大統領最大の支援材料になったのが油価動向です。


 プーチンが大統領就任後、油価は上昇開始。国庫歳入に占める石油・ガス税収は下記の通り、プーチン氏が大統領就任時の約2割から現在では5割超になりました(2016年は予測/ロシア財務省)。

 逆も真なり。現在の油価低迷局面は、プーチン大統領にとり最大の試練と言えましょう。


 プーチン大統領の周囲には現在、大別して4つの派閥が存在します。しかし、プーチン派閥とは言え烏合の衆ですから、派閥同士の拮抗・対立もあります。この意味で、プーチン大統領が突然いなくなれば、派閥同士の抗争は表面化することでしょう。


 戦後、英ウィンストン・チャーチル首相はソ連の政治家を評して曰く、「ソ連の多くの政治家は、絨毯の下で足を蹴りあっている。誰が誰の足を蹴っているのか、我々外国人には永久に分からないだろう」


 誰が誰の足を蹴っているのか分かるようになればプーチン政権の透明性が増し、世界の民主主義勢力からも認知されることでしょう。


 しかし、クレムリンの奥の院が透明になれば、世の中のクレムノロジストは失職してしまうかもしれませんね。


_______

巨大資本が世界を支配するファシズム体制を築くため、TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の成立を西側支配層は急いでいるようだ。

 アメリカを中心とする支配システムが揺らぎはじめ、巨大資本による直接支配、近代農奴制とも言えそうな体制へ移行しようとしている。アメリカが世界を支配するシステムの中心には基軸通貨を発行する特権があるのだが、ロシアや中国を中心としたグループが力を持った上、そのグループを潰すために仕掛けたはずの原油価格下落がアメリカやサウジアラビアを追い込んでいる。ドルを守るために考えられたペトロダラーの仕組みを揺るがし、その支配システムに崩壊の危機が迫っているのだ。

 現在、西側支配層が配下の「専門家」やメディアを動員、目指しているシステムに近い体制だった国がある。その一例がボリス・エリツィン時代のロシア。

 1985年3月にソ連共産党の書記長となったミハイル・ゴルバチョフは90年に一党体制を放棄して大統領制を導入、初代大統領に選ばれる。東西のドイツが統一されたのはその1990年だが、その際、統一されたドイツはNATOにとどまるが、東へNATOを拡大させることはないとアメリカのジェームズ・ベイカー国務長官はソ連のエドゥアルド・シュワルナゼ外務大臣に約束した。勿論、その約束は守られていない。
 アメリカ支配層の「約束」を信じた「お人好し」のゴルバチョフだが、1991年7月にロンドンで開かれたG7の首脳会談でショック療法的経済政策、いわゆる「ピノチェト・オプション」を強要された際には断っている。新自由主義的な政策で西側支配層を儲けさせろという要求で、ロシア国民の大多数を貧困化させることは明白だったからだ。

 1973年9月11日にチリではCIAを後ろ盾とするオーグスト・ピノチェトの軍事クーデターが実行され、独裁体制が成立した。CIAを動かしていたのは大統領補佐官だったヘンリー・キッシンジャーだ。クーデターで合法的に選ばれていたサルバドール・アジェンデ大統領は死亡、軍事政権は自分たちの政策、つまりウォール街がカネを儲ける障害になる人びとを排除していく。一説によると約2万人が虐殺された。

 アメリカ資本にとっての障害が排除された後、ピノチェト政権は「マネタリズム」に基づき、大企業/富裕層を優遇する政策を実施した。その政策を実際に実行したのがシカゴ大学のミルトン・フリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授といった経済学者の弟子たち、いわゆる「シカゴ・ボーイズ」である。

 彼らは賃金は引き下げ、労働者を保護する法律を廃止、労働組合を禁止、つまり労働環境を劣悪化、1979年には健康管理から年金、教育まで、全てを私有化しようと試みている。国有企業の私有化とは、国民の資産を略奪することにほかならない。こうした政策をロシアも導入しろとゴルバチョフは求められたのだ。

 G7の直前、ロシア大統領に就任したのがボリス・エリツィン。西側支配層はゴルバチョフに見切りをつけ、エリツィンへ乗り換えたと見られる。一方、ソ連を存続させようとしていたグループはエリツィンがロシア大統領に就任した翌月、「国家非常事態委員会」を組織して権力の奪還を狙うものの、失敗する。エリツィンは党を禁止、西側支配層の支援を受けながらソ連の解体、消滅へ突き進んでいく。1991年12月8日にベロベーシの森でウクライナのレオニード・クラフチュクやベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチと秘密会談を開き、エリツィンはソ連からの離脱を決めたのである。こうした動きを受け、ネオコン/シオニストは年が明けると世界制覇プロジェクトをDPGの草稿(http://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html)という形でまとめる。

 エリツィンは独裁体制を整え、ジェフリー・サックスを含むシカゴ派の顧問団が作成する政策を推進する。1992年11月にエリツィンは経済政策の中心にアナトリー・チュバイスを据えるが、この人物が連携したHIIDなる研究所はCIAとの関係が深いUSAIDから資金を得ていた。

 このチュバイスはエリツィンの娘、タチアナ・ドゥヤチェンコ(注)の利権仲間。現在に至るまで、アメリカの巨大資本の手先となり、私腹を肥やしているロシアの腐敗勢力はタチアナを中心に結びついてウラジミル・プーチンのグループと戦っている。

 タチアナのグループと結びつき、「規制緩和」や「私有化」によってロシア国民の資産を略奪、巨万の富を築いた人びとを「オリガルヒ」と呼ぶ。こうしたオリガルヒは犯罪組織のフロント企業のような会社を拠点にして「ビジネス」を展開、ロシア政府はオリガルヒに支配された。庶民の貧困化は深刻になり、街は荒廃、街には売春婦が急増してロシアは破綻国家になる。

 1923年9月1日に起こった関東大震災では復興資金の調達をアメリカの金融資本、JPモルガンに頼ったのだが、その影響で日本は新自由主義的な政策が導入され、日本の不況は深刻化、東北地方では娘の身売りが増え、欠食児童、争議などが問題になった。エリツィン時代のロシアと似た状況になったのだ。

 こうした経済政策を推進した浜口雄幸首相は1930年11月に東京駅で銃撃されて翌年の8月に死亡し、32年2月には大蔵大臣でJPモルガンと最も親しい日本人だったという井上準之助が本郷追分の駒本小学校で射殺され、その翌月には三井財閥の大番頭だった団琢磨も殺され、5月には五・一五事件が引き起こされている。

 現在、西側金融資本の餌食になったギリシャでは尻ぬぐいを押しつけられた庶民が窮乏し、大学では食費を稼ぐために学生が売春を強いられている(http://www.thetimes.co.uk/tto/news/world/europe/article4624755.ece)という。その結果、売春の料金が大きく値下がりしているとも伝えられている。似た現象は西側各国で現れているようだが、TPP、TTIP、TiSAが成立すれば、参加国はこうした状態になるだろう。

(注)タチアナは結婚相手が捜査の対象になったこともあって2001年に離婚し、すぐにエリツィンの側近だったバレンチン・ユマシェフと再婚した。ユマシェフの娘、ポリナ・ユマシェバが結婚したオレグ・デリパスカはイスラエル系オリガルヒで、ロシアのアルミニウム産業に君臨、ナサニエル・ロスチャイルドから「アドバス」を受けている一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201601250000/


1991年はソ連が消滅した年でもある。7月にイギリスのロンドンで開かれたG7の首脳会談で西側の首脳はソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領に対して新自由主義経済、いわゆる「ピノチェト・オプション」の実施を要求、それに難色を示したゴルバチョフは排除されることになる。
 言うまでもなく、ピノチェトとは1973年9月11日にチリで民主的政権をクーデターで倒したオーグスト・ピノチェトを指している。その軍事クーデターを操っていたのはヘンリー・キッシンジャーだ。

 クーデター後、ピノチェトはシカゴ大学のミルトン・フリードマン教授の「マネタリズム」に基づく政策を導入、大企業/富裕層を優遇する政策を実施した。その政策を実際に実行したのがシカゴ大学のフリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授といった経済学者の弟子たち、いわゆる「シカゴ・ボーイズ」である。

 具体的な政策としては、賃金は引き下げ、労働者を保護する法律を廃止、労働組合を禁止、つまり労働環境を劣悪化、1979年には健康管理から年金、教育まで、全てを私有化しようと試みている。国有企業の私有化とは国民の資産を略奪することにほかならず、安倍晋三政権が執着しているTPP(環太平洋連携協定)と基本的に同じ。実際、安倍政権はその方向へ向かっている。

 西側支配層はゴルバチョフに替わる選択肢を持っていた。ボリス・エリツィンだ。1991年7月に彼はロシアの大統領に就任する。

 その一方、ゴルバチョフの政策をソ連解体の策謀と考えるグループは「国家非常事態委員会」を組織、8月に権力の奪還を狙うものの、失敗する。その目論見を利用して主導権をを奪うことに成功したのがエリツィン。1991年12月8日に彼はベラルーシにあるベロベーシの森で秘密会議を開き、国民に諮ることなくソ連からの離脱を決めた。いわゆる「ベロベーシ合意」だ。12月21日にはCIS(独立国家共同体)が発足、ソ連は消滅するのだが、この過程に国民の意思は反映されていない。

 会議に出席したのはロシアからエリツィン大統領とゲンナジー・ブルブリス国務大臣、ウクライナからレオニード・クラフチュク大統領とビトルド・フォキン首相、ベラルーシのソビエト最高会議で議長を務めていたスタニスラフ・シュシケビッチとバツァスラフ・ケビッチ首相。会議を主導したのはロシアのブルブリスだと言われている。

 ソ連の消滅によってアメリカの支配層はアメリカが唯一の超大国になり、その超大国を支配している自分たちが世界を支配するというストーリーを考える。そこで1992年2月に国防総省のDPGとして世界制覇プロジェクトを作成する。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンで、旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようと計画している。

 こうした計画はビル・クリントン政権で塩漬けになるが、本ブログで何度も書いているように、ヒラリー・クリントンが政権の内部に引き込んだマデリーン・オルブライトやビクトリア・ヌランドが軌道修正、つまり戦争へと導いていく。オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子であり、ヌランドはネオコンだ。

 ビル・クリントン政権が侵略戦争へ進み始めるのはオルブライトが国連大使から国務長官に異動した1997年1月が大きな節目だった。なお、ヌランドは国務副長官の首席補佐官を務めていた。

 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、ホワイトハウスでネオコンなど好戦派が主導権を握る。攻撃の10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成され、そこにはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたとクラーク元欧州連合軍は語っている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611300000/


プーチンがロシアを救ったように、トランプはアメリカを救えるだろうか?
The Saker 2016年10月28日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-faca.html


読者の皆様

以下の記事で、The Sakerが、ウラジーミル・プーチンが、いかにして、ロシアの主権を、英米-シオニスト帝国からもぎ取ったかを説明している。彼はドナルド・トランプが、アメリカを救うことを期待している。彼の記事を、本人の了解を得て掲載する。

プーチンがロシアを救ったように、トランプはアメリカを救えるだろうか?

The Saker 2016年10月22日


アメリカが直面している危機:

選択肢その一: ヒラリーの勝利。これは、より酷い方向に強化したオバマだ。オバマそのものが、ブッシュ・ジュニアで、しかも、より酷いものであることを想起されたい。もちろん、ブッシュ・ジュニアは、クリントンにすぎず、より酷いだけだ。今や一巡り。クリントンに戻るのだ。ただし今回は、女性で、やることなすことに失敗して、今や30年におよぶ、惨事と失敗の実績を誇る非常に不安定な人物だ。彼女には戦争を開始する権限もない時でさえ、彼女は戦争を一つ始めたのだ(ビルに、セルビア人を爆撃するように言って)。今や、彼女はその権限を持ちかねないのだ。しかも、彼女は何百万人もの人々の前に立って、トランプが、彼女に“プーチンは、ありとあらゆる段階で、あなたを出し抜いた。”というのを聞かねばならないのだ。彼がそう言った時の、彼女の凍り付いた表情をご覧になっただろうか? トランプは正しく、プーチンは実際、彼女とオバマを、あらゆる段階で出し抜いた。問題は、今、プーチンに対して劣等感を持っている大統領(オバマ)の後、またしても、全く同じ劣等感と、シリアで、ロシア軍に対し、飛行禁止空域を押しつけようという異常な決意を持った大統領になることだ。短い髪と滑稽なズボン姿のヒラリーを見るにつけ、“彼女は、自分は全ての点で、あらゆる男性同様にタフであることを証明しようと懸命な女性だ、と私には思える” - もちろん、彼女はそうてはないのだが。彼女の実績も、彼女は弱く、臆病で、何があっても決して刑罰を受けることがないと確信していることを示している。そして今、この悪の救世主の出現を信じる変人で(http://thesaker.is/the-messianic-lunatic-in-her-own-words/)根深い劣等感をもった人物が、全軍最高司令官になりかねないのだ?! 神よ我々全てを救いたまえ!

選択肢、その二: トランプ勝利。問題: 彼は全く孤独だ。ネオコンは、議会、マスコミ、金融機関と裁判所を、もう完璧に支配している。夫クリントンから、妻クリントンまでの間に、連中は、ペンタゴンや、国務省や、三文字の政府機関に深く潜入してしまった。連邦準備制度理事会こそ、連中の拠点だ。トランプは、こうした“地下にたむろする猛烈な狂人連中”に一体どう対処するのだろう? http://www.opednews.com/articles/opedne_donald_a_080423_leo_strauss_and_the_.htm

あらゆる“名士連中”(俳優から、政治家、記者に至るまで)トランプに対して解き放った悪意ある憎悪キャンペーンを考えると - 彼らは退路を断ったのだ。連中は、もしトランプが勝てば、彼らは全てを失うことを知っており(そして、もし彼が、簡単に影響を受けてしまう人物であることがわかれば、彼を選んでも何の違いもなくなることになる)。

ネオコンは何も失うものはなく、連中は最後の一人まで戦うだろう。もし彼がネオコンと、連中の代理人に包囲されたら、トランプは一体何ができるだろう?
全く違うチームを呼び入れるのだろうか?
彼は一体どうやって、彼らを調査するつもりだろう?

彼の最初の選択は、ペンスを副大統領に指名することだったが、これは惨事で(既に彼は、シリアと選挙結果で、トランプを妨害している)。トランプが、ホワイト・ハウス大統領首席補佐官に一体誰を任命するのかを聞くのを私は大いにおそれている。ネオコンをなだめるためだけに、彼は悪名高いラーム・エマニュエルの新版のような人物を任命するのではあるまいかと心配しているので… もし、トランプが原則と勇気の持ち主であることを証明すれば、ネオコンはいつでも彼を“ダラスの目”に会わせ、彼をペンスで置き換えることができる。一丁あがり!

私には、一つしか解決策は思いあたらない。

プーチンは、いかにして、ロシアを救ったか

プーチンが権力の座に着いた際には、今のホワイト・ハウス同様、徹底的に腐敗し、裏切り者が蔓延するクレムリンを、受け継いだのだ。ロシアは、独立し、ナチスが支配しているウクライナと同様、かなり悲惨な状態にあった。ロシアも、銀行家と、英米シオニストの傀儡に支配されており、大半のロシア人は惨めな暮らしをしていた。大きな違いは、トランプに起きている物事とは違い、アメリカ・ネオコンのロシア版連中は、プーチンに脅かされようとは夢にも思っていなかったことだ。彼は、支配者たちによって、治安機関の代表として、大企業資本の代表、メドベージェフとともに働くよう、選ばれたのだ。これは、ロシア社会でも依然機能していた、たった二つの部門、治安機関と、石油/ガスの金の間の妥協策だった。プーチンは、サイズがあわないスーツを着た小役人で、内気で、いささかぎごちない小男のように見え、ロシアを動かしている七人の銀行家という強力なオリガルヒにとって、何の脅威にもならないはずだった( https://en.wikipedia.org/wiki/Semibankirschina )。ただし、彼はロシア史上、もっとも手強い支配者の一人だったのだ。権力の座につくやいなや、プーチンがしたのはこういうことだ。

第一に、彼はチェチェンのワッハブ派叛徒を、素早く効果的に粉砕し、国軍と治安機関に、クレムリンへの信頼性を回復させた。これで、オリガルヒと対決する際に、頼りにせざるを得ない人々との間で、彼の個人的な信頼を確立したのだ。

第二に、1990年代には、たとえ実際には、法律がなかったためにせよ、ロシアの全員が、ありとあらゆる実業家や企業が、多かれ少なかれ、法律を破っていた事実を、彼は活用した。彼は、ベレゾフスキーや、ホドロフスキーの類を、連中の政治活動で、弾圧するのではなく、連中を(全く正しいが)賄賂のかどで粉砕した。決定的に重要なのは、彼はこれを、非常に公然と行い、もう一つの大敵、マスコミに、明瞭なメッセージを送ったのだ。

第三に、欧米の人権団体やロシア・リベラルの幻覚と逆に、プーチンは、いかなる反体制派をも決して直接弾圧したり、マスコミを厳しく取り締まったり、まして誰かの殺害を命じたりはしない。彼は遥かに賢明に事をなしとげた。現代のジャーナリスト連中は、何よりもまず、売女マスコミであることを想起願いたい。 プーチンは、オリガルヒを容赦なく取り締まることで、売女マスコミから、収入と政治的支援の源を奪った。ウクライナに移住した者もあれば、辞任しただけの者もあり、ドーシチTV、エホー・モスクヴィ・ラジオや、コメルサント新聞など、ごく少数の容易に識別できるマスコミは、特別保留地、あるいは動物園状態に置かれた。移住した連中は、無関係なものとなり、“リベラル動物園”に止まった連中は - すっかり信憑性を失ってしまい、無害になった。決定的に重要なのは、全員が“メッセージを理解したことだ”。それから先は、ごく少数の本当の愛国者(ドミトリー・キセリョフやマルガリータ・シモニアンら)を主要な地位に任命しさえすれば、運命の風の方向が変わったことを全員すぐに理解した。

第四に、主要マスコミさえ正気に返らされてしまえば、“リベラル”(ロシアでは親アメリカを意味する)政党が、死のスパイラルに入り込むのに、さほど長くかからず、そうした政党は決して回復しなかった。その結果、あらゆる“リベラル”が排除され、ロシア国会には、現在、4党しかなく、いずれの党も、多かれ少なかれ“愛国的”だ。これが、プーチン戦略でも、うまく機能した部分だ。

これまでの所、プーチンは、私が“汎大西洋統合主義者”と呼んでいる第五列の連中を(http://thesaker.is/putins-biggest-failure/ を参照)政府そのものから排除し損ねている。確実なことは、プーチンは、銀行/金融部門内の第五列連中には取り組んでおらず、連中も、彼には、彼らに対して行動をとる口実を与えないよう非常に用心している。

ロシアとアメリカは全く違う国なので、お互い簡単に処方箋を写して済ますことはできない。それでも、“プーチン・モデル”には貴重な教訓があるだろうが、とりわけトランプの最も手ごわい敵は、おそらく連邦準備制度理事会に居すわる連中と、連邦準備制度理事会を支配している銀行だ。確実なのは、当面アメリカのイメージは、アメリカ政府に捨てられたホームレスの退役軍人が国旗に身を包み、カップに小銭を要求するというものであり続けるだろうことだ。

ヒラリーは、アメリカの戦争は見事な成功だと考えている。トランプは、そうした戦争は恥ずべきことだと考えている。この二者間の選択は、実際極めて単純だと私は考える。

英米シオニスト・エリートの中で分裂など有りえないとおっしゃる向きには、ドミニク・ストロス-カーンが次期フランス大統領になるのを防ぐための陰謀の例があるとお答えしたい( https://en.wikipedia.org/wiki/New_York_v._Strauss-Kahn)。これが、ハイエナと同様、英米シオニスト指導者連中は、時に、お互いに攻撃するのだ。そういうことは、政治イデオロギーと無関係にあらゆる政権でおきる(ナチス・ドイツの親衛隊対突撃隊、あるいはボルシェビキソ連でのトロツキー主義者対スターリン主義者を想起願いたい)。

鉄の箒

レオン・トロツキーは、ソ連は、アナキストや貴族を“鉄の箒”で一掃する必要があると良く言っていたものだ。彼はプラウダに“我々には鉄の箒が必要だ”という題の記事すら書いている。もう一人の大量虐殺マニア、フェリックス・ジェルジンスキー、悪名高いChK秘密警察の創設者、秘密警察職員には“燃える心、冷静な頭脳と、清潔な手”が必要だと言っていた。こうした連中に、弱さや、共感を求めても全く無駄だ。彼らはイデオロギーに突き動かされた“熱狂的な信者”、共感という感覚が欠けた社会病質者で、自分たちの邪魔をする誰に対しても大量虐殺的な憎悪を持った根っからの悪連中なのだ。

ヒラリー・クリントンと、彼女のネオコン集団は、精神的に(時には、物理的にも)ソ連のボルシェビキの後継者で、彼らは、ボリシェビキの先祖と同様、敵を粉砕するのに一秒たりともためらわない。ドナルド・トランプは - 彼が本物で、言っていることが本気であるならば - これを理解し、プーチンがした通りにしなければならない。最初に、しかも激しく攻撃することだ。

ちなみに、スターリンも、まさにこれを行い、トロツキストは粉砕された。

最終的に、プーチンが第五列連中を、権力の座から排除できるかどうか、まだはっきりしていないと私は思う。確かなことは、ロシアは少なくとも、英米シオニストの支配からは、ほぼ自由で、アメリカが、現在、連中の最後の砦だということだ。トランプに対する連中の熱狂的憎悪は、(愛国的な意味で言うのではなく、むしろ寄生虫が“自分の”宿主を気づかうように)自分たちの祖国と考える場所において、初めて脅かされてという、こうした連中が感じている危機感によって、一部説明がつくかも知れない。連中には恐れるべきもっともな理由があるのかも知れない。連中には恐れる理由があって欲しいと思う。

トランプを恐怖で萎縮させようという最近の企みへの見事な対処を見て、私は勇気づけられた。昨日トランプは、選挙で不正が行われる可能性があるので、結果を認めるとは誓わないと、あえて断言した。読み書きができる人なら誰でも、大統領選挙を含め、アメリカの選挙では過去に不正が行われてきたことを知っているにもかかわらず、トランプが犯罪的思考という大罪をおかしたと、メディアは主張している。シオニスト・マスコミは独善的に激怒して彼に襲いかかり、発言を撤回するよう彼に大変な圧力をかけている。寝返って“犯罪的発言”を撤回するかわりに、トランプは、もし自分が勝ったら選挙結果を尊重すると答えたのだ。

素晴らしいではないか? 彼がこの勇気を示し続けてくれよう願おう。

トランプは、ジャン=マリー・ル・ペンがフランスでしたことを、今実行している。彼はネオコンに、彼があえて公然と彼らに楯突くことを示し、連中のルールで動くのを拒否しており、連中の激怒も、彼には何の効果もなく、連中は検閲もできず、まして彼を沈黙させることなどできずにいる。彼は、またもや、サイバー攻撃をロシア人のせいにするのを拒否し、逆にロシアとアメリカにとって、友人であるのは良いことだという発言を繰り返した。彼がこの姿勢を一体いつまで保てるか私にはわからないが、当面、彼が英米シオニストの陰の政府や帝国にあからさまに楯突いていることは否定しようがない。

結論:

アメリカ合州国は、アメリカ史上、最も深刻で最も危険な危機の可能性がある状態に入り込もうとしている。もしトランプが選ばれたなら、連中が彼を政治的な動機の抑圧だと非難するいかなる口実も与えることなく、敵に対し、十分に練られた攻撃を、即座に開始しなければなるまい。ロシアでは、プーチンは軍と治安機関の支持が期待できた。トランプが一体誰を頼りにできるのかわからないが、アメリカ軍内には、依然、本当の愛国者がいると私は強く確信している。

