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[国際25] ファーウェイ排除に焦る米国と、対応に揺れる欧州 コストと技術面で自信を深める「国策企業」ファーウェイ
ファーウェイ排除に焦る米国と、対応に揺れる欧州
コストと技術面で自信を深める「国策企業」ファーウェイ
2019.3.28(木) 新潮社フォーサイト
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中国外相、ファーウェイ排斥は「正常でなく道義に反する」
中国の王毅外相は米国を中心としたファーウェイ排斥の動きに対し「正常ではなく、道義に反している」と非難した。ベルギー・ブリュッセルの欧州理事会で開かれた協議に出席する中国の王毅外相(2019年3月18日撮影)。(c)EMMANUEL DUNAND / AFP〔AFPBB News〕

(文:野口東秀)

 中国の通信機器最大手、「華為技術」(以下、ファーウェイ)をめぐり、米国と中国が火花を散らしている。

 中国政府はファーウェイを全面擁護する方針を明確にし、「5G(第5世代移動通信システム)」の覇権争いは「米国・同盟国ブロックvs.中国ブロック」に二分される構図のようだが、米同盟国でも中国との経済関係に影響が及ぶことを恐れ、コストと技術面で優位に立つファーウェイの排除に踏み切れないでいる。

 こうした現状に米国政府は焦りを隠せない一方、中国政府およびファーウェイは真っ向勝負の様相だ。安全保障と直結する5G技術の対決に中国側は自信を見せている。

ポンペオ米国務長官“行脚”の旅
 3月1日、マイク・ポンペオ米国務長官はフィリピンで、「我々の課題は5Gに関するリスクを世界で共有することであり、ファーウェイの機器が使用されている地域で事業を展開する米国企業は問題に直面するだろう」と述べた。

 これは米国企業のみならず、途上国に向けてファーウェイの製品を5G網の構築で採用しないよう訴えたものだ。

 ポンペオ長官は、各国がファーウェイの製品を5G構築で導入しないよう“行脚”の旅を続けてきた。

 2月中旬はハンガリー、スロバキア、ポーランド、ベルギー、アイスランドを訪問しファーウェイの脅威を訴え、米国に帰っても「ファーウェイの製品を採用する国とパートナーシップを結ぶことも、情報を共有することも共に取り組むこともできない。われわれは米国の情報をリスクにさらすようなことはしない」と強調している。

“行脚”の理由は、ファーウェイ製品の導入をめぐり、ハンガリーが5Gの整備でファーウェイと協力し、政府高官が「ファーウェイの大口顧客は(ハンガリーではなく)英国やドイツだ」と米国の警告に耳を貸そうとしない姿勢を見せたからだ。

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日本に選択の余地はないが
 スロバキアは、ファーウェイを脅威と見なさない方針を示していた。このほか欧州各国はファーウェイ製品の導入で揺れ動いており、米トランプ政権の焦りがうかがえよう。

 マイク・ペンス米副大統領も2月、ミュンヘン安全保障会議での演説でファーウェイを名指しし、「中国の法律で巨大な安全当局にデータを提供するよう要求されている」とした上で、「通信技術や国家安全保障のシステムを傷つける企業の排除を求める」と強調した。

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 日本政府は、名指しはしない形で事実上、ファーウェイを政府調達から排除する方針を固めているが、民間の通信会社が5G網構築でファーウェイをどう扱うかやや流動的な部分が残る。しかし、中国の軍備拡大の脅威にさらされる日本は欧州とは異なり、選択の余地はないが、すでにファーウェイ排除を決めたオーストラリアを含めて、「日米豪」が逆に世界市場から5G網の構築で孤立する可能性もあながち否定できない実情にある。

 ポンペオ長官らの一連の発言は、特に同盟国、安全保障で同盟を守らなくてはならない国に対する警告と言える。

鮮明化する非公式報復の手法
 中国は、ファーウェイ排除をほぼ決めたオーストラリアに対し、同国からの石炭の輸入を禁止する姿勢を見せたほか、カナダには中国向けキャノーラ(菜種)の出荷を阻止、ファーウェイに対する部分的規制に動いたニュージーランドに対しては、航空機の着陸拒否や首相の公式訪中を実現させないなど、事実上の報復行動をとっている。

 これは、非公式な対策で相手国に経済的コストなどを強いる行動であり、外交政策の対立を威圧的対策と結びつけないことでもっともらしく報復の事実を否定する手法だ。これにより中国に対する封じ込めを図る米国に手を貸してはならない、と相手国に警告する意味をもたせるわけだ。

 話を元に戻すと、欧州と米国・日本との間には、中国に対する安全保障上の危機意識の温度差もあるだろう。日本も危機意識が十分あったとは言えないが、欧州主要国は最近になってようやく、中国に対する危機意識が政権内に醸成されてきたに過ぎない。

 日本でも欧州でも世論の中には、「ファーウェイが中国政府の意図や指示に応じて通信機器にバックドア(裏口)を仕込んだ証拠はない」との意見がある。

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 これまで米国家安全保障局(NSA)がファーウェイに対して通信傍受などの秘密工作を行っていたことは元NSA職員のエドワード・スノーデン氏が暴露しているが、米国の情報機関は証拠があっても、証拠をつかむまでの非合法的手法などが明らかになるため、つかんでいる事実を明らかにすることはないと考えるのが自然だ。NSAがファーウェイによるバックドアを利用して顧客となった国の通信情報を得ているとの噂もある。

 いずれにせよ、過去の中国と現在の中国の言動を踏まえ、「性善説」か「性悪説」のどちらで見るかによるだろう。機密が盗まれるリスク、有事の際にサイバー攻撃を受け、安全保障上、決定的に取り返しのつかない事態になる可能性に向けた確率をどう考えるかによるのだ。

揺れる「ファイブアイズ」とドイツ
 ファーウェイに対する対応で注目されているのは、諜報・通信情報を共有する英語圏5カ国「ファイブアイズ」(別名UKUSA信号情報交換協定=米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国)の姿勢だ。

 なかでも英国がファーウェイの扱いをめぐり揺れてきた。背景には、ファーウェイを排除することで、カナダやオーストラリア、ニュージーランドのように中国から貿易面などで報復されかねないとの認識もあるからだろう。

 中国共産党関係者は「ファイブアイズは米国のトランプ政権に対する拒否感がそれぞれの政府内にある上、5G政策の方向性をめぐる話し合いがまったく固まっていなかったようだ」と分析して見せた。

 一方、ドイツと中国との関係は最近まで、日本と同様、ドイツの技術が中国を圧倒していた。しかしこの関係は明確に変化しつつあるのが実情だ。

 例えば最近の報告では、オランダの学術情報大手「エルゼビア」のデータをもとに科学技術振興機構(JST)が分析したところ、質の高い論文の引用回数で、米中がほぼトップでそれぞれ独占している現状が浮き彫りになったと報じられた。中国は航空宇宙工学、電気電子工学、機械工学、材料科学など工学・化学・材料の分野で圧倒的トップに立ったという。ドイツや英国、日本は米中の下に位置する。

 あくまで引用論文数の次元だが、この事実は将来、中国が技術で日本やドイツに追いつく可能性を示す。AI(人工知能)やEV(電気自動車)の電池技術でも、ドイツは中国に差をつけられているとされ、これに加えて5Gの整備が中国と比べ遅れる可能性が強まっている。

 5Gの整備が遅れることは経済競争、安全保障の脅威となるだけでなく、通信会社や消費者へのコストが増大する。さらに欧州では、米国が指摘するようなファーウェイの機器による機密情報漏えいの裏付けがないことも、ファーウェイ排除に躊躇する要因となっている。

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ドイツは排除を明言しないものの
 ドイツに対し、米国は苛立ちを隠せない。米欧州軍司令官で北大西洋条約機構(NATO)軍最高司令官を兼務するカーティス・スカパロッティ米陸軍大将は3月13日、ドイツがファーウェイを採用すれば、機密情報などの共有を制限するだけでなく、「ドイツ軍との通信を断つ」とまで明言した。無理もない。3月16日付の『産経新聞』によれば、5G技術で1平方キロメートル当たり100万台の小型無人機(ドローン)を操ることが可能となるとされるからだ。

 メディア関係者によると、ドイツ政府は3月中に行われるとされる5G周波帯の入札にファーウェイが参加する名目をつくるため、アンゲラ・メルケル首相の経済顧問が訪中し、スパイ活動防止協定を結べないか探ったという。協定を締結すれば中国は安全保障上の脅威ではなくなり、ファーウェイの入札を認める口実となるというのだろうか(そして3月19日、ドイツ政府は5Gの周波帯の入札を始めた。結果判明までに数週間かかるとみられる。ファーウェイは入札に参加しないとされるが、通信事業者向けにルーターなどの重要通信機器を供給するとされ、通信事業者が同社の製品を採用するか、採用するならどの範囲で採用するかが焦点となる)。

 意味のない協定だが、これは5G網構築で後れをとる危機感がドイツ政府や通信会社にあることを意味する。結局のところ、ドイツ政府は3月7日に公表したガイドラインで、ファーウェイ排除を明言せず、「信頼できる供給元」からの調達を通信会社に義務付け、重要な機器については通信網に組み込む前に当局が認めた施設で試験を受けることを義務化し、定期的な監視安全試験も求める内容となった。

 上記の動きを踏まえ、中国では「ドイツ政府としてはファーウェイを排除しない姿勢を示すことで、中国との関係を損なうことを回避し、5Gの中核機器では通信会社の自己判断としてファーウェイ製品を排除することで米国との安全保障上の関係を維持できるとの判断ではなかろうか」(中国メディア記者)との指摘がある。

穏健派と強硬派に分かれる英国
 詳細は省くが、英国も中国との経済関係を重視せざるを得ない。なかでもファーウェイは2013年からの5年間で英国に約20億ポンド(約2960億円)の投資をした上客でもある。

 英国では王立防衛安全保障研究所(RUSI)が2月20日、ファーウェイの機器を採用するのは「安全保障に甘いだけでなく最悪の場合は無責任ということになる」との報告書を出す一方、通信傍受機関、英政府通信本部傘下の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が同日、「ファーウェイ製品を導入してもリスクはコントロール可能」と発表した。この2つの異なる見解が示すように英国は揺れている。

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 英国もファーウェイを排除した場合、通信会社の運営に大きな影響を及ぼすだけでなく5Gの導入は数年遅れとなる。英国が3月7日のドイツ政府の見解と似たような方針をとるのか不明だが、ドイツや英国の姿勢に影響されたのか、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は「5G網構築における安全性を独自に調査する」と言い出した。

 英国政府内では中国に対する穏健派と強硬派に分かれているが、ファーウェイを排除せず、監視するとの決着となれば、ファイブアイズの一角が崩れることになる。

 中国共産党関係者は「ファイブアイズは米国のトランプ政権に対する拒否感がそれぞれの政府内にある上、5G政策の方向性をめぐる話し合いがまったく固まっていなかったようだ」と分析して見せた。

一帯一路で狙う「通信網の覇権」
 一方、ファーウェイは自社の5Gに他社がコストと技術で追いつけないとの自信を背景に、欧州のみならず、途上国で自社の5G網を構築することにまったくブレを見せていない。

「中国人にとってファーウェイは世界で通用する唯一のブランド。多くの中国人が誇りを持つ。その意味からもファーウェイに対する支持で中国政府が引き下がることはないだろう」(中国メディア記者)

 創業者の任正非氏は「米国に押しつぶされることなどあり得ない」「この30年、170カ国以上で30億人にネットサービスを提供してきたが安全性は保たれている。5年後にはさらに安全性はアップし、売り上げは今年の2倍になるだろう」「わが社には700人の数学者、800人の物理学者、120人の化学者、6000〜7000人の基礎研究の専門家、6万人の高級エンジニアがいる」「当社製品を制限するに値する証拠は何もない」などと世界中のメディアで宣伝戦を展開してきた。

 3月7日には、米政府機関による同社製品の調達を禁じる法律が米憲法違反だとしてテキサス州で提訴したのも、真正面から米国に反論し各国の通信会社に正当性を宣伝するのが狙いだという。

 念頭にあるのは、「2019年度米国防権限法」で、ファーウェイなど5社の製品や部品を組み込んだ製品を調達することを禁じる内容で、同法が裁判所の判断なく企業や個人に制裁を科す点が憲法に違反すると主張している。

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 中国政府も全面的にファーウェイの行動を支持し、王毅外相は米国に対し「引き続き必要な措置をとる」と3月の全国人民代表大会での会見で警告する姿勢を見せている。

 中国政府が掲げる経済圏構想「一帯一路」は、インフラ支援のなかに通信網の構築が含まれており、中国政府の政策に沿う形でファーウェイは5G網を構築していくのは確実とみられる。いわば、狙うは「通信網の覇権」だ。通信網の覇権は、諜報・軍事で優位に立つことを意味する。

中国の国策を担う「国策企業」
 ファーウェイは形式的に民間企業だが、中国の国策を担う「国策企業」である。

 中国には政府が100パーセント出資する政策金融機関、中国国家開発銀行や中国輸出入銀行、中国農業発展銀行がある。

 中国国家開発銀行のホームページ(2013年3月6日付)には、国家戦略で中国国家開発銀行の果たす役割を縷々つづる中でファーウェイに言及している。文章は、中国人民政治協商会議(政策提案・諮問機関。現主席は最高指導部序列第4位の汪洋氏)の機関紙を転載したものだ。

 文章では、中国国家開発銀行は2004年12月、100億ドルの融資を設定し、同社がグローバル市場に参入することを助け、5年以内に海外売上高100億ドルを超えることを支援したとしている。

 米国の華人ネットメディアでは、「ファーウェイは中国政府から1000億ドル以上の融資を得ていた」と話す有識者がいたが、中国国家開発銀行のホームページでは続けてこう書かれている。

「この巨額融資があったからこそ、ファーウェイは海外売上高目標を2年前倒しで達成できた」

「巨額の融資を保証することでファーウェイに海外進出への道を開いた。海外の通信会社にファーウェイの設備を買うための信用貸し付けを行い、中国国家開発銀行とファーウェイ、海外の通信会社はお互いの利益を得る“鉄のトライアングル”関係を築いたのだ」

 この事実だけでも「国策会社」とわかるのだが、ファーウェイは海外のみならず、国内でも中国全土で拡大しつつある5G基地局の整備や5Gに関するネットワーク実験基地に携わっており、他社に追随を許さない技術を背景に中国政府との協力関係を深めている。

 今春に何らかの合意か、とみられる米中貿易交渉で、駆け引きの材料としてファーウェイに対する起訴が取り下げられる可能性を、ドナルド・トランプ米大統領は示唆している。

 仮に起訴取り下げとなれば、ファーウェイの自信は一層深まるだろう。


野口東秀
中国問題を研究する一般社団法人「新外交フォーラム」代表理事。初の外国人留学生の卒業者として中国人民大学国際政治学部卒業。天安門事件で産経新聞臨時支局の助手兼通訳を務めた後、同社に入社。盛岡支局、社会部を経て外信部。その間、ワシントン出向。北京で総局復活後、中国総局特派員(2004〜2010年)として北京に勤務。外信部デスクを経て2012年9月退社。2014年7月「新外交フォーラム」設立し、現職。専門は現代中国。安全保障分野での法案作成にも関与し、「国家安全保障土地規制法案」「集団的自衛権見解」「領域警備法案」「国家安全保障基本法案」「集団安全保障見解」「海上保安庁法改正案」を主導して作成。拓殖大学客員教授、国家基本問題研究所客員研究員なども務める。著書に『中国 真の権力エリート 軍、諜報、治安機関』(新潮社)など。

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・習近平「中台統一で武力行使」の「可能性」と「タイミング」(上)
・「キャッシュレス化」実験で「楽天」が狙う「ビッグデータ」獲得
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55878
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/854.html

[国際25] 中国の工場が爆発事故を繰り返す根深い理由 政治体制と社会の価値観が変わらなければまた起きる 中国製原発、今後100基以上
中国の工場が爆発事故を繰り返す根深い理由
政治体制と社会の価値観が変わらなければまた起きる
2019.3.28(木) 福島 香織
江蘇省の化学工場爆発、1月の調査で37項目の問題指摘 2010年にも爆発
病院で手当てを受ける中国江蘇省の化学工場爆発事故の負傷者(2019年3月23日撮影)。(c)CNS/泱波〔AFPBB News〕

(福島 香織:ジャーナリスト)

 中国江蘇省で3月21日に化学工場で大爆発がおきた。死者は25日の段階で78人、35人が重態の危険な状態で、60人以上が重傷者だ。2015年に天津で大爆発が起きて、公表されているだけで165人が死亡したが、それに次ぐ大爆発事故となった。

 実は中国では、2桁、3桁の死者が出る「生産安全事故」(生産現場の安全に関わる事故)は決して少なくない。なぜ大量の死者を出す事故がなくならないのか? というのは中国の古くて新しいテーマである。

突如火の玉が盛り上がり、爆風が周囲を直撃
 新華社、北京青年報、新京報、澎湃新聞などの報道およびSNSに上がっている情報をもとに、事故の概要を簡単にまとめてみよう。

 江蘇省鹽城市响水県の陳家港生態化工園区にある江蘇天嘉宜化工有限公司の農薬製造工場で、3月21日午後2時50分ごろ、大爆発が起きた。爆発の直接的な原因は倉庫内の危険廃棄物の中のベンゼン系燃焼物によるものと見られている。新華社報道によれば3月25日の段階で死者は78人、負傷者は617人で、うち35人が意識不明の重体という。

 SNSにスマートフォンで撮影された爆発の様子が上がっている。そこには突如火の玉が盛り上がり、大爆音とともに爆風が周辺を吹き飛ばす様子が映っていた。被害は周辺十数キロにおよび、近くの住宅地のマンションや学校も爆風で損壊、子供たちや女性を含む一般住人が血まみれになってあちこちに倒れている爆発直後の映像もSNSにあふれていた。周辺で観測された揺れは震度2.2という。化学物質の異臭は40キロ離れた地点でも漂っていたそうである。国務院は「特別重大事故」として現地に調査チームを派遣し、習近平も外遊先のイタリアから迅速な救援と原因究明、責任者の厳重処罰などを指示した。

江蘇省の化学工場爆発、1月の調査で37項目の問題指摘 2010年にも爆発
爆発した化学工場付近(2019年3月22日撮影)。(c)CNS/泱波〔AFPBB News〕

以前から事故多発地域だった
 現地の住人の話では、この事故は起こるべくして起きたといわれている。この化学工場がある工園区では、これまでも爆発事故や化学物質漏れの事故が続いていた。その中には上場企業も少なくないという。

 2000年以降、江蘇省のこの地域には大量の化学工場が移転されており、江蘇北部沿海区の環境汚染問題の最大の理由にもなっていた。2019年の現在にいたるまで、江蘇省が中国最大の農業化学産品工場の集積地域でもある。

 そして以前から事故多発地域でもあった。2007年11月27日は江蘇聯化科技有限公司で爆発事故が起き、8人死亡した。このとき、地元県政府は、賄賂のばらまき、あるいは性接待によってメディア取材を封じ込めたので、ほとんど報道されなかったという。「本当の死者数は100人を超えていた」「トラックで遺体の山を運んでいた」という“噂”だけが広がっていた。

 2010年11月23日には江蘇大和塩素アルカリ化工公司の塩素漏れ事故で30人以上が中毒になった。2011年2月10日には、化学工場が爆発したというデマが流れて1万人以上の周辺住民がパニックとなって夜逃げする事件があった。このとき交通事故で4人が死亡しているという。このパニックは、2007年の爆発事故の時に当局が情報隠蔽したことで、住民が疑心暗鬼に陥っていたことが原因だといわれている。さらに2011年5月18日には南方化学工場で大火災があり、7月26日にも再び爆発と火災が発生した。

社長は環境汚染の罪で何度も摘発を受けていた
 今回、爆発事故を起こした天嘉宜化工(以下「天嘉宜」)は2007年4月に設立。もともとは江蘇省江陰市にあったが、2009年に太湖の水質汚染事件を引き起こし、この陳家港に移転してきた。この工場地帯は、問題を起こした企業が吹きだまる場所でもあった。

 天嘉宜の代表取締役はかつて環境汚染罪で何度も摘発を受けた張勤岳。6回の行政処罰記録があり、その中には個体廃棄物管理制度違反、大気汚染防止管理制度違反などが含まれている。

 2012年に天嘉宜は化学廃棄物100トン以上を誤った方法で処理して重大な環境汚染を引き起こし、100万元の罰金支払いを命じられている。また、2017年9月にも公共安全管理に関わる規定違反で処罰を受けた。

 2018年2月に地元国家安全生産管理当局が名指しで安全問題があると指摘した企業の中に、ここも含まれていた。このとき指摘された天嘉宜の安全問題の中には、特殊作業員が必要な審査に合格していないこと、生産装置操作規定の基準が満たされていないこと、機械および監視コントロール室の設置について規定違反があったこと、現場管理がずさんで、現場に必要な安全警告表示が不足し、発火を伴う作業管理にルールが設けられていないことなどが挙げられている。

 2017年から2018年まで、天嘉宜は幾度となく市および県の環境保護当局から行政処罰を受け、その罰金総額は101万元となっていた。2018年4月には、この化学工場園区内で水質汚染問題が発生し、天嘉宜を含む園区内の化学工場複数が環境保護当局から操業停止命令を受けている。その後、8月に問題が改善されたとして操業が再開していた。

 地元政府は対策として、今年3月1日から14日にかけて4回にわたって地域の工業安全生産問題について警告を発し、この地域の潜在的リスクについて全面調査・改善措置に取り掛かっていたという。爆発が起きた当日の午前も、県の安全生産委員会が県内重点企業の生産責任者を招集して、安全生産研修講座を開いていた。爆発当時、2人の安全監督人員が工場内を検査しており、彼らも爆発に巻き込まれて負傷している。

情報統制を強める中国当局
 では、これだけ過去に問題を起こしている企業がなぜ、いまだに普通に経営できているのか。「生産安全に問題アリ」と何度も指摘され、当局が立ち入り検査を行って改善命令も行っているのになぜ改善されていなかったのか。

 一部の報道では、現地政府がこうした環境保護当局や生産安全監督当局が調査をするとき、数日前から企業に調査日程と内容を通知することが問題だとしている。つまり、「きっちり準備をしておくように」とばかりに、当局サイドが企業工場に問題を隠蔽する猶予を与えていたわけだ。また派遣される調査・監督人員には工場内の機器の操作法や原理を知らない者が多く、立ち入り検査をするにも実は必要な知識や評価能力を持たないケースも多いという。安全に対する調査・検査・改善命令も、すべて形式的なものであったといえる。こうしたことを総合して「今回の爆発事故は起こるべくして起きた」と誰もが思っているわけだ。

 中国中央電視台(CCTV)は、今回の事件について、地元官僚にとって出世の基準となる政府業績がGDP成長率など経済発展を基準にしていることから、業績の良い企業の環境汚染問題や安全生産問題に対して態度が甘くなっていることがこうした事故の多発につながっていると批判していた。中国においては、工場労働者や周辺住民の安全、健康よりも企業の発展、売り上げを優先する人命軽視が改革開放、いやそれ以前から続いている。

 中国の生産安全の問題は、こうした中国当局および産業界の経済利益優先、人命軽視の体質だけではない。重大事故が発生したとき、きわめて政治的な要因で世論を封じようとする動きがあり、これが問題の本質の検証や洗い出し、改善を妨げる結果になっているともいわれている。

 今回の事件でも当局は治安維持と情報コントロールと世論封鎖に腐心した。まず地元の民間環境保護ボランティアの張文斌らを「挑発罪」というわけの分からない容疑で身柄拘束した。彼らは爆発後、地元の水質汚染調査および汚染拡大予防措置を行いながら被災者の救援なども行っていた。だが彼らは25日になって姿を消し、複数の目撃情報によれば制服警官に連行されたという。新京報などによれば、爆心地の様子をネットにアップしたことなどが“挑発罪”容疑に問われ身柄拘束された模様だ。地元警察当局はメディアらが爆発現場をドローンなどで撮影しないようにドローン妨害装置を設置するなどして報道を統制。共産党の高級幹部からも、爆発に対する報道・世論のコントロール指示がでている。被災者は周辺県のホテルなどに分散して避難させているが、メディアと接触できないように管理されているという。世論の批判の矛先を工場だけに集中させ、環境汚染の噂などのよる周辺住人のパニックや抗議活動を引き起こさないための措置のようだ。

 中国当局がこうして報道統制、世論コントロールを強めるのは、不安がそれだけ広がっていることの表れだともいえる。地元では、基準値を超える発がん性物質で大気や水が汚染されているという噂が広がり、ペットボトル飲料水の買い占めなども起きている。また、死者数、負傷者数が隠蔽されているに違いない、といった噂も流れている。こうした状況で周辺の小学校などが25日から再開されたことに対し、住民たちはますます当局に対する不満を募らせている。

子飼いの部下を守りたい習近平
 さらに中国の場合、ここに権力闘争の要素も加わってくる。

 “習近平はこの事故の責任を江蘇省長の呉政隆に押し付けようとしている”という見方を香港蘋果日報などが報じている。

 江蘇省の書記である娄勤倹は“習家軍”とも呼ばれる習近平に忠実な子飼いの部下集団の1人。もとは陝西省長だ。

 実は今中国で2つの政治スキャンダルが注目されているのだが、それらに絡む事件がともに陝西発である。1つが秦嶺別荘開発問題、もう1つが千億鉱権事件だ。いずれも陝西省の党委員会の利権が根深く絡むとみられ、下手をすれば当時の書記であった趙楽際(現政治局常務委員で中央規律検査委員会書記)や当時の省長の娄勤倹の進退にも影響を与えかねない。特に秦嶺別荘開発問題は娄勤倹の関与が疑われていると香港の明報などは報じている。

 こうしたスキャンダルの芽を抱えている娄勤倹にとって、今回の爆発事故はさらに立場を危うくしかねない。

 今回の事故は起こるべくして起きたものであり、しかもその原因は江蘇省の生産安全監督管理における怠慢と癒着が背景にある。また、爆発直後に娄が現場に駆けつけず、習近平に指示されて1日遅れで現場入りしたことを「当事者意識が薄い」と党内から批判する声も出ている。もし、この爆発事故の処理がこじれて重大環境問題や地域住民のデモなど治安問題に発展すれば、書記である娄の責任が問われることになる。

 だからこそ、習近平としては娄を守るために、早々に事態を鎮静化させたい。そのための報道統制と世論封鎖指示なのだという。さらには、省長の呉政隆に責任を押し付けてしまおうとしているというわけだ。呉政隆はかつて薄熙来の部下であったが、薄熙来失脚に巻き込まれずに習近平政権下で順調に出世を遂げてきた。だが、必ずしも習近平から信頼を得ているわけではないといわれている。

事故は今後もなくならない
 こうして見てくると、この爆発事故は20年来続く中国の生産安全問題のほんの1つにすぎず、環境汚染問題や中国社会が直面する他の問題と同様、その病巣は政治体制と人命軽視という中国社会の体質の問題に集約される。

 そう考えると、こうした事故というのはこれからもなくならない。それこそ政治体制が変わり、社会の価値観が根底から変わらない限り、状況は改善しないだろう。

 そこで私が非常に怖く思うのは、今後10年ほどで国内外に100基以上はできるであろうと予測されている中国製原発の安全運転の問題なのだが、それはまた別の機会に紹介するとしよう。
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/855.html

[戦争b22] 「沖ノ鳥島」周辺に出没する中国船、本当の狙いとは 中国潜水艦にとっての要衝を巡る攻防 沖ノ鳥島は『岩』にすぎない
「沖ノ鳥島」周辺に出没する中国船、本当の狙いとは
中国潜水艦にとっての要衝を巡る攻防
2019.3.28(木) 北村 淳
中国・厦門大学の海洋科学総合調査船「嘉庚号」(写真:海上保安庁)
 3月23日、沖ノ鳥島沖165キロメートル付近海域、すなわち日本の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査活動を実施している中国の海洋科学調査船を、海上保安庁航空機が発見した。国連海洋法条約(日本も中国も共に加盟国である)によると、EEZ内での海洋調査活動には、管轄国へ事前に通告して同意を得ることが必要とされている。

海洋調査を繰り返す中国
 昨年(2018年)12月18日にも中国国家海洋局調査船が沖ノ鳥島周辺の日本EEZ内で日本側に無断で海洋調査を実施したため、日本政府は外交ルートを通じて中国側に抗議した。それに対して中国外交部は「沖ノ鳥島は国際海洋法条約による『島』としての要件を全く備えておらず、『沖ノ鳥島は日本領土である』という日本の主張は国際法上認められない」と反論した。

 要するに中国側の解釈によると、国際法上は「岩」にしかすぎない沖ノ鳥島の周辺200海里は日本のEEZにはあたらず、日本が科学的調査に対する許認可権など保持していない、よっていかなる国の船舶も自由に海洋調査活動ができる海域である、というわけだ。

日本最南端の島「沖ノ鳥島」(国土交通省のパンフレット「沖ノ鳥島の保全」より)
 昨年12月に海洋調査を行ったのは国家海洋局の調査船、すなわち公船であったが、今回は厦門大学が船主である海洋科学総合調査船「嘉庚号」であった。2016年に進水した嘉庚号は、排水量およそ3500トン、航続距離1万海里で中国の深海・遠洋海洋科学調査のために設計された最先端レベルの海洋調査船である。流氷のない海域ならば世界中どこの海域でも航行していき海洋調査を実施できるという。

中国はなぜ沖ノ鳥島にこだわるのか?
 中国当局によれば、東シナ海の尖閣諸島および南シナ海の西沙諸島や南沙諸島などは中国の領土であり、他国による領有権の主張に対して真っ向から反駁している。しかし、それらの諸島と違って、沖ノ鳥島に関しては領有権を主張しているわけではない。

 現在までのところ、中国にとって沖ノ鳥島周辺海域が必要不可欠な漁場であったり、沖ノ鳥島周辺海域海底に石油や希少資源が豊富に埋蔵されているといったことは確認されていない。したがって中国当局としては、中国の領土や主権的海域を守るために沖ノ鳥島に対する日本の領有権を否定する必要性に迫られているわけではない。

 ところが、中国はこれまでもしばしば海洋調査船をこの海域に派遣している。そして今回は世界でも最先端レベルの海洋科学調査船を派遣した。

 このような中国の動きには2つの目的があるものと思われる。

米国に対抗するFONOPか
 第1の目的は、アメリカが断続的に実施している「公海航行自由原則維持のための作戦(FONOP)」を逆手に取った中国版FONOPの実施である。

 アメリカはFONOPとして、南沙諸島や西沙諸島の「中国が領土と主張する人工島」周辺に海軍駆逐艦や空軍爆撃機などを送り込んでいる。アメリカがFONOPを実施する根拠は次のようなものである。

 中国が建設を進める人工島は、国際法に照らすと、「低潮の時にのみ海面上に姿を表す暗礁」(ミスチーフ礁、スービ礁、ヒューズ礁)であったり、「高潮時にも海面上に姿を表しているものの単なる岩」(ファイアリークロス礁、クアテロン礁、ガベン礁、ジョンソン・サウス礁)にしか過ぎない。「領海の起点となる自然島」としての要件を満たさないにもかかわらず、それらの「暗礁」や「岩」の周辺海域を「中国の領海」と主張することは、国際海洋法秩序を踏みにじっている。そのような国際海洋法秩序を踏みにじる主張に対して国際法を遵守するように警告するのが、アメリカが世界中の海で実施しているFONOPであるというわけだ。

 そこで中国は沖ノ鳥島を俎上に挙げて対抗しようとしている。中国側からすると、次のような主張が成り立つ。

 沖ノ鳥島は、国際海洋法条約によれば「高潮時にも海面上に姿を表しているものの、単なる岩」にすぎない。そんな「岩」を「領海の起点としての島」と主張し周辺海域を領海そして排他的経済水域としている日本政府は、国際海洋法秩序を乱している。そこで国際法を遵守するように注意を喚起するために海洋調査船を派遣してFONOPを実施している、というわけである。

 そして、現に「沖ノ鳥島は『岩』と認定せざるを得ない」と主張しているアメリカの海洋法専門家も存在する。中国はそうした主張も念頭に入れながら、「南沙諸島において中国の領土である島々を『岩』と決めつけ、FONOPと称する軍事的威嚇を実施するのならば、同じく『岩』を『島』と主張している日本に対しても軍事的威嚇を実施してはどうか」とアメリカ政府に迫っているのだ。

潜水艦作戦のための情報収集
 第2の目的は、中国海軍、とりわけ潜水艦による西太平洋での作戦行動に資する海洋情報の収集である。実際に、沖ノ鳥島周辺海域で海洋調査活動をしていた嘉庚号は、海上保安庁側の呼びかけに応じて「海水温の調査を実施中」と回答してきたという。驚くべき正直な回答だ。

 海中を作戦行動する潜水艦にとって、作戦海域の海水温や海水塩分濃度などの海洋科学調査で得られたデータは、作戦の死命を制するほど貴重である。

 特に、中国海軍潜水艦(攻撃原潜ならびに攻撃AIP潜水艦)にとって沖ノ鳥島周辺海域は戦略的に極めて重要な海域である。というのは、中国海軍の主たる仮想敵であるアメリカ海軍の前進潜水艦基地が位置しているグアム島と、中国海軍潜水艦が東シナ海から西太平洋に進出する門のような宮古海峡とを結ぶ直線ルートのど真ん中に沖ノ鳥島が位置しているからである。

宮古海峡とグアム島のど真ん中に位置する沖ノ鳥島
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 沖ノ鳥島周辺は急激に深度を増す海底地形になっており、中国海軍潜水艦にとってもアメリカ海軍潜水艦にとっても格好の作戦海域である。ただし、日本から海洋科学調査データを手に入れることができるアメリカ海軍と違い、中国海軍は自らデータを手に入れなければならない。

周辺が急激に深海になる沖ノ鳥島
 したがって、中国海軍潜水艦の作戦行動にとって十二分な海洋データが得られるまでは、今後も沖ノ鳥島周辺海域で中国海洋調査船が繰り返し海洋科学調査を続けることになるであろう。

常設仲裁裁判所の判断は避けたい日本
 中国海洋調査船が沖ノ鳥島周辺海域で海洋科学調査を実施することにより、潜水艦をはじめとする中国海軍による西太平洋での作戦能力が強化されることは、当然のことながら日本にとっても軍事的脅威が高まることを意味する。

 しかしながら、何らかの実力を行使して中国海洋調査船を“追い払う”ことは容易ではない。

 というのは、日本の公権力によって中国船に実力を行使した場合、中国側が「沖ノ鳥島は日本の領海の起点となる『島』とは認められない『岩』にすぎないにもかかわらず、公海上の中国船に対して妨害行為を働いた」とハーグ常設仲裁裁判所にねじ込む恐れがあるからだ。

 上記のように、国際海洋法専門家の間には「沖ノ鳥島は『岩』にすぎない」との見解が存在する。そのため、万が一にも常設仲裁裁判所で「岩」との判断が下されてしまった場合には、日本は公式に広大な排他的経済水域を失陥してしまうことになる。その場合、日本は中国当局と同様に常設仲裁裁判所の判断を正面切って無視し続けるのか。日本は厳しい選択を突きつけられることになるのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55906
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/581.html

[経世済民131] FRB海外リスク無視できず「忍耐強い対応可能」農家倒産増、80年代危機と類似 中古住宅、GDP予想に届かず 企業利益軟調
米FRB、米農家倒産増を注視 80年代の危機と類似も
=理事
ビジネス2019年3月29日 / 01:06 / 2時間前更新
Reuters Staff
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[28日 ロイター] - ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は28日、国内農家の倒産が最近増加していることについて、1980年代の農業危機との類似もうかがえるとして、FRBとして注視していると述べた。

理事は「経済や金融監督に影響を及ぼす可能性があるため、FRBは注視している」と指摘。最近の農家の所得減は80年代と類似しており「問題だ」とした。金融政策には言及しなかった。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-bowman-idJPKCN1R921I?il=0

 
ビジネス2019年3月29日 / 01:11 / 2時間前更新
FRB海外リスク無視できず「忍耐強い対応可能」
=副議長
Reuters Staff
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[28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は28日、米国は貿易や金融面で海外と深くつながっており、金融政策運営に当たり海外リスクを無視できないとした上で、インフレ圧力が抑制されている状況も踏まえ、FRBは忍耐強い対応が可能との認識を示した。

パリでの会合で「米国の金融政策が他国に大きく影響するという話はよく聞くが、世界のショックが米国に影響するという話はあまり聞かない」と指摘。金融の経路を通じて、ある国の問題が米国に波及するということはあり得るとし「今日こうしたリスクを米当局者は無視できない」と強調した。

その上で、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)や世界的な貿易摩擦、中国経済の減速といった問題を念頭に「直近の3本の連邦公開市場委員会(FOMC)声明では世界経済や金融動向を巡る懸念の高まりが強調されている。こうしたリスクや落ち着いたインフレ圧力を踏まえ、FRBには忍耐強く当たる余裕がある」と語った。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-clarida-idJPKCN1R922K?il=0

 


ビジネス2019年3月29日 / 01:06 / 2時間前更新
米FRB、経済に衝撃なら非標準的措置再導入の用意=クラリダ副議長
Reuters Staff
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[パリ 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は28日、経済が予想外の困難に直面した場合、FRBには非標準的な金融政策を再度導入する用意があると述べた。

クラリダ副議長はパリの仏中銀で行われた会合で「経済がマイナスの衝撃に見舞われた場合、まずは標準的な金融政策で対応する」とし、「これで十分でなかった場合、これまでに導入した政策ツールがあり、必要ならFRBはこうした政策措置を当然、利用する」と述べた。

また、ドルの国際的な役割が近く低下するとは予想していないとも述べた。
https://jp.reuters.com/article/fed-clarida-idJPKCN1R921M


 


 


米中古住宅販売成約指数:2月は1%低下−予想以上のマイナス
Reade Pickert
2019年3月28日 23:05 JST 更新日時 2019年3月29日 2:22 JST
全米不動産業者協会(NAR)が28日発表した2月の中古住宅販売成約指数は市場の予想以上に低下した。前月の大幅な上昇は累積需要によるもので、持続的な回復にはさらに時間がかかる可能性があることが示唆された。
キーポイント
• 2月の中古住宅販売成約指数(季節調整済み)は前月比1%低下−予想0.5%低下
o 前月は4.3%上昇(速報値4.6%上昇)に修正
• 2月は前年同月比では5%低下−前月は3.3%低下

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ir35rJcND8eQ/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png

インサイト
• 米住宅市場に関する最近の指標は強弱まちまち。2月の住宅着工件数は8カ月で最大の減少。一方で2月の中古住宅販売件数は、ほぼ1年ぶりの高水準に持ち直した
• 住宅購入の正式契約には成約から1、2カ月かかることから、販売成約は先行指標とみなされている
担当者の見解
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏:
• 「全体的に見ると今回の統計は、循環的な販売低迷の時期は過ぎたものの昨春の熱狂的なペースには至っていないことを示している」
• 金融当局に関しては「現行政策からの変更は全くないと予想され、よって住宅ローン金利は魅力的な水準で推移するだろう」
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Pending Home Sales Fell by More Than Expected in February(抜粋)
(統計の詳細を追加し、更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-28/PP2XR96JTSE901

 


米GDP:10−12月確定値、2.2%増に下方修正−予想にも届かず
Jeff Kearns
2019年3月28日 21:38 JST 更新日時 2019年3月29日 0:46 JST
昨年10−12月の米実質国内総生産(GDP)確定値は、第1次公表値から下方修正され、市場予想も下回った。個人消費や政府支出の数値引き下げが響いた。商務省が28日発表した。米景気拡大は過去最長記録の更新に向かっているが、課題も増えていることが示唆された。  
キーポイント
• 10−12月(第4四半期)の実質GDP確定値は前期比年率2.2%増
o 第1次公表値は2.6%増、確定値の市場予想は2.3%増だった
• 米経済で最も大きな割合を占める個人消費は2.5%増に下方修正
o 同じく市場予想に届かず。第1次公表値は2.8%増

米GDP(前期比年率)商務省
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ivma_3w9_f6c/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/600x-1.png

  欧州や中国からの逆風が強まる中、10−12月は米株式相場が急落するなど、米経済への懸念が一層高まっていた。米国の景気拡大局面は今年の年央に過去最長となる見通しだが、昨年第4四半期の下方修正は、経済の勢いが今年に入って弱まったことを示唆する。米国では住宅市場や製造業など、他の統計も景気軟化の兆しを示している。
  ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、1−3月(第1四半期)の米成長率は1.5%にとどまる見込みだ。
  ムーディーズ・アナリティクスの金融政策調査責任者ライアン・スイート氏は「米経済はより持続可能な成長ペースに落ち着きつつある」と指摘。労働市場と家計のファイナンスに言及した上で、「まだ過度に懸念してはいない。2018年はかなり力強い成長を遂げた。基調となるファンダメンタルズは依然として堅調だ」と述べた。
  昨年7−9月(第3四半期)に3.4%だった米成長率が10−12月に減速したのは、娯楽用品や車などの消費財の支出を広範に見直したことが主な要因。州政府と地方自治体の支出も下方修正されたほか、ソフトウエア支出の減少で民間の固定資本投資も鈍化した。
  
  変動の大きい貿易と在庫を除く国内最終需要は2.1%増。7−9月期の2.9%増から引き下げられた。
詳細
• 政府支出は0.4%減。第1次公表値は0.4%増
• インフレはなお抑制されている。食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)価格指数は1.8%上昇。第1次公表値は1.7%上昇
• 12月と1月に起きた政府機関の一部閉鎖の影響で、1月30日に予定されていた10−12月GDP速報値の発表は延期され、2月28日発表予定だった改定値と合わせて第1次公表値として発表された
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Fourth-Quarter Growth Revised Down to 2.2% From 2.6% (1)(抜粋)
(詳細や市場の見方などを追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-28/PP2TLV6K50XY01


米GDP、10─12月期2.2%増に下方修正 企業利益が軟調
ビジネス2019年3月29日 / 01:06 / 2時間前更新
Reuters Staff
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[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が28日発表した2018年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)の確報値(季節調整済み)は年率換算で前期比2.2%増と、2月公表値の2.6%増から下方改定された。市場予想は2.4%増だった。企業利益は2年超ぶりに増加しなかった。

18年通期のGDPは改定なしの2.9%増だった。トランプ政権は年間のGDP目標を3%増とし、1兆5000億ドル規模の減税や景気刺激策を導入したが、目標には届かなかった。ただ成長率は15年以来の大きさだった上、17年の2.2%増から加速した。

18年の第3・四半期GDPは前期比3.4%増だった。景気拡大が続いた期間は19年7月で史上最長となる。

18年第4・四半期GDPの前年同期比は3.0%増と、3.1%増から下方改定された。トランプ氏は前年比の数字に言及し、景気刺激策によって経済が安定的に伸びる軌道に乗ったと主張している。景気刺激策によって財政赤字は急増した。

税引き後企業利益は前期から横ばいと、16年第3・四半期(横ばい)以来初めて増加しなかった。前期は3.5%増加していた。

第4・四半期GDPの内訳は、米経済の3分の2以上を占める個人消費は2.5%増と、2.8%増から下方改定された。ただ好調な労働市場が依然として個人消費を下支えしている。

機器への投資は6.6%増と、6.7%増から下方改定された。知的産物への投資は10.7%増と、13.1%増から下方改定された。

住宅建設投資は4.7%減と、3.5%減から下方改定された。4四半期連続で落ち込んだ。

政府支出は0.4%減と、0.4%増からマイナスへ改定された。

一方、輸出は1.8%増と、1.6%増から上方改定された。輸入は下方改定され、結果として貿易赤字は当初予想よりも減った。貿易赤字はGDPを0.08%ポイント押し下げる方向に働いた。改定値では貿易赤字の寄与度がマイナス0.22%ポイントだった。

在庫は968億ドルと、改定値の971億ドルから下方改定された。在庫投資の寄与度はプラス0.11%ポイントだった。


テクノロジー2019年3月29日 / 01:56 / 1時間前更新
米住宅当局がフェイスブック提訴、「ターゲット広告で差別」
Reuters Staff
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[28日 ロイター] - 米住宅都市開発省(HUD)は28日、米フェイスブック(FB.O)の特定ユーザーにターゲットを絞った不動産広告が公正住宅法に違反するとして、同社を民事提訴した。

住宅都市開発省は、フェイスブックが出身国、宗教、家族構成、性別、障害の有無などの個人情報に基づき、不動産に関連した広告を閲覧できるユーザーを制限したと指摘。損害賠償、および適切な対応策などを求めた。

HUDのベン・カーソン長官は「フェイスブックは居住地域などに基づき差別的な行為を行った」とし、「コンピューターを利用して人々の住宅の選択の自由を制限することは、誰かの目の前でドアを勢いよく閉めることと同じように差別的な行為となる」と述べた。

フェイスブックのユーザー数は27億人。年間の広告収入は560億ドル近くに上る。個人情報などを利用した同社の広告を巡る慣習は過去2年間にわたり調査の対象となっていた。

フェイスブックは提訴されたことを受け、この件を巡りHUDと共に取り組んでおり、差別的な広告の防止に向け多くの対応策を講じてきたため、HUDが提訴に踏み切ったことは予想外だったとの見解を示した。

フェイスブックは前週、住宅・求人などに関連する広告について、年齢、性別、文化的背景、郵便番号を基に広告の対象者を絞る仕組みを廃止すると発表している。
https://jp.reuters.com/article/usa-q4-gdp-idJPKCN1R9212
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/722.html

[経世済民131] 金融庁の投資用不動産向け融資調査、金融機関と業者の関係鮮明に 日本企業「選択と集中」の呪縛から解放されなければ成長できず
金融庁の投資用不動産向け融資調査、金融機関と業者の関係鮮明に
ビジネス2019年3月28日 / 20:01 / 7時間前更新

Reuters Staff
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[東京 28日 ロイター] - 金融庁は28日、金融機関の投資用不動産向け融資に関する実態調査の結果を発表した。それによると不動産業者の紹介によって融資を実行したり、顧客の財産や収入を示す資料を業者経由で入手し、原本を未確認の金融機関が多数に達していた実態が明らかになった。スルガ銀行(8358.T)の不適切融資問題の表面化後は管理態勢の改善に取り組んでいるものの、金融庁では引き続き動向を注視し、必要に応じて立ち入り検査などで点検する方針だ。

同調査は投資用不動産向けを中心としたスルガ銀の不適切融資問題を受け、121の銀行のほか信用金庫(261)、信用組合(148)を対象に昨年10月から同年末にかけて実施。近年の投資用不動産向け融資の拡大局面において増加が目立った一棟建(土地・建物)向け融資を中心に規模や管理態勢などについて調査した。

その結果、銀行における投資用不動産向け融資の残高は2017年3月期の5.4兆円をピークに減少傾向にあり、金融庁によると、「投資用不動産向け融資を積極的に推進する金融機関は減少し、消極的な態度をとる金融機関が増加している」という。

個別にみると同融資の18年3月末の残高が1兆円を超えていたのはスルガ銀のほかに1行(個別名は非公表)あるが、貸出金利息に占める同融資の割合を見ると、スルガ銀が40%を超えているのに対し、その1行は10%以下。その他の銀行は20%以内に収まっており、スルガ銀が突出していたことが分かる。

もっとも、投資用不動産の管理態勢をみると、特に一棟建て向け融資を中心に金融機関と不動産業者との密接な関係が浮かび上がる。

スルガ銀問題が表面化する前の2018年3月以前の状況では、「業者が紹介した顧客に融資を実行したことがある」銀行が97%に達し、このうち紹介業者との取引開始・停止の要件や基準を設けているのは15%程度。

顧客の財産・収入を示す資料についても、業者経由で入手する金融機関が多数に上り、給与明細書や税務申告書などの原本を確認する銀行は20%前後にとどまっている。

また、審査時に売買価格の妥当性の検証や物件の現地確認などは90%前後の銀行が行っているにもかかわらず、業者が売買価格の吊り上げを行う事例も見られており、金融庁では、売買価格の妥当性の検証において「改善の余地がある金融機関も存在する」と注意喚起している。

こうした調査結果を踏まえて金融庁は、金融機関に対して「業者の適切性を検証するなど取引スキームのリスク評価を行い、取引方針を明確に定める」ことや、物価の売買価格の妥当性の検証、融資全期間にわたる収支シミュレーションなどリスク管理の徹底を求めた。金融庁としても、投資用不動産向け融資の残高が相応にあり、管理態勢に問題が見られる金融機関には追加でヒアリングを行うとともに、必要に応じて立ち入り検査も行う方針だ。

伊藤純夫
https://jp.reuters.com/article/fsa-survey-real-estate-loan-idJPKCN1R916Y


 

2019年3月28日 ダイヤモンド・オンライン編集部
日本企業は「選択と集中」の呪縛から解放されなければ成長できない

もはやバブル崩壊後ではない頭を早く切り替えろ

バブル崩壊後、日本企業で当たり前のように使われる「選択と集中」という言葉。しかしそれは誤訳であり、その呪縛に平成の30年間あまりの長きにわたってとらわれているために日本企業は成長しないとフロンティア・マネジメントの松岡真宏代表取締役は主張する。このほど、『持たざる経営の虚実』(日本経済新聞出版社)を出版した松岡氏にその真意を聞いた。(ダイヤモンド・オンライン副編集長 田島靖久)

売り上げは伸びていないのに
利益は8割増の意味は
──今年1月に出版された書籍の中で、平成の30年あまり、日本の企業経営者の心を捉えて離さなかった「選択と集中」というスローガンの呪縛から解き放たれるべきだと主張されています。どういう意味なのでしょうか。

 バブルが崩壊した平成元年を100として現在と比較すると、日本全体の経常利益は180まで増え、8割増になっています。つまり、平成の30年間で、企業の利益はものすごく出るようになっています。しかし売上高は100のままで変わらず、設備投資に至っては70まで減少しているのです。

 つまり、業容を拡大させることによって売り上げを伸ばし、利益を出しているのではなく、バブル崩壊後、「持たざる経営」や「選択と集中」という掛け声の下に不採算事業や、遊休不動産を切り離し、必死に収益を改善させてきた「減量経営」をやり続けてきた結果なのです。

ウェルチはフォーカスと言っただけ
「選択と集中」は誤訳
 そもそも、ゼネラル・エレクトリック(GE)のCEOに君臨したカリスマ経営者、ジャック・ウェルチの著書により「選択と集中」という言葉が日本でも一気に広がったのですが、彼はそんなことは言っていません。「フォーカス」、つまり「焦点を当てろ」と言っただけであって、「新しいことをやるな」などと言ったことはないんです。

 事実、ウェルチはCEOを務めた20年間で、1000もの事業を買収したり、新しく始めたりしています。一方で、やめたのはわずか70程度。実は、ものすごい数の新規事業を手掛け、多角化を図ったんですよ。

 だから多角化を否定してもいないし、リストラを推進したわけでもなかった。にもかかわらず、日本では誤訳され、過度な減量経営に突き進んでしまったという不幸な歴史をたどることになったのです。

──とはいえ松岡さんも、バブル崩壊後のいわゆる「不良債権時代」には「選択と集中」を進めなければいけないと言っていませんでしたっけ。

 確かに言っていました。しかし、ダイエットは短期集中にすべきなのです。ウェルチも最初の2年間はダウンサイジング、減量経営をやりました。ところが、それは2年間でやりきり、残り18年間は拡大経営をやったわけです。だから、日本も1997〜98年の金融危機の際には、「選択と集中」は正しかったと思いますよ。

 しかし、その後に世界中が「ドットコム景気」に沸いたり、あるいは中国が資本主義に組み込まれることでマーケット拡大したりといった成長過程に入っても、日本企業はギアを変えることなく、「選択と集中」をやり続けた。そこに大きな問題があるのです。

 しかもです。われわれが企業にM&A案件を持っていくと、「シナジーがないと取締役会通せないんだよね」「シナジーがないと株主に説明できない」「社外取に説明できない」とか、そういう既存ビジネスとのシナジーありきという議論になるんですよね。

──それは、正しいんじゃないんですか。

 そうでしょうか。高度経済成長期って、みんな多角化、つまりコングロマリット化を図ってきましたし、今、世界で伸びているGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)にしても中国のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)にしても、みんなそうやって大きくなっているんです。

 よく「プラットフォーム企業だから大きくなったんだ」といわれていますが、よくよく見ると多角化してコングロマリットになることで拡大しているのです。今、世界の潮流はコングロマリットだといえるのです。


松岡真宏(まつおか・まさひろ)/フロンティア・マネジメント代表取締役。10年以上、流通業界の証券アナリストとして活動。2003年に産業再生機構に入社し、カネボウとダイエーの再生計画を担当。07年から現職。『宅配がなくなる日』(共著、日本経済新聞出版社)など著書多数 Photo by T.S
──いつから変わったんでしょうか。

 21世紀に入り、情報産業が拡大していく過程で変わっていきました。「モノ」は足し算ですが、「情報」は掛け算なので、情報を軸にして大きな投網で売り上げを拡大していくというのが合理的なんです。そのためコングロマリットにすることによって、ものすごい利益を出せるようになったのです。

 とはいえ、日本でもそれが分かっているプレーヤーたちもいます。例えば商社がそうですよね。かつて、商社は「ITによって中抜きされて苦しくなる」などといわれていましたが、今はものすごく復活してきていますよね。金融機関だって銀行と証券が融合し始めています。そういう意味では、やはり異業種同士がくっついて情報を糧に飯を食いましょうという世の中になってきているわけです。

リスクを取ってチャレンジしない
経営者たちが言い訳に
──しかし、まだ気づいていない企業も多いというわけですか。

「選択と集中」という言葉を“言い訳”に使っている経営者が多いからでしょう。本当は、リスクを取りながら新しいことにチャレンジするのが経営者のはずなのに、失敗して責任を取らされることを恐れて何もしない。「選択と集中をやっています」と言っていれば褒められる土壌もあるから、なおさらリスクを取らないんですよね。

 そもそも今、日本は金利ゼロですよ。米国人や中国人と話すと、必ず「ゼロ金利でいいなぁお前ら」と言われるんです。「なんでもっとバンバン投資しないんだ」と思っているわけです。

 ただ、こうした議論をする際、マザーマーケット(母国市場)に関する議論も忘れてはいけません。マザーマーケットの大きさによって、多角化、コングロマリットの戦略は大きく変わってくるからです。

 マザーマーケットが大きい国、例えば米国や中国は、マザーマーケットだけで大きな利益が出ます。そのため、そこで稼いだキャッシュを使って海外に出て、海外企業を買収してコングロマリット化を図るということができるわけですね。一方、マザーマーケットが小さい国、例えばフィンランドや韓国といった国々は、マザーマーケットがあまりに小さいから、最初から海外に出て多角化を進めていくしかない。

 ところが、日本やヨーロッパの中規模の国は、マザーマーケットが大きくないから、海外にどんどん打って出るほどの利益が稼げない。そのため、自国内でコングロマリットを形成して内需を取るというのが、経済合理性から最も適した戦略になるわけです。

──では、どのようにして多角化、コングロマリット化を進めていくべきなのでしょうか。

 やっぱりM&Aしかありません。「M&Aは成功確率が低いじゃないか」といわれますが、3割もあるわけですよね。王や長嶋でも生涯打率は3割ですよ。

 一方で、自社の研究所で開発した事業がビジネスになる確率なんか1割もないわけです。それでもなぜか、自社開発の方がいいとこだわる経営者が多い。GAFAやBATはM&Aでガンガン成長しているにもかかわらずです。

──確かに、日本では3割の成功よりも、1つの失敗で経営責任を問われてしまう風土があり、経営者は消極的になっているのかもしれません。

 片仮名になってしまいますが、本来は「バイ・アンド・ホールド・アンド・セル」でなければならないのに、日本は「バイ・アンド・ホールド」の文化なんですよ。つまり最後の「セル」がない。いったん買収したら、その後は持ち続けておかなければならないと。

 しかし、失敗した場合はもちろん、買収した後に成長して十分な役割を果たしたと考えればエクジット、つまり「出口戦略」として「セル」すればいいのです。だから一度のM&Aでおしまいではなく、M&Aを繰り返しながら時代や環境の変化とともにコングロマリットの形も変化させるべきなのです。

M&Aには主に3つのパターン
境界統合型が最もやりやすい
──M&Aにもさまざまなパターンがあります。

 そうです。主なものでいえば、ビジネス領域の拡大を図るため異業種を買収する「新規ビジネス参入型」をはじめ、同業他社を買収する「水平統合型」、そして取引先やその周辺企業、あるいは競争企業を買収する「境界統合型」が挙げられるでしょう。

 このうち水平統合型は、なかなか容易ではありません。一方が経営破綻するなど苦しくならなければ成立しないからです。例えば、キリンホールディングスとサントリーホールディングスの経営統合が破談になったように、どちらかが弱ってなければなかなか話がまとまらないのです。

 新規ビジネス参入型についても、スタートアップ企業の経営者は窮地に陥らない限り、株式を他社に譲渡するインセンティブはないし、過半数の株式を譲り渡すような経営者であればそもそも起業しません。

 そういう意味では、相手の顔も見えて話もしやすく、ビジネスモデルについても理解しやすい境界統合型が最も現実的なのではないでしょうか。統合後の姿も描きやすいですし。

「本業とのシナジー」にこだわるくせに
「本業」を間違えている企業も多数
 ただ、いずれにしても前に言ったように、「本業とのシナジー」ばかりにこだわっては意味がありません。そもそも「本業」を間違えている企業も少なくないのです。

──本業を間違えているとは、どういうことですか。

 かなり古い事例ですが、日本の3大食品卸の1つである国分は、もともとしょうゆメーカーだったんです。しかし、そのまましょうゆだけにこだわり続けたら、今の国分はなかった。しょうゆを乗り越えて、食品卸に切り替えたことで成長してきたわけです。

 任天堂だってもともとは花札の会社ですよね。それを乗り越えて、関係のないTVゲームを本業として、今の任天堂になった。富士フイルムだってコダックとの違いは何で出たかっていうと、カメラのフィルムと全然違うことをやったからですよ。技術がどうとか後も大事ですが、そもそも化粧品やろうってなったわけでしょう。

 つまり、「M&Aは本業とのシナジーがなければやらない」と言いながら、そもそも「本業」とは何かを分かっていない経営者が多いということなんです。それでは、M&Aをしたとしても成功するわけがない。にもかかわらず、失敗した途端に「だから言っただろう」などと言う経営者もいます。「本業」を理解していない自分に責任があるにもかかわらずです。

──コングロマリットとして理想的な形はどのようなものなのでしょうか。

 戦後、GHQによって解体され、諸悪の根源みたいな扱いをされてきましたけど、「財閥」というのは優れた複合企業コングロマリットだったと思います。企業間でやり取りする際に発生するさまざまな「取引コスト」が、財閥の中であれば一切かからないからです。

 でも今は財閥が解体されて、それぞれ個別の企業になってしまい、ネットで相手を探したり、調査したり、契約書を結んだりといったさまざまなコストがかかるようになってしまった。最近では、コーポレートガバナンスコードや社外取締役制度の導入が推奨され、きちんと他と比較したのかだの、株主にきちんと説明できるのかだの、取引コストが膨大になっています。財閥のままであればこうしたコストはゼロになるんです。

 それだけではありません。コングロマリットがインキュベーター(ふか)機能となって、企業を誕生させ、成長させてきたものもあります。

 例えば日本最大の流通企業になったセブン‐イレブンジャパンだって、1970年代にイトーヨーカ堂が米サウスランド社のコンビニエンスストアを導入して見よう見まねでやってきて、それが今や日本を代表する小売業になったわけです。スーパーとコンビニなんて何の関係もないのに。確かに同じ流通業ですが、スーパーは小売業、しかしコンビニの本質はフランチャイズ業で全くシナジーはありません。

 無印良品もそうですよね。西友のプライベートブランドからスタートして、今では日本よりも海外の店舗の方が多くなっている。セブン‐イレブンにしても無印良品にしても、それぞれ親よりも成長して上場まで果たした。いずれも多くの人たちが頭から否定しているコングロマリットと親子上場が新たな成長の種を生み出したいい事例だと思います。

もはやバブル崩壊後ではない
頭を早く切り替えろ
──コングロマリットに対しては「外から分かりにくい」という批判もあります。

『持たざる経営の虚実 日本企業の存亡を分ける正しい外部化・内部化とは? 』書影
『持たざる経営の虚実 日本企業の存亡を分ける正しい外部化・内部化とは? 』 松岡真宏著 日本経済新聞出版社刊 1700円+税
「分かりにくい」と言いますが、コングロマリットにはそれを逆手にとって「買収されにくい」というメリットがあります。各企業がそれぞれ独立して存在すると、それぞれの企業の価値が分かり、フェアバリューでいくらでも買収されてしまいます。しかし、コングロマリットだと、その中の一部の事業が欲しかったとしても買収できない。つまり、コングロマリットの中にいた方が安全なんです。

──しかし、企業経営者たちの考えを変えるのは容易ではない気がします。

 1950年代の経済白書は「もはや戦後ではない」と記しましたが、今は「もはやバブル崩壊後ではない」なのです。確かにバブルを経験し、その後の崩壊も経験した人たちが経営者となっているわけで、「やっぱり挑戦しちゃいけない」という意識がこびりついているのは理解できます。

 しかし、いつまでバブル崩壊後の話をしているのかと。少しでも早く頭を切り替えなければ、どんどん取り残されてしまいます。そのことに早く気づいてほしいものです。
https://diamond.jp/articles/-/198128
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/723.html

[経世済民131] キプロス、中銀総裁に投資銀行家を指名 IMF危機対応能力不十分 世銀IMF改革必要 ECB預金金利の階層化、市場にゆがみ
キプロス、中銀総裁に投資銀行家を指名

東京外為市場ニュース2019年3月29日 / 00:26 / 3時間前更新
Reuters Staff
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[ニコシア 28日 ロイター] - キプロス大統領府は28日、新しい中央銀行総裁に投資銀行家のコンスタンチノス・ヘロドトゥ氏を指名すると明らかにした。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーを兼務する。

現職のゲオルガジ氏の任期が4月に切れるのに合わせて就任する。任期は5年。

ヘロドトゥ氏は、2017年からキプロス中銀理事を務めている。
https://jp.reuters.com/article/cyprus-cenbank-idJPL3N21F47F?il=0

 
IMF、大きな危機への対応能力不十分=BIS
外国為替2019年3月29日 / 01:31 / 2時間前更新

Reuters Staff
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[パリ 28日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)のカルステンス総支配人は28日、新興市場で新たに大きな危機が起こり複数の国に影響が及ぶ事態に対し、国際通貨基金(IMF)の融資能力は不十分との認識を明らかにした。

仏中銀で開かれた会議で発言した。直近のIMF出資割当見直しで、十分な資金源が確保されなかったとの見方を示した。
https://jp.reuters.com/article/bis-emerging-idJPL3N21F4AE?il=0

ビジネス2019年3月29日 / 02:51 / 14分前更新
世界の変化に合わせ世銀やIMFの改革必要=独首相
Reuters Staff
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[ベルリン 28日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は28日、世界的な金融システムの中核を成す国際的な金融機関を改革し、急速に変化する世界に適応させるよう求めた。

メルケル首相は、世界銀行は増資を必要とし、国際通貨基金(IMF)は加盟国の投票権配分を決める出資割当額の変更が必要と述べた。
https://jp.reuters.com/article/germany-merkel-wef-idJPKCN1R92AY


 

ECB預金金利の階層化、市場にゆがみの恐れ=オランダ中銀総裁
ビジネス2019年3月29日 / 02:51 / 14分前更新

Reuters Staff
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[アムステルダム/パリ 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は28日、中銀預金金利の階層化について、一部の金融機関を特別扱いするもので市場にゆがみが生じかねないとして、否定的な考えを示した。

階層化について「いかなる形であれ、特定の事業形態を持つ銀行はマイナス金利の負担が免除される一方、他の事業形態を持つ銀行は長期の負担を負うことになる。ECBはこうした影響を避けるべきだ」と述べた。金融機関の収益性はECBの最優先目標ではないとも指摘した。

さらに、この問題を時折議論することは構わないが、マイナス金利が金融機関を過度に圧迫していたころに出した当局者の結論が今になって変わるとは考えにくいとした。

ロイターは27日、関係筋の話としてECBが預金金利の階層化を検討していると報じた。

中銀預金金利は2014年以降マイナスが続いている。マイナス金利に批判的な向きは、ECBの金融政策が金融機関を通じて実体経済に波及する中で、金融機関の脆弱な収益性が金融政策の有効性を損なう恐れがあると指摘する。

理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は、マイナス金利の副作用に関する議論は健全で、ECBは日本やスイスの対応を参考にすべきと主張。「個人的に一定の負担軽減策は望ましいと思う」と述べた。

同じく理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は、マイナス金利の副作用を緩和しなから、マイナス金利の効果を温存する方策を検討すべきと指摘。「ドラギ総裁も強調しているように、銀行の貸出経路をさらに監視するとともに、マイナス金利の効果を維持できるような対策を検討する必要がある」とした。

ドラギ総裁は27日、必要なら利上げをさらに遅らせる用意があると述べるとともに、マイナス金利の副作用を和らげる措置を検討する方針を示した。
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-knot-idJPKCN1R92AS?il=0
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/724.html

[経世済民131] 株・債権・為替「機械取引」の正体、個人は短期の振れを追うな ロシア協調減産離脱の可能性 ユーロ圏中核国債利回りなお低水準
2019年3月28日 週刊ダイヤモンド編集部
株・債権・為替「機械取引」の正体、個人は短期の振れを追うな
『週刊ダイヤモンド』3月30日号の第1特集は「株・為替の新格言」です。昨年10、12月の株価急落に、年明け早々の外国為替市場の短時間の急変動。主犯として機械取引が挙げられますが、中央銀行による相場への影響も大きいものとなっています。高頻度な取引を繰り返すHFTに加えて、高度な数式モデルを駆使して運用するヘッジファンド。その実態に迫りました。(本記事は特集からの抜粋です)
「30年以上にわたり運用業界にいるが、クリスマスにこれほど相場が動いたのは初めて。衝撃だった」
 そう話すのは、富国生命投資顧問の林宏明常務取締役だ。昨年の株式相場は長らく続いたゴルディロックス(適温)相場から一転、2月のVIXショックや10、12月に相次いで起こった株価の暴落など、冷や水を浴びせられた。
 とりわけ12月は、クリスマスの12月25日にダウ工業株30種平均が約653ドル下落。それにつられて日経平均株価は約1000円もの大暴落となり、市場関係者を凍り付かせた。
 従来、米国での12月の相場といえば節税対策のために株式を売却することから株安傾向となるものの、株価は大きく動かない(年末から上昇する)というのが、市場の「アノマリー」(明確な根拠はないが、よく当たる相場における経験則)だ。とりわけ、クリスマスは市場関係者が休暇を取るため、「動かない相場だった」(林氏)。
 こうした相場変動に加え、年始の1月3日には早朝という時間帯にもかかわらず、わずか数分の間に1ドル当たり4円も上昇するという異変も起きた。
 これら“薄商い”のタイミングでの相場の大変動に対し、犯人説として挙がってくるのが、コンピューターが自動で注文を出す機械取引の存在だ。とりわけ、超高速で取引を繰り返す、「HFT(高頻度取引)悪玉論」が根強い。
 確かに、機関投資家からの注文を証券会社の人間が処理することは減り、あらかじめ定めておいた手順に従って、コンピューターが自動的に注文の数量やタイミングを判断する取引が増えている。いわゆる「アルゴリズム取引」だ。
 こうした取引は古くからあるが、AI技術の進化により、近年高度化が著しい。それは金融市場において、「超高速化」と「高難度化」の二つに大別される(下図参照)。
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 まず、超高速化については、先のHFTの台頭が注目されている。マイクロ秒(100万分の1秒)単位で発注を繰り返す高速取引のことで、2010年5月に米株式市場で起こった「フラッシュクラッシュ」の主因とされている。
 日本においても、10年に東京証券取引所がアローヘッドを稼働させてHFTの環境が整った。東証の近くに「コロケーションエリア」を開設し、そこに置かれたサーバーにHFT業者がさまざまな売買プログラムを入力、アルゴリズム取引を行っている。
 金融庁によれば、東証の全取引に占めるコロケーションエリアからの注文は件数ベースで75%。「その半数以上がHFTだろう」と、複数の専門家たちはみる。
 いきおい膨大な受発注を繰り返すことで相場を支配、価格を操っているかに見えるが、さにあらず。「HFTが相場変動の振れ幅を増長している面もあるが、相場のゆがみをいち早く見つけてサヤ取りを行うことで、むしろ早期のゆがみ是正につながっている」というのが市場関係者の大方の見方だ。
 仮に、市場を支配するような存在であるならば巨額の利益を稼いでいるはずだが、そうした様は見当たらない。むしろ、「HFT最大手のバーチュでさえも厳しく、事業の多角化でしのいでいる状態」と、ある市場関係者は指摘する。
 実際、HFTのビジネスモデルは、相場でいう「1カイ2ヤリ」に近い。つまり、101円で買って102円で売る取引を超高速で行っているようなもの。ただし相場が逆に振れれば損をするので、その兆候をいち早く見つけて売買するために、スピードを速める技術を競い合っているというわけだ。
 例えば、CPUとメモリー間の電子的な距離すら縮めるため、「直接プログラムを書き込める特殊なチップを採用するケースもある」と、スパークス・アセット・マネジメントの水田孝信上席研究員は言う。
 一方で、HFTが市場に大量の流動性を供給しているという側面も見逃せない。占有率の高さは、裏を返せば、「HFT業者がいなくなれば、東京の株式市場はスカスカになるということ」だと別の市場関係者は指摘する。
 とはいえ、HFTの実態が不透明なのも確かだ。そこで金融庁は登録制度を進めているが、規制を厳しくすれば東京からHFTが去ることにもなりかねず、痛しかゆしといったところが実情だ。
 次に高難度化について見ていこう。こちらのアルゴリズムは、複雑な数理モデルを組んで高度な運用を行うクオンツ系のヘッジファンドで利用されることが多い。
 スピード重視のHFTとは異なり、クオンツで使う際のアルゴリズムは複雑なため、「HFTと比べるとスピードは格段に遅い」と、あるヘッジファンド関係者は話す。
 では、そのクオンツ系アルゴリズムについて、昨年11月に野村アセットマネジメントがリリースして話題を呼んだ投資信託「ダブル・ブレイン」を例に見てみよう。
 株と債券は、「逆相関」の関係にあるというのが定説だ。金利が低下すれば株価が上がり、片や債券価格は下がるといった具合だ。こうした局面にあるとみれば、株をロング(売り持ち)し、債券をショート(買い持ち)して運用する。
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 逆もしかりだが、問題なのは、株と債券が同時に下落すること。実は前述の図のように株と債券の逆相関は2000年以降のことで、株と債券の同時安は現在でも起こり得る。実際、下図のように、10分置きという短い間隔で相関をチェックすれば、共に下落する局面が浮かび上がる。こうした“予兆”を高い確率で見抜けるのが、最新のアルゴリズムというわけだ。
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 これら超高速化を極めたHFTと超難解な数式モデルを搭載した“電脳”が跋扈する相場は、かつてより振れ幅が大きくなるが、一方でゆがみの収縮も速い。個人投資家は、短期の“振れ”は無視するに越したことはないだろう。
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https://diamond.jp/articles/-/198113

 
ロシア、協調減産離脱の可能性 延長は9月末まで=関係筋

ワールド2019年3月29日 / 01:01 / 2時間前更新
Reuters Staff
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[ドバイ/ロンドン/モスクワ 28日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による協調減産を巡り、ロシアの離脱を食い止めるためにサウジアラビアが説得に苦慮していることが、複数の関係筋の話で明らかになった。ロシアは現在の協調減産について9月末までの3カ月の延長しか合意せず、年末までの延長は保証されない可能性がある。

関係筋によると、ロシアのノバク・エネルギー相は今月、サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相とアゼルバイジャンのバクーで会談した際、ファリハ氏に対し「国内で減産中止の圧力が高まっているため、ロシアは6月に延長で合意するが、期限は9月末までとなる」とし、協調減産の年末までの延長は保証できないと伝えた。

OPEC加盟・非加盟国で構成する「OPECプラス」は昨年12月、今年1月1日から6カ月間にわたり日量120万バレルの協調減産を実施することで合意した。その後OPECプラスは4月17─18日に臨時総会を開く予定だったが、今月に入りこれを中止。5月に発動される米国の新たな対イラン制裁措置の影響を見極めてから、6月25─26日の定時総会で減産延長の是非を決定するとした。OPEC関係筋によると、ロシアは4月会合の中止を呼び掛けた国の1つだった。

OPEC関係筋は「6月の会合で3カ月間の延長を決定し、その後さらなる延長が必要かどうか検討できる」とし、「ロシアが協調減産にとどまるかどうかは、6月会合の直前まで明らかにならない公算が大きい」と述べた。

OPECプラスが2017年に結成されてから原油価格は上昇。1バレル=60ドルを超え、協調減産開始前から約2倍の水準に上昇した。ロシアが協調態勢から外れれば、原油価格は低下するとみられている。

サウジは予算上の制約から原油価格が最低でも1バレル=70ドルに維持したい意向で、ロシアもこれを承知。一方、ロシアは予算均衡には55ドルの水準で耐えられる。

ロイターは2月、プーチン大統領の側近でロシア石油大手ロスネフチ(ROSN.MM)を率いるイーゴリ・セチン氏がプーチン氏に対し、OPECとの協調減産は戦略上の脅威で、米国の方針に加担するものとなっていると伝えたと報道。

ただ関係筋は、ロシアが示している姿勢が単なる交渉戦術なのか、国内原油産業からの圧力の高まりを受け実際に協調減産を終わらせる意向なのかは現時点では判断できないとしている。

トランプ米大統領はこの日、「石油輸出国機構(OPEC)が増産することは極めて重要だ。世界市場は脆弱で、原油価格は高くなり過ぎている。感謝する!」とツイッターに投稿。価格の低下に向けOPECに増産するよう呼び掛けた。トランプ氏の投稿を受け、原油先物が下落するなどの動きが出た。
https://jp.reuters.com/article/opec-plus-russia-idJPKCN1R920R

 
南ア中銀、6.75%に金利据え置き 物価リスク「おおむね均衡」
ワールド2019年3月29日 / 01:06 / 2時間前更新

Reuters Staff
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[プレトリア 28日 ロイター] - 南アフリカ準備銀行(中央銀行)は28日、全会一致で主要政策金利であるレポレートを6.75%に据え置くことを決定した。

中銀はインフレ見通しに対するリスクは「おおむね均衡している」と評価。前回1月の会合では、インフレに対するリスクは緩やかに上向いているとの認識を示していた。南アでは過去2カ月はインフレ率は4%近辺と、中銀の目標である3─6%の範囲内に収まっており、見解の変更はこうした状況を反映したものとみられる。

ロイターが実施した調査ではエコノミスト全員がレポレートの据え置きを予想していた。

ただハニャホ総裁は記者会見で、経済成長に対するリスクは引き続き下向きとなっていると指摘。「電力供給問題のほか、企業信頼感が低下していることが、短期的な生産と投資の見通しの重しになる」と述べた。

南アの2018年の経済成長率は0.8%にとどまり、政府の予想を大きく下回った。中銀は今回の決定会合で19年の成長率見通しを1.3%とし、1月に示した1.7%から下方修正。ただ今年のインフレ見通しは4.8%に据え置いた。
https://jp.reuters.com/sponsored/article/hamilton-with-koji-tomioka-business?il=0

 

 
ユーロ圏金融・債券市場=中核国債利回りなお低水準、ECB預金金利階層化の観測で
東京外為市場ニュース2019年3月29日 / 02:41 / 32分前更新

Reuters Staff
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[ロンドン 28日 ロイター] -
<金利・債券>
米東部時間13時7

*先物 清算値 前日比 前営業日終 コード

3カ月物ユーロ 100.31 0.00 100.31
独連邦債2年物 111.96 -0.03 111.99
独連邦債5年物 133.10 -0.16 133.26
独連邦債10年物 166.39 -0.20 166.59
独連邦債30年物 192.48 -0.46 192.94
*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終 コード

独連邦債2年物 -0.593 +0.009 -0.602
独連邦債5年物 -0.473 +0.031 -0.503
独連邦債10年物 -0.068 +0.018 -0.087
独連邦債30年物 0.554 +0.015 0.541

ユーロ圏金融・債券市場では中核国の国債利回りが前日に付けた数年来の低水準にと
どまった。欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利政策の副作用軽減に向け、預金金利に
階層方式を導入するとの観測が引き続き利回りの押し下げ要因となっている。
ECBのドラギ総裁は27日、必要なら利上げをさらに遅らせる用意があると述べる
とともに、マイナス金利の副作用を和らげる措置を検討する方針を表明。こ
れを受け、前日のユーロ圏債券市場ではECBが預金金利に階層方式を導入するのではな
いかとの観測が高まっていた。
ロイターはその後、関係筋の話として、ECBはマイナス金利政策の副作用軽減に向
け民間銀行が超過準備に対して支払う負担額を引き下げる措置を検討していると報道。マ
イナス金利政策下では民間銀行はECBに超過準備に対する利子を支払わなければならな
いが、預金金利を階層的に設定することにより、年間70億ユーロを超える支払額の一部
を免れることになる。
ただECBのプラート専務理事はブルームバーグに対し、階層方式は検討されている
が、実際の導入の是非について語るのは時期尚早との見解を示している。
この日の取引では国債利回りはやや上向いたものの、今週の低水準近辺で推移。独1
0年債利回りは1ベーシスポイント(bp)上昇のマイナス0.07%と、
前日に付けた2年半ぶり低水準となるマイナス0.09%に近い水準にとどまっている。
ブランデーワイン・グローバル(フィラデルフィア)の債券ポートフォリオマネジメ
ント担当バイスプレジデント、ブライアン・ギリアノ氏は「まったく信じ難い状況になっ
ている」と述べた。
ユーロ圏の成長を巡る懸念を背景にECBが低金利を長期的に維持するとの観測が広
がる中、市場の長期インフレ期待を示すユーロ圏の5年先スタート5年物フォワードレー
トはこの日、1.31%と2016年9月以来の低水準を付けた。今週は
これまでに約10bp低下している。
この日に発表された経済指標は、3月のユーロ圏景況感指数が予想を超えて低下する
など軟調だった。
英国の欧州連合(EU)離脱を巡る懸念も安全資産に対する需要の増大に寄与。一方
、株安を受けリスクの高いユーロ圏国債の利回りは上昇し、イタリア10年債IT10YT=RR
利回りは4bp上昇の2.47%となった。


(い)
https://jp.reuters.com/article/-idJPL3N21F4IJ?il=0

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/725.html

[経世済民131] MMT(財政赤字は問題ない)は、やはり危険 時代錯誤の検証で年金改革を遅らせるな「100年安心」見落とされる非正規労働者

前向きに読み解く経済の裏側

MMT(財政赤字は問題ない)は、やはり危険

2019/04/01

塚崎公義 (久留米大学商学部教授)

 米国で「財政赤字は問題ない」という新理論が話題になっていますが、『日本の財政が絶対に破綻しない理由』を記した楽観主義者の塚崎でさえも、「やはり危険だ」思います。


(scanrail/gettyimages)
「財政赤字は問題ない」という新理論が米国で話題に
 米国でMMT(Modern Monetary Theory、現代金融理論)と呼ばれる理論が話題となっています。民主党左派が財政支出拡大を求める際の理論的根拠として支持しているようです。

 「政府は紙幣を印刷すれば借金を返せるのだから、政府が破産することはありえない。したがって、財政赤字を気にすることはない。もっとも、財政赤字は無限には増やせない。そんなことをしたらインフレになるので、インフレを抑制するために増税をする必要があるからだ」というわけです。

 つまり、「増税は財政赤字を減らすためではなく、インフレを抑制するために行うのであって、インフレが心配ないのであれば増税は不要である」というわけですね。

 従来の経済学の主流派からは「トンデモ理論」だと批判されているわけですが、「日本は巨額の財政赤字を続けているが、自国通貨で国債を発行しており、インフレにもなっていないので、何の問題も起きていないではないか」というのが彼らの主流派への反論となっているようです。

 「非常識だ」と批判するのは簡単ですが、ガリレオの地動説のように、「非常識だけれど正しいこと」もあり得るので、本稿では非常識だという批判は差し控えたいと思います。

 そうだとすると、MMTは本当に間違えているのでしょうか?

日本でも、MMTは危険
 もしも、「財政赤字が10%増えるとインフレ率が1%高まる」という安定的な関係があるのであれば、日本のような国ではMMTもある程度正しいのかもしれません。しかし実際には、そうした関係は決して安定的ではありません。

 財政赤字とインフレの関係は、直線的なものではなく、地震のエネルギーが蓄積されていって、ある時突然に暴走する可能性があるのです。

 財政赤字が続き、政府の借金が増えていくと、世の中に出回る紙幣が増えていきます。実際には紙幣は銀行に預金され、銀行は日銀に預金するでしょうから、増えるのは日銀の準備預金ですが、「いつでも人々が巨額の紙幣を手にすることができる状況」となっていくわけです。

 そうした時に、たとえば石油ショックなどが発生して、人々の間でインフレ予想が広まったとします。人々は一斉に預金を引き出して物を買うでしょうから、実際にインフレ率が急激に上昇し、それが一層の買い急ぎを誘うでしょう。

 あるいは、日本政府が破産するという噂が流れたとして、人々が「破産する政府の子会社が発行している日銀券など持ちたくない」と考えて外貨や実物資産を購入し始めるとすれば、やはり超インフレになりかねません。

 そうなったら、MMTが言うように「増税してインフレを止める」ことは極めて困難です。無理に超大幅増税を短期間で実行すれば、経済が大混乱するでしょう。

 実際には増税よりも即効性のある「大幅な利上げをする」、「預金準備率を急激に引き上げる」、といった手段が採れるでしょうから、本当に超インフレになってしまうことはないでしょうが、いずれにしても「暴走する車に急ブレーキをかける」ようなものですから、相当大きなショックを経済に与えることとなりかねません。

 したがって、筆者でさえも、「日本の財政赤字を脳天気に放置しておいて良い」とは思っていません。ただ、「放置するリスクと緊縮財政で景気を悪化させるリスクを天秤にかけると、前者のリスクの方が若干小さいだろう」と考えているだけです。

対外債務のある国では採用不可
 日本は巨額の対外純資産を持っていますし、対外債務も多くは自国通貨建てです。したがって、海外の債権者の反応を気にする必要がありません。しかし、対外債務の多い国は、海外の債権者の反応も大いに気になるところです。

 海外の投資家や銀行は、国内の投資家や銀行と比べて遥かに逃げ足が速いですから、MMTのリスクが大きいのです。海外の投資家が逃げ出すと、自国通貨をドルに替えて持ち帰るため、超ドル高となり、輸入インフレとなります。

 それだけではありません。倒産が増えるのです。海外からのドル建て債務を返済するには、自国通貨をドルに替える必要があります。海外からの返済要請が殺到した場合、最初に返済した人は良いのですが、その人がドルを買うことでドルが値上がりするため、2人目の返済負担は1人目より大きくなるのです。

 3人目以降も同様なので、最後の1人はわずかなドルを返済するのに巨額の自国通貨が必要となり、倒産しかねないのです。

 したがって、対外債務の大きな国がMMTを採用することは、大変危険なことだと言えるでしょう。

 ユーロ圏の国がユーロ建てで借金をしている場合や、米国が米ドル建てで借金をしている場合は、この限りではありませんが、米国の場合は反対に基軸通貨であるが故に世界に迷惑を撒き散らす可能性があるのです(後述)。

米国の方が日本よりインフレ体質
 米国の方が日本よりインフレになる可能性が高そうです。単に過去のインフレ率が高かったというだけではありません。インフレになった時に、それが加速する可能性が高そうだ、という点が問題なのです。その分だけ、MMTのリスクは高いと考えて良いでしょうから。

 インフレになると「買い急ぎ」をする傾向が、米国人は日本人よりも強いようなのです。日本人はインフレになると買い急ぎをするインセンティブと並んで「老後のための貯金が目減りしてしまったので、倹約して貯蓄に励む」というインセンティブも持ちますが、米国人はそうでもないようです。

 もともと楽天的で将来不安を日本人ほど感じないという国民性もあるのでしょうが、「インフレになると賃金が素直に上がる経済体質」「金融資産が株式などインフレに強いもの中心なので、インフレでも目減りしない構造」なども影響しているかもしれません。

基軸通貨の混乱は世界的な影響が大
 日本経済が混乱しても、日本の金利が急上昇しても、日本の円が暴落しても、影響は日本中心に発生するだけで、世界経済への影響は限定的なものにとどまるでしょうが、米国で同じことが起きると影響は世界中に広がります。それは、米国の通貨である米ドルが基軸通貨として世界中の貿易や投資等に使われているからです。

 米国の金利が急上昇すると、世界中の金の貸し借りが混乱します。米国のインフレを止める目的で利上げをすると、米ドルを海外から借りている途上国の経済が破綻したり、世界的に株価が暴落したりするわけです。

 そんなことになっても米国のインフレを止める効果は見込まれないのに、迷惑だけ世界中にかけるわけですね。そんなリスクを世界経済に負わせないでいただきたいものです。

 さらに問題が深刻化すると、基軸通貨が交代する、といった思惑が生じるかもしれません。そうなれば、世界経済の混乱は計り知れないものとなるでしょう。幸か不幸か現在はドルに代わって基軸通貨となり得る通貨が見当たらないこともあり、その可能性は非常に低いとは思われますが、影響の大きさを考えると、確率は低くても被害の期待値は無視できないと言えそうです。

 以上を総合的に考えると、筆者は米国がMMTを採用することに反対せざるを得ません。もっとも、米国が「米国ファーストだから、他国への悪影響など考慮せずに、米国経済だけのことを考えてMMTを採用する」と言い始めたら、止める術はありませんが(笑)。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15796

 


時代錯誤の検証で年金改革を遅らせるな

「100年安心」の落とし穴、見落とされる非正規労働者
2019/04/01

土居丈朗 (慶應義塾大学経済学部教授)

 2019年は公的年金の財政検証が5年ぶりに行われる。わが国の公的年金がいわゆる「100年安心」かどうかを検証するのである。


(PETER DAZELEY/GETTYIMAGES)
 夏には参議院選挙が予定されている。加えて、安倍晋三内閣は、第一次政権期に年金記録問題に翻弄(ほんろう)された経験から、年金が選挙の争点となることを忌避しているともいわれる。すると、今年の財政検証は、参議院選挙後になるのか。

 そうすることは、恐らく困難と思われる。過去2回の財政検証は、2009年2月と14年6月には結果を公表した。選挙後に先送りすれば、検証結果を選挙前に示せないほど政権にとって都合が悪いのか、と疑心暗鬼になりかねないからだ。

 では選挙前に出るであろう年金の財政検証では、何が焦点になるか。それは、将来にわたって安定して所得代替率が50%を維持できるような給付が出せて、かつ100年後でも年金積立金が枯渇しないかどうかを検証することである。

 ここでいう所得代替率とは、受給開始時の年金額がその時点の現役世代の所得に対してどの程度の割合かを示すもので、夫が正社員として40年間平均賃金で働き、妻が無収入の専業主婦である夫婦(モデル世帯)が2人で受け取る年金額を前提としている。受け取る年金額は、@夫の基礎年金、A妻の基礎年金、B夫の厚生年金からなる。

 夫婦で40年間加入しているから、夫婦はそれぞれ満額の基礎年金(現在で月に約6万5000円)がもらえ、平均賃金で働いて納めた年金保険料に見合う給付として、平均的な厚生年金給付がもらえる。これら3つの年金額の合計として、所得代替率が50%を割らないように給付を出せるかが検証される。

時代錯誤の検証で漏れる
非正規労働者の老後保障

http://wedge.ismedia.jp/mwimgs/d/2/1200m/img_d23764b0b13430d649b298caaf9593ed242240.jpg

 しかし、終身雇用のサラリーマンの夫と専業主婦の妻を「モデル世帯」として検証することで、多くの世帯の老後の安心を保障したことになるのだろうか。今では、非正規社員が4割に達し、多くは厚生年金に加入していない。また、単身高齢世帯が増加しており、昨年公表された国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」では、40年には65歳以上で単身世帯が40%に達するという。モデル世帯は、こうした現状を反映できていない。

 モデル世帯の検証結果だけをみていると、今後の超高齢社会の「不都合な真実」から目を背けてしまうことになる。懸念となるのが、公的年金制度のマクロ経済スライドとの関係だ。04年度の導入後、15年度に一度しか発動されなかった(19年度に発動予定)ため、今後はマクロ経済スライドがより厳しく発動されるようになると予想され、特に基礎年金部分に厳しく適用される可能性が高い。

 このことが意味するところを説明しよう。そもそも、マクロ経済スライドとは、年金の給付と負担をめぐる世代間格差を是正するために導入された。今の若年世代やまだ見ぬ将来世代の保険料の負担増を和らげるため、17年度以降、年金保険料(率)の引き上げをやめたが、そうすると、保険料を払う若年世代の人口に応じてしか年金保険料収入は入らない。そこで、若年世代の人口の減少に応じて年金給付を減らすというのが、マクロ経済スライドの仕組みである。

 しかし、マクロ経済スライドは、賃金上昇率が低い場合には発動されないことになっており、過去にはほとんど発動されなかった。そのため、今の高齢世代の給付は抑制されず、所得代替率はどんどん高まってしまった。04年に59・3%だったのが、09年に62・3%、14年には62・7%と上がった。そこを起点としてマクロ経済スライドを効かせて将来世代の所得代替率を約50%まで下げてゆくのだから、マクロ経済スライドをより厳しく効かせないといけなくなる。10年代にマクロ経済スライドをほとんど効かせられなかったツケが、ここに表れている。今年の財政検証でも、当然ながらそのツケが顕在化するはずだ。

 ただ、所得代替率50%は、前掲の3つの年金額の合計で達すればよいとされている。近年の株高で厚生年金の積立運用益が出ていることなどで、厚生年金の積立金残高は14年検証での予想よりも目下少し多くなっている。

 この積立金を将来の厚生年金の給付に充てれば、給付は維持できて所得代替率が下がらずに済む。50%を割らないようにするのに、3つの年金額のうち厚生年金の所得代替率を下げずに済むなら、基礎年金の所得代替率は多少下がっても達成できる。ということは、10年代にマクロ経済スライドをほとんど発動できなかった分、50年代ごろまで長期にわたりスライドを効かせて、基礎年金の所得代替率をより低く下げても、モデル世帯の所得代替率は50%を割らずに済む。

 モデル世帯なら、それでよいかもしれない。しかし、現役時に非正規雇用の期間が長く厚生年金に加入していない人や、単身高齢者はどうなるのか。彼らの老後の頼りは、基礎年金しかない。3つの年金の合計額で50%を維持できても、基礎年金しかもらえない人は50%を確実に割ることになる。

 14年の財政検証では、高い経済成長率を見込む経済前提の中でも最も成長率が低いケースで、所得代替率は厚生年金で24・5%、夫婦2人分の基礎年金で26%だった。このケースで、基礎年金しかもらえない単身高齢者なら、所得代替率は約13%にすぎない。しかも、40年間欠かさず保険料を払い続けて満額の年金給付をもらえてのことである。

 マクロ経済スライドを厳しく適用することになると、世代間格差是正のためには不可欠だが、モデル世帯で「100年安心」という結果が出ても、本当に高齢者が安心な老後を送れるかは疑問である。

安心できる老後保障に必要な
新たな年金制度改正
 では、持続可能な年金制度に基づき、多くの高齢者の老後の安心を保障するには、どうすればよいか。

 まず、財政検証において、楽観的な経済前提を排し、保守的な前提を採用すべきである。高い経済成長率を見込めば、現役世代の賃金も高くなり、それによって多くの年金保険料収入が入ると見込めるから、将来高齢者により多くの年金給付が出せるという試算結果になる。高成長を前提とすれば、年金積立金運用益も多く入ると見込めるから、なおさら給付を多く出せるという試算結果になる。

 しかし、過去2回の財政検証で用いられた高い成長率の経済前提は、これまで実現できていない。それでは、将来の年金給付は、捕らぬ狸(たぬき)の皮算用に堕する。それを避けるには、保守的な経済前提が欠かせない。厚生労働省も、14年の財政検証では、保守的な前提の検証結果も示している。それは、官僚の良心というべきだろう。

 では、その結果はどうだったか。保守的な前提のうち、最も低い成長率のケースでは、マクロ経済スライドが貫徹される前に50年代に年金積立金が底を尽き、後の所得代替率が35%程度になるとの結果を公表した。ちなみに、年金積立金が枯渇しても年金財政は破綻しない。その年にとった年金保険料を、そのままその年の高齢者への給付に充てれば、年金給付は(見込みより少ないとはいえ)出せるからである。

 今後もマクロ経済スライドの効きが悪いと、所得代替率が高止まりし、現役世代の賃金が増えない分保険料収入が増えず、年金給付は積立金の取り崩しで穴埋めせざるを得なくなる。これが積み重なって、50年代に積立金が枯渇する懸念は、今年の財政検証でも残っている。

 ただ、それを回避する方法はある。少子化は確実に進行しているのだから、賃金上昇率が低くてもマクロ経済スライドが毎年発動されるように法改正すればよい。そうすれば、今の高齢世代の給付を抑制できて世代間格差が是正でき、年金積立金を温存して将来世代の給付に充てることができる。

 しかし、マクロ経済スライドが効くと、将来の基礎年金給付が目減りし、基礎年金しかもらえない単身高齢者の生活を苦しめるという支障が出る。これを回避する方法は、平均以上に厚生年金の給付をもらう人の基礎年金給付を減額する仕組み(クローバックといって、カナダで導入されている)をわが国でも導入することである。


(出所)ウェッジ作成 写真を拡大
 現役時に保険料を払ったのだから、給付をもらう権利があるとはいえ、基礎年金給付の半分は、今年の税金で財源が賄われている。平均以上に厚生年金の給付をもらう人の基礎年金給付の財源に充てている税金を、より低所得の高齢者の基礎年金給付を増やしたり将来に積み立てるなりすれば、基礎年金給付が目減りするのを防げる。

 基礎年金給付が目減りすることは、決して他人事ではない。基礎年金だけでは生活できない高齢者で、財産や身寄りがない人は、生活保護受給者になる。生活保護受給者の医療費は、全額税金で賄われる。生活保護受給者でなければ、自ら医療保険料も払うし、患者負担も払う。高齢の生活保護受給者が増えれば、その分税金で賄うことになり、国民全体で負担することになる。老後の生活を、生活保護制度ではなく、基礎年金制度で支えることで、自律して安心できる老後を保障できる。そのためにも、マクロ経済スライドのフル発動と基礎年金でのクローバックの導入が必要である。

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INTERVIEW 1年で急成長を遂げた人民元建て原油先物市場の行方
Part 2 政治に左右される為替管理 国家資本主義・中国の限界
Part 3 通貨の覇権を巡る百年戦争
Part 4 挫折した円の国際化とドル・元の攻防
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15648
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/746.html

[経世済民131] アジアの動揺誘う、中国「一帯一路」の欧州攻勢 日本株は大幅続伸、中国景況感改善や米物価安定 債券は下落、株価上昇や円安で
アジアの動揺誘う、中国「一帯一路」の欧州攻勢

飯山 辰之介
バンコク支局長
2019年4月1日
6 78%


全2660文字
 中国が提唱する経済圏構想「一帯一路」が欧州で拡大している。習近平(シー・ジンピン)国家主席が各国を歴訪し、3月23日にはイタリアと一帯一路に関する覚書を交わした。両国はイタリア北東部トリエステの港湾機能の強化から製鉄所の建設、イタリア製品の中国への輸出促進まで幅広く連携するという。

 ブルームバーグなどの報道によれば、経済効果は総額200億ユーロ(約2兆4850億円)に及ぶという。中国は25日にもフランスとの間で約400億ユーロ(約5兆円)の商談成立にこぎ着けた。


中国の習近平国家主席は欧州を歴訪し、イタリアを経済圏構想「一帯一路」のメンバーに引き入れた(写真:AFP/アフロ)
 欧州では既に多くの国が中国への依存を深めている。一帯一路に関する覚書を交わしているEU加盟国は東欧を中心に13カ国に上り、合意を結んでいない国にも中国の資本が急速に流入している。中国商務部の資料によれば、たとえばオーストリアへの直接投資残高は2009年末から2017年末の間で549倍に増え、スウェーデンでは65倍、オランダで55倍に拡大。EU加盟国全体に対する投資残高は2009年の62億ドルから2017年には860億ドルと8年で約14倍に急増した。

 欧州で高まる中国の影響力は、ついにEU主要国でありG7メンバーでもあるイタリアに及んだ。他のEU加盟国や米国からは批判や懸念が出ているというが、この動きに衝撃を受けているのは、一帯一路構想の沿線に位置するアジア諸国かもしれない。経済力があり、アジアの民主化について関心の高い欧州ですら、中国の資本に依存せざるを得ないことが改めて浮き彫りになったからだ。

対中強硬になりきれないマレーシア
 アジアでは近年、中国に対する警戒感が高まっていた。マレーシアやスリランカ、モルディブでは政府が過度に中国に依存したことが嫌気され、政権交代も起きている。だがインドの支援を最大限に受けているモルディブを除き、マレーシアやスリランカの「中国離れ」は難航している。

 マレーシアでは、親中派のナジブ前政権に批判的なマハティール氏が昨年5月の総選挙で返り咲きを果たし、中国が主導するプロジェクトの見直しに乗り出した。その筆頭が、マレーシアの東海岸を横断する東海岸鉄道の建設プロジェクトだ。マレーシア側が負担するコストが高すぎるとして、マハティール首相は就任早々に計画の中止を打ち出した。

 だが実際には計画は中止にはなっておらず、むしろ足元で交渉は活発化しているようだ。現地報道によると今年2月、政府高官は「コストが確定するまでは中止の決定はない」と発言し、マハティール首相も交渉継続の意向を示した。首都クアラルンプールが位置する西海岸に比べ、マレーシアの東海岸は経済の発展が遅れていた。東海岸鉄道はこれを挽回する好機と現地州政府から見られていただけに、容易には計画を中止できなかったとみられる。

 マハティール首相は就任当初、中国人投資家による不動産の「爆買い」を抑制し、投資の過熱で不動産価格が高騰するのを防ごうとも動いていた。標的になったのは、マレー半島南端に位置するジョホール州で開発が進む「フォレストシティー」だ。


中国の大手デベロッパーがマレーシアのジョホール州で開発を進める「フォレストシティー」。殺風景な原野にビルが乱立している
次ページ親中の前大統領の首相就任騒動で混乱

 中国大手デベロッパーが手がける大規模都市開発プロジェクトで、マンションや戸建て住宅、ホテル、ショッピングモールなどの建設が進む。マンション価格は60平方メートルの物件で約50万リンギット(約1340万円)と、平均月収が2500リンギット前後(約7万円)のマレーシア住民が購入するのは難しい。主な顧客は中国人投資家で、資産運用の対象や別荘として人気を集めた。その余波で周囲の不動産価格も高騰し「容易に住宅が買えなくなった」(ジョホール州のタクシー運転手)という。

 そこでマハティール首相は昨年8月、中国人の投資家を念頭に、フォレストシティーの住居を外国人に販売せず、査証(ビザ)も発給しない方針を打ち出した。だが、今になっても目立った進展はない。「マハティール首相の発言で、客が少し減ったのは事実。ただ大きな影響は出ていない」。フォレストシティーの販売担当者はこう話し、ビザの発給停止や外国人に対する販売禁止といった政策が実現することもあり得ないと楽観的な見通しを示した。ジョホール州政府やスルタン(イスラム王侯)は経済発展に中国の投資が不可欠だと考えており、「最終的には州政府とスルタンが守ってくれる」と見ている。

親中の前大統領の首相就任騒動で混乱
 スリランカでは2015年まで政権を率いた前大統領が中国の資本を次々と受け入れた。返済の見込みが立たないまま借金を重ね、採算が見込めない空港や港をつくった。これを国民が問題視し、同年の総選挙での政権交代につながった。中国に対し慎重な姿勢を示すシリセナ氏が新大統領に就任した。

 だが対外債務は既に危機的な水準にまで積み上がっていた。手足を縛られたシリセナ大統領は経済を立て直す有効な政策を打ち出せず、国民の支持を失う。その結果、前大統領に対する国民の人気が復活するという皮肉な事態が起きた。

 支持回復を狙うシリセナ大統領は昨秋、政敵だったはずの前大統領を首相に据えるという荒業に打って出た。議会や司法が強硬に反発したため、すぐに辞任を迫られたが、この騒動はスリランカの中国依存の根深さと、方針転換の難しさを改めて浮き彫りにした。

 スリランカの苦境を目の当たりにするアジア諸国が中国の進出に対して警戒感を抱くのは当然といえる。ただ自国の資本は不足し、中国に代わる支援国が現れる見込みもない。結局、中国の覇権主義を恐れつつも、一帯一路構想から背を向けられなくなっている。

 英紙ガーディアンによると、フランスのマクロン大統領は習主席に対し、関係強化の条件として「欧州が一体であることを尊重してもらう必要がある」と述べた。また欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長も「中国と欧州は戦略的なパートナーであると同時にライバルでもある」と習主席に伝えたという。一帯一路構想に対してEU加盟国間の足並みがそろっていないことを危惧し、EUとして中国に対応していく姿勢を改めて示したものとみられる。

 巨大な中国に対して一国で立ち向かうのではなく、多国籍の枠組みをつくって対抗する。その考え方は、相対的に経済規模の小さいアジア諸国でこそ有効かもしれない。各国がそれぞれに、ぽつぽつと中国に慎重な姿勢を示しても、結局は中国に押し切られるのがオチだ。各国が足並みをそろえて一帯一路の覇権主義的な部分に対抗し、対等な立場で互恵的な関係を構築できるような枠組みが必要なのかもしれない。

【公安調査庁 共産党】で、ググる

中国人は、日本人よりしたたか。
正攻法でしか進めれない外務省と政治家は、いつも中国に翻弄された。

2019/04/01 08:03:212返信いいね!


hifukaya

アジアの各国は中国と古くから交流してきた歴史が有り、ある意味熟知した関係でしょう。一方東南アジア各国の団結力は、EUとは比べることが出来ないほど脆く、中国とは一対一で交渉に臨むしかないでしょう。
東南アジアの国々は中国のその経済力の恩恵無しには、国が成り立たないでしょう。
2019/04/01 09:16:50返信いいね!


不撓不屈

チャイナリスクを背負うメリットは何?

2019/04/01 09:42:031返信いいね!


TS

電子エンジニア

一帯一路については遠藤誉さんのコラムが興味深いです。
一帯一路に直接参加するのではなく、第三国への投資で一帯一路に投資協力する方式を、安倍さんが訪中時に提案した事から中国は「日本方式」と呼んでフランスを勧誘し、フランスもまんざらではないとの事です。
この日本方式が米中の間で微妙な立ち位置に有る国に広まるのか、米国はこの方式を見逃すのか、が一帯一路の今後の一つの焦点かなと思います。
2019/04/01 12:21:481返信いいね!


東雲牛

ただのくず

同感だ。サラミ戦術を得意とする中国に対抗するには、多国間で問題を共有しながら対処すべきだろう。

2019/04/01 17:10:02返信いいね!


一介のサラリーマン

「一帯一路」と言っても実質は中国による経済侵略でしかなく、その上中国からの投資により多くの中国人労働者が派遣され、終了後も居座る可能性があることから領土侵略でもある。記事の結びにもあるように、今後は多国籍の枠組みをつくって対抗する必要があると思う。
2019/04/01 17:45:00
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00019/032800036/


 

日本株は大幅続伸、中国景況感改善や米物価安定−景気敏感中心に上昇
長谷川敏郎
2019年4月1日 7:46 JST 更新日時 2019年4月1日 15:24 JST
中国の3月製造業PMIは国家統計局と財新ともに拡大示す
米国株先物や中国上海総合指数は大幅高、日本株は午後に上げ縮小
1日の東京株式相場は大幅続伸。中国の製造業購買担当者指数(PMI)の改善や米国の物価安定から景気や業績の先行き懸念が和らぎ、輸送用機器や電機など輸出、鉄鋼や非鉄金属などの素材といった景気敏感業種中心に買われた。

TOPIXの終値は前営業日比24.17ポイント(1.5%)高の1615.81
日経平均株価は303円22銭(1.4%)高の2万1509円03銭
  中国の国家統計局が3月31日に発表した3月の製造業PMIは50.5で、前月からの上げが2012年以来の大きさとなった。1日発表の財新PMIも50.8に上昇。米商務省が29日発表した1月の食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア価格指数は前月比0.1%上昇と、市場予想を下回った。きょうは米S&P500種Eミニ先物や中国上海総合指数がそろって大幅高となり、世界的な株高への期待が高まった。

  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは中国製造業PMIについて、「拡大に転じたことはサプライズ。先行指標である新規受注対在庫の比率が好転しているため4月以降もなお改善する可能性がある」と指摘。「グローバル経済のリセッション(景気後退)確率は低くなり、相場は景気拡大をもう一度織り込み始める」と予想した。

  日経平均は一時477円(2.3%)高まであったが、新元号公表後の午後に為替市場で円安の勢いが鈍化するとともに上げ幅を縮小した。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは「大納会や大発会などに見られるご祝儀的ムードの先回り買いが事前に一定程度あった」と話した。

新元号発表後の指数伸び悩みに関する記事はこちらをご覧ください

1日は大幅続伸
  取引開始前に発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、3月調査)では大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス12と前回調査から7ポイント悪化した。一方、大企業・全産業の19年度設備投資計画は前年度比1.2%増と、市場予想(0.7%増)を上回った。

東証33業種では石油・石炭製品、鉄鋼、非鉄金属、輸送用機器、ガラス・土石製品、海運、電機が上昇率上位
空運のみ下落
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-31/PP957C6K50XY01?srnd=cojp-v2


 
債券は下落、株価上昇や円安で売り優勢ー利回り曲線はスティープ化
野沢茂樹
2019年4月1日 7:56 JST 更新日時 2019年4月1日 16:07 JST
債券相場は下落。米中の貿易協議が進展しているとの観測から株価と長期金利が上昇した海外市場の流れを引き継いだことや、日本株上昇と円安も加わって超長期債を中心に売りが優勢となり、利回り曲線はスティープ(傾斜)化した。明日以降に10年債入札や30年債入札を控え、新年度入りした投資家の動きは低調だった。

新発20年物167回債利回りは2ベーシスポイント(bp)高い0.35%。新発30年物61回債利回りは2.5bp上昇、新発40年物11回債は午後3時過ぎに取引が成立し利回りは2bp上昇
新発10年物353回債利回りは1bp高いマイナス0.085%、一時はマイナス0.08%まで上昇
長期国債先物6月物の終値は前週末比12銭安の153円16銭
市場関係者の見方
野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト
投資家は新年度に入ったばかりで、まだ活発に動いてはいない印象だ。金利が若干上がるのは例年通りの動き
中国の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)は良かったが、日銀企業短期経済観測調査(短観)の結果は予想の範囲内で特段の材料にならない
あすの10年債入札は新発債とあって利回りが1.5bp程度上がるので需要が見込まれるが、その後に流通市場で買われて足元と同じ水準まで下がってしまう可能性も
背景
日経平均株価は前週末比1.4%高の2万1509円03銭と、3月22日以来の水準で引け
米10年物国債利回りは時間外取引で4bp高い2.44%台に上昇する場面も
日銀短観:大企業製造業の景況感悪化−6年3カ月ぶりの落ち込み
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
-0.175% -0.195% -0.085% 0.350% 0.520% 成立せず
前週末比 +1.0bp +1.0bp +1.0bp +2.0bp +2.5bp
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-31/PP9T6L6TTDS101?srnd=cojp-v2

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/747.html

[経世済民131] 中国株バブルへの警鐘か、アナリストの投資判断引き下げ相次ぐ  日銀短観、景況感は悪化−世界的な景気減速への懸念で 
中国株バブルへの警鐘か、アナリストの投資判断引き下げ相次ぐ
Jeanny Yu、Sofia Horta e Costa
2019年4月1日 14:50 JST
投資判断下げか「売り」判断付与、3月は84銘柄−11年以降最多
中国当局が年初来の株価上昇ペース鈍化を望む兆しが増えている
年初から急上昇している中国株について、同国の証券各社は警鐘を鳴らしている。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、中国の年次決算のピークである3月に投資判断引き下げか、新規に「売り」判断付与の対象となった本土上場銘柄は84と、この時期としては2011年以降で最多となった。本土株の年初来上昇率は24%と、世界の主要株価指数で最も大きい。

  トレーダーは、中国当局が株価バブルの発生を防ぎたいと考えていることを示す新たな兆候と受け止めている。中国では悲観的なアナリストリポートは非常にまれで、7兆ドル(約780兆円)規模の同国株式市場全体に売りの波が波及しかねない。ブローカーが株式についてネガティブになるインセンティブはほとんどなく、株式をショート(売り持ち)にするのは依然として極めて難しい。つまり証券会社にとっては、顧客が買いのムードの時により多く稼げるということだ。

  IGアジアの市場ストラテジスト、ジンイ・パン氏(シンガポール在勤)は「政府が過熱抑制に関心を持っていることが強く示唆され、恐らく再考を促された投資家もいるだろう」と指摘。「成長を巡る懸念から、こうした投資判断引き下げに拍車が掛かった」と分析した。

Slashing Away

Source: Bloomberg

原題:Analysts Downgrade China’s Stocks at Fastest Clip Since 2011 (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PP9LJF6JTSE801?srnd=cojp-v2

 

日銀短観、景況感は悪化−世界的な景気減速への懸念で
日高正裕
2019年4月1日 8:56 JST 更新日時 2019年4月1日 10:39 JST
大企業・製造業がプラス12と前回調査から7ポイント悪化
非製造業はプラス21と3ポイント悪化−為替想定は108円87銭
Pedestrians cross a road under cherry trees in bloom in Tokyo's business district, Japan.
Pedestrians cross a road under cherry trees in bloom in Tokyo's business district, Japan. Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
日本銀行が四半期ごとに実施している企業短期経済観測調査(短観)の3月調査で、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス12と、昨年12月の前回調査から7ポイント悪化した。悪化は2四半期ぶりで、悪化幅は2012年12月調査(9ポイント悪化)以来6年3カ月ぶりの大きさ。世界的な景気減速への懸念が景況感を下押しした。

キーポイント
景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いたDIは大企業・製造業がプラス12と前回調査から7ポイント悪化ーブルームバーグ調査の予想はプラス13
非製造業はプラス21と3ポイント悪化−予想はプラス22
先行きは製造業がプラス8、非製造業はプラス20と悪化を見込む
大企業全産業の19年度の設備投資計画は前年度比1.2%増−予想は0.7%増
19年度の為替想定は1ドル=108円87銭と前回(109円41銭)から円高方向に設定
         
景況感の動き
エコノミストの見方
第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト:

景況感は製造業中心に悪化し、悪化幅もかなり大きかった。足元で景気が下振れ気味に推移していることが示された
一方で、19年度の設備投資計画は良くも悪くもなく、まずまずだった。今のところ企業が一気に慎重姿勢を強め、設備投資を手控える方向に動いているわけではないことが示された。日銀としてもホッと一息つけるところだろう
ただ、外需が下振れを続けているため、遅行指数である設備投資が今後落ちてくる可能性があり、まだ安心できるところまでは行っていない
非製造の景況感は多少悪化したものの水準はまだ高いため、日銀としては内需はしっかりしていると判断しよう
今回の短観は良くはないが、日銀のシナリオを大きく変える内容ではなく、従って金融政策にもとりあえず大きな影響はないだろう
            
みずほ総合研究所経済調査部の酒井才介主任エコノミスト:

中国経済の減速に伴う影響が企業の想定以上に大きかった。長引いている世界的IT市況の調整も尾を引いた
製造業の悪化業種を見ると、汎用機械や電気機械などは事前に見込まれていた通り。中国経済の減速やIT需要の低迷を受けて輸出企業中心に比較的大きい悪化幅で出た。素材も中国経済減速に伴う需要減で非鉄や化学なども悪化している
想定為替レートは108円台と、18年度対比で1円近く円高に設定されている。その辺も業況感を下押しした可能性がある
設備投資は18年度よりは鈍化しているが、例年対比で見ると悪くない水準。引き続き全体としてみれば底堅い
SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミスト(発表後のリポート):

景況感の悪化を受けて、消費増税の延期の議論が高まる可能性がある
景気後退の分岐点となる0にはまだ幅があり、景気は減速しつつも緩やかに回復している状況と言える。現時点では増税延期よりも増税に向けての追加景気対策ではないかと思われる
ただ、今年は選挙が2回あるため、選挙結果により政策が変わり得る。特に4月の統一地方選挙で与党が大敗を喫するような場合、消費増税延期に切り替え、国民の信を問うため、衆議院解散(衆参ダブル選挙)に打って出る可能性もある
詳細
大企業製造業では海外経済の減速、IT関連、設備投資関連の需要減退を指摘する声があった−日銀担当者
大企業非製造業では国内の自動車販売の堅調さ、災害からの復興関連の建設、オリンピック関連の需要を指摘する声があった−日銀
背景
日銀は3月の金融政策決定会合で、景気は「緩やかに拡大している」との見方は維持したが、「輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられる」との文言を加え総括判断を下方修正
政府も同月の月例経済報告で、「景気は緩やかに回復している」との基調判断は維持しつつ、「このところ輸出や生産の一部に弱さも見られる」との表現を加え、総括判断を2016年3月以来3年ぶりに下方修正した
3月の金融政策決定会合の主な意見によると、「海外経済動向や消費税率引き上げの影響次第では、景気後退への動きが強まっていく可能性があり、懸念される」と懸念の声も上がった
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-31/POYAJW6JIJUS01
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/748.html

[国際25] トルコ地方選:エルドアン大統領率いる与党が主要都市で敗北 トルコ・リラ、2%近い下落−エルドアン大統領陣営が大都市失う
トルコ地方選:エルドアン大統領率いる与党が主要都市で敗北
Selcan Hacaoglu
2019年4月1日 9:55 JST 更新日時 2019年4月1日 16:27 JST
アンカラと地中海沿岸主要都市で与党敗北、リセッション影響か
イスタンブール市長選は接戦、与野党の候補が勝利宣言
トルコで3月31日に投票が行われた統一地方選の開票速報によると、エルドアン大統領率いる与党が首都アンカラと地中海沿岸の複数の都市で敗北が確実な情勢だ。与党は内陸部の地方都市の大部分で地盤を堅持し、同国最大都市のイスタンブールの市長選では与野党が勝利を宣言したものの、公式開票では野党候補がリードしているとの報道もあり、選挙結果の行方に不透明感が広がっている。

  商業の中心地でもあるイスタンブールの市長選では、最終得票数発表前の段階で、エルドアン大統領の盟友で元首相のユルドゥルム候補が勝利を宣言。国営通信の報道ではユルドゥルム候補が対立する野党・共和人民党(CHP)の候補に約5000票の差で勝ったと報道した一方、野党候補も勝利を主張。民営のデミルオレン通信は、野党候補が約2万7000票の差でリードしていることを選挙委員会側が4月1日午前に確認したと伝えた。

TURKEY-VOTE
記者会見の会場に到着したエルドアン大統領(3月31日)写真家:ゲッティイメージズによるBulent Kilic / AFP
  エルドアン大統領の陣営が選挙で敗北を喫するのは数年ぶりだ。世界金融危機以来のリセッション(景気後退)の代償を大統領の公正発展党(AKP)と同党と与党連合を組む民族主義者行動党(MHP)が支払う格好となっている。今回の選挙結果はエルドアン政権による執行機関への支配力に影響しないものの、支持率の低下を受け経済を成長軌道に戻し投資家の信頼回復を図る取り組みが一段と急務になりそうだ。

Turkey's President Recep Tayyip Erdogan Speaks At Pro Palestinian Rally
ユルドゥルム元首相写真家:Kostas Tsironis /ブルームバーグ
原題:Erdogan Loses Key Cities as Turkey Feels Recession’s Sting (2)(抜粋)

(民営通信社などの報道を追加して更新します.)


