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株で損した理由教えてあげる 新スレ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/823.html
投稿者 中川隆 日時 2018 年 3 月 05 日 08:11:01: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 株で儲ける方法教えてあげる(こっそり) 新スレ 投稿者 中川隆 日時 2018 年 3 月 04 日 19:31:59)


株で損した理由教えてあげる 新スレ


株で損した理由教えてあげる 前スレ
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/428.html  

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コメント
 
1. 中川隆[-5559] koaQ7Jey 2018年3月05日 08:21:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日経のウソ記事にだまされるな
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/277.html

不安を煽って儲けよう 1 _ 松藤民輔という人物
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/890.html

オオカミ少年 Nevadaを斬る
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/326.html

他人の言うことを聞くだけで儲かるほど株は甘くない _ 「S氏の相場観」
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/891.html

アホ相場師の末路は
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/431.html

知らぬが仏 _ FX は『ネットパチンコ』 _ 金はすべて胴元に取られる
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/892.html

今人気沸騰の 「レバレッジ型・インバース型ETF」 は 『ネットパチンコ』
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/893.html

FX ・ 先物取引 ・ 空売り は『ネットパチンコ』、 絶対に手を出してはいけない
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/894.html

平成バブル崩壊と ソロモン・ブラザース証券 相場師列伝3
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/258.html

常勝の天才でも一回の判断ミスで人生終了
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/432.html

_____


中川隆 _ 相場関係投稿リンク
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/456.html


2. 中川隆[-5549] koaQ7Jey 2018年3月05日 10:16:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本の物価はいくらなんでも安過ぎる
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/126.html

3. 中川隆[-5548] koaQ7Jey 2018年3月05日 10:34:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本円はいくらなんでも安過ぎる (1ドル=50円 程度が適正価格)


2018年02月25日
ドル円相場はいくらが適正か 100円から70円まで

同じ為替レートでも日本のデフレでどんどん円安になっていく
このため日米の物価上昇率分だけ、円高になる
引用:https://moneyzine.jp/static/images/article/212170/01.png


購買力平価では1ドル105円以下

2018年に入って為替市場はドル安円高方向にふれていて、どこまで円高になるかが議論になっています。

この手の議論には正解がないのできりがなく、結果を見てみないと分からない。

将来ドル円がいくらになるか予想するためには、まず「いくらなら適正なのか」を知る必要があります。


大きく分けて為替の適正相場を知る方法は3つほどあり、一つは購買力平価から算出する方法です。

2つ目は日銀が公表している実質実効レートから判断する方法、3つ目はビッグマック価格から判断するビッグマック指数です。

まず購買力平価は各国の物価の違いを調整して、A国とB国の物価が同じになる為替レートを算出する方法です。


例えば日本の物価がアメリカより2割高いなら、ドル円レートを2割円高にすれば「正しいレート」になります。

細かい計算は省略して結論だけを書くと、1ドル95円から110円、その中でも100円から105円程度が適正になります。

2月後半は1ドル107円前後で推移しているので、購買力平価ではもう少し円高になれば適性になります。


実質実効レートでは90円台

実質実効レート(実効為替レート)も日本と外国の物価上昇率の違いを調整して、客観的な数値にしたものです。

日本はデフレで物価下落、アメリカはインフレで物価上昇なので、同じ1ドル100円でも日本の物価はどんどん安くなっていきます。

すると同じ為替レートでは日本では100円で買えるものがアメリカでは110円になってしまい、この分は為替が円高になることで物価が調整されます。


これも計算を省略して結論だけを書くと、現在の1ドル120円は1970年代の1ドル280円に等しい「超円安」になっていました。

日銀は実質実効為替レートは90前後で安定すると見ていて、現在は75前後なので1割か2割は円高になる余地がある。

すると実質実効レートから見たドル円の適正レートは、1ドル90円台という事になる。


ずいぶん円高のように思えるが、日米の物価上昇率の影響で、現在の90円台は20年前の1ドル110円台でしかない。

最後にビッグマック指数だが、これはビッグマック価格を基準に、各国の価格が同じになる為替レートを算出する方法です。

現在日本のビッグマックは390円でアメリカでは5ドルなので、ずばり1ドル78円が適正レートになる。


因みにリーマンショック前のビッグマック指数では1ドル90円台が適正だったが、最終的に1ドル70円台まで下落していました。
http://www.thutmosev.com/archives/75059779.html


4. 中川隆[-5547] koaQ7Jey 2018年3月05日 10:36:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

経済コラムマガジン 2018/2/19(974号)VIX指数の不正操作

日本株だけ戻りが悪い

2月2日の米国から始まった世界の同時株価下落など、市場の異変と混乱は収まりつつある。2週間経った16日のNYダウの終値は25,219.38ドルと2月1日(下落が始まる前日)の終値から3.7%安まで戻した。他の国の株価も米株に連れ安したが、米株価が戻すにつれ6〜7割程度戻している。

ただ日本の株価と原油価格だけは戻りが鈍いようだ。16日の日経平均の終値は21,720.25円で2月1日から6.7%安と、最安値から3割程度しか戻っていない。この主な原因としては、この間に3.4%程度、円が高くなったことが挙げられる。


円高が日本の株価の下落要因になって久しい。たしかに日本の主要企業が輸出企業であったり海外に投資を行っているケースが多いため、円高は日本の株価にマイナスになる。ただ円高がプラスになる企業もあるので、日本全体では為替変動の影響は複雑で微妙である。おそらくトータルで見れば、円高は少しマイナスといったところであろう。つまり円高は、企業業績を通し日本の株価にある程度悪影響を与える。

為替変動が日本の株価に影響を与える要素がもう一つある。外資にとって、ドル換算すれば日本の運用資産は円高によって増える。つまり3.4%の円高は、それだけで外資にとって米ドル換算で資産が3.4%増えたことを意味する。つまり外資にとっては、日本の株価も6〜7割程度戻した感覚になっていると筆者は思っている。このように円高は、外資の日本株売りを誘因し、株価の下落要因となる。特に今日、外資の日本市場での取引比率が極めて大きくなっているので、このような円レートの変動が株価に及す影響は大きい。


したがって日本の株価がこれ以上戻すかどうかは、今後の米株価と円レートの動きに掛っていると筆者は見ている。16日に105円台を付けるなど、直近で為替は円高となっている。しかし18/1/15(第969号)「今年のキーワードは「渾沌」」などで述べてきたように、「円レートの中長期トレンドは経常収支と購買力平価で決まる。購買力平価は1米ドル=100円程度であり、また日本の経常収支が黒字ということからいつ円高に向かっても不思議はない」と筆者は思っている。

つまり今日の円高への動きは、筆者の考え(中長期トレンドを考慮)に沿えば極めて合理的である。これに対し為替のプロと言われている人々やエコノミストは、ドル・円レートは金利差で決まると主張し譲らない。彼等は、これから米国の金利は上がって行くので円は安くなると間抜けなことをずっと言ってきた。ところが直近では米国の長期金利が少し上がり金利差が大きくなったにも拘らず(日本の金利はむしろ下がり気味)、逆に円高(ドル安)になっている。彼等は、今、言い訳で忙しい。


為替のプロやエコノミストの「金利差で為替は決まる」という考えは必ずしも正確ではないと筆者は本誌でずっと指摘してきた。これが正しいのは他の全ての条件が絶対的に不変という前提が成立つ場合だけである。相手国の物価動向や経常収支、あるいは政治的リスクが変化すれば、均衡為替レートは変ると筆者は考える。

また今日、市場が混乱したり地政学リスクが高まると安全資産の円が買われ円高になると言われている。しかし筆者はこれは妙なことと思ってきた。昔は「有事のドル買い」と言われ今日と逆であった。こちらの方が筆者にとってすんなりと納得がゆく。また為替のプロやエコノミストは、米国の長期金利が今後上がり続けるという前提でドル・円レートを語っている。しかし筆者は、米国で政策金利の利上げが続いても、米国の長期金利はそんなに上がらないと見ている。これについては来週号で述べる。


匿名告発

先週号で今回の米国の株価下落にVIX指数が深く関わっているのではないかと述べた。ただ今日までの株価の戻りの様子を見ていると「VIX指数暴落」と言うのは大袈裟であり、せいぜい「VIX指数ショック」ぐらいが妥当と筆者は思う。そのVIX指数は一時50くらいまで急騰する場面があったが、直近では19台とかなり落着いてきている。

今日、米株式などの取引の9割方は、自動プログラムで行われているという。筆者は、株式取引の自動プログラムにもVIX指数が組込まれていると見る。VIX指数が高まれば、単純に株式は売るというアルゴリズムが採用されていると筆者は思っている。ところで多くの投資家が、皆、ほぼ同じ自動プログラムで取引を行っている可能性がある。

したがってVIX指数が高くなったため投資家が一斉に株式を売出すことになり、これによって平均株価が急落した。またこの株価下落によってVIX指数が上がるという事態が起ったと考えられる。さらにこのVIX指数の上昇によって、さらに株式が売られるという悪循環に陥ったのである。

つまり自動プログラムとかAIによる最先端の取引方式が、今回の突発的な株価暴落を演出したことになる。どちらかと言えば、地味で市場関係者も軽んじていたはずのVIX指数が自動プログラムに組込まれていたことにより、今回の大事に到ったと言えるのである。


先週号で「ずっとVIX指数は10程度で推移していた(筆者も不思議な思いで眺めていた)」とか「VIX指数が小さな資金で動くのなら、今後も株式市場の不安定さは続く」、あるいはズバリ「VIX指数市場は操作されてきた可能性がある」とVIX指数が操作されたことを筆者はほのめかしたつもりである。ところが14日の日経新聞の3面に「恐怖指数、不正操作か 米証取委に匿名告発」という囲み記事が掲載された。もしこの話が本当なら、筆者の憶測が当っていたことになる。

匿名氏はおそらく「インバースVIX」連動の投資信託の関連で大損してきた投資家の代理人であろう。この匿名氏は、不正操作が一般投資家に毎月数億ドルの損失を与えていたという。つまり2月2日に始まったVIX指数の急騰によってVIX指数が下がることに賭けていた投資家だけでなく、過去にVIX指数が上がる方向にずっと賭けていた投資家も大損していたことになる。今回の匿名の告発者は、後者の過去にVIX指数が上がる方向に賭け、既に損失が確定している投資家の代理人と見られる。


匿名氏は「VIXの算出に欠陥」があり、また「投資会社が実際の取引をせず、資本(資金)も使わずにVIXを上下に動かすことが可能」と指摘している。つまり2月2月に特定(複数ということも有る)の投資会社(投資家)が、このVIX指数を使って株価操作を行った可能性を示唆している。もしこの投資会社が事前に株式をカラ売りしていたなら、莫大な利益を得ていはずだ。そう言えば日本の株式市場でも、前月に外資が1兆円を超える大量売りを2回行っていたという(買ったのが個人と日銀のETF)。

匿名の代理人は、「インバースVIX」連動の投資信託に関連して告発を行っていると見られる。しかし実際のところこの影響による株価暴落の方が金額の規模が2桁、3桁大きいと筆者は思っている。当局による今後の捜査の進展が待たれる。ただこの告発によって、少なくとも今さらVIX指数を操作しようという「ヤカラ」は出ないであろうと筆者は考える。

また当初、株価暴落の原因は長期金利が上昇したことになっていた。そしてこの長期金利の上昇の要因は、1月の全米の賃金上昇率が2.9%(当初2.0%と書いたが間違いと気付き14日に訂正)と想定を超えたこととされていた。しかし先週号で説明したように、賃金上昇率が2.9%と急上昇したことによる物価上昇の懸念の話は「ガセネタ」であることが直後に判明している。ところが今日に到っても、株価暴落の原因は、賃金の上昇による物価上昇の懸念や長期金利の上昇と言っている者がいる。主に財政再建主義者達である。
http://www.adpweb.com/eco/eco974.html


5. 中川隆[-5544] koaQ7Jey 2018年3月05日 12:27:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]


米ドル/円 (米ドル/円) 【0950】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0950

日経平均ドル換算値
http://www.miller.co.jp/chart.cgi?0104I

日経平均 (日経平均) 【0000】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0000

TOPIX (TOPIX) 【0010】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0010

NYダウ (NYダウ) 【0800】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0800

NASDAQ (NASDAQ) 【0802】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0802

_____

ドル円 日本エリオット波動研究所
http://jewri.org/category/usdjpy/

日経225CFD 日本エリオット波動研究所
http://jewri.org/category/nikkei/

ダウ 日本エリオット波動研究所
http://jewri.org/category/america/dow/

松本鉄郎のポイント・アンド・フィギュアによる実戦相場予測
http://www.gaitame.com/blog/matsumoto/

アダム・スミス2世の経済解説
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/


6. 中川隆[-5543] koaQ7Jey 2018年3月05日 12:41:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本円が超円安になった理由


「アベノミクス」の正体
日本食潰す金融投機資本に貢ぐ 2013年5月17日付


安倍政府が発足して以後、「アベノミクス」と呼ばれる異次元の金融緩和や公共投資を中心とする政策が台頭し、急激な円安と株高の局面があらわれている。

昨年11月に民主党・野田政府が解散を表明した時点で8600円台だった日経平均株価は、半年たった今年5月中旬には1万5000円台まで急騰し、為替相場は1j=79円台だったものが102円台まで円安になるなど、世界的に見ても例がないほど大きな変動が起こっている。

海外投資家が時価総額のうち七割を占めている株式市場が熱狂し、さらに円安でトヨタをはじめとした輸出企業が過去最高益を上げるなど、金融緩和と為替マジックで金融資本や一部大企業がバブルに浸っている。

ところが一方で、燃油や穀物を中心に日本国内では生活必需品の価格が急騰し始めるなど、国民生活に深刻な影響が広がっている。「アベノミクス」でいったいなにが起きているのか、どうなっていくのかが重大な関心を集めている。


 
 バブルに群がる海外投資家

 この間、日経平均株価はリーマン・ショック以前と同レベルの価格まで急騰してきた。それほど好景気なわけでもなく、むしろ怒濤の首切りや製造業の海外移転を経て失業や貧困が全国的な範囲で広がり、生活実感としては悪化しているにもかかわらず、「日本株、年初から45%の上昇率」「1万5000円台回復」が叫ばれている。今後はさらに1万6000円台、1万7000円台まで上昇するとエコノミストたちが煽っている。

 しかし株式市場もよく見てみると、東証一部の約6割にあたる1000近くの銘柄が値下がりしている。株価が急騰している4割のなかでは円安効果の恩恵を受けた自動車産業や、ソニー、パナソニック、三菱電機といった企業が年初から倍近い株価をつけている。逆に株価が急落している企業としては不動産関係や、国内小売りのヤマダ電機、イオン、東芝などの企業群だ。

 東証の株式時価総額は昨年10月末には261兆円まで落ち込んでいたのが、今年4月末の段階では411兆円にまで膨れあがっている。わずか半年で150兆円がなだれ込んでいる。この半年の推移を見てみると、11月に14兆円増加し、12月には26兆円増加、1月に29兆円、2月に13兆円、3月に23兆円、4月には46兆円とすさまじい勢いで資金が流入しているのがわかる。

 このなかで投機の中心的なプレイヤーとして振る舞っているのが海外のヘッジファンドや投資家といわれ、時価総額の大半は国内資金ではなくこうした海外資金であることが明らかになっている。

サブプライム危機で行き場を失った膨大な余剰資金がヨーロッパを食い物にし、ギリシャ、スペインなど南欧諸国の国家破綻でボロもうけした後しばらくは中国や新興諸国のバブルに巣くっていたが、それも一段落ついて今度は「アベノミクス」バブルに大集結していることを反映している。


 世界3大投資家の一人であるジョージ・ソロスがわずか3カ月で970億円を稼いで

「黒田はガッツがある」

「緩やかに死に向かっていた日本市場の目が覚めた」

などと褒めちぎり、

「しかし円が雪崩のように下落する恐れがある」

などと発言する状況ができている。こうした抜け目ない守銭奴は、日本経済が低迷しているといわれた時期に底値で株式を買い取るなど仕込みを終え、現在のように素人が「株がもうかる」と思い始めるような段階には見切りをつけて売り抜けている。

カモにされるのはいつも決まって素人で、証券会社にそそのかされた年寄りや、中流世帯が巻き込まれて泣きを見ている。


 加熱する米国債の購入 日銀の金融緩和で


 国債市場は株式市場よりも規模が大きく、世界的には株式市場の3倍にもなるとされている。この間の円安で輸出企業は潤ったといわれているものの、円安そのものが国債暴落で、1j=80円の段階で例えば1万円の日本国債の価値がドルベースで換算すると125jだったのが、いまや1j=100円超えなので、その価値は100jと大幅に下落することになった。

 こんな日本国債を持っているよりは、ドル建ての米国債を購入した方が儲かるという判断が働いて、日銀が金融緩和すればするほど米国債買いが加熱して、海の向こうに資金が流れ出していくことになっている。

円建ての日本国債を売り払って円を調達し、その円を売り払ってドルを買って米国債を購入するのが流れになり、あるいは国債を売り払った資金で株式市場に投機する動きとなった。


 安倍政府、日銀による異次元の金融緩和は、米国債購入という形で吸い上げられ、あるいは国際金融資本の博打の源泉として食い物にされる仕組みになっている。

リーマン・ショック後に、米国ではFRBが気狂いじみた量的緩和を実行し、銀行群の損失処理にあたり、ヨーロッパではECBが負けず劣らずの量的緩和をやり、市場に資金を供給してきた。そうしたマネーに寄生し、バブルを渡り歩いてきたのがヘッジファンドで、熱狂した後に売り浴びせることは、過去に日本市場でも経験済みだ。


 円安でも拠点を戻さず 海外移転の大企業

 日本国内ではこの数年、大企業が円高を理由に海外移転を繰り返してきた。ところが円安になったからといって日本に拠点を戻すわけでもなく、多国籍企業のようになって出ていく。内部留保を散散貯め上げたうえで、そうした過剰な資本は国民生活の水準を引き上げるためには用いられず、より利潤の得られる後進諸国への資本輸出や進出へと向けられている。ベトナム、ミャンマーといった進出先のインフラ整備までODAで日本政府に肩代わりさせるのだから、国民の面倒は見ずにもっぱら寄生するだけの存在というほかない。

 その株式を保有しているのが米国をはじめとした海外の超富裕層や、錬金術に長けた金融資本で、人為的な円安、株高政策にせよ、TPPにせよ、日本の富を米国富裕層の個人資産に移し替えてくれる「アベノミクス」だからこそ大歓迎している。

 グローバリゼーションのもとで、かつてなく世界を股に掛けた投機が横行し、産業集約が進んでいる。金が溢れて投資先に困るほど、生産は社会化して富は増大している。ところがその金は一%にも満たない超富裕層が握りしめて離さないことから、九九%がますます貧困に追いやられ、モノが売れずに経済活動は停滞。金融が破綻すれば損失を国家に転嫁するというデタラメがまかり通っている。

 ヘッジファンドが食い荒らしている日本市場の姿と、その資金をせっせと提供している「アベノミクス」の存在が暴露されている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/enyasukabudakanokagedekyuurakusurukokusai.html


安倍「官製相場」の正体。国民生活が疲弊し対米従属は加速する=吉田繁治 2016年10月20日
http://www.mag2.com/p/money/24781


2012年12月に発足した安倍内閣はアベノミクスを標榜し、株価上昇をその支持基盤としてきました。あれから約4年、いよいよ「株価政権」の総括検証をすべき時期が来ています。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2016年10月19日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した内容(約5,000文字)もすぐ読めます。

なぜ株価は景気を反映しなくなったのか?官製相場の欺瞞を斬る

安倍首相の「スタートダッシュ」

消費税10%法案を通した野田民主党の自滅により、自民党は2012年12月、3年4ヶ月ぶりに政権に復帰しました。首相自ら「アベノミクス」と呼ぶところの、安倍政権の経済・金融政策の始まりです。

安倍首相は前回の失敗から、「スタートダッシュが肝心」と決めていました。自公政権が確実になった12年10月に明らかになったのは、
◾脱デフレの大きなマネー増発策
◾10年で200兆円の国土強靱化の公共投資

でした。日銀法を改正し、独立権を奪ってでも、マネーを増発させるという強いものだったのです。

【関連】株も不動産も奪われる! 預金封鎖よりも怖い「財産税」の傾向と対策=東条雅彦

国土強靱化は、財政赤字を200兆円分拡大して危険だ、という財務省の反対で消えました。東日本大震災の復興予算として、別途、28兆円の政府支出が必要だったからです。

マネー増発を推進するミッションを持ち、黒田総裁・岩田副総裁体制になった日銀は、異次元緩和(量的・質的金融緩和)を開始します。

量的緩和は、金融機関がもつ国債を買ってマネーを増発する政策です。質的緩和は、日銀が日経平均(株式ETF=上場投信)とREIT(不動産投信)を買いあげて、価格を上げるものです。

日銀による株買い(ETFの購入枠は6兆円/年)、これは普通、中央銀行が禁じられていることです。

恐慌の研究家である前FRB議長のバーナンキは、「日銀がケチッャプを買えば物価上がる」と言っています。あるいはヘリコプターでお金をばらまけばいいとか、ニコリともしないで異常なことを言う。

日銀が増刷した円で店頭商品を買えば、需要の超過になり物価は上がります。車を100万台(3兆円)、住宅を100万戸(30兆円)買ってもいいが、さすがにそれはできない。そこで株を買う。

日銀の株買いは迂回(うかい)して行われた

金融機関は、国債をはじめとする債券と貸付金で預貯金や基金を運用しているので、余分な現金は持ちません。

量的・質的緩和を政策にした日銀が、郵貯、年金基金(GPIF)、かんぽがもつ国債を買う。政府系金融と基金(GPIF)はそこで得た円で、日米の株とドル国債を買う。ワンクッションおいていますが、日銀が直接に日米の株を買い、米国債を買うことと同じです。

日銀は直接買うETF(年6兆円の枠)以外に、迂回路をとり数十兆円の株買いを行ったと言えます。方法はごまかしめいて姑息ですが、マネーの流れとしては露骨です。

日銀は量的・質的緩和として、円を下げ、株を上げ、インフレに誘導する「可能な手段の全部」をとってきたのです。

株価上昇は、株主の資産(東証一部時価総額511兆円 ※16年10月18日時点)を増やします。同時に企業の増資コストを下げます。資産が増えた株主は、資産効果で消費を幾分か増やします(しずくのようにわずかなのでトリクルダウンという)。百貨店で、100万円級の機械式時計が売れたのが、この資産効果です。

株価は理論的には、企業の将来の税引き後の予想純益を、期待金利(リスク率を含む株式益回り:6.6% ※16年10月18日時点)で割ったものと等価です。これが表現するのは、株価は企業の予想純益の結果ということです。

しかし多くの人々には、「株価が上がった→景気がよくなったからだ」と理解されます。下がっていた血圧が輸血で上がったから健康に戻った、と思うような本末転倒ですが、投資家と上場企業は歓迎します。支持率が上がるので、政府与党も喜ぶ。

株価が下落し、支持率も低くなった前回の反省を踏まえた安倍首相は、スタートダッシュで円安の誘導、株価の上昇に躍起になりました。円安の誘導は、輸出を増やし、株価を上げるためでした。

マネーの流れ

ヘッジファンドは保有しているドル国債を日本に売り、得た円で、出遅れていた日本株を買う。そして実は、総資金量が420兆円と日銀よりも巨大な政府系金融(現在名ゆうちょ銀行、かんぽ保険、GPIF:総資金量420兆円)は、日銀に国債を売って得た円で、米国債も買っています。

公的年金の残高139兆円(15年12月)を運用しているGPIFの、15年12月のポートフォリオ(分散投資)は、「円国債38%、国内株23%、外国債券(主は米国債)14%、外国株23%」です。

※日銀がGPIFの国債を買いあげる→GPIFは得た現金で国内株、米国債、米国株を買う→GPIFに米国債を売ったヘッジファンドはそのマネーで日本株を買う

マネー運用には遅滞が許されないので、この迂回路取引がコンピュータの中で、一瞬で起こります。

安倍政権の初年度だった2013年には、外国人(ヘッジファンド)からの15.1兆円もの巨大買い越しがありました。

外国人の売買は、東証一部の年間売買額460兆円のうち320兆円(約70%:16年7月水準)です。国内勢(金融機関と個人投資家)は、1990年のバブル崩壊後の損失の累積で資産を減らしたため売買がとても少ない。国内勢の売買は140兆円です。

他方、多くがオフショア(タックスヘイブン:租税回避地)からであるヘッジファンドの売買が320兆円です。東証はこのヘッジファンドの支配下です。

ヘッジファンドの日本株買いと、円先物売りのマネーの多くは、GPIFにおけるような迂回路をとって日銀が買い続けている、政府系金融の国債の現金化から来ています。

安倍政権前から始まっていた「官製相場」

政治相場(あるいは官製相場)は、14年10月末に発表された「日銀の追加緩和」と「GPIFの運用方針の変更」から始まったように言う人が多い。

しかし、マネーの流れを比較貸借対照表で調べると、安倍政権が始まる前の12年の10月から秘密裏に開始されています。最初は、円安介入のための30兆円の政府系金融マネーでした。

※総資金量420兆円の政府系金融3機関が、日銀に国債を売ったマネーで、米国債を30兆円買った→米国債を売ったヘッジファンドが日本株買い/円の先物売りを行った

安倍政権が確実になる前、12年9月の日経平均の予想PER(加重平均)は、1ドル80円台の円高の中で12倍付近と低かった。米国ダウのPERは15倍と3倍高かった。

上場企業(東証一部2000社)においては、輸出製造業の株価シェアが大きい。円安/ドル高になると、利益が数倍に増えます。このため、円安で日本の株価は上がり、円高で下がる基本性格があります。

通貨の低下は、普通、国力(政治力)と経済力の低下を示します。しかし日本では、ドルでは同じでも円での輸出価格が上がる。このため、上場企業の利益が増える予想がたち、株が買われます。
(注)予想PERは、株価の時価総額を次期予想純益で割った株価/収益倍率であり、株価の高さ、低さを判断するための指標です

PERが15倍なら将来15年分の、未実現の企業純益を株価が含んでいます。16年10月の日経平均の加重平均のPERは、14.3倍付近です。単純平均のPERでは18倍と高い。日経平均は、ユニクロ(ファーストリテイリング)の34倍のような高PER銘柄を含むからです。

2016年10月現在、日経平均は1万7000円付近です。米国ナスダックの予想PER(単純平均)は現在21.9倍で、バブル価格の水準です。他国をあげると、インド18.2倍、英国17倍、米国ダウ16.8倍、上海総合14.4倍、ドイツ13.3倍、ロシア6.8倍です。


円安誘導という名の「米国債買い」を実行

安倍政権誕生の2ヶ月前、1ドル77円(12年9月)だった円は、その2ヶ月前から下がりはじめ、10月に80円、11月に83円、12月には87年円と13%の円安になっています。続く13年1月に92円、2月には93円と下がり、6月には岩盤に見えていた100円も超えたのです。
(注)円安のピークは、15年6月の125.8円です。16年2月のマイナス金利以降は、逆に円高になり16年10月は104円付近です

円安は、世界の外為市場(円の売買が日量120兆円:2016年)での「円売り/ドル買い」が「円買い/ドル売り」を超過することで起きます。なぜ50%(1ドル120円)もの円安になったのか?

ここで、財務省の外貨準備($1.26兆:126兆円:16年10月)は、目立つので使われなかった。かわりに、ゆうちょ銀行、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、かんぽに、推計30兆円の「円売り/ドル買い」を行わせたのです。

前述のように、日銀がゆうちょ、年金基金、かんぽがもつ国債を買い、政府系3機関は、そこで得た円で、円安誘導を目的にしたドル債買いを実行するわけです。

さて、米国政府は、為替介入を行う国を「為替操作国」と強く非難します。しかし、円売り/ドル買いで得たドルで米国債を買うと途端に沈黙します。この理由は何でしょうか?


アメリカ政府の債務は2000兆円

米政府の総債務(自治体と社会保障の債務を含む)は、日本国債の2倍の$20.0兆(2000兆円:16年)に膨らんでいます。米国債も$15兆(1500兆円:同年)に増えています。

財政赤字は毎年、$7000億付近(16年度は$7130億)です。17年には、公的医療費($2.8兆:280兆円:12年)の増加で、赤字は$1兆を超えるでしょう。

米国の人口ピラミッドは、日本の10年遅れです。医療費では診療単価が約2.5倍高く、総額で$2.8兆(280兆円:12年)です。3.2億人の国民の、健康な人を入れた1人あたり年間医療費は$9000(90万円)です。

日本の医療費は、40兆円で1人あたり31万円/年。米国は1人あたりで3倍も多い。米国の医療費は信じられない高さです。盲腸の手術や流産で200万円とか…日本は世界的には医療費は安い。

米国政府は、この高すぎる医療費のため、日本の10年遅れで高齢者が増えるとつぶれます(ほぼ確定でしょう)。

米国は、新規国債のうち50%は、経常収支が黒字の中国と日本に売らねばならない。米国内では50%分しか買い手がない。米国は、海外からマネーを借りる構造を続けています。円でドル国債を買うことは、マネーの流れとしては米国への貸し付けです。

経常収支の赤字国は、感覚では逆ですが、資本収支では黒字になります。資本収支の黒字とは、マネーが流入することであり、現象形は、海外の金融機関が米国債、株、社債、MBS(住宅ローン担保証券)を買って、ドル預金をすることです。

わが国の民間では、国内の運用先がない三菱UFJグループ(総資産281兆円:16年6月)が、米国運用を増やしています。米国経済は、海外資金が大挙して引き揚げるとひとたまりもない。このため、米国はユーロや円より約2ポイントは高い金利を続けねばならない。


米国が利上げしなければならない本当の理由

米国が14年10月に、3回行った量的緩和(QE:$4兆:400兆円)を停止し、2015年12月にFRBが0.25%利上げした本当の理由は、金利が低いままだとドル債が売られ、海外から来たマネーが逃げる恐れがあったからです。逃げはじめてからの利上げでは、間に合わない。

米政府とFRBが、日本に金融緩和を強く勧めるのも、米国債と株を買ってもらうためです。異次元緩和にも米国への資金環流という条件がついていました。リフレ派は亡国のエコノミストに思えます

リーマン危機のあと、400兆円のドルを増発した3度のQE(08年〜2014年)でマスクされていた米国の「大きな対外不均衡」は、今も世界経済における根底の問題であり続けています。

米国の対外総債務は、$20兆(2000兆円)、対外資産を引いた純負債は$8.8兆(880兆円)と巨大です(15年末)。

一方で日本は、官民で948兆円の対外資産をもち、対外債務は609兆円です。339兆円の純資産があります(15年末:財務省)。経常収支が黒字になり、バブル経済で世界ナンバーワンと言われた1980年代以来、企業と金融機関が営々と貯めてきたものが、対外純資産になっています。

関連して言うと、中国は、公式には$2.1兆(210兆円:14年)の対外純債権国とされています。しかし、15年と16年に民間で起こった「元売り/ドル買い」に対抗して、政府が行った「元買い/ドル売り」により、今は、純債務国に転落していると推計できます。

2015年12月で$3.3(330兆円)とされている外貨準備では、銀行の持ち分と政府の持ち分が二重に計上されています。中国の4大銀行は、全部が国有です。選挙と議会制度がない共産党国家・中国の経済統計には、かつてのソ連と同じ問題があります。


ヘッジファンドによる円売り・日本株買いのカラクリ

アベノミクスとは、インフレを目標にした、

1.日銀の国債買いによる通貨増発
2.ドル買い/円売りによる円安誘導
3.政府系金融とGPIFによる日本株買いと米国債買い


です。

2%のインフレを目標にしたのは、年金・医療費・介護費(社会保障費)が年率3%(3兆円)で増え続け、それが国債の増発に繋がって、債務比率(政府総債務1277兆円/名目GDP505兆円=253%)が拡大することを防ぐためです。

分母の名目GDPが年率で3%以上増え続けないと、債務比率が大きくなり、近い将来の財政破綻が確定するからです(名目GDPの下限目標=実質GDP1%+インフレ率2%)。

仮にインフレになっても、企業所得と税収が増える中で世帯の所得が増えない場合、国民の生活は苦しくなっていきます。年金支給額が固定されている年金生活者3100万人(15年:厚労省)と、円安では企業所得が減る多くの中小企業の雇用者4100万人(06年:経産省)、合計で7200万人は、インフレで実質所得が減ります。

しかし、それらは構わない。政府にとっては、差し迫る財政破綻の防止がはるかに大切だとされたのです。


円安と株価上昇には有効だった量的・質的緩和

需要が増えることによる物価上昇に効果がなかった量的・質的緩和は、12年末から15年までの円安と株価上昇には有効でした。13年と14年の物価上昇は、円安での輸入価格上昇が主因です。世帯消費と企業の設備投資は増えていません。

東証では、年間420兆円の売買額の70%が、オフショアからのヘッジファンドによるものです。国内の個人投資家と金融機関は、90年からのバブル崩壊、00年のIT株崩壊、08年9月からのリーマン危機で3回の大きな損失を被ったことから、売買額が30%に減っています。

個人投資家700万人の多くは、上がるときは損失を回復するため売り越す、下がるときは難平(なんぴん)買いで買い越すという行動を取ります。


2012年末以降の日本株式市場の売買構造

このため、わが国の株価を決めているのは、70%のシェアになったヘッジファンドの売買です。


1.ヘッジファンドが買い越せば上がり、売り越せば下がる

2.下がっては、政府と投資家が困る

3.ヘッジファンドが売り超になると、3つの政府系金融(総資金量420兆円)と日銀(同459兆円:16年10月)が買いをいれる

という単純な基本構造が、2012年末から2016年10月まで続いているのです。

しかし2016年は、政府系金融と日銀の買いに対する株価上昇の反応が鈍い。この理由は、

1.アベノミクスによる株価上昇が政治相場(または官製相場)であることを皆が知った

2.このため二番目に大きな売買シェアを持つ個人投資家(700万人)が、政府系金融に追随した買いを入れなくなった

ことにあります。


米国の後追い。2015年から日本でも自社株買いが増加している

1日平均売買額が2.9兆円(15年平均)だったものが、2.3兆円(16年7月)に減った現在の東証一部で、大きく増えているのは自社株買いの4.3兆円です(16年1月〜9月)。

これは、事業法人の買い超に含まれます。年間では5.7兆円の買い超になるでしょう(13年1.5兆円、14年2兆円、15年3兆円)。

自社株買いは、市場で流通する株式数を減らします。会社利益は同じでも、1株あたり利益は上がったようになり、株価も上がります。タコが自分の足を食べることに似たこの自社株買いは、上場大手企業が留保利益で将来投資をせず銀行預金として貯まった、現金100兆円で行われています。

自社株買いでも、買いが増えれば株価は上がるので「株価上昇という形の株主配当」とされています。経営者が株主サービスとして行うのです。問題は、自社株買いは、いつまでも続けることはできないことです。

米国の2012年以来の自社株買いは、とても大きい。16年の第一四半期で$1820億(18.2兆円)です。年間では73兆円という巨額です。米国では、日本よりはるかに個人株主の要求度が高い。株価が1年も下がり続ければ、資産を失った株主により、株主総会で経営者が追放されます。

このため、経営者は米国FRBの量的緩和と、わが国と同じ将来投資の少なさから滞留したキャッシュフローで、年間73兆円もの自社株買いで事実上の減資をしているのです。

時価総額で世界一のアップル($6091億=60兆円:16年9月)は、社債を発行しゼロ金利マネーを得て、それで巨額の自社株買いを行っています。米国のダウやナスダックの大手企業の株価は、大きな自社株買いで20%から30%は高値になっているでしょう。

本稿執筆時点のダウは1万8161ドル、ナスダックは5243ポイントで史上最高値圏です。過去10年の純益を元にしたシラーP/Eレシオ(26.6倍:16年10月)が示すように、数十%のバブル性があると見ることができます。株価維持のために膨らみすぎた自社株買いの減少があれば、下がります。

自社株買いは、政府主導の官製相場と同じく、3年も5年もと続けることはできません。事実、2016年は米国の自社株買いはピークアウトして、今後は減少する傾向も見えます。

米国の自社株買いの傾向に注目してください。これが減ると、米国株は下がります。米国株が下がると、日本と欧州にも即日に波及します


株価が景気を反映しなくなった理由

ポートフォリオ投資とHFT(超高頻度売買)を組み合わせた売買シェアが、60%まで増えています。10年代の国際金融は、ネットワークで、リアルタイムに連結されているからです。

世界中の国債や株の売りも買いも、コンピュータ画面で一瞬です。株と債券の金融市場は、インターネットで変容しています。売買を叫ぶ「場立ち」があった「のどかな市場」ではない。

それでなくても、わが国の日経平均は米国ダウの子供です。米国株を売買しているヘッジファンドがポートフォリオ(分散投資)で、日本株をたとえば12%と一定割合にしているからです。米国株が下がると、ポートフォリオの中の米国株が減少します。かわりに、12%枠と決めている日本株の構成比が上昇します。これでは日本株の下落リスクが大きくなる。

株価罫線を分析するトレンド理論(傾向理論)とは違う、ランダムウォークの理論では、向こう3ヶ月で10%上がる確率があるときは、10%下がる確率も同じです。このため、ポートフォリオでのリスクが、コンピュータが自動計算する数値で大きくなる。

従って、米国株が下がると日本株を売って減額調整するプログラムが組み込まれています。ヘッジファンドのほとんどの売買で行われているHFT(超高頻度売買)がこれです。人間は関与せず、現物・先物・オプションの売買を組み合わせ、瞬時に売買が行われます。

ファンドマネジャーの関与は、ポートフォリオの割合(パラメータ)を変えるときです。以上の売買構造が増えたため、日米の株価の動きは同時化します。日米だけではない。

世界の株式市場(時価総額6000兆円:世界のGDPの1倍)が、ほとんど瞬間連動して動きます。基礎的な経済指標によるファンダメンタル理論(端的に言えば、景気がよくなると株価が上がる)は、ほとんど関係がなくなっているのです。
http://www.mag2.com/p/money/24781


7. 中川隆[-5542] koaQ7Jey 2018年3月05日 12:58:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

米国金利上昇にもかかわらずドルが下落している理由2018年2月22日
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7463


アメリカの金融政策を決定するFed(連邦準備制度)の利上げとバランスシート縮小という金融政策によってアメリカの長期金利が上昇し、株式市場も不安定になる中、ドルが下落している。為替相場の教科書では、金利が上昇する国の通貨は高金利を求める資金が流入することで上昇することになっているが、2018年には逆の現象となっている。

その原因は様々な批評家が様々な推測をしているが、どれも的を射ていないように思う。遅くはなってしまったが、筆者はその原因にようやく確信が持てたので、この記事で検証してみたい。

金融バブルと世界市場

バブルが今回の件で完全に崩壊するかどうかは別として、やはり現在の市場の不安定さの原因は量的緩和バブルなのである。2008年の金融危機以降、あるいはもっと遡れば1980年代のレーガノミクス以降、先進国の中央銀行は金融緩和によって市場を支えることを継続して行なってきた。

金融緩和とは市場に資金を注入することで金利を押し下げる政策なので、結果としてアメリカの長期金利は長期の下落傾向にある。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/02/2018-2-22-us-long-term-interest-rate-long-term-chart.png

この長期の低金利トレンドがFedの金融引き締めによって覆されようとしている。その時に何が起こるかということが、今投資家が考えなければならないことなのである。

長期トレンドを理解した後で、より直近の市場の動向を考えてみよう。

通常、金融市場はファンダメンタルズと呼ばれる各市場にとって本質的な経済指標によって動かされている。例えば原油の価格であれば、世界的なエネルギー需要の増減がどうなるのか、OPECが減産合意をすれば供給はいくら減るのか、等の情報によって変動する。株式市場であれば企業利益の増減に反応し、ドル相場であればドルから得られる利益(つまりドルの金利)などに反応することになる。

しかし、少し前の記事で指摘した通り、最近の相場の動きはこうしたファンダメンタルズからの乖離が見られる。

•世界同時株安: 今後の大きな資金の流れを解説する

世界一の経済大国であるアメリカの中央銀行は世界の中央銀行とも言え、アメリカの金融引き締めは世界の金融市場から資金を引き揚げる政策であるとも言える。

どんなファンダメンタルズに基づいて動いている相場であっても、物理的に資金が引き揚げられてしまえば下落するしかない。そして現在起こっているのは、ファンダメンタルズではなく資金の流れに大きく影響される相場なのである。

以前の記事で取り上げたのは、米国株と原油相場が連動し始めたことである。そしてそれは今も続いている。以下は米国株のチャートである。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/02/2018-2-22-s-and-p-500-chart.png

そして以下が原油価格のチャートである。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/02/2018-2-22-wti-crude-oil-chart.png

アメリカの企業利益と世界の原油の需給という全く別のものに連動しているはずの米国株と原油価格が、特に2月以降完全に連動している。そして原油と株価が同じように上がって下がるというのは、2008年のバブル崩壊時にも見られた動向である。

また、この傾向は金価格にも見受けられる。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/02/2018-2-22-gold-chart.png

全く別の3つのものが連動しつつあるのが分かるだろう。

ドル建ての金価格は基本的にはドル相場を測る1つの指標である。ドル円やユーロドルはアメリカの事情だけでなく日銀やECB(連邦準備制度)の動向にも左右されるが、実需よりも通貨としての利用の方が大きいゴールドは、ドル指数などと並んでドルだけの動向を測ることが出来る。

そしてドルの動向を左右するファンダメンタルズは実質金利である。投資家は金利が上がれば金利のつかないゴールドよりもドルを保有しようとするため、基本的には実質金利と金価格は反相関の関係にある。しかしその関係が少し前から壊れているのである。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/02/2018-2-22-gold-and-us-real-interest-rate-chart.png

秋頃までは、実質金利が上がれば金価格が下がるという綺麗な菱形のグラフだったのだが、年末から急にその連動が崩れている。実質金利は一貫して上昇しているが、ドルはむしろ安くなっている(つまり、金価格が上昇している)。

そして金価格が(つまりドル相場が)現在は何に連動しているのかと言えば、米国株を中心とする大きな資金の流れに連動してきているのである。

ドルが売られるのは米国から資金が流出する時である。そしてドルが買われるのは米国に資金が戻ってくる時である。

しかしドルは株式市場が強い時に売られ、弱い時に買われている。資金流出とは弱い時のことではないのかと思いがちだが、アメリカの投資家の目線から考えればより状況が分かりやすくなるだろう。

アメリカの投資家はリスクオフの場合に何をするだろうか? リスク資産を売ることになる。そしてリスクオフには新興国株など(アメリカ人にとって)外貨建ての資産が含まれる。

そしてアメリカ人が外貨建て資産を売れば、その資金はドルに戻すことになる。だからリスクオンでドルが売られ、リスクオフでドルが買われるのである。これが現在のドル相場の状況である。

ドル相場の今後

重要なのは、現在の金融市場ではファンダメンタルズがほとんど完全に無視されているということである。世界中の市場が金融引き締めという資金の流出をどれだけ深刻に捉えるかという一点だけに関連して動いているので、金利や需給などに根ざした通常時のトレードが成り立っていない。これは一般的に言えば、バブルの後期に起こる現象である。

また、この記事ではドル一般の動きについて説明したので、ユーロドルやドル円など個別の通貨をトレードするためには相手国の金融政策を考える必要がある。ユーロはECBの金融引き締め開始を織り込もうとしてユーロ高傾向にはあるが、チャートでは上記の「資金の流れ」理論に大体連動しているように思える。


一方で、ドル円はチャートの形としては連動がないわけではないが、中期的な円高傾向(ドル安傾向)が他のチャートに比べてかなり大きい。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/02/2018-2-22-usdjpy-chart.png

これは、日銀の緩和限界を市場が意識しているためだろう。限界を厳密に計算することは難しいのだが、機会があれば記事にしたいと思う。元日銀委員の木内氏は2018年に量的緩和は限界を迎える可能性があると言っていたが、そこまで差し迫っているのかどうかは微妙である。しかし、そうしたリスクが確実に円相場を押し上げてはいる。

結論

纏めると、最近のドル安傾向は相場が「ファンダメンタルズ相場」から「資金の流れ相場」に移行したことが理由であり、ドル安になっているのは、市場を破壊するような金融引き締めが行われるはずがないという投資家の勝手な楽観のためである。

しかし長期金利は確実に上昇している。そのため株式市場が不安定になっており、株式市場が崩壊するのかという問題は、ドル安トレンドが崩壊するのかという問題と確実に連動している。つまり、崩壊すればドル高ということになる。

しかし、厳密には株式市場とドル安トレンドの崩壊は時期が微妙にずれるかもしれないし、崩壊の程度も異なるだろう。

つまりは、ドル相場を以下の記事に書いた「大きな資金の流れ」の中に位置づけて、金利などのファンダメンタルズを一旦忘れて考えてほしいということである。この記事ではその中で米国株や日本株などの立ち位置を考えたが、ドル相場にも同様の観点が必要だということである。

•世界同時株安: 今後の大きな資金の流れを解説する

さて、金利動向に反したドル安の継続は市場がかなり可笑しくなっていることを示している。筆者は投資の方針を変えずにジャンク債の空売りを継続しているが、他の市場も注視してゆく。市場全体を理解しなければ、個別の動向も理解できないからである。


•ガントラック氏: ジャンク債は死んだ、長期金利は3%を超えても上昇が不十分


http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7463


8. 中川隆[-5538] koaQ7Jey 2018年3月05日 15:14:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

日本株の先行き 楽観論と悲観論で真っ二つの理由 
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180110-00000005-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 1/10(水) 17:00配信

 
 日本株の楽観論と悲観論、それぞれの根拠は?


 2017年の日経平均株価は、約26年ぶりにバブル崩壊後の最高値を更新するなど、大幅に上昇した。では、2018年も日経平均は上昇を続けるのか。経済アナリストの森永卓郎氏が、日本株の先行きについて以下のように解説する。

 * * *
 日本株・日経平均の先行きについては、市場関係者の間でも、「まずは3万円を目指してまだまだ上昇が続く」という強気の見方と、「株価は既にバブルといえる水準でもうじき弾ける」という弱気の見方とに、大きく見解が分かれている。なぜ分かれているかといえば、論拠として重視している株価の指標が異なるからだ。

 まだ上がるという楽観論者が重視している指標は、税引き後純利益の何年分の株価がついているかを示す「PER(株価収益率)」だ。日本株の現在のPERは15倍程度。株価の値上がりに伴い上昇したとはいえ、15倍程度なら確かに世界的に見てもノーマルな水準といえる。したがって、まだバブルといえる段階ではなく、今後も上昇余地は大きいというのが、楽観論者の見解である。

 一方、悲観論者が重視しているのは、「バフェット指数」だ。その国の株式市場の時価総額がGDPの何倍になっているかを示すもの(「時価総額÷GDP」で算出)で、著名な米投資家のウォーレン・バフェット氏が株価の割安・割高を判断する時に使っているといわれる指標だ。バフェット指数が1倍を超えると、その国の株価は割高だと考えられるが、現在の日本株のバフェット指数は1.3倍くらいに達している。1989年のバブル期が1.4倍程度だったことから考えても、 明らかにバブル化しているというのが、悲観論者の見解だ。

 実はこれまで日本株に関して、この2つの指標はほとんど乖離せず、同じように動いていた。ところが、このところPERはさほど上がっていないのに対して、バフェット指数は一気に上がっている。その結果、楽観論者と悲観論者の見解の相違が生じているのだ。つまり、企業の利益水準から見れば現在の株価は適正といえるが、GDPとの比較で見ると非常に割高だといえるのである。

企業が従業員の賃金を絞って内部留保を増やす理由

 このことは、現在の日本経済の致命的な問題を浮き彫りにしている。GDPはそれほど増えていないのに、企業利益は非常に増えている。たとえば、法人企業統計を見ると、2016年末の企業がため込んだ内部留保は406兆に達し、前年度比で28兆円も増加している。そのうち211兆円が現預金で、こちらも前年度比11兆円も増えているのだ。

 その一方で、安倍政権下の5年間で労働者の実質賃金は4%も下がっている。アベノミクスで経済のパイは確かに大きくなったが、企業はとてつもない儲けを従業員に分配していないどころか、取り分を削ってしまったのだ。これでは企業の利益が増えるのは当然のことである。

 従業員の賃金を絞って内部留保を増やしている理由は、現在の企業の役員報酬の多くが利益に連動するようになっていて、しかも「ストックオプション」が一番の儲けのネタになっているからだ。これは新株引き受け権といって、株価が上がるとその差額がフトコロに入ってくることになる。つまり、内部留保を貯め込むほど企業の価値が上がり、株価も上がって自分たちが儲かる仕組みだ。この構造により、全体的に株価が上昇したと分析できる。

 しかし、こうした状況は長続きするはずがないと考えている。ほとんどの企業は最終的に消費者を相手に商売をしているのだから、労働者=消費者イジメは巡り巡って最終的に自分に返ってくるからだ。

________


バフェット指標で見る日経平均株価の上限


2016年 12月 22日 4度目のバフェット指数1倍超え


株価は楽観的な見通しを織り込んだことで、すでにバブルの領域との見方も出ている。

著名投資家のウォーレン・バフェット氏は

その国の株式市場の時価総額が名目GDPを超えると危険サイン

ととらえ、持ち高調整を検討することで知られている。

名目GDPに対する株式市場の時価総額の倍率をバフェット指数と呼ぶが、

日本の2015年度名目GDP532兆円に対し、22日時点で東証上場の株式時価総額は580兆円強。バフェット指数は約1.1倍になっている。


日本で同指数が1倍を超えたのは、1980年代後半のバブル期、2007年リーマンショック前の米住宅バブル、2015年8月前後のアベノミクス期待のピークに続き、トランプラリーの今回は4度目になる。

変動の大きい期間利益をもとに算出されるPERと異なり、同指数は比較的ブレが少なく行き過ぎた株高を警告するサインとみられているが、今のところ市場で懸念する見方は少ない。


バブルは予測不能な面もあり、市場のコンセンサス通りなら短期の調整を交えて、少なくとも米新大統領就任後の蜜月期間が終わる来年5月頃まで株高が続くことになる。

「レーガノミクスのように大きなレジームチェンジが起きると景気拡大は長くなる」(みずほ証券投資情報部長の倉持靖彦氏)との指摘もある。
http://jp.reuters.com/article/vix-stock-idJPKBN14B0IY?sp=true

リーマンショック級の円高株安をバフェット指標でチャンスに変える 2016/07/04
https://www.ewarrant.co.jp/posts/kiwameru/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E7%B4%9A%E3%81%AE%E5%86%86%E9%AB%98%E6%A0%AA%E5%AE%89%E3%82%92%E3%83%90%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88%E6%8C%87%E6%A8%99%E3%81%A7%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AB%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B


バフェット指標で見ると、本格的な暴落は「こんなもんじゃない」


 日本株は7年から10年程度の周期で大きな変動を繰り返しています。

これは企業の設備投資を原因とする10年程度の景気循環(ジュグラー循環)とほぼ一致しているようです。

 図1は著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が用いているとされる手法を日本株に当てはめたものです。

これを見ると、1980年代末の日本のバブル景気の異常なほどの過熱と、その後のITバブル、サブプライムバブルと概ね7年から10年で東証一部時価総額が日本のGDPに近づくと危険信号、上回ると過熱となっていたことが分かります。

今回も2015年には GDPを15%上回り、実はサブプライムバブル時よりも相場は過熱していました。また、前回の天井となった2006年末(年ベース)から10年経過したので、景気循環的にも何らかのきっかけでいつ暴落が始まってもおかしくない状況でした。


 これまでの過熱相場後の暴落では、東証時価総額がGDPを40%も下回るほどまで株価が下落してようやく底値を付けていました。

この観点では 6月24日の英EU離脱に伴う日本株の下げでも、まだGDPを 7%下回ったに過ぎません。

GDPを40%下回る水準なら(図中右端の赤斜線の矢印)、TOPIXであと 35%下落し、日経平均なら 1万円割れとなります。


 つまり、今回の英EU離脱に伴う日本株の下落は、7年から10年周期の大相場の下落水準としては「こんなもんじゃない」といえるような水準だったことになります。


図表1:7-10年おきのクラッシュ並みならぜんぜん足りない!
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-1.png


 また、2000年以降は世界経済のグローバル化と金融市場の一体化の影響により、世界各国の株価の長期的な周期が一致し、特に暴落時には日本経済がそれほど調子が悪くなくても、あるいは日本株が過熱気味でなかったとしても、米国株が暴落すると、そこで大相場が終わってしまうようです。この最たる例がITバブル崩壊時でした。

 図2はバフェット指標で米国株を見たものです。

ITバブルは米国の株式を中心としたバブルだったので、一時 GDPを43%(1999年)も上回る状況となりました。

サブプライムバブルは不動産や不動産証券化商品中心のバブルだったので、対GDP比では株式の過熱は3%(2006年)どまりでした。

現時点では、2016年年初の下落を跳ね返し、6月24日の英EU離脱後でも、未だにGDPを14%も上回っている状態でした。

米国株の場合、暴落時にはGDPを24%(2002年)から38%(2008年)下回っているので、今回もGDP比30%程度の下方乖離はありえそうです(図中右端の赤斜線矢印)。

その場合、最大でこれから40%も下落余地がある(NYダウに換算すると10,400ドルまで下落する?)ことになります。

図表2:米国株も7-10年おきのクラッシュなら4割安も?
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-2.png


■これからの1-2年が“最後の円高”なら、外国株投資のチャンス!?

 今回の英国のEU離脱に伴うショックでは、近年の暴落で何度も確認されてきたとおり、株式の国際分散投資は無力でした。暴落時に相関が急上昇するのでどこにも逃げ場ないのです。

 一方、キャッシュマネジメントを重視する投資戦略をいくつか併用し、例えば

7年から10年に一度の暴落を狙う「バフェット流大底投資」や、

1年のうち下落する傾向が強い 5月から10月まではポジションを持たない「半年投資」、

長期的に順張りシグナルが出ている時だけ投資する「DOI MODEL」

といった戦略を採用していたら、3割から 9割程度のキャッシュを抱えたまま今回のEU離脱ショックを迎えたはずです。

また、金ETF、金レバレッジトラッカーや金地金などで金に投資していても円建てで資産価値の保全ができていました。

 投資タイミングは拙著

『最強の「先読み」投資メソッド』
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%BC%B7%E3%81%AE%E3%80%8C%E5%85%88%E8%AA%AD%E3%81%BF%E3%80%8D%E6%8A%95%E8%B3%87%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%83%E3%83%89-%E5%9C%9F%E5%B1%85-%E9%9B%85%E7%B4%B9/dp/4828418040


に紹介したS&P VIXを使う方法、プット・コールレシオを使う方法、信用取引評価損益率を使う方法などに加えて、前述のバフェット指標を使ったざっくりとしたものでも十分効果的と考えられます。

 具体的に「今からどうやって備えるか?」、「バフェット指標で十分に下落したと思ったら何に投資するか?」という点に関して、正解は一つではありません。どこまでリスクをとれるか、どこまで資金を寝かせられるか、どこまで投資に時間を使えるかといった要素で異なりますが、例示するなら以下のようなものになるでしょう。


◎今からどうやって備えるか?(例)

•円キャッシュ90%、10%は米大統領選などの大イベント直前にeワラント両建て

•予想PERで割安に見えても購入予算の1/3までに止める(インテリトラップを避ける)

•現物株を減らし、5%程度の資金で日経平均プットやハンセンH株プットを保有する

•20:80戦略を使う(資産の20%で損失限定のハイリスク投資、残りはキャッシュ)

•アノマリーで悪いイベントが起きやすい5月から10月にはキャッシュを増やす

•FXを使うならレバレッジを5倍程度まで下げる(強制ロスカットされないため)


◎バフェット指標で十分に下落したと思ったら何に投資するか?

•人口動態で有利な米国株ETF(S&P500対象)、インド株ETF、フィリピン株ETF

•「デフレ・円高勝ち組バスケット」コール1回あるいはその構成銘柄を直接数銘柄購入

•時価総額が100億円未満の小型株を過去10年の業績まで調べて3−4銘柄に集中投資

•ショックで一時的に金価格が下がったら金5倍プラストラッカーや金ETFに投資
https://www.ewarrant.co.jp/posts/kiwameru/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E7%B4%9A%E3%81%AE%E5%86%86%E9%AB%98%E6%A0%AA%E5%AE%89%E3%82%92%E3%83%90%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88%E6%8C%87%E6%A8%99%E3%81%A7%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AB%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B


【2016年11月更新】ウォーレン・バフェット指標。
米国株と日本株(東証1部)の時価総額を名目GDPと比較してみる
http://www.life-free.net/entry/2015/04/15/184506

今日は株式市場の割高割安を示す指標のひとつであるウォーレン・バフェット指標について書きたいと思います。

ウォーレン・バフェット指標とは、バフェット氏が愛用しているとされる指標で、「その国のGDPと上場株式の時価総額の総和を比べるもの」です。

過去を見る限りでは、GDPよりも株式時価総額が上回ったときは、赤信号です。


バフェット指標の意味について考察


株式時価総額と名目GDPを比べて、割高割安を判断する意味についてです。

企業の価値を、「その企業が存続する期間に生み出すキャッシュ・フローの総額を現在価値に割り引いたもの」として考えた場合、PER(時価総額を利益で割ったもの)で割高、割安は判断可能なんですよね。

ですから、日本株のForward PER(時価総額を予想利益で割ったもの)を見れば、株式市場の過熱感はわかります。

なぜわざわざ株式時価総額とGDPを比較するのでしょうか?

おそらく、結局のところその国全体の企業の利益はその国のGDPと強い相関を持つということでしょう。金は天下の回りものであり、名目GDPはお金の回り具合を表します。お金が回らないと経済は活性化しませんし、経済が活性化しないということは、企業が利益を生み出せないことを意味します。

私の100万円の支出は、だれかの100万円の収入なのです。

現在を見るに、名目GDPよりも遥かに高い増加率で、株式時価総額がどんどん増えています。ついには、割高域にすでに達しました。

そして重要なことですが、この指標は過去を見る限り正常に機能しているということです。

現状の認識と投資の選択肢

まず、現状の認識についてですが、株価は割高と判断します。それをふまえて、以下のような選択肢が考えられます。

リスクを限定してバブルに乗る

バブルは最後が一番おいしいと言われています。ですから、あえてそのバブルに乗る方法があります。もちろんリスクは限定しなければなりません。簡単な方法は、コールオプションを買うことでしょう。他に、単純にロスカットラインを決めて投資する選択肢もあると思います。

現金保有率を多くする(株式と相関値が低い資産を保有する)

現金や他の資産を保有して株価を見守るという選択肢です。

このままどんどん株価が上がれば、パフォーマンスは劣後して、惨めな気持ちになるでしょう。しかし、投資家としては受け入れるべき感情だと思います。投資から一歩身を引くという意味でも、これは精神的にラクな選択肢だと思います。

売りポジションを追加する

株価下落を見越して、利益を積極的に取りにいく選択肢です。ただし、売りはバブルで焼き尽くされる可能性はあります。特に、追加の金融緩和が発表されたら、株価はさらに上がるでしょう。ご利用は計画的に。

最後に

当たり前のことを言いますが、私はこれ以上株価が上がらないと言っているわけではありません。ただ、現在の株価は割安割高のどちらかと聞かれると、割高だと答えます。
http://www.life-free.net/entry/2015/04/15/184506

2016年12月31日
バフェット理論では日本株頭打ち 日米株バブルの行方


株式時価総額がGDPを大きく超えた時にバブル崩壊している(アメリカ)
引用:(投資の科学的思考)http://investortrader.info/wp-content/uploads/2016/09/419bb581eeba14ec33a6a866d1a49d43.png


危うい日本株

2016年の日本株は後半にかけて急上昇し、おおむね良い年だったという人が多いのではないだろうか。

だが客観的数字のいくつかは現在の日本株、日経平均約2万円が人為的に吊り上げたもので、やがて落ちてくるのを示唆している。

良くないことの一つが日銀と年金資金による大量の日本株購入で、2016年の株価上昇はすべてこの2つがもたらしていました。


日銀は2016年にETFを4兆3千億円購入、GPIFなど信託銀行も3兆5千億円を買い越し、政府系だけで約8兆円の買いがあった。

外国人投資家は、現物と先物で2兆8000億円を売り越し、国内個人投資家も2兆5000億円を売り越し、個人投資家は5兆円以上を売りこした。

政府系資金で個人投資家の売りをそっくり吸収して、民間機関投資家の買いを呼び込んで株価が上昇した。


2017年も同様に日銀とGPIFが相場を支えるには8兆円から10兆円を買わなくてはならないが、この政策を続けられるか疑問がある。

政府の資金で株価を上げるのは一時的には効果があるが、資金が有限である以上、いつかは止めなくてはならない。

良くない事の二つ目は、2016年は株価上昇したと言っても、それはほとんど最後の2ヶ月だけで、10ヶ月間は下がっていました。


1月はチャイナショックで暴落し、6月に英EU離脱で暴落し、11月9日からトランプ相場が始まり急上昇しました。

「トランプだから経済が良くなるんだ」と著名アナリストらは言っているが、こいつらは「トランプなら世界大恐慌だ」と言っていたのです。

トランプ相場には実態がないので、1月20日の就任式以降にどうなるかは見ものです。


バフェット理論では株価は高すぎ

良くない事の三つ目は、単純に日米の株価は既に上昇しすぎていて「バブル」になっている疑いがある事です。

この手の崩壊論は下らないことが多いが、そう言っているのが世界一の金持ち投資家のWバフェットなら、気に掛けるべきかも知れない。

有名なバフェット指数では「その国の株式総額は、長期的にはGDPと一致する」のを基本原理としている。


つまり株価とは実体経済の裏づけがあるもので、トヨタが生み出す価値が10兆円ならば、トヨタの時価総額も10兆円であるべきだという事です。

これがもし10兆円の価値しか生み出していないのに、時価総額だけが多かったら、ホリエモンのネット企業みたいに崩壊する可能性が高いです。

日本のGDPは計算方法が修正され532兆円(修正前は500兆円)だが、東証1部の時価総額は年末で571兆円もあった。


しかも2015年末の時点で時価総額は585兆円だったので、2016年は時価総額でマイナスに沈み、株価だけが微増になった。

アメリカのGDPは2016年中頃で約18兆ドルで、時価総額は22兆ドルなので、アメリカの方が株価が2割も上がりすぎている。

過去にはこのように時価総額がGDPを大幅に上回ったときに、2000年のITバブル崩壊や、20007年サブプライム危機が起きていました。


日本でも株価が上がりきった時にバブル崩壊、小泉景気の反動などが起きたが、いずれもGDPが増えていないのに株価だけが上がっていた。

こうして見ると確かに日米の株価はGDPという実体経済に対して高すぎ、特にアメリカはバブル経済になっている疑いがある。

日本株もやはり日本のGDPより大きいので、実体経済と比べて株価だけが上がっていると言える。

こうした数字からは日米のバブル崩壊が近いうちに起きても不思議ではない。
http://thutmose.blog.jp/archives/68367158.html

バフェット指標で見る東証の7-10年おきのバブル崩壊
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-1.png


来年は米中貿易戦争によるバブル崩壊の年?


2016-12-27
2017年はアメリカと中国の貿易戦争によって大混乱が起きる

ドナルド・トランプ次期大統領は、大統領戦で「中国から雇用を取り戻す」としばしば発言してきた。そして、その具体的な方法としてこのように述べた。

「すべての中国製品には45%の関税をかける」
「アメリカ企業が中国に建てた工場を取り戻す」

ドナルド・トランプは中国に対して敵対的な発言をしたのは、これだけではない。北朝鮮問題でも「北朝鮮問題を解決しないならば、中国を潰してしまえ」と叫んだ。

さらに中国がアメリカに対してハッキングを仕掛けていることにも触れて「アメリカ政府の情報を盗んでいる」と断言し、「これを止めさせる」とも言った。

2015年8月、オバマ大統領は中国の習近平が訪米したとき国賓として厚遇したが、ドナルド・トランプはこれにも異を唱えていて「私ならば晩餐会は開かず、ハンバーガーでも出す」と言って習近平の顔に泥を塗った。

さらに2016年12月2日には、台湾の蔡英文総統と電話で会談して台湾を国として認めていない中国を怒らせた。

ところが中国が怒ったと聞くと、ドナルド・トランプは「どうして一つの中国政策に縛られなきゃならないのか分からない」と、さらに火に油を注ぐ発言をして中国を激怒させている。


「一つの中国政策など知ったことか」と突き放す

"One-China policy"(一つの中国政策)は、「マカオも香港も台湾も中国のものだ」と中国が勝手に主張している政策である。今まで世界はその主張を黙認してきた。

なぜなら、中国をグローバル化に組み入れて、中国市場から利益を上げようとしてきたので、中国の機嫌を損ねたくなかったからである。

グローバル主義を信奉する現在の体制は、自分たちの利益のために台湾を見捨て、チベットやウイグルを見捨て、中国の暴虐を見て見ぬフリをしてきた。

日頃は人権人権と叫んでいるオバマ大統領も、チベットやウイグルの話になったら完全に耳を塞いで、中国との親密な関係に腐心してきた。

しかし、ドナルド・トランプは当初からグローバル化よりも「アメリカ第一」を掲げており、中国との関係悪化など何とも思っていない。

「中国はアメリカの雇用と富を盗んでいる」という発言を見ても分かる通り、むしろ邪魔な中国を叩き潰してでもアメリカを偉大な国に戻そうとしている。

アメリカを偉大な国にするためには、それを邪魔する中国を叩き潰すのが一番だと思っているのである。だから、「一つの中国政策など知ったことか」という話になる。

現職のオバマ大統領が取り繕うように「一つの中国政策を支持する」と言ったが、トランプ次期大統領は「オバマは気弱すぎる」とすでに見向きもしない。

こうしたドナルド・トランプの強硬発言に対して中国は「思い知らせる」ために2016年12月15日、アメリカ海軍が使っていた無人潜水艇を中国軍の艦艇が拿捕し、持ち去るという事件を起こした。

アメリカ政府は「返せ」と中国に抗議をしたが、ドナルド・トランプは「中国はアメリカ海軍の探査機を公海で盗んだ。前代未聞の行為だ」として「返さなくて結構。そのまま持たせておけ!」と中国を突き放している。


国家通商会議に反中派のピーター・ナバロ氏を起用

ドナルド・トランプは、中国と徹底的に敵対する道を「あえて」選んでいる。中国を「歴史的に世界で最も巨大な泥棒」と呼び、「中国が米国を強姦するのを放っておかない」とも言った。

アメリカ国内では、多くの識者がこれを「トランプ流のディール(取引)のやり方だろう」と考えた。ドナルド・トランプであってもさすがに大統領職に就いたら大人しくなると彼らは分析した。

ところが2016年12月21日、そうでない可能性が高まった。

トランプ次期大統領は貿易政策を担当する「国家通商会議」を新設して、そのトップにピーター・ナバロ氏を起用すると発表したからである。

ピーター・ナバロ氏は、カリフォルニア大学アーバイン校教授なのだが、アメリカきっての「反中派」として知られる人物で、実際に中国を批判する著書をいくつも書き、さらに反中のドキュメンタリー映画も製作している。

ドナルド・トランプが「中国製品に45%の関税をかける」というのを「支持する」と当初から言っていた学者のひとりでもある。

こうした「反中国」の人間を、トランプ政権で重要な役割を果たすと思われるホワイトハウス直属の「国家通商会議」のトップに据えたのだから、ドナルド・トランプのメッセージはこの上なく明確なものである。

2017年から「アメリカと中国の貿易戦争」が起きるのだ。

中国は恫喝の意味も込めて、中国国内にあるGM(ゼネラルモーターズ)に対して独占禁止法に違反したとして約34億円の罰金を科すと発表した。

これを見ても分かる通り、すでに水面下では中国とアメリカは互いに貿易戦争の序盤戦を開始している。

ドナルド・トランプ政権が本格的に立ち上がったら、いきなり激しい恫喝と報復の応酬で世界が混乱する可能性がある。

先行きを杞憂した投資家はすでに中国市場から投資を引き上げており、トランプが次期大統領に決まってから中国の株式市場はずるずると値を下げている。


今の中国共産党国家は、日本にとって必要のない国

実際に中国とアメリカの間で貿易戦争が起きたら、中国が大きなダメージを受けるのと同時に、中国の報復によってアメリカもまた無傷ではいられない。

つまり、グローバル経済は米中の対立に巻き込まれて激しく動揺する。これが意味するところは、アメリカの株式市場もまた暴落を余儀なくされる確率が高いということでもある。

ドナルド・トランプとその陣営もそれが分かっている。しかし、分かった上で乱打戦を仕掛け、最終的にアメリカが勝つ方向に賭けようとしているのである。

乱打戦というのは、互いに相手を殴り合うことだ。

ということは、グローバル経済の中で莫大な利益を得てきたアメリカの多国籍企業も、最後には生き残って勝ち上がるとしても、その間に何度も問題に巻き込まれることになる。

中国は「自分たちの製品に45%も関税をかけるというのであれば、中国でアイフォーンを売れなくしてやる」と警告している。実際にそうなればアップルの売上と利益は急落し、株価は暴落しても不思議ではない。

スターバックスやナイキなど、中国に深く浸透したアメリカの多国籍企業は軒並み影響を受ける。

実際にドナルド・トランプ政権が立ち上がった時、貿易戦争の行方がどの程度の規模で起きるのかはまだ誰も分からない。それは当事者の米中も分かっていない。

しかし、今までの大統領とはまったく違う「反中的」な考え方をする人間が大統領になり、反中派のピーター・ナバロ氏が指揮を執るのだから、2017年は平穏な年になることを期待しても無駄であるのは誰でも分かる。

アメリカと中国の貿易戦争によって大混乱が起きるのを覚悟しておかなければならないのだ。

中国は反日の国であり、日本にとっては有害な国である。そのため、貿易戦争の中では日本は常に中国を突き放す立ち位置にいなければならない。

今の中国共産党国家は、日本にとって必要のない国だ。必要のない国に関わっても仕方がない。


ドナルド・トランプ。今までの大統領とはまったく違う「反中的」な考え方をする人間が大統領になり、反中派のピーター・ナバロ氏が指揮を執るのだから、2017年は平穏な年になることを期待しても無駄であるのは誰でも分かる。
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20161227T1509270900


米国株時価総額:Wilshire 5000 Price Full Cap Index
https://ycharts.com/indicators/wilshire_5000_price_full_cap_index

米国 :名目GDP
http://ecodb.net/country/US/imf_gdp.html

日本 :東証1部時価総額
http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/02.html

日本 :名目GDP
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html


日本 : 東証1部時価総額と日本の名目 GDP の推移 (1984-2016)
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-1.png

米国 : Wilshire 5000 total market index と米国の名目 GDP の推移 (1984-2016)
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-2.png


9. 中川隆[-5534] koaQ7Jey 2018年3月05日 15:57:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2018年02月12日
米ダウ平均適正価格は2万1000ドル バフェット指数では1万8000ドル


米国のバブル崩壊は必ずバフェット指数より高い時に起きていた
引用:会社四季報オンラインhttps://toyokeizai.net/mwimgs/2/e/1140/img_2eec600b280d2423982a67380981c23f228047.jpg


ダウ平均はいくらが適正価格なのか

2018年2月に米ダウ平均や日経平均が急落し、先行きには悲観的な見かたも出ています。

下落は一時的なものですぐに上昇するという意見もあるが、そもそも今までの株価は高すぎたのでしょうか。

高すぎたのか安すぎたのかを知るには株価の適正価格を知る必要があり、その手法はいくつか知られています。


ひとつはPER(予想株価収益率)で一株あたりの株価が、やはり一株あたりの企業収益の何年分かを表しています。

PER20倍だったら、その企業の株価は20年分の利益と同じという事になります。

米ダウ平均は2018年1月26日に2万6616ドルだったが、この時のダウ平均全体のPERは18.5倍でした。


ダウ平均は現在2万4000ドル台で平均PERは16倍台、過去20年の平均PERは15倍程度でした。(WSJ)

そこでダウ平均のPERが15倍になる株価はいくらか計算すると、2万1000ドル程度という答えが出てきます。

もう一つの良く知られている理論としてバフェット指数があり、「株式市場の時価総額はその国のGDPに等しくなる」とされています。


ダウも日経も1.3倍高い?

米株式市場の時価総額は2017年12月時点で24.9兆ドル(『わたしのインデックス』)、米国GDPは2016年に18.57兆ドルでした。

2017年の米GDP成長率は2.5%なので、2017年の米GDPは19.03兆ドルになります。

株価はGDPの1.3倍なので、適正なダウ平均時価総額は19.03兆ドル、株価でいうと1万8850ドルくらいです。


PERでは2万1000ドルが適正、バフェット指数だと1万8850ドルが適正で、どちらもまだ高すぎるという結果が出ました。

ちなみに日本の実質GDPは534.1 兆円、東証時価総額は2018年1月末で710兆円でした。

日本株もバフェット指数ではGDPの1.3倍ほどあり高すぎるとなりましたが、理論どおりになるのかは分かりません。


理論が正しくてもGDPの方が上昇して、株式時価総額に近づく可能性もあるからです。

バフェット指数にしても、当てはまるのはごく一部の先進国だけで、多くの国の株式時価総額は、GDPよりずっと少ないです。

株式市場がGDPに匹敵するほど大きいのは、市場が効率化され、経済が十分に発達している国だけで、例えば中国の時価総額は非常に小さいです。
http://www.thutmosev.com/archives/74893800.html


10. 中川隆[-5519] koaQ7Jey 2018年3月06日 17:06:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2018年03月06日
日本の物価が安すぎる リーマン前と酷似し危険な状況

日本の物価がアメリカより安くなる分、毎年円高にならないとおかしい
無理に円安にしたら、後でまとめて円高になる
引用:アメリカ出張よもやま話 45 日米 消費者物価指数推移の違いhttp://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/30ecbe8294906dce483423d0bb7a1c094e553291.84.2.9.2.jpeg


日本の物価は主要国最低

日本の物価水準が主要国の中で並外れて低く、もはや先進国とはいえない水準になっています。

この状態はリーマンショック前の2007年と同じで、欧州のどの国も日本1.5倍以上という状況でした。

その後円高によって安すぎる日本の物価は調整されたが、2012年以降の『超円安』によってまた物価の乖離が起きている。

こうなった原因は日本と主要国の物価上昇率の差で、日本はアベノミクス以降でも年0.5%程度のインフレ率に留まっている。

欧米は年2%以上である事が多いので、ここではわかりやすく主要国インフレ率は2.5%、日本より2%高いと仮定しておきます。

すると毎年日本は主要国に比べて、年2%デフレが進行しているのと同じ状態で、アメリカやドイツから見て日本の物価は年2%下がります。


それでいて日本政府と日銀は円安誘導しているので、ついに日本と主要国の食品等の値段は1.5倍差になりました。

2000年年代中ごろにスイスではビッグマックが4,52$(500円)で、その他の欧米は400円くらい、日本では300円くらいでした。

2007年のドル円は1ドル120円台だったので、3割円高の1ドル90円前後で日本の物価は正しくなる計算です。


ビッグマックだけではなく、当時欧州では賃金が日本の2倍とか、水のボトルが500円とか、電車の初乗りが1000円など、欧米の物価は目を見張るほど高かった。

それを見て日本人は「日本はもうだめだ。”超円安”になって衰退するだろう」という特集を経済誌やテレビでやっていました。

それでどうなったかというと、承知のごとく1ドル70円台まで円高が進み、日本の安すぎた物価は強制的に高くなりました。


1ドル80円台が適正か

その後アベノミクスと黒田バズーカによって円安誘導し、また1ドル120円台の”超円安”にした結果、日本と主要国の物価が乖離してしまった。

現在アメリカや欧州のビッグマック価格は5ドル以上、日本は4ドル以下なので2割以上は円が安すぎる。

1ドル110円で物価が2割違ったのだから、適正な為替レートは1ドル80円台という事になります。


欧州でも物価が高いとされるパリでは、ランチは10ユーロ以上、コーヒーは2ユーロ、カフェオレは4ユーロもする。

缶コーヒーやコンビニコーヒーは無いようで、ミネラルウォーターも含めてドリンク類は高い。

パリのビッグマックは4.30ユーロなのでやはり500円以上、スタバのトールラテも500円以上なので日本より3割は高い。


労働者の賃金では欧州は最低賃金12ドル以上なのに対して日本は7ドルど問題外、これを為替で調整するには1ドル60円にならないといけない。

1ドル70円にいつかは成ると思いますが、それが1年後か20年後かは分かりません。

ただリーマンショック時には2007年に1ドル120円台だったのが、毎年10円下がって2011年に1ドル70円台になりました。


1985年のプラザ合意では1ドル260円だったのが、2年かけて1ドル120円になっています。

いずれの場合も日本の物価水準が並外れて安すぎ、為替レートによって強制的に調整されたと見る事ができます。

日米欧の正しい物価や賃金が同じ水準だとしたら、いつか必ず為替市場による調整が起きます。
http://www.thutmosev.com/archives/75195715.html


11. 中川隆[-5476] koaQ7Jey 2018年3月09日 21:37:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

米国の鉄鋼・アルミ高関税率導入の衝撃! トランプの俺様主義に世界が振り回される闇株新聞が懸念する「保護貿易時代の再来」
http://diamond.jp/articles/-/162870
2018年3月9日公開 闇株新聞編集部

世界の株式市場の動きが昨年までとは明らかに違ってきました。少々の悪材料が出ても間もなく回復してきた右肩上がりは崩れ、急落・急反発の日が増えています。こうなった直接的な原因は「トランプ大統領の経済音痴」にあると、刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』が痛烈に解説しています。世界の経済はこれからどうなってしまうのでしょうか!?

米国の保護貿易政策はドル安とセット
悪材料に鈍感だった相場は終わった

 トランプ大統領は3月1日、鉄鋼とアルミニウムに高額の関税をかけ、米国企業を保護すると発表しました。対米黒字が膨大する中国だけでなく、全世界・全品目が対象であるとしています。

 関税をかけられた国々は当然、報復関税をかけるはずです。そうなれば世界の貿易量は減少し、経済成長を大きく阻害することは必至です。これを受けて世界主要25市場のうち23市場が急落に見舞われました(例外はベトナムとブラジルのみ)。

 2月1日から3日2日まで、最大の下落幅に見舞われたのは日本でした。次いでドイツ、米国(NYダウ)、英国、中国(上海総合)、インドと続きます。先進国ほど下落幅が大きく、資源国や新興国はそれほどでもないのは、一般的な株価急落のパターンとは違っています。

 1990年代初め、クリントン政権が日本を通商面で攻撃対象にしたことがありました。この時、ドル円は1ドル=79.75円の史上最高値(1995年4月19日)を記録しています。米国の保護貿易政策は、ほぼ必ずドル安政策がセットになっていることを忘れてはなりません。

 現在、市場(株式市場のみならず債券や不動産などにも)には世界各国が金融緩和・量的緩和で注ぎ込んできた「緩和マネー」が、史上類を見ないまでに溢れています。

 そのため昨年までは何か悪材料が出て株価が下がると、緩和マネーがわさわさとわいてきて下落を食い止め、短期間で再び上昇トレンドに戻りました。幾度急落してもすぐに回復するので、株式市場はだんだんと悪材料に反応しなくなっていったのです。

 ところが2月2日以降の株式市場は、さして重要でない懸念材料にも過剰に反応するようになっています。これは株式市場が大きく変化したことを物語ります。

トランプの目的は選挙に勝つことだけ
米国の財政赤字拡大と円高は当面続く

 トランプ大統領が「外交オンチ」であることは政権発足直後からわかっていましたが、昨年末頃からは「経済オンチ」が加わっています。基軸通貨の特権を維持するには間違っても「ドル安」を口にしてはならないはずですが、トランプ大統領もムニューシン財務長官もロス商務長官もまったく知恵が回らないようで、今後も「ドル安発言」は連発されることになりそうです。

 政権内における勢力争いもいまだに続いており、最近はお気に入りだったイバンカ顧問とクシュナー特別顧問まで遠ざけられているようです。比較的立場が安定していたケリー首席補佐官やマクマスター国家安全保障担当補佐官にまで辞任の噂が出て、ペンス副大統領以外は誰がいついなくなってもおかしくない様相となっています。

 ただし、トランプ大統領は「選挙」だけには長けています。政権内の主要ポストがガラ空きのままにされているのも、今回の鉄鋼やアルミに対する高関税率設定も、今秋の中間選挙や再選を目指す2020年大統領選挙に向けた「選挙対策」と考えておくべきです。

 財政もドル安も通商も軍事もすべて自分のためですから、やりたいように進め、徹底的に継続するでしょう。方向修正は期待できません。

 米国の財政赤字拡大とドル安が続くのは確実です。大型減税とドル安は大半の米国企業の業績にはプラス材料ですが、それで米国株式が上昇基調に戻るとも考えられません。

 今後の世界の金融市場が「米国の財政赤字の拡大」と「ドル安」の直撃を受けることだけは間違いないでしょう。


12. 中川隆[-5475] koaQ7Jey 2018年3月09日 21:42:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

これからのトランプ政権の経済政策 闇株新聞 2018年03月09日


 平昌オリンピック開催中に、いつの間にか北朝鮮と韓国が「雪解け状態」となっており、この安直な平和ムードは、のちほど「大変に高くつく」と直感的に考えますが、とりあえず米国政府(トランプ大統領)にとっては戦う材料が1つ減ったことになります。

 それではここからしばらくの間、トランプ大統領は何を最優先課題として戦っていくのでしょう?それは昨年末に成立した大型減税、本年2月7日に打ち出した歳出上限拡大(2018〜19会計年度に合計3000億ドルの歳出上限を拡大し、その大半が軍事費の拡大)、さらに3月1日に打ち出した鉄鋼、アルミニウムへの高額関税をはじめとする高圧的な通商政策の3つであることは明らかです。

 とくに最後の高圧的な通商政策は、2017年通年の米国貿易赤字(モノだけ)が7962億ドルもあり、国別に大きい順番から並べると中国(3752億ドル、前年比8.1%増)、メキシコ(711億ドル、同10.4%増)、日本(688億ドル、同0.1%増)、ドイツ(643億ドル、同0.7%減)となります。また2017年通年のサービスを含む米国の貿易赤字は5660億ドル(同12.1%増)となっています。

 当然にトランプ政権はこれら対米黒字国に対しては、米国から富を奪っているなどの高圧的な態度で臨み、その中には「ドル安政策」も含まれているはずです。

 つまりこれからのトランプ政権の経済・通商政策とは、「財政赤字拡大」と「保護貿易」と「ドル安政策」の組み合わせであることは間違いなく、これは米国内ではインフレとなり、国際的には米国資産(とくに長期国債や低格付け社債など)は敬遠される恐れがあります。

 ここでドルは世界の基軸通貨であり、どの国もドルの受け取りを拒否することなど「ありえない」と思っているはずですが、歴史的に見ていくと基軸通貨としての特権を維持するためには「結構」努力しているものです。

 最も最近に強硬な通商政策を掲げていた時代は、クリントン政権の1期目(1993年1月〜1997年1月)だったはずですが、その時は対立する国が日本だけであり、ドル安政策と言っても円高・ドル安だけであり、世界的にドル安となっていたわけではありません。対円では1995年4月19日に一時1ドル=79.75円と「当時の最円高」を記録していました。

 ところが1993年1月のクリントン政権発足時に、ゴールドマン・サックス共同会長から国家経済会議(NEC)初代委員長として政権入りしていたロバート・ルービンが、1995年に財務長官に就任していました。すでにお隣のメキシコで通貨危機が起こっていたこともあり、それが米国にまで飛び火しないように「ドル安政策」を止め、財政の均衡、自由貿易の拡大、公共債発行上限に関する議会との調整など、現在と全く正反対の「ドルへの信認を維持する政策」に舵を切っていました。

 世界経済は1997〜8年にはアジア通貨危機、ロシア危機などに見舞われましたが、米国(ドル)がそれに巻き込まれることはなく、かえって国際金融におけるドルの信認が上がったように思われます。これは間違いなくルービンの功績でした。
 
 そこでルービン以降のすべての財務長官は、後から出てくる現職のムニューシンを除いて、すべて表向きには「強いドルを支持する」と述べています。

 ルービンがクリントン政権発足時にすぐに財務長官とならなかった理由は、(どの大統領も似たようなものですが)クリントン大統領(当時)も大統領当選に功績のあったロイド・ベンツェン上院議員を「功労賞」で2年だけ財務長官につけていたからです。

 さてここからは現在進行形の話です。

 3月5日に、トランプ政権の国家経済会議(NEC)委員長のゲーリー・コーン氏が辞任しました。コーンはゴールドマン・サックスの社長兼最高執行責任者(COO)でしたが、リーマンショック以前からその地位にあるロイド・ブランクファインCEOが居座っていたためCEOの目が無くなり、トランプ政権入りしていました。

 実際に財務長官となったムニューシンはゴールドマン・サックスの平パートナーだっただけで、そう遠くない時期にコーンが財務長官となって米国の経済政策をリードしていくものと思われていました。つまりクリントン政権時のルービンの役割を、コーンが行うものだと考えられていました。

 ところがこのコーンが政権を去ってしまいました。コーンは以前から辞任説がありトランプとはソリが合わなかったようです。直接の理由は3月1日の鉄鋼とアルミへの高額関税に反対したためだったようですが、トランプ政権の経済政策は「小者の」ムニューシンと、「もっと小者の」ロス商務長官に委ねられることになります。

 ご両名とも(トランプ大統領本人も入れて)、これからの米国経済は、財政赤字拡大と保護貿易とドル安の組み合わせが、最も米国民のためになり、近づく今秋の選挙と2年後の再選を視野に入れると、最も有効な政策であると信じているように思えます。

 米国経済については、少し前から大変に「嫌な予感」がしています。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2183.html


13. 中川隆[-5746] koaQ7Jey 2018年3月26日 12:06:14 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8944]

2018年03月26日
円高を引き起こすのは「円安」そのもの

経常黒字と円高は原因と結果なので、「円高を防止する」は無意味どころか悪化させる
引用:会社四季報オンラインhttps://toyokeizai.net/mwimgs/5/6/1040/img_560b660ff3aa48e667693d940135215c346274.jpg

円高で損をする日本人投資家

トランプ大統領が鉄鋼アルミ輸入規制に続いて中国に6兆円規模の輸入制限を発表し、日本株と円が急落している。

といっても落ちたのは日経平均で2万円を割り込むラインに、為替は円高になり1ドル104円台になっている。

米中の貿易戦争の影響で日本が打撃を受けるという連想から、円高が進み株価が下落したと説明されている。


だが毎度のことながら「ちょっと待て」と言いたくなるのが、「日本が打撃を受ける」のに円が買われ円高になる点です。

外人が日本売りをしているなら「円は売られる」ので円安になっている筈であり、マスコミや解説者の説明はおかしい。

3.11でも阪神大震災でもリーマンショックでも、この手の解説では「日本売り」なのに超円高が進んだ。


エコノミストやアナリスト達は、前提から間違えているのであり、「外人は日本買いでリスク回避している」が正しい説明です。

日本で巨大地震が起きると外人は資産を安全な国=日本に避難させ、日本株や日本国債を買っていました。

円高になると日本株は下落するので、「安いときに買う」ことになり、理に叶っているからです。


リーマンショックや3.11で日本円を買い日本株を買った外国人投資家は、その後大儲けしました。

今回の円高も、世界経済が不調になればなるほど外国人は円を買い、割安になった日本株を買うでしょう。

いつもバカを見るのは「日本売りで日本滅亡」などマスコミの嘘解説を真に受けた日本人投資家です。

円高は起きるべくして起きる

円高に成るかならないか、政府は円高を防止するべきかがいつも議論されますが、円高になるのは予め決まっています。

為替相場には「国際収支黒字(経常黒字)の通貨は値上がりする」「金利の低い通貨ほど値上がりする」という法則があります。

経常黒字は簡単にいうと「貿易で儲けた」ことなので、トヨタがアメリカで500万円の車を1台売ったら、500万円はドルから円に交換されて、500万円分円高になります。


中国人が日本旅行で10万円使ったら10万円分円高になり、アメリカのダイソーで150円の商品が売れたら、150円分円高になります。(実際は経常黒字分だけが交換される)

実際にはアメリカで得た利益は当分の間、アメリカで再投資されるのですぐに円高にはならない。

だがいつかは必ず、日本が経常黒字で儲けた金額分だけ、ドルから円に交換されストレートに円高になります。


例えば2016年の日本の国際収支は約20兆円の黒字で、毎年平均10兆円ほど稼いでいます。

すると前回の円高は2011年だったので、2012年から6年分の60兆円ほどが、外貨から円に交換されず貯まっていることになります。

これが日本本社の業績悪化や、パニック的な動きで一斉にドルから円に交換されるので、10年周期くらいに超円高が発生します。


原因は日本の経常黒字そのものなので、介入や政府の政策は円高を先送りにするだけで、先送りにすればするほど悪化します。

ダムの水をせき止めて、次々にダムを建設しているようなもので、まるで無意味な行為です。

貯まった水はいつか流さなくてはならないので、最初からせき止めるべきではないです。
http://www.thutmosev.com/archives/75481156.html


14. 中川隆[-6848] koaQ7Jey 2018年4月01日 08:35:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-9634]
都心タワーマンション、完成半年で成約数わずか9件…マンション市場で実売価格下落
http://biz-journal.jp/2018/03/post_22843.html

2018.03.31 文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト Business Journal
 


 2018年に入ってマンション市場も、一見「適温」状態が続いている。新築マンションの値上がり傾向は継続している。都心の土地価格はいまだにジワジワと上がり続けている。建築費も下がらない。だから売り出し価格は徐々に上がっている。しかし、実際にそんな価格ではなかなか売れない。だから建物が完成しても販売が続く。結果的に値引きを余儀なくされる。それでもなかなか売れない。完成在庫ばかりが増えていく。

 ただし、そういう状況の変化は普通の人にはわかりにくい。だから、表面に出てくる売り出し価格を見て「マンションの値上がりは続いている」と思われてしまう。

 中古市場でも、状況は似たり寄ったりだ。ある都心のタワーマンションは、建物が完成してから半年以上が経過している。レインズに出ている売り出し住戸は88物件。この1年の成約数は9物件。1カ月に1住戸程度しか売れていない計算になる。成約している9物件は、88件の売り出し価格をかなり下回っている住戸が多い。つまり、高く売り抜けようとしている人が多い割には、彼らの思惑通りには売れていない。これも一般人にはわからない市場の現象。

 私が局地バブルと呼ぶ今の現象が、本格的に始まったのは2014年の後半。まさに日本銀行の黒田東彦総裁が異次元金融緩和第2弾の「黒田バズーガ2」を撃ったのが合図となった。以来3年超、東京都心や城南、湾岸、川崎市と横浜市、京都市、大阪市の一部では説明がつかないレベルにまでマンション価格が高騰した。

 銀行の金庫にお金が有り余って貸出金利も史上最低レベルなのに、多くの企業は設備投資に踏み切らない。なぜなら人口減少の日本社会では需要の伸びが期待できないからだ。余ったお金は、不動産投資によって値上がりや利回りを求める個人投資家やリートに流れた。その結果、不動産担保融資残高は平成大バブルのあの時代を超える水準にまで膨らんでいる。

 つまり、黒田日銀総裁が「お金を増やしてインフレを導こう」という政策はほぼ完全に思惑が外れたばかりか、不動産の局地バブルという不健全な現象を生み出してしまった。今やそのことを率直に認めて、異次元金融緩和から金融引締めへと政策転換すべき時なのだ。アメリカもヨーロッパも、すでに金融引き締めに転じている。

■政策の錯誤

 黒田総裁の任期は今年の3月までだった。彼の退任と、リフレ派以外の人物の総裁就任によって、日本も金融引締めに転換するのかと期待された。しかし、現実はあらぬ方向に突き進んだ。黒田総裁の続投である。任期は5年。

 黒田総裁は「インフレ目標2%」を掲げて、今の異次元金融緩和を始めた。なぜインフレを導くかというと、物価が適度に上がったほうが景気は良くなるから、という発想だった。

 異次元金融緩和が始まって、確かに景気はよくなった。失業率は低下し、わずかながらもGDPは増えている。企業の業績も、この3月期は上場企業の7割が増収だという。景気は、実感がないものの明らかに回復している。

 しかし、人々が最も求める個人所得、すなわち人々の収入は上がっていない。各種公共料金や消費税の上昇で可処分所得は低下している。であるのに、物価だけが2%も上がっては人々の生活はかえって苦しくなる。ところが、黒田総裁は「インフレ目標2%」の未達を理由に金融緩和政策を転換しようとしない。面子にこだわった本末転倒の政策継続だ。そして、その黒田東彦氏の日銀総裁再任が決まった。

 これは恐ろしい政策の錯誤である。マンション市場の視点からいえば、早々に潰すべき局地バブルを継続させてしまうことになる。ただの継続なら良いが、いつか爆発するマグマの容量を増やし続ける結果にもなるだろう。

 この局地バブルが危うい土壌の上に砂上の楼閣を積み重ねている、という実態を示すいくつかの兆候が出てきている。

 先日、シェアハウス投資の「かぼちゃの馬車」が実質的に破たんした。多くの個人投資家が多大な損失を蒙ることが確実視されている。これに関連して、ゆるい審査と高い金利の不動産担保融資で知られる某地方銀行が、近々金融庁の検査を受けるのではないかという噂が飛び交っている。

 また、2015年1月の相続税課税控除額の改正で一気に増えたサブリース型の木造アパート群も、そろそろ契約更改の時期を迎える。ただでさえ空室率が高いので、当初のサブリース金額が大幅に見直されるケースが多発すると私は予想する。

■本年最大最強の不確定要素

 日本の長期金利はゼロに近い状態だが、健全な金融政策を目指して数年前に政策を転換したアメリカの長期金利は上昇傾向にある。この原稿を書いている2月末時点ですでに2%台の後半。いつ3%台に達してもおかしくはない。日米の金利差が3%に開くということは、これだけ世界経済がグローバル化した現在にあってはかなりイレギュラーだと思う。つまりは不安定な状態。

 普通なら外国為替が円安ドル高になってもおかしくないが、年明けこのかた円はドルに対して上昇傾向だ。この原因はなんとも説明しがたい。しかし、アメリカはパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の下で、今年もあと3回もしくは4回の利上げが予定されているとか。日米の金利差が3%台の後半に達するのは、いかにも不自然であり不健全だ。その金利差を狙った大きな資金移動が金融の混乱を招きかねない。


15. 中川隆[-7858] koaQ7Jey 2018年4月09日 09:03:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10042]

ガントラック氏: 株式市場は高金利に耐えられない2018年4月8日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7601

2018年2月から始まった世界同時株安を的確に予想した債券投資家のジェフリー・ガントラック氏がCNBCのインタビュー(原文英語)で弱気予想を繰り返している。

予想の冴え渡るガントラック氏

ガントラック氏は年始より、2018年の株式市場は一度上昇してから下落すると予想していた。

•ガントラック氏: 2018年、米国株は一度上昇してから大幅に下落する

そしてそれは見事に当たった。米国株は一度大幅に上昇した後、2月に下落を開始した。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/04/2018-4-8-s-and-p-500-chart.png


米国初の世界同時株安は一度反発したが、3月半ばから再び下落に転じており、ガントラック氏はそれも当てている。

•ガントラック氏: 世界同時株安の魔人はまだ消滅していない

2016年にトランプ相場初期の長期金利上昇を的中させてからガントラック氏の予想は冴え渡っているが、彼の今の相場観はどうだろうか。彼は次のように述べている。


現在の相場は高ボラティリティ(変動が激しい)の環境にあり、これは明らかに2017年の相場環境とは異なる。今、相場はつけを払っているのだ。

2017年の株式市場は史上最高に簡単な投資環境だった。リスク調整後のリターンは史上最高だろう。そして2018年は、以前から予想しているように、株式はマイナスのリターンになるだろう。

年始からの弱気予想を継続している。理由はアメリカの長期金利が上がっていることである。

金利上昇と世界同時株安

ガントラック氏はアメリカの長期金利について以下のように述べている。


株式市場は高金利に耐えられない。以前話したように、その分岐点は長期金利の2.63%だ。

長期金利が2.63%より下がれば株価も反発のチャンスがあるだろうが、そうなるとは思わない。

ここの読者にはお馴染みだが、世界同時株安の原因はアメリカ国債の金利が上昇したことによって、高金利を求めた資金が株式市場から債券市場に流出したことである。長期金利のチャートは次のようになっている。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/04/2018-4-8-us-10-year-treasury-note-yield-chart.png


このチャートが年始から徐々に上昇したことが世界同時株安を引き起こしたのである。

この長期金利について、ガントラック氏は次のように述べている。


長期金利が更に上昇するためには2つのシナリオがある。1つはドイツ国債の金利が上昇してアメリカの長期金利を押し上げることだが、ドイツの長期金利に関しては既に実質金利がマイナスになっていることから、下に行く可能性は低い。つまり、長期金利には上昇する余地がある。

また、もう1つはアメリカの名目GDP成長率(訳注:インフレ率と実質経済成長率の和)が上昇して長期金利も上昇することだが、こちらは微妙だ。今後のGDP統計がどうなるか、あまり確かなことが言えない。

1月にアトランタ連銀のGDP予想が前期比年率で5.4%の成長率を示していた時にはアメリカ経済に強気にもなれただろうが、結局それは大幅に切り下げられた。そして最近の経済指標は3ヶ月前に比べて強いとは言えない。

ここは重要な点である。筆者も同じことを書こうとしていたので、ガントラック氏の指摘に便乗させてもらおう。

やや鈍化するアメリカ経済成長

先ず、好調だった昨年10-12月期のGDP統計の後、アメリカの実体経済に減速の兆候が見られることは伝えている。

•個人消費にアメリカ経済減速の兆し、利上げは止まらず

そしてこの個人消費が引き続き好調とは言えない。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/04/2018-feb-us-personal-consumption-expenditures-chart.png

昨年の10-12月期に上昇を見せた後、1月2月は上昇幅を少し減少させたまま推移している。これを本格的な減速とみなすのはまだ早いかもしれないが、少なくとも1-3月期のGDP統計は昨年末ほど良い数字にはならない可能性が高いと言える。

結論

世界同時株安の原因となったのはFed(連邦準備制度)による金融引き締めとその結果の金利上昇だが、Fedが株価の上下を金融政策の考慮に入れない姿勢を示している以上、利上げを止められるとすればアメリカ実体経済の減速しかない。だからGDPが重要なのである。

1-3月期のアメリカのGDP統計はあと1月ほどで発表されるが、今四半期の経済成長率は減速したとしても利上げを止めるほどの減速にはならないと予想している。ただ、その次の4-6月期のGDP統計がどうなるかは、今後の経済統計を注視しながら考えてゆく必要がある。

昨年から言い続けていることではあるが、投資家の次のステップはFedが引き締めを諦めて緩和に転換するタイミングを狙い、金融緩和の恩恵を受ける資産を買い占めることである。

•2018年の世界金融市場の相場予想と行うべき3つのトレード


金融引き締めの影響が市場で進行するにつれて、投資家が注視しておかなければならないのは短期金利の動向、つまりは利上げは何処まで進むことが出来るのかということである。最初に書いた通り、金融引き締めはいずれ限界に到達する。米国の短期金利を見ながらそれを見極めるのが第二ステージというわけである。

短期金利の具体的な数値は当時の予想から上方修正しているが、アメリカの実体経済が今既に金利高に喘いでいるとすれば、転換のタイミングはやはり今年中に来るのかもしれない。株式、ドル相場、コモディティなどにとって重要なターニングポイントになるだろう。アメリカの経済指標を注視しながら、世界市場の転換点について今後も報じてゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7601


16. 中川隆[-9906] koaQ7Jey 2018年4月16日 13:46:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10564]


2018年4月16日
焦点:日米首脳会談に警戒感、米為替報告書「名目も円安」と指摘

[東京 16日 ロイター] - 米財務省が13日に発表した為替報告書では、日本を引き続き監視対象国に指定し、大きな貿易不均衡が日米間に存在することに懸念を示した。実質実効レートだけでなく名目レートでの「円安」も指摘。為替介入も事実上封じ込めた。

こうした米国の厳しい姿勢は、17―18日の日米首脳会談で先鋭化する可能性があるとして、市場では警戒感が広がる。

<強い日本への風当たり>

今回の為替報告書で、為替操作国に認定された国はなかったが、中国、日本、韓国、ドイツ、スイスを引き続き監視対象国としたほか、2017年に国内総生産(GDP)の2.2%相当の外貨を購入したとして、インドを新たに対象国に加えた。

物価変動を除いた円の実質実効レートは、2017年から今年2月までに2.4%下落し、過去20年の平均値と比べ25%近くも円安であるとした。実質実効レートに関する類似の文言は前回、前々回の報告書にもあったが、今回目を引いたのは名目レートに関する記述だ。

報告書では、名目レートでみた円相場が「過去10年と比較すると、2013年上期から歴史的な平均値に比べて割安である」と今回初めて指摘した。

日銀が、量的・質的金融緩和政策(QQE)を導入したのは2013年の4月。今回の為替報告書では、日銀の金融政策については、現状を簡単に説明するに留めた。しかし、日銀の金融政策が円安誘導の嫌疑をかけられる可能性もある。

トランプ氏は2017年1月31日、「中国が現在行っていること、日本がこれまで何年も行ってきたことを見れば、彼らがマネーマーケットや通貨安を手玉にとっているのを、われわれは座して眺めているだけだった」と述べている。

<日米首脳会談、為替に言及あるか>

日本と米国は17―18日に米フロリダ州で首脳会談を開く予定だが、為替報告書で確認された米国の姿勢からは楽観はできない。

米側は、日本に防衛費のさらなる積み増しと自由貿易協定(2国間FTA)を要求してくる可能性があり、そこでは、農産物の自由化とともに、為替条項が入る可能性がある。先の米韓FTAの見直しでは、付属文書に為替条項が入り、韓国の為替介入を許さないとの意思表示をした。

「米国による関税引き上げが自由貿易の妨げになると国内外の批判にさらされ、中国がその自由貿易の旗振り役を買って出ているという構図の下、国内産業重視のトランプ政権の姿勢が疑問視され始めた。(為替報告書は)通商政策ではなく為替政策に重点を置くための布石と見ることもできる」と三井住友銀行・チーフストラテジストの宇野大介氏は語る。


「そのリトマス紙として、日本の通商姿勢を執ように批判しているトランプ氏が、今週の日米首脳会談で貿易不均衡是正のため、内需主導の成長を求めてくると同時に、円安抑止も求めてくるかが注目される」と同氏はいう。

トランプ大統領は12日に「日本は長年にわたって通商で我々に大きな打撃を与えている」とツイートした。3月22日には「(日本が)米国をうまく利用する時代は終わった」とホワイトハウスで述べ、2月13日には、同盟国である韓国と日本に対し「貿易面では同盟国ではない」と突き放した。

「低支持率が続き、苦戦を余儀なくされているトランプ大統領は、周辺国に敵をつくり、彼らに強くあたって成果を演出したい面がある」とグローバル・エコノミストの斎藤満氏は言う。

これまでは、安倍・トランプの良好な関係から、米国が日本に無理な注文を付けないとの期待があったが、米朝首脳会談の設定後は「日米関係にすき間風が吹き、日本が(米国と)親しい同盟国の地位を失いつつある」と同氏はみている。

<米側は不均衡是正と構造改革求める>

米国は2016年4月、主要な貿易相手国の為替政策の評価について新たな枠組みを導入した。

同枠組みの下では1)対米黒字が200億ドル以上である。2)経常収支黒字がGDP比で3%を超えている。3)過去12カ月で継続的な外貨購入を行い、合計額がGDP比で2%を超えている──の3つの要件を満たした場合には「為替操作国」に認定され、厳しい対応を迫られる。

このうち2つに抵触すると「監視対象国」としてリストアップされる。

米財務省は「巨大かつ自由な為替市場においては、介入は非常に限定的な状況で、かつ適切な事前の協議を持って実行されるべきもの」との見解を前2回と同様に日本に対して表明し、為替介入を事実上封じ込めた。

そのうえで、日本は安定的な成長があるうちに構造改革を進め、公的債務と貿易不均衡を削減すべきとし、報告書では日本の2017年の経常黒字が国内総生産(GDP)の4%に達し「対米貿易黒字も690億ドルと引き続き大きい」と不満を表している。


17. 中川隆[-11254] koaQ7Jey 2018年4月24日 17:15:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12184]

2018年04月24日
日本は原油高、円高に強くなったは本当か

原油高でもあまり打撃を受けていないが、1バレル100ドル超ではこうはいかないだろう
引用:http://www.oab.co.jp/images/news/180419134803805.jpg

日本は原油高を克服したか

WTI原油価格は2016年に30ドルを割り込んだが、現在は70ドルを超えようとしている。

対して日本株は2016年に1万6000円だったのが、現在は2万2千円とかなり上昇している。

最近の期間でみても、2017年6月に原油45ドル、日経2万円だったが、原油は値上がりしたのに日経は上昇している。




これをもって「日本は原油高を克服した」と評価する人もいて、数字の上ではそのように見えます。

70年代のオイルショック時に日本は輸出大国を標榜していて、原油価格上昇は日本製品のコスト増加を招き打撃を受けた。

だが現在の日本の輸出依存度は10%未満であり、経済は輸出に依存していない。


今の日本経済を支えているのは投資と内需で、原油値下がりはオイルマネーの減少によって悪影響をもたらす。

サウジなどアラブ国は原油価格が低迷すると打撃を受け、日本や外国への投資を控えるので、日本には悪影響がある。

だが原発の大半が停止しているので、再び史上最高値の100ドル越えになると、多額の負担を強いられる。

日本は円高を克服したか

日本が以前より原油高の影響を受け難くなったのは事実でしたが、もう一つの円高については議論が分かれるでしょう。

安倍政権発足前は1どる80円だったのが120円以上になり、最近は105円前後に定着しています。

105円を割っても日本株はそれほど下落しなかったので、一見すると円高も克服したように見えます。


だがこれは「円」という通貨がデフレの影響で外国通貨より強くなり、基準点が移動したのでそう見えているだけです。

アメリカは日本より平均2%は物価上昇率が高いので、10年経つと1ドルの価値は円に対して2割以上も安くなります。

分かり難いですが10年前にコーラが1ドル=100円だったとすると、10年後には同じコーラがアメリカで1ドル10セント、日本ではデフレで90円になっています。


日米の物価そのものが大きく変動したので、同じ1ドル100円と言っても、実は昔の1ドル120円程度でしかないのです。

安倍政権で1ドル120円だったときは、90年代の1ドル140円台に相当する超円安で、現在も実は「円高」ではないのです。

これを実質実効レートとか実効レートと言い、円高ではないので日本株は打撃を受けていないだけです。
http://www.thutmosev.com/archives/75872453.html


18. 中川隆[-11403] koaQ7Jey 2018年4月27日 07:32:41 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12409]
>>15に追記

ガンドラック氏が予言した「米10年債利回り3%超えなら市場大暴落」の現実味=今市太郎 2018年4月26日
http://www.mag2.com/p/money/443307


4年ぶりに米10年債利回りが3%を超えました。新債券の帝王ガンドラックが危惧した通りに株式相場も下落しており、ついに大幅な調整直面に入った可能性があります。


2014年1月以来の米国債利回り「3%突破」で市場はどう変わる?

ここからどこまで金利が上がるのか?

4年ぶりにNYタイムで米10年債利回りが3%を超えることとなりました。

今のところ、足もとでは3%を超えたり下落したりという状況が続いていますが、この債券金利上昇で最初はドル円が109円台にまで上伸したものの、その後、米国株式市場が激しく下落したことから、ドル円は株価の下落に押される形で、108円台中盤まで押し返される状況となりました。


米国国債10年 週足(SBI証券提供)
米ドル/円 15分足(SBI証券提供)
http://www.mag2.com/p/money/443307


今週に入って北朝鮮リスクや米中貿易紛争が一旦沈静化したことから、安全資産の米債を売ってリスクオンへと市場がシフトしつつあったことが大きな要因となっています。

しかし、理由はなんであれ3%を超える金利となったのは実に2014年1月以来4年ぶりのことで、ここからどこまで金利が上昇することになるのかが注目されます。

ガンドラックの予想通りの展開か

新債券の帝王の異名を持つダブルラインキャピタルのジェフリー・ガンドラックは、昨年から「金利急騰とドル安が財政赤字拡大とともに起こるのは『危険なカクテル』であり、1987年のブラックマンデーの暴落を想起させる」と、その危険性を何度となく指摘してきました。

S&P500指数 日足(SBI証券提供)
http://www.mag2.com/p/money/443307


とくに、「10年債利回りが3%を上回って加速し始めれば、S&P500が下落に転じる」と予想してきましたが、まさに足元ではその領域に近づきつつあり、さらに株式相場が大幅下落することが非常に危惧される状況となってきています。

ビッグ5株も大不調

これまで米国の株式市場の上昇をけん引してきたビッグ5株も下げが広がっており、どうも元にもは戻らなそうな展開になりつつあります。

いよいよ本格的に米国の株式相場が大幅な調整局面入りした場合には、1月26日の高値が
ピークであった可能性も出てくることから、株も為替も再度下落モードに突入する可能性があります。

ドル円は一旦109.180円レベルまで上昇しましたが、ここからはどこで戻り売りをするかが大きなポイントになってきそうです。

また相場の大幅下落を見極めるためには、ジャンク債市場の相場が大きく下落するかどうかもチェックしていくことが重要になります。

いよいよ金融市場は大転換か

いよいよ金融市場は大きな転換点にさしかかってきてきている可能性が高まってきています。

ドル円は109円台をピークにして再反転した場合には、106円台に向かって下落するリスクがかなり高くなりそうです。

今週ここからの相場の動きに十分注意して売買していきたいところです。
http://www.mag2.com/p/money/443307


19. 中川隆[-11408] koaQ7Jey 2018年4月27日 07:48:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12415]
アメリカ株のエリオット波動カウント

the ELLIOTT WAVE lives on _ NYダウ工業株
http://stockcharts.com/public/1269446/tenpp/1

the ELLIOTT WAVE lives on _ NYダウ輸送株
http://stockcharts.com/public/1269446/tenpp/2

the ELLIOTT WAVE lives on _ NASDAQ
http://stockcharts.com/public/1269446/tenpp/2

the ELLIOTT WAVE lives on _ S&P 500
http://stockcharts.com/public/1269446/tenpp/1

____


S&P 500のエリオット波動カウント

スーパーサイクル波 (T), (U), (V), (W), (X), (a), (b),(c)

サイクル波 T, U, V, W, X, a, b, c

プライマリー波 @, A, B, C, D, Ⓐ, Ⓑ, Ⓒ

インターミーディエット波 (1), (2), (3), (4), (5), (A), (B), (C)

マイナー波 1, 2, 3, 4, 5, A, B, C


S&P 500 Elliott Wave Technical Analysis by Lara - 24th June, 2015 - Grand Supercycle Elliott Wave Stock Market
http://elliottwavestockmarket.com/2015/06/24/sp-500-elliott-wave-technical-analysis-24th-june-2015-grand-supercycle/

S&P 500 Elliott Wave Analysis Warns Of Wave 5 Top See It Market
https://www.seeitmarket.com/sp-500-elliott-wave-analysis-warns-wave-5-top-17557/

S&P 500 Elliott Wave Technical Analysis
https://www.fxstreet.com/analysis/sp-500-elliott-wave-technical-analysis-201712060628

S&P 500 Elliott Wave Technical Analysis - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=S%26P+500+Elliott+Wave+Technical+Analysis


20. 中川隆[-11407] koaQ7Jey 2018年4月27日 08:42:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12415]

日本エリオット波動研究所によるNYダウの長期エリオット波動カウント


あなたのトレード判断能力を大幅に鍛えるエリオット波動研究– 2017/7/16
一般社団法人日本エリオット波動研究所 (著) ¥ 3,024
https://www.amazon.co.jp/dp/4775991523/

日本エリオット波動研究所
http://jewri.org/
https://ja-jp.facebook.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E6%B3%A2%E5%8B%95%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80-755139954659980/

NYダウ 日本エリオット波動研究所
http://jewri.org/category/america/dow/


によると、


1932.07 サイクル波 T波 始点
1937.03 サイクル波 T波 ピーク
1942 サイクル波 U波 ボトム
1968 サイクル波 V波 ピーク
1982 サイクル波 W波 ボトム

現在はサイクル波 X波 上昇中


1982 サイクル波 X波, プライマリー波 @波 始点
1987.07 サイクル波 X波, プライマリー波 @波 ピーク
1987.10 サイクル波 X波, プライマリー波 A波 ボトム(ブラックマンデー)
2000.01 サイクル波 X波, プライマリー波 B波 ピーク(ITバブル)
2009.03 サイクル波 X波, プライマリー波 C波 ボトム(リーマンショック)

現在は サイクル波 X波, プライマリー波 D波 上昇中



21. 中川隆[-11406] koaQ7Jey 2018年4月27日 08:55:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12415]
>>20

あなたのトレード判断能力を大幅に鍛えるエリオット波動研究– 2017/7/16
一般社団法人日本エリオット波動研究所 (著) ¥ 3,024
https://www.amazon.co.jp/dp/4775991523/

の P.230 に書かれている 波動の degree ですが、最近のブログでは 1ランク上げて


1932.07 スーパーサイクル波 (T)波 始点
1937.03 スーパーサイクル波 (T)波 ピーク
1942 スーパーサイクル波 (U)波 ボトム
1968 スーパーサイクル波 (V)波 ピーク
1982 スーパーサイクル波 (W)波 ボトム

現在はスーパーサイクル波 (X)波 上昇中


1982 スーパーサイクル波 (X)波, サイクル波 T波 始点
1987.07 スーパーサイクル波 (X)波, サイクル波 T波 ピーク
1987.10 スーパーサイクル波 (X)波, サイクル波 U波 ボトム(ブラックマンデー)
2000.01 スーパーサイクル波 (X)波, サイクル波 V波 ピーク(ITバブル)
2009.03 スーパーサイクル波 (X)波, サイクル波 W波 ボトム(リーマンショック)

現在は スーパーサイクル波 (X)波, サイクル波 X波 上昇中


に変えていますね。



22. 中川隆[-11415] koaQ7Jey 2018年4月27日 10:17:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12427]

アメリカ株とドル換算した日本株の月足チャートはリーマンショック以降は殆ど同じ動きをしている。

従って、どちらかが下降トレンドに入いれば、もう一方も連動して下降トレンドに入っていると判断できる:


NYダウ【0800】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0800

NASDAQ 【0802】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0802

0104:日経平均ドル換算値
http://www.miller.co.jp/chart.cgi?0104I

日経平均 【0000】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0000

0123:TOPIXドル換算値
http://www.miller.co.jp/chart.cgi?0104I

TOPIX【0010】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0010


____________


ダウ 長期 (日足) 日本エリオット波動研究所
http://jewri.org/post-1409/

225アウトルック 日本エリオット波動研究所
http://jewri.org/post-2194/

___________


225アウトルック

225は図1(225CFD週足)のように、1月23日にプライマリー級のD波が終了し、09年のリーマン後安値を起点に続いていたサイクル級の上昇波動が終わったとカウントできる。

このようにカウントした場合、プライマリー級C波の終点付近で、サイクル級の上昇インパルスが0.618と0.382という黄金比率で分割できる。あくまで「C波の終点付近」であってぴったりではないが、インパルスとしては理想に近い比率関係を示現していると言っていいだろう。

図1 

また、図2のように、このサイクル級のインパルスは、B波が延長しているが、その場合@波とD波が大きさと時間という二つの面でほぼ等しくなると いう「波の均等性」のガイドライン(エリオット波動研究 148ページ参照)にも見事に適合している。

また、図示はしていないが、D波の中でも延長した副次波の(5)波の1波と5波が1.000対0.618という比率関係にあるなど非常に美しい。

さらに、@波とB波を結んだ線と、A波とC波を結んだ線がほぼ平行でありきれいなチャネルを形成しているようにも見える。

このようなことからも1月23日高値をもってサイクル級の上昇波動が終了したと見るのが妥当だというのが当研究所の見解である。

もちろんそうではない可能性を示唆する代替カウントも存在するが、それはこの見方が明らかに間違いだと確認できたときに改めて提示しようと思 う。

つまり、リーマン後安値から約9年間に渡って続いてきた上昇相場はもう終わってしまったということだ。

サイクル級の上昇波動が終わったのなら、次に来るのはサイクル級の修正波動ということになる。

9年間の上昇波動に対する修正波動だから、半年やそこらで終わるとは到底思えない。最近の下落を見て、大底をつけたとか滅多にない押し目だという声も聞かれるが、まだまだ修正の初期段階にしか見えない。

9年間の上昇に対する修正だから、2年から3年の時間を要すると考えていいのではないだろうか。

図2

修正の価格的ターゲットとしては、図3のように上昇率全体を1.000とした時のの0.382戻し地点である15000円付 近を一つの目安として提示したい。その地点は「the previous fourth wave of lesser degree」という「修正波の深さ」に関するガイドライン(エリオット波動研究 180ページ参照)にも適合する。

図3

2018年3月2日記
エリオット波動研究所  所長
http://jewri.org/post-2194/


__________


株価が景気を反映しなくなった理由

ポートフォリオ投資とHFT(超高頻度売買)を組み合わせた売買シェアが、60%まで増えています。10年代の国際金融は、ネットワークで、リアルタイムに連結されているからです。

世界中の国債や株の売りも買いも、コンピュータ画面で一瞬です。株と債券の金融市場は、インターネットで変容しています。売買を叫ぶ「場立ち」があった「のどかな市場」ではない。

それでなくても、わが国の日経平均は米国ダウの子供です。米国株を売買しているヘッジファンドがポートフォリオ(分散投資)で、日本株をたとえば12%と一定割合にしているからです。米国株が下がると、ポートフォリオの中の米国株が減少します。かわりに、12%枠と決めている日本株の構成比が上昇します。これでは日本株の下落リスクが大きくなる。

株価罫線を分析するトレンド理論(傾向理論)とは違う、ランダムウォークの理論では、向こう3ヶ月で10%上がる確率があるときは、10%下がる確率も同じです。このため、ポートフォリオでのリスクが、コンピュータが自動計算する数値で大きくなる。

従って、米国株が下がると日本株を売って減額調整するプログラムが組み込まれています。ヘッジファンドのほとんどの売買で行われているHFT(超高頻度売買)がこれです。人間は関与せず、現物・先物・オプションの売買を組み合わせ、瞬時に売買が行われます。

ファンドマネジャーの関与は、ポートフォリオの割合(パラメータ)を変えるときです。以上の売買構造が増えたため、日米の株価の動きは同時化します。日米だけではない。

世界の株式市場(時価総額6000兆円:世界のGDPの1倍)が、ほとんど瞬間連動して動きます。基礎的な経済指標によるファンダメンタル理論(端的に言えば、景気がよくなると株価が上がる)は、ほとんど関係がなくなっているのです。
http://www.mag2.com/p/money/24781


23. 中川隆[-11414] koaQ7Jey 2018年4月27日 10:44:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12427]
因みに、日経株とアメリカ株のエリオット波動カウントにはこういうのも有ります:

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ・テクニカルアナリスト 宮田 直彦
エリオット波動マーケット分析


日経平均・TOPIXは今、サイクル第(X)波、プライマリー第(3)波、インターミーディエト第3波

【日経平均・TOPIX】
(サード・オブ・サード上昇入りの可能性が高まっている)

日経平均の 2016 年 6 月安値(14,864 円)からの上昇はプライマリー第(3)波とみており、その中のインターミーディエト第1波は今年 1 月高値(24,129 円)で終了したとカウントできる。

そして今年 3 月 26 日安値(20,347 円)からプライマリー第(3)波のインターミーディエト第3波、すなわち「サード・オブ・サード」という、もっともダイナミックな強気トレンドに突入した可能性が高まっている。

その通算上昇幅(率)は、プライマリー第(3)波のインターミーディエト第1波(9265 円、62%)に等しいか凌駕すると予想でき、それだけで日経平均 は 3 万円に達する可能性がある。


_____


NYダウ・S&P は今、サイクル第(X)波、プライマリー第(4)波、インターミーディエト B波


【ダウ工業株平均・S&P500】
(中期レンジ相場が継続する可能性)

S&P500 は 1 月高値(2872)以来、プライマリー第(4)波の調整にあるとみている。この見方通りならプライマリー第(4)波は、今後半年~1 年程度の期間でレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成する可能性が比較的高いだろう。


(17 年サイクルボトムに向けた動き)

米国株は長期的に概ね 17 年周期で停滞期と上昇期を繰り返してきた。
S&P500 は 17 年停滞期を終えつつあり、新たな 17 年上昇期に入ることになるだろう。

4 月 2 日のダウ平均は一時 23,344 ドルまで下落、17 年 11 月 15 日以来の安値となった。同じ日の S&P500 は 一時 2553 と 2 月 9 日安値(2532)に接近した。17 年サイクルボトム形成に向けての動きが続いている模様。

(プライマリー 第(4)波中 インターミーディエト B 波のリバウンド入りか)

プライマリー第(4)波中のインターミーディエト A 波は終り、4 月 2 日以来インターミーディエト B波のリバウンドが始まったとみられる。

4 月 2 日というのはダウ平 均が年初来安値(23344 ドル)を付けた日である。一方 S&P500 の年初来安値(2532)はダウ平均より 2 ヵ月前、2 月 9 日に付けた。つまり二つの指数の形状は強気ダイヴァージェンスであり、しばらく米国株マーケットが 上昇するとみている理由のひとつである。


24. 中川隆[-11413] koaQ7Jey 2018年4月27日 10:59:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12427]
宮田さんの米国株の degree はおかしいですね。
日本株と合わせると


NYダウ・S&P は今、スーパーサイクル第(X)波、サイクル第X波、プライマリー第D波、インターミーディエト 第(4)波、マイナー B波


【ダウ工業株平均・S&P500】
(中期レンジ相場が継続する可能性)

S&P500 は 1 月高値(2872)以来、インターミーディエト第(4)波の調整にあるとみている。この見方通りならインターミーディエト第(4)波は、今後半年~1 年程度の期間でレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成する可能性が比較的高いだろう。

(17 年サイクルボトムに向けた動き)

米国株は長期的に概ね 17 年周期で停滞期と上昇期を繰り返してきた。
S&P500 は 17 年停滞期を終えつつあり、新たな 17 年上昇期に入ることになるだろう。

4 月 2 日のダウ平均は一時 23,344 ドルまで下落、17 年 11 月 15 日以来の安値となった。同じ日の S&P500 は 一時 2553 と 2 月 9 日安値(2532)に接近した。17 年サイクルボトム形成に向けての動きが続いている模様。

(インターミーディエト 第(4)波中 マイナー B 波のリバウンド入りか)

インターミーディエト 第(4)波中のマイナー A 波は終り、4 月 2 日以来マイナー B波のリバウンドが始まったとみられる。

4 月 2 日というのはダウ平 均が年初来安値(23344 ドル)を付けた日である。一方 S&P500 の年初来安値(2532)はダウ平均より 2 ヵ月前、2 月 9 日に付けた。つまり二つの指数の形状は強気ダイヴァージェンスであり、しばらく米国株マーケットが 上昇するとみている理由のひとつである。


25. 中川隆[-11411] koaQ7Jey 2018年4月27日 11:27:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12427]

エリオット波動のカウントをする際の厳守事項


1.チャートは縦軸の株価スケールが対数目盛のものを用いる

2.円表示ではなくドル表示のチャートを見て判断する。

3.米国株と日本株のカウントをなるべく合わせる


エリオット波動に使うチャートには縦軸の株価スケールが対数目盛のものを用いるのが正しいです。

フィボナッチ比率を適用する際に基準になるのは株価の変動幅ではなく変化率です。


・第1波が10%上がっていて、第5波が第1波と同じ大きさになるというのは
第5波が第4波ボトムから 10%上昇するという意味です。


・第1波が10%上がっていて、第3波の大きさが第1波の大きさの 1.618倍になるというのは
第3波が第2波ボトムから 10%×1.618 だけ上昇するという意味です。


26. 中川隆[-11407] koaQ7Jey 2018年4月27日 12:53:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12427]

宮田直彦さんの場合は


エリオット波動のカウントをする際の厳守事項

1.チャートは縦軸の株価スケールが対数目盛のものを用いる

2.円表示ではなくドル表示のチャートを見て判断する。

3.米国株と日本株のカウントをなるべく合わせる


をすべて無視しているのが問題なんですね。

円表示の TOPIX や TOYOTA の月足チャートを見れば

日経平均・TOPIXは今、
サイクル第(X)波、プライマリー第(3)波、インターミーディエト第3波

というカウントにした理由は良くわかるのですけどね:


日経平均 【0000】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0000

TOPIX【0010】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0010

トヨタ自動車【7203】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=7203



27. 中川隆[-12012] koaQ7Jey 2018年5月05日 11:27:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13258]

アメリカGDPは2018年1-3月も絶好調、長期金利は年内上昇継続へ2018年5月4日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7615

2018年、アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)が強力な金融引き締め政策を継続する中、株式市場は年内の高値をいまだ大きく下回って推移している。この状況が続くかどうかはアメリカの金融引き締めがいつまで続くかによると言えるが、アメリカのGDPを見る限り、この状況は年内ずっと続く可能性が高くなってきたようである。

金利高を跳ね返し高成長続くアメリカ経済

4月末に2018年第1四半期の米国GDP速報値が発表された。実質GDPは2.86%の成長率(前年同期比、以下同じ)となり、前期確報値の2.58%から更に加速した。3%に届きそうな高成長である。グラフからもその加速ぶりが読み取れる。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-1q-us-real-gross-domestic-product.png

アメリカの金融引き締めは実体経済の強さが維持される限り継続されるだろう。そして2.86%という成長率は、利上げの撤回が当分ないということを示唆している。株式市場、特に米国株の買い方にとってはかなり悪いニュースである。

高金利に耐えられない個人消費

但し、内訳をより詳細に見た場合、アメリカ経済は万全の状態ではない。例えば個人消費は明らかに高金利の悪影響を受けている。個人消費は2.63%の成長率となり、高い水準ではあるものの前期の2.85%から減速した。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-1q-us-real-personal-consumption-expenditures.png

内訳がその原因を物語っている。減速を主導しているのは耐久財の減速であり、その主な構成要素は自動車である。

つまり、高金利が自動車ローン金利に影響を与え、アメリカ人にとって自動車を買いにくい状況が続いているのである。これは事前に報じていた通りである。

•個人消費にアメリカ経済減速の兆し、利上げは止まらず

高金利は確実にアメリカ経済に悪影響を与えている。それでもGDP全体が好調なのは、先ずは企業投資のためである。

消費の減速を補う投資の加速

民間国内総投資は5.78%の成長率となり、前期の3.62%から大幅に加速した。

今回、消費の弱さにもかかわらず全体の数字が強い一因はこれである。しかし、投資の高成長も完全に訳ありではないというわけではない。

グラフには載せていないが、今回投資の成長率を牽引したのは在庫の増減である。企業の在庫が増えた場合、まだ売れていない場合もGDPに計上されるのだが、その在庫が増えているのである。

つまり、まだ売れていない在庫が積み上がったためにGDPが増加した。これをどう考えるかである。

在庫の増加でGDPが増えるというのは、言うまでもなく将来の成長の先取りである。特に消費が弱い状況では、在庫の消化は輸出に頼るしかない。

しかし在庫が過剰に貯まるとすれば、それは経済の生産力が過剰であることを意味しており、生産力の過剰は1ヶ月や2ヶ月で解消されるものではない。だから、将来の成長の先取りといえども、投資の強さがすぐになくなることもないだろう。

また、やはり高金利のために住宅投資が減速していることにも言及しておきたい。数字は強いものの、懸念も残る内容であったとも言える。

徐々に増えてきた政府支出

さて、トランプ政権になってから注目しておくべきと指摘していた政府支出が徐々に増加しつつある。成長率は1.15%で、前回の0.70%からやや加速した。

牽引しているのは勿論国防費である。シリア爆撃なども当然影響しているだろう。

•娘のイヴァンカ氏、トランプ大統領にシリア攻撃を指示、反対した「極右」バノン氏は左遷へ

また、トランプ大統領は議会との交渉を徐々にではあるが実現しつつある。昨年末の法人減税は言うまでもないが、国境の壁建設予算も16億ドルではあるが確保している。

アメリカで行われる今年の中間選挙に向けて、トランプ政権は大規模なインフラ投資計画を再び議論し始めるだろう。そうなれば政府支出は更に上がることになる。それは減速しつつある消費をいくらか補うだろう。

輸出入は輸出も輸入も減速

最後は輸出入である。先ず輸出は4.35%の成長となり、前期の4.96%よりやや減速した。輸入は4.23%で、こちらも前期の4.65%から減速となった。

因みにGDPに影響する差し引きの数字、つまり輸出から輸入を引いたものは、輸入の減速が輸出の減速をやや上回った結果、微増となっている。

保護主義的なトランプ政権の政策も影響しているのだろう。因みにこの数字はドル高ではなかった3月までの数字であることに留意したい。ドルは4月以降上がっているので、輸出入の数字は更に悪くなるだろう。

結論

結論としては、数字自体は非常に良いものの、影も見えるGDP速報だったと言えるだろう。

しかし、投資家にとっての問題はFedの金融政策への影響である。そしてこの結果から考えれば、やはり利上げは当分止まらないと考えるべきだろう。

確かに金利上昇の悪影響は現れており、特に個人消費の更なる減速は避けられないだろう。しかし法人減税の影響もあり投資は強く、政府支出は増加トレンドにある。強弱併せ持った内容ではあるが、4-6月期や7-9月期までに利上げを停止させるほど大幅な減速があるとはやはり考えづらい。

つまり、早くとも7-9月期のGDPが発表される秋頃、そうでなければ更に遅い来年の初頭まで、Fedのタカ派な態度は継続するのではないか。


金利高は明らかに株式市場にマイナスであり、米国株は既に下落トレンドに入っている。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-4-s-and-p-500-chart.png


日本株は金利高によるドル高に支えられて米国株より良い動きをしているが、米国株がもう一度急落相場を迎えればリスクオフの金利下落と株安が同居することになり、日本株は一番悪影響の大きい資産クラスになるだろう。


今年は株を買い持ちにする年ではないのである。


•ガントラック氏: 株式市場は高金利に耐えられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7601

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7615


28. 中川隆[-12454] koaQ7Jey 2018年5月14日 15:58:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13966]

米国長期金利「3%超え」がやはり重大な理由
米国株の評価に与える影響とは
田渕 直也 2018/05/11 08:00
https://shikiho.jp/tk/news/print/0/220277
 


 この連載では、以前から米国株価水準の評価において、米国長期金利が3%を超えるかどうかが重要なポイントになると指摘してきた(2017年7月13日配信「米国の低い長期金利が『割高な株価』を許してきた」等)。

 今年初めの株価の急落は、その長期金利が3%に近づいた時に起きたものである。そして今、米国長期金利はほぼ3%レベルにまで達している(5月9日時点で3.005%)。

 ここで改めて、長期金利3%超えが株価にとってどんな意味を持つのかを考えてみたい。

■ 長期金利は株価にどのような影響を与えるか

 まずは、教科書的なおさらいから始めよう。長期金利の上昇は、単純な理屈の上では株価の下落要因となる。ここでいう単純な理屈とは、企業の利益成長率などの見通しが不変ならば、というような意味合いだ。なぜ長期金利の上昇が株価の下落要因になるかというと、企業が生み出すであろう将来の利益の割引現在価値が下がるからだ。もっと分かりやすい表現をすれば、金利が高くなるので、株式の相対的魅力が低下するということである。

 具体的な数字でそのインパクトを見てみよう。過去5年の米国長期金利の平均は2.25%ほどである。現在の水準はそれよりも0.75%高い。理論的な株価の予測モデルには様々なものがあるが、最も単純なモデルを使っていろいろと試算してみると、そのくらいの金利上昇で適正なPERは15〜20%程度低下すると考えられる。すなわち、利益見通しなどが変わらなければ、株価もそのくらい下がってもおかしくはないということである。

 もっとも、金利の上昇が一時的なものにとどまれば、株価への影響も限定的なものになると考えられる。つまり、長期金利の上昇トレンドの継続が見込まれなければ株価への影響は限定的であり、今年前半の株価の調整で、長期金利上昇の影響はすでに織り込まれたと考えることも可能であろう。

 以上を踏まえて、改めて3%という数字に着目してみよう。

■ 「3%」には様々な意味がある

 まず、そもそもこの3%という数字自体は、単に切りが良いので一応の目安にされているだけのものといえる。理屈の上では、2.9%と3%で大した違いはない。ただし、この3%前後の水準というのは、ここを突破してくると数十年にわたって続いてきた米国長期金利の長期的な低下トレンドが転換したと考えられる重要なチャート上の節目でもあるのだ(グラフ(1))。

https://shikiho.jp/tk/news/print/0/220277


 実際には、チャート上のポイントが破られてもその後すぐに戻ってしまうこと(いわゆる“騙し”)もあるので、単純な3%超えだけをもって「米国長期金利はついに長期上昇トレンドに突入した」と言い切ることはできないが、少なくとも十分な警戒が必要になるレベルに来たといえる。

 次に、単なる目安とはいえ、ここ数年間、1%台や2%台の金利しか目にしていなかったことからすれば、3%という数字には、やはり人々に心理的なインパクトをもたらす可能性がある。金利が2%台と3%台とでは、現実を見る目が変わってくるということだ。ここで特に問題となるのは、以前に取り上げた「米国株は割高か否か」という点である。

 米国S&P500のPER(株価収益率)は実績ベースで約24.5倍、予想ベースで約18倍である。やや割高だが、予想通りの利益成長が実現するなら危険視するほどの高さではない。ただし、現在の企業利益の伸びはGDP成長率や過去の趨勢と比べてかなり高水準なものとなっており、いつまでもそれが続くとは考えにくい。

 そうした観点から、より長期的観点から過去10年間の平均利益水準と比較したシラーPERという指標を見てみると、こちらは32倍程度と歴史的に極めて高い水準となっている(グラフ(2))。

https://shikiho.jp/tk/news/print/0/220277

 筆者は従来、1.5〜2.5%程度を中心レンジとする歴史的超低金利環境の継続を前提にすれば、これは必ずしも割高とはいえないという立場をとってきた。だが、3%超えの長期金利が新しい“常態”になるならば、その前提は大きく崩れることになる。

 結局のところ長期金利が多少の幅で上昇すること自体には、それほど大きなインパクトはない。だが、今はまだ過去に例を見ないほどの超低金利環境のなかにいるのか、それとも全く別な新しい金利環境のなかに入ったのか、そのような局面の捉え方によって株価のバリュエーション評価は大きく変わってくるのである。それが、筆者が“3%”に注目してきた最も大きな理由である。

■ 米国株の“割高さ”が長期的な懸念材料となりつつある

 こうした観点から、重要な点は3%にタッチしたかどうかではなく、金利のレンジが切り上がるかどうか、単純化して言えば3%台の金利環境が定着するかどうかである。そして、もしそうなれば、「米国株は長期的観点からみて明らかに割高である」と言わざるを得なくなる。今はまさにその正念場だ。

 もっとも、シラーPERのような長期的観点による指標が割高になったからといっても、直ちに株が売られるわけではない。少なくとも現在の株式市場では、今年に入って調整局面を迎えたとはいうものの、投資家の株式相場へのコンフィデンスは大きく崩れていないようにも見える。ただし、説明のつかない株価の割高さは、いずれ大幅な価格調整を招くというのが歴史の教えるところでもある。

 そのように考えていくと、米国長期金利にとって“3%”という水準は、やはり重く受け止めるべきものと言えるだろう。


29. 中川隆[-12460] koaQ7Jey 2018年5月17日 08:20:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14017]

マイナス成長だった2018年1〜3月期GDPは、さらに下駄を履かせている 2018年05月17日
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2223.html

 内閣府が本日(5月16日)早朝に発表した2018年1〜3月期GDP速報値は、実質で前期比マイナス0.2%、年率換算マイナス0.6%と、2015年10〜12月期以来9四半期ぶりのマイナス成長となりました。

 2017年の日本の実質成長率は、前期比で1〜3月期が0.7%、4〜6月期は0.5%、7〜9月期も0.5%、10〜12月期は0.1%とそれぞれプラス成長で、2017年通年では前年比1.5%成長となっていたため 日本経済はここ1年でさらに減速していたことになります。

 より実感に近い名目成長率で見ると2018年1〜3月期は前期比マイナス0.4%、年率換算でマイナス1.5%と実質より大きなマイナスとなっています。
 
 ここでGDP統計はまず実際の経済活動はすべて名目値であるため、それらを集計してGDPデフレーターで調整して実質成長率として発表されるはずです。

 2018年1〜3月期のGDPデフレーターは実数で前期比プラス0.5%と発表されており、最近の物価上昇率と比較しても違和感がありませんが、それを「季節調整」して前期比でマイナス0.2%と実感からほど遠い数字としています。

 何を言いたいのかというと、実際の経済活動はすべて名目値であるため、実数であるGDPデフレーターで修正された実質GDPはもっと大きなマイナスとなっていたはずです。しかしそれを「大変に違和感のある季節調整済みとして」無理やり前期比マイナス0.2%としたため、発表された実質成長率はそれほど大きなマイナスとならなかっただけです。

 つまり2018年1〜3月期の日本経済は「もっともっと」減速していたことになります。単純計算ですが、実数であるプラス0.5%のGDPデフレーターを使うと、実質GDPは年率0.9%マイナス、年率換算で4%近いマイナスとなっていたはずです。

 4月19日付け「いったい中国経済の本当の規模と成長率はどれくらいなのか?」で、中国が発表する実質(しか発表しません)GDPは、物価上昇率(GDPデフレーターのこと)を恣意的に操作して計画を上回る6%台後半の成長率としていると書きましたが、どうも2018年1〜3月期に限ると日本も同じような操作をしていると感じます。

 そんな操作が加わっているはずの日本の2018年1〜3月期実質GDPの内訳を見ていくと、全体の5割以上を占める個人消費が年率換算しない前期比でマイナス0.0%(正確にはマイナス0.001%)、意味のない持ち家帰属家賃を除く個人消費がマイナス0.1%、民間住宅投資がマイナス2.1%、民間設備投資がマイナス0.1%と内需が総崩れとなっており、辛うじて輸出が0.6%のプラスとなっています。

 繰り返しですが、前期比でこれはプラス0.5%だったはずのGDPデフレーターを、無理やり季節調整してマイナス0.2%(つまり物価水準が下がっていた)として、さらに下駄を履かせている数字です。

 名目でも「下駄を履かせた」実質でも、日本経済が2018年1〜3月期にマイナス成長だった理由として、天候不順や大雪のために野菜価格高騰の影響などで個人消費が落ち込んだからという説明がされています。

 つまり物価が上昇していたと言っていながら、実際には物価が(GDPデフレーターが)下落していたものとして計算した実質GDPが、それでもまだマイナスだったことになります。

 米国の2018年1〜3月期GDPも、大型減税がスタートしているにもかかわらず実質で2.3%と、2017年10〜12月期の2.9%から減速しており、ユーロ圏でも2018年1〜3月期の改定値で前期比0.4%と、2017年10〜12月期の0.7%から減速しており、どうも本年に入ってから世界経済は減速しているように思えます。

 米国では改定値が5月30日、日本でも6月8日に改定値が発表されますが、その時点ではもう「とっくに終わった期のGDP」とはなりますが、注目しておくべきと考えます。

 何度も書いていますが、本誌はFRBの利上げペースが速すぎ、たぶん新興国経済の混乱が加わるため早ければ本年後半にも利上げペースの減速に追い込まれ、その時点ではかなりのドル安・円高になることも覚悟しておかなければならないと考えています。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2223.html


30. 中川隆[-12555] koaQ7Jey 2018年5月22日 22:30:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14230]

2018年、円高ドル安の理由2018年5月22日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7640

ドル円のチャートがドル高になっているタイミングでこの記事を読む読者は、「ドル高の間違いでは?」と思うかもしれない。しかし2018年、ドル円のチャートがどうなっていても、一貫して起きているのはドル安である。

ドル円チャートの形にかかわらずドル安というのはどういうことか? これは、ドル円のファンダメンタルズを注視しながら為替をトレードしている投資家には理解してもらえるのではないか。

2018年の過酷なドル安

先ずはドル円の現在のチャートを取り上げよう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-22-usdjpy-chart.png

執筆時点で、中期的にはドル円は上昇している。しかし、このチャートを見たところで、ファンダメンタルズを注視している投資家には、どうしてこれほどドルが上がらないのか、という感想になるはずである。

そのファンダメンタルズとは何か? アメリカの実質金利である。アメリカの金利が上がれば高金利を求めた投資家の資金がドルに集まるため、通常はドル高となる。逆に金利が下がればドル安となるため、ドル円と米実質金利は正の相関となるべきである。

では、ドル円とアメリカ実質金利のチャートを重ねるとどうなるだろうか?

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-22-us-long-term-interest-rate-and-usdjpy-chart.png


こうなるのである。アベノミクス以後、一貫して歩調を合わせていたドル円と実質金利のチャートが、2018年2月に始まった世界同時株安の少し前から乖離し始めている。ファンダメンタルズから言えば、ドル円は既に120円を超えていてもおかしくないのだが、そうなっていない。ここでは当初、その原因を日銀の緩和限界ではないかと報じたが、どうもそれだけではないようである。

ドル安の本当の原因

ではドル安の原因は何だろうか? 最近の上げ相場しか知らない投資家は知らないかもしれないが、過去には同じ現象が起きたことがある。それは2008年、いわゆるリーマン・ショックの年である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2008-financial-crisis-us-long-term-interest-rate-and-usdjpy-chart.png


何が起きたのか? 状況を把握するためには、投資家の立場に立って考えると分かりやすい。

通常、ドルの金利が上がれば投資家は高金利を求めてドルを買うようになる。金利上昇が原因、ドル買いが結果、というわけである。

しかし市場から資金が流出する状況ではどうなるか? 2008年の市場ではリーマンブラザーズが破綻し、不動産価格が暴落、あらゆる投資家が自分のポジションを精算していた。それまでの上げ相場から、投資家のレバレッジも大きかった。

さて、レバレッジとは借金をして株式などの資産を購入することである。日本の投資家には分かりにくいかもしれないが、問題はどの通貨で投資家が借りていたのかである。

ドルを借りるのか、円を借りるのかで金利が異なる。ドルの方が金利が高いので、当然、ドルを借りた場合にはより多くの金利を支払う必要がある。だからドル建てのレバレッジよりも金利の低い円建てのレバレッジの方が多かったのは当然のことである。

市場から資金が引き揚げられ、投資家がポジションを解消するとき、投資家は借りた通貨を再調達して返済しなければならない。だから円を借りた投資家は円を買うことになる。投資家が怒涛の勢いで円建てのレバレッジを解消した結果、2008年は急激な円高となった。いわゆるキャリートレードの逆回しである。

金融危機のような規模で資金が引き揚げられた時、もはや実質金利上昇のようなファンダメンタルズは意味を持たない。投資家がほぼ強制的にポジションを解消させられるとき、冷静にファンダメンタルズを考えて他の選択肢を選ぶ余裕などないからである。そうしてドル円は暴落した。市場から資金が引き揚げられる時、ドル円はそう動くのである。

2018年のドル安

では、2018年の状況とは何だろうか? 2008年において市場から資金を引き揚げたのは金融危機だったが、2018年に資金を引き揚げているのはアメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)である。

金融危機とは違い、その資金の引き揚げ方は基本的に毎月一定である。量的緩和と同じ規模で市場から資金を吸い上げているとはいえ、金融危機よりは急激な引き揚げ方ではないと言うべきだろう。だから2018年の「ドル安」は2008年ほどは急激ではない状態にある。チャートをもう一度掲載しておこう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-22-us-long-term-interest-rate-and-usdjpy-chart.png


しかしこの状況はアメリカが金融引き締めを続ける限り続く。そして金融引き締めは、どうやら2018年の末までは停止されない可能性が高そうである。

•アメリカGDPは2018年1-3月も絶好調、長期金利は年内上昇継続へ


読者の中にはドル円を買っている投資家はあるだろうか? ドル円を買っているとすれば、この乖離をどう解釈した上でドル円を買っているのだろうか? ドル円に大きく左右される日本株を買っている投資家もまた、この乖離に少なくとも何らかの説明を持っていなければならない。

筆者はそれをリーマンショックと同じものだと見ている。米国株がまだ持ちこたえているのは、筆者の相場観に反するものではない。市場が崩壊するとき、米国株の下落は通常一番最後になるからである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-22-s-and-p-500-chart.png


しかし債券は既に下落を始めており、ドル円も警告シグナルを発し始めている。リーマンショックでは不動産価格の下落が株価の下落に先行した。

•リーマンショック時における米国株、政策金利、住宅価格の推移


そこまで分かっている状況で株式の買い持ちをするのは、仮に上がったとしても戦略として間違いである。ダリオ氏が実際にそれで失敗している。


•世界最大のヘッジファンドの2018年株式市場上昇予想「現金保有は馬鹿を見る」
•世界最大のヘッジファンド: 世界同時株安は取るに足らない一時的調整
•世界最大のヘッジファンド、株高予想を撤回、世界同時株安は数日では終わらない

しかし、これまで同様、筆者の相場観は実際に問題が生じてからでなければ注目を惹かないだろう。何事もそういうものではないか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7640


31. 中川隆[-12554] koaQ7Jey 2018年5月22日 22:34:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14230]

中東が「Sell In May」の引き金に。米国市場は大幅調整を経て再びブームへ=藤井まり子 2018年5月6日
http://www.mag2.com/p/money/448572



米国長期金利の上昇と、意外にも中東が今年の「Sell In May」の引き金になるでしょう。この夏に投機家たちが暴れる可能性が高く、市場は厳しい試練に立っています。

アメリカ株の下げに賭ける投機家たちが、この夏に再び暴れ出す?

アメリカのイールドカーブに「異変ナシ」

FRBは、昨年12月と今年3月に「2回」の政策金利の引き上げを実施しています。0.25%の引き上げを2回、合計0.50%の引き上げを実施したわけです。

一方、直近のアメリカ長期金利の3.00%前後への急上昇。上昇が「急」だったとはいえ、この長期金利3.00%は、昨年12月のFOMCを起点にすると、0.50%前後しか上昇していません。

この急上昇分は、政策金利の2回の引き上げ分(0.50%)と同じ上昇分です。なんちゅうことはない、アメリカの長期金利は、短期金利とほぼパラレルに上昇しているだけ。

アメリカの実体経済には減速の兆しは見つかりません(もちろん、年初の「大幅減税で3%以上の(実質)経済成長は可能か?」といったアホみたいな期待は消え失せていますが、アメリカの実体経済は2%半ばの力強い成長をたどっています)。

債券・国債・金利市場では、「大幅減税をしたら長期金利が上昇する」という、ごく当たり前のことが起きているだけなのです。大幅減税をしたら、長期金利は上昇するものなのです。

今回の「長期金利の急上昇」は、どちらかというと「今までの長期金利が低すぎた」結果としての、その反動です。

アメリカ株式市場は、この夏であっても「弱気相場入り(=20%以上の下落)」は起きないです。

株式市場と長期金利の関係

当メルマガでは1年以上前から、「大幅減税を実施しても、長期金利が上昇する」「インフレが起きるかもしれない。好調な実体経済の方はさほど押し上げられない」と繰り返しお伝えして参りました。このことが実際に起きているのが、2018年です!

一番の問題は、株式市場と長期金利の関係なのです。

目下のところ、長期金利(ドル国債10年物の利回り)は3.00%前後と、投資対象としてはかなり魅力的な水準になっているのです。

一方、S&P500の配当利回りは、今では2%水準を割り込んでいます。国債の金利上昇で、株式の配当利回りの「魅力度」が低下してしまっているのです。

これは、一部の投資家が、手持ちのアメリカ株を一部売り払ってアメリカドル国債に鞍替えしても「なんら不思議ではない」状態です。

アメリカ株式市場はいつ調整しても不思議ではない「ゆがみのある状態」なのです。

アメリカの投資家は、「アメリカ株が大幅下落したら、またFRBが金融緩和で対応する(2018年末から2019年初めにかけては「物価水準目標の採用」になるだろう)」ということをよくよく理解しているところがあります。そのため、アメリカ株式市場はなんとか大幅下落に直面しないでいられるといった状態なのです。

それでも、ここらあたり(=株式の配当利回りが10年物国債の利回りを下回っている状態)が、この夏、乱高下をこよなく愛する投機筋の「格好の攻撃材料」になります。


アメリカ株式市場は「厳しい試練」に立っている

たとえば、タイムリミットが訪れる「5月12日のイラン核合意の見直し」。

トランプがもし「イラン核合意」を放棄するような事態が起きれば、中東の地政学的リスクが高まります。

すると、投機筋の手によって、原油をはじめとする資源コモディティ価格が急上昇、アメリカの長期金利もあっという間に3.25%にまで「急上昇」してしまう懸念があります。

すると、アメリカ株式市場は大幅調整してしまうことでしょう。

多くの人々の注意と関心が朝鮮半島に集中していますが、意外や意外、今年の「Sell In May」の引き金を引くのは「中東」かもしれないのです。

なにはともあれ、「アメリカの長期金利の上昇」は、今年の「Sell In May」の引き金になることでしょう。

アメリカ株の下げに賭ける投機家たちが、この夏に再び暴れ出す可能性があまりに高いのです。今のアメリカ株式市場は、長期金利の上昇で厳しい試練に立っています。

(一方、日本株式市場は、アメリカの長期金利の上昇で「束の間のドル高円安」をエンジョイしています。同時に「束の間の日経平均の上昇局面」をエンジョイしています。)

2018年末には、パウエルFRB議長は「物価水準目標」採用へ

FRB新副議長にコロンビア大学教授のリチャード・クラリダ氏が就任することになりました。そして、NY連銀総裁にはサンフランシスコ連銀のジョン・ウィリアムズ総裁が就任することになりました。

・ウィリアム総裁は「物価水準目標」の熱烈な支持者であり、金融専門の経済学者
・クラリダ次期FRB副議長も「物価水準目標」には鷹揚な金融専門の経済学者

この2人の経済学者が、今後、弁護士出身のパウエルFRB議長を理論面で支えることになります。

FRBの金融政策は、今後(年末か来年初めあたりには?)より緩和的な方向へ大きく変更される可能性が高いです。

すなわち、昨年末にもお伝えしましたが、パイエルFRBは、(夏場にアメリカ株式市場が大幅調整局面を迎えるような事態が起きれば)年末から年始にかけて、「ある程度インフレを放置して、利上げを遅らせる方向」、つまり金融緩和の方向へ、大きく方針転換する可能性がかなり高いのです。

「物価水準目標」という金融政策は、平たく言えば、「今現在のFRBの政策金利の引き上げは、もっと遅らせて、2%インフレを上振れるようなインフレを巻き起こそう。名目経済成長率を引き上げていこう」というものです。

米国市場は大幅調整を経て再びブームへ

アメリカ株式市場は、今年半ばには大幅調整するかもしれませんが、秋あたりから(?)再びブームを巻き起こしてくることでしょう。

かねがねお伝えしておりますように、今のアメリカの人口動態はとても良好です。

人口の多い「ミレニアム世帯」が「30歳から39歳」に入って、最初の一戸建てを購入する年齢に入ってきているのです。これは、「今のアメリカの実体経済は、向こう5〜6年くらいは放っておいても拡大基調をたどる」ということです。

「2%インフレ目標」を固持すれば株価は低迷する

せっかくこういった「良好な経済環境にある」のに、パウエルFRBが「2%以上のインフレを起こさない」という信念を固持したままだと、悪いことが起きてしまうのです。

「2%インフレ目標」そのものが、アメリカ株式市場に「水を差す」結果になってしまい、ある意味とてもナンセンスです。

すなわち、パウエルFRBが現行の「2%インフレ目標」を固持して、パウエルFRBが従来通りに「今年2018年に年3〜4回、来年2019年に年2〜3回の政策金利の引き上げ」を断行して
いくとするならば、現在進行形のアメリカ株式ブームは、1年後あたりには「ブーム崩壊の危機」に瀕してしまうのです。

現行の「2%インフレ目標」を固持したままだと、「アメリカ株式ブームは持って1年くらい」となることでしょう。

「物価水準目標」の採用で米景気は上向く

皆さまご存知のように、ブームが弾ければ、アメリカの実体経済はリセッション入りしてしまいます。そんな「ナンセンス」なこと(=実体経済が良好なのに、リセッション入りしてしまうこと)を回避しようとするのが「物価水準目標」なのです。

しかも、この「物価水準目標」を採用すれば、「長い目で見れば、5〜6年後のアメリカの政策金利を再び5%台へと引き上げられる」かもしれないのです。パウエルFRBは「バランスシート縮小」計画も放棄する必要もなくなるかもしれません。

こうなれば、次の(中国発の?)経済危機が起きたとき、FRBには「利下げの余地」と「金融緩和策の手段」が十二分に存在するということになります。

というわけで、今年のパウエルFRBでは、ウィリアムズ総裁やクラリダ次期副議長などの「金融専門の経済学者」のお知恵を頂戴して、間一髪で「物価水準目標」を採用しようとする方向へ向かっているのです。

(個人的には、「中国経済がぽしゃるまで、アメリカ経済は悠長にリセッション入りなどできない」「どんな汚い手を使ってでも、米中経済戦争に勝つ」という、アメリカの国家戦略が絡んでいると思います。)

「物価水準目標」が採用されれば、アメリカの株式市場は再びブームを再開できるのです。


32. 中川隆[-12634] koaQ7Jey 2018年5月27日 12:33:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14458]

アメリカFRBの利上げで、今年は政策金利2%越えが予想されている。

2005年ごろの5%よりは低いものの、過去に何度も米金利の引き上げは世界経済危機を引き起こしてきた。

ここが肝心なのだが1929年の大恐慌にしても他の経済ショックにしても、経済危機のたびにアメリカ経済は拡大してきた。


意図的に経済危機を引き起こしているとは思わないが、米金利が上昇して世界的な経済危機が起こり、ライバルが脱落してアメリカは再生してきた。

アメリカが今、蹴落としたいと考えているのは中国なので、一時的に経済が混乱して、アメリカはいち早く立ち直れば、それで結果オーライとなる。

蹴落とされる中に韓国も入るのは確実で、通貨ウォンの暴落が懸念されている。
http://www.thutmosev.com/archives/76298392.html


33. 中川隆[-12663] koaQ7Jey 2018年5月28日 15:16:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14542]

2018年05月28日
新興国通貨と仮想通貨が下落 新たな通貨危機の火種

暴落の常連トルコリラは当局の利上げによって一瞬で吹き上げた
画像引用:https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/matomepro/20180524/20180524151123.jpg

新興国通貨が下落

主要通貨が不安定な動きを見せていて、新興国通貨が下落しているほか、ビットコインなど仮想通貨も下落している。

まず米国の好景気とインフレは米FRBの利上げを促し、米金利が上昇するとの見方からドルが買われた。

ドル高によって新興国通貨が下落し、アルゼンチンペソ、トルコリラ、メキシコ、 ベネズエラなどが下落した。



これら高金利通貨は平常時には投資家に多額の利益をもたらすので、一部の投資家は好んで購入していた。

例えば年利8%がつく通貨を100万円購入すれば、寝ていても毎年8%お金が増えていきます。

その代わり経済変動があるとこれらの通貨は最初に下落するので、うまく逃げないと損失を被ります。


南アフリカ・ランド、トルコリラなどが高金利投資の常連で、定期的に高騰したり下落したりしています。

韓国の通貨ウォンも定期的に高騰と下落を繰り返すので知られ、このために日韓通貨スワップを結んだが現在は失効している。

高度成長している新興国の通貨ほど不安定で、東南アジアや中国の人民元なども、今後暴落する可能性がある。


日本の通貨である円も高騰と下落を繰り返すが、新興国通貨とは逆に、経済危機で値上がりする。

この意味は経済危機では新興国通貨が売られて、避難先として円が選ばれて、投資家が円を買っているといわれている。

次の経済危機でも円が買われて円高になると予想され、その時に外国に投資すると、同じ金額でも多くの買い物が出来る。

仮想通貨も下落

仮想通貨は2018年1月に暴落し、約2万ドルだったビットコインは2月に6800ドルの最安値をつけました。

その後ビットコインは持ち直して1万ドルを超えたが、4月にまた6600ドルまで下落し、5月に9800ドルに盛り返した。

現在は7000ドル付近で下落傾向にあり、6600ドルあたりの抵抗線を割り込むかどうか注目されている。


ビットコインには未だに「10万ドルを超える」などの予想をしている人が居て、彼らが止めを差されるか大儲けするかの岐路にある。

仮想通貨の値動きは新興国通貨をもっと極端にしたようなもので、購入する人は100%投機的な期待をしている。

新興国に投資する人はそれでも、今後の成長に期待する面があるが、仮想通貨は成長しないし何も生み出さない。


原理としては手数料を取られるだけの「マイナスサムゲーム」なので、保有しても配当金が得られるわけではない。

仮想通貨に役割があるとすれば、通貨の緩衝材であり、国家が発行する通貨は政府が調整して「動かないように」している。

国が発行する通貨が本来の役割を果たしていない訳で、替わりに仮想通貨が暴落と高騰を繰り返し、通貨本来の動きをしているとも言える。
http://www.thutmosev.com/archives/76313345.html


34. 中川隆[-12675] koaQ7Jey 2018年5月30日 14:05:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14584]

株式市場と長期金利が急落、原因はイタリアではなく金融引き締め2018年5月30日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7658#more-7658

もう去年からこういう相場になると言い続けているのだが、実際にそうなるまではなかなか理解されないものである。

さて、2月に世界同時株安を引き起こした原因であるところのアメリカの長期金利が面白い動きをしている。米国株も急落しているが、日本株や欧州株、新興国株などがそれよりも数日前から下落を始めているのは読者もご存知の通りだろう。

長期金利が暴落

先ずは長期金利の動きから見てみたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-30-us-10-year-treasury-note-yield-chart.png

かなりの急落である。債券の金利低下は価格上昇ということになるので、米国債に資金が流れ込んだことになる。他の市場から資金が流出して、米国債に流入したのである。

同じ日には米国市場が急落している。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-30-s-and-p-500-chart.png


しかし他の株式市場は数日前から下落を始めている。例えば日本株である。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-30-nikkei-225-chart.png


中国株も同じような動きになっている。市場全体から資金が引き揚げられるときにはリスクの高い市場から下落してゆくからである。米国株は通常最後となり、それは前回の記事で説明した通りである。中国株のチャートは次のようになっている。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-30-shanghai-composite-chart.png


こうして見ると、米国債への資金流入は米国株だけではなく、世界の株式市場からの資金流出に関連しているようである。また、理由は異なるが米国債と同じように円も買われており、ドル円もこうした動きに連動して下落している。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-30-usdjpy-chart.png


ドル円がこういう状況で下落する理由については前回の記事で説明してあるので、そちらを参考にしてもらいたい。

•2018年、円高ドル安の理由 (2018/5/22)
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7640


因みにドル円の下落はこの記事を書いた次の日に始まっている。

こうした状況はイタリアの政治不安が理由ではない。イタリアでは国民ではなく政治家によって選ばれた(象徴的で権限のあまりない)大統領が、選挙で勝った右派政党の選んだ反EUの経済相の承認を拒否し、右派政党は組閣に失敗したが、イタリアでは再選挙が行われ同じ政党が勝利するだろう。あるいは、国民の選んだわけでもない既存勢力派の大統領の権限を弱める方法を与党が見つけるかもしれない。

いずれにせよ、こうしたニュースでイタリア国債が売られるのは理解ができ、米国債の上昇がやや激しいのはイタリアからの資金流入分が追加されたからだが、それは米国株や日本株が下落する理由にはならない。下落相場は色々な短期的な口実を見つけながら下落してゆくものであり、本当の原因はマスコミが指摘する原因ではなく、別の所にあるのが普通である。

本当の原因

では何が起こっているのか? ここの読者には今更だが、何が起こっているかと言えば金融引き締めである。利上げもそうだが、アメリカのFed(連邦準備制度)が量的緩和の巻き戻しでバランスシート縮小を行い、量的緩和と同じ速度で市場から資金を吸い上げている。

2008年以降の上げ相場に慣れてしまった金融市場は、下落はないと高をくくり、金融引き締めの影響を事前に織り込むことを拒否したため、Fedが毎月吸い上げる一定の資金の量に応じて世界の金融市場から徐々に資金が流出しているだけのことである。ここでは去年からそうなると言い続けている。

因みに上記のチャートでトレード出来そうな部分はと言えば、米国債である。はっきり言うが、この程度の株式市場の下落でアメリカの金融引き締めが止まることはない。2.7%台の長期金利は低すぎると言うべきだろう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/05/2018-5-30-us-10-year-treasury-note-yield-chart.png

筆者ならばこの状況でオプションを売る。金利がこれ以上下がらなければ(つまり債券価格がこれ以上上がらなければ)利益の出る取引である。ボラティリティの高い状況ではオプション価格は高くなるので、高値で売れるというわけである。

こうした市場からの資金流出状況については去年より想定していた通りなので、あまりコメントはないが、引き続き世界市場の状況をフォローしてゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7658#more-7658


35. 中川隆[-12894] koaQ7Jey 2018年6月04日 17:50:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14932]

ソロスが狙う次の通貨危機。養分になるのが嫌なら「タイ株」を刮目して見よ=鈴木傾城 2018年6月3日
http://www.mag2.com/p/money/465209


1997年にアジア通貨危機を引き起こしたジョージ・ソロスが、最近、気になる発言をした。米金利の上昇を背景に、「ドル相場の急伸と新興市場からの資本逃避は、次の大規模な金融危機をもたらす可能性がある」というのだ。

だが、ソロスの警告通りに大暴落が起きるとしても、個人投資家は何も恐れる必要はない。どういうことか?