もしトランプが、FBIを率いる適切な人材を得られれば、彼も、この機関を活用して大掃除し、賄賂や、(ここには随意の単語を)の陰謀や、権限濫用や、公正の妨害や職務怠慢などに対する起訴を次々と行えるだろう。そのような犯罪は、現在の支配層中で蔓延しており、こうしたものは証明が容易なので、賄賂を取り締まれば、トランプは、アメリカ国民から総立ちの拍手喝采を受けるだろう。次に、プーチンがロシアでしたように、トランプもマスコミに対処しなければならない。具体的に、どうするのか私にはわからない。しかし彼は、このけだものと対決し、打ち負かさねばならないのだ。プーチンがそうであるのと同様に、この過程のあらゆる段階で、彼は国民の積極的な支持を得る必要があるだろう。

トランプに、それができるだろうか? 私にはわからない。陰の政府を打倒し、人々の権限を復興するのは、ロシアの場合より、アメリカでの方がずっと困難だと私は思う。英米シオニスト帝国は、一番可能性が高いのは軍事的および経済的敗北の組み合わせにより、外部から打倒する必要があるだろうと私は常々考えている。私はいまでもそう信じている。だが私は間違っているかも知れない - 実際、私は間違っていることを望んでいる - あるいは、トランプは、アメリカ合州国を救うために、帝国を打倒する人物になるのかも知れない。どれほどわずかのものであれ、もしそのような可能性があるなら、我々はそれを信じ、そのために行動すべきだと思う。他の代案は、いずれももっと酷いのだから。
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2016.11.15
トランプが次期米大統領に決まったことを受けてソロス一派が秘密会談、露では新自由主義者逮捕

 ドナルド・トランプがアメリカの次期大統領に選ばれた後、アメリカ、EU、そしてロシアで興味深い動きが見られる。アメリカでは13日から3日間の予定でジョージ・ソロス、その息子のジョナサン・ソロス、あるいはトム・ステイアーを含む富豪たちが音頭を取り、トランプ対策を練る秘密会談をワシントンのマンダリン・オリエンタル・ホテルで開催、やはり13日にベルギーのブリュッセルではイギリスとフランスを除くEUの外務大臣がトランプに関して話し合っている。こうした会議以上に興味深いのはロシアで新自由主義者、つまりアメリカ巨大資本の傀儡グループ(いわゆる第5列)に属すと見られているアレクセイ・ウルカエフ経済開発相が汚職で逮捕された事実だ。

 ウルカエフたちのグループには中央銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナや新旧財務大臣のアントン・シルアノフとアレクセイ・クドリンも含まれ、ボリス・エリツィン時代のように、社会的な強者が富を独占する仕組みを復活させようと目論んでいる。

 そのグループにおける中心的な存在がエリツィンの娘であるタチアナ。ボリスが大統領だった時代、飲んだくれで心臓病を抱える父親に代わり、クレムリン内外の腐敗勢力と手を組んでロシアを食い物にしていた。1996年にボリスはタチアナを個人的な顧問に据えたが、2000年にウラジミル・プーチンから解雇されている。

 タチアナはウラル・エネルギーのCEOだったアレクセイ・ドゥヤチェンコと結婚していたが離婚、2001年にエリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフと再婚した。

 ユマシェフの娘であるポリナ・ユマシェバと結婚したオレグ・デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒで、ナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。

 タチアナの利権仲間に属すひとり、アナトリー・チュバイスは1992年11月にエリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していた。ここはCIAとの関係が深いUSAIDから資金を得ていた。言うまでもなくUSAIDはCIAが資金を流す際に使う機関だ。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 エリツィン時代のロシアで経済政策を作成していたのはジェフリー・サックスを含むシカゴ派の顧問団だが、ロスチャイルドとのつながりも目立つ。また、ソ連時代から現在のロシアに至るまで、この地域を支配しようとしてきたのがジョージ・ソロス。そうした西側支配層の配下のロシア人がウラジミル・プーチン体制になっても経済分野では主導権を握り、プーチン体制のアキレス腱とも言われている。

 米英のロシア/ソ連制圧の計画は1904年にハルフォード・マッキンダーのハートランド理論として顕在化した。イギリスが日本の軍事力強化や対ロシア戦の戦費調達に協力した一因はそこにある。

 当時、イギリスはライバルのフランス、ドイツ、ロシアに対抗するために約14万人の兵士が必要だと見ていたが、実際の兵力は7万人。その不足分を補うために目を付けられたのが日清戦争に勝利した日本だった。そして1902年、日英同盟協約が結ばれている。日露戦争でアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領が乗り出してきた理由も同じだろう。同じルーズベルトでもセオドアはフランクリンと違い、棍棒外交で有名な好戦派だ。

 現在、米英支配層とロシアとの鍔迫り合いはシリアで行われている。ヒラリー・クリントンなどアメリカの好戦派はシリアをリビアと同じように破壊、戦闘員をカフカスなどロシア周辺へ移動させ、西側のウクライナではネオ・ナチを使ってロシアへ迫っていくつもりだったのだろう。NATOもロシアとの国境近くに部隊を配備、ロシアに対する軍事的な圧力を強めてきた。ちなみに、ウクライナのクーデターを現場で指揮していたネオコン、ビクトリア・ヌランド国務次官補はヒラリーと親しい仲だ。

 ところが、シリアでは昨年9月末にロシア軍がシリア政府の要請に基づいて軍事介入、アル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュに対する攻撃を始めた。アメリカが主導する連合軍とは違い、本当に攻撃して侵略軍は大きなダメージを受けた。そこでアメリカの好戦派はリビアのように飛行禁止空域を設定するように要求する。ヒラリーもそうした首相をする仲間だ。

 アメリカ上院の軍事委員会でジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長が語ったようにシリア上空をロシア軍やシリア軍の航空機が飛行することを禁止した場合、アメリカはロシアやシリアと戦争になる可能性が高く、世界大戦、つまり核戦争に発展する可能性が高い。アメリカなどがアル・カイダ系武装集団やダーイッシュなどを攻撃しているロシアやシリアの戦闘機や爆撃機を撃墜すれば、ロシアもアメリカなどの戦闘機や爆撃機を撃墜する。必然的に直接的な軍事衝突になるからだ。

 好戦派と見なされているダンフォードでさえロシアとの戦争には消極的だが、軍の内部にもヒラリーの仲間はいる。例えば、陸軍のマーク・ミリー参謀総長はロシアに対し、かつて経験したことがないほど激しく叩きのめしてやる、つまりスターリングラードなど第2次世界大戦でソ連が受けた以上の打撃を加えてやると演説した。先制核攻撃すると言っているのに等しい。

 それに対し、トランプはダーイッシュの打倒を最優先すべきだとしている。すでにトランプはプーチンと電話で話し合っているようだ。このまま進めばアメリカとロシアとの関係は修復される。ソロスたち「リベラル派」はそれを恐れている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611150000/


2016.09.12
英国へ亡命中のベレゾフスキーがエジンバラ公の「ポルノ写真」を脅しに使ったとする説の信憑性

 1990年代、ボリス・エリツィンが大統領だった時代のロシアで政権の中枢と手を組んで国民の富を略奪、巨万の富を築いて「オリガルヒ」と呼ばれるようになった一団が存在する。その象徴的な人物だったボリス・ベレゾフスキー(亡命後に「プラトン・エレーニン」へ改名)は2013年3月23日にイギリスで死亡する。ロシアへ戻る動きを見せた直後のことだった。ベレゾフスキーの背景にはチェチェンの戦闘集団や犯罪組織が存在した。

 そのベレゾフスキーに焦点を当て、エリツィン政権の腐敗を明らかにしたアメリカのジャーナリスト、ポール・クレイブニコフは2004年7月にモスクワで射殺されている。「全ての悪事はウラジミル・プーチンの為せる業」だと唱える人もいるが、暗殺の背後にベレゾフスキーがいたのではないかと疑う人も少なくない。(Paul Klebnikov, "Godfather of the Kremlin", Harcourt, 2000)

 ベレゾフスキーの下で働いていたアレクサンドル・リトビネンコは2006年11月に放射性物質のポロニウム210で毒殺されたとされているが、このリトビネンコもロシアへ帰国する動きを見せた直後の死だった。ポロニウム210は放射性物質であり、明白な痕跡を残す。何十年も前から痕跡を残さないで人を殺せる薬物は開発されていると言われているので、ポロニウム210を使ったというのは不自然。殺害には別の毒物が使われ、ポロニウム210は追跡させるために利用されたのではないかというのだ。

 その死について、兄弟のマキシム・リトビネンコはアメリカ、イスラエル、イギリスの情報機関に殺された可能性があると主張している。死の数週間前、ロシアの石油会社ユーコスの元幹部レオニド・ネフツーリンと会うためにイスラエルを訪れていていたことも知られている。

 リトビネンコの体調が悪くなった日、ロンドンの「寿司バー」で彼と会っていたというのがイタリア人のマリオ・スカラメッラ。事件後、イタリアで逮捕されているが、この人物はイタリアのカンパニア州を拠点としていて、ECCP(環境犯罪防止プログラム)という組織を運営、その一方でナポリの犯罪組織、カモッラともつながっていた。

 それだけでなく、スカラメッラはイタリアの情報機関とも緊密な関係にある。2002年5月にはローマの近くで開かれた秘密会議に出席しているのだが、同席者の中には情報大臣だったフランコ・フラティニ、SISDE(治安機関)のマリオ・モッリ長官、SISMI(対外情報機関)のニッコロ・ポッラーリ長官、ルイジ・ラムポーニ元SISMI長官も含まれていた。

 ポッラーリ長官はその後、CIAによる拉致事件に絡んで解任されるのだが、この拉致にはスカラメッラも協力していたと言われている。スカラメッラとつながっていたロバート・セルドン・レディはCIAのミラノ支局長だと噂されている人物だ。

 ところで、9月7日付けのサン紙はイギリスの情報機関が殺害したとする主張を紹介、その理由として挙げられているのはエジンバラ公(フィリップ・マウントバッテン)の「ポルノ写真」。1950年代に彼の友人が「木曜クラブ」で撮影したもので、イギリスの当局へ提出ずみだったという。ベレゾフスキーは自身の悪事が明らかにされることを防ぎたかったというのだが、王室サイドはそうした話が漏れることを恐れ、情報機関が動いたという説である。真偽は不明だが、説得力に欠ける印象は否めない。

 ベレゾフスキーはエリツィンと親しかったが、西側では「メディア王」とも呼ばれるルパート・マードック、1980年代に「ジャンク・ボンド」を売りまくってウォール街の敵対的買収を下支えしたマイケル・ミルケン、ジョージ・W・ブッシュの弟でS&L(アメリカの住宅金融)スキャンダルで名前が出てきたニール・ブッシュ、ジェイコブ・ロスチャイルド卿、その息子のナサニエル(ナット)・ロスチャイルドらと親しくしていた。

 エリツィン時代からロシアで西側勢力とつながり、富の略奪を続けているグループの中心人物はエリツィンの娘であるタチアナ。飲んだくれで心臓病を抱える父親に代わり、クレムリン内外の腐敗勢力と手を組んでロシアを食い物にしていた。1996年に父親のボリスはタチアナを個人的な顧問に据えている。彼女は2000年、ウラジミル・プーチンから解雇された。

 ウラル・エネルギーのCEOだったアレクセイ・ドゥヤチェンコと離婚したタチアナは2001年、エリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフと再婚した。その娘であるポリナ・ユマシェバと結婚したオレグ・デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒで、ナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。

 タチアナの利権仲間に属すひとり、アナトリー・チュバイスは1992年11月にエリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していた。ここはCIAとの関係が深いUSAIDから資金を得ていた。言うまでもなく、USAIDはCIAが資金を流す際に使う機関だ。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 エリツィン時代の経済政策はジェフリー・サックスを含むシカゴ派の顧問団が作成、今でも影響力を保持している。基本的に新自由主義に基づく政策を推進、西側巨大資本がロシアを揺さぶるための手先でもある。中央銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナ、経済開発大臣アレクセイ・ウリュカエフや、新旧財務大臣のアントン・シルアノフとアレクセイ・クドリンもその仲間だ。こうした勢力を排除できないところにプーチンの弱点があると言われている。

 ベレゾフスキーがプーチンとの和解に成功してロシアへ帰国した場合、今でもロシア経済に大きな影響力を持つ親西側資本勢力のネットワークが明らかになる可能性があった。すでにロスチャイルドを中心とするネットワークと強く結びついていることは判明しているが、ロシア国内のつながりが露見した場合、ロシア制圧は今よりさらに難しくなる。ベレゾフスキーが死んだことにより、西側支配層にとって最悪の事態にはならなかったと考えることができるだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201609120000/

ロシア国民がプーチン大統領を圧倒的に支持する理由 日本外交と政治の正体
2016年10月14日 孫崎享 外交評論家 日刊ゲンダイ 


  
「赤の広場」の祝賀行事で国民に取り囲まれるプーチン大統領/(C)AP
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/630.html


 米経済誌「フォーブス」は毎年、「世界で最も影響力のある人物」を発表している。2013〜15年にかけて上位の顔ぶれは変わっていない。15年の1位はロシアのプーチン大統領、2位はドイツのメルケル首相、3位は米国のオバマ大統領で、4位はバチカンのローマ法王、5位は中国の習近平国家主席と続く。

 プーチンの強さの“カギ”がどこにあるのかといえば、国民から圧倒的な支持を得ていることだろう。ロシア国内の支持率(ギャラップ調査)の推移を見ると、09年は77%、10年は74%、11年は65%。12〜13年はそろって54%と下落傾向にあったものの、14年は83%と再び持ち直した。そして今年3月に実施されたロシアの世論調査機関「レバダ・センター」の調査でも、支持率は82%だった。

 一方で、米シンクタンクのピュー研究所が15年に世界40カ国で実施した世論調査によると、プーチンを「信頼する」は24%、「信頼できない」が58%だった。つまり、世界とロシア国民のプーチンに対する評価は真逆なのだ。

 ロシアはエリツィン大統領時代に国家崩壊の道を進んでいた。チェチェンなど、イスラム教の強い地域の「分離」は時間の問題とみられていたし、経済は悪化の一途をたどっていて、年金生活者は苦境のドン底だった。そんな時代背景の中で現れたのがプーチンだ。

 話は少し外れるが、今の世界の多くの政治家は私利私欲にかられ、自身の利益を最優先し、経済的に困窮している弱者にほとんど目を向けない。しかし、幼少期を「エリート」として過ごしていないプーチンには、こうした姿勢がみられない──とロシア国民の多くが感じている。

 プーチンがロシア国内で重用されているのは、「世渡りのうまい政治家ではロシアは救えない」という危機感がロシア国内で広がっているからで、国民はプーチンと自分たちの思いは「乖離していない」──とみている。それが圧倒的な支持を得ている理由だろう。プーチンと親交のある柔道家の山下泰裕氏はこう言っていた。

「プーチンはうまく、上手に生きていくということを嫌う。自分は柔道家として個人の利益を優先するのではなく、人間としての生き方を追求することを教えた」

 プーチンは諜報員として、長く海外で生活してきた。諜報員に求められるのは「事実を客観的に見る能力」である。ロシアはクリミア問題やウクライナ問題で世界から制裁されているが、ロシア国民の多くは、米国などが仕掛けた陰謀――として、毅然とした態度を取り続けているプーチンの姿勢に共鳴しているのである。

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プーチンみたいな彼

ロシア人にも大人気のプーチン大統領の歌があります。

プーチン大統領のような頼りがいのある彼が欲しいというロシア人女性の願望でしょうか。

KGB出身でロシアの絶対権力者であるプーチン大統領。ロシア国民の間でも彼は絶大な人気を誇っております。


ロシアでは「プーチンのイレズミ」が大人気 

ロシアでは今プーチンのイレズミを体のどこかに入れるのが流行っており、イレズミの順番待ちをしている状態らしい。

オムスク市のジョセフ・ラディモフさんは「自分の肩にプーチンの顔のイレズミを入れることにしました。それは安全を感じるのです」っと言い、「プーチンのイレズミを入れるのは今とても流行っていて、彼の友達は全員イレズミを入れています」っと話してるそうです。

イレズミを入れるといつでも大統領の自信と安全があるように感じさせるらしく、更に「どのくらいプーチンを信仰してるか?」ってのをイレズミで競う人達もいるそうです。

最近ではオムスクの町でプーチン大統領に敬意を表するために、自分の名前を「プーチン」に変えた人までいたらしい・・・・。

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2017年05月19日 民主主義という究極のポピュリズムを制す「かわいさ」


■冷血な人殺しでも人気絶大なプーチン大統領

2000年3月、ボリス・エリツィン大統領の後任としてウラジミール・プーチンがロシアの第2代大統領に正式に選出されたとき、ある方が新大統領を評して「何十人も人を殺してきた目をしてる」と言われたのが今でも忘れられません。

当時、プーチン氏は政治家としても大統領候補としても世界的にはほぼノーマークで、元KGBの優秀なスパイという以外ほとんど情報がありませんでした。プーチン大統領就任により、ゴルバチョフ、エリツィンと続いた民主主義ロシアがどうなってしまうのか、という危惧を多くの人々が抱いたと思います。

しかしプーチン大統領は、現在世界を震撼させているトランプ大統領の「ロシア・ゲート」も含め、自らのスパイとしての経験と手腕を最大限活かして政権を維持。白昼堂々とホテルに核物質を送り付けたり、夜のニューヨークのビルから突き落としたりと、独創的かつ強引な手法で反対勢力陣営の人々を排除していく様子も、これまでの民主主義国家の政治家像を大きく逸脱しています。

最近では、ウクライナ問題でプーチンを説得するためにわざわざクレムリンまで出向いた独メルケル首相に会う際、メルケル首相が大嫌いな大型犬連れで登場して威嚇するなど、ある意味、トランプ大統領にも通じるパフォーマンス政治家という側面ももっているようです。

ただし、ソ連時代ならいざしらず、現在のロシアはいちおう民主主義国家で、大統領も国民選挙で選ばれます。強引かつ強圧的な手段で治世するプーチン大統領が国民に恐れられ忌み嫌われ、人気も低いかというとそれがまったくの逆で、2012年の大統領選挙時には、63.6%と約2/3の得票。現在の支持率は90%近いとも言われます。

しかも毎年、「プーチンカレンダー」なるものが発売され大人気。

Vladimir Putin's inspirational 2017 calendar - CNN.com
http://edition.cnn.com/2016/10/19/europe/vladimir-putin-calendar-2017/

上半身裸で釣りをしている写真や、映画スターさながらにサングラスにラフなジャケットで歩いている様子に混じって、花をもってポーズを決めたり、猫や犬と戯れていたり、まるでアイドルスターのようです。

このカレンダーを誰が買っているかは写真を見れば一目瞭然でしょう。ロシアの女性たちに圧倒的な人気を誇るのもまた、プーチン大統領の一面なのです。

■「かわいい」政治家に投票してしまう私たち

私たちが選挙で投票行動をする時、意識するかしないかの程度の違いはあっても、最も重点が置かれるのは「政策」ではなく、実は「政治家の人間性」であると私は思います。

比例区では政策で政党を選ぶ人も多いかもしれませんが、小選挙区で所属政党の政策に共感はできても、外見や話し方に嫌な感じをもってしまう候補者より、支持政党ではなくても好感をもてる候補者に投票した経験のある方は決して少なくないのではないでしょうか。

しかし、実際にはその候補者がどんな人間かは顔に書いてありません。もちろん本人や推薦人はいかに候補者の人間性が素晴らしいかを強調するでしょうが、その言葉が必ずしも事実とは限らないのです。

そこで私たちが人間性を判断する基準は、性別を問わず、その候補者に「かわいさ」を感じられるかどうかになります。単にハンサムであるとか美人であるとか(もちろん容姿は良いに越したことはありませんが)にとらわれず、その人を「かわいい」=「人間として好ましい」と思えるかどうか、が問題となってくるのです。

声や話し方、言葉の使い方、しぐさ、表情など、その人の内面からにじみ出てくるようなかわいらしさは、いくら頑張って作ろうと思っても決してマネできるものではありません。逆に、プーチン大統領のように実際には冷血な殺人者であっても、ふとした拍子にこぼれる笑顔などに、女性をはじめ一部の男性もかわいらしさをつい感じてしまうのです。
http://blogos.com/article/224069/


16 7月 2014, 18:41
プーチン大統領の支持率:ロシア大統領の人気には何が影響するのか?


