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アンティーク真空管アンプの世界
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/541.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 3 月 15 日 20:12:18: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

アンティーク真空管アンプの世界


「 管 球 王 国 宣 言 」 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12526744525.html?frm=theme

ALTEC 1520T モノーラルパワーアンプ 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12582150633.html

真空管アンプと喜多さんの音響道中膝栗毛 伊藤喜多男 Western electric 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12562178616.html

WESTREX T454C モノーラルパワーアンプ 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12518604054.html?frm=theme

Western electric 143B モノーラルパワーアンプ 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12509144080.html?frm=theme

Western electric124 モノーラルパワーアンプ 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12406190311.html?frm=theme

stern electric 伝説 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12406077074.html?frm=theme

Western Electric 神話 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12491791190.html?frm=theme

Western Electric 復活 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12438145972.html?frm=theme

近畿圏 隠れ家的アンティークオーディオショップ♬ 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12498427044.html?frm=theme


 

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コメント
1. 中川隆[-13963] koaQ7Jey 2020年3月15日 21:13:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[864] 報告

ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html
2. 中川隆[-13959] koaQ7Jey 2020年3月15日 21:17:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[868] 報告

イギリスの高級オーディオはすべて輸出用で本国では全く売れない _ イギリス人は何故そんなにケチなのか?
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/447.html

岡山県 玉野市 Vintage Audio(ヴィンテージ・オーディオ)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/458.html

3. 中川隆[-13957] koaQ7Jey 2020年3月15日 21:20:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[870] 報告

ウェスタン・エレクトリックの真空管アンプ


Western electric 124 amplifier _ すべてのアンプの中で最も艶やかな音の WE350B プッシュプルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/133.html

WE350B _ ウエスタン・エレクトリックの真空管の中でも特に濃厚な音がするビーム管の最高傑作
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/132.html

ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/107.html

一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html

ウェスタンエレクトリック伝説
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/208

4. 中川隆[-13956] koaQ7Jey 2020年3月15日 21:22:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[871] 報告

マッキントッシュ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/627.html

オールド マランツ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/635.html

オールド QUAD の安物アンプは名機なのか?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/840.html

ESL57 が似合う店 喫茶店 荻窪邪宗門 _ ESL57 と QUADU の世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/214.html

カウンターポイント SA-5000 + SA4
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html

5. 中川隆[-13933] koaQ7Jey 2020年3月16日 08:48:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[894] 報告

Goodmans+LEAK TL-12plus VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=926

LEAK(リーク) ステレオ20 管球式ステレオパワーアンプ VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=767

LEAK(リーク) TL-12plus管球式パワーアンプ VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=555

6. 中川隆[-13932] koaQ7Jey 2020年3月16日 08:55:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[895] 報告

LEAK(リーク) STEREO20 管球式パワーアンプのオーバーホール VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=1520

LEAK(リーク) Stereo20パワーアンプ+Leak Point Oneプリアンプ オーバーホール VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=1253

LEAK(リーク) Varisrope Stereoプリアンプ オーバーホール VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=1312

LEAKプリアンプ用電源ユニットの製作 VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=1302

TANNOY(タンノイ) [Autograph]管球式アンプ レストア VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=650

英Goodsell PFAコントロールアンプ VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=1741

7. 中川隆[-13931] koaQ7Jey 2020年3月16日 08:58:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[896] 報告

Marantz(マランツ) Model 2 オーバーホール 2台 VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=1683

Marantz(マランツ) Model1 - Model 6 オーバーホール VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=1603

Marantz(マランツ)Model 1 - Model 4 オーバーホール 2台 VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=1491

8. 中川隆[-13930] koaQ7Jey 2020年3月16日 09:09:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[897] 報告

MARANTZ Model8B 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12452874251.html?frm=theme

McIntosh MC240 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12450400835.html?frm=theme

Mcintosh MC275 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12411228169.html?frm=theme

Mcintosh MC275 オーバーホール済み 55万円でお譲りします※売約済み 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12417001362.html?frm=theme

真空管アンプの魅力 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12037846586.html?frm=theme

真空管と半導体の違い 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12173431011.html?frm=theme

9. 中川隆[-13929] koaQ7Jey 2020年3月16日 09:13:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[898] 報告

COUNTER POINT SA-5000 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-11899738655.html?frm=theme

COUNTERPOINT SA-3000 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12161275920.html?frm=theme

カウンターポイントのパワーアンプに関して 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12011623907.html?frm=theme

素晴らしき日々 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12012807704.html?frm=theme

MAGUNUM OPUS-ONE Elliott Audio Science & Enginee 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12012080022.html?frm=theme

カウンターポイントの製品の保守管理についてまとめ 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12002919770.html?frm=theme

10. 中川隆[-13907] koaQ7Jey 2020年3月16日 12:21:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[926] 報告

英国オーディオ旅行  二十年ぶりの民生機 
Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)2017/03/16
今回もアンプはQUADにしました
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-494.html

11. 中川隆[-13909] koaQ7Jey 2020年3月16日 12:25:41 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[924] 報告

Marantz 8B   本当の実力を聞くために
 Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-488.html

Marantz 8B Tさんの涙! って泣いてないか、でも泣けるよねえ
 Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-487.html

Marantz 8B と球転がし   大好きなTさん 
Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-486.html

12. 中川隆[-13910] koaQ7Jey 2020年3月16日 12:31:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[926] 報告

Lowther(ローサー、ラウザー)の真空管アンプ
http://www.lowthervoigtmuseum.org.uk/lowtheramps.html


哀しいほど精確な「写し鏡」であるスピーカー
 Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)2018/12/07
Lowther A10-F  PX4プッシュの素晴らしいアンプがありました
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-522.html

13. 中川隆[-13911] koaQ7Jey 2020年3月16日 21:29:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[970] 報告

楠 薫のオーディオ三昧


Marantz社 & Saul B.Marantz氏
http://www.kusunoki.jp/audio/audionote.html#Marantz

Marantz model 1 
http://www.kusunoki.jp/audio/Marantz/Marantz1/Marantz1.html

Marantz Audio Consolette(#1)の使いこなし方
http://www.kusunoki.jp/audio/howtouse.html#Marantz1

Marantz model 5 
http://www.kusunoki.jp/audio/Marantz/Marantz5/Marantz5.html

Marantz model 7 
http://www.kusunoki.jp/audio/Marantz/Marantz7/Marantz7.html

マランツ#7(レプリカ)の使いこなし方
http://www.kusunoki.jp/audio/howtouse.html#replicaMarantz7

Marantz model 8
http://www.kusunoki.jp/audio/Marantz/Marantz8/Marantz8.html

Marantz model 9
http://www.kusunoki.jp/audio/Marantz/Marantz9/Marantz9.html

マランツ#9(レプリカ)の使いこなし方
http://www.kusunoki.jp/audio/howtouse.html#replicaMarantz9


McIntosh C22
http://www.kusunoki.jp/audio/McIntosh/C22/McIntoshC22.html

McIntosh MC75 
http://www.kusunoki.jp/audio/McIntosh/MC75/MC75.html

McIntosh MC240 
http://www.kusunoki.jp/audio/McIntosh/MC240/MC240.html

14. 中川隆[-13876] koaQ7Jey 2020年3月17日 18:13:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1006] 報告

Club SUNVALLEY-私のオーディオ人生-第6回
ウェスタンサウンドの真髄と魅力 Westrex RA−1574
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-006

15. 中川隆[-13271] koaQ7Jey 2020年4月11日 12:24:51 : 8AFzBVbKDo : NXRHZUxHekZQOU0=[-21] 報告

真空管の測定やバイアス調整のやり方の基礎知識など。 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12588588035.html

真空管の知識 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12071585746.html?frm=theme

真空管のテスト 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12042714321.html?frm=theme

真空管選び 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12022235511.html?frm=theme

お薦めの真空管ショップ 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12150537673.html?frm=theme

お薦めの真空管ショップ 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12020314452.html?frm=theme

真空管アンプの魅力 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12037846586.html?frm=theme

真空管と半導体の違い 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12173431011.html?frm=theme

「 管 球 王 国 宣 言 」 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12526744525.html?frm=theme


16. 中川隆[-13331] koaQ7Jey 2020年4月12日 20:09:15 : NaLPQxSvL6 : U3IwbnAxZmR6YUE=[-22] 報告

真空管のメーカー選び
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1050.html
17. 2020年8月31日 20:35:23 : ZzdrO3ISFE : NUR6UUF3eGY4R0k=[1] 報告
真空管アンプ研究
60年代 懐かしの宝箱
http://mtomisan.my.coocan.jp/page199.html


ブログもご覧ください

60年代 懐かしの宝箱
http://mtomisan.cocolog-nifty.com/blog/

  オーディオ史を調べてみると実用的なメーカーアンプはWE社の3極管VT-1、VT-2によるもので、1918年のことらしいです。回路的には段間にトランスが入る、トランス結合方式。