ソロスの予言を逆手に取り、アジア新興国株を豚のごとく貪れ

新興国危機へのカウントダウン

「経済的な大混乱が再び来るのか?」「新興国は危ないことになるのではないか?」という不安と恐怖が徐々に金融市場に渦巻くようになっている。

何が起きているのか。

世界の新興国が徐々に変調を隠せなくなっているのだ。そのきっかけになっているのは、ドルと米国金利の上昇だ。

新興国というのは元々は不安定でリスキーな市場だ。しかし、リスキーだからこそ、そのボラティリティや成長を当てにした投資や投機が可能になる。

ただ、資本主義の総本山であるアメリカ市場で安全に金が増やせるのであれば、何も新興国でリスクを取る必要がない。そうなると、新興国の投機マネーはアメリカに戻る。

米国金利の上昇は「リスクを取らずに利息が取れる」のだから、世界経済は常に米国金利上昇で潮目が変わる。今回もまたその動きが起きているのだ。すなわち、新興国からドルが抜けている。

その結果、アルゼンチンの通貨ペソが史上最安値を更新、トルコ・リラ、メキシコ・ペソ、ブラジル・レアル、インド・ルピーから一斉に資金流出が起きるという状況になっている。

ジョージ・ソロス「次の大規模な金融危機は近い」

新興国が一斉におかしなことになっている。この状況を見て、ジョージ・ソロスは2018年5月29日のパリ講演でこのように語るようになっている。

『ドル相場の急伸と新興市場からの資本逃避は、次の大規模な金融危機をもたらす可能性がある』

ソロスが「新興市場の資本逃避」を話すときは、十分に気をつけなければならない。

なぜなら、新興市場からの資本逃避が巨大な金融危機を起こした例として1997年のアジア通貨危機があるのだが、このときに新興国の通貨が崩れると見て激しい売り浴びせをした張本人こそがまさにジョージ・ソロスだったからである。

1980年代、タイは工業化の道をひた走って高度成長期に入ったのだが、それが途切れたのが1995年だった。

1995年には何があったのか。アメリカはこの頃から「強いドル政策」を採用してドル高誘導するようになっていたのだ。つまり、アメリカは金利を引き上げた。

この当時、タイは自国通貨バーツをドルにペッグ(固定相場制)していたので、ドルが上昇するとバーツも一緒に上昇するという仕組みになっていた。

バーツが上昇すると輸出が振るわなくなる。そうなると高度経済成長は終わる。そのため、バーツは切り下げられるという目論見が生まれる。

これに目をつけたのがソロスを始めとしたヘッジファンドである。彼らは巨額の資金でバーツを売り浴びせていき、この通貨の空売りによってアジア通貨危機は発生した。

アジア通貨危機は、タイのバーツ危機から始まったのだ。

タイ政府はバーツを買い支えることができず、タイ経済はこれによって壊滅的な打撃を受けて、タイ株式市場どころかタイ国家そのものが崩壊の危機に瀕した。

ジョージ・ソロスは、アメリカが金利を上昇させている今、「再びこのような危機が新興国に起きるのではないか」と言っている。

どの国が壊滅的打撃を受ける? 1997年と現在の違い

ただ、実際に金融危機が新たに発生するのかどうかは、まだ何とも言えないところがある。「今回はアジアに限っては通貨危機は起きないのではないか?」という声も多い。

1997年のアジア通貨危機とは何が違うのか。

1点目は、新興国を無視した金利の引き上げは、結局は金融市場全体を混乱させてアメリカの不利益になるという経験をFRB(連邦準備制度理事会)は学んでいることだ。

2点目は、アジア通貨危機を経験したアジア諸国(ASEAN)もまた外貨準備を必死に蓄えるようになっており、危機に対する備えができていることだ。

3点目は、万一どこかで通貨危機が起きたとしても、互いにドルを融通する通貨スワップ協定を結んで対応策を取っていることだ。

アメリカが金利を引き上げる局面になると、必ず世界の金融市場に激震が走るのだが、これによって「死ぬ」のは脆弱な通貨を持っている新興国である。

1997年はアジアが脆弱だったのだが、アジアの通貨と経済はあれからずいぶん強くなった。今回のアメリカの利上げで金融的な動乱が起きるとしても、「壊滅的打撃を受けるのはアジアではない」と考えられるのは、こうした理由があるからだ。

タイ株の大暴落は「絶好の買い場」になる

ところで。そうであれば、もし仮に今後アメリカの金利が上昇する局面で過去を思い出した投資家や投機家がタイから資本逃避し、タイの株式市場が大暴落になっていくとしたら、そこに1つのチャンスが生まれるということを意味する。

どういうことなのかというと、タイの株式市場が暴落したらそれは長期投資家にとって大きな「買い場」になるということだ。

アメリカの利上げで悪影響を受けるとしても、それでタイ経済が破綻することは決してない。

タイの優良企業が下落したのであれば、それを安いところで買っておけば、長期に渡って売らなくてもよい資産を高配当でつかめるということになる。予測する必要はない。時が来れば動けばいい。

私の主力株は「PTT(タイ石油公社)」だ

私がタイ株を買ったのは2009年頃だ。タイが東南アジアで有利だと思ったからではなく、私自身がタイを愛しており、何らかの形でタイにつながっていたかったからだ。

タイで証券口座を開いて、ほんのわずかな金額で昔から名前を知っているタイの優良企業の株式を数銘柄買った。

資産を追加したのは2012年だが、資産の90%をアメリカ市場に振り分けて、残りのほんの少しをタイの株式市場に振り分けた。この頃のタイ株式市場(SET)は1050ポイントあたりだった。現在は1719ポイントなので、6年で約63%近く上昇していることになる。

しかし新興国らしく、ボラティリティは凄まじく高い。1600ポイントを超えて上昇したと思うと、一転して1200ポイント近くまで下落するという乱高下を2回も繰り返している。

それでも6年の結果を均すと、年間約10%の上昇率ということになる。

タイ株式の私の主力株は「PTT(タイ石油公社)」である。もともと石油株が好きなこともあるが、この企業こそがタイのエネルギー産業の中核であり、タイどころか東南アジアをも代表する超巨大企業だからである。

現在の時価総額は約5兆円となり、日本の大企業とも引けを取らない規模であることが分かる。現在のところ、配当利回りは4%弱となっている。

私が買った頃は約30バーツ(株式調整後)だったのだが、現在は51.50バーツとなっている。

この6年で私は総計24%近くの配当をもらい、さらに株式分割で株数が2倍になり、その上にPTTからスピンオフした製油会社スター・ペトロリアム・リファイニング(SPRC)の株も「ただでもらった」ので、たった6年間の所有とは言えども、結構な恩恵を受けている。

このPTTが私の主力株なのだが、これ以外にも「アドバンスド・インフォ・サービス(ADVANC)」「ランド・アンド・ハウジズ(LH)」「サイアム商業銀行(SCB)」「サイアムセメント(SCC)」と大手どころを所有しており、そのままずっと保有し続けている。

日本の証券会社でも買える

私はタイの証券会社に直接口座を持っているので、そこで運用しているのだが、最近は驚いたことにタイまで行かなくても日本の証券会社でタイ株が買える。

たとえば、楽天証券やSBI証券がそうだ。

・楽天証券 – タイ株式取扱銘柄一覧
・SBI証券 – タイ株式取扱銘柄一覧

扱っている保有株を見ると、タイを代表する大手企業がほとんどである。気になるタイ株があれば、これらの一覧をじっくりと調べるのは面白いかもしれない。

タイ優良企業の「大バーゲン」を見逃すな

タイ株式市場は2015年からずっと上げ続けてきた。3年間、調整らしい調整もなく、ずっと上がってきた。特に2017年に入ってからの上げは急激であったとも言える。

2015年以前からタイ株を保有している人間もそうだが、新規にタイ株を買いたいと考えている人間にとっても、ここ数年来はなかなか手を出しにくい局面であったとも言える。

しかし、2018年に入ってからタイの株式市場は崩れてきており、アメリカの利上げ局面で新興国全体が忌避されるようになると、場合によってはさらに大きな下落が見られる可能性も高い。

最初に説明した通り、仮にアメリカの利上げによって新興国全体が崩れ落ちたとしても、アジア諸国は一気に国家崩壊するほどの危機にはならない。

だから、新興国が暴落してタイの優良企業もそれに引きずられる形になると、長期投資家には、それは大きな「買い場」となる。

今のところ、暴落は来るとも言えないし来ないとも言えないのだが、新興国が不穏な空気に包まれていこうとしているのは確かだ。

もし新興国が暴落したら、投げ捨てられた優良企業を安値で拾っておくのは別に悪い話ではない。PTTのような高配当株をつかんだら、後は何年も保有しておけばいずれは買値以上の価値を生み出すことになる。

その時、私は迷わずタイ株を買い漁る

そう言った意味で新興国の動きは要注意の時期に入っている。

私もここ数年はほとんどタイ株を買うこともなく、配当でもらっているバーツが積み上がっているのだが、下落局面で買い漁れる日を待っている。

新興国の暴落がいつ来るのか、本当にくるのか。そんなことは分からないが、時期が来れば迷わず動くというのだけは確かだ。

今は何もしない。しかし、時期が来れば豚のように貪る。


36. 中川隆[-13248] koaQ7Jey 2018年6月15日 09:13:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-15598]

FRBが予定通り利上げ 2018年06月15日

 FRB(連邦準備委員会)は6月13日まで開催されていたFOMC(連邦公開市場委員会)で、政策金利であるFF翌日物誘導金利を0.25%引き上げ、1.75〜2.0%としました。

 今回の利上げそのものは市場で確実視されていましたが、本年(2018年)における利上げ回数が3回(つまりあと1回)から4回(あと2回)に引き上げられたと伝えられたこともあり、NYダウが119ドル安の25201ドルとなりました。

 FOMCとは、FRB理事7名と、全米に12ある地区連銀総裁からNY連銀総裁を含む5名が交代で投票権を持ち、過半数の賛成で承認されます。ところが現時点におけるFRB理事は、パウエル議長、クォールズ副議長、ブレイナード理事の3名だけで、4名が空席のままです。理事の指名権があるトランプ大統領がグッドフレンド教授ら3名を指名していますが、議会(上院)の承認が遅れており、まだ就任できていません。

 つまり今回の(今までもそうですが)FOMCは3名のFRB理事と5名の地区連銀総裁の合計8名で評決され、今回は全員賛成で利上げとなりました。またFOMCは年8回開催されますが、その後にパウエル議長の記者会見が行われるのは4回(3、6、9、12月)だけで、ここのところ金融政策はこの4回のFOMCで変更されています。

 パウエル議長は今回の記者会見で、年8回のFOMC終了後すべてに記者会見を行うと公表しましたが、それで利上げ回数が増えるわけでもないため、あまり気にする必要はありません。

 ここで今回、本年(2018年)の利上げ回数が3回(つまりあと1回)から4回(あと2回)に引き上げられたとされますが、もちろんパウエル議長が記者会見でそう言ったわけではありません。

 FOMC終了後に、3名のFRB理事に、すべての地区連銀総裁の12名を加えた15名(FRB理事の空席がすべて埋まれば19名となります)による、各年末の政策金利予想を図表化したドット・チャートが公表されます。そこで前回まで年3回と予想していた1名が今回は年4回に変更したため、その中央値が年3回から年4回に動いてしまっただけの話です。これもそれほど気にする必要はありません。

 また来年(2019年)は前回までと同じ年3回の利上げと予想されていますが、この通りとなれば本年末の政策金利は2.25〜2.5%、来年末には3.0〜3.25となります。

 さてこれを見た(確かに多少はタカ派=引き締め的に見えなくもありませんが)6月13日の金融市場はどのように動いたのでしょう?

 まず米10年国債利回りは一時3.01%まで上昇しましたが、結局は2.96%と前日までとほとんど変わらない水準で終了しました。いつも言うように米国の短期金利(FF金利、短期国債利回り、せいぜい2年国債までの利回りなど)は人(FOMCメンバー)が決定しますが、長期金利(その代表が10年国債利回り)は米国経済に対する市場の見通しを反映するため、それぞれが連動するとは限りません。

 この米国の長短金利差はすでにリーマンショック前の2007年のレベルまで縮小していますが、FRBが予定通りのぺースで来年末まで利上げを継続すれば、当然に米国経済の減速要因となるため長期金利がそれほど上昇するとも思えず、長短金利差が一層縮小してしまうことになります。

 株式市場でも利上げはプラス材料であるため株価が上昇するはずの金融株が、この利鞘(長短金利差)の縮小傾向から収益がそれほど拡大しないと見たのか、軒並み下落しています。

 リーマンショック以降、米国をはじめとする世界各国経済の潜在成長率が逓減しているため、物価がそれほど上昇せず、何よりも長期金利がそれほど上昇していません。

 本誌は米国経済がこの利上げペースについていけず、どこかでFRBは利上げを中断するかペースをスローダウンさせるかの判断が求められると考えます。その時こそ急激なドル安・円高になると考えています。いつも指摘していますが、今後の米10年国債利回りの水準は「とくに注目しておくべき」と考えます。

 その為替市場ですが、発表直後に一時1ドル=110.84円までドル高・円安となりましたが、本日(6月14日)の東京市場では1ドル=110円台前半の動きとなっており、これ以上のドル高になるようには見えません。

 またドルの水準を表すICEドルインデックスも、わずかながら下落しています。

 つまり今回の利上げ直後の各市場の動きを見る限り、予定通りの利上げだったとはいえ、米国経済は利上げを来年末まで継続しなければならないほど過熱しているようには見えません。

 最後にFOMC後の報道を見て「あれっ」と思ったところは、FRBも量的緩和時に大量に買い込んだ米国債やMBSを、Reserve Balances(日銀の当座預金に相当)でファイナンスしていますが、それに対する付利は政策金利の上限が適用されています。つまり今回の利上げでその付利が2.0%になるはずですが、それが何と1.95%と0.05%だけ低くなっています。

 意味がよくわからず、大変に気になっています。こういう細かいところが、あとになって重要な意味があったとわかることがしばしばあるからです。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2240.html


37. 中川隆[-13310] koaQ7Jey 2018年6月19日 16:43:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-15763]

それでも日本人が「1ドル=100円割れ」の円高を警戒すべき理由 「円安世論」が見逃していること…(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/533.html


2018.06.19 唐鎌 大輔 みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト 現代ビジネス


いまマーケットでは円安機運が高まっている。6月13日からの週にFOMC(米連邦公開市場委員会)が利上げを決めた一方、日本銀行がマイナス金利を維持したことで、日米金利差の拡大から「円売り・ドル買い」を加速するとの思惑が広がっているからだ。

市場では1ドル=120円に向けて動き出すと威勢のいい声も聞こえてくるが、鵜呑みにするのは危ない。じつはこの「円安世論」が、ある重大な問題点を見逃していることをご存じだろうか。

みずほ銀行国際為替部チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏が緊急寄稿で警鐘を鳴らす。

「良い金利上昇」か、「悪い金利上昇」か

4月以降、金融市場では米10年金利の上昇が大きなテーマとなった。

5月には安定的に3%の大台で推移するようになり、ドル/円相場もこれに追随する地合いが見られた。本稿執筆時点でも1ドル=110円台を何とか維持している。もちろん、米金利上昇が好調な米国経済に裏付けられているのは事実なのであろうし、その点で言えば円安にも違和感はないかもしれない。

だが一方、見逃せない2つの現象も気にしたい。1つが米国のイールドカーブ(利回り曲線)のフラット化、もう1つが米国のインフレ期待の低迷である。

現下の金利上昇はそれが「良い金利上昇」なのか「悪い金利上昇」なのかということが争点になりがちだが、これら2つの現象を見る限り、筆者は「悪い金利上昇」の疑いが捨てきれないと考えている。

今後のドル/円相場見通しを検討する上では、こうした米国の金利・物価情勢やこれと大きく関連するFRBの金融政策の現状や展望が要諦になるので、今回の本欄ではこの論点を掘り下げてみたい。

イールドカーブに異変

まず、イールドカーブのフラット化。

6月12〜13日に開催されたFOMCはFF金利の誘導目標を25bps引き上げて、1.75〜2.00%とすることを全会一致で決定した。

いよいよ2%台となった政策金利であり、そろそろ「低金利」と言うのも難しい水準に入りつつある。2015年12月から数えて計7回の利上げを敢行しているFRB(米連邦準備理事会)の政策運営は好調そのものにも見えるが、利上げに応じてイールドカーブが浮揚する結果にはなっていないのだ。

むしろ景気減速のサインが…

周知の通り、通常、長期金利は短期金利を上回るのでイールドカーブは右上がりの曲線となる。

しかし、今次利上げ局面で米国のイールドカーブは着実に長期金利と短期金利の差が縮小しており、曲線が平ら(フラット)になってきている(以下、図)。

要するに、利上げを経ても「短期金利は上がったけれども長期金利はさほど上がっていない」という現実がある。教科書的にはカーブのフラット化は将来の景気減速ないし後退を示唆するとされ、特に長短金利差が逆転する逆イールド化は不況のサインとして極めて有力と考えられている。

未曾有の金融緩和を解除している過程だけに必ずしもそうした経験則が当てはまらないとの議論もある。そうかもしれない。イエレン前議長もそのような趣旨の主張をしていた。

だが、少なくとも米国経済がこれから過熱していくと思っている市場参加者が多ければ、フラット化や逆イールド化を心配するようなカーブの形状にはなるまい。フラット化それだけをもって不安を煽るのは不適切だが、米景気がこれから加速していくという想定もかなり無理がある。

6月のFOMC声明文やその後のパウエル議長会見でも、政策金利であるFF金利が「利上げの終点」と目される中立金利に接近している疑いが示唆された。これは、非常に分かりやすく言えば、これまで「正常化」と言われていた利上げが、はっきりと「引き締め」の意味合いを持ってくるようになるポイントが近づいているということだ。

イールドカーブのフラット化は、こうした状況を受けて企業・家計の消費・投資意欲が弱ってくる未来に構えたものと考えられる。

インフレ期待は頭打ち

次に、名目金利が上昇するかたわらでインフレ期待が頭打ちとなっている事実も見逃せない(以下、図)。

これは来るべき物価上昇やこれと平仄の合う「利上げの終点」に対して期待が盛り上がっていないことを意味している。少なくともこうした穏当なインフレ期待の下でイールドカーブが右上がりの形状を取り戻してくるとは考えにくく、上で説明したフラット化傾向に大きな変化が起こることはなさそうである。年初から原油価格が上昇してもインフレ期待が横這いであったことも印象的だ。

実際、米国の平均時給は堅調であれども加速する兆候はない。

確かに米雇用統計も非農業部門雇用者数という「量」は前月比で増勢を維持しているが、それでも限界的に積み上げられる「量」はいつか失速する。すでに年間で見れば、2014年の前年比+301万人をピークとして2015年は同+271万人、2016年は同+234万人、2017年は同+219万人と水準は確実に切り下がっている。

「量」が尽きる前に「質」である賃金に点火するかが注目されるわけだが、現状ではその兆候はまだない。こうした状況だからこそ、インフレ期待が高まるには至っていないのだろう。

以上に見るようなイールドカーブやインフレ期待の現状から察するに、金融市場は足許の米金利上昇の要因を労働市場のひっ迫に応じた賃金インフレやこれに応じた一般物価の上昇といった「安定的かつ良性の動き」に求めていないように思われる。

考えられるとすれば、前年比で見た原油価格上昇や米債増発懸念など「一時的かつ悪性の動き」にその原因を求めているのではないか。それはやはり「良い金利上昇」ではなく「悪い金利上昇」である。

かかる認識の下、どのような円相場見通しを持つべきか。

「円安期待論」の最大の問題点

巷で円安・ドル高を見通している向きの多くは「@FRBが利上げする→A米金利が上がる→B日米金利差が拡大する→C円売り・ドル買いが活発化」するというロジック一点張りに見受けられ、それ自体はシンプルで分かりやすい。

確かに、日米金利差が拡大し続けるにもかかわらず円売り・ドル買いが盛り上がらないなどということは考えにくい。いつかは堰を切ったように対外投資が加速する臨界点が訪れよう。

しかし、このシンプルなロジックの最大の問題点はAの弊害をまったく考慮しないことにある。

本来、金利上昇は株価のバリュエーション上も、実体経済の成長上もマイナスである。ここ数年、ゴルディロックス(適温)経済などというフレーズが持て囃される中でその基本的な事実が見過ごされてきたが、利上げの本懐は景気減速である。

実際、今年2月以降、株式市場は断続的に米金利上昇を理由に値を下げる営業日が見られ始めている。昨年、このような動きはほとんどなかった。米国の実体経済への影響は今のところ軽微だが、それはこれまでは実質ベースで見た政策金利(FF金利-インフレ率)がマイナス圏にある「正常化」の過程だったからであり、これからプラス圏に入る「引き締め」となって来れば話も変わってこよう。

ドル全面安で1ドル=100円割れへ

現状、米経済は+2%弱と目される潜在成長率を大幅に超える+3%弱(2017年通年では+2.6%、2018年1〜3月期の前期比年率は+2.8%)で走り続けているため、こうした高い成長率が持続可能かという目線も合わせて持ちたいところである。

また、仮に米経済が金利上昇に耐えられたとしても、国境を越えた資本移動がこれほど当たり前になっている現代の金融市場において、淡々と自分(FRB)だけが利上げし続けるのはやはり難しい。基軸通貨ゆえに、その資本コスト上昇の影響はどうしても自国外、特に新興国からの資本流出を促してしまう。5月、アルゼンチンやトルコなどの混乱を見たばかりだ。

ちなみに、国際金融協会(IIF)の集計に基づけば、新興国におけるドル建て債務の償還額は 2018 年より 2019 年のほうが大きい。米金利高・ドル高の悪影響は今後ますます懸念されるものになる。

かかる認識の下、筆者は「今後1年以内に金利上昇が米国内外の経済のオーバーキルに繋がり、FRBの利上げは挫折。米金利およびドルが低下基調となる中で円高も不可避」という想定を抱いている。

実質実効レートで見た円相場が20%以上割安で長年放置されているという事実を踏まえると、ドル全面安が訪れた場合、少なくとも対ドル相場が100円割れを臨む展開となってもまったく驚きではないと考えている。


38. 中川隆[-13371] koaQ7Jey 2018年6月20日 21:14:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-15853]


2018年6月20日
フィリピン中銀、6週間で2回目の利上げ 政策金利3.50%に

[マニラ 20日 ロイター] - フィリピン中央銀行は20日、政策金利の翌日物借入金利PHCBIR=ECIを25ベーシスポイント(bp)引き上げ3.50%とした。利上げはこの6週間で2回目。インフレと通貨ペソのボラティリティー抑制に向け一段の行動に乗り出す用意があるとした。

ロイター調査では、アナリスト12人のうち7人が利上げを予想。残りは金利据え置きを見込んでいた。

中銀は声明で「物価・金融安定目標を達成するため、必要ならば一段の政策行動を取る用意がある」とした。

中銀のエスペニリャ総裁は記者会見で、政策委員会の決定について、インフレ期待が大きく高まるのを避けるためと説明。5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は5年ぶりの高水準だった。

中銀はインフレ率について、今年の平均予測を従来の4.6%から4.5%に引き下げた。来年の平均予測についても3.4%から3.3%に下げた。

中銀は今年のインフレ目標を2─4%としている。

ペソPHP=は今年に入ってからこれまでのところ、アジア通貨の中で対ドルの下げが最もきつくなっている。米国金利の上昇やフィリピンの貿易赤字が背景となっている。


フィリピンは、他のアジア諸国と同様、対外収支が赤字。米利上げへの追随を迫られている。

経常収支が黒字で、インフレも抑制されているタイでは、この日、中銀が政策金利を据え置いた。

アジアでは、フィリピン中銀に加え、インドネシア中銀も2会合連続で利上げを決めている。

フィリピン中銀のギニグンド副総裁は、インフレが第3・四半期にピークに達する可能性が高いと指摘。これを受け、一部のアナリストは年内の金利据え置きを予想している。

HSBCのエコノミスト、Noelan Arbis氏は「今日の利上げ後のフィリピン中銀のトーンは中立的だった」と指摘。「インフレ圧力が引き続き緩和すれば、年内の追加利上げはないだろう」と述べた。


一方、ノムラは、8月の次回会合で25bpの追加利上げがあるとの予想を維持した。


39. 中川隆[-13466] koaQ7Jey 2018年6月22日 17:17:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16000]


2018年6月22日
コラム:円高に導く「しつこい引力」、日米金利差を凌駕
内田稔 三菱UFJ銀行 チーフアナリスト


[東京 22日] - 2018年の折り返し地点が近づく中、年初来の対ドル変化率をみると、円が最強となっている。数多くの副作用を伴う異次元緩和を続ける日銀と、金融政策の正常化を進める米連邦準備理事会(FRB)との金融政策スタンスの違いはかつてないほど大きい。それにもかかわらず、円安が進まないのはなぜだろうか。

まず、対外金利差拡大が円安材料としてさほど機能していない点が挙げられる。現在、日米の長期金利差が約2.9%であるのに対し、ドル円の1年物インプライドボラティリティー(予想変動率)は8%台だ。よほどリスクを好む投資家でない限り、これはリスクに見合う十分な期待リターンではない。

従って、外貨建て資産への投資は、為替ヘッジ付きが主流だ。もちろん、米ドル建て資産に投資する際の為替ヘッジコストは3カ月物で年率換算約250ベーシスポイント(bp)まで上昇したため、ヘッジ比率が低下する過程で一定の円売りは生じたはずだ。

一方、ユーロの為替ヘッジコストは20bp程度の受け取りとなっており、ユーロ建て資産に対するヘッジ率は上昇したとみられる。実際、大手生保各社の決算書を集計すると、ドルのヘッジ比率がやや低下したものの、ユーロのヘッジ比率が高まった結果、2016年度から17年度にかけて全体のヘッジ比率は若干上昇した。つまり、一般的に指摘されるほど、円投を伴う対外証券投資フローが活発化しているわけではない。

事実、マイナス金利政策の導入が決まった2016年1月29日に121円台まで上昇したドル円は、その後、乱高下しながらも緩やかな円高傾向が続いている。日本の対外金利差の拡大は、今後の円安進行期待を刺激する1つの材料だが、経常収支黒字国通貨である円を持続的に押し下げるほど、リアルな円売りが出続けるわけではないのだろう。

加えて、今年2月にみられた通り、米金利が上昇し、金利差が拡大する場合でさえ、それが株式相場の下落や新興国市場の不安定化を招くと、かえってリスク回避の円買いを誘発する点にも要注意だ。

<伝統的な2つの円高要因>

その経常収支は、昨年度約21.7兆円の黒字を記録するなど拡大傾向にある。活発な対外直接投資や対外証券投資を受けて、日本の対外純資産は昨年末時点で約328兆円と、2位ドイツの約261兆円に大差をつけて世界最大の規模を維持。そこから日本へ還流する配当金や利息の増加が経常黒字の拡大を促している。

経常黒字の全てが円転されるわけではないが、潜在的な円高材料であることに異論はなかろう。しかも、足元では米国の物価上昇圧力が増す一方、日本の物価の伸びは鈍ってきた。理屈の上では、このインフレ格差の分だけ、ドル円にはずしりとドル安円高圧力が加わってくる。

日本も安定的にデフレを脱したとはいえ、インフレ圧力が米国をしのぐとは考えにくい。結局、地味ではあるが、ドル円はいまだに日米間の経常収支の不均衡とインフレ格差といった伝統的な2つの円高要因に直面したままだ。

<そもそも非現実的な「120円」>

ドル円の適正水準を考える上で参考となるのが相対的購買力平価だ。起点次第で恣意性が生じる問題はあるが、世界銀行は国際比較プログラムの下で、広範囲に及ぶ商品やサービス価格を反映した、いわば究極の絶対的購買力平価を公表している。

最新データである2011年の107.454円を起点とすることにより、前述の恣意性はかなり排除される。実際、国際通貨基金(IMF)はそれを踏まえて昨年末の購買力平価を100.66円、経済協力開発機構(OECD)が98.24円とそれぞれ算出。平均すると99.45円だ。

この購買力平価から短期的な相場動向を論じるつもりはないが、一方でこの購買力平価から2割を超えるドル高円安水準へと乖離した局面が2回しかないことは事実である。1回目は1980年代半ばだが、プラザ合意(1985年)によって、その後、ドル円は購買力平価を超えるドル安円高へと急落した。


2回目はドル円が125円台まで上昇した2015年6月にかけての局面だ。当時は、実質実効相場を挙げ、一段の円安進行に懐疑的な見方を示した黒田東彦日銀総裁の国会答弁を契機にドル円はその後、下落。結局はそこがアベノミクス下でのドル円のピークとなった。

購買力平価から1割程度の乖離はいくらでも生じるだろうが、2割超えは実際には起こりにくいか、起こった場合の持続性も乏しい。そう考えるとドル円が今後、仮にドル高円安に進む場合であっても、115円を超えて120円に近づくハードルは極めて高いだろう。

また、金利差が拡大する中でも円安が進まない一因に、この100円割れに位置する購買力平価から生じている「しつこい引力」が影響している可能性もあるだろう。

<トランプ大統領の保護主義は円高要因か>

さて、今後の相場を展望する上では、やはりトランプ米政権の保護主義が気になるところだ。足元では米中間の交渉も激しさを増しており、こうした圧力の矛先が日本に向けられる可能性は低くない。

本来、米国の貿易赤字(日本の貿易黒字)の縮小はドル高円安要因だ。ただし、トランプ政権は、今年2月の大統領経済報告に、経常収支不均衡を是正する重要なメカニズムの1つを為替相場の調節であると明記。加えて、日本の自動車市場が米企業にとって閉鎖的との文言まで加えてきた。確かに、国別でみれば日本は米国にとって3番目の貿易赤字相手国であり、予断を許さない。

ここで、興味深いのは、IMFが年1回発行する対外収支不均衡の分析レポート(External Sector Report)にて示される各国通貨の評価だ。この中でIMFは2016年の実質実効相場でみて、人民元をおおむね適正と評価したのに対して、円は平均7%、韓国ウォンは平均10%も割安と評価した。偶然かは分からないが、足元の米中貿易摩擦において、少なくとも表立って人民元相場が議論されている様子はうかがえない。

一方、韓国は先の米韓自由貿易協定(FTA)再交渉の際、付帯協定として通貨安誘導を禁じる「為替条項」を突き付けられた経緯がある。これらを踏まえると、7月とされる日米間の新たな通商協議「FFR」の場で円相場や日銀の金融政策が議題にあがる可能性は排除できない。

こうしてみると、ドル円は昔ながらの日米間における経常収支の格差とインフレ格差というドル安円高の重しを背負ったままであり、足元の金利差によっても、それを跳ね返すことは難しいようだ。

むろん、購買力平価よりも1割程度の円安水準を維持しているのは、日銀の金融緩和が円高へのブレーキ役になっているからだろう。しかし、日銀の金融緩和は、副作用が累積していくと日銀も認めている通り、未来永劫続くわけではない。投資家にせよ、事業法人にせよ、この粘着性のある日本の円高リスクと今後とも常に向き合っていく必要がある。


40. 中川隆[-13555] koaQ7Jey 2018年6月25日 06:03:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16141]

経済コラムマガジン 2018/6/25(991号)


米中の通商摩擦問題の新局面


トランプ大統領の「罠」?

米朝主脳会談に続き、米国の対中貿易制裁が現実のものとなりつつある。トランプ大統領を中心にし、世界の政治や通商が大きく動き出している。今週は予定を変更しこれらを取上げる。


本誌で言って来た通り、これらの今後の動きを予想するには事態の大きな流れを掴むことが必要と筆者は思っている。米朝関係では、今回の首脳会談は「北朝鮮の敗戦処理」の始まりと筆者は認識する。ただ敗戦が北朝鮮にとって一方的に不幸なことではない。むしろ「負けるが勝ち」という言葉があるように、今は北朝鮮にとって負け方が良いと思われる。やり方によって体制が保証されるだけでなく、経済が上向けば金正恩政権にとって「負けること」は決して悪いことではない。

たしかに北朝鮮という国が信用されていないことを筆者は承知している。今回も米国を始め世界中が北朝鮮にまた騙されるという観測がある。筆者は、北朝鮮がまた欺くかは、次のステップを見て判断しても良いと思っている。金正恩委員長という指導者は、何が「損」で何が「得」か理解していると筆者は思っている。この損得さえ判っていれば、非核化がベストの選択だと気付くはずと筆者はやや楽観的に見ている。


米中の貿易摩擦問題は段々と複雑さを増している。しかし

18/3/26(第979号)「米中貿易戦争」
http://www.adpweb.com/eco/eco979.html

で「米中貿易戦争は米国の大勝利?」と仄めかしたように、始めから筆者は勝敗の行方は分っていたつもりだ。一旦中国側は、負けを認め米国からの輸入を増やすことを表明していた。しかしトランプ大統領はその程度では満足しなかったのか、むしろ制裁強化の方向に動いている。

中国が一番困惑しているのは、どの程度の対策を講ずれば大統領が満足するのか不明なことである。したがって両国は、制裁合戦の「落とし所」というものが分らないまま、対立がエスカレートしている。特に大統領の側近には対中強硬派が揃っている。これまでのように米国の親中派へのロビー活動による局面の打開という手段は通じない。ここまで来ると今週号の最後に触れるが今回の米中の貿易摩擦問題は、従来の通商問題と異質なものと捉える必要があるかもしれない。


7月6日から米国が輸入品500億ドル(最初は340億ドル)について追加関税を課すのに対し、中国も機械的に米国からの輸入品500億ドルに報復関税を課すと決めた。しかしこの中国の報復関税に対して、トランプ大統領はさらに2,000億ドルの追加制裁を検討するよう命じた。しかし中国の米国からの500億ドルに対する報復関税は前から言われていた。

つまり中国のこの出方は、大統領も十分予想していたと筆者は推察する。そもそもこれはトランプ大統領の「罠」みたいなものと筆者は思っている。最初の米国の500億ドルの制裁という罠に対抗して、事前の言明の通り単純に中国が同額の報復関税を決めたことは大きな間違だったかもしれない。これは筆者の独特の見方であり、後段で説明する。

当初、中国の報復関税500億ドルに対する、米国の追加報復関税の対象は2,000億ドルではなく、1,000億ドルと言われていた。しかし最終的にこの数字は倍増された。ただし税率は25%から10%に引下げている。関係者は本当に7月6日から米中の間で関税の報復合戦が始まるのか戦々兢々としている。中国側の大きな譲歩がない限り、米国の制裁は実行されるという見方が有力になっている。

本当に米中の貿易戦争が始まる様相が濃くなり、世界中の株式市場は動揺している。特に下落が目立つのは、上海、香港の株式市場である。また米国では、中国との関係が深い銘柄を多く抱えるNYダウの下落が大きい。それに対して中国との関係が薄いナスダックの下落はそれほどではない。ただ上海株式の下落の原因は米中の貿易摩擦に加え、中国国内の信用不安も影響しているようだ。


「面子」を重んじる中国の失敗

米国の中国を始めとした各国との貿易摩擦の実態経済への影響が研究機関で分析され、米国経済への悪影響は軽微という結果が出ている。これは米国経済の貿易依存度が低いからと理解できる。米国の輸出金額のGDP比率は先進国の中でおそらく一番小さい。したがって個々の企業や地域にある程度の悪影響が出ても、米国全体では影響は限られる。

一方の輸出依存度の大きい中国などの制裁対象国への打撃はかなり大きい。ちなみに日本は

11/3/7(第653号)「日本が貿易立国という誤解」
http://www.adpweb.com/eco/eco653.html

で説明したが、昔は輸出のGDP比率は意外にも大きくなかった(もちろん米国の方が日本より小さいが)。ただ日本は財政が緊縮型になってから、輸出のGDP比率は少し大きくなっている(それでも中国や韓国よりずっと小さい)。


トランプ大統領の強気の理由として、まずこのように貿易摩擦の激化の悪影響が米国全体にとって限定されていることが挙げられる。ただし中国に進出している米企業にとっては、米中の貿易摩擦は大きな打撃となる。どうもトランプ大統領はこれに目を瞑って制裁を行う覚悟である。

しかしトランプ大統領の狙いや目標がもう一つ判らない(これについては最後に言及する)。ひょっとすると大統領自身もこれを深く考えず、制裁強化に走っている可能性はある。たしかに中間選挙を控え、米国民に「やっているぞ」というアッピールにはなる。また調子に乗っている中国に鉄槌を下す姿が、米国民に案外受ける可能性はある。


これまでも中国の巨額の対米貿易黒字や人民元安は、議会でも度々問題になった。しかし親中派の有力政治家が間を取り持ち「お茶を濁すような解決策」で済ましてきた。例えば為替の不正操作が議会で問題になっても、わずかな人民元の切上げで批難をかわした。

しかしワシントンの中央政界と距離のあった大統領には、この手法は通用しないようだ。まさに中国は正念場を迎えている。2週間後の7月6日から本当に米国の制裁が始まるのか大いに注目される。


前段で最初のトランプ大統領の500億ドルの制裁に対して、中国が即座に同じ500億ドルの報復関税を決めたことは失敗だったのではないかと筆者は指摘した。いかにも「面子」を重んじる中国が踏出してしまいそうな行動である。しかし問題の根本は、中国の対米貿易黒字が3,500億ドルと突出して巨額なことである。つまり米国は中国にとってまさに「神様」のような上得意先である。報復関税はその「お客様」の顔に泥を塗る行為である。

大統領は中国が報復関税に出ることを承知で、敢て500億ドルの制裁カードを切ったと筆者は見ている。だからこれに対抗する中国の報復関税を見て、これを待っていたかのように2,000億ドルの制裁を直ちに追加した。筆者は、中国の動きはトランプ大統領の「読み」通りと考える。「賭」は大統領のペースで進んでいると筆者は見ている。

この2,000億ドルの追加制裁に対し、「面子」を重んじる中国がさらなる対抗措置に出るのか見物(みもの)である。もし中国が対抗措置に出れば、米中の制裁合戦はさらに泥沼に陥って行く。7月6日までまだ時間があり、中国の次の出方が注目される。


筆者は、中国にとって最良の「手」は報復関税を持出さないことであったと考える。もし中国が報復関税を決めなければ、トランプ大統領は次ぎの一手である「2,000億ドルの追加制裁」というカードを切りにくくなった。困るのは追加制裁のカードを切れなくなる大統領の方だったという推測が出来る。

中国は報復関税を持出さず、ひたすら米国との再交渉を求めるのがベストの対応だったと筆者は思う。例えば米国からの輸入をさらに上積みするとか、また制裁の関税率の引下げを訴えるなど交渉の余地はあったはずである。そしてこれによって米中の貿易摩擦問題は終息に向かう可能性が生まれていたかもしれない。それはゲームを長引かせたい大統領に肩透かしをくらわすことになる。


貿易摩擦問題はトランプ大統領が引き起した。ひょっとすると大統領の本当の狙いは、通商問題を超えたところにあるのではという推理が筆者の頭に浮かぶ。例えば米国にとって絶対優位の貿易問題を使って、中国の行動を牽制することが考えられるのだ。南シナ海への中国の軍事進出や台湾への不当な圧力などへの対抗措置という見方である。もちろん北朝鮮への中国の適切な対応も念頭に置いていると思われる。もしこの話が本当ならゲームはまだまだ終わらない。
http://www.adpweb.com/eco/


41. 中川隆[-13598] koaQ7Jey 2018年6月27日 07:50:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16231]

2018.06.27 日本株は原油次第?

 最近の日本株は外国人次第、外国人は為替次第、為替は米金利次第、米金利は原油次第、

従って日本株は原油次第と言う事になりますが、その点WTI 70ドル乗せは株高のシグナルです。

この関連性の証明は本日の日経CNBCマーケットラップ「深読み先読み」コーナーで話そうかなと思っています。
http://kasset.blog.fc2.com/


42. 中川隆[-13553] koaQ7Jey 2018年6月30日 21:52:12 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16294]

トランプ関税、米企業が悲鳴=経営危機や生産移転 6/30 時事通信

 【ワシントン時事】トランプ米政権が3月下旬に導入した鉄鋼の輸入制限が、米国企業の経営に深刻な影響を及ぼし始めた。

 原材料の仕入れ価格上昇で米最大級のくぎ製造業者は倒産の危機に直面。米輸入制限に対抗する報復関税の標的となった二輪車大手、ハーレーダビッドソンは国内生産の一部を海外に移転すると表明しており、メーカーは警戒を強めている。

 米政権は、日本や中国、欧州連合(EU)などの輸入鉄鋼に25%の追加関税を課した。米国内では昨年から一連の措置を見越して鉄鋼価格が大幅に上昇。くぎ製造業者ミッドコンチネントネイル社は輸入コストが膨らんで経営危機に陥り、中西部ミズーリ州の工場で60人を一時解雇した。米メディアは25日、米輸入制限の余波で解雇を迫られた国内初の事例と一斉に報じた。

 相手国による対米報復関税も企業の重荷だ。ハーレーは、EUが22日に発動した米国製二輪車に対する高関税を回避するため、一部の生産移転に踏み切ると発表。負担額は年最大1億ドル(約110億円)に上るといい、製造業復活を訴えてきたトランプ氏の政策が裏目に出た。

 中国から輸入するハイテク製品に追加関税を課す貿易制裁措置も波紋を呼んでいる。7月6日の発動を控え、米半導体工業会(SIA)は、生産コストの安い中国で製品を加工して米国に逆輸入する米ハイテク企業に「大打撃だ」と嘆く。中国は米国産の石炭、原油に対する報復を宣言。その直後から米国産石炭に対する中国からの引き合いは減少傾向にあり、米エネルギー業界は身構えている。

 米政権による対中制裁の対象が今後拡大した場合、米国市場参入を断念した中国製品が日本に流れ込み、国境を越えたサプライチェーンを破壊する恐れもある。日本政府は、中国製の建設用鉄鋼・アルミ加工品やカラーテレビ、空調部品などの輸入が急増すれば、「競合する中小企業の懐を直撃しかねない」(経済官庁幹部)と懸念している。


43. 中川隆[-13502] koaQ7Jey 2018年7月02日 08:29:58 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16300]

上がり続ける米CPIが利上げ停止を難しくする2018年7月1日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7673#more-7673

2018年ではマネタリーベースの縮小と利上げというアメリカの金融引き締めが続いている。金融市場はアメリカの中央銀行に資金を吸収されながら推移しており、去年から報じているようにその金融引き締めが世界市場を不安定にしている。

しかしながら、アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)は6月のFOMC会合で既に政策金利を2%まで利上げしており、金利が上がりすぎると株式市場に大きな影響が出ることから、今後は利上げがどこで止まるのかということが焦点となってくる。

利上げの限界点

今後の利上げがどうなるかということは、複数の要素に左右されることになる。先ずはその要素を列挙してみよう。

•アメリカの物価上昇率
•アメリカの経済成長率
•ドル相場の動向
•米国株の動向

この内、利上げを行うことによって生じるドル高については、アメリカの輸出企業に悪影響を与えるほどの水準に達していないので、当面は除外していいだろう。また、米国株の下落が利上げを止めるシナリオも、現在の株価水準からかなり下がらなければ考えづらいと言える。

経済成長率については、アメリカのGDP統計には金利高の悪影響が見られるものの、成長率の数字自体はかなり高い状態が続いている。

•アメリカGDPは2018年1-3月も絶好調、長期金利は年内上昇継続へ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7615

つまり、経済成長率を理由に利上げを止める状況にはないわけだが、経済成長率が高いからといって利上げをしなければならないわけではない。しかし、物価上昇率が高すぎる場合、中央銀行は利上げで熱を覚まさなければならなくなる。

上がり続けるアメリカの物価

したがって、今回取り上げたいのは物価上昇率である。食品とエネルギーを除くコアCPIの上昇率のチャートは次のようになっている。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/07/2018-may-us-core-cpi-chart.png

かなり高く、5月のデータで2.2%まで上がっている。因みに全項目を含むCPIは原油上昇のため2.7%まで上がっており、コアCPIよりも更に高い状況となっている。

物価上昇の原因としては、高成長率による国内の高い需要、原油価格上昇、金利高にもかかわらず上がらないドル、ということになる。ドルが上がらない理由については以下の記事で説明しており、その傾向は利上げが続く限り続くだろうということも書いている。

•2018年、円高ドル安の理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7640

また、原油価格上昇についてはトランプ大統領がサウジアラビアの価格操作だとして批判しているが、その思惑には原油高で金利が上がり、株式市場に影響を与えることで、秋の中間選挙に影響することを気にしているのではないかと思う。サウジアラビアもトランプ大統領の批判に対応する構えを見せており、秋のアメリカの選挙までは価格を抑え、その後の国営産油企業サウジアラムコのIPOに向けては再び価格を上げて行こうという合意が裏で出来ているのではないかと推測している。

さて、金利に話を戻すが、政策金利が2.0%、インフレ率が2.2%ということは、名目の金利からインフレ率を差し引いた実質金利はまだマイナス金利のままだということである。

Fedは「金利正常化」を目標としており、正常な金利とは何かという問題はあるが、Fedの自己申告では2018年内に政策金利を2.5%まで(今後2回)、2019年には3.25%まで(今後5回)の利上げをすると言っている。

政策金利は何処まで上がるのか?

政策金利を3.25%まで上げることはあまり現実的ではなく、今後修正が入ることになるだろうが、2.2%となっているインフレ率を考えると、やはり政策金利は少なくとも2.5%まで(つまりあと2回の利上げ)上がることになると想定するべきだろう。現状の経済指標でも2.75%まで上げることは難しいのではないか。

ただ、CPIの上昇が止まらなければその可能性もあるかもしれない。しかし物価上昇の原因となっている高成長と原油高の両方がピークに近いことを考えれば、物価はこれ以上上がり続けるとも考えられず、個人的には2.5%で利上げ停止がメインシナリオだと見ている。

金利先物市場では、今年の利上げがあと1回である確率と2回である確率が半々だと予想されている。投資家にとってはどちらでもそれほど変わらないだろう。要するに、あと2回の利上げを想定しておけば良いのである。

どちらにしても、利上げは今年の間継続され、利上げ停止の可能性を市場が意識し始めるのは来年に差し掛かってからということになるだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7673#more-7673


44. 中川隆[-13430] koaQ7Jey 2018年7月05日 11:46:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16318]


2018.07.01
ドル基軸通貨体制の放棄と金融危機


 7月になりました。あいかわらず世界情勢は不安定です。特にトランプ政権による高関税の導入という保護主義的な政策は、大きな混乱を引き起こしつつあります。今回はこれについて書きます。

 高関税の導入という、戦後の世界経済ではそれこそ禁じ手とされてきた保護貿易主義を躊躇なく適用したトランプ政権には各国が強く反発し、報復関税の連鎖になる様相を見せています。

 5月31日にトランプ政権は、これまで一時的に適用を除外されてきた、カナダ、メキシコ、EU連合に対しても、日本や中国と同様の高関税を課すとしました。鉄鋼は25%、アルミニウムは10%の関税です。この処置に対し、カナダ、EU連合、そしてメキシコは、米製品に対し同様の水準の高関税を課すとしています。

 さらにトランプ政権は、中国に対しては、ハイテク製品を中心に1102品目、計約500億ドル(約5兆5千億円)相当の中国からの輸入品に25%の追加関税を適用すると発表しました。これに対し中国も、米国からの輸入品に追加関税を課す同規模の報復措置を表明しました。

 しかしそれに怒ったトランプ政権は、中国が最近発表した米製品に対する追加関税を進めると主張するなら、2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税を実施するとして、さらなる報復関税の適用を表明しています。

 このような状況で、自由貿易に基づく国際的な協調体制を維持するために結成されたG7では、報復関税連鎖の引き金を引いたとの非難がトランプ大統領に集中し、アメリカは完全に孤立しました。これではもはやG7ではなく、G6プラス1ではないかとも揶揄されるようになっています。

●自由貿易体制の危機

 このような状況は、保護貿易主義が自由貿易のシステムを崩壊させ、それが第二次世界大戦の引き金になったとの反省から作られたプレトン・ウッズ体制の実質的な崩壊の可能性さえ示唆する歴史的な転換点であることは間違いありません。

 戦後の経済発展を支える基本的なシステムとして1944年に構想がまとまったプレトン・ウッズ体制は、ゴールドとドルの交換が停止された1971年のニクソンショック、そして2008年に頂点に達した金融危機など、数度の危機を乗り越え、現在のグローバルな資本主義の基礎として、70年以上の長きにわたって保持されてきました。

 それが、トランプ政権の保護主義的な高関税政策が引き起こした各国の報復関税の連鎖により、危機的な状況になりつつあるのです。これは、戦後のプレトン・ウッズ体制を決定的に変質させる歴史的な転換点であることには間違いありません。

●水面下で進行する危機と意味のない楽観

 しかし、この変質がどれほどの危険を内包しているかは、ほとんど報道されることはありません。

 米高金利によるドル高、3.8%という歴史的な失業率の低さとアメリカの好景気、そして2万6000ドルを突破したダウ、また、それと呼応し安定的に上昇しているニッケイなどの明るいニュースばかりが注目され、報復関税の連鎖は、残り2年の任期となったトランプ政権が終わった後は放棄され、もとの状態に戻るとさえ思っているようです。

 いまの状態は、ニューヨークの狂った不動産屋の政権が引き起こした一時的な混乱にしかすぎないというわけです。日本でも欧米でも、まだこうした楽観論が報道の基本的な姿勢になっています。

 だが、水面下では大変な事態が進行しているのです。いつになるかは分かりませんが、比較的に近い将来に起こる次の金融危機が準備されている状況なのです。我々は楽観的な雰囲気と喧伝された景気のよさに目を奪われ、危機の存在を認識することができない状況にいるのです。

 これからどういう事態が進行しているのか順を追って見ることにしますが、その前に、自由貿易とそのもとで可能になるドル基軸通貨体制によってこそ、世界経済の中心である現在のアメリカが維持されている事実を前提として知っておく必要があります。

●自由貿易によるドルの散布こそ覇権の基礎

 周知のように、アメリカの覇権の基礎になっているのは基軸通貨がドルであるという事実です。自由貿易で各国に開放した米国市場には、世界のあらゆる地域から製品は輸出されてきますが、ドルが基軸通貨であるため代金はすべてドルで支払われます。これは、世界にドルを供給することなので、ドル散布と呼ばれています。

 一方各国は、自国通貨の上昇を嫌い、受け取った代金をドルのままアメリカ国内の市場に再投資せざるを得ません。ドルを自国の通貨に両替すると、その通貨価値は上昇し、輸出にとって極めて不利になるからです。

 そのため、ドルが基軸通貨であれば、ドルは自動的にアメリカに還流して行きます。このシステムが存在している限り、米政府の財政赤字による債務は国債の販売を通して補填されるので、税収をはるかに上回る支出が可能となります。これが、覇権を維持するために必要な政治力や軍事力の基礎となるのです。

●加速する米国債売り

 還流したドルによって米国債が買われ、国家予算が補填されるシステムで、高関税の導入による保護貿易を実施したらどうなるのでしょうか? その結果は、改めて詳しく説明するまでもないでしょう。適用される高関税の規模にもよりますが、適用される分野が大きくなればなるほど、米国内に還流するドルは大きく減少するので、米国債の販売による債務の補填もうまくゆかなくなります。米国債は市場で売れ残って下落し、その結果として長期金利は上昇します。

 この動きはまだ本格化していないものの、すでにその兆候ははっきりと出てきています。米国債の下落を見越した各国による、米国債売りの加速です。

 6月15日に発表された4月の米国債の状況を示す米財務省の報告書を見ると、ロシアは保有する951億ドルの米国債の約半分である474億ドルをすでに売ったことが明らかとなりました。

 同様に日本は120億ドル、中国は70億ドル、そしてアイルランドは170億ドル相当の米国債をすでに手放していることが分かりました。日本、中国ともに約1兆2000億ドルほどの米国債を保有しているので、この数字はたいしたことがないように見えるかもしれませんが、毎年保有額を増やしてきた日中両国にとっては、近年ではまれに見る売りの規模です。

 これと連動して、米国債の金利はじわりじわりと上昇しています。この背後には、トランプ政権が発動した連鎖的な保護貿易による米国債の下落懸念があるのではないかと見られています。

●債務が増大するなかで米国債が売られる

 そして、このような米国債売りの加速が起こっているタイミングに注目すると、この問題の深刻度が分かります。それは、アメリカの債務が急速に増大し、債務の補填がもっとも必要になるときに起こっているのです。

 まず債務増大の原因のひとつは、昨年の12月に成立した法人税の大幅削減です。これは法人税を35%から21%に一挙に削減するというものです。法人税の削減で投資が活発となり、景気がさらに上向くので最終的には税収が増えるとするものですが、そのようになる保証はないと見られています。今後10年間で、税収は1兆ドルほど減少すると見られています。

 さらに状況を悪化させているのが、いまトランプ政権が実施しているトランポノミックスという経済政策です。周知のようにトランプ政権は、兵器やインフラを中心に大規模な公共投資を行っています。これはトランポノミックスと呼ばれていますが、この政策をあてにした投資が活発化したため、高株価の状態が続いているのです。

 しかし、税収が減少しているときにこうした財政出動を実施しているのですから、政府債務は急速に増大します。2017年会計年度では5190億ドルの政府債務は、2018年会計年度では9550億ドルに増えています。このままのペースで増えると、2019年度と2020年度には1兆ドルに達します。そしてこのまま状況が変わらなければ、10年後には34兆ドルにまで膨れ上がる計算になります。

 問題は、高関税による保護貿易が継続すると、アメリカに還流するドルが大幅に減少するので、政府債務を補填するための米国債の販売に支障が出てくるということです。要するに、米国債が売れなくなるのです。保護関税政策を続けると、こうしたリスクが大きくなることは間違いありません。

●高金利による企業破綻の増大

 この影響はことのほか大きいのです。米国債が売れなくなると、当然その市場価格は下落します。すると、長期金利はすぐに上昇します。

 現在アメリカの景気はよいのですが、その背景となっているのは、FRBが長期間続けてきたゼロ金利政策を含む、量的金融緩和政策です。その結果、限りなくゼロに近い金利のローンに依存してなんとか生き残っている、いわゆるゾンビ企業がかなり存在するのです。

 米国債が下落して金利が上昇すると、こうした企業は破綻の危機にさらされます。この状況は、長期金利の上昇でただでさえ減速する米経済を、さらに悪化させます。

●下落する株価

 米経済のこのような状況は、株価に大きく影響することは避けられないでしょう。米経済の減速が背景となり、現在の高株価の状態は終わるのです。

 それだけではありません。海外からアメリカに還流するドルは、米国債だけではなく、株式や社債、そして不動産など米国内で売られているあらゆるものに投資されています。現在のダウの高株価の背景のひとつには、海外から還流するドルによる投資があります。

 そのような状況なので、保護貿易の実施によるドルの還流の減少は、米国内の金融市場の大きな下落、ならびに不動産市場の暴落の引き金となります。下落の規模によっては、リーマンショックを上回る金融危機を誘発する可能性もあります。


●縮小する基軸通貨としてのドル

 現在は好調な米経済も、保護関税の連鎖による貿易戦争が長引くと、金融危機を伴う危機的な状況に陥る可能性は否定できません。

 こうした状況を反映してか、これから不安定になるドルを回避し、異なった通貨を国際決済に使う動きが加速しています。すでにこの傾向は、中国の一帯一路と中ロ同盟で発展するユーラシア経済圏の拡大に伴って、ドルではなく人民元での決済が次第に増加しています。高関税の連鎖による貿易戦争の拡大と、それによる将来的なドル不安が背景となり、ドル離れの傾向は一層加速しているのです。

 6月8日、中国とロシアは、相互の貿易の決済にドルではなく両国の通貨を使う協定を結びました。数年前まではロシア企業による人民元の決済の割合は2パーセントから9パーセント程度でしたが、いまでは15%になっています。また、昨年の7月、中国政府は人民元とルーブルを使う決済システムを立ち上げました。これから人民元とルーブルが使われる範囲は拡大し、基軸通貨としてドルが放棄される流れは加速する方向にあります。この傾向は、ユーラシア経済圏のみならず他の経済圏でも拡大しています。

●近い将来の金融危機

 さて、これがいま貿易戦争の背後で静かに進んでいる事態です。ひとことでいうとそれは、アメリカ国内に還流するドルの減少に伴い、米国債の下落、株や社債の暴落、極端な高金利、企業破綻の激増などが背景となり、新たな金融危機発生の引き金を引くというシナリオです。

 いま高関税の連鎖による貿易戦争は、始まったばかりです。25%程度の高関税が適用される分野はまだ限定的です。その意味では、アメリカや日本の好景気を見て、先行きを楽観視することもできるかもしれません。

 しかし、貿易戦争が長引けば長引くほど、金融危機に陥る危険性は高まることは間違いありません。これがいつやってくるかは分からないものの、いまそれに向かう最初のスイッチが押された状態なのです。注視しなければならないことは間違いありません。
http://www.funaiyukio.com/yasu/index_1807.asp


45. 中川隆[-13446] koaQ7Jey 2018年7月12日 07:54:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16492]
>>41 に追記

2018.07.12

株価を支えていた原油先物が、リビアの石油輸出港での積み込み作業再開で急落し、シェブロンなど資源株も売られました。

WTI原油先物の5%近い急落は嫌な感じです。
原油先物価格は、米金利、ドル、外国人投資家を通して日本株に大きな影響を与えているからです。

今日の日経スクランブルの記事で、オイルマネーが静かに日本株を買っている事が紹介されていましたが、そうだとしたらなおさら日経平均への影響度が高くなるわけで、今後の動きが重要です。

 米商品先物取引委員会(CFTC)によると、7月3日までの1週間で、投機筋の米10年債先物のショート(売り持ち)ポジションが差し引き50万0076枚と前週の35万5324枚から拡大し、過去最大を記録しました。

原油=金利の最近の動きを象徴しています。原油が下がると資金が債券に行ってしまいます。
http://kasset.blog.fc2.com/


46. 中川隆[-13461] koaQ7Jey 2018年7月15日 22:14:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16594]

2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始2018年7月15日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7683

さて、そろそろ新しいポジションを始めてみようと思う。ドル円の空売りである。

2018年、アメリカでは金融引き締めが続いている。利上げによって政策金利は2%まで上昇し、それに加えて量的緩和を逆回転させるマネタリーベース縮小は、量的緩和と同じ速度で世界の金融市場から毎月資金を引き揚げ続けている。

既にリスクオフに向かっている世界市場

日本市場しか見ていない日本の投資家であればその影響も感じられないかもしれないが、世界市場を眺めているここの読者であれば、アメリカの金融引き締めで金融市場がかなり引き締まっていることを既に肌で感じているだろう。

マネタリーベース縮小とはFed(連邦準備制度)が米国債などの保有額を減らし、その分は市場の負担となるというものだが、それで影響を受けるのは米国債だけではなく、世界市場の様々な金融資産から資金が流出し、その流出速度も、各銘柄によって異なるということ昨年12月に指摘しておいた。

•2018年の世界金融市場の相場予想と行うべき3つのトレード

この12月の記事で羅列した中で、一番好調だったのは新興国資産の空売りだったようである。典型的なのはトルコリラで、トルコの政治状況などもあり年始から20%以上も売られた。以下はUSDTRYのチャートで、上方向がドル高リラ安である。

中国元もドルに対して同じようなトレンドである。

つまり、新興国から資金が流出しているのである。これは通貨だけではなく株式においても同様で、以下は中国の株価指数である上海総合指数のチャートである。

高値から20%程度下落している。通貨も下落していることを考えれば、現地通貨建てでの投資は大損になっている。2月に新興国株への強気姿勢を撤回したレイ・ダリオ氏の判断は正しかったということになる。

•世界最大のヘッジファンド、株式買い持ちを大幅減額、空売り増強か

12月の記事でも書いたが、基本的に金融引き締め相場ではリスクの高い資産から順番に売られてゆく。その一つが新興国の資産である。だから、先進国の市場しか見ていない投資家には、世界市場で何が起こっているのか全く分からないだろう。

新興国以外に目を向けると、アメリカのジャンク債は以下のように推移している。著者が事前に想定したほどは下落しておらず、これは一つには、OPECの価格釣り上げによって原油価格が上昇し、ジャンク債を発行している米国シェール企業に資金が流入したためである。

一方で、利上げで実質金利が上昇したため、金価格は下落トレンドにある。つまり、金相場からも資金が流出していることになる。

一方で、先進国の市場はまだまだ下落が足りないというべきだろう。特に、米国株はいまだ強い。下げ相場で一番最後まで下げないのは、いつも米国株だからである。しかし、米国株も下げないわけではない。最後まで下げないというだけである。

世界の金融市場チャートが意味するもの

さて、沢山のチャートを見たが、これらが意味するものは一体何だろうか? 世界市場から着実に資金が引き揚げられており、下げ相場は確かに順番にやってきているということである。

ではどうすべきか? 株を空売りすれば良いのか? 一方で、投資家が注意すべきは、米国利上げの停止が近いということである。

アメリカのインフレ率は上がっており、Fedが予定していた数字まで政策金利を上げることに障害はないと言えるが、恐らくは利上げはあと2回程度であり、時期で言えば2019年前半に利上げ停止ということになるだろう。これについては以下の記事で詳しく説明している。

•上がり続ける米CPIが利上げ停止を難しくする

つまり、時間制限があるということであり、それまでに米国株まで売りが波及するかどうかというのはある意味賭けになってしまう。しかし、この状況で利上げ停止でも利上げ続行でも下がる銘柄がある。ドル円である。

2019年に向けてのドル円の推移予想

先ず、以前にも書いたように、ドル円は基本的にはアメリカの実質金利に影響されるが、利上げによって実質金利が上がったにもかかわらず、ドル円の上昇はかなり限られたものになっている。実質金利を考えれば、本来ドル円は120円に近づいていても良いのだが、そうなっていない。

•2018年、円高ドル安の理由

この記事で詳しく説明した通り、それは何故かと言えば、金利が上がれば世界市場でリスクオフとなり、リスクオフとなれば、信用取引の資金調達通貨となっていた円などの低金利通貨(円を売って資金を調達する)が、ポジションの解消により買い戻され、円高となるからである。

今後、世界の金融市場には2つの方向性が存在する。金融引き締めの弱気相場がついに米国市場にまで到達し、世界的なリスクオフになるか、そうなる前にFedが金融引き締めを止めるかである。

ここで考えてもらいたいのは、どちらになってもドル円には悪材料だということである。世界的な弱気相場となればリスクオフで円高となり、金融引き締め撤回になればアメリカの金利低下でドル安となる。どちらにしてもドル円は下落するのである。

したがって、ドル円の空売りを開始することにする。このトレードのリスクとしては、リスクオンと金融引き締めの継続が同時に起こることだが、それは短期的に起こる可能性はあっても、長期的に継続する可能性は低いと見ている。短期的にそうなった場合に追加で売りを行う可能性を見据えながら、120円程度までの上昇には耐えられるようにポジションを組み、100円に向けて下落してゆくことを想定したい。

もう一つのリスクは実質金利が上がることであり、これは利上げだけが原因ではなく、リスクオフによってインフレ率が下落することで、名目金利からインフレ率を引いたものである実質金利が上昇するシナリオが考えられる。2008年に起こったシナリオである。

•リーマンショックで急落した金価格、上昇した米国債

これをヘッジするためにはTIPS(インフレ連動米国債)を取引する必要がある。日本の個人投資家にはそのETF(NYSEARCA:TIP)を利用する方がアクセスしやすいかもしれないが、どちらにしてもインフレ連動債を空売りする必要があるので、難しいかもしれない。ゴールドを空売りする方法もあるが、TIPSとゴールドは(特に短期的には)必ずしも同じ動きをしないので、注意したい。

また、日経平均もドル円に影響されるため、日本株も今後の上昇が難しいと言える。ただ、金融引き締め撤回となれば、ドル円が下がることの影響を除けば日経平均単体にとってはプラスになる。金融引き締めが撤回される来年前半までならば、ドル円より日経平均が好調の時には、ドル円の代わりに日経平均の頭を叩くのも良いだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7683


47. 中川隆[-13910] koaQ7Jey 2018年7月22日 12:52:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17260]

トランプ大統領発言で円高ドル安、長期金利上昇となった理由2018年7月21日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7709


ドル円が急落した。トランプ大統領が中国のすべての輸入品に対して最大5000億ドルの関税を掛けると発言したこと、そしてFed(連邦準備制度)の利上げに対して不快感を表明したことから、一時113円台まで上昇していたドル円は一気に111円台前半まで下落した。

トランプ大統領の中国との貿易戦争発言については大統領お得意の交渉の一環であり、数字を額面通り受け取ってはならないが、投資家としては利上げに対する発言は注意深く聞いておく必要がある。CNBC(原文英語)によれば、トランプ大統領は次のように述べている。


利上げに対しては快くは思っていない。一度金利を上げる度に、またもう一度金利を上げたいということになる。好ましい状況ではない。ただ、Fedが良いと思うようにやってもらうのが良いとは思っている。

ここでは大統領選挙の時から報じていることだが、トランプ大統領の周囲には著名投資家のカール・アイカーン氏らがおり、彼の金融政策についての発言は、こうした世界有数の専門家の相場観に基づいている。例えばこの発言は、前回の記事で取り上げた債券投資家ガントラック氏の発言に似ていると言えるだろう。

•アメリカは本当にあと6回も利上げするのか?


数年前まではFedは経済指標が改善するまで動かない姿勢を示していた。今では指標が弱くなるまで止まらない姿勢を示している。しかし指標が実際に弱くなってからでは遅すぎるのである。

トランプ大統領のこうした発言を受け、ドル円は急落した。

しかしドル円は何故急落したのだろうか? 読者はその理由を精確に挙げることが出来るだろうか? トランプ大統領は利上げを攻撃したから、アメリカの金利が下がり、結果としてドルが下がったのだろうか?

上昇したアメリカ長期金利

それがそうではないのである。トランプ大統領の発言の結果、アメリカの長期金利は実は上昇している。長期金利は前日の2.85%から2.89%まで上昇して引けている。利上げをより直接的に反映する短期金利や金利先物はほとんど動いていない。つまり、金融市場はトランプ大統領の発言で利上げが止まることを織り込んだわけではないということになる。

大統領の2つの発言のうち、どちらをより織り込んだかと言えばそれは中国との貿易戦争の方であり、市場は利上げに関してはFedがトランプ大統領の言うことを聞くとは思っていないことになる。筆者も概ね同意ではあるが、しかしパウエル議長はトランプ大統領の発言で内心助かったと思っているのではないか。何故ならば、Fedの自己申告通りここからあと6回も利上げをしては明らかに行き過ぎであり、どこかのタイミングで低金利側に方向修正しなければならないからである。

•アメリカは本当にあと6回も利上げするのか?

つまり、市場が利上げの頓挫を懸念してドル安となったわけではなく、貿易戦争を懸念してのリスクオフという方が正しい。しかしそれは表面上のことであり、本当の原因はこれまで説明してきている通りである。

つまり、Fedの量的引き締めが世界市場から資金を吸収し、結果として低金利通貨を用いたキャリートレードが徐々に解消された結果、円の買い戻しが起こっているのである。ドル円の空売りを宣言した記事でも書いた通りだが、これは2008年の状況と同じである。

•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始 (2018/7/15)

ちなみに、空売り開始の記事では、ドル円には下落圧力はかかるが、実質金利は上昇する可能性があるとして、そのリスクをヘッジするためにTIPS(インフレ連動債)の空売りを薦めているが、ドル円の下落と同時にこのTIPSが下落(実質金利は上昇)している。参考までにTIPSのETFのチャートを載せておく。

つまり、メインのドル円の空売りだけではなく、ヘッジのポジションからも利益が出ているわけである。グローバルマクロ戦略のポートフォリオとは、このように出来ている。ヘッジも何らかの投資戦略に基づくものだからである。

上がらないドル円

2018年のトレンドは円高ドル安である。数ヶ月前の記事で説明した通り、利上げだけを考えればドル円は既に125円程度まで上昇していなければおかしいのである。だが、現実はそうなっていない。ドル円をトレードする投資家は、その事実に対する合理的な説明を持っていなければならないだろう。

•2018年、円高ドル安の理由 (2018/5/22)

因みにこの記事は5月のものであり、ドル円空売りの記事は急落直前のものである。

いつものことだが、ここではすべてを事前に書いてしまっているので、実際に市場が荒れた後に書くことは、以前の記事に書いたことを繰り返すだけである。

逆説的だが、アメリカが金融引き締めを続ける限り、ドル円には下落圧力がかかり続けるだろう。トランプ大統領の発言などが引き金にはなるかもしれないが、本質は金融引き締めである。短期的な動きにとらわれず、粛々とポートフォリオを維持してゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7709


48. 中川隆[-13906] koaQ7Jey 2018年7月25日 11:11:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17305]

2018年07月24日
日本の最低賃金 低すぎるのは円安の影響も


実効レート(青線)はどんどん円安になり、名目より2割か3割円安になっている

すると日本の賃金も外国より何割か安くなる

引用:https://moneyzine.jp/static/images/article/212170/01.png

日本の賃金が低すぎる原因は

働き方改革の一環として、日本の最低賃金を上げるべき、あるいは上げるべきでは無いという議論が起きています。

日本の最低賃金は800円程度で先進国最低、OECDによると12か国中11位で、最下位は意外にもアメリカだった。

日本は7.4ドル、アメリカは7.2ドル、1位のフランスは11.2ドルで、2位のオーストラリアは11.1ドルでした。




アジアでは2ドル以下の国が多いが、韓国は例外的に8350ウォン(約835円)に引き上げた。

その韓国では政府が最低賃金を引き上げて、労働時間を減らした結果、企業は労働者を雇わなくなり失業者が増えて収入が減少した。

アメリカでは以前、ファーストフードの労働者が賃金引き上げを求めてデモやストを行っていました。


マクドナルドなど企業側の反応は、バイトを雇うのをやめて、自動注文レジに置き換えるというものでした。

果たして最低賃金を上げると、失業者が増えて総収入は低下するのか、それとも最低賃金が増えた分収入が増えるのでしょうか。

日本の労働の多くは労働集約的とされていて、効率や生産性の悪さを、大勢が長時間働くことで補っています。


日本の生産性は先進国最低で、同じ時間働いても欧米より低い価値しか生産できないでいる。

これには最低賃金の低さも影響していて、安い賃金で労働者を長時間働かせることが可能だから、企業は生産性に投資しない。

新しい機械や技術に投資すれば、少ない人数の短時間労働で同じ生産ができるのに、あえてそうしていない。

円が安すぎるから日本の賃金が低い

最低賃金を上げれば企業は生産性に投資せざるを得なくなり、日本の生産性は上がるでしょう。

現在日本は空前の人手不足なので、今最低賃金を上げても失業率は増えず、生産性向上の効果が期待できる。

韓国の失敗は、韓国は現在不況の真っただ中であり、失業率が高いのに最低賃金だけ上昇させました。


ただでさえ人手は余っていたので、企業は労働者を雇わなくなり、より一層失業率は上昇しました。

ところで日本の労働者の賃金は、先進国の中でぶっちぎりに安いのですが、この結果何が起きるか予想してみます。

実は2007年の世界経済危機の前も同じ状況で、日本の物価や賃金は例えばイギリスや北欧の半分と言われていました。


日本の物価が不釣り合いに安かったのだが、超円高が起きて是正され、日米欧の物価や賃金は同じ程度になりました。

だが経済危機が収まると、再び同じように日本の物価や賃金だけが安くなりました。

これはおそらく日本経済や生産性のせいではなく、円が不当に安い円安の影響だと考えられます。


1ドル110円前後の為替水準は、90年代の1ドル140円以上に相当する円安で、このせいで日本の物価と賃金がが安いのです。

不当に安すぎるものは為替変動で是正され、リーマンショック時のように日米欧が再び同じ物価水準になると考えます。
http://www.thutmosev.com/archives/76960628.html


49. 中川隆[-13901] koaQ7Jey 2018年7月25日 14:30:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17311]

中国企業の隠された巨額負債が、次なるリーマン・ショックを引き起こす=吉田繁治 2018年7月19日
https://www.mag2.com/p/money/493946


米中貿易戦争の果てに、戦後70年続く「ドル基軸の体制」が揺らぐ可能性があります。中国経済の隠された面を覗けば、次なるリーマン危機の危険性も見えてきます。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)


ドルの立場が危うくなる? 米中貿易戦争は世界に何をもたらすか

人民元は上げても下げても世界経済を冷やす

トランプは7月6日、中国の安価な輸出に対して25%の追加関税を課す制裁措置を発動しました。一方で、中国はすぐさま米国製品への報復関税を打ち出し、加えて米国債を売るという脅しをかけています。

戦後70年を過ぎた「ドル基軸の体制」を揺るがすのは、もっとも多くドルと米国債を買ってきた中国の米国債売りです(外貨準備3.1兆ドル:341兆円 ※18年4月)。このため、人民元が下落または上昇すると、いずれの場合も、世界の株式市場が下落します。

元高では、「中国の輸出が減る」という懸念から、
元安では、「人民銀行が米国債を売って元を買う」という思惑からです。

GDPは日本の3倍。中国が世界経済を回す

本稿では、1994年の「元切り下げ」以降、輸出主導で成長してきた中国経済をテーマにします。2018年には名目GDPが日本の約3倍になり、中国は世界経済を大きく動かします。
※参考:http://ecodb.net/country/CN/imf_gdp.html

ブルームバーグによると、中国の2018年のGDPは13.2兆ドル(1,452兆円)で、ユーロ加盟の19か国の合計GDP(12.8兆ドル)を上回ります。米国の名目GDPは、中国の1.5倍の20.4兆ドル(2244兆円)。日本は、中国の36%の555兆円となっています。

この通り、日本のGDP(商品生産=所得=需要)は、瞬く間に中国の約1/3に相対縮小しています。中国が日本のGDPを超えたのは2007年でした。その後11年で、日本の3倍になったのです。

中国人による日本の不動産購入が多く、百貨店での化粧品や工芸品のインバウンド消費が多いのも、「GDPの大きさ=所得の多さ」から頷けるでしょう。

中国のGDPは「中身が特異」

輸出型の製造業の発展が急速であり、国民の所得の増加からの国内需要が小さかったので、中国のGDPの中身は、今も特異です。

トランプの対中国の関税は、中国経済の成長の根幹部分に打撃を与えます。GDPの中の輸出が20%と高いためです。

比較すれば、輸出が多いと常に言われる日本の輸出比率はGDP比で12.8%、金額で70兆円です(2016年)。統一通貨ユーロのドイツは、輸出入を合計すればGDP比68%と巨大です。輸出では、日本の約3倍でGDP比35%でしょう。
※参考:https://www.globalnote.jp/post-1614.html

<中国のGDPの構成比>

例によって、中国政府の発表では古いデータしかありません。GDPの数値が、毎年3%くらいは捏造(ねつぞう)されているため、各種データの整合性が取れないからです。

        2008年 2009年 2010年
——————————————————
個人消費     35%   35%  35%
政府最終消費支出 13%   13%  13%
総固定資本形成  41%   45%  47%
在庫品増加     3%    2%  2%
輸出−輸入     8%    4%  4%
——————————————————
(注)輸出は2.3兆ドル(GDP比20%);輸入は1.7兆ドル(GDP比15%)

中国の総固定資本形成は、政府と民間の設備投資です。個人消費になる住宅の購入も、建設業が建設した段階で総固定資本形成に入っています。個人消費はGDPの35%と異常に小さい。日本はGDPの59%、米国は71%です。

その代わりに大きいのが、総固定資本形成です。リーマン危機の前の2008年は41%でしたが、2010年には、47%に構成比が高まっています。これは何を意味するのでしょうか?
https://www.mag2.com/p/money/493946


中国のGDPは「約3%」上乗せされている
https://www.mag2.com/p/money/493946/2


中国の総固定資本形成が高まっていることは、

1.リーマン危機で中国輸出は打撃を受け、GDPが減少した

2.政府は、人民銀行にマネーを増発させて、政府の公共投資(道路、社会インフラ)を増やし、国営企業にマネーを貸し付けて住宅建設を増やして経済成長を続けた

ということを意味します。

中国では、企業と政府の設備投資計画が作られた時点で、完工済み(竣工)として、GDPに参入されるものが多くなっています。また、省を超える設備投資も、二重計上されるものがあります。

中国のGDPは約3%上乗せされていると見られます。この3%の底上げ分を、GDP成長が7%より高いときは、中央政府が低くして「調整」していくのです。

中国では、31の省が、それぞれの省内GDPを計算し、連邦政府に提出し、政府が最終集計をしています。省の幹部(官僚)の出世は、GDPの成長率なので、競争して高い率を出す。共産主義のため、国営企業のトップも官僚です。

世界的信用が低い中国マネー

中国のマネー発行は、GDPでは日本の約3倍で世界2位になっても、まだマネー信用が低い途上国型です。

OECD諸国(先進20か国)のように国債を準備資産にはせず、米ドルを準備資産にしています。理由は、中国国債の信用が低いからです。

<人民銀行のバランスシート(MUFGの調査データ)>※1元=17円

    【資産】     【負債】
——————————————————
外貨準備  365兆円  紙幣発行  124兆円
金準備    4兆円  当座預金  382兆円
貸付金   170兆円  政府預金   51兆円
その他資産  41兆円  その他負債  23兆円
——————————————————
資産合計  580兆円  負債合計  580兆円
(注)総資産・総負債は日銀の1.1倍。

2017年5月の人民元発行の裏付けは、365兆円の外貨準備(主は米ドル)です。

365兆円の外貨準備には、

・124兆円の人民元の紙幣
・金融機関が人民銀行に預けている当座預金の通貨(382兆円)

が対応しています。

外貨準備は60%から70%がドル預金・ドル証券・米国債で、30%がユーロでしょう。このバランスシートは、人民元の信用が、米ドルとユーロに依存していることを示しています。
https://www.mag2.com/p/money/493946/2

人民元はハード・カレンシー(国際決済通貨)ではない

中国は資本を自由化していません。資本の自由化とは、いつでもいくらでも、外貨への交換(売買)ができることです。

ドル、ユーロ、円、英ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドルは資本を自由化しているハード・カレンシーです。

ハード・カレンシーは、いつでもいくらでも、外貨との交換ができます。世界からのマネー信用(=経済の信用)が高くないと、ハード・カレンシーになりません。円も、資本が完全に自由化され、ハード・カレンシーになったのは比較的に新しく、金融ビッグバンの1995年からです。

中国で事業を行って、元で利益を得ている海外企業は、外貨規制があるため、利益を自国通貨にするのに苦労しています。ドルでの元買いは自由にできる。しかし、元でのドル、円、ユーロの買いには、政府の認可が必要であり、自由ではない。

人民銀行はドルを買って、元を増発している

人民銀行が、外貨を準備資産にしていることは、元の発行量を増やすには人民銀行がドルを買い増さねばならない。この人民銀行によるドル買いも、ドル基軸通貨体制を支えている大きな要素です。

人民元は、以下の方法でドルを買っています。
1.輸出企業が、輸出代金としてドルを得る
2.輸出企業は、銀行にドルを売って、支払いに必要な人民元を得る
3.銀行にたまったドルを人民銀行が、増発した元で買い上げる(これが人民元の増発になる)

人民銀行がドルを買うのは、ドル高/元安の要素です。人民銀行が人民元を増発するときは、「ドル買い/元売り」、つまりドル高・元安の要素が起こっているのです。

ドル準備制の矛盾

ドル準備通貨制は、対米輸出が経済を主導している中国にとっては、矛盾をはらむものです。例えば、以下の場合です。

<ドル安のときに金融政策は矛盾する>

「ドル安」になるときは、米国の景況が悪いときであり、米国にとっては輸入物価が上がって、輸入が減るときです。

米国の輸入の減少は、世界でいちばん対米輸出が多い中国の輸出の減少を意味します。

ドル安になると、準備通貨のドルの価格が下がるので、人民銀行は、ドルに対応した元の発行を減らさねばならない。元の発行を減らすと、中国の金利が上がり、輸出減で低下していた景気が一層悪化します。

つまりドル安になったとき、人民銀行は元の発行を減らし、悪化した中国景気をさらに悪化させるという矛盾の金融政策をとることになるのです。

<ドル高のときも金融政策は矛盾する>

一方で米国の景況が良く、ドル高になって、米国の輸入が増えるときは、中国の輸出も増えて、輸出主導経済の中国の景気が拡大します。このとき、中国企業のドルが増えるので、人民銀行が銀行から買わねばならないドルも増えます。

人民銀行のドル買いは人民元の増発になって、「ドル高/元安」の要素になるのです。

人民銀行は、中国の景気がいいとき、ドルを買って元安にして、人民元を増発します。これは、中国経済の過熱と資産バブルを生むでしょう。

ドル準備制の人民銀行は、中国経済の景気とは逆の金融政策をとることになる。

これが、元の信用を高めるためのドル準備制の矛盾です。ここからも、中国にとって、世界からハード・カレンシーと認められて元が格上げされることは「悲願」になるのです。

トランプ輸入関税が中国経済に大打撃を与える

トランプが、中国からの輸入に特例の関税を課すことは、中国の対米輸出の減少と、中国景気の低下を意味します。このときは、人民銀行がドルを買って、人民元を増発しなければならない。

ところが輸出の減少のときは、買い上げるべき中国企業のドルは減っています。ドル準備制では、国内の景気を拡大させるための元増発の道が閉ざされるのです。

トランプの輸入関税は、中国に深刻な経済問題をもたらします。

中国不動産バブルも崩壊へ

中国は報復として「米国債を売る」としていますが、米国債の売りとは、「ドル売り/元買い」です。

人民銀行のドル売りは「元高/ドル安」の要素ですが、ドル準備制の人民銀行は、そのとき米国債を売った分の元の発行を減らして「金融引き締め」を行うことになるのです。

中国は、日本とは別の意味の「ドルトラップ(ドルの罠)」にかかっています。ドル安・元高で輸出が減ったとき、ドル準備制の人民銀行は金融を引き締めて、一層の元高にしなければならない。

トランプの輸入関税は、中国経済に深刻な結果をもたらします。迫られる金融引き締めから、不動産価格バブルも崩壊に向かうかもしれないからです。

中国は「ドル準備制」から離脱するべき時期に来ているが…

GDPが13.2兆ドル(1452兆円)と巨大になった中国は、「ドル準備制」から離脱するべき時期に来ているのです。

ところが中国の「ドル準備制」からの離脱は、ドル売り(元高)であり、このドル売りが、ドル基軸通貨の体制の終わりの始まりになるかもしれない危険をはらんでいます。


リーマン危機のあと、4.6倍に巨大化した中国企業の負債
https://www.mag2.com/p/money/493946/5

2008年のリーマン危機(米国の金融危機)のあと、中国は、対米と対欧州の輸出減によるGDPの低下を補うため、国営建設業への融資を増やし、住宅建設を増加させました。

GDPの構成比で示したように、2008年にはGDPの41%だった総固定資本形成は、09年が45%、10年が47%と上がっています。

住宅建設は、企業負債によって行われたのです。2008年以降の中国の負債は、以下のように増えています(単位:兆ドル)。

<リーマン危機後の部門別負債(データはBIS)>

    政府  世帯 企業  合計  GDP比  名目GDP
——————————————————
2008年 1.2  0.8  3.9  5.8  145%  4.6兆ドル
2010年 1.8  1.4  5.1  7.4  180%  6.1兆ドル
2012年 2.6  2.2  8.9  11.9  187%  8.6兆ドル
2014年 3.7  3.3  12.1  14.1  217%  10.5兆ドル
2016年 5.0  4.7  18.1  27.8  255%  11.2兆ドル
——————————————————
GDP比  46% 43% 166% 255%

2008年には3.9兆ドル(429兆円)だった企業の負債は、8年後の2016年には、18.1兆ドル(1991兆円)と4.6倍に増えています。年間で19%ずつ増えてきたのです。多くは、住宅建設のためです。

他方、世帯の負債は0.8兆ドル(88兆円)から4.7兆ドル(517兆円)と大きく増えてはいますが、GDP比では43%でしかない。建設された住宅が全部売れていれば、住宅建設のために借りた企業負債は、増えません。代わりに、世帯のローン負債になるからです。

企業の負債が増えたままであり、世帯負債に移行していないことの意味は、景気対策のため建設された多くの住宅が、売れ残って在庫になっていることを示します。

ところが在庫の住宅価格が下がっていません。銀行から企業に追い貸しが行われ、建設企業は「在庫の投げ売り」をしていないからです。このため政府の住宅価格の統計は下がらず、むしろ上がっています。

共産主義では、「在庫を売れる価格まで下げる」という市場経済がない。国営企業に対しては、不良債権という概念もない。日本の、政府系の独立行政法人の負債と同じです。
https://www.mag2.com/p/money/493946/5


必ず起こる金融危機

以上は何を意味しているか。銀行が負債の大きな企業に対して利払いの追い貸しができる間は、住宅価格バブルの崩壊はない。あまりに負債が大きくなって、追い貸しができなくなったとき、一挙に不良債権になり、膨大な住宅在庫は投げ売られるしかなく、価格は暴落して、米国のリーマン・ショック並みの金融危機になるということです。

企業の負債1991兆円(2016年)に対して、不良債権は25%の500兆円以上あるいは40%の800兆円になるかもしれません。

企業部門の負債は、08年の3.9兆ドル(429兆円)から2016年は18.1兆ドル(1991兆円)と、1562兆円も増えているからです。

その時期はまだわからない。しかし負債は、返済がない限り金利の増加で、年々増えて行きます。金利分(1991兆円×6%=根年間119兆円)も加えて膨らみます。

負債の増加による金融危機は、負債が減らない限り、必ず起こるのです。回避はできません。リーマン危機から14年目の2022年でしょうか。

1994年の人民元切り下げが、経済成長の起点だった

特異な住宅建設と追い貸し


50. 中川隆[-13846] koaQ7Jey 2018年7月28日 13:00:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17368]

2018年07月28日
為替の見通し 円高と円安で見方分かれる

トランプが発言するたびに為替は乱高下した

画像引用:https://portal.st-img.jp/thumb/f7fd901cc85263e980f75654b1e7b91c_1531101835_l.jpg


米中対立から為替が不安定に

為替相場の変動幅が大きくなっていて、日本円については将来予測が分かれています。

米中貿易対立によって米株価が下落し、いつもなら危険回避で円が買われるパターンと思われました。

7月6日に米トランプ大統領が、中国への340億ドル追加制裁を発表し、中国も同じ金額の報復制裁を発表した。




両国の貿易額減少によって経済活動が縮小するので、通常はドルを売って円を買う場面です。

ところが週明けの9日から円高が進まなかったので、経済メディアは「歴史的な円高サイクルが終わった」と一斉に書いた。

これがわずが2週間ほど前だったが、23日の週明けから円高が進むと、今度は一斉に「円高が進行」と書いている。


これが日本を代表する「経済専門家」の新聞やテレビ解説で、風見鳥と変わらない。

為替市場の混乱はトランプ大統領の、中国やEUへの関税がドル高を招いたことで始まりました。

原則論でいえば経常収支が赤字の通貨は安く、黒字の通貨は長期的に高くなります。


日本からアメリカに1台の自動車を輸出すると、アメリカからの支払いで代金分のドルを売り円を買います。

経常黒字が溜まるほど円は買われていくので、長期的には100%の確率で円高が進みます。

アメリカは経常赤字で貿易赤字なので、もし赤字が改善されれば、その分ドル高になります。

円高はいつか必ず起きる

投資をする人はそれを見越して先手を打つので、トランプが制裁を発表するとドル高を招きます。

これが円高を食い止めている正体で、今のところ1ドル110円以上を保っています。

だが日本の経常黒字は小手先の関税くらいではどうにもならないほど巨大なので、長期的に円高になる運命は変わりません。


投資家がこれに着目し始めると、またいつものように「リスク回避の円高」が起きるでしょう。

今のところアメリカ経済は絶好調であり、NY株価は史上最高値水準なので、経済危機にはなっていません。

中国やEUも今のところ経済への影響は大きくないので、急速な円高にはならないでしょう。


だがもし米経済が9年の好景気に別れを告げ不況に突入し、中国とEUも経済停滞になれば、やはり円が買われます。

日本は圧倒的な経常黒字を元手に海外投資していますが、世界が不況になったら投資が引き上げられ、結果として円が買われます。

これが引き金になって外国の投資家も円を買い、雪崩のように円高が進行する可能性があります。


過去の円高進行ペースからは、次の円高局面では、1ドル80円以下から1ドル60円台と予測できる。

日本が経常黒字をため込み続けている限り、遅いか早いかの違いだけで、円高を止めることは出来ません。

政府が本当に円高を止めたいなら、方法は経常黒字を減らすしかありません。
http://www.thutmosev.com/archives/77015573.html#more


51. 中川隆[-13831] koaQ7Jey 2018年7月29日 07:56:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17380]

4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた2018年7月28日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7717

2018年第2四半期のアメリカ実質GDP成長率は2.85%(前年同期比)となり、前期確報値の2.58%から加速した。ただ、前期の確報値は速報値の2.86%から下方修正されているため、最近のアメリカGDP成長率は3%に届かない所で安定している感がある。

いつものようにGDPの分析をやっていくが、今回のデータで筆者は世界の株式市場の崩壊シナリオが近づいたと判断している。最後の結論のところに書いてあるので、楽しみにしながらそこまで読んでもらいたい。

さて、3%には届かないとはいえ、先進国にとっては十分以上の経済成長率である。チャートを見ても、トランプ政権後のアメリカ経済が右肩上がりであることが分かる。

11月のアメリカ議会選挙に備えているトランプ政権にとっては追い風と言えるだろう。これまでの進捗から見れば、大統領選挙の頃よりトランプ政権が有権者にとっての魅力が減っているとは想定しがたく、中間選挙では与党共和党が続伸し、トランプ政権に追い風になるのではないかと予想しているが、それを考えるのはまだ早いだろう。

好調も頭打ちの個人消費

さて、アメリカ経済に話を戻そう。GDP全体の数字は結果であり、今後どうなるかを予想するためにはGDPの内訳を見ていく必要がある。先ずは大きな部分を占める個人消費である。

個人消費は2.65%の成長となり、前期の2.38%から加速した。

チャート的には、大統領選挙後から右肩上がりのGDP全体の数字に対して、個人消費は頭を押さえつけられた形となっている。

原因は、上昇している長期金利である。長期金利はローンの金利に影響するため、金利高は自動車などの販売状況に悪影響を与えるのである。長期金利のチャートは次のようになっている。

ただ、アメリカの個人消費は金利高にもかかわらず高成長を維持しているという点ではむしろ力強さを感じるべきだろう。それでも個人消費の今後については長期金利の動向次第ということになる。

では長期金利はどうなるかと言えば、利上げによって短期金利が2.6%まで迫ってきている状況下では、長期金利が2.6%以下に下がる可能性は低いだろう。つまり、個人消費の伸びしろはあまりないことになる。

投資

民間国内総投資は4.57%の成長となり、前期の6.15%より減速した。しかし投資の数字は振れ幅が大きく、一回の数字よりは全体の流れを見る必要がある。

投資の内訳はまちまちである。基本的には企業の投資もローン金利に影響されるため、金利高の影響が出始めた2017年中盤から頭打ちとなっている。

しかし、ここに来て更なる上昇を見せている要素である構造物に着目すれば、金利高の状況でアメリカ経済を支えているものが何かが分かる。それは原油価格である。原油価格が回復していることで、アメリカのシェール関連企業の投資が再開しているのである。原油価格のチャートは次のようになっている。

回復しているのは原油価格だけではなく、米国株式市場ではシェール関連企業の株価も回復している。掘削を行うための稼働リグ数も順調に伸びており、2014年の原油価格暴落前のリグ数に戻るまでに数年というところである。そうなれば供給が急増し、70ドル付近の原油価格の維持も難しくなるだろう。つまり、原油価格に頼ったアメリカの経済成長も限界が近いということである。

政府支出

次は政府支出である。政府支出の成長は1.24%となり、前期の0.72%から加速した。

GDP分析の記事ではトランプ政権の誕生当初から、政府支出の数字は後々重要になるだろうと言い続けてきたが、それが実現してきているようである。トランプ大統領と共和党の視野に入っているのは、勿論11月の中間選挙である。政府支出を増加させGDPの数字を底上げすることで、選挙において野党民主党から更なる議席を奪おうということである。

ただ、国家における政府の役割を小さくする「小さな政府」を標榜している共和党が議席を増やしたとしても、トランプ大統領の主張するインフラ投資という財政出動がどれだけ実現するのかどうかは不明瞭だが、個人消費と企業投資の伸びしろが限られる以上、投資家は今後、政府支出に着目するべきだとは言えるだろう。

輸出入

最後に輸出入である。先ず輸出は5.71%の成長となり、前期の4.33%から加速した。輸入は4.22%となり、前期の4.95%からやや減速した。GDPには輸出から輸入を引いたものが加算されるため、輸出の好調と輸入の減速はともにプラスとなる。

驚くべきことだが、メディアでは貿易戦争が懸念されているトランプ政権の政策下で、輸出が急増しているのである。しかも貿易赤字を減らすというトランプ大統領の取り組みは成功しているようであり、輸出は減速している。頭打ちした個人消費も輸出の減速に貢献しているかもしれない。

また、金利高にもかかわらずドルが上昇していないことも原因だろう。この点については、最近何度も書いている。

•2018年、円高ドル安の理由
•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始

株式市場崩壊のシナリオが近づいた

纏めると、個人消費と投資はともに頭打ち、政府支出は11月の大統領選挙に影響する第3四半期のデータまでは上昇する可能性が高いが、その後は共和党次第ということになる。

既に2018年も半分終わっているので、ここからの経済減速が仮にあるとしても、今年の利上げには影響しないだろう。今後の利上げ回数については以下の記事に書いている。

•アメリカは本当にあと6回も利上げするのか?

今後の利上げ回数は限られており、今年中に2回の利上げが行われる可能性が高いため、アメリカの実体経済が利上げに影響を与えるシナリオはほぼ無くなったと言える。GDPデータがそこまで減速する前に、アメリカは必要な利上げを終えてしまっているだろう。

そうなれば、次に問題となってくるのは、利下げに方向転換するほどの経済減速がいつやってくるかということになる。これは利上げ停止となる経済減速よりも急激な減速ということになるから、それはあるとしても2019年後半となるだろう。つまり、アメリカの短期金利はあと1年は高止まりし、長期金利の下限もそこに設定されるということになる。

さて、以前書いたように、アメリカ経済が利上げに耐えられたとしても、世界の金融市場が利上げに耐えられるかどうかは別問題である。

新興国市場の暴落が先進国に波及する

実際に、アメリカが利上げと量的引き締めを行なっていることによって新興国市場と新興国通貨は既に暴落しており、先進国の株式市場もNASDAQを除いて上昇トレンドが止まっているのは以前説明した通りである。ドル円空売りの記事に様々なチャートが載っているので、参考にしてほしい。

•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7683


アメリカの中央銀行によって世界市場から資金が引き揚げられており、現在は新興国だけを襲っている金融引き締めも、現在の引き締め状況が続けば最後にはアメリカと日本を含む先進国まで回ってくることになる。何度も言っているように、金融引き締め相場では高リスク資産から順番に下落していくからである。

アメリカが金融引き締めを最後までやり遂げ、緩和への転換も2019年後半まで無いということは、あと1年その状況が続くということである。筆者は、現在の世界経済の弱気相場が新興国から先進国に波及するまで、1年という時間は十分過ぎると判断する。

つまり、日本株は当然のこと、米国株まで含め、世界の株式市場は下落相場を経験するだろう。なかなか面白い相場がやってくると考えている。リスクオフになれば円高となるため、ドル円の空売りは1つの方法である。

•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7683

しかし売値によっては株式など他の資産を空売りすることも面白いだろう。今後の相場は荒れることが想定されるが、ここでは適宜、世界中の資産クラスについてチャートを踏まえて説明していきたいと思っている。楽しみにしていてもらいたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7717


52. 中川隆[-13810] koaQ7Jey 2018年7月30日 06:47:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17383]

【討論】トランプ外交は世界を変えるのか?[桜H30-7-21] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=SsEBcBYKFoE

2018/07/21 に公開
◆トランプ外交は世界を変えるのか?

パネリスト:
 古森義久(産経新聞ワシントン駐在客員特派員・麗澤大学特別教授)
 高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長)
 山正之(コラムニスト)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 ペマ・ギャルポ(拓殖大学国際日本文化研究所教授・チベット文化研究所名誉所長)
 馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モルドバ大使)
 三浦小太郎(評論家)
司会:水島総


53. 中川隆[-13808] koaQ7Jey 2018年7月30日 09:03:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17383]

米経済は今がピーク。トランプの本音「ドル安が好き」に見る長期停滞論の現実味=藤井まり子 2018年7月26日
https://www.mag2.com/p/money/497917


FRBが「秘密裏」に米国株式ブームの延命と拡大化を進めるなか、トランプは率直にそのまんま「ドル安が好き。低金利が好き」と、本音を言ってしまいました

現れた異変。AIブームも、現場では生産性がまるで上がっていない

4%成長をたどるアメリカ経済の「長期停滞論」

目先の話ではなく、中長期の話です。アメリカの第二四半期の実質経済成長率は、およそ4%前後になると見込まれています。

減税によって個人消費がすこぶる強くなっている。さらに、「米中貿易摩擦がエスカレートする」場合を見越して、米中間では「駆け込み輸出」「駆け込み輸入」が活発化しています。

この結果、アメリカの実質経済成長率は第二四半期:4%前後の高い水準にまで上昇しているようです。

さすがの米経済も「今が頂点」か

さすがのアメリカ経済も実質経済成長という点では、「今が頂点」かもしれません。

こんなに景気が良いのに、目下のところ、インフレ期待は2%ちょっとにとどまったまま。賃金上昇率(=賃金インフレ)も2.7%前後で、今後「急」上昇してくれるかどうか…心もとないところがあります。

年内「利上げ」せいぜいあと2回

賃金インフレが8月から上昇し始めれば、期待インフレも高まって、2018年のFRBは残り2回は利上げが可能になるかもしれません。それでも、せいぜい「年後半2回程度」しか利上げができないのです。

こんなに「ゆっくりした利上げ」「穏やか過ぎる利上げ」なんてものは、過去にはありませんでした。

サブプライム危機前やITバブル前は、FRBは政策金利をばかすか5%台まで引き上げることができました。

ところが、今のパウエルFRBは政策金利を引き上げるといっても、せいぜい「2019年末に2.9%あたり」までしか引き上げられそうもない…。アメリカ経済にはやはり「異変」が起きています。

人工知能ブームも、生産性はまるで上がっていない

アメリカ経済の異変とは、生産性(潜在成長率)がまるっきり上昇していないことです。ローレンスサマーズの唱える「長期停滞論」は本当の話だったのです。

世はこぞって「第三次人工知能ブーム」など、人工知能を持てはやしています。人工知能・ロボット・自動運転システム・ナノテクノロジー・ブームが始まって、世はこぞってこれらのブームをもてはやしています。

しかしながら、これら「ハイテク分野での革命」はまだ始まったばかりで、その実用化は「はるかかたなの水平線」にぼんやりと見えるだけ、そのほとんどは実用化されているわけではありません。

(金融の世界では、すでに「PCに毛の生えたような自動売買システム」を「人間のファンドマネージャーにとって代わる人工知能」と名付けていますが、これは「ただのはったり」です。その実態は、まだまだ「ただの従来通りの自動売買システム」に「ちょっとだけ毛が生えたもの」に留まっています。)

これらのハイテク分野は、アップルのiPhoneなどが象徴的ですが、人々が「(オンラインゲームなどで)より楽しい余暇の時間を過ごすのには大変優れモノ」です。しかし、アップルのiPhoneは、実際に労働の現場で「生産性を上げている」わけではないです。

電気自動車はガソリン車よりも「都市部の大気を汚染しませ」んが、電気自動車は労働の現場で生産性を上げているわけではありません。

かくして、今現在の産業分野では、どんなにハイテクブームがもてはやされているとしても、肝心の農業や製造業の現場では、「飛躍的な生産性の上昇」はほとんど起きていないのです。

生産性の伸びが低ければ、賃金上昇率の伸びもサブプライム危機「前」よりも低くなってしまうのは、致し方ないことです。インフレ上昇率が危機「前」よりも低くなってしまうのも、致し方ないのです。

米経済の延命に「舞台裏で」心血を注ぐパウエルFRB議長

だからこそ、パウエルFRB議長は、中期的に

・「近いうちに利上げを打ち止めて『インフレ放置政策』へと切り替えてゆく」方針で行くのか?

・「長期金利の上昇を抑えるために、『バランスシート縮小計画』をも放棄する」方針で行くのか?

について、議会とすり合わせているところでした。

すなわち、「どうやって長期金利の上昇を抑えて、ドル安を巻き起こして、アメリカ株式ブームをより息の長い、より大型なものにしてゆくのか?」について、パウエルFRBと共和党議会は、多くのすり合わせをしながら、こそこそと「秘密袖」で話し合っていたわけです。

繰り返しますが、要するに「ヘリコプターマネー」について、パウエルFRBと議会は、「秘密袖」に話し合っていたわけです。

言ってしまえば、「物価水準目標」という新手の金融政策だって、その神髄は「ヘリコプターマネー政策」なのです。「物価目標水準」だって、聞こえはなんか「正しいこと」をしているみたいなんですが、一皮むけば「ただのドル安低金利」政策です。

パウエルFRBもアメリカ議会も、「アメリカの、いや世界の超富裕層の方々の命令」の元で、いま現在の株式ブームを少しでも「息の長い大型のもの」に変えてゆく「密命」を帯びているわけです。それが資本主義というものです。

そのためには、「ヘリマネ出動もやむなし」と考えているわけです。「格差」なんてものは「拡大したって平気」なんです。

「世の中のため」を標榜しながら、密命を遂行する役人たち

大変都合の良いことに、世はまさしく「長期停滞中」で「インフレ圧力そのものはそれほど驚異ではない」状態。

アメリカのインフレ率を3〜4%まで上昇させることを容認すれば、なんちゅうことはない、アメリカの株式ブームはより大型になってより息の長いものになりそうなのです。

それを実行に移さない手はないのです。

しかし、この「使命」「密命」は、目下のところは「赤裸々に世間にバレバレ」になってはいけない。目下のところ、株式ブームの大型化と長期化という「密命」には、広く世のため人のためといった「正義」を演出する必要があるのです。

FRBは、世のため人のために金融政策を遂行しているのだという「正義」を、嘘でも演出しなければならないのです。

「利上げは嫌い。ドル安が好き」と本音を隠さないトランプ

ところが、ところが、FRBと議会が「正義を演出する」ために苦心惨憺(さんたん)している時に、「正義なんてどうでもいい」トランプ大統領が、数々の手続きをすっ飛ばして、本当のことをしゃべってしまいました。

7月20日、トランプ大統領は率直にそのまんま「ドル安が好き。低金利が好き」と、本当のことをしゃべってしまいました。

ほんと、びっくりですね!トランプって本当に、官僚主義が嫌いなんですね。せっかちなので、秋まで待てなかったのでしょうか。

要するに、トランプ大統領は「ヘリコプターマネーが好き」「ドル安になってもいいから、低金利のお金を、さらなる減税やインフラ投資でばらまき続けたい」と、率直に、本当のことをしゃべってしまったわけです。

これでは、官僚主義的に「正義」を追及していたパウエルFRB議長の顔に、泥を塗ったようなものです…。

しかしながら、こんなことでパウエルFRB議長もめげたりはしないでしょう。パウエル議長の「正義ねつ造のための苦心惨憺」は続くことでしょう。

中間選挙が終われば、トランプは本格的にばらまき続けることになります――


54. 中川隆[-13774] koaQ7Jey 2018年8月01日 07:26:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17428]

日銀の金融政策決定会合
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53080114.html
2018年07月31日 在野のアナリスト


注目された日銀の金融政策決定会合。変更点としては、イールドカーブコントロール(YCC)による短期金利を-0.1%、長期金利をゼロ付近に抑えこむため、±0.100%としていた許容範囲を拡大する柔軟化。ETF購入の6兆円の枠を柔軟化し、日経225型からTOPIX型の比率を増やす、という2つの柔軟化でした。これは当初語られていた『副作用の緩和』にはまったく寄与しないばかりか、逆に『副作用を助長』する結果になりかねません。

日銀は物価見通しを引き下げ、20年度でさえ1.6%と、2年で2%に達成のはずが、永遠に達成できそうにありません。YCCは無理やり金利を押さえつける政策のため、本来は成長やインフレ率を織りこんで動く長期金利まで、無理に押さえつけられる。その結果、物価上昇の期待も盛り上がらず、結果として日銀が物価を押さえつけているのです。

それを柔軟化により、0.数%に膨らませて運用したとて、結果として短期金利-0.1%、長期金利0.0%に縛りつけるなら、国債で運用する意義は薄れます。確実な収益がみこめない、価格の変動幅も小さく、ある水準に近づくと日銀トレードが発生し、意図しない動きに巻きこまれる。金融機関も仕方なく国債でトレードしているだけで、積極的にトレードする市場でなくなっている。日銀当座預金のうち、マイナス金利が適用される残高を、平均10兆円から減少させる方針を示し、これは金融機関も小康を得られます。

しかし、金融機関は今、国内が低金利と日銀の市場占有率の高さにより、国内での運用難となり、海外で運用することを余儀なくされています。それでも利ザヤが少ないことからヘッジなし、となっている。これがここ最近の円安をうながす要因ともなっており、しかも金融機関の経営の不安定化にもつながっている。円高や海外景気の変調があると、金融機関は大きな損失を被るばかりか、一気に強烈な円高を引き起こしかねない。今は、それでも世界経済は堅調だから、として多少のリスク要因があってもまったく動じていませんが、動揺が走るほどの要因があると、金融機関は大量の負債を抱えるばかりか、円高によって輸出企業も大きな打撃を受けかねない。日本経済を一気に奈落へと突き落とす要因が、今は着々と積み上がっているような状態にある、ということなのです。

ETF購入の柔軟化も、期末になって消化しきれない分でヤキモキすることがなくなった、という程度の変化です。しかもTOPIX型の購入が増えると、時価総額の小さな企業などは、すぐに日銀が筆頭株主となる。日銀はETFを通じた間接支配なので、議決権を有することはできませんが、日本は着実に社会資本主義体制に近づいている。しかもこの株主は、今のところ絶対に売らない。安定株主である一方、日銀の施策が変更された途端、経営が不安定化するリスクを抱える。ますます政治、日銀による変動に怯え、既存の体制を維持して欲しい、という欲求も働く。ある意味、自民党支援策にもなってしまうのです。

市場を活性化させたければ、YCCを止め、ETF購入を止め、市場に委ねるべきです。しかしそれはしない。日銀が失敗を認めるようなものだから、です。さらに、ここで小幅な手直しにとどまったことで、次に手直しする時期、タイミングを失った。もし世界経済が変調したら、日本は無防備なまま、暴風雨に晒されるだけの脆弱な状況になった、ともいえるのでしょう。4-6月期、米GDPをみても堅調でしたが、貿易戦争を見越してかなり先食いした印象もあり、年後半の景気には不透明要因もただよいます。

黒田バズーカの号砲も、今や時報ぐらいの効果しかなく、また鳴っている、ぐらいの当たり前のものとなってしまった。最近では、黒田総裁の会見も注目度が低かったのですが、それは黒田バズーカではなく、『黒田ハズーカしい』姿をさらしているだけ、であって、約束も守れず、失敗もみとめられず、さらに自分が始めたことにケジメもつけられない黒田氏にうんざりしてきたからでもあります。口が悪い人は、黒田東彦(はるひこ)氏のことを黒田ハレンチ彦と呼ぶ。それはその厚顔への嫌悪であり、今回はさらにその印象を強めるだけに終わった、といえるのでしょうね。


55. 中川隆[-13776] koaQ7Jey 2018年8月01日 09:53:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17434]

日本の株式市場の崩壊はもう始まっている2018年7月31日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7740


アメリカが金融引き締めを開始してから2年以上が経過している。利上げとともに量的緩和の逆回転である量的引き締めも行なっているが、少なくとも先進国の主要な株価指数はいまだ史上最高値付近からそれほど下落しておらず、日経平均などだけを見ていると金融引き締めは問題なかったのではないかと思うかもしれないが、世界の市場を見渡してみれば暴落の日が着実に近づいていることが分かるということを、ここ最近連日書いている。

これまで様々な世界市場のチャートを交えて説明してきたが、今回は日本の株式市場における暴落の論拠となるデータを提示したいと思う。暴落の影はもう日本まで来ているのである。

暴落は新興国市場から

先ずは世界市場のチャートをもう一度振り返ってみよう。世界の株式市場の中心はやはり先進国であり、何よりも米国株である。そしてその米国株のチャートは、確かにまだ今年1月の史上最高値付近を維持している。

しかし、アメリカのような大国が金融引き締めで世界の市場から資金を引き揚げるとき、最初に下落するのは米国株ではなく、よりリスクの高い資産である。今回最初に暴落したのは、「アメリカがくしゃみをすれば新興国が風邪を引く」の言い回しの通り、新興国の通貨や株式だった。中国の株価指数のチャートを見てみたい。

既に高値から20%ほども下落していることが分かる。

また、中国の通貨である中国元も急落している。以下はドル元のチャートで、上方向がドル高元安である。

暴落は中国だけの話ではなく、トルコやタイ、ベトナムなどでも似た状況となっている。

何故新興国市場が暴落しているのか?

そもそも何故こうした状況になったのだろうか? 先ず、リーマンショック後に始まったアメリカの量的緩和と、その後アメリカに続いた日銀とECB(欧州中央銀行)の量的緩和によって、世界市場には大量の資金が注ぎ込まれたということを思い出したい。

その資金は緩和が行われた国から溢れ、よりリスクとリターンの高い資産を求めて新興国市場に流れ込んだ。量的緩和で日本などが通貨安になったということは、先進国の投資家が意欲的に海外資産を買い込んだということである。そしてアメリカが量的緩和を止め、強力な金融引き締めを行なっている今、こうした資金が新興国から流出しているのである。

さて、投資家にとって重要なのは、この構図が新興国と先進国という対比だけではないということである。これはあくまでリスクの高い資産とリスクの低い資産の比較すべてに当てはまることであり、例えば日本株と米国株を比べれば、バブルが崩壊するときに先に下落するのは日本株の方なのである。「アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪を引く」ということである。

リスクの高い資産から順番に下落してゆく

現在の金融市場では、セオリー通り高リスク資産から順番に下落しており、弱気相場は今のところは米国株や日経平均に到達していないが、アメリカが強力な金融引き締めによって毎月大量に資金を引き揚げ続ける限り、いずれは日本にもアメリカにも到達する。そして実を言えば、弱気相場は日本株にも既に到達しているのである。

どういうことか? 日経平均はまだそれほど下がっていないのではないか?

重要なのは、バブルが崩壊する時、同じ国の株式でもすべて同時に下落するわけではないということである。著名投資家のジョージ・ソロス氏が2017年にトランプ相場を空売りした時のことを思い出してほしい。彼がバブル崩壊を予想して主に空売りしたのは先ず小型株だった。

•Form 13F: ジョージ・ソロス氏が米国株空売りを拡大


S&P 500はアメリカの主要な株価指数であり、Russell 2000はアメリカの小型株指数である。つまり、ソロス氏は米国株が下落する場合、小型株の方が下落が大きいと考えていることになる。

この時彼はアメリカの主要な株価指数よりも、アメリカの小型株指数であるRussell 2000の方を優先して空売りしていた。反トランプ的な政治的動機に基づいた当時のソロス氏の米国株空売りは当然失敗したのだが、重要な点は、経験あるファンドマネージャーにとっての常識として、バブル崩壊時において先に下落するのは指数株や大型株よりも小型株だということである。

既に下落相場入りしている日本の小型株

もし日本の個別株を保有している投資家が居れば、日経平均はそれほど悪くないにもかかわらず、自分の保有株は下がっているという状況になっている人が少なくないのではないだろうか。

どういうことかと言えば、日経平均以外の株価指数であるマザーズ指数やJASDAQ指数は既にかなり下がっているのである。掲載できるチャートを見つけられなかったためYahoo! Financeへのリンクを張っておくが、日本株にとって非常に重要なので是非見ておいてほしい。

•JASDAQ指数 – Yahoo! Finance

マザーズの方が下落が激しいのだが、そちらは各自証券会社のサイトなどで確認出来るだろう。

因みにアメリカの小型株指数Russell 2000はまだそれほど下落していない。やはり、弱気相場の到達はアメリカより日本が早いということである。

結論

アメリカの金融引き締めによって既に新興国市場が暴落した。そして先進国の中でも日本の小型株まで弱気相場は波及しているのである。そしてこれはアメリカが金融引き締めを続ける限り、いずれ先進国の主要銘柄にまで到達するだろう。アメリカの実体経済の好調を見れば、それは2019年後半まで止まらないということを、GDP分析の記事で説明した。

•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた


問題はもはや、金融引き締めが継続するあと1年という期間で、弱気相場が日本の小型株から大型株まで波及するのか、しないのか、という問題でしかない。その答えは明らかだと思う。量的緩和で株を買った投資家は、それが同じ勢いで逆回転しているのだということに気付くべきである。

ここまで言えば、読者にも現在の世界市場の状況が分かってもらえると思う。日経平均はそうした危機的状況にあるのである。

そして米国株はその次だろう。アメリカの金融引き締めであるにもかかわらず、アメリカの市場が下落するのは一番最後なのである。

これからの相場が具体的にどういう相場になるかと言えば、暴落といっても1日や2日で起こるわけではない。下落相場とは参加者が下落相場と気付かない間にやってくるものであり、上下動を繰り返しながら下落してゆく長い弱気相場が始まるだろう。2007年から2008年までの下落相場を思い出したい。金融危機であっても、下落には2年かかったのである。

先ずは日経平均がこの下落相場に入り、次に米国株が続くだろう。上で述べた通り、金融引き締めの期限は最低あと1年ということなので、リーマンショックの時の半分の下落時間・下落幅で終わる可能性もある。しかし、下落相場の終わりを予想するのはあまりに時期尚早だろう。

因みに、先進国までリスクオフの相場となれば、ドル円は当然円高に振れるだろう。ドル円の推移予想については以前詳しく書いているので、そちらを参考にしてほしい。


•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始


危機的な相場が迫っているのである。投資家としては楽しみでもある。今後も世界市場の情勢をリアルタイムに分かりやすく説明してゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7740


56. 中川隆[-13761] koaQ7Jey 2018年8月03日 04:07:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17476]

アメリカ金融引き締めで暴落している金価格と銅価格2018年8月2日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7755

アメリカの強力な金融引き締めが新興国市場を既に暴落させたことは説明したが、今回はゴールドと銅である。

繰り返しになるが、アメリカは利上げと量的引き締めという2種類の強力な金融引き締め政策を行なっている。そして、長らく相場に居る人間には信じられないことだが、アメリカや日本の市場はそのことを気にしていないように見える。

投資銀行などでもリーマンショック後に金融に関わり始めた、下げ相場を知らない若いトレーダーが多いため、金融引き締めがどういうものか理解していないのだろう。彼らにはジム・ロジャーズ氏の次の記事を贈りたい。


•ジム・ロジャーズ氏: 26歳の若者は最高だ


新興国暴落に次ぐコモディティ市場暴落

さて、これまで報じている通り、アメリカの金融引き締めで先ず下落したのは新興国の資産である。世界市場から資金が流出する金融引き締め相場では、先ずリスクの高い資産から下落し、先進国株式などそれよりもリスクが低いと考えられている資産クラスは最後に下落することになる。

新興国の株式と通貨が暴落していることで既に外堀は埋まっており、問題はそれがいつアメリカや日本にまで波及するのかということだが、状況が差し迫っているということを説明するために、米国金融引き締めで下落しているのは新興国市場だけではないということを言っておきたい。

それは何かと言えば、金と銅である。この2つの金属はそれぞれ異なる動きをするのだが、先ずはゴールドから説明したい。

アメリカ金融引き締めで金相場下落の理由

金相場の値動きはファンダメンタルズに比較的沿ったものである。投資家が資産の逃避先としても使うゴールドは金利の付かない通貨のようなものだと考えられており、ドルの金利が高くなれば資金はゴールドからドルへと移り、ドルの金利が低くなればゴールドの魅力が相対的に高くなる。

つまり、金価格とアメリカの実質金利は反相関の関係にあることになる。この2つを並べると次のようなチャートになる。

利上げによってアメリカの実質金利が上昇したことで、金価格が下落していることが分かる。

2018年前半まではアメリカと北朝鮮の対立激化など地政学的要因があったために実質金利が上がっても金価格が下げ渋っていたが、そうした要因もなくなり金相場はファンダメンタルズに回帰している。最近の下落幅が大きいのは、そうした底上げが無くなったことも要因である。

そして、世界市場の行方を占う上でより重要なのが銅価格である。

世界経済の停滞を暗示する同相場の急落

日本の個人投資家にはあまり縁のない銘柄かもしれないが、銅価格は市場が世界経済の成長に強気か弱気かを示す指標であると言われている。主に建設用の資材などに使われる銅は主な消費国が中国などの新興国であり、世界経済の需要が増えるのか減るのかを銅相場はいち早く織り込んでゆく。

トランプ氏が大統領選挙に勝利した後のトランプ相場とは、基本的にはアメリカだけではなく世界経済が高成長・インフレに向かうと市場が予想したことで生まれた上げ相場だった。

•ドラッケンミラー氏が金売却、世界経済に「非常に、非常に強気」 (2016/11/12)


結果、トランプ相場で最も上がった資産は実は銅である。

タイミングからも2016年11月の大統領選挙の直後からこの上げ相場が始まっていることが分かるだろう。それにしても急激に上昇している。

さて、世界経済の見通しを反映する銅相場が最近どうなっているかと言えば、次のようになっている。

結論

要するに、アメリカの強力な金融引き締めによって世界の様々な市場から資金が流出しているということである。日経平均やドル相場しか見ない投資家には問題がないように見えるが、それは事実ではない。

銅相場の急落は中国の株式市場の暴落と平行している。金融引き締めが世界経済に与える影響を織り込んでいるのである。上海株価指数の下落トレンドは今の所止まっていない。今日の日経平均の急落もこれが原因である。

最近は政治活動に専念して投資に関する発言をしないジョージ・ソロス氏も、今年5月に「われわれは次の大きな金融危機に向かっていっているのかもしれない」(Bloomberg、原文英語)と呟いていたが、恐らくは2月の世界同時株安からゆっくりと進んでいる市場のこうした雰囲気を嗅ぎ取ったのだろう。

さて、日本の個人投資家にはこの状況が日本株やドル円にどう影響を与えるのかを知りたいところだろうが、先ず日本株について言えば、影響は既に出ている。日経平均が見せかけの好調を維持しているだけである。


•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている

そしてドル円の推移予想については以下の記事で詳しく解説した。

•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始


すべてはもう始まっているのである。備える時間が読者に十分にあることを祈っている。暴落も準備をすれば大きな利益のチャンスになるのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7755


57. 中川隆[-13760] koaQ7Jey 2018年8月03日 04:49:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17476]

海外投資家とその他部門の売買動向
https://karauri.net/doukou/
https://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/investment_3/investment_3.asp

アダム・スミス2世の経済解説
7月第4週 投資部門別売買状況
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-389.html


7月第4週の外部環境は、ドル円レートは円高、NY株は上昇であった。

休み中にトランプ大統領が、再度中国からの輸入関税に強硬な発言をし、通貨安をも牽制する発言もした。加えて、日銀の金融政策の修正観測報道がなされた。これらが円高を引き起こし、株安につながった。

水曜は米欧間で自動車以外の関税撤廃が発表され、NY株が上昇した。

木曜は日銀が買うETFをすべてTOPIX型に替えるとの観測報道が出され、日経平均は弱含んだ。このため、週間でも日経平均株価はわずかな上昇にとどまった。TOPIXは+1.8%とかなりの上昇になった。


(7月第4週合計)
合計すると「海外、投信の買い越しvs個人、自己の売り越し」であった。


第2週は日銀ETFのTOPIX型への変更を理由にロングショート型の海外投機筋が動いた。それ以外の海外も現物先物に買いを入れたが、第2週、第3週比では大きく減少した。投信は第3週はブルベア型投信に大量の解約売りがあったが、第4週は私募らしき投信が現物中心に買いを入れた。

最大の売り手は個人であった。上がると逆張りの売りを大量に出す。

投信と自己は少し異なるが、「海外の買いvs個人の売り」までは上げ相場ではよくある伝統的パターンであった。

結果として週末の日経平均株価は15円だけ上昇した位置で需給は均衡し、7月第4週を終えることになった。

7月月間では

  海外   7643億円の買い越し
           vs
  個人   6598億円の売り越し
  投信   3985億円の売り越し
  

結局、7月の売買は「海外買いvs個人、投信売り」が中心であった。

日経平均株価は408円上昇し、月末の需給は均衡して7月の4週間を終えることになった。


(日本の株式市場の大問題について)

7月は海外の買いが入ったが、株価が上昇すると個人、投信という国内勢が売り方に回った。金融緩和の不足を原因とする逆グレートローテーション、逆バブルの継続である。日銀の「金融緩和の副作用はバブル」という考え方は間違いである。

確かに、都会の土地の一部などではバブルに近い現象は発生している。しかし、日本で一番身近なリスク資産である株式市場において発生しているのは、依然としてバブルとは正反対の現象である。金融緩和は絶対的に不足しているのである。

だからこそ日銀はETFを大量に買った。ETFも出口が始まったが、日銀としてもETFの出口戦略は頭の痛いところであろう。海外と日銀ETFを除くと、現在の株価では株の買い手が完全に不足しているのである。

株式市場のヒステリシス
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-40.html


を日銀は全く認識することができていない。30年近く続いているのにもかかわらず、日銀はバブルなどという現状とは正反対の誤った固定観念にとらわれている。大量にETFを買っているのにもかかわらず、である。なぜここまで大量にETFを買うはめになったのかの分析もしない。

それにもかかわらず、金融緩和の縮小は粛々と進められている。

株価がこれ以上は上がらないとは言えない。アメリカの景気は良い。昨年秋のように、海外がまた日本株を大量に買ってくるかもしれない。

しかし、国内投資家主導の本来あるべき姿での株価の上昇は、もう期待できない。
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-389.html


58. 中川隆[-13759] koaQ7Jey 2018年8月03日 04:57:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17476]
>>57
>金融緩和の不足を原因とする逆グレートローテーション、逆バブルの継続である。日銀の「金融緩和の副作用はバブル」という考え方は間違いである。

>確かに、都会の土地の一部などではバブルに近い現象は発生している。しかし、日本で一番身近なリスク資産である株式市場において発生しているのは、依然としてバブルとは正反対の現象である。金融緩和は絶対的に不足しているのである。

『金融緩和は絶対的に不足しているのである』

というのは明らかな間違いですね。

『日本政府の財政出動は絶対的に不足しているのである』

が正しい見方です。

400兆円もの金融緩和をしても全然インフレにならなかったし、需給ギャップも改善されなかった。

日本政府が公共事業費増額とか消費税率引き下げをすれば、日本もすぐにインフレなって需給ギャップも改善されるのです。 しかし、それが良くわかっていてもアメリカの圧力でできないのですね。



59. 中川隆[-13853] koaQ7Jey 2018年8月05日 10:17:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17629]

2月に世界同時株安を引き起こした長期金利が再び上昇している2018年8月4日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7771

新興国とコモディティ相場における暴落については既に書いたので、今度は基本に戻り金利の話をしたい。日本の個人投資家がどれだけアメリカの金利をチェックしているかは分からないが、アメリカの金利は世界中のすべての資産価格を決めているのである。当然、ドル円や日本株もアメリカの金利によって上下する。

2月の急落を引き起こした長期金利

さて、先ずは2018年2月の世界同時株安を思い出して欲しい。以下は2018年前半のアメリカの株価指数S&P 500のチャートである。

今年の始めは市場を完全な楽観が支配していた時期である。1月にはダボスで世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏がダボスで株高予想を表明した。

•世界最大のヘッジファンドの2018年株式市場上昇予想「現金保有は馬鹿を見る」

しかし株価はその数週間後に急落し、ダリオ氏は株高予想を撤回、空売りを積み上げることになる。読者はこの下落の原因を覚えているだろうか? 原因は長期金利が急落したことである。

これも2018年前半のチャートである。年始には2.4%程度だった長期金利だが、世界同時株安の直前には株価と長期金利が同時に上がっていた。長期金利は一気に2.9%まで上昇した。

長期金利の上昇が何故問題かと言えば、長期金利とは10年物国債の金利のことであり、投資家は株式と国債を天秤にかけて投資対象を選ぶからである。

米国債は基本的に無リスク資産と考えられているが、もし国債の金利が低すぎれば、投資家は社債や株式などよりリスクの高い資産への投資を考えるだろう。しかし国債の金利が上がり、リスクを取らなくても国債の金利収入で十分ということになれば、投資家は株式に投資していた資金を債券に移すことを考えることになる。

これは国債よりリスクの高いすべての資産に言えることであるので、国債の金利、特に投資の対象となりやすい10年物国債の金利はすべての市場の資産価格を動かすということになる。今年の2月には市場がそれを懸念したことで米国株が急落し、米国株が急落すれば日本株や欧州株なども下落するということになったわけである。

再び上昇している長期金利

さて、その長期金利は世界同時株安の後、上記の理屈によって資金が株式から債券へと流れたので、5月には再び金利が下がり(債券価格上昇は金利低下を意味する)、2.7%台まで急落していた。以下はその当時から現在までのチャートだが、5月の急落に注目してもらいたい。

イタリアの政治的混乱などで騒がれ、株価が再び急落した時期だが、この当時のことは以下の記事に書いてある。

•株式市場と長期金利が急落、原因はイタリアではなく金融引き締め (2018/5/30)

因みにこの記事では、当時かなり鋭角に急落していた長期金利に対して以下の予想をし、しっかり当てている。落ちるナイフを掴むのは非常に気持ちの良いトレードである。


この程度の株式市場の下落でアメリカの金融引き締めが止まることはない。2.7%台の長期金利は低すぎると言うべきだろう。

筆者ならばこの状況でオプションを売る。金利がこれ以上下がらなければ(つまり債券価格がこれ以上上がらなければ)利益の出る取引である。ボラティリティの高い状況ではオプション価格は高くなるので、高値で売れるというわけである。

さて、問題は長期金利が2.7%台まで急落した後、そのまま下落を続けず再び3%まで上昇してきているということである。そしてこれは2月に世界同時株安を引き起こした時点よりも高い水準である。

結論

これをどう解釈するかだが、筆者の見方は当然ながら、まだ何も終わっていないということである。

それでも米国株は史上最高値からそれほど離れておらず、市場はいまだ楽観していると言えるだろう。S&P 500のチャートを掲載したい。

しかし、2月には長期金利が2.8%で世界の株式市場が大荒れになったにもかかわらず、3.0%近辺で何も起こらないというのは理論上は不合理である。

しかし、経験ある投資家ならば、これはバブルの末期としてはむしろ合理的だと言うだろう。新興国やゴールドや銅が既に急落していることとも一致する。

•アメリカ金融引き締めで暴落している金価格と銅価格

何度か引用しているが、著名投資家のジョージ・ソロス氏が著書『ソロスの錬金術』で述べている言葉を思い出したい。


強気相場は小爆発にときおり見舞われながら続いていく。そうしているうちに、だれも小爆発を恐れなくなる。このときこそ、大暴落の条件が整ったときなのである。

何度も言うが、その時は近づいている。そして一番大荒れになる市場は日本市場となるだろう。


•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている
•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7771


60. 中川隆[-13871] koaQ7Jey 2018年8月06日 07:37:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17665]

2018年08月06日
中国時価総額を日本が逆転 中国GDPの中身


上海指数は年明けから下落が続いている

潮目が変わった日中

日本と中国(という古代国家はないが)は競い合いながら国力で抜きつ抜かれつを繰り返してきた。

最近米経済メディアBloombergは、中国の株式時価総額日本を下回り、世界3位になったと伝えた。

8月2日に時価総額が6兆900億ドル(約680兆円)に目減りし、6兆1700億ドルの日本株を下回った。



米国の時価総額は31兆ドルを上回り、アップルが史上初の時価総額1兆ドルになったのが話題になっている。

中国株式市場の時価総額は15年6月の10兆ドルがピークで、2015年6月にチャイナ・ショックで暴落しました。

上海証券取引所株価は3分の2になり、株を売った投資家が逮捕されたり、空売り禁止したりした。


2015年8月に中国政府は人民元を切り下げて、追加の景気対策も行い鎮静化したが、今も下落前の水準に戻っていない。

上海総合指数は2018年初めから16%下落し、人民元も下落し中国売りの状況になっている。

これには米国による対中貿易制裁の影響もあり、中国経済全体の将来に暗雲が垂れ込めている。


中国株式時価総額が日本を上回ったのは2014年だったが、わずか3年半で再逆転された。

中国が再び日本を上回る可能性もあるが、以前のような高度成長でなくなったのは誰にでもわかる。

投資家Wバフェットは以前から、先進国では株式時価総額とGDPが等しくなるべきだという理論を展開している。

中国GDPは何で発生しているのか

日本や欧米先進国では、GDPと時価総額は近い関係にあるが、中国の時価総額はGDPの半分に過ぎない。

言い換えると中国のGDPの半分以上は、企業活動や消費以外の「何か」によってもたらされている。

その何かとは公共投資であり、いわゆる公共事業や政府予算、公的事業、公的企業が生み出している。


中国の投資依存度(固定資本形成対GDP比)は2017年に43%で、先進国の10%台後半と比べて多い。

固定資本形成は政府と民間が行った設備投資や建設投資で、企業が工場を建てたり政府が道路を作るような事です。

これで分かるのは中国のGDPのうち消費や企業活動は半分で、あとの半分は公共工事や公的企業への支出だった。


中国では消費経済の割合が増えていると言っているが、統計からは逆に、GDPに公共投資の占める割合が増えている。

中国政府は財政引き締めで固定資本形成は2010年には35.9%に低下したが、また増加して2017年は43%になった。

中国のGDPには以前から疑問が持たれているが、公共投資を除いた実態は、発表の半分というところです。


公共投資の最大のものは不動産投資で、不動産価格を買い支えることで、国内経済を維持している。

全国に張り巡らされた鉄道(毎年日本の総路線に匹敵する建設を行っている)や高速道路、毎年建設される新都市がGDPとして計上されている。

建設した施設が使われなくてもGDPに上乗せされるので、工事を続ける限り成長する仕組みです。
http://www.thutmosev.com/archives/77113262.html


61. 中川隆[-13837] koaQ7Jey 2018年8月11日 22:20:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17845] 報告

JPモルガンCEO: 長期金利は5%まで高騰する可能性あり2018年8月10日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7806

アメリカが未曾有の金融引き締めを続けるなか、JPモルガンのCEO、ジェイミー・ダイモン氏が長期金利の更なる高騰を警告している。世界の金融市場を左右するアメリカの長期金利は、2月に3%近くまで上昇したことで世界同時株安を引き起こしているがダイモン氏は5%まで上昇する可能性を示唆している。

長期金利の行方

アメリカの長期金利はドルや日本株を含む世界中の資産価格に影響を与えるため、日本の投資家にとっても重要な指標である。年始からの動きをチャートで振り返ってみると、次のようになる。

長期金利は年が明けるにつれ2.4%程度の水準から2.9%まで高騰し、それを懸念したアメリカの株式市場が急落、それが日本などにも波及し世界同時株安となった。

繰り返しになってしまうが、長期金利とは10年物国債の金利であり、金利が上がればリスクを取って株式に投資をしなくとも、単に国債に投資をして金利収入を得ようと思う投資家が増え、資金が株式市場から債券市場へと流出する。これが長期金利が株式市場にとって重要な理由である。

さて、ダイモン氏はこのように世界同時株安を引き起こしたアメリカの長期金利が更に高騰するという。CNBC(原文英語)によれば、彼は次のように発言している。


現在の状況を考えれば、金利は4%まで上がっているのが妥当だと思う。恐らく5%まで高騰する可能性にも備えた方が良いだろう。その確率は、ほとんどの人が思うよりも高い。

ダイモン氏は何と金利が5%まで上がる確率も低くはないと言う。

3%に達しない状態で世界同時株安を引き起こした長期金利が5%まで上昇すればどうなってしまうのか? しかし、長期金利が3%でも低すぎるという声は、ダイモン氏だけのものではない。著名債券投資家のビル・グロス氏も先月のアメリカGDP統計を受け、Twitter(原文英語)で次のように発言している。


一番のニュースは名目GDPが年率7%、前年同期比でも5.4%の成長だったことだ。10年物国債の金利は2.96%で推移しているべきではない。

因みにこのGDP速報は、筆者が株式市場に弱気転換したきっかけである。

•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた
•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている

何故GDPが長期金利と関係があるのかと言えば、経済学では長期金利は理論的にはインフレ率と実質経済成長率の和に収束するとされているからである。インフレ率と実質経済成長率の和とはつまり名目GDP成長率であり、名目GDP成長率が5%を越える状況で長期金利が3%に満たないのはおかしいというのがグロス氏の理屈であり、ダイモン氏の主張を裏付ける理論的根拠だろう。

長期金利は上がるのか?

しかしながら、筆者はダイモン氏の予想を信じていない。長期金利は5%まで上がらないだろう。何故ならば、長期金利が実際にそこまで上がる前に、世界中の金融市場が暴落するからである。

実際、長期金利が3%に満たないにもかかわらず、先進国以外の市場は既に暴落している。日本株でも日経平均が見た目上の高値を保っているだけであり、指数に含まれていない株式は既にかなり下落している。世界市場においては、世界経済の景気を反映するとされている銅価格の急落は重要である。

•ドラッケンミラー氏: 中国経済は日本のバブル崩壊の二の舞になる
•アメリカ金融引き締めで暴落している金価格と銅価格
•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている

しかし、ダイモン氏は金融市場と実体経済の両方に強気のようである。


経済が躓くようなものは何も見当たらない。実体経済の市況は史上最高と言えるほどに活発であり、金融市場の状態も良い。住宅市場は供給不足で、わたしの予想では住宅ローンはもう少し拡大するだろう。消費者の経済状況も非常に健全だ。だから総合的にかなり良い状態にあると言える。

そして長期金利の上昇は好調な経済を繁栄したもので、害にはならないとダイモン氏は考える。

結論

しかしアメリカの投資家の立場になって考えてみてほしい。既にかなり高値となっている米国株と、5%の金利をもたらしてくれる実質的に無リスクの米国債を並べられた時、どれだけの投資家が株式を取るだろうか? 投資家は株式を売り払って国債に殺到するのではないか?

だからダイモン氏の言う、金利5%と金融市場の好調が両立するシナリオは有り得ない。それはどちらか片方しか成立しない。

しかし、実際にはその両方が実現しないだろうと筆者は踏んでいる。先ず第一に、長期金利が3%でも新興国市場やコモディティ市場は既に荒れており、それどころか本当のところは日本株も影響を受けている。仮に金利がこれ以上上がらなかったとしてもその影響は遠からず先進国の株式市場に及ぶだろう。

•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている

そして、株式市場がリスクオフになれば、上記の理屈により資金が株式市場から債券市場に流入し、債券の価格上昇(つまりは金利低下)をもたらすだろう。2008年のサブプライムローン危機において米国債が買われたのと同じである。

•リーマンショックで急落した金価格、上昇した米国債

だからダイモン氏の予想は2つとも当たらないだろうと筆者は踏んでいる。読者はどう思うだろうか? その結果は、それほど遠くない将来に明らかになるだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7806

62. 中川隆[-13811] koaQ7Jey 2018年8月14日 09:23:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17872] 報告

トルコ大統領、リラ暴落で国民に自国通貨の買い支えを推奨2018年8月12日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7812

ここでは世界市場の様々なチャートを掲載しているが、こういうニュースの方が読者に相場の臨場感を伝えやすいかもしれない。

通貨危機に陥るトルコ

アメリカの金融引き締めと関税政策によって新興国の通貨や株式が暴落しているのは伝えている通りである。

その中でも一番下落が大きいのがトルコであり、トルコリラは年始から40%以上も暴落している。以下はドルリラのチャートであり、上方向がドル高リラ安である。

下落している新興国通貨はトルコリラだけではないが、ここ数週間の下落にはアメリカとの対立激化がある。

2016年にトルコで起きたクーデター未遂事件に関わった容疑で、トルコ政府がトルコ在住のアメリカ人牧師を拘束し続けていることに対し、アメリカが8月1日にトルコの閣僚2名に経済制裁を課したほか、10日にはトランプ大統領がトルコ産の鉄鋼とアルミニウムに対する関税を2倍すると表明、トルコリラは一気に下落した。

これに対し困ったのがトルコのエルドアン大統領である。通貨安を止めるには利上げしかないが、来年の選挙を気にしているエルドアン氏は利上げで経済を冷やすことができない。

結果、大統領は最後の手段に訴えかけたようである。ロイターによれば、エルドアン氏は演説のなかでこれを「国家間の戦い」だとして、トルコ国民に対し「もしドルや金を枕の下に入れているのなら、銀行でリラに両替すべきだ」「ドルがわれわれの道を阻むことはできない。心配無用だ」と語ったが、この発言を受けてリラは下げ幅を拡大した。心配無用ではなかったようである。

そもそもこうした発言で通貨安を食い止めるというのは無理筋であり、大統領が国民にそのようなことを推奨しなければならない時点で、トルコ経済の状況は非常に深刻であり、しかもトルコ政府に打つ手がない、ということを証明しているようなものである。だからこの発言を受け、投資家は安心して更にリラを売ったのである。

リラとともに下落するロシアルーブル

また、トルコリラと同じように最近下落したのが、これまで何とか耐えていたロシアルーブルである。ドルルーブルのチャートは次のようになっている。

原因は同じくアメリカによる経済制裁である。ロシアに対するイギリスのスパイとして働いていたロシア人の元諜報員がイギリスで毒殺未遂にあった事件で、ロシアが関与したものとアメリカが断定して経済制裁を行なった。

ルーブルに関しては、4月の下落のあとよく耐えていたと考えたい。アメリカの金融引き締めという新興国市場に最悪の条件さえなければ、ロシアの株式や債券は筆者も投資をしたいほどなのである。しかしやはり、アメリカの金融引き締めという状況のなかで新興国に投資をするのは至難の業だろう。

結論

さて、必ずしも新興国市場に関わっていない投資家にとっても、こうした動きを解釈することは重要だということを指摘しておきたい。では、どういう解釈が可能だろうか?

第一の解釈は、トルコとロシアはアメリカの経済制裁で売られているだけで、経済制裁を受けていない国の株価や為替相場には関係がないというものである。

第二の解釈は、新興国市場が売られている本当の理由はアメリカの金融引き締めで、経済制裁のニュースは下落のきっかけに過ぎないというものである。そうであれば、やはりこうした動きは世界市場全体への警鐘ということになり、日本の投資家にも大きな意味を持つことになる。

筆者の解釈は、アメリカの金融引き締めによる新興国市場の長期の下落トレンドに、経済制裁によって拍車がかかっているというものである。つまり、このトレンドは経済制裁を受けているトルコやロシアだけの話ではない。アメリカの金融引き締めでは世界中の市場から資金が引き揚げられているのだから、新興国市場から資金が流出した次の段階では、日本やアメリカなどの先進国の株価がターゲットになるだろう。

一番の証拠は、やはり日本の小型株指数であるJASDAQやマザーズが、新興国株式と連動して既に大幅に下落していることである。

•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている

しかもこれらの下落はただ同時に下落しているだけでなく、新興国株式の上下動にかなりの程度連動している。JASDAQと新興国が連動する理由は、アメリカの経済制裁や貿易戦争などではなく、世界中の市場に影響するアメリカの金融引き締め以外にないのである。

また、世界中から資金が引き揚げられているもう1つの証拠には、ドル円の奇妙な動きがある。2018年のドル円の動きの何が奇妙かが分からない読者は、以下の記事をもう一度熟読して欲しい。


•2018年、円高ドル安の理由
•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始

市場におけるすべての状況証拠が、リスクオフだと筆者に叫んでいる。読者はこうした動きをどう解釈するだろうか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7812

63. 中川隆[-13758] koaQ7Jey 2018年8月16日 17:23:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17887] 報告

2018年08月16日
トルコ通貨ショック 世界に影響拡大

1年前に32円だったトルコリラは16円に下落

画像引用:新興国通貨、軒並み急落 トルコ通貨急落が波及、各国防戦 - 産経ニュースhttps://www.sankei.com/images/news/180814/wor1808140006-p1.jpg

トルコショックが世界を翔ける

トルコ通貨下落の影響が他の新興国や先進国にも拡大しています。

世界のお金の流れは低金利の国で借りて、高金利国で運用するので日本、欧米、新興国の順になる。

お金の流れでは末端にあたるトルコが混乱したことで、欧米や日本に資金を引き上げる動きがでている。




これがいわゆる「リスク回避の円高」で投資先の新興国から資金が本国に引き上げられる。

資産の目減りを警戒して投資家は他の新興国からも資金を引き揚げるので、連鎖的な下落が起きる。

2008年のリーマンショックや1997年のアジア通貨危機でも同じことが起き、新興国の株価や通貨が連動して下落しました。


奇しくもこうした経済混乱は10年ごとに発生していて、今年はアジア危機から20年、リーマンショックから10年目になる。

さらに10年前の1987年はブラックマンデーで、1978年はオイルショック、1968年頃には中東危機があり、アメリカはベトナムでも泥沼に足を取られていた。

こうして見ると10年で世界の状況は一変していて、リーマンショックの2008年頃とも違う世界になっている。

危機は10年ごとに起きる

2008年は北京五輪が開催されるなど中国の絶頂期で「10年以内にアメリカを超える超大国になる」と言っていました。

それから10年が経ち、どうやら中国経済の全盛期は過ぎつつあるという認識になっている。

中国政府は最近45兆円の経済対策を打ち出し、人民銀行は15日に約6兆円の資金供給を実施しました。

中国経済にダメージが及んでいる証拠で、6.5%成長を達成するには相当な財政支出が必要になる。


トルコ経済の混乱からアルゼンチン、南アフリカ、ブラジルなどの通貨も下落しています。

新興国の経済活動が弱まることでNYなど欧米株価が下落していて、不安定になっている。

日経平均も一時かなり下落し、乱高下の気配をみせています。


米トランプ政権は人質になっている米国人牧師の開放を要求して経済制裁を課したが、トルコは反発して報復制裁を発表した。

アメリカの制裁に対して報復制裁を課すのは経済的には愚の骨頂で、ダメージを広げてしまう。

欧州はトルコと関係が深く、EU経済への悪影響を警戒している。


世界各国は第二のリーマンショックになる可能性がないか不安視しています。
http://www.thutmosev.com/archives/77246296.html

64. 中川隆[-13757] koaQ7Jey 2018年8月16日 17:25:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17887] 報告

トルコリラ暴落も、トランプ大統領の貿易戦争も、何も関係がない2018年8月16日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7830


市場がやや荒れている。ドル円は順当に下落しており、日経平均も値動きが荒々しくなってきた。

主流メディアではトルコリラの暴落が原因だとか、トランプ大統領の貿易戦争が原因だとか、色々言われているが、そうしたものは一切本質的な原因ではない。すべてはアメリカの金融引き締めによって、2008年以来ばら撒かれた量的緩和マネーが大量流出しているのである。

下落相場ではいつものことだが、ニュースで報じられるような相場下落の原因は単なる下落の口実であり、本当の原因はいつも一部のヘッジファンドマネージャーだけが理解しているのである。特にトルコリラに関しては原因であるどころか、むしろ金融引き締めの結果である。


•トルコ大統領、リラ暴落で国民に自国通貨の買い支えを推奨
•トルコのエルドアン大統領、通貨暴落で会心のギャグを飛ばす


もしそうではないと言う人が居るならば、トルコやアメリカの問題で、日本のマザーズやJASDAQ指数が日経平均ではなく中国株と連動しながら既に暴落している理由を説明できるだろうか。


•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている


あるいは、アベノミクス以来密接に相関してきたドル円とアメリカの実質金利が、今年2月の世界同時株安以来乖離し始めている理由が説明できるだろうか。この乖離は過去に遡るとリーマンショック時にも起こったものである。


•2018年、円高ドル安の理由

以下にリーマンショック時のチャートも再び掲載しておこう。これが何を意味するかは、上記の記事を参照してほしい。

こうしたものを説明できなければ、今金融市場で何が起こっているのかを本当に理解することは出来ないのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7830

65. 中川隆[-13752] koaQ7Jey 2018年8月17日 06:59:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17896] 報告

大混乱していく金融市場の動乱で、読みを誤らないために知るべきこと │ ダークネス:鈴木傾城
https://bllackz.com/?p=720


ドナルド・トランプ大統領が中国に仕掛けた貿易戦争は株式市場を混乱させる要素となっている。中国の株式市場はずるずると下落を続け、中国の通貨である人民元もまた急落を余儀なくされている。

トランプ大統領は「中国はアメリカの知的財産権を侵害している」と公然と批判し、さらに「中国はウイグルを弾圧している」と攻撃した。

さらに「中国人留学生は全員スパイ」と非公式の場で話し、ファーウェイやZTEのような中国ベンダーも締め出している。中国が「民主主義陣営の敵」であることを、トランプ大統領はまったく隠していない。

政治的な動きによって中国が動揺し、そのつど株式市場が撹乱される動きは、これからも続くことになる。

それに加えて、トルコの通貨リラの暴落、そしてそれに端を発した新興国のつれ安、さらに中国株の下落、テンセントの13年ぶりの減益によるハイテク企業株の投げ売りが起きて、株式市場が複合的に波乱要素を抱えている。

世界の株式市場は平穏ではない。場合によっては、全世界を巻き込んだ大きなショックが起きたとしても誰も驚かないところにまで来ている。(鈴木傾城)

66. 中川隆[-13762] koaQ7Jey 2018年8月18日 08:35:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17914] 報告

2018年8月17日 / 19:55
日銀ETF購入策に神経質な市場、ステルステーパリング開始の見方も


[東京 17日 ロイター] - 日銀が金融政策を微調整した後のETF(上場投信)購入方法に市場参加者が神経を尖らせている。8月以降、日銀がETF買いに動いたのは2日のみ。前場のTOPIXの下落率が、従来なら買い入れに動いていてもおかしくない水準にあっても、買い入れが見送られるケースもあった。

市場では早くも「ステルステーパリング」の兆しを指摘する声もある。

日銀は7月30、31日の金融政策決定会合で「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決定。ETFについては年間6兆円の目標は維持する一方で、「市場の状況に応じて買い入れ額は上下に変動しうる」とした。

8月に入り日銀が通常のETF買い入れに動いたのは10日と13日の2回のみ。日銀が買い入れに動く目安とされる前引け時点のTOPIXの下落率は10日が0.56%、13日が1.72%だった。

先月末の政策修正前は、TOPIXの下落率が0.2%を超えた場合は、ほとんどの場合買い入れを実施してきたが、今月に入ってからは、下落率が0.2%を超えても様子見が続き、14、15日の2日間は下落率が0.4%を超えたにもかかわらず、日銀の買い入れは見送られた。このため、市場では日銀がETF購入を巡り「ステルステーパリング」に動いているのでは、との疑念が広がりつつある。

ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジストの井出真吾氏は「8月に入ってから(日銀はETFを)買わなくなった。ルールを変えたのは間違いない」と指摘。「十中八九、ステルステーパリングだろう」との見方を示す。

もっとも、日銀が政策の微調整に動いてからまだ1カ月も経っていない。これまでもTOPIXが前場で値幅を伴った下げをみせても、買い入れが見送られたケースがあった。

三菱UFJモルガンスタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は「サンプル数がまだ少ない。しばらくは日銀の出方をウオッチする期間」だと指摘。そのうえで「現時点でダウンサイドの影響を予測することは時期尚早だが、(買い入れを)減らす場合もマーケットが痛みを感じないようにやっていくはず」と話す。

67. 中川隆[-13761] koaQ7Jey 2018年8月18日 12:09:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17917] 報告

ロスチャイルド卿: 今はリスクを取る時ではない、株価は量的緩和で底上げされている2018年8月17日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7837


トルコなどの新興国危機で金融市場がやや荒れる中、ロンドン・ロスチャイルド家の当主であるジェイコブ・ロスチャイルド氏が、自身の運営するRIT Capital (LSE:RCP)の中間期レポートで自分の相場観を語っているので紹介したい。

ジェイコブ・ロスチャイルド氏

ロンドン・ロスチャイルド家の当主であるロスチャイルド氏はRIT Capitalを運用し、長年手堅いパフォーマンスを上げている。ちなみにRIT Capitalはロンドン証券取引所に上場しているので、日本の個人投資家でも投資をすることが可能である。

実質的にヘッジファンドのような形態の企業で個人投資家も投資が出来る企業は、実は少なくはない。ウォーレン・バフェット氏のBerkshire Hathawayやデイヴィッド・アインホーン氏のGreenlight Capitalなどがそれにあたるが、ロスチャイルド氏のRIT Capitalはそうしたいわば「上場型ヘッジファンド」の中で筆者の一番のお薦めである。

さて、話をロスチャイルド氏の相場観に戻そう。彼は先ず世界経済の好景気を強調している。


世界的には多くの国が2008年の金融危機以後初めての水準の経済成長を享受している。昨年は120もの国々で成長率の上昇した。

特に先進国と産業界が上手くいっており、アメリカでは完全雇用が達成され、2%の経済成長があり、今年の第二四半期では企業利益の成長率が20%を超えている。中国やインドなどのアジアの新興国の成長率も6.5%程度の強い数字となる予定である。

ここまではJPモルガンのジェイミー・ダイモン氏のコメントに似ている。そして世界経済が好調だというのは事実であり、わたしもそれを否定しない。

•JPモルガンCEO: 長期金利は5%まで高騰する可能性あり

しかし問題は、好景気が必ずしも株高に繋がらないということである。経済が良い状態だと手放しで褒めたロスチャイルド氏は、ではどう投資をするかという点になると慎重な姿勢を強調した。


しかしながら、今はよりリスクを取る時期ではないと信じている。株価は低金利と量的緩和によって底上げされ、歴史的水準と比べて既に高いが、金融緩和は終わりを迎えようとしている。

金利上昇と、世界からドルの流動性を引き揚げているアメリカの金融政策のため、新興国市場の問題は今後も続く可能性が高い。その影響はトルコやアルゼンチンの通過暴落に既に現れている。

トルコの問題についてはここでも報じている。アルゼンチンについては報じていないが、アメリカの金融引き締めで似たような状況になっている。

•トルコ大統領、リラ暴落で国民に自国通貨の買い支えを推奨
•トルコのエルドアン大統領、通貨暴落で会心のギャグを飛ばす

何故、経済の調子が良いにもかかわらず株価が上がらないと言えるのか? それはこれまで市場を支えていた金融緩和が、経済の調子が良いと金融引き締めに転換するからである。

2008年以降、経済成長率が低迷した時期においても、株価は一本調子で上昇してきた。それはつまり、低成長と金融緩和の組み合わせで金融緩和が勝ったということである。では、高成長と金融引き締めの組み合わせではどちらが勝つだろうか? 筆者はこのことについて、ここ最近ずっと語っているのである。

•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた
•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている
•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始

また、ロスチャイルド氏は他のリスク要因についても挙げている。


ユーロ圏が直面している問題は、政治的にも経済的にも懸念事項である。ユーロ圏ではいくつかの国で負債が破壊的水準にまで達している。貿易戦争の危険性が高まり、その影響は既に上海総合指数が1月の高値から22%も下落したことに表れている。

では、その中で彼はどのように投資をするのか? 彼は次のように述べている。


こうした状況の中で、われわれは上場株への投資を減らし、注意深く他の投資先を探すことで対応するつもりである。株式も銘柄を選別し、特別な技術を持った才能ある投資マネージャーを通して投資を行うことで利益を狙う機会のあることは間違いない。

因みに6月末のポートフォリオでは、上場株への投資は資産全体の56.8%となっている。期間中の平均値は47%だったらしい。彼は株式に強気の時期には70%程度を株式に振り分けるので、これは彼にとって「リスクオフ」モードということである。

それでもRIT Capitalは株式への長期投資のメリットを信じるファンドであり、本来のヘッジファンドのように積極的な空売りなどは行わない。この点については以下の記事に書いている。

•ロスチャイルド卿、世界同時株安でも株式の買い持ち継続

RIT Capitalはヘッジファンドというよりは、あくまで投資信託なのである。ロスチャイルド氏はロスチャイルド家の中ではリスクを取る人物として有名だが、それでもソロス氏などの本格的ヘッジファンドのような投資形態ではなく、市場が下げる時には資産の目減りを許容するが、長期的に市場全体よりも良いパフォーマンスを上げることを目指すファンドということになる。

この点でもRIT Capitalは個人投資家が長期保有するに適した投資対象と言える。特に、今後市場が荒れることが予想される時期には、もしインデックスファンドを持っている読者があれば、乗り換えの対象として検討に値するだろう。(英国株はポンド建てなので、為替ヘッジが必要である。)タイプとしてはバフェット氏のBirkshire Hathawayに似ていると言えるが、投資の手腕については個人的にはバフェット氏よりもロスチャイルド氏を信用している。

さて、では最後にロスチャイルド氏が株式市場全体に代わり目を向けている投資対象について書いて終わりとしたい。彼は次のように声明文を締めくくっている。


われわれはアジア経済、特に中国経済の潜在能力と、そしてテクノロジー業界のイノベーションに意識を向けている。

先ず、テクノロジー業界というのは、テクノロジー企業への個別投資のことだろう。RIT CapitalはクラウドストレージのDropboxに上場前から投資しており、IPOで利益を得ている。こうした投資先を他にも持っているのだろう。

「新興国市場の問題は続く」とした上で中国経済の潜在能力に期待しているというのは一見矛盾のようにも見えるが、恐らくは金融引き締めの影響をヘッジした上で投資を行うか、市場全体のリスクに影響されないような個別案件に投資をするか、その両方ということだろう。

ロスチャイルド氏はどうやら中国経済にご執心のようである。これは筆者や、元クォンタム・ファンドのドラッケンミラー氏の見解とは異なる。

•ドラッケンミラー氏: 中国経済は日本のバブル崩壊の二の舞になる

ロスチャイルド氏のことだから、ヘッジはしっかりやっているのだろう。しかし世界市場全体の下落のなかで新興国経済の高成長率に賭けるというのは、リーマンショック時におけるジョージ・ソロス氏の失敗が想起されなくはない。彼は2008年にも利益を上げたが、数少ない失敗が新興国への投資だった。彼は著書「ソロスは警告する 2009」で次のように書いている。


一つだけ間違えたことがあり、そのために私は痛手をこうむることになった。

その間違いとは、新興国経済の好況が、先進国経済のパフォーマンスとは関係なく続くという、いわゆる「デカップリング」説を信じたことである。実際には発展途上国の経済は先進国のそれと密接に関係しており、インド株、中国株は、アメリカ株、欧州株よりもはるかにひどい成績だった。

わたしはインド投資の残高を2007年から減らしていなかったせいで、2008年のインド株の暴落により、前の年に儲けた分をすべて失い、さらに損を重ねることになった。

ロスチャイルド氏の新興国投資はどうなるだろうか? 優れたファンドマネージャーでも見解は様々である。今後も著名投資家の相場観をフォローしてゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7837

68. 中川隆[-13726] koaQ7Jey 2018年8月19日 12:44:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17932] 報告


「トルコの次は中国経済がヤバイ」は本当か
「中国バブル」は、そろそろ崩壊する?
ぐっちーさん 2018/08/18
https://toyokeizai.net/articles/-/234136


トルコの次は中国?ということで「中国バブル」は崩壊するのだろうか。
ぐっちーさんはまったく違う角度から中国の怖さを指摘する


さて、次回までにどうなるか……と書いた「トランプ劇場」も夏休みなのか、今のところさしたる話も「表面上なし」です。

しかし、アメリカにいますと、中国の切り札とでもいうべき、王岐山(国家副主席)の話があちこちで聞かれるようになってきました。結構神出鬼没でして、ああ見えてちゃんと両国のコミュニケーションラインは確立されていると思われます。

アメリカのビジネスマンにおける王岐山に対する信頼感は、みなさんの想像を超えています。ああいうタイプの人がいて、それを側近に置いているのが習近平の強みでしょうか。水面下ではしっかり動いているので、前回も書いたように「中国が一方的にやられる」というシナリオは、大間違いです。

トルコで「通貨危機」が起きても…

そうこうしているうちに、「紛争」はトルコに飛び火(というか残り火が再炎上したというのが正解)してまいりまして、まだ結構な話題となっています。中には「今度は通貨危機だ」などという言葉も飛び出すなど、まあ、メディアというのはつくづく罪な存在だと思います。貿易戦争もそうですが、トルコ一国あるいはその通貨がほとんど無価値になったところで、世界経済が危機的な状況に陥るというのはありえないわけです。

世界経済はトルコに大きな危機があったところで吹き飛ぶほど小さくはない。欧州の金融機関が大量に融資しているといわれていますが、もっと大きな南米の危機時にも世界経済は大きな影響を受けなかったわけですから、規模感が違います。


そもそも、両国の関係がこじれた直接のきっかけは、ドナルド・トランプ大統領によるアメリカ人牧師・アンドルー・ブランソン氏拘束に対する猛烈な批判、それに対してレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「応ずる気がない」、と言い出した「一連のもめごと」と言われています。

しかし、一方でトルコ経済自体のインフレ体質、経済不振はここ最近の出来事ではなく、もう昨年には表面化していました。ですからトルコリラが今さら急落するといって驚くこともないわけで、元々いつ急落してもおかしくありませんでした。いわゆる高金利通貨国で経済が極めて順調だなんて国は今ではありませんから、それが何にせよ(ブラジルレアル、南アフリカランド、ルーブルその他)この手のリスクはつねに存在しています。

トルコについていえば、2001年に金融危機に陥り事実上破綻、IMF(国際通貨基金)の管理下に入ったことがあります。例によってIMFは強烈な管理経済を敷きますので、国民の不満が爆発、それを受けて出てきたのがエルドアン大統領です。そのエルドアンは見事に経済を立て直し、2013年にはIMF向け債務を完済し、経済の立て直しに成功しましたから、トルコ国民にとってはある意味ヒーローなのです。

ですから、あれだけ支持率が高く、今のところ政情不安には至っていませんが、今のような経済情勢が長引けばもちろんその限りではありませんし、いつも書いているように通貨高で倒産した国はなく、通貨安で倒産する国は枚挙にいとまがありません。従ってトルコがそうなってもあまり驚きはありません。

「通貨とは何か?」を改めて考えるきっかけに

ここでの教訓があるとすると、「通貨とは何か」ということを改めて考えるいいきっかけであるということでしょうか。

仮想通貨のときも書きましたが、仮想通貨は、資産か国家権力が裏付けとなるならともかく、実際には発行体の信用力しかありませんから(それもどこの馬の骨なのかもわからない)、その「価値」は幻想(まぼろし)でしかなく、いつゼロになってもおかしくありません。そのものに価値があるように考えている人が多くいるのは驚きです。

ですからトルコリラにしてもドルにしても、もっと言うなら円にしても資産、経済力、国家権力、場合によっては軍事力の裏付けがまずあるのか否か、という点が決定的に重要で、それを前提条件に「円がいい」「ドルがいい」、という選択肢が成り立つわけであって、その前提条件さえ満たせないトルコリラのような通貨を、分散投資のツールの1つに使っていることがそもそもおかしいわけです。


高金利通貨と言われるものは「資産」の段階でもうだめですし、まして経済力となればもう吹けば飛ぶようなもので、国家権力も安定していませんし、円と比較する資格すら有しません。

こんなものを売っていて「投資は自己責任」などと言われてしまうのもどうかと思いますが、投資家保護の観点からはこういう事実をきちんと説明することが必要でしょう。つまり「今は高金利でもうかりますが、最後は危ないですよ、だから安いんですから」と、銀行員や証券マンがきちんと説明する……わけないですよね、現実は。

世の中、ハイリスクハイリターン。ノーフリーランチ。この機会に肝に銘じておきましょうね!