世論調査によると、プーチン大統領の支持率は現在およそ80パーセント。一方で専門家たちは、この傾向が今後も続くとの確信は示しておらず、政府の経済プランと野党の行動が、国民の気分に変化を与える可能性もあるとの見方を示している。政治分析センターの報告書の中で発表された。


ロシア人の圧倒的大多数(80パーセント)が、すでに数ヶ月間にわたり、プーチン氏の大統領としての活動は成功しており、完全に国民の関心に応えているとの確信を表している。政治分析センターの依頼で実施された世論調査によると、最近2年間で国民の25パーセントがプーチン大統領への「態度を改善」した。プーチン大統領への「態度を悪化」したのは、たったの4パーセントだった。

なお、プーチン大統領を支持する年齢層が上がるとの予測は覆されている。プーチン大統領の政策を支持する大学生の数は、年金受給者の数と等しく、プーチン大統領を支持する人々の3分の1を占めている。政治分析センターのパーヴェル・ダニリン氏は、次のように語っている。

「ソチ五輪の成功とクリミアの出来事は、メドヴェージェフ政権時代にプーチン氏の支持者ではなくなった多くの有権者たちが、再びプーチン大統領の支持者に加わるための原動力となった。そのほか最近では、今まで一度もプーチン大統領を支持したことのなかった人々も、プーチン大統領の支持者となっている。」

国家戦略研究所のミハイル・レミゾフ所長は、プーチン大統領は3期目の大統領に就任後、社会にとって最も切実な社会・経済問題の解決に取り組み始めたと述べ、次のように語っている。

「プーチン大統領は、2000年代初頭に存在し、後回しにされていた社会問題に着手した。これは、社会における国家公務員や軍人の立場に関するものだ。国家公務員や軍人の給与は、受け入れ可能な水準にまで引き上げられた。また経済の脱オフショア化にも取り組み始め、この政策の方向性が決められた。これは、社会の期待と一致している。」

社会の大多数がプーチン大統領の活動を支持したことで、ロシアの野党陣営は著しく縮小した。一方で、プーチン大統領の支持率に影響を及ぼす可能性のある経済および社会分野には、不安定要素がある。レミゾフ氏は、政府は消費税を引き上げ、年金額の物価スライドを一的に凍結する計画であり、これがプーチン大統領の支持率にネガティブな影響を与える可能性があるとの見方を示し、次のように語っている。

「ロシア社会では一部のみしか実現されていないいくつかの要求がある。その一つは、社会的および経済的正義だ。2つ目は、大量の移民や民族がらみの犯罪と関連する一連の民族問題だ。このテーマは、社会が憂慮する事柄の上位リストに安定して含まれており、これに関する政府の行動はまだそれほど効果的ではない」。

プーチン大統領の国内における政治的立場の強さは、大統領がどれほど社会の要求に応えることができるかにかかっている。
http://japanese.ruvr.ru/2014_07_16/274714419/

プーチン大統領がロシアから叩き出したい5つのものとは? 2014-07-06


ロシアのプーチン大統領が嫌いなものは何か。

まず、同性愛者だ。それは欧米的価値観から生まれた「病気」だからだという見解だ。

次にプーチン大統領が嫌いなものは何か。それは、移民だ。移民はロシア人の仕事を奪う者たちであるという見解だ。

もちろん、プーチン大統領は、ユーロ圏にはびこっている「多文化主義」も大嫌いだ。多文化主義はロシアの文化を破壊するものであると認識している。

プーチン大統領は、自分に敵対する存在も嫌っている。何よりも信用ならないと思っているのはアメリカで、その次にヨーロッパだ。中国も日本も信用していない。

プーチン大統領は、メディアも大嫌いだ。メディアはあることないことを垂れ流して国民を煽動する存在なので、有害だとすら考えている。

プーチン大統領はNGO(非政府組織)も嫌いだ。NGOは、外国の有害組織の隠れ蓑になっていると考えており、放置しておけば、いずれ反社会勢力になると信じている。


プーチン大統領がロシアから叩き出したい5つ

プーチン大統領は、だからこういったものを根こそぎ制限し、ロシアから叩き出すつもりでいる。

ここに上げたものはすべて欧米のグローバル資本がその国の国家主権を崩壊させるための「道具」であると、プーチンは考えているようだ。

同性愛の容認は、ロシアが古くから持っている道徳観を破壊する道具。移民の容認は、ロシア人の仕事を破壊する道具。多文化主義もロシアのアイデンティティを崩壊させるための道具。メディアもロシアの世論を動揺させるための道具。NGOはロシアで破壊工作をするための隠れ蓑の道具。

分かりやすく言うと、プーチン大統領は、このように考えているのだ。

(1)同性愛は、その国の性の価値観を破壊する。
(2)移民は、その国の職業的安定を破壊する。
(3)多文化主義は、その国の文化を破壊する。
(4)メディアは、その国の世論を破壊する。
(5)NGOは、その国を裏側から破壊工作する。

欧米のメディアはこうしたプーチン大統領の「締め上げ」を被害妄想だと批判している。

しかし、実のところ欧米ではプーチンが嫌っているこれらのものは、すべてがこれを取り入れた国で大きな問題を引き起こしているのも事実だ。

実は今、この5つを否定する政治家・指導者は、トップに立てない世の中になっている。あるいは、トップになっても激しく批判されて追い落とされる世の中になっている。


プーチン大統領は、反政府運動をすべてグローバル主義者が裏で煽動していると考えている。こういったデモは、ロシアでは徹底的に封じ込められていく。


グローバル化とは、実は国家破壊の動き

逆にこの5つを受け入れた国は、何を受け入れたと言われるのか。それは「グローバル化を受け入れた国」と言われる。

そう考えると、グローバル化とは何かという根源的な問いかけが見えてくるはずだ。グローバル化とは、実は国家破壊の動きなのである。

プーチン大統領がエリツィンの後継として大統領になってからまずしたのは、ロシアからオリガルヒ(新興財閥)を徹底的に駆除することだったが、このオリガルヒの多くは、ユダヤ人だった。

言うまでもなく、ユダヤ人は歴史的に国を持たず、全世界に流浪して定着している民族である。そして、上記の5つは、すべてユダヤ人のアイデンティティとなっているものでもある。

プーチン大統領は、実質的にユダヤ人をロシアから追い出すことによって、グローバル主義をロシアから追い出した。

ユダヤ人の政策を拒絶することを欧米では「反グローバリズム」と呼ぶ。今、プーチン大統領は反グローバリスト、あるいは独裁者と欧米から呼び捨てにされている。

そう考えると、今ロシアで起きているのは、プーチン大統領という保守派と、ユダヤ人というグローバル派の激しい権力闘争であるというのが分かる。

たとえば、プーチン大統領はアンドレイ・ルゴボイ議員を使って二重国籍取得を非合法化する動きを進めているが、これも「ロシア人のなりすまし」を防止するためであり、グローバル派の締め上げである。

内務省の全職員の出国を禁じているが、これも「グローバル派への寝返り」を防止するためのものである。

欧米メディアは必死になってプーチン大統領を権力の座から追い落とそうとしているが、隙を見せないプーチン大統領は、より強行にロシア文化の防衛に走っており、ロシア人の多くはこれに賛同している。


プーチン大統領がエリツィンの後継として大統領になってからまずしたのは、ロシアからオリガルヒ(新興財閥)を徹底的に駆除することだった。


ロシアは断固としてそれを拒否する方向で動いている

こういった動きはもちろん、ロシア経済を縮小させるものであり、実際にロシア経済、ロシア株式市場は暴落したまま停滞に入っている。ロシアは厳しい状況になる。

しかし、ロシア国民の多くは、ユダヤ人オリガルヒに国富をすべて奪われつつあったエリツィン時代の惨状を覚えている。したがって、「あんな時代になるのであれば絶対にプーチン大統領を支持する」という声の方が大きい。

つまり、ロシア国民はほとんど誰も民主化やグローバル化を望んでいない。

ヨーロッパはそれを受け入れたかもしれないが、ロシアは断固としてそれを拒否する方向で動いているのである。

プーチン大統領は、グローバル化によるロシア破壊を撥ね飛ばすために、着々と独裁化を推し進めているが、その独裁化も「ロシアには強い指導者が必要だ」ということで容認されているのが現状だ。

世界全体がグローバル化に飲まれていこうとしている今、公然としてグローバル化に反旗を翻しているロシアには勝算があるのだろうか。

この結論は、まだ簡単には出ない可能性は高い。

ユーロ圏はグローバル派が天下を取ったと思われていたが、現在、欧米のあちこちの国で極右政党が台頭してきている。

これらの政党は、多文化主義も移民も猛烈な勢いで吹き飛ばそうとしている。各国の国民がその極右政党を支持しており、今までの政治家との乖離が非常に大きなものへとなっている。

今まで国際世論から無視されて見えてこなかった「反グローバリズム」の動きが、いよいよ顕在化しつつあるのが、ロシアのプーチン大統領の動きで明確になってきた。


「反グローバリズム」の動きが、いよいよ顕在化しつつあるのが、ロシアのプーチン大統領の動きで明確になってきた。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20140707T0113040900.html


1998年8月17日のデフォルト(債務不履行)


ロシアは1990年代にはすでに経済的に行き詰まってボロボロになってしまっていた。そして、そのクライマックスは1998年8月17日に来た。

ロシア政府はこの日、ルーブルの切り下げとデフォルトを余儀なくされ、外資の流入がストップして輸入も大幅に落ち込み、国家が事実上崩壊してしまったのである。

ロシアがこうなる予兆は前々から予測されていた。エリツィン大統領は1997年に健康を害してレイムダックになっていたし、政権は何とか維持していたが、もはやその弱体ぶりは誰の目にも明らかだった。

そして、その年にはアジア通貨危機が勃発していて、バーツが売り込まれたように、今度はルーブルが激しく売り崩されて危機が高まっていった。

やがてロシアが頼りにしている主要な外貨獲得の元である原油が暴落するに至って、ロシア政府もIMFも御しがたいほどのルーブル売りが勃発し、この国はとうとうデフォルトに追い込まれてしまったのだった。

国が崩壊したら何が起きるのか。

それは行政の停止と、企業の倒産と、飢える国民の徘徊である。ロシアの国民は物資も貯金も仕事も一気に失って、貧困のどん底に突き落とされた。

年金暮らしの老人が物乞いとなってモスクワの街のゴミ箱を漁っている光景や、家財道具も何もない小屋の中で飢える我が子を呆然と見つめる母親の写真などが記事になったのはこの頃だ。

ロシアが破綻したために、ロシア圏全体が極度の貧困に堕ちていった。

ロシア圏の女性たちは1990年代から売り飛ばされていたが、このデフォルト以来、その動きはさらに加速して、2000年に入ると、とうとうアジアにまで到達するようになっていた。

ロシア系の女性は美しい。彼女たちはロシア・マフィアにとっては素晴らしい「商品」だったし、美しい女性に対する需要はどこにでもあった。

かくして、アジアのあちこちの国で、ロシア圏の女性が人形のように立って男に拾われるのを待つようになった。

このあたりの状況はブラックアジアにも取り上げたことがある。

(マイクズ・プレイス。緑の虹彩を持った女性とロシアの崩壊
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20120116T2045350900.html


「私は敵と寝てるのよ」と彼女は言った

国が崩壊した後、ロシア女性は「こんな生活は嫌いだ」と言いながら、セックス産業から逃れられなかった。

今でもタイやシンガポールでは当たり前のようにプターナ(ロシア人娼婦)の姿を見るが、2000年当時は日本にも「外人パブ」なるものができていた。

そこに所属していた金髪白人は、大抵がロシア系だった。サハリン経由やウラジオストック経由で現地マフィアと組織暴力団のルートでロシア女性が入ってきていたのだった。

また当時は、サイパンやハワイでもロシア女性が高級ホステスとして働いていたのは知る人ぞ知る事実である。

プターナと呼ばれる彼女たちの裏には「オリガルヒ」と呼ばれるロシアの新興財閥が絡んでいたのだが、彼らの存在は早い話がマフィアの類いだった。

ロシア女性を人身売買して金を儲けたのだから、マフィアという以外に言葉がない。

この時期にインタビューした女性のひとりは、その状況を当時のジュリア・ロバーツの映画に引っ掛けてこう言った。

"I"m sleeping with the enemy."
(私は敵と寝てるのよ)

ところが、強い酒を煽る殺伐としたプターナの姿は2005年あたりから急激に歓楽街から消えていくことになる。

今度は何が起きたのか。

まず、2004年から原油価格が徐々に上昇していってロシア経済がフル回転を始め、プーチンの政治手腕が冴えて国際社会にロシアの影響力が回復していったのだ。

プーチン時代と石油高騰時代は重なっており、逆に言うとプーチンがあれほどまでロシアで絶大な支持を得ることができたのは、原油価格の高騰に助けられたことも大きかった。

そして、2014年。

今度は時計が逆回転するように、ロシアの状況が悪くなっている。これがロシア女性を追い詰める可能性がある。欧米の経済制裁が勝つのか、それとも猛烈な逆風を何度も切り返してきたプーチンがまた危機をすり抜けるのか。

状況は流動的だが、ロシアには再び激動の時代がやってきているのは間違いない。


果たして、プーチン大統領はロシア女性を守ることができるのか。今後のロシアは綱渡りの政治となる。プーチン大統領が命運を握っている
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20140718T0527290900.html

金融の自由化はISOによってではなく、グローバル化なる経済用語あるいは
新自由主義なる政治用語によって露骨に国家間の争いとして実現されてきた。
ここにおける戦いが逆にISOを規定してきたといえるのである。
 それは98年8月27日、史上3番目の米欧での株の大暴落という劇的な形で始まった。
米12%、英13%、独18%の暴落だった。翌日アジアに波及する。日本19%香港33%
マレーシア59%。仕掛けはニューヨーク株式市場だった。この点に注目しておいて
いただきたい

ロシア売りである。直撃を受けてロシアの株価は実に84%も下落する。
一夜にして価値が6分の1に下落してしまったのである。

 この資金は「Hot Money」と称せられ、公式的には短期資金とされHedge Fund
とされる。資金の源は「ソ連邦崩壊により軍需に回されていた資金が民間に回り、
金融市場にあふれた」からとされているが、鵜呑みにするわけにはいかない。
軍需に回されていた資金の源は?民間に回される?馬脚が出ているのである。
公的資金が隠匿された回路を通って市場に投入されていることを自ら暴露して
しまっている。隠匿されているので分からないが、ヘッジファンドの資金のかなり
の部分が米では政府筋から出ている可能性がある。


1990年代初頭の旧ソ連と東欧の民主化は、西側諸国にとってあらたな潜在的脅威を生んだ。それまで共産圏内に閉じ込められていた高い技術力、技術開発力、先端科学が開放され、西側先端産業を脅かすことになるからだ。民主化の過程で、これら先端科学や先端技術を破壊する必要があった。旧ソ連と東欧の民主化、自由主義経済への移行過程に、IMFと世界銀行が深く関わることになる。

両機関の政策により、旧共産圏の経済生産は半分に落ち込んだとも言われる。また、経済の全域が商業マフィアに乗っ取られ、正常な経済活動が営まれなくなった。先端産業は発展の道を封鎖され、科学者や技術者は失業するか西側企業に格安で雇われることになった。IMFと世界銀行は、旧共産圏の経済を見事なまでに破壊し、国民生活を世界最低レベルにまで落とした。

かつての旧ソ連、東欧での生活水準はけっして高くはなかった。しかし、教育や医療など中心的な社会サービスは無料で提供され、完全雇用が約束されていた。しかし、IMFと世界銀行の指針により、社会保障制度は自ら財源を確保しなければならなくなった。教育、医療は有料化され、多くの人々が教育と医療を受ける権利を剥奪された。かつて西側先進国をしのぐほどの高い教育・医療レベルも維持できなくなった。

旧共産圏は、経済や産業だけでなく、教育、医療、福祉、文化、芸術、スポーツなどあらゆる分野が瓦解し、第三世界化してしまった。かくして、旧ソ連は西側先端産業にとって何の脅威でもなくなった。ヨーロッパ産業にとっては、すぐ隣に低賃金の労働市場が誕生したことを意味する。以降、東欧諸国は、西側ヨーロッパ産業に低賃金労働を提供するだけの存在となってしまった。


IMFによる「改革」によってロシア経済は混乱を増幅させ、IMFが決めた追加支援の
実行を求めるロシアのキリエンコ首相に米は拒否を通告、2日後のルーブルの大幅
切り下げ、そしてついには外為取引停止へと突き進んでいった。ロシア経済が立ち
直るのはエリツィン政権が終わり、IMFの言うことを聞かないプーチン政権が誕生
してからのことである。

 とすると、IMFで意図的にロシア経済を米欧に都合のいい状態に置き、その
締めくくりとしてロシア売りを仕掛け、世界的株価暴落を実現したと考えることも
出来る。

全てを「政府の手を離れた」「国境を越えた」ヘッジファンドのせいにする論調
ばかりが見受けられるが、よく考えてみる必要がありそうだ。そもそもIMFは米が
中心になって「社会主義諸国圏」を包囲し、帝国主義諸国間の金融を安定させる
ために作られた組織である。そのIMFのロシア資本主義化計画に基づいてロシアは
経済を運営したのだが、計画をしてその実行段階に入ってしまった後に米国が資金
提供を拒否するというシナリオは、非人為的なものだろうか。意図的であれ意図的
でないにせよ、人為的所為であることは確かである。

ロシアで何が為されたかを検討してみよう。91年の国有企業就労人口は78%程度
であったものが5年後の96年には38%となり、民間企業と逆転する。この間、
外資企業は1000から15000近くとなる。国営企業は株式化され株式売却益を国家
財政に返納するという方式すら採ることが出来ず、安値で個人に売却されるという
形しか採れなかった。国家財の収奪である。収奪された富は民営化された企業の
初期赤字という形で移転されていく。どこに移転したのかといえば、赤字に
ならざるをえない環境=すなわち国際環境に吸収されていったのである。
要するに外国資本が入り組んだ形で少量ずつの分け前にあずかるという形式で
ロシア国外に移転されたのである。

他方、民営化は外資が入り込むという形で急速に進展したのである。外資が入り
込みやすくするために国営・公営企業が急速に解体させられていったのである。
そしてこれこそがIMFの方針の確固とした部分だったのである。

 瞬時に国境を越える資金による恫喝とその実行を背景に、米国資本の利害に
連邦政府がその手先として地ならしをするというのがその実態だったのである。

日本もそうであり、ISOやIMFはその国家形態をとった手段だったのである。

http://www.hibana.org/


アメリカがロシアにしたこと:

・1992年1月に開始されたIMF式「ショック療法」は、ロシアの民族資本主義への移行の可能性を最初から排除させるものであった。西側の目的は、どのようにしてロシアを手なづけ従属させ、ロシア経済の長所である先進科学、人的資源、知的財産権を奪うかにあった。

・IMFとエリツィンが主導する経済改革はアフリカとラテンアメリカの債務国に強要された構造調整プログラムのコピー版が適用されたのだった。この経済改革で物価が100倍以上に跳ね上がったと言われている。IMF関係者によると、国民の購買力が非常に高く過剰流動性を吸収しなければいけないと述べていた。マクロ経済政策が実施されると、生活水準は下落し、第二次対戦の時のほうが食べるものがあったという声があるほどだった。

・冷戦は実際に破壊なく進行した戦争であったが、マクロ経済政策という武器を通して、敗戦国の経済を瓦解させながら、幕を下ろした。市民社会は破壊、経済活動の領域が犯罪の巣窟になり、国家の財産が奪取され、黒い金がロンダリングされ、資本は海外へと流出した。さらに、商業銀行の半数以上を地域マフィアが掌握、モスクワの不動産の半分を犯罪組織が所有しているのだ。

◆国家財産の安価購入◆

・新興富裕層は、法外に儲けた金で国家財産をただ同然の安価で買ったり、政府の民営化計画を通して民営化企業を買ったりした。先端のミサイル生産施設は、100万ドルあれば買うことができ、モスクワの中心にあるホテルは、パリにあるアパート一軒の値段より安く取引された。


◆膠着状態に陥ったIMFの改革政策◆

・1992年末に、イェゴール・ガイダル首相の指揮で進められていたIMFの改革政策は、議会だけでなく、中央銀行からも猛反対にあった。中央銀行総裁はIMFの勧告とは反対に国営企業に貸出しを拡大し、代わりに保健医療、教育、年金の削減を盛り込んだ、「対案的経済政策計画」を発表したが、ガイダル首相が解任されると、その計画は実行されなかった。
・そして相次ぐ議会の反対から、1993年9月21日にエリツィンが大統領令を布告し、議会の両院を解散させた。

◆西側諸国のエリツィン支援◆

・1993年末にはいって、ロシアの資本は海外流出によって枯渇状態になってしまっていた。その年の国際収支赤字は400億ドルで、1993年に東京で開かれたG7首脳会議で決定した430億ドルの援助に匹敵する額であった。同年バンクーバー・サミットで締結された米国とロシアの二国間協約に従って、クリントン大統領は16億ドルの支援をすると約束したが、これにはたくさんの条件が付けられており、ロシアは自由に使えなかった。


◆債務返済の足かせ◆

・1993年9月議会の抵抗を制圧したロシア政府は、債権金融団との債務交渉戦略を修正した。1993年10月初め、フランクフルトでロンドン・クラブ会議が開かれた。そこでロシア交渉団は、商業債務返済は必ず守らせると断言した。この会議で、治外法権放棄を除外してはロンドン・クラブが提示したすべての条件を受け入れた。そして、国際収支の危機、悪性債務の蓄積によってロシアは、事実上の支払い不能状態に陥るようになった。今やロシアは卑屈で従順な第三世界国家へと転落してしまい、債務と構造調整という沼に落ちてしまった。

◆市民社会の崩壊◆

・ロシア国民は両極化し、民主主義を導入後は、雇用に関しては最悪の結果で1993年には産業施設の半分以上が閉鎖倒産した。1994年の公式統計によると、3万3千ほどの国営企業および集団農場に勤務する労働者の賃金が遅払いされた。

・問題は貧困化と大量失業だけではなく、ロシア社会の基礎、国家制度自体が破壊されており、ロシア連邦さえ瓦解する危険性があるのだ。
http://www.h3.dion.ne.jp/~ymuroi/02-1-zemi-03s-12.htm

1990年代初頭の旧ソ連と東欧の民主化は、西側諸国にとってあらたな潜在的脅威を
生んだ。それまで共産圏内に閉じ込められていた高い技術力、技術開発力、先端
科学が開放され、西側先端産業を脅かすことになるからだ。民主化の過程で、
これら先端科学や先端技術を破壊する必要があった。旧ソ連と東欧の民主化、
自由主義経済への移行過程に、IMFと世界銀行が深く関わることになる。

両機関の政策により、旧共産圏の経済生産は半分に落ち込んだとも言われる。
また、経済の全域が商業マフィアに乗っ取られ、正常な経済活動が営まれなくなった。
先端産業は発展の道を封鎖され、科学者や技術者は失業するか西側企業に格安で
雇われることになった。IMFと世界銀行は、旧共産圏の経済を見事なまでに破壊
し、国民生活を世界最低レベルにまで落とした。

かつての旧ソ連、東欧での生活水準はけっして高くはなかった。しかし、教育や
医療など中心的な社会サービスは無料で提供され、完全雇用が約束されていた。
しかし、IMFと世界銀行の指針により、社会保障制度は自ら財源を確保しなければならなくなった。
教育、医療は有料化され、多くの人々が教育と医療を受ける権利を剥奪された。
かつて西側先進国をしのぐほどの高い教育・医療レベルも維持できなくなった。

旧共産圏は、経済や産業だけでなく、教育、医療、福祉、文化、芸術、スポーツ
などあらゆる分野が瓦解し、第三世界化してしまった。かくして、旧ソ連は西側
先端産業にとって何の脅威でもなくなった。ヨーロッパ産業にとっては、すぐ隣に
低賃金の労働市場が誕生したことを意味する。以降、東欧諸国は、西側ヨーロッパ
産業に低賃金労働を提供するだけの存在となってしまった。
http://ime.nu/blog.goo.ne.jp/leonlobo/c/a9cbe326ad861948839e438fab6ebb5b


ロシアと社会主義

11日に発表された、ロシアの世論調査機関が行った国民意識調査によると、
ペレストロイカを失敗と見なした人が56%、
「1985年以前の体制を続けていれば生活水準は良くなっていたはず」とした
人が48%、
「ペレストロイカがなければ超大国の地位を維持できた」と答えた人は36%
に上ったという。

一般の日本人から考えると信じられない数字かもしれない。
西側メディアのプロパガンダによって、旧ソ連も人たちも今の北朝鮮の人の
ような生活を送っていたと考える人が大半なようだが、実情はそんな悪いもの
ではなかったと思う。

確かにモノ=商品は質が悪く、流通量も少なかったが、
きちんと働いていれば、生活に困ることはなかったし、老後も安心して
過ごせたのだ。病院も学校もタダだった。
今は、1割のお金がある人は良い生活を、残りの9割の人は食うや食わずで1日中働く。
男性の平均寿命を見ると面白い。
85年には63才ぐらいだったものが、10年後には55才を下回ってしまったのだ。

もともと社会主義は競争を否定し、(成長を犠牲にして)平等と共生を重視する理念だった。
しかし、冷戦構造に巻き込まれ、米国と真っ向から世界対立する路線を進んだために、
資本主義と競争する羽目になり、戦時態勢をずっと続けるようなことになってしまった。
本来なら2次大戦が終わった時点で、軍事から民生重視に産業を移行するべきだったものが
できなかった。その辺にソ連崩壊の最大の理由があるのではないか。

24時間仕事と金のことばかり考え、生き馬の目を抜くような人生しか
送れないのが、資本主義社会の本当の姿だと思う。
http://kenuchka.paslog.jp/article/11458.html


オリガルヒ

1990年代後半のロシアには、7人の大資本家がいた。ボリス・ベレゾフスキー、
ウラジミル・グシンスキー、ミハイル・ホドルコフスキー、ウラジミル・ポタニン、
ミハイル・フリードマン、ウラジミル・ビノグラドフ、アレクサンダー・スモレンスキー
の7人で、彼らは「オリガルヒ」と呼ばれてきた。

 オリガルヒは、最年長が1946年生まれのベレゾフスキーで、いずれも
20−30歳代だった1980年代後半に、ソ連でペレストロイカの経済自由化
が行われたときに個人でビジネスを開始した。

 1987年にソ連で銀行の設立が自由化された際に相次いで金融業に進出し、
1991年にソ連が崩壊した後、為替市場で通貨ルーブルの下落を利用した
取引で儲け、経済システムが変わって財政難に陥った中央や地方の役所に
その金を融資することで権力の中枢に食い込み、儲けを急拡大させた。

 何人かのオリガルヒはテレビや新聞などのマスコミ企業を買収し、
自分たちを敵視する政治家を攻撃するキャンペーンを展開できるようにした。
オリガルヒは「7人合わせるとロシア経済の半分を支配している」とベレゾフスキー
が豪語するまでになった。