 その中で特筆すべきなのが直結方式を使ったのが「ロフチン・ホワイトアンプ」1929年。
1930年代に登場した真空管が、2A3、42、6F6、6L6。

 戦後著名なアンプ(回路)が出てきます。

1947年 ウィリアムソン・アンプ KT-66の3結PP 全段で20dBのNF。1950年代に製品化。

     オルソン博士のすり替え実験。オルソンアンプ 6F6の3結パラPP、全段3極管・3結
     で負帰還なし。

1951年 ウルトラリニア・アンプ(SG端子付き出力トランス使用) 6L6

1954年 フッターマン・アンプ OTLで8、16Ωスピーカーを駆動 12B4

     リニアスタンダード・アンプ 36dBのNF 5881

1955年 マッキントッシュ MC60

1956年 マランツ モデル2

1957年 マランツ モデル3

1958年 マランツ モデル5

1959年 クォード22

1960年 マッキントッシュ MC240

1961年 マランツ モデル8B マッキントッシュ MC275

1968年 マッキントッシュ MC3500

主に海外製品の発表など。海外製品の影響は国内製品にも大きかったと思われます。日本製品では出力管が国内製の球に置き換えられた上で回路など影響を受けたと言われています。特にウィリアムソン型のアンプはその後多かったらしい。マッキントッシュはトランス巻き線が凝っていたのでアマチュアの製作などにはそのまま落とし込めなかった。またNFを大きくかけるには個人にはそこまで腕のたつものも多くなかったので、ラックスのキットなどは安心して扱えるものだったのかもしれません。出力トランスが音を決めるという時代であったけれど、50年代出力トランスのないOTLアンプも出てきて、60年代後半のスピーカーカタログを見ると200Ω、400Ωなどが残っていた記憶があります。これはOTL用のスピーカーの名残でした。

真空管アンプ時代(1960年代〜1970年代)

 自分が研究している1960年代では、オーディオは真空管からトランジスターへ、ソリッドステ
ート化の道を歩んだ。
1960年代の半ばにトランジスターアンプの時代がきて、トリオ(現ケンウッド)の石宣言は有名
となっている。
 丁度この時期、自分はラジオ少年よりはオーディオ少年であって、トランジスターのアンプ、
真空管のアンプを何も考えず好きに選んで組んでいました。

 他でも書いたけれど、1960年代も終わって高校生になって、真空管アンプを組もうとしたと
き、WE-300Bというものすごい真空管があること、そしてST管の2A3はもう入手が難しくなって
いました。

 オーディオ・ブームのピークはいつごろであったのか判りませんが、大学生になって、友人
からコンポを組むので相談に乗って欲しいとか、安く買えるところはないのか?そんな話が親
戚からも持ち上がるようになったのは70年代の半ばであったと思います。
 大学にはオーディオ研究会もありましたし、そんな研究会には一般誌の出版社から編集協
力の依頼が来たり、そこで知り合った他大学sんなことを考えると1970年代も半ばにはオーデ
ィオはブームになっていたのだと思います。

 手元に1974年のオーディオカタログがあります。これは当時オーディオ専門店などには良
く置いてあったものです。

 この資料を見る限り、真空管アンプは製品として出されていますが限られたもので、さらに
キットとなるとラックス社が出していたくらいだったようです。

プリメイン・アンプ

ラックス
 SQ38FD
「サンパチエフディー」の愛称で今日でも馴染み深いものです。
オーディオメーカーに入って販売実習の時、下取り補修した38FDを売ってしまい、専務の店
長からこんなもの売るか(メーカーのヘルパー実習なので、もちろん他社)と言われたのを思
い出します。
出力管は有名なNECの50CA10。近代管であるので純粋な3極管ではなく、多極管の内部接
続ですが。当然プッシュプルの回路構成で出力は30W×2.トランスは自社のOY−15シリー
ズを使っていました。回路構成は当時多かったムラード型。プリ部は2段NFイコライザー、NF
型のトーンコントロール回路。現在も人気で中古が出回っているようですが、出力管は90年代
には中国製が出回っていましたが最近はみません。当時の価格が138000円、もっと高かった
記憶もあるので以後価格改定があったかもしれません。

 A-1020 62500円
プリメインアンプのキット。3極出力管6RA8のプッシュプルでOY型のトランスを使っていまし
た。出力は10+10W。価格よりは豪華な見かけ、アクセサリー回路も豊富です。たぶん木の
ケースは別売りであったような。この6RA8も近代管で純粋な3極管ではありません。

このほかトランジスターを使ったA220というキットも出していました。

プリ・アンプ

A-3300 45800円
キットで、すでにプリント基板+ハーネスの構成をとっていたようで、配線箇所を少なく作り易く
したことが特長であったようです。
使用真空管は資料には12A×7、12AV7とありますがこれは12AX7、12AU7のことのようで
す。

CL35/U
いかにもマランツのプリアンプを意識したデザイン、12AX7を6本、12AU7を1本を使用。
当時も38FDを買える138000円の値段には驚いたものです。ヘッドホンアンプはトランジス
ター方式でした。
トーンコントール、アクセサリー回路も充実。最近の高級アンプには少なくなった流れです。
MC型のカートリッジには、別売の昇圧トランスが挿入できるソケットがあったようです。

パワーアンプ
MQ-36
6336AのOTLアンプ。これは当時のカタログの隅には乗っていた250000円の値段は存在
感がありました。
16Ωで25+25W、8Ω表示はなし、最適負荷は50Ωとなっておりました。

MB-88
モノラルタイプ。12万円。KT-88のプッシュプルで85W。「85Wもの膨大な出力を連続して取
り出せるアンプとすると、これは管球式の領域です。」というキャッチコピーはいかにも当時を
感じさせます。放送室にあっておかしくないデザイン。

A-2500
42100円。6RA8PPでOY14型の出力トランスという構成のキット。出力は10W+10Wと大出力
ではないけれどまとまりは良かったはず。
ボンネットは別売りで4500円していました。

A-3500
6CA7のプッシュプルのキット。ボンネット込みで59500円。こちらも雑誌広告によく乗りまし
た。
やはり、プリント基板組み立てで作り易くしています。性能も安定とあります。
出力管を6L6GCなどにも変更できましたが、販売はどうやってやっていたのか。

MQ60
79000円。38FDの出力部をパワーアンプ化したもので30+30Wが得られました。
50CA10の全く同一ではなく工夫改良がしてあったようです。

MQ60 Custom
89000円。こちらは無帰還方式。裸特性がそのまま出る。トランスの良さはラックスとして自慢
なところが出るというもの
看板のOY15シリーズを使っていました。今から考えるとお得な値段設定です。

MQ80
169000円。出力管にはレギュレータで使われる大型双3極管6336Aを使用。MQ36はOTL
でしたが、こちらは出力トランス付きでスピーカーは合わせやすかったはず。8Ωで40W出
力。トランス巻き線を利用した回路は複雑でありました。

ダイナコ マークIII
モノラルアンプ。当時音楽的視点で作られた・・・とされていました。確かにダイナコはオーディ
オ製品でも自分は別枠であまり興味を持ってなかったです。ローコスト組み合わせコンポでは
時折入る製品でした。

ダイナコ ステレオ70
数字が出力になって判り易い。35+35W。EL34のPPなので、比較的無理のない使用法で
あったと思います。
外形幅は33cmの中途半端な大きさ、ブロック状のデザインはダイナコお得意のもの。


<60年代から70年代へ>

それでは、このホームページの60年代の変化はどうであったか・・・ですが。
 あちこちのコーナー書いていますが、アンプのデバイスが変わったのは60年代。60年代の
初めは真空管、終わりはトランジスタに完全に変わっておりました。70年代はじめほぼ消え
た真空管アンプは、マルチアンプ、4chオーディオなど別方向進むオーディオの中で、趣味性
回顧の代表格でもあったと思います。
 この時期頑張ったラックスは真空管アンプで別格であったのです。手作りのキットや優秀な
性能、優美なデザインのOYシリーズトランスは無骨なタンゴのトランスに比べてはるか上位に
ありました。
 そのイメージからか、60年代にトランジスタアンプの道を開いたのがラックスであったのは意
外に知られていません。1962年のプリアンプPZ-11がそれですが、電源は006Pの乾電池で
ありました。このあと、SQ-11はやはりラックスからトランジスタ式のプリメインとして、時代は
簡単にトランジスタには変わらず、トリオのTWシリーズ、いろいろあって、オーディオとして真
空管アンプが駆逐されてしまうのは、ソニーのTAシリーズの影響が多大であったと思います。
1965年のTA-1120はマニア羨望のアンプで、1969年のTA-1120Fまで改良されてた頃には完
全にトランジスタの時代に変わっていました。


<ラックスのアンプについて>
 テレビのそうでありましたが高価な機材は自作があった時代。もちろん誰にでもできることで
はないのでキットが生まれます。
ラックスはトランスのパーツメーカーでしたが、キットを出すところが多い中、優良な部品を使
った、ラックスのキットは良心的で良い音がするということで定番でした。1960年代前半、市場
を制覇した6BQ5のアンプキット、SQ5シリーズ。
 6GW8を使ったSQ62は62年、そして63年は名器のSQ38が生まれます。初代は6RA8の
出力段でした。それが50CA10に出力管を変えSQ-38FDにまで成長します。

<各社の真空管アンプ>
 すでに別項目にありますが、異彩をはなったのは松下でしょう。テクニクス10A,20A,30
A,40A、いずれも普通のメーカーでは作らない趣味性の高いアンプたちです。これらが60年
代中かばに出て、一見時代に逆行したかと思われますが、1969年には50Aでは一気にトラ
ンジスタもOCLアンプを出した・・・それが松下でした。60年代後半、松下は真空管アンプの会
社であって、超弩級のOTL真空管アンプを製品化するなど、電化製品の会社とは思えないマ
ニアックな製品を出していた訳です。
 このあたりの理解の難しさ、1つは当時も、現在のように状況が見通せていた訳ではなかっ
たことや、トランジスタ化からIC化へ進む中。まさに発展途上であって状況は整理されていな
かったということで、はっきり進化、真空管アンプの位置づけが今日に近いものとなったのは
1970年代の半ば、オーディオやコンポが一般化した頃ではなかったかと思います。