中国経済は本当に大丈夫なのか?

「じゃあ、ついでに中国はどうなんだ」、というご質問も最近よく受けるのですが、あそこは習近平国家主席がどうするかをすべて決定できるので、そもそも危機になりようがありません。

いくら危機に見えても「これは中国政府が管理するので危機ではない」、と言い切るに決まっています。ですから中国の場合は、その中国政府の管理が不能になるほどの巨大な危機が迫りくるまでは、なんてことはないわけですね。

もう1つのシナリオは、習近平が常識外の行動をとる、というリスクです。たとえば今「破綻するのでは……」と問題になりはじめた、政府系金融機関などの企業に対する融資については、表面上中国政府が返すようなことを言っていますが、契約書を見てみると、保証するなんて文言は例によって一言も書いてありません。つまり契約書上は保証する必要はまったくない。ただ、民間企業ではない政府系企業や地方政府あるいはそれに準ずる組織についてはレーティング会社も結構高い格付けを付けたりしていて、西側の金融機関が融資している、というケースはかなり多いと見られています。

まさに怖いのはこういうケースで、「さすがに政府系企業は見捨てないだろう」、と信じ込んでいると危険ですよ、ということです。「だって保証なんてしてないもん」、と習近平が言い出す可能性は高いと私は見ていますが、今のところ市場はまったく無警戒です。危ないのはこういうケースなんですね。実は中国は過去からこういう事例には枚挙にいとまがなく、突如のルール変更で撤退を余儀なくされた(=大損をした)日本企業は多数あります。

一人の権力者が何でも決められるような国にお金を置いておきたい人がいるわけもなく、外に持ち出せる富裕層はなんとかして資産を持ち出し、海外に持っていこうと必死の努力をしているわけです。そんなときにわざわざ飛び込むのは……「飛んで火に入るなんとやら」、であります。くれぐれもご注意ください。

69. 中川隆[-13725] koaQ7Jey 2018年8月19日 16:10:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17935] 報告

2018年08月19日
トルコ通貨下落 日銀政策変更が引き起こした?


先進国が利上げするとトルコのような国は、先進国から資金調達するコストが上昇する


画像引用:輸入キャビアは3割増し…雑貨店も泣くトルコリラ急落:朝日新聞デジタルhttps://www.asahicom.jp/articles/images/AS20180811002080_commL.jpg


日銀が世界を動かした?

8月10日ごろからトルコリラが暴落しトルコの政策金利が急上昇しました。

通貨が一日で20%も下落して金利は18%になったが、動揺を抑えるため20%を超えると考えられている。

欧米の株式市場も下落し日経平均やドル円相場も下落しているが、すべての始まりは日銀だったかも知れない。




日銀は7月31日、長期金利の変動幅を拡大すると発表し、事実上の利上げを実施しました。

長期金利が0.045%から0.145%に上昇したところで日銀は歯止めをかけ、0.105%で落ち着いた。

たった0.1%程度の金利変動だったが、これが世界的な金利変動を引き起こしたかも知れない。


現在日本は全世界でもっとも金利が低いが、その基準点が上に動いたら世界全体が上に移動する。

北極点が移動したようなもので、地球全体の位置がずれてしまう。

世界中の国は最も金利が低い日本でお金を借りていて、日本から借りれない国は金利の低い欧米でお金を借りている。

最も弱い国から破綻する

欧米からも借りれない国は中国から借りていて、日銀利上げでそれらすべての金利が上昇する。

日銀の利上げは米FRBの利上げ政策に沿ったもので、アメリカは景気が良すぎて冷やす目的でした。

世界の国々の景気はバラバラで、景気が悪い国もあった。


トルコは政治不安から経済が悪化し、ただでさえ高インフレで景気が悪化していました。

そこに先進国の利上げ転換によって資金繰りが悪化し、通貨暴落を招いたと考えられる。

今では世界は一つにつながっていて、日米の利上げによってもっとも弱いトルコ経済が破綻しました。


トルコの前に南米ベネズエラも経済破綻していて、原油価格値下がりで産油しても赤字になってしまった。

原油価格は回復したが資金が枯渇して産油や精製ができなくなり、経済が破綻しています。

これもアメリカの利上げで資金調達コストが悪化し、南米でもっとも弱いベネズエラにしわ寄せが来たと考えられます。


1997年のアジア通貨危機もアメリカの利上げ期に起きていて、タイが経済破綻してドミノ倒しのように倒れました。

今回の危機がどこまで発展するかは分からないものの、動揺が広まれば新たな破綻国家が出る可能性がある。
http://www.thutmosev.com/archives/77219098.html

70. 中川隆[-13724] koaQ7Jey 2018年8月21日 20:46:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18010] 報告

2018年8月21日 / 15:15
焦点: 貿易戦争が米企業に迫る「メイド・イン・チャイナ」再考
https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-workshop-idJPKCN1L605I

[深セン/上海 20日 ロイター] - 約30年前、低コストの世界製造拠点として発展しつつあった中国南部にやってきたラリー・スローブン氏は、これまでに電動工具からLED照明器具に至る数百万ドル規模の製品を、米国の大手小売業者向けに輸出してきた。

そうした時代は終わりを迎えつつあるのかもしれない。

生産コストの上昇や規制強化、さらにサービス業中心の持続可能な経済構築を目指す中国政府の政策がローエンドの製造業を圧迫したことによって、スローブン氏の利益は年々削られてきた。

しかし、最後の一撃となるのは、米中貿易戦争によって高まる新たな関税リスクや、世界で台頭する保護主義だろう。

「一歩、また一歩、さらにもう一歩と、中国での製造コストはどんどん高くなってきていた」と語るスローブン氏。彼は米フロリダ州ディアフィールドビーチに本拠を置く家電製造キャップストーン傘下のキャップストーン・インターナショナル(香港)の社長を務めている。

広範な経済近代化策の一環として、中国政府がローエンドの製造業からハイテク産業へと優遇対象を転換する中で、製造業界はその圧力を感じてきた。

だが関税が発動される中で、「皆ついに目が覚めて、現実に向き合おうということになった」とスローブン氏は語る。製造業界は、「次の関税措置がとどめを刺すかもしれない」と懸念を深めているという。

スローブン氏は、中国でのエクスポージャーを減らして、タイなど成長する製造拠点に足場を広げようとしている。

「チャンスがありそうなのは、タイ、ベトナム、マレーシア、そしてカンボジアだ」とスローブン氏。「だが、皆が思うほど簡単ではない。中国で次に何が起きるのかも分からない」


医療機器から農業用具に至る米国の製造メーカー10数社をロイターが取材したところ、自国向け輸出を手掛ける企業が、どのように中国における製造戦略を見直そうとしているかが浮き彫りになった。

「関税の話が出る前は、生産全体の3割を中国から米国に移すことを検討していた」と、医療製品の米製造会社プレミアガードで欧州ディレクターを務めるチャールズ・ハブス氏は言う。賃金上昇や労働力の縮小、コスト急騰が、その理由だった。

「最近の関税を巡る動きを受け、実際に関税が発効するならば、生産の6割を中国から米国に移すことになるだろう」

他の米国企業も、選択肢を急ぎ検討している。

「現在の関税環境を踏まえれば、われわれのような企業が、社内でその影響を試算し、その軽減策を講じることは、自然なことだ」と中国を拠点とする米大手製造企業の幹部は語った。

対策としては、「中国からの調達拡大を控え、他の国からの調達に切り替えるか、雇用を米国に再移転する」ことなどが検討されるという。

<脅かされるサプライチェーン>

トランプ米大統領が、中国製品に対して追加的な関税発動を脅していることもあり、報復的な貿易戦争の拡大は、深く絡み合い、グローバル化したサプライチェーンに甚大な影響を与える可能性がある。

直接的な打撃を受ける企業もある。

米ジョージア州を拠点とする農業機械メーカーAGCO(AGCO.N)は、米通商代表部(USTR)に対し、江蘇州常州市で製造している農業器具が、関税措置により米国で「価格競争力を失う」と警告した。


化学メーカーのマルーン・グループも、「価格面で市場から追いやられる」と警鐘を鳴らす。米ヒューストンで中国製部品を使ってエアコンを組み立てているグッドマン・グローバルも同様の悩みを抱える。

すでに対策に動いた企業もある。アットホーム・グループ(HOME.N)やRH(RH.N)といった米家具メーカーは、中国生産を減らすことを明らかにした。

サプライチェーンの調整で対応しようと試みている企業もある。蘭栄養食品ロイヤル傘下のDSMチャイナは、中国政府による報復関税を避けるため、原料となる米国産大豆をえんどう豆パウダーなどに置き換えられないか、検討している。

貿易摩擦リスクが高まったことで、「ビジネス全体の見方を再確認するよい機会となった」と、DSMチャイナでグローバル戦略マーケティング責任者を務めるバーナード・チュン氏は語る。

また、サプライチェーンのどこに位置しているかによっても、対応は変わってくる。

米GMMノンスティック・コーティングスは、中国において、米調理器具メーカーのジョージ・フォアマンやベイカーズ・シークレットなどからの製品コーティング用薬品受注が3─4割減少したことを受け、一部の生産をインドに移した。

これらの顧客は、生産の一部を中国から移転しているという。

「この関税騒ぎで、中国に拠点を持つことに対する圧力が一層高まり、米国企業の調達部門が(生産移転を)極めて容易に決断できるようになっている」と、GMMのラビン・ガンジー最高経営責任者(CEO)は語る。

<2兆ドルの問題>

とはいえ、現段階では、中国にとどまる米国企業も多数存在する。特に中国やアジア地域の巨大市場を狙う企業はなおさらだ、とGMMのガンジーCEOは指摘する。


Slideshow (2 Images)


中国には依然として最適なインフラやサプライチェーン、エンジニアの人材があり、低コストをテコに企業誘致を狙う他の国々にとって、大きなハードルになっている、と業界幹部らはロイターに語った。

規模の面をみても、中国に代わる存在はそうは現れない。米シンクタンクのブルッキングス研究所が7月発表した報告書によると、中国製造業の生産額は約2兆ドル(約220兆円)で、世界最大だった。

米カリフォルニア州サンタモニカに本拠を置く電動キックスクーター製造スタートアップのバードは、「バードの規模やニーズに合う電動スクーターを生産できる業者は、米国にはいないと認識している」と、6月にUSTRに提出した意見書で述べている。

同じく中国でスクーターを製造する米新興企業バイテロジックスを率いるキース・シーラッツ氏は、中国からの生産移転は難しいと話す。その代わり、当面はコスト上昇分を負担する一方で、関税影響を受けにくい欧州での事業を拡大する考えだという。

中国の製造業が一夜で消えることはないにせよ、生産拠点のシフトは避けられない──。そう語るのは、特殊な業務用輸送梱包材の製造を手掛ける米プロコンパシフィックで、上海を拠点とするアジア事業の責任者を務めるダン・クラッセンスタイン氏だ。

中国政府が環境汚染源となる利幅の少ない産業に対する締め付けを強めたことで、より安価な労働力を求めて、南アジアや東南アジアへの製造拠点の移転を始めていた、と同氏は語る。

関税強化は「その動きを加速するだけだ」と付け加えた。

プロコンパシフィックは、約5年前まで全ての製造を中国で行っていたが、現在は4分の1をインドで、5─10%をベトナムで製造している。

<そろばん勘定>

中国南部の珠江デルタでは、産業や商業用拠点の賃貸コストが、この8年で8割上昇。一方で、企業側は、労働コストの急騰に不満の声を漏らしている。


AGCO Corp60.32


AGCO.NNew York Stock Exchange

+0.31(+0.52%)


AGCO.N
AGCO.N
HOME.N
RH.N

「生産コストは、米国の方が中国より安い」と、化学メーカー、ワンダフル・グループのマーケティング担当Yuan Juyou氏は言う。「労働コストは高いが、生産工程の多くが自動化されている。それに加え、電気代や土地代などは、中国より安い」

中国製造会社マルコ・ポーロ傘下のワンダフル・グループは、6月に米テネシー州の新工場から製品出荷を始めた。

アジアの競合国も、中国の地位を脅かす機会をうかがい始めている。

タイは、自国をアジアの生産ハブとして積極的に売り込んでおり、特定産業における最大8年間の法人税免除や、一部原材料の輸入関税免除などのインセンティブを提供している。

タイ投資委員会によると、同国の法人税率は20%で、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の中で2番目に低い水準だ。

タイはすでに、一部家電製品や部品の主要な生産拠点となっており、政府は対象産業の振興を図るため、数カ所の工業団地建設を計画している。

中国とASEANの自由貿易協定も、米中両国と取引している企業にとって、貿易戦争リスクを軽減する効果がある。

「タイ政府は現在、大変容易に拠点を自国に移せるように努めている」と、前出のスローベン氏は指摘。

「かつて中国は、製造業を歓迎していた。だが今ではそこでの成長には関心がなく、ハイテクに注目している」とスローベン氏。「それは妻が夫に、もう愛していない、と告げるようなものかもしれない」

(Samantha Vadas記者, Adam Jourdan記者、Anne Marie Roantree記者、翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

71. 中川隆[-13723] koaQ7Jey 2018年8月21日 20:52:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18010] 報告

ジョージ・ソロス氏、淡々と米国株空売りを増額2018年8月21日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7859

引き続き、機関投資家のポジションを開示するForm 13Fである。前回はドラッケンミラー氏のポートフォリオを紹介した。

•ドラッケンミラー氏、米国ハイテク株の買いを継続

今回は彼の師にあたる著名投資家ジョージ・ソロス氏のSoros Fund Managementの開示情報を紹介する。

沈黙するForm 13F

先ず強調したいのは、以前より説明しているForm 13Fの「不気味な沈黙」が続いているということである。Form 13Fとは基本的に機関投資家の米国株買いポジションのみを開示するものであるので、機関投資家が相場に弱気の場合には、買い持ちのポジションが少なく、開示されるポートフォリオは閑散としていることになる。

今回のForm 13Fでは、開示されたポジションの合計金額は60億ドルであり、これは何百億ドルと言われるSoros Fund Managementの資金総額の恐らくは10%程度である。ソロス氏が米国株に強気の場合には開示に含まれる会持ちポジションはもっと多額になるはずなので、ソロス氏が株式に強気であるとは言い難く、この「閑散」が不気味であるとここでは報じている。

さて、Form 13Fでは基本的に買いポジションしか開示されないが、買いでも実質的には空売りの方向に作用するポジションがあり、これは開示に含まれている。それが何かと言えば、プット・オプションの買いである。プット・オプションとは株価が下落した場合に利益の出る取引だが、形式的にはオプションを「買う」ことになるためForm 13Fで開示される。

そして今回、この閑散とした開示ポートフォリオの中で最も金額が大きいのが、米国の株価指数であるS&P 500のETFに対するプット・オプションなのである。因みに株価上昇に賭けるコール・オプションも同時に買われているが、こちらの方が少額となっている。

•SPDR S&P 500 ETFプット: 6億2606万ドル
•SPDR S&P 500 ETFコール: 1億6955万ドル

因みにこのポジションは3月末の開示にも存在したが、金額が3倍になっている。

プット(下落方向に賭ける)とコール(上昇方向に賭ける)を同時に買い、そしてプットの金額の方が大きいというポジションの意味は、個人投資家にはなかなか分かりにくいかもしれないが、端的に説明すれば、「ボラティリティ上昇と株価下落の両方に賭けるポジション」だということになる。

つまり、ソロス氏は株式市場が荒れ、かつ下落することを予想していることになる。S&P 500は2月の世界同時株安の後、以下のように推移している。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/08/2018-8-21-s-and-p-500-chart.png

結論

勿論、これらのポジションもSoros Fund Managementの資産総額から見れば小さなポジションである。しかし、彼が米国株に強気ならばもっと買いポジションの開示があるはずであり、株式市場が荒れないと思っているのであれば、オプションの買いを行うことはないだろうということを指摘しておきたい。

そして何より、ソロス氏は2月の世界同時株安の後、「われわれは次の大きな金融危機に向かっているのかもしれない」というコメントを残している。ここから予想出来ることは、おそらくソロス氏の今の相場観は、筆者のものとほぼ同じだということである。

•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている
•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始

また、ソロス氏の他に、著名投資家ではジェイコブ・ロスチャイルド氏も慎重な姿勢を示していたことを思い出したい。

•ロスチャイルド卿: 今はリスクを取る時ではない、株価は量的緩和で底上げされている

それでも、下落相場とは大半の投資家がそれと気づかないうちに進行するものである。ここの記事も、著名投資家の言葉も、実際に下落が決定的なものとなるまでは顧みられないだろう。しかし起こってからでは遅いのである。

72. 中川隆[-13684] koaQ7Jey 2018年8月28日 09:39:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18118] 報告

自民党総裁選と株価
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53091813.html
2018年08月27日 在野のアナリスト


自民党の石破氏が総裁選にむけて、政策を発表しました。しかし経済政策は石破ビジョンを達成するために日本創生会議を立ち上げ…と、何だか安倍政権で行われている経済財政諮問会議との違いも分かりませんし、安倍政権で乱立する各種会議ともかぶります。多くの知見を集める、という意味で会議を行うのは分かりますが、名前を変えるのは独自色をだしたいから名前を変える、というのなら、それは安倍氏との違いを見出しにくくもなります。

キャッチフレーズとした「正直、公正」が安倍氏への個人攻撃だ、として一時撤回する意向もにじませました。しかしそれが党内でさえ、安倍氏への個人攻撃と認識されてしまう点が大きな問題です。むしろ政治家として、こんな常識的なことですらキャッチフレーズになるほどに、今の政界は腐っているということなのでしょう。最終的にこのキャッチフレーズは残りましたが、これが個人攻撃になる人と、それを掲げるのを躊躇う人との戦い、そう考えると、この総裁選は政治家としての資質に疑問のある二人の戦い、といえるかもしれません。

そんな中、株式市場は絶好調です。嘘か真か、「安倍氏が出馬表明したから、ここから日系の証券会社が株価を落とさないようコントロールするはずだ」などの噂も流れる。株高を成果としてきた安倍政権の援護射撃を、財界が行うというのです。それは日経新聞の世論調査で、次の総裁にふさわしい人、として安倍氏が39%、石破氏が31%となったことでも裏付けられます。これまでの多くの調査では、「自民党支持層に限って」安倍氏が圧倒的にリードとされ、無党派も含めると石破氏が上回っていました。それを安倍氏がこれだけ明確に、無党派層もふくめて上回ったのは、いよいよ安倍氏の側からムチが入って、安倍氏礼賛の記事を大量に流すよう、要請があったためかもしれません。

安倍氏が圧勝に拘るのは、総裁任期を3期までから無期限にしたい。接戦ではまた次の総裁選を厳しくするためです。そして、それに財界も協力する。よく証券アナリストが「政治の安定が株高をもたらす」なる言説を用いるのも、ほぼ同じです。しかし前回の米大統領選でも大方の予想を覆して、トランプ氏が大統領になると、一気に株高がすすんだ。

株高をもたらすのは『政治の安定』ではなく『政策』です。両氏がどんな経済政策を訴えているか? が重要で、結果がみえたときにその政策により次の株価の居心地のよい水準を決定することになる。

それだけのことでしかないのですが、榊原前経団連会長と、メディア幹部によって財界の流れは安倍支持で固定化している、だからこんなおかしな言説をとる人がでてきます。安倍政権が継続するなら、特に経済政策はでてきていないので、よくて横這いのBOX相場を継続、悪くて失望売りが嵩む、という感じにしかなりませんが、そうなっては困るので、外国人投資家が夏季休暇の間に…と頑張って上げておくのです。

しかし米中貿易協議の再開から弱いリスクオン相場になっていますが、それを覆すのが米朝協議の先送りです。トランプ流のディールの一環ですが、今はまだ北朝鮮の暴発というシナリオの確率は高くないとしても、猛暑と干天、それにこの前の台風19号が直撃した北朝鮮が、この交渉先送りにどこまで耐えられるか? それ次第では、中国が先に動いてくる可能性は高い。今、米中貿易協議は人民元の切り上げで、プラザ合意並みの水準をめざすのでは? とも囁かれますが、私はその見立てには疑問を感じています。

それは米共産党幹部による、対外資産を目減りさせるのであり、中国からの米国投資を激減させる可能性を秘めるからです。NAFTAの交渉でも、メキシコと近々合意と伝わるのも米国の軟化が理由です。2000億$の追加関税も、公聴会が立て込んでおり、規模が大きくて調査に時間がかかり、結論が先送りされる可能性が高い。むしろ中間選挙の敗北がみえてくるトランプ氏のレイムダック化、が懸念されるのです。トランプ氏の交渉能力の欠如、それを意識されたとき、リスクオン相場も限界を迎えるのでしょう。

73. 中川隆[-13674] koaQ7Jey 2018年8月28日 12:51:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18121] 報告

パウエル議長の致命的誤りが株式市場暴落の理由となる2018年8月27日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7872


アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)のパウエル議長がジャクソンホールで講演を行った。現在行われている利上げと量的引き締めというアメリカの金融引き締め政策を擁護する内容であり、引き締めの継続を宣言した。

大変残念ながら、彼の判断は間違っている。パウエル議長が彼の理屈で金融引き締めを続ければ、株式市場は確実に崩壊し、世界経済は不況に陥るだろう。

その根拠は何か? パウエル議長のマクロ経済理論に欠陥があることである。今回の記事では、パウエル議長の主張をジャクソンホールにおける公演から引用した上で、それがどう間違っており、どう危険であるのかをヘッジファンドマネージャーの観点から指摘したいと思う。より具体的には、著名ファンドマネージャーであるジョージ・ソロス氏の「再帰性理論」を用いて、パウエル議長の主張の間違いを指摘してゆく。

パウエル議長のアメリカ経済見通し

政治的にも共和党であり、経済に政府が介入しない「小さな政府」を信じる傾向の強いパウエル議長は、金融危機後の金融緩和から離脱し、金融引き締めを行っていることを正当化する。


経済が堅調になるにつれて、われわれは政策金利を金融危機後のゼロ金利から、徐々に正常な水準へと引き上げてきた。

家計と企業の状況は良く、雇用創出も健全な水準で、賃金は上がり、財政出動も期待できる。経済の堅調さが今後も継続すると信じるに足る理由がある。

もし賃金や雇用の高成長がこのまま続くのであれば、政策金利の更なる引き上げが適切になるだろう。

この理屈は明確に、そして完全に間違っているのだが、読者には何が間違っているかがお分かりだろうか?

これは非常に「模範的」な考え方である。多くの中央銀行家はこの理論を「普通の考え方」だと思うだろう。しかし、そもそも中央銀行の常識が完全に間違っているとすればどうだろうか?

例えば、2008年を考えてみてもらいたい。リーマンショック直前まで、世界経済は非常に良い状態にあった。2008年に限らず、バブル崩壊の直前とは経済も金融市場も非常に好調となるのが普通である。経済指標だけを見ていれば、金融引き締めの手を緩める必要性など無いということになるだろう。しかし、それでも金融危機は起き、中央銀行は事後的に緩和に転じることを余儀なくされるのである。

実体経済は実体経済だけでは決まらない

では、何が問題なのか? パウエル議長の発言に代表される中央銀行の常識の致命的な欠陥とは、実体経済を予測するために実体経済だけを見ていては完全に不十分だということである。

リーマンショックでは、実体経済は好調だったにもかかわらず、金融市場におけるショックが世界経済から資金の流出を引き起こし、実体経済から資金が引き上げられたため、結果として実体経済が景気後退に陥ることとなった。こうしたケースにおいて実体経済の減退は最初に起こるのではなく、一番最後なのである。

著名ファンドマネージャーのジョージ・ソロス氏は、経済主体が経済を動かす要素として以下の2つのものを挙げている。
•関与機能
•認知機能

関与機能とは、実際に経済主体、つまり企業や消費者が経済活動を行うことである。例えば、ものを作ったり、売ったり、あるいは買ったりすることである。

一方、認知機能とはそうした経済活動を認識する能力のことである。消費者や企業、そして中央銀行などが、上記の経済活動をどのように見ているか、ということである。

経済においては、この認知機能が実務的な役割を果たしている。金融市場である。金融市場では、人々が経済や企業に強気か、弱気かということが、数字となって現れるのである。株価や債券価格、金利などである。

問題は、認知機能によって現れるこの数字が、実体経済に関与するということである。株価が上がれば、企業は株式市場で資金を集めやすくなるだろう。債券価格が上がり、金利が下がれば、借り入れによる資金調達が簡単になるだろう。逆に、資産価格が下落すれば、企業の借り入れや家計のローンなどが厳しい状態に陥るというわけである。

実際に、リーマンショックでは金融市場の問題が実体経済に影響を及ぼし、結果として実体経済は深刻な景気後退に陥った。必ずしも実体経済が悪いから金融市場が崩壊するわけではないのである。

このように、実際の経済においては関与機能(実体経済)と認知機能(金融市場)が相互に影響を及ぼし合っている。これがジョージ・ソロス氏の再帰理論である。彼の著書

『ソロスの錬金術』
https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E7%89%88-%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%81%AE%E9%8C%AC%E9%87%91%E8%A1%93-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B9/dp/4862801307/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&qid=1475935090&sr=8-1&keywords=%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%81%AE%E9%8C%AC%E9%87%91%E8%A1%93&linkCode=sl1&tag=globalmacrore-22&linkId=b05bfe911ef625c85c0bf8b83676555c


で実例を用いて詳しく説明されている。当然、ここの読者は再帰理論について良く知っているものと思いたい。投資家にとって必読だからである。

結論

さて、ここまで説明すれば、パウエル議長の議論の何が間違っているか、読者にも分かったのではないだろうか。

パウエル議長の議論では、実体経済の数字しか挙げられていない。彼の挙げる数字は、インフレ率、失業率、経済成長率などの数字であり、金融市場に関する数字は一切出てこない。

しかし、このスタンスは現在の世界経済の状況にとって致命的な誤りとなる可能性がある。何故ならば、アメリカの金融引き締めで先に音を上げるのは、恐らく実体経済ではなく金融市場だからである。以下の記事を参照してもらいたい。

•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた

そうなれば、金融市場が先にダメージを受け、その影響が実体経済に及ぶことになる。この順序の場合、パウエル議長のように実体経済の数字だけを考えていれば、それらの数字が悪化するのは一番最後ということになり、完全に手遅れとなってしまうだろう。

こうした見方は、著名ファンドマネージャーではむしろ当たり前の見方だが、それを中央銀行が学ぶ可能性は限りなく低いだろう。


•ガントラック氏: 株式市場は高金利に耐えられない
•ロスチャイルド卿: 今はリスクを取る時ではない、株価は量的緩和で底上げされている


世界経済の問題は、中央銀行に優秀な人材が行かないということである。彼らのマクロ経済学はもう何十年もの間時代遅れのままであり、彼らの知識水準が第一線のヘッジファンドマネージャーの水準に追いつくことはない。

何故ならば、Fedの議長とヘッジファンド運用者では報酬の水準の桁が違うからである。ヘッジファンドが運用出来るのに、Fedの議長となる人物は居ない。

ただ、それを批判したところで現実は変わらず、中央銀行は間違えるということになる。投資家は、この状況に淡々と対処する必要がある。わたしの相場観は、既に説明している通りである。


•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている
•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始


市場崩壊とはいえ、すべてのものが同時に下落するわけではない。例えば米国株の下落は一番最後だろう。したがってどの市場に手を付けるかということが重要なのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7872

74. 中川隆[-13651] koaQ7Jey 2018年8月31日 08:59:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18139] 報告

平野憲一の株のお話 2018.08.31 難しくなりましたが、


 昨日の日経平均は、米株高・ドル高・原油高で、朝方2万3000円を付けましたが、後はじり貧で、かろうじて8連騰を維持する予想外の低調さでした。ここで買い上がるエネルギーはまだ少ない様です。アベノミクス相場で8連騰は6回ありましたが、その後上げたのが3回、横這い2回、下落1回となっています。
 今回も、2万3000円を抜けて行けないのでしょうか。

難しい日本株など止めて、米国株を買った方が良いと言う意見が増えています。
実際、証券会社も手数料の美味しい外国株を盛んにやっているようです。

しかし先週の日経平均の上げは、逆に、PER割高な米国株を売って割安な日経平均を買ったファンドグループの動きと言われます。

 米国への資金流入が長期金利を上がりにくくし、10年債と2年債の金利差は0.2%程しかなくなりました。長短金利の逆転は景気後退のシグナルと言われます。

米国株を安易に買うのも不安があります。
この辺の複雑な投資家心理が、日本株の上値限定相場の大きな理由かもしれません。
http://kasset.blog.fc2.com/

75. 中川隆[-13644] koaQ7Jey 2018年8月31日 10:57:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18139] 報告

リーマンショック以来の天井を形成中2018年8月30日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7886

さて、今は恐らく2008年の金融危機以来、もっとも面白く、もっとも重要なタイミングではないか。リーマンショック以後、量的緩和によって醸成されてきた巨大バブルが大天井を形成しようとしているからである。

新興国市場が軒並み暴落しているにもかかわらず、先進国は比較的無事である。アメリカの株価指数S&P 500は史上最高値を更新し続けている。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/08/2018-8-30-s-and-p-500-chart.png

去年から言い続けていることだが、世界市場から資金が引き揚げられる時、すべての市場が同時に下落するわけではない。リスクの高い市場から順に下落してゆき、米国株は一番最後となる。一番最初は新興国であり、その次が日本や欧州などの先進国である。

では日経平均はどうなっているかというと、上がってはいるが2月の高値に達していない。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/08/2018-8-30-nikkei-225-chart.png


すべてシナリオ通りである。先進国の状況ほど中国株が回復していないことも、またシナリオ通りである。以下は上海総合指数のチャートである。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/08/2018-8-30-shanghai-composite-chart.png

アメリカの金融引き締めは半年続く

その原因は、読者も知っての通り、アメリカの金融引き締めである。市場を暴騰させた量的緩和と同じ勢いでマネタリーベースを縮小しているのだから、株式市場にとって量的緩和と同じ規模のマイナスとならなければ理屈に合わない。これを信じていないのは、リーマンショックさえ経験したことのない、上げ相場しか知らない若い投資家だけである。

より実践的な話題に戻ろう。先ず、筆者は最初にドル円の空売りを宣言して、その後株式市場に弱気な相場観を表明した。

•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始 (2018/7/15)
•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた (2018/7/28)
•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている (2018/7/31)


これには理由がある。アメリカがこれだけ利上げをしているにもかかわらずドル円が上昇しない謎については以下の記事で表明している。

•2018年、円高ドル安の理由

この記事の理屈によれば、リスクオフによるドル円の下方圧力は、日本市場や米国市場に限らないということになる。だから、影響が日経平均に波及する前でも、ドル円は単独で下落する可能性が高い。事実、2月の世界同時株安では、株式市場よりも先にドル円が下落している。

この予想が奏功したようであり、ドル円は空売り開始の112円台から現状で下落ということになっている。他のすべてが下がり続ける状況で米国株だけが上がる、という天井に典型的な相場では、米国株に影響される日経平均よりドル円の方が上値が重い状況が続くだろう。

一方で、個人的なポジションについて語れば、筆者は既に日経平均の空売りを始めている。ポジション開始についてここに書いていないことから分かるように、ドル円ほどの規模のポジションではないが、ここ数日の上げで空売りをやや増量した。

ここから先は、2008年以来の上げ相場の大天井をどうトレードするかという問題である。個人的な方針は、このままドル円より日経平均が堅調となる状況が続くのであれば、日経平均の空売りを更に増やすというものである。

もしかしたら23,000円が天井となるのかもしれない。そうでないかもしれない。重要なのは、どちらとなっても利益が出るように、今後のトレード方針を決めておくことである。筆者は上記のように決めている。他にも、ボラティリティ・インデックスの買いなどが有効な戦略となるかもしれない。

いずれにしても、重要なのは短期的な値動きではなく、ここが大天井であるという相場観が当たるかどうかである。少なくとも筆者はそう考えている。そして天井付近では、株価の値動きは非常に荒いものとなるだろう。それに惑わされないことである。

以下の記事を熟読の上、読者にはそれぞれの自分の判断を下してもらいたい。

•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた
•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている
•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始

何度も言うが、ここ10年でもっとも面白い状況なのである
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7886

76. 中川隆[-13622] koaQ7Jey 2018年9月02日 10:29:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18157] 報告

2018年8月31日 :米国経済、「景気の山」へ急接近か

[ロンドン 30日 ロイター] - 米国の景気は、減税や企業と消費者の信頼感がしっかりしているおかげで拡大が続いているという兆候が読み取れる。

ただし拡大期間の長さと、労働市場および財市場のスラック(需給の緩み)が限られているように見える点の双方が、現在の成長ペースは恐らく中期的には持続できないことを示唆している。

景気拡大は足元で110カ月目を迎え、来年7月まで続けば過去最長を記録する。

この長さだけでは景気の転換点を占う適切な材料にはならないが、ほとんどの金融関連、実体経済関連の指標が数十年来の強い水準近辺にあり、リスクバランスは変化しつつある。

米国における景気循環研究の権威であるビクター・ザーノウィッツ氏は1992年の論文で「一番大事なのはカレンダー上の時間の経過ではなく、その間動き続ける経済に何が起きたかだ。それは数々のイベントとプロセス、知見、行動に満たされた歴史的、心理的な時間と言える」と記した。

さらにザーノウィッツ氏は「1つの単純な論理的帰結は、現在の景気循環局面とその長さに関する知識は役に立つものの、それだけを使ってはいけないということ。景気の拡大と縮小の長さはばらつきがあまりに大きく、転換点を予想するのは極めて難しい。ある局面の長さは、その終わりを見通す上で大して有益ではなく、進化を続ける景気情勢のダイナミクスの方が意味がある」と指摘した。

同氏によると、最も大きな予想の間違いが起きるのは景気循環の変わり目付近、特に景気の山においてだ。多くの人は直近のイベントや事態の展開に過度の影響を受け、足元の流れに身を任せてしまい、景気後退や回復を見逃すという意味で循環の視点が不十分になるという。

<逆イールド>


米国債の「逆イールド化」と景気減速は数十年にわたってかなり相関関係を持つだけに、現時点で長短利回りスプレッドがゼロに近づいていることで、景気減速懸念が高まってきた。

2年債と10年債の利回りスプレッドは現在わずか22ベーシスポイント(bp)と、直近の景気後退が始まった2007年12月の数カ月前以来の低水準になっている。

このスプレッドは、1983年以降のいくつもの景気循環に関してパーセンタイル順位で分類した場合、82番目─83番目の段階に相当し、景気が既に相当に成熟し、金融が引き締まっている局面に入っていることが分かる。

次の景気減速の正確なタイミングやその深さを予測するのは不可能だが、利回りスプレッドの縮小からは、今後数年間の景気動向のリスク分布が下振れ方向にシフトしている様子がうかがえる。

またインフレ加速や新興国危機、金融政策の失敗、企業の財務悪化といった事態が悪くなるシナリオは増えている半面、万事順調というシナリオは少なくなっている。

足元の小幅な利回りスプレッドは、購買担当者景気指数(PMI)や消費者信頼感、失業率、消費者物価指数、株価など多くの指標の動きとも一致する。

これらは全て、景気循環の山が近づいていて、向こう1年から2年の間に景気後退に陥らないとしても、成長がより緩やかになる公算が大きいことを示している。

重大な問題は、次の景気減速が単なる小休止で拡大自体は続く(1994/95年のケース)のか、あるいは現在の循環が終わって新たな循環が始まる(2000/01年ないし07/08年)起点になるのかだ。

77. 中川隆[-13642] koaQ7Jey 2018年9月04日 06:36:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18214] 報告
アルゼンチンの政策金利は60%に 新興国通貨下落の日本円への影響は
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180903-00000006-moneypost-bus_all

マネーポストWEB 9/3(月) 20:00配信


政策金利引き上げでアルゼンチン・ペソを防衛することができるか(写真:アフロ)


 8月末の海外市場では、新興国通貨が大きく下落した。アルゼンチン・ペソが、対ドルで急落し、最安値を更新したことで、アルゼンチン中央銀行は、政策金利を45%から60%に引き上げた。

 アルゼンチン国内のインフレ率を抑えると同時に、通貨アルゼンチン・ペソの防衛を計る目的での利上げと思量できる。

 つまり、政策金利を引き上げることで、「米ドル買い/アルゼンチン・ペソ売り」を抑制し、市場参加者の気持ちを「米ドル売り/アルゼンチン・ペソ買い」に向けることが、その意図と考える。

 政策金利を45%から60%に引き上げたということは、15%の利上げだ。もちろん、大幅な利上げであることは言うまでもない。しかし、この金利政策で、通貨アルゼンチン・ペソを防衛できるかは懐疑的だ。

 いや、もっとはっきり言うならば、政策金利が60%の国に誰も投資をしようとは思わないだろうから、通貨防衛は難しいのではないか。60%の政策金利は、やはり異常だ。マーケットは、アルゼンチンに投資すること自体を避ける方向に向かうだろう。

 新興国通貨の下落で、メキシコ・ペソや、南アフリカ・ランド、トルコ・リラの下落も目立っている。

 そして、新興国通貨の下落は、豪ドルの下落にも波及している。豪ドルは、メジャーカレンシーに分類されることが多いのだが、米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドなどと比較すると、新興国通貨に近い性質がある、ということだ。

 トルコ・リラが大きく急落した8月中旬に、それを契機に「安全な避難通貨としての日本円」に資金(資本)が流入する可能性がある、と予想したが、8月末の海外市場では、まさにそういった値動きが顕在化した。

 8月末の海外市場では、ドル/円が、111円台後半から111.00円割れ(110円台後半)に急落したのだが、「安全な避難通貨としての日本円」が注目されたことが、その理由だろう。

 つまり、新興国通貨の下落が日本円の買いに波及し、その結果として、ユーロ/円などのクロス円も下落したと判断できる。

 新興国通貨の下落は、簡単に収まる一時的な問題ではないだろう。さらに新興国通貨に売り圧力がかかるならば、ユーロ/円やクロス円の下落に波及するのではないか、と予想される。

(2018年09月03日東京時間12:00記述)

78. 中川隆[-13639] koaQ7Jey 2018年9月04日 07:12:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18214] 報告

2018年09月04日
国内輸入車販売 あまり増えていなかった


輸入車が急増した気がするが、数字ではリーマン前に回復しただけだった


画像引用:ぐるっと郡山https://www.gurutto-koriyama.com/db_img/cl_img/768/main.jpg

輸入車実は増えていなかった

2017年の輸入車(外国メーカーのみ)は3.7%増の30万6088台と久しぶりに30万台を超えました。

輸入車が最も売れた20年前は1997年、1ドル70円台の超円高になった1995年の2年後で、外国車が値下がりした時期でした。

2011年にも1ドル70円台になったが日米の物価の影響で、95年の1ドル70円台は現在の1ドル60円台に相当する。




当時はクラウンよりBMWの値段が安くなり、輸入車ブームが起きていました。

2017年の国内自動車販売は523.4万台だったので輸入車シェアは約5.8%で軽を除くと9.1%でした。

メディアによると輸入車のシェアは年々増えているが、「軽を除く」なので実態を表していない。


軽自動車の販売比率が増加して1980年に15%だったのが95年に25%、2010年に35%で最近は40%近い。

これでは軽を除く統計に意味がなくなってしまい、輸入車の販売比率はあまり増えていないことになる。

販売台数でも2009年から見ると10年連続増加だが、リーマンショック以前に回復しただけでそれほど増えていない。


中国の輸入車シェアは4.2%と低いが韓国は15%、アメリカは35%程度、ドイツは6割近くが輸入車でした。

ドイツの自動車販売からオペルを含むドイツメーカーを除くと67%のシェアがあり、国産比率が低い。

かわりにドイツはEU内で関税無税なので、東欧などコストが安い国で生産して利益だけを得ている。

対米黒字の75%が自動車だった

日本で売れている輸入車はベンツ、VW、BMWのドイツ御三家でアウディとポルシェもVWグループです。

以下ミニ、ボルボ、ジープ、プジョー、ルノーと続きアメリカからはジープ(約1万台)だけでした。

以前はVW1位、BMW2位、ベンツ3位だったが上位3社はそっくり順番が入れ替わっている。


ベンツは低価格車を増やしたのに対しVWは高価各車が増え、ユーザーは「車格」が上のベンツを好んでいる。

日本の輸入車ユーザーは車格やステータスにこだわるのが特徴的で、実用性で選んではいない。

車種別では「MINI」が1位でVWゴルフが2位、ベンツCクラスは3位、4位以下はBMWなどドイツ御三家が並んでいる。


米国車は合計1万3894台でジープが1万0102台なのでジープ以外の米国車は3792台しか売れなかった。

米ビッグ3の2017年の販売台数は合計816台でGMは52台しか売れず、おそらくテスラより少なかった。

日本からアメリカには年間170万台を輸出し、対米貿易黒字の75%を占めている。


ここにトランプは文句を言っていて、こうした偏った商売を長期間続けるのは難しいでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/77409071.html

79. 中川隆[-13607] koaQ7Jey 2018年9月06日 13:21:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18247] 報告

米株が下がれば日本の年金は蒸発する〜増え続ける世界の負債が経済をダメにする=吉田繁治 2018年9月2日
https://www.mag2.com/p/money/520934


現在の世界の経済問題の基底に、増え過ぎた負債があります。これが様々な現象(通貨の下落、金利の上昇、物価の上昇、GDPの増加率の低下)として現れています。

米国株と運命をともにする日本の年金、この先の世界経済は…

諸悪の根源は「負債の増加」

現在の経済問題の根源には、世界の負債の増加があります。対外負債が、外貨準備より大きな新興国の通貨が、ドルの引き揚げ、つまり、「新興国通貨売り/ドル買い」によって下落し、物価インフレと債務危機を招いています。

ドル建て債務の金額が、価値が下がる自国通貨によって、増えたようになっているからです。

日経新聞の小さなコラムで、世界の負債(政府債務+企業債務+世帯債務)が2京7000兆円に増え、世界のGDP(約8500兆円)の3倍になっているという記事がありました(国際金融協会の集計)。

リーマン危機後の、金融対策費としての通貨増発は、米国FRB、欧州ECB、人民銀行、日銀の合計で$20兆(2200兆円)でした。そのマネーが、比較的金利の高い新興国の債券(国債)の購入になり、新興国の債務を増やしてきたのです。

新興国の国債が売られ、ドルに回帰すると、経済規模が小さい新興国は、簡単に通貨が下がって金利は上昇し、輸入物価が高騰するインフレの危機になって行きます。

GDPが1500兆円(2018年)と、日本の約3倍になった中国の人民元も、経済成長の減速から、元の売りの超過があり、2018年6月の1元17.4円から16.3円(18年8月29日)にまで、6.3%下がっています。

ただし中国では、過去の経常収支(いわば国の利益)の黒字から$3.11兆(342兆円)の、外貨(推計80%はドル債)があり、人民銀行が管理しています。当局が想定していない元安(元の売りの超過)に対しては、外貨準備のドル売りで対抗できるため、元は暴落していません。

重要なことは、中国では、常に「元売り/ドル買い」の動きがあり、何かをきっかけに吹き出すことです。



2015年の、世界の株価の暴落をもたらした元安がこれでした。※筆者注:このときは、1元20円の元高(15年4月)から、15.2円(16年8月)の元安にまで、対円で24%も下げています。通貨の下落は資本集出です。
※参考:http://ecodb.net/exchange/cny_jpy.html

「米利上げ」が新興国を谷底へ突き落とす

トルコのリラ(50%下落)、アルゼンチンのペソ(40%下落)、ブラジルのレアル(30%下落)、インドのルピー(10%下落)、南アフリカのランド(15%下落)では、・政府、中央銀行がもつ外貨準備が少なく、・対外負債の増加になる経常収支は赤字です(下落率はいずれも対ドル:8月14日時点)。

こうした新興国の通貨下落が、2018年6月の、米国FRBによるわずか0.25%のドルの利上げによって起こったのです。

理由は、新興国を含む世界の負債が、特に2008年のリーマン危機以降、GDPの増加率を超えて大きくなってきたからです。(筆者注:FRBは、トランプの意見に反して、18年9月と12月に、0.25%ずつ利上げの予定を言っています)。

企業でも、GDPに当たる売上収益(粗利益)より、負債の増加率が大きすぎることが続けば、利払いと返済の危機から、倒産にも至ります。世帯も、所得より負債の増加が大きいことが続けば破産します。これが負債の意味です。

借り入れが増えることができる間は、いい。信用の一定線を超えて、借り入れと、国債、社債、株券などの債券(=いずれも債務証券)の発行を増やすことができなくなれば、襲ってくるのは返済と利払いです。

もともと足りないから借りていた。マネーが足りない中で、返済と利払いになるので、一挙に金融危機から経済危機になって行く、というわけです。

世界の経済問題の基底は、大きくなりすぎた負債

現在の、世界の経済問題の基底に、2008年以降、増え過ぎた負債があります。これが、様々な現象(通貨の下落、金利の上昇、物価の上昇、GDPの増加率の低下)となって、現れているのです。

日本では、財政赤字から発行が増え続けている国債の問題です。中国では、リーマン危機以降の、輸出急減の中でとられた内需対策の、高い住宅建設を増やした企業債務の大きさの問題です。

米国では、経常収支の赤字の増加からきている対外債務($35兆:3850兆円:2017年)の大きさの問題です。

トランプが、世界に対して輸入課税策(25%課税)を取っているのは、国内の減税(10年で$1.5兆:150兆円)と軍事支出の増加(7兆円増加して73兆円)から、米国の経常収支(貿易収支+所得収支)が、1年に$1兆レベルと大きくなり、対外負債が$40兆に向かっているからです。

対外債務が$40兆になると、3%という低いドル金利でも、利払いが$1.2兆(132兆円)になって、今度は、利払いによる債務の増加になって行くからです。

高い株価は、米国経済の弱点になっている

もう1点、米国の弱点は、リーマン危機以降で3倍に上がった「高すぎる株価」です。

アップルの株価時価総額は100兆円を超え、アマゾンも100兆円に達しようとしてます。米国株の時価総額は、$34兆(3740兆円)にもなっています。

(※筆者注:野村證券 世界の株式市場の時価総額。日本の株価時価総額〈東証一部:17年12月〉は、647兆円であり米国の約1/6です。証券業界は、米国を基準にして日本の株価が出遅れて低すぎとしていますが、本当は米国株が高すぎると認識しています)

根本の原因は、リーマン危機以降の、米国FRBの3度のQE(慮的緩和:$4.4兆)での、マネーの増発です。増加部分が新興国のグローバル生産になった消費財は、輸出原価が低いため、上がらなかった。

たとえば、日本の衣料は1枚単価が、1990年の1/3に下がっています。米国でも同じです。住関連商品と家電、PCも、同じです。上がったのは、株価(3倍)と不動産価格(+50%)です。
※参考:http://www.nicmr.com/nicmr/data/market/stock.pdf


株式は劣後債の負債

株式は、株主による法人の所有権を示す金融資産です。金融資産になるのは市場で売れるからです。この株式は会社にとっては、返済の要らない劣後債の負債です。利払いは、株主からの配当要求分です。

株価が高くなると、高く買った株主は、大きな配当を要求します。これは銀行借入金の金利を、はるかに超える率です。株価には預金保険と日銀が保証している預金(銀行の負債)とは違い、下落のリスクがあるからです。

大きな配当をするには、会社のROE(資本利益率)が高い必要があります。株式は、会社の資本を株主から借りたものであるという認識をもつべきですが、この自覚がある経営者は、実に少ない。

一般に、自己資本という、まやかしの言葉を使っているからです。株主資本であり、会社の自己資本ではない。資本以外の利益準備金も、所有権は株主です。配当を、将来に猶予しているものが、企業が稼いだ利益準備金です。赤字のときの補填金になるので、準備金と言う。

米国株では、個人株主が50%、内外の金融機関・ファンドの持ち株が50%と推計されます。米国の株価が、仮に30%下がると、金融機関とファンド含む株主の金融資産が、「3740兆円×30%=1122兆円」減ってしまいます。

米国株が下がると、日本の年金が蒸発する

わが国の年金も、米国の株価が下がると、一挙に、「年金が消えた」という不安を、国民に引き起こすものになります。一定額を支給する公的年金(年間56.7兆円:2017年)は、国債で運用すべきであり、株のように、価格が大きく騰落するリスク資産での運用は、行ってはならない。

その騰落率は、30%以上になる時期もあるボラティティ部分です。日経平均(225種の株価の単純平均)のボラテリティは、現在は14.48%です。1年で14.48%下がる可能性が68%はあるという意味。14.48%上がる可能性も68%です(18年8月29日)。

※参考:https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201803_00.pdf(16ページの社会保障給付金の、年金と医療費の項)

しかしもう遅い。国債を日銀に売って、年金基金の50%のマネーで、日米の株を買ってしまったからです。

この問題は、麻生内閣時代の、支給漏れを起こした年金管理の不手際より、はるか大きい。年金問題をもっとも大きな原因として、自民党内閣が吹き飛んだことは、まだ記憶に新しい。その後の、民主党内閣は、2011年3.11の原発事故への対処で嘘を言って、転びました。首相は菅直人氏、官房長官が枝野幸男氏でした。
※参考:http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h29_q4.pdf



公的年金基金のように、大きな金額のポートフォリオ投資では、値動きが反対になるものに、分散投資しなければならない。ところが、米国株が上がれば日本株も上がります。米国株が下がるときは下がります。

年金基金のポートフォリオは、リスクを大きくしている運用であり、公的年金では決して行ってはならないものです。5年後には「なぜこんなことをしたのか」という、大きな責任問題になるでしょう。株価が下がると、年金が蒸発するからです。

年金だけじゃなく「財政全体」が危機に

日米の株価の下落により年金基金が減れば、政府は、もともと、34兆円が赤字の一般会計(2017年度)から、補填しなければならない。

34兆円の新規分の国債発行は、50兆円、60兆円、70兆円に増えて、金利が上がり、財政破産を促進する要素になって行くのです。

日本政府の財政は、金利の上昇だけではなく、日米の株価の下落に対して、耐性がなくなってしまったのです(筆者注:リーマン危機の時、世界の株価は約50%下がりました。これが、金融機関とファンドの資産縮小になったのです)。


株価と運命をともにする日本の年金

金融機関とファンドに預託されている米国の年金基金の金融投資額は、$41兆(4510兆円)と巨大です。世界の年金基金は、$15.7兆(1727兆円:2017年)と大きく、世界中の国債と株にもっとも多くのマネーを投資している主体です。

日米欧が高齢化し、年金保険への掛け金が増えたためです。日本の公的年金の運用機関であるGPIFは、総資金量が、世界の11分の1の156兆円です(2017年)。

わが国のGPIFは、日米の国債と社債、そして株の買い手です。日本株が25%、米国株が25%の運用で、合計50%。株価が上がっているときはいい。GPIFは、利益確定のために、売ることはできません。大口の持ち手になったGPIFが売れば、株価は下がるからです。少しは売っても、ほとんどの株をいつまでも持ち続けるのがGPIFです。

下がるときの損は、大きくなります。GPIFは、今はまだ、10年間の運用で63兆円の含みの保有利益(2017年は10.08兆円)を上げたと誇っています。

しかし米国の株価が下がると、含み利益は吹き飛び、年金不安になって行きます。この収益は、株を高く売って確定した利益ではないからです。

個人の株式運用は、少ない。しかし年金資産を預かるGPIFが、2014年以降、公的資金による株買いのアベノミクスの一環として、株式投資を2倍に増やしたのです。
※参考:http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h29_q4.pdf

金融資産の中で、株価が肥大している米国では、株価が30%下がると、株主資産の下落から金融危機になります。


株価の傾向は「上がる」「下がる」のどちらか一方である

2018年、19年、20年、21年と上昇が続くのか、下降するのか。

株価は、長期で、同じ価格で維持されることはありません。「上がる傾向か、下がる傾向か」です。長期の株価を見れば一目瞭然です――

80. 中川隆[-13605] koaQ7Jey 2018年9月06日 14:57:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18247] 報告

(参考)

エリオット波動マーケット分析 (デイリー) 宮田直彦 2018 年9 月5 日


【日経平均・TOPIX】

(3 月安値から「サード・オブ・サード」の上昇局面が進行中とみられる)

日経平均の16 年6 月安値(14,864 円)からの上昇は第(3)波とみており、その中の第1 波は今年1 月高値(24,129円)で終了したとカウントできる。

そして今年3 月26 日安値(20,347 円)から第(3)波の第3波、すなわち「サード・オブ・サード」という、もっともダイナミックな強気トレンドに突入した可能性が高い。


その通算上昇幅(率)は、第(3)波の第1 波(9265 円、62%)に等しいか凌駕すると予想でき、それだけで日経平均は 3万円に達する可能性がある。


(海外勢の日本株買い越し金額は約5 年ぶり少なさ)

海外投資家の日本株(現物)買い越し金額を12 年11 月14 日(アベノミクス始点)からみてみる。15 年5 月末には約21 兆円まで買い越し金額は膨らんだ(この頃は日経平均の第(1)波天井付近に当たる)。しかしその後は買い越し金額は大きく減少傾向を辿り、今年8月第4 週時点で10.95 兆円となった(15 年のピークから47%減少)。
これは13 年7 月第1 週(10.86 兆円)以来約5 年2 ヵ月ぶりの少なさである。

これは海外投資家の日本株に対する期待値が相当に低下していることを示す証左といえるが、裏返せば今後は「日本株を持たざるリスク」が高まりやすいということを示すものでもあろう。

(海外勢は年初から先物を大幅売り越し)

8 月第4週、海外投資家は日本株を現物先物合計で1352 億円買い越した。内訳は現物が840 億円売り、先物は2192 億円買いだった。

1~3 月に海外投資家は先物を6.1 兆円売り越しており、なおも4 兆円程度の先物売りが残っていると推察される。潜在的な買い戻し余力は大きい。


(日経平均予想EPS は過去最高値を更新)

好調な企業業績を受けて、日経平均予想EPS は1736円(9 月4 日)と過去最高値を更新した。一方この日の予想PER は13.07 倍とアベノミクス相場以降の下限水準にある。


(9 月のラリーに期待)

昨年のこの時期、日経平均予想EPS は1410 円程度、予想PER は13.8 倍程度だった。その後、PER14 倍台を24 営業日(9 月13 日~10 月18 日)で通過し、10 月19 日に予想PER は15 倍に達した。

サマーラリーは不発に終わったが、改めてこの9 月からのラリーに期待したい。
この先、PER14-15 倍まで上昇するとみたときの日経平均は、24,300-26,000 円へ上昇することになる。チャートからも指標面からみても、1 月高値(24,129 円)の更新は射程距離内といえる。


(23,000 円の節目を上回るチャンス到来)

8 月28 日、日経平均は一時23,006 円まで上昇。取引時間中としては6 月12 日以来の23,000 円回復となった。
連日23,000 円処では売りが優勢になってはいるが、節目を上回るチャンスは続いている。


(1 月高値まで一気に上昇する可能性も)

5 月21 日高値(23,050 円)から数えて、日経平均が23,000 円の節目を試すのは今回が4 度目である。当然この3 ヵ月の累積取引量は23,000 円付近で膨らんでいる。逆に23,000 円処より上の価格帯での取引は少ない。

過去1 年でみると22,500-23,000 円の累積売買代金は201 兆円と多いが、23,000-23,500 円では16 兆円、23,500-24,000 円では46 兆円にとどまる。

ひとつの可能性としてだが、23,050 円を抜いた後には1 月高値(24,129 円)まで一気に上昇するという展開も考えられる。空売り比率は引き続き高く(27 営業日連続で40%を上回っている)、日経平均の節目ブレイクをきっかけに買戻しが強まる可能性がある。

81. 中川隆[-13640] koaQ7Jey 2018年9月09日 07:35:58 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18379] 報告

平野憲一の株のお話 2018.09.09 業績と株価の相関係数は、16年末暴騰直前と一致。


 業績が良いからと言って株価が100%連動するとは限りません。
株価の3要素(業績・人気・需給)にある通り、業績以外の力が加わるからです。

しかし、業績の良い事が株価にプラスであることには異論がないと思います。

この関係を正の関係と言い、相関係数は0(ほとんど連動しない)〜+1(100%連動する)の間で動くのが普通です。

負の関係は同じく0〜−1で動き、−1に近づくほど正反対の動きを表します。

業績と株価の関係は理屈では正の関係ですが、時として増収増益なのに、株価が下がり続ける事があります。その時の相関係数はマイナスの領域に入っています。当然これは異常現象ですから、多くの場合その時が買い場になっています。


 日経平均と予想EPSの36週移動平均ベースの相関係数は、現在−0.6です。
2014年、15年は+0.8とはっきりした連動性を示しましたが、15年に高値を付けた後の安値で0を若干割れました。しかし、15年後半にはすぐに+0.8に戻っています。

16年は、業績はそれほど悪くないのに、年末近くまでほぼ1年間低迷しましたので、相関係数は徐々に下がり、トランプ登場で暴騰する直前には−0.7と言う異常値になっていました。

その後、トランプラリーの株価上昇と、トランプ減税の業績回復の両者の連動性で、本年1月には+0.9台となりましたが、それからの急落と揉み合いで、再び異常値と言える−0.6まで下がっています。

業績と株価の相関係数で見ると、日経平均はトランプラリー直前の異常値水準と読み取れます。
http://kasset.blog.fc2.com/

82. 中川隆[-13650] koaQ7Jey 2018年9月10日 07:41:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18412] 報告

トランプの脅しに屈する習近平、まもなく中国バブル崩壊前の大相場がやってくる=藤井まり子 2018年9月6日
https://www.mag2.com/p/money/523911



トランプが中国への追加関税第3弾をチラつかせていますが、狙いはもっと深いところにあります。習近平がこれに屈すると、中国バブル崩壊前の大相場が到来します。


トランプが裏で習近平に要求している「大きな腹黒い譲歩」とは?

なぜ日本株式市場は「買い叩かれて」いるのか?

アメリカ株式市場が好調です。ナスダックは連日史上最高値を更新し続け、S&P500は年初来の高値を更新して史上最高値を更新。ダウもS&P500を追って、近いうちに史上最高値を更新する勢いです。

その一方で、日本株式市場には勢いがあまりありません。日経平均は2万3,000円ライン突破を3度も挑戦して失敗、4度目の挑戦も跳ね返されそうになっています。

日本企業の業績は改善しているので、日本株式市場の下値は堅いのですが、心理的な節目である2万3,000円近くになると、一部の投機筋が日本株を買い叩いてくるのです。

では、その「一部の投機筋」は何の目的で、今現在の日本株式市場を買い叩いてくるのでしょうか。

それは、上海株式市場の下落が近いうちに底を打って上昇に転じることを確信して、日本株を少しでも安値で拾いたいという思惑で、日本株を「買い叩いて」いるのではないかと考えています。

「中国への2,000億ドル高関税」はただのハッタリ

今現在、トランプ大統領がきょう9月6日以降に「中国製品:2,000億ドルに25%の高関税」案を振りかざして、中国習近平を「脅迫」しています。

米中は、既にこの夏には「500億ドルに25%の高関税」を相互にかけ合っています。

しかしながら、今回の「中国製品:2,000億ドルに高関税」案は、「ただのハッタリ(ブラフ)」です。



もし仮に、トランプ大統領が「2,000億ドルに高関税」案を発動したならば、中国経済もボロボロになってしまいますが、アメリカ株式市場だって20%くらいは下落してしまうことでしょう。

いや、そうなれば、グローバル経済そのものがシュリンクしてしまうことでしょう。

中間選挙「前」の大事な時に、トランプ大統領が「アメリカ株が大幅調整するような施策(=高関税政策)」を発動するはずがありません。

そもそも、トランプ大統領は「関税ゼロの大好きな自由主義者」にして、とても腹黒いグローバリストです。本気で、「2,000億ドルに高関税」案なんて「しみったれたもの」を発動するわけがないです。

「中国への本当の要求」は別にある

そう!トランプにとっては、高関税なんて「しみったれた政策」なんです。彼の志はもっと高いところにあることは、何度も皆さまにお伝えしていますね。

トランプの「2,000億ドルに高関税」案は、中国に対して「もっと大きな、もっと腹黒い譲歩」を迫るためだけのものなのです。

では、トランプが中国習近平に迫っている「大きな(そして腹黒い)譲歩」とは何か。そして、中国・習近平が「どんな大きな譲歩」をすれば、トランプはこの「中国製品:2000億ドルに高関税」政策をひっこめるのでしょうか?

その「大きな譲歩」とは、21世紀版プラザ合意2.0とも呼ぶべき「人民元高」政策でしょう。


「情報戦」で中国を囲い込んで騙してゆくトランプ政権

今まで当メルマガでは、テイルリスクとしての「トランプのドル売り為替介入」懸念について、簡単に解説してきました。

アメリカ投資銀行たちが、この時期に、こういった情報をブルームバーグに確信犯的に流すということは、その可能性が低いとしても、習近平にとっては「かなりのプレッシャー」でしょう。

さらにさらに、トランプ大統領は、同じくブルームバーグに、「中国人民元は高すぎる」「中国は為替操作している」「アメリカ政権としては為替介入も辞さじ」との情報を繰り返し流していて、中国・習近平に「プレッシャー」をかけ続けています。

かくして、トランプ大統領は、中国の「現在進行形の人民元安政策」を手厳しく批判して、中国・習近平政権を追い詰めているのです。

すなわち、トランプ大統領は、「高関税」案を振りかざして、中国に「人民元を切り上げろ」「さもなくば、アメリカは為替介入をしてでもドル安人民元高するぞ!」との「情報戦」を繰り広げているわけです。

中国は「人民元高政策」への切り替えで、日本の二の舞になる

かくして、中国・習近平政権は、トランプの「2,000億ドルへの高関税」案を撤回してもらう対案として、「人民元高」政策へと切り替えてゆくことでしょう。

中国にとっては、「他に退路は無い」でしょう。

トランプ政権は、ブルームバーグを使って、「人民元高政策は、中国人民の購買力を高めて、人民元の国際化にも貢献する」といったデマゴーグまでも大量に流して、中国との「情報戦」を有利に運ぼうとしています。かつての1980年代の日本に対してもそうしたように。

確かに、中国・習近平が人民元高へと政策を切り替えたならば、当分、中国の中産階級&上流階級たちは、購買力を上げてアメリカ製品をバカスカ買いまくることでしょう。かつての1980年代の日本人がそうしたように。

そして、中国国内の「輸出依存度の高い弱小の製造業たち」は価格競争力を急速に失って、絶滅してゆくことでしょう。かつての日本がそうだったように…。



悲しみの「プラザ合意2.0」で大相場が来る?

中国習近平政権が「人民元高」政策へと切り替えたならば、「上海株式市場」も上昇に転じて、日本株式市場も、勢いよく上昇し始めることでしょう。それは、急転直下、近いうちに発表されるかもしれません。

なにはともあれ、遅かれ早かれ、中国が人民元高へと切り替えたならば、中国株式市場は上昇に転じて、日本株式市場のみならず、ほかのアジア株式市場も勢いよく上昇し始めることでしょう。

なにやら「大相場到来」の予感がしてきています。


中国市場では「最後のバブル」が巻き起こる

今の中国経済は、人民元安にしても人民元高にしても、どっちに転んでも「終わり」は見えています。

しかしながら、「人民元高」にしたほうが、バブルが起きる分だけ、中国経済の延命策にはなります。今の中国経済には、「他に退路が無い」のです。

すなわち、かつての1980年代に行われた「プラザ合意」が、その後の日本経済に「壊滅的な大型バブル」を形成したように、2018年の人民元高(プラザ合意2.0)は、中国国内で再び「壊滅的な大型バブル」を形成してゆくことでしょう。

「甘美な蜜」を吸えるだけ吸い、中国市場を壊して去るつもりの米投資銀行たち

どうせ、中国経済は、共産党による一党独裁体制のために駄目になる運命なんです。

だったら、駄目になる前に、大型バブルを巻き起こして、「甘美な蜜」を吸えるだけ吸って、利用できるだけ利用しようというのが、「アメリカ流」なのだと思います。かつての「新興国:日本」に対してそうしたように。

1980年代のプラザ合意がきっかけになって、当時の日銀は円高不況を克服するために、低金利政策へとシフトしてゆきます。プラザ合意後、アメリカ投資銀行たちが雪崩を打って怒涛のように日本株式市場に参入してきました。

日本株を思いっきり釣り上げてボロ儲けした投資銀行たちは、ギャンブル好きの日本人たちが浮かれきっているうちに、余裕で日本株式市場からさっさと撤退してゆきます。繰り返しますが、彼ら投資銀行たちは日本株式市場でボロ儲けしたのです。

アメリカ投資銀行たちは、こういった「日本株式市場で吸った甘美な蜜」を再び「新興の斜陽国家:中国の株式市場」で吸いたくてしょうがないのです。「毒を食らわば皿まで」です。

すでに「中国株の買い漁り」は始まっている

トランプ政権は、彼ら投資銀行たちに加担しているのです。

すでに一部のヘッジファンドたちは、中国人の機関投資家たちが中国株に悲観的になっている中で、中国株式を買い漁り始めています。



というわけで、中国・習近平は、かつての日本のようにトランプ政権に騙されます。

習近平政権は、「人民元の国際化」という「最後の野心(まぼろし)」にしがみつくようにして、「人民元の切り上げ」へと動くことでしょう。

遅かれ早かれ「中国株式市場で壊滅的なバブル」が形成されることでしょう。

信じられないことかもしれませんが、アメリカ株式市場のみならず、ヨーロッパ株式市場も日本株式市場も新興国株式市場も「買い叩かれている」今こそ、「買い」なのではないでしょうか。

83. 中川隆[-13647] koaQ7Jey 2018年9月10日 21:11:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18424] 報告

世界市場の下落相場を見て日経平均の先行きを予想する2018年9月10日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7910#more-7910

ここでは何度も伝えている通り、2018年の市場では一番最初に新興国市場が暴落した。アメリカが利上げと量的引き締めという強力な金融政策を実行し、グローバル市場から資金を大量に引き揚げているため、一番リスクの高い新興国市場から資金が流出しているのである。

そしてその下落相場は着実に進行している。先進国の市場だけを見ている投資家には実感できないかもしれないが、例えば中国株の下落は何も解決していない。

年始から20%程度の下げである。

また、アメリカの利上げと経済制裁の両方に見舞われたトルコリラの暴落も、何も変わっていない。以下はドルリラのチャートで、上方向がドル高リラ安である。

リラについては以下の記事で取り上げている。

•トルコ大統領、リラ暴落で国民に自国通貨の買い支えを推奨
•トルコのエルドアン大統領、通貨暴落で会心のギャグを飛ばす

しかし、状況は何も変わっていないにもかかわらず、市場は悪いニュースに慣れてゆく。これこそが天井相場の特徴なのである。何度でも引用するが、著名投資家ジョージ・ソロス氏が著書『ソロスの錬金術』で述べている言葉を思い出したい。


強気相場は小爆発にときおり見舞われながら続いていく。そうしているうちに、だれも小爆発を恐れなくなる。このときこそ、大暴落の条件が整ったときなのである。

そしてその投資家の楽観を象徴するのが、米国株のチャートである。

いまだ市場最高値近辺で推移している。中国株と比べればその好調ぶりは明らかだろう。

次に下落する市場

さて、投資家にとっての問題は、では次に下落する市場は何かということである。アメリカの中央銀行はこのまま資金を吸い上げ続ける。アメリカのGDPの好調ぶりを考えれば、少なくとも半年は引き締めが続くだろうと以下の記事に書いた通りである。

•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた

新興国市場から資金が引き揚げられた後、資金の吸い上げが止まらなければ、次の市場が餌食となる以外に選択肢はない。そして新興国の次に下落する市場が何かと言えば、アメリカ以外の先進国ということになる。グローバル市場にとって「亜流」の市場から順番に下落してゆくからである。米国株は一番最後である。

実際に、日経平均のチャートを見ると、新興国ほど下落はしていないが、アメリカほど好調でもないことが分かる。

このチャートだけ見ている日本の個人投資家の中には、まだ落ちない、大丈夫だと考えている人も多いのではないか。しかし、日本市場も日経平均以外はもうかなり下落しているのである。指数だけが釣り上げられて耐えている状態である。以下の記事でJASDAQ市場などの小型株の状況を説明している。

•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている

そして、筆者の予想を裏付けるチャートを更に掲載したい。それは何かと言えば、欧州株である。

下落トレンドに入った欧州株

新興国の次は、アメリカ以外の先進国だと上に書いた。ということは、日本の他にもヨーロッパが候補に入るはずである。では、ヨーロッパ市場はどうなっているのか? 経済規模でユーロ圏最大のドイツの株価指数DAX30のチャートを掲載したい。

日経平均より状況が悪いのが見て取れる。

また、ドイツほど経済の強くない南欧諸国はより状況が悪い。以下はイタリアの株価指数FTSE MIBのチャートである。

結論

米国株はまだ上昇トレンドにある。新興国は既に下落した。次は米国以外の先進国だが、日経平均以外の日本株だけではなく、欧州株も既に下落トレンドとなっている。

日経平均や日本の個別株だけを見ていては分からないかもしれないが、こうして世界市場を見渡してみると、日経平均が辛うじて持ちこたえているのが砂上の楼閣に過ぎないことが理解してもらえるだろう。

因みに筆者は、以下の記事で宣言した通り、日経平均の空売りを22700円から23000円の間で開始している。現状でこのポジションは含み益となっている。

•リーマンショック以来の天井を形成中

また、ドル円に関してはそれよりも以前から空売りを開始し、こちらも含み益となっている。

•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始

ただ、短期的な値動きに一喜一憂するつもりはなく、アメリカによる世界市場の資金引き揚げ相場に淡々と賭けてゆくつもりである。今後の展開を楽しみにしたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7910#more-7910

84. 中川隆[-13646] koaQ7Jey 2018年9月10日 21:35:35 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18424] 報告
米国は中国をいたぶり続ける 覇権争いに「おとしどころ」などない
鈴置 高史 2018年9月10日
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/090700192/?P=1


2017年11月に北京で開催されたビジネスフォーラムでそっぽを向いて座るトランプ大統領と習近平国家主席(写真:The New York Times/アフロ)


 愛知淑徳大学の真田幸光教授に米中経済摩擦の行方を聞いた。
「米国は中国をいたぶり続ける」と真田教授は見る。
司会は日経ビジネスの常陸佐矢佳・副編集長。


やくざの因縁と同じ


――米中貿易摩擦の展開をどう読みますか。「おとしどころ」は?

真田:米国は中国をいたぶり続けます。「おとしどころ」などありません。台頭する中国を抑えつけるのが目的ですから。これは貿易摩擦ではなく、覇権争いなのです。「終わり」のない戦いです。

鈴置:米国は中国に対し具体的な要求を掲げていません。中国が何をどう譲歩したら25%に引き上げた関税を元に戻すのか、明らかにしていない。やくざが因縁を付けるのと似ています。

真田:まさに仰る通りです。理屈をこねて相手を脅しているのです。もちろん、トランプ(Donald Trump)大統領は「知的財産権の問題――中国が米国の技術を盗んでいるから関税を上げた」と言っています。

 実際、中国の盗みはひどい。米国や日本、欧州の先端技術を平気で無断借用する。さらにそれを軍事力強化にも使う。そして無断借用どころか、堂々と自分の特許として出願する。知財の問題で米国が怒り心頭に発し、中国の技術窃盗をやめさせようとしているのは事実です。

 でも、中国がどう行動したら「盗むのをやめた」と認定されるのか。米国が「まだ、中国は盗みをやめない」と言えば、関税を戻さなくていいわけです。「中国をいたぶり続ける」ことに真の目的があるのです。

基軸通貨にはさせない

――トランプ政権は習近平政権を倒すまでいたぶる?

真田:そこまでやる必要はありません。中国の国力を削いで行けばいいのです。もちろん、政権が変わることで中国の国家運営のやり方が変わるというのなら別ですが、それは期待できない。

鈴置:人民元は6月半ばから売られ、8月15日には1人民元=7・0を割るかというところまで安くなりました。人民元を暴落させるつもりでしょうか。

真田:米国がやろうと決意すればできます。基軸通貨ドルに、力のない人民元が挑んでも叩き返されます。

 ただ米国は人民元を暴落させる必要はありません。「少しの脅しで人民元は揺れた。そんなボラティリティの高い通貨が使えるのか。基軸通貨と言えるのか」とマーケットに思わせれば十分なのです。米国とすれば、人民元が基軸通貨に育たないよう、貶め続ければいいのです。

鈴置:暴落させなくとも、中国は外貨準備の減少に悩むことになります。人民元売りに対抗するために、外準のドルを恒常的に吐かせられるからです。

 2018年の上半期、中国の経常収支は赤字に陥りました。海外旅行ブームでサービス収支の赤字が急増したためです。そのうえ、米中摩擦で貿易黒字も減って来るでしょうから、この面からも外準は目減りします。


上海株は落とす

――株式市場は?

真田:為替と異なり、米国は中国の株式市場には甘くないでしょう。中国企業はここで資金調達して急成長してきた。だから、上海株はさらに落としたいはずです。

 もちろん、米系金融機関は政府の意向を組んで早くからポジション調整していた。それを見て他の国の金融機関なども追従――売りに出た構図です。

――金融の戦いなのですね。

真田:中国は「一帯一路」計画とAIIB(アジアインフラ投資銀行)のセット商品化を通じ、世界の基軸通貨となるよう人民元を育ててきました。

 軍事力を除き、最も強力な武器は通貨です。米国は中国に通貨の覇権を握らせるつもりはありません。だから人民元を叩くのです。

 貿易を名分に金融戦争を仕掛け、人民元はヘナチョコ通貨だと知らしめる。するとマーケットは「中国危し」と見て、株も落ちる。こうして実体経済も悪化する。その結果、中国は米国に歯むかう軍事力を持てなくなる、というシナリオです。

工場を取り返す

鈴置:「トランプは安全保障を理解していない」と批判する人が多い。TPP(環太平洋経済連携協定)は中国への投資に歯止めをかけ、軍事力拡大を抑止するのが目的。というのに、参加を取りやめたからです。

 しかしトランプ大統領にすれば「TPPなんてまどろっこしい方法をとらなくても、人民元を揺さぶればもっと簡単に目的を達成できるじゃないか」と反論したいでしょうね。

 真田先生の指摘した「中国へのいたぶり」。トランプ大統領の参謀であるナヴァロ(Peter Navarro)国家通商会議議長の書いた『Crouching Tiger』(2015年)が予言しています。邦訳は『米中もし戦わば』です。


 この本のテーマは中国の台頭を抑え、米国の覇権を維持するには何をなすべきか――。第42章「経済力による平和」では以下のように説いています。『米中もし戦わば』の333ページを要約しつつ引用します。

•取るべき方策は明らかに、中国製品への依存度を減らすことだと思われる。この方策によって中国との貿易の「リバランス」を図れば、中国経済とひいてはその軍拡は減速するだろう。

•アメリカとその同盟諸国が強力な経済成長と製造基盤を取り戻し、総合国力を向上させることもできる。


 一言で言えば「どんな手を使ってでも、中国に取られた工場を米国と同盟国は取り返そう。それだけが中国に覇権を奪われない道なのだ」との主張です。

 トランプ政権が発動した一部の中国製品に対する25%の高関税に対しては「中国製品の輸入が止まって米国の消費者や工場が困るだけ」と冷笑する向きがあります。

 しかし、真田先生が予想したように、この高率関税が長期化すると世界の企業が判断すれば当然、それに対応します。企業はバカではないのです。

「中国生産」から足抜け

――対応策は?

鈴置:別段、難しい話ではありません。米国向けの製品は中国で作るのをやめ、代わりに中国以外で生産すればいいのです。中国以外で生産能力が不足するというなら、能力を増強すればいい。

 ロットの少ない製品は中国での生産と米国での販売をやめてしまう手もあります。中国の根本的な弱点は「中国でしか作れないもの」がないことです。

 日経新聞は8月末から相次ぎ、企業のそうした対応を報じています。電子版の見出しは以下です。
•「日本企業、高関税回避へ動く 中国生産見直し 米中摩擦への対応苦慮」(8月28日)
•「米フォード、中国製小型車の輸入撤回 25%関税で」(9月1日)
•「信越化学、シリコーン5割増産 米中摩擦受け分散投資」(9月3日)

 米中経済戦争が長期化すると判断した企業が出始めたのです。そもそも中国の人件費の高騰で、組み立て産業の工場は中国離れが起きていました。中国での生産回避は大きな流れになる可能性があります。ナヴァロ議長の作戦通りです。

 というわけで、『米中もし戦わば』を再読するビジネスマン、安保関係者が増えています。「米中経済戦争」だけではありません。

 「マッドマン戦略」(第38章)、「法人税の引き下げ」(第42章)など、トランプ政権の手口、手法が予言されているからです。「中国の技術窃盗がいかに米国の国益を害しているか」との説明も42章で展開されています。


「いたぶり」は米国の総意

真田:予言書というより、大統領の教科書でしょうね。ただ、「中国へのいたぶり」は、トランプ政権の特殊性というよりは米国の総意であることを見逃してはなりません。

 民主党議員からも本件に関しては反対の声は出ません。議会も「中国へのいたぶり」を支持しています。中国から政治献金を貰い、魂を奪われてきた議員も多いというのに。

 中国で稼いできたウォール街――金融界も文句を言いません。マーケットとしての中国は大事ですが、自分たちの飯のタネであるドルの優位を人民元に脅かされるとなれば話は別なのです。人民元が基軸通貨になれば中国の銀行にやられてしまいます。

鈴置:最近、米国で「中国スパイの暗躍」が話題になっています。5年前に自身の補佐官が中国のエージェントだったとFBIから指摘され、辞任させた上院議員の話が7月下旬に突然、明らかになりました。

 産経新聞の古森義久・ワシントン駐在客員特派員が「中国スパイと断じられた米上院議員の補佐官 慰安婦問題糾弾でも先鋒」(8月14日)で詳しく書いています。

お前はスパイか

 8月24日には米議会の米中経済安全保障問題検討委員会が有力シンクタンクや大学に中国が資金を提供し、影響力の行使を図っているとの報告書を発表しました。

 『China’s Overseas United Front Work』です。産経新聞の「『中国共産党が米シンクタンクに資金提供』 米議会委が報告書発表」(8月26日)が内容を報じています。

 中国は1949年の建国当時から100年かけて米国を打倒し世界を支配する計画を立てていた、と警告する本が2015年に米国で出版されました。

 『The Hundred- Year Marathon』で、書いたのは中国専門家のピルズベリー(Michael Pillsbury)氏。『China 2049』というタイトルで邦訳も出ています。

 CIAの職員だった同氏は親中派から転向。この本では、米国の中国研究者の多くが中国共産党の思いのままに動かされていると暴露しました。

 日本のある安保専門家は今や、トランプの中国叩きを批判すれば「お前は中国のスパイか」と非難されかねず、米国の親中派は動きが取れなくなっていると指摘しています。

今、抑え込むべき敵

――米国の通貨攻撃を中国がやめさせる手はあるのでしょうか。

真田:2つあります。まず、世界に向け「米国が世界の通商を破壊する」と訴えることです。G20などでもう、やっています。でも、トランプ大統領はそんな非難にへこたれる人ではありません。

鈴置:むしろ「中国が弱音を吐いている」とほくそ笑むでしょうね。それに世界には中国の横暴に反感を持ち、中国が叩かれるのを待つ空気があります。中国の意見を支持する人はあまりいないでしょうし、下手に賛同すれば「中国のスパイか」と疑われてしまいます。

真田:もう1つの手は、イラン問題で米国と協力することにより、中国への圧迫を緩めて貰う手です。トランプ政権は「中国いたぶり」以上に「イラン潰し」を重視しています。

 実はロシアもその手を使っています。7月16日にヘルシンキで開いた米ロ首脳会談の後、トランプ大統領がロシアに極めて甘い姿勢を打ち出し、共和党からも非難されました。

 私の聞いたところでは、プーチン大統領から「イランで協力することはやぶさかではない」と耳打ちされたからのようです。

 中国も「イランで協力する」と持ちかける手があります。トランプ大統領は中国へのいたぶりを緩める一方で、国民には「対中貿易赤字が減った」とか「雇用が戻った」などと説明するでしょう。

 ただ、それで「中国へのいたぶり」を本気でやめるわけではない。時により強弱はあっても、米国は圧迫を続けると思います。中国は「今ここで、抑え込んでおくべき国」なのです。

 日本に対してもそうでした。対日貿易赤字が増えると、「日本は米国製品を不公正な手で締め出している」「日本人は働き過ぎ。アンフェアだ」など、ありとあらゆる難癖を付けて日本の台頭を抑え込もうとしたではありませんか。

 米国は可能なら、中国も日本同様に「生かさず殺さず」の状態に持って行き、おいしい部分だけ吸い上げる仕組みを作っていくでしょう。


「宇宙での戦い」が始まった

――「中国へのいたぶり」が今年夏になって始まったのはなぜですか?

鈴置:中国の金融は今、いくつもの不安を抱えています。ドルが利上げに向かい、途上国に入りこんでいた外貨が抜け出しやすくなっている。中国企業が世界同時不況の際――2008年に発行したドル建ての債券が発行後10年たって償還期を迎えている。少子高齢化で生産年齢人口の比率が減少に転じ、バブルが崩壊しやすくなっている。

真田:ご指摘通り、金融面で「攻めやすい」状況になっています。ただ私は、米国が今「中国いたぶり」に乗り出した最大の理由は「制宙権問題」だと思います。

 中国が宇宙の軍事利用に拍車をかけています。これに対しトランプ政権は宇宙軍の創設を掲げ全面的に対抗する構えです。中国の「宇宙軍」を抑え込むのにはやはり、中国経済を揺らすことが必須です。

 現在、米ロが中軸となって国際宇宙ステーションを運営しています。これにクサビを打ち込む形で中国が独自の宇宙ステーションを運営しようとしています(「米中ロがうごめく『金正恩後の北朝鮮』分割案」参照)。

 米国とすれば、軍事的な優位を一気に覆されかねない「中国の宇宙軍」は何が何でも潰す必要があるのです。マーケットはそうした米政府の意図を見抜いて中国売りに励んでいるわけです。

覇権に挑戦する国は「宙づり」に

――それにしても、米中の戦いに「おとしどころ」がないとは、目からうろこのお話でした。

鈴置:我々は――日本人は対立した人同士は話し合って妥協点を見いだすもの、あるいは見いだすべきだと思い込んでいる。だから新聞記事は、何らかの解決策があるとの前提で書かれがちです。

 でも、話し合うフリはしても妥協など一切せず、相手を苦しい状況に宙づりにして弱らせていく、という手も世の中にはあるのですよね。

真田:覇権争いとはそういうものです。中国を野放しにしておけば、米国がやられてしまう。米国が生き残るには、中国を貶めるしかないのです。

85. 中川隆[-13672] koaQ7Jey 2018年9月12日 16:39:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18502] 報告

世界の低金利のアンカーになったジャパンマネー  吉田繁治 2018年8月10日
https://archives.mag2.com/0000048497/20180810114930000.html
   

7月31日の金融政策決定会合(日銀)で、「長期金利0.2%までの容
認」を発表して以降、わが国の10年債の利回りは0.1%から0.12%
の間を不安定に波動しています。

7月20日までは0.03%台だった金利が0.12%に上がっても、わずか
0.09ポイントという誤差のような上昇に過ぎません。

しかし上昇の倍率では4倍です。政府の、これ以降に発行する国債
の利払いが、今の4倍になる規模です。

国債は、その時の市場金利を、発行額面に対する表面利率として、
政府から売られるからです。国債に入札する銀行が、発行額面に対
していくらで買うかによって、長期金利が決まります。

債券の発行額面と金利、そして市場の価格と金利は、以下のメカニ
ズムで決定しています。


【国債の発行と、市場の金利の仕組み】

0.12%の表面利率の10年債(100万円)を、銀行が103万円と入札し
て買えば、10年後の満期には、額面の100万円の償還しかないので、
単利の概算では「{(3万円÷103万円)÷10年}≒0.3%」分、金利
が下がったことになります。

発行金利は0.12%でも、市場の金利は、マイナス0.18%に下がりま
す(これが2016年2月でした)。

逆に、97万円という低い価格で落札されると、「{(3万円÷97万
円)÷10年}≒0.3%」分、金利が上がったようになります。

97万円で買った国債でも、額面の100万円が10年後に財務省から償
還されるからです。額面の100万円に対する表面金利は0.12%でも、
その国債の、利回りは0.42%/年に上がります。(注)本当は複利
で計算しますが、金利が2%以下のときは、単利での計算とあまり
変わりません。7%だと大きな違いになります。

約1000兆円という大きな残高がある既発国債の流通価格は、10年債
の金利が0.1%上がるにつき、0.8%(8兆円)下落します。長短国
債の平均残存期間は8年だからです。

・金利が1%上がると、8%(80兆円)下落し、
・2%上がると、16%(160兆円)の含み損が、金融機関(国債をも
つ日銀、銀行、生保)に生じます。

日本では、既発国債が1000兆円(GDPの1.8倍)と、経済規模に対し
て世界最大であるため、普通は問題ではない1%や2%の金利の上昇
が、銀行の資産下落から金融危機を引き起こす規模の、国債損を生
みます。

1%や2%金利が上がっても、何も起こらないというエコノミストは、
GDPの1.8倍の1000兆円という国債の発行残を無視しています。
(注)政府の借入金を含む総債務は1280兆円ですが、そのうちの国
債は1000兆円です。

【既発国債が大きすぎる日本】
わが国では、普通の金利より低くても、金利2%辺りから、金融危
機に向かうでしょう。

値下がりする既発国債の残高が1000兆円と大きく、金利の上昇が、
国債をもつ金融機関の資産の損失を招き、その損失が、金融機関の
信用の淵源である自己資本(総計で150兆円)を超えるからです。

【超低金利国債が、金融機関に高く買われるのが、国債バブル】
表面金利1%以下の10年債を、2012年以降、金融機関が発行額面以
上の価格で買ってきたということは、「国債が高く買われ過ぎた、
国債バブル」を示しています。

予想PER(株価収益率=株価/予想純益)が40倍や50倍の株を、更に
高く買ってきたことと同じです。

1000兆円の、マイナス金利も含む超低金利の国債は、わずかな市場
金利(予想金利)の上昇により、下落します。PERの高すぎる株が、
少しの次期予想純益の低下により、大きく下がることと同じです。

【リーマン危機を超短縮すれば】
2008年のリーマン危機(米国の金融危機)は、
・2000年から2倍に上がっていた米国の住宅価格が、
・2006年にピークをつけ、2007年から下落しはじめ、
・2008年には住宅ローン証券の暴落(-40%)に至り、
・関連するデリバティブの全面崩壊を招きました。

住宅価格の下落額の、何倍もの債券の下落が生じたのです。

リーマン危機での、金融機関の総損失は、$4兆(440兆円)と推計
されます。FRBはQE(量的緩和)として、$4兆のドル増発を行い、
金融機関の資産損を埋めたのです。FRBがもつドル信用を使って、
民間に与えたと言えます。

【FRBは、今も、ドル増発のままである】
FRBは、金融危機が終わった現在も、$4兆(440兆円)を増発した
ままです。買ったMBSと米国債をFRBが売れば、米国債の価格が下が
り、MBSは再び暴落して、金利が高騰することが容易に予想できる
からです。

ここまで考えると、米国の金融は、3回のQE(量的緩和)により正
常化したのではなく、銀行システムには、危機が「内包」されてい
るままと言えます。QEのマネーは、落とし穴の覆いです。加えて、
米国の株価の3倍への上昇も、危機を覆い隠しています。金融機関
は株を買っているからです。株価が下がれば、穴の大きさも分かる
でしょう。

【FRBの利上げ(2018年度は4回の予定)】
「金融資産・負債が大きすぎるため、サイクル的になった金融危機
の内包」の中で、2018年度の4回の利上げ(0.25%×4回)に、向か
っているように思えます。

なぜ経済には悪い影響がある利上げをするのかと問われたイエレン
前議長は、正直に答えています(2016年)。

(注)現在の議長は、法律家であり、その発言からして金融理論に
は素人に見えるパウエルです。トランプも、貿易赤字は分っても、
金融理論は知りません。このため「ドル安策」を唱えるのです。ド
ル安とは、金融面ではドルの売りが超過し、米国債の価格が下がっ
て金利が上がることです。米国にとっては困ることになるでしょう。

「FRBが、信用つまりバランスシートを拡大したままで、しかも金
利ゼロを続けていれば、次の金融危機のとき、ドル増発と利下げと
いう手段を取れなくなる」(イエレン前議長)

このとき、労働経済学者のイエレンが想定していたのは、
・住宅価格の下落からの金融危機ではなく、
・リーマン危機から3倍に上がった米国の株価でした(IMFの、クリ
スティーヌ・ラガード専務理事とのTV対談)。

(注)この発言は、FRBのドル信用を使って$4兆以上の増発はでき
ても、そのときは、外為市場で米ドルの下落が起こるため、増発効
果は相殺されると表明したことと等しい意味をもっています。

FRBの信用の限界を言った重要な発言です。FRBが発行する通貨が、
外為市場で大きく下げないうちは、FRB信用があることになります。

【中央銀行の信用とは、発行権をもつ通貨の信用である】
机上論で言うように、「中央銀行の信用は無限」ではない。発行通
貨の価値下落(世界の通貨に対する実質実効レートの低下)という
形で、限界が現れます。中央銀行の信用は、通貨の信用です。

1997年のアジア通貨危機のとき、タイ、マレーシア、インドネシア、
韓国の中央銀行は、通貨の増発は自国通貨の下落をとめることはで
きなかった。それぞれの経済力がバックになった中央銀行の信用の
限界、つまり通貨増発の限界に達していたからです。

株価下落から来る次の金融危機のとき、FRBがドル増発の対策を取
れないと、1929年から1933年のような、金融危機が実体経済の大恐
慌(GDPの30%低下と失業率25%付近)になると言いたかったので
しょう。

【金融危機】
金融危機は、金融機関(特に銀行)の不良債権の増加と、保有債券
と株の下落から起こる信用収縮です。

信用収縮とはマネーサプライの量の減少です。マネーサプライの量
が減れば、商取引も減って、商品生産と流通が減り、実体経済の恐
慌になります。

【マネー量は区分せねばならない】
2013年からの日本での実証のように、中央銀行が、マネー量(ベー
スマネーの量)を増やすだけでは、経済の成長率を高めるとは言え
ません。

しかし銀行信用が縮小して、マネーサプライの量が減ると、マネー
を使った商品の取引量であるGDPは、低下するということは、確実
に言えます。マネー量は、経済に対して「非対称な働き」をします。

【ベースマネーと、マネーサプライは別物である】
紙幣の発行量と、中央銀行に金融機関がもつ当座預金が、ベースマ
ネーです。マネーサプライの元になる基礎的なマネーがベースマ
ネーです。

一方、実体経済の商取引に使われるのはマネーサプライ(M2)です。
企業と世帯の「現金と銀行預金」です。日本では、M2が1007.2兆円、
郵貯等を入れたM3が1336円です(2018年6月)。

日銀の当座預金が主であるベースマネー(493兆円:18年6月)は、
現在は年率7.4%で増えています。過去をさかのぼれば、2015年は
32%、16年は23%、17年には14%の増加でした。金融緩和の増加額
はほぼ同じでも、分母のベースマネーの金額が大きくなると、増加
率は減ったように見えます。日銀が金融緩和を縮小したのではあり
ません。

これに対し、企業と世帯の預金であるM2(1007兆円)の増加は、年
3.2%と低いままです。2015年から17年まで3%台しか増えていませ
ん。この増え方は、日銀の異次元緩和の効果が、実体経済に使われ
るマネーサプライの増加には及ばなかったことを示しています。

日銀の量的緩和は、当座預金の口座がある金融機関に対するもので
あり、世帯と企業に対するものではありません。日銀から現金や預
金を増やしてもらった人はいないでしょう?
https://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/ms1806.pdf
https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2018/ac180731.htm/

同じマネーですが、機能からは両者は別物です。金融機関の資産が
下落して、金融危機になると、銀行信用(=銀行預金が銀行信用で
す)であるマネーサプライが、減少します。企業と世帯の使うマ
ネー(預金の総量)が減るため、実体経済の恐慌に至るのです。

リフレ派の誤りは、日銀が国債を買ってベースマネーを増やしてゼ
ロ金利に下げれば銀行システムに現金が増えて、そのまま、市中の
マネーであるマネーサプライが増えると考えていたことに求められ
ます。

【銀行システムとは、連結した銀行】
銀行システムの信用の拡大、言い換えれば、貸付の総量の増加がな
いと、マネーサプライは増えません。

銀行システムとは、単独の銀行ではなく、全部を連結したものです。
銀行は、貸付金(債権)を預金(負債)にするという形で、企業と
世帯に対し「信用創造」を行っています。

貸付金は、資本主義の複式簿記では、以下の処理です。国民に対し
て預金マネーの発行をしているのは、日銀ではなく銀行です。1兆
円のマネー発行は以下の形で行われます。

・銀行には貸付金という資産が増え、
・その貸付金は、借り手の預金口座振り込まれ、銀行の負債である
預金の増加になります。

これが、市中のマネーであるマネーサプライの1兆円の増加です。
貸付金は、約定返済されて減って行くので、銀行が返済額以上に貸
付金を増やさないと、マネーサプライは増えません。現在のマネー
サプライ(M2)の増え方は、年3%台と低く、30兆円台でしかあり
ません。これでは、2%のインフレは起こりません。

銀行システムの資産   銀行システムの負債
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
貸付金増加 1兆円    預金の増加1兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

本稿ではまず、「日銀の金融緩和の副作用」とは何かを解きます。
次は、日本の金利がわずかに上がったことがなぜドルの長期金利の
上昇にもなったのかということです。3番目は、日本の金利の上昇
のパターンの研究です。紙幅があれば、4番目にドル金利の上昇と、
トランプ関税による人民元の下落と、中国の不良債権増加の問題で
す。

以下は、本稿の目次です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 <954号:世界の低金利のアンカーは、ジャパンマネー>
      2018年8月8日:有料版

【目次】

1.わが国における、金融緩和の副作用とは何か
2.異次元緩和と金融機関の利益
3.円国債は、今後、値下がりしかないリスク債券になってきた
4.日本の金利の上昇のパターンを読む
5.ふたつのシナリオ
6.日本の金利がわずかに上がると、なぜ、米国とユーロの金利も上
がるか、ということについて
7.世界の低金利のアンカーの日本円

【後記:銀行の、国債による損失について】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■1.わが国における、金融緩和の副作用とは何か

金融緩和は、中央銀行が金利を下げて銀行に現金を供給し、低い金
利とふんだんな現金にし、企業と世帯がそれを借りて投資または消
費を増やすこと目的に、行われます。

資本の自由化以前は、日銀が銀行に貸すときの金利である公定歩合
を下げることでした。1980年代からは米欧日の順で、「資本の自由
化」、つまり、民間の外為交換の自由化が図られました。このため
公定歩合の調整だけでは(利下げによる現金の貸付供給だけでは)、
不十分になったのです。

一国が金利を下げると、金利の高い国にマネーが流出し、国内のマ
ネーの緩和状態が引き締まって、中央銀行が下げた金利が上がる傾
向に戻るからです。

金融の自由化のあとは、その国の短期金利は、短期国債の利回りを
ベースに決まるように変わっています。金融市場が、国債の売買に
よって金利を決めるようになったのです。中央銀行も、大きな国債
市場では、もっとも有力ではあっても1プレーヤーです・・・

86. 中川隆[-13651] koaQ7Jey 2018年9月14日 18:09:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18541] 報告

2018年09月14日
中国からの全輸入品に高率関税 トランプ政権

合計すると中国からのすべての輸入品が対象


画像引用:トランプ氏強硬「日本と取引回避、自分は違う」(読売新聞) - Yahoo!ニュース https://amd.c.yimg.jp/amd/20180908-00050108-yom-000-13-view.jpg

中国からの全輸入品に追加関税

トランプ大統領は9月7日、中国への新たな追加関税2670億ドルを発表し、発動する用意があると語った。

トランプが発表した対中関税はこれで5170億ドルになり、去年の中国からの輸入総額5050億ドルを上回る。

もっとも今までに発動されたのは半導体など500億ドルだけで、残りは「中国が報復したら発動」などの条件が付いている。



このうち2000億ドル分の追加関税は実施される可能性が高く、電気製品や工業製品に10%以上の追加関税が課せられる。

第3弾の2670億ドルの中には携帯電話や電子部品などが含まれ、中国製スマホやアイフォンなども打撃を受ける。

トランプ大統領は9月9日、アップルが関税を避けたいならアメリカ国内で製品を作るべきだと語った。


このツイッターの投稿を見ると中国の態度にかかわらず、中国製スマホ部品に関税を掛けるのを決めているように見える。

アップルはUSTR(米国通商代表部)に、関税が発動されれば値上げせざるを得ないという意見書を提出した。

アップルは関税はアメリカ経済に打撃を与えると警告しているが、トランプは耳を傾けていないようです。

なすすべ無い中国

もし中国からの全輸入品にアメリカが20%前後の関税を掛けたら、中国にはどんな影響があるだろうか?

中国の対米貿易黒字はまずます増え続け、8月は前年比19%増の311億ドル(約3兆4000億円以上)と過去最大になった。

こうなった理由は米中対立で中国の経済成長が鈍化するという懸念から、人民元レートが安くなったからだった。


人民元が安くなると中国製品がドル建てて安くなり、アメリカ製品は元建てで高くなってしまう。

アメリカは今まで中国が輸出を有利にするため、人民元を安く誘導していると批判してきました。

だが最近の元安は中国の先行き不安から元売りが起きていて、中国政府は人民元を買い支えている。


トランプ政権は中国の輸出をストップさせるため、人民元を協調介入で高くする「第二プラザ合意」を検討中と言われている。

1985年のプラザ合意は対日貿易赤字解消のためレーガン政権が実施し、1ドル240円から120円まで円高が進んだ。

もし同じように人民元レートがある日2倍になったら、中国の輸出はほとんど止まるでしょう。


中国はおそらく日本がやったように国内でバブルを起こして景気刺激するが、そのような政策は数年で破綻する。

外需も内需もだめになった中国は、今までに使った数千兆円もの債務に苦しめられる。
http://www.thutmosev.com/archives/77517499.html

87. 中川隆[-13649] koaQ7Jey 2018年9月14日 19:54:12 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18541] 報告
リーマンショックから10年、なぜ対岸の火事だった日本株が暴落したのか
https://diamond.jp/articles/-/179753
2018.9.14 塚崎公義:久留米大学商学部教授  ダイヤモンド・オンライン


リーマンショックから10年が経過した。そこで今回は、リーマンショックの歴史に学ぶこととする。といっても全部を網羅するわけにはいかないので、筆者の気になるポイントを選んで考えてみたい。

サブプライムローン焦げ付きの影響が
連鎖的に波及して起きた金融危機


Photo by David Shankbone

 リーマンショックの結果、日本の株価も暴落した。「米国の低所得者層が住宅ローンを踏み倒したからといって、日本の株が下がるはずがない」と考えていた人も多かっただろうが、なぜ暴落してしまったのだろうか。その経緯を説明しよう。

 リーマンショックの遠因は、「サブプライムローンの焦げ付き」だ。米国の住宅バブルの際に米国の銀行が、信用力の低い借り手に高い手数料で貸し出していたのがサブプライムローンであり、それが住宅バブル崩壊によって焦げ付き、銀行が大きな損を抱えたのだ。そして、「証券化」という取引によって、銀行の住宅ローン債権を事実上保有していたのがリーマン・ブラザーズをはじめとする投資銀行などだった。

 リーマン・ブラザーズが倒産すると、「次はどこだ」と金融機関同士に疑心暗鬼が生じ、資金が大規模に回収された。そこで、資金を回収されて資金不足になった金融機関は、顧客への貸し出しを回収せざるを得なくなった。これが、いわゆる「貸しはがし」や「貸し渋り」だ。それにより中小企業が倒産するなど、景気が悪化した。

 他行から資金を回収した金融機関は、手元に潤沢な資金があったにもかかわらず、貸し出しを積極化せずに現金を積み上げた。「取り付け騒ぎ」に備えていたわけだ。

 こうした資金の問題は、中央銀行の潤沢な資金供給によってほどなく緩和されたが、次は自己資本比率規制による貸し渋りが生じてしまう。かなり大胆かつ大ざっぱに言えば、銀行は「自己資本の12.5倍(銀行によっては25倍)までしか融資をしてはならない」という規制を受けている。そこで、サブプライムローンが焦げ付いたり景気悪化で不良債権が増えたりして銀行の自己資本が減ると、貸すことができる金額が減るので、融資を絞らざるを得なくなったのだ。

 最後は、政府が金融機関に公的資金を注入して(金融機関の増資を政府が引き受けて)事態を収拾したのだが、その間に米国および世界の経済に大きな爪痕が生じたのである。

震源地が米国だったからこそ
世界に広がった

 リーマンショックの影響が米国内にとどまらなかったのは、米国が世界最大の輸入国で、米国の通貨が基軸通貨だったからだ。

 世界最大の輸入国である米国の景気が悪化して輸入が減ると、世界中の輸出国に影響が及ぶ。さらに、米国の通貨、つまりドルが基軸通貨として世界中で使われているため、米国の金融機関が貸し渋りをして世の中に出回るドルが減少してしまったことにより、世界中で金回りが悪くなってしまったのだ。

 ドルを借りて自国通貨に替えて使っていた途上国の企業や政府の中には、返済要請に応えるためにドルを買うことで、ドル高になり、次の返済が苦しくなるといった事態に陥ったところもある。

 もう1つ、米国が不況になって利下げをすると、外国為替市場でドルが安くなった。これは、他国の輸出企業にとって米国の需要減少と合わせてダブルパンチとなった。日本の輸出企業の株が暴落した一因は、ここにあった。

 こうした事態は、米国が“震源地”だったからこそ生じたといえる。現在の世界経済のリスクを考える際、欧州や中国で金融危機が発生すると予想している人たちもいるが、仮にそうなったとしても問題は主に地域内にとどまり、他地域への影響はリーマンショックよりもはるかに小さいと考えていいだろう。

日本の株価が下がった理由は
円が安全通貨として高くなったことも

 日本の輸出企業が痛手を被った理由はそれだけではない。米国人が不況で節約に走り、「性能はいいが高い日本製品」から「性能は今ひとつだが安い途上国製品」に需要がシフトしてしまったことだ。

 また、米国でローンを提供していた会社が、資金繰りの悪化から断るようになってしまったことで、潜在的な顧客が自動車購入資金や設備投資資金を借り入れることが難しくなり、日本製の自動車や設備機械などに対する需要も落ち込んだ。

 さらにいえば、円が「安全通貨」として買われて高くなったことも、日本の輸出企業にとっては痛かった。円が安全通貨と呼ばれたのは、欧米の金融機関がサブプライムローンで大きな損失を被っている中、日本は無縁だったこと、そして日本の対外純資産が巨額の黒字だったことが関係している。この点については、拙稿

「北ミサイル発射後の円高は『円は安全資産』が理由ではない」
https://diamond.jp/articles/-/140464


をご参照いただきたい。

 こうして日本の輸出企業の利益が減り、株価が下がってしまったのだが、借金で日本株を買っていた投資家が、金融機関から「貸し渋り」をされたために泣く泣く日本株を売って借金を返済したこともそれに輪を掛けた形だ。

 このように、後から状況を冷静に分析すれば、なぜ「米国の貧乏人が住宅ローンを踏み倒したら日本株が下がったのか」が理解できるが、複雑な経路で飛び火をしていくことを予測するのは容易ではなかっただろう。

 実体経済の動きは、徐々に燃え広がる火事のようなものだから比較的予測しやすいが、金融危機の場合は飛び火したり、地下のガス管を伝わって思わぬ所から出火したりするので、予測が難しいのだ。

米金融マンたちの報酬制度も
バブルを膨張させた要因に

 米国では、金融のプロたちの報酬が、稼いだ金額によって決まる場合が多い。これは、優秀なプロを雇っている金融機関にとって、社員の働く意欲を高めるためだ。しかし、リーマンショックによって、そうした制度には問題があることが明らかになったと筆者は考えている。

 リーマンショック以前の住宅バブル当時、証券化というビジネスによって、多くの金融機関が巨額の利益を稼いでいた。取引内容は複雑なので詳しい説明は省略するが、ここでは「貧しい人に高い金利で住宅ローンを貸すことで、大儲けするか大損するかの博打」を行なっていたと考えていただこう。住宅価格が「上がれば大儲け」、「下がれば大損」という博打だ。

 個人の金ならば、そんな危険な博打は打たないかもしれないが、金融のプロたちは、会社の金だったために積極的にやってしまった。大儲けすれば巨額の報酬が受け取れる一方で、大損してもクビになるだけだからだ。

 彼らは、日本人サラリーマンと異なり、クビになることを恐れない。そもそも終身雇用ではないので、クビになるのは珍しくないという文化の違いもあって、「しばらく仕事を探せば、見つかるだろう」と気楽に考えてしまうのだ。

 そんな金融のプロたちが、一斉に博打に走ったため、バブルは限界まで膨張し、その分だけバブル崩壊の衝撃が大きくなったというわけだ。

 だが、金融機関やその社員たちだけが悪いわけではない。

 例えば、金融機関の株主。彼らは、大儲けさえしてくれれば金融機関が博打を打とうがかまわない。たとえ金融機関が博打に負けて大損をしても、「株主有限責任の原則」によって、株券が紙くずになるだけで、株主はそれ以上の損失は負わない。その損は、一義的に預金者の損になるが、「預金保険制度」があるので預金保険機構がほとんどの損を負担することになる。

終身雇用の日本型システムの方が
バブルは生じにくい可能性

 つまり、金融機関とその社員、そして株主は、いずれも「住宅価格の上昇が続けば自分たちの大儲け、終われば預金保険機構の損」という博打をやっているわけで、株主は止めるのではなく、逆に応援していたのだ。それがバブルを大きくしてしまった遠因だといえる。

 このように考えていくと、終身雇用が中心で社員がクビになることを極度に恐れて博打を嫌い、株主は持ち合い株なので売る気がない日本型システムの方が、バブルは生じにくいようにも思われる。

 とはいえ、現に日本でもバブルは発生していて、「銀行がリスクを取り過ぎたことが原因」だと言われている。それをどう説明するのか。筆者としては「終身雇用であるがゆえにチーム意識が強く、相手チームに融資残高で負けたくないといった無用の競争が行われたのだ」といった説を推したいと考えている。

(久留米大学商学部教授 塚崎公義)

88. 中川隆[-13580] koaQ7Jey 2018年9月18日 15:03:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18619] 報告
デフレが続くのは日銀のせい。融資されない低金利より、融資される高金利がいい
児島康孝 2018年9月16日
https://www.mag2.com/p/money/529467


日銀はなぜか短期金利を下げようとしませんが、長期金利については「異常な押し下げ」を行っています。今回はオペレーションの誤りについて解説します


なぜ長期金利だけ異常に下げる? 本来のターゲットは短期金利だ

金利がその国を景気を物語る。日本の低さは…

日銀はなぜか短期金利を下げようとしませんが、長期金利については「異常な押し下げ」を行っています。今回はこの背景と狙いについて解説します。

現状の日本の金融政策の議論では、短期金利と長期金利の話が混同されているのです。

まずは、長期金利の指標となる「10年物国債の金利(利回り)」から、各国の比較をしてみましょう(いずれも変動しますから、本稿執筆時点9月14日早朝の目安ということでご覧ください)。

日本:0.11%
アメリカ:2.97%
イギリス:1.50%
ドイツ:0.42%

10年物国債の利回りは、通常の経済状態なら「3%〜4%ぐらい」あるのが普通です。

アメリカが2.97%でほぼ3%というのは、景気が上昇して経済状態が回復しているからです。

日本が0.11%なのは、日銀が10年物国債の金利がゼロ%となるようにオペレーションを行っているからです。

各国の数字を見て気が付くと思いますが、先進国の場合、長期金利は、景気が良いと高く、景気が悪いと低いという特徴があります。



もちろん、通貨の信任が失われるような事態で長期金利が10%に近づくような場合は、話が別です。しかし現状は、まったくそのようなレベルではありません。

ですから、先進国の長期金利は、景気が良い順番に高いといえます。

一方、景気が悪くなると安全志向が強まり、株式投資やその他の投資資金から、相対的に安全な国債に資金を移す動きとなります。

ですから景気が悪くなると、国債は安全志向で逃避資金が集まり「買い」の人気が高くなって、利回りは「ごくわずか」になってゆくのです。

日銀は長期金利に関与すべきではない

日銀の金融政策は、一言で「金融緩和」と報じられていますが、本来、中央銀行がターゲットにするのは短期金利です。

長期金利は「中央銀行が決めることはできない」という考え方も従来からあり、筆者も、「日銀は長期金利にはあまり関与すべきではない」と考えます。

ときどき、機関投資家である金融系企業のトップが、「長期金利はもう少し自然にゆだねてはどうか」とか「変動幅を許容したらどうか」と述べているのが散見されますが、これはもっともな話です。

定期預金の金利が上がらないと景気は上向かない

金融機関などのビジネスは、短期金利と長期金利の差(短期金融市場で資金調達し、長期で貸し付けること)で儲けるのが基本です。また、長期で運用することもあります。時間経過のリスクをとり、利益にするわけです。

しかし、これが「長・短金利がほぼ同じ(金利差がない)」ということになりますと、大きな弊害が出てきます。

年金などの運用でも、長期金利がほとんどないと困ることになります。また、定期預金の金利もです。

よく日銀の金融政策についての話で、「利下げをすると、預金金利がなくなる」という話になります。しかし、短期金利を利下げしても、これは主に普通預金への影響です。普通預金で「利息をあてにしている」という人は、あまりいないでしょう。利息をあてにするのは、3年とか、5年とか、10年の定期預金ですね。こちらは、長期金利の水準が影響します。

ですから、アメリカの10年物国債の金利(利回り)が3%に近づいているということは、これに連動してアメリカでは定期預金の金利も上がってくるという話です。

つまり、アメリカでは定期預金の金利が以前のように「戻る」動きがあり、インフレ率も「戻って」きているこういうことです。

日本経済も同じように正常化するには、「10年物国債の金利(利回り)が3%ぐらいにならないといけない」というわけです。そうなると、インフレ率も戻り、定期預金の金利も戻るわけです。

長期金利ばかり下げようとする日銀

ところが日銀は、短期金利を下げようとせずに、長期金利ばかりを下げようとしているようにみえます。

なぜ、景気回復を遅らせ、デフレ基調が続くオペレーションをしているのか?というのが、大きな疑問点なのです。

アメリカのムニューシン財務長官は、期間が短めの米国債を大量に発行して、資金を調達しています。ムニューシン財務長官は、さすがゴールドマン・サックスの共同経営者を長年勤めただけあって、そのあたりはよく心得ています。



ですから日本も、短めの国債を大量発行して、それを日銀が買い上げればよいわけです。しかし日銀は、長期国債を中心に買い入れています。

なぜ、短期国債でなくて、長期国債なのか? これが日本のデフレ基調につながっています。

「住宅ローン金利」の議論も意味はない

よく、長期金利が上がれば、住宅ローンの金利が上がって大変という話を、聞くでしょう。この話は、その場で聞くともっともらしいのですが、これは意味のない議論です。

不動産投資をやっている方はすぐにわかりますが、住宅ローンは、金利が高いか低いかよりも、「融資が受けられるかどうか」の方がはるかに優先度が高いからです。

いくら、金利が低い・ゼロ近辺といっても、デフレで所得が低下し、非正規雇用になれば、住宅ローンを申し込んでも金融機関の審査で落とされます。

つまり、金利が高い・低いという議論は、みんなが同じように融資を受けられることが前提なわけですが、実際は、融資を受けられるか・受けられないかの問題であるわけです。

ですから、ゼロ金利の住宅ローンが受けられないよりも、昔の日本のように、3%でも4%でも、景気が良くて、雇用が安定し、住宅ローンを受けられる方がはるかに良いわけです。

中小企業への融資でも同じ

これは、中小企業などへの融資も同様です。

長期金利が上がると良くないという話ではなくて、全く融資が受けられないことが困るわけです。

全く受けられない金利ゼロ%付近の融資よりも、融資可能な金利10%なら、後者の方が企業にとっては良いわけです。

長期金利を下げてもメリットはない

いずれの話も、そもそも表面上の金利が低くても、まったく融資が行われなければ、無意味というわけです。

それよりも、長期金利が高くても、経済が活発で、高い金利でも融資が行われる方がはるかに良いということです。このように長期金利を下げるメリットは見あたらず、市場に任せるのが良いわけです。



しかし日銀は、長期金利にこだわり、短期金利はあまり下げようとしません。これは、デフレ脱却をめざすならば、大いに疑問を感じるオペレーションです。

89. 中川隆[-13572] koaQ7Jey 2018年9月19日 13:50:03 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18649] 報告

【トランプの25%関税の、最終負担は米国民が負う】 吉田繁治
https://archives.mag2.com/0000048497/20180916103127000.html


カナダは、これから、経済ではトランプの、20世紀の生産のグロバ
リーズムの拡大を否定する関税政策に打撃を受けます。カナダと米
国、そしてメキシコは、お互いが関税を撤廃した自由貿易圏の
NAFTAを形成していたからです。(注)環太平洋の自由貿易を推進
するTPPのお手本は、EUとNAFTAです。トランプは、米国をTPPから
離脱させ、25%関税に向かっています。

・米国は、25%課税による輸入物価高により、
・世界は、GDP(需要)が世界1の米国輸出の減少から、

ともに経済成長を低下させる制限貿易の政策を、なぜトランプがと
るのか。

世界で50兆円売るウォルマートの商品は、米国産が多い食品以外は
ほぼ100%がアジア・中南米・中東からの輸入品です。他の小売業
もほぼ同じです。個人消費がGDPの70%を占める米国(日本は60
%)で、輸入課税25%(政府収入)により、店頭価格が5%から15
%上がれば、米国の経済成長率は、目に見えて低下します。

米国では、食品・ドラッグ・化粧品・洗剤類以外の消費財はほぼ作
っていません。1972年までは得意だった自動車でも、現地生産を入
れると、海外ブランドが金額で60%でしょう。衣料・住関連・家電
は、ほぼ100%が輸入です。アップルのiPhoneやiPadも、中華圏で
作られています。他のITメーカーも同じです。

設計はアップルでも、製造はネットワーク型のファブレス(工場の
ないメーカー)になっていて、サプライチェーンの元は、中華圏で
す。衣料のGAP等(SPA:開発輸入小売)の製造はアジアです。アマ
ゾンはインターネット上の販売システムであり、商品は作っていま
せん。アマゾンのKindleやAIのアレクサなどの製造は中国です。輸
入品の店頭価格は、関税を上げれば、上がります。

米国の25%関税の、最終的な負担をするのは米国民です。製造業が
空洞化した米国では、消費税(米国は売上税)を上げることと同じ、
物価上昇の効果をもつからです。いったん空洞化し。工場が閉鎖さ
れ、雇用を減らした製造業は、関税を高めても再興しません、


【政府寄りになった主要メディアは、世界に共通する】

米国の主要メディアは、反トランプの言動において、事実上の言論
統制下にあります。このため、輸入関税は、米国人の職を増やすと
し、店頭価格の上昇が米国民の負担になるという言論は、まだ興っ
ていません。安倍政権がメディアとエコノミストを懐柔したことと、
結果の現象は同じです。

多くのエコノミストが、政府政策に対する反論・対論を出せないの
は、安倍政権とトランプの政策を主因に株価が上がってきたからで
す。

株価は、投資家による、企業の将来の利益予想で決まります。利益
予想が高いことは、GDPの成長の将来予想の高さを示しているから
です。

【根柢の問題は、米国の経常収支の、構造的な赤字】

米国は、経常収支(貿易収支+所得収支)が、製造業の空洞化によ
る構造的な赤字の国です。2018年度は6140億ドル(68兆円:IMF)
の予想ですが、トランプ減税(10年で165兆円;1年で16兆円)によ
り、もっと増えるでしょう。
その分、海外へのドル散布が増えて、対外負債も増えます。
http://ecodb.net/country/US/imf_bca.html


■1.米ドルという信用通貨が、基軸通貨というディレンマ

最初に、いくらでも増発ができる信用通貨(米ドル)が、世界の基
軸通貨ということのディレンマについて書きます。ディレンマとは
矛盾であり、本質的に両立しないことを言います。

基軸通貨は、世界が貿易に使う通貨です。円の日本と、元の中国の
輸出入代金の決済は、多くが米ドルで行われています。両国で、円
と元の通貨価値への信用が、米ドルよりは低いと考えられているか
らです。

信用通貨に対する金本位(金交換制)の通貨は、戦後のわれわれに
とっては、「想像の領域」なので、具体性をもって記述しなければ
ならないでしょう。

▼米国の信用通貨が、世界の基軸通貨であることの問題

「1971年以降の、金交換制から離れた信用通貨のドル」を増刷して、
海外に渡すことは、米国の対外負債が増えることと同じです。米オ
国の経常収支の赤字分のドルが、海外(経常収支黒字国:中国と日
本が二大国)に流れますが、それは、米国の対外負債になるからで
す。

米国の対外負債の増加分、海外の、米国に対する債権である外貨準
備も増えます。

信用通貨とは、政府に、人びとが寄せる心理的な財政信用がもとに
なった通貨です。信用通貨を基軸通貨国にした国は、対外負債が増
え続ける構造をもっています。


海外が経済成長すると必然的に増えていく輸出入のために、海外が
より多くドル準備(中央銀行または政府が保管)を必要とするから
です。

一方で、海外が外貨準備を増やことは、米国の対外負債のGDPの増
加率を超える累増をすることです。増加が止まらない米国の対外負
債は、最終的には、ドル下落(暴落)を招きます。2018年は、新興
国が対外負債により通貨危機を招いていますが、米国にも、対外負
債が一定線(臨界点)を超えると、これと同じことが起こるのです。

ある国の、財政信用が担保でしかない信用通貨を、世界がもっとも
信用できるとして基軸通貨にした場合、その通貨は下落する宿命に
あります。

これを提唱した、ベルギー系米国人のエコノミストのトリフィンに
ちなんで「トリフィンのディレンマ」と言っています。ドル基軸通
貨を支える国の日本で、トリフィンに言及するエコノミストは、知
る限り、皆無です。(注)世界が貿易につかう基軸通貨は、IMFの
SDR(特別引き出し権)のような、政府財政をもたない無国籍通貨
でなければならない。

中国は、貿易黒字で稼いだ3.5兆ドル、日本は1.2兆ドルの外貨準備
を持っています。世界では、13兆ドル(1430兆円)でしょう。80%
は、米ドルと推測します。この外貨準備は、米国が、対外的な経常
収支の赤字のため支払ったドルです。海外に渡ったドルは、米国の
対外負債を構成しています。

米ドルは、世界は不満をいいながら認めている基軸通貨です。基軸
通貨は、自国通貨より信用が高いとして、世界が貿易に使う通貨の
ことです。基軸通貨となっているドルは、世界各国の通貨信用を超
えたものです。

(注)ドル基軸通貨体制を支えている日本は、不満を言っていませ
ん。中国はドル基軸通貨体制を支えても、ドルへの不満を言ってい
ます。ドル基軸通貨体制は、もっともドルをもつ中国と日本が支え
ているのです。

■2.金交換背制(金本位制)との対比

●戦前の金本位の時代は、金流出防止のための断続があっても、金
が、国籍を持たない貿易通貨でした。これが、まず確認しておかね
ばならない知識です。戦前に、貿易通貨として多く使われていた英
国ポンドも金本位性でした。ポンドが基軸通貨でしたが、本当はそ
のポンドの担保である金が基軸通貨でした。円も、ドルも金本位の
通貨でした。

現物の金は重く、運搬・移動が不便で、強盗の問題も大きい。この
ため、大英銀行で金と交換できるポンドとしていたのです。

【金本位制による調節機能】
ある国の経常収支の赤字が続くと、海外に行った兌換紙幣(金と一
定率で交換できる通貨)と、金との交換要求が起こります。増発さ
れた紙幣の価値は、いずれ低下するとみられるからです。

金との交換要求が増えると、1960年代からの経常収支の赤字国(米
国)が保有する金は、海外に流出し、なおも通貨の増発を続けると、
最終的には枯渇します。

金が枯渇すれば、金と交換できる兌換紙幣は、発行ができなくなる。
紙幣の増発ができない経済は、デフレ化し、経済成長率は低下して
いきます。

「政府または中央銀行には一定量の金保有が必要」という事情があ
るため、通貨の増発になる経常収支の赤字(貿易収支+所得収支)
の増加は、抑制されていきます。

通貨が海外に向かい増発され、それが対外負債になると海外からの
金との交換要求が増えて、その国の金保有が減少していくからです。
(注)1971年の金・ドル交換停止前の米国は、まさこの「金流出の
事態」に陥っていたのです。

通貨発行での金本位制度(金準備制)の中では、
・金が枯渇すると困るため、
・発生した経常収支の赤字は抑制され、
ついには、収支は均衡するという調整機能が働きます。

●通貨発行での金本位制度は、世界の経常収支の不均衡を是正し、
通貨価値を一定に保つという機能をもつのです。


【その証拠が、1972年までの固定相場】
1971年までの「金・ドル交換制」の時代は、1ドル=360円として固
定されていたことからも、「通貨価値の一定」はわかるでしょ
う・・・

90. 2018年9月24日 13:13:12 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18799] 報告

アメリカ株のエリオット波動


宮田直彦 2018 年9 月6 日 S&P 500のカウント

現在は

cycle X波, primary D波, intermediate 第(5)波

で超長期上昇トレンドの最終段階にある


2018.01.26 2872.87 intermediate 第(3)波ピーク

2018.06.28 2691.99 intermediate 第(4)波ボトム

現在は intermediate 第(5)波に入った所なので、しばらく上昇トレンドが続く


その後は

cycle a波, primary Ⓐ波, intermediate (A)波

の壊滅的な大暴落が来る

NYダウ (NYダウ) 【0800】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0800

NASDAQ (NASDAQ) 【0802】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0802

S&P 500 Stock - Yahoo Finance
https://finance.yahoo.com/chart/%5EGSPC#eyJzaG93QXJlYSI6ZmFsc2UsInNob3dMaW5lIjpmYWxzZSwibXVsdGlDb2xvckxpbmUiOmZhbHNlLCJzaG93Q2FuZGxlIjp0cnVlLCJib2xsaW5nZXJVcHBlckNvbG9yIjoiI2UyMDA4MSIsImJvbGxpbmdlckxvd2VyQ29sb3IiOiIjOTU1MmZmIiwibWZpTGluZUNvbG9yIjoiIzQ1ZTNmZiIsIm1hY2REaXZlcmdlbmNlQ29sb3IiOiIjZmY3YjEyIiwibWFjZE1hY2RDb2xvciI6IiM3ODdkODIiLCJtYWNkU2lnbmFsQ29sb3IiOiIjMDAwMDAwIiwicnNpTGluZUNvbG9yIjoiI2ZmYjcwMCIsInN0b2NoS0xpbmVDb2xvciI6IiNmZmI3MDAiLCJzdG9jaERMaW5lQ29sb3IiOiIjNDVlM2ZmIiwibGluZVR5cGUiOiJjYW5kbGUiLCJyYW5nZSI6IjF5IiwiYWxsb3dDaGFydFN0YWNraW5nIjp0cnVlfQ%3D%3D


91. 中川隆[-13523] koaQ7Jey 2018年9月25日 06:35:55 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18802] 報告

ダウ 長期 (日足) 日本エリオット波動研究所 March 30, 2017
http://jewri.org/post-1409/
92. 中川隆[-13519] koaQ7Jey 2018年9月25日 06:51:12 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18802] 報告

因みに、日本株でエリオット波動のカウントをする際には


1.チャートは縦軸の株価スケールが対数目盛のものを用いる

2.円表示ではなくドル表示のチャートを見て判断する。

3.米国株と日本株のカウントをなるべく合わせる


を厳守すべきです。


____


日経平均 (日経平均) 【0000】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0000

TOPIX (TOPIX) 【0010】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0010

0104:日経平均ドル換算値
http://www.miller.co.jp/chart.cgi?0104I
https://nikkei225jp.com/data/dollar.php


_____


日経225CFD 日本エリオット波動研究所
http://jewri.org/category/nikkei/

93. 中川隆[-13529] koaQ7Jey 2018年9月26日 08:50:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18829] 報告

米主流メディアが「経済崩壊」報道へ転換、億万長者はニュージーランドに逃げ始めた 2018年9月23日
https://www.mag2.com/p/money/532125



9月に入ってから米国の主流メディアが露骨に経済崩壊への警告を始めました。富裕層はさらに以前から運命の日を把握し、安全な地への退路を確保しています

シリコンバレーの成功者達は「世界経済の終わり」を知っている?

主流メディアも隠さなくなった経済災害の緊急警告

9月に入ってから、米国の主流メディアの論調がいっせい変わりました。まるでリトマス試験紙の色がさっと変わるように…。

注目すべきことは、経済崩壊についてはほとんど日和見を決めていた主流メディアが、ここにきてからというもの、今までとは打って変わって露骨な報道姿勢に切り替えたことです。

数年前からアルファブロガーが警告してきた以上に「未曽有の経済災害が迫っている」と危機を煽っているのは、とりもなおさず主流メディアの方なのです。

主流メディアは、今や、米国市民の日常に暗い影を投げかけ始めています。

たとえば、その筆頭であるCNBCは、「新興市場の危機、再び。今度は深刻だ」(9月4日付)とか、「中国との貿易戦争激化で、ハイテク株の売りが始まる」(9月6日付)と、非常に具体的です。

Bloombergは「新興市場の信頼に亀裂が入っているように、2008年以来、もっとも長い敗退が続いている」(9月6日付)と、市場の弱気ムードは広がる一方だと報じています。

CNNは、「新興市場は病気だ!それはウォール街にも感染だろうか」(9月5日付)と、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが新興市場の通貨暴落の引き金を引いたとFRBを名指ししています。

フォーブスは、「米国の株式バブルがはじれけば、経済災害は避けられない」(9月5日日付)と、とうとう経済崩壊不可避と言い始めました。

また、フォーブスは、「バブル崩壊が目前!米国の家計破綻は必至」(8月24日付)と、2008年の金融危機のときの状況と酷似していると指摘。

サバンナ・ナウの「世界的な負債が急増し、金融危機に向かう恐れ」(9月3日付)では、トルコリラの暴落は、ブラジル、南アフリカ、ロシア、インドネシアなどの国を巻き込むであろう債務問題の予兆であると分析。

モトゥリー・フールは「迫りつつある景気後退が予想外に早くやって来る6つの前兆」(8月29日付)と題して、景気後退は、もはや避けられず、人々が認識しているよりずっと早くやってくると警告しています。

中国株式は、明らかに弱気にトレンド転換し、南アフリカはすでに景気後退に陥っています。アルゼンチンの通貨危機はかなり深刻で、政策金利を60%に引き上げ、省庁を半減し、輸出にも課税するなど、財政緊縮政策を果敢に実行していますが、それがかえって国民の不満を爆発させて暴動の一歩手前まで来ています。国際通貨基金(IMF)が入ってテコ入れをするものの、効果がなく座して死を待つ状態です。

この危機により、南米の経済からトルコ、南アフリカ、インドや中国などのアジアの経済大国に至るまで、世界中の国々が巻き込まれようとしています。これらの国々では、通貨の下落が記録的水準となり、高インフレと高い失業率によって国民生活は破壊されています。



さらに、追い打ちをかけるように、トランプ政権が仕掛けている貿易戦争や米国の金利上昇への懸念は、新興国の脆弱な通貨を狙い撃ちにし、それがウォール街にまで及んでいるのです。

米国の株式市場では、現在、綱渡り状態で取引されているのです。

ビリオネアは米国の運命の日を予感している

米国議会では、ソーシャルメディア企業に対する精細な調査と新しい規制への懸念が、こうした大型ハイテク銘柄の売り圧力となっていますが、さらに、トランプが中国の生産財に新たな関税を適用するとの観測から、他のハイテク株も脆弱になっています。

FRBが8年近くに及ぶゼロ金利政策を取り続けたお陰で、米国の家計の富は約4兆8000億ドル(83%)増加し、過去最高の100兆8000億ドルに達しました。

ほとんどの人がこのような富のブームを歓迎して拍手を送る一方、すで2000年代半ばの住宅バブルに似た状況が現れており、実際には、市場は壊滅的なバーストに向かっているのです。

唯一、堅調だったIT関連銘柄も、とうとう力尽きており、ソーシャルメディアのFacebookの株価が20%近い歴史的急落を見せるなど、あちこちで綻びが見えています。

Amazonにしても、協力金を不当に求め、独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に当たるとして莫大な課徴金が科せられ、日本のアマゾン・ジャパンの合同会社にも公正取引委員会が立ち入り検査に入るなど、一気に騒がしくなっています。

アリババ・ドットコムを創業した馬雲(ジャック・マー)会長が、突然、1年後の2019年9月10日に退任することを表明したり、夢を売ってきたテスラ株のメッキが剥がれて株価も大暴落、イーロン・マスクの進退さえ囁かれるようになっているのです。

いったい、世界の市場で何が起こっているのでしょう?

イーロン・マスクは、引き際を誤ってしまったために無様な格好を見せていますが、いずれにしても「逃げるが勝ち」とばかり、すでに戦う姿勢を失っています。

シリコンバレーの成功者たちは、知っているのです。彼らでも乗り越えられない破局が迫っていることを。そして、米国に運命の日が訪れようとしていることを。

何も知らない一般投資家たち

米の主流メディアのほとんどが、米国に「運命の日」が迫っていることを告げているにも関わらず、一般投資家は今日も株式市場のテクニカル分析に血道を上げています。

主流メディアの報道を信じている米国の一般的な市民は3割にも満たず、トランプ支持者に至っては1割しかいないのです。

それでも彼らは、今でも自分に都合のいいように解釈してしまうのです。「どうせメディアの言うことだ。今度も大嘘に決まっているさ」と。

バンカーとテクノロジーのエグゼクティブは、社会の崩壊を覚悟している

Bloomberg(9月5日付)は、そうした読者を揶揄するかのように、シリコンバレーのDOOMSパーティーをイラスト入りで面白おかしく取り上げています。

同記事のイラストに描かれているように、シリコンバレーの億万長者の間では、「米国終焉のシナリオ」を酒の肴にして高級ワインを飲むのが流行っているのです。

彼らは、ビジネス、居住にもっとも適している米国の西海岸を捨てて、南半球のニュージーランドに脱出する計画を話し合っているのです。もはや、それはシリコンバレーの技術エリートの間でもっとも人気のある人生プラン「B」となっているのです。

もともとシリコン・バレーの中には、黙示録的なシナリオを信じており、その準備に膨大な時間と労力、そしてコストをかけることを厭わない若手IT長者が多数いることが知られています。

米国の高級誌ニューヨーカー(2017年1月30日版)は、米国最大の巨大掲示板レディット(Reddit)のCEOであるスティーブ・ハフマン自身を含め、シリコン・バレーで成功した彼のエリートの友人のうち、半分以上が「最後の審判の日」のために準備を怠っていないと伝えています。

ハイテク関連の有名投資家、ジャスティン・カンは、ヘッジファンドの友人からもらった電話…「万が一のときの逃げ場所として、われわれはニュージーランドの土地を買っておくべきだ」という助言に沿って準備を進めています。

Facebookの前プロダクト・マネージャーであるアントニオ・ガルシア・マルティネスは、すでに米国の太平洋岸り北西部にある島を丸ごと購入して、快適な秘密基地をつくっています。

もちろん、用意周到なPaypal創設者のピーター・ティールは、とっくに資産の一部をニュージーランドに移しています。

西海岸を襲うのは、自然災害ではなく「経済崩壊」

かれこれ5年ほど前にも、「豪邸を投げ売りするハリウッド・セレブが後を絶たない」と報じられたことがありました。

このときは、「西海岸に巨大地震が迫っている」と警告するオレゴン州立大学による研究報告などをはじめ、多くのメディアが西海岸を大津波が襲う確率が高まっている、と報じていました。

また、ペンタゴンが地方警察の重武装化を進めており、ロシア海軍が西海岸の地震を警戒している、といった玉石混交の情報が飛び交う中、西海岸以外の米国市民まで不安に陥れたのです。

シリコンバレーのIT長者たちがワインを傾けながら議論に集中しているのは、サンアンドレアス断層の地震、核戦争、パンデミックというよりは、米国政府の特殊な構造が生み出す「大規模な崩壊」です。

それは自然災害ではなく、米国の新政権が今度こそ経済を破壊するであろうという、彼らなりの読みに基づいているのです。



大統領選が行われた2016年11月8日から9日の夜にかけて、カナダ移民局のウェブサイトがダウンしたことは、日本のテレビでも報じられました。


プラン「B」は西海岸の成功者たちだけでなく、東海岸の多くの銀行家も同じような懸念を抱いており、彼らもまた「緊急時対応計画」も策定中です。

シリコンバレーのビリオネアはニュージーランドに退避する

一般的な人々は、数多くの兆候が出てくるまで重い腰を上げようとはしません。

しかし、避難のために海外の広大な土地を購入しても、結局、それを利用せず荒れ野に任せるままにしたとしても、なんら懐が痛まない富裕な人々は、最後の審判の日が、いつやってくるかは問題ではないのです。

思いついたら、半ば遊び感覚ですぐ行動に移すのです。

Bloombergの記事「シリコンバレーのスーパーリッチには終末期の脱出計画がある」(9月5日付)には、注目すべきサジェスチョンがいくつかあります。

Bloombergによれば、過去2年間で7人のシリコンバレー起業家が、テキサス州の会社からサバイバル・バンカー(生存のための高い防護機能を備えた掩体壕)を購入し、ニュージーランドの各地に設置したとのこと。

それぞれのサバイバル・バンカーは、ライジング S社製から購入したバンカーで、小さいタイプで150トンの重量があり、ニュージ─ラントの地下11フィートに埋設されて、「その時」を待っています。

ニュージーランドに設置されるサバイバル・バンカーは半地下で全面核戦争を想定したものではありません。

「天然の殺菌剤、つまり核戦争によるアポカリプスの最初の兆候が出たとき、1%のエリートたちをターゲットにしたフランス革命のときのような民衆の蜂起が始まる前に、シリコンバレーの成功者たちは、民間のチャーター便にひょいと飛び乗って安全な土地に避難するための計画を練っている」と、ライジング S社の役員はインタビューに応えて言います。

つまり、暴動が起こって「99%」の人々のターゲットになるであろう自分たちの身の安全の確保を第一に考えているのです。

1〜2つほどの例であれば、好奇心旺盛なIT長者か、反対に病的なまでに心配性のパラノイアに違いないと人々はさして気にも留めないでしょう。

しかし、その数はシリコンバレーの成功者のうち、分かっているだけでも7人もいるのです。富裕層全体なら、この数十倍はいるものと考えられます。

なぜニュージーランドを選んだのか?

問題は、なぜニュージーランドの地下を最終的な避難場所に選んだのかということです。

もちろん、ニュージーランド政府が富裕な人々に邸宅を購入することを許可していることが最大の理由ですが、なんといっても英語圏で政情・経済も安定しており、有数の食料の生産国でもあり、破壊的な事象が起こり得る国々から遠く離れているからです。

ニュージーランドでは、投資家であれば、面倒な手続きを経ることなく投資家ビザひとつで永住型の住居を購入することができるのです。


富裕層がニュージーランドで陣取り合戦を始める

さらにニュージーランド政府は、シリコンバレーのIT長者のような裕福な米国人が、宮廷のような高額物件を購入して彼らの資産をニュージーランドに注ぎ込んでくれることを期待しています。

億万長者のヘッジファンドの大物ジュリアン・ロバートソンは、南島の豪華なリゾート地であるクイーンズタウンのワカティプ湖を見下ろす場所に建つロッジを所有しています。

フィデリティ・ナショナル・ファイナンシャルのビル・フォーリー会長は、ウェリントン北部のワイララパ地方に広大な農地を所有しています。

映画『タイタニック』でアカデミー監督賞を受賞したジェームズ・キャメロンは、2012年に風光明媚なポウヌイ湖近くの大邸宅を購入して移住しています。

米国と世界がいよいよ破滅的な事態に突入すると、富裕な米国人が、プライベートジェットに飛び乗ってニュージーランドに大量に流入し、陣取り合戦を始めるかもしれません。


米国を離れようとしない富裕層でも準備は万全

もちろん、ニュージーランドだけでなく、彼らのお目当ての国に豪邸を建てたり、快適に過ごせる地下シェルターを建造するための十分すぎる資産を持っていても、米国を決して離れようとしない富裕層もいます。

豪華な設備を備えた高額なサバイバル・バンカーも、西海岸から遠く離れた米国の中心部に建設されていて買い手を待っています。
https://www.mag2.com/p/money/532125

94. 中川隆[-13516] koaQ7Jey 2018年9月27日 06:52:27 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18841] 報告

日経平均が24000円に乗せる
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53093675.html
2018年09月26日 在野のアナリスト


昨日指摘したところ、すぐにFFR日米貿易協議で「基本的な認識で一致」とし、首脳会談で合意をめざす、としました。日本側は農畜産物で妥協の余地あり、としますが、同時に日米欧で提出する世界貿易機構(WTO)改革では、自国の特定産業を優遇する制度を導入した国への罰則を盛りこむ、とします。どの国でも農畜産業に補助金をだし、保護していますし、日本ではTPP対策として補助金を、という話もある。しかしもしWTO改革でそれらの農畜産業への補助金を「特定産業への優遇」とされたら、罰則覚悟でつづけるか、補助金を止めるか、という話になる。むしろ政府から補助金をカットする口実にされかねない、とすら思えます。

JAを潰して大規模農業を推進したい安倍政権は、補助金を減らして個人の農畜産家を立ちいかなくさせる。今回も米産品で数量を決めて輸入を義務付けられ、補助金もでないと日本の農畜産業は壊滅的になるでしょう。WTO改革はトランプ氏も主張し、これを中国が念頭としますが、同じように日本でも補助金漬けにされた産業があることを忘れてはいけません。

日本株が8ヶ月ぶり24000円台を回復です。ただここ最近、歪な市場がめだちます。直近2日はTOPIX先物を国内勢が買い上げていますが、現物株では日経225型の買いパターンとなった。しかも23000円ブレイクに伴う外国勢の買いは先週木曜には終了しているので、そこから国内勢だけが頑張っている印象です。第3四半期末のドレッシング、とは考えにくい。ここで頑張っても投資成績としてあまり重要でないためで、株高にする意味がないのです。年末高の先取りだとしても、重要なイベントを幾つも控えた中、リスク管理上も考え難いことです。

最近、メディアでも取り上げられるようになった『安倍政権が発表する経済指標が信じられない』という話。毎月勤労統計では今年1月に3分の1のサンプルが変更されたにも関わらず、調整もされなかったため、雇用者報酬が2000円強も押し上げられた。つまり年間通して1%弱の押し上げ効果が前年比でかかることになります。また労働力調査は就業者数が60『万人前後だった伸び率が、今年は160万人前後となり、これにはまったく説明がつかない。これまでも女性と高齢者の再雇用が増えてきて、限界とみられたタイミングで加速したのです。

さらにここに来て、企業収益も二重計上によって膨張している、との指摘もある。つまり株価を決めるマクロ、ミクロの指標がどちらも信じられない事態であり、「異常」とも形容されるここの強さには誰もが首を傾げる。特に、そんな事情をよく知っているはずの国内勢が株を買っているのですから、尚更です。その説明になるかもしれない一つの説は、沖縄県知事選までは株高を、安倍政権側が金融機関に要請した、ということです。

自民党総裁選、沖縄県知事選、この重要日程で勝利を期すために、安倍ノミクスは成功しているという印象を与えたい。特に、沖縄県知事選では党派色を強くだし、佐喜真候補を支援しており、また支持層でもある建設業は景気を敏感に映すので、株高は効果的に安倍政権の成功事例としてアピールできます。沖縄県知事選は剛腕を指摘される菅官房長官が取り仕切っており、対立候補の嘘だらけの醜聞をばらまくほど、その手口が汚くなってきた。3Q末で株高を建前に、金融機関に動員をかけたとて、決して不思議ではありません。

これまで国内勢は、22000円に接近すると買い、23000円に接近すると売っていた。その取引が成立する前提は、株価が下がると買う、という日銀の存在あってこそ、です。そうした細々とした取引で糊口を凌いできた国内勢が、ここに来て急にリスクをとる、ということも考えにくいのです。これからは『安倍政権の株価が信じられない』などという話が、巷にはあふれるのかもしれません。『歪』という漢字は、いみじくも『不正』と書きます。今の市場が不正によって歪になっているとすれば、口に糊がされたようにその不正を指摘できない理由も、また政治と金融機関の歪な関係の中にあるのでしょうね。

95. 中川隆[-13473] koaQ7Jey 2018年10月03日 09:05:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18973] 報告

>>90, >>91, >>92 に追記

エリオット波動マーケット分析 (デイリー) 宮田 直彦 2018 年10 月2 日

【日経平均・TOPIX】のカウント

cycle X波, primary ⓷波, intermediate第(3)波, minor 第3波


(3 月安値から「サード・オブ・サード」の上昇局面が進行中とみられる)

日経平均の16 年6 月安値(14,864 円)からの上昇は intermediate第(3)波とみており、その中の intermediate 第1波は今年1月高値(24,129円)で終了したとカウントできる。

そして今年3 月26 日安値(20,347 円)から intermediate第(3)波の minor 第3波、すなわち「サード・オブ・サード」という、もっともダイナミックな強気トレンドに突入した可能性が高い。

その通算上昇幅(率)は、第(3)波の第1波(9265 円、62%)に等しいか凌駕すると予想でき、それだけで日経平均は 3万円に達する可能性がある。


(日経平均はおよそ27 年ぶり高値)
10 月1 日の日経平均は終値でも91 年11 月以来およそ27 年ぶり高値となった。


(日経平均は年内24,500-25,000 円、今年度中に27,000 円試しも)
日経平均は年内24,500-25,000 円を想定する。元より23,000 円超では過去の取引が少なく、特に27,000 円までは「需給の真空地帯」と呼べる価格帯。年内の26,000 円打診の可能性、今年度中の27,000 円試しの可能性も小さくない


(89 年から08 年までの下落幅に対する61.8%戻りが26,748 円)。
過去2 年でみると日経平均の上値は予想PER15-16 倍水準だ。足元予想EPS(1730 円程度)からPER15-16 倍は26,000-27,700 円程度となり、このレンジの中ほどに上記61.8%戻りの節目が位置する。


(TOPIX は1 月高値・1911.31 ブレイクが注目される)
TOPIX は1 月から3 月までの下落に対する61.8%戻り(1809)を明確にブレイクしており、当面は同76.4%戻り(1848)を試す展開を想定する(9 月28 日には一時1828 へ上昇している)。TOPIX が1850 処を明確に上回ると、次は1 月高値(1911.31)を試す展開となりそうだ。

TOPIX の1 月高値ブレイクが確認されれば日本株に対する強気見通しは一段と増えると予想され、日本株全体の底上げの動きが強まるだろう。


(海外投資家の間で日本株を持たざるリスクが台頭か)
海外投資家は年初から9 月第1 週まで、現物先物合計で8 兆5000 億円超の日本株を売り越していたが、9 月第3週には同1 兆4968 億円の大幅買い越し。海外投資家の間で日本株を持たざるリスクが意識され始めた可能性がある。

_____


日経225CFD 日本エリオット波動研究所
http://jewri.org/category/nikkei/

【日経平均・TOPIX】のカウント
cycle X波, primary D波

としています。

96. 中川隆[-13449] koaQ7Jey 2018年10月04日 08:28:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19003] 報告

2018年10月04日
「円安だから外貨投資を」と勧める投資専門家に注意


今は円安なのでこの先は円高になると容易に推測できます

画像引用:為替・ドル円相場の超長期チャート | 金プラチナ相場情報 Let's GOLDhttps://lets-gold.net/chart_gallery/chart_usdjpy_long_term.php

外貨建て運用を勧める人に要注意

定期的にメディアで取り上げられる投資ネタに「外貨運用」があるが、これを言い出す人物には警戒したほうが良い。

というのは現在は歴史的に見て日本円はかなり円安で、将来もっと円安になる可能性は低い。

円安、円高、円安、円高というサイクルが存在するのは長期チャートを見れば誰でも理解できる。




2018年の現在は2011年の超円高からリバウンドし、かなりの円安水準となっている。

10月現在は1ドル113円だが、日本のデフレとアメリカのインフレで、90年代の130円や140円にも相当している。

ある期間にアメリカで10%インフレ、日本で5%デフレが進行したら日米の価格差は15%も拡大します。


良くたとえに挙げられるのはビッグマックで、日米で400円=4ドルだったのが日本はデフレで380円、アメリカはインフレで4.4ドルになります。

すると同じ1ドル100円の為替レートでも、日本では400円でビッグマックが買えるのに、アメリカでは4ドルで買えなくなります。

このように為替レートが同じでも日米インフレ差によって、年数パーセント実効レートが円安になっています。


だから現在の1ドル113円は20年前の1ドル140円にも相当し、長期的にこれ以上円安になる可能性は少ない。

もうひとつ円安が望めない理由として日本の膨大な経常黒字があり、2017年度は21兆円も黒字でした。

経常黒字は外国から日本にお金が流れることなので、毎年21兆円がドルから円に交換されます。

円高の時に外貨投資をするべき

実際には外国で稼いだ金は外国で運用されるのですが、リーマンショックのような経済危機があれば一斉にドルから円に交換され超円高になります。

どのくらい円高になるかというと1995年の円高では1ドル79円、2011年の円高では1ドル75円になりました。

円高のたびに円の水準が切り下げられているので、次の超円高では1ドル60円台になると考えます。


こんな状況で外貨投資を他人に勧めるのは「お金を捨てましょう」と言っているのと同じで警戒しなくてはなりません。

外貨資産を長期保有したら円高によって自動的に目減りするので、金利ゼロでも日本の銀行に預金したほうがましです。

では外貨運用はすべてダメかというと、超円高のときに外貨を買うとものすごく儲かります。


例えば2011年に1ドル75円でドルを買っていたら、その後1ドル120円に上昇したので数年で1.5倍になったはずです。

さらNY株式市場は同じ期間に3倍にもなったので、ダウ平均などを買っていたら4.5倍になっていました。

さらにそれに10倍のレバレッジを掛けていたら45倍になったはずで、円高の時に外貨投資をすれば一財産築けるかも知れません。
http://www.thutmosev.com/archives/77730602.html

97. 2018年10月04日 09:45:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19003] 報告

株価が27年ぶり高値をつけたのは労働分配率低下と引き換えだ(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/669.html
2018.10.4 野口悠紀雄:早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 ダイヤモンド・オンライン


 東京株式市場で株価が27年ぶりの高値を記録した。

 これは、日本企業の生産性が向上し、新しい事業やビジネスモデルが開発されたことの結果だろうか?

 そうとは考えられない。なぜなら、他方で、、労働分配率が43年ぶりの低水準に落ち込んだからだ。

 株高は、生産性が高まったからでも、経済が量的に拡大したからでもなく、単に分配の変化によってもたらされたのだ。

 以下で述べるように、このメカニズムは円安によって引き起こされる。

 これは、分配上の観点から問題であるばかりではなく、「外的な条件が変わると簡単に崩れてしまう」という点でも問題だ。

 実際、いまの状況は2006年頃と似ているが、そのときには、リーマンショックによって、企業利益増と株高のプロセスが崩壊した。今回はどうなるだろうか?

労働分配率は
43年ぶりの低水準となった

 財務省が9月3日に発表した2017年度の法人企業統計では、「労働分配率」(付加価値のうち、従業員の人件費に充てた割合:)の下落が続いた。

 17年度は66.2%で、43年ぶりの低さとなった。

 労働分配率は一貫して下がっているわけではない。

 図表1、2、3に示すとおり、2000年以降の推移を見ると、株価と労働分配率、そして為替レートが密接に連動していることが分かる。

 06年、07年頃には、円安が進行し、労働分配率が低下して、株価は上昇した。

 ところが、アメリカ金融危機、とくにリーマンショック以降、円高になり、株価は急落。このとき、労働分配率は上昇した。

 12年夏以降、為替レートは円安に転じた。そして、株価は上昇した。

 労働分配率は10年頃から低下していたが、その傾向が続いている。

 現在の日本では、株価は上昇するが、 賃金が伸びないので消費が伸びない。このため、GDP(国内総生産)も顕著には伸びないのだ。

 日本経済が停滞から脱し得ない基本的な理由は、ここにある。

(注)「労働分配率」は、付加価値のうち、従業員の人件費(給与、賞与、福利厚生)に充てた割合を示す。
なお、付加価値=人件費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課+営業純益。
ここでは、分配率として法人企業統計の数字を用いているが、国民所得統計でも同じ傾向が見られる。

 以上で見たように、日本経済では、「円安のときに、株価が上昇するが、労働分配率が低下する」という傾向が見られる。

 円安が株価を上昇させることはよく認識されているが、他方で労働分配率の低下をもたらしていることは、一般には認識されていない。円安は、決して誰にとっても望ましいというものではなく、立場によって評価は正反対になるのだ。

 なお、いまが歴史的な円安期であることは、名目為替レートを見ているだけでは、よく分からない。実質為替レートを見る必要がある。

 図表3に見るように、実質実効為替レートは、07年頃に80程度という円安水準になった(指数が小さいほうが円安)。しかし、これは2年間程度しか続かなかった。

 13年以降の円安は、それよりもっと円安の水準であり、また期間も長期にわたっている。

 日本の物価上昇率が低いので、名目為替レートが円高にならない限り、実質為替レートは円安になってしまうのだ。

円安が労働分配率低下と
株高をもたらすメカニズム

 なぜ円安になると、株価が上昇する半面で、労働分配率が低下するのだろうか?

 円安になったとき、日本製品の現地での価格はあまり変わらない。また、国内の賃金も円表示であまり変わらない。

 したがって、例えばドルで評価すれば、製品の価格や売り上げは変わらず、一方で日本国内での賃金が下がる。つまり、労働分配率が低下する。

 このために輸出産業の利益は増える。株価は製造業の大企業に影響される面が強いので、株価が上昇する。

 非製造業は、製造業ほど為替レートには影響されない。

 しかし、円安になると、労働分配率が低下する半面で、株価が上昇するという傾向は、同じように見られる。

 なぜ、輸出産業だけではなく、非製造業も含めて一般的に、円安のときに企業利益が増加するのだろうか?

 最近では、来日観光客の影響がある。これは、輸出と同じようなもので、直接的な影響だ。

 ただし、それだけではない。

 円安で輸入物価が上昇すると、企業はそれを製品価格に転嫁する。この際、輸入物価の転嫁だけでなく、一般的に値上げが行なわれる。「便乗値上げ」と言ってよいかどうか分からないが、価格転嫁がやりやすくなるのだろう。

 他方で賃金は上がらない。このため、企業の利益が増えるのだ。

 2000年代初めからの期間について、実際のデータを見ると、つぎのとおりだ(図表4参照)。

 06年頃まで円安が進行したのだが、02〜06年の期間に売上高は20.8%増加した。

 しかし、人件費は4.1%しか増加しなかった。このため、営業利益が55.6%も増えた。額では2兆6154億円もの増加だ。

「売り上げが増加するのに人件費が増えない」というのは、04〜06年頃の円安期には、明白な傾向だった。

 こうして、労働分配率が低下して、株価は上昇した。

 14年4〜6月から18年4〜6月の期間には、売上高は9.3%増えた(額では2兆9526億円)。しかし、人件費は8.5%の増加にとどまった(額では3514億円)。

 このため、営業利益が43.1%も増えたのだ(額では5兆4871億円)。

 では、売り上げが増加するときに、人件費があまり増えないのはなぜか?

 量的な事業拡大で売り上げが増えるのなら、人件費も増えるはずである。しかし、円安で値上げが行なわれ、帳簿上の売り上げが増えるだけなので、事業の実体面は変わらず、したがって人件費が変らないのだ。

 これは、利益の増加が実態的な事業の拡大によるものではないことを示す。したがって、株価の上昇も、事業の実体的な拡大によるのではない。

円安は外的条件で
簡単に変わる

 2006年頃の株価上昇時には、3年後にリーマンショックという危機が起きた。

 そして、図表1、図表3に示すように、円高になり、株価は急落した。このとき、図表2に示すように労働分配率は上昇した。

 06年から3年の株価の回復は、「偽りの回復」だったのだ。単に円安に支えられていただけだったのである。

「外需主導景気」といわれたが、その実態は、古いタイプの製造業が残ったことだ。このときに建設された巨大工場などが、その後の電機産業の赤字の原因になった。

 現在も円安に支えられているという点では同じである。そして、企業利益増大が労働分配率の低下によって支えられている点でも同じである。

 では、今後の日本で、金融緩和を続けていれば円安が維持できるのか?

 必ずしもそうとは言えない。実際、15年頃には、かなり円高が進行した。そして企業利益は減少した。

 これが円安に転じたのは、16年11月にドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選挙で勝って、アメリカの金利が上がると予想されたからだ。つまり、円安は外的な要因によってもたらされたものだ。それがいつまで続くか、保証はない。

(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 野口悠紀雄)

98. 中川隆[-13392] koaQ7Jey 2018年10月08日 08:03:27 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19063] 報告


遂に米国株にも減速の兆し2018年10月8日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7931

2018年2月の世界同時株安以来、アメリカの利上げとバランスシート縮小という金融引き締め政策が、世界の金融市場から資金を流出させていることを一貫して伝えてきた。

新興国市場から始まるバブル崩壊

一番最初に起きたのは、新興国市場の暴落である。先進国の株式市場がまだ市場最高値付近にある中で、中国株の下落はまだ収まっていない。以下は上海総合指数のチャートである。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2018-10-7-shanghai-composite-chart.png

何度も言っているように、市場から資金が流出する時、一番最初に下落するのはもっともリスクの高い市場だからである。

その他、トルコリラやアルゼンチンペソなどの新興国通貨の暴落についてもこれまで伝えてきた通りである。

•トルコ大統領、リラ暴落で国民に自国通貨の買い支えを推奨
•トルコのエルドアン大統領、通貨暴落で会心のギャグを飛ばす

そして、新興国から十分に資金が流出した後、アメリカの金融引き締めが止まらなければ、グローバル市場全体から資金が引き上げられ続け、次に下落するのは残った先進国ということになる。

それでも日経平均は耐えている。ただ、日本の株式市場で耐えているのは日経平均だけだということも報じておいた。

日本株で高値を維持しているのは日経平均に採用されている一部の銘柄だけであり、例えばJASDAQやマザーズなどの小型株は既に暴落しているのである。これも7月の時点で既に報じている。

•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている

同じ国の市場でも、やはりリスクの高い小型株が主要株よりも先に売られるということである。例えば米国株でも、著名投資家のジョージ・ソロス氏がバブルの崩壊に賭ける場合には、S&P 500などの主要株の指数ではなく、米国の小型株指数であるRussell 2000の空売りを行う場合が多い。

米国株に減速の兆し

日本の小型株は既に崩れているが、では米国はどうなっているかと言えば、少なくとも最近まで、小型株指数のRussell 2000に減速の兆しはなかった。これは、新興国の暴落はまだアメリカまで届いてはいないことを意味していた。

しかし、ここ数週間でそのトレンドに変化が見られるのである。

先ずは、主要株の指数であるS&P 500のチャートを見てみよう。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2018-10-7-s-and-p-500-chart.png


概ね市場最高値付近で推移している。

では、小型株指数のRussell 2000はどうなっているかというと、以下のようになっている。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2018-10-7-russell-2000-chart.png

2月の下げからの回復はむしろRussell 2000の方が力強かったことから分かる通り、これまでアメリカの小型株には減速の兆しは見られなかった。

しかし9月以降、遂にアメリカの小型株から資金流出の兆候が見られている。これは、これまで見られなかった新たなトレンドである。

結論

筆者は、これを弱気相場が遂に米国市場に到達した証拠であると見ている。

しかし、多数の投資家は、このような細かい兆候など完全に無視するだろう。新興国は暴落しており、日本株も日経平均以外は既に下がっているが、誰も気にしていない。

それでも筆者はこうした一つ一つの兆候を順番に確認し、バブルの天井が着実に近づいていることを確認してゆく。こうした兆候を気に留めない投資家が多数を占めてきていることは、筆者にはむしろ良い知らせである。

何故ならば、バブルの天井の定義とは、弱気派がすべて一掃され、誰もが強気になった瞬間だからである。まだ買っていない投資家、まだ空売りを買い戻していない投資家が居なくなった時、それ以上買う投資家が居なくなり、バブルは崩壊する。

バブルの崩壊は、多数の投資家がそれと分からない形で訪れるだろう。一気に下がることもなく、チャート上に複雑なトップを描きながら落ちてゆくことになる。日経平均やS&P 500が下げ始めても、強気の投資家が「まだ下がらない、すぐ反発する」と言い続ける中で、本当の弱気相場が始まる。

筆者は気にせず日経平均とドル円の空売りを続けてゆく。短期的な値動きを取る気が一切ないからである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7931

99. 中川隆[-13361] koaQ7Jey 2018年10月11日 17:39:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19120] 報告

2018年10月11日
金利が上がると通貨が上がるという定説の間違い


「金利が上がると通貨価値も上がる」と言っている人は、トルコリラを買うのだろうか


画像引用:楽天銀行 https://www.rakuten-bank.co.jp/assets/fx/campaign/images/fx-150831/img-01.gif

なぜ米利上げでドルは下落するか

10月10日にNYダウ株価が831ドル下落し、通貨の円が買われてやや円高の112円台になった。

毎度おなじみのパターンで米株価が下がると必ずドルが売られて円が買われ円高になり、日本株は下落します。

この動きの原因は米中央銀行FRBが利上げを繰り返しているからで、利上げによって景気後退懸念が出ている。



「利上げ、高金利、株安、ドル安」という一連の流れも毎度おなじみで、戦前からずっと繰り返されています。

ところが経済専門家や経済メディアの間では「利上げすると通貨が上昇する」という常識というか神話が存在しています。

最近もほとんどの経済メディアで「米利上げだからドル高になる」と解説していて、多くの人が見たはずです。


酷いのは「利上げすると通貨の価値が上昇する」と言ってその国への投資を勧める連中で、トルコリラとかを買わせようとします。

トルコリラでもメキシコペソでも、オーストラリアドルでも人民元でも、真実は「利上げしたら通貨は下落する」のです。

では経済メディアや投資専門家はどうして「利上げすると通貨の価値が上がる」と間違った解説をするのでしょうか?