トルコ・リラ、2%近い下落−エルドアン大統領陣営が大都市失う
Lilian Karunungan
2019年4月1日 17:50 JST
トルコでは3月31日の地方選挙でエルドアン大統領の陣営が主要都市を失った可能性があり、金融市場に波乱が予想される。

  4月1日の取引で通貨リラはイスタンブール時間午前10時47分現在、1.9%安の1ドル=5.6762リラ。翌日物スワップレートは上昇し、株価指数は下落。

  フジトミの山口哲也チーフテクニカルアナリストは、選挙結果が大統領による大衆迎合的な措置につながりトルコ財政の重しになるとの観測から、リラとトルコ資産の下押し圧力になるだろうと指摘した。

原題:Turkish Assets Seen in Limbo as Erdogan Loses Key Cities in Vote(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PP9X5G6TTDS001?srnd=cojp-v2
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/880.html

[政治・選挙・NHK259] 19年分交付金、自民が過去最高178億9491万 2位は国民民主党の54億621万円で、前年より1億6728万円減
国内政治ニュース(共同通信)2019年4月1日 / 17:53 / 22分前更新
19年分交付金、自民が過去最高
共同通信
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 総務省は1日、2019年分の政党交付金の配分額を決定し、自民党が178億9491万円で7年連続の首位となった。18年交付額から4億501万円増で、1995年の制度開始以降で最高額。2位は国民民主党の54億621万円で、前年より1億6728万円減らした。

 交付金の総額は317億7368万円で、年4回に分けて交付される。直近の15年国勢調査の人口に250円を掛けており、配分額は1月1日現在の所属国会議員数と直近の衆院選、過去2回の参院選の得票数に応じて決まる。

 3位は立憲民主党の32億3011万円。4位は公明党30億548万円。

【共同通信】
https://jp.reuters.com/article/idJP2019040101002030?il=0
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/190.html

[経世済民131] 新元号は「令和」、転換点の景気 世界情勢が舵取り左右 識者は  金融政策、副作用含め多面的な評価が必要=高島・全銀協会長
ワールド2019年4月1日 / 15:01 / 1時間前更新
焦点:
新元号は「令和」、転換点の景気 世界情勢が舵取り左右
Reuters Staff
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[東京 1日 ロイター] - 新元号が1日、「令和」に決まった。「前向きな明るい未来が展望できる」(所功・京都産業大学名誉教授)など、慶祝ムードの高まりが予測されるが、明治以降、大正、昭和、平成と改元された際には、一定のタイムラグを経て、社会的、経済的に大きな変動に直面してきた。秋に消費増税を控え、戦後最長とされる景気拡大局面に転換の兆しも見られるなか、グローバルな情勢変化が新時代の舵取りを大きく左右しそうだ。

<広がるご祝儀ムード>

「令和」に対する専門家の受け止め方は、概ね好評だ。京都産業大学の所名誉教授は、「万葉集から採られたのは意外な点もあるが、漢字を使って表現する日本の文化を示している。なかよく、やわらかくという意味であり、21世紀の日本、世界にとって大事な価値を示している」と述べた。

東京大学史料編纂所教授の山本博文氏は「従来の元号が政治的な理想や国家的な理想を示していたのに対し、良い感じ、雰囲気を意味する元号である点が新しい」と指摘した。

安倍晋三首相は、新元号公表後の談話の中で「一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい」、「希望に満ち溢れた新しい時代を、国民の皆様と共に切り拓いていく」と、新元号に込められた意義などを説明した。

初めての元号と言われている「大化」から「令和」まで、日本の元号は合わせて248。1300年あまりの歴史の中では、天平感宝(てんぴょうかんぽう)など漢字4文字で表記する時代もあった。

改元と景気の浮き沈みに直接的な因果関係はないとされるが、「改元に伴う『ご祝儀ムード』の高まりは、日本経済にプラス面の効果をもたらす」と、双日総合研究所・チーフエコノミストの吉崎達彦氏は指摘する。

今回は、天皇陛下が4月30日に退位され、5月1日に皇太子さまが即位される「生前退位」となる。東洋大学の鈴木洋仁・研究助手は、生前退位を前に消費を刺激する『さよなら平成キャンペーン』などが広がる現状に、「ご祝儀ムードは、すでに始まっている」と話す。

<昭和は金融恐慌とともにスタート>

一方、慶祝ムードの足元で、注意すべき現象も見え隠れするとの指摘もある。不動産アナリストの長嶋修氏は「元号が変わるときには、世界経済が大きく変わる」とブログで発信し、国内不動産市況の先行きに警鐘を鳴らしている。

実際、平成元年(1989年)はベルリンの壁崩壊後に日経平均.N225が3万8000円超の史上最高値を付けたものの、翌年からバブルが崩壊。その後、「失われた20年」とも呼ばれる「デフレ」の時代に突入した。

大正から昭和への改元では、第1次世界大戦中の好景気の反動不況による後遺症が長引き、昭和2年(1927年)に金融恐慌が勃発した。

昭和5年(1930年)には、前年の世界大恐慌に続く昭和恐慌で国内経済が疲弊。経済成長の可能性を中国大陸に求めようという空気が経済界にも広がり、軍部が主導した日中戦争に対する大きな反対世論は形成されなかった。

横浜国立大学の上川孝夫名誉教授は「たまたま元号が変わる時期が世界経済の大きな変動期に重なってきた」と説明する。「明治の初めは世界的な金本位制導入期、大正から昭和への両大戦の戦間期は、世界経済の中心が英国から米国に移行する時期に重なった」とみる。

現在は「米国一極から、米国・中国・欧州など複数の極が基軸通貨などを競う時代に移行しつつあるのではないか」と予測する。

<景気の現状、政局のジンクス>

第2次安倍内閣が発足した平成24年(2012年)12月から始まった景気拡大期は今年1月に6年2カ月となり、政府は「戦後最長を更新した可能性が高い」との認識を示している。しかし、足元の統計では景気後退入りの可能性も浮上、3月の月例経済報告で政府は景気の総括判断を下方修正した。「令和」の時代を前に景気は転換点を迎えている可能性がある。

双日総研の吉崎氏は「明治から大正、大正から昭和、昭和から平成と元号が変わった後、4━6カ月以内に首相が交代しているジンクスもある」と指摘する。

今後、統一地方選や夏の参院選をにらんだ選挙モードに移行する中で、そのジンクスが、今回も動き出すのかどうか、まずは4月の統一地方選と衆院補選の結果に永田町関係者の注目が集まっている。

<膨張する債務と消費増税の行方>

平成を振り返って、マクロ政策面で突出している特徴の1つは、財政赤字の膨張だ。平成2年度(1990年度)にいったん、赤字国債脱却を達成したが、バブル崩壊で平成6年度(1994年度)に再び赤字国債の再発行に追い込まれ、累積した債務は、公債残高ベースで900兆円と、税収の約14年分にまで積み上がった。

平成18年度(2006年度)以降、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字解消を目標に掲げ、平成27年度(2015年度)に中間目標である「赤字半減」は達成したが、黒字化そのものは新時代に先送りした。

その目標について、安倍首相は「国際公約と言ったことはない」と繰り返し発言し、市場の疑心暗鬼は絶えない。

疑い深い市場心理と密接にリンクしているのが、平成26年(2014年)11月と28年(2016年)6月に2回表明された増税延期の決断だ。「3度目の正直」となるか「2度あることは3度ある」となるのか、専門家の見方も二分され「再々延期される可能性は、十分に残っている」(みずほ証券・シニアマーケットエコノミスト、末廣徹氏)との声がくすぶる。

<首相の決断を左右する国際経済情勢>

首相の決断を左右すると見られているのが、海外経済の動向。第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏は「元号と景気には何の因果関係もないが、世界経済には1980年代の米貯蓄貸付組合(S&L)危機、1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマン・ショックなど10年サイクル説のジンクスがある」と指摘。次の危機は「中国が絡むのだろうと何となく思われている」と話す。

その中国経済に対しては「米中貿易摩擦の動向は金融市場に織り込み済みで、中国経済のハードランディングはないだろう」(RPテックの倉都康行代表)との楽観的な見方が今のところ多数派だ。

だが、横浜国大の上川教授は「米中対立は経済だけでなく覇権を巡る対立。10年、20年と継続する可能性がある」と述べるとともに「中国のドル建て債務が膨らんでいる」と指摘。今後の情勢次第では、世界の金融システムに負担をかけるリスクにも言及した。

「令和」の時代は、平成の31年間と比べ、グローバルな情勢変化の影響を受ける可能性が一段と高まりそうだ。

*本文11段落目の脱字を補いました。

ポリシー取材チーム 編集:田巻一彦、石田仁志
https://jp.reuters.com/article/japan-reiwa-economy-idJPKCN1RD1C6


 
トップニュース2019年4月1日 / 13:26 / 1時間前更新
新元号「令和」に決定:識者はこうみる
Reuters Staff
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[東京 1日 ロイター] - 政府は1日、平成に変わる新たな元号を「令和(れいわ)」にすると発表した。現存する日本最古の歌集「万葉集」からの出典で、日本古典から採用したのは今回が初めて。

市場関係者のコメントは以下の通り。

<宮廷文化研究家(京都府教育庁文化財保護課)の吉野健一氏>

ら行で始まる元号は過去一例しかなく、非常にやさしい音を持つ元号との第一印象だ。また元号で令という漢字は過去に使われたことがなく驚いたが、美しい月という意味の「令月」が出展とのことだ。

従来の元号が中国の古典に依拠し、理想の状態や統治のあり方を示していた。これに対して、日本の古典・万葉集から採り、梅が咲いている宴との意味であるのは、非常に日本的だ。

<東大史料編纂所教授 山本博文氏>

日本の古典から採用するのであれば日本の独自性という意味で万葉集は良かった。従来の元号が政治的な理想や国家的な理想を示していたのに対し、良い感じ、雰囲気を意味する元号である点が新しい。「令」は漢文では「・・・させる」と言った使役動詞であるためこれまで元号に使われなかったが、日本語では「良い」「立派」という意味で、そこを重視したのだろう。

<りそな銀行 チーフ・マーケット・ストラテジスト 黒瀬浩一氏>

新元号の「令和」となった。「令」に前向きな意味があるということを知らなかった人も多いのではないか。今まで見向きされなかったものでも価値がある、ということを示したとも言える。

新元号の選定条件に、@国民の理想としてふさわしい良い意味を持つ、A漢字2字、B書きやすい、C読みやすい、D過去の元号で使われていない、E俗用されていない、の6項目が挙げられていたが、このうち最も大事なのは@だ。

「明治」は明るく治める。振り返ると、植民地とならずに文明開化で頑張ったという良いイメージもあるが、続く時代は大いに正す、「大正」となった。逆に言うと、明治時代には相当誤りもあったということの裏返しでもあったと思われる。産業が発展して良い時代に見えても、実は格差が拡大して庶民の不満が蓄積した。それを大いに正す方向が大正デモクラシーだった。

この大正デモクラシーは実はポピュリズムと道床で、それが右傾化して「昭和」の時代で戦争に入っていった。戦争に負け、敗戦からの再建でバブル経済が生じ、そして迎えた「平成」。先日、天皇陛下が振り返られたように、近現代において初めて戦争を経験しない時代となったが、金融市場では長らくバブル崩壊の敗戦処理が続き、1人あたり国内総生産(GDP)や日本経済の国際的な地位も落ちた。

「令和」には「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味があるという。これから新元号と、それが持つ意味を、海外に向けて発信した方がいい。現在、米国をはじめ社会の分裂が深刻化してきているが、日本がどういう時代に向かうのか方向性を示せるからだ。

今年、日本では、新天皇即位、G20サミット、アフリカ開発会議、ラグビー・ワールドカップなど国家的イベントが目白押しだ。来年には東京オリンピック・パラリンピックもある。改元とともに、海外へ日本の社会や文化をアピールする場として大いに生かしてもらいたい。

<奈良大学文学部教授 上野誠氏>

元号は新たな時代に入った。中国を起源とした中国の皇帝制度から生まれた制度が、日本の制度のなかで息づいた。万葉集にある「令月」は、良い月、という意味をもつ。典拠となった万葉集の序文そのものは九州大宰府で生まれた歌で、地域も広い。地方の文化、地方の時代になるということを表したのではないか。良い月に、天気も良く、しかも梅の花が咲き、すべてが素晴らしい、穏やかな時代になってほしいとの願いが込められている。

<第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野英生氏>

「令和」は新しい印象。これから間違いなく人口減少社会となるが、小粒でもきらりと光る、厳しい中でも独自性を出していく、という方向性を示したと受け止めている。

改元は一時的に需要を創出する効果がありそうだが、持続性があり範囲が広いと見込まれるのは、行事効果と記念日効果だ。皇室行事に併せて日本の歴史や文化が長時間紹介され、国民が歴史や伝統への関心を高めれば、間接的に日本文化を体感しやすい京都・奈良方面への国内旅行需要を喚起する。そうしたニーズを予想し、旅行会社やホテル・飲食店が事業拡大をするかもしれない。

また、新元号がスタートするタイミングで結婚、あるいは婚姻届を出すという人が増える効果にも注目している。人生の記念として、シンボリックな行事と自分のイベントを重ねたいという心理が記念日効果を生む。

ただ、経済効果はグロスとネットで考えなければならない。例えば10連休は、過去にとれなかった長期休暇を利用し、旅行でもしてみようと多くの消費者に思わせるだろう。旅行やレジャー、飲食やサービスなど特定分野の需要が伸びる可能性がある。一方、そこにお金をかけた分、衣料品や嗜好品など別の消費を削るかもしれない。消費性向がトータルで上がったかが重要だ。

<京都産業大学 名誉教授 所功氏>

万葉集から採られたのは意外な点もあるが、漢字を使って表現する日本の文化を示している。なかよく、やわらかくという意味であり、21世紀の日本、世界にとって大事な価値を示している。前向きな明るい未来が展望できる良い元号だ。

<社会学者・東洋大研究助手 鈴木洋仁氏>

日本の古典、万葉集から選らんだのは意外だが、初出の漢字「令」と頻出の漢字「和」を組み合わせたのは平成などを踏襲している。

「和」は昭和の和であり、読み方も昭和と似ているため、昭和へのノスタルジーがあるのかなと感じる。

護憲派の教授、川岸令和氏の名前と重なるが、政府として「令和」に護憲のイメージは付いていないと判断したと思われる。

*内容を追加しました。
https://jp.reuters.com/article/reiwa-instantview-idJPKCN1RD19G


 


国内社会ニュース(共同通信)2019年4月1日 / 17:16 / 1時間前更新
世界最高齢女性に「令和」チョコ
共同通信
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 116歳で世界最高齢の田中カ子さん=福岡市東区=に1日、新元号「令和」と書かれたチョコレートが贈られた。有料老人ホームで特製チョコをプレゼントされた田中さんは「ばんざーい」と手を振って喜んだ。

 田中さんは1903(明治36)年、福岡県生まれ。5月1日の改元後は明治、大正、昭和、平成、令和の五つの時代を経験することになる。ギネスワールドレコーズ社が今年3月、男女を通じた「存命中の世界最高齢」に認定した。

 チョコは額縁に入ったA4サイズ。田中さんの大好物と知った地元の洋菓子店経営安藤知幸さん(53)が、新元号の発表を記念して制作した。

【共同通信】
https://jp.reuters.com/article/reiwa-instantview-idJPKCN1RD19G


 
ワールド2019年4月1日 / 12:06 / 3時間前更新
新元号は「令和」、万葉集から出典 「心寄せ合い、文化育つ」と首相
Reuters Staff
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[東京 1日 ロイター] - 政府は1日、平成に代わる新たな元号を「令和(れいわ)」にすると発表した。現存する日本最古の歌集「万葉集」からの出典で、日本古典から採用したのは今回が初めて。安倍晋三首相は官邸内で記者会見し、「心を寄せあう中で文化が生まれ育つという意味が込められている」と、新元号への想いを説明した。

新元号決定に伴い政府は元号を「令和」とする政令を定め、皇太子さまが天皇に即位する5月1日に改元する。

新元号「令和」の出典は万葉集で、政府によると、梅の花の歌の序文「初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(きよ)く風和らぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす』から引用した。

新元号は、大化(たいか)から平成まで1300年余りにおよぶ歴史のなかで248番目の元号となる。新元号の考案者は「(考案者みずからが)秘匿を希望している」(菅義偉官房長官)ことを理由に、公表を見送った。共同通信によると、新元号選定手続きに示された政府の元号原案は、新元号も含めて「6つ」だった。

新元号について、安倍首相は「人々が美しく、心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味」と、記者会見で説明した。

首相はまた「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい、との願いを込めた」ことも明らかにした。

新元号決定に先立ち、政府は有識者による「元号に関する懇談会」や衆参両院の正副議長、全閣僚らと事前の協議を重ねた。

有識者懇談会のメンバーはノーベル医学生理学賞受賞者の山中伸弥京大教授ら9人[nL3N21J03H]で、山中教授は「初めて日本の古典から選ばれた。伝統を重んじると同時に、新しいものにチャレンジしていく、日本にぴったりの元号」と、官邸内で記者団に語った。

<地方の文化、時代を表現>

新元号に関し、専門家からは「21世紀の日本、世界にとって大事な価値を示している。前向きな明るい未来が展望できる良い元号」(京都産業大学名誉教授の所功氏)との指摘が出ている。

日本の古典から採用したことについても「日本の独自性という意味で万葉集は良かった」(東大史料編纂所教授の山本博文氏)との受け止めが多い。

万葉集を専門とする奈良大学文学部教授の上野誠氏は、「万葉集にある『令月』は、良い月、という意味をもつ。典拠となった万葉集の序文そのものは九州大宰府で生まれた歌で、地域も広い。地方の文化、地方の時代になるということを表したのではないか」と話した。

*内容を追加しました。
https://jp.reuters.com/article/japan-reiwa-idJPKCN1RD14J


 

ビジネス2019年4月1日 / 17:46 / 28分前更新
金融政策、副作用含め多面的な評価が必要=高島・全銀協会長
Reuters Staff
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[東京 1日 ロイター] - 全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は1日、就任会見で日銀の金融政策について、2%の物価目標からすでに6年が経過したとして、副作用も含めて多面的な評価をする必要があるとの見解を示した。

高島会長は会見で、貸出金利が低下する一方で預金金利の低下は限定的だとし、結果的に貸出利ざやは縮小、運用環境の悪化も加えて「金融機関の収益性の悪化が懸念されている」と指摘した。こうした現象は「マイナス金利の副作用というべき」とした。

また、異業種から銀行業への新規参入が相次いでいる理由について、新規参入業者はSNSやECモールなどの本業の顧客に対して、金融サービスを組み合わせることで顧客の囲い込みを図る目的だったり、金融サービスから得られるデータを活用する意図があるのではないかと指摘し、「金融単独での採算を重視しているのではなく、本業のための1つのツールと割り切っている」と語った。

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/749.html

[政治・選挙・NHK259] 消費税10%の重税感、今の2%増しどころではない 世界各国で景気動向に異変、10月の消費税増税に再考の余地も  舛添要一
消費税10%の重税感、今の2%増しどころではない
世界各国で景気動向に異変、10月の消費税増税に再考の余地も
2019.3.30(土) 舛添 要一
参議院予算委員会での安倍首相(写真:つのだよしお/アフロ)
(舛添要一:国際政治学者)

 3月27日、一般会計総額101兆4571億円と初の100兆円を超える新年度予算が成立した。そこでは10月に予定されている消費税増税の対策費として、2兆280億円が計上されている。

 安倍政権下ではこれまで2度にわたり増税を延期しており、安倍首相も財務省も、今回こそは「三度目の正直」で10%への増税を実現したいところである。

 しかしながら、内外の情勢がそれを許すかどうか不透明な状況になってきている。

景気後退の前兆「逆イールド」が世界各国で
 3月25日、月曜日の東京株式市場で、日経平均株価は一時、715円を超える大幅な下落となった。終値は650円23銭安の2万0997円11銭だった。2万1000円割れは約1カ月半ぶりのことである。世界経済減速への懸念から、22日金曜日のニューヨーク株式市場で大幅安になったことを受けての週明けの動きであった。

 FRB(連邦準備制度理事会)は、3月20日にFOMC(連邦公開市場委員会)を開き、主要政策金利を年2.25〜2.5%に据え置き、年内は利上げをしない方針を決めた。個人消費や設備投資が減速していることから、景気の現状判断を「底堅く拡大」から「成長が鈍化」に引き下げたからである。

トランプ氏、FRB議長に「少しも満足していない」
トランプ大統領(左)は、これまで政策金利を段階的に引き上げてきたFRBに批判的だったが・・・。写真は、2017年11月、FRB次期議長に、ジェローム・パウエル議長氏の指名を発表した際のもの(2017年11月2日撮影、資料写真)。(c)AFP/SAUL LOEB〔AFPBB News〕

 この政策転換で、ドル売り・円買いが進み、25日の東京外国為替市場で円相場は一時1ドル=109円台後半に値上がりした。これは輸出企業にとって厳しい。東証では、この円高ドル安リスクもあって、特に輸出関連銘柄で売り注文が広がった。

 株式市場の急落の背景には、景気後退の前兆とされる金利の長短逆転現象(逆イールド)がアメリカで起きたことがある。米国債10年物の利回りが、3カ月物のそれを11年半ぶりに下回ったのである。この逆イールドは、過去30年で3度起こっているが、いずれの場合も景気後退局面で発生している。たとえば、2005〜2007年の逆イールドの後、2008年9月のリーマン・ショックが起こっている。

 逆イールドは、アメリカのみならず、カナダ、メキシコ、中国、トルコに広がっている。まだ先行きは不透明であるが、投資家の心理を冷やしている。

景気判断が3年ぶりの下方修正
 日本に目を転じると、政府が20日に発表した3月の月例経済報告では、景気判断が3年ぶりに下方修正された。具体的には、「穏やかに回復している」という前月までの表現は維持したまま、「このところ輸出や生産の一部に弱さもみられる」という文言を付け加えたのだ。米中貿易摩擦による「中国経済の減速」が大きく響いているためである。3月28日から、北京で米中閣僚級貿易交渉が1カ月ぶりに再開されたが、この摩擦の解決の目途はまだ立っていない。

 個人消費や設備投資については、今のところは堅調だが、消費税増税で個人消費が落ち込めば、景気後退に拍車をかける可能性が高くなってくる。

 マスコミの世論調査を見ても、景気への懸念が広まっていることが分かる。朝日新聞の調査(3月16〜17日に実施)では、景気の実感として「景気が悪くなった」が49%、「そうは思わない」が41%であり、10月の消費税増税に「賛成」が38%、「反対」が55%だ。

 産経新聞FNN世論調査(3月16〜17日に実施)では、景気回復の「実感がある」9.8%、「実感はない」83.7%、消費税増税に「賛成」41.0%、「反対」53.5%である。

 また時事通信世論調査(2月8〜11日に実施)では、生活にゆとりを「感じている」が6.9%、「どちらかと言えば感じている」が32.9%の計39.8%に対して、「感じていない」21.4%、「どちらかと言えば感じていない」37.1%の計58.5%(前年比3.0%増)。また、消費税引き上げで家計の支出を見直すかという質問には、「見直す」が57.2%、「見直さない」が37.2%であり、具体的な見直す内容は、「食費」が59.4%、「外食、旅行などの娯楽費」が39.5%、「水道光熱費」が37.6%、「携帯電話やインターネットなどの通信費」が31.2%、「衣料品や宝飾品の購入費」が31.0%であった。

 消費者の心理が冷え込み出しているのがよく分かる。それでもまだ個人消費や設備投資が盛んなので現在はよいのだが、これから先、米中経済摩擦が内需にまで影を落とすようになると、「穏やかに回復している」という文言の削除が現実のものとなる。その場合には、消費税増税の延期は避けられなくなる可能性がある。

 消費税率8%と10%との差は、わずか2%であるが、しかし、心理的なインパクトは非常に大きい。第一に、二桁になる。第二に、価格の1割というのは計算が簡単な分だけ、消費の段階で重税感が増すのだ。たとえば、1万3750円の買い物をすれば、消費税は1375円になるとすぐ暗算できる。これが、8%の場合だと、電卓でも使わなければ1100円という税額はすぐに出てこない。従来の8%と比較すれば、1割という消費税率が消費を抑制する効果は、2%の税率との差以上になると考えたほうがよい。

 先の世論調査を見れば、景気回復を実感していない人が大半なのだから、消費税増税時にお金の使い方を見直す人々は増えるだろう。つまり10月以降、消費の落ち込みは激しくなることが予想される。個人消費はGDPの6割を占めているため、政府はポイント還元、軽減税率など様々な対策を準備しているのだが、効果は未知数である。

消費増税延期なら衆参同日選挙か
 安倍首相は今のところ「増税延期」には否定的だが、そこにはリーマン・ショックのような大きな外因性の問題でも生じていないのに延期すれば、「アベノミクスが失敗した」と内外に宣言することになってしまうという心理も働いているのかも知れない。だが、増税ショックによる日本経済の失速を回避するためには、当然ながら「延期」も必要な検討事項になる。

 日本では亥年の今年は12年に一度の「選挙イヤー」で、この春の統一地方選挙の後は、参議院選挙が控えている。それだけに、消費税増税延期を決めるにしても日程的に窮屈ではあるし、増税対策を組み込んだ新年度予算もすでに確定してしまっている。

 もちろん予定通りに増税を実施できればそれが一番よいのだが、景気減速リスクがさらに高まった場合は、決断が必要になるかもしれない。であれば、「増税延期」を掲げて衆参同日選挙で国民に信を問うという選択肢が現実味を帯びてくるのである。
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[国際25] 「支配権を取り戻す」ブレグジットの妄想 メイ首相に5月までの辞任要求、政権崩壊辞さずと離脱派 
「支配権を取り戻す」ブレグジットの妄想

大きな世界の中の小さな島国の現実――マーティン・ウルフ
2019.4.1(月) Financial Times
「裏切りをやめろ」 英EU離脱、当初予定日迎え賛成派怒り
英ロンドン中心部で開かれたブレグジット賛成派の集会に集まった人々(2019年3月29日撮影)。(c)Daniel LEAL-OLIVAS / AFP〔AFPBB News〕

(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年3月27日付)

 筆者が今いる北京からは、英国は小さく見える。

 また、唖然とするような国家的自傷行為に及ぶ狂人たちの手に落ちた国のようにも見える。

 だが、これは錯覚だ、とブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)支持派は言うだろう。英国は「支配権を取り戻す」のだという。

 スローガンは秀逸だった。だが、これが何より大きな妄想だった。

 支配権は主権とは異なる。EU加盟をめぐる英国の国民投票のキャンペーン中に筆者が論じたように、英国はすでに主権国家だった。

 もし望むのであれば、投票でEU離脱を決められた。そして実際に離脱を決めたが、すぐさま、確かに英国は主権国だが、あまり力がないことを思い知らされた。

 しかし、支配権とは要するに力の問題だ。

 国民投票後のEUとの交渉では、博識な人たちが最初から分かっていたように、EUの方が英国より力があることが判明した。

 一つの単純な理由から、このような力関係になっていた。EUが英国に科せるペナルティーは、英国がEUに科せるペナルティーよりずっと大きいからだ。

 英国が製品輸出の47%をEUに出荷している一方、残るEU諸国の対英輸出は輸出全体の15%にとどまる。EUにとって英国市場は重要だが、英国にとってEU市場は不可欠なのだ。

 これが国際関係の厳しい世界だ。

 我々は頻繁に、英国は(まもなく第6位になる)世界第5位の経済大国だと言い聞かされる。確かに事実だが、ミスリーディングだ。

 世界には、3つの経済的スーパーパワーが存在する。米国、EU(英国を除く)、そして中国だ。

 これらの超大国・地域は昨年、世界の国内総生産(GDP)合計の約60%を生み出した。英国の貢献度は3%だ。小国にしては大きいが、小国であることに変わりはない。

 では、隣人にして最も緊密な経済的パートナーだった国々と決別しようとしている小さな島国にとって、「支配権」とは何を意味するのだろうか。

 一部の分野では、英国は支配権を行使できるだろう。だが、それは常に支配権を行使できた分野だ。

 EU予算に対する英国の貢献(純額ベース)は直近の会計年度で、公的支出全体のわずか1.1%だった。

 医療、教育、住宅、年金、社会福祉、インフラ、文化、それを言ったら防衛と対外援助についても、EUは英国の支出(または政策)に対して大きな影響力を持たない。

 ところが、かなり身近な国内分野では、英国は支配権を失う恐れがある。自国の存続そのもの、だ。

 英国という連合王国内における北アイルランドとスコットランドの未来がいずれも、ブレグジットによって不安定になったからだ。

 では、英国は一体どこで、現在は持たない支配権を得られるのだろうか。

 明白な例は、EUの競争政策、国家補助と単一市場のルールの範疇に入る経済的な規制だろう。

 英国がEUから完全に離脱した場合、積極的な競争政策を捨てて、破綻企業を支えることにお金を無駄遣いできるというのは正しい。ただし、なぜこの2つのことを魅力的と見なすべきなのかは、ナゾだ。

 英国は、良きにつけ(多くの場合)悪しきにつけ、国内問題については概ね縛りのない支配権を持っている。

 だが、英国は開かれた貿易国であり、その規模と限られた資源を考えると、それ以外の国としての未来は存在しない。

 英国は、大きな世界の中の小さな国だ。2019年は1860年ではない。ほかの主権国の行動に依存しているのだ。

 EUは数々の交渉、特に貿易と気候変動をめぐる交渉で、英国の影響力を高めてくれた。

 まず、これが失われることになる。離脱交渉がすでに浮き彫りにした通り、EUの対英政策に対する影響力も失われる。

 だが、4億5000万人の人口を擁する玄関先の市場への優遇アクセスを失っても、英国はこれを埋め合わせるために全世界の市場をこじ開けられると言われる。

 残念ながら、たとえ世界が好意的だったとしても、そうはならない。EU市場は英国にとって、とにかく不可欠だからだ。

 もっと言えば、世界は好意的に対応してくれないだろう。

 米国は今、英国がEU離脱後に頼りにする世界貿易機関(WTO)の解体を進めている。

 米国とのどんな2国間交渉においても、米国側が非常に厳しい条件を突き付けてくるだろう。最も不快な条件はおそらく、食品基準と健康に関するものになる。

 中国は、中国側の条件を英国が受け入れることを要求してくる。ちなみに、保護主義のインドも同じことを求めるだろう。

 昔の英連邦のオーストラリア、カナダ、ニュージーランドは友好的かもしれないが、経済的には英国にとって、これらの国の6500万人は取るに足りない存在だ。

 要するに、EUの外に出ても、世界環境に対する英国の影響力は強くならない。英国は単独で歩むことになり、自国よりはるかに有力な国を含む他国の意のままになる。

 しかも、これですべてではない。

 貿易協定は次第に、規制の標準の問題になりつつある。すべての主要国において、規制の標準が国内でますます重要になっているからだ。

 英国がEUと自由に貿易することを望むのであれば、これまで加盟国としてやってきた通り、EUの標準を採用しなければならない。

 だが、その他の国との貿易にも同じことが当てはまる。相手が米国の場合は特にそうだ。

 しかし、データ保護や食品がそうだったように、標準が衝突した場合はどうすればいいのか。

 様々な標準に合わせて生産できる製造業にとっては、これはそれほど重要ではない。だが、作業手順が極めて重要なサービス、データの扱い、食品にとっては重要だ。

 最終的に、英国は大抵、どこかの経済ブロックの基準に合わせなければならないだろう。通常はEUの基準に合わせることになると筆者は予想する。

 それよりまだ大きな問題もある。

 2016年以降、自由で民主的な価値観に対する挑戦が格段に明白になった。

 ドイツのジグマール・ガブリエル元外相がプロジェクト・シンジケートへの寄稿で論じたように、これはEUにとって危険で意気消沈するような環境だ。だが、英国にとっても、それは同じだ。

 かなり単純な話、我々がその展開を目の当たりにしている物語は、真の悲劇だ。

 英国は孤独な道を選んだ。しかし、EUも考え直すべきだ。結局のところ、ガブリエル氏が指摘しているように、ドイツ国内でさえ移民に対する見方は多少変わってきた。

 これほどひどい愚行を阻止するのは、まだ手遅れではない。

 英国はEUを離脱することで、どんな重要な意味においても支配権を得られない。それどころか、失う公算の方が大きい。

 次第に敵対的になるこの世界において、我々ヨーロッパ人は団結する必要がある。分別のある人たちが再考を試みる時が来た。

By Martin Wolf

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メイ首相に5月までの辞任要求、政権崩壊辞さずと離脱派−英紙
Steve Geimann
2019年4月1日 12:10 JST 更新日時 2019年4月1日 14:57 JST
首相の下で総選挙なら「壊滅的な敗北」を喫すると与党議員らは懸念
首相案の代案を模索する投票が4月1日に下院で再び行われる
メイ英首相
メイ英首相 Photographer: ADRIAN DENNIS/AFP
メイ英首相が、欧州連合(EU)との離脱合意案の代案として「EUとの関税同盟への残留案」を受け入れたり、5月の欧州議会選挙に英国が参加する方向に与党議員らを動かしたりすれば、そろって辞任すると離脱推進派の閣僚らが申し合わせた。3月31日付の英日曜紙サンデー・タイムズが報じた。

  情報源を明らかにせずに同紙が伝えたところでは、閣僚らは3月31日の閣僚会合で、辞職の警告をメイ首相に伝える意向。また、与党保守党の過半数に相当する170人の議員と政権メンバーらは首相宛ての書簡で、ソフトな離脱を受け入れるより「合意なき離脱」を推進するよう求め、5月22日までに辞任するよう首相に要求した。

  期限となる4月12日か、それ以後の速やかなEU離脱を求める首相宛ての書簡に10人の閣僚を含む約170人の与党議員が署名したと英大衆紙サンも報じており、ルイス保守党幹事長がBBCラジオとのインタビューで書簡の存在を確認した。

  一方、ガーク司法相は3月31日のBBCテレビの番組で、「合意がないまま離脱することが責任ある行動とは思えない」と発言。ラッド英雇用・年金相とクラーク民間企業相も、合意なき離脱を支持するよりは辞任する構えだ。

  英紙テレグラフによれば、メイ首相の下で解散・総選挙に突入した場合、保守党が「壊滅的な敗北」を喫すると与党議員らは懸念しているという。

  英下院では、首相案に代わる「プランB」の選択肢を絞り込むため、代案を模索する投票が4月1日に再び行われる。これらの代案には、関税同盟へ残留案のほか、2回目の国民投票で賛意が得られるまで離脱協定案の承認も施行もすべきでないという「再国民投票案」が含まれる見通し。

  ガーク司法相はBBCテレビに対し、「われわれは議会の決定を非常に注意深く検討する必要があるだろう」と語った。

原題:PM May Faces Cabinet Rebellion on Customs Union, EU Vote: Times
May’s Tories Plan for Election Amid Deep Divisions Over Brexit
U.K. Parliament Seizes Control Amid Brexit Rift in May’s Tories(抜粋)

(保守党幹事長が書簡の存在を確認したとの情報などを追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PP9FFO6TTDS001?srnd=cojp-v2
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[国際25] トランプが最も恐れる大統領選候補ベト・オルーク左傾化する民主党から距離 FRB理事候補ムーア:トランプより貿易と移民支持
トランプが最も恐れる大統領選候補、ベト・オルーク
左傾化する民主党から距離、共和党との和解を唱える47歳の中道派
2019.4.1(月) 高濱 賛
2020年の大統領選で共和党のドナルド・トランプ現大統領が最も恐れているとされる民主党のベト・オルーク氏。
保守王国テキサス州から現れた「民主党のホープ」
 まず上の写真をご覧いただきたい。

 とびきりハンサムというわけではないが、どことなく、ジョン・F・ケネディ第35代大統領(大統領就任時=43)を彷彿させるカリスマ性がある。

 3月14日、2020年米大統領選の民主党予備選に正式に立候補したベト・オルーク(Beto O'Rourke)前下院議員(テキサス州第16区選出=46)だ。

 ベトとは変わった名前だが、本命は「Robert」。出身地はメキシコ国境の町、エルパソ(都市圏人口は84万人)の人口の67%はラティーノ*1ということもあってスペイン語の影響が強い。

*1=ラティーノ(ヒスパニック)は国勢調査ではいわゆる「人種」とはみなされていない。したがって白人系ラティーノもいれば、黒人系ラティーノもいる。

 スペイン語では名前が「bert」だと「Beto」とニックネームで呼ぶところからオルーク氏も幼い頃からそう呼ばれ、そのまま本名になってしまったという。

Beto O'Rourke An Unauthorized Biography of the 2020 Democratic Presidential Contender from Texas[Pamphlet} by Charlie Cooke
 ベトが全米の注目を浴びたのは、先の中間選挙で下院から上院に鞍替えを試みようと上院選に出馬したとき。

 2016年大統領選に立候補したことのある現職テッド・クルーズ上院議員(共和党=48)と最後の最後まで激しいつばぜり合いを演じた時からだ。

 クルーズ氏も共和党内では若手ナンバーワン。議会では司法委員会や外交委員会で頭角を現している。

 テキサス州は大統領選ではロナルド・レーガン氏(第40代大統領)が19980年に勝利して以来、2016年のトランプ氏まで36年間、常に共和党候補を選んできた「共和党王国」。

 そこでロルーク氏は結局はクルーズ氏相手に20万票差で負けたとはいえ、得票数402万票(48.3%)を取った。これは画期的なことだった。

トランプ氏をうならせた
「ソーシャルメディアの申し子」
 ドナルド・トランプ大統領(72)も「テキサスの戦い」を重要視し、クルーズ候補応援に駆けつけた。その際、驚かされたのがロルーク氏の集金力だった。

 今年3月、大統領選への立候補を表明した際にも表明後の24時間以内に610万ドル(約6億8000万円)の献金を集めて並み居る民主党候補たちを愕然とさせている。

(ちなみに注目の女性候補、カマラ・ハリス上院議員は立候補表明24時間で集めた政治資金は150万ドルだった)

 ロルーク氏は、10代の頃には悪名高いハッカー集団に属したり、パンクミュージックのバンドを結成したり、コロンビア大学在学中には下院議員の臨時秘書をやったり、様々なことに手を染めてきた。

 ティーンエイジャーの頃には飲酒運転も含め警察に2回ご厄介になっており、選挙のたびにライバルからは批判されてきた。

 しかし、「逮捕されたことで善良な市民としての責任を痛いほど学んだ。反省している」の一言でかわしてきている。

 コロンビア大学では英語を専攻したが、アカデミックなことよりもビジネス志向。

 卒業と同時にインターネット会社を立ち上げ、オンライン新聞を発行するなど、起業家精神旺盛だった。この頃からソーシャルメディアは彼にとって自分の庭のような存在だった。

 ところが金儲けにはあまり執着せず。32歳の時に地元エルパソ市の市長選に打って出た。

 この際、威力を発揮したのがソーシャルメディアを使った人脈作りや票の掘り起こしだった。

 またラティーノ有権者を引きつける流暢なスペイン語は強力な武器だった。なんと地元ラティーノ商工会議所のメンバーにすらなっているのである。

 集金力+ソーシャルメディア+スペイン語――2012年の連邦下院議員選の時も、2016年の上院選の時もこの「三種の神器」が武器となった。

 さらにオルーク氏にはもって生まれた人懐っこさと実直さがあった。

 選挙演説も用意したスピーチを棒読みなどしない。集まった人たちの顔を見ながらその場そば場で即興的に話をする。

 同氏に一票を入れたエルパソ住民のラティーノ系の男性の一人はこう話している。

 「ベトの言っていることには美辞麗句がない代わりに嘘がない。思っていることをそのまま話す。正直なんだ」

 どうやらこのへんは日本の「自民党の星」、小泉進次郎衆議議員と相通ずるものがありそうだ。

トランプ氏が「壁」遊説でエルパソを選んだわけ
 日本で言えば、『文藝春秋』にあたる『バニティ・フェア』のクリス・スミス記者は、オルーク氏を警戒するドナルド・トランプ大統領の胸の内をこう描いている。

 「トランプ氏は来るべき大統領選で対決する民主党のライバルを論理的で長期的計算ではなく、動物的な本能で嗅ぎ取る」

 「毎朝見るフォックスニュースでも、危機を感じたものには瞬間的に反応する。ただ、彼が一つのことに関心を持ち続ける期間は、株の取引業者の1日よりも短い」

 「そのトランプ氏がベト・オルーク氏と大統領選で一騎打ちする可能性に執着しているのは、かれこれ1か月以上に及んでいる」

 トランプ大統領は、議会民主党の反対を押し切って着工しているメキシコ国境沿いの「壁」の重要性を国民に訴えるため、2月11日、テキサス州を遊説した。その時選んだ場所はなんとエルパソだった。

 エルパソの壁の前でトランプ大統領はこう演説した。

 「民主党は、麻薬、犯罪、人身売買を持ち込む不法移民が連日のように我が国に入り込むのを手をこまぬいて見ている。愛国者たちは今、国境の最前線でその民主党と戦っている」

 「壁」の重要性を説くなら不法移民による実害の出ている場所に行くべきだろう。エルパソは全米でも最も治安が安全な都市。凶悪犯罪は2009年に壁建設が着工される前から減っている。

 それなのになぜエルパソを選んだのか。

 国境沿いに「壁」を作ることに真っ向から反対してきたオルーク氏の地元に乗り込み、叩くのが目的だったことは明らかだった。

トランプ氏:昔の名前で出てくる連中は恐れるに足らず
 2016年大統領選の時にトランプ選対本部の首席スポークスマンを務めた選挙戦略家のジェイソン・ミラー氏は、トランプ大統領の本心をこう明かす。

 「トランプ氏にとっては、オルーク候補は民主党エスタブリッシュメントから昔の名前で出てくるような(One of the recycled Democratic establishment candidates)ジョー・バイデン前副大統領(76)やエリザベス・ウォーレン上院議員(69)、バニー・サンダース上院議員(77)といった古顔よりも手ごわい対抗馬になるだろう」

https://www.vanityfair.com/news/2019/03/why-donald-trump-is-obsessed-with-orourke

 先の中間選挙で当選した下院の新人議員は概して過激派リベラルが多い。政策論争でも左傾化する傾向にある。

 それが民主党大統領候補指名にどう響くか。党執行部の中には憂慮する向きが少なくない。

 というのもあまりにも過激派リベラル候補を選ぶようなことになれば、一般選挙民の中にはこれを嫌うものも出てくる。特に無党派層の保守的な票はトランプ氏に流れる公算大だ。

 そう見ると、保守的なテキサス州で保守票を集めてきたロルーク氏の中道主義、共和党との共存、連携主義は、大統領選で勝とうとする民主党にとっては不可欠な選択肢になってくる。

 民主党の選挙専門家の一人は筆者にこう指摘している。

 「世論調査でバイデン氏がリードしているのは、その中道リベラル路線のため。サンダース氏を支持するのはオールド・リベラル世代」

 「バイデン、サンダース、この2人がいつまでもフロントランナーで走っているのを見て一番喜ぶのはトランプ氏だろう」

 「今後オルーク氏が支持率を上げてくれば、バイデン氏は自分の票をそっくりオルーク氏に譲るに違いない」

大統領選に立候補した初の
同性愛主義者ブティジャッジ市長
Shortest Way Home: The Mayor's Challenge and a Model for America's Future by Pete Buttigieg Liveright, 2019
 オルーク氏に米メディアが注目する中で、民主党からは同氏とは9歳も若いピート・ブティジャッジというインディア州サウスベンド市の市長が名乗りを上げている。

 幼い頃から秀才の誉れ高く、地元高校を卒業するや、ハーバード大学に進学、その後ローズ奨学生としてオックスフォードに留学。

 2009年には米海軍の情報将校として入隊し、アフガニスタンにも駐留している。除隊後にはマッキンゼーに入り、3年間コンサルタントとして勤務している。

 政界入りに強い関心を示し、2010年には州財務官選挙に立候補(落選)。その後ウィリアム・コーエン元国防長官が経営するコンサルタント会社で働きながら2011年の市長選に臨む。

 市長選では得票数の74%を獲得して当選する。29歳。全米10万人以上の都市の市長としては史上最年少だった。

 市長としての最大の業績は麻薬撲滅対策だ。

 2018年には民主党全国委員長選に立候補するが敗れている。ワシントン政界への進出の野望は大統領選に立候補することでいよいよ現実のものなってきた。

 ハーバード、オックスフォード、軍歴、マッキンゼー、そして市長。同氏の立候補を注目して見ているワシントン政界オブザーバーの一人は筆者にこう述べている。

 「地方都市の市長、しかもまだ30代、全米レベルでは全く無名。しかもLGBT(同性愛者などの性的少数者)だと公言している」

 「メディアは面白半分に追いかけているが、高学歴だけでは政治家になれない」

 「政治経験ゼロのトランプ氏が大統領になったお蔭で、今や猫も杓子も大統領になると言い出しているが、政治はそんなに甘いもんじゃない」

 「オルークは一応、大リーグ(米中央政界)でプレーしているが、ブティジャッジの方はトリプルAだ。大統領選の予備選に出て副大統領指名を狙うか、名前を売っておいていずれ下院議員狙い、上院議員狙いということではないのか」

https://www.washingtonblade.com/2019/02/05/pete-buttigieg-makes-pitch-to-lgbt-voters-in-bid-to-become-first-out-gay-president/

 民主党大統領候補は目下のところ「女性上位」的傾向が目立っている。しかし初夏を迎える頃には女性候補同士の星のつぶし合いも予想される。

(参考:http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55335

 予備選中盤戦頃からロルーク氏が本命に躍り出ることが出来るかどうか。いずれにしても「ベト」の愛称で呼ばれるロルーク氏の動向から目が離せない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55945


 

FRB理事候補のムーア氏:トランプ氏よりも貿易と移民を支持
Ryan Beene
2019年4月1日 8:37 JST
大統領の経済運営を高く評価するが、常に同意するわけではない
経済成長や米労働者に関しては私は独立した意見を持つだろう
トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)理事に指名する意向を示したスティーブン・ムーア氏は3月30日、理事就任の場合に独立した意見を述べる考えで、大統領に必ずしも同意するわけではなく、貿易や移民に関しては特にそうだと語った。

  ムーア氏はCNNとのインタビューで「私は75%のケースでトランプ大統領に同意すると思う。大統領の経済運営をかなり高く評価している」とコメント。その上で、「大統領とは意見が異なる時も多い。私は貿易促進派であり、大統領よりも自由貿易を支持している。移民についても大統領よりも若干賛成派だ。だから経済成長や米国の労働者に関しては私は独立した意見を持つことになるだろう」と語った。

  ムーア氏は2016年大統領選でトランプ陣営のアドバイザーを務め、18年にはトランプ大統領の経済政策に関する書籍を共同で執筆した。現在は保守系シンクタンク、ヘリテージ財団のシニアフェローや経済コメンテーターを務めている。3月10日には、「誰も望まない関税」と題した米紙ワシントン・タイムズへの寄稿文で、「トランプ大統領提案の25%の自動車関税で奇妙な点は、国内自動車メーカーの大部分がそれを望んでいない点だ。国内メーカーは外国から輸入される競合製品への規制は遠慮すると大統領に伝えているようだ」と指摘していた。

Trump Says He'll Nominate Stephen Moore To Federal Reserve Board
スティーブン・ムーア氏撮影:Andrew Harrer / Bloomberg
原題:Fed Pick Moore Says He’s More Pro-Trade, Immigration Than Trump(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-31/PP93U76JTSEA01?srnd=cojp-v2
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/882.html

[政治・選挙・NHK259] 統計の基礎もわかっていない「専門家」が虐待を解決できるはずがない 
2019年4月1日

統計の基礎もわかっていない「専門家」が虐待を解決できるはずがない

[橘玲の日々刻々]

 以前、「あらゆる犯罪統計で幼児への虐待は義父と連れ子のあいだで起こりやすく、両親ともに実親だった場合に比べ、虐待数で10倍程度、幼い子どもが殺される危険性は数百倍とされている」と書いたところ、一部で「非科学的」「似非科学」との批判がありました。

 その根拠は厚生労働省所管の社会保障審議会専門委員会による報告(「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」第13次報告)で、「主たる加害者」の項目には「平成 27 年度に把握した心中以外の虐待死事例では、「実母」が 26 人(50.0%)と最も多く、次いで「実父」が 12人(23.1%)であった」と書かれています。主たる加害者が実父なら、「継子のリスクがはるかに大きい」ということはできません。

 私が参照したのは北米のデータで、進化心理学ではこれを、「長い進化の過程において、ヒトが血のつながらない子どもよりも血縁のある子どもを選り好みするようになったからだ」と説明します。これはきわめて強力なエビデンス(証拠)で、1980年代に提示されたときは(当然のことながら)物議をかもしましたが、現在に至るまで反証されていません。

 専門委員会の報告書が述べるように、実父が「主たる加害者」であればこの主張は真っ向から否定されます。「日本人だけが特別で、世界とはまったく別の進化を遂げてきた」ということになりますが、はたしてそんなことがあるのでしょうか。

 ここで、1000人からなる集団Aと、10人からなる集団Bを考えてみましょう。統計調査によると、集団Aでは虐待死が10件起こり、集団Bでは1件でした。これは10倍ものちがいですから、「主たる加害者」は集団Aとなります。

 さて、これのどこがおかしいかわかるでしょうか。

 統計学の初歩の初歩ですが、集団の大きさが異なる場合、それぞれを同じ大きさにしてから比較しなければなりません。これが「標準化」で、1000人あたりで見るならば、集団Bの虐待死は100件になって、集団A(10件)よりはるかに多いことがわかります(「虐待死の割合は集団Aが1%、集団Bは10%」といっても同じです)。

 具体的なデータを見ると、「心中以外の虐待死」の3歳以上では、実父による加害が6件に対して、「実母の交際相手」を含む血縁関係のない男性による加害は(疑義事例も入れて)計7件で、実数でも逆転しています。日本では実子と継子の割合は公表されていないようですが、血のつながらない男性と暮らす子どもより、実父と暮らす子どもの人数の方がはるかに多いことは明らかです。この2つの集団を標準化して比較すれば、日本においても、「虐待は義父と連れ子のあいだで起こりやすい」のはまちがいありません。

 不思議なのは「専門」委員会が、小学校高学年でも知っていそうな統計の基本を無視して虐待の「主たる加害者」を特定していることです。

 ゴミを入れればゴミしか出てこないのは当たり前です。データの分析が間違っているのに、どうやって虐待という深刻な問題を解決できるというのでしょうか。

 厚労省の「統計不正」が批判されていますが、「専門家」ですらこのありさまでは問題ははるかに深刻です。一省庁をバッシングすれば済むような話ではなく、この国における「専門」の意味から問い直す必要がありそうです。

参考:子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第13次報告)
『週刊プレイボーイ』2019年3月25日発売号に掲載

橘 玲(たちばな あきら)

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作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『「言ってはいけない?残酷すぎる真実』(新潮新書)、『国家破産はこわくない』(講談社+α文庫)、『幸福の「資本」論 -あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』(ダイヤモンド社刊)、『橘玲の中国私論』の改訂文庫本『言ってはいけない中国の真実』(新潮文庫)、『もっと言ってはいけない』(新潮新書) など。最新刊は『働き方2.0vs4.0』(PHP研究所)。

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沖縄から米軍基地をなくすたったひとつの方法 [橘玲の日々刻々][2019.03.18]
https://diamond.jp/articles/-/198573
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/193.html

[経世済民131] 「高給」が意欲を減退させる「不思議」な現象 「詐欺師症候群」に悩む部下とどう向き合うべきか
「高給」が意欲を減退させる「不思議」な現象

「馬の鼻先にニンジン」は逆効果のことも
2019.4.1(月) 篠原 信
ニンジンを差し出しただけでは、思うように動かない。
(篠原 信:農業研究者)

「馬の鼻先にニンジン」なんて言葉がある。馬の前にニンジンをぶら下げたら、それを食べようと馬は全速力で走り出すという、マンガやアニメでよくみるシーンだ。

 人間でも同じように考え、高給で釣れば優秀な人材はいくらでも集められるし、モチベーションをいくらでも上げることは可能だ、ということを主張する人も結構いる。

 しかし実際には、馬は賢い生き物だ。「走ることとニンジンを食べることは別」だとすぐ気づき、ニンジンを上手に食べるための工夫をするようにはなっても、走ろうとはしないだろう。

高給というプレッシャー
 では人間はどうだろう。高給を示されれば、モチベーションはいやが上にも向上して、バリバリ働くようになるのだろうか。

 実際には、逆になることが結構あるようだ。この人は優秀な人材だと考え、高給を示し、さあバリバリ働いてもらおうとすると、期待したより働きが悪い。いや、期待どころか、普通に考えても働きが悪い。「せっかく高給を支払っているのに、なんで働かないんだよ!」とイライラ。そうこうするうちに会社に来なくなって、退職されてしまった、という話はビジネス界では結構あるようだ。

 ではなぜ、高給を支払ったのに働かなくなるのだろうか。理由は人それぞれかもしれないが、筆者の知っている事例では、「不安」になるからのようだ。

 高給を示されると、期待の高さが分かる。しかし働く側としては、その期待に見合う結果を出せるかどうか、不安。ビジネスは、未知のこと、儲かるかどうか分からないことへのチャレンジの側面が強い。うまくいくかどうか分からないのに期待値が高いと、不安が強くなる。「果たして、期待通りの成果を出せるだろうか?」と。

 不安になると、気が重くなる。気が重くなると、仕事が面白くなくなる。仕事が面白くないと、手につかなくなる。手につかないと、工夫をしなくなる。工夫をしないと、時間つぶしのような仕事になる。そんな働き振りをしている自分が嫌になる。自己嫌悪がさらにやる気を奪い、ついに会社に出社すること自体が気重になる。結果、会社に顔を出すのも億劫になる。

 そう、高給を示すことは、裏メッセージとして期待値が高いことを伝えてしまい、その結果、仕事を気重でつらく苦しいものに変えてしまうことがあるのだ。高給を支払うことは、場合によっては、プレッシャーで押しつぶすことになりかねない。

 もちろん、高給を支払っても「俺はまだまだこんなもんじゃないぞ、もっと高給を支払うべきだったと後悔させてやる」と、アグレッシブで貪欲な人物は、いるにはいる。しかし世の中、そんな意欲的な人ばかりではない。

ニンジンのみに生くるにあらず
 業績を上げる人の中には、そこまで金や名誉に貪欲だったわけではないけれど、純粋に仕事が楽しかったからそれにのめり込み、結果として高い成績を収めることになった、という人も結構いる。こうしたタイプは、高給を示されると、かえって意欲を失う。高給、すなわち期待の高さがプレッシャーとなり、プレッシャーに押しつぶされて、仕事が楽しくなくなってしまうのだ。楽しくなくなると、パフォーマンスがひどく低下する。こうした性質の人は、仕事にいかに楽しく取り組むか、ということが大切になる。

 世の中には、お金が欲しいから働く、という人もいる。そういう人は、「馬の鼻先にニンジン」よろしく、高給でモチベーションを高めることも可能かもしれない。しかし、私の経験上、そうした人は、世間ではむしろかなり少なめ。多くは、「仕事が楽しい」ことの方が、パフォーマンスを高めるのに役立つようだ。お金だけでモチベーションを上げようとしても、そうした性質の人は、むしろ高給を示されたことでモチベーションを失うことになりかねない。

 朝ドラ「まんぷく」の登場人物、万平は、仕事が楽しくって仕方ない、というのめり込み方をしている。こういう人物は、お金が欲しくないわけじゃないけれど、お金が理由にならない。楽しいことが何より大切だ。

 だから、もしあなたが経営者で、優秀な人材を引き抜き、意欲的に働いてもらいたいと思うなら、高給を示すのもよいけれど、それ以上に「楽しんでもらおう」とすることが大切だろう。そして、「期待しない」ことだ。だって、期待したら、その人はプレッシャーでつぶれてしまうのだから。

 楽しむといっても、サボってネットサーフィンを楽しむという意味では、もちろんない。仕事そのもの、働くこと自体を楽しんでもらえる環境づくりが大切だ。そのためには、仕事の楽しさを奪ってしまいかねない要素は、ひとつずつ取り除いていく必要がある。

「この人は仕事を楽しめる人。そして楽しんでいれば、何かしらやってくれる人」だと信じることだ。「信じる」ことと「期待」することの違いは、前に別のコラム*1で紹介した。「期待」せずに信じることができれば、そして仕事そのものを楽しめる環境を用意できれば、人は自然と働く。だって、働くことが楽しいから。楽しければ、もっとやりたくなる。工夫も重ねる。だからもっと面白くなる。面白ければ、パフォーマンスはますます向上する。

*1:http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55689

「馬の鼻先にニンジン」は、実際には馬も走らないようだ。YouTubeで検索すると、実験映像が出てくる。ニンジンを食べたければ、ニンジンを食べる工夫をすればよいだけのこと。わざわざ走る必要はない。人間もそうだ。高給を示されたら俄然やる気が出るか、というとそうでもない。

 働いて欲しいなら、働きたくすればよい。つまり、働くこと自体が楽しくなるように工夫すればよい。

 高給を示す、という行為は、ある意味、安直だ。仕事を楽しくする工夫を捨て、お金で解決しようとしているのだから。しかし、楽しくすることはお金だけではなかなか実現できない。上司、あるいは経営者の心がけによるところ大だからだ。上司が、経営者自身が、仕事を楽しいものにしたい、と考えているかどうかが、大切になる。

 よく言われるように、人間はパンのみに生くるにあらず、だ。馬もニンジンに生くるにあらず、と言えるように。

仕事を楽しいものにする工夫
 馬は、ニンジンなんか与えなくても、本来、走るのが好きな生き物だ。放っておけば、草原の中を跳ね回っている。

 人間にとっての仕事もそうだ。本来仕事は、工夫を凝らすことで達成することを楽しめる、とても面白い「ゲーム」だ。人間は、変に期待値を釣り上げられなければ、仕事を楽しめる生き物だ。楽しんだときのパフォーマンスは、最高のものになる。

 高給を示しても働いてもらえなかった経験のある経営者は、「しょせん人間は、働くのが嫌いな生き物、利益だけ貪って仕事はできる限り怠けたい生き物なのだ」と信じてしまうことがあるようだ。だが、自分自身が、仕事を楽しいものにする工夫を怠っていなかったか、もう一度見直す必要がある。

 仕事は楽しくないものだと決めつけて考えるから、お金で釣るしかないと考えてしまうのかもしれない。しかし経営者がそう考えれば、仕事は楽しくないもの、という社風ができあがってしまう。これではもったいない。

 仕事を誇りある、楽しいものとすること。そうすれば、社員は嬉々として働く。お金は、なるべくそうした社員の仕事ぶりに見合うものにすること。生活に困らず、余裕を確保できるものにすること。それができれば、会社は「楽しい!」を労働意欲のドライブにして、ますます加速するように思う。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55916


 
2019.04.01

「詐欺師症候群」に悩む部下とどう向き合うべきか

W. ブラッド・ジョンソン デビッド G. スミス

どれほど優れた成果を上げていても、それは実力以上の評価を受けているにすぎず、自分の本性がいつ暴かれるのかという疑念や不安を拭えない。このような状態に陥ることは「インポスター症候群(詐欺師症候群)」と呼ばれている。特に女性や人種的マイノリティーに見られる症状だが、この状態を放置しているとパフォーマンスに大きな影響を与えかねない。部下がインポスター症候群になったら、どう対処すべきか。本記事では6つの方法が示される。


 誰もが多かれ少なかれ、自分が他者を欺いている詐欺師のようだと感じた経験があるだろう。自分には能力がなく、資格もないという思いにさいなまれる。入社を認められ、採用されたのは、何かの間違いだったのではないかと考えてしまう。いつ何時、自分の正体が暴かれ、退場を命じられるのかと、人知れず悶々としている。

 たいていの人にとって、こうした悩みは束の間のもので、昇進した直後や、新しい仕事を始めたばかりのとき、あるいは自分が明らかにマイノリティーに属する職場に転職した直後に最も強く現れるものだ。だが一部の人にとって、自分は詐欺師だという感覚はより深く慢性化し、パフォーマンスに支障をきたすようになる。

 これが、「インポスター症候群(詐欺師症候群)」である。この言葉はもともと、女性プロフェッショナルを対象とした臨床研究で、心理学者のポーリン・クランスとスザンヌ・アイムスがつくり出したものだ。

 インポスター症候群の人は、職場で自己疑念や不安感、そして自分の能力不足が明るみに出るのではないかというたえ間ない恐怖に常につきまとわれる。成功したり、成果を上げたりするたびに、不安感が引き起こされるのだ。とりわけ女性や人種的マイノリティーに属する人が、この感覚に苦しむ。男性優位の階層社会では、その不安感がいっそう助長されやすい。

 インポスター症候群に悩む人をメンタリングするには、どうしたらよいだろうか。メンターがどれほど、指導するメンティ(被育成者)の目覚ましい才能や業績、創造性を指摘して励ましても、メンティ自身がみずからのポテンシャルやパフォーマンスを正しく認識できていなければ、そうした称賛の効果は期待できない。

 そのような人のメンタリングにおいて、役に立つ戦略がいくつかあるので、以下に紹介したい。

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詐欺師症候群のメンティを支援する6つの方法


 ●詐欺師だと思ってしまうのは、ごく普通のことだと認識させる

 メンティが、自分を詐欺師と称し、不安感を告白したら、肩をすくめ、温かい笑顔で次のような言葉をかけよう。「あなたの周りにいる70%の人も同じです。みんなの仲間入りだね!」

 時折詐欺師のように感じることは、極めて普通のことである。多数のノーベル賞受賞者やフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ、俳優のトム・ハンクスやティナ・フェイ、テニス界の女王セリーナ・ウィリアムズ、そしてもちろん、本記事の筆者である我々も、れっきとした「詐欺師クラブ」のメンバーである。

 すべてを知っている人間など存在しないと、メンティに言い聞かせよう。詐欺師であるという思いに悩まされない人が、抜群に頭がよく有能なわけではない、と伝えるのである。そういう人たちはただ単に、本物になるまでフリをするのが上手なだけである。

 特に女性にメンタリングする際には、男性たちはその場しのぎの演技をすることがさほど苦痛ではないが、だからといって彼らがより多くを知っているわけではない、と言い聞かせるとよいだろう。

 ●ネガティブ・トークには証拠をもって反論する

 インポスター症候群で苦しんでいるメンティはしばしば、自分の能力やパフォーマンスのすべてを否定するような評価をみずからに下す。話を聞くうえで、自分のすべてを卑下する言葉には注意を向ける必要がある。たとえば「私は馬鹿だ!」「プレゼンは大失敗だった!」「私にはここで働く資格はない!」といった言い回しだ。

 そのようなときは、データに基づき、具体性を保ち、証拠とメンティの発言の不一致を指摘するよう努めよう。メンティらのプロとしての能力と長所がいかに進歩してきたかに焦点を当て、次のように反論してみよう。

「あなたが馬鹿? それはいったいどういう意味ですか。あなたが馬鹿なら、私たちはみんな困った状況に置かれているはずですよ!」「あなたのプレゼンが『大失敗』だったとは、誰からも聞いていません。次回改善したい点がいくつかあるということですか」「ここで働く資格がない? ということは、あなたへ仕事のオファーをしたとても聡明な経営陣が無能だということですか」

 あるいは、「ちょっと待ってください。少し混乱しています。あなたは○○のような素晴らしい成果を上げたようですが、それでも自分がここで働く資格がないということですか」

 ●一に肯定、二に肯定、何が何でも肯定しよう

 優れたメンターは、自分を詐欺師だと感じている人の不安を察知すると、肯定と激励で反論する。賢いメンターは、ユーモアと気品を示しつつ、メンティの力を信じていることを伝え、当人がその場にふさわしい存在であり、有能な人材であると気づけるよう尽力する。メンティの進歩やマイルストーンの達成などをレビューする、よい機会にもなるだろう。

 肯定には2つの側面があることを覚えていてほしい。第1に、メンティを一人の人間として肯定し、内在する価値を認め、無条件にありのままを受け入れることだ。第2に、プロフェッショナルとして肯定し、これまで達成したことに目を向け、称賛することである。

 ●ステレオタイプの脅威を意識的に中和する

 白人男性が圧倒的に多い環境で働く女性や、人種的マイノリティーにメンタリングを行うときは、彼らが置かれている環境に対する認識を促すことが肝心だ。職場で圧倒的な少数派である場合、自分を詐欺師のように「感じる」ばかりか、いくら自信があり、能力があっても、詐欺師のように感じることを「強いられて」しまう。

 重要な仕事の出来不出来は、性別や人種とはまったく関係がないという認識をメンティに持ってもらい、仕事において高い自己効力感(self-efficacy)の構築を後押しすることで、ステレオタイプの脅威からくるパフォーマンスへの不安を緩和できることが、研究で明らかとなっている。

 たとえば、次のような言葉が有効だろう。「あなたが手を挙げれば、女性として初のベンチャーキャピタルのリーダーになることができますよ。ベンチャーキャピタルの世界で、女性は男性と同じぐらい、もしかしたらそれ以上に優れたリーダーになれることに気づいてくれると嬉しいです。あなたにはその力があるのです!」

 ●メンター自身の詐欺師体験を語る

 あなたもほとんどの人と同じく、人生やキャリアのなかで、自分を詐欺師のように感じたことがあるだろう。そうであるならば、メンティとその体験を共有しよう。詐欺師だという感覚に苦しむ相手にとって、尊敬するメンターやロールモデルでさえ、自分と同じように詐欺師の不安感という魔物と格闘した経験があり(ことによると、いまもなお闘い続け)、それに負けずに前進を続けたという発見ほど、勇気づけられるものはない。

 ●成功したのはメンターのおかげではないと伝えよう

 詐欺師を自認する人は、自分のプロとしての成功の要因は、運や過度な準備、またはメンターのおかげと考えがちであることに注意しよう。女性は特に、自分の成功を、運やチームメンバーのおかげだと考える傾向が強く、優れた成果を上げても、自分の才能や努力を過小評価して、メンターのおかげだと考えやすい。

 インポスター症候群に悩む人が、自分の成功はメンターであるあなたのおかげだと言ってきたら、感謝を述べたあとで、成功の大きな要因は当人にあることをはっきりと伝え、その理由を説明しよう。

 優れたメンターを目指すなら、あなたの指導するメンティが、一度や二度は自己疑念やインポスター体験に悩まされるという事実を胸に刻むことから始めよう。根気強く、温かい目で肯定し続けることで、メンティがあなたの目を通して、自分自身の真価を認識できるようサポートしていくといい。


HBR.ORG原文:Mentoring Someone with Imposter Syndrome, February 22, 2019.

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W. ブラッド・ジョンソン (W. Brad Johnson)
米国海軍兵学校のリーダーシップ・倫理・法学部の心理学教授であり、ジョンズホプキンス大学ファカルティ・アソシエート。メンタリングに関する多くの著書がある。Athena Risingの共著者。

デビッド G. スミス (David G. Smith)
米国海軍大学校国家安全保障学部の社会学教授。Athena Risingの共著者。共働き家庭、軍人家族、軍における女性、女性の定着など、ジェンダー、仕事、家族問題について研究している。

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組織の創造性を高めるマネジメントとは何か

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http://www.dhbr.net/articles/-/5821
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/750.html

[不安と不健康18] 男性と女性、脳年齢はどちらが若い?  
2019年4月1日 The Wall Street Journal
男性と女性、脳年齢はどちらが若い?
Photo:iStock/gettyimages
 女性は男性より長生きする傾向にある。このことは生物科学において最も確かな研究結果の一つで、証拠は探すまでもない。米国の平均寿命は女性が男性より約5年長く、ラトビアとベトナムではその差は10年にもなる。新たな研究によると、成人になってからの脳も男性より女性のほうが若いようだ。
 この研究はセントルイス・ワシントン大学医学部の放射線専門医マヌ・ゴヤール氏と神経科学者マーカス・レイクル氏のチームが行い、先月、米国科学アカデミー紀要(PNAS)で発表された。それによると、脳の代謝――脳がグルコースと酸素を使って活動に必要なエネルギーを供給する速度――を測定したところ、成人女性の脳は常に男性の脳より3歳程度若いようだ。脳年齢の男女差には寿命の男女差がそのまま表れており、認知機能が正常に働く期間に神経発達の性差がどう影響するかについて、重要な事実を示すものかもしれない。
 レイクル氏は1970年代初頭に、PET(陽電子放射断層撮影)を使って人間の脳の認知機能を初めて調べた脳科学者の1人で、82歳になった今も研究を続けている。最新の研究では、PETで脳をスキャンし、成人の脳がどれくらいのエネルギーを消費しているか、脳の中でエネルギー需要が最も大きい部位はどこかを評価した。レイクル氏によると、「グルコースは石炭のようなもので、脳の中で燃焼してエネルギーを生成する」が、「その過程で脳が欲しがらない副産物も生成される」。その結果、グルコースの量から脳の活発さや若さの情報が読み取れるという。
 研究では20歳から85歳までの健康な成人205人に目を閉じて静かに横になった状態でPET検査を受けてもらい、スキャンした画像からさまざまな神経領域に流れる血流を評価すると同時に、2種類のグルコース吸収――一つは酸素を燃やす酸化的吸収、もう一つは酸素を燃やさない非酸化的吸収――を調べた。チームが2017年に発表した研究では、若い時は脳はこの両方でグルコースを消費するが、非酸化的消費は年を取ると急減することが分かった。思春期以降の脳の血流減少は、男性より女性のほうが少ないことも明らかになった。
 脳の代謝にこうした男女差があるということは、女性の脳は同年代の男性の脳より若く見えるということだ。研究チームは被験者の脳に特徴的なパターンを見つけるため機械学習を活用した。ゴヤール氏によると「男性の脳のパターンを使って機械を訓練し、女性の脳を評価させると、機械は女性の脳が実年齢より3〜4年若いと推測した」という。逆に女性の代謝パターンが基準となるように訓練すると、機械は男性の脳を実年齢より2〜3歳上と推測した。代謝による脳年齢は男性より女性のほうが約3歳若い、ということだ。
 こうした脳年齢における性差は成人期を通じて変わらず、脳にアルツハイマー病の前兆が見られてもはっきりしていた。カリフォルニア大学アーバイン校で脳の男女差を研究する神経科学者ラリー・カーヒル氏は、性別の影響が脳のあらゆる機能に見られることを示す証拠はこれまでにも多く見つかっていると指摘。そのうえで「神経科学の他の領域でもそうだが、(発見された証拠の)意味を理解するのに苦労することが多いからといって、発見の重要性が薄れることはない」と話した。
(The Wall Street Journal/Susan Pinker)

https://diamond.jp/articles/-/198447

http://www.asyura2.com/16/health18/msg/739.html

[経世済民131] ドイツ製造業の低迷深刻化、3月PMI確定値44.1ー速報値下回る ユーロ圏CPI3月は前年比1.4%上昇、市場予想下回る
ドイツ製造業の低迷深刻化、3月PMI確定値44.1−速報値下回る
Carolynn Look
2019年4月1日 18:47 JST
• 縮小は3カ月連続、受注と輸出売上高が急激な落ち込み
• ドイツ債は下落、欧州経済の見通しに不透明性
IHSマークイットが発表した独製造業景況指数は3月の確定値が速報値を下回った。同国の製造業は3カ月連続で縮小を示しているが落ち込みは一段と深刻化しており、投資家に質への逃避を駆り立ている。
  3月の製造業購買担当者指数(PMI)確定値は44.1と、速報値の44.7から低下した。速報値はブルームバーグがまとめたエコノミスト予想を大幅に下回っていた。フランクフルト時間午前9時34分現在、ドイツ債は下落。10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げてマイナス0.04%となっている。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i_WjV1Otbf.g/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png
  貿易を巡る不透明感や需要の軟化に伴い世界的に製造業が落ち込む中、ドイツの製造業は特に低迷が際立つ。受注と輸出売上高は金融危機以降で最も急激なペースで低下している。
• 備考:ドイツ製造業PMI速報値、3月は3カ月連続で縮小示す−総合も低下
原題:German Manufacturing Slump Deepens in Warning Sign for Euro Area(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PP9YOH6S972M01?srnd=cojp-v2


 


ユーロ圏CPI:3月は前年比1.4%上昇、市場予想下回る
Carolynn Look
2019年4月1日 20:19 JST
• コアCPIは0.8%上昇、約1年ぶりの低水準
• 世界的な製造業低迷や需要減で、雇用・賃金増の物価への転嫁鈍く
3月のユーロ圏インフレ率は、市場予想に反して前年同月比の伸びが低下した。食品とエネルギーを除くコアのインフレ率は約1年ぶりの低水準となった。欧州中央銀行(ECB)が新たな緩和策を打ち出す根拠が一段と強まった。
  欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した3月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比1.4%上昇、コアCPIの上昇率は0.8%だった。金融政策当局者はいずれ物価が上昇すると確信しており、ドラギECB総裁は先週、インフレ率の目標への収れんは「遅れているが脱線してはいない」と述べていた。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iL.mKcH4E6ac/v2/576x-1.png
  ユーロ圏のインフレは改善を続ける労働市場に比べて弱い。域内の失業率は2月も7.8%と、過去10年余りで最も低い水準を維持したが、世界的な製造業の低迷や全般的な需要減を背景に、雇用や賃金の伸びが物価に転嫁されるペースは緩やかだ。
原題:Euro-Area Inflation Slows as Core Gauge Reaches 11-Month Low (1)(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPA33D6JTSE801?srnd=cojp-v2


http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/753.html

[経世済民131] 米小売売上高2月は前月比0.2%減−予想外のマイナス 香港株上昇、ハンセン指数が強気相場入り 英EU離脱1年以上延期へ
 

米小売売上高:2月は前月比0.2%減−予想外のマイナス
Reade Pickert、Jeff Kearns
2019年4月1日 21:36 JST
米商務省が発表した2月の小売売上高は前月比0.2%減。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.2%増だった。前月は0.7%増(速報値0.2%増)に上方修正された。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Retail Sales Unexpectedly Fall; Prior Reading Revised Up(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPA8A86S972901


 

 
香港株上昇、ハンセン指数が強気相場入り−本土株に続く
Sofia Horta e Costa
2019年4月1日 17:55 JST
ハンセン指数は1.8%高の29562.02
H株指数は1.6%高−強気相場入りに迫る
1日の香港株式相場は上昇。ハンセン指数が強気相場入りした。2月に強気相場に入った中国本土のCSI300指数と上海総合指数にようやく続いた。
 
  ハンセン指数は前週末比1.8%高の29562.02で終了。昨年10月の安値から20%上げ、強気相場入りの目安とされる29502.64を上回った。今年1−3月の上昇率は四半期としてはほぼ10年ぶりの大きさだった。

Hong Kong stocks reached milestone on Monday
  香港上場の本土銘柄から成るハンセン中国企業株(H株)指数は前週末比1.6%高の11557.63で引けた。今年1月の安値から18%上げており、こちらも強気相場入りに迫っている。

原題:Hong Kong Stocks Enter Bull Market After Best Quarter Since ’09(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PP9WTR6KLVR501?srnd=cojp-v2

 
英EU離脱、1年以上延期の可能性が高まっている−ゴールドマン
Joe Easton
2019年4月1日 21:19 JST
延期が長くなればなるほど、離脱しない公算が大きくなる
離脱協定の修正版が最終的に承認される展開、依然最もあり得る
メイ英首相の欧州連合(EU)離脱協定案が先週末に議会で否決されたことで、離脱プロセスが長期化し、よりソフトな離脱に向かう可能性が高まっているとゴールドマン・サックス・グループは論じた。

  ゴールドマンは顧客向けメモで、次の期限に設定されている4月12日まで英国とEUには離脱合意を再交渉する時間はまだあるとしつつ、離脱プロセスはいまや3カ月以内の短い離脱延期ではなく、1年以上の延期になる方向へ傾いていると指摘した。

  アナリストのエイドリアン・ポール氏は「われわれの見方では、延期が長くなればなるほど、結局は離脱しない公算が大きくなる」と述べた。「国民投票の再実施または英国の一方的な離脱撤回により、2016年に下したEU離脱決定が覆される可能性が膨らんでいるとみている」とし、「離脱しない」確率はこれまでの35%から40%に上昇したとの見方を示した。

  最終的に離脱協定案の修正版が英議会の承認を得る確率は50%から45%に低下したものの、3つの選択肢の中では依然として最もあり得る結末だと、ゴールドマンは指摘。もう1つの選択肢である合意なき離脱は、確率15%とみている。

原題:Goldman Sachs Says One-Year Brexit Extension Now More Likely(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPA4ORSYF01S01?srnd=cojp-v2

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/754.html

[原発・フッ素51] ドイツ、脱原発・石炭火力で電力不足の恐れ=業界団体 ドイツ製造業の低迷深刻化、3月PMIー速報値下回る
ビジネス2019年4月1日 / 20:01 / 3時間前更新
ドイツ、脱原発・石炭火力で電力不足の恐れ=業界団体
Reuters Staff
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[フランクフルト 1日 ロイター] - ドイツの電力業界団体BDEWは1日、政府のクリーンエネルギー政策により、2023年までに電力需給ギャップが発生すると警告した。BDEWは、ドイツ政府の脱原発、脱火力発電方針により2023年までに2万6000メガワット(MW)相当の発電能力が失われるとしたうえで、新エネルギーでは不足分を補いきれない可能性があると指摘した。

独エネルギー当局は、最大電力需要を8万1800MWと想定している。

BDEWによると、現在8万8600MWの化石燃料発電能力は2023年までに6万7300MWに減少する見通し。

原子力発電能力は2022年までに1万MW減少、石炭火力発電能力は2017─22年に7700MW、2022─2030年に1万4700MWそれぞれ減少するとの予想を示した。
https://jp.reuters.com/article/germany-energy-powerstations-idJPKCN1RD21F


 
ドイツ製造業の低迷深刻化、3月PMI確定値44.1−速報値下回る
Carolynn Look
2019年4月1日 18:47 JST
• 縮小は3カ月連続、受注と輸出売上高が急激な落ち込み
• ドイツ債は下落、欧州経済の見通しに不透明性
IHSマークイットが発表した独製造業景況指数は3月の確定値が速報値を下回った。同国の製造業は3カ月連続で縮小を示しているが落ち込みは一段と深刻化しており、投資家に質への逃避を駆り立ている。
  3月の製造業購買担当者指数(PMI)確定値は44.1と、速報値の44.7から低下した。速報値はブルームバーグがまとめたエコノミスト予想を大幅に下回っていた。フランクフルト時間午前9時34分現在、ドイツ債は下落。10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げてマイナス0.04%となっている。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i_WjV1Otbf.g/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png
  貿易を巡る不透明感や需要の軟化に伴い世界的に製造業が落ち込む中、ドイツの製造業は特に低迷が際立つ。受注と輸出売上高は金融危機以降で最も急激なペースで低下している。
• 備考:ドイツ製造業PMI速報値、3月は3カ月連続で縮小示す−総合も低下
原題:German Manufacturing Slump Deepens in Warning Sign for Euro Area(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PP9YOH6S972M01?srnd=cojp-v2
http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/300.html

[経世済民131] スイス経済は減速へ、中銀の政策柔軟性低下=IMF 英国、EU離脱でGDP約2.5%失う ドイツ脱原発・石炭火力で電力不足
外国為替2019年4月1日 / 19:51 / 3時間前更新
スイス経済は減速へ、中銀の政策柔軟性低下=IMF
Reuters Staff
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[ベルン 1日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は、スイス経済に関する年次審査で、2019年の成長率が減速すると予想するとともに、スイス中銀の金融政策運営の余地は限られていると指摘した。

IMFは、貿易摩擦や、英国の欧州連合(EU)離脱といった欧州の不確実要因がリスクとして、2018年が2.5%だったスイスの成長率が今年は1.1%に減速すると予想した。2020年は「緩やかに」回復するとみている。

スイス政府の成長率予想は、今年が1.1%、2020年は1.7%となっている。

スイス中銀については、厳しい環境下で、スイスフランの変動やインフレの安定化に上手く対応してきたと評価。ただ、海外の金利が低く、スイスフランに安全資産としての魅力があることから、金融政策の対応余地は限られていると指摘した。

フランは、世界経済減速懸念を受けて対ユーロで2017年7月以来の高値を付けた。輸出志向の経済にとってフラン高はマイナスだ。

IMFは「主要中銀の緩和政策継続はスイスの金融政策の柔軟性をそぐ可能性がある」とし、物価安定目標を達成するための政策対応余地が「以前よりも若干少なく」なっていると指摘した。

「長引く低インフレに対応するため、必要ならマイナス金利をさらに深堀りすることは可能」との見解を示した。
https://jp.reuters.com/article/swiss-economy-imf-idJPL3N21J2MW?il=0

 
ワールド2019年4月1日 / 19:51 / 3時間前更新
英国、EU離脱巡りGDPの約2.5%失う=ゴールドマン
Reuters Staff
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[ロンドン 1日 ロイター] - ゴールドマン・サックスは1日、英経済について、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票前の成長軌道と比べて、国内総生産(GDP)の約2.5%が失われたとの試算を示した。

英国経済は、先行き不透明感から投資が阻害され、他の先進国に後れを取っているという。

ゴールドマンのエコノミストは顧客向けのリポートで「EUとの将来の政治・経済関係を巡る不透明感は、英国経済の大きな負担となっており、他国にも影響が波及している」と指摘。

「不透明感の衝撃は、国民投票直後に投資の伸びの重しとなったほか、最近も、離脱を巡る不透明感が再び強まっていることから、さらに重しとなっている」と述べた。

ゴールドマのモデルによると、国民投票以降、EU離脱を巡って1週間当たり約6億ポンド(7億8500万ドル)のコストが発生しているという。

ゴールドマンは「合意なき離脱」の確率を15%とみているが、この場合、世界の信頼感に「大きな」ショックが発生。ポンドが急落し、英国の生産が大幅に落ち込む見通し。[nL3N21J22E]

このシナリオの影響を最も受けるのは欧州諸国で、生産が実質GDPの1%前後減少する可能性があるという。
https://jp.reuters.com/article/britain-eu-goldmansachs-idJPKCN1RD20C?il=0

 

ビジネス2019年4月1日 / 20:01 / 3時間前更新
ドイツ、脱原発・石炭火力で電力不足の恐れ=業界団体
Reuters Staff
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[フランクフルト 1日 ロイター] - ドイツの電力業界団体BDEWは1日、政府のクリーンエネルギー政策により、2023年までに電力需給ギャップが発生すると警告した。BDEWは、ドイツ政府の脱原発、脱火力発電方針により2023年までに2万6000メガワット(MW)相当の発電能力が失われるとしたうえで、新エネルギーでは不足分を補いきれない可能性があると指摘した。

独エネルギー当局は、最大電力需要を8万1800MWと想定している。

BDEWによると、現在8万8600MWの化石燃料発電能力は2023年までに6万7300MWに減少する見通し。

原子力発電能力は2022年までに1万MW減少、石炭火力発電能力は2017─22年に7700MW、2022─2030年に1万4700MWそれぞれ減少するとの予想を示した。
https://jp.reuters.com/article/germany-energy-powerstations-idJPKCN1RD21F
 


http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/755.html

[政治・選挙・NHK259] 働き方改革始動、各地で入社式 罰則付残業時間の上限規制スタート ただし医師は過労死ラインの2倍OK
主要ニュース(共同通信)2019年4月1日 / 19:56 / 3時間前更新
働き方改革始動、各地で入社式 罰則付きの残業時間の上限規制スタート
共同通信
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 新年度が始まった1日、全国の企業や官公庁で入社式や入庁式が開かれた。政府が「70年ぶりの大改革」と位置付ける働き方改革関連法のうち、罰則付きの残業時間の上限規制が同日、スタート。長時間労働是正に向け、日本の労働は大きな転換期を迎えた。新社会人からは「新しい時代に、果敢に挑戦していきたい」との抱負も聞かれた。

 働き方改革関連法を所管する厚生労働省では、根本匠厚労相が新職員約180人を前に「日本の社会保障と働き方を引っ張っていく存在でありたい」と呼び掛けた。

 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は「福島への責任を果たすことが使命」と語った。

【共同通信】
https://jp.reuters.com/article/idJP2019040101002234?il=0


 


残業上限「年1860時間」で決着 医師の働き方改革
2019.3.28 11:54

 医師の働き方改革に関する有識者検討会は28日、一部医師の残業時間の上限「年1860時間」を含む報告書をまとめた。4月から一般労働者に適用される働き方改革関連法の上限「年720時間」をはるかに上回り、過労死ラインの2倍の残業を容認する。同法で医師は5年間猶予されており、報告書に沿った改革は平成36(2024)年から運用される。

 検討会は29年8月に設置され、22回の会合を重ねてきた。容認された残業上限は、1カ月当たりに換算すると155時間で、いわゆる「過労死ライン」(2〜6カ月平均80時間)の2倍。ただ、過労死認定は一般労働者と同様になることを明記した。

 報告書では、勤務医一般の残業上限を休日労働を含み、「月100時間未満、年960時間」とした。しかし、労働時間を急激に減らした場合、患者らに多大な影響を及ぼす地域医療を担う勤務医については、「年1860時間」。集中的に技能を身につける必要がある研修医らについても、本人が申し出た場合、年1860時間を認める。

 地域医療の勤務医の残業上限は、47(2035)年度までの特例とする。当直などの連続勤務を28時間(研修医は24時間)までとする制限を設けた。

 これらの医師に対しては、健康を確保する措置の必要性を強調した。終業から次の勤務の間に9時間の休息(勤務間インターバル)を取ることや、残業月100時間以上の場合は、医師の面接指導を受けなければならない。
https://www.sankeibiz.jp/workstyle/print/190328/ecd1903281154002-c.htm
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/206.html

[経世済民131] 中国テク企業が「新陳代謝」、憂き目にあう中年社員 国際特許出願、中国深圳が突出 独経済、合意なきEU離脱なら0.7%
トップニュース2019年3月31日 / 08:28 / 4時間前更新
アングル:
中国テク企業が「新陳代謝」、憂き目にあう中年社員
Sijia Jiang and Pei Li
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[香港/北京 25日 ロイター] - 中国の大手テクノロジー企業は、活力にあふれた若者への求人を強化している。ベテランのマネジャーたちがその犠牲になる場合もある。

テクノロジー各社は、年長の従業員の一部が懸念している動きについて、年齢に基づく差別によるものではないと否定する。多くの国では年齢に基づく露骨な差別は禁止されているが、中国では違法ではない。

中国テクノロジー企業の「若者優先」は有名だ。理由の一端は、いわゆる「996」、つまり午前9時から午後9時まで、週6日間働くことが求められる厳しい労働条件にある。

中国のインターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)(0700.HK)は21日、マネジャー層の10%を入れ替える計画があることを認めた。

「マネジャークラスの年長メンバーの一部には、現在の地位から退いてもらう」と同社のマーティン・ラウ社長は語った。「そのポストを引き継ぐのは、もっと若い人材、より情熱的と思われる、新たな仲間たちだ」

この再編についてさらに詳しい説明を求められたテンセントは、同社の雇用慣行が法令を遵守しているとする年次報告書の記述に触れ、「ジェンダー、民族、人種、障害、年齢、信仰、性的志向や婚姻状態に基づく差別は行っていない」としている。

若手をマネジャーに登用しようという動きは、1つには、中国で新世代のインターネット企業が台頭していることを意識したものだとアナリストは指摘する。たとえば?多多(ピンドゥドゥ)(PDD.O)や北京字節跳動科技(バイトダンス)といった企業の経営陣の主力は、1980年代─90年代生まれの起業家だ。

「こうした企業を改革に走らせているのは、環境、そして外部からのプレッシャーだ。もし指導層の年齢が高すぎれば、取り残されやすくなる」と語るのは、北京で活動するテクノロジー産業アナリスト、リ・チェンドン氏。同氏はかつてテンセントや電子商取引大手の京東商城(JDドットコム)(JD.O)で働いていた。

「米国や欧州では、企業が1年おきに構造改革を実施するという例はめったにない。だが中国では、それが当たり前だ。中心的な経営陣でさえ、非常に短期間のうちに入れ替わる可能性がある」

<早期退職制度を整備>

ネット検索大手の百度(バイドゥ)(BIDU.O)では、ロビン・リー最高経営責任者(CEO)が、内部向けの書簡(社外にも公開)の中で、今年は1980年以降に生まれた人材を登用することにより、若返りの努力を加速させていく計画だと説明。同時に、幹部向けの退職制度も発表した。

リー氏によれば、この制度のもとでの最初の退職者は、新規事業担当社長のZhang Ya-Qin氏で、10月に退職予定だという。地元メディアの報道によれば、同氏は53歳だ。

「会社のために熱心に働き、その成長と共に歩んできたシニアマネジャーで、個人的な、あるいは家族の事情により新しい人生を歩みたいと願う人がいる場合には、会社はこの幹部向け退職制度に基づいて対応する予定だ」とリー氏は書簡に記している。

バイドゥの広報担当者は、マネジャーが退職を選ぶか否かを左右するのは年齢ではないとし、この制度を利用して退職するかどうかの判断は本人次第だと説明した。

中国のスマートフォンメーカーである北京小米科技(シャオミ)(1810.HK)を率いるレイ・ジュンCEOは、3月20日の記者会見で、同社が組織再編の一環として、若手のゼネラルマネジャーを複数名、新たに任命したと述べた。

シャオミの広報担当者は、同社が年長のマネジャー層を削減しているわけではないとしつつ、急速な事業拡大を支えるため「より若い才能」を登用することが必要になっている、と述べた。

テクノロジー企業で働く30代─40代の社員たちはロイターに対し、この業界が若手優先であることは受け入れられるようになったが、人工知能(AI)などの新たな成長分野において、それがますます極端になりはしないかと懸念していると語った。

「自分が職を失うことについてはあまり心配していないが、昇進できないのではないかという不安はある」と語るのは、JDドットコムで働く38歳のエンジニア。取材に応じた他の従業員と同様、このエンジニアも、メディアの取材に応じる権限がないという理由で、氏名を明かすことを拒んだ。

JDドットコムの広報担当者は、同社は差別はしておらず、業績の良い従業員は誰でも昇進の資格がある、と語った。

<男女格差も>

中国有数の動画投稿サイトの1つでプログラマーとして働く29歳の女性は、年齢差別に対する懸念は女性の方が強いという。

「昇進に(男性よりも)長い期間を要することもあり、年齢による制約が与える影響は、女性の方が深刻になる」と彼女は言う。「どうしても、年を取れば製品を理解できなくなるだろうという感覚がある」

年長の労働者が法的手段に訴えようとしても限界がある。

「中国の労働者が訴訟を起こせるとすれば、解雇の際に正当な補償が与えられない場合だけだ」と、香港を拠点とする労働者の権利擁護団体である中国労工通訊のジェフリー・クロソール氏は話す。

年齢による差別は米国では違法だが、その証明は困難であることが多い。シリコンバレーのスタートアップ企業の間では若年労働者を優先する偏見が露骨に見られることが多く、投資家も20代・30代の起業家を支援する方を好む場合が多い。

中国のテクノロジー業界内には、年長の従業員であっても、業績が優れていればさらに昇進する可能性はあるという声もある。

通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は、全員の契約を数年おきに更新するという強気な社内文化で知られるが、ある従業員は、これは業界では普通に見られるアプローチだと擁護する。ファーウェイはコメントするのを控えた。

「各社とも、入社してしまえば食いっぱぐれる心配はないといった昔ながらの考え方から脱却しつつある」と、この従業員は語った。

(翻訳:エァクレーレン)
https://jp.reuters.com/article/turkey-election-idJPKCN1RD13J


 


 
国際特許出願、中国・深圳が突出 国内5割超占める
【イブニングスクープ】
スタートアップ 中国・台湾
2019/4/1 18:00日本経済新聞 電子版
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【広州=比奈田悠佑】スタートアップ企業の集積が進む中国の広東省深圳市で、知的財産の蓄積が加速している。世界知的所有権機関(WIPO)が3月にまとめた2018年の特許の国際出願件数をもとに日本経済新聞が集計したところ、中国の出願件数の半数以上の52%を深圳市が占めていたことが分かった。2位の北京市(13%)を大幅に上回った。深圳は国策により次世代高速通信「5G」や新素材など先端技術の開発の後押しを…

 
深圳GDP初めて香港抜く 18年、高成長
2019/2/27 21:01
1989年筑波大卒。ソニーなどを経て2003年ハンゲームジャパン(現LINE=ライン)入社、07年社長。15年3月退任、4月C Channelを設立し、代表取締役に就任。
深圳に学ぶ「IT都市」戦略
2019/2/15 6:30
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43178990R00C19A4I00000/

 

ビジネス2019年4月1日 / 19:01 / 4時間前更新
今年の独経済、合意なき英EU離脱なら0.7%成長に=産業連盟
Reuters Staff
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[ベルリン 1日 ロイター] - ドイツ産業連盟(BDI)は1日、英国が無秩序な形で欧州連合(EU)を離脱した場合、今年のドイツの経済成長率が0.7%になるとの見通しを示した。

現在の予測は1.2%。

BDIのケンプ会長は声明で「英国経済は深刻な景気後退に直面する。無秩序なEU離脱は少なくとも今年のドイツの経済成長率を0.5%ポイント押し下げるだろう」との見方を示した。
https://jp.reuters.com/article/britain-eu-germany-gdp-idJPKCN1RD1W3
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/756.html

[国際25] 「名将」ロンメルの名声はいかにして堕ちたか 「砂漠の狐」ロンメルの知られざる姿 第1回 2019.4.2(火) 大木 毅
「名将」ロンメルの名声はいかにして堕ちたか
「砂漠の狐」ロンメルの知られざる姿 第1回
2019.4.2(火) 大木 毅

 日本では不世出の名将として語られることが多い第2次世界大戦の軍人ロンメル。だが近年、欧米における評価が変化してきているのをご存じだろうか。40年近く認識のギャップが生じている日欧の「ロンメル論」を、軍事史研究者の大木毅氏が3回に分けて紹介する。(JBpress)

(※)本稿は『「砂漠の狐」ロンメル』(大木毅著、角川新書)の一部を抜粋・再編集したものです。

ロンメルの手腕への疑問符
 エルヴィン・ロンメルといえば、第2次世界大戦中、戦車を中心に、機械化された歩兵・砲兵・工兵などを編合した装甲部隊を率いて、連合軍をきりきり舞いさせた不世出のドイツの名将とのイメージが顕著だろう。

 このような「名将ロンメル」論は、1970年代なかばまで、欧米でもほぼ定説であったといってよい。けれども、1970年代後半になると、ロンメルの軍人としての資質や能力に疑問が呈されるようになった。それまでの顕彰への反動からか、新しいロンメルに関する文献は「偶像破壊」に走るきらいがある。

1917年、イタリア戦線でのロンメル(出所:Wikipedia)
 なかでも激烈だったのは、いまやネオナチのイデオローグとなったイギリスの著述家、デイヴィッド・アーヴィングが1977年に刊行した『狐の足跡』だろう。

 今となれば、アーヴィングは、最初から結論ありきの論述を行う人物だとあきらかになっている。しかし、『狐の足跡』出版当時のアーヴィングは、歴史家としての専門訓練こそ受けていないものの、精力的に史料や証言の博捜(はくそう)に努めていることで知られていた。そんな人物が、ロンメルは名誉欲にかられて、ある意味無謀な作戦を遂行、不必要な損害を出したと主張したのである。このセンセーショナルなロンメル伝は、当時の西ドイツでベストセラーになった。

 しかしながら、あらかじめ述べておくとアーヴィングの主張は、今日なお認められているわけではない。『狐の足跡』はすでに出版時から、ロンメルの息子であるマンフレート(ドイツ・キリスト教民主同盟CDUの政治家で、当時シュトゥットガルト市長であった)をはじめとする、関係者や歴史家に厳しく批判されてもいた。史料の歪曲や恣意的引用を多々含んだ書物であることは、わかっていたのである。

更新されない日本での評価
 ところが、日本では『狐の足跡』が早くから邦訳され(1984年に早川書房が刊行)、一見、大部で詳細な本と思われるからだろうか。現在でもなお、この本を基にした記述が少なくない。

 近年、日本のアカデミズムにおいても、社会史・日常史的な関心に基づく「新しい軍事史」の研究は盛んになってきてはいる。だが、もともと日本のアカデミズムでは戦史や軍事史を扱わないことや、旧日本軍・自衛隊に属した人のなかで、ドイツ語と軍事に通じた人材が世を去ったことなどにより、ドイツ軍事史の研究成果が紹介されなくなったという事情がある。

 その結果、新しいロンメル研究は日本ではほとんど知られず、通俗的な本や雑誌では、1970年代後半のアーヴィングの著作に依拠したものがまかり通るという事態になっている。すなわち、欧米と日本の認識のあいだに40年近いギャップが生じる事態となった。

 もっとも、欧米においてロンメル批判に踏み切ったのは、アーヴィングだけではなかった。一次史料に基づく実証研究が進むにつれて、「名将」の手腕に疑問符が付せられはじめたのである。また、この間に連合国に押収されていたドイツ国防軍文書の多くが返還され、ドイツ本国においてもロンメルの再評価がはじまった。

 1941年の春に試みられた「トブルク要塞攻撃」などを例として、ロンメルは不十分な攻撃準備しかせず、結果的に大損害を出したといった批判がなされた。イスラエルの軍事史家マーチン・ファン・クレフェルトも、1977年に出版された『補給戦』のなかで、北アフリカの枢軸(独伊)軍に補給の問題が生じたのは、独伊軍首脳部の無能ゆえではなく、ロンメル自身の兵站軽視によるものだと指摘している。

 かかる研究成果によって、ロンメルは「偶像」から「批判」の対象へと変わっていく。

偶像から等身大へ、進む再評価
 2000年代には、ロンメル評価は、いわば等身大のものとなっていた。歴史家やジャーナリストが発表したロンメル伝により、戦略的視野や高級統帥能力には欠けるところがあるものの、戦術次元では有能な指揮官だったという評価が定着したのである。ある意味、第2次世界大戦中から続いていたロンメルの偶像化の流れが止まり、逆流したといえる。

 2008年12月から2009年8月にかけて、ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州歴史館は、ロンメルに関する特別展を開催した。ヴュルテンベルクはロンメルの生誕の地であるから、「郷土の偉人」を顕彰したのかと思えばそうではなかった。「ロンメル神話」(Mythos Rommel)と名付けられたこの特別展は、ロンメルの虚像がいかに形成されたかに力点を置くものだったのである。

 さらに、2010年代に入ると、ロンメル批判はさらに一歩進んだ。ヒトラーが率いた軍の軍人としての彼を評価できるのか、評価してよいのかという問題意識が生じ、実際にそれをかきたてるような事件も起こった。

物議をかもした記念碑の一文
 ドイツ東部にある都市ハイデンハイムには、彼の記念碑がある。1961年、ロンメルの生誕70周年に、「アフリカ軍団の戦友会」の請願によって立てられたものだ。2011年、ハイデンハイム市当局がこの記念碑へ追加設置した銘板に書かれた「一文」をめぐって、論争に火がついた。

「戦争においては、勇敢さならびに英雄的な気概と、咎(とが)や犯罪が密に相接している」

 この表現が批判を呼んだのである。

 複数の歴史家から、こうしたロンメル顕彰の碑は、彼を「暴力支配の犠牲者」として英雄化するものであり、撤去すべきだとする意見が出された。一般市民からも、その異議申し立てに同調する者が多数現れ、ロンメル記念碑を「ナチ将軍の記念碑はもういらない」と大書した布で覆うという抗議行動もなされた。

 また、2013年10月に極右政党ドイツ国家民主党のメンバーが、「砂漠の狐の足跡をたどる」と称して、くだんの記念碑に詣でたことも論争に拍車をかけた。このまま、ロンメル記念碑を放置しておけば、ネオナチの「聖地」になりかねないと危惧されたのだった。このような事態を受けて、ロンメル記念碑は撤去も検討されたが、2018年現在、いまだ結着はついていない。

政治思想と結びつけられるロンメルへの評価
『「砂漠の狐」ロンメル』(大木毅著、角川新書)
 この種の問題は、ロンメル記念碑だけではない。やはりバーデン=ヴュルテンベルク州のドルンシュタットにある連邦国防軍の衛戍地(えいじゅち)には、「ロンメル兵営」の名が付せられていた。だが、2017年に、連邦国防軍の極右現役将校によるテロ未遂事件(難民受け入れに賛成したヨアヒム・ガウク前ドイツ連邦大統領などの暗殺を計画していた)が発生。それ以来、ナチの将軍の名を兵営に冠するのは好ましくないとの批判が相次ぎ、改称が検討されている。

 さらに、2018年に、ドイツ国防省の政務次官ペーター・タウバーが、SNS上でロンメルを悼む発言をしたところ、指弾の的となる事態となったのも記憶に新しいところだ。

 つまり、現今のロンメルの評価は、軍事的・歴史的なそれを超えて、政治的な色彩を帯びつつある。事実、ここ数年のあいだに出された研究には「現代のわれわれにとってロンメルという歴史的存在への解釈がどのような意味を持つか」という、問題意識に基づくものが多いのである。

 それら「ロンメル評価」の変化と揺れを、あなたはどれほどご存じだろうか。

(第2回に続く)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55860


http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/886.html

[国際25] 激動東アジア:朝鮮半島で起こり得る5つのシナリオ 米朝会談中断で何が進行しつつあるのか、米国と中国の思惑とは 
激動東アジア:朝鮮半島で起こり得る5つのシナリオ
米朝会談中断で何が進行しつつあるのか、米国と中国の思惑とは
2019.4.2(火) 矢野 義昭
北朝鮮、在スペイン大使館襲撃で捜査を要求 初の公式コメント
北朝鮮、在スペイン大使館襲撃で捜査を要求 初の公式コメント。写真はスペイン・マドリードにある在スペイン北朝鮮大使館(2019年3月28日撮影)。(c)JAVIER SORIANO / AFP〔AFPBB News〕

 第2回の米朝首脳会談は、2日目に中断され、今後首脳会談が再開されるか否かは不透明な状況になっている。

 まだ両首脳は、協議打ち切りを表明はしていない。しかし、第1回の米朝首脳会談後に高まっていた今後の朝鮮半島情勢についての楽観的な見通しは後退し、緊張が高まっている。

 日本として採るべき一般的な対応策を検討した後に、今後の朝鮮半島情勢の見通しについて、5つのシナリオを分析し、日本として対応すべき基本方針を検討する。

米国の総合的ソフトパワー戦略の発動
 第2回の米朝首脳会談で米側は、核兵器のみならず、生物・化学兵器とそれらの運搬手段である「あらゆる射程の」弾道ミサイルの全廃も要求した。

 また、寧辺(ニョンビョン)以外の地域の非核化も要求したとされている。北朝鮮側の予期した以上に、2回目の首脳会談に臨む米側の姿勢は強硬であった。

 金正恩国務委員長の面目は国内外で失われた。

 しかし会談中断から約1週間は、ドナルド・トランプ大統領への直接的な非難や会談を「失敗」とする国内報道を抑制するなど、内外で宣伝してきた米朝首脳会談への期待が裏切られたことを取り繕うとの姿勢がみられた。

 3月8日に北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)製造工場での活動が報じられるなど、数日後になりようやく北朝鮮側の強硬姿勢への転換を示唆する兆候が出てきた。

 このことは、金正恩(キムジョンウン)の会談中断への対応策に、揺らぎがあったことを示している。米側の心理戦の成果とも言えよう。

 会談中断直後の3月1日には、金正男(キムジョンナム)の息子の金ハンソルを支持し、金正恩独裁体制の打倒を訴える「千里馬民防衛」と称する団体が「自由朝鮮」に改称し、ソウルで臨時政府を樹立したと報じられている。

 さらに同団体は3月21日未明(日本時間)、金日成(キムイルソン)主席と金正日(キムジョンイル)総書記の肖像画が床にたたきつけられる動画をホームページ上で公開した。動画は北朝鮮国内で撮影された可能性がある。

 この組織は米韓の情報機関との接点も取り沙汰されており、北朝鮮は神経をとがらせているとみられる(『読売新聞』2019年3月21日)。

 今年2月22日には、北朝鮮の在スペイン大使館が暴漢に襲われるという事件も起きている。3月15日付米誌『ワシントン・ポスト』紙は、この事件の背後にも「千里馬民防衛」が関与していると報じている。

 また3月11日に発生した駐マレーシア北朝鮮大使館の塀の落書きも自分たちが行ったものだと主張している。

 スペイン日刊紙エル・パイスは3月13日付の記事でスペイン国家情報局(CNI)などの消息筋を引用し「侵入者10人中、最低2人の身元が監視カメラの分析で確認され、彼らが米中央情報局(CIA)と関連している」と報じた。

 しかし、消息筋は「米情報機関は敏感な時期にこのようなことを行うのは避けただろうし、千里馬民間防衛が特定政府と協力して事件を起こすことはなかった」と話したと、上記の米紙『ワシントン・ポスト』は伝えた(『中央日報日本語版』2019年3月19日)。

 これらの兆候は、『ワシントン・ポスト』紙は否定しているものの、米国による総合的なソフトパワー戦略が、金正恩の独裁体制打倒を目標として、発動されたことを示唆している。

 明白な証拠はないが、スペイン紙の報道は、スペインの国家情報局が情報源であり、全くの虚偽とは言えない。

 「千里馬民防衛」の正体が何であれ、直接の軍事力行使によらない、ソフトパワーを主体とする米国の、金正恩体制打倒の動きは、さらなる経済制裁強化、軍事力による威嚇とともに、今後ますます顕著になっていくものとみられる。

 金正恩にとり核兵器などの大量破壊兵器と弾道ミサイルは、米国の武力行使を抑止し、自らの独裁体制と生命の存続を保障する命綱でもある。交渉や経済封鎖、軍事的威嚇だけでは決して手放さないであろう。

 しかし、北朝鮮には600万台の携帯端末が普及していると言われ、外部からの情報を一般国民に流すことにより、金正恩独裁体制への不信や不満を助長し、また今回の米朝首脳会談の失敗などを印象付けることで、金正恩の威信と求心力を低下させることもできる。

 いずれはソ連のように、体制の内部崩壊に至らせることもできるかもしれない。

 米国にとり軍事的選択肢は、北朝鮮の核攻撃、中国の軍事介入などを招く恐れがあり、2日間の戦争で約1100万人の死傷者を日米韓に発生させる可能性もあることから、事実上実行することはできない状況にある。

(詳しくは、ジェフリー・レービス『米国に対する北朝鮮の核攻撃に関する2020年委員会報告(The 2020 Commission Report on the North Korean Nuclear Attacks against the United States)』(WH ALLEN, 2018)参照)

 そのような情勢の中で、米国が採ろうとしているのは、総合的なソフトパワーによる金正恩独裁体制の打倒または変質であろう。

 このような米国の戦略を前提として、今後の朝鮮半島情勢シナリオとそれに応ずる日本の対応方針はどうなるのであろうか?

日本として採るべき一般的な対応
 日本は、自由で開かれた国際貿易体制の中で、繁栄と生存を維持できる海洋貿易立国であり、自由経済と議会制民主主義の体制をとってきた。

 そうである以上、例え朝鮮半島がすべて共産化され、あるいは反日となり、統一朝鮮が中国と同盟関係を結んだとしても、中朝の同盟国になる、あるいは中朝寄りの中立国になるという選択は採り得ない。

 日本としては、米国と協力し国際社会と連帯して北朝鮮制裁を継続するとともに、独自の抑止力の保持に努めることを安全保障政策の基本方針にしなければならない。

 このことは、朝鮮半島、さらには台湾、南シナ海の情勢がどうなろうとも、不変の方針となるであろう。

 しかし注意すべきは、北朝鮮が核ミサイル、生物・化学兵器などの大量破壊兵器の保有国であり、かつそれらの放棄に応じず、米国が制裁強化に動けば、北朝鮮による核恫喝、核危機が現実になる可能性もある点である。

 また北の核化に対抗して韓国が核化する可能性もある。これらのリスクにも日本は対応しなければならない。

 そのために、日本自身も、ミサイル防衛システムの増強という防衛的対応のみではなく、独自の反撃力と即時に発動できる核抑止力を保有しておく必要がある。

 中朝露が同盟関係または準同盟関係にあり、米国の戦略核抑止力に対峙した場合、戦略核の応酬において、最大人口の中国と最大国土のロシアに対して米国が優位を保てる保証はない。

 そのときには米国の日韓に対する核の傘の信頼性は保てなくなるであろう。

 したがって独自の核抑止力を保有し、中朝露の核戦力に対する抑止体制をまず確立しなければならない。

 また万一抑止が破綻した場合にも、自ら「核の引き金」を持ち、いかなる大国にも「耐え難い損害を与える能力」を保持することにより、米国に戦略核の報復を保障させることもできる。

 このような体制を作ることにより、中露朝と日米韓の間の相互核抑止体制は信頼性と安定性が保証されることになる。

 また国民を核、生物・化学兵器による攻撃などの被害から守れる、シェルターの整備と大都会から地方への大規模な避難・疎開計画を立てて訓練もしておかねばならない。これらは、大規模災害対処のうえでも必要な措置である。

 平時からの戦いであり、本格的な侵略行動に連携し先制的に全力で行使されるおそれの高いサイバー攻撃などの情報戦に対応する必要もある。

 また拉致被害者奪還のために、米国のソフトパワー戦略に連携して、北朝鮮国内向けに積極的なサイバー戦、情報戦を展開する好機とも言える。

 そのためには、指揮統制・通信・情報・コンピューター、警戒・監視、偵察(C4ISR)能力を高め、国家レベルの情報機関、サイバー防衛部隊を創り、かつ他国並みのスパイ防止法を整備して情報機関に対するスパイの浸透を防止する必要がある。

 実働機関として、自衛隊には国として責任を負う現職の2倍の予備自衛官を広く国民一般の技能者も含めて募り、編成すること、郷土防衛のための実働部隊を知事隷下に創設すること、国家警察・国家消防の整備、海上保安庁や警察の武装と権限の強化、陸海自衛隊への領域警備権限の付与などの措置も早急に行わねばならない。

 また半島の混乱に際して予想される、大量に発生する難民に対する対処準備も必要になる。

 難民の受け入れに際しての、一時収容施設の開設・運営・警備、武装難民・工作員の流入阻止、検疫、尋問、不審者の収容などの措置も必要になる。

朝鮮半島情勢のシナリオの分析にあたっての前提
 以上の一般的な措置に並行して、日本として採るべき朝鮮半島に対する安全保障戦略は、米国がどのような半島政策を採るかにより、大きく変化する。

 主導的に朝鮮半島に対する安全保障政策を決めえない日本としては、米国の半島政策に応じて、対応策を考えねばならないであろう。

 その場合の前提として、以下の条件が成立するものとする。

●北朝鮮の完全非核化は事実上困難であり、米国が黙認すれば北朝鮮のみならず韓国もいずれ核化する。

●米中間では、核戦争にエスカレートするような本格武力紛争は、台湾海峡、南シナ海でも起こらない。

●ただし、米中いずれかが軍事介入する短期の紛争は起こり得る。その際には、台湾または南シナ海正面の情勢次第では、半島での局地紛争もあり得るが、中国は本格介入しない。

●南北の経済と人口の格差は、本質的には埋まらない。韓国は人口で2倍、GDP(国内総生産)で約30倍以上の優位を維持する。北朝鮮の経済発展は、金正恩体制下では漸進的発展にとどまる。

 以上のような前提の下では、米国には次の3つの選択肢がある。

(1)核化した北朝鮮主導の半島統一を黙認する

(2)核化した北朝鮮に対抗して韓国の核化と南北平和共存を認める

(3)韓国を核化させるとともに平和共存下で北朝鮮を平和統合させる

(韓国の北進による北の武力併合は、中国との軍事衝突を招く恐れがあり、米国は認めないとみられる)

 いずれの場合も、中国は、積極的な北朝鮮に対する軍事支援や半島への軍事介入は、米国との直接衝突を招く恐れがあり、かつ台湾と南シナ海の方が中国にとりより死活的利益、「核心的利益」であるため、回避するとみられる。

 ただし中国は、北朝鮮の大量破壊兵器の安全確保、北の決定的敗北の阻止、北からの難民の流入阻止を重視し、中朝間の軍事同盟関係を維持し、条約義務に基づく限定的派兵や軍事物資の援助による間接的な軍事支援は行うであろう。

 他面で、中朝間には、間島などの領土問題、中国側の東北三省内朝鮮民族への民族運動の波及へのおそれ、朝鮮側の中国による北朝鮮国内の鉱山利権などの簒奪に対する反感、歴史的な中国による侵略や抑圧への朝鮮族の歴史的怨念などの対立要因もある。

 同じ共産党独裁体制であっても、金日成による延安派の粛清など、金日成以来の対中不信にも根深いものがある。

 このため、半島統一を南北いずれが主導しても、中国と統一朝鮮の間に対立や紛争が起きる可能性もある。

 これらは、歴史や民族、地政学的要因により生ずる対立であるため、一度生起すると長期化し容易には解決できなくなる可能性もある。

考えられる朝鮮半島情勢
5つの将来シナリオとその脅威度
 このような前提の下での朝鮮半島の将来シナリオとしては、以下が考えられる。

(1)米国が北朝鮮主導の半島統一を黙認し、統一朝鮮を反中国家にしようとする場合

(2)米国は北朝鮮主導の半島統一を黙認するが、統一朝鮮が親中反日・反米国家になる場合

(3)米国が韓国の核化を黙認し、南北並立状態となり長期的な南北平和共存が続く場合

(4)米国が韓国の核化を黙認し、韓国が北朝鮮を圧倒し半島を統一、反中国家になる場合

(5)米国が韓国の核化を黙認し、韓国が北朝鮮を圧倒し半島を統一、反日国家になる場合

 どのシナリオも、日本の立場からみれば、統一朝鮮が反日国家になる場合と、親日国家になる場合、南北共存が続く場合に分かれる。

 また(3)(4)(5)では韓国も核化するため、いずれのシナリオおいても、朝鮮半島の核化は避けられないであろう。

 各シナリオの日本への影響と脅威度は以下のようになるとみられる。

 (1)では、統一朝鮮は親米かつ親日的になる可能性もあるが、親米、反日になる可能性もある。反日の度合いは、米国の抑制が作用して(2)よりも少ないであろう。

(2)では、統一朝鮮の反日の度合いは最も高まる。中朝の同盟関係は強化され、中の台湾侵攻、南シナ海での紛争に連携し、北の南進と日本へのミサイル攻撃などもあり得る。

(3)現状と大きな変化はないが、核化した韓国の反日姿勢が強まるおそれがある。

(4)親日的な韓国による平和裏の半島統一が成立し、韓国と中国が直接対峙する。日本の安全度は最も高まる。ただし、在韓米軍は半島南部のみの展開か、撤退の可能性もある。

(5)反日的な韓国による半島統一となるが、同時に反中であることは、統一韓国にとり両正面対処となるため、反日親中路線になる。在韓米軍は撤退し、核化した韓国の脅威に日本は直面する。脅威度は(2)の場合と実質的に大きく変わらない。

 以上の分析から、最も脅威度の大きいのは(2)または(5)の南北いずれかが半島を統一した後、反日親中国家となり、かつ在韓米軍は撤退するというシナリオになる。

 この場合は、在日米軍は増強され、日本自身の防衛力の倍増が必要になる。

 日本の独自核保有も米国は黙認する可能性は大きい。統一韓国の膨大な予備戦力に対抗するために徴兵制も必要になるかもしれない。

 次いで脅威度の大きいのは、(1)、次いで(3)となる。

 最も脅威度の少ないのは(4)である。

 (1)の場合は、日米安保体制が維持される限り、米国にとっては信頼度、第一列島線防衛上の価値、同盟国としての国力などから見て、日本を重視するとみられる。

 このため、米国は、対中抑止として北主導の統一朝鮮を利用するとしても、日本との同盟は強化するであろう。

 日本としては、米国との同盟関係を強化するとともに、孤立感を深める中国と台湾、沖縄、南シナ海方面への脅威への対処をより重視しなければならなくなる。その場合、中国による対日核恫喝のおそれは高まる。

 (3)の場合は、日米同盟を強化しつつ、韓国の統一後の軍事力に均衡した防衛力を整備することになる。北朝鮮も韓国も核化するため、日本独自の核保有も北東アジアでの相互核抑止体制の安定化のために必要になるであろう。

 日本だけが独自の核抑止力を持たず、米国の核の傘に依存すれば、北朝鮮が核恫喝をかける場合に、韓国よりも日本に恫喝をかける可能性が高まる。日本がそれに屈すれば韓国の防衛は成り立たなくなる。

 日本が屈することのないようにしようとすれば、中朝、場合により露を含めた核報復のリスクを犯しつつ、米国は自ら大規模な通常戦力を派遣して日本を守らねばならない。

 また韓国が日本に核恫喝をかけた場合に、米国が同じ同盟国の日韓の間で、弱い日本側に立つとは必ずしも言えない。

 (4)の場合は、中国が統一韓国と地上国境で直接対峙することになるが、台湾、南西諸島、南シナ海への中国の圧力は緩和されるかもしれない。

 逆に、統一韓国に対抗し、中国が台湾併合への圧力を高めるおそれもある。

 日本としては、米国との同盟関係を強化しつつ、南西正面を重点とする自国領域の防衛と台湾との連携、南シナ海での共同哨戒などに重点を置くことになる。

 この場合も、統一韓国が核兵器を保有する場合は、日本も、中韓の核恫喝を抑止し、北東アジア内の局地的な核抑止体制の安定化するために、独自の核抑止力を保有する必要がある。

結論
 生起公算は、現在の文在寅政権の親北政策、米朝会談の成り行きなどから見て、(2)の可能性が最も高い。

 ただし、トランプ政権の対北ソフトパワー戦略が奏功した場合は、金正恩体制が崩壊するか変質し、(4)か(5)になる可能性もある。

トランプ政権としては、(4)か(5)の韓国主導の統一ができない場合でも、(1)を狙い、北朝鮮を手なずけようとするかもしれない。それに北が応じれば(1)の可能性もある。

 しかし、北朝鮮にとり中国は、エネルギー、食糧の大半を依存し、長大な陸地国境を接しており敵対関係は軍事的にも負担が大きいこと、建国以来の歴史や独裁体制の類似性などから、反中には傾きにくいとみられる。

 (1)よりは(2)になる可能性は高い。

 このため、脅威度と生起公算を相乗してみれば、日本としては、北主導の反日統一朝鮮の出現という、最も可能性の高いかつ最悪のシナリオ(2)に備えて、現在から防衛態勢を強化しておくことが必要である。

 またどのシナリオにおいても、核恫喝を受けた場合に屈することのないように、米国との同盟関係を維持しつつも、北朝鮮あるいは北朝鮮と韓国両国の核化が避けられないとすれば、日本独自の核抑止力を保有しなければならない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55963
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/887.html

[国際25] 金融機関サイバー攻撃の犯人、断トツは北朝鮮 カネ目当てに犯罪を企てる「モラル」なき国家 
金融機関サイバー攻撃の犯人、断トツは北朝鮮
カネ目当てに犯罪を企てる「モラル」なき国家
2019.4.2(火) 黒井 文太郎
大統領選目前、ロシアのサイバー攻撃に備えるウクライナ
ウクライナの首都キエフの国家保安庁本部で行われた、EUとの合同サイバーセキュリティー訓練の様子(2019年3月6日撮影)。(c)Sergei SUPINSKY / AFP 〔AFPBB News〕

(黒井 文太郎:ジャーナリスト)

 カーネギー国際平和財団が3月25日、英防衛大手BAEシステムズ社と共同で、急増するサイバー金融犯罪の動向を調査・分析した最新レポート「サイバー脅威の展望〜金融システムへの挑戦」を発表した。

 同レポート自体は主にサイバー犯罪の手口の傾向などをまとめたものだが、そこには私的な犯罪グループだけでなく、国家によるサイバー犯罪の危険性も指摘されていた。

 国家機関は、サイバー能力を高めるための資金や人材が充分にあり、高度なサイバー攻撃の能力を獲得する。その高度な能力は、国家機関が望めば金融犯罪に流用できるというのだ。

金融機関を狙い始めた国家によるサイバー攻撃
 サイバー部隊そのものは、今やどの国でも国防の柱の1つといっていい存在であり、世界中の国々が情報機関を含む政府機関、もしくは軍の機関として編成している。すでに平時から日常的に、それらのサイバー部隊はサイバー空間で、互いにハッキングの攻防戦を行っている。

 米国の有力シンクタンク「外交問題評議会」の調査報告によると、少なくとも22か国が、サイバー部隊で外国へのハッキングを行っているという。

 ただし、そうしたサイバー部隊の活動は、主に国の安全保障に関する分野が対象だ。国を他国から守るための部隊なのだから、当然である。それぞれの活動は、相手国からすれば違法行為になることも多いが、本国では自国を守る正当な活動と見なされる。

 しかし、高度なハッキング能力があるサイバー部隊は、やろうと思えば、他国の金融システムからカネを盗むことも可能だろう。しかし、そのようなあからさまな営利目的犯罪は、通常は国家機関は手を出さない。そうした行為は単なる犯罪で、安全保障上のサイバー戦とは異質なものだからだ。仮にそうした犯罪行為が露呈した場合、世界中から国の信用を失うだろう。

 だが、近年は国家のサイバー部隊が金融犯罪に手を染めるケースも出てきている。直接的なカネ目当てではなくても、サイバー部隊が金融機関を攻撃することも多い。

 具体的にはどういった事例があるのか? 同じくカーネギー国際平和財団がアップデートしながら公表している資料「金融機関を狙ったサイバー事件のタイムライン」から、近年の事件を見てみよう。

2010年から活発化し、2018年から急増
 同資料によれば、2007年以降、金融システムが狙われた大型のサイバー攻撃は全94件。そのうち20件が、国家機関もしくは国家機関が背後で糸を引くサイバー攻撃と推定されている(サイバー攻撃は犯人を物理的に完全に特定することが難しい。とくに国家が協力しないと、証拠固めに限界がある)。

 なかでも、金融機関へのサイバー攻撃が毎年のように起きるようになったのは、2010年以降で、その時点から現在までの件数は計19件である。内訳は2010年に1件、2011年に3件、2012年に0件、2013年に1件、2014年に2件、2015年に2件、2016年に1件、2017年に2件、2018年に6件、2019年に1件だ。つまり、2018年から急増したことになる。

 それぞれのケースの概要は以下のとおりだ。

(1)2010年2月 モルガン・スタンレー投資銀行のネットワークが6カ月にわたってハッキングされ、情報を盗まれていた。これはグーグル社など多数のIT企業が狙われた通称「オーロラ作戦」の一部とみられる。オーロラ作戦の犯人は「エルダーウッド・クルー」「北京グループ」など中国のハッカー集団。これらの黒幕は人民解放軍総参謀部第3部(信号情報収集・分析機関)とみられる。

(2)2011年1月 複数のレバノンの銀行が「ガウス」ウイルスに感染し、情報が盗まれる。これらの銀行はヒズボラの南米麻薬資金のマネーロンダリングに関与していた。ガウスはアメリカとイスラエルの共同開発とみられる。

(3)同年3月 韓国政府のウェブサイトと在韓米軍のネットワーク、韓国の複数の銀行がDDoS攻撃を受ける。北朝鮮の朝鮮人民軍偵察総局の犯行とみられる。

(4)2011年12月〜2013年半ばまで、バンク・オブ・アメリカやニューヨーク証券取引所などアメリカの46の金融機関が大規模なDDoS攻撃を受ける。イラン革命防衛隊の犯行とみられる。

(5)2013年3月 韓国の複数の銀行がDDoS攻撃を受ける。北朝鮮の偵察総局の犯行とみられる。

(6)2014年7月 親ロシアのサイバー集団「サイバー・ベルクート」がウクライナのプリバト銀行のデータを盗み、顧客に預金引き上げを警告した。ベルクートは親ロシア政権時代のウクライナ国家警察特殊部隊の名称だが、おそらく正規のサイバー部隊ではなく、非公式な外部グループとみられる。同年3月にはNATOにDDoS攻撃も行っている。

(7)同年10月 ポーランドのワルシャワ証券取引所がハッキングされ、機能が一時停止した。当初、「IS(イスラム国)」名で犯行声明が出されたが、実際にはロシア軍参謀本部情報総局(GRU)のサイバー部隊(通称「ファンシーベア」「APT 28」など)の成りすましとみられる。

(8)2015年2月、米国の医療保険大手「アンセム社」が1年間にわたってハッキングされ、顧客情報多数が盗まれたことが発覚。中国人民解放軍総参謀部第3部の犯行とみられる。

(9)同年5月、ベトナムのティエン・ポン銀行がハッキングによる不正な送金要求を防ぐ。北朝鮮偵察総局の犯行とみられる。

(10)2016年2月、ハッキングによる不正送金要求で、バングラデシュ中央銀行から8100万ドル(92億円)が盗まれる。北朝鮮偵察総局の犯行とみられる。

(11)2017年4月および12月 韓国のビットコイン取引所「Youbit」がハッキングされ、33億円相当を盗まれる。北朝鮮偵察総局の犯行とみられる。

(12)同年10月 台湾の遠東国際商業銀行がハッキングによる不正送金要求で6000万ドル(67億3000万円)を盗まれるが、50万ドルを除く全額を回収。北朝鮮偵察総局の犯行とみられる。

(13)2018年2月 インドのシティ・ユニオン銀行がハッキングで100万ドル(1億1000万円)を盗まれる。北朝鮮偵察総局の犯行とみられる。

(14)同年3月 米国の複数の金融機関が、米国の他の機関多数と同様にハッキングされ、情報が盗まれていたことが発覚。犯行はイランのテヘランにある「マブナ研究所」。2013年以降、米国の大学144校と他21カ国の大学176校なども標的とされ、知的財産多数が盗まれていた。同研究所はイラン革命防衛隊サイバー部隊のフロント組織とみられ、盗んだ知的財産を売却して多額の利益を得ていたものとみられる。

(15)同年5月 チリ銀行がハッキングによる不正送金要求により、1000万ドル(11億円)を盗まれる。北朝鮮偵察総局の犯行とみられる。

(16)同年8月 インドのコスモス銀行がハッキングにより1350万ドル(15億円)を盗まれる。北朝鮮偵察総局の犯行と思われる。

(17)同年8月 ペルーの銀行を標的とするフィッシング攻撃があった。被害は不明。北朝鮮偵察総局の犯行とみられる。

(18)同年12月 国家機関との関係が指摘される金融機関専門のハッカー集団「コバルト・グループ」が新たなハッキング・ツールを採用したことが確認される。

(19)2019年1月 チリの銀行ATMネットワーク「レッドバンク」がハッキングされる。犯人は就職面接を利用してウイルスを仕込んでいた。北朝鮮偵察総局の犯行とみられる。

モラルという概念が存在しない北朝鮮
 以上をみると、いわゆるカネ目当てのサイバー犯罪に力を入れているのは、圧倒的に北朝鮮の情報機関「偵察総局」であることが分かる。判明しているかぎり、彼らは2015年5月にそうした犯罪を試みて失敗しているが、2016年2月に初成功すると、その後もカネ目当ての犯罪行為を続け、2018年にはもはやなりふり構わず犯罪に邁進するようになったといえる。ちょうど核・ミサイル問題で厳しい経済制裁を受けたため、国策としてのサイバー犯罪であったのだろう。

 もともと北朝鮮は、かつては偽ドル紙幣「スーパーノート」の偽造や、覚醒剤製造・販売など、軍や情報機関が外貨獲得のためにまさに犯罪そのものの地下ビジネスをやってきた国家である。モラルという概念がそもそも存在しない。そうした国の情報機関が、ハッキングという武器を手に入れたら、世界の金融システムを狙うのは、当然といえる。

 その他の国としては、イランの革命防衛隊と中国の人民解放軍総参謀部第3部がある。とくにイラン革命防衛隊は、直接的に金融システムを攻撃してカネを盗むというより、知的財産を盗み出し、それを売ってカネに換えるという手法が目を引く。

 中国の総参謀部第3部は、米国の大手投資銀行や医療保険会社のネットワークに長期にわたって侵入し、多くの情報を盗んでいることが分かっている。だが、それで直接的にカネを盗むということはないようだ。あくまで情報収集や不正マルウェアの仕込みが目的なのだろう。いずれにせよ、イランと中国のやり方は、北朝鮮ほどではないにせよ犯罪度が高い。

 他方、ロシアのGRUは、ISに成りすましてサイバー攻撃を行うなど、かなり手の込んだ偽装をしているが、こちらは直接的に金融システムからカネを奪うというような作戦ではないようだ。どちらかというと政治的・軍事的な攻撃意図が伺える。