1996年の選挙でエリツィン大統領が再選を狙った際、オリガルヒたちは
こぞってエリツィンに選挙資金を出した。「ショック療法」と呼ばれた
エリツィンの経済改革は、従来のソ連型経済を一気に破壊するもので、経済活動
の停止とインフレにより一般の人々の生活を苦しくする一方、オリガルヒら
一部の金持ちをますます富ませるだけだったため、多くの人々は不満を持ち、
共産党系の対立候補を支持する姿勢を見せた。

 ORT(ロシア公共テレビ)とTV6という2つのテレビ局を所有する
ベレゾフスキー、NTVを所有するグシンスキーらは、選挙戦の時期に
エリツィンを支援するマスコミ戦略を展開し、エリツィンを続投させてやった。
選挙後、政府に対するオリガルヒの影響力は強まり、人々はエリツィン政権
を「7人の銀行家による統治」(semibankirshchina)と呼んだ。


人のオリガルヒのうち、ベレゾフスキー、グシンスキー、ホドルコフスキー、
フリードマン、スモレンスキーの5人がユダヤ人である。

ロシアのユダヤ人人口は、公式な統計では全人口の0・15%で、混血者を
含めても人口の約3%である。こんなに少ないのに、ロシアを支配する7人の
大富豪のうち5人がユダヤ人である。

「オリガルヒ」と呼ばれる人々は最有力の7人以外にもいるが、後発のオリガルヒ
にもユダヤ人は多い。たとえばベレゾフスキーの「弟子」で、昨年イギリス
のサッカーチームであるチェルシーを買収して有名になったローマン・アブラモビッチがそうだ。
エリツィン政権の民営化担当副首相からお手盛り行政で民営化した石油会社
UESの社長になり、オリガルヒの仲間入りをしたアナトリー・チュバイス
もユダヤ人である。

 また、オリガルヒの後押しを受けて首相に就任したセルゲイ・キリエンコ
(1998年4−8月)、エヴゲニー・プリマコフ(1998年9月−99年5月)
や、地方行政を成功させて1997年に副首相に抜擢されたボリス・ネムツォフなど、
政界にもユダヤ人が多い。

 前出の米のユダヤ系雑誌フォワード(97年4月号)は「ロシアを動かして
いる政治家や銀行家には、ユダヤ人が多すぎる」と懸念している。彼らの
多くは自分たちの財力や権力を拡大することにだけ熱心で、ロシアの一般市民
の生活が悪化するのを放置した。

クレムリンの中枢に入り込んだオリガルヒは、一時は権力を磐石にしたかに
見えた。だが、2000年の大統領選挙でプーチンを当選させた後、子飼い
のはずのプーチンに反撃され、権力と財力を一気に失うことになった。
http://ime.nu/tanakanews.com/e0309russia.htm


イギリスのスパイだったオリガルヒ

イギリスは、冷戦を起こして欧米にロシア敵視戦略をとらせただけでなく、冷戦後は、欧米中心の国際社会に入れてもらえるものと考えて、国有企業の民営化などの市場原理導入を進めたロシアを逆手にとって混乱させる戦略を続けた。

 冷戦後のロシアでは「オリガルヒ(オリガーキー)」と呼ばれる何十人かの新興財閥が登場した。彼らは、民営化される国有企業の株を巧みに買い漁り、石油や鉱物資源など、ロシアの主要な産業を買い占めた。彼らは、資金力を使って政界に入り込み、エリツィン政権の中枢に入ってロシア政府を牛耳ったが、その時期のロシアは国民が貧しくなり、治安は悪化し、ひどい状態だった。

 このロシアの窮状を救ったのが、2000年から大統領になったプーチンの政権で、主要なオリガルヒに相次いで脱税などの罪をかけて逮捕し、民営化のどさくさの中でオリガルヒが取得したエネルギーなど主要産業を没収し、再国有化した。オリガルヒの何人かは海外に亡命したが、その行き先はみんなイギリスだった(イスラエルに亡命した者も少数いる)。(関連記事)

 オリガルヒの多くは、最初から企業の買収や経営の技能があったわけではなく、ソ連崩壊までは、技術者や教師など、企業の買収や経営とは全く関係ない仕事に就いていた。ノウハウのない彼らが、どうやって数年間で新興財閥にのし上がったのか。そして、プーチンに退治された後の亡命先が、なぜみんなイギリスなのか。


おそらくオリガルヒたちは、イギリスが冷戦後のロシアを弱体化させておくために支援した勢力である。イギリスは冷戦時代から、イスラエルとつながりがあるユダヤ系ロシア人などを使って、ソ連国内にある程度のスパイ網を持ち、冷戦後はスパイ網を一挙に拡大させ、その過程で接点があった何人かのロシア人に企業買収の情報やノウハウ、資金などを供給し、オリガルヒとして台頭させたのだろう。オリガルヒの多くはユダヤ系だ。(関連記事)

 エリツィンに評価され、2000年に大統領となったプーチンは、おそらく就任前から、オリガルヒを退治して、彼らが私物化していたエネルギーや鉱物資源の企業を没収して再国有化することを目標としていた。プーチンは諜報機関KGBの出身だから、イギリスがロシアでスパイをやったり、オリガルヒを使って混乱を助長していたことは、よく知っていたはずだ。強いロシアを取り戻すためには、イギリスによる破壊活動を止める必要があった。

▼イギリスとのスパイ戦争に勝つロシア

 米英がイラク占領に失敗し、世界的に外交力を失った2006年ごろまでには、プーチンはオリガルヒ退治を完了し、黒幕であるイギリスをロシアから追い出す戦略に着手した。イギリス系の石油会社が冷戦後にオリガルヒから買った石油開発権などを、次々と理由をつけて安く手放させ、再国有化した。

 昨年には、イギリスに亡命したオリガルヒであるベレゾフスキーの手下として動いていたロシア人リトビネンコが、放射性物質で謎の死を遂げる事件があったが、これも英露どちらが仕掛けたのかはわからないものの、英露のスパイ間の戦いであろう。ロシア政府は最近、モスクワなどにあるブリティッシュ・カウンシル(英政府の文化交流施設)が、スパイ行為を行っているとして閉鎖を命じた。これも英露のスパイ戦争であり、英マスコミが報じているような、ロシアによる無根拠な攻撃ではない。


3月19日には、イギリスの石油会社BPがロシア企業と合弁で作っているモスクワの石油ガス会社に、ロシア当局が強制捜査に入り、翌日にはロシア人従業員らがスパイ容疑で逮捕された。ロシア政府は、BPがロシア国内に持っている石油ガスの利権を没収(格安買い上げ)することを狙っている、と英側は考えている。この合弁企業の油田の産油量はロシア第3位で、BPは全社的な原油生産量の2割を、この合弁会社の油田から出している。(関連記事その1、その2)

 ロシア政府は、欧米全体を標的にしているように受け取られているが、必ずしもそうではない。BPの合弁会社がロシア当局に強制捜査され、対露投資を奪われる過程に入った翌日、フランスの石油ガス会社トタールの幹部は米AP通信社の取材に応えて「石油ガス部門におけるロシアの投資環境は安定している。ロシア政府のガス会社ガスプロムと、新たなガス田を開発したい」と述べている。(関連記事)

 英露間のスパイ戦争は、2000年にプーチン大統領が就任するまではイギリスの優勢だったが、その後はロシアが巻き返し、今では完全にロシアの勝ちになっている。ロシアの次期大統領になるメドベージェフは、若いころからのプーチンの忠実な部下だから、イギリスを痛めつけるロシアの戦略は、今後も変わらないだろう。
http://tanakanews.com/080325UK.htm


共産主義体制崩壊後のロシアの政治を、日本では、改革派(民主系)と保守派
(旧共産党系)の対立を軸にしたものとしてとらえ、そこに中間派系、民族派系
などの諸派が絡んだ政争の流れとして見ている。しかし、本当の問題は民族
闘争なのである。ロシア人とユダヤ人の対決、それがロシアで起きていること
の根本にあることである。


1991年8月、世界を揺るがしたソ連のクーデターはあっけない失敗に
終わった。しかしその結果起きたことは、紛れもない革命だった。これは
ユダヤ人によるクーデターであり、「ユダヤ第二革命」と呼ぶべきものだった。
過激派のユダヤ人たちは、穏健なゴルバチョフ政権を倒して自らが政権を
握ろうとしたのである。クーデター失敗後、エリツィン・グループが政権を
握ったが、エリツィン大統領を取り巻くロシア政府高官のほとんどがユダヤ人
であった。

エリツィンはユダヤ人の妻を持つが、彼自身は純粋のロシア人である。しかし
彼は頭が悪く、しかもアルコール中毒である。彼は使われているロボットに
すぎない。彼の補佐官は80%がユダヤ人であり、彼の補佐官の中には20人
のアメリカ人がいた。そのアメリカ人の中でも指導的な役割を果たしている
のは、ジェフリー・サックスというハーバード大学の教授であり、もちろん
ユダヤ人である。

ロシア国内のユダヤ人たちは、8月クーデターでロシア政府内の実権を握った
ことを幸いに、次に海外のユダヤ人と相呼応して、ロシア経済を支配下に
置こうとした。そのため、欧米の、中でもアメリカのユダヤ資本が怒涛の
ようにロシアになだれ込むことになったのである。

エリツィンと取り巻きのユダヤ人たちは、8月クーデター以後、急進的な市場
開放路線を議会で承認させると、ガイダル政権を発足させた。そして年末の
連邦崩壊・CISの形成を経るや、一気に市場開放、価格自由化という
ショック療法を実行に移したのである。その結果ロシアでは、国際派ユダヤ人
による猛烈な「ゴールド・ラッシュ」が起きた。1991年8月クーデター
以後しばらくの間、ニューヨークからモスクワ行きの飛行機は、ほとんど
ユダヤ人たちに占められていた。

ユダヤ人はモスクワやサンクト・ペテルブルグ、キエフなどの大都会では力があるが、
農民や労働者の中にはユダヤ人はほとんどいない。これは喜ばしいことである。
さらに、ユダヤ人たちの影響はまだ地方にまでは及んでいない。ロシアの
地方には本当のロシアが残っている。

ロシア人たちの反発は、ロシア人によるユダヤからの解放運動として、すでに
地方に広がりはじめている。ロシア人たちは必ず自分たちのロシア人のリーダーを選ぶだろう。

以前ゴルバチョフはペレストロイカは地方からの革命ではなく「上からの革命」であると言った。
しかしこれは「革命」というよりは反ロシア的な陰謀であった。決して下からの解放運動、革命ではなかった。

私たちロシア人はすでに革命の歴史をもっている。最初の10月革命、これは
明らかにユダヤ革命だった。そしてまた、2年前の1991年8月にあった革命も、
ユダヤ革命であった。ロシア人たちはユダヤ革命はもう十分だと思っている。
我らはもうこれに我慢できない。ロシアのユダヤ人たちは、ロシアにおいて
悪質なことをやってきたし、今もやっている。しかし彼らはすでにやりすぎている。

今後、ロシア人とユダヤ人との闘いは、もっと激しくなっていくにちがいない。
やがてロシア人の解放運動が巻き起こるだろう。
http://ime.nu/inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhb500.html


『罪と罰』の深層

私たち日本人の多くは、この小説をラスコーリニコフという一人の青年の心
の苦悶(くもん)として読むだろう。が、 ドストエフスキーは、この小説で
ロシア人とユダヤ人の葛藤(かっとう)を描こうとしたのである。

主人公ラスコーリニコフはまちがいなくロシア人である。そして高利貸の老婆
はユダヤ人を象徴している。ロシア人の読者には、この高利貸がユダヤ人を
意味していることがすぐにわかったはずである。そして娼婦ソーニャは、
ロシア文明を支え続けたロシア正教を表わしていると読むことができる。

ラスコーリニコフの苦悩は、そのままロシア人がユダヤ人に対して抱え込ま
された葛藤の、象徴的な表現なのであった。
http://ime.nu/www.coara.or.jp/~dost/5-1-2-3.htm 

プーチンの逆襲


4月25日に前ロシア大統領のエリティンが死んだ。ソ連を崩壊させ、ロシアに民主主義革命をもたらした立役者でありながら、彼の人気は、その後急速に崩壊した。それもそうだろう。経済オンチのエリティンはアメリカや世界銀行の言いなりになって国営企業を民間に売り渡し、ロシア経済を完全に破壊した。

 92年のGDP成長率は、マイナス14.5%で、インフレ率は2600%になった。1千万の貯金がなんと1年間で38万円になってしまう。これはお金が紙くず同然になるということだ。ロシアは92〜98年でGDPを43%も減らし、国家の財政は破綻し、国民は塗炭の苦しみを味わった。庶民の生活は最低で、平均寿命が毎年減少した。

 その一方で新興財閥がのさばった。エリツィン時代「クレムリンのゴッドファーザー」と呼ばれたベレゾフスキーは、「7人の新興財閥が、ロシアの50%の富を牛耳っている」と公言していたという。ベレゾフスキーは、99年、エリツィンの後継者にFSB(旧KGB)の長官のプーチンを選ぶ。彼はその見返りに自分の地位と富を保障してもらうつもりだった。

 ところが2000年、プーチンは大統領になると、ベレゾフスキーの一派をさっそく切り捨てた。当局から手のひらを返したような冷たい仕打ちを受け、横領や脱税の罪で追いつめられたベレゾフスキーは、たまらずイギリスに政治逃亡した。こうして新興財閥を退治すると、プーチンはふたたび歴史の針をもとにもどした。エリツィン政権下で次々と民営化された天然ガスなどの基幹産業はふたたび国営化された。

 この冷徹な独裁的指導者プーチンの人気がロシアではダントツである。就任以来一貫して70%台という驚異的人気をほこっている。理由は簡単明瞭である。財閥を退治し、海外資本を一掃して、国を豊かにし、庶民生活をよくしてくれたからだ。国民の平均月収は98年に80ドルだった。これがこの10年間で5倍の400ドルになった。彼が大統領に就任して以来、ロシア経済は順調に成長し、00〜06年まで平均7%の経済成長をつづけている。
http://ameblo.jp/renshi/entry-10032167761.html


ロシアのマスコミの多くはここ10年近く、オリガルヒ(大富豪)たちによる
企業買収の結果、彼らにとって都合の良い報道が流される傾向が強かった。
ロシアでは「オリガルヒが国有資産を私物化した結果、一般市民が貧しく
なった」と考えている人が多く、オリガルヒに対する批判が強いので、政府が
マスコミを検閲することが必要だと考えるロシア人が多いのだろう。

世論調査には「あなたが最も信頼している人(組織)はどれですか」という
質問もあり、それに対する回答は「プチン大統領」が50%で、「キリスト教会」が14%、
「政府」「軍」「マスコミ」が9%ずつ、「警察(司法当局)」が5%、
「議会(下院)」が4%、「どれも信用していない」が28%だった.

 ロシアでマスコミ不信が強いことと、プーチン大統領に対する信頼があついことは、
ひとつの現象の裏と表である。プーチンは2000年に大統領に就任した後、
前任者のエリツィン政権がオリガルヒに牛耳られていた状態だったのを脱却
し、しだいにオリガルヒとの対決姿勢を強め、何人かを亡命や投獄に追い込み、
残りを政府に従順な態度をとらざる得ない状態にした。

 ロシアの人々がプーチンを支持するのは、オリガルヒに対する反発と一体
になっている。オリガルヒを「退治」するたびに支持率を上げたプーチンは、
3月14日の大統領選挙で72%という高い得票率で再選を果たした。

プーチンは3月14日の選挙で圧勝して大統領に再選されたが、これによって
ますます強気になり、オリガルヒをロシアのエネルギー・地下資源などの業界
から追い出す動きを続けていくと予想される。そしてロシア国民の大半は
プーチンを「スターリン以来の強い指導者の登場」とみて支持している。
世論調査によるとロシア国民の64%が「ソ連の崩壊は残念だった」と考えて
いる。その多くは「ソ連時代のように世界と周辺諸国に対して強い態度を
とれる国に戻ってほしい」と考え、プーチンがロシアを再び強い国にして
くれることを望んでいると思われる

http://ime.nu/tanakanews.com/e0318russia.htm


ロシアの新興財閥・繁栄と没落の軌跡

「新興財閥」とは、1990年代後半以降ロシア経済を牛耳った【オルガルヒ(寡頭資本家)】という7人の資本家のことです。彼等は、20〜30代の若さで1980年代後半、ソ連でペレストロイカがはじまった時に金融業界で頭角を現し成功し(=混乱に乗じて「市場」から莫大な金を吸い上げ、ロシアという国家をしゃぶりつくし)、遂にはロシア政治をも支配するに至った人物たちです。

【オルガルヒ】は、ボリス・ベレゾフスキー、ウラジミル・グシンスキー、ミハイル・ホドルコフスキー、ウラジミル・ポタニン、ミハイル・フリードマン、ウラジミル・ビノグラドフ、アレクサンダー・スモレンスキー、の7人のことを指しますが、うち5人はユダヤ人です。「7人合わせるとロシア経済の半分を支配している」とベレゾフスキーが豪語するまでになっていましたが、まんざら誇張ではありませんでした。
1996年のロシア大統領選挙でエリツィンが選任されましたが、この再選は【オルガリヒ】の存在なしにはありえなかったのです。 【オルガルヒ】の狡猾なところは、金融業界のみならずロシア・マスコミをも支配したことにあり、この構図はアメリカとまったく同様ですね。彼等はメディアを利用して徹底的に「エリツィン再選キャンペーン」をはる一方で、対立候補に対しては醜悪なまでのネガティブ・キャンペーンをはり、それが見事に効を奏したわけです。

この時のキャンペーンの旗印(=奇麗事)は「自由主義」ですが、「自由主義」という言葉には歴史的に「ユダヤ人が市場をしゃぶりつくして金を”自由”に吸い上げることができる社会の実現」という意味が込められていることが少なくない、と注意する必要があります。


健康状態が悪化し大統領の責務に耐えられるはずもないエリツィンは、重病人であるからこそ【オルガルヒ】の操り人形として再選させれられたのであり、再任期間中の殆どを病床で過さざるをえず、当時のロシアを実質的に支配したのは【オルガルヒ】の頭目のベレゾフスキーでした。

この<金融業とマスコミを独占して、表(マスコミ)と裏(金)から政治を操る>という手法は、過去の歴史を通じてユダヤ人が得意とするところです。

ロシアでは現在、プーチン大統領により【オルガルヒ】はほぼ放逐されたのですが、実はプーチン自身、大統領候補として頭角を現したのは【オルガルヒ】の力(資本、マスコミ)に拠るところが大きかったのですから面白い。
プーチンがロシアで圧倒的な支持をえている背景には、このような事実(=【オルガルヒ】の力を利用して台頭しながら、ロシア社会に巣喰う【オルガルヒ】を放逐したということ)に基く、ロシア人のプーチンに寄せる政治的・民族的信頼感があることを理解しておくべきでしょう。

アメリカ、ヨーロッパ、中東と同様、ロシアという国の歴史は、「 vs ユダヤ人」という構図抜きには語れません。
また、ロシアを代表する重要人物にはユダヤ人が少なくない、ということもよくご存知でしょう。代表がレーニンで、トロツキーもそうです。また、ロシアではありませんが彼等に思想的影響を与えたマルクスやフロイトもユダヤ人です。
ユダヤ人迫害というとナチやヒトラーが有名ですが、ヨーロッパは全域的かつ伝統的にユダヤ人を迫害し続けていたのですし、実は今でもそういう面が少なくありません。ヒトラーよりもっと過酷にユダヤ人を迫害したのは、実はスターリンのほうなのです。
そういう来歴を有するユダヤ人にとって、経済活動の機会が保障される「自由主義」や「平等」という旗印は一般的に好ましいものです。


上で”この<金融業とマスコミを独占して、表(マスコミ)と裏(金)から政治を操る>という手法は、過去の歴史を通じてユダヤ人が得意とするところです”と書きましたが、本来ユダヤ人が得意とするところは金融業でした(シェークスピアの『ヴェニスの商人』をイメージしてください)。しかも、社会の混乱に乗じて<ハゲタカ>的に金を吸い上げる彼等独特の狡猾で冷酷な手法が、各地で反感をかっていたのです。最近では、アジア市場で同様のことが行われてもいます(ユダヤ系の金融資本が、日本の「バブル崩壊」に乗じて数十兆円とも数百兆円ともいわれる金を吸い上げていったのは記憶に新しいところですし、アジア各国で金融危機が生じるたびに彼等の跋扈が公然と囁かれていました)。

そういう彼等が、ソ連やナチスによる迫害を経て身につけたのが、所謂「プロパガンダ」の効能というものです。実はユダヤ人自身、欧州によるプロパガンダに散々やられ、非常に悪いイメージを植えつけられた、という苦い経験を有するのですが(その典型を『ヴェニスの商人』にみることができます)、それに習ってまずはアメリカで(金融業とともに)マスメディアを支配したわけです。

私はこのまえ”現在アメリカを舞台に繰り広げられている「慰安婦狂想曲」は米韓合作である”と評しましたが、米韓合作の「米」の<裏>の主体として「ユダヤ系」を想定していた、ということをここに白状しておきましょう。朝鮮半島という利権、マスメディアを通じたプロパガンダ、政治的な情報操作・・・・こういう判断材料が揃うと、嫌でも「ユダヤ」という文字が頭に浮かんできたという次第です。
http://wolf.accela.jp/cgi-bin/zatudanwa.cgi

ロシアではプーチン政権が政敵のオリガルヒ(欧米寄りの新興財閥)たちに
「脱税」などを容疑をかけて次々と倒し、オルガルヒが所有していた石油や
天然ガスの会社を没収し、再国有化し、ガスプロムなど数社に統合した.
折からの世界的な石油価格の高騰を受け、それまで赤字で欧米からの借金が
重荷だったロシアの政府財政は一気に黒字化し、プーチンは欧米から借りて
いた金を前倒しして返し、借金を理由に欧米から内政干渉されることを防げる
ようになった.
ロシアでは昨年末、プーチン政権が、外国から資金供給を受けている人権団体
や民主化団体の活動を禁止する法律を策定した。これは、欧米側から
「民主化や人権に対する弾圧である」と非難されているが、この問題で欧米
が「善」でプーチンが「悪」だと見るのは間違いである。

実際のところは、米英が「民主化」や「人権」の問題を誇張して非難し、
それを口実に、ロシア周辺の国々を政権転覆しようとする欧米(米英)側と、
それを防ごうとするプーチンのロシアとの「陣取り合戦」の中で、ロシアが
強くなり、欧米側が不利になっていることを示しているにすぎない
「サダム・フセインは悪だ」と思わせたのと同様、米英による「戦争」の一部
となっている。

1998年に東南アジアに始まった金融危機がロシアに波及し、ロシア経済
が崩壊した後、それまでロシアのエネルギー産業を所有していたオリガルヒ
たちは、自分たちの会社を欧米の石油会社などに売却する傾向を取り始めた。
これに対して「待った」をかけたのが、2000年に大統領になったプーチン
で、彼はオリガルヒを逮捕追放し、ロシアのエネルギー産業を国有化した。

大半がプーチンの支持者で構成されるロシア議会では昨年末、エネルギー産業
を外国人に売却することを禁止する法律が成立し、欧米がロシアのエネルギー
産業を牛耳る道は閉ざされた。これによって欧米が描いていた「ロシアの欧州化」
の構想も頓挫した。
http://ime.nu/tanakanews.com/g0112russia.htm


プーチン大統領は、冷戦後の10年間、弱い状態が続いていたロシアを、国家
経済の中心をなすエネルギー産業の再国有化と強化によって、強い状態に
戻しつつある.
エリツィンが大統領をしていた時代には、石油など資源産業は、ソ連崩壊後
に国有企業が民営化される過程で経営権を握った新興資本家「オリガルヒ」
たちに握られていた。オリガルヒは儲けた金で政治献金し、エリツィン政権
の中枢に座っていた。

 自由市場経済に転換した冷戦後のロシアでは、企業には名目上、納税義務が
あったが、取り立てる行政メカニズムが未整備だったため、誰も税金を払って
いなかった。プーチンはこれに目をつけ、オリガルヒたちに「脱税」容疑を
かけた。特に、最大の石油会社だったユコスに対しては、企業資産を凍結
した上で巨額の重加算税を科して支払不能に陥らせ、国有石油会社ロスネフチ
などに安値で買収させ、国有化してしまった.