これには投資家をはめ込んで金を使わせようとするだけでなく(それもある)、利上げで一時的に通貨の価値が上昇し、その後下落するためです。

失速する前の飛行機が一時的に上昇したり、消える前のロウソクが一瞬光ったりするように、通貨も下落する前一瞬上昇します。

アメリカは2007年に金融危機が始まると利下げをし、5.25%から0.25%まで利下げを行いました。

ドルは失速前に上昇する飛行機

利下げするとその国の国債などを買っても運用益が減るので、通貨は円に向かい1ドル75円の超円高になりました。

だが利下げによって景気が良くなり、経済が回復したので2011年を底にドル高円安に転換しました。

米FRBは2015年に金融緩和終了を宣言し0.25%から現在2.25%に上昇しています。


利上げするとその国の国債などの運用益が増えるので、投資家はドルを買ってドル高になり、少し円安になりました。

問題はその後で、世界で通貨が暴落する国は必ず「高金利通貨」で、低金利の通貨が暴落することはありません。

高金利の国では借金すると金利が高いので経済が不活発になり、景気が悪化して結局通貨は下落します。


また個人では「金利が高い」のは借りる人に信用がないからで、信用が高い人は金利1%以下で何億円も金融機関から借りています。

信用が低い人は金利15%以上で数万円しか貸してもらえないのだが、「金利が上がる」ことはその国の信用度が下がる事でもあります。

金を貸す側は「この人は踏み倒すかも知れないから金利を上げよう」と思い、信用が非常に高い人には「この人は安心だから金利1%以下でも貸そう」と思っています。


金利はこのような信用度の反映なので、ある国の金利が上がったら投資目的で一時的に通貨は上がるが、その後大きく下落します。

失速前に少し上がる動きに惑わされる人は利上げした通貨を買ってしまうが、その後大きく損をします。

米FRBは今後も利上げを数回実施すると言っているので、また何回か同じ動きを繰り返すでしょう。


そしてアメリカが利上げした分だけ、結局は「円高ドル安」方向に動きます。

アメリカに合わせて日本も利上げする方法があるが、それだと日本の景気を冷やしてしまうでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/77822610.html

100. 中川隆[-13360] koaQ7Jey 2018年10月12日 02:50:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19126] 報告

世界同時株安
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53094306.html
2018年10月11日 在野のアナリスト

株式市場は大幅な下落です。割高な米株が下がったとて、それほど驚きはありませんが、日本の下げが大きくなったのは、9月中旬からの日本株上昇の根拠が揺らぎだしたため、です。「米株より割安」などという論が語られ、株買いを促してきましたが、割高な米株と比べればどこの国も割安です。米経済が強く、将来の成長を期待しての高さであり、それ以外の国の経済は米国より強くもないのに、株価だけキャッチアップするはずがありません。

もう一つは第2四半期の業績発表と同時に、今期の業績が上方修正される、とも喧伝されてきた。しかし少しずつはじまった企業の業績をみると、期待に達しないものが目立った。10月はヘッジファンドの決算月になることも多く、売りが出てくるのではないか? 特に日本は短期的な上昇率が高く、狙われやすい。そんな思惑が重なって、売り圧力が強まったのです。

一番景気のよい国の株価が下がったから、それほどよくない国の株価はもっと下がる、そんな流れもあるでしょう。では米株の動きをみると、ハイテク関連の売りが大きく、これは巷間語られる単純な金利上昇や貿易戦争ではありません。普通に考えれば、これまで上昇してきたので利益確定売りが一気に出た、ということですが、もう一つはこれまでネット関連株が、情報漏洩や中国に不正チップを組みこまれてスパイされていた、などの負の情報をまったく無視してきたこと。悪材料のデパートとされるFacebookは下げていますが、それでも限定的。Google+やAppleでも情報流出の話がありましたが、市場は無視を決めこんできました。今回の下げでも、まだそれを完全に織りこめておらず、それでも成長への期待でこれからも上がる局面はあるでしょうが、一旦立ち止まったという程度です。

むしろ、IMFによる世界経済の成長鈍化見通し、などをうけてグローバルに展開するハイテク関連の方が打撃が大きい、との認識が広がったこと。ならば一旦、売っておこうと考えたとて不思議はありません。それが今日、売りが重なったことで更なる狼狽売りを誘ったというのが現実でしょう。米株がここから1000〜2000$下げたとて、株価的にみても不自然さはありませんが、そこまでいくこともないでしょう。今はまだ、米株ぐらいしか投資する先がなく、需給的にはみても米株は上がりやすい。ただ、世界的に調整するとグローバルに動かすファンドなどは打撃が大きくなり、動かす資金が減るため、時間的な調整が大きくなることもあります。今回も下げの比率がどこまでなのか? 確認する必要があるのでしょう。

日本では25000円をめざして日本勢もだいぶ買ってきたので、打撃も大きくなった。23000円を上抜けた際、外国人投資家が水準ブレイクで買った分も、今回の下げでチャラになった。需給面でいうと、日本の痛手はかなり大きいものとなりました。米株よりも調整が長引く可能性があり、また理由なき円安を志向した層の被った損失も、また今後に影響するとみられます。日本の株価が液状化しやすいのは、根拠なき論をばらまく有象無象が多くて、安心して投資できない環境がそうさせるのでしょう。価値を簡単に溶けさせないような、しっかりとした土台を築かない限り、米国が震源となる巨大な揺れに脆弱な環境がつづくだけなのでしょうね。

101. 中川隆[-13350] koaQ7Jey 2018年10月13日 06:19:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19141] 報告

米国、「アノマリー」世界大恐慌10月暴落が招いた「不安心理」2018年10月13日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/12831643.html


米国のダウ平均株価は10〜11日で1300ドルの急落に見舞われた。米国では、10月に入って、過去の暗い経験を引き出し「10月下落説」が囁かれていた。長期金利(国債10年物相場)の上昇もあって、「何か変調がくるのでないか」という潜在的不安心理があった。いわゆる、「アノマリー」という理論的に説明できないが、経験則でよくあらわれる現象に投資家はおののいていた。

世界大恐慌の発端になったかニューヨークの株価暴落は、1929年10月である。9月にピークを付けた後、10月の暴落につながったもの。そういう意味で、米国も投資家は「10月暴落」に神経を尖らせていた。そこへ下記の記事が現れたのだ。いま振り返って見れば、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言えなくもない。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月8日付)は、「米国債の利回り急騰 3.5%が株式市場の転換点か」と題する記事を掲載していた。

(1)「先週、米長期国債の利回りが急上昇し、9年余り続く米国株の強気相場が今後も継続するのかどうか疑問符がつき始めた。堅調な米国経済と株式や社債といったリスク資産に資金を注ぎ込みたいという投資家の願望を背景に、米国債の価格は急落してきた。消費者、企業、政府の借入コストを決める重要要素で、ベンチマークである米国債10年物の利回りは3.23%に上昇した」

(2)「一般的に堅調な経済は株式にとって好材料だ。しかし、米国債の利回りが上昇し続ければ、投資家は無リスク資産を保有する方が得策と考え、リスク資産から資金を引き揚げ始めるかもしれない。借入コストの上昇によって景気拡大のペースが鈍化する可能性もある。株式投資家は利回りがどこまで上昇すれば株式市場が大きく反落するのかを慎重に見極めようとしている」

米国では景気楽観論が広がっていた。私は株価急落前に、経済に死角のないのが死角だ。こう書いてはみたが、WSJの米国債利回り3.5%が株価下落のシグナルという記事の与えたインパクトは大きかった。投資家の不安心理が高まっていた矢先に現れた記事で「狼狽売り」を誘ったものであろう。WSJ記事の影響力の大きさを見せつけた形だ。

(3)「スイスの金融大手クレディ・スイスが過去54年間の株式市場のリターンを分析したデータによると、これまでの金利上昇サイクルでは通常、米国債10年物の利回りが5%に達すると株式市場の転換点となってきた。とはいえ、ゼロ近辺の金利やその他の金融緩和政策が10年続いた後の今回の金利上昇サイクルは独特であり、投資家は予想の見直しを迫られている」

(4)「BNYメロン・ウェルス・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、レオ・グロホウスキー氏は米国債1お年物の利回りが3.5%に近づくほど「現在の株式市場は妥当な水準にあるという投資家の判断」が揺らぐリスクは大きくなると指摘する。アナリストや資金運用マネジャーの多くも、今回の金利上昇サイクルでは3.5%が転換点になるとの見解で一致している。クレディ・スイスは、利回りが3%を超えると株式のバリュエーションが適正でなくなり始め、3.5%で売り圧力が高まると分析する」

私は今、米国の株価動向を見ながらこの原稿を書いている。その意図は、米国株価がこれ以上、大きく崩れまいという前提に立っているので、仮に米国の終値が大きく崩れたら記事の信頼を失いかねない。そこは、「素人の妄言」でお許し頂きたい。午前3時36分現在、NYダウは0.20%の上昇である。

米国の国債(10年物)利回りが3%を超えると株価が不安定になり、3.5%で株式の売り圧力が高まると記事は指摘している。現状は、その不安定ゾーンに入っているわけで、しばらくは株価の動揺が続くのだろうか。

(5)「米国債10年物の利回りがいつ3.5%に到達するかについてはアナリストのあいだでも意見が分かれている。米金融大手ゴールドマン・サックス・グループは最近、米連邦準備制度理事会(FRB)が2019年末までにあと5回の利上げを実施し、米国債10年物の利回りは3.4%に達するだろうと予想した」

10月13日の米国債(10年物)利回りは、3.138%である。前日よりも0.013%の下落である。株価の大幅下落を受けて国債相場がやや値上がりした。株式市場から債券市場へ資金シフトが起こっているのだろう。

102. 中川隆[-13355] koaQ7Jey 2018年10月13日 17:43:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19162] 報告

世界同時株安で大恐慌再来…米国の“失われた10年”が始まる(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/791.html
2018/10/13 日刊ゲンダイ

 
 手じまいは時間の問題(C)日刊ゲンダイ

 大恐慌の再来なのか。11日の株式市場は世界同時株安の様相で、マーケット関係者をパニックに陥れた。日経平均は一時、下げ幅が1000円を超え、2万2500円を割り込んだ。終値は2万2590円86銭。前日比915円18銭安の下げ幅は、今年3番目の大きさだ。中国・上海などアジア市場も軒並み株安となった。

 世界同時株安の震源地は、もちろん米国だ。前日10日のニューヨーク株式市場は、ダウ平均が大幅続落。構成銘柄がすべて下落し、終値は前日比831.83ドル安と、1日の下げ幅としては史上3番目の大きさを記録した。

「ダウ平均は夏場以降、史上最高値圏で推移してきましたが、米国での長期金利の上昇が懸念材料になっています。長期金利の指標となる10年物米国債の利回りが一時、年3.24%前後まで上昇しました。金利上昇が企業収益を圧迫し、景気にブレーキをかけるとの見方が一気に広がっています」(経済評論家・斎藤満氏)

 中間選挙を控えたトランプ大統領がいら立って、「FRB(連邦準備制度理事会)は狂っている」と思わず口にしたのもうなずけるほどの大暴落だが、問題は、これが一過性の調整で終わりそうにないことだ。シグマ・キャピタルの田代秀敏チーフエコノミストが言う。 

「空前の株高を支えてきたのは、米国企業の自社株買いです。大規模金融緩和でマネーが市場にあふれ、企業は自社株を買うことで株価を吊り上げてきた。株価が上がれば経営陣は安泰だし、投資家も満足だからです。しかし、金利が上昇すれば、企業の金余りも終わり、自社株買いも止まります。実は、米国の連邦議会予算局(CBO)が8月に公表した経済見通しでは、これから米国経済は“失われた10年”に突入すると予測しています(写真下の表図)。実質GDP成長率が4%を超えて絶好調とされる米国経済ですが、今年後半から減速し、2020年には2%を下回るようになる。一方で、長期金利は21年に4.0%に達して高止まりし、“失われた10年”は、短くとも28年まで続くと予測されているのです」

■過去の恐慌も10月に頻発

 これから米国は失われた10年に突入する――。それが分かっている機関投資家は、売り逃げるタイミングを探っている。日本からごっそり資金を引き揚げるのも時間の問題だ。

「日本の金融機関から超低金利で調達してドルに換えていた資金を円にして日本に戻せば、円高・ドル安になる。すると、日本株のドル換算の株価は上昇するので、ここぞとばかりに日本株を売り浴びせてくる可能性があります。自民党総裁選や沖縄県知事選を経て、政権基盤が弱っていることも株式市場にとってはリスクです」(田代秀敏氏)

 今月下旬に召集予定の臨時国会で政権運営への不安が強まれば、海外勢が日本株から手を引く動きが一気に広がりかねない。日本発の世界同時株安が恐慌の引き金になる可能性がある。

 過去の金融危機も、10月に起きることが多かった。08年の世界金融危機もそうだし、世界恐慌のブラックマンデーも10月だ。「恐怖指数」とも呼ばれる日本株の変動率指数(VIX)がハネ上がっていることも不気味だ。

103. 中川隆[-13357] koaQ7Jey 2018年10月13日 19:23:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19168] 報告

米国、「国債」中国が売却したければいつでもどうぞ「財務長官」2018年10月13日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/12844668.html

中国が、米国への対抗手段として米国債を売却して嫌がらせをするのでないか。こういう話は、たびたび登場する。中国は、現実にそういう荒業を行うだろうか。

今回の米株価急落は、米長期金利の上昇であった。中国が現在、保有している米国債は約1兆2000億ドル弱である。この全額を売却すれば価格が下落するので、長期金利は上昇する。その結果、何が起こるかと言えば、米国株価の下落にともない中国株の急落である。こういう連鎖を考えると、中国は売りたくても売れない「金縛り」であろう。

『ブルームバーグ』(10月13日付)は、「米財務長官、中国による米国債売却の可能性巡り懸念してはいない」と題する記事を掲載した。

(1)「ムニューシン米財務長官は13日、中国が保有する約1兆2000億ドル(注:正確には7月現在で1兆1710億ドル)規模の米国債を両国間の貿易交渉で切り札として使ってくる可能性を巡り懸念してはいないと説明した。国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会出席のために訪れているインドネシア・バリ島で記者団に対し、ムニューシン長官は『この問題は安眠妨害とはなっていない。米国債市場は極めて流動性が高く、この問題がわれわれの交渉の中で議題に上ったことは全くない』と語った。ムニューシン長官は『米国債には多くの買い手がおり』、中国は『自由に自らがしたいように行動できる』と付け加えた」

中国は、外貨準備高の一環として米国債を保有するメリットを享受している。金利が付くことのほか、高い流動性である。いつでも大量に売却可能である有価証券は、世界で米国債がナンバーワンである。その米国債を今後、一切保有しないという極端な仮定を置かない限り、全額売却する「合理的な理由」が見つからない。一部売却して米国債の価格を下げれば、残りの保有国債の時価評価を下げるブーメランに襲われるからだ。こう見てくると、中国が感情的になって一時に全額売却するケースは考えにくい。

中国は、昨年8月に1兆2000億ドルの米国債を保有していた。その後は売却しているが、米国債市場は20兆ドル以上の規模とされている。中国が、1兆ドル以上の米国債を売却するとしても値崩れを起こさないようにするには、少量ずつの売却であろう。となれば、中国が一度に、全額売却して自らも損を被るという「自殺行為」をする懸念がゼロと見るのは当然。米財務長官が、中国は「自由に自らがしたいように行動できる」というのはその通りだ。


104. 中川隆[-13363] koaQ7Jey 2018年10月14日 07:31:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19186] 報告

米国、「FRB」金融市場の脆弱性一掃し自信持ち「利上げ態勢」2018年10月14日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/12853636.html


FRBは、トランプ大統領からのけん制にもかかわらず、「利上げ態勢」を貫いている。これは、市中銀行からの適切なヒアリングの結果であろう。確実に進む雇用状況の改善と賃上げ。さらに消費者物価も動意を見せている。大規模なトランプ減税による刺激効果を考慮すれば、利上げは当然という姿勢だ。市中銀行が、「利上げは当然、利上げに驚く人のいることが驚き」という状態である。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月12日付)は、「米株安、FRBは投資家の味方か否か」と題する記事を掲載した。

(5)「9月のインフレ率は過熱感を示さなかった。これを聞いて神経質な投資家も少しはほっとしただろうと思った人もいるかもしれない。だが、法則は変わった。米労働省が10月11日に発表した9月の消費者物価指数(CPI)は8月比0.1%の上昇だった。エコノミスト予想の0.2%上昇を下回り、前年同月比では2.3%の上昇となった。金利が上昇するという見通しを受けて金融市場が動揺し、10日には米株式市場が急落していただけに、そのニュースは歓迎されるはずだった。ところが11日、株式市場は動揺した。これには貿易摩擦、中国経済の減速が世界の需要に及ぼす影響をめぐる懸念などいくつかの要因が挙げられるが、米連邦準備制度理事会(FRB)は味方してくれないという認識が投資家に広まりつつあることも一因かもしれない」

FRBは、これまで利上げが株式市場に影響を与えないようにしてきた。中国が人民元相場で動揺した際、利上げを延期したケースもあった。今後、そういう配慮はせず、「景気判断一本槍」で進むであろう。こういうFRBの姿勢にショックを受け11日、株価急落を招いたとの説も出ているほどである。

FRBによれば、米国経済の足腰がそれだけ強くなったという判断だ。折しも、米中は貿易戦争に入っている。米国は、自ら引上げた関税で消費財価格の値上がりは避けられない。これが、消費者物価上昇に飛び火するリスクを抱える。国内景気が力強い動きをしていることと合わせ、FRBが利上げで手遅れにならぬよう手を打つのは当然であろう。

FRBが、利上げに敢然として取り組む理由は次の点にある。

(6)「先ず、FRBがもはや金融市場の脆弱性を心配していないということがある。2016年初めには世界の株式市場の急落が経済に及ぼした影響を懸念して利上げ計画を巻き戻すということがあった。現在、米国経済は健全であり、今年の減税措置や歳出増加という追加的な景気刺激策の恩恵も受けている。確かに、株式市場が下落し続ければ、12月の米公開市場委員会(FOMC)会合で利上げが見送られるということもあり得るが、現在の水準を大幅に下回った場合に限られるだろう」

米国経済が「破竹の勢い」で進んでいるのは、本来の回復力に加え、今年の減税措置や歳出増加という追加的な景気刺激策の恩恵もある。要するに、米国経済はどこから見ても、死角がないほどに上昇エネルギーを貯めている。純粋な経済的判断から見て利上げを止める理由はない。

(7)「さらに言えば、FRBはインフレの数値よりも雇用市場がどれほど逼迫してきているかに注目しているようだ。9月の失業率は1960年代以来の低水準となった。採用が就労可能人口の増加を上回るペースで増えているため、さらに低下しそうである。こうした傾向が続く限り、FRBが利上げを中止する可能性は低い。それどころか賃金が上昇し続ければ、FRBは引き締めを加速する必要があると判断するかもしれない」

9月の失業率は3.7%まで下がった。これは1969年以来およそ49年ぶりの最低水準となる。失業率は昨年10月から6カ月連続で4.1%にとどまり、4月に4%を割った。その後は6カ月連続で4%を下回り、9月には半世紀ぶりの最低水準となった。この失業率低下の推移は、米国経済の力強さを余すところなく示している。FRBが利上げを躊躇する理由はどこにもない。批判するトランプ氏の無理解こそ批判されるであろう。

(8)「FRBが金融引き締め政策に積極的になり過ぎて米国経済がリスクにさらされるという危険性もある。とはいえ、米国株のバリュエーションが依然として割高で、利益成長をめぐる期待が大きいことを踏まえると、株価はそれ以外の理由で下落する可能性もある。FRBの政策決定が米国経済にとってまさに最適なものであったとしても、投資家にとっては喜ばしいものではないかもしれない」

米国株価が、下落した理由は利上げにあるのでなく、株価自体が高く買われすぎたことによる「スピード調整」に基づく。FRBは、このように見ているというのだ。こうなると、FRBを批判するより、株価が買われすぎたことに下落理由がある、と突き放しているように見える。


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米国、「経済基調」株価波乱に関係なく景気は堅調「懸念なし」 2018年10月14日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/12853626.html


資本主義経済で生活している者には、株式投資をする、しないに関わらず、その「渦」から逃れられない宿命を負っている。ならば、世界経済のエンジン役である米国経済の株価に目を向けて、しっかりと点検して置くことが必要だろう。

12日の米株式市場は、ダウ平均は4営業日ぶりに反発し、前日比287ドル高で終えた。後場に入って、前日までの下げがきつかったハイテク株を買う動きが優勢になったもの。この日発表された銀行決算は好調そのもので、米国経済の基盤に何らの陰りがないことを証明した。経済の土台には揺らぎはなかった。

米国の株価が一時的な調整はあっても、現状では本格的な下落場面に転換しないであろうと見られる理由は、前記のような銀行決算が好調であることのほかに、もう一つの理由がある。それは、中間選挙の結果に関わらず、選挙の翌年に株価がさらに上昇局面に向かっているという事実だ。1946年以降、この「事実」に反することは一度も起きておらず、今年の中間選挙後も同じ現象が期待されるというのだ。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月13日付)は、「『金利上昇も悪くない』 米銀決算に見るプラス面」と題する記事を掲載した。

(1)「米国の大手銀行は12日、世界の終わりではないことをタイミングよく思い出させてくれた。金利上昇を嫌気し、ダウ工業株30種平均はここ2日間に1300ドルを超える下げを演じたが、銀行は当然ながら金利上昇の恩恵を受ける。株価が急落する中でも、JPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの3行が発表した7-9月期(第3四半期)決算はいずれも、米経済の基本的な強さを示す形となった。JPモルガンとシティは利益が市場予想を上回ったほか、不祥事に揺れるウェルズ・ファーゴもコスト削減が寄与してまずまずの内容となった。法人向け融資やクレジットカード融資の金利は預金金利を上回るペースで上昇するため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは、大半の銀行にとっては差し引きプラスとなる」

米国経済は、金利上昇が無理なものでなく実態にそったものである。それが好調な銀行決算によって確認できた。トランプ大統領はFRB(連邦準備制度理事会)の強引な利上げが、株価の大幅下落をもたらした非難していたが、それは杞憂に終わった。利上げで萎縮するほど脆弱な経済基盤でないことを証明したからだ。

(2)「銀行幹部は米国債利回りの上昇を楽観しているようだ。JPモルガンのマリアンヌ・レーク最高財務責任者(CFO)は決算会見で『(利回り上昇は)予想していたことであり、望んでいたことだ』とし、『経済が拡大していれば、長期債の利回り上昇は望ましい』と述べた。同行のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)も、金利上昇に『人々が驚いていることに驚いた』と語った」

JPモルガンのトップは、次のように強調した。

@ (利回り上昇は)予想していたことであり、望んでいたこと。

A 経済が拡大していれば、長期債の利回り上昇は望ましい。

B 金利上昇に「人々が驚いていることに驚いた」。

以上のようなことは常時、FRBも把握しているはず。FRBが自信を持って利上げに臨んでいる事情が分るであろう。

(3)「JPモルガンのコア融資は7〜9月に前年比7%増と、力強い伸びを維持した。レーク氏は金利上昇が顧客に打撃を与えている兆しは見られないと話している。シティグループの融資は、前四半期の4%増から3%増にやや減速した。ウェルズ・ファーゴでさえ、融資動向は懸念されていたほど悪くなかった。ジョン・シュルーズベリーCFOは先月、法人向けの主要な貸し出し先である商業用不動産(CRE)融資と商工業融資がいずれも4〜6月期に比べ減るとの見方を示していた。だが実際には、減少したのはCRE融資のみで、ウェルズ・ファーゴは慎重な見方をしていたためだと説明している」

JPモルガンのコア融資は7〜9月に前年比7%増と、力強い伸びを維持した。金利上昇が顧客に打撃を与えている兆しは見られないと指摘している。これは、企業利益が利上げ分を吸収している結果であって、好循環過程にあることを示すものだ。

(4)「消費者・法人の双方で、返済に窮している兆候が消えた。JPモルガンとウェルズ・ファーゴはいずれも貸倒引当金を引き下げており、両行はデフォルト(債務不履行)が減ると想定していることを示唆している。シティグループも引当金を少し積み増した程度だ。つまり、消費者も企業も極めて良好な状況にあり、大手銀の収益改善をけん引したということだ。金利の上昇が続けば、株価が下がらないという訳ではないが、米経済にとって破滅的ではないということは言えそうだ」

貸倒引当金は、消費者・法人の双方で減少した。債務不履行の兆候が見えないので貸倒引当金を減らしたものだ。貸出が増える中で貸倒引当金を減らしているのは、米国経済が絶好調であることを示している。先に見られた株価波乱の理由は、実態経済面になかったのだ。株価のスピード調整という色彩が濃い。

105. 中川隆[-13362] koaQ7Jey 2018年10月14日 09:48:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19189] 報告

トランプ大統領は機関投資家からバブル崩壊の予報を受けている2018年10月14日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7940


これはニュースではなく筆者の個人的分析だが、先ず間違いないだろう。

2018年10月の世界同時株安を受けて、トランプ大統領はアメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)が行なっている金融引き締めを連日批判している。

ロイターによれば、トランプ氏はFedに対し、「狂ってる」、「どうかしている」、「ばかげている」、「小ざかしい」などの批判を繰り返し、Fedの行なっている利上げは「過度に積極的」で「大きな過ち」だと主張、Fedの行なっている金融引き締めへの批判を連日続けている。アメリカ大統領からアメリカの中央銀行への、清々しいほどの怒涛の批判である。

金融について何も知らない大手メディアはトランプ氏のいつもの暴言だと考えているのだろうが、この発言は実際には非常に戦略的であり、そして実際的な選挙対策なのである。

金利とバブル崩壊

どういうことか? 先ず考えたいのは、トランプ大統領が何故このタイミングで怒涛のFed批判を行なったかということである。

ここの読者には復習になってしまうが、ここでは既に昨年から長らくバブル崩壊のタイミングを図ってきた。最初の兆候は7月に報じたアメリカGDP速報である。

•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた (2018/7/28)

この7月の記事で既に、現在の状況が正確に予想されている。この記事では次のように書いてある。


アメリカの中央銀行によって世界市場から資金が引き揚げられており、現在は新興国だけを襲っている金融引き締めも、現在の引き締め状況が続けば最後にはアメリカと日本を含む先進国まで回ってくることになる。何度も言っているように、金融引き締め相場では高リスク資産から順番に下落していくからである。

しかし、当時はまだ米国株や日経平均にまで影響は及んではいなかった。しかしその間、新興国の株式と通貨は暴落を続けていた。

•トルコ大統領、リラ暴落で国民に自国通貨の買い支えを推奨
•トルコのエルドアン大統領、通貨暴落で会心のギャグを飛ばす

それでもいずれ日本やアメリカまで弱気相場が波及するとここでは一貫して主張してきた。新興国の次に影響が及んだのは、日経平均以外の日本株であった。

•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている

この記事では、日経平均に採用されている大手企業以外の銘柄は、既に暴落が始まっていることを指摘しておいた。日経平均が上昇していた一方で、JASDAQやマザーズなどの小型株市場は既に下落相場入りしていたのである。

金融引き締めが引き起こす世界同時株安

これらの状況の原因は、アメリカが金融引き締めによって世界の市場から資金を引き揚げていることである。それによって先ずは高リスク資産である新興国の資産が、そして徐々に先進国の市場も資金引き揚げの影響を受けていった。しかし、それでもFedは金融引き締めを続けている。

そしてアメリカの長期金利は遂に3%を大きく超えて上昇し、10月の世界同時株安に繋がった。このタイミングでトランプ大統領はFedに怒涛の批判を行なったのである。

ここまで読めば、トランプ大統領が何故前例のない批判を行なったのか、読者にも理解できるだろう。トランプ大統領はわたしがここに書いたような、グローバルマクロの投資家の相場観を知っている。トランプ氏はリーマンショックを予想したジョン・ポールソン氏やカール・アイカーン氏などの大物投資家と個人的に親しく、このまま金融引き締めが続けばバブルが崩壊するという機関投資家の相場観を彼らから聞いているのである。

無論、トランプ氏はFedに利上げ停止を本気で強要できると思っているわけではない。大統領といえども、中央銀行に具体的な政策の注文をすることは出来ない。

しかし、このタイミングでFed批判をしておけば、バブルが崩壊した後に、有権者に向かって「だから言ったのだ」と言うことが出来る。放っておけば株価崩壊はトランプ政権の責任になったものが、先に批判をしたことで「バブル崩壊を予想していたのに、Fedが間違った選択を取った」と言うことが出来るのである。トランプ大統領の狙いはそこにあるということが、今や読者にも理解してもらえただろう。

さて、最後に余談にはなるが、何も分かっていない日本の中央銀行総裁の黒田氏は同じ状況について、「市場は若干調整しているが、これまでのところ日米欧経済の良好なファンダメンタルズ(基礎的条件)に変化はみられない」(ロイター)との能天気な発言をしている。

日本とアメリカでは人材の質が違うのである。日銀など世界中の投資家から既に忘れられているので、誰が総裁でも構わないというのが唯一の救いだろう。

また、この状況における筆者の投資戦略については、以下の記事を参考にしてもらいたい。共に下落前の記事である。

•遂に米国株にも減速の兆し
•バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7940

106. 中川隆[-13349] koaQ7Jey 2018年10月17日 08:23:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19270] 報告

ドラッケンミラー氏が米国株空売り、バブル崩壊を予想 グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2018年10月17日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7947

2018年10月の世界同時株安で市場がやや荒れている中、ジョージ・ソロス氏のクォンタムファンドを運用していた著名投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏がバブル崩壊の可能性について述べている。Business Insider(原文英語)などが伝えているので、ここで紹介したい。

量的緩和バブル崩壊

2008年のリーマンショック以来、世界中の中央銀行が量的緩和によって市場に大量の資金を供給してきた。ドラッケンミラー氏を含む世界中のファンドマネージャーは、そのバブルに乗りながらもバブル崩壊がいつかということを何年も考え続けてきた。ここでも、例えば2017年7月に次のような記事を書いている。

•米国マネタリーベース縮小で量的緩和バブルは崩壊するのか? (2017/7/28)

この時には、バブル崩壊は2017年には起きないと結論付けている。以下のように書いたのを思い出してもらいたい。


バブル崩壊とは投資家が株を売らなければならない状況に追い込まれ、その状況が変えられないものであることによって起こるのだが、2017年の市場はその状況にはないということである。

とはいえ、では量的緩和バブルは何の問題もないのかと言えば、そうではない。ここでの論点は、それを破裂させるために十分なトリガー(ブラックマンデーやリーマンショックの頃には存在していた不可避の原因)が、現状では見当たらないということである。

しかしようやくその時が来たようである。少なくとも筆者はそう思っており、ドラッケンミラー氏も同様のようである。彼は次のように語っている。


金融引き締めによって、市場はバブルのサイクルのうち、爆弾が遂に爆発するステージに差し掛かっている。利上げを連続して続ける内に、そのどれかが引き金を引くだろう。

ちなみにこのインタビューは10月の急落より前に書かれたものだが、彼の相場観は的を射ている。そして、ここの読者にはお馴染みだが、わたしとほとんど同じ相場観を彼も語っている。


流動性の縮小が引き金を引くことになる。そしてそれは新興国市場では既に起きている。いつもバブル崩壊は新興国市場から始まる。

中国やトルコ、アルゼンチンなど、新興国の株式や通貨が暴落していたことは、ここでも何度も伝えてきた。しかし大半の見方は、それでも先進国には問題がないというものだっただろう。しかし筆者の見方も、ドラッケンミラー氏の見方も異なる。


直観的には、2008年の金融危機よりも大きな危機が起こることになるのではないかと思う。何故ならば、前回の金融危機を起こした原因(訳注:金融緩和)を何倍もの規模で行なってしまったからだ。

ファンドマネージャーとしてバブルの崩壊を何度も目にしてきたドラッケンミラー氏は、金融緩和に否定的だった。筆者やドラッケンミラー氏にしてみれば、新興国が暴落し、日本株も日経平均採用銘柄以外は既に暴落していて、米国でも同じことが起こり始めている状況で、大半の投資家や政治家が楽観的に居られるということは理解に苦しむ。

•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている

しかし、バブルとはそういうものである。

さて、その相場観に基づいて、ドラッケンミラー氏は空売りを始めているようである。10月11日に書かれたYahoo! Financeの記事(原文英語)が、ドラッケンミラー氏のポートフォリオが、買い持ちと売り持ちの差し引きで投資総額の25%の空売りとなっていることを伝えている。

それでも金融緩和に反対するドラッケンミラー氏

さて、バブル崩壊を予想したドラッケンミラー氏だが、もし自分がFed(連邦準備制度)の議長だったらどうするかと聞かれて、次のように答えている。


もし自分がFedの議長なら、すべてのFOMC会合で利上げを行うだろう。

これは現在のFedの利上げ速度よりも大幅に厳しい利上げの姿勢である。つまり、ドラッケンミラー氏は金融引き締めによってバブルを崩壊させるべきだと言っているのである。


引き締めを行わなければ、膨らんだ債務という問題はより加速し、将来により大きな問題を生むことになる。

引き締めを行えば、当然経済や市場に問題が生じる。ただ残念ながら、これから生じる問題は、引き締めを4、5年前に行なっていた場合よりも大きいものとなるだろう。

つまり、引き締めを行えばバブルは崩壊するが、崩壊させなければ問題はより大きくなり、そしていずれにしてもいずれ崩壊する、ということである。さて、読者はどう考えるだろうか。

ドラッケンミラー氏のこの考え方については、以下の記事で詳しく説明している。先進国の低い経済成長率は、量的緩和が価値を生まないゾンビ企業を大量に延命させていることが原因だと論じていて、なかなか面白い記事である。

•ドラッケンミラー氏: 量的緩和が深刻なデフレの原因となる

もう手遅れなのだが、日本も量的緩和についてもう一度考えるべきなのではないか。政治家が推奨する経済政策など、ろくなものではないのである。

•日本経済はこうすれば復活する: 自民党が絶対に実行しない経済政策

因みに、バブル崩壊についての筆者の相場観については以下の記事を参考にしてほしい。バブルの天井では上下の両方に激しい動きを見せる相場になるが、利益が欲しければ短期的な動きをすべて無視することである。短期的な動きに惑わされる投資家は、この相場では必ず損を出す。このことについても、時間があれば書きたいと思っている。

•バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7947

107. 中川隆[-13348] koaQ7Jey 2018年10月17日 08:30:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19270] 報告


日本経済はこうすれば復活する 自民党が絶対に実行しない経済政策 グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2016年5月26日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3366


日本経済は本当に瀬戸際にある。アベノミクスは円安と株高で経済を持ち上げようとしたが、それは永遠に続くものではなく、金融市場が日銀に反旗を翻した途端、日本経済は失速し、それは既にGDPに表れている。これは最初から分かりきっていたことである。


•金融市場に隷属する中銀: マイナス金利に踏み込んだ日銀の追加緩和が示す株式市場の先行き

•2016年1-3月期日本のGDP内訳: ついにマイナス成長、円安減速で輸出減加速

ではどうすれば良いか? 批判するばかりでは芸がないから、本稿では瀕死の日本経済を少なくとも可能な限り最良な状態へ持って行くための経済政策を考えてみたい。

消費税の撤廃

先ずは消費税からである。消費増税と法人減税が日本経済のためになるという、自民党の面白い論理から崩してゆこうと思う。

そもそも日本経済の問題とは何か。労働人口減少による個人消費の長期的減少傾向である。高齢化により仕事を辞めて年金で暮らす人が増えれば、仕事をして収入を得ていた頃と比べ、人々は消費をしなくなるだろう。日本は先進国で一番初めに、いわゆる長期停滞に陥ったのである。

•元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る

需要減少のもたらす結果は、成長減速とデフレである。インフレ率とは需要と供給のバランスで決まるのであり、需要が供給に対して少なすぎる場合、物価は下がりデフレとなる。

デフレは需要が足りていないというサインである。クルーグマン氏らとともに安倍首相が招聘したハーバード大学のジョルゲンソン氏は、日本経済の問題点は生産性の低さであり、そのためには法人減税を行うべきだと述べて経団連と財務省を喜ばせたが、この論理は無茶苦茶である。

•国際金融経済分析会合、ジョルゲンソン教授への反論: 日本の生産性は低いのか? 法人税減税と消費増税は善か?

先ず、世界経済のデフレ傾向はもう40年ほど続いているが、われわれはその間にIT革命を含む近世以降稀に見るほどの生産性向上を経験している。そしてそもそも、生産性の向上とはコスト減を意味するのであり、コスト減の結果は物価の低下となる。

実際に世界経済はデフレなのであり、生産性が低下しているとする学者らの主張はこうした物価動向を説明できていない。低い生産性はコスト増、そして物価の上昇を生むはずだからである。

だから低成長の原因は生産性ではなく需要減である。アベノミクスの目的もデフレ脱却であったはずなのだが、それでは需要の腰を折る消費増税は理にかなっていない。あり得る選択肢は、デフレ脱却を標榜して消費減税を行うか、デフレ容認を標榜して消費増税を行うかのどちらかであり、それ以外の選択肢はない。上げるべき税金があるとすれば、それは少なくとも消費税では有り得ないのである。これは法人税との比較において詳しく説明しよう。

法人税の大幅増税

消費税を減らすのであれば、その分を補う方法を様々考えなければならないが、先ずは法人税の大幅増税である。

そもそも自民党がさも当然のように法人税の引き下げを行っているのは、経団連がそれを望んでいるからである。経団連とは要するに役員賞与を受けている会社社長などの集まりであり、社内政治以外に特技のあまりない方々である。日本企業で働いている読者が居れば、能力と役職が一致しない会社員など見飽きているだろう。彼らはその成れの果てである。

彼らの受けている役員賞与には会社の費用として計上されるものとそうでないものがあり、費用として計上されないものについては法人税を引いた後の会社の利益から支払われるため、経団連は利益というパイを法人税と取り合っていることになる。だから法人減税を望むのである。

しかし消費税と法人税、どちらを増やすべきか、少し考えてみてもらいたい。消費税とは経済が上手くいっているかどうかにかかわらず、経済活動そのものに課税するものである一方で、法人税とはビジネスを行い利益が出た場合にのみ課税し、儲からない場合には課税をしないというものである。

この意味では消費税は国民が経済活動を行うインセンティブそのものを失わせるものである。どのような場合にも課税がなされるからである。

法人税のように利益に課税されるのであれば、経済活動への影響は軽微で済む。利益が出なければ税金を払わなくとも良いからである。しかしいずれの場合にも課税が発生するのであれば、利益が僅かしか出ないような場合においては経済活動を行わないほうが得となる場合があり、行われるはずだった経済活動が消滅してしまう。したがって法人増税、消費免税が当然の帰結だと思うのだが、自民党がそう思わないのはただ経団連を利するためなのである。

法人税を増税すれば日本からビジネスが逃げてゆくという反論があるかもしれないが、これはナンセンスである。グローバルビジネスの当事者がどのように動くかを理解していない。法人税を40%程度まで上げたとしても、事業が海外に流出することはほとんどないだろう。この理由についてはグローバル・ビジネスにおける法人設立について説明した記事で解説しておいたので、そちらを参考にしてほしい。

•グローバルビジネスにおけるタックスヘイブンの使い方

緊縮財政

次に行こう。次は緊縮財政である。しかし公共事業を減らすという意味においてであり、増税という意味においてではない。

ここでは先ず、そもそも政府の役割というものを考えてみたい。政府には主要な機能が二つあり、一つは公共サービスの提供、もう一つは所得の再分配である。

しかし現在の政権が公共事業を行う目的はそのどちらでもなく、主に景気刺激という名目である。麻生財務相は次のように述べている。

•麻生太郎氏、日銀による財政ファイナンスを肯定: 日本の財政破綻問題はどのように解決されるか


(日本経済では)年間約30兆くらい借りてくれる人が足りない。(中略)誰かがそれを借りてくれない限りは30兆分だけデフレになりますから。それを借りてくれてるのが政府。

つまりは需要が足りないから公共事業で政府が需要を創出するという論理だが、これはおかしいのである。

そもそもの話だが、政府の創りだした需要よりも経済活動で自然に生まれた需要の方が効率的であることに議論の余地はない。だから政府が先ず行うべきは、需要の成長を妨げる課税を先ず取り払い、それでも需要が足りないようであれば財政出動を行う、という手順でなければならない。しかし自民党は消費増税と財政出動を行っている。

増税と財政出動を同時に行うことを正当化する唯一の論理は、所得の再分配である。しかし日本の財政出動は貧困層の利益にはなっていない。上がった株価と上がらない賃金を見ればそれは明らかである。そもそも財政出動は雇用を生み出す目的で行うのだが、日本の労働市場は完全雇用である。

だから異様なまでに膨らんだ日本政府の予算を構成する公共事業は本来不要なのである。所得の再分配にはなっていないし、経済対策と言うのであれば先ずは消費減税である。この論理に反論できる自民党の政治家が一人でもいるだろうか。

経済学的に理にかなっていないにもかかわらず、自民党がそれほどまでに公共事業を行いたがる理由は、いわゆる「大きな政府」を作るためである。

政府とは国民から資金を吸い上げ、そして別の形で吐き出すことを目的としている。そして何処に吐き出すかは政治家が決めることである。だから資金を吐き出す先を決める政治家の周りには企業が集まり、政治家には政治献金や天下りなどの形で便宜が図られる。

これがいわゆる利権であり、政府というものの性質上利権が産まれることは避けられないのだが、日本の場合はかなり度を超えているように思う。ここまで議論してきたように、日本の政策で本当に日本の経済のためを考えて行われた政策は一つもないからである。経団連のために法人減税を行い、財務省のために消費増税を行う。そこに日本経済などは一切関係がない。

政府に存在する利権を拡大する方法とは、端的には増税と財政出動である。こうすれば自民党の経済政策の本質が見えてくるだろう。そうして経済における政府の役割を増やすことで、政府に出入りする資金を増やし、利権を増やしてゆく。

政治家に限らず、財務省が増税を望むのは、財務省が分配する予算が増えれば、財務省に頭を下げに来る政治関係者が増えるからである。そして財務省の権限で配分された予算は、別の利権へと渡ってゆく。そうして日本政府の負債は溜まり、経済は沈む。これが何十年にも及んだ戦後の自民党政治の総決算である。

こうした悪循環を避ける端的な手段は、先ず小さな政府を作ること、そしてもう一つは政府が資金を吐き出す際の政治家の裁量を最小化してしまうことである。つまりは財政出動よりも減税と、そしてヘリコプターマネーである。

ヘリコプターマネー

最後に議論するのは最近話題のヘリコプターマネーであるが、ここで議論をするのは的を絞ったヘリコプターマネーである。

上記のように政治家を利するだけの公共事業をするよりは、国民に直接配ったほうがよほど健全である。とりわけ労働市場が完全雇用であり、公共事業による雇用創出が民間の人材需要締め出しにしかなっていない局面では議論の余地がない。

しかし国民にキャッシュを配るという政策には経済学上の欠点がある。それは消費者の消費性向は企業の消費性向よりも少ないということである。より分かりやすい言葉で言えば、同じ金額を消費者と企業に渡せば、一般的に企業の方がより多くの消費を行う。だから地域振興券などの政策はほとんど使われず、またその事実は財政出動を行う口実にもなる。

これは確かに経済学的な事実である。だからわたしは、ヘリコプターマネーよりは先ず減税を、そしてヘリコプターマネーを行う際には、的を絞って特定の需要のある層に資金を集中投下することを提案したい。

真っ先に対象となるのは子供を産んだ家庭である。日本経済減速の第一の原因は少子高齢化であるが、少子高齢化の原因は20代の若者に子育てのための資金的・時間的な余裕がないことである。

だから少なくとも資金的な問題をヘリコプターマネーで解決する。子供を産んだ家庭には月に5万から10万程度を支給し、出産およびその後の負担を軽減する。

こうした方法の長所は、資金を投下して需要を刺激しようとするのではなく、資金の供給を提示することで消費を増やすインセンティブを作るということである。単に現金をばらまいたのでは、貯蓄に回る可能性が高い。だから需要を増やす特定の行動をした場合には資金を供給する、という順にすることで、個人の消費性向が低いという欠点を回避するのである。

これでどの程度消費性向を上げられるかは分からないが、効果の薄い他の政策よりはやる価値があるのではないかと思っている。所得の再分配としての機能はより単純となり、そこに利権の入る余地はほとんどない。特に子育て家庭への資金供給には意味があると考えている。しかし先ずは消費税撤廃であり、ヘリコプターマネーはそれからだろう。

結論

長くなったが、ここまで眺めてみれば、日本の経済政策の本当の意味が見えてくるだろうと思う。何故消費増税で法人減税か? 何故増税と財政出動か? そうした疑問の答えのなかに、日本経済のためになるからだというものは一つもない。

日本が国として機能していない一番の原因は、自民党に変わるまともな保守政党が存在していないことである。先日取り上げた移民政策などは恐らくは日本人のほとんどが望んでいないものであるにもかかわらず、海外の政治家や安い労働力を望むグローバル企業などを喜ばせるためにそれを実行出来てしまうのは、日本の政治が一党独裁だからである。

•安倍首相がシリア難民150人受け入れを発表、日本の治安と文化は終焉へ

自民党は保守などではない。自民党とは経団連や財務省など様々な既得権益者が集まって利害調整をするための場なのであり、彼らには日本経済がどうなるかなど最初から念頭にないのである。アベノミクスは既にほぼ終了しているが、次に政権を握る政治家も、残念ながらこの枠内から出ることはないだろう。日本には自民党以外の政党が本当に必要なのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3366

108. 中川隆[-13353] koaQ7Jey 2018年10月24日 05:31:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19486] 報告

中国、「製造業不振」日本の工作機受注で落込み鮮明「貿易戦争の影」2018年10月24日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13073337.html

『人民網』は強気の報道をしているが、中国経済は日に日に悪化の度合いを深めている。日本の工作機械の受注に、それがハッキリと浮かび上がってきた。頭隠して尻隠さず、である。

工作機は、機械をつくる機械である。この工作機の精度の良し悪しが、一般機械の性能に大きな影響を与える。日本の工作機は、戦後に電子機能を取り入れドイツを凌ぎ世界一の座を占めた。戦前は、ドイツ製が世界一であった。高度経済成長期の1970年代、日本が電子化の採用により品質面で首位に立ち現在に至っている。私は、この日本工作機発展期を取材していた。

『日本経済新聞 電子版』(10月23日版)は、「工作機械、中国受注減続く、9月22%減、貿易摩擦で買い控え」と題する記事を掲載した。

(1)「日本工作機械工業会は、9月の工作機械受注額(確報値)を発表した。それによると、中国向けの受注額は前年同月比22.0%減の189億円だった。7カ月連続で前年を下回った。米国との貿易摩擦などで中国では投資を手控える動きが広がっている。底打ちの兆しは見えない。これまで中国市場の減速はスマホなどの電子機器の受託製造サービス(EMS)の落ち込みが主因だったが、自動車やロボット産業などにも影響が広がっているようだ。オークマの花木義麿社長は『中国は中長期では成長市場だが、この先半年程度は顧客の様子見が続きそうだ』と話す」

9月の中国向け受注額は、前年比22.0%減という大変な落込みである。3月以来、7カ月連続で前年を下回った。受注減は、スマホなどの電子機器の受託製造サービス(EMS)の落ち込みから、自動車やロボット産業などにも影響が広がっている。中国製造業の核心部分へと不況の波が拡大しているのだ。米中貿易戦争の影響であることは言うまでもない。貿易戦争は始ったばかりである。長期戦が予想されるだけに、中国製造業は予断を許さない局面へ向かっている。

(2)「9月にシカゴで開かれた展示会の効果で米国向けが27.4%増の297億円と過去最高を更新するなど欧米が好調だった。それだけに外需の2〜3割を占める中国市場の弱さが際立つ。中国向けのうち、EMSなど電気・精密向け受注額は前年比62.9%減の27億円にまで落ち込んだ。より景気の実態に近い一般機械向けの受注額も15.6%減の54億円に沈んだ。産業用ロボットや半導体製造装置など様々な生産設備に使われる精密減速機の大手、ハーモニック・ドライブ・システムズも18年7〜9月期の受注高(単体)が約6割減少した」

米国向けが27.4%増と過去最高を更新するなど欧米が好調である。一方、中国の不振が際立っている。『人民網』記事では、中国企業は米中貿易戦争に備え、余裕のほどを見せていると報じているが、現実は全くの逆である。『人民網』は、ついに戦時中の日本の「大本営発表」と同じで、フェイクニュースを流し始めた。こうなると、中国経済の陥落は近いか。

109. 中川隆[-13365] koaQ7Jey 2018年10月28日 08:43:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19615] 報告

平野憲一の株のお話 2018.10.28 個人投資家が株を売る理由
http://kasset.blog.fc2.com/


 株価急落の10月第4週の個人投資家はさすがに売らされたかも知れませんが、その前の下げの第2週と第3週では先物・現物合計で8784億円の買い越しでした。しかし、個人投資家の現物手口は4月〜9月まで毎月の売り越しです。年単位でも、ここ10年ずっと売り越しです。これについて野村証券から「高齢化による売り圧力」のレポートが出ていますので、1部をご紹介します。

 厚生労働省は9/7に、2017年人口動態統計を公表しました。それによると、2017年の死亡数134万397人で、8年連続増加。2020年の死亡数141万4000人(国立社会保険・人口問題研究所推計)、30年160万3000人(同)40年167万9000人(同)となっています。 死亡者数の増加は相続資産の増加を意味します。

 2017年の個人が保有する国内上場株式は107兆7000億円で、年齢別に見ると50歳代22兆1000億円(保有比率20.5%)、60歳代25兆6000億円(同23.7%)、70歳代48兆9000億円(同45.4%)となっています。2017年の死亡率は50歳代0.30%、60歳代0.78%、70歳代4.44%で、これを上記年齢別保有額に掛けると相続された合計額は2兆4000億円と推定できます。

 その後2018年9月末までTOPIXは約5.9%上昇しましたので、今年2018年に相続される日本株の推計は2兆5000億円となります。団塊世代が70歳を越えましたので、この数字は今後更に増えると思います。

 また、2017年の「家計の金融行動に関する世論調査」で、その相続先である40歳以上の世帯主の80%が「元本割れの可能性のある株式を保有しようとは思わない」と回答していますので、相続された株式の80%が17年に売却されたと思われます。

 上記のように2018年に相続される日本株の推計は2兆5000億円なので、その80% 2兆円が本年の株式市場へ売却される金額と言う事になります。

 その意味では、日銀のETF買いは、極めて有効な政策だと思います。異次元量的緩和の1手段として、株式市場を通じて資金供給機能を果たしている日銀買いですが、世代間をつなぐ受け皿としても有効な政策だと思います。相続時に出た売り物を一旦引き取り、次の世代に渡す重要な役割を結果的に担っています。

 相続税減税策が出たら日経平均は数千円高の材料ですが、金持ち優遇策として批判されるので、難しい政策です。しかし将来、日銀保有株を全国民対象に優遇税制を付けて売り出したら、日銀は見事な世代間の資産移動の橋渡し役となります。

 日銀ETF買いは、後数年で終わりますが、相続による日本株への売り圧迫はその後も続きます。とにかく、40歳代の現役世代がもっと株式を持つ気にならなければなりません。日銀の保有株は21兆円、最大の日本株保有を誇るブラックロックが30兆円に対して、年金(GPIF)は51兆円も持っています。国民に関係ない事ではありません。株の2重課税撤廃を含めて、株の魅力を高める為に、アベノミクスのやる事は多いと思います。

110. 中川隆[-13368] koaQ7Jey 2018年10月28日 10:45:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19624] 報告

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2018年10月28日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7959


2018年10月に始まった世界同時株安について、一度纏めておこうと思う。

ここでは急落が起こる何ヶ月も前から株価が暴落する理由について詳しく説明してきたので、ここの読者には同じことの繰り返しになってしまうが、状況を整理することは必要だろう。

世界同時株安の原因は何か

さて、では株価が下落した理由は何だろうか。それは直接的にはアメリカの金融引き締めだが、本質的には2008年の金融危機以来、世界中の中央銀行が行なってきた量的緩和による金融バブルが原因だと言うべきだろう。先ずは2008年以来、米国株がどれだけ上昇してきたかをチャートで見てもらいたい。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2008-2018-s-and-p-500-chart.png

先ず読者に言いたいのは、このスケールで株価を見なければならないということである。一日で株価が数パーセント上下しようとも、このチャート上で見ればどうでも良くなるだろう。その感覚が大切である。2008年以来の巨大なバブルが、アメリカの金融引き締めによって崩壊するかどうかが問題だからである。

さて、アメリカの中央銀行に相当するFed(連邦準備制度)は2種類の金融引き締めを行なっている。先ず、政策金利を0.25%ずつ引き上げる利上げを行なっているのは多くの人にとっても既知の事実だろう。

さて、ここの読者以外の日本の個人投資家の多くはそもそも知らないのではないかと思っているのだが、アメリカの中央銀行は利上げの他に量的引き締めを行なっている。そして筆者はこちらの方が株式市場にとって重大な脅威だと考えている。

量的引き締めとは、市場から債券を買い入れることで中央銀行のバランスシートを増加させ、市場に資金を供給する量的緩和の逆回しであり、つまりは量的緩和で買い入れた債券の保有額を減少させ、市場から資金を引き揚げることである。しかもFedはこれを量的緩和でバランスシートを増加させた時と同じ速度で行なっている。つまりは、量的緩和の完全な巻き戻しが行われているということである。

完全に明らかな世界同時株安の原因

はっきりと言っておきたいのは、筆者にとってはここまでの議論で株安の原因は明らかだということである。中央銀行が量的緩和を行なった時、株価はあれほど暴騰したではないか。アベノミクスで日銀が量的緩和を開始した時、暴騰する日本株を買った読者も多いのではないか。

そうであれば、同じ規模で量的引き締めが行われる場合、同じ規模で株価が暴落しなければ理屈に合っていない。これは、量的緩和でこぞって株を買い漁った投資家自身が一番良く知っていることである。

しかし、市場はこの完全に明らかな事実をこれまでずっと無視しながら上昇相場を続けてきた。バブルとはそういうものだからである。しかしそこにはもう少し説明が必要だろう。

暴騰と暴落の違い

これは金融市場の歴史を通してそうなのだが、バブルとは同じように上がって同じように下がるものではない。株式市場は好材料は一気に織り込み、市場は上げ相場に入ってゆくが、上げ相場が長く続くと、今度は明らかな悪材料があってもそれを無視するようになる。

そうして上昇相場は悪材料を無視しながら上昇を続けてゆき、無視出来なくなったところで一気に下落相場に転じることになる。これこそが、上昇相場が通常10年前後続くのに対して、弱気相場が2年ほどで急激に下落する理由である。金融市場とは17世紀オランダのチューリップ・バブルの頃からそのようにして続いてきたのである。

市場に無視された量的引き締めの開始

アメリカの量的引き締めは、2018年のニュースではない。量的引き締めは2017年の中頃から議論され始め、同年の9月に開始された金融政策である。ここでも当然報じてある。以下の記事である。

•連銀総裁ら、追加利上げとバランスシート縮小について語る (2017/8/9)
•9月FOMC会合結果はバランスシート縮小決定、ドル円相場の推移見通し (2017/9/21)

しかし、金融市場はこれほど重要な決定をほとんど無視した。そして市場が無視するということも含めて、ここでは事前に予想してきた。以下の記事では次のように結論している。

•米国マネタリーベース縮小で量的緩和バブルは崩壊するのか? (2017/7/28)


バブル崩壊とは投資家が株を売らなければならない状況に追い込まれ、その状況が変えられないものであることによって起こるのだが、2017年の市場はその状況にはないということである。

とはいえ、では量的緩和バブルは何の問題もないのかと言えば、そうではない。ここでの論点は、それを破裂させるために十分なトリガー(ブラックマンデーやリーマンショックの頃には存在していた不可避の原因)が、現状では見当たらないということである。

さて、では市場はいつまで量的引き締めを無視し続けるのか? 言い換えれば、バブルはいつまで続くのだろうか? それが分からなければ、バブルを空売りして儲けることは出来ない。だから去年以来、ここでは株価バブル崩壊の兆しを注意深く探し続けてきた。

バブル崩壊には順序がある

リーマンショックの2008年にもそうだったように、バブル崩壊とはすべての銘柄が一斉に下落するものではない。ここでは去年から言い続けてきたように、バブル崩壊の過程では先ず、リスクの高い資産から売られ始めることになる。

事実、2018年の株式市場で一番最初に下落したのは新興国の株式である。中国やトルコ、アルゼンチンなどの株式と通貨の暴落については、ここでも報じてきた。

•トルコ大統領、リラ暴落で国民に自国通貨の買い支えを推奨 (2018/8/12)
•トルコのエルドアン大統領、通貨暴落で会心のギャグを飛ばす (2018/8/13)

しかし、読者も知っての通り、大半の投資家の反応は「先進国には関係がない」である。そうした反応自体が既にバブルの証拠なのである。

ただ、新興国の次に下落するのはアメリカの市場ではない。そして米国株が崩壊しなければ、日本など他の先進国の株価指数も何とか耐えてゆくだろう。

では次に下落したのは何かと言えば、米国以外の先進国の株式の内、日経平均などの株価指数に含まれていないマイナーな銘柄である。

•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている (2018/7/31)

7月の段階で既に、日経平均採用銘柄を除く日本株は弱気相場入りしていた。この記事ではマザーズやJASDAQなどの小型株指数が既にかなり下落していたことを指摘した上で、次のように書いている。


少なくとも先進国の主要な株価指数はいまだ史上最高値付近からそれほど下落しておらず、日経平均などだけを見ていると金融引き締めは問題なかったのではないかと思うかもしれないが、世界の市場を見渡してみれば暴落の日が着実に近づいていることが分かるということを、ここ最近連日書いている。

7月時点でこう書いたのだが、真剣に受け取った読者がどれだけ居ただろうか。少なくとも、世の中の大半の個人投資家はここで筆者が指摘し続けてきた暴落の兆候など気にもせず、株式や投資信託を買い続けていただろう。

さて、それでも米国の株価指数であるS&P 500や日経平均は上がり続けた。しかしここで指摘し続けた通り、世界の株式市場の中でまだ上昇相場を保っていたのは、アメリカや日本の株式市場の内、株価指数に採用されている少数の銘柄だけだったのである。

この状況を冷静に考えれば、相場が大丈夫な理由など何もないことが簡単に分かるはずである。アメリカの金融引き締めは世界の金融市場から確実に資金を引き揚げ続けており、新興国は暴落し、先進国も主要銘柄以外はすべて暴落し、最後に残されたのはS&P 500と日経平均に含まれる少数の主要銘柄くらいのものである。ここまで崖っぷちであるにもかかわらず、多くの投資家はバブル崩壊の危機に気づくことがない。筆者には逆にその理由が完全に不可解である。バブルとは面白いものではないか。

2018年9月、最後の審判

9月に日経平均が最後の暴騰を見せたのは、多くの個人投資家が知っている事実だろう。日経平均のチャートを見てみたい。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2018-8-27-nikkei-225-chart.png

9月の最後の急騰の間、筆者は日経平均の空売りを機械的に続けている。天井の少し前から空売りを開始したため、空売りポジションを構築する間、株価は上がり続けたが、一切気にせず売り増しを続けた。その次に何が起こるのかが分かっているのだから、やる事は一つである。
•バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)

そしてバブル崩壊の最後の兆候が現れた。遂に日本のマザーズやJASDAQだけでなく、米国の小型株までもが下げ相場入りしたのである。10月初めのことである。
•遂に米国株にも減速の兆し (2018/10/8)

上にも書いたが、バブルではリスクの高い資産から順番に売られてゆく。先ず新興国、次に米国以外の先進国、そして米国の順番となる。つまり、世界市場では米国株は最後の砦である。

その米国の小型株にまで弱気相場が及べば、次はもう米国の主要株が下落するしかない。そして米国の主要銘柄が下落すれば、日本を含む全世界の株式が下落するしかない。だから上記の記事では次のようにはっきり書いてある。


筆者は、これを弱気相場が遂に米国市場に到達した証拠であると見ている。

しかし、多数の投資家は、このような細かい兆候など完全に無視するだろう。新興国は暴落しており、日本株も日経平均以外は既に下がっているが、誰も気にしていない。

それでも筆者はこうした一つ一つの兆候を順番に確認し、バブルの天井が着実に近づいていることを確認してゆく。

そして暴落は当然のように起きた。筆者はそれが10月の何日に来るということを予想していたわけではない。しかし、それが上に説明した順番で起こるということは、去年から分かっていたことである。

もう何年も同じことを言い続けているが、ここでは市場で起こることをすべて事前に説明してあるので、実際に暴落が起きたとしても、書けることは既に書いたことだけである。だから普段からの読者には面白みのない記事となってしまっただろう。

今後の相場見通しについて言えば、下落相場が長く深いものになるためには寧ろ一時的な反発が必要である。だから長期の空売り投資家として筆者は反発を望んでいる。しかし、実際にはどうなるだろうか。

いずれにしても、基準となるのは米国株である。だからS&P 500のチャートを貼っておく。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/10/2018-10-27-s-and-p-500-chart.png


このチャートをFedが救うのか、救わないのかということが問題となる。10%下落したぐらいでは、Fedは市場救済には乗り出さないだろう。現状では10%程度の下げとなっている。

では15%ではどうか? 20%ではどうか? そのようにして次の手を考えることになる。しかし重要なのは、これが10年続いた上げ相場の総決算、バブル崩壊だということである。現状程度の下げでは、下げた内には入らないだろう。

既に長くなってしまったので、見通しの詳細については次の記事を楽しみにしてもらいたい。これほど面白い相場は、何年に一度というレベルだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7959

111. 中川隆[-13383] koaQ7Jey 2018年10月30日 21:41:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19714] 報告

アメリカ経済の好景気が量的緩和バブル崩壊の原因となる グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2018年10月30日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7978


世界同時株安が続いているが、中心となっているのはアメリカなので、アメリカの実体経済が今どうなっているかについて説明してしまおう。丁度良いタイミングで7-9月期のGDP速報値が発表されている。

ここの読者には周知の事実だが、アメリカの実体経済は非常に好調である。ただ、世の中では「経済が好調だから株価は大丈夫」などという妄言が流布されているようだが、まったくの嘘である。むしろ好調なアメリカ経済こそが世界同時株安の原因となったのである。

何故景気が良いとバブルが崩壊するか?

さて、ここの読者は知っての通り、ここでは量的緩和バブルが崩壊するタイミングを去年の末から計り続けてきた。そして、いよいよバブルの天井が近いと断定した記事が、7月のこの記事である。

•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた (2018/7/28)

この記事では、4-6月期のアメリカの実質GDP速報値が2.85%となり、アメリカの実体経済の好調ぶりが続いていることを報じた。そして、それこそが株安の原因となると結論し、次のように書いている。


日本株は当然のこと、米国株まで含め、世界の株式市場は下落相場を経験するだろう。なかなか面白い相場がやってくると考えている。

以前からのここの読者でなければ、好景気で株価が暴落するという理屈は非常に逆説的に聞こえるだろう。しかし、プロのファンドマネージャーの世界ではこの理屈は当たり前である。

どういうことか? 先ずは前回の記事で述べた、世界同時株安の原因について思い出してほしい。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

詳しくはこの記事を参照してほしいが、世界同時株安の原因は、アメリカが利上げとバランスシート縮小という金融引き締め政策によって世界の金融市場から資金を引き揚げていることである。

金融引き締めとは、基本的には金利に上昇圧力を加えることである。金利が下がれば家計や企業は借り入れを行いやすくなるため、住宅ローンや自動車ローンなどを通じて実体経済を支える役目を果たし、逆に金利が上がれば過熱した経済を冷やす役目を果たす。

中央銀行は、この金利操作をGDPやインフレ率などのデータを見ながら行うことになる。経済成長率やインフレ率が高ければ、2008年の金融危機以来行なってきた低金利政策を維持する必要がないと判断され、金融引き締めが行われるわけである。

では、アメリカの実質GDP成長率はどうなっているのかと言えば、次のようになっている。

2018年7-9月期の実質GDP速報値は3.04%であり、これは前期確報値の2.87%から更に加速している。1%程度の成長率を推移している日本経済と比べても明らかな好調であり、しかもグラフからはトランプ大統領が当選した2016年終盤辺りから上り調子であることが分かる。

このデータを見れば、中央銀行にとってはリーマンショック以降の低金利政策を続ける理由はないということである。だからアメリカは利上げを行い、量的緩和の逆回転であるバランスシート縮小政策を行なっている。

しかし、上で引用した7月の記事でも述べた通り、金融政策は通常、実体経済を冷やすよりも先に金融市場を冷やしてしまう。だから中央銀行が「経済が減速しない限り金融引き締めを継続する」という姿勢を示し続ける限り、どうあっても金融市場の暴落が先に起きてしまうのである。

7月時点では、中国やトルコなど新興国の市場は既に暴落していたが、アメリカのS&P 500や日本の日経平均までには影響は及んでいなかった。その当時、わたしは次のように書いている。


アメリカの中央銀行によって世界市場から資金が引き揚げられており、現在は新興国だけを襲っている金融引き締めも、現在の引き締め状況が続けば最後にはアメリカと日本を含む先進国まで回ってくることになる。何度も言っているように、金融引き締め相場では高リスク資産から順番に下落していくからである。

重要なのは、この間アメリカの金融引き締めが撤回されないということである。アメリカが世界市場から資金を引き揚げ続ける限り、市場は順番に下落を続けるしかない。何度も言うようにリーマンショック以後の量的緩和で株が暴騰したのだから、同じ規模で行われている量的引き締めで株が暴落しないのは理屈に合わないのである。

そして上記に述べた通り、アメリカ経済は今絶好調である。だから、金融引き締めが止まるとすれば、それは実体経済の減速ではなく、株価が暴落することによってしか有り得ないのである。これが「好景気が量的緩和バブルを崩壊させる」理由である。これも世界同時株安よりも事前に書いてある。

•パウエル議長の致命的誤りが株式市場暴落の理由となる

一部の日本の個人投資家は「好景気だから株価も上がる」というデマを吹き込まれているかもしれない。しかし、そういう話を信じる機関投資家は一人も居ない。マクロ経済学にも金融の世界にも、経済成長率と株価の相関関係を証明するようなものは何もないからである。しかし知識のない個人投資家はそういう嘘を真に受けて株式や投資信託を買ってしまうようである。

金融の世界に長く居る人間として、何も知らずにこうしたバブルに飲み込まれる個人投資家を数多く見てきている。毎度同じことの繰り返しなのである。そうした人々に対する助言としては「分からないものには手を出さないこと」ぐらいしか言えないのである。

今後の展開

さて、世界同時株安を目の当たりにした投資家にとっての当面の議題は、何処まで下がればアメリカが金融引き締めを止めるかということである。現在、アメリカの株価指数S&P 500は次のように推移している。

現状では10%程度の下落だが、まだアメリカが金融引き締めを撤回するほどの下げではない。しかし、反発らしい反発もないまま一本調子の急落が続く場合、15%か20%の下落で中央銀行が対応を迫られる可能性もあるだろう。少なくとも口先介入は必ずあるものと思われる。トランプ大統領は金融引き締めがバブル崩壊に繋がることを知っているからである。

•トランプ大統領は機関投資家からバブル崩壊の予報を受けている

逆に、この辺りで一度反発し、ほどよく下落と反発を繰り返しながら中長期的に落ちてゆく場合、最終的な下落幅はより大きくなる可能性がある。急な価格変動という言い訳がない場合、中央銀行が市場介入を行う説得力が薄くなるからである。

この状況下で筆者がどのような投資をしているのかについては、読者も知っての通りである。著名投資家の意見も概ね一致している。蚊帳の外に居るのは個人投資家だけである。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因
•ドラッケンミラー氏が米国株空売り、バブル崩壊を予想
•ロスチャイルド卿: 今はリスクを取る時ではない、株価は量的緩和で底上げされている
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7978

112. 中川隆[-13378] koaQ7Jey 2018年11月01日 01:02:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19747] 報告

過去最高のETF爆買い 日銀が大株主の「最新21社」リスト(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/233.html
2018/10/31 日刊ゲンダイ


爆買いは継続(日銀の黒田総裁)/(C)日刊ゲンダイ

 “日銀の暴走”に金融市場が不安を募らせている。

 日銀は10月に入り、30日まで上場投資信託(ETF)を8688億円買った。2010年の買い入れスタート以来、月間で過去最高の購入額だ。

「日銀はすでに30兆円近いETFを買っています。本来なら出口(株売却)を探る時期なのに、過去最大の買い入れを行うとは無謀としか言いようがありません。日銀は株を買うだけで、ほとんど売却していません。海外投資家の目には市場原理の働かない歪んだ市場と映るでしょう」(証券アナリスト)

 株を大量に購入した日銀は、数多くの企業で実質的な大株主となっている。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストの直近推計(9月末)によると、半導体検査装置のアドバンテストは20.0%を保有する大株主だ。16年7月末は9.8%だったので、この2年あまりで倍以上に増えたことになる。

 ファーストリテイリングは同じく9.0%から17.9%、TDKは7.9%から16.7%だ(別表参照)。

「10月の購入分を加えると、保有比率はさらに増えているでしょう。ETF購入のメドは年間6兆円ですが、マーケットの動きによっては6兆円を超すかもしれません」(井出真吾氏)

 日銀が10%以上を保有する企業は、別表21社のほか、東京ドーム、キッコーマン、ヤマハなど30社以上に上る。5%以上となると130社を超す。

「日銀は株を買うだけなので浮動株(市場に流通する株式)はどんどん減少します。こうした銘柄は全体のパイが減り、値動きは激しくなりがちです。日銀はギャンブル相場をつくり出しているといえます」(市場関係者)

 日銀の止まらない爆買いは、市場を歪め続けている。

113. 中川隆[-13391] koaQ7Jey 2018年11月02日 10:18:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19810] 報告

過去最高の「株爆買い」…日銀はどこまで日本株を買い占めるつもりか バブルが限界に近づくなかで
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58273
2018.11.02 藤田 知也 現代ビジネス


日本銀行が金融緩和で演出してきた「日銀バブル」もいよいよ限界に近づいているのか。たび重なる「世界同時株安」で株式市場が揺れるなか、世界の先進国では”禁じ手”である中央銀行による株買いが、日本ではひそかに加速している。

日銀の動向を取材してきた新聞記者で、『日銀バブルが日本を蝕む』を著した藤田知也氏が警鐘を鳴らす。

日銀の「株買い」が過去最高に

株価が乱高下を繰り返す裏で、日本銀行による”株買い”が加速度を上げている。

日銀が緩和手段の一つとして買っているのは、ETF(上場投資信託)という金融商品の一つ。株価に連動するよう組成されたもので、日銀が大量のETFを買うことは東証1部の銘柄を広く薄く買うのに等しい。

中央銀行が株を買うこと自体が異様なのだが、それを景気指標が改善する間に漫然と続けるのは、世界の先進国を見渡しても日銀のほかに類例がない。

もともと日銀は、金融不安がくすぶった2000年代初めに銀行の保有株式を買い受けた経験があるほか、リーマン・ショック後の景気刺激策として2010年秋にETF買い入れを開始。東日本大震災や円高の悪影響も重なり、買い入れ額は最大で年5000億円程度になった。日銀の株買いは非常事態への対抗策だったが、それでも導入時から株価をゆがめるとの批判は少なくなかった。

ところが13年春に黒田東彦総裁を担いだ日銀は、“異次元緩和”の名のもとに、国債やJリート(上場不動産投信)に加え、ETFも年1兆円ペースで買い入れを開始。物価目標達成までの2年程度の期限付きだったはずの措置は、14年10月の追加緩和で年3兆円、16年7月には年6兆円と、景気指標が改善する間に気前よく拡大されて5年半超にも及ぶ。

そして今年10月のETF買い入れ額は、8700億円に達した。これは単月の買い入れ額としては史上最高額となる。

買い入れ額は年6兆円ペースと定めているが、実際には午前中に株価が下がると、午後になって買い入れに動くというのが基本的な運用パターンだ。そのため、株価の上昇が続くときは買い入れ額が減り、株価が下落に転じると買い入れ額は膨らみやすい。

7月末に微修正された金融政策の方針では、ETF買い入れ額は「市場の状況に応じて上下に変動しうる」との一文が盛り込まれた。従前から黒田総裁が説明していたことだが、わざわざ文面で強調したのは「減額に向けた布石か」との見方が浮上し、実際に8月は買い入れ額が1000億円台に縮んだ。

しかし、10月は一転、株価が大幅に値下がりした影響で買い入れ額は大きく膨らんだ。

日経平均は10月初めに約27年ぶりの高値となる2万4000円台をつけたが、その後はつるべ落としのように下落を続け、後半には一時2万1000円を割り込むなど最大で3000円超も値を下げた。後に引けない日銀は、定石通りにETFを買わざるを得なかった。

株安の背景には、米国での長期金利の上昇に加え、トランプ政権が仕掛ける米中貿易摩擦の激化がある。

先行きはなお見通せないが、日本の景気拡大局面はほぼ丸6年に達し、米国はそれより長い9年超に及ぶ。景気改善は永続しないというのが経験則であり、来年以降に景気が後退局面を迎えるとみる専門家は少なくない。景気が後退局面に入れば、日銀の株買いも際限なく加速しかねない、ということだ。

黒田総裁の常套句は…

「ETFの買い入れについて現状、大きな問題が生じているとは考えておりません」

日銀の黒田東彦総裁は今年2月の国会答弁でも、お決まりのフレーズを繰り返していた。しかし、日銀がいびつな形で存在感を増しているのは誰の目にも明らかだろう。

日銀のETF保有残高は今年3月末時点で24兆円(時価ベース)で、ETF全体の7割以上を買い占めた格好になっている。国内で発行されるETFは12年末時点の4兆円強が18年春に32兆円超に膨らんでいる。まるで日銀にどんどん買ってもらうために新たなETFが続々と組まれているようなものだ。

東証1部の時価総額に占める日銀の保有割合は4%前後。このシェアがまだ小さいと語るのも黒田総裁の常套句だが、問題は今のシェアではなく、景気指標が改善する間に買い入れを拡大させた揚げ句、それを減らしたり止めたりすることができず、シェアがゆっくりと着実に膨張を続けていることにある。

債券市場では、国際発行残高に占める日銀の保有割合が4割超に達した。国債が買いにくくなる限界に近づいたため、ようやく日銀は16年9月に買い入れ額を減らす方向にカジを切ったが、それでも保有残高を増やす方針は維持しており、シェアは今も少しずつ拡大している。

日銀の大規模緩和で国債価格は異常な高値となり、多くの投資家は市場から追い出され、市場は取引量が極端に細って閑散としている。かつては「経済の体温計」と呼ばれた債券市場も、国債の本当の価値をあらわす市場機能が失われたと言われて久しくなった。

株式市場が将来、債券市場のように壊れていくとしても、それはだいぶ先のことにはなるだろう。しかし、株買いをやめることはおろか、減らすことさえできないうえに、次の景気後退期にはETFの買い増しくらいしか打てる追加策がないと言われるありさまだ。時間をかけて同じ道をたどるのではないか、と心配せずにはいられない。

後戻りできない政策、その限界

筆者が今春まで日銀の担当記者として取材した限り、日銀の株買いやその拡大を積極的に支持する意見はほとんど聞かれなかった。金融政策を決める政策委員会のメンバーの間にも、消極的に賛成しているとみられる言動が目についた(詳細は拙著『日銀バブルが日本を蝕む』)。

にもかかわらず、なぜ買い入れ額が漸次的に拡大してきたのか。

結果論でいえば、異次元緩和の最大の失敗は、大規模緩和を始めたことよりも、想定どおりに2%を実現するのが困難だとはっきりした14年時点で、日銀や政府が現実を直視せず、緩和を強めれば次こそ実現できるとかたり続け、無理筋の強行路線を推し進めたことにある。

「物価目標の達成が遅れる恐れ」を口実に追加緩和を打ったことは、物価上昇率が下がると次の追加緩和観測が高まるというゲームを市場にもたらし、金融政策が泥沼化する原因をつくった。市場では、物価が下がると追加緩和への期待から円安・株高が進み、追加緩和が見送られると大きく反動するという混乱を何度も繰り返した。そして、追加緩和観測が最高潮に達すると、抗いきれずにマイナス金利や株買いの拡大へと突き進んでいった。

要は、強い姿勢を示して期待を高めるという当初の戦略の軌道修正が遅れ、自ら「強烈な金融緩和をやれば2%が2年程度で実現する」と唱えた主張を正当化させるため、打ち出した見せ球の一つが株の爆買いだったのだ。

16年7月にETFの買い入れ額を年6兆円に倍増させたときは、消費増税を先延ばしするため、安倍首相がG7首脳会議で突如「世界経済に危機が迫っている」と言い出し、これから経済対策を打ち出そうというタイミングでもあった。政権幹部から追加緩和を催促するような発言まで相次ぎ、政府方針に付き合わざるを得なかったというのも理由の一つだろう。

経済危機は訪れず、株高が進み、企業業績も過去最高を更新したが、日銀が株買いをやめることも減らすこともできずにいるのは、株安の引き金を引くのが怖いからだ。

いちど拡大させたETFの買い入れは永遠に続けることにならないか。そんな不安を口にすれば、日銀の幹部たちからは似たような反応が返ってくる。

「だって買い入れをやめたり減らしたりしたら、株価が下がっちゃうでしょ。それでもいいんですか」

後戻りできなくなるような政策を導入することの罪深さを思い知らされるが、政策を決めた人たちが責任をとるようなことはしない。

ささやかで庶民には実感の乏しい「日銀バブル」は、いよいよ限界に近づきつつある。そのツケがいつ、どう回ってくるかは見通せないが、はっきりしているのは、問題を先送りするほど払わされるツケは大きく膨らんでいくということだ。

114. 中川隆[-13429] koaQ7Jey 2018年11月04日 08:23:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19963] 報告


三橋TV 第1回 【安倍政権は嘘つき内閣である】
https://youtu.be/NG4M12vQJ6w

三橋TV 第2回 【消費税はなぜ国民に残酷なのか?】
https://youtu.be/2irWBZasRZw

三橋TV 第3回 【消費増税で日本国民が貧乏になるカラクリ】
https://youtu.be/GDPIcQl5pNY

三橋TV 第4回
【国の借金という嘘~誰が日本にお金を貸しているのか?~】
https://youtu.be/qXnTRxWru5o

三橋TV第5回
【黒田日銀総裁の嘘~日銀が発行した360兆円の行方】
https://youtu.be/Muah8GfTOLE

三橋TV 第6回
【TVが言わない日本人が貧乏になるカラクリ】
https://youtu.be/D6qBop5lv2Q

三橋TV 第7回
【移民国家となる日本の末路】
https://youtu.be/vquCEkYh2uw

三橋TV 第8回
【少子高齢化が日本経済を救う理由】
https://youtu.be/gX-D5z9vlZU

三橋TV 第9回
【ノーベル賞受賞に隠された日本の闇】
https://youtu.be/ndzIrZ6z6mo

三橋TV 第10回
【中国は日本の20倍の軍事力に?】
https://youtu.be/bsFgk4i2XxI

三橋TV 第11回
【増税は法律で決まっている!】
https://youtu.be/IdU_okToWUY

115. 中川隆[-13567] koaQ7Jey 2018年11月11日 07:07:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20467] 報告

年末までの株価
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53095574.html
2018年11月10日 在野のアナリスト

米中間選挙が終わり、経済的に大きなイベントは来月のFOMCでの利上げ、がメインです。英国によるEU離脱の合意、イタリアの財政問題もありますが、欧州関連は毎回だらだらと長引いた結果、大山鳴動して鼠一匹、となることも多い。最悪のカタストロフだけは回避しようというのが欧州の伝統芸であり、そこまでのゴタゴタはナポレオン没落後を話し合うウィーン会議で「会議は踊る」とされた言葉にもよく表れます。互いが交渉に疲れ、もういいやとなって初めて合意できます。それまでは各国がそれぞれの踊りを披露することになります。

中間選挙後、円は対ドルで114円をつける場面がありました。ただ不安のある新興国を含め、通貨不安でドル高だった国は緩和され、先進国など経済が安定しているところはドル高にすすむ、という流れがあったので、恐らく一時的に株高に動いたように、世界的なポジション調整の動きが起こったとみて、間違いないのでしょう。その後、113円台後半を維持しているのは、若干の米金利上昇もありますが、今後の米金利の行方が影響した点もあるのでしょう。

米FOMCでは、設備投資の減速について言及がありましたが、不動産市場の減速については言及がなかった。これにより、来年の利上げが1度か2度、と読んでいた市場関係者が、先を見通しにくくなっています。FRBがもし米不動産市場をまだ割高で、これが健全な調整だと思っているなら、利上げを打ち止めせずに金利上昇がすすむ。来年の利上げ回数も読みにくくなり、投資の手が止まりかけているのが、中間選挙後の動きということになるのでしょう。

日本では日系大手が8日に先物をラージもミニも大量に買い、9日はそれを吐き出すことで行ってこいになりそうです。最近はここが日経225型で売りでも買いでもトップの大口の取引をするため、日中の相場の流れを決めてしまいます。しかし以前も指摘したように、直近の取引では損ばかりしているとみられ、いずれ反対売買が出てくるようだと、相場の大きな変動要因になりかねません。さらに、今年は10月の調整がきつく、相場が上昇してもやれやれ売りが出てきて、相場の頭を押さえてしまう。9月から年末高を煽るなどして、買いポジションを増やしたところもあったでしょう。結果、今年は上値を追いにくくなってしまいました。

昨年末が22764円なので、今年の株の騰落は現時点でマイナス。しかも昨年末の対ドルは113円弱なので、113円台後半の円安である現状、外国人投資家からみた日本株は「とても弱い」。未だに「外国人投資家が買う」と喧伝する人もいますが、これほど弱い日本株で、しかも安倍ノミクスに失敗し、成長もしない、上昇の材料がない国では、投資を増やすインセンティブはありません。外国人投資家は当分、売買はフラットとみた方がいい。

唯一の根拠としていた企業業績も、年末の上方修正が減り、ほとんど上位数社が大幅に見通しを上げたために上乗せがされていますが、多くの企業が横這いかマイナス、という惨状です。まず中国の失速が、そして来年辺りから米経済にも陰りが見えるとなれば、明るい展望など見通せるはずがありません。いくら市場関係者が予想PERを高くみせかけようと、1月の3Qの業績開示まで、企業業績への期待が高まるはずもなく、これも株価にはマイナスに働くでしょう。結果、今年の年末高は想定しにくい、という結果になります。

取引最終日の直前ぐらいには、ドレッシングが入る可能性もありますが、年末高を前提にした取引は極力控えるべきです。日系大手の先物取引も、買い一辺倒でなくなったように、ここからは買い手をさがすのも難しい。「市場は踊る」今年は株価3万円などという言葉に踊らされた人も多かっただけに、宴の後始末が大変、ということに今はなってしまっているのでしょうね。

 

116. 中川隆[-13607] koaQ7Jey 2018年11月15日 06:33:41 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20701] 報告

中国、「消費落込み」10月の小売高は実質で「過去最低」2018年11月15日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13552790.html


この季節は、日の入りが早く「釣瓶落とし」と称される。中国経済は、GDPの4割を占める個人消費が不調で、まさに「釣瓶落とし」だ。中国政府は、「個人消費」統計を発表せず、政府消費と個人消費を合算して「最終消費」という紛らわしい言葉を使っている。これが、何と6割だと胸を張る。実際の個人消費は4割でゲタを履かせているのだが、気の毒なほど見栄っ張りの国である。

『日本経済新聞 電子版』(11月14日付)は、「中国で消費落ち込み、10月の実質伸び過去最低」と題する記事を掲載した。

(1)「中国で個人消費の落ち込みが鮮明になってきた。同国の国家統計局が14日発表した10月の小売売上高(社会消費品小売総額)は、物価の変動を除いた実質の伸びが前年同月比5.6%と過去最低の水準に落ち込んだ。自動車の販売が振るわなかった。米国との貿易戦争で景気の先行きに不透明感が強まるなか、消費者の節約志向が広がっている」

10月の小売売上高(社会消費品小売総額)は、実質の伸びが前年同月比5.6%と過去最低の水準になった。株価の低下は、中国当局がいくら「情報隠蔽」を図っても容易に知れ渡る。国民が不安心理に駆られるのもやむを得ない。株価下落に加えて、住宅価格の顕著な下落があれば、中国経済は一瞬のうちに機能停止に陥るであろう。その「死の淵」まで来ているのだ。その認識が、どこまで広がっているだろうか。中国人民銀行が最も恐れている事態が接近している。

(2)「中国のエコノミストが高額消費を占うとして注目するマカオのカジノ収入も失速。前年同月からの伸び率は8月に17%だったが、9、10月はそれぞれ2%台。反腐敗運動で不振だった2016年夏以来の低水準だ。10月の小売売上高の伸びは名目では前年同月比8.6%となり、9月より0.6ポイント減速した。統計の信頼度が高い、一定規模以上の小売業の売上高の伸びも同3.7%と過去最低。物価上昇を考えると実質の伸びはゼロ近辺とみられる」

マカオのカジノ収入も失速。前年同月からの伸び率は8月に17%だったが、9、10月はそれぞれ2%台と指摘している。カジノ収入が9月以降は激減している。これは、いよいよ「来るべきもの来た」という印象を深める緊急事態が起こり始めた前兆かもしれない。

私は、日本のバブル経済崩壊に関わる一部始終(発生から崩壊、その後の後遺症まで)を見つめてきた一人として、中国経済を検証してきた。その感想をいえば、日中は瓜二つの過程で「破滅」へ向かっていると言うことである。中国経済は別、ということはあり得ない。金融現象の「引潮」(信用収縮)に見るマネーサプライ(M2)の急速鈍化は、日本経済と同じ道を歩んでおり、中国経済が苦闘の真っ最中にあることを物語っている。

中国が、米中貿易戦争で最後まで戦うという無謀な選択をすれば、今後どういう結果が待っているか。その一端は、きょうの記事に現れている。その意味で、極めて象徴的な記事である。

117. 中川隆[-13633] koaQ7Jey 2018年11月16日 07:02:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20773] 報告

中国、「金融危機目前」貸出急減で金融パニック「予断許さず」2018年11月16日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13572479.html

中国の金融状況は危機的な事態へ突入している。

以下の3つの重要な貸出指標が、10月に急減していることは異常な事態が起こっていることを示唆している。中国政府は、厳しい経済ニュースの検閲を始めている。その理由が、この金融事情の急変にあることは間違いない。

人民元建て融資が、10月は9月の半減。社会融資総量が、10月は9月の3分の1に減っている。これでは、経済活動がストップに等しいことを示している。人間に喩えれば、心臓が止まりそうな事態だ。

@ 10月の新規人民元建て融資は6970億元(約11兆3611億円)で、9月の1兆3800億元(約22兆4940億円)から半減した。

A 10月の社会融資総量は7299億元(約11兆8974億円)で、9月の2兆2100億元(約36兆230億円)から3分の1に急減少した。

B 10月のマネーサプライ(M2)は前年比8.0%増で、9月の8.3%増から低下した。

香港紙『経済日報』の報道によると、市場関係者や専門家は、10月の中国融資統計は「目を疑うほど低い」と指摘した。一部の専門家は、今後発表される製造業の設備投資について消極的な見方を示した。以上は、『大紀元』(11月15日付)が伝えたもの。

中国政府による経済ニュース検閲で、中国国内では知られていないようだ。上海株価もこれを全く反映していないからだ。ともかく、事態は切迫してきた。厳重な注意が必要になった。
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13572479.html

▲△▽▼


中国、「報道規制」経済ニュースも検閲対象へ貿易戦争「敗れたり」 2018年11月15日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13551950.html

中国も随分と落ちぶれたものだ。習近平氏は、経済ニュースまで検閲対象に加えたという。悪いニュースは報道させない。国民の目と耳をふさぐ戦法に出てきた。経済の実態が極めて悪化しているのだろう。戦時中の日本が経験したように、「報道規制」は実態経済の悪化を示す証拠である。

今さら悔いても始らないが、習氏は民族主義者の煽動に乗ってしまい、この始末である。米国と戦って勝てると見た習氏の力量の限界を示している。貿易戦争に入る前、中国の改革派は署名入りで反対論を打ち上げている。中国は、貿易紛争で米国と互角に対抗する力はない、というものだった。結果は、その通りになっている。習氏の権威は、これでかなりの「ディスカウント」になろう。

『フィナンシャル・タイムズ』(11月14日付)は、「中国、景気減速で経済ニュースも検閲対象に」と題する記事を掲載した。

(1)「中国の経済成長が減速し、米国との貿易戦争が消費者心理や株式市場に打撃を及ぼすなか、中国政府は国内メディアの統制をさらに強めている。共産党は数十年来、力強い経済発展を自らの正統性のよりどころにしてきただけに、景況感が下向きになってきたこの時期、経済ニュースは政治ニュースと同様に検閲の対象になっている。『こんなに厳しい検閲はこれまでなかった』と、20年のキャリアを持つ経済記者は打ち明ける。『今年後半に大きな方針転換があった』。中国の有力メディアの記者・編集者十数人が匿名を条件にフィナンシャル・タイムズ紙に語ったところでは、中国の中央宣伝部の当局者が数カ月前、中国経済を中傷するような報道をしないよう指示したという」

日本の戦時中の情報検閲の経験を聞くと、それは厳しいものだったという。私の勤めた『週刊東洋経済』では、毎号のゲラ刷りで検閲を受けるのだが、遠回しに書いても検閲官は敏感に対応したという。「負け戦」とは、こういうものだ。中国が、ここまで経済ニュースに敏感なのは、「敗戦」による責任回避を始めているのであろう。習近平氏も、ミソをつけたものだ。

(2)「メディア関係者によると、消費者の支出減や地方政府による債務返済の苦闘ぶり、破産した民間企業の人員解雇、国有企業の非効率経営といった話題の報道は日を追って認められなくなっている。報道機関は『貿易戦争』という語句の使用を禁じられ、貿易摩擦が中国経済減速につながるといった解説も避けるよう命じられている、と複数の記者が証言した。世界の企業や投資家が製品の販売先、株式・債券市場への投資先として中国との関わりを深めるなかで、独自の経済報道に対する弾圧も強まっている」

もともと、官製メディアはただの宣伝機関であるから記事に信憑性がない。となると、外国メディアの情報が唯一の信頼性ある情報と言うことになる。この状態が、この先「何十年」も続くのか。中国経済に「朗報」が期待できない以上、情報の解禁は困難であろう。購読を止めた方が良いのかも知れない。

(3)「ある有力誌の編集者は、経済報道への規制がこれまで政治報道にだけ向けられていたのと同じ程度に厳しくなっていると話し、『いまや経済が政治問題化している』と言い放った。関係筋によると、報道規制当局は編集者に対し、経済問題を題材にしたりネット上で拡散したりしないよう電話で指示している。『今年は電話がかかってくる回数がかなり多くなった』と、1日に何度も電話を受けるという編集者が明かした。関係者によると、中国の大半のメディアはここ数年、広告収入の減少で採算ぎりぎりの経営状態にあり、(当局から)一時閉鎖でも(命令を受ければ)財務的に大打撃になり得るという」

大半のメディアの広告収入が減ったと指摘している。この事実こそ、中国経済の末端は、不景気風に見舞われている証拠だ。中国経済の「落城」は近い。習近平氏は、全権を一手に握って、もはや逃げ場がなくなった。どうする積もりだろうか。



118. 中川隆[-13636] koaQ7Jey 2018年11月17日 05:59:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20812] 報告

世界最大のヘッジファンド 世界同時株安の原因は米国利上げ
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2018年11月16日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8005

世界同時株安が進行する中、世界最高のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がCNBCのインタビュー(原文英語)で自身の相場観について語っているので紹介したい。

ただ、彼の発言は、10月の世界同時株安より前からここで述べてきているわたしの相場観とほとんど違っていないので、読者には真新しいものには映らないかもしれない。

ダリオ氏の相場観

既に説明しているが、2018年の世界同時株安の原因はアメリカの金融引き締めである。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

そしてそれは、これまで行われてきた金融緩和を撤回するということであり、ダリオ氏は先ずその金融緩和に言及している。


大規模な金融緩和が行われ、法人減税も行われ、あらゆる景気刺激が行われた結果、われわれは今ビジネスサイクルの後期にいる。つまり、資産価格は既に限界まで好材料を織り込んでいる。

リーマンショック以降、市場を押し上げてきたものが何であったかを思い出してほしい。アベノミクスで株を買った読者が居るとすれば、その理由は何だったか? そして今、株式市場は当時ほど魅力的だろうか? 決してそうではない。しかし、この明らかな魅力の変化に多くの投資家が気付いておらず、未だ株を買っているのである。

ダリオ氏の言う通り、2008年から10年間相場を押し上げてきたのは金融緩和である。アメリカでは緩和は既に停止され、引き締めが行われているにもかかわらず、米国株は未だ市場最高値からそれほど離れていない。チャートを引用しよう。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2018/11/2018-11-16-s-and-p-500-long-term-chart.png


株価をここまで押し上げてきた金融緩和が引き締めに転換しているということが重要なのである。しかし、それに気付いている市場参加者は今なお少数派だろう。

気付いていない側には、例えばFed(連邦準備制度)のパウエル議長も含まれる。彼は今でも好調なアメリカ経済を理由に利上げを継続している。ダリオ氏はFedの利上げについて次のように語っている。


Fedは今年に1回、来年に2回か3回の利上げを予定している。これは資産価格には問題となり、金利は既に資産価格を毀損するレベルにまで上がってしまっている。だから個人的には、予定されている利上げは不可能だと考えている。

金利が上がれば株価は下がる。投資家がリスクを取って株式を買うよりも金利の上がった国債や社債に投資をするからである。それが現実に株式市場を圧迫し、世界同時株安が起こったのである。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

一方で、一部にはアメリカ経済の好調を理由に利上げすべきだという議論もある。ダリオ氏はその点について次のように述べている。


現状ではFedは実体経済よりも資産価格を注視すべき状況にある。Fedにとっては難しい状況にある。法人減税などの景気刺激策が実体経済を押し上げ、それでFedは利上げを迫られている。しかしその利上げは恐らく過剰だろう。

この点についても、筆者が先月示した見解と全く同じである。以下のように書いたことを思い出してもらいたい。

•アメリカ経済の好景気が量的緩和バブル崩壊の原因となる


金融政策は通常、実体経済を冷やすよりも先に金融市場を冷やしてしまう。だから中央銀行が「経済が減速しない限り金融引き締めを継続する」という姿勢を示し続ける限り、どうあっても金融市場の暴落が先に起きてしまうのである。

ダリオ氏に話を戻そう。利上げについてダリオ氏は、もし自身がFedの議長ならば、利上げを推し進めるパウエル議長よりも、利上げの手を緩めるべきだと主張するトランプ大統領の方に同意をするかと司会者に聞かれ、イエスだと答えている。

トランプ大統領は、Fedの利上げが過剰だとしてFedを非難していた。株価が支持率に繋がる大統領としては死活問題だろう。以下の記事ではトランプ氏の金利に関する見解が著名投資家のものと同じであることを指摘したが、ダリオ氏もやはり利上げに関して同じ意見のようである。

•トランプ大統領は機関投資家からバブル崩壊の予報を受けている

一方で、ジョージ・ソロス氏とともにポンド危機におけるポンド空売りをして有名になったドラッケンミラー氏は、金融引き締めが市場を下落させることを認めた上で、それでも利上げを行うべきだと主張している。バブルは早く潰してしまうべきだということである。彼の話は興味深いので、未読の読者は是非読んでもらいたい。

•ドラッケンミラー氏が米国株空売り、バブル崩壊を予想

ダリオ氏のポートフォリオ

さて、では金融引き締めの危険性を認識した上でダリオ氏はどういうポジションを取っているのか? 司会者に「空売りをしている著名投資家も居るが、どう思うか」と聞かれ、躊躇った上で慎重に言葉を選んで次のように答えた。


われわれのポジションについて話すつもりはないが、(長い沈黙の後)少なくとも上方向のポジションは、あまり見込みがないし、そちらに賭けるのはリスクに見合っていない。

恐らくは「空売りをしている」とは言いたくなかったのだろう。こういう答え方になっている。

因みに、少し前に機関投資家の米国株買いポジションを開示するForm 13Fが公開されたが、Bridgewaterのポートフォリオは前回からほとんど動いていない。何故動いていないかと言えば、Form 13Fで公開されるのは「買い」ポジションだけだからである。

同じように、ジョージ・ソロス氏のSoros Fund Managementも目立った買いポジションが無いどころか、買いポジションの総額自体がかなり減少している。

これらの情報が何を意味しているかと言えば、恐らくは空売りや先物など、株式の買い以外の分野で動いているのだろう。機関投資家の買いポジションを公開するForm 13Fの閑散さが不気味だということは、前々から言及している。機関投資家は何が起こっているのかに気付いているのである。

他の著名投資家の見解も、概ね一致している。

•ドラッケンミラー氏が米国株空売り、バブル崩壊を予想
•ロスチャイルド卿: 今はリスクを取る時ではない、株価は量的緩和で底上げされている

しかし、ダリオ氏の意見を紹介したところで、結局はわたしが前々から述べていたものを繰り返すに過ぎないということである。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

今後も世界最高のヘッジファンド水準の情報を淡々と記事にしてゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8005

119. 中川隆[-13662] koaQ7Jey 2018年11月19日 13:11:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20905] 報告

中国、「失速」企業利益は金融逼迫と貿易戦争で急速鈍化「危機」2018年11月19日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13656203.html


米中貿易戦争が本格化する10月を待たず、7〜9月期の上海と深圳に上場する企業利益は、急速鈍化に見舞われたことが判明した。ロイターが上記2市場に上場する1950社の第3・四半期決算を集計したところ、全体の純利益の伸びはわずか3.9%で、過去2年間の四半期ベースの20〜55%から急激に悪化した。失速と言って良い。

理由は、信用収縮と貿易戦争である。信用収縮とは、銀行が貸倒れを恐れて「貸し渋り」と「貸し剥がし」を行なうこと。日本もバブル崩壊後に経験した道であり、中国でそれが始ったものだ。

この金融逼迫については、私の「メルマガ6号」(昨日発行)で詳細に取り上げた。典型的なバブル崩壊後の金融危機に突入したと判断される。ぜひ、こちらを読んでいただきたい。

『ロイター』(11月14日付)は、「中国企業に逆風 融資抑制と通商紛争で利益の伸び急鈍化」と題する記事を掲載した。

(1)「ロイターが上海と深センの両市場に上場する1950社の第3・四半期決算を集計したところ、全体の純利益の伸びはわずか3.9%で、過去2年間の四半期ベースの20―55%から急激に鈍化した。恒康医療集団の取締役会メンバーのリ・ダン氏は、『資本市場は逼迫しており、借り入れコストが極めて高い』と指摘。M&Aの資金調達を巡る激しい競争に景気の減速が重なり、第3・四半期決算が赤字になったと説明した」

「資本市場は逼迫しており、借り入れコストが極めて高い」と指摘している。これは、信用不安が極度に膨らんできた結果である。信用リスクが高まっているので、金利がそれを反映しているもの。これに加えて住宅価格が下落に転じたら、中国経済は「万歳」(お手上げ)だ。信用危機がここまで来たという証拠である。

(2)「中国企業の抱える債務総額は第3・四半期に12兆元(1兆7000億ドル)と前年同期比1.6%減り、入手可能な約1400社のデータの比較では9年ぶりに減少。前期比でも11.5%減と、9年ぶりの減少を記録した。深セン市中金嶺南有色金属の幹部は、資金調達が難しい状況の下、製品の値下がりが業績悪化につながったと指摘。『市場環境は実に悪い。起債時には大きな圧力にさらされ、調達はほぼ失敗だった』と話した」

債務が減ったのは、「貸し剥がし」によるものだ。銀行が強引に貸出した資金の回収を始めたことを反映している。日本が辿って来た道を、中国も歩き始めたに過ぎない。この先にあるのは、悲観という二文字だけであろう。平成バブル崩壊の後遺症が、これから中国で再現される。そう見ておくべきだろう。

(3)「中国企業の売上高の伸び率は13.4%で、前年同期の21.6%からは鈍ったが、年初並みの力強い水準を維持している。しかし中国企業の経営幹部へのインタビューからは、利益については逆風となる材料が目白押しだと読み取れる。需要は弱く、調達コストが上昇しているのに加えて、金融投資のリターンは低迷、在庫が積み上がり、競争激化で製品価格には下押し圧力がかかっている」

売上高はまだ二桁を維持しているが、「押し込み販売」に過ぎない。「金融投資のリターンは低迷、在庫が積み上がり、競争激化で製品価格には下押し圧力がかかっている」という記事が、雄弁に舞台裏を覗かせている。「現実の売上」(代金回収)が落ちているので、「押し込み販売」(在庫増)しているので、「売り掛金」となって現金回収が滞っているはずだ。日本がかつて遭遇した現実が、中国で起っている。そう見るほかない。


中国企業は7〜9月期において、すでに混乱状態に入っている。10月以降、米国の関税第3弾の影響が本格化する中で、混乱はさらに拡大する。企業利益は、マイナスへ落込むはずだ。中国企業は、すでに貿易戦争を継続できる体力を失っている

120. 中川隆[-13636] koaQ7Jey 2018年11月21日 13:39:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20962] 報告
中間選挙開票後の米国株価の下落は、負債のレバレッジ経済が崩壊する兆候か
吉田繁治 2018年11月19日
https://www.cool-knowledge.com/%e4%b8%ad%e9%96%93%e9%81%b8%e6%8c%99%e9%96%8b%e7%a5%a8%e5%be%8c%e3%81%ae%e7%b1%b3%e5%9b%bd%e6%a0%aa%e4%be%a1%e3%81%ae%e4%b8%8b%e8%90%bd%e3%81%af%e3%80%81%e8%b2%a0%e5%82%b5%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%90/


有料版の、プロローグから8ページくらいを
抜粋して送ります。テーマは、中間選挙後では異例である株価下落
が、米国の過剰流動性相場つまり株価バブルを終わらせる兆候にな
るのかどうかの、検討です。

中間選挙開票後の米国株は下落の方向に向かっています。日本株は、
ヘッジファンドによる売買が70%を占めるので(構造的要因)、米
国株の上昇のときは上がり、下落のときは同時に下がるというコ
ピー相場の中にあります(個別株ではなく、市場の株価指数)。

【米国株の上昇と下落の、5つの要因】
米国株のバブル的な上昇は、株買いの増加を促した、以下の3つの
要因からきていました。「過剰流動性相場」として、まとめること
ができる現象です。

(1)10年で15兆ドル(165兆円)のトランプ減税の開始、

(2)海外での企業利益を米国に還流させた場合35%の税がかかっ
ていましたが、2018年の利益についてはリバトリ法(愛国法)によ
って0%にしたこと。過年度の利益についても、8%から15.5%に減
税しています。これが、海外のドルの米国への大還流をもたらし、
株買いになっています。

(3)2017年は50兆円、18年は70兆円の自社株買い。


他方で、米国株の下落をもたらす要因は、以下の2つです。

(1)米国FRBの、18年8月の利上げ(0.25%)と、2019年の3回の利
上げの予告。期待金利の上昇は、レポ金融の縮小を通じて、米国内
の流動性を減少させます。

(2)中国輸入(50兆円)の50%対する2018年は10%、19年は25%
の課税と、課税品目の全輸入への拡大予想。この関税は、中国と米
国の2019年からのGDPを低下させます。

本稿で検討するのは、以上5つの要因が、今後、どう働くかという
ことです。

【HFT】
ヘッジファンドは、瞬間売買をするHFT(1/1000秒単位の売買)を
使っているので、「米国株→日本株」の波及は時間差をおかず起こ
ります。確率では50:50の上昇と下落を繰り返して、その日の、株
価の罫線の傾向を作っています。

テクニカルと言われる罫線アナリストの予想は、はずれることが多
い。主因は、世界の株式の売買の60%くらいがHFTのプログラム取
引になったからです。個人投資家が価格の罫線から判断して、ゆっ
くり売買する相場は、1980年代までのものになりました。

実は、ヘッジファンドのファンドマネジャーは売買を判断していま
せん。代わりに、「クオンツ」と呼ばれるプログラム取引により、
自動売買が発動されています。株価の結果である罫線のグラフから
判断しているのは、HFTのシステムをもたない個人投資家です。正
解か間違いかは不明な、個人投資家の判断の根拠が、経済紙に書か
れるものです。

【ロジックはほぼ共通だが・・・】
プログラムのロジックは、(他に真似されるため)公開しないので、
クオンツを作った人以外には、分からない。しかしロジックの中身
は「横並び」であることが多い。同じタイミングに売り、同じ時に
買う。このため上げも下げも増幅される傾向が強くなっています。

【中間選挙後の株価】
2年ごとの定期的な中間選挙のあとは、11月から12月の年末であり、
過去は開票結果にかかわらず、米国株は上げていました。

わが国の、時期が定まらない国政選挙の前にも、与党の関与により、
株価が上がることが多かったことと似ています。与党は、株価を上
げることで、政権への支持を増やす狙いをもつからです。「政治サ
イクル」と言われます。

【11月8日までの急騰】
NYダウは、10月29日には2万4429ドルであり、10月16日からは5.4%
下げていました。10月30日からは上げに転じ、開票直前の11月8日
には、2万6129ドルにまで8.9%上げていました。

8日間で+8.9%は、急騰です。「中間選挙後は、株価は上がる」と
いう「アノマリーな買い」を期待し、買いが増えたからです。

(注)アノマリーとは、経済合理的な根拠がない売買を言います。
たとえば「太陽の黒点が大きくなったから株価は上がる」といった
原因と結果の関係がわかっていない理由付けの売買です。ランダム
に結果が出る「ルーレットの賭け」と同じ売買方法です。

【11月8日以降下落】
その後の、11月12日(月)までの4日間、NYダウは2万5387ドルへと
2.8%下げています。3%程度上がる方向の中の下げですから、「4
日間で2.8%+3%=5.8%」の急落と見なければならない。

DUKASCOPYのリアルタイムチャートで見ると、11月14日現在は、2万
5339ドルを中心に上下100ドルくらいの幅で変動しています。S&
P500とナスダックの指数も同じ傾向です。
https://nikkei225jp.com/nasdaq/

【特にアップル株が下げている】
世界史上最大の、1兆ドル超え(110兆円超え)の時価総額だったア
ップルは、10月2日の229ドルで、ピークをうったように見えます。
世界のスマホの売上が、3億5000万台へと前年同期比で6%も減って
いたからです(18年7月〜9月)。(注)スマホで最大手のアップル
は、下落している販売台数の公表を控えています。
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/chart/AAPL

「リーマン危機のあとの過剰流動性」の中で、もっとも大きく上げ
ていたアップル株は、11月12日には194ドルへと15%下げています。
1か月で、株主の資産から16.5兆円が蒸発しました。アップル株の
先物やオプションを売買していた投資家は、追い証を迫られていま
す。

下がった株を、成り行き価格で損をして売って、現金に換えねばな
らない。少なからず破産者も出ているでしょう。多くの人はレバレ
ッジで売買しているからです。穏やかな10倍でも、15%の下げは、
証拠金の150%の損になります。

【2017年と18年は、自社株買いが、株価を上げてきた】
アップルは、社債の発行で現金を得て、その現金で「自社株買い」
をしてきた代表です。2018年の、米国市場の大手銘柄の自社株買い
は、合計で70兆円という巨額になっています。これが、2018年の米
国株が上昇するときの原因です。

前年の自社株買いは50兆円/年でした。当時も「大きすぎる自社株
買い」と言われ、「2018年はさすがに減るだろう」と見られていま
したが、逆でした。70兆円へ増加を見て、来年度の2019年には、自
社株買いが100兆円に増えるとしている投資家もいます。

(注)日本の会社の自社株買いは、2016年3兆円、17年2兆円、18年
が2.5兆円と、米国の1/30です。

【日本株は、日銀の株ETFの買い】
日本株は、日銀による株ETFの買い(月間平均5000億円:年間6兆
円)で、底支えがされてきました。午前中の前場で1%くらい日経
平均が下げると、12:00ころから、日銀の覆面買い(数百億円)が
入って下げが止まり、日銀の買いを当てにした投資家の買いによっ
て上げる日も多かった。

株ETFは、先物と違って、限月までに反対売買をして清算がするこ
とがない。現物株のように保有し続けることができるので、株価を
上げやすい。

(注)日銀が60%を買っている株ETFは、証券会社が、個別株をグ
ループ化して作った指数です(=デリバティブ)。ETFが上がると、
低い現物株を売って高くなったETFを売って利ザヤを得る、自動化
された「裁定取引」が瞬間にはいるので(これが証券会社の自己売
買になる)、ETFと現物株の価格は、時間差をおかず一致していま
す。

【テーマ】
米国中間選挙後の、株価の下落は、近い将来に対して何を意味して
いるか・・・本稿はこれをテーマにします。「2019年は、米国株場
バブル崩壊から金融危機、つまり10年目のリーマン危機」になるだ
ろうと見ている人も、出始めたからです。

【世界のGDPの伸びを低下させるトランプ関税】
日・米・中そして世界の、2019年のGDPの伸びを、1ポイント(IMF
予想)から2ポイント(当方の予想)は低下させるトランプ関税と
いう新しい要素が加わっています。これが中間選挙の後の、アップ
ルを筆頭にした米国株を下げている主因でしょう。

【企業利益の減少になる】
輸出の減少つまりGDP伸びの低下は、企業の売上収益(粗利益)の
減少です。伸びてきた売上収益が10%減れば企業の利益の黒字はな
くなります。リーマン危機のあとに起こった、企業への波及がこれ
でした。企業利益が半分に減れば、PER(株価/次期予想純益)は2
倍になって、株価には50%下落調整の売り圧力が加わります。

【リーマン危機】
リーマン危機のときは、日米の株価時価総額(株主資産)が50%に
減少しました。このように、GDPの期待成長率の低下は、株価を大
きく下げます。経済の中で、現在のようにマネー量が増えている過
剰流動性相場では、GDPの期待成長率の2ポイント(%)の下げが、
株価を半分か、それ以下に暴落させ、恐慌めいた経済になっていく
のです。

【対策としてのFRBのQE】
リーマン危機のあとの、米国の銀行資産での信用収縮は、世界の実
体経済を恐慌に陥れる規模でした。FRBは3度のQE(長的緩和で約4
兆ドル(440兆円)を信用創造してマネーを増発し、恐慌になる事
態を押しとどめたのです。

FRBの信用創造、つまりマネーの増刷の副作用として、株価と不動
産が値上がりしました。株価は2018年までに3.3倍に上がり、不動
産はリーマン危機前の高値を超えています。

【FRBには、次の金融危機への、対策の手段がない】
今度は、不動産からではなく、株価の下落が先導するリーマン危機
の再来になっても、FRBは08年のリーマン危機のような4兆ドル
(440兆円)のQE(量的緩和)という手段は取ることができません。
FRBの通貨発行量を示すバランスシートは、$4.1兆(451兆円)と
膨らんだまま来ているからです。

FRBは、出口政策とは言っても、危機対応で4.1兆ドルに増やしたマ
ネー量(「現金+銀行の当座預金」のベースマネー)を、減らして
はいません。満期が来た国債と、償還と配当があったMBS分の買い
を続けているからです。
https://www.federalreserve.gov/releases/h41/current/

イエレン前FRB議長は、「再びの金融危機のときの対策がとれるよ
うに出口政策を進める」といっていました。しかし、FRBが買った
国債を売って量的緩和マネーを減らす出口政策は、金利を高騰させ、
米国債の価格を大きく下げるためとることができていません。

実行できているのは、短期金利であるFF金利の、1回0.25%の上げ
だけです(合計8回)。これは「出口政策の15%程度」にしかなら
ないでしょう。

【短期金利上昇にもかかわらず、10年債の長期金利が上がっていな
い理由】
米国債は、金利が0%付近の円国債を日銀に、1年に40兆円売った日
本の銀行が、「海外投資」として買い増し、米国の長期金利の上昇
は抑えられています。

日本からの米国債の買いがなければ、3.15%の長期金利(10年債の
金利:11月12日)は、4%以上に上がっているはずです(短期金利
2.25%:長期金利4%)。
https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield

FRBは、通貨を増発する量的緩和は、停止しました。しかしゼロ金
利を敷く日銀のマネーが、FRBの下請け機関になって、民間銀行経
由で、金利のつく米国債を買うことにより、量的緩和の役割を果た
しています。

「国債のゼロ金利を敷く日銀が、銀行のもつ国債を買って現金を供
給→銀行は、国債を売って、増えた現金で金利のつくドル国債を買
って、米国債をもつ米国の金融機関に現金を供給」。

これは、FRBが国債を買って、米国の金融機関に現金を供給してい
ることと同じ量的緩和に該当します。米国は日米の金利差を利用し
て、量的緩和を継続しているのです。金融的な波及とは、こうした
マネーの流れになります。
https://www.cool-knowledge.com/%e4%b8%ad%e9%96%93%e9%81%b8%e6%8c%99%e9%96%8b%e7%a5%a8%e5%be%8c%e3%81%ae%e7%b1%b3%e5%9b%bd%e6%a0%aa%e4%be%a1%e3%81%ae%e4%b8%8b%e8%90%bd%e3%81%af%e3%80%81%e8%b2%a0%e5%82%b5%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%90/

121. 中川隆[-13654] koaQ7Jey 2018年11月22日 15:39:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21013] 報告

中国、「バブル典型例」不動産時価が日・米・欧を「上回った?」2018年11月22日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13714140.html

中国の不動産時価総額が、米国とEUと日本を合わせた額を超えたというニュースに、中国市民はよろこんでいると言う。こういう話は、日本の平成バブル盛んなころ、東京の時価で米国を買えるというあり得ないことが話題になった。あの時の日本と、いまの中国は瓜二つだ。バブルが、社会的な病理であることを改めて実感させる。

『レコードチャイナ』(11月21日付)は、「中国の不動産時価総額が米国・EU・日本を超えた?」と題する記事を掲載した。

(1)「中国メディア『鳳凰網』(11月19日付)は、最近中国のネット上に掲載された株式・不動産時価総額を紹介。それによると、『中国の不動産時価総額の合計は65兆ドル(約7310兆円)となり、米国とEUと日本を合わせた額の約60兆ドル(約6750兆円)を超えた。しかし、中国の株式時価総額は6兆ドル(約675兆円)で、米国とEUと日本を合わせた額の10分の1ほどに過ぎなかった。中国の不動産時価総額は、株式時価総額の10倍となったが、米国やEUでは不動産と株式の時価総額は同じだった』という」

不動産時価がバブルであるかどうかの判断基準は、対名目GDP比でみることだ。不動産時価は、名目GDPを反映すべきものであるからだ。そこから飛び抜けて高い不動産時価はバブルの証拠である。中国の名目GDPは、米国の6割である。それに対して不動産時価が、日本+米国+EUの合計を上回るとは、「空前絶後」のバブルになっている動かしがたい事実だ。

中国では、これを喜ぶべきでなく悲観すべき事態だ。中国バブルが崩壊した暁は、中国は完全に沈没する。習近平氏はこの恐るべき事実を知っているだろうか。

(2)「65兆ドルという中国の不動産時価総額について記事は、『今年1月の時点で恒大経済研究院の任沢平(レン・ゼーピン)院長が、約43兆ドルと見積もっていた額と比べると大きな差がある』と指摘。しかし、『(総合不動産サービス会社の)サヴィルズは2016年8月の時点で中国の不動産時価総額を39兆ドルと見積もっており、その後の2年で50以上の都市の不動産価格が1割以上上昇し、20以上の都市では2割以上上昇している』と伝え、決してあり得ない数字ではないとしている」

架空の計算をしても無意味である。休火山の噴火口で、銭勘定しているような愚かな振る舞いである。基本はGDPである。国の産み出す付加価値総額がGDPである。地価は、そのGDPが還元されるのだ。GDPの規模から飛び離れた時価は、いずれしぼむ運命だ。中国では、その第一歩が間もなく始る。夢から覚めるべきである。
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13714140.html

122. 中川隆[-13652] koaQ7Jey 2018年11月22日 15:44:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21013] 報告

中国、「呆れた」エコノミストに経済分析で手心加えよ「命令下る」2018年11月22日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13713009.html


中国共産党は、ここまで墜ちたことに哀れみを感じる。客観的な分析が生命であるエコノミストに対して、厳しい分析結果を出すなというお達しがあった。すでに、メディアには暗い経済ニュースを流すなと検閲姿勢を見せている。これに加えて、エコノミストも「目を瞑れ」という事態だ。世界で初めて聞く話である。中国経済がここまで追い込まれている何よりの証拠である。

『ブルームバーグ』(11月21日付)は、「中国当局が警告、エコノミストは共産党の意向を踏まえた調査活動を」と題する記事を掲載した。

(1)「景気減速や貿易摩擦、株安に直面する中国共産党は、金融機関のエコノミストが経済を予測する際に党と国家の利益を踏まえるよう対策を講じている。証券監督管理委員会(証監会)の劉士余主席は今月に入り、北京で30を超える証券会社やファンド運営会社の代表と面会。事情に詳しい複数の関係者によると、劉主席はその場で、エコノミストが市場参加者の判断を誤らせることがないよう、調査リポートを発行する際にはより高い水準の思考を目指し、共産党と国家の利益を考慮すべきだと表明した。エコノミストに調査の検閲を呼び掛けるところまでは至らなかったという」

「頭隠して尻隠さず」という諺を思い出す。メディアには「提灯記事」を書け、エコノミストに本当のことを分析するな、とは驚くべき事態だ。もはや、中国経済が空中分解寸前に来ていることを白状したようなものである。不動産バブルと米中貿易戦争が、二大重圧となって中国経済を襲っている構図だ。

(2)「中国証券業協会は16日夜、証券・ファンド各社のシニアエコノミストが劉主席の勧告を具体化した『チーフエコノミスト自己規律提案書』に署名したと公表。個別の社名は挙げなかった。証監会による今回の動きは、中国が本土証券市場をさらに対外開放したとしても、共産党が経済見通しの管理に引き続き意欲的であることを示唆している。対米貿易摩擦の激化による影響が表れ始める中で、弱気な調査に対する党指導部の忍耐が今後数カ月間にあらためて試されるかもしれない」

中国証券業協会では、「チーフエコノミスト自己規律提案書」なるものに署名したという。孔子の「見ざる・聞かざる・言わざる」は悪事が対象だ。中国共産党は、エコノミストに対して「不都合な真実」から目を逸らせという命令である。こんな政権がいつまで保つのか。

123. 中川隆[-13622] koaQ7Jey 2018年11月24日 15:18:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21079] 報告

日本人だけが知らない、GAFAとアメリカ株の「終わりの始まり」 巨大IT「包囲網」はもう止まらない
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58528
2018.11.24 中原 圭介 経済アナリスト 現代ビジネス


S&P500(NYダウと並ぶアメリカの代表的な株価指数)の2013年〜2018年9月末までの上昇分のうち、実にその4割弱はアマゾン、アップル、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、フェイスブック、マイクロソフト、ネットフリックスの6社がもたらしたものです。

リーマン・ショック以降、世界的に経済成長率の低下が指摘されているなかで、これら6社は新しいビジネスモデルを築いた成長株として、投資家の資金を過剰といわれるほどに集めることができたのです。

しかしながら2018年10月以降、これら6社の株価は総じて下落する基調を強めてきています。2018年7~9月期の決算は概ね好決算といえる内容であったものの、利益率が低下しているということが悪材料視されてしまっているためです。

「社会と共存するコスト」を求められ始めた

たとえば、アマゾンやアップルは10月以降からのわずか1ヵ月半で株価が20%近くも下落しています。ヘッジファンドはこれらのIT株に資金を集中させ、市場平均を上回るリターンを得ることができましたが、10月の運用成績はマイナス6%に接近するまでに落ち込み、2008年のリーマン・ショックに次ぐマイナス幅を記録しています。

投資家にとって成長株と位置付けられているIT株の魅力というのは、その利益率の高さと投資(コスト)の少なさにあります。データという無形資産を武器に莫大な利益を稼ぐIT企業は、重厚長大な設備を抱える製造業のように大規模な投資を必要とせず、データを独占するビジネスモデルによって高成長を続けてきています。

それにもかかわらず、過度な節税によって正当な税金を払わないばかりか、他の大企業と比べて極めて少ない従業員でビジネスが事足りてしまうため、社会全体への還元には消極的な姿勢を取り続けてきたのです。

ところが最近では、これらのIT企業に対して、社会と共存するためのコストが求められ始めています。欧州を中心に課税を強化しようとする動きが広がっている一方で、賃上げによるコストや情報監視・情報流出の対策コストが膨らんできているのです。

たとえば、利益を従業員や社会に還元していないと批判されていたアマゾンでは、アメリカ国内の従業員の最低賃金を時給15ドルに引き上げるという決定をしています。大幅な賃上げは11月1日から実施するということですから、2018年10〜12月期決算からコスト増による利益率の低下は避けられない見通しです。

たとえば、偽ニュースの拡散や情報流出の問題が相次いだフェイスブックでは、これらの問題に対応するために新たに社員を増員し、正社員数は2018年9月末で約3万3600人と1年前の約2万人から7割近くも増えています。おまけに、今年に入ってデータの不正利用が発覚した反省から、個人データを第三者に渡さない選択権を利用者に与えるようになり、広告収入の伸びが鈍化してきているのです。

グーグルでも個人情報が大量に流出し、すべてのプラットフォーマーが個人情報保護に関する対策費の積み増しを迫られています。その結果、冒頭に挙げた6社のコストは2013年と比較して優に2倍超に膨らんできているというわけです。

利益率が低下する要因は、これらのコスト増だけではありません。

巨大IT企業はこれまでM&A以外では大規模な投資をする経験が乏しかったので、従来から大規模投資をしてきた大企業のような厳格さは持ち合わせていないようです。そのため、アマゾンが広告事業に新規に参入し、アップルが動画配信に事業の拡大を目指すなど、すでに強力なライバルがいる事業に巨額に資金を投じることによって、利益率の低下が避けられないのは仕方がない状況にあるのです。

さらに、巨大IT企業が無形資産のデータで稼ぎまくっているのに正当な税金を支払っていないとの批判が高まっているなか、先進各国では新たな課税も検討されています。

今までの国際課税ルールでは、国内に支店や工場といった恒久的な施設がない限り、外国企業の売り上げや利益には課税できないという原則がありました。ところが今や、欧州ではIT企業に対して利益ではなく売上高に課税する「デジタル課税」案が浮上しているのです。

傍若無人を認めない…! 狭まる「巨大IT包囲網」

実際に、英国が他の国々に先駆けるかたちで、大手のIT企業を対象にしたデジタル課税を2020年4月から導入すると決定しています。大手のIT企業が英国の消費者から稼いだ売上高に対して、一律に2%の税率で課税するというのです。

英国のデジタル課税の導入は、EUがデジタル課税を前向きに進める契機になるはずでしょうし、G20の議論にも大きな影響を与えることになるでしょう。利益率という尺度とは異なりますが、デジタル課税がIT企業の税引き後の利益を抑える要因になるのは間違いありません。

そこへ持ってきて、巨大IT企業がデータを寡占している立場を乱用し、取引先に不利な取引を強いている状況も改められる環境が整備されつつあります。

我が国でも経済産業省が実施した大掛かりな調査によれば、日本の中小企業は巨大IT企業との取引において、不利な取引条件を押しつけられるという実態が明らかになっています。経済産業省の調査を踏まえ、公正取引委員会も問題のある取引や契約がないかを調べる方針だといいます。

何も日本に限らず、多くの国々でIT企業の傍若無人さが認められない状況になっていくことになりそうです。

NYダウは下落へ!18年高値から2〜3割のダウンもある

これらのいくつもの流れを見ていると、巨大IT企業の利益率が今より低下する傾向はもはや止めることができないでしょう。

いよいよアメリカ株の上昇基調を支えてきた成長株としてのIT株への資金集中は、大きな転換点を迎えたといっても過言ではないのかもしれません。過去数年で強気を貫いてきたウォール街でも、GAFMAや FANGと呼ばれるIT株が最高値を更新し続けるような相場に戻るのは困難だろうという見解が増えてきているようです。

成長期待から上昇トレンドを保ってきたアメリカ株は、2019年には本格的な調整の期間に入る可能性が高いと見ております。NYダウとS&P500の双方のチャートがダブルトップの形になり、今年の2月の調整時よりも先行きが不透明になっていることを知らせてくれています。

IT株の成長期待の剥落→アメリカ経済の大減速という経路を辿って、2019年のNYダウとS&P500が2018年の高値から2割〜3割下がることは十分にありえると覚悟しておいたほうが無難でしょう。

124. 中川隆[-13704] koaQ7Jey 2018年12月03日 05:09:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21562] 報告

世界最大のヘッジファンドが世界同時株安の原因を語る
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2018年12月2日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8032

世界最大のヘッジファンドであるBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が再び世界同時株安とその背景について語っているので紹介したい。金融市場ではFed(連邦準備制度)のパウエル議長の発言に反応して金利が低下しており、ダリオ氏はそれについてもコメントしている。

債務危機と世界同時株安

ダリオ氏を良く知る読者は知っての通り、彼が経済を考える時に重要な要素は債務、つまり借金である。

世界中のあらゆる国で政府債務や民間債務が積み上がっており、それについて誰も気にしていないことについて、次のように述べている。


多くの人は、バブルがバブル崩壊の直前に醸成されると思い込んでいるが、そんなことはない。歴史上、同じことが何度も何度も繰り返されているのだ。

ダリオ氏の最近の著書「Big Debt Crises(仮訳:巨大債務危機)」のタイトルから分かるように、バブルの本質と、何故金利が金融市場にとって重要かは債務というものを考えれば分かる。

現在、多くの国において債務が積み上がっており、政府と民間の債務を合わせればGDPの100%から300%の債務が積み上がっている。仮に債務がGDPの200%ある国で金利が1%上がれば、債務の支払額は毎年GDPの2%分増えることになる。だから金利上昇が問題なのである。

債務と金利と金融市場

よって2018年の世界同時株安の本質は債務と金利にあるのだが、最近の市場の混乱についてダリオ氏は次のように纏めている。


様々な経済的サイクルの内、われわれが何処に居るかということが重要だ。利上げはどうなっているか、引き締め政策はどうか、資産価格は何処にあるかということだ。

話を戻すと、2008年の金融危機で金利はゼロになった。債務危機だ。そして金利がそれ以上下げられなくなったので、中央銀行は紙幣を印刷して金融資産を買い入れ始めた。結果、資産価格は上がり、行き場をなくした資金が経済を押し上げた。

そして今、経済はサイクルの後期に位置している。緩和にブレーキを踏む局面であり、金融引き締めを行うことになる。

2018年の金融危機の状況が簡潔に纏められている。

では、金融引き締めを行うと経済や市場はどうなるのか? ダリオ氏は次のように続けている。


利上げのために短期金利は長期金利とほとんど同じ水準まで上がった。どの期間の国債に投資しても、無リスク資産に投資しながら基本的に3%程度の金利を得ることが出来る。一方で、株式に現在の株価水準で投資した場合のリターンはどうだろうか? 国債の年率3%より大きいとは思えない一方で、リスクはあまりに大きい。

世界最大のヘッジファンドを運用するダリオ氏が、株式は魅力的ではないとはっきり言っている。同じ理由で投資家は株式から債券に資金を移しており、それが世界同時株安の原因となっているのである。

さて、問題となるのは、それでもFedが利上げを続けられるかということである。ダリオ氏は次のように予想する。


Fedが来年も定期的に利上げを続けるとは思わない。市場で織り込まれている以上の速さで利上げをした場合、すべての資産価格に影響する。すべての資産価格は国債の金利を前提としているからだ。

Fedのパウエル議長はそれを認めつつあるようだ。数日前に金利は現在、中立金利(引き締め的でも緩和的でもない中庸の金利水準)の僅か下にあるというコメントを発表し、来年も2回か3回の利上げを想定していた金利先物市場は予想を引き下げた。利上げが早急過ぎると主張していたトランプ大統領に屈した形となる。


•トランプ大統領は機関投資家からバブル崩壊の予報を受けている

金利が下がったことを株式市場も好感し、株高に繋がっている。ダリオ氏はこのニュースについてもコメントしている。


最近のパウエル議長のコメントを見ると、彼は徐々に気付きつつあるようだ。周知の通り、市場もそれに反応した。パウエル議長のトーンが変わった。それは以前とは違うものだ。

市場の反応と今後の見通し

では、市場がどう反応したのかを一度纏めてみよう。以下は米国株のチャートである。

数日前のパウエル議長のコメントから上昇している。これは金利が下がったからである。アメリカの長期金利のチャートは次のようになっている。

11月の初めには3.2%を超えていた長期金利は、3.01%まで下落している。

投資家にとっての問題は、仮にパウエル議長が来年の利上げを中止した場合、世界同時株安を止められるかということである。

個人的な見解は、短期的には株式市場にとってプラスになるが、世界同時株安を根本的に止めることは出来ないというものである。金利は既に十分高い水準まで上がっており、そして私見では、市場により重要なのは利上げよりもバランスシート縮小(量的緩和の逆回し)の方である。利下げとなれば話は別だが、利下げを行うには株価の更なる下落が必要である。

しかしそれでも利下げ中止は株式の売り方にとっては短期的な脅威となるだろう。それに対してどう対応するかは、既に以下の記事に書いている。


•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始 (2018/7/15)


今後、世界の金融市場には2つの方向性が存在する。金融引き締めの弱気相場がついに米国市場にまで到達し、世界的なリスクオフになるか、そうなる前にFedが金融引き締めを止めるかである。

ここで考えてもらいたいのは、どちらになってもドル円には悪材料だということである。世界的な弱気相場となればリスクオフで円高となり、金融引き締め撤回になればアメリカの金利低下でドル安となる。どちらにしてもドル円は下落するのである。

現在、筆者は日経平均とドル円の空売りという2つのポジションを抱えている。日経平均の空売りが成功している一方で、ドル円の方はまだ下落していないと言うべきだろう。

筆者はそれでもドル円の空売りを維持するつもりである。その理由は、Fedが市場の圧力に屈してハト派側に寄った場合、株式市場にはプラスになったとしても、ドル円にはマイナスになるからである。そしてドル円が下がる場合、日本の輸出株にはマイナスとなるので、日本株は米国株ほどは上昇出来ないだろう。だから米国株ではなく日本株の空売りなのである。

実際には、日経平均とドル円の水準に合わせて、下がりすぎた方のポジションを減らし、その分上がっていない方のポジションを増やすなど、適宜ポジションの量を相互に入れ替えるべきである。実際に筆者はそうしている。しかし日々のポジションの調整までもここで中継することは出来ないので、各自臨機応変に対応すべきだろう。現状について言えば、ややドル円の売りの方に惹かれている。しかし僅かな差である。


•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8032

125. 中川隆[-13739] koaQ7Jey 2018年12月06日 16:15:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21778] 報告
米国株暴落でトランプ政権に浮上した「中国以上の強敵」の正体 まず屈服させるべきは、こっちかも(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/764.html
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58832
2018.12.06 安達 誠司 エコノミスト 現代ビジネス

株価下落の原因

12月1日の米中首脳会談において、トランプ政権は来年1月より予定していた2000億ドル分の中国製品に対する制裁関税(25%)の適用を90日間延期することを決めた。

これによって、「米中貿易戦争は一時休戦」という見通しが広がり、株式市場も年末に向けて上昇相場が再開されるのではないかという期待感が広がった。

だが、その期待は12月4日に早くも大きく裏切られた。4日の米株式市場では、ニューヨークダウ工業株30種平均(NYダウ)が前日比で800ドル近い下げとなった。4日は日本株も前日比で500円以上下げた。

この理由については色々なことがいわれている。そして理由の一つとして米中貿易戦争の動向が不透明であるとの見方があるようだが、制裁関税が先送りされたことには変わりがなく、いきなり12月4日に株式が叩き売られる理由にはなり得ない。

筆者が思いつく理由を強いて挙げれば、著名な「曲がり屋(または逆神)」が米中首脳会談の結果をうけて、あらためて先行きの株価に対して強気なレポートを発表したことくらいである(このところの彼の強気レポートはまさに神業のごとく、上昇相場の芽を摘んでいるのであなどれない)。

この株価下落の際にマーケット関係者の間で話題になったのが、米国国債市場での「逆イールド」である。「逆イールド」とは、残存期間の短い国債の利回り(短期金利)が残存期間の長い国債の利回り(長期金利)を上回る現象である。

残存期間が長いほど将来の価格変動リスクが高いため、その分、より高いリスクプレミアムがつく。そのため、一般的には、残存期間が長い国債ほど利回りが高い(この場合のイールドカーブは「順イールド」といわれる)。

だが、国債利回りは、将来の政策金利の予想に基づいて形成される側面もあるため、金融引締めがある程度進んだ段階で残存期間の短い国債の利回りが残存期間の長い国債の利回りを上回る現象が発生する。これが「逆イールド」である。

すなわち、金融引締めがある程度進むと、将来的には景気が過熱局面から減速局面に転じ、逆に将来時点では利下げによって政策金利の低下が見込まれるので将来の政策金利を加重平均して決まる長期金利の方が逆に低くなることがあり得るわけだ。

すなわち、国債市場で「逆イールド」が示現すると、これは現時点の金融引締めによって、将来、実体経済が減速し、それにともない、企業の収益環境の悪化が懸念される状況になる。したがって、国債市場の「逆イールド」は株価を下落させる可能性がある。

まだ「逆イールド」ではないが

思い起こせば、今年10月に始まった株価下落のきっかけは長期金利の上昇であった。単純に考えると、その逆の長期金利低下は株式市場にとっては上昇要因のように思える。

だが、前述のように、「逆イールド化」をともなう長期金利の低下は金融引締めの効果による将来の景気後退懸念を反映していることになるので、長期国債の低下による国債市場の「逆イールド化」は長期金利上昇以上に株式市場にとっては警戒シグナルである。

さらにいえば、「実体経済の指標はまだ堅調で景気減速の兆候を示すものはない」という意見もあるが、国債のイールドカーブの形状変化は実体経済指標の先行指標であり、実体経済指標は株価にとっては単なる遅行指標(もしくは株価予想にとっては無関係な指標)に過ぎない。よって、現状の実体経済の強さをいくら主張しても何の意味もない。

そこで、最近の米国国債市場のイールドカーブの推移を示したのが図表1である。

通常、逆イールドとはイールドカーブ全体(図表では翌日物から10年物までで描いている)で判断すべきものである。したがって、12月3日時点での米国国債のイールドカーブはまだ「順イールド」である。

実は、今回話題になったのは、「残存2年と残存5年の国債利回りの水準が逆転した」というものであって、正確にいうと、まだ「逆イールド」ではない。

さらにいえば、12月3日のイールドカーブの形状をみると、残存期間3〜5年の中期ゾーンの利回りの下げが相対的に大きく、イールドカーブが歪んでいるようにみえる。

「イールドカーブ分析」においては、中期ゾーンの歪みは考察の対象とされないので、イールドカーブの形状を歪めている残存期間3〜5年の金利低下は、一時的な需給要因などの「アノマリー」によるものであり、すぐに修正される可能性もある。

逆イールドが株価暴落につながるケース

ところで、今回の「5年-2年の金利差」は、将来の「逆イールド」の先行指標なのだろうか?

図表2は、1982年以降の5年債と2年債の金利差と10年債と3ヵ月物債の金利差の推移を示したものである。

今回のような5年物と2年物の金利差がマイナスになった局面は5回あるが、そのうち、10年債と3ヵ月物債の利回りのマイナス(逆イールド)に波及したのは3回である(1989年6月〜12月、2000年7月〜2001年1月、2006年8月〜2007年5月)。いずれも5年債と2年債の金利差がマイナスになって後、6ヵ月程度のタイムラグで逆イールドが示現している。

そして、この3回の逆イールドの局面のうち、逆イールドが示現した後に株価が下落局面に転じたケースは、2000年後半以降の「ITバブル崩壊」の時と2008年のリーマンショックの時の2回である。

ただし、リーマンショック時は、逆イールドと株価暴落のタイムラグが長すぎる。実際の株価暴落局面での長短金利差は2%を大きく上回る典型的な「順イールド」となっていた(図表3)。

それでは、逆イールドが株価暴落につながるケース(2000年と2008年)とそうではないケース(1989年)との違いは何か? それは、FRBの金融政策の転換のタイミングであったと考えられる(図表4)。図表ではわかりにくいので以下に実際のタイミングについてやや詳細に記載する。

2000年のITバブル崩壊のケースでは、2000年3月に5年-2年のゾーンで逆イールドが示現した。そして、イールドカーブ全体が逆イールドになったのが2000年7月で、2000年9月より株価は下落局面に転じた。この状況下でFRBが利下げに転じたのは2000年8月であった。

すなわち、イールドカーブ全体が逆イールドになって1ヵ月遅れでFRBは金融政策を緩和方向に転換させた。

リーマンショック時では、5年-2年のゾーンで逆イールドになったのは2005年12月、イールドカーブ全体で逆イールドになったのは2006年8月、株価が下落局面に転じたのは2007年11月(ただし、まだ暴落局面ではなかった)、そして、FRBが金融緩和に転じたのは2007年8月であった。

一方、1989年のケースでは、5年-2年のゾーンで逆イールドになったのは1989年1月、イールドカーブ全体で逆イールドになったのは1989年6月、そして、FRBが金融緩和に転じたのは1989年4月であった。株価はその後、多少の調整はしたものの、大幅な下げはなかった。

以上より、国債のイールドカーブにおいて、2年-5年のゾーンが逆イールドになるということは、将来、イールドカーブ全体で逆イールドが発生する可能性が出てきたことを意味している。

そして、逆イールドになる前にFRBの金融政策が転換しなければ、株価の暴落につながるリスクも否定できないということになる(ただし、現時点では12月3日の1日だけのアノマリーである可能性も否定できない。あくまでもこの12月中、2年-5年のゾーンで逆イールドが続けばという前提で議論を進める)。

FRBはいつ利上げをやめるのか

最近の金融政策についての議論においては、「中立金利(ないしは自然利子率)」の考え方が主流となっている。「中立金利」とは、金融緩和でもなく金融引締めでもない政策金利の水準を指す(ただし、インフレ率を控除した実質金利である点に注意)。

FRBの推計(ニューヨーク連銀のHPで公表)では、2018年10月時点の中立金利は0.82%である。12月17,18日のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.25%程度の利上げが実施されれば、2018年末時点でのFF金利(政策金利)は約2.4〜2.5%程度となる。

直近のインフレ率(コアPCEデフレーター上昇率)は1.9%だから、実質FF金利は0.5〜0.6%程度となる。したがって、2018年末時点で、中立金利と実際の実質FF金利の差(これを「金融政策スタンス」とする)は0.2〜0.3%程度あるということになる。

この「金融政策スタンス」の推移を1982年からみると、プラスの局面(すなわち、理論的には金融政策は緩和的ということになる)でイールドカーブが逆イールドになったことはない(図表5)。

したがって、「金融政策スタンス」からみると、現状は、国債のイールドカーブが逆イールドになる局面はあったとしてもまだ遠い、ということになる。さらにいえば、FRBがそろそろ利上げをやめれば、逆イールドの可能性は遠のくということになる。

とはいえ、トランプ大統領にとってはこの国債市場の動きは気が気ではないだろう。2020年の大統領選での再選を目指すトランプ大統領にとって、いまや、国内景気とそれに大きな影響を与えうるFRBの金融政策は、中国問題以上の関心事であるかもしれない。

来年は、FRBが、トランプ大統領にとって、真っ先に屈服させるべき「敵」となるかもしれない。

126. 中川隆[-13754] koaQ7Jey 2018年12月11日 03:18:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21931] 報告

米中貿易戦争→中国経済バブル崩壊→日本の不動産暴落…最悪シナリオが現実味
https://biz-journal.jp/2018/12/post_25856.html
2018.12.10 文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト Business Journal


 今は世界史的に大きな転換点に差し掛かっているのかもしれない。しかし、この大きなうねりを乗り越えるには、やはり世界は大きな犠牲を払う必要がありそうだ。それは、かつての日本が経験した「失われた20年」をも上回る傷みを伴うかもしれない。

 10月4日、米国のシンクタンク、ハドソン研究所にてペンス副大統領が50分にわたり対中国政策についての演説を行った。アメリカはこれまで行ってきた微温的な対中政策を大きく転換し、中国に対して経済的にも軍事的にも敵対関係となることを宣言したに等しい演説だった。

 アメリカの対外政策というものは、ときに党派性を超える。現在のトランプ大統領は共和党だ。しかし、ペンス副大統領の示した対中敵対政策は、民主党側からも大きな反対が出ていない。つまり、中国を敵とみなす政策はアメリカの国策となっているのだ。

 歴史を振り返ってみよう。

 かつてアメリカは日本を敵とした。1905年に大日本帝国がロシア帝国に勝利した日露戦争の後、アメリカは陰に陽に日本を敵視し続けた。1939年にヨーロッパでは第二次世界大戦が勃発する。ところが、アメリカ国内ではその21年前に終わった第一次世界大戦に対する厭戦気分が蔓延していた。
 
 1940年に3期目の大統領選挙に臨んだフランクリン・D・ルーズベルトは「あなた方の子どもは決してヨーロッパの戦場には送りません」と公約して当選した。ところが、ヨーロッパでは盟友のチャーチルが率いるイギリスが、対独戦で苦境に陥っていた。ルーズベルトはなんとかチャーチルを助けたい。第二次世界大戦に参戦したい。しかし、選挙公約がある。

 そこで、日本に圧力をかけた。「中国大陸から撤退せよ」、あるいは「日独伊三国同盟を破棄せよ」。どちらもアメリカの権益とはほとんど関係ない要求である。最終的には、当時の日本が決して受け容れられない「ハル・ノート」を示して、日本への譲歩を迫った。敗戦後の東京裁判で国際法の専門家であるインドのパル判事をして「ハル・ノートのようなものを突きつけられたら、モナコやルクセンブルクのような小国でも立ち上がっただろう」と言わしめた、過激な要求である。

 その結果、日本海軍は真珠湾を攻撃して戦端を開いた。日米が開戦すると、ドイツは三国同盟の規約によってアメリカに対して宣戦を布告することになっていた。ヒトラーは条約を守ってアメリカに宣戦。ルーズベルトは思惑通り第二次世界大戦に参戦できたのだ。これは「裏口からの参戦」とも評されている。

 イギリスの首相であったチャーチルは、のちにノーベル文学賞を受賞した回顧録『第二次世界大戦』のなかで、日本がアメリカのハワイ州オアフ島・真珠湾を攻撃したと知って、小躍りしたと書いている。「これでこの戦争は勝てる」と確信したそうだ。

 しかし、その後、英国海軍の最新鋭戦艦であり、ドイツ戦艦ビスマルクをも撃沈したプリンス・オブ・ウエールズと巡洋戦艦レパルスが、日本の海軍航空機によってあっという間に撃沈されたと知らされ、あの大戦の中でももっとも意気消沈したと記されている。

■対中政策の転換

 第二次世界大戦でアメリカは、日本が東アジアと西太平洋でアメリカに挑戦することを見事に退けた。しかし、アメリカはスターリンのソビエトが東ヨーロッパを支配することや、中国大陸で共産党政権が誕生することは予期しえなかったはずだ。ナチスドイツと日本が世界を二分することは防いだが、その代わりに共産主義の浸透を許してしまったのだ。

 アメリカの外交官でロシアを専門としたジョージ・ケナン氏が「X論文」を発表して、対ソ封じ込め政策を提言したのは第二次世界大戦後の1947年だった。それ以来、アメリカはかつての同盟国であるソ連を封じ込める政策を推し進める。米ソ冷戦の始まりである。

 1989年、冷戦の象徴であったベルリンの壁は崩壊。1991年には、ソビエト連邦自体も瓦解してしまう。アメリカは半世紀以上を費やして、冷戦に勝利したのだ。
 
 しかし、ここでまたアメリカは外交方針を誤る。中国における共産党政権の崩壊も、時間の問題だと考えたのだ。あの国も西側資本が流入して、人々が豊かになれば自然と自由と民主主義の国に生まれ変わるだろう、と考えたのだ。しかし、そうはならなかった。

 2015年の5月に、中国の習近平国家主席はアメリカのケリー国務長官(当時)に、「広い太平洋は2つの大国を収容できる空間がある」と、世界をアメリカと中国の2つの大国で支配しようと持ち掛けたのだ。アメリカは中国のいうところの2G(二大国での世界支配)という概念を受け入れるつもりは毛頭ない。
 
 その後も、中国は相変わらずアメリカをはじめとした西側諸国の知的財産権を盗み続け、南シナ海を軍事的に支配し、あまつさえアメリカの国内選挙に介入した。アメリカは、数年の準備を経て対中政策の転換を宣言した。それが10月4日のペンス演説なのだ。

■暴落への有力な材料

 今後、アメリカの対中敵対政策は共産党政権の崩壊まで続く、と考えるのが妥当だろう。それは日本を叩きのめし、ソ連を崩壊させたアメリカの外交政策の歴史から見ても妥当な結論だ。

 トランプ政権が終わり、別の大統領になったとしても、アメリカの「対中敵対」という基本的な外交政策は変わらないはずだ。それは冷戦期において大統領が共和党であろうと民主党に変わろうとも「対ソ封じ込め」という政策が一貫していたことからも、容易に推測できる。

 さて、このアメリカの対中政策の変更が、日本の不動産市場にとってどのような影響があるのかを考えたい。

 それは、恐ろしいことだと思う。

 アメリカの対中政策の最終目標は、中国が西側のルールに従う国になって、アメリカの覇権に挑戦しなくなることである。そのためには、中国のもつ経済力を削ぐことも有力な手段だ。だから貿易戦争を仕掛けている。

 一方、中国を見るといかにも危うい。まず、世界をリードするような産業分野がない。韓国でさえアンドロイドOSのスマートフォン端末世界シェアNo.1のサムスンがあるが、中国にはモノマネはあっても独自技術を打ち立てている有力企業が見当たらない。日本の新幹線の10倍の延長距離で敷設されている高速鉄道でさえ、その基幹的な技術は日本から導入するか盗んだものだ。したがって、中国は貿易を制限されるとたちまち経済が干上がってしまう。そして現在、アメリカはそれを仕掛けつつある。
 
 これは恐ろしいことだ。世界第2位の規模を誇る経済大国が、経済的に窒息しようとしている。そうでなくても、中国の経済はインフラの拡大という投資で成長エンジンを回転させてきた。国内の個人消費や企業の設備投資という健全な需要が育ち切っていない。

 資本主義国の常識で考えると、中国経済のバブルは近々崩壊するだろう。これまでは巨額の外貨が流入することで国内経済を活性化してきたが、アメリカとの貿易戦争でその流れが目に見えて細ってしまうからだ。そうなると、日本だけでなく世界経済には恐ろしいマイナスの影響をもたらす。場合によってはリーマンショックの数百倍の規模で、世界経済に不況の波を呼び寄せる。そこから脱却するには、それこそ10年単位の時間が必要かもしれない。

 当然、日本の不動産には恐ろしいほどの下落圧力がかかる。2013年以降、日本の不動産は局地バブル状態である。都心や城南エリア、一部の地方で本来の実力以上の価格で売買されてきた。その結果、多くの人が「いずれは暴落する」という予感を薄々抱いている。だから、メディアなどで「暴落」をテーマにしたリリースが出ると、注目度が高くなる。
 
 多くの人が「いつか暴落する」と考えているなかで、暴落への有力な材料が目の前に突きつけられればどうなるのか。それはもう、火を見るよりも明らかだ。

(文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト)

127. 中川隆[-13761] koaQ7Jey 2018年12月11日 11:06:35 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21946] 報告

年明けにかけて株式市場を揺さぶる「ABCDE」もはや「人工的」な日本の債券・株式市場

上野泰也のエコノミック・ソナー 2018年12月11日(火)


柔軟なETF買い入れで株価を下支えする日銀(写真: Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 日銀による上場投資信託(ETF)の10月の買い入れ実績が8700億円に達したことが、市場で話題になった。通常のETF買い入れが12回オファー(約定)されて計8436億円。これとは別に、設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業の株式を対象とするETF買い入れが22回オファーされて計264億円。総合計は8700億円である<図1・図2>。

図1:日銀によるETF買い入れの残高

(出所)日銀 https://cdn-business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/120600169/p2.jpg  

図2:日銀によるETFの月別買い入れ額


注:「日銀当座預金増減要因と金融調節」に掲載された実績ベースの計数で、設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業の株式を対象とするETF買い入れを含む(出所)日銀
https://cdn-business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/120600169/p3.jpg

 ただし、上記は日銀がオファーして約定した日を基準とする集計結果である。実は、決済による資金移動を伴うベース(月末発表の「日銀当座預金増減要因と金融調節」に記載されている数字で、設備・人材投資ETF買い入れを含む)の10月分は、買い入れ額(フロー)が6283億円であり、16年以降の実績の中で特に目立つ数字ではない。買い入れの約定が10月中でも、ETFを組成した上で日銀サイド(信託銀行)に引き渡して決済するタイミングは11月というケースが、月末近くに少なからずあったとみられる。ちなみに次の11月分は6162億円になった。


日銀は柔軟化したETF買い入れで株価下支え

 日銀は、7月31日の金融政策決定会合で決定した金融緩和策修正の中で、保有残高が年間約6兆円に相当するペースで増加するようにするとのETF買い入れの目標額は維持しつつも、「資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて」買い入れ額は「上下に変動しうるものとする」と、公表文に明記。株価の騰落にかかわらずカレンダーの区切りで厳密に「約6兆円」ペースを守るというような硬直的運営をはっきり排除した。

 これは、たとえば18暦年や18年度といった区切りで義務的に「約6兆円」買い入れる運営はせず、市場の状況を見ながら柔軟に買い入れするという趣旨である。極端に言えば、ある月に1兆円規模で買い入れた後、翌月には全く買い入れない運営も、前後の月を含めた1年程度の区切りで「約6兆円」ペースならば許容されるはずである。

 そこから思考を一歩進めると、上記の運営柔軟化によって、個別銘柄の相場形成やガバナンスの観点から批判が根強いETF買い入れの「約6兆円」からの一段の増額は、追加緩和の選択肢から事実上外れたと言えそうである。柔軟な運営により短期間に集中的にETFを買い入れることが可能になったからである。

 むろん、増額を決めればアナウンスメント効果が伴うわけだが、「約6兆円」を一度増額してしまうと減額するのは至難の業だという点に鑑みると、「柔軟な運営の中での増額」というETF買い入れ方法を手にしていることのメリットは、日銀にとって大きい。

 その後、11月22日の夕刻に、日本株の関連でちょっとした驚きがあった。日銀がこの日にETF(設備・人材投資企業対象以外)を703億円買い入れた事実が明らかになったのである。日銀が後場にETF買い入れを入れるかどうかを探る上で市場が注目しているのは、前場引け時点のTOPIXの騰落である。22日は1614.87(前日比▲1.02ポイント)で、下落率は0.06%にすぎなかった。この程度の下落率なら日銀は動かないだろうと思われたが、実際には後場に日銀買い入れ観測が流れた模様で、TOPIXは上昇して大引けした。

 上記の問題をいち早く取り上げたのが、同日の18時すぎに日経QUICKニュースから配信された「市場点描 『ほぼ横ばい』でもETF買った日銀、飛び交う思惑」である。

 この記事によると、日銀が7月末の金融政策決定会合で緩和策の修正を決めた翌日である8月1日以降11月21日までの26回のETF買い入れ(設備・人材投資企業対象以外)で、前場のTOPIX下落率が最も小さかったのは10月29日の0.27%。下落率が0.19%だった11月15日は買い入れがなかったので、市場では「約0.3%安」が日銀ETF買い入れのトリガー水準とみられていた。それが22日に覆ったわけである。

 10月の株安対応の大規模な買い入れで「日銀の(ETF)買い余力は乏しくなっている」との声も市場にはあったもようで(筆者に言わせればそうした見方はナンセンス)、さまざまな思惑が出ており、中には「将来の(ETF買い入れ)枠拡大への地ならしでは」「12月の日銀会合に向けて思惑が広がるのではないか」といった見方も出ていたという。

 だが、筆者は「日銀のETF買い入れ余力が尽きかけている」「将来の買い入れ枠拡大に向けた布石ではないか」といった見方には、完全に否定的である。上記ですでに説明した、日銀がETF買い入れを柔軟化した意味合いを、いまだに理解できていない向きがあるのではないか。

 「今年の日銀ETF買い入れ可能額は残り少ない」といった記事を一部業界紙が掲載するような現状に、日銀は一種のいらだちを覚えたのかもしれない。11月22日のETF買い入れは、

@TOPIX前場下落率といった基準に沿って固定的・硬直的に運営されているという見方の払しょくを狙ったものであると同時に、

A本来の趣旨である「リスクプレミアムへの働きかけ」という観点から市場の脆弱な地合いがこの先当面続くと判断したものだろう(19年にかけての数多いリスク要因については後述)。

さらに言えば、22日の買い入れ実施がサプライズになることが株価下支えに寄与してくれればもうけもの、ということだろう。


 「米国の中間選挙が11月に終わった後、12月から2019年1〜3月期にかけてはリスクイベントが少ない」といった説明をしているアナリストがいるそうだが、筆者に言わせれば、現実は全く逆である。

 すぐに思いつくものだけでも、

@12月11日の英議会におけるEU(欧州連合)離脱合意案採決、

AECB(欧州中央銀行)による12月末の量的緩和終了(日米欧中央銀行のバランスシート拡大停止・縮小は「カネ余り」相場の一層の不安定化につながり得る)、

B1月招集米新議会での下院民主党によるトランプ政権追及強化(弾劾訴追も選択肢となる)、

といった材料がある。一時休戦となっている米中貿易戦争の行方、中国の景気悪化度合いも要注目材料である。


 12月および19年1・3月に予定される米FOMC(連邦公開市場委員会)のいずれかで利上げの休止がアナウンスされれば、株式などリスクが相対的に高い資産の価格下支えに寄与するだろう。


金融市場に盛りだくさんの「リスクオフ」要因

 ただしそれは、米景気指標の出方(景気減速度合いと市場のリスク認識の高まり具合)次第の面がある。景気指標悪化がきつい場合にリセッション懸念から株価の下げ幅が大きくなり、FRBに対する利下げ催促相場の様相を帯びるシナリオも想定できる。

 金融市場の「リスクオフ」への傾斜につながり得る要因がこの先いかに多いかをわかりやすく示す手法はないかと考えていたところ、ABC順に並べることを思いついた。

A. (America First)〜トランプ政権の保護主義。米中両国の覇権争いが絡んでいる

B. (Brexit)〜EU離脱合意を英下院が否決する場合、先行き不透明感が一層強まる

C. (China)〜金融緩和があまり効かず、財政頼み。19年は成長目標を切り下げも

D. (Developing Economies)〜通貨防衛のため南ア、インドネシアなど利上げ実施

E. (EU)〜欧州委はイタリアに対する過剰財政赤字是正手続きを勧告、制裁も視野


上記5つに続くものとして以下の2つもあるが、材料としてはかなり小粒である。

• F.(France)〜燃料課税上げに反発するデモ・支持率低下にマクロン大統領が直面

• G.(Germany)〜州議会選で敗北したメルケル首相が与党党首の座を明け渡す


 ついでと言っては何だが、最後に、債券市場や株式市場が人工的な色彩をかなり帯びている日本についてABC順に重要なワードを並べた上で、若干の解説を付しておきたい。


A. (Abe)〜自民党総裁選に勝利した安倍首相の党総裁任期は21年9月まである

B. (Bank of Japan)〜物価目標2%は高すぎ、異次元緩和は事実上「エンドレス」

C. (Consumption Tax)〜19年10月予定の消費増税対策は迷走気味。再々延期も

D. (DPJ)〜政権交代後の民主党の失政で弱小野党が乱立。19年7月ダブル選挙も

E. (Expansion)〜19年1月まで持続すれば、景気拡張局面は戦後最長記録となる


このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/120600169

128. 中川隆[-13760] koaQ7Jey 2018年12月11日 11:21:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21946] 報告

2018年12月11日
日米、米中貿易とドル円レートのゆくえ


戦後の大きな流れでは10数年ごとに円高になっている

引用:https://moneyzine.jp/static/images/article/212170/01.png


円高か円安か

米中貿易対立や日米貿易交渉のゆくえを受けて、為替レートの値動きが大きくなっている。

一般的には日米経済が好調なら円安、不調なら円高になりやすいとされている。

これは日経平均が上がると円安、下がると円高いなるのを見れば良く分かります。



アメリカの株価とドル円の連動も強く、NY株価が上がると円安、下がると円高になります。

日米対立や米中対立は貿易を減らし株価や経済にマイナスなので、深刻化すると円高になります。

米中央銀行FRBは利上げの終了を示唆したので、短期的にはドル安の影響がある。


中期レートを見ると2012年に79円だったドル円レートは、2015年に125円まで円安が進みました。

その後何度か105円を割り込んだものの必ず回復し、現在は113円前後になっています。

上は120円、下は100円の大きなレンジ内での値動きが5年以上続いているといえます。

円高には周期サイクルがある

もっと長期で見ると為替レートは日米の経常黒字と経常赤字から大きな影響を受けています。

日本はアメリカにモノやサービスを売って代金を受け取るので、毎年数兆円がドルから円に交換されます。

日本が黒字でアメリカが赤字である限り、じわじわと円高が進みいつかはまた1ドル100円を割り込みます。


この超円高のサイクルは2011年、1995年、1985年、1970年のように10年から10数年おきに発生しています。

それぞれの円高には別の要因があるものの、日本の経常黒字で円高圧力が蓄積し、ダムが決壊するのがおよそ10数年ごとというとらえ方もできる。

前回の超円高は2011年なので、長期サイクルからは次回の円高は2021年から2025年ごろだと推測できます。


日本の輸出産業は競争力が落ちているとされるが、経常黒字はむしろ増えて年10兆円から20兆円に達しています。

対するアメリカは年50兆円前後の経常赤字なので、差し引きすると70兆円円高ドル安の圧力が発生します。

ダムに水が溜まって最後に決壊するように、円高圧力は満タンにたまるまで影響はなく、ある日一気に水が放出されます。


それまでは小幅な値動きしか起きないと予想されるので、今年や来年は10%程度の変動しかないでしょう。

円高になっても1ドル100円は割れず、円安になっても1ドル120円以内のレンジに収まるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/78364661.html

129. 中川隆[-13757] koaQ7Jey 2018年12月11日 14:28:55 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21952] 報告

2018年12月10日
「住宅ローンは固定金利で借りよう」特に心配性な人は
塚崎公義(久留米大学商学部教授)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14723


 今回は『老後破産しないためのお金の教科書 』の著者である塚崎が、住宅ローンを固定金利で借りるべき理由を説明します。

 住宅ローンを借りる際に固定金利で借りるのか変動金利で借りるのかは、重要な問題です。固定金利の方が当初の金利は高いですが、将来の金利上昇に対する備えができるので安心です。

 老後資金について語る時の筆者は、「長生きとインフレのリスクを避ける事が最重要」と力説しますが、住宅ローンは現役時代の話なので、異なる観点から論じることになります。

 ちなみに、「住宅ローンは現役時代だけの話ではない。退職後も住宅ローンを返済し続ける予定だ」という読者は、考え直しましょう。退職後は大した所得は見込めないのですから、借金は退職金で完済しましょう。莫大な遺産が期待できる場合は例外ですが(笑)。

通常であれば固定でも変動でも損得はないはずだが…

 長期金利(住宅ローンの場合は固定金利)は、人々が将来の毎年の短期金利(住宅ローンの場合は変動金利)を予想して、その平均になるのが普通です。貸し手と借り手が合意する必要がありますから、「変動金利で借りて30年間に払う金利(予想)と固定金利で借りて30年間に払う金利を比べて、どちらかが圧倒的に得だ」、ということにはならないからです。

 もっとも、現在は日銀が「異次元の金融緩和」をしていますから、長期金利が「人々が予想する短期金利の平均、すなわち長期金利のあるべき水準」より遥かに低くなっていると思われます。日銀の金融緩和というのは固定金利の長期国債を大量に購入することですから、これは固定金利の長期貸出を大量に行うのと同様の効果があります。そこで、長期固定金利の借入需要より貸出が圧倒的に多くなり、長期固定金利が押し下げられているのです。

 つまり、現在の固定金利は、人々が「将来の変動金利を30年分予想して、それを平均したもの」よりも低い可能性が高い、というわけです。それなら、固定金利で借りたほうが得ですね。


固定金利を保険料と考えよう

 変動金利で借りる場合、将来の金利が上がるか下がるかわかりません。そこで、固定金利で借りることによって「高い金利を払わされるリスクがなくなるが、変動金利が下がっていくチャンスも放棄する」ことになるわけです。それならば、どちらに賭けるか、という話になります。

 筆者は小心者なので、「金利が高騰して巨額の利払いが発生するリスクを避けるためなら、金利が低下しても受けられるチャンスを放棄するのは仕方ない」と考えますが、そのあたりは人それぞれでしょう。

 しかし、現在の金利を見てみましょう。変動金利は0.4%程度です。これがさらに低下したとしても、得られるメリットは非常に小さいでしょう。一方で、金利が上昇してしまうリスクは決して小さくありません。そうであれば、固定金利で借りるメリットは大きいでしょう。
 
 一方で、固定金利の方が変動金利より高くなっています。「将来の短期金利が今より高くなりそうだから」という事ですし、「なぜ固定金利の方が高いのか」といった経済学理論もあるのですが、本稿ではそうしたことは忘れて、その差は「保険料」だと考えることにしましょう。

 「保険料を払ってくれた人には、家が火事で焼けたら1000万円払ってあげます」というのと「保険料を払ってくれた人には、変動金利が今後上昇しても、上昇した分はすべて保険会社が払ってあげます」というのは同じことですから。

 その「保険料」が、今は大変安いのです。住宅ローンの借り先にもよりますが、1.4%程度の所が多いようです。その程度で金利上昇リスクが避けられるならば、是非「保険」に加入すべきだと筆者は強く考えています。


長期金利の基本は予想短期金利の平均である理由(上記の解説)

 本論は以上ですが、「固定金利は、人々が将来の短期金利を予想して、それを平均したものになる」という事の理由を説明します。少し理屈っぽい話ですが、興味のある方はお読みいただければ幸いです。

 毎年金利が変動する住宅ローンと30年間金利が固定されている住宅ローンがあったとします。両者を比較する際、最初に考えることは、どちらが得だろうか、ということですね。それを考える際には、今後30年間の短期金利を予想する必要があります。当たるか否かはともかく、自分なりに予想してどちらが得かを考えるわけです。

 借りる方もそうですが、貸す方も同じです。将来の短期金利を予想しながら、変動金利で貸すのと固定金利で貸すのと、どちらが得かを考えるわけです。こうして、借り手も貸し手も将来の短期金利を予想しながら、どちらが得かを考えているわけです。

 借り手は、予想短期金利の平均よりも長期金利が低ければ固定金利で借りようとしますが、貸し手は予想短期金利の平均より長期金利が低ければ固定金利では貸しません。そこで、固定金利は上がっていきます。そうして、人々が「変動金利で借りても(貸しても)固定金利で借りても(貸しても)同じだ」と考える水準に固定金利が定まるのです。

 一般に、物の値段は「どちらが得だかわからない」という水準に決まります。どちらかが一方的に得だと人々が思うようでは、皆が得な方を買い(借り)、損なほうを売り(貸し)ますから、価格が動いてしまい、結局人々が「どちらが得かわからない」と悩むような状況になったところで価格が安定するからです。

130. 中川隆[-13756] koaQ7Jey 2018年12月11日 14:54:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21952] 報告

いまは2000年「ITバブル」と同じ状況、あらゆる指標が景気のピークを示している=江守哲 2018年12月11日
https://www.mag2.com/p/money/598499


経済指標をみると、2000年のITバブル時と本当に似ています。住宅や設備稼働率、設備投資額指数もほとんど同じ。いまの市場に対して強気になることはできません。(江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて)


今年の12月は何か違う?歴史的割高圏で、投資家はどう動くべきか

米国市場は「悪い時期」に差し掛かっている

先週末、米国株は結局下げました。米中貿易摩擦長期化への懸念などを背景に大幅続落しています。週間ベースでは、ダウ平均が4.5%安、S&P500が4.6%安、ナスダック指数が4.9%安となり、3月以来の大幅な下げとなりました(編注:週明け12月10日のダウ平均株価終値は4営業日ぶりに小幅に反発、前週末比34ドル高の2万4,424ドルとなっています)。

また、景気の先行指標でもあるダウ輸送株20種は週間ベースで8%安となり、下落率は7年ぶりの大きさとなりました。小型株中心のラッセル2000も5.6%安と、16年1月以来の下げでした。

このような動きになっていることを、どのようにとらえるべきでしょうか。

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先週も当メルマガで解説したように、答えは出ているように思います。

先週末のVIXは2.04ポイント高の23.23に上昇しています。「危険ゾーン」である20を超えて、再びリスクが高まっているわけです。また、半導体指数SOXは下げ基調に戻りました。弱いパターンです。

米中貿易摩擦の長期化や米景気の先行きに対する懸念が台頭してきました。これまで多くの市場関係者は、「米国景気は過去最長」「今後も拡大が続く」などとしてきました。

しかし、これは景気指標をしっかりとみれば、そうではなくなってきていることがわかります。

株式を保有していると、どうしても良い材料に目が行きがちです。しかし、いまはそうではないと言わざるを得ません。それがきわめて冷静で正しい見方であると考えています。

そろそろ市場にピーク感が出始める頃

これまで堅調さを維持してきた雇用情勢にも、徐々に変化の兆しが見られます。

7日に発表された11月の米雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数が15万5000人増と前月の23万7000人から鈍化し、市場予想の20万人増を下回りました。

失業率は3.7%で、49年ぶりの低水準を維持しました。この数値自体はきわめて強いといえます。一方、平均時給は前年同月比3.1%増でした。市場予想が3.2%上昇でしたので、これを下回ったことになります。



このように、そろそろピーク感が出始める頃です。

市場の雰囲気が急速に悪化したのは、すでに報じられているように、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を逮捕されたことです。

カナダ当局が米国の要請を受けて逮捕したわけですが、米国はいよいよ本腰を入れて中国をつぶしに来ました。この事件をどう理解すべきかは後述します。

逆イールドをどう捉えるべきか

さて、市場では米国債は長短金利差に注目が集まっています。この動きに対して、市場ではそれぞれの立場で理解に差があるようです。

しかし、結論は出ています。

10年債と2年債の利回り差(イールドスプレッド)は、7日の引け時点でマイナス0.1390%にまで縮小してきています。また、2年債と5年債の利回りスプレッドは0.0150%と短期債利回りがすでに上回っており、逆イールド化が完成しています。

CMEグループのフェドウォッチによると、短期金利先物が織り込むFRBが18・19日のFOMCでフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を2.25−2.50%に引き上げる確率は75%と、前日の71%から上昇しました。

短期金利先物が織り込む来年の利上げ回数は1回となっており、FRBは9月に予想した来年3回の利上げの実施が修正される可能性が指摘されています。

いまのイールドスプレッドの動きをどのように解釈するかによって、今後の市場の見方はまったく違うものになります。

多くの市場関係者は、「イールドスプレッドが逆イールド化しても、すぐに景気後退や株安にはならない」としています。これは誤った理解であると考えています。

いまは2000年「ハイテクバブル」と同じ状況

いまは2000年のハイテクバブルと同じ状況です。

当時は、まず10年債利回りが株価のピークにやや先行して高値を付け、低下に向かいました。2年債利回りは金利上昇を見込んで上昇し、ピークを付けたのは5月です。そして、株価は3月にピークをつけています。

つまり、10年債利回り、株価、2年債利回りの順にピークをつけています。この結果、イールドスプレッドは縮小し、2000年1月に逆イールド化した後に株価が3月にピークアウトしています。

今回は、2年債利回り、10年債利回り、株価がほぼ同時にピークをつけています。

その中で、債券利回りは両方とも低下する中で、10年債利回りの低下が大きいことで、結果としてイールドスプレッドが縮小しているわけです。これは、かなりネガティブなパターンです。

金利低下は景気鈍化、株価下落のサインです。証券関係者がなぜこれをポジティブに捉えるのか、まったく理解できません。

株価が上がってほしいからでしょうか。しかし、常識的に考えれば、やはり株価は上がらないでしょう。まずは調整が必要なほど、米国株は歴史的な割高圏にあるからです。



経済指標をみると、2000年のハイテクバブル時と本当に似ています。住宅や設備稼働率、設備投資額指数もほとんど同じ動きです。ここまで似ていると、いまの市場に対して強気になることはできません。


来年は利上げ見送りか

米景気は7−9月の実質GDP伸び率が年率3.5%と、潜在成長率の2%弱を上回っています。インフレ率も目標に達しており、市場はFRBが政策会合で今年4回目の利上げを決めると見込んでいますが、今後は難しくなるでしょう。

米経済には慢性的な人手不足、対中制裁関税などでインフレ加速のリスクが潜む一方で、賃金などには明確な上昇圧力が出ていません。

また、米中貿易戦争をめぐる不透明感、世界経済の減速傾向などが先行きに影を落とし始めるとの警戒感もあり、来年以降の利上げペースは確実に鈍化するでしょう。

場合によっては、来年は利上げ見送りの可能性もあると考えています。そうなれば、いうまでもなく、株価は下落に向かうことになります。

すでに景気はピークを達している

景気動向に先行する株価が、すでに景気のピークを示す指標が増える中、上昇基調を維持するのは難しいと言わざるを得ません。

ブレイナードFRB理事は、「緩やかな利上げが短期的に適切」としています。また、今後の政策運営は「より景気動向に左右される」とし、利上げの終着点が近づく中で、経済情勢の慎重な判断が一段と重要になるとしています。また、「米景気はきわめて強固」とし、「来年も堅調な成長を維持すると見込まれる良い理由がある」として、短期的には金融引き締めが望ましいとの認識を示しています。

ただし、今後は減税や好調な世界経済の追い風が減退するほか、貿易摩擦や英国のEU離脱に絡むリスクなどを踏まえ、「いくらかの逆風に直面するかもしれない」とし、「インフレ急加速の兆候もない」としています。

おそらく、この見方は正しいでしょう。

一方、セントルイス連銀のブラード総裁は講演で、「現在の金利水準は見通せる将来にわたって適切」としています。そのうえで、「次回のFOMCで利上げ決定を見送り、1月に後ずれさせることも可能」としています。

さらに、インフレ率などの経済データを使って、適切な政策金利を導き出す「テイラー・ルール」の有用性を指摘し、景気が巡航速度で推移した場合の金利水準である自然利子率が過去に比べて低下していることや、失業率とインフレ率の関係が薄れていることなどを考慮した新たなルールを示しました。

ブラード総裁は、「物価連動債相場から取り出したデータを使って推計したインフレ期待値に基づけば、金融市場は今後5年間、インフレ率がFRBの物価安定目標の2%に到達しないと見込んでいる」としています。

さらに、「こうした要素を反映させれば、政策金利を引き上げる理由は見当たらない」との考えを示しました。そのうえで、「現行の金融政策は帰路にある」と指摘し、これまで続けてきた緩やかな利上げのタイミングやペースを再考する段階に来ているとの認識を示しています。

ブラード総裁はFRB高官の中では利上げに消極的な「ハト派」であり、理論家のエコノミストとして知られています。今年のFOMCでは投票権を保有していませんが、来年は保有しています。「ハト派」の論客として、今後はFRBの政策運営に少なからず影響を与えることになりそうです。


米国市場はすでに終わっている

さて、米国の主要株価指数は大幅安になっています。結局のところ、安値での買いはあくまで買い戻し主体だったといえます。

反発を期待する声が多いのですが、いまの市場はすでに終わっていると判断しています。戻す局面があるかもしれませんが、本物の戻り基調に入るのは数年かかるでしょう。

S&P500は50日移動平均線が200日移動平均線を下回り「デッドクロス」を形成しました。米国ではこのような動きをものすごく意識します。これは短期的な弱気シグナルと見られていますので、手仕舞い売りが出やすくなるでしょう。

また、週間ベースの下落率も大きくなっており、地合いの悪化が鮮明です。買いづらい状況が続くことになりそうです。

しかし、一方で売られすぎと判断し、安値と考えて買った投資家が増えていることも事実です。多くの投資家は依然として上昇を見込んでいます。長期的には正しい見方であると思いますが、今後の調整場面でこのポジションを維持できるかどうかです。

歴史的割高圏にある今、投資家はどう動くべきか?