 あと、おそらくアメリカとイスラエルの共同作戦ではないかと思われるサイバー攻撃もあったが、こちらはむしろ標的のレバノンの銀行がテロ組織の麻薬資金のマネーロンダリングに関わっており、捜査の一環としてのサイバー攻撃といえる。

狙われる国と組織はどこか
 まとめると、国家のサイバー部隊がカネ目当ての犯罪組織そのものといえるのが北朝鮮。カネが第1の目的ではないが、一般の民間組織に不正に侵入する、かなり犯罪度の高いサイバー攻撃を行っているのがイランと中国、ということになる。

 その点、ロシアとアメリカ、イスラエルはあくまで情報戦としてのサイバー戦を優先させているといえるだろう。

 もっとも、そもそも金融機関への攻撃に限らず、国家のサイバー部隊による活動は近年、きわめて活発化している。なかでも中国「総参謀部第3部」の活動が著しい。

 大手国際メディア企業「トムソン・ロイター」によると、国家機関によるサイバー攻撃全体で標的とされた国は、被攻撃数が多い順に、米国、イギリス、ドイツ、インド、韓国、中国、ロシア、日本、イラン、イスラエルとなっている。この順位からも、米・英・独・印・韓などに敵対する者として中国、ロシア、北朝鮮などがサイバー攻撃を行っている構図が浮かび上がる。被攻撃数で第8位の日本も当然、彼らに狙われているわけだ。

 ちなみに、国家機関によるサイバー攻撃の標的となっている非国家組織は、攻撃が多い順に、国連、ヤフー、アジア太平洋経済会議(APEC)、バンク・オブ・アメリカとなっている。APECが狙われているところなど、やはり中国の活動が活発なことを裏付けているといえるだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55943
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/888.html

[経世済民131] 仏ルノー、ゴーン被告のオマーンへの支払いを検察に通報 OPEC原油生産、4カ月連続減−サウジの減産やベネズエラ危機
仏ルノー、ゴーン被告のオマーンへの支払いを検察に通報
Ania Nussbaum
2019年4月2日 7:23 JST
オマーンの販売代理店を巡ってはさまざまな疑惑が報じられている
支払額は合わせて数百万ユーロに上ると関係者
カルロス・ゴーン被告
カルロス・ゴーン被告 Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg
フランスの自動車メーカー、ルノーは前会長兼最高経営責任者(CEO)カルロス・ゴーン被告の経営時にオマーンの販売代理店に不審な支払いがあったとして仏検察当局に通報した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。この支払いを巡っては、個人的な債務の返済に用いられた可能性があると先に報道されていた。

  関係者によると、支払額は合わせて数百万ユーロになるという。情報が非公開であることを理由に関係者は匿名で語った。

  仏紙フィガロは、オマーンの販売代理店への支払いはマーケティング・販売部門を通じてではなく、ゴーン被告が統括していた部署を通じて行われたと報じた。これに関する情報は日産自動車からルノーに提供されたという。

  ゴーン被告の家族のスポークスマンは電話インタビューで、「われわれはオマーンでの不正疑惑を強く否定する」と語った。仏検察当局の報道官は、ルノーは3月29日に継続中の捜査の参考資料として多くの文書を追加したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。ルノーはコメントを控えた。

  ゴーン被告のパリ在住の代理人、ジャンイブ・ルボルニュ弁護士は、ルノーが支払いに関して仏検察に通報したことを承知していないとした上で、オマーンの日産サプライヤーが以前、業績に関連するボーナスを受け取ったと述べた。

  2004年から日産のオマーン販売代理店となった実業家スハイル・バハワン氏の会社、スハイル・バハワン・オートモービルズと日産の関係を巡っては、数カ月前からさまざまな疑惑が報じられてきた。関係者の1人は、日産の財務に関する内部調査により、スハイル・バハワンを巡る疑問点が明らかになったと語った。

  ゴーン被告は自身の裁量で支出できる「CEOリザーブ」から、オマーンの販売代理店に3200万ドル(約35億6000万円)、レバノンの代理店に1600万ドルを送金したと、日本経済新聞などが報じている。東京地検特捜部はゴーン被告がCEOリザーブを個人的な目的のために利用した可能性があるとみているという。

  仏誌レクスプレスの報道では、日本の検察当局は、ゴーン被告がバハワン氏から3000万ドルを借りた可能性について捜査している。バハワン氏のスポークスマンにコメントを求めたが、これまでに返答はない。

  関係者1人によれば、ルノーの内部調査では、ゴーン被告が日産とルノーの合弁「ルノー日産BV(RNBV)」が保有するジェット機4機を利用していたことも分かった。ただ、これについては当局に通報していないという。

原題:Renault Is Said to Flag Ghosn Oman Payments to Prosecutor (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPAVSQ6JIJUR01

 

OPEC原油生産、4カ月連続減−サウジの減産やベネズエラ危機で
Grant Smith
2019年4月2日 8:50 JST
OPEC全体で3月には日量29.5万バレル減少
サウジは4年ぶり低水準−ブルームバーグ調査
石油輸出国機構(OPEC)の原油生産は4カ月連続で減少した。サウジアラビアが世界市場の需給均衡を目指し減産を推し進めているほか、ベネズエラの経済危機が深刻化していることが背景。

  原油供給を維持し、値上がりを抑制するよう求めるトランプ米大統領の圧力を受けても、サウジなどのOPEC加盟国は供給過剰を回避するための生産制限を続ける構えだ。

  ブルームバーグによる当局者やアナリスト、船舶追跡データの調査によると、サウジは3月の原油生産を日量982万バレルと、4年ぶりの低水準に引き下げた。OPEC加盟14カ国では日量計29万5000バレル減の3038万5000バレルとなった。

  OPECに加盟するベネズエラは財政危機の深刻化や米国の制裁措置により石油産業が打撃を受けている。

Saudi Arabia Takes the Strain
Kingdom cuts oil output to four-year low to balance world markets


Source: Bloomberg

原題:OPEC Output Slides as Saudis Deepen Cut, Venezuela Crisis Grows(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPB2GF6K50XT01
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/760.html

[経世済民131] 企業の物価見通し、1年後は0.9%上昇 横ばい続くインフレ期待=日銀=マネタリーベース506.2兆円、3カ月ぶりに増加
ビジネス2019年4月2日 / 10:02 / 16分前更新
企業の物価見通し、1年後は0.9%上昇 横ばい続くインフレ期待=日銀
Reuters Staff
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[東京 2日 ロイター] - 日銀が2日に発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)における「企業の物価見通し」によると、企業が想定する消費者物価の前年比上昇率は、平均で1年後が0.9%上昇となり、前回の昨年12月調査から横ばいとなった。

1年後の消費者物価見通しは、2016年3月調査で1%を割り込んで以降、3年にわたってゼロ%台後半で推移が続いている。

3年後は同1.1%上昇とこちらも前回から横ばい。2017年6月調査から8四半期連続の同水準となった。5年後は同1.1%上昇と前回(同1.2%上昇)から小幅にプラス幅が縮小。5年後の伸び率が鈍化するのは、2016年9月調査以来、2年半ぶりとなる。

同時に公表した各企業の主要な製品・サービスの販売価格見通しは、現在と比べて平均で1年後が0.8%上昇、3年後が1.2%上昇、5年後が1.5%上昇となり、いずれも前回調査から横ばいだった。

日銀が1日に公表した3月短観の概要では、中国をはじめとした海外経済の減速を受けて製造業を中心に企業の景況感が悪化していることが確認された。そうした中で販売価格判断DI(上昇─下落)、仕入価格判断DI(同)ともに、上昇超幅が縮小した。

一方、人手不足に伴う人件費や原材料価格の上昇を受けて、食品を中心に値上げの動きが目立つものの、インフレ期待に高まりはうかがえず、企業の価格設定行動も慎重な動きが続きそうだ。

伊藤純夫
https://jp.reuters.com/article/boj-corp-goods-price-mar-idJPKCN1RE01N


 


 
ビジネス2019年4月2日 / 09:32 / 1時間前更新
3月末マネタリーベースは506.2兆円、3カ月ぶりに増加=日銀
Reuters Staff
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[東京 2日 ロイター] - 日銀が2日発表した市中の現金と金融機関の手元資金を示す日銀当座預金残高の合計であるマネタリーベース(資金供給量)の3月末の残高は506兆2932億円となり、3カ月ぶりに増加した。

2月中の平均残高は前年比3.8%増の494兆2027億円。マネタリーベースの構成要因ごとの月中平均残高は、金融機関の手元資金を示す当座預金が同4.0%増の382兆1401億円、紙幣は同3.3%増の107兆2160億円、貨幣は同1.7%増の4兆8466億円だった。

清水律子
https://jp.reuters.com/article/boj-monetary-base-mar-idJPKCN1RE013

 

ビジネス2019年4月2日 / 07:12 / 3時間前更新
米国株式市場は上昇、堅調な米中の製造業指標受け
Reuters Staff
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[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して終了した。中国製造業購買担当者景気指数(PMI)のほか、米ISM製造業景気指数が堅調だったことで世界経済の減速に対する懸念が緩和され、好調な第2・四半期のスタートを切った。

S&P総合500種は昨年9月に付けた終値としての最高値を2.2%下回る水準にあり、50日移動平均が200日移動平均を上回る「ゴールデンクロス」のパターンを示している。こうしたテクニカルなシグナルは短期的に株価が一段と上昇することを示しているとの見方が出ている。

財新/マークイットが発表した3月の中国製造業購買担当者景気指数 (PMI)は50.8と8カ月ぶりの水準に上昇し、拡大・縮小の分岐点となる50を4カ月ぶりに上回った。[nL3N21J0O2]また、米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業景気指数は55.3と、2016年11月以来の低水準だった前月の54.2から上昇し、市場予想の54.5もわずかに上回った。[nL3N21J3YY]

ジョーンズトレーディング(コネチカット州)の首席市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は「中国の指標が上向いたことで、リスク選好度が回復した」としている。

この日は米10年債利回りが上昇したことで金融株に買いが入った。一方、10年債利回りの上昇で売られる傾向のある不動産、公益株などは下落した。

中国国務院(内閣に相当)は3月31日、米国から輸入する自動車および自動車部品に対する追加関税の適用を4月1日以降も引き続き停止すると発表。[nL3N21I0N3]これを受け自動車株に買いが入り、ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)は1.8%、フォード・モーター(F.N)は2.3%、それぞれ上昇した。

半導体株にも買いが入り、フィラデルフィア半導体指数.SOXは2.5%上昇した。

カジノ大手ウィン・リゾーツ(WYNN.O)は8.4%高。3月のマカオのカジノ収入が増加したことが買い材料となった。

3月29日にナスダック市場に上場したばかりの配車サービス大手リフト(LYFT.O)は 11.9%安で取引を終えた。グッゲンハイムが「ニュートラル」で投資評価を開始したことが嫌気された。[nL3N21J3JU]

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.99対1の比率で上回った。ナスダックでも2.11対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は71億1000万株。直近20営業日の平均は74億7000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 26258.42 +329.74 +1.27 26075.1 26280.9 26071.6 .DJI

0 0 9

前営業日終値 25928.68

ナスダック総合 7828.91 +99.59 +1.29 7800.24 7831.45 7777.10 .IXIC

前営業日終値 7729.32

S&P総合500種 2867.19 +32.79 +1.16 2848.63 2869.40 2848.63 .SPX

前営業日終値 2834.40

ダウ輸送株20種 10643.65 +235.69 +2.26 .DJT

ダウ公共株15種 774.45 -4.27 -0.55 .DJU

フィラデルフィア半導体 1430.24 +34.73 +2.49 .SOX

VIX指数 13.43 -0.28 -2.04 .VIX

S&P一般消費財 911.77 +10.57 +1.17 .SPLRCD

S&P素材 352.48 +5.21 +1.50 .SPLRCM

S&P工業 645.46 +13.10 +2.07 .SPLRCI

S&P主要消費財 578.90 -1.21 -0.21 .SPLRCS

S&P金融 437.53 +10.34 +2.42 .SPSY

S&P不動産 223.73 -0.63 -0.28 .SPLRCR

S&Pエネルギー 496.14 +6.69 +1.37 .SPNY

S&Pヘルスケア 1064.24 +1.77 +0.17 .SPXHC

S&P通信サービス 159.97 +2.29 +1.45 .SPLRCL

S&P情報技術 1317.40 +18.24 +1.40 .SPLRCT

S&P公益事業 293.05 -2.10 -0.71 .SPLRCU

NYSE出来高 8.90億株 .AD.N

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 21650 + 200 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物6月限 円建て 21625 + 175 大阪比 <0#NIY:>

S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります

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ビジネス2019年4月2日 / 06:17 / 4時間前更新
ドル上昇、製造業統計改善 中国指標受け資源通貨も高い=NY市場
Reuters Staff
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[ニューヨーク 1日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ISM製造業統計が持ち直したことを受けてドルが買われ、対ユーロで3週間ぶりの高値を付けた。またポンドGBP=も値上がりした。

3月のISM製造業景気指数は55.3と、2016年11月以来の低水準だった前月の54.2から上昇し、市場予想の54.5もわずかに上回った。生産、新規受注、雇用など全てが上昇した。一方、2月の小売売上高は前月比0.2%減と、市場予想の0.3%増に反してマイナスに転じた。1月の数字は当初発表の0.2%増から0.7%増へ上方改定された。

ドルは小売売上高を受けて一時的に値下がりしたものの、ISM統計発表後に値を戻した。

ウエルズファーゴ(ニューヨーク)の為替ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「小売売上高は全般的に悪材料だったが、1月分が上方修正されたことはやや救いだった」と述べた。

ユーロ圏の3月消費者物価指数(HICP)速報値は前年比1.4%上昇と、前月(1.5%上昇)から鈍化。欧州中央銀行(ECB)が注目するコアインフレ(エネルギー、未加工食品を除く)の伸びも前年比1.0%と前月(1.2%)から鈍化した。

また、中国の3月製造業購買担当者景気指数 (PMI)は50.8と8カ月ぶりの水準に上昇し、拡大・縮小の分岐点となる50を4カ月ぶりに上回った。統計を受け豪ドルAUD=D4など資源通貨が買われた。

ドル/円 NY終値 111.34/111.37

始値 110.94

高値 111.44

安値 110.83

ユーロ/ドル NY終値 1.1212/1.1214

始値 1.1230

高値 1.1245

安値 1.1204
https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-01-idJPKCN1RD3CF


 

ドル111円前半、豪ドルは79円前半で豪中銀の結果待ち
Reuters Staff
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[東京 2日 ロイター] -

<09:44> ドル111円前半、豪ドルは79円前半で豪中銀の結果待ち

ドルは111.32円付近で、111円半ばに近づくと上値が重くなっている。

豪ドル/円は79.19円付近。

この日は正午過ぎに豪中銀の金利決定が予定される。

「先行きの景気減速リスクを意識してハト派的なスタンスが示されれば、素直に豪ドル売りになりそうだ。とはいえ、ハト派的なニュアンスは市場に織り込まれているので、サプライズがない限り、大きな値動きにはつながらないだろう」と大和証券チーフ為替アナリストの亀岡裕次氏はみている。

前日は堅調な3月の中国製造業PMIを受けて、豪ドルが幅広く買い進まれる場面が見られた。

<07:39> ドル110.90─111.90円の見通し、議会が離脱代替案否決で英ポンド急落

ドル/円は111.39円付近、ユーロ/ドルは1.1206ドル付近、ユーロ/円は124.81円付近。

きょうの予想レンジはドル/円が110.90―111.90円、ユーロ/ドルが1.1160─1.1260ドル、ユーロ/円が124.20―125.20円とみられている。

午前6時過ぎの取引で、英ポンドは1.3177ドル付近から、1.3030ドルまで急落した。英議会で1日、メイ首相の欧州連合(EU)離脱協定案の代替案が否決されたことが原因。

英議会はこの日、首相案に代わる代替策への賛否を問う投票を行ったが、いずれの案にも過半数の支持は集まらなかった。

市場では4月12日の合意なき離脱への懸念が高まり、ポンド売りが加速した。ただ、英ポンド安は、今のところ他の主要通貨や他のクロス円相場に大きな影響を与えていない。

前日のニューヨーク市場では、2月の米小売売上高が前月比0.2%減と、市場予想の0.3%増に反してマイナスに転じたことを受け、ドルは110.81円まで下落した。

自動車やガソリン、建材、食品サービスを除いたコア指数は前月比0.2%減だった。1月の数字は当初発表の1.1%増から1.7%増へ上方改定された。

コア売上高は国内総生産(GDP)の消費支出に最も近いとされる。消費支出は米経済の3分の2以上を占める。1月のコア指数は上方改定されたものの、18年12月に付けた2%超のマイナスを相殺するには至らなかった。

しかし、その後、米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業景気指数が55.3と、2016年11月以来の低水準だった前月の54.2から上昇し、市場予想の54.5もわずかに上回ったことや、米国株や米長期金利が上昇したことを受け、ドルは111.44円まで上昇した。

きょうの東京市場では「株高でドルがしっかりしそうだが、3月にさんざん試して定着できなかった112円が近づくと、上値が重くなる展開を予想する。きょうは、豪中銀の政策金利発表も控えており、豪ドルの値動きにも注目したい」(外為アナリスト)との意見が聞かれた。

全スポットレート(ロイターデータ)

アジアスポットレート(同)

欧州スポットレート(同)

通貨オプション

スポットレート(ロイター・ディーリング約定値)

スポットレート(日銀公表)
https://jp.reuters.com/article/tokyo-frx-idJPL3N21K06H?il=0

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/761.html

[国際25] 北朝鮮の前向きな反応を期待、米韓首脳会談巡り=韓国大統領 韓国、半導体「変調」で経常赤字転落予測も サムスン、異例の決算
ワールド2019年4月2日 / 10:07 / 11分前更新
北朝鮮の前向きな反応を期待、米韓首脳会談巡り=韓国大統領
Reuters Staff
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[ソウル 1日 ロイター] - 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、北朝鮮との非核化交渉再開に向けた取り組みの一環として行われる月内の米韓首脳会談について、北朝鮮が前向きな反応を示すことを期待していると述べた。

大統領は内閣に対し、ワシントンで11日に開かれる米韓首脳会談の場で米朝協議再開について話し合うことを伝えた。

大統領は「韓国政府と米国政府の努力に北朝鮮が前向きに反応することを望んでいる」と語った。

米朝協議再開の兆候はみられないものの、ポンペオ国務長官は「数カ月以内に、非核化への道のりに沿って重要な第一歩もしくは大きな前進を得られるやり方でわれわれの2人の指導者が再び会談することを望む」と語った。ただ、「どのタイミングになるかを知ることは困難」だと付け加えた。ペンシルベニア州のラジオ局WHPとの間で3月29日に行われたインタビューの内容を国務省が公表した。
https://jp.reuters.com/article/usa-southkorea-summit-idJPKCN1RE02V


 


韓国、半導体「変調」で経常赤字転落予測も
サムスン、異例の決算「警報」、3月の輸出もマイナス
2019.4.2(火) 玉置 直司
サムスン、「爆発洗濯機」めぐる集団訴訟で和解
韓国・ソウルにあるサムスン電子の建物前に掲げられた社旗と韓国旗(2019年1月31日撮影、資料写真)。(c)Jung Yeon-je / AFP〔AFPBB News〕

 2019年3月26日、韓国のサムスン電子が異例の発表をした。「1〜3月期の決算が市場の期待値を下回る」という内容だった。

 決算期も終わっていない時期だけに、「どれほど悪いのか」という声も出ている。半導体依存度が高いため、韓国経済全体にも少なからぬ影響の懸念が出ている。

 「サムスン電子は4月5日に1〜3月期決算の暫定値を早々に発表することになっていた。それより前にこんな発表をするのは聞いたことがない」

ディスプレイ、半導体メモリーが期待水準を下回る
 韓国紙デスクは3月26日の発表に驚いた様子だ。

 サムスン電子はこの日、「当初の見通しよりもディスプレイ、半導体メモリー事業を取り巻く環境が弱く、1〜3月期決算が期待水準を下回る」と発表した。

 サムスン電子の2018年の四半期別営業利益は、以下の通りだった。(1円=10ウォン)

1〜3月期 15兆6400億ウォン
4〜6月期 14兆8700億ウォン
7〜9月期 17兆5700億ウォン
10〜12月期 10兆8000億ウォン

 2018年には1年間で59兆ウォンもの営業利益を上げていた。だが、10〜12月期から半導体メモリーの価格下落などの影響を受けて利益は減少に転じていた。

 2019年1〜3月期は、利益の8割を稼ぎ出すディスプレイと半導体メモリーの2枚看板がそろって減益に転じるとの見通しが強かった。

 サムスン電子がこうした予測の中でさらに異例の発表を出したことで、「事態はさらに深刻なのではないか」(韓国紙デスク)という懸念が一気に広がっている。

 2018年秋以降、サムスン電子の半導体メモリー事業の主力製品であるDRAMとNAND型フラッシュメモリーの価格は、需要の伸び悩みと供給増が重なり、下落が続いている。

営業利益は6兆ウォン台?
 2019年1月以降も価格下落に歯止めがかからないのだ。

 証券アナリストは、サムスン電子の2019年1〜3月期の営業利益を前年同期比47%減の7兆5000億ウォン前後だと予想していた。

 これでも相当の減益だが、サムスン電子はこれでも「高すぎる」と見て急きょ、「見通しよりも悪い」という発表を出したと見られる。

 韓国メディアは「営業利益は6兆ウォン台になるのでは」と報じている。

 半導体業界はこれまでも収益の上下を繰り返してきた。暫定値発表の直前に、さらにこうした発表をしたのはなぜなのか?

 スーパーサイクルといわれた半導体好況の間、韓国経済全体のサムスン電子と半導体事業への依存度がさらに高まってしまった。

 減益幅が大きかったときのショックを和らげる「予防注射」という見方だ。

 2018年の韓国経済見ると、サムスン電子の突出ぶりがさらに鮮明になってしまった。全上場会社の利益に占めるサムスン電子の利益の比率は15%だった。

 韓国の総輸出額は過去最高の6000億ドルだったが、このうち半導体は1000億ドルを占めた。サムスン電子に「異変」が生じることは韓国経済全体に大きな影響を与えかねないのだ。

 「それでも3月中に異例の発表をする必要があったのか?」という見方も消えない。

アマゾンがクレーム?
 そんな中、証券市場で1つのニュースが駆け巡った。

 「世界最大級の半導体メモリー需要家である米アマゾンが、サムスン電子のDRAMについて品質問題を提起し、リコールを要請した」という衝撃的な内容だ。

 様々なニュースが駆け巡った。

 サムスン電子は「顧客に関する情報は明らかにできない」とだけコメントしたが、「何らかの問題が生じたようだ」(韓国紙デスク)という見方が多い。

 アマゾンとの問題は、事実関係が明らかになっていないので、サムスン電子の決算への影響も不透明だ。

 ただ、ただでさえメモリー価格の下落で減益になっているだけに、「タイミングが良くない」という見方は多い。

 「サムスン電子は大丈夫なのか?」

 こんな懸念の中、2019年4月1日、韓国の産業通商資源部は2019年3月の「輸出入動向(速報値)」を発表した。

4か月連続して輸出マイナスに
 3月の輸出は前年同月比8.2%減の471億1000億ドルだった。輸出がマイナスになったのは4か月連続だった。

 ここでも影響を与えたのが、「半導体」だった。輸出の牽引役だった半導体だが、2018年12月に輸出額がマイナスに転じた。

 2019年3月も前年同月比16.6%減の90億ドル600万ドルとなった。

 半導体だけでなく、自動車や石油化学もマイナスになったとはいえ、輸出のほぼ5分の1を占める半導体の落ち込みが最も大きな影響を与えた。

4月は7年ぶりに経常赤字か?
 「7年ぶりに経常赤字転落か?」

 輸出不振で、韓国の経常赤字が4月に赤字に転落するという見方も急浮上してきた。

 韓国は、貿易黒字で貿易外赤字を補う構造だ。2018年までは、巨額の貿易黒字のおかげで経常黒字も続いていた。ところが貿易黒字の縮小で3月の貿易黒字額は52億ドルになった。

 4月も貿易赤字に転落するという見方はほとんどない。ではなぜ4月にいきなり計上赤字になる可能性が高まっているのか?

 上場企業の配当金の支払いに当たるからだ。

 韓国を代表する大企業の外国人持ち株比率は50%を超えている場合が多い。

 2018年4月はこうした外国人投資家への配当金の支払いで「配当収支赤字額」が64億ドルになった。

 3月の貿易黒字額より10億ドル以上も多いのだ。

 韓国が経常赤字になると月次ベースでは2012年5月以来のことだ。経常赤字で何が問題なのか。

 民間研究所のエコノミストがこう解説する。

 「ウォン安に振れる可能性がある。ウォン安になると輸出にはプラスだが、今の世界経済を見るとウォン安ですぐ輸出が増えるとは予想しにくい」

 「それよりも資金が海外に流出する懸念が高い。韓国売りで、証券市場への影響も出るかもしれない」

 韓国経済は、世界経済、特に最大の輸出先である中国経済の鈍化の影響も受けている。

 内需も振るわない。自動車や化学、重工業といったこれまでの主力産業もぱっとしない。「半導体一本足打法」とさえ言われていた。

 「サムスンの減益」は韓国にとっては、一企業の決算をはるかに超えた大きな問題なのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/55970

http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/889.html

[国際25] トランプ米政権、中米難民申請者のメキシコ送還を強化 EUの対米貿易交渉開始は後ずれへ、トランプ大統領が反発も
ワールド2019年4月2日 / 01:21 / 4時間前更新
トランプ米政権、中米難民申請者のメキシコ送還を強化
Reuters Staff
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[ワシントン/サンディエゴ/メキシコ市 1日 ロイター] - ニールセン米国土安全保障長官は1日、メキシコ国境での職員配置を急ぐとともに、中米から来た難民申請者をメキシコに送還する措置を「即時拡大」する方針を明らかにした。

トランプ米大統領は29日、メキシコが直ちに米国への不法入国者を完全に止めなければ、両国国境の大部分を今週にも閉鎖する考えを表明。税関国境取締局(CBP)は、通常の国境通過地点以外から入国してくる難民に対処するため職員750人を異動させるのに伴い、メキシコ国境での通関や出入国の手続きが滞る恐れがあるとした。

ニールセン長官は声明で、難民申請者をメキシコに送還するために今年導入された措置を直ちに拡大し、「現行水準を超える1日当たり数百人の移民」を送還するよう命じたことを明らかにした。

メキシコ当局者は先週、1月下旬から3月下旬までに同措置により約370人の移民がメキシコに送還されたと明らかにした。国土安全保障省の広報担当は、この送還数について確認に応じていない。

一方、メキシコのロペスオブラドール大統領は1日、中米からメキシコを通って米国に入る移民の管理を支援する考えを示した。ただ、移民問題の根本的問題に取り組む必要があるとも述べた。
https://jp.reuters.com/article/usa-immigration-idJPKCN1RD2SU

 
EUの対米貿易交渉開始は後ずれへ、トランプ大統領が反発も−当局者
Viktoria Dendrinou、Nikos Chrysoloras
2019年4月2日 8:03 JST
EU諸国は工業品関税廃止に向けた交渉開始権限の合意形成に苦慮
フランスは3日のEU大使会合で交渉開始に難色示す見通し−当局者
トランプ大統領
トランプ大統領 Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
欧州連合(EU)諸国政府は対米貿易交渉開始のための権限について合意形成に苦慮している。EUは農産品を交渉に含めることを拒否しており、交渉開始が遅れればトランプ米大統領の怒りをさらに買いかねない。

  3日にブリュッセルで開かれるEU大使らの会合で、フランスはEUの行政執行機関である欧州委員会に工業品関税廃止に向けた交渉の開始にゴーサインを出すことに難色を示す見通し。事情に詳しい当局者2人が匿名を条件に明らかにしたもので、フランスが賛同しなければ、欧州委に交渉権限は与えられない。

  同当局者によると、米国が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」から離脱を決めた中で今回の交渉権限における気候・環境問題の役割と、棚上げされた環大西洋貿易投資協定(TTIP)交渉にとってこの交渉がどのような意味を持つかを明確化することが、合意形成の主な障害となっている。

  大使会合に先立ち準備された交渉権限を求める草案では、EUが貿易協定の締結を目指す相手はパリ協定に調印した国だけとの立場を繰り返している。草案はブルームバーグが閲覧した。EUはトランプ大統領に対し、昨年7月のユンケル欧州委員長との政治合意の実行で前進していることを示すため、対米貿易交渉の開始に向けて取り組んでいる。この合意を受け、米国は欧州の自動車と同部品への関税発動を控えている。

  ただ米国側は合意実行の進展の乏しさにいら立ちを見せており、同国のソンドランド駐EU大使は2月のインタビューで、「EU指導者が先送りする限り、われわれは関係を再調整するために影響力を行使する必要が増すだろう」と述べていた。

原題:EU-U.S. Trade Talks Said to Face Delay, Risking Trump Backlash(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPAYHE6K50XW01?srnd=cojp-v2
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/890.html

[国際25] 英下院、離脱「プランB」投票でいずれの代案も再び拒否 英議会「代替案」見いだせず、ブレグジット巡る混迷続く
英下院、離脱「プランB」投票でいずれの代案も再び拒否
Tim Ross
2019年4月2日 6:15 JST 更新日時 2019年4月2日 8:49 JST
4つの案について支持動向を探る拘束力のない投票を再度実施
EUとの関税同盟に残留する案、再国民投票案も支持されず
英下院は1日、メイ首相が欧州連合(EU)と取り決めた離脱合意案に代わる4つの案について、議員らの支持動向を探る拘束力のない投票を再度実施した。投票の結果、EUとの関税同盟に残留する案、再国民投票案を含むいずれの代案も過半数の支持が再び得られなかった。

  3月27日に続いて行われた「インディカティブ・ボート」では、「EU単一市場への残留」案と、「合意なき離脱」まで2日以内となった段階で「確認投票」を議会に義務付ける「緊急ブレーキ」案も支持されなかった。

  EUからの離脱期限の4月12日が11日後に迫る中で、代案を探る下院の投票も行き詰まりを打開できず、メイ首相は次にどう動くか重大な決断を迫られる。首相は2日に閣議の招集を予定し、突っ込んだ討議を行うため5時間に及ぶ異例の長時間閣議となる見通し。

  EUが4月10日に開く臨時首脳会議までにメイ首相の離脱協定案が議会を通過しない場合、いずれも非常に危険を伴う選択肢のどれかを首相は選ばざるを得ない。EUに長期の離脱延期を申請することも可能だが、与党保守党内の欧州懐疑派の怒りを買い、閣僚や政務担当者の辞任が相次ぐ恐れがある。総選挙や再国民投票を通じて民意を問う動きや「合意なき離脱」もあり得るが、後者は議会が阻止すると予想される。

  一般議員らには立法議案の主導権を握り、妥協案を探る機会が3日に再び与えられるが、今後の道筋は見通せない。バークレイEU離脱担当相は、離脱延期の長期化を避けるため、メイ首相の離脱案を今週議会で4度目の採決に付す可能性を示唆した。

  ノルウェー型のEU単一市場へのアクセスに「包括的な関税取り決め」をプラスした「共同市場2.0」案の発案者であるニコラス・ボールス議員は1日、下院で同案が支持されなかったことを受け、与党保守党からの離党を表明。離脱案を巡り高度の緊張状態が続く状況を印象付けた。
 
原題:U.K. Brexit Crisis Deepens as Commons Fails to Find Plan B (2)
U.K. Parliament Rejects All Brexit Alternatives in Votes(抜粋)

(予想されるメイ政権や英議会の今後の動きを追加して更新します)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPAWDS6JIJUS01?srnd=cojp-v2

 
ワールド2019年4月2日 / 07:42 / 2時間前更新
英議会「代替案」見いだせず、ブレグジット巡る混迷続く
Reuters Staff
1 分で読む

[ロンドン 1日 ロイター] - 英議会は1日、メイ首相の欧州連合(EU)離脱協定案に代わる案を巡り、過半が満足する一致点を見いだせなかった。ブレグジット(英のEU離脱)の将来の方向性は引き続き混沌としている。

この日は4つの代替案が採決にかけられたが、全て否決された。

最も過半に近付いたのはEUとの関税同盟に残留する案で、276対273と3票差で否決された。

いかなる合意についても確認のために国民投票にかけるとの案は最も賛成票を集めたが、292対280で否決された。

英国のバークレイEU離脱担当相は採決後、英国が合意なしで4月12日にEUを離脱するという基本姿勢は変わっていないと指摘。議会に対し「合意ありの離脱につながる道を見いだすのが唯一の選択肢だ」と述べた。

また同相は、欧州議会選挙前の秩序だった離脱を確保するため、メイ首相が自身の案を巡り4度目の採決を週内にかける可能性を示唆。「議会が週内に案を承認すれば、欧州議会選の実施を避けることが依然として可能になる」と述べた。

採決の結果を受けてポンド/ドルGBP=D3は約0.5%安の1.3048ドルとなり、採決前からは1%近く下落した。

英政府と与党・保守党内はメイ首相に強硬離脱を決断するよう迫る勢力と強硬離脱の可能性を排除するよう求める勢力とで分断されており、首相がどちらかに同調すれば党とメイ政権が崩壊する恐れがある。

EUのユンケル欧州委員長は「英国がどこに向かっているかは誰も分からない」と嘆いた。

独自動車大手BMWと仏同業プジョーは、当初3月29日だったブレグジットの期日が延期されたにもかかわらず、「合意なきブレグジット」になった場合に部品の供給が寸断されるリスクを最小限に抑えるために計画されていた英工場での生産停止を予定通り実施すると発表した。

英国とEUは4月12日を新たな離脱期限に設定しており、メイ首相が4月10日の臨時EU首脳会議で説得力のある代替案をEU側に示すことができなければ、12日2200GMT(日本時間13日午前7時)に合意なき離脱に突入する可能性が高まる。

*内容を追加しました。
https://jp.reuters.com/article/britain-eu-brexit-idJPKCN1RD3DS
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/891.html

[経世済民131] ソフトバンクグループ、5000億円の社債発行へ 米小売2月0.2%減 経済鈍化の兆し SP500年初来高値、国債大幅続落
ビジネス2019年4月2日 / 10:17 / 28分前更新
ソフトバンクグループ、5000億円の社債発行へ
Reuters Staff
1 分で読む

[東京 2日 ロイター] - ソフトバンクグループ(9984.T)は5000億円の社債を発行する。1日に関東財務局に訂正発行登録書を提出した。利率の仮条件は1.3%─1.9%で、12日に決定する。

申し込み期間は15日から25日まで。払い込み期日は26日。償還期限は2025年4月25日。

野村証券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SBI証券など11社が引き受けて個人に販売する。

ビジネス2019年4月2日 / 02:41 / 8時間前更新
米小売売上高、2月は予想下回る0.2%減 米経済鈍化の兆し
Reuters Staff
1 分で読む

[ワシントン 1日 ロイター] - 米商務省が1日発表した2月の小売売上高は前月比0.2%減と、市場予想の0.3%増に反してマイナスに転じた。米経済が鈍化している最新の兆しとなった。

1月の数字は当初発表の0.2%増から0.7%増へ上方改定された。

2月の前年同月比は2.2%上昇だった。

自動車やガソリン、建材、食品サービスを除いたコア指数は前月比0.2%減だった。1月の数字は当初発表の1.1%増から1.7%増へ上方改定された。

コア売上高は国内総生産(GDP)の消費支出に最も近いとされる。消費支出は米経済の3分の2以上を占める。1月のコア指数は上方改定されたものの、18年12月に付けた2%超のマイナスを相殺するには至らなかった。緩慢な第1・四半期国内総生産(GDP)予想は変わらないとみられる。現在の予想は最低で年率0.8%増だ。18年第4・四半期は2.2%増、第3・四半期は3.4%増だった。

2月の小売売上高の内訳は、建材・園芸が4.4%減と、12年4月以来の大幅な落ち込みとなった。衣料は0.4%減。家具は0.5%減だった。食品・飲料は1.2%減と、09年2月以来の大幅な落ち込みだった。電子・家電は1.3%減と、17年5月以来の大幅なマイナスだった。

一方、自動車は0.7%増と、前月の1.9%減から持ち直した。ガソリンスタンドは1.0%増。ガソリンの値上がりを反映したとみられる。オンライン小売は0.9%増。外食は0.1%増だった。運動・娯楽は0.5%増だった。

2月の落ち込みは、税還付の遅れも影響したとみられる。また、18年1月に導入された税制改正によって税還付額が平均して例年より減っている。寒波や雨天も2月の売り上げに影響した可能性がある。
https://jp.reuters.com/article/softbank-group-idJPKCN1RE033


 


S&P500が年初来高値、国債は大幅続落
Vildana Hajric、Sarah Ponczek
2019年4月2日 5:38 JST 更新日時 2019年4月2日 6:17 JST
米10年債利回りは10bp上昇、市場予想上回る米製造業指標に反応
配車サービス大手リフトは上場後2日目に急落、IPO価格割り込む
1日の米株式相場は続伸。中国の製造業指標が良好となる中、世界経済の成長に対する懸念が和らいだ。米国債は続落。3月の米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数が市場予想を上回ったことに反応し、朝方に大きく下げた。

米国株は続伸、S&P500種が10月以来の高値
米国債は大幅続落、10年債利回り2.50%
NY原油は続伸、OPEC減産順守と中国指標で買い
NY金は反落、製造業指標受けて世界成長懸念が後退
  S&P500種株価指数は昨年10月以来の高値に達し、ダウ工業株30種平均は2月15日以来の大幅高となった。米配車サービス大手リフトは上場後2日目の取引で株価が急落、新規株式公開(IPO)価格を割り込んだ。市場では早くも成長ペースや収益性を巡る懸念が広まったとの指摘が出た。

  S&P500種株価指数は前週末比1.2%高の2867.19。ダウ平均は329.74ドル(1.3%)上げて26258.42ドル。ナスダック総合指数は1.3%上昇。ニューヨーク時間午後4時44分現在、米10年債利回りは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.50%。

  ニューヨーク原油先物相場は続伸。中国の製造業指標や、石油輸出国機構(OPEC)が減産方針を継続していることの新たな兆候が、強気見通しを後押しした。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物5月限は1.45ドル(2.4%)高の1バレル=61.59ドルと、11月以来の高値で終了。ロンドンICEの北海ブレント6月限は1.43ドル上げて69.01ドル。

  ブルームバーグの調べによると、3月のOPECの産油量は4カ月連続で減少。中でもサウジアラビアによる減産が大幅だった。

  ニューヨーク金先物相場は反落。国家統計局の3月の中国製造業購買担当者指数(PMI)が安定化を示し、3月のISM製造業総合景況指数が市場予想を上回る中、世界経済成長を巡る懸念が後退した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は0.3%安の1オンス=1294.20ドルで終了した。

  中国の3月の製造業PMIは50.5と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想を全て上回った。

  テングラー・ウェルス・マネジメントの投資戦略担当責任者、ナンシー・テングラー氏は「2019年の株式市場で次の材料は何かと思案している投資家にとり、これは良い知らせだ」と、電子メールで指摘した。

``Golden cross'' materializes in S&P 500 price-action
  トレードステーションのバイスプレジデント、デービッド・ラッセル氏はインタビューで、「足元から長期にかけてのモメンタムがより強気に転じているということになる。こうしたチャートのパターンはめったには見られない」と述べた。

原題:Rally Lifts U.S. Stocks to Highest Levels of Year: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Fall on 2Q First Day as Factory Gauge and Stocks Rise
Oil Extends Decade’s Best Rally on OPEC Curbs, Chinese Factories
PRECIOUS: Gold Lower as Factory Gauges Help Ease Growth Concerns

(第6段落以降を追加し、更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPAU3ZSYF01V01?srnd=cojp-v2


 


リフト株急落、IPO後続するスタートアップには気がかりな前例に
Eric Newcomer
2019年4月2日 5:47 JST
Ride Hailing App Lyft Has IPO On Nasdaq Exchange
Photographer: Mario Tama/Getty Images North America
米配車サービス2位のリフトは、上場2日目にして早くも公開価格の72ドルを割り込んだ。追随して今年の上場を目指す一連のユニコーン企業にとって不吉な予兆となっている。

  今回の新規株式公開(IPO)はリフトや競合のウーバーだけでなく、ピンタレストやポストメイツ、スラック・テクノロジーズといった年内の上場をもくろむスタートアップ企業にとっても試金石となっている。

  IPOに向けてウォール街のムードを盛り上げていくのはよくある戦略だが、上場後の期待値を管理するのは市場心理の理解が問われるゲームであり、リフトや上場主幹事団はこれが裏目に出たことを1日に認識させられたと、ペンシルベニア大学ウォートン校のデービッド・エリクソン教授は指摘する。

  「29日に見られた強い熱気は、きょう明らかに冷え込んでいた。いったん失われた熱気を再現するのは短期的には難しい」と同教授は述べた。エリクソン氏はバークレイズでグローバル株式資本市場の共同責任者を務めた経歴がある。

  リフトはIPOに先立つ投資家説明会で、早くも2日目の時点で応募超過だと説明。IPOの仮条件は62−68ドルで始まり、価格は最終的に72ドルに設定された。初日29日の取引初値は21%高の87ドルとなったが、取引終了時には78ドルに下げていた。1日の株価は一時67.78ドルまで下げた。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ilTYvxg7m0EA/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/-1x-1.png
Lyft shares fall below IPO price
  ただ、取引開始から最初の数日間で読み取れることには限界がある。写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を運営する米スナップは、上場4カ月後に公開価格の17ドルを割り込み、現在も下回る水準を推移する。フェイスブックは取引2日目に公開価格を下回り、上げ下げを繰り返す1年目を終えて、ようやく上昇軌道に乗った。

  リフトは投資家から募った資金で10億ドル(約1100億円)を超えるバリュエーションを確保し、公開市場での評価を仰ぐユニコーン級企業のモデルとなっている。これらは高成長企業だが、それ以上に手元資金を取り崩す傾向も高く、世の中を変える可能性という説得力のあるストーリーを描いている。

  リフトにとってのストーリーは、運送を根本的に変えることができ、最終的に自動運転の世界の先駆けとなるというものだ。ウーバーについても同じことが言える。同社は今月中にIPOの書類を公的に提出する予定だ。

  議論の中心にあるのは、昨年10億ドル近い損失を計上した企業をどう評価するかだ。下落後でもリフトの株価は、株式公開前最後の資金集めで評価された額より高い。ブルームバーグインテリジェンスのアナリスト、マンディープ・シン氏は、株価売上高倍率を基準にするとリフトの時価総額は他のネット企業を大きく上回ると指摘。「リフトのバリュエーションは高すぎる」と述べた。

原題:Lyft’s Tumbling Stock Is a Worrying Sign for Other Unicorns(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPARKO6K50XS01?srnd=cojp-v2


 


ポンド下落、英下院が全ての代案否決で−アジア早朝の外為市場
Anooja Debnath
2019年4月2日 6:31 JST
2日のアジア早朝の外為市場でポンドが下落。英下院がメイ首相の離脱協定案に代わる4つの案を全て否決したことが響いた。

  ポンドは一時0.4%安の1ポンド=1.3048ドル 。

原題:Pound Retreats as U.K. Parliament Rejects Brexit Alternatives(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-01/PPAX456S972801?srnd=cojp-v2


http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/762.html

[政治・選挙・NHK259] 政府、シナイ半島自衛隊派遣決定 福竜丸展示館、改修済み再開 国内社会ニュース(共同通信)
国内政治ニュース(共同通信)2019年4月2日 / 10:00 / 1時間前更新
政府、シナイ半島自衛隊派遣決定
共同通信
1 分で読む

 政府は2日の閣議で、エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団(MFO)」の司令部要員として、自衛隊員2人を派遣する実施計画を決定した。派遣期間は4月19日から11月30日まで。2015年に成立した安全保障関連法で新設された、国連が統括していない任務「国際連携平和安全活動」の初適用となる。

 岩屋毅防衛相は記者会見で「わが国の国際貢献の幅が広がった」と初適用の意義を強調。今後の部隊派遣は「全く考えていない」と述べた。閣議決定に先立ち、政府は国家安全保障会議(NSC)の9大臣会合で実施計画を決めた。

【共同通信】
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-feb-retail-idJPKCN1RD2YZ?il=0

国内社会ニュース(共同通信)2019年4月2日 / 10:40 / 6分前更新
福竜丸展示館、改修済み再開
共同通信
1 分で読む

 米国によるビキニ環礁水爆実験で1954年に被ばくした遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」を保存する東京都立第五福竜丸展示館(江東区)が2日、リニューアルオープンした。元船員の証言映像などが視聴できるコーナーも新たに設置した。

 展示館は76年に開館。建物が老朽化し天井から雨水が漏れるなどしたため、昨年7月に休館し、改修作業を進めていた。

 元船員大石又七さん(85)が事件当時を振り返る証言映像のほか、普段は立ち入ることができない船内の3D映像も見ることができる。ビキニ事件について子ども向けに書かれた絵本のパネルも掲示した。

【共同通信】
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-feb-retail-idJPKCN1RD2YZ?il=0
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/214.html

[政治・選挙・NHK259] 韓米同盟が揺らぐ間、日米が密着...自衛隊の米軍防護が急増 安保法制施行3年 自衛隊の実績着々、米国依存の姿勢を転換 
韓米同盟が揺らぐ間、日米が密着...自衛隊の米軍防護が急増
2019年03月29日15時38分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment55 sharemixi
日本の集団的自衛権行使を可能にした安全保障関連法が施行された後、自衛隊が米軍の軍艦や航空機を守る「武器等防護」の件数が急増したことが分かった。

安保関連法の施行から3年を迎えて実施された調査によると、安保法が実際に発効した2016年には1件もなかった米軍防護件数は2017年に2件、2018年に16件と大きく増えた。1年間になんと8倍になったのだ。

また16件のうち3件は実際に弾道ミサイル警戒任務中の米軍艦を防護したことが分かった。今まで具体的な活動内容は「米軍の部隊運用に直結する」という理由で公表していなかった。

菅義偉官房長官は28日の記者会見で、安保法実施3年に関する質問に対し、「日米同盟はかつてないほど強固になり、抑止力、対処力も向上し、地域の平和と安定に寄与している」と強調した。

日本政府は軍備増強を加速化する中国、核ミサイル開発を進行中の北朝鮮を念頭に置いて、米軍とさらに密着して抑止力を高めていく方針だ。河野克俊統合幕僚長はこの日の記者会見で「日米同盟が強化された。我々が米軍の要請で守ることもできる体制になった」とし、安保法の意義を強調した。

安保法に新設された自衛隊の任務のうち、米軍の艦艇や航空機の防護、物品・役務の提供はすでに実施されている。南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加した陸上自衛隊部隊には「駆けつけ警護」任務が付与されたが、実際に行われた場面はなかった。ただ、米軍との密着が進めば、米国と他国の偶発的な衝突が発生した場合、日本がこれに巻き込まれるおそれがあるという指摘も出ている。

柳澤協二・元官房副長官補は東京新聞への寄稿で「米国は南シナ海における『航行の自由作戦』として、中国が領有を主張する岩礁の周辺に軍艦を頻繁に派遣し、中国艦艇が米艦に異常接近するなど、一触即発の状況を生み出している」とし「今のところ安全に見える米艦防護も、米中の艦艇が交戦することになれば自衛隊が巻き込まれることになる」と指摘した。
https://japanese.joins.com/article/855/251855.html


 

安保法制施行3年 自衛隊の実績着々、米国依存の姿勢を転換
2019.3.29 21:43政治政策
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閣議後、記者団の質問に答える岩屋毅防衛相=29日午前、首相官邸(春名中撮影)
閣議後、記者団の質問に答える岩屋毅防衛相=29日午前、首相官邸(春名中撮影)
 集団的自衛権の限定的な行使などを可能にした安全保障関連法は29日、施行から3年を迎えた。この間、自衛隊は平時から米軍の艦艇や航空機を守る「武器等防護」など実績を積み重ねた。4月からは「国際連携平和安全活動」を初めて実施し、国際貢献の分野でも新たな一歩を踏み出す。戦後長らく米国依存を前提としてきた防衛政策が、大きく転換しつつある。

 「この3年間で日米同盟はより強固なものになった」。岩屋毅防衛相は29日の記者会見で、安保関連法の意義をこう強調した。

 自衛隊は昨年、米軍の艦艇、航空機などを対象に16件の武器等防護を実施した。平成29年の2件から急増した。安保関連法で解禁された武器等防護は、弾道ミサイル対処や共同訓練など日本防衛に貢献する米艦などを自衛隊が守る措置。防衛省は「米軍の運用に関わる」として件数の公表にとどめているが、29年5月に護衛艦「いずも」が米補給艦「リチャード・E・バード」に対して行ったのが初の事例となった。

 海上自衛隊幹部は「実際の内容は従来の日米共同訓練と変わらないが、意味合いは全く違う。これまで米艦が護衛艦を守ることはできても逆はなかった」と語る。河野克俊統合幕僚長も28日の記者会見で「日米同盟は片務的といわれるが、安保法制によって双務性に近づいた」と指摘した。

4月中旬からは、エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団(MFO)」の司令部要員として、陸上自衛隊員2人を派遣する。安保関連法で新設した「国際連携平和安全活動」の初適用となる見通しで、陸自幹部は「国際社会でのプレゼンス(存在感)向上につながる」と期待を寄せる。

 安保関連法で自衛隊の役割は拡大したが「専守防衛」という抑制的な方針の殻は破りきれずにいる。装備の近代化などを検討するたびに違憲論が起こり「他国軍と同じ基準で行動できない」(防衛省幹部)のが実情だ。憲法9条への自衛隊明記や敵基地攻撃能力の整備など、国を守るために残された課題はなお多い。(石鍋圭)
https://www.sankei.com/politics/news/190329/plt1903290053-n2.html
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/215.html

[政治・選挙・NHK259] 安保法施行3年 違憲性強く廃止が筋だ
安保法施行3年 違憲性強く廃止が筋だ
03/31 05:05

 憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能とし、自衛隊の任務を大幅に拡大した安全保障関連法の施行から3年がたった。

 安倍晋三政権は米軍艦艇の防護など安保法に基づく新任務を実施してきた。同法の既成事実化を図る意図が見て取れる。

 その結果、自衛隊と米軍の一体化は加速した。いくら政府が自国防衛や国際平和が目的と言っても、米国の敵対勢力が日本も敵とみなすような活動を増やせば、攻撃対象になるリスクは高まろう。

 安保法は戦後日本が堅持してきた専守防衛の原則に反し、違憲の疑いが濃い。廃止すべきである。

 安保法は他国軍への後方支援活動の際、弾薬提供などをできるようにし、自衛隊が活動できる場所も「非戦闘地域」から「戦闘現場以外」に広げた。

 隊員が最前線に近い場所で、より危険な任務を強いられるようになったのは間違いない。

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)では2016年、宿営地近くで政府軍と反政府軍の銃撃戦が起きた。陸上自衛隊の日報には「戦闘」と記述されていた。

 これはPKOを憲法の枠内にとどめようと設定された参加5原則の柱である「紛争当事者間の停戦合意」が崩れていた可能性があったことにほかならない。

 銃撃戦後、安保法に基づき、武装勢力に襲われた他国軍を助ける「駆け付け警護」の任務が初めて付与された。

 憲法9条は海外での武力行使を禁じている。安保法によって海外での「戦闘」に巻き込まれる恐れが強まり、憲法を逸脱しかねない状況は看過できない。

 安保法では国連が統括しない活動への派遣も認めた。エジプト・シナイ半島で停戦監視をする多国籍軍・監視団(MFO)に、自衛官2人が来月にも派遣される。

 MFOは米軍中心の活動だ。派遣の必要性は判然としない。安保法の実績作りと、米軍を直接支援する狙いが透けて見える。

 安保法を巡っては憲法9条を変えなければ集団的自衛権の行使は認められないとの議論があった。安倍政権はそれを押し切り強引に解釈変更した。

 いま首相は自衛隊を憲法9条に明記する改憲に意欲を見せる。集団的自衛権の行使容認を、憲法上より明確にすることにつなげようとしているのではないか。

 安保法に基づく既成事実を積み重ね、なし崩し的に9条を改定することは許されない。

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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/291794
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/216.html

[不安と不健康18] 女性の体は、弱い精子をブロックする驚くほど洗練された方法を持っていた 精液検査では精子の運動性がより重要
女性の体は、弱い精子をブロックする驚くほど洗練された方法を持っていた
2019年2月20日(水)17時30分
松岡由希子

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運動性の高い精子を選抜する選択メカニズムがあった rez-art - iStock

<米コーネル大学の研究によって、子宮から卵管へとつながる狭窄が、運動性の高い精子を選抜する役割を担っていることが明らかとなった>

ヒトをはじめとする哺乳動物は、わずか1個の卵子に対し、一回の射精で6000万から1億の精子を放出するが、精子が卵子と出会うためには雌性生殖器を通過せねばならないため、精子の運動性は受精可能性を決定づける重要な特性であると考えられてきた。

そしてこのほど、子宮から卵管へとつながる狭窄が、運動性の高い精子を選抜する役割を担っていることが明らかとなった。

狭窄が運動性が低い精子の進入を妨げる「門」のような役割
米コーネル大学アリレザ・アブバスポアラッド博士らの研究チームは、マイクロ流体デバイスを使って、雌性生殖器内の狭い結合部での流体力学的性質をシミュレーションしたところ、運動性が一定レベルを下回る精子の進入を狭窄が妨げ、いわば"門のような役割"を担っていることがわかった。

一連の研究成果は、2019年2月13日、オープンアクセスジャーナル「サイエンス・アドバンシーズ」で公開されている。
http://advances.sciencemag.org/content/5/2/eaav2111

運動性の高い精子を選抜する選択メカニズム
研究チームでは、シミュレーションに先立ち、この狭窄を模倣した最狭幅0.04ミリ、最広幅0.3ミリのマイクロ流体デバイスを開発するとともに、「精子の位置は、推進速度、媒体の流速場、側壁との流体力学的相互作用に起因する速度成分に影響を受ける」との仮説のもと、精子の位置を予測する数式モデルを作成した。

狭窄が担う"門のような役割"を観察するべく、このマイクロ流体デバイスを使ったヒトの精子とウシの精子のシミュレーションでは、狭窄内のせん断速度が7.98sまで低下するように媒体の流入速度を下げたところ、秒速0.0842ミリの最も運動性の高い精子はこの流れに耐えたが、速度の低い精子は狭窄を通り抜けることができなかった。精子がくねくねと動きながら狭窄を通り抜けよう繰り返し試み、対向流に押し戻されていく様子が、動画でもとらえられている。


以下、ロングバージョン。
https://www.youtube.com/watch?v=xGGNc4UWi4M
Watch sperm try to swim through an obstacle course | Science News
研究チームは、このようなシミュレーション結果をふまえ、「狭窄の"門のような働き"は、運動性の高い精子を選抜するために生殖管が用いている、運動性をベースとした選択メカニズムである」と結論づけている。

この研究成果は、生殖医療のさらなる進化に寄与する可能性を秘めている。

精子の数よりも運動性がより重要
米ワシントン大学のジョン・エーモリ教授は、米ニュースサイト「ザ・ヴァージ」の取材に対して、「臨床的には、精子の運動性の高さが受精の要因ではないかと疑われてきたが、この研究成果はこの見方が正しいことを示している」と評価している。

同様に、ワイルコーネル医科大学のハリー・フィッシュ博士も、米誌「USニューズ」において、「精液検査では、まず精子の数に注目し、さらにその形状や運動性をみてきたが、この研究成果は、従来考えられていたよりも、精子の運動性がより重要だということを示している」と述べている。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/02/post-11730.php

 
Strictures of a microchannel impose fierce competition to select for highly motile sperm
1. Meisam Zaferani1,
2. Gianpiero D. Palermo2 and
3. Alireza Abbaspourrad1,*
See all authors and affiliations
Science Advances 13 Feb 2019:
Vol. 5, no. 2, eaav2111
DOI: 10.1126/sciadv.aav2111
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Abstract
Investigating sperm locomotion in the presence of external fluid flow and geometries simulating the female reproductive tract can lead to a better understanding of sperm motion during fertilization. Using a microfluidic device featuring a stricture that simulates the fluid mechanical properties of narrow junctions inside the female reproductive tract, we documented the gate-like role played by the stricture in preventing sperm with motilities below a certain threshold from advancing through the stricture to the other side (i.e., fertilization site). All the slower sperm accumulate below (i.e., in front of) the stricture and swim in a butterfly-shaped path between the channel walls, thus maintaining the potential for penetrating the stricture and ultimately advancing toward the fertilization site. Accumulation below the stricture occurs in a hierarchical manner so that dense concentrations of sperm with higher velocities remain closer to the stricture, with more sparsely distributed arrays of lower-velocity sperm lagging behind.
INTRODUCTION
In mammals, the number of sperm entering the female reproductive tract (~60 million to 100 million) exceeds the number of available eggs (one egg during every ovulation) by far (1). Accordingly, only a few sperm can fertilize the available eggs. Since motility is required for sperm to traverse the female genital tract (2), it has been thought that normal motility is one of the critical properties that determine the sperm’s fertilization chances (3). Consequently, motility-based competition must take place so that sperm with higher motility have a greater chance of fertilizing the egg (4).
In addition to motility, sperm require steering mechanisms to swim on the correct path toward the egg (5). Chemotaxis (6) has been identified as a steering mechanism for the sperm of marine invertebrates, such as sea urchins (7–13). However, its role in the guidance of mammalian sperm toward the egg is disputable (14). In mammals, the fluid mechanical steering mechanisms of sperm, including the tendency to follow rigid boundaries (15, 16) and swim upstream (i.e., sperm rheotaxis) (17–19), are known to be responsible for guiding sperm toward the egg. Swimming along rigid boundaries enables sperm to move parallel to the walls of the female reproductive tract, and the rheotactic behavior leads to their ability to swim opposite to the directional flow of secreted genital mucus (20–23). Since the fluid mechanical steering mechanisms solely guide motile sperm, all nonmotile sperm are carried away by the genital mucus flow, while the healthy, motile sperm advance toward the fertilization site (23). This ability of the motile sperm to swim upstream has been used to design new microfluidic tool to hasten the process of sperm separation required for assisted reproductive technologies (24).
To date, mammalian sperm locomotion, including its fluid mechanical steering mechanisms, has been studied using microfluidic technology (16, 18). However, the sperm rheotaxis–based navigation in the presence of a fluid flow has been examined exclusively in straight swimming channels (17, 20, 21, 23), whereas the biophysical/fluid mechanical conditions of the female reproductive tract are more complex (25, 26). The sperm swimming channel within the female reproductive tract does not have constant dimensions, but rather varies in width. Deviation in width of the swimming channel results in alteration of the flow magnitude, which consequently influences the sperm rheotactic and boundary swimming behavior. Therefore, investigation of sperm locomotion in a channel that mimics the biophysical aspects of the swimming channel in vivo will reveal the impact of the channel geometry on the sperm-steering mechanisms. By the same token, the effect of the fluid mechanical properties of the female reproductive tract on motility-based competition among sperm cells can be revealed.
In this study, we examine sperm motion, including their fluid mechanical steering mechanisms, by solving sperm equations of motion inside a microfluidic design featuring variable width. In addition, by experimentally observing sperm locomotion within the design, we show that strictures inside the sperm swimming channel play a gate-like role. That is, sperm slower than a threshold velocity cannot pass through the stricture, revealing the function of narrow junctions in the reproductive tract in selecting for highly motile sperm. Sperm slower than the threshold velocity resist against the flow and accumulate below (i.e., in front of) the stricture in a hierarchical manner in which motility-based competition becomes fiercer among highly motile sperm.
RESULTS AND DISCUSSION
We designed and fabricated a microfluidic device with 30 μm in depth using conventional soft lithography that featured three eye-shaped compartments connected to each other by a progressive narrowing in width of the microchannel (Fig. 1A). The width of the channel in the narrowest section (i.e., the stricture) was 40 μm, while the maximum width of each compartment was 300 μm. The angle of the stricture mouth was ~ 80 °. The velocity field of the sperm medium (i.e., shear rate along the and directions) within each stricture was designed to be high enough to act as a barrier so that no sperm can pass through. The velocity field within the microfluidic channel was obtained by solving the conservation of momentum and mass equations with no-slip boundary conditions using finite element method simulations. The velocity field in an X-Y cut plane at a Z position corresponding to half the channel depth is demonstrated in Fig. 1A, which shows that the mean velocity field increases as the width of the channel decreases. In Fig. 1B, the velocity profile of the fluid in four different cross sections is demonstrated using contour levels (X = 0, 25, 50, and 75 μm). According to the simulations, the maximum velocity field (125 μm/s) occurred in the stricture of the channel (X = 0) and decreased to as low as 20 μm/s at X = 300 μm. To use these numerical results for simulating the rheotactic behavior of the sperm, we extracted the shear rate of the fluid on the top surface of the chip in the direction using , as shown in Fig. 1C, in which v is sperm medium velocity field. Moreover, we found the shear rate near the sidewalls using , in which n is the perpendicular distance from the sidewall. , the unit vector perpendicular to the sidewalls, is depicted in Fig. 1D.

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Fig. 1Simulation of sperm motion below the stricture.
(A) Two-dimensional velocity field of the sperm medium within the device at Z = 15 μm. (B) Velocity field of the medium demonstrated in Y-Z cut planes using contour levels. (C) Shear rate on the top surface of the channel. (D) Schematic of sperm butterfly-shaped motion, with depiction of all the variables. The terms ρ⊥ and ρ′⊥ indicate the sperm perpendicular distance from both sidewalls, is the unit vector along the sperm orientation, and θ and θ′ are the angles between the sperm orientation and the unit vector normal to the sidewalls. These variables are used in Eqs. 2to 4. (E) Microscopic image of the sperm and the direction of flow. (F) Sperm path below the stricture for sperm with different velocities (40 to 80 μm/s). (G) Influence of ΩIN on the sperm path. The value used as ΩIN was experimentally measured as 0.12 ± 0.06 s−1. (H) Top: Initial angle of the sperm with the sidewall at the contact point for ΩIN = −Ωmax, 0, and Ωmax, illustrated with red, green, and blue, respectively. Bottom: Time required for sperm to rotate upstream toward the stricture. (I) Total period (τ) required for sperm to depart from point A (C) and reach point C (A). The time elapsed in each mode is illustrated separately so that τf, τr, and τt correspond to the boundary, rotation, and transfer mode times.
To simulate the swimming path of the sperm, we assumed that the sperm location was influenced by its propulsive velocity, the velocity field of the medium, and the velocity components induced by the hydrodynamic interactions with the sidewalls. These hydrodynamic interactions with the sidewalls are created from the contribution of the microswimmer to the fluid flow in the presence of boundaries. Consequently, the time derivative of the sperm location can be written using the following equation (1)in which is the sperm propulsive velocity in the absence of the sidewalls and fluid flow, and is the sperm medium velocity field within the microfluidic channel at Z = h − δ, where h is the channel height and the δ value reported for sperm is ~10 μm (fig. S1). The two rightmost terms in Eq. 1 represent the drift velocity components induced by hydrodynamic interactions of the sperm with the sidewalls, and the terms ρ⊥ and ρ′⊥ are the perpendicular distances of the sperm from the sidewalls, as shown in Fig. 1D.
To determine the drift velocities induced by the hydrodynamic interactions at large distances from the sidewalls (ρ⊥ or ρ′⊥ > 50 μm), we first calculated the contribution of the microswimmer to the fluid flow by using a dipole pusher swimmer model proposed by Berke et al. (27). In the dipole pusher swimmer model, the flow produced by the swimmer is modeled by two forces with equal magnitudes and opposite directions that act on two points in the fluid with a distance equal to the swimmer length. For a point force, the solution of the Stokes equation is its Green’s function, known as “Stokeslet,” and the solution for a dipole swimmer is thus Stokes doublet. For the sake of simplicity, we then used the image method to consider the existence of the sidewalls and satisfy the no-slip boundary condition on the sidewall. By neglecting the reflection of each image system on the other sidewall, we found the hydrodynamic interaction terms (drift velocities) to be inversely correlated to the perpendicular distance of the sperm from the sidewalls, as described by (2) (3)in which P is the dipole strength of the sperm, η is the viscosity of the sperm medium, and θ and θ′ are the angles between the swimming direction of the sperm and the sidewalls. On the basis of Eqs. 2 and 3, when |cos θ| ≤ 1/√ 3, the sidewalls repel the sperm; otherwise, they attract it. To calculate the vertical distance of the sperm from the sidewalls, we found the microswimmer’s minimum distance from the sidewalls at each point simulated in the channel.
However, the dipole swimmer model as a far-field approximation is not accurate at distances closer to the wall (ρ⊥ or ρ′⊥ < 50 μm). Therefore, we further developed a model based on the lubrication approximation (fig. S2) to obtain the drift velocities imposed on the swimmer at near-wall conditions (see the Supplementary Materials for more details). On the basis of our model, the drift velocities imposed on the swimmer at near-wall conditions can be described by (4) (5)where V is the magnitude of the sperm velocity, L is the length of the sperm tail, ξn is the friction coefficient of the sperm medium in the normal direction, and d is the sperm width and considered to be 5 μm.
We considered the magnitude of the as a constant value over time, since the sperm energy loss was not considered in this paper. However, sperm swimming direction evolves with time and the sperm angular velocity is affected by its fluid mechanical response to an external fluid, intrinsic rotation, and response to the sidewalls (i.e., hydrodynamic interactions). Therefore, and on the basis of the superposition principle, the angular velocity of the sperm at each point between the sidewalls can be described by (6)in which ΩRH is the rheotactic angular velocity caused by the response of the sperm to the fluid flow. Bukatin et al. (20) have observed that under a flow reversal condition, half of the sperm make a left-hand U-turn, whereas the other half make a right-hand turn based on their initial alignment. We thus assume that the sperm rotation toward the left- and right-hand sides obeys a similar rate (we examine the accuracy of this assumption in the following experimental sections). This sperm rotation rate has been described with Eq. 7 [by Tung et al. (21) and Bukatin et al. (20)] (7)in which λ is a dimensionless constant related to the asymmetry in the sperm geometry, γz is the shear rate in the vicinity of the top surface along the − direction (Fig. 1C), and as shown in Fig. 1E, is the angle between the direction of the sperm movement and the velocity field, which can be obtained by .
The intrinsic rotation (ΩIN) is the angular velocity created from asymmetry in the beating pattern of the sperm tail. The sperm flagellum does not feature a sine wave with a single frequency and phase. Rather, the mechanical wave produced by the sperm tail encompasses sine waves with different frequencies and initial phases. Consequently, the sperm tail beating pattern is asymmetric, which yields to an intrinsic rotation (see the “Intrinsic angular velocity” section of the Supplementary Materials) (14). This rotation can be modeled by an intrinsic angular velocity that is described by Eq. 8 (8)in which ξt is tangential friction coefficient of the sperm medium,yn is the amplitude of the nth harmonic of the sperm tail, and ϕ is the phase difference between the main sine wave and the nth harmonic. Since ϕ is an arbitrary parameter, ΩIN can vary from −Ωmax to Ωmax, which means that its rotation can be either counterclockwise or clockwise. To experimentally measure the intrinsic angular velocity (movie S1 and figs. S3 and S4), we extracted the trajectories of 28 sperm trapped in an area with no background fluid flow. The majority of the sperm were moving clockwise, and the value that we measured for those sperm was 〈ΩIN〉 = 0.12 ± 0.06 s−1. Accordingly, the absolute value of the intrinsic angular velocity in all simulations was assumed to be less or equal to 〈ΩIN〉 (|ΩIN| ≤ 〈ΩIN〉 = Ωmax).
To find the rotation induced in the swimmer caused by the hydrodynamic interaction, we used the dipole swimmer model for distances adequately far from the sidewalls, while for near-wall conditions, the lubrication theory was used. Therefore, the total rotation caused by the presence of the sidewalls can be written out as (9)where Ω1HI and Ω2HI are the contribution of each sidewall in the induced rotation. If the distance of the swimmer from a sidewall is large enough (ρ⊥ > 50 μm), then the sperm rotation induced by that wall can be described by (10)as proposed by Berke et al. (27). Otherwise (ρ⊥ < 50 μm), on the basis of the model explained in the Supplementary Materials (lubrication approximation), we used eq. S13 to describe the rotation. By calculating the rotation induced by the other sidewall using a similar manner, the rotation induced on the sperm by hydrodynamic interactions was reflected in the calculations.
As sperm is a large microswimmer (in comparison to bacteria and other swimming particles), and the role of noisy fluctuations is important for swimmers with size much smaller than sperm, we neglect the white zero-mean Gaussian noise in rotation of the sperm head (12). Last, we can write the time derivative of the sperm swimming direction as the outer product of this unit vector with the angular velocity vector of the sperm (11)
For ΩIN = 0 and the initial sperm orientation parallel to the sidewall, the trajectory calculated for the sperm with different velocities is presented in Fig. 1F. Since the shear rate within the stricture is too high for sperm to pass, the swimmer detaches from the sidewall at the vicinity of the stricture and is swept away by the flow until it reaches the other sidewall. The sperm trajectory depicted in Fig. 1F shows that the location of the initial contact point of the sperm, and this sidewall is not linearly related to the sperm velocity. That is, as the sperm velocity declines, the sperm are increasingly carried away by the fluid flow. To demonstrate the impact of intrinsic rotation on the sperm locomotion, the trajectories of the swimmers with velocities of 40, 50, and 60 μm/s are also depicted in Fig. 1G for |ΩIN| ≤ Ωmax. As can be seen, the effect of intrinsic rotation is more substantial on slower sperm (40 μm/s), whereas the increase/decrease in location of the initial contact point caused by ΩIN is smaller for faster sperm (60 μm/s).
Upon arrival to the opposing sidewall, the shear rate along (i.e., γn) starts rotating the sperm upstream. Depending on the angle between the sperm orientation and the sidewall at the contact point (Fig. 1H, top), and the sperm velocity, which determines the location of the contact point, the rotation time will vary (Fig. 1H, bottom). In Fig. 1H (top), the initial angle of the sperm with the sidewall is depicted for different velocities, with the red, green, and blue curves corresponding to ΩIN = −Ωmax, 0, and Ωmax, respectively. The evolution of the angle between the sperm orientation and the sidewall at the contact point is determined by Eq. 5, in which γz is replaced with γn and the rotation rate obtained from lubrication theory. Therefore, the time required for the sperm to reorient itself upstream is the time required to decrease its angle with the sidewall from α0 to (fig. S1). After the upstream orientation, the sperm starts following the sidewall. This boundary movement is simply determined by the shear rate along the direction multiplied by δ subtracted from its propulsive velocity. Last, the total time required for sperm to return to its initial X coordinate (A → C), τ is shown in Fig. 1I for different sperm velocities. τ includes the time required for sperm to transfer from one sidewall to the other (τt), rotate upstream at the contact point B/D (τr), and follow the boundary in the stricture direction (τf). The time required for sperm to return to the initial X and Ycoordinates is 2 × τ.
On the basis of the simulation, sperm movement below the stricture—i.e., the hydrodynamic barrier—is composed of three different modes: (i) transfer mode, in which the sperm detaches from the sidewall, becomes swept back by the flow, and reaches the opposing sidewall; (ii) rotation mode, which involves sperm rotation around its head (i.e., the pivot) at the contact point; and (iii) boundary swimming mode. When sperm motion begins at point A, its initial orientation is parallel to the sidewall, as can be seen in Fig. 1D. The high shear rate at the mouth of the stricture causes the sperm to be swept back to point B on the opposing sidewall (i.e., transfer mode), at which point it stops moving perpendicular to the BC sidewall and starts rotating counterclockwise (i.e., rotation mode). By rotating near the wall, the sperm orients its direction parallel to the BC sidewall and begins moving along it in the direction of the stricture (i.e., boundary swimming mode). Upon arrival at point C, it detaches from the sidewall (similar to point A) because of the high shear rate of the structure and begins swimming toward the AD sidewall again. This periodic motion takes on a butterfly-shaped path (A → B → C → D → A) and continues until the sperm has no more energy to swim.
For a given angle between the two sidewalls (β), only sperm with velocities in a specific range can move in butterfly-shaped paths (fig. S5). The upper limit of this range is determined by the shear rate in the stricture. The lower limit of the range, however, is determined by two conditions: (i) proximity to the stricture, and (ii) return-ability conditions. The proximity condition determines the velocity of all sperm that can become proximate to the stricture, while the return-ability condition means that at points B and D, the shear rate is adequate to reorient sperm toward upstream. Since the shear rate outside the stricture decreases, depending on the angle, sperm can get close to the stricture. By defining the proximity zone as x < 5 μm (the average size of the bull sperm head), for β ~ 80°, all the sperm with velocities between ~30 and 80 μm/s were able to become proximate to the stricture. By considering the return-ability condition, we observed that among the sperm with velocities in this range, the fluid flow can reorient only sperm with velocities higher than 40 μm/s at point B (and D) in Fig. 1D. The angle between the swimming direction and the sidewall at point B (and D) for sperm with motilities slower than 40 μm/s becomes greater than 90°, and the shear rate in these points is inadequate to reorient the sperm upstream. Consequently, sperm slower than 40 μm/s follow the boundary in the downstream direction.
Given the similarity between this stricture to the junctions of the sperm’s path toward the site of fertilization, and the direction of the fluid flow, which simulates the mucus outflux within the tract, the final goal of the sperm in this situation is to pass through the stricture and advance toward the site of fertilization, or at least to maintain its location nearby the stricture. Since it is known that no sperm with velocities in the range of 40 to 80 μm/s can pass through the stricture, we defined the ability of the sperm to remain close to the stricture mouth as a competition index (CI). Since the main path of the sperm toward the fertilization site is in the direction, we projected the sperm periodic motion onto the x axis, as can be seen in the schematic of sperm motion in Fig. 2A. Given the total period of the sperm motion (T = τ), and neglecting the translational diffusivity of the sperm (28), the probability of the sperm to be closer to the stricture than at x = a can be defined as (12)in which Ta and are the times at which x = a (Fokker-Planck equation in the Supplementary Materials). We calculated the CI for different values of a as a function of sperm velocity, the results of which are shown in Fig. 2B.

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Fig. 2Sperm motion modes and the CI.
(A) Schematic of sperm motion in different modes, including transfer, rotation, and boundary swimming modes, illustrated in red, green, and blue, respectively. The sperm projection in the X direction demonstrates a periodic motion, on which we based the CI. (B) The CI for sperm slower than a particular velocity drops depending on the value of a.
We also experimentally observed the butterfly-shaped motion described by the simulation in our microfluidic device. To observe all the sperm with motilities in the range of 40 to 80 μm/s swim in butterfly-shaped paths and demonstrate rheotactic behavior and to perform comprehensive experimental characterization of this swimming behavior, we designed the flow rate such that the shear rate of the stricture was 8s−1. This shear rate is high enough to prevent all the sperm from passing through. Furthermore, given the shear rate within the stricture was 8s−1, the stricture mouth angle was chosen to be equal to ~ 80 ° so that all the sperm with motilities in the range of 40 to 80 μm/s were able to exhibit rheotactic behavior and thus swim in a butterfly-shaped path. Although the butterfly-shaped swimming path was also discernible at different stricture mouth angles, the motility range of the sperm that exhibit such a motion was smaller than 40 to 80 μm/s, which lowers the comprehensiveness of our study. The butterfly-shaped motion of a bull sperm with a velocity of 54 μm/s is demonstrated in Fig. 3 (A and B). Figure 3A is a combined image of the sperm location at 23 different frames, and Fig. 3B is the corresponding schematic of the sperm swimming pattern based on Fig. 3A for better visualization. As can be seen, the butterfly-shaped path is left-right symmetric, confirming the assumption that we made regarding the sperm featuring a similar rotation toward the right- and left-hand sides. This left-right symmetry is also in total agreement with previous observations reported by Bukatin et al. (20). To extract the sperm trajectories, we acquired videos of the device, as shown in movie S2, and tracked the sperm movement over the elapsed time (i.e., 3 to 20 periods). Using MATLAB R2017a, we tracked 44, 35, and 51 sperm heads displaying different motilities to elucidate the trajectories of each microswimmer in three different sperm samples. Figure 3C displays the motion of a single sperm at two different periods, in which the shape of the swimming path remained relatively constant over the elapsed time (tblue = 0 − 6.24 s, tred = 38.14 − 44.11 s). The motion of the sperm and its butterfly-shaped path, as can be seen in Fig. 2C, is similar to the results obtained by simulations presented in Fig. 1F.

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Fig. 3Observation of the butterfly-shaped swimming path and withdrawal distance of sperm below a stricture.
(A) Butterfly-shaped path extracted for a sperm with a velocity of 57 μm/s. (B) Schematic of the butterfly-shaped path based on the experimental results obtained in (A) for better visualization. (C) Trajectory of the sperm during two different periods to illustrate the consistency of the butterfly-shaped path over time. W is the withdrawal distance of the sperm. (D) Experimental values of the withdrawal distance extracted from 130 sperm with different velocities from three different samples in comparison with values expected by simulations.
To confirm the results obtained from the simulations, we experimentally measured the distance between the sperm-sidewall contact points (B and D) and detachment points (A and C), i.e., the “withdrawal distance,” for sperm with different velocities. As shown in Fig. 3D, the increasing velocity of the sperm led to a decay in the withdrawal distance (W). According to simulation- and experimental-based results, the decay in the withdrawal distance is exponentially correlated to the sperm velocity. That is, the difference in the withdrawal distances of two sperm is not only related to difference in the velocity of those swimmers—the velocity of the sperm plays a determinative role as well. For instance, on the basis of experimental data, the mean withdrawal distances measured for sperm with velocities of ~75 and ~85 μm/s were 39.1 and 28.2 μm, respectively. However, for two slower sperm (~55 and ~65 μm/s) with the same difference in velocity, the corresponding withdrawal distances were 74.6 and 51.3 μm. This dependency of the sperm swimming path with the velocity of the sperm suggests that swimmers with higher velocities move closer to each other, and their corresponding CIs are closer in comparison than slower sperm.
In addition to withdrawal distance, we also measured the elapsed time taken for sperm to move in the transfer, rotation, and boundary swimming modes. The images acquired from sperm at different time frames and modes are presented in Fig. 4. In the pictures shown in Fig. 4A, five sperm are moving in the transfer mode, in which three of them (colored blue) are departing the upper sidewall and moving toward the bottom sidewall. Likewise, the remaining two sperm (yellow-colored) are departing the bottom sidewall toward the upper sidewall. In Fig. 4B, a moderately motile sperm with a velocity of ~59 μm/s can be seen beginning to rotate upstream because of the shear rate along the normal direction of the sidewall. Later on, this sperm swims along the boundary of the sidewall until it reaches the stricture, as can be seen in Fig. 4C. These experimental observations of sperm movement thus help confirm our simulated derivations of the three different sperm swimming modes.

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Fig. 4Experimentally measured times of the different swimming modes (i.e., transfer, rotation, and boundary swimming) and CI calculated for sperm.
(A) Images of sperm (blue and yellow) moving in the transfer mode. (B) A single sperm (green) in the rotation mode, reorienting upstream. (C) A sperm (red) in the boundary swimming mode begins following the sidewall. (D) The times required for sperm to transfer (τt), rotate (τr), and follow the boundary (τf) were experimentally measured for 120 sperm. Since the rotation and the boundary swimming times overlapped, their sum (τr + τf) was reported and measured. (E) For a given a, as the velocity of the sperm decreases, its likelihood to maintain its X coordinate closer than a decays.
The corresponding elapsed times of each mode (τt, τr, and τf) are presented in Fig. 4D. Since the rotation and boundary swimming times somewhat overlap, especially for highly motile sperm, we combined the amount of time required for each of these modes into a single measurement (τr + τf). Using these times, we measured the CI from experimental data of sperm featuring different velocities for different values of a (Fig. 4E). At a = 40 μm, the CI measured for sperm with velocities higher than 78 μm/s was close to 100%, which means that these sperm were always closer than 40 μm to the stricture. For velocities below 78 μm/s, the CI decays, with the CI for the slowest sperm (v = 48 μm/s) being 14.3%. In the case of a = 50 μm, the range of velocity for sperm with a CI of 100% expands, and sperm faster than 72 μm/s are always closer than 50 μm to the stricture.
The similarity between human and bovine sperm in terms of the shape and swimming mechanism suggests that the motion of the human sperm below the stricture is similar to that of bovine sperm. We also experimentally observed human sperm motion below the stricture (movie S3), and as was expected, the butterfly-shaped swimming path was seen in human sperm as well (fig. S6). Moreover, the human sperm motion in the transfer, rotation, and boundary swimming modes is also demonstrated in fig. S7, which confirms the similarity between human and bull sperm locomotion strategies.
Accumulation of sperm near the stricture
In agreement with previous studies done in the absence of fluid flow (29, 30), the butterfly-shaped motion (due to the sperms’ ability/tendency to swim counter to the flow and parallel to the sidewalls) also leads to the accumulation of sperm near the stricture, which could be interpreted as a mechanism used by the sperm to resist against the fluid flow. Despite dead and nonmotile sperm being carried away by the flow, motile sperm maintained their proximity to the stricture, and thus, their likelihood to pass through it is high. To observe this accumulation phenomenon, we observed the microfluidic device using low-magnification phase-contrast microscopy (movie S4) (31). To assess the abundancy of the sperm, we took advantage of the twinkling effect observed in the motile bull sperm due to the paddle-shaped head of the microswimmers, in which the side of the sperm flashes bright under the imaging conditions, while the head’s top and bottom faces appear dark (Fig. 5A). Zone A of Fig. 5B, which describes the area of the device that includes the stricture, features more twinkling, whereas zone B, which includes the wider region of the channel, twinkles less, as can be seen in movie S4. On the basis of this evidence, we can conclude that more sperm accumulate near the stricture. To validate this twinkling effect–based result, we manually counted the total number of motile sperm swimming in zones A and B at high magnification, the results of which are shown in Fig. 5C for three samples. With this method as well, we observed that the number of sperm that accumulate below the stricture is greater than that of zone B. This accumulation below the stricture demonstrates sperm resistivity against the flow, which leads to persistence upon advancing toward the egg, thus maintaining the chance of fertilization.

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Fig. 5Accumulation of sperm below the stricture and the twinkling effect.
(A) Phase-contrast microscopy leads to twinkling of the bull sperm. (B) Low-magnification image of our device with a concentrated sample injected. Zones A and B are indicated in the image. (C) The number of live sperm in each zone for three different samples was counted manually to confirm the accumulation of the sperm.
Gate-like role of the stricture
The height of the hydromechanical barrier (i.e., the shear rate within the stricture) determines the threshold motility that sperm must have to overcome and pass through the stricture. To experimentally observe the gate-like role of the stricture, we decreased the sperm medium injection flow rate and, consequently, the shear rate within the stricture to 7.98 s−1. As a result, the sperm with the highest motility (v = 84.2 μm/s, sperm number 1) could resist against the flow within the stricture, as can be seen in Fig. 6A and movie S5. Meanwhile, all the sperm with lower velocities (sperm numbers 2 to 6) maintained their location below the barrier by periodically moving between the sidewalls. Under these conditions, sperm number 1 is almost static in the observer frame in the direction, as neither the shear rate of the flow nor the sperm’s motility can overcome the other. By further decreasing the shear rate of the stricture to 7.16 s−1, eventually, sperm number 1 can overcome the barrier and advance toward the next compartment, as can be seen in Fig. 6B and movie S5. Meanwhile, all other sperm with lower velocities accumulate below the barrier in a hierarchical manner, i.e., sperm with higher velocities remain closer to the stricture and slower sperm are swept further back by the flow. To characterize the gate-like role of the stricture in motility-based selection of sperm, we gradually decreased the flow rate (thus the shear rate of the stricture) and measured the velocity of the sperm that passed through the stricture, which we call the “threshold sperm velocity.” The threshold sperm velocity with regard to the shear rate within the stricture is depicted in fig. S8, which demonstrates a linear correlation (P = 0.01) between the threshold sperm velocity and the shear rate of the stricture. The similarity between the geometry of the stricture and the junctions within the female reproductive tract suggests that the gate-like selective behavior of this microfluidic stricture can mimic the potential role of junctions in motility-based selection for sperm during fertilization (26).

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Fig. 6Gate-like role of the stricture.
(A) Sperm number one is able to resist against the shear rate in the stricture, and therefore, it has approximately no movement in the −X direction. The other sperm (numbers 2 to 7) move in butterfly-shaped paths, but they cannot pass through the junction. Hierarchical swimming is discernible, and sperm with higher velocity are closer to the stricture and to each other. (B) A small decrease (7.98 to 7.16 s−1) in the injection flow rate led to sperm number 1 advancing and entering the adjacent compartment. Meanwhile, the slower sperm continue to swim on the butterfly-shaped path below the stricture.
CONCLUSION
The response of sperm to fluid flow and their inclination to follow solid boundaries lead to the accumulation of sperm below the stricture opening inside a microfluidic design. The accumulated sperm form a hierarchy, in which swimmers with higher motilities are closer together near the stricture mouth while slower sperm remain further apart away from the stricture. Using numerical simulations and experimental observations, we can quantitatively show that this hierarchical structure imposes competition among the sperm, with the fiercest competition occurring among highly motile microswimmers in comparison with the slower sperm. Moreover, depending on the shear rate within the stricture, sperm with velocities higher than a threshold value can pass through the stricture, whereas sperm slower than the threshold accumulate below the stricture. This gate-like behavior shows that sperm location is maintained near the stricture until the shear rate within the stricture decreases; thus, the chance of the sperm to pass through the stricture is maximized.
This gate-like behavior of the stricture suggests a motility-based selection mechanism that may potentially be used by the female reproductive tract to select for sperm with the highest motility. Moreover, since we observed sperm accumulation below the stricture when the shear rate was not sufficiently low enough for the sperm to pass through the stricture, and given the fluid mechanical similarity between the stricture in the microchannel and junctions of the female reproductive tract, this investigation suggests that in these geometries, highly motile sperm are more likely to pass through the fluid mechanical barriers and advance toward the fertilization site.
MATERIALS AND METHODS
Bull and human sperm samples
All the experiments were performed with four bull sperm samples frozen in 250-μl straws that were purchased from Genex Cooperative (Ithaca, NY). Semen from two of the bulls was frozen in a milk-based extender, and semen from the other two bulls was frozen in an egg yolk–based extender at a concentration of 100 million sperm/ml. Frozen straws were thawed in a 37°C water bath. Then, the live sperm were separated from the dead sperm using a density gradient method (23). The separated sample was then diluted 1:3 using TALP (Tyrode’s albumin lactate pyruvate) medium. The viscosity of the bull sperm sample after the dilution was 0.87 mPa∙s at T = 37°C.
Fresh human sperm samples were provided by Weill Cornell Medicine in accordance with the Weill Cornell Medicine Institutional Review Board (IRB) guidelines. An approved IRB consent form was used to prospectively recruit patients interested in participating in this study. The original concentration of the human sperm sample was 46 million sperm/ml. All experiments carried out on human samples diluted 1:3 with TALP medium at T = 37°C. The viscosity of the human sample after the dilution was 0.94 mPa∙s. The TALP recipe was as follows: NaCl (110 mM), KCl (2.68 mM), NaH2PO4 (0.36 mM), NaHCO3 (25 mM), MgCl2 (0.49 mM), CaCl2 (2.4 mM), Hepes buffer (25 mM), glucose (5.56 mM), pyruvic acid (1.0 mM), penicillin G (0.006% or 3 mg/500 ml), and bovine serum albumin (20 mg/ml).
Device fabrication and injection systems
We used conventional soft lithography (32) to fabricate the microfluidic device out of polydimethylsiloxane. We used conventional soft lithography to fabricate the microfluidic device out of polydimethylsiloxane. Syringe pumps (Chemyx Fusion 200) were used to control the flow rate of the sperm medium at different injection rates of 0 to 2 ml/hour. Using the syringe pump, we were able to manipulate the input pressure and the injection rate. Furthermore, to obtain very low flow rates (0 to 0.6 ml/hour), we used gravity to inject the sample, in which case the flow rate was controlled by changing the height of the sample container.
Image and video acquisition
Images and videos were acquired at 25 frames/s using phase-contrast microscopy with a 10× objective and a digital Neo complimentary metal-oxide semiconductor camera. During the experiments, the microfluidic chip was kept on a heated microscope stage (Carl Zeiss, at 37°C). The average path velocity of the sperm (also called VAP in computer-assisted sperm analysis systems) was determined using ImageJ (version 1.51j8) and MATLAB (version R2017a) software by measuring the average distance between the center of the sperm head in each frame divided by the time elapsed.
Simulation software
The layout of the microfluidic device was imported into COMSOL MULTIPHYSICS (version 5.2) simulation software. Using the laminar fluid module in a stationary mode, we solved the Navier-Stokes (Eq. 13) and conservation of mass (Eq. 14) equations with a no-slip boundary condition at the sidewalls (33) (13) (14)in which v denotes the velocity field, ρ is the density of the sperm medium, p is pressure, and μ is the dynamic viscosity. To numerically solve the sperm equations of motion, MATLAB (version R2017a) and an explicit Runge-Kutta method [i.e., the Dormand-Prince pair (34)] was used.
SUPPLEMENTARY MATERIALS
Supplementary material for this article is available at http://advances.sciencemag.org/cgi/content/full/5/2/eaav2111/DC1
Fig. S1. Sperm tilted orientation in the boundary swimming mode.
Fig. S2. Schematic of the model used for lubrication theory.
Fig. S3. Sperm intrinsic angular velocity and curvature.
Fig. S4. Intrinsic angular velocities measured for sperm when the external flow was zero.
Fig. S5. Impact of stricture mouth angle on the butterfly-shaped motion of sperm.
Fig. S6. Butterfly-shaped motion of human sperm.
Fig. S7. Transfer, rotation, and boundary swimming modes with corresponding times for human sperm.
Fig. S8. Threshold sperm velocity versus shear rate of the stricture.
Movie S1. Sperm intrinsic rotation.
Movie S2. Bovine sperm swimming on butterfly-shaped paths.
Movie S3. Human sperm swimming on butterfly-shaped paths.
Movie S4. Accumulation of the sperm below the stricture.
Movie S5. Gate-like role of the stricture.
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This is an open-access article distributed under the terms of the Creative Commons Attribution-NonCommercial license, which permits use, distribution, and reproduction in any medium, so long as the resultant use is not for commercial advantage and provided the original work is properly cited.
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Acknowledgments: We thank S. H. Cheong for providing the frozen bull semen samples and phase-contrast microscopy. We thank S. Suarez for reading the paper and for intellectual inputs. We also acknowledge D. Koch for the very helpful discussions about hydrodynamic interactions and lubrication approximation. We also thank M. Godec for intellectual inputs and for proofreading the paper, F. Javi for intellectual inputs and assistance with the illustrations, and P. Xie, D. Keating, and A. Parrella for providing the human sperm sample. Funding: This work was performed in part at the Cornell NanoScale Facility, a member of the National Nanotechnology Coordinated Infrastructure (NNCI), which is supported by the National Science Foundation (grant ECCS-1542081). Author contributions: M.Z. and A.A. designed research; M.Z. performed research; M.Z. analyzed data; M.Z., G.D.P., and A.A. wrote the paper; G.D.P. provided intellectual input about biological aspects of the research; and A.A. was the principal investigator of the group. Competing interests: The authors declare that they have no competing interests. Data and materials availability: All data needed to evaluate the conclusions in the paper are present in the paper and/or the Supplementary Materials. Additional data related to this paper may be requested from the authors.
• Copyright © 2019 The Authors, some rights reserved; exclusive licensee American Association for the Advancement of Science. No claim to original U.S. Government Works. Distributed under a Creative Commons Attribution NonCommercial License 4.0 (CC BY-NC).
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[国際25] イラン・ロウハニ大統領のイラク訪問が大成功といえる「2つの理由」 イラクをイラン包囲網の「駒」に使おうとするトランプ政権
世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

イラン・ロウハニ大統領のイラク訪問が大成功といえる「2つの理由」

2019/04/02

岡崎研究所

 イランのロウハニ大統領は、3月11-13日にイラクを公式訪問した。ロウハニとイラクのマハディ首相は、貿易の強化、両国間の鉄道リンク樹立、観光客や投資家への旅行制限の撤廃措置をとることについての合意を発表した。13日にはロウハニは、イラクで最も尊敬されている宗教的権威、大アヤトラ・アリ・シスタニと会談した。シスタニとの会談は、イランのこれまでの大統領も、米国の歴代大統領もなしえなかったことである。


Bullet_Chained/bodrumsurf/rilora/LysenkoAlexander
 シスタニは声明で「主権尊重と国内問題不干渉に基づく、隣国とイラクとの関係強化のいかなる動きも歓迎する」と述べた。声明はイラクのシーア派民兵への言及と受け取られている。これらの民兵はイスラム国(IS)敗北に役割を果たし、人々の支持を得、イラク議会でも政治的影響力を確保している。彼らは重要なスンニ派地域でもIS排除に役割を果たし、非公式な支配力を得た。米政府も多くのイラク人も民兵はイラク中央政府の支配を受けないイランの代理人とみている。

 ロウハニの今回のイラク訪問は、次の2つの理由から、大成功であったと考えられる。

 第一に、イラクのマハディ首相は、米国の対イラン制裁にイラクは参加しないと明言した。現在の貿易額は年120億ドルであるが、それを200億ドルに増やしたいと両国は考えているという。イランの石油輸出を締めあげることを米国はその制裁の主要項目として考えているが、イランが隣国イラクに石油を輸出し、それがイラクを通じて他国にも輸出される場合、それをどのようにして止めるのか。ドル決済システム、SWIFTを使って、イラクも締め付けるようなことをすれば、米イラク関係が緊迫した敵対的関係になりかねない。米国のイラン経済制裁網には大きな穴ができたように思われる。

 第二に、イラン国内では、イランの神権政治の枠内ではあるが、ロウハニのような実利的で国際協調を重んじる勢力と革命防衛隊を中心とする強硬派勢力の間で争いがあることは否めない。そういう状況において、イラクのシーア派の最高権威シスタニがロウハニを支持し、革命防衛隊の活動に批判的な発言をしたとされていることは、ロウハニのイラン国内での立場を強化することに資するだろう。

 今後、どうなるのか。米国のイラン孤立化政策は欧州の反発、中ロの反発、隣国イラクの反発でうまくいかない公算が大きい。米国の政策に心から賛同しているサウジやイスラエルには、米国を助けてできることはあまりない。米国が考え直してイラン核合意に復帰してくれば結構なことであるが、トランプとしては面子の上からもそんなことはできないだろう。米国での政権交代までイランも欧州も核合意を守り、現状を維持していくしかないと思われる。ロウハニの立場強化、米国の制裁の効果の減退はこれを可能にすると思われる。

 なお、トランプは昨年末、シリアからの米軍撤退を決めた後、イラクの米軍を訪問、「イラクの米軍を撤退させることはない。ISとイランへの対処の上で、必要である」と発言、イラクを対イランの前進基地であるかのように言った。これは、3月8日付け本欄『イラクをイラン包囲網の「駒」に使おうとするトランプ政権』でも取り上げたが、イランとイラクの間にはシーア派を通じた深い関係がある一方、イラクはイランの影響力増大を懸念し、米国にバランサーの役割を望んでいるという構図に鑑み、不適切な発言である。感情的にも、当然、イラクの反発を呼び、かえってイラクをイランの側にやることに繋がっている。トランプは、賢明でない政策や発言により、自らが強く主張するイランの影響力減殺とは逆の結果をもたらしている。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/15758


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

イラクをイラン包囲網の「駒」に使おうとするトランプ政権

2019/03/08

岡崎研究所

 トランプ政権はイランに対する米国の制裁を強化するのみならず、欧州諸国などに呼びかけてイラン包囲網を作ろうとしている。イラクもこの包囲網の一環に取り込もうとしている。2月2日、トランプ大統領は、CBSとのインタビューで、「米軍はイラクにとどまるべきだ。それは、ISとの戦いを継続するためだけではなく、イランを『監視』するためだ」と述べ、イラクの米軍基地はイランの核兵器などの活動を監視する前哨基地の役割を果たすとの考えを示した。


YuraDobro/AndreaAstes/anjajuli/bodrumsurf
 こうした考えと動きは、トランプ政権がイラクの実態と重要性を認識していないことを反映するものである。センチュリー基金のシニアフェロー、マイケル・ハンナらは、Foreign Affairs電子版の2月14日付けの記事‘Trump's Iraq Policy is Foolish’(Foreign Affairs, Michael Wahid Hanna,et.al, Feb 14, 2019)で、「トランプの発言は無謀である。それはイランについての誤った強迫観念を表すものであり、イラクを米国のイラン政策の単なる駒と見ていることを示している」と非難している。その通りであろう。イラクは中東の大国であり、中東で枢要な地位を占めている。イラクの将来は中東のすべての主要国にとって戦略的に重要である。イラクは米国とイラン、イランとアラブ社会、アラブ国同士といった重要な関係の結節点である。

 イラクとイランの関係について言えば、両国は深い関係にある。サダム・フセイン失脚後のイラクの政権は、国民の大半を占めるシーア派を代表する政権で、当然イランの影響力は大きい。イランはイラクの産業と観光の基盤に大幅な投資をし、イラクは食料と天然ガスでイランに頼っている。しかし、イラクはイランが過度の影響力を及ぼすことを望んでいない。そのためには、米国の存在が不可欠で、イラクにとっては、イランと米国の影響力のバランスを取ることが重要である。イラクをイラン包囲網の「駒」に使うというのは、ハンナらが言う通り、まさに無謀な論である。

 イラクは米国の軍事介入以来、内戦、ISとの戦いで混迷が続いたが、最近ようやく政情が比較的安定してきている。ただし、経済は苦境にあり、特に食料、水、電気といった生活基礎材の不足は危機的状況にあるようである。ハンナらも指摘しているが、バスラでは飲料水の危機で昨秋暴動が起き、首相顧問の一人は「夏までに十分な電気が供給できなければ終わりだ」と述べている。こうした状況は、米国がイラクに対して支援をする機会である。ハンナらは「米国の中東へのコミットメントが再検討されているときに、イラクは外交、安全保障、情報の面での結びつきを作る機会を提供している。それがうまくいくためには慎重な判断が必要だが、トランプ政権にはそれが無い。イラクがエネルギー不足と戦っているときに、トランプ政権はイランからのエネルギーの購入を止めるよう要請している。そのような近視に勝てる外交は無い。もし米国がイラク政策を改めないなら、中東に対する建設的関与で残されたわずかな道を塞いでしまうだろう」と言っている。適切な観察である。トランプ政権が、中東におけるイラクの重要性を正しく認識し、イラクに適切に関与していけるかどうかは、米国の中東戦略における一つの重要な注目点である。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/15491
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/892.html

[国際25] アラブ連盟、ゴラン高原のイスラエルの主権承認で米批判 イラン巡り亀裂 米高官、対イスラエル政策の変化は「シェール革命」 

アラブ連盟、ゴラン高原のイスラエルの主権承認で米批判
中東・アフリカ
2019/4/1 4:43
 
【チュニス(チュニジア)=飛田雅則】チュニジアで開いたアラブ諸国・地域の協力機構アラブ連盟の首脳会議は3月31日夜(日本時間4月1日未明)、トランプ米大統領がゴラン高原のイスラエル主権を承認したことを非難するコミュニケを発表し閉幕した。同連盟は国際司法裁判所に米国の決定について意見を求める方針も明らかにした。

首脳会議後、記者会見に出席したアラブ連盟のアブルゲイト事務局長(3月31日、チュニス) 

首脳会議は昨年4月のサウジアラビア以来の開催となる。アラブ連盟のアブルゲイト事務局長は記者会見で「イスラエルに占領され続けているゴラン高原は、アラブの土地だ」と強調した。会議でもサウジのサルマン国王は「同高原のシリアの主権を傷つけるどんな措置も否定する」と米国による承認を批判した。

アラブ連盟が31日に発表したコミュニケでは、同高原に対する連盟側の解決策を、国連安全保障理事会に提出する方針も明らかにした。

ゴラン高原はイスラエル北部の丘陵地帯で戦略上の要衝にある。1967年の第3次中東戦争でイスラエルがシリアから占領、81年に一方的に自国領への併合を宣言した。米国のトランプ氏は今年3月25日に同高原のイスラエル主権を認める文書に署名。国際世論を無視し、イスラエルに肩入れする姿勢を鮮明した。

この承認はアラブ諸国の批判を招いた。アラブ連盟は内戦で市民を弾圧するシリアのアサド政権の加盟国資格を2011年から停止中だが、今回のアラブ首脳会議では同高原がシリアの領土であるとの従来の立場を確認。ひとまず同胞への団結を演出した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43163340R00C19A4I00000/


 

アラブ連盟会議、イラン巡り亀裂 米批判では一致
中東・アフリカ
2019/4/1 18:00 
【チュニス(チュニジア)=飛田雅則】アラブ連盟(21カ国と1機構)は3月31日、チュニスで開いた首脳会議で非加盟のイランを巡って亀裂を露呈した。ゴラン高原におけるイスラエルの主権を承認した米国への非難では一致したが、同地を領有するシリアのメンバー資格停止の解除では合意できなかった。シリアのアサド政権を支援するイランの伸長をサウジアラビアなどが警戒したとみられる。

31日、チュニスで、首脳会議の閉幕にあたり記者会見するアラブ連盟のアブルゲイト事務局長=AP
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31日、チュニスで、首脳会議の閉幕にあたり記者会見するアラブ連盟のアブルゲイト事務局長=AP

会議の主題は、3月下旬にトランプ米大統領がゴラン高原のイスラエル主権を承認したことへの対応だった。連盟は会議後の声明で「(承認を)拒絶する」と批判。同地はイスラエルが1967年の第3次中東戦争でシリアから奪い、併合を宣言したが、国連安全保障理事会は認めていない。

アラブ連盟でイランに近いのはイラク、レバノンなど少数派。カタールも最近はイランと協調姿勢だとみる向きがある。

ほかの多くの国はイランを警戒する。サウジ、アラブ首長国連邦(UAE)などは2016年以降、イラン、カタールと外交関係を断絶または格下げ。一部は米国の同盟国イスラエルとの関係改善を模索する。同国もイランと敵対している。

会議ではレバノンのアウン大統領が「敵はイスラエルであって、イランでない」と指摘。イラクのサレハ大統領は「イランとよい関係を築く方法を探すべきだ」と述べた。カタールのタミム首長は冒頭しか会議に参加しなかった。

これに対し、サウジのサルマン国王は「イランの干渉は地域を不安定にした」と述べ、シリアに介入するイランがゴラン高原に勢力を伸ばし、アラブ側を圧迫する現状に不快感を表明。UAEなどが同調した。

国連がゴラン高原の領有を認めるシリアは代表を派遣しなかった。同国はアサド政権が市民の民主化要求を弾圧したという理由で11年に加盟資格を停止された。レバノン、イラクなどはシリアの復帰を提案したが、サウジが拒んだ。シリア内戦で、政権軍がイランのテコ入れにより優位に立っているためとみられる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43177880R00C19A4910M00/


 
 
米「イスラエルの主権承認」 アラブ諸国が反発
4月1日(月)
ニュース

放送を見逃した方はこちら テレビ東京 ビジネス オンデマンド
アラブ連盟は先月31日、チュニジアで首脳会議を開き、アメリカのトランプ大統領がシリアにあるゴラン高原についてイスラエルの主権を承認したことに対し「拒絶し非難する」との声明を発表しました。アラブ連盟は声明で、ゴラン高原は「シリアに取り戻す権利がある」と指摘し、トランプ政権の立場が、併合を認めない過去の国連安全保障理事会の決議などの合意に矛盾すると非難しました。その上で、アメリカの決定に対抗するための決議案を国連安保理に提出するほか、国際司法裁判所に意見を求める方針を明らかにしました。ゴラン高原をめぐるトランプ大統領の決定については国際社会から批判や懸念の声が強まっています。
https://www.tv-tokyo.co.jp/mv/hiru/news/post_174442


 

[FT]米高官、対イスラエル政策の変化は「シェール革命」
トランプ政権 中東・アフリカ 北米 FT
2019/3/29 12:03日本経済新聞 電子版
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トランプ政権がイスラエルにゴラン高原の主権を承認するなど、イスラエル支援でより強力な立場に立てるようになったのは米国のシェールブームが背景にある。なぜならもはや石油輸入に依存しないからだと、ダン・ブルイエット米エネルギー副長官は語った。

ブルイエット氏はフィナンシャル・タイムズ(FT)紙に、1973〜74年に第4次中東戦争を受けて石油輸出国機構(OPEC)加盟のアラブ諸国が石油の禁輸に動き、燃料…

 
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29日 14:59
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43067450Z20C19A3000000/

http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/893.html

[経世済民131] 統計不正で目を向けるべきは賃金統計が示し続けた「アベノミクスの本質」 実質経済成長率は64年をピークに緩やかに低下
2019年4月2日 石水喜夫 :大東文化大学経済研究所研究員
統計不正で目を向けるべきは賃金統計が示し続けた「アベノミクスの本質」

国会前半の焦点だった毎月勤労統計の「不正調査」発覚に端を発した賃金統計問題の真相究明は、「賃金偽装」への首相秘書官の関与や外部監察委員会の調査報告書のずさんさを追及する野党と政府の議論がかみ合わないまま「空回り」気味だ。統計の技術的な難しさもあって、本質が見えにくくなっている。日本の賃金と賃金統計に、いま、何が起こっているのか。また、それは「安倍一強」と呼ばれる政治権力やアベノミクスの持つ政策的矛盾とどう係わっているのか。労働経済論の専門家である石水喜夫・元京都大学教授(現大東文化大学経済研究所研究員)に解説してもらった。

賃金統計問題の「本質」
「賃金変化」を正確につかむ困難
 日本の賃金統計である「毎月勤労統計調査」は、2018年に入り、極めて高い上昇率を示し、賃金統計そのものに対する疑念の声も広がっていました。
 2019年になって、「500人以上規模の事業所を全数調査すべきところを一部抽出調査としていた」、「抽出調査で必要な統計的処理(復元)を行っていなかった」などの事実が明らかになりました。
 2011年以前の数値提供は中止され、2012年1月から2018年10月までの賃金額も改訂されました。改訂された数値は再集計値として公表されています。
 再集計値をみると、名目賃金(現金給与総額)は全般に上方への修正となりました。
 たとえば、2018年10月値は27万1318円(前年同月比1.5%)から、27万2229円(同1.1%)へ上方修正されました。
 変化率が1.5%から1.1%に下方修正されたのは、2017年以前の賃金額の上方修正の方が、2018年に比べ大きかったことによるものです。
 毎月勤労統計調査の数値は、雇用保険など、国の支給する各種給付金の根拠となっていましたから、賃金額の改訂は、受給者に多大な迷惑をもたらしました。
 当初は、2018年の賃金上昇率が高すぎるというエコノミストの疑念から出発した賃金統計問題ですが、給付金の過少給付で、それまでに公表されていた賃金額が低すぎたことに、より焦点があたることにもなりました。
 ただ賃金統計には、「賃金額」を調べるという役割ばかりでなく、「賃金変化」を調べるという役割もあります。
 給付金の過少支給が大きな問題であることは言うまでもありませんが、「賃金変化」を調べるという観点からも、問題を考えておく必要があります。
 日本の場合、「賃金変化」を調べることは決して容易ではなく、「賃金額」を調べることとはまた別の課題があります。
 長期安定雇用が重視される日本型雇用のもとでは、社会横断的に賃金が決まり企業間の差も小さい欧米とは異なり、「賃金変化」を把握するために、他には見られない苦労を背負ってきたのです。
 時系列比較のために多くの努力が払われ、賃金変化を示す「指数」や「変化率」は、遡及して改訂するということを、何度も何度も繰り返してきたのです。
 そのために、いったん公表された数値があとになって改訂で変わるということが起きたのです。

「遡及改訂」は
日本型雇用を踏まえた取り組み
「賃金変化」がとらえにくいという問題の解決方法の一つに、同一事業所を3年間、調査対象事業所として維持するという方法がありました。これは「総入れ替え方式」などといわれています。
 この方法は、3年ごとに、調査事業所を入れ替えるため、入れ替えを行った年に、前年との段差が発生します。
 図1をみると、大きな段差が発生したのは、2008年や2014年です。
 たとえば、2014年の値をみると、2015年1月に実施された、調査事業所を入れ替える抽出換えに伴って、大きな段差が把握され、すでに公表されていた過去の値は遡及して改訂されました。
https://diamond.jp/mwimgs/f/0/-/img_f04876ac4baebe6d64ffdd52596122e4104288.jpg

 抽出換えの際には、事業所を入れ替えた新サンプルと、入れ替え前の旧サンプルの両方が調べられます。そこで、どれだけの段差(ギャップ)が発生しているかが、把握されます。
 このギャップに基づいて、過去の変化率を遡及して改訂し、新たな系列に接続できるよう調整されてきたのです。2014年値の場合には、0.8%だった賃金上昇率は、0.4%へと下方修正され、さらに2013年値はマイナスに沈みました。
 この遡及改訂の数値が公表されたのは、2015年の4月のことでした。ちょうど春闘シーズンであり、2013年から始まった「官製春闘」がメディアばどで報じられ、人々の賃金への関心も高まっていました。
 こうしたなかで、賃金統計の遡及改訂は、ただでさえ控えめに見えていた賃上げの“成果”を吹き飛ばしてしまいました。
 いま、過去を歴史として振り返り、また、その流れを考えてみれば、当時の関係者たちが、遡及改訂の事実をそう簡単に受け止められなかったことは、想像に難くありません。
 賃金統計自体を見直すという問題意識も出てきました。
 後述する、調査対象の一部を毎年入れ替える「部分入れ替え方式」に、調査方法を変更するという話もそれです。
 理論家は、統計理論の形式に従って、統計の方法を見直し、統計機構を運営していけば、もっと簡単に問題にアプローチできると考えるでしょうし、そうした考えに同調する人も一般に多いでしょう。しかし、理論と現実は違います。
 理論家の多くは、賃金は労働市場で決まると考えています。これは、経済学が輸入学問であることとも関連していますが、欧米のように、労働組合が社会横断的に賃金を決め、労働者の企業間移動も活発であるなら、「労働市場論」も結構でしょう。
 しかし、日本では、新規学卒者の一括採用や長期継続雇用が一般的であり、労働組合は企業ごとに、その企業の賃金制度をベースとして賃金交渉を行っているのです。

調査方式が変更された背景に
賃上げの社会合意と「空気」の支配
 横断賃金が一般的でない日本社会では、調査対象をひんぱんに入れ替える方法には危険があり、賃金実務を熟知している人が、抽出換えの際のギャップを把握し、ギャップを修正することに思い至るのは自然なことです。
 しかし、こうした事実に耳を傾け、じっくりと話し合う心の余裕を、当時の人々が持ち合わせていたかというと、疑問です。
「デフレ脱却」に向け、政労使で賃上げに取り組むという、かつてない大きな社会合意が形成され、日本社会全体が、その「空気」に支配されていたのです。
 こうした時を経て、抽出換えを毎年行い、遡及改訂は行わないという、新しい賃金統計が始まりました。2018年1月からのことです。
 心配された通り、2017年までの動きと異質な賃金変化が続き、賃金上昇率は2018年平均で、1.7%にまで高まるところでした。
 しかし、この数字は、必要な統計的処理を施していない誤ったものだったため、改訂されました。改訂された2018年の公式数値(再集計値)では、1.4%とされています。
 ところが、この1.4%でさえ、なお高過ぎるという議論が消えません。
 2018年1月のサンプル換えでは、一部のサンプルを継続させ、他の一部を入れ替える「部分入れ替え」が行われました。公表されている、部分入れ替えをした新サンプルと、その前の旧サンプルを見比べると、新サンプルは上振れしています。
 1.4%の中にはこの上振れ分が含まれています。正確な賃金変化をつかむためには、この上振れ分を除去して賃金変化を見るべきだとの考え方は、成り立つものと思われます。

賃金は上がってきたのか?
賃金統計が示し続けてきた「真実」
 これまで述べてきたのは、統計が持つ限界や調査手法の変更が統計数値にどう影響したのかという技術的な問題です。
 いま関心は、こうした統計手法の変更や技術的問題と、アベノミクスで賃金が上がった成果を示したいという思惑が、どこまで関係していたのかということでしょう。
 しかし、もっと大事なことは、私たちの経済社会が、人々の努力や工夫によって、賃金が上向くような社会になってきているのかということです。
 本当のところ、そこはどうなのでしょうか。
 2017年までに公表された指数をもとに、これまでの景気拡張改訂での実質賃金の変化を示すと、図2のようなグラフになります。
 このグラフでは、アベノミクスの時代と重なる第16循環の景気拡張過程が、過去のものと全く異なり、実質賃金が低下する時代であったことが分かります。
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 これまで見てきたように、賃金統計の遡及改訂の歴史を振り返れば、2018年値の是非はさておき、2017年以前の、過去に公表された指数と変化率は、分析可能なデータのように思われます。
 変化という点に限っていえば、2017年以前の公表値は、今回の再集計値と対照してみても、大した違いはありません。
 そこで図2では、景気拡張過程の始まりを起点にして、縦軸に実質賃金の指数を、横軸に売上高経常利益率の上昇幅を示しました。
 第12循環の拡張過程までは、利益率の上昇とともに、実質賃金も上昇しています。これをまず「第I期」としましょう。
 次に、「第II期」は、利益率が改善しても、実質賃金が伸びなくなった時代です。第13循環から第15循環の拡張過程がこれに当たります。
 この背景には、非正規雇用を用いた総額人件費のコントロールがあります。企業は、労働者構成を変化させることで、平均賃金を抑制することができるようになりました。
 そして、アベノミクスとともに始まった第16循環の拡張過程では、利益率が上がって、実質賃金は低下したのです。
 この実質賃金の低下は、名目賃金の上昇率を超える物価上昇率によるものです。
 アベノミクスによる金融の異次元緩和は、円安を通じて輸出を促進したほか、輸入物価の上昇をもたらし、消費者物価を引き上げました。
 また、消費税率の引き上げも、価格転嫁によって、人々の実質賃金を切り下げることになったのです。

アベノミクスで実質賃金は低下
労働分配率低下幅は過去最大
 賃金統計だけで確定的なことが延べられないとすれば、他のデータも参照する必要があるでしょう。その場合に、企業の財務諸表をベースに所得分配や企業の利益処分を分析する方法があります。
 図3は、法人企業統計をもとに、付加価値の内訳と労働分配率の推移を図にしたものですが、企業側のデータから付加価値に占める人件費の割合をみても、第16循環では、72.3%から66.2%へ、6.1%ポイント低下しました。
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 この労働分配率の過去最大の低下は、やはり、実質賃金の低下によって説明すべきだと思われます。そして、この間、営業純益は増加を続け、対付加価値比で19.6%と歴史的な高水準になりました。
 労働者や労働組合は、「官製春闘」のもとで、給与明細書上の賃金上昇を喜びました。しかし、企業はその分の価格転嫁さえできれば、企業収益は守られます。
 労使が角突き合わせるより、アベノミクスによって、価格転嫁できる収益環境が確保される方が、企業経営にとって賢明な選択であったと言えるでしょう。
 一方、名目の賃金が上がっても、それ以上に物価が上がれば、実際の賃金は目減りします。官製春闘に無造作にのった労働組合は、そのからくりを見抜くことができなかったのです。

巧妙に隠されたアベノミクスの本質
進んだのは国民生活の窮乏化
 先の図2にみたように、かつては、利益も増え、賃金も増える第I期がありました。このような社会では、労働者の所得と購買力が増えるので、企業にとっても、国内市場を充実させる誘因が働きます。
 しかし、日本社会は、人口減少に転じました。そうした社会では、一人当たり賃金や、一人当たり消費額の増加を目標に、国内経済の循環を構想していくこともできるのですが、その方式では、国内市場規模の成長に制約されるため、もはや高成長を望むことはできません。
 日本社会は、このようなささやかな成長規模では満足することができなかったようです。輸出主導で、国内資本設備を大規模に稼働させることができれば、より高い成長率を追求できそうに見えます。
 しかし、それは本当に、成熟した社会の取るべき選択だったのでしょうか。
 図2の第II期にみられるように、輸出主導でより大きな経済成長を確保しようとする社会は、賃金を抑制する方向へと漂流していきます。国内での生産コストが低い方が、輸出には有利だからです。
 そして、第II期を推し進め、最終段階へと到達したのが第III期だったのです。
 第III期をもたらしたものは、名目で売り上げや賃金を押し上げる政府による「物価コントロール」であり、金融の異次元緩和による貨幣供給や円安誘導、消費税率の引き上げや価格転嫁環境を整えるための財政拡張などです。
 こうした財政金融政策を発動するには、財政当局や金融政策担当者ににらみを効かせる強大な政治権力が必要です。アベノミクスを実現した政治権力は、戦後最強のものであったと言えそうです。
 そして、この政策のもとで、実質賃金は下がり、国民生活の「窮乏化」が静かに進んでいきます。
 強大な権力を維持し、政策を推進していくためには、大多数の人々から支持を取り付ける必要があります。だとすれば、国民生活の窮乏化は、それが事実であるとしても、人々から遠ざけておかなくてはならない事実なのです。
企業の過剰貯蓄は不安定化要因
新たな経済政策を追究する時期
 私たちは、過去の選択にしばられて、目の前に起きていることを正しく認識することができなくなっているようです。
 実質賃金を切り下げ、企業利益を確保し、労働分配率が低下していく社会が出現しました。この社会を転換させようという力も、いまのところ働いていません。
 一体、これから何が起きようとしているのでしょうか。
 一国の経済循環を分析する手法に、貯蓄投資バランスがあります。「貯蓄」とは、所得を得た者が貨幣を支出しないことを意味しますから、ため込まれた貯蓄に対応した、設備投資や政府支出など、貨幣の支出が期待されます。
 それでも国内需要が足りなければ、外需に頼らざるを得ません。これが、この分析の枠組みです。
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 図に示した「貯蓄投資差額」は、貯蓄から設備投資や政府支出を差し引いた過剰貯蓄の大きさを示し、その大きさは純輸出(外需)に対応します。
 また、この貯蓄投資差額は、家計部門、企業部門、政府部門など、部門ごとに分けてみることができます。
 賃金抑制と労働分配率の低下は、企業への富の集中をもたらしました。設備投資に用いる以上の資金や資産をため込んで、企業部門は大きな過剰貯蓄を形成したのです。
 この企業セクターの異様な姿は、1990年代以前の姿と対比させることで、鮮明になります。
 かつて企業は、経済発展のためにリスクをとって事業を拡張させていきました。貯蓄投資差額は常にマイナスで、家計部門からの資金提供を受けて、積極的に設備投資を推進したのです。
 成長の成果は労働者にも配分され、国民生活の充実は、国内市場の発展と潤沢な資金提供を約束しました。
 こうした戦後社会の規範が崩れ、労働者と国内市場がないがしろにされる経済運営が、1990年代の末頃から始まりました。アベノミクスは、その究極的な姿であり、いわば最終形なのです。
 国内市場は疲弊、縮小し、再投下され得ない資金が企業部門に積み上がっています。
 不足する国内需要は、大量の国債発行によって政府が補填するしかありません。国債の大量発行は、債券市場を拡張させ、企業の過剰貯蓄の運用手段として、金融・不動産市場は膨張していきます。
 この裏で、経済不安定化の危険は、じわじわと蓄えられていきますし、国内市場疲弊に伴う対外依存の進行は、日本の外交をより厳しいものとしていくでしょう。
 賃金統計問題は、こうした社会・歴史認識を持って考えることが重要です。経済統計も含め、様々な情報を冷静に分析し、新たな経済政策の追究へと歩を進めるべき時を迎えているのではないでしょうか。
(元京大教授・大東文化大学経済研究所研究員 石水喜夫)
https://diamond.jp/articles/-/198509


気と株価を読む(平山賢一) 東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

「今後、経済がさらに減速するのか、それとも再加速するのか。プロの投資家のみならず、個人投資家にとっても最大の関心事の一つといえる」
米連邦準備理事会(FRB)は、先ごろの米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2019年中の利上げを見送り、9月末で資産縮小も停止する方針を示しました。
18年末以降、世界経済の減速観測が台頭してきたのが背景です。FRBの方針を受け、直後は米株価が上昇するなど市場はおおむね歓迎の姿勢でした。しかしながら、その後、世界経済の減速感が強まると米株価は急落しました。
今後、経済がさらに減速するのか、それとも再加速するのか。プロの投資家のみならず、個人投資家にとっても最大の関心事の一つといえるでしょう。

■グローバル金融危機から10年余、経済見通す
以下では、グローバル金融危機から10年余が経過し、経済がどのような方向性をたどるのかをイメージするために、1960年代以降の世界の経済成長について振り返ります。
長期的な経済成長率を見るときのキーワードは、人口増加率、名目経済成長率、実質経済成長率です。エコノミストや専門家が経済成長率について語る場合、インフレ率(デフレーター)の影響を除いた実質経済成長率(経済規模は一般に国内総生産=GDP=で計測。GDPはその国の中でモノやサービスの生産・提供を通じて新たにどれだけの付加価値が生み出されたのかを表す数値)を指します。
私たちは、値上げや値下げも反映した価格でモノやサービスを購入したり、提供したりして経済活動を営んでいるため、インフレ率の影響を除かない名目経済成長率の方が実感が湧くのではないでしょうか。名目経済成長率が高ければ、実質経済成長率がそれほど高くなくとも大いに成長していると感じてしまうわけです。
世界の人口増加率と経済成長率について示した図を確認してみましょう。インフレで底上げされている名目経済成長率で見ると、世界の経済成長率のピークは73年になります。名目経済成長率は実に22%という高水準であり、戦後では断トツです。

https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2Fcontent%2Fpic%2F20190402%2F96958A9F889DE6E0E5E4EAE5EAE2E0E0E2E1E0E2E3EBE2E2E2E2E2E2-DSXMZO4278481022032019000001-PB1-4.jpg?auto=format%2Ccompress&ch=Width%2CDPR&ixlib=php-1.1.0&w=630&s=71f1a2bdf00c1e3db445cd8fd9b0805e

ところが、実質経済成長は、わずかながら64年の成長率(6.6%)を下回っているのです。これは、インフレ率が15%弱という高水準を記録していることで、実質経済成長率は名目の成長ほど高くなかったことを意味しています。