そんな60年代最後1969年のオーディオカタログを見てみると・・・
<国内>
総合アンプ サンスイSAX-600、コロムビア MA-30、MA-400
プリメイン サンスイAU-111 コロムビア MAT-3、ラックスPL-45、SQ−38F、SQ-78
メインアンプ サンスイBA303,BA202、松下20A、40A、ラックスMQ36、KMQ7,KMQ8
<海外>
プリアンプ ダイナコ PAS-3X マッキントッシュ C-22
メインアンプ ダイナコ ステレオ35 ステレオ70 MARKIII マッキントッシュ MC-225 MC-
240, MC-275

となっており、5年ほどの変化を見てとれますが、海外でダイナコ、国内でラックスのラインナ
ップが継続していたことが判る訳です。

プリメインアンプ

SQ78 32500円

ボリウムノブが独特の形をしております。当時このアンプを見た記憶は残念ながらありませ
ん。
出力管には6RA8のPPが使われていたようです。10W+10W。調べるとSQ77とSQ38(旧製品)
の混血的存在とあります。


AU-111 66000円

正直当時はあまり注目していませんでした。山水のトランスには自作小型トランジスタラジオ
のイメージ(STシリーズ)が強かったせいでしょうか。
復刻の話が出て、そういえばあったという状況で。ブラックフェース、海外風の対象形のデザ
イン。6L6GCPPで40+40W、当時の雑誌にも「プリメインアンプの傑作」(藤岡誠氏)とありま
す。

SQ-38F 78000円

この後、38FDになるけれど、Fはファイナルの意味だったらしい。38→38D→38DS→と進化し
ました。
こちらはトランスは当然ラックス製、出力は3極管の6RA8からNECの50CA10に変わって唯一
ウィークポイントであった出力も30+30Wとなってさらに高い評価を得ました。


プリ・アンプ

テクニクス 30A 74000円
松下がテクニクスシリーズという名前を使い出したもので、メインアンプ40Aと遂になるデザイ
ン。
左側の黒い部分に並ぶのセレクターのプッシュスイッチ。当時はロータリー型のセレクタース
イッチが普通なので、珍しかった。
回路は12AX7を使ったマッキントッシュタイプのイコライザーで、当然のことながら耐入力は大
きかった。
当時の評価は海外著名アンプほどは高くなかったと思う。

ラックス PL45 75000円
部品は厳選されていたようで、記憶によれば通信用の12AX7が使われていたりした。回路は
マッキントッシュの変形だったらしいが、これも海外製品ほどの評価はなかったようだ。
MCタイプのカートリッジにはヘッドアンプではなく、昇圧トランスで、そのためのソケットが用意
されていた。

マッキントッシュ C-22 194000円
マランツ#7と並んで当時だけでなく、管球プリの代表格。#7が販売をやめても、国内販売
がされていた。もちろんマランツとの音の違いもあったが、概観もまったく違うもので、ブラック
で照明されるパネルなどは「高級」の言葉で片付けらるような簡単なものではなかった。
アクセサリー機能も充実しており、当時のトランジスタアンプへの影響も大きかったと思う。

パワー・アンプ

テクニクス40A 65000円
前作の20AのOTLがあまりにセンセーショナルで出力管の並ぶすがたのイメージが逆にこの
アンプにつまらなさを感じさせてしまった。
30Aに合わせたデザインで、出力管が外から見えないことを指摘した評論家も多かったと思
う。内容的にはDF(ダンピング・ファクター)コントロールがあって、スピーカーとの相性を決め
ることができた。回路前作のOTLとは逆行したトランス付。そんな戦略的な流れのなさも、マニ
アには覚める部分であったと思う。

マックトーン 63M 65000円
国産OTLアンプ。OTLながら30+30W。もちろん、当時見たことはないが、名前だけは良く出
てきた。

ラックスMQ36 160000円
その名前が暗示するように6336パラppのOTLアンプ。評価は非常に高かった。トランスメーカ
ーが作るトランスレスアンプというところに面白みがあった。

クオードII 41000円
モノラル構成であるけれど、モノラル時代から継承された伝統のあるアンプだった。KT-66PP
で15+15Wの表示は控えめなもので、システム構成的にはプリアンプの「22」となるけれ
ど、60年代末にはすでに管球式ということで発売を中止していた。トランジスタは特有のノイズ
があるというところをすでに克服しており、大電力を扱う・・・ということではまだ真空管にまだ
分があるという時期だったのだと思う。
独特の塊のような凝縮した形状とKT-66のスタイルが良くマッチしていた。

ダイナコ ステレオ70 60500円
EL34PPのステレオ構成。35+35Wということで動作的には無理のないものであったようだ。
この真空管の用途の中には最大定格ぎりぎりで、トラブルをおこすものもあった訳で。
価格を考えるとコストパフォーマンスは高かった

ダイナコMARK3 48000円 
KT-88PPで定格60Wのモノラルアンプ。

フッターマン
H-3a 130000円
雑誌などでもOTLアンプ回路で必ず名前が出てきた。欧米でOTLは珍しい存在であったらし
い。フッターマンは回路の発明者の名前。
H-3は16Ω負荷で50+50Wであったけれどこの3aでさらに90+90Wにパワーアップしてい
る。スピーカーの制動力もDF=200と大きかった。消費電力も大きく通風には苦労したらし
い。

マッキントッシュ
MC275 308000円
KT-88PPの業務系アンプとして有名だった。モノラル時代のMC75が原型。75+75Wの高
出力。値段も30万円ということで別格であった。系列機種に40+40WのMC240。25+25
WのMC225があった。

マランツ
8B 155000円
6CA7PP。40+40Wで有名なプリアンプ#7とペアになるパワーアンプ。出力は下がるが中
の配線を変えて3結にできる・・・とステレオガイド系の本に書かれていたりする。当時、日本
的なオーディオでは3極管の伝統は絶対であって、トランジスタアンプが発展して、真空管アン
プの位置づけが変わるまでは、出力の望めるビーム管や5極管のアンプは拡声用という認識
が強かった。

アンプ値段を見て、こんな名器やこんな構成のアンプがこんなに安い・・・と思えるかもしれま
せんが、当時を思うと貨幣価値、生活の程度またオーディオに対する考えなど大きく違う訳で
す。ステレオで言えば10万円で買えた・・・ということを考えれば、大変高価なものだったです
し、こうした管球アンプはどこのお店でも置かれていたものではなかったのです。
実際自分の海外の真空管を見たのは70年代に入ってからですし。

70年代になると手作りブームに乗ってトリオがアンプキットを出したりしますが、60年代はラ
ックスのアンプキットのほか、トランスキットというのもあり、回路は自由でケースとトランスを組
み合わせたものもありました。70年代の中ごろの真空管アンプの復権は、ジャズファンがマ
ッキントッシュのアンプを愛用したりで、入手の難しい300BよりはKT-88ということでありまし
た。ちなみに一般に300Bの入手ができるようになったのは80年代に入ってからのことです。

70年代では、ラックスはラックスキットとしてトランジスタやICを使いまた違った趣味性の方向
に発展します。スピーカーではパイオニアのPIM16キット、フォステクスのスピーカーキットもあ
りました。

自作派にはすでに別項で紹介したように雑誌が指針となっていました。人気の球もありました
が、いくつかの定番・著名回路も定着していました。ウィリアムソン型、オルソンアンプはいず
れも学者さんの作によるものです。ウィリアムソンはKT-66の3結、オルソンアンプは6F6の3
結。各段も3極管であって、良い音は3極管でなければ良い音はしないような錯覚にもなりま
した。

OTLアンプは特にトランジスターでのメーカー製が出てくると管球アンプにもスペックが求めら
れるようになり、十分な帰還がかけられものが多くなりました。その分、個性は失われて、個
人的には面白みがなくなっていったと思います。

ステレオガイドなどに乗らない真空管アンプもありました。これは自作系の雑誌などから見つ
けたものです。

画像はマックトーンという会社のアンプです。ある意味堅実なデザイン、スペックですが、オー
ディオ雑誌系の評論家たちは厳しい評価をしています。実際の音を聞いていないので判りま
せんが、スポンサーでないメーカーには好きなことを言えたのかもしれません。またメディアに
たいしても十分なプロモーションができていたとも思えません。

雑誌の広告から見つけたものですが。松下はマニアックな広告を作っていました。右は50
HB26を使ったOTLアンプテクニクス20Aです。

廃刊された「電波技術」でみつけたのはクリスキット。金田式DCアンプより前にも、趣味を超え
た精神的世界があったことを物語るところと思ってます。右はラックスのキットKMQ8、6
RA8PPです。

そして最後は故長岡鉄男氏の作られたと思われる自作アンプ。これは4万円ステレオ組むと
いう特集の中で出てきたもの。自分のシステムということで氏お気に入りのアシダボックスとの
組み合わせで、後日アンプは公開、本を出すという話でしたが、自分は見たこともありませ
ん。やはりスピーカー自作だけでよかったのでしょう。画像からは6BQ5あたりのシングル、前
段は12AX7片ユニットづつ、トランスはタンゴ、U-608あたりでしょうか。