いまの米国株は歴史的な割高圏です。長期的に見れば、より安いところで買う機会は数多くあるでしょう。

いまは景気拡大の最終局面であり、ボラティリティが高くなります。ここで無理をして株価の最後のひと上げを取りにいくのはリスクがあるでしょう。

それよりも、ポジションをきれいにして、今後大きく調整した際に保有している現金で割安になった株式を買う準備をするほうが健全です。

ポジションをきれいにすると、見えないことが見えてきます。それは、バイアスがかからないからです。そうすることで、いまの市場の位置づけを冷静に分析することができるはずです。

バフェット指数でみると、米国株は9月末時点で理論値よりも3割割高と計算されます。つまり、高値から30%程度の調整があってもおかしくないということです。

ちなみに、ハイテクバブルの崩壊では、ナスダック指数は高値から78%下げています。そこまでの下げは想定していませんが、頭の片隅に置いておきたいと思います。


今年の12月は何かが違う

今後、直近安値を下回るようだと、それこそ大変な下げになってしまうでしょう。

しかし、先週末の水準で下げ止まれば「トリプルボトム形成から値を戻す」との見方も出てくるでしょう。ですが、それはそうなってから考えればよい話です。それでも、株価の割高感が解消されるわけではありません。

ダウ平均は2万5,000ドルまで戻せば、再び売りたい水準になります。直近安値の2万4,200ドルを割り込んでくると、安値更新で下落トレンド入りが確定します。

S&P500も2,700ポイントまでの戻りは売りたい水準です。2,630ポイント割れで下落トレンド入りとなります。

ナスダック指数は7,200ポイントまでの戻りは売りたいところです。ハイテク株相場はすでに終わっています。

米国株12月から第1四半期は強い相場になりやすいのですが、今年は違う動きになる可能性があります。過去のアノマリーに左右されることなく、慎重に対処したいところです。

(続きはご購読ください。初月無料です<残約15,000文字>)


終わりが見えない「米中貿易摩擦」

さて、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟氏の逮捕は、まさに今後本格化する米中貿易協議などに大きな影響を与えるでしょう。これまで指摘してきた、米国の中国潰しがいよいよ本格化するわけです。トランプ政権が対中政策を緩めることはありません。まだまだ続きます。不透明感はさらに強まっていくでしょう。市場の見方はかなり甘いといえます――

131. 中川隆[-13749] koaQ7Jey 2018年12月11日 16:53:55 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21952] 報告


2018年12月11日
焦点:逆イールドが示唆する米景気後退、予想よりも遅い可能性


[10日 ロイター] - 米国債のイールドカーブのいくつかの主要年限間で長短利回り差が逆転(逆イールド化)した後、景気後退が到来するとしても、その時期は大方が考えるよりも遅くなる可能性がある。

長期ゾーンに比べて短期ゾーンの発行量が急激に増えたことで国債市場の動きが変わってしまった上に、一般的に注目されているのと別の指標は、景気下降局面の訪れがもっと先だと示唆しているからだ。

トランプ政権が来年1兆ドルに達しようかという財政赤字穴埋めのために計画している国債増発は短期ゾーンに集中している。一方、銀行は2007─09年の金融危機以降、米国債よりも住宅ローン担保債(MBS)の購入を優先する傾向があり、MBSのイールドカーブの重要性が高まってきた。

従来重視されてきた米国債の2年─10年利回りが逆イールド化すれば、18カ月から2年で景気後退が始まるとみなされてきた。しかしこうした需給面の構造変化を受け、一部の専門家は逆イールド発生から景気後退開始までの期間が延びているのではないかとの見方をするようになっている。

短期ゾーンでは今週、2─3年と2─5年の利回りが逆転して金融危機以来初めて米国債市場に逆イールドが出現。2─10年利回りの差もわずか10ベーシスポイント(bp)弱と、07年以降で最小になり、景気後退が近いとの観測が広がった。

ただしイールドカーブは、金融危機に対応して主要中央銀行が実施した量的緩和(QE)によっていびつにされた面がある、とアナリストは主張する。つまりたとえ2─10年が逆イールド化しても、必ずしも景気後退が間近だと読み取るべきではないという。


ジェフリーズの短期市場エコノミスト、トーマス・シモンズ氏は「現在のイールドカーブはQEとその巻き戻しによって、大々的に歪められている」と話した。

そこに米財務省が今年2月以降で2年債を820億ドルも増発し、発行額が10年債の220億ドルを大きく上回る事態が加わった。サイモンズ氏は「短期ゾーンには非常に大量の供給があり、長期ゾーンはそこまでではない」と指摘。短期ゾーンの利回りを相対的に押し上げ、2─10年の利回り差縮小をもたらした。

米国債需要も金融危機後に変化があった。銀行が連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)や連邦住宅抵当貸付公社(フレディマック)といった政府系住宅金融機関が保証するMBSを米国債の代わりの投資先とする動きが強まったのだ。

カナコード・ジェニュイティのアナリスト、ブライアン・レイノルズ氏は「銀行が米国債をファニーメイ債やフレディマック債ほど投資手段として利用しなくなった点を踏まえれば、米国債のイールドカーブの重要度は過去9年半で低下している」と分析する。

米連邦準備理事会(FRB)のデータで米銀の保有動向を見ると、08年末に1兆1600億ドルだった政府系住宅金融機関保証付きMBSは2兆2300億ドルまで膨らみ、米国債の560億ドルから5030億ドルより増加幅が大きくなった。

ファニーメイとフレディマックの保証が付いたMBSの2─10年利回り差は足元でそれぞれ約24bpと44bpあり、この先逆イールド化する場合でも、米国債の同期間よりも後になりそうだ。


サンフランシスコ地区連銀は8月に公表した論文で、金融市場で主な話題になるのは米国債の2─10年利回りだが、1年後の景気後退を予告する指標としては3カ月物短期国債と10年債の逆イールド化の方が優れていることが分かったとしている。

現在の3カ月─10年の利回り差は50bp前後なので、やはり2─10年よりも逆イールド化の時期は遅くなるだろう。

アリアンツ・インベストメント・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、チャーリー・リプリー氏は、このイールドカーブが逆転するのはずっと先になってもおかしくないとみている。

132. 中川隆[-13757] koaQ7Jey 2018年12月11日 20:56:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21970] 報告


世界同時株安はいつまで続くのか? 過去の暴落と比較する
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2018年12月11日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8059


2018年10月から始まった世界同時株安が続いている。2008年のリーマンショックによる市場暴落以後、株式市場は大きく上昇しており、下落相場というものがどういうものか忘れている投資家も多いだろう。

市場急落とは言うものの、下落相場とは通常どれくらいの期間続くものだっただろうか? そして今回の下落相場はどうなるのだろうか? それぞれの暴落の原因も含めて一度検証してみよう。

2008年リーマンショック

先ずは2007年から2008年にかけて起こったサブプライムローン危機における市場の暴落を振り返りたい。

サブプライムローン危機とは、投資銀行などが開発した複雑な金融商品によって、アメリカの不動産バブルが世界の銀行システムにまで波及し、株式市場の暴落に繋がったものである。この意味では第一の原因は不動産バブルであり、株価バブル崩壊が止まるかどうかは、不動産バブルが止まるかどうかにかかっていたと言える。

当時の米国株のチャートは以下である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8059


2007年の半ばから2009年の初めにかけて60%ほど下落している。「暴落」とは言うが、高値から底値まで1年半かかっていることに注目したい。

2000年ドットコムバブル

その前の市場暴落は2000年から始まったドットコムバブル崩壊である。

GoogleやMicrosoftなどの企業に代表されるIT革命によってIT企業の株価が高騰した。IT系だというだけで、利益の上がっていない会社や中身の怪しい会社にも莫大な額が投資された結果、回収される見込みのない投資が山積みとなり、2000年の最高値を区切りに暴落した。

この時の下落相場はリーマンショックの時よりも長く、2年半の間に50%ほどの下落となっている。

1987年ブラックマンデー

もう一つ紹介したいのは、1987年のブラックマンデーである。

ブラックマンデーの原因については一般には不明とされているが、筆者は金利が原因であると考えている。

当時、ドル高を是正する目的で行われたプラザ合意によって逆にドル安が止まらなくなっていたが、利上げによってドル安を止めることは、それまで金利低下によって支えられていた株価上昇トレンドを放棄することを意味していた。アメリカは結局利上げを余儀なくされ、株式市場は崩壊したのである。

1987年の8月から10月にかけて、2ヶ月で35%程度の下落となっている。チャートが週足ではなく日足になっていることに注意したい。

ブラックマンデー当時の状況については、以下の記事で詳しく説明している。

•プラザ合意からブラックマンデーまでを振り返る

しかしここで重要なのは、ブラックマンデーにおける暴落がFed(連邦準備制度)のアラン・グリーンスパン議長の市場救済宣言によって収束したことで、以後市場では「株価が暴落しても中央銀行が助けてくれる」という盲信が出来上がったということである。

事実、ドットコムバブルやリーマンショックでも、下落相場はブラックマンデーに比べて長期のものとなっている。ブラックマンデー以後、下落相場が数年単位となったのは、投資家が中央銀行の下支えを期待して、急な下落には押し目買いを入れるようになったことが一因であると個人的には考えている。

レイ・ダリオ氏は長期の下落相場を予想

さて、現在の相場に話を戻そう。2018年10月から始まった下落相場はどれくらい続くのだろうか?

前回の記事で紹介したが、世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏は、今回の下落相場は2008年のような急落ではなく、市場と実体経済が徐々に締め付けられてゆくような相場になると予想している。

•世界最大のヘッジファンド: 世界同時株安はリーマンショックとは違う

上で説明したように、サブプライムローン危機では1年半の下落相場となっていることから、大雑把に言ってダリオ氏は2年から5年程度の下げ相場を想定しているのだろう。

一方で、上記の記事ではダリオ氏の理屈の盲点も指摘している。ダリオ氏が債務の膨張と利払いの増加による段階的な締め付けを念頭に置いている一方で、現在アメリカが行なっている量的引き締め(量的緩和の逆回し)は市場から直接的に資金を引き揚げる金融政策であり、その意味では不動産市場やIT株から投資家が競って資金を引き揚げる過去のバブルと同じだということである。

不動産バブル崩壊と量的引き締めのどちらがより急速な市場からの資金の流出かというのは、難しい議論である。しかしダリオ氏の言うようなゆっくりとした下落相場になるとは考えがたい。下落相場の長さとしては半年から1年半程度を想定しておくべきだろう。

それでもブラックマンデーよりは長丁場となる。その間、株価は買い方に希望を与えるような反発を交えながら、長期的に下落してゆくだろう。それを止められるのは量的引き締めの停止だけである。政策金利を引き下げる利下げに効果があるかどうかは議論の余地があるが、単に現在行なっている利上げを停止するだけでは、精々短期的な株価反発の口実になるだけだろう。

量的引き締めの停止は、今のところ議論されていない。それどころか世間では誰も量的引き締めについて語っていない。世界同時株安の本当の原因を、わたしとここの読者以外誰も理解していないのである。

世間と中央銀行がそうしている間は、売り方は安泰である。株式市場は何処まで下がるだろうか。


•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)
•バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8059

133. 中川隆[-13800] koaQ7Jey 2018年12月12日 08:38:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22042] 報告

平野憲一の株のお話 2018.12.12 日


 景気後退懸念で低下している長期金利の影響で、金融株が引き続き弱い動きですが、2008年9月のリーマンショックから9か月後の2009年6月に底を打った米国景気は、この11月で113カ月の連続拡大となりました。これが来年7月まで続くと、過去最長だった1991年3月から2001年3月までの120カ月を抜きます。

 当時は2000年8月がNY株の高値でしたので、株の先見力は7か月と言う事になります。

今回の相場のダウの高値(史上最高値)は10月3日の2万6828.39ドルですから、これでピークアウトしていたとしたら、7カ月の先見性を適用すると来年4月に米景気は後退期に入る事になります。しかし昨日のダウは、まだ高値から9.17%しか下がっていません。

20%でピークアウト決定、12%でその方向への確率が高まると言われていますので、ここに注目しておくべきですが「まだ」です。

 金利からは長短逆イールド(まだなっていません)から18か月後が景気後退のタイミングと言われます。

とにかく上記のごとく長期間の景気拡大の最中ですが、ピークを打つ時が「もうか、まだか」の領域に入っている事は間違いありません。但し、この領域の時間軸が、数か月か場合によってはそれ以上かも知れません。株式投資にとって、売りでも買いでも最も面白い時です。
http://kasset.blog.fc2.com/

134. 中川隆[-13803] koaQ7Jey 2018年12月13日 23:46:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22123] 報告

欧州中銀、年内で量的緩和を終了

12/13(木) 22:28配信 共同通信

 【フランクフルト共同】欧州中央銀行(ECB)は13日、今後の金融政策を協議する理事会をドイツ・フランクフルトで開き、国債などの資産を購入し市中に資金を供給する量的金融緩和政策を、当初の予定通り年内で終了することを正式に決めた。ユーロ圏経済は足元で減速しつつあるが底堅く、方針の変更は必要ないと判断した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は着実に政策金利の引き上げを進めており、ECBも利上げに焦点が移る。物価上昇が思うように進まず、緩和が長期化している日銀と欧米中央銀行の差が明確となった。

135. 中川隆[-13718] koaQ7Jey 2018年12月19日 13:42:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22207] 報告
著名ファンドマネージャーらが12月FOMC会合の利上げの危険性を警告
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2018年12月18日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8095


2018年10月から始まった世界同時株安が継続している中、アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は米国時間12月19日にFOMC会合において今年4度目の利上げを決定する可能性が高いと予想されている。

その直前となった今、複数の著名ファンドマネージャーが相次いで12月利上げの危険性について警告を発しているので紹介したい。

ジェフリー・ガントラック氏

先ずは2018年の市場下落予想を的中させたジェフリー・ガントラック氏である。ガントラック氏は2018年の相場の流れを的確に予想していた。

•ガントラック氏: 2018年、米国株は一度上昇してから大幅に下落する (2018/1/11)

さて、そのガントラック氏が12月FOMC会合においてFedは利上げをしてはならないと言っている。CNBC(原文英語)などが伝えている。

Fedは今週利上げをすべきではないと思う。債券市場は「Fedよ、利上げを続けてはならない」と言っている。2年物、3年物、5年物の米国債利回りを見れば、全て2.7%で横並びになっている。

ガントラック氏の言及した短期金利は、基本的には今後の政策金利がどうなるかを示したものである。その短期金利は具体的には次のようになっている。

•1年物米国債: 2.66%
•2年物米国債: 2.70%

•3年物米国債: 2.68%
•5年物米国債: 2.69%

通常、金利は期間が長いほど高くなるのだが、今や2年物国債の金利は3年物や5年物より高くなっている。これを逆イールドと言い、景気後退の前兆とされている。

より政策金利に即した観点から言えば、債券市場は近い将来Fedが利下げをしなければならない状況に追い込まれることを予想しているのである。Fedが利下げに追い込まれる状況とは、例えば株価の暴落である。

債券投資家であるガントラック氏はこれを凶兆として利上げを一旦止めるべきだと言う。しかし、ガントラック氏は利上げが問題の本質だとは考えていない。彼は次のように言っている。

しかし、問題はFedが利上げしてはならないことではない。問題は金利をこれほど長い間低く保つべきではなかったということだ。

問題は、ヨーロッパで今も行われているマイナス金利など導入すべきではなかったということだ。そして量的緩和など行うべきではなかったということだ。量的緩和はねずみ講だ。

量的緩和はねずみ講だとガントラック氏は遂に言ってしまった。その通りなのである。経済のパイは無限ではないのに、紙幣は無限に刷ることが出来るので、人々は無限に資金を使えると錯覚する。量的緩和はねずみ講なのである。

個人的に非常に面白いのは、暗号通貨をねずみ講だと言って切り捨てる金融業界の人々が、政府発行の通貨や量的緩和は肯定することである。どちらも同じことなのである。暗号通貨も量的緩和もねずみ講である。通貨とはそういうものである。

違いがあるとすれば、資金の流れがどうなるかということである。わたしが2月に予想した通り、ビットコインからは既に資金が流出している。ガントラック氏はビットコインが株価の先行指標だと言っている。

•ビットコインの価値は遠からずゼロになる (2018/2/20)
•世界同時株安、先行指標は更なる下落を示唆 (2018/12/17)

政府発行の通貨の問題も同じことではあるが、結末は暗号通貨とは異なるかもしれない。そしてその結末の1つは、この世界同時株安かもしれないと個人的には考えている。

スタンレー・ドラッケンミラー氏

さて、12月利上げの危険性を警告するもう1人のファンドマネージャーは、ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを運用して有名になったスタンレー・ドラッケンミラー氏である。CNBC(原文英語)によれば、ドラッケンミラー氏は次のように述べている。


中央銀行は利上げと量的引き締めという二重の攻勢を一時停止すべきだ。

米国経済は2019年も強いパフォーマンスを維持することが出来るだろうが、Fedやその他の政府機関の政策上の重大な誤りを許容することは出来ないだろう。経済や市場の最近の動向を考えれば、Fedは金融引き締めを少なくとも一時的に停止するべきだ。


ドラッケンミラー氏も最近の市場の動向を懸念している。しかし、ここの読者は覚えているだろうが、ドラッケンミラー氏は本来、金融緩和批判の急先鋒なのである。彼は以前次のように述べていた。

•ドラッケンミラー氏: 量的緩和が深刻なデフレの原因となる


一体どれだけのゾンビ企業が緩和マネーによって延命され続けているのか、実際のところは誰にも分かったものではない。あらゆる個人が永遠に上昇すると思われている資産価格にとめどない量の資金を注ぎ込んでいる。個人だけではなく、政府も同じである。金融政策が既に正常化されていたならば、これほどの財政赤字は生まれていなかっただろう。

そのドラッケンミラー氏さえも利上げを停止して金利を低く抑えるべきだと主張しているのだから、世界同時株安の状況は緊迫していると言うべきだろう。米国株のチャートは次のようになっている。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8095

利上げを批判するもう1人の著名人

さて、最後にここ数日で利上げ批判を表明したもう1人の著名人に言及しておきたい。それはトランプ大統領である。


信じられないことだが、ドルは非常に強く、インフレの危険も存在せず、パリの騒乱や中国の問題もあるにもかかわらず、Fedはまた利上げをしようとしている。

トランプ大統領は以前より利上げを批判している。これは筆者の見解によれば、この状況下の金融引き締めが株価暴落に繋がることを知っているからであり、そうなったとしても責任を逃れられるように予防線を張っているのである。これも以前書いた通りである。

•トランプ大統領は機関投資家からバブル崩壊の予報を受けている

さて、多くの人々が利上げの危険性を警告しているが、Fedのパウエル議長はどうするのだろうか? 因みに金利先物市場は68.9%の確率で利上げが行われると予想している。確率は高いが、絶対ではないというところだろう。

利上げが停止された場合に株価がどうなるかということは、前々回の記事で説明した通りである。

•ガントラック氏: 世界同時株安は2月の底値を更新する

Fedの決断はどうなるだろうか。パウエル議長の判断を見守りたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8095

136. 中川隆[-13680] koaQ7Jey 2018年12月20日 18:18:14 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22207] 報告

12月FOMC会合結果は空売り派への満額回答
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2018年12月20日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8106

アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は12月18日から19日にかけて金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、今年4回目となる利上げを決定した。

一部の投資家は利上げの中止を期待していたため、利上げの発表を受けて米国株は急落した。米国株のチャートは以下のようになっている。

結果、米国株は下落トレンドを継続し、年始来安値を更新することとなった。債券投資家ガントラック氏の予想がまたもや的中したこととなる。

•ガントラック氏: 世界同時株安は2月の底値を更新する

FOMC会合結果

さて、先ずはFOMC会合の結果を簡単に纏めてみよう。

•利上げを決定、政策金利は2.25%から2.50%のレンジへ
•2019年の利上げ回数は3回から2回に修正

Fedの発表した声明文には主な変更はなかったが、もはや声明文などは問題ではない。投資家にとって重要なのは、会合後の記者会見におけるパウエル議長の次の言葉である。


現在の短期的な混乱は多くのファクターが原因となっており、バランスシートの縮小が原因だとは思っていない。

バランスシートの縮小は大した問題を起こしていない。

素晴らしい慧眼であり、空売り投資家へのこれ以上ないサポートであると言える。やはり中央銀行は投資家の味方なのだろう。

以前からの読者にはこの皮肉だけで筆者の言いたいことが十分伝わるだろう。しかしもう少し付け加えよう。これが今後の相場見通しにどういう影響を与えるかを知るためには、次のことを考えてみると良い。

世界同時株安の原因がバランスシート縮小であることは、世界同時株安が起きる前からここで話していることである。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

バランスシート縮小が市場崩壊を引き起こすと考えて空売りをしている筆者のような投資家にとっては、当然ながらパウエル議長がバランスシート縮小を撤回することだけが懸念材料であり、12月の会合でそれが行われる確率は低かったものの、基本的にはFOMC会合だけがその可能性のあるイベントであることは確かである。

そしてその会合において、パウエル議長は親切にもバランスシート縮小を撤回しないことを表明してくれた。これは次の会合までの1ヶ月半、売り方は基本的に株安が止まる唯一のシナリオを恐れなくて良いということを意味する。短期的な予想をするつもりはないが、それが株価にとってプラスではないことは確かだろう。

ドルの行方

しかし、今一番注目したいのはドルの行方である。筆者は日経平均とともにドル円も空売りしているが、こちらはまだ下落していない。

しかし株価の暴落を止める手段がアメリカの金融引き締めの停止および金融緩和だけであるとすれば、ドルが下落するのは必然であると言える。一方で円安になる要素はほとんどない。日銀は追加緩和の手段をもうほとんど持っていないからである。

これは同時に、先進国の株式市場で日本株だけが危機発生時の中央銀行の支えを得られないことを意味している。行える緩和は既に行われており、追加で出来ることがほとんどないからである。

株の空売りは十分に成功しており、筆者は次のシナリオに注目している。一方で、世の中の大半は世界同時株安の原因にさえまだ気付いていないと言えるだろう。すべてが遅いのである。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8106

137. 中川隆[-13633] koaQ7Jey 2018年12月21日 18:06:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22207] 報告

ドル円、予想通り急落
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2018年12月21日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8117


12月20日の午後から米国市場(日本時間で深夜)にかけてドル円が急落した。

報じていた通り、世界同時株安で日経平均が下落しているにもかかわらず、ドル円はまだ落ちてはいなかった。しかし市場はFOMC会合におけるパウエル議長の発言を様々な形で織り込もうとしているようである。ドル円のチャートは以下である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8117

その直前、日本時間で20日昼の記事には次のように書いている。記事の時点でドル円は112円台半ばを維持していた。

•12月FOMC会合結果は空売り派への満額回答


株価の暴落を止める手段がアメリカの金融引き締めの停止および金融緩和だけであるとすれば、ドルが下落するのは必然であると言える。一方で円安になる要素はほとんどない。日銀は追加緩和の手段をもうほとんど持っていないからである。

株の空売りは十分に成功しており、筆者は次のシナリオに注目している。一方で、世の中の大半は世界同時株安の原因にさえまだ気付いていないと言えるだろう。すべてが遅いのである。

このように、暴落相場では複数の銘柄に賭けることによって同じ暴落相場を何度もトレードすることが出来る。株と為替の他には米国債をトレードする(つまり米国の金利の上下を予想する)ことも出来るのだが、金利と株価が連動している現状では株の空売りと被ってしまうので、個人的には株の空売りに集中している。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

ドル円についても短期的な動きを予想するつもりはないのだが、パウエル議長が金融引き締めに強気の姿勢を示したにもかかわらずドル円が下落した理由が分かりにくければ、ここの記事が参考になっただろう。

株式市場も引き続き下落している。前回の記事で次のように書いたことを思い出してもらいたい。

•12月FOMC会合結果は空売り派への満額回答


バランスシート縮小が市場崩壊を引き起こすと考えて空売りをしている筆者のような投資家にとっては、当然ながらパウエル議長がバランスシート縮小を撤回することだけが懸念材料であり、12月の会合でそれが行われる確率は低かったものの、基本的にはFOMC会合だけがその可能性のあるイベントであることは確かである。

そしてその会合において、パウエル議長は親切にもバランスシート縮小を撤回しないことを表明してくれた。これは次の会合までの1ヶ月半、売り方は基本的に株安が止まる唯一のシナリオを恐れなくて良いということを意味する。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8117

138. 中川隆[-13365] koaQ7Jey 2018年12月29日 07:59:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告

中国、「世界1の株価消失」今年255兆円がパー「バブル崩壊」2018年12月29日


中国政府は、不動産バブルの沈静でソフトランディングに成功すると豪語してきた。バブルの歴史において「ソフトランディング」などあり得ない。必ず、「ハードランディング」するというのが歴史の教訓だ。その報いを受けて、今年の株価は年初来25%、255兆円が煙と消えた。日本のGDPのおおよそ半分である。その規模の大きさが分る。

中国政府が楽観的であったのは、市場メカニズムを反映する株価暴落などは、政府の権力を以てすれば抑えつけられると見ていたからだ。この傲慢さが、不動産バブルを抑制するどころか、逆に煽り立ててGDP押上げのテコに使ってきた。習近平氏は、この偽りの高成長で「国家主席無任期制」を手に入れることができたのだ。バブル様々である。

だが、「好事魔多し」である。上手くいった積もりだった不動産バブルが、逆回転を始めたのだ。信用機構は目詰まりを起こし、不良債権の山を築いている。信用不安の発生で、新規融資がストップして、資金繰りが窮迫する事態になった。中国経済はまさに、日本経済が辿った道を追っている。この後は、「失われた20年」の悲劇が待っている。

『ブルームバーグ』(12月28日付)は、「18年に失われた255兆円ー数字が物語る中国株投資家の苦境」と題する記事を掲載した。

(1)「上海総合指数は年初来の下落率が25%近く、世界の主要株価指数としては最悪。12月26日時点で、中国株式市場の時価総額は18年に入り2兆3000億ドル(約255兆円)失われた。ブルームバーグが02年にデータ集計を開始してから年間ベースで最大の消失で、株式市場の規模として世界2位の座を日本に譲った」

中国株では、米国の有名な投資銀行が強気の方針を打ち出していた。そういう記事を見る度に、「この筆者は、バブル崩壊の意味と衝撃の恐ろしさを知らない御仁だな」と見てきた。だから、こういう根拠不明の楽観論は一切、取り上げることもなく、悲観論にウエイトをおく記事のコメントに力点を置いてきた。今年を振り返って、間違えたコメントを書かず、読者に迷惑をおかけする事態にはならなかった。

(2)「上海、深圳両証券取引所での1営業日当たりの平均売買代金は約3690億元(約5兆9600億円)に減少し、14年以来の低水準となったことをブルームバーグのデータは示している。27日の売買代金はわずか2638億元で、15年のピークの1割程度」

1営業日当たりの平均売買代金が、15年ピーク時の1割にまで落込んでいる。「株価は死んだ」も同然の状態だ。ここから、抜け出すのは大変なエネルギーを必要とする。中国経済が健全化することが前提である。

不動産バブルの後遺症を克服するには、まだまだ気の遠くなるような時間がかかるはずだ。習近平氏が、市場機構という「自然治癒力」のメカニズムを抑圧して、計画経済なる幻想に酔っていることから、目が覚めることなどあり得ない。彼が国家主席でいる限り、中国経済の回復・発展は期待薄である。
http://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/14619922.html

139. 中川隆[-13354] koaQ7Jey 2018年12月29日 08:59:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告

アメリカは NO.2 になった中国をこれから叩き潰そうとしている

【討論】中国経済は本当に崩壊するのか?[桜H30-12-22] - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=wySjAIDCTg4

2018/12/22 に公開
◆中国経済は本当に崩壊するのか?

パネリスト:
 川島博之(東京大学大学院農学生命科学研究科准教授)
 澁谷司(拓殖大学海外事情研究所教授)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 福島香織(ジャーナリスト)
 松田学(東京大学大学院客員教授・元衆議院議員)
 宮崎正弘(作家・評論家)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総


 


▲△▽▼


貿易戦争で墜落する中国、習近平を追い詰める改革派と解決困難な4大社会問題とは=勝又壽良 2018年12月23日
https://www.mag2.com/p/money/612755


中国が「改革開放」から40年周年を迎えました。その間の平均成長率は9.8%。世界に例のない高度経済成長を実現しましたが、その裏には多くの闇を抱えています。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)


終わらぬ米中冷戦、米国が突き付けた合意書を中国はのめるか?

中国「改革開放」から40年

12月18日は、ケ小平(とうしょうへい)によって始められた「改革開放」から40年たった記念日にあたります。

中国経済が破竹の成長を始めたのは、1978年12月18日です。ケ小平は、中国経済の市場化を目指しましたが、党内には「市場経済」という言葉に強い拒否感があり、これをなだめるべく市場経済に「社会主義」という形容詞を付けるほどでした。


社会主義=計画化によって市場経済をコントロールする意味です。

中国経済成長の副作用「4大陰り現象」は解決困難

過去40年間の平均成長率は、9.8%にも達しました。世界に例のない高度経済成長を実現しましたが、その裏には多くの問題点を抱えています。

<その1. 環境破壊の凄まじさ>

大気汚染を筆頭にして、土壌汚染や水質汚染など「環境崩壊」という言葉がふさわしいほどです。農村部には、「ガン村」と言われるように特定地域で集中的に癌患者が発生しています。この「ガン村」が約3000箇所あると指摘されています。

<その2.一人っ子政策による極端な「少子高齢化」の進行>

一人っ子政策が、過渡的に生産年齢人口(15〜64歳)比率を増やし、これが高度経済成長に多大の寄与をしました。しかし、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に生む子どもの数)は、世界最低ラインに落込んでいます。2015年に1.05人(人口の横ばい維持には2.08人が必要)まで下がっています。日本を下回る状態で、将来の人口動態に危険信号が出ています。現在は、この種の統計発表を中止するほど追い込まれています。

<その3. 不動産バブルがもたらす家計の過剰債務>

習近平政権になって、意図的に不動産バブルによって住宅ブームを引き起こして、景気のリード役に仕立てあげました。国民は、住宅の高値に怯えて先を争い高額の住宅ローンを組み購入しました。現在、これが家計を圧迫しており、個人消費鈍化の大きな要因になっています。

<その4. 不動産バブルがもたらす中国経済全体の過剰債務>

中国の抱える債務残高は、対GDP比で260%以上に達しています。これ以上は債務を増やせない。そういう限界状況において、「信用収縮」が起っています。金融機関が新規融資を渋る状況では、企業の資金繰りがつきません。国有企業は、国有銀行から融資を受けられます。民営企業には日本のような「メインバンク」がありません。非金融機関のシャドーバンキング(影の銀行)からの融資に頼っています。この脆弱性が、金融リスクを生み「地雷原」となります。


改革開放40年間の光が、平均9.8%の成長率としましょう。その影は、誰でも前記の4点を挙げると思います。

今後、潜在成長率低下の中で、これらの難題をどのように解決するのか。舵取りは極めて難しいのです。


「合意書」の焦点は4点

難題は、これだけではありません。現在、米中貿易戦争が「休戦」とはいえ、米国政府から来年2月末までに米中首脳会談で合意した5項目(うち、1項目は実行中)の「合意書」を要求されています。

合意できなければ、米国の関税第3弾2,000億ドルの関税率が25%に引き上げられます。米国は、すでに官報で告示しました。

米中で合意書を求められている項目は、次の通りです。詳細な説明は、当メルマガのバックナンバー11号(12月6日配信)を参照してください。
1.米企業への技術移転の強要
2.知的財産権の保護
3.非関税障壁
4.サイバー攻撃

口約束ではなく「文書化」して確実に実行させる

ムニューシン米財務長官は12月18日、関税を巡る米中間の休戦が終了する2月末までに「合意内容の文書化」に取り組んでいると『ブルームバーグ』のインタビューに答えています。


この文書化が重大な意味を持ちます。米中が目指す正式合意には、中国が取り組む構造改革のスケジュールや検証方法について、ムニューシン氏は「十分に具体的」な内容が盛り込まれる見込みだと語りました。

前記の4項目について、米国は単なる口約束で済ますことなく、構造改革のスケジュールや検証方法を盛り込まなければ、合意書を取り交わさない。もし、中国がそれを渋れば、米国は3月1日に予定通りの関税率25%へ引き上げると通告しているのです。

中国は、関税第3弾の追加関税が引き上げられれば、経済に重大な影響が出ることを懸念して「休戦」を選び、5項目についての合議に同意した背景があります。

最後は、米国の意向に沿った合意書にサインして、米国の「軍門」に屈すると見るほかありません。


中国にはまだ、米国と真っ向から戦う経済力がない

この米中合意書が公表された暁に、中国国内でどのような反応が出るでしょうか。

米国の知的財産権を守って、強制的な技術移転を迫らない。サイバー攻撃もやりません、などという合意内容になれば事実上、「中国製造2025」は宙に浮くでしょう。

その上、ファーウェイはイラン輸出規制違反によって、米国からソフトと半導体の輸出禁止措置を受ければ、ファーウェイの通信機製造がストップすると指摘されています。「中国製造2025」の中核は、ファーウェイが担っているのです。

ファーウェイが、米国の制裁によって製造機能を大幅に制約される事態になれば、「中国製造2025」は中核を失ったのも同然となるでしょう。中国の産業構造高度化計画は、とても2025年に達成できるどころか、「中国製造2035」になって2035年へずれ込むであろうという指摘もあります。


「中国製造2025」の推進役は、習近平氏と言われています。習氏が米中貿易戦争に対して当初、強硬論を述べ「徹底抗戦論」を主張した裏には、米国が「中国製造2025」の棚上げを狙っていると見たからです。

そこで、自らのメンツに泥を塗られたと感じた習氏は、米国へ同等の報復策に出たものと見られます。中国の経済官僚はここを問題視し、中国経済を必要以上に減速させたと批判しています。中国はまだ、米国と真っ正面から戦う経済力がない。こう冷静に判断しているのです。

中国の経済官僚は、米国へ留学した人々が多く、米国経済の実力を認識しています。副首相の劉鶴氏や中国人民銀行総裁の易鋼氏も米国留学組です。易氏の場合、米大学で終身教授の待遇を受けていたにも関わらず、その職を投げ打って帰国したと言われます。習近平氏を取り巻く一握りの民族主義者グループとは、その視野が異なります。

最強硬派の習近平氏には打撃

ここで、1つのエピソードをお伝えします。『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月16日付)からの引用です。


権威ある清華大学の何百人もの卒業生は、ある教授(注:胡鞍鋼教授)の解任を求める嘆願書を出した。この教授が、中国の米国に対する優位性を誇らしげに主張し、当局者や市民を「ミスリード」したというのが理由だ。この批判は、中国政府が対米関係で対応を誤ったとの見方を示唆している。

精華大学の胡鞍鋼教授と言えば、北京大学の林毅夫教授と並んで有名な「御用学者」です。根拠もなく、中国経済は米国経済を抜くと言い続けてきました。例えば、胡鞍鋼教授の場合、『かくて中国はアメリカを追い抜く』(PHP研究所 2003年)を出版しています。中身は薄っぺらなものでした。

習近平氏も精華大学出身です。習氏の側近になっている胡鞍鋼教授の解任を求める嘆願書は、間接的に習氏への不信任と受け取られます。そこで、胡氏は習氏の庇護を受けて解職の憂き目に遭わなかったものと見られます。


しかし、中国の経済改革派が、習近平氏による言論封殺の中で、堂々とここまで見解を述べていることは、習氏への批判が相当な規模になっていることを窺わせています。

中国経済がすでに、貿易戦争の影響を受け、冒頭に挙げた4つの問題点とオーバーラップして、中国の経済基盤を揺さぶっていた証拠と言えます。現実に危機感が迫っていなければ、リスクを冒してまで反対の声を上げるはずもありません。こういう状況下で、米中貿易戦争の「合意書」が公表されると、経済改革派が実権を握る局面になるように思われます。

「合意書」の内容が不明の時点で、このような議論は早計かもしれません。しかし、中国政府は4項目を受託するとなれば、「経済政策の正常化」が進むことは間違いないでしょう。

具体的には、米国の技術窃取をしませんとか、強制的な技術移転を迫りません、という誓約書を出す以上、中国の経済成長率は低下するほかありません。技術が手に入らなければ、設備投資をする必要もないからです。ファーウェイも、米国のソフトと半導体が輸入できなければ、生産規模の縮小は必至でしょう。中国のハイテク化はスピードダウンを余儀なくされます。

「中所得国の罠」脱出?

習近平氏は、自らの権力基盤を固める意味と「中所得国の罠」脱出目標を掲げて6.5%以上の経済成長率目標を立ててきました。「中所得国の罠」とは、1人当たり名目GDPが5,000ドル〜1万ドルに達した後、経済構造の高度化が進まず、長期にわたり1人当たり名目GDPが伸び悩むことを指しています。

中国の1人当たり名目GDPは、8,643ドル(2017年)です。これを1万ドル以上に引き上げて、先進国の仲間入りを狙っています。それには、「中国製造2025」によって産業構造をハイテク化する必要がある、という判断です。

しかし、他国の技術窃取や違法な手段でそれを実現しようというのは許されません。中国の倫理感では、それが許されると見ているところに大きなギャップを感じます。米国は、今回の「合意書」によって、そのギャップを塞ぐと意気込んでいるのです。

「中所得国の罠」問題について、北京大学がまとめた報告書「中国経済成長報告2017年」があります。今年1月初めに北京で発表されました。それによると、2017〜21年の5年間、中国経済の平均成長率は約6.5%になる。そして、2023年前後に、一人あたり平均GDPは1万2,500ドルの国際的ラインを超え、「中所得国の罠」を超越する、というものでした。ここでのポイントは、6.5%成長が前提になっています。


中国政府が6.5%成長にこだわるのは、「中所得国の罠」脱出がかかっているからです。問題は、2019年以降にどうなるかです。中国政府の顧問やシンクタンクは、2019年の経済成長率目標について、6.5%前後としている18年目標から引き下げ、6.0〜6.5%にするよう、指導部に提言している模様です。米国との貿易摩擦などを背景に、中国経済のリスクが高まるとみている結果です。


来年経済は波乱の幕開け

来年の中国経済を見る上で重要な前提は2つあります。

第1は、貿易戦争が回避される場合です。中国が、米国に対して「満額回答」すれば、正常化します。それは、皮肉にも習近平氏の敗北を意味し、中国の政治的な不安定化をもたらします。まさか、騒乱が起るとは思えませんが、習氏の政治責任が問われます。

これを契機に、経済改革派が経済政策の主導権を握り市場化を進める姿勢を示せば、米中関係の修復は部分的には可能でしょう。ただ、中国の謀略体質が暴露されたので、中国がグローバル化経済の枠組みに入ることはあり得ないでしょう。一度、信義の面でも警戒された国が、短期的に信頼を取り戻すことは不可能です。

140. 中川隆[-13327] koaQ7Jey 2018年12月30日 08:55:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告
平野憲一の株のお話 2018.12.30 平成の終わりに、昭和の残り香が消える?
http://kasset.blog.fc2.com/


、平成30年1月4日大発会の「平野憲一投資道場」は、「安定期に入った企業業績・企業価値増大の2018年」でした。

「銀行への公的資金投入で底を打った企業業績は、法人企業統計でその年2003年の売上高は1335兆円、経常利益は36兆円でした。その後100年に1度と言われたリーマンショックや、何度かあったチャイナショックを乗り越えて、2017年には売上高1497兆円、経常利益76兆円となりました。

経常利益の76兆円は過去最高です。
そして2018年も増収増益予想で、本格的に企業業績の安定期に入ってきたことを実感するでしょう。」と話しました。

1月23日に日経平均2万4124円を付けた時には、予想通り!と思いました。


 しかし、日本企業の業績見通しが外れた訳ではないのに、2月の適温相場崩壊・VIXショックで、混迷の2018年に突入してしまいました。

これを見抜けなかった最大のミスは、FRBの資産縮小計画を甘く見てしまったことです。

前年10月から始まった計画は、スタート時に国債を月60億ドル、住宅ローン担保証券も月40億ドルの保有残(資産)縮小と言うものでしたが、4兆2000億ドルのFRBの資産に比べれば微々たるもので「まだ」大丈夫と思ってしまいました。

株価の先見性は「いずれ微々たるものでは無くなる」として、2月・3月の急落となりました。

141. 中川隆[-13243] koaQ7Jey 2019年1月02日 09:23:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22213] 報告
平野憲一の株のお話 2019.01.02 今年の株価は、米金融当局のさじ加減。
http://kasset.blog.fc2.com/

昨年10月からの急落は、何を織り込んだのでしょうか。

米国の景気後退が予想される中で、米中対立がそれを激しく増長させる危惧でしょうか。そのリスクへの認識がトランプ大統領とパウエルFRB議長の間で大きく違う事の不安感を織り込んだと言うのがその答えでしょうか。

ただ、2018年の波乱は、2月の「VIXショック・適温相場崩壊」から始まりましたが、その引き金は、FRBの資産縮小計画である事は間違いないと思います。

当初は国債を月60億ドル、住宅ローン担保証券も月40億ドルの保有残(資産)縮小と言うもので、4兆5000億ドルのFRBの資産に比べれば微々たるものでしたが、今や前者が月300億ドル、後者が月200億ドルとなっており微々たるものとは思えない日本円で月に5兆5000億円の資金吸い上げとなっています。

しかもそれは12月のFOMC後のパウエル議長会見で今後も続く事が確認されました。

 金融当局から見れば、株価は経済指標の1つに過ぎず、株価が命のトランプ大統領との認識の違いが激しくなるのは当然です。筆者もトランプ大統領と同じく、金融当局が株価の動きをあまりに軽んじると、株価が急落する中で公定歩合を上げ続け、その後の「失われた20年」を作った1990年の日本の失敗を再現する事になるかも知れないと心配しています。

今後の株価は、FOMCのさじ加減にかかっていると思います。従って良くも悪くも簡単に変わると言う事をしっかり胸に刻んで亥年相場を戦ってほしいと思っています。

142. 中川隆[-13233] koaQ7Jey 2019年1月02日 22:54:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22216] 報告

新年早々ドル円が下落している理由 グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート 2019年1月2日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8123


2019年となったが、日本市場が年末年始で休みの間に円高ドル安が進んでいる。海外ではクリスマス休暇などはあるが、年末年始の休日は日本ほど多くないため、為替市場は開いている日もあるからである。

2018年10月からの世界同時株安は今なお継続しており、読者は周知の通りこの動きはわたしの予想通りである。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

ただ、想定していたよりも更に速い下落速度となっており、長期的には緩やかな下落の方が最終的な下げ幅は大きくなるため、株を空売りしている投資家としてはもう少し短期的な反発がほしいところではある。米国株のチャートは次のようになっている。

さて、今回取り上げたいのはドル円である。先ず、ドル円に関しては昨年7月に空売りを開始しており、これは筆者が日経平均の空売りを始めた8月末よりも早い時期である。

•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始 (2018/7/15)

当時、株式市場の天井を探っていた筆者が先にドル円の空売りを始めた理由は、株式市場がアメリカの金融引き締めで暴落するのに対して、ドル円は金融引き締めの継続でも停止でも下落することになるということが理由である。上記の7月の記事には次のように書いている。


今後、世界の金融市場には2つの方向性が存在する。金融引き締めの弱気相場がついに米国市場にまで到達し、世界的なリスクオフになるか、そうなる前にFedが金融引き締めを止めるかである。

ここで考えてもらいたいのは、どちらになってもドル円には悪材料だということである。世界的な弱気相場となればリスクオフで円高となり、金融引き締め撤回になればアメリカの金利低下でドル安となる。どちらにしてもドル円は下落するのである。

この判断は奏功し、この記事を書いた7月半ば以降、株式市場は更に上昇を続けたが、ドル円の上昇幅は限られた。しかし一方で、10月に株式市場が暴落した後もドル円は暴落とはならず、113円前後で下落せずに耐え続けることとなった。

しかしここではドル円が下落を免れないことを一貫して書いてきた。例えば12月の記事には次のように書いている。

•12月FOMC会合結果は空売り派への満額回答 (2018/12/20)


今一番注目したいのはドルの行方である。筆者は日経平均とともにドル円も空売りしているが、こちらはまだ下落していない。

しかし株価の暴落を止める手段がアメリカの金融引き締めの停止および金融緩和だけであるとすれば、ドルが下落するのは必然であると言える。一方で円安になる要素はほとんどない。日銀は追加緩和の手段をもうほとんど持っていないからである。

株の空売りは十分に成功しており、筆者は次のシナリオに注目している。一方で、世の中の大半は世界同時株安の原因にさえまだ気付いていないと言えるだろう。すべてが遅いのである。

そしてこの記事の直後にドル円は急落を開始し、年末年始の下げ幅拡大を経てドル円のチャートは次のようになっている。

予想通りである。

ドル円に限らず、下落後の記事は下落前に説明したことの復習になってしまい申し訳ないが、いつものことである。今後も世界の金融市場の動きを事前に報じてゆきたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8123

143. 中川隆[-13210] koaQ7Jey 2019年1月04日 10:05:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22219] 報告

2019年01月04日
年明けに円高進行 再び1ドル100円を割るか


戦後一貫して円高が進んでいる

ドル円推移


画像引用:http://keisuke-fx.com/wp-content/uploads/2015/09/%E3%83%89%E3%83%AB%E5%86%86%E6%8E%A8%E7%A7%BB.jpg

再び円高の季節

2019年の1月3日に急速な円高が進み、一時1ドル104円台になりました。

きっかけになったのは米アップルの業績下降修正で、900億ドルから840億ドルに引き下げました。

円はユーロや英ポンド、人民元などに対しても円高になっており、ドル安ではなく円の全面高になっている。




これは10年前のリーマンショック時と同じ動きで、全世界の通貨で円だけが底なしに上昇し続けた。

1995年の円高では1ドル79円75銭、2011年の円高では75円78銭、1988年の円高では1ドル121.1円でした。

1988年円高は大したことが無いようにみえるが、1985年には1ドル260円だったので、実際には超円高でした。


円高と円高の間には1990年には1ドル150円、2000年代にも1ドル120円から140円台の円安期がありました。

2008年から現在までの間にも1ドル125.59円まで円安が進み、2019年年明けに急落しました。

なお1985年までのドル円は変動相場制ではなく固定相場制で、1ドル360円から260円まで段階的に円高になった。


ここまで70年を振り返って一定の法則性が見られるのは、誰でも気づいたと思います。

第一の法則は1ドル360円から一貫して円高に推移していて、円安に反転する兆候は見られません。

もっとさかのぼると1871年(明治4年)に円が制定されたときは1ドル1円で、1900年前後は1ドル約2円だった。

円高は必然

1941年には1ドル約4円に円は下落し、敗戦後の1945年には15円、1947年には1ドル50円になっていた。

円の価値は5年で10分の1以下に下落したわけで、経済崩壊が発生したのが分かる。

1949年には1ドル360円になったが、これは円安にして輸出を有利にして経済再生したいという日本側の要望だったとされている。


ターニングポイントになったのは1950年の朝鮮戦争で、日本は輸出で大儲けして貿易黒字、経常黒字になり以来60年以上円高が進行した。

貿易や投資などでの経常収支が黒字だと、赤字国から黒字国に膨大な通貨交換がされるので、黒字国の通貨は高くなります。

これが1950年からずっと円高になりつづけている理由で、日本の貿易黒字や経常黒字が原因でした。


1941年まで円安になり続けた理由はアメリカの輸出が日本より大きかったからで、単純に考えて日本の4倍も通貨が強かった。

1941年から1947年まで円が暴落したのは戦況が悪化し戦争に負けたからで、通貨はこのように正直です。

リーマンショック以来日本は円安誘導し経常黒字を増やし続けたので、円高になるのは自然なことです。


もしリーマンショックのように大規模な円高とすると、今度は1ドル50円台まで円高が進む可能性があります。

それほどではない小規模な円高だと、1ドル100円で踏みとどまる可能性もあります。

小規模な円高は数年おき、大規模な円高は12年おきくらいに発生しています。
http://www.thutmosev.com/archives/78642131.html

144. 中川隆[-13141] koaQ7Jey 2019年1月07日 20:22:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22219] 報告

パウエル議長発言は世界同時株安を止められるか?
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート 2019年1月7日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8149


2019年に入っても世界同時株安が継続しているなかで、これまで強気の姿勢を示していたFed(連邦準備制度)のパウエル議長が遂に相場下落に配慮するコメントを発表した。

パウエル議長はこれまで「経済が好調だから株安も問題ない」という姿勢を崩さなかったが、米国株があまりに落ちてきたため耐えられなくなったようである。ここではFedの姿勢が持続不可能であることを世界同時株安の前から説明している。

•パウエル議長の致命的誤りが株式市場暴落の理由となる (2018/8/27)
•12月FOMC会合結果は空売り派への満額回答 (2018/12/20)

ちなみにトランプ大統領は世界同時株安が始まる前からFedの金融引き締め政策を批判しており、これまでそれを無視してきたパウエル議長も、結局は足並みを揃える形となった。トランプ大統領はジョン・ポールソン氏など本物のファンドマネージャーを友人に持っており、彼らから意見を聞いているため、世界同時株安の本当の原因がFedの金融引き締めだと分かっているのである。

•トランプ大統領は機関投資家からバブル崩壊の予報を受けている

一方で、筆者はメディアの報道はほとんど読んでいないのだが、世間一般では世界同時株安がトランプ大統領の政策が原因だという報道がされているらしい。メディアというものがどれほど恣意的かということである。株安の原因について何も分からないなら、何も分からないと言うべきなのである。

下落相場に屈したパウエル議長

さて、ではパウエル議長はどのような発言をしたか。議長は株安に押されるようなタイミングで次のように述べている。


Fedは市場の言葉を注意深く聞いている。

とりわけあまり上昇していないインフレ率を考えると、われわれは経済の進展を辛抱強く見守るべきだと思う。

12月のFOMC会合で、株安を無視するかのように経済に強気の発言をしてから2週間で大きく変わったものである。それは恐らく、米国株が次のように動いたからだろう。以下は米国株のチャートである。


年末に遂に高値から20%以上下落したのである。パウエル議長の発言を受けて市場は短期的に持ち直している。

また、ここでは世界同時株安の一番の原因は利上げよりも量的緩和で買い入れた債券の保有額を減らすバランスシート縮小の方だということを、下落前から説明している。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

そのバランスシート縮小についてパウエル議長は12月に株価下落の原因ではないと主張していたが、今回は一気にトーンダウンしている。今回の発言は以下の通りである。


われわれは、バランスシートが昨年の終盤に始まった市場の混乱にとって重大な話だとは思っていない。しかし繰り返しになるが、もし違った結論に達した場合には、方針を変えることを躊躇わないだろう。もし、バランスシート正常化やその他のあらゆる正常化計画が問題の原因となっていると結論した場合、方針を変えることを躊躇わないだろう。

われわれは必要であればいつでもスタンスを変更する準備が出来ており、必要に応じて大きく方向転換することも躊躇わない。

あまりにはっきりとしない態度ではないか。要するに、彼は市場下落の原因についてよく分かっていないのである。

市場の今後の動向

さて、投資家にとって重要なのは、このパウエル議長発言をどう解釈すべきかということである。

筆者のように、Fedの金融引き締めを理由として株を空売りしてきた投資家は、議長が態度を弱めたことで手を引くべきなのか? 個人的な解釈は単純明快である。議長の発言を分かりやすく翻訳すると次のようになる。「米国株が20%下落した現段階では利下げやバランスシート縮小停止に動くことはないが、市場が更に下落した場合には対応を考えるかもしれない」ということである。

つまり、現段階では動かないということをパウエル議長は表明している。よって空売り筋には現段階で手仕舞いをする理由はないということになる。では何処まで下がればパウエル議長が本当に動くのかが問題になるということは、去年10%下げた段階で記事にしている。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因


10%下落したぐらいでは、Fedは市場救済には乗り出さないだろう。現状では10%程度の下げとなっている。

では15%ではどうか? 20%ではどうか? そのようにして次の手を考えることになる。

そして、20%ではまだ動かないということをパウエル議長は今回表明したのである。

一方で、どんな発言でも短期的な反発の口実となる可能性はあり、前々から言っている通り、急激な下落よりも緩やかな下落の方が最終的な下落幅は大きくなるので、空売り投資家としてはこの辺りで一旦反発してもらいたいものである。

緩やかな下落の方が厳しくなる理由については、前回の記事が役に立つだろう。先進国よりも先に下落している中国市場では株価の下落が徐々に実体経済に影響を及ぼしているようであり、株安が長引けば長引くほど実体経済への影響が明らかになってくる。Appleの中国での売上鈍化がApple株安に繋がったように、今後も株安の実体経済への影響が明るみに出てくるようになり、それが更に株価に影響を与えるという悪循環が続くだろう。

この循環的下落相場については前回の記事で説明してあるので、そちらを参考にしてほしい。

•Apple決算でドル円急落? 本質的な原因と今後の相場見通し
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8149

145. 中川隆[-13084] koaQ7Jey 2019年1月11日 14:45:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22222] 報告
市場が混乱すると円高になるのは「円が安全資産」だからではない理由
https://diamond.jp/articles/-/190576
2019.1.11 塚崎公義:久留米大学商学部教授 ダイヤモンド・オンライン


円が安全だから
買われるというわけではない

 昨年12月から年初にかけて、世界的に株価が暴落したが、同時に円高となった。世界的な株安と円高の同時進行は今回に限ったことではなく、世界の金融市場が動揺すると「投資家のリスク回避のために、安全資産である円が買われた」という報道とともに円高になることが多い。

 しかし、円が安全資産だという説明には、違和感を持たざるを得ない。世界最強の軍事力を持つ米国に守られている国であり、政府の借金が巨額で財政破綻を心配している人もいるという国の通貨が、ドルやユーロより安全だとは到底思えないからだ。

 リーマンショックのときには円高となり、「安全通貨の円が買われた」と説明されても、違和感はなかった。当時は、米国と欧州が金融危機に苦しんでいる一方、日本の銀行は相対的に健全で、日本は金融危機には陥らなかったからだ。恐らくそのときの「成功体験」を引きずった人々が、同じ表現をその後も使い続けているのだろう。

 そうした人の中には、金融危機などで円高になる本当の理由を知らない人も、知っているけれども説明が長くなるのを避けたい人も、両方いると思われる。

輸出企業の持ち帰った
ドルを買うのは誰か

 日本は、数十年にわたって経常収支の黒字が(若干の例外を除けば)続いてきた。その間、輸出企業などが持ち帰ったドルを銀行に売りに行ったが、それを買ったのは誰だろう。一部は輸入企業などが買ったが、経常収支が黒字だということは、それだけでは買い手が足りないということだからだ。

 典型的なのは、「米国債の方が、日本国債より金利が高い。米国債を買うためには円をドルに替える必要があり、そうすると為替リスクを抱えることになるから、うれしくはないが、リスクを取ってでも高い金利を受け取ろう」という投資家だ。

 そうした投資家たちは、気分によって「多少のリスクはあっても儲けを狙いたい」と考えるときと、「儲からなくてもいいからリスクを避けたい」と考えるときがある。前者は「リスクオン」と呼ばれ、特に心配事がないときに多く出現する。前者は「リスクオフ」と呼ばれ、何か悪いことが起きそうな予感のするときに多く出現する。

 リスクオフになると、過去に円をドルに替えて米国債を購入していた日本人投資家たちが米国債を売却し、ドルを売却して資金を日本に持ち帰り、じっと静かに嵐が通り過ぎるのを待つ。この過程におけるドル売りが円高の主因なのだ。

 米国の銀行からドルを借りて米国株式に投資している投資家が、邦銀から円を借りた方が金利が安いので、邦銀から円を借りてドルに替えて米国株式を購入することがある。これを「キャリートレード」と呼ぶが、原理としては同じことだ。

「円高になると、邦銀に返済するときの負担が重くなる(多くのドルを円に替えないといけない)のでリスクはあるが、低い金利で借りられるメリットを享受しよう」ということだからだ。

 こうした投資家は、リスクオンのときは増加し、リスクオフのときは減少するので、市場全体がリスクオフになると円高が進むのだ。

 キャリートレードの場合には、円高が進むと貸し手の銀行が、借り手の返済能力を不安に感じるようになって返済を要請するといったことも起き得る。そうなると、円高がさらなる円高を招くといったことにもなりかねない。

「美人投票」が
円高を加速させる

 戦争や金融危機が起きるかもしれないといったとき、投資家たちはリスクオフになってドルを円に戻す。それが円を高くすることを知っている他の人々(例えば普通の米国人投資家)は、あらかじめドルを円に替えておくことで利益を得ようとする。

 為替や株式の短期売買においては、「他の投資家が何をしそうか」ということを皆が考えながら行動しているので、「皆が円高を予想していると、皆が円を買うので実際に円高になる」ということが起きるのだ。これは、「美人投票」といわれる現象だ。

 彼らもリスクオフではあるのだが、確率的に円高になる確率が十分高いと判断すれば、「円安になるリスクを取っても、円高になるチャンスを狙おう」とするわけだ。

 こうした動きは、投機家といわれる人々に限られるものではない。例えば日本の輸入企業は、円高を予想するので海外に送金するドルをギリギリのタイミングまで待ってから買うであろうし、場合によっては銀行からドルを借りて海外に送金するだろう。

 ドルを借りた場合の銀行に払う金利は高めだが、銀行に返済するときまでに円高になっていれば、結局、トータルの返済負担は小さいことになるからだ。

経常収支黒字国の
金利が低い理由を考える

 ここからは余談だが、日本政府は巨額の財政赤字を続けていて、将来は破産するかもしれないと考えている人も多いようだ。だが、極めて低い金利で国債が発行できている(借金することができている)。なぜだろうか。

 それは、もしも日本国債の利回りが、米国債と同じだった場合に何が起きるかを考えてみれば理解できよう。日本人投資家は、日本国債を買っても米国債を買っても同じ利回りが得られるので、米国債を買うインセンティブがない。米国債を買うためにドルを買うと、為替リスクを負うからだ。

 日本政府が破産する可能性は、長期的には否定できないが、短期的にはその可能性は極めて低いから、投資家はドルを買うことによる為替リスクの方を嫌う。

 そうなると、輸出企業などが持ち帰ったドルが売れ残ってしまうので、結局は「投資家たちが米国債を買いたくなるまでドルが値下がりし、日本国債の利回りは、米国債の利回りを下回る」のだ。

 将来、日本国債の利回りが、米国債の利回りを上回る可能性としてはいくつかのケースが考えられる。

「日本の経常収支赤字が続き、日本政府が外国から借金をしなければならなくなった場合」「日本政府が近日中に破産するかもしれないと多くの投資家が真剣に考えた場合」「資本逃避が本格化して、投資家たちが円をドルに替えて資金を外国に持ち出そうとした場合」などだ。

 もっとも、いずれも近いうちには決して起きないと思われる。「南海トラフ大地震が起きます」という警報が出た場合はこの限りではなかろうが。

 本稿は以上である。なお、金融取引には上記の他にもさまざまなものがあるが、金融関係者ではない一般読者におかれては、「いろいろあるようだが、本質的には同じものだ」と考えて大きな問題はないといえる。


146. 中川隆[-12879] koaQ7Jey 2019年1月18日 23:02:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22225] 報告
2019年秋、世界株式市場のバブル崩壊!?いまはまだ認識されていない世界バブルの要因=吉田繁治 2019年1月18日
https://www.mag2.com/p/money/623424

リーマンショックから11年目を迎える今年、バブルの崩壊は間近に迫っているのでしょうか。世界と日本の経済状況と現在の株価について詳しく解説していきます

2019年はリーマン危機から11年目、バブル崩壊のリスクへの考察

2019年秋の危険

現在の投資家の期待との、「認識のズレ」が明らかになって来ると、秋の暴落(S&Pで30%安)があるかもしれません。

現在の株価は(=投資家の意識は)18年7月に始まった米中貿易戦争から、まず中国の経済成長の低下があり、複雑な経路を通ってそれが、世界のサプライチェーンに波及していく実体経済のファンダメンタルズをまだ織り込んでいないからです。

バブル崩壊の始まりは、資産(株価、不動産)の高値の中で、些細に見えることが、自己強化して波及し、ダムの決壊に至るものです。米国のサブプライムローンの不良化も、リーマン危機に至る1年前の2007年には、小さなものでした。

バブルとその崩壊はいずれも行き過ぎる

今回のように、中央銀行が増刷したマネーから生じた過剰流動性の中にある株価は、高くなるときも下がるときも、「行き過ぎ」が起こります。

投資家の期待で売買され、取引市場で日々の価格が決まる株価には、理論価格はあっても「適正価格」はありません。

「現代ファイナンス論」では、理論価格を下の式に示すように考えています。(1997年のノーベル賞のロバート・マートン等、オプション価格を計算するブラック・ショールズ方程式の正当性を証明)

理論価格にも投資家の、将来の期待金利、純益実現の期待リスク率、企業の期待利益という、将来への予想が入っています。実現した純益や金利データからではなく、株を売買している投資家集合の予想が入ってるのです。

わが国の経済紙・アナリスト・証券会社はしばしば、日本の株価は米国に比べて「出遅れている」と論評します。米国に比較したときの予想PERの倍率(株価÷次期予想純益)が11.67倍と低く、PBR(純資産倍率=株価/純資産)も1.08倍と低いからです(19年1月:日経平均225社)。
※参考:日経平均PER 日経平均比較チャート

しかし、この株価は、
・日本の企業の利益と金利の結果ではない
・日経平均225社の将来利益に対する、投資家の予想値が低いことを示す。これが、日本より高い期待値の、米国のPERとの差

この意味で「出遅れ」はありません。

理論株価=(企業の期待純利益の累積額)÷(期待金利+純益のリスク率)
    =(企業の期待純利益の累積額)÷期待収益率
    =次期予想純益×PER倍率  
(注)PER=現在株価÷次期期待純益

(1)企業純益への期待が上がり
(2)予想金利が下がって
(3)GDPへの成長率期待から、利益の実現リスク率が下がると株価は上がる。逆なら株価は下がるというのが、理論株価の方程式の意味するところ



投資家の集合的な心理である将来への期待純益と、その純益の実現のリスク率は、高くも低くも行き過ぎます。日本では、ソフトバンクがそれです。米国の代表はアップル、アマゾン、グーグル、中国ではテンセントやアリババグループです。

これらの企業では、いずれも現在の純益ではなく、将来利益への過剰な期待から株価が作られています。この集合的な心理は、個人の思いとかけ離れることも多い。「集団心理」と表現してもいいでしょう。

価格を決める市場は集団心理

人は集団になると、違った心理になります。国と国の戦争や、チームスポーツを想定すれば、集団心理のありようが分かります。

心理は、自発的で能動的な理性と違い、現象に対する受動的な感情であり、行動を促すものです。同じく行動を促す意思は、理性の領域のものでしょう(カントに基づくものですが、用語は変えています)。

株価・不動産の資産バブルと、バブルの後100%の確率で起こる崩壊も、集団心理が引き起こします。人は影響を及ぼしあって、社会を作っています。国外には脱出できても、社会からは遁走ができないため、バブルとバブル崩壊は一定の時間をおきながら「繰り返し」ます。

交易のない孤島に1人なら社会はなく、本能で食をとる動物のように自然のものはたタダで、資産バブルも崩壊もない。もともと価格がないからです。経済の価格は所有者があり、それを人が買うときのものです。

商取引と価格は、心理が影響し合う社会の中で生じます。経済は、人が影響し合っている社会で起こる商取引です。人の心理は「社会と組織の場」で交流し合っています。組織の空気、社会の空気がそれです(山本七平)。その状態を書くのが経済紙です。

<20世紀から21世紀のバブルの崩壊>

資産バブルの大きな崩壊は、
(1)まず、米国の1929年からの大恐慌
(2)世界大戦(経済的には蕩尽と大規模破壊)を挟んだので61年間起こらず
(3)戦後は、日本の1990年から崩壊した資産バブル
(4)その10年後は、米国の2000年に崩壊したIT株バブル
(5)8年後の2008年は、米国のサブプライムローンの不良債権(デリバティブ)から始まったリーマン危機

いずれも、利下げによる過剰なマネーが資産バブルを引き起こし、不良債権の増加から崩壊しています。

GDPの成長率に対して、マネーの総量(世帯と企業の預金であるマネーサプライ+中央銀行が発行するベースマネー)の増加率が高いことが続くと、過剰になったマネーは、資産(株と不動産)に向かいます。

日本以外の世界では、今、不動産バブルの最中です。日本は、人口減の予想から、ゼロ金利の体制でもさして上がっていない。空き家も820万戸もあり(2013年)、1年に13万戸は増えるので、現在は880万戸〜900万戸でしょう。

そして、数年から10年は、株と不動産が経済非合理的な価格に上がっても、買われ続けてバブルになります。

そのバブルは、(1)金利の上昇、(2)マネー量の縮小、(3)あるいは、高すぎたGDPの期待成長率の低下、といういずれかの要因によって、100%の確率で崩壊します。


マネーは資産であり、負債である

マネーは持ち手にとっては資産です。しかしそれは、借り手にとっては収益からの利払いと返済が必要な、負債です。このため、マネーの過剰な増加は誰かの負債の過剰になり、借り手の収益にとって大きすぎる負債が返済と利払いができず、不良化し、バブルを崩壊させます。

…そして、次のバブル崩壊は、米国と中国の2019年から2020年になるでしょうか。

以前、バブル崩壊を想定していた2021年から22年より、トランプ大統領によって、早まったように思います。資産バブルとその崩壊が、8年から12年のサイクルになっているのは、1990年からはGDPの伸び率より、「資産=負債」の構造をもつ信用通貨の量の増加率が過剰に大きいからです。

(注)世界はいま、株長者だらけです。たとえば、株価の時価総額が、アップルとマイクロフトを超えて1位になったアマゾンの創業者ジェフ・ベゾスの資産は、時価総額の約15%の15兆円です。今度の離婚で50%分割なら、7.5兆円。想像を絶しますが、1万円札で750トン。大型トラックの10トン車で75台分(!)です。カルロス・ゴーンの偽装報酬もオプション株が多いのですが、検察が誤魔化したとする80億円が可愛く見えます。所得格差の時代であり、これは、株価の高騰が生んだものです。

「過剰な警戒だ」と考える人々も多いかもしれません。立ち直れないくらいの損をしないための、心の準備を述べています。副次的には、ロスチャイルド家が行ってきたように、長期サイクル的な底値で買う機会を見極めるためでもあります。

資産バブルの中では、バブルとは認識されない

資産バブルは、高騰のただ中ではバブルには見えないのが特徴です。1992年までの、地価高騰の狂乱の中で体験しました(東京約4倍)。100人のうちおそらく99人は、「土地は、まだ上がる」と思っていたのではないでしょうか。親族も、バブル末期の土地投資が原因で破産しました。

土地神話という空気に支配されていた財務省は、1992年から地価が下がり始めても、1994年まで「土地はまた上がる」としていました(西村銀行局長など)。「日本は他国とは違い特別だ」というのが土地神話です。今、郊外では「畑も維持できない空き地だらけ」ですが…。

公的年金を160兆円運用しているGPIFの資産リスク(米国株、日本株)が案じられます。理事は、株神話に支配された運用をしています。GPIFの160兆円の所有権は、年金保険金を払っている国民です。GPIFは、運用を委託されているにすぎません。

日米の株を買い過ぎてしまったため(合計80兆円)、今も今後も売るに売れません。大株主になったGPIFが売れば、暴落するからです。世界のどこも行ったことのない日銀による、株ETFの買いの目的と同じです。価値を減らさない運用のためではなく、株価上昇が支える安倍政権の方針を受け、株価を上げるために買ったからです。


147. 中川隆[-12870] koaQ7Jey 2019年1月19日 17:44:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22225] 報告
日銀の量的緩和政策は失敗に終わった…目的を果たせなかったのはなぜか=吉田繁治 2018年12月25日
https://www.mag2.com/p/money/612611


日本には現在、4,099兆円の金融資産があります。この資産はどこでどのように使われているのでしょうか。その内訳の詳細から今後の展望について解説します

日本にある4,099兆円のマネーは、どのように投資されているのか

すべての金融資産は、国内と海外の誰かの負債である

当メルマガでは前回、資金の供給源になる世帯(1,848兆円)、企業(1,176兆円)、政府が管理する金融資産(572兆円)と、日銀の負債(503兆円)の内容を見て行きました。

わが国の合計では、現金、預金、株式、証券の合計で4,099兆円のマネーがあるのです。後編では、この4,099兆円が、どの主体に、どんな理由で貸し付けられているのか(=投資されているのか)を見て行きます。

(注)株式も、企業にとっては返済の順位がもっとも低く、解散のときに純資産から返済される「劣後債の負債」です。株の利益配当は、借り入れの金利に相当します。株主にとっては、持ち株は金融資産ですが、企業にとっては預かり資本になる負債です。国債を含む証券は、返済順位が高い優先債です。株も証券も、その持ち手から発行元への貸付金です。この貸付金は、持ち手にとっては金融資産、借り手にとっては負債です。預金は持ち手の金融資産ですが、銀行にとっては負債です。

「すべての金融資産=国内と海外の誰か負債」という構造をもっています。金融資産が価値をもつには負債が返済できるものであり、利払いもできることが必要です。

返済できない負債は、価値の低い不良債権になります。4,099兆円になった金融資産が価値を保ち続けるには、借り手が、増えた負債の返済ができ、利払いができるという条件がなければならない。

この点で、政府の負債である国債はどうでしょう。国債が増えたため、政府は1%以下の低い金利しか払えない。普通の金利は3%から5%ですが、その金利になると、政府は利払いのための借り入れが増えるという「破産の過程」にはいります。

企業は、1985年からの日銀の金融緩和を起点とした土地バブルの時期、返済できない借り入れを増やして、土地を買いました。担保だった土地は1992年から下落し、銀行の貸し出しが、銀行の自己資本合計を超える不良債権になった(約200兆円)。この不良債権のため、1998年の金融機関が倒産する金融危機に至ったのです。

政府の対抗策は、ゼロ金利と国債を買う量的緩和と、銀行への資本注入でした。2008年の米国のリーマン危機と同じです。

企業はその後、借り入れによる増加設備を抑え、借り入れの返済をしました。一方で、負債がどんどん膨らんだのが、政府部門です。

わが国の負債

(1)世帯の負債は318兆円(2018年6月末)

世帯の負債は、住宅ローンと自動車ローン、カード、消費者ローンなど318兆円です。住宅ローンは、2018年で193兆円と集計されています(住宅金融支援機構)。1年に21兆円(130万件)くらいが貸し出されています。平均残存期間は約10年です。

日本の世帯の負債は少ない。一方で、世帯の金融資産は、1,848兆円ですから、「1,848兆円−318兆円=1,530兆円」が負債を引いた純金融資産。1世帯当たりでは2,886万円です。

(2)企業部門の負債は1,736兆円

世帯の貯蓄を借りる企業部門の負債は、借入金と証券(株式を含む)で1,736兆円です。

借入金    396兆円
証券    1,031兆円(うち上場株式589兆円)
その他負債  307兆円(買掛金など)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
負債合計  1,736兆円

負債総額は1,736兆円です。ただし企業は金融資産を1,176兆円持っているので、純負債は560兆円(平均2.2億円)と少ない。

前述したように、土地バブル崩壊以降、設備投資を抑えて、キャッシュフロー(=減価償却費+利益−税金−配当)で、借入金の返済をしてきたからです。

国の資金循環では、GDPの成長期の正常な姿は、
・世帯の預金の増加分を、
・企業が銀行から借り、
・設備投資をすることです。
1980年年代までの資金循環がこれでした。

【世帯の預金と国債発行】
1990年代からは、世帯の預金は1年に約40兆円も増えているのに、企業は借り入れをしない。

誰が預金増加を吸収したのか?政府の国債です。政府が国債を発行して預金増加を吸収し、資産バブル崩壊後のGDPが減少する経済への対策としての公共投資を行った。90年代の10年で400兆円の公共投資というおおきなものでした。90年代から、政府の国債の増発が1年に40兆円と大きくなっています。

・1990年代の10年は、公共投資のための国債発行
・2000年代からは、増えた社会保障費(特に年金、医療費)の支払いが主目的の国債発行


政府の負債は1,291兆円

1990年代から、企業に代わって30兆円から40兆円/年で増えてきたのが、政府の負債です。

【GDPの原理】
「所得=消費+貯蓄」です。「GDP=消費+投資=需要」です。「貯蓄=投資」にならないと貯蓄に見合う投資がない。ケインズが指摘した需要不足から経済は不況になり、失業が増えます。つまり、貯蓄の増加に見合う借り入れがあり、借り入れが投資にならないと、経済は不況化します。


2000年代は企業の借り入れ増は減り、設備投資が減りました。企業は、資金不足の部門から資金余剰のある貯蓄の主体になったのです。

世帯と企業の貯蓄の増加(30兆円〜40兆円/年)を吸収したのは、正常な経済のときの企業ではなく、財政が赤字の政府部門でした。

政府は、国債という負債証券を発行して余剰貯蓄を吸収し、それを財政支出(政府需要)に使いました。

毎年、30兆円から40兆円も大きくなった政府の負債は、2018年6月時点で以下です。

【政府の負債】
借入金     159兆円(金融機関からの借り入れ)
国債残高   1,087兆円(日銀所有が471兆円:営業毎旬報告)
その他負債    46兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
政府負債合計 1,292兆円

前稿で述べたように、政府は572兆円の金融資産を「管理」しています。この金融資産は、例えば年金基金(残高170兆円:18年9月末)のように、国民が保険として給料から天引きされて納めてきた国民の所有資産です。政府のものではない。政府はそれを管理しているだけです。

政府管理の金融資産572兆円を政府の負債1,292兆円から引いて、政府の純負債は720兆円とするエコノミストがいます。これは、「所有と、管理での専有」を区分できない誤りです。政府の負債は、1,292兆円から自治体と政府の日銀当座預金を引いたものとみるべきでしょう。


税収を上回る財政支出で、政府負債は年30〜40兆円の赤字に

<政府負債の問題は、償還がなく増え続けること>

政府負債の問題は、税収を上回る財政支出のため、構造的な赤字が1年30〜40兆円で続くことです。

政府の借り入れは毎年30兆円から40兆円は増えていきます。1%分が2.2兆円になる消費税に換算すると、財政赤字は16%分に相当します。

現在、日銀のゼロ金利策のため国債の利払いは9兆円と、とても少ない(2018年度)。残高となっている既発国債の、平均の約定金利が0.9%に低下しているからです。

<利払い額はむしろ減ってきた>

1990年から、国債の残高は6倍に増えましたが、日銀の金利の低下策のため利払い費は変わっていないのです。

政府が国債発行の抑制をしないのは、国債の残高が増えても金利低下のため、一般会計からの国債の利払い額が増えないためでもあります。借金を6倍に増やしても金利が下がって利払いが減った企業と同じです。

<日銀の保有国債は43%>

2012年4月からの量的緩和(日銀が金融機関から国債を買って通貨を発行)のため、国債の1087兆円(地方債を含む)のうち、日銀の保有が471兆円に増え、日銀の構成比は、43%に増えています。

日銀は2019年も、国債を40兆円買い増すでしょう。日銀の国債所有は「471+40兆円=511兆円」になる。毎年の新規国債の発行分に相当する国債は、日銀が買い取っているのです。

新発債分の国債は、事実上、市場引き受け(金融機関の買う受け)ではない。日銀が全額を買い取っているため、金融市場の資金収支では、国債が発行されいないことと同じです。

<出口政策は不可能>

リーマン危機のあとの大きかった金融緩和からの出口政策として、利上げをしている米国FRBと、量的緩和を停止したユーロのECBの方針に反して、日銀は国債の買いを停止して「出口政策」に向かうことはできない。

日銀が国債の買い上げ額を順次減らすテーパリング策を採ると、
・マイナス金利(8年債以下)
・0.093%の金利(10年債)
・0.347%の金利(15年債)
・0.953%の金利(40年債)
である国債の金利が高騰します

(注)国債価格は、金利1%の上昇につき8%(80兆円)下落します。


民間金融機関は日銀が買ってくれない限り、マイナス金利、0.1%の金利、0.3%の金利の国債を発行額分、買うことはない。

<ゼロ金利の国債への入札がある理由>

現在、例えば0.1%の約定金利の国債に金融機関が入札しているのは、直後に、日銀がそれより低い金利で(=国債価格は額面より高く)買ってくれる量的緩和を続けているからです。この買いがあるので、低い金利の国債を買っても日銀への売りで利益が出るからです。

日銀が出口政策に転じ、国債を増加買いしなくなれば、利下げによる国債価格上昇の利益はなくなります。逆に、金利上昇による国債価格の下落リスクが、高まります。国債の利益は、発行金利のみになります。マイナス金利の国債は、買った側が利払いをしなければならない。直接に損をする国債を買うことは、ない。



現在のマイナス金利と超低金利の国債は、もっていれば日銀が買ってくれるという期待から売れているのです。試みに、日銀が国債の買いを2019年4月から停止と発表してみて下さい。
市場の金利は、ほぼ1か月で3%に向かって上がり、国債価格は平均で24%下がるでしょう。

<金利の上昇と既発国債の下落:1%で81兆円>

さらに、出口政策で金利が上がると、1,087兆円の既発国債は1%の金利の上昇につき、7.5%(=81兆円)は価格が下がります。

国債の持ち手(儀日銀と金融機関)には、金利1%上昇につき81兆円の国債時価の保有損が生じるのです。

既発国債の価格下落と金利の上昇(借換債と新発債(合計149兆円:2018年)、利払いの増加による政府財政の破産を避けるためには、日銀は国債の買い増し(=量的緩和)を続けねばならない。

<政府の予定>

政府が語らない予定は、物価の上昇と所得の上昇(=税収が増える)、および消費税の増税により、次第に40兆円の財政赤字を減らして年度予算の国債依存を低下させていくことでしょう。

2019年には、円金利の大きな上昇はない。あっても、わずかでしょう。財政破産もない。2020年はどうか、2021年は?となると怪しくなります。政府財政は、金利が3%になるだけで破産に向かうからです。


対外純投資324兆円(2018年6月末)

日本は、
・貿易収支は時々赤字になっても、年間では黒字である(4.0兆円:2017年)
・海外投資の利回りと海外生産からの所得が約20兆円(2017年)ある
・ほぼ、両者を合計した額である、経常収支は22兆円の黒字です(2017年)
※参考:財務省 国際収支の推移

<国の経常収支と、資本収支の関係>

経常収支の黒字分が、資本収支(現金の流れ)では出超になって赤字になります。経常収支+資本収支=国際収支=0、です。海外の国債の買い、証券・株の買い、海外工場へ投資は資本(=マネー)の海外流出であり、国の資金収支では赤字になります。

(注)メディアや評論家が時々、国際収支が黒字というのは、経常収支というべきことの間違いです。

日本は経常収支の黒字のため海外へ資本を流出し、その資金の赤字の結果が対外資産の残高になっています。株を買うと現金が減る(現金収支は赤字)ことと同じです。一方、借り入れは、資金収支ではお金が入って来るので黒字になります。貸付は現金が減るので、資金収支では赤字です。

海外から日本への投資は、日本にとっては対外負債です。以下のような内容です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
対外資産 998兆円   対外負債 674兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
海外証券   574兆円    円証券  392兆円
対外貸付   156兆円    借入金  181兆円
その他    286兆円    その他  101兆円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
対外純資産  324兆円

この対外純資産の残高324兆円が、資金上では円の海外流出分です。これは対外純貸付といっても同じです。ドル国債を買うことは、米国政府に対する貸付と同じことです。

<円の海外流出>

1995年以降の日本は、世界で一番金利が低い。このため、比較金利(イールドスプレッド)の高いドル国債、ユーロ債を買って来ました。

株も同じです。米国株の値上がりが大きかった。このため、銀行と投資家が米国株を買った。これらの合計が、上表の海外証券574兆円です。

海外貸付の増加も、国内の貸付金利(0.6%)より海外の金利の高いからです(三大メガバンク)。

その他の主なものは、工場の直接投資です(174兆円)。国内の生産コストが高いので、海外生産をするようになってきたのです。

トヨタでは、国内の生産が319台、海外生産が582万台と、1.8倍です。日産はもっと多い。国内生産は102万台、海外生産は4.7倍の474万台です。ホンダも、海外生産が5倍です(2017年)。

これが工場の直接投資です。海外の販売が大きな自動車では、海外工場での生産がはるかに多くなっています。
※参考:自動車産業ポータル 2017年 日系メーカー世界生産台数

2000年以降、国内の設備投資を増やさず、海外に工場投資をしてきたのが日本です。



対外資産998兆円、対外負債674兆円の結果が対外純資産324兆円です。金利の低い円は、海外に324兆円純流出したのです。

長期金利は、「実質GDPの期待成長率+期待物価上昇率」です。1995年以降の23年間、円の金利は世界1低い。これは、日本GDPの成長期待と物価の上昇予想が、主要国で一番低いということです。

(注)タックスヘイブン目的の、海外からの資本流入が多いため、利下げしてスイスフランの買いを抑制しているスイスと並んで低い。スイスの10年債の利回りは-0.159%です。

<海外(特に米国)のための異次元緩和だったのか>

このゼロ金利のため、円は海外に流出しました。日銀の量的緩和の目的は、国内の銀行貸し付けを増やして、企業の投資と世帯の商品需要を増やして、物価を上げることでした。

しかし、国内の貸付の増え方は、異次緩和前の2%〜3%増と同じであり変化がない。異次元と銘打った量的緩和は、2%の物価上昇という政策目的の達成には、完全に失敗しています。

代わりに、経済成長力が日本より高いために、金利のつく海外への貸付と証券購入が増えました。「日銀は海外(特米国)のために量的緩和を行った」と言えるくらいでした。

ここまでは、日本の資金循環の2018年6月時点での残高と、内容の動きです。

次回メルマガでは、金利と国債価格のカギになっている日銀の異次元緩和の先行きを予想します。通貨変動(円高、円安)を含んで、日本経済のカギにもなるものがここにあるからです。米国FRBとECBの金融政策も関連します。

148. 中川隆[-12308] koaQ7Jey 2019年2月09日 10:42:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告

国内企業、業績が急ブレーキ=中国需要落ち、減益修正相次ぐ〔深層探訪〕
2/9(土) 8:32配信 時事通信


 国内の企業業績に急ブレーキがかかっている。米中貿易摩擦の激化で中国経済の減速が鮮明になり、電機メーカーを中心に需要が急減。業績予想の下方修正も相次いだ。英国の欧州連合(EU)離脱など世界経済をめぐる不透明感は増しており、業績の先行きに暗い影を落としている。


 時事通信社が7日までに決算を発表した東証1部上場874社(全体の約67%、金融を除く)を対象に集計したところ、2018年4〜12月期の純利益は前年同期比3.0%減。通期予想を下方修正した企業は117社に上り、上方修正の72社を大幅に上回った。


 ◇最高益予想から一転
 「11月に入り、顧客の投資が止まってきた。スマートフォン向けの設備に使うモーターがかなり落ち込んだ」。パナソニックの梅田博和常務は厳しい表情で語った。

 中国ではスマホ販売が減少し、高級機種を中心に展開する米アップルなどメーカー各社が苦戦。部品や設備の供給を担う日本企業に影響が及んでいる。パナソニックの4〜12月期の連結純利益は13.2%減の1737億円となり、通期予想の下方修正を余儀なくされた。

 三菱電機も、10〜12月の中国での売上高は2割減と失速した。皮籠石斉常務は「顧客のプロジェクトの凍結、延期が確実になってきた」と声を落とす。

 中国の自動車市場も低調だ。「地場ブランドや米国車が減少している」(ホンダ)といい、部品メーカーにも打撃だ。

 日本電産では車向けモーター事業が急速に悪化。19年3月期の連結純利益は従来の最高益予想から一転、6年ぶりの減益となる見通しだ。4〜12月期の中国での売り上げが前年同期比マイナスとなった日立製作所は「自動車の落ち込みが大きかった。この状況は続く」(西山光秋執行役専務)とみる。

 ◇広がる先行き懸念
 先行きへの懸念は増益企業や非製造業にも広がる。半導体製造装置の東京エレクトロンは19年3月期に増収増益を見込むが、河合利樹社長は中国の半導体メモリー需要について「貿易摩擦の影響が出ている。顧客が(設備投資を)見直すところもある」と指摘。ANAホールディングスの福沢一郎執行役員は「旅客事業で大きな影響は出ていないが、19年度を見据える上で気を付けないといけない」と強調する。

 商船三井の丸山卓専務は「旧正月明けは(中国向け)荷物が減る。貿易摩擦の影響で通常以上に落ち込むようであれば減便しないといけない」と身構える。

 みずほ証券の三野博且シニアストラテジストは「先行き不安はすぐには解消しない。投資を手控える動きから、19年度前半は減益基調が継続する。ただ、年度後半には半導体需要などが底入れし、業績は持ち直してくる」とみている。


 ◇中国経済に関する発言

パナソニック      梅田博和常務    11月に入り、顧客の投資が止まる
三菱電機        皮籠石斉常務    顧客のプロジェクトが凍結、延期に
日立製作所       西山光秋執行役専務 自動車の落ち込み大きい
日本電産        永守重信会長    欧州車メーカーに中国減速の影響
東京エレクトロン    河合利樹社長    顧客に(投資)見直しの動きも
ホンダ         倉石誠司副社長   中国車、米国車の販売減少
ANAホールディングス 福沢一郎執行役員  19年度見据える上で気を付ける
商船三井        丸山卓専務     通常以上に落ち込めば減便も

149. 中川隆[-12301] koaQ7Jey 2019年2月09日 21:10:14 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告
不安を煽ったのは誰?
「2020年景気後退」「2019年バブル崩壊」説は大きく後退へ=藤井まり子 2019年2月7日
https://www.mag2.com/p/money/634079


グローバルマーケット、特に米国株式市場では、むちゃくちゃ強気が蘇っています。「2020年景気後退」「2019年バブル崩壊」説が大きく後退しているのです。

シーゲル博士「2019年の米国株は10〜20%の上昇」と上方修正

アメリカ株式市場では既に強気が蘇っている!

グローバルマーケット、特にアメリカ株式市場では、既にむちゃくちゃ強気が蘇っています。

昨年2018年秋から12月にかけて、「アメリカ株式市場はバブル崩壊」なんて言ってた人は誰でしょう?投資銀行では、モルガンスタンレーが弱気(=アメリカのバブル崩壊)の論陣を張っていたような記憶があります。日本国内では、日経新聞さんがじっくり1年くらい時間をかけて、極度の弱気の論陣を張っていたような記憶があります。経論家では山崎元氏、学者さんではアンチリフレ派の小幡績氏などが、弱気派の筆頭でしたね…。

彼ら「2018年から2019年にはバブル崩壊」派の論陣の中身は、
・イールドカーブがフラット化している
・アメリカの失業率が3%台にまで下がったら、アメリカの景気後退は近い
などと、危機前の高インフレ時代に使い古された旧態依然の経験則で弱気の論陣を張っていました。

バカを言ってはいけません!

サブプライム危機後の今は、アメリカでもユーロ圏でも(もちろんこの日本でも)、「多くは望まないけれども、せめて日本経済のようなデフレやディスインフレ状態に陥るのを回避して、2%前後のインフレ率を長期間維持してゆく」ということが、最優先課題になっているんです。

「労働分配率の低下」「格差の拡大」が深刻な問題に

危機「前」ならば、(日本を除けば)世界経済では2%インフレはらくらく達成できました。ところが、危機「後」は、その2%もの比較的低めのインフレ率でさえ、あのアメリカでも達成し続けることが危うくなりかけているのです。

しかも、あの中国は2011年からず〜っと経済のソフトランディングに四苦八苦し続けていて、周期的に世界中に「デフレ圧力」をまき散らし続けているんです。

「トランプの大型減税がノイズ」になって分かりにくくなっていますが、FRBもECBもそして日銀も「金融緩和の継続」のほうが長くなってしまいがちなんです。

しかも、今は、賃金上昇率がグローバル規模で安定し過ぎていて、なかなか上昇しない状態。IT化やロボット化やAI化やグローバリゼーションが賃金上昇率に歯止めをかけています。

直近では、優良企業でさえも渋ちんになってきて(アマゾンなんかがその代表例ですね)、いくらバカスカ稼いでも単純労働者の賃金を上げなくなっているんです。労働分配率が下がっているんです(悲しいことに、この労働分配率の低下は株式市場にとっては朗報です)。



マクロ的には、労働者が二極分解してしまって、中間層がどんどん下層へ落ちて行ってしまって、グローバル規模で高い成長率を維持できなくなってしまっています。格差が拡大しているんです。

ですから、アメリカ政治でもヨーロッパ政治でも「ポピュリズムのうねり」がどんどん大きくなっていっているんです。

2016年にはイギリスでは国民投票でブレグジットが選択されて、トランプ政権の誕生を許してしまいました。2018年にはドイツではメルケルが失脚、フランスではパリが燃え、ヨーロッパ各地で極左・極右政党が躍進しているわけです。

この「労働分配率の低下」「格差の拡大」は本当に深刻な問題です。

こういう時代こそは政治家が頑張って、せめて日本並みくらいには、税制を「中間層に手厚く行き渡るようにする」流れが欧米でもぜひとも必要なんですが、

アメリカっていう国はどうしようもないですね…。

あのアメリカでは、トランプ大統領の「お金持ちと大企業に超甘の大型減税」が成立して、労働者階級がトランプ大統領にすっかり騙されてしまっているわけです…。


「2020年景気後退」「2019年バブル崩壊」説は大きく後退へ

話をもとに戻しましょう。こういった「インフレ率」が低い時代は、昨年12月からお伝えしておりますように、1970年代から2008年までの「高インフレ時代のイールドカーブの経験則」では将来は予測できません(きっぱり)。

さらには、昨年夏以来ずっとお伝えしておりますように1970年代から2008年までの「高インフレ時代のフィリップス曲線の経験則」では、将来は予測できません(きっぱり)。

あのアメリカでも、失業率が下がっても、「将来不安」を理由に、あるいは「長生き時代の生きがい」を求めて、高齢者を中心に再び労働市場に戻ってくる人々が増えています。かくして失業率がどんどん低下して「人手不足」になっても、続々と参入する労働者が増えるので、労働市場がひっ迫しません。労働市場がひっ迫しないので、賃金がたいして上昇しません。

ですから、あのアメリカでも、失業率が3%台に下がっても賃金上昇率が勢いよく上昇しないので、インフレは落ち着いたままです。すなわち、「従来型のフィリップ曲線の理論」が通用しなくなっているのです。

昨年夏からいや、1年以上前から繰り返しお伝えしておりましたように、
・2019年1月にはパウエルFRBは利上げを先送り
・2019年1月にはパウエルFRB議長は金融緩和策へと大転換
となったわけです。

ただし、これには大前提があります。アメリカの長期金利が上昇しないことです。

かくして、モルガンスタンレーや日経新聞さんや一部の識者の方々が声高に唱えていた「2020年のアメリカ経済の景気後退入り」説や「2019年のバブル崩壊」説の可能性は、目下のところ、大きく後退しています。

シーゲル博士「2019年の米国株式市場は10〜20%の上昇」

ジェレミー・シーゲル博士もアメリカ株式市場について強気を強めています(ちなみに、ロバート・シラー博士も、JPモルガンをはじめとする投資銀行たちも、一斉に強気へと転じています)。

昨年2018年末には、シーゲル博士は、他の強気派の投資銀行やシンクタンクたちと同様に、「2019年のアメリカ株式市場は5%〜15%上昇する」と予測していました。

しかし、2月1日発表の「絶妙とも言えるアメリカの1月の雇用統計」を受けて、シーゲル博士はこの予想を上方修正します。同じく、2月1日の雇用統計を受けて、JPモルガンも「アメリカ株式市場は2018年の最高値を超える可能性が出てきた」と予測を修正しています。

では、その「1月の雇用統計」の中身はどんなだったのでしょうか?

シーゲル博士曰く、


◾目下のところ、最大のリスクは、「インフレが予想以上に高進してFRBが引き締め過ぎる」ことだが、明らかにこういう話は出ていない。
◾1月30日のFOMCで、マーケットはパウエルFRB議長とFOMCから「これ以上ない贈り物」を受け取った。利上げを停止するだけでなく、「バランスシート縮小」も当初予想より小幅になるという内容の「ハト派スタンスの贈り物」だ。これで、「金利上昇への心配」だけでなく「流動性逼迫の心配」も後退した。
◾合わせて2月1日発表の「アメリカの雇用統計」も「完全にすばらしい数字」だった。特に、労働参加率の上昇は良かった。労働参加率は6年ぶりに高水準だったことは、株式市場にとってはとても朗報だ。これで、労働市場のひっ迫が少なくなり、「労働市場のひっ迫から賃金上昇へ、賃金上昇からインフレ上昇への波及」の心配が小さくなった。
◾これは、労働市場に戻って来る人たちが多いので、労働市場がひっ迫せずに、賃金が急騰しない。結果、インフレ昂進が起こらないといった「株式市場にとっては絶妙に好ましいバランスだ。

インフレを恐れる必要のないFRBは、当面はハト派的なスタンスを継続できることでしょう。

その結果、シーゲル博士は、昨年末、「2019年のアメリカ株式市場は5%から15%上昇する」との予想を「2019年のアメリカ株式市場は10%から20%の上昇をするだろう」と上方修正しました。

(アメリカ株式市場は今年に入ってからすでに7〜8%上昇していますから、差し引いてもまだまだ「2〜3%から12〜13%」前後は上昇する可能性が残っているわけです。)


ワイルドカードは「米中貿易協議」

シーゲル教授も、やはり、たとえトランプが国家非常事態宣言を発動して政府機関のシャットダウンを再開させようとしても、裁判所がこれを却下するので、「シャットダウンが再び起こることはない」と見ているようです。

一方で、博士は、米中貿易協議は「ワイルド・カード」だとしています。米中貿易協議の今後の進展次第では、上方リスクも下方リスクもあるとしています。

「3月1日のタイムリミットまでに米中の貿易交渉がうまくゆけば、そして、その時のアメリカの長期金利がまだ低ければ、アメリカ株式市場はまだまだ5%くらいの上昇が期待できるだろう。」としています。

「長期金利の上昇」が米国株式市場の最大の敵

2018年のアメリカ株式市場は、長期金利の上昇が壁になっていたことは、皆様ご存知の通りです。2018年10月の下落は、長期金利が3.25%にタッチしたときに始まりました。

やはり、2019年においても、長期金利の上昇がアメリカ株式市場の「最大の敵」になるようです。

シーゲル予測やJPモルガン予測は、あくまで「アメリカの長期金利が安定している」ことが前提の予測ですが、今のアメリカ株が2019年にはうまくゆけば10%〜20%の上昇を示すことでしょう。

ということで、今年もアメリカの長期金利の上昇には要注意です。

当メルマガでは、ラガルドIMFなどの通貨マフィアたちから、黒田日銀は、アメリカの長期金利の上昇を抑え込むためにも、3月か4月には「外債購入」という「追加の金融緩和策」を求められている可能性が高いと、予測しています。

150. 中川隆[-12299] koaQ7Jey 2019年2月09日 21:26:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告

宮田直彦 2019 年2 月6 日


【ダウ工業株平均・S&P500】

(S&P500 は第(5)波の上昇入りの可能性)

S&P500 は09 年安値(666)以来、サイクル第T波の上昇局面にあるとみている。

第T波はプライマリー級の5波構成─(1)-(2)-(3)-(4)-(5)─であり、18 年1 月高値(2872)からの調整はプライマリー第(4)波に位置づけられる。

この第(4)波のパターンは拡大フラット(A-B-C)とみられ、18 年12 月26 日安値(2346)─それは200 週MA 上で付けた─を以て終了し、プライマリー第(5)波に入った可能性がある。

そうであれば、S&P500 は今年から来年に3000 に上昇してもおかしくない。


テクニカル分析メモ《米国株:10 年前と同じ底打ちパターン》(1/30)より

米株式相場は底打ちの可能性高い

リーマンショックで市場が激しく動揺した08 年9 月から10 月の間、VIX 指数(恐怖
指数)は急上昇した。同年10 月24 日には一時89.53 という空前の高値を付け、結果
的にこのときがVIX 指数の天井だった。一方S&P500 はその後の4 ヵ月間でさらに
20%以上も下落した。S&P500 が底打ちした09 年3 月6 日、この日のVIX 指数の上
昇は51.95 までにとどまった。


昨年12 月26 日にS&P500 は1 年8 ヵ月ぶり安値を付けた。しかし同じ日のVIX 指
数高値は36.2 と、昨年2 月の高値(50.3)に対して水準を切り下げた。

つまりVIX 指数の天井が株価の底に先行した、という点で10 年前と今回は同じパタ
ーンだった。昨年のクリスマス急落のときの安値を以て、米株式相場は底打ちした
可能性が高い。


図表3:S&P500 とVIX 指数


米国長期金利

FRB のハト派転向を市場は既に織り込んだとみられる 1月30 日のFOMC 声明文は市場に大きな驚きを与えるものだった。その内容が、利上げ打ち止めの可能性だけでなく、FRB の資産拡大の可能性にさえ踏み込むものだったからである。

予想を超えるハト派的な声明を受けて、すぐさま株式相場は大幅高で反応し、米10 年長期金利(以下、長期金利)は低下、ドル安となった。

もっとも翌31 日には、長期金利低下とドル安の流れが早くも一巡した。ドルインデ
ックスは一段安どころか、1 月10 日の安値さえ下回らず足元では反発している(チャートは200 日MA で下げ止まった格好)。長期金利も1 月4 日安値(2.5412%)には届かずに(31 日安値は2.6168%)、2 月4 日には2.7%を回復した。

FRB のハト派転向は、そのインパクトの大きさに比べ、ドルと長期金利にほとんど
影響を及ぼさなかったわけだ。市場は今回のサプライズさえも既に織り込んでしま
ったといえるだろう。

長期金利は第(2)波の低下局面を終了した可能性

逆にいえば、今回以上のサプライズがない限り、長期金利の一段の低下を想定しづ
らくなったということである。

おそらく長期金利は第(2)波の金利低下局面を、1 月4 日に終了したのだろう。そう
であれば今後は徐々に、長期金利は上昇することになるだろう。


図表6:第(2)波の金利低下は終了した可能性

151. 中川隆[-12297] koaQ7Jey 2019年2月09日 21:33:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告

S&P500のエリオット波動 2019 年 1月 9日 宮田直彦


現在は

supercycle (X)波, cycleT波, primary (4)波

(S&P500 は primary(4)波を終了か ⇒ primary (5)波は最高値を更新へ)

_____


NYダウ (NYダウ) 【0800】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0800

NASDAQ (NASDAQ) 【0802】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0802

S&P 500 Stock - Yahoo Finance
https://finance.yahoo.com/chart/%5EGSPC#eyJzaG93QXJlYSI6ZmFsc2UsInNob3dMaW5lIjpmYWxzZSwibXVsdGlDb2xvckxpbmUiOmZhbHNlLCJzaG93Q2FuZGxlIjp0cnVlLCJib2xsaW5nZXJVcHBlckNvbG9yIjoiI2UyMDA4MSIsImJvbGxpbmdlckxvd2VyQ29sb3IiOiIjOTU1MmZmIiwibWZpTGluZUNvbG9yIjoiIzQ1ZTNmZiIsIm1hY2REaXZlcmdlbmNlQ29sb3IiOiIjZmY3YjEyIiwibWFjZE1hY2RDb2xvciI6IiM3ODdkODIiLCJtYWNkU2lnbmFsQ29sb3IiOiIjMDAwMDAwIiwicnNpTGluZUNvbG9yIjoiI2ZmYjcwMCIsInN0b2NoS0xpbmVDb2xvciI6IiNmZmI3MDAiLCJzdG9jaERMaW5lQ29sb3IiOiIjNDVlM2ZmIiwibGluZVR5cGUiOiJjYW5kbGUiLCJyYW5nZSI6IjF5IiwiYWxsb3dDaGFydFN0YWNraW5nIjp0cnVlfQ%3D%3D


2019 年 1月 9日 宮田直彦 《当面の底値に達した米国株》

現在は

supercycle (X)波, cycleT波, primary (4)波

(S&P500 は primary(4)波を終了か ⇒ primary (5)波は最高値を更新へ)


S&P500 は今後2-3 ヵ月で底値を固め、新たな強気トレンド入りを見込む
S&P500 は 2018 年1 月高値を起点とする primary 第(4)波の調整にあり、パターンは「拡大フラット」(A-B-C)とみられる。

12 月に付けた安値は、A 波とC 波が下げ幅において黄金比(1:1.618)をほぼ反映しており、これも底入れ見通しをサポートしている。

このように、水準面で S&P500 は底入れした可能性がある。しかし波動構成上、C 波すべてが終わったとはいえない。その理由は 2018 年 9 月から12 月までの下落が 3波構成にとどまっていることにある。

拡大フラットにおける C 波 は 5 波構成になる。

おそらく今後 2-3 ヵ月の間はリバウンドと下落を交えながら、徐々に底値を固める展開ではないか。しかし早ければ春先から、S&P500 は primary 第(5)波の上昇トレンドに入る可能性がある。

また今年は、フィラデルフィア半導体株指数(SOX 指数)の第 5 波上昇入りが想定さ
れる。投資家の期待が著しく低下した半導体セクターだが、その復活にも注目して
みたい。


マーケットは韻を踏む

「歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む」というのはマーク・トウェインの
言葉だが、それはマーケット動向にも当てはまる。1960 年代後半から80 年代前半にかけての supercycle 第(V)波 cycle 第W波「拡大三角形」の後には、ダイナミックかつ長期にわたる強気相場が続いた。

また 2000 年から09 年にかけての supercycle 第(W)波「拡大フラット」は、その後の強気相場に先行するものだった。

それぞれの時代背景・調整の規模は異なるが、S&P500 が拡大型の調整パターンの後に上昇したという点では同じだった。今回の「拡大フラット」も「韻を踏む」動きとなるかを注目している。

152. 中川隆[-12121] koaQ7Jey 2019年2月17日 10:10:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22249] 報告

2019年2月17日
【三橋貴明】手じまいに入った日本銀行


近況といえば、日本銀行の
マネタリーベース(以下、MB)が増えていません。

【日本のマネタリーベースと
マネーストック(左軸、億円)と貨幣乗数(右軸、倍)】
http://mtdata.jp/data_62.html#kaheijousuu

月ベースの末日MB残高増加率を
各年平均で見ると、

13年が3.29%、14年が2.75%、
15年が2.19%、16年が1.76%、
17年が0.9%、18年が0.4%。

最近は、MB残高を前月末よりも
減らす月が増えて参りました。

日本銀行は明らかに量的緩和の
「手じまい」に入っていますが、
理由はもちろん、

「購入可能な国債が金融市場から消える」

わたくしが以前から警告していた
「日銀のXデイ」が近づいているためです。

さすがの日銀も、
黒田東彦元・財務官が日銀総裁に就任して以降、

すでに370兆円(!)
ものMBを増やしてさえ、

我が国がデフレから脱却できないとは
想像だにしていなかったのでしょう。

もちろん、
我々は日銀がインフレ目標を設定し、
MBを拡大したところで、

政府が緊縮財政を維持する限り、
インフレにはならないと主張し続けてきましたが、
自分たちの予測が当たったところで、
別に嬉しくはありません。

マネーストックをMBで割った「貨幣乗数」も、
何と2倍という前代未聞の水準に落ち込んでいます。

貨幣乗数は昨年4月以降、
2倍で「固定」されています。

日銀は、貨幣乗数について
2倍を割り込ませないことを
決意しているように見えます。

別に、貨幣乗数が
2倍を割り込んだところで、
現状に変化(良い変化も、悪い変化も)
があるわけではないですが、

とりあえずの「閾値」のつもりなのかも知れません。

ちなみに、
直近の長期金利(十年物国債金利)は
▲0.021%と、マイナスの領域に舞い戻っています。

このままでは、
最終的に日銀が量的緩和の
「継続不可能」を宣言せざるを得ない、
日銀Xデイがやってくることになります。
(間違いなく、超円高、株価暴落になるでしょう)

解決策は簡単で、
政府が国債を発行すればいいのです。
ところが、安倍政権は相変わらずの緊縮財政。

政府が緊縮路線を改め、
国債を増発し、有効需要(GDPになる支出)を拡大する。
そうすることで、量的緩和が担保できます。

正しい道は、あまりにも明らかなのです。

それにも関わらず、
政府は国債増発に乗り出そうともしない。

ほとんどの野党にしても、財政拡大は口にしない。
新しい政党が必要です。
https://38news.jp/default/13207

153. 中川隆[-12057] koaQ7Jey 2019年2月20日 13:35:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22249] 報告

1月の貿易赤字、1兆4千億円 中国向け輸出が大幅減
2/20(水) 9:21配信 共同通信


 財務省が20日発表した1月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆4152億円の赤字だった。赤字は4カ月連続。中国向けの輸出が前年同月比17.4%減の9581億円と大幅に落ち込んだ。

 全体の輸出は船舶や半導体製造装置などが大幅に減少し、8.4%減の5兆5742億円。輸入は液化天然ガス(LNG)が押し上げた一方、原油などが減り0.6%減の6兆9895億円となった。

 国・地域別では、米国に対する貿易収支が3674億円の黒字で、7カ月ぶりに増加した。対中国は8797億円の赤字だった。

154. 中川隆[-11796] koaQ7Jey 2019年2月27日 16:36:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[184] 報告

米中会談前に中国株暴騰、世界同時株安は収まったのか?
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年2月26日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8197

2018年10月にアメリカの金融引き締めが原因で始まった世界同時株安は、年末年始に一旦底値を付けた後反発トレンドを続けている。その問題の一部は中国の景気減速であり、ここの読者には周知の通り、中国株は2018年の初めには既に減速トレンドに入っていたのである。

株価が反発しているのはFed(連邦準備制度)のパウエル議長が株安を受けて金融引き締めへの態度を和らげたからだが、今なおアメリカの政策金利は2.5%まで上がっており、量的引き締めも続行となっている。

一方で、世界同時株安にはもう1つの見方がある。トランプ大統領の始めた米中貿易戦争が原因であるという見方である。この相場観は大手メディアで盛んに取り上げられており、一部の金融関係者でさえその見方に囚われている。

24日にはトランプ大統領が、中国との貿易交渉が進展したとして予定されていた関税引き上げを延期したことを好感し、中国株が暴騰した。上海総合指数のチャートを見てみよう。新興国株のチャートはいつも極端である。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8197


一方で、先進国の株式も上昇を続けている。以下はアメリカのS&P 500のチャートである。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8197


既に史上最高値に届きそうな勢いで反発していることに驚く読者もいるかもしれない。

今後の相場見通し

さて、トランプ大統領のツイートによると、トランプ大統領と習近平国家主席はフロリダで会談を行うらしい。これまで米中貿易戦争を懸念していたことになっている金融市場の見方によれば、この会談である程度の合意が行われれば、世界同時株安の懸念が無くなったということになるかもしれない。そういう方向で進むのであれば、トランプ大統領のツイートによって合意は会談前に織り込まれるだろう。

年末の株価暴落の本当の原因が問われるのはそこからである。暴落相場では、金融市場は本当の原因を無視して表面的なシナリオにしがみつきながら、それさえ解決すれば株価は大丈夫なのだと思い込もうとするものである。

しかしはっきり言っておきたいのだが、トランプ大統領の貿易戦争はもともとショーであり、更には貿易戦争が原因で株価がこれほど暴落したことなど直近100年で一度もないのである。ブラックマンデーもリーマンショックも金融政策が原因なのである。

ということで、投資家は楽しみに待っていると良いだろう。本当にトランプ大統領が株安の原因なのであれば、貿易戦争の集結で株価は上昇トレンドを取り戻すはずである。金融政策が原因ならば、そうはならないだろう。ここの読者であれば、どちらが正しいかは既に知っている。審判の時は近いのである。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

中国経済の減速については、Appleの中国売上鈍化を説明した記事を参照してほしい。

•米中会談前に中国株暴騰、世界同時株安は収まったのか?


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8197

155. 中川隆[-11780] koaQ7Jey 2019年2月28日 16:14:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[201] 報告

異次元緩和から6年目、ついに地銀が赤字となる段階に来た=吉田繁治 2019年2月27日
https://www.mag2.com/p/money/643676


1997年に世界の先頭を切って国債のゼロ金利を行った日本。6年経った現在、さまざまな副作用ともいえる出来事が顕在化されつつあります。詳しく見ていきましょう

原因は1997年からの日本が世界の先頭を切った国債のゼロ金利

危機状態になったわが国の地銀

地銀は海外情報網が少なく、メガバンクのような海外運用はできない。マイナスからゼロ金利の円国債と、平均金利で0.76%の貸し金が本業の利益です。このため、105行の地銀のうち、2期連続で「本業が赤字」になっているのが半分です。

メディアは「銀行の危機」は破産になるまで報じません。報道されると預金取り付けになることがあるからです。銀行の信用は「情報」で作られています。

それにしても1995年まで、「銀行の赤字や危機」は非常識なことでした。1997年以降、変わったのです。原因は、1997年からの日本が世界の先頭を切った国債のゼロ金利です。

銀行にとって「本業以外の利益」は、買ったときより価格が上がって含み利益がある国債を売る益出しでした。ところがこれも、マイナス金利〜ゼロ金利で、国債価格が上がりきっているので、2018年からは買ったあとに価格が上がることでの含み益はなく、益出しにならなくなったのです。

期待金利で価格が決まる国債は、低金利に向かうときは、価格が上がって売却利益も出ます。しかし金利は、マイナスや0%以下には下げることができない(0%の限界という)。

・金利が横ばいになると、国債価格も買ったときと同じです。
・金利が0.1ポイントでもでも上がる傾向になると、保有している国債価格は下がって、売却損が出ます。

国債をもつ金融機関は、「円国債は満期までもつ」として、市場の時価での決算計上を逃れています。ところが証券業協会のデータで主体別の売買高を見ると、民間金融機関からは年間で130兆円の売りがあり、平均残存期間8年の国債を3年で売っています。
満期まで持つというのは、およそ、嘘の申告です。
※参考:日本証券業協会

決算書の偽装ですが、国債を発行している財務省の下部機構である金融庁が認めているので、問題になってはいません。お手盛りの決算書です。

<2016年8月が起点だった>

マイナス金利が導入された2016年8月以降、国債で損が出るようになってきたのは地銀、メガバンク、保険会社に共通です。マイナス金利のとき、国債は最高価格になるからです。

(1)長期金利が下がっていた2016年8月までは、国債の益出しができました。

(2)マイナス金利に日銀が誘導した2016年の8月以降に買った国債は、金利がわずかに上がっても価格は下がって、逆に、損を出すようになっています。

現在の8年債までのマイナス金利と10年債のゼロ金利は、国債での「今後、これ以上はないバブル価格」を示すものです。



日銀が5年で400兆円も買い上げたことが原因で、「バブル価格」になってしまったのです。(10年債金利:09年〜18年)


<異次元緩和の副作用>

地銀の赤字、保険会社の利益難は、2%のインフレを目的にしている異次元緩和の副作用です(2013年4月から約6年になります)。

2017年2月に出した『財政破産からAI産業革命へ(PHP研究所』で、日銀が異次元緩和を続けることができるのは、ゼロ金利により「銀行が赤字になるときまで」と書きました。

2018年には実際に、地銀の半分が2期連続の赤字になっています。今後、本業が黒字に転換する見込みは、(全く)ありません。

銀行と保険会社は、「海外と国内の投資信託の販売手数料」に希望を託していまが、これは「一時的な幻」で終わることです。

<ヘッジファンドの元本も減少>

世界の投資家と金融機関から300兆円の元本資金を集め、約10倍のレバレッジで3,000兆円の投資信託を作っているヘッジファンドの元本資金に「引き揚げ」が起こっているからです。

原因は、簡単なことです。「ヘッジファンドが5%以上の利益を出せず、世界の株価が下がった昨年10月からは、運用益がマイナス」だからです。

損をする投資信託からは、投資家が預託資金を引き揚げるのが当然でしょう。投資信託も、株価が上がるとき増えるものです。

<メガバンクは円高の損>

仮に1ドル105円の円高(5%)になると、円安で恩恵を受ける三大メガバンクも「本業+本業外の経常利益」が赤字になるでしょう。

米国債の2%の金利利益(イールドスプレッド)が、「5%のドル安/円高」だとマイナス3%になり、一瞬で吹き飛んで2%の損が出るからです。

メガバンク合計で150兆円の米国での運用があるとすると、「5%のドル安/円高」での損は3兆円です。金利の利益の実現には、時間がかかります。しかし通貨変動の利益と損は、一瞬で生じます。

総じて言えば、異次元緩和のマイナス金利、ゼロ金利の副作用から「銀行が赤字から脱却できない時代」になりました。

金利が上がれば銀行と保険会社の利益が回復するかと言えば、そうではない。そのときは、2016年までは益出しができた国債600兆円の価格が下がるからです。銀行の赤字は、金融危機の新たな火種です。

金利の上昇と国債価格に問題(偽装)がある、内閣府の『中長期の経済財政に関する試算』

日銀は異次元緩和を停止して、米国FRBの2014年10月以降のように「利上げ」をしなければならない時期に来ています。

ところが異次元緩和を停止して、金利を上げることはできせん。ゼロ%の金利が上がることは国債価格が下がることです。8年債未満はマイナス金利、10年債の0%金利は、今後、(時期は別にして)上がるしかない。



<金利上昇と国債価格の関係>

(1)1%の金利上昇;
1%金利が上がると、長短合計の国債価格(1,000兆円)は7.5%下がって、日銀に3.3兆円の損、金融機関に4.2兆円の損が出ます。

(2)2%の金利上昇:
2%上がると、保有国債の損は13.8%に拡大し、日銀に5.52兆円、金融機関に7.92兆円の損が出ます。

(3)3%の金利上昇:
3%上がると、保有国債の損は19.4%に拡大し、日銀に7.76兆円、金融機関に11.64兆円の損が出ます。

(注)損の計算は、1÷(1+金利上昇率×平均残存期間8年)です。現在の10年債の金利がほぼ0%で、長短国債の平均残存期間が8年なので計算は単純です。日銀が1000兆円の国債の約40%、「金融機関(海外が11%)+保険会社」が、60%を持っています。

日銀は、「ゼロ金利からの離脱」ができないのです。


成長実現ケース:経済財政諮問会議提出

内閣府が作っている、『中長期の経済財政に関する試算』は、政府の財政の方針を決める根幹になるものです。この内容が、基礎数値においてゆがんでいます。厚労省の賃金統計どころではない。

楽観的シナリオでは名目成長を2019年2.4%、20年2.9%、21年2.8%、22年3.0%、23年以降は3.4%としています。まずこれに問題があります。ひどいのは、長期金利です。

<これから先10年の長期金利>

2021年までは0.1%、22年0.4%、23年0.9%、24年1.4%、25年2.1%、26年2.6%、27年3.1%、28年3.4%としています。

これは今後、国債価格が上がることはなく、下がる一方ということを政府が表明したことと同じです。

2024年ころから、政府シナリオの金利なら財政破産になっていくということも意味しますが、結論はそうなっていいません。

加えて穏やかな金利の上昇は、長期金利を政府・日銀がコントロールすることを示しています。長期金利のコンロールとは、金融機関の国債の市場での売買に政府が介入することです。どんな方法でそれを行うのでしょう。

<金利が下がっていた時期は、国債価格は上がっていた>

日銀の政策短期金利が下がり長期国債の金利も下がって、国債価格が上がっていた時期(2016年8月まで)は、政府は金融機関に「(利益が出る)国債を買ってくれ」と言えたでしょう。

しかし金利上昇を政府が想定し、国債価格は下がることを予定しているときに「(損をするが)国債を買ってくれ」と、どんな手段で要請できるのでしょうか。

<金利が上がる時期になると、国債価格のコントロールができなくなる>

市場の実勢では、政府シナリオに沿って「金利が上がり国債価格は下がる」という市場の予想になると、
・売りが増えて買いは減り
・国債価格は下がって
・金利は短い期間で、一層上昇
します。

すぐに、3%くらいには上がり、3%に上がると7%までは上がる期間は短いのです。誰でも、損の確定はイヤだからです。株価と同じですが、国債価格も下がるときは急速、上がるときはゆっくりです。下がるときの売りは、損の恐怖に駆られた、一斉の売りになるからです。

銀行の国債マネジャーは、益出しができなくなった保有国国債に対して恐怖心に駆られているでしょう。個人のマネーではなく銀行のマネーですが、担当の恐怖心は個人のマネー以上のものです。自殺者すら想定できます。(注)統計偽装の厚労省では、自殺防止のため、窓の鉄枠を強化しています。

低い経済成長率のベースラインシナリオ

名目成長は、成長ケースより低く、2019年2.4%、20年2.3%、21年1.6%、22年1.7%、23年以降は1.7〜1.5%とされています。

対応する長期金利は、2021年までは0.1%、22年0.2%、23年0.6%、24年1.2%、25年1.6%、26年1.8%、27年1.9%、28年2.0%とされています――

156. 中川隆[-11754] koaQ7Jey 2019年3月02日 07:10:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[227] 報告
バブル崩壊はもう訪れない?2020年まで続く上昇相場は「穏やかな景気循環」の時代へ=藤井まり子 2019年3月1日
https://www.mag2.com/p/money/645076


アメリカ経済と株式市場の先行きに悲観を示していたレイ・ダリオ氏も、今年に入って方向転換を表明。どんな変化が起きているのか、世界の景気動向を解説します。


「最後の一刷毛」なのか?ただの「レンジ相場」なのか?

中国側は「人民元カード」を切って、トランプ政権に大きく譲歩

今週は、

◾インドとパキスタンの間で緊張が高まった
◾ライトハイザー米通商代表の議会証言でのタカ派的な発言があった
◾米韓首脳会談では、これといった進展なしに合意が決裂した

と、いろいろと気をもむ場面がありましたが、
   ↓  ↓  ↓
◾インド・パキスタン間の緊張もすぐに峠を越えました
◾トランプとライトハイザーの間の意見対立は今に始まった

ではありません。

ライトハイザー通商代表は、がちがちの「筋の通った」対中強硬派です。知的財産権の保護・安全保障上の問題も含めて長期的な視野に立って米中通商協議を考えています。

トランプ大統領は、ライトハイザーとは対照的に、人気取り目当てで「対中強硬姿勢」を取っています。

しかも大統領は、株価を気にしています。今すぐ手柄の欲しい、思い付きで行動する人物です。大統領はとりあえず、中国がトランプに花を持たせる形で「人民元高政策」を切ってくれば、関税をこれ以上引き上げないとするスタンスでしょう。

平たく言えば(もっと赤裸々に言えば)、トランプ大統領は「中国の不動産や株式市場で再びブームが巻き起これば、彼の親族(クシュナー娘婿など)ががっぽり儲けられる」ことに一番関心が強いかもしれません。

なにはともあれ、ライトハイザー代表とトランプ大統領の間に意見対立があることは、かねてから分かっていたことです。



さて、米朝首脳会談で進展が見られなかったことは、想定の範囲内。米韓の間で緊張が高まったわけでもなんでもない。昨日は、メディアが過剰に流す「合意決裂」のテロップに、AI(人工知能)が過剰に反応しただけです。

その一方で、良い情報もありました。

パウエルFRB議長は、今週の議会証言で「パウエルプット(FRBは市場が下落すれば金融緩和へ転じる可能性があること)」を重ねて示唆する発言を行いました。

2月28日に、アメリカの2018年第四四半期の実質GDP成長率が発表になりました。

マーケット予測よりも0.4%高い2.6%でした!これを受けて、アメリカの長期金利も2.66%から2.72%へと上昇しています。

為替もドル高に振れて、ヨーロッパ株式市場と日本株式市場は上昇しています。

今週は、日本金融村では、「中国経済と世界経済は、最悪期を脱して底を打ったのではないか?」といったところが、話題になっています。

「最後の一刷毛(ひとはけ)」の確率は、20%〜35%くらい?

「アメリカのイールドカーブ」を眺める場合、今のような低インフレ時代では、「ドル国債3か月物」の金利と「ドル国債10年物」の金利の「差」に注意する必要があります。

(多くのマスコミやエコノミストたちは、未だに「高いインフレ時代」の先入観で、イールドカーブを眺めていますが、それは間違っています。彼らは、「ドル国債2年物」の金利と「ドル国債10年物の金利」の「差」を眺めて、将来を占おうとしていますが、それは間違っている可能性が高いのです)。

今のような低インフレ時代では、注意すべきは「ドル国債3か月物」の金利と「ドル国債10年物」の金利の「差」です。

今現在の「ドル国債3か月物」の金利と「ドル国債10年物」の金利の「差」は、0.279(279bps)です。

これは、将来の「向こう2〜3年の成長率の鈍化」を見越していますが、「景気後退」は全く予測していません。

なにはともあれ、今現在、市場を支配する楽観論は、「1月4日にパウエルFRB議長が、市場の恫喝に、さらにはトランプ大統領の恫喝に屈して、金融緩和策へと大転換した」ことが一番大きいです。

次いで、1月24日にはドラギECB総裁もTLTRO(量的金融緩和策の一種)に言及しました。

多くの市場関係者は、次は日本の「安倍&黒田」コンビの出方を見守っています。

中国北京政府も「死に物狂い」で市場へ超大量のマネーを供給、対GDP比3〜4%の超ウルトラ級の大型財政刺激策を発動しています。



詳細は3月上旬(3月5日?)の「全人代」で明らかになることでしょう。

米中通商協議では、「元の安定」(=事実上の元の切り上げ)を約束された模様。

では、今現在のグローバル規模での株価の上昇は、「ブームの最後の一刷毛(=今年後半には暴落があるのか?)」なのか?

それとも、「長い長い株式ブームの、ただの後半戦(株式ブームの終息は2020年以降)」なのか?

どちらなのでしょうか?とても気になるところです。

マーケット関係者の中には、未だに「2020年景気後退説(2019年後半の暴落説)」を信じている人が20%くらい存在しています。

ちなみに、「第二のジョージソロス」と称賛されていて、世界最大のヘッジファンドを率いているレイ・ダリオ氏は、1年半前まではアメリカ経済と株式市場の先行きには悲観的でしたが、今年に入ってからの中銀たちの一連の政策変更を受けて、直近のブログでは方針転換を表明しています、楽観論に傾いています。


「バブル型の景気循環の時代」は終わった

ダリオ氏は、「2020年秋の大統領選挙の前に、アメリカが景気後退入りする可能性は、35%くらいにまで低下した」と方針転換しているのです。

(大統領選挙の年の2020年には、トランプ大統領は選挙に勝つためには何がなんでも景気浮揚策(バラマキ)に打って出ることでしょう。対抗する民主党の候補たちも、バラまくことしか考えていません)。

ダリオはたいへん影響力がある人物ですし、自分の影響力を自覚している人物です。

2018年から悲観論を開陳していたダリオは、2018年を通じてパウエルFRBに「利上げを止めるように」とプレッシャーをかけ続けた人物なわけです。

そのダリオ氏が、「2020年の景気後退入りの確率は35%」と言っているのですから、ますますパウエルFRBは「次の利上げ」ができなくなります。

現在の内外の株式市場の上昇は、20%〜35%の確率で「株式ブームの最後の一刷毛(2019年後半の暴落)」である可能性がありますが、その一方で、今現在の内外の株式市場の上昇は、65%〜80%の確率で「長い長い株式ブームのただの後半戦(株式ブームは2020年まで続く)」である可能性があります。

景気拡大期は長くなればなるほど「景気後退期が近づいている!」と考える人々が多くなるのは無理もないです。繰り返しますが、経済がサービス化した現代では、景気拡大期が長くなる傾向があります。サブプライム危機後では、先進各国の中銀たちも「2%インフレ目標」を掲げています。金融規制も強化されて、ブームは起きてもバブルが起きにくくなっています。

人々が想像している以上に、今回の景気拡大期は長いかもしれません。

私たちは「間違った思い込み」を捨てなければいけないでしょう。



「低金利下で大型バブルが生成されて、利上げと共にそのバブルが崩壊、ある日突然に暴落が起きて、その後真っ逆さまに景気が後退してゆく」といった「ITバブル」や「サブ プライムバブル」などの「バブル型の景気循環の時代」は終わったのはないでしょうか?

サブプライム危機「後」は、ボルガールールなど「投資銀行への規制」が強化されて、バブルが起きにくくなっているのです。

「100年に一度の危機」を無事潜(くぐ)り抜けた今は、「バブルの生成や崩壊を伴わない『穏やかな景気循環』の時代」が始まっているのかもしれません。

上手くゆけば、その良好な人口動態から考察すると、今のアメリカ経済は向こう3年から4年は「景気後退」に陥らないかもしれません。

アメリカが景気後退に陥らなければ、この日本経済も、かつてのような「理不尽な円高不況」に無駄に苦しまなければならない時代は訪れないということになります。

(だからこそ、私はアメリカ経済の行方が気になってしょうがないのです)。

157. 中川隆[-11420] koaQ7Jey 2019年3月17日 08:43:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[577] 報告
世界が認める景気鈍化を、なぜ日本政府だけは認めない?海外投資家は日本株を投げ売りへ=近藤駿介 2019年3月14日
https://www.mag2.com/p/money/651054


政治イベントが目白押しだが、真に注目すべきは各国が景気見通しを下方修正していることだ。世界が政策の変更を検討・実施するなか、日本だけはわが道を進んでいる。(『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』近藤駿介)


各国が政策見直しを進めるなか、日本は変わらなくて大丈夫か?

各国が「世界経済の鈍化」を認める

英国議会でのEU離脱案の採決、最終盤を迎えた米中通商交渉。今週もその行方が注目される政治イベントが目白押しである。表の主役はこうした政治的重要イベントとなりそうだが、裏の主役を世界景気が張る可能性があることは、認識しておいた方がよさそうだ。

ここに来て、世界経済の先行きが大きな関心事となってきた。世界経済の先行きに関しては、MFやOECDなどが既に世界経済の鈍化を公表して来ており、周知の事実とはなっている。問題はそれを各国の政策当局が認め、実際に政策を見直し始めて来ていることだ。

中国は5日に開幕した全人代で2019年の経済成長見通しを、28年ぶりの低成長となった2018年の6.6%を下回る「6.0〜6.5%」へ引き下げた。中国の経済統計は日本の統計以上に信じられないものであるため、「6.0〜6.5%」という目標数字の水準自体には意味はない。2018年の経済成長率は28年ぶりの低水準となったが、目標であった「6.5%前後」に対してはニアピン賞といえるものだった。したがって、重要なことは成長率の水準ではなく、中国が公式に経済成長の鈍化を認めたことだ。

欧州でも7日のECB理事会で、「少なくとも2019年夏まで」維持するとしてきた現在0%の主要政策金利などの水準を、「少なくとも年末まで」維持する方針を明確にした。それと同時に9月に新たな資金供給制度(TLTRO 3)を開始することを表明し、昨年12月で終了した量的緩和政策を復活させることを発表した。TLTRO3に関しては技術的な要因も多分にあるが、表面的には昨年末で終了させたはずの量的緩和政策をわずか9か月で撤回し、再度量的緩和政策を復活するというのは苦渋の判断だったといえる。

ECBが「少なくとも2019年夏まで」という表現で2019年秋以降の利上げを示唆してきたのは、任期が今年の10月までのドラギ総裁が任期中に利上げの道筋をつけて後任にバトンタッチするFRBスタイルを描いていたからである。

金融政策の正常化の手本としてきたFRBスタイルを踏襲することをECBが断念せざるを得なくなったのは、経済の鈍化とそれに伴う物価の下落圧力がECBの想定を上回るものだったからに他ならない。実際にECBは2019年の域内経済成長率の見通しをこれまでの1.6%から1.1%へと大幅に下方修正している。

経済減退を見越した政策が実行され始めた

米朝首脳会談や米中通商交渉、ブレグジットといった派手な政治的イベントの陰に隠れた格好になっているが、IMFやOECDといった公的な機関ではなく、政策当局が経済見通しを下方修正して実際の政策に反映し始めたという変化を見落とさないようにしなければならない。



具体的に自国の経済見通しを引き下げたわけではないが、金融政策の見直しに動いたという点においてはFRBも同じである。昨年9月のFOMCで「金融は緩和的」という表現を削除したばかりのFRBからも、最近ではFOMCが示してきた「年内2回」という利上げ見通しや、ドットチャート公表見直しを求める発言が出て来るなど、再び「金融は緩和的」に戻ろうとする力が働き始めている。


苦しい立場のFRB

しかし、FRBは苦しい立場にある。それは、予想外の決裂した米朝首脳会談を終えたトランプ大統領が、帰国してすぐに「利上げを好み、量的引締めを好み、非常に強いドルを好む紳士がFRB内に1人いる」と、FRB批判をし始めたことだ。

すでに「漸進的利上げ」を先送りし、バランスシート縮小を年内に止めることを明言しているパウエルFRB議長にとって、ドル高を止める手立てはないのが実情だ。CMEのFed Watchでも市場が見込む年内利上げ確率は0%。それどころか、年内に利下げが実施されるという見通しが20%前後に達しており、FRBの利上げ見通しを背景にドル高が進んでいるわけではないからだ。

為替というのは所詮「物々交換」である。「物々交換」ということは、交換相手の価値によって交換レートが変動するということだ。言い換えれば為替の価値は「絶対評価」ではなく「相対評価」で決まるということ。

FRBは「漸進的利上げ」を一旦見送り、バランスシート縮小を年内に止める方針を示すなど「ハト派」色を強めてきた。しかし、米国経済に対する見通しを明確に見直したわけではなく、現時点ではあくまで「金融引締め政策の停止」に過ぎない。こうした中で中国やECBが経済成長の鈍化を認め、金融緩和姿勢を明確にし、「FRB以上のハト派」姿勢を見せたことで、ドルの「相対的価値」は高まってしまっており、それがドル高を招いている。

2月の雇用統計を始め、米中通商交渉や政府機関の一部閉鎖によるノイズによって経済指標は強弱入り乱れ、経済の正しい姿が見えにくくなっている今、FRBとしても米国経済の方向性を断言しにくい状況にある。そうした中でのトランプ大統領からの口撃は、FRBがより「ハト派」姿勢を見せることを難しくしてしまっている。明確な理由なしに金融緩和姿勢を見せてしまえば、大統領の圧力に屈した格好になってしまうからである。

日本政府はまだ「戦後最長の景気回復」と言っている

世界の主要国が経済見通しを下方修正したり、金融政策を見直したりしている中で、わが道を行くのが日本である。

1月の景気一致指数が3か月連続でマイナスとなり、機械的に景気の基調判断が「下方への局面変化」に変更されたことが大きな話題となっている。

3か月連続マイナスとなった景気一致指数は、構成する9つの指標の内、速報が公表済みの7つの指標全てがマイナスになるという完全マイナス状況になっている。さらに先行指数はすでに5か月連続でマイナスになっており、経済指標面からは景気が鈍化局面に転じていると見るのが自然な状況になっている。

それにもかかわらず、政府は「景気の回復基調は変わらない」と依然として「戦後最長の景気回復」が続いていることを強調する強気の姿勢を崩していない。



国民の8割が「戦後最長の景気回復」を実感できていないという「景況感」の悪化に加え、経済指標面でも景気後退が示され、政府だけが景気回復を実感するという摩訶不思議な状況になっている。

もちろん、「戦後最長の景気回復」の中で「異次元の金融緩和」を続けるという矛盾した政策を採り続けてきた日本に、景気が鈍化に転じたところで打ち出せる政策はほぼないのが実情である。


海外投資家は日本株を投げ売りへ

こうした現実を背景に、2018年に日本株を5兆7,449億円売り越した海外投資家は、2019年に入っても2か月間で9,805億円とほぼ1兆円に及ぶ大幅な売り越しを記録している。

10月に予定されている消費増税で内需が冷え込むことが確実なうえ、3月中にも始まる可能性のある日米貿易交渉によって外需の拡大も難しくなる可能性の高い日本株が魅力的に映らなくても不思議ではない。

その結果、日本株の買手は「景気の回復基調は変わらない」と信じ続ける政府の意向に従う日銀だけの状況になっていしまっている。

もはや日本には「円安・株高による景気回復」を演出する余力は残っていない。

MSCIが中国A株の構成比を11月に向けて段階的に引き上げるというテクニカル要因によって上海市場が大幅上昇するという一時的な追い風は吹いたが、それも一服した今、日本株には追い風は期待できない状況にある。

「合意」は株価を押し上げるのか?

近いうちに何かしらの決着を見るのが確実な米中通商交渉の最大のリスクは、「合意=歓迎」という表面的な方程式ばかりが強調され、実際に市場がどのような合意を歓迎するのか曖昧なところである。

トランプ大統領も「中国と合意すれば、株価はとても大きく上昇する」と、米中通商交渉の「合意」が株高に繋がることに期待する発言をしているが、過度な期待は禁物である。

中国が米国に譲歩し続ける交渉期間中は「合意」という言葉は市場を押し上げる魔法の言葉になり得る、交渉が何かしらの決着がついた時点で「合意」という言葉は魔法の言葉とはなり得ないからだ。

米中通商交渉が何かしらの「合意」に達した後、市場の注目は陰の主役である経済見通しや各国の政策に転じる可能性があることは念頭に置いておいた方が賢明そうだ。
https://www.mag2.com/p/money/651054



▲△▽▼

海外投資家とその他部門の売買動向
https://karauri.net/doukou/
https://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/investment_3/investment_3.asp

アダム・スミス2世の経済解説
7月第4週 投資部門別売買状況
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-389.html

158. 中川隆[-11419] koaQ7Jey 2019年3月17日 08:50:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[578] 報告

海外投資家とその他部門の売買動向
https://karauri.net/doukou/
https://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/investment_3/investment_3.asp

アダム・スミス2世の経済解説
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/

今は相場が上げているにも関わらず、海外投資家が現物株を長期的に売り続けているので本来は長期下降トレンドのなかの戻りの筈なのですが、
エリオット波動の宮田さんみたいに既に押し目完了で上げていると思っている専門家が多いですね。

159. 中川隆[-11405] koaQ7Jey 2019年3月18日 07:54:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[594] 報告
2019年03月18日
株価下落時に国内投資と海外投資のどちらが有利か

こういう時は日本株と海外株のどちらがより下落するのでしょうか


画像引用:http://tokyo239snapshot.blog.fc2.com/blog-entry-58.html

リーマンショックで日経とダウはどう動いたか?

最近も米中貿易などをめぐって株価などが変動していますが、過去10年ほどので様々なできごとがありました。

リーマンショックは既に11年前ですが、いまだにその時の損失から回復していない投資家も多い。

こうした経済変動の時、国内株など日本国内に投資したほうが良いのか、海外投資したほうが良いのか悩みどころです。


海外の混乱を避けて国内投資したのに、日本株の方が大きく下落する場合も多い。

リーマンショックは2007年夏に米国のサブプライムショックをきっかけに始まった、米国発の経済ショックでした。

サブプライムショック直前の2007年7月ダウ平均は14,121ドルで、2009年3月には6,440ドルまで下落しました。


ダウ平均が再びリーマンショック前の高値を超えたのは2013年3月4日で、14,128ドルの最高値を付けました。

この後ダウ平均は一気に上昇し、2013年12月31日には16,511ドルをつけてウォール街は大いに盛り上がりました。

これをパーセントで表すとリーマン前に14,121ドルだったのが約45.6%まで下落し、回復したのは5年8ヶ月後でした。


対する日経平均株価は2007年6月20日に18,297円の最高値をつけた後サブプライムショックが始まり、2008年10月28日に6,995円まで下げました。

リーマン前の最高値を回復したのはアベノミクス後の2015年2月19日18,322円で、15年末には19,033円で引けていました。

これもパーセントに直すと2007年6月20日に18,297円だった日経平均は約38%まで下落し、回復までに7年8か月かかっています。


『有事に強いドル』は生きている

途中で東日本大震災がありましたが、震災前の数字を見てもダウより回復が遅れていました。

これはリーマンショック時の比較ですが、アジア通貨危機でも湾岸ショックでもバブル崩壊でも、同じ傾向が見られます。

すなわち経済ショックの震源地がアメリカでも日本でも、株価が大きく下げるのは日本の方で、回復が速いのはアメリカでした。


これには様々な原因が考えられますが定説はなく、ただひとつ確実なのは「経済ショック時に日本株を持っていてはいけない」という事です。

現実の投資ではこれに為替変動が加わるので、事態はもっと複雑になり投資家を混乱させます。

2007年7月のドル円は124円だったのでダウ最高値14,121ドルは175万1000円でした。


下落時の2009年3月には1ドル97円だったので、ダウ6,440ドルは79万8500円でした。

回復した2013年12月は1ドル104円だったのでダウ16,511ドルは204万7300円でした。

これをまたパーセントで表すとダウ平均は円換算で2007年7月に175万1000円だったのが45.6%に下落し、回復したのは5年6ヶ月後くらいだったようです。


ドル換算ではダウは約45.6%下落したのに対し、円に換算しても45.6%だったので、どちらでも同じ下落率でした。

という訳で経済変動ではやはりドルやアメリカ株を保有したほうが、日本株よりも有利でした。


ただ下落した底値で買うという手法なら、下落率が大きい日本株を買う方法がありますが、リスクは大きいです。
http://www.thutmosev.com/archives/79323069.html

160. 中川隆[-11263] koaQ7Jey 2019年3月23日 17:13:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[746] 報告

3月FOMCは量的引き締めの停止を予告、日経平均とドル円への影響は?2019年3月22日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8206

アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は米国時間で3月19日から20日まで金融政策決定会合であるFOMC会合を開き、2018年10月から起こった世界同時株安に対する対策を纏めた。

先ずは米国株のチャートから紹介しよう。

見ての通り下落は10月から始まったが、当初Fedのパウエル議長の示した姿勢は利上げと量的引き締めという金融引き締めを停止することはないというものだった。Fedが強硬姿勢を続ければ市場が崩壊するということは、ここでは夏頃から主張し続けていた。
•パウエル議長の致命的誤りが株式市場暴落の理由となる (2018/8/27)

しかしパウエル議長は下落が始まった後も強硬姿勢を貫き、その結果米国株は20%前後下落した。

パウエル議長はそれでようやく方向転換をすることになる。当初は量的緩和で増加したバランスシートを縮小する量的引き締めは世界同時株安の原因ではないと主張していたが、これを撤回し、量的引き締めを年内に終了すると予告した。そして今回の会合で量的引き締め終了の具体的なスケジュールを提示したということである。

FOMC会合結果

さて、では今回の会合の結果を見てゆくが、先ず金利については今年中の利上げはほぼないという結論となっている。会合参加者の今後の利上げ見通しを表にしたドットプロットでは、11人が年内の利上げなし、4人が1回の利上げ、2人が2回の利上げとし、年内の利上げがないというのがコンセンサスとなっている。

これは2回か3回の利上げがコンセンサスとなっていた前回のドットプロットからの大幅な譲歩となるが、一方で市場はより緩和寄りの金融政策を予想しており、金利先物市場はFedが年内に利下げを行う確率を40%だと織り込んでいる。

量的引き締めについては具体的に終了までの道筋が示された。前回同様、いつもは発表されない量的引き締めに関する追加文書を公表し、以下の2点を発表した。
•2019年5月より債券保有額の減額量を月間300億ドルから150億ドルに減額する。
•2019年9月末に債券保有量の減額を停止する。

これを受け、米国株はやや上昇、ドル円は下落、日経平均はその両方の影響を受け横ばいとなった。

相場への影響は?

さて、投資家としてはこの発表をどう受け止めるかが問題となる。筆者は昨年の下落前から日経平均とドル円の空売りを行なっており、今年に入ってからは日経平均よりもドル円の空売りに重点を置くということを主張してきた。
•上がった米国株、上がらない日経平均、ドル円含め今後の動向は (2019/2/6)

その理由については明白であり、Fedには緩和余地があり、日銀にはないからである。この単純な図式が2019年の世界市場を決める支柱となる。そしてその動きはドル円に反映される。今回の大きな動きは株価の下落から始まったが、次の大きな動きはドル円なのである。それが日経平均の空売り分を徐々にドル円の空売りへと移し替えてきた理由である。

とはいえ、日経平均も年始からの反発は米国株に比べて劣っている。以下は日経平均のチャートである。

ここで報告している通り、筆者は日経平均を昨年の間に23,000弱から頂点の24,000強の水準で空売りしているので、現在の水準でも10%程度の利益となる。

ここで、残っている株の空売りポジションを何処で利益確定するかということが問題となる。筆者の鉄則としては、株価の原因は量的引き締めであるから、その原因が無くなった時点で株の空売りを止めるということになる。しかし問題は、このパウエル議長の結論で「量的引き締めを止めた」と言えるかどうかである。

パウエル議長の結論は、9月までに量的引き締めを止めるということである。5月から引き締めを減額するとはいえ、9月まではまだ半年ある。

それでも量的引き締めの終了は宣言されたと言えるかもしれない。しかし筆者の頭に引っかかっているのは、これまでの金融危機でFedの譲歩が常に十分ではなかったということである。リーマンショックではFedは利下げを繰り返したが、市場暴落を止めるためには段階的な利下げは十分ではなく、Fedは結局ゼロ金利と量的緩和の開始を強いられることになった。

今回パウエル議長が言っているのは半年後に引き締めを止めるということであり、利下げさえ行なっていない。リーマンショックと今回の下落の原因が異なることは事実である。しかし、やはり量的引き締めの半年後の停止という措置が市場をなだめるために十分な措置とは思いがたく、その引っかかりの分だけ株の空売りのポジションをいまだ残している。

いずれにしても今後のメインのトレードはドル円となる。しかしそのドル円の下落幅がこれだけに留まっていることもどう考えてもおかしいのである。世界同時株安を引き起こしたような状況がこの程度の副作用で収まるはずがない。

十分な緩和が行われて株が上がり、ドル円が下がるか、十分な緩和が行われず株が下がり、ドル円も下がるか、どちらかなのである。市場はまだそのどちらも織り込んでいない。

今後の市場の展開としては、どちらかが必ず起こるだろう。それが起きない間は、市場は単に夢の中にいるのである。そして夢からはいずれ覚めなければならないだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8206

161. 中川隆[-11052] koaQ7Jey 2019年3月30日 18:25:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[971] 報告

2019年3月29日
米国債利回り曲線の姿、過去の利下げ局面に接近


[25日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の驚くようなハト派転換ぶりに低調な経済指標の発表が重なり、米国債のイールドカーブ(利回り曲線)の主要部分は、過去にFRBが利下げに動いた局面に見られた姿に近づいている。

FRBは20日までの連邦公開市場委員会(FOMC)で、年内の想定利上げ回数を従来の2回からゼロに変更し、3年続けてきた利上げサイクルに突如終止符を打っただけでなく、9月にはバランスシート縮小も停止すると表明した。


こうした姿勢は投資家の先行きに対する自信を強めるどころか、むしろ市場にこれまでにないほど悲観的な米経済の見通しを広めてしまった、と語るのはブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバル責任者ウィン・シン氏だ。

そのため米国債の2年─5年利回りスプレッドはマイナス幅が拡大し、以前にFRBの利下げがあった水準に迫りつつある。

3カ月物財務省短期証券(Tビル)と10年債の利回りも22日に10年余りぶりに逆転し、このままの流れなら1─2年以内に米国が景気後退(リセッション)に陥る恐れがあると警鐘を鳴らしている。

Reuters Graphic

シティグループのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、トム・フィッツパトリック氏によると、2─5年利回りスプレッドのマイナス、つまり逆イールドの幅が12ベーシスポイント(bp)より大きくなると、これまでは利下げが実施されてきた。

足元のマイナス幅は6bpだが、22日には9bpまで広がっていた。

例外的なケースだったのは2006年で、マイナス幅が19bpに達しながら、利下げまでさらに10カ月を要した。そしてやってきたのが07─09年の金融危機で、結局政策金利はゼロとなり、量的金融緩和が何年も継続した。

過去の逆イールド化とそれに続く利下げは、いずれも非常に大きなショックを背景に起きた現象だ。1989年は貯蓄貸付組合(S&L)危機、2000年はナスダック総合指数の急落、06年は住宅バブル崩壊だった。

それと比べると今回は、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題が米経済を脅かす要因になっているものの、かつてのようなはっきりしたショックは見当たらない。

ただフィッツパトリック氏は、もし2─5年利回りスプレッドのマイナス幅が12bpを超えるようなことがあれば、市場の不安が相当なレベルに達しているからで、そうなった原因のイベントが発生していると思うと話す。

また同氏は、雇用情勢悪化がFRBの利下げを促す可能性もあり、従来は逆イールドと利下げに先立って失業保険申請件数が増加していると付け加えた。

Reuters Graphic
長期金利の低下が続いた場合も、FRBがリセッションを避けるために、先回り的に利下げするかもしれない。この方法は過去において効果を発揮しており、1995年と96年に利下げしたおかげで、リセッションを2001年以降に先送りできた。

モルガン・スタンレーのストラテジスト、マシュー・ホーンバック氏は25日付リポートで、1982年にFRBが政策金利の誘導目標を採用して以降に3回のリセッションが起きたが、FRBはいずれもその前に利下げしていたと指摘。利下げ時期は3カ月物Tビルと10年債の利回りが逆転したおよそ8カ月後だったので、今回に当てはめるなら12月に利下げがあることを意味すると説明した。

同氏は「当社のエコノミストはFRBの次の一手が利下げでなく、12月の25bpの利上げとみているものの、経済指標が今後数カ月持ち直さないなら、市場が織り込む年内の利下げ確率が一段と高まる余地はあるだろう」と述べた。

MUFGセキュリティーズ・アメリカズの金利ストラテジスト、ジョン・ハーマン氏は、経済見通し悪化を踏まえるとFRBが昨年12月に利上げしたのは「間違い」で、これを取り消す必要があるため、9月までの利下げが不可欠になるとの見方を示した。

「世界経済の成長が一貫して弱く、米国の成長も減速している。これは直近の不適切な利上げが取り除かれ、金融政策がFRBが望んできた経済でなく、現実の経済に合うように微調整され始めることを示唆している」という。

CMEグループのフェドウオッチに基づくと、現在の金利先物は12月までに利下げされる確率をおよそ60%と見込んでいる。
https://jp.reuters.com/article/us-yield-curves-idJPKCN1RA067

162. 中川隆[-10778] koaQ7Jey 2019年4月14日 00:37:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1267] 報告

株式市場は反発も流動性は足りていない
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年4月13日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8217

2018年後半の世界同時株安によって、アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は金融引き締めの撤回を余儀なくされた。利上げは停止され、量的引き締めは9月までに終了ということになっている。

•3月FOMCは量的引き締めの停止を予告、日経平均とドル円への影響は?