■実質経済成長率は64年をピークに緩やかに低下
70年代は、71年のニクソン・ショック(ニクソン米大統領がドルと金の固定比率での交換停止を突如発表した出来事)の影響で、物価が急上昇しインフレ率も上昇したため、名目経済成長率が実質経済成長率を大幅に上回り、両者の格差が拡大したわけです。また、2000年代には新興国経済の成長を背景に、エネルギー価格や資源価格も上昇し、インフレ率が上がったため、再び名目経済成長率と実質経済成長率の格差が広がりました。
興味深い点は、00年代に中国などがけん引して、世界経済が成長しているように見えるものの、名目経済成長率は1970年代、実質経済成長率は1960年代の方が高かったという点です。実質経済成長率は64年をピークとして、その後、半世紀を通して緩やかに低下基調で推移しています。
2008年のグローバル金融危機には、名目経済成長率も実質経済成長率もとともにマイナスに落ち込み、その後実質経済成長率は2〜3%程度で推移していますが、1960年代よりも低い水準で安定化しているといっていいでしょう。また、名目経済成長率も2000年代の水準よりも低位での推移となっており、私たちの実感する世界の経済成長も冷え込んでいるといえそうです。

■人口増加率と経済成長率は超長期で連動
過去2000年程度の人口増加率と実質経済成長率の関係を調査した、英経済史家アンガス・マディソン氏による経済協力開発機構(OECD)のデータを確認すると、超長期ではこの両者は連動していることが分かります。人口の増加率に応じて、経済の成長率も変化するというのは、私たちの直感に沿ったものであり、当然といえば当然といえるでしょう。
人口増加率は第2次世界大戦以降も上昇し、過去約2000年間のピーク(2.1%)を1969年に迎えます。その後は緩やかに低下し、現在は1.1%台まで低下しているのです。国連の中位推計では、2050年には0.5%台まで低下するとされており、この見通しに沿うならば、経済成長率も緩やかに低下していく可能性を否定できません。
世界の人口増加率と実質経済成長率のピークはともに1960年代であり、その後インフレ率の上昇により名目経済成長率が大幅に上昇する局面はあったものの、実質経済成長率は低下基調で推移しています。今後も、人口増加率が低下基調で推移するならば、第2次世界大戦後に世界が経験した高成長が発生することは、あまり期待できそうにありません。

■政策対応により株価が上昇する局面も
とはいえ、このような時代にあっても、政策対応により株価が上昇している局面もあることから、ネガティブな思い込みを強めることは避けたいところです。低成長時代が到来する中、FRBをはじめ世界の中央銀行の金融緩和政策が長期化する傾向があるのも偶然の産物ではありません。
最近の情勢に照らせば、景気減速懸念の背景には米中の貿易戦争など国際関係の悪化があります。株価は当面は金融政策と景気との綱引きになりそうですが、いかにして国際的な政策協調をしていくかがカギになりそうです。
プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムで、原則火曜日掲載です。
平山賢一
東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長。1966年生まれ。横浜市立大学商学部卒業、埼玉大学大学院人文社会科学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。東洋大学経済学部非常勤講師。30年にわたり内外株式や債券をアセットマネジメント会社で運用する。著書に「戦前・戦時期の金融市場」「振り子の金融史観」などがある。
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https://style.nikkei.com/article/DGXMZO42768780S9A320C1000000?channel=DF280120166569&page=3

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/765.html

[社会問題10] 「どうせ死ぬなら臓器提供してから」世界で進む安楽死議論の怖さ
2019年4月2日 福田晃広 :清談社
「どうせ死ぬなら臓器提供してから」世界で進む安楽死議論の怖さ

安楽死を巡る議論はエスカレートしているきらいもあります。

アメリカの生命倫理学者からは「どうせ死ぬのなら生きのいいうちに臓器を切り出せばいい」との意見も出ているなど、安楽死を巡る議論はエスカレートしている(写真はイメージです) Photo:PIXTA
誰もが迎える最期の瞬間、どのように死をまっとうするのかを考える上で直面するのが、「安楽死」の問題だ。日本では法的に認められていないが、実は合法化しなくとも、すでに事実上行なわれている。東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター教授で、近著に『自己決定権という罠』(言視舎)がある小松美彦氏に詳しい話を聞いた。(清談社 福田晃広)

“自己決定権”に基づいて
推進される安楽死
「安楽死」は、大きく分けて2つに分類できる。

 ひとつ目は、耐え難い苦痛に襲われている患者自らの意思で、医師に致死薬を投与してもらい、死を選択する「積極的安楽死」。ふたつ目は、助かる見込みのない末期患者の意思により、延命治療を中止する「消極的安楽死」だ。後者は、日本においては「尊厳死」と呼ばれることもある。

 現在、積極的安楽死を国家として合法化しているのは、2001年に世界で初めて合法化したオランダをはじめ、ベルギー、ルクセンブルク、コロンビア、カナダの5ヵ国である。

 日本も超高齢社会に突入し、これから多死社会を迎えるということで、以前よりも自らの死について考える人が多くなり、安楽死の問題もよく議論されるようになった。

 特に月刊誌『文藝春秋』2016年12月号のインタビューで、脚本家の橋田壽賀子氏が「認知症にかかったり、身体が動かなくなったら、安楽死で死にたい」と発言し、大きな反響を呼んだことも記憶に新しい。

 その橋田氏が2017年8月に『安楽死で死なせて下さい』(文春新書)を出版し、メディアでも多く報道されたことで安楽死という言葉が日本でも広まった。

「死に方を自分で決める権利」は
いまだに世界で議論されている
 帯には「人に迷惑をかける前に死に方とその時期くらい自分で選びたい」とある。多くの高齢者が自らの死について考えさせられる文言だろう。この言葉は一見、説得力があるように感じる。しかし、小松氏はこう語る。

「『他人に迷惑をかけなければ、生き方、死に方を自分で決めるのは当然の権利』とする、いわゆる“自己決定権”と呼ばれる考え方が、言葉としてのインパクトがあり、過剰に説得力を持つようになってしまいました。しかし、この概念はせいぜい日本国憲法13条の幸福追求権と重ねて認められるという程度で、法学的にはさほど深い議論がされていないのが実状なのです」(小松氏、以下同)

 小松氏によれば、もともと「自己決定権」は、1960年代前半頃の米国で盛んになった「患者の権利」が発展したものだ。当時は、医師が患者に対して、何の病気にかかっているのか、どのような治療を行なっているのかなど、詳しい説明をしていなかった。そのため、患者には自分の具体的な疾病を知る権利や、どの治療法にするかを選択する権利がある、という「患者の権利」が主張され、それが「自己決定権」一般に拡大したのである。しかし、安楽死というような“死の選択”までを患者に与えてよいのかどうかは、現在も世界中で議論されている。

 それでは、安楽死とは具体的にどのようなものなのか。安楽死先進国・オランダの現状を見てみよう。

 まずオランダでは、年々積極的安楽死を遂げる人の数が増加の一途をたどり、「死の権利協会世界連合(WFRtDS)」によると、2017年の1年間で全死亡者15万人超の約4.4%にあたる、6585人にも上っている。

安楽死先進国・オランダでは
認知症患者も対象者に
 しかし、本来積極的安楽死の対象となる条件の幅がどんどん広がったことで、問題となるケースも出てきている。

「当初、積極的安楽死を認めるケースとして、自己決定権が前提で、まず患者に耐え難い肉体的苦痛があり、その苦しみから解放するには死をもってほかにないことが必須条件でした。しかし、それが精神的苦痛でも認められ、2006年には、意思を確認するのが困難な認知症患者も対象となったのです」

 2016年には、74歳の認知症患者女性の意に反して、医師が家族と協力して積極的安楽死を行ない、そのため、この医師に対して、安楽死法施行後初の起訴が2018年に決定された。

 さらに2017年には、そもそも病気を患っていない75歳以上の人なら誰でも希望すれば積極的安楽死が認められ、翌2018年には知的・発達障害者にも対象が広がっているのだ。

 また、小松氏は、これから「臓器提供安楽死」なるものも、行なわれる可能性があると推測する。

「元来、心臓のように摘出したら本人が亡くなってしまう、いわゆる“不可欠臓器”に関しては、『デッド・ドナー・ルール』といい、死んだ人からしか取ってはいけないという規定が世界的にあります。ただ、『どうせ死ぬのだったら、生きのいいうちに臓器を切り出し、それによって安楽死を執行したらどうか』といった意見がアメリカの生命倫理学者から盛んに出ており、その方向に向かっていく可能性も十分あり得ます」

 自己決定権が無視されている事例や、当初の安楽死とは異なる状況が刻一刻と進行しているのだ。

消極的安楽死は日本でも
実質すでに行われている
 前述の通り、安楽死の先進国・オランダでは、すでに深刻な問題が生じている。

 日本ではまだ積極的安楽死はもちろん、消極的安楽死も法的に認められていない。しかし小松氏は、終末期医療の名目ですでに行われていると、その実態をこう明かす。

「2017年、日本集中治療医学会が『DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)指示のもとに基本を無視した安易な終末期医療が実践されている。あるいは救命の努力が放棄されているのではないか』と勧告しています。DNAR指示とは、患者本人またはその家族の意思決定により、心肺蘇生法を行なわないこと。つまり、心停止時のみに有効なのですが、それ以外の場合でも、救命医療が放棄されている、とりもなおさず消極的安楽死が行われていると、警告を発しているのです」

 また、オランダと同様、日本でも終末期患者の定義が徐々に変化している。

「もともと終末期患者とは、主に末期がんの患者のことだったのですが、日本病院会倫理委員会の文書によれば、寝たきりで認知症の高齢者、高齢で経口摂取できない者、意思疎通の取れない胃ろう造設者、脳血管障害で意識の回復の望めない者などへと拡大し、この人たちが消極的安楽死の対象になっているのです」

老人ホーム職員が本人に
代わって消極的安楽死を決定!?
 さらに、厚生労働省による2007年の「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」では、医師は患者の自己決定権と最善の治療方針をとることを基本としていた。

 しかし、同省が2018年に発表した「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」では、巧妙な文言の改訂が見られると、小松氏は警鐘を鳴らす。

「最新のガイドラインでは、消極的安楽死に関する患者本人の自己決定権が、家族にも、さらには、たとえば所属している老人ホームの職員や、在宅医療を受けている人なら訪問介護士にも、代理決定として、事実上認められています。これでは、患者本人の自己決定権すら、ないがしろにされている上、もはや治療することさえ前提にないといえます」

 国が実質的な消極的安楽死を推進するのは、長年続く日本経済の沈滞と、急速なスピードで進行している少子高齢化による、医療費の増大が背景にあると考えられる。

 このような社会状況に加えて、病院にとっても経営が厳しく、利益が少ない終末期医療を極力カットしたいというのが医療界の首脳の一般傾向であろうと、小松氏は言う。

 そうなると、医師が「この患者の命を何が何でも救う」という本来あるべき気構えを失い、「どうせ助からないなら治療する必要がない」という方向に日本も向かいつつあるということになる。
 
 かつては、「老人は敬うもの」という価値観があった。しかしこの先は、増え続ける高齢者たちが疎まれるような時代を迎えるのかもしれない。
https://diamond.jp/articles/-/198502
http://www.asyura2.com/18/social10/msg/166.html

[戦争b22] 核軍縮定めた新START、失効なら米ロの軍拡誘発 ロシア、外貨準備の米ドル比率引き下げ 人民元保有は拡大
ワールド2019年4月2日 / 11:37 / 2時間前更新
核軍縮定めた新START、失効なら米ロの軍拡誘発

Reuters Staff
1 分で読む

[ワシントン 1日 ロイター] - 核兵器配備を制限する米ロ間唯一の軍縮条約である「新戦略兵器削減条約」(新START)が失効すれば双方が相手側の意図をはかるのが一層困難になり、両国に軍拡のインセンティブを与えることになる──。非営利の調査グループ「CNAコープ」による研究結果が1日、公表された。

新STARTの期限切れはまた、米国やロシアなどの核保有国に核軍縮を求めている核拡散防止条約(NPT)に対する信頼を損なう可能性もある。

今回の研究は、新START消滅に伴う結果に関してこれまでに公表された中では最も包括的な内容だ。新STARTは2021年2月に期限を迎えるが、双方が合意すれば5年間延長できる。

トランプ米政権は延長するかどうかについて検討を進めている。新STARTを巡ってはこれまで、トランプ大統領が悪いディールだとして非難しているほか、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も長らく反対姿勢を示している。ロシア側は延長の準備があるとしているものの、米国の違反だと自国がみなしている点について最初に話し合いたいとしている。

米国務省に政権の検討状況についてコメントを求めたが、今のところ返答は得られていない。

CNAコープの研究結果(英文)は以下のアドレスで確認できる。

bit.ly/2JUdSvW
https://jp.reuters.com/article/usa-russia-nuclear-idJPKCN1RE05E


ビジネス2019年4月2日 / 11:07 / 2時間前更新
ロシア、外貨準備の米ドル比率引き下げ 人民元保有は拡大
Reuters Staff
1 分で読む

[モスクワ 1日 ロイター] - ロシア中央銀行が1日公表したデータによると、同国の金・外貨準備高に占めるドル建て資産の比率は昨年9月末時点で22.6%で、1年前の46.2%から大幅に低下した。

一方、人民元の比率は14.4%と1年前の1.0%から急上昇。ユーロも23.9%から32.1%に上昇した。

中銀は外貨準備の構成比率の変化について半年ずらして公表している。

金・外貨準備における金の比率は16.6%と、1年前の16.7%とほぼ変わらなかった。
https://jp.reuters.com/article/russia-central-bank-idJPKCN1RE04W

EXECUTIVE SUMMARY
This report explores risks and US policy options for a
specific scenario: The New Strategic Arms Reduction
Treaty (START) expires with no follow-on treaty in
tow. We identify the key risks and uncertainties the
United States and Russia would face after New START
and develop a portfolio of policy options for mitigating
them. We also identify the impact US-Russian nuclear
dynamics after New START may have on China’s
nuclear policy and posture, and then explore potential
policy options for the US-China relationship. By
exploring the risks of a world without a treaty, as well
as the value and limitations of arms control options
outside of a treaty framework, this report also provides
a frame of reference as the United States and Russia
prepare for the near-term decision on New START
extension and the longer-term decision on how to
approach its eventual expiration.
Our working definition of arms control for this
study is any form of cooperation between potential
adversaries designed to reduce the risks of war and
nuclear escalation and/or restrain arms competitions.
When we use the term “nuclear arms control without
a treaty,” we are referring to cooperative options that
serve these objectives through means other than
a treaty.
In practice, the United States has relied upon
strategic nuclear arms control with Russia to further
these objectives by fulfilling one primary role and
two secondary roles in US strategy:
? Primary Role: Fostering a predictable nuclear
relationship with Russia through transparency
and binding constraints on nuclear forces.
? Secondary Roles: Strengthening US nuclear
non-proliferation strategy and contributing
to sustaining US extended deterrence and
alliance solidarity.
RISKS AFTER NEW START
If New START expires without an imminent
replacement treaty, the United States would face
increased risks and uncertainties in its relationship
with Russia, its nuclear non-proliferation strategy,
and its ability to sustain solidarity within the
North Atlantic Treaty Organization (NATO).
From Transparency to Opacity
Without New START’s cooperative transparency
practices, the US intelligence community would
likely devote more resources to monitoring Russian
strategic nuclear forces but have less insight and
less confidence in its analytical judgements. The
United States would face an opportunity cost of
diverting scarce national technical means (NTM),
such as satellites, and technical analysts from other
missions. Russian defense officials would also navigate
increased uncertainty and lose the ability to confirm
that the United States has not reversed its New START
reductions. Neither country would have the same
degree of confidence in its ability to assess the other’s
precise warhead levels. Worst-case scenario planning is
also more likely as a result.
Over the longer term, both countries are likely to face
greater uncertainty about each other’s strategic nuclear
forces and operations. Understanding of day-to-day
postures and movements of forces will diminish and
both will have less insight into the characteristics and
DETERRENCE AND ARMS CONTROL PAPER NO. 1 | IRM-2019-U-019494 | 1
Challenges to Nuclear
Non-Proliferation and Extended
Deterrence
Washington and Moscow would face heightened
credibility challenges within the Nuclear
Non-Proliferation Treaty (NPT) and would no
longer have their bilateral arms control framework
as a tangible example of cooperation under their
Article VI obligations to work toward complete
nuclear disarmament. The narrative of a renewed
arms race could fuel discontent within the NPT and
elevate alternative mechanisms, such as the Treaty on
the Prohibition of Nuclear Weapons, that would be
less effective for reducing nuclear risks and could have
counterproductive consequences.
If US allies perceive the United States as mismanaging
its relationship with Russia and failing to put
forward a serious nuclear risk reduction strategy, it
would also face greater challenges uniting NATO
around a common security strategy. Some NATO
states might see a domestic backlash against nuclear
burden sharing.
China After New START
China postures its nuclear forces to provide an assured
ability to retaliate after a nuclear attack, with the
United States as its pacing threat. In this sense, China
has been a beneficiary of the predictability provided
by US-Russian nuclear arms control agreements.
US-Russian nuclear interactions after New START
could exacerbate the factors underlying China’s
nuclear expansion, though the precise impact is
impossible to predict. These dynamics could drive
further quantitative increases in China’s theater and
intercontinental-range delivery vehicles and nuclear
warheads or qualitative changes in China’s nuclear
posture, such as such as longer ballistic missile
submarine patrols, keeping a portion of mobile
operations of new strategic nuclear systems. Based
on current trends, increased opacity between US and
Russian strategic nuclear forces would unfold within
the broader context of growing mistrust and diverging
perceptions about strategy, intentions, and perceptions
of theater-range or non-strategic nuclear systems, nonnuclear capabilities, and the strategic concepts guiding
how each sees these systems fitting together.
No Constraints on Strategic
Nuclear Forces
The loss of legally-binding constraints on US and
Russian strategic nuclear forces would also confront
each country with near- and long-term risks and
uncertainties. In the mid-to-late 2020s, both countries
will have the capacity to exceed New START limits
in different ways. Each can increase their available
warheads by hundreds, but neither has the capacity
to significantly alter the relative balance by exceeding
New START limits if the other chooses to do so as well.
Based on their existing policies, however, each country
would have logical reasons to increase strategic nuclear
force levels as a hedge against the other surpassing
the New START limits. The loss of New START’s
transparency measures exacerbates this dynamic.
Compounding uncertainties, such as US and Russian
strategic nuclear force levels and investments in the
2030s, cloud assessments about an unconstrained
US-Russian nuclear relationship over an extended
period of time.
2 | IRM-2019-U-019494 | NUCLEAR ARMS CONTROL WITHOUT A TREATY?
ballistic missiles on launch-ready status or dispersed,
and adopting a Launch Under Attack option. While
the United States might conclude these changes do not
have a military impact, Japan might perceive them as
undermining the US security commitment. Currently
the United States and China have no cooperative
framework for insulating their nuclear relationship
from the end of New START and other developments
in the global nuclear landscape.
OPTIONS FOR ARMS CONTROL
WITHOUT A TREATY
Transparency without a Treaty
There are multiple ways the United States and Russia
could cooperate to sustain a window of transparency
between their strategic nuclear forces without a treaty,
but they would be imperfect substitutes at best.
The United States and Russia could continue to
provide biannual exchanges of aggregate numbers of
deployed strategic delivery vehicles, nuclear warheads,
and deployed and non-deployed launchers; the total
number of each type of deployed strategic delivery
vehicle and the total number of warheads deployed
across it; and the number of deployed strategic
delivery vehicles, warheads, and launchers at each
declared base.
A modified version of New START’s notification
regime could underpin the biannual data exchanges.
This regime would differ from New START’s
notification practices by requiring pre-notification
for all changes in declared data. The purpose of this
modification would be to augment US and Russian
efforts to independently verify information they
receive through the data exchanges and improve
confidence in their assessments of the other’s deployed
nuclear forces. Some pre-notifications, such as changes
to deployed strategic nuclear warheads, could create
nuclear security risks and would require further study
before being implemented.
Emulating onsite inspections through NTM could
potentially help improve each side’s respective
confidence in deployed warhead data exchanges
and notifications. Several times a year, each country
could select a declared ICBM or SLBM base, and the
other country would then provide a list of deployed
missiles at the site and the number of warheads
deployed on each. The “inspecting” country would
then select one missile from the list and inform the
“inspected” country. The inspected country would
prepare the system for remote inspection, removing
the front section shroud and covering individual
reentry vehicles. Rather than an “eyes on” examination,
however, the inspecting country would view it via
satellite imagery.
The United States and Russia could also carry forward
the elimination and verification procedures for
retired strategic nuclear systems. Under New START,
there are specific measures for dismantling strategic
delivery vehicles, their launchers, and bombers and
positioning them so that the other country can observe
them with NTM for 60 days. This practice will be
important for both countries as they continue to retire
old systems and field new ones. Transparency into
elimination procedures would help each country avoid
worst-case scenario assessments about the relative
size of each other’s forces during their respective
recapitalization programs.
The United States and Russia could hold confidential
briefings on new strategic systems that each country
introduces into its arsenal. The briefings could include
the type of technical information that each shares
under New START and perhaps even an exchange
of photographs. Neither country would have the
DETERRENCE AND ARMS CONTROL PAPER NO. 1 | IRM-2019-U-019494 | 3
independent verification that comes though the onsite
exhibitions, where they can examine, measure, and
draw the new system firsthand; however, they would
have a body of data to compare with information
collected through NTM.
The United States and Russia could agree to forgo
sophisticated denial operations against the other’s
efforts to monitor its strategic nuclear forces. This
would be a minor modification to New START’s
provision on non-interference with the use of NTM
for monitoring treaty compliance. The purpose of this
pledge would be to acknowledge that both countries
would be less secure if one dramatically misestimates
the size and composition of the other’s strategic
nuclear forces.
Lastly, the United States and Russia could establish an
expert-level working group to improve understanding
of their respective strategies and concepts. The group
would agree to an agenda of strategic topics, guiding
concepts, and current and developmental weapon
systems, with the understanding that both sides would
have the opportunity to ask questions about topics on
the list during working group sessions and would be
expected to provide substantive answers. This forum
would not be limited to strategic nuclear forces; it
could also include discussion of theater-range nuclear
weapons, missile defenses, and a host of other types
of systems.
Restraints on Strategic Nuclear Forces
Without a Treaty
We identify one cooperative US-Russian option for
restraining strategic nuclear force levels without a
treaty and an alternative the United States could adopt
if Russia is uninterested in mutual restraint.
The United States and Russia could pledge, in the
form of parallel political commitments, to remain at
or below New START’s limits after the treaty expires.
Each country’s restraint would be contingent upon the
other’s reciprocation. There is an alignment of US and
Russian interests in staying at New START levels.
For Russia, refraining from uploading additional
warheads onto its ballistic missiles would be a
reasonable price to pay for the United States forgoing
expansion of US delivery vehicles and warheads.
For the United States, this arrangement would spare
it the challenges and uncertainties of sustaining
parity with rising Russian warhead levels while
the United States implements its modernization
program under a constrained budget and uncertain
political circumstances. Both countries could
point to continued cooperation in managing their
nuclear relationship.
If Russia is uninterested in mutual restraint without
a treaty, US policymakers have an alternative option
of staying at New START levels regardless of Russian
strategic nuclear force structure decisions. Our
analysis demonstrates the United States could meet
its nuclear deterrence, extended deterrence, and
assurance objectives at New START levels even if
Russia exceeds them by hundreds of deployed strategic
warheads. Additional Russian warheads would not
improve Russia’s ability to hold dispersed US ballistic
missile-carrying submarines and nuclear bombers at
risk; nor would they improve Russian defenses against
limited US nuclear response options. Thus, US forces
would remain sufficient for deterring both large-scale
4 | IRM-2019-U-019494 | NUCLEAR ARMS CONTROL WITHOUT A TREATY?
and limited nuclear attacks under these conditions.
Importantly, this assessment is contingent upon the
current composition of US strategic nuclear force; the
US nuclear posture is resilient to increases in deployed
Russian warheads because it is composed of a triad of
strategic delivery vehicles.
Staying at New START levels might better position
the United States to mitigate negative reactions within
the NPT and disarmament constituencies in allied
nations. It would enable the United States to avoid a
quantitative arms competition it does not need to enter
and could potentially lose. Russia has ample upload
capacity on its missile force and can produce new
nuclear warheads; the United States cannot currently
produce new nuclear warheads and will actually
reduce its ballistic missile force, and thus its warhead
upload capacity, through it modernization program in
the 2030s.
US-China Options
We identify two options for establishing a more
predictable nuclear relationship with China if
New START expires with no replacement.
The United States should acknowledge that China
possesses a credible nuclear deterrent. The case for this
change in US declaratory policy stems from that fact
that vulnerability to Chinese nuclear weapons is an
inescapable strategic reality for the United States. As
a result, the US-Japan alliance would be better served
by establishing that the United States does not need to
be invulnerable to Chinese nuclear weapons to extend
deterrence and that it is willing to accept nuclear risks
on behalf of its ally. Acknowledging China’s credible
nuclear deterrent (i.e., mutual vulnerability with
China) might elicit Chinese cooperation in putting the
nuclear relationship on a more predictable path. This
change in US declaratory policy is best thought of as
a necessary, but not sufficient, condition for reducing
uncertainty in US-China nuclear interactions.
The United States should also put forward a structured
proposal for annual nuclear weapon information
exchanges and dialogue with China. The information
exchange would be reciprocal but asymmetric,
acknowledging the United States and China have
vastly different outlooks and experiences regarding
cooperative transparency, and subsequently, each
would have different obligations. The United States
would provide China with detailed information
about its deployed strategic nuclear force levels and
composition, comparable to the information provided
in New START’s biannual data exchanges. In return,
China would disclose, on a confidential basis, the
aggregate size of its nuclear warhead stockpile, the
aggregate number of nuclear-capable delivery vehicles
in its force, and the breakdown by delivery vehicle
type, including theater-range ballistic missiles.
The purpose of the annual dialogue would be to
improve each other’s understanding of how their
actions are being perceived by the other side and
the steps the other side might take in response. Both
countries would provide briefings on new nuclear
systems that they plan to introduce in the following
year. They would also explain how they view
developments in the other’s strategic posture that they
see as affecting their country’s nuclear policy, posture,
and planning. It would also establish a pattern of
strategic engagement that has the potential to mature.
DETERRENCE AND ARMS CONTROL PAPER NO. 1 | IRM-2019-U-019494 | 5
RECOMMENDATIONS FOR 2019
We explore a scenario?the end of US-Russian
treaty-based arms control?that is plausible but has
not yet come to pass as of early 2019. The United States
still faces a near-term decision on New START
extension; the longer-term decision about what, if any,
follow-on treaty to pursue; and the larger challenge
of how to sustain a balanced approach to nuclear risk
reduction that integrates diplomatic and military
tools in a changing international environment. Our
scenario-based analysis of risks and policy options
after New START has implications for each of these
issues. Thus, the report concludes with several
recommendations for US nuclear policy in 2019,
while New START is in effect.
Extend New Start
The United States should agree to extend New START
until 2026. New START will continue to provide
predictability with Russia, limiting its deployed
strategic warheads and giving the United States a
window into Russia’s modernized arsenal for an
additional 5 years. Extension will also support
US non-proliferation and extended deterrence
strategies. Finally, extension would give the
United States more time to prepare for what comes
after New START.
Prepare for the End of New Start
Whether its 2021, 2026, or sometime in between,
New START will expire in the next decade, and the
United States must prepare. This report’s options
provide a strategy for a world with no treaty-based
arms control. The United States should also explore
continuing New START’s provisions beyond 2026
through a formal amendment to the treaty. This
step would require both Russian agreement and
approval from the US Senate and Russian Duma.
Although neither country would be fully satisfied
with this arrangement, if policymakers perceive this
study’s options as inadequate for mitigating the risks
of a world with no treaty, sustaining New START
would be a preferable alternative. The United States
should also explore a treaty with asymmetric limits
on deployed strategic warheads. Our analysis of the
United States staying at New START levels even if
Russia exceeds them suggests that such a treaty would
not compromise the United States’ ability to meets
its deterrence and extended deterrence objectives,
provided it retains a triad of delivery vehicles.
Reinvigorate and Modernize Nuclear
Risk Reduction
In several important areas, we identify trends
that increase nuclear risks and would continue
to grow even if New START remained in force in
perpetuity. The end of treaty-based arms control
would aggravate these challenges, but preserving
New START practices would not solve them. For
instance, US and Russian threat perceptions appear
to be both intensifying and diverging with regard to
each country’s respective strategies and intentions,
non-strategic or theater-range nuclear weapons, and
non-nuclear capabilities. US uncertainties about the
trajectory of China’s nuclear posture, and the potential
negative implications for the United States and Japan,
are also likely to increase amid a more competitive
US-China relationship.
As a result, the United States should reinvigorate and
modernize its approach to nuclear risk reduction in
two ways.
6 | IRM-2019-U-019494 | NUCLEAR ARMS CONTROL WITHOUT A TREATY?
First, the United States should put forward precise,
structured proposals for dialogue with Russia and
China regardless of New START’s status. The strategy,
concepts, and systems working group framework we
develop would facilitate better understanding between
the United States and Russia as their strategic postures
evolve and diversify. Pairing acknowledgement of
China’s credible nuclear deterrent with a proposal for
a US-China information exchange and dialogue is the
best option for reducing uncertainty in the nuclear
component of the US-China relationship.
Second, the United States needs to broaden its
approach to arms control beyond verifiable limits on
nuclear weapons and explore how to apply new forms
of arms control cooperation to contemporary threats.
It should adopt a more elastic conception of arms
control, beyond just treaties, that focuses on clarifying
perceptions and expectations about nuclear and
non-nuclear military operations and capabilities. This
effort should start with the premise that the objectives
of arms control are to reduce the risks of war, nuclear
escalation, and arms competitions, not solely to reduce
numbers of weapons.
Sustain and Explain the
Balanced Approach
Integrating US military and diplomatic tools in a
comprehensive strategy continues to provide the best
means for reducing nuclear dangers. The United States
must prepare to sustain support for this balanced
approach even if Russia and China are uninterested
in arms control cooperation. Persuading allies and
partners that setbacks in arms control do not mean
that the United States is giving up on using all elements
of national power to manage the existential danger
from nuclear weapons is essential. Explaining that
all of US nuclear policy, including retaining credible
nuclear forces, serves the same goals as arms control
and functions in concert, not as counterweights, will
help the United States make this case.
https://www.cna.org/CNA_files/PDF/IRM-2019-U-019494.pdf

http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/589.html

[政治・選挙・NHK259] 消費税、法律通り2%上げさせていただく=麻生財務相 回復弱い生産マイナス成長観測浮上 追い詰められる日銀マイナス金利貸出
ビジネス2019年4月2日 / 11:47 / 1時間前更新
消費税、法律通り2%上げさせていただく=麻生財務相
Reuters Staff
1 分で読む

[東京 2日 ロイター] - 麻生太郎財務相は2日の閣議後会見で、10月の消費増税について「法律に決めたとおり2%上げさせていただく」との従来見解を繰り返した。

政府はリーマンショック級の事態が起きない限り実施すると説明しているが「度々申してきたようにそれ(前提条件)が大きく変わったことはない」と指摘し、増税を実現できる経済環境が続いているとの認識を示した。

新元号「令和」については「広く国民に受け入れられたらよいのではないか」とコメントした。

森友学園をめぐる文書改ざん問題で、大阪地検特捜部が虚偽公文書作成などの疑いで刑事告発された財務省元理財局長の佐川宣寿氏らを不起訴処分としたことについて、大阪第1検察審査会は「不起訴不当」とする議決書を公表したが、麻生氏は「司法の世界のプロセスにおけることがらなので、コメントすることはない」とした。

*内容を追加しました。
https://jp.reuters.com/article/aso-tax-idJPKCN1RE05V


小池氏の人事は天下りの極み
共同通信
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 自民党の萩生田光一幹事長代行(党東京都連総務会長)は2日の記者会見で、小池百合子東京都知事が都出資の監理団体「東京水道サービス」社長に自身の元特別秘書を推薦する人事を批判した。「小池氏は役人が関連団体に入るのを『けしからん』と言っていた。天下りの極みだ」と述べた。

 元特別秘書の野田数氏は同社が担う事業の専門家ではないのに、1400万円の報酬をもらうことになると指摘。「都民の期待に応えるだけの仕事ができるかどうか、しっかり見たい」と語った。

【共同通信】
https://jp.reuters.com/article/idJP2019040201001949?il=0


 

ビジネス2019年3月29日 / 15:02 / 4日前
焦点:
回復弱い生産、マイナス成長観測浮上 追加対策求める声
Reuters Staff
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[東京 29日 ロイター] - 2月鉱工業生産速報で判明したのは、前月の大幅な落ち込みを回復できなかった反発力の弱い生産の実態だ。1─3月期の生産が前期比マイナスに転落する公算が大きく、政府内では1─3月期にマイナス成長となる可能性がささやかれている。

今年10月の消費増税実施の環境を整えるため、追加経済対策が必要との声が経済財政諮問会議の民間議員などから出ているが、安倍晋三首相が経済の下振れリスクを重視すれば、3度目の消費増税延期も現実味を増すとの観測が与党サイドから浮上している。

<1─3月期の生産、前期比マイナスの公算大>

2月の生産は前月比プラス1.4%、3月予測指数は同1.3%、4月予測指数は同1.1%だった。

ただ、2月は反発したとはいえ回復力が弱く、1月の低下を補うことができなかった。経済産業省は「自然災害の影響もあって生産が低下していた昨年9月より低い水準。それほど大きな回復とは言い難い」と分析。生産が足踏みから抜け出ていないとみている。

3月の予測指数は、企業の生産計画から算出したが、経済産業省が上方バイアスを考慮した試算値では0.4%のプラス幅にとどまる。

プラス1.3%を前提にした1─3月の生産水準は前期比マイナス2.5%の水準にとどまる。バイアスを踏まえれば、前期比のマイナス幅が一層大きくなる可能性が高い。

4月の予測指数はプラスとなり、「企業の生産計画自体は強気とも言える」と経済産業省はみているが、このデータには4月末からの10連休を控えた増産計画の影響が含まれていることにも注意が必要だ。

<景気後退へぎりぎりの局面>

こうした情勢を踏まえ、経済官庁の中では「景気は微妙な局面に差し掛かっている」(関係者)との見方が広がり始めている。

景気動向指数で「悪化」との判断に至れば景気後退局面に認定されかねないため、今はぎりぎりの局面だとの認識だ。

昨秋以降の輸出・生産動向が弱く、中国経済の減速が想定以上に国内製造業に影響している可能性があり、政府内では「内需への波及が食い止められるかどうか、見極めたい」(経済官庁関係者)というムードに傾いている。

民間エコノミストの間でも、2月生産がプラスを確保したことから、2月分の景気動向指数では「悪化」が避けられそうだとの見方が多数となっている。

ただ、3月は「悪化」に変わる可能性があり、「景気後退リスクが高まる」(第一生命経済研究所・主席エコノミストの新家義貴氏)との予測もある。

<外需次第で国内経済に大きな打撃の声>

日本の生産減速の背景には、中国経済にかかったブレーキの影響が色濃く存在している。1、2月の実質輸出は2018年10─12月の水準を2.8%下回っており、これが生産にも反映された形だ。3月以降の輸出の行方が、引き続き景気を左右する構図となりそうだ。

政府の経済財政諮問会議の民間議員、竹森俊平・慶應義塾大学教授は「日本経済はGDP(国内総生産)成長率と輸出の相関が高くなっている。輸出を起点に設備投資にも影響する」と指摘する。

高齢化による節約や人口減少に伴って個人消費のウエートが一段と衰えていくため、従来以上に外需主導の構造が強まり、輸出が経済成長に与えるインパクトがますます大きくなるためだ。

そこに米国による中国製品への関税制裁が長引く事態が加われば、日本のGDPに大きな打撃になりかねないと懸念している。

政府内にも「1─3月期のGDPは、前期比マイナス成長となる可能性を排除し切れない」(経済官庁幹部)との声がある。

この1年間は自然災害後の振れもあり、実質的には成長が止まっているとみられ、「世の中の印象としては、景気後退という感じになるかもしれない」(別の経済官庁幹部)との見方もある。

<追加経済対策の思惑、消費増税延期の観測も>

そうはいっても、今のところ政府内に今年10月の消費増税の延期を予想する声はほとんどない。

官僚からみれば、今さら増税をとりやめればすでにコストと人手をかけて準備している企業の混乱を招き、教育無償化や老朽化インフラ対策など、予定通り実施せざるを得ない政策の財源を失う事態に直面し、財政赤字が一段と悪化することになるからだ。

また、経済財政諮問会議の民間議員が同会議で、リスクが顕在化した場合に内需拡大へとつながる機動的なマクロ政策を「ちゅうちょなく」実行することを2度にわたり提言。消費増税を確実に実施する経済環境を整えるため布石を打とうとしているとの観測も、政府関係者の間で出ている。

だが、7月の参院選を前に、与党サイドでは増税反対の声もくすぶっている。ある与党関係者は「野党がリフレに目覚めつつあり、立憲民主党が参院選前に増税凍結や減税を打ち出せば、安倍首相も対抗するだろう」との見通しを示す。

仮に安倍首相が3度目の延期を決断した場合、補正予算による追加対策は立ち消えとなる可能性もかなりありそうだ。

中川泉 取材協力:竹本能文 編集:田巻一彦  
https://jp.reuters.com/article/japan-economy-industry-idJPKCN1RA0EN


 

為替フォーラム2019年3月27日 / 15:04 / 5日前

追い詰められる日銀、「マイナス金利貸出」の現実味

熊野英生 第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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[東京 27日] - 米国で起きた長短金利の逆転は、景気後退の接近を予感させる。長期金利の低下は連邦準備理事会(FRB)がいずれ利下げに転じるというシグナルかもしれず、当然ながら日銀の追加緩和観測も高まることになるだろう。

日本でも1月の景気動向指数が悪化するなど、景気後退リスクがくすぶっている。10月に控えた消費税率引き上げの判断も、不透明感が増しつつある。7月の参議院選挙前に、緊急避難的に増税を翻す可能性も否定できない。

今の日銀は、政府が経済対策を打とうとすれば、それに呼応して緩和に動かざるを得なくなっている。筆者は予定通り消費増税が実施されることをメインシナリオとしつつ、政府が追加の経済対策を講じる可能性があるとみている。それを側面支援するため、日銀は景気対策に協力するだろう。いつか通った道をもう一度繰り返す、既視感のある筋書きである。

<追加緩和をしてもほとんど効果なし>

追加緩和の手段としてまず思い浮かぶのは、長短金利の引き下げである。短期金利は現在のマイナス0.1%を深堀りする。長期金利のターゲットもゼロ%程度からの許容幅を上下0.2%から再び0.1%に戻す。

これは企業や政府の資金調達コストを下げる点でプラスだが、銀行に対してはマイナス金利の負担を増やす。短期国債がマイナス金利運用になるという点は、銀行など投資家から政府への所得移転となり、それが果たして緩和になるかという問題が残る。副作用という面で、問題含みの対応となる。

そもそも効果はあるのだろうか。貸出金利はもはや下げ余地がほとんどない。日銀が発表する貸出約定平均金利は、新規・短期のところで2018年中は0.4─0.6%台で推移している。銀行の調達金利に信用スプレッドを乗せたぎりぎりの水準だろう。

国債の金利低下で社債スプレッドがじりじり低下していることから、貸出金利ももう少し下がる可能性はある。ただ、0.1─0.2ポイント下がったところで、企業の資金調達のコスト負担はそれほど軽減されない。日銀の主要銀行貸出動向アンケートでは資金需要判断DIも貸出運営スタンスDIも、黒田東彦総裁のもとで2013年に日銀が打ち出した大規模緩和以降、ほぼ横ばいである。

一方、日銀短観を見ると、金融機関の貸出態度判断DIは「緩やか」が「厳しい」を、資金繰り判断DIは「楽である」が「苦しい」を上回る状況が続き、しかも緩やかに改善している。大規模緩和の効果と見ることもできるが、むしろ銀行の運用難による競争激化で、時間とともに企業が借りやすくなっているにすぎないのではないだろうか。追加緩和が限界的に効いているというよりも、銀行の運用を厳しくしているだけと理解できる。

<不動産貸出への傾斜リスク>

イールドカーブ・コントロールの目的は、長短金利を低位に抑えることで、できるだけ貸し出しを増やすことにある。確かに貸出残高は増えており、効果は出ている。黒田緩和の開始以降、銀行貸出は2─3%台で伸びた。

伸びが大きいのは不動産と個人向けの貸し出しだ。特に不動産向けは黒田緩和の開始から4%台の伸びとなり、16年にイールドカーブ・コントロールを開始してからは5─7%台へとより伸張している。個人向けの中身は、住宅ローンと消費者ローンが主である。つまり、巨大な緩和マネーが不動産市場に流れ込んだことを意味する。

銀行がさらに貸し出しを増やそうとすると、どうしても定期収入が見込め、担保設定もしやすい不動産向けに偏ってしまう。銀行の設備資金・新規貸出(フロー)に占める不動産と個人(ほぼ住宅ローン)は併せて約6割に上る。ここにきて設備資金・新規貸出の伸びはマイナスに転じている(17年9月─18年12月)が、それでも残高ベースで前年比5.3%増(18年12月末)と高いレベルを保っている。

ここ数年の地価動向は、都市部の商業地を中心に上昇傾向にある。日本不動産研究所の6大都市・商業地の市街地価格指数は、18年9月末時点で前年比8.1%も上昇している。こうした地価上昇が、不動産向け貸し出しを伸ばす要因とも言える(逆の因果も働いているだろうが)。しかし、仮に20年夏の東京五輪後に地価が反落すれば、銀行経営に思わぬ打撃が加わる恐れがある。

<金融庁と二人三脚で>

次なる緩和策として、マイナス金利貸出がうわさされている。現在、日銀は貸出支援基金を設けてゼロ金利で銀行などに資金供給をしているが、当座預金のマイナス金利を深堀りすると同時に、この適用金利をマイナスにする。すると、貸出支援のパワーアップが見込める。

金利を下げて貸出増加という理屈は、量的拡大に発想を縛られたリフレ派の人たちとは異なる点で、黒田総裁には受け入れやすいだろう。また、当座預金のマイナス金利適用が23兆円(18年末)に対して、貸出支援基金は45兆円前後である。全体として、銀行収益の足を引っ張っていないという口実にもできる。

ただし、2つの問題が残る。1つは日銀が公的資金、つまり税金を使うことが許されるのかという問題である。このアイデアは以前から語られてきたが、今もって実施されていない。その理由は、日銀が民間銀行にマイナス利息という利益を与えることが、税還付に似ていることに政府内で理解が得にくいことがあるだろう。政府は「アリの一穴」を恐れる。

もう1つは、貸出支援によって、もっぱら不動産向けが伸びることを肯定的に評価できるかという問題である。貸し出しは増加してほしいが、不動産向けに回る分は「ほどほどで良い」とは言いにくいだろう。

不動産向けへの過大な傾斜については、金融機関の健全性を確保する金融庁の「プルーデンス・ポリシー」でしっかりと管理し、日銀は貸出全体を伸ばすという考え方もできる。荒技として、不動産向けを除いて、貸出増加支援を行うというルールにする案もあるだろう。

(本コラムは、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-boj-hideo-kumano-idJPKCN1R80BF

http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/226.html

[経世済民131] 平成元年に新卒女子が直面した男性社会の壁、女性活躍30年後も道半ば ブランドに興味ない「ジェネレーションZ」が主役
平成元年に新卒女子が直面した男性社会の壁、女性活躍30年後も道半ば
延広絵美、Isabel Reynolds
2019年3月29日 5:00 JST
女性でも責任ある仕事できる会社は「自分で作る」−藤沢久美氏
幅広い世代の女性が働きやすい仕組み整えることが必要−日本総研
日経平均株価が史上最高値の3万8915円を付けた平成元年(1989年)、大阪の大学を卒業して金融の世界に飛び込んだ藤沢久美さんは、平成の30年間は働く女性にとって平たんな時代ではなかったと振り返る。

relates to 平成元年に新卒女子が直面した男性社会の壁、女性活躍30年後も道半ば
藤沢久美さんPhotographer: Shoko Takayasu/Bloomberg
  時はバブル絶頂期で男女雇用機会均等法が既に施行されていたが、東京の大企業に連絡すると「女性は雇えない」と門前払いされた。「社会に出ても女性は活躍できないのか」と敗北感に見舞われかけたが、両親からは幼い頃から、ほしいものがなければ作ればいいと教えられて育った。「女性でも責任ある仕事ができる会社を自分で作ろう」との目標を立て、小規模な投資運用会社からスタートして国内外の複数の企業で経験を積み重ねた。

  営業先の担当者の多くが年上の男性で、まともに話を聞いてもらえないこともあった。90年代半ばには投資信託評価会社「アイフィス」を起業。99年に同社をスタンダード・アンド・プアーズに売却し、現在はシンクタンク・ソフィアバンクの代表を務め、政府関係の審議会委員や複数の企業で社外取締役も掛け持ちする。

  藤沢さんは自らが社会に出た平成初期と比べて公の場での差別的な発言は少なくなり、「今の方が女性が働くことにウエルカムになった」。ただ、女性役員など指導的立場にいる女性の数を見ると、多くの日本人の心の中は「あまり変わっていない」と感じている。

男女間にはなお賃金格差
女性の平均賃金は男性の7割


出所:厚生労働省 

  安倍晋三政権は女性活躍を掲げ、2020年に女性管理職の割合を30%にすることを目標にしている。上場企業の女性役員数は12年からの6年間で約2.7倍増加したものの、割合は4.1%と低水準が続いている。賃金も女性は男性の73.4%(17年)にとどまる。89年に男性の60.2%だったことを考えると、長期的にはその差が縮小傾向にあるが、格差解消には程遠い。世界経済フォーラムが発表した18年のジェンダーギャップ(男女格差)ランキングで日本は149カ国中110位、昨年より4つ順位を上げたが、先進7カ国(G7)では最下位だった。

一歩引いた立場
  平成最後の春、大学を卒業した福本真理奈さんは就職活動中、不動産会社の最終面接で、男性と同等に働く姿勢をアピールしたが、男性役員が並ぶ面接官の反応から「男性を差し置いて自分が、という強さではなく、男性よりも一歩引いた立場にいてほしい」という空気を感じ取った。

  最終的に損害保険会社への入社を決めた。全国転勤がなく出身地の東京エリアで勤務する職種で、結婚や出産後も働きやすい環境を選んだが、全国型よりも給与水準は低い。将来、1人で子どもを育てる場合も想定し、仕事は「絶対に続けたい」と話す。「年金はもらえないと思っていた方がいい、年金に頼らず生きていこうと思っている」と仕事に慣れた頃には、資産運用の勉強も始める予定だ。

Keio University Student Marina Fukumoto
福本真理奈さん
  子育てしやすい環境を選んだ新卒女性もいる。慶田城さやかさんは日系のコンサルティング会社への就職も検討したが、長時間労働を強いられる職場で子どもがいる女性はいなかった。将来は家庭を築き、子どもを育てたいと考えており、従業員の半数以上が女性でワーキングマザーもたくさんいる東京のITベンチャー企業への就職を決めた。

  出産・育児期に差し掛かった30歳代で女性の就業率が落ち込むM字カーブは平成初期と比べ、緩やかになったが、内閣府が2016年に行った調査では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」との考え方への「賛成」が4割に達するなど、日本社会では女性の役割は家事や子育てとする価値観もいまだ根強い。

女性就業率「M字カーブ」は緩やかに
30-40代の離職は改善傾向


出所:総務省


  日本総研創発戦略センターのスペシャリスト、小島明子氏は、女性の労働環境の変化について「仕事は続けられるようになったが、責任あるポジションで活躍できているかというとまだ課題がある」と指摘する。活躍し続けている女性が少なく、「多様なロールモデル」がないことで、若い世代が自身の将来をイメージできない状況も続く。
  
  小島氏は女性活躍の視点で平成の時代を顧みると「道半ば」との認識を示す。今後、幅広い世代の女性が働きやすい環境にするためには、中途採用や再雇用など柔軟に受け入れる仕組みを整えることが必要で、企業側に「若い人を重点的に採用し、教育するというスタイル」からの転換を求めている。30年後、福本さんや慶田城さんは新元号の時代をどのように振り返っているだろうか。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-28/PP0DII6JTSEG01?srnd=cojp-v2


 

ブランドに興味ない−2019年は「ジェネレーションZ」が主役に
Tiffany Kary
2019年4月2日 11:20 JST
• 米国だけで6100万人と最も人口の多い世代となる
• 自分たちが価値があると見なす物・サービスにお金を投じる傾向

Photographer: 731/Getty Images
2019年は世代交代の年だ。「ジェネレーションZ」が主役になる。古くからの企業がこの世代に商品を買ってもらうには、まだ学校に通う者も多い彼らが使う暗号を読み解く必要がある。
  JUVコンサルティングを率いる20歳のジアド・アーメド氏によれば、同氏の世代は「ソーシャルメディアネーティブ」。Z世代について専門的に助言するとウェブサイトでうたうJUVの最高経営責任者(CEO)を務めるアーメド氏は最近もアメリカン・エキスプレスのマーケティング担当幹部にプレゼンテーションを行い、この世代が使うスラングを紹介した。
  例えば「O.T.P.」は何の略だろうか。「オールド・タイヤード・パーソン(疲れた老人)」ではない。「ワン・トゥルー・ペアリング(最高のカップル)」だ。Z世代のラッパー、リル・パンプが生んだ言葉「Esketit」は、「Let’s get it(やろうぜ)」という意味だという。
 
Ethical Spending
Would pay more for a product if the brand or retailer promotes initiatives

Source: Businessweek/Morning Consult survey
  定義の仕方にもよるが、Z世代は大まかに言って7歳から22歳までの子どもや若者たちだ。米国だけで6100万人と最も人口の多い世代となる。インターネットが主流になった後に生まれ、最年長組は米アップルの「iPhone(アイフォーン)」 登場を10歳前後で迎えた。「デジタルネーティブ」のミレニアル世代と違い、親のような消費の仕方はしない。すでに直接的に1430億ドル(約15兆9000億円)を支出する力があるとの推計もある。
  Z世代はブランドを気にそれほどしない。有名企業だろうとそうでなかろうと関係ないのだ。起業家精神に富んでいると自らを捉え、約半数が誰かのために働こうとは考えていない。人種はさまざまで、社会的な寛容さを備え、世界と「コネクト」し、環境意識も高い。「フィランソロティーンズ」とも称される世代だ。
  電子メールやフェイスブックをあまり使わない代わりに、インスタグラムとユーチューブを重視。リサイクル商品を買い、インターネット上で影響力を持つ一方、テレビ広告は何であれ見ない。
Advertising Avenue
Gen Z primarily finds out about new products on social media, not TV

Source: Businessweek/Morning Consult survey
Note: Data excludes other and don't know/no opinion. Chart shows where cohorts say they primarily find out about new products.
  ブルームバーグ・ニュースとモーニング・コンサルトが米国の成人1万1000人を対象に実施した調査によると、Z世代は前の世代と比べ自分たちが価値があると見なす物やサービスにお金を投じる意向が強い。米ライト州立大学(オハイオ州)のコリー・シーミラー准教授は「Z世代が企業にお金を支払う場合、自分たちの信条に合っていることが必要だ」と指摘する。
  学生の1人が自らの非営利組織運営を理由に地域奉仕義務の免除を求めた後、Z世代について講義するようになった同准教授によれば、Z世代は企業1社に固執せず、また製品よりも組織全体を見る傾向が強い。
  Z世代はろくに考えていない集団との「誤解」があるとJUVのアーメド氏は話す。実際は他人とつながり、コミュニケーションを行い、そして自分たちのお金を何に投じるのかといったことを考えている世代だと言う。
Online Shift
Who primarily purchases these items in a physical store?

Source: Businessweek/Morning Consult survey
原題:Gen Z: The Kids Corporate America Just Can’t Afford to Ignore(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PP9YNZ6JTSF501?srnd=cojp-v2


 



http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/768.html

[経世済民131] 日銀緩和に限界はあるか、バーナンキ氏に学ぶ「次の一手」 米S&P500で「ゴールデンクロス」地味なドル円「令和」も続くか
為替フォーラム2019年4月2日 / 15:53 / 2時間前更新

日銀緩和に限界はあるか、バーナンキ氏に学ぶ「次の一手」

木野内栄治 大和証券 理事 チーフテクニカルアナリスト兼ストラテジスト
5 分で読む

[東京 2日] - 必要なら躊躇(ちゅうちょ)しないという言葉と裏腹に、日銀は次の追加緩和時に既存の手法を組み合わせることに積極的ではないと筆者はみている。しかし、金融緩和を検討すべき状況に来ていることから、その手法を想像してみたい。

米連邦準備理事会(FRB)議長だったバーナンキ氏はかつて、国債の買い入れより資金量が小さく、しかし効果は絶大である画期的なアイデアを提案した。

本稿では、これをETF(上場投資信託)購入策と組み合わせれば、北海道拓殖銀行など金融機関の相次ぐ破綻を受けて政府が創設した「中小企業金融安定化特別保証制度」(特別信用保証制度)のように、市中銀行に積極的な貸し出しを促す大きな可能性があることを指摘する。そして無限の信用創造力を持つ中央銀行に、緩和の限界はないことを説明したい。

<ETF限界論の誤解>

日銀の黒田東彦総裁はかねてから、追加緩和が必要な際には長短金利目標の引き下げ、資産買い入れ策の拡大、マネタリーベースの拡大ペース加速など、「さまざまな対応が考えられる」と表明している。ここではまず、日銀がその言葉ほど追加緩和に既存の手法用いることに積極的でないと筆者がみている理由を挙げる。

日銀がETFを購入し続ける結果、ファーストリテイリング株が来年半ばにも市場から枯渇すると言われることがある。同社の10位までの大株主の持ち分に加え、日銀がETFを通じて買った分も浮動株ではないと扱われたためのようだ。

実際には、大株主10位以内に登場する信託銀行の保有分に、日銀の持ち分はほぼ含まれている。日銀のETF買いに限界があるとする議論は、信託銀行のその持ち分を二重カウントした誤解のためと筆者は考える。制度的にそうであるし、過去の信託銀行持ち分とETF残高の連動性からも整合的だ。

仮に信託銀行の持ち分がETF以外の株式だとしても、それはアクティブファンドなどによる運用資産が大半であり、異常な値動きをすれば売却されてETF組成に転じる浮動株と言える。

こうした限界論があること、誤解によってそれが生じていることを、黒田総裁はおそらく理解している。例えば2018年12月7日の衆院財務金融委員会で「具体的に個別銘柄に大きな影響を与えることにはなっていない」と明確に反論している。

しかし、3月の金融政策決定会合後の会見でETF購入限界論について聞かれた際は、一般論に終始したように見えた。限界論の誤解を解くせっかくの機会に、積極的な反論を試みなかったとすれば、今後ETFの買い入れを増額する可能性は小さいとみるべきだろう。

また、日銀は4月に発表する金融システムレポートで、銀行の不動産向け貸し出しを過熱と評価する可能性がある。日銀幹部もマイナス金利が銀行収益にもたらす副作用にたびたび言及していることから、長短金利の目標を引き下げるイールドカーブ・コントロールにも積極的ではないとみられる。

<新たな緩和策を検討する時期>

しかし、日銀は追加の金融緩和を模索すべきときを迎えた。1日の日銀短観では不透明な外部環境の悪影響が確認された。原油価格の安定や携帯電話の通信料金引き下げなどを受け、消費者物価は今後軟化が見込まれ、4月の経済・物価情勢の展望(展望レポート)に反映される可能性がある。

10月には消費増税も控えている。金融緩和の効果が遅れて効くことを考えると、やはり今春にも追加緩和のタイミングを探る可能性がある。実際、前回14年4月の増税時は、1年前に異次元緩和、半年後に追加緩和が行われた。

FRBが新たな金融政策の枠組みの議論を始めた影響も大きい。クラリダ副議長は日銀の政策を例に挙げ、長期金利に上限を設ける手法に言及。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、平均インフレや物価水準を目標とする政策を主張してきた。日銀のイールドカーブ・コントロールや、オーバーシュート型のコミットメントに追い付いてきたことで、次なる緩和競争に備える意味でも、日銀は新たな緩和手法を提示したい情勢だ。

そもそも世界情勢は、中国景気や英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に対する不安など、16年の状況に類似している。本欄でも以前指摘したように、当時と同様、各国は今年4月の20カ国・地域(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議で、政策の総動員を申し合わせる可能性が高いとみている。

<バーナンキ氏のアイデア>

G20での合意のもと、16年の日銀はマイナス金利政策、ETF購入額の倍増、イールドカーブ・コントロール付き量的・質的緩和の導入と、まさに政策総動員だった。

一方、米国ではバーナンキFRB元議長が「中央銀行にはどんな手法が残されているか(What tools does the Fed have left?)」と題したブログで盛んに新たな手法を提案した。

バーナンキ氏は、FRBにある財務省の「当座預金」に例えば1000億ドルのクレジットを与え、無期限にそれを維持し、マネーサプライの増加分を吸収しない「非不胎化」を約束することで、物価・経済に強い影響を与える可能性を指摘した。

日本なら、日銀が4兆円のクレジットを政府に付与し、政府はそれを財源に補正予算を組むイメージだろうか。たしかに、量的緩和に必要な10分の1程度の額で大きな経済効果が期待できそうだ。

財政ファイナンスとのそしりを受けかねないが、金融政策として中央銀行が主体的に実施するもので、バーナンキ氏は中央銀行の独立性などをさらに担保する法整備の必要性とともに、その案を提示した。

<ETF買いに援用>

バーナンキ氏の発想は、既存の国債買い入れ策の代替案の側面がある。このアイデアを、日銀のETF購入策に援用するとどうだろうか。

日銀が株式を市場から購入するのではなく、企業から直接引き受けてファイナンスする手法だ。ただし対象は事業会社ではなく、日銀がガバナンスをチェックでき、金融緩和に親和性がある市中銀行とする。例えば、新規融資の貸し倒れ引き当て分を日銀が資本性資金として市中銀行に注入するという手法が考えられる。

政府が銀行の貸し渋り対策として実施した特別信用保証制度は、貸し倒れが発生した際に市中銀行が負担する10%分も保証協会が肩代わりする制度で、借り手、貸し手ともに活発に利用した。これと同じように「銀行株ファイナンス」も貸し出しの増加に大きな効果があるだろう。低金利が及ぼす銀行収益に対する副作用も補い、地域経済の活性化にも資する。

現在、日銀は東証一部上場株の4%程度(3月26日時点で28兆7000億円)を間接保有している。市中銀行に対する資本注入であれば、そこまでの規模でなくても大きな貸し出し余力の発生が見込まれる。また、バーナンキ案の「財政ファイナンス」ほど「銀行株ファイナンス」は筋が悪くない。資本受け入れと引き換えならば、特別信用保証制度で見られた新規貸し付けで既存債権を回収する「旧債振替」など制度の悪用も限定的だろう。

もちろん、上記は一案にすぎない。日銀がそうした行動を取るに違いないと言いたいわけではない。無限の信用創造力を持つ中央銀行には、金融緩和の手法に限界がないということを、日銀は示すことができると指摘したい。

ETF購入限界論を明確に否定しない黒田総裁には、新しい緩和手法の提示を期待したい。

(本コラムは、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

木野内栄治氏(写真は筆者提供)
*木野内栄治氏は、大和証券 理事 チーフテクニカルアナリスト兼ストラテジスト。1988年に大和証券に入社。大和総研などを経て現職。各種アナリストランキングにおいて、2003年から16年連続で市場分析部門などで第1位を獲得。平成24年度高橋亀吉記念賞優秀賞受賞。現在、景気循環学会の常務理事も務める。

(編集:久保信博)
https://jp.reuters.com/article/column-boj-eiji-kinouchi-idJPKCN1RE0HG


 


ビジネス2019年4月2日 / 15:53 / 2時間前更新
米S&P500で「ゴールデンクロス」成立、上昇局面入りか
Reuters Staff
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[ニューヨーク 1日 ロイター] - 1日の米株式市場はS&P総合500種株価指数.SPXの移動平均線で短期が長期を下から上に突き抜ける「ゴールデンクロス」が成立し、テクニカル的に今後の上昇相場入りを示唆した。

S&P総合500種でゴールデンクロスが成立したのは2016年4月以来。同指数は1日に1.16%上昇した。

CFRAのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストバール氏は、ダウ平均も2週間ほど前にゴールデンクロスが成立したが、今後の相場の動きを予想する上でS&P指数の方が信頼度が高いと指摘した。

S&P指数は昨年12月始めには移動平均線で短期が長期を上から下に突き抜ける「デッドクロス」が生じていた。

市場参加者すべてがテクニカル面でのこういった動きを重視しているわけではないが、相場の流れを確認するのに良いととらえる向きもある。

ウェリントン・シールズのアナリスト、フランク・グレッツ氏は「基本的にポジティブな環境の中で、新たに好材料が出てきた」と述べた。

Reuters Graphic
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
https://jp.reuters.com/article/golden-cross-idJPKCN1RE0ID

 

為替フォーラム2019年4月2日 / 13:52 / 3時間前更新

平成時代に構造変化、地味なドル円「令和」も続くか

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト 植野大作
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[東京 2日] - 平成最後の会計年度となった2019年度のドル円相場は、10月の高値114円55銭から1月の安値104円87銭までの値幅がわずか9円68銭に収まった。筆者が使用するデータによると、変動相場制に移行した1973年度以降で初めて10円に満たない最小記録を樹立した。

ちなみに、これまでの年度足値幅の最小記録は18年度の10円17銭(高値は11月の114円73銭、安値は3月の104円56銭)。参照するデータによって多少のばらつきはあるものの、ドル円は2年連続で10円程度しか動かない地味な通貨ペアとなった。

たまたま動きの鈍い年が2年続いただけ、という可能性もある。ただ、筆者は単なる偶然だと思っていない。以下に挙げる4つの変化が、近年のドル円変動を構造的に抑制している疑いがあると考えている。

<同じゴールを目指す日米金融政策>

第1は、日米両国におけるインフレ率の低迷と物価目標格差の消滅だ。

過去数十年の消費者物価上昇率の推移を眺めてみると、日米とも平均的な水準が緩やかに低下しているほか、08年のリーマンショック前後の時期を除くとその振れも小さくなっている。これは両国それぞれで流通するモノやサービスに対する円とドルの購買力の急変を抑える働きがあり、結果的に名目為替レートの振れを抑制している可能性がある。

その上、13年に日銀が物価目標を米国と同じ2%に引き上げたことで、両国の「物価目標格差」が消滅した。今後、日米で同じ目標を掲げる金融政策が定着するなら、長期的には期待インフレ格差の変動に起因する為替レートへの影響は低減しそうだ。

第2は、日米で進む経済指標の充実と中央銀行による情報公開の推進だ。

過去数十年間、両国で公表される各種の経済指標の数や種類は不可逆的に増えてきた。たとえば米国のADP雇用報告や各種の購買担当者指数(PMI)などは、「昭和の時代」には存在しない、あるいはあまり注目されなかった歴史の浅い指標だ。経済の「今」がどうなのか、以前に比べて市場が早く気付いて織り込めるようになった。

金融政策についても同じことが言える。まず米国では連邦準備理事会(FRB)の議長がボルカー、グリーンスパン、バーナンキ、イエレン、パウエルの各氏へ引き継がれる過程で、政策の透明度を高める情報公開が進んだ。連邦公開市場委員会(FOMC)による政策金利見通しが年に4回も公開され、その後の議長会見が毎回開かれるようになったのは、その進化の最新形態だ。

先駆者である米国の後を追い、日本でも情報公開が進んでいる。日銀の黒田東彦総裁が導入した「オーバーシュート型コミットメント」、「イールドカーブ・コントロール」、「フォワード・ガイダンス」は、いずれも政策の先行きに関する市場の予見可能性を高め、当局の意図と市場の期待のギャップを埋める働きがある。

日米ともに、実体経済を観察する手段である経済指標が充実すると同時に金融政策に関する情報公開が進んだことで、市場に疑心暗鬼やサプライズが生じにくくなり、過度の為替変動が未然に防止されやすくなったのではないか。

<個人投資家が「情報武装」>

第3は、為替市場の参加者にばらつきのあった情報格差の縮小だ。近年のIT技術の進歩により、「一般の個人投資家」、「輸出入関係の実需筋」、「プロの機関投資家」といった市場参加者の間に少し前まで存在していた著しい情報収集力や市場アクセスの差は、急速に縮まっている。

日米で外国為替証拠金(FX)取引に参画する個人の為替愛好者は、自宅や旅先にいながら、ひと昔前なら不可能だった国内外の経済指標や金融政策、要人発言などのニュースを活用し、即時に売買が可能になった。

為替のチャートはティックから分足、時間足、日足、週足、年足に至るまで、簡単な操作で複数同時に閲覧できるし、数十種類以上が用意されているテクニカル分析も、簡単な設定作業ですぐに並行比較が可能だ。

古今東西、市場参加者の間で生じる収益力の差は、「運の良しあし」を別にすれば、「情報収集能力」と「売買執行力」で決まる。いかにして他人より速く、有益な情報を入手して売買に結び付けられるかで差がつく。

進化するIT技術の恩恵を受けて「情報武装」した個人の台頭は、外為市場の風景を一変させた。米国の雇用統計や日銀決定会合の結果をライブで「観戦」し、スマートフォンやタブレット端末を使って為替の短期空中戦トレードにいそしむ主婦や会社員の姿など、少し前なら想像もつかなかった。無手勝流の相場勘を頼りに為替市場に遅れて参入してくる情報弱者の個人投資家というイメージは、過去の姿になりつつある。

情報強者と弱者の力に差がある市場ほど、超過リターン獲得能力の格差が開いて相場が荒れやすくなる。為替市場のこうした情報化の進展は、それが起きるより前の時代に比べ、価格変動の抑制につながっているはずだ。

第4は、為替市場の規模拡大と多様性の増大だ。国際決済銀行(BIS)が3年ごとに実施している世界為替出来高調査で確認すると、1992年4月の調査で1日平均1550億ドルだったドル円市場の取引額は、16年調査では9010億ドルと5.8倍に増えていた。

この間、為替市場への参加者は、伝統的な輸出入業者や多国籍企業、機関投資家のみならず、国内外のさまざまな法人や個人にも広がってきた。金融先物取引業協会のデータで見ると、日本の店頭FX取引による為替売買額は、13年に日銀の「黒田バズーカ」がさく裂したころより減ってはいるが、今でも月間200兆円を下ることはない。驚くべき金額だ。

市場が厚みを増したことで、突発的な政治・経済ニュースや、特定の投資家による大口売買で発生するインパクトを、より小さな値幅で吸収できるようになった面もあるだろう。

<強まる「控えめなドル円」のイメージ>

これまで同様、「日米両国の景況格差」、「金融政策のズレ」、「国際資本フローの潮流変化」などによるドル高圧力や円高圧力は今後も発生するだろう。しかし、以上に示した筆者の推測に誤りがなければ、極端な変動が抑えられる傾向は一段と強まる可能性が高い。

その場合、為替を動かす要因として「金利差」の重要性が増すと同時に、近年、良くも悪くも「派手な値動き」で脚光を浴びがちな新興国や資源国の通貨ペアに比べ、リスクとリターンの期待値がともに「控えめなドル円」というイメージが強まるだろう。

日本の投資家による国際分散投資の対象として見た場合、ドルは最も流動性が高く、情報入手も容易な「ローリスク・ローリターン」の選択肢としての存在感を「令和」の時代も増しそうだ。引き続き、ドルは日本人マネーの外貨分散の中核であり続けるだろう。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

植野大作氏 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト(写真は筆者提供)
*植野大作氏は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト。1988年、野村総合研究所入社。2000年に国際金融研究室長を経て、04年に野村証券に転籍、国際金融調査課長として為替調査を統括、09年に投資調査部長。同年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画、12月より主席研究員兼代表取締役社長。12年4月に三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社、13年4月より現職。05年以降、日本経済新聞社主催のアナリスト・ランキングで5年連続為替部門1位を獲得。

(編集:久保信博)
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-dollar-daisaku-ueno-idJPKCN1RE0AD
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/769.html

[不安と不健康18] うま味調味料、ネガティブイメージに変化 味の素は積極姿勢に転換   米バーガーキング、植物原料の「人工肉バーガー」発売
ビジネス2019年4月2日 / 13:58 / 3時間前更新
アングル:うま味調味料、ネガティブイメージに変化 味の素は積極姿勢に転換
Reuters Staff
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[東京 2日 ロイター] - 味の素(2802.T)が「うま味調味料」の誤解の解消に向け、手応えを感じている。きっかけは2018年9月に米国で開催したイベントで、同社がモニターしている食の分野における影響力のある人の認識に変化の兆し出ているためだ。西井孝明社長は米国発で高まっているフェイクニュースへの関心を追い風に、今が風評払拭のチャンスと捉えており、コミュニケーションをさらに強化していく方針だ。

<うま味調味料と都市伝説>

「トランプ大統領の誕生でフェイクニュースへの関心が高まり、消費者が今まで正しいと思っていた情報が本当に正しいのかを調べ始めた。すごいチャンスが来た」──。西井社長はこう述べ、今こそうま味調味料に対する誤解を解く時期だと強調した。

社名にもなっているうま味調味料「味の素」は、グルタミン酸ナトリウム(MSG)が主な原材料。日本では、サトウキビなどから作られている。1908年に東京帝国大学の池田菊苗博士が昆布だしのおいしさの正体がグルタミン酸であることを発見。その味を「うま味」と名づけ、後に甘味、塩味、苦味、酸味に続く基本的な味として認められた。

グルタミン酸はトマトやチーズ、ノリなど様々な食品に含まれ、体内にも存在する。つまり、私たちは日ごろから意識せずにグルタミン酸を口にしているわけだ。

にもかかわらず、製造されたうま味調味料にだけ、拒絶反応を持つのはなぜか。原因の1つに米国の科学者が1968年に発表した論文がある。

中華料理店で食事をした後に顔のほてりや頭痛などの症状が出たのは、MSGが原因──。「中華料理店症候群」と名づけられたこの症状は、後にうま味調味料を大いに苦しめた。

その後、多くの研究によって中華料理店症候群とMSGに何の因果関係もないことが科学的に示されたが、「風評」は消えないまま、今日に至っている。

西井社長は「うま味調味料が身体に悪いというのは都市伝説に過ぎないが、安全性の論議に20年近くもかかってしまったために、一社では手に負えないくらいに風評が社会に根付いてしまった」と話す。

米国ではパッケージに「NO ADDED MSG」と書かれている食品がいまだに存在する。MSGを添加していないという意味で使用しているが、もとの成分にMSGが含まれている食品もあり、消費者に誤解を与えかねないとして見直す動きも進んでいる。

<無添加・無化調と安全>

日本はどうか。日本でMSGは食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認した「指定添加物」に登録されている。指定添加物は2018年7月3日時点で455品目あり、化学的合成品だけでなく、天然物も含まれる。

この指定添加物であるということが米国とはまた違った問題を引き起こしてる。「無添加イコール安心・安全」というイメージだ。

日本では「食品添加物不使用(無添加)」や「化学調味料無添加(無化調)」と書かれていると安心・安全だとイメージする消費者は多い。実際、「化学調味料は使っていません」、「無添加のつゆです」などと掲げ、無添加であることを売りにしているラーメン店やそば店もある。

こうした風潮に対し、内閣府・食品安全委員会の委員を昨年まで9年間務めたお茶の水女子大学・基幹研究院自然科学系食品貯蔵学研究室の村田容常教授は「添加物は安全性試験を通ったものしか認められていない。添加物を使うか使わないかは価値観の問題なので自由だが、使ったら危ないということは決してない」と述べ、「添加物イコール危険」とみなす考え方を批判した。  ただ、日本では安全性の問題とは別に、本来の味がわからなくなるといった否定的な意見もある。

<フードインフルエンサーに変化>

ニューヨークで2018年9月に開催された「ワールドUMAMIフォーラム」には、世界15カ国から229人が参加した。

西井社長はMSGを積極的に使うようになるには、まだ時間がかかるとしながらも「フォーラムで味の素という企業に対するイメージはポジティブに変わった」と手応えを感じている。

味の素は、食に関心の高い栄養士や料理人ら米国に1000万人いると言われる「フードインフルエンサー」の一部を対象に、MSGの認識に関する定点調査を実施しているが「この調査が動き始めた。まだ満足するレベルではないが、効果が少しずつ表れてきている」(西井社長)という。

味の素のインフルエンサー調査によると、2018年1月時点で39%あった「MSG入りの食品を避ける」との回答は、同年11月時点で33%まで低下した。

西井社長は「おそらくネガティブイメージはゼロにはならないが、約4割いる『MSGは何となく身体に悪い』と思っている人を半減させたい」と語った。

志田義寧 編集:田巻一彦


トップニュース2019年4月2日 / 15:43 / 42分前更新
米バーガーキング、植物原料の「人工肉バーガー」発売
Reuters Staff
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[1日 ロイター] - 米バーガーキングは1日、ミズーリ州セントルイス周辺の59店舗で「肉を使わないハンバーガー」の販売を試験的に開始した。食肉の代わりに植物を原料とした人工肉を使っており、こうした動きは世界中に広がりを見せている。

新たに販売されたバーガー「インポッシブル・ワッパー」は、バーガー・キングがシリコンバレーの新興企業インポッシブル・フーズと共同開発した。

インポッシブル・フーズのパット・ブラウン最高経営責任者(CEO)は「バーガーキングはわが社の製品を商品に採用しただけでなく、同社のブランドである『ワッパー』を商品名につけてくれた。これは大きな励みだ」と語った。

インポッシブル・フーズは2年前に人工肉のバーガーパティを発売。遺伝子操作した酵母がヘムと呼ばれる主成分を生み出し、まるで本物の肉のような味わいと、肉汁が滴るパティを実現させた。

こうした取り組みは他にもあり、ライバル企業ビヨンド・ミートは今年1月、植物を原料にしたハンバーガーを米ファーストフード店で発売したほか、米マクドナルドもスウェーデンで大豆を使ったハンバーガーをテストしている。またネスレは、欧州で同様の商品の発売を計画中だ。

インポッシブル・フーズのブラウンCEOは、同社研究施設にバーガーキングのものと同じ調理器具を導入。大量のパティを焼いて、味の再現に努めたと話す。

「われわれの商品はすでに6000を超える店舗で販売されている。バーガーキングで正式採用されれば、一気に全米に広がる。さらに7000以上の店舗が加わる見通しだ」と述べた。

 4月1日、米バーガーキングは、ミズーリ州セントルイス周辺の店舗で「肉を使わないハンバーガー」の販売を試験的に開始した。写真は米カリフォルニア州レッドウッドシティーにあるインポッシブル・フーズの施設で3月撮影(2019年 ロイター/Jane Lanhee Lee)
植物を原料にした人工肉に注目が集まっているのは、大規模な食肉生産が環境に及ぼす影響に関心が高まっているためだ。

「インポッシブル・ワッパー」の気になるお値段だが、通常の食肉を使った「ワッパー」よりも1ドル(約111円)程度高く設定されている。

*カテゴリーを追加します。
https://jp.reuters.com/article/impossiblewhopper-idJPKCN1RE0HT
https://jp.reuters.com/article/ajinomoto-idJPKCN1RE0B3
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/741.html

[政治・選挙・NHK259] 安倍首相の総裁4選、反対54% 国交副大臣が「忖度」発言撤回 国内政治ニュース(共同通信)
国内政治ニュース(共同通信)2019年4月2日 / 16:40 / 2時間前更新
安倍首相の総裁4選、反対54%
共同通信
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 現行の党則は、総裁任期を連続3期9年までと定めており、3期目の首相は2021年9月に任期切れを迎える。党則を変更しない限り、次の総裁選に立候補できない。

 同党の二階俊博幹事長が3月の記者会見で、総裁4選論を巡り「十分あり得る」と述べた経緯がある。

【共同通信】

国内政治ニュース(共同通信)2019年4月2日 / 17:30 / 1時間前更新
国交副大臣が「忖度」発言撤回
共同通信
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 塚田一郎国土交通副大臣(参院新潟選挙区)は北九州市で1日に開かれた集会で、同市と山口県下関市を結ぶ「下関北九州道路」の国による直轄調査への移行に関し「安倍晋三首相や麻生太郎副総理が言えないので、私が忖度した」と発言した。塚田氏は2日、発言は事実と異なるため撤回し、謝罪すると文書で発表した。

 首相の地元の下関市と副総理の地元、福岡を結ぶ道路整備に関し、事業を管轄する現職副大臣として便宜を図ったと受け取られかねず、批判を浴びそうだ。

【共同通信】
https://jp.reuters.com/article/idJP2019040201002183?il=0
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/232.html

[経世済民131] ECB、緩和政策は必要な限り継続=仏中銀総裁 ユーロCPI前月比+0.1% 豪、財政黒字回復へ 人民銀、警察に捜査要請
ビジネス2019年4月2日 / 18:08 / 26分前更新
ECB、緩和政策は必要な限り継続=仏中銀総裁
Reuters Staff
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[パリ 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるフランソワ・ビルロワドガロー仏中銀総裁は2日、ECBは金融緩和政策を必要な限り長期にわたって継続すると表明、経済情勢からみて必要であれば、次の金融政策措置を微調整する可能性があると述べた。ECBは利上げを来年以降に延期する方針を示している。

総裁は「経済指標のフロー次第で、柔軟性が必要になれば、タイミングを調整できる。様々なメカニズムの強度も、完全な現実主義で調整すべきだ」と発言。

「金融政策は、使命に従い、中期的なインフレ目標を達成するために必要な限り長期間、緩和的に維持する」と述べた。

仏大統領への年次書簡で述べた。

3月のユーロ圏のインフレ率は1.4%と、ECBの目標である2%を大幅に下回っている。
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-villeroy-idJPKCN1RE0S1?il=0


 

東京外為市場ニュース2019年4月2日 / 18:07 / 26分前更新
BRIEF-2月のユーロ圏生産者物価指数、前月比+0.1%=EU統計局
Reuters Staff
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[ブリュッセル 2日 ロイター] -

* 2月のユーロ圏生産者物価指数、前月比+0.1%=EU統計局(予想:+0.1%)

東京外為市場ニュース2019年4月2日 / 18:02 / 31分前更新
BRIEF-豪経済は19/20年度に財政黒字回復へ、07/08年度以来=政府
Reuters Staff
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[キャンベラ  2日 ロイター] -

* 豪政府、19/20年度のGDP伸び率は2.75%と予想

* 豪経済は19/20年度に財政黒字回復へ、07/08年以来=政府

* 18/19年度のGDP伸び率は2.25%に=豪政府

* 豪経済は健全だが、「本物で明確な」リスクが浮上=財務相
https://jp.reuters.com/article/BRIEF-%E8%B1%AA%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AF19%EF%BC%8F20%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%81%AB%E8%B2%A1%E6%94%BF%E9%BB%92%E5%AD%97%E5%9B%9E%E5%BE%A9%E3%81%B8-07%EF%BC%8F08%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E4%BB%A5%E6%9D%A5%EF%BC%9D%E6%94%BF%E5%BA%9C-idJPT9N1VX02C?il=0


 
ビジネス2019年4月2日 / 14:37 / 4時間前更新
中国人民銀、金融政策巡る虚偽情報拡散受け警察に捜査要請
Reuters Staff
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[北京 2日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は、ソーシャルメディア上で前週、人民銀が預金準備率を引き下げたとの虚偽の情報が流れたとして、警察に捜査を要請した。

中国のソーシャル・メディア・プラットフォーム「微信(ウィーチャット)」上の複数のチャットグループでは3月29日、国営新華社の記事からコピーしたとみられる1文が共有された。人民銀行が預金準備率引き下げを発表し、4月1日から実施するという内容だった。

実際にはそうした措置は発表されていない。

新華社と、微信を運営する騰訊控股(テンセント・ホールディングス)(0700.HK)はいずれもコメントを出していない。

人民銀が発行する金融時報は2日の論説記事で、「人民銀は本件の捜査や虚偽情報を流した人物の処罰について警察に正式に書簡を送った」とした。記事は「微博(ウェイボー)」上の人民銀の公式アカウントに再投稿された。

記事では、金融政策措置は「決してささいな問題ではない」とし、仮にエープリルフールの冗談として意図されたものだったとしても、情報を流した者は法的責任を問われると強調。「預金準備率引き下げのうわさは落ち着いたものの、うわさに関与した者が罰を受けずに済むわけではない」とした。

記事では、証券・先物取引に影響する虚偽情報の捏造や拡散によって「深刻な結果」をもたらした者を最長5年の禁錮刑に処する刑法に言及している。


 

ビジネス2019年4月2日 / 15:33 / 3時間前更新
日経平均は小反落、直近高値超え利益確定や戻り売り優勢に
Reuters Staff
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[東京 2日 ロイター] - 東京株式市場で、日経平均は3日ぶり小反落。米中の経済指標が改善し、前日の米国株が大幅高となった流れを引き継ぎ、朝方は景気敏感セクター中心に買い先行。寄り付きで上げ幅は200円を超え、取引時間中としては3月5日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。ただ、買い一巡後は戻り待ちの売りや、期初の早い時期に利益を確保したい国内金融機関の売りが出て伸び悩んだ。後場に入るとさらに上げ幅を縮小し、マイナス圏に沈んだ。

中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)と米国のISM製造業景気指数が堅調で、世界経済の減速に対する懸念がやや緩和された。前日の米国株市場ではフィラデルフィア半導体指数が2.49%上昇したことを受け、東京市場でも朝方から機械や半導体関連が買われた。

3月22日に付けた直近高値2万1713円を上回ったことで、利益確定や戻り待ちの売りが出やすくなったという。3月は2万1000─2万1800円を中心としたボックス相場となっており、「そこを抜け出すほどの強い材料は出ていない」(三井住友アセットマネジメントのシニアストラテジスト、市川雅浩氏)との声が聞かれた。

TOPIXも3日ぶり小反落。東証33業種では、鉱業、非鉄金属、機械などが値上がり率上位にランクイン。米10年債利回りの上昇を背景に銀行、保険などの金融株も堅調だった。半面、不動産、陸運、小売、電気・ガスなど内需系の下げが目立った。

茂木敏充経済再生担当相は朝方の閣議後会見で、日米の新たな貿易協定交渉について「諸般の事情が許せば、今月中にも米国で行う方向で調整している」と語った。政府・与党関係者によると、15━16日にも米国で開催される見通し。米国側は対日貿易赤字の削減を重視しており、日本からの自動車輸出に高率関税を課す可能性もあるが、株式市場の警戒はまだそれほど高まっていないという。

東証1部の騰落数は、値上がり886銘柄に対し、値下がりが1181銘柄、変わらずが72銘柄だった。

日経平均.N225

終値      21505.31 -3.72

寄り付き    21744.64

安値/高値   21490.56─21744.64

TOPIX.TOPX

終値       1611.69 -4.12

寄り付き     1632.03

安値/高値    1611.26─1632.03

東証出来高(万株) 134353

東証売買代金(億円) 23336.57
https://jp.reuters.com/article/china-economy-pboc-rrr-idJPKCN1RE0CR?il=0
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/770.html

[社会問題10] 会話が続かないと悩む人へとっておきの処方箋 コミュニケーションには「聞く力」が必要だ 
会話が続かないと悩む人へとっておきの処方箋
コミュニケーションには「聞く力」が必要だ
國武 大紀 : エグゼクティブコーチ/組織変革コンサルタント 2019年04月02日

「聞く力」こそ、話し上手になるための重要なスキルです(写真:kikuo/PIXTA)
ある日の夕方、妻は普段とは明らかに異なる様子で私に話しかけてきました。

「ちょっと相談したいことがあるの」

私は妻の不安な表情に困惑しながらも、妻の話を聞きながら、その都度真剣にアドバイスをしました。

「……それは違うと思う。こういう方法もあるんじゃないか?」

ところが、妻はどんどん不機嫌になり、最後には黙りこんでしまいました。はっと気がつくと、妻の頬からホロホロと涙がこぼれ落ちていました。

「私の話をちっとも聞いてくれていないわね」

私は、訳がわからなくなり、とても困惑しました。

「ちゃんと聞いてるよ!!」と私は思わず声を荒げてしまいました。

「私はあなたからのアドバイスなんていらない。ただただ私の話を聞いてほしかっただけ」

言葉を失いました。自分ではちゃんと妻の話を聞いているつもりでした。でも妻はまったく聞いてもらっている感じがしていなかったのです。そして、妻は最後にこう言い放ちました。

「あなたは人の話を聞いているようで、まったく聞けていない」

ビジネスシーンでもよく見られる光景
このときの体験は、今でも記憶に鮮明に残っています。あなたはどうでしょうか? このような場面はプライベートに限らず、ビジネスシーンにおいても多く見受けられます。

例えば、部下が上司に対し真剣に説明しているにもかかわらず、上司はパソコンの画面を向いたまま「それで……なるほど……もういいよ、わかった……」と生返事で一度も部下の顔を見ずに話を済ましてしまうようなケースです。

上司としては話を聞いているつもりでも、部下としては自分の存在を軽く見られているのではないか? と不安あるいは不信を感じてしまいます。どう対処したらいいのでしょうか。

多くの人が誤解しているのは、「コミュニケーション力のある人=話すのがうまい人」ということです。コミュニケーション力(=話し上手)であれば、仕事も人間関係もうまくいく、という勘違いがまかり通っていますが、実はそうではありません。

拙著『「聞く力」こそが最強の武器である』でも解説していますが、そもそも人間には「他者から理解されたい、受け入れられたい」という「承認欲求」があります(マズローの欲求階層説)。

この承認欲求は、人間の数ある欲求の中でも最も強い欲求の1つです。なぜなら、人間は外敵から身を守るために古来より集団生活をして生き延びて来たので、自分のことが受け容れられないと、生存を脅かされたように感じるからです。

では、「人を理解する」とは、どのような行為によってなされるのでしょうか? 人を理解するということは、まさに「聞く」という行為を通じて行われます。「話す」という行為では、人を理解することはできません。つまり、どんなに話し上手になったとしても、相手を理解することには繋がらないのです。

人間関係のほとんどの問題は、「理解し合えない」ことから起こります。夫婦や親子、先生と生徒、上司と部下の問題など、お互いが理解し合えないところから争いが発生するのです。つまり、「相手を理解する力=聞く力」が不足している、ということです。「相手と向き合い、相手のことを聞くことができる」そのスキルがあるだけで、人間関係だけでなく、仕事も人生もうまくいくのです。

多くの人が知らない「本当の聞く」とは?
相手を理解するために、2つのポイントがあります。

1つは、「相手の話の内容を理解すること」です。これは、ほとんどの人がやっている「聞き方」です。この聞き方は、相手の口から発せられる言葉がどのような意味をもっているのか? を理解しようする行為で、「言語」に意識を向ける聞き方です。

さらに加えると、相手が話している際に「その考えは違うな……」というようにジャッジ(評価判断)する聞き方は、自分に意識が向いている聞き方なので、相手は聞いてもらっている気がしません。「ジャッジしないで、ありのまま相手のことを聞いてあげる」と、相手はより深く理解されたと認識します。

そして、もう1つは「相手の気持ち(感情)を理解すること」です。この感情を理解するという聞き方は、ほとんどの人が知りません。この方法は、相手がどのような気持ちなのかを意識的に理解しようとする行為で、「非言語」に意識を向ける聞き方です。

具体的には、

・相手の表情はどうか?
・声のトーンは明るいか、暗いのか?
・姿勢はどうか?
・緊張してそうか、リラックスしてそうか?
など、さりげなく自然に観察することです。この2つのポイントをふまえて聞くことができると、相手は深いレベルで「自分のことが理解された」と感じます。大切なポイントは、耳と心の両方を傾けながら、相手に意識を向けて聞く。これが「本当の聞く」なのです。

この「聞く」ができるようになると、雑談力も高まります。雑談力は、友達関係のみならず、とくにビジネスにおいて求められる必須のスキルです。雑談のレベルが上がると、自分に対する評価や印象もガラッと変わります。実際、雑談の上手な人は、仕事でも高いパフォーマンスを発揮しています。

そして、多くの人が雑談で悩んでいるのは、「何を話したらいいかわからない」とか「話が続かない」といった話し方の部分です。

しかし、雑談がうまくなる秘訣は、話し方よりも「聞き方」にあります。雑談がうまくいく方法はいくつかありますが、ここではすぐに使える2つの秘訣をお伝えします。

1つ目の秘訣は、「相手が心地よくなるような聞き方」をする、ということ。

もう少し具体的に言うと、「相手の感情に呼応して、同じ感情レベルで聞く」のです。例えば、相手が「この日本酒は本当に最高だなあ!」と話しかけてきたとします。そこで「え、そうですか?」と自分の本心をそのまま伝えたら、自分に悪気はなくても、相手は否定されたと感じてしまいます。

相手の感情表現を同じ感情で繰り返す
ではどうしたらいいかと言うと、「本当に最高なんですね! よかったですね!」と、シンプルに相手の感情表現を同じ感情レベルで繰り返してあげる。これだけでOKです。相手の感情表現に対して、同じように呼応してあげると、相手はとても心地よくなるのです。これを「共感」と言います。

このとき、その日本酒が自分の口に合わないのに本心に逆らって「最高においしいですね!」と無理に合わせようとする必要はありません。無理に同感すれば、ストレスをためることになります。

「共感」と「同感」は同一視されがちですが、実は根本から異なります。「共感」は、自分が同意していなくても、相手がどう感じているかを理解することです。「同感」は、文字どおり同じ気持ちになる、賛成するということ。

つまり、「自分は違うけど、あなたはそう感じるのね」と共感するだけでいいのです。人は共感されると「自分が受け入れられた」と感じ、承認欲求が満たされた状態になります。この承認欲求を満たしてあげるというのが雑談上手になる大切なポイントです。「共感」は自分にストレスをためず、相手も心地よくする聞き方なのです。

もう1つの秘訣は、「縦横の質問」を使って聞く、です。

実は、自分が話し下手であったとしても、あるいは教養がなかったとしても、話を盛り上げることはできます。それは、「聞く側」の視点に立って、会話を盛り上げていく「縦横の質問」という方法です。

まず「横の質問」とは、「ほかには?」「例外は?」「別の見方は?」というように、話の幅を広げる質問です。横の質問は、相手の視野を広げたり、視点を転換させたり、感情の状態を調べたりするときに効果的です。

対して「縦の質問」は、ある特定の話題について深掘りする質問のこと。例えば、「具体的には?」「そしたらどうなりますか?」といった質問のほかに、「5W1H」つまり、誰(who)、何(what)、いつ(when)、場所(where)、理由(why)、方法(how)を聞いていくことによって、話の内容をさらに深掘りしていく聞き方です。縦横の質問を使った事例は次のような感じです。

《縦横の質問の会話例》

A「最近のマイブームって何?」
B「そうねえ、いろいろあるけど、ホットヨガとか……」
A「ほかには?」(横の質問)
B「あ、そうそう思い出した! アイシングクッキー! すごく楽しいのよ!」
A「へえ! 聞いたことはあるけど、どんなものなの?」(縦の質問)
B「クッキーにお砂糖でかわいい絵やデザインしたりするのよ!」
A「楽しそう! 何がきっかけなの?」(縦の質問)
この事例では、最初に相手が「ホットヨガ」と答えたときに相手の感情があまり動いていないので、「ほかには?」と横の質問をしました。するとBさんは、「アイシングクッキー!」とすごくうれしそうに答えました。明らかにBさんの感情が強く動いたので、Aさんはこの話題について「縦の質問」で深掘りしていきました。

「横の質問」と「縦の質問」を併用する
このように相手の感情が動いていない場合は「横の質問」で相手の関心を探り、感情が動いたところで「縦の質問」で深掘りすると、話がとてもスムーズに展開していきます。気の利いた話題を提供したり、深イイ話をしたりしなくても、聞く側の視点で「縦横の質問」を使えば、十分に会話を盛り上げることができるのです。

以上のように、「相手が心地よくなる聞き方」や「縦横の質問を使った聞き方」を使うことによって、会話が苦手であっても、雑談上手になることは十分に可能です。

「聞く」という行為は、目立たず、受け身の姿勢のように思われますが、実際にはとても能動的な行為でパワフルなものです。


『「聞く力」こそが最強の武器である』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)
世間一般的には「話し方」や「見せ方」といった目立ちやすいものにスポットライトが当りがちです。ですが、コミュニケーションにおいて、本当に大切なのは、「お互いが理解し合うこと」。お伝えしたように、理解は「聞く」から始まりますから、「聞く力」を身につくと、「人を理解する力」が高まる、のです。

人に対する理解力が高まれば、雑談のみならず、信頼関係が作りやすくなったり、リーダーシップがより発揮できたり、仕事のパフォーマンスが上がったりするなど、すばらしい成果をもたらしてくれます。

「聞く力」を身につければ、仕事や人生のあらゆる局面において「最強の武器」を手にすることになるのです。
https://toyokeizai.net/articles/-/270914
http://www.asyura2.com/18/social10/msg/167.html

[経世済民131] 異端の経済理論「MMT」を恐れてはいけない理由 すべての経済活動は「借金から始まっている」 大論争の現代貨幣理論とは何か
異端の経済理論「MMT」を恐れてはいけない理由

すべての経済活動は「借金から始まっている」
中野 剛志 : 評論家 2019年04月02日

「現代貨幣理論」(MMT)をめぐって、古くて新しい「貨幣とは何か」という問題が議論されています(写真:HIT1912/PIXTA)
前編「アメリカで大論争の『現代貨幣理論』とは何か」でも解説したように、いま、アメリカでは「現代貨幣理論」(MMT)をめぐって、オカシオコルテス下院議員やサンダース大統領候補のブレーンを務めたステファニー・ケルトン教授たちと、クルーグマン、サマーズ、パウエルFRB議長たちの間で、論争が展開され、議論が沸騰している。彼らは、どのような点で考え方が異なるのだろうか。
著書『富国と強兵 地政経済学序説』で、MMTをいち早く日本に紹介した中野剛志氏が、理論のポイントとともに解説する。
180度違う貨幣の考え方
筆者は「現代貨幣理論(MMT)」の登場を、以前、地動説や進化論のようなパラダイム・シフトになぞらえたが(アメリカで大論争の『現代貨幣理論』とは何か)、これは大げさな比喩ではない。


『富国と強兵』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)
現代貨幣理論は、その名のとおり、「貨幣」論を起点とする経済理論であるが、この現代貨幣理論と主流派経済学とでは、貨幣の理解からして、180度違うのである。

まさに、地動説と天動説の相違と比肩できるほど、異なっているのだ。

では、ここで、現代貨幣理論が立脚する貨幣論について、ごく簡単に解説しよう。

今日、「通貨」と呼ばれるものには、「現金通貨(お札とコイン)」と「預金通貨(銀行預金)」がある。

「銀行預金」が「通貨」に含まれるのは、我々が給料の支払いや納税などのために銀行預金を利用するなど、日常生活において、事実上「通貨」として使っているからである。

ちなみに、「通貨」のうち、そのほとんどを預金通貨が占めており、現金通貨が占める割合は、ごくわずかである。

ここまでは、主流派経済学でも異論はないであろう。

問題は、通貨のほとんどを占める「銀行預金」と貸し出しとの関係である。

通俗的な見方によれば、銀行は、預金を集めて、それを貸し出しているものと思われている。

しかし、これは銀行実務の実態とは異なる。

実際には、銀行の預金が貸し出されるのではなく、その反対に、銀行が貸し出しを行うことによって預金が生まれているのである(これを「信用創造」という)。

驚かれたかもしれないが、これは事実である。

銀行の貸し出し増加が中央銀行の準備預金を増やす
例えば、A銀行がα企業に1000万円を貸し出すとする。

この場合、A銀行は手元にある1000万円を貸すのではない。

A銀行は、単に、α企業の銀行口座に1000万円と記帳するだけである。

いわば、銀行員が万年筆で記帳するだけで1000万円という通貨が生まれるというわけだ。それゆえ、預金通貨のことを「万年筆マネー」と呼ぶ者もいる。

このように、銀行とは、通貨を創造するという機能を持つ特別な制度なのである。

銀行は預金を元手に貸し出しを行うのではなく、その反対に、銀行による貸し出しが預金を生む。

それゆえ、原理的には、銀行は、返済能力のある借り手さえいれば、資金の制約を受けずに、いくらでも貸出しを行うことができてしまう。

ただし、銀行は、預金の引き出しに備えるために、預金の一定割合を中央銀行に「準備預金(日本であれば、日銀当座預金)」として預け入れることを法令で義務づけられている。

さて、主流派経済学は、中央銀行が「現金および準備預金(いわゆる「マネタリーベース」)」を増やすと、それが民間銀行によって貸し出され、乗数倍の貨幣が供給されると説いている。いわゆる「貨幣乗数理論」である。

ところが、実際の経済では、このようなことは起きえないのだ。

なぜならば、先ほど述べたように、銀行は、貸し出しを行うに当たって元手となる資金を必要としないからである。

預金を元手に貸し出しを行うのではなく、貸し出しによって預金が新たに創造されるのである。

銀行による貸し出しが行われるか否か(すなわち預金通貨が供給されるか否か)を決めるのは、借り手の資金需要があるか否かである。

そして、銀行が貸し出しを増やして預金を増やすと、法令により、準備預金を増やすことが義務づけられているので、準備預金が増えることになる。

要するに、銀行の貸し出し(貨幣供給)の増加が、中央銀行の準備預金を増やすのだ。

現代貨幣理論は、このように説明するのである。

この銀行の貸し出しに関する説明は、通俗観念に反するだけでなく、主流派経済学の理論とも、まったく正反対である。

主流派経済学によれば「ベースマネーの増加→銀行の貸し出し(貨幣供給の増加)」となる。しかし、現代貨幣理論は「銀行の貸し出しの増加→ベースマネーの増加」だと言う。

このように、現代貨幣理論と主流派経済学は、まさに、地動説と天動説のように違うのだ。

もっとも、以上の貨幣供給理論それ自体は、現代貨幣理論に固有の見解というわけではない。

根本的に間違っている貨幣についての理解
例えば、イングランド銀行の季刊誌における解説 も、同様の貨幣供給理論に立って、主流派経済学の誤りを指摘している。主流派経済学の貨幣供給理論は、中央銀行が実際に行っている貨幣供給の実態に反しているというのだ。

貨幣を正しく理解しているのは、主流派経済学ではなく、現代貨幣理論のほうなのだ。

現代貨幣理論こそが、経済学における「地動説」(正しい説)と言ってよい。

科学が発達し、言論の自由が保障されている現代において、「貨幣」という経済の最も基本的な制度に関して、経済学の主流派が「天動説」のごとき間違った理論を信じているというのは、驚きである。

なお、黒田総裁率いる日本銀行は、2013年から量的緩和(準備預金の増加)を実施し、貨幣供給量を増やしてデフレを克服しようとしてきたが、結果は、周知のとおり失敗に終わっている。

失敗した理由は、貨幣について正しく理解している者には、おのずと明らかであろう。

デフレ下では、企業など借り手に資金需要が乏しい。それゆえ、銀行は貸し出しを増やすことができないので、貨幣供給量は増えないのである。

銀行の貸し出しの増加が準備預金を増やすのであって、その逆ではない以上、日銀が量的緩和をやっても、銀行の貸し出しは増えない。

黒田日銀の量的緩和政策は、経済学の「天動説」に基づく誤った政策なのだ。

さて、以上の正しい貨幣理解を踏まえたうえで、最近の現代貨幣理論をめぐる論争を見てみよう。

現代貨幣理論は、「自国通貨を発行できる政府が財政破綻を懸念する必要はない」と主張する。

これに対して、ポール・クルーグマン やローレンス・サマーズ ほか、多くの論者が、「財政赤字は、金利の上昇を招く」という批判を展開している。

日本でも、財政健全化を強く求める論者は、「財政赤字が金利を急騰させたら、政府債務の利払い負担が膨らんでしまう。子や孫の世代にツケを残してはならない」と主張している。 

主流派経済学の理論は、巨額の財政赤字は資金を逼迫させ、金利を上昇させると説明しているのだ。

ところが、現代貨幣理論は、財政赤字が金利を上昇させるという理論を否定するのである。

なぜ、財政赤字を増やしても、金利は上がらないのか。

その原理は、先ほどの正しい貨幣理解を踏まえれば、容易にわかるだろう。

再度確認すると、銀行の貸し出しは、預金を元手としない。反対に、貸し出しが預金を生む。

この原理は、政府の場合も同じである。

すなわち、財政赤字は、それと同額の民間貯蓄(預金)を生む。

主流派経済学が考えるように、民間貯蓄が財政赤字をファイナンスしているというわけではないのだ。

貨幣供給量は財政赤字の拡大によって増える
もう少し説明すると、こうなる。

政府が赤字財政支出をするに当たって国債を発行し、その国債を銀行が購入する場合、銀行は中央銀行に設けられた準備預金を通じて買う。この準備預金は、中央銀行が供給したものであって、銀行が集めた民間預金ではない。

そして、政府が財政支出を行うと、支出額と同額の民間預金が生まれる(すなわち、貨幣供給量が増える)のである。

貨幣供給量は、量的緩和ではなく、財政赤字の拡大によって増えるのだ。

したがって、「財政赤字によって資金が逼迫して金利が上昇する」などということは、起きようがない。

実際、日本では、過去20年にわたり、巨額の政府債務を累積し続ける中で、金利は世界最低水準で推移してきた。多くの主流派経済学者が「いずれ金利が急騰する」と予測してきたが、その予測はことごとく外れてきた。

その予測は、今後も実現することはないであろう。貨幣についての理解が、「天動説」並みに間違っているからだ。

日本で、現代貨幣理論が「極端」「過激」な主張として紹介されることが多いのも、わかるであろう。天動説を信じている者からすれば、地動説は「極端」「過激」に違いない。

しかし、その日本は、量的緩和の失敗といい、巨額の財政赤字の下での低金利といい、経済学の「地動説」たる現代貨幣理論を実証(主流派経済学を反証)しているのだ。

そして、現代貨幣理論に従えば、日本が貨幣供給量を増やしてデフレを脱却するための政策は、財政赤字の拡大だということになる。まさに、天動説から地動説へのパラダイム・シフト並みの大転換だ。

だが、このパラダイム・シフトは、やはり容易ではないだろう。

長年、既存のパラダイムを信じてきた人々にとって、そのパラダイムを変えることは精神的な苦痛だからだ。

また、異端とされる説を唱えると、主流派によって社会的な制裁を受ける可能性もあろう。

かつて、ガリレオは、天体観測により地動説を実証した結果、異端として宗教裁判にかけられてしまった。

もちろん、そこまで酷(ひど)くはないものの、現代貨幣理論は、主流派経済学者や政策当局者あるいは投資家からの批判にさらされている。

それにもかかわらず、アメリカでは、アレクサンドリア・オカシオコルテスという若い政治家が、異端説である現代貨幣理論の支持を堂々と表明した。

また、ステファニー・ケルトンをはじめとする現代貨幣理論の論者たちは、批判に対して果敢に反論して屈する気配がない。

これは、実に驚くべき光景である。

ここで注目すべきは、アメリカでは、この異端の現代貨幣理論が、もっぱらSNSを通じて広まっているということだ。

異端の経済理論が、学界の一部にとどまらずに、政治や言論の表舞台に躍り出るようなことは、以前であれば、考えにくかった。

SNSには、もちろん、フェイクニュースも広めてしまうという弊害がある。

だが、他方で、主流派や権威による無視や抑圧をすり抜けて、異端派・少数派の正しい議論を世の中に広めるという興味深い効用もあるようだ。

現代貨幣理論を「実証」した日本
さて、日本は、皮肉にも、現代貨幣理論を実証した国である。

ならば、現代貨幣理論は、日本でも一大ムーブメントを起こすであろうか。

それに関して、残念ながら、筆者は悲観的である。

権威に弱く、議論を好まず、同調圧力に屈しやすい者が多い日本で、異端の現代貨幣理論の支持者が増えるなどということは、想像もつかないからだ。

そうでなければ、20年以上も経済停滞が続くなどという醜態をさらしているはずがない。

とはいえ、まもなく元号が改まり、新たな時代を迎えようとしているというのに、悲観をかこってばかりというのもよろしくない。

(合理的な根拠は何もないのだが)改元を機として人心が改まり、経済学や経済政策のパラダイムもまた改まることに望みを託して、言論を続けたいと思う。

なお、現代貨幣理論に関心を持った方は、有志の方が作成したリンク集もあるので 、是非参照してほしい。
http://econdays.net/?p=10126
https://toyokeizai.net/articles/-/273275 

 

財政拡大理論「MMT」理想の地は日本か「財政赤字は悪くない」大統領選にらみ経済学論争ブラックロックCEO現代金融理論クズ - うまき 2019/3/08 22:51:58 (コメント数:2)
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/434.html


アメリカで大論争の「現代貨幣理論」とは何か
「オカシオコルテス」がMMTを激オシする理由
中野 剛志 : 評論家 2019年03月26日

オカシオコルテスはアメリカ史上最年少の女性下院議員(写真:AFP=時事)
今、アメリカで大論争中の「現代貨幣理論(MMT)」をご存じだろうか。「財政は赤字が正常で黒字のほうが異常、むしろ、どんどん財政拡大すべき」という、これまでの常識を覆すような理論である。
この理論にアメリカ民主党29歳の新星で、将来の女性初大統領ともいわれているオカシオコルテス下院議員が支持を表明したことで、世論を喚起する大きな話題となっている。これに対しノーベル経済学賞受賞の経済学者クルーグマン、元財務長官のサマーズ、FRBのパウエル議長、著名投資家のバフェットらがこぞって批判。日銀の黒田総裁も否定的なコメントを出している。
はたして、この理論は、いったいどういうものなのか。著書『富国と強兵 地政経済学序説』で、「現代貨幣理論(MMT)」をいち早く日本に紹介した中野剛志氏が解説する。
地動説や進化論も「異端」だった
ガリレオが地動説を唱えたとき、あるいはダーウィンが進化論を唱えたとき、学界や社会の主流派は、その異端の新説に戸惑い、怒り、恐れた。そして、攻撃を加え、排除しようとした。


『富国と強兵』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)
しかし、正しかったのは、主流派に攻撃された少数派・異端派のほうだった。

このような科学の歴史について、トーマス・クーンは次のように論じた。

科学者は、通常、支配的な「パラダイム」(特定の科学者の集団が採用する理論・法則や方法論の体系)に忠実にしたがって研究している。科学者の間の論争はあるが、それも、このパラダイムの枠内で行われているにすぎない。パラダイムから逸脱するような理論は「科学」とはみなされずに、無視されたり、排除されたりするのである。

このため、仮にパラダイムでは説明できない「変則事例」が現れても、科学者たちは、その変則事例を深刻には受け止めない。相変わらず、パラダイムを無批判に信じ続けるのだ。

ところが、そのうちに、支配的なパラダイムに対する信頼を揺るがすような深刻な「変則事例」が現れる。こうなると、科学に「危機」が訪れる。科学者たちは根本的な哲学論争を始め、支配的なパラダイムを公然と批判する者も現れ、学界は混乱に陥る。

そのうちに、より整合的な説明ができる新たなパラダイムが提案され、やがて従来のパラダイムにとって代わる。地動説や進化論もまた、そうやって現れた新たなパラダイムの例である。

クーンが明らかにしたのは、どの科学が正しいかは、合理的な論証によって判断されるとは限らないということである。科学者の判断は、科学者個人の主観や社会環境など、必ずしも合理的とは言えないさまざまな要因によって左右されるのだ。

これは、地動説や進化論が弾圧された時代に限った話ではない。現代でも当てはまる。

近年の神経科学の実証研究によれば、人間の脳には、所属する集団のコンセンサスに同調するように自動的に調整するメカニズムがあるという。どうやら、われわれの脳は、主流派の見解からの逸脱を「罰」と感じるらしいのだ。

クルーグマン、サマーズ、バフェット、黒田総裁の批判
今まさに、クーンの言う「パラダイム」の危機が、経済学の分野で起きつつある。アメリカで巻き起こっている「現代貨幣理論(MMT)」をめぐる大論争が、それだ。

主流派経済学のパラダイムでは、財政赤字は基本的には望ましくないとされている。財政赤字の一時的・例外的な拡大の必要性を認める経済学者はいるものの、中長期的には健全財政を目指すべきだというのが、主流派経済学のコンセンサスなのである。

ところが、この健全財政のコンセンサスを、「現代貨幣理論」は否定したのだ。

このため、クルーグマン、サマーズ、ロゴフといった影響力のある主流派経済学者、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長、あるいはフィンクやバフェットといった著名投資家ら、そうそうたる面々が現代貨幣理論を批判している。

その言葉使いも異様に激しい。クルーグマンは「支離滅裂」、サマーズは「ブードゥー経済学」、ロゴフは「ナンセンス」、フィンクにいたっては「クズ」と一蹴している。

日本でも、黒田日銀総裁が記者会見(3月15日)において現代貨幣理論について問われると、「必ずしも整合的に体系化された理論ではない」という認識を示したうえで、「財政赤字や債務残高を考慮しないという考え方は、極端な主張だ」と答えている。

しかし、現代貨幣理論は、クナップ、ケインズ、シュンペーター、ラーナー、ミンスキーといった偉大な先駆者の業績の上に成立した「整合的に体系化された理論」なのである。

にもかかわらず、黒田総裁が「必ずしも整合的に体系化された理論ではない」と感じるのは、それが主流派経済学とはパラダイムが違うからにほかならない。

ここで、「現代貨幣理論」のポイントの一部をごく簡単に説明しよう(参考:スティーブン・へイル「解説:MMTとは何か」)。

まず、政府は、「通貨」の単位(例えば、円、ドル、ポンドなど)を決めることができる。そして、政府(と中央銀行)は、その決められた単位の通貨を発行する権限を持つ。

次に、政府は国民に対して、その通貨によって納税する義務を課す。すると、その通貨は、納税手段としての価値を持つので、取引や貯蓄の手段としても使われるようになる(紙切れにすぎないお札が、お金としての価値を持って使われるのは、そのためである)。

さて、日本、アメリカ、イギリスのように、政府が通貨発行権を有する国は、自国通貨建てで発行した国債に関して、返済する意思がある限り、返済できなくなるということはない。

例えば、日本は、GDP(国内総生産)比の政府債務残高がおよそ240%であり、先進国中「最悪」の水準にあるとされる。にもかかわらず、日本が財政破綻することはありえない。日本政府には通貨発行権があり、発行する国債はすべて自国通貨建てだからだ。

政府債務残高の大きさを見て財政破綻を懸念する議論は、政府の債務を、家計や企業の債務のようにみなす初歩的な誤解に基づいている。

政府は、家計や企業と違って、自国通貨を発行して債務を返済できるのだ。したがって、政府は、財源の制約なく、いくらでも支出できる。

ただし、政府が支出を野放図に拡大すると、いずれ需要過剰(供給不足)となって、インフレが止まらなくなってしまう。

このため、政府は、インフレがいきすぎないように、財政支出を抑制しなければならない。言い換えれば、高インフレではない限り、財政支出はいくらでも拡大できるということだ。

つまり、政府の財政支出の制約となるのは、インフレ率なのである。

ちなみに、日本は、高インフレどころか、長期にわたってデフレである。したがって、日本には、財政支出の制約はない。デフレを脱却するまで、いくらでも財政支出を拡大できるし、すべきなのだ。

物価調整手段としての「課税」と「最後の雇い手」政策
さて、国家財政に財源という制約がないということは、課税によって財源を確保する必要はないということを意味する。

アメリカでの現代貨幣理論の流行を紹介した日本経済新聞の記事は、この理論の支持者が「政府の借金は将来国民に増税して返せばよい」と主張していると書いているが、これは誤解である。現代貨幣理論によれば、政府の借金を税で返済する必要すらないのだ。

だが、現代貨幣理論は、無税国家が可能だと主張しているわけではない。

そもそも、現代貨幣理論の根幹にあるのは、通貨の価値は課税によって担保されているという議論だ。

また、もし一切の課税を廃止すると、需要過剰になって、インフレが昂進してしまうであろう。そこで、高インフレを抑制するために、課税が必要となる。

また、格差是正のための累進所得税、あるいは地球温暖化対策のための炭素税など、政策誘導のためにも課税は有効である。要するに、課税は、財源確保の手段ではなく、物価調整や資源再配分の手段なのである。

さらに言えば、現代貨幣理論は、物価調整の手段として、課税以外にも、「就労保障プログラム」あるいは「最後の雇い手」と呼ばれる政策を提案している。これは、簡単に言えば、「公的部門が社会的に許容可能な最低賃金で、希望する労働者を雇用し、働く場を与える」という政策である。

就労保障プログラムは、不況時においては、失業者に雇用機会を与え、賃金の下落を阻止し、完全雇用を達成することができる。逆に、好況時においては、民間企業は、就労保障プログラムから労働者を採用することで、インフレ圧力を緩和する。

こうして就労保障プログラムは、雇用のバッファーとして機能する。政府は、同プログラムに対する財政支出を好況時には減らし、不況時には増やすことで、景気変動を安定化させる。不況時には確かに財政赤字が拡大するが、低インフレ下では、財政赤字はもとより問題にはならない。

こうして、就労保障プログラムは、物価を安定させつつ、完全雇用を可能にするのである。

現代貨幣理論を理解していない批判
以上は、現代貨幣理論の一部にすぎない。

しかし、これを踏まえただけでも、主流派の経済学者たちや政策担当者たちの批判が、いかに的を外れたものであるかがわかるようになるだろう。

例えば、パウエルFRB議長は「自国通貨建てで借り入れができる国は財政赤字を心配しなくてよいという考え方は間違いだ」と断定し、黒田日銀総裁も「財政赤字や債務残高を考慮しないという考え方は、極端な主張」と述べた。サマーズも、財政赤字は一定限度を超えるとハイパーインフレを招くと批判する。

しかし、読者はもうおわかりだと思うが、これらはいずれも、まともな批判になっていない。

現代貨幣理論は、「財政赤字の大小はインフレ率で判断すべきだ」という理論である。ハイパーインフレになっても財政赤字を心配しなくてよいなどという主張はしていない。それどころか、インフレを抑制する政策について提言している。

要するに、批判者たちは、現代貨幣理論を理解していないということだ。いや、そもそも、知ろうとすらしていない節すらある。

なぜ、そのような態度をとるのか。それは、彼らが、現代貨幣理論のことを、主流派経済学のパラダイムに属していないという理由によって、まともに取り扱うべき経済学と見なしていないからであろう。

パラダイムが変わるのが怖い主流派経済学者たち
しかしながら、その一方で、リーマン・ショックのように、主流派経済学のパラダイムに対する信頼を揺るがすような「変則事例」が起きている。それについては、主流派経済学者たち自身も認めつつある。主流派経済学者の予想に反して財政破綻しない日本も「変則事例」の1つであろう。

主流派経済学は、まさにクーンが言うパラダイムの「危機」に直面しているのだ。だからこそ、主流派経済学者たちは、現代貨幣理論の台頭が気になり、躍起になって批判しているのである。パラダイムが変わるのが怖いのだ。

だが、かつて、物理学のパラダイムを一変させたアインシュタインが言ったように、「問題を生じさせたときと同じ考え方によっては、その問題を解決することはできない」

現下の経済問題を解決するためには、経済学のパラダイムから変えなければならないのだ。

だから、現代貨幣理論についても、知りもしないで一蹴したり、利口ぶった皮肉で揶揄したりせずに、正しく理解したうえで、フェアに論争してもらいたい。
https://toyokeizai.net/articles/-/271977

 

MMT 日本語リンク集
有志の皆さんが作るMMTリンク集!
ここに直接作っていこうと思うので、どうか推薦ブツをTwitterで私に教えてください。。。
リンク切れなども。。。

説明
Modern Monetary Theory(MMT、現代貨幣理論または現代金融理論)の日本語で読める情報を集めようと思っています。

まじめな入門一押しは、リッキー氏の

「ティモワーニュTymoigneのブログから Money and Banking」
01、02、03、04、05、06、07、08、09、10、11、12、13、14、15、16、17、18A、18B、19A、19B、19C、20、21
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1-2-3.そのほか
パート2 英語のもの
(できる気がしないけど)
http://econdays.net/?p=10126

 


 

How Much Does Heterodoxy Help Progressives? (Wonkish)
Their agenda still needs to be tax-and-spend, not just spend.

Paul Krugman
By Paul Krugman
Opinion Columnist

Feb. 12, 2019

389
Health care is a big fiscal deal
Credit
CMS


Image
Health care is a big fiscal dealCreditCMS
The center-left is feeling ambitious these days, and it’s a heartening thing to see. Anything can happen politically, but it looks at least possible that in 2021 there won’t just be unified Democratic control of Congress and the White House, but control by a much more consistently progressive party than was the case in 2009. Maybe America can finally get truly universal health care, policies that really tackle inequality, and more.

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Paul Krugman
Macroeconomics, trade, health care, social policy and politics.

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https://www.nytimes.com/2019/02/12/opinion/how-much-does-heterodoxy-help-progressives-wonkish.html?module=inline


 


In the modern economy, most money takes the form of bank
deposits. But how those bank deposits are created is often
misunderstood: the principal way is through commercial
banks making loans. Whenever a bank makes a loan, it
simultaneously creates a matching deposit in the
borrower’s bank account, thereby creating new money.
The reality of how money is created today differs from the
description found in some economics textbooks:
• Rather than banks receiving deposits when households
save and then lending them out, bank lending creates
deposits.
• In normal times, the central bank does not fix the amount
of money in circulation, nor is central bank money
‘multiplied up’ into more loans and deposits.
Although commercial banks create money through lending,
they cannot do so freely without limit. Banks are limited in
how much they can lend if they are to remain profitable in a
competitive banking system. Prudential regulation also acts
as a constraint on banks’ activities in order to maintain the
resilience of the financial system. And the households and
companies who receive the money created by new lending
may take actions that affect the stock of money — they
could quickly ‘destroy’ money by using it to repay their
existing debt, for instance.
Monetary policy acts as the ultimate limit on money
creation. The Bank of England aims to make sure the
amount of money creation in the economy is consistent with
low and stable inflation. In normal times, the Bank of
England implements monetary policy by setting the interest
rate on central bank reserves. This then influences a range of
interest rates in the economy, including those on bank loans.
In exceptional circumstances, when interest rates are at their
effective lower bound, money creation and spending in the
economy may still be too low to be consistent with the
central bank’s monetary policy objectives. One possible
response is to undertake a series of asset purchases, or
‘quantitative easing’ (QE). QE is intended to boost the
amount of money in the economy directly by purchasing
assets, mainly from non-bank financial companies.
QE initially increases the amount of bank deposits those
companies hold (in place of the assets they sell). Those
companies will then wish to rebalance their portfolios of
assets by buying higher-yielding assets, raising the price of
those assets and stimulating spending in the economy.
As a by-product of QE, new central bank reserves are
created. But these are not an important part of the
transmission mechanism. This article explains how, just as in
normal times, these reserves cannot be multiplied into more
loans and deposits and how these reserves do not represent
‘free money’ for banks.

https://www.bankofengland.co.uk/-/media/boe/files/quarterly-bulletin/2014/money-creation-in-the-modern-economy.pdf?la=en&hash=9A8788FD44A62D8BB927123544205CE476E01654

Paul Krugman Asked Me About Modern Monetary Theory. Here Are 4 Answers.
Deficit levels, interest rates and the tradeoff between fiscal and monetary policy.
By
Stephanie Kelton
2019年3月1日 23:30 JST

Paul Krugman during a Bloomberg Television interview in 2013.

Photographer: Scott Ells/Bloomberg
Stephanie Kelton is a professor of public policy and economics at Stony Brook University. She was the Democrats' chief economist on the staff of the U.S. Senate Budget Committee and an economic adviser to the 2016 presidential campaign of Senator Bernie Sanders.
Read more opinionFollow @StephanieKelton on Twitter
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There is a doctrine among mainstream economists holding that: (1) government deficits push interest rates higher and (2) rising interest rates crowd out private investment. The government can take more of the economy’s financial resources, but only at the expense of lost private investment. This means that running budget deficits has at least some downside.
Paul Krugman is a believer in this doctrine. I’m not, and he’s asked me to explain why. He is responding to a columnI wrote critiquing his view of modern monetary theory.
I’m going to respond directly to the questions he raised:
Are MMTers claiming, as Kelton seems to, that there is only one deficit level consistent with full employment, that there is no ability to substitute monetary for fiscal policy? Are they claiming that expansionary fiscal policy actually reduces interest rates? Yes or no answers, please, with explanations of how you got these answers and why the straightforward framework I laid out above is wrong.
Quick responses first, followed by explanations behind my thinking.
#1: Is there only one right deficit level? Answer: No. The right deficit depends on private behavior, which changes. MMT would set public spending always to the level required to achieve full employment, and then accept whatever deficit may result.
#2: Is there no ability to substitute monetary for fiscal policy? Answer: Little to none. In a slump, cutting interest rates is weak tea against depressed expectations of profits. In a boom, raising interest rates does little to quell new activity, and higher rates could even support the expansion via the interest income channel.
#3: Does expansionary fiscal policy reduce interest rates? Answer: Yes. Pumping money into the economy increases bank reserves and reduces banks' bids for federal funds. Any banker will tell you this.
#4: Does MMT accept Krugman’s “straightforward framework”? No. We can come back to this at the end.
Is there only one right deficit level? No, because for one thing, MMT would establish a public option in the labor market — a federally funded job guarantee — thereby ensuring full employment across the business cycle. The deficit, then, would rise and fall with the cycle, as the job guarantee becomes a new stabilizer, automatically moving toward the “right size” in response to changes in the level of aggregate spending.
In the absence of a job guarantee, things get trickier. Leaving monetary (and exchange rate) policy aside, the government has to allow the deficit to go where it needs to go in order to accommodate the private sector’s net savings desires. If the private sector wants to spend less and save more, the public sector will need to accommodate that desire by running a bigger deficit or the economy will be pushed away from full employment. Krugman drew up the perfect schematic — based on the sector balance framework adopted by MMT — to explain all of this 10 years ago.
Is there no ability to substitute monetary for fiscal policy? Not much. Krugman sees MMT as saying that fiscal policy can always deliver the “right size” deficit to maintain full employment. He’s challenging that by asserting that you can have any size deficit and still have full employment because the central bank can always establish the “right size” interest rate to get you there. I disagree.
It is true that the Fed can pursue any rate policy it desires. It does not follow, however, that cutting interest rates will work to induce enough spending to maintain full employment. You can’t simply assume borrowers will always have the appetite for more private debt, even if you make it really cheap to borrow. Businesses borrow and invest when they’re swamped with customers (or expect to be). They don’t passively take on more debt simply because the central bank has dangled cheaper credit before them.
The evidence suggests that interest rates don’t matter much at all when it comes to private investment: J.P. Morgan (hereand here), the Reserve Bank of Australia (here), the Federal Reserve (here) and the Bank of England (here). It is even possible, as MMT has shown, that cutting rates could further slow the economy because lowering rates cuts government expenditures (interest payments), thereby exacerbating contractionary fiscal policy.
This is in fact what modern monetary theory suggested when the European Central Bank went to negative rates, which MMT sees as a contractionary tax. But MMT recognizes that raising rates could offset contractionary fiscal policy, though in a highly regressive manner as the interest paid by the government tends to go to those with the highest incomes.
Does expansionary fiscal policy reduce interest rates?Yes, unequivocally. You won’t see it in Krugman’s stylized graphic (below), but it does happen in the real world, where the interbank market exists.
Imagine the government is running a trillion-dollar deficit, sending out checks for military weapons, contracting to do massive infrastructure projects, and so on. All of those checks get deposited into financial institutions across the country. And each time a check is deposited, the bank gets a credit to its reserve account at the Fed.
When you pay your taxes, your bank loses reserves, but with a trillion-dollar deficit, there is a huge net infusion of reserves into the banking system. If the central bank takes no action to prevent it from happening, the overnight lending rate — the federal funds rate — will fall to a zero bid.
Why? Because all banks are flush with non-interest-bearing reserves, and everyone is scrambling to lend them to another bank. When everyone’s a seller and no one’s a buyer, the price goes to zero. To prevent this, the central bank steps in.
Before the collapse of Lehman in 2008, the Fed conducted open-market operations (selling bonds to mop up enough reserves to get the interest rate up). This was all coordinated with the Treasury Department on a daily basis, as I explained here.
Today, the Fed simply pays interest on reserves to establish a positive rate. That doesn’t change the fact that deficits, in and of themselves, put downward pressure on the short-term interest rate.
Yes, the Fed has a reaction function, and it can vote to raise rates in response to perceived inflationary pressures associated with deficit spending. But that is a different matter. That is fighting against the “natural” gravitation.
Is there some reason the straightforward framework Krugman laid out is wrong? Yes, as even its creator went on to acknowledge. MMT rejects the IS-LM framework that Krugman uses to demonstrate the conclusion that widening budget deficits put upward pressure on interest rates and crowd out private investment.
The model remains the workhorse for many mainstream Keynesians. MMT considers it fundamentally flawed. It is incompatible with much of Keynes’s “The General Theory of Employment, Interest and Money.” It was designed for a fixed-exchange rate regime, and it is not stock-flow consistent.
Here’s the framework Krugman presents as a challenge to MMT.