<追加情報>
1974年というポイントでの紹介しました。
よく調べてみるとまだまだ、データが出てきます。

ダイナコ マークIII

完成品は68000円でしたが、59800円のキットも出ておりました。回路はアルティックタイ
プなので、出力が大きくてもシンプル。
前段は3・5極複合管の6AN8.整流は真空管なので4球で構成され、キットとして作り易いとい
うのもあったと思います。
使用トランスはアクロサウンド社開発特注品が使われていた・・あの伏せ型を立てたようなデ
ザイン。当然、6550とKT-88の挿し変えは可能でした。

ダイナコ ステレオ70

EL34PPステレオのこのアンプも完成品の68000円とキットの59800円があったようです。
EL34はヨーロッパ管ながらまだ馴染みがある品種で、6CA7が同等管。6CA7であれば松下
の球のイメージが強く残っています。
自分も実際に松下の6CA7でプッシュプルのアンプを組んでいました。ダイナコのキットをダイ
ナキットと言っていたことを思い出します。
プリアンプ(PAS3X)用の電源も出ておりまして、B電源、ヒーター電源ををパワーアンプへ供
給するものでした。

ラックスのキットがラックスキット

70年代半ばはカタログは回路集になって有料で販売されていました。これを見るのも楽しか
ったですね。

完成品 → キット
MQ60 → KMQ60
MQ80 → KMQ80
となっており、組み立てると製品になるところは格好良かった、満足度の高い人気のあるとこ
ろでした。
ダイナキットに比べると球の数も部品もけっして少なくなかったです。出来上がりを考えるとA
シリーズのキットとは別格なところでした。

KMQ80の回路からは前段がカソードフォロワードライブなどと凝ったものです。

A-3000は出力管8045GとすることもKT-88とすることもできました。79000円定価は真空
管をふくまないもので。
チューブキット(9900円)として8045Gが販売されていました。KT-88はユーザーが自分で
調達する・・・まだ市場にはKT-88が普通にあるという状況ではありまおうせんでした。一般の
販売店ではなく、・・・エンタープライズと言った輸入商社での販売であったと思います。

 A2500、A-3500にはプリアンプA-3300に電源を供給する端子が用意されていました。
A-2500は前にもふれたように、6R-A8のPPアンプでしたが、NFBを6dB/14dBと定数を変え
て製作できるようになっていました。
 A3500の組み方としては3結、UL接続、出力管を6L6にすることもできまして、この3例が雑
誌、広告で紹介されていたと思います。Aシリーズのパワーアンプにはオクタルのソケットでプ
リアンプA3300への電源が用意されていました。常時プラグが刺さっているのはショートプラ
グで、A3300をつなげばプリアンプから電源のON/OFFができる仕掛けです。

 A3300は12AX7を4本、12AU7を2本使ったプリアンプのキットでした。ヘッドフォンアンプも内
蔵していましたが、これはトランジスタ8石でした。電源は内蔵しておらず、パワーアンプから
貰うか、専用電源A33(6800円)を使いました。プリアンプキットはさらに上にA3400があって
108000円でした。

 ラックスには真空管のチャンネルデバイダーキットとして2002(2chで59800円)、2003
(3chで68000円)もありました。2chから3chにグレードアップする部品(OP2003、12000
円)も出ていましたが、利用された方もあったのでしょうか。

 このほか、キットとしてはKENオーディオ(シャーシが立派)、クリスキット、エルタスのブラン
ドがありました。
資料では1975年の製品としてエルタスのHF-300Bを使った、シングルとPPのアンプがライ
ンナップされていますが残念ながら市場で実物を見たことがありません。KENオーディオの製
品は製作系雑誌の広告でよくみかけました。クリスキットは「電波技術」記事連載があったと
思います。「電波技術」廃刊後のことは、自分は明確な記憶がありません。キットとしてはこの
頃、トリオがケンクラフトのブランドでやっていましたが、管球アンプはありませんでした。
 
 エルタスですが、マリックス製のトランスを使っていたということで、マリックス製のトランスも
販売されていたようです。ドライバー用があり、シングルとPP兼用で、キットはこれを利用して
いたようです。300Bのアンプと言ってもトランス結合というマニアックな構成であった訳です。
品番はKEL-12でシングル構成で11W、価格は88000円。

<自作記事>
 この時期、製作記事では断然「無線と実験」(MJ誌)で、「金田式DCアンプ」(回路もさること
ながら逸話が)に対抗するように管球式アンプの発表がありました。まだWE300Bは一般に
は入手が難しく、海外の球もKT-88、KT-66などくらいを知る中、ヨーロッパ管がつぎつぎと変
わった球で紹介されました。さながら真空管の宝箱であった訳です。誌面の魅力的な写真、
特性などにため息をついたものです。何があっても3極出力管という時代から、古典管などに
魅力を持つ時代に入り、それ以前ほど、出力やひずみ率にアイとらわれる傾向は小さくなっ
ていったと思います。それだけに近代型の3極管の評価が分かれた時期で、6RA8、50
CA10、8045Gなどビーム管構造の内部3極接続管を好まないという60年代中期〜後期で
は考えられなかったであろう現象は、逆に5極管、ビーム管の3極接続、UL接続などで見直
されることになり、2A3のような3極直熱管が脚光をあびることになりました。その流れは、送
信管を含む直熱3極管の製作記事が増える結果となった訳です。一時期あったOTL真空管
アンプには大きな魅力はなく、真空管の良さを生かした、また出力トランスを蔑視するのでは
なくそこまでを音質として、より優秀なトランスを求める動きとなりました。

このタイミングをうまくとらえたのがタンゴ(平田製作所)でしょう。負帰還を用いるアンプでは
位相補償が伴う都合上、オシロスコープを持たない読者には、雑誌記事をそのまま作る必要
があり、実際にタンゴのトランスを使う記事に溢れたことは認知購買に大きく貢献していたは
ずです。この時期、やはりトランスメーカーでもあった、サンスイやラックスは興味がなかった
のか、広告や記事中にはほとんど現れて来ない状況で、秋葉原の店頭からも知らないうちに
消えていったと思います。初歩のラジオなどエントリーと思われる雑誌でさえ、300BやKT-88
と言った名球を使った本格的な管球アンプ製作記事が掲載されて行くようになりました。

 60年代から70年代にかけての真空管アンプの製作事情から言うと、明らかに初級、上級と
言ったクラス化は使う部品などであって、たとば初級者で言うと、回路構成ならシングルアン
プ、出力管ならMT管、トランスはサンスイHS-5といった具合。

  

タンゴのトランスの名前すら出ない頃もあった訳です。(当時の各社認知されたトランスが角
が丸められたデザインの中、角ばったねじなどもでた、品種的でCOくらい)
 初心者は、6BM8、6AR5と言った出力管。せいぜい6BQ5どまり。サンスイのHS-5あたりの
トランスだったと思います。
ラックスは初心者には贅沢で、小型丸みのあるSS-5B,4Bと言ったシリーズ。PP用の三味線
胴のような形状のCSZ、さらにOYと言ったシリーズは最高級品でした。


http://mtomisan.my.coocan.jp/page199.html

18. 中川隆[-8339] koaQ7Jey 2021年1月12日 14:15:16 : ihoF0lzm7w : QkNjZzd4eGdjNUU=[23] 報告
生より悪かったら、なんでオーディオやるの? _ 佐久間 駿 _ 失われた音を求めて
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/210.html
19. 2021年3月23日 08:31:29 : t9J5UnSZJw : Z3pWc3NXMkZ0NDY=[7] 報告
Mr.トレイルのオーディオ回り道
管球アンプの球の交換時期で悩む 2021年03月23日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/7626164813c1da72f82fd0cb1049129b


15年も使っている管球アンプの球の交換時期でいつも悩む。特に「音は出ている」ので動作に問題はないが、「音質劣化」がどの辺にあるのか?交換時期はいつか?

予備球は十分なストックを持っているのでいつでも交換可能だが、使える球を交換するのは「もったいない」気がする。ただ、パワー管を新品球に交換して見たら、音数や音の鮮度感が更に上がる。前段管や次段管も一緒に交換したら更に良くなるだろう・・・と云うか、初期性能にする事が出来る。

ストックしている球は6セット分ある。15年持つ球なので、私の一生分は優に超えている。気が向いたらすべて交換して見ようと思う。球の交換頻度が高いのは「整流管」。整流管も10セット以上ストックが有る。今迄に交換したのは整流管のみ。それも1回だけ。真空管は丈夫で長持ちしますね。特に古典管と呼ばれる「手作り品」の寿命は長い。1960代以降の大量生産されたビーム管とは寿命に大きな差が有る。

20. 中川隆[-17263] koaQ7Jey 2021年8月13日 05:00:15 : CFw0roH3lo : UXpORjVUUUVyUnM=[3] 報告
真空管アンプはこれからの方には勧めない
http://soundtrail.blog57.fc2.com/blog-entry-14.html

自宅システムを再び使い始めている。毎日1時間から2時間聴く様にした。鳴らす度に「自分の好み」に一番合っている気がする。D130を使ったシステムなので、パワーアンプにパワーは要らない。それよりも「上質な質感」を求めてWE101Dppパワーアンプにした。球のアンプも色々使って見たり、外で聴かせていただいたが、WEの球やSTCの球の時代のモノが図抜けて音質(質感)や寿命が長い。