ここでは世界同時株安の前から予想していた通り、株価下落の理由はFedが金融引き締めによって金融市場から資金を吸い上げていたからである。

それで株価が暴落したのだが、Fedのパウエル議長がその姿勢を改めたことで株価はとりあえず上昇している。投資家にとっての問題は、パウエル議長の決定で市場に十分な量の資金が戻ってきているのかということである。

世界同時株安前の状況

思い出してほしいのは、世界同時株安が起こる前の状況である。アメリカの金融引き締めによって最初に起こったのは、アメリカの株式市場の暴落ではなく、新興国市場の暴落だった。世界市場全体から資金が引き上げられる時、最初に下落するのはよりリスクの高い資産クラスからだからである。

新興国市場から十分な資金が流出した後、次に下落したのはアメリカ以外の先進国の株式市場だった。日本の株式市場も10月の下落以前にJASDAQやマザーズなど日経平均以外の指標は下落を始めていた。ここではそれを世界同時株安の前に報じてある。

•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている (2018/7/31)

つまり、この時点で既に日経平均に採用されている一部の銘柄だけが押し上げられていた状況だったのである。

そしてそれはアメリカ市場でも例外ではなかった。世界同時株安の直前、先ず急落を開始したのは主要指標のS&P 500ではなく、小型株指数のRussell 2000だった。ここではそれを米国株の減速の兆しとして報じている。

•遂に米国株にも減速の兆し (2018/10/8)

そしてこの記事の直後、世界同時株安が起こったのである。

現在の状況

さて、この記事で論じたいのは、日経平均やS&P 500だけで株式市場を見るのではなく、その他のチャートも交えると世界市場はどうなのか、パウエル議長の方向転換によってすべてが良い方向に進んでいるのかということである。

先ずはすべての指標となるS&P 500のチャートを掲載しよう。

世界同時株安から回復し、史上最高値まで戻りつつある。

しかし問題は小型株指数Russell 2000の方である。チャートを掲載する。

世界同時株安からの反発が3月付近で止まっており、伸び悩んでいる。S&P 500のチャートと比べればよく分かるだろう。世界同時株安を事前に予測していた人間からすれば、この動きは世界同時株安の直前の状況を思い起こさせる。

一方で、すべての指標が世界同時株安直前のように動いているわけではない。例えば、2018年の始めから暴落を続けていた中国株は、その下落分を取り戻すかのように暴騰を続けている。

ただ、2018年の最高値からはまだ程遠いことは付け足しておこう。そしてここ数年予想を的中させ続けているガントラック氏が「株式市場の先行指標」と呼んだビットコイン価格も、まだ反発トレンドを続けている。

しかし昨年暴落した一部の新興国通貨からは、資金流出が再開しているようである。例えばトルコリラであり、以下はドルリラのチャートである。上方向がドル高リラ安となる。

次にアルゼンチン・ペソである。以下はドルペソのチャートである。

というわけで、少なくともパウエル議長の決定は世界市場全体を救うことが出来るほど市場に流動性を復活させたわけではなく、今の状況でも複数の歪みが確認出来るというわけである。

そしてその歪みは新興国市場だけではなく、アメリカの小型株市場にも確認出来る。今後これらの歪みが広がった場合、パウエル議長はどうすることを余儀なくされるだろうか。

間違いなく言えるのは、ドル円を下落させることなく世界同時株安に収拾をつけることは不可能であるということである。ドルと株価が両方上がる限り、その動きはまやかしであり、何処かの時点で修正されなければならない。

前回の記事の結びをもう一度引用しておこう。何も状況が変わっていないので、それ以上何も言うことがないのである。


十分な緩和が行われて株が上がり、ドル円が下がるか、十分な緩和が行われず株が下がり、ドル円も下がるか、どちらかなのである。市場はまだそのどちらも織り込んでいない。

今後の市場の展開としては、どちらかが必ず起こるだろう。それが起きない間は、市場は単に夢の中にいるのである。そして夢からはいずれ覚めなければならないだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8217

163. 中川隆[-10663] koaQ7Jey 2019年4月23日 10:04:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1403] 報告
リーマン危機から10年、膨らみ続ける世界の借金の先に見える崩壊の危機=吉田繁治
https://www.mag2.com/p/money/668681


デリバティブ証券の下落をきっかけに起きたリーマン危機から10年、米国を中心に再び世界の借金が膨らみ続けています。この借金はどこまで許容されるのか。

自社株買いで上げた米国株、上昇できるのは秋までが限界?

主要国の中央銀行による、2,000兆円の増発の経緯と結果

リーマン危機は、米銀の連鎖危機をひきおこし、79年目の「大恐慌」になるスケールのものでした。

<2000年からの米国不動産バブル>

不動産のバブル化(全米平均価格は7年で2倍)を支援する金融政策(利下げ)を実行してきた元FRB議長グリーンスパンも、「100年に一度の危機。資産バブルは崩壊してはじめてわかった(言外:現役中はわからなかった)」といっていたくらいです。

広大な土地がいくらもある米国の住宅は、宅地が狭い日本と違い、90年代まではGDPを上回る価格の上昇はなかったからです。

不動産価格の年率平均7%(大都市の商業地やリゾート地では10%以上)の上昇の陰で、どんどん大きくなっていた証券化商品がAAA格でも40%下がり、BBB格以下は価格がつかなくなって、銀行資産の縮小がチェーンのように連なり、全部の大手銀行の同時破産までが想定されていました。

<2009年1月からの株価の回復>

金融資産の喪失において、もっとも重みがあった株価の底値は、リーマン危機の日から6か月あとでした。

無限信用をもつとされていることから、銀行のシステミックな連鎖の危機を救うミッションを与えられているFRBは、
・95年の歴史ではじめての3度の緊急QE(ドルの増刷)を行い、
・400兆円規模のマネーを投入し、銀行システムを救済しています。

予定されていなかった3度のQE(いわば3度の手術)になったのは、100兆円以上を投入した1回では、銀行のデフォルトの危機をおさめることができなかったからです。

FRBが行った、米国の大手銀行の救済

この金融危機は、不動産ローンの「回収権を証券化」しているMBS(不動産ローン担保証券)、CDO(資産担保証券)、ABS(資産証券)などの、銀行の間の双務契約であるデリバティブ証券の下落から起こったものです。AAA格の証券でも、下落率は40%と大きかった。

それらを、米国の大手銀行が保有していました。ほかに、金額が大きなものとして、債務の回収を補償する保険の機能をもつCDSがありました。

対比すれば、7,500兆円という銀行間デリバティブをもつ、ドイツ銀行の5倍以上のリスクのスケールだったでしょう。


リーマン危機のあとの、米国の負債の大きな増加

他方で、リーマン危機のあとの米国の総負債は、その前の08年の33.8兆ドル(3,780兆円)から、18年には50.1兆ドル(5,510兆円)に増えています。これは、リーマン危機のあとの、銀行が10年間続けて行ってきた、貸付金の増加である信用創造(貸付行動)を示すものです。

米国、日本、欧州の銀行が、米国の政府・企業・世帯に対して貸付金をふやし、社債・国債の購入の合計で、10年間で1,730兆円(1年平均173兆円)の信用創造、つまり貸付金をふやしたのです(米国の部門別負債:BIS)。

FRBのマネー投入(418兆円)に対しては、4.1倍の信用乗数です。FRBが1兆ドルを投入するにつき、銀行の貸付金が4.1兆ドル増えたという意味です。

2018年でのGDP比の政府・企業・世帯の総負債は、危機のあとの10年で2.5倍(246%)に増えています。平均年率では9.4ポイント(%)増加です。借り入れの増加を助けたのは、株価と不動産価格の上昇です。

不動産価格の動きは株価に遅れ、上昇も下落も株価よりはおだやかです。全米20都市の住宅価格指数は06年がピークの206でした(ケース・シラー住宅価格指数)。これがリーマン危機後の09年1月には、141へと約30%下がっています。

株価に3年遅れて2012年から上がり始め、そのあと株価を追って直線的に上げ続けて、2019年の1月には、06年の金融危機前のピーク価格を越える最高の214(基準の00年の2.1倍)に上げています。

住宅価格の上昇は、住宅と商業用の不動産のローンと貸付金の増加と健全化も示しています。不動産の価格という要素だけなら、2018年で完全に回復しました。1992年からの資産バブル崩壊から、日本の不動産が価格で回復していないのは、日米の人口構造の違いがあるあるからです。わが国では不動産需要が減り、米国では、海外からの買いもあり、価格下落のあとも増え続けたからです。


2009年からは、株価と不動産の価格をバブル的に上げてきた時代

・米国の証券化商品の下落が、直接に影響した欧州のECB、
・中国の輸出経済をひっぱる対米・対欧の輸出が、急減した中国の人民銀行、
・そして、適用を間違えたクルーグマンの「流動性の罠」論を採用して、インフレ目標をとったアベノミクスの日銀も、FRBに時間をおきながら合計で18兆ドル(2,000兆円)の通貨をふやしてきました。

世界のGDPの85%を占める主要国の中央銀行の銀行に対する増発マネーが元になって、銀行の貸付金をその約4倍は増やして、リーマン危機のあと半年後からは株価を、2012年からは不動産を上げてきたのです。

【日本】
2015年には、2011年に対して50%の円安になり、円安になるとドル高の為替利益が増える輸出と海外生産が多い東証1部の株価指数(日経平均とTOPIX)は米国並みに3倍に上がっても(2015年)、不動産の価格があがらなかった例外は、年0.4%(50万人)の人口減の日本だけです。

人口減は、必要な住宅の総面積を減らし、人口増が続く東京圏以外では、空き家を大きく増やしているからです。

<負債バブルが、金融的商品の高騰を生んでいる>

2010年ころからの9年間、われわれは世界の総マネー量がバブル的に増えてきた時期のただなかにいます。経済に対して過剰なマネー量が、株価を高い水準に上げています。

21世紀は、通貨、生産コスト、賃金の低い国でのグローバル生産の進展により、
(1)主要国での消費者物価の上昇率が低いため、
(2)主要国の、高くとも3%という低い名目GDPの成長を超える通貨量の過剰(マネー量×流通速度)が、原理的にもたらすインフレが、
(3)消費財から金融的な資産(不動産・株式・国債・債券など)に移ったことが見えにくいだけです。

フィッシャーの交換方程式(M<(マネーサプライの増加)×V(預金の回転率)=P(物価)×T(実質GDP)>は、金融的な資産の領域で働いています。

名目GDPは、消費される商品だけの「生産=需要=所得」です。消費者物価の上昇は、消費財だけを対象にしています。不動産・株式・国債・債券などの多種の金融的資産は、GDPの物価上昇、需要額、所得額には含まれていません。

ところが、2010年代からはとりわけ、これらの金融的な資産にマネーが向かっています。2019年もそのただなかにあります。

「中央銀行+銀行」が借り手に対し増やしたマネーが向かうのは、時代を超え、価格が上がると人々から期待される対象物であることに違いがない。人類の5000年の歴史の普遍原理でしょう。

〔通貨発行の増加→貸し付けの増加→負債の増加→資産価格高騰〕マクロ経済で合成していえば、「中央銀行+銀行」の通貨発行の増加は、借り手の「負債=預金」を増やします。その増えた負債マネーは、「多種の金融的資産」に向かって価格を上げます。価格が上がった金融的資産は、「借り入れの担保になって→借り手の負債能力を増やし→借り入れを増えていき→投資されて→金融的資産の価格を一層上げる」という螺旋階段状の上昇にはいってバブルを作ります。

以上のマネー現象が、金額の大きな順にいえば、
(1)ゼロ金利から2%台の低い金利の、国債価格の上昇(金利は下落)
(2)シラー10年PERが、30倍というバブル株価、
(3)人口減の日本を除く、世界の不動産の高騰です。

これらの価格の上昇は、投資家(金融機関、企業、世帯)の負債の増加によって生じたものです。マネー量増加の根源には、順にいうとFRB、ECB、人民銀行、日銀による合計2,200兆円の通貨量(マネタリーベース)の増加があります。その増加が、銀行の貸しを増やし、投資家の借り入れが増えて、金融的資産への買いを大きくしているのです。

【金融資産=金融負債の原理】

問題は「金融資産=他の人の金融負債」であるため、ゼロから3%以内の低い金利のなかで金融負債が増え続けて、2018年末では250兆ドル(2京7,500兆円:国際金融協会)になっていることです。


負債はいずれの日か臨界点に達し、資産バブルが崩壊して金融危機になる

2000年から18年までの世界の総負債は、250兆ドルに増えています。

世界の総負債は、2000年には80兆ドル付近でした。当時はまだ、穏やかでした。この総負債は、2018年の250兆ドルまで3.1倍に増え、年率の6.5%と世界のGDPの平均増加率より高い増えかたをしてきました。2018年の残高は、世界の8,000兆円のGDPの約3倍に達しています。

【その原因と結果】
世界の負債の増加額は、名目GDPの増加率より数ポイントは高いことが18年、途中でのリーマン危機という金融危機を挟みながら続いて、この負債の増加こそが世界の「金融的な資産のバブル価格」を生んできたのです。

返済と利払いが必要な負債が、1年プラス6.5%で負債が増え続ければ、必ず達する臨界点にきた前後には、金融的資産のバブルは崩壊する宿命にあることです。

(1)1990年は、日本5年で5倍になった資産バブル崩壊でした。
(2)10年後の2000年は、米国の11年間で13倍になったドットコムの株価バブル崩壊、
(3)8年後の2008年は、米国の10年で2倍に上がった住宅の下落からの、サブプライムローンの下落がデリバティブの証券化商品の全面的な崩壊に波及したことからの金融危機(リーマン危機)でした。

そのリーマン危機から10年目の2018年は、世界で250兆ドル(2京7,500兆円)というイマジネーションを超える金額の負債が世界の金融的な資産の高騰を生んでいます。

このバブルが崩壊すると、貸し手の中央銀行と銀行の不良債権になり、今度は全世界的な金融危機にも至るでしょう。

〔「時期」だけの問題〕
その年度、時期がいつかというだけです。負債の増加と金融的商品の価格上昇が続くと、価格が上がり過ぎたという原因から、金融危機に至ることは確定しています。〔早ければ2020年、遅くとも2022年〕


米国のこれからの懸念は、対外負債と株価のバブル

<増え続けている対外負債の問題>

米国についていえば、まず、2017年に36兆ドル(3,960兆円:日本の政府負債の3倍)を超えた対外負債です。これは、2017年からのトランプ減税、2019年度予算で500億ドル増える予定の軍事費(8,500億ドル)、増え続ける社会保障費(公的年金+公的保険の医療費)から、毎年、過去より大きな傾向で増えます。

米国の対外資産が26兆ドルなので、対外純負債は10兆ドルです。しかし、これは2018年の米国の利上げによる金利上昇で、海外からの債権引き揚げがおこっています。

2018年度、19年から米国の対外純債務は、年1兆ドルを超える増加になるでしょう。以下のサイトに、正確な、米国の対外資産と債務の総体の数字があります。他は、タックスヘイブンから負債(米国債と株式投資)が入っていません。

この対外債務が問題なのは、増える一方であることです。米国債と米国株を買って、米国に貸す第一は日本です。

日銀の異次元管緩和による円国債買いの代金は、金融機関の現金になり円国債を売った4大メガ銀行、GPIF(公的年金の運用:151兆円:18年12月末)、郵貯(資金量約180兆円)、かんぽ保険(同80兆円)は、その円をドルに換えて米国債、米国株を買い増して運用しています。問題は、これをいつまで「前年比で増やして」続けることができるかです。

日本からのドル買い、ドル国債買い、ドル株の買いが減ると、ドル安になり、金利は上がって、米国の株価は下がります。

中国は3.4兆ドルの米国債を外貨準備として持っていましたが、すでに2018年の輸出が大きく減ったことからのドル売りによって、これを3.1兆ドルに減らしています。

大きなドル買いができるのは日本と中国ですが、これが危うくなっています。これが、米国を対外デフォルトに向かわせる要素になってきたのです。(2020年から2022年)

米国は過去、
・1871年の金・ドル交換停止による、FRBの金の引き渡しのデフォルト(金兌換のドルは、金を渡すという約束手形です)
・1985年のプラザ合意による、ドルの1/2への切り下げという形をとった、ドイツと日本への1/2デフォルトを経験しています。ドルの切り下げは、ドイツと日本のドル資産を、1/2に減らすというデフォルトです。

2020年から2022年も、米国の対外デフォルトの可能性が、日本と中国のドル買いの減少から起こる可能性が高くなっています。

米国は新興国のような、対外負債超過の国です。対外負債が超過している国は、
・海外からのその国の、通貨の買いの、前年比での減少、
・または、海外がもつドル資産の売りの超過で、あれ?と思うくらい簡単にデフォルトになります。

トランプの方法は、借金で買った不動産で3回行った借金の踏み倒しです。不動産はもったまま、債務を返さず、利払いもしないという方法です。

借金の金額が数千億円を超えると、トランプが破産すれば貸した銀行も連鎖で破産するので、やむなく追い貸し(追加の貸し出し)をして、銀行が毎年、資産を失っていくのです。


自社株買いによって、上げてきた米国株の問題

内部では、時価総額が3,000兆円の株価資産の崩壊です。3,000兆円は企業の金融資産、株主の金融資産、金融機関の金融資産になっています。2018年秋(10月から12月)のように20%下がると、600兆円が失われます。FRBのパウエルは、この株価下落を見て不安になり、2019年に予定していた3回の利上げと、国債の売りを停止しました。この2つとも、株価を下げた要素になっていたからです。

ところが、重要なことをいえば、18年秋の20%下落は18年の自社株買い1.2兆ドル(130兆円)にもかかわらず起こったことでした。高所恐怖症にかかっていた投資家の売りが大きかったからです。

幸い、FRBの3回の利上げと国債の売りの停止を好材料として、3回の利上げと国債の売りを織り込んでいた株価は20%戻しています。

社債の発行(借金)で行うものが多い自社株買いは、「借金の自社株買いで、買った以上に株価を上げる」ことがないと行えません。株価が上がらないと、社債の借金を増やしただけになり自己資本比率は下がって、CEOは株主から首をきられるでしょう。従業員と同じファイアです。

金融資産の60%以上が株価である社会の米国では、株価を下げるCEOは、存在が難しくなります。日本で言えば、個人の預金を減らした銀行と同じだからです。米国世帯の60%は株をもち、個人金融資産の60%が株だからです。

問題は、2019年に前年並みの1.2兆ドル(130兆円)の自社株買いが行えるかどうかです。最大限でも、1兆ドルをこえることは無理でしょう。株価が思うように上がらず、0.8兆ドルに減る可能性も高い。

2018年までの8年間、主導因が自社株買いだった米国の株価の下落の可能性は、今年の秋からでしょうか。もちろんこれも確率的な可能性です。

次回の、世界的になることが必然の金融危機でのもっとも大きな問題は、10年でふくらみきったB/Sをかかえしまった米・日・欧・中の4大中央銀行が、下がった債券や株を買い上げて、マネーを銀行に供給する「信用の余力」が乏しいことです。

このため、仮にこの金融危機が起こったとき、その先がどうなるか、いまは不明瞭。奈落か、あるいは4大中央銀行がペーパーマネーを1,000兆円増発しても、通貨を下落させない方法はあるのか。淡路の夕日を眺めながら、夢想したことでした。
https://www.mag2.com/p/money/668681

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投資家ジム・ロジャーズ
PHP Online 衆知(Voice) 4/22(月) 11:58配信


「歴史を振り返れば、貿易戦争がプラスに働くことなどない」

――(大野)2018年夏、米中両国は互いの製品の輸入関税を引き上げ、以来、熾烈な貿易戦争を繰り広げています。その影響をどう考えますか。

【ロジャーズ】じつに愚かな措置です。貿易戦争から、勝者は生まれません。どの国にとってもマイナスになるのです。貿易戦争をしている当事者はもちろん、他の国まで苦しむことになる。日本も巻き込まれ、悪影響を受けるでしょう。

トランプ大統領はアメリカが貿易戦争に勝つと思い込んでいるようですが、それは間違っています。彼は、自分は歴史より賢いと思っているのだろうか。

歴史を振り返れば、貿易戦争がプラスに働くことなどないとわかるはずなのですが……。

――日本には「米中の仲介役を果たせ」という意見もありますが、貿易戦争の悪影響を軽視してきた面があります。

【ロジャーズ】経済危機というのは、1日や2日で起きるものではないのです。経済に実際に影響が与えられるまでには、時間がかかるということです。下げ相場は、たいていそのようにして起きます。

2008年は、リーマン・ショックで世界中がひどい下げ相場になった年でした。2007年4月、サブプライムローン業界2位のニュー・センチュリー・ファイナンシャルが破綻。

さらに同じ年の7月、格付け機関が住宅ローン担保証券を一気に格下げ。10月には、投資銀行大手のメリルリンチで、CEOが経営悪化の責任を取り辞任しました。

それから半年後の2008年5月、アメリカの大手投資会社ベアー・スターンズが破綻し、人びとは何かがおかしいとざわつき始めたのです。

そしてその4カ月後、2008年9月にあのリーマン・ブラザーズが破綻し、それでようやく誰もが気付いたのだ。「大変だ!何か大きな問題が世界で起きている」と。

危機というのは、いつもこのようにして起きます。誰も気付かないようなところで初動が起き、それが雪だるま式に大きくなっていくのです。そしてテレビで報道されたときに初めて、「何か大変なことが起きている!」と多くの人が知ることになります。

――経済の先行きを悲観的にみているわけですね。

【ロジャーズ】歴史的にみると、どの下げ相場も誰もが知らないところで始まり、最終的に多くの国が破綻しています。

ここ数年で起きた出来事はすべて、もうすぐ甚大な経済問題が起きることを意味しています。リーマン・ショックから約10年が経ったいま、いつ何が起きてもおかしくありません。

アメリカの株式市場は、2009年3月に底を打って以降、10年近く上昇を続けている。これは史上2番目の長さです。歴史を学んでいれば、現在のアメリカの上昇相場がいつか必ず止まるということは、誰にでも予想できるでしょう。

アメリカの中央銀行(連邦準備制度理事会)の前議長ジャネット・イエレン氏は、「経済問題は2度と起きない」と断言した。

もし彼女の言うことを信じるのなら、私の言葉を聞く必要はありません。しかし、いつか彼女が愚か者に見えるときが来るでしょう。

次に起こる経済危機は、われわれの人生で最悪のものになるでしょう。その危機から脱出できる人は、そう多くはない。それほど深刻で破壊的な危機が、いま目の前に迫っているのです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190422-00010000-voice-bus_all


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5月開催の米中通商協議をきっかけに米株市場は調整へ?FRBはいつも対応を間違える=藤井まり子 2019年4月22日
https://www.mag2.com/p/money/669291


5月の初旬から中旬にかけて行われる米中通商協議は、マーケットの期待を大きく裏切ることになりそうです。これ以降、米株市場は大きな調整に入るでしょう

米株市場に近づく調整の影、日本市場はその時どうなる?

インフレを警戒して利上げをやりすぎた疑い

トランプ減税が行われたので、2018年のアメリカは過熱気味になり、インフレが巻き起こりそうになりました。2018年のパウエルFRBは、インフレを警戒するあまり、利上げをやり過ぎた疑いがあります。

パウエルFRBが「0.50%の利下げ」を行わない限り、今後ともアメリカ経済は減速してゆくことでしょう。

加えて、5月初旬から中旬にかけて、米中通商協議が合意されそうです。この合意内容は、マーケット期待を大きく裏切るものになることでしょう。

イールドカーブがいびつになって、極限までフラット化しています。すなわち、近い将来のアメリカ経済の「さらなる減速」を予測しています。


長期金利も2.50%台にまで低下しました。これは低下のし過ぎです。一部のマーケット関係者は「ゴルディロックスの再来」と楽観して、マーケットが溶け上がっていますが、長くは続きません。調整は近いでしょう。

ただし、「逆イールド」が3か月以上継続して発生したわけではないので、パウエルFRBが利下げへと動きさえすれば景気後退も起きませんし、30%以上の暴落も回避できるでしょう。

震源地はアメリカFRBと米中貿易協議

消費増税先送りの「観測記事」が出たので、日本株式市場の下落幅は小さくなるだろう。最も大きく下落するのは、アメリカ株式市場だろう。

2018年で学習したように、「溶け上がった(メルトアップ)」の後のグローバル株式市場では、「溶け下がり(メルトダウン)」が待っています。では、どこまで「溶け上がる(メルトアップする)」のか?

兼ねてから繰り返しお伝えしておりますように、S&P500は昨年秋に記録した史上最高値:2,940ポイントを上回ることはあるかもしれませんが、これを大きく超えて上回ることは無いでしょう。これくらいしか分かりません。

5月1日のFOMCでは、パウエルFRBはマーケット期待には応えられないでしょう。5月初旬から中旬にかけて、米中通商協議での合意は、マーケット期待を大きく裏切るものになるでしょう。

グローバル株式市場での大幅調整は近いでしょう。「12月の大虐殺」を上回るものになると予測されます。30%以上の暴落は起きないでしょう。

安倍自民党政権が「消費増増税先送りの解散総選挙」に打って出る可能性が大きくなっています。昨日4月18日から観測記事が広く流されています。

プラチナウィーク前の日本株式市場は上がることはあっても、大きく下がる可能性は低いでしょう。プラチナウィーク中に海外株式市場が荒れ始めても、この「観測記事」は「出遅れ気味の日本株式市場」への影響をかなり減らせます。

実際の「消費増税先送りと解散総選挙」の発表は5月20日以降か、あるいは、7月1日以降。

春から夏にかけての「大幅下落」の「震源地」は、アメリカ経済でもなく、明確に「アメリカFRB」と「米中貿易協議での合意」です。アメリカ株が最も大きく下落することでしょう。

「12月の大虐殺」でもそうでしたが、VWO(新興国株)の下落はアメリカ株の下落ほどではないだろう。

TOPIXも既に「観測記事」が流れ始めたので、アメリカ株よりも下落幅が小さくなるでしょう。

今はキャッシュポジションを厚めにしてゆこう。

夏から秋にかけて「新しい株式ブーム」が始まる可能性が高い。「新しい株式ブーム」は、ITバブル真っ青の「大型バブル」へと成長する可能性もあります。


この夏から秋にかけて、ビックチャンスが訪れることでしょう!


溶け上がる内外の株式市場では、調整は近い!

夏から秋にかけて「新しい大型バブル」が生成する!内外の株式市場が「溶け上がって(メルトアップ)」しています。

2018年で学習したように、「溶け上がった(メルトアップ)」の後は「溶け下がり(メルトダウン)」が待っています。


では、どこまで「溶け上がる(メルトアップする)」のでしょうか?

兼ねてから繰り返しお伝えしておりますように、S&P500は昨年秋に記録した史上最高値:2,940ポイントを上回ることはあるかもしれませんが、これを大きく超えて上回ることは無いでしょう。実際に、この程度の「ざっくり感」しか予測できません。

テクニカル的にも、アメリカ株式市場は「三尊天井」を形成しそうです。

5月初旬から中旬にかけて、米中通商協議はとりあえずの合意に至るでしょう、トランプ大統領はその時は自国民に向けて「勝利宣言」を行うでしょう。


しかしながら、その合意の中身はマーケット期待を裏切るものになるでしょう。

米中貿易協議では、トランプ政権は、目先のアメリカ株の大幅下落には目をつぶってでも、「長期的なアメリカの国益(知財や安全保障)を守る」スタンスも採るだろう。

米中通商協議の合意の行方について、マーケットはトランプを小馬鹿にして「株式市場に優しい結果」を予測していますが、それは楽観のし過ぎです。近いうちにこういった楽観は大きな失望へと転じることでしょう。

たいていのシンクタンクの予測は、「米中通商協議で合意形成されるので、アメリカ経済およびアメリカ企業業績は年後半からV字回復」といったシナリオに沿っていることに、私たちは注意すべきです。

消費税先送りの解散総選挙に売って出る可能性

安倍自民党政権が「消費増増税先送り」の解散総選挙に打って出る可能性が五分五分よりもずっと大きくなっています。

貞子ブログでも記しましたが、4月18日から「消費増税先送りと解散総選挙」の観測記事が広く流されています。

4月21日の衆院大阪12区補欠選挙では、勢いに乗って、消費税反対の維新が勝利しそうです。

21日に維新が勝てば、安倍自民党政権も遅かれ早かれ「消費税増税先送りと解散総選挙」へと打って出ざるを得なくなるとの、観測記事が今から流されています。

ただし、あくまで「4月21日の補欠選挙で維新が勝てば」の仮定です。

4月21日の衆院大阪12区補欠選挙で維新が勝てば、プラチナウィークが始まる直前までは、日本株式市場は上昇気流に乗ることでしょう。プラチナウィーク前の日本株式市場は、上がることはあっても大きく下がる可能性は低いでしょう。

プラチナウィーク前の「観測記事」は、プラチナウィーク中の「天皇退位と新天皇即位」の「祭典」への「不敬」には当たりません。

プラチナウィーク中に海外株式市場が荒れ始めても、「観測記事」は日本株式市場への影響は減らすことはできます。安倍自民党政権もよく考えたものです。

実際の「消費増税先送りと解散総選挙」の発表は、5月20日(=「日本の第一四半期のGDP成長率」が発表される!)以降か、あるいは、7月1日(=日銀短観が発表される!)以降のようです。

これで、次の「グローバル規模での大幅調整」からは、「日本株が最も大きく売り崩される」という可能性は低くなりました。

春から夏にかけての「大幅下落」の「震源地」は、アメリカ経済でもなく、明確に「アメリカFRB」と「米中通商協議での合意」です。ですから、アメリカ株が最も大きく下落することでしょう。

「12月の大虐殺」でもそうでしたが、VWO(新興国株)の下落はアメリカ株の下落ほどではないだろう。TOPIXも既に「消費増税先送り」の観測記事が流れ始めているので、アメリカ株よりも下落幅が小さくなる。


各自、基本に戻って、「30%弱くらいの一時的な評価損」に耐えられる範囲まで、ポジション圧縮してゆこう。今はキャッシュポジションを厚めにしてゆこう。


アメリカの株式専門家の多くが

夏から秋にかけて「新しい株式ブーム」が始まる可能性が高いので、決してゼロポジションにはしないように。(新しい株式ブームに乗り遅れたら目も当てられません)

春から夏にかけて「株式ブーム」は一旦は終わるものの、夏から秋にかけてに再び「新しい株式ブーム」が始まることでしょう。この「新しい株式ブーム」は、ITバブル真っ青の「大型バブル」へと成長する可能性もあります。


さて、アメリカ国内でこれほど多くの専門家が警戒して待ち構えている「大幅調整」というのも、とても珍しいです。

ガンドラックしかり、ウィークしかり、シーゲル博士しかり、シラー博士然り、エラリアン然り…。多くに投資家たちがキャッシュポジションを厚くして「次の大幅調整」を待ち受けているわけです!

やはり、アメリカのプロフェッショナルたちは、みんな、トランプほど赤裸々には口には出さないけど、パウエルFRB議長に「0.50%の利下げ」を強く望んでいるのだろう。

みんなして、今度こそ「大型バブルの到来」を切望しているのだろう。


「今回のアメリカの株式ブーム」に乗り遅れていた人は、この夏から秋にかけて、ビックチャンスが訪れることでしょう!

今現在のアメリカ株式市場は、「ITバブル前夜の1998年夏から秋にかけてのロシア通貨危機時の時」の状態にかなり近い。(利下げの原因は違うけど…)

FRBはしょっちゅう間違えている!

この秋、2020年に向けて「大型バブル」が発生するかもしれない。アメリカFRBには「金融緩和」のDNAが脈々と流れている。

「FRBは間違えてもよいのか?」という質問がありました。ことパウエル議長に限らず、アメリカの歴代FRBは、けっこう頻繁に間違えますし、間違えてきました。

一時は、「アメリカ経済を繁栄へと導いた神」とまで崇め(あがめ)られたグリーンスパンこそは、しょっちゅう間違えていました。

彼は、90年代前半は金融の引き締めをし過ぎた結果、94年から中南米危機を招いています。中南米危機はその後97年にはアジア通貨危機へと飛び火、このアジア通貨危機は最後の98年にはロシア通貨危機にまで飛び火して、最後はアメリカ本土を襲います。

(当時は、まだ「のどかな時代」で、新興国通貨危機が「弱小の新興国」から「大国の新興国」へ伝播するまで、およそ3年〜4年の年月が必要でした。今現在はアルゼンチンやベネズゥエラの弱小国がおかしくなってから大国のトルコや中国に飛び火するのに1年もかからなくなっています)

幾度もお伝えしておりますように、グリーンスパンは、「ロシア通貨危によるLTCM破たん」が引き金になって、98年9月から12月にかけて政策金利を引き下げます。計3回、0.75%もの引き下げです。

この引き下げは下げ過ぎだったので、その後「巨大ITバブル」を形成します。

この「巨大ITバブル」崩壊後、やはりグリーンスパンは低金利を確信犯的に長く維持して、その後、サブプライムバブルを形成させます。

グリーンスパンの後継者であるバーナンキは、サブプライムバブルが起きているのに気が付くのが遅れて、利上げが後手後手に回っています。

かくして、歴代のFRBもしょっちゅう間違えていました。

そして、アメリカ中央銀行には、グリーンスパン以来、なにかあったらすぐに「金融を緩和気味にする」DNAが脈々と流れています。

これは、1990年代後半から、アメリカでも物価が上がりにくくなったのが原因です。
https://www.mag2.com/p/money/669291

164. 中川隆[-10375] koaQ7Jey 2019年5月07日 07:15:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1721] 報告
トランプ大統領による対中関税発言
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53113010.html
2019年05月06日 在野のアナリスト

トランプ米大統領が突如「中国の交渉は遅い。関税は25%に上がるだろう」とTweetし、世界的に波紋が広がります。今はまだブラフですが、一度でも口走ってしまえば後戻りは難しい。米朝交渉も同様ですが、トランプ政権の交渉術は1か0ではなく、+10か-100か、です。交渉に成功すると米国が得るものも大きいですが、失敗すると米国の損失は桁外れに大きくなる。強気を支持にむすびつけるため、安易な妥協もできず、かといって高めに放たれたボールは、米国にも大量の返り血を浴びせることになります。

トランプ氏はFRBに利下げを要求しますが、仮に中国製品に25%の関税をかけると、米国のインフレ率は跳ね上がるでしょう。そうなるとFRBは利下げではなく、利上げに転じないといけない。先のFOMCでFRBは利下げではなく、様子見を決めた。インフレ率の落ち着きは一時的、との認識を示し、米株や為替相場にも影響を与えましたが、インフレ率の上昇が利下げを織りこんでいた市場に大量の冷や水を浴びせるでしょう。

むしろ、中国の交渉術としては「米中交渉が上手くいく」で米株を買っておいて、上手くいかなくなったら売り浴びせればいい。そうするとトランプ政権は慌てて、対中交渉をまとめようとするでしょう。株価を成果とするトランプ政権にとって、それが痛撃だからです。今の株価は上がるから買う、買うから上がる、という循環しか働いていない。金余りで、それ以外のことが見えなくなっているのですが、急落により何十兆$が吹っ飛んだ、と報じられることがあるように、金余りの解消は一瞬です。相場が一斉に下落すると、ばらまいた金が紙くずどころか、露と消える。中国がその引き金を引くのかもしれません。

そこまでいけば死なばもろとも、となるでしょうが、交渉材料としてダウを数千$下落させるぐらいなら、世界経済へのダメージも少ない。何しろ、この環境で最高値圏にある米株は明らかに高すぎる。米中貿易協議が上手くいき、世界経済はさらに成長する、というシナリオを覆すだけで数千$の下落もストーリー的に成り立ってしまう。そしてそれはトランプ政権を痛撃するのですから、中国の対米交渉の一つの手段に、米株を操作する可能性もでてきてしまう。そして今や中国に、それだけの力があるのが問題です。

そもそも折り合いがつかない、とされる補助金ですが、米国とて5G の覇権を握るために補助金をだすとの報道もある。日本だって研究開発費に政府が金をだす。補助金は、実は世界的に行われていることであり、中国だけ規制するのはおかしな話です。その規模に関しても、何をどこまで政府主導ですすめるか? によっても変わってくるでしょう。結局、この話が折り合うことはない。それは国の政策として当たり前に行うことを規制するのですから、主権を放棄するのと同じです。それは米朝交渉でも同じで、他国なら規制もなく行えるミサイル実験を、安保理決議に違反するとして北朝鮮には禁止する。米国の示す条件を北朝鮮が受け入れれば、米国は大勝利ですが、それは北朝鮮が主権を放棄するのと同じことなのです。

果たして、今はトランプ氏もブラフでしょうし、市場が動揺すれば見直しがかかるかもしれませんが、米中協議がそう簡単に解決することはない、という認識が広がったことが、今回最も懸念される問題となるのかもしれません。市場には冷や水かもしれませんが、米中経済頼みの日本だけは、この動きによって煮え湯を飲まされることになるのかもしれませんね。

165. 中川隆[-10370] koaQ7Jey 2019年5月09日 15:50:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1730] 報告
日銀が上場企業の5割で大株主の異常さ。株価が下がれば日本は大変なことになる
2019年5月9日
https://www.mag2.com/p/money/675463


日本の資本市場において、日銀の存在感が大きくなっています。現在は東証1部の時価総額の6%超を保有していると見られ、最大の株主である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を上回る計算になります。(『らぽーる・マガジン』)


日経平均の実態は1万3,000円?業績が悪い企業も株価は下がらず

年金を追い抜いて日本株の筆頭株主に

日本の資本市場において、日銀の存在感が大きくなってきています。

「デフレからの脱却」という旗の下、物価目標2%達成に縛られた日銀は、株価を押し上げることで物価を上昇させることを目的に、金融緩和政策の一環として、国債買い入れに加え、世界でも例を見ないETF直接購入に踏み切りました。

とにかく景気の下支えを最優先に、なんとしても株価を押し上げたいという思いで、日本市場場中で株価が下落したら、後場に日銀によるETF買い出動が繰り返されてきました。

投資家も、前場株価急落となれば、後場での日銀の買いを期待して、あえて逆張りで買う動きが見られました。「日銀プレー」と呼ばれるものです。


日銀は2015年からETF買い付け額を増やし、いまや年間6兆円ものETFを買っています。現在の年間6兆円ペースでの買い取りは2016年8月からで、2015年は年間3兆円でした。

日経新聞の記事によれば、日銀の保有残高(時価ベース)は3月末時点で28兆円強となり、東証1部の時価総額の4.7%に相当、さらに、日銀が同じペースで買い続けると仮定すると、20年11月末には約40兆円に増えます。

現在6%超を保有すると見られ、最大の株主である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を上回る計算になります。

日銀が上場企業の5割で大株主

ETFは東京証券取引所に上場している銘柄で構成されていますので、ETFを購入することで、それぞれの構成銘柄(企業)の株主になることになり、この結果、日銀が上場企業の5割で大株主となることになります。

日経新聞記事によれば、日銀が筆頭株主になっている企業上位10社は


1.日東電工(実質保有比率15.3%)
2.ファナック(同12.7%)
3.オムロン(同12.5%)
4.日本ハム(同12.2%)
5.宝HD(同11.7%)
6.東海カーボン(同11.0%)
7.安川電機(同10.3%)
8.サッポロHD(同8.0%)
9.ユニチカ(同6.7%)
10.京王電鉄(同6.3%)


いずれも今年3月末時点の時価ベースですが、これ以外にも上位10位以内の株主(「大株主」と呼ばれます)基準では3月末時点で、上場企業の49.7%と半数で日銀が大株主となっています。


日銀に歪められた株式市場

通常、赤字経営とかキャッシュフローが悪いとか、悪材料の銘柄は買わないというのが「普通」の株式投資ですが、日銀の場合、個別銘柄選択ではなくETFを購入しているので、ETF構成銘柄であれば、赤字だろうが何だろうが関係なく購入することになります。

それゆえ、通常の「悪い企業は株価が下がる」という現象が起こりづらくなっているのが、正常な株式市場という観点からは「異常」と言えます。


日経新聞は、東証1部では過去10年間で5回以上赤字を計上した企業は計54社にのぼり、新日本科学など赤字の回数が8回に達した企業も存在することを指摘しています。

イメージとしてはETFは東証一部の企業を、ごそっとざるですくう感じと思ってください。すくったものを、購入者が細かく選別しているわけではないということです。

ただ単に、株価指数が上がればよいという感じですかね。これが後々、日本市場にとっては「怖い」ことになりそうだと思っています。

海外投資家が売れば日銀が買い支える

2018年、海外投資家は5兆7,488億円売り越しています。これに対して日銀は6兆5,040億円買い越しています。銀行や生保、個人も売っていますが、それを買い戻しているのはおそらく年金(給与所得者の将来の厚生年金等)だと思われます。


2017年は個人が5兆7,934億円と大きく売り越しているのに対し、日銀が5兆9,033億円買い越しています。

どう見ても、株価を下支えするために、誰であれ市場で売られた分を日銀が買い戻すことで、株価をなんとか維持させているという構図となっているようです。

いまの日本市場における数字は、実は実勢価ではなく、実体をともなわない虚構ではないかとも言いたくなりますね。

日経平均の実態は1万3,000円ぐらい?

現在日経平均株価が2万1,000円台をつけていますが、いろんな説があり実際の数字は分かりませんが、日銀や年金が買い支えなければ1万2,000〜1万3,000円ぐらいではないかという意見もあるようです。

もちろん1万2,000〜1万3,000円という数字は極端なのかもしれませんし、海外投資家が日本市場を買い支えているところもあり、日銀要素がどれだけいまの株価に反映しているのかはわからない部分も多く、株価への影響は限定的という意見もあります。

ただ、日銀がETF買いをやめるというアナウンスが出れば、投資家心理に大きな影響を及ぼすことは確かで、そのときの株価状況や経済状況では、大きく株価が下落することも考えられるのではないでしょうか。

このまま日銀が永遠にETFを買い続けることができるとは到底思えず、もし日銀がETF購入をやめたとしたら、日本の株価は一体どうなるのでしょうかね。


いま投資家の間で流行っている、前場急落の後場買いという「日銀プレー」はどうなるのでしょう。


今後株価が下がれば大変なことに…

株安局面に転じて日銀の自己資本が毀損する事態になれば、通貨の信認も揺らぎかねない…。

日銀の雨宮正佳副総裁は3月に国会で「日経平均株価が1万8,000円程度を下回ると保有ETFの時価が簿価を下回る」との試算を示したそうです。


日経平均株価1万8,000円以下、いまが2万2,000円強ですから、あと4,000円強の幅、これを余裕と見るのか危険と見るのか…。

いずれにしても、将来の景気後退局面などで含み損が発生する可能性はゼロではありません。

満期を迎えると償還する国債や社債と違い、ETFには満期がありません。

残高を減らすために、もし市場に売却するなら、株価の下落を招かないように長い時間をかけて慎重に売却していくのでしょうか。それともそのまま「塩漬け」にしておくのでしょうか。


企業に新株を発行させ、日銀は証券会社経由で企業に発行数の株を引き渡す、企業は資金調達ができない、単に株数を増やすだけになる…。

これならマーケットの日銀保有株が流出しない、マーケット下落には繋がらないというスキームを聞いたことがありますが、果たしてどうなのでしょうね…。

166. 中川隆[-10372] koaQ7Jey 2019年5月10日 01:13:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1728] 報告


ガントラック氏 株式市場の弱気相場はまだ続いている
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年5月9日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8237

昨年の株安を予想し的中させた債券投資家のガントラック氏がCNBC(原文英語)の記事で弱気相場が継続していることを主張している。その内容が投資家にとってなかなか重要なものであるのでここで紹介したい。

米国株は本当に世界最高値を取り戻したのか?

先ず、世間の認識では米国株は2018年10月に始まった世界同時株安の後、Fed(連邦準備制度)のパウエル議長が利上げの撤回と量的引き締めの段階的停止を決めてから反発し、昨年10月の高値を乗り越えて世界最高値を記録したということになっている。金融関係者が一般に米国株の指標として用いるS&P 500のチャートは次のようになっている。

しかしガントラック氏はこれに異議を唱えている。


市場はこの15ヶ月間どこにも行っていない。人々はこれを機関車がのろのろと前に進んでいるようなものだと思いたがっているが、NYSE総合指数を見てみるといい。NYSE総合指数は一番巨大な指数だから、一番重要だと思っている。

NYSE総合指数はニューヨーク証券取引所に上場する普通株すべてを含む指数であり、2000銘柄以上を包括している。S&P 500やダウ平均(30銘柄を含むに過ぎない)よりも市場全体を表す指数であると言える。そしてNYSE総合指数のチャートは次のようになっている。S&P 500と比べると面白いだろう。

ガントラック氏は次のように続けている。


NYSE総合指数は2018年1月に天井に達した後、10月にもその高値を奪回することなく、そして今回はその10月の高値にも達することが出来ないまま、また下落している。

この指摘は非常に興味深い事実を指している。米国株全体の天井は2018年10月ではなく、1月なのである。中国株など新興国市場だけが2018年初めに天井を付けたわけではなく、米国株も同じように一年半前に天井に達していたのである。

下落が続いているということが、それが今後も続くという保証になるわけではない。しかし投資家にとって重要な事実は、株式市場全体が下がっているにもかかわらず、指数に採用された一部の銘柄だけが上がり続けているという歪んだ構造はバブル末期に見られるものであり、そしてその歪みはパウエル議長が利上げを撤回した後もどうやら直ってはいないということである。もしそれが直っているならば、ここ数週間でS&P 500が史上最高値を奪回した時に、NYSE総合指数も昨年10月の高値を奪回していても良かったはずだからである。しかし指数と市場全体のねじれ構造はまだ続いている。

ここの読者は覚えているだろうが、わたしが昨年10月の世界同時株安を事前に予想した時に根拠の1つとして挙げたのは、日本株でも日経平均だけが上昇し、JASDAQなどの小型株指数は下落を続けていたことだった。以下の記事で説明している。
•日本の株式市場の崩壊はもう始まっている (2018/7/31)

そしてそのねじれは今も続いている。数日前まで日経平均はいまだにTOPIXが大して上がらない状況下で上昇しており、TOPIXと比較して日経平均がどれだけ上がっているかを示すNT倍率はパウエル発言後に高騰している。そしてその大部分はファーストリテイリング1銘柄の上昇に依存しているのである。指数だけが持ち上げられ、市場全体は下落している状況は、市場全体に資金が不足していることを示している。

パウエル議長が利上げを停止し、量的引き締めを秋には停止すると宣言したとき、世界同時株安を食い止めるために重要なのはそれで市場からの資金流出を食い止めることが出来るかどうかだった。投資家はその答えを徐々に手にしているようである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8237

167. 中川隆[-10314] koaQ7Jey 2019年5月12日 09:43:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1797] 報告

世界経済を米中に2分し中国側を勝たせる
2019年5月10日   田中 宇
http://tanakanews.com/190510china.htm


トランプ大統領の米国は、5月11日から中国の対米輸出品への懲罰関税を引き上げる。米国と中国の貿易交渉は今後も続けるので、正式な「交渉破談」ではないが、米国はしだいに中国に厳しい態度をとるようになっている。米中交渉の破談は世界的な株価の暴落を引き起こすので、トランプは、正式な破談を宣言しないものの、かねてからやりたかった経済面の中国敵視を強めている。この傾向は今後さらに強まる。 (Trump says tariffs an 'excellent' alternative to China deal) (Trump Says China Tariffs Will Increase as Trade Deal Hangs in the Balance)

トランプ以前の米国は、軍事外交面で、南シナ海や台湾、チベット、共産党一党独裁などの問題を口実に中国を敵視する一方で、経済面は、米企業の儲けを増やし米国債を買い支えてくれる中国を大事にし、自由貿易関係を維持してきた。米中関係は「政冷経熱」の傾向だった。トランプは、従来の体制を破壊し、経済面で、中国のホアウェイなどネットワーク機器メーカーが米国の国家安全を脅かしているとか、中国の貿易慣行が不公正だと主張し始め、米国と同盟諸国が中国に対する経済面の不信感や敵視を強めるよう仕向けている。トランプは、米中を「新冷戦」の状態に追い込んでいる。 (East Asia’s decoupling)

世界経済は冷戦後、米国を中心に世界が一体的な状態(米経済覇権体制)を続けてきた。トランプの「米中新冷戦」は、この一体性を壊し、世界経済から、中国とその影響下の国々を除外し、世界経済を米国側(米国と同盟諸国。米欧日など)と、中国側(中国と非米・反米諸国)とに二分(デカップリング)して、米国側が中国側を敵視する戦略だ。この戦略はトランプの気まぐれでなく、来年トランプが大統領に再選された後までずっと続く。トランプが、中国ときちんとした貿易協定を結んで米中が和解することは今後もない。逆に、米国の経済面の中国敵視が強まっていく可能性が非常に高い。 (Bannon: We're In An Economic War With China. It's Futile To Compromise) (Day one of decoupling? The uneasy future of U.S.-China relations)

トランプの対中姿勢は表向き、米国のライバルで、一党独裁や人権侵害の問題を抱えている中国を経済制裁して封じ込める戦略だ。だが「世界の工場」であり「世界最大の消費市場」になっていく中国は、すでに世界経済の多くの勢力にとって、関係を切ることができない重要な取引相手だ。中国は、今後ますます重要な存在になる。それがわかっているので、同盟諸国は、トランプから「中国との関係を切れ」と言われても切ることができない。 (Decoupling the US from Asia)

トランプの米中新冷戦・世界経済の米中2分化は、始める前から失敗が運命づけられている。エリート系「専門家」からオルトメディアの分析者まで、みんながトランプの米中新冷戦は失敗すると忠告・警告しているが、トランプ政権は忠告を全く無視して米国と同盟諸国に中国との経済関係の断絶を強要してくる。 (US and China -- the great decoupling)

トランプは、英国など、中国のホアウェイ製のネットワーク機器を使い続ける同盟諸国に対し「機密が中国に漏れる恐れがあるので、ホアウェイを排除しない限り、諜報機関どうしの機密情報の共有をやめる」と警告を繰り返している。諜報共有は、米国の同盟体制の根幹だ。これはトランプの「覇権放棄」策の一つだ。 (America's Global Financial War Strategy Is Escalating)

加えてトランプは同盟諸国に、中国との関係を切れと言う一方で、米国との不平等条約的な貿易協定を結べと強要してくる。同盟諸国は、トランプに唯々諾々と従い続けると、経済面の国益がどんどん損なわれていく。今はまだ序の口だが、いずれトランプは、中国との関係を切らない同盟諸国を経済制裁するようになる。同盟諸国は、中国と米国のどちらか一方を選べと言われるようになる。 (As China Trade War Cools, Japan Braces for Its Clash With Trump) (中国でなく同盟諸国を痛める米中新冷戦)

従来のように、米国が圧倒的に世界最大の金融立国である状態が続く限り、同盟諸国は、中国より米国を重視する姿勢を続ける。だが実のところ米国の金融は、史上最大の金融バブル膨張の状態であり、このバブルの維持には、中国や同盟諸国が米国の債券を買い支え、ドルを基軸通貨として貯め込んでくれてきた状態が必要だった。米国のバブル維持の基盤には、米中の良好な経済関係と、同盟諸国が米国に協力する覇権体制が必要だった。トランプは、これらを破壊している。 ("Fasten Your Seatbelt" - Here's What Happens Next In The US-China Trade War) (米中どちらかを選ばされるアジア諸国)

今週から来週にかけて、トランプが中国に対する懲罰関税を強化すると、それが引き金になって米国中心の世界の株価が急落する可能性がある。トランプは最近、米連銀(FRB)に対し、これまでの金融引き締め姿勢をやめさせ、再緩和(再QE)に方向転換しろと圧力をかけ続けている。トランプは、中国への懲罰関税を強化して株価を意図的にいったん暴落させ、それによってFRBが再緩和への姿勢を強めざるを得ないように仕向けようとしている可能性もある。 (Peter Schiff: Did Trump Tank Stocks On Purpose To Force A Rate Cut?) (株はまだ上がる!?)

今後しばらくは、いったん株が暴落しても、また上昇傾向に戻る。当面、FRBが再緩和していくことによる金融市場への資金供給が続き、バブルは維持される。だが、その効果が切れると、米国のバブル崩壊・リーマン危機の再来が起こる。次のバブル崩壊時には、中国や同盟諸国からのドルや米国債券に対する買い支えが期待できない。米日欧の中央銀行は、リーマン危機以来の金融バブル延命策(QE)で疲弊し、次のバブル崩壊時にほとんど救済策を打てない。次のバブル崩壊は、ドルや米国債といった米国の覇権体制の基盤を壊すものになる。 (米国の破綻は不可避)

米国がバブル崩壊するなら、中国も同時に崩壊すると予測する人が多い。だが、米国がバブルを膨張させてきたこの数年間、中国は逆に自国のバブルを意図的に潰し続けてきた。中国当局がバブルを潰すので、中国がバブル状態であることが目立ち、中国を悪しざまに報じる傾向が強い米日などのマスコミが「中国はバブル崩壊している。もうダメだ」といった誇張報道を続けてきた。実際は、中国より米国の方がひどいバブル膨張の状態にある。米国のバブル崩壊は、中国にもある程度の悪影響を与えるが、中国の実体経済は再起できる。 (Trump’s China Brinksmanship) (中国の意図的なバブル崩壊)

米国経済は金融(バブル)に偏重しており、消費以外の実体経済が脆弱だ。対照的に、中国は製造業など実体経済が豊かで、きたるべき米国のバブル崩壊後、世界経済の中心は中国(とその傘下の一帯諸国)の実体経済になっていく。米国のバブル崩壊のプロセスはおそらく、トランプ政権の2期目(2024年まで)から、その次の政権(28年まで)にかけて起きる。トランプは、意図的にこのプロセスを発生させている。 (ドルを犠牲にしつつバブルを延命させる)

トランプの裏の意図は、世界経済を米中貿易戦争によって米国側と中国側に二分した後、巨大な金融バブルの崩壊を誘発して米国側を覇権ごと潰す一方、中国側の実体経済をできるだけ無傷で残すことで、米単独覇権体制とそれを動かしてきた軍産複合体を消失させ、世界の経済成長(バブルでない部分)を維持したまま覇権体制を多極化する「隠れ多極主義の戦略」にあると私は見ている。 (多極化の目的は世界の安定化と経済成長)
http://tanakanews.com/190510china.htm

168. 中川隆[-10456] koaQ7Jey 2019年5月16日 12:51:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1842] 報告
世界覇権の交代示す米中貿易戦争 戦後74年の米国一人勝ち終了 2019年5月16日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/11734


世界最大の貿易赤字国 VS 世界最大の貿易黒字国

 「合意寸前」と宣伝していた米中貿易交渉が暗礁に乗り上げ、アメリカ・トランプ政府は第4弾の制裁関税を発動する準備に着手した。アメリカが昨年7月以後に発動した「中国による知的財産権への侵害に対抗する制裁」の継続施策で、これまで対象外にしていた中国からの輸入品もみな制裁対象に加える方向だ。これを受け中国は「反撃措置をとる」と表明した。米中間の動向を反映して世界市場では株安の連鎖も始まった。米中間で一体なにが起きているのか、世界や日本の経済動向を踏まえて見てみた。

 トランプ政府は10日、「中国が約束を破った」と主張し第3弾で発動した中国製品(2000億j・約22兆円)分への制裁関税をこれまでの10%から25%に引き上げた。ライトハイザー通商代表が「基本的に残りすべての輸入品である約3000億j分についても、追加関税の手続きを始めるよう大統領の指示があった」と声明を出し、第4弾の制裁関税発動に言及した。

 13日には米通商代表部(USTR)が第4弾の制裁関税の詳細を公表した。スマートフォン、テレビやラジオ、服や時計など一般家庭で使う消費財を制裁対象に加え、約3000億j(約33兆円)分の中国製品に対し最大で25%の追加関税を課す方針を示した。米通商代表部は今後、公聴会などをへて数カ月後に発動する構えをとっている。

 中国はこの措置に対し「必ず報復する」と応じ、報復措置を明らかにした。中国は第3弾の追加関税の報復ですでに農産物や鋼材、電子製品など約5200品目に5〜10%の関税をかけている。この関税を6月1日から最大で25%に引き上げると表明した。中国側は、@追加関税の撤回方法、A中国による米国からの輸入拡大、B合意文書の表現、の3点が合意に至っていないと主張している。アメリカの「約束を破った」という主張には「まとめる前であり、どんな変化があろうとも自然だ」(劉鶴副首相)と反論している。

 この関税引き上げは、細かく見ると品目や関税率、発動時期などややこしい内容が絡むが、要するに世界最大の貿易赤字国であるアメリカが、世界最大の貿易黒字国である中国に「もっとアメリカの商品を買え。買わないなら中国製品の関税を引き上げる!」と脅しをかけ、中国側も「そんなことをするならアメリカ製品の関税も引き上げてやる!」と関税引き上げで対抗したということである。米中双方の思惑が絡みながら、昨年から米中間の関税引き上げ合戦が過熱している。

 だがアメリカ側の「関税引き上げ」は中国からの対米輸出総額(2017年=5056億j)の枠内に限られる。すでに第1弾(340億j)、第2弾(160億j)、第3弾(2000億j)を発動しているアメリカが今回、第4弾(3000億j)を発動すると、すべての中国製品が制裁関税対象になり、「いうことを聞かなければ制裁関税対象を拡大するぞ」という「恫喝カード」は今後使えなくなる。そのなかでトランプ大統領は13日、「中国は報復すべきではない−−(報復すれば)もっと悪い状況になる!」とツイートしている。中国側の対抗措置も第1弾(340億j)、第2弾(160億j)、第3弾(600億j)を発動しており、すでにアメリカからの対中輸出総額1304億jの9割に達している。

物価高騰やリストラ 最大の打撃は米国民に

 深刻なのはこの関税引き上げの応酬でだれが打撃を受けるのかという問題である。中国がアメリカに輸出する製品はスマートフォンやパソコン、家具、衣料品など多岐にわたっており、25%への関税引き上げはアメリカの国民生活を直撃することになる。アメリカではオーディオメーカーが小売店への卸売価格引き上げを表明しており、あらゆる中国製品に25%の増税がかかったような効果となる。

 さらにアメリカは世界第2位の大豆輸出国であり、世界最大の大豆輸入国である中国に大量の大豆を輸出している。この大豆輸出が関税引き上げで減ると農家への影響が大きい。そのためパーデュー米農務長官は、自国の農産物を買い増す方針を明らかにした。

 加えてアメリカから完成車を中国に輸出している自動車大手、アップルなどのように中国で作った製品をアメリカに輸出する大企業も影響を受ける。そのためアメリカの製造業界は「関税引き上げの対策」と称して、生産拠点の移転や人減らし、給与カットを中心とするコスト削減計画を具体化し始めた。トランプ政府は「中国を制裁する」と主張しているが、物価高騰や製造業のリストラでもっとも打撃を受けるのはアメリカの庶民である。それは中国も同じ事情で、中国国内で大豆が高くなればさまざまな大豆関連商品がみな値上がりすることになり、生活への影響は避けられない。そのほか米国向け家電の部品を中国企業に供給してきた日本の企業の売上が落ち込む懸念も出ており、日本経済も無関係とはいえない。

関税引上げや経済制裁 強硬手段が唯一の頼み

 そもそも米中貿易摩擦は、最近突如始まった問題ではない。第二次大戦以後、世界の盟主として君臨してきたアメリカの弱体化が進み、その対抗軸として中国が台頭する過程で矛盾が激化してきた経緯がある。世界の貿易総額は2000年初頭は13兆j(1430兆円)規模だったが、現在は2・5倍の約35兆j(約3850兆円)規模に膨れ上がった。世界の貿易額に占める国別構成比も様変わりになっている【グラフ参照】。

 2000年時点の国別構成比トップはアメリカで、15%以上のシェアを独占していた。このとき中国の占める割合は約4%で、アメリカが一人勝ちの状態だった。ところがそれ以後、アメリカと中国は真逆の推移をたどった。アメリカの貿易額が世界の貿易額に占める割合は急速に下降し、中国の存在感が増したからだ。中国の貿易額は2012年頃にアメリカを追いこし、2017年には4・1兆j(451兆円)に達した。アメリカの2017年の貿易額は3・9兆j(429兆円)となった。そして世界の貿易額に占める割合は中国もアメリカも12%前後で拮抗している。

 ところが、貿易総額(輸出額と輸入額の合計)は同水準でも貿易収支の内容はまったく異なっている【貿易収支のグラフ参照】。中国の貿易収支は2000年代初頭はプラスマイナスゼロの状態だった。それが乱高下をくり返しながら拡大していき、2015年には5930億j(65・2兆円)に達し、2016年には5107億j(56・2兆円)になり、世界最大の貿易黒字国になっている。

 他方、アメリカは輸出額より輸入額が圧倒的に多く、貿易収支は大赤字状態が続いている。しかも2000年代初頭の貿易赤字は5000億j(55兆円)程度の赤字だったのが2015年には7619億j(83・8兆円)の赤字に達した。2017年には8075億j(88・8兆円)の赤字となり、世界最大の貿易赤字国となっている。このアメリカの最大の貿易赤字相手国が中国であり、この貿易赤字解消を掲げて2017年1月に登場したのがトランプ政府だった。

 トランプは就任演説で「米国製品を買い、米国人を雇用する」「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」とくり返した。就任直後に発表した米通商代表部の「2017年通商政策の課題および2016年次報告」は、@通商政策でアメリカの国家主権を優先する、Aアメリカ通商法を厳格に執行する、B海外市場を開放するためあらゆるレバレッジ(テコの原理)を活用する、C主要国と新たなよりよい通商協定を交渉する、という4本柱を示した。

 この施策を実行するためトランプ政府は多国間交渉ではなく2国間交渉へ傾斜していった。多国間交渉になればアメリカの主張はなかなか通らない。多数決によってアメリカに都合の悪い施策が決まる恐れがあるからだ。そのため大統領就任直後に、加盟国が多いTPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱を表明した。同時に加盟国が3カ国(アメリカ、カナダ、メキシコ)のNAFTA(北米自由貿易協定)について再交渉開始を表明した。そして4月の日米対話を皮切りに、米中包括経済対話、米韓FTA(自由貿易協定)再交渉など、2国間交渉で強引な外交交渉を展開した。

 ところが一方的に要求を押しつけ、いうことを聞かなければ制裁するという対応では2国間交渉もまとまるわけがない。

 トランプ政府は登場以来、2国間取引でキューバへの制裁強化(17年6月)、ロシアへの制裁強化法に署名(17年8月)、イラン制裁に向けた新戦略発表(17年10月)、シリア空爆(18年4月)、ベネズエラへの石油禁輸(19年1月)など制裁措置と恫喝をくり返してきたが、従順に従う国はほとんどない。むしろ横暴な対応に対抗して徹底抗戦の力がより強力になっている。

 こうしたなかで強硬手段に訴えることしかできなくなったのがアメリカである。中国にはこれまで関税引き上げに加えて、南西諸島付近に軍艦や戦略爆撃機を行き来させる「航行の自由作戦」と名付ける軍事挑発行為を実施してきた。だが効果がないため、昨年8月にトランプが「国防権限法」に署名し、締め付けを強化した。それは「19年8月から米政府機関はファーウェイなど特定5社の機器・サービスの利用を禁止する。5社の機器を使った製品も利用を禁止する」「20年8月からは5社の機器やサービスを利用している企業との取引も禁止する」という内容だった。アメリカは新通信規格5Gの技術開発で中国に遅れをとっており、中国に5Gの根幹となる基地局市場を奪われることを恐れている。そのため今年3月にはカナダに要請し、ファーウェイの副会長を「イラン制裁違反」で拘束した。この延長線上で昨年から制裁関税を発動している。

 こうしたアメリカの対応から浮かび上がる事実は、実体経済のなかでアメリカの製品や商品がもはや国際競争力を失っている現実である。貿易収支を黒字に転化させるには、低コストで質の高い製品を作るとか、群を抜く高度な技術を用いた最先端の製品を売り出すなど、顧客がどうしても買いたくなる商品や製品を市場に送り込むことが大前提である。しかしアメリカの輸出品を見ると値段は安いが農薬まみれの農産物や、成長ホルモン剤を多用した牛肉、遺伝子組み換え食品が氾濫し、健康に及ぼす影響から欧州では輸入を禁じる国もある。家電製品や自動車などの技術力の低下も著しい。最新通信技術は中国などにシェアを奪われ、アメリカが「世界最高水準」を誇ってきた戦闘機や戦闘ヘリも頻繁に墜落事故を起こす状態になっている。

 このようななかで自国の製品を他国に売りつけるために編み出した方法が「対抗する国の製品を売りにくくする」ということだった。その具体的な方法として関税引き上げやアメリカとの取引停止など諸諸の制裁措置を実行している。それは強さのあらわれではなく、まともな商行為では相手にされないほど弱体化したアメリカの姿を映し出している。

 安倍政府はいまだに「バイ、アメリカン(米国製品を買え)」といわれれば、防衛予算を増額してミサイルや戦闘機を大量に買い込むことを決定し、日本の国家予算を湯水のようにアメリカに注ぎ込む対米従属外交を続けている。今回の関税引き上げをめぐって、アメリカのパーデュー農務長官が「自国の農産物を買い増す」と表明したとき、日本との農産物貿易交渉に言及し「日本と速やかに合意できる」と強調した。それは日本が「買い増した農産物」のはけ口にされる危険もはらんでいる。

 現在、アメリカによる制裁対象国は中国、ロシア、イラン、イラク、北朝鮮、スーダン、ジンバブエ、ベラルーシ、イエメン、ソマリア、リビア、コンゴ民主主義共和国、レバノン、シリア、ベネズエラなど10カ国以上に達している。アメリカが制裁を乱発することで、制裁対象国が勢力を拡大しアメリカの方が孤立を深めている。こうした世界情勢の変化は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の参加国が九七カ国・地域に達し、日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の参加国(六七カ国)を大きく上回っているのを見ても歴然としている。世界をめぐる情勢は大きく変動しており、対米従属に縛られた通商施策ではなく、日本の国益に立った独立外交・通商政策が不可欠になっている。
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/11734

169. 中川隆[-10455] koaQ7Jey 2019年5月16日 13:17:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1843] 報告
[2019 5 13放送]週刊クライテリオン 藤井聡のあるがままラジオ(KBS京都ラジオ) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3hwKNUWk3_c
170. 中川隆[-10289] koaQ7Jey 2019年5月20日 12:04:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2042] 報告


2019年5月20日
<号外速報>「内需冷え込み」による輸入急落が無ければ、名目成長率は「マイナス2・7%」です。
From藤井聡@京都大学大学院教授
https://38news.jp/economy/13663


今朝5月20日の午前、
政府からGDP速報値が公表されました。

1−3月期のGDPは、
経済の冷え込みからマイナス成長になるのでは、
との観測が支配的でしたが、
蓋を開けてみればなんと、年率プラス2・1%。

この「意外」な結果を受けて早速、
茂木大臣などは消費増税を行うと明言しています。
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKCN1SQ01O.html

しかし、今回のGDPプラス成長は、
「単なる見かけ上」の数字。


何と言っても、今回の成長に最も寄与したのが、
内需の拡大でも輸出の拡大でもなく、
「輸入の減少」だったからです!


具体的に言うなら、
名目値で言えば、102.9兆円もあった輸出が
94.7兆円へと8.2兆円も一気に急落。

この8.2兆円の急落が、見かけ上、GDPを押し上げたのです。
(統計上、輸出はGDPから「差し引く」項目なのです)


もしもこの輸入減が無ければ、
GDPはプラス成長どころか、
名目で年率マイナス2・7%になっていたのです!
(実質では年率マイナス1・3%)

ではなぜ、輸入がここまで急落したのかと言えば、
内需が冷え込み、日本人の購買力が下落したからです。


事実、消費も投資も下落しています。
https://this.kiji.is/502993738726098017

つまり今回のGDP成長は、
内需が冷え込み過ぎたあおりを受けて輸入が減り、
その結果、もたらされた
「単なる見かけ上」の数字に過ぎなかったのです。

統計はあくまでも統計。

使いこなすには、
それを読み解くリテラシー(読解能力)が必須です。

日本政府、そして、国会においては、
的確なリテラシーに基づく
正しき政治判断を下されんことを、
心から祈念したいと思います。
https://38news.jp/economy/13663

171. 中川隆[-10288] koaQ7Jey 2019年5月20日 18:16:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2048] 報告

2019年05月20日
中国は通貨危機の可能性 米中対立で人民元が不安定化

アジア通貨危機で下落した通貨、次は人民元かも知れない


画像引用:https://ceburyugaku.jp/wp-content/uploads/2018/04/image4.gif


アメリカが迫る「国際ルール」とは

米中貿易対立は米トランプ政権が6月1日から、中国からの全輸入品に25%関税を掛けると発表し新たな局面を迎えた。

中国側も反発し米国からの輸入品600億ドルに報復関税を掛けると予告している。

一見両国は対等だが米国は中国から5000億ドル輸入し中国は1000億ドルなので、最初から勝負になっていない。



米国はさらに、中国からの全輸入品への関税を50%や100%に上げる事もできる。

一方で米側は中国に国際ルールを守るよう呼びかけているが、中国側は拒絶している。

この「国際ルール」とは事実上人民解放軍や共産党と一体のファーウェイやアリババが「民間企業」のように振舞っているのを差している。


アリババやファーウェイの最高意思決定機関は実は中国共産党であり、中国のすべての機関は社内に「共産党」が存在している。

たとえばファーウェイ社内にはファーウェイの共産党支部が存在し、中央からの指令に会社が従っているかチェックしている。

もし企業が党に背いているのが分かれば、社長や経営者が突然失踪したり「遭難」したり、事故にあう事になっている。


近年中国では資産数兆円もあるような資産家や、大手企業の経営者が失踪し、後で公安に連行されたのが発覚したというような事が多い。

ファーウェイなどは中国軍と一体であり、軍や共産党のためにスパイ活動をしているとされる。

中国は過去10年に100兆円以上の国家予算をIT開発に投じ、ファーウェイが国家予算を使って実際の技術開発を行った。


中国は「資本主義の仮面を被ったソ連」だというのがアメリカの主張で、大半は事実です。

人民元安で通貨危機の可能性

中国は意外にもアメリカとの交渉を拒否する姿勢を見せていて、通貨の人民元で競争力を保つと見られている。

アメリカが中国に25%関税を掛けるなら、人民元を25%安くすれば米国での価格は同じになります。

2019年に入って人民元が下落しているのは、実際元安に誘導したからでしょう。


人民元は2008年以降は1ドル6から7元の間で維持されていて、2008年以前は1ドル8元以上もありました。

2008年は北京五輪が開催されリーマンショックが起き、中国の自律的成長が止まって公共投資による借金経済に移行しました。

2008年に50兆円の景気対策した中国は、その後毎年公共投資を増額せざるを得なくなり、今では年300兆円以上に達しています。


これはある種の薬のように、最初は少量で効くが慣れてしまい、どんどん量を増やすのと似ています。

人民元を安くすれば競争力は高まるが、外国への借金が増えてしまい、インフレで景気悪化し国民生活もダメージを受けます。

中国の人民元は国際通貨ではないので、外国に多額の借金をしてドルを調達しているが、その膨大な借金が元安で返済できない恐れがある。


一度このような通貨不安が認識されると、1997年のアジア通貨危機と同じで、投機筋による売り浴びせが起きます。

中国は「1ドル7元以下を維持する」と宣言したので、人民元安はこれが限界になる。


もし1ドル7元を防衛できない事態になったら、本格的に人民元の売り浴びせが起きるでしょう。

中国の外貨準備は公称3兆ドルなのだが、大半はどこにあるのか不明で、どこにも存在しない可能性が高い。
http://www.thutmosev.com/archives/79881096.html

172. 中川隆[-10158] koaQ7Jey 2019年5月25日 13:16:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2189] 報告

世界経済はバブル崩壊直前


【Front Japan 桜】日本経済が落第生の理由 -
今の消費増税は「害」しかない[桜R1-5-24] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4POHZ97qB8Q

キャスター:三橋貴明・藤井聡

173. 中川隆[-10101] koaQ7Jey 2019年5月27日 12:05:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2249] 報告

2019年05月27日
ビットコイン高騰は人民元からお金が逃げ出している


人民元が安くなる(上に行く)とビットコインが上昇する


画像引用:https://www.fx-exchange.com/currencyimages/usd-cny-90-day-exchange-rates-history-graph.png

ビットコインと人民元の負の関係

2018年に急落したビットコインが最近また高騰していて、背景として中国の通貨人民元との連動が指摘されている。

ビットコインは17年1月に909ドルだったが12月15日には19650ドルとなり、10万円から200万円に値上がりした。

だが18年年明けから暴落し、18年12月15日に3195ドルの底値を付けました。




その後はまた上昇し始め、5月15日に8200ドルの高値を付けました。

ビットコインが最初に上昇し始めた2016年末に人民元は対米ドルで急落し、1ドル6.9元と防衛ラインの7.0に迫っていた。

この頃のニュースでは中国の富裕層が資産を外資に移す動きを強め、ビットコインを購入していた。


中国には資産を勝手に国外に持ち出すことはできず、ビットコイン取引は禁止されているが、現在も非常用通貨として使われている。

ビットコインが暴落していた時期は人民元が強く、18年3月には1ドル6.3元になっていました。

18年6月に再び人民元が下落し6.9を突破するとビットコインが上昇し始め、人民元との強い関係を伺わせた。


下落しているのは韓国ウォンも同じで、韓国政府は1ドル1200ウォンを防衛ラインにしている。

ビットコインが高騰していた17年と19年にウォンは1200まで下落し、ビットコインが値下がりした時期にはウォンが上がっていた。

つまり人民元や韓国ウォンや、その他新興国の通貨が下落するとビットコイン上昇が起きていました。

ビットコインは通貨不安と相関性がある

面白い話があって南米のベネズエラでは経済破綻からインフレ率が年200万%に達していてビットコインがブームになっている。

この頃ビットコインは下落していたのだが、翌日通貨が10分の1になる人たちには、手数料を1割引かれて値下がりしても、ビットコインの方が得でした。

ベネズエラ、コロンビア、ブラジル、アルゼンチンではビットコインATMが急増し、人々は下落する自国通貨をビットコインに交換しています。


このように人民元に限らずどこかの通貨が下落すると、その国の人は資産を守るためにビットコインを購入していると考えられる。

仮想通貨は「買う人」が「売る人」より多ければ値上がりし、逆なら値下がりする単純なシステムになっています。

すると人民元や南米や韓国の通貨が下落している間は、ビットコインが値上がりし、騒動が収まればビットコインは下落すると予想できます。


中でも影響が大きいのは「新興国」の中で飛びぬけて巨大な中国の人民元で、1ドル7.0元を上回るかが注目されています。

米中貿易摩擦で米国は中国に25%関税を掛けたので、中国は元安でダメージを減らそうとしました。

だが7.0以上は許容しないと言っていて、これ以上の元安は望んでいません。

人民元の崩壊はありえるか

という事はもし人民元が1ドル7.0を上回る(安くなる)事が起きたら、人民元防衛に失敗した事になります。

日本円でも人民元でも、高く維持するにはドルで自国通貨を買い、安くするには自国通貨でドルを買っています。

中国は貿易で蓄えたドルで人民元を買うことで1ドル7.0以下を保っているが、人民元崩壊はもう外貨準備がなくなったのを意味します。


中国の外貨準備は以前から疑わしいという指摘がされていて、米国債以外は確認されていない。

中国の米国債保有高は1兆1205億ドル(約120兆円)だが、これを切り崩すともう中国の外貨準備はゼロになる。

ドルとの流動性によって人民元の価値が保たれているので、もし中国が米国債を売り払って人民元を買うと、かえって人民元下落を引き起こす。


「重要な外貨準備である米国債を売るほど中国は厳しい」と世界は認識し、一斉に人民元や中国資産を売り払うでしょう。

こうなったら中国政府がいくら買い支えても人民元下落は止まらなくなり、ソ連崩壊と同じになります。

中国にとってベターなのは日本がやったように、「穏やかな衰退」を受け入れる事だが、それもありそうもない。
http://www.thutmosev.com/archives/79945023.html

174. 中川隆[-9985] koaQ7Jey 2019年5月29日 20:04:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2367] 報告

2019年5月29日
近い将来、リーマンショック級の危機が「絶対」起こる
From 藤井聡(京都大学大学院教授)
https://38news.jp/economy/13731

政府が、消費増税を取りやめる唯一の条件、
としてあげている「リーマンショック級の危機」。

これが起これば消費増税はとりやめます、
と安倍総理も菅官房長官も
繰り返し口にしておられます。

多くの人は、まぁ、そんなことは起こらないだろう――
と漠然と思っておられると思いますが、実を言うと、
(それが10月1日までなのかどうかは分かりませんが)
近い将来、リーマンショック級の危機は、「絶対に」起こります。


そもそも「リーマンショック」とはいわゆる「バブル崩壊」。

そして、その「バブル」の実態は「民間負債」です。

皆がカネを借りまくって投機しまくって、
地価や株価が急騰していく現象です。

で、そんな「民間負債」が超絶に拡大していった時、
何かのきっかけで「借金の焦げ付き」が
(つまり、「貸した金が返ってこなくなる」と言う現象が)
急速に連鎖し、皆が一気に“破産”していく現象が
「バブル崩壊」です。

こういった「バブル崩壊」は、
(MMTの主唱者の一人であるレイの師匠である)
経済学者のハイマン・ミンスキーがそのプロセスを理論化しており、
しばしば「ミンスキーモーメント」とも呼ばれています。

バブル崩壊=ミンスキーモーメントの
過去の代表例として挙げられるのが、

・1990年 日本のバブル崩壊
・1997年 タイや韓国等のアジア通貨危機
・2007〜9年 アメリカのリーマンショック(サブプライム住宅ローン危機)

です。

「この時、一体、何が起こったのか」
を見てみたのが、こちらのグラフ。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1826739577426977&set=a.236228089811475&type=3&theater

これらのグラフは、
「民間債務」の対GDP比の推移を示しています。

まず、日本は、80年代のバブル景気の時、
民間債務が年率でGDPの9.2%ずつ拡大していき、
(つまり、年間40兆円〜50兆円程度ずつ!)
GDPの210%にまで膨らみきった1990年、
(金融引き締めや、土地取引の総量規制をきっかけとして)
その「バブル」が崩壊しました。

タイや韓国も、
民間債務がGDP比で
年率8〜10%ずつ拡大していき、
GDPの140〜160%程度にまで膨らんだ時に
(ヘッジファンドの通貨の空売り攻勢がきっかけで)
そのバブルが崩壊しました。

アメリカも、民間債務が、
GDPに対して年率4.3%ずつ拡大していき、
170%に達した時に、バブルが崩壊しました。

こう見てみますと、
バブル崩壊には次のような共通のパターンがある
ことが見えてきます。

すなわち、民間の借金が、
GDPに対して年率で5〜10%ずつ拡大していき、
GDPの150〜200%程度に至った時に、
何かのきっかけで、バブル崩壊が起こるわけです。

(※ なお、新興国は、概して、債務の拡大率が大きく、
破裂水準は低いようですね。)

こう考えると、
「民間債務の膨らみ」
は、地震の岩盤の破壊エネルギーの様なもので、
ある程度溜まると岩盤が破壊して地震が起こるように、
その内「バブル崩壊」してしまうのです。

・・・では、今の世界を見回したところ、
一番ヤバそうなのが、中国!


こちらのグラフに、今、バブル崩壊が、
ヤバそうな国を並べてみました。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1826741800760088&set=a.236228089811475&type=3&theater

ご覧の様に中国は、かつての日本と同様、
対GDP比で年率10.2%もの割合で、
民間債務が拡大していき、
もはやGDPの207%にまで達しています。

もうこうなれば、何かのきっかけがあれば、
スグにでも、この中国バブルは崩壊することになるでしょう。

実際、こんな報道もなされるようになってきています。
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1410636/

そんな中国の中でも特にヤバイのは、香港。

債務が年率12.1%という未曾有のスピードで拡大し、
何とGDP比で300%を超えてしまっているのです!

こんな債務拡大が、いつまでも続く筈がありません。

実際、UBS証券は香港の不動産バブルが「世界最悪」だ、
という分析結果を公表しています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWA786K50XX01

中国・香港のバブル崩壊は、
もはや秒読み段階にあると見ていいでしょう。

これから始まる米中経済戦争が、
その引き金を引くことになるかもしれません。

あるいは、「日本の消費増税」に伴う日本の大不況が、
中国のバブルをはじけさせるきっかけになるかもしれません。

何と言っても、日本経済はまだまだ巨大な存在であり、
それが不況になってしまうのは、
世界に大迷惑をかけるのです。

なお、民間債務対GDP比が200%を超えたカナダや、
新興国の危険水域である140〜150%に
近づきつつあるベトナムも要注意です。

人類は、リーマンショックで
過剰なグローバル化や過剰投機が
どれだけヤバいモノなのかを学んだ筈なのですが―――
何度も何度も、過ちを繰り返すようです。

いずれにしても、
この恐ろしい世界の現実を知れば、
「消費増税はもう、待ったなしだ!」
なんてノー天気な事を言えるような状況じゃないことくらい、
誰でも分かりそうなものですが・・・
本当に現代ニホンジンは、
どうしようも無く阿呆なのではないかと、
思えてしまいますよね。

現代日本人がそんな愚か者でないことを、
心から祈念したいと思います。
https://38news.jp/economy/13731

175. 中川隆[-9863] koaQ7Jey 2019年6月05日 07:56:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2569] 報告

日に日に深まる今回の逆イールドカーブは、ついにリセッションを起こすのか?=藤井まり子 2019年6月4日
https://www.mag2.com/p/money/699440



トランプ大統領のメキシコ追加関税をきっかけに再び下げ相場となっている世界市場。しかし、本当に注目すべきは、パウエルFRB議長の利上げのし過ぎでした。

「1998年型のマーケットの大波乱」の始まり

「メキシコからの全輸入品に5%からの段階的な追加関税」発言にびっくり

5月31日のトランプ大統領の「メキシコからの全輸入品に5%からの段階的な追加関税」発言にはびっくりです。

この発言については、トランプ大統領の真意は「藪の中」。NAFTAに代わるアメリカとメキシコとカナダとの間の新貿易協定が、USMCA。そのUSMCAは、民主党の妨害があって、なかなか議会で批准されない状態でした。「そのことにしびれを切らしたトランプが、議会へプレッシャーをかけるためにこういった発言をした」と、指摘する向きもあります。

一方、トランプ大統領は、「中国以外でも、本気でメキシコなどへ関税をバカスカかける算段かもしれない」という、一抹の不安は残ります。トランプ政権は、「世界中の輸入製品に関税をばかすかかけて、その関税を財源にして、巨大インフラ投資を実行するつもりなのではないのか?本気で、海外進出したアメリカの多国籍企業の工場をアメリカ国内の呼び戻すつもりなのではないのか?」といった指摘も可能です。

あるいは、「パウエルFRBが1.00%の利下げを断行するまでは、すなわち、パウエルFRBへの『利下げの督促相場』が始まるまで、こういったトランプ大統領とトランプ政権の暴走は続く」とも指摘できます。


おりしも、GAFAへの規制強化の動きが始まっています。まるで、トランプ政権は督促相場が始まることを最も切望しているみたいです。

なにはともあれ、トランプの「メキシコへの関税」発言は、ただでさえ「新冷戦の勃発」で再急浮上してきた「中国および世界経済減速」懸念を、さらに深めました(ちなみに、最初の懸念は、昨年2018年秋に起きましたね)。

日に日に深さを増している「逆イールドカーブ」はさらに深まっています!

「世界経済減速」懸念のみならず、「アメリカ経済の景気後退(=リセッション)」懸念さえも急浮上しています。

しかしながら、アメリカ経済のファンダメンタルは、その人口動態から眺めても、まだまだと向こう数年間、もしかしたら向こう10年は頑強です。アメリカの若年労働者数は、先進国で唯一増加しているのです!


しかも、今起きているアメリカ金利市場での「逆イールドカーブ」は、その形状から見ても、「株式ブームの終焉が近かった2006年型や2000年型の逆イールドカーブ」とは、まったくもって異質です。違っているのです!

今起きている「逆イールドカーブ」は1998年型

「2006年型や2000年型の逆イールドカーブ」は、短期金利がやたら上昇することで起きた「逆イールド」でした。典型的な「近いうちのバブル崩壊型・景気後退入り型」の「逆イールド」でした。

2006年や2000年は、FRBが、過熱した経済の中で、インフレ退治のために政策金利の引き上げをばかすか行っていたのです。中央銀行であるFRBがインフレ退治に本腰を入れれば、バブルだって弾けてしまうのです。その後、案の定、アメリカ株式市場はバブル崩壊して、アメリカ経済は唐突に景気後退入り(=リセッション入り)してゆきます。


しかしながら、今回の2019年のアメリカの「逆イールドカーブ」は、「1998年型の逆イールド」です。2018年12月、パウエルFRBは間違えてしまったけれども、わずか一回の利上げ(昨年12月の利上げ)しか間違えていません!

今は、経済のどこを眺めても、過熱しているような気配は見られません。インフレもバブルも起きていません。

振り返ると、20年前のロシア通貨危機が起きていた「1998年型の逆イールドカーブ」では、短期金利はたいして上がらないまま、長期金利がやたら下落していました。そのために起きた「逆イールド」でした。

「バブル崩壊前の逆イールドカーブ」と比べると、まったく異質だったわけです!


当時は、アメリカ以外のグローバル経済では、アジア通貨危機やロシア通貨危機などの危機が連発していて、やたらドル国債に人気が集まり、ドル国債が買われ過ぎてたのです(その結果、長期金利は低下)。

めぐりめぐって、2019年。今も、1998年と同じようなことが起きています。

今は、習近平政権が中央主導で強力に金融市場をコントロールしているものの、その強力なコントロールがなかったら、「中国発通貨危機」が起きていても不思議ではない状態です。

ヨーロッパのほうでは、「突発的なブレグジットの危険」が再び台頭しています。イギリス以外でも政治の混乱は続いています。

アメリカ以外では、どこもかしこも「危機」だらけなわけです。

こういった中で、グローバル規模での「質への逃避」が過剰に進んで、アメリカドル国債がやたらと買い進められている。その結果、アメリカの長期金利がやたらと低下しているのです。

ですから、2019年の金利市場では、20年前の「1998年型の逆イールドカーブ」が起きているわけです。

こういうときの「逆イールドカーブ」発生では、バーナンキ(元FRB議長)やガイトナー(元財務長官)などの多くの識者が指摘しているとおり、中央銀行であるFRBが対応を間違わない限り、その後のバブル崩壊も起きなければ、その後の景気後退も起きません(きっぱり)。

近いうちに「FRBに利下げを求める督促相場」が巻き起きます。その時、FRBが正しい対応をして(=対応を間違えないで)軌道修正すれば、すなわち、利下げを実行すれば、再び「アメリカ株式ブーム」が形成されてゆきます。


かくして、先行き不透明なものの、今起きているのは、「1998年型のマーケットの大波乱」の「始まり」でしょう。「アメリカ株式ブームの終焉」「アメリカ経済のリセッション入り」ではないです。

一番の問題は、FRBの利上げのし過ぎ

個人消費がGDPの7割を占めるアメリカ経済では、「米中新冷戦の始まり」そのものによるダメージは、それほど大きなものにはならないでしょう。

今のアメリカ経済にとっての一番の問題は、FRBの「利上げのし過ぎ」なのです。わずか「昨年12月の一回分の0.25%」だけでしたが、パウエルFRBは利上げをし過ぎてしまったのです。


実は、「新冷戦」よりもこちら「FRBの引き締め過ぎ」のほうが、アメリカ経済全体に与える影響は深刻です。

この「FRBの引き締め過ぎ」こそが徐々にじわじわじわじわアメリカ経済を減速させています。

「新冷戦」の影響がまだ出ていない4月の経済統計でも、「アメリカ経済の減速懸念」が鮮明になりだしています。

アトランタ連銀によるアメリカの第2四半期のGDP成長率予想は、1.3%。NY連銀によるそれは、1.48%。かなり下がってきています!


昨日発表のISM製造業景況指数も市場の予想に届かず、2016年10月以来の低水準となりました。

今年後半のパウエルFRBがマーケットに督促される「緊急利下げの幅」は「0.50%〜0.75%〜1.00%の利下げ」と、かなりの大幅になることでしょう。

日本株式市場〜「消費増先送り」の解散総選挙は、意外と早い?〜

日本株式市場の下落が、アメリカ株式市場の下落よりも大きくなっています。

日本株式市場(TOPIX)は、とうとうPER13倍台を切って、PER12倍台へ。理不尽なまでに売り込まれています。この状態は長くは続きません。

日本では、「消費税増税先送り」の督促相場が始まっているのです。

日本株式市場では、安倍自民党政権が「消費税増税の先送り」を宣言して選挙へと打って出るまでは、売りが続くでしょう。

近いうちに安部自民党政権が「消費税増税先送り」を掲げて「選挙」に打って出る可能性があります。

解散の時期は、「日銀短観が発表される6月30日の翌日の7月1日」より早まるのではないのか?6月19日あたりではないのか?

解散選挙が発表されれば、その時は、日本株(TOPIX)を買いましてゆきましょう。

176. 中川隆[-9857] koaQ7Jey 2019年6月05日 09:26:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2578] 報告

2019/06/04【ダウ工業株平均・S&P500】エリオット波動マーケット分析


(S&P500 は第(ii)波調整を終えつつある)

S&P500 は 2009年安値(666)以来、サイクル第T波の上昇局面にあるとみている。

第T波はプライマリー級の5波構成─(1)-(2)-(3)-(4)-(5)─となる。

2018年12 月26 日安値(2346)以来プライマリー第(5)波が進行中。
そして、S&P500 の5 月1 日高値(2954)からの調整は第(ii)波に位置づけられる。

下値模索が続く場合には2722 付近が下値メドである。2722 というのは、第(i)波のレッサーディグリー第iv波安値(3/8)であると同時に、第(i)波の上昇に対する38.2%押し水準でもある。

6 月3 日には一時2728 まで下げ、チャート節目に接近した。

米国株は底入れしたか、しつつあり、まもなく上昇トレンドに戻る可能性がある。そうであれば、S&P500は初の3,000 乗せを目指すだろう。

177. 中川隆[-9846] koaQ7Jey 2019年6月05日 18:44:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2589] 報告

日経平均の空売りを利益確定、ドル円の空売りへ完全移行
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート 2019年6月5日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8244


タイミングについてずっと考えていたが、そろそろそうするべきだろうと思う。

昨年始めた株の空売り

ここの読者には周知の通り、株の空売りを考え始めたのは昨年のことである。最初に、7月の記事でアメリカの実体経済の好調が金融引き締めを継続させ、それが株安の原因となると書いたのが始まりである。
•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた (2018/7/28)

この記事では「新興国市場の暴落が先進国に波及する」「日本株は当然のこと、米国株まで含め、世界の株式市場は下落相場を経験するだろう」と書いた。予想としてはほぼ完璧なものではないかと思う。

そしてその後、筆者はタイミングを見計らって実際に空売りを開始した。上記の記事から1ヶ月後の以下の記事でそれを表明している。
•リーマンショック以来の天井を形成中 (2018/8/30)

ただ、この時点ではまだ日経平均の空売りは大きなポジションではなかった。ここでは「このままドル円より日経平均が堅調となる状況が続くのであれば、日経平均の空売りを更に増やす」としており、それは事実その通りになるのである。その次の月である9月に株価は頂点に向けて上昇し、筆者の空売りの仕込みは完了することになる。
•バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)

そしてその後、日経平均は暴落した。当時から現時点まで、日経平均のチャートは次のようになっている。

結果として、筆者の日経平均の空売りポジションは平均して23000円台半ばで作られているため、現在までの下落幅は15%弱ということになる。米国株ではなく日本株の空売りとしたことも、やはり正解だったと言える。米国株は日本株ほどの下落にはなっていないからである。銘柄選択は重要である。

日経平均からドル円へ

しかしながら、年始からお伝えしている通り、筆者は日経平均の空売りポジションをただ手仕舞うのではなく、手仕舞った分をドル円の空売りに転換して投資を継続しており、今回の利益確定もそういう意味で取ってもらいたい。このような十年来の面白いトレードをここで止めるわけがないのである。

ドル円への移行自体は年始から始めているが、ここで完全に移行したことについては、日経平均が下がらないと考えているからではない。

ただ、日経平均はFed(連邦準備制度)のパウエル議長が利下げを考えるたびに、その利下げが下落を止めるために十分な支援材料かどうかということを思案しながらトレンドを形成してゆくことになるだろう。

一方で、中央銀行がここから緩和に寄るしかないという予想が正しければ、それはドル円にとっては一方的な下げ圧力となる。そう考えれば、仮に日経平均がここから更に下がるとしても、ドル円の売りの方が有利な投資対象と言えるだろう。利下げが株にとって十分な支援材料になるかを迷うよりも、投資家は単にすべての状況がその銘柄にとって不利となるような銘柄を空売りすれば良いのである。

ドル円については、日銀にとって年貢の納め時と言えるような相場になるのではないか。中央銀行といえども為替相場を永遠に操作するようなことは出来ないのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8244

178. 中川隆[-9754] koaQ7Jey 2019年6月09日 07:19:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2696] 報告

2019年06月08日
円高のターン 105円割れたら次は100円割れ


日本は6年間で5倍もお金の量を増やす金融緩和で、円安を作り出した

逆にアメリカが金融緩和、日本が引き締めに転じると円高になる


画像引用:https://lets-gold.net/image/monetary_base.gif


円高のターンは10年ごとにやってくる

円高がじわじわと進んでいて1ドル107円台から105円割れを試す展開になっている。

ドル円レートは定期的に円高と円安を繰り返し、最近の数年間は円安のターンでした。

2000年代前半は小泉景気で120円台、2008年から2012年は円高で70円台、2013年からはアベノミクスで120円台になった。



円高円安のサイクルは10年か12年で、2007年のサブプライムショックから12年が経とうとしています。

いったん始まった円高の流れは数年間続き、前回は2007年から12年まで5年間続きました。

つまり過去12年の中で円高が5年、円安が6年続いたので、もうそろそろ円高になるターンなのです。


もっと前は1995年の超円高、1985年のプラザ合意、その前は1971年のニクソンショックと1978年のカーターショックでも円高が進んだ。

1945年から1971年までは固定相場制で1ドル50円から360円まで円安が進みました。

アメリカは最初日本経済を再起不能にするつもりだったが、朝鮮戦争で日本の協力が必要になったので、円安で経済を復活させた経緯があった。


戦時中は1ドル40円くらいで、開戦1年ほどはやや円高だったが、ミッドウェーで負けてから円安で推移している。

その前の1930年ごろまで1ドル2円前後だったのだが、1930年の金本位制離脱や世界恐慌などを経て、円は暴落し昭和大恐慌に至った。

これが226事件や515事件を引き起こし、日本軍が中国進出で経済活路を開こうとする要因になった。


ドル円レートは常にアメリカの動きに影響され、為替レート変動によって大恐慌や日米戦争も発生している。

金融緩和終了なら1ドル60円もあり得る

1971年の変動相場制からドル円レートは長期的に円高ドル安傾向にありました。

この要因は日本が経常黒字でアメリカが経常赤字だったため、ドルから円へ膨大な資金移動があったためです。

日本の経常黒字が19兆円、アメリカの経常赤字が14兆円(2018年)なので、毎年10兆円以上のお金がドルから円に交換されています。


10年間で100兆円以上も円高圧力がかかっているが、日本政府は円高を食い止めるため(それだけではないが)金融緩和を行いました。

金融緩和はお金(円)の量を増やす事なので、マネタリーベース(通貨流通量)を増やすとドルに対して下落します。

単純に考えれば円を2倍発行すればドルに対して2分の1の価値になり、円高圧力を食い止められるのです。


上流から絶えず流れて来る土砂を砂防ダムで食い止めるのと同じで、いつかダムは土砂で埋まり、下流へ流れてきます。

それがおよそ10年か12年に一度起きる円高で、そろそろ砂防ダムも埋まりつつある。

円の通貨流通量は2012年に100兆円だったのが2019年は550兆円と、なんと5倍もお金を発行していました。


安倍首相と黒田総裁はこれで円安を演出していたのだが、結局それは砂防ダムであって、やがて埋まるものだと指摘せざるを得ません。

今までの5年間とは逆にアメリカがドルの流通量を増やし、円の流通量を減らしたら、1ドル60円もあり得るのです。

年間20兆円の経常黒字による円高を金融緩和で食い止める政策は、そろそろ限界に来ています。
http://www.thutmosev.com/archives/80057150.html

179. 中川隆[-9593] koaQ7Jey 2019年6月16日 16:59:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2881] 報告
平野憲一の株のお話 2019.06.16

意味がなかった消費税論議。

 先週13日(木)に発表された4〜6月期法人企業景気予測調査での、大企業製造業景況判断指数はマイナス10.4でした。

調査日は5月15日となっていますので、対中制裁関税第3弾(6月)の前、第4弾など計算にない時点での企業側の景況感です。

 この調査は、経済の基礎資料を得ることを目的とし、資本金1千万円以上の法人から1万4400社を選び、2004年4−6月期から始まった比較的新しい、内閣府・財務省の共管によるアンケート調査です。

日銀短観と双璧をなす重要な指標だと筆者は思っています。

内容は、前の期に対して「増加、改善」と回答した企業の構成比から「減少、悪化」と回答した企業の構成比を差し引いたもの(%)です。

日銀短観も、良い・悪いの比率を表しますが、現況判断では、法人企業景気予測のほうが傾向を表しやすく、1万200社の日銀短観よりサンプル数も多いです。

 統計開始以来の数字を見ると「無意味だった消費税論議」という気がします。

安倍首相や麻生財務大臣や菅官房長官が口をそろえて言っていた「リーマンショック級の事象が起こらない限り、予定通り消費税は10%」の本当の意味が分かるからです。

 厳しかった時の数字を見てみると、

2009年1〜3月期  マイナス66.0 リーマンショック
2011年4〜6月期  マイナス23.3 東日本大震災
2012年10〜12月期 マイナス10.3 民主党の悪夢?
2014年4〜6月期  マイナス13.9 消費税8%
2016年4〜6月期  マイナス11.1 チャイナショック&英ブレグジット決定&新興国通貨不安

そして今回2019年4〜6月  マイナス10.4    

となります。

 これを見て分かる通り、マイナス66.0のリーマンショックが飛び抜けています。正に100年に1度の数字です。

あの東日本大震災の影響が最も厳しく現れた2011年4〜6月期でさえマイナスは23.3でした。

「リーマンショック級の事象」などと言うありえない基準を作って最初から増税有りきだったことが分かります。

ただ、今回のマイナス10.4が、安倍首相が民主党の悪夢と呼んだ2012年10〜12月期の10.3よりも悪化していることは要注意です。
http://kasset.blog.fc2.com/

180. 中川隆[-9523] koaQ7Jey 2019年6月18日 13:31:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2952] 報告

2019年06月18日
世界通貨安競争 ドル、ユーロ、元、円が安値競う


過去の通貨安競争では、いつも円だけが値上がりし超円高になった


画像引用:https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/nakajima/data/08_figure_1.gif

米中対立は通貨切り下げ競争へ

米中の貿易対立は貿易だけにとどまらず、安全保障や外交対立も引き起こしている。

貿易には通貨レートが大きく影響するが、米中が自国のドルと人民元を切り下げて有利にしようとしている。

アメリカは中国からの輸入品の大部分に25%関税を用意していて、米中協議決裂なら6月中に発動される。




対する中国はレアアース輸出制限と米国債売却をちらつかせるが、対抗手段としてどれほど効果があるか微妙です。

というのはレアアースの中国埋蔵量は世界の3割に過ぎず、環境汚染とコストの問題で他の国は採掘していないのです。

中国が輸出制限すればレアアース価格が上昇し、環境に配慮した採掘でも採算を得られるようになるでしょう。


米国債売却については、仮に全額売却したらFRBが買い取れば良いだけで、日銀が日本国債を買うのと同じで、誰も困りません。

次に中国が考えているのは通貨の人民元切り下げで、アメリカが25%関税を掛けるなら、25%人民元を安くすれば元建てで同じ額を輸出できる。

人民元は1ドル7元以下で固定されているが、7元以上への切り下げを予定していると言われている。


もっとも人民元の場合は暴落する可能性もあるので、当局は常に為替介入をして適正に保たなくてはならない。

もしオーバーシュートして1ドル10元以上になったら、かなりの経済混乱が予想されます。

中国政府は従来、1ドル7元以下を絶対防衛圏としていたが、そうした基準はあいまいになっている。

1ドル7元の米中攻防

中国は1ドル7元以下の元安に誘導して輸出を有利にしたいが、話はドル円ほど簡単ではない。

円の場合日本政府にとって「高すぎる」事だけが問題で、安い方はいくら安くなっても問題は無かった。

実際1ドル360円に戻ったら困るのだが、日本政府が力いっぱい為替介入しても、1ドル120円台より安くならない。


中国はこれとは違っていて、元が高くなると貿易が不利になるので安く誘導しているが、一方で暴落懸念も抱えている。

かつて英ポンドが半値になったように、人民元を空売りして潰してやろうという「投機筋」が手ぐすねを引いて待っている。

中国の経済統計は虚飾に彩られていて、本来価値の2倍も高いというのが反人民元派の言い分です。


もし人民元の価値が半分になれば中国のGDPも半分になるので、空売り派にとっては適正水準になる。

中国は米国が1985年プラザ合意のように、G7などで人民元レートを高くするのではないかと警戒している。

プラザ合意前に日本円は1ドル260円だったが、2年後には120円まで円高が進み、以来日本円は円高基調になった。


アメリカは元安に警戒する一方でユーロが安すぎると言い、対ドルレートを安値に誘導していると批判している。

こうした批判は日本など多くの国にもおよび、その意図するところはドルを切り下げたいという事のようです。

日本も円を安く誘導する政策(金融緩和)を5年前から行っていて、主要各国全てが自国通貨を安値に誘導しようとしている。


過去のこうした通貨競争では日本円だけでが独歩高で超円高というパターンが多かった。


日本円は巨大な経常黒字によるドル流入で「世界最強通貨」なので、他国通貨が下がるほど円が値上がりする仕組みになっている。
http://www.thutmosev.com/archives/80125463.html

181. 中川隆[-9307] koaQ7Jey 2019年6月24日 07:32:20 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3182] 報告
平野憲一の株のお話 2019.06.24

 いよいよG20大阪サミットの週となりました。
注目は米中首脳会談の成り行きのみの感じです。

昨日書いたように、今村貴卓さんと西濱徹さんお二人の専門家は、「曲折はあれど制裁関税第4弾発動まで行く」でした。

 筆者は「無い」と思っていますが、その理由は影響が中国より米国の方が大きいからです。

シンクタンクの分析では、GDP成長率へのマイナス寄与度は米国0.55%、中国0.36%となって、これだけでも米国経済への影響が大きいと分かりますが、IMFの成長見通しで両国はそれぞれ2019年が2.3%、6.3%、2020年が1.9%、6.1%となっていますので、成長率から見た影響度は米国の方が圧倒的に大きいことが分かります。

制裁関税は中国からの輸入品に課されますが、その関税を支払うのは中国製品を輸入している米国企業です。2020年の成長見通しで言えば、第4弾によって米国が1.9%から1.35%になるのに対して、中国は6.1%が5.74%になるにすぎません。国内企業の反対で第4弾はできないと思います。

 ただ、専門家お二人に聞いて驚いたのですが、米中対立はトランプ大統領が突出先行して進めていると思っていたのですが、そうではなくて、逆に大統領は穏健派で、政権内に親中派は誰も居なくなり突き上げを食っているとのことでした。この強硬派が、経済原理を超えて第4弾に突っ走る可能性は考えておかなければならないと思ったのが、昨日書いた「若干修正」の意味です。


 ただ、世界の金余り資金は、とうとうギリシャ国債まで買い始めました。2012年のギリシャ破綻危機の時40%まで行った10年債利回りは今2.5%です。4%前後の配当利回り株がゴロゴロしている日本がいつまでも出遅れでいられるはずはないと思っています。
http://kasset.blog.fc2.com/

182. 中川隆[-9299] koaQ7Jey 2019年6月24日 14:10:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3190] 報告

2019年6月23日
アングル:強まる「中銀バブル」の匂い、ギリシャ国債にもマネー流入

[東京 21日 ロイター] - バブル相場の匂いが濃くなり始めている。発生源は中央銀行。欧米で金融緩和姿勢が鮮明化し、株高・金利低下が進んでいる。景気減速懸念は、金融緩和期待へと転化し、リスクオンの制御材料にならない状況だ。主要国の金利水準が急低下するなか、行き場を失ったマネーがギリシャ国債など高リスク資産にも流れ込み始めている。

<米国下回るギリシャの国債利回り>

ギリシアの10年国債利回りGR10YT=RRが2.5%を一時割り込んだ。財政危機が起きた2012年に40%を突破したこともある同国債だが、この1カ月で約1%ポイントの急低下。1カ月前に米国債が付けていた水準まで下げている。

2年ゾーンでは、約11年ぶりにギリシャ国債の利回りが米国債を下回っている。過去にこのような逆転現象が起きたのは、1999─2000年初頭、05─07年、そして今回。いずれも世界的な株高局面の期間だ。

同国は昨年8月に国際支援プログラムを終了したが、債権団は財政目標の監視を続けている。ギリシャ中央銀行のストゥルナラス総裁は11日、同国は今年、債権団と合意していた基礎的財政収支の黒字目標を達成できない恐れがあるとの見方を示すなど、財政状況はいまだ不安定だ。

それにもかかわらず、同国の国債が買われるのは、投資家が利回りに「飢えて」いるためだ。

10年国債利回りはドイツDE10YT=RRで過去最低、フランスDE10YT=RRも初めてマイナス圏に入った。主要国の金利水準が軒並み低下し、十分な利回り確保が難しくなったことで、リスクのあるギリシャの国債にさえイールド・ハンティングの波が押し寄せている。

金利低下に拍車をかけているのは、世界的な金融緩和競争だ。米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)の主要中銀だけでなく、オーストラリアなど新興国でも利下げの可能性が高まっている。

「2年債利回りの米国とギリシャの逆転が終われば、リスクオン相場も終わるのが過去の例だが、金融緩和相場はまだ始まったばかりの可能性もある。クレジットサイクルでみれば終盤だが、その終盤が長くなりそうな情勢だ」と、マネックス証券チーフ・アナリストの大槻奈那氏は指摘する。

<金利低下は株のバリュエーションを上昇>

金利低下は、株式のバリュエーションを上昇させる効果がある。歴史的にみたPER(株価収益率)の平均値である15倍は、益回りでは6.6%に相当する。単純計算だが、債券の金利が1%低下すれば、益回り5.5%に相当するPER18倍が株式の「フェアバリュー」となる。

超低金利の債券よりもリスクはあっても、利回りが高い株式に魅力を感じる投資家が増えれば、株価は上昇。株高によってPERは上昇する。これが、米中貿易戦争による景気減速懸念を横目に、株価が上昇する大きな要因になっている。

20日の米株市場では、S&P500.SPXが終値ベースで最高値を更新。米ダウ.DJIも、最高値まであと200ドルに迫った。この株高の状況下で、金融緩和を示唆するFRB。市場では「中央銀行発のバブルの匂いがしてきた」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ投資ストラテジスト、藤戸則弘氏)との声も出始めた。

この株高に懐疑的な見方も少なくない。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの6月のファンドマネジャー調査によると、投資家はグローバル株式について2009年初め以降で最も弱気になっている。つまり、その反動が起きるだけで、相当の株高が促される可能性がある。

大和証券・金融市場調査部チーフ・ストラテジストの谷栄一郎氏は「株価の絶対水準だけ見ていると、判断を誤る。低金利時代においては、株価のバリュエーション上昇は正当化される。株式に今後、ますますマネーが流れ込む可能性は大きい」との見方を示す。

<業績悪化によるPER上昇に警戒>

しかし、PERが上昇するのは、バリュエーションが高まるからとは限らない。一株利益が減少することでPERが上昇することもある。その際、株価は上がらない。

金融緩和の背景にあるのは、ディスインフレや景気減速・企業業績の悪化懸念だ。金融緩和が経済や企業業績を回復させる起爆剤になればいいが、バブル崩壊のような、大きな転換点では過去の例を見る限り、なかなか市場の期待通りになっていない。

実際、2000年のITバブルと、07年の住宅バブルをみると、米利下げ局面で、短期的に株価が上昇する場面はあるが、トレンドとしては下落している。株価が反転するのは、利下げが最終局面に入ってからだ。

また、金融緩和によって、名目金利が下がったとしても、インフレ期待がそれ以上に下がれば、実質金利は上昇し、金融活動の妨げになりかねない。

「確かに教科書的には、金利低下によって株式のバリュエーションは上がる。しかし、それを上回るような企業業績悪化が見込まれるなら話は別だ。利下げといっても、現時点ですでに金利は低く、『のりしろ』はほとんどない。貿易戦争による景気減速をカバーできるかは不透明だ」とニッセイ基礎研究所のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏は話す。

リフィニティブのデータで、足元のS&P500のPERは20倍、日経平均は15倍(日経新聞のデータでは12倍)だ。米株にはやや割高感が出ているが、「バブル」とまでは言いにくいかもしれない。

ある国内投信のポートフォリオマネジャーは「あすバブルが崩壊するというのでなければ、投資家は少々危ないと思っても、株高トレンドについていかざるを得ない。運用をある期間やめるということは、われわれにはできないからだ」と話す。

バブルであるなら、いつかは崩壊する。しかし、バブルの入り口か終盤かを見極めるのは極めて難しい。債券、株式ともに投資家は悩みながらの運用となりそうだ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
https://jp.reuters.com/article/crossmarket-centralbanks-bubble-idJPKCN1TN0SL

183. 中川隆[-9260] koaQ7Jey 2019年7月04日 12:36:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3401] 報告

2019年07月04日
貿易対立はアメリカの勝ち、輸出依存高い韓国は敗者
http://www.thutmosev.com/archives/80317619.html


日本は輸出依存度が低いが、膨大な経常黒字があるので海外の影響を受ける


画像引用:https://stat.ameba.jp/user_images/20150929/06/orange54321/72/4b/j/o0435054313438902528.jpg

貿易縮小なのに株価が上がる国々

トランプ米大統領が始めた対中貿易制裁とアメリカ第一主義のおかげで、世界の貿易額が縮小している。

世界各国の景気は冷え込み株価が下がっているが、当のアメリカは高値を維持している。

19年7月3日のNY市場は中央銀行FRBが利下げに踏み切るとの観測から、史上最高値を更新した。



対して日経平均は18年10月の2万4000円を10%以上下回る2万1000円で、18年12月には2万円を割り込んでいた。

中国も日本に近く、上海総合指数は暴落ではないが去年よりも1割ほど下げている。

韓国のKOSPIは18年の最高値2500以上に対して、19年6月は2000割れの水準となっている。


欧州は去年12月に株価が下落したが、ドイツのDAXやフランスCAC40は17年や18年の高値水準を保っている。

こうして見ると輸出依存度が高い国ほど株価が下がり、輸出に依存していない貿易赤字国は株価が下がっていない。

考えてみればあたりまえの話だが、世界貿易が縮小すると貿易で儲けていた国ほど打撃を受けます。


アメリカは万年貿易赤字で経常赤字なので、輸出で儲けている国ほど打撃を受けない。

アメリカや欧州(ドイツ以外)のような国を内需型と言い、日中韓のような国を外需型と言います。

日本の輸出依存度は14%でアメリカは8.4%、韓国は40%で中国は約19%だった。

貿易対立は韓国のひとり負け

輸入依存度については、現在は全世界の国が輸出したがっているので、戦前や冷戦期のように石油や食料が枯渇するとは考えにくい。

だからアメリカが始めた貿易制限は輸出依存度が高かった韓国を直撃し、中国や日本など貿易黒字国にダメージを与えている。


特に韓国は以前は貿易依存度100%を超えていたほどで現在も70%以上、輸出依存度だけでGDPの40%もあります。

一方アメリカのように貿易赤字だった国には関係なく、経済が悪化したとしても利下げで株価が上がる程度のダメージで済みます。

トランプの標的は中国だったのだが、中国の2倍も輸出依存度が高い韓国の方がダメージが大きいでしょう。


日本の場合輸出依存度は低いのだが、貿易以外の経常収支の収入が大きく、所得収支が年間15兆円もある。

貿易などを含めた経常黒字は年20兆円で、中国や韓国の経常黒字(現在は赤字だが)より遥かに巨大です。

日本は輸出は少ないが、海外生産や海外企業への依存度が高く、世界経済の影響を受けやすい。


その意味では日本は内需国家とは言い難く、内需国家でありながら外需からも大きく影響を受ける
http://www.thutmosev.com/archives/80317619.html

184. 中川隆[-8988] koaQ7Jey 2019年7月19日 09:04:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3707] 報告


世界最大のヘッジファンド、量的緩和バブルの限界と金価格上昇を予想
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年7月18日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8278

世界最大のヘッジファンド、Bridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が量的緩和バブルの限界を予想している。かなり長い記事(原文英語)なのだが、今後の相場を予想する上で非常に重要なので要点をここで説明したい。

ダリオ氏は金融市場のパラダイムシフトが近いと予想している。リーマンショック以降の金融緩和に支えられてきた株高相場が、全く別の性質を持つ新たな局面に突入するということである。ダリオ氏は相場の大きな転換点を予想しているのである。

ダリオ氏は現在のパラダイムを次のように説明する。


2009年から続いている現在のパラダイムは、主に次のような動力によって動いている。つまり、中央銀行が利下げと量的緩和(紙幣を印刷し金融資産を買い入れる)を持続不可能な方法で続けている。

ダリオ氏は中央銀行による金融緩和を持続不可能だと言い切った。投資家は皆、それを経験則として知っている。市場は金融緩和によるバブルとその崩壊を何度も繰り返してきたからである。

しかしながら、それが具体的にどう持続不可能なのかをバブル崩壊の前に言い当てることは簡単ではない。しかしダリオ氏は記事の後半部分で金融緩和がどう立ち行かなくなるのかについて述べているので、投資家にはそこがとても重要になる。

話を進めよう。ダリオ氏は金融緩和の現状についての話を続ける。


こうした緩和は2009年来強力な刺激策であり続け、一方でそれを少しでも引き締め側に動かそうとすれば、それは市場の動揺をもたらしてきた。

例えば去年末の株価下落である。ダリオ氏のファンドはそれを予想して利益を上げたらしい。以下の記事で紹介している。
•Bridgewater、世界同時株安で資産14%増加 (2019/1/13)

ダリオ氏は金融緩和についての話を続ける。


また、こうした緩和は資産価格を直接的(実際に資産を買い入れること)、間接的(金利低下が株価収益率を下支えし、金利低下が自社株買いや企業買収、株や不動産などの買いを誘発すること)に支えてきた。

しかしこうした緩和は限界に達しつつある。金利は下限に近づいており、量的緩和にしても市場に既に資金が溢れてしまったために投資の将来の名目・実質リターンや、短期金利を差し引いたリターン(つまりリスクプレミアム)は少なく、量的緩和が経済や市場に与える影響は減少してきているからである。

これこそが緩和限界である。ダリオ氏はより詳しく次のように説明する。


非安全資産(訳注:例えば株や不動産)の期待リターンとリスクプレミアムは安全資産(訳注:預金や短期国債)のリターンに近づいており、前者を買うインセンティブは少なくなってきている。だから資産価格を押し上げるのはますます難しくなっているのである。

もう少し詳しく説明しよう。株価だけを追っていれば、それは無限に上がるようにも見える。しかし株価には本質的には限界がある。投資に対して将来のリターンが何%得られるかということである。

株価が100ドルの株があり、その会社は一株あたり4ドルの利益を上げると予想されているとしよう。そうすれば一株あたりのリターンは4%である。しかし株価が400ドルに上がったとしよう。一株あたり利益が4ドルのまま変わらないとすると、この株に投資をした場合の期待リターンは1%ということになる。

ここで預金金利が2%であればどうだろう? 誰もがこの株に投資するよりは預金をしようと思うだろう。つまり、理論的にはこの株式は400ドルにはならない、そもそも200ドル以上には上がらないのである。それ以上に上がれば、投資家は預金の方を選好するからである。

したがって、量的緩和で資産価格を釣り上げるにも限界があるのである。その結果どうなるか? ダリオ氏は緩和がいずれ効力を失うと予想する。


今後数年の内に中央銀行が経済が弱まった時に経済と市場を支える緩和の余地を失う可能性はかなり高い。

実質金利があまりに低くなり、債権者は債券を持っていてもリターンを得られないと判断してよりよい投資先を探し始める。

ここからダリオ氏は具体的な投資先について話し始める。ダリオ氏の予想が正しければ、どの資産クラスのパフォーマンスが低く、どの資産クラスが良い投資先になるのだろうか?


多くの人は株式や株式のような資産(未公開株や不動産、ベンチャー投資など)がリスク資産として良い投資先だと信じている。

個人的にはこうした資産は良い実質リターンをもたらさないだろうと考えている。そして良いリターンをもたらすのは、現金の価値が目減りし、国内外で政治的な紛争が増大するときに高パフォーマンスを上げる資産、例えばゴールドである。

現在の相場に視点を戻せば、ゴールドは既に今後のアメリカの利下げを予想して暴騰している。

筆者は同じ予想からドル円の空売りをしているが、こちらも利益を上げている。

ダリオ氏が「緩和にも限界がある」と言うとき、一番限界に到達しているのは日銀である。一方でアメリカには利下げのみならず量的緩和を再開する選択肢もある。アメリカの緩和限界はそれからだろう。ドル円の下落予想についてはこれ以上の説明は必要ないのではないか。筆者の相場観はもう長らくそういうものだが、今回の記事を読む限りではダリオ氏の相場観も似通ったもののようである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8278

185. 中川隆[-8837] koaQ7Jey 2019年7月25日 19:23:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3877] 報告

2019年07月25日
米IT企業の繁栄は続かない 30年で競争激化
http://www.thutmosev.com/archives/80496034.html


冷戦終了で米軍が技術を開放し、米IT産業は爆発的成長を遂げた(ウィンドウズ95発売日のようす)


画像引用:https://blog-imgs-117.fc2.com/n/a/2/na2ka4/news_1524146989_7701.jpg

冷戦崩壊で解放した軍事技術

1989(平成元)年12月29日、日経平均は史上最高値3万8,915円で大納会を迎え、平成は良い年が続くと日本人は思っていた。

この年のダウ平均は2,753ドルで10倍以上日経平均が高く、そのまま日米の勢いの差を表していた。

日本の天皇が代替わりしたのが合図だったかのように、世界では旧世界が終わり新世界が始まっていた。


新天皇即位が1989年1月7日、1989年6月4日には天安門事件、1989年11月9日にベルリンの壁崩壊

1989年6月にポーランド民主化、12月にルーマニア共産政府崩壊と、この年にソ連を中心とする東側陣営が崩壊した。

1991年(平成3年)3月には日本でバブル崩壊、1991年12月にはソ連邦が崩壊し、アメリカのIT革命が始まった。


昭和天皇崩御とソ連崩壊の関係は不明だが、ソ連崩壊と米株上昇の間には因果関係があった。

1945年から1991年までアメリカは東側陣営と冷戦を戦っていて、それまではドイツや日本の枢軸国と対決していました。

コンピュータは第二次大戦中にドイツとアメリカで開発されたが、軍事機密だったので民間利用はされなかった。


1961年から1972年のアポロ計画でアメリカは国家総動員体制を取ったため、この時コンピュータ技術が大学や研究機関に広まった。

冷戦が崩壊するともう軍事機密を守る必要がなくなり、1990年代にインターネットが民間に開放されネット時代が始まる。

インターネットは米軍技術でコンピュータの基幹技術も米軍が保有していたが、米民間企業に開放された。

空前の繁栄はいくまで続くか

カリフォルニア州のシリコンバレーは米軍やNASAの下請け企業が集まる城下町だったので、シリコンバレーにネット企業が続々と誕生した。

アップルやマイクロソフトやグーグルがシリコンバレーから発展したのは、そこに米軍の予算と技術が投下されたからで、優れた人材が自主的に集まったわけではなかった。

1995年にウィンドウズ95が発売され90年代末にITバブルと崩壊を経て、2000年代に米IT企業は巨大化した。


米IT企業の巨大化はアメリカ全体の企業収益を拡大し、落ち目だったアメリカのGDPを押し上げ再び超大国になった。

現在全世界のすべての企業の収益の3分の1をアメリカ企業が挙げ、アメリカGDPの10%は企業収益がもたらしている。

1990年から2019年にアメリカのGDPは3.6倍になり、ダウ平均株価は10倍以上になった。


この間物価は約2倍になったので、実質的に米株価は5倍になり、GDPや企業活動の伸びを大きく上回っている。

始まりがあるものには必ず終わりがあるので、米軍の技術解放に端を発した米IT産業の優位にもいつか終わりが訪れる。

歴史的に見て一つの国の一つの産業の優位は30年程度で、それ以上続くことは少ない。


米IT産業の絶対優位は米軍の技術に加えて、他にライバルが無く独占状態だったことでもたらされた。

1990年のソ連やインドは任天堂のファミコンを持ち帰って研究していたが、今では多くの国でシリコンバレーに近いことをしている。

米IT企業は競争によって収益を減らし、徐々に力を削がれていく可能性が高い。
http://www.thutmosev.com/archives/80496034.html

186. 中川隆[-8861] koaQ7Jey 2019年8月06日 15:00:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3871] 報告


株安で金価格上昇の理由、買い方は落とし穴に注意
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年8月5日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8309


7月末のFOMC会合以来株式市場が荒れており、リスクオフの流れからゴールドが買われている。アメリカが利下げに動いたこと、市場が既に今後の利下げを織り込んでいることから、金融緩和を期待した投資家がゴールドを買っているのである。

ゴールドの買いは世界最大のヘッジファンド運用者レイ・ダリオ氏なども推奨しており、ポートフォリオのバランスを取る上で悪くはない選択肢だとは思う。

•世界最大のヘッジファンド、量的緩和バブルの限界と金価格上昇を予想


一方で、金の買いには1つだけ落とし穴がある。今回の記事ではそれを指摘しておきたい。

実質金利低下でゴールド上昇

先ずは基本的な話から始めるが、現在の相場で金価格を左右する最大の要因はアメリカの実質金利である。ゴールドは債券や株式のような投資対象として見られているため、投資家は預金や他の投資に比べて金投資が魅力的かどうかを判断することになる。

したがってドルの金利が上がれば上がるほど投資家はゴールドではなく預金や国債の買いに走るようになり、逆に金利が下がればインフレ分の目減りをヘッジできるゴールドの魅力が上がるのである。

結果として、次のチャートのようにドル建て金価格とアメリカの実質長期金利は逆相関の関係となる。

短期的に反相関に動かないことがあっても、中長期的には綺麗な反相関関係を維持している。やや金価格が右肩上がりになっているのはインフレによる金の値上がり分である。

金価格は現在1,400ドル台半ばまで上がっているが、それは実質金利が0.2%近辺まで低下したためであり、これまでの動きは市場の混乱でゴールドに資金が殺到したと言うよりはセオリー通りということになる。

では、このままリスクオフが進めば金価格は上がり続けるのだろうか? それは必ずしも正しくない。2008年のリーマンショックでは実際に金価格は暴落しているからである。

金価格上昇予想の落とし穴とは

2008年には金価格はどうなっただろうか。リーマンショック時の金価格と実質金利のチャートを持ち出してみよう。

金は一時1,000ドルを超える水準まで上昇し、そこから700ドルまで30%も暴落している。

何が起こったかはここまで読んだ読者には説明不要だろう。チャートを見ての通りリーマンショックでは実質金利が上昇したため、反相関関係にある金価格が暴落したのである。

問題はリスクオフで実質金利が暴騰した理由だが、それは金融危機によって期待インフレ率が暴落したからである。そもそも実質金利とは名目金利からインフレ率を引いたものである。

•実質金利 = 名目金利 – インフレ率

つまり、リスクオフで名目金利が下がったとしてもインフレ率がそれ以上に下がれば実質金利は上がってしまうのである。2008年にはインフレ率は2.5%から0%まで2.5%も急落した。その間長期金利の下落がそれに追いつかなかったため、実質金利は金融危機で上昇したのである。

金価格はその後の金融緩和と期待インフレ率の立ち直りから長期の上昇相場へと入ってゆくのだが、一時とはいえ30%のドローダウンは投資家としてはなかなか受け入れがたいものがあるだろう。

結論としては、金価格は期待インフレ率が安定している限りはリスクオフで上昇するが、市場の混乱が実体経済に本格的に悪影響を及ぼし始めると下落してしまうということである。

金の買いとドル円の売り

ではこういう状況では投資家はどうすれば良いのかだが、筆者の選択はドル円の売りである。ドル円の売りもゴールドの買いと同様にドルの実質金利の低下に恩恵を受けるポジションだが、ドル円の売りはリーマンショックにおいても有効なのである。同時期のチャートを見てみよう。

ドル円のチャートは基本的には実質金利と順相関になる。ドルの金利が上がればドルも上がるからである。だからドル円の売りとゴールドの買いは似たポジションなのだが、金融危機的状況においては異なる。2008年だけ実質金利とドル円は逆相関になっている。

これは、金融危機においてはファンダメンタルズの理屈(ドルの金利が上がればドル買い)よりも投資家の手仕舞いの方が強力なトレンドとなるからである。

通常の状態では機関投資家のポジションは低金利通貨の売り、高金利通貨の買いとなっているが、世界中の投資家がポジションを手仕舞い始めるとこのトレンドが逆転し、高金利通貨の売り、低金利通貨の買いとなる。その結果2008年にはドルの実質金利高にもかかわらずドル円は下落した。円キャリートレードの巻き戻しと言われる現象である。

結論

よって、市場の混乱が金融市場に留まる場合は金投資は有力なポジションになるが、それが実体経済にまで及ぶ場合には注意が必要となるだろう。

アメリカの中央銀行が株価バブル崩壊のリスクに気付き始めたため、世界同時株安がそこまでの規模になる可能性は減少したが、一方でドル円の売りの場合はそもそもそういう心配がない。どちらの場合も安心ということであり、それが筆者がドル円の売りを選んでいる理由である。ドルは今日も下がっている。

ドル円を巡る最近の状況については前回の記事を参照してほしい。去年の株安に引き続き、ドル円の下落についてもいつも通り事前に説明している。


•8月世界同時株安とドル円下落の理由


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8309

187. 中川隆[-8857] koaQ7Jey 2019年8月12日 06:37:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3877] 報告
『「米中貿易戦争と円高デフレ」前半』田村秀男 AJER2019.8.12(3) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=WIOykHR6GaI
188. 中川隆[-8833] koaQ7Jey 2019年8月15日 11:42:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3907] 報告

ドル円下落の原因と世界同時株安の今後の見通し
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート 2019年8月14日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8321


ドル円は相変わらず激しい値動きをしているが、ここではより大局的な見方で相場を説明してゆく。

問題となるのはドル円下落の理由である。ドル円は現在106円台で推移している。チャートは以下の通りである。

この原因は何かということだが、前回の記事を読んだ読者は2つの可能性を思い浮かべるだろう。

•株安で金価格上昇の理由、買い方は落とし穴に注意

前回説明したのは、ドル円は先ず基本的にはドルの実質金利に左右されるということである。ドルの金利が高くなれば、高い金利を求めてドルを買う投資家が多くなる。だからドル円とアメリカ実質金利のチャートは基本的に順相関となる。これがドル円を動かす一番基本的な要因である。

一方で、金融危機などの非常時においては、この相関関係が崩れるということも説明した。金融危機においてはドルの実質金利が上がったにもかかわらず、ドル円が下がるということが起こる。

その理由は投資家の手仕舞いである。通常時には投資家のポジションは高金利通貨の買い、低金利通貨の売りとなっているが、リスクオフとなって投資家が手仕舞いを始めると、この動きが逆転し、高金利通貨の売り、低金利通貨の買いとなる。

金融危機時には、こうした投資家のポジション調整による資金の流れが金利というファンダメンタルズ要因を上回るということである。

現在のドル円相場

ここまでが前回の復習だが、では現在の相場はどちらの理由で下落しているのだろうか? それを考えるには、ドル円とアメリカ実質金利のチャートを並べてみればよい。

なかなか面白い構図である。ドル円と実質金利の相関関係は2018年の最初に途切れ、実質金利は上に行き、ドル円は下に行っている。つまり、2018年には投資家の手仕舞いが市場を動かす大きな原因となっていたということである。

一方で、このドル円と実質金利のギャップは2019年に入ってから急速に縮小し、今では相関を取り戻したように見える。

2019年に入って何が起こったかと言えば、パウエル議長のハト派転換である。中央銀行の行なっていた利上げと量的引き締めが世界同時株安の原因であると認めたことで、底なしかと思われた世界同時株安は一旦持ち直した。

恐らく、ドル円と実質金利の相関関係の復活は、パウエル議長の変心によって投資家がパニック的な手仕舞いを止めたことを意味しているのだろう。それはつまり、現在の相場は金融危機というよりは低金利相場になりつつあるということでもある。これは中央銀行と株の買い手にとって明らかに朗報である。

世界同時株安再発の可能性

一方で、パウエル議長には課題も残されている。金融市場が更なる金融緩和を既に織り込んでしまっているということである。金利先物市場は2020年末までにあと5回の利下げを既に織り込んでしまっているが、パウエル議長は利下げは一時的な処置であり、継続して行うものではないと主張している。

ドル円と実質金利の相関関係は確かに市場の混乱が一旦落ち着いたことを示唆している。しかしそれは裏を返せば、パウエル議長がその期待に応えなければ投資家のパニックは再発する可能性が高いということを意味している。7月のFOMCの後に市場が荒れ始めたのもその一部だろう。

パウエル議長はいずれこの問題に直面しなければならない。筆者は引き続きドル円の空売りを続けているが、パウエル議長が引き続きの緩和姿勢を示して金利安となっても、市場の期待を裏切って株安リスクオフとなっても、ドル円の売りにはプラス要因になると考えている。引き続き金融市場の動向を伝えてゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8321

189. 中川隆[-8764] koaQ7Jey 2019年8月18日 15:18:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3978] 報告

2019年08月18日
日本政府が円高防止でドルを買う裏介入を実施 

外貨準備が増え続けるのは、政府がドルを買って円安に誘導しているから


画像引用:https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/img.imidas.jp/topics/wp-content/uploads/2017/09/05225508/A-40-032-08-06-1_sp.png

裏介入は存在するか

為替市場で円高が進んでいて8月現在は105円台だが、1ドル100円を割るかどうかが焦点になっています。

2016年秋にも同じことがあり、英EU離脱から為替市場が乱高下し何度も1ドル100円割れを試した。

結局2016年の円高は1ドル100円で反転したのだが、この時重要な役割を果たしたのが為替介入でした。


公式に発表されている日本政府による介入は野田政権の2010年以降行われていないが、実は毎日実施されています。

大掛かりに円を売ってドルを買い、為替相場を操作するのが為替介入だが、毎日こつこつドルを買うのは「ドル調達」といっています。

これがばかにならないほどの金額で、平均すると日本政府や日銀は年間10兆円前後もドル買いをしています。


日本が貿易をするには国際通貨であるドルが必要なので、貿易上必要だからという名目でドルを買っているのです。

その一方で買ったドルで米国債などを購入するので外貨準備や米国債保有高は、どんどん上がって世界一になっています。

2019年8月現在の外貨準備高は1.3兆ドルで世界2位、1位は中国の3.1兆ドルでした。


米国債保有高は日本が1.12兆ドルで世界1位、中国は2位で1.11兆ドルでした。

見て分かるように日本の外貨準備の8割以上が米国債なのに対し、中国の外貨準備の64%は米国債以外が占めています。

中国の外貨準備の6割は実際にはどこにあるのか不明なので、実際には「この世に存在しない架空のお金」だと考えられています。

9か月で10兆円のドル購入

日本政府が120兆円も米国債を持っているのは過去にそれだけの円を売ってドルを買ったからで、現在も増え続けています。

日本は2018年10月以降、米国債保有額を計1000億ドル相当以上増やしたが、言い換えると日本政府は9か月間で10兆円以上ドルを買った事になります。

これが「裏介入」で、為替介入という言葉を使っていないだけで、日本政府は円高防止のためにドルを買っています。


その原資は国家予算なのだが実際には日銀が円を発行するだけなので元手はタダ、無料で米国債を買えるので悪い取引ではない。

余りにもドルが余って仕方がないので麻生総理の時に韓国と通貨スワップを結び、韓国に恩を売ろうとした。

だが韓国は「お金を借りて欲しいなら日本が謝罪して金を払え」と妙な事を言って解消されてしまいました。


最近ドル円相場が100円台で乱高下しているのは、円買いをする外国の投機筋に対して、日本政府がドル買いで対抗しているからと考えられます。

日本政府が裏介入で使えるのは年間10兆円レベルまでで、20兆や30兆になれば米政府は「為替操作だ!」と騒ぎ始めます。

政府が密かに(アメリカはもちろん知っているが)買えるドルには限界があり、その額を超える円買いがあれば防衛ラインの100円を突破されます。

このように為替市場は政府と外国の投機筋が、10兆円単位のお金を投げ合って戦っています。
http://www.thutmosev.com/archives/80713768.html

190. 中川隆[-8763] koaQ7Jey 2019年8月19日 19:37:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3979] 報告

2019年08月19日
世界景気後退が来た 日米欧に中国、新興国も成長率低下


リーマンショックから12年が経ち、そろそろ次の危機が来てもおかしくない


画像引用:第2章 第1節 世界経済の動向 : 世界経済の潮流 2018年 I - 内閣府https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_1.html


欧州各国はマイナス成長へ

2019年後半に入って世界各国の経済指標が目に見えて低下し、世界同時景気後退の様相を示している。

最も代表的な四半期(4月から6月)GDPでは、10年間無敗を誇ってきたドイツが0.1%減に沈んだ。

マイナス幅はわずかだったが、今まで欧州のけん引役だったドイツが逆に「お荷物」になった。




ドイツは欧州で突出して輸出依存度が高く、特にEU内と中国との貿易が多かった。

同じEU圏(から離脱するが)イギリスは0.2%減で、8年ぶりのマイナスになった。

EU離脱国民投票でもマイナスにならなかったので、離脱とは関係なく世界景気後退の影響を受けた。


イギリス政界はEU離脱をめぐって混乱していて、有効な経済対策を打ち出せない可能性が高い。

フランスはプラス0.2%を確保したが2008年以来の低成長で、失業率は5%以上とかなり高い。

ユーロ圏全体の4月から6月GDPは0.2%で、1月から3月と比べて半減し、経済の落ち込みが表れている。


このように欧州全体で落ち込みが目立っているが、世界の他の地域でも良くない。

まず日本と経済戦争中の韓国だが、2019年第一四半期は0.4%減、第二四半期は政府の経済対策で1.1%増に回復した。

これは7月に日本政府が3品目輸出厳格化やホワイト国除外を発表する前なので、19年後半はかなり厳しくなるでしょう。

中国とインドも成長鈍化

中国は前年比6.2%増つまり四半期では1.6%増だが、前年の6.6%増より低下している。

中国の成長率は公共投資や公共事業、つまり鉄道や道路や都市建設などインフラ事業によるものなので、成長率の5倍ペースで公的債務を増やしている。

GDP比率で年間30%か低く見ても20%以上債務を増やしていて、各国もようやく中国の債務依存経済が持続不可能なのを指摘し始めた。


GDPそのものの算出根拠も不透明なので、相変わらずGDP水増し疑惑が絶えない。

中国に変わって大国になると予想されていたインドだが、最近躓いて経済が減速している。

19年7月のインド自動車販売は、なんとマイナス30%減で、中国のマイナス10%も超える下落でした。


主な原因は排ガス規制や燃費規制、新規増税などの政策失敗だが、インドの将来性にも懸念が生じた。

インドの成長率は年6%から7%だが、実際は成長率4%台だったのを水増ししていたと告発されている。

これが事実ならインドの実際のGDPは発表より3割程度低い事になり、中国もそうなのかも知れません。

日米にも景気後退の波が来ている

次にアメリカだが4月から6月のGDPは年率2.1%、四半期では0.4%成長と先進国ではもっとも高い成長率を記録した。

だがこれは比較の問題であり、米国内ではリセッション(景気後退)寸前の状態と受け止められている。

数か月前まで中央銀行FRBは株価の加熱やインフレを警戒して利上げしていたが、現在は利下げを検討している。


2019年7月にFRBは2.5%から2.25%に利下げしたが、今年もう2回利下げすると考えられている。

アメリカが利下げするとドル安になるので、各国は競って利下げして通貨を安くし、輸出競争力を維持しようとします。

だが日本は既にゼロ金利なので利下げできず、一方的な円高に進む可能性があります。


19年4月から6月の日本のGDPは前期比0.4%増、年率1.8%増と良かったが、1ドル100円を割ると輸出企業に悪影響がでる。

今までの円高ではまず輸出企業が打撃を受け、ついで株価全体が下落して内需企業も打撃を受けていました。

以前より日本の輸出依存度は低下しているが、1ドル80円台になればある程度の打撃は避けられないでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/80723091.html

191. 中川隆[-8678] koaQ7Jey 2019年8月25日 16:14:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4071] 報告


イールドカーブ逆転は何が問題なのかと、銀行株が暴落している理由
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年8月25日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8345


金融業界で最近話題になっているのがイールドカーブの逆転である。イールドカーブの逆転とは長短金利の逆転であり、つまり短期金利が長期金利を上回っている状態のことを指す。しかしイールドカーブの逆転はそもそも何が問題なのだろうか? この記事で一度纏めてみたい。

短期金利、長期金利

先ずそもそも長期金利や短期金利とは何かということだが、国債などの債券とはお金を貸した証拠となるものであり、債券の保有者は債券が満期になるまで金利を受け取り続け、満期になれば貸し付けた元のお金が返ってくることになる。この満期までの期間は1年であったり2年であったり10年であったりする。この期間の長さによって債券は短期であったり長期であったりするのである。

さて、では期間の長さによって債券の金利がどう変わってくるのかだが、金利とは貸付のリスクによって決まってくる。破産してお金が返ってこない可能性の高い借り手には高金利で貸し付けることになり、逆に破産する可能性の低い借り手には低金利で貸し付けられることになる。借り手が同じである場合、期間が長いほどその間に破産する可能性が高くなるため、基本的には長期の債券ほど金利が高くなるのが普通なのである。

長短金利逆転

さて、問題になっているのはその長短の金利が普通とは違って逆になる、つまり短期の金利の方が高くなる場合のことである。現在問題となっているのはアメリカの長短金利逆転なので、先ずはアメリカの各種金利を並べてみよう。

•政策金利: 2.00%-2.25%
•1年物国債: 1.73%
•2年物国債: 1.51%
•5年物国債: 1.40%
•7年物国債: 1.46%
•10年物国債: 1.52%

先ず一番高いのは一番短期の政策金利である。そこから徐々に低くなってゆき、一番低いのが5年物であり、そこから再び上昇している。

では、長短金利の逆転とはどれとどれの逆転かということだが、一般的には2年物国債(短期金利)と10年物国債(長期金利)を比べたもののことを言う。現時点ではかろうじて長期の方が高いが、これがひっくり返ったタイミングが最近あり、それが話題になっているのである。

長短金利が逆転すると金融関係者が慌て始める第一の理由は、逆転の後に実体経済が景気後退に陥ることが多いからである。長期金利は実体経済の成長率やインフレ率に左右されやすいが、短期金利は政策金利の今後の見通しを物語っているため、長期が低いのに短期が高いとは、経済の見通しが悪いのに中央銀行の設定する金利が高すぎることを意味している。

長短金利逆転の過去の例

過去の例ではどうなっているのだろうか。10年物国債の金利から2年物国債の金利を引いたものをチャートにすると、以下のようになる。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8345

ゼロ以下になった部分が長短金利が逆転した箇所であり、灰色の部分はアメリカ経済が景気後退になった期間である。

これを見ると、長短金利が逆転した直後にはほとんど毎回景気後退に陥っていることが分かる。1998年と2006年にはほんの少しの間長短金利が逆転した後、一度持ち直してから再び長短金利が大きく逆転しており、今回の逆転を「少しの間逆転しただけでは景気後退のサインとならない」と主張した当局関係者が居たのも頷ける。ただ、そうした場合もその後もう一度逆転した後に景気後退に陥っているのである。

やはり、このチャートを見ると長短金利逆転は景気後退の前触れとして大きな意味を持っているようである。しかし、それは来年かもしれないし、3年後かもしれない。最初に逆転してからどれくらいで景気後退になるかには差があるようである。

長短金利逆転は景気後退の原因か

ただ、長短金利逆転は景気後退の直接的原因というわけではない。長期金利が低いこと自体は経済にとって好条件である。短期金利が高くとも、実体経済に影響するような住宅ローン金利や自動車ローン金利などは長期金利をもとに決定される。

ただし、長短金利が逆転すると立ち行かない業界が一つある。銀行業である。銀行は消費者から預かった預金を企業などに貸し付ける商売であり、一般的に預金は短期の預かりで、企業向けの貸し付けは長期の貸し付けである。長期より短期の方が高いと、企業から受け取る金利より預金者に支払う金利の方が高くなってしまい、商売をするだけ赤字になってしまう。

銀行株が世界的に大暴落しているのはそういう理由である。例えば以下はアメリカの大手銀行Wells Fargoの株価チャートである。

2018年初頭がピークで、そこから大暴落している。アメリカの株価指数S&P 500は2018年の下落から持ち直していることを考えれば、銀行株が特に下落していることが分かる。

銀行株の下落トレンドは世界的なものであり、日本株でも銀行株はかなり不調である。UFJや三井住友などは株価収益率が7前後にまで落ち込んでいる。

結論

こうして見ると、2018年は銀行株の絶好の売り時だったと言える。筆者は株の空売りを2018年の秋前に始めたため、2018年初頭に天井を迎えた銀行株を売るタイミングを逃してしまったが、リスクオフによって金利が低下し、しかも中央銀行の対応が遅れることが予想されるとき、それがもたらす結果は長短金利差の縮小であるため、銀行株の空売りはかなり旨味のあるトレードである。

今から思えばそれを逃してしまったわけだが、自分のトレードにあまり不満は言わないでおこう。予想はほとんどすべて当たり、株とドル円の空売りで充分利益が出ているからである。これで文句を言えば罰が当たるというものだろう。

•日経平均の空売りを利益確定、ドル円の空売りへ完全移行 (2019/6/5)
•ドル円下落の原因と世界同時株安の今後の見通し (2019/8/14)

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8345

192. 中川隆[-8576] koaQ7Jey 2019年8月30日 13:41:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4176] 報告

2019年08月30日
中国経済悪化で人民元売り 中国発アジア通貨危機も

中国は人民元を安く誘導しているのではなく、下落するのを買い支えている

中国経済悪化で人民元への売り圧力

中国の人民元は対ドルレートで節目の7.0を上回る元安で、7.16で推移しています。

ドル円は金額が上がるほど円安なのと同じで、ドル人民元も6.5より7.0の方が元安が進んだことになります。

人民元は日本円と違って固定レートで、中国人民銀行が決定したレートで必ず取引されています。



この仕組みは基準値より元安が進むと人民銀行がドル売り元買い介入し、元高になると人民元売りドル買いして維持しています。

ドル買いする元手になる人民元は、自国で発行するだけなのでコストゼロだが、人民元を買うにはドルが必要です。

したがって中国にとって現安に誘導するのは造作もないが、安くなった人民元を買い支えるには莫大なコストがかかる。


今中国が直面しようとしているのが人民元安で、値崩れした元を買い戻してレートを維持するには、数100兆円分のドルが必要になる。

市場関係者が注目する節目は7.0ではなく10.0で、1ドル10元以上になったら人民元大崩壊が待っている。

トランプ大統領やアメリカは以前から「中国は人民元を不当に安く誘導して貿易を有利にしてきた」と批判していました。


だがこれはおかしな話で、中国のGDPは以前から「不当に高く計算されていた」疑いが強い。

統計の数字をいじくってGDPを高く見せかけた国の通貨は、経済原理では安くなるはずです。

例えば日本政府が安倍首相に忖度してGDPを2倍高く発表したら、為替相場でそのウソが調整され、円の価値は半分に下落する筈です。

人民元下落をささえる外貨準備はなし

実際2015年に人民元は下落しましたが、中国の外貨準備高は4兆ドルから3兆ドルに減少しました。

これは中国政府が下落する人民元を買い支えるのに、約1兆ドル(110兆円)も使ったのを意味しています。

2015年から16年にかけて人民元は6.2から6.9に下落したが、これでも1兆ドルで人民元を買え支えていた。


もし1ドル10元のような元安を買い支えようとすると、数百兆円や1000兆円分ものドルが必要になり、それは不可能なのです。

現在1ドル7人民元が8や9になり10に近づいたら、人民元崩壊の可能性が非常に高いと言える。

中国といえば世界の工場と呼ばれ莫大なドルを稼いで外貨が余っている印象を受けるが、実際はそうではありません。


2018年の中国の経常黒字はGDPのたった0.4%で、日本の3.4%よりも少なく金額でも日本の経常黒字の1/3以下に過ぎません。

実際2018年上半期は経常赤字だったのだが、下半期に盛り返して少し黒字にしていました。

人民元を買い支える資金源は外貨準備だが、経常赤字ではいずれ外貨準備ゼロになってしまいます。


経常赤字国は外国で借金して外貨準備に充てているが、中国もそうせざるを得なくなり、対外債務が対外資産より多い「純債務国」に転落します。

実は中国は既に純債務国だとも言われていて、対外資産に比べて対外債務が非常に多い。

日本は正反対に対外資産が有り余って困っていて、アフリカやアジアにばら撒いています。


こうした違いがあるので世界経済危機が発生すると、日本円が買われて円高になり、人民元は売られて元安になります。
http://www.thutmosev.com/archives/80825020.html

193. 中川隆[-8554] koaQ7Jey 2019年8月31日 21:42:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4200] 報告


米国長期金利はまだ下がるのか?
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年8月31日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8357

昨年の世界同時株安を受けてアメリカの中央銀行が利下げに動いたことが原因でアメリカの長期金利は下がり続けている。金利低下はドル円相場や金相場に影響を及ぼすため、一度長期金利の現状について少し整理をしたい。

長期金利が短期金利より急激に下がったため、長期金利が短期金利より低くなる状況を長短金利逆転と呼び、景気後退の前触れとして金融業界で話題になっていることについては前回記事にした。

•イールドカーブ逆転は何が問題なのかと、銀行株が暴落している理由

長短金利逆転については逆転したり元に戻ったりする状況が依然として続いているが、現在のアメリカの金利は次のようになっている。

•1年物国債: 1.76%
•2年物国債: 1.50%
•5年物国債: 1.39%
•7年物国債: 1.45%
•10年物国債: 1.50%
•30年物国債: 1.96%

通常、長短金利逆転と呼ばれるのは10年物国債の金利が2年物国債の金利より低くなることであり、現状ではそれらの金利は同じ水準ということになっている。ここ数日は再び逆転した状況が続いていた。

長期金利の見通し

さて、今回の記事では10年物国債の金利、つまり長期金利について考える。復習だが、長期金利とは実質金利とインフレ率の和である

•名目金利 = 実質金利 + インフレ率

市場の金利からインフレ率を引いたものを実質金利と呼ぶと言っても良い。いずれにしても長期金利を考えるということは、インフレ率と実質金利がどうなってゆくのかを考えるということである。

では、先ずインフレ率から考えよう。現在のアメリカ経済のインフレ率は1.8%であり、3%に近づいていた2018年の数字から見れば低いと言えるが、先進国の中では高い数字を維持している。

しかし長期金利にかかわるインフレ率は現在のインフレ率ではなく今後10年のインフレ率であり、長期金利のインフレ分を知るためには市場の期待インフレ率を考える必要がある。そして市場の期待インフレ率のチャートは次のようになっている。

1.5%強というところである。これは市場が今後10年のインフレ率を年率1.5%と見積もっているということである。現在の数字より少し低い程度の水準である。期待インフレ率は2018年の世界同時株安以来、下落傾向にあることが読み取れる。

2018年の水準から下がってはいるものの、2016年の水準には達していない。2016年に期待インフレ率が下がっていたのはアメリカが利上げを強行しようとしていたからであり、今回と状況が似ている。違うのは、利上げを撤回しても大して経済に対する底上げにならないことを市場が理解し始めたことだろう。このことはレイ・ダリオ氏が説明している。

•世界最大のヘッジファンド、量的緩和バブルの限界と金価格上昇を予想

これらのことを考えると、期待インフレ率は1.5%が下限だとは考えにくい。中央銀行が対応を誤れば前回と同じ水準まで下がる可能性があると考えれば、期待インフレ率は0.3%ほど下落余地があることになる。

さて、次はもう1つの要因である実質長期金利のチャートである。

期待インフレ率より激しく下落しており、実質金利はマイナスとなっている。因みに実質金利が0%を大きく下回ったのはアメリカが量的緩和をしていた時であり、-1%近くまで下がったが、その後は0%が下限となっている。実質金利がこれ以上下がるかどうかは、アメリカが再び開始した緩和が何処まで行くかということにかかっているだろう。

結論

今回は市場の資金の流れの観点ではなく、ファンダメンタルズで長期金利を眺めてみた。現在長期金利は1.5%だが、ファンダメンタルズで見た場合の金利低下余地はまだもう少しあると考えて良いだろう。理論的には1.0%-1.2%まで下がっても下げ過ぎとは言えない。

しかし、理論的に下がる可能性があることと実際に下がることは別であり、実際に下がるかどうかは中央銀行の振る舞いとそれに対する市場の反応にかかっている。そちらについては以下の記事を参考にしてもらいたい。

•ドル円下落の原因と世界同時株安の今後の見通し
•ガントラック氏: 利下げは手遅れ、株価はもう一度暴落する


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8357

194. 中川隆[-8495] koaQ7Jey 2019年9月05日 06:16:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4271] 報告

次に株価が下がるタイミングは「下がり始め」たとき…2020年までの相場シナリオとは=栫井駿介 2019年9月3日
https://www.mag2.com/p/money/756679



中期的な株価シナリオとして、この後一旦上昇し、2020年末にかけて株価は調整に見舞われると考えています。どうしてそのように考えるのか、詳しく解説します。


株価は米国政権維持の生命線、その後は調整に見舞われる

米国株式市場の「自己予言」とは?