Each of the IS curves (1-3) represents a different fiscal stance. This framework shows that the government can expand its deficit and move the economy from a depressed condition at point A to full employment by shifting IS1 to IS2. The economy is now at full employment, but with higher interest rates and lower private investment.
Keep this in mind: Higher deficits give rise to higher interest rates, which give rise to lower investment. The last bit is referred to as “crowding out.” This is the inherent tradeoff that MMT denies and Krugman defends.
And it’s easy for him to defend it because his model assumes a fixed money supply, which paves the way for the crowding-out effect!
Krugman’s framework treats investment as a simple function of the interest rate. Higher rates mean lower investment, and vice versa. Central banks can juice (or slow) the economy simply by lowering (or raising) interest rates. It’s Pavlovian in its simplicity: stimulus-response.
Keynes’s analysis was more nuanced. Investment decisions were forward-looking, heavily influenced by “animal spirits,” and overwhelmingly dependent on the state of profit expectations. When the profit outlook is sufficiently grim, no amount of rate cutting will entice businesses to borrow and invest in new plant and equipment (think Great Recession).
Conversely, when the outlook is exuberant, businesses may borrow and invest even more, despite the central bank’s desire to slow an expansion by raising interest rates (think savings and loan crisis). The downward-sloping IS curve does not allow for either of these possibilities. Yet both outcomes can, and do, occur.
One final point. Krugman says there is an inherent tradeoff between fiscal and monetary policy. I agree, but not with the tradeoff he describes. Deficits don’t automatically drive interest rates higher, and higher interest rates don’t automatically translate into lower private spending.
That tradeoff is disputed, and not just by MMTers. The tradeoff that matters is the one that Hyman Minsky and James K. Galbraith have highlighted. Monetary policy “works” by driving people into debt. Fiscal policy works by driving income into people’s pockets. As Galbraith put it:
There are two ways to get the increase in total spending that we call ‘economic growth.’ One way is for government to [deficit] spend. The other is for banks to lend. For ordinary people, public budget deficits, despite their bad reputation, are much better than private loans. Deficits put money in private pockets…This is called an increase in ‘net financial wealth’… In contrast, when a bank makes a loan, the cash is not owned free and clear.
That’s the tradeoff that interests me. Should we lean more heavily on (monetary) policy that works by leveraging the private sector’s balance sheet or on (fiscal) policy that works by strengthening it?
So, there you have it. Two no’s, a not really and a yes in response to Krugman’s questions. (Un)fortunately, this will be the last response from me, since my editors have asked me to continue any further discussion offline. I thank Paul for engaging me and am more than happy to do this.
This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.
To contact the author of this story:
Stephanie Kelton at stephanie.kelton@stonybrook.edu
To contact the editor responsible for this story:
Katy Roberts at kroberts29@bloomberg.net
COMMENTS 289
https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2019-03-01/paul-krugman-s-four-questions-about-mmt
 


 

 

Opinions
The left’s embrace of modern monetary theory is a recipe for disaster

The Federal Reserve headquarters in Washington in 2017. (Kevin Lamarque/Reuters)
By Lawrence H. Summers March 4
We’ve seen this movie before.

There is widespread frustration with the performance of the economy. Traditional policy approaches are not delivering hoped-for results. A relatively unpopular president is loathed to an unusual extent by a frustrated opposition party that lost the previous presidential election while running a pillar of its establishment. And altered economic conditions have led to the development of new economic ideas that reflect a significant break with previous orthodoxy.

And now, these new ideas are being oversimplified and exaggerated by fringe economists who hold them out as offering the proverbial free lunch: the ability of the government to spend more without imposing any burden on anyone.

During the late 1970s, this was the story of supply-side, Laffer-curve economics. It began with the valid idea that taxes had important incentive effects and that, in conceivable circumstances, tax cuts could raise revenue. It grew into the ludicrous idea that tax cuts would always pay for themselves, and this view was then adopted by a frustrated extreme wing of a major political party.

George H.W. Bush was right during the 1980 presidential primary campaign to call such thinking “voodoo economics.” In the decades following, that doctrine did substantial damage to the U.S. economy.

Modern monetary theory, sometimes shortened to MMT, is the supply-side economics of our time. A valid idea — that traditional fiscal-policy taboos need to be rethought in an era of low real interest rates — has been stretched by fringe economists into ludicrous claims that massive spending on job guarantees can be financed by central banks without any burden on the economy. At a moment of economic and political frustration, some in the more extreme wing of the out-of-power political party are seizing on the possibility of a free lunch to offer politically attractive ways out of economic difficulty.

Modern monetary theory is fallacious at multiple levels.

First, it holds out the prospect that somehow by printing money, the government can finance its deficits at zero cost. In fact, in today’s economy, the government pays interest on any new money it creates, which takes the form of its reserves held by banks at the Federal Reserve. Yes, there is outstanding currency in circulation, but because that can always be deposited in a bank, its quantity is not controlled by the government. Even money-financed deficits cause the government to incur debt.

Second, contrary to the claims of modern monetary theorists, it is not true that governments can simply create new money to pay all liabilities coming due and avoid default. As the experience of any number of emerging markets demonstrates, past a certain point, this approach leads to hyperinflation. Indeed, in emerging markets that have practiced modern monetary theory, situations could arise where people could buy two drinks at bars at once to avoid the hourly price increases. As with any tax, there is a limit to the amount of revenue that can be raised via such an inflation tax. If this limit is exceeded, hyperinflation will result.

Third, modern monetary theorists typically reason in terms of a closed economy. But a policy of relying on central bank finance of government deficits, as suggested by modern monetary theorists, would likely result in a collapsing exchange rate. This would in turn lead to increased inflation, increased long-term interest rates (because of inflation), risk premiums, capital fleeing the country, and lower real wages as the exchange rate collapsed and the price of imports soared.

Again, this is not just theory. Numerous emerging markets have found, contrary to modern monetary theory, that they could not print money to cover even their domestic currency liabilities. The same is true of industrial economies. The Mitterrand government in France in 1981 and the Schröder government in Germany in 1998 began with MMT-type approaches to policy and were forced to reverse course. The British and Italians both had to call in the International Monetary Fund during the mid-1970s because of excessive reliance on inflationary finance.

Supply-side economics was an unreasonable extension of valid ideas; few today advocate the top corporate tax rate of 46 percent and rates above 50 percent for a substantial swath of taxpayers that prevailed in the late 1970s. So, too, in a new era when the Fed chairman thinks that neutral real interest rates are well below 1 percent, we can approach federal borrowing with much less trepidation than we have traditionally.

But for neither the right nor the left is there any such thing as a free lunch. It’s the responsibility of serious economists, whatever their political party, to make this clear.

Read more:

David Von Drehle: Democrats refuse to be the only ones limited by reality

Catherine Rampell: Democrats in 2020 are at risk of turning into Republicans in 2016

Lawrence H. Summers: The right policy as recession looms

Jennifer Rubin: A sober look at the economy

Andy Puzder: Defying pessimists, the U.S. economy just keeps sprinting ahead

Comments
Lawrence H. Summers
Lawrence Summers is a professor at and past president of Harvard University. He was treasury secretary from 1999 to 2001 and an economic adviser to President Barack Obama from 2009 through 2010. Follow
Be the first to know.

https://www.washingtonpost.com/opinions/the-lefts-embrace-of-modern-monetary-theory-is-a-recipe-for-disaster/2019/03/04/6ad88eec-3ea4-11e9-9361-301ffb5bd5e6_story.html?noredirect=on&utm_term=.f301fd4c636a



http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/773.html

[政治・選挙・NHK259] 増税でアベノミクスは「なかったこと」になる 来春の消費税増税はタイミングが最悪だ 努力はすべて水の泡
増税でアベノミクスは「なかったこと」になる 来春の消費税増税はタイミングが最悪だ
高橋 洋一 : 政策工房会長/嘉悦大学教授 2019年04月02日

(写真:Piroschka Van De Wouw/ロイター)
日本の昭和末期から平成に至る政治史を振り返ったとき、消費税の導入や消費税の税率引き上げにまつわる動きは「呪われた歴史」といってもいいほど政権を潰し、苦境に追い込んできた。さらにはその都度、景気回復の兆しを迎える日本経済をどん底に突き落とすなど、悲劇的な状況を数々もたらす結果となった。嘉悦大学教授の高橋洋一氏が、『「消費増税」は嘘ばかり』から例を挙げて明らかにする。

中曽根内閣の「嘘」
本来、消費税というのは優れた税制です。脱税がしにくく、徴税コストが安く、安定財源となる税制です。その優れた税制を正しく運営すべきでした。

しかし、その導入において、国民や野党の反対をかわすためだけにあまりにも誤ったロジックをふりかざし、嘘ばかり重ね、しかもインボイス制度(適格請求書等保存方式)がない不完全な形で導入してしまいました。そして以後、税理論や社会保障理論を歪めてまで、ひたすら消費税の増税こそが正義であるかのように志向してきた歴史があります。

このような思惑で消費税の制度が歪めば歪むほど、無理が生じて、呪いにかかったかのように政権が潰され、日本経済にも悪影響を与えてきました。現在の消費増税議論がいかに歪んだものであるかを知るためにも、日本における消費税の歴史を振り返ってみたいと思います。

たとえば、中曽根康弘首相は1986年7月に大方の意表を突くかたちで解散し(死んだふり解散)、衆参同日選挙に打って出ます。この折には、「国民や自民党員が反対する大型間接税はやりません」「この顔が嘘をつく顔に見えますか」と発言をし、衆院で300議席以上を獲得する大勝利を収めていました。しかし、同年12月に政府税制調査会と自民党税制調査会が「売上税」を提案し、中曽根内閣は翌1987年2月に「売上税法案」を国会に提出したのです。

売上税はもちろん「大型間接税」ですから、「嘘つき」という批判が満ち満ちることになりました。結局、1987年の地方選挙で敗北をし、売上税は撤回に追い込まれました。大平内閣の挫折と、中曽根内閣の「嘘つき」で、消費税には決定的に悪いイメージが付くことになってしまいました。

また1993年6月、野党が当時の宮沢喜一内閣の不信任案を出し、小沢一郎氏たちが造反して野党に賛成した結果、内閣不信任案は成立し、衆院選が行われることになります。

ここで自民党は衆院での過半数を失い、逆に自民党を飛び出して新生党を結党した小沢氏たちは「非自民」勢力を糾合。かくして、自民党が下野し、八党派連立(日本新党、日本社会党、新生党、公明党、民社党、新党さきがけ、社会民主連合、民主改革連合)の細川護熙内閣が成立しました。

大蔵省と小沢氏に「抱き込まれた」細川首相
その細川首相が1994年2月3日未明に突然、記者会見を開いて「国民福祉税」構想を打ち出しました。税率3%の消費税を廃止して税率7%の福祉目的税にする、というものです。

細川内閣は、赤字国債を発行しないことを公約の一つにしていました。しかも当時、アメリカが日本の内需拡大を促すために、日本の所得減税を求めていました。赤字国債を発行せず、所得減税も行うとなれば、消費税を増税するしかない。しかし消費増税は、消費税反対を訴えて支持層を広げてきた社会党から受け容れられないことは目に見えています。

ならば、いっそのこと「消費税」を廃止してしまい、「新税」の衣をまとわせようと考えたのでしょう。袋小路に陥った状況を活かそうと考えた大蔵省と小沢氏が、よく事情をわかっていない細川首相を抱き込み、一気に税制改革も進めてしまおうとしたのではないかと思います。

ところが、これが見事に失敗します。政治家が目論む「新税」などすぐに見透かされるのであって、大蔵省とすれば、細川首相をうまく取り込んだつもりだったのかもしれませんが、連立政権内でも話し合われておらず、根回しがまったく不十分だったこともあって社会党などは猛反発。たちまち翌4日の連立与党代表者会議で撤回されるに至ります。政権の求心力は急速に失われて、細川内閣は同年4月25日に総辞職しました。

そして時代は下り、2012年12月の総選挙で、単独過半数を大きく超える294議席を獲得して圧勝した自民党が政権に返り咲き、第二次安倍晋三内閣が誕生します。

それに先立つ2012年9月の自民党総裁選の際、安倍首相は消費税を上げる前にデフレ解消をする、といいました。安倍首相は消費税の増税には消極的でしたが、法律になったものを無視することはできず、「法律どおり」2014年4月、消費税率が5%から8%に引き上げられました。

せっかくアベノミクスによってデフレ対策が打たれ、2014年4月時点ではインフレ目標達成にかなり近いところまで行っていたのが、消費税率を上げたことで景気は逆戻り。離陸し始めた状態で安定飛行に入っていなかった景気は、消費税の増税によって急失速してしまいました。

ようやく「賃金上昇」が始まろうとしていたが
こうした状況を受けて、2015年10月の増税予定は一年半先送りされ、2017年4月の増税予定がさらに2年半先送りに。安倍首相が財務省の意向を退け、かろうじて踏みとどまったかたちでした。


『「消費増税」は嘘ばかり』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)
過去3回の消費増税のうち、3%の税率で導入した1回目(1989年)は、バブル期で景気がよい状況でした。しかも物品税の減税と同時に行なったので、タイミングとしては悪くなかった。しかし、税率が3%から5%に引き上げられた2回目(1997年)、5%から8%に引き上げられた3回目(2014年)の消費増税は最悪です。いずれもデフレのときに行なったため、景気を大きく冷え込ませる結果となりました。

現在、デフレは解消されつつありますが、脱却には至っていません。企業で人手不足の状況が生まれ、雇用回復に次いで当初の狙いである「賃金上昇」がようやく始まる、と思ったところで、政府は事実上の「移民」緩和政策を決めてしまった。

外国人労働者の流入が日本の賃金を押し下げていることは、筆者の実証分析でも立証されています。あまりにもタイミングが悪く、さらに2019年10月に消費増税を実行してしまえば、2012年以降、7年に及ぶアベノミクスの努力はすべて水の泡でしょう。
https://toyokeizai.net/articles/-/273984
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/234.html

[社会問題10] 10代読書女子が「無気力・溺愛男子」を好む理由 好まれる男子像は一変、性描写も控えめに ブーム後の「ケータイ小説」が今も
10代読書女子が「無気力・溺愛男子」を好む理由
好まれる男子像は一変、性描写も控えめに
飯田 一史 : ライター 2019年04月02日

ケータイ小説発の書籍の帯に並ぶ「涙する」「泣いた」「超号泣!」のキャッチコピー。読後の感情を全面にアピールすることで10代女子を引きつけている(東洋経済オンライン編集部撮影)
2000年代に起こった“ブーム”のあとも“ジャンル”として定着し、書籍化されるとコンスタントに10万部以上のヒット作が出続けているケータイ小説。しかし、そこで描かれる男性像や書籍化されたときに好まれるパッケージはかつてとは大きく変わっている。そこから今の10代女子のニーズが見える。
前回記事(ブーム後の「ケータイ小説」が今も読まれる必然)に続き、ガラケー時代からこのジャンルをけん引しヒット作を送り出してきた最大手、スターツ出版の小説投稿サイトを手掛かりに、ライターの飯田一史氏が解説する。
スターツ出版が運営する会員数89万人の小説投稿サイト「野いちご」のランキング上位作品や書籍化されたヒット作を読むと、恋愛ものでは「キスまで」のものばかりで、それ以上の性描写はほとんどない。2000年代のケータイ小説ではレイプシーンは珍しくなかったことを考えると、大変化である。

もっとも、そもそも「野いちご」では子どもも読むことに配慮し、展開上必要のない性描写は利用規約で禁止しているが、そういったサイト側の規制だけでは説明がつかない。読者側のニーズが変化していると考えるべきだろう。

「ケータイ小説が広まったのは、携帯でネット接続が可能になってすぐの頃。ネットの利用の仕方自体が『あやうい世界を見に行く』ような感覚から始まっていたので、刺激的な物語が求められたのかなと。でも今の中高生にとってネットは身近なもので、危ないものをのぞき見したいという感覚ではないんだと思います」(ウェブサイトグループ編集長・森川菜々氏)

性描写のソフト化は当然のなりゆき
また、1974年から約6年おきに実施されている日本性教育協会「青少年の性行動全国調査」を見ても、第1回調査以来、中学生〜大学生まで性別を問わずデート、キス、性交経験率は総じて上昇傾向にあったが、2011年調査ではついに反転し、最新2017年調査でもおおむね下落傾向にある。

経験率だけでなく性的行動への関心自体が減退していることを思えば、10代向け恋愛小説における性描写のソフト化は当然のなりゆきなのだろう。

「『野いちご春のファン祭り』などのファンイベントで直接姿を見ていても、あるいはサイト上でのやりとりを見ても、ほとんどの読者はちゃんと勉強をして、将来を考えているような素直な子で、息抜きに読んでいるという印象です。非行に走りそうなタイプの子は見かけません。

昔はサイト内の掲示板で揉めごともありましたが、最近では非常に少なくなっていますし、仮に起こったとしても、ユーザー同士でなだめあって収束していくことが多いです」(森川氏)

「以前、新潮社のジュニア向けファッション誌『nicola』のモデルさんに、『野いちご』ユーザーと同世代ということでゲスト審査員をお願いしたんですが、彼女がある作品の作中で主人公がお母さんとケンカして『ババア』と呼ぶシーンに拒否感を抱いて、年長世代である弊社編集部員と価値観のギャップを感じたことがありました。今の30代、40代が思春期だった頃と比べると、今の子たちは親と仲がよくて反抗的ではなく、明るくていい子が多い印象があります」(第1編集グループ 野いちご書籍編集長・長井泉氏)

性的関心・行動や反抗心の減退といった、いわば「若年層のクリーン化」に伴って性描写はソフト化し、それと並行して暴力描写も減り、好まれる男性像もかつてのオラオラな「俺様」キャラから変わってきている。

「ここ3、4年は、クールまたは無気力系で、ガツガツしてなさそうに見えるんだけれどもヒロインに対しては一途で優しいというギャップがある男子に溺愛される、という感じが人気です。昔のように強引だったり、突き放すタイプではないですね。実際の男の子の変化に合わせて変わってきているのかな、と。ほかのサイトやジャンルと比較したわけではないのですが、少なくとも『野いちご』の読者は、女の子が大事に扱われていないものは受け付けていないんだと思います」(長井氏)

ハッピーエンドの「溺愛」ものが人気に
切ない読後感を重んじ、病気などで男女どちらかが死別するような展開をするタイプの作品群もあるものの、明るい学園恋愛ものに関してはいわゆるヒーロー、ヒロインだけではなく、女の子を奪い合う「当て馬」的な男の子がいる場合でも、その男子も悪くは描かれずに、みんながハッピーに終わるものが多い。

同じくスターツ出版が運営する大人の女性向け小説サイト『ベリーズカフェ』では当て馬的な存在は最後まで悪役なことも多いが、「『野いちご』は平和な世界観なんです」(長井氏)。

ハッピーエンドの徹底、という意味で興味深いことはほかにもある。恋愛もので女子視点から描いて好きな男子と両想いになることを描いたあとで、男の子側の視点からもヒロインとの出会いからの心情を短くたどり直すような「男子側の視点」を挿入するパターンが確立されていることだ。

しかも多くの場合、男子も出会ったときから主人公の女子のことが好きだった、ということがわかるのである。

好まれるのは読む前に読後感がわかるもの
「読者が作家さんに送る感想を見ても“男の子の気持ちが知ることができて良かったです”というものが多く、読者が好むポイントのひとつです。

マンガではモノローグのかたちで登場人物みんなの気持ちが描けますが、小説だと一人称で書くと視点人物以外の気持ちは描けません。だから男子側の視点でも描くことで、確実に両想いであること、お互いの真意が確認できるのがよいのだと思います。“両想いな2人が、ハッピーエンドになるまでのすれ違い”が読みたい、という感じでしょうか」(長井氏)

お互いの気持ちが「わからない」のはイヤ、「わかる」もののほうがよい――それも、読む前からわかるほうがなおのことよい、ということのようだ。

「あらすじの時点で登場人物の気持ちが見えないものは好まれません。ですから書籍化するときは、カバーからも男女の関係性がどんなものかわかるようにしています。タイトルやパッケージを見るだけで話の全貌がわかるものが人気です。送り手としては、読者に想像力を働かせて楽しんでもらいたい気持ちもありますが、作品を受け取る側は、よりイメージしやすいもの、すぐに伝わるインパクトがあるもの、自分の気持ちに瞬間で共感できるものを求めているのかな、と」(第1編集グループ部長兼スターツ出版文庫編集長・篠原康子氏)

ケータイ小説文庫の中でも中学生向けの恋愛ものを手がける『ピンクレーベル』では3年ほど前から表紙イラストの人物が「顔あり」になった。

実はそれまでは読者それぞれがキャラクターを思い描けるようにあえて顔の表情を描き込まない「顔なし」イラストにして人物の構図だけを見せていたのである。

しかし、キャラクターがしっかり立つものが人気になってきたため、表情までしっかり描いたほうが読者が求める「甘さ」などがより伝わると判断し、現在の少女マンガ風のイラストが主流となった。

読む前に「感情の高ぶり」が感じられるか
高校生・大学生・新社会人層向けのスターツ出版文庫では、ピンクレーベルほどははっきりと人物の表情を描かないが、帯に大きく「号泣」と入れるなど、読者に訴求する感情がパッと見で伝わるように工夫しているという。

2000年代半ば頃までは作品にキーワードを付けるという文化はあまりなかったが、ある時期から小説サイトに限らず動画サイトでもSNSでも「タグ」を付けるようになった。ユーザーは作品に触れる前からタグを見て「あ、“泣ける”作品なんだ。読もうかな」と判断材料にする。

情報過多な時代ゆえに、アプリ上でも書籍でも、わかりやすくキーワードを提示し、ビジュアルでも訴えることで、読者も自分が読みたい作品を探しやすくなる。

2000年代のケータイ小説は性的・暴力的にわかりやすい“過激さ”が求められたが、読者がクリーン化した2010年代末では出来事の過激さは求められなくなった。代わって「溺愛」「号泣」などの“感情の高ぶり”が読む前からわかりやすく伝わることがかつて以上に求められるようになった、と言えるのかもしれない。
https://toyokeizai.net/articles/-/272282


 


ブーム後の「ケータイ小説」が今も読まれる必然
ガラケー時代から進化、ジャンルとして定着
飯田 一史 : ライター 2019年03月30日

ケータイ小説から書籍化されたヒット作。表紙デザイン、帯コピーから内容がおおよそわかるのが特徴的だ(写真:編集部撮影)
「ケータイ小説」のイメージが、2000年代半ばに大ヒットした『DeepLove』『恋空』あたりから更新されていない人も多いだろう。しかし実は「ブーム」が去ったあとも、10代女子に支持される「ジャンル」として定着していることを、ほとんどの大人は知らないのではないか。
そして、ガラケーのiモード上のサイトからスマホのアプリ/ウェブへと拠点を移した2010年代後半のケータイ小説は、かつてのイメージとはまったく異なる物語の内容や書籍パッケージに変貌し、ヒット作がコンスタントに生まれている。
ジャンル創生から20年が経過しようとしているなか「ケータイ小説」はいかなる進化をとげたのか。「ガラケー時代」から女性向け小説投稿サイト人気を牽引してきた最大手、スターツ出版の事例を手がかりに、ライターの飯田一史氏が2回にわたって解説する。
例えば会員数89万人の小説投稿サイト「野いちご」を運営し、人気作品を書籍化しているスターツ出版からは、沖田円『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』が25万部、櫻井千姫『天国までの49日間』が18万部、櫻いいよ『交換ウソ日記』17万部。いぬじゅん『いつか、眠りにつく日』14万部、小鳥居ほたる『記憶喪失の君と、君だけを忘れてしまった僕。』はデビュー作ながら半年で5万部等々、近年に限ってもヒット作が続いている。

人気作品の変化で10代女子の今が見える
その昔の書籍化されたケータイ小説といえば、風景やハートマークなどを使ったイラストを表紙にしたハードカバー、物語内容は実話をうたい、レイプや暴力、ドラッグ、水商売の世界などを配しながら恋愛の切なさを描くようなもので、横書きで改行が多いもの、というイメージが強いだろう。

だが今では、それらは大きく変化している。少女マンガテイストのイラストが表紙のソフトカバー単行本か文庫、ローティーン向けの一部作品を除けば、ほぼ横書きではなく縦書きで書籍化されている。内容的にはホラーを除けば性・暴力に関する過激な描写はほとんどなく、キスまでの作品が大半だ。

世の中には「ファン/ユーザーの平均年齢が毎年1歳ずつ上がっていく」というジャンル/サービスもあるが、「野いちご」はつねに新しく10代の読者を迎え、送り出してきた。そうした人気作品の変化を見れば、10代女子の「今」が見えると言っても過言ではない。

アプリを見ると、トップページに表示される作品のカテゴリーは「切ない ピュア」「溺愛 日々」「涙 感動」「学園ホラー」「暴走族 元姫」の5つ。これが人気作品のカテゴリーである。

同社でのケータイ小説の書籍化の始まりは、単行本サイズで刊行した『恋空』をはじめとする実話系から。そこからリアルというより、やや妄想度の強い少女マンガ風のものが人気が移り変わる2009年頃にケータイ小説文庫を立ち上げる。これは現在「ピンクレーベル」と呼ばれている。

その後「甘いだけじゃないものが読みたい」という読者の声が増え、サイト上でも作品を分類するタグに「泣ける」が目立つようになってきたため、2011年に『ブルーレーベル』を創刊した。

さらにホラーがつねに一定の人気があるということで2013年に「ブラックレーベル」を、中高生向けというより高校生・大学生・新社会人層向けのライト文芸レーベルとして、2015年に「スターツ出版文庫」を、ピンクレーベルよりも少しリアル寄りの、中学生が「先輩の先輩くらいにいそう!」と思えるような恋愛ものを好む読者のために2017年に「野いちご文庫」を創刊した。

人気ジャンル「恋愛」「泣ける」「怖い」「暴走族」!?
毎日新聞社と全国学校図書館協議会が毎年行っている「学校読書調査」を見ると、小学生女子が読んだ本の上位は『ヘレン・ケラー』『アンネ・フランク』『ナイチンゲール』『赤毛のアン』といった世界の偉人・女性編および児童文学のクラシックが並ぶ。

しかし中高生になるとそうした「親や教師が推薦した本」の存在感は薄れ、「自分で選んだ本」が上位に来るようになる。

中高生女子には、ジャンルで言えば、HoneyWorksの『告白予行練習』をはじめとする「恋愛もの」、住野よる『君の膵臓をたべたい』をはじめとする「泣ける」話、いしかわえみによる「りぼん」連載のホラーマンガのノベライズ『絶叫学級』などの「怖い」話が鉄板だ(『学校図書館』2018.11号)。

「野いちご」の人気カテゴリーは「切ない ピュア」「溺愛 日々」「涙 感動」「学園ホラー」」「暴走族 元姫」であり、こうした傾向とおおむね合致している。

大人から見て違和感があるとすれば「暴走族 元姫」だろう。「暴走族 元姫」なる単語だけを見て「なんだ、やっぱりケータイ小説ではヤンキーが出てくる過激な作品が人気なんじゃないか」と思う人もいるかもしれないが、それは違う。

ケータイ小説には、小説投稿サイト「魔法のiらんど」で連載され、2000年代後半から爆発的な人気を博したユウ『ワイルドビースト』などが作り出した様式美(お約束の設定)が連綿と続いている。

「暴走族には集団を率いる『総長』とその下に『幹部』がおり、さらには総長が見初めた『姫』と呼ばれる女性が1人だけいる」(「元姫」はかつて姫だった存在で「現姫」と対比される)、「倉庫にたむろする」といったものだ。

「暴走しない」暴走族も登場
しかしそうした様式美を維持しつつも、近年の作品では、中身が10年前とはだいぶ変わっている。そもそも「暴走族」が登場するのに、バイクやクルマで暴走するシーンがほとんどない。暴走族同士の血で血を洗う抗争で死傷者が続出、といったハードな展開もほぼまったくないのである。

「バイクに乗ってすらいない人気作品もあります。作品に出てくる暴走族の男の子たちはちゃんと学校にも行っていて、悪いことをしているわけではないんです。無免許運転だとか未成年の飲酒、喫煙、シンナー、ドラッグ使用といった、法を犯すような描写はほぼありません」(ウェブサイトグループ編集長・森川菜々氏)

「“ヤンキー”ではなくて“暴走族の総長”なんですよね。暴走族は、今の子たちにとってはリアルな存在ではなくて空想でつくりあげる非日常の存在になっている。倉庫にたまって、幹部がいて……というのは、女の子1人の周りにイケメンがたくさんいるという、生徒会ものの少女マンガにあるような“逆ハーレム”のイメージに近いと思います。

また、家庭にも学校にも居場所のない女の子が、仲間を見つけて生きる希望を取り戻す、というテーマで描かれることも少なくなく、読者は人とのつながりや絆を無意識に求めているのかもしれません。」(第1編集グループ 野いちご書籍編集長・長井泉氏)

近年の野いちごでは、主人公の女子と男子が一緒に住むはめになるという「同居もの」も人気だが、現実にそんなことがあるかといえば、ほぼまったく起こりえないだろう。ただ、物語のパターンとしてはわかりやすく、盛り上がりも作りやすい。「暴走族 元姫」も同居もの同様に、使いやすかったがゆえに独自の発展を遂げた恋愛ものの中の1ジャンル、フォーマットの一種と言えるのかもしれない。

「妄想を作り上げている」という点では大人の側も変わらないように筆者には感じられることもある。

全国の小中高校で朝の10分、生徒が自由に選んで本を読むという「朝の読書」運動があるが、学校によっては「朝読では横書きの小説は禁止」としていたり、一部の学校図書館では司書の判断から「横書きの小説は入れない」という方針を取っているという。

過激な表現・描写はほとんどない
「おそらく中身を検閲して禁止しているのではなく、先生や司書の方には昔のケータイ小説のイメージがあって『過激なものを読んでほしくない』という善意から、そうされていると思うんです」(長井氏)

しかし、ここまで見てきたように、現在のケータイ小説は、ホラーだけはジャンルの性質上、一部激しい表現があるものの、それ以外の恋愛ものなどは健全な作品がほとんどだ。「横書き禁止」とまでいくと過剰な自主規制だろう。

若年層は現実には存在しない「暴走族」のイメージを膨らませ、教師や司書など大人の側はやはり現実にはもう存在しない「過激なケータイ小説」のイメージを膨らませている――それが昨今のケータイ小説をめぐる状況だと筆者は考えるが、個人的には後者のほうが問題ではないかと思う。

今の10代を理解したければ、偏見を捨てて実際に手に取り、時代の変化に目を向けることからしか始まらないのではないか。

(後編に続く)

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このような危険な自撮りを「エクストリームセルフィー」と呼ぶが、当然リスクが高く、事故や死亡などと隣り合わせだ(写真:Shutterstock/アフロ)
スマートフォンでの自撮り(セルフィー)中に死亡する、「死のセルフィー」が多発している。2018年9月に発表された全インド医科大学などの調査によると、2011年10月から2017年11月までにセルフィーによる137件の事故が起き、259人が死亡していることがわかった。

自撮りによる死亡事故は国内でも起きている。2017年2月、神奈川県座間市の公立中学校で、3階の屋上から3年生の男子生徒(15歳)が転落して死亡。生徒は同級生8人と卒業記念や、思い出づくりのために自撮り写真を撮っており、屋上が施錠されていたので窓から出てさく伝いに渡ろうとしたところを誤って転落したと考えられている。

このように自撮りで事故や死亡につながる例は少なくない。過激な自撮りも流行中だ。自撮りの現状とともに、過激化する理由と危険性について解説したい。

死亡者の多くは10代、20代
SNSなどで驚くような自撮り写真を見かけたことがあるかもしれない。野生の熊の前での自撮り、高い建物の上にいる自撮り、火事の前での自撮り……このような危険な自撮りを「エクストリームセルフィー」と呼ぶが、当然リスクが高く、事故や死亡などと隣り合わせだ。

〈高い建物の上で撮ったエクストリームセルフィーの例〉


中でも、高いビルの屋上など危険な場所を歩いたり、走ったりする様子を撮影してSNSなどに投稿する人たちは「ルーファー」と呼ばれる。2017年12月には、62階のビルの屋上で自撮りしていたルーファー、中国のヴォン・イオンニンさんが落下して死亡するなど、死亡事故も起きている。

先ほど紹介した調査によると、事故に遭ったユーザーの年齢は10〜68歳であり、平均年齢は22.94歳。10、20代の若者たちが多くを占めている。


調査結果によると、10、20代の男性の死亡事故が目立つ(図:Selfies: A boon or bane?)
同時に、全体の72.5%を男性が占めている。若者のほうが無鉄砲な行動に出やすく、また、男性に比べて女性が少ないのは、「センスが良い」「かわいい」と思われたい願望が強いため、行動が過激化しづらいからだと考えられている。

死因は「溺死」が最多で、海岸で波にのまれたり、泳げないのに岸辺で自撮りしたり、ボートが転覆したりなどの事例が目立つ。続いて多いのは、走っている列車の前で自撮りして事故に遭うなどの「交通機関」、「銃などの火器」、高い建物からの「落下」などである。このような自撮りの共通点は、スリリングでショッキングなショットが可能となる点だ。

セルフィーはSNSに投稿するために撮られることが多く、主に見る人たちの注目を集めたり、「いいね」やフォロワーを増やすことを目的として投稿される。ところが自撮りが普及した現在は、当たり前に撮っていては「いいね」は集まりづらい。そこで行動を過激化させることで注目を集め、同時に「いいね」やフォロワー増加を狙うというわけだ。つまり、承認欲求が暴走し、判断力が働いていない状態となっているのが問題なのだ。

なお、死亡事故最多の国はインドで、ロシア、アメリカ、パキスタンと続く。ただし、該当調査は英語で報じられたニュースが対象となっているため、日本など英語圏以外の事故は反映されづらい可能性がある。調査結果では日本では起きていないことになっているが、冒頭でご紹介したように国内でも起きているのだ。

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「承認欲求の暴走」からエクストリームセルフィーへ
では、国内の自撮り事情はどうなっているのだろうか。株式会社テスティーの「10代女性のセルフィー事情調査結果」(2016年6月)によると、「自撮りの練習はしますか?」という質問に対して半数以上が「する」と回答。「セルカ棒(自撮り棒)は使用していますか?」という質問に対して、約6割が「使用したことがある」と回答した。Instagramがさらに流行している現在は、この傾向がますます強まっていると考えられる。

このように若い世代を中心にセルフィーが普及する一方で、自撮り時に周囲の人たちに迷惑をかけたり事故などにつながるため、JR西日本や東京ディズニーリゾート、観光地など、自撮り棒使用が禁止される場所も増えている。

女子高生などに話を聞くと、「日常的に自撮りをしている」「友だちと撮った写真は(本人に)断りなくSNSに載せる」という子は多い。多くの子たちは一度は自撮りの練習をしたことがあるが、「もうどうやれば(自分たちがかわいく)撮れるかわかっているから」と、一発で自撮りを決めていた。「『セルフィーは載せるな』とか親や先生は言うけど、載せないと誰も見てくれないし、いいねももらえない。これまで危ないことになんて遭ったことない」と彼女たちは言う。

タレントの世界と同様、特別にかわいらしい10代女子は顔写真を載せるだけで途端に「いいね」やフォロワーが増えることがある。一方、思ったほど「いいね」やフォロワーが伸びなかった子は、注目を集めるために肌の露出を増やしたり、過激な行動でほかのユーザーとの差異化を図り始めることも少なくない。それが、エクストリームセルフィーの拡大につながっているのではないだろうか。一度過激な投稿で注目を集めると、フォロワーからさらに過激さを求められるため、行動に歯止めが効かなくなるのだ。

世界中で制限されるセルフィー
危険な自撮りは世界各国で問題視されており、特に事故が多いインドやロシアでは国が対策を始めている。インドでは交通量が多い海岸沿いでさくがないなどの危険な場所を中心に「セルフィー禁止地区」を指定、警告の看板を設置している。ロシア内務省も、2015年に、危険な自撮り撮影による死傷者数を減らすためのキャンペーンを行っている。


ロシア内務省によるキャンペーン(画像:ロシア内務省)
セルフィーが禁止される例も増えている。今年、カンヌ国際映画祭では、レッドカーペットでのセルフィーが禁止された。セルフィーのために足を止めることでレッドカーペットでの進行が遅れ、映画祭の威厳を失わせるためだという。

また、年に1回イスラム暦の最後の月に行われるムスリムの聖地巡礼「ハッジ」でも、セルフィーが禁止されている。巡礼者を霊的な旅路に集中させるためだという。どちらもセルフィーが流行しすぎたための措置と言えるだろう。

問題視されることが多いセルフィーだが、当然、セルフィー自体が悪いというわけではない。海外の「Psychology of Well-Being」の記事「Promoting Positive Affect through Smartphone Photography」によると、笑顔のセルフィーを毎日撮ったグループは自信が高まったり、心が落ち着くなど、心理的にポジティブな変化があったという。セルフィーには自尊心を高めるなどのプラスの効果が期待できそうだ。危険な自撮りには手を出さず、安全にセルフィーを楽しんでいただければ幸いだ。
https://toyokeizai.net/articles/-/254932
http://www.asyura2.com/18/social10/msg/169.html

[不安と不健康18] 「お菓子習慣」があなたの体を秘かに蝕むワケ 意外と知らない「超加工食品」の脅威 
「お菓子習慣」があなたの体を秘かに蝕むワケ
意外と知らない「超加工食品」の脅威
白澤 卓二 : 医学博士、白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長 2019年04月02日

「お菓子中毒」が引き起こされる背景には、私たちの食卓に浸透している「超加工食品」が深く関わっていました(写真:AntonMatveev/iStock)
スーパーやコンビニでいつでも買えて、仕事の合間や小腹が空いたときに手軽に食べられるお菓子。実は、このお菓子、知らず知らずのうちに中毒症状をもたらすことをご存じでしょうか。
お菓子を我慢できないのは、実はあなたの意志が弱いからではありません。では、控えたいと思っても、ついお菓子を食べてしまうのはなぜなのか。健康面ではどんな危険があるのか。お茶の水健康長寿クリニックの白澤卓二院長が「お菓子中毒」の危険性と対処法についてポイントをお伝えします。
あなたの「お菓子中毒度」をチェック
まずは、あなたがお菓子中毒に陥っているかどうかを確認するために、以下のチェックを行ってみてください。

□毎日のように食べている(習慣になっている)
□食べる量や回数がどんどん増えている
□イライラしたときにはお菓子に手が伸びる
□ついついお菓子を買い込んでしまう(ストックがつねにある)
□ときどきドカ食いしてしまう
□コーヒーにはお菓子が必須
□飲んだあとのデザートは別腹
□やめよう、控えようと思っても続かない
□お菓子を食べないと仕事がはかどらない
□健康診断で血糖値が高めと指摘されてもお菓子をやめられない
実はこの質問のうちひとつでも当てはまるものがあった場合は、お菓子中毒に陥っている可能性が濃厚です。

はるか昔から人間は、発酵食品や塩漬け、薫製など、食品を加工して保存食を作ってきました。ところが、食品技術の発達に伴い、高度に加工された食品が急増します。例えば、ケーキやクッキー、ドーナツ、チョコレートといったお菓子や甘い清涼飲料水、菓子パン、カップ麺などです。

私たちの普段の食生活によく登場するこれらの食べ物は、いずれも「超加工食品」と呼ばれるものです。

超加工食品とは、常温で長期間保存できるように、砂糖や塩、油脂、保存料などを加えて高度に加工した食品の総称です。安価で日持ちがするため家計にやさしく何かと便利ですが、近年欧米ではこの超加工食品がもたらす健康への弊害が注目され、警鐘が鳴らされています。

超加工食品の中でも、私がとくに危惧しているのがお菓子です。例えば、クッキーやドーナツなどに使われる小麦は、グルテンを含みますが、これはさまざまな体調不良の要因にもなりうる物質です。

「なんだかだるい」は中毒のサイン?
本来の小麦には、グルテンは今ほど含有されていませんでしたが、収穫高を上げるために遺伝子操作された現代の小麦ではグルテンが多く含有されるようになりました。普段から「病気ではないけど、なんだかだるい」と感じている人は、小麦由来のお菓子を控えることで治る可能性があります。

また、甘いお菓子を食べると血糖値が急上昇するため、インスリンという血糖値を下げるホルモンが分泌されますが、最近の研究では、このインスリンが脂肪の分解を抑制したり、細胞の老化を促すことが明らかになっています。しかもこのインスリンは、過剰に分泌され続けると、認知症のリスクを高める要因になることもわかってきています。

ここまでの話を読んで、では今すぐお菓子をやめればいい、と考えた方も多いと思いますが、我慢が難しいのが「超加工食品」の怖いところです。

「超加工食品」は自然のものを精製して純度を上げることで作られています。例えば、砂糖であればアミノ酸やミネラルなどが、塩であればマグネシウムやカリウムなどが、味のクセをなくすために除かれて「白砂糖」「食塩」ができています。

そして、こうしてできた「白砂糖」「食塩」は、自然のままの状態に比べて味が強まって甘みや塩辛さが増し、脳の報酬回路を強く刺激するようになります。

すると、「脳内麻薬」とも呼ばれるドーパミンやエンドルフィンといった快楽ホルモンが多く分泌され、抑制が利きにくくなり、摂取欲が増してしまうのです。

実験においても、アメリカのスクリプス研究所のポール・ケニー博士の論文で、脂質と糖質が多く、白砂糖や食塩で濃く味付けされたいわゆる「ジャンクフード」を40日間ラットに与えたところ、報酬回路がオーバードライブして、食欲が止まらずに食べ続けてしまう結果になったことが発表されています。

こうしたことからもわかるとおり、精製度が高い「超加工食品」は、純度が増すために中毒性を生むことがあります。私はそういった中毒性のある食べ物を、身近な素材で常習性をもたらすものという意味で、「マイルドドラッグ」と呼んでいます。

体重や血糖値が気になる人は、「カロリーゼロ」「糖質オフ」などと表記されたお菓子に切り替えているので大丈夫、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ところが、「糖質オフ」などの表記のお菓子に使われているのは、超加工食品のひとつである人工甘味料です。

カロリーがないために太らず、血糖値も上げないといわれてきましたが、最近の研究では、人工甘味料で「肥満する」「血糖値が上がる」という研究報告がいくつも挙げられています。

また、ヘルシーな印象があるドリンクにも注意が必要です。例えば、健康のために野菜や果物のスムージーを飲んでいたとしても、その中に異性化糖(自然由来の果糖を精製したもの)が入っていると、その弊害が心配です。

最近の研究では、異性化糖が肥満や高血圧、糖尿病の要因であると指摘する研究者が増えています。果糖ブドウ糖液糖を含む清涼飲料水を1日に1回でも飲む人が太りやすいことも、いくつかの研究論文で明らかになっています。

また、1日1リットル炭酸ジュースを飲んだときに相当する果糖溶液を、ラットに6週間摂取させて記憶力と神経細胞を調べた、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のフェルナンド・ゴメツピニラ博士らの実験によると、果糖を摂取したラットは記憶力が低下して迷路試験を解くのに通常の2倍以上の時間を要し、海馬で200以上、視床下部では700以上の遺伝子が異常なパターンを示したことがわかっています。

健康によいとされる乳酸菌飲料も、原料で最も多いのは果糖ブドウ糖液糖などの異性化糖だったというケースもあります。健康のために飲んでいるドリンクが、体に悪影響をもたらしてしまっては皮肉な話です。商品を選ぶ際には気をつけてください。

お菓子中毒から脱け出す、今日からできる3つのポイント
■今日からできること1 中毒をもたらす“犯人”を知る

まず、お菓子中毒を抜け出すために大切なことは、冒頭のチェックを通して自分がお菓子中毒であることをしっかり自覚することです。

というのも、お菓子中毒のいちばん怖いところは、本人も周囲も中毒に陥っていることを自覚できずに、食べ続けてしまうことだからです。

自覚するだけでも、無意識に食べていたときとは違いが生まれます。そのうえで、何があなたにお菓子中毒をもたらしているのか、その犯人に気づくことが重要です。具体的な犯人は、筆者は次の7つと考えています。

1. 白砂糖
2. 果糖
3. 人工甘味料
4. 小麦
5. 食塩
6. 油
7. ストレス
ストレス以外の犯人である、白砂糖、果糖、人工甘味料、小麦、食塩、油はすべて精製度が高い、不自然な食品であることが共通しています。

また、ストレスがあると、気をつけていても突発的なヤケ食いのようなことも出てきてしまいます。

各犯人の具体的な弊害と詳しい対処法は長くなりますので、ここでは書ききれませんが、新刊『「お菓子中毒」を抜け出す方法』に記しましたので、ぜひ確認してみてください。

「異性化糖」には要注意
■今日からできること2 成分表示チェックを習慣に!

ここまで、お菓子の弊害をお伝えしてきていますが、お断りをしておきたいのは、世の中のすべてのお菓子が悪者なわけではないということです。

自然の果物・はちみつなどの甘さや素材の味を生かしたお菓子には、超加工食品のような中毒性はありません。甘いお菓子なら、天然由来の砂糖を使っている質のいいものを少しだけ楽しむようにしましょう。

一方、気をつけたいのは、血糖値を急上昇させて食欲を増進させる「異性化糖」が含まれているものです。個人的には、異性化糖は一切、口にしないくらいの気持ちを持っています。

パッケージの成分表示の原料に「高果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」「砂糖混合異性化液糖」と記されているものには、異性化糖が含まれています。

成分表示を見て原料を確認し、なるべく超加工食品を使っていないものを選びましょう。

■今日からできること3 “食欲リセット”――プチお菓子断食

お菓子中毒の大きな原因は、先ほども触れましたが、脳の報酬回路のオーバードライブによる食欲の暴走です。中毒状態から抜け出すには、快楽に溺れた脳をリセットする必要があります。


『「お菓子中毒」を抜け出す方法』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)
リセットに最も有効なのは、中毒の原因をいったん絶つこと。お菓子中毒の場合は、期間を決めて「お菓子を食べないこと」です。

ここで大切なのは、期間中はスッパリと絶つこと。ちょっとなら大丈夫と口にしていると、脳はなかなかリセットできません。

まずは1週間、お菓子断ちをしてみましょう。1週間がつらい人は3日間など自分で決めて「お菓子を食べない期間」を設けましょう。次第に我慢できる時間が長くなっていくはずです。

いかがでしたでしょうか。自分の未来や家族の健康のために、ひとりでも多くの方に脱・お菓子生活を実践していただきたいと思っています。
https://toyokeizai.net/articles/-/273990
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/742.html

[政治・選挙・NHK259] 総務省、ふるさと納税で自治体に“踏み絵” 泉佐野市2018年度トップ360億円以上 ふるさとがアマゾンになる税制度
総務省、ふるさと納税で自治体に“踏み絵”

奥平 力
日経ビジネス記者
2019年3月29日
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全852文字
 6月からふるさと納税が事実上の「許認可制」に移行するのにあたって、総務省が自治体に提出を求める書類を日経ビジネスが入手した。寄付に対する返礼品が寄付額の3割以下であることや、地場産品であることといった項目ごとにレ点を付ける書式で、地方自治体からは「まるで踏み絵のようだ」との声が上がっている。


自治体が総務相宛に提出する指定の申出書は、8項目で自治体の担当者がレ点を付ける様式(写真は見本として総務省が自治体向け説明会で渡したもの)
 2018年度には、全国で5000億円程度の寄付額が見込まれるまでに成長したふるさと納税。返礼品競争は年々過熱し、地方自治体の中からも、返礼品で税収を奪い合うような事態を憂慮する声が出ていた。

 ふるさと納税の規制強化を盛り込んだ改正地方税法の成立を受け、総務省は3月28日、6月からの新制度について自治体担当者向けの説明会を開催。制度の対象となる自治体を指定する基準を公表した。

 返礼品を寄付額の3割以下の価値の地場産品にすることに加え、返礼品を強調した宣伝広告をしないことなども指定基準とした。豪華な返礼品を贈ったり、過剰な宣伝をしたりする自治体は指定されなくなり、納税者が寄付をしても税優遇は受けられなくなる。

 「申出書」では、返礼割合や地場産品の基準に「適合する返礼品等を提供」という欄にレ点で印を付けるようになっている。宣伝広告の抑制に向けた基準についても「適合して募集を実施」にレ点の欄を設けている。こうした欄は計8項目。ここにチェックすることが指定の条件だと説明会の出席者は受け止めた。

 総務省は4月1日から10日まで、自治体からの指定の申し出を受け付ける。新たな基準で審査し、地方財政審議会(総務相の諮問機関)の意見も聞いた上で、5月中に指定の告示をする。自治体側は申出書の様式に困惑しており、説明会の出席者は「レ点の書式など、これまでに見たことがない」とため息をついた。

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コメント18件
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TS

電子エンジニア

ふるさと納税や外国人労働者の受け入れは、金銭的・人的リソースが足りない地方を救済するための政策ですが、どの地域にどの位足りてないのか、今後どの位不足しそうなのかという総論が無く個別に政策を打つので、木を見て森を見ずになっていると感じます。
何らかの政策を打てば効果も弊害も有るのは当たり前で、トータルで見てさじ加減を調整すればいいのですが、現状を誰も把握出来ていないのでさじ加減も分からないのではないでしょうか。
2019/04/01 17:52:19返信いいね!


たまポン太

居住地の税控除を住民税まで拡大し過ぎたのが税の公平性を壊した。
寄付なら、お礼は寸志程度ではないですか?

2019/04/01 22:57:11返信いいね!


47

泉佐野市がアマゾンギフト券を返礼品に加えるキャンペーンを再開するようだ。
泉佐野市に認可がおりなかった場合、納税者(寄付者)は、ふるさと納税による税金還付が受けられないと思われるが、もしかすると、踏み絵を踏まされるのは、納税者(寄付者)側になるのではないだろうか。
返礼品とギフト券だけで泉佐野市に寄付する人が、税金還付無しで、純粋に差額を寄付として申し込んでいるのか、あるいは、ふるさと納税の税金還付金まで計算して寄付しているのかを見極めるには、泉佐野市にふるさと納税の許可が出なかった場合に明らかになりそうである。
もし、泉佐野市にふるさと納税の許可が出ずに、寄付総額がそれほど減らないのであれば、税金に頼らずに寄付金を集められるという実態が浮き上がるので、それを単純に寄付者の善意ととるのか、税金に対する無知ととらえるのかは微妙な部分がある。しかし、そのような実態が浮かび上がると、追随する自治体も出てくると考えられ、政府の思惑を離れた更なるカオス状態になる可能性はある。
2019/04/02 04:55:08返信いいね!


Latebloomer

ふるさとがアマゾンになる税制度、という川柳があってにやりとした。
奇怪な制度であり泉佐野市などはあきれるしかない。この制度の問題は、二つある。ひとつは税は何のためにあるか。納税先・行政サービス・選挙区が一致してこそ民主主義ではないのか。もうひとつは地方を活性化させなくてはいけないというのは幻想ではないか。トフラーが将来ネットワークの進歩により田舎に住むようになると予想したが実際はサービス産業に移行する中創造的な仕事は都会に集中するようになった。一方中途半端な支援により地方は近代化できずにいる。
あと残念な事だがふるさと納税サイトのCMに出てるタレントが嫌いになったりふるさとの税やっている人を軽蔑するようになった
2019/04/02 11:19:26返信いいね!


けーしー

地方税額までの寄付金控除と言う制度なので寄付は税額までするのが人情で、お得な寄付先が選ばれて、そうでない自治体との差が生まれるのは当然の帰結と言える。差をなくしたければ元通り住所地に納税すれば平等なわけで、寄付先を選べるのは誰の何のための制度なのか改めて疑問に感じる。選んでもらう努力(返礼品の品ぞろえ)を尽くしたら、寄付が集中したがやめろと言われる。これでは反発を買うのは当然だし、集中が解消しても地元産品の乏しい自治体にとっては指をくわえて眺めるしかない。地方産業の活性化、PR効果が一面では確かにあったろうが、選ばれる競争である以上は負け組が生じてしまう負の側面の解消は根本的に難しそうと感じる。
2019/04/02 18:19:23
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/032900204/


 

ふるさと納税返礼品に再び「アマゾン券」 泉佐野市2018年度トップ額か
カテゴリ:国内
2019年4月2日 火曜 午後0:12
大阪・泉佐野市は、3月末で終了していた、ふるさと納税の返礼品にアマゾンのギフト券を上乗せするキャンペーンを4月2日から再開した。

大阪・泉佐野市は、2019年2月と3月限定で、ふるさと納税の返礼品にアマゾンのギフト券を上乗せするキャンペーンを打ち出し、2018年度の寄付金は、全国トップの360億円以上にのぼると予想されている。

国が6月以降、ふるさと納税の対象から泉佐野市などを除外する方針を示唆する中、泉佐野市は再び、2日午前10時すぎから、アマゾンのギフト券のキャンペーンを再開した。

泉佐野市によると、3月31日夜、キャンペーンの終了間際に、ふるさと納税の申し込みが殺到し、寄付できなかった人が相次いだため、再開を決めたという。

国への度重なる対抗策の1つと受け取られかねないことについて、泉佐野市の担当者は「そもそも対抗していない」とコメントしている。

(関西テレビ)
https://www.fnn.jp/posts/00415497CX
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/237.html

[国際25] 隠れたスーパーリッチが住む台湾−本物の富豪は富をひけらかさない 海外資産5000億$中国1兆4000億米7000億に次ぐ
隠れたスーパーリッチが住む台湾−本物の富豪は富をひけらかさない
Frederik Balfour、Chinmei Sung
2019年4月2日 14:37 JST
• サザビーズにとって「台湾市場は極めて重要」−アジア部門会長
• 台北は超富裕層の数の多さで世界8位の都市−ナイトフランク
競売のサザビーズはニューヨークで入札にかける予定のマーク・ロスコの絵画5000万ドル(約56億円)相当をアジアで披露した。アジア拠点を香港に置くサザビーズがニューヨークでのオークション参加を富裕層に促すために選んだ都市は、上海や東京、シンガポールではなく台北だった。
 
  「買い手がいる場所にアート作品を持って行く」と話すサザビーズ・アジアの黄林詩韻(パティ・ウォン)会長によれば、「台湾市場は極めて重要」だ。同会長がホスト役を務めた2日間の台北でのプレビュー展示会には、金融持ち株会社の富邦金控の蔡明興夫妻や電子部品メーカー、国巨(ヤゲオ)の陳泰銘会長ら台湾の資産家が姿を見せた。

台北のランドマーク「台北101」
写真家:Billy HC Kwok / Bloomberg
  今どこよりも速いペースで富豪が誕生しているのは中国だろうが、台湾は1950年代から富を築いてきた。不動産コンサルタント会社ナイトフランクの2019年版ウェルスリポートによると、台北には少なくとも3000万ドルの資産を持つ個人が1519人おり、超富裕層の数の多さで世界8位の都市だ。台北の超富裕層は23年までに1864人に増えると同社は予想している。

マーク・ロスコの「Untitled」(1960年代)
出典:サザビーズ
  UBSグループのリポートは、台湾人が台湾以外で5000億ドルを保有していると分析。こうした海外資産の額は中国の1兆4000億ドルと米国の7000億ドルに次いで世界3位。台湾の起業家は稼いだ資金の多く海外にとどめておく。
  ナイトフランクは台湾のスーパーリッチが平均で1人当たり5.4戸の住宅を保有しているとも指摘。香港の4戸強や中東の4.6戸より多い。建築家ビンセント・カレボー氏が設計した台北中心部にある奇抜な形をした高級デザイナーズマンション「陶朱隠園」は1戸当たり10億台湾ドル(約36億円)で売れたと報じられた。
  UBSの台湾ウェルスマネジメント部門責任者、陳允懋(デニス・チェン)氏は「われわれの顧客の9割余りが非公開企業の起業家だ」と言う。映画「クレイジー・リッチ!」で描かれたような紋切り型のアジア人富豪とは違い、台湾の本当に裕福な一族は富をひけらかすようなことはしない。

「陶朱隠園」
写真家:Billy HC Kwok / Bloomberg
  兄弟で富邦金控を率いる蔡氏は自分たちについて「目立ちたがり屋ではない」と語る。「台湾人は日本人から控えめであることの大切さを学び、中国の伝統的な美徳である謙虚さに価値観を置いている」と述べる。UBSの陳氏も同じ意見だ。「われわれの顧客の大半は決してビジネスクラスを利用しない」と教えてくれた。

台北にある高級ショッピングモール「Bellavita」
Photographer: Billy H.C. Kwok/Bloomberg
原題:Ultra Rich Hide Their Hermes in Asia’s City of Stealth Wealth(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PPBBPZ6JTSE801?srnd=cojp-v2

http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/896.html
[国際25] 米国のAI技術輸出規制、人材集めの障害に サムスンよりユーチューバー、変化する韓国若者の働き方
コラム2019年4月2日 / 11:02 / 2時間前更新

米国のAI技術輸出規制、人材集めの障害に
Gina Chon
3 分で読む

[サンフランシスコ 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国は中国の人工知能(AI)開発を食い止めようと躍起で、AIを含む先進技術の輸出に対する規制強化を計画している。ただ商務省の規制案は、米国内に居住する外国人にこうした技術の利用を認めることも「輸出」に当たると定義している。先進技術に絡むプロジェクトに従事するため一時的に米国に住む外国人についてもライセンスが必要となる可能性があるため、アルファベット(GOOGL.O)傘下のグーグルやアマゾン(AMZN.O)などハイテク企業が海外から人材を集める上で障害になりそうだ。

米政府は中国への技術輸出の制限がAI開発競争で米国の地位を守る手段になり得るとみている。商務省の規制案は先進技術の輸出に当たってライセンスを取得するよう企業に義務付けており、中国など諸外国への技術輸出を事実上、阻止する内容だ。

フェイスブック(FB.O)やクアルコム(QCOM.O)、ボルボなどの企業は、商務省案は有害無益だと主張。クアルコムは、輸出を規制しても、中国など非米国企業が類似技術を開発する能力に「ほとんど、もしくは全く影響を及ぼさない」と訴えている。

商務省の規制案は米国で働くことを望んでいる外国人や、外国人を雇用したい米企業にとっても有害だろう。規制案は外国人にデータや技術を見せたり、渡したりすることも輸出に当たると規定している。

つまり特定の技術分野を手掛ける米企業は、外国人を雇用する場合にライセンスを取得する必要が生じる可能性があるということだ。これはグリーンカード(永住ビザ)を持っていなかったり亡命認定者など他に保護が受けられない外国人に適用される。エンジニアリングやITなどの分野に多い、専門技能職外国人向けH−1Bビザの保有者も新規則の適用対象になりそうだ。

Myvisajobs.comによると、2017年にH−1Bビザの発給を申請した企業上位25社にはIBM(IBM.N)、グーグル、マイクロソフト(MSFT.O)、アマゾン、フェイスブック、アップル(AAPL.O)などが名を連ねている。また米国土安全保障省によると、同ビザを保有する従業員の出身国はインドが断然トップだが中国も2位につけており、2017年の同ビザ申請の約11%を中国が占めている。

ライセンス申請には履歴書や軍歴の提出が必要で、申請を敬遠する企業もあるだろう。グーグルはパブリックコメントの中で、こうした規制が導入されれば有能な米国や非米国の人材が規制のない外国企業に流れ、最終的には米国に悪影響を及ぼすと指摘した。国産技術の保護も行き過ぎれば逆効果だ。

●背景となるニュース

*米商務省は人工知能(AI)やロボティクス、バイオテクノロジーなど先進ハイテク分野の技術輸出に対する規制強化を提案し、パブリックコメントの分析を進めている。監視強化が導入されれば、ライセンスのない場合、政府は中国などへの一部製品の輸出を禁止することが可能になる。

*商務省の規制案は、米国内に居住する外国人に利用を認めることも輸出とみなしている。
https://jp.reuters.com/article/us-tech-idJPKCN1RE04O


 

トップニュース2019年4月2日 / 12:28 / 1時間前更新
焦点:
サムスンよりユーチューバー、変化する韓国若者の働き方
Cynthia Kim
3 分で読む

[ソウル 1日 ロイター] - ユーチューバーになるため、韓国サムスン電子(005930.KS)の研究者という安定した職を2015年に辞職したYoon Chang-hyunさんは、両親に精神科に行けと言われた。

世界最大のスマートフォン・メモリチップメーカーであるサムスンは、新入社員の平均年収の3倍である年収6500万ウォン(約640万円)と医療給付など最高レベルの手当を提供しており、多くの大卒者にとって羨望(せんぼう)の的となっている。

だが当時32歳だったYoonさんは、度重なる夜勤に燃え尽き、会社に幻滅していた。昇進のチャンスも減って、不動産価格の高騰により持ち家にも手が届かなくなっていた。Yoonさんは全てをなげうち、インターネットコンテンツ・プロバイダーとして、先が見えないキャリアを歩むことにした。

失業率が上昇し、いまも多くの人が一族経営の強大な「チェボル(財閥)」への入社を目指す一方で、韓国では安定したホワイトカラーの職を手放すミレニアル世代が増えている。Yoonさんもその1人だ。

一部の若者は、都市部を離れて農業や海外でブルーカラーの仕事を選び、高給なオフィスワークで家族を養い、マンションを購入するという従来の社会的成功には興味がない。

「正気かとたくさんの人に聞かれた」とYoonさん。「でも戻ったら、また辞めるだろう。上司たちは幸せそうに見えなかった。働きすぎで、孤独だった」

Yoonさんは、夢の仕事を追い求める内容のユーチューブチャンネルを開設し、今は貯金で生計を立てている。

サムスン電子はコメントの求めに応じなかった。

サムスンや現代などの財閥は、韓国が朝鮮戦争(1950─53年)の焼け跡からアジア4位の経済大国へと1世代もたたないうちに劇的に躍進する原動力となった。給料が良く、安定した仕事は、多くのベビーブーマー世代が中流階級となる道を開いた。

だが経済成長が鈍化し、コスト削減競争が賃金の重石となる中、トップの大学を卒業してチェボルに就職したミレニアル世代の若者ですら、社会の期待に応えようという意識は薄くなっていると話す。

似たような問題は世界中の若い労働者の間で見られる。しかし、厳しい階層的な企業文化と、均質的なスキルを持つ大卒者の供給過剰により、韓国での問題は一段と深刻になっていると、政府系シンクタンクの韓国職業能力開発院で労働市場を調査するBan Ga-woon氏は指摘する。

経済協力開発機構(OECD)の2012年調査によると、加盟国の中で韓国人の在職期間は最も短く、わずか6.6年。一方、加盟国平均は9.4年、隣国日本の場合は11.5年だった。

また、仕事に満足していると答えた韓国人は55%で、OECD加盟国中で最も低かったことも同調査で明らかとなった。

今年1月、韓国の主なソーシャルメディア・サイトでは、「仕事を辞めること」が新年の誓いトップ10に入った。

<上司に言うな>

中には、会社を辞める方法を学ぶためだけの目的で学校に戻る労働者もいる。

韓国の首都ソウル南部には、教室が3つの小さな「仕事を辞めるための学校」がある。2016年の開校以降、受講者は7000人を超えると、創設者のJang Su-han氏(34)はロイターに語った。

Jang氏自身も、学校を始めるため2015年にサムスンを辞めた。現在は、ユーチューバーになる方法やアイデンティティークライシスを管理する方法、次善の策を引き出す方法を教えるクラスを含む約50のコースを提供している。

「上司には言うな。同僚にばったり出会っても何も言わず、卒業するまで感づかれるな」という学校の規則が入り口に掲げられている。

「アイデンティティー関連のクラスの需要が大きい。われわれの多くはティーンエージャーのころ、塾通いに忙しすぎて何がしたいのか真剣に考えてこなかったためだ」とJang氏は言う。

韓国は2009年以降最悪となる雇用の落ち込みから抜け出せず、若者の失業率は記録的高水準に近づいており、一流財閥での仕事に対する需要は確かに今なお高い。

求人サイト「サラミン」が2月発表した1040人を対象にした調査によると、2019年時点でサムスンは大卒者にとって最も望ましい職場であり続けている。

Slideshow (3 Images)
その一方で、多くの就労者は、韓国の階層的で過酷な会社生活の代名詞と言える長時間労働や強制的な飲み会をますます受け入れなくなっていると、英人材紹介大手ロバート・ウォルターズの現地法人トップのダンカン・ハリソン氏は指摘する。

「これから就労する人の考え方は、過去数世代のそれとは非常に異なる」と同氏は語った。

<ユーチューバー>

韓国政府が小学生を対象に実施した2018年調査では、将来なりたい職業の中に、スポーツ界のスター選手や学校の先生、医者やシェフに次いでユーチューバーが5位に入った。

韓国ではまた、よりシンプルな生活を選ぶ人たちもいる。

都市での生活を捨て、農業に従事するようになった世帯数は2013─17年で24%増加し、計1万2000世帯以上に上る。

また、政府データによると、国内で雇用機会が減少する中、昨年は5800人近くが政府の助成プログラムを使って海外で就職。その数は2013年から3倍超になっている。

支援や新たな仕事が約束されないまま韓国を去る人もいる。

プラントエンジニアのCho Seung-dukさん(37)は昨年12月、妻と2人の子どもと一緒にオーストラリアに向かうため、片道切符を買った。

「韓国で私が得たような仕事に、将来息子たちが就けるとは思わない」とChoさんは言う。移住を決断する前、Choさんは現代建設で働いた後、別の一流建設会社に転職した経歴を持つ。

「ブリスベンでは恐らくオフィスを清掃する仕事に就くことになるだろうが、それでも構わない」とChoさんは語った。

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)
https://jp.reuters.com/article/sk-young-workers-idJPKCN1RE06M
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/898.html

[経世済民131] ビットコインと天然ガス?意外にも思惑一致  サウジ国営石油、純利益12兆円アップル抜き世界最大 SDGsとリターン両立
2019.4.2

ビットコインと天然ガス? 意外にも思惑一致
The Wall Street Journal?


スティーブン・バーバー氏(写真)は昨年、ビットコインのマイニング向けに幅約6メートルのコンテナを設置し、天然ガスを燃料とする発電設備を併設した Photo:Amber Bracken/The Wall Street Journal
 カナダの片田舎にある油田で、貨物コンテナが想像もつかないような副産物を生み出している。仮想通貨ビットコインだ。

 コンテナの中では、人間の目による監視がほぼない環境下で、高性能のコンピューターが新たなビットコインを創造している。必要なのは大量の電力だけだ。

 需要と供給が完璧にマッチしたかのように、このビットコインに電力を提供するのは行き場を失った天然ガスだ。

 天然ガス価格は過去数年に大きく落ち込んだ。あまりの供給過剰で、一部の北米生産業者はガスを燃やすか、お金を支払って誰かに引き取ってもらうしかない状況だ。テキサス州では、天然ガス価格が初めて、ゼロを割り込むところも出ている。こうした中、天然ガスを生産現場で利用できる有効な方法を模索する企業が増えている。

 人口約600人のカナダ・アルバータ州マーウェイン。近くにあるブラック・パール・リソーシズ所有の油井の隣に、そのコンテナはあった。ブラック・パールは足元、原油価格の水準には満足している。だが、原油を採掘するほど、天然ガスも地上に引き出すことになり、これが問題を招いている。

 これだけ辺境な地にあると、別の場所に移動させて販売することは経済的に理にかなわない。かといって、破棄する訳にもいかない。アルバータ州などの地方政府は、生産業者が天然ガスを燃やす、または空気中に排出できる量に上限を定めている。上限に達すると、生産業者は天然ガスが貯まるのを回避するため、油井の閉鎖に追い込まれる恐れがある。

 こうした状況を受けて、ある石油業界出身者はビットコイン起業家に転身した。スティーブン・バーバー氏は昨年、ビットコインのマイニング(採掘)向けに幅およそ6メートルのコンテナを設置し、天然ガスを燃料とする発電設備を併設。石油会社のコスト削減を手助けするコンサルタントを務める。

 バーバー氏はエネルギーが浪費されていること自体は知っていたが、「ビットコインのマイニングと、ネットを通じてエネルギーを金に換えられることを目にして、信じられないと思った」と話す。バーバー氏は数年前まで、石油会社で機械エンジニアとして働いていた。

 ブラック・パールで、生産現場責任者を務めるライアン・ワートマン氏は、バーバー氏が所有するコンテナ内のビットコインマイニング向けに、日量400立方メートルの天然ガスを供給している。「こうすることで、空気中に排出する天然ガスの量を政府規定の上限内に収めることが可能になり、石油生産を継続できる。われわれにとっては最善の選択肢だ」と話す。

 ビットコインのマイニングには、かなりの電力を必要とするため、風が強く吹き渡る中国北西部など、電気代が安い、田舎の寒冷地で行われることが多い。ビットコイン価格が2017年に急騰すると、北米でもマイニングが活発になる。

 だが、その後のビットコイン急落で、電気代を抑えることが、マイニング業者にとって、さらに急務となった。

 ビットコインのマイニングなど向けにデータセンターを運営するライトスピード・ホスティングは、オハイオ州アクロンに新たな設備を建設している。同社のジョシュア・ホルムズ最高経営責任者(CEO)は、電気代節約に向けて発電施設を建設し、アパラチア地方からの安い天然ガスを燃料にする計画だ。アパラチアでも、生産業者が対処に窮するほど、天然ガスが余っている。


廃棄されていたかもしれない天然ガスはコンテナ内のビットコインマイニング向けに供給されている Photo:Amber Bracken/The Wall Street Journal
 同社は今年、エネルギー費用をさらに引き下げるため、マイニング機械の一部を鉱油に浸して冷却することにも着手した。

 前出のバーバー氏のコンテナよりコストを下げることは難しい。同氏は「事業運営コストは最も低いと分かっていたが、資本コストという別の問題はある」と指摘する。

 大量の電力消費に対応できるコンテナを購入・設置するのに、通常は4万5000 ?13万ドル(約500万?1440万円)がかかる。これにさらにマイニング機器を設置する必要がある。

 これだけの資金を投じる価値はないとの見方もある。

 デイブ・ペリル氏は、テキサス州パーミアン盆地の天然ガス生産業者や土地所有者から提携を持ちかけられたが、「採算が取れない」として断ったと話す。ペリル氏はサウスダコタやテキサス州にあるデータセンター内のビットコインのマイニング向けに電力を供給している。パーミアン盆地では、インフラ費用のため、天然ガス価格が初めてマイナス圏に落ち込んだ。

 ビットコイン価格は足元4000ドル近辺と、2017年終盤につけた最高値の1万9000ドル余りから大きく値下がりしている。ペリル氏は現在のマイニングの難易度を踏まえると、パーミアン盆地からの余剰天然ガスを引き取ることを検討するには、ビットコイン価格が5000ドルを超える必要があると指摘する。

 採算分岐点はさらに高いとの指摘もある。サンドフォード・C・バーンスタインのアナリスト、ジャン・アン・ソールズベリー氏は昨年、ただで天然ガスを調達できても、利益を確保するには、向こう15年のビットコインの平均価格が1万8788ドルである必要があると試算した。これは発電施設の初期コスト70万ドル、年間の事業運営コスト10万ドルに加え、マイニングが時間とともに難しさを増すとの前提に基づいている。

 バーバー氏は今のところ、アルバータ州で作り出したビットコインの保有を続けており、運営コストに充てる必要があるときにのみ、売却しているという。

(The Wall Street Journal/ Stephanie Yang)
https://diamond.jp/articles/-/198567?page=3


 

サウジ国営石油、純利益12兆円 18年、米アップル抜き世界最大
経済

 サウジアラビア東部ラスタヌラのサウジ・アラムコの製油所=2018年5月(ロイター=共同)

 【ロンドン共同】欧米メディアは1日、サウジアラビアの国営石油会社サウジ・アラムコの純利益が2018年に1110億ドル(約12兆4千億円)となり、米アップルや米エクソンモービルを上回って世界最大だったと報じた。

 サウジ政府はいったん中止したアラムコの新規株式公開(IPO)も視野に入れている。巨額の利益は投資家を引き付けそうだ。

 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはアラムコの長期発行体格付けを公表し、上から5番目となる「A1」とした。見通しは「安定的」とした。アラムコの格付けを発表するのは初めてという。
(2019年04月02日 09時01分 更新)
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https://www.sanyonews.jp/article/885787

サウジアラムコ、世界最大の利益企業に 18年は純利益12兆円
2019/4/2 9:03
【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは1日、初めて詳細な業績を発表し、2018年の純利益が1111億ドル(約12兆4000億円)に達したと明らかにした。上場企業として世界最大であるアップルの約600億ドルを大きく上回り、米石油メジャー、エクソンモービルの5倍以上に相当する。

アラムコは初の債券発行を控え、投資家向けに業績を公表した。18年の税引き前収入は2000億ドルを超す。起債により約100億ドルを調達し、国営の石油化学大手、サウジ基礎産業公社(SABIC)の株式を政府系ファンドから買い取る資金に充てる。買収に必要な額は約690億ドル。

米格付け会社ムーディーズは1日、アラムコの格付けを「A1」とし、「トリプルA」のエクソンモービルと差を付けた。ムーディーズは「アラムコは生産規模の大きさや豊富な化石燃料資源などトリプルAに値する性質を多く持つ」と指摘する一方、「政府との密接なつながり」が評価を下げたと説明した。

サウジの実力者であるムハンマド皇太子はアラムコの企業価値について2兆ドルを上回ると指摘している。市場ではサウジ側のアラムコ評価が過大だとの見方も出ている。

皇太子はサウジ改革の目玉としてアラムコの内外市場での新規株式公開(IPO)を準備していたが、事実上の棚上げに追い込まれたもよう。評価をめぐる市場とのギャップもIPOが難航する理由の一つとみられる。昨年10月にサウジ人著名記者の殺害事件が起き、ニューヨークやロンドンでのIPOは当面難しいとの見方が大勢だ。

アラムコの18年の原油生産量は日量1030万バレル。サウジは石油輸出国機構(OPEC)の盟主として、ロシアなどOPEC非加盟の主要産油国との協調減産を主導しており、持続可能な最大生産能力の1200万バレルを下回っている。

生産量の38%はアラムコの下流ビジネス部門が消費した。アラムコはSABIC買収とは別に、本体としても下流部門への戦略的な投資を進めており、総合的な石油化学会社への脱皮を急いでいる。

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ビジネス2019年4月2日 / 14:32 / 4時間前更新
インタビュー:
SDGsとリターンが両立する運用必要=池谷・信託協会長
Reuters Staff
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[東京 2日 ロイター] - 信託協会の池谷幹男会長(三菱UFJ信託銀行社長)は、ロイターとのインタビューで、SDGs(持続可能な開発目標)と投資リターンを両立させる運用の仕組みが必要との考えを示した。

運用ビジネスでは、持続可能な社会を投資を通じて作り上げる動きが活発になっているが、池谷会長は、企業のSDGsの取り組みと投資リターンが両立するケースは必ずしも多いわけではないとして、「リターンとSDGsとをどのように両立させるのかが課題になっている。運用者の責任として、きちんとリターンを上げる仕組みを作り上げていくことが大事だ」と述べた。

また、今後の日本の運用ビジネスでは国際分散投資の能力を身に付けることが重要との認識を示した。

池谷氏は、4月2日に会長に就任した。

主なやり取りは以下の通り。

――日銀のマイナス金利の副作用についてどのように受け止めているか。

「信託銀行という顧客財産を運用する立場としては非常に厳しい状況だ。日本の公社債市場の動向を表す代表的な指数の年度のリターンも、かろうじてプラスの水準に留まっている。一方で、企業も予定利率を引き下げ、その分掛け金を積む努力をしてきているが、それでも予定利率は2%程度と高水準で退職給付債務にも影響している」

「かつては金利をベースに株式やオルタナティブなどのリスク資産を加えることで、全体のリターンを引き上げるのが運用の大原則だった。今ではそうした教科書的な運用でリターンを得ることは難しい。確定拠出年金を選ぶ人が増えているものの、確定給付年金において、会社が老後の年金支給をしっかり担うということに対する従業員の安心感は引き続き根強く残っている。運用面で厳しい局面が続いている」

――伝統的な運用が厳しくなる中で、どのような運用努力をしているのか。

「日本の運用ビジネスは遅れているという指摘もあるが、現在の金融環境で、この10年程度は、分散投資など相関性の低さを追求してリターンの源泉を求める努力を相当に積み重ねている。国内にはなかなか見当たらないので、海外のプロダクトに対する取り組みも進めてきた。不動産やインフラ、プライベート・エクイティ、保険など相当に商品プロダクトの組み合わせのバリエーションは増加している。イノベーションの工夫を続けている」

――金融庁も日本の資産運用ビジネスの高度化を求めているが何が必要か。

「ファンド・マネジャーやアナリストの運用能力の向上に尽きる。そのためにどのようなアプローチがいいのか各社考えている。大手金融グループに中には、運用機能を1つに集めて一元化の取り組みをしているところもあるし、一方でわれわれは豪州の資産運用会社を買収した。この買収により、グローバルな運用プラットフォームの基礎を作ろうとしている」

「国内は今後、円債で4―5%を稼げるような時代は来ないだろう。グローバルに分散投資をするしかない。グローバルなプロダクトを自分でコーディネイトし、判断できる能力が必要だ。1800兆円の個人金融資産が本格的に資産形成に向かう際に、国際分散投資は不可欠だ」

――日本の運用会社がグローバルな運用できるのか。

「今、日本の運用会社が募集している投信商品を見ても、表面をペロッと1枚はがすと裏側は外資系運用会社の商品であることがほとんどだ。こんなことをずっと続けるのか。日本の国富である1800兆円は、われわれがしっかりと運用責任をもたなければならない。そのために自らで分散投資する能力を身に着ける必要がある」

――スチュワードシップ活動の課題は何か。

「単に財務に関する中長期的なストーリに関してのみの企業とのやり取りだけではなくて、広い意味でのSDGs(持続可能な開発目標)がテーマになっている。われわれは2006年に国連の責任投資原則に署名し、これまでにSRI(社会的責任投資)ファンドも作った。その中で、投資リターンとSDGsとをどのように両立させるのかが課題になっている。運用者の責任として、きちんとリターンを上げる仕組みを作り上げていくことが大事だ。受益者責任を負っており、そのリターンに対しての責任を持っているので、(年金基金など)スポンサーに対する明確な説明が問われる」

「エンゲージメント(企業との対話)の課題としては、今後、ESGなどの非財務情報に関する対話を、運用会社としてどのように評価するのかが問われる。ESGの取り組みデータをリターンに結び付けて、どのような傾向があるのかを探っていく。そういう意味で今後は、エンゲージメントの位置付けがますます重要になるだろう」

布施太郎 編集:石田仁志
https://jp.reuters.com/article/interview-trust-companies-asociation-idJPKCN1RE0BZ?il=0
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/774.html

[経世済民131] 豪政府、減税や医療・教育支出増額を発表 総選挙控え トルコ大統領、間違った経済政策猛進 中国国家主席、欧州懸念緩和できず
ワールド2019年4月2日 / 19:48 / 30分前更新
豪政府、減税や医療・教育支出増額を発表 総選挙控え
Reuters Staff
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[キャンベラ 2日 ロイター] - 豪政府は2日、総選挙を控え、中・低所得層向けの減税を盛り込んだ予算案を発表した。医療・教育への大型支出も明らかにした。財政収支は過去10年あまりで初めて黒字となる見通し。[nL3N21K27C] 同国では5月中旬までに総選挙が実施される予定。

フライデンバーグ財務相は、今後10年で主に中所得層向けに総額1580億豪ドル(1120億米ドル)の減税を実施すると表明。昨年も1440億豪ドル規模の減税を実施している。

予算案発表後の豪ドルの値動きは限定的だった。

小規模事業者向けの減税も加速する。

医療支出は2022/23年度に過去最高の895億豪ドルに達する可能性がある。これは19/20年度の支出を10%近く上回る水準。

インフラにも今後10年で1000億豪ドルを投じる。渋滞緩和や交通網の改善に充てる。すでに発表済みのプロジェクトが多い。

地方のインフラ支出は約30%増える見通し。45億豪ドルを地方の道路建設に充てる。

年金生活者へのエネルギー料金の還付も行う。

温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」を順守するため、排出ガスの削減に向け35億ドル規模の対策も発表した。
https://jp.reuters.com/article/impossiblewhopper-idJPKCN1RE0HT?il=0


 

 
コラム2019年4月2日 / 12:52 / 22分前更新
地方選苦戦のトルコ大統領、間違った経済政策に猛進か トルコリラ急落、政府の市場締め付け策は逆効果か
Dasha Afanasieva
2 分で読む

[ロンドン 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 31日実施のトルコ統一地方選でエルドアン大統領率いる国政与党、公正発展党(AKP)が苦戦したことにより、大統領はますます間違った経済政策へと突き進みそうだ。投資家が望むような長期的かつ抜本的な改革ではなく、短期的な応急処置を選ぶ可能性が一段と高まっている。

トルコ経済は昨年末にかけて2四半期連続のマイナス成長となり、インフレ率は昨年のピークに比べれば5%ポイント以上下がったとはいえ、なお20%近い。家計は物価高と苦闘し、中央銀行がインフレ抑制と信任回復のために実施した利上げにより、企業も悲鳴を挙げている。

経済に対する大衆の不満が、野党への支持拡大に結び付いたようだ。

外国人投資家もまた、現在の経済政策に不満を抱いている。投資家が望むのは、トルコ政府が民間セクターの投資を後押しし、財政赤字を抑え、中央銀行に自由に仕事をさせること。エルドアン大統領は31日、自由市場を犠牲にせず経済政策を進める決意を示した。しかしエルドアン氏の言葉と行動はこれまで、時としてかい離を見せてきた。

トルコ当局は通貨リラ下落の根本原因に切り込むのではなく、空売りを抑制する対処療法を選んでいる。一部のアナリストはこれを、資本統制のマイルド版だと見ている。一方、銀行監督当局は銀行による調査活動を抑圧。エルドアン氏は29日、金融政策を緩和しなければ高インフレが続くとの持論を展開し、改めて中銀に利下げを要請した。これによってリラは改めて下落圧力にさらされるだろう。

従って、中銀は窮地に陥っている。格付け会社ムーディーズは1日、トルコの外貨準備の減少は信用格付けにとってネガティブだと指摘。中銀が外貨準備を使ってリラを買い支えたことは、中銀の透明性と独立性への疑問を提起したとの見解も示した。しかし利上げは政治的に難しい上、既に低迷している経済を圧迫するだろう。

エルドアン氏は政治目的で急場しのぎの政策を選び、市場の不評を買った過去がある。歴史は繰り返そうとしているのかもしれない。

●背景となるニュース

*31日実施のトルコ統一地方選は、エルドアン大統領が率いる国政与党の公正発展党(AKP)が首都アンカラの市長選で、2001年の結党以来初めて敗北を喫した。最大都市イスタンブールの市長選も劣性。

*ムーディーズは1日、トルコ中銀が外貨準備を使ってリラを買い支えたことは、中銀の透明性と独立性への疑問を提起したと指摘した。


https://jp.reuters.com/article/turkey-politics-idJPKCN1RE05C


コラム2019年3月28日 / 16:16 / 5日前
コラム:トルコリラ急落、政府の市場締め付け策は逆効果か
Swaha Pattanaik
2 分で読む

[ロンドン 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トルコのエルドアン大統領は、市場との戦争全体を制するのではなく、局部的な戦闘で勝ちを拾う道を選んだ。具体的には通貨リラの投機売りを困難にする措置を講じ、規制当局が金融機関の調査リポートへの締め付けを開始した。

前者は一時的にリラを支えるだろうが、後者によって金融機関は重要なリポートの発行をためらうかもしれない。ただどちらの手段も、最終的には有効に作用しない。

22日にリラが対ドルで4%強安と、昨年の通貨危機以来の下落率を記録すると、トルコ政府は迅速に反応した。国内銀行は海外の主要市場でリラの流動性をそのまま保持するよう命令されており、少なくとも31日の地方選が終わるまでそうした状態を続けなければならない、と複数の関係者が27日ロイターに語った。一方、銀行監督と証券市場規制をそれぞれ担当する当局は、JPモルガン(JPM.N)の公表したリポートがイスタンブール証券取引所の投機を引き起こしたとの申し立てを受け、調査に乗り出している。

リラの流動性に縛りをかけたことで、ロンドンの翌日物スワップ金利は27日に700%まで跳ね上がり、リラ安に賭ける取引が事実上封じ込まれている。このためスポット市場でリラの対ドル相場は22日の安値から7%上昇した。

もっともこの縛りは投資家にとってリラ建て資産のヘッジコストも大幅に増大したことを意味しており、今後彼らが保有資産処分に動くかもしれない。既に年初来で9%近く下落している主要株価のBIST100指数には一段と下げ圧力がかかってしまう。

当局が好ましくないとみなす見解を記したリポートを発行する金融機関への調査も、逆効果になるのではないか。多くの銀行はこれまでにトルコについてメディアに意見を述べるのを自粛している。その上、顧客への発信がもっと少なくなり、トルコや同国企業に関して特に専門家による調査リポートを発行するのをためらうだろう。

こうした事態は、マクロ経済を巡る見解が必要な人々にはそれほど重大ではない。なぜなら物価上昇率や政府予算、経常収支などは公開されているからだ。ところが海外を拠点にしてトルコの社債や株式に投資する向きは、現在地元アナリストから得ている詳しい知識を入手するのは難しくなるかもしれない。

無視されるというのは市場においては喜ばしいとは言い難い。だからエルドアン氏による締め付けは、結局はより多くの資金をトルコ国外に追いやるのではないだろうか。

●背景となるニュース

・トルコ政府は少なくとも31日の地方選が終わるまで、銀行に海外主要市場のリラ流動性の現状維持を命じ続ける、と3人の関係者が27日ロイターに語った。

・リラの信頼を高めることを狙ったこの措置で、ロンドンの翌日物スワップ金利は700%と過去最高水準まで上がり、外国人投資家がリラ安に賭ける取引をしたり、リラ建て資産のヘッジをするハードルがとてつもなく高くなった。

・トルコの銀行監督当局は23日、JPモルガンなどに対する調査を始めたと発表した。リラと主要株価指数の急落後に、これらの金融機関のリポートを問題視する苦情が寄せられたためだ。証券規制当局もJPモルガンのリポートが「誤解を招き」、イスタンブール証券取引所の投機を生み出したとの申し立てを受け、調査に乗り出した。
https://jp.reuters.com/article/bv-column-turkey-idJPKCN1R90KV


 


中国国家主席、欧州の懸念緩和できず−ユンケル氏がまた対中批判
Alexander Weber
2019年4月2日 9:30 JST
中国は欧州市場に自由なアクセス、われわれにはない−欧州委員長
対中批判強める欧州−中国は経済の競争相手、システム上のライバル
欧州連合(EU)欧州委員会のユンケル委員長は1日、中国の通商慣行をあらためて批判した。中国の習近平国家主席は先週、訪問先のパリで欧州の懸念緩和に努めたばかりだった。

  ユンケル委員長はドイツのザールラント州議会で、先月26日に行われたメルケル独首相とフランスのマクロン大統領を交えた会談で、「中国企業には欧州市場への自由なアクセスがあるが、われわれには中国市場へのアクセスがなく、このような状況を続けることはできない」と中国側に説明したと述べた。

EU Leaders Summit With Danger Of No-Deal Brexit Increasing
ユンケル欧州委員長Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg
  同委員長は中国による欧州への投資で外交政策を巡りEU内で足並みをそろえるのが難しくなっているとも指摘。「ある国では中国の投資家が港湾の一角に関与しているため、中国の人権政策を批判できずにいる」と話した。

  欧州は最近になって対中批判を強めている。中国をパートナーであると同時に経済の競争相手であり、ガバナンスに関する「システム上のライバル」と位置付けた。中国の影響力拡大や第5世代(5G)データネットワークへのハッキングの可能性などを巡り懸念が広がっている。

Russia's President Putin Attends The Eastern Economic Forum
中国の習近平国家主席Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg
  EU内では中国の広域経済圏構想「一帯一路」に関して意見が分かれており、一部は国家主権への脅威とみている。そうした中でイタリア政府は先月、一帯一路に関する覚書に署名した。

  ユンケル委員長は「条件が適正である限り」、一帯一路には反対しないと言明。欧州企業が一帯一路から恩恵を受けることができ、「建設現場に中国人作業員だけでなく、欧州の労働者も参加して初めて実行可能になる」と述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PPB43C6S972A01?srnd=cojp-v2
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/775.html

[社会問題10] 大手“下層”社員の就活生暴行事件に感じる薄ら寒さ 河合 薫 健康社会学者(Ph.D.) 2019年4月2日 39 96
大手“下層”社員の就活生暴行事件に感じる薄ら寒さ

河合 薫
健康社会学者(Ph.D.)
2019年4月2日
39 96%

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世の中の不透明感に伴い、就活生の間では大企業志向がさらに強まっている(写真=shutterstock)
 3〜4年くらい前だろうか。その“予兆”は、既にあった。

 大学で講義を終えたあと、数名の女性の学生たちに、「先生、OB訪問ってやっぱりした方がいいんでしょうか?」と相談を持ちかけられたのである。

 当時は、エントリーシートの普及で一時激減していたOB・OG訪問がにわかに復活。企業側から大学にOB・OGが送られてくるなど、学生が直接話を聞く機会もわずかながら増えていた時期だった。

 なので私は、「行った方がいいよ。実際に会社に行って、そこで働いている人たちの雰囲気を肌で感じることもできるし」と即答。

 すると彼女たちは戸惑った表情で、「会社に行っていいんですか? OB訪問って外で会うものだと思ってた」と返したのである。

(以下、当時のやりとり)

「外で会うって……、OBって女性ってこと?」(河合)
「いいえ、男の先輩です」(学生)
「へ? なんで会社じゃないの?」(河合)
「会社じゃ言えないこともあるから、外でお茶したり、ご飯食べたりするんです」(学生)
「先輩からもその方が、会社の実態が分かるからいいよ、ってアドバイスされてます」(学生)

「う〜む……二人っきりで会うの?」(河合)
「はい」(学生)
「でも、向こうは就業時間中なのよね?」(河合)
「土日とか……」(学生)
「仕事が終わってからとか……」(学生)

「いやぁ〜、そんなのありえない。会社の中でだって、女性社員と二人で話すときは、外から室内をうかがえる窓付きの部屋にしないとダメなご時世なんだから、『会社見学もさせていただきたいので、会社に伺わせていただいていいですか?』って聞いてごらん」(河合)

といったやりとりをしていたのである。

 その“OB訪問”で、ついに逮捕者が出たのは、みなさんご承知のとおりだ。

 警視庁は2月18日、ゼネコン大手の大林組に勤める27歳の男性社員を、OB訪問に来た女子大学生にわいせつ行為をした疑いで逮捕。男性社員はパソコンを見ながら面接指導をすると言って、学生を自宅マンションに誘いこんだとされている(東京地検は3月16日までに、不起訴処分とした。理由は明らかにされていない)。

 また、3月26日には、就職活動でOB訪問に訪れた女子大学生を居酒屋で泥酔させ、女子大生の宿泊先のホテルでわいせつな行為をした疑いで住友商事元社員の24歳の男性を逮捕。事件があったのは3月1日夜から2日未明にかけてで、被害者から住友商事側に被害の連絡があったため、6日に懲戒解雇されている。

次ページきっかけはマッチングアプリ

きっかけはマッチングアプリ
 報道によれば、どちらも、就活中の大学生とOBやOGをつなぐスマートフォンのマッチングアプリで知り合ったそうだ。

 マッチングアプリは2017年ごろから急速に普及したもので、大手転職支援会社が自ら運営するものや、アプリ運営会社が就職情報会社との業務提携の下で提供しているものなどがある。やり方は実に簡単で、訪問を受ける側の社会人が登録すると自分の会社名や出身校が表示され、就活生がアクセス。条件が合えば個別にメッセージのやりとりが可能になる仕組みだ。利用料はなし。すべて無料だ。

 登録している社会人のほとんどは企業側が公認しているユーザーだが、一部、“非公認”のボランティアユーザーと呼ばれる社会人も含まれている。大林組の事件以降、ボランティアユーザーを中止したり、面談のガイドラインを作成したりと運営側も対応に追われているようだ。

 青春時代を“完全アナログ”で育った私の感覚では、たとえOB・OGといえどもアプリ上の情報だけで見ず知らずの先輩といきなり「会う」など到底理解できない。が、“完全デジタル”で育った若い世代にそんなわだかまりは一切ない。

 中には「セクハラっぽいことを書いてきたから、ヤバイと思ってアクセスするのをやめた」という学生や、「アプリは怖いと聞いたことがある」と敬遠する学生もいるが、ブラック企業を過剰なまでに恐れる学生たちにとって、気軽にOB・OGとコンタクトでき、本音を聞き出すチャンスを得られるアプリはどちらかといえばメリットが大きいツールなのだ。

 念のため断っておくと私はOB・OG訪問は賛成だし、自分が求める条件に合ったOB・OGとコンタクトを取れるアプリを利用すること自体は、悪いとは思っていない。

 しかし、これだけSNSを通じたトラブルが頻発するご時世であれば、もっと慎重な運営をして然るべきだったのではないか。「あとは本人同士でひとつよろしく!」「あとは企業さんの方でひとつよろしく!」的な“甘さ”が多分にあったように思えてならない。

 それ以前に、企業側は「自分の会社の社員が、その身分を利用して、“就活”をダシに学生と社外で会うこと」をどう考えているのだろう。

 大林組は逮捕が報じられてから約2週間後の3月6日に、「OB・OG訪問の際の当社社員の対応について」「リクルート活動における行動規範について」と題された文書をHP上に公表しているが、事件の詳細に関しては何も書かれていない。

 住友商事では事件後、リリース「当社元社員の逮捕について」を通じて謝罪したが、同社がくだんのマッチングサイトを運営する企業と提携し、約350人の社員が登録していた事実には一切触れていない(関連リリース「住友商事の社員 約350名が登録」)。

次ページ下っ端にも広がる「何をやっても許される」感
下っ端にも広がる「何をやっても許される」感
 いずれにせよ、私は今回の事件にとてつもない憤りを覚えている。

 就職希望先の社員と学生という圧倒的に差がある力関係の中で性的な関係を強要するなど、まったくもって言語道断。会社側は「未来の自分たちの仲間」かもしれない学生を、もっとしっかり守る必要があるのではないか。

 今回の2つのケースがそうだったように、20代のひよっこ会社員がまるで「会社の採用担当者」のように振る舞い、「内定」という“人参”をちらつかせながら、会社の目の届かないところで学生たちと「個人的」に会うような行為を放置している事態は、まさに異常としか言いようがない。

 SNS上では、女子学生の“わきの甘さ”を批判する声もあったけれど、それは全くのお門違いだと思う。

 就職という大きな人生の節目で、学生たちはみな「ちょっとでもいい会社に入りたい」と必死だ。もちろん今の就活のあり方や、安定志向=大企業志向の高まりには、私自身異論はある。しかし、今回の事件はどう考えても悪いのは男性社員であって、女子学生ではない。

 学生たちの必死さを悪用し、「大企業の会社員」という身分を利用し、卑劣な行為に及んだ側の問題であり、犯行である。

 今回逮捕された男性社員たちは、企業名も出さず、個人の名前だけで、同じような卑劣な性的行為を女子学生に強要できただろうか? 自分が属する企業の社会的地位を、自分の価値と混同した末の悪事であることは紛れもない事実だろう。

 いつの時代も、そういうモラルなき横暴な振る舞いをするのは、決まって社会的地位の高い輩である。

 以前、米国のウーバーテクノロジーズで、215件ものセクハラやパワハラが疑われ、20人超が解雇されるという前代未聞の事件があった(関連記事:日本経済新聞「ウーバー、改革へ女性幹部スカウト セクハラ20人超解雇」)。当時のCEOトラビス・カラニック氏は「Aチーム」と呼ばれるハイパフォーマー軍団を側近にし、社長がお墨付きを与えたハイパフォーマーの横暴には人事部も手を出せず、黙認するしかなかったと報じられた。

 私がいた“業界”にもそういう人たちはいたけれど、大抵それは、そこそこの役職に就く、組織階層の上階の輩だった。

 そんないわゆる“特権階級”による「何をやっても許される」という“超勝ち組的トンデモ発想”が、大企業とはいえ、まだ20代の、組織内ではまだまだ下層の会社員にまで広がっているリアルを突きつけられ、私は薄ら寒い感覚に陥っているのである。

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氷山の一角?
 それに……、今回の逮捕は「ついに出た」とするのが正確な表現であり、“超勝ち組のOB”による学生への悪質なセクハラはかなり前から問題視されていた。そこでの「セクハラ」には自らの優位性を背景にした傲慢な視線があり、ちょっとわきが甘い、コミュニケーション下手の男性が、さしたる自覚もなくついうっかりやってしまう類のものとは大きく異なる(それはそれで許されない行為ではあるけれど)。

 「エントリーシートを添削してあげる」だの、「面接のやり方を教えてあげる」だのと、LINEなどで個別に連絡を取り、学生を夜間に飲食店などに呼び出し、付き合わせる。「人気の大手企業の内定取りたきゃ、セクハラも我慢しなきゃならない」といった馬鹿げた噂まで、学生の間で出るほどだった。

 つまり、あれだ。マッチングアプリの普及で“超勝ち組のOB”による悪質なセクハラがお手軽に行われるようになってしまったわけで、私が思うに、氷山の一角が明るみに出ただけ。誰にも相談できず泣き寝入りしている学生も少なくないのではないか。

 「“一線”を越えそうなら、きっぱりと断ればいい」と批判する人もいるかもしれないけど、それって、そんな簡単なことではない。私のような“ジャジャ馬”でさえ、若い時分、電車の中で痴漢に遭った際には怖くて声を上げることができなかった。

 理屈じゃない。「オトナ」という別世界の存在に、自分がターゲットにされることへの恐怖心。身体が金縛りにでもあったように身動きできなかった罪悪感。そんないくつもの怖さ、恥ずかしさ、悔しさから、自己嫌悪に陥り、行動不能に至り、ただただ我慢するしかなくなってしまうのである。

 今となってはそんなウブな時代があったなんて……信じられないけど。

 しかし、いったいなぜ、これほどまでに「何をやっても許される」と勘違いする大バカな若者が増えてしまったのか?

 私は、世の中の不透明感に伴って強まっている、“大手病”とも呼ばれる学生たちの大企業志向が大きく影響していると考えている。勝ち組の椅子取り競争が年々激化する一方で、椅子を得た若造が勘違いし、結果的に“オレ様エリート”が増殖する……。

 就職情報大手のマイナビが、2019年春卒業予定の大学生らに行ったアンケート調査では、「大手企業に就職したい」という回答が54.5%と前年調査より1.7ポイント上昇。特に、その傾向は男性に多く、「絶対に大手」と答えた男子の割合は文系、理系ともに女子の2倍近かった。その一方で、リクルートワークス研究所の調査によると、従業員数が5000人以上の企業の求人倍率は0.37倍と、狭き門だ(関連記事:日本経済新聞「『大手・安定志向』鮮明に、就活生意識調査 マイナビ」)。

 希望していた中小企業に内定をもらっていた学生が、大企業に決まった友人に触発され改めて大手を目指した結果、「自分は何がしたくて、何を求めているのか……何が何だか分からなくなってしまった」と嘆いていたことがある。学生たちの中では、おそらく私たち“オトナ”が想像する以上に、「大企業に就職する」というだけで、自分と他者を隔てる特別感が作られているのである。

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「会社の廊下でも、外の道路でも、真ん中を歩け!」
 それに拍車をかけるのが、“上”の超特権階級の会社員である。

 ある大企業に就職した学生が、研修会で「キミたちはえりすぐりのエリートだということを忘れないでほしい」と言われたと話してくれたことがある。「会社の廊下でも、外の道路でも、真ん中を歩け!」と。

 話を聞いたときは失笑してしまったけど、要は「キミたちは最上級の階層に属する人間である」と言いたかったらしい。

 っていうか、会社の廊下はまだしも、道路の真ん中歩いたら、車にひかれてしまうと思うのだが……。まぁ、そんなツッコミはこの際、脇に置いておこう。端的に言えば、会社のトップが自分の会社の新入社員に、「自分より“下”の属性をバカにしていい」とお墨付きを与えているのに等しい。

 会社の知名度や規模、収入や役職、社会的地位などの“外的な力”は、人の生きる力を強め、満足感を高めるリソースであり、それ自体は何ら悪いものではない。問題は、外的な力を過信、偏重するあまり、内的な力を高めるのをおろそかにしてしまうこと。

 本来であれば、絶好調なときほど、自分が恵まれた環境にいるときほど、誠実さや勇気、謙虚さや忍耐といった“内的な力”、いわば人格の土台に磨きをかける姿勢を大切にしなきゃいけない。

 ところが、若いときから自分の給料では入れないような店を接待で使ったり、会社の名刺なしには会えない大物と接したり、下請け会社の年上の人から頭を下げられれば、外的な力を背景に、他者を軽んじるようになってしまう。そして、会社組織自体が、そうした姿勢をいさめ、修正する機能を果たせなければ、今回のような事件が起きても何らおかしくない。

 組織の目の届かないところで、圧倒的に弱い立場にある学生たちと社員が「個人的」に会うような行為を容認し、放置していたことを、今回問題になった企業はどう考えているのか? そもそも、弱い立場にある人間への配慮が、根本的に欠けている。

 今回の事件は男性社員によるものだが、これが女性会社員によるものだったとしても、当然、私の見解は全く変わらない。ここでしているのは、「男女」の話ではなく、立場の「上下」の話なのだから。

のんのん

パート

長男難関大と呼ばれる某国立大文系卒、希望企業ではなく、第二希望の同業種入社8カ月で、希望企業の子会社に社員でと誘われその気になり、転職。実際は契約社員採用で、週2日しか帰宅出来無い様な、ブラックな仕事のさせられ方をして、1年後鬱状態で退職…どっかの女性の様に鬱自殺しないだけ良かったと思うしかありません。中途半端な地元でのブランド高校卒のため見栄から地元就職もできず、馬鹿だなぁと思う親心。 それを見ていた偏差値50の私大卒次男は、堅実を目指しつつ、就職浪人中。 地方都市出身者の文系就職勝ち組とは、ブラックなサービス残業市役所と聞き困惑する日々です。
2019/04/02 17:05:01返信いいね!


aya

OBOG訪問で会えるレベルが採用に関してポジティブな影響力をもっていることは考えにくいが、ネガティブな影響力は容易に発揮できるし、そのように思わせることができるだけでも十分に立場は強い。

2019/04/02 17:06:10返信いいね!


あんころしゅうくりーむ

万年現場人

このような就活アプリで社員と男女個人的に会うことができるなんて知りませんでした。河合様の感覚に全面的に同意します。犯罪を犯した社員が悪いのに決まっていますが、会社はこのような手段で学生と個人的に会っていることが分かっていたのでしょうか?どちらにしても犯罪者を会社は抱える訳にはいかないでしょう。人として守るべき常識とも思える事を企業は社員に折をみて教育や指導する時代になっていると痛感します。企業コンプライアンス遵守と深くつながるはずです。
2019/04/02 17:29:22返信いいね!


shin

スマホの普及で知らない人と会う機会が増えたのもあるし、こういう事件が話題にされ易くなったというのもあると思いますが、昔はもっとあったんじゃないかと思います。
こういう人は、たまたま捕まらなかっただけで、きっと合コンでもそういうことしてたのでは?
2019/04/02 17:43:22返信いいね!


たまポン太

バイトテロがあると、TVで何度も何度も二次利用まで含めしゃぶり尽くす。このバイトテロとどこが違うのでしょうか?会社の威を借り、日報にかけない仕出かしをしたら企業から損害賠償で。懲戒免職どころじゃない。

2019/04/02 17:48:412返信いいね!


Take.Haya

バイトテロと同じ、と指摘されていた方がありましたが、その通りと思います。このような犯罪行為を行なってしまう人は、想像力が無いか、自分の行動について考えることをせずに生きてきたのでしょう。就職活動に限った話ではないと思います。
就職活動をする学生に対しては、会社外では会わない、一対一では会わない、という指導を徹底するべきでしょう。会社外や、就業時間外でないと会えない、と言うような人が居たら、その会社はブラックだ、くらいの事を言ってよいと思います。
2019/04/02 18:17:281返信いいね!


Darth Vador

Jedai Master

 この種の「人は、その置かれた環境に著しく影響される。(普通に考えればそのような行動は取らないはずの行動を簡単に取ってしまう)」につながる事象を見聞するたびに「スタンフォード監獄実験」の驚くべき結果を思い出します。特に、誰にでもある自己愛をくすぐって根拠のないエリート意識を持たせるのは簡単でしょうから。話の飛躍はありますが、記事の状況は戦中戦前の戦争遂行賛成に世論が傾いていった現象と、根は同じではないかとも考えてしまいます。
 「薄ら寒さ」の観点では、元号「令和(これ、万葉集だとか言っても、政府の命「令」に惑わず「和」合せよ、すなわち「従え」と言ってませんか)」の号外に殺到する異常な数の群衆の行動にも感じます。実は大衆扇動されてるようにしか見えない。
 全体的に日本は「いつか来た道」を進んでいないかと危惧してます。
2019/04/02 18:20:121返信いいね!


quartiertokio

自身の論理で行動をコントロールできない訓練を積んでエリートになるのはまさに基本的人権が無い、市民としての自覚もない状況と思う一方、就活に来た女子学生にいたずらしてるのは誰が考えても単なる会社の恥さらしではないかと。

2019/04/02 18:31:12返信いいね!