2.jpg

真空管は「三極管」の時代のモノが、手作りで音質が良く寿命が長いと思う。その中でもWEとSTCのモノは特に良いと感じる。現在でもWE300Bは管球アンプの憧れの的。現在の中国製の300Bとは形は似ていても「似て非なるもの」である。WE101Dの球も出力はプッシュプルで1W前後しかないが、当時のSPユニットは100dbを超える超高能率タイプのSPユニットが多かったので、普段使いの音量ならば不足感はない。

D90 015


現在では程度の良い真空管は在庫が無いし、作られる事もないから、現在ストックしている球は非常に貴重だ。自分のアンプで使う球は20〜30年分はストックしている。その投資金額は軽く50万円は超えている。それも10年以上眠ったままだ。今からアンプを買おうと思っている方には管球アンプは勧めない。真空管には「寿命」がある。いずれ交換しなければならない。その時に交換球が無ければそこで終わりになる。

オリンパスシステムで使っているSTC4033Lの球は、毎日5時間以上使って10年以上使えている。初段管や次段管もまだ交換していない。唯一、整流管のみ2回ほど交換した。中古品を使っていたので仕方のないことかも知れない。現在は新品に交換後交換の気配はない。自宅のWE101Dの球はヒーター電圧が4.5V(一般品は6.3V)と特殊なので、電源トランスが特注になる。その分、ヒーター電圧が低いので、温度が「人肌」ぐらいにしか上がらない。この辺でも「長寿命」(多分5万時間を超える)を予感する。5万時間はLEDの寿命の目安でも有る。

WE101Dppパワーアンプにも泣き所は有る。整流管や初段管はヒーター電圧6.3V仕様なので、寿命は101Dの球並みとはいかない。ストックを十分に持つ必要が有る。

http://soundtrail.blog57.fc2.com/blog-entry-14.html

21. 中川隆[-14379] koaQ7Jey 2021年12月30日 14:32:27 : Px2cu61Sds : ektmNVFpdEpWdDI=[11] 報告
真空管アンプ基礎講座:「300B」「845」など代表的な出力管を知ろう
飯田有抄(真空管解説:岡田 章)
2021年12月30日
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462.html


真空管アンプの魅力といえば、球に灯がともる美しさ。そして、その球によって音が決まる要素が大きいという神秘であろう。ここでは、音の決め手として大きな要素となる真空管アンプの「出力管」に焦点を当てて、主要な球とその先祖のお話と歴史、またそれらの球から真空管アンプを選ぶ指標までを探ってみたい。“球博士”こと岡田 章さんを講師としてお迎えし、“真空管女子”の道まっしぐらのクラシック音楽ファシリテーター/音楽ライター・飯田有抄さんにレポートしていただこう。


■真空管を使えばシンプルなアンプができる

真空管のほのかな光や、薄いガラスの美しさ、どこか温かみのある響き。そうした魅力に、昨今また注目が寄せられている。筆者もその幻想的な佇まいに惹かれ、1年ほど前から真空管アンプを使用している。

真空管愛好家の岡田 章さんによれば、「管球式のアンプは、最小で2本の真空管とトランスを通って音を出せるので、ある種ダイレクトで歪みの少ない響きを楽しめます。そのシンプルで素直な音質が、音楽の心や温かさを伝えてくれると感じる人が多いようですね」とのこと。

今回は入門レベルの筆者でもよく分かるように、代表的な出力管とそれらのご先祖にあたる貴重なヴィンテージ管の歴史、そしてアンプの選び方まで、岡田さんにたっぷりと語ってもらった。その全貌をまとめてみよう。

■直熱型三極管:代表選手は「300B」

真空管にはさまざまな種類があることは、皆さんもよくご存知だろう。球の大きさも形もさまざまだ。まずは大きく2種類に分かれる。三極管と多極(四極・五極)管だ。

三極管はもっとも歴史が古く、「フィラメント」「プレート」「グリッド」という3つの電極から成る。フィラメントから出てプレートへ流れる電子の量を、グリッドが調整するという仕組み。現在も出力管として使用される代表的なものとして、岡田さんが教えてくれたのは「300B」「845」「211」「2A3」と呼ばれる4つの球だ。

三極管の基本構造

「300B」は、真空管アンプといえばだいたいこの形がイメージされるほど、広く知られる“憧れ”の球。比較的柔らかな響きが特徴的で、音楽ジャンルを問わず、真空管の良さを端的に味わうことができる。日頃からクラシック音楽を聴く筆者も、実は300Bの出力管アンプを使用しているが、ピアノソロからフルオーケストラまで、響きをつぶさに再現してくれて満足度が高い。癖がなく、どんな音源も安心して再生できる。

音の良い直熱三極管の代表。特にシングル動作では出力は8W程度とやや小さいが独特の真空管らしい柔らかく繊細で素直な音色が発揮される

「音楽をしっかり鑑賞したい人にとって、間違いのない球。音質の理想的な基盤として知るにはとてもいいですね。でも逆を言えば、真空管の世界を段階的に追求してみたいという人にとっては、いきなりアガリに到達してしまうので、“これ以上”を求めようとすると難しい。コストが100倍くらいかかってしまいます(笑)」と岡田さん。

なるほど、考え方によってはいきなりゴールに到達してしまうので、管球ワールドそのものをじわじわと探訪したい人には、先々のお楽しみ・目標地点としても良いかもしれない。音楽ソースの情報を間違いのない安心クオリティで楽しむことを狙いとするなら、お薦めできる出力管だ。

ウェスタン・エレクトリックが1930年代初頭からWE211Dに替わる自社のトーキー劇場用アンプ(WE86A)の出力管として開発したWE300Aの改良管。内輪な動作の方が音は澄んで良い(編集部注:2018年よりカンザスシティに新工場が設立され、再生産もスタートしている)

■軍事用から劇場用へ。安定した300Bの安定した品質が評価される

なぜ300Bはそこまで安定感があるのだろう。実はこの球のご先祖は、ウェスタン・エレクトリック社が1917年に製造した「VT-2」という球だ。これは軍事用に力を入れて開発されたもので、飛行機からの無線通信や音声増幅のために用いられたものである。軍用だからコストに糸目はつけられなかった。プラチナを使用した大変高価なものだった。岡田さん所有の実物を見せてもらったが、現在の300Bよりも丸くて小さく、可愛らしい形をしている。

1917年、第一次世界大戦末期の米軍用として開発された元祖出力管。WE-300A/Bの先祖。航空機の無線通信機の発振(5W)・変調に使った

第一次大戦後、1920年代にはラジオ放送が開始し、1930年代には劇場でトーキー映画が流行した。また時を同じくしてSPレコードの電気吹き込みも可能になった。ウェスタン・エレトリックはVT-2を土台とし、オーディオ専用の球を総力をあげて開発。それがWE-300A/300Bという球となった。ウェスタン・エレクトリック社の英国系の会社STCは、「4300B」という300Bと見た目もそっくりな球を作った。またRCAでは1920年代末にナス型の「UX-250」を製造し、電蓄や業務用に使用されるようになった。

1930年代半ばにトーキー映画の劇場用として開発されたWE-300Aを改良したWE-300Bの英国STC版。WE-300Bと同様、1970年代まで一般には市販されなかった
1929年、低周波(オーディオ)専用として米国Westinhouse社で理論的に設計された最初の出力管(シングル4.6W、プッシュプル12W)。フィラメント電圧(7.5V)はVT-2の名残

このように、まずは軍備品として誕生し、そして映画・ラジオ・レコードといったエンターテインメント産業の隆盛とともにあった300B系の真空管は、安定した高いクオリティで作り続けられたのだった。

■パワフルな送信管系三極管、「845」と「211」

さて、300Bとともに出力管として活躍している三極管に「845」と「211」がある。姿形は300Bよりも大きく、フィラメントの材質が異なるため、かなり明るく光を放ち、音質もパワフルだ。845も211も見た目はそっくりだが、どちらかといえば211は無線用として米軍で大量に使用されていた。

211をオーディオ用に改良したのが845である。845は1000V近い電圧が必要になるため、扱いは易しくないが、三極管でそれだけのパワーを持つ球は他にない。もともとは放送局で使用されていたが、現代はオーディオ用として普及している。岡田さんによれば、211の方が歪みの少ない素直な音として感じられる場合があるそうだ。

煌々と輝くトリエーテッドタングステンフィラメントが特徴。使用には高度の技術が必要だが、直線性が素晴らしくシングルで最大30Wも得られる

この2本の真空管のご先祖にあたるのが1918年頃に作られた「CW-1818」という球で、元祖中型出力管として地上無線局で使用されていた。

1918年、ウェスタン・エレクトリック直熱型三極管VT-4、WE-211A。元祖中型出力管(750V、50W級)、地上無線局の出力・変調用。後のVT-4C/211(GE)、UV-845(RCA)の直系の先祖(フィラメント電圧10V、ベースが同じ)

三極管ではもうひとつ、「2A3」という球もよく知られている。こちらも300Bと同時期に誕生したが、比較的安価で、電蓄やラジオに使用されてきた。RCAが最後に手がけた三極管である。300Bに比べれば、多少高音域が出しにくいとのこと。

RCA系の音の良い直熱型三極管の代表。シングルで3.5W、プッシュプルで15Wが得られ、フィラメント電圧は2.5Vと低く、交流点火でもハムが出にくい
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462.html

■多極管:より高能率なビーム管、五極管
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462_2.html

さて、シンプルな構造の三極管に次いで後から登場してきたのが四極管や五極管といった多極管である。現代のアンプで活躍している代表的なものにはビーム管「KT88」と五極管「EL34」がある。