まさに今のロシアは、経済も政治も、プーチンという「秘密警察出身の経済
マフィア」が一人で握っている独裁国家である。だがロシアの世論を見ると、
ロシア人は、以前のオリガルヒよりもプーチンの方を、はるかに強く支持して
いる。それは、オリガルヒが自分の金儲けを越えた大目標を持たず、エリツィン時代
のロシア政府を私物化して混乱させるばかりだったのに対し、プーチンは最初
から「ロシアを再び世界の強国にする」という国家的な目標を持って独裁政治
をやっているからだ。
 ロシア人の多くは、かつて強かったソ連を壊してしまったゴルバチョフを
嫌い、自国がソ連時代のような強い国に戻ることを望んでいる。資源を使って
ロシアを再強化するプーチンの戦略は、こうしたロシア人の気持ちに沿って
いる。

 プーチンは、ゴルバチョフとエリツィンが廃止した、ソ連時代の国歌や紋章
などを復活させる政策を採っており、これもロシア国民の多くに支持されている。
このような背景があったため、プーチンは2004年の大統領選挙で71%の
得票で再選され、プーチンの政党である「統一ロシア」は2003年の連邦議会選挙で圧勝した。
http://ime.nu/tanakanews.com/g0116russia.htm


ロシアの復活

 アメリカの戦略は奏功して、ロシアは90年代を通じて、ほ
とんどの年にマイナス成長を続けた。ところが98年にKGB出
身のプリマコフが首相となって金融危機を克服。翌年、これま
たKGB派閥のプーチンが首相に就任した年には、いきなり
5.4%のプラス成長に転じ、大統領となった2000年にはなんと
9%の高成長を記録した。その後も4〜7%のプラス成長を続
けている。

 その理由の第一はルーブル切り下げの効果である。ルーブル
の価値は、98年の金融危機以前に対して4分の一以下となり、
輸入品の値段が高騰して、国民は仕方なく「安かろう悪かろう」
の国産品を買うようになった。同時に輸出が急増した。これに
より一度は市場開放で壊滅状態に陥った国内産業が息を吹き返
した。

 第二は原油価格の高騰である。世界最大の原油供給地・中東
の情勢不安定、中国の石油需要急増により、原油が値上がりし、
石油大国ロシアの輸出収入が増大した。

 こうした環境の変化に上手く対応した政策も奏功した。まず
ロシア政府は石油会社が原油輸出で得た外貨の75%をルーブ
ルに換えることを義務づけた。これによりルーブルのさらなる
下落が食い止められた。

 同時に、今まで税金逃れをしていた新興財閥から税金を取り
立てるようになった。これでロシア国家財政も黒字に転換した。


ロシアは、経済面でもアメリカを追いつめようとしている。
この面でのアメリカの一極支配はすでに崩壊寸前なのである。
アメリカは世界一の財政赤字と貿易赤字を持つ国だからだ。

 米財務省の04年10月の発表によれば、米政府の借金は約7
兆4千億ドル(800兆円)、そのうち2.5兆ドル以上が対
外債務である。貿易赤字は03年通期で約5千億ドル(54兆円)。
毎月平均で4.5兆円ものドルが国外に流出していったことに
なる。

 アメリカが通常の国だったら、とっくの昔にドルは大暴落し、
財政は破綻していただろう。それが起きないのは、ドルが国際
貿易の基軸通貨であり、ドル紙幣さえ印刷していれば、他国か
らモノを買えるからである。したがって、たとえばユーロがも
う一つの基軸通貨となり、「もうドルは受け取らない。貿易代
金はユーロで払ってくれ」という国が増えたら、アメリカは一
気に破産状態に追い込まれる。アメリカを「ボロボロになった
覇権国家」と北野氏が呼ぶのは、このためだ。

 2000年9月に、イラクのフセインは「石油代金として、今後
一切ドルを受け取らない」と宣言した。ユーロを決済通貨とす
るというのである。当時、イラクは国連を通じてしか石油を売
れなかったが、その国連は「イラクの意向を受け入れる」と発
表した。

 フセインはこの時、アメリカという虎の尻尾を踏んでしまっ
たのである。これがイラク戦争の遠因となった。しかもこのフ
セインの宣言には、石油ドル体制を崩そうとするフランス・シ
ラク大統領が後ろ盾になっていた。


フランスはドイツとともに「ヨーロッパ合衆国」を建設し、
アメリカ一極体制崩壊を目論んでいる。そのために通貨統合に
よってユーロを創設し、基軸通貨の地位を奪おうとしている。

 アメリカの一極体制を終わらせようという点で、ロシアと独
仏は利害を同じくしている。プーチンは03年10月ドイツ首脳
との会談の席で、「私たちは、ロシア産原油輸出をユーロ建て
にする可能性を排除していない」と発言。数日後、モスクワを
訪れたドイセンバーグ欧州中央銀行(ECB)総裁は、「ロシ
アがユーロで石油を売るのは理にかなっているかもしれない」
という声明を発表した。

 石油大国ロシアの貿易相手の最大はEUで51%以上。それ
に対して、アメリカは5%以下。ロシア−EU間の貿易で、な
ぜドルを使わねばならないのか。ユーロ建てにするのは確かに
「理にかなっている」のである。

実はドルの暴落を防いでいる防波堤がもう一つある。日本が
アメリカ国債をせっせと買い支えていることだ。日本は中国や
北朝鮮などの軍事的脅威をアメリカの軍事力で守って貰い、そ
の代償としてドルを買い支えている[b]。だから北野氏は日本
がアメリカ幕府の「天領」、すなわち直轄地であるという。

 アメリカ幕府のもとで平和に慣れた日本人は、その天下とそ
れによる平和が永久に続くと考えている。だから、独仏露中が
アメリカの一極体制に挑戦しているなどという事には考え及ば
ない。
http://ime.nu/www.asyura2.com/0502/war67/msg/218.html

プーチンさんの時代、ロシアはどのように変貌したのでしょうか?

数字を見ると驚かれるでしょう。
 
ロシアのGDPは、2000年の2511億ドルから07年の1兆2237億
ドルまで、なんと約5倍化(!)。

すでにフランスを抜いている。

平均月収は、00年に約100ドルだったのが、07年は540ドルで
5.4倍(!)増加。

外貨準備高は、04年にはじめて1000億ドルを超え、3年後の
07年には4000億ドルを超え、世界3位に浮上。

株価指標RTSは、00年の200から07年には2000ポイントを突
破し10倍化。


まあ、善悪はともかく、なぜロシア国民が「独裁者プーチン」を
愛するのかわかるでしょう。

経済をボロボロにした民主主義者エリツィンより、ワンマンで
も生活を楽にしてくれるプーチンの方がよい。
http://www.asyura2.com/08/senkyo50/msg/146.html


ロシアも90年代は、依存国家でした。

しかし今は、自立国家になっています。


1、財政と経済の自立

プーチンが大統領に就任した00年から、ロシアはず〜と財政黒字の
国。

90年代は借金大国だったが、現在ほぼ完済。


2、軍事的自立

ロシアは、アメリカのMDを突破できる多弾頭ミサイルを完成させて
いて、アメリカも手出しできない。

アメリカが東欧MD配備や、NATO拡大を急ぐのは、ロシアの脅威を
感じているから。


3、食糧の自立

ソ連崩壊後ロシアの農業もボロボロになった。

それでも、世界有数の農業大国であることに変わりない。


4、エネルギーの自立

説明の必要なし。


5、精神の自立

ロシア人は共産主義教がインチキだとわかった後、アイデンティティ
ー・クライシスに陥りました。

しかし、現在はロシア正教・イスラム教・チベット仏教等の復興により、
危機は克服されたようです。


このように、プーチンは独裁者ですが、ロシアを「依存国家」から「自
立国家」に進化させました。


1991年12月、ソ連が崩壊しました。

新生ロシアの初代大統領は、故エリツィンさん。天下をとったものの、彼も共産主義国で生まれ育った。資本主義のことなんて全然知らない。
どうやって改革したらいいんだろう。

それで彼は、アメリカとIMFの勧告にしたがうことにした。内容は、

1、政府による経済管理の廃止 
2、大規模な民営化 
3、価格と貿易の自由化

エリツィンはわけもわからず、このアホな改革を実行します。

(なぜアホな改革なのか? 例えば、当時のソ連は物不足が深刻だった。トイレットペーパーを買うのに、2時間行列に並ぶ。そんな状態で価格を自由化すれば、ハイパーインフレになるにきまっている。

また、ソ連崩壊でルーブルが大暴落していた。

そんな状態で貿易を自由化すれば、これもハイパーインフレにな
るにきまっている。)


結果は悲惨。

改革初年度92年のGDP成長率はマイナス14.5%(!)。

インフレ率は2600%(!)。

ロシアのGDPは、金融危機があった98年までになんと43%も減
少したのです。


▼なぜ、ロシアは超格差社会になったの?


ロシアといえば万人平等の共産国家。

貧富の差も失業もないんですよね。

ところが、今のロシアはとんでもない格差社会になっています。


ロシア1の金持ちはデリパスカさん(非鉄金属ルサール社長)。

彼の資産は07年1兆3000億円だったのが、08年には2兆8000
億円まで増えた。(現在世界9位)

ということは、年収1兆5000億円。(!)


一方、おとしよりは、月1万5000円の年金で暮らしている。

なんでロシアは超格差社会になったのか。

IMFは、「大規模な民営化しないと金かしませんよ!」という。

ロシア政府はしゃあないから、民営化しますね。


なぜロシア経済は90年代ボロボロだったのか?

90年代初めのバカな改革の結果である。

しかし石油・鉄鋼など主要部門を手中におさめた新興財閥軍団が、
税金をおさめなかったのも大きな理由。
http://www.asyura2.com/08/senkyo50/msg/146.html


分かり易いソ連後のロシア独立史

1991年12月
アメリカとの経済戦争にソ連敗北。
エリツィンさんの下で民主主義、自由資本主義体制が始まる。

エリツィンさんもロシア国民も、資本主義なんてわからないのでIMFに従い、以下の自由競争を実施。

1、政府による経済管理の廃止 
2、大規模な民営化 
3、価格と貿易の自由化

この結果、ハイパーインフレが起こる。

改革初年度92年のGDP成長率はマイナス14.5%。
インフレ率は2600%。

ロシアのGDPは、金融危機があった98年までになんと43%も減
少した。 今でいうところのジンバブエ状態。

勿論、これはIMF=アメリカ=資本を持っている欧米の金持ち(はっきり言えばユダヤ)の計画通り。


さらに資本主義にうといロシアンが右往左往している間に、新興財閥が企業(今まで国営だった)の株をただ同然でかき集
める。

結果、ロシアはたった7人の新興財閥が50パーセント以上のロシアの富を牛耳るはめに。ちなみに、この7人中、6人がユダヤ人。

1、ベレゾフスキー(基盤は石油大手シブネフチ・ロシア公共テレビ等)
2、ロマン・アブラモービッチ(シブネフチ)(42歳)
3、ピョートル・アヴェン(53歳)(アルファ銀行、石油大手TNK)
4、ミハイル・フリードマン(44歳)アルファ銀行、石油大手TNK)
5、ウラジーミル・グシンスキー(55歳)(メディアモスト、傘下に民放最大手NTV)
6、ミハイル・ホドロコフスキー(44歳)(メナテップ銀行、石油大手ユコス)
7、ウラジーミル・ポターニン(47歳)(インターロスグループ、ノリリスクニッケル)

ポターニン以外は皆ユダヤ系。


この連中は経済を牛耳った後、政治も牛耳り、税金を全く払わなくなった。それで、今にも死にそうなアル中のエ
リツィンさんの後釜に「俺たちの操り人形をトップに添えようぜ」と元KGBのプーチンさんを据える。日本で言えば、GHQが元特務機関の岸信介(安部っちのじいさん)を首相にしたり、やくざや在日を代理人として据えたようなもん

99年12月の下院選挙。
当時首相だったプーチンが支持する政党「統一」が、プリマコフの政党「祖国−全ロシア」に勝利。
プーチンは、思惑どおり、00年3月の選挙で大統領になった。

プーチンさんは新興ユダヤ財閥のバックアップで大統領にめでたく就任。
ところがプーチンさんは権力を掌握するやいなや、即座にユダヤ財閥を裏切る。
片っ端から彼らを消していく。
結果、彼らは降参し税金を納めるようになり、ユダヤ支配からロシアは脱却。
ユダヤ新興財閥の企業は国営に戻り、原油高もあってどんどんロシ
ア経済は成長。
GDPは、2000年の2511億ドルから07年の1兆2237億
ドルまで、なんと約5倍化。すでにフランスを抜いている


ロシア国民の平均月収は、00年に約100ドルだったのが、07年は540ドルで5.4倍増加。
外貨準備高は、04年にはじめて1000億ドルを超え、3年後の07年には4000億ドルを超え
、世界3位に浮上。

株価指標RTSは、00年の200から07年には2000ポイントを突破し10倍化。
勿論、民衆に大喝采を浴び、軍事部門でも、エネルギーでもアメリカから独立している。

歴史認識でももちろん周辺諸国に土下座なんてしていない。
以上がロシアの現代史。

ロシアと比べるとアメリカと中国、そして代理人の朝鮮人のの植民地である我が国との差が・・・・
日本のプーチンはどこだ!
http://zip.2chan.net/6/res/60748.htm


ソ連崩壊後のロシアは借金がありアメリカIMFの言いなりにならざるを得なかった。
そして資本主義に疎い事を逆手に取られ、まんまとロシア経済崩壊の愚策を取らされた。
これがエリツィン時代の酷い経済の真相なんだよ。
お前はあの吸血鬼アメリカが他国の為の経済改革など本気で支援すると思うお人よしか?
当然、違うよな。だからお前は判ってて嘘を書いてる事になる。
しかもロシアの復活を手助けすれば強力な敵対国家が誕生する事になる。
アメリカに限らず、わざわざ国益に反するような支援なんてものはやらないんだよ。

IMFがジェフリー・サックスなんかの市場経済原理主義者で構成されたチームを送り込んだのがロシアを封じ込めるためだったと考えられる

連中は韓国やアルゼンチンなんかでも同じ事をやっているが、封じ込めの他に対象国を米国型市場経済にした上で多国籍企業が搾取しやすいようにしようとした


ロシアを見よ。プーチンから2年後、ユダヤ新興財閥はことごとく壊滅させられた。

エリツィンの新自由経済に乗じたロック、ロス茶がバックについて、わずかな期間でそれぞれが何兆円もの資産を築きオリガルヒと呼ばれ栄華を極めていたのが、今は全部没収され、

  ホドルコフスキーは2003年から現在までずっと刑務所(涙)

  ベレゾフスキーは2002年にイスラエルへ逃亡w その後イギリスへ亡命した。

  リトビネンコ毒殺事件の黒幕と言われ、あれこれ小細工を弄しているようだがいまやロシアでの影響力ゼロ(涙)

日本であれロシアであれダメリカであれ「民衆を裏切った」輩どもの末路は皆同じじゃ!!

プーチンはエリツィンを見捨てなかった  


プーチンは、エリツィン元大統領が、その権力の後継者として、プーチンを「指名」する事によって「皇帝権力の継承」を実現し、現在の権力者の地位に就任した。

エリツィンはソ連共産党時代、その余りの急進的な資本主義導入路線の考え方を権力者に嫌悪され、あらゆる役職から追放され、事実上「自宅軟禁」の扱いを受けた時期があった。

政治的な友人達が、次々とエリツィンを見捨てて行く中で、唯一、プーチンだけはエリツィンと共に「自宅軟禁」に「同伴」し続けた。

失意のエリツィンが、「これからは農業をやりながら、生計を立てて行く」と宣言し、政治の世界と絶縁せざるを得ない状況に追い込まれ、エリツィン自身がクワを持ち畑を耕し始めた時も、プーチンはエリツィンと一緒に泥まみれになり農作業を行なった。

プーチンは絶対にボスを見捨てなかったのである。

そのためエリツィンがロシア大統領となった時、プーチンは側近中の側近として絶大な信用を得、後継者としてロシアの権力者の地位を継承した。
http://alternativereport1.seesaa.net/article/109766862.html


独裁を倒してもロシアは良くならない

 1990年代半ば以降のロシアにおいては、マスコミはオリガルヒの持ち物
であり、ベスラン事件で政府批判を展開してクレムリンから圧力を受け、編集者
が首にされた「イズベスチヤ」も、オリガルヒの一人であるウラジミル・ポタニン
が所有している。ベレゾフスキーが所有する経済紙「コメルサント」も、
プーチン批判を展開しているが、これらの動きは「報道の自由」をめぐる問題
として見るより、政治闘争として見た方が良い。(関連記事)

 プーチンは確かに独裁者で報道の自由を規制しているが、プーチンが弱体化
し、ロシアが再び混乱して喜ぶのは、オリガルヒやネオコンである。自由や
民主主義、人権などを標榜しつつ「独裁者を倒せ」と叫ぶ勢力に賛同して独裁
政権を倒す戦争に賛成し、その結果、民主化どころか大混乱を招いてしまった
ことを、私たちはすでにイラク戦争において経験したはずだ。

 ロシアだけでなく中国などをめぐる話にもいえるが、欧米人や日本人が
「独裁政治を倒せ」と叫ぶことは、ロシアや中国の人々の暮らしを良くする
ことにはつながらず、英米の好戦的な勢力による巧妙な破壊作戦の一端を
知らないうちに担がされていることになりかねない。

http://ime.nu/tanakanews.com/e0928russia.htm


プーチンは反民主的か?

最近急にマスコミでロシアの「民主化の後退」が言われるようになった。
そのほとんどは単純に政府による「資源の国有化」や「マスコミ支配」を非難
するだけのものだ。
しかし、国民の利益は必ずしも民主的であることと一致するとは限らない。

ソ連崩壊後、ロシアでは民主化が進んだと言われたが、一般国民からすれば、
マフィアと新興財閥が資源と産業基盤を独占しただけのことだった。
彼らは国有企業を「民営化」し、エリツィン政権の要人に「政治資金」を
渡して独占した。その結果、資源を売却した金はすべて外国の銀行にプール
され、税金すら支払われなかった。ロシアの民主化とは、金と人材の国外流失
という「失われた10年」に過ぎなかった。現在のロシアでも「民主派」や
「改革派」を名乗る人々はすなわち、独占資本を擁護するマフィアと財閥と
旧西側諸国から資金援助を受けている。

これに対して、プーチンを頭とする「保守・官僚派」は独占資本の殲滅
(国有化)と旧西側の影響力の排除(マスコミ支配)を目論んでいる。
それが「民主化の後退」の本質だと私は考えている。
企業から税金を取り、資源は国家と国民に還元されるべきなのは当然のこと
だろう。
特にロシアの場合、石油と天然ガスを売却した金でしか社会資本の再整備は
果たせないのだ。

政治の基本は、国民・住民の衣食住の保障にある。腹が減っては自由も人権
も意味をなさないだろう。だから民主主義はブルジョワジーの論理なのだ。
貧しいロシアにはやはり社会主義が似合うと思う。
http://ime.nu/kenuchka.paslog.jp/category/1927.html

IMFと世界銀行を隠れ蓑にしたアメリカの世界支配
IMFと世界銀行において、決議に対する拒否権を持っているのはアメリカ一国だけだ。IMFと世界銀行は、国連のような一国一票制ではない。出資割当額に応じて投票率が与えられている。

IMFの決議には85%以上の賛成が必要。
主要国の投票率は以下の通り。
アメリカ:17.11%
日本  : 6.23%
ドイツ : 6.14%
イギリス: 5.07%
フランス: 5.07%
つまり、アメリカ一国だけが単独の拒否権を有している。

世界銀行の決議には80%以上の賛成が必要。
主要国の投票率。
アメリカ:16.40%
日本  : 7.87%
ドイツ : 4.49%
フランス: 4.31%
イギリス: 4.31%
アメリカ単独では拒否権を有していないが、イギリスを合わせれば拒否権を行使できる。イギリスがアメリカの意向に反することをする可能性は非常に低い。

IMFにおいても世界銀行においても、アメリカ一国だけが拒否権を持っている。ということは、アメリカの利益に都合の悪いあらゆる議案、議題を葬り去ることができる、ということだ。IMFも世界銀行も、実は国連傘下の専門機関なのだが、両機関は実質的にアメリカの私有物といってもいいだろう。ノーベル経済学者のスティグリッツ教授も「IMFとはアメリカ財務省のことだ」とおっしゃっている。


IMFと世界銀行には明確な役割分担がある。

IMFが政策立案を行い、世界銀行がそれを実際に実行する。
参謀本部と実戦部隊というところだ。

IMFが当該国の政治・経済・社会の状態を調査分析し、政策を立案する。しかし、ほんの二週間ほど滞在して「調査」するらしいが、実際は調査などほんどしない。最初から、プログラムはできあがっており、あらゆる国へ同じプログラムを適用する。スティグリッツ教授いわく、”同じ書類の国名をパソコンで入れ替えるだけだ”と。その書類を持ってIMFは当該国との交渉に当たる。ただし、当該国に交渉の余地は与えられない。融資を受けるためには、IMFの「構造調整プログラム=コンディショナリティ」を無条件で呑むことが要求される。当該国とIMFとの調印がすめば、世界銀行の出番である。

世界銀行は、加盟国や民間資本を組織して「構造調整プログラム」に必要な融資金を集め、当該国に貸し付ける。世界銀行は債権国や民間債権団に対して、利息の配当と元本を保証する。当該国が遅滞なくスケジュール通りに利息の支払いをするよう、世界銀行の職員は当該国に常駐し、忠実にプログラムを実行するよう徹底的に監督・指導する。


当該国は、教育や医療、福祉などの予算をとことん削り、債務の返済にあてる。それでも、返済が滞るようなら、追加の融資が行われる。ただし、これは債務返済用の融資であるから、右から左に消えていく。単に、債務の数字が増えただけである。こうして、国によっては債務が際限なく膨らむ債務地獄へと陥る。もちろん、融資増額のたびに、より厳しい「構造調整プログラム」が突きつけられ、国民生活は極限まで追い込まれる。

「構造調整プログラム」の結果がどうあろうと、つまり、どのような破壊的結果をまねいたとしても、IMFや世界銀行は一切の責任を負わない。プログラムそのものに欠陥があり、当該国にいっさい落度が無かったとしても、当該国はすべての債務を負わされ、返済義務を履行しなければならない。


IMFと世界銀行によって進められる「構造調整プログラム」によって、途上国の国内産業は間違いなく衰退する。そのことによって、大量の失業者を生むと同時に、労働賃金は必然的に低下する。

先進国の製造業は国際競争力をつけるため、低賃金労働を必要としている。より安い労働力を手にしたものが、競争を勝ち抜くことになる。現在、先進国の産業基盤の多くが労働力の安い開発途上国へと移転している。IMFと世界銀行は、途上国の産業を衰退させることによって、低賃金労働の下地をつくった。

先進国の多国籍資本は、より低賃金の地域を求め、簡単に生産設備や下請契約を移転する。このため、豊富な低賃金労働を提供できる予備国家の存在が、世界の労働費用の上昇を抑える役割をしている。つまり、中国や東南アジア、メキシコなどが労働費用を少しでも上昇させれば、生産設備はあっという間に他の国へ逃避してしまう。したがって、こうした国では半永久的に低賃金を維持しなければならない。

しかし、こうした低賃金による世界的貧困の固定は、結局のところ世界的な需要の伸びを抑えてしまう。途上国を、先進国企業の製品市場にしようという試みは、低賃金労働ゆえに挫折している。それだけでなく、先進国内でも産業が空洞化し、失業率が増加し、景気の後退が起こる。