Lamington

私は5年程前に就職活動をしていました。その時から大企業と呼ばれる有名企業の選考方法について疑問を感じていました。特に覚えているのは、合同説明会に出席したという旨と連絡先等を記載した用紙を提出したのみだったにも関わらず(つまり応募するという意思は表明していない)、急にその会社の社員という方々から電話がかかってきて、OB訪問をしないかと尋ねられました。OB訪問とは就活生側からお願いしてするものだと思っていたので不思議に思いましたが、何しろ会社からの公式の連絡ではなかったため、選考とは関係がないものだと思い、実際に働いている人から有益な話が聞けるのならと興味本位でお受けしました。場所は人が多いカフェで昼間の時間だったためこの事件のような恐怖はありませんでした。しかしながら、ざっくばらんにお話をするだけかと思いきや、先方からの質問が面接口調なのです。これも不思議に思い、特に志望の度合いも高い企業ではなかったため適当に答えていましたら、ある時からその企業から連絡が来なくなりました。連絡が途絶える前に3回ほどOB訪問とやらに出向いていました。同時期に説明会に出ていた友人や、他社の選考を受けている友人に話を聞いてみると、それは非公式ながら優秀な人材に先に唾をつけておく選考プロセスなのだとわかりました。それを聞いて、なんともアンフェアで不透明で就活生の気持ちも考えない一方的な選考プロセスを採用している会社なんだと、その会社がとても嫌いになりました。もしこれが夜の居酒屋に呼び出されていたとしたら私は行ったかどうかわかりませんが、公式な会社からの連絡でもないのにこうした選考プロセスが世に蔓延していること自体に違和感を感じます。私はあまり熱心な就活生ではなかったため、こうしたお誘いにあまり敏感に動く方ではありませんでしたが、必死に就活をしている学生にこのような電話をすれば、選考プロセスかどうかわからないけれども、その可能性があるのでとにかく断らず何でも行ってみる、という気持ちになるでしょう。その気持ちを利用して、選考プロセスに乗せるだけでなく、犯罪行為を犯すなど言語道断です。就職してから採用担当の同期がいたため、企業も優秀な学生を獲得するのに必死になっているということは理解できましたが、それでもこのような不透明な選考プロセスは廃止すべきだと思います。
2019/04/02 18:52:372返信いいね!


forte

Manager

そもそも学生に限らず、日本人は自分を守る意識が欠けている。
海外ではホームドアも踏み切りもなくても"自分で"事故を避けている。
”今回の事件はどう考えても悪いのは男性社員であって、女子学生ではない”は賛成できるが、会社や運営のせいにする方がお門違いかと。
会社も運営も未然防止に努力はすべきだが、何でも人のせい、誰かが与えてもらう前提はそろそろ脱したほうがいい。
そしてこういう記事こそが、"自分で自分を守る意識"を減らしていると言わざるを得ない。学生達に注意喚起を促す方がよっぽど価値がある記事だと思われる。
2019/04/02 20:26:53

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http://www.asyura2.com/18/social10/msg/170.html

[経世済民131] 財政拡張の「新理論」は物価目標実現が遠のく日銀の「助け舟」か⇒赤字大き過ぎて無理 「隠れ増税」はもう始まっている
2019年4月3日 西岡純子 :三井住友銀行 チーフ・エコノミスト
財政拡張の「新理論」は物価目標実現が遠のく日銀の「助け舟」か

「Modern Monetary Policy(現代貨幣理論、MMT))をはじめ、金融、財政を一体として政策を遂行することを是とする「新理論」をめぐる論争が活発だ。

 来年の大統領選挙を控えた米国では、民主党などの候補予定者らが、欧州では欧州議会選挙を前にポピュリズム政党が、それぞれ拡張財政を求めていることが背景にある。

 世界経済の変調がいわれるなかで、主要国の中央銀行が次の景気後退期に利下げの幅が限られることも、こうした拡張財政を支持する声を後押しする。

 どこの中央銀行よりも明らかに政策の限界に直面する日本銀行にとって、こうした「新理論」が、景気安定や物価目標実現などの“助け舟”になるのか。

緩和期待が再浮上
注目される「現代貨幣理論」

 先月(3月14-15日)の日銀金融政策決定会合では、事前の予想どおり、金融政策は「現状維持」で据え置かれた。

 だが、直前には、「当分の間は現在の低金利水準を維持する」というフォワードガイダンス(政策の先行きに関する指針)について、緩和をより長期化させる方向に修正するのではないかという期待も市場にはあった。

 しかし、フォワードガイダンスの修正程度では緩和強化には効かないと判断したからなのか、あるいは追加緩和の効果を最大化させるタイミングを図ってのことなのか、フォワードガイダンスの変更はなかった。

 日銀にとって問題は、これからである。

 直近の日銀短観(3月調査)では、製造業の業況感が大幅に悪化した。

 雇用や営業・生産用設備の不足感はなお強いとはいえ、マクロ的な需給バランスはすでに緩みつつある。

 内閣府が推計するGDPギャップは、昨年後半は小幅マイナスに転じてしまっている。

 これまで、日銀が強気な物価見通しの拠り所としてきたマクロの需給バランスが緩み、今春闘でも企業は賃上げには及び腰だった。

 さらに4月から始まるとみられる日米の物品貿易協定交渉(TAG)でドル高是正にかかわるような圧力が米国から及ぶ可能性がある。

 こうしたことを考えると、小手先の政策調整では、市場がリスクオフ(リスク回避)の動きを強めた時には、緩和効果は掻き消されかねないというのが、日銀の懸念だろう。

 また市場の方も、日銀の思惑を先読みして、日銀はさらなる異次元の金融・財政政策に踏み出すのでは、と考える。

 その材料や根拠になりそうなのが、今、米国などで論争になっている「現代貨幣理論(MMT)」である。

財政も物価にコミット
財政赤字を正当化

 昨年も、インフレ目標達成を巡って、プリンストン大学のシムズ教授が「Fiscal Theory of the Price Level(物価水準の財政理論、 FTPL)を提唱し、日銀の金融政策を補完する「新理論」として話題になった。

 FTPLを発端に、「統合政府論」や政府の永久債発行と日銀直接引き受けによるヘリコプターマネーなど、異次元の財政・金融政策を強める理屈やアイデアが、リフレ派の論者らを中心に議論された。

 シムズ理論は、金融政策が物価を決定するという標準的な考え方に対し、物価水準の決定メカニズムに財政政策のコミットも加わるという点で新しい。

 財政と金融政策が組み合わされ、互いに連携して、完全雇用などの政策目標を達成しようとする一般的なポリシーミックス よりも、中央銀行が政府の財政への従属を約束させられることで、中央銀行には政策面の自由度がなくなる、という違いがある。

 この理論が日本で注目を浴びたのは、シムズ教授が「消費税率の引き上げ時期をインフレ目標の達成と維持に明示的に結び付けるべき」と、日本への提言として述べたことにもある。

 いわば、財政政策も物価目標にコミットし、財政政策でも市場や民間のインフレ期待などをコントロールすることを提唱した。

 一方で、このところ、米国で論争になっているMMTは、もともとは政府の通貨発行権に着目したものだ。

 政府は家計や企業と違って、自国通貨を発行して債務を返済できるので、財政拡張について、総需要が落ち込んだ時など、一時的、例外的なものと位置づけ従来の伝統的な考え方を否定し、財政赤字についても肯定する。

 ただし、政府が野放図に財政を拡張すると、インフレが止まらなくなるので、高インフレにならない限り、物価も金利も低位にあるのであれば、公共部門はさらに借金をして投資をすることで経済を安定させるべき、との考えが基礎にある。

 実際、いまの米国は、FRBによる大規模な米国債買い入れや大型減税でもインフレ率は落ち着いたままだ。

 実際は、物価が上がりにくくなっているのは、ITなどの情報関連技術の向上などが背景にあるが、政治的には、拡張財政を進めたい民主党などの「大きな政府」志向の勢力の理論的なバックボーンになり始めている。

 FTPLとMMTは、各種の経済政策で物価が跳ね上がらないのであれば、民間の代わりに政府が資金を使うことで有効需要を創り出すことができるのではないか、という問題意識で共通している。

 これまで、中央銀行が政府から独立することで、政府の放漫財政に対して監視役としての機能を事実上、果たしてきた。それに対して、仮に「新理論」が適用されると、放漫財政へのタガが外れてしまうことを意味する危険な政策だといえよう。

日本で有効性は疑問
政府債務残高が大き過ぎる

「新理論」は日本の現状にどの程度、有効なのだろうか。

 筆者の結論は、残念ながら景気や物価に対する「助け舟」にはならないというものだ。

 日本の財政状況はそれを許す域を優に超えた劣悪な状態であるからだ。

 しかしながら、景気後退の足音が聞こえてきた中、マクロ政策の「次の一手」として市場では取り上げられやすい時間帯に入っている。

 政府(財政)と一体となった金融政策への是非を巡って、市場が日銀に催促しては日銀がそれを否定する、という、発展性のない掛け合いが繰り広げられそうだ。

 日本では、2000年代以降は家計、民間企業の民間部門が資金過剰で、一般政府と海外部門が資金不足という対極的な構図が定着している。

 国内部門に限定すれば、一般政府の資金不足を民間部門がファイナンスしている状態である。ファイナンスしてもなお余剰資金は残り、それが銀行部門の預貸ギャップの拡大として表現されるわけだ。

 このことは確かに資金が有効活用されていないようには見える。

 ただし公的部門の財政赤字問題は看過できない。

 税収は2010年をボトムにゆるやかに増加し、財政赤字は30兆円台前半まで減少してきている。しかし、言い方を変えれば、戦後最長ともいえる息の長い景気拡大が続いているのにもかかわらず、まだ財政赤字は解消していないのだ。

 一般歳出の最大の支出である社会保障の根本的な改革が先送りされ続けているのが主因だ。

 結局、政治リスクをかけて消費増税を実施しようが、インフレ政策で税収を水増ししようが、一般歳出が減らない限り、政府の財政収支が解消に向かうことは考えにくい。

 それでも、財政再建は一時的に棚上げし、FTPLやMMTによる政策を検討する余地があると主張する人はいるかもしれない。

 追加財政を発動すれば、瞬間的には需要は創出されるため、現在の副作用付きの緩和政策よりは妥当との評価もありそうだ。

 しかし、例えば公共投資にしても予算全額が計画通りに使われ、かつ、生み出された所得が次の消費や投資につながっているかといえば、そうはなっていないのが実態だ。

 銀行部門の預貸ギャップが拡大していることを考えると、むしろ、生み出された所得は貯蓄されており、やはり効果が十分に出ているとはいいにくい。

 では、低金利政策の恩恵を受け続けていることで、政府が赤字国債を財源に、追加財政策を講じることができるかというと、それも難しくなってきている。

 政府の債務残高が膨らんでしまっているので、低金利でも政府が支払う利払い費が増え始めているからだ。

 公債残高が900兆円レベルまで増大しており、国債費のなかで利払い費が一般歳出全体の1割近くまでに達している。

経済への負荷がメリット上回る
日銀は「財政従属」に陥る恐れ

 こうした状況で、拡張財政のファイナンスを日銀による国債購入など、金融政策で行うことが恒常化すると深刻な事態になる。

 政府は財政再建を放棄したと市場からみなされ、ソブリン格付けが断続的に下がり、それと同時に国内銀行の格付けも引き下げられる。そうなると、結局、国全体としてのクレジットコストは急速に高まる。

 そのことが国内経済に及ぼす負荷は、拡張財政によって享受されるメリットを大きく上回るだろう。

 金利の急騰や通貨の急落といった市場の急変が経済危機や破綻につながっていくのは、ソブリン危機に直面した諸外国の例で既に確認済みだ。

 FTPLやMMTといった「奇策」は、政府債務がそれほど大きくなく財政制約がない国や、米国のような基軸通貨国では、その時々の政策思想を反映する形で実施が検討され得るのかもしれない。

 しかし、少なくとも日本では、財政状況から考えるとあり得ない議論である。

 これに対する反論として、

(1)日銀は2013年の量的・質的緩和政策の導入と同時に銀行券ルール(国債の市中からの買入量を銀行券発行額以下に抑制)を廃止したことで、すでに財政ファイナンスへの防御壁を自らなくしている。

(2)国債保有残高増を維持し続けることは政府発行の永久債を保有し続けることと同義である、といった点を理由に、日銀はすでに実質的に財政ファイナンスを行っている。

 という主張がある。

“実質的に”というのは、便利な言葉で、確かにそうなのかもしれない。

 しかし、現行政策は、日銀が独立性を維持して自らの決定事項として行っていることに意味がある。FTPLやMMTのような財政・金融政策で、中央銀行が政府の政策に依存する体制となってしまうこととは大きく異なる。

 仮に、そうした奇策に踏み込めば、中央銀行は財政従属に陥り、金融政策を動かす「ギア」を失うことになる。

 黒田総裁は、先週の決定会合後の定例記者会見で、MMTの議論の妥当性について質問を受けた際、「整合的に体系化された議論ではない」、「極端な主張」、「広く受け入れられた考えではない」、「政府が中長期的な財政再建について信頼を得ることが必要」と答えた。

 この発言は、評価が定まっていない理論に何らかの明確な答えを出したくないというメッセージではなく、日本の現状なども踏まえた、中央銀行として王道の正しい回答であったと考える。

物価目標の柔軟化
他国が言い出せば「助け舟」に

 MMTなどの「新理論」に傾聴の価値があるとすれば、物価に財政がコミットすべきかどうかよりも、むしろ金融政策が物価偏重の判断で運営されていることに疑義が唱えられていることではないか。

 昨年、FRBのパウエル議長は、経済の稼働状況に対するインフレ率の感応度が下がってきていることを指摘した上で、金融政策をルールベースから、中央銀行がその時々の状況に応じて判断する裁量や、政策の自由度を重視した実務ベースへ修正することに関心を持っているような発言をした。

 何が何でもインフレ目標の達成を最優先する硬直的な政策運営の姿勢に対する警鐘だろう。

 イノベーションの拡大で、企業の営業利得全体に占める雇用者報酬のウェイトは米国でも下がってきている。競争の激化とともに、ネット販売の拡大で価格の比較をすることが容易となったことで、汎用品を中心に価格の上昇圧力は構造的に限られる。

 こうした構造変化を考えても、日本のコアインフレ率が日銀の掲げるように2%目標を安定的に達成することは難しい。

 ただ、日本が先陣切って物価目標の柔軟化を主張すると、いまの超緩和政策の修正と市場に受け止められ、円高になる可能性もあり、それは日銀にとっては困難なことだ。

 FRBなど他の中央銀行が、ルールに基づいた物価目標ではなく、いくばくか柔軟な運営に変わるということがあるとすれば、それこそが、日銀にとっての「助け舟」になるだろう。

(三井住友銀行チーフエコノミスト 西岡純子)
https://diamond.jp/articles/-/198634


【第108回】 2019年4月3日 深田晶恵
年収850万超は来年から負担増、会社員の「隠れ増税」はもう始まっている

年収が100万円アップしても
手取りは64万円しかアップしない?!
 新年度の4月を迎え、昇進などに伴い給与がアップする人もいることだろう。うれしい気持ちでいっぱいの中、水を差すようで恐縮だが、額面収入がアップしたとしても、昇給した金額と同じだけ「手取り収入」が増えるわけではないので注意が必要だ。
 額面収入から所得税・住民税と社会保険料を差し引いたものが「手取り収入」で、実際に使えるお金のことだ。FPの教科書には「可処分所得」と表記されている。
 たとえば昨年の年収700万円の人が、管理職に昇格して今年の年収が100万円アップするとしよう(税務上の扶養家族は妻)。額面年収700万円の手取りは537万円、800万円の手取りは601万円だ。
 額面100万円アップに対して、手取りは64万円のアップに過ぎない。えっ、64万円!と目を疑うのではないだろうか。
 同じだけ手取りが増えないカラクリは、所得税の税率アップによるもの。年収がアップすることで、累進課税である所得税の税率が上がるため、税金の負担が重くなり、手取りを押し下げている。
 このように手取りを知らずに額面年収だけで家計プランを立てると、絵に描いた餅になる可能性が大。手取り計算は重要なのだ。
 FPになって数年経った頃、手取りが大きく減る制度改正が相次ぎ、「これからは手取りが減ることはあっても、増えることはないだろうな」と思い、2002年から毎年1月に年収・属性別のパターン別に手取りを試算し、一覧表にまとめている。当コラムでも1月に「今年の手取りはこうなる!」と題して試算結果をお伝えしている。
 数年前に「そろそろ試算データが蓄積してきたのでグラフにしてみよう」とグラフ化したのが次の図だ。

https://diamond.jp/mwimgs/2/4/650/img_24c708b50515885dec312fd970251c7383845.jpg

 グラフだと、手取り収入が試算をはじめた翌年から見事に下がり続けているのが一目瞭然だ。額面収入700万円の手取りは、15年間で50万円も減っているのである。
 先日、ある朝のテレビ番組に出演した際にこのグラフを使ったところ、翌日同じ時間帯の情報番組から「グラフを使わせてほしい」と依頼があった。わかりやすくインパクトがあるようで、他からも同様の依頼が相次いでいる。このグラフはとても人気者だ。
 ちなみにグラフだけが一人歩きするのは本意でないため、私自身の出演やコメント解説付きの依頼がある場合のみ受けるようにしている。メディアの方々、この点についてどうぞご了承ください。

高収入会社員の増税は
すでにはじまっている!
 さて、2003年から毎年続いた手取り減少は、ようやく今年で一段落した。手取り減少の要因となる所得税・住民税、社会保険料の制度改正は2019年にはないからだ。2019年は昨年とほぼ同じ手取り額となりそうだ。
 ただし、高収入の人の増税はすでにはじまっていて、この先も税金の負担増になることが決まっている。1000万円を超えるような高収入の人は、全体から見ると少数であるため、新聞や雑誌などのケースとして取り上げにくいという。
 昨年2018年実施の配偶者控除の改正では、額面年収1120万円超で受けられる控除額が縮小、1220万円超になると控除は一切受けることができない。なかなか厳しい改正だ。
 特筆すべきは、来年、2020年には額面850万円を超える人も増税対象となることだ。仕事をがんばって昇給したとしても、増税になるとその恩恵はわずかしか受けることができなくなるのである。
 増税の要因となるのは、「給与所得控除の頭打ち」だ。会社員の給与収入には、「給与所得控除」といって「一定のみなし経費」が設けられており、収入そのものが所得になるわけではない。
 税金の話でよく出てくる「控除」とは、「非課税枠」のことだと覚えておこう。控除額が多いと、その分所得が減るので、かかる税金は少なくなる。わかりやすいものだと、「扶養控除」や「医療費控除」がある。給与の非課税枠は「給与所得控除」であり、もちろん多いほうがいい。
 給与所得控除は、給与収入に応じて一定率をかけて求めるもので、収入が増えるほど控除額は増える。2012年までは上限額は設定されていなかったのだが、2013年より額面年収1500万円を超えると、控除額が頭打ちになる税制改正が実施された。
 給与所得控除の上限設定の改正は、すでに次のように段階的に実施され、2020年には年収850万円超の人も対象となる。
 ◆2013年:額面年収1500万円超で控除額245万円が上限
 ◆2016年:額面年収1200万円超で控除額230万円が上限
 ◆2017年:額面年収1000万円超で控除額220万円が上限
 ◆2020年:額面年収850万円超で控除額195万円が上限
 控除額の推移を年収別にまとめてみたのが図(2)である。年収が高いほど、給与所得控除の上限引き下げの影響が大きいことがわかるだろう。

https://diamond.jp/mwimgs/1/0/650/img_10cb5b1f2b86a2c6f1d7840cfced273e66728.jpg

 読者のなかには「年収が1000万円を超えることはないから、関係ない」と思う人もいるかもしれない。しかし、私が高年収の人向けのこのネタをあえて取り上げるのは、多くの会社員に関心を持ってもらいたいからだ。
 給与所得控除の縮小については、なぜか税制改正案のニュースのなかで大きく取り上げられない。このため、会社員は気がつかないうちに増税になっているのが現状だ。
 上限引き下げは年収850万円超まで迫ってきているし、数年先の税制改正でさらに控除が縮小する可能性がある。
 すでに決まっている税制改正により、2020年から給与所得控除は一律10万円縮小になる。ただし、年収2600万円以下の人は基礎控除が10万円拡大するので、差し引きゼロで影響はない。2021年以降の改正案は見逃せない。仕組みを知って、関心を持とう。
 最後に年収900万円〜1500万円までの手取り収入推移のグラフを掲載する。額面年収と手取り年収とのかい離が大きい点に注目してほしい。

https://diamond.jp/mwimgs/2/3/650/img_23137c33c21d99e9bda06df4f22f0b45101192.jpg
(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)

https://diamond.jp/articles/-/198636

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/779.html

[国際26] ロシア疑惑「シロ」で地団駄の反トランプメディア 歴史的フェイクニュースに終わった「トランプとロシアの共謀」 
ロシア疑惑「シロ」で地団駄の反トランプメディア
歴史的フェイクニュースに終わった「トランプとロシアの共謀」
2019.4.3(水) 古森 義久
トランプ氏、ロシア疑惑捜査は「反逆行為」
米首都ワシントンで記者会見を行うドナルド・トランプ大統領(2019年3月24日撮影)。(c)Eric BARADAT / AFP〔AFPBB News〕

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 米国の2016年大統領選挙でトランプ陣営がロシア政府と共謀して得票を不正に操作したという「ロシア疑惑」は実際にはなかったことが、ロバート・モラー特別検察官の捜査によって示された。つまり、これまでの2年以上もの「ロシア疑惑」報道はフェイクニュースだったということになる。

 この新展開によって、米国の国政の場での民主党とトランプ政権の攻守の構図は一気に逆転し、トランプ政権や共和党側はフェイクニュースを広めた犯人の糾弾を開始した。

 トランプ大統領は就任当初からロシアとの“不正な関係”を疑われていた。司法長官が任命したモラー特別検察官による捜査が始まってからこの3月末で22カ月、実際にはその前の2016年夏ごろから連邦捜査局(FBI)による捜査が開始されていたから、実に2年半もの間、フェイクニュースが流されていたことになる。日本でも同様だったから他人事ではない。

「ロシア政府との共謀」は完全にシロと判定
 モラー特別検察官事務所の捜査報告の骨子は3月24日、ウィリアム・バー司法長官により発表された。

 モラー報告書には、捜査の最大対象だった「ロシア政府機関とトランプ陣営の共謀」という疑惑について、「2016年の米国大統領選挙にトランプ陣営のメンバーとロシア政府が共謀、あるいは協力して介入したことは裏づけられなかった」ことが明記された。「ロシア疑惑」についての捜査はこれで終了し、これ以上の起訴はないという。

モラー米特別検察官、ロシア疑惑の報告書を提出
2016年米大統領選挙でのドナルド・トランプ陣営とロシアの共謀疑惑をめぐる捜査を指揮するロバート・モラー特別検察官(左)とトランプ大統領(右、2018年1月8日撮影)。(c)SAUL LOEB and Brendan Smialowski / AFP〔AFPBB News〕

 トランプ大統領がジェームズ・コミーFBI(連邦捜査局)長官を解任したことに対する司法妨害の容疑については、起訴とも赦免とも判断を下さないという灰色の記述だった。だが、この捜査の最終責任を持つウィリアム・バー司法長官は「起訴の対象にはならない」というシロの判断を打ち出した。

 こうした結果、「疑惑」の主対象だった「トランプ陣営とロシア政府との共謀」は完全にシロと判定されたのである。このことは、捜査の標的だったトランプ大統領自身はもちろん、息子のドナルド・トランプ・ジュニア氏や義理の息子のジャレッド・クシュナー氏なども特別検察官の刑事訴追はされず、無罪の判定が下されたことを意味する。

「反トランプ」メディアの論調の変化
 では、この2年間にわたる連日連夜の米国主要メディアによる「ロシア疑惑」報道とは一体なんだったのか(おまけにその大部分は「疑惑」というよりも、トランプ大統領を「有罪」と決めつける「トランプ陣営とロシア政府の共謀」報道だった)。

 共和、民主両党の衝突がこれで終結したわけではない。最終的な捜査報告書が公表されても、反トランプの主要メディアは簡単には自分たちの非は認めない。反トランプ陣営は、民主党支持層の厚いニューヨーク州の検事局や裁判所を巻き込んださらなる攻撃も検討している。

 だが、モラー報告書の概要が発表されてから1週間ほどの4月2日の時点では、「ロシア疑惑」を大々的に報道してきたニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの紙面にも顕著な変化が現われてきた。

 1つは当然ながら「ロシア疑惑」に関する記事ががっくりと減り、ほぼゼロになりつつあることだ。トランプ大統領への批判も医療保険改革や違法移民などの内政問題へとシフトしてきた。

 2つ目は、たまに出る「ロシア疑惑」関連記事においてもゴールポストや焦点を変えて、「疑惑を流した犯人をトランプ大統領が追求するのは逆に民主党を利することになる」「ロシア側は、トランプ陣営との共謀などないことは最初から知っていた」などという趣旨の論評が見られるようになったことである。

 しかしそうした論評は、トランプ陣営側の「『ロシア疑惑』は反トランプ勢力によるでっちあげである」とする主張の説得力を、結果的に一段と強める結果となっている。

民主党への反撃に出る共和党陣営
 モラー氏が「ロシア疑惑」の特別検察官に任じられたのは2017年5月だった。ただしFBI(連邦捜査局)による同疑惑の捜査は前年の2016年から始まっていた。モラー検察官はこれまでの刑事訴追34人(うちロシア人が26人)のうち6人を有罪確定、あるいは有罪自認とした。

 だがこれまでに起訴された人たちの罪状は、選挙期間中の「ロシア機関との共謀」とはまったく関係がなかった。みな脱税や横領という個人レベルでの罪状だったのである。

 また選挙に不当に介入したとされるロシア側の工作員は、みなロシア独自の干渉とされ、トランプ陣営との共謀や共同の違法行為はなにも指摘されなかった。いずれにしろロシア人容疑者はみなロシア国内にいるため、今後追及することは現実的には困難である。

 与党の共和党陣営も今回の展開に喜びを隠さない。それどころか「この報告書によって『ロシア疑惑』が民主党側の捏造、でっちあげだという事実が証明された」という激しい反撃を開始した。

 トランプ大統領は、この2年余り一貫して叫んできた「ロシア疑惑は魔女狩りだ」という主張をさらに強め、中西部ミシガン州の大集会でも、1時間以上熱気をこめた演説で自らの無実と民主党側の陰謀を訴えた。

「疑惑」をでっちあげた面々とは
 共和党側で「ロシア疑惑」はそもそも民主党側のでっちあげだと主張してきた下院情報委員会の筆頭メンバーのデビン・ヌーネス議員は、3月下旬に「この捜査終了によって『ロシア疑惑』は今世紀最大の政治スキャンダルであることが証明された」と述べ、この捏造事件の特別捜査の必要性を訴えた。

 下院情報委員会は2018年11月の中間選挙で民主党が下院の多数派となり、委員長も民主党のアダム・シフ議員となった。シフ議員も、議会で「トランプ陣営とロシア政府の共謀」を再三主張してきた1人である。そのため同委員会の共和党議員は、全員でシフ議員の委員長解任を求めている。

 一方、トランプ大統領の2020年の再選を目指す「トランプ再選委員会」はモラー報告書の骨子が発表された直後、主要テレビ局に書簡を送り、「以下の6人の議員、元政府高官はトランプ大統領に対して証拠のない不当な誹謗を再三、述べてきた。今後、テレビ番組で起用する際には、ジャーナリズムの正しい規範を適用して慎重にしてほしい」と要請した。この6人には前述のシフ議員のほか、オバマ政権でCIA(中央情報局)長官を務めたジョン・ブレナン氏らも含まれていた。

 トランプ陣営ではブレナン氏のほか、オバマ政権の国家情報長官だったジェームズ・クラッパー氏、FBI長官だったジェームズ・コミー氏らに対しても「トランプ陣営とロシア政府との共謀」説を有形無形に広めたという疑いを深めており、その責任の追及を検討している。

 日本でもこの2年ほど、主要メディアの多くが「トランプ陣営はロシアと共謀していた」という趣旨の報道をしてきた。その具体的な事例は数えきれない。今となれば、その種の報道はみなフェイクニュースだったということにもなろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55977
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/102.html

[国際26] 「変化」は唐突、トランプ現象やブレグジットを見よ  文大統領、もはや北朝鮮非核化の邪魔者  韓国で囁かれ始めたクーデター

「変化」は唐突、トランプ現象やブレグジットを見よ

何も変わらないという停滞感、ダムが決壊したらあっという間
2019.4.3(水) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年3月30/31日付)

英下院、EU離脱代替案をすべて否決

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)をめぐる政府案の代わりとなり得る選択肢の採決を終えた英下院議員ら。英議会記録部(PRU)の動画より(2019年4月1日撮影)。(c)AFP PHOTO / PRU〔AFPBB News〕

 古代ギリシャ演劇の伝統的な手法にデウス・エクス・マキナというものがある。

 劇中の人物が解決困難な問題に苦しんでいる場面で、クレーンのようなものを使って舞台の中央に神を登場させ、その神聖な命令によってすべてを丸く収めてしまうやり方だ。

 今こそ、このデウス・エクス・マキナが少しでも使えればとてもありがたい気がする。

 米国では、ロバート・モラー特別検察官によるロシア疑惑の報告書がその役目を担ってくれることを、多くの人が期待していた。

 非常に批判的な内容になれば、ドナルド・トランプ大統領という解決困難な問題を一気に吹き飛ばしてしまうだろう、来年の大統領選挙で対立候補の支持者を探し集めるという過酷な作業も不要になる、というわけだ。

 しかし、連邦議会の構成上、弾劾が成立する公算はなかった。

 それどころか、モラー氏の報告書には(中を見られると想定するなら)誰かに影響を及ぼす情報が含まれているわけでもなさそうだ。

 人は皆、今頃はもう、自分がトランプ氏のことをどう思っているか分かっているに違いない。

 英国では欧州連合(EU)残留派の一部が、記録破りの請願によって神がかり的などんでん返しが生じることを期待している。

 リスボン条約第50条の発動を撤回し、最終幕に入る前にブレグジット(英国のEU離脱)の悲劇から抜け出すよう英国に求める人の数が、ほぼ600万人に達しているのだ。

 英国政府は3月26日にこれに反応したが、その答えは(筆者が言い換えるとするなら)「うせろ、どこの市民でもないくせに」というものだった。

 では、翌27日の議会下院での「示唆的投票」で問題が解決するのではないか――。

 確かに、投票は少なくとも何かを示唆していたが、それは議会の行き詰まりだった。

 それでも、変化というものは起こりうる。それも、驚くべきスピードで進むことが時折ある。

 つい数年前には、ブレグジットというプロジェクトは妄想に憑りつかれた少数の人々の夢想でしかなかった。

 EU加盟の是非が最も重要な問題だと思っている英国民の割合は、1ケタの前半にすぎなかった。

 ところが、今ではそのブレグジットが二大政党の(達成がいささか難しいことに気づいてはいるものの)正式な目標になっている。

 同様に、トランプ氏が米国と世界の政治にぶちまけた変化は、数え切れないほど多い。確かに、そのほとんどは悪い変化だが、停滞は避けられないと主張するのは困難だ。

 私たちはカオス的な変化と不毛な停滞に同時に対処しているというこの奇妙な感覚は、どうすれば説明できるのだろうか。

 キャス・サンスティーン氏は近著「How Change Happens(変化はいかに起こるのか)」で、「パーティズム(党派心)」なるものが一つの説明になると論じている。

 レイシズム(人種差別主義)やセクシズム(性差別主義)といった悪しきものと音が似ているのは、同氏の意図によるものだ。

 サンスティーン教授はこの本で、自分とは異なる政治的主張を有する人々をまるごと切り捨ててしまう人が今日では多くなっている、と説得力豊かに論じている。

 例えば、人種が異なる人との結婚に対する人々の態度は劇的に寛容になってきたが、最近はその一方で、支持政党が異なる人との結婚に拒否反応を示す人が少なくない。

 サンスティーン教授の報告によれば、自分の子供が自分とは異なる政党の支持者と結婚することになったらどう思うかと2010年に尋ねたところ、不愉快だと答えた人の割合は共和党支持者で約49%、民主党支持者で33%に達したそうだ。

 1960年にはどちらも約5%だったというから、かなり増えたことになる。同様なトレンドは英国でも生じている。

 政治学者のシャント・イエンガー氏とシーン・ウェストウッド氏は、このパーティズムを調べるために「潜在連合テスト(IAT)」という、無意識的な偏見の測定に(物議を醸しつつも)一般的に使われている試験を行った。

 その結果、政党の好き嫌いがもたらす潜在的な偏見の度合いは、人種がもたらすそれよりも強いことが分かったという。

 パーティズム自体には悪いところなど一つもない、と主張する人がいるかもしれない。

 ジェンダーや民族性に基づいて他人を不当に評価しているのではなく、当人がしてきた選択をもとに正当な評価を下しているのだ、というわけだ。

 それでも、ある政党がその支持基盤から揺るぎない支持を得ると同時に、敵対する勢力からはトコトン嫌われるという環境は、合理的な議論につながりにくい。

 ひょっとしたら、前述の停滞感はこれで説明できるのかもしれない。私たちは、誰も他人の話に耳を傾けないし妥協もしたがらない、と感じているのだ。

 閉塞感があっても、劇的な変化は明らかに起こりうる。

 既存の政党構成が敵対的な勢力に乗っ取られれば、パーティイズムは行動を抑制する力から抜本的な変化を促す力に変わる可能性がある。

 EU離脱派がやり遂げたのはこれだ。

 労働党のジェレミー・コービン党首も、そしてあのトランプ大統領も同じことを(それも相当派手に)やってきた。

 変化を起こす主体は既成政党ばかりではない。選挙制度で変化が認められている国では、新しい政党が誕生して勢力を伸ばしている。

 組織の確立した大政党が選挙で非常に優遇される制度になっている英国でさえ、離脱派と残留派は今や、伝統的な政党よりも強い政治的アイデンティティーの源になっている。

 伝統的な政治以外の分野では、「#MeToo」運動がその一例に挙げられるだろう。

 強い権力を持つ男性の行動を社会はどこまで許容するのかという問題を、遅まきながら劇的に見直す流れの契機になっている。

 こうした変化が突然生じるのは、私たちが社会的な生き物だからだ。

 私たちは、他の人々がどんな立場を取っているかを知って初めて、自分がどんな気持ちを抱いているかに気づくケースが多い。

 今は何も変化がなく、永遠に何も変わらないように感じる。しかしそれは、状況がある重要な限界を超えてダムが決壊してしまうまでの話だ。

 ひとたびダムが決壊すれば、無視されていた問題が脚光を浴びる。同じ問題に対する人々の反応が、「さあね」と肩をすくめるしぐさから街頭での行進への参加に変わる。

 そうした変化は予測できないし、変化が起こった後も、私たちは、もともと避けられないことだったのだと自分を欺いてしまうことが多い。

 つまり、長期の停滞、行動の突然の盛り上がり、そしてかなりの量の幸運に恵まれるという流れこそが、政治における変化がたどるプロセスなのだ。

 この裏側には、長期に及ぶ説得、支持集め、苛立ちがある。栄えある長旅というよりは、果てしなく続くランニングマシンに似ている。

 なるほど、これなら、ほとんどの人が神聖な介入の方を好むとしても不思議はないだろう。

By Tim Harford

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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55983


 


 
文在寅大統領、もはや北朝鮮非核化の邪魔者に

2回の米朝会談失敗で完全に見限ったトランプ米大統領の次の手
2019.4.3(水) 高濱 賛
米韓首脳会談、4月11日に実施へ 文氏が訪米
米ニューヨークで握手を交わす韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領(左)とドナルド・トランプ米大統領(2018年9月24日撮影、資料写真)。(c)Nicholas Kamm / AFP〔AFPBB News〕

 韓国の文在寅大統領が4月10日ワシントン入りし、11日にドナルド・トランプ米大統領と会談する。

 2月末のベトナムの首都ハノイで行われた米朝首脳会談が決裂してから初の米韓首脳会談だ。

 トランプ大統領が金正恩朝鮮労働党委員長との会談に応じたのは文大統領の仲介がきっかけだ。2回目会談も文大統領の口車に乗ってトランプ大統領はハノイまで出かけて行った。

 ところが会談は決裂。理由は、トランプ大統領が「北朝鮮が保有する核兵器関連物資をすべて米側に手渡せ」と言い出しからだといった情報が支配的になってきている。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/03/post-11905.php

 「すでに北朝鮮には何度も騙された」(ディビッド・スティルウェル米国務次官補=東アジア太平洋担当)と見る米政府部内の対北朝鮮強硬派の判断に、トランプ大統領は突き動かされたからだろう。

 トランプ大統領の対北朝鮮アプローチは昨年3月8日に文在寅大統領の特使、鄭義溶国家安全保障室長を通じて伝えられた金正恩朝鮮労働党委員長からの米朝首脳会談開催の提案からだった。

 歴代米大統領が実現できなかったことをやろうとするトランプ大統領は、これに食いついた。折からの「ロシアゲート疑惑」を払いのける絶好の政治スタンスでもあった。

 第1回米朝首脳会談(シンガポール)、2回目のハノイ会談と、そのお膳立ては韓国の文大統領だった。

 だが2回目会談直前になっても水面下で続けられてきた交渉でも非核化に向けた北朝鮮からの譲歩は見られなかった。

「韓国は北朝鮮の非核化に役立たず」
 それでも文在寅大統領は「仲介役」として楽観論を流し続けた。そして金正恩委員長からの譲歩を引き出すためには対北朝鮮制裁の緩和を米側に助言し続けた。

 米側の意向を無視して南北統一に向けた具体的な動き(開城での南北朝鮮連絡事務所設置、鉄道・道路網接続着手など)すら見せてきた。

 米議会には「韓国は非核化交渉で米国への協力をするどころか、非核化には役立たない同盟国だ」(コリー・ガードナー上院外交委員会東アジア太平洋小委員会委員長=共和党、コロラド州選出)といった露骨な対韓不信感が噴出した。

非核化交渉の仲介役は中国にバトンタッチ
 朝鮮半島情勢を定点観測している韓国外国語大学のマンソン・リッチィ准教授(ハワイ東西センター客員研究員)は、朝鮮問題専門サイト「38 North」でハノイ会談以後の米国と北朝鮮、韓国の関係についてこう見ている。

 「ハノイでの米朝首脳会談はそれ自体が孤立して行われたものではない。従ってそれによって生じた波及効果は他の事案やこの地域における当事者にも影響を与えて始めている」

 「米朝首脳会談が決裂したことにより、一番衝撃を受けたのは韓国だ。韓国は米朝首脳による(非核化)交渉が進むことで南北朝鮮の協力、朝鮮半島の平和、それによって恩恵を受ける経済的利益を期待してきたからだ。その大きな期待はほど遠いものとなった」

 「文在寅大統領としては(米朝間の仲介役を自負してきた経緯もあり)義務感もあり、再び仲介役を演じようとするだろうが、その役目は韓国の手から離れている」

 「韓国に代わって仲介役を演ずるのは中国だ。ハノイ会談は中国にこの地域での影響力を強める絶好のチャンスを与えたからだ」

 「(古代ギリシャの歴史家)トゥキュディデス*1は『強きものはできうることを為し、弱きものは為すべきことができず苦しむ』と記している」

*1=前5世紀中葉のアテナイで寡頭派指導者として活躍した政治家。ペロポネソス戦争に従軍、戦争中に失脚し、亡命。ペロポネソス戦争を叙した「史書」は有名。

https://www.38north.org/2019/03/mrichey032919/

文在寅大統領は引き続き仲介役を懇願か
 米韓関係に精通する米政府高官OBの一人はリッチィ准教授の見解に共鳴し、筆者にこう指摘している。

 「文在寅大統領は、4月11日のトランプ大統領との会談で、米朝首脳間の交渉を何とか再開させるために自分に仲介役を引き続きやらせてほしい、と持ちかけるだろう」

 「トランプ大統領の本心は、もうお前には頼みたくない。俺はビジネスマンだ。成果の上がらない取引には興味はないし、どちらの味方か分からないお前さんなんぞは、『You fire!』(お前は首だ!)と言いたいところだろう」

 「もっとも米韓は同盟国同士。外交儀礼的にはトランプ大統領は『よろしく』とは言うかもしれないし、そう記者発表するかもしれない。文在寅大統領はそれを誇張して発表するのだろう」

 「内憂外患の文在寅大統領にとっては米朝関係の仲介役を続けられるか否かは、政権運営には絶対不可欠だ。北朝鮮の非核化と南北朝鮮和解促進は文在寅大統領にとって『命綱』になっているからだ」

 「だが現実的にみて韓国にはもはや『仲介役』はできない。米国の信用を完全に失ってしまっているからだ。北朝鮮にあまりにものめり込みすぎてしまった」

 もはや韓国は米朝間の仲介役にはなれないのではないのか、といった見方は韓国側にも出ている。

 『朝鮮日報』のアン・ジュンヨン政治部記者は2月28日、会談の先行きを楽観視してきた韓国大統領府はハノイ会談決裂の報を受け終日右往左往していた現実をとらえて、こう書いている。

 「韓米両国は緊密に協力していると口では言うが、米国は韓国が対北朝鮮制裁の免除や緩和を呼びかけたり、北朝鮮の人権問題を放置していることについて批判している」

 「真実を隠し、現実から顔を背けて、小細工ばかりしているようでは最終的には韓国は誰からも信頼されなくなり、その結果、米朝間の『仲裁者』『促進者』どころか、単なる『見物人』になりかねない状況に追い込まれている」

それでも韓国を無碍にできない米国のジレンマ
 しかしながらトランプ大統領にとって、文在寅大統領をそれほど無碍にはできない存在だ。

 そのへんの実情をケリー・マグサメン元国防次官補(アジア太平洋担当)は3月26日開かれた上院外交委員会聴聞会でこう証言している。

 「米韓同盟関係はお互いが機敏さを必要とする新たな段階に入っている。米韓関係を引き裂くことを北朝鮮は外交上の最重要課題の一つと考えているからだ」

 「米国は米韓同盟のメカニズムをより有効に生かすために政府高官たちを訪韓させる必要がある。特に重要なことは(ほぼ合意に達した)在韓米軍駐留経費交渉(SMA)*2などで米国が荒っぽい高圧的なアプローチをしないことだ」

*2=米韓事務レベルでは韓国が在韓米軍経費を従来からの年間8億6000万ドル(全経費の40%)から10億ドル(16%増)に引き上げることで合意している。

https://thediplomat.com/2019/02/what-does-the-signed-cost-sharing-agreement-mean-for-the-us-south-korea-alliance/

 「対北朝鮮非核化交渉では米韓の緊密な同盟関係は不可欠だ。対北朝鮮との交渉は今後も長丁場になる。外交が暗礁に乗り上げた時には長期的な観点に立った抑止力強化、さらには北朝鮮包囲シナリオも必要になる」

 「トランプ大統領は米韓合同演習の一時中止を一方的に発表したが、これは不幸な決定だ。率直に言って、軍事演習や訓練においては駐韓米軍よりも韓国軍の即応能力の方が重要だ」

https://www.foreign.senate.gov/imo/media/doc/032619_Magsamen_Testimony.pdf

「トランプ大統領は日韓関係改善に努力せよ」
 もう一つ、今回の米韓首脳会談で避けて通れないのが日韓関係だ。前述のマグサメン氏は上院外交委員会での証言でこう述べている。

 「同盟関係を論ずるときに米国が取り上げねばならないのが悪化の一途をたどっている日韓関係だ。1965年の日韓基本条約締結以来最悪の状態にある」

 「北朝鮮は日米韓3国が協力できるか、否かに最大関心を示している。米国は大統領を含む最高レベルで日韓関係を改善させるための弛みない外交努力をすべきだ」

 「日韓関係の改善が遅れれば遅れるほど東アジア地域の安全保障上の米国の国益に支障をきたすことになる」

 これは米政府部内だけでなく、米議会における総意だ。だがトランプ大統領が文在寅大統領に面と向かって何と言うか。

 かって駐韓米大使館に勤務したことのある米国務省OBはため息交じりに筆者にこう語る。

 「慰安婦問題にしても徴用工問題にしても国際社会の常識としては日韓政府が締結した日韓基本条約を誠実に遵守すればいいだけのことだが、今の韓国は、EU離脱をめぐるトラウマに陥ってしまった英国と同じようにみえる」

 「正論が正論として通らない。韓国人自身、自分でしか解決できない反日トラウマで身動きできずにいる」

 「日本との関係を全面的に見直すことをマニフェストに掲げて登場した文在寅政権のスタンスが行政だけではなく、司法、立法にまで蔓延してしまった」

 「これに米国が口を挟むわけにはいかない。外交音痴だが、商売上手なビジネスマンのトランプ氏だからこそ利害の絡む日韓同士の喧嘩に割って入るようなことはしないだろう」

 「となると、トランプ大統領は文在寅大統領に苦言を呈す場面などは考えられない」

 「日本人にしてみれば、安倍晋三首相との個人的な関係も深いトランプ大統領に、『そろそろ御託を並べるのをやめて安倍とうまくやってくれよ』と文在寅大統領をたしなめてもらいたいと考えるところだ」

 現在主要シンクタンクに籍を置く別の国務省OBは、「それは甘い」とこう指摘する。

 「今の米国は、外交の機微とか国際的倫理や常識などには疎い、頭の鈍い、思い通りにいかないとわめき散らすガキが大統領だということを忘れないことだよ」

 「彼の関心はすべてカネ、儲かるか儲からないか、だけが判断の尺度だ」

文大統領がどうしても欲しい訪米みやげ
「トランプの一言」
 この国務省OBの見立てはこうだ。

 「トランプ大統領は、米議会が日韓関係を憂いていることを引き合いに出して、『日韓首脳同士、何とか収めてくださいよ。何か私でできることがあったら言ってね』というのが関の山だろう」

 「それを文在寅大統領は『トランプ大統領は仲介役になってくれた』と国内向けに宣伝できるし、ありがたい土産になるはずだ」

 「安倍首相にとっても対韓国で別に譲歩を迫られるわけでなし、問題はないはずだ。外交音痴のトランプ大統領がそこまで本音と建て前を使い分けることができる本来の米大統領外交ができるかどうか、だ」

 「ワシントン政界筋には今、トランプ氏の頭の中には2020年大統領選での再選しかないのではないのか、といった見方が広がっている。「ロシアゲート疑惑」の暗雲がひとまず去ったからだ」

 「決裂した米朝首脳会談の後、トランプ大統領には焦りのようなものは感じられない。トランプ氏の動物的勘のなさせる業なのか」

 「大統領選の結果が出るまで北朝鮮の非核化交渉は動かない、日韓関係もどちらかの国で政権交代があり、トップが変わらない限り好転はしない」

 トランプ流の根拠のない、あくまで動物的勘なのだろうが・・・。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55976

 

韓国で囁かれ始めた「クーデターが必要」の主張
3・1独立記念日で見えた「反日勢力」の実相

2019.4.3(水) 赤石 晋一郎
3・1独立運動記念日に反文在寅のデモも行われていた(筆者撮影)
(赤石晋一郎:ジャーナリスト)

 韓国の3・1独立運動記念日から約1カ月、相変わらず日韓関係の緊張が続いている。本稿ではこれまでマスコミで報じられなかった、3・1独立運動記念日の裏側ついてレポートをしたい。

 3月1日、記念式典に登壇した文大統領の顔色は冴えなかった。イベント会場で登壇し、長々と演説を続けたものの、声に力がなかったのだ。

「文大統領は演説では日韓の協力を呼びかけるなど、日韓の融和を滲ませる言葉が目立ちました。当初、確実視されていた元徴用工裁判の話や慰安婦問題などの懸案事項については言及しなかったのは意外でした」(ソウル特派員)

文在寅の頭の中の8割は北朝鮮!?
「3・1独立運動」とは日本植民地支配時代に起きた運動のことである。いわゆる、現在語られる「反日」活動の原点ともいえる運動であり、100年を記念した今回の式典では、文大統領がより過激な日本批判を口にするのではないかと、日本政府側からは警戒されていた。

 タレントが総動員されたような華やかなステージからは、国家的な記念日であることを強く認識させられる。しかし肝心のメインゲストである文大統領は、ウダウダと演説を続けるだけで言葉が冴えず、唯一、言及したのが、植民地時代に日本が韓国人独立運動家を鎮圧した際に多数の死傷者が出たことを、「蛮行」や「虐殺」といった言葉で紹介したときだった。そして「親日残滓(ざんし)の清算はあまりに長く先送りされた宿題だ」と語ったのだ。

 私はイベントが行われていた光化門近くで現場の様子を取材していた。数万人の聴衆が集まっていたが、会場に流れる空気の冷ややかさはどうにも否定できなかった。大統領の歯切れ悪い演説が、現場の空気をしらけさせているようにも思えた。

 それには理由がある、と語るのは韓国人ジャーナリストだ。

「大統領の言葉に勢いがなかったのは、前日まで行われていた米朝会談が物別れに終わったことが大きかった。韓国政府は米朝会談が成功し、南北統一の機運が高まると期待していただけに、文大統領としては期待外れの結果に終わった。大統領の顔色が冴えなかったのもそのせいだ、という論調は韓国内でも多く見られました」

 文大統領が大々的に反日宣言をしたかったであろうことは、容易に予想できた。イベントの列席者のうち、メインゲストとなる大統領夫妻のすぐ横に席を用意されていたのが元慰安婦・イ・ヨンス氏だったからだ。

「おそらく米朝会談が成功裏に終わっていれば、元慰安婦イ・ヨンス氏による反日的な演説が行われ、大統領も慰安婦問題に言及するはずだったであろうことはゲストの席順からも明らかでした。しかし、結果、目立った発言はなかった。それだけ米朝会談のショックが大きかったのだと思います」(前出・ソウル特派員)

 朝鮮戦争の終戦宣言も、との観測もあった米朝交渉の「決裂」は、想像以上に文大統領の大きなダメージを与えていたのだ。ブルームバーグが文大統領を「金正恩の報道官」と評して韓国内で大騒動になったことは記憶に新しいが、実は韓国内でも、文在寅は「頭の中の8割が北朝鮮で占められている」(韓国紙記者)と評されるほど、親北朝鮮であることがよく知られている。

「文在寅大統領の周りは、『チュサパ(主思派)』で固められています。チュサパは北朝鮮よりも強い主体思想(金日成が提唱した独自の社会主義理念)を持つ人達のことで、文大統領が、北朝鮮が核放棄する前から38度線の武装解除を始めたのはその思想に基づいてのこと。さらに、文政権が反日姿勢を強めているのも主思派の影響と見られています。つまり『親北』=『反日』であり、北朝鮮と近づけば近づくほどに文政権は反日姿勢を強めていくはずです」(前出・韓国人ジャーナリスト)

 そのような状況下にある韓国で、3・1独立運動記念日のさなか、同国の知られざる一面を、私は現地で見ることになる。つまり韓国国内はいま分裂の危機にあるのではないか――という光景だ。

露わになった民族の分断
「Moon Jaein OUT!」

 3月1日、ソウル市内では大々的なデモ行進が行われていた。大音量で音楽を響かせ、参加者は熱いシュプレヒコールをあげる。「反日デモ」ではなく「反文在寅デモ」だ。

3・1独立運動記念日に「文在寅 アウト!」のプラカードを掲げてデモする人々(筆者撮影)
 軍服に身を包んだ参加者はこう胸を張った。
「この集会には30万人の韓国人が集まっている(*現地報道では数万人)。われわれはアカの政権を打倒する!」

「太極旗部隊」と名乗るデモの行列がソウル市内を埋め尽くしていた様子は確かに壮観だった。人々を観察していると韓国軍OBや、中高年の男性や地方出身者が多い。いわゆる保守層、右派によるデモが太極旗部隊であるようだ。

〈ムンジェインは北朝鮮のスポークスマンだ!〉というプラカードを掲げた中年男性もいた。デモの所々で韓国国旗である太極旗と、米国国旗である星条旗がはためいていた。彼らを勢いづかせたのが、前日の米朝会談の決裂であることは明らかだった。

3月1日、ソウルで目立ったのは「反日デモ」ではなく「反文在寅デモ」だった(筆者撮影)
 いま韓国で、右派と左派による分断が深く進行していることをうかがわせる光景だった。左派政権である文政権が反日姿勢を見せる背景には、北朝鮮の姿が色濃くあるのは先に述べた。

 その様子は左派陣営でも確認できた。

 3月1日の在韓日本大使館前。こちらで見られたのは、もちろん左派のデモ隊の姿だ。しかし、その数は50名ほどと、かなり少ない。参加者の多くが若者で、うち半数ほどは動員された学生のようだ。

 リーダーの運動家は、マイクでこうシュプレヒコールを上げる。
「日本は謝罪しろ!」

 聴衆も拳を振り上げてはいるが、その様子はシュプレヒコールに合わせたコンサート的なノリに見える。「怒りで拳を突き上げる」といった風情ではない。

3・1独立運動記念日の日本大使館前の様子。反文在寅デモに比べ明らかに人が少ない。(筆者撮影)
 そしてリーダーはこう演説を始めた。
「アメリカのトランプ大統領は北朝鮮の金正恩を友達だという。それならなぜ、制裁をするのか! 制裁をやめるべきだ!」

 いまも確実にある北朝鮮の核保有問題の存在を無視しためちゃくちゃな暴論なのだが、リーダーは大真面目にそう主張しているのだ。理屈もなにもあったものではないが、韓国左派がいかに親北であるかということだけは、この演説によく表れている。

 そして、左派デモの人数の少なさが示唆するものは、韓国内における反日派は実は少数であるという事実だ。

 過去に植民地支配された歴史があるので韓国内には公に「親日だ」とは言いづらい雰囲気があるが、熱く拳を振り上げているのは一部の左派政治家と市民運動家だけでしかない。

「親北朝鮮政権を倒すためクーデターを起こすべき」との声
 問題は文政権がそうした国内情勢を知ってか知らずか、反日姿勢を維持するために強権的になっていることにある。

 2月15日、文在寅は大統領府本館中武室で行われた「国家情報院・検察・警察改革戦略会議」に出席した。そこで次のような「宣言」を行った。

「今年は特別な年です。100年前、独立運動によって正義に満ちた大韓民国が建設された。日帝強占期(植民地支配時代)、警察と検察は独立運動家を弾圧する植民地支配を補完する機関だった。いまも残る暗い影を改革し、完全に脱ぎ捨てなげればならない。そのために大統領、青瓦台は常に監視、牽制する」

 つまり政権は権力機関の掌握に力を注ごうというのだ。こうした姿勢に右派は反発を強めているという。

「いま『親北朝鮮、アカの政権を倒すためにクーデターを起こすべきだ』という意見までが右派や韓国軍関係者の中で囁かれるようになっているのです。韓国軍や国家情報院はこれまで北朝鮮を『敵国』とみなし、演習・情報収集をしてきたわけです。それだけに、無条件に北朝鮮に歩み寄る文政権を危険視しているのです」(韓国メディア記者)

 文在寅大統領の任期はあと3年以上ある。このまま親北路線を突き進むのならば、深刻な左右激突は避けられないのかも知れない――。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55971
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/103.html

[国際25] 「名将」ロンメルの歯車が狂い始めた瞬間 「砂漠の狐」ロンメルの知られざる姿 第2回 
「名将」ロンメルの歯車が狂い始めた瞬間
「砂漠の狐」ロンメルの知られざる姿 第2回
2019.4.3(水) 大木 毅

 日本では不世出の名将として語られることが多い第2次世界大戦のドイツ軍人、ロンメル。だが近年、欧米における評価が変化してきているのをご存じだろうか。40年近く認識のギャップが生じている日欧の「ロンメル論」を、軍事史研究者の大木毅氏が3回に分けて紹介する。前回は、1970年以降、ヨーロッパでは「名将ロンメル」という評価が変わりつつあることを紹介した。今回は、ロンメルの戦場での指揮方法に、どのような欠陥と限界があったのかを見ていこう。(JBpress)

(※)本稿は『「砂漠の狐」ロンメル』(大木毅著、角川新書)の一部を抜粋・再編集したものです。

自らの師団の活躍をヒトラーにもアピール
(前回)「名将」ロンメルの名声はいかにして堕ちたか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55860

 エルヴィン・ロンメルが、第2次世界大戦初期の西方攻勢(フランス・イギリス軍の撃破)でめざましい功績をあげると、その活躍はたちまちナチスのプロパガンダを積極的に広げるヨーゼフ・ゲッベルスらによって伝えられた。

 自ら陣頭に立ち、ときには敵の銃火を顧みずに前進するロンメルは、ナチスの理想を体現する将軍として称揚するのにうってつけだった。新聞、雑誌、ラジオやニュース映画は、ロンメルの活躍をもてはやした。たとえば『西方におけるドイツの勝利』という宣伝パンフレットでは、「もっとも勇猛な人物。総統は騎士鉄十字章を与えて、褒め称えた」などと記されている。

1917年、イタリア戦線でのロンメル(出所:Wikipedia)
 ロンメル自身も自己宣伝につとめ、とりわけヒトラーに対してはぬかりなく行った。1940年末、彼は西方攻勢における第7装甲師団の戦史をまとめ、革装の特製本にしてヒトラーに贈呈している。そのなかで、自らが率いた第7装甲師団の果たした役割を、過大に描いたことはいうまでもない。

 しかし、西方作戦におけるロンメルの功績には、のちに疑問が投げかけられるようになった。第7装甲師団は、将校48名、下士官108名、兵526名の戦死者を出していたのである。この数字は、他の師団が勝利を達成するのに払った犠牲に比べ相対的に大きい。

 たとえば、常に進撃の先鋒を務めていた第1装甲師団の戦死者は267名にすぎなかった。第7装甲師団に比べれば半分以下である。こうした事実をもとに、第7装甲師団は多くの損害を被っているとして、ロンメルの冒険的な戦法や苛酷な部隊運用を批判する者も現れた。

 けれども、この主張は必ずしもフェアであるとはいえない。たしかに、ロンメルは側背の敵を顧みずに突進した。だが、第7装甲師団は1940年のムーズ川の渡河に際しても、空軍の主力が主攻方面に割かれたために、充分な航空支援を受けられなかった。

 また、アラスの戦闘でも、イギリス軍機甲部隊の反攻を真正面から受けるという危機的状況に置かれた。第7装甲師団の損害を批判するのであれば、彼らが何度かこのような難局を経ていることを考慮しなければならないであろう。

「前方指揮」はなぜ行われたのか
 ロンメルがしばしば司令部との連絡が取れなくなるのも構わず、先遣部隊のもとに赴いて指揮を執ったことは、実は彼独自のスタイルとはいえない。当時のドイツ軍、とくに師団ないしは軍団レベルの装甲部隊にあっては、無線設備を整えた装甲車に乗った司令官が、現場で状況を掌握しつつ指示を下すという「前方指揮」が有効であることが確認されていたのだ。

 装甲部隊の出現によって、きわめて流動的になった戦場では、危急のときに重要地点で指揮官が判断を下すことが必要になったのである。前線ではなく、後方の都市に司令部を置いて指揮をしたとみられがちな陸軍将帥、エーリヒ・フォン・マンシュタインも、西方戦役ではロンメルさながらに前線を訪れ、危険を冒している。

 このような司令官の「前方指揮」を可能としたのは、ドイツ軍の参謀養成システムであった。このシステムによって、参謀将校たちはきわめて高いレベルで能力を平準化されていた。司令官が、前線で状況を把握しつつ将兵の士気を鼓舞する。その間に参謀将校は、後方の指令所で作戦参謀あるいは参謀長として、作戦遂行に必要な手はずを整えて部隊をサポートする。

戦術レベルでは適切だったが
 したがって、西方攻勢でのロンメルが取った指揮方法は、それ自体としては責められるべきではない。師団や軍団レベルの戦術次元の行動としては、むしろ適切だったといえる。けれども、こうした原則は上位の指揮階梯である軍司令官や、軍集団司令官に当てはまることではない。

 戦場での戦い方として「戦術」レベルで有効な方策を、勝利という目的を達成するために立案される「作戦」、ましてや最終的な目的達成の最重要シナリオである「戦略」に当てはめたからといって、通用するとは限らない。軍司令官の「前方指揮」という行為は、決定権を持つ者が前線に出て、わが身を危険にさらし、さらには後方司令部と連絡が取れず、麾下部隊に指示を下せないという事態になりかねない。

 つまるところ、勇敢さであるとか、前線での状況掌握能力といったロンメルの長所が発揮できたのは、第7装甲師団長時代までだった。戦術的には非の打ちどころがなくとも、より高い戦略次元レベルの指揮をゆだねられるにつれ、ロンメルの思考の乏しさは露呈していった。おそらくは、参謀教育を受けなかったことにより、その方面への知見を伸ばす機会を逸したことも作用していたであろう。

『「砂漠の狐」ロンメル』(大木毅著、角川新書)
 さような意味において、西方戦役でのロンメルの独断専行に煮え湯を飲まされた、直属の上官だったヘルマン・ホート(彼は、のちの独ソ戦で装甲軍司令官として、自らが作戦の名手であることを実証している)が作成した報告書は恐ろしいほど的を射ていた。

 ホートは「装甲師団の指揮において、あらたな道を切り開いた」と称賛しながらも、ロンメルは衝動的な行動を取りすぎるとし、「より大きな経験を積み、より優れた判断力を得たなら」軍団長に適格な人材になると断じた。

 しかしながら、ロンメルはホートのいう「より大きな経験」を積むことも「より優れた判断力」を得る機会もないまま、軍団の指揮を命じられるのであった。

(第3回に続く) 
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55864
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/902.html

[経世済民131] WTOが19年の世界貿易見通しを下方修正、高関税などリスク、米自動車輸入制限、米中貿易摩擦より影響大 ドル年末6%下落へ
WTOが19年の世界貿易見通しを下方修正、高関税などリスク
Bryce Baschuk
2019年4月3日 10:10 JST
• 今年の伸び率は2.6%、来年は3%と予想−2018年は3%
• 見通しの下方修正は2年連続−貿易摩擦の高まりが背景
世界貿易機関(WTO)は高まる通商摩擦や関税の影響を挙げ、2019年の世界貿易成長見通しを3年ぶり低水準に引き下げた。
  WTOは2日公表した報告書で、世界のモノの貿易伸び率を今年2.6%と予想。昨年の3%から減速するとした。来年は3%と予測。昨年9月時点の見通しは18年が3.9%、19年は3.7%だった。見通しの下方修正は2年連続。
  アゼベド事務局長はジュネーブで「貿易を巡る緊張が高まる中、この見通しに誰も驚かないだろう」との声明を出し、「摩擦を解消し、今日の経済が抱える真の課題に対処する世界貿易のため前向きな道を示すことに注力する緊急性が一段と高まっている」と指摘した。
Collateral Damage
The WTO slashes its global trade growth projection for 2019

Source: World Trade Organization
  WTOは報告書で、貿易財に幅広く影響する新たな関税や報復措置など、貿易の伸びを抑制するさまざまなリスク要因を挙げ、金融市場の不安定と金融情勢の引き締まりも圧迫要因だとした。
原題:Tariff War Will Hammer Global Trade Growth This Year, WTO Says(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPCXEI6K50XU01


 


米国の自動車輸入制限、米中の貿易摩擦より影響が大きい−WTO
Bryce Baschuk
2019年4月2日 23:53 JST
外国車の輸入を制限するとのトランプ米大統領の脅しは、米中間の貿易摩擦よりも世界経済への影響が大きいと、世界貿易機関(WTO)のチーフエコノミスト、ロバート・クープマン氏が指摘した。
  同氏は2日、ジュネーブで記者団に対し、おおざっぱな計算だと前置きした上で、「米中間の貿易は世界全体の約3%だ。世界全体の自動車貿易は貿易全体のおよそ8%となっている。そのため、自動車関税の影響の方が米中の貿易摩擦よりも大きいことが想像できるだろう」と述べた。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i56OQ309_7PE/v0/576x-1.png
  WTOは2019年の世界貿易成長率予想を3年ぶりの低水準に下方修正。貿易摩擦や関税の影響を理由に挙げた。
  自動車輸入が国家安全保障に及ぼす影響に関し、米商務省は報告書の作成を終えている。トランプ政権はこれを踏まえて、自動車および同部品の輸入に対する関税や割り当てなどの制限を検討している。米国は昨年、鉄鋼に対して25%、アルミニウムに対して10%の関税を賦課したが、今回の自動車を巡る対応は、金属と同様のプロセスを経ている。
原題:If You Think Trump’s China Policy Is Tough, Wait for Car Tariffs(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PPC7IV6K50XS01?srnd=cojp-v2


 
ドルはすでに今年のピーク過ぎ、年末までに6%下落へ−モルガンS
Ruth Carson
2019年4月3日 1:29 JST
• ドル、市場が予想する以上に下落する−モルガン・スタンレー
• 世界他地域の株価見通しが改善へ、米投資家の資金環流も減る見込み
モルガン・スタンレーの見方に従えば、ドルはもう今年のピークを過ぎた。
  ハンス・レデカー氏ら同行ストラテジストは2日のリポートで、ドルは年末までに6%下落すると予想。他国と比較した米経済成長ペースが減速し、米金融当局のハト派的な姿勢がドルを圧迫すると見込む。
  レデカー氏らは「ドルはすでに現サイクルでのピークを付け、市場の予想以上に下がると考えられる」とし、「最近まで米投資家による資金の本国環流がドル相場を支えてきたが、米国と比べて世界の残り地域の株価見通しが改善するのに伴い、この環流も減るだろう」と続けた。
  ゴールドマン・サックス・グループやウエスタン・アセット・マネジメントなどもドル安の見通しを明らかにしている。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は昨年1年で約3%上昇。今年に入ってからはほぼ変わらずとなっている。

原題:Morgan Stanley Sees Dollar Sliding 6% in 2019 on Growth Concerns(抜粋)
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【引受実績】みずほ証券3冠、サムライも首位−18年度社債・財投含め
伊藤小巻
2019年4月3日 5:45 JST
• 年度引受額は5641億円−マレーシア債で3月にSM日興を逆転
• 財投機関債で8年ぶり、社債で2年ぶりのトップになっていた
2018年度のサムライ債引き受けランキングは、みずほ証券が3年連続で首位となり、社債と財投機関債を含めて年度3冠になった。
  ブルームバーグのデータによると、みずほ証のサムライ債引受額(自社発行分除く)は5641億円だった。1、2月まではSMBC日興証券に続く2位だったが、3月のマレーシア債2000億円の主幹事になり逆転した。マレーシア債は引受額の内訳が開示されず、データ上は主幹事3社が均等に表示される。みずほ証はHSBCホールディングスの初のTLACサムライ債を含めて件数でも他社をしのいだ。
  年度引受額でみずほ証は財投機関債で8年ぶりのトップだった。7年連続首位の三菱UFJモルガン・スタンレー証券は6月末に表面化した国債相場操縦が影響、5大証券で最下位になった。社債でもみずほ証は、17年度首位の野村証券を上回り2年ぶりのトップになった。サムライ債でみずほ証は16年度から首位を堅持している。
  サムライ債は金融庁のTLAC(総損失吸収能力)債リスクウエートの経過措置で、国際金融システム上で重要な銀行(GーSIBs)の発行が増えた。みずほ証の長嶋慎一郎グローバルキャピタルマーケット推進部次長はTLAC債について「1件当たりの発行額増加に加え、年度に複数回起債する発行体も増えた」と述べた。国際協力銀行(JBIC)部分保証債、フィリピンとマレーシアの久しぶりのソブリン債を含めて「象徴的な案件を幅広く手掛けることができた」としている。
3月順位 引受会社 引受額(億円) シェア(%) 件数
1 HSBC 667 33.3 1
1 みずほ証 667 33.3 1
1 大和証 667 33.3 1
2018年度
(2月まで) 引受会社 引受額
(億円) シェア
(%) 件数
1(2) みずほ証 5641 23.1 48
2(1) SM日興 4991 20.4 44
3(3) 大和証 4703 19.2 41
4(4) 三菱モル 3932 16.1 36
5(5) 野村証 3164 12.9 33
6(ー) HSBC 667 2.7 1
7(6) シティ 498 2.0 7
8(7) メリル日本 467 1.9 3
9(8) JPモル 163 0.7 1
9(8) ガスプロム 163 0.7 1
11(10) BNP 75 0.3 1

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PPC7O3SYF01Z01

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/782.html

[経世済民131] トレンド追随クオンツが復活探る−債券大幅高の波に乗り 資産780億円は「ばかげた」金額、グーグル目指さぬKudan大野氏
トレンド追随クオンツが復活探る−債券大幅高の波に乗り
Justina Lee、Ksenia Galouchko
2019年4月3日 10:21 JST
• ソシエテが集計する大手CTAは17年終盤以来の好成績
• 自動取引のファンドは短期のトレンドに対して脆弱
世界資産のモメンタムを追うクオンツファンドは国債の強気相場に乗り、一時的に苦境を脱した。
  コモディティー・トレーディング・アドバイザー(CTA)とも呼ばれるトレンド追随ファンドは1−3月(第1四半期)に、2017年終盤以来の好成績となった。大手ファンドをモニターするソシエテ・ジェネラルの指数が示した。リセッション(景気後退)を巡るパニックが債券のロングポジションに利益をもたらした。
  ただ、1−3月期は株式と原油にとってここ10年余りで最良の第1四半期だったものの、CTAファンドのリターンはプラス1.9%にすぎない。自動取引のモデルは昨年終盤の急落で警戒シグナルを発していたため、こうしたファンドは上昇相場の大半に乗り遅れた。
 

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i2sB_oBXcIC8/v2/576x-1.png
  ソシエテのクロスアセットクオンツ調査責任者、サンドリン・ウンガリ氏は「トレンド追随ファンドは昨年、市場の乱高下から痛手を被った」とした上で、「債券のトレンドは相対的に安定している傾向がある。リセッション懸念とハト派的な中央銀行の姿勢によって引き起こされた強気相場の環境では特にそうだ」と分析した。
  ソシエテは、この種のクオンツファンドが今、株式には幾分オーバーウエート、商品に中立、債券は顕著に買い持ちにしているとみている。今後数カ月にリスク資産の値上がりが続き、米国債弱気派が冬眠から一斉に覚めた場合の痛みが示唆される。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i_2XndlQKyvI/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png
  国債とリスク資産が景気循環について相反するシグナルを送っている中で、自動取引のファンドが決定的なトレンドに乗ることができるかどうかは不透明だ。トレンド追随戦略は短期でのトレンド転換に対して脆弱(ぜいじゃく)だ。
  49億ドル(約5500億円)規模のヘッジファンド、トランストレンドのエグゼクティブディレクター、アンドレ・ホニグ氏は、最近の債券値上がりによる追い風にもかかわらず、業界の将来を憂える。「市場のダイナミクスがあまりにも速く展開するので、過去に合わせて構築されたCTAシステムが将来も有効であるのは簡単ではない」と同氏は述べた。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iKzi4o_cnI0Y/v2/576x-1.png
原題:Trend-Following Quants Attempt Comeback Powered by Bond Bonanza(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPBZKI6JTSE801

 

資産780億円は「ばかげた」金額、グーグル目指さぬKudan創業者
Yoojung Lee、Min Jeong Lee
2019年4月3日 1:00 JST
• 伝統的な日本企業で働きたくない気持ちから最終的に起業
• 競合する会社参入リスクもあり、株価は割高とみるアナリストも
大野智弘氏は日本の大学卒業時に自分が何をしたいかは分からなかったが、伝統的な日本企業で働きたくないことは分かっていた。
  経営コンサルタントとして職業人生を始めた大野氏はその後、英ブリストルにある新興企業での勤務を経て、最終的により最先端の企業を起業することになった。拡張現実(AR)の世界にいち早く入り込んだ同氏が設立したKudanは、コンピューターに人間の目と同様の機能を持たせるプログラムを開発している。
  同社は昨年12月に東京証券取引所に上場。素晴らしいデビューを飾り、株価は今年2月末に公開価格の6倍超という高値を付け、大野氏の資産は8億ドル(約890億円)を超えた。その後幾らか下落したものの時価総額は依然、13億ドル前後で、過半数株を保有する大野氏の資産は約7億ドルに上る。ブルームバーグ・ビリオネア指数が示した。

ブリストルのオフィス内の大野氏
Source: Kudan Inc.
 
  しかし大野氏(49)は舞い上がっていない。東京都内でのインタビューで、「ばかげた金額だ。意味がない。時価総額を上げるためにやっているわけではない」と語った。
  ARと聞けばスマートフォンゲーム「ポケモンGO」を思い浮かべる人が多いが、この技術にはもっと大きな意味があるという。「ポケモンGOにケチを付けるわけではないが、ピカチューが部屋の中に現れるというだけだ」と同氏は話す。
  KudanのARが目指すところは違う。大野氏によれば、同社はコンピューターが人間の目と同じように現実世界の物を3次元で認識できるプログラムを開発中で、この技術は自動運転車やドローン、掃除機にすら活用できる。人工知能(AI)などの技術と組み合わせて自律的で双方向の体験を可能にする。
  「AIが脳でわれわれは目だ。目と脳がともに働く必要がある」と同氏は述べた。Kudanは最近、米カリフォルニア州に本拠を置くシノプシスとの提携を発表した。モバイルから自動車市場までカバーするシノプシスの製品にKudanの技術を組み込む。大野氏はKudanを大きくすることが目的ではないとしているが、こうした提携を通じてKudanのエクスポージャーは高まる。
  「次のグーグルになりたいとは思わない」と大野氏は話す。むしろ、ほとんどのスマホに技術が採用されている半導体設計の英アーム・ホールディングスのようになりたいという。「アームは巨大だがインテルに比べると極小だ。しかしあらゆるところにある。われわれが目指すのはそこだ」と同氏は語った。
  ただ、松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストはKudanには「同じような形で競合する会社が参入してくるリスクがやはりある」としたほか、高い期待を背景に同社株は「かなり買われている状況で、いわゆる割高というところ」と指摘した。Kudanの株価は純資産価値の150倍以上、株価収益率は3万6000倍を超える。
  

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iSVVCeKPBdrs/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png
  だが、大野氏は過度に心配せず、中国に部門を設立し上場させるといった目標などに集中している。Kudanの従業員は20人足らずで、専門家のみを採用し各自がやるべきことを分かっているので、不要な会議はしないという。ブリストルのオフィスは元教会の中にあり、移転の予定はない。
  大野氏の席のすぐ後ろにはステンドグラスの窓があり、晴れた日にはそこから光が降り注ぐ。「そこでは私は神のように見える」と同氏は話した。
原題:He’s Worth About $700 Million. And He Says It’s ‘Ridiculous’(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PPA5RT6KLVRG01?srnd=cojp-v2

 
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/783.html

[経世済民131] サウジアラムコ世界最大油田の「驚くほど低い」生産能力が判明 SP500下埋 原油年初来高 米耐久財受注予想外コア資本財減
サウジアラムコ世界最大油田の「驚くほど低い」生産能力が判明
Javier Blas
2019年4月3日 0:08 JST
• ガワール油田の生産能力は日量最大380万バレル−予想下回る
• 債券目論見書でサウジの巨大油田に関する詳細が判明
それはある王国の国家秘密であり、富豪の資金源だった。あまりの重要性から、かつて米軍が武力での掌握について議論したほどだ。そして石油トレーダーにとっては、消えることのない臆測の源でもあった。
  市場はようやく実態を知ることになった。世界最大の油田、サウジアラビアのガワール油田の生産能力はほとんどの人が予想していたよりもずっと少なかった。
  サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは1日、約40年前の国有化以降で初めて利益を公表。同時に、保有する巨大油田を巡る秘密のベールを脱いだ。同社の債券目論見書によればガワール油田の生産能力は日量最大380万バレルで、市場で広く考えられていた500万バレル超を大きく下回った。  
King of Oil
Saudi Arabia relies on a handful of mega-fields to sustain its 12 million b/d capacity

Source: Saudi Aramco bond prospectus
  シンガポールのコンサルティング会社エナジー・アスペクツの上流部門責任者、ビレンドラ・チャウハン氏は「ガワールはサウジ最大の油田であり、驚くほど低い生産能力の数字は目論見書の中でも際立っている」と指摘した。
  米エネルギー情報局はガワール油田の生産能力について、2017年は日量580万バレルとしていた。アラムコ自体も04年に行ったプレゼンテーションで、同油田の生産能力は日量500万バレル超だとし、少なくとも10年前から同水準を維持してきたと説明していた。
  目論見書には、現在の生産能力が15年前と比較して約4分の1減っている理由を示す情報は記されていない。
原題:Saudi Aramco Reveals Sharp Output Drop at Super-Giant Oil Field(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PPC7306S972801?srnd=cojp-v2

 


S&P500種が下げ埋める、原油は年初来高値
Vildana Hajric
2019年4月3日 5:44 JST 更新日時 2019年4月3日 6:22 JST
• ダウ平均は4日ぶりの下落、ウォルグリーンが大幅安
• 米国債は前日の下げを一部回復、長期債の上値は重い
2日の米株式市場ではS&P500種株価指数がほぼ変わらず。1−3月(第1四半期)に四半期ベースで2009年以来の大幅高となったことを踏まえて見直し買いが入り、日中安値から戻した。米国債相場は反発。
• 米国株はS&P500種が下げ埋める、ナスダック総合は小幅続伸
• 米国債は反発、10年債利回り2.47%
• NY原油は年初来高値、OPEC減産で楽観広がる
• NY金は小反発、世界経済減速懸念で逃避需要高まる
  ダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに下落。ドラッグストアチェーンのウォルグリーン・ブーツ・アライアンスが決算発表を受けて大きく下げた。一方、テクノロジー株は好調となり、ナスダック総合指数を押し上げた。S&P500種は軟調な場面が目立ったが、下げを埋めて終えた。
  S&P500種株価指数は前日比0.05ポイント高の2867.24。ダウ平均は79.29ドル(0.3%)下げて26179.13ドル。ナスダック総合指数は0.3%上昇。ニューヨーク時間午後4時50分現在、米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し2.47%。
  ニューヨーク原油先物相場は3営業日続伸。石油輸出国機構(OPEC)の原油生産が減少し、市場引き締まりの様相を呈した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物5月限は99セント(1.6%)高の1バレル=62.58ドルと、重要な節目の200日移動平均線を上回って終了。ロンドンICEの北海ブレント6月限は36セント上げて69.37ドル。
  ニューヨーク金先物相場は小反発。世界経済減速の兆候を受け、金の逃避需要が高まった。3月の米自動車販売は大半のメーカーで減少を示したこと、2月の米耐久財受注統計でコア資本財の受注が過去4カ月で3度目の減少となったことなどが注目された。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は0.1%高の1オンス=1295.40ドルで終了した。

  ZEGAファイナンシャルのジェイ・ペストリケリ最高経営責任者(CEO)は「世界は慎重ながらも楽観的で、最善の事態を願いつつ最悪の事態に備えるといった状況にある」との見方を示した。
  米国債は前日の下げの半分程度を埋めた。幅広い年限で買いを集めたが、長期物は短期物に比べ上げ幅が小幅だった。今月の大量の社債発行や今週の長期債入札を前に長期債の上値は重かった。
原題:Stocks Climb From Lows; Treasuries Resume Rally: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Advance; Curve Steepens as IG Credit Issuance Mounts
Oil Rises to Highest This Year as OPEC Curbs Stoke Optimism
PRECIOUS: Gold Advances as Growth Concerns Boost Haven Demand
(第6段落以降を追加し、更新します.)


英首相「政治宣言」共同案を野党党首に要請へ−EUと締結目指す
Tim Ross、Robert Hutton、Kitty Donaldson
2019年4月3日 7:32 JST 更新日時 2019年4月3日 8:56 JST
• 合意すれば共同案の議会承認を求め、10日のEU臨時首脳会議に臨む
• 合意なければ複数の選択肢を下院の採決に付し、政府は決定に従う

メイ首相
Photographer: JOHN STILLWELL/AFP
メイ英首相は、欧州連合(EU)離脱を巡る行き詰まりを打開し、無秩序な「合意なき離脱」を回避するため、最大野党・労働党のコービン党首に共同プランの立案への協力を求めた。共同案はEUとの将来の関係の枠組みを描く「政治宣言案」部分に的を絞ったものを想定している。
  メイ首相の労働党党首への協力要請は、場合によってEUとの関税同盟にとどまるような首相案よりかなりソフトなEU離脱の可能性に道を開きかねない。首相にとって交渉のレッドラインを大きく踏み越えることを意味するが、産業界にとっては朗報となる。この動きを受け、ポンド相場は上昇した。
  コービン党首はメイ首相の申し出を歓迎し、「非常に喜んで」会うと発言。EUサイドの最初の反応も前向きなものとなった。
  メイ首相は7時間に及ぶ異例の長時間閣議の後、危機を乗り切るために4月12日の離脱期限のさらなる延長が必要になるだろうと語った。メイ氏は首相官邸でテレビカメラに向かい、「この議論、この分裂状態をずっと長く続けるわけにはいかない。国益のために国の結束が必要だ」と訴えた。
  メイ首相の計画の主なポイントは次の通り。
• 合意の下でのEU離脱を確実なものとするため、コービン党首と共同案での一致に向けて協議。将来のEUとの関係に的を絞る
• 両者が合意すれば、共同案の議会承認を求め、その後EUが10日に開く臨時首脳会議で締結を目指す
• メイ首相とコービン党首が合意に至らない場合、英・EUの「将来の関係について複数の選択肢」を下院に提案し、採決に付す。議会の決定がどのようなものであれ政府は実行を約束する
• 英国のEU離脱を可能にし、5月の欧州議会選挙への参加が必要になる事態を避けるために関連法をその後成立させる
  メイ首相はコービン党首とのいかなる合意も、下院で3度否決された「離脱協定案」部分を含む形で議会の承認を得る必要があると主張した。
メイ首相は最大野党・労働党のコービン党首との会談を提案
ソース:ブルームバーグ)

労働党のコービン党首
写真家:Jason Alden / Bloomberg
原題:U.K.’s May Seeks Deal With Labour to Break Brexit ‘Logjam’ (1)(抜粋)
(メイ首相の発言などを追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PPCU4B6JTSE901

 

米耐久財受注:予想外のコア資本財減、マイナスは4カ月で3度目
Reade Pickert
2019年4月2日 21:36 JST 更新日時 2019年4月2日 23:05 JST
2月の米耐久財受注統計では、設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注が、過去4カ月で3度目の減少となった。世界的な景気減速や米中貿易戦争を巡る不透明感を背景に、企業の投資が引き続き抑制されている状況が示唆された。
キーポイント
• コア資本財は0.1%減
o ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は0.1%増
o 前月は0.9%増(速報値0.8%増)に上方修正
• 全体の耐久財受注は1.6%減、予想1.8%減

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iT2v.YkZigC8/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png

インサイト
• 今回の統計は米経済成長が昨年のペースを失いつつあることを新たに示唆。中国や欧州の景気減速が米企業への重しとなっている
• 国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア資本財の出荷は前月と変わらず。予想は0.1%減。前月は1%増(速報値0.8%増)に上方修正
• 全体の耐久財受注の数字は、変動が大きい民間航空機・部品の受注が31.1%急減したことを反映
詳細
• 輸送機器を除く耐久財受注は0.1%増。市場予想と一致。前月は0.1%減。国防資本財の受注は3.4%減
• 耐久財の在庫は0.3%増
• 統計の詳細は表をご覧ください
原題:U.S. Business-Equipment Orders Post Third Drop in Four Months(抜粋)
(統計の詳細を追加し、更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PPC2XWSYF01S01?srnd=cojp-v2

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/784.html

[経世済民131] 「逆イールドは米景気後退の予兆」は鉄の法則か 仮想通貨の冬終わる 米大統領とFRB似てきた 豪黒字過去最高 中国指標春へ
為替フォーラム2019年4月3日 / 10:44 / 11分前更新

「逆イールドは米景気後退の予兆」は鉄の法則か

村嶋帰一 シティグループ証券 チーフエコノミスト
5 分で読む

[東京 3日] - 米国の利回り曲線(イールドカーブ)の長短逆転、いわゆる「逆イールド」は、近い将来の景気後退局面入りを意味するのだろうか。この点を巡る関心が高まっている。実際、過去の経験に基づく限り、「逆イールドは米国景気後退の予兆」という説は、例外のない、いわば「鉄の法則」のようにもみえる。

1960年以降、米国の10年物国債利回りから3カ月物財務省短期証券(Tビル)利回りを引いた長短金利差が逆転し、逆イールドが発生した際には、ほぼ例外なく、それほど時間を置かずに景気後退局面を迎えていた。唯一の例外は1966─67年に発生した逆イールドだ。こうした経験則を踏まえれば、今回も逆イールドが発生する中、金融市場で米国景気後退への懸念が強まったのは無理からぬことと言えるだろう。

<今回、法則を裏切る理由>

その理由を簡単に言えば、これまでの景気後退入り前には政策金利がはっきりとした引き締め領域までに引き上げられていたのに対して、今回は、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートが、景気抑制効果を及ぼし始める水準よりも低い水準にとどまっていることが指摘できる。やや込み入った話にはなるが、この点を具体的に議論していこう。

景気に対して刺激効果も抑制効果も及ぼさない実質金利の水準は「中立金利」と呼ばれる。これと、FFレートからコア個人消費支出(PCE)デフレーターの前年比を引いたもので定義される現実の実質政策金利を比べることにより、金融政策が景気に対して刺激的か、抑制的かをおおまかに判断できる。中立金利は推計する必要があるが、ここでは、米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁らの推計値を使用する。

ここでも、1960年以降の期間について振り返ると、実質政策金利の中立金利からの乖離幅は、1969─1970年の後退局面を除くと、いずれの景気後退局面の手前でも、はっきりとしたプラス(おおむね1.5─2%以上)となっていたことが分かる。すなわち、実質政策金利が中立金利を明確に上回ることで、経済活動に対する抑制効果が表れ、タイムラグを伴いながら、景気が後退局面に入ったことになる。

また、そうした景気見通し(あるいはそれを受けて利下げが実施される可能性)を織り込む形で、長期金利が短期金利を下回り、逆イールドが発生したことになる。

しかしながら、今回の局面では、依然として、実質政策金利が中立金利をわずかながら下回っており、理屈上、経済活動に対する抑制効果は顕在化していない。具体的には、現在の実質政策金利は0.5%程度、ウィリアムズ総裁らによる中立金利の推計値は0.8%程度である。こうした点を踏まえると、今回の逆イールド現象については、少なくとも、従来経験とは異なる解釈余地があると考えるべきだろう。

例えば、日本とユーロ圏の超低金利を背景とする米国債市場への資金流入(サーチ・フォー・リターン)や、米国で中期的にインフレ率(あるいはインフレ期待)が低位にとどまるとの見通しが、米長期金利を抑制している可能性がある。また、現象面から言えば、タームプレミアム(期間のより長い債券に要求される追加的な利回り)がマイナスとなっていることが、長期金利を低位にとどめている。

以上のような理由から、弊社は、今回の逆イールドが、近い将来における米国景気の後退局面入りを意味するという見方とは一線を画している。むしろ米連邦準備理事会(FRB)が3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、政策金利を、中立金利を下回る水準にとどめる姿勢を極めて鮮明にしたことで、緩和的な金融環境が続き、今回の米国景気拡大が(緩やかだとしても)より息の長いものとなる可能性が出てきていると考えるべきではないか。

<FRB政策運営の軸足はインフレに>

次の問いとして頭に浮かぶのは、なぜ、FRBがこのタイミングで、政策金利を中立金利よりも低い水準に維持する方針を鮮明にしたかという点であろう。金融市場の不安定化や海外景気の下振れリスクがその理由の1つと考えられるが、最も重要なのは、低インフレが定着することへの懸念と考えられる。

FRBは今年、インフレ目標の枠組み見直しについて、本格的な検討を始める予定である。議論の方向性が示されたのが、今年2月に開催された「米国金融政策フォーラム」であり、そこでFRBのクラリダ副議長やウィリアムズ総裁らがインフレ目標の枠組み見直しについて問題提起を行っている。

クラリダ副議長は「金融政策の戦略・手段・情報発信に関する再検討」と題された講演の中で、「長い期間にわたってインフレ率が目標を下振れれば、より長期のインフレ期待がうまくアンカーされない、もしくはインフレ目標よりも低い水準でアンカーされるリスクを伴う」と指摘した。そうした問題意識の下、インフレ率が目標を下回った場合には、その後に目標からの上振れを許容する「埋め合わせ戦略」についても言及。その具体的な方法として、複数年の平均的インフレ率をターゲットとすることや、物価水準ターゲットを挙げた。

クラリダ副議長の問題意識を少し敷衍(ふえん)すると、FRBはこの間、「2%のインフレ目標」をうたいながら、それをあたかも上限であるかのように運営してきた。インフレ率が目標値を下回る期間が続いても、ひとたび2%に戻れば、金融緩和措置は弱められる傾向が強かった。これにより、現実のインフレ率が平均で2%を下回る事態を招いたと考えられる。

ウィリアムズ総裁は、現在の景気拡大局面では、PCEインフレは食料・エネルギーを除くコアでみても、全体でもみても年率で約1.5%にとどまり、目標の2%を下回っていると指摘している。

 4月3日、米国の利回り曲線(イールドカーブ)の長短逆転、いわゆる「逆イールド」は、近い将来の景気後退局面入りを意味するのだろうか。「鉄の法則」のようなこの説が、今回裏切られる理由をシティグループ証券の村嶋帰一氏が説明する。写真は3月、米FRBのパウエル議長。ワシントンで撮影(2019年 ロイター/Jonathan Ernst)
現実のインフレ率が平均的に2%を下回った結果、企業や家計のインフレ期待が低下し、それがさらに現実のインフレ率に対して大なり小なり下押し圧力を及ぼしている可能性が高い。

だとすれば、「2%のインフレ目標」を上限であるかのように運営するのではなく、ある程度の期間の平均で2%を目指すことが、インフレ期待の低下と、現実のインフレ率の下振れを防ぐ意味で望ましい政策ということになる。ウィリアムズ総裁は同フォーラムで、「(インフレ率を平均的に2%にするためには)約半分の期間で目標を上回り、約半分で下回ることになるだろう」と述べているが、これはFRBが目指している状態だと推測される。

FRBがここで述べたような枠組み見直しを検討し始めた背景としては、景気拡大局面が長期化する中、次の景気後退局面ではインフレ率が一段と低下し、それが中長期のインフレ期待を一段と押し下げる可能性に対する危機感が挙げられよう。

ややうがった見方をすれば、枠組み見直しの正式決定がまだ先だとしても、今回の景気拡大局面における残りの期間で、2%をやや上回るインフレを実現したいと考えているのではないか。これが、政策金利を、中立金利を下回る水準にとどめる方針を鮮明にしたことの基本的な背景だと考えられる。

以上の通り、FRBのインフレ重視スタンスは、長期間にわたって政策金利を中立金利を下回る水準にとどめる公算が大きく、緩和的な金融環境を通じて、米国景気の拡大をより息の長いものとするだろう。「逆イールドすなわち米国景気後退」説は、今回、裏切られる可能性が高いように思われる。

*本コラムは、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

村嶋帰一氏(写真は筆者提供)
*村嶋帰一氏は、シティグループ証券調査本部投資戦略部マネジングディレクターで、同社チーフエコノミスト。1988年東京大学教養学部卒。同年野村総合研究所入社。2002年日興ソロモン・スミス・バーニー証券会社(現シティグループ証券)入社。2004年より現職。

(編集:下郡美紀)
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-kiichi-murashima-idJPKCN1RE0FH

 


ビジネス2019年4月3日 / 02:23 / 9時間前更新
ビットコイン一時20%超高、「仮想通貨の冬」終わるとの指摘
Reuters Staff
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[2日 ロイター] - 仮想通貨のビットコインBTC=BTSPが一時23%高の5080ドルと、4カ月半ぶりの高値を付けた。取引時間中の上げでは2017年12月以来の大きさ。

金融コンサルタンシー、ディーヴァー・グループのナイジェル・グリーン最高経営責任者(CEO)は、相場が底を打ち「仮想の冬」が終わったと指摘した。

この日の急伸について「様子見していた多くの投資家を引き寄せる公算が大きい」と分析し、数カ月中に7000ドルを付けると予想。

アナリストらによると、匿名の買い手が1億ドル規模の大型注文を出し、他の仮想通貨にも影響が広がったという。

イーサリアムETH=BTSP、リップルのXRPXRP=BTSPも10%超上昇した。
https://jp.reuters.com/article/bitcoin-soars-idJPKCN1RE1XR


 


外国為替2019年4月3日 / 10:54 / 15分前更新
〔マーケットアイ〕外為:
ドル111円前半、米大統領とFRBの主張「似てきた」との声
Reuters Staff
2 分で読む

[東京 3日 ロイター] -

<10:50> ドル111円前半、米大統領とFRBの主張「似てきた」との声

ドルは111.46円付近。米中が通商交渉で最終合意に近づいているとの報道を手がかりに一時111.52円まで上昇、抵抗線となっていた200日移動平均(111.48円)を踏み上げたものの安定的に上昇できず、小幅に反落している。

為替市場では、トランプ米大統領と米連邦準備理事会(FRB)の主張や発言が同一化しているとの指摘が聞かれる。

「トランプ氏は以前から利上げは駄目、ドル高も駄目と繰り返しているが、最近のFRBは(トランプ氏に)似てきたようだ」とFXプライムbyGMOの常務取締役、上田眞理人氏は言う。

FRBは3月19―20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、事実上規定路線になっていた利上げ休止を決定。年内追加利上げを見込まないFOMC参加者が11人もおり、為替市場では利上げ休止が長引くとの見方が広がっている。

FRBのクラリダ副議長は28日パリでの講演で、他国のリセッションは当該諸国での金利低下をもたらすため相対的にドル金利が高くなり、ドル相場を押し上げ米輸出の競争力を削ぎ輸入を拡大すると指摘。また、ドル高は輸入物価の下押し圧力を醸成し、インフレを押し下げるとの見方を示した。

さらに、諸外国の景気減速への懸念は避難先通貨としてのドル需要を高めドルを一段と強くするかもしれないと、ドル高を巡る懸念を列挙した。

<09:57> ドル111円半ばに上昇、米中が最終合意に近づいているとの報道で

ドルは111.48円付近。一時111.52円まで上昇した。

きっかけは、米国と中国が通商を巡り最終合意に近づいている、とのフィナンシャルタイムズ紙の報道。

同紙は関係筋を引用し、米中高官は通商合意に向け懸案事項の大半を解決したが、合意の履行方法を巡っては依然議論に隔たりがあるという。

この報道をきっかけに、ドルは壁となっていた200日移動平均線(111.48円)を踏み越えたが、安定的に111円半ばを超えられるか、現時点では不透明だ。

<07:30> ドル111.00─111.80円の見通し、英ポンド高/ドル安で上値重いか

ドル/円は111.33円付近、ユーロ/ドルは1.1202ドル付近、ユーロ/円は124.70円付近。

きょうの予想レンジはドル/円が111.00―111.80円、ユーロ/ドルが1.1170─1.1250ドル、ユーロ/円が124.20―125.40円とみられている。

前日の海外市場では、英国のメイ首相が欧州連合(EU)の離脱交渉期限の延長を要請することを明らかにしたことを受け、英ポンドは一時1.3150ドル、対円では146.44円付近まで上昇した。

メイ首相は議会のこう着状態脱却に向け、野党・労働党のコービン党首と協議する意向も表明した。

英ポンドは現在も堅調で1.1340ドル、146.22円付近を推移している。

前日は「ポンド高/ドル安がユーロにも波及し、ユーロが下げ幅を縮小する場面がみられた」(外為アナリスト)とされ、きょうも英ポンドやユーロの相対的な強さがドル/円の上値を抑える余地がある。

ドル/円ではさらに111.48円付近に200日移動平均線があり、目先のレジスタンス(抵抗線)を形成しているため、これを上抜けられるかも焦点だ。前日の海外市場では上抜けできなかった。

きょうは米国時間にISM非製造業景況指数や米サービス部門PMI改定値など主要指標を控え、午後の取引では様子見姿勢が強まりそうだ。

自動車メーカー各社が2日に発表した3月および第1・四半期の米国内販売は低調な結果となった。

ゼネラル・モーターズ(GM)の第1・四半期販売台数は7%減、トヨタ自動車は3月が3.5%減、第1・四半期は5%減、日産自動車は3月が5.3%減、第1・四半期は11.6%減だった。ホンダは3月に4.3%増、第1・四半期は2%増。 「自動車販売は、米消費者が景気の先行きをどのようにみているかが反映される指標で、同指標の落ち込みは、小売売上高などの低迷につながるだろう」(国内エコノミスト)とみられている。

全スポットレート(ロイターデータ)

アジアスポットレート(同)

欧州スポットレート(同)

通貨オプション

スポットレート(ロイター・ディーリング約定値)

スポットレート(日銀公表)


 
ワールド2019年4月3日 / 10:44 / 25分前更新
豪貿易黒字、2月は過去最高 予想上回る
Reuters Staff
1 分で読む

 4月3日、オーストラリア連邦統計局が発表した2月の貿易収支は季節調整済みで48億豪ドルの黒字と過去最高となった。写真は羊毛倉庫の前に積まれた輸出用コンテナ。シドニーで昨年9月に撮影(2019年 ロイター/Jonathan Barrett)
[シドニー 3日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した2月の貿易収支は季節調整済みで48億豪ドルの黒字と、黒字額は市場予想の38億豪ドルを上回り、過去最高となった。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-frx-idJPL3N21L0I2?il=0


 

2019年4月3日 The Wall Street Journal
春告げる中国指標、慎重ながらも楽観的な判断を
中国
Photo:DOL
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 中国経済に春が訪れているのだろうか。信ぴょう性のないデータを案内役にするのは頼りない。

 世界2位の経済大国である中国の3月の製造業購買担当者指数(PMI)は6カ月ぶり高水準に達し、民間業者による同様の指数も力強く回復した。だがいつものことながら、早春は中国経済データがぶれやすい時期だ。年毎に期日がずれる1週間の旧正月(春節)や銀行の新たな融資割当枠の決定など、さまざまな季節要因で1-3月期は景気判断が難しい。中国経済は3月にやや上向いたかもしれないが、PMIが節目の50を上回り、経済活動の拡大を示す水準へ上昇したのは、おそらく実際以上の数字に上振れしたものだろう。2月のPMIは49.2だった。

 こうした統計のゆがみはすでに、数年ぶり低水準となった2月の貿易・工業統計で明白になっていた。昨年の春節は非常に遅く、2月16日に始まったため、季節要因による活動低下が3月まで持ち越された。今年は春節が早まり、2月の活動が弱く、3月が好調となった。中国国家統計局は問題を是正しようと取り組んではいるが、完全には対処できないだろう。2009年終わり以降、中国製造業PMIの標準偏差は1?3月に他のどの月よりも26%高くなっている。

 それでも、慎重ながら楽観的な見方ができる理由もある。2年にわたり極めて高い水準で推移していた低格付けの債券利回りは、12月以降に小幅に低下してきた。経済に借り入れコスト低下の影響が現れるまでには通常、6?9カ月かかる。だが民間の中小企業は長らく資金繰りにあえいできたため、今回も新たな借り入れがより迅速に投資へ向かう可能性がある。インフラ投資も引き続き、昨年の資金不足から回復している。

 投資家は借り入れコストが一段と低下するかどうか、不動産市場が悪化する兆候が強まるかどうか、を見極めていくべきだろう。そうした動向の方が、季節性の強い3月の製造業PMIの回復より信頼性が高そうだ。

(The Wall Street Journal/Nathaniel Taplin)
https://diamond.jp/articles/-/198691
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/785.html

[政治・選挙・NHK259] 習近平が大喜びする「日韓・日ロ関係悪化」を全力で回避すべき理由 日本のサバイバルは ロシアにかかっている
習近平が大喜びする「日韓・日ロ関係悪化」を全力で回避すべき理由
2019年4月3日 北野幸伯 :国際関係アナリスト

日本とロシアの「平和条約締結交渉」が停滞している中、プーチン大統領の胸の内は...?
日本が4島返還から2島返還へと大譲歩したにもかかわらず、「日米安保破棄が返還の条件」と仰天発言をしたプーチン大統領。到底受け入れられない発言だが、ここでロシアと仲違いすれば習近平の思うツボである Photo:AP/AFLO
日本とロシアの「平和条約締結交渉」が停滞している。安倍総理は2018年11月、「4島一括返還論」を捨て、「2島返還論」にシフトした。これは「大転換」で、日本側の「大きな譲歩」である。にもかかわらずプーチンは、2島返還のために日本は「日米安保を破棄しなければならない」と、ありえない要求をしている。日本国民の感情を逆なでするプーチンの発言。真意はどこにあるのだろうか?(国際関係アナリスト 北野幸伯)

「4島一括返還」から
「2島返還」へ大幅譲歩したのに…
 安倍首相は昨年11月、シンガポールでプーチンと会談した後、仰天の発言をした。

<この戦後70年以上残されてきた課題を次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で終止符を打つ、必ずや終止符を打つというその強い意思を完全に大統領と完全に共有いたしました>??

<そして1956(昭和31)年、(日ソ)共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させる。本日そのことでプーチン大統領と合意いたしました。>(安倍首相の発言、産経新聞2018年11月14日 太線筆者以下同じ)

「日ソ共同宣言を基礎として、平和条約を加速させる」

 なぜ、これが「仰天発言」といえるのか?「日ソ共同宣言」の「骨子」は、「平和条約締結後、歯舞、色丹を引き渡す」だ。国後、択捉には言及していない。一方、日本政府の要求は、これまで長年「4島一括返還」だった。しかし、「日ソ共同宣言を基礎として」ということは、首相が「2島返還論者」になったことを意味する。

 数年前まで、「2島返還論者」は、保守派から「国賊」「売国奴」と非難されたものだ。それが、今では首相自身が「2島返還論者」になった。

 にもかかわらず、プーチンの姿勢は相変わらず強硬なまま。一体、ロシアは何を考えているのだろうか?

「4島返還」を
夢にも思わないロシア人
 筆者は、1990年から2018年まで、28年間ロシアの首都モスクワに住んでいた。この期間、政府の上の人から一般庶民まで、数えきれないロシア人と接してきた。それでわかったのは、ロシア人で「4島返還が必要」と考えている人は、「皆無」ということだった。

 まず、ロシア人の「領土観」は日本人とかなり異なる。

 ロシアの起源は、882年頃に成立した「キエフ大公国」だ。だからロシア人に「固有の領土はどこですか?」と聞けば、「キエフ周辺だ」となるだろう。ところが、そこは現在、他国ウクライナの首都になっている。

 つまり、ロシア発祥の土地は、外国にあるのだ。ロシアはその後、東方をどんどん征服し、19世紀半ば極東にたどりつく。そして、中国から極東を奪うまでになった。

 ロシアのほとんどは、「征服した土地」だ。だから、「固有の領土だから返してくれ」と言っても、「意味がわからない」となる。「固有の領土は返さなければならない」とすれば、ロシアの領土の大部分は(征服した土地なので)なくなってしまうだろう。

 そんな彼らの「領土観」は、「戦争のたびに変わる」というものだ。ロシアのインテリと話していると、こんなことを言われる。

「1875年の樺太・千島交換条約で、日本とロシアの国境は画定された。にもかかわらず、日本は日ロ戦争後、南樺太を奪った。日本が勝ったときはロシアから領土を奪うが、ロシアが勝ったときは『固有の領土』だから奪ってはいけないという。フェアじゃないよね」

都合の悪い史実は抹消
歪んでいるロシア人の歴史観
 こういう主張を聞くと筆者は、「ソ連は、日本がポツダム宣言受諾後に攻めてきたではないか」「ソ連が日ソ中立条約破棄を通告したのは1945年4月。失効は46年4月のはずではないか」などと反論した。

 するとロシアのインテリは、「あれは、1945年2月のヤルタ会談で米英とも合意していたこと」とか、「戦争はそんなものだ。日本はロシア(ソ連)を責めるが、日本だって真珠湾を奇襲したではないか」などと反論してくる。

 一般庶民についていえば、「日ソ中立条約破棄」「ポツダム宣言受諾後に日本を攻めた」など、ロシアにとって「都合の悪い真実」は知らない。もちろん「シベリア抑留」の話も知らない。

 ロシア国民は、「ソ連は絶対善」「ナチスドイツは、ソ連人を2000万人以上殺した絶対悪」「日本は、絶対悪ナチスドイツの同盟国」と教えられて育った。その「神話」の中では、ソ連のダークサイドは消されている。

 そういえば、「最も都合の悪い真実」は、第2次大戦を率いたソ連の指導者スターリンが、ヒトラーに匹敵するほど「極悪独裁者」だったことだろう。だから、ソ連崩壊後の戦勝記念日では、スターリンの存在が見事に消されている。「あれは私たちのおじいちゃん、おばあちゃんの勝利だ!」と言って祝うのだ。

 ロシアのガルージン駐日大使は、3月20日の講演で以下のように語っている。

<ガルージン氏は第2次世界大戦の結果、北方領土が合法的にロシア領になったとの主張が「ロシアの世論の受け止め方だ」とも主張。>(朝日新聞デジタル 2019年3月21日)

 これは、日本人には受け入れがたい主張である。しかし、戦後70年以上にわたって「神話」を刷り込まれてきたロシア国民が「普通に考えている」のは、まさに「これ」なのだ。

「2島返還」も難しい現実
「日本は米国の支配下にある」
 このように、ロシアではインテリから一般市民まで、4島返還は「したくない」のではなく、「する必要がない」と捉えられている。私の28年間のロシア生活の中で、北方領土を返してもいいと言ったのは小さな子ども1人だけ。「ロシアは大きな国だから、小さな日本に島をプレゼントしてもいいんじゃない?」というのが、その理由であった。

 4島返還は大変難しいが、2島返還なら少しは可能性がある。なぜなら、日ソ共同宣言は両国議会が批准し、法的効力があるからだ。しかし、ロシア側は「歯舞、色丹を返したら、そこに米軍が来るではないか」(=だから返せない)と主張している。

 これは、「返したくないための詭弁」に思えるが、そうともいえない。ロシアには、米国を絶対信用できない理由が存在するのだ。

 1990年10月、西ドイツが東ドイツを編入した。ソ連のゴルバチョフは、ドイツ再統一を認める条件として、米国に「(反ソ連軍事ブロックである)NATOをドイツより東に拡大させないこと」を要求。米国は「拡大しない」と確約した。

 しかし、その約束は、あっさり破られる。1999年、2004年の大幅拡大で、東欧諸国のほとんどだけでなく、旧ソ連のバルト3国もNATOに加盟した。それでロシアは、29ヵ国からなる「超巨大反ロシア軍事ブロック」と対峙する羽目になったのだ。

 このトラウマがあるため、ロシアは、決して米国のことを信用しない。では、安倍首相が「返還された島には米軍基地は置かない」と発言していることについては、どうなのだろうか?

 これも、「まったく信用されていない」といっていい。

 なぜか?ロシアから見ると、日本は米国の支配下にあり、完全な独立国家と見なされていないのだ。ロシア政府は、米国が「基地を置く」と決めれば「日本は抵抗できない」と確信している。

ロシアとの関係悪化で
喜ぶのは習近平である
 プーチンは最近、こんな発言をした。

<プーチン氏はこれまでの交渉の経緯を振り返った。?その上で、日本がまず、アメリカが日本のどこにでも軍事基地を置くことができるという安全保障条約を破棄しなければならないと指摘した。?安倍晋三首相はこれまでの会談でプーチン氏に対し、北方領土が日本に引き渡された場合、アメリカの軍事基地をそこに置かないことを保証したとされる。?だが、プーチン氏はこの日の対話の中で、「基地の設置を認めない手段は現実的にはない」と語ったという。>(ハフィントンポスト 2019年3月16日)

 日本が島を返してほしければ、「日米安保を破棄しなければならない」そうだ。非常に過激で、日本人の感情を悪化させる発言だ。しかし、背景を知ってみれば、気分はかなり悪いが理解はできる。

 こんな理不尽なロシアと、日本はどう付き合うべきなのか?

「付き合う必要なし!」
「経済協力は、いますぐやめろ!」
「無礼な韓国と断交しろ!次はロシアと断交だ!」

 こんな言葉が、ネット上にあふれる光景が目に浮かぶ。だが、それで一番喜ぶのは、習近平だろう。

 これまで本連載で何度も触れてきたが、中国は2012年11月、ロシアと韓国に「反日統一共同戦線戦略」を提案した。証拠はこちらで見られるので、ぜひ全文を読んでいただきたい。

 この戦略の骨子は以下の5つである。

(1) 中国、ロシア、韓国で、「反日統一共同戦線」を作る
(2) 目的は、日本の領土要求を断念させることである
(3)断念させるべき領土とは、北方4島、竹島、尖閣・沖縄である
(4)日本に沖縄の領有権はない!
(5)反日統一共同戦線には、米国も引き入れなければならない

中国が望むのは日本と
米ロ韓の関係悪化である
 要するに、中国は、日米関係、日ロ関係、日韓関係を破壊することで、日本を孤立させ、破滅させようとしているのだ。

 だから、日本がまず韓国とケンカし、次にロシアと対立すれば、我々は「習近平のプラン通りに動いている」ことになる。中国1国だけでも大変だが、中ロを同時に敵に回して、日本に勝ち目はあるのか冷静に考えてみる必要がある。

 日本が中国に勝つためには、中国の戦略と逆の動きをする必要がある。つまり、日米関係をさらに強固にすること。だから、プーチンの言う「日米安保破棄」は、完全スルーするべきだ。

 次に、日ロ関係を良好に保つこと。さらに、(難しいかもしれないが)日韓関係を決定的に悪化させないことだ。

 しかし、仲良くしなければならないロシアは、「島を返してほしければ、日米安保を破棄せよ」と無茶を言う存在である。どうすればいいのだろうか?これは簡単なことで、「北方領土の話を減らし、金儲けの話を増やす」だけでいい。

 思い出してみよう。安倍総理は2013年、日ロ関係改善に大変努力していた。ところが2014年のロシアによるクリミア併合後、米国主導の「対ロシア経済制裁」に参加したことで、日ロ関係は悪化。その後、日本政府は、ロシアと金儲けの話をしなくなり、ただひたすら北方領土の話をするようになった。それで、両国関係は、ますます悪化したのだ。

 しかし、安倍総理は2016年5月、ソチでプーチンに「8項目の協力計画」を提示。ようやく「島返せ!」のトーンを下げ、ロシアが喜ぶ「金儲け」の話をはじめた。

 それが2016年12月のプーチン訪日につながり、2国関係は劇的に改善されたのだ。ところが、2018年11月、安倍総理は、再び「島返せ」を前面に出すようになる。結果、再び日ロ関係が悪化している。

日本のサバイバルは
ロシアにかかっている

 こう見ると、日ロ関係の法則は単純だ。

「平和条約」(=島返せ)の話をはじめると、日ロ関係は悪化する。

「金儲け」(=経済協力)の話をはじめると、日ロ関係は改善される。

 だから、日本は「金儲け」の話を増やし、「平和条約」の話は減らすべきなのだ。

 この件で、2つ強調しておきたい。「金儲け」の話は、「ロシアだけに儲けさせろ」と言っているのではない。「日本もロシアも儲かる話をしよう」ということだ。

 また、「平和条約の話を減らす」というのは、「返還を断念しろ」と主張しているのではない。今すぐ返還が実現しなくても、今はロシアとの関係を良好に保つ方が国益にかなっているのだ。

 それでも、「対中国でロシアが必要とは思えない」という人のために、世界一の戦略家エドワード・ルトワックの言葉を引用しておこう。彼は、日本がサバイバルできるかどうかは、「ロシアにかかっている」と断言している。

<もちろん日本自身の決意とアメリカからの支持が最も重要な要素になるのだが、ロシアがそこに参加してくれるのかどうかという点も極めて重要であり、むしろそれが決定的なものになる可能性がある。>(自滅する中国 p.188)

??「日本、米国、ロシアが組めば、世界覇権を目指す中国の野望を阻止することができる」。これが、世界のリアリストの常識である。
https://diamond.jp/articles/-/198645
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/260.html

[IT12] アップルの「News+」、ニュースの未来とは言えず 記事読み放題もコンテンツや使い勝手に難あり
2019年4月3日 The Wall Street Journal
アップルの「News+」、ニュースの未来とは言えず 記事読み放題もコンテンツや使い勝手に難あり
アップル・ニュース・プラス画面
アップル・ニュース・プラスは数百冊の雑誌が読める Photo:Emily Prapuolenis/The Wall Street Journal
――筆者のデービッド・ピアースはWSJパーソナルテクノロジー担当コラム二スト

***

 アップルの新しい定額制のニュース・雑誌読み放題サービス「Apple News+(アップル・ニュース・プラス)」は、ある意味、アマゾンの「キンドル」や初代「iPod(アイポッド)」と考え方は同じだ。本やCDといった物理的なモノを寄せ集め、1つの端末でまとめて利用できるようにする。

「音楽ライブラリーを丸ごと常に持って歩けるのは、音楽鑑賞における飛躍的な進歩だ」。スティーブ・ジョブズ氏は2001年にiPodについてこう語った。今度は雑誌の売店を丸ごと持ち歩けるというわけだ。

 ニュース・プラスでは、雑誌に加えてウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの新聞記事も読める。しかし雑誌同様、読める記事数は限られている。

「ウォール・ストリート・ジャーナルから」というセクションがあり、そこにはWSJのさまざまな分野の一握りの記事が表示される。アップルによると、WSJの「ニュース」チャンネルを検索または閲覧すれば、過去3日分の記事が読める(ウォール・ストリート・ジャーナルを発行するダウ・ジョーンズはアップルのサービスを通じてニュースを提供する契約を交わしている)。

 アップルは、これはニュース・プラスの始まりにすぎず、記事配信会社がもっとツールを活用してクールな機能などを作れば、さらに良くなると説明している。現時点ではアップルも記事配信会社も、先進的な閲覧体験やコンテンツを検索・共有する新しい方法はほとんど提供していない。現在のところ、紙雑誌を熱心に読むようなタイプの人以外、このサービスにコストに見合った価値を見いだす人はほとんどいないだろう。

使い勝手
 既にiPhone(アイフォーン)、iPad(アイパッド)、Mac(マック)向けの無料ニュースアプリ「アップルニュース」を使用している人もいるかもしれない。これはさまざまな情報源から各ユーザーの関心に沿ったニュースを収集・配信するアプリで、世の中で何が起こっているかを素早く把握するのに便利だ。

 ニュース・プラスはこのアプリ内に設けられた独自のセクションで、そのコンテンツは有料会員だけが読める。アップルによると、毎月10ドルで300を超える雑誌や新聞が閲覧できる。ライブラリー内を数えたところ251種類の雑誌があった。筆者が探した限りでは、全ての人気雑誌が何らかの形で閲覧できるようになっていた。そのほか、WSJ以外にロサンゼルス・タイムズ紙や「Vox(ヴォックス)」「theSkimm(ザ・スキム)」などのニュースサイトのコンテンツが提供されている。


雑誌は大型画面で読んだ方がデザインや写真を本来あるべき状態で楽しめる Photo:Emily Prapuolenis/The Wall Street Journal
 価格は魅力的に見える。1カ月に雑誌を3冊購入する程度の値段で数百冊の雑誌や新聞を閲覧できるのだ。しかし、1カ月10ドル払っても、それら雑誌や新聞を丸ごと読めるわけではない。ニュース・プラスの会員になっても、ニューヨーカー誌の有料コンテンツが全て読めたり、ESPNプラスの動画コンテンツにアクセスできたりするわけではない。定期的にリフレッシュされる雑誌の「キャッシュ」を閲覧できるだけだ。

 ニュース・プラスで閲覧可能なものの中には、単に雑誌をPDFファイル化しただけのものもある。つまり、基本的に雑誌の各ページをデジタルスキャンし、読めるようにしたものだ。こうしたコンテンツはiPadでは問題ないが、iPhoneで閲覧する場合、全ての文字を読むには絶えずページを動かしながら拡大表示をしなければならない。

 幸い、ほとんどの著名雑誌はアップルニュース・アプリ向けに最適化されているため、iPhoneでも閲覧に問題はない。記事を移動するにはスワイプするが、記事を読むには上下にスクロールすればいい。

 しかし、大抵どの記事も同じレイアウトで表示されるため、各雑誌を魅力的にしている独自のデザインやアートは失われる。目次のような基本的な要素でさえもうまく機能しない。単に記事の見出しが表示されるだけで、文脈が分からないため、あまり意味がない。


アップル・ニュース・プラスでは、読みかけた雑誌を後ですぐに閲覧できるようになっているが、筆者のテストではデバイス間の同期がうまくいかなかった Phoro:Emily Prapuolenis/The Wall Street Journal
 雑誌を読んでいる途中でも、読んでいた場所が保存され、後でそこに素早く戻れるようになっている。しかし、1度に1冊しか記憶されないため、すぐにどこを読んでいたかが分からなくなる。また筆者のテストでは、デバイス間の同期がうまくいかなかった(アップルによると、本来は同期できるはず)。また記事を保存して後で読むこともできない。

 アップルニュース・アプリ向けに最適化された雑誌であれば、文字サイズを変更できる。しかし、フォントを変えたり、ベッドで読みやすいよう黒画面に切り替えたりはできない。こうした機能は、アップルの「iBooks(アイブックス)」を含め、実質ほぼ全ての他の電子書籍アプリでは利用できる。アップルは明らかにデザインは雑誌のデザイナーに任せようとしているが、筆者はもう少し自分でコントロールしたい。

コンテンツ
 雑誌を読む経験は実際に楽しめた。乱雑な感じがするオープンなウェブと比べて、パッケージ化されてまとまりがある感じがした。それで1カ月10ドルの価値があると思えれば、購読すればいい。しかし、トレンドは逆だ。われわれは多くの情報源から1週間または1カ月に1度以上の頻度でニュースを受け取っている。またポッドキャストや動画からもニュースを得ているが、アップル・ニュース・プラスではまだそれらは利用できない。

 もっと多くの情報源を求めているのであれば、読む価値のあるニュースや記事を収集してくれる優れたアプリが他にもたくさんある。以下は筆者のお気に入りのアプリだ。


アップルは目次や表紙など閲覧体験を向上させるために手を加えると述べている David Pierce/The Wall Street Journal
・Nuzzle(ナズル):ツイッターやフェイスブックのアカウントでログインすると、ナズルが自動的にユーザーのソーシャルメディアのフィードを調べ、フォローしている人や友達がシェアしている記事を人気順に表示してくれる。さまざまな記事の最新情報を追うのにとても便利だ。

・SmartNews(スマートニュース):ウェブからユーザーの興味に合った記事を集めてエンタメやスポーツ、政治などカテゴリー別に分類し、定期的に配信してくれる。

・グーグルニュースとマイクロソフトニュース:アップルニュースと同様の製品で、人間やアルゴリズムが集めたニュース記事が配信され、絶えず更新される。1つの問題についてあらゆるサイドから情報を得ることができる。

 あるいはアップルニュースを使ってもいいだろう。ニュース・プラスは無視し、無制限に供給される良質な記事を楽しめばいい。アップルが日常的なニュースや長めの雑誌記事、ポッドキャスト、動画を1カ所に集約し、より優れた消費体験を提供できれば、スポティファイと同程度の料金の価値はあるかもしれない。恐らくアップルはその方向で取り組んでいるのではないか。だが現状では、ニュース・プラスは数年遅れの製品といった感じだ。


アップルが25日に発表したTVやニュース、ゲーム、クレジットカードなどの新サービスについて、イベントを取材したジョアンナ・スターン記者が解説する(英語音声、英語字幕あり)Photo: Reuters/Stephen lam
(The Wall Street Journal/David Pierce)
https://diamond.jp/articles/-/198688
http://www.asyura2.com/14/it12/msg/279.html

[IT12] (バロンズ)アップル動画配信、期待外れの臆病さ   世代別エンジェル投資家図鑑、スタートアップ人脈は循環する
2019年4月3日 The Wall Street Journal
【バロンズ】アップル動画配信、期待外れの臆病さ
アップル社
Photo:Reuters
発表されたのは既存サービスの
中途半端な発展形
 3月25日、アップル(AAPL)が本社で開催したイベントで最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏が登壇すると、サービス企業への変化がようやく軌道に乗ったことを示す証拠を待っていた投資家、消費者、記者の期待は最高潮に達した。

 では、アップルが期待に応えたのかというと、必ずしもそうとは言えない。新たなニュース配信、クレジットカード、ゲームサービスとともに発表した動画配信サービスの番組ラインアップが曖昧だったためだ。株価が今年1月の底値から30%上昇した要因が新しいサービス戦略への熱狂だったこと踏まえると、同社の臆病な姿勢は問題だ。

 ウォール街がiPhone(アイフォーン)の2019年の販売台数が2桁台で落ち込むと予想する中、アップルはサービス戦略を強調するための計画を実行してきた。今年1月、同社は9億台のiPhone、合計で14億台の同社のデバイスが使用されていると発表した。この発表は、投資家に同社の巨大だが未開発の収益化機会に注目させることを意図したものだ。ところが、25日に発表された新サービスはいずれも既存サービスを中途半端に発展させただけの内容で、同社の熱心なファンをも失望させた。

動画コンテンツへの投資は
ネットフリックスに大きく見劣り
 ARKインベストのアナリスト、ジェームス・ワン氏は本誌の取材に対し、「今回のイベントは、プレゼンテーションとストーリー性の観点から見て、同社のこれまでのイベントの中で低調な部類に入る。発表されたサービスには、非常に魅力的で競争相手に差を付けていると言えるものが一つもない」と述べた。

 恐らく、最も期待外れだったのが定額制有料動画配信サービスのアップルTV+(プラス)の規模が小さく、詳細が曖昧だったことだろう。同社はイベントに多くの著名人を招いた一方で、実際のコンテンツはほとんど披露せず、サービス料金も示さなかった。

 ゴールドマン・サックスのアナリスト、ロッド・ホール氏は、進捗がなかったことと、イベントが今回のタイミングで開かれたことに当惑した様子だ。同氏は25日のレポートで、「アップルが発表したサービスは、われわれが予想していたものと全く違っていた。動画サービスの開始が(当社の予想より遅い)今年秋と発表されたこと、さらに料金に関する情報が提供されなかったことに驚かされた」と書いている。

 ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、アップルは既に10億ドル以上を投じ、年末までに10本以上のストリーミング番組の放映を計画しているようだ。別の推定では、コンテンツへの総支出額は最大20億ドルにすぎないとしている。そうだとすると、同社は市場のリーダーである動画配信大手のネットフリックス(NFLX)と同じ世界にいないことになる。バンクオブアメリカ・メリルリンチの推定では、ネットフリックスは2019年に総額150億ドルをコンテンツに投じる見通しだ。同社のウェブサイトには900本を超える独自番組がリストアップされている。

 こうした状況を踏まえると、アップルは何を恐れているのか、という疑問を感じざるを得ない。緩慢で暫定的な動きでは、時価総額9000億ドルの巨大企業である同社に目立った変化は起こらない。同社は1300億ドルのネットキャッシュを抱え、年間利益は500億ドルを超える。競争のための原資は潤沢だ。

新サービスは目先的には
利益を生まない
 アップルのためらいは、新たな定額制有料ゲームサービスのアップルアーケードにも表れている。このサービスでは約100種類のゲーム(主に比較的低予算で制作される芸術系のオリジナル作品)へのアクセスを提供する。だが、カンタン・ゲームスのゲーム業界アナリスト、セルカン・トト氏は、「アップルアーケードはニッチ(すき間)サービスとなる可能性が非常に高い。携帯端末では無料ゲームが主流であり、今後もそれは変わらない」と指摘する。

 同社は決済とテレビでも後手に回っている。消費者相手の企業の多くが既に自社ブランドのクレジットカードを発行済みだ。サードパーティのストリーミングサービスとの契約を許容するアップルTVチャンネルは、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が2015年からアマゾン・プライムで取り入れている手法のまねである。

 ゴールドマンのホール氏は、最も重要なことは新サービスがアップルの利益にあまり寄与しないことだと考えており、「新サービスはユーザーをプラットフォーム内にとどめる観点からは興味深いが、当社の試算では、どの新サービスも目先的には1株当たり利益(EPS)に大きな影響を及ぼさないと思われる」と評価する。

 ARKインベストのワン氏は、アップルがウォール街をなだめようとする中でアイデンティティーを犠牲にしているかもしれないと懸念しており、「同社がウォール街を満足させ、財務モデルを示そうとしていることは見て取れる。一方で、同社がコアのDNAを失おうとしていることがやや心配だ。そのDNAとは、これまでにない素晴らしい製品を生み出し、新たな市場を創造することだ」と指摘する。

 先週、S&P500指数が1%を超えて上昇したにもかかわらず、アップルの株価は1%下落して引けた。投資家の関心が落ち目のiPhone事業に再び向けられる中、目下のリスクは年初来の上昇分を全て失うかもしれないことである。

(The Wall Street Journal/TAE KIM)


https://diamond.jp/articles/-/198689

 

2019年4月3日 ダイヤモンド編集部 ,岩本有平 :副編集長
世代別エンジェル投資家図鑑、スタートアップ人脈は循環する
Photo:123RF
『週刊ダイヤモンド』4月6日号の第1特集は「スタートアップ4.0」です。ベンチャーの命は人です。日本では起業家が少ないといわれて久しいですが、エンジェル投資家の増大やミドル起業家の登場など、人を取り巻くエコシステムが急速に変化しています。(本記事は特集からの抜粋です)
 「シリコンバレーのように渋谷をITベンチャーの集積地として盛り上げる」と、ネットエイジ(現ユナイテッド)創業者の西川潔氏が1999年に「ビットバレー構想」を打ち出してから20年。これまでに数多くの起業家が誕生し、その一握りがイグジット(起業家や投資家がそれまで投資した資金を回収すること)に成功した。そして成功者たちは、かつて自分たちがそうしてもらったように、次の世代の起業家を支援する側に回っていった。
 中でも個人でベンチャーに資金を提供し、支援する「エンジェル投資家」として活躍する元起業家が増加している。
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 2004年に上場したオプト創業者の海老根智仁氏や05年上場のディー・エヌ・エー(DeNA)共同創業者の川田尚吾氏をはじめ、成功したビットバレー世代がエンジェルに転身。次の世代の起業家を支援してきた。下の世代の起業家たちもその流れを受け継ぎ、エンジェルの裾野は広がる。
「自分が受け取ったバトンを下の世代に渡す。僕にとってエンジェルは『恩返し』」
家入一真(CAMPFIRE 社長)
Photo by Yuhei Iwamoto
 かつて日本でイグジットといえば、そのほとんどがIPO(上場)であった。だが近年ではM&A(買収など)も増加し、エンジェルに転身する起業家の顔触れも多様化した。創業後わずか数年でイグジットした90年代生まれの起業家も現れ、彼らがエンジェルとなって同世代の起業家に投資するという新たな循環も生まれた。
 エンジェルは、本業としてベンチャーに投資をする「専業タイプ」と、自分の会社を経営しながら活動をする「兼業タイプ」の大きく二つのパターンに分かれる。前者には、投資先の起業家を束ねてコミュニティー化し、知識や技術を共有する場を設けて成長を支援する動きもある。
 コロプラ元副社長の千葉功太郎氏による「千葉道場」、コーチ・ユナイテッド創業者の有安伸宏氏による「チーム有安」などのコミュニティーでは、投資先起業家向けの合宿や開発向けソフトウエアの割引プランを提供。ベンチャーキャピタルさながらの運営を行う。また兼業タイプの中には、立場上名前を明かさずに支援を続ける上場企業の経営者なども多い。
「ハードシングスを共有し合うことで切磋琢磨できる。千葉道場は起業家の『研修所』」
千葉功太郎(DRONE FUND 創業者・代表パートナー)
Photo by A.Y.
 ベンチャーの支援スタンスもさまざまだ。事業に対して強く口を出すエンジェルもいれば、「普段は口を出さず、もし起業家が困ればアドバイスをする」(千葉氏)というような投資家もいる。世代、手法共にエンジェルの輪が広がる。
 起業家の輪も大きく広がった。ビットバレー構想よりさかのぼること12年、大阪で学生ベンチャーのリョーマが発足。KLab取締役会長を務める真田哲弥氏をはじめ、現在もネット業界で活躍する人材が集まる。同時期、東京では学生サークルのSYNに起業家予備軍が集まった。96年には学生ベンチャーの電脳隊が登場。99年設立のベンチャーのピー・アイ・エムと合併し、ヤフーに買収されたが、ここにも現ヤフー代表取締役社長の川邊健太郎氏など後の業界キーマンが集まった。それ以後も、学生時代にネットに触れた「76世代」、バブルを知らない「81世代」、10代でスマートフォンに触れた「92世代」など、世代ごとに特徴のある起業家が集まっている。
 大学別に見て面白いのは東京大学だ。起業サークルとして名高いTNKは、Gunosyの福島良典氏、ナイルの高橋飛翔氏、Candleの金靖征氏などの創業者を輩出した。
 メガベンチャーから飛び出した起業家も多い。古くはリクルートやヤフー、楽天が起業家の輩出企業として有名だったが、最近ではDeNAやサイバーエージェントなどから多くの起業家が生まれている。こうした企業では「100人を超えるOBのコミュニティーがあって、人材紹介などのやりとりが頻繁にある」(DeNA出身でアカツキ社長の塩田元規氏)など、起業家をバックアップする土壌が存在する。
(ダイヤモンド編集部 岩本有平)
【ベンチャー用語辞典】
[会話]『ジョイン』
→組織に参加すること。要は入社。(例)「新しいCFOがジョインして違う戦いが可能になった」
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https://diamond.jp/articles/-/198629

http://www.asyura2.com/14/it12/msg/280.html

[環境・自然・天文板6] 生命誕生の鍵を握る驚異の「リボソーム」 
生命誕生の鍵を握る驚異の「リボソーム」

川端 裕人
文筆家
2019年4月2日
https://www.youtube.com/watch?v=TfYf_rPWUdY
全5364文字
生命は地球以外にも存在する? だとしたらどんなもの? 生命は宇宙(地球)でどのように誕生した? など、宇宙と生命という究極の問いに挑み続ける宇宙生物学が活況だ。その中心地であるNASAのエイムズ研究センターを経て、最前線をひた走る東京工業大学(ELSI)の藤島皓介さんの研究室に行ってみた!その4回目。
(文=川端裕人、写真=内海裕之)
 前回のペプチド(短いタンパク質)と鉄・硫黄クラスターの話は、主に代謝にかかわる話として理解していたところ、最後は「卵が先か、鶏が先か」のジレンマが出てきた。エネルギー代謝とセントラルドグマ、つまり、代謝系と翻訳系が両輪になっていないといけない、と。
 藤島さんの関心は、まさにそういった「両輪」の秘密をめぐる部分へと進む。
 キーワードは、「リボソーム」だ。
 高校の生物を学んだ人なら、「タンパク質を合成する工場」として記憶しているだろう。DNAから転写されて運ばれてきたタンパク質の設計図を、ここで翻訳してひとつひとつアミノ酸をつないで合成する。こんな精巧な仕組みがどうやって出来上がったのか素人考えでも不思議だし、プロの生物学者たちはもっと不思議に思ってきたらしい。だから、リボソームの起源は、長年の謎とされる。

宇宙生物学者の藤島皓介さん。
「僕がおもしろいと思うのは、このリボソームというのは、実はそれ自体、RNAとタンパク質の両方からできている分子だということです。タンパク質をつくるときに、mRNA(伝令RNA)がリボソームに結合して、そこにtRNA(転移RNA)がアミノ酸をつれてきてタンパク質を合成するわけですけど、実はその舞台となるリボソーム自体、RNAとタンパク質の複合体なんですよ」
 リボソームは数十種類以上のタンパク質と、数種類のRNA分子(リボソームRNAと呼ばれる)からできている。立体的な構造は代表的なものをネットでいくつも見ることができるのだが、それらは本当に「絡まり合っている」というのがふさわしい。 2種類の「紐」が、解きほぐし難く一つの構造物を作り上げ、そこで、紐1(核酸)の情報から紐2(タンパク質)の合成が行われる。リボソームそのものが、二重の意味で、2つの「紐」が交わるところになっている。
https://www.youtube.com/watch?v=TfYf_rPWUdY
リボソームの構造と働きを可視化した動画。働きがよくわかる映像は1分25秒前後から。青と紫のいちばん大きなかたまりがリボソームで、黄色い紐がタンパク質を作る情報を記録したmRNA。緑色のブロックがアミノ酸を連れてくるtRNA。その先端の赤い部分が、タンパク質の合成に使われるアミノ酸だ。テープレコーダーのようにリボソームが黄色い紐を取り込んで、その情報(3塩基分ごと)に対応するtRNAが順番にくっつき、赤い紐がどんどん伸びてゆく、つまり、アミノ酸の紐であるタンパク質が合成される様子が巧みに再現されている。
 生命の起源の議論では、RNAが先か、タンパク質が先かという議論があって、それぞれ、RNAワールド仮説、プロテインワールド仮説、などと呼ばれている。リボソームは、セントラルドグマの中で重要な役割を果たすものだから地球生命の進化のきわめて早い段階からないと困るのに、いきなり両方が絡まり合って存在しているから謎が深まる。
「そこで、僕の立場は、RNAが先かタンパク質が先かという話ではなく、恐らく同時に進んできたのではないか、というものです。原始地球の頃からRNAとタンパク質の紐が共存していて、両方の紐が同時にあることがお互いにそれぞれ有利に働くような共進化が働いて、そのおかげで徐々に大きいリボソームのようなものができてきたんじゃないかというふうに考えています」
 RNAが先でも、タンパク質が先でも、両方が絡まり合ってできているリボソームの起源は説明しにくいのだとしたら、両方が共存してともに進化しきた可能性があるのではないか、というのが藤島さんの見立てだ。
「RNA、つまり核酸の紐と、ペプチド、つまりアミノ酸の紐、2種類の紐が共存している世界があったと仮定して、2つが同時に存在することがそれぞれの進化にとって有利だったということを証明したいんです。それがもし証明できれば、タンパク質とRNAからなるリボソームができた過程も分かるでしょうし、そもそも、地球の生命が核酸とタンパク質の2つの紐をかくも見事に協調させて使っていることの説明もできるはずです」
 具体的には、藤島さんは徹底的、網羅的な手法を取る。あたかもコンピュータの中でシミュレーションのプログラムを走らせるかのように総当たり的な組み合わせを実際に試す。
「今、合成生物学の世界では、ランダムな配列のDNAをデザインして注文することができて、それだと10の13乗ぐらいの異なる配列のDNAが手元に届きます。そこから転写して、10の13乗種類のRNAを作り、さらにそれを翻訳してタンパク質を作るものも市販されているので、試験管の中でまぜまぜしてRNAとタンパク質のカクテルを作ることができます。その時に、できたタンパク質が逃げてしまわずにそのままRNAとくっついているような化学物質を加えておくと、RNAタンパク質複合体ができます。そして、その中から、何か特定の機能を持っているものをスクリーニングしていきます」
 藤島さんが考える原始の「RNA・ペプチド共存ワールド」では、RNAとそこから翻訳されたペプチドが一緒にいることで有利になったと想定されるので、それが実際に起きるかを見ていく。
「これまでの過去の実験事例から、RNA自体が折りたたまって、それ自体、触媒活性を持ったり(リボザイム)、特定の分子に結合能があるもの(アプタマー)が見つかっています。つまり、それらは、原始地球でRNAワールドがあったという時に引き合いに出されるものです。でも、RNAだけよりも、タンパク質も一緒にあると、より適応度が高くなるような状態を示したいわけです。これもう、黒板に書いてしまいますね──」
 藤島さんはさっと立ち上がって、黒板になにやら図表を描き始めた。
 3次元の座標がまずあって、その「底面」から山がいくつも立ち上がる。