英国系キンクレス四極管(KT)シリーズのビーム管。米国系ビーム管に比較し、豪快さに加え、伝統の渋みが特徴。現行管のペア精度は高い

ビーム管は、四極管にビーム形成電極を加えて、電子の流れをビーム状に集め効率をあげた球。イギリス生まれのKT88はその代表的なもので、見た目は太くて音質も元気。マッキントッシュなどアメリカのゴージャスなアンプで使用し、それをJBLのスピーカーと組み合わせるのはまさに王道。出力を強めたKT90、KT120、KT150などがあり、現在はロシア等で製造されている。出力がKT88の半分程度の「6L6-GC」も有名。

2010年頃にロシアのTUNG-SOLブランドが発表したプレート損失60Wに耐えるように設計されたKT88系の増強版。音色は英国KT88を踏襲
2013年末に発表されたKT88系のプレート損失70Wの高出力管。斬新な縦長の卵型バルブと電極構造で、ビーム管特有の低出力時の歪みも改善

KT88のご先祖にあたるのは、なんと黒い金属製真空容器に収まった元祖6L6。岡田さんに見せてもらったが、ひんやり冷たくずっしり重い。劇場での連続使用に開発されたのが1622。これらは1930年代半ばに誕生している。この系統は当初からパワフルで高能率、大出力なのだ。

RCAが開発したオリジナルビーム管の直系で、豊かでパワフルな音色で、プッシュプルで最大55Wだが、ウルトラリニア接続など30W以下を推奨
1930年代半ばに開発されたビーム管(四極管)の元祖6L6の劇場用連続使用管。高効率、大出力、金属製真空容器が特徴。のちに同一電気特性でパワーアップした5881や6L6-GC、2倍容量の6550及びその英国版KT88も製造された

五極管は、三極管よりも2枚多くのグリッドを持ち、安定した電流特性を得られる球である。その最終型と言えるのがEL34だ。こちらも劇場用やモニター用に改良が重ねられ、その後オーディオメーカーが製造を続けてきた。やはりこちらもパワフルで高性能。ご先祖にあたるのは、オランダのPhilipsやドイツで1940年代末に開発されたEL60である。9本のピンを持った脚が特徴的。

欧州系5極出力管の最終形となった高性能管。プッシュプルでは歪みが少なく正確でクリアな音色が特徴。優れた構造設計によりばらつきが少ない
1926年にドイツPhilipsが発明した五極管の直系となる五極出力管で、1940年代末に電子の流れをもとに設計された高性能管。五極出力管の最終形となるEL34の先祖。9ピンロクタル管で、多用途に使用するためG3が別に引き出されていた。それをEL 34も踏襲している

多極真空管には他にもラジオ等でも使用される「6BQ5」や、テレビ用あるいは自作派の入門用として安価に売られた「6BM8」などが誕生するが、真空管の開発は1960年初頭には一旦終わりを迎えた。60年代には33回転のLPレコード、ステレオ録音が登場し、時代はトランジスタへと移行して、さらにハイファイを目指すようになっていったのだ。

EL34と同じ頃に同一思想でEL34のほぼ2分の1の出力管として設計され、音質傾向も似ていることが特徴。6BQ5は米国名。欧州、米国、日本で大量に製造された改良品も多い
ヨーロッパ設計のTV用で、1960年頃に開発・市販され、米国、日本でも多用された電圧増幅用三極管と小出力五極を一緒にした複合MT管。その後オーディオ用の小出力用としての適性が認められ、1970年頃には、日本の自作派の入門用として知られるようになった

■球とアンプ選びのポイント

さて、代表的な球と歴史が分かったところで、実際に球やアンプを選ぶ際のポイントについてもまとめてみよう。

Point1.生産国による球の特徴

例えば同じ300Bの球でも、メーカーによって音の特徴が異なる。岡田さんによると、生産国別にも特徴があり、ロシアはバランスがよく忠実な音質、比較的安価。チェコは豊かな響きを実現する。中国は高音域が得意で綺麗に鳴らす。アメリカは迫力のあるサウンドが得意とのことだ。

Point2.シングルアンプかプッシュプルアンプか

アンプにはシングル/プッシュプルの形式がある。シングルアンプは、出力管が2本ついており、ステレオのLとRに1本ずつ。出力は小さいが、小さな音から大きな音まで、素直で繊細な響きを生むことがメリット。出力は小さいため、高能率型スピーカーの方が好相性と言われるが、リスニング環境が甚大でなければ十分。

真空管とアンプの回路方式の組み合わせ。それぞれの球の特質を生かし、三極管はシングルアンプに、多極管はプッシュプルアンプに採用する傾向がある。しかし近年は、三極管を使った先進設計の大出力アンプも見られる

一方、プッシュプルアンプはLとRでそれぞれ2本ずつ使用。2つの増幅回路を逆方向につないで歪みを打ち消す仕組みを持っている。ただしバランスが崩れると逆に歪みの原因となるため、設計力が問われる。出力が大きくとれるため、現代の低能率型スピーカーも鳴らしやすい。多極管を使う場合は、プッシュプルによってその性能がより良く引き出される。

Point3.出力トランスとの相性

アンプには出力トランスと電源トランスという大きく重い箱がついているが、出力トランスと球の相性はもっとも大切で、音質の大きな決め手になるそうだ。鉄製のコアに、コイルが巻きつけられている仕組みだが、コアの素材や、コイルの巻き方によって音質が異なる。アンプビルダーによって球に合わせた設計がなされている。現代のアンプは、2Hz〜20kHzの幅位広い帯域に対応できる設計だ。

球の差し替えやヴィンテージ管は要注意

トランスとの組み合わせは非常に重要なので、球を差し替えたい場合は念のためメーカーに確認するのが安心だ。基本的に同じ名前の真空管であれば差し替えは可能だが、同じ300Bでも出力に改良が加えられたものもあるという。場合によっては真空管の寿命が縮まったり、トランスが焼けてしまうこともあるので要注意。

その意味で、ヴィンテージ管には簡単には手を出さない方が賢明だ。この取材で貴重なヴィンテージ管を見せてくれた岡田さんだが、それぞれ寿命が不明であること、プッシュプルアンプではバランスがとりにくいことなどから、現行品を使うことが最善だと教えてくれた。

最終的には、自分がどんな目的で、どんな好みで使用したいのか、自分の耳で判断することが一番大切だと岡田さんは言う。
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462_2.html


■試聴で音の違いを体験! 三極管の艶やかさと多極管の余裕
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462_3.html

実際に球とアンプ形式の違いを音で確認してみた。使用したスピーカーは、 低能率型84dB(ソナス・ファベール「Lumina I」)と、高能率型93dB(クリプシュ「R-51M」)の2種類。

低能率タイプのスピーカー
Sonusfaber「Lumina T」能率:84dB(価格:108,900円/ペア税込)
高能率タイプのスピーカー
Klipsch「R-51M」能率:93dB(価格:39,800円/ペア税込)

アンプは出力管に多極管6BQ5のシングルアンプ(トライオード「Ruby」/出力3W)、300B使用のシングルアンプ(トライオード「TRV-A300XR」/出力8W)、そして多極管KT88のプッシュプルアンプ(トライオード「TRV-88SER」/出力35W)の3種類である。試聴した音源はコダーイ作曲の「ハーリ・ヤーノシュ」組曲第4曲「合戦とナポレオンの敗北」で、打楽器や金管楽器の活躍する華やかなオーケストラ作品である。


【低能率型スピーカー+6BQ5】(Lumina I+Ruby)
一番軽やかな組み合わせ。晴朗でクリアな響きが思いのほか心地よい。若干低音の弱さと、高音のシャンシャンするような響きは気になった。

【低能率型スピーカー+300B】(Lumina I+TRV-A300XR)
低音がグッと感じられ、全体的に太く滑らかな印象。音場が一気に広がった。

【低能率型スピーカー+KT88】(Lumina I+TRV-88SER)
金管楽器の華やかさなど、全体的に作品の派手なキャラクターが生きる。ひとつひとつの音の輪郭がはっきりするような印象で、定位がクリアになった。300Bアンプと比べると余裕はあるが、音質のテクスチュアはやや大味な印象に。

「三極管アンプ、シングルアンプは出力が小さいといっても、ひ弱に聴こえるわけではありませんね」

【高能率型スピーカー+6BQ5】(R-51M+Ruby)
スピーカーの違いがはっきりと分かった。金管楽器やタンバリンの響きが鮮やかに。やはり低音にやや物足りなさを感じたが、気分転換に音楽を聴くには申し分のない音質。
【高能率型スピーカー+300B】(R-51M+TRV-A300XR)
楽器ごとの音色の違いが鮮やか。特に木管楽器と金管楽器のキャラクターの違いが見事に再現される。エレガントで立体感に溢れ、音楽鑑賞として楽しい時間が過ごせる。
【高能率型スピーカー+KT88】】(R-51M+TRV-88SER)
能率の低いスピーカーよりも余裕が出たため、耳に刺さるような強さではなく、ふくよかで豊かな音になった。太く派手なキャラクターは変わりなく、明るく強めの響きが好きな人にはたまらないだろう。