結局のところ、途上国の貧困化と低賃金労働の固定は、世界規模での景気の沈滞をまねいている。しかし、先進国の生産設備は、今後もより安い労働力を求めて途上国へ移転していくことになるだろう。果てしない世界規模の悪循環である。

IMFから融資を受けようとする国は、IMFが示す「コンディショナリティ:付帯条件」を受け入れなければならない。コンディショナリティを構造調整プログラムとも言う。つまりIMFの強要する「構造改革」を受け入れなければ融資は受けられない。

IMFは、「構造調整プログラム」を実施すれば、国の制度は効率化し、産業は発展し、経済は円滑になり、最終的に豊かになると主張する。しかし実際は、世界100あまりの国で実施された構造調整プログラムによって、途上国の自立への道は塞がれ、多国籍企業による際限のない市場・産業・企業の収奪がおこなわれた。途上国は、一部の富裕者と大多数の貧者へと二極分解された。世界そのものも貧困国と富裕国に二極分解され、貧困の拡大再生産の過程をたどることになった。


<主な構造調整プログラム>

●貿易の自由化
IMFは国内産業の競争力を高めると主張するが、貿易の自由化によって流入する外国製品によって、国内商品は駆逐され、国内産業は没落した。

●民営化
最も収益性のある国営企業は、外国資本や合併企業に引き渡され、当該国の資産を減少させた。石油やガス、通信などの公共事業の国有化を憲法に規定している国では、憲法改正までおこなわされ国営企業が外国資本に売り渡された。

●租税改革
付加価値税や販売税の導入により、中・低所得層の租税負担が増加した。しかし、膨大な利益を上げる外国企業や合併企業は税制上の優遇を受けた。

●土地保有
農耕地が少数に集中するような方向に法改正が推進され、小農は土地を没収されるか抵当にとられ、季節労働者へと転落した。一部の地主や企業が農業部門を独占するようになった。大土地所有制の地域では地主階級の利権が保護・固定された。


●金融制度の規制撤廃
途上国の中央銀行は、通貨政策に対する権限を奪われた。金利は、人為的に高金利へと誘導され、海外から投機だけを目的とする「ホット・マネー」が流入した。規制撤廃により国内の主要な銀行が外国資本に買収された。

●議会制度
借款協約には、多党制による選挙までもが条件として付加されている。


こうしたIMFの構造調整プログラムは、「自由化」と「緊縮財政」という二つの考えに基づいて制作されている。「自由化」とは、金融や貿易の自由化、規制撤廃を意味する。いわゆるグローバリゼーションと言い換えてもいい。それによって、途上国では外国資本が自由に活動し、市場や産業、企業、国営企業を買収していった。

「緊縮財政」とは、小さな政府だ。緊縮財政により、利益を生まない分野である教育、医療、福祉、農業は見捨てられ途上国に未曾有の人災をもたらした。国民の生活を犠牲にする緊縮財政によって浮いた財政資金は、債務の返済にあてられる。

IMFと世界銀行は、世界100あまりの国に、まったく同じこの「構造調整プログラム」を強制・実施させる。途上国の経済発展段階や社会制度には非常な差異があるにもかかわらず、IMFはまったく同じ政策を強要する。


何十年にもわたるIMFと世界銀行の活動とその結果をみれば、その目的は明らかと言える。

開発途上国の国内経済を破壊し、発展の道を閉ざし、多国籍企業と多国籍金融資本に占領させる。途上国を先進国の工業製品、農業製品の市場へと変える。途上国の資源を際限なく先進国へ供給させる。経済崩壊にともなう賃金の低下を利用して、先進国の企業へ格安の労働力を提供させる。

途上国における、飢餓、貧困、低賃金労働、疾病の蔓延、教育の崩壊、治安の悪化、暴動、独裁のほとんどすべては、IMFと世界銀行がもたらしたと言っても過言ではない。


<世界の食料危機は、IMFと世界銀行の政策>

途上国の人口に占める農業人口は非常に高い。放って置けば、農産物の輸出国になるのはまちがいなかった。途上国の農産物の生産能力を奪い、アメリカの市場にすること。そうした目的もIMFは担っていた。

IMFと世界銀行の途上国政策は、アメリカの金(Gold)が枯渇しはじめた1968年に急変している。両機関の政策は、発展途上国に向けられ始めた。

IMFや世界銀行の融資というのは、使用目的が制限されている。たいていの場合、農業や教育といった分野には使えない。食料生産を伸ばしたくても、農業にお金をまわせない。ただし、融資金を輸入食料の購入に当てることは許されている。そして、その場合の食料購入国もあらかじめ指定されている。要するに、アメリカや先進国から買わなければならない。隣国で小麦が豊作であっても買えないのだ。

IMFによるこうした理不尽な制約を「コンディショナリティ:付帯条件」という。いくら理不尽でも、これを承諾しない限り、融資は受けられない。途上国には、選択の余地も交渉の余地もない。オール・オア・ナッシングだ。こうして、融資を受ける途上国は、100余もの付帯条件を甘受する。先に書いたように、農業や教育、福祉、医療といった分野には一切使えないよう条件が付けられている。それでも、無いよりはましと途上国は考えた。しかし、「コンディショナリティ」とは、罠以外の何ものでもない。


IMFや世界銀行の融資というのは、鉱工業などの資源開発分野に集中していた。鉱物や石油・ガスの開発と輸出だ。また、それらに付随する産業や輸送手段の整備といった分野も含まれる。アメリカが必要とする膨大な原料や燃料を開発・輸送することに限定することによって、農業生産力をも奪うことができた。

もともとの農業人口の多い途上国の労働力は、必然的にこうした分野に流れた。途上国の農業の衰退がはじまる。農業生産力が落ちた分、途上国政府は、融資金で先進国の農業製品を輸入するしかなかった。

農業の衰退が進むと農産物の価格は上昇し、安い輸入品と競合できなくなった。農業生産で生活できなくなった農村人口は、都市へと流れ始めた。人口は時と共に都市に集中し、農業の衰退はさらに進むことになった。したがって途上国政府は、農産物の輸入を増加せざるを得ない。途上国の農業衰退と食料輸入は構造的なものになり、歯止めが利かなくなってしまった。

現在、アフリカでは労働力の60%が農業に従事しているが、アフリカの食料自給率は80%程度だ。食料自給率は下降の一途をたどっている。単位面積あたりの収穫量も落ちている。

たいていの途上国というのは、豊富な土地と人口を有している。本来、食料の自給自足を営むことは難しいことではない。しかしそれは、戦後のアメリカの世界政策と真っ向から対立する。アメリカは、IMFと世界銀行の「融資」という餌によって、途上国の食料自給の発展を根本から破壊することに成功したといえる。皮肉なことに途上国が求めた「援助」こそが途上国の農業を破壊した。今日の途上国における貧困、低賃金問題もすべて同じ地平にある。

かくして、アメリカは世界一の食料輸出国の地位を確立した。

現在、農産物輸出国は世界でもそう多くはない。アメリカ、カナダ、オーストラリアが三大輸出国だ。その他にアルゼンチン、ブラジル、EU、ロシア、中国が名を連ねる。コメに関しては、タイ、インドが顔を出しているが、コメでもアメリカは世界第三位の輸出国だ。世界の農産物の輸出がごく少数の先進国に限られているというのは、非常に危険なことだ。

<根本的な食糧問題の解決策>

以上に述べたようにIMFと世界銀行は、戦後、途上国の農業生産力を奪うための政策を執ってきた。しかし、表面的には途上国の食糧問題に取り組んでいるふりをしている。彼らは、様々な農業援助プログラムを実施し、毎年高らかにその成果を報告している。彼らの農業援助というのは、大半の小作農には利用できないような高度な技術を必要とするものが多い。すべては、一時的な数字による見せ掛けの成果に過ぎない。


IMFや世界銀行が、本当に途上国の食糧問題に取り組んでいるなら、まず真っ先に取り組まなければならないものがある。

「農地改革」だ。

途上国の土地制度とは、ほとんどが封建的大土地所有制だ。農民は大土地所有者の土地を借りて作物を生産している農奴的小作農だ。収穫物の大半は土地所有者のものになる。農民は残ったものを細々と売ってわずかな現金収入を得ているに過ぎない。そんなところに、先進国が農業援助と称して近代的農法や技術など持ち込んでも、農民にはありがた迷惑なのだ。手間をかけて収穫が上がった分、大土地所有者が得をするだけだ。土地所有者を潤すのだけの近代農法を受け入れる小作農はまずいない。

IMFと世界銀行が、農地改革に取り組まないのは、「内政干渉」になるからではない。「コンディショナリティ」そのものが内政干渉と言ってもいいのだから。彼らは、ひとえに途上国から農業生産力を奪い続けたいのだ。

世界が飢えるのは、気候や土地に根本原因があるのではない。遅れた農業技術でもない。努力が足りないからでもない。

世界の飢餓は、IMFと世界銀行が、アメリカの国益のために行ってきた政策によって、人為的にもたらされている。そして、今後も世界は飢え続ける。援助額がいくら増えても、債務を帳消しにしても解決にはならない。

http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/c/a9cbe326ad861948839e438fab6ebb5b


アジア通貨危機の際に、タイ、韓国、インドネシアは、IMFの融資を受け入れた。
しかし唯一、マレーシアだけがIMFの支援を拒絶した。

IMFの融資を受けたタイは、100以上ものコンディショナリティ(付帯条件)とその達成期限を強制された。その結果、もちろん危機は拡大した。
IMFはタイの金利を25%に上げさせた。IMFは、高い金利が外国資本を呼び戻すと説明した。しかし金融危機の凄まじさに恐れをなした外資は、まったくタイに来なかった。それどころか25%の高金利は、タイの企業には、まったく手の届かないものだった。このため、資金を調達できなくなったタイ企業は、バタバタと倒産していった。長い時間をかけて育ててきた産業が、IMFの政策により、あっという間に壊滅させられてしまった。その結果、多量の失業者が生みだされた。

またIMFのコンディショナリティには、なぜか金融危機とはまったく関係のない社会改革分野まで含まれていた。そのため社会関係費用が削減され、教育と医療現場が大きな打撃を受けた。児童の教育を受ける権利は縮小され、多くの貧困層の医療を受ける権利も縮小され、衛生環境も悪化した。
結局のところ、IMFの「緊急援助」の目的とは、タイに投資していた「外国債権者の利益保護」でしかなかった。つまりタイの教育や医療まで縮小して、財政を緊縮させ、なるべくカネを浮かせ、外国債権者にカネを回収させることだった。

そのため、タイの失業率は三倍になり、タイ社会の貧富の差は拡大した。ごく一部の者だけが、外国企業とともに富を得た。

IMFの融資を唯一拒絶したマレーシアのマハティール首相は、資本の移動を禁じて外国資本の逃避を阻止した。そして保護貿易に徹っした。通貨も固定した。IMFとはまったく逆の政策を執った。

IMFの支援を受け入れたタイ、韓国、インドネシア、そしてIMFを拒絶したマレーシア。いま共に順調に経済を回復している。しかし、そこには根本的な違いがある。

IMFの支援を受け入れた国の主力産業や公営企業は、外国資本の餌食となり占領された。富は底の抜けたビンのように、外国へ流れている。
数字で見る経済成長は伸びても、アジアの人々の暮らしはまったく豊かになっていない。それどころか、貧富の差が拡大し、貧しい人々はより貧しくなり、一部の富める者だけがより豊かになっている。アジアの中産階級はほとんどが貧困層に転落したとさえ言われている。


現在、多くの開発途上国の国々は、IMFや世界銀行の正体を見破っている。しかしながら、すでに多額の債務を負わされ、まったく身動きが取れなくなってしまっている。主力産業、銀行、公営企業が外国資本に乗っ取られたあとでは、数字上の経済成長があるだけで、富のほとんどは、外国資本が持っていく。
国庫は債務の利息を支払うだけでも手一杯だ。それどころか、多くの開発途上国では、利払いにも事欠き、その利払いのためだけの追加融資をIMFや世界銀行から受けている。サラ金の借金を、サラ金から借りて返すようなものだ。完全な債務地獄だ。

IMFと世界銀行が活躍するところには、必ず、経済と社会の破壊、そして貧困がおとずれる。
IMFと世界銀行とは、開発途上国の経済を乗っ取り、外国資本へ富を移転していくための機関にほかならない。


戦後の1946年にIMFと世界銀行が正式に設立され、「ブレトンウッズ体制」がはじまる。そしてこのたった二つの規約が、今日にいたるアメリカの繁栄を約束した。第二次大戦末期の疲弊した世界は、アメリカ政府が二つの規約にこめた真の意図をまったく読めなかった。

●「ドル金本位制」の意味
「ドル金本位制」とは、簡単に言えば、イギリス・ポンドとフランス・フランを貿易から締め出し、戦前のポンド経済圏とフラン経済圏の復活を阻止することにあった。それによってヨーロッパの戦後復興を抑え、世界をアメリカ・ドルの一極経済圏にすることができる。

もし、この規約がなければ、復興をはじめたイギリスやフランスは、かつての植民地と貿易をはじめることになる。そうすると戦後の世界はドル、ポンド、フランの三つの経済圏に分かれてしまう。アメリカは戦後の世界経済を完全に支配したかったのだ。

●「通貨の固定相場制」の意味
これも、その意図は同じだ。世界の通貨を、実態よりも高く設定し固定してしまう。そのことによって、あらかじめ将来の貿易競争力を奪ってしまう。

こうして、アメリカは基軸通貨ドルを好きなだけ刷り、世界の燃料や原料を買い、アメリカの製品と農業品を世界中に売りさばき、世界の経済を独り占めしてしまった。また、世界中にドルを貸し与え、巨大な債権国となり、今日の礎を築いた。
212投稿者:アメリカの世界戦略  投稿日:2005年12月17日(土) 00時04分29秒


IMF(国際通貨基金)の設立目的とは、アメリカが戦後の世界経済を支配するため以外の何ものでもなかった。いまでも、当然IMFは存在する。戦後、世界の復興と経済状況に合わせて、IMFの役割も変化してきたが、その目的はいまも変わらない。すべては、アメリカのために。


<巨大借金国が、世界を支配する>

戦後、世界の基軸通貨がアメリカ・ドルと定められたことによって、アメリカ一国だけは好きなだけドルを刷り、モノを買えるようになりました。製品でも、原料でも、燃料でも。ここから、アメリカの超浪費文化が生まれたのだと思います。輪転機を回すだけで何でも買えるのですから。

1971年までは、ドルというのはいつでも金(ゴールド)と交換できる兌換紙幣でした(金1オンス=35ドル)。第二次大戦後、アメリカは世界の金の60%(後に72%)を保有していました。この金が、ドルに信用を与えたわけです。しかし、じゃんじゃんドルを刷りまくっているうちに、ドル発行量が金保有高を越えてしまいました。つまり、ドルに対する信用供与がなくなりはじめたわけです。世界は、急いでドルを金に換えはじめました。アメリカの金保有高は急激に減少し、あわてたニクソンは1971年、突然、金とドルの交換を停止してしまいました。世に言う、ニクソン・ショックです。

世界は大混乱しましたが、アメリカはこんな風に言いました。
”みなさん、心配はいりません。これからは、アメリカ財務省証券(アメリカ国債)とドルを交換します。これは、金と同じ価値があります”と。アメリカは、紙切れと紙切れを交換するという子供だましのような策に出たわけです。


でも、この子供だましを世界は受け入れざるを得ませんでした。なぜなら、これを受け入れなければ、いままで溜め込んだドルが、本当の「紙切れ」になるからです。

世界が、金(ゴールド)に裏打ちされたドルを信用して、貿易通貨としてどんどん溜め込んだために、ついにドルに支配されるということになったわけです。べつの言い方をすると、アメリカは世界中を、ドルでじゃぶじゃぶにすることによって、世界経済を支配してしまったということです。

アメリカがドルを刷りすぎたために、ドルというのは現在でも常に不安定な状態にあります。世界は、必死になってドルの価値を一定の水準に維持しなければなりません。日本や世界が、大量のアメリカ国債を溜め込んでいるのもそのためです。しかし、溜め込んだアメリカ国債を売るとドルがなおさら不安定になるので、売るに売れないのです。アメリカ国債というのは、すなわちアメリカの借金です。

世界一の大借金国が、世界経済を支配しているという実に奇妙なことが起こっているわけです。


世界銀行はIMFの経済政策(構造調整プログラム)を具体的に実行するための機関だ。その結果、世界中の開発途上国の経済を破壊してきた。途上国の国内産業は壊滅し、外国資本と多国籍企業に占領された。電力や水道といった公共事業さえ外国資本に占領されはじめている。農業も破壊され、食糧の自給はできなくなり、輸入や援助に頼るようになった。教育、医療は無きに等しいレベルに落ちた。世界の何十億という人々が貧困と飢餓の縁に追いやられた。

 途上国の悲惨な現況は、世界銀行とIMFがもたらしたものだ。世界銀行やIMFがしてきたことは、人類に対する犯罪行為以外の何ものでもない。

<グローバリゼーションの罠>
 グローバリゼーションとは、国家を越えて「地球全体がひとつになる」ということだ。その理念は否定しない。しかし、自由貿易、自由市場、国際投資といったグローバリゼーションの経済原理によって、世界にもたらされた結果は、到底受け入れ難い。

 グローバリゼーション推進派は、全世界の生活水準が向上し、共に繁栄を享受すると謳ったが、結果はまったくその逆だった。貧困層はより貧困になり、中間層は没落し、富裕層だけがさらに豊かになった。途上国の、農業、教育、労働、医療衛生環境は壊滅的打撃を受け、食糧不足、教育機会の喪失、失業と低賃金労働、疾病の蔓延等をもたらした。それだけでなく人口の都市集中、地方の荒廃、犯罪率の増加、暴動、内戦という結果まで引き出している。特に農業の破壊と土地の荒廃は深刻だ。わずかな自然環境の変化でも、大規模な飢餓が発生し、大量死をもたらしている。いや、殺戮と言った方が正しい。

 このグローバリゼーションの輝かける旗手がIMF、世界銀行、WTOだ。 
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/c/a9cbe326ad861948839e438fab6ebb5b


プーチン当選。涙のわけは、
http://www.youtube.com/watch?v=Y_CO2leb5Ys

プーチン 最後の聖戦

ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは? 北野 幸伯 (著)


「あの男が帰ってきた!!!」

いままで世界を牛耳ってきたアメリカの支配者たちは今、恐れおののいています。
アメリカは1991年末、ソ連崩壊で「冷戦」に勝利。世界唯一の「超大国」になりました。

そして、90年代は「ITバブル」により、空前の繁栄を謳歌していた。新千年紀がはじまる頃、誰もが「アメリカの時代は永遠につづく」と信じていました。

しかし、あれから12年。もはやすべての人が、「アメリカの時代は終わった」ことを知っています。いったい、何が起こったのでしょうか?

一般的には、「欲ボケしたアメリカ人が、自滅した」と信じられています。

具体的には、「住宅バブル崩壊」「サブプライム問題」「リーマンショック」などが起こり、没落していったと。しかし......。


「アメリカは自滅したのではない。没落させられたのだ!」


というのが、この本で明かされる数多い真実の一つです。

でも、いったい誰に......?

それは、「多極主義陣営」と呼ばれる国々にです。


「アメリカ一極世界をぶち壊せ!」

「多極世界をつくろう!」


という運動は、そもそも西欧から起こってきました。

ソ連崩壊で「東の天敵」が消滅したとき、西欧のエリートたちは、「アメリカから覇権をとりもどそう!」と考えたのです。しかし、西欧の一国が昔のように覇権国家になるのは、現実的でない。それで、「EU拡大による欧州統合」と「共通通貨ユーロの導入」で欧州を「巨大な一つの国」とし、覇権を奪回しようとしたのです。

そんな欧州の反逆を03年までに鎮圧したアメリカ。

しかし、そのときもっとも強力な敵が現れた......。

その敵こそが、ロシア史上最強のリーダー、プーチンだったのです。


プーチンは、「イラク戦争」「ユコス問題」「グルジア・バラ革命」「ウクライナ・オレンジ革命」「キルギス・チューリップ革命」等々で、ことごとくアメリカと対立。08年8月には、アメリカの傀儡国家グルジアとロシアの戦争にまで発展していきます。

しかし、同年9月、「リーマンショック」が起こり、ついにアメリカの一極世界は自壊。「100年に1度の大不況」のなか、米ロとも、戦いを継続するのが難しくなり、両国は停戦で合意。「米ロ関係『再起動』」なる言葉も生まれました。

しかし、「再起動」の時代は、プーチンの復活により終わりつつあります。そう、「米ロ新冷戦」は、必然的に再開されることになるのです。

プーチンの目標は、「アメリカにとどめを刺す」こと。


でも、いったいどうやって......?


本書『プーチン 最後の聖戦』でわかることの一部を、ここに挙げておきます。


・90年代ロシアを支配した7人の新興財閥(うち6人はユダヤ系)とは?(その名前と基盤)

・たった一回の訪問で、新興財閥のボスの心をわしづかみにしたプーチンの行動とは?

・「逃げ道なし」。新興財閥軍団を罠にはめたKGB流「トリプル戦略」とは?

・90年代ボロボロだったロシア経済が、プーチン政権下で大復活した理由とは?

・アメリカを没落させる、絶対確実な方法とは?

・プーチンに反逆したユダヤ系石油王ホドルコフスキーとヤコブ・ロスチャイルド卿の「危険な関係」とは?

・アメリカが、ロシアの勢力圏「旧ソ連諸国」で革命を起こした理由と証拠とは?

・プーチンがアメリカを没落させた、具体的な方法とは?

・プーチン・ロシアが同盟関係を結んだ中国が提案する「世界共通通貨」構想とは?

・メドベージェフは、なぜプーチンを裏切ったのか? 彼の背後にいた勢力とは?

・アメリカに「とどめを刺す」プーチンの戦略とは?

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4797672250?ie=UTF8&tag=asyuracom-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4797672250


ロシア、自立への戦い


「アメリカからの自立に成功した例」をあげておきましょう。そう、私の住む国ロシアです。


ロシアは、いつ「依存国家」になったのでしょうか?