「こういうのを適応度地形と言います。縦の軸は『適応度』といって、どれくらい分子が環境に適応しているか、この場合は、RNAの機能の高さを測った尺度だと解釈してください。そして、横軸といいますか底面は、配列空間です。たとえば、RNAの配列に応じて、この底面に点を打てるわけです。そして、それぞれのRNAについて『適応度』を見ていきます。『適応度』の尺度には、ここでは、RNAがエネルギーの共通通貨といわれるATPという物質と結合する能力を考えましょうか。最初のスクリーニングをすると、結合能が高いものが小さな山として立ち上がって見えてくるので、今度はそういった能力が高いものを集めてまたスクリーニングするというサイクルを繰り返します。すると、最終的にある程度高い山がいくつかできていきます。こうやってRNAの機能が高いものの配列がとれます」
 ここまではRNA単独での話で、既存の研究がある。RNAワールドでも、たとえばATPとの結合能が高い方が分子の生存に有利であるならば、そういった「適応度」が高いものが選ばれて残っていくことが観察できる。藤島さんが試みるのは、ここに同時にペプチドの紐があったらどうなるか、ということだ。
「結局、環境中を考えると、RNAのような複雑な分子がそれ単独で存在しているなんてことはあり得ないですし、RNAがある世界では、それよりも出来やすいペプチドはもうあったはずなんです。RNA・プロテインワールド、つまり両方の紐が共在していた世界ですね。そういう前提で考えると、RNA単独では見られなかったようなところにも山が立ち上がってくるはずです。そうなると山の裾野同士がオーバーラップする場所がでてくるかもしれない。そうすると一つの機能に対して、より高い山に登りやすくなる、つまり進化が連続的に起きやすいということでもあります。RNA単独、ペプチド単独よりも、両方存在する時により連続的な高分子の進化が成り立ちやすいんだということを示せれば、ながらく謎だったリボソームの起源にも近づけると思っています」

RNAとペプチドの両方があると、山の裾野がオーバーラップして、高い山により登りやすくなるような現象がもし確認できれば、地球の生命が核酸とタンパク質の2つの紐を見事に協調させて使っていることも説明できると藤島さんは考えている。
 以上、藤島さんが実験室で、自ら手を動かし、原始地球で起きたかもしれない進化を再現しようとしている一連の実験を紹介した。
 合成生物学的な方法で、生命の起源を問う学術領域の熱い雰囲気が伝わればなによりだ。
 もう一点だけ、ずっと気になっていたことを確認したい。
 これまでの議論は、「紐」ができたり、それらが共進化したりという、生命のシステムに必要なことばかりだけれど、何かが足りない。
 いったい何だろうか、と考えていて、ふと気づいた。足りないのは「形」だ。
 これは生き物である、生命である、という時には、シロナガスクジラみたいに大きなものにせよ、大腸菌のように小さなものにせよ、すべて「形」がある。形がないと境界がなくなって、「これは生命だ」といえなくなるのではないだろうか。
「それって、たしかにその通りで、例えば膜がないと生命じゃないという立場もあります。それは理にかなっていて、つまり自己と他己を分ける境界線が膜なので、それがないと、大きなスライムみたいなかたまりの中でいろんな分子のやりとりをして……エヴァンゲリオンでいうあれですね、人類補完計画の補完後の状態みたいなものです。でも生命は補完前に戻ろうとするという(笑)。つまり個で自立できた系を生命と名付けたにすぎません」

システムが働いたとしても、形がないものを生命といえるだろうか?
 この点は本当に奥深く、自己と他者の区別がつかない状態でも生命のシステムが動いている状態というのは想定できるということだ。でも、そんな中から、くっきりとした「個」が登場するというのはどう考えればいいのだろう。
「その議論はある意味おもしろくて、偶然か必然かという話もあります。かりに必然じゃなくて偶然だったとしても、たまたまちぎれた一つの個体が、周囲の環境に適応した場合、そのまま増えていく可能性があります。適者生存のダーウィン的進化に突入していくと。その前はダーウィン的進化ではなくて、水平伝搬の嵐ですね。自己と他者の区別が曖昧な状況でお互いがお互いに必要なものを作って交換していくという。もちろん僕たち今の生命は、ダーウィン的進化の結果できたものです」
 ダーウィン的進化というのは、端的に言えばダーウィンが考えた生存競争による「適者生存」によって起きる進化のことだ。これは、生命が「個体」であることを前提にしている。言われてみればそのとおりだ。
「ダーウィン的進化が起きるための必要条件というのは、遺伝情報物質を持っているということと、それが膜に包まれているということですね。つまり自分と他が分かたれているような状態であること。そうじゃないと、ヨーイドンである環境にさらしたときに、適応しているもの、してないものの差がつかない以上、ダーウィン的進化が起こっていきません。逆にそれが観察できるということは、遺伝情報物質を持っていて、他己と自己が分かれている、ちゃんとセパレートしているような系であるということです。そこにあとはエネルギーを自分自身がつくれるような仕組みもあれば、限りなく今の生命に近いものになってくると思います」
 今のぼくたちは生命の歴史に思いを馳せて系統樹を描き、古細菌と真核生物はいつ分かれたなどと議論するわけだが、それはこういったダーウィン的進化があってのことだ。藤島さんが今、研究のリソースを集中させている2つの「紐」の共進化の問題と隣接してこんな議論もあって、またスリリングであることをお伝えしておきたい。

https://cdn-business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00112/00010/p5.jpg

第2回で紹介したこの図にも「膜」と書かれていた。(画像提供:藤島皓介)
つづく
(このコラムは、ナショナル ジオグラフィック日本版サイトに掲載した記事を再掲載したものです)
藤島皓介(ふじしま こうすけ)
1982年、東京都生まれ。東京工業大学地球生命研究所(ELSI)「ファーストロジック・アストロバイオロジー寄付プログラム」特任准教授、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任准教授を兼任。2005年、慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、2009年、同大学大学院政策・メディア研究科博士課程早期修了。日本学術振興会海外特別研究員、NASA エイムズ研究センター研究員、ELSI EONポスドク、ELSI研究員などを経て、2019年4月より現職。
川端裕人(かわばた ひろと)
1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。文筆家。小説作品に、『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、『天空の約束』(集英社文庫)、NHKでアニメ化された「銀河へキックオフ」の原作『銀河のワールドカップ』(集英社文庫)とその“サイドB”としてブラインドサッカーの世界を描いた『太陽ときみの声』(朝日学生新聞社)など。
本連載からのスピンアウトである、ホモ・サピエンス以前のアジアの人類史に関する最新の知見をまとめた近著『我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち』(講談社ブルーバックス)で、第34回講談社科学出版賞と科学ジャーナリスト賞2018を受賞。ほかに「睡眠学」の回に書き下ろしと修正を加えてまとめた『8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識』(集英社文庫)、宇宙論研究の最前線で活躍する天文学者小松英一郎氏との共著『宇宙の始まり、そして終わり』(日経プレミアシリーズ)もある。
近著は、世界の動物園のお手本と評されるニューヨーク、ブロンクス動物園の展示部門をけん引する日本人デザイナー、本田公夫との共著『動物園から未来を変える』(亜紀書房)。
ブログ「カワバタヒロトのブログ」。ツイッターアカウント@Rsider。有料メルマガ「秘密基地からハッシン!」を配信中。


K.Gotou
情報処理従事者
の大好きなリボソーム。
そこから、ヒントを得て「#人と人が信じあう電子社会」を構想しています。
https://note.mu/k_gotou_1962/n/n6bcda823502e
(日経新聞:「noteの投稿から(下)資本主義、
2019/04/02 06:10:021返信いいね!


quartiertokio
形の問題は偏微分方程式を研究していた40年前の自分のテーマの一つで、微分多様体の特異点問題。懐かしですね。
2019/04/02 11:39:23

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00112/00010/

http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/708.html

[政治・選挙・NHK259] ゴラン高原のイスラエル主権承認は北方領土問題に禍根 シリア系住民が承認に抱くアンビバレントな思い  日本はもっと毅然と
ゴラン高原のイスラエル主権承認は北方領土問題に禍根
シリア系住民が承認に抱くアンビバレントな思い


保坂 修司
日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 研究理事
2019年4月3日
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全5157文字

ゴラン高原に関するイスラエルの主権を承認する文書に署名するトランプ大統領(左)。中央に立つのはイスラエルのネタニヤフ首相。その左後方はトランプ大統領の娘婿のクシュナー氏。政権の中東外交のカギを握る親イスラエル派(写真:ロイター/アフロ)
 米国のドナルド・トランプ大統領は3月25日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との首脳会談に合わせ、イスラエルが占領するシリア領ゴラン高原におけるイスラエルの主権を認める宣言に署名した。

 20年以上前、シリアを訪問したときのことだ。そのゴラン高原のそばで某国軍事関係者と話をしたことがある。その関係者が「こんなところを奪われるなんて信じられない」と、ぼそりとつぶやいたのを今でも鮮明に覚えている。

 軍事的にいうと、ゴラン高原は、守るに易し、攻めるに難し、いわゆる難攻不落の自然の要害という地形らしい。行ったことのあるかたはご存じと思うが、イスラエル側からみると、ずっと平たんな地が広がっているのが、突然、シリアとイスラエルをわける1949年の境界線のところでボコっとシリア側に盛り上がる感じだ。

 1967年の第3次中東戦争のとき、シリアはこの高原の高みから下に展開するイスラエル軍と対峙したことになる。イスラエル軍は地形的にも数的にも圧倒的に不利だったはずだが、攻撃開始後わずか2日でゴラン高原の大半を制圧し、軍政下に置いてしまったのである。

 1973年の第4次中東戦争でシリアはゴラン高原奪還を目指したが、数的優位にもかかわらず、作戦は失敗に終わった。その後、1981年にイスラエルは、イスラエルの法律と行政をゴラン高原に適用する法律を成立させ、事実上、ゴラン高原を自国領に併合してしまう。

 なお、第3次中東戦争の戦後処理の大枠を定めた国連安保理決議第242号はイスラエル軍の占領を否定、同軍が最近の紛争で占領した領域から撤退することを要求している。ちなみに、この決議には米国も賛成している。

 また、1981年のゴラン高原併合でも、国連安保理は決議497を全会一致で採択。イスラエルによる併合が無効であると断じ、決議242に従うよう、つまり1967年に占領した地域から撤退するよう再度要求したのである。もちろん、決議に賛成した国には米国も含まれる。

イスラエル「自衛のために必要ならば許される」
 米国はゴラン高原に関してイスラエルが非合法に占領しているという立場を一貫して堅持してきたのだ。ここが、エルサレム問題との大きな相違である。エルサレムの場合、米国は当初こそ国際管理にこだわっていたが、1990年代以降、歴代政権、議会ともにイスラエルの首都はエルサレムとの立場を明確にしていたからだ。これまでの米大統領が米国大使館のエルサレム移転にゴーサインを出さなかったのは、移転そのものに反対していたのではなく、移転すれば、アラブ諸国が反発し、中東和平プロセスが頓挫する可能性があるからといえるだろう。

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シリア反体制派でさえ米国を非難


 翻ってゴラン高原だ。前述のとおり、つねにイスラエルの行動を支持してきた米政権であっても、ことゴラン高原に関してはずっとイスラエルによる併合に反対してきた経緯がある。それをトランプ大統領はいきなりひっくり返してしまったのだ。

 軍事占領した外国領土を自国に併合することは国際法上許されないはずだが、イスラエルのロジックは違うらしい。イスラエルが用いる代表的なロジックでは、自衛のために必要ならば、外国の領土を占領してもいいということになる。また、占領地を返還したのち、そこがふたたび安全保障上の脅威となるおそれがある場合、占領国は、自衛のためその占領地を占領しつづけることができるというのである。

 シリアとイスラエルは対立しており、シリアにゴラン高原を返還すれば、そこからイスラエルが攻撃される可能性がある。だからゴラン高原を返還できない。ましてやイスラエルと敵対するシリアのバシャール・アサド大統領を支援するため、イランやその子飼いともいうべきヒズボラ(レバノンのシーア派武装勢力)がシリア国内に展開し、現にイスラエルに対し攻撃を加えている。したがって、ゴラン高原の維持はイスラエルの安全保障に直結するわけだ。

 だが、このロジックを拡大解釈すると、中東の多くの国と対立関係にあるイスラエルは自衛を名目にどこでも占領できることになってしまう。また、忘れてならないのは、ゴラン高原が安全保障上、きわめて重要だったとしても、ゴラン高原の返還についてイスラエルはすでに何度かシリアと交渉した過去がある点だ。イスラエルがゴラン高原を返還する代わりに、シリアはイスラエルを国家承認するという「土地と平和の交換」である。つまり、エルサレムのケースとは異なり、イスラエルにとってゴラン高原は絶対に必要な土地ではないのだ。

 とはいえ、イスラエルを敵視するイランやヒズボラなどがシリアを拠点に展開しているかぎり、イスラエルにとってのゴラン高原の戦略的重要性が小さくなることはない。必然的にゴラン高原を返還する可能性はますます遠のくことになる。

シリア反体制派でさえ米国を非難

 むろん、イランなどイスラエルと敵対する勢力のロジックは正反対だ。シリアに駐留するのは、アサド政権をテロリストから守るためであり、イスラエルを攻撃するのは、イスラエルがシリア領のゴラン高原を占領し、シリアに攻撃を加えているからである。当然、イランは、ゴラン高原に対するイスラエルの主権を承認するトランプ大統領の宣言に猛反発し、3月26日にはトランプ大統領をきびしく非難する声明をハッサン・ロウハニ大統領が出している。まあ、第三者からみると、このあたり、ニワトリが先かタマゴが先かの議論のようではある。

 当事者であるシリアも当然、「シリアの主権と領土保全に対する言語道断の侵害」と非難。アサド政権と対立する反政府組織もゴラン高原については体制側と一致している。アサド政権に批判的な他のアラブ諸国・関連機関も一斉にトランプ大統領批判の声明を発出している。

 中東以外の国もほぼ同様の立場である。EU(欧州連合)はゴラン高原の地位に関するEUの姿勢に変化はないとして、国際法と安保理決議242と497に従ってゴラン高原におけるイスラエルの主権を認めないと強調している。多少の温度差はあるが、ロシア、中国、北朝鮮もゴラン高原におけるイスラエルの主権承認は認められないとの立場である。

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シリアからの米軍撤退とディール

シリアからの米軍撤退とディール
 筆者は、米国政治の専門家ではないので、トランプ大統領の心の奥まで踏み込むことはできない。しかし、ちまたでいわれているとおり、トランプ大統領が再選に向けてスタートを切り、キリスト教福音派・キリスト教原理主義者たちの票固めを始めたという見立ては、それなりに説得力があろう。キリスト教福音派・キリスト教原理主義者たちはトランプ支援の中核。熱烈なイスラエル支持で知られ、シオニスト以上にシオニストと揶揄(やゆ)される。

 実際、トランプ大統領は、シリアからの米軍の早期撤退を主張しており、これも、おそらく再選に向けたアピールにはなるはずだ。だが、イスラエルの安全保障からみれば、シリアから米軍が早期に撤退するのは望ましくない。したがって、米軍撤退の見返りとして、ゴラン高原におけるイスラエルの主権を承認といった「ディール」との見かたも出てくるだろう。

サウジアラビアに大したことはできない

 いずれにせよ、トランプ大統領が、アラブ諸国内の親米国のことをほとんど配慮していないことはたしかである。毎年恒例のアラブ連盟首脳会議(アラブ・サミット)を直前に控えたこの時期に、アラブ諸国を激怒させるような、あるいは少なくとも当惑させるような行動に出るということは、どうせ彼らに大したことはできないだろうとの判断があったとも考えられる。

 たしかに、親米の代表格であり、トランプ政権との親密な関係を誇るサウジアラビアですら、今回のゴラン高原をめぐる騒動では、トランプ政権による宣言を断固拒否し、非難するとの公式声明を出している。だが、はたしてそれ以上のことができるかどうかは疑問である。もちろん、それは、シリアやイランも同様であり、ゴラン高原奪還のために、彼らがイスラエルとの全面戦争に打って出るとは思えない(これまでのパターンでいえば、ミサイルやロケット弾を撃ち込むことぐらいはあるだろうが、だいたいはイスラエルがそれに反撃して終わり)。

 サウジアラビアとしても、アラブ諸国・イスラム諸国のリーダーとして今回の事件では断固たる態度を示す必要があるが、その一方、対イラン政策において米国からの支持を失いたくない。いろいろ躊躇(ちゅうちょ)しているうちに、トルコがいち早くトランプ大統領を非難する声明を出した。「一部アラブ諸国」(当然サウジアラビアのこと)は米国やイスラエルを恐れて声も上げられないとトルコ側に揶揄(やゆ)される始末である。

 アラブ諸国からの報道をみるかぎり、チュニジアでのアラブ・サミットをにらんだ前哨戦として、ゴラン高原(あるいはシリア)問題とイラン問題のどちらを主要テーマとして取り上げるか各国政府がせめぎあっているようだ。

ゴラン高原に住むシリア系住民はシリアへの返還を真に望んでいるか?
 トランプ政権は今後、新しい中東和平提案を出すといっているが、エルサレム、ゴランとつづくと、アラブ諸国が期待するとおりの提案が出てくる可能性は低い。トランプ政権との濃密な関係はサウジ現政権に対して、短期的には有利に働くだろうが、中長期的にみれば、アラブ諸国内におけるサウジアラビアのリーダーシップを損なうことにつながる可能性も否定できないだろう。

 今回のゴラン高原問題をめぐる一連の報道であまり触れられていないのが、ゴラン高原住民の意見である。ゴラン高原にはイスラエルが占領する以前から居住していたシリア人住民約2万人が残っているほか、イスラエル占領後、入植してきたユダヤ系住民もほぼ同数いるとされる。ユダヤ系住民はイスラエル人であり、彼らがイスラエルの主権承認を歓迎しているのは容易に想像される。

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日本はもっと毅然とした態度を

 問題は、シリア系住民である。実は、その大半が「ドルーズ派」と呼ばれる少数宗派に属している。同派は、もともとシーア派のなかの少数派であるイスマーイール派から枝分かれしたものであるが、シーア派を含む大半のムスリムはドルーズ派を異端と考えている(ただし、アサド大統領の属するアラウィー派とは輪廻転=りんねてんしょう=を信じるなど教義に近いところがある)。

 イスラエル政府は、ゴラン高原の住民に市民権を付与している。ただし、シリア系住民の9割はシリア国籍を保持しており、イスラエル系ドルーズ派は少数派である。

 しかし、近年、住民の意識に変化がみられる。シリア系ドルーズ派の中でイスラエル国籍をとる者が増えているといわれている。彼らは、シリア国内のシリア人と比較すると生活レベルが高く、政治的・社会的自由を謳歌しているという。シリア系ドルーズ派の多くが、内乱と独裁のシリアへゴラン高原が返還されるのを望んでいるかといえば、本音のところでは微妙であろう。もちろん、これは、イスラエルが50年も積み重ねてきた既成事実のおかげともいえる。

日本はもっと毅然とした態度を

 最後に日本の対応について。菅義偉官房長官は「わが国はイスラエルによるゴラン高原の併合を認めない立場であり、変更もない」とし、シナイ半島で停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団」司令部への自衛隊員派遣について「特段の影響はない」と語る。一方、河野太郎外相は「ゴラン高原の併合は認めない」との立場に変わりはないと述べたが、トランプ大統領の主権承認宣言が安保理決議に違反しているかどうかについては「米国が説明すべきだ」として直接的な批判を避けた。

 日本は、北方領土にしろ、竹島(韓国側の呼称は独島)・尖閣諸島(中国側の呼称は釣魚群島)にしろ、周辺国と問題を抱えている。軍事占領を、既成事実を積み重ねながら自国領土への併合にもっていこうとするゴラン高原のケースに当てはめると、日本の立場は明らかにシリアに近いはずだ。ゴラン高原をめぐる対応では、もう少し毅然とした態度を示してもよいと思うのだが、はたしていかがだろうか。

 いずれにせよ、シリアの要請を受け、国連安全保障理事会の緊急会合が3月27日から開催されている。各国からの米国批判があいつぎ、米国の孤立が鮮明になっている。はたして国際社会はゴラン高原問題で何らかの有効な手立てを打てるだろうか?

【追記】3月31日、チュニジアで開催されていたアラブ・サミットが最終声明を発出して閉幕した。最終声明のチュニス宣言には、ゴラン高原は占領されたシリアの領土であり、ゴラン高原の主権をかえるようないかなる試みを拒否するという文言が入ったが、米国やトランプ大統領への直接の名指しはなかった。


コメント5件
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Latebloomer

この辺の奥深さは遠い我々には分かりにくいが日韓どころではないですね。あと最後のところ米国に追従しなかっただけでもましですかね。

2019/04/03 09:42:03返信いいね!


mat

心理的中東シンパの方の意見ですから、こういう結論になるんでしょうね。日本には中立的評論の出来る方はいないんでしょうか。中東に関しては難しいんでしょうね。

2019/04/03 10:18:57返信いいね!


大和武士

示唆に富む極めて有意義な記事として拝読した。元号改正に関わり浮かれたり、批判ばかりしているマスコミも、日本を取り巻く中国・南朝鮮・ロシアとの関係からみて、日本の立ち位置はどうあるべきかの十分に推敲された記事を期待したいが無理かもしれない。

2019/04/03 10:25:33返信いいね!


janky

領土問題の本質は軍事力。
正統性とか論理性などは問題が収束せず長引くだけだね。

2019/04/03 10:57:48返信いいね!


Take.Haya

日本のこの件への対応は、まずは順当と考えます。一方、中東、イスラエル周辺を現在の状況に陥れた原因は、20世紀初頭の欧州列強が作ったという認識が有ります。そのために国連決議もなされていると。歴史的経緯を踏まえない現米国政権は、新たな歴史、秩序を作ろうとしているのでは、との懸念を持ちます。1920年代のドイツを思い浮かべるのは、心配しすぎでしょうか。
2019/04/03 11:40:11
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/040100029/?P=4&mds
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/265.html

[国際26] ブルネイ「同性愛者は死刑」の衝撃、アジアに広がるイスラム回帰 マレーシアやインドネシアでは公開むち打ち刑が執行
ブルネイ「同性愛者は死刑」の衝撃、アジアに広がるイスラム回帰

飯山 辰之介
バンコク支局長
2019年4月3日
 
全1923文字
 東南アジアのイスラム教国で、同性愛を「違法」とし、厳罰を科す動きが相次いでいる。

 ブルネイでは同性愛行為や不倫に対し、投石による死刑をもって臨むという衝撃的な刑法が今日から施行された。マレーシアでは2018年9月、同性愛行為を認めた女性2人に対してむち打ち刑が執行されている。報道によれば同国で女性がむち打ち刑に処されたのは初めてだという。さらにインドネシアのアチェ州でも、2018年、男性2人に対して公開むち打ち刑が執行された。通信社の報道によれば、保守的な州で同性愛者の逮捕が相次いでおり、性的少数者(LGBT)に対する圧力が強まっているという。


イスラム教国ブルネイを象徴する「ジャメ・アスル・ハッサナル・ボルキア・モスク」。同国では4月3日から同性愛行為に対する過酷な死刑制度が施行され、人権団体などから懸念の声が出ている。
 イスラム教において同性愛は罪に当たる。だが、その教義をどこまで厳格に適用するかについては国や地域社会によって異なっており、決して一様ではない。例えばブルネイでは基本的に飲酒することもアルコール類を購入することもできないが、マレーシアやインドネシアでは容易に手に入る。またマレーシアやブルネイがイスラム教を国教と定めているのに対して、インドネシアでは6つの宗教を信仰することが認められている。こうした多様性があるにもかかわらず、なぜ足元で同性愛を問題視し、過酷極まりない刑罰を科す動きが各国で広がっているのだろうか。

 宗教を一面的な見方で論じることはできない。ただその背景を探ると、各国に共通する課題も見えてくる。経済的、政治的な不安定要因を抱えていることだ。

 まず3各国の経済を俯瞰(ふかん)してみる。原油や天然ガスに国家収入の大半を依存しているブルネイは2013〜16年の間、原油価格の大幅下落のあおりを受け経済のマイナス成長が続いた。足元では持ち直しつつあるものの、失業率が高止まりしている。現地関係者は「職にあぶれた若者が増え、これに伴い窃盗などの犯罪が目につくようになった」と話す。

 マレーシアでは景気の減速が鮮明だ。2018年の国内総生産(GDP)の成長率は前年比1.2ポイント低下し、今年も鈍化が続くと見られている。前ナジブ政権の不適切な財政運営が元で、GDPに占める債務残高の割合が東南アジア各国と比較して高い水準にある。昨年の総選挙で首相の座に返り咲いたマハティール首相は公共投資の抑制を迫られ、景気の腰折れを招いた。インドネシアもまた通貨安と経常赤字に苦しみ、昨年9月には輸入にかかる税金の引き上げを迫られた。これにより内需が抑制され、2019年のGDP成長率は前年を下回る可能性がある。

 米国では世界的な金融危機が大衆迎合主義を芽生えさせ、伝統的な価値への回帰を志向するトランプ大統領を誕生させる下地になったと言われる。同様に、国民に占めるイスラム教徒の割合が高い東南アジアの3カ国では、足元の景気減速や将来の成長に対する不透明感が、保守的なイスラム教への回帰という形で現れている可能性がある。豊かさを実感しにくくなれば必然的に国民の不満は高まる。経済の繁栄が覆い隠してきた社会的な分断があらわとなり、保守的なイスラムからすれば周縁に位置する性的少数者に不満の矛先が向かっているのではないか。

 加えて、各国は政治的な不安要素も抱える。ブルネイでは国政全般を掌握する現国王が高齢化している。現地からは「年を追うごとに国王がイスラムへの回帰を強めており、それが今回の刑罰厳格化を招いた」という噂が広がっている。昨年5月に政権交代が起きたばかりのマレーシアでは、景気の減速を背景にマハティール首相の人気に陰りが生じている。そしてインドネシアは総選挙を間近に控える。再選が有力視されるジョコ大統領は「反イスラム的」という批判をかわすため、副大統領候補としてイスラム教の指導者を指名した。今後も景気の後退懸念や政治不安が払拭されなければ、各国の指導者が内向き志向を強める国民の支持を得ようと、大衆迎合的な動きを強めるかもしれない。

 悲観的にならざるを得ないのは、各国の自助努力で経済を浮揚させるのには限界があるからだ。アジア開発銀行(ADB)は3日に発表した経済見通しで、米中の経済摩擦によりアジア新興国の成長が鈍化するとの懸念を示した。中国への依存を強めてきた各国がその方針を転換するのは容易ではなく、経済の手綱は中国と、これに相対する米国に握られている格好だ。大国間の経済紛争が、東南アジアの性的少数者を窮地に追い込む、そんな構図が透けて見えてきている。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/040300216/?P=2
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/105.html

[国際26] 61歳米女性が孫を代理出産 同性した息子のために 同性カップル「生産性ない」?
61歳米女性が孫を代理出産 同性した息子のために
46分前 
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https://ichef.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/0A4D/production/_106273620_ap-uma-maternity-24.jpg

自分を産んだ祖母に抱かれるウーマ・ルイーズちゃん(中央)
61歳のアメリカ人女性が先月25日、同性婚をした息子とそのパートナーのために、自分の孫を代理出産した。

代理出産をしたのは、米ネブラスカ州に住むセシル・エレッジさん(61)。

息子のマシュー・エレッジさんと、そのパートナーのエリオット・ドーティーさんの娘、ウーマ・ルイーズちゃんが誕生した。

セシルさんはBBCに対し、息子とエリオットさんが家族を持ちたいと明かした際に、代理出産を自ら申し出たと述べた。

「もちろん、みんな笑いました」

当時59歳だったセシルさんの提案は、初めは家族の間で一種の冗談として受け止められ、現実的な道すじではなかったという。

エリオットさんは、「本当に美しい思いやりだと思いました。本当に自分を顧みない人で」と話した。

しかし、セシルさん宅に近い同州オマハで暮らすマシューさんとエリオットさんは、どうすれば赤ちゃんをもてるか選択肢を探す中で、セシルさんの提案はあり得るかもしれないと不妊治療専門医から伝えられた。

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マシュー・エレッジさん(左)とパートナーのエリオット・ドーティーさん(右)
セシルさんはその後、問診と一連の検査を経て、代理出産できると診断された。

「私は非常に健康志向なので、赤ちゃんを妊娠できるはずだとまったく疑っていませんでした」

子どもはマシューさんの精子と、エリオットさんの妹、レア・イリブさんの卵子を使って、体外受精で誕生した。

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代理出産したセシル・エレッジさんと孫のウーマちゃん
美容師のエリオットさんは、異性カップルにとっては体外受精というのは最後の手段かもしれないが、自分たちにとっては血のつながった子どもを持つための「唯一の望み」だったと述べた。

公立学校教師のマシューさんは、「これについては自分たち独自のやり方、枠にとらわれない方法が必要だと、最初から承知していたので」と付け足した。

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卵子を提供したレアさん(左)、エリオット・ドーティーさん(中央左)、代理出産したセシル・エレッジさん(中央右)、マシュー・エレッジさん(右)
セシルさんによると、妊娠は順調だった。

受精卵の移植が成功したかを確認するため、セシルさんは妊娠検査薬を使ったという。「だめだと言われていたけれど、息子たちは待ちきれない様子だった」。

しかし、検査薬の判定は「陰性」。そう思ったセシルさんは愕然(がくぜん)としたという。

母親を慰めに訪ねてきた息子のマシューさんが検査薬を見てみると、陽性を示すピンク色の線が出ていた。

セシルさんは自分の視力がいかに衰えているか笑いながら、「本当に嬉しい瞬間だった」と振り返った。

息子とエリオットさんからは、「ママは何も見えないけど、出産はできる」と笑って言われたという。

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娘のウーマちゃんと対面したエリオット・ドーティーさん(左)とマシュー・エレッジさん(右)
セシルさんの妊娠には家族全員、特にマシューさんのきょうだい2人は前向きだった。

「どういうことかみんなが理解してからは、みんな全面的に応援してくれました」と、セシルさんは言う。

しかし今回の妊娠によって、ネブラスカ州の性的少数者(LGBT)家族がどういう差別を受けるかも浮き彫りになった。

同州で同性愛者の結婚は、2015年の最高裁判決以降、合法だ。しかし、性的指向にもとづく差別を禁止する州法は存在しない。 2017年までは、ゲイとレズビアンが里親になることを禁止する数十年前の州法を適用し続けていた。

加えてセシルさんが出産したのが自分の子どもだった場合には、給付されたはずの医療費の払い戻しを、保険会社が認めなかった。セシルさんは保険会社と争ったが、認められなかった。

また、赤ちゃんを出産する人物を母親と定める法律により、出生証明書には母セシルさんと息子のマシューさんの名前は記載されているものの、エリオットさんの名前は除外されている。

「本当にたくさんのことが障害になるかもしれず、これは本当にごくごくわずかな一例に過ぎない」とセシルさんは言う

マシューさんは4年前、当時勤めていたオマハにあるスカット・カトリック高校に対し、ドーティーさんと結婚する予定だと伝えたところ解雇され、大きく報じられた経緯がある。

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生まれたばかりのウーマちゃんと父親のエリオットさん(左)とマシューさん(右)
学校側の対応は地元で激しい抗議を巻き起こした。保護者や卒業生、在校生が「マシューさんと将来の教員に対する雇用差別を終わらせる」よう求めるオンライン申し立てを作成する事態となった。

申し立ては現在終了しており、10万3000人近くの支持が集まった。

典型的な一般家庭だというエレッジさん家族は、LGBTの人々や家族に対する「憎悪」に対抗するために、家族の経験談を共有し、「そこには常に希望がある」と伝えることを選んだという。

マシューさんと家族に対する否定的な反応について、「個人的に受け止めないようにすることを学んできた」とマシューさんは述べた。

「結局のところ、私たちには家族がいて、友人がいて、私たちを支えてくれる巨大なコミュニティがある」

Image copyrightARIEL PANOWICZ / HTTP://ARIELFRIED.COM/
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ウーマちゃん誕生の日に集まったエレッジ家とドーティー家
産後のセシルさんとウーマちゃんの健康状態は良好だ。

「この小さな女の子を、本当に大勢の人が応援してくれています。愛情あふれる家族に囲まれて、成長します。何もかも、なるべくしてこうなりました」

(英語記事 Grandmother gives birth to own grandchild)

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https://www.bbc.com/japanese/47796938


 
同性カップル「生産性ない」 自民・杉田氏の寄稿に批判
二階堂友紀 2018年7月24日17時00分

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杉田水脈氏
 
 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック)が月刊誌への寄稿で、同性カップルを念頭に「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」と行政による支援を疑問視した。人権意識を欠いた記述だと批判が上がっている。

性同一性障害の当事者「子をもちたい」5割 岡山大調査
 寄稿は18日発売の月刊「新潮45」が掲載。「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題して、「『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません」などと主張した。

 SNSで「優生思想だ」といった批判が広がると杉田氏は22日、自身のツイッターで、先輩議員から「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」などと声をかけられたとし、「自民党の懐の深さを感じます」と投稿した。

 しかし、党内からも批判が相次ぐ。武井俊輔・前外務政務官は19日、寄稿を念頭に「劣情を煽(あお)るのは政治ではなくて単なるヘイト」とツイッターで指摘。橋本岳・同党厚生労働部会長は朝日新聞の取材に「生きづらさを抱える人たちが、自分らしく生きられるようにするための福祉行政全般を否定していると受け止められかねない」とした。

 当事者団体も23日、抗議声明を発表した。LGBT法連合会は「LGBTに限らず広く人権の観点から、『生産性』を引き合いに出す主張は疑問」と指摘。LGBT理解増進会は「重大な懸念」を表明し、自民党本部に善処を申し入れた。

 杉田氏は23日、月刊誌の発売後に「ゲイだと名乗る人間」から殺害予告のメールが届いたとして赤坂署に被害届を提出し、関連するツイートを削除。その後、朝日新聞の取材には「コメントできない」と語った。

 杉田氏は2012年に初当選し、2期目。元次世代の党で、自民党が昨年の総選挙で比例中国ブロックに、比例単独候補としては最上位の17位で擁立した。(二階堂友紀)

「優生思想とリンク」 当事者らも批判
 杉田氏の寄稿に対し、LGBTの当事者や識者からも批判の声が上がる。

 レズビアンを公表し、企業や団体向けに講演や研修をする増原裕子さんは、「生産性がない」などの記述に対し、「相模原の障害者殺傷事件や同性愛者を虐殺したナチスの優生思想とリンクする」と話す。自殺したゲイやトランスジェンダーの友人もいるといい「杉田氏は『支援の度が過ぎる』と言うが、支援が当たり前ではないか」と語った。

 千葉商科大専任講師で、評論家の常見陽平さんは23日午前、自らのブログで「与野党の超党派で議員が取り組んできたことにあまりに無頓着だ」と批判。寄稿に、明らかな事実誤認や差別的発言などを少なくとも18カ所見つけたという。「LGBT当事者に生産性がない、と断じた点は優生思想で、完全にアウトだ。自殺者がいるのを知らないのか、自分の目の前だけを見て差別はないかのごとく書く」と指摘した。ヘイトスピーチ問題に詳しいジャーナリストの安田浩一さんも「『生産性』の有無で人々を区分けするのは、残念ながら一部の保守層の中にある考え方ではないか。自民党の大臣クラスが同調しても不思議ではない」と指摘。「『弱者らしく』していれば守られるべき存在として扱うが、物言うマイノリティーが現れた途端に『保護されすぎている』とたたく。このように多数派の権利を守るために少数派の声を弾圧するのが今の社会。大きな危機感を抱かざるを得ない」と話した。

 慰安婦などをめぐる自らの研究で、国の補助金を受けたことを批判された牟田和恵・大阪大大学院教授(ジェンダー論)は、杉田議員について「LGBTや慰安婦など女性の人権が尊重されなければならないという流れに対し、『けしからん』と思っている人は国会議員も含めて一定層いる。そうしたマイノリティーに厳しい人たちの代弁者のような存在だ」と指摘した。

 牟田さんの研究を批判する杉田氏のツイートには、支持を表明する人もおり、牟田さんに対して「科研費の無駄遣い」「反日」などのバッシングが続いた。「『国民の税金』というバッシングしやすい言葉をキーワードに、慰安婦やLGBTなど、人権がかかわる問題をたたくのが、杉田氏のやり方ではないか」と分析する。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/

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https://www.asahi.com/articles/ASL7S46J3L7SUBQU00H.html
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/106.html

[政治・選挙・NHK259] 政府、強い危機感で地銀・バス統合へ 残る「地方消滅」リスク 
トップニュース2019年4月3日 / 18:19 / 1分前更新
焦点:
政府、強い危機感で地銀・バス統合へ 残る「地方消滅」リスク
Reuters Staff
2 分で読む

[東京 3日 ロイター] - 政府は、3日の未来投資会議(議長・安倍晋三首相)で、地方銀行や路線バスの運行会社の経営統合を認めやすくする議論を本格化させた。ただ、人口減少に歯止めがかかっておらず、合従連衡で「地方消滅」の危機から脱することができるかは微妙。

専門家からは、今回の対応策と併せ、「地方中核都市構想」などの地方活性化に向けたより抜本的な政策対応が必要との指摘が出ている。

政府が、地方企業の統合基準を見直すのは、人口減少に伴う収益悪化を未然に防ぐのが狙い。

統合により地域内のシェアが高くなっても、金融や交通インフラといった地域社会を支える経済的基盤を維持できるよう、新法制定や現行のガイドライン見直しなどで、公正取引委員会による独占禁止法の審査に「一定の予見可能性」を持たせる方向で議論が進んでいる。

金融分野では、全国9地域のうち、東北、北陸、四国、九州で地銀・第2地銀の6割超が企業のメーンバンクとなっている。日銀のマイナス金利政策の長期化や、ゆうちょ銀行の限度額引き上げが今後、収益環境を一段と悪化させる懸念もあり、政府内には「地銀の経営が傾けば地域経済の悪化に直結しかねず、(金融機関の)破綻を待つのは危険な選択肢」(関係者)との危機感がある。

一方、地方の路線バス事業の収支も厳しい。国土交通省が保有車両数30台以上の一般乗合バス事業者245社を対象にした調査では、2017年度に3分の2を超える170事業者が経常赤字だった。

赤字事業者のうち、2つの市町村をまたいで運行する幹線バス事業者については赤字額の2分の1、地域内で運行するコミュニティバスでは、自治体や事業会社を通じて同様に、国が赤字を補填する仕組みがある。

経営が悪化するほど国費負担が膨らみかねない現状に、政府は「当面はこれらの2分野に限定し、独占禁止法の適用緩和を検討する」(同)構えだ。

もっとも、議論の末に6月に閣議決定する新たな成長戦略では「統合を促すスキームが独禁法に抵触すれば『新法』、抵触しなければ『新たなガイドライン』の制定となるが、いずれにしても一定期間経過後の見直しか、時限措置の規定が入る」(先の関係者)とみられている。

独禁法の例外規定について、別の政府関係者によると、例外規定は5年から10年の時限措置とする案が出ており、いずれのケースでも一時的な措置とする。

国勢調査などの推計によると、2017年に1億2671万人だった日本の総人口は2055年に1億人を割り込み、2065年には8808万人となる見通し。

ニッセイ基礎研究所・チーフエコノミストの矢嶋康次氏は「経営統合が促進され、効率化が図られても人口減少による地方経済の『パイ縮小』という本質的な問題が解決するとは考えにくい」と指摘。そのうえで「地方基盤企業の統合問題に限らず、併せて『地方中核都市構想』なども議論してはどうか」と話している。

マクロ政策取材チーム 編集:田巻一彦
https://jp.reuters.com/article/regional-reforms-idJPKCN1RF0Y0?il=0
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/273.html

[政治・選挙・NHK259] 金融庁、収益悪化の地銀へ「伝家の宝刀」 統合へ狭まる包囲網 金融庁、早期警戒制度の見直し案公表 収益悪化の地銀に改善要請
ビジネス2019年4月3日 / 17:59 / 18分前更新
焦点:
金融庁、収益悪化の地銀へ「伝家の宝刀」 統合へ狭まる包囲網
Reuters Staff
2 分で読む

[東京 3日 ロイター] - 金融庁は3日、地域金融機関に財務健全性の確保を求める「早期警戒制度」の改正案を公表した。収益悪化が続く地方銀行には、経営陣の交代や業務改善命令も視野に入れる。同日、政府の未来投資会議は地銀の統合を円滑にするための特例措置を検討。収益環境が悪化し、収益の改善のために地銀に統合を促す制度作りが着々と進む中、一部の地銀はビジネスモデルの立て直しに向け動いている。

<将来予測で地銀を監視>

早期警戒制度の見直しの主眼は、金融庁の監督の柱に地銀収益の将来予測を据える点だ。自己資本比率、財務指標、大口与信の集中状況、流動性状況など「過去の一時点」に着目した従来の仕組みを改め、金融庁が作成した市場変動などのリスクシナリオをもとに、将来的に所要の最低自己資本比率4%を割り込むリスクが高いかどうかを見極める。

欧米などがすでに実施しているストレステストに近い手法を採用し、地銀が抱えるリスクをあぶりだす。

これまで金融庁は、地銀に持続的なビジネスモデルの構築を求め、経営陣との対話を重ねてきた。しかし「いまだに『自分の在任期間中に何もなければいい』という甘い考えの経営トップがいる」(金融庁幹部)と、地銀の現状認識に対する金融庁のいらだちは強まっていた。

金融庁幹部が懸念しているのは、中央組織による救済スキームがある信用金庫や信用組合ではなく、規模が小さい銀行が多い「第二地方銀行」39行の今後だ。

地銀を取り巻く収益環境が急速に変化するなか、金融庁は警戒感を募らせている。金融庁は、収益悪化が常態化し、経営トップの意識や取り組み姿勢が不十分な地銀には経営陣の刷新を求める方針。業務改善を目的に他の銀行との経営統合につながる可能性もある。

<狭まる統合への包囲網>

地銀に統合を促す制度作りは、多面的で進んでいる。政府は3日の未来投資会議で、地銀や路線バス会社の経営統合の促進策を議論した。

ふくおかフィナンシャルグループ(8354.T)と十八銀行の経営統合の承認プロセスが長期化したことを踏まえ、政府は統合で生まれる新銀行の県内シェアが高い場合でも、早期の経営立て直しのために必要な場合は、例外的に統合を認める方針。

ある政府関係者は「苦境に陥った地銀を統合に向かわせるのが真の狙い」と話す。その上で「『未来』を看板とする会議で、後ろ向きなテーマを扱うのは皮肉だが、今の日本に必要な対策だ」と指摘する。

<脱・市場部門、脱・伝統>

地方銀行は、業務の立て直しに動き始めている。あおぞら銀行(8304.T)は3月、19年3月期の業績予想を下方修正した。当期純利益を430億円(前期比0.1%減)から360億円(同16.4%減)に引き下げた。

あおぞら銀行が提供する「デリバティブ内蔵型預金」の販売が振るわなかったことが下方修正の一因で、同行の顧客である地方銀行が、金融商品への投資に慎重になったとみられる。

ある地銀の幹部は「市場部門に依存するのをやめ、融資など本業での黒字復帰を第一目標にする」と話す。別の地銀は「伝統的な銀行のビジネスモデルとの決別」を掲げ、異業種に職員を積極的に派遣。新たなビジネスモデルを模索している。

<「廃業はありえない」>

早期警戒制度の見直し案について、金融庁の幹部は、いよいよという場合に限って発動する「伝家の宝刀」と指摘する。金融庁は、収益が悪化した地銀に業務改善命令を乱発することはせず、経営陣の取り組みや営業基盤である地域の実状などを総合的に見たうえで、行政処分の可否や内容を判断する方針だ。

しかし、地銀は業績悪化が続いている。実質業務純益は減少傾向が継続し、19年3月期中間期は与信費用が増加に転じ、収益の足を引っ張った。

「預金を預っている以上、地銀の円滑な廃業はありえない。苦しくなれば、救済合併しかない」と、ある金融庁幹部は話している。

和田崇彦 編集:田巻一彦
https://jp.reuters.com/article/southkorea-5g-idJPKCN1RF0VM?il=0


 
ビジネス2019年4月3日 / 18:04 / 13分前更新
金融庁、早期警戒制度の見直し案公表 収益悪化の地銀に改善要請
Reuters Staff
1 分で読む

[ 3日 ロイター] - 金融庁は3日、早期警戒制度の見直し案を公表した。地域金融機関に財務健全性の確保を求めるのが狙いで、収益悪化の地銀に早期の改善を要請する。

具体的には、金融庁が地銀の持続可能な収益性と将来の健全性を常時把握する態勢を整え、おおむね5年以内のコア業務純益やストレスシナリオ下の自己資本の状況について、決算期ごとに確認。将来の自己資本などが一定水準を下回る場合、銀行の経営計画の妥当性を検証する。

また、おおむね5年以内にコア業純が継続的に赤字となったケースや、自己資本比率が4%を下回ることが見込まれる場合に、立入検査や業務改善命令を出すことができるようにする。

和田崇彦 編集:田巻一彦
https://jp.reuters.com/article/fsajapan-idJPKCN1RF0VY?il=0
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/274.html

[経世済民131] ゴーン被告を4回目逮捕へ 東京地検特捜部、最高検と協議 会社法違反容疑 ゴーン被告「11日に会見」ツイッター
ゴーン被告を4回目逮捕へ 東京地検特捜部、最高検と協議 会社法違反容疑
4/3(水) 14:08配信 産経新聞 
大勢の報道陣に囲まれながら、弘中弁護士事務所を出るカルロス・ゴーン被告=3月12日午後、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)
 会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が、オマーンの友人側に日産資金を不正に支出したなどとして、東京地検特捜部が同法違反(特別背任)容疑で近く再逮捕する方針を固めたことが3日、関係者への取材で分かった。最高検と協議して最終決定する。資金の一部はゴーン被告側に流れているといい、特捜部はゴーン被告が私的に流用した疑いがあるとみて実態解明を進める。

【表で見る】予想されるゴーン被告の主な主張
https://prt.iza.ne.jp/kiji/events/images/190307/evt19030720050035-p1.jpg

 関係者によると、日産の最高経営責任者(CEO)だったゴーン被告は平成24年以降、日産子会社「中東日産」(アラブ首長国連邦)を通じ、オマーンの販売代理店、スハイル・バハワン自動車(SBA)に、自身が直轄する「CEOリザーブ」という予備費から毎年数億円ずつ約35億円を支出していた。

 SBAオーナーのスハイル・バハワン氏は、ゴーン被告の友人で、資金は、インセンティブ(報奨金)に偽装して不正に支出させた疑いがある。

 ゴーン被告は21年1月、バハワン氏から私的に約30億円を借り入れ、既に全額が返済されたといい、約35億円が借金の返済に充てられた可能性もある。

 一方、ゴーン被告と親しいSBAの経理担当幹部は2015(平成27)年ごろ、レバノンにグッド・フェイス・インベストメンツ(GFI)という投資会社を設立し、代表に就任。GFIには経理担当幹部の個人口座から計数十億円が送金されており、このうち約9億円が、ゴーン被告の妻が代表を務める会社に移され、大型クルーザー(約16億円)の購入費に充てられた疑いがあるという。

 CEOリザーブをめぐっては、オマーンのSBAに加え、レバノンの販売代理店にも約17億円が報奨金に偽装されて支出された疑いがあり、特捜部が捜査を継続していた。

 ゴーン被告はこれまでの特捜部の調べに、中東各国への支出について「報奨金であり、正当な支出」などと主張している。

 ゴーン被告は昨年11月19日、自身の役員報酬を過少に記載したとして金融商品取引法違反容疑で逮捕され、同年12月、同容疑で再逮捕。さらに別の特別背任容疑で再逮捕、起訴され、今年3月6日、108日間の勾留を経て保釈された。

ココがポイント
4回目となる逮捕容疑の内容は?
ゴーン被告は、2012年から去年にかけて、知人がオーナーを務めるオマーンの販売代理店に総額35億円以上を送金し、その一部を私的に流用した疑いがあるという。

出典:日本テレビ系(NNN) 4/3(水)
オマーンの販売代理店との関係は?
代理店のオーナーはゴーン被告の友人で、09年に前会長に約30億円を貸し付けていたという。
出典:毎日新聞 4/3(水)
ゴーン被告側の主張は?
「オマーンの会社に支払われた資金は、商業目的から外れておらず、ゴーン被告や家族に利益をもたらしたものではない」と疑惑を否定。
出典:FNN.jpプライムオンライン 4/3(水)
ゴーン被告がツイート 11日に記者会見へ
出典:毎日新聞 4/3(水)

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沈黙のゴーン被告 連日外出し悠々 検察は証拠隠滅警戒

最終更新:4/3(水) 16:24
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190403-00000533-san-soci

 


ビジネス2019年4月3日 / 13:54 / 4時間前更新
ゴーン被告「11日の記者会見で真実を話す」、ツイッターに投稿
Reuters Staff
1 分で読む

[東京 3日 ロイター] - 会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車(7201.T)の前会長、カルロス・ゴーン被告は、ツイッターに「何が起きているか真実を話す用意ができてきた。11日に記者会見を行う」と投稿した。

メッセージが投稿されたのは@carlosghosnのアカウントで、本人と確認されたことを示す青い「認証バッジ」が付いている。アカウントは今月作成され、投稿はこの1件のみ。

https://jp.reuters.com/article/nissan-ghosn-idJPKCN1RF0C7


ゴーン元会長「11日に会見」 ツイッター開設
自動車・機械 社会
2019/4/3 15:58
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交流サイト(SNS)ツイッターに日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(65)が3日、アカウントを開設した。元会長は英語で「何が起きているのか真実を語る準備をしている。4月11日木曜に記者会見」と投稿した。

カルロス・ゴーン元会長のものとみられるツイッターのアカウント(3日午後)
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カルロス・ゴーン元会長のものとみられるツイッターのアカウント(3日午後)

刑事裁判を担当する弁護士の1人が本人のアカウントだと認めた。ツイッター社は元会長側のスタッフから認証の依頼があったとしている。依頼を受けたのは同社の海外の窓口だという。

投稿は3日午後0時51分、アカウント名はCarlos Ghosn。プロフィル欄には「父であり夫。日産やルノー、三菱自動車の元会長」などと記載している。所在地は「東京都 日本」と記載した。

最初の投稿から約1時間後、日本語で同趣旨の投稿があった。ゴーン元会長は保釈条件で、インターネットにつながったパソコンの使用や携帯電話のネット機能の利用が禁止されている。第三者のサポートを受け、投稿したとみられる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43274160T00C19A4000000/

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/790.html

[経世済民131] 米金融当局、資産バブル生成の恐れも−物価加速に躍起となるあまり 日本株反発−輸出主導 超長期債が上昇ー中期債の重さは継続
米金融当局、資産バブル生成の恐れも−物価加速に躍起となるあまり
Rich Miller
2019年4月3日 17:26 JST
シカゴ連銀の計測では現在の金融状況は1994年以降で最も緩和気味
パウエル議長は低インフレを「昨今の重大な課題の一つ」と表現
米金融当局は物価目標を下回って推移しているインフレ率の押し上げに躍起となるあまり、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が直近2つのリセッション(景気後退)に結び付けたのと同じような資産バブルを生成させるリスクがある。

  世界経済の成長鈍化について投資家の懸念は払拭(ふっしょく)されないままだ。だが米金融当局が今年、利上げ路線から予想外の姿勢転換を図ったことで、株式や高利回り債などリスク資産は値上がりした。少なくともシカゴ連銀の計測では、現在の金融状況は1994年以降で最も緩和気味となっており、さらなる緩和の可能性も十分ある。

Easy Financial Conditions
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i0e1bizHWQko/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png

  元FRB当局者で現在はPGIMフィクスト・インカムのチーフエコノミスト、ネイサン・シーツ氏は「晩春までに成長加速が意識され、金融当局が静観の姿勢を保ったままなら、市場はゴルディロックス(適温)状態が戻ってリスクオンだと言い始めるだろう」と語った。

  実際にそうなれば、金融当局は困った状況に置かれる。パウエル議長は先月、路線転換を打ち出すのに当たり、低インフレは「昨今の重大な課題の一つだ」と述べてインフレ圧力の加速に向けた当局の決意を浮き彫りにした。議長は、次の金利の動きが引き下げとなる可能性にも道を開いた。

  しかし、低金利を通じてインフレ加速を目指す取り組みは、過度のリスクテークを促して金融の安定性を脅かすことになりかねないと、アリアンツの主任経済顧問を務めるモハメド・エラリアン氏は指摘する。

  そして、金融政策を巡る広範な戦略の見直しを来年完了する予定の米金融当局が、インフレ目標達成のための枠組みを変更することになれば、金融の安定性とインフレとの間のトレードオフ(二律背反)は一層先鋭化するかもしれない。

原題:Fed Risks Fomenting Financial Bubbles in Zeal to Lift Inflation(抜粋)
 
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日本株は反発、米中交渉の進展期待や米テクノロジー株高−輸出主導
長谷川敏郎
2019年4月3日 7:47 JST 更新日時 2019年4月3日 15:28 JST
米中の貿易協議、合意に向け問題の大半を解消と英FTが報道
円は対ドルで111円50銭台に下落、米S&P500種Eミニ先物も堅調
3日の東京株式相場は反発し、主要株価指数は1カ月ぶり高値を付けた。米国と中国の通商交渉の進展期待が高まった上、昨日の米国株市場でテクノロジー株が買われたことや為替の円安も追い風となり、電機や機械など輸出関連、化学など素材株中心に上昇。

TOPIXの終値は前日比10.08ポイント(0.6%)高の1621.77
日経平均株価は同207円90銭(1%)高の2万1713円21銭
  米中は中国製品に対する既存の米関税などで合意に至っていないが、それらを除けば交渉担当者は大半の問題を解消したと英紙フィナンシャル・タイムズが報道。米S&P500種Eミニ先物や中国上海総合指数が堅調に推移し、為替市場ではドル・円相場が一時1ドル=111円50銭台と円が弱含んだ。

  大和証券の高橋和宏株式上席ストラテジストはFT報道について、「想定内ではあるが合意に向かうという方向性は株価にプラス。底入れ感が出ている設備投資の先行きに対する期待が持ちやすくなる」と述べた。為替も「ドル・円相場が1ドル=111円台を維持すれば、会社側の多少慎重な今期業績計画が出ても保守的と受け取られやすい」と言う。

  上げが目立ったのは東京エレクトロンや信越化学工業といった半導体や電子部品、半導体素材などテクノロジー株。米10年債利回りが2.47%に低下する中、昨日の米国株市場ではアップルやフェイスブックなど大型テクノロジー株が上昇した。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「そこそこの米景況感から判断して2.4%台の金利は下げ過ぎ。低金利が継続する中ではゴルディロックス(適温相場)が強化され、投資家のリスク許容度は上昇しやすい」と話していた。

1カ月ぶり高値に
東証33業種では海運や証券・商品先物取引、非鉄金属、機械、電機、化学、保険が上昇
石油・石炭製品や食料品、電気・ガス、医薬品、陸運は下落
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPDLGQ6JTSEB01


 


超長期債が上昇、明日の30年入札に楽観的な見方ー中期債の重さは継続
船曳三郎
2019年4月3日 7:56 JST 更新日時 2019年4月3日 16:10 JST
債券市場では超長期債が上昇。投資家の潜在需要の強さを背景に4日の30年債入札に対する楽観的な見方が出ており、買いが優勢となった。半面、米中通商協議の進展期待を受けた円安・株高の影響や中期債の上値の重さが継続したことで利回り曲線はフラット(平たん)化した。

40年物11回債利回りは一時2.5ベーシスポイント(bp)低い0.54%と、新発債として2016年10月以来の低水準。新発30年物61回債利回りは2bp低い0.50%まで低下
長期国債先物6月物の終値は2銭安の152円92銭。一時152円80銭まで下落
2年物399回債利回りは一時マイナス0.155%と、新発債として3週間ぶりの高水準
市場関係者の見方

野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト
超長期は引き続き40年債を中心に強く、金利上昇が望みづらい中、投資家が平準的に買ってきているのではないか
30年債が入札に向けて調整しないのも2018年度から起こっている現象で、40年債の淡々とした買いを見ても、大きく崩れる可能性は低い
一方、中期の重さは国内勢の期初の益出し売りもあるが、保有額を考えると売りの余力も限られ、連動性が高い米国2−5年債のイールドカーブが立ってきたことで海外勢の売りもあるだろう
みずほ証券の上家秀裕債券ストラテジスト
米中通商協議が合意に近づいているというような報道で先物が急落する場面もあったが、やや過剰反応ですぐに買い戻された
リスクオンの材料が出てきたので買い上げていくのも難しいが、超長期債は引き続きしっかりしており、それに比べて中期債の弱さが目立つ
日銀オペ

残存期間1ー3年、3ー5年、5ー10年が対象で、金額はいずれも据え置き
オペ結果は、応札倍率が1−3年で低下、3−5年と5−10年が上昇したが全ゾーンとも2倍台におさまった
野村証の中島氏はいずれも無難な結果だったと指摘
過去の国債買い入れオペ結果一覧
背景
2日の米10年国債利回りは3bp低下の2.47%程度。この日の時間外取引では、米中通商協議の報道を受けて2.51%程度に上昇した
米中の貿易協議、合意に向け問題の大半を解消−英紙FT
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
-0.160% -0.175% -0.055% 0.355% 0.510% 0.550%
前日比 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい -1.0bp -1.5bp
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PPBPVE6KLVR601?srnd=cojp-v2


 
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/791.html

[経世済民131] 3メガ銀、年度内上場目指す東芝メモリに融資1兆円 Jディスプ赤字常態化、台中勢出資 邦銀CLO堅調 ドイツ銀にさらに逆風
3メガ銀、年度内上場目指す東芝メモリに融資1兆円 
院去信太郎
2019年4月3日 18:15 JST
2019年度中の上場を目指す東芝メモリホールディングスの資金調達案が固まり、3メガバンクが合計で1兆円を融資すると日本経済新聞が3日夜に報じた。

  報道によると、みずほ、三井住友、三菱UFJの3メガ銀行のほか、日本政策投資銀行も3000億円の優先株を引き受ける計画という。3メガ銀は計9000億円を融資するほか、これとは別に1000億円のコミットメントライン(融資枠)も設ける。

  東芝メモリは合計1.3兆円を原資に米アップルなどの取引先が持つ優先株を買い戻し、既存の借り入れも返済するとも報道。株式上場の審査に不利とされる取引先の持ち株比率が高い点を解消し、今年度中の上場に一歩近づけるとしている。

  報道内容に関し、東芝メモリからの回答は得られていない。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPDO956S972I01?srnd=cojp-v2


Jディスプ、台中勢の出資受け入れ合意、ファンドなど3社−報道 赤字が常態化
古川有希
2019年4月3日 17:04 JST 更新日時 2019年4月3日 18:34 JST
台湾の電子部品や中国のファンドなど3社、議決権5割弱の筆頭株主に
提携交渉は「事務手続きに時間、契約締結は来週前半めど」−Jディスプ
中小型液晶パネルメーカーのジャパンディスプレイ(JDI)は台中連合3社からの出資受け入れで合意した、と日本経済新聞社が3日夕に報じた。

  報道によると、3社は台湾の電子部品メーカーや中国の投資ファンドなど。出資などを含む600億−800億円の金融支援を受け入れる。週明けまでに取締役会を開き、正式に決議する見通しという。台中連合が議決権の5割弱を握る筆頭株主となり、JDIは台中連合の傘下に入るとも伝えた。  

  同社は同日夕、提携交渉について「事務手続きに時間を要しており、契約締結は来週前半をめどに進めている」と発表した。合意した場合は速やかに開示するとしている。1日時点では今週中を目指すとしていた。

  JDIは最大顧客の米アップルの不振の影響を受け、2019年3月期で5期連続の純損失を計上する見込み。昨年12月末の現預金は544億円と同3月末の809億円から大幅に減少し、自己資本比率は15.1%まで低下した。経営再建に向け外部資本を受け入れる方向で複数社と交渉中だった。

赤字が常態化

出所:ジャパンディスプレイ

注:18年度は純損失予測の規模は未公表

  車載向け商品の拡大を進めているが、売上高の過半を占めるアップルの業績に左右される収益構造から脱却できていない。アップルがiPhone(アイフォーン)で移行を進める薄くて軽い有機ELの量産化には大規模投資が必要で、財務改善が急務となっていた。

  JDIは12年、官民ファンドINCJが主導して日立製作所、東芝、ソニーの液晶パネル部門が統合し発足。14年の上場後も収益は安定せず、人員削減など構造改革を行った18年3月期には約2500億円の純損失となった。上場時に900円だった株価は、昨年12月には50円まで下落した。INCJは発足当初から数回にわたって支援を続けているが、赤字が常態化している。

  ブルームバーグのデータによると、筆頭株主のINCJはJDIの株式25%を持つ。次いで旧村上ファンド出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが8.9%を保有する。

年 INCJなどからの支援内容
12年  INCJが発足時に2000億円出資
16年  INCJが転換社債や融資で750億円支援
17年  INCJが主要行による1070億円の融資枠を債務保証(継続中)
18年  INCJが200億円を融資
 海外投資家などを引受先に350億円の第三者割当増資
(第4段落にJDIのコメントを追加しました.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPB8VJ6K50XS01?srnd=cojp-v2


 


邦銀のCLO需要、当面は減退しない見込み−ヘッジが有利
Adam Tempkin
2019年4月3日 12:56 JST
• ドル・円の5年物クロスカレンシー・ベーシス・スワップが低下
• 単純計算すると、ヘッジコスト低下の恩恵が鮮明になる
最上級格付けのローン担保証券(CLO)の有力な買い手である日本の銀行が、この仕組み商品を購入する理由が増えた。為替ヘッジのコストが低下していることだ。
  これは、日本人投資家によるトリプルA格付けCLOトランシュの購入を後押しすると見込まれ、こうした投資家の買いが止まることで市場が混乱することへの最近の懸念を打ち消すことにもなる。
  ドル・円の5年物クロスカレンシー・ベーシス・スワップは、年初から少なくとも8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、現在は41.3bp。邦銀の多くは米ドル建てCLO投資を考える際、この数字を参照するとされている。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i4twvrn5V62U/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png
  2018年2月には60bpと、現在より約19bp大きかった。当時、トリプルAクラスのCLOのスプレッドは今よりかなりタイトで、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に対し平均で100bp以下だった。大きな部分を購入する日本の投資家向けのトリプルAのCLOのスプレッドは現在、平均で約132bp。
  これらの数値から単純計算すると、ヘッジコスト低下の恩恵が鮮明になる。
  18年2月はトリプルAのCLOの平均スプレッドが100bp前後でヘッジコストが60bpのため、農林中央金庫など邦銀が手にするスプレッドは約40bpだった。今はCLOのスプレッドが約132bpでヘッジコスト41bp程度のため、同じ取引で約91bpが得られる。
  パインブリッジ・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ライラ・コルモーゲン氏は「1年前にAAAのCLOを好んでいた日本の投資家なら今のヘッジコストを見て『もっと買おう』と言うだろう」と述べた。
原題:Here’s Why the Japanese Bid for CLOs Isn’t Likely to Slow Soon(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPD6VU6TTDSJ01?srnd=cojp-v2

 


ドイツ銀にさらに逆風か、英EU離脱でライバルがフランクフルト集結
Nicholas Comfort、Steven Arons
2019年4月3日 14:29 JST
独連銀のビュルメリンク理事がインタビューで発言ー具体名は挙げず
フランクフルトは「より国際的になり競争力が増す」−同理事
英国の欧州連合(EU)離脱で多くの銀行が人員をドイツに移すことで、ドイツ銀行など同国の投資銀行はますます厳しい競争を強いられる可能性がある。

  英国からの移転は当初はほとんど影響を及ぼさないだろうが、外国の銀行がドイツでの新拠点を利用し同国内で投資銀行サービスを拡大するようになれば、状況は変わる可能性があるとドイツ連邦銀行の銀行監督責任者、 ヨアヒム・ビュルメリンク理事がインタビューで語った。

  投資銀行は「ダイナミックな事業であり、外銀はふと周りを見回した際、さらなるビジネス機会があることに気付くかもしれない」と同理事は述べ、「フランクフルトは金融センターとして、より国際的になり競争力が増すだろう」と語った。

  これはドイツ銀などにとって、競争激化を意味する。ビュルメリンク理事は銀行名は挙げなかったが、フランクフルトを本拠とするドイツ銀は欧州の大手投資銀行でありながら、米銀勢にシェアを奪われている。

  ドイツ銀は国内同業のコメルツ銀行との合併を検討中で、両行とも国内事業重視を打ち出しているが、国内市場での法人顧客獲得競争で利益は圧迫されている。オランダ同業INGグループは昨年、3年間でドイツのコーポレートバンキング担当の人員を1.5倍にする計画を明らかにした。

関連ニュース:ショルツ独財務相、ドイツ銀とコメルツ銀合併をまた一押し

Shrinking Margins
The money earned on German corporate loans has been falling since 2014


Source: Bundesbank's German Bank Lending Survey

Note: Value shows differential in percent between number of banks responding margins have grown and those reporting margins have contracted

原題:Brexit May Bring New Threat for Battered German Investment Banks(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPDAIN6K50XU01?srnd=cojp-v2


 

ビジネス2019年4月3日 / 18:44 / 11分前更新
ユーロ、ECB利下げ示唆なら1.10ドル割れも=JPモルガンAM
Reuters Staff
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[ロンドン 3日 ロイター] - JPモルガン・アセット・マネジメントの通貨担当最高運用責任者、ロジャー・ハラム氏は3日、欧州中央銀行(ECB)が利下げを示唆すれば、ユーロが1ユーロ=1.10ドルを割り込み、ユーロの短期金融市場のカーブが逆転する可能性があるとの見方を示した。

ECBが、現在マイナス金利となっている中銀預金金利を今後数カ月でさらに引き下げる意向を示唆した場合、「(ユーロ/ドルは)過去1年間の大半の期間で維持されてきた1.12−1.18ドルのレンジを下抜け、1.10ドルを試す可能性さえある」という。

また、ECBは中銀預金金利の階層化を以前よりも積極的に支持しているとみられ「ユーロの短期金融市場のカーブがフラット化し、逆転する可能性もある」としている。
https://jp.reuters.com/article/eurozone-markets-jpmorgan-idJPKCN1RF119


 
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/792.html

[不安と不健康18] ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」 便秘対策、食物繊維不足の「手っ取り早い解消法」とは?  
ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

便秘対策、食物繊維不足の「手っ取り早い解消法」とは?

2019/04/03

佐藤達夫 (食生活ジャーナリスト)


(krisanapong detraphiphat/iStock/Getty Images Plus)
ない便は出せない!
便秘に悩む人は日本人全体の3〜5パーセント【※1】。男性よりも女性のほうが圧倒的に多く、高齢になるとその悩みは顕著になる。もっとも、この比率は「有訴者率」といって、有病者の割合ではなく「自分は便秘だと思う」という人の割合である。

そうはいっても、ビジネスパーソンの中にも便秘で悩んでいる人があるだろうから、今回はその解消に役立つ情報を提供する。便秘で悩んではない人にとっても、健康増進には役立つので、覚えておいてもらいたい。

便秘というのは微妙な症状で、きちんとした定義がない。便の状態(固いとか柔らかいとか)、便の量(多いとか少ないとか)、頻度(週に2度とか3度とか)などが、専門家の間でも定まってはない。客観的な定義は別にして「満足のゆく排便がない」と感ずる人が多いのだろう。

ただし、軽く考えてはならない。便秘には消化管の重大な疾病が隠れている場合もあるし、便秘が長く続くことによって、やっかいな疾病を招くこともある。頑固な便秘が長期間続く場合や、便秘と下痢を繰り返す場合などは、早めに受診することを勧める。

一般的に、便秘というのは大腸や直腸の中に便があるにもかかわらず排泄できない状態をいう。しかし、便秘だと主張する人の中には、腸の中に便がないので(当然のことながら)排便がない人もいる。これは便秘ではない。この人が(対応を間違って)下剤などを服用すると、排便が実現しないだけではなくきわめて不快な症状に襲われることになる。ここでは「便の量を増やす」対策を考えてみる。

基本的には、まず食べること。「ない袖は振れぬ」にたとえていうならば「ない便は出せぬ」となろうか。

便の主成分(?)は食物繊維
便の元(内容)は大きく3つある。1:口から入った物(食物繊維等)、2:腸内に住んでいる物(腸内細菌等)、3:体の構成物質(腸の粘膜や細胞など)の3つ。このうち2と3を増やすことは、そう簡単にはできないので、まずは1を増やす方法を考えよう。

食物繊維とは「口から入っても、体内に吸収されずに、肛門から出てくる物」である。いま「体内」といったが、胃の中や腸の中は、厳密にいうと「体内」ではなく「体外」だ。腸の粘膜に開いている小さな穴を通って中に入ると、そこが「体内」。私たちの体には、口から肛門まで「体外」というトンネルが通っていると考えてよい。

口から食べられて、消化・吸収作用を受け、体内に入って栄養的な働きをする物質を「栄養素」という。食物繊維は「体内」に入らないのだから栄養素ではない、と長い間考えられてきた(いまもそう考える栄養学者はいる)。しかし、体内には入らずとも、胃や腸の中で「栄養的な働きをする」ので栄養素として考えるべきだという説が、いまは有力である。

食物繊維の栄養的な働きというのは、余分な脂肪分や糖分や塩分を体外に(便といっしょに)排泄したり、便の量を増やして腸壁に付いている発がん物質などを(便といっしょに)肛門から排泄したり、腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善したりする働きである。いずれも、糖尿病や高血圧症や脂質異常症やがんなどの予防に役立つとされている。

【※1】平成28年国民生活基礎調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h28_rev2.pdf

食物繊維はスジスジ状の物とは限らない
食物繊維は植物性食品に多く含まれている。ただし、食物繊維は口当たりが悪かったり、なかなかかみ切れなかったりするので、料理の過程や食品加工の過程で取り除かれることが多い。ある意味では、食文化の発達は「食物繊維除去の歴史」といえるかもしれない。

玄米から食物繊維(ぬか層)を取り除いて白米にしたり、大豆から食物繊維(おから)を除去して豆腐にしたり、くだものを絞って食物繊維を除いたジュースにしたりなどは、その典型。いずれも、美味しく・柔らかく・簡単に飲食できるように工夫した結果である。

逆にいうと、食物繊維が豊富な料理は柔らかくはなく、食べるのに時間がかかり、美味しくない(美味しさは個人の好みだが)ことが多い。一般的に、昔の食べ物に比べて、現在の食べ物は栄養豊富で健康的である。惜しむらくは、食物繊維不足がいきすぎてしまった嫌いがあるので、意識的に摂取したい。

なお、食物繊維というとゴボウやタケノコなど「いかにもスジスジした物」を思い浮かべる人もあろうかと思うが、必ずしも線維状の物ばかりとは限らない。たとえば大豆やワカメなどはスジスジしてはないが、食物繊維を豊富に含んでいる。

手っ取り早くは「主食を変える」
厳密にいうと、食物繊維には「水溶性」の物と「不溶性(水不溶性)」の物があり、それぞれに、栄養的な働きも異なるといわれている。しかし、そういう細かいことは気にしないでいい。まずは食物繊維を多く含む食材である野菜類・豆類・いも類・海藻類・穀物類を積極的に食べよう。

とはいってもこれらの食材はチェーン店系の外食やコンビニ弁当などではなかなかお目にかからない。調理に手間がかかる割には価格に反映しにくく、売れゆきにつながらないためだ(前述した特徴=美味しさに欠ける・けっして柔らかくはない・食べやすくもない、を思い出してもらえればわかるだろう)。

もう1つ、これらの食材は、肉や魚と違って、「主菜=メインディッシュ」になりにくいこともある。となると、食物繊維不足にならないようにするコツは「副菜=小さなおかず」を食べるようにすること、になる。外食の際やコンビニでお弁当を購入する際は「小さなおかず」を追加したい。

そして最も手っ取り早くは「主食=ご飯やパンを精製しすぎてない物に変更する」という方法がある。ビジネスパーソンにはまずこの方法をお薦めしたい。具体的には、ご飯であれば、主食が白米ではなく、玄米や雑穀類が入ったおにぎりやお弁当、麦入りご飯の定食、などを選択したい。

主食がパンの場合には、白い食パンではなく、中まで茶色いパンを選ぶとよい。最近では、サンドイッチショップやハンバーガーショップでもパンの種類が選べるところを見かけるようになった。そういうお店を覚えておきたい。

(このように書くと「白い食品は健康に悪い」と拡大解釈する人があるが、そういうわけではないので、誤解しないでいただきたい)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15768
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/744.html

[戦争b22] 次世代の米国の安全保障を担うのは海軍なのか 世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

次世代の米国の安全保障を担うのは海軍なのか

2019/04/03

岡崎研究所

 米国は、中東で顕著なように、陸上軍による対外介入を大きく縮小しようとしている。こうした中、どこが米国の安全保障を担う中心となるか、議論が出て来るのは自然である。これに関して、ユーラシア・グループ専務理事のロバート・カプランは、「次世代の米国の安全保障は海軍が支配的地位を占めるだろう」と題する論説を3月13日付でワシントン・ポスト紙に書いている。以下に、論説から注目点をいくつか抜き出してみる。


(Talaj/ziquiu/NREY/chengyuzheng/iStock)
・米国は、ブッシュ(父)大統領による1991年のクウェート解放から始まった、中東における陸上の介入の時代を終わらせようとしている。それは繰り返されるべきでない。

・地上軍による介入をしないということは孤立主義を意味しない。米国は、地球の広大な地域に力を投射すべきである。世界中に常時力を投影できる海軍は、米国の主要な戦略手段である。ここで海軍とは海、空、ミサイルのあらゆる側面を含む。海軍は空軍の支援を受け、泥沼に陥ることなく関与し、圧倒的な影響を与えることができる。

・もし例えばイランと中東でもう一度戦争をするとなれば、米国は海軍、空軍、サイバー司令部、それにミサイルと衛星の展開を重視するだろう。中国との戦争は主として海軍とサイバーだろう。ハイテク戦争の性質と技術で地球が小さくなることから、ミサイル、大気圏の力、海軍のプラットフォームの抽象的な領域が生まれ、その世界では紛争は一つの危機圏から他の危機圏に容易に移り得る。

・地上軍の展開は、ロシアのバルト3国併合や北朝鮮の崩壊など、最も重要な国益が関わっている場合に限られることになろう。政治のみならず軍事でもトランプ以前の時代に戻ることはできない。海軍の世紀がやってくる。それはグローバル化がコンテナ船の航行の安全にかかっている時代である。とはいえ、海軍の世紀が平和的であるとも言えない。

参考:Robert D. Kaplan,‘The coming era of U.S. security policy will be dominated by the Navy’(Washington Post, March 13, 2019)
https://www.washingtonpost.com/opinions/2019/03/13/coming-era-us-security-policy-will-be-dominated-by-navy/

 論説は、米国が中東における地上軍の介入の時代を終わらせようとしている、と述べている。そして地上軍による介入に代わるものは、海軍による力の投射であるという。海軍の世紀がやってくるとまで言っている。

 地上軍による介入が原則行われなくなるのはその通りだろう。米国はイラクとアフガニスタンで大々的な介入を行い、多大な犠牲を払ったが、それに見合う成果は上げていない。地上軍による介入が割に合わないのは、レジーム・チェンジの後の国造り、治安の維持が極めて困難で、介入の対象となった国が自力で対処できないからである。アフガニスタンがそのいい例だろう。アフガニスタンでは、政府を辛うじて維持していくのに依然として米軍の駐留を必要としている。アラブの春でチュニジアを除いて民主化に成功しなかったのは、独裁者を排除した後の国を管理する能力が無かったためである。

 地上軍の介入の時代が終わるのは別に中東に限らない。しかし、これまでの米国の地上軍による介入の最たるものが、イラク、アフガンと中東であったこと、中東地域は不安定で米国の介入が望まれるような事態が発生しやすいことから中東が特記されている。

 地上軍による介入に代わるものは海軍による力の投射とされるが、論説も指摘しているように、厳密に海軍だけというのではない。空軍、ミサイル、サイバー、宇宙などが含まれる。要するに地上軍以外ということである。これらはいずれもハイテク関連で機動性に富んでいる。論説は中国との戦争は主として海軍とサイバーだろうと言っているが、今後とも大国間の全面戦争は考えられないのではないだろうか。

 なお、中東ではイランに注意を要する。今トランプ政権はイランを厳しく非難し、イラン包囲網を作ろうとしている。トランプ政権がイランを攻撃するのではないかとの憶測が飛び交っている。イスラエルがイランの脅威を盛んにトランプ政権に吹き込んでいる事情もあり、トランプ政権にイラン攻撃をけしかけているのではないかと推測される。もし万一戦争になった場合には、米国の地上軍の派遣は考えられない。海、空軍による空爆、ミサイル攻撃、サイバー攻撃などが行われることになるのだろう。仮にイランとの戦争が始まれば、どこまでエスカレートするか予測がつかない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15770
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/592.html

[経世済民131] 中国撤退に苦しむ日本企業、行きはヨイヨイ帰りはコワイ 香港大富豪「中国撤退」ついに終盤戦 セイコーウオッチ上海殺人事件 
WEDGE REPORT
中国撤退に苦しむ日本企業行きはヨイヨイ帰りはコワイ
中国人の驚くべきビジネスマインド
2015/04/15
Wedge編集部
中国からの撤退を考える日本企業が増えている。しかし、いざ撤退となると様々な困難が待ち受けている。どうすれば、中国から逃げ切ることができるのか……。
大気汚染の酷さは日本人駐在員の削減にもつながっている
 市場がシュリンクし、人件費など事業コストの高い日本国内から海外へ活路を求める。このところの日本企業のトレンドである。ところが、こと中国に関しては逆向きの動きが起きている。大手企業では、2月初旬にパナソニックが中国での液晶テレビ生産からの撤退を発表し、中小企業についても「中国からの撤退セミナーが大盛況だ」と、金融関係者やコンサルタントなどは口をそろえる。
 大きく波紋が広がったのが、2月5日に行われたシチズンの撤退だ。突然の撤退通知によって一部の従業員が会社に押しかけるといった事態に発展した。シチズン側に確認すると「解雇ではなく、会社解散の場合、1カ月前の通知義務はなく、事前に地方政府からも了解を得ており法的な問題はない」(シチズン広報)という。
http://wedge.ismedia.jp/mwimgs/d/6/-/img_d62ff56fca66a947d0db7fa1a1116881368324.jpg

 シチズンも今回の解散理由の一つにはなっているという通り、日本企業が中国から撤退する背景には「賃金の上昇」がある。ただし、いざ中国から外国企業が撤退しようとすると、基本的に3つの同意が必要となる。(1)合弁相手の同意、(2)地元政府の同意、(3)従業員の同意。「合弁相手には、日本企業の看板が外れることに難色を示され、地方政府の役人は、税収が落ち込めば自らの成績に悪影響になるため同意を拒む」(コンサル関係者)。従業員については、仕事を失うことに抵抗することはもちろん「ゴネることで、経済補償金(退職金)の割り増しを狙う」(同)こともあるという。
信頼した人に裏切られる
中国人の二面性
 2月下旬、2週間前に中国からの撤退が終わったという中小企業社長の夏目修さん(仮名)に話を聞くことができた。製造業を営む夏目さんが中国からの撤退を決意したのは、賃金が上昇して採算が悪化したこともあったが「家族ぐるみで付き合うほど信頼していた従業員からの裏切られたこと」が主因になった。
http://wedge.ismedia.jp/mwimgs/3/a/-/img_3a91dddc89973f1e1bc87baf43c145d9126985.jpg

 2000年代前半に中国に進出して事業が軌道に乗ると、日本の本社で15年働いていた中国人従業員Aを、現地会社の責任者に就けた。あるとき不良品が目立つようになってきたので調べてみると、Aは自分の妻に会社を作らせたうえ、その会社を経由して質の悪い原材料を購入するようにしていた。
 「はっきりとした姿勢を示さないと、彼らはどの線まで押せるのか、常に値踏みをしています」。Aに関係する人間は全て切ったものの、そのやり方を見ていた従業員がいる限り、第2のAが出てこないとはいえない。疑心暗鬼に陥った夏目さんは、撤退を決意した。
 撤退にあたっては、焦らずに長期戦で臨んだ。中国では進出した外国企業に対して「二免三減」という免税制度が適用される。利益が出始めてからの所得税を2年間は免除、3年間は半額にするというものだ。ただし、10年を経たずして撤退する場合、免税分の返還を求められる。
 夏目さんは、進出から10年間経過を待って撤退に向けて動き始めた。地元政府との合意については、別会社を現地にもう1社持っていたため「すんなり同意はもらえました。これが1社だけしかなかったらそうは行かなかったでしょう」。合弁相手からの同意は独資であるため必要なく、残ったのは従業員からの同意だった。
 夏目さんが選んだのは「従業員の同意が得られなければ操業を続ける」という姿勢をとることだった。従業員に対しては次のように提案した。
 「不良品の増加で仕事量が減っているため、賃金を引き下げざるを得ません。それでも皆さんが良ければ操業は続けます。ただし、安い賃金で働き続けるのであれば、他の良い賃金で働かせてくれる会社に移動したほうが良いかもしれません。そういう選択をする人には割増の退職金を付けます」
 この提案後、150人ほどいた従業員は50人にまで減っていった。ここまで従業員数が減ったところで、残った従業員も一度は退職を申し出た。「ところが、従業員のなかに扇動者が現れて、『もっと退職金をよこせ』というわけです」。しかし、ここで応じてしまえば、前に辞めた人まで噂を聞きつけて、積み増し交渉に参加してくる恐れがある。夏目さんはグッとこらえて「皆さんが退職金の額に納得しないのであれば、操業を続けましょう」と返した。そこから2カ月、操業を続けた。経営者の固い決意を前にして、最終的には従業員側から退職願いが出された。
 撤退の原因を作った中国人従業員Aは、その後、まったく同業種の別会社を立ち上げて操業しているという。
 「AもBも、実際に仕事もできるし、人間的にも信頼できます。ただ、彼らにはもう一つの側面があります」。つまり、「自分の儲けになることであればたとえ人を裏切ろうが、何でもする」ということだ。日本人であれば「信頼できる人であればそんなことはしない」という発想になるが、中国人にとっては「それとこれとは別」ということになる。まさにカルチャーの違いというほかない。

中国とのビジネス30年
時が経つほど嫌いになる
http://wedge.ismedia.jp/mwimgs/2/3/-/img_2316be34b96ee83fa47ecae268df23d4141672.jpg

 スズキで30年間、中国事業を担当した松原邦久さんは今年、『チャイナハラスメント〜中国にむしられる日本企業〜』(新潮新書)を上梓した。松原さんは、2004年当時の温家宝首相から『国家友誼奨』という、中国の発展に貢献した外国人に与えられる最も栄誉ある賞をもらっているほどの人だ。
 「このところの日本企業を見ていると、中国に対する認識が甘すぎる」という危機感が募り、自ら筆をとり出版社に原稿を持ち込んだのだという。
 松原さんによれば中国人一般には「ルールを守っていたら自分が損をする」という発想があるという。それは、中国人とビジネスをするなかで「どうして君たちはルールを守らないのか?」と苦情を言ったときに彼らから返ってくる決り文句だった。
 記者の取材経験からいっても、長期駐在や、取引などで付き合いが長い国に対しては愛着を持つビジネスマンが多いが、松原さんはそれとは真逆である。「知れば知るほど、彼らのことが嫌いになります」という。といっても、松原さんは多くの中国人の友人を持つ。彼ら個人ではなく、そのビジネス習慣やモノの考え方が好きになれないということだ。
 中国からの撤退について松原さんは「進出の時の手続きはスムーズに行きますが、逆になれば全ての手続きがスローになります」。松原さん自身、二輪車を生産していた会社を解散するときには「身を削るような」努力をしたという。ただし、進出時の合弁契約書に「解散事由を明確にしておいた」ことで、相手側の契約違反を指摘することができ、なんとか会社を解散することができたと振り返る。そして、いったん撤退すると決めたならば「最後は全てを捨ててもいいと腹をくくらなければ駄目です」と指摘する。
 ただ、人件費は上がっているとしても生産現場としてはもちろん、市場としても中国は、日本企業にとって大事であることに変わりはない。そもそも、進出する際にコンサル任せにして正式な手続きを踏んでいなかったために、撤退の申請が出せず、潰すに潰せず、会社を休眠状態にせざるを得ない企業もあるという。日本企業の側にも改善すべき点はある。いずれにしても、中国にどうコミットしていくのかは日本企業にとって課題であり続ける。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/4862

 
立花聡の「世界ビジネス見聞録」

香港大富豪の「中国撤退」がついに終盤戦へ

経営の王者・李嘉誠氏の脱出録
2019/04/02

立花 聡 (エリス・コンサルティング代表・法学博士)


2018年3月に引退を表明した香港の大富豪・李嘉誠氏(写真:AP/アフロ
中国撤退、逃げ遅れた外資企業の苦悩
 李嘉誠氏の中国撤退は終盤に差し掛かった。

 香港最大のコングロマリット長江和記実業(CKハチソンホールディングス)元会長、世界28位の富豪(2019年3月フォーブス発表)李嘉誠氏の中国資産(香港を含む)が総額ベースで1割に縮小し、欧州資産は5割を超えた。李氏は過去6年にわたって段階的に撤退し、中国からフェードアウトしたのである。3月25日付けの台湾・自由時報が、ハチソン社が発表した2018年度の同社財務報告を引用し報道した。

 ハチソン社の総資産額は2018年末現在、1兆2322.44億香港ドル。そのうち香港を含む中国資産は1424.38億香港ドル、総資産額の11.55%を占め、2015年末の19.21%からほぼ半減した。これに対して欧州資産が2018年末現在、6736.9億香港ドル、総資産額の54.67%を占め、欧州が同社のメイン投資先になった。

 米中貿易戦争の長期化を背景に、中国は資本流出に神経をとがらせ、外貨管理を強化している。中国事業から撤退しようとする多くの外資企業は、海外向けの送金まで難しくなってきたことに頭を抱えている。早い段階で撤退の決断ができなかったことを悔やむ一方、李嘉誠氏の「先見の明」を讃えた。

明暗の分かれ目、2008年の異変
 李氏が中国撤退の英断を下したのは、2013年頃と推定される。同年10月、李氏は建設中の上海陸家嘴東方匯経中心(OFC)を90億香港ドルで売却した。私は同年10月に上海からマレーシアへ移住した。クアラルンプール市内の新居に入ってわずか2週間後、この一報に接して驚いた。

 私は2000年に東京から上海に居を移し、以降、中国に進出した日系企業向けの経営コンサルに特化して取り組んできた。分水嶺となったのは中国が繁栄の頂点に達しつつあった2008年の労働法の改正。正確に言うと、「労働契約法」という新法の施行である。この法改正は中国経済や産業界に大きな衝撃を与えた。簡単に言ってしまえば、企業は労働者を解雇したり、減給したりできなくなり、ほぼあらゆる人事権を実質的に失ったのである。

 日本流に言うと、それまではすべて非正規雇用社員だったが、一夜にしてほぼ全員が終身雇用で減給不能の正社員に変身する――それくらいの激変であった。当時、著名な経済学者(中国経済研究)である香港大学経済金融学長・張五常氏 (スティーブン・チョン)はそのレポートにこう記した――。

「労働契約法は、怠け者を保護する法律だ。市場の反応は、災難の予兆を示している。今年(2008年)は中国経済改革開放の30周年だが、人類史上かつてないこの偉大な改革は、労働契約法によって崩壊する可能性が大きい」(拙著(共著)『実務解説 中国労働契約法』(中央経済社))。

外資企業は「年老いた糟糠の妻」
 結論からいうと、張教授の予言は見事に的中した。

 2008年秋のリーマン・ショック後、中国が打ち出した4兆元(当時のレートで約57兆円)の景気対策は、中国だけでなく、世界をも救ったとされる一方、中国国内では地方政府や国有企業の債務を急増させ、不動産バブルといった後遺症ももたらした。労働市場では、労使紛争が急増し、労働力コストも年々上昇した。

 私が2007年9月1日号の当社会員誌に寄稿したコラムの一節を抜粋する――。

「中国の外資導入は、加工貿易から始まった。ところが、輸出税還付から加工貿易政策の全面的な調整まで、最近一連(2007年以降)の動きから、加工貿易時代の終焉をはっきり感じ取れるようになった。80〜90年代にあれだけもてはやされた加工貿易だが、いよいよ中国政府に切り捨てられる。思わず『薄情者』と非難したくなる一方、冷静に考えると納得もする。中国に外貨が溜まった。労働集約型で安い工賃を稼ぎながら、貿易黒字や環境破壊で諸外国に指弾されると、さぞかし気分はよくない。年老いた糟糠の妻を家から追い出したくなる。家に残りたければ、もっと若い美人妻に変身しろと。中国語の経済用語で言えば、いわゆる『産業結構優化』、『転型正義』『転型痛苦』、つまり『産業構造のグレードアップ(モデルチェンジ)は、正義である。薄情かもしれないが、その苦痛に耐えるべきだ』ということになる」

 中国にとって労働集約型の外資企業は年老いた糟糠の妻になり、外資の全盛期は終わったのだ。2008年以降、各方面において不安の兆しがじわじわと見えてきた。仕事場を中国から東南アジアへ移転しようと私が画策し始めたのは、2010年のことだった。

中国進出日系企業の「3つのグループ」
 2012年春、マレーシアへの移住が決まったその直後に、反日デモが中国を席巻した。2013年1月1日付けの産経新聞は、私に対する取材記事を掲載した。その一節を抜粋する――。

「立花氏は中国ビジネスを手がける日系企業を3つのグループに分けて戦略を練るよう訴えた。

 まず、中国に加え東南アジアなど別の進出先で製品供給のバックアップ態勢を取る『チャイナプラスワン組』。ただし 資金や人材に余力のある企業でないと難しい。次に、取引先が全て対中進出し、販売市場が中国にしかないため、中国にしがみつくしかない『チャイナオンリー組』。この場合は、日本の成功体験を捨て、徹底的に現地化、中国化を進める必要がある。

 最後は、労働集約型の工場など、労賃の急騰や労働力不足で今後、経営悪化が予想され、中国での成長が全く望めない 『チャイナゼロ組』だ。『投下資金の回収を断念してでも、早期の撤退を決断すべきだ』と立花氏はいう。

 中国は政府関係者や既得権益層など20%の特権階級が国家の富の80%を握るとされる。不正蓄財での富のゆがみが大きく、中間所得層による爆発的な消費市場の拡大は望み薄とみる。

 立花氏は、『低成長時代に入ると一部の特権階級は中国でのうまみを失い、不正蓄財を含む資産を持って海外に逃げ切ろうとするだろう。そうなれば大多数を占める負け組だけが取り残され、13億人の中国は“幻の市場”に。社会動乱の要因が拡大する』という」

 私は経済学者でなく、経営コンサルタントである。中国経済の将来を見通してナンボという立場にない。ワースト・シナリオを想定し、それに備えて企業経営に逃げ道を作るのが仕事である。とはいっても、情勢を判断するためのベンチマークはいろいろ持っていた。その中の1つが、李嘉誠氏の動きである。

中国脱出、李嘉誠氏の「逃げ方」
 李氏は2013年10月の東方匯経中心の売却を皮切りに、2014年57.5億香港ドル、2015年66.6億香港ドル、2016年200億香港ドルというペースで中国や香港の資産を売却し、その総額が1761億香港ドルにも上る(3月26日付け台湾・信伝媒(CredereMedia)記事)。

 2015年1月、李嘉誠氏は長江グループと和記黄埔有限公司を合併させ、会社の登記地をケイマン諸島に移す。2017年、李氏は香港のランドマーク級の大型資産「中環中心(The Center)」を売却した。一連の大型売却で得た巨額の資金を中華圏から引き揚げ、欧州や北米、豪州などにシフトさせ、ポートフォリオの組み替えを着々と進めた。

 李嘉誠氏は裸一貫から世界級の富豪に這い上がった人物で、ビジネスのセンスに優れているだけでなく、政治的な嗅覚も抜群に鋭い。本社転出の一件を考えても、香港は自由貿易港であり、利便性がよく、法人税も高くないため、一般人が考えるような節税策ではないことが明らかであった。

 ゴールド資産を大量購入し始めたのも2017年。同年4月20日付の台湾・経済日報が報じたところによると、李氏は金鉱企業関連の投資だけでなく、大量の金地金も購入した。初の大量ゴールド資産投資だったという。

「有事の金」というが、ゴールドは換金性が高く、戦争や革命、ハイパーインフレなど「有事」の際、「最後のよりどころ」として買われる。だが、2016年に北朝鮮が続々とミサイル・核実験を行い世界を恐怖に陥れても、李氏はすぐには動かなかった。2017年になって李氏が初の金大量購入に踏み切ったのはなぜか、その理由は他人には知り得ない。ただ、彼がポートフォリオの組み替えにアクティブに動き出したこと自体が注目に値すると、私は考えた。

 中国や香港からの撤退。巨額の投資を引き揚げた李氏を「儲け逃げ」と批判する中国や香港の世論もあったが、李嘉誠氏は公開書簡を発表し、「私は商人だ。ビジネスマンだ。道徳家ではない。利益を出すことはビジネスマンの本質的な価値所在だ。利益を上げられない商人は良い商人ではない。昨今のグローバル時代では、資本の流動は当然だ。資本に国境はない」と世論の批判を一蹴し、「撤退の罪」を全面的に否定した。

 批判は李氏と中国本土の権力との結託まで及ぶが、李氏は「政府との協力はウィンウィンの原則に基づき、利益を上げるだけでなく、中国本土に資金や技術をもたらし、人材も育成したことで、中国の発展に寄与した」とし、共存共栄の正当性を主張した。

中国での終盤戦、「収穫組」と「逃げ遅れ組」
 2018年3月16日、李嘉誠氏は90歳を前に引退を宣言し、現役を退いた。引退会見では、中国政治にも触れ、改憲に伴う習近平主席の続投可能性について、「私に投票権があったら、習主席の続投に支持票を投じるだろう」とリップサービスするなど、政治的バランス感覚はまったく鈍っていなかった。

 2018年の旧正月頃、李嘉誠氏一族傘下の長江実業上海子会社では、密かに大規模リストラが始まった。中国の金融・経済情報専門メディアである財聯社が2018年8月24日付けで報じたところによると、リストラは上海法人の投資企画やマーケティング、工事など複数の職能部門にわたり、多くの従業員が解雇された。

 さらに報道は内部関係者の話を引用し、「上海法人ではこれまでに大型リストラは一度もなかった。今回はあまりにも突然で規模が大きいだけに、ほかに原因があったのではないか」と異変を報じ、「李嘉誠氏は中国撤退ではないとしているが、言っていることとやっていることが違う。今回の大型リストラは、李氏が中国本土の不動産事業から完全撤退するサインだ」と指摘した。

 高校を中退した李嘉誠氏はプラスチック製の造花を輸出して財をなし、不動産、港湾、エネルギー、通信にわたる一大商業帝国を築き上げた。動乱の時代を乗り越えるためには、ビジネスや経営の才覚だけでなく、政治的な嗅覚も欠かせない。これらを兼ね備えているのが李嘉誠氏であった。

 私の感覚では、2010年以降の外資による中国事業は、ほぼ終盤戦参入に等しい。勝率はかなり低くなっていた。しかし、終盤戦の数年間は、李嘉誠氏にとっての収穫期に当たる。彼は2013年から6年にわたって完熟した果実を収穫し、新天地で新たな種まきを着々と進めてきた。彼の動きは、必ずしも時流に乗っているように見えなかったりもするが、そうした「異端児」的な動きから、揺れ動く世界のメカニズムを読み取る力を垣間見ることができた。その力は、サバイバルの本能を誇示する野性的なものであった。

 知り合いの中国人や台湾人の実業家・経営者たちで密かに李嘉誠氏の動きをモニタリングしている人が多い。それでも、李氏に同期してリアクションすることが難しいのは、人間はやはり目先の事象に目を奪われる生物であるからだ。

 日本人は海外に行っても、往々にして同胞の行動にしか目を向けようとしない。すると、二次情報どころか、三次情報や四次情報をつかまされる。それでは勝ち目がない。中国も一時期、「世界の工場」やら「13億人の巨大市場」やら大騒ぎされる時期があったが、世の中はそう甘くないのである。

「経営者にとって最も重要な仕事とは、すでに起こった未来を見極めることである」(ピーター・F・ドラッカー『断絶の時代』)。李嘉誠氏はその良き実践者であった。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/15797

 
セイコーウオッチ上海殺人事件、日本人幹部も殺されそうになった原因とは?

2019/02/04

立花 聡 (エリス・コンサルティング代表・法学博士)


iStock / Getty Images Plus / tomloel
 セイコーウオッチ上海現地法人であった殺人事件の確定判決が出た――。殺人犯の方偉南(以下、「方」という)には、一審で下された死刑2年執行猶予の判決が確定された(中国では現在二審制が採用されている)。殺人犯罪に厳しい中国で「故意殺人罪」とされた案件としては、異例の軽い刑といえる。

日系企業の危機管理能力の欠落
 この事件について、産経新聞が2016年4月25日の紙面で、「中国進出日系企業従業員の事件に衝撃 社内の情報収集限界露呈」という記事を掲載し、私に対する取材内容も含め報道した。

 事件について簡単に説明すると、セイコーウオッチ上海現地法人(以下、[セイコー公司」という)のオフィスで2016年3月28日、58歳(当時、以下同じ)の中国人従業員の男が管理職の33歳の中国人女性の頚部を切りつけて死亡させ、近くにいた29歳の中国人女性にも顔面や腕などに大けがを負わせるという殺傷事件が起きた。在中日系企業の場合、労働紛争やストライキ、従業員不正などの事件はよくあるが、さすがに殺人事件となると、現地の日本人社会にはただならぬ衝撃が走った。

 仕事上のトラブルが原因だが、殺意を芽生えさせるほどのトラブルは相当重大なものだろうし、また時間的な蓄積もあっただろう。これを会社の上層部は事前にまったく把握していなかったのか、それとも把握していながら適正な対処を怠ったのか、日常的な労務管理上のリスク察知・予防制度は機能しなかったのか、大惨事を未然に防ぐことは本当にできなかったのか……。

 当時上海在住だった私は、現地日系企業向けのセミナーで、この事件を労務管理の事例として取り上げようとメールで告知したところ、セイコー公司の弁護士からすぐに警告文が会社宛てに送られてきた。まだ取り調べ中ということで、無責任な発言には法的責任を覚悟しなさいといったような内容だった。

 殺人事件はすでに現地のテレビや新聞によって報道されており、公開情報である以上、私は経営コンサルタントの立場から仮説を立てながら、経営・労務管理面のリスク管理策を語るだけで、警告される筋合いはないと考え、その旨の回答文を会社の弁護士から送り返した。セミナーは中止することなく、予定通りに開催された。

 セイコー公司には危機管理のマニュアルがほとんどなかったように思える。ローカルのテレビ局が事件発生の直後に現場に駆けつけると、なんと(殺害された)被害者・黄さんの夫が取材のカメラに向かって、「妻は犯人の上司。会社は彼(犯人)と労働契約を更新しない、解雇することで、彼は感情的になったのかもしれない……」と言い放った(上海TV「新聞総合」ニュース番組)。社外の第三者がなぜ、内部事情をそこまで知っていたのか。しかも、取り調べの前にもかかわらず、無責任な発言を連発している。企業側のリスク管理、危機(クライシス)管理がずさんだったと言わざるを得ない。

 だが、これはセイコー公司に限った話ではない。似たような事案はほかにもたくさんある。また別の機会に紹介したい。

「衝撃の事実」を次々と明かす判決文
 事件から2年以上経ち、ようやく殺人犯に判決が下された。早速判決文を入手して読んでみて驚いた。当時、殺害された被害者・黄さんの夫がテレビの取材で語った内容はほとんど事実であった。しかも、それだけではない。

 中国政府が直轄運営している「中国裁判文書網」で公開された本事件の判決文「上海市第二中級人民法院刑事判決書(2016)滬02刑初72号」(以下「判決書」という)に基づき、その一部を抄訳しながら仮説を立て、解説・分析してみたい。(判決書原文に記載された実名もそのまま転載する)。

 証人陳某の証言(判決書第3項):「・・・(中略)3月21日黄某と方は、黄某が方の仕事を調整することで争うことになった。そこで、方は日本側上司の高橋浩一に直訴した。3月23日、会社は方に解雇を通告し、黄某は方の修理中の腕時計を取り上げた。その後の2日間は方が欠勤し、3月28日に方が出勤したところで事件が発生した」

 殺害された黄さんは、方の直属上司であった。解雇直前に、黄さんは方に異動を命じた。中国ではよく解雇対象となる従業員に、格下げ的な業務異動をさせることがある。退職に追い込もうとする意図は理解できるが、精巧なアプローチでないと逆効果になる。黄さんは異動を言い渡すだけでなく、修理中の腕時計を取り上げるなど、性急かつ乱暴なやり方だった。日本人上司に命じられてやったのか、それとも日本人上司の意図を忖度して手柄を見せようと自発的にやったのか、知る術はないが、黄さんのアプローチそのものは間違っていたと言えるだろう。

重病の母親を介護するため休みを取って解雇
 証人沈某の証言(判決書第4項):「・・・(中略)沈某が知るところによると、方と黄某は仕事上のことでもめていた。方は最近高齢の母親を介護するためによく休みを取るようになり、そこで黄某は彼と面談し、業務異動を命じた」

 証人高某の証言(判決書第7項):「高某はセイコー公司行政部副経理(訳注:総務部次長または係長相当)である。方はセイコー公司の契約社員であり、契約は年1回更新することになっている。契約は2016年3月31日付で期間満了。2016年2月、会社は方と契約を1年更新する意向があり、更新に応じる意向の有無を尋ねる社内メールを方に送った。方は更新したいとのメールを返信してきた。さらに3年の更新を希望していた。方には高齢の母親がいて、重病を患い半身不随で臥床していた。さらに3月から病状が重症化し、方は母親を介護するために度々黄某に休みを申請していた。…(中略)(訳注:休みのことなどで度々揉めたことがあって)会社は内部安定の目的で、最終的に方と労務契約を更新しないことに決めた」

 重病を患い半身不随で臥床していて、しかも重症化した老母を介護する。そのための休みを許さず、さらに解雇に踏み切るとは、さぞかし信じ難いことである。この解雇はなんと、会社の内部安定が目的だったというのだ。現地人の中間管理職である黄さんが自らの意思でそう決断したのか、そもそも彼女にそんな権力があったのか。疑念は日本人上司に向けざるを得なくなる。

危機一髪!日本人副総経理に向けられた刃
 証人高橋浩一の証言と調書(判決書第5項):「高橋浩一はセイコー公司副総経理である。2016年3月28日14時20分ごろ、高橋が会社に入ると、受付の前に血を流している者が倒れているのを目撃した。その時、従業員の方は刃渡り約23センチのナイフを持って傍に立っていた。方は高橋を見るや、高橋に襲いかかり、その左頚部にナイフを刺そうとした。高橋はナイフを避けながら逃げたため、負傷しなかった。警察が現場検証した結果によると、高橋のシャツの左襟部分にナイフで切り付けられた痕があり、シャツの右袖に(訳注:他の被害者の)血痕が残っていた。高橋はシャツを証拠物として警察に提出した。方は2008年7月にセイコー公司に入社し、労務契約は1年に1回、4月に更新してきたが、2016年に会社は長期的な観点から、方との契約を更新しないことにした」

 真実は次々と明らかになる。セイコー公司の副総経理である高橋氏が事件に絡んでいた。しかも、犯人は高橋氏に明確な殺意を抱き、ナイフを向け、刺し殺そうと襲いかかったのだ。立派な殺人未遂ではないか。高橋氏が機敏に避けていなかったら、どうなっていたか。想像するだけで鳥肌が立つ。

裏切られたことで芽生えた殺意
 証明された事実(判決書第18項):「被告人方の供述と調書によって、次の事実が明らかになった。2008年、方はセイコー公司と労働契約を締結し、時計修理部で勤務を始めた。その後繰り返し労務契約を締結し、最後の労務契約の満期日は2016年3月31日である。黄某は方の勤務する修理部の副経理(訳注:次長または係長)である。2016年初、方は母親の病気で在宅介護するためにたびたび有給休暇を取った。それが黄某は不満だった。2016年2月24日、会社は方に契約更新の意向を示し、方もこれに同意した。2016年3月21日、休みのことで方と黄某は議論で争うことになった。このため、方は会社の副総経理である高橋浩一に直訴したにもかかわらず、高橋は方の釈明を聞こうとしなかった。これだけでなく、さらに方を腕時計予検部門から修理ホールに異動させた。会社の規定によれば、契約更新は2016年3月初旬に完了しなければならない。方と同じ状況の同僚は全員契約更新が終わったにも関わらず、(まだ終わっていない)方は会社が反故にしたと予感し、その根本的原因は黄某と高橋にあって、2人の邪魔で自分がクビを切られると悟った。2016年3月26日の週末、ついに、方は南京路の張小泉刀剪商店(訳注:ナイフ専門店)でナイフを購入した」

 3つの大きな問題があった――。

 まず、労働・雇用関係上の合法性の疑問。方が入社した当時に締結されたのは労働契約だったが、その後労務契約に変更され、しかも繰り返し更新する形になった。

 中国法の下では、労働契約と労務契約はまったく異なる性質の契約である。前者は労働法の適用だが、後者は民法適用になる。平たく言ってしまえば、前者は労働者が労働法の手厚い保護を受け、雇い止めも解雇も簡単にできない契約である。そのうえ方のケースはすでに事実上の無固定期間雇用(終身雇用の正社員相当)になっていた可能性が大きいため、そう簡単に解雇できないはずだ。ところが、後者の労務契約だと、労働者ではなく、請負業者の身分となる方は労働法の保護を受けられなくなる。

 労働契約と労務契約の本質的な違いは、指揮命令権の有無にある。労働契約は会社が従業員に対する指揮命令権を伴うが、労務契約では当事者双方に従属関係は存在しないため、会社には指揮命令権がない。だが、休暇の取得という一例からだけでも、セイコー公司は終始指揮命令権を行使していたことが分かる。方は会社の厳しい管理下に置かれていた。これは会社が自ら「偽装労務契約」を示唆するような事柄ではないだろうか。それが事実ならば、日本社会で問題となっている「偽装請負」の中国版になる。もちろん中国法の下でも違法である。つまりセイコー公司が方に対する解雇行為は、違法解雇である可能性があるということだ。

 次に、会社が契約更新の約束を反故にした不誠実さだ。会社は一旦方に契約更新の意向を示し、方に諾否を問うメールを送信した(当初から更新するつもりがなかった、そうしたメールも送らなかっただろう)。方もこれに同意した。その時点で更新手続は完了していたはずだ。この前提ならその後、会社が反故にしたことは、契約破棄にほかならない。契約は法的拘束力を持った中で行う約束で、当事者(会社)の申し込みの意思表示と相手側の当事者(方)の承諾の意志表示が合致して成立する法律行為であるから、契約破棄は不誠実な行為として非難を受けるだろう。誠実をモットーに海外でも評判の良い日系企業の名誉が毀損されかねない非常に遺憾な出来事である。

 最後に、日本人上級管理職である高橋氏が従業員(方)の釈明を聞こうとしなかったことは最悪といえる。裁判所でさえ殺人犯にも弁解の機会を与えているのに、従業員の釈明に聞く耳を持たないことはもはや、論外である。

 一連の事実から、方の殺意がいかに芽生えたかの背景が徐々に見えてくる。これが裁判官の心証と判決にも強く影響を与えたのだろう。

検察まで殺人犯に同情的だったのはなぜ?
 被告人(方)の弁護側は故意殺人罪に異議を示さないものの、「労働紛争に起因し、さらに会社側の明らかな過失によって被告人は情緒的な犯行に及んだ」とし、刑を軽くするよう裁判所に求めた。会社側の顕著な過失によって、被告人は心神耗弱までいかなくとも感情や行動制御能力が著しく低下したことを理由にした。

 判決理由は、以下のように記されている。

「・・・(中略)方は犯行後逃亡せずに出頭し、犯行事実を自供したことから、自首に相当する。方の家族は代わりに朱某*の経済的損失を賠償し、朱某の理解と許しを得ただけでなく、黄某の家族(訳注:遺族)への賠償金をも本裁判所に供託した。本事件の起因をも勘案すれば、方に対する減刑処罰は妥当と認める。被害者訴訟代理人の自首不相当意見および死刑求刑を支持しない。弁護人の弁護意見を支持する」

*朱某とは、大けがを負った29歳の中国人女性のこと

 これに関連して、刑事事件附帯民事賠償請求として、被害者の朱某は一旦提訴したものの、後日これを取り下げた。(参考:上海市第二中級人民法院刑事附帯民事裁定書(2016)滬02刑初72号)

 確定判決が下された後、上海TVは監視カメラが捉えた犯行の一部始終の動画も入れながら、生々しい追跡報道を行った(上海TV「案件フォーカス」番組 ※【視聴注意】一部暴力シーンあり)。

 服役中の方は取材に応じてこう語った。「私はこの会社に入って8年で、2度表彰を受けました。私が所属する修理部、カスタマーサービス部で2度受賞しているのは、私1人だけです。他に受賞者はいませんでした」。なのに、1年後の定年退職を目前に彼は解雇された。

 同じ番組に登場した上海市人民検察院第二分院の白江検察官はこう感想を述べた。「彼(犯人)はこの仕事をとても大切にしていました。彼の奥さんは仕事がないし、お母さんは病気で危篤でした。家族の生計、重荷がすべて彼一人にかかっていましたからね」

 裁判所だけでなく、検察まで犯人にこれだけ同情的だったことは異例としか言いようがない。胸が詰まる思いである。

日系企業にとっての教訓
 最後に補足情報として、中国の刑法と死刑について触れておきたい。

 中国の刑法は、殺意をもってなされた殺人を「故意殺人罪」とし、最高刑は死刑。未遂でも、殺意の強さや犯行の悪質性などによって殺人罪が成立する。過失や注意不足などで人を殺す罪を「過失殺人罪」(日本の過失致死罪に相当)と定めている。全般的に日本よりはるかに厳しい法制度になっている。

 死刑を犯罪撲滅に対する実効性があると司法当局が確信しているため、死刑の適用が多用されている。中国は死刑執行件数を公表しておらず、正確な件数は明らかになっていないが、世界中で最も多いという説もある。

 そこで異例として執行猶予つきの死刑判決が存在する。何らかの理由で情状酌量の余地があると認められた場合の救済措置である。執行猶予つきの死刑判決を受けた者は、猶予の期間中に罪を犯さなければ減刑され、死刑を免れる可能性がある。さらに服役期間中に模範囚となれば、死刑から無期懲役、無期懲役から(有期)懲役刑に減刑される可能性もあるとされている。したがって、方は年齢的に考えて、生きて出所できる可能性もあるとみていいだろう。


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 セイコーウオッチ上海法人社内で起きたこの殺人事件は、すべての在中日系企業、いやすべての在外日系企業にとって決して他人事ではない。個別事件を超えて、このような惨事が二度と起きないように、適正な人事労務管理、コンプライアンス、そしてリスク管理体制の構築が急務となろう。

 経営者としては、法令や労働契約上明文規定された義務だけでなく、労務管理上従業員に対する安全配慮義務といった信義則上の義務をも負っている。企業の経営者や幹部はその責任の重大さを一刻も忘れることなく、事件の未然防止に社内情報の収集、従業員のメンタル管理などに総力を挙げて取り組んでもらいたい。

連載:立花聡の「世界ビジネス見聞録」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15262
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/793.html

[国際26] 米政権、機密情報取扱権限の付与で違反か 内部告発で発覚 バイデン前米副大統領、女性への「不適切な接触」否定 後頭部にキス
米政権、機密情報取扱権限の付与で違反か 内部告発で発覚

2019/04/02

BBC News


ドナルド・トランプ米政権は、機密情報を取り扱う権限の申請を却下された数十人について、後にその判断を覆して権限を付与していたという。ホワイトハウス職員が米下院監視・政府改革委員会に告発した。

ホワイトハウス人事情報対策室のトリシア・ニューボールド氏は、下院監視・政府改革委員会による聞き取りで、自分の同僚たちの介入で生じる「重大な」セキュリティー上のリスクについて証言した。同委員会が1日、内容を公表した。

「不適格に値する深刻な問題点」を理由に却下された複数の申請が、後に詳しい説明がないまま覆されたという。

民主党は、ホワイトハウス幹部が機密情報の取り扱い権限を悪用していると長らく主張してきた。

ホワイトハウス側はこの告発についてコメントしていない。

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内部告発の内容
米下院監視・政府改革委員会が公表した聞き取り調査の内容によると、ニューボールド氏は、自分の懸念を上司に何度も伝えたものの無視されたため、委員会への証言を決めたと述べた。

さらに、「私たちのホワイトハウスに尊厳を取り戻すため、これが最後の頼みの綱」だと付け加えた。

「この問題が国家安全保障に影響するかもしれないと知りながら、座視してしまったら、それは自分自身やこの国、自分の子供たちのためにならない」

18年前からホワイトハウスで働き、民主党政権と共和党政権どちらも経験してきたニューボールド氏は、現政権では機密情報の取り扱い権限は、必ずしも「国家安全保障を最優先して決められていない」と主張した。

ニューボールド氏によると、申請却下の理由は様々で、「外国からの影響」「利益相反」「個人的行動」「経済的問題」「薬物使用」「犯罪行為」が含まれる。

委員会は、トランプ大統領の娘のイバンカ・トランプ補佐官と、その夫のジャレッド・クシュナー上級顧問、そしてジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の身元調査について調べているという。

昨年、トランプ大統領が娘婿のクシュナー氏に機密情報の取り扱い権限を付与するよう、当時のジョン・ケリー首席補佐官に強要したと大きく報じられた。クシュナー氏はそれまで、暫定的な許可のもとで従事していた。

ニューボールド氏は証言の中で、スタッフと側近に国家機密情報へのアクセスを認める暫定的な許可の数が「管理不能になった」としてホワイトハウスを批判した。

次は何が起きる
下院監視・政府改革委員会のイライジャ・カミングス委員長(民主党)はホワイトハウスのパット・シポローネ大統領法律顧問に宛てた書簡で、委員会調査の拒否によって、「委員会が憲法上の責任を果たすために必要な情報が入手できない」と述べた。

委員会は、権限付与によって国家機密が危険にさらされたか調べる一環で、ホワイトハウス職員に召喚令状を出すため、早ければ2日にも採決すると述べた。

人事情報対策の責任者カール・クライン氏の名前も、民主党が召喚する予定の職員に含まれる。ニューボールド氏によると、クライン氏も自分の決定を却下し、複数の人物に機密情報の取り扱い権限を与えた当事者の1人だという。

共和党はこの調査について、「党利党略にもとづくホワイトハウス攻撃だ」と、強く非難している。

下院監視・政府改革委のジム・ジョーダン筆頭委員(共和党)は、ニューボールド氏への聞き取りは「無謀」なもので、委員会は週末に聞き取り調査を行ったため「準備する時間がほとんどなかった」反発した。

「カミングス委員長による調査は、機密情報取り扱い権限の厳正手続きを回復することではなく、献身的な公務員の個人資料を探るための言い訳にすぎない」

またジョーダン議員は、却下された後に身元調査の判断が覆った25人の内の1人は、一般調達局(GSA)の清掃員だったと付け加えた。

<解説>調査の積み重ね?――タラ・マケルヴィー、ホワイトハウス担当記者

機密情報の取り扱い権限の問題は、トランプ政権発足初日からずっと続いている。

2016年米大統領選の最中、トランプ氏はワシントンの「沼を干上がらせる」と誓い、これまでホワイトハウスのウエストウィング(執務棟)で働いた経験のない人を大量に起用した。

その結果、機密情報の取り扱い権限が下りるまで通常よりも時間がかかり、その中で規則違反が起きた可能性もある。

昨年春のことだが、ジョン・ケリー首席補佐官(当時)は私に、自分が着任した2017年の時点で、多くの職員の身元調査がまだ終わっていなかったと話した。スプレッドシート(表計算ツール)数枚分のそのリストには、当時のロブ・ポーター秘書官の名前もあったという。ポーター氏は後に家庭内暴力疑惑で辞任を余儀なくされた。

ポーター氏の件が示す通り、徹底的な身辺調査をしないままホワイトハウス勤務を認めるトランプ政権のやり方は、政権発足以来、無数の問題を引き起こしている。

(英語記事 White House 'reversed security clearance denials')

提供元:https://www.bbc.com/japanese/47781967

 
バイデン前米副大統領、女性への「不適切な接触」を否定 後頭部にキス

2019/04/02

BBC News


2020年アメリカ大統領選への出馬が予想されているジョー・バイデン前米副大統領(76、民主党)は1日、女性に不適切に接触した疑惑について否定した。

元ネヴァダ州議会議員のルーシー・フローレス氏は、選挙活動中にバイデン氏が後頭部にキスしたと主張している。

またエイミー・ラッポス氏は10年前、バイデン氏に両手で顔に触れられ、鼻をこすりつけられたと話している。

バイデン氏は2008〜2016年の8年間、バラク・オバマ政権の副大統領だった。

2020年大統領選については出馬を表明していないが、野党・民主党の候補指名を目指す予備選では最有力候補になるとみられている。

2つの疑惑
疑惑は、3月29日にフローレス氏が米誌「The Cut」に寄稿した記事で明らかになった。

それによると、フローレス氏が2014年に民主党からネヴァダ州副知事選に立候補した際、当時副大統領だったバイデン氏が応援に駆けつけた。

バイデン氏はフローレス氏が演説に向けて準備している時、背後から両手をフローレス氏の肩に置いたという。

「バイデン氏が私に近付くのを感じた。彼はさらに近付いて、髪の香りをかいだ。私はいたたまれなくて固まってしまった」とフローレス氏は書いている。

「そして私の後頭部にゆっくりとキスした。何が起きているのか理解できなかった」

「これほど露骨に不適切な真似を経験したことがない」

フローレス氏が名乗り出たのに続き、4月1日には別の疑惑が持ち上がった。

ラッポス氏はジム・ハインズ下院議員(民主党、コネチカット州選出)の側近だった2009年10月、同州ハートフォードの個人宅で行われた寄付金集めの集まりで、バイデン氏に不適切に触られたと述べた。

地元紙「ハートフォード・クーラント」の取材でラッポス氏は、バイデン氏がハイネス議員の側近たちに感謝するため台所に入ってきた際、ラッポス氏の顔を両手で包み、鼻をこすり合わせたという。

ラッポス氏は、「望まない好意の表現は、良くない。女性をモノ扱いするのも良くない」と話した。

「女性のパーソナルスペースを侵害したり、不適切に触ったり、セクハラをしてレイプ文化を増長させるような男性は、権力の場にいてはいけない」

「こうした振る舞いを『単なる好意』、『おじいちゃんみたい』、『フレンドリー』と言ってしまうこと自体、この問題を非常に軽視していることの表れで、問題の一部だ」

その上で、バイデン氏は大統領選に出馬せず、すでに立候補している複数の女性たちに道を譲るべきだとしている。

バイデン氏の返答は?
バイデン氏の広報担当、ビル・ルッソ氏は当初、バイデン氏も周りのスタッフも誰ひとり「フローレス氏が不快に感じたことがあったか、彼女が説明したことが実際にあったか」覚えていないと話していた。

しかしバイデン氏は3月31日に声明を発表。フローレス氏の語った出来事を覚えていないとした上で、話に「耳を傾ける」と話した。

「何年にもわたって選挙キャンペーンや公職を続ける中で、数え切れないほどの握手、ハグ、そして好意や支持、安心を示してきた。その中で一度も、絶対に、不適切な真似をしたことはない」

「しかし、女性が自分達の経験を話せる、話すべきだと感じる大事な時代が訪れた今、男性はそれに耳を傾けるべきだ。私もそうする」

フローレス氏はこの日に出演したCNNの番組で、バイデン氏の声明はルッソ氏の説明より「はるかに良い」ものだと述べた。しかし、バイデン氏の行いは「完全に不適切」なもので、「大統領選への立候補を考えている」人物について考慮するべき点があると指摘した。

一方、バイデン氏は4月1日になって、一部の批判に強く抗議している。

ルッソ氏は声明で、「インターネットの暗闇」にいる「右翼のストーカー」が、バイデン氏と女性が一緒に写っている無害な画像を、不適切な接触の証拠だとして広めていると非難した。

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民主党内の反応は?
大統領選への出馬を表明した立候補者の多くが、フローレス氏の主張を支持している。

バーニー・サンダース上院議員(77、無所属、ヴァーモント州選出)はCBSの番組に出演し、フローレス氏の訴えを信じない理由はないと発言。

「この話はつまり、この国の文化を根本から変える必要があるということだと思う」と話した。フローレス氏は、2016年の大統領選予備選でサンダース氏を支持していた。

同じく出馬を表明しているエリザベス・ウォーレン上院議員(69、マサチューセッツ州)は、バイデン氏は「答えを出すべきだ」と述べた。

エイミー・クロブシャー上院議員(58、ミネソタ州選出)は、「政界では問題が浮上したらそれを解決しなくてはならない」と話している。

一方、バイデン氏を擁護する声も多く挙がっている。

副大統領時代に側近を務めていたシンシア・ホーガン氏は米紙ニューヨーク・タイムズの取材で、バイデン氏は「私たちを尊重してくれたし、他の人にもそうするよう指示していた」と語った。

また、アシュトン・カーター前国務長官の妻ステファニー・カーター氏も、自分のブログで「親しい友人」を擁護した。

バイデン氏は、カーター氏の国務長官就任宣誓の際にステファニー氏の肩を抱いていた写真が公表され、物議を醸した経緯がある。

しかしステファニー氏はブログで、バイデン氏は宣誓式で「私が柄にもなく緊張しているのを察して、さっとハグしてくれた」と書いた。

「けれどもその時の映像から切り取られた1枚の画像が(中略)、その日の記録として残ってしまった」のだという。

(英語記事 Joe Biden denies misconduct allegations)

提供元:https://www.bbc.com/japanese/47783267
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15817

http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/107.html

[経世済民131] 世界経済を懸念する理由−貿易や政治、金利、債務のチャートで読む 世界的資金フローで米比重低下、途上国への影響縮減=渡辺元
世界経済を懸念する理由−貿易や政治、金利、債務のチャートで読む
Michelle Jamrisko
2019年4月3日 13:29 JST
• WTOが今年の世界貿易伸び率予想を3年ぶりの低水準に引き下げ
• 債務巡り最近特に注目集めているのは米レバレッジドローン市場
2019年の世界経済が揺れている。リセッション(景気後退)懸念を生じさせるとともに、世界中の中央銀行に新たな緩和策の検討を促している。
  こうしたストレスを背景に、各国・地域の政府・当局は経済見通しを下方修正。世界貿易機関(WTO)は2日、今年の世界貿易伸び率予想を3年ぶりの低水準に引き下げた。先月には経済協力開発機構(OECD)が景気予測を下方修正し、さらに下振れするリスクがあるとの認識を示した。
Slower Momentum
The world economy is predicted to grow just 3.3 percent this year