高能率型スピーカーと組み合わせると、音がラクに鳴る印象

奥深く魅力満載の真空管の世界。まずはご自分の耳と感性で、好みのものを選んでみてはいかがだろうか。

本記事は『季刊・analog vol.73』からの転載です。

https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462_3.html

22. 中川隆[-13853] koaQ7Jey 2022年2月06日 13:52:38 : K7Ig9SNBnI : aExrL1g5WkdWS0U=[33] 報告
AMPEX 6516 真空管モノーラルパワーアンプ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1219.html
23. 中川隆[-13760] koaQ7Jey 2022年2月10日 10:00:44 : ZtijSkYdH2 : THNRZ3A0MEZlTEU=[13] 報告
オールド マランツ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/635.html

Marantz Model 7 レプリカ (1995年発売)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1223.html

和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1221.html

和山通商 PSVANE300B-SE 職人手作業5球シングル真空管ステレオパワーアンプ 販売価格 79,000円(税込)
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/156.html

24. 中川隆[-12596] koaQ7Jey 2023年5月08日 09:33:59 : lNba8MyyTk : L2NFb3BXaFAxOFk=[5] 報告
<■405行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
原音再生すると音の官能性が消える
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14083149

この世のものとも思えない音を出すにはどういうオーディオ機器が必要か
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030753

クラシックに向くスピーカー、ジャズに向くスピーカー
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14104540

カリスマ音楽評論家 宇野功芳が50年間使っていた装置
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004322


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オーディオで参考になるサイト

プロケーブル社長の言っていた事が本当だった _ オーディオの基本と鬼門・その真実
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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
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我が、 蹉跌のオーディオファイル
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オーディオブログ _ 禁断のKRELL
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「音楽&オーディオ」の小部屋
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岡山県玉野市の Vintage Audio 店を訪れました
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「ペンションすももの木の音は素晴らしかった!」
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情熱のオーディオ ウエスタンエレクトリック病棟
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Der Klang vom Theater(ドイツ〜劇場の音と音楽)
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Innocent Key 最新 DAコンバーターのレビュー
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オーディオ懐古録掲示板
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真空管アンプ


真空管アンプの世界
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http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/415.html

タヌキ親父の部屋
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マイナー真空管を使った真空管アンプは、その真空管が手に入らなくなったら不燃ゴミになる
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1W(ワット)アンプで 38pウーハーは無理
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昔の軽量高能率スピーカーにはドライブ力が強い最新のトランジスタアンプは合わない
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真空管の寿命は6000時間
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激安だけど音がぼけるだけの無意味なプリアンプ _ 真空管プリアンプ FX-AUDIO- TUBE-01J 5,420円
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アンプを真空管の音にしたければ「カトレア」のバッファアンプを通せばよい
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アンティーク真空管アンプの世界
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ウェスタン・エレクトリックの真空管アンプ
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ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプは買ってはいけない
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ウェスタン・エレクトリックの出力管 300B を使ったパワーアンプ
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超お買い得 Audio Nirvana トランス結合 300B シングルアンプ (アメリカ)
欧米製300Bアンプ : Audio Nirvana 300B トランス結合、真空管整流 シングルアンプ (アメリカ)
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WE350B _ ウエスタン・エレクトリックの真空管の中でも特に濃厚な音がするビーム管の最高傑作
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Western electric 124 amplifier _ すべてのアンプの中で最も艶やかな音の WE350B プッシュプルアンプ
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一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ?
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今 大人気の WE101D _ 出力0.6Wのシングル・アンプで鳴らせるスピーカーは?
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オールド QUAD の安物アンプは名機なのか?
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ESL57 が似合う店 喫茶店 荻窪邪宗門 _ ESL57 と QUADU の世界
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英国の気品 PX4 シングルアンプ 
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欧州最高の出力管 PX4 を使ったアンプ
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イギリスの大出力三極管 PX25・DA30 を使ったアンプ
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DA30 はあらゆる点で PX25 や WE300B より優れているんだけど…
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究極の出力管 _ 伝説の DA100
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EAR の真空管アンプ
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ティム・デ・パラヴィチーニがいなくなった EAR に未来は無い
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ドイツの真空管 1 _ RV258
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ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ
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OCTAVE の真空管アンプ
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マッキントッシュ
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マッキントッシュのアンプは買ってはいけない
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オールド マランツ
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マランツ #7 伝説の音の秘密
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EL34 を使ったアンプ
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カウンターポイント SA-5000 + SA4
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直熱三極管 45シングル アンプで鳴らされた Goodmans Axiom80 が理想の音?
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最大出力 0.79W だけど反応が非常に速い直熱三極管 71A シングルアンプ
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日本の真空管アンプメーカー
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上杉アンプは買ってはいけない
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SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋) の真空管アンプは買ってはいけない
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買ってはいけない SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋) の真空管アンプ
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チューブ オーディオ ラボ の格安真空管アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/487.html

ペンションすももの木 _ 「カトレア」の交流点火の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/488.html

プリアンプの評価が高いサウンドパーツ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/859.html

是枝アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1123.html


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アンティーク・オーディオ機器の修理ができる店 _ ヤフオクで買った中古品の9割は不良品
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004547

古いアンプやスピーカーにはリスクが有る
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/832.html

アンティーク・オーディオ取扱い店
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/122.html

真空管アンプの修理

岡山県 玉野市 Vintage Audio(ヴィンテージ・オーディオ)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/458.html

新潟県 南魚沼市 チューブ・オーディオ・ラボ
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/459.html


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クラング・クンスト KLANGの会
オーディオ仲間の新年会でWE252A〜Edまで真空管聴きくらべ
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10210


2010年1月9日に行った、地元長野県を中心とするオーディオ仲間の新年会として行われた「真空管聴きくらべ」のレポートです。


上段左から 210、250、WE300B、WE252A、PX25、DA30

下段左から RE604、LK460、Eb、AD1、Ed新、Ed旧、RV258旧、RV258新、RV239
http://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10210_801.jpg


写真は当日聴いた真空管のうち、わたしが用意したもので、このほかに、

45、71A、WE252Aプリント、WE275Aナス管、4300B、AD1直管、ValvoのEd

を聴きました。ウエスタン・エレクトリックの各種丸管など、さらに多数の真空管を用意してあったのですが、途中で「このままでは肝心のドイツ球にたどり着けない」ということになってしまい、以上の真空管を聴きました。

アンプはバラック作りのユニバーサル機で、6SN7パラレル1段によるトランス・ドライブ、半固定バイアス、直流安定化電源、そして出力トランスはU808という構成でした。

お世辞にも立派なアンプとはいえませんが、これといった見どころが無い代わりに、最近の高性能トランスを使ったアンプのような個性も無く、球の違いがストレートに聴き取れました。

音源は某メーカーの音質評価用CD、スピーカーは Europa Junior KL43004 でした。

意外かもしれませんが、Europa Junior はとなりにあった フィールドの Eurodyn 以上に明瞭、かつ正確に真空管の音のちがいを表現し、比較には最適なスピーカーでした。


はじめに聴いた45は、まさしく中庸で癖のない音でした。意外にひ弱でなくて45と大差の無かった71Aに対し、210は色彩を控えた古風な音で個性的に聴こえました。250もややモノトーンながら、厚みがあって魅力的でした。なお、45と71Aのみ、別のアンプで聴き、続けて71Aを試聴アンプでも聴きました。

ここでおなじみの WE300B をリファレンスとして聴きました。写真では不鮮明ですが、3桁シリアルの1950年代のオールド球でした。繊細でありながら厚みがあって悪い音ではないのですが、ありふれているためか、みなさんの印象は薄いようでした。続いてWE252Aの刻印にしたところ、250をウェスタン風にカラフルにしたような魅力的な音に、みなさんの表情が変わり、「いいね」といった声が数人から出ました。プリントのWE252Aに換えてみると、刻印よりも少しだけ薄味ながら同様にすばらしい音でした。

このあたりで「このペースでは時間が足りない」ということになって、WE275A のナス管でウエスタンを締めくくることにしました。WE300Bを引き締めたような音で、みなさん好ましく感じていました。

ここからイギリス球で、スタートは4300Bでした。300Bを透明で格調高くした雰囲気の音を聴いたみなさんは、オーナー氏の「WE300Bより良い」という説明に納得していました。続いてはDA30で、1本目がエミッションが出ないというトラブルに見舞われましたが、2本目はこれまでの真空管とは格のちがう、スケールの大きさと繊細さを兼ね備えた音を出してくれました。音の色付けの少なさと低域の明瞭さでも優れていました。続いてはPX25で、予想どおりDA30に近い音色でしたが、若干伸びの無い感じで、全体的な印象は思ったよりも異なりました。

ここで宴席に移動してネパール料理を食べたあと、いよいよドイツ球を聴くことになりました。まずはRE604の真鍮ピンで、初期の球です。RE604にはさらに古いトップシールの球もあるそうですが、現物を見たことはありません。イギリス球はアメリカ球に比べて伸びやかな傾向がありますが、ドイツ球はそれに加えて色彩感と厚みがあるように感じます。45よりも鮮明な音でした。つぎのLK460はRE604を少し地味でソフトにした感じで、悪くありませんでした。

中型管に移って直管の Klangfilm のAD1(製造は Valvo)を聴いたところ、これまでのどの真空管とも明らかに違う音でした。みなさんしきりに「透明で癖が無い」と溜息のような感想を漏らしていましたが、そんなに癖が無いと感じるということは、逆説的に個性が強いということになるのでしょうか?そのつぎはValvoのEbで、これぞドイツという感じの厚みがあって雄大な音は、じつに魅力的でした。