「ソ連崩壊後」です。

ソ連崩壊直後の1992年、新生ロシアのGDPはなんと−14.5%。

ロシアは、欧米日、および国際金融機関からの借金に深く依存するようになっていきます。(正確にいうと、ゴルバチョフ時代から、かなり借金があった)


それで、エリツィン・ロシアは、アメリカの「依存国家」になってしまいました。

ちなみに、「自立のための5つの条件」をあげましたが、ロシア
はとても恵まれています。


・軍事的自立=ロシアはいまだに核超大国である

・エネルギーの自立=ロシアは原油、天然ガス生産で常に世
界1、2位である

・食糧の自立=自国を十分養える


しかし、「経済の自立」を失ったとき、元超大国ロシアは「依存
国家」に転落したのです。


プーチンは、「自立への戦い」を開始しました。

その基本は、「財政黒字化」と「借金返済」。

ロシアはなんと、プーチンが大統領に就任した2000年から、危機が起こった08年まで一貫して「財政黒字」でした。さらに、借金も着実に返済し、07年には実質債権国になっています。

▼プーチンと世界の支配者


欧米からの自立を目指すプーチン。そんな彼に、世界の支配者たちが、立ちはだかります。きっかけは二つありました。


1、プーチンは、ユダヤ系新興財閥を迫害していた


90年代ロシアを牛耳っていたユダヤ系新興財閥軍団。

プーチンは、「クレムリンのゴッドファーザーとよばれたベレゾフスキー」を追放。さらに、「世界ユダヤ人会議副議長」「ロシアユダヤ人会議会長」グシンスキーも追放。


おそれをなした石油最大手ユコスのホドルコフスキー社長は、ヤコブ・ロスチャイルド卿と「オープンロシア財団」をつくり、プーチン排除に乗り出しました。

これでプーチンは、欧州の支配者を敵に回した。

2、プーチンは、ユコス売却を阻止した

ホドルコフスキーは、ロックフェラー系で有名なエクソンモービル、そしてシェブロンテキサコに、「ユコスを売る」と約束していました。


プーチンはこれに激怒。


「原油生産量世界一ロシアの最大手企業をアメリカに売れるか!」

と、ホドルコフスキーを逮捕してしまった。これで、アメリカの支配者を敵にまわしてしまった。その後何が起こったか。


ロシアの影響圏である旧ソ連諸国で、次々と革命が勃発。

03年グルジア、04年ウクライナ、05年キルギス。

そして、次々と「親米反ロ傀儡政権」が誕生することになった。

そして「米ロ新冷戦」なる言葉も生まれ、結果08年には「ロシア−グルジア戦争」にまで発展していったのです。

資源と食糧に恵まれた核保有大国ロシア。

そんなロシアですら、アメリカからの自立は容易ではなかった。
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/609.html

ロシアの資本規制 2014-12-25


最近、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオ(運用先)において、株式の割合を高めたり(日本株25%、外国株25%)、さらには「子ども版NISA」で子供向けに株式で資産形成することを促したりと、日本国民の資産を株式に振り向ける動きが目立ちます。


 現在の株式は、先行指標でも「企業のファンダメンタルを示すもの」でもありません。日本の株式は、今や為替レートの反映に過ぎないのです。何しろ、日本の株式市場の「取引(保有ではないです)」において、外国人投資家のシェアは65%に達しています。


【2013年 東京証券取引所投資家別売買シェア】
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/image-11968728012-13168854068.html

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_49.html#baibai


 ほとんどの外国人は、別に「日本企業の将来性」に期待してお金を投じたりはしません。多くの外国人投資家は、

「円安になれば、日本株がお買い得になるから、買う。
円高になれば、日本株が売り時なので、売る」

 ただ、これだけの投資行動を採り、利鞘を抜き取っているに過ぎないのです。

為替レートと外国人投資家の動向で決定される日経平均に政権が引きずり回され、国民の「年金の運用」というレトリックにより、株価に一喜一憂する。日本国民は、いずれ経済的な主権を失ってしまうことになります。


 正直、上記の問題を解決するためであれば、わたくしは「資本規制」をかけても構わないとすら思っています。外国人投資家による短期のキャピタルゲインに、99%の税金をかける等の規制をかけても、わたくしは別に懐は痛みません。そもそも、日本の株式市場は企業が「成長」のための資金を調達する場であって、外国人投資家のカジノではないのです。


 もっとも、資本移動の自由は、グローバリズムの「肝中の肝」です。よほど、国民世論が盛り上がらないと、我が国で実現するのは至難の業でしょう。


 などと思っていたら、ロシアのプーチン大統領が資本規制に乗り出しました。


『ロシアが「非公式」な資本規制導入、ルーブル急回復
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0K200B20141224?sp=true


- ロシアは23日、1998年の財政危機再発を防止すべく、「非公式」な資本規制を導入した。ルーブルは2週間ぶりの高値水準に上昇した。

 ロシア政府は、政府系の輸出関連企業に対して、外貨建て資産の保有高(ネットベース)に上限を設定。また当局筋や銀行関係者の話によると、ロシア中銀は大手国営銀行の外為取引デスクに監督官を派遣した。

 ルーブルRUBUTSTN=MCXは一時、1ドル=52.88ルーブルと、12月8日以来の高値をつけた。先週は80ルーブルまで下げていた。

エコノミストは、今回導入されたのは緩やかな形の資本規制との見方を示している。プーチン大統領はこれまで、本格的な資本規制の導入には否定的な見解を示しており、今後も正式な規制実施はないとの見方が大勢だ。

エコノミストのセルゲイ・グーリェフ氏は

「政府はすでに、政府系輸出企業にドル売りを義務付けている。銀行についても、同様の命令が下るのではないか。資本規制は事実上、すでに行われている」

と述べた。(後略)』

 ロシアが始めた資本規制は、外国人投資家ではなく、国内企業(政府系輸出企業)の外貨資産保有を制限し、ルーブルに両替させる、という主旨ですが、それにしても思い切った手に出たものです。


 8月に、ロシアは欧米の経済制裁に対抗し、農産物の輸入を禁止しました。結果的に、誰が困ったかといえば、もちろん欧米の農家ですが、逆に誰が喜んだかといえば、ロシアの農家です。欧米からの農産物輸入禁止措置とは、要するに「国内農業保護政策」でもあるわけです。


 プーチン大統領は、制裁措置への対抗措置というお題目で、ロシア農業を保護する政策を採ったということになります。


 そして、今回はルーブルの過度な暴落を防ぐための、「外貨保有制限」という資本規制です。上記は「モノ・サービスの国境を越えた移動の自由」、資本規制はもちろん「カネの国境を越えた移動の自由」という、プーチン政権はグローバリズムのテーゼに真っ向から歯向かっているわけです。


 ロシアの資本規制について、グローバリズム信奉者は猛烈に批判するでしょう。とはいえ、

「国民経済は『国民』を豊かにするために存在し、グローバル投資家のマネーゲームのために存在するわけではない」

 という原則は、厳然たる事実なのです。


 それにも関わらず、日本ではGPIF「改革」に代表されるように、グローバル投資家を利するのみならず、国民経済を不安定化させる政策が次々に繰り出されてきます。なぜなのでしょうか。


 答えは、来月発売になる飛鳥新社「黄金の拘束衣を着た首相」(タイトル決定しました)で書きました。いずれにせよ、日本で頻繁にみられる「グローバル投資家の利益になり、国民の損になる政策」とは、何も我が国でのみ実施されているわけではないのです。グローバリズムが「世界の問題」と化し、成長を抑制し、社会を混乱させる方向で機能してしまっているわけでございます。


 各国の政治家が、

「国民経済は『国民』を豊かにするために存在し、グローバル投資家のマネーゲームのために存在するわけではない」

 基本に立ち返り、「黄金の拘束衣」を脱ぎ去ることを決意しなければ、現在の混乱が収束することはないでしょう。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11968728012.html


達人プーチンのワナ 2014年12月25日 木曜日
ドミトリー・カリニチェンコ(ロシア)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-c100.html

欧米の対プーチン非難は、伝統的に、彼がKGBで働いていたという事実に基づいている。そして、それゆえ、彼は残酷で不道徳な人物なのだ。プーチンはあらゆることで非難される。だが、プーチンは知性が欠如していると非難するものは皆無だ。

この人物に対するあらゆる非難は、素早い分析的思考と、明快で、バランスのとれた政治・経済的判断をする彼の能力を強調するだけだ。

欧米マスコミは、この能力を、公開でチェスの多面打ちをする達人の能力にたとえることが多い。アメリカ経済と欧米全般における最近の進展で、アメリカは、プーチンの人物評価と言う点で、欧米マスコミは全く正しいと結論できそうだ。

フォックス・ニューズやCNN風の無数の成功報道にもかかわらず、現在アメリカ合州国が率いる欧米経済は、欧米の誰一人として脱出方法が分からない、プーチンのわなにはまっている。欧米がこのワナから脱出しようとすればする程、益々深くはまりこんでしまうのだ。

欧米とアメリカ合州国が陥った本当の悲劇的な苦境の実情とは何だろう? そして一体なぜ全ての欧米マスコミと主要欧米エコノミストは、しっかりと護られた軍事秘密の如く、これについて沈黙しているのだろう? 現在の経済的出来事の本質を、道徳規範や、倫理や地政学等の側面はさておき、経済という文脈で、理解を試みよう。

原油価格の展開


ウクライナでの失敗を自覚した後、アメリカが率いる欧米は、ロシア経済を破壊する為、石油価格、更には、主要輸出収入源で、ロシア金準備の主要補充源であるガス価格をも押し下げ始めた。ウクライナにおける欧米の主な失敗は、軍事的でも政治的でもないことに留意が必要だ。だが、プーチンは、ロシア連邦予算を出費して、ウクライナでの欧米の計画を支援することを、実質的に拒否したのだ。おかげで、この欧米プロジェクトは、近未来でも、更なる未来でも、実行可能ではなくなってしまった。

前回、レーガン大統領の下で、同様な欧米による石油価格下落活動が、‘成功し’ソ連は崩壊した。だが歴史は常に繰り返すというわけではない。今回、欧米にとって、状況は違っている。欧米に対するプーチンの反撃は、チェスと柔道の両方に似ていて、敵が用いる力は、敵自身に対して使われるが、防御側が使う力と資源とコストは最小だ。プーチンの本当の政策は公開されているわけではない。それゆえ、プーチンの政策は、常に概して、効果ではなく、効率が狙いだ。

プーチンが現在行っていることは、ごくわずかの人々しか理解していない。そして、彼が将来何をするかについては、ほぼ誰も知らない。

どれだけ奇妙に見えようと、現在、プーチンは、ロシア石油とガスを金の現物でしか売っていないのだ。

プーチンは、それを声高に世界中に叫んでいるわけではない。そして、もちろん、彼は中間的支払い手段として、アメリカ・ドルを、依然受け取る。だが彼は、石油とガスの販売で得たこうしたドルの全てを、すぐさま金の現物に変えるのだ!

これを理解するには、ロシア金準備高増加の動態を見て、このデータを、ロシアが石油とガスの販売で、同時期に得ている外貨収入と比較するだけで十分だ。

しかも、第三四半期にロシアが購入した金の現物は、史上最高記録水準だ。今年の第三四半期、ロシアは、55トンという信じがたい量の金を購入した。これは全世界の全中央銀行を合計したよりも多い(公式データによれば)!

2014年の第三四半期に、世界中全ての国の中央銀行は、合計93トンの貴金属を購入した。中央銀行による金純仕入れは、連続15期目の四半期だった。この期間に、世界中の中央銀行が購入した金93トンのうち、驚くべき購入量の55トンを、ロシアが保有している。

さほど遠くない過去、イギリス人科学者が、見事に、数年前、公表されたアメリカ地質調査の結果と同じ結論を出した。つまり、ロシアからのエネルギー供給無しでは、ヨーロッパは存続できないというものだ。英語から世界中の他のあらゆる言語にされており、これはこういう意味だ。“もしロシアからの石油とガスが、世界のエネルギー供給バランスから、無くなってしまえば、世界は存続できなくなる”。

そこで、オイルダラー覇権の上で成り立っている欧米世界は、破局的な状況にある。彼らはロシアからの石油とガスの供給無しでは生きられないのだ。しかもロシアは今、欧米に、石油とガスを、金現物と引き換えでしか売らないようにする用意ができている! プーチンのゲームの巧みさは、ロシア・エネルギーを、金でしか、欧米へ輸出しないという仕組みが、欧米が、ロシア石油とガスに、人為的に安くしている金で支払うことに同意しようがしまいが機能することだ。

ロシアは、石油とガス輸出により、ドルを定期的に得るので、いずれにせよ、欧米により、あらゆる手段で押し下げられた現在の金価格で、金に転換することができるのだ。つまり、市場操作によって、人為的に押し上げられているドルの購買力で、連邦準備制度とESFによって、人為的かつ、細心の注意を払って、何倍も押し下げられている金価格で。

興味深い事実: アメリカ政府の専門部門、ESF(為替安定基金)による、ドルを安定化させる狙いでの金価格押し下げは、アメリカ合州国で法制化されている。

金融業界では、金が反ドルなのは、当然のこととして受け入れられている。
•1971年、1944年、ブレトンウッズで、アメリカが保証した、ドルと金の自由交換をやめ、アメリカのリチャード・ニクソン大統領が‘金の窓’を閉じた。
•2014年、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ワシントンの許可を得ずに‘金の窓’再度開けたのだ。

現在欧米は、金と石油の価格を押し下げるのに、努力と資源の大半を費やしている。それにより、一方では、アメリカ・ドルに有利なように、実際の経済的現実を歪曲しながら、その一方で、ロシア経済を破壊し、欧米の忠実な属国役を演じることを拒否している。

現在、金や石油等の資産は、比例的に弱体化されたように見え、アメリカ・ドルに対して、極端に過小評価されている。これは欧米による膨大な経済的努力による結果なのだ。

今やプーチンは、欧米の努力で人為的に押し上げられているアメリカ・ドルと引き換えにロシアのエネルギー資源を売っている。彼はそれで、欧米自身の努力によって、アメリカ・ドルに対し、人為的に低めにされている金を即座に購入するのだ!

sources
プーチンのゲームには面白い要素がもう一つある。ロシアのウランだ。アメリカ電球の6個のうち1個は、ロシアからの供給に依存している。ロシアがアメリカにドルで販売しているのだ。

そこで、ロシアの石油、ガスとウランと引き換えに、欧米はロシアに、石油と金に対し、その購買力が、欧米の努力で人為的に押し上げられているドルを支払う。しかし、プーチンは、アメリカ・ドルを、まさに同じ欧米によって、人為的に押し下げられているアメリカ・ドル建て価格で、金の現物を欧米から回収する為にだけ使っているのだ。

プーチンによるこの実に見事な経済政策の組み合わせは、アメリカ合州国が率いる欧米を、自分のしっぽを積極的かつ熱心にむさぼり食う蛇の様な立場に追い込んだのだ。

欧米に対する、この経済的な金のワナという考えは、恐らく、プーチン自身が発案したものではない。プーチンの経済顧問、セルゲイ・グラジエフ博士の考えである可能性が高い。そうでなくて、一体なぜ、一見事業に関与していない様に見える官僚グラジエフが、多くのロシア人実業家達と共に、ワシントンによって、個人的に制裁リストに含まれているのだろう? 経済学者グラジエフ博士の発想が、中国の仲間、習近平から全面的支持を得て、プーチンによって見事に実施されたのだ。

特にこの文脈で興味深いのは、必要であれば、ロシア中央銀行は、準備金の金を、輸入への支払いに使用することが可能であることを強調した、11月のロシア中央銀行第一副総裁クセニア・ ユダエワの声明だ。欧米世界による経済制裁という文脈の中で、この声明は、BRICS諸国、そしてそもそも中国に向けられたものであることは明白だ。中国にとって、ロシアが、商品に対して、進んで欧米の金で支払うというのは、実に好都合だ。理由は下記の通りだ。

中国は最近、金とアメリカ・ドル建て外貨準備を増やすのをやめる予定だと発表した。アメリカと中国との間の貿易赤字の増大を配慮して(現状では、違いは、中国が五倍優位だ)、この金融語による声明を翻訳すると、“中国は商品をドルで売るのは停止する”ということなのだ。世界中のマスコミは、この最近の通貨制度史上最大の出来事に気がつかないふりをしている。問題は、中国が文字通り、商品を、アメリカ・ドルで売るのを拒否しているということではない。中国は、もちろん、中国商品に対する支払いの中間手段として、アメリカ・ドルの受け取りは継続するだろう。だがドルを得ると、中国は即座に、ドルを処分し、中国の金と外貨準備高構造中で、何か他のものに置き換えるのだ。そうでなければ、中国の通貨当局の声明には意味がない。“我々は、金とアメリカ・ドル建て外貨準備を増やすのをやめる。”つまり中国は、他のあらゆる国との貿易で稼いだドルで、これまでそうしていた様に、アメリカ合州国長期国債を購入することは、もはやしないのだ。

かくして、中国は、アメリカからのみならず、世界中から、その商品に対して得る全てのドルを、中国の金・アメリカ・ドル建て外貨準備高を増やさない他の何かに置き換えるつもりだ。そこで、興味深い疑問がおきる。中国は、貿易で得た全てのドルを、一体何に置き換えるつもりなのだろう? どの通貨、あるいは資産で? 現在の中国通貨政策を分析すると、貿易で得るドル、あるいは、そのかなりの部分を、中国は静かに、置き換える可能性が一番高いが、事実上、既に、金に置き換えつつあることを示している。

我々はドル時代の終焉を目にしているのだろうか?

この点で、ロシア-中国関係の二人遊びゲームは、モスクワと北京にとって大成功だ。ロシアは、中国から商品を購入し、時価で直接、金で支払う。一方、中国は、ロシアのエネルギー資源を、金で時価で購入する。このロシア-中国間の命の祭典では、あらゆるものが取引される。中国商品、ロシアのエネルギー資源と金が、相互の支払い手段だ。アメリカ・ドルだけは、この命の祭典に居場所がない。そして、これは驚くべきことではない。アメリカ・ドルは、中国製品でもなければ、ロシアのエネルギー資源でもないからだ。ドルは、中間的な金融決済手段に過ぎず、しかも不必要な仲介者だ。そして、二つの独立したビジネス・パートナー間の取引から、不要な仲介者は排除されるのが普通だ。

金現物の世界市場は、石油現物供給の世界市場と比較して、極端に小さいことに留意が必要だ。そして、特に金現物の世界市場は、石油、ガス、ウランという商品現物の全世界市場と比べれば、顕微鏡でしか見えないほど小さい。

“金の現物”という言葉を強調したのは、‘紙の’エネルギー資源ではなく、現物のエネルギーと引き換えに、ロシアは現在、欧米から金を回収しているが、紙の上の金ではなく、金の現物だけだからだ。中国も同様に、製品現物の、欧米輸出に対する支払いとして、欧米が人為的に引き下げた金の現物を得ている。

ロシアと中国が、両国のエネルギー資源や商品への支払いとして“シット・コイン”つまり、様々な種類のいわゆる“紙の上での金”を受け入れるという欧米の願いも実現しなかった。ロシアと中国は最終支払い手段として、金と現物の金属にしか興味はない。

参考: 金先物市場における紙の上の金取引高は、月3600億ドルと推定される。ところが、金現物の引き渡しは、月にわずか、2億8000万ドルだ。そこで、紙の上の金、対、金現物取引の比率は、1000対1というわけだ。

欧米に人為的に押し上げられている別の金融資産(米ドル)と引き換えに、欧米によって人為的に押し下げられている金融資産(金)を、市場から積極的に回収する仕組みを利用して、プーチンは、オイルダラーの世界覇権を終わらせる秒読みを始めたのだ。かくして、プーチンは、欧米を、いかなる前向きな経済見込みも不在の、手詰まり状態に追い込んだのだ。欧米は、人為的にドルの購買力を高め、石油価格を下落させ、金の購買力を人為的に引き下げる為、努力と資源はいくらでも費やせる。欧米にとっての問題は、欧米が所有している金現物の在庫が無限ではないことだ。それゆえ、欧米がアメリカ・ドルに対して、石油と金を押し下げれば押し下げる程、価値を低くしている金を、無限でない準備高から、より急速に失うことになる。プーチンの経済的組み合わせという、この素晴らしい手によって、金の現物は、欧米の準備高から、ロシア、中国、ブラジル、カザフスタンとインド、BRICS諸国へと、急速に移動しつつある。金現物備蓄減少の現在の勢いでは、欧米は、欧米オイルダラー世界全体の崩壊まで、プーチンのロシアに対して何をする時間も、もはやない。チェスでは、プーチンが、アメリカが率いる欧米を追い込んだ状況は、“タイム・トラブル”と呼ばれるものだ。

欧米世界は、いままさに起きている様な、経済的事態や現象には決して直面したことはない。ソ連は、石油価格下落の際に、金を素早く売却した。ロシアは、石油価格下落に際して、素早く金を購入している。かくしてロシアは、オイルダラーによる世界支配というアメリカ・モデルに対して、本当の脅威を与えているのだ。

世界オイルダラー・モデルの基本原理は、世界通貨制度(GMS)で支配的なアメリカ通貨の役割に基づいて、他の国々や人々の労働力と資源を犠牲にして、アメリカ合州国が率いる欧米諸国が暮らせるようにするものだ。GMSにおける、アメリカ・ドルの役割は、それが究極の支払い手段であることだ。これはつまり、GMS構造において、アメリカ合州国の自国通貨は、それを他のあらゆる資産と交換する為の究極的な資産蓄積手段というのが、意味をなさなくなってしまうのだ。ロシアと中国が率いるBRICS諸国が現在行っていることは、実際、世界通貨制度における、アメリカ・ドルの役割と立場を変えつつある。究極的な支払い手段と、資産蓄積から、アメリカの自国通貨は、モスクワと北京の共同行動によって、単なる中間的支払い手段へと変えられてしまうのだ。別の究極の金融資産、つまり金と交換する為に意図された、単なる中間的支払い手段にされてしまうのだ。そこで、アメリカ・ドルは実際、究極的な支払い手段、兼資産蓄積という役割を失い、両方の役割を、別の広く認められて、特定国家のものでなく、政治的要素が取り除かれた金融資産である、金に譲り渡すことになる。

カラー革命の地図

伝統的に、欧米には、世界における、オイルダラー・モデル覇権と、結果としての、欧米の極端な特権に対する脅威を抹殺する二つの方法がある。

こうした手法の一つは、カラー革命だ。第二の方法は、通常万一、前者が失敗した際に、欧米によって行われるもので、軍事攻撃と爆撃だ。

だがロシアの場合、この方法のいずれも、欧米にとって、不可能だったり、受け入れ不能だったりする。


なぜなら、そもそもロシア国民は、他の多くの国々の国民と違い、自らの自由や、孫子の将来を、欧米のソーセージと交換しようと望んではいないからだ。これは主要な欧米格付け機関によって定期的に公表されるプーチンの記録的支持率から明らかだ。ワシントンのお気にいりナヴァルニーと、マケイン上院議員の個人的友情は、彼にとっても、ワシントンにとっても極めて否定的な効果しかなかった。この事実をマスコミで知った98%のロシア国民は、今やナヴァルニーを、単なるワシントンの傀儡で、ロシア国益の裏切り者としか見ていない。従って、まだ正気を失っていない欧米の専門家連中は、ロシアでは、いかなるカラー革命をも夢想することはできない。

直接軍事攻撃という欧米の二つ目の伝統について言えば、ロシアは確実に、ユーゴスラビアでも、イラクでも、リビアでもないのだ。アメリカが率いる欧米による、ロシア領へのあらゆる対ロシア非核軍事作戦は、失敗する運命にある。またNATO軍指導部を本当に掌握しているペンタゴンの将軍達もこれを理解している。同様に、いわゆる“予防的武装解除核攻撃”という概念も含め、対ロシア核戦争にも見込みはない。NATOは、厳密に言えば、ロシアの様々な形の核能力を完全に武装解除する一撃を加えることはできない。敵に対する大規模核報復攻撃や、敵の遺体の山が不可避だ。しかも、ロシアの総合能力は、生き残った人々が死者をうらやむほど十分ある。つまり、ロシアの様な国との核攻撃の応酬は、迫り来るオイルダラー世界崩壊の問題に対する解決策ではない。最善の場合は、歴史上、核戦争の最後の和音、最終点となるだろう。最悪の場合は、核の冬と、放射能で突然変異したバクテリア以外の地球上のあらゆる生命の絶滅だ。

欧米の経済支配層は、状況の本質が見えており、理解している。主要欧米エコノミスト達は、プーチンの金という経済的ワナによって、欧米世界がおかれた状況の、苦境の酷さと絶望感を確実に把握している。結局、ブレトンウッズ合意以来、我々全員が黄金律を知っている。“より金を多く持っている者が、ルールを決める。”だが欧米でこれについて全員が沈黙している。沈黙しているのは、この状況からの脱出法を誰も知らないせいだ。

もし欧米大衆に、迫り来る経済的大惨事の詳細全てを説明すれば、大衆は、オイルダラー世界の支持者達に、最も恐ろしい質問をするだろうが、それはこういうものだろう。

ロシアから、金の現物と引き換えに、石油とガスを、欧米は一体どれだけ長期間買い続けられるのか?
そして、ロシアの石油、ガスやウランや、中国商品に対する支払いとして払う金の現物が欧米で尽きた後、アメリカ・オイルダラーに一体何が起きるのか?

