BGM用にしか使えなかった高額なジョーダンワッツのスピーカー _ 天才 E.J.Jodan は結局何がやりたかったのか?
Jordan Watts 製品一覧 ジョーダン・ワッツ
http://audio-heritage.jp/JORDANWATTS/index.html
JORDAN WATTS モジュール - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=WlpUB0qbO7k
ジョーダンワッツ モジュールユニットと真空管アンプで聴く女性ジャズボーカル - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=wHT60k3jHZ4
ハイファイ堂メールマガジン 第721号 国宝級?!レアなオーディオ 京都商品部
http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/171124/index.html
私、ハイファイ堂に入社しまして7年ほどになりますが、この仕事での役得と言いますと、やはり一般ではまず見られない様々なオーディオ機器に出会えることかと。
そんな中にはマニアにとっては国宝級(は、少し言い過ぎか、)に珍しいものもあったりします。
ということで、私が、ハイファイ堂で出会ったレアなオーディオ(スピーカー類ばかりになってしまったのですが)を振り返って見たいと思います。
まずは、異質感で印象的だったのがこちら
JORDAN WATTS FLAGON CERAMIC
http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/171124/index.html
やはりこれかと思います。
入社年の日本橋店勤務時でした。京都店からの転勤でまだ日本橋店にあまり慣れない時期だったのと、外観に似合わずというか、外観どおりというか印象的な音がしました。忘れられないです。
当時は、その独特のエンクロージャーの影響による音かと思ってましたが、様々に学んだ今は、使われているそのユニットに音の本質があることを知ります。
JORDAN WATTS社は、1963年、Goodman社で、エンジニアであったE.J.ジョーダンと同僚であったレスリー.E.ワッツにより興されたメーカーです。
「Module Unit」と名付けられた、小さなフルレンジユニット(10cm口径のアルミニュームコーンで、3本のベリリウム銅線のワイヤーカンチレバー式サスペンション、四角いケースに、ケーブルは直出しになった、かなり特殊な代物。)と、そのユニットが、使用されたスピーカーシステムを販売していたようです。
最大のスピーカーシステムが、上向に6個、左右に一個ずつの計8個の「Module Unit」を一つの木製エンクロージャーに収めた「STEREOLA DSP-100」です。
JORDAN WATTS STEREOLA DSP-100 (1967)
http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/171124/index.html
画像はステレオ産業史webページより
http://history-of-stereo.com/w-jordan-watts.html
やはり、このユニットの弱点が低域の再生のようで、エンクロージャーによる低域再生の工夫がされたモデルがいくつか作られてます。
「GT」2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式
「JODELL」2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式
「JUPITOR TLS」2ウェイ・3スピーカー・バックロードホーン方式
(パッシブラジエーターの物も見れます。)
画像はpreservationsound.com webページより
http://www.preservationsound.com/wp-content/uploads/2013/09/Jordan_Watts_GT_Jodrell_Jupiter.jpg
画像はオーディオの足跡webページより
http://audio-heritage.jp/JORDANWATTS/speaker/juno.html
http://audio-heritage.jp/JORDANWATTS/speaker/jupitertls.html
FLAGON CERAMICの場合は、ほぼユニットそのままの音かと思われます。
(コルク栓部がバスレフぽいですが)アルミコーンの金属的な響きが、まるでワイン壺の底から響き渡る様に音を出すところから、メタファーとしての陶器壺のエンクロージャーが見事に嵌り、また、生活空間に溶け込まそうとの(オーディオ機器に囲まれるとかなり異質です。)狙いからの奇跡的に完成されたプロダクトかと感じます。
陶器ゆえの壊れやすさで、後半は素材(形状も少し)変更され、また、このユニットは、メンテナンスが不可能なので、この陶器製のモデルで、ユニットの状態の良いものは、かなり希少かと思います。(かと言って、価格が上がってる様ではないです。)
2010年の入荷後は、2015年に素材違いの後期モデルが秋葉原店に入荷していた記録があります。
http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/171124/index.html