AD1は写真のように即席のRV258型ソケット用アダプターを付けて聴きました。Ebよりも引き締まった、緻密な音でした。続くEdシリーズも同様なアダプターで聴きました。ValvoのEdは、たった1本なので確証はありませんが、内部構造、特性、そして音もEbと同じでした。Siemensの新型Edは、これまで聴いた古い球に比べると少し硬質な音で、「やっぱり新しい球の音だ」と、みなさんの評判は良くありませんでした。それに比べて旧型のEdは、EbとTelefunkenのAD1の中間くらいのバランスの良い音でした。ただ、音自体には高価なこの真空管を買うだけのメリットは感じられませんでした。

最後は大型管シリーズで、はじめの旧型RV258は少し硬い音でしたが、「低域がとても良い」という意見がありました。つぎの新型RV258は旧型とは異なって、色彩が豊かに感じられるのに、落ち着きのある魅力的な音でした。最後はバイアスの深いRV239でしたが、PX25とDA30のような差は感じられず、RV258の新型とよく似ていました。深夜0時までかかってドイツ球を聴き終わり、楽しい新年会は幕となりました。

さて、新年会と同じくこの記事も長くなってしまいましたが、みなさんの評価を大雑把に集計すると、直管のAD1が1番、新型RV258が2番、3番以降は意見がまとまらず、といったところでした。45系といえるRE604やLK460と45自身、(一枚プレートの)2A3系といえる300Bや275AとAD1やEdなど、製造国による傾向のちがいを越えた、共通するニュアンスを聴き取れたのも収穫でした。レンズでいえば45〜RE604系がコントラストが良くて明解なテッサー型なら、300B〜AD1系が繊細で解像度の高いガウス型といったところでしょうか。

もちろん、このような短時間の試聴で各真空管の本質的な音が理解できるはずもありませんし、1本だけのサンプルでは不正確でしょうが、ふだんから「どの球を買うべきか?」「どの球でアンプを作るべきか?」と悩める参加者のみなさんは、とても真剣に聴いておられました。もっとも、真空管による音のちがいなんて、アンプ全体からすれば一つの要素に過ぎないのですが、ついつい夢中になってしまった新年会でした。
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10210


△▽


【第3話】真空管聴きくらべパートII(RV258, RV239 編) 2010年5月16日
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10212


新年会の真空管聴きくらべで好評だった RV258 系の真空管について、第2ラウンドの試聴会を行いましたのでご報告します。

参加者は会場の都合で突然中止になった、サウンドパーツさんのイベントから流れて来たみなさんです。米国系〜英国系で遍歴を重ね、WE300A や DA30 などの主要球を所有する大ベテランの諸氏ですが、ここに来てドイツ系の球へと切り替えつつあります。


左から古い順に並べた RV258 と P41/800
http://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10212_801.jpg


RV258 は1928年に登場したとされる TELEFUNKEN 製の球です。

古い設計なので、プレート電圧が 700 〜 800 V と高いものの、フィラメントが 7.2 V 1.1 A で 7.9 W なのに対して出力 10 W と、非常に効率が良い球です。グリッド・バイアスも -70 〜 -80 V とちょうど良いレベルで、価格も Ed や Da などのポスト・チューブや AD1 系の球に比べれば安く、とても実用的です。

R は真空管を、V は増幅器を表しますので、RV は増幅器用の真空管という意味になります。RS237 などの RS が通信用の真空管なのに対し、RV が本来のオーディオ管というのは使っていて気分が良いものです。じっさい、211系などの送信管よりも素性の良さを感じます。

300Bが実際のオーディオ用途でそれほど使われなかったのに対し、プロ用の大出力アンプで大成功を納めた RV258/RV239 は、戦前・戦中のドイツ球にしては数多く現存していますが、さすがに最近は入手が難しくなってきました。


RV258 の音は一言でいうとニュートラルです。初期の直熱3極管全般の明るく澄んだ音色に通じるところがり、特別にドイツの音だ!というほどの個性はありません。パワーに余裕があることもあって、音楽のジャンルを選ばない万能選手といえる球です。

AD1 や Ed のように暗いフィラメントの球とはちがって、明るいトリア・コートのタングステン・フィラメントなのが良いのかもしれません。いっぽう、パワーがあっても大型送信管のような鈍い音ではなく、210/VT25 のように古風な音でもありません。ニュートラルなのですが、RV258 を聴いたあとだと、ほかの球はつまらない音に感じてしまうことが多いから不思議です。


試聴は新年会と同じ 6SN7 パラレル+結合トランスのバラック・アンプに EUROPA JUNIOR で行いました。

初めはシリーズIの球で1930年4月の製造でした。TELEFUNKEN のこの系統の球には、エッチングで製造月年の表示があるので、正確な年月がわかります。最古のシリーズという先入観のためか、みなさんは少し渋めの音に感じたようです。もちろん、同じ RV258 の音のなかでの微妙な差ですし、こちらのほうが柔らかくてシリーズIII以後の球より聴きやすいという感想もありました。

2本目はシリーズIIで、1930年10月の製造でした。シリーズIIはIとほぼ同じ構造で、プレートもこの2本は同じ茶色で、シリーズIII以降の灰色とは異なります。また、電極の支持方法が少しだけ改良されています。このプレートの茶色は、純粋なニッケルを高温炉で酸化させたときの色ですので、コーティングなども無い単純なニッケルのプレートかもしれません。音もシリーズIとほとんど同じでした。

3本目はシリーズIIIで、1931年8月の製造でした。プレートの色が変わったということは、材質か表面仕上げが変わったということです。そのせいか音も変わって、非常に良いバランスです。これといった癖もなく、ニュートラルに感じました。

4本目はシリーズIVで、1932年9月の製造でした。ここまでの製造年月はわずか2年ほどで、ごく短期間に改良が進められたことになります。シリーズIIIとの違いはやはり電極の支持方法で、頂部に大きなマイカが使われるようになりました。正直なところ、わたしにはシリーズIIIとIVの間には、ほとんど音の差が無いように感じられました。


プッシュプル用に4本揃えるのは困難になりつつある RV258IV

5本目もシリーズIVですが、ベースが黒から白に変わっています。1934年7月の製造でした。シリーズIVは長期間製造されていて現存する本数も多いので、これがメジャーなモデルということになります。黒ベースのシリーズIIIとIVの差がほとんど無かったのに反して、同じシリーズIVどうしなのに、黒ベースと白ベースでは明らかな差がありました。1本だけでは個体差かも?ということになりますが、写真の物も含めて黒白ともに4本づつあって、この差は明らかでした。ベースの色のように、少し現代的でワイドレンジに感じました。ベースの材質は黒が真鍮、白がアルミです。

6本目はシリーズVで、1940年5月の製造でした。シリーズVになってようやく、1920年代の名残をとどめるトップシールから普通の形状に変わります。ここから戦中の球になりますが、作りはしっかりしており、けっして粗悪品ではありません。音も白ベースのシリーズIVに少しだけ艶を乗せた印象で魅力的でした。

7本目はシリーズVIで、1943年4月の製造でした。大戦が激化したこのころになると、わずかに品質が落ちているように見えますが、シリーズVの音にしっとりとした落ち着きを加えた聴きやすい音で、けっして悪くありませんでした。人によってはもう少しスッキリしたほうが良いと思うかもしれませんが、個人的には一番好きな音かもしれません。

8本目はシリーズVIIで、1952年9月の製造でした。これだけが戦後の球で、構造もかなり変わっています。とくに、プレートの断面が楕円形から8角形になっていて、かなり異なる印象を受ける外観です。品質は非常に高く見えます。音もガラリとちがう雰囲気で、ちょうど新型 Ed の音が旧型 Ed や AD1 よりも良くいえば明瞭で鮮やか、悪くいえば硬くて上ずり気味なのと同様でした。わたしたちの言葉では「新しい球の音」ということになりますが、もちろん微妙な差ですので、この新型管の個性がちょうど良いスパイスになることも多いでしょう。

最後はタングスラム製の RV258 である Tungsram P41/800でした。概観は金色の真鍮ベースに大きな ST管が乗ったような独特の形です。また、この球は普通の酸化物コート・フィラメントで(トリアも酸化トリウムですが)、プレートの形状も含めてナス管の PX25 に近い構造のせいか、音も普通の真空管に近い印象でした。


点灯中の RV258IV(抵抗はヒーターON時のラッシュ・カレント防止用)

以上の結果から、RV258 はどのシリーズも優れた球であって、300B のように製造年代が古いほうが良いということもなく、どれを購入しても損は無いといえます。

シリーズIとII、およびIIIとIVは見た目も音も差が小さいので、ペアで使っても良いと思います。また、シリーズVとVIのペアも許容範囲だと思いますが、シリーズVIIをVI以前とペアにするのは厳しい気がします。

その後、II、IV、VIと偶数シリーズの RV239 も聴きましたが、同じシリーズの RV258 と共通する特徴が聞き取れました。もっとも、同じシリーズなら構造や材質が同じで、ちがうのはグリッド巻き線のピッチだけですから、当然の結果といえます。

また、RV239 は RV258 よりも内部抵抗が若干低いことが音にも表れますが、PX25 と DA30 のような明らかな優劣はなく、-150 〜 -180 V とバイアスの深い RV239 で増幅段が1段増えるばあいには、かえって RV258 のほうが良い音になってしまうかもしれません。
https://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10212

25. 中川隆[-12590] koaQ7Jey 2023年5月08日 10:28:33 : lNba8MyyTk : L2NFb3BXaFAxOFk=[11] 報告
現在販売中のアンティーク製品については

最高の音を一番安く手に入れる方法
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14003094

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