現在、欧米では誰一人として、この一見して素朴な質問に答えられる人はいない。

これは“チェックメイト”と呼ばれており、紳士淑女の皆様、勝負はついたのだ。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-c100.html


2016.11.04
破産国ウクライナでクーデター体制の腐敗が深刻化、その国の富豪がクリントン基金に多額の寄付


 キエフ体制で政治家の腐敗が西側のメディアも取り上げるほど深刻化、ファシズムはウクライナだけでなく旧ソ連圏に広がっていると伝えられている。こうした実態を隠すひとつの手段としてロシア、そしてウラジミル・プーチンを悪魔として描くプロパガンダが西側では展開されてきた。

 この体制はクーデターで成立したものだが、その背後にはアメリカの支配層がいることから「国際社会」とやらは容認している。選挙で成立したビクトル・ヤヌコビッチ大統領の政権はネオ・ナチの暴力で揺さぶられ、2014年2月23日に憲法の規定を全く無視した形で倒された。その際、西側はヤヌコビッチ政権の腐敗を宣伝していたが、真の腐敗はクーデター後に始まっている。

 現在、ウクライナの平均月収は214ドルにすぎないのだが、伝えられるところによるとボロディミール・フロイスマン首相は100万ドル以上の預金があり、24名の閣僚を合計すると700万ドル近くの現金を持っていると推計されている。高価な自動車やスイス製の時計、宝石、広大な土地などを所有している人もいるという。現在、ウクライナは破産状態だが、政治家や官僚は国を食い物にし、莫大な資産を形成中のようだ。

 勿論、クーデターの前に腐敗がなかったわけではない。1991年12月にソ連が消滅、ロシアはアメリカの傀儡だったボリス・エリツィンが大統領として君臨し、旧ソ連圏には新自由主義が広がると腐敗も広がる。国の資産は政府の腐敗勢力と結びついたグループに奪われ、庶民は貧困化した。当然、国民の間で不満が高まり、新自由主義(親米)陣営は支持されなくなる。

 ウクライナでは2004年の大統領選挙で西側の意に反し、ヤヌコビッチが当選した。西側の支援を受けたライバル候補のビクトル・ユシチェンコは「不正選挙」だと主張、デモや政府施設への包囲などで新政権を揺さぶり、2004年から05年にかけて反ヤヌコビッチのキャンペーンが展開された。いわゆるオレンジ革命」である。この「革命」にもヌランドは参加していた。

 しかし、そのオレンジ革命も新自由主義化が目的で、前と同じように貧富の差が拡大、2010年2月にはヤヌコビッチが大統領に就任した。そのヤヌコビッチ政権を倒すため、西側はNGOを使って抗議活動を演出、2013年11月にはキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)へ約2000名の反ヤヌコビッチ派が集まる。当初、抗議活動は人びとのEUへの憧れを刺激する「カーニバル」的なもので、12月に入ると50万人が集まったとも言われている。

 規模が大きくなったところで登場してきたのがネオ・ナチのグループ。そのメンバーを西側は軍事訓練して準備していた。ネオ・ナチのグループは2月18日頃からチェーン、ナイフ、棍棒を手に、石や火炎瓶を投げ、ブルドーザーなどを持ち出し、中にはピストルやライフルを撃つ人間も出始める。そうした中、アメリカのバラク・オバマ大統領はウクライナ政府に対し、警官隊を引き揚げさせるべきだと求める。ヤヌコビッチ政権は強硬策をとることはなかった。

 2月21日にヤヌコビッチ大統領と反ヤヌコビッチ派は平和協定に調印するが、22日に狙撃で多くの死者が出始め、議会の議長を務めていたボロディミール・リバクは「EU派」の脅迫で辞任、アレクサンドル・トゥルチノフが後任になる。憲法の規定を無視して新議長を議会が大統領代行に任命したのはこの日だ。

 この狙撃について西側のメディアは政府側の仕業だと宣伝していたが、2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相は翌日、キャサリン・アシュトンEU外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)に対し、反政府側が実行したと強く示唆している:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」そして、「新連合はもはや信用できない。」

 アメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補は話し合いでの解決を嫌い、話し合いを進めていたEUを罵倒している。ヌランドとパイアットが電話で「次期政権」の閣僚人事について話し合っている音声がYouTubeにアップロードされているが、その中でEUに対して「くそくらえ(F*ck the EU)」と言っている。

 旧ソ連圏では西側巨大資本の手先になり、国の富を盗む手助けをして自らも巨万の富を手にした人びとがいて、オリガルヒと呼ばれている。そうした富豪のひとりであるビクトル・ピンチュクが2009年から13年にかけてクリントン基金へ少なくとも860万ドルを寄付していることがWikiLeaksの公表した電子メールで発覚した。このピンチュクはユーロマイダンで始まったクーデターを支持していたひとりだ。

 本ブログではすでに指摘しているが、ビル・クリントン大統領に対してユーゴスラビアを空爆するようにヒラリーは求めていた。その時、政府に入っていたヒラリーの友人には戦争推進派のヌランド、そしてマデリーン・オルブライトが含まれている。現在、ヒラリーの側近中の側近と言われ、ムスリム同胞団と強く結びついているヒューマ・アベディンはインターンとしてヒラリーの下で働いている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611040000/

プーチンとメディア(欧米による植民地民主主義)との闘い


今でこそ非常に高い支持率を得たプーチンだが、2011年には下院の不正選挙疑惑もあり、支持率は低迷していた。台頭してきたインターネットメディアの中には反プーチン派も少なくなかった。それが今では支持率80%である。この高い支持率はどのようにして形成されたのか。

ソ連崩壊後、プーチンは「共産主義の非効率性を批判しつつ、同時に海外モデルの模倣では復興できない」と主張。第三の道を探った。そのポイントは民主化と平行して進む地方首長が直接海外資本と連携して地方領主として国家からの遠心力が強まっていく流れを断ち切って、国家へ税収が回収される仕組みを強化したことであった。そして、そこで得た資金を、地方に眠る資源開発へと投資し、プーチンは資源外交によって力を得た。

プーチンはレニングラード大学で法律を学んだが、あわせてレニングラードの鉱山大学で経済学を学んでいる。そこでのノウハウがプーチンの力となった。

シベリアの資源はプーチンの力の源泉のひとつだが、それを国家財源とするためには、エリィツィン前大統領のもとに結集した新興財閥勢力(エリツィン・ファミリー)との権力闘争に勝つ必要があった。その代表格がホドルコフスキーだが、ホドルコフスキーはエクソンモービルにロシアの石油会社の株式を譲渡する提携交渉を進めていた。「ロシアの地下資源はロシアの資産」が信条のプーチンは、この売国的交渉を止めさせるために、ホドルコフスキーを脱税の罪に問うた。

こうした権力闘争を闘う上で、プーチンはマスコミ支配に力を入れた。テレビを使った国民対話にも力を入れた。それ故に欧米マスコミからは「統制された民主主義だ」という批判も受けたが、金貸しによる欧米のメディア支配を知っているプーチンは「統制された民主主義とは外国から押し付けられた統治モデルのことだ。ロシアは外部からの統制は受けない。ロシアの民主主義は主権民主主義だ」と強烈な皮肉で切り返している。プーチンは独立国家としての主権のない民主主義は欧米に支配される植民地民主主義に過ぎないということの本質を見抜いているし、そのことを明確に発信している。

こうしたプーチンの対決姿勢に対して、欧米は、周辺国の民主主義=選挙をコントロールする戦略に出た。オレンジ革命(ウクライナ)、バラ革命(グルジア)、チューリップ革命(キルギス)・・・。そして市民団体、人権団体を駆使して、民主化ドミノを後押しした。

そんな中、プーチンに批判的なメディアも増えていった。そして事態は反プーチンの急先鋒であった女性ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ女史の殺害事件へと発展した。

これはプーチンにとってマイナスになった。世論はプーチンに批判的となった。インターネットも普及し、反プーチンの受け皿となるブロガーも登場した。そこでプーチンは親欧米を装うためにメドベージェフとの双頭体制に切り替えた。プーチンの支持は低迷し、2011年の下院選挙では不正選挙を海外からも国内からも疑われるに至った。けれどもプーチンは欧米支配、植民地民主主義に屈しないというスタンスを維持し続けた。

このプーチンの主張は静かに広まっていったのだろう。政治状況は根底から転換していった。プーチンの対抗勢力として登場してきたアレクセイ・クドリンは反プーチンの野党勢力を結集させ「市民イニシャチブ」を結成したが、その席上で「われわれは外国からのカネは受け取らない」と宣言したのだ。反プーチン・デモで有名になったブロガー、アレクセイ・ナワルニーも反プーチンではあるが、ロシア人優先という民族主義的な主張の持ち主でもある。

もともとKGB出身であったプーチンは欧米がメディア支配によって民主主義=選挙をコントロールし、植民地支配を行っているという現実を知っていた。そこでプーチンは根気強く、その現実を語り、大衆にその現実を広めていった。その主張は反プーチン派にも浸透し、外国に買われる自称リベラル派を壊滅させることに成功したのだ。その結果が2012年のプーチンの大統領再選であり、現在の80%近い高支持率になっている。

さて、日本はどうだろうか。強力な指導者を求めるロシアと強力な指導者を求めない日本の違いを踏まえると、同じ道をたどることはできないと思われる。おそらく草の根から、マスコミ支配の現実を広めていくしかない。それでも、プーチンとメディアの闘いは「最後は事実が勝つ」という単純な事実を物語っているように思う。道は違っても日本にできないことはない。

参考:プーチンの思考 佐藤親賢 2012年10月 岩波書店
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=295343

クリントンの世界戦略は1992年2月に国防次官だったネオコンのポール・ウォルフォウィッツが中心になり、国防総省で作成されたDPGの草案(通称、ウォルフォウィッツ・ドクトリン)に基づいている。
アメリカの支配層は1991年12月にソ連を消滅させ、ロシアを属国化することに成功した。中国にはウォール街やシティのネットワークが張り巡らされ、ライバルは消滅したかのように見えたことから、彼らはアメリカを「唯一の超大国」だと位置づけ、そのアメリカに君臨している自分たちが世界の覇者になることは確定的だと考えたのだろう。アメリカという国ではなく、私的な権力が世界を支配するファシズム体制だ。

 残るは雑魚。旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアを支配するだけだとネオコンは考え、ウォルフォウィッツ・ドクトリンは作成されたわけだ。

 つまり、ネオコンの戦略はロシアや中国がEUや日本と同じようにアメリカの属国だという前提で成り立っている。自立した国が残されていたとしても、脅せば屈するような弱小国ばかりのはずだった。

 その前提を崩したのがロシアのウラジミル・プーチンを中心とするグループだ。ロシアを再独立させることに成功、米英の巨大資本と結びつき、法律を無視して国の富を略奪していた腐敗勢力、いわゆるオリガルヒはそうした犯罪行為を理由にして逮捕されていく。逮捕を免れるため、ロンドンやイスラエルに逃れたオリガルヒも少なくない。

 前提が崩れたウォルフォウィッツ・ドクトリンは機能しない。シリアでは手先に使ってきたアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記する)はロシア軍の空爆で大きなダメージを受け、崩壊寸前だ。今でもアメリカやサウジアラビアなどから武器/兵器など物資の支援はあるようだが、トルコ政府がネオコンの戦略から離脱したこともあり、兵站線も細っている。

 ネオコンの戦略が機能しなくなった原因はプーチン露大統領にあるとも言える。西側の政府や有力メディアが彼を悪魔化して描き、激しく攻撃している理由はそこにある。プーチンを排除し、ロシアを再属国化しなければ世界制覇の野望は実現しない。

 生産手段を放棄したアメリカは基軸通貨を発行する権利だけで生きながらえている国になっている。カネを発行し、回収、あるいは吸収するという作業を続けているのだが、この流れが止まれば終わりだ。国が潰れるだけでなく、その背後にいる巨大資本が崩壊してしまう。いかなる手段を使ってもロシアや中国を「レジーム・チェンジ」し、属国にしなければならないのだ。だからこそ、ヒラリーはロシアや中国と核戦争も厭わない姿勢を見せていた。

 アメリカの歴史に登場する大統領の大多数は、こうした支配層のために尽くしてきた。0.01%にすぎない富豪の権力を強化するため、カネと情報がそこへ集中する仕組みを作ってきたのだ。そのためにアメリカの巨大金融資本は連邦準備制度を作って通貨の発行権を政府から盗み、「安全保障」を口実にして大多数の国民から情報を知る権利を奪った。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701160001/



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/704.html#c23

コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
10. 天橋立の愚痴人間[279] k1aLtJengsyL8JJzkGyK1A 2017年5月23日 08:16:04 : QN6QTJlZ11 : 9XwazgQtb5Q[45]
奴隷社会では奴隷の一番の敵は奴隷だそうですね。
(資本主義社会で市民の一番の敵は市民だそうですね)

そのために支配者は奴隷に階級をつけ、階級を与えられた奴隷は
(そのために資本は市民に階級をつけ、格差を与えられた市民は

下の奴隷を監視し、場合によっては売ったりするのです。
下の市民を足蹴にし、場合によってはさらに蹴落とすのです)

現代でも階級の順に国民が国民を監視するので、やはり国民の最大の敵は国民なのです
(現代でも階級の順の市民が市民を搾取するので、やはり市民の最大の敵は市民なのです)


※ いい言葉だねえ!

 安倍、安倍と騒いでいるが、要するに安倍は、公務員、大企業社員、NHK職員(上 級国民)の代表なのだ。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c10

コメント [政治・選挙・NHK226] すごいぞ、松本人志!「いいんじゃないか」「冤罪が多少あってもプラスになる」と、法案の中身もろくすっぽう知らないまま共謀罪 赤かぶ
4. 新しい天使[87] kFaCtYKik1aOZw 2017年5月23日 08:21:30 : W5QhKEezNQ : LDmQ6@5W510[42]
茂木健一郎さんは今頃
快哉の雄叫びをあげているだろう。                                                             「やっぱ、日本のお笑いはオワコン」
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/215.html#c4
コメント [政治・選挙・NHK226] 総理の犯罪の本丸は、加計学園 多くの官僚、政治家が証拠を握っている 安倍は加計学園に触れられるのを怖がっている 兵頭正俊 赤かぶ
20. 2017年5月23日 08:22:48 : yhqgtQH9sI : mPRqr01Fkuw[-4]

☆☆私はアベです。☆☆加計学園問題編☆☆☆


☆☆私はアベです。 今週5月22日~メディアに「共謀罪の強行採決」&「加計学園問題」を
報道してほしくないので「北朝鮮のカリアゲ君」に昨日ミサイル1発お願いしました。
ボクは悪くありません

☆☆私はアベです。 デタラメ維新の丸山穂高→(こいつはヤクザもどき足立康史と同じ)に「共謀罪」の強行採決の音頭とりをやらせました。もちろんボクは「加計学園の問題」で野党に質問されるので欠席しました。ボクは悪くありません。

☆☆私はアベです。 「 一億総監視社会=共謀罪」の中には「テロ」という文字は全く入っていません。「大嘘つき&デタラメ政権」の首相ですから、ボクは悪くありません。

▲△▽▼
☆☆「私はアベです。国会答弁編です。

☆私はアベです。ボクは「森友学園」との関係を質問されただけで「侮辱だ!」と喚きたて
都合の悪いことを追求されると「印象操作だ!」と逆ギレし野党議員を罵倒して黙らせます

☆私はアベです。福島みずほ議員が「加計学園」の疑惑を質問した時も色をなして「確証あるのか?特定の名前を出して責任とれるのか!」と恫喝してやりました。ボクは悪くありません。

☆私はアベです。昭恵を証人喚問させてもよいのですが、ラリって間違って本当のことを口走るかもしれません。ボクはそれが恐ろしいのです。

☆私はアベです。こんなアホが総理大臣です。皆さんどうか私に騙されて応援し、投票して下さい。
記者:総理、ありがとうございました。国民の皆さん、お聞きになりましたか? ア〜〜〜〜〜ホ!
>引用終わり・不正選挙のアベも終わり! ――――――――――――――――――――――

>「メディアが無視する不正選挙訴訟」(EJ第3701号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/383513241.html
>白川勝彦〜永田町徒然草〜選挙監視団を組織せよ。
http://www.liberal-shirakawa.net/tsurezuregusa/?itemid=1657
>日本の不正選挙の実態!ムサシは安部首相の持ち株会社 船瀬俊介 既に日本はこんな国!
http://true-health2.com/?p=375
>2014衆院選の後、日本の選挙で種々問題点あり(白票然り)国連として選挙見守り隊を派遣したい、という申し出。安倍はこれを拒絶。http://blogs.yahoo.co.jp/mvbzx0147/34800967.html

私はアベです。こんなアホが総理大臣です。皆さんどうか私に騙されて応援し、投票して下さい。
記者:総理、ありがとうございました。国民の皆さん、お聞きになりましたか? ア〜〜〜〜〜ホ!
>引用終わり・不正選挙のアベも終わり! ――――――――――――――――――――――

>「メディアが無視する不正選挙訴訟」(EJ第3701号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/383513241.html
>白川勝彦〜永田町徒然草〜選挙監視団を組織せよ。
http://www.liberal-shirakawa.net/tsurezuregusa/?itemid=1657
>日本の不正選挙の実態!ムサシは安部首相の持ち株会社 船瀬俊介 既に日本はこんな国!
http://true-health2.com/?p=375
>2014衆院選の後、日本の選挙で種々問題点あり(白票然り)国連として選挙見守り隊を派遣したい、という申し出。安倍はこれを拒絶。http://blogs.yahoo.co.jp/mvbzx014


私はアベです。 「アホアベ政権に不都合な事」はバカのひとつ覚えの「閣議決定」と数の力の「強行採決」で切り抜けます。❗



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/175.html#c20

コメント [政治・選挙・NHK226] 毎日新聞 / 「松尾貴史のちょっと違和感 安倍首相の国会答弁 あまりに下品で不誠実で幼稚」  赤かぶ
17. 2017年5月23日 08:22:58 : rLlWXq2dUA : G2hFj8Cl0w0[346]
アベに対しては何を言っても、何をやっても効果がない。

言われたこともやられたことも理解できないバカだから。

バカは死ななきゃわからないんだから。



http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/163.html#c17

コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
11. 2017年5月23日 08:26:17 : FVgdluycYA : kAxCHvZNSMk[10]
>ところでネトウヨは「出所不明」を繰り替えすように上から指示されているのでしょうか?

頭の悪い人たちだな。笑
わたしが政府から依頼された工作員なら、こんな書き方はしませんよ。
きみたちは工作員なるものをマンガ的にしか理解していない。幼稚園児と同じレベル。笑
失笑するしかないのですがねえ。もうすこし、おりこうさんの話しをしませんか?
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c11

コメント [政治・選挙・NHK226] ウルトラ御用新聞・産経の劣化ぶり 「こんなものに感化される連中がいるんだから、おったまげる」 小林よしのり 赤かぶ
15. 乳良〜くTIMES[315] k_uXx4Fggq1USU1FUw 2017年5月23日 08:28:55 : iZqFpUrjGM : bd8Efuw8RvU[10]
抑も「Y遺伝子」は、「生まれてくる子供を男の子にせよ」という信号しか持っていない、という事が、「生物学的に確定」しているのたから、

「男系」という概念自体が、マルクズ ・レーテン。

女性宮家を認めることが、「皇室の継続」に寄与しない筈がない。 その理由はあまりにも単純で、いちいち書くまでもない。

小林よしのり氏も、「『男系CULT』は、実は「皇室廃絶」を願う『極左』なのだ、と「SAPIO」で2015年頃に述べていた。

実に「上手い皮肉」だと思う。

女系反対論 equal,「男尊女卑CULT」だと断定すべき。

「女性は産む機械」妄言の柳澤伯夫厚生労働大臣を庇ったのと同じラインで。

同じ棄民党支持者でも男以上に女の自民党支持者は「低劣で馬鹿」だと思えて仕方がないな。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/174.html#c15

コメント [政治・選挙・NHK226] 松本人志が共謀罪に「いいんじゃないか」「冤罪が多少あってもプラスになる」 法案の中身を知らないまま安倍擁護する悪質  赤かぶ
41. 2017年5月23日 08:29:08 : QN6QTJlZ11 : 9XwazgQtb5Q[46]
何かと言えば、工作員!

工作員というより、表現方法を知らない 

けろりん
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/189.html#c41

コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
11. 2017年5月23日 08:33:34 : bn0KfYzQoE : ucwBT2pvF40[2]
当たってはいるな。

バカウヨはこういう問題を真剣に考える気が無いから、安倍の奴隷で良いと思ってる。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c11

コメント [政治・選挙・NHK226] 準強姦疑惑はもみ消しなのに「前文科次官、出会い系バーに出入り」官邸・読売の悪辣(まるこ姫の独り言) かさっこ地蔵
1. 2017年5月23日 08:34:22 : 4MzISO16v6 : B7@zUpW_sLo[8]
さすがにここまですると、
安部内閣は、文部官僚すべてを敵に回してしまった。
これで終わりだろう。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/202.html#c1
コメント [政治・選挙・NHK226] 「朝日新聞は言論テロ」に安倍晋三首相が「いいね!」⇒会見で朝日記者が追求するも回答無し  赤かぶ
12. 2017年5月23日 08:36:04 : bn0KfYzQoE : ucwBT2pvF40[3]
テロリストの吉田松陰に憧れるテロリストって証明だな。

明治維新の幻想など棄てろ!明治政府が日本をメチャメチャにした歴史の現実をみよ!安倍と日本会議はその過ちを繰り返そうとしてるだけだ。

森永だけじゃ無く、山口製品や土産、グッズのボイコットや不買運動も必要だな。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/218.html#c12

コメント [経世済民121] 超金融緩和続けばハイパーインフレの恐れ、「出口戦略」検討を―石破元自民党幹事長がアベノミクスを批判 赤かぶ
6. 2017年5月23日 08:37:04 : mINW8bMxUQ : 4BobKM9F48E[457]

 石破さん  そこかよ〜〜 って感じで 知恵遅れというか 時代遅れだよね〜〜

 ハイパーインフレは プラス金利の時代の話で 現在は0金利の時代だ〜〜

 ===

 マイナス金利では 「借金は美徳」の時代になって ハイパーインフレにはならない 

 むしろ マイナス金利こそ 「出口戦略」 なのだ〜〜

 ===

 自衛隊 おたくの石破が 経済のお話?? ちょっと似合わないな〜〜

 ま〜〜ね 北朝鮮のミサイル開発が完了した時代に 戦車とか 戦闘機の時代でないことはわかる

 
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/745.html#c6

コメント [政治・選挙・NHK226] 国民の最大の敵は国民である!(simatyan2のブログ) 赤かぶ
12. 日高見連邦共和国[4538] k_qNgoypmEGWTYukmGGNkQ 2017年5月23日 08:37:06 : pYBiRhRShY : JUWRjmwQc1E[1285]

>国民の最大の敵は国民である!

まあ、そうだよな。だからこそ権力側は、“分断工作”を仕掛けてくる。

だから、言葉を裏返せば、“国民の力”を恐れている証しでもある。

本当は権力者は、主権の在する国民を“畏れ”なくてはならないのだが。

民主主義が成熟するのには、時間が必要さね・・・

http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/220.html#c12

コメント [政治・選挙・NHK226] 松本人志が共謀罪に「いいんじゃないか」「冤罪が多少あってもプラスになる」 法案の中身を知らないまま安倍擁護する悪質  赤かぶ
42. 2017年5月23日 08:37:16 : QN6QTJlZ11 : 9XwazgQtb5Q[47]
>9XwazgQtb5Q
>17. [ 9XwazgQtb5Q ]

芸能人に「 さん 」など付けるな___ボンクラ。

あほうか?

※ これはすべて、特定の人間を名指しで

ボンクラ、あほう!と言っている。

これらすべて、

[初期非表示理由]:担当:言葉使いのため全部処理

にはならないの、監視人さん。
もっとも、私はどうでも良いが。
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/189.html#c42

   

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