私の中期的な株価シナリオは、この後一旦上昇し、2020年末にかけて調整に見舞われるというものです。


足元では米中貿易戦争による景気後退懸念がくすぶっていて、特にこの8月は不安定な動きが続きました。一方で、それがかえってFRBの金利引下げ機運を高める結果にもつながっています。

すでに10年以上におよぶ金融緩和により、市場にはマネーが溢れかえり、行き場を失っている状態です。ここで「予想以上の」利下げが行われることがあれば、マネーは脊髄反射的に株式市場に流れ込むことを想定します。

その流れを後押しするのが、2020年に控えた米大統領選挙です。

米国では一般の人も株式投資に積極的ですから、株価に敏感です。株価上昇は政権支持獲得のための生命線となります。トランプ大統領は自分が当選するまでは何としてでも株価を上げようとするでしょう。


そうなると、これからもFRBに圧力をかけて利下げを迫ることは容易に想像できます。それが良いことか悪いことかは別にして、短期マネーは儲けられる可能性のあるところに殺到するのです。

しかし、大統領選挙が終わったらどうなるでしょう。もしトランプ大統領が再選したら、当面の株価を気にする必要がなくなりますから、株価対策は休止される可能性があります。

再選されなかった場合においても、すでに下がりきった金利の引き下げ余地はありません。そこへ本格的な景気後退がやってきたら、いよいよ株価は底が抜けたように下落するかもしれません。

米国経済の7割は個人消費によって支えられています。消費は、株式市場の調子に大きな影響を受けます。株価が上がると消費が活発になる「資産効果」が生じるからです。

ここで株価が軟調になり始めると、今度は株価が下がることで消費が減退する「逆資産効果」が生じます。すると経済全体が縮小して景気が後退し、さらに株価が下がるという悪循環になるのです。

株価と個人消費が密接に結びついた米国経済では、このように株価が将来の株価を左右する「自己予言」が行われます。したがって、次に米国株が大きく下がるのは「株価が下がり始めた時」という、何とも難しい話になるのです。

このシナリオを描いているからこそ、私は割高に見える米国株への投資に慎重なのです。

想定シナリオに賭けず、バットを振り続ける

米国株に慎重な一方で、日本株のチャンスは大きくなっていると感じます。米国のPERは20倍なのに対し、日本株は12倍です(参考:myINDEX)。

ただし、難しいのは「優良成長株は30倍、それ以外は10倍」というような状況にあることです。もちろん優良成長株を買いたいのですが、それらはなお高い価格で据え置かれています。

例えば、今週紹介したリクルート<6098>は下がってもなおPER30倍を維持しています。

【関連】「内定辞退率」判定情報の提供と13社による売出しで急落したリクルートは買いなのか?=栫井駿介

このような状況で、取るべき戦略は2つのうちいずれかでしょう。
◾PER10倍の中から隠れた優良株を探す
◾PER30倍の優良株が下がるのを待つ

シナリオ通りだとすると、2の戦略で2020年まで待てば良いでしょう。しかし、シナリオが当たるとは限りません。

株式投資では、一定の想定を置きながらも、それが外れたときのことを考えて行動しなければなりません。そうしなければ、丁半にかけるただのギャンブルになってしまいます。

もしシナリオが外れて上昇を続けたなら、ひたすらチャンスを逃し続けることになります。これでは頑張って株式投資を勉強している意味がありません。

現実的には、両方の戦略を取り続けるしかないと考えます。どちらも長期的に考えれば必ず結果を生むものです。大切なのは、一つのやり方に固執するのではなく、いくつかの武器を持ち、その時々の状況に応じて適切に使用することです。

野球で言うなら、ホームランも打てればバントもできる選手の方が、ただバットをブンブン振り回す選手より重宝されるでしょう。ノーアウト1塁なら送りバント、ツーアウトランナーなしならホームランを狙えば良いわけです。

もっとも、これを実践するためには1つでも多くの優良企業を知らなければなりません。バットを振り続けることが、ヒットを打つための唯一近道です。

私もこのことを心に留め、より多くの銘柄を調べ続けたいと思います。
https://www.mag2.com/p/money/756679

195. 中川隆[-8477] koaQ7Jey 2019年9月07日 09:55:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4296] 報告

金価格の現在はどんな状況といえるのか?
長期的なトレンドでは4〜6倍に上昇する=吉田繁治 2019年9月6日
https://www.mag2.com/p/money/758622


現在、ゴールドの価格の上昇がたびたび注目されています。そこで、為替や株との金の関係性を解説しながら、現在の金価格を形成した背景を説明します。

ドルの反通貨、金価格上昇の意味

短期の金価格を動かす、通貨と株価の予想

短期の金価格は、以下の要素の多変量解析で、ピッタリではなくても確率的な近似値は得ることできます。ピッタリした価格予想は、どんな方法をとっても不可能なものです。

金融商品(通貨、株、債券、デリバティブ)のなかで、下落リスクが比較的に小さな「安全資産」という認識が増えて、買われることが多くなっている金の価格は、経済と金融のファンダメンタルズに対して受動的です。通貨と株価は先導的な価格をつけますが、金価格は受動的です。

金融商品の大口の売買をし、価格を先導しているヘッジファンドが一定の割合を決めたポートフォリオ運用をしているからです(8,000本の総投資額は、10倍のレバレッジとして推計3,000兆円)。

米国株*%、日本株*%、国債*%、通貨*%、金*%、商品*%…という風に決めた割合で、分散投資をしています。過去の利益に照らして、分散投資の割合を見なおすのは、ほぼ3か月に一度です。


分散投資をしているのは、異なる値動きのものを組み合わせて、下落リスクをヘッジするポートフォリオ理論からです(開発者はハリー・マコーミック:1952年)。ヘッジをするから、ヘッジファンドという。

たとえば、米国から日本株を買うときのリスクは円安です。円建ての株価が10%上がっても、5%の円安なら、ドル換算での利益は、5%しかない。このため、株を買うと同時に、同額円の先物売りをする。先物売りでは、円が5%下がったときは5%の利益が出ます。

日々の売買は、HFT(先物や指数の超高頻度売買)を含んでプログラム化されています。1秒で先物の数千回の売買を行うHFTは、金融商品の売買総額の60%〜70%に増えています。見直しのサイクルが、ほぼ3か月は、価格の同じ傾向(短期トレンド)が続く理由にもなっています。

分散割合の変更は、ヘッジファンドの決算期の9月、12月、3月、6月に多い。決算期には、投資家の利益になる益出し(利益の確定売り)をするからです。このヘッジファンドのサイクルが、3か月から6か月の短期の価格を先導しています。

短期の金価格を決めている、多変量方程式を作ると

短期の金価格=α×ドルの下落率+β×米国株価指数の予想下落率+γ×米国の予想長期金利の下落率+δ×S&P500のボラティリィティ(価格変動率)+ε×金ETFの買いの増加+ξ×中央銀行の買いの増加…


(注)ギリシア文字のα(アルファ)からξ(クサイ)は、過去の価格変動の学習から得られた、多変量解析の独立変数です。AIも、これと同じように特徴量を深層学習して、独立変数を決めた多変量解析です。


それぞれの要素と金価格の、確率的な相関関係

(1)金価格は、基軸通貨の米ドルが下がる予想されているとき上がる、確率的な傾向があります(以下の記述では確率的を省略しています)。

(2)米国の株価指数が下落すると、金価格は上がる傾向をもちます。株を売って、金を買う動きが出るからです。

(3)世界の金利変化を主導している米国の長期金利が下がると、金価格は上がる傾向があります。ドル金利の下がった国債を売って、金を買う動きがでるからです。

(4)もっとも幅広い、米国株価指数のS&P500のボラティリティ(VIX:指数の、変化の標準偏差の2倍)が高くなると、金価格は上げる傾向があります。VIXは、恐怖指数とも言われるリスクを示す指標です。

価格変動率を示すVIXが上がると、株の価格リスクが増えていることになるので、VIXが高くなった株価指数を売り、債権国の通貨である円やスイスフランとともに、安全資産とされている金を買う動きも出ます。

(5)ペーパーゴールド(金証券)である金ETFの買いが増えると、金価格は上がる傾向があります。売りが増えると、金価格は下がります。


(6)債務国通貨であるドルの長期的な下落を想定した中央銀行の金買いが増えると、金価格は上がる傾向があります。金買いの最大手は中国です。

中央銀行の買いという要素への(注)

国債の対外的な信用度(格付け)が低い新興国の中央銀行は、基軸通貨の米ドルと金を海外との交換が必要な自国の通貨発行の準備資産(通貨信用の裏付けになる資産)にしています。

ドルが下がると予想したときは、逆に上がることが多い金を買う傾向が、特に2010年以降に生じています。

なお先進国では、自国の国債を準備資産にしています。日銀の「国債を買ってる通貨を発行」というのがこれです。

2010年以降、自国の通貨信用を高めるために、金準備を増やしているのは、新興国の中央銀行です(中国を圧倒的な筆頭にして、インド、ロシア、ブラジル、トルコなど)。

とりわけ、「中国の金買い」が大きく、2008年からの金価格は「中国の買いが主導して上がり、FRBの誘導のよる金ETFの売りが下げた」と言っていいものです。


短期の金価格は、上記6つの要素の変化に対応して変動するとすれば、妥当な見解になるでしょう。20年以上の期間では、金価格と決める6つの要素も変化します。今後10年間なら、要因そのものの変化は小さいと判断しています。


長期の金価格を決める要素

数年から10年で約5倍というような長期の大きな金価格を決める要素は、短期のものとは違います。
・長期的な金価格の上昇の傾向線(長期トレンド)の上に、
・3か月の変動サイクルが多い、短期的な変動があると判断していいでしょう。

▼(要素1)基軸通貨のドル価格の下落があると、ドルの代替資産として買われる金価格は、長期で上げる傾向を示す。

▼(要素2)世界の政府の財政赤字は「恒常的」です。財政赤字が中央銀行による通貨の増発でファイナンスされると、「消費財+不動産+金融商品」のインフレ傾向を生みます。

ドルが増発されることに応じて、このインフレが起こります。ドル圏のインフレは、長期の金価格を上げます。

現在の「信用通貨(円、ドル、ユーロ、元)」は、長期的には、GDPの増加率より発行量が増え続けるので、1単位(100円、1ドル、1ユーロ、1元)の価値は下がり続けるでしょう。

通貨の増発と低金利は、年間の生産量をほとんど増やせない金価格を上げる要素になるものです。逆の金融引き締めと高金利になると金価格も下がります。


金の供給と需要(1年間)

金の年間の鉱山生産量は、3,300トンから3,500トンです。鉱山の生産量量は、価格が上がったからといって、大きく増やすことはできません(この点が、資源量では、今後100年は無尽蔵で生産原価が安い原油と違います)。

1トンの重さの大きな金鉱石からとれる金の量は、過去は30グラムくらいあったのですが、今は微量の3〜5グラムです(粉薬の量に近い少なさです)。金鉱山会社の管理費を含む総生産コストは、過去の1オンス800ドル付近から、今は1,300ドルに上がっています。生産コストが上がったのは、世界中の優良な金鉱石が、年々、枯渇に向かってきたからです。

かつて世界1の生産だった南アフリカの金鉱山は枯渇に向かい、現在、世界1の金生産は中国です(1年に460トンくらい)。中国は、金の輸出を厳重に禁じています。世界市場にとって、世界1の中国産の金は、無いに等しい。

現在のコスト(1,300ドル)で採掘可能な埋蔵は、5万トンといわれます(金鉱山の発表の合計)。生産原価から見た金価格の下限は、現在1,300ドルでしょう。

1オンス1,300ドル(1グラム42ドル:国際卸原価)を下回ると鉱山は損をするため、生産量が減って需給がひっ迫し、価格が上がるからです。

3,500トン/年のペースで採掘すれば、14年分しかない。1オンス2,000ドルの生産コストをかければ、採掘可能な金も少しは増えるでしょう。しかし、可採埋蔵量が減っているため、鉱山からの生産の増え方は、ごくわずかです。

携帯電話の電子回路などからのリサイクルは、1年に千数百トンあります。リサイクルは鉱山から掘って使った金の再利用ですから、金を増やすものではない。金の供給量は鉱山が最大で3,500トン、リサイクルが千数百トンです。いったん買われた金地金(ゴールバー)で、市場に売りに出るものは少ない。金の供給は、需要に対して不足しています。

金の地金は、需要が増えても原油のようには増産ができない。錬金術もない。株のように増資(新規発行)できない。

このため、金価格は、需要の増加とともに上がっていく性格を基本的にもっています。信用通貨はいくらでも増刷できますが、金の生産には限界があるからです。

▼(要素3)金ETFは、FRB(世界金融の奥の院)による、金価格の調整に使われているようです。合計の買いが増える年度は上がり、売りが増えるときは、金価格は下げます。

金ETFの発行残高は、2,548トンです(19年6月)。過去最高が3,000トン(2013年)、最低が1,500トンです(2015年)。金ETFは、現物の金価格と同じことを発行会社が保証している証券です。金地金と交換ができるものと、交換ができないものがあります。

2011年の高値1オンス1,857ドル(年平均)は、FRBが主導したと思われる金ETFの売り越しによって、1,298ドル(2015年)にまで下げています。2013年から15年の売り越しは、合計が1,201トンという大量でした。

2016年からは、575トン(2016年)、206トン(2017年)、68トン(2018年)と、金ETFも買い越しになって、金価格の下落が止まり、1オンス1,300ドル前後の変動幅に戻ったのです。

2019年9月4日現在の金は、1オンス1,543ドルです。2018年の平均価格1,298ドルからは、245ドル(19%)高い水準です(国際卸価格)。円では1グラム単位で、小売価格には8%の消費税がかかっています。1オンス(31.1g)1,543ドルに対応する今日の価格は、5,716円/gです。


金の売買がとても少ない日本は、世界の金価格の決定にほとんど参加していません。金価格を大きく動かしている(買いが多い)のは、順に言えば中国、インド、中東、北米、欧州です。中国は、世界の金生産量の30%強(1,400トン/年)を買っています。金価格の上昇は、中国の買いにかかっていると見ていいいでしょう。


中国の金買い

中国の金買いが増えたのは、ドル発の金融危機だったリーマン危機のあとの2009年からです。人民銀行は米ドルを準備資産として人民元を発行しています。「元に対するドル安」になると、通貨発行の準備資産の不足になります。これを、もっとも大きな原因として、「下がるドルの代替資産として価格が上がる金」を買っているのです。

▼(要素4)中央銀行の、金買い越し額が増えると、金価格は上がる傾向が強い。

中央銀行の合計は、1971年からのドル危機(ドル1/3への下落)に対して上がっていた金価格(1980年、1オンス850ドル)を下げるため、1999年まで、1年に400トン〜600トンの金の放出を続けていました。

(注)戦後から1971年までは、1ドル=360円でした(金準備制のドルに対する固定相場)。1971年にドルの金準備制が停止され信用通貨になったドルは、1987年は1ドル=120円台です。2度の石油危機の後のドルは、円に対しても、1/3に下がっています。これが1971年kから1990年までドル危機です。

1980年から1999年の金価格は大きく下落した

ドル危機の最中だった1980年からは、中央銀銀行の金放出という要因で、金価格は1980年の1オンス850ドルのピーク価格から326ドル(38%)にまで約2/3も下げていたのです。

2000年の金価格は、円でも1グラム1,000円くらいと安かった(現在は5.5倍の5,500円台)。20年間の金価格下落と低迷は、FRBの主導による、米国+欧州による中央銀行の金放出が原因です。金価格の上昇は、基軸通貨のドルの価値下落を意味するからです。FRBの金への認識は、ドルの反通貨だとということでしょう(これは、決して言われないことです)。


1999年のワシントン協定

ところが1999年には、米国FRBは1/3の下がった金価格に安心したのか、主要国の中央銀行との間で「ワシントン協定」を結び、金の合計放出を400トンに制限しました。その後、ワシントン協定は3回、更新されています。「金は信用通貨にとって、準備資産として重要なものだから、中央銀行の金の売りを協調して1年400トンに制限する」という合意でした。

2000年から2008年

2000年は、米国IT株バブルの崩壊、2001年は、あの9.11でした。この間、ドルの世界の通貨に対する実効レートは下がり続け、代わりに金価格は約3倍に上がりました。


主因は、ワシントン協定による中央銀行の金放出量の制限でした。400トンへの放出の制限によって、1999年からは金の市場投入が減ったのと同じ効果が生じたからです(供給量の減少=需要量の超過=価格上昇)。

2008年9月のリーマン危機は、ドル危機でもあった

2008年9月からは、ドルと銀行の危機でもあったリーマン危機でした。このあとの金価格は、1,024ドルから1,897ドル(年平均)にまで、3年間で873ドル(85%)上がったのです(2011年)。根底にある原因は「基軸通貨であるドルの下落」です。ドルが下がったので、金の代替需要が増えたのです。この時期から金は、ドル反通貨という性格をもちました。

中央銀行は、金を通貨と認識していますが、金投資家を除く世界の国民には通貨という認識は薄いでしょう。政府または中央銀行が発行する信用通貨だけが通貨であると、政府によって馴致されているからです(飼いならされた国民)。

世界の政府は、国民に対して「国民は、政府に頼(よ)らしむべし、知らせるべからず」という姿勢です。わが国の財務省の、決済資料書き換えからもわかることです。

マレーシアのマハティールが、金準備制のアジア基軸通貨を提案していること、そして、2019年8月24日の、世界の金融首脳が集まる「ジャクソンホール会議」で、英国銀行の総裁が「経常収支が大きな赤字のため、長期では下落するドル基軸に代わって仮想通貨を貿易通貨にする提案」をしたことは、メディアでも伝えられていません。

2013年からの金ETFの売りが、金の最高価格1,897ドル(2011年平均)を1,200ドル台に下げた

現在もピーク価格である1オンス1,897ドルに上がった金価格に対しては、(推計ですが)FRBの主導で、金ETFの売り(1913年からの3年間で1,201トン)による金価格崩しが画策され、金価格は、2015年の1,298ドル(年平均:-32%)に下げました。

この間、金価格は1/3も下がったのです。ただしFRBは、ドルの反通貨であると新興国が認識している金価格については、頑なに発言しません。FRB金への対策(常に下落誘導)は、推計によるしかない。


2010年からは、新興国の中央銀行による金の買い

2010年からは、米欧日以外の新興国(BRICs)の中央銀行による「金買い」が起こりました(年300トンから600トン)。新興国の中央銀行は、自国通貨の発行の準備資産を、ドルと金にしていることが多い・中国はドルの外貨準備が、人民元発行の準備資産です。サウジ、ロシア(ドル+ユーロ+金)も同様です。

新興国の通貨

新興国が、国際的な支払いに使われる基軸通貨のドルを準備資産にするのは、対外的な財政信用が低く、自国の国債を準備資産にしても通貨信用は得られないからです。日本、米国、欧州は、自国の国債を買って通貨発行の準備資産にしています。

対外的な通貨信用が得られないと外貨との交換ができず、貿易ができまでせん(可能な貿易量が減る)。貿易ができないと、GDPの成長は低いものになります。

(注)今、アルゼンチンが通貨危機(ペソの下落=2.33円→1.78円:1か月で-26%)です。対外債務のある新興国が、通貨危機になると、対外債務はドル建てなので債務がペソでは膨らんだようになって、デフォルトになっていきます。国家のデフォルトとは、対外債務の返済と利払いを引き伸ばすことです。


既発国債の評価額は額面から60.5%下がり、39.5%になりました(19年9月4日)。ペソが、ドルに対して1/3に下がったことと同じ意味です。通貨の下落から起こる金融危機はこうした意味をもっています。


通貨発行の準備資産

米ドルを準備資産にしていると、ドルが下落したとき、ドルを通貨発行の準備資産にしている自国通貨の信用も下がります。

新興国の大国であるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、そして何よりも中国)の中央銀行が、リーマン危機のあとの金融危機への対策として、FRBが4兆ドル(420兆円)増刷されたドルの長期的な下落を想定して、金の大きな買い越しに転じたのは2010年からです。

人民元に対するドルの実効レート

人民元に対してドルの実効レートは、47%下げています(2006年〜2018年)。2012年から、アベノミクス円安(1ドル80円→120円)に下がった円では、ドルの元に対する実効レートの低下は見えない。

アベノミクスでの通貨増発で、円は下落していた

2012年から2017年まで、ドルに対して50%も下がった円に対しては、ドルが上がったように見えていたからです(2012年〜2017年)。

円は2019年8月は1ドル105円台に上がったとはいえ、まだ1980年代前半の水準(40年も前!)に下がった水準です。(↓世界の通貨平均に対する実効レート)。

1995年以降、円の増発とゼロ金利、マイナス金利で先行し、主要国(日本、米国、ユーロ、人民元)の通貨で、もっとも大きく下がったのが円です(1995=150→2019=75:50%下落)。

※参考:実効為替得レートの推移(日本・米国・ユーロ圏・中国)
http://honkawa2.sakura.ne.jp/5072.html


新興国の中央銀行と金投資家がドルの下落を予想して、2011年からの世界の中央銀行の金買い越しは、400トンから600トン/年に増えました。この買いが、2010年代の金価格を支えてきたのです。

「価格調整のための金ETFの売り越しがない場合、買いの需要が増えている金価格は上がる」という市場になったのが、2010年からです。

▼(要素5)金融危機のとき、金価格は上がる傾向がある。世界的な金融危機とは、ドルの危機のことです。ドルの危機のときは下がるドルに対して、金は代替資産として、世界から買われる量が増え、金価格は上がります。例外がないといっていい要因です。金融危機の場合の金価格の上げは2倍から3倍でしょう。

長期で、4倍から6倍に金価格を上げる要因は、以下のように、整理できるでしょう。金価格の本格的な上げとは、長期的な要因での4倍から6倍への上げです。その上げの期間は、約2年間でしょう。

まとめの多変量解析


●長期の金価格=α×基軸通貨のドルの下落率+β×(消費財と資産のインフレ率)+γ×金ETFの買い越し額+δ×中央銀行の金買い越し額+ε×ドルを中心にした世界的な金融危機…。


金価格が上がった短期の要因(2019年)

きっかけは、2018年央のトランプが仕掛けた対中国関税でした。関税を課すことは、貿易量を減らします。特に中国は、経済成長を主導してきた輸出量が減ります。そうすると、「元安」になる。元安の回避のために、中国から金の購入が増えたのです。これによって、金価格の上昇が始まります。

2018年10月から12月

2018年の10月から12月は、米国株の下落でした。直接の原因は、2018年9月と12月の「ドル緩和の出口政策」としての、「0.25%×2回〜0.5%」の利上げです。米ドル緩和の停止ということから、まず株価が下がった。米国株の18年12月24日までの3か月の下げは20%という大きなものでした。

米国の株の総時価は、ドルの増刷と低金利社債の発行による4兆ドル(420兆円)の自社株の買いにより3,000兆円にもふくらみ、世界の株価総時価の50%になっています。420兆円の自社株買い(2011年〜2018年)によって上がった分は、1,200兆円と試算されています(WSJ紙)。420兆円の社債発行が自社株買いになり、1,200兆円という3倍のレバレッジがかかった株価資産になっていたのです。

この株価が、18年9月と12月の利上げ(=社債の金利も上昇)によって20%下げ、600兆円の株主資産が失われたのが、18年10月から12月だったのです。寸でのところで、金融危機になるかという規模の株価の下げでした。

このとき、自社株買いバブルの株価は「下がる可能性が高いリスク資産」であり、金は「下がる可能性が小さい安全資産」と認識する投資家が増えたのです。下がる株を売って、現金を得て、それで金を買う投資家が増えてきました。この買いのため、金1オンスは、18年7月の1,175ドルから、18年12月25日には1,295ドルにまで、5か月で11%上げています。
※参考:金-価格-チャート.do

投資家から安全資産と認識されたのは、通貨では「債権国の円とスイスフラン」です。それと金でした。対外負債の大きな債務国の通貨であるドルは、「高すぎるリスク通貨」という認識が増えていったことを示します。
(注)2018年まで、ドルと米国株には、強気派が多かったのです。


2019年1月から8月

2019年になって、株価の下落(20%は暴落に近い)が続けば金融危機になると慌てたFRBは、2019年に予定していた3回の利上げの停止を発表します。出口政策は停止して、「再びの金融緩和(利下げ)」に向かうかもしれないという逡巡でした。

これは、金利の上げを織り込んでいたドルと株には、利下げに等しいことです。織り込みとは、将来の変化をすでに起こったかのように通貨や株価を売買する投資行動です。金融が緩んだ市場は、織り込み相場になります。ドルの利上げを織り込んでいた通貨と株価には、FRBの利上げの停止の発表は利下げと同じ効果をもたらします。

18年10月から12月には20%下げていたNYダウは、2万2,000ドルを底値にして、19年5月まで2万6,500ドルへと4,500ドル(20%)も回復したのです。

利上げの18年12月の113円から、利上げ停止の発表で、19年1月は107円に急落していた米ドル(ドル安/円高)も、4月までは112円にまで回復したのです(ドル買いが増えた)。


2018年7月から上がっていた金は、ドルの回復とともに、1オンス1,328ドル(19年2月)から18年5月までの5か月間で1301ドルへと27ドル(6%)下げています。「ドルと株価が上がるときは、金価格は下がる」という相関の傾向が生じています。


2019年5月から6月

2019年5月からは、まずドルが下げに入ります。1ドル111円から、8月は106円台です(5%のドル安/円高)。原因は、トランプによる中国関税の強化です。

NYダウも、5月からのドル安(5%:ドルの売りの超過)と同時に、2万6,500ドルから2万5,000ドルへと6%下げています(2019年6月)。

・米国株は、米国が債務国であり海外からの買いが多いので、「ドル上昇=株価上昇」になることが多い。

・「円安=株価上昇」になる日本とは逆です。日本は債権国であり、円安が海外生産の利益増加とドル建ての対外資産(1,080兆円)の上昇になるので、円安=株価上昇になります。

当時は、「19年秋には米中貿易戦争は緩和に向かう」というのが、投資家の過半の見方であり、5月までの回復したドルと株価は、それを織り込んでいたのです。

ところが逆に、トランプが行ったのは予想とは違う「関税の強化」への方向でした。2019年5月からは貿易戦争が激化し、2019年度は米中のGDPが、IMFの1%減の予想以上に減速するという見方に変わって「株価下落」になっていったのです(2019年5月〜6月)。


GDPがそれまでの期待値より低下することは、企業の売上が期待されていた水準より減ることであり、売上が減れば、企業利益(純益)は下がります。株価の根拠になっているのは、将来の1株当たり企業純益の割引現在価値(NPV)だからです。企業純益がそれまでの期待より下がるという見方に変わると、株は売られて下がります。

2019年7月から8月

19年7月の末のFRBによるFOMCでは、短期金利の0.25%の利下げが確定していました。6月の米国株が下げていたからです。市場は7月末の利下げを織り込んで、6月の安値(NYダウ2万5,000ドル)から、2万7,500ドルにまで、1か月で10%も上げていました。ドル相場も、6月までの下げから、7月には108円付近で波動していました。

一方で金価格は、利下げ期待から1オンス1,284ドル(5月14日)から、急騰し1,500ドル台に近づいていたのです(7月末)。金利が下がると、長短の資金が流れてきて金を買い、金価格は上げるという原則通りの動きでした。このときは米国株上昇の中で、金価格も上がっていたのです。盛んに言われたのは、「金は安全資産」ということでした。


理由は、2018年10月以来、価格変動が大きくなったドルと米国株が「リスク資産」と見なされるように変わってきたからです。2018年のトランプ関税以降、相当数の投資家に「認識の変更」が起こっていたのです。

FRBの利下げ後の異変(2019年8月)

FRBが市場の予想通り、短期金利を0.25%下げて2.00%〜2.25%を誘導目標にしたあと、起こったのは、普通はない「長短金利の逆転」でした(米英で同時)。

普通の時期は、長期金利は高く、短期金利は低い。その差をイールド・スプレッドと言います。イールド・スプレッドが短期金利で調達し、長期金利(貸付金、長期国債、債券、株)で運用する銀行の利益になります。長期金利は、長期資金の需要と供給で決まります。

FRBが関与するのは、短期金利です。短期金利(短期国債)の利下げをすると、短期金利と長期国債の長期金利の利幅は大きくなり、これが銀行の長期運用を促して、企業や世帯に対する金融緩和になります。利下げが金融緩和になるのは、長短の金利差があるときです。

長期金利である10年債の市場で決まる金利は、2019年の1月には2.75%付近であり、3か月債の利回りは2.5%付近だったので、まだ長短金利差のイールド・スプレッドはプラスでした。

ところが、FRBが0.25%の利下げをしたあと、
・市場が決める長期金利のほうが、大きく下がって1.5%付近になり
・FRBが関与できる3か月債の利回りの2%より、低くなってしまったのです。

長期金利の下げは、長期の資金需要の減退を示します。企業は、2019年のGDPの低下を予想して、長期資金の借り入れを減らしました。余った長期資金は、金利がつく長期国債の買いに向かったのです。このため米国の長期国債の価格が上がり、長期国債の利回りは1.5%に下がってしまいました。


イールド・スプレッドの逆転は、企業が将来のGDPの低下、あるいは相当に大きな減速を想定し、投資用の長期資金の調達を減らしたときに起こります。これは、しばしば投資の減少からの不況への引き金にもなります。金融市場は、「米中貿易戦争の激化+英国のEU離脱」からの世界GDPの減速を、IMFより大きく見ているのでしょう。企業には直接にわかる輸出入が、減っているからです。

(注)日本の上場製造業の純益も、19年4−6期は、早くも15%減っています。これは、株価では15%下落する要因になるものです。株価は、「次期期待純益×PER倍率」だからです。輸出が多いドイツは、世界貿易の減少のため、GDPの成長がマイナスになっています(19年4−6期)。

一方で、長期国債ともに長期マネーが避難した金は、買いが増えて1オンス1,547ドルに上がっています。FRBの利下げのあと、1か月での上昇が100ドル(7%)です。

2019年の9月には、FRBはさらに0.25%または0.5%の利下げをするでしょう。理由は、トランプ関税と英国のEU離脱(19年10月末)による米国の景気の低下と、株価の不安です。景気後退の原因は、金融的なことではなく、課税品目と関税率が強化された中国関税と、英国のEU離脱後の関税(10%)です。

ところがFRBは、筋違いの金融的な対策をとるのです。リーマン危機は金融が原因でした。このため、金融的な対策(量的緩和の4兆ドル)が効果を生んだのです。関税は金融ではない。世界的になったグローバル・サプライチェーンの分断です。金融的な利下げ策が効くはずもないものです。しかしFRBは、トランプからの人格攻撃も含む激しい利下げ要請に負けるでしょう。

長短のイールド・スプレッドが逆転した中での短期金利の下げは、金融緩和にはならず、逆に引き締めになります。米国企業もドイツや英国のようなGDPの低下予想から、投資用の長期資金調達を減らすからです。

2019年秋から冬の金価格は、すこしずつ上げていくでしょう。長期資金が、「安全資産」の金の買いに向かうからです。

ここまでが、現在までのことです。次回のメルマガでは、長期的な、といっても2022年ころまでの、金価格の予想の材料になる事項を検討します。

196. 中川隆[-8470] koaQ7Jey 2019年9月09日 11:08:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4307] 報告

上昇し過ぎたアメリカ株はもう上昇しない?利下げで企業は再び積極経営に転じるか=藤井まり子 2019年9月5日
https://www.mag2.com/p/money/758371


アメリカ経済の景気拡大は既に10年経過し、この7月に11年目に突入しました。この「穏やかな拡大期」はいつ後退し始めるのか、いつまで続くのでしょうか?


「パラダイムシフトの始まり」を見越し、ゴールド価格は上昇開始

景気拡大期の終わりは、いつから始まるのか?

パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見でも「サイクル半ばの政策調整」という言葉を使いました。今は本当に「サイクル半ば」なのか?専門家の間でも意見は割れています。

アメリカ経済の景気拡大は既に10年経過して、この7月に11年目に突入しています。危機後の実体経済の回復は従来より穏やかだったことが幸いして、その後の景気拡大期が長続きしているんですね!

「アメリカ経済の回復が穏やかなんて、嘘だ!」と思う人も多いと思うんですが、実体経済と株式市場をごっちゃにして考えてはいけません。

確かに、危機後の株式市場の上昇は力強いんですが、危機後の実体経済のほうは、インフレ率も賃金上昇率も「危機前までの景気拡大期」よりも低くなっているんですね!以前は、インフレ率は3%超えていましたし、賃金上昇率も4%超えていました。それが、危機後には、インフレ率は2%前後にとどまって、賃金上昇率も3%台で推移しているんです。


なにはともあれ、11年目に突入したアメリカの穏やかな景気拡大期。この「穏やかな拡大期」はいつ後退し始めるのか?この拡大期はいつまで続くのか?

このことは、株式投資を行っている人間、特に長期国際分散投資を継続する人間にとっては、大問題なんだと思います。

アメリカの人口動態は良好で、今後ともアメリカでは若年就業人口は増え続けます。パウエルFRBがバブルを恐れずに金融政策でうまくやってくれたら、アメリカの景気拡大はまだまだ向こう3年くらいは大丈夫かもしれません。

しかしながら、今のアメリカ経済では、企業債務(企業の借り入れた借金)が対GDP比で「危険ライン」まで膨張しています。「危険ライン」とは、「アメリカ全体の企業債務」が対GDP比でおよそ80%あたりです(今までの景気サイクルでは、企業債務が危険ラインにほぼ達すると、しばらくすると景気後退期に入りました)。

アメリカ企業は、景気サイクルの初期や前半では将来を極めて楽観視して、びしばし借金をして積極経営へと乗り出すわけです。(サイクル前半)

アメリカ企業は、収益が出てその収益で借金の利払いが可能なうちは、借金をし続けるのです。(サイクル半ば)

借金まみれになって、「もうこれ以上借金しても、売り上げも収益も伸びない。それどころか利払いも怪しくなりそうだ…」といった状態(サイクル後半)になるまで積極経営を展開するのです。

けれども、遅かれ早かれ、企業は慎重経営に転じて借金返済へと転じて、やがては「景気後退(リセッション)」がやってくるのです。

アメリカ民間企業(金融機関を除く)の債務が「対GDP比で危険ラインの80%あたり」まで膨張したのは、今回2018年初頭でした。

その後、この「債務の対GDP比」は少しつずつ少しずつ減少しています(慎重経営を始める企業がちらほら出てきているわけです)。

今、FRBが再び利下げへと転じるということは、「民間企業の対GDP比での借金比率を、FRBが複数回『利下げ』することで、もう一度増やそうとする『試み』」なんです

今、FRBがやっていることは、「企業の皆さん、利下げをしますから、もう一度積極経営に転じてください」という「呼びかけ」です。

これは、FRBの利下げで景気拡大期を人為的に伸ばそうとする「壮大な試み」なんです!
これが成功するかどうかで、今後のアメリカの景気拡大期の長さが変わってくるのです。

で、この「FRBの利下げの試み」が成功するかどうか?

「成功するかどうか」については、当メルマガでも、とてもとてもその判断に苦しんでいます。


率直に言って、このあたりはシンクタンクによっても意見が違います。著名なエコノミストやファンドマネージャーによっても意見が違います。

レイ・ダリオはかく語りき「アメリカが景気後退する確率は40%」

「ジョージソロスの再来」と呼ばれているレイダリオ(世界最大のヘッジファンド:ブリッジウォーター・アソシエイツを率いています!)。ダリオ氏は、「来年の大統領選挙までに、アメリカ経済がリセッション入りする可能性は、40%、アメリカ経済の拡大期が向こう1〜3年継続する確率は、60%」とみています。

言い換えると、レイダリオは、「FRBの複数回の利下げ」が成功する確率は60%、失敗する確率は40%と見ているわけです。

たとえば、今現在の香港の抗議デモに、万が一人民軍(武装警官)が介入したりすれば、米中貿易戦争どころじゃなくなって、アメリカをはじめとする西側諸国は中国へ経済政策を発動することになり、今度こそ「新冷戦」が華々しく開幕してしまうわけです。

こうなれば、株式市場は暴落して、世界経済はリセッション入りしてしまうことでしょう。アメリカ経済も然り。

不確実性は、香港だけではありません。

不確実性は、「香港抗議デモ」以外にも、「中国経済の軟調(通貨危機にまで発展するか?)」のリスク、「エスカレートするかもしれない貿易戦争」リスク、「アメリカの逆イールドカーブ」問題、「台湾をめぐる米中間の緊張の高まり」リスク、「韓国(中国に先んじて通貨危機まで発展しそう)」リスク、「合意なきブレグジット」リスク、「日本の消費税増税」リスク、トランプの「大統領選で再燃ならず」リスク、などなど今の世界経済にはリスク要因があまりに多すぎるのです。


こんな時に、消費税増税を実施する安倍政権も頭がおかしいとしか言いよう無ないんですが…。

ですから、あのレイ・ダリオでさえも、こういった「40%:60%」の「微妙な予測」をしているんですね

それだけ今の世界経済は不確実性が高く、不透明感が強くなっているんです(そして最大の不確実性は、トランプ大統領そのものなのかもしれないです)。

といっても極度に悲観するなかれ、あのレイ・ダリオも、60%の確率でアメリカ経済はまだまだ向こう1年から3年は拡大し続けると、予測しています。

どんなリスクエクスポージャーとアセットアロケーションが有効か?

ダリオによれば、こういった時こそは投資においては、必ず身の丈に合った「リスクエクスポージャー」(≒ポジション)で、分散、分散なのだそうです。

しかも、今まで運用成績が良かったものがこれからも良いとは限らないのだそうです。分散、分散、分散なのです。

そして、アセットアロケーションの中に、ゴールドをいくばくか(7.5%くらいか?)含めることをダリオは推奨しています。

さらに、景気後退や大幅調整が近いかもしれないからと言って、ポジションをゼロにはしてはいけないのだそうです。

そして、どういうわけか、レイ・ダリオは数年前から「中国の将来」を極めて高く評価しています。

ダリオ曰く「20世紀の新興勢力はアメリカだった。20世紀の初めにアメリカ株を長期保有しておこうと思う人は少なかった。けれどもその後アメリカ株は上昇した。21世紀の初めに、中国株を長期保有しておこうと思う人は少ない。けれども、100年後には…」と、「中国株の長期上昇トレンド」を示唆しています。

なにはともあれ、身の丈にあったポジションで、分散分散ですね!


重ね重ねお伝えしますが、アメリカ株が横ばいか若干上昇する確率はまだまだ60%くらいはあります。


「向こう数年から10年間」は「大きな時代の変わり目」

今は「大きな時代の変わり目に近づいている」というのが、レイ・ダリオの見方です。

1年以内なのか?1〜3年後あたりなのか?遅かれ早かれアメリカ経済はリセッション入りすることでしょう。ダリオは「その後の世界」について以下のように見ています。

9月4日の貞子ブログでも紹介しています。

※参考:『The Three Big Issues And The 1930s Analogue』
https://www.linkedin.com/pulse/three-big-issues-1930s-analogue-ray-dalio

ダリオは、今のアメリカ経済を1930年代後半にとてもよく似ていると考えているようです。

1930年代後半の景気後退期を脱するために、アメリカは第二次世界大戦に参戦、軍需部門でばかすか財政出動を行って財政ファイナンス(ヘリコプターマネー)を開始しました。この財政ファイナンス(ヘリコプターマネー、別名MMT)のおかげで、1940年代初めにはアメリカ経済はなんとか景気後退から脱して、株価も物価もコンスタントに上昇しはじめます(数年間もばらまき続けないとインフレにならないくらい、当時のデフレ圧力も強かったようです)。

そして、永らく低下傾向をたどった長期金利も、やや遅れて1950年ごろには上昇トレンドへと戻っていったのでした。


めぐりめぐって、2019年。「来たるべく2020年代(?)の景気後退」を回避するために、アメリカでは「財政ファイナンス(ヘリコプターマネー)」がばかすか始まることでしょう。やがてアメリカ株も物価も上昇し始めるでしょう。

この頃には、アメリカではトランプよりももっともっと大衆迎合的な大統領が登場しているのかもしれません(それほどまでに、今のアメリカでは貧富の差が拡大し過ぎてしまっているのです…)。

というわけで、レイ・ダリオは当面はゴールド価格が(向こう10年くらい?)上昇するだろうと予測しているわけです。

戦後、長期金利は1950年から1981年まで上昇トレンド辿りました。この時代の経済学では、「景気後退期には金融緩和よりも財政出動が有効である」と広く信じられていました。各国は不況になると競ってインフラ投資などの積極財政へと邁進します。

その後、長期金利は1981年から現在に至るまで下落トレンドを辿っています。この時代の経済学では、「景気後退期には財政出動よりも金融緩和が有効である」と広く信じられていました。各国は不況期には競って金融緩和を続けます。

そして、長期金利が「上昇のメガトレンドから下落のメガトレンド」へとシフトする「大きな時代の変わり目のおよそ10年間」には、ゴールド価格が急騰しています。

1970年は、アメリカ政府がドルとゴールドとの兌換を止めた年です。その後の10年間である70年代にはゴールドは暴騰、ものすごい勢いで「ドル安・ゴールド高」が進行した時代だったのです。

めぐりめぐって2019年。今後、長期金利が「下落のメガトレンドから上昇のメガトレンド」へとシフトする「大きな時代の変わり目の10年間」が始まることでしょう。向こう10年間、大きな時代の変わり目になるんです!

この新しい10年間においても、ゴールド価格は上昇するだろうというのが、ダリオの見立てです。

おそらく2020年には、アメリカのポピュリスト政府は財政ファイナンス(=ヘリコプターマネー)に着手することでしょう。2020年代も1970年代同様に「ドル安・ゴールド高」が進行する時代になるだろうというのが、ダリオの見立てです。

2020年代の10年間、ドル安の進行でどの通貨が高くなるのでしょうか?それは、台頭する新興勢力の中国人民元をはじめとする新興国通貨なのかもしれません。

ドル安の進行とともに、ドルは今度こそ「基軸通貨の座」から少しずつ滑り落ちるのでしょうか?アメリカは「覇権の座」から少しずつ滑り落ちるのでしょうか?

世界は、向こう10年間くらい、「勝者無き多極化の時代(群雄割拠の時代)」を迎えるのでしょうか?

197. 中川隆[-8461] koaQ7Jey 2019年9月11日 14:43:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4322] 報告
米国は30%の株価の下落、日本は長期国債価格24%で金融危機に陥る…その背景とは?=吉田繁治 2019年9月11日
https://www.mag2.com/p/money/761630

日本株が下落しても金価格は上がりませんが、米国株が下落すると金価格は上がります。そんな金価格と米国株、日本株の複雑な関係性と背景を詳しく解説します

2018年8月から、金価格が上がった原因の究明

米ドルは一見、下がっていないが…

基本的な疑問は、どこにあるのか。世界の通貨に対するドルの実効レートは、下がっていない。むしろ高い水準。ドルが下がると、ドルが売られ、代替資産とされる金が買われて上がるというのはわかるが、ドルが高い水準なのに、なぜ金が上がるかということでしょう。

今回の、ドルの上げが始まったのは2018年の夏、トランプの対中関税が始まり、英国の議会でEUからの離脱方法をめぐって迷走していた時期です。

EU離脱は、英国とEUの貿易における10%の関税の問題です。EU(欧州経済連合)の28か国間では関税が0%、労働の移動は自由です。離脱すれば、英国民の過半が嫌っている移民の流入は抑えられますが、貿易品には関税がかかります。EUではなくなる英国は、EU以外の世界とも、関税の協定を結びなおさなければならない。

国民投票所あと、英国が3年間も迷走した理由

英国議会の迷走の理由は、英国に属する自治領の北アイルランドと、陸続きの独立国のアイルランド(EUのメンバーを続ける)との間の全部の道路に、10%関税と物品検査の検問所(国境)を作らなければならないからです。


北アイルランドは、英国北部のスコットランドとともにEU残留を求めています。英国の分裂の可能性をはらむのが、北アイルランド問題です。

トランプの貿易戦争と英国のEU離脱は、同じ関税の問題です。世界の産業は、共産圏が崩壊した1990年代から「グローバル・サプライチェーン」、つまり「資材〜加工〜仕入れ〜販売」が国を超えて、在庫管理(販売・発注システム)でつながっています。

1990年から始まったのがグローバル化だった

世界を2つに分断していた冷戦の終わりだったソ連崩壊のあと、1990年から2010年代の30年間は、製造、物流、販売が「グローバル化」した時代です。


インターネットも、産業のグローバル化を加速しました。日本は、この冷戦崩壊のあとをうまくイメージできず産業の適応が遅れました。これがGDPの成長のない30年を過ごした、第一の理由です(これは指摘されない事実です)。世界的な、アップルやアマゾンを作ることができなった。


見方の問題

1990年からの資産バブルの崩壊に、その後のGDPゼロ成長(30年!)の原因を集約してしまったのです。冷戦の終結から始まるものではなく、終わるものを見ていたことになります。

われわれは、時代変化によって始まるものに焦点を当てねばならない。次回のドル危機のあと、2〜3か月目から上がる金価格についても、同じことがいえます。本稿ではそのメカニズムを述べますが、米国では「株価下落→ドル危機→金融危機→金価格上昇」になります。

関税が上がると、グローバル・サプライチェーンが分断されます。中国からは、工場の国際移動になるでしょう。オバマと違いトランプは、1990年以降の歴史の展開を「米国第一」と言いながら後退させています。

中国輸入に関税を課しても米国に生産は増えず、例えば鉄鋼業(USスチール)の業績は低下しています。米国製造業全体の先行きを示す景況感指数は、50を下回り、「不況感」が強くなっています(18年8月:3年ぶりの50割れ)。日本の上場企業全体の利益は、-15%でした(19年3−6期)。3年ぶりの減益です。とくに、かつては世界一だった電気機器の利益は-74%と壊滅的です。

中国関税と米中、英国関税とEU、そして日本の経済成長

関税は、世界のGDPの成長を下げる要素になります。IMFは1%程度の下落しか見ていませんが、複雑系の多数の経路をとった波及から実際には大きくなるでしょう。

事実、製造と金融で中国と関係が深く。輸出が多いドイツのGDPは、19年の4−6期にはマイナスです(-0.1%)。2.2%くらいは成長していましたから、マイナス幅は2.3ポイントと大きい。
(注)ドイツのベリンガーメーカーが設計した、プロ用のオーディオ機器(チャンネルデバイダー)を買うと、当然のように中国製でした。


トランプ関税と英国のEU離脱は、今のまま進むと、グローバル化してしまった世界経済のゆりもどしの転換点になるでしょう。始まったばかりなので、産業のあらゆる経路に及ぶ複雑系の影響は、IMFと世界のエコノミストには、まだ見えていない。

データは過去のものです。集計は、3か月から6か月遅れます。人間にデータの意味が分かるのは、いろんなデータが出揃うのは、1年から1.5年後でしょう。

金融は、実体経済の先行する

ところが金融(マネーの流れ:ファイナンス)は、マクロ経済の事実データに6か月くらい先行します。

企業は、将来のGDP(=自社売上)を想定して、資金調達して設備・機械・雇用への投資をするからです。資金調達には、金融がかかわります。金融・経済について書くことが多いのは、このためです。


「長期金利(お金のコスト)が下がる」のは、資金需要の停滞を示します。実は、中央銀行は「資金の需給で決まる市場の長期金利」を70%くらいは追認し、その近い将来の傾向を30%くらい変える能力しかもっていないでしょう。

長期金利は、市場の売買で決まる

金融機関の間の長期国債の売買によって、長期金利は決まっています。

・国債人気が高いときは価格が上がって、市場の流通価格に対して金利が下がり、
・国債の売りが多いときは、流通価格は下がって金利は上がります。

長期国債も、途中で売買されるものが圧倒的に多い。長期債も、1年に1.5回転〜2回転するくらい、短期債のように売買されています。金融機関の間の長期国債の売買額は、中央銀行が売買に介入できる金額よりはるかに大きい。

景気予想+FRBで変動する米国の長期金利

米国の長期金利(10年債の金利)を見ます。

2016年7月には、1.6%という低さでした。6か月後の17年1月には2.4%に上げ(長期国債が売られ、価格が約6%下がり)、2017年12月までの約1年、2.3%〜2.4%が続きました。

長期金利の上昇=国債価格の下落

米国の資金需要が増えて長期金利が上がったのは、17年12月からです。11か月後の2018年10月には、3.15%という高さでした。


この11か月間、米国の長期債は売られて価格は6%下げたのです。原因は、FRBの出口政策としての短期金利の利上げでしょう。

長期金利の下落=国債価格の上昇

長期金利が下がりはじめたのは、FRBが18年9月に出口政策として短期金利を0.25%利上げしたあと、2018年10月からです。

長期金利は、FRBの利上げに反して「トランプ関税後の実体経済(生産と需要)の低下を予想して」下がっていったのです。
(注)市場の資金需要の減退に遅れて、FRBが利上げをしたことが分かります。FRBのみならず、世界の中央銀行の金融政策は実態の資金需給に対して、ほぼ常に、およそ6か月は遅れるのが常です。

金融市場の長期金利が下げる中で、FRBは短期政策金を2回上げました(18年9月0.25%、12が月0.25%)。

<以下、慎重に、ゆっくり読んでください>

●18年9月からのFRBによる、短期金利の上げの中での市場の長期金利の低下が、昨年秋の米国株の大きな下げを生んだ原因になっています(株価は18年10月〜12月に20%下げています)。短期金利が上がるなかで長期金利は下がったのです。

長期金利の下げは、企業の資金需要(借り入れと社債発行)の減退を示すものです。企業の景況感が低下し、投資が減ったことを示します。その中は、FRBは異次元緩和からの出口政策として、0.25%×2回の短期金利の上げ誘導を実行したのです(9月と12月)。


●長期金利は3.15%(18年10月)から、現在は1.5%台(金利では48%と半減)に下がっています。2%の短期政策金利を0.5%下回って、逆イールドという珍しい現象が起こっています。ここが肝心な点です。

※参考:アメリカ10年債券利回り‐インベスティング・ドットコム
https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield


198. 中川隆[-8460] koaQ7Jey 2019年9月11日 14:45:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4323] 報告
2018年の夏から、トランプ関税第一弾

この長期金利の低下の3か月前、2018年の7月は米中両方のGDPを低下させるトランプ関税の追加第一弾でした(現在は第四弾)。

米国の貸付の長期金利(長期債の金利+α=企業の設備投資のときの金利)は、2018年10月から下がっています。中国への関税発動による米国のGDPの低下を予想した、投資資金の需要減退が起こったのです。

GDPの減速予想→長期国債の買い→長期金利低下

資金需要が減ったので、金融機関(当座預金)がもつじゃぶじゃぶのマネーは、金利のつく長期国債の買いに向かった。この買いのため長期国債は、価格が15%上がっています(=長期金利は3.15%→1.5%に下げています。既発国債の価格が上がることが金利が下がることです)。

米国では、
・市場での資金の供給と需要が決める長期金利(資金需要が増えると長期金利は上がり、減ると下がる)と、
・FRBが2019年7月末に、狼狽して0.25%下げた短期の政策金利(2.00%〜2.25%の誘導目標)が逆転するという、異常な現象が起こっています(2019年8月〜)。

長期の貸し出しはリスクがあるので、回収リスク(貸し倒れ引当金)を見る金利は、高くなければならない。それが短期金利より低いということは、企業の資金需要がGDPの減速を予想して減退していることを示します。対中関税で、企業は「景気の低下を想定」しているのです。

英国ポンドでも、ドルと同じ時期にEU離脱問題から景況感が低下し、長期金利が米国と同じように下がって、長短金利の逆転が起こっています。英国ポンドは、FRBの傘の下と見ていいものであり、ドルと同じ動きをする通貨です。英国でも、EU離脱後のGDPの低下を企業は想定してるのです。


株の売り→米国長期国債の買い+金の買い

投資家の運用マネーの行き先(残高3兆ドル:315兆円)であるヘッジファンド(投資信託)からは、
・低いとはいえ金利がつく米国長期債が買われて、価格は上がり、利回りは下がって、
・GDPの減速予想から下落リスクが高くなった株が売られて下がる中で、金が買われたのです(ヘッジファンドは先物の売買が多い)。

以上が、1年前の2018年8月から、金価格が上昇にはいった理由です(18年7月末1198ドル→19年9月8日1506ドル:26%上昇)。「ヘッジファンドが、株を売って金を買った」ことが、金価格を先導しました。
※参考:金-価格-チャート.do‐BullionVault


まとめれば、以下の波及の経路でしょう。株価、金価格、外為等の複雑系では、マネーの経路の判断が重要です。
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(1)トランプ関税第一弾(18年8月)+英国のEU離脱の国会の迷走
(2)関税からのGDPの低下予想→企業の長期資金需要の減退
(3)長期資金が滞留した金融機関のマネーでの長期国債買い→長期金利の低下(長期債価格は上昇)
(4)株価リスクの高まりの中でのヘッジファンドの金先物と金ETFの買い増し→金価格上昇
(5)新興国の中央銀行の、金と金ETF買い増しの継続→金価格上昇
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ヘッジファンドが、国債を含む債券価格と金価格を先導する

ヘッジファンドの金先物の売買は、短期的投資です(3か月から1年の限月での、売り清算がある)。しかし、先物の買いを増やしていくときは長期投資になります。

金ETFは反対売買の限月(期限日)がない株のような金証券なので、長期買いが多い(金ETFは、金価格と同じであることを発行会社が保証します)。金ETFは、金地金を証券化したもの(セキュリタイゼーション)です。金商人でもあるロスチャイルド系のSPDR(スパイダーゴールド)が最大手です。

現在、2,500トン分くらいが発行されています。ETFは買いが増えると増えて、売りが増えると減ります。大型タンカーの通路であるホルムズ海峡の危機(19年6月)ときも、買いが増えました。

「トランプ減税で経常収支の赤字が増えているドルの長期下落リスクへの認識」から、準備通貨として金を買っている新興国の中央銀行は買った金を売ることはなく、長期買いです。

ドルの下落はないという見解についての、反論

金が上がる条件としての「ドル下落はない」という見解について申し上げます。

<通貨相場は、相対的なもの>

ドルを含む世界の通貨は、ドルの金準備制を停止したあと(1971年〜)、基軸通貨のドルまでを含む変動相場制です。この中での「ドル高、ドル安」は他の通貨(ユーロ、元、円)に対する、相対的なものです。


(→)構成比がドルについで高いユーロが下がると、ドルの本質的な価値が下がっていても、ドルは相対的に上がったように見えます。

●ユーロは「英国のEU離脱と米国より対中貿易が多いため」、2018年4月の1ユーロ=1.23ドルから、現在は1ユーロ=1.10ドルにまで、12%下げています。これが、ドル高に見える主因です。

逆に、円に対しては、米ドルは4%から5%下げています。(2018年12月112円→19年9月107円:111円〜107円を変動)

・通貨の構成比が円の約3倍のユーロに対して、ドルが上がり(ユーロが下がり)、
・合計では、米ドルに匹敵する、元を含む新興国通貨に対して上がったので(新興国通貨はドルに対して下がった)、
(→)世界の通貨に対する、2015年以降のドルは「上がっている=下がっていない」ように見えています。
(注)2015年は、FRBが、2008年以降の量的緩和(QE:4兆ドル:420兆円)のドルの供給を絞る、出口政策として、「0.25%×9回」の利上げを行いはじめた年度です。


FRBの利上げのため、
・2015年は1ドル=1.16ユーロ、2018年1月は1ドル=1.20ユーロのドル高(ユーロ安)でした。ユーロの金利は0%〜マイナスに下げたからです。


相対的な尺度が変わっていく変動相場では、ドルの価値は分からない

●ドルの絶対価値は、変動相場の中では分からない。絶対的な価値をもつ金との関係で計るべきという、少数派の見解をもっています(喜んで少数派です)。

1971年に、ニクソン大統領が金交換制を一方的に停止したあとの変動相場の40年間のドルは、世界の通貨に対する「実効レート」であっても、「お互いに伸び縮みするゴムの縮尺」で計った相対価値に過ぎないからです。

1971年以降の変動相場

金交換の停止は、米国FRBのドル発行の準備資産(担保)だった2万4,000トンの金が、ベトナム戦争での7,000億ドルの戦費による貿易赤字を原因に欧州に流出したための、「金のデフォルト(ドルという約束手手形の金交換の停止)」でした。

フランスとドイツはFRBに対して、貿易で受け取ったドルと金の交換を要求したからです。FRBが決めていた金の公定価格は、1オンス(31.1g)が35ドルでした。現在の43分の1です。1グラムでは1.12ドルであり、118円(!)でした(現在は5,500円付近)。

ベトナム戦争(1955年〜1975年の20年間)の直接の戦費は、現在価値では7兆ドル(735兆円)であり、第一次世界大戦より米国の戦争費用は大きかったのです。その後の医療費や年金・恩給を含むと、もっと巨大な費用がかかってます。米国の凋落は、米国のほぼ唯一の敗戦だったベトナム戦争で始まっています。

ベトナム戦争の陰で、輸出により2000年代の中国のような二桁の高度成長したのが日本です。米国が戦費をばらまき、日本がそれを得たのです。当方の父は船員でした。ベトナムに食糧・医療・衣服などの物資を運ぶ輸送船に乗ると、危険手当として給料が2倍になると休暇で帰ったとき言っていたので記憶しています。


戦争と国債の増発→通貨の増刷

20年の長期の戦争は、「財政赤字からの国債発行→中央銀行による国債の買い」として通貨を増発させます。ドルが増発されるとドルの価値の低下を恐れ、価値を保つ金との交換要求が増えます。ドルと金交換はFRBからの金の流出なので、FRBは金準備制を持続できなくなります。

ベトナム戦争の結果が実は、1971年の「金ドル交換停止」でした(新著『臨界点を超える世界経済』で、「政府によって、「金融の正史」とされていない本当の歴史」も詳しく書いています)。

ドル基軸通貨の体制(1944年〜71年)では、金1オンスを35ドルと交換可能としたドルに対して、世界の通貨は交換レートを固定した固定相場でした。円は1ドル=360円でした。現在の105円になおすと、当時の金1グラムは108円という安値だったのです。


1971年の米国からの一方的な金・ドル交換停止のあと、ドル価値のアンカー(錨)だった金がなくなります。あとは、ドルと世界の通貨は、外為市場での売買によって日々変動していく「変動相場」にならざるを得なかったのです。貿易収支の赤字のためドルが海外に流出する米国は、ドル価値を守ることができなかったのです。


信用通貨となったドルの価値は10年で急落した

ベトナム戦争による戦費が原因で、1971年に金・ドル交換が停止され、信用通貨になったドルに対しては、1973年、1979年と2度の石油危機(原油価格はドルで20倍)が起こります。1980年には、金価格は1オンス850ドルに上がっています。1971年の1オンス35ドルからすれば、850ドルは24倍です。

●金の価値が10年で24倍に上がったのではない。金は5,000年前から同じ金属です。
金が上がったのではなく、増刷を続けた信用通貨の米ドルが1970年代の10年で、1/24に価値を下げたのです。金は、3年で数倍、5年で10倍、10年で20倍というような価格の上げ方をしてきたのです。

増発されたドルの価値が、10年で1/24に下落していたということでしょう。ドル価値の大きな下落は、他の通貨も一緒に動変動相場では見えないのです。

現代の通貨の増発

現代の世界は、通貨では戦争のあとではない。元FRB議長のグリーンスパンが、1929年から33年の大恐慌を想起して、70年に一度と言った金融危機のあとです。

08年9月に発現した金融危機(リーマン危機という)の後、米国、欧州、日本、中国の中央銀行が合計で20兆ドル(2,100兆円)の通貨を増刷し、それが、「ゼロ金利のさらさら流れる過剰流動性」になったあとの世界です。

2年という波及期間

米国住宅価格の下落は、2006年からでした。リーマン危機まで、2年の波及期間があったことになります。債券の下落が、玉突きの球のように波及していく期間です。金融機関の自己資本という損失を吸収するバッファー(緩衝)があるので、債券の下落の波及にはタイムラグが生じます。


今後も、株価・債券の下落のはじまりから金融危機へは、2年の期間があると見ていいでしょう。2年の最中は、「これは小さな崩壊だ」という論が主流になります。リーマン危機の前も、「不動産ローン担保証券(MBS、ABS)の下落では、金融危機には至らない」されていたのです。大恐慌が始まった、1929年の株価暴落のときも、実体経済の恐慌までは、2年の期間がありました。

●マイナス〜ゼロ金利のマネーは、集計すると世界で18兆ドル(1,890兆円:円は400兆円)にのぼります。マイナス〜ゼロ金利の国債、超低金利の債券、下落リスクが高まった株の売買マネーとして運用されています。

このうち、わずか1%(19兆円)が「金の買い越し」に向かうだけでも、金価格は3倍には高騰するでしょう。


金のは鉱山とリサイクルで4,500トン/年、時価では22.5兆円くらいしか生産されません。このうち2,500トンくらいは固定的な需要なので、金地金では2,000トンくらいしか、新たに買えるものはないからです。(注)短期証券である先物は、現物とは別枠の買いです。


金の価格と、採掘可能埋蔵量

金は、1トンが現在の価格では約55億円、100トンで5,500億円、1,000トンで5.5兆円です(1グラム=5,500円とする)。

年間の金の新規の生産(鉱山の生産)は約3,500トンであり、金鉱山の枯渇のため、容易には増えない。地下4,000〜5,000メートル掘っても、今後、採掘が可能な金の世界の総量は5万トンとされています。

最大に見ても8万トンはないでしょう。年間の採掘量を3,500トン以上に増やすには、設備投資が必要であり、すぐには増えません。

通貨、国債、株式は、紙の契約書であり、必要ならいくらでも増発できますが、金の生産には物理的な限界があります。

地上の金(宝飾品、ゴールドバー、電子部品)は、18万トンとされ、時価では1,000兆円くらいでしかない。価格が5倍に上がると、5,000兆円です。「金」は不動産と同じような意味で、価格が上がることにより増やすことができます。

米国の株価は、バブルか?

これから2年先の金の価格を見通すには、時価総額3,000兆円の米国株がバブルで崩落するのか。バブルであっても、大きくは下がらす、±15%(ダウでは3,800ドル)くらいの幅で波動しながら高い水準を続けるのか、にかかっています。


米国の株価崩壊は金融危機になります。米国の金融危機はドル危機でもあり、その時は、米ドルの反通貨(代替資産)として買われる金価格は高騰します(この上昇は、100%の確率です)。

(注)ただし金融危機の発現直後は、金価格は下がることが多い。決済資金に困窮した金融機関、ヘッジファンドが、手持ちの金を売って現金に換えるからです。金は債券より、はるかに換金しやすいからです。下落した数か月後から、金融危機(ドル危機)を原因にした金価格上昇が始まります。

08年のリーマン危機には金の換金売りが急増し、1オンス(31.1g)970ドルから750ドルまで23%下げています。2か月後には上がり始めて、3年後の2011年7月には、1,750ドルへと2.3倍に上がったのです。原因は「金融危機=ドル危機」です。
※参考:金価格推移‐三菱マテリアル株式会社

高い株価に依存している、米国の金融

米国の株価崩落が金融危機になる理由は、米国の平均的な金融機関の自己資本(総資産の約5%しかない)の中身の多くが、持ち株の含み利益だからです。

銀行の資本は、
(1)基本項目(Tier1)=発行株式+優先株+利益の内部留保
(2)補完項目(Tier2)=保有株や債券の評価益の45%+土地等の評価益の45%+貸倒引当金+劣後債のローンなどです。

「Tier1+Tier2」が自己資本とされます。それを「貸借対照表の資産、つまり、貸付金等のリスク債権+株等のリスク債券」で割ったものが銀行の自己資本比率です。


米国の大手銀行の自己資本比率は9%水準ですが、その自己資本の過半が「持ち株の含み利益」である点が株価が下がったときの問題になります。
(注)邦銀の三菱UFJの自己資本費比率は、米国より高い12.2%です(2018年)。ユーロも平均では13%と高い(2016年)。


リーマン危機のあと3倍

リーマン危機のあと、FRBの4度のドル増発(QE:4兆ドル:420兆円のゼロ金利マネーの供給)を主因に、
・米国の株価は、平均で3倍に上がり(ex:金は2.3倍)、
・NYSE(ウォール街のNY証券取引所)と、ナスダック(タイムズスクエア)の株価時価総額は3,000兆円になり、世界の株の50%に膨らんでいます。
※参考:株式市場の各種推移‐野村資本市場研究所

日本は株価の時価総額が、米国の1/5の602兆円です(19年9月)。550兆円のGDPに対して1.1倍です((注)1980年代後期は、日本が世界1の株価時価総額でした)。米国の株価時価総額は、米国のGDP20兆ドル(2,100兆円)に対して、1.4倍大きくなっています。

世界一の投資家、ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイの運用資金の時価4.9兆ドル:515兆円と巨大)は、GDPを超える米国の株価(40%分:800兆円)は、バブル的な評価といっています(バフェット指数)。

株を買わない学者や評論家ではなく、515兆円の預かり運用資産をもって、実際に株式投資している人の発言です。傾聴に値するでしょう。

●リーマン危機のあと株価が3倍に上がったため、米国銀行が投資資産としてもつ企業の株に大きな含み利益が出ていて、それが銀行の自己資本に算入されています。実際、株価の上昇が、2008年の金融危機(=銀行の債務超過)から回復させたのです。

米国では、金融資産のうち時価3,000兆円の株の割合がもっとも大きい(米国債は22兆ドル:2,310兆円と株式の77%)。日本は逆に、1,080兆円の国債の割合が株の1.8倍も大きい国です。


株価依存の米国金融;国債依存の日本の金融

企業の1株当たり期待純益が高く、株価に依存した金融の国が米国です。政府の債務である、ゼロ金利国債に依存する金融の国が日本です。いずれも、将来は発現する問題を抱えています。

日本は、「長期金利の3%への上昇→長期国債価格の24%の下落」で金融危機になります。金融機関のもつ国債が多いからです。米国は、株価の下落(30%以上)から金融危機になって行きます。金融機関の持ち株が大きいからです。

日本では、日銀を含む政府系の郵貯・簡保・GPIFが株価を支えた

▼日本の株価

【2013年は、外国人投資家の買い】

2012年から2013年の日本株は、ヘッジファンド(外国人投資家)による15兆円の買い越しが、日経平均(225社の平均株価)を1万400円から1万6,178円にまで、55.6%上げています。

【2014年からは、政府系金融機関の買い】

2014年からは、まずGPIF(公的年金の運用機関:運用資金163兆円:2019年)が株を買い、郵貯(総資金量210兆円:2019年)、かんぽ生命(総資金量73兆円:2019年)が、アベノミクスの一環として株を買い、日銀は株ETFを買って上げています。官製相場です。日銀は現在年間6兆円のペースで株ETFを買っています。


もし日銀がこの買いを縮小から停止しなければならない時期になると、日経平均は1万3,000円には下がるでしょう(今日の日経平均は2万1,199円:19年9月6日:ここから約40%安)。

199. 中川隆[-8459] koaQ7Jey 2019年9月11日 14:47:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[4324] 報告

日本は株の下落では金融危機にはなりませんが、企業の投資が減って不況になります。証券会社には破産が増えるでしょう。

【2019年は自社株買い】

日本でも、米国(株主)からの「EPS:1株当たりの税後純利益を米国並みにあげろ」という企業への要請から、流通株数を減らす「自社株買い」が増えています(2018年は6兆590億円)。

超低金利の社債の発行で現金を得て、投資ではなく、自社株買いによって市場で流通する株数を減らし、1株当たりの純益を高めて株価を上げることの要求です。

【経営の本末転倒】

資金を調達し、利益の出る設備投資、技術投資をすることが本義の企業にとって、社債(負債の証券)を発行し、自社株を買うのは経営の本末転倒です。株主資産を増やす米国の強欲資本主義の波及です。

わが国の経営者は、米国のような高い報酬だけを目的にはしていなかった。自社株買いが、急に5兆円に増えた2014年から変わったように思えます。2012年までの自社株買いは、2兆円レベルでした。
(注)カルロス・ゴーン氏は、米国の経営者の、オプション株による高い報酬を自己正当化の例として出していました。

2019年上半期(6か月)の自社株買いの発表は、5兆8,250億円(年間では12兆円のペース)。2018年の2倍です。1か月の平均で1兆円ですから、2013年の「外人の買い越し(15兆円)」に匹敵します。


日経平均2万2,000円付近(19年9月)は、
(1)1日の売買が2兆円を下回る日が多い薄商い(40%から50%減)の中で、2倍に増えた自社株買いと、
(2)毎月5,000億円(年6兆円)の日銀による株ETFの買いが支えているといっていいでしょう。ETFは先物と違い、清算売りの限月がないので、売らない限りは買い越しの長期保有になります。

日銀の株ETFは、27兆円(6兆円の4.5年分)に増えています(19年8月末)。どこまで増やすことができるでしょうか。
※参考:営業毎旬報告‐日本銀行

政府が指揮している、公的年金運用のGPIF(総資金量160兆円)は、米国債を28兆円(18%)、米国株を42兆円(26%)、国内株を38兆円(23%)保有しています(19年6月)。国内株は25%まで増やせると言う。
※参考:2019年度第1四半期運用状況(速報)‐年金積立金管理運用独立行政法人

自社株買いは株主への利益還元といいつつ、日産のカルロス・ゴーン氏と西川社長が行ったような、オプション株で高額の報酬を得ることも目的になっているでしょう。

【オプション株の仕組み】

オプション権(選択権という意味)は、一定価格で株を買う権利です。1,000円だった株価が1,200円に上がると、それを1,000円で買う権利があるので、1株当たり200円の利益です。会社から1,000万株のオプション権をもらっていれば、「200円×1,000万株=20億円」の特別な報酬になります。株価が下がったときは、権利を流せば損はゼロです。


米国のCEOの100億円を超える報酬の多くは、オプション株を貰ったあとの自社株買いによって得られています。CEOは自社株買いの決定ができ、株主は株価が上がると歓迎するからです。自社株買いは配当とみなされています。FRBの量的緩和(4兆ドル:420兆円)は、報酬面では株買いのレバレッジがかかって、企業経営者と大口資本家に行ったのです。

【2019年は、ヘッジファンドと個人の売り、自社株の買い】

ヘッジファンドは、2019年も日本株を1兆3,788億円売り越しています(19年1月〜8月)。このため、1か月平均で1兆円と大きくなった自社株買いで、株価を買い支えて上げるという算段です。下のデータの事業法人の買い越しに、自社株買いが含まれています。売り越す会社も多いので、事業法人全体の買い越しでは1兆円/月より低い。

※参考:投資家主体別売買動向表‐安藤証券

【長期では…】

政府系金融による株の買いが減って(または終わり)株が下がったときは、「自社株買いの社債による負債が増えたが、一時は上がっていた株主資産は消える。B/Sの総資産・負債に対する自己資本比率は下がる」という結果になります。社債は、期限日には全額を一括償還しなければならない負債です。

2013年以降、「市場経済の自然ではない、株買いの連続」が日本株を上げて支えています。

【個人と、生保・信託銀行の機関投資家】

市場の投資家だった個人と機関投資家は、政府発の上げ相場だった2013年から一貫して、売り越しています。700万人の個人投資家の合計では、「ヘッジファンドの売りを主因にして、下がったあとの逆張りの買い」しかしていません。

以上の事情の展開と理由は、証券会社が進んでは言いたくないことです。様々な材料を都合よく解釈し、上がるとしなければ、株の売買は増えないからです。

ただし、以上は「日経平均」についてです。企業利益の増加期待から上がる個別株はそれぞれが別の動きです。しかし、オーバーオールな日経平均(225社の単純平均)やTOPIX(一部上場の約2,000社強の加重平均)の平均株価に連動する部分は60%はあるでしょう。


日経平均が下がる中で、個別株が上がる、上がる中で、個別株が下がることは少ない。マクロ経済の予想で売買される指数の売買が増えているからでもあります。日銀が買っている株ETFも、日経平均のようにグループ化した株価指数です。

まとめれば、安倍政権の2013年以降の日本株は、個人、機関投資家、銀行が売り越すなかで、

・2013年はヘッジファンドの買いで、
・2014年からは、過去は市場外だった政府系金融機関からの買いで上がってきました。
(日経平均8800円(12年11月)→現在は2,200円付近)

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(1)2013年はヘッジファドによる日本株の買い越し(15兆円)

(2)ヘッジファンドの買い越しが一巡した2014年からは、政府系金融機関(郵貯+かんぽ生命)の買いと、年金基金のGPIFの買い。

(3)2014年から日銀の株ETFの買い増しが3兆円/年、政府系金融の買いが一巡しはじめた2016年には3.3兆円に増枠、2016年7月から1年6兆円に増枠して現在に至る。

(4)企業の自社株買い。[2013年2.7兆円→14年4兆円→15年6.5兆円→16年4.2兆円→17年4.2兆円→18年6.5兆円→19年は13兆円のペース(上半期)](アイエヌ情報センター)

2019年の、もっとも大きな買い越しは、日銀の、6兆円の2倍以上の、事業法人の「自社株買い(2019年上半期は昨年の2倍)」になっています。2019年3月までの日本株は、「19年下半期の自社株買い」が、前年比でどの程度増えるかに、かかっているでしょう。

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以上の買いの要因は、いずれも市場経済の不自然さであり、「いずれ、終わる」ものです。政府系金融が企業の株を買うことは、「企業へのマネーの供給」と同じ意味をもちます。株も広義の流動性マネーだからです。

人民銀行を先頭にした大手政府系銀行が、国有企業にマネーを提供している「中国の共産主義金融」に近い。ソ連の共産主義金融では、「国有企業に貸しつけるが、利払いはなく返済もない融資」が多かったのです(ルーブル発行量の増加の継続になって最後は1,000倍のルーブルインフレ:1999年)。個人、機関投資家、銀行が、下がる中で買い増しを続けることは(1か月はあっても)想定できない。そのとき、日本株は下げます。

米中貿易戦争、英国のEU離脱の影響で、わが国の企業利益が縮小する中(9月は-15%:上場企業)、「2019年下半期から2020年の自社株買い」がどの程度増えるか、2020年3月まで今年の2倍のペースで増えたあと、どの程度減るのかということに日本株の2020年はかかっているでしょう。
(注)日本株の下げ幅は、米国より小さいでしょう。

なお日本株の下落で、金が上がることはありません。日本人の金買いは、少ないからです。しかし日本株は、米国株と同時に下落します。米国株の下落のときは、「リスク資産に売り→安全資産(国債と金)買い」にマネー流れ、金価格は上がります。

200. 中川隆[-10042] koaQ7Jey 2019年9月15日 15:30:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2747] 報告

「いわゆるリフレ派政策」の終わり 2019-09-15 三橋貴明
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12525513366.html

 ステファニー・ケルトン教授が来日した際に、一番印象に残ったのは、シンポジウムで語っていた、

「QE政策(量的緩和)は、民間に債務を増やすことを求める。そうではなく、民間の所得や自信を増やす財政政策が必要」

 の部分で、わざわざシナリオに手を入れて、三橋TVでもその旨を語って頂きました。


 指摘されるまで気が付きませんでしたが、

「日銀のインフレ目標と量的緩和のコミットメントで期待インフレ率を引き上げ、実質金利を引き下げ、消費や投資を増やしてデフレ脱却」

 という、「いわゆるリフレ派」の理論は、「実質金利引き下げ」と「消費や投資増」の間に、民間が負債を増やすという経済活動があるわけです。


 このデフレ期に、つまりは儲からない時期に、企業が負債や投資を増やすはずがありません。というか、企業が負債や投資を増やさないからこそ、デフレなのです。


 その状況で、政府は緊縮財政。「小さな政府型のデフレ対策」である、いわゆるリフレ派政策を六年間もやったわけですが、結局、日本のデフレ脱却は果たせませんでした。当たり前ですが。


 過去六年半、日本銀行は量的緩和政策ということで、主に銀行(預金取扱機関)から国債を買い取り、日銀当座預金を増やし続けました。


 もちろん、日銀当座預金を増やしたところで、我々が銀行からおカネを借りない限り、銀行預金や支出(消費・投資)は増えません。おカネの種類が理解できない人は、

「デフレは貨幣現象! 日銀がおカネを発行すれば、デフレ脱却できる!」

 と、叫んでいましたが、正しかったのが誰か、今となれば、どなたにでも分かるでしょう?


 日銀当座預金を借り入れ、支出することができる存在は、政府だけです。その政府が緊縮財政ということで、日銀当座預金を増やしても、増やしても、デフレ脱却が果たせず、預金取扱機関の国債の「お尻」が見えてきました。

【日本銀行及び預金取扱機関の国債・財投債(億円)】

http://mtdata.jp/data_66.html#kokusaizaitousai

 19年3月時点で、預金取扱機関の国債・財投債は150兆円を切ってしまいます。こうなると、量的緩和政策の終了はカウントダウンでございます。


 と、思ったら、早くも終わりました。

『日銀、「異次元」の国債購入終了 黒田緩和前の水準に
 日銀の長期国債の年間購入額が、2013年4月に異次元金融緩和を始める前の水準にほぼ戻ってきた。19年8月末の長期国債保有額は1年前と比べて約24兆円の拡大にとどまり、13年4月末時点の年間増加額(約25兆円)を下回った。ピーク時の3割程度への縮小だ。中央銀行の歴史に残るとの見方もあった「異次元」の巨額国債買い入れは、いったん終わった。

 日銀は黒田東彦総裁の下で異次元緩和を始めたとき、年約50兆円ペースに向けた長期国債の購入増額に着手した。14年の追加緩和で約80兆円とした。白川方明前総裁時代の13年1〜2月期には年23兆円程度のペースだったので、文字通り異次元だった。だが次第に政策の持続性に疑問が指摘されるようになった。(後略)』

 ちなみに、四半期別で見た日銀の国債・財投債の増加額はこちら。

【日本銀行の四半期別国債増加額(億円)】

http://mtdata.jp/data_66.html#zoukagaku

 四半期別で見ると、2016年4−6月期をピークに、日本銀行は国債買取を抑制していたのです。当時から、金融市場の国債の「お尻」が見えていましたので、当然と言えば当然です。


 また、このタイミングで量的緩和を終了させたのは、貨幣乗数の問題もあるのではと「個人的に」睨んでいます。

【マネタリーベース・マネーストック(左軸)と貨幣乗数(右軸)】

http://http://mtdata.jp/data_66.html#jousuu

 マネーストックをマネタリーベースで割った貨幣乗数は、2018年から継続して2倍のままなのです。(厳密には、2.02倍とか)


 もちろん、マネーストックとマネタリーベースには、直接的な関係はありません。


 日銀がマネタリーベースを拡大しても、民間で信用収縮が起きれば、マネーストックは減ります。逆に、日銀がマネタリーベースを縮小しても、民間企業がおカネを借りれば、マネーストックは拡大します。


 正直、貨幣乗数が2倍を切ったところで「だから、何。デフレでしょ」という話なのですが、日銀的には嫌だったのではないかと。日銀は、以前の「銀行券ルール」のように、奇妙奇天烈なルールを自分で設定し、頑なに守ろうとします。


 いずれにせよ、日銀の金融政策のみでデフレ脱却は果たせないことを、我が国は六年間の社会実験で証明したのです。


 正しい解は、一つしかありません。国債発行です。


 国債を増発すれば、マネーストック(銀行預金など)と支出が拡大し、我々の「所得」も増えます。その状況が数年続けば、「自信」も戻るでしょう。


 さらには、日銀の金融政策の担保もできます(金融市場の国債が増えるため)。


 正しい解決策は、国債発行と財政出動しかないのです。この「正しい解決策」だけはやらないという、異様な状況から脱却しない限り、我が国に繁栄の未来はありません。

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12525513366.html

201. 中川隆[-11328] koaQ7Jey 2019年9月21日 10:05:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1470] 報告


2019年後半以降の株式市場・ドル円の推移動向予想
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年9月20日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8409


株式市場とドル円については随時記事にしているが、ここで一度今後の動向について纏めておきたいと思う。

世界同時株安から金融引き締め停止まで

普段からの読者には繰り返しになるが、株式市場は2018年後半の世界同時株安で一度は30%近くも下落したが、その後アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)が利上げと量的引き締めを撤回したことで一時持ち直した。去年の動向については以下の記事で纏めている。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)

去年の世界同時株安の原因はアメリカの金融政策であり、今後の動向を握るのも世界の中央銀行の緩和状況である。このことは去年も今年も変わっていない。

ただ、去年と今年では金融政策の状況が変わっている。アメリカは金融引き締めを停止したことに加え、去年の株安の頃からヨーロッパの実体経済が悪化し始めたことからECB(欧州中央銀行)は量的緩和を再開した。

•ECB、量的緩和再開を決定、今後の相場の試金石に (2019/9/12)

そしてアメリカは利下げを行なっている。厳密にはパウエル議長は現在の利下げを「利上げサイクル内の調整」に過ぎないと主張して、株価のために180度方向転換したことを誤魔化そうとしているが、誰も信じていないだろう。

緩和イコール株高か

さて、日本とヨーロッパは量的緩和を実行中、アメリカも利下げを行なっている。アメリカの金融引き締めが問題となっていた去年の相場とは全く違う状況である。

世界中の中央銀行が緩和しているのだから株高と見るべきだろうか? 数年前の相場ならそうだったかもしれない。しかし注意したいのは、アメリカがゼロ金利に戻って量的緩和を再開すれば、世界経済に金融緩和の余地はほとんどゼロになってしまうということである。

この事実を認識してか、金融緩和の効きが明らかに悪くなっている。例えば、ヨーロッパでは9月に量的緩和が行われたにもかかわらず、ドイツ株はそれほど上がっていない。

因みに以下が2015年1月にECBが量的緩和を開始した時のドイツ株のチャートである。

反論としては、もう数ヶ月待たなければECBの緩和に効果がなかったかどうかは分からないとは言えるだろう。しかしこのままドイツ株に大した効果が現れなければ、それはアメリカが量的緩和を再開した時に株価がどうなるかを予言することになる。

ECBの量的緩和で株価が横ばいなら、アメリカの量的緩和でも株価は横ばいになるだろうか? 筆者はそれよりも悲観的である。何故ならば、アメリカの量的緩和開始の後には何も残されていないからである。

投資家は今後の値上がりを期待して株式を購入する。しかしアメリカの量的緩和の後には、株価を持ち上げるようなどのようなニュースも残されていない。アメリカが量的緩和を再開してしまえば、世界の中央銀行に出来ることはもうほとんど残っていないのである。そうした場合の市場の典型的な反応は「噂で買って事実で売る」ということになるだろう。つまり、アメリカの量的緩和の発表が市場の頂点だということである。

為替相場の動向は

為替相場はどうなるだろうか? 皮肉なことに、一番値上がりが見込まれるのは最大限に金融緩和している日本円である。上でも述べた通り、投資家は今後の見通しをもとに投資を行う。だから「金融緩和が一番行われているから円売り」ではなく、「今後の金融緩和の余地が一番少ないから円買い」になるのである。つまり、日銀が支えていた円安はついに剥がれてドル円は下落するということである。

また、逆に言えば一番緩和余地の大きい通貨が一番下落することになる。それはドルである。ドルはユーロに対してもここまでドル高で来ているが、ユーロの緩和余地も限られ始めている。ECBの量的緩和は緩和拡大の余地が残されてはいるが、それを使い果たしてしまえば日銀と同じ状態に陥ってしまう。そして緩和余地が残されているのはドルだけなのである。ドル安は避けられないだろう。

株価については「アメリカの量的緩和が頂点」になる可能性が高いとは言ったが、それは米国株の話であって、日本株や欧州株が2018年の高値を取り戻せるかどうかは不明瞭である。ドル円が下落すれば日経平均にはマイナスになる。少なくとも米国株と同じパフォーマンスにはならないだろう。

あるいはアメリカの量的緩和に辿り着くまでにもう一度株式市場は下落を経験するかもしれない。それは今回の記事で語ったよりもより短期的な見方である。以下の記事を参考にしてもらいたい。

•ガントラック氏: 利下げは手遅れ、株価はもう一度暴落する

それについては遠からず答えが出るだろう。今後も相場の動向を逐次伝えてゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8409

202. 中川隆[-11298] koaQ7Jey 2019年9月22日 09:36:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1500] 報告

平野憲一の株のお話 2019.09.22 現場の気持ちは驚くほど弱い。

 とにかく現場を取材して驚くのは、これだけ相場が動いても全く盛り上がっていない事です。それを証明するかのように、日経レバ(強気型)ETFに空売りがドンドン増えて、信用倍率は9/13現在0.79倍で、発行済口数もじり貧で逆日歩が付く始末です。逆に弱気型ETFの日経ダブルインバースの発行口数は増加しています。個人投資家売買動向も9月第2週は、第1週の2273憶円から大きく増えて4956億円(現物)になっています。

 ファンド筋の弱気もあまり解消していません。本欄で指摘してきましたが、裁定取引ネット買い残は9/6現在のマイナス1兆6945億円の最高水準から9/13現在で、減っているのは僅か1000憶円です。

 筆者の株一筋50年の経験値から言うと、とてつもなく大きな相場が始まった気がします。勿論それは、2万3000円、2万4000円となって行かなければ証明されませんが。
http://kasset.blog.fc2.com/


▲△▽▼

宮田直彦のエリオット波動マーケット分析


NYダウ、S&P500 のエリオット波動

現在は

supercycle X波, cycleT波, primary (5)波, intermediate (B)波

の上昇トレンド中


日経平均・TOPIX のエリオット波動

現在

cycle(X)波, primary (3)波, intermediate (B)波

の上昇トレンド中


なので両方共 長期強気相場が進行中です。
日本政府や日銀が何もしなくても株価はこれから上がり続けます。

トランプは米国株価や景気に影響がない様に
中国からの輸入品で代替品が手に入って米国での商品価格が上がらないものだけにしか関税をかけていないのですね。

203. 中川隆[-11268] koaQ7Jey 2019年9月23日 10:10:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1530] 報告

2019年09月23日
28年ぶり地方の地価上昇 消費増税の谷を越えた日本経済は拡大へ


地方の地価がついに上昇し始めた


画像引用:【群馬県内 公示地価】 前橋中心街 27年ぶり上昇! 2019年3月20日(水) 上毛新聞より | アール・イー・ビー | 有限会社アールイービーhttps://www.reb.co.jp/%E4%BB%8A%E6%9C%9D%E3%81%AE%E6%9C%9D%E5%88%8A%E3%81%8B%E3%82%89/20190321/

日本株上昇期待

今の日本は消費増税目前なのに買い控えが起きていて、物価上昇率や消費が再びマイナスになりつつある。

世界経済は米中対立などで貿易額が減少し世界経済の成長率が、リーマンショック後の平均より1%ほど低くなると予想されている。

日本は内需も外需もダメなうえ消費増税で再びデフレ不況になりそうだが、一方で日本経済復活を予想する専門家もいる。



日本株については消費増税後に下げが予想されるが、前回の増税でそうだったように回復する可能性がある。

理由は単純に今までが安かったからで、悪名高い日本企業の内部留保は外国で高く評価されている。

労働者の賃金を低く抑えて企業収益を上げるのは、労働者から評判が悪いが投資家には魅力的に映る。


ドル円相場は107円前後だが、日本のデフレとアメリカのインフレを考慮すると、以前の1ドル120円台にも相当する。

日本株は2万円を超えたところでバブル最高値の3万8千円は遥か彼方、まだまだ上昇余地が大きい。

日本経済を上昇させるのは消費だが、バブル崩壊30年も増えてておらずGDPに占める割合は70%から60%に低下した。


GDPそのものも30年間世界でもっとも低成長で、1人当たりGDPは主要国1位から世界25位まで転落した。

もっともGDPは為替相場で1割くらい簡単に変動するので、円高になれば世界10位くらいになります。

これらは日本から見ると実に情けないが、外国人投資家からは「上昇余地が大きい」ことになる。

日本は上昇余地が大きい国になった

先進国という同じグループ内でバブル期の日本は突出して1人当たりGDPが高く、突出して割高だった事になります。

その頃落ちぶれていたのはアメリカで、投資家はアメリカを「上昇余地が大きい先進国」と見て投資しました。

英仏独伊も欧州病と言われるくらい経済不振だったが、日本と入れ替わるように勢いを取り戻しました。


結局世界経済とは成長しすぎて割高になった国はその後停滞し、経済不振で割安になった国は成長しています。

典型的な例は韓国で1997年に国家破産した事で世界で最も割安な国になり、その後急成長しました。

中国の奇跡の成長もその前に100年くらい停滞しまくって、1人当たりGDPで日本の100分の1くらいになっていました。


これほど割安だと外国との交流が始まればスポンジが水を吸収するょうにお金を吸収し、瞬く間に大成功しました。

こうした目線で見ると実はこの10年くらい成功していた国は「割高な国」で不振を囲っていた国が割安な国になったのが分かります。

割高なのはアメリカ、中国、韓国、ドイツなどで、割安なのは日本や北朝鮮などでしょう。


北朝鮮は政治体制が変わらないと急成長が見込めないが、日本は30年落ちぶれた分だけ成長する可能性があります。

先日地方圏の中核4市(札幌、仙台、広島、福岡)と三大都市圏(東京、大阪、名古屋)が28年ぶりに揃って地価上昇したと発表されました。

国のGDPは実は株価と地価に連動していて、地価が上昇すると経済活動が活発になりGDPも増えます。


上昇率は微々たるものだが27年間下落し続けた地価が上昇したのは、トレンド転換を予想させる。

今回の消費増税による景気停滞は、増税前に予想されているより短期間で上昇に転じるかも知れません。
http://www.thutmosev.com/archives/81030937.html

新潟、下落幅8年連続縮小 リゾート地、活発化の兆し
SankeiBiz(サンケイビズ)2019.9.19

 新潟県は19日、7月1日現在の基準地価を発表した。県全体の全用途平均は前年を0・8%下回り、平成8年から24年連続の下落となった。下落幅は前年より0・3ポイント縮まり、8年連続で縮小した。工業地は22年ぶりに上昇。一部リゾート地で別荘の動きが活発化し始めるなど、明るさを取り戻しつつある地域もみられた。



 調査の対象は県内30市町村の540地点。地価が上昇したのは85地点で、前年の71地点を上回った。

 用途別平均では、住宅地が0・9%の下落(前年は1・2%下落)、商業地が0・8%の下落(同1・2%下落)となった。住宅地は22年、商業地は27年連続の下落だが、ともに下落幅は前年より縮小した。工業地は0・4%の上昇(同0・8%下落)。これについて県用地・土地利用課は「企業の業績改善と設備投資の増加、工場の不足感から需要が改善している」と分析している。

 地価が最も高かったのは、住宅地、商業地いずれも新潟市中央区内。住宅地は、富裕層から根強い人気がある「水道町2丁目808番17」(1平方メートル当たり16万2千円)で、変動率も5・9%で1位。商業地の地価は「東大通1−2−30」(同54万8千円)が19年連続の1位。商業地の変動率1位は「新潟市中央区弁天2−3−35」で、5・2%だった。


新潟市は住宅地、商業地とも2年連続上昇。住宅地は利便性や居住性の高さから0・6%(前年は0・4%)、商業地はJR新潟駅周辺の再開発事業への期待感などから1・0%(同0・8%)だった。



 同課によると、下落が続いていた妙高市の赤倉や池の平は横ばい、湯沢町の苗場やJR越後湯沢駅付近の地点は下落率が大きく縮小。インバウンドを含む観光客誘致のための投資や別荘地の需要が下支えしているという。

 また、住宅地で長岡、燕両市のそれぞれ1地点、商業地では三条市の1地点が上昇に転じた。地価調査の代表幹事を務めた不動産鑑定士の勝見秀樹氏は「緩やかな景気回復と低金利が続いていることから、地価の改善傾向がより顕著になり、地域的な広がりもみられる」と指摘している。(池田証志)

204. 中川隆[-11175] koaQ7Jey 2019年9月25日 10:45:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1627] 報告

景気が悪くなるから株価が下がるのではなく、株価が下がるから景気が悪くなる


世界経済の成長は株価に依存している
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年9月24日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8423

世界経済が鈍化している。2018年に世界同時株安が起こったとき、実体経済はむしろ絶好調だった。しかしそれから1年が経過し、世界経済は本当に鈍化しつつある。

大手メディアでは、世界経済が鈍化し始めているから株価が急落したのだということになっている。しかし実際には因果関係が逆である。株価が下落したから世界経済が鈍化し始めたのである。

株価と実体経済の関係

ここでは何度も説明したように、世界同時株安の原因はアメリカの金融引き締めだった。今では金融政策の先行きについて完全に口をつぐんでしまったパウエル議長が当時金融引き締めに強気だったために、株安のトリガーが引かれてしまった。このことについては以下の記事に纏めてある。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)

そしてその頃、実体経済は好調だった。むしろ4-6月期GDPが非常に好調だったために金融引き締めが継続すると考えたことを理由にわたしは世界同時株安を予想したのである。

•4-6月期アメリカGDPで株式市場崩壊のシナリオが近づいた (2018/7/28)


しかしその頃から実体経済の状況が変わっている。そのことについて書いてゆきたい。

鈍化し始めた世界経済

先ず、一番最初に鈍化し始めたのは中国経済である。中国株は主要国株式のなかで一番最初に天井を付け、その後下落基調を辿っている。そしてその影響は早い段階で実体経済に出ていたのである。中国のGDP統計は信頼性が低いのでここでは載せないが、年始のドル円の急落がAppleの中国売上高の不調に起因するものだったことを思い出したい。


•Apple決算でドル円急落? 本質的な原因と今後の相場見通し (2019/1/3)


そしてそれがどうやら先進国にも回ってきているようである。例えば、アメリカの株価と実質GDP成長率を並べてみよう。

株価が足踏みをし始めたのが2018年1月の最初の世界同時株安からであり、経済成長率が天井を付けているのがまさに上で言及した、好調だった4-6月期GDP統計で、アメリカ経済はそこから鈍化し始めていることになる。

つまり、株価が足踏みを始めた半年後に実体経済も振るわなくなったということになる。

しかしアメリカ経済は耐えている方である。日本とドイツは、株安のあった2018年1月を含む四半期から成長率の鈍化が開始している。

アメリカと比べると激しい減速である。これを受けてECB(欧州中央銀行)は量的緩和を開始したわけである。

•ECB、量的緩和再開を決定、今後の相場の試金石に

今後の株価の動向

株価低迷がこれらの成長鈍化を引き起こしているという仮説が正しければ、世界経済はこれから負のスパイラルに突入する可能性がある。世界経済の成長鈍化がこのまま続けばいずれ企業の純利益に影響し、企業の純利益は株価に直接影響を与える。そうすると株価が更に下がり、それが更に成長鈍化に繋がるという悪循環を引き起こす。

1つの反論は、ECBの量的緩和がこれからある程度効くかもしれないということと、アメリカにはまだ利下げと量的緩和が残されているということである。量的緩和がはたしてどれくらい効くのかについては保留にしたい。しかし世界経済の様子を見ると、アメリカが更なる金融緩和を迫られること自体は既定路線になってきたように感じる。当然ながらそれはドル円の下落を意味する。

因みにパウエル議長は前回の会合で「これから金融政策については会合ごとにその場その場で決めるので、事前には何も言わない」と言い放った。完全な職場放棄である。そういう仕事なら大した知識のない人でも、誰でも出来るだろう。

ということで、投資家はパウエル議長を気にしなくとも良い。市場と経済だけを考えていれば良いのである。そして経済を見る限りでは、やはりすべての中央銀行が量的緩和に逆戻りするシナリオが濃厚になってきたように思う。しかし問題はその後なのである。

•世界最大のヘッジファンド、量的緩和バブルの限界と金価格上昇を予想
•ガントラック氏: 利下げは手遅れ、株価はもう一度暴落する
•2019年後半以降の株式市場・ドル円の推移動向予想


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8423

205. 中川隆[-11171] koaQ7Jey 2019年9月25日 12:28:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1632] 報告

不動産価格は株価に先行して変わる、株価は景気に半年先行する

従って

米国株は今上がっているので、半年先はアメリカ経済もドルも更に上向くというのが相場の常識です:


宮田直彦のエリオット波動マーケット分析

ドル−円 のエリオット波動

下降トレンド
第1波 1978/10/31 177.05
第2波 1982/10/29 277.45
第3波 1995/04/19 79.75
第4波 2007/06/22 124.16
第5波 2011/10/31 75.35

上昇トレンド
A波 2015/06/05 125.86
B波 2019/08/26 104.46
C波 現在進行中


NYダウ、S&P500 のエリオット波動

現在は

supercycle X波, cycleT波, primary (5)波, intermediate (B)波

の上昇トレンド中


日経平均・TOPIX のエリオット波動

現在

cycle(X)波, primary (3)波, intermediate (B)波

の上昇トレンド中

206. 中川隆[-11131] koaQ7Jey 2019年9月30日 08:28:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1689] 報告


事前に分かっている危機は発生しない


すべての恐慌やショックはまったく予想していないむしろ絶好調の時に発生していました。

話は古くなるが1920年代のアメリカは自動車や飛行機など機械産業が発達し、黄金の20年代と呼ばれていました。

アメリカ人は永遠にこれが続くと思っていたが、1929年のある日株価が大暴落して世界大恐慌が発生しました。


同じパターンは何度も繰り返され、1980年代の日本人は高度成長に酔いしれて日本はアメリカを倒して超大国になると思っていました。

だが好事魔多しで幸せの絶頂だった1989年年末がピークであり、バブル崩壊後は30年間衰退し続けた。

911同時多発テロの前、アメリカは冷戦が終わったことで油断しきっていて、アメリカに歯向かう者など存在しないと思っていました。


あらゆる危機はこのように「危機など存在しない」と思っている時に発生し、人々が危機に備えている時は起こりません。

2019年の日本が直面しているのが消費増税の危機で、メディアや評論家は消費増税で日本経済は崩壊すると言っています。

思い出してほしいのは2014年の消費増税では、日本人全員が「アベノミクスで好景気だから影響はない」と言っていた事です。


1997年の消費増税はその後10年間日本をデフレ不況に叩き込んだが、メディアや評論家は問題ないと太鼓判を押していました。

かえって消費総勢で福祉が充実するから景気が良くなると言っていたが、結果は御覧の通りでした。

1989年の消費税開始時はバブル絶頂期だったので、お金が余って使い道に困っていて、「どうやって景気を冷やすか」を日本中が議論していました。


リーマンショック前も世界経済は絶好調で、これならすぐに日本はバブル超えできると言っていました。

このようにあらゆる経済危機は必ず「危機を予想していない時に起きている」ので、危機が予想されている時には起きません。

2019年10月に実施される消費増税で日本は再びデフレ不況になると言われていますが、経済評論家がそう言っている時は危機は起きないと考えています。
http://www.thutmosev.com/archives/81094607.html

207. 中川隆[-10919] koaQ7Jey 2019年10月13日 13:44:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1917] 報告

米国が裏で操るビットコイン価格、200万円から30万円まで売り崩したCIAの戦略とは
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/665.html
208. 中川隆[-10866] koaQ7Jey 2019年10月14日 17:47:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1975] 報告
平野憲一の株のお話 2019.10.14

期待材料である先週8日に明言したパウエル議長のFRB資産再拡大ですが、11日に毎月600憶ドル(6兆5000億円)の短期国債を購入すると正式発表しました。

年間78兆円の資金供給ですから、3〜5兆円の補正予算に期待している日本市場とは桁が違います。

パウエル議長は「量的緩和」の再開ではないと言っていますが、月500憶ドルの資金吸い上げの時も、「量的引き締め」ではないと言っていました。しかし、「引き締め効果」は大きかったですね。今度も「緩和効果」が大きいと思います。

 そうなると明日火曜日から本格化する米国企業7〜9月期決算にも期待が高まるかもしれません。
http://kasset.blog.fc2.com/

米国、実質的に量的緩和の再開を宣言
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年10月12日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8440

10月11日、米国の中央銀行であるFedは債券買い入れによりバランスシートを拡大することを発表した。要するに中銀が国債を市場から買うことによって市場に資金を注入するということであり、少し前まではそれは量的緩和と呼ばれていた。しかしパウエル議長は今回これを量的緩和とは呼びたくないようである。

「量的緩和」再開

とにかくFedが何を発表したかを確認しよう。Fedは短期金融市場の安定化のため、毎月約600億ドルの国債を買い入れる。この措置は少なくとも2020年第2四半期まで行われる。行われることを客観的に見れば、これは量的緩和である。

ただ、前回の記事でも述べたように、今回の措置は短期金融市場の混乱への対策であり、長期金利に対する影響は少ないとFedは強調している。短期金融市場で最近何が起こったかについては、前回の記事で説明してあるのでそちらを参考にしてほしい。

•パウエル議長、バランスシートの拡大再開を示唆、レポ市場の混乱で

それでも国債買い入れは国債買い入れであり、量的緩和によって長期金利が下がったことが不動産市場や株式市場に影響したように、短期市場から国債を吸い上げることは元々短期国債を持っていた投資家の資金を別の場所に追いやることになり、長期国債の金利にも影響を与えるだろう。

そこで、問題となるのは金額である。月額600億ドルというのはどうなのか? 例えば前回のFedによる量的緩和は元々月額400億ドルで開始し、途中で850億ドルに増額され、その後徐々に減額されながら停止された。

要するに買われる国債が短期側であることはさておき、金額で言えば結構な規模の措置ということになる。

「量的緩和」

パウエル議長はこの措置を「量的緩和と混同しないように」と言っているが、投資家にとっての問題はこの措置がどういう名前で呼ばれるかということではない。

一番の問題は、今の状況から長期国債を積極的に買うような本来の量的緩和を始めたいと思ったとしても、それが大した追加緩和にならないだろうということである。現状から「本来の量的緩和」への変更とは、単に買い入れる債券を長期国債へと切り替え、月額600億ドルを850億ドルへ増額する程度のものである。金融危機や景気後退が起きたときにそういう変更を発表して市場にどれだけの効果があるだろうか?

つい先日ECB(欧州中央銀行)も量的緩和再開を宣言したが、こちらも買い入れ額に多少の増額余地があるものの、増額を発表したところで衝撃的とは言い難い追加緩和にしかならないだろう。

•ECB、量的緩和再開を決定、今後の相場の試金石に

結論

日銀に緩和余地がもう残っていないことは周知の事実だが、ユーロ圏とアメリカはどうなったか。追加緩和の余地は確かに多少存在する。しかし景気後退や金融危機に対応出来るようなものは既に何も無くなってしまったのではないか。

資産価格とは常に未来への期待によって成り立っている。ビットコイン価格の天井がビットコイン先物の上場であったように、これ以上の資金流入イベントがこの先起きないということを市場が認識してしまえばどうなるだろうか?

世界史上最大の暴落イベントが近づいてしまったのではないか。こうした話は誰もしていないためにこの状況に何の問題もないかのようだが、筆者は非常に憂慮し始めている。世界中の中央銀行が弾切れになったとき、世界市場には何が起こるのか?


•世界最大のヘッジファンド、量的緩和バブルの限界と金価格上昇を予想
•2019年後半以降の株式市場・ドル円の推移動向予想


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8440

209. 中川隆[-10711] koaQ7Jey 2019年10月19日 18:29:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2145] 報告


アメリカ「量的緩和」再開の相場への影響は?
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年10月18日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8447

9月12日にECB(欧州中央銀行)が量的緩和を再開したことに引き続いて、10月11日にアメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)もバランスシートの拡大再開を決定した。

•米国、実質的に量的緩和の再開を宣言

タイトルに「量的緩和」と括弧を付けているのは、Fedのパウエル議長がこの措置を「量的緩和と混同してはならない」と主張しているからである。しかし量的緩和の定義とは資産買い入れによるバランスシートの拡大ではなかっただろうか。

「量的緩和」の効果

どういう名前を付けるにしても、市場に対する効果は同じである。あるいはパウエル議長が量的緩和ではないと主張したおかげで市場はこの措置にほとんど反応していないのかもしれない。

Fedがバランスシートを逆に縮小させる量的引き締めを開始した時も同じであり、市場はほとんど反応を示さなかった。しかしここでは当時、量的引き締めを行なって市場に影響が及ばないということは有り得ないということを何度も主張してきた。筆者の予想は当たり、それが結局2018年の世界同時株安の原因となったのである。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

さて、では今回の措置はどうなるだろうか? 中央銀行のバランスシート拡大とは市場から莫大な量の債券を買い入れ続ける行為なので、市場がそれを瞬時に織り込まない場合、それは毎月膨大な量の資金として裏で市場に影響を与え続けることになる。

以下の記事で説明したが、今回の債券買い入れの目的は主に短期金融市場の混乱を抑えるために短期国債を買うことである。

•パウエル議長、バランスシートの拡大再開を示唆、レポ市場の混乱で

Fedが短期国債を買う場合と長期国債を買う場合で違いはあるのだろうか? 短期国債を買う場合、短期金利だけが下がることになり、株価や為替相場に影響を与える長期金利には影響を及ぼさないのだろうか?

今回の措置は長期金利には影響を及ぼさないというのがFed自身の自己申告である。しかしわたしはそうはならないと予想している。それは短期金利の性質から導かれる結論である。

短期国債を買うとどうなるのだろうか? 短期金利が下がるのだろうか? しかし短期金利は主に政策金利の見通しによって決まるのでほとんど上下動の余地がないのである。

短期金利の動向

例えば1年物国債があり、その金利が2%で、今後1年の政策金利(中銀が操作するもっとも短期の金利)が2%で推移し続けると予想されているとする。この状態で中銀の短期国債買い入れにより1年物国債の金利が1.5%に下がったとすれば、投資家は直ちに1年物国債を買うことを止め、1年間2%の政策金利に投資をし続けるだろう。その方が0.5%得だからである。

よって実際には、短期金利が下がったとしてもすぐに政策金利の見通しの方に引っ張られて元に戻るだろう。したがってFedの債券買い入れでは短期国債の金利はほとんど変わらないはずである。

では、債券買い入れは市場に影響を及ぼさないのだろうか? そうではない。Fedは実際に毎月600億ドルの債券を買い入れるのであり、短期金利が変わらないとしても投資家の持っていた600億ドルの短期国債が現金に置き換えられることになる。

問題は、この短期市場からいわば強制的に閉め出された600億ドルの現金がどうなるかということである。わたしの予想では、この600億ドルの多くは中期や長期の国債に投資されるだろう。つまり、やはり長期金利が下がるのである。

現在、アメリカの長期金利は1.75%近辺で推移している。チャートは以下の通りである。

下がり続けているが、これが今後どうなるかである。政策金利の方は2020年末までに1.5%まで下げられることが予想されているので、長期金利には0.25%ほどの下げ余地があることになる。

株価上昇に繋がるか?

長期金利が更に下がるところまでは良いとしよう。多くの投資家にとっての問題は、「量的緩和」による長期金利の低下が株価上昇に繋がるかどうかである。記事が長くなってしまったのでここで一旦筆を置くが、その答えを知るためには先に量的緩和を始めたユーロ圏の株式市場がどうなっているかを見れば良いだろう。

株式市場は世界的に短期的には上昇している。イギリスとEUとの間でBrexit合意がなされたことが材料となっているようだが、世界市場から見ればローカルな市場に過ぎないイギリス経済の、しかも貿易だけに関わるような話が世界経済全体にとって重要であるはずがない。

よって現在の株価上昇はフェイクである。ここからあまりに上がるようであれば、短期的な売りに入っても良いかもしれない。あるいはVIX(ボラティリティ指数)の買いも良い選択肢かもしれない。VIXはあまりに下がっているのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8447

210. 中川隆[-10577] koaQ7Jey 2019年10月25日 12:04:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2292] 報告

「バブルかどうかの判断基準は「ミンスキーモーメント」=「民間債務」の対GDP比

2019年5月29日
「バブル」の実態は「民間負債」
From 藤井聡(京都大学大学院教授)
https://38news.jp/economy/13731

そもそも「リーマンショック」とはいわゆる「バブル崩壊」。

そして、その「バブル」の実態は「民間負債」です。

皆がカネを借りまくって投機しまくって、
地価や株価が急騰していく現象です。

で、そんな「民間負債」が超絶に拡大していった時、
何かのきっかけで「借金の焦げ付き」が
(つまり、「貸した金が返ってこなくなる」と言う現象が)
急速に連鎖し、皆が一気に“破産”していく現象が
「バブル崩壊」です。

こういった「バブル崩壊」は、
(MMTの主唱者の一人であるレイの師匠である)
経済学者のハイマン・ミンスキーがそのプロセスを理論化しており、
しばしば「ミンスキーモーメント」とも呼ばれています。

バブル崩壊=ミンスキーモーメントの
過去の代表例として挙げられるのが、

・1990年 日本のバブル崩壊
・1997年 タイや韓国等のアジア通貨危機
・2007〜9年 アメリカのリーマンショック(サブプライム住宅ローン危機)

です。

「この時、一体、何が起こったのか」
を見てみたのが、こちらのグラフ。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1826739577426977&set=a.236228089811475&type=3&theater

これらのグラフは、
「民間債務」の対GDP比の推移を示しています。

まず、日本は、80年代のバブル景気の時、
民間債務が年率でGDPの9.2%ずつ拡大していき、
(つまり、年間40兆円〜50兆円程度ずつ!)
GDPの210%にまで膨らみきった1990年、
(金融引き締めや、土地取引の総量規制をきっかけとして)
その「バブル」が崩壊しました。

タイや韓国も、
民間債務がGDP比で
年率8〜10%ずつ拡大していき、
GDPの140〜160%程度にまで膨らんだ時に
(ヘッジファンドの通貨の空売り攻勢がきっかけで)
そのバブルが崩壊しました。

アメリカも、民間債務が、
GDPに対して年率4.3%ずつ拡大していき、
170%に達した時に、バブルが崩壊しました。

こう見てみますと、
バブル崩壊には次のような共通のパターンがある
ことが見えてきます。

すなわち、民間の借金が、
GDPに対して年率で5〜10%ずつ拡大していき、
GDPの150〜200%程度に至った時に、
何かのきっかけで、バブル崩壊が起こるわけです。

(※ なお、新興国は、概して、債務の拡大率が大きく、
破裂水準は低いようですね。)

こう考えると、
「民間債務の膨らみ」
は、地震の岩盤の破壊エネルギーの様なもので、
ある程度溜まると岩盤が破壊して地震が起こるように、
その内「バブル崩壊」してしまうのです。

・・・では、今の世界を見回したところ、
一番ヤバそうなのが、中国!


こちらのグラフに、今、バブル崩壊が、
ヤバそうな国を並べてみました。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1826741800760088&set=a.236228089811475&type=3&theater

ご覧の様に中国は、かつての日本と同様、
対GDP比で年率10.2%もの割合で、
民間債務が拡大していき、
もはやGDPの207%にまで達しています。

もうこうなれば、何かのきっかけがあれば、
スグにでも、この中国バブルは崩壊することになるでしょう。

実際、こんな報道もなされるようになってきています。
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1410636/

そんな中国の中でも特にヤバイのは、香港。

債務が年率12.1%という未曾有のスピードで拡大し、
何とGDP比で300%を超えてしまっているのです!

こんな債務拡大が、いつまでも続く筈がありません。

実際、UBS証券は香港の不動産バブルが「世界最悪」だ、
という分析結果を公表しています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFWA786K50XX01

中国・香港のバブル崩壊は、
もはや秒読み段階にあると見ていいでしょう。

これから始まる米中経済戦争が、
その引き金を引くことになるかもしれません。

あるいは、「日本の消費増税」に伴う日本の大不況が、
中国のバブルをはじけさせるきっかけになるかもしれません。

何と言っても、日本経済はまだまだ巨大な存在であり、
それが不況になってしまうのは、
世界に大迷惑をかけるのです。

なお、民間債務対GDP比が200%を超えたカナダや、
新興国の危険水域である140〜150%に
近づきつつあるベトナムも要注意です。

人類は、リーマンショックで
過剰なグローバル化や過剰投機が
どれだけヤバいモノなのかを学んだ筈なのですが―――
何度も何度も、過ちを繰り返すようです。
https://38news.jp/economy/13731


▲△▽▼


世界の民間債務残高対GDP比 国別ランキング・推移 – Global Note
https://www.globalnote.jp/post-15129.html

・世界の民間債務残高対GDP比 国際比較統計・ランキング。
・各国の民間部門債務残高の対GDP比率と国別順位を掲載。
・単位は%。

・当該国の民間部門総債務残高のGDP対する比率。

・民間部門は企業部門(除く金融機関)と家計部門(個人及び対家計民間非営利団体)の合計値。

・金融機関の債務残高は含まない。

・債務には金融機関、企業、政府、個人及び海外からの債務を含む。

・債務残高は各年末時点ベース。

・家計部門・企業部門別の債務残高対GDP比率は内訳データリンクより。


【内訳データ解説】
・民間債務残高対GDP比(家計部門)
 - 家計部門の総債務残高のGDPに対する比率
 - 家計部門には個人のほか対家計民間非営利団体(NPISH)を含む。
・民間債務残高対GDP比(企業部門)
 - 金融機関を除く一般企業の総債務残高のGDPに対する比率
https://www.globalnote.jp/post-15129.html


▲△▽▼


「民間債務」の対GDP比
https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/pdf/s1-18-1-2.pdf

https://www.google.co.jp/search?lr=lang_ja&hl=ja&rlz=1I7AWNC_jaJP826&tbs=lr%3Alang_1ja&ei=4FyyXY6gGIy4mAXaq72wDw&q=%E6%B0%91%E9%96%93%E5%82%B5%E5%8B%99+%E5%AF%BE+%EF%BC%A7%EF%BC%A4%EF%BC%B0&oq=%E6%B0%91%E9%96%93%E5%82%B5%E5%8B%99+%E5%AF%BE+%EF%BC%A7%EF%BC%A4%EF%BC%B0&gs_l=psy-ab.3...2098.10126..10319...0.0..0.106.387.2j2......0....1..gws-wiz.......0.ebvDflokUeQ&ved=0ahUKEwiOkLzNrbblAhUMHKYKHdpVD_YQ4dUDCAo&uact=5#spf=1571971849631

211. 中川隆[-10573] koaQ7Jey 2019年10月25日 18:35:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2296] 報告


2020年に向けての株式市場の推移予想
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年10月24日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8456


さて、2018年の世界同時株安以来上にも下にも行っていない株式市場だが、Brexitや米中貿易戦争の落とし所が見えてくるにつれて株式市場も上なのか下なのか結論を出そうとしているように見える。株式市場についてはこれまで少しずつ触れてきたが、ここで一度今後の動向について纏めてみよう。

2018年の世界同時株安

市場の本質が変わっていない以上、同じことの繰り返しになるが、2018年にアメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は利上げと量的引き締めという金融引き締め政策を行なっていた。アメリカ経済が良好だったため、量的緩和で市場に注入した資金を市場から引き揚げていたのである。

しかし当時から筆者は量的引き締めを行なって株式市場がただで済むはずがないと警告し続けてきた。それは2018年の世界同時株安という形で結論を迎える。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)

しかしFedのパウエル議長は株安を受けて金融引き締めを撤回した。口先では米中貿易戦争などの「将来のリスク要因」が理由だとしているが、株安に屈して引き締め出来なくなったことは明らかである。いずれにせよ、株式市場はパウエル議長の心変わりを見てとりあえずは値を戻した。ここからの問題はその措置が株安を抑えるのに充分と言えるかどうかであるとここでも何度か主張してきた。

つまり問題は市場にどれだけの資金が出入りしているかという流動性の問題だったわけである。しかし最近の株式市場はこれらの本質的な要因を無視し、短期的にはイギリスのEU離脱や米中貿易戦争の進展に反応して動いている。メディアが金融市場について適当な説明をもっともらしく嘯くのはいつものことだが、一方で投資家はそれがどれだけ妥当かを数字に基づいて考える必要がある。

Brexitと米中貿易戦争

先ずはイギリスのEU離脱だが、はっきり言ってこの問題が市場に影響を与えるという論理は論外である。この話はイギリスというローカルな国の経済の貿易に関する部分にいくらか影響を与える事柄である。

ところで読者は世界のGDPの内、イギリス経済の占める割合をご存知だろうか? およそ0.8%である。その内3割ほどが輸出なので、イギリスのEU離脱とは世界経済の0.24%ほどが影響を受けるかもしれないというだけの話なのである。それが仮に2割減ったとしても世界経済への影響は0.05%である。しかも貿易が減った分のある程度は国内の生産物を消費することで補われるだろう。実際の影響は0.05%にも満たないのである。この話が株式市場を動かしているという事実がどれだけ奇妙か、お分かり頂けただろうか? しかし株式市場は短期的にはそう動いている。

米中貿易戦争については最初からトランプ大統領のショーであること、そしてトランプ氏の大統領就任以来、貿易の影響によるアメリカのGDP減は0.3%に留まっていることを挙げておこう。いずれにしても世界の株式市場を脅かすような問題ではない。

今後の株式相場の動向見通し

これを踏まえた上で、投資家は今後の株式市場がどうなるかを考える必要がある。Brexitも米中貿易戦争も遠からず何らかの着地点に着地するだろう。そうなれば、短期的にはこれらの事柄に反応している市場は新高値を迎えるかもしれない。わたしが言いたいのは、そこが恐らく天井だということである。

その兆候はいくつかある。例えば、ここ何日か米国株が上がっていないのに日本株だけ上昇している。これは、2018年の世界同時株安直前に見られた傾向である。

•バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)

また、指数に選ばれた株で構成される日経平均と、市場全体を表すTOPIXとの比率を表したNT倍率が急上昇している。つまり日経平均だけが無理矢理押し上げられている。これも暴落の直前に見られた傾向と一致している。

そして最期に挙げたいのは、米国市場でも指数株が上がっている一方で小型株は振るっていないということである。先ずは代表的な指数であるS&P 500のチャートを挙げたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8456

以下は小型株指数のRUSSELL 2000である。

去年の株安以後、明らかにS&P 500ほど回復していない。つまり、市場全体に資金が行き渡っているわけではない、資金が足りていないのである。

結論

この資金不足の事実は、本当の問題ではないBrexitや米中貿易戦争に市場が気を取られている間は露呈しないかもしれない。しかしそれらが解決してしまうと、市場は本当の問題に直面せざるを得なくなる。つまり、これらの政治問題の解決は実際には市場にとって死の接吻になるだろう。

あるいは、それを待たずに市場には問題が生じるかもしれない。いずれにせよもう少し眺めてみよう。何が起こるか楽しみである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8456

212. 中川隆[-11354] koaQ7Jey 2019年11月06日 20:13:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1544] 報告

日本経済はアベノミクスで停滞…アメリカに唆されて進んだ、円安がもたらす銀行の危機=吉田繁治 2019年11月6日
https://www.mag2.com/p/money/807292


カナダも巻き込んで世界中が、通貨の増発による低金利の金融バブルです。法律家には、デリバティブ化している銀行間金融の実情は、理解できていないでしょう

デフォルト予備軍の社債は19兆ドル、先送りするほど経済は壊滅

通貨増発による低金利の世界の金融バブルの真っ最中

カナダも巻き込んで世界中が、通貨の増発による低金利の金融バブルです。リーマン危機のあとの、米国、欧州、中国、日本の通貨の増発額は20兆ドル(2,100兆円)です。

欧州のECBは19年3月から金利をマイナスに下げ(ユーロの増刷)、米国のFRBは銀行システムの突然のドル不足からレポ金利が10%に急騰したことに狼狽し、0.25%の利下げをした9月18日から、再びドル増刷を開始しています。

19年9月から、毎月6兆3,000億円のドルの増発を2020年の4月または6月まで続けるという(パウェル議長)。

19年10月末にも0.25%の利下げをします(10月30日、31日のFOMC)。法律家のおじさんには、デリバティブ化している銀行間金融の実情は、理解できていないでしょう。


1990年代、2000年代と25年も株を上げてきたので、金融のマエストロと称賛された元議長のグリーンスパンも同じでした。そのあとの、恐慌学者バーナンキの知識も怪しかった。リーマン危機の直前には、「大したことではない」と声明していたからです。

日米の民間銀行のトップも、十分に理解しているとは言えません。

お金だけをもつ赤子のような農林中金(農家の預金100兆円)

農林省の天下りが多く、金融の素人だった農林中金(農協の上部団体)は、2008年のリーマン危機のときの保証保険CDSでの保証債務5兆円からの損に懲りず、今度は、社債の保証保険CLOで8兆円の米国社債の償還を保証してます。まったく…困ったものです。

金融では、原理的に、低い金利のなかでの利回りの高さは、リスクの高さと同じことです。社債の利回りが2%のとき、社債の償還を保証するCLOの利回り(保険料)が4%なら、その社債のデフォルトの確率は、4ポイントは高い(ブラックショールズ方程式)。

ところがこのデフォルトのリスクを無視して、一見では高い利回りのCLOの保証を高く見える保険料を受けとって、喜々として引き受けるのが世界の金融界で「お金をもった馬鹿と奇妙に尊敬されている日本の銀行」です。

安倍政権の政府も「ドル買い/円売り」を促しています。ユダヤ人の数学の天才が多いゴールドマンなどが介在している国際金融は、「相手(取引相手のカウンターパーティ)をごまかすことが利益になる世界」です。生き馬の目を抜くのではない。

国際的な運用を知らないお金持ち(日本の銀行)にデリバティブというめくらましを与え、マネーを奪う。

政府・FRBと結託した金融の政商であるゴールドマンは、ギリシアの国債危機のときと同じように、特に悪辣です。古来、金貸しの金融の世界は「汚い」。このため西欧の貴族は、金融と肉の扱いはユダヤ人に行わせました。

世帯と企業の預金が1,000兆円と多い日本の銀行をおだて、リスク率より高いお金を最終的に払わせます。


CDOの保険料は、ゴールドマンのクォンツ(数千万円の報酬の数理統計学者:保険のアクチュアリと同じ)が、でっち上げ(鉛筆舐め)で計算しています。

FRBの子会社になった日銀

2013年4月からの異次元緩和の黒田日銀は、米国FRBの子会社同様の振舞いをしてきました。

(注)白川総裁の日銀は違っていたので、安倍首相が2期目に首を切ったのです。2期目の更迭は異常なことでした。行政改革のためとした法の改正で、首相が握った官僚高官の人事権の威力で、財務省官僚にも自主的な忖度(そんたく)をさせています。白川総裁の首切りが、その最初でした。

米国の経済学者のクルーグマンは、「日本が陥った流動性の罠(ゼロ金利で債券買いが減って現金化されること)」からの脱却に、インフレ政策を取るべきだと進言しました(2001年『日本が陥った流動性の罠』)。

安倍政権になって、米国金融の奥の院に属しているクルーグマンの政策提言が、
・日銀が国債を買ってインフレを起こすといっていた異次元緩和と、
・輸出物価を下げて、輸入物価を上げる、円安策になったのです。

この構図を描いて政策を提言したのが、現代米国経済学につながりがあると自称する浜田宏一氏でした。(この人の本を読むと、浜田氏は**は知人だということだけを書いています(普通の神経なら恥ずかしいことでしょう)。

ノーベル経済学賞を浜田氏にというのは、トランプのノーベル平和賞とおなじ筋です。白川総裁は、私の教え子だとも恥じることなく自慢しています。


ゼロ金利、マイナス金利の深層

政府と日銀は、FRBと米国政府の「円金利を下げ(マイナスにもして)、イールド(2.5%の金利差の利益)のある米国債を買って、円安にしてはどうか」という外圧に従属し続けています。

実は…安倍首相は、黒田総裁を任命するとき(2013年4月からの異次元緩和の前)、「アジア開発銀行の総裁のときから国際金融マフィアに人脈がある黒田さんが適当」と述べています(国会での公式の発言)。

国際金融マフィアとは、米国と英国そしてBIS(国際決済銀行)に巣くった「金融の奥の院」を指す言葉です。それらの銀行(大口株主は、金商人のロスチャイルドと、石油閥のロックフェラー)が、米国FRBの株主です。

つまりFRBの金融政策と同調できる人、あるいは協力できる人。本当はFRBの要求に応じて米国債を買って、ドルを上げて円安にする人が黒田さんというのが、任命理由だったでしょう。


事実、2012年10月から、民主党政権のときは1ドル80円付近だった円は、異次元緩和がピークだった2015年(日銀による1年80兆円の円国債買い)には、1ドル120円へと、50%の円安になっています。
※参考:米ドル/円(USD/JPY):外国為替レート(楽天証)
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/usd.html


円安とは、ドル買い/円売りの超過であり、米国にマネーは行く

円安は、「ドル買い/円売り」の超過によって起こります。

この間、日銀が国債を買って増発した円(日銀当座預金約400兆円:当時)のうち、60兆円くらい(1年の純額で20兆円から30兆円)が、国債を売った銀行とGPIF、生保、郵貯、かんぽ生命のドル債投資になったのです。

米国債を日本に売ってお金を得た米国ヘッジファンドは、そのお金の一部(15兆円)で、日本株を買って日経平均を8,500円から2万円に上げる引き金を引きました(2012年末から2015年)

これが、アベノミクス円安と株価上昇の正体でした。
(注)安倍首相が退陣したあとの金融史に残るでしょう。

ドル債(国債、証券、株、デリバティブ)への投資とは、ドル債を世界に売っている米国の銀行とファンドにマネーを供給することです。

米国の債券を買うには、その前に「ドル買い/円売り」が必要です。日本からの「ドル買い/円売り」が「世界からの円買い/ドル売り」より超過すると、「円安/ドル高」になります。


構図を描いた首謀者は、自ら名乗っています…

2012年12月から安倍政権の内閣官房参与を務め、異次元緩和の構図を描いた浜田宏一氏(東大教授、エール大学教授)は露骨でした。「日銀が円国債を(銀行が金利のつく国債を売り渋って)買いにくいのなら、ドル国債を買って米国にドルを供給すれば円安になる」とすら公式の席で述べていました。

この人物は、国際金融マフィアのエージェントと言っても過言ではない人です。コロンビア大学、ハーバード、MIT、エール大学は、経済学では国際マフィアの学問の牙城です。

米国の大学は、金融機関とファンドの寄付(基金)で成り立っています。ロスチャイルド家は、将来、政府と関係をもち得る優秀な海外留学生に奨学金を出して、国際金融マフィアの利益を高める学説(または論文)を作らせ、学説の発表として、ソフトに見返りを要求します。

東大の経済学部の教授が財務省の顧問等を経て、コロンビア大学の教授になるのが報酬です。財務省顧問の円安(ドル買い)を演出した伊藤隆敏氏が、もっとも露骨でした。ノーベル経済学賞も、学者としては世界で最高の権威を得ることができるアメリカの大学のポストに類似しています。

世界が貿易に使う基軸通貨である、ドル買いが有利とする学説を世界に流布させる根底の目的は、米英金融マフィアの利益になる、FRBが増刷するドル基軸通貨体制の維持のためです。

もっとも多く預金マネーをもつ日本と、オイルダラーの産油国、輸出でもっとも多くドルを受け取る中国がターゲットになります。
(注)ユーロを作ってドル圏から逃れたドイツは、ドル国債を買いません。持ち高は860億ドル(9兆円)、ほんのお付き合い…。
※参考:MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES

エール大学のときの浜田宏一氏、小泉内閣の経済財政担当大臣の竹中平蔵氏(ハーバード大学の准教授:国際経済研究所フェロー:この人物は童顔に似合わず悪人の政治家です)。


竹中平蔵氏は小泉内内閣のとき、米国のイラク戦争への協力金として、30兆円の米国債を買うときの指揮をしています。


ドルの罠にかかってしまった日本

積年のドル債券の買いで、日本の対外資産は1,062兆円に増えています(2019年6月末:日銀資金循環表)。

政府は、ドル建ての債権を明らかにしませんが、推計ではドル建て70%、ユーロ建て20%、他の通貨(人民元等)が10%でしょう。
※参考:2019年第2四半期の資金循環(速報)‐日本銀行調査統計局(2019年9月20日公開)
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf

ドル買いによる円安政策を指揮した安倍政権は、自ら進んで「ドルの罠」にかかっています。罠に近づいて自分でかかったのが、米国ご忠臣のひとたちです(日本のリーダー)。

中国を超える世界一の経常収支(貿易黒字+所得収支の黒字)の大国ドイツが、決してドル国債を買わないことと好対照。
(注)2018年8月以降、中国はドルの罠から逃れようとしています。そのための金買いです。中国の金の買い増しで、金価格は上がっています。

このため中国全体の「ドル買い/元売り」の超過(=民間のドル買い─政府のドル売り)が減って、米国の銀行システムがドル不足になったのです(19年9月)。

米国債の発行は1兆ドルに増えて、これからもますます増える

米国債の発行は、(1)トランプ減税、(2)軍事費の増加、(3)公的医療費と年金の増加のため1兆ドルを超えました(2019年)。これは、米国債(産高20兆ドル:2,100兆円)の発行が、毎年1兆ドル以上に増えるトレンドになったということです。


2017年に米国の株価を上げたトランプ減税は、2017年から向こう10年間続きます。
(注)減税をすると株が上がるのは、企業の利益が同じでも、投資家の株の買いを決めている1株当たりの税引き後純益(Earning Per Share)が増えるからです。税引き前の経常利益で見る日本とは違い、米国では、企業利益は純益で見ます。企業の税金は国に納める経費だからです。P/Lの中に、法人税の費用が計上されています。

一方で、財政支出を増やす、ベビーブーマー世代8,000万人(日本の8倍)が次々に65歳を超えているため、公的医療と年金の増加は止まらない。

米国債の流通

1兆ドルの米国新規債は、いったんは米国の銀行が買って(銀行のドルは減少)、日本、中国、産油国に5,000億ドル分くらいを売ってドルの現金を回復してきたのです。

2018年8月からは、トランプから突然、関税をかけられた中国が、逆に「ドル国債の売り」に回っています。買い手は、米国の銀行です。米銀が、中国が売る米国債を買わないと、国債の価格は下がって、米国の金利は上がるからです。

米銀が中国が売る米国債を買えば、米銀システムのドルは減ります。

ドル不足になった米銀は買った米国債を「すぐあとで買い戻しますからという特約つき」で他の銀行に売って、今週の決済に不足していたドルを調達したのです。

これがレポ金融です。レポ金融の借り手(米国債の一時的な売り手)が多かったので、現金を借りるレポ金利が、突然10%に上がった(19年9月18日)。

米銀システムは、今週の決済用のドル不足からパニックになったので、当日、FRBは、銀行が持ってる国債を1,000億ドル(10.5兆円)を急遽買いあげ、当座に足りないドル10.5兆円を供給しました。1日での10.5兆円のドルの増刷は、巨額なものです。

その後、狼狽を続けた法律家パウェルのFRBは、毎600億ドル(6.3兆円)の短期国債を銀行から買い上げ、銀行にドルの現金を増加供給すると公表しています。

期間は、2020年4月から6月までの約10か月という。
(注)FRBは隠れて、ドル国債買いを増枠するつもりでしょう。このために、わざわざ1か月600億ドルという金額を言ったのです。そうでなければ、金額は言いません。FRBは、ドル増刷の金額は言わなくていいのです。


FRBは日銀にも、「このままだと、円高/ドル安になるよ。日本は困るでしょう?」とソフトにいって、裏では強力にドル国債買いを要求してるはずです。

日銀の株ETFのリースという証拠

日銀は、当座のドル国債買いの資金(推計20兆円)を得るため、買ってきた株ETF(26兆円)を日本の証券会社にリース(レポ金融と同じ構造の取引)をする決定をしたのでしょう(19年10月29日:記者発表)。

日銀金融の裏を知らないノー天気な証券会社は、ETFの利回りがはいると無邪気に喜んでいます。日銀が証券会社から得る円の現金はどこへいくのか。もちろん、米銀がドル不足になっている米国です。

「円の価値を守ることが日銀のミッション」としているはずの日銀の、円安に向かわせる「円売り/ドル買い」の行動を国民から見て、どう思いますか?

「ドルトラップ」にかかってしまった日本は、ドル売りができない

ところが事態は、若干複雑です。

円安とは逆の20%の「円高/ドル安」に戻ると、「1,062兆円×20%=212兆円」の為替差損が、
(1)ドルの債券(国債、株、社債)をもつ銀行、生保、GPIF、郵貯、かんぽ生命と、
(2)国内投資を減らして、米国への直接投資(工場建設)を増やした輸出企業、
(3)外貨準備をもつ政府に、一瞬で、生じます。
(注)トヨタは海外生産が70%であることはご存知でしょうか。

瞬間の円高・ドル安(1ドル=85円)でも生じる212兆円の損は、日本に1998年のような金融危機をもたらしたスケールです。1998年の金融危機は、銀行が抱えた100兆円の不良債権から起こったものでした。


「1,062兆円のドル」の罠にかかってしまって、日本には「円安・ドル高」という選択肢しか、なくなってしまいました。

GDPが550兆円の国が、世帯と企業の総預金(1,000兆円)に匹敵するドル建ての債権をもってしまったのです。

経常収支の黒字で、1位のドイツと2位の中国

中国の外貨準備は、3.1兆ドル(330兆円)でしかない。日本の1/3です。ドイツの政府と銀行は、米国債を決して買いません。

◎長期的には、経常収支の赤字(年1兆ドルに増加)から、米国はドル安とドル切り下げに向かうからです。(注)対外負債の累積は36兆ドル(3,780兆円:2018年)

「日本経済にとっては円安がいい」といって、円マネーの流れを指揮したのが、政府と日銀です。

三菱UFJも…

円国債の入札から降り、円国債を買い増すことはしないと宣言した三菱UFJフィナンシャルグループは、円国債を日銀に売って得た円の現金で、もっとも多くドル国債・ドル株・ドル社債・CLOを買って、円マネーをドルに変換して「利益が出た」と誇っています。


円安・ドル高は、ドルの罠にかかった三菱UFJの利益になるからです。
(注)円安政策は、円の世帯所得を切り下げる政策です。


日本人の年収順位は18位に落ちた

日本人の平均年収は403万円であり、世界で18位に下がっています。1位スイス1,073万円、2位ノルウェー921万円、3位ルクセンブルグ899万円、4位デンマーク835万円、5位オーストリア791万円、6位アイルランド767万円、7位オランダ685万円、8位米国645万円、9位ベルギー641万円、10位カナダ638万円。ここまでが世界の10位。

いつの間にか、10位にカナダがはいっています。5位オーストリアの791万円(日本の1.8倍)、6位アイルランド767万円(日本の1.8倍)は、年収429万円の日本から見れば、驚きでしょう。

11位スウェーデン624万円、12位英国614万円、13位フィンランド608万円、14位オーストラリア599万円、15位ドイツ547万円、16位フランス541万円、17位イタリア431万円、18位日本429万円、19位イスラエル408万円、20位スペイン403万円…(2018年7月:当時の1ドル=113円)
※参考:外国人が求めている給料と一緒に見たい!『よく働く国ランキング』‐IZANAU BETA(2018年7月14日公開)
https://izanau.com/ja/article/view/kunigbetsu-kyuuryou-ranking

先進国で最低ランクに落ちたのが、日本人の現役世代の平均年収です。円安政策つまりドル買い政策の日本政府は、この事実は隠して言いません。このため、日本人の所得は世界最高ランク(1ドルが79円だった1995年でしたが…)と思っている国民が大多数でしょう。

1990年からの30年、世界は成長経済、日本は停滞経済でした。

根本の原因は、国内投資が減少したことです。海外に、1,000兆円も貸しつければ(ドル債務証券の買い=貸し付け)、国内で投資するお金はなくなります。Aさんのお家から、となりのBさんの家に、1,000兆円貸したからです


しばらくすれば、失業率が13.8%(19年8月)のスペインにも追い抜かれると知れば、国民は、どう反応するでしょう。主因は、円マネーでドルを買って、国内での投資をして円高にしなかったことです。

以上が、2012年からの安倍政権での国民にとっての円安政策の結果です(=1年に20兆円〜40兆円のドル買い/円売りの政策)。

米国企業の社債の、償還を保証するCLOまでを買った日本の銀行

日銀は、
・日本の金利をマイナスに下げ、
・金融機関の円国債を額面より高く買って、
・銀行に現金を供給する(日銀当座預金の増加:400兆円)。

国債を売って、現金を得た銀行や生保は、現金の0%の運用では困るので、金利2%台のドル国債や米国の債券、そしてデリバティブを買うか、保険料を受け取って、資産担保証券のCDS、混合証券の利払いと償還を保証するCLOという保証保険を引きうける。

農林中金だけではない。三菱UFJも2兆円分の米コカ社債の保証を引きうけて、保険料を貰って利益にしています。

米国の企業は、低い金利で社債を発行した

米国の企業は、CLOでの保証を日本の銀行が引き受けるので、
・低い金利で社債の発行ができ(4兆ドル)、
・その社債で得た現金(4兆ドル)で、
・自社株買いをして、株価を12兆ドルも上げて来たのです。


もともとは、日本の銀行が日銀に国債を売って米国株を買ったことと同じ、マネー移転でした(2011年から2018年)。


実質金利はマイナスの米国

米国は、物価の上昇が2%くらいはあるので、マクロ経済的な金利である実質金利(名目金利−物価上昇率)はマイナスになります。

日本はすでに名目金利でマイナスであり、利下げの余地がない。

このため日本政府は、米国にマネーを供給する「ドル買い/円売り」を、再び促しています。厚労省と財務省の役人が天下りしている年金基金GPIF(資金量160兆円)の「ドル株買い、ドル国債買い」もその一環です。他に、財務省の天下り先である郵貯・かんぽ生命のドル国債買いもあります。

日本よりひどいマイナス金利(-0.5%)のユーロと、FRBの利下げと米国債買いの世界は、再び通貨の増発に向かっています。理由は、2018年夏からの米国の中国関税に起因した世界経済の成長率の低下です。

80ドルだった原油の60ドルへの下落

中東でもGDPの成長が1%台に下がっています(サウジは0.2%:2019年)。これは、受け取りが減ったオイルダラーによる米国債の買いが減ることを意味します。

中東の経済成長は、
(1)中国経済の減速による原油需要の減少と、
(2)米国の50ドルの採算ラインが多いシェールオイルの増産で、原油は80ドル(18年10月)から、55ドル台に下がっているため、不況といえるくらい低下しています。


中国の経済成長の偽装

中国は、今も6%の実質経済成長と政府が発表してはいますが、これは疑問です。

中国人民大学国際通貨研究所理事兼副所長の向松祚(コウ ショウソ)氏は、2018年は1.67%の成長だった、計算方法を変えるとマイナスとも言っています(2018年12月の報道)。

中国政府は香港問題でも、強い情報統制を敷いています。政府機関の中心に属する向松祚氏が、なぜ、こうした、一見では反政府に見える発表ができるのか。普通なら、拘束されます。

おそらく中国政府の黙認、または、積極的な関与があります。高すぎる公式成長率の矛盾を順次、縮小していくことが目的でしょう。


李克強首相ですら、2018年には「中国の経済成長は公式発表より低い」と発言していたからです。


成長の減速とは言っても、不況とは言わない政府とメディア

2019年末から2020年の経済を、各国政府と主流のメディアは「不況」とは決して言わなくなっています。

「期待で動く経済(合理的形成学派の仮説)」に、不況という言葉がタブーだからでしょう。

「半年後は不況」と市場が予想すれば、投資が減り、雇用も減って、本当の不況になっていくからです。マクロ経済学が問題にするものは投資、雇用、物価、金利の4つです。

現代は、期待の経済学

現代経済学は、「不況の時期は、国債の発行による公共事業の増加」としたケインズ経済学を、期待(=市場の集合知である予想)という、投資と雇用を増加または減少させる人間の予想を加えて修正したルーカスの亜流です(ルーカスの批判という)。

合理的期待形成学派(1980年代〜)は、ルーカスによるケインズ経済学の論理的な批判から誕生しています。

ルーカス経済学の落ち度は、「金融資産=誰かの金融負債」であることの無視と、期待で上がる金融資産のバブルは、その裏では、返済と利払いができない負債のバブル的な過剰になっていることです。金融学が欠けていたのです。


金融資産バブルの崩壊

年月の確定を別にすれば(数年のスパンでは)、100%の確率で現在の金融資産バブルと負債のバブルは崩壊します。期待の高さで膨らんだ負債が、返せなくなる臨界(デフォルト)に達する時が来るからです。

そのときは、世界中でリーマン危機(推計1,000兆円)の数倍の不良債権になり、次回の回復はリーマン危機より長引くでしょう。

リーマン危機では、株価上昇というプラス効果を生んだ「中央銀行の通貨増発の効果」が、次回はないと、金融市場が見ているからです。理由は、米国の株価時価総額が3,000兆円とバブルの水準だからです。4,000兆円にあがることはないからです。

政府の対策があるが…

時期が確定できないのは、政府・中央銀行が必ずマネー増発の対策をとるからです。しかしマネー増発は、供給を受ける側にとっては「不足する現金の借り入れ」です。

すでに過剰である負債の一層の増加になるので、危機は先送りされるだけです。つぎの本格的な危機になったときの、不良債権額(返済と利払いできない負債)は大きくなっていて破壊的になります。


現在は、「中央銀行による通貨の増刷が、金融危機(=膨らんだ負債の危機)を防ぐのにいくらの金額まで有効か」という、世界史上はじめての実験を世界中がしている時期です。


ソ連経済の崩壊

1989年に人工国家のソ連は、崩壊しています。1970年代までは、共産主義が資本主義より優れているとされ、GDPの「実は中身がなかった計画された数字」での成長率は、資本主義国より高かったのです。

ソ連の経済成長は、2008年以降、GDPの政府成長率が数ポイントは高い中国と似ています。元の増発と返済のない貸付で、超富裕層を生んだ点も似ています。香港の民主化運動は、中国の共産党富裕者が、香港の不動産を買って上げたことが主因です。

ソ連の国有企業への貸付は、返済と利払いの要らないものでした。それが共産党の仲間内金融(クローニー資本主義)でした。
(注)現代の中国では、国有銀行から国有企業への貸付金は、多くが、利払いがなく返済もない。返済と利払い額と同じ貸付を、国有銀行が増やし続ければ、不良債権になりません。

長年の通貨の増発は、ロシアになって1,000倍のインフレとなって露呈しました(1998年)。

途中でのインフレがなかったのは、ソ連の物価は政府が決める統制価格だったからです。市場の闇価格は、高騰していたのです。1998年には、ロシアは、旧1,000ルーブルを1新ルーブルに切り下げて、通貨量を1/1,000に減らしてインフレをおさめています。
(注)これは通貨単位の全部を切り下げるデノミではありません。旧通貨の切り下げです。日本も、戦後に、戦前の100円を新1円にして、通貨を1/100に切り下げ、100倍から300倍(消費財の違いで異なる)のインフレを起こし、GDPの2倍もあった戦時国債を帳消しにしています。

過去はなかった、スタグフレーションの発生(1970年代)

ところが、二度の石油危機の波及から物価が上がった1970年代からの政府財政の赤字は、経済を成長させなかったのです(=国民の実質所得は増えなかった)。不況の中で、物価が上がる経済になり、「スタグフレーション(不況下の物価上昇)」と呼ばれたのです。


原因は、高くなった石油の購入のため、先進国のマネーが産油国に流出したことでした。そのマネーの中心がドバイの金融摩天楼です。(注)来月はドバイです。

このときケインズ経済学の批判として登場したのが、ルーカスの合理的期待形成の経済学です。合理的期待(プロスペクト)とは、国語では集合知による予想のことです。

人々は、未来を示す情報から将来への予測をもち、その予測(期待)で貯蓄または投資を行うとしました。(注)これはその通りです。株価での織り込みがこの期待の現象です。


政府財政が赤字になると、将来の増税を期待(予想)して、企業と家計は支出と投資を抑制する。このため、財政赤字は経済成長をもたらすとはいえないとして、ケインズ経済学を批判したのです。ここから、期待の経済学が誕生しています。


世界の社債19兆ドルが不良債権の予備軍

企業が借り入れを減らし、国内への投資を減らした日本を除く世界では、リーマン危機のあとの8年で、企業の社債発行(負債証券)が、世界のGDP80兆ドル(8,400兆円)と同額に増えています。低金利が、社債を増やしたのです。

IMFはつい最近、80兆ドルの社債のうち、19兆ドル(24%:1,995兆円)が、不良債権予備群になっていると発表しています。農林中金が8兆円、三菱UFJが2兆円買って保証しているCLOがかかった社債です。

2020年の企業利益が増加し、社債の不良債権は減るでしょうか?2020年の世界のGDPは不況化します(メディアは経済成長の減速と表現)。

さて、この1,995兆円の社債はどうなるか。社債は、償還期に一括返済しなければならないという恐いものです。1,000億円借りていれば、1,000億円の返済を一度に行う必要があります。

借入金は、金利が1ポイントから3ポイントは高くなるので、信用の高い企業は、社債で投資資金を調達します。日本の最大手はソフトバンクです。

世界のGDPの増加が大きく減る中では、特に、大手企業の利益は相当に減少します(30%程度)。すでに利益が少なく、返済のマネーがない企業の社債が19兆ドルの不良債権の予備軍です。2020年はどうなるか。GDPが増える方向に戻らない限り、不良債権化は深刻になります。


社債が返済されない不良債権になって損失を蒙るのは、社債を買っている金融機関です。

銀行の危機の勃発が、2020年中に起こる気配になってきました。株価の下落が伴うかどうか。社債の不良化とともに、株価が30%下がると、世界的な金融危機になり、リーマン危機よりも大きくなります。

中央銀行はリーマン危機のときのように、銀行に緊急に大量のマネーを投入するでしょう(リーマン危機のときは、8年で20兆ドル:2,100兆円)。通貨を大増発するということです。

今度は、一度に1,000兆円の規模で大増発される通貨の価値を人々がどう評価するかが問題になります。現代貨幣論の説くことの実証実験が2020年。どうなるでしょうか…。


213. 中川隆[-11346] koaQ7Jey 2019年11月07日 08:32:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1552] 報告

ついに来たバブル相場。逃げる準備をしながら「株を買うしかない」投資家たち=斎藤満 2019年11月6日
https://www.mag2.com/p/money/814652


80年代後半に日本でバブルが弾け、その10年後には米国でITバブルが弾け、それから10年もしないうちにリーマン危機が起きました。あれから10年、今静かにまたバブルの様相が広がりつつあります。

【関連】近づく令和大恐慌と「預金封鎖」なぜアメリカのために日本国民が血を流すのか?
https://www.mag2.com/p/money/792280


※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2019年11月6日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

何が「蜂の一刺し」になる?静かにバブルの様相が広がっている…

バブルは繰り返す

80年代後半の日本で盛り上がったバブルが弾けた後も、その10年後には米国でITバブルが膨れ、そして弾け、それから10年もしないうちに米国では不動産バブルが膨らみ、これが弾けてリーマン危機、世界的金融危機が生じました。

あれから10年、今静かにまたバブルの様相が広がりつつあります。


先月27日、フランスの家庭の台所で見つかった中世絵画が、パリのオークションでなんと29億円で落札されました。これはイタリア・ルネッサンス期にフィレンツェ派のチマブーエが描いた「嘲笑われるキリスト」で、これまで中世絵画にはあまり高い値は付きませんでした。この29億円という価格は中世絵画では最高の値と言います。

株式市場でもバブル的な様相が見えるようになりました。

米国では景気の先行き不安が出ても「パウエル・プット」で、つまり金融緩和期待で株が買い上げられ、FRBが利下げ終了を打ち出しても、先週末には強い雇用統計もあってダウもS&Pも最高値を更新しました。

恐怖指数と言われるVIX指数も12台まで低下しています。4日には3指数ともに最高値を更新したので、市場では一段高の期待が高まっています。

東京市場でも5日には一時日経平均が2万3千円を回復、年初来高値を更新しました。決算発表を控え、一部に業績悪化の懸念も伺えますが、業績悪化でも「底入れ」として買い上げる動きも見られます。日本の低成長下でも株価は堅調で、業績悪化でも買う理屈付けに熱心です。

VIXからはまだ楽観論が広がる余地はありますが、景気や企業業績悪化の割には、株式市場の強気が目立つのも事実です。

金利が焼き尽くされた

こうした背景には、世界の金融市場から「金利」が消滅しつつあることも大きな要素になっています。

一時はマイナス金利の国債が世界に17兆ドルもありました。日本ではプラスの金利を得ようと思えば、国債なら超長期しかありません。これとて0.3%台まで低下すると、1%以上の直利が欲しい生保には足りません。

日銀の黒田総裁も、さすがに超長期金利の下がりすぎは好ましくないとの考えを示しました。これで市場も長期、超長期の金利低下を多少修正したのですが、先週の「決定会合」ではフォワード・ガイダンスに長短金利の一段低下の可能性を書きこみ、このためにまた長期金利が低下してしまいました。生保や年金など金融機関の運用は一段と厳しくなりました。


世界的な低成長、低インフレが大きな要因ではありますが、世界の中央銀行が非伝統的な資産の買い入れやマイナス金利政策を打ち出したことも、世界の金利を焼き払う役割を果たしてしまいました。


銀行はリスク融資傾斜

市場金利が世界的に消滅してしまった世界では、少しでも金利の付く商品を求めて「イールド・ハンティング」が進みます。

銀行は貸出金利が低下しているため、市場で資金調達できる大企業向けの貸し出しが困難になります。そこで、市場で資金がとれない信用力の低い企業か、個人向けの融資に傾斜します。

日本では地銀が住宅ローン、アパート・ローンに集中しすぎたため、不動産市場で過熱気味となり、不動産供給が増えすぎて家賃の低下を招き、借り手が家賃収入でローンの返済ができなくなる事態も発生しています。

また、メガバンクなどは米国市場で投資不適格企業向けの「レバレッジド・ローン」を急速に拡大し、リスクが高まっています。

米国市場の「レバレッジド・ローン」残高はすでに6,000億ドルを超えてきましたが、邦銀の伸びが欧米銀行を上回っています。少しでも金利の付く融資に飢えている姿が見て取れます。

ジャンク、CLOに投資せざるを得ない?

有価証券運用でも、日本や欧州では国債の多くがマイナス金利となり、金利収入が得られません。金利を得るには、期間のリスクをとって超長期の債券を購入するか、クレジットの低い債券、例えばジャンク・ボンドなどに投資するしかなくなります。


その点、日本の超長期国債でも十分な金利が得られなくなりました。

このため、投資家はいやでもリスクを取らざるを得なくなりました。かつてサブプライム・ローンを核にした資産担保証券で多くの投資家がやけどを負いましたが、今またこれに似たCLO(ローン担保証券)への投資が増えています。

このCLO、格付けがトリプルAのシニア債もあり、日本の機関投資家はこの高格付け債を購入しているようですが、原債権が低格付け企業向けの貸し出しで、もともと大きなリスクがあります。

日本の機関投資家は積極的にこのCLOを購入し、農林中金、三菱UFJ、ゆうちょ銀行で都合10兆円以上のCLOを保有しています。

金利収入を得ようと思えば、これまで以上に大きなリスクを取らざるを得なくなっています。


日銀は10月の「金融システムレポート」で、こうしたリスクが大きくなっていること、そのリスクに見合ったリターンが得られるのか、不確定との見方を示し、行き過ぎたリスクに警鐘を発しています。


株式投資がやっぱり有利?

こうしたリスクの大きな債券への投資に向かわざるを得ない環境の中で、やはりリスク商品でもある株式投資が、相対的に有利と見なされるようになりました。

ジャンク・ボンド、CLOはいざという時の価格下落リスクが大きいのに対し、株が相対的に安全で有利と映るようになっています。

安全な債券の利回りと株の益回りと比較すれば、株がまだ優位にあり、株の配当利回りも3%を超えるものがざらにあります。このため、本来、株式市場に逆風となる材料、例えば円高になったり、景気指標が悪化したり、決算が下振れしたりしても、株価が打たれ強くなっています。

半導体や中国関連銘柄では、業績が悪化しても「底入れ」期待を材料にむしろ株が買われるケースも散見されます。

80年代後半のように、借金をして株や不動産投資に走ったバブル期とは様相が異なりますが、他に投資対象がなくなり、「株を買うしかない」という静かなバブルが醸成されつつあります。

逃げる準備をしながらバブルに乗るしかない

従来、バブルを弾けさせる原因となった利上げ、引き締め、規制強化は当面考えにくく、その分バブルがさらに膨らむ余地はあります。


しかし投資家は、景気や収益の裏付けと株との乖離が大きくなれば、「バブル」の意識を頭の隅に置いておく必要があります。

つまり、逃げる準備をしつつ、バブルに乗るしかなさそうです。

何が「蜂の一刺し」になるかわかりません。トランプ大統領の攻撃、日本の政局にも目配りが必要です。

214. 中川隆[-11345] koaQ7Jey 2019年11月07日 08:36:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1553] 報告

近づく令和大恐慌と「預金封鎖」なぜアメリカのために日本国民が血を流すのか? 2019年10月20日
https://www.mag2.com/p/money/792280



戦後の日本を金融植民地にしている国際金融資本が、「そろそろですな」と日本側のカウンターパートである財務省、財界、金融財閥に目くばせしたとき、預金封鎖のトリガーは引かれます。「デフォルトは起こるものである」との前提で考え方を改め、何が起こっても動じることのないよう、生活を組み立て直す必要があるのです。

預金封鎖の兆候を見逃すな。日本政府はあなたの資産を守らない

国内での海外送金チェック、より厳重に

先週、銀行の国際部・外為センターから一通の確認書が郵送で送られてきました。米国のメガバンクから私宛の海外送金が完了したことを示す送金計算書です。

「たいした額でもないのに、なんとも仰々しい」……いったい日本の金融機関で何が起ころうとしているのだろうか?

ある確信を持って、この記事を書くことにします。


海外の法人向けの仕事の対価としてドル→円で振り込まれるのですが、そのときに銀行は本人確認のために受取人に対して電話をします。

米国の銀行の場合、小切手を例外として、比較的少額の海外送金(振り込み)については直接銀行が振り込むのではなく、振り込み専門を業務とするペイメント・プロバイダーを通じて行われます。

あらかじめ、そのプロバイダーから海外送金を実行する旨を通知するメールが来ていたのですが、受け取り手の日本の銀行で「待った」がかかったのです。

日本の銀行までは届いているのですが、その銀行がペイメント・プロバイダーが指定する口座に振り込む前に、日本側で口座名義人に対して、今まで以上のチェックを行うよう金融庁から通達を受けているのです。

以前、海外送金を受けたときも、日本の銀行から本人確認の電話を受け取ったのですが、わずか20秒程度の会話で「確認が取れた」と言ってきました。

しかし、今回は、銀行の担当者も微に入り細にわたり訊いてきて、かなり厳重なチェックを受けることとなりました。

長電話になることを覚悟して、相手にじっくり説明すれば事足りるのですが、逆に「これはいい機会だ」ということで、直接、銀行に出向いて担当者に会うことにしました。

大義名分は「マネーロンダリング対策」だが…

銀行の担当者の話によれば、「海外から送金を受けるすべての口座保有者に対して、マネーロンダリングの疑いがないかどうか確認するための聴き取り調査をするよう金融庁から求められている」とのこと。

担当者との会話の内容は公開できませんが、「こんな少額なのにマネロンとか、なんと大げさな」と内心では呆れ果てながら、銀行の担当者の疲弊し切った表情をがうかがうと気の毒にも思えてきます。

もちろん、金融庁の狙いは、受取人個人に対してというより、海外からの不正送金の手伝いをしている金融機関のあぶり出しです。

つい最近まで、関東の地銀が北朝鮮への送金を引き受けていたことが分かりましたが、こうした案件ひとつひとつを把握しておきたいという当局の狙いは、「朝鮮半島有事に備える」ことであるはずです。

北朝鮮への送金などに使用されている口座を全凍結した場合、どれほどの経済的ダメージを与えることができるのか……円の兵器化の可能性を模索しているものと推察されます。

預金封鎖は「ある晴れた朝、突然、起こる」

さて、もうひとつ重要なことがあります。

日本でドル建ての小切手(外国小切手)の取り立て(円に両替した後の現金化)サービスは、すでSMBC信託銀行などの外為投資を取り扱っている金融機関以外では事実上廃止されました。

メガバンクでは今年の春頃から1行、また1行というように徐々にサービスの停止が発表され、地銀でも6月28日をもって完全に終了しました。

金融庁のこうした措置は、キュッシュの国際間の流れ(トランザクション)を追跡したいとする金融当局のDNAから出てきたものですが、ここまで厳密に行うというのは少し異常です。

意外にも、その銀行の担当者は「政府のデフォルトの可能性」について私に水を向けてきましたが、私の方としては、それで十分です。

政府の債務不履行の可能性について、各々の金融機関内部でも話題になっているということが確認できたからです。

しかし、私の不安は別にあります。

「最近の金融庁の動きから察するものがありながら、日本の銀行はデフォルトのプロセスについて理解していない」ということが明確に分かったことです。

したがって、金融機関は、それが民間であろうと公的機関であろうと、「あなたの預貯金、資産を守らない」ということです。

政府が日本中の銀行に「明日、数日後に預金封鎖を行うように」と指示すれば、彼らは黙ってそれに従うでしょうから。

銀行は、あなたが億万長者でもない限り、事前に通知するなどしません。それは、村上春樹の小説のように、「ある晴れた朝、突然、起こる」のです。


ですから、「かもしれない」ではなく、「デフォルトは起こるものである」との前提で考え方を改め、何が起こっても動じることのないよう、生活を組み立て直す必要があるのです。

「100年債」の発行を計画するアメリカ

米・連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ決定によって、世界中の中央銀行がいっせいに量的金融緩和に逆戻りしています。<中略>

9月12日、欧州中央銀行(ECB)がFRBに続いて利下げを行いました。ただし、現行のマイナス0.4%からマイナス0.5%へのマイナス金利の深堀り(拡大)です。

米国は、まだ1.8〜2.0%のプラスの金利ですから、利下げの余地はあります。

それでも、米財務長官のムニューシンは、100年債の発行に踏み切る計画があることを明かしました。

すでに50年債の発行が具体的な工程に入っていますが、その上で、米国が存在しているかどうかも分からない100年後に満期を迎える超長期債券の発行を真剣、かつ具体的に検討しているというのです。

22兆ドルもの返済不可能な巨大な債務を抱え、実質的には、すでに破綻している米国の財政リスクを軽減するためだとか……。


元本が返済されない(償還されない)国債など、いったい誰が買うのでしょう?10年、あるいは20年後には「永久国債」と名前を替えたうえ、無利子国債に転換されてしまうでしょう。

つまり、米国民の富がFRBによって「凍結」されるのです!

“踏み倒し国債”を買わされるのは日本

いや、50年債だの100年債だの、おだを上げるのは勝手ですが、日本の現政権の売国イエスマンぶりからわかるように、米国の植民地、いや、国際銀行家の忠実な奴隷である日本に強引に買わせようとしていることは明らかです。

米国債の国別保有残高を見れば、それが、すでに始まっていることが分かるでしょう。

トランプ政権になってから、日本政府は米国債を少しずつ売って米国債の保有残高を減らし、その保有残高では第一位だった日本と第二位だった中国が逆転して、しばらくの間、中国が第一位でした。

しかし、日本の米国債の保有残高は、2018年10月の最低残高1兆185億ドルを境に再び増え続け、直近の7月のデータでは1兆1308億ドルと、111%も増えているのです。10月には、さらに増えているでしょう。

反対に、中国は米中貿易戦争への対抗措置を口実にしながら、米国債を少しずつ売り崩して米国政府に脅しをかけ続けています。

しかし、中国はドルが安いときに、膨大な額のドル建ての借金をしているので、それを返済する意思を世界に示すためにも、これ以上、米国債を売ることは難しいでしょう。

この間、円は対ドルで113円台から107円台と、円高ドル安が進んだので、日本の米国債の保有残高が111%に増えても、実質的な価値はほぼ同じです。


つまり、その価値は日本から米国に流れたということなのです。

米国債は実質的に紙クズ

トランプ政権によるいいかがりによって、この調子で、さらに日本が実質的な紙クズである米国債を買わされることは明らかです。

しかも、今度は「50年債を買え、100年債を買え」です。

断定しますが、50年どころか30年もしないうちに、米国は影も形もなく消滅しています!

行数が足りないため、詳しく書くことができないのは大変口惜しいのですが、ビルダーバーグ会議と米国を実質的に運営している陰の政府、外交問題評議会(CFR)グループは、「米国という国家の廃止に向けて」加速度を上げてスケジュールを前倒しにしています!

「米国の終焉」は、それが建国された時点で決まっていたということです。これは、世界の運営方針を勝手に決めているビルダーバーグ会議で10年以上前に再確認され、合意がとれていることです。

さらに日本でも「永久債」を発行か

満期償還期限の定めがなく、保有者からの償還の要求を受け付けず、場合によっては無利子扱いされる可能性がある債権のことを「永久債」と言います。


永久債の歴史は古く、280年前のフランスに遡ります。

やや遅れて、1751年に、英国でも国債の一種であり、永久公債の典型として挙げられているコンソル公債が発行されています。

比較的最近では、アルゼンチン、メキシコなどが金融危機を回避するために発行しましたが、今年1月に、中国の中国農業銀行などの金融機関も、こぞって永久債を発行を決めました。

中国の場合、永久債の90%は国や地方の資本が入っている公的企業によって発行されているので、「永久国債」と呼ぶべきなのですが、投資家たちに説明が不十分のまま見切り発車してしまったためか、さっそく早期償還に応じない企業が出てきたようです。

これは、CDSやレバレッジド・ローン、CLO、ハイ・イールド債と並んで、今後は債券暴落に誘導するほどの大きな問題になるでしょう。

政府が発行する永久国債は、実質的にFRB元議長のバーナンキが日本を実験台にしようとして果敢に推奨しているヘリコプター・マネーと同じような性質を持っています。

永久債とは、国や企業などが資金調達を行うために発行する、あらかじめ元本の満期償還の規定が定められていない債権の総称です。

発行主体(政府や企業)が、満期、あるいは一部の償還を言い出さない限り、永久債の保有者の側からは償還を要求することができない、という、ほとんど事業体への出資金と同じ株式の性格を帯びていますが、本質は借金なので、あくまでも債券です。


もっとも「永久債」を発行する計画は、日本でも動き出そうとしています。


「もはや飽和点に達しつつある」元日銀審議委員の見解

日経新聞(2017年8月17日付)のオンラインは、元日銀審議委員の中原伸之氏にインタビューしたときの記事をアップしています。記事の要点は以下のとおり。


日銀の国債保有残高は、すぐに500兆円を突破する。もはや飽和点に達しつつあり、将来、バブル崩壊などが起きた場合、対処できなくなる。

そこで日銀は、財政出動と金融政策の融合を考えなければならない。

つまり、日銀が保有する国債の一部を無利子の永久国債に転換して、利払いの負担から自由にしておかなければならない。

そうすれば、償還の必要がなくなるので、政府には新たな建設国債を発行する余地が生まれる。

それを、たとえば地震に備えて国土強靭化計画を進めるための財政出動に使うのである。

そのために償還期限が60年の建設国債を発行して、これを民間銀行に引き受けてもらってから、日銀は市中から、これを購入すればいいのである――

一見して理屈が通っているように見えますが、大きな間違いが含まれています。「無利子の永久国債など存在しない」ということです。

国債の償還を無期限(本質的には「借りたものは俺のもの。永久に返えせん!」ということ)にすることはできますが、市場原理における金融秩序を守ろうとするなら、政府は実質的な利払いから逃れられないはずなのです。

政府が国債を発行しておきながら、利払いを拒否できるのは、日本が資本主義を終わらせて共産主義の国になった場合だけです。

それは、私が数年前から言ってきたように、「中央銀行と政府が統合された世界政府を頂点とする独裁政治」。世界政府なので、各国の政府と主権は奪われます。つまり、国単位の政府がなくなるのです。

「元本を返さないようにすればいい」東大大学院教授の開き直り

同じように、元財務官僚(旧大蔵省に入省)で東京大学大学院客員教授の松田学氏は、「赤字国債発行残高のうち300兆円分を今後10年かけて消し去る。具体的には日銀保有国債が満期を迎えるたびに、これを永久国債に転換すればいい」と主張しています。


つまり、すでに「発行済みの国債の満期が来ても、元本を返さないようにすればいい」と言っているのです。

彼は、2009年に、藤井厳喜(国際問題アナリスト)氏とともに『永久国債の研究』を共著で出版しています。

共著とはいえ、全体の6割以上、永久債の理論編のすべてを書いているので、実質的には松田氏の著書と言ってもいいでしょう。

この『永久国債の研究』の四六判(絶版)は、一時、10万円の値がつくほど人気化しました。


本人の弁によると、きっかけは「バーナンキ元FRB議長が、非公式に首相官邸と日銀を訪れてヘリコプター・マネーの導入を薦めたとき、永久国債にも言及した」とかで、気を良くしているようです。

麻生財務大臣の「心変わり」

バーナンキのヘリマネにアレルギー反応を示したのは、麻生財務大臣です。

平成28年6月14日「麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要」の中で、「バーナンキのヘリマネについて、どう思うか」との記者の質問に対して以下のように答えています。


ヘリコプターマネーというのが一時期、いつ頃でしたか、中川秀直先生や竹中平蔵先生を含めていろいろ言っておられましたし、あの頃も日本銀行が30兆円のお金を出しましたが、市中銀行までお金は行くのですけれども、そこから先、市中からお金が広がらないということは既に証明済みですし、今現在でも問題なのは、お金があるないという話ではなく、実体経済における需要の絶対量が不足しているところが問題なのですから、そういった意味で金利を安くしたからといって特に需要がなければ、そのお金は生きてこないというのは、これまでで既に証明は終わっていると思いますけれども――

つまり、ヘリマネをやっても経済は浮揚しないと結論付けているわけです。

しかし、最近になって、松田学氏の熱意ある説得に心を動かされたのか、超・長期国債もやむなし、と考え方を変えたようです。

なにしろ、「満期が来ても償還しない」というのですから、やがて日本の債券市場は流動性を失って、完全にブラックボックス化することは明らかです。

その上、場合によっては無利子にして利払いまで拒否すればいい、というのですから、いったい誰が買うのでしょう。


ですから、必然的に、すでに議論沸騰の貯蓄税や法人税100%などが適用され、相続税対策のために無理やり買わされる、というようなことが起こるはずです。

つまり、絞っても一滴も出なくなるまで、国民の富を搾り取るのが永久国債です。

215. 中川隆[-14888] koaQ7Jey 2019年11月16日 10:02:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1979] 報告


米中貿易戦争、合意なら株価暴落か
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2019年11月15日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8488

米国株を中心とする世界の株式市場はここ半年ほど米中貿易戦争とイギリスEU離脱が株価にとって最大の問題で、それさえ解決すれば株価が下落する理由はない、という建前のもとで上昇してきた。

建前と言ったのは、それが事実ではないからである。むしろ合意の先を心配する理由が大いにある。ここの読者ならご存知の通り、筆者の言いたいことは米中通商合意自体に株価暴落の原因となるような何かがあるということではない。むしろ投資家であれば一番の関心事である資金の流れの話なのである。金融市場について何も知らない大手メディアとは違い、投資家はそればかり気にしている。

米中貿易戦争とイギリスEU離脱

米国時間11月14日、国家経済会議委員長のカドロー氏は中国との合意に近づいているとの見解を述べた。その他のニュースからも判断すると、米中合意は12月か1月頃に行われる可能性が高そうである。

また、イギリスのEU離脱も12月12日のイギリス議会選挙で2016年の国民投票から長らく続いた議論に結論を出すことになるだろう。

株式市場では目下この2つが注目の的であり、株式市場はこれらが解決されれば株価は上昇しかないと主張するかのように上を向き始めている。以下は米国株のチャートである。

しかし冷静に考えてもらいたいのだが、これらの問題は世界経済に対してどれだけの影響を持つだろうか。片方はアメリカと中国の貿易であり、もう片方はより小さいイギリスという国の貿易にだけ関わる問題である。

これらの問題が重要だというメディアの主張を鵜呑みにしながら、各国のGDPに対して貿易がどの程度の大きさかということを具体的な数字で知っている人がどれだけ居るだろうか? しかし誰もそれを気に留めない。具体的な数値を知りたい人は以下の記事に書いてあるので参考にしてほしい。

•2020年に向けての株式市場の推移予想

いずれにしても、わたしの言いたいのは米中貿易戦争もイギリスEU離脱も金融市場にとっては本当は些細な問題だということである。しかし短期的には市場はそれを口実に動いている。だからその口実がなくなった時の動きが問題となるのである。

米中合意のその後

本物の投資家はそういう些事を気にせず、より大きな影響を与える要因について考えている。一部の国のGDPの一部にしか影響を与えない上記のような問題とは違い、常に株式市場全体に影響を与え続けるものがある。それは金利と流動性(市場に資金がどれだけあるか)である。

2018年、アメリカの中央銀行は利上げと量的引き締めという2つの金融引き締め政策を行っていた。簡単に言えば金融市場から資金を吸い上げていたのである。わたしはアメリカの金融引き締め政策は株価暴落を引き起こすとここに書いたが、中央銀行家は金融引き締めは大した問題ではないと主張していた。

結果、世界同時株安は起こった。その経緯は以下の記事に書いている。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

中央銀行は今なお去年の株安を米中貿易戦争のせいだと主張しているが、メディアの報道を鵜呑みにせず自分で考える投資家はそれが事実ではないことを知っている。問題は、その株安が本当に収束したのかということである。

中央銀行は自分のせいではないと言いながら金融引き締め政策を撤回したため、金利は下がり、中央銀行が流動性を吸い上げている状況はなくなった。

この状況で考えることは1つである。その措置は世界同時株安を引き起こした流動性の枯渇を解決するために十分だったのだろうか?

その問題を考えるためには、金利の絶対水準を考えるだけでは意味がない。実際に市場がどう反応しているのかを調べることが一番である。

先ず参考になるのは、現在の株高が株価指数だけ釣り上げられて出来たものなのか、それとも市場全体がしっかり上がっているのかということである。先ずはアメリカの主要な株価指数S&P 500のチャートを再掲しよう。

そして次はマイナーな銘柄を纏めた小型株指数Russell 2000のチャートである。

一目瞭然であり、2018年の世界同時株安から回復したのは主要指数に含まれている銘柄だけである。その他の小型株は2018年の高値を奪還できていない。つまり株式市場全体に資金が行き渡っているわけではないのである。

もう1つ基準になるのは、今年に入ってから株価と国債価格が逆相関になっていることである。国債は価格が下がれば金利が上がるように出来ているが、現状は株価が上がればリスクオンで金利も上がる(つまり国債価格は下がる)状態となっている。

債券投資家でなければこの状況の何が悪いのか分からないかもしれないが、流動性の行き渡っている相場では株価と国債価格は同時に上がる。2008年以降の量的緩和による上げ相場とはそういうものだったのである。しかし現状では債券と株式が資金を奪い合っている状況にある。これも1つ流動性が足りていない証拠である。

まとめ

米中貿易戦争とイギリスEU離脱の問題が解決されるとき、株式市場は短期的には上がるだろうが、その後は本当の問題が試されることになる。市場に資金が足りているのかということである。

問題解決は12月か1月になるだろうから、株式市場の頂点までにはまだ時間があることになる。しかし個別株は指数よりも先に天井に近づくものもあり、そうした銘柄は先に売っていっても良いだろう。例えば前回の記事である。

•Teslaの株価が空売り可能圏内に突入

ただ、仮に米中合意の後に株価が下落したとしても、それも実は一番深刻な問題ではない。何故ならば、何か問題が生じた時にはアメリカには金利を下げる余地が残されているからである。

一番の問題は、アメリカが金利を下げ終わった後の話なのである。アメリカは実質的に量的緩和を既に行っているので、利下げ余地を使い果たしてしまえば中央銀行に出来ることはほとんどなくなってしまうのである。

それは量的緩和バブルの本当の終わりになるかもしれない。その話については以下の記事に書いているので、そちらも参考にしてほしい。

•2019年後半以降の株式市場・ドル円の推移動向予想

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8488

216. 中川隆[-14858] koaQ7Jey 2019年11月17日 21:01:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1946] 報告

トランプ大統領は利下げ停止に感謝すべき2019年11月17日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8494

11月13日、アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)のパウエル議長は議会証言で現在の金利水準が適切であると述べ、今年3回行われた利下げを当面停止する意思を表明した。

これは中央銀行に金融緩和を要求し続けてきたトランプ大統領には不服の残る決定かもしれない。しかし2020年11月の大統領選挙を控え、実際にはトランプ大統領にとって最良の結果となったのではないか。もしかすると、トランプ氏も口では不平を言いながら内心ではほっとしているかもしれない。

演出された米中貿易戦争

というのは、トランプ大統領は明らかに大統領選挙の日付を意識して実体経済を操作しているからである。米中貿易戦争が2019年終盤から解決に向かい始めたことは偶然ではない。大統領選挙が2020年11月ならば、その半年から1年ほど前に米中貿易戦争が解決すれば、そのポジティブな影響は大統領選挙の頃に実体経済に現れているだろう。米中貿易戦争はアメリカ経済全体にはあまり影響を及ぼしていないが、農家や工業地帯を票田とするトランプ氏には重要なことである。

つまり、米中貿易戦争は最初からトランプ氏のショーであり、それがこの時期に解決することも最初から仕組まれていた。債券投資家のガンドラック氏が指摘していた通りである。
•ガンドラック氏: トランプ氏は再選に出馬せずニュースメディアでも始めるだろう

これと同じように、トランプ氏は経済を押し上げる低金利を中央銀行に要求し続けていた。特に2018年の世界同時株安の頃にはトランプ大統領の悲痛な声が聞かれた。高金利のために株価バブルが弾けてしまえばトランプ氏に再選の可能性はないからである。

見事なのはトランプ氏がその懸念を株安が深刻化する前に表明し、Fedのパウエル議長に警告していたことである。
•トランプ大統領は機関投資家からバブル崩壊の予報を受けている (2018/10/14)

しかしパウエル議長はトランプ氏の警告を無視し、株式市場は12月の底値へと下落してゆくことになった。Fedが高金利政策を停止したのはその後である。

利下げ停止の大統領選への影響

さて、現状アメリカの政策金利は1.5%で停止しており、言い換えればゼロ金利まで1.5%の利下げ余地があるということになる。

世界同時株安を経てFedが言うことを聞いたことに気を良くしたトランプ大統領は今ではマイナス金利までの利下げを公然と要求しているが、恐らく利下げが止まったことはトランプ大統領にとってプラスの影響をもたらすだろう。

それは何故か? 何故ならば、金融市場にとって一番恐ろしいことは金融緩和が行われないことではなく、金融緩和の手段が枯渇してしまうことだからである。

量的緩和を最大限に行っている日銀にはもはや追加緩和の手段はほとんどない。この状況は世界的な株高になってももはや上がらないドル円に象徴されている。追加緩和の手段がない以上これ以上の円安誘導は不可能であり、ドル円は後は落ちるのみである。

同じように、アメリカが利下げ出来る状況は株式市場にとって上昇の唯一の理由である。以下の記事で書いた通り、筆者は米中通商合意後の株式市場を心配しているが、それでも利下げ余地がある間は一番深刻な事態にはならないはずである。
•米中貿易戦争、合意なら株価暴落か

しかし一番恐ろしいのはこの利下げ余地を使い切ってしまった後のことである。2008年以降金融緩和を頼みの綱として10年以上上昇し続けてきた株式市場は、アメリカの利下げ完了をもってその後の上昇要因が何もなくなってしまう。投資家にしか分からないかもしれないが、相場にとって材料出尽くしは上げ相場の死を意味する。それは量的緩和の作り出した巨大な株式バブルの終わりとなるだろう。

アメリカ国民にとっては、それが大統領選挙の前に来るのか、後に来るのかは重要なファクターである。トランプ大統領はここまでバブル崩壊を何とか綱渡りで回避してきたが、あと1年それを続けることが出来るだろうか?
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8494

217. 中川隆[-15205] koaQ7Jey 2019年12月06日 14:05:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2270] 報告
海外で日本経済見直し論が復活、2020年は「アベノミクス第3弾」の開幕となるか=藤井まり子 2019年12月4日
https://www.mag2.com/p/money/850528


12月2日のアメリカ市場では、わずかですがドル安・ドル国債安(=長期金利の上昇)・株安の「トリプル安」が起きました。このまま続落してしまうのでしょうか?


2021年、日経平均は3万円へ?出遅れの日本株にチャンスあり

12月2日のアメリカ・マーケットは「ミニ・トリプル安」

12月2日のアメリカ市場では、ほんのわずかですが「トリプル安」が起きました(ダウが260ドル以上も下落すると「大幅続落か?」と勘違いしそうですが、わずか1.00%未満の下落です)。

「トリプル安」とは、こちらメルマガで繰り返しお伝えしておりますように、「ドル安・ドル国債安(=長期金利の上昇)・株安」です。

今までのアメリカ・マーケットでは、滅多なことには「トリプル安」は起きませんでしたが、「景気サイクル終盤」に入ったアメリカ株式市場では、12月2日型の「ミニトリプル安」は、今後はしょっちゅう起きることでしょう。

難しい話になりますが、今のアメリカの実体経済は、ダブルバインド(二重に縛られている)状態です。かたや「社債の金利(社債バブル)」に縛られている一方で、かたや「ドル国債の金利(国債バブル)」に縛られているのです。


すなわち、「ミニトリプル安」のメカニズムとは、「アメリカの株価が将来を楽観してイケイケになると、アメリカの長期金利(ドル国債の金利)が上昇、この長期金利の上昇が社債バブル(特に、BBB格の社債)に冷や水を浴びせて、それが、株価を下げてしまう」という「メカニズム」になっているのです。

こういった「ダブルバインドのメカニズム」が働いているので、2020年のアメリカ株は大きく下げることはないでしょうが、大きく上げることもないでしょう。

したがって、2020年以降は相対的に「日本株式市場の魅力(上昇余地の大きさ)」が見直されることでしょう。詳しくは、末章で解説。

とはいえ、グローバル規模での株式ブームは、社債バブルもドル国債バブルもまだまだ弾けない(スクイーズしない)ために、まだまだ2〜3年は継続しそうです。

今現在のグローバル規模の株式ブームは、登山で言えば「8合目」あたりか?


私たちは、向こう1〜2年、あるいは向こう2〜3年は、こういった「ミニトリプル安」が起きるたびに、上手に日本株を中心に「押し目買い」をしてゆけばよいのではないでしょうか。


上がりすぎた米・欧州株よりも、出遅れの日本株と新興国株に上昇余地?

2020年の日米欧では「金融と財政の一体化」政策がいよいよ本格化しそうです。

「金融と財政の一体化」と言えば、聞こえは良いですが、
     ↓  ↓  ↓
「大不況の中では中銀による金融緩和だけでも効果があったけど、景気がそこそこ回復してきたら、『中銀による金融緩和だけでは2%インフレ目標を達成して出口を模索する』ことはできそうもないことが証明されたので、2020年からは『金融緩和も継続しながら、そのうえで予防的な財政出動をも行って、引き続き景気を刺激して2%インフレを目指して出口をもう一度模索』してゆこう」ということです。

日本ではいよいよ2020年から「およそ10兆円規模のヘリマネ出動」となることでしょう。

アメリカでは、肝心のトランプ大統領の発言が二転三転するので、「対中国・関税棚上げ」が本当にマーケット期待通りに15日に棚上げされるかどうかは、確信を持てないところもまだありますが、たぶん、十中八九、トランプは12月15日に棚上げを発表することでしょう。

たとえ紆余曲折を経ても、2020年11月の大統領選挙を意識しているトランプ政権は、「対中関税の引き下げとゼロ撤廃」を断行して、アメリカ経済を刺激してくることでしょう。景気失速に苦しむ中国側も、米中貿易交渉ではアメリカになんらかの大幅譲歩をして来ざるを得ないはず。

日本の安倍自民党政権が10兆円ものヘリマネ出動を行えば、さらには、トランプ政権が対中関税を撤廃すれば、2020年以降のグローバル経済のファンダメンタルズは即座に改善してゆくことでしょう。


なぜならば、財政刺激策は、(効果が出るまで半年から1年もの時間がかかる金融緩和策とは違って、)即座に効いてくるものだからです。

「予防的な財政刺激策」がリセッション入りを回避、世界はプチ好況へ

先週までは、「大統領選挙までは向こう1年間なんとかアメリカ株高は維持されるものの、大統領選挙後はその反動で株価が大幅下落、アメリカ経済は『プチ不況入り』。その後、ヘリマネ出動で、世界は『この『プチ不況』から回復。「プチ好況」へ。』といったメインシナリオを描いていました。


ところが、このメインシナリオ、ここ一週間で、大きく様変わりしました!


ここ1週間くらいの間に、10兆円補正予算の動きが活発化

日米欧の政策担当者、特に日本の安倍晋三政権とユーロ圏のラガルド新ECB総裁、そしてトランプ政権は、当メルマガの予想をはるかに超えた「貪欲さ」を持っているようです。

日米欧の政治家たちは、悠長に「来るべき、2021年以降のプチ不況」に甘んじるつもりはなく、果敢に「プチ不況」を回避するために、2020年は「予防的な財政刺激策(悪い言葉を使えば、ヘリコプターマネー)」をびしばし発動する覚悟を決めてるようです。

2019年は、「予防的な利下げ」が世界経済を「プチ不況入り」「リセッション入り」から救いましたが、2020年は、「予防的な財政刺激策」が世界経済を「プチ不況入り」から救うことでしょう。

ですから、この「最後の一刷毛」は、2021年以降も継続することでしょう。

以下もうちょっと詳しく解説すると、ここ一週間で急きょ、日本国内では安倍晋三政権による「10兆円真水補正予算」への動きが活発化しています。

日本の政治家の間では、2019年の甚大災害が引き金になって、「国土強靭化」計画などの「10兆円補正予算」への動きが活発化しているのです。


こういった政治家の動きを邪魔しているのが、「まずは財政再建ありき」「増税と緊縮と不況が大好きな」日本財務省です。

反対勢力である日本財務省の動きを封じ込めるためにも、安倍政権は、年明けには解散総選挙へと打って出るのではないでしょうか?

2019年年初のダボス会議に安倍晋三氏が5年ぶりにわざわざ出席した理由が、やっと理解できました。
    ↓  ↓  ↓
安倍氏は、「政治的な立ち回りの必要性から、10%への消費税増税は断行するものの、その埋め合わせとして『ヘリマネ出動』する」ことを、当時のラガルドIMF専務理事に密約したのでしょう。

日米欧の「大型ヘリマネ出動」では、2020年の日本政府がまずは先鞭をつけるわけです。

IMFとしても、日本がヘリマネ出動して内需を刺激してくれさえすれば、日本の内需拡大で世界経済を中国に代わってけん引してくれれば、それで大助かりです。

IMFにしてみれば、日本の内需拡大のための財源が建設国債であろうが、赤字国債であろうが、日本国内の庶民が苦しむ消費税の大幅増税であろうが、どっちでも構わないところがあるわけです。


IMFとしては、日本財務省の顔も立てながら、安倍政権の顔も立てたいところ。安倍政権としても、日本財務省を敵に回さない範囲で、IMFの顔も立てないところ。そうすれば、日本財務相のIMFへの天下り先の確保が可能となり、日本財務省の顔も立ちます。


2020年からは「アベノミクス第三弾」が始まる

目下のところグローバルマーケットは、経済のファンダメンタルズから全く乖離した「狂乱の動き」をしています。

2020年は、「日本の安倍政権の大型補正予算」や「トランプ政権による対中国関税の引き下げ」などなど、日米欧で「低金利下での財政刺激策(日本と欧州ではヘリマネ)出動」となれば、実体経済(ファンダメンタルズ)も即座に上向いてきて、マーケットとファンダメンタルズとの乖離もやがて解消へと向かうことでしょう。

繰り返しになりますが、安倍政権は「真水10兆円規模の補正予算(=マイナス金利の中での財政出動。事実上のヘリコプターマネーの出動)」を発動する腹積もりのようです。

日本財務省などの財政再建派からの反対が強いようならば、年明け1月にも解散総選挙へ打って出て、民意に問うつもりのようです。

「真水10兆円規模の財政刺激策」は、巨大です。

これで、向こう2年くらいで日本の物価上昇率は2%水準を達成することでしょう。


日経平均も、向こう2年以内に3万円を目指す。2020年は、待ちに待った「アベノミックス第三弾」の始まりです!

「2012年秋からのアベノミックス第一弾」と「2014年のアベノミックス第二弾」から随分とお待たせしてしまいました。

が、今度こそ、2020年からは「アベノミックス第三弾」が始まることでしょう。

日米がばかすか「予防的な財政刺激策」を発動することで、2020年から2021年の世界経済は「プチ不況」を事前に回避して「プチ好況(にわか景気)」へ。

2021年あたりの世界経済は、ヘリマネの影響でかなり「浮かれた感じ」になるのではないのか?

ただし、この「プチ好況」では、遅かれ早かれ先進各国の物価や長期金利がコントロール不能となることでしょう。数年後(3〜4年後か、5〜6年後)には遅かれ早かれ「ドルが基軸通貨から滑り落ちる、トリプル安の大型不況」が訪れるのでないでしょうか。


それまではグローバル経済は、しばしの「にわか景気」に浮かれるのではないでしょうか?


海外では、いたるところで「日本経済見直し」論が復活!

11月27日のWSJ(ウォールストリートジャーナル)は、「日本経済はその危うい評判の割に好調だ。人口縮小に直面しているにもかかわらず、好調だ」と、「日本株への見直し」論を提唱しています。

※参考:「日本化」という妖怪、投資家は恐れるな〜日本経済は人口動態の割に好調で、金融市場は手堅い投資機会を提供〜‐THE WALL STREET JOUNAL.(2019年11月27日公開)
https://jp.wsj.com/articles/SB10889753074974684588504586042641648446016

このWSJ記事によれば、理由の1つに、日本では「労働者の生産性向上が非常にうまくいっている」点を挙げています。「労働1時間当たりの国内総生産(GDP)で計算した日本の労働生産性」は、2010年以降、なんとなんと、伸び率が他の先進7カ国(G7)を上回っているとのこと。G7平均が5.8%であるのに対して、日本は6.5%。しかも、日本は女性や65歳以上の高齢者を中心に労働参加率が上昇していて、労働人口も数百万人規模で増えているとのこと。

ここのところ、「日本の外需が弱いけれども、日本の内需は堅調」と云われているのも、こういった状態だからです。

さらに、WSJによれば、「日本の労働年齢人口(通常15〜64歳の人口を指す)1人当たりの実質GDP」は、2007年以降、他のG7諸国を上回るペースで成長しているとのこと。同期間の日本全般の1人当たりGDP伸び率は7.1%と、米国の9.4%と比べてさほど悪くはなく、英国の4.3%を上回っているとのこと。

「日本経済衰退」論の提唱者はしばしば、日本の国債利回りが低いかマイナスである点を強調しますが、WSJによれば、オランダとドイツの国債利回り曲線は全体的に日本のそれよりも低い水準で推移しているとのこと。スイスに至っては大幅に日本を下回っているとのこと。


株式についても、意外や意外、日本市場は過去10年、主要な投資可能国で2番目に高いパフォーマンスを示しているとのこと。利益伸び率は米国に匹敵。製造業などを中心に一部セクターでは日本企業のパフォーマンスが米国のライバル企業を上回っているとのこと。

WSJによれば、「日本経済は、一般に人々が弱いと思い込んでいるようには、弱くない、強い」ということです。

アメリカ株式市場で「天井感」が強くなってきた中、安倍自民党政権による「10兆円の真水」論が活発化しているのと並行して、こういった「日本経済見直し論」がいたるところで復活しています。

218. 中川隆[-15156] koaQ7Jey 2019年12月12日 12:59:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2220] 報告

2019 年 12 月 11 日 宮田 直彦 エリオット波動マーケット分析

2015年、トヨタ株はドル 円に先んじてピークアウトした

かつて、レポート「トヨタ株が教える日経平均の転換点」(2015 年 4 月 15 日付 で、トヨタ株が重要な高値を付けた可能性があり、相関の強い日経平均とドル 円の調整入りが近いだろう、と予想したことがある。

結果的にこの見方は正しかった。トヨタ株が上場来高値 (8,783 円 を付けたのは
15 年 3 月 24 日、ドル 円高値 (125.86 円は同年 6 月 5 日だった。トヨタ株はドル円に先行してピークアウトし、その後は共に大型トライアングルを形成していくことになる。

なおトヨタ株の高値から3 ヵ月後、 15 年6 月 24 日に日経平均は当時の天井 (20,952円 を付け、その後の 1 年間で 30% 近く下落した。

トヨタ株は大型トライアングルから上放れ

最近になって注目すべきは、トヨタ株が大型トライアングルから明確に上放れた
ことだ。
代表的な輸出株であるトヨタ株とドル円の動きは互いに強く影響し合っている。
過去 10 年でみたときの相関係数は0.95 と高く、株価の上げ下げのほとんどは円相場で説明できるよう にみえる。

トヨタ株はドル高・円安を先取りか

2015年のトヨタ株がドル 円のピークを暗示していたように、現在のトヨタ株の
動きはドル 円の動きを先取りしているのではないか。

そうであれば、ドル円も 2015 年以来の大型トライアングルからの上放れが近い
だろう。そして 2020 年には、ドル高・円安トレンドが鮮明になっていくと思われ
る。

219. 中川隆[-15153] koaQ7Jey 2019年12月12日 13:04:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2217] 報告
2019 年 12 月 11 日 宮田 直彦 エリオット波動マーケット分析

日経平均の最大下値メドはPBR1 倍の水準

昨年末から今年を通じて、日経平均の PBR1 倍水準(2 万円処)の底堅さが改めて
印象付けられた。


アベノミクス相場の7 年間で日経平均が PBR1 倍を下回ったのは2 日しかない。
最初は2016 年2 月12 日(0.99 倍)であり、二回目は2018 年12 月25 日(0.99 倍)である。いずれも日経平均の重要な買い場だったことが確認できる。

ちなみに今年のPBR 最小値は8 月中の4 日間で記録した1.01 倍であり、それらは日経平均のラリーが始まった時点に重なる。

2020 年は日本株の「サード・オブ・サード」が本格化する年とみており、日経平均PBRも拡大していく公算が大きいだろう。

一方メインシナリオとは異なり、想定外の下げが起こった際においても、PBR1 倍(現在20,300~20,400 円)付近は日経平均の下限となりそうだ。

2020 年に日経平均は3 万円に(?)

2020 年の日本株相場は「サード・オブ・サード」の波動位置にふさわしく、持続的か
つダイナミックな強気相場となろう。

日経平均は2018 年高値を上抜いた後、26,747 円(89 年高値から08 年安値まで下落
幅に対する61.8%戻り)を試すだろう。この水準を2020 年の最小ターゲットとしたい。

ベストシナリオは、今から1 年後すなわち2020 年末頃に日経平均が30 年ぶりに
3 万円を回復するというものだ。これは現時点では「超強気シナリオ」にみえる。しかし波動構成上は、むしろノーマルな予想といえるものだ。はたしてどうなるか?

220. 中川隆[-15152] koaQ7Jey 2019年12月13日 16:40:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2206] 報告
不動産は株価から2年遅れて下落する…日本の土地がピークアウトするのは2022年頃=吉田繁治 2019年12月12日
https://www.mag2.com/p/money/859706


人口減少に起因して、日本の不動産価格は2022年以降明確に下落すると考えられます。その背景について、いくつかの法則など活用して詳しく解説していきます。

2020年代以降、わが国の不動産価格はどのように変化するか
ランチェスターの法則を活用して、地価と都市力の関係を探る

【都市力と人口集積、および地価】

近代都市の都市力は、「人口集積によるライリーの法則」で計算されていました。「都市力(=吸引力)は、近代化を表す人口数のおよそ2乗に比例する」というものです。

【ランチェスターの法則】
もともとは「戦力は、戦闘機の数の2乗に正比例する」というランチェスターの法則からきています。同じ性能の戦闘機がA軍20機、B軍15機で戦闘したとき、A軍の20機の比較戦力は400、B軍の15機の戦力は225になる。√(400-225)≒13である。20機側は13機(65%)が生き残って、15機側は全滅してきたという。
損害数はA軍7機:B軍15機です。戦国時代の武士の数でも、同じ法則が成り立っていました。武器の豊富な米国に、「精神力」で戦った日本軍が全滅した理由でした。
日本軍の幹部は、国民に「日本には不滅だった大和魂や神風がある」といい始めて、(戦争学では知っていたはずの)経験的・定量的なランチェスターの法則を無視したのです。最近の政府官僚の資料発掘では、天皇の言葉がなければ、政府は「戦闘力では全滅することが決まっている、本土決戦」の準備をしていたとするものが見つかっています。

1990年までの土地神話も、人口数と地価の定量的な関係は無視して「日本の土地は、どこまでも上がる」としていた点で、大和魂に似ている社会的な共同幻想でした。1990年代までは、土地を買わない経営者は馬鹿だと言われもいたのです。
金沢の地価の上昇を、都市力で計算
金沢には、46万人の人口に25万人/日の新幹線乗客が加わりました。往復の利用ですから、名寄せすれば1日に1/2の12.5万人です。従来の鉄道では、1/3の4.1万人でしたから、増加したのは8.4万人分です。平均1日滞在とすれば、国内インバウンドのように8.4万人の消費人口が加わっています。

以上は、居住者46万人の人口が54.4万人に増えたことと同じ、所得・消費効果です。「都市力のライリーの法則」では、(46万人の2乗=2,166):(54.4の2乗=2,959)…2959÷2166=都市力1.36倍

「ライリーの法則」からは、金沢市の地価は新幹線開通以前より36%以上上がることが、理論的な妥当値です。3年間、毎年10%以上は上がることが当然だったのです。

今後は、上がった価格に対する上昇なので、地価の上昇率は鈍っていくでしょう。新幹線の乗降客は、現在がピークと思われるからです。大きく増えること減ることもないという意味。

【不動産価格には粘着性がある】
地価と不動産は、統計の1年遅れと、「価格の粘着性(売買の変化が価格に反映するのに年数がかかる性格」と、超低金利があるので、ピークアウトは2022年頃からでしょう。
不動産価格に粘着性が高い理由は、売買取引が少なく、長期売買であることからです。株に比べた流通性(売買の回転率:上場株は1回転で260日)が低いからです。不動産の年間売買は14.3兆円あたりです(2016年:都市未来総合研究所)。回転率の高い地域でも、1年に1/50でしょう。もともと「不動」の資産です。
わが国の資産バブル崩壊のとき、全国の地価がピークアウトしたのは、株価が下がった1990年から2年遅れの1992年でした。1994年からは顕著に下がり、4年後の1998年が、多くの銀行が債務超過(時価資産<負債…自己資本のマイナス)になった、日本の金融危機でした。日銀はこの時期から、ゼロ金利政策にはいっていったのです。
銀行の自己資本が、時価のB/Sでマイナスになると、国民の信用は保っていても、銀行間の信用はなくなって、お互いの貸し借りができなくなり破産します。金融危機は、預金の引き出しより、レポ金融の金利高騰と、貸し借りの不能から起こります。

(注)金沢地区のREIT(不動産投信)があれば、その価格グラフでは、株に少し遅れますが、ほぼ6か月ずらせば、リアルタイムです。


生産年齢人口の減少と、都市力および地価
人口が減少するとき、ライリーの法則で示す都市力はどうなるか。減少率の2乗より、もっと大きく低下するでしょう。
既存の住宅が余って売り超になる環境では、住宅価格は大きく下がるからです。人口増で、建築供給力も増加して価格粘着性があると同時に、需要増以下に価格上昇は抑えられます。

生産年齢人口増のときは増加率の2乗に比例し、住宅以外の店舗も増え、オフィスも増えて、金沢のように不動産が上がります(ライリーの法則)。
生産年齢人口減のときは人口の減少率以上に、既存住宅の売り物件が増えて店舗、オフィス、公共投資も減って行き、既存住宅の価格下落は激しくなります。
数式で言えば、「(生産年齢人口の減少率の3倍)」くらいでしょうか。
日本全体の生産年齢人口は、2020年で7,341万人です。2060年は4,418万人です。国内消費は、生産年齢人口の総所得から、強制的に引かれる税と社会保険料(国民負担率42.8%:2019年)を引いた可処分所得から、お金を貯める貯蓄を引いたものに、移民とインバウンドの消費を加えたものです。消費税も当然、租税負担にはいります。
※参考:国民負担率(対国民所得比)の推移

つまり国内消費の未来は、移民またはインバウンド消費の急増がない限り、確定しています。消費税の増税の負の効果は、所得に対しては大きい。2014年に3%、2019年に2%上がりましたが、これで、実質所得は5%もマイナスしたのです(政府は、これを軽いものとして伝えています)。80%の世帯(4,000万世帯)の所得が減るなかで、5%のマイナスです。
ただし大きく言えば、生産年齢人口が4,418万に減った社会でも、広大な国カナダの生産年齢人口のまだ2倍です。日本が潰れると、案じる必要はない。人々の住宅が広くなります。レジャーを含み、生活は豊かになるでしょう。
もともと狭い国土の日本の人口は多すぎたので、狭い住居、狭い道路、混雑で、商店数と小さなオフィスも多く、「アジア的」でした。これが、シンガポール的ではなく、西欧的(特に、島国の英国的)になると考えておいて間違いはない。日本の40年後は、英国風でしょう。
人が減ると、人権への配慮が高まります。社会の集合的意識の変化が起こるからです。子供の虐待への激しい社会的憎悪、ブラック企業への非難は、子供が減ったことが根にあるものです。

1クラスに55人もいた時代は、いじめや教師の暴力があっても、本人の心理的な落ち込みは、今ほど深刻ではなかった。日本はお互いが1人1人を大切にする社会に向かっています。


わが国の生産年齢人口の減少は、1年平均で1.3%】
この条件の中でわが国では、年間平均で1年に1.3%、生産年齢人口が減少します(2020年〜2060年)。
住宅の購入では、金利と所得という条件があまり変わらない中では、
・人口が増えると増えて価格が上がり、
・減ると価格は下がります。
人口の絶対数は、地価の水準を決めますが、その増減は、地価の上昇・下降を決めるものでしょう。

以上が、生産年齢人口の増加とともに価格が上がり(1992年まで)、1995年からの減少とともに下がった住宅価格の意味です。
【総人口と生産年齢人口】
全年齢の人口では、2020年が1億2,410万人、40年後の2060年には8,674万人です。年率平均0.9%の減少。65歳以上が3,464万人と構成比が40%に増えるので、生産年齢の人口(15歳から64歳)だけでは1.3%減/年です(全国平均)。総人口×0.6≒生産年齢人口、です。
2060年は、10人のうち4人が65歳以上、15歳未満は0.9人、15歳から64歳が5.1人という、世界で初めての社会です。現在の出生数90万人/年(1年に200万人の出生だった団塊ジュニア(40歳が中心)の子供)では、これが変わらない。
全都市平均での1.3%/年の減少は、各都市の生産年齢人口減では「0.7%〜平均1.3%〜1.9%/年」に分布します。平均以下が50%、平均以上が50%です。
※参考:人口減少社会の到来−総務省

これからの地価の3カテゴリー
【第一類型:大都市(都市人口は80万人以上)】
生産年齢人口が、年平均で0.7%減少する、主に大都市の不動産価格:地価下落基準2.1%/年
年率平均2.1%の、地価下落が平均(分布は-4%〜0%)
【第二類型:中都市(都市人口は10万人以上〜80万人】
生産年齢人口が、年平均で1.3%減少する、中都市の不動産価格:地価下落基準3.9%/年
年率平均3.9%の、地価下落が平均(分布は-5%〜-3%)
【第三類型:小都市:都市人口10万人未満】
生産年齢人口が、年平均で1.9%減少する、小都市の不動産価格(中市部):地価下落指基準5.7%/年
年率平均5.7%の、地価下落が平均(分布は-7%〜-4%)
(注)郡部の郊外や田舎では、その地域にある、中核都市の地価下落の2倍くらいでしょう。
2019年時点の全国の地価は、「低金利+インバウンド増加」によるミニバブルでしょう。これは2020年までは、大都市部で続きます。

21年から怪しくなり、22年からは、はっきりした下落(上記3類型)に入るでしょう。2020年を起点に、わが国の地価は地域の生産年齢人口の増減による都市力の影響を直接に受けるでしょう。


これからの1人当たり所得という要素
わが国の正規雇用の平均年収は420万円(男性521万円、女性276万円)です。2012年からは、年率平均でほぼ1%上がっています。
所得の増加率が約1%で今後も同じなら、地価は上記のように各都市の生産年齢人口の減少に正比例して下がるでしょう。

人口80万人以上の大都市部平均で-2.1%、10万〜80万人未満の中都市部平均で-3.9%、10万未満の小都市平均で-5.7%と大きくなります。
【所得の長期増加期待が、3%や4%に上がると…】
2020年以降の1人当たり所得が長期で3%/年で上がるという期待になると、2%部分は地価の下落を2%少なくする要素になります。
生産年齢人口の傾向では大都市区分で、地価は年-2.1%の傾向であっても、所得増加の効果から、ほぼ0%で推移するということです。
4%の期待上昇に変わることができれば+3%で、1%の地価上昇期待です。(注)金融危機の時は、2年間くらい下がりますがその後は、リーンマン危機のあとのようにリバウンドします。

これは単年度の賃金上昇ではなく、長期的な期待での上昇率です。「これからさき、将来賃金は平均3%で上がる」という集合知での期待です。平均の3%は個人別には、5%〜1%の分布になります。
およそ2025年から、5GとAIの産業過程への効果的な利用が進めば、社員数は減る中で生産性は上がり、1人あたり平均賃金で3%から4%の上昇になる可能性はあります。(注)4%以上はない。
1人あたり賃金が4%上がると、日本の地価では大都市部+1%、中都市部-0.5%、小都市部-2.5%くらいになっていくでしょう。ここが、わが国経済が目指す、最大の可能性の要所です。地価は、経済に基礎になるものです。
東京と大阪の地価の、生産年齢人口仮説での検証
以上の、地価の決定要因としての「生産年齢人口仮説」が正しいかどうか、現在の東京都大阪府で調べます(基準地価:2019年)。
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東京都の平均地価 343万円/坪  生産年齢人口894万人
大阪府の平均地価 118万円/坪  生産年齢人口522万人
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    地価比  2.9倍   生産年齢人口比 1.7倍
1.7の2乗は2.89です。生産年齢人口の2乗では、2.89倍になります。東京と大阪の地価の比は、上記のように2.9倍です。見事に比例しています。
この意味は、東京都の生産年齢人口が、大阪府の522万人(58%)に減ったときは、大阪府の現在の地価(平均118万円と1/3)に向かって、下がるということでもあります。
(注)ただし所得が1%より多く伸びた分と、金利上昇の修正が入ります。所得が3%(現状+2%)伸びても、ローン金利が3%(現状+2%)になると所得効果は金利上昇効果で相殺されます。
東京都の広さは2,188平方キロ、大阪府は1,899平方キロと、他の府県より狭く、人口の密度は類似して高い。これが、東京と大阪の地価(本稿では基準地価)が、生産年齢人口の2乗に完全に比例した理由です。
県単位では、東京・大阪より人口密度が低いところが多く、これらの県では県の平均地価と生産年齢人口を横比較した関係には、東京と大阪のような近い面積のような比例関係にはなりません。
(注)面積を全国一定にして、その地区の生産年齢人口の2乗で見れば、東京と大阪の地価に比例します。

ただし、その地域の地価の将来は、生産年齢の減少率の約3倍になることは変わりません。

東京の金融的な収益物件の価格上昇は大きい
住宅需要には、居住ではなく、金融収益を求める賃貸物件の需要も含まれています。2008年の賃貸物件は、全国で2,200万戸です。古いアパートには、空き家が多くなっていて、すでに410万戸(18.6%)が空き家と言われていました。1年間の貸家の新規供給は、約30万戸です。
総新築100万戸付近のうち、30%が貸家用と見ていいでしょう。厳密な区分はできません。買ったものを貸す個人需要があるからです。

住宅のストックでは、72.0%が持ち家、27.3%が貸家です。貸家の平均面積は、42.5平米(2010年代は51平米)、持ち家は122.6平米(同124平米)と約3倍の広さです。貸家には単身の住まいが多いからです。
子息への相続税への対策として、貸家を作る(または買う)人も多い。その貸家に親族以外の人が住んでいる場合の相続税の評価額は「家屋の固定資産税の評価額×30%」と、とても低いからです(大きな節税になります)。
(注)空室が一時的(1か月等)なときは、賃貸に含めてよい。
理由は、借りた人の居住権があるからとされていますが、政府のホンネは「貸家建設の促進」です。日本では1980年代まで、「住宅は足りず、狭い」とされてきたからです。これは事実でしたが、生産年齢人口が減った1995年のあと25年で「住宅数は余って、空き家が800万軒台(16%)」になっていますが、税制を作る国政の意識は追いついていません。

なお土地部分の固定資産税評価額は、基準地価とほぼおなじ公示地価の約70%です。建物部分は、建築費の約50〜70%です(3年ごとに自治体が改定)。(注)細かい規定があるので詳細は税理士に相談。
(注)2018年度の、新築住宅着工戸数は95万戸(前年比+0.7%)です。
タワーマンションが増えた原因は、相続税評価が低い税制にある
近年、東京や大阪では、高層のタワーマンションが多い。少し変に思うのが「高層の階」は、同じ広さでも1.5倍や2倍も高いことでしょう。単に、「見晴らしがいい」ことだけではない。実は、相続税の固定資産税の評価にカラクリがあります。
「タワーマンションの建物部分の相続税評価額は、固定資産税評価額をそのまま使います。タワーマンションの販売価格は下層階と上層階で大きな差がありますが、固定資産税評価額の取扱いは下層階と上層階であまり違いはありません」…不思議な規定ですね。高層部分を高く売る建築業と、高く買う富裕者に得をさせる税制です。
1.5億円で買った高層階と、7,000万円の下の階は、広さが同じなら固定資産税の評価額はほぼ同じになる…それを貸していれば、相続税評価はその30%です。
(注)正確には1階上がるごとに、評価額0.25%上がりますが、40階上でも10%高いだけなので、ほぼ同じと見ていい。1階の評価が3000万円なら41階は3300万円程度です。
つまり、高層階のタワーマンションの新築や中古を多く買って、貸家にしておくと、数十億円の資産なら、相続税がごく少なくて済みます。

(注)明らかに節税が目的と認定されると、税務署から否認されるケースもあるという。


東京圏の収益物件の価格は、約2倍に上がっている
以上のような税務的な事情から、今も金融収益が目的の「収益物件」の価格は、居住用住宅より上がり続けています。2019年も下落はしていません(統計データは約1年遅れです:データ:健美屋)。
地区  12年の価格  19年4−6月  指数
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
23区    1200     2242   186
一都三県  1000     1956   196
横浜市    750     1204   160
埼玉     600     1140   190
千葉     600     1017   170
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
※参考:「 収益物件 市場動向 年間レポート 2018 」< 2018年1月〜12月期 >−健美家

東京圏(1都3県)では2012年に対し、19年の収益物件(賃貸用)は指数で196、約2倍に上がっています。最近の7年、毎年10%上がって、2019年には2倍です。東京圏だけが、高い上昇を続けています。
2013年4月からの異次元緩和とゼロ金利のインフレ効果は、東京圏の収益マンションに発現したのです。
3年で地価が30%以上上がった金沢も、あと4年続くと東京圏の収益マンションと同じ上昇率の2倍になりますが…どうでしょうか。北陸新幹線の大阪との開通(経済効果試算4.3兆円)は2030年がメドですが、公式には未定です。
大阪から金沢に、特急サンバーバードで行っても2.5時間で、東京に行く時間と同じです。それに、ローカル線のように揺れます。これが、1時間20分に短縮。名古屋より少し(20分)遠い感じです。

東京23区の居住用を含むマンションの1平米単価は、2007年が85.6万円(坪282万円)、2018年は113.8万円(375万円)が平均であり、32%のアップです。1年では3%上昇です。これは、住宅ローンの低金利効果だけと見ることができるでしょう。
建築単価アップの要因としては、2011年の東日本大震災後の建築特需から、工事単価が20万円/平米(2011年)から26万円/平米(2016年)と30%上がった要因が大きかった。
住宅需要の増加で上がったのではなく、作業員不足からの建築単価のアップで、販売価格が上がりました。一方では、住宅ローンの金利2.0%や1.5%から0.5%に下がったため、上がった30%部分の負担感の増加が少なく、住まい用物件も買われてきたのです。
東京の新築マンション(12.1万戸)の平均面積は、58.8平米と狭い。2LDKがやっとという広さです。ロンドンや香港のように、狭い。平均価格は6,068万円。世帯年収の7倍が、ローンを組んで生活ができる限度でしょうが、世帯年収で、6,068万円÷7=867万円が下限になります。
概略では、30代の夫婦でほぼ1,000万円の年収がないと、2,000万円くらいの頭金を父母から貰わない限り、子供ができ、生活の余裕をもった6,068万円のマンションは購入できない。
平均は6,000万円でも、渋谷区では同じ60平米くらいで1億円を超えます。文京区、目黒区、世田谷区で6,500万円、墨田区、板橋区、足立区、大田区では4,000万円〜5,000万円です。
東京都の世帯の所得分布は、700万円以下が76.6%、700万円から1,000万円未満が12.9%、1,000万円から1,500万円未満が7.1%、1,500万円以上が3.0%です。

住民のうち、世帯所得で上位10%の階層が買えるのが東京のマンション価格でしょう。
※参考:


これからの東京の不動産価格
東京は1945年(戦後)の349万人から、1962年には1,000万人を突破し、2020年には1,355万人のピーク人口へと一貫して増えています(東京都庁の報告書)。2015年から全国が人口減になっても、東京の人口は減らなかったのです。
しかし、2020年から様相を変えます。846万人の生産年齢人口が、2060年には568万人と67%に減るからです(33%減)。これから40年間、毎年平均1%、生産年齢人口が減っていく時期に突入し、逆向きなることはない(1-0.67のマイナス40乗≒1-0.99=0.01)。移民の大量流入がない限り、これです。

政治的な配慮の少ない公務員が多い東京都総務局の推計は、他の人口推計より低い。2012年からの内閣府は、経済予想やGDPの集計では0.*ポイントの政治的な配慮が多い(課長が行う鉛筆舐め)。
2013年の住宅ストック数は736万戸です。世帯数は650万世帯です。空き家は81.7万戸(総住宅の11.1%)です
これからは、があります。東京の住民も高齢化したからです。東京には、他の都市より70歳以上になった団塊の世代が多い。
早ければ、オリンピックが終わる20年夏から、はっきりと下がるかもしれない(人々の気分の低下)。選手村も空くからです(1万人が一時的に宿泊)。上がったホテル料金も急落します。増えたレストランの売上も減ります。

首都圏の新築マンション契約率は、64%〜70%台です(2016年〜2019年)。19年10月は、消費税の2%上げのあとのため、契約率が42.6%に急落しています。近畿圏(大阪府4,009万円)の落ち込みはわずかですが、東京圏は大きい。6,000万円はすでに、価格コンシャスであるべき水準に上がっているからです。
2022年からの東京都の不動産は、
(生産年齢人口-1%×3倍)+{所得効果(2%-1%)}+{住宅ローン金利効果(0.5%-0.5%)}=-3%+1%=-2%、の下落過程にはいるでしょう。
毎年2%ずつ下がって行くのが中央値であるということです。
価格が上がった金沢の不動産を皮切りに、以上のように考えました。自分の地域の、長期不動産価格の予想に以下の公式を使ってください。
(地域の生産年齢人口減少率*%×3倍)+{所得効果(*%-1%)}+{住宅ローン金利効果(0.5%-0.*%)}:*に数値を入れるだけです。
日本の住宅価格全体が、低金利効果の上にのっています。0.5%の住宅ローン金利(35年フラット)など、信じられますか?住宅ローン控除(ローン残の1%を、所得税から、10年間、マイナスできる:最大40万円×10年:確定申告)をいれれば、実は0.5%のローンは実質、約0.5%のマイナス金利です。

221. 中川隆[-15134] koaQ7Jey 2019年12月15日 09:08:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2185] 報告
平野憲一の株のお話 2019.12.15 今は勢いに付く時。
http://kasset.blog.fc2.com/


 12月のFOMCは、予想通り政策金利を現状のまま1.5%から1.75%の範囲に据え置くことに反対ゼロで決定しました。更に、FOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)も、2020年は年間を通して金利据え置きを予想しています。また1部の意見では2021年になると年間で1〜2回の「利上げ」が予想されています。これは、3回の予防的利下げによって景気後退が食い止められ、その後1年に及ぶ緩やかな景気回復があり、2年目から金利上昇を伴う景気の比較的強い上昇過程に入ると言うFRBの勝利宣言でもあります。

 米国の株式市場から見れば、利下げと流動性供給による現在の需給相場が、来年1年かけて緩やかに業績相場に移行し、2021年には明確な業績相場が出現すると言う事を意味します。また、2020年は、米国においては大統領選、中国は建国70周年と言う節目の年で、世界の両大国に株価下落が許されないと言う事情もあります。

 日本における事情も偶然一致です。安倍政権第3期目のリミット2021年9月末までにアベノミクスの成果を出さなければならない事情があります。経済と政治は切っても切れない関係にありますので、株価予測に政治を持ち出すのはタブーでないと思い申し上げますが、安倍首相は臨時国会の閉幕を受けて先週9日に記者会見し、憲法改正について「必ずや、わたしの手で成し遂げていきたい」と強い決意を表明しました。安倍首相の最終目標は憲法改正です。二階幹事長は2024年までの4期目もあると言っていますが、これは3期と限定されるとレイムダック状態になる事を警戒したアドバルーンで、安倍首相は2021年に勝負をかけると思います(筆者観)。

 そのためには何が何でも2020年に景気を良くし、国民の支持率を上げなければなりません。折しも先週末の日銀短観大企業製造業景況判断指数はゼロ(先行きもゼロ)となり、アベノミクス1年目の2013年の状態に戻っています。これでは目的を達成できません。26兆円の経済対策はもちろんの事、赤字国債発行まで動員して何でもありの政策を打って来るでしょう。消費税増税で財務省の口をふさぎ、やりたい放題の財政政策の準備は整いました。今週、日銀金融政策決定会合がありますが、黒田日銀総裁の会見が注目されます。安倍首相と一心同体の黒田日銀総裁会見が見ものです。

 1年かけてゆっくり上昇すればよい米国と、何が何でもこの1年と言う日本。株価上昇率を比較すると、おのずと答えは後者となります。

 投資家の皆さんは、日本国民として色々意見はあると思いますが、株式投資家としてはこの流れにファンダメンタルズ的手法で立ち向かってなりません。今は勢いに付く時です。

222. 中川隆[-15121] koaQ7Jey 2019年12月17日 10:01:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2169] 報告

米中貿易戦争、第一段階合意の株式市場への影響2019年12月16日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8591


アメリカと中国は長らく貿易について争っていたが、先日ようやく「第一段階」の合意に達した。何度も繰り返しているように貿易戦争自体は世界経済に大した影響を及ぼしてはいないが、金融市場が貿易戦争に反応しているため、投資家としては合意の内容を見て行かなければならないだろう。

第一段階合意の内容

世界の株式市場はこの合意のニュースを受けて大いに上昇した。一番派手に上がったのは何故か日経平均である。日経平均のチャートは次のようになっている。

頭1つ飛び抜けた形となる。

しかし合意の内容を見てみればそれほどの内容でもないことが分かる。第一段階の合意の内、中国への関税に関する部分は次のようになっている。

•中国からの輸出品1200億ドル分に掛けられていた15%の関税は7.5%となる。
•中国からの輸出品2500億ドル分に掛けられていた25%の関税はそのままとなる。

つまり、それほど変わっていないのである。関税のほとんどは掛かったまま、第二段階の合意を待つことになる。

第一段階合意はそれほどの合意でもない

ということで、第一段階合意は株式の買い方にとっても売り方にとってもそれほど喜ぶべき内容ではない。特に株の空売りを狙ってきた筆者のような投資家にとっては、まだクリアするべき問題が残っていると言える。

•米中貿易戦争、合意なら株価暴落か

何故ならば、まだ残っている大規模な関税が第二段階合意で撤廃されれば、市場は更に上昇する余地を残していることになる。株価の天井とは今後上昇するシナリオがすべて尽きた状況のことであるから、まだここが天井であると確定することは出来ない。まだ上昇のシナリオが尽きていないからである。

しかし米中貿易戦争自体がそれほどの話でもない

しかし同時に思い出してもらいたいのだが、アメリカのGDPは20兆ドル程度である。これまで掛かっていた25%と15%の関税を合わせても800億ドル程度であり、アメリカのGDPの0.4%に過ぎない。

わたしはここで何度も繰り返しているのだが、何故この程度の話がニュースと市場を賑わせているのか自体がまったく意味不明である。しかし金融市場とは意味不明な理由で動くものであるから、そういう理由で動いている間はそれに付き合うほかない。しかしそうした口実が尽きた後、市場は本当の理由で動くのである。

•米中貿易戦争、合意なら株価暴落か

結論

ということで、第一段階合意は大した話ではないが、米中貿易戦争自体がそもそも大した話ではないということである。

それで問題は株価がどうなるかである。2018年の世界同時株安の時にはそこが天井であることが明らかであった。それで以下のように強気で全力で空売りが出来たわけである。

•バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)

しかし今は当時のような100%の売りシグナルとみなすべき状況ではない。まだ上昇シナリオが残っているからである。

一方で、関税の額を掛け算と足し算で計算できる人々にとっては、これまでの上昇は何の話でもないような話で上昇してきた相場ということになる。短期的な下落があっても可笑しくないだろう。しかし下落した場合にもトランプ大統領は関税を更に撤廃することで市場を喜ばせることが出来る。また、中央銀行は1.5%の利下げ余地を残している。この状況で株価指数を空売りするのはスマートではない。

そこで、筆者としてはファンダメンタルズの観点から既に天井圏に達している個別銘柄の空売りを強化して継続することとする。
•Teslaの株価が空売り可能圏内に突入

Teslaの株価は空売り可能圏内と書いた350ドルから400ドルの圏内に再び突入している。高くなったところをこれ幸いと売ってゆくのである。

世界市場を見渡せば、世界経済にとってポジティブな材料とネガティブな材料が交錯している。それについてもまた書いて行きたいと思っている。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8591

223. 中川隆[-15059] koaQ7Jey 2019年12月22日 12:29:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2100] 報告
平野憲一の株のお話 2019.12.22 アベノミクスを馬鹿にしてはなりません。
http://kasset.blog.fc2.com/


 2020年相場のアウトラインは、

@財政出動により世界的金余りは益々進み、

A米国にはトランプ大統領の事情があり、

B日本にもアベノミクスのタイムリミットの事情があり、

Cエコノミストは総弱気なので、再び空売りが溜まり、それによる踏み上げ相場で、

D米国株より日本株の2020年、

と考えています。

 特に最後の「米国より日本株」が大事で、いずれダウを日経平均がキャッチアップすると考えています。今日の日経新聞5面の記事の通りですが、先週末現在のダウは昨年末比5127ドル(22%)高で、2017年の4911ドルを上回り、年間上昇幅は史上最大です。19日の米国株の時価総額は36兆3200億ドル(3970兆円)になっています。日本の6倍ですが、2020年はPERの限界もあって、この勢いが弱まると予測されます。

 これに対し日経平均は昨年末の2万14円に対して昨日2万3816円、米国の半分以下です。PERもダウの19倍台に対して日経平均は14倍台です。更に大統領選に勝てば良いだけのトランプ政策より、2021年に憲法改正論議を盛り上げる為、2020年には圧倒的な景気回復をしなければならないアベノミクスの迫力の方が勝ります。エコノミストの冷静な判断に迷わされてはいけません。2020年のアベノミクスを馬鹿にしてはいけないと思います。

224. 中川隆[-15001] koaQ7Jey 2019年12月29日 21:23:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2023] 報告

2020年の株式市場の動向予想、株価暴落の兆候なし2019年12月29日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8638


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アメリカの株式市場は2018年の世界同時株安以来上がり続けている。世間では米中通商合意のおかげだということになってはいるが、様々な観点からの証拠がその推測を否定している。

これまで述べてきた通りアメリカが中国に課している関税はアメリカGDPの0.4%でしかなく、しかも第一段階合意ではそのほとんどが残ったままとされている。

•米中貿易戦争、第一段階合意の株式市場への影響

大手メディアは米中貿易戦争ばかり報じているが、金融市場はより冷静な見方をしており、例えば中国株がそれほど上がっていないことは米国株の上昇が米中合意とは関係のないことの1つの証明である。米中合意に反応しているならば中国株が真っ先に上がるはずだからである。

上昇する米国株

こうした事柄を考えると、米国株の上昇は行き過ぎているように思える。しかも行き過ぎているのは主要指数に採用されている銘柄だけだということは2018年の世界同時株安の頃から変わっていない。以下は主要株価指数であるS&P 500のチャートである。

一方で、以下は小型株指数のRussell 2000のチャートである。2019年終盤の上昇だけを比較してもS&P 500ほどは上昇していない。

この小型株指数の下落は筆者に2018年の世界同時株安の天井のタイミングをほぼ厳密に教えてくれた先行指標である。
•遂に米国株にも減速の兆し (2018/10/8)

その先行指標は現状では下落はしていないものの、2018年以前の上昇ペースを取り戻したわけでもない。

米国株上昇はバブルか

この状況を投資家はどう解釈すべきだろうか? 米国株の上昇は主要指数のみが押し上げられたバブルだと考え、下落を予想すべきだろうか?

ここ10年ほど金融市場はバブルの崩壊を経験しておらず、多くの読者にとってバブル崩壊はあまり現実味のないものかもしれないが、市場でバブルが崩壊する時には事前に兆候があるものである。

例えば2008年のリーマンショックでは株価の下落に先行して住宅価格が下落を開始しており、住宅バブルの崩壊が大きな影響を及ぼすことが事前に警告されていたにもかかわらず、誰も耳を貸さなかった。

•リーマンショック時における米国株、政策金利、住宅価格の推移

2018年の世界同時株安は中央銀行の心変わりで一時中断されたが、当時筆者は明確な理由を挙げて2018年後半の株価暴落を警告していた。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

この2つの例に限らずバブル崩壊には事前に明確な兆候がある。むしろ明確な兆候がありながら誰も耳を貸さない状態こそがバブルだと言えるだろう。

2020年の株式市場

では2020年の株式市場はバブルなのか? 結論から言えば、2018年や2008年のようなバブル崩壊の兆候を探してみたところ、そのような兆候は見つからなかったということである。

まず実体経済に関して言えば、指標はどれも中途半端である。株価上昇を正当化するほど良いものではないことは間違いない。一方で株価暴落を暗示するほど悪いものでもない。

•米国経済、低金利がインフレに効いていない
•米国経済、個人消費は引き続き減速中
•鈍化していた米住宅価格の伸びは回復するのか

金融市場も同様である。小型株指数Russell 2000は確かにS&P 500ほど上がってはいないが、2018年のように下落を始めているということもない。

日経平均や欧州株も同様にS&P 500ほど上がってはいない。中国株は振るっていない。しかしトルコリラなど市場に資金が足りない場合に真っ先に下落する新興国通貨などもある程度安定している。

日本市場に目を向ければ、東証REIT指数が危うい動きをしている。不動産投資信託とは思えない低い利回りを考えてもバブルである可能性が高い。一方でJASDAQは急上昇している。マザーズは低いままである。

このように好材料と悪材料が入り乱れているのである。しかし米国株以外に好材料がある間は米国株の本格的な下落は考えづらいだろう。リスク資産が先に下落し、米国株が下落するのは基本的には最後となるからである。

よって金融市場も先進国株の暴落を予想する状況にはない。

目下一番バブル崩壊に近いシナリオはすべての上げ材料を使い切ってしまうシナリオである。例えば米中貿易戦争が解消されてしまう場合、これまで米中貿易戦争の解消を材料に上がってきた株式市場は上昇の口実を失ってしまう。材料出尽くしというものは一般の人々が想像するよりも市場にとっては脅威なのである。しかし第一段階合意が中身のないものであったために市場はもう半年ほど米中貿易戦争を口実にすることが出来る。これが目下一番の下落シナリオだったのだが、これも延期されてしまった。

兆候がないことの意味

筆者は米国株上昇を受けて金融市場と経済統計の両方にバブルの兆候を探したが、結論としては見つけることが出来なかった。バブル崩壊にはほぼ必ず兆候があり、兆候がないことは基本的にバブル崩壊を意味しないと思って良い。

一方で、明らかな兆候がなくとも比較的小さい株価下落は有り得る。例えば2018年前半の世界同時株安である。2018年前半の下落は10%程度、後半の下落は25%程度だったが、筆者は後半を予測したのみで前半の兆候を見つけることは出来なかった。世界最大のヘッジファンドを運営するレイ・ダリオ氏が株式に非常に強気だった頃のことである。

•世界最大のヘッジファンドの2018年株式市場上昇予想「現金保有は馬鹿を見る」

個人的な感覚で言えば現在の状態は2018年のこの頃に似ている。

しかし下落が始まった場合、トランプ大統領は米中通商合意を本当の意味で前に進めて上げ材料を提供することが出来、また中央銀行も1.5%の利下げ余地を残している。株価を支える余地は少なくないのである。

これまで株式市場は「まだ株価を支える余地がある」ということを支えに上昇を続けてきた。しかしその余地は本当に限られつつある。日銀はもうずっと限界まで緩和をしており、ユーロ圏も量的緩和を再開した。
•ECB、量的緩和再開を決定、今後の相場の試金石に

アメリカも実質的には量的緩和を再開している。

•米国、実質的に量的緩和の再開を宣言

つまり、世界の中央銀行にはアメリカの1.5%の利下げしか緩和余地が残されていないのである。

すべての中央銀行が緩和手段を使い切る時、2008年以来の量的緩和バブルの崩壊が本当の問題となることになる。しかしそれはもう少し先の話だろう。

2020年は2018年のようにはならないというのが現状の筆者の見方である。この状況でどういうポジションにすべきかということは、また別に記事を書くこととする。現状は金融市場も実体経済も良くも悪くもない。しかしそれならそれで投資家に出来ることはあるのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8638

225. 中川隆[-14771] koaQ7Jey 2020年1月07日 19:37:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1739] 報告
米国系ヘッジファンドの売買が70%を占める?東証がNYダウの株価に引きずられるワケ=吉田繁治 2020年1月7日
https://www.mag2.com/p/money/875949


東証での株の売買は1日平均2.5兆円。対する米国は日本の8倍の1,850億ドルです。NYダウが下がると翌日の日経平均は高い確率で下がります。その理由を解説します。


ヘッジファンドが買い越すと上がり、売り越すと下がる日本株
日本の個人投資家は、「下がったら買い」の逆張りオンリー

東証での株の売買は1日平均2.5兆円と少ない。米国は日本の8倍の1,850億ドル(NYSE+ナスダック=20兆円/日)です。このため、米国系ヘッジファンドの東証での売買が70%を占めるくらい大きくなります。

日経平均は、ヘッジファンドが買い越すとき上がり、売り越すとき下がる傾向をもちます。日銀の株ETFの買いが発動されるのは、前場で日経平均が1%以上(230円以上)、下がったときが多い。株価を下げないためです。

ヘッジファンドの売買は、80%以上がプログラムによるHFT(超高頻度売買:1,000分の1秒に数十回)です。世界の株式市場で、コンピュータによるHFTでの売買は60%を占めています。ファンドマネジャーは、売買はしてはいません。ほぼ3か月に1度、プログラムやパラメータ(独立変数)の変更のとき介在しているだけでしょう。

日本の株の投資家は、機関投資家(生損保と民間銀行)と、700万人の個人投資家でした。2013年からは政府系金融(GPIF、郵貯、かんぽ生命:総資金量450兆円)と日銀(総資金量は無限)が加わっています。

政府系金融を除いて、機関投資家と個人はリーマン危機での損失のあと、12年売り越しを続けています。政府系金融は、自分で運用する技術をもたない。投資信託に委ねるか、株ETFの売買をしています。日銀は、信託銀行に委託して株ETFを買っています。

個人投資家700万人(名寄せ後推計)は、全体では株価が下がったとき買い越すという「逆張り」しかしていません。合計では、12年間、一貫して、売り越しを続けています。個人投資家の株式保有シェアは、1970年の40%から2018年には17%に減っています。増えたのは、外国法人(30%)と、日銀を含む政府系金融だけです。
※参考:図5 主な投資部門別株式保有比率(市場価格ベース)‐独立行政法人 労働政策研究・機構

個人投資家の売買方法である、株価罫線(時々刻々の株価の動きのグラフ)と、遅れた平均値である過去25日、50日、100日などの(例えば25日移動平均=25日の株価合計÷25)乖離で売買すれば、「下がったときに買い、上がったときに売る」という逆張りにしかなりません。

(注)当方のシステムトレードでは「移動平均より遅れない加重平均値である指数平滑(超短期、短期、中期の3種)」を使っています。利益が上がりやすいという結果が出たからです。超短期、短期、中期のパラメータは、バックテストで最適値にしています。下がったあと上がるタイミング、上がったあと下がるタイミングを、確率的に見極めるためです。

安倍政権の2013年以降、日本株を買い越しているのは、

・日銀による、株ETF(残高31兆円:年間6兆円:週間1,150億円)、
・総資金量450兆円の政府系金融(現在は買いが少ない)、
・米国に倣って増えて来た、事業法人の自社株買い(2019年は、10兆円に急増)です。

米国系ヘッジファンドのポートフォリオ調整で日本株は変動

ヘッジファンドは、ポートフォリオ投資(構成比を決めた分散投資)をします。株式では米国株は30%、日本株は8%、欧州株は20%というような、GDPにほぼ比例する構成が多い。

他に、国債、社債、CLOなどのデリバティブ、金先物、原油先物、穀物などにも一定の割合で投資しています(決算の3か月サイクルで、投資構成比を見なおす)。

米国株が上がったときは、プログラムで決めた投資構成比を上回ることになります。このため、日本株、欧州株を買い増して、構成比を維持します。

構成比維持の買いのためNYダウ、日経平均、欧州のFTSE100などは、1秒の遅れもなく、同時に上がります。米国株が下がるときは、同時に下げるのです→スイスのDUCASCOPYやTrading Viewでは、10秒単位で観察ができます。

これを見ながら、つぎの10秒は上げるか、下げるかを当ててみると面白い(1分足でもいい)。回数を重ねると、50%しか当たらないはずです(ということは当たらない)。株価の短期予想は、丁半博打と同じことを示しています。

※参考:ダウ平均株価 リアルタイムチャート

米国株の総時価は3,000兆円であり、日本株の総時価600兆円の5倍もあるので、「米国株の上昇(金額が6倍)→日本株上昇(金額は1倍)、米国株の下落(金額は6倍)→日本株の下落(金額は1倍)」になることが多い。

米国株と日本株の下げが連動しない時間は、ヘッジファンドの売り越しより、日銀の株ETFの買い(1週間平均1,150億円)が多いときです。

日経平均の上昇と円安、下落と円高が連動することが多いのは、ヘッジファンドが日本株を買うときのリスクはドルから見た円安です。日本株が10%上がっても、10%円安になれば、ドルから見た利益は0%に減るからです。

ヘッジファンドは投資のときリスクヘッジをします。ドル圏から日本株を買い増すときのリスクは、円安です。円の先物を売って、円が下がったとき、ドルベースの株価で減った利益を外為で回復できるようにしています。

日本株が10%上がるとき、円が10%下がる性質があるときは、日本株を買い増す金額の円先物売りをします。日本株が10%上がり、円が10%下がったときは、外為で10%の利益が出ます。円で10%上がっても、ドルに対しては0%の日本株の上昇を、10%にすることができるからです。

こうした、ヘッジの円の先物売り(または先物買い)があるので、「日本株高」が「円安」と連動します。

(注)米国株は、日本株と逆に、「ドル高=米国株上昇」になることが多い。海外からの米国株買いが多く、「ドル買いをしてドルで米国株を買うこと」が同時になるからです。

以上の、マネーの流れの構造はメディアがほとんど解説していないことでしょう。日々、日米の株価、およびドルと円の罫線の動きを観察すればわかることですが…。

226. 中川隆[-14628] koaQ7Jey 2020年1月13日 15:03:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1557] 報告
2020年01月13日
理不尽な為替操作 プラザ合意から中国危機まで 予測は不可能

ドル円戦争のはじまりは1985年のプラザ合意。
竹下大蔵大臣がNYに呼ばれ、突然為替レートを2倍にされた。

http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/shimen/images/20150922dd0phj000012000p_size8.jpg

米中対立や米イラン対立などで為替レートが大きく変動する予兆を見せている。

投資で理不尽な損失を受けることは良くあるが、中でも理不尽なのは為替変動でしょう。

まったく意味の分からない動きで株価や地価や、あらゆる「日本の価値」が急落してしまう。


投資損の要因は為替変動

投資は9割の人が儲からないものだと言うが、難しくしている要因の一つに為替変動があります。

いわゆる「ドル円レート」ですが人為的に操作される場合や天変地異、大企業の破綻など原因は様々でした。

大きな為替変動には一つだけ共通点があり、ある日突然始まって、また突然終わります。

江戸時代から明治まで為替相場は政府間で取り決めていて、相場変動はあまりありませんでした。

19世紀に各国は金本位制をはじめ、金によって自国通貨の価値を保障するようになりました。

しかし2つの大戦で金本位制は機能しなくなり、金本位制が世界恐慌や世界大戦を引き起こした疑いすらある。


1971年8月に唯一の基軸通貨だったアメリカが金本位制を止めてしまい、ここから変動為替相場制が始まりました。

1976年1月にIMFで変動相場制の開始が正式に宣言され、日本と円高との戦いの歴史が始まりました。

ドル円相場は明治初期に元々1ドル=1円だったが、第二次大戦の開戦時には15円、敗戦時には40円くらいになっていた。


戦後の復興の必要性から円の価値は意図的に下げられ、1949年には1ドル360円に固定されました。

この円切り下げは経済回復のため日本側が望んだもので、「マッカーサーの陰謀」とかではありません。

1ドル360円時代は1949年から1971年まで続き、日本の高度成長や輸出大国の原動力になりました。


1971年8月にアメリカは金本位制を止め、1ドルは相当額の金と交換できる保証がなくなり「ただの紙切れ」になりました。

円やポンドも同様に「ただの紙切れ」なので、新聞紙とトイレットペーパーを交換するのと同じで、相場は変動します。

1971年12月18日に1ドルを308円に切り下げる決定が、スミソニアン博物館での10カ国協議で決定されました。

日米ドル円戦争勃発

スミソニアン協定はまだ固定相場だったが、1973年2月には変動相場制が実施され、1973年2月には260円まで円高が進みました。

暫くの間は250円から300円で推移していたが、1978年末にはついに1ドル180円を切りました。

7年間で360円から180円になったので、輸出産業は大打撃をうけ円高不況に苦しむ事になりました。


1980年頃からソ連のアフガン進行など世界的な事件が続き、ドル防衛策のお陰で250円以上に戻りました。

安定した円安相場で再び輸出攻勢を掛けた日本に、アメリカが打ち出した反撃が「プラザ合意」でした。

1985年9月22日、竹下登大蔵大臣が日曜日にニューユーヨーク・プラザホテルに呼び出され、円の切り上げを通告された。


参加した5カ国のうち、日本を除く4カ国で協議は済んでいて、決定後に竹下が呼ばれて結果だけを伝えるという酷さだった。

ここに日米為替戦争と呼ばれる30年以上の戦いが始まり、260円だったドル円レートが、3年で120円まで下落しました。

3年間に円が2倍に切り上げられたので、1971年から1978年の円高よりも急激でショックは大きかった。


2020年はプラザ合意から35周年だそうですが、何かをお祝いしようという動きはまったく無い。

1985年の総理大臣は中曽根康弘で、彼はこの苦境を国内需要の活性化で乗り切る事にしました。

低金利で「金余り」を作り出し株価と地価を吊り上げて、大規模公共事業を連発し、経済成長路線を取りました。


これが「バブル経済」の原因になったのですが、取り合えず日本を崩壊の危機から救ったのも事実でした。

もしこの時中曽根首相が緊縮政策を取っていたら、「失われた30年」は現実より10年以上早く訪れていたでしょう。

バブル経済を謳歌している間に天安門事件、中国の高度成長開始、ソ連崩壊と続き、冷戦崩壊で日本の居場所がなくなりました。


米国とソ連が対立していたから、日本は「アジア最強の同盟国」として優遇されたが、冷戦が終われば「ただの敵」です。

レーガン大統領はヘラヘラ笑い「最も重要な同盟国」などと言いながら通貨戦争を仕掛けてきた。


外交の世界にはトモダチも同盟国も無い。


翻弄される日本と投資家

こんな時に登場したのがビル・クリントン米国大統領で、彼はアメリカの誇りを傷つけた日本を心底憎んでいました。

有名な逸話としてビルクリントンは中国や韓国、アジア諸国に電話を掛け捲り、従軍慰安婦や侵略で日本を責めるよう依頼した。

1993年には自民党が下野して細川政権から村山政権まで、反米主義の野党政権が続きました。


アメリカの報復なのか偶然か、1995年には超円高になり79円をつけ、全ての輸出産業は崩壊と言える打撃を受けました。

円高進行中に阪神大震災が発生して円高に拍車を掛け、この頃のダメージから今も日本は回復していない。

1997年から98年にはアジア通貨危機を引き金に日本の大企業や銀行が倒産し、山一ショックなども起きています。


2001年には米同時多発テロ、2002年にはITバブ ル崩壊、2003年には「りそな危機」など銀行危機と毎年のように金融危機が起きました。

こうした危機を乗り切るため日本政府は「ゼロ金利政策」をとり世界的にも金余りになっていた。

そこに襲ってきたのが米国発の「サブプライムショック」で後にリーマンショックに発展しました。


経済危機を責任を取らされて自民党はまた下野し、また反米政権の下で円高が進行し、また巨大地震が発生しました。

1995年のドラマの再放送のように、あっという間に100円を切り、2011年10月31日に1ドル75円をつけました。

だが2012年、不思議な事に民主党が選挙で負けて去っていくと、急激に円安に戻っていきました。


2020年現在は1ドル109円で推移していますが、これまで見たように明日突然円高が始まるかも知れません。

残念ですが日本のような為替変動が大きい国では、アメリカの投資家のように「買い続ければ必ず株価は上がる」という投資法は通用しません。

株価や地価は為替相場に連動するので、超円高の時に企業の業績をいくら見ても「無駄」なのです。


なぜ他の国の通貨はあまり変動しないのに、日本円だけが急上昇や急降下するのか、不思議に思えます。

外人アナリストや外国の研究者によるとそれは「日本がアメリカに安全保障で依存しているから」だそうです。

アメリカ軍に守ってもらっているので、日本の通貨政策や経済政策は結局アメリカが決めていて逆らえません。


「日本は軍事費が少ないから経済に回す事が出来て発展した」と思っているのは日本人だけで、外人はそう思っていません。
http://www.thutmosev.com/archives/44207880.html

227. 中川隆[-14426] koaQ7Jey 2020年1月17日 09:03:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1342] 報告
2020/1/17
ダウ3万ドル目前?・・・事実上のQE4を実施するFRB  時事/金融危機
https://green.ap.teacup.com/applet/pekepon/2450/comment#comment

■ 資産買い入れを再開していたFRB ■

FRBの利下げ報道の影に隠れていまうが、実はFRBは2019年9月から資産買い入れを再開しています。上のグラフはFRBのバランスシート推移ですが、右端で跳ね上がっている事が分かります。

1年未満の短期の国債購入を行っている様ですが、これって「QE4(量的緩和)」じゃね?と思うのは私だけではありあません。

「それがアヒルのように見え、アヒルのように歩き、アヒルのように鳴くなら、それはアヒルだ。」と発言したのは経済評論家のピーター・シフですが、資産買い入れ再開を量的緩和では無いと言い張るパウエルFRB議長を皮肉った。

■ 資金供給量が増えればバブルは膨らむ ■

FRBの利下げ以降顕著な市場の上昇ですが、QE4の効果もそれなりに出ているはずです。焚火に燃料を追加すれば、炎は一層激しく燃え上がります。

トランプの要求に渋々対応するふりをしながらも、FRBはしっかりと市場に燃料をくべて、大統領選まで相場を上昇させる気満々です。

■ 様々な事件にに敏感に反応する市場 ■

FRBの年長追加で市場のファンダメンタルは上層ですが、先日のイランと米国の緊張の高まりで大きく値を下げた様に、様々な出来事に過敏に反応しています。

現在は米中貿易協定の第一ラウンドが、どうにか丸く収まると見て、市場は相当強気になっていますが、直ぐに調整に入り、ダウが一気に3万ドルに達する事は無いでしょう。

ただ、大統領選まではトランプ政権は相場を上昇させたいので、あの手、この手を使うでしょう。FRBに強引に利下げも要求する。

■ 株式はリスクが少なく、債券はリスクが高い? ■

FRBの利下げによって債券の金利が下がってしまったので、債券市場の金利はリスクに見合わなくなっています。結果的にリスクに対して債権よりもマシな金利(利益)が確保できる株式市場に資金が流れ込み、株価を押し上げています。

日本と同様に、アメリカの株価は実体経済と乖離しています。特にIT系企業でその傾向は顕著ですが、アップルの業績が振るわなかったり、WeWorkのIPOが延期されるなど、昨年辺りから不安材料は増えています。

現在の株高は、緩和マネーの生み出した過剰流動性が行き場をを無くして、株式市場に流入しているだけかも知れません。

■ 市場との対話って・・・■

FRBは市場を焦らしたり、エサを与えたりが上手です。これを市場との対話と表現します。しかし、昨今の隠れQE4や利下げの経緯を見ると、ご主人様は市場で、FRBはその要求に屈服している様にも見えます。

結果的には相場は持ち直し、一時は凍り付いた債権市場にも再び活気が戻りつつあります。これを良しとするか、それともバブルの総仕上げと見るかは、個人の主観に任せるしかありません。

ただ、市場は今後、益々ピーキーな動きになるでしょうから、個人は振り落とされ無い様にしがみ付くか、或いは列車を降りるか判断すべき時期に来ていると思います。


・・・・正直な気持ちを言ってしまえば・・・市場って意外にタフだなと思う今日この頃。
https://green.ap.teacup.com/applet/pekepon/2450/comment#comment

228. 中川隆[-14191] koaQ7Jey 2020年1月30日 11:20:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-874] 報告

2020年01月30日
コロナ騒動でも日本株は下落せず、経済の構造が変化した


SARSで下落した日経平均は、今回は変動していない


画像引用:https://pbs.twimg.com/media/EPUqDWAUYAAiFxB.jpg


ウイルス騒動でなぜ日経は下落しないのか

2019年末に中国で新型ウイルス騒動があり、中国経済に大打撃を与え世界経済にも影響があると言われている。

いつもなら忽ち円高になり日経平均は大暴落、あっという間にデフレ不況になるが今回はなっていません。

年末からの動きをチェックすると為替相場は新型肺炎発表まえの12月29日に1ドル109円43でした。



1月26日に1ドル108円81をつけたが、29日現在は1ドル109円08と騒動前の水準に戻っている。

日経平均は12月30日に2万3656円だったが現在は2万3379円とやや下落している。

だが新型肺炎発表前の19年11月は2万3000円、10月は2万1000円代だったので、それよりは高い水準にある。


新型肺炎がなければもっと上がっていたのかも知れないが、今のところ為替や株への影響は限定的です。

2002年から2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)では為替レートが大きく変動し、日経平均も下落していました。

SARSが発覚したのは2002年11月27日で、その前のドル円レートは1ドル120円から130円台とかなりの円安でした。


SARS騒動の最中ドル円は115円から120円で推移したが、2002年の前半は130円台、後半は120円台だったのと比べると10円以上円高になった。

日経平均は2002年に9000円から1万円前後だったのが、騒動中は7600円まで下落し、8000円台が多かった。

SARS期間中はドル円は10%程度円高になり、日経平均も10%程度は下落していたと思います。

円高になりにくい構造に変化した

今回の新型ウイルス騒動では、1か月経過した時点で為替相場も日経平均も、騒動前とほとんど変わりません。

これから下落する可能性もありますが、日本経済が危機に強い体質に変化したとも考えられます。

90年代から2000年代の日本経済は「輸出大国」を自負するほど輸出に依存しており、膨大な貿易黒字を持っていました。


2002年の貿易黒字は約800億ドル(約10兆円前後)もあり、最近は1兆円から10兆円以上の貿易赤字です。

その代わり最近は年20兆円前後の経常黒字なので、トータルでは2002年ごろより対外収支は儲かっている。

貿易黒字は物を輸出した金額で、経常収支は海外生産や海外子会社の利益などが多くを占めています。


90年代や2000年代は輸出で売り上げた代金が溜まると、ドルから日本円に換金されて円高を引き起こしていました。

今はトヨタやホンダの米国工場が仮に1兆円売り上げたとしても、米国内や新興国で再投資され日本に戻ってこない。

企業が日本本社にお金を送金したから円高になっていたので、海外で上げた売り上げを海外で使えば円高は起きません。


貿易赤字によって日本に送金されるお金が減り、経常黒字で儲けた金額は海外で再投資され円に交換されない。

この仕組みによって円高が起きにくくなり、日経株価も下落しにくくなっていると考えられます。

もっとも経常黒字の毎年20兆円が永遠に海外にとどまったままという保証もないので、一気に円に交換されると大変な事態になります。


毎年20兆円経常黒字なら10年間で200兆円、それだけのドルが一斉に円に交換されたら1ドル80円以下の超円高になるでしょう。

だが当面そうなることは無く、しばらくは1ドル100円台を保つのかも知れない。


為替レートが安定していたら日経平均も安定するので、大きく下落する事はないでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/82076890.html

229. 中川隆[-13926] koaQ7Jey 2020年2月08日 10:30:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-599] 報告
アダム・スミス2世の経済解説 2020-01-19
実質実効為替レート、名目実効為替レートの長期推移
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-110.html


http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/20200120143024d99.png/


非貿易財を含む消費者物価指数から作成される実質実効為替レートを見る場合、バラッサ・サミュエルソン効果(経済成長率が相対的に高い国は購買力平価、ないしは実質実効為替レートも上昇するという現象)と合わせて見ることが必要。

日本はバラッサ・サミュエルソン効果に貿易摩擦も加わり、1995年までは異常な円高が発生。その後、日本経済の成長率低下に伴うバラッサ・サミュエルソン効果の是正=超円高の是正が起こった。しかし、超円高の是正は不十分。

日本周辺のアジア諸国では、固定レート制や政府・中央銀行の為替介入などにより経済成長に伴う通貨高=バラッサ・サミュエルソン効果がほとんど発生していない。


(購買力平価との関係)

IMFが算出している購買力平価で見ると、1ドル=97円であり現状はそれよりも円安。

従って、最近のIMFは円レートを適正とは評価しても、割安と評価することはない。

しかし、IMFの見方には3つの問題点がある。


第1点は、日本の購買力平価で見た一人当たりのGDPは欧米と比較すると過去のように高くはない。

先に示したバラッサ=サミュエルソン効果で示した通り、豊かではない国の為替レートは購買力平価で見て割安なのは当然。

これは、対米ドルや対欧州諸国の通貨に対して円が割安であることを正当化できる理由である。


第2点は、日本と貿易量の多いアジア諸国の通貨は、購買力平価で見ても非常に割安な国ばかり。

シンガポールなどの非常に豊かな国の通貨は日本よりかなり割安。

中国のようにあまり豊かとは言えない国の通貨はさらに割安。

日本と貿易量の多いアジア周辺諸国は、購買力平価で見ると超割安な国が多い。


第3点は、日本は1990年代後半のデフレ期以降は財価格↑≒サービス価格↑。

同期間の欧米諸国はサービス価格↑>財価格↑。

例 日米の消費者物価、財物価、サービス物価の差

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/20190206130209f65.png/


日本の購買力平価比での円安や実質実効為替レートで見た円高是正はサービス価格の相対的な下落が原因。

財価格からみれば超円高の是正は全く不十分。


IMFなどの購買力平価だけからは見えないので、認識もされていない。

結果として、円は購買力平価で見ると円安、実質実効為替レートで見ると基準時点によっては円安。

しかし、財を主に生産する日本の輸出産業にとっては超円高が継続。

より厳密には欧米諸国の通貨に対しては超円高とは言えないが、大半のアジア諸国の通貨に対しては超円高。

詳細→アジア諸国の近隣窮乏化政策と日本経済の低迷
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-148.html


この超円高・アジア通貨安は是正されなければならない。


なお、購買力平価説の通説的解釈は物価変動の差→為替レートである。

1995年以降の日本については為替レート(円高)→物価とGDP変動の差(物価安とGDPの低迷)、という因果関係になる。

この因果関係についての考え方は特殊なように見える。

他方、通貨安→GDP増加という考え方は広く見られる。

アメリカは年に2度の為替報告書を公表して日本を通貨安誘導の疑いありと監視対象国に指定し続けている。


(超円高の是正方法)

1995年以降、実質実効レートが大きく円安方向に移動したことは事実。

しかし、名目実質実効レートは少ししか円安になっていない。

この現象下で発生したことは、日本の輸出産業の製品価格の下落、輸出産業の崩壊、物価下落、賃金下落、成長率低下。

賃金を見ても、世界の先進国の中で日本だけが上昇していない。


http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/2019101322232406e.png/


電機を中心とする輸出成長産業が大崩壊。

その結果、賃金は低下。

実質円高の是正方法としては最悪。

今後の実質円高の是正は名目円レートの引き下げでなければならない。

それならば賃金、物価の上昇も可能。


(経常黒字で円高進行?)

日本は円高が原因で全然豊かになれない。

反対に、浪費壁があるアメリカは豊かになり、同時に経常赤字も拡大。

日本=経常黒字、アメリカ=経常赤字の原因を通常の経済学で考えると、円が安すぎ、米ドルが高すぎになる。

そのため、先に書いた通りアメリカは為替報告書で日本は円安誘導の疑いありと監視し、実際に円安誘導をしていると非難することもある。

日本国内でも、経常黒字で円高になるのは当然という意見はある。

購買力平価説の通説的解釈とも言える。


しかし、経常黒字の原因は円高のために賃金上昇がなく、消費も節約しすぎで、輸入が増えないことも一因。

円高差損に懲りた日本企業も国内では設備投資をほとんど増やさず、対外直接投資は大きく増やす。

結果として貿易赤字は増えず、第一次所得収支の黒字が拡大し、経常収支も黒字を維持。


世界的には、通貨安が原因で経常黒字になる国が多い。

日本に関しては円高を原因とする経常黒字が継続。

円安になると所得が増え、輸入も増え、貿易黒字は減るかもしれない。

企業の対外直接投資も減り、経常黒字も減るかもしれない。

これに近い貿易・サービス黒字、経常黒字の縮小はバブル時代の末期に実際に発生、現在のアメリカとも共通点が多かった。


ところが、日本ではバブル=悪という全面否定論が強すぎる。

バブル時代は資産価格の上昇に対して、賃金と物価の上昇率が低すぎたことが失敗という総括に変えることが必要。


(経済成長の困難化)

長年の超円高・アジア通貨安継続の結果、日本の輸出産業の基盤は大きく崩壊し、現在も崩壊中。

その結果として、日本の先端製造技術、規模の経済、外部経済が失われただけではない。

日本人の夢と希望が失われ、勤労意欲、学習意欲も低下。


こうした夢と希望の消失などは少子高齢化でも発生。

ただ日本の場合、少子高齢化以上に超円高・アジア通貨安が寄与。

少子高齢化で夢と希望の消失が発生するからこそ、超円高・アジア通貨安は是正する必要があった。

実際は夢と希望の消失を少子高齢化や既得権益層の過保護が原因と決めつけ、超円高・アジア通貨安を是正しなかった。


現時点では、円安だけで経済を再生させようとしても完全に手遅れであり、もはや不可能。

しかし、円高進行なら、産業崩壊は加速=日本経済の崩壊も加速=国民は貧困化。

食料や石油など輸入品価格上昇という痛みを伴う割には、経済成長は簡単ではない。

それでも経済衰退の加速防止には円安が不可欠。


なお、コーポレートガバナンスコードは、ROE重視より先に、賃金上昇の重視へと改める必要がある。

今まで書いてきた日本のマクロ経済の特殊性を知らない経営学者が、欧米の常識をそのまま日本に導入したこともまた大きな失敗。


(参考)

上記の実質実効為替レート、名目実効為替レートは1964年1月が基準時点。

仮に1ドル=360円と決定された1949年4月を基準時点にすると、円は少なくとも米ドルとの実質レートではさらに割高になる。

仮に1ドル=4.27円であった1941年12月を基準時点にすると、1949年4月の1ドル360円はおそらく割安。

しかし、第2次世界大戦終了後のハイパーインフレ期の日本の消費者物価上昇率は精度の低い推測値しか存在しない。

正確な消費者物価上昇率を計算できないため、おそらく割安とは言えても、何%割安かという正確な数値を計算することは不可能。

従って、第2次世界大戦以前までさかのぼって実質実効為替レートの推移を見ようとしても、正確な計算が不可能である以上、正確な分析もできない。

第2次世界大戦以前までも含む分析は、正確性の低い分析にならざるをえない。

あまりにも誤差の大きい分析をして結論を出すのは、逆に危険になる。


(出所)
BIS effective exchange rate indices
Narrow indices comprising 27 economies, with data from 1964
中国だけは、Broad indices より

オーストラリア(ドル)、オーストリア(シリング→ユーロ)、ベルギー(フラン→ユーロ)、カナダ(ドル)、台湾(ドル)、デンマーク(クローネ)、ユーロ圏(ユーロ)、フィンランド(マルカ→ユーロ)、フランス(フラン→ユーロ)、ドイツ(マルク→ユーロ)、ギリシャ(ドラクマ→ユーロ)、香港(ドル)、アイルランド(ポンド→ユーロ)、イタリア(リラ→ユーロ)、日本(円)、韓国(ウォン)、メキシコ(ペソ)、オランダ(ギルダー→ユーロ)、ニュージーランド(ドル)、ノルウェー(クローネ)、ポルトガル(エスクード→ユーロ)、シンガポール(ドル)、スペイン(ペセタ→ユーロ)、スウェーデン(クローナ)、スイス(フラン)、イギリス(ポンド)、アメリカ(ドル)、中国(人民元)の合計27の国、地域の実質実効為替レートと名目実効為替レート。

メキシコ(ペソ)は実質実効為替レートだけ

2020年1月19日チャート更新

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-110.html

230. 中川隆[-13923] koaQ7Jey 2020年2月08日 12:04:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-595] 報告
アダム・スミス2世の経済解説 2014-10-16
アジア諸国の近隣窮乏化政策と日本経済の低迷
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-148.html


円安は日本経済にとってマイナス、という声が相変わらず聞こえてくる。特に1ドル=110円にタッチした頃は、これ以上の円安が進行すると日本は窮乏化する、という考え方が、違和感もなく受け入れられていた。黒田日銀総裁は、「行き過ぎた円高が是正され、円安になってきたということは全体として経済にはプラス。」と発言している。しかし、円安メリット論者の援護発言があまり聞こえてこないので、黒田総裁がやや孤立しているとすら感じられる。

私の考え方は、仮に1ドル=80円がずっと継続していた場合と現在とを比較すれば、現在の日本経済の方がはるかに良くなっている、と考えている。しかし、円安進行前と現在とを比較した場合、日本経済が円安により獲得した狭義の利益は、損失よりも少ない、利益を損失よりも大きくするためには、円安がいっそう進むことが必要である、と考えている。この考え方は、少し前に書いたとおりである。

今回は、円安誘導の必要性を、また別の角度から見ることにする。今まで何度も触れてきた考え方であるが、IMFのデータが更新された機会に、もう一度まとめて示したいと思う。現在の日本に必要な政策は、長年、アジア諸国が実施してきた円高・アジア通貨安という近隣窮乏化政策を解消させることである。現在の円レートは、少なくともアジア諸国の通貨に対しては割高であり、円安の是正ではなく、円高の是正が必要なのである。その理由を説明したいと思う。

まず、現在の円レートが、IMFが算出している購買力平価からどれほど割高、あるいは割安であるかを見る。そこで、円レートの購買力平価からの割高・割安度合いを他の先進諸国の通貨と比較する。なお、「購買力平価からの割高・割安度合い」という言葉は長いので、ここではこの言葉に「割高度合い」、「割安度合い」のどちらかを略語として使用することにする。円レートと他の先進諸国の通貨の割高度合いを表すグラフを下記に示す。

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/20141013181224a92.gif/


1995年前後の時期に、超円高の状態にあったことは間違いのない事実である。2012年のアベノミクス相場以前の円レートもやや割高であったが、アベノミクス相場によって割高感は解消された。なお、2014年の円の購買力平価は102円05銭である。そして、それよりも0.4%割安である1ドル=102円44銭を、IMFは2014年の円レートとして採用している。これは、今年前半の円の平均レートだと考えられる。現在では当時より、対米ドルでは円安が進んでいる。ただ、ユーロの対ドルレートは、今年前半平均との比較で、円とあまり変わらないくらいの率だけ下落している。従って、円は、多くのヨーロッパ諸国の通貨に対しては、上記のグラフと変わらない位置にあるはずである。

次に、円レートの割高度合いを、日本周辺のアジア諸国と比較することにする。「日本周辺のアジア諸国」という言葉も長いので、ここではこの言葉に「アジア諸国」という略語を使用することにする。円とアジア諸国の通貨の割高度合いを表すグラフを下記に示す。


http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/20141012012544d21.gif/


円レートの割安度合いは、アジア諸国の通貨の割安度合いを、大幅に下回っていることは間違いない。だが、正しいことはここまでである。この次に、「円レートは、購買力平価で見た場合、アジア諸国の通貨に対して大幅に割高である。」と言ってしまうと、完全な誤りとなる。

購買力平価にはたびたび言及してきたが、その扱い方は難しい。IMFの購買力平価が為替相場の適正レートに等しいならば、通貨問題は発生しない。すべての国の通貨の市場レートを、IMFの購買力平価に一致するように動かせばよいからだ。残念ながら、IMFの購買力平価は、為替相場の適正レートと一致しない。一致しないのであるが、適正レートと無関係というわけでもない。生活水準の高い国の通貨は、購買力平価に対する割高度合いが大きくなり、生活水準の低い国の通貨は、購買力平価に対する割安度合いが大きくなるという傾向は存在する。市場レートの購買力平価に対する割高度合いは、先進国ほど割高になりやすく、発展途上国ほど割安になりやすいことを、バラッサ=サミュエルソン効果(*1の最終段落を参照)として説明したことがある。

最初のグラフに示した、先進諸国の通貨の割高度合いを使って、「円は割高ではない。」と断言することは、厳密には正しくない。しかし、だいたいにおいては正しい。理由は、先進諸国の間の生活水準に格差は存在するが、それほど大きなものではないからだ。一方、アジア諸国の生活水準の格差は、先進諸国の間の生活水準の格差よりも大きく、その格差を無視することができない。従って、購買力平価に対する割安度合いを見て、その国の通貨は割安であると決めつけてはならないのである。

アメリカや日本のような、それなりに豊かな国は、インドやインドネシアのような、かなり貧しい国よりも、市場レートの割安度合いは小さくなりやすい。これは言い換えると、発展途上国が経済成長し、豊かになるにつれて、その国の通貨の購買力平価に対する割安度合いは、大きな割安から少しずつ小さな割安へと変化していくのが自然な姿であることを意味する。この法則も、常に成り立つわけではない。しかし、成り立たない場合、何らかの原因があるはずである。バラッサ=サミュエルソン効果が発生しない場合は、その原因を考える必要性が存在する。

ここでは豊かさの尺度に、購買力平価ベースの1人当たりGDPを用いることにする。「購買力平価ベースの1人当たりGDP」という言葉も長いので、ここでは、この言葉に「1人当たりGDP」という略語を使用することにする。アジア諸国の1人当たりGDPの、アメリカの1人当たりGDPとの割合を表すグラフを下記に示す。


http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/20141016215613df9.gif/


上記のグラフの意味を別の角度から説明すると、アジア諸国が、アメリカとの相対比較で、どれほど豊かであるかを表すグラフでもある。アジア諸国の多くは、水準は異なるが、貧しい国から豊かな国へと進みつつある。唯一、フィリピンだけが、相対的な1人当たりGDPが、少しだけ低下している。日本は、ほぼ横ばいである。つまり、日本とアメリカとの生活水準の格差は、1980年も2014年もほとんど変わっていない。具体的には1980年67.9→1991年83.4→2014年68.9と推移している。1980年代のバブルの時代には、少しばかりアメリカとの差が縮まり、バブル崩壊後の失われた20年の間に再び差が少し開き、結局は元の水準に戻っている。この1人当たりGDPの動きと、バラッサ=サミュエルソン効果という観点から見ると、1985年以降の超円高は全く不要であったと言えるかもしれない。しかし、円レートは1985年のプラザ合意直後から急上昇に転じた。1995年までの超円高は異常としかいいようがない。1995年に円レートは頂点を打ち、割高度合いもようやく縮小に転じる。そして直近は、対米ドルでの割高度合いがほんの少しのマイナスになっている。

一方、アジア諸国の通貨の割安度合いは、日本とは全く異なっている。アジア諸国の多くは、日本よりも1人当たりGDPが継続的に増加してきた。日本は豊かになる途中で過剰ともいえる円高を経験してきた。アジア諸国の多くはそうした通貨高をほとんど経験していない。アジア諸国の多くは、通貨を割安に操作し続けることにより輸出を伸ばし、1人当たりGDPを引き上げてきたのである。通貨高にもかかわらず成長を実現してきた日本と、通貨安を武器に成長してきたアジア諸国との間には、大変大きな違いが存在する。

上から2番目のグラフで、日本以外のアジア諸国の通貨の割安度合いが拡大した局面において、市場の需給関係だけで拡大した局面はもちろん存在する。しかし、固定相場制下での国家による平価切り下げが原因であった場合も存在する。後で説明するが、中国の平価切り下げがこれに相当し、それは強烈なものであった。

アジア諸国の通貨の割安度合いが大きく維持されているもう一つの理由は、政府による大規模な為替介入である。アジア諸国の外貨準備の対GDP比率を表すグラフを下記に示す。

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香港、シンガポール、台湾、タイ、マレーシア、中国、フィリピンの外貨準備の対GDP比率は上昇し続け、現在でも日本を上回っている。上から3番目の1人当たりGDPのグラフで示したように、シンガポールと香港は日本よりずっと豊かな国になっている。しかし、この2ヶ国の豊かさは、国家の大規模な介入という為替操作があって成立しているのである。この大規模な為替操作がなければ、この2ヶ国は繁栄していたであろうが、今ほどの繁栄はなかったはずである。

なお、アジア諸国の為替介入は、通貨価値の引き下げや維持を第一の目的としたケースは存在するが、それだけではない。最大の目的が、十分な外貨準備を保有し、国際収支危機が起こることを防ぐために為替介入を実施したケースの方が、数としては多かったと思われる。ただ、「十分な」の意味は、「過剰な」の意味とほとんど変わらない。そしてまた、国際収支危機防止のための為替介入の効果は、為替操作のための介入の効果と、結果は同じになる。為替操作目的だけではなく、外貨準備積み上げ目的の介入もまた、結果としてバラッサ=サミュエルソン効果の発生を防ぐことにつながったことは間違いない。

外貨準備の対GDP比率は、韓国、ベトナム、インド、インドネシアは日本より小さい。このうち、ベトナム、インド、インドネシアの比率は、日本よりも明らかに小さい。韓国も日本より小さいが、ほんの少しである。つまり、為替操作の規模は、日本を下回っているように見える。しかし、実質的には、韓国の為替操作の規模は、日本を上回っているのである。その理由は、分母に当たるドル建ての名目GDPの伸び率が高いことがあげられる。アジア諸国のドル建てGDPの推移を、1980年=100とした場合のグラフを下記に示す。


http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/2014101201253869a.gif/


見てわかるとおり、分母のドル建てGDPの上昇率は、中国、シンガポール、韓国の順に高い。日本は最下位である。分母が大きくなったため、韓国の介入規模が小さく見える。韓国の介入が、日本より効率的であるのだ。効率的な理由として、韓国ウォンは円とは異なって売買に少し制限があるので、韓国ウォンの市場規模が、GDP規模との比較で小さいことがあげられる。市場規模が小さければ、少額の介入で韓国ウォンの上昇を押さえ込むことが可能になる。そのため、実質的には日本よりも韓国の方が為替操作の規模が大きいと言っているわけである。

アジア諸国、具体名をあげると、香港、シンガポール、台湾、タイ、マレーシア、中国、韓国といった国々は、大規模な為替介入により、本来ならば、バラッサ=サミュエルソン効果により上昇しているはずの自国の通貨価値を、割安のまま維持することに成功したのであった。ベトナム、インドネシア、インドは、為替介入を実施してきたが、その規模は日本よりは小さかった。フィリピンは、大規模な為替介入を実施してきたのであるが、それにもかかわらず、アメリカとの相対比較で豊かになれなかった点が、他の国とは異なっている。

くり返すが、アジア諸国の多くは、平価切り下げや大規模な為替介入を実施することにより、為替レートを割安に維持することに成功してきた。その結果、割安な賃金で割安な製品を作り、輸出し続けることに成功してきた。割安な製品を作るための技術は、多くの先進諸国から移転してきたはずであるが、その最大の移転元は日本であった。そしてその技術を使った製品を世界中に輸出したのであるが、そうした製品の輸入割合が一番高い先進国も、日本であった。アジア諸国の多くは、そろって為替を安く操作し、主として日本から導入した技術によって作られた製品を、日本に多く輸出することによって、経済成長を遂げてきた。これは、アジア諸国の多くが、そろって教科書的な近隣窮乏化政策を実施し、結果として高度経済成長を実現することに、見事に成功したことを意味する。そして、割安な製品の輸入割合が一番高い日本は、教科書通りに見事に窮乏化してしまったことをも意味する。

日本の輸出競争力が、アジア諸国に対して大きく劣ってしまった原因は、アジア諸国の為替操作だけではない。アジア諸国が、長期間、アジア通貨安を維持し続けてきた点については、アジア諸国の側に責任がある。一方、日本側にも長期間、円高を容認してきたという責任がある。つまり、長年の超円高・アジア通貨安の半分は、日本側に責任があったのである。

そして、多くの人たちが考えているように、アジア諸国はまだ貧しいから、言い換えると、経済発展段階の差から発生する輸出競争力の差も、当然存在する。日本の輸出競争力が低下した原因は、私は、おおざっぱに、経済発展段階の差から生じた割合が50%、超円高・アジア通貨安から生じた割合が50%と考えている。ただ国別に見た場合、シンガポール、香港、台湾、韓国に勝てなくなった理由の大部分は、超円高・アジア通貨安の結果だとみている。マレーシア、タイ、中国に勝てなくなった理由が超円高・アジア通貨安から生じている割合は、50%を下回っていると思う。

日本が中国の製品に勝てなくなった理由が、超円高・人民元安よりも経済発展段階の差の割合の方が高いことは事実だと思う。しかし、中国の為替操作は、他のアジア諸国に見られない強烈なものであったことも事実である。上から2番目のグラフで示したように、1980年−1994年の期間に、中国は、人民元の割安度合いを、104から30へと71%も引き下げた。これを名目為替レートで見た場合、人民元レートは、1979年末−1994年末の15年間に、対ドルで83%、対円で91%も切り下げたのである。中国のような低賃金国家が工業生産力をつけてきたのであるから、日本の高賃金では競争に勝てるはずがない、日本はもの作りをあきらめるしかない、という意見が現在の日本で広がっており、多数説になっているかもしれない。この考え方の最大の誤りは、中国は最初から低賃金国家ではなかったということである。中国の低賃金は、1979年末−1994年末の15年間に、国家が人民元の為替レートを対米ドルで83%、対円で91%切り下げるという極端に大規模な為替操作を実施した結果、人為的に作り上げられた低賃金なのである。

こうした大規模な為替操作が可能であった一つの理由は、1980年時点、あるいはそれ以前の毛沢東時代の人民元レートが、当時の中国の生活水準から見た場合、割高であったことが一つの原因である。それにしても、15年間に83%とか91%の切り下げとは凄まじい切り下げである。中国は、国家成立以降、貧しい割には賃金が安くない国家であり続けた。それが、ケ小平が改革・開放路線を採用し始めた直後から、15年にわたる大規模な為替操作により、賃金が極端に低い国家へと大きく変貌したのであった。人民元の平価を大規模に切り下げた結果、賃金が劇的に低下し、中国製品の国際競争力が飛躍的に上昇した。そして、経常収支の黒字が累積したため、2000年頃から通貨に上昇の圧力がかかった。すると、現在までに4兆ドル近くの超大規模な人民元売り・外貨買い介入を実施し、人民元レートの上昇を最小限に抑えてきた。中国製の製品の国際競争力を語る際、こうした極端に大規模な為替操作があったことを忘れてはならないのである。

ただし、仮に中国が為替操作を実施せず、為替レートを完全に変動相場制にゆだねていた場合でも、人民元レートは1980年以降に、かなり安い水準にまで下落していたはずである。その場合、2014年の人民元の購買力平価は、今以上に低かったはずであるからだ。為替操作がなかった場合でも、経済発展の段階の差としての人民元安は、発生していたであろう。その結果、労働集約的な産業は、日本から中国へとかなりの程度移転していたはずである。為替操作を実施しなかった場合でも、現在よりは貧しかったであろうが、それなりの経済成長を遂げていたはずである。そして何年先かわからないが、いずれは日本を追い越し、世界第二の経済大国にまでのぼりつめていたであろう。中国の超大規模な為替操作は、中国の経済成長に必要な時間を圧縮するのに、大変大きく貢献したことは間違いない。

日本経済が長年低迷してきた原因は、アジア諸国による近隣窮乏化政策だけが原因ではないことは、先に書いたとおりである。しかし、アジア諸国による近隣窮乏化政策が大きな低迷原因の一つではあったことに間違いはない。アベノミクス相場開始以降の円安により、欧米諸国の通貨に対する円の割高は、かなり多くが解消されたと思う。しかし、割安に操作されているアジア諸国の通貨に対する円の割高は、まだ解消されていない。

まず最初に、アジア諸国が長年実施してきた近隣窮乏化政策と、円高・アジア通貨安は現在でも解消されていないという事実を認識することから始めなければならない。こうした認識が広まったならば、円高・アジア通貨安の解消は、当然必要であるという理解も広まるはずである。円高・アジア通貨安が完全に解消された場合、日本の輸出は多少は増えるであろうが、すぐに大きく増えることにはならない。理由は、長年にわたる超円高・アジア通貨安の結果、日本の多くの輸出産業が死に絶えてしまったからである。一旦、死んでしまった産業を生き返らせることは、不可能ではないが、非常に困難である。アベノミクス相場の開始以降、円安・ドル高にもかかわらず、先進諸国に対する日本の輸出が増えにくくなっている理由と同じである。それでも、競争の前提条件を等しくするために、円高・アジア通貨安の解消は行われなければならない。その場合、円安が自国窮乏化政策であるという認識が、とんでもなく間違った考え方であるという理解もまた、同時に広まるはずである。

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-148.html

231. 中川隆[-13922] koaQ7Jey 2020年2月08日 12:06:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-594] 報告
アダム・スミス2世の経済解説 2012-05-27
購買力平価とは
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-5.html


購買力平価から見た、円相場の水準を調べることにする。ネット上で手に入る、あるいは、算出可能な購買力平価のデータとしては、IMF(2011年)、世銀(2010年)、CIA(2011年)、OECD(2011年)、ビッグマック指数(2012年)がある。

このうち、IMF(2011年)(2012年4月の公表値ではなく、2011年9月公表の2011年の推定値)とCIA(2011年)は、大部分が同じなので、CIAは、独自計算ではなく、IMF等からデータを借用していることがわかる。

IMF(2011年)と、世銀(2010年)は、いずれも、世銀が2005年の価格を基準としたICP(International Comparison Program:国際比較プログラム)という作業で求められた数値を元にして算出されている。 ICPは、国連統計部とペンシルベニア大学が、1970年から開始した、購買力平価を算出するためのプログラムである。2005年基準のICPは、第7回目である。この時は、世銀が中心となり、OECD、ユーロスタットが分担協力して、146の国、地域における約1000の商品・サービスを比較して算出するという大規模な購買力平価算出プログラムであった。第6回は1993年基準であったので、精度向上のために、過去6回よりも相当長い時間をかけて算出している。先進国から途上国まで、幅広くカバーしている。2006年以降は、それぞれが、購買力平価算出用デフレーターを作って算出するという手法により、アップデートした数値である。大元が同じであるため、IMF(2010年)と世銀(2010年)は、非常に似た数値を示している。直近の数値は、IMFの方が新しいので、IMF(2011年)を使用するのが妥当であろう。

OCED(2011年)は、OECDとユーロスタットが共同して、先進国を中心とする2008年の主要国の購買力平価を算出したデータを元にしている。ユーロスタットは、1960年代後半から、ヨーロッパの一部の国の購買力平価算出プログラムを開始した。1980年から、OECDと共同して先進国中心の購買力平価を算出し始めた。その後、何度も新たに計算を行い、現在は、OECD(2008年)の数値が元となっている。これは、主要国における約3000の商品・サービスを比較して算出された購買力平価の数値である。2008年の数値から、IMF・世銀方式よりも、より精密な購買力平価算出用デフレーター作って算出するという手法によりアップデートしたものが、OECD(2011年)である。OECD(2005年)はICPで算出された世銀(2005年)に組み入れられている。

ビッグマック指数は、イギリスのエコノミスト社が、マクドナルドのビッグマックという一つの商品から算出している購買力平価である。IMF等の購買力平価と違って、あまりにも簡易な算出方法であり、実体がどこまで反映されているか疑わしい。実際、ビッグマック指数は、IMF、世銀、OECDの購買力平価と、かなりかけ離れた数値が散見される。より厳密な購買力平価を使うとしたら、ビッグマック指数ではなくIMF等の数値を使うのが妥当であろう。

それでも、IMF、世銀、OECDの購買力平価には、いくつかの問題がある。その中で最大のものは、貿易財と非貿易財の問題である。先進国と途上国の生産性の格差は、貿易財の方が非貿易財よりも大きい。例えば、工業製品の生産性は、先進国と途上国との間に大きな格差が見られる。しかし、散髪のようなサービス・非貿易財の生産性は、先進国と途上国との間に、大きな格差は見られない。しかし、市場で決定される為替レートは、非貿易財の価格は無視され、貿易財の価格のみが反映される。そのため、途上国では、市場で決定される為替レートは、購買力平価よりも過小に評価される傾向がある。一方、先進国では、市場で決定される為替レートは、購買力平価よりも過大に評価される傾向がある。このことは、同時に、途上国が経済成長を実現して先進国へと移っていく間、市場で決定される為替レートは、経済成長と共に上昇していくことをも意味する(バラッサ・サミュエルソン効果)。この問題を頭に入れておけば、IMF、世銀、OECDの購買力平価は、通貨価値を比較する際の指標として、かなりの正確性を持つことになると考えられる。

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-5.html

232. 中川隆[-13921] koaQ7Jey 2020年2月08日 12:10:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-593] 報告
アダム・スミス2世の経済解説
購買力平価から見た円相場 対主要国(OECD)
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-6.html


(2013年までデータを更新したグラフを最後に掲載)

OECDのHPに掲載されている購買力平価を使って、1960年から、米ドル=100とした場合の主要国通貨の購買力平価に対する割高、割安度合いを算出した結果が、上記のグラフである。39ヶ国もデータがあるので、その中から主要10ヶ国をピックアップしたものである。39ヶ国のデータを数値化した表を掲載すると、下記のようになる。

円相場は、直近の2011年において、購買力平価からのかい離率が、39ヶ国中、上から6番目とかなり割高な水準にある。

購買力平価で円相場の水準を判断すると、以前に示した実質実効為替レートとは違って、円が断トツに割高というわけではない。それは、日本以外の通貨で、購買力平価よりも割高な国の大半がヨーロッパ諸国であり、日本は、そうしたヨーロッパ諸国との貿易量はそれほど多くはないからである。日本と貿易量の多い、中国、アメリカ、韓国の購買力平価については、基準国であるアメリカは、プラザ合意の翌年の1986年からずっと日本より下方に位置し、中国、韓国は、常に日本より大幅に下方にかい離した位置にある。

従って、購買力平価で見た円相場は、かなり割高な水準に位置しているのであるが、国際競争力という観点からは、購買力平価が示すデータ以上に、円は割高な水準に位置していると考えられる。こうした超円高が、現在の日本の製造業を苦境に陥れている最大の原因なのである。


追記 2014年4月


2012年11月以降、円安が進行した。その結果、円レートの購買力平価に対する割高度合いは、フランス、イギリスを少し下回り、アメリカ、ドイツを少し上回る水準にまで修正された。それでもなお、韓国と比較すれば、かなり高い場所に位置している。

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-6.html

233. 中川隆[-13920] koaQ7Jey 2020年2月08日 12:12:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-592] 報告
アダム・スミス2世の経済解説 2012-06-01
購買力平価から見た円相場 対アジア諸国(IMF)
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-7.html


(2013年までデータを更新したグラフを最後に掲載)

IMFのHPに掲載されている購買力平価を使って、1980年から、日本円=100とした場合の、アジア主要国通貨の購買力平価に対する割高、割安度合いを算出した結果が、上記のグラフである。今回は、アジアの主要国を対象にし、基準通貨を米ドルではなく、日本円とした。このグラフを数値化した表を掲載すると、下記のようになる。

1980年代のベトナムは、不規則な変動をしているが、この時期、ベトナムはカンボジア侵攻を続けており、経済も統計も相当混乱した状態であったと推測される。それを除けば、見て明らかな通り、アジア主要国の通貨は、円に対して恒常的に割安状態が継続している。2011年時点で、アジア主要国の通貨は、対円で
38%〜78%も安い。

このように、バラッサ・サミュエルソン効果(*1の最終段落を参照)が発生することなく、極端な円高、アジア主要国通貨安が何十年も継続する中で、アジア主要国の経済成長が続けば、日本の工業製品の競争力が失われていくのは当然である。実際、メイド・イン・ジャパンの製品の競争力は低下し、日本の製造業は、赤字で倒産したり、アジア諸国に生産・開発・一部の本社機能を続々と移転し続けている。こうした傾向が顕著に現れるようになったのは、2000年頃からである。
1990年代のバブル崩壊という傷口がようやく治りつつあった日本経済は、今度は、産業の空洞化という現象に苦しめられるようになった。

「世界の工場が、アメリカ→日本→アジアへと移っていくのは、歴史の定めであり、食い止めることは不可能である。日本は脱工業化社会を目指して成長していくべきだ。」という意見はよく聞かれる。私は、日本経済の空洞化現象は、半分は、運命的なものであって避けることはできないが、半分は、運命的なものではなく、日本政府は、政策対応によって避けるべきだと考える。そのことを次回(*1)に説明する。


追記 2014年4月


2012年11月以降、円安が進行した。それでも依然として円は対アジア通貨で割高であり、円高修正は不十分である。
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-7.html

234. 中川隆[-13919] koaQ7Jey 2020年2月08日 12:13:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-591] 報告
アダム・スミス2世の経済解説 2012-06-07
購買力平価から見た円相場 超円高による産業の空洞化
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-9.html


前々回(*1を参照)示した通り、アジア諸国の通貨の購買力平価に対する比率(日本円基準)を見ると、非常に割安である。その原因を調べるために、外貨準備のGDPに対する比率、経常収支のGDPに対する比率と、購買力平価ベースの1人当たりGDPをあわせて示す。そのデータを、3つのグループに編集し直し、下記の表に示す。

(古い2011年版を掲載しているが、最後に新しい2013年版までを掲載)


グループAは、シンガポール、香港、台湾である。この3ヶ国は、外貨準備の対GDP比率が、日本を大幅に上回っている。その結果、巨額の経常黒字を産み出し、購買力平価ベースの1人当たりGDPは、いずれも日本を上回っている。この3ヶ国が実施している政策は、大量の介入によって、自国の通貨を極端に割安に誘導し、巨額の経常黒字を産み出すことである。その結果として、日本以上に豊かな国をつくり出している。この3ヶ国が豊かになった理由は、通貨を極端に割安に誘導したことだけの結果ではないが、自国通貨安誘導政策なしには、ここまでの経済発展を成し遂げることは、不可能であったと思われる。このような自国通貨安誘導政策による経済成長が可能であったのは、3ヶ国がいずれも小国であり、アメリカなどの大国に対して、わずかな損害しか与えなかったからである。しかし、日本はこの3ヶ国から被害を受けている。

グループBは、韓国、中国、マレーシア、タイ、フィリピンである。この5ヶ国も、外貨準備の対GDP比率は、日本を上回っており、経常黒字の対GDP比率も、日本を上回っている。購買力平価ベースの1人当たりGDPは、フィリピンはまだ貧しいが、韓国は日本にあと一歩のところまで追い上げている。日本企業は、この5ヶ国に新規の工場を続々と建てているが、その最大の魅力は、低賃金である。しかし、その低賃金の何割かは、5ヶ国の政府・中央銀行による自国通貨安誘導政策の結果、実現されたものである。この5ヶ国が、実質的に日本を上回る多額の介入を実施しなければ、バラッサ・サミュエルソン効果(*2の最終段落を参照)により、経済成長とともに、通貨高が引き起こされていたはずなのである。政府・中央銀行による大量の介入により、5ヶ国の通貨の上昇は、ほとんど起こらなかった。中国の介入だけは、アメリカから、相当非難を浴びせられているが、中国は、そうした非難を跳ね返す政治力を保持している。残りの4ヶ国も、実質的には中国に匹敵する多額の介入を行っているが、大国ではないので、アメリカなどの大国への損害は少なく、ほとんど非難を受けることは無い。しかし、日本は、この5ヶ国からも大変大きな被害を受けている。

グループCのインドネシア、ベトナム、インドの外貨準備の対GDP比率は、日本よりは低い。従って、為替レートが割安である最大の原因は、この3ヶ国が、まだ貧しいからである。しかし、この3ヶ国の外貨準備の対GDP比率は、10%を超えており、アフリカの途上国の平均を、大幅に上回っている。この3ヶ国の経済成長が順調に進めば、近い将来、グループBのような国へと移行していく可能性は、十分考えられる。

以上のように、世界の工場が、アメリカ→日本→アジアへと移転しつつあるのであるが、市場原理だけで、このような現象が起こっているのではないのである。大半のアジア諸国は、介入という自国通貨安誘導政策により、自国の労働者の賃金を安く維持し、その低賃金を武器に、日本から工場や技術を引き付け、輸出を拡大することにより、経済成長を遂げているのである。きっかけの一つは、1997年のアジア通貨危機の影響を受けて、危機を二度と繰り返すまいとして、アジア諸国が外貨準備を積み増し始めたことである。それが継続し、大規模な自国通貨安誘導政策となって、現在も続いているのである。その結果が、日本の産業の空洞化現象である。従来のような工場の移転は加速化しており、研究開発施設や、本社機能の一部まで、日本からアジア諸国へと移転が継続している。

ただ、日本は、アジア諸国との貿易を通じて、日本自身も利益を受けており、全体としてはウィン・ウィンの関係にはあるのである。しかし、産業の空洞化を通じた雇用や技術の移転という点に関しては、日本が一方的に被害を受け、アジア諸国が一方的に利益を獲得している。従って、ウィン・ウィンといっても、全体としてみれば日本が小さなウィンを獲得し、アジア諸国が大きなウィンを獲得している、というのが現状である。これは、過去十数年間の日本とアジア諸国の実質GDPの成長率の差を見れば、明らかである。

世界の工場が、アメリカ→日本→アジアへと移転することは、ある程度は避けることができない運命的な現象である。ただ、現状は、アジア諸国の多くが、大規模な介入による自国通貨安誘導政策を実施しているため、移転の速度が速すぎるのである。日本が新製品を作り出しても、すぐにアジア諸国に移転してしまう。特に電機産業は、移転の速度が速く、日本の大手電機企業は、大赤字を出したり、倒産してしまう企業まで出てきている。日本としては、アジア諸国が実施している自国通貨安誘導政策と同じ程度の「円安誘導」政策を実施することが必要なのである。

現在の日本は、震災特需という一過性の原因により、経済成長を遂げている。しかし、その下で、産業の空洞化による潜在成長率の低下という現象が、従来以上のスピードで進行している。空洞化というのは、言葉を換えれば、大規模な構造改革(あるいは、生産構造の破壊と言った言葉が適切かもしれない)である。多くの日本企業は、工場の海外への移転という、生き残りのための血の出る構造改革を、毎日のように実施しているのである。こうした抜本的な構造改革により、日本企業は、生き残ることができるかもしれない。しかし、日本経済は、破壊され、潜在成長率が大きく低下して行くのである。日本経済の潜在成長率の低下を食い止めるためには、産業の空洞化という、日本企業の抜本的な構造改革の速度を緩めることが必要なのである。構造改革の速度を緩めるためには、政府・日銀による「円安誘導」政策が不可欠なのである。


(2013年版)


(2012年版)

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-9.html

235. 中川隆[-13918] koaQ7Jey 2020年2月08日 12:15:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-590] 報告
アダム・スミス2世の経済解説 2013-02-09
ビッグマック指数の問題点
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-58.html


日本のエコノミストの中には、現在(2013年2月9日、1ドル=93円70銭)でも、為替レートが1ドル=70円台の時においても、円の為替レートは割高ではない、と主張する人たちがいる。そうしたエコノミストたちが円は割高ではないと主張する根拠の一つが、ビッグマック指数から見た円の購買力平価である。エコノミスト社が2013年2月1日に発表したビッグマック指数によれば、円はドルに対して、19%割安の水準であった。購買力平価の一つであるビッグマック指数から見ると、円は対ドルで20%近く安く評価されているので、現在の円相場は、円高ではなく円安である、という主張である。

以前、購買力平価とは何かを説明した際(*1)、ビッグマック指数を購買力平価として使用すべきではないと主張したが、今回は、その根拠をより詳しく説明する。エコノミスト社は、社内にEIUという調査・コンサルタント部門を抱えている。その EIUは、2013年2月4日に、駐在員用の生活費指数を発表している。これは、世界140都市における商品、サービス価格を160品目以上調査し、それをニューヨーク=100として比較するものである。この調査によれば、東京の指数は152であり、東京の生活費は世界で一番高いという評価であった。ちなみに、世界第2位は、大阪である。これは、東京の生活費がニューヨークを52%上回っている、ということを意味する。同時に、東京の物価がニューヨークを52%上回っている、という意味でもある。さらにこれは、購買力平価で見た場合、東京という日本を代表する都市で流通する円の価値が、ニューヨークというアメリカを代表する都市で流通するドルの価値を52%上回っている、ということをも意味している。

ビッグマック指数と生活費指数を使い、ドル=100とした基準で、円のドルに対する割高、割安度合いを示す数値をグラフ化したものが、最初に示したグラフである。このグラフには、IMFの購買力平価で見た円のドルに対する評価値も挿入した。グラフを見てわかることは、三つの指数の変動がよく似ている、ということである。一方、指数の水準は全く異なる。生活費指数は非常に高く、ビッグマック指数は非常に低い。IMFの購買力平価はその中間である。2013年の値は、生活費指数が152、IMFの購買力平価が127、ビッグマック指数は81である。

エコノミスト社の算出する生活費指数、ビックマック指数を用いてドル・円の為替レートを評価してみる。日本は生活費が非常に高いので、生活費指数を購買力平価として使用した場合、円の価値はドルを52%上回る。一方、ビッグマックという一商品に関しては、日本での価格が安いため、ビッグマック指数を購買力平価として使用した場合、円の価値はドルを19%下回る。

どちらの指数を購買力平価として使うのが正しいのであろうか。それは、生活費指数の方である。理由は、ビッグマック指数が、ビッグマックという一商品から算出される購買力平価であり、生活費指数は、160品目以上の商品、サービスから算出される購買力平価であるからだ。エコノミスト社は、ビッグマック指数を購買力平価として宣伝しているが、生活費指数を購買力平価としては扱っていない。しかし、本当は、エコノミスト社が算出する生活費指数の方が、ビッグマック指数よりも、購買力平価としては精度が高いのである。

では、エコノミスト社の生活費指数を購買力平価として使用することは正しいであろうか。これも誤りである。エコノミスト社の生活費指数で使用する商品、サービスは、160品目以上と少ない。IMFの購買力平価では、途上国においては、約1000品目、日本やアメリカなどの先進国においては約3000品目の商品、サービスから算出された指数である。EIUはエコノミスト社の一部門であり、その調査員が、毎年数多くの調査レポートを発表しているが、その中の一つのが、生活費指数である。IMFの購買力平価は、元をたどれば、世界銀行の ICP(International Comparison Program:国際比較プログラム)という購買力平価算出プログラムの中で作成された数値を元に計算されている。世界銀行が中心になり、OECD、ユーロスタットが協力して算出した購買力平価を、IMFがアップトゥデートしたものである。ICPという作業に何人が参加したかは分からないが、EIUの生活費指数よりも、遥かに膨大な人員、時間、統計の専門家が共同で算出した購買力平価であることは間違いない。世界銀行とIMFの購買力平価は、ICPで2005年を基準にして算出された購買力平価を大元に使っているので、全く同じではないが、似たような数値になっている。先進国に限った購買力平価については、OECDとユーロスタットが協力して算出したOECDの購買力平価も利用可能である。これも、ICPに組み入れられているので、2005年のOECDの購買力平価は、世界銀行、IMFと同じである。生活様式が異なる国々の物価を比較して計算し、購買力平価という一つの国を代表する一つの数値を算出している。どんなに多くの優秀な人員を長時間動員しても、欠点、欠陥を完全に除去することはできないと考えられ、その精度には、限界があるであろう。だが、現在、世界に存在する一番精度の高い購買力平価は、世界銀行、IMF、OECDの購買力平価であるはずだ。

2013年2月6日のエコノミスト紙に、「ビッグマック指数で見た通貨戦争」という題名の記事が書かれていた。ここでは「バーガノミックス」という名で、ビッグマック指数を使った通貨分析を行い、どの通貨が割高、割安であるかを評価している。その中では、円は対ドルで19%割安であるということも書かれており、その日本が通貨戦争の話題に火を付けた事を批判的に書いている。このエコノミスト紙の記事は非常に不適切であると考える。分析を行うなら、より精度の高い生活費指数を購買力平価として使った分析も同時に発表すべきであろう。生活費指数なら、円は、依然として世界一高く評価されている通貨なのである。

ビッグマック指数の大きな意義は、「わかりやすさ」にある。購買力平価とは何かを知らない人たちに対して、購買力平価の意味を説明する際、ビッグマック指数を例として使うと、非常に分かりやすい説明が可能になる。わかりやすく、かつ現実を正確に反映している指数であれば、いくら使用してもかまわない。しかし、ビッグ
マック指数はわかりやすいだけで、精度が低い物差しなので、使用すると、現実を歪んだ形でしか認識することができない。購買力平価を使うのであれば、世界銀行、IMF、OECDの購買力平価を使用すべきである。ビッグマック指数は、購買力平価を説明する際の入門者用のテキストだけに使途を限定して使用すべきである。ビックマック指数は、専門的な通貨問題の分析のために使用する尺度としての購買力平価からは、追放すべきである。

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-58.html

236. 中川隆[-13917] koaQ7Jey 2020年2月08日 12:17:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-589] 報告
アダム・スミス2世の経済解説 2012-05-22
円の実質実効為替レート 継続する超円高
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-4.html

実質実効為替レートの最新のグラフはこちら

BIS(国際決済銀行)のHPには、1964年以降の主要27ヶ国の月次の実質実効為替レートが掲載されている。そのデータから、年次のレートを計算し、1964年=100として指数化する。数が多いので、ユーロ圏の国々をまとめてユーロ圏だけに代表させて、18ヶ国の実質実効為替レートをグラフ化すると、上記のようになる。

1964年の日本の経常収支は若干の赤字。スタート時点において、円は少し過大評価されていたことになる。

見て明らかなとおり、円の実質実効為替レートは、1964年−1995年の間、第2位のスイスフランを大きく引き離して、ずば抜けて高い上昇率を実現してきた。円は、昨年1年間に大きく値下がりしたが、超々円高が、超円高に変わった程度である。

円の実質実効為替レートが、米ドルの実質実効為替レートと比較して、大幅に上昇しているという事実は、1ドル=360円からピーク時には1ドル=75円にまで上昇したのであるから、実感できるはずである。

もう一つ注目すべきことは、中国、韓国、香港、台湾、シンガポールのアジア諸国である。いずれも、2013年の指数は、87以下である。これらの国の実質実効為替レートは、円の実質実効為替レートが71%上昇している間、13%以上値下がりしてきたのである。

なお、中国人民元のデータは、BISのHPには1994年以降のデータのみが掲載されている。そこで、1964年−1994年のデータは、人民元と米ドルの実質為替レートを計算し、実質実効為替レートに代用し、上記のグラフに掲載した。人民元は割安であるが、1994年以前のドルに対する円高が全く反映されていない。従って、1994年以前の実質実効為替レートが計算可能であるならば、上記のグラフのさらに下を進んでいた可能性が高い。

以上から、1964年−2013年という長期の実質実効為替レートの推移を見ると、円は、主要国の通貨の中で、値上がり率がずば抜けて高かったのである。特に、アメリカとアジア諸国の通貨に対しては、極端に大きく上昇してきたという事実は間違いないはずである。

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-4.html

237. 中川隆[-13901] koaQ7Jey 2020年2月09日 12:26:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-564] 報告
平野憲一の株のお話 2020.02.09 株高の恩恵。
http://kasset.blog.fc2.com/


 GPIF 10〜12月の運用実績も発表されましたが、7兆3613億円の黒字で、19年末の資産残高は168兆9897億円と発表になりました。

団塊世代が60歳を迎えた時は120兆円で、フルに年金がもらえる65歳の時、残高は100兆円を切って年金支給は危機的な状態になると、まことしやかに言われていましたが、団塊世代が70歳台の今、残高は逆に増えています。

いかに株式が国民と一体にあるかと言う事を証明しています。これからも株価を意識した政策がとられなければなりません。株が下がると困るのは「株なんかとは関係ない」と言っている日本国民なのです。

238. 中川隆[-13737] koaQ7Jey 2020年2月17日 09:48:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-319] 報告
中川隆 相場関係投稿リンク


相場のチャート分析の歴史
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/127.html

ほったらかし投資法の勧め
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/132.html

絶対にやってはいけない丁半バクチ投資
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/131.html

伝説の相場師・詐欺師
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/130.html

マスコミと経済評論家の相場情報の 99% は嘘
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/129.html

バブル崩壊の歴史
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/128.html

239. 中川隆[-13601] koaQ7Jey 2020年2月23日 09:47:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-116] 報告

ドル円急騰の理由と新型肺炎の株式市場への影響
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2020年2月23日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8802

中国武漢発の新型コロナウィルス肺炎も含め、色々なことが重なっているようである。今回はここ数日のドル高の理由について触れてみたい。

さて、2月19日から20日にかけて為替相場がドル高円安に急に振れた。チャートは次のようになっている。

より正確に言えばドル高であり、円安ではない。ユーロドルのチャートは以下のようになっている。ドル円とは逆で下方向がドル高である。

ユーロドル的には2月の始めからドル高だったのである。むしろ円はそれほどドル高にならず耐えていたのが、ここ数日で決壊したと言えるだろう。

ドル高の原因

何故ドル高になっているのかと言えば、ドルに資金が流れているからである。何故ドルに資金が流れているのかと言えば、2018年の世界同時株安以降はそういう相場だからである。

世界中の資金が米国市場に集まっている。先進国で高成長を維持しているのはアメリカだけであり、中国などの新興国もぱっとしない上に新型肺炎の追い打ちまで来ている。アメリカしか投資先がないのである。米国市場が一本調子で上がり続けていることと今回のドル高とは相関がある。アメリカが実質的に行っている量的緩和で流し込まれた資金が国外に流れずに米国市場でバブルを引き起こし、世界中の資金がそれに乗っているのである。この流れに上手く乗ったのが、例えばドラッケンミラー氏だろう。

•ドラッケンミラー氏の買っている米国株個別銘柄(Form 13F)

ドラッケンミラー氏のポートフォリオはアメリカを中心としたリスクオンに特化している。彼は政治信条としては量的緩和を厳しく批判しているから、バブルと分かった上で乗っているのだろう。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

誤解を恐れずに言えば、ドル円のこの上がり方は2018年の世界同時株安直前の日経平均に似ている。当時のチャートがこれである。

こうした動きは実際にバブルを示す1つの指標なのである。しかし2018年では市場全体がそうした兆候を示したため世界同時株安を予想できたが、今回はそうした兆候はない。よって現状では下落しても大暴落にはならないという年始の予想を維持したい。

また、ドル円は金曜日には下落しているが、それは米国株が下がったからである。以下は米国の株価指数S&P 500のチャートである。

米国株下落の理由

さて、では何故金曜日に米国株が下がったかだが、新型コロナウィルス肺炎が中国国外で広がりつつあるからである。このリスクについてはここ1ヶ月忠告し続けているので、ここの読者にとっては今更だろう。市場はようやく気づいたようである。

特に広がっているのは韓国、日本、イタリアである。それぞれ感染者数を挙げてみよう。

•韓国: 433人
•日本: 134人
•イタリア: 79人

これらの国はここ数日で患者数が急増している。

特に日本での感染拡大については再三警告しておいた。信用してはならないのは中国の数字だけではないとはっきり書いてある。

•中国、「統計基準変更」で肺炎患者数1万人以上急増 日本の症例数にも疑問

日本でも感染経路不明の感染が広がっている。感染経路不明ということは、患者数に数えられていない感染者がいるということである。それは上記の記事の段階で明らかだったが、政治家と市場は遅れて気づくのである。

今後の見通し

これからどうなるかだが、新型肺炎については以下の記事でレイ・ダリオ氏が指摘していたように、感染の中心地では株式市場に影響が出、その他の地域では影響は限定的と見るのが妥当だろう。

•中国新型ウィルス、世界最大のヘッジファンドの投資戦略

しかしダリオ氏が見逃していたのは、「感染の中心地」が中国だけではなくなるということである。最近の動きで市場にとって一番大きいのはイタリアでの感染だろう。イタリアで感染拡大が進めばヨーロッパ全体に広がる可能性がある。

また、アメリカもファンダメンタルズ的な影響は限られるにしても、これまでのバブル的展開に急ブレーキがかかる可能性はある。しかし投資家としてはやはり新型肺炎に直接影響を受ける銘柄の推移に着目したいところだろう。

•中国武漢の新型コロナウィルス肺炎、株式投資戦略と関連個別銘柄
•中国初新型コロナウィルスで航空株暴落継続、絶好の買い場はいつか
•新型肺炎で原油価格暴落、今後の動向と推移予想
•新型肺炎関連銘柄: 国内感染拡大で下落する個別銘柄はどれか

1月から山のように書いてきた。ここまで想定通りの相場展開である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8802

240. 中川隆[-13303] koaQ7Jey 2020年3月01日 10:40:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[224] 報告

パウエル議長、新型コロナウィルスについて声明文を発表、3月利下げを確約か
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2020年3月1日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8846

アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)が3月半ばのFOMC会合に先駆けて手を打ったようである。パウエル議長による声明文が発表されたので、今回の記事ではそれを紹介したい。金利の最新情報にも触れたいと思っていたところなので丁度良いだろう。

声明文

先ずはパウエル議長による声明文から見て行きたい。短いものなので訳したものを全文掲載する。


米国経済のファンダメンタルズは強いままである。しかしながら、コロナウィルスによる経済活動へのリスクが高まっている。中央銀行は状況とその経済動向への影響を注視している。経済を支えるために存在する手段を使って適切に行動するつもりである。

一見こうした状況で発表する定型文のようで意味がないように見えるが、それは日本語に訳すと重要な意味が消えてしまうからである。しかし最後の「行動するつもりである」の部分は原文ではwill actとなっており、これは英語のニュアンスでは何らかの行動を起こすことを確約した意味となる。少なくともこの文章で何も行動を起こさなければ嘘をついたことになる原文である。

さて、では「何らかの行動」とは何かだが、米国時間3月18日のFOMC会合における利下げのことを指す可能性が高い。金利先物市場も同意見のようで、既に3月のFOMC会合における利下げを100%織り込んでいる。つまり利下げが行われない可能性はゼロだと見ているということである。

急な利下げを催促する金利先物市場

ただ、市場の織り込みはそれだけではないようである。3月の会合における利下げ確率の織り込みを厳密に見てみよう。

•利下げなし: 0%
•0.25%利下げ: 5.1%
•0.5%利下げ: 94.9%

何と0.5%の利下げをほぼ確実だと織り込んでいる。通常の利上げは1回につき0.25%なので、2段階の利下げを既に織り込んでいることになる。

これは予想というよりは市場の要求である。叶えられなければ更に株価が下がるぞと脅しをかけているのである。

これをパウエル議長が呑むかどうかだが、わたしの予想では彼は呑むだろう。市場に逆らうとどうなるか、彼は2018年の世界同時株安で思い知ったからである。パウエル議長は2018年12月当時、市場が暴落していたにもかかわらず金融引き締めを撤回しないと声高に主張し、当時暴落の開始前から株を空売りしていたわたしはそれを「空売り派への満額回答」と呼んだ。

•12月FOMC会合結果は空売り派への満額回答 (2018/12/20)

パウエル議長のこの発言が下落相場にとどめを刺す結果となり、Fedは結局方向転換を迫られることとなった。

パウエル議長はこの時のことがトラウマになっているはずであり、また市場に逆らって決定をしても結局最後には従わなければならなくなるということを学んだはずである。だから3月の半ばまで金利先物市場がこのまま2段階の利下げを織り込み続けるのであれば、FOMC会合の結果も2段階の利下げになるだろう。

ちなみに年末までに合計何回(何段階)利下げが行われているかについての市場予想は次のようになっている。

•0回: 0%
•1回: 0.2%
•2回: 4.0%
•3回: 20.0%
•4回: 35.5%
•5回: 28.0%
•6回: 10.5%
•7回: 1.8%

年末までに4回、つまり1.00%の利下げがメインシナリオだと市場は織り込んでいるようである。ちなみに現在のアメリカの政策金利は1.5%なので、0.25%の利下げを7回行うとマイナス金利となる。その可能性も1.8%あると市場は考えているということである。

相場への影響は

さて、来週は面白い相場になりそうである。パウエル議長が利下げを行うつもりであることは株式市場にはプラスである。一方で市場にとっての問題は新型肺炎に関する悪材料が出尽くしていないということである。来週か再来週には以下の2つのイベントが発生する可能性がある。

•ヨーロッパでのウィルス流行がイタリア以外の国に拡大
•アメリカでの国内流行が拡大

つまりはヨーロッパとアメリカで流行が広がる可能性がまだ残されているということである。

筆者はヨーロッパにおける流行拡大は不可避だと予想している。イタリアの感染者数は既に1,100人を超えており、そのイタリアと国境を接しているフランスやスイス、オーストリアは国境を開けたままにしている。これで感染が広がらないとすれば奇跡だろう。

一方でアメリカでの流行拡大はヨーロッパよりも不確かだが、感染経路不明の流行がいくつか出ていることを考えるとこちらも国内流行拡大がメインシナリオのように思える。これら2つのシナリオは来週か再来週には明らかになると思われ、その時には市場は次の試練を迎えることになる。

したがって3月の相場は利下げによる中央銀行からの流動性という好材料と欧米での流行拡大という悪材料がぶつかり、どちらが勝つかという相場になることになる。

2018年の世界同時株安は利下げと量的緩和で防ぐことが出来た。それは2018年の世界同時株安の原因が中央銀行自身による金融引き締めだったからである。だから中央銀行は自分でその原因を取り除くことが出来た。

しかし今度は中央銀行はウィルスという外部要因と戦うことになる。どちらが勝つだろうか。悪材料が出尽くしていれば中央銀行が勝つだろうが、そうなってはいない。

以下の記事で紹介したような個別銘柄を空売りしている投資家で、十分に利益が得られた場合にはここで利益確定するのも悪くない選択肢であるのかもしれない。確実な部分だけを取るのは投資家としては良い戦略である。

•新型肺炎関連銘柄: 国内感染拡大で下落する個別銘柄はどれか

一方で更なる感染拡大が不可避であることもまた妥当な予想のようである。日本では東京オリンピックの中止が真剣に議論され始めるシナリオもまだ残っている。個人的には暴落している原油の底値買いを狙っているが、買いで入るタイミングはまだ先だろう。底が厳密に何処になるかは問題ではない。100%売り材料の時に売り、100%買い材料の時に買えば良いのである。

•新型肺炎で原油価格暴落、今後の動向と推移予想

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8846

241. 中川隆[-13237] koaQ7Jey 2020年3月02日 13:03:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[292] 報告
2020年03月02日
新型コロナウイルスで世界経済危機 ゆっくりしたリーマンショック
http://www.thutmosev.com/archives/82340997.html


アメリカ通貨だけがドルに対して固定なので通貨戦争で打撃を受けない
まるでアメリカに殴り返してはいけないボクシング

画像引用:アジア通貨危機:20年 各国連携、備え進める 外貨準備高積み上げ - 毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20170726/ddm/008/020/189000c

リーマンショックとアジア通貨危機

新型ウイルスは3月までに世界50か国以上に広がり中国以外で約9000人が感染し200人以上がなくなっています。

中国以外の一日の感染者数は増え続けていて、2月20日に200人だったのが29日には1300人になっています。

注目のアメリカでも3月2日時点で76人、欧州はイタリア・フランス・ドイツの3か国で約2000人になりました。


他はスペインが84人、イギリスはEU離脱して入国が不便になったからなのか、36人にとどまっている。

イタリア・フランス・ドイツは国境を接する隣国で国境には検問所や一時停止すらないので、防止は不可能と思われます。

経済市場ではコロナウイルスによって、リーマンショックやアジア通貨危機に匹敵する経済混乱が起きるとの警戒感が強まっている。


リーマンショックは2008年にアメリカの低所得者向け住宅ローンが破綻したのをきっかけに大混乱が起きた。

2009年にはアメリカが破産するという予測がされるほどで、ドルは紙切れになるなどの予想が真剣に語られた。

アジア通貨危機は1997年にタイ・バーツ崩壊をきっかけにアジア通貨が連鎖的暴落を起こし、タイと韓国は国家破産しIMF保護国になった。


この時までアジア諸国は自国通貨をドルに対して固定するドルペッグ制をとっていたが、実力より高すぎる通貨価値を設定していた。

そこに売りを浴びせたのがジョージソロスなど米国ヘッジファンドで、タイバーツと韓国ウォンに狙いを定めた。

両国は通貨下落によって対外債務の支払いが出来なくなってIMFから融資を受け、代わりにIMF管理下に入った。


マレーシア、インドネシア、フィリピンも大きなダメージを負い、日本も山一證券破綻をきっかけに平成デフレに突入した。

アメリカが世界恐慌を歓迎する理由

リーマンショックでもアジア通貨危機でも、危機がさった後で得をしたのは結局アメリカでした。

アメリカはアジア通貨危機でさほどダメージを受けず、ITバブルを経て2000年代の株高高成長時代に入った。

いわゆる経済危機の類では1929年の大恐慌から始まって、最終的に利益を得たのはほとんどアメリカだったという共通点がある。


陰謀論を語るつもりはないがこれをアメリカ側から見れば、ライバルを叩き潰すには経済危機を起こすに限ります。

1985年にアメリカは円の価値をドルに対して2倍にするプラザ合意を行い、日本は円高不況に突入した。

中曽根総理は円高を克服するためバブル経済を起こしたが、5年後にバブル崩壊し今もダメージから立ち直っていない。


アメリカは基軸通貨発行国なので「通貨変動」という概念がなく他の国がどうなろうが為替変動のダメージを受けない。

お金が無くなったら発行すれば良いだけで、リーマンショックでも無限にお金を発行して配り、いち早く立ち直りました。

アメリカ以外の国がお金(ドル)を手にするにはアメリカと貿易して入手する必要があり、絶対にアメリカが勝つゲームをしているに等しい。


日本人が汗水流して輸出した工業製品はFRBが発行した紙切れと交換され、アメリカ人は輪転機を回すだけで働かなくてもいい。

だがアメリカの今回の標的は幸運にも日本ではなく中国で、中国を潰すためにはむしろ世界恐慌を歓迎するでしょう。

アメリカは本物のお金であるドルを無限に発行できるが、中国がドルを得るには働いてアメリカに買ってもらわねばならない。


人民元や円はお金ではなく「おもちゃ通貨」に過ぎないので、ドルに交換できなければ誰も受け取ってくれない。

ボクシングで例えたらアメリカ代表は殴ってもいいが、日本や中国代表はパンチを繰り出してはいけないようなルールです。

中国にはアメリカ相手に戦う方法がないので、最初から負けは決定しています。

http://www.thutmosev.com/archives/82340997.html

242. 中川隆[-13100] koaQ7Jey 2020年3月04日 20:51:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[433] 報告

経済ひとりがたり田村秀男#12「2020年米中貿易戦争の行方」後半★米国の景気と株価の読み方★

243. 中川隆[-12835] koaQ7Jey 2020年3月11日 09:00:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[715] 報告

原油価格暴落をめぐるロシアとサウジアラビアの戦争2020年3月11日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8982

新型コロナウィルス肺炎によって航空需要や陸上輸送が減少していることにより原油価格が急落している。そこでサウジアラビアを始めとするOPECはOPEC非加盟国であるロシアなどと協力して減産し、需要が減った分供給も減らすことで価格を支えようとしていたのだが、ロシアがこれを拒否したことで原油価格は更に下落した。

•新型肺炎で暴落中の原油価格、ロシアが減産拒否で安値更新

そしてその後の様子がロシアとサウジアラビアの泥仕合に発展している。

ロシアとサウジアラビアの価格戦争

経緯を纏めよう。歩み寄ろうとしたのはサウジアラビアの方だった。OPEC内での減産合意を取りまとめ、ロシアが合意するならば減産するという条件でロシアに交渉を持ちかけた。既に急落していた原油相場は数日の間ロシアの反応を待っていたのだが、ロシアがこれを蹴ったことで原油相場は急落、安値を更新した。原油価格のチャートは現在次のようになっている。

これはロシアによる非常に強気なメッセージである。つまり、ロシアは原油価格が暴落しても構わないということである。しかも協調を自分で蹴ったにもかかわらず、ロシアのエネルギー相のノバク氏は、5月か6月にまたOPECと会合を開いて協調について話し合う「可能性を排除しない」とコメントした。つまり、「別にこちらは困っていないが、また後で話し合いたいならそれも構わない」ということである。

ロシアは基本的に減産を急いでいない。それどころか、競合他国がそれで倒れるのを待っている。今回の会合でロシアのそうした意図を感じ取ったのか、Reutersによればサウジアラビアのアブドルアジズ・ビン・サルマン王子は次のように苦々しげにコメントしている。


5月か6月にまた会合を開く意義を見出すことはできない。開催したとしても、こうした危機に対応するために行うべきことに注意を向けられず、必要な措置を行うことができない無力さを証明することになるだけだろう。

サウジアラビアの方はよほど減産したかったらしい。

そしてその後サウジアラビアは1日あたりの産出量を1,230万バレルに引き上げると発表した。これは主要油田の最大生産能力を上回っており、つまりは在庫を使ってでもその産出量を維持するということである。サルマン王子は次のようにも述べている。


自由市場ではすべての生産者は自分の競争力を示して市場シェアを維持・拡大しなければならない。

サウジアラビア率いるOPECは減産をロシアに提案したのではなかったのか? しかしロシアがシェア縮小を良しとしない以上、サウジアラビアもシェアを取りに行かなければならなくなる。ロシアの態度に対する報復ということもあるのだろう。典型的な「囚人のジレンマ」である。

誰が損をし誰が得をするか

しかしこの状況はよく考えてみると参加者が全員損をする「囚人のジレンマ」ではない。何故ならば、産油国は皆原油価格下落でダメージを受けるが、長期的には財務の不健全な産油業者から先に倒れ、後に残った財務の盤石な生産者はライバルのいなくなった市場で悠々とビジネスを続けるからである。

ではロシアとサウジアラビアではどちらの方が財務が安定しているのだろうか? Reutersによれば、ロシアの産油企業の中でもOPECとの協調減産に強固に反対したのはロシア最大のRosneftだそうだ。ではRosneftの財務はどうなっているのだろうか?

結論から言えばRosneftの財務は健全な状態である。端的に言えば、まずRosneftの純資産(総資産から総負債を引いたもの)は5兆ルーブルである。この5兆ルーブルが大きいのか小さいのかだが、2019年のRosneftの純利益は8,050億ルーブルとなっている。つまり、大雑把に言えばRosneftは6年分の純利益を使い果たしてしまうまで破綻しないということである。短期で返済しなければならない債務の量にも特に問題はない。

更に、Rosneftは原油価格の暴落した2015年、2016年にも損失を出していない。当時の原油価格のチャートは次のようになっている。

この30ドル台という水準は現在の水準と同じであり、Rosneftがこの水準でも利益を出せることは2016年に実証済みなのである。ロシアが強気に出られる訳である。

ではサウジアラビアの方はどうだろうか。最近上場した国営企業Saudi Aramcoの純資産は1兆リヤルであり、純利益は2,557億リヤルである。こちらも純利益4年分程度の純資産は確保していることになる。短期債の量にも問題はない。

ロシアとサウジアラビア、どちらが有利か

RosneftとSaudi Aramcoを比べると、Rosneftの方がやや強固な財政状態であるものの、両方とも健全な状態にある。一方で、ロシアは原油以外にも収入源があるが、サウジアラビアは原油の他にはほとんど産業がない。サウジアラビアが協調を模索した一方で、ロシアが強気でいられるのはそこだろう。

しかしロシアの本当の狙いはサウジアラビアではないのかもしれない。一部の読者はお気づきかもしれないが、その狙いとは恐らくアメリカのシェール産業である。

危機に瀕するシェール産業

シェールオイルとは通常の掘削方法では掘ることのできない場所にある原油を特殊な方法で掘り出したもののことである。米国企業のテクノロジーがそれを可能にしたことによって米国は世界有数の産油国となったが、一方で特殊な掘削方法はRosneftやSaudi Aramcoによる従来の方法よりもコストがかかる。

ロシアやサウジアラビアが25ドルから30ドル程度の原油価格でも利益を出せる一方で、米国シェール企業は40ドル前半で利益が出せなくなるので、現在の原油価格では既に赤字状態のはずである。ロシアが市場から退場させたいのは彼らだろう。シェール企業が世界の原油供給を大幅に増やしたことによって原油価格が暴落したからである。これが2016年の原油暴落の理由である。

原油相場の今後の動向

さて、原油だが、筆者の見通しでは株式と同様に新型コロナウィルス肺炎の流行ピークと同時期に底打ちすると想定している。もう一度現在のチャートを掲載しよう。

原油と株式はともに底を狙って買っていける銘柄である。何度も言うように、来年になれば新型ウィルスのことなど皆忘れているからである。

いつが底かということについては株式の方の記事を参考にしてほしい。

•新型コロナウィルスで世界同時株安はいつまで続くか 株式市場の底を予想する

ただ、今回紹介したRosneftは買い銘柄の筆頭になるかもしれない。何故ならば、世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏によれば、今の株式市場で気をつけるべきは財務の脆弱な株式銘柄だからである。

•世界最大のヘッジファンド: 米国では次の数週間で感染者数が劇的に増加へ

Rosneftであれば原油が現在の水準に留まった場合にも赤字を垂れ流すことはなく、しかもかなりの安値にまで売り込まれている。

現在の株価は326ルーブル、新型コロナウィルス以前の1株あたり純利益は66.81ルーブルとなり、原油価格が回復するという想定の元でのP/Eレシオ(株価収益率)はおよそ5である。

そろそろ購入する銘柄に目星をつけておきたいところだろう。

•新型コロナウィルスで世界同時株安はいつまで続くか 株式市場の底を予想する


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/8982

244. 中川隆[-12779] koaQ7Jey 2020年3月13日 10:19:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[779] 報告
ECB、新型コロナウィルスで量的緩和を拡大もドイツ株暴落 2020年3月13日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9009


ドイツ時間3月12日、ECB(欧州中央銀行)は政策決定会合を開催し、債券を市場から買い入れる量的緩和の年末までの規模を1,200億ユーロ追加すると発表した。新型コロナウィルス肺炎がヨーロッパ中に広まっていることで景気後退が懸念されているためである。感染者が1万5,000人を超えているイタリアは国土全体を封鎖しており、スペイン、フランス、ドイツでも同じ規模の流行が懸念されている。


追加緩和の規模と効果

投資家としてはまず量的緩和を査定していきたいところだろう。年末までに1,200億ユーロという追加緩和が大きいか小さいかだが、昨年9月に開始されたECBの量的緩和は年間2,400億ユーロの規模であり、年額の50%を上乗せしたことになる。

ECB、量的緩和再開を決定、今後の相場の試金石に (2019/9/12)

ECBの量的緩和については規模拡大の余地が少し残されていると書いてきたが、その余地が狭まったわけである。その代償を払って市場の下落を止めることができたかと言えば、止めることができなかった。以下はドイツの株価指数DAXのチャートである。

ちなみにその後に続いて行われた米国市場も大幅下落となった。

わざわざパウエル議長が不必要な緊急利下げによって新型コロナウィルス肺炎に金融緩和は効かないと証明してくれたにもかかわらず何故こうなるのかは分からないが、兎に角追加緩和が行われたということである。

米国、新型肺炎対策で0.5%の緊急利下げ実施も米国株大幅安

サマーズ氏: 利下げは新型肺炎相場には効かない、中央銀行は弾切れの危機に
そして次は日銀が同じ穴に落ちようとしている。コメディか何かなのだろうか。

日銀が追加緩和として株式ETF買い入れ増額を検討か

浪費される追加緩和余地

繰り返しになるが、株式市場は上昇もすれば下落もするものであり、悪材料がある場合にはその分きっちり下落しなければ経済に歪みができてしまうものなのである。政治家がいくら永遠に上昇する株価を求めようとも、株式市場を完全に国有化しない限り無理なのである。

ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

ということで、今回の下落相場の底は中央銀行の動きでは決まらず、新型コロナウィルス肺炎の流行状況がすべてを決める。レイ・ダリオ氏の一ヶ月以上前のコメントをもう一度掲載しておく。

中国新型ウィルス、世界最大のヘッジファンドの投資戦略

一般的にはこうした一生に一度のレベルの災害はまず最初に過小評価され、そして状況が進むにつれて過大評価される。そしていずれファンダメンタルズが逆回転し始める(例えばウィルス感染が拡大から縮小になる)。

だから注意を向けなければならないのは何が実際に起っているのか、人々が何を信じていて何が資産価格に織り込まれているのか、そして状況の反転を示唆する指標である。

つまり中央銀行の動向は気にせずウィルスの流行状況を見ておけば良いのである。そして流行状況のピークがいつか、つまり株価の底はいつかという問題については以下の記事を参考にしてほしい。

新型コロナウィルスで世界同時株安はいつまで続くか 株式市場の底を予想する
2018年の世界同時株安の時もそうだったが、ここでは市場の動きをすべて事前に書いているので、事が起こった後には以前の記事を繰り返すだけになってしまう。

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)

新型コロナウィルス肺炎についても下がって上がる相場だとずっと書いてきたはずである。ただ、そうなるためにはパウエル議長がパニックになって緩和余地を使い果たしてしまわないということが条件となる。さもなければ別の大きなバブルが崩壊に近づいてしまうだろう。

新型肺炎で株式市場の暴落が近づいた
18日には運命のFOMC会合が控えている。楽しみに待っていたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9009

245. 中川隆[-13981] koaQ7Jey 2020年3月15日 12:24:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[846] 報告

新型コロナウィルスでドル円が急落する理由、下落を支える超長期トレンドとは
2020年3月14日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9015#more-9015


新型コロナウィルス肺炎で株価が暴落している一方で、ドル円もそれに合わせて激しい値動きを展開している。そこで、以前からの読者には基礎的な内容になるが、この辺りでドル円下落を支える長期的トレンドについてもう一度整理しておいても良いだろう。

新型コロナウィルス肺炎で下落するドル円

読者にも周知の通り株安を受けてドル円が下落している。リスクオフになればドル円は売られるわけだが、では何故リスクオフになればドル円が売られるのだろうか?

答えは日米の金利差だと答えられる読者は多いだろう。日本の金利はもうほとんど動かないため、実際にはアメリカの利下げなどの動きによってドルの金利が下がり、ドルを持っていても金利が付かなくなるので投資家がドルを売るのである。
しかしこの答えは厳密ではない。厳密には為替相場に影響するのは額面の金利からインフレ率を引いた実質金利である。

インフレとは物価が上がることだが、それは厳密には貨幣に対して物価が上がることである。つまり、インフレとは言い換えると貨幣の価値が下がることである。インフレ率が2%の場合、その国の通貨は理論的には毎年2%ずつ下がってゆくことになる。なので、額面の金利が仮に5%だとしても、通貨の価値が2%下がれば得られるのは実質的に3%となる。これが実質金利であり、投資家が実際に得られる部分である。

つまり、ドル円が下落するのはアメリカの実質金利が下落する時ということになる。では現在アメリカの実質金利はどうなっているだろうか? ドル円のチャートと並べて掲載すると次のようになる。

ドル円のデータが最後の数日分欠けているが、言いたいことは伝わるだろう。アメリカの実質金利が下がる時にドル円も下がるのであり、新型コロナウィルスによる下落相場で実質金利が一段と安くなったため、ドル円も急落したのである。

それまでドル円が上がっていたことの方が異常だったと言える。ドル円が110円から112円まで意味もなく上昇した時にわたしはそれをバブル的な動きだと呼んだが、ドル円が実質金利から離れて動く時は何か異常なことが起きている時であり、そしてその乖離は長くは続かないのである。


ドル円の動向予想

よってドル円の値動きは今回の下落でむしろ正常時に戻ったと言える。つまりはアメリカの実質金利に合わせて動くということになる。ではアメリカの実質金利の方はどうなるのだろうか? 長期的と短期的に分けて考えるべきだろうが、長期的にはその方向性は明白である。つまりはこのチャートである。

アメリカの実質金利のチャートをより長期で見ると、このチャートが何処へ行っているのかが明白となる。長期的な下落傾向である。

最近は世界的な低金利だとは言うものの、何故世界的に低金利なのかを厳密に説明できるだろうか。これは経済学者にとっても難題であり、この問いに対して一番説得力のある答えを用意した学者がラリー・サマーズ氏なのである。

元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る

だからドル円をめぐるヘッジファンドの戦いにはマクロ経済学の学説がかかっている。学説を間違えた方が損失を出すのである。なのでドル円相場で彼らに戦いを挑む個人投資家の読者には、少なくとも長期停滞論とは何かを理解しておいてもらいたい。サマーズ氏が正しければ、ドル円は長期的に下落トレンドを継続するだろう。


短期的な相場動向

一方で、短期的にはドル円は株価の動向に従うだろう。実質金利も株価の動向に従うからである。株価がいつ底を打つかということは以下の記事で説明している。

新型コロナウィルスで世界同時株安はいつまで続くか 株式市場の底を予想する


さて、新型コロナウィルス相場も佳境に入りつつある。感染者はイタリアで2万人に近づき、アメリカでもついに数千人規模になっている。パニックのクライマックスが近付こうとしている。投資家の腕の見せ所である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9015#more-9015

246. 中川隆[-13905] koaQ7Jey 2020年3月17日 00:21:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[976] 報告
日銀がETF買い入れ倍増の追加緩和、株式市場への影響は下落方向に決まっている
2020年3月16日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9041


新型コロナウィルス肺炎で市場が急落している問題で、日本銀行は3月16日に金融政策決定会合で株式ETFの買い入れ額を倍増させ、量的緩和政策を強化することを決定した。その株式市場への影響はどうなるかと言えば、下落方向に決まっている。
新型ウィルスに金融緩和は効かない

ファンドマネージャーや経済学者の間では既にコンセンサスとなっているが、政治家や中央銀行家には理解されていないことがある。新型ウィルスの経済への影響を金融緩和で打ち消すことはできないということである。

まず、世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が次のように述べていた。

世界最大のヘッジファンド: 米国では次の数週間で感染者数が劇的に増加へ

中央銀行の金融政策に関して言えば、利下げを行ない流動性を増やしたとしても外に出ず買い物に行きたくない人々を外出させることはできない。ゼロ金利に近づくリスクを犯してリスク資産の価格を少し刺激することはできるかもしれないが。
ヨーロッパと日本に関しては、金融政策は既に事実上ガス欠であり、金融政策がどう機能できるのかを想像することは難しい。

また、より重要な問題は金融緩和が効かないことではなく、先進国すべての中央銀行が弾切れになってしまうことである。アメリカの財務長官も務めた経済学者のラリー・サマーズ氏は分かりやすく次のように言っていた。

サマーズ氏: 利下げは新型肺炎相場には効かない、中央銀行は弾切れの危機に

中央銀行家にとって難しいのは、使えるツールの力が通常考えられるよりも限られる場合である。このような場合には限られるツールを使い切って弾切れを証明するよりも、金融政策をダモクレスの剣(訳注:天井に細い糸で吊るされていつ落ちてくるか分からない剣のたとえ)のように使うほうが有効だろう。銃弾が最後の1つなら撃ってはならないということだ。

何故銃弾が最後の1つなら撃ってはならないのか? 2008年のリーマンショック以来、株式市場は金融緩和を頼りに10年以上も上昇を続けてきたからである。

リーマンショックが遥か彼方である。こう見るとまだ何も落ちていないように見える。

中央銀行の弾切れが生む問題

この長い上昇相場が利下げと量的緩和で支えられてきたとすれば、それが弾切れになるというのはどういうことだろうか。今後1ヶ月ほどのことを考えてみてもらいたい。新型ウィルスは日本人にはもう1ヶ月ほども対処してきた問題かもしれないが、アメリカやヨーロッパでは今まさに正念場となりつつある状況である。

ヨーロッパではイタリアが封鎖され国境も徐々に閉じられつつあるなど社会的反応にピークが来つつあるが、アメリカで本格的に閉鎖措置が行われ社会が混乱するのはここから1ヶ月だろう。社会が混乱すれば株式市場も混乱する。投資家の体感では既にかなり落ちたように感じるかもしれないが、長期チャートを見ると状況を落ち着いて客観視できるだろう。

それほども落ちていない。そして一番のピークはこれからなのである。そして一番のピークがこれからであるにもかかわらず、その時に中央銀行に出来ることは何も残っていない。株価の暴落時に中央銀行が何もできない状況というのは戦後人類が経験したことのない状態なのである。

中央銀行の引き起こした危機

これはウィルスそのものとは関係のない金融政策上の失敗である。パウエル議長が慌てふためかず、黒田総裁がそれを師と仰いで同じ穴に落ちなければ株式市場は新型ウィルスのピークを過ぎると自然に反発したはずなのである。以下の記事でそう予想したが、こういう注釈も付けておいた。

新型コロナウィルスで世界同時株安はいつまで続くか 株式市場の底を予想する

パウエル議長が18日の利下げ以外に余計なことをしない場合、投資家は新型ウィルスの流行状況以外のことを考える必要がなく、流行のピークで株を買えるということである。

ということで、筆者はパウエル氏が余計なことをしないことを祈っている。3月2日の緊急利下げが既に余計な措置なのである。

しかしパウエル議長は余計なことをした上にECB(欧州中央銀行)と日銀までそれにならってしまった。時系列に沿って株式市場の反応を見ると、3月2日にアメリカが慌てて緊急利下げをした時、せっかく反発していた株価は陰線で染まってしまった。

米国、新型肺炎対策で0.5%の緊急利下げ実施も米国株大幅安

ECBが量的緩和を拡大した時のドイツ株の反応は以下の通りである。

ECB、新型コロナウィルスで量的緩和を拡大もドイツ株暴落

そして日銀が同じ穴に落ちた3月16日の日経平均である。

3月2日のアメリカの緊急利下げで米国株が暴落した時に何故気付かなかったのか。ECBのラガルド総裁も日銀の黒田総裁もパウエル議長が先に落ちた穴に喜んで落ちていったのである。中央銀行の行動はしばしば本当に理解しがたい。全員首を飛ばすべきではないのか。


今後の株価動向

さて、今後の株価動向だが、中央銀行の愚かな選択のためにますます不明瞭になってきた。しかし不明瞭とは言うが、大きく下落するのか非常に大きく下落するのか不明瞭ということである。アメリカで店舗閉鎖などの閉鎖措置がピークに達して株価が下落する時、中央銀行が何もできないことを市