Source: Organisation for Economic Cooperation and Development
  世界経済見通しについてアナリストらが懸念する理由を、貿易や株式、通貨、金利などのチャートから読み解く。
1.貿易
  米中貿易交渉にはっきりした解決の兆しが見えず、中国経済が予想以上に減速したかと思えば時折改善するという捉えどころがない状況が世界の需要に幅広い悪影響を及ぼし、貿易フローには劇的な鈍化が見られる。
Highs and Lows
Global trade growth has seen a sharp downturn in recent months

Source: CPB World Trade Monitor
  こうした傾向は輸出依存度が世界でも際立って高いアジアの国々が痛感し、購買担当者指数は数カ月にわたる悪化後、中国主導で回復する兆しを示し始めている。 

2. 政策を巡る不確実性
  通商交渉と報復関税合戦に伴い、政治と政策がファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)にどのように影響するかについての臆測が広がる。英国の欧州連合(EU)離脱問題やタイなどの国政選挙に加え、世界の金融政策サイクルの急激な変化もこれに加わる。中国の政策の不確実性は特に顕著なほか、英EU離脱問題は設備投資や幅広い経済成長を抑える要因になっている。

3.金融環境
  ブルームバーグ米国金融環境指数は昨年12月に2年半ぶり低水準を付けたが、少なくともそれ以降は改善されたように見える。

4.ドルの強さ
  主要通貨のバスケットに対し、ドルは引き続き比較的強い水準で推移している。

5.ネガティブサプライズ
  暗い内容の経済データに加え、アナリストによる予想が最近あまり的中しない事実もある。米国と欧州、アジア太平洋地域で発表されるデータがネガティブサプライズとなることは以前より多い。

6.低インフレ  
  パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「われわれの時代の大きな課題の1つ」と呼んだ低インフレに対し、世界中で注目がますます集まっている。
Inflation Headache
Central bankers’ worries about price growth aren’t going away

Source: National statistics offices
7.債務
  債務懸念は国・地域ごとに異なるが、最近特に注目を集めているのが米国のレバレッジドローン市場だ。イエレン前FRB議長も注視している。
Losing Streak
Investors cool on riskier U.S. loans funds with outflows extending for 18th week

Source: Lipper
原題:All the Reasons to Fret About the Global Economy, in Charts (1)(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPD2HB6TTDS901?srnd=cojp-v2


 
ビジネス2019年4月3日 / 12:54 / 2時間前更新
インタビュー:
世界的資金フローで米比重低下、途上国への影響縮減=渡辺元財務官
Reuters Staff
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[東京 3日 ロイター] - 国際通貨研究所の渡辺博史理事長(元財務官)はロイターとのインタビューで、米経済は来年にかけて減速し、金利曲線はフラット化すると予想した。また、グローバールな資金フローにおける米国の比重は低下し、米金融政策の変更による途上国への影響は、かつてに比べかなり縮減されているとの見方を示した。

インタビューは1日に行われた。主なやり取りは以下の通り。

――米国経済の先行きについてどのようにみるか。

「米国経済は今年後半から来年にかけて少しずつ悪くなるとみており、今年夏前が転換点になるだろう。国内総生産(GDP)成長率が2%を下回るとの見込みが強まれば、利下げのチョイスもありうる」

「個人的には、米国経済が米国の定義によるリセッション(2四半期連続のマイナス成長)には至ることはないとみており、スローイング・ダウン(減速)にとどまるだろう」

「トランプ政権が赤字膨張型の財政運営をするなかで、米国債の中長期ゾーンには供給圧力がある。このため長短金利逆転は経過的なものだとみている。世界的にみて、貯蓄がコンスタントに増え続けていることに鑑みれば、イールドカーブ全体は低位にとどまり、かつ、フラット化するだろう」 

――FRBの政策変更が、グローバルな流動性に及ぼす影響について。

「米連邦準備理事会(FRB)がバランスシートの縮小を停止し、欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化を棚上げし、日銀が量的緩和を続ける中、グローバルな短期市場には、膨大な資金が洪水のごとく存在している」

「米国の金利変更が途上国に与える影響は、従来より小さくなってきている。1970―80年代には、米国の金融緩和によりラテン・アメリカに資金が流れ、米国が利上げを実施すると、資金が米国へ逆流し、ブラジル、アルゼンチン、メキシコなどが次々と危機に見舞われた」

「しかし、リーマンショック以降は、GDP比でみて、当時のほぼ3倍の規模の流動性(マネー)が市場に供給されているとみている。こうしたマネーは、米国による量的緩和終了の決定(2014年10月)を受けて、その約3分の1が吸い上げられ、2016年末からの米利上げ局面でさらに3分の1が吸収されたが、残りの3分の1はまだマーケットに滞留している」

「実際、以前のASEAN(東南アジア諸国連合)各国では、米金利の上昇や低下で通貨や金利が影響を受けたが、現在は市場に存在する潤沢なマネーの恩恵で、米金利変動に関わりなく、相対的に低いプレミアムで債券を発行できる。また、欧州勢もマネーが潤沢なアジアで資金調達をするようになっている」

――米国のプレゼンスは、低下しているのか。

「かつて言われた『米国がくしゃみをすると、アジアが肺炎になる』といった両者の因果関係はかなり弱まっている。その理由は、米国のマネーや消費以外のところでグローバルなマネーが動いているからだ」

「米国のGDPは世界の3割以上を占めていたが、現在は25%程度まで低下し、先進7カ国(G7)全体でも以前の7割から大幅に低下している。貿易量でも途上国のシェアが増えている。唯一、マネーの世界では、先進国が優位だが、それはマネーの取引場所としての優位性があるだけだ」

「以前は借り入れる一方だった途上国は、外貨準備の運用先として米国債を購入し、大量のマネーを米国に貸し付けている。こうした構造変化を背景に、米国が動いた場合のインパクトは縮減している」

――世界の貯蓄投資バランスについて。

「最近は、トルコやベネズエラなどジオポリティカル・リスクを抱えた国々の通貨が下落し、その連想でエマージング市場に多少の揺らぎがみられるが、これは本質的な動きではない。より本質的な変化は、先進国の人口がピークアウトしていることや、新興国で貯蓄の伸び率が所得の伸び率を上回ってきたことで、貯蓄が投資(需要)を恒常的に上回る状況が現れたことだ。こうした状況を踏まえれば、しばらく世界的な低金利状態は続いていくだろう」

「ただ、マネーの偏在には注意が必要だ。短期のマネーが潤沢に供給されているのとは対照的に、長期のマネーは必要な所になかなか流れていかない。途上国は、いわゆる『グリーンフィールド」と呼ばれる新規のインフラ事業に対する長期資金が必要で、2000年ごろの世界のインフラ資金需要はもっぱらそれだった」

「足元では、先進国で現在稼動しているが老朽化したインフラの修繕や改築に伴う『ブラウンフィールド』投資に長期資金が必要になっている。しかし、短期資金を長期資金に転換する役割を担うはずの民間金融機関の体力が落ちている。このため開発金融専門の世界銀行、アジア開発銀行、あるいは国際協力銀行(JBIC)の役割が大きくなっている」

*本文第1段落の文言を一部修正しました。

森佳子 編集:田巻一彦
https://jp.reuters.com/article/hiroshi-watanabe-interview-idJPKCN1RF096
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/795.html

[国際26] 米国とNATO加盟国の費用負担バランスが改善=トランプ大統領
ワールド2019年4月3日 / 12:09 / 4時間前更新
米国とNATO加盟国の費用負担バランスが改善=トランプ大統領
Reuters Staff
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[ワシントン 2日 ロイター] - トランプ米大統領は2日、自身が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に圧力をかけたことで費用負担のバランスが改善していると述べた。

大統領は、ワシントンで3日から開かれるNATO外相会合を控え、ストルテンベルグNATO事務総長とホワイトハウスで会談した。

大統領は、NATO加盟国により多くの支払いと米国にかかる負担軽減を求めてきた自身の戦術が効果を生んでいると指摘。「私が就任して宇宙船が打ち上がった。われわれは追加で1400億ドル超を手に入れた。2020年までに少なくともさらに1000億ドルの各国による支出を得られそうだ」と述べた。

トランプ大統領はNATO加盟国に対し、国内総生産(GDP)の2%強を防衛に充ててほしいと発言。昨年にはNATOの指導者らに対し、防衛費をGDPの4%まで増やすよう求めた。大統領は米国がGDPの4.3%をNATO向けに支払っていると述べた。

また「ドイツは全く、相応な負担を支払っていない」と述べ、ドイツを名指し。「彼らは支払うべき分を支払っていない。彼らは1%近く支払っている」とした。一方で、メルケル独首相については称賛した。
https://jp.reuters.com/article/usa-nato-trump-idJPKCN1RF08E
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/110.html

[国際26] 韓国、世界初の商用5Gサービスを開始へ 
テクノロジー2019年4月3日 / 18:04 / 13分前更新
韓国、世界初の商用5Gサービスを開始へ
Reuters Staff
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[ソウル 3日 ロイター] - 韓国は5日、世界で初めて商業用の第5世代(5G)移動体通信サービスを開始する。

サムスン電子(005930.KS)の5G対応新型スマートフォン「ギャラクシーS10.5G」で利用可能となる。

韓国は、スマートフォン普及率が世界有数の高さで、5Gの投入で中国、米国、日本と競合している。スマートシティー、自動運転車などの分野でも5G技術の活用を目指す。

携帯電話最大手SKテレコム(017670.KS)の幹部は「韓国の通信会社が、スピードと画質の面で国内顧客の高い要求に応えるサービスとネットワークを提供していくのは有意義だ」と発言。5Gの投入でゲーム業界の風景も変わるだろうとの見方を示した。

5Gでは、4Gの100倍の通信速度を実現することも可能。

韓国の通信会社は5Gの広告に多額の資金を投入しており、SKテレコムは3日、Kポップ界のスターや金メダリストが最初の5Gの顧客になると表明した。

同社は5Gの加入者が年内に100万人に達すると予想している。同社の総加入者数は2700万人。

ライバルのKT(030200.KS)は、4Gより安い5Gサービスを開始する予定。データ通信を無制限で利用でき、4年間の分割払いで端末を購入できる。

サムスンは今年2月にギャラクシーS10.5Gを発表した。ライバルのLG電子(066570.KS)も、今月中に5G対応スマートフォンを国内に投入する予定。

米国では、通信大手のベライゾン(VZ.N)が4月11日から2都市で5Gサービスを開始する。

東京外為市場ニュース2019年4月3日 / 18:04 / 13分前更新
BRIEF-2月のユーロ圏小売売上高、前月比+0.4%=統計局
Reuters Staff
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[3日 ロイター] -

* 2月のユーロ圏小売売上高、前月比+0.4%=統計局(予想:+0.2%)

* 2月のユーロ圏小売売上高、前年比+2.8%=統計局(予想:+2.3%)
https://jp.reuters.com/article/southkorea-5g-idJPKCN1RF0VM?il=0
 
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/111.html

[国際26] 英離脱案、4月12日までに承認なければ期日再延期認めず=欧州委員長 5月22日のEU離脱望む=メイ首相   
最新経済ニュース2019年4月3日 / 22:55 / 5分前更新
UPDATE 1-
英離脱案、4月12日までに承認なければ期日再延期認めず=欧州委員長
Reuters Staff
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(情報を追加しました)

[ブリュッセル 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のユンケル委員長は3日、英議会が離脱協定案を4月12日までに承認しなければ、離脱期日の短期的な追加延期は認められないとの見解を示した。

ユンケル委員長は欧州議会で「今後の展開としては、離脱協定案の批准が最も望ましい」としながらも、「英議会による離脱協定案の承認の最終的な期限は4月12日になる。それまでに承認されなければ、離脱期限の追加的な短期延長は認められない」と述べた。

その上で「4月12日に英国が合意ないままEUを離脱する公算は、現在極めて大きくなっている。こうした状況は望んでいないが、EUはこうした状況に確実に対応できるようにしている」と述べた。

また、EUはこれまでに将来の英・EU関係についてメイ首相と交渉したが、英離脱後に再交渉する用意があることも明らかにした。英野党・労働党は関税同盟に残留することを求めている。

ただユンケル委員長は「合意なき離脱の回避に向け最後まで努力を続ける」としながらも、英国が合意ないままEUを離脱すれば、移行期間を設けることはできないと言明。「『交渉された合意なき離脱」や、『合意なき移行期間』などというものは存在しないため、英国はEUよりも大きな影響を受ける」と述べた。

この他、合意なき離脱が現実のものとなった場合、英国と新たな貿易協定を交渉するに当たり、EUが厳しい条件を適用することも明らかにした。

英国のメイ首相は前日、EUに対し離脱交渉期限の延長を要請することを表明。議会の膠着状態脱却に向け野党・労働党のコービン党首と協議する意向も示した。
https://jp.reuters.com/article/turkey-election-3-idJPKCN1RF178?il=0


外国為替2019年4月3日 / 21:25 / 2時間前更新
英、5月22日のEU離脱望む=メイ首相
Reuters Staff
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[ロンドン 3日 ロイター] - 英国のメイ首相は3日、英国は欧州連合(EU)を5月22日に離脱することを望んでいると述べた。

首相は議会で「議会下院全体で離脱協定案の支持を獲得し、5月22日の離脱が可能になる合意を目指している」と述べた。

英国はこれまでに、離脱協定案が英議会で3月29日までに承認されれば、離脱期日を5月22日に延期することでEUと合意したが、議会は離脱協定案を再度否決。メイ首相は現在、議会の膠着状態の脱却に向け野党・労働党のコービン党首との協議を模索している。
https://jp.reuters.com/article/-idJPL3N21L2WK?il=0


東京外為市場ニュース2019年4月3日 / 21:50 / 1時間前更新
英、4月12日の合意なきEU離脱リスク高まる=モスコビシ欧州委員
Reuters Staff
1 分で読む

[ブリュッセル 3日 ロイター] - 欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務担当)は3日、英国が条件などで合意しないまま欧州連合(EU)を4月12日に離脱するリスクが高まっているとの認識を示した。

同委員は記者会見で「EUの関税に関する規則は、英国から輸入される全ての物品に適応される。英国のEU離脱後、直ちにEU関税規則が完全に適用されること確実にする必要がある」とし、「英国が合意がないままに離脱すれば、新たな関税管理制度が導入される必要があるが、このことは貨物1つ1つの検査を行うことは意味していない。EUはリスク分析の観点から物品を検査することになる」と述べた。

その上で、英国と取引を行なうEU域内の企業は、関税検査手続きの増大に伴うコスト増に対応する必要が出てくると指摘。「企業のキャッシュフローに大きな影響が出る」とし、「英国が合意がないままEUを離脱すれば、関税検査の再導入により多くの企業や個人が影響を受ける」と述べた。
https://jp.reuters.com/article/-idJPL3N21L2ZE?il=0
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/112.html

[経世済民131] ビットコイン、一時5000ドルを上回る エイプリルフールが関係してる?  リフト株急落で見えた「バブル終焉」
ビットコイン、一時5000ドルを上回る エイプリルフールが関係してる?
2019/04/03 12:26
リフト株急落で見えた「バブル終焉」

※写真はイメージです(写真=iStock.com/takasuu)社員が韓国企業に、ソニーで起きた事
ビットコイン価格、一時5000ドルを上回る(ビットコインチャート、coindeskより)© ITmedia ビジネスオンライン ビットコイン価格、一時5000ドルを上回る(ビットコインチャート、coindeskより)

 4200ドル前後で横ばい推移を続けていたビットコイン価格は4月2日、2018年11月ぶりの水準となる5000ドル近くまで急騰した。1時間あまりで15%もの上昇を見せた急な値動きは市場参加者を驚かせ、仮想通貨市場が再び活気を取り戻すサインではないかとの期待が膨らんでいるようだ。米CNBCが報じた。

 急騰の要因については、アルゴリズム取引(コンピュータが価格や出来高に応じて自動的に売買を行う)が値を引き上げたという。いくつかの仮想通貨取引所で2万ビットコイン単位の大口取引が散見された。

 ではその取引の引き金となったものは一体なんだったのか。その一因として4月1日の「エイプリルフール」が関係していると考えられるという。

 金融メディアなどを手掛けるFinance Magnates(本社:イスラエル)は、エイプリルフールに便乗し、「米証券取引委員会(SEC)がビットコインETF(上場投資信託)を承認した」という“嘘”のニュースを発表した。

 また、仮想通貨嫌いで知られる米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が仮想通貨に投資したという“フェイクニュース”も流れ、これらの仮想通貨市場にとってプラス要因となり得る憶測が今回の騒動を引き起こしたというのだ。

 ビットコイン価格は4月3日も上昇を続けており、一時5000ドルを上回った。今後もこの勢いが続くのか注目される。
https://www.msn.com/ja-jp/money/news/%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%80%81%E4%B8%80%E6%99%825000%E3%83%89%E3%83%AB%E3%82%92%E4%B8%8A%E5%9B%9E%E3%82%8B-%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%8C%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%9F/ar-BBVyAj1#page=2


 

ビジネス 2019/04/03 18:00
リフト株価急落で見えてきた「テックバブルの終焉」

Bryan Rich , CONTRIBUTOR
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(Photo by Mario Tama/Getty Images)

米配車サービス大手の「リフト(Lyft)」は3月29日、米ナスダック証券取引所に上場した。当日の初値は87.24ドルとなり、時価総額は一時的に250億ドル(約2.8兆円)に達した。

しかし、週明けの4月1日の市場ではリフトの株価は29日の最高値から20%も下落した。同社の企業価値は昨年6月の資金調達時には151億ドルとされていた。リフトの出資元は、わずか9カ月間で60%もの含み益を得たとされた。

ここで注意したいのは、リフトの昨年の売上高が22億ドル程度であり、9億ドルを超える赤字を計上していることだ。さらに重要なのは、同社の赤字額が2017年から3割強も増えている点だ。

リフトは今後の7年間で黒字化を果たし、巨大な企業価値を正当化すると述べている。しかし、同社は設立されてまだ7年の会社だ。同社の前途には様々な困難が待ち構えている。変化し続けるテクノロジーや法規制の中で、リフトがこのまま順調に成長を遂げ、黒字化を果たすと考えるのは、楽観的すぎるかもしれない。

企業価値の観点からいうと配車サービス企業らは現在、分不相応な巨額のバリエーションを得ている。米国のレンタカー大手3社(エンタープライズ、ハーツ、エイビス)の時価総額の合計は現在約100億ドルだ。

これに対し、今後上場するウーバーの時価総額は1200億ドル(約13兆円)とされ、配車サービス2社の企業価値はレンタカー大手3社の合計の14倍にも達している。レンタカー企業らは、配車サービスに殺されたような評価を受けている。

しかし、配車企業らが今後長期的な成功を収め、規模をスケールさせるためには、車両の供給やマネージメントをレンタカー企業に頼る必要も出てくるだろう。

現状の配車サービス企業らが受けている評価は、現実とは乖離したものといわざるを得ない。ウーバーやリフトらは、シリコンバレーの追い風を受けてここ10年ほどの間で急成長を遂げてきた。しかし、現在はその追い風がやみつつある。

筆者が今考えているのは、リフトのIPOがシリコンバレーの輝かしい時代の終止符となってしまう可能性だ。
編集=上田裕資
https://forbesjapan.com/articles/detail/26447
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/796.html

[戦争b22] 北朝鮮のICBM試射再開は近い? 米軍機が警戒監視 沖縄・嘉手納基地に飛来した米軍偵察機「コブラボール」
北朝鮮のICBM試射再開は近い? 米軍機が警戒監視
沖縄・嘉手納基地に飛来した米軍偵察機「コブラボール」
2019.4.4(木) 北村 淳
米空軍偵察機RC-135S コブラボール。計測機器の関係で片方の主翼が黒く塗装されている(写真:MDAA)
 先週土曜日(3月30日)の夜、沖縄の嘉手納米空軍基地に米空軍偵察機RC-135Sがインド洋のディエゴガルシア基地から飛来した。

 RC-135Sはインド軍の弾道ミサイルによる人工衛星撃破実験を監視するためにインド洋に派遣されていた。

「コブラボール」と呼ばれているRC-135Sは、高性能電子・光学機器を搭載しており、発射された弾道ミサイルの各種データ(MASINTと呼ばれる)をリアルタイムで収集する偵察機である。極めて特殊な任務をこなす偵察機で、米空軍は3機のRC-135S コブラボールを運用している。

 コブラボールにより収集されたデータは弾道ミサイル防衛にとって極めて重要である。米ソ冷戦期には、コブラボールは戦略航空軍団に所属してアリューシャン列島のシェミア島空軍基地に常駐し、ソ連の大陸間弾道ミサイル発射実験や弾道ミサイル攻撃に備えていた。現在は、航空戦闘軍団の第55航空団に所属し、ネブラスカ州のオファット空軍基地を本拠地としている。

 コブラボールは弾道ミサイル探知と情報収集という高度に専門的な任務を担当するため、第45偵察飛行隊と第97諜報飛行隊(ともに第55航空団に所属する)からの要員によって運用されている。ちなみに沖縄の嘉手納基地には、北朝鮮や中国の弾道ミサイルに対する警戒や情報収集に際してコブラボールに乗り込むために、第97諜報飛行隊のアナリストが配属されている。

なぜ嘉手納基地に立ち寄ったのか?
 コブラボールが作戦中に収集するデータは、国家安全保障問題担当大統領補佐官、国防長官、戦略軍司令官に直接伝達され、アメリカの安全保障における最高レベルの意思決定に直接反映される最重要情報の1つとみなされている。

 したがって、米軍関係情報網が北朝鮮で弾道ミサイル発射実験の兆候などを察知した場合、コブラボールが嘉手納に派遣され警戒監視に当たるのが常である。

 2012年12月の北朝鮮による「光明星3号」発射の際にも、発射の2週間ほど前には嘉手納にコブラボール2機が派遣されて警戒監視に当たっていた。また、2017年の一連の弾道ミサイル発射実験に際しても、嘉手納に派遣されたコブラボールが警戒監視と情報収集に当たっていた。

 ただし、55年近くも使用し続けているコブラボールの機体はさすがに経年劣化が目立つようになってきており、第55航空団では極力酷使しないように心がけているということである。

 では、なぜディエゴガルシアからオファット空軍基地に帰還する際に、わざわざ遠回りになる太平洋回りルートを経由し、沖縄の嘉手納基地に立ち寄ったのか? 給油のために立ち寄ったとは考え難い。今回も、米軍戦略情報筋が北朝鮮による弾道ミサイル発射実験が差し迫っているとの情報を得たために、コブラボールが嘉手納基地に飛来したことは、間違いないだろう。

ディエゴガルシア基地の位置(印のついた場所)。アメリカのオファット空軍基地に帰還するなら本当は太平洋回りよりも大西洋回りのほうが早い(Googleマップ)

立場が異なるアメリカと日本
 トランプ大統領が自らの外交成果として胸を張っているように、2017年12月以降現在に至るまで、確かに北朝鮮は弾道ミサイルの発射は行っていない。その結果、日本の上空を北朝鮮弾道ミサイルが飛び越えることもなくなっている。

 しかし、日本の上空を飛び越えて太平洋に着弾する弾道ミサイル実験は、米本土攻撃用の大陸間弾道ミサイルあるいはグアム攻撃用の中距離弾道ミサイルのためのものであり、日本攻撃用の準中距離弾道ミサイルや短距離弾道ミサイルのためではない。

 そして、トランプ政権およびアメリカ国防当局が廃棄を求めているのは、核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発であり、核弾頭を搭載していない日本攻撃用弾道ミサイルの廃棄を求めているわけではい。

 実際に北朝鮮は日本攻撃用の弾道ミサイルを極めて多数保有しているが、それらによってアメリカ本土はもちろん、ハワイやグアムが攻撃される恐れはない。はっきり言ってアメリカが神経質になる理由はないのである。

北朝鮮の対日攻撃用弾道ミサイルはアメリカには直接関係ない
http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/c/1/600/img_c1c45f4055842b02d919662be1368718164442.jpg

 むしろ、日本が北朝鮮の弾道ミサイルの脅威にさらされている方が、アメリカ政府にとってもアメリカ軍需産業にとっても都合が良いくらいなのだ。なぜならば、日本政府は弾道ミサイル防衛には惜しみなく金をつぎ込むからである。

 日本はアメリカから見て、イージス戦闘システム(日本で建造する駆逐艦に搭載されるシステム自体はアメリカ製)、イージス・アショア、PAC-3といった超高額弾道ミサイル防衛システムやそれらから発射する弾道ミサイル迎撃用ミサイルなどを気前よく購入してくれる「最良の上客」ということになっている。

 もちろん日本にとっても、北朝鮮がICBMやグアム攻撃用弾道ミサイルなどを放棄することが望ましい。それだけ、日本政府が頼り切っているアメリカの北朝鮮に対する軍事的睨みが回復するため、結果的に日本が北朝鮮から被る軍事的脅威が減ることになるからだ。とはいえ、北朝鮮の弾道ミサイルの何倍も強烈な中国の弾道ミサイルの脅威が消えるわけではない。

 いずれにせよ、コブラボールが嘉手納基地に派遣されている間は、北朝鮮による弾道ミサイル試射の可能性があるということを心に留めておかねばならない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55985
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/594.html

[戦争b22] 蜜月も束の間、中国とフィリピンに緊張高まる ついに、南シナ海の南沙諸島めぐり軍事衝突の危機が顕在化 
蜜月も束の間、中国とフィリピンに緊張高まる
ついに、南シナ海の南沙諸島めぐり軍事衝突の危機が顕在化
2019.4.4(木) 末永 恵
南シナ海でフィリピンに攻撃あれば米が防衛、ポンペオ氏 中国けん制
フィリピン・マニラで同国のテオドロ・ロクシン外相(左)と握手するマイク・ポンペオ米国務長官(2019年3月1日撮影)。(c)Andrew Harnik / POOL / AFP〔AFPBB News〕

 「火種の島」で知られる南シナ海の南沙諸島(英語名はスプラトリー)。

 フィリピンが実効支配しているパグアサ島(フィリピン名、英語名はティトゥ)はここに位置している。

 この島を巡り、フィリピンと中国の間にいま緊張が高まっている。

 ワシントンポストなど米メディアなどによると、パグアサ島近海で今年1月から3月末までの間、中国船が数百隻航行しているのが確認されという。

 3月29日、フィリピン政府が外交ルートを通じ中国政府に抗議を行ったことも明らかになった。

 フィリピン軍幹部によれば、中国の船舶やボート、計275隻がパグアサ島付近で航行するのを確認しているという。

 同幹部は「こうした中国船は、同海域への侵入と離脱を頻繁に続けており、実態はつかめていない」とし、実際には、「(この数より)はるかに多い船舶の航行があるのではないか」と警戒を強めている。

 一方、上陸や災害対処の訓練を行うフィリピン軍と米軍、豪州軍による定期合同軍事演習「バリカタン」が1日から12日まで、フィリピン各地で展開されている。

 今回、初めて投入されている米軍の最新鋭ステルス戦闘機「F35B」は、長崎・佐世保基地に配備中の強襲揚陸艦ワスプに搭載されたもので、同軍事演習中、南シナ海上空を飛行している。

 主に、ルソン島西部のサンバレス州沖から内陸のタルラック州を目指すが、フィリピンと中国が領有権を争うスカボロー礁(中国名・黄岩島)は、そのサンバレス州にある。

 同海域の航行を拡大している中国海軍を牽制する目的だ。

南シナ海の南沙諸島に位置する、フィリピン実効支配のパグアサ島は、フィリピン、マレーシア、ベトナム、台湾、ブルネイ、中国の6か国・地域の領有権争いの最前線で、「火種の島」と称され、軍事衝突の危機と常に隣り合わせだ
 パグアサ島の緊張した事態を受け、フィリピン政府関係者は筆者の取材に応じ、中国政府に対して以下のような抗議文書を送り、「(4月2日時点で)中国政府からの回答を待っている状況」であることを明らかにした。

(1)フィリピン政府が確認した上記のような事実を中国政府が把握しているのか。

(2)フィリピンが実効支配するパグアサ島付近に中国政府はなぜ頻繁に船舶を侵入させているのか。その具体的な理由は何か。

(3)今後、中国政府がこのような行為を行わないことを求める。 

 南沙諸島は、南シナ海の中央に位置し、100以上の島や環礁、暗礁からなる。パグアサ島周辺は豊かな漁場に恵まれ、石油や天然ガスの埋蔵も期待されている。

 米国が南沙諸島を「国際的空域かつ海水領域」と主張する中、フィリピン、中国、マレーシア、ベトナム、台湾、ブルネイの6か国・地域の領有権主張が複雑に交錯し、常々、軍事衝突の懸念がささやかれてきた。

 こうした中、中国政府は同諸島にある環礁に人工島を造成し、2016年頃から港、滑走路や軍事的建造物の建設を急ピッチで進め、「力による現状変更」を画策・実行してきた。

 南沙諸島が「火種の島」と呼ばれるゆえんでもある。

 パグアサ島は、フィリピン西部のパラワン島の北西約450キロに位置し、町の職員や漁師などが暮らしている。

 100人の島民のうち、約40人が小さな子供たちという。昨今の中国の軍事的脅威で、フィリピン政府軍に警察、沿岸警備隊も常駐しているが、安全保障上、その実働部隊の詳細は明らかにされていない。

 島には、小学校、診療所、発電所などの施設はあるが、携帯電話の電波は届かず、島民同士は無線で連絡を取り合っているという。

 海軍の艦艇や町所有の船2隻ほどで、数日かけてパラワン島から、食料や生活必需品が運ばれ、島民の日々の暮らしを支えている。

 住民の多くが漁師で、近海の漁で生計を立てており、中国政府の軍事拠点化が進む中、漁場への懸念を高めている。

 「かつては平和そのものだった」と話す島民の生活は一変した。今では「中国海軍と海警局が、我々フィリピン人の行動を監視しているようだ」と、島民を怯えさせる状況になっている。

 こうした中、ドゥテルテ大統領の報道官、サルバドール・パネロ氏は「フィリピンや国民の安全性を脅かす行為には、異議を申し立てていく」と話す。

 しかし、ドゥテルテ大統領は、約3年前の大統領就任後、対中強硬派だったアキノ前政権の政策を180度転換。中国からの投資促進を目的に「対中太陽政策」に舵を切っている。

 逆に、欧米とは経済面、軍事面で距離を置いた。

 この政策転換はどうだったのか。現在のところ、中国依存政策はフィリピンに実質的な収益をもたらしていないようにみえる。

 ドゥテルテ大統領就任後、中国はフィリピンにとって最大の貿易相手国に躍り出て、中国からの対フィリピン直接投資は約20倍に膨れ上がった。

 とはいうものの、フィリピンへの海外直接投資額では日本、米国、韓国、オランダ、シンガポールに大きく水を空けられている。

 2016年10月、同大統領は北京訪問時、中国の習近平国家主席と会談し、27件の協定に署名。中国は港湾、鉄道、採鉱、エネルギーなどのインフラ整備などに対する150億ドルに上る直接投資、さらに90億ドルの低利融資など、支援規模総額240億ドルを約束した。

 しかし、3年を迎えようとする今も、投資プロジェクトはほとんど実施されていない。

 それどころか、当時、フィリピンのエネルギー会社と中国の電力会社が水力発電所の共同建設(総工費10億ドル)で合意したものの、中国側が再三延期を申し出た。

 最終的に2017年2月までの延期で合意したかにみえたが着工の目処が立たず、フィリピン側から契約を中止させた経緯がある。

 中国支援による借款協定は、7300万ドルの灌漑プロジェクト1件で、橋梁建設が2件始まっただけ。

 「計画は大幅に遅れ、2018年の中国からの純投資額は約2億ドルほど」(ペルニア国家経済開発庁長官)と大国・中国にしてはお粗末な額だ。

 さらに、ディオクノ予算長官も「中国は官僚主導で政治決断が遅い。習近平主席が約束した全プロジェクトが遂行されるよう圧力をかけるべきだ」と、政権内部からも批判や不満が表面化し始めている。

 昨年11月末、習近平氏は中国の国家主席として2005年の胡錦濤(フー・ジンタオ)氏以来13年ぶりにフィリピンを訪問。

 石油や天然ガス開発に加え、中国の一帯一路下の鉄道などインフラ整備を含む広範囲の分野で相互協力することで合意した。

 しかし、習近平主席訪問直前に実施された世論調査では、「南シナ海での中国のインフラや軍事拠点開発に反対」が84%、「中国が違法占拠する領土を奪回すべき」が87%で、「海軍を中心としたフィリピンの軍事力拡大が不可欠」が86%にも達した。

 さらに、習近平主席の歴史的なフィリピン訪問の際にも、国内のメディアや国民はドゥテルテ大統領の対中政策に疑問を呈し、中国にそっぽを向いた。

 「フィリピンの海域を守れ!」「中国は南シナ海から出て行け!」とシュプレヒコールを上げ、マニラの中国大使館前には、数千人ものフィリピン国民が習国家主席のフィリピン訪問に抗議した。

 さらに、旧米海軍スービック基地が中国資本の手中に陥る懸念まで浮上している。

 今年に入って、サンバレス州のスービック湾に造船所を運営する韓国の造船会社の現地法人が経営破綻。負債総額は約13億ドルに上り、フィリピン史上最大級の経営破綻になっている。

 会社更生法の適用を現地の裁判所に申請したが、同社救済に名乗りを上げたのが、中国企業なのだ。

 もともと、スービック湾地域は、スペインが海軍基地として1884年に利用を開始し、米国に管理権が移ったのが1889年。91年に、米軍が撤退するまでは米海軍の環太平洋における重点的軍事拠点だった。

 シンガポールの面積を上回るスービック基地は、経済特別区に生まれ変わり、日系企業も同工業団地に拠点を構えている。

 中国が海洋進出を図る南シナ海に面するスービック湾は、米軍基地そのものはなくなったが、日米の艦船の寄港地で、昨年9月には、海上自衛隊の護衛艦「かが」が、スービック湾に初の海外寄港として入港した。

 ドゥテルテ氏は、中国からの経済財政援助によるインフラ開発で高い支持率を維持したいところ。

 一方、犯罪対策などの効果があり、海外からの総固定資本形成(投資)は大幅増加し、2017年の一人当たりの名目GDP(国内総生産)は、約2900ドルに達し、過去最高を更新。堅調な経済成長はドゥテルテ大統領の人気を下支えしている。

 しかし、中国からの援助は現在のところ絵に描いた餅にとどまっている。逆にこの先、中国による軍事的脅威に直面する国家的危機を迎えるかもしれない。

 再選の許されないドゥテルテ大統領にとって大きな審判になるのが、今年5月に行われる2022年の大統領選を占う中間選挙だ。

 後継者選びで頭を悩ませており、自身が取り組んできた親中国政策が、「チャイナ・リスク」として跳ね返ってくるのはほぼ間違いない。

(取材・文 末永 恵)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55993

http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/595.html

[戦争b22] 強まる思想統制、名門大学教授が習近平批判で取調べ 文革の再来か? 共産党に密告する学生も 

 
強まる思想統制、名門大学教授が習近平批判で取調べ
文革の再来か? 共産党に密告する学生も
2019.4.4(木) 福島 香織
中国・北京の精華大学(出所:Wikipedia)
(福島 香織:ジャーナリスト)

 中国の名門大学・清華大学法学院教授の許章潤が停職処分となって取り調べ中であることが3月末に明らかになった。習近平に対する批判文章をネットにあげたことなどが原因だ。

 清華大学法治と人権研究センターの主任を務める許章潤は、2005年に中国全国十大傑出青年法学家として表彰されている。いわゆる良心的知識人の1人として、国内外で尊敬を集めてきた。

 それが習近平に苦言を呈しただけで事実上の公職追放となれば、中国のアカデミズムに対する国際的信用を大きくそこないかねない。許章潤の処遇に対して、中国人知識人たちも沈黙しているわけにはいかない。

国民の8つの心配事と許章潤の8つの提言
 問題となった許章潤の習近平批判文章は、「我らの目下の恐怖と期待」というタイトルで2018年7月に天則経済研究所のサイトに発表された。

 要約すると、以下のような内容だ。

「国民全体が、国家の発展方向と個人の安全に不安を抱いている。その原因は近年来、いわゆるボトムライン、守らなければならない一線を超えていることだ。その一線とは、基本的治安、私有財産の保障や富を求める自由、市民の自由な生活、そして国家主席の任期制。特に4番目の国家主席の任期を2期10年とした制限を撤廃したことは、30年の改革開放の成果を帳消しにし、恐ろしい毛沢東時代に中国を戻すことになる。

 庶民は8つの心配事がある。私有財産権は守られるのか、政治優先で経済を放棄するのか、階級闘争が始まるのか、米国などともめて鎖国時代に突入するのか、対外援助をやりすぎて国民の財布のひもを縛らせるのか、知識分子の思想改造を始めるのか、軍拡競争に突入し戦争でもやらかすのか、改革開放を終わらせるのか。

 こうした懸念を払しょくするために8つの提案を期待を込めて挙げておく。バラマキ外交をやめる。主要外交における派手な浪費をやめる。長老の利権特権を廃止する。特別供給制度(公務員に対する特別な食品・生活用品の配給制度)をやめる。公務員の資産公開法案を実施。個人崇拝キャンペーンにブレーキをかける。国家主席任期を回復する。天安門事件を再評価する」

 この文章は、ノーベル平和賞を獄中で受賞したまま獄中で亡くなった劉暁波が発表した「零八憲章」に続く勇気ある知識人の提言として、国際社会も注目していた。人権に関する法律の専門家でもあった許章潤は2014年の弁論会でも「絶対的主権が存在しないことが絶対的人権の存在の概念につながる」という過激な主張をして、現在の共産党体制を批判している。

劉暁波氏の死で遠のく中国民主化の夢
香港で開かれた劉暁波氏の追悼集会に参加する人々。劉氏は2009年に中国の政治改革を求める「零八憲章」を起草、流布したとして投獄された。(2017年7月15日撮影)。(c)AFP/DALE DE LA REY〔AFPBB News〕

習近平政権に批判的だと解雇・停職処分に
 国内外の華人知識人も次々とこの意見に賛成の意を表した。趙紫陽(天安門事件で学生側に立った元総書記)の秘書の鮑彤がアメリカのラジオ局、ラジオ・フリー・アジアの取材に対して「8項目の期待のうち最後の2つ、国家主席任期制度の回復と天安門事件再評価は特に賛成だ。許章潤の声が当局に消し去られてはいけない」と訴えた。清華大学法学院の同僚教授である高鴻鈞も「(許章潤の処分は)道理にも合わないし、根拠もない」と許章潤支持の立場を表明した。名前は出さずとも、許章潤の意見に賛成する知識人はさらに数多くいるはずである。

 中国では習近平政権になってから大学の学問の自由が大きく制限され、特に日本を含む西側の歴史、文化、文明などの研究分野に対する圧力、統制は目に余るものがあった。その多くは、立場やイデオロギーの左右に関係なく、習近平の政策に対して批判的であることが問題視された。ただ単に習近平政権に批判的だという理由で解雇されたり停職処分を受けたりした教職者は、この数年枚挙にいとまがない。

 3月21日、北京大学マルクス主義学院の講師、柴暁明は南京市の国家安全当局の「国家政権転覆」容疑で逮捕され、自宅軟禁中だ。彼は左派学者として言論サイト「紅色参考」の編集者だったが、左派の視点から現政権に批判的だった。

 重慶師範大学副教授の唐雲が学生たちの密告によって教師資格剥奪処分にあうという事件も起きていた。唐雲は2月25日の「魯迅研究」の授業で、「国家の名誉を傷つける発言」を行い、「政治規律に違反」して「教師が学生に悪影響を与えた」として3月20日に教師資格を取り消され、降級処分を受けたという。

 その後、ネットのSNS上で唐雲に対する「別れの詩」が掲載されたが、その詩の中に、「彼の学生の全員が(キリストを裏切った)ユダではない」という言葉があり、授業を受けた学生の密告が唐雲の処分につながったとみられている。

 四川省の人権派作家の譚作人はアメリカの放送局、ボイス・オブ・アメリカに対し、これを「文革の再現だ」と懸念を述べていた。「現在、大学はイデオロギーの戦場で、まるで文革時代が戻ってきたようだ。学生を密告者に育てることを社会がやってはいけない。もし密告することで学生たちに政治的前途が開けるというなら、そんな社会には救いがない」と嘆いている。

 重慶師範大学では唐雲以前にも2017年7月に、渉外経貿学院副教授の譚松が「共産党歴史の真相調査」に従事したとされ、強制解雇にあっている。彼は四川省川東区の土地改革で行われた残虐な地主迫害についての調査を行っていたが、それが共産党の歴史観と相容れず覆すものとして処分されたのだった。

 共産党が行った土地改革は、共産党史では党が農民のために悪徳地主をやっつけたということになっている。だが、実際は地主の資産を血生臭い暴力で奪う強奪行為だった。譚松は香港中文大学の講演で、「背中に真っ赤に炭火桶を背負わす」「焼けた鉄に括り付ける」「女性の下半身を裸にして焼く」といった地主に対するすさまじい拷問実体の聞き取り調査結果などを発表していた。

 このほか、浙江省伝媒学院文学院副院長教授の趙思運、貴州師範大学教授の楊紹政、山東工商学院政治部主任で煙台市芝罘区党校教授の李黙海、北京師範大学副教授の史傑鵬、厦門大学教授の尤盛東、北京建築大学教授の許傳青、武漢中南財経政法大学副教授の翟桔紅ら、優秀な学者、知識人が、講義中やネットでの言論が原因で解雇、停職、党籍除名処分を受けている。

大学は学生の思想洗脳機関?
 中国ではこうした学内言論弾圧は以前から行われていたが、清華大学や北京大学、復旦大学など国際社会で特に注目され、影響力の強い大学の教授は多少は自由が許されると見られていた。清華大学は米ルーズベルト政権のジョン・ヘイ国務長官の提言で1911年に設立された米国留学予備校・清華学堂を起源とする中国名門中の名門大学であり、大学の気風も学問の自由を重んじる。許章潤は文書を発表した当時、日本に訪問学者として滞在していたが、その後、帰国した際に当局がどのような対応をするかが注目されていた。

 許章潤に対する取り調べが3月になって始まったのは、おそらく3月18日に習近平の司会で行われた「学校思想政治理論課教師座談会」の影響ではないか、と見られている。習近平はこの座談会で、大学教育が中国共産党のイデオロギー最前線であることを打ち出し、教職従事者は主流イデオロギーを教え、各種の錯誤した観点と思潮に対峙して、子供のころから思想教育をしっかりせよ、と通達していた。簡単にいえば、大学は学問の府ではなく学生の思想洗脳機関であり、共産党に忠実な革命後継者養成機関になれ、ということだ。

署名活動で許章潤の復職を求める知識人たち
 許章潤の処分がどうなるか、清華大学はまだ明確な答えは出していない。現在、中国の知識人たちが許章潤の復職を要請する署名運動を行っている。清華大学学長の邱勇宛の公開書簡では、清華大学関係者を中心にすでに200人以上の署名が集まっている。

 署名では、許章潤の停職は大学側の重大な過ちの行動であり、清華大学の学術、思想の独立を守るためにも、許章潤の停職や講義停止を取り消し、一切の迫害をやめるようにと訴えている。

 署名者には、元中央党校理論研究室副主任の杜光、上海大学法学部教授の高全喜ら著名学者も実名で参加。やはり署名者である人権活動家の胡佳はボイス・オブ・アメリカの取材に対し「この署名運動は微信やツイッターなどのSNS上で公開し、更新し続けるので、多くの人に注目してほしい」と訴えた。同時に、名乗り出て許章潤擁護を訴える中国国内の学者たちが少ないことも嘆いている。

 また、胡佳は「清華大学は理工科学のトップの大学で、最も実事求是であるべき学問の府。学風は公明正大であるべきなのに、密告者を育て、自らコントロールを受けようとしている。中国の最もレベルの高い大学が、こんな風に政治のスパイになってしまっては、どうやって我らが民族に希望をもたらすことができるのか?」と懸念を強めている。

 2018年の世界大学ランキングで清華大学はアジア首位の22位だった。この栄光を守り、世界から憧れの大学の地位を維持するためにも、中国の知識人たちには立ち上がる勇気をもってほしい、と異国の人間ながら願わずにはいられない。そういう発言によって知識人たちが粛清されることになるなら、それこそ文革の再来だ。中国の学問に未来はない。そのときには、日本の大学機関、関係者には、ぜひとも中国から追われる勇気ある知識人たちの避難先の1つとして機能していただきたいものである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56001
http://www.asyura2.com/18/warb22/msg/596.html

[国際26] BIGBANGスキャンダルが韓国の社会問題に発展 韓国社会の「意識変化」は定着するか 
BIGBANGスキャンダルが韓国の社会問題に発展
韓国社会の「意識変化」は定着するか
2019.4.4(木) 新潮社フォーサイト
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BIGBANGのV.Iと歌手チョン・ジュニョン、ソウル警察に出頭
韓国・ソウル地方警察庁に出頭した人気男性アイドルグループ「BIGBANG(ビッグバン)」の元メンバー、V.Iさん(2019年3月14日撮影)。(c)JUNG Yeon-Je / AFP〔AFPBB News〕

(文:山本美織)

 韓国社会に衝撃が走っている。韓国の人気アイドルグループ「BIGBANG」のメンバー、V.I(本名イ・スンヒョン)の“性接待”疑惑から始まった一連の騒動は、V.Iの韓国活動名「スンリ」から「スンリゲート事件」と名付けられ、単なる芸能スキャンダルを超えた社会問題に発展している。

 V.I以外の日本でも人気のあるアイドルら5人が芸能界引退に追い込まれたほか、警察との癒着も浮上し、国会で問題が追及される事態にまで拡大している。これほどの韓国社会を揺るがす大問題になった背景には、女性の人権に対する意識の高まりや、権力をかさに着た不正を許さないという社会の変化があると言える。

男性客に暴行した店の理事がV.I
 事件のあらましはこうだ。発端となったのは昨年11月末、ソウル市の繁華街、江南区にあるクラブ「バーニングサン」で起きた暴行事件だった。

 セクハラ行為を受けている女性客を助けようと止めに入った男性客が、店員に暴行され、警察に通報したものの、駆け付けた警官に「業務妨害」で逮捕されてしまったという。

 当初、店側は暴行を否定していたが、クラブ内で「デートレイプドラッグ」を使った女性への性的暴行や、麻薬販売などの疑惑が次々と発覚した。

 そのクラブの理事として浮上したのが、V.Iだった。V.Iは事件への関与を否定し、「すでに理事も退任した」と発表。騒動が拡大している中で、今年1月から香港や東京でのソロコンサートをスタートさせた。

 しかし、ある報道により事態は一変する。韓国放送ネットワーク『SBS』傘下のエンタメ専門チャンネル『SBS funE』が2月、「スンリ(V.I)がソウル・江南のクラブを各種のロビー場所として利用し、投資家らへの性接待までしようとしていた疑惑が生じた」と報道したのだ。

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“うまくやってくれる子を呼んで”
 番組では、V.Iとクラブの店員、投資会社の代表が無料通信アプリ「カカオトーク(カトク)」で交わしたやりとりを紹介。その内容は、V.Iが店員に性接待を指示する衝撃的なものだった。

 彼は「江南クラブにメイン席を用意して女性を呼んで」、「女性は? うまくやってくれる子たちで」などと送信していた。

 V.Iと所属事務所の「YGエンターテインメント」はすぐさま「フェイクニュース」と報道を否定。「法的対応も辞さない」と強硬な姿勢を見せた。一方で3月9日、10日開催予定だった大阪でのソロコンサートを中止した。

 これに対し、韓国国民権益委員会(腐敗、汚職などを調査する行政機関)がカトクのやり取りを入手し、V.I側の説明が虚偽と判明。これを受け韓国警察が彼の携帯電話を押収し、性売買あっせん容疑で捜査を進めている。

「盗撮」「警察癒着」疑惑も発覚
 もっとも、これで事は収まらなかった。

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 3月11日には、V.Iが複数の盗撮動画を友人らと共有していたことが報道された。動画を撮影していたのは、韓国の人気歌手チョン・ジュニョン。彼は女性との性行為を盗撮し、カトクのグループトークルームで別の芸能人たちと共有していた。被害者は10人以上に上るという。この報道の直後にV.Iは芸能界からの引退を表明した。

 ちなみに、このトークルームには、V.Iのほか、いずれも韓国の人気アイドルグループ「HILIGHT」、「CNBLEU」、「FTISLAND」のメンバーが参加しており、全員が芸能界引退に追い込まれている。

 トークルームの内容も明らかにされた。CNBLEUのメンバーは「すぐに女性を寄越して」「遊べる女がいい」などと発言。FTISLANDのメンバーは、2016年2月に警察の飲酒取締で摘発を受けたが、外部に漏れないよう処理してもらったことを話していた。

 その「揉み消し」に加担したとされるのが、一連のアイドルたちのカトクで「警察総長」と呼ばれていた人物だ。この警察官は、バーニングサンのある繁華街を管轄する江南警察署の生活安全課に所属。クラブなどを取り締まっていた。カトクでは、この人物に不祥事を揉み消してもらったことを示唆する内容がたびたび、交わされていた。

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 前代未聞の「癒着疑惑」に国会も動き、連日追及が行われている。管轄する行政安全相は記者会見で謝罪し、3月18日には文在寅大統領が「社会特権層による不正」とし、徹底捜査を指示したという。

逮捕されて「すべての容疑を認める」
 性接待疑惑の報道から1カ月以上が経つが、V.Iに関するスキャンダルはとどまることを知らず、連日新たな疑惑が浮上している状態だ。これまでに海外投資家への性接待疑惑、性売買あっせん、海外不法賭博、クラブ内の薬物汚染、脱税などの容疑が浮上している。

 それに対しV.Iは、韓国の週刊誌『時事ジャーナル』のインタビューに応じ、すべての疑惑を否定。「友達同士で嘘をついて虚勢を張っていた」「真実を話しても誰も信じない」「海外不法賭博や性接待はなかった」などと持論を展開した。

 だが、女性との性行為を盗撮、共有していたチョン・ジュニョンは3月21日、性暴力犯罪処罰法違反容疑で逮捕され、「すべての容疑を認める」と話している。

疑惑を報じた女性記者の思い
 この事件には、先述したように、韓国における女性の人権意識の高まり、権力の乱用や不正を許さないという韓国社会の変化が顕著に表れている。

 最初にV.Iの性接待疑惑を報道した「SBS funE」の女性記者、カン・ギョンユン氏は、2016年ごろからV.Iの疑惑を追っていたという。その中で、カトクの内容を入手。性接待のあっせんや盗撮映像の流布など、衝撃的な内容が含まれていた。

 カン記者はインタビューにこう答えている。

「20代前半のとても若い女子大生たちや新人芸能人を酒の席に招待して、一晩相手として過ごさせる。しかも、性交の様子を盗撮して流布までしていたという事実を初めて知り、同じ女性としてショックを受けた。『必ず報道しよう』と決意した」

 カン記者は取材の過程で、新人芸能人や芸能人志望の若い女性がそうした性接待の相手になっていることを突き止め、「女性を非常に性道具化するような状況を発見した」とする。

 その上でカン記者は、「女性を性道具化し、歪曲された性意識、芸能権力を作り上げた私たちの社会の非常に大きな問題」とした。

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女性のモノ化に「NO」を突き付ける社会に
 昨年、性被害を訴える世界的なムーブメントとなった「#MeToo」運動は、韓国でも大きな広がりを見せた。人気俳優や監督、文化人、政治家などが告発を受けて謝罪し、表舞台から姿を消した。

 家父長制が根強い韓国は、もともと男性優位の社会だが、とりわけその傾向が顕著なのが芸能界だった。

 2009年に人気女優チャン・ジャヨンさんが、所属事務所からの性接待の強要を苦にして自殺したことは、韓国社会に大きな衝撃を与えた。その際に女性芸能人や芸能人の卵に行った聞き取り調査では、半数以上が性接待を強要されたと告白した。

 当時、性接待の加害者として名前が挙がった人のほとんどが嫌疑なしで解放されており、今回の問題に絡み、この事件に関しても真相究明に取り組む方針が表明された。

 また、2016年に江南駅付近で発生した女性殺害事件は、犯人の動機が“女性嫌悪”だったことから、女性たちがデモを起こすなど、社会問題へと発展した。

 いま、さまざまな要因から、韓国の女性に対する人権意識が高まっている。女性を性的なモノとして扱うことに対して明確に「NO」を突き付ける社会に、変わろうとしているのだ。それが、このスンリゲート事件への「許さない」という国民の態度を作り出しているのだろう。

盗撮被害者のプライバシー保護への意識
 実は盗撮映像を流布していたチョン・ジュニョンは、2016年にも同様の容疑で書類送検されていたが、嫌疑不十分で不起訴。その後も芸能活動を継続していた。今回、彼が芸能界引退に追い込まれた背景に、決定的な証拠が出てきたことだけでなく、社会的な批判の高まりがあったことは間違いない。

 韓国ではアダルトビデオが公に流通しておらず、男性が女性との性行為を盗撮することが以前から社会問題になっており、警鐘を鳴らすCMも放映されてきた。

 この事件に絡んだ報道で特筆すべきなのは、報道する側が「我々は誰が被害者なのか知りたくない」と強調していることだ。いま複数の女性芸能人の名前が盗撮の被害者として浮上しているが、「詮索するのは、やめるべきだ」と、テレビ局が呼び掛けている。それがSNSで拡散され、被害者のプライバシー保護への意識も広まりつつある。

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 BIGBANGは言わずと知れた韓国のトップスターだ。2006年にデビューして以来、次々にヒット曲を生み出し、「東方神起」と人気を二分する国民的アイドルとなった。日本でも6大ドームでコンサートを開いており、5人のメンバーの中でも日本語が堪能なV.Iは、日本のバラエティ番組にもたびたび出演していた。現在、彼以外の4人は兵役中で、グループ活動は休止している状態だ。

 本来ならばV.Iも兵役に就かなければならなかったが、事業を優先し、入隊を遅らせたという。彼は芸能活動以外にも、実業家としてクラブやラーメン店などの飲食店を経営していた。実業家として成功するスンリは、韓国のテレビ番組などで「偉大なるギャッツビー」からもじった「スンツビー」としてもてはやされていた。

「膿」を出し切ることができるか
 今回の事件では、V.Iが店舗の拡大や資金調達の過程で犯罪に手を染めていったことが浮き彫りになった。

 V.Iの不祥事により、これまでのBIGBANGメンバーの不祥事も再び議論の的になっている。

 2011年5月に、メンバーの1人であるD-LITEがソウル市内で乗用車を運転中、男性をひき、書類送検された。最終的には不起訴処分になっている。

 また、同年10月には、リーダーのG-DRAGONが同年5月の日本公演中、大麻を吸引していたとして、麻薬管理法違反の疑いでソウル中央地検が摘発。7月に検察の毛髪検査で陽性となり、任意で事情を聞かれていたが、韓国検察当局は彼が大学生であるうえ初犯で吸引量が少なく、取り調べに素直に応じていたことなどから、起訴猶予処分とした。

 最年長のT.O.Pは兵役中の2017年6月、兵役前の2016年10月に自宅で女性と大麻を使用していた吸引の疑いで在宅起訴。懲役10カ月執行猶予2年、1万2000ウォン(約1200円)の追徴金(吸引や投薬によって物的証拠がなくなる麻薬などの犯罪では、物品を没収する代わりに金銭を徴収される)を言い渡された。

 果たして今回の事件を機に「膿」を出し切ることができるか。韓国社会の目が注がれている。

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・「時代の変化」を物語った「タイ総選挙」バンコク現地レポート
・会談決裂「トランプvs.金正恩」(上)「全会話」と「全内幕」
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55974
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/114.html

[国際25] ヒトラーの懸念を一蹴した「大馬鹿者」ロンメル 「砂漠の狐」ロンメルの知られざる姿 第3回  
ヒトラーの懸念を一蹴した「大馬鹿者」ロンメル
「砂漠の狐」ロンメルの知られざる姿 第3回

2019.4.4(木) 大木 毅
V号戦車M型(出所:Wikipedia)
 日本では不世出の名将として語られることが多い第2次世界大戦のドイツ軍人、ロンメル。だが近年、欧米における評価が変化してきているのをご存じだろうか。40年近く認識のギャップが生じている日欧の「ロンメル論」を、軍事史研究者の大木毅氏が3回に分けて紹介する。前回は、ロンメルの指揮方法が戦術レベルでは有効だったものの、戦略の次元では通用しなかったことに触れた。今回は、第2次世界大戦の趨勢を大きく左右することになったロンメルの致命的な判断ミスを取り上げる。(JBpress)

(※)本稿は『「砂漠の狐」ロンメル』(大木毅著、角川新書)の一部を抜粋・再編集したものです。

従来の装甲部隊論争は誤解
(前回)「名将」ロンメルの歯車が狂い始めた瞬間
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55864

 1942年3月1日に西方総軍司令官に任命されて以来、ドイツ軍のゲルト・フォン・ルントシュテット元帥は、大西洋沿岸の防衛態勢の確立にいそしんできた。防衛のためには海岸地区で戦線を保持し、その間に集めた予備部隊で連合軍に反撃をかける以外に策はない。そう確信するようになったルントシュテットは、装甲部隊に重点を置くことを決める。

 装甲部隊ならば、上陸直後の敵がもっとも弱体な時期にいち早く反撃することができ、重点移動にともなう配置転換も容易だ。この装甲部隊の集中運用こそが、海岸地区の戦線を維持し、敵を粉砕することができると考えたのだった。

1917年、イタリア戦線でのロンメル(出所:Wikipedia)
 しかし、連合軍側にはドイツ装甲部隊を押しとどめる対抗策があった。上陸支援艦隊の「艦砲射撃」がそれである。ルントシュテットも、無論そのことには気がついていた。対抗するために彼が狙ったのは、歩兵部隊その他で海岸線を保持しつつ、艦砲射撃が届かない後方地点に装甲部隊を集結させ、一大反撃をかけて連合軍を撃破することだった。

 西方の装甲部隊を統一指揮するために新編され、1944年1月24日付で西方総軍直属となった司令官、レオ・ガイヤ・フォン・シュヴェッペンブルクも、ルントシュテットと同様の意見であった。ロンメルの「敵役」として語られることの多いシュヴェッペンブルクは、装甲部隊をばらばらにではなく、集中運用することが重要だとみなしていた。部隊が集結するためには、24〜48時間ほどかかるだろうが、連合軍の主攻正面をみきわめるには、それぐらいの余裕が必要だろうと考えていたのである。

 シュヴェッペンブルクは、連合軍の航空優勢下で部隊を動かす際の困難についても、充分に理解していた。だが、夜間前進によって、後方地点から装甲部隊を集結させることは可能だと考えていた。

 このように、ルントシュテットとシュヴェッペンブルク両者の見解をみれば、彼らが「連合国を内陸部に引き込んで決戦をはかろうとしていた」とする従来の説は、誤解であるとわかる。彼らもまた、艦砲の射程外の海岸堡(かいがんほ)付近での反撃を企図していたのだ。

撃退するチャンスはただ一度
 だが、かかる装甲部隊による集中反撃論に対し、「砂漠の狐」と呼ばれたエルヴィン・ロンメルが真っ向から反対したということは、よく知られている。ヒトラーが計画した「大西洋防壁」が名ばかりのものであることを実感したロンメルは、装甲部隊のみならず、すべての戦力を海岸間近に配置すべきと主張した。

 北アフリカで、連合軍の空軍力のすさまじさを体験したロンメルは、いったん上陸作戦がはじまれば、後方地点に配置された装甲部隊を海岸に召致することは、きわめて困難だとみなしていたのである。ならば、敵上陸部隊が脆弱な状態にあるうちに、現場にあるすべての戦力で攻撃をかけるよりほかに勝機はない。それがロンメルの意見だった。

 この主張を結晶化したのが、有名な「いちばん長い日」という表現であった。ロンメル自身の言葉を、以下に引こう。

「勝敗は海岸で決まる。敵を撃退するチャンスはただ一度しかない。それは、敵がまだ海のなかにいて、泥にもがきながら、陸に達しようとしているときだ。〔中略〕上陸作戦の最初の24時間は決定的なものになるだろう。この日いかんによって、ドイツの運命は決する。この日こそは、連合軍にとっても、われわれにとっても『いちばん長い日』になるだろう」

 かくのごとく、根本的な見解の相違があるのだから、装甲部隊の配置をめぐる対立、いわゆる「装甲部隊論争」は激化する一方だった。

奇妙なヒトラー指示の裏側にあったもの
 1944年4月26日、ヒトラーは装甲部隊論争に裁定を下す。要約すると次のようなものだ。

 ロンメルに3個装甲師団を与え、残りの3個は海岸から離れた後方地点に温存配備すること。ただし、後方地点の3個については、ヒトラーに直接の承認を得なければ運用することはできないものとする。

 奇妙な決定であった。一応は装甲師団を現場に預けながら、その使用には手かせ足かせをはめる。従来、この指令はヒトラーの優柔不断によるものと説明されてきた。もちろん、それは間違いではなかろう。だが、今日では「国防軍最高司令部」の意向も反映していたことが判明している。

 国防軍最高司令部は第2次世界大戦突入以来、ヨーロッパの鉄道網を活用し、東西の戦線の決勝点に遅滞なく兵を動かせる「中央予備」を握ることを熱望してきた。しかし、戦争の激化、とくに対ソ開戦以降の情勢は「中央予備」の創設を許すようなものではなかった。

 このような状態にあった国防軍最高司令部にとって、西方における装甲部隊の運用と配置をめぐる論争は、念願の戦略予備兵力をつかむチャンスだったのだ。国防軍最高司令部の参謀たちはこの機会を逃さず、ヒトラーに働きかけて現地部隊から装甲部隊の指揮権を奪ってしまったのである。

 しかし問題は、装甲部隊配置のみにとどまらなかった。連合軍の上陸地点予想についても、ドイツ軍首脳部の見解は分かれていたのである。

カレーか?ノルマンディか?
 1943年ごろまで、連合軍の上陸地点がどこになるかということは、さほど議論にならなかった。というのも、国防軍最高司令部と西方総軍はともに、上陸経路がもっとも短くなるカレー海峡(英仏海峡)に進攻するだろうと判断していたからである。そこに重点を置くべきだという見解で一致していたのだ。

 一方で、「ロンメルは連合軍がノルマンディに上陸するものと信じて疑わなかった」とする説を、唱える文献は少なくない。しかし、ドイツの一次史料に基づいた研究に従うなら、そうした主張は支持できるものではない。

 たとえば、ロンメルは1943年12月13日付の報告書で、「連合軍はまずカレー海峡をめざす」と結論づけているのである。また、1944年5月なかばに、麾下装甲師団3個のうち2個をセーヌ川の北、すなわちノルマンディから遠ざかる位置に置くよう命じてもいる。

 しかしながら、さかのぼること1944年1月15日の段階で、連合軍の上陸地点に別の可能性があることが西方総軍より報告されていた。その地点とは、いうまでもなくノルマンディである。ノルマンディに上陸すれば、カレー海峡と同じぐらい有利に作戦を展開できる。比較的短い補給路、空軍支援が充分に提供できるといった条件が満たされるうえに、上陸に適した海岸が広がっているのだった。

 それでも、ロンメルは依然として、カレー海峡がもっとも危険であるという意見に固執した。むしろ、ノルマンディ上陸の可能性を危惧したのはヒトラーであった。1944年初頭以来、彼は同地区が攻撃目標になるのではないかとの不安を覚えていたのだ。

『「砂漠の狐」ロンメル』(大木毅著、角川新書)
 1944年5月、ヒトラーは「コタンタン半島に連合軍が海岸堡を築くことが予想されるから、その地の防衛はきわめて重要になる」とロンメルに注意を喚起した。だが、それに対してのロンメルの答えはにべもないものだった。

「重点地区であるカレー海峡から、ノルマンディに兵力を移すことは不可能であります」

 独裁者を激怒させそうな回答である。だが、このときのヒトラーはノルマンディ上陸を確信しきれなかったのか、強いて自らの主張を押し通そうとはしなかった。結果として、ドイツ軍首脳部のほとんどは、連合軍はカレー海峡に来るとの想定のもとで上陸準備を進めた。つまり結果的に、彼らは自ら奇襲を招き入れることになったのである

 電話で、敵がノルマンディに上陸したとの警報を受けたロンメルは、「私はどうかしていた。大馬鹿者だ」とつぶやいたという。

http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/886.html 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55866
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/903.html

[経世済民131] 金融政策の日本化は万国共通、日銀の生産性上昇説は誤り−早川元理事 大統領が何言おうとFRBは耳を貸さないミネアポリス連銀
金融政策の日本化は万国共通、日銀の生産性上昇説は誤り−早川元理事
日高正裕、藤岡徹
2019年4月4日 6:00 JST
好況時利上げできず後退時に打つ手ないのがジャパニフィケーション
人手不足なのに賃金上がらない最大の理由は生産性下がっているから
日本銀行元理事の早川英男氏は、低成長・低インフレに陥る「ジャパニフィケーション(日本化)」は今や万国共通になりつつあるとした上で、そこから脱却する最大の鍵は生産性上昇だが、発祥地の日本では日銀の主張と裏腹に生産性が一貫して低下傾向にあるとの見方を示した。

  早川氏は2日のインタビューで「成長率が低く物価も低いため、景気拡大局面で金利を上げられず、景気後退局面で打つ手がなくなるのがジャパニフィケーションだ」と指摘。現に日本はこのまま景気後退局面を迎えようとしており、欧州が完全に日本化し、利下げ余地が2%しかない米国もかなり近づいてるとし、「ジャパニフィケーションという病気は万国共通になったという感じがする」と述べた。

ECB President Mario Draghi Announces Rates Decision
欧州中銀(ECB)Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg
  そうした中、日銀は実質賃金の労働生産性からの乖離(かいり)率として算出した実質賃金ギャップの下落に基づき、生産性の向上が物価上昇を阻んでいると主張している。早川氏は「人手不足なのに賃金が上がらない最大の理由は、生産性が下がっているからだ。日銀が言っている話と全然違う」と反論した。

  根拠として挙げるのが全要素生産性(TFP)の低下だ。TFPは技術進歩や生産効率化など経済全体の生産性を示す指標で、経済の実力である潜在成長率は労働投入、資本投入、TFPの3つで決まる。日本は労働投入の先細りは必至で、持続的成長の実現にはTFPの底上げが必須だが、足元で0.10%(日銀推計)とアベノミクス以前の1%前後から一貫して低下傾向にある。

  潜在成長率は足元で0.66%(同)とアベノミクス開始前からほぼ横ばいだ。早川氏は、高齢者や女性の参入で「労働参加率が上がって労働投入が増えたのに、潜在成長率が上がってないのはTFPが下がっているからだ」と指摘。大胆な金融政策を行っても「潜在成長率が上がらないことにはジャパニフィケーションから抜け出せない。日銀の力だけではいかんともし難い」と述べた。

生産性上昇説の根拠
  黒田東彦総裁は昨年10月の会見で、省力化投資やIT投資、サービス業の合理化が「さまざまな形で労働生産性を引き上げ、賃金はある程度上がっても、それが価格に転嫁されにくいという状況も起こっている」と述べた。日銀が生産性上昇の根拠として経済・物価情勢の展望(展望リポート)に掲載したのは、法人企業統計を基にした実質賃金ギャップだ。

  早川氏は「法人企業統計の対象は営利法人だけで、政府部門、個人企業、非営利法人は入っていない。日本全体をカバーするGDPと対象範囲が全く違うため、生産性は圧倒的に過大評価になる」と指摘。生産性の伸びが低い介護が急拡大して生産性を大きく押し下げているが、主に担っているのは非営利の社会福祉法人なので、同統計では「その問題も表れない」と述べた。

  実質賃金についても「企業負担の社会保険料込みで、消費者物価ではなくGDPデフレータで実質化しているため、普通に考える実質賃金よりもうんと高く伸びている」と指摘した。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「日銀は労働分配率は結果的に高めに出るGDPで推計しているが、生産性は高めに出る法人企業統計で推計しており、都合の良い方を取っているように見える」としている。

展望リポート
  日銀は25日の金融政策決定会合後に公表する展望リポートで、2021年度までの物価上昇率の見通しを示す。早川氏は「さすがに2%近い数字を置くのは無理だ」とした上で、「方向感として徐々に上がっていくという姿だけは残すだろう。だから現時点では政策発動は必要ないという内容になる」との見方を示した。

  早川氏は1977年に日銀に入行し、チーフエコノミストである調査統計局長や理事を歴任。2013年4月に富士通総研経済研究所に入社、エグゼクティブ・フェローを務める。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPDKD36K50XT01?srnd=cojp-v2


 
ビジネス2019年4月4日 / 07:55 / 1時間前更新
大統領が何を言おうとFRBは耳を貸さない=ミネアポリス連銀総裁
Reuters Staff
1 分で読む

[3日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は3日、連邦準備理事会(FRB)の当局者らは金利に関する決定を行う際に経済指標に注意を払うが、政治や政治家の希望には耳を貸さないと述べた。

総裁はノースダコタ州で開かれた会合で「大統領は自由に希望を述べることができる」とした上で「私や私の同僚は全く注意を傾けていないと断言できる」と語った。

トランプ政権は繰り返しFRBによる昨年の利上げを批判しており、トランプ大統領は前週末にFRBが利上げで米国経済と株式市場に打撃を与えたと非難している。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
トップニュース2019年4月4日 / 07:55 / 34分前更新
今日の株式見通し=底堅い、外部環境は平穏 上値は3月高値がめどか
Reuters Staff
2 分で読む

[東京 4日 ロイター] - きょうの東京株式市場で、日経平均株価は底堅い展開が予想されている。前日の米国株市場で主要3指数は小幅に上昇。為替は1ドル111円半ばで落ち着いた値動きとなっており、東京市場の序盤は小幅高で始まるとみられる。半導体や設備投資の関連銘柄が買われれば上げ幅を拡大しそうだが、3月高値や200日移動平均線がいったんの上値めどとして意識される。

日経平均の予想レンジは2万1600円─2万1850円。

米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長が米中通商協議が進展しているとの認識を示し、近い将来の合意期待が強まった。前日の米国株市場では中国販売に依存度の高い半導体銘柄が上昇。フィラデルフィア半導体株指数.SOXは一時3%高となり、過去最高値を更新した。[nL3N21L46Z]

為替も1ドル111円半ばと、外部環境は落ち着いている。シカゴの日経平均先物6月限(円建て)清算値、大阪取引所の夜間終値は2万1760円と、ともに現物指数の前日終値を小幅に上回っており、朝方は同水準を意識して、やや買いが先行するとみられる。

米国株市場の流れを引き継ぐ形で東京市場でも景気敏感セクターが買われれば全体相場も強含みそうだが、3月の戻り高値(2万1860円39銭)や200日移動平均線(2万1922円38銭)が近づくところでは利益確定や戻り待ちの売りも出そうだ。

買いが続かなければマイナス転換する可能性があるものの、下押しは限定的とみられている。「4月は外国人投資家が18年連続で買い越しており、強含む傾向がある。米国株が堅調に推移する中、日本株の出遅れ修正期待も出やすい」(みずほ証券のシニアテクニカルアナリスト、中村克彦氏)との声が出ていた。

前営業日終値 年初来高値 年初来安値

日経平均.N225      21713.21 21860.39 19241.37

+207.90 2019年3月4日 2019年1月4日

シカゴ日経平均先物6月限 21760(円建て)

*内容を追加しました。

杉山健太郎
https://jp.reuters.com/article/fed-kashkari-trump-idJPKCN1RF2UI
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/799.html

[経世済民131] 賃金低迷と消費停滞の「悪循環」を日銀の金融政策が加速する理由 日銀の超金融緩和が7年目に突入、出口がますます見えない事情
2019年4月4日 野口悠紀雄 :早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問
賃金低迷と消費停滞の「悪循環」を、日銀の金融政策が加速する理由

 アベノミクスの6年間は、零細企業で売り上げが停滞ないしは減少するため、人員が整理され、それが低賃金労働の供給源となって、平均賃金の伸びを抑えている。
 前回(2019年3月28日付け)の本コラム「給料が増えない真因は零細から大中企業へ供給された『低賃金労働力』」で、このように書いた。
 今回、業種別の状況を見ると、非製造業、なかでも小売業や飲食サービス業で減量経営の必要性が著しく、それが低賃金労働の供給源になっている。
 このようにして、賃金低迷と消費停滞の「悪循環」が生じているのだが、この悪循環には日本銀行の金融政策も影を落としている。

非製造業では
人員は増えたが、賃金は抑制
 まず、製造と非製造について、安倍政権が始まった2012年10〜12月期から18年10〜12月期の変化を比較しよう。
 図表1に示すように、営業利益の増加率(2018年10〜12月期と12年10〜12月期の比率。以下同じ)は、製造業で1.84であり、非製造業の1.44より高くなっている。
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 ところが、売り上げ増加率は、製造業で1.12、非製造業で1.17であり、非製造業のほうが高い。
 このように、売り上げ増加率は製造業のほうが低かったにもかかわらず、利益増加率は高かったのだ。
 円安の影響で輸出が増えたことが製造業の利益増に寄与したと思われているが、そうではないことが分かる。
 では、製造業の利益増をもたらしたのは、何だったのだろうか?
 それは、総原価の動向である(注)。
 第1に、人件費がある。人件費増加率は、製造業では1.04と抑えられたが、非製造業では1.08になった。
 この差は何によって生じたのか?
 賃金伸び率は、製造業1.05、非製造業1.03と、あまり差がない。むしろ、非製造のほうが抑えられている。
 ところが、非製造業では、人員が増えたのだ。人員増加率は、製造業では0.99だったが、非製造業は1.05になった。
(注)ここでは、「売り上げ原価」と「販売費及び管理費」の和を「総原価」と呼んでいる。
 製造業では機械化などによる生産性向上の余地があったので、人員を減らしても売り上げ増に対応できたが、非製造業(とくに介護などのサービス業)ではそうしたことができないため、人員を増加させざるを得なかったのだと考えられる。
 そうした制約の下で人件費を抑えるべく、非正規労働者を雇って平均賃金を抑えて対応したのだ。
 製造業と非製造業の総原価の動向におけるもう1つの違いは、人件費以外の原価総額だ。
 増加率は、製造業では1.11だが、非製造業では1.18となっている。
 このように製造業で人件費以外の原価でも増加を抑えられたのは、原油価格低下の影響だろう。
 非製造業で総原価を抑えられなかったのは、逆に原材料価格が上昇したからだろう。円安による農産物などの価格上昇がそれをもたらした可能性が高い。
 つまり、円安は、企業利益を増やすよりは、非製造業の利益を減らす方向に効いたことになる。
 以上で見たように、製造業の利益を増加させたのは、円安でなく、人件費の低下だったのだ。

小売り、飲食サービス業は人員削減
低賃金労働力の供給源に
 つぎに、非製造業について、産業別の売り上げや人員等の変化の状況を見ると、図表2のとおりだ。
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 人員減が顕著なのは、小売業と飲食サービス業だ(注)。
 人員の変化率は、小売業では0.90、飲食サービス業では0.89であり、両業種とも人員をほぼ1割減らしている。
(注)減少率で見ると広告業も高いのだが、人員数自体はあまり多くない。2018年10〜12月期における人員数は、小売業442万7508人、飲食サービス業131万1335人に対して、広告業は47万6057人だ。
 図表1で見たように、人員は全産業で約3%伸び、非製造業では5%伸びているのだから、この2つの業種で1割も減ったのは、注目される。
 これらの業種が、低賃金労働の供給源になった可能性が高い。
 なぜ、人員が減ったのか? それは、どちらの場合も、減量経営をせざるを得なかったからだ。
 減量経営が求められた理由は2つある。
 第1の理由は、売り上げが停滞ないしは、減少したことだ。
 図表3に示すように、小売業の売り上げは、全規模でも約1割減った。
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 他の業種では売り上げが10%以上伸びている場合が多いのに対して、小売業は全体としても売り上げが減っているのだ。このため、小売業は人員を削減せざるを得なくなった。
 小売業の2012年10〜12月における人員計は490万2997人だったので、これが1割減少したことの影響は極めて大きい。
 なお、小売業の資本金2000万円未満では、この期間に売り上げが半減するという惨状だ(図表3参照)。
 この階層だけで、人員は146万7527人から112万8289人へと33万9238人減少した。
 飲食サービス業では、全規模で9%の売り上げ増だ。増えてはいるが、非製造業平均よりは低い。また、資本金2000万円から10億円では売り上げが増えているが、2000万円未満では6%減だ。
人員減の一因、原材料費の高騰
円安はむしろ痛手に
 この2つの業種だけでなく、売り上げの動向と人員の動向には、密接な関係がある。図表2のデータを散布図に示すと、図表4のようになる。
 この図では、横軸が売り上げの増加率、縦軸が人員の変化率だ。
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 図表を見れば、売り上げの増加が高い業種で人員が増え、売り上げが停滞または減少する業種で人員が減っていることが分かる。
 一番右上にあるのが医療、福祉業であり、左下にあるのが小売業である。
 医療、福祉業では、12年10〜12月から18年10〜12月の間の増加数は、29万4744人だ。これは、同期間における資本金2000万円未満の小売業の人員減少33万9238人と、ほぼ同程度のものだ。
 ただし、医療や福祉の分野では、法人形態以外の事業主体が多い。したがって、この分野での人員増は、もっと多かったと考えられる。
 そして、この分野の平均賃金は低い。このことが全体の賃金を引き下げる効果は高かったと考えられる。これについては後で述べる。
 飲食サービス業が減量経営せざるを得なくなった第2の理由は、人件費以外の総原価の伸びが大企業以外では著しいことだ。
 売り上げ増加率が1.09だったのに対して、人件費以外の総原価増加率は1.29だ(図表1)。
 これは原材料費が高騰したことの結果だろう。円安によって輸入農産物などの価格が上昇した影響も大きかったと考えられる。

消費停滞が賃金低迷をもたらす
日銀の政策は「悪循環」を加速
 小売業の売り上げが、全規模でも減っているのは注目すべきことである。
 これまで書いたような事情で賃金が上がらず、したがって消費が増えない。消費が増えないことの影響は、とくに小売業の売り上げに影響を与えた。
 そして、売り上げが伸びないために人員削減を行なう。
 ところが小売業には零細企業が多く、もともと低賃金なので、そこから放出された労働力が、他産業に低賃金労働者として供給される。
 こうして売り上げ減→低賃金労働の供給→平均賃金低迷→消費停滞という悪循環を引き起こすことになる。
 賃金の伸び悩みが消費の停滞を招いていることは、しばしば指摘される。ただ、問題はそれだけではないのだ。
 これまで指摘してきたメカニズムによって、消費の停滞が賃金の停滞をもたらしているのである。
 これがこの分析で見いだしたことであり、これまで意識されていなかった重要なメカニズムだ。
 アベノミクスによって「経済の好循環が生じている」と言われることがあるが、実際に起きているのは、まったく逆のことである。低賃金と消費停滞の悪循環が生じているのだ。
 日本銀行は、物価上昇率を高めることを政策目標にしている。しかし、これは、経済に対して抑圧的に働くことに注意が必要だ。
 名目賃金が抑えられている状況では、物価上昇は実質賃金の伸びを低下させ、それによって消費の伸びが低下する。
 それだけではなく、上記の悪循環を促進している。
 ここで見たように、非製造業の利益増加率が製造業より低くなるのは、総原価の伸び率が高いからだ。
 これは、原材料価格高騰の影響と考えられる。原材料価格上昇はとりわけ飲食業において顕著に生じており、それがこの業種での人員削減の大きな原因となっていると考えられるのである。
 この意味で、物価上昇は悪循環を加速させる。
(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 野口悠紀雄)
https://diamond.jp/articles/-/198754

 
2019年4月4日 加藤 出 :東短リサーチ代表取締役社長
日銀の超金融緩和が7年目に突入、出口がますます見えない事情
麻生太郎財務相
インフレ率2%の目標を掲げる日本銀行の金融政策について、「2%にこだわり過ぎるとおかしくなる」と持論を語った麻生太郎財務相 Photo:つのだよしお/アフロ
「賃金や報酬はこの数年で顕著に上昇した。単位当たりの労働コストはインフレを超えて上昇している。それがインフレにつながらない。理論的にはそれは企業のマージンを圧縮し得るため、永久には続かないのだが」

 米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、3月20日の記者会見でそう語った。米国でも少し前までは賃金上昇ペースが景気回復の割に高まらないといわれてきた。

 しかし、激しい人手不足を反映して、さすがに平均賃金はリーマンショック前の好況期に近い、高い伸びを示すようになってきている。それなのにFRBが重視するインフレ指標は2%を下回った状態がしばらく続きそうなのだ。

 パウエル氏が言うように、その持続性には限界がある。インフレがどこかで加速し始めたり(その場合、FRBは利上げを再開するので金融市場は大騒ぎになる)、米経済の失速とともに賃金の伸びが落ちてきたりする可能性もある。

 ただいずれにしろ、かつてよりも「賃上げ→物価上昇」という関係はシンプルには表れにくくなっている。グローバリゼーションやデジタル革命の影響もあるだろう。

 これは日本銀行にとって、FRB以上に悩ましい話といえる。日銀はインフレ率が2%を安定的に上回るまでマネタリーベースを増加させ続ける(つまり超金融緩和を続ける)と宣言しているからだ。

 ゴールは2%前後ではなく、それを上回った状態なので、日銀はこの宣言を「オーバーシュート・コミットメント」と称している。だが、日本よりも景況感ははるかに強く、しかも日本よりしっかりと賃金も伸びている米国でさえ上述のような状況なので、日銀の「オーバーシュート・コミットメント」の達成は全く見えてこない。

 この4月4日で日銀の超金融緩和策は7年目に突入する。2年でインフレ目標を達成できなければ責任を取って辞任するとまで言っていた岩田規久男元副総裁は、退任後の最近のインタビューで次のように述べている(「西日本新聞」2月17日付)。
Q:「物価は2%に届くか」
A:「届かないだろう。少子高齢化が進み、現役世代は老後の年金に頼れないと感じている。貯蓄に励まざるを得ない。消費が弱すぎるので、企業も設備投資や賃上げができない」
Q:「追加緩和はできるか」
A:「銀行がつぶれる恐れがあり、金融政策の深掘りはできない。金融政策と政府の財政政策が協調する必要がある」

 つまり、日銀が今の超緩和策を粘り強く継続しても、それだけではインフレ目標達成は困難であることを、リフレ派の代表的人物ですら認める状況になっている。

 しかし、深刻なのは世界経済の減速懸念と相まって、超緩和策の出口がますます見えなくなってしまった点にある。麻生太郎財務相はいみじくも3月15日に、「(インフレ率)2%にこだわり過ぎるとおかしくなる」「2%に上がらなかったからけしからんと言っている国民はいないと思う」と述べた。

 安倍晋三首相はそこまで踏み込んだ見方はしていないので、日銀が2%目標の「看板」を下ろす確率は低い。しかし、日銀によって金利水準が短期から10年国債までマイナス圏に沈められた状況が長期化すれば、日本の金融システムは不安定化し、それが地方経済の悪化を加速させる恐れが強まる。

 せめて政策運営の柔軟性を高める工夫を日銀は模索すべきである。

(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)
https://diamond.jp/articles/-/198760

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/801.html

[経世済民131] 米株の強みとコストの怖さ アマゾン株2021年までに2倍$3000 米欧大手銀、危機後80万2000人を削減一部で人員増

米株の強みとコストの怖さ

 「アメリカ株の強みとコストの怖さ」と題する日経新聞の記事を紹介します。これは、ウォーレン・バフェット氏が年に一度、バークシャーハザウェイの株主に送る手紙で、今年はアメリカ株に投資する強みとコストの怖さを指摘したと紹介しています。
 株高が多くのアメリカ国民の幸せに結びつく構図が、アメリカ株の長期上昇トレンドを維持させていることや、売れ筋投信の多くが、高コストのアクティブ型である日本の投資家こそ、ことの重要性を知るべきかもしれないとしています。
https://asset.ohmae.ac.jp/wp-content/uploads/2019/04/kolive20190324_01.jpg

 少なくとも日本であれアメリカであれ、米国株を組み込んでいるものが、投資信託では成績がトップなのです。日本株やその他の国の株は、時々は良くなりますが、長期に渡っていいものというのは、米国株しかないのです。その点でアメリカは強いのです。

 トランプ大統領は、なんとなく自分たちは敗北している、負けているという演出をしていますが、実際にはアメリカが、最先端の産業、つまりGAFAのようなところが非常に強く、不動産も含めて強いのです。例えば、アマゾンのような企業は、シアトルの地価をどんどん上げており、今後、第二本社、第三本社と作っていくところも、どんと地価が上がるでしょう。
 このように、アメリカではまだまだ上がっていく仕掛けがあるわけです。さらに、世界でも最高水準で、IT技術者や高付加価値業務に従事する労働者の賃金を上げていっているというわけです。

 そして株も上がり、その上がった株を組み込んでいるETFのようなものが上がるのです。それにより、ほとんどの投資信託は、日本の年金でも、そういうものを組み込まないとダメなのです。そして10年20年経ってみると、それが実際に勝つのです。
 他の国は一喜一憂の動きをしているのに対し、米国の方は、リーマンショックやブラックマンデーなど、いろいろなショックもありますが、ずっと長い目で見ると一番上がっているということなのです。

米国政策金利

 FRBは20日のFOMCで、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利の誘導目標を、年2.25%から2.5%のまま、据え置く方針を全員一致で決定しました。海外経済の成長鈍化が逆風となり、アメリカ経済も予想より減速していることを受けたもので、2018年12月に続く追加利上げも見送りました。

 トランプ大統領がパウエル議長に勝った、などということも言われていますが、しかしパウエル議長の今回の発表は、少し情けないものでした。海外経済の成長鈍化が理由だと言っているわけですが、実は金利が大きな問題なのです。

 ECBも日銀も金利は0に張り付いています。日銀の方はさらにマイナス金利にもなっています。それに対し、自分のところは階段状に2.5まで上がってきているという状況なのです。このペースで、アメリカ企業は依然として好調であり、ただここにきて、これ以上金利を上げる理由が見当たらないので据え置くと言えばよかったのです。

 それを他の国が原因だとしたのです。それよりもやはり、欧州、日本という巨大経済に対して、自分の所だけが金利が上がり、それに米国経済はよく持ちこたえているわけです。それをしばらくは維持するということであり、日本、および今後ゼロ金利を止めると言うヨーロッパ中央銀行などの動きを見て、その上で決めていこうという話なのです。

 それを、あのような惨めな言い方をする必要はなかったと思うのです。なんとなく、トランプ大統領の前で命乞いをしているような感じがして、私はとても不愉快でした。パウエル議長がここまで言うのかというふうに感じたのです。

日米欧の中央銀行の総資産残高

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 一方、中央銀行の総資産残高を見ると、FRBはその水準を下げてきています。一方で日銀はまだ増加を続けています。ここにリスクがあるのです。ヨーロッパも増してきています。
 こういった点でFRBは、既に自分のリスクというものをマネージできているのです。ですから、もう少し言い方を工夫したほうがよかったのではないかと思います。一方、日本はどうなのかというと非常に問題が大きいという現状は変わりません。

【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座 学長
大前 研一
3月24日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
▼講座受講をご検討頂いている皆さまへ


▼その他の記事を読む:
【前回の記事】独禁法審査に例外規定導入検討(大前 研一

https://asset.ohmae.ac.jp/mailmagazine/backnumber/20190403_1/


 

アマゾン株、2021年までに2倍とアナリスト−3000ドル視野
Kamaron Leach
2019年4月4日 10:44 JST
• AWSや広告など成長ペース、中核の小売部門を上回る
• ヘルスケアなど新ビジネスにも期待−処方薬や市販薬で役割果たす

The logo of US online retail giant Amazon.
Photographer: GUILLAUME SOUVANT/AFP
米アマゾン・ドット・コムの強気派アナリストからすれば、同社株が2019年に2桁の上昇を記録しても大したことではない。株価が今後2年で約2倍になると見込んでいるためだ。
  ジェフリーズのブレント・シル氏はアマゾン株がなお過小評価されており、「潜在的成長機会の多くが正しく評価されていない」と話す。同社はアマゾン株が21年までに3000ドルへと上昇するロードマップを作成。3日のアマゾン株は一時0.9%高の1830ドルを付けた。日中ベースで昨年10月18日以来の高値。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iXNzk5tKsTxc/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png
  ジェフリーズの「サム・オブ・ザ・パーツ」モデルは約65%のアップサイドを見込む。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や広告、サードパーティーセラーサービスなど利益を上げる部門の成長ペースが中核の小売部門を軒並み上回っているとした。
  こうした予想にはヘルスケアなど新ビジネスから生じる上値余地は含まれていないとシル氏は説明。アマゾンは処方薬や市販薬で意味ある役割を果たす見通しだという。
  アマゾン株は昨年12月終盤の安値から約35%上昇したが、「売上高の伸び鈍化や投資強化を巡る投資家の懸念」を受け、直近の決算発表以降は上値が抑えられているとジェフリーズはみている。「買い」の投資判断と1年後の目標株価2300ドルを維持した。
原題:Amazon Stock Set Up to Double by 2021 to $3,000, Jefferies Says(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-04/PPEUYZ6TTDS601?srnd=cojp-v2

 


米欧の大手銀行、危機後に80万2000人を削減−一部では人員増の動き
Yalman Onaran
2019年4月4日 9:28 JST
16社で80万2000人減、そのうち9社で7万6000人創出
投資銀とトレーディング業務で人員減、コンプライアンス関連職は増
米欧の大手銀行は2008年の金融危機以来、何十万人もの人員を減らし、一部ではまだ削減が続いているものの、流れを反転させ少しずつ人員を増やしている銀行もある。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、米欧の16金融機関は危機後に合わせて80万2000人を減らしたが、そのうち9社では7万6000人分の新規ポジションが創出された。JPモルガン・チェースとBNPパリバは危機後の削減分をほぼ取り戻した。

Rebound
Some banks stopped reducing staff in recent years and have been adding


Source: Company filings

Cuts show from the peak employment level for each firm, ranging from 2007 to 2011. Additions are from the trough, also reached at different times ranging from 2013 to 2017.

  危機後の削減規模が最大級だったシティグループとロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は18年も削減を続けた。大半の金融機関よりも遅く削減を開始したドイツ銀行は、これから大規模な削減があるとしている。

Still Cutting
Some global banks haven't stopped reducing staff levels since the crisis


Source: Company filings

Citigroup's peak employment was in 2007. Royal Bank of Scotland and Unicredit peaked in 2008, Bank of America and Deutsche Bank in 2010.

  コーリション・デベロップメントによると、投資銀行とトレーディング業務に携わるフロントオフィスの人員数は18年に5年連続で減少した。一方、コンプライアンス(法令順守)関連の職は増えた。

  こうした相反する動きの結果、ゴールドマン・サックス・グループとクレディ・スイス・グループでは人員数はほぼ変わらずとなっている。

Small Fluctuations
Two big banks have avoided drastic workforce shifts


Source: Company filings

Figures show end-year staff levels at each firm.

原題:After Cutting 802,000 Jobs, Some Big Banks Are Now Adding Staff(抜粋)

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/802.html

[政治・選挙・NHK259] 異次元緩和の副作用は明白 竹中氏「政府は成長戦略に本腰を」 日銀は物価2%目標脱せよ 翁百合日本総合研究所理事長が見解 
異次元緩和の副作用は明白 竹中氏「政府は成長戦略に本腰を」
2019.4.4 11:38

 小泉政権で経済財政政策担当相などを務めた竹中平蔵東洋大学教授は、日本銀行の異次元緩和の副作用は明白だとしたうえで、景気が悪化しても日銀に残された手段は少ないため、政府は規制緩和など成長戦略に本腰を入れるべきだとの見解を示した。今年10月に消費税増税が実施されれば景気後退局面に向かう可能性が高まるとし、延期が必要との持論も重ねて主張した。

消費税より歳出改革

 竹中氏はインタビューで、異次元緩和は物価がプラスとなる効果を示す一方で、「副作用は間違いなく出ている」と明言した。「リーマン・ショック以降10年続いた大いなる安定が最終局面を迎えている」とし、景気後退の際には「追加緩和策は限られている。金融政策で景気を刺激するのは難しい」と指摘。「今の政策を我慢強く続け、政府はもっと規制緩和をしろということだ。打ち出の小づちはない」と語った。

 消費増税に関しては、財政の健全化のために実施するといわれているが、「消費税を上げても財政の健全化にならない」との見方を示した。財政赤字の最大の原因は社会保障問題であり、税率を30%まで上げるなら別だが、社会保障に含まれている非合理的な部分を改革しない限り財政健全化はできないと指摘。「まずやるべきは歳出の改革であり、消費税の引き上げではない」と述べた。

 政府・日銀は2013年1月の共同声明で、日銀ができるだけ早期に2%物価目標の実現を目指すとともに、政府は大胆な規制・制度改革など経済構造変革と持続可能な財政構造の確立に向けた取り組みを着実に進めることを公約した。しかし、2%目標の達成には程遠く、政府の成長戦略や財政再建も進んでいないとの批判が根強い。長期化する超低金利政策の副作用を懸念する声も増えている。

 竹中氏は、日銀の異次元緩和は物価目標を設定して思い切った金融緩和で人々の期待を一気に変える短期決戦的な政策で、「本当は短期で元に戻したかった」と語った。政府も呼応して改革するはずだったが、「規制緩和は大きく進まなかった。だから地方では投資機会がない」との見方を示した。

大胆な規制緩和必要

 長期化する超低金利政策や人口や企業の減少で、地域金融機関の預貸利ざやが縮小し、経営環境が悪化している。打開策の一つとみられるのが再編だ。安倍晋三首相は昨年11月の未来投資会議で、地域銀行の再編について「独占禁止法の適用に当たっては地域のインフラ維持と競争政策上の弊害防止をバランスよく勘案し、判断を行っていくことが重要だ」と言及。事実上、政府によるお墨付きを与えた。

 同会議の議員を務める竹中氏は、県内での独占的な融資シェアを理由に合併を認めないという公正取引委員会の判断は「昭和というより明治の判断」とし、旧態依然だった競争政策が変わることについては歓迎する。ただ、「合併を自由に許せば地銀が良くなるかというと、そんなことはない。悪くなる程度がちょっと和らぐことはあっても、それによって地銀が復活することは考えられない」と語った。

 その理由として地方に投資機会がないことを挙げ、「人口が減る中で投資機会がないという問題にメスを入れない限り、一時しのぎの政策は取れても根本的な解決にはならない」と指摘。国と地方自治体が大胆な規制緩和を進めることが地域金融機関の復活のためにも不可欠との見方を示した。(ブルームバーグ Emi Urabe、Masahiro Hidaka)
https://www.sankeibiz.jp/macro/print/190404/mca1904041138011-c.htm

 

日銀は物価2%目標脱せよ 翁百合日本総合研究所理事長が見解
2019.4.4 11:41

 日本銀行出身の翁百合日本総合研究所理事長はインタビューに応じ、日銀は2%の物価目標至上主義から脱し、将来のリスクを最小化するよう、より広い視野で金融システムの安定や地方経済、財政健全化など日本経済全体に目配りしていく必要があるとの見解を示した。

潜在的リスク拡大

 翁氏は「地域金融機関の業務粗利益に占める資金利益の割合は9割と預貸利ざやに依存する収益構造になっている。低金利による基礎的収益力の低下で自己資本も徐々に圧迫されている」とし、金融システム面で中期的なリスクが潜在的に大きくなっていると指摘。「地域金融機関は地方経済を支えているので、資金仲介が機能しなくなると実体経済にすごく影響が出る」と語った。

 翁氏は、信用秩序の維持は「日銀法第1条に定められた重要な役割」であり、金融庁だけの仕事ではないと説明。日銀は、物価だけでなく「少し広い視野で日本経済全体への目配りが必要だ」と語った。リーマン・ショック後の金融危機への対応が遅れた反省から、英イングランド銀行内に設置された金融行政委員会(FPC)に倣い、日銀内に信用秩序維持政策を討議する委員会の設置を提案した。

 黒田東彦総裁は昨年9月の会見で、金融機関は「適切な経営管理体制、特にリスク管理体制を整備していくことが必要」としながらも、「これは直接的には金融庁の仕事かもしれない」と言明。日銀としては、考査やモニタリングで金融機関の取り組みを後押しする補助的な役割にとどまるとの立場を明確にしている。

 国際決済銀行(BIS)は昨年7月、黒田総裁も出席した2017年6月の年次総会の議論をまとめた報告書「Low for Long or turning point?」(低金利をもっと長く続けるのか、それとも転換点か)を公表した。そこには「過去20年間、社会福祉をより大きく損ねてきたのは物価ではなく、金融危機だった」という討論者の反省の弁が書かれている。

 翁氏は「2%至上主義を再考した方がいいという議論が中央銀行サークルからも出ている」と指摘。地方経済の持続可能性を考えた時、「2%達成がずっと展望できない中で、これがいつまで続くのかという不安を多くの金融関係者は持っている」と語った。その上で、日銀も物価の安定のみならず、「金融システムの安定や社会福祉を考えた上で何が必要か考えていく必要がある」と主張した。

財政に副作用懸念

 長期金利の0%誘導が財政に与える副作用にも懸念を示す。「スウェーデンで1980年代に財政健全化が進んだきっかけは長期金利の高騰だった。金融政策で長期金利を抑えているので、市場の警告が遮断されている」と分析。大量の国債購入で流動性が低下し、ボラティリティー(変動率)が上がりやすいことも、「回り回って金融システムの安定性に影響する」との見方を示した。

 黒田総裁は2014年9月の会見で、政府の財政健全化の努力に市場が疑念を持てば「政府・日銀としても対応のしようがないということにもなりかねない」と強い警告を発した。ただ、最近は「財政運営は政府・国会の責任で行われるものであって、中央銀行からどうこう言うことではないのかもしれない」(昨年6月の会見)と述べるなど、財政規律については消極的な発言に終始している。

 出口で金利が上がれば、保有国債の評価損や企業倒産に伴う信用コストが増え、一般会計の4分の1を占める国債費も拡大する。翁氏は「これだけ長く低金利が続いていると、金融システムや財政を健全に保ちながら正常化するのはとても難しい」と指摘。出口は単に技術的な問題ではなく、「金融システム安定や財政健全化ができて初めて可能になるので、総合的に議論が必要だ」と語った。

 翁氏は1984年に慶大大学院修士課程修了後、日銀入行。92年に日本総研に移り、2018年から理事長。1990年代半ばの住専問題を議論した金融システム安定化委員会委員、金融審議会委員などを歴任。2011年に京都大学博士(経済学)。(ブルームバーグ Masahiro Hidaka Emi Urabe)
https://www.sankeibiz.jp/macro/print/190404/mcb1904041141026-c.htm
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/297.html

[国際26] 投資資産の年次評価、米民主が復活案「富裕層の課税抜け穴塞ぐ」ウォール街報酬5%減、手数料水準や不安定な市場がボーナス圧迫
投資資産の年次評価 米民主が復活案「富裕層の課税抜け穴塞ぐ」
2019.4.4 09:55

 米上院財政委員会の民主党筆頭理事、ロン・ワイデン議員は富裕層の投資資産への課税を資産売却時ではなく毎年実施する案を復活させようとしている。同案はキャピタルゲイン課税のタイミングを抜本的に変えるものだ。富裕層の投資家は毎年、保有資産の評価額に基づいて納税することになる。現行税制では、投資資産売却時のみに納めればよい。同案は共和党が上院とホワイトハウスを掌握している間は法制化される可能性は低いものの、2020年大統領選に先立ち、民主党候補者らが争点の一つとして取り上げる公算が大きい。ワイデン議員は2日の発表資料で、「一部の人が賃金労働者よりも低い税率を適用され、納税を無期限に遅らせたり、課税を逃れたりすることさえある税の抜け穴をこの案は塞ぐものだ」と説明した。(ブルームバーグ Laura Davison、Lynnley Browning)

https://www.sankeibiz.jp/macro/print/190404/mcb1904040955021-c.htm



ウォール街報酬5%減予測 手数料水準や不安定な市場環境がボーナス圧迫
2019.4.4 09:53

米大手金融機関が軒を連ねるウォール街の標識=米ニューヨーク(ブルームバーグ)

 米報酬コンサルティング会社ジョンソン・アソシエーツは、米金融機関従業員の2019年の報酬が前年に比べやや減少する可能性が高いとの見通しを示した。手数料水準や不安定な市場環境がバンカーのボーナスを圧迫するという。

 同社は、19年の基本給について4〜5%増加する見込みだが、報酬全体としては約5%減ると予測。銀行は「最新技術に関する人材の獲得競争をめぐり不安を抱え続けている」とも指摘し、一部労働が自動化されるのに伴い、企業は人員規模縮小を目指していると警告した。

 アラン・ジョンソン氏率いるジョンソン・アソシエーツは自らが称する「大胆不敵な予測」を年初に示し、その後数カ月後にその見通しを更新することがある。ニューヨークを拠点とする同社は、銀行やヘッジファンド、プライベート・エクイティ(PE、未公開株)投資会社、資産運用会社に報酬コンサルティングを提供する。(ブルームバーグ Jenny Surane)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/190404/mcb1904040953023-n1.htm
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/115.html

[国際26] 米軍駐留経費負担増を要求するトランプの考え方に足りない点 内憂外患、エルドアン大統領に陰り、地方選敗北、対米関係の悪化 

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

米軍駐留経費負担増を要求するトランプの考え方に足りない点

2019/04/04

岡崎研究所

 トランプ大統領の米軍経費負担要求戦略「コスト・プラス50」については、様々な批判がある。「コスト・プラス50」とは、同盟諸国に対して、駐留米軍経費の全額プラス50%を負担すべきだというトランプ大統領の要求である。


Jun/Sudowoodo/AndreyPopov//iStock)
 トランプ大統領は、NATO諸国には、防衛費をGDP比で2%以上にするよう求めている。とにかく、同盟諸国に、より多くの防衛費や駐留米軍経費を負担させようとの要求である。

 先月2月、米国と韓国との間で、米軍駐留経費に関する新たな合意が発表された。それによると、今年2019年、韓国は、在韓米軍約2万6千人の駐留経費として、1兆400億ウオン(約9億2千万ドル)を負担することになった。これは前年比約8%増であった。ただ、この合意の有効期間はたった1年のみになった。

 日本と米国とでは、2011年と2016年に、5年間を有効期間とする協定を結んだ。現行の日米協定は、2020年度末に終了するので、恐らく来年春頃には新協定の交渉を日米間で始めなければならなくなるだろう。現行協定(有効期間2016年度から2020年度まで)は、2016年1月に署名され、国会承認を得て同年4月1日に発効した。この協定に基づき、日本は、米軍駐留経費の労務費、光熱水道料等及び訓練移転費を負担してきた。前の2011年協定と比べ、労務費については、日本が負担する労働者数を増加し、光熱水道料等は引き下げ、訓練移転費は維持するとともに、米軍による一層の経費節約を明記した。

 米国にとって重要な同盟国である日本には、約5万6千人の米軍が駐留している。これらの米軍は、日米安全保障条約に基づく日米防衛コミットメントを裏打ちすると同時に、インド太平洋地域での中国の台頭を含む様々な事態に対処するものである。

 いずれにしても、トランプ大統領の「コスト・プラス50」の考え方は問題である。なお、3月14日、シャナハン国防長官代行は、上院軍事委員会で、この点に関する報道を「間違いだ」と否定し、「大事なのは公正な負担だ」とも述べたと報道されている。同盟国との交渉を、かかるブラフでやるのは同盟国間の信頼関係を損なうものだ。正に不動産取引の手法である。駐留米軍は日本などホスト国を守るためだけにあるものではない。米国の重要利益にもなっている。トランプの考えはゼロ・サムでコストだけの発想であり、間違っている。また同盟関係とは、駐留米軍の問題だけではなく、当該国との種々の軍事協力活動から成るものであり、その重要性を忘れてはならない。

 日本の場合、我が国の防衛だけでなく、種々の協力、活動を通じて、インド太平洋地域の安全保障に極めて大きな貢献をしている。更に、日本は既に大きな負担(毎年 約2000億円)をしていることを認識して貰う必要がある。純粋に数学的比較は困難であるが、わが国の貢献は世界で最も大きいと理解される。また、訓練移転費の負担などは重要である。

 駐留経費に関する協定の有効期間も重要な要素である。累次の交渉を経て有効期間は現在5年に延ばされているが、同盟関係の安定のためにも5年が望ましい。昨年行われた韓国との交渉では韓国が少なくとも3年の有効期間を主張したが、結局1年になってしまった。ただ、新協定が出来ない場合、延長が可能との規定はある。

 米軍経費負担問題の観点からも、日本は引き続き、自衛力の強靭化に努めるとともに、米国等と地域、世界の平和と繁栄のために協力していくことが肝要であることは言うまでもない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/15775


 


内憂外患、エルドアン大統領に陰り、地方選敗北、対米関係の悪化

2019/04/04

佐々木伸 (星槎大学大学院教授)

 トルコのエルドアン大統領が窮地に追い込まれている。このほど実施された統一地方選挙で、与党候補が首都アンカラ市長選で敗れ、最大都市イスタンブールでも暫定結果ながら敗北するという激震に見舞われた。その上、ロシアの地対空ミサイル導入をめぐり、米国から最新鋭戦闘機F35の部品供給を停止されてしまった。内憂外患のエルドアン氏はどんな手を打つのだろうか。


(AP/AFLO)
開票への“介入”も検討?
 現地からの報道などによると、異変が起きたのは開票日の3月31日の夜9時頃のことだった。それまで順調に開票状況を発表していた選挙管理委員会が突然沈黙したのだ。反国営のアナトリア通信も同様に開票発表を停止した。これについて選挙の監視をしていた民間団体の当局者は、エルドアン氏の「公正発展党」(AKP)を中心とする与党連合の敗北が濃厚になり、開票への“介入”が検討されたため、との見方を示している。

 過去の選挙でも開票の際の不正操作が取り沙汰されており、今回もそうした疑惑が浮上したということだろう。両市の市長ポストは1994年からAKPとその前身の政党が維持してきており、予想を超える劣勢に与党連合が衝撃を受けたのは間違いない。

 最終結果によると、アンカラでは野党候補が4ポイントの差をつけて当選。イスタンブールでは、野党候補と与党候補だったエルドアン氏の側近、ユルドゥルム元首相が共に勝利宣言をするという大激戦になったが、暫定結果では僅差(約2万5000票差)で野党候補が勝利したと伝えられている。与党側は不正があったとして、選挙管理委員会に異議申し立てを行った。

 選挙は全体としてみれば、与党連合の得票率が51.7%と過半数を超え、辛うじて勝利した格好だが、最も重要な2大都市の首長ポストを失ったことが確定すれば、エルドアン氏にとっては手ひどい打撃だ。同氏自身、1994年から同98年までイスタンブール市長だったいきさつもあり、それだけショックは大きい。

 エルドアン氏の敗北の直接の原因は経済の悪化だ。その低迷ぶりは各指標に如実に表れている。インフレ率は20%を超え、失業率も10%に達している。とりわけ若者の失業率は30%と高い。通貨リラも30%近くまで下落、政府は3月、景気後退を宣言せざるを得なかった。こうした状況に国民の日常生活は厳しさを増し、エルドアン政権への不満がうっ積していた。

 大統領は野党をテロリストと罵り、遊説の際、最近のニュージーランドのモスク襲撃テロの動画を公開してまでイスラム教徒の宗教心と愛国心に働き掛け、経済問題から国民の関心を逸らそうとした。だが、この争点そらしの戦術はうまくいかなかった。

 エルドアン氏は2016年のクーデター未遂事件の後、軍や政府諸官庁、警察、裁判所、学校、メディアなどからの反対派の一掃に乗り出し、特に政敵のギュレン師派を徹底弾圧。これまでに5万人を拘束、10万人以上を公職などから追放した。大統領はその強権姿勢を一段と強め、昨年6月には憲法改正で実権型大統領の権力を手に入れ、“独裁者”としての地位を固めた。

米説得を無視
 しかし、選挙の敗北に塩を塗るようにトランプ政権が動いたのは、エルドアン氏の予想を超えるものだったのではないか。米国は1日、トルコに対する最新鋭ステルス戦闘機F35の関連機器の供給を停止したと発表、トルコがロシアから地対空ミサイル「S400」を取得するのは受け入れられないとの強硬姿勢を示した。

 元々トルコは米国との間でF35を100機購入する契約を結び、同機のコックピットなどの一部製造に自身も参加することになっていた。しかし、対米関係が冷却化するにつれてロシアのプーチン大統領に接近、このほどロシアとの間で25億ドルにも上る「S400」の導入契約に調印した。

 この間、米国は北大西洋条約機構(NATO)の同盟国でもあるトルコの説得を重ね、「S400」導入をやめさせようとし、昨年12月には、地対空ミサイル「パトリオット」を新たに引き渡すと提案した。米国が懸念したのは、ロシアの防空システムが導入されれば、F35の機密情報がロシア側に漏洩しかねないからだ。だが、トルコは結果的に米国の警告を無視した。

二股戦略が危機に
 エルドアン氏が米国の説得を振り切り、ロシアからの兵器システムの導入に踏み切ったのはなぜか。それには大きく言って2つの理由がある。1つは政敵ギュレンシ師の送還問題だ。エルドアン氏がクーデター未遂の黒幕とするギュレン師は現在、米ペンシルベニア州の山中に事実上の亡命中だが、なんとしても米国からの強制送還を実現させたかった。

 エルドアン氏は当初、強権志向でウマが合うトランプ氏ならギュレン師を引き渡してくれるのではないかと思いこんだフシがある。だが、案に反してトランプ政権はギュレン師の送還に応ぜず、完全に当てが外れてしまった。期待が大きかっただけに失望もまた大きく、故に対米関係は悪化の一途をたどった。

 エルドアン氏はさらに「サウジアラビアの反政府ジャーナリスト、カショギ氏の殺害事件を利用してギュレン師の送還を獲得しようと図った」(ベイルート筋)。事件を穏便に解決したい米国から、サウジへの追及を和らげることと引き換えに、ギュレン師送還を成し遂げようとしたが、これにも失敗した。

 もう1つの理由は、シリアのクルド人に対するトランプ政権の対応への反発だ。トルコにとって、シリアのクルド人はテロ集団と見なす自国の反体制クルド人組織「クルド労働者党」(PKK)と連携する勢力だ。米軍の支援を受けたシリアのクルド人が過激派組織「イスラム国」(IS)を掃 討する中、シリア北部一帯で勢力を拡大したことを安全保障上の深刻な問題として懸念した。

 トランプ大統領がシリア駐留米軍の撤退を発表した後、米国はトルコに対し、クルド人を攻撃しないよう要求。これにエルドアン氏が激怒し、両国の話し合いは膠着状態に陥った。その後、米国はシリアに400人規模の部隊を残留させる方針に転換したが、エルドアン氏は困った立場に追い込まれた。米部隊に損害を与えかねないため、クルド人への越境攻撃ができなくなったからだ。

 エルドアン大統領はこうして対米関係が悪化する中、ますますプーチン大統領との関係を深めていき、「S400」の導入にまで踏み込んだ。エルドアン氏にとってみれば、ロシアとの親密な関係を見せつけることにより、米国から譲歩を勝ち取りたいとの思惑もあったかもしれない。

 だが、今回、米国が事実上、F35の供給停止をトルコに通告、エルドアン氏の米ロを天秤に掛けた「二股戦略」が危機に瀕することになった。生き残りの名人といわれる同氏の出方が見ものだ。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/15834

 
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/118.html

[国際26] 米共和党、不法移民の国外退去手続き迅速化を計画 米上院ロシア干渉阻止へ厳しい制裁 下院、政権のオバマケア違憲支持を非難
ワールド2019年4月4日 / 15:16 / 1時間前更新
米共和党、不法移民の国外退去手続き迅速化を計画
Reuters Staff
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[ワシントン 3日 ロイター] - 米国のトランプ政権と共和党は、中米出身の不法移民について、国外退去手続きの迅速化・簡素化を目指している。複数の議員や移民支援団体が明らかにした。

現在、メキシコ、カナダ出身の不法移民に適用されている迅速化・簡素化された国外退去手続きをグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス出身の不法移民にも適用することを目指しているという。

移民支援団体は、米国の亡命法を大幅に改正する内容であり、不法滞在している移民の子供が危険な中米諸国に送還させる恐れがあると批判。

民主党の反発は必至で、単独での議会可決は難しいとみられるが、司法委員会のグラム委員長(共和党)は、民主党が支持する別の法案と抱き合わせる形なら可決は可能かもしれないとの見方を示した。

同委員長は、国土安全保障省の指針が明確になり次第、早急に法制化に向けた作業を開始すると表明。「その上で交渉を開始する」と述べた。

トランプ大統領は3日、「議会は協力して国境の抜け穴を直ちにふさぐ必要がある! 措置が講じられない場合、国境は、もしくは国境の大部分は、閉鎖される。これは国家非常事態だ」とツイッターに投稿した。
https://jp.reuters.com/article/usa-mexico-immigration-idJPKCN1RG0H7?il=0



ワールド2019年4月4日 / 11:56 / 5時間前更新
米上院議員、ロシアの選挙干渉阻止へ法案提出 厳しい制裁求める
Reuters Staff
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[ワシントン 3日 ロイター] - 米上院の超党派議員は3日、ロシアが米国の選挙に干渉した場合にロシアの銀行、エネルギー、防衛業界や同国債に関して厳しい制裁を科すことを盛り込んだ法案を提出した。選挙干渉を阻止することが狙いだ。

法案は民主党のクリス・バンホーレン上院議員と共和党のマルコ・ルビオ上院議員が提出した。両氏は昨年にも与野党議員の支持を得た同様の法案を提出したが、トランプ大統領に近い共和党の上院指導部は法案を採決にかけなかった。

ロシアに対する厳しい措置を支持する議員は、民主党が下院の過半数を握ったことでこうした法案が可決される可能性が高まったとみている。

今回提出された法案は、連邦選挙実施から30日以内に国家情報長官室(DNI)が、ロシアや他の外国政府、もしくは外国政府のエージェントによる選挙干渉があったかどうか判断を示すことを義務付ける内容だ。

DNIが選挙干渉を認定した場合、10日以内にロシアの銀行やエネルギー企業に制裁を科すことなどを義務付けており、ズベルバンク、VTB銀行、ガスプロムバンク、ロシア農業銀行のうち2行以上を制裁対象とすることを盛っている。

また、米国の管轄内でロシア国債やロシア政府が保有または経営権を持つ組織の債券を取引することを禁止する措置や、ロシアの政府高官や実業家を含む制裁対象者の米国資産を凍結する措置も盛り込んでいる。

法案はロシアを標的としているが、米情報機関が中国、イラン、北朝鮮も主要なサイバー攻撃の脅威と指摘していることにも言及。トランプ政権に対し、これらの国および強い懸念のある他の国それぞれについて、選挙干渉を阻止する戦略を議会に提示するよう求めている。
https://jp.reuters.com/article/usa-russia-sanctions-idJPKCN1RG07E?il=0

ワールド2019年4月4日 / 10:46 / 6時間前更新
米下院、トランプ政権のオバマケア違憲判決支持を非難 決議案可決
Reuters Staff
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[ワシントン 3日 ロイター] - 米下院は3日、トランプ政権がオバマ前民主党政権が導入した医療保険制度(オバマケア)の廃止を認める裁判所の判断に支持を示したことを非難する決議案の採決を行い、240対186の賛成多数で可決した。

採決は象徴的な意味合いが強く、オバマケアを巡る問題でトランプ政権の追及を狙う民主党の意向を反映している。採決では共和党から8人が賛成に回った。

司法省は前月、ニューオーリンズ連邦高裁への短い書簡で、オバマケアを違憲とした昨年12月のテキサス州連邦地裁の判決への支持を表明。

下院民主党は決議案を採決にかけることで、司法省の動きに同調するかどうか明確な立場を示すよう議員らに迫った。

トランプ大統領はこれまでに、オバマケアの廃止を最高裁が認めれば、より良い保険制度を提案すると表明している。

ペロシ下院議長(民主党)は「米国民は、医療保険を国民から奪うトランプ政権の悪意ある取り組みについて、各議員がどのようなスタンスかを知る権利がある」と強調した。

一方、共和党は決議案採決には政治的な思惑が透けると批判。ケビン・ブレイディ議員は最高裁がオバマケアを違憲と判断しても、共和党は既往症のある人の医療保険加入の保証といったオバマケアの一部の規定は残すよう取り組むと語った。

トランプ大統領は、2020年大統領選を前に新たな医療保険制度の設計を進めていると表明しており、大統領選で自身が再選を果たし、共和党が上院の多数派を維持して下院を奪還するという前提で、大統領選の直後に法案の採決を行う考えを示している。

これに対し民主党は、法廷でオバマケア廃止が認められれば、2000万人程度が無保険に陥ると主張。同党は昨年11月に下院を奪還してから再びこの問題を主要な争点として取り上げている。

オバマケア廃止は2016年大統領選でのトランプ氏の主要公約だったが、就任後2年の間、廃止に向けた法案の成立に何度も失敗している。
https://jp.reuters.com/article/house-obamacare-idJPKCN1RG058?il=0

 
 
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/119.html

[経世済民131] インド中銀が追加利下げ、予想通り−総選挙控え緩和姿勢鮮明 長期金利高水準、懸念後退ヘッジ売 ビットコイン急騰の影にヘッジ
インド中銀が追加利下げ、予想通り−総選挙控え緩和姿勢鮮明
Anirban Nag
2019年4月4日 15:40 JST 更新日時 2019年4月4日 16:09 JST
• レポ金利を0.25ポイント引き下げ6%に−昨年の利上げ分を解消
• インド中銀の緩和姿勢は主要新興国の中でも際立つ
インド準備銀行(中央銀行)は4日、追加利下げを発表した。総選挙の開始を1週間後に控え、景気支援に動く。
  政策金利のレポ金利は0.25ポイント引き下げられ6%。ブルームバーグ・ニュースが調査したエコノミスト47人のうち、2人を除き今回の決定を予想していた。追加利下げは賛成4、反対2の決定だった。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iMFUZ5bx6B5k/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/576x-1.png
  インド中銀は声明で、「国内経済は主に海外からの逆風に直面している」と指摘。「低迷が続く民間投資を刺激することで国内の成長に弾みをつけることが必要だ」と説明した。
  今回の追加利下げで昨年の利上げ分を解消する形となった。インフレが鈍化傾向にあるほか、米金融当局のハト派スタンスも強まっており、今年に入りインド中銀の緩和姿勢は主要新興国の中でも際立っている。
  
原題:India Central Bank Cuts Interest Rate to Boost Flagging Economy(抜粋)
(第3段落を追加し更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-04/PPFB686TTDS301?srnd=cojp-v2


 


長期金利が2週間ぶり高水準、世界経済巡る懸念後退やヘッジ売りで
三浦和美
2019年4月4日 7:59 JST 更新日時 2019年4月4日 15:46 JST
債券相場は下落。長期金利は2週間ぶりの高水準を付けた。世界経済を巡る懸念が後退する中、行き過ぎた利回り低下に対する修正で売りが先行した。この日に実施された30年国債入札は市場予想を上回る結果となったものの買いは続かず、その後一部の金融機関からヘッジ売りが出たことや中期ゾーンの益出しで先物を中心に下げ幅を拡大した。

10年物354回債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.04%と、新発債として3月20日以来の高水準
新発5年物138回債利回りはマイナス0.165%と3週間ぶり水準に上昇
長期国債先物6月物の終値は前日比9銭安の152円83銭。一時152円74銭まで下落
市場関係者の見方
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
中国主導で世界経済がリバウンドするというストーリーを織り込む流れが継続し、売りが先行
30年債入札は強い結果だったが、その後はヘッジ売りが促される展開
期初で益出しの売りが出やすい面も
先物中心限月は152円80銭を割り込んでストップロスの売りが入った感ある
30年債入札
最低落札価格は98円90銭、ブルームバーグがまとめた市場予想の98円85銭を上回る
投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.55倍、前回4.56倍
小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は6銭、前回は7銭
三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミスト
30年入札は表面利率が0.5%と非常に低い水準だったにもかかわらず順調な結果
厳しい投資環境の中で、期初は投資家が円債に対して買い目線になっているという印象
超長期債の利回りをつぶす動きが長いテーマになりそうだ
背景
米中通商合意案、中国の公約履行期限を2025年に設定−関係者
米中貿易交渉の進展期待などを背景に3日の米株式相場は上昇。米10年物国債利回りは2.5%台を回復して3月22日以来の水準まで上昇
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
-0.155% -0.165% -0.040% 0.365% 0.525% 0.555%
前日比 +0.5bp +1.0bp +1.5bp +1.0bp +1.0bp +0.5bp

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPDHWI6KLVR601?srnd=cojp-v2

 


ビットコイン急騰の影にヘッジファンドのアルゴリズムか
Olga Kharif
2019年4月4日 13:16 JST
• アルゴリズムによって取引する仮想通貨トレーダーが急増
• 昨年9月以降に17のアルゴ(クオンツ)ファンドが取引を開始
仮想通貨ビットコインが2日、突然急騰した背景には、アルゴリズムを活用するヘッジファンドの動きがあったかもしれない。
  コンピューターによるアルゴリズム取引は株式などで値動きとボラティリティーを増幅させると指摘されているが、リテール中心と見なされていた市場でも人気が高まっている。
  クリプト・ファンド・リサーチによると、アルゴリズムによって取引する仮想通貨トレーダーの数は過去7カ月で急増し、昨年9月以降に17のアルゴ(クオンツ)ファンドが取引を開始したという。同社によると、これは同期間中に開始された仮想通貨ヘッジファンドの40%超に相当する。
  アジア時間2日にビットコインが1時間以内に20%余りも急伸した。これを引き起こしたのは、3つの取引所で計1億ドル(約110億円)の取引をするよう設定された自動取引ソフトウエアだったもようだと、ロンドンの仮想通貨会社BCBグループのオリバー・フォンランズバーグサディ最高経営責任者(CEO)が述べている。
ビットコインが連日の年初来高値更新−突然の覚醒は持続か

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iC2kjdsZzHIE/v2/576x-1.png
原題:Algo Hedge Funds Join Cast of Suspects Seen Behind Bitcoin Surge(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-04/PPF2M86TTDS001?srnd=cojp-v2

http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/806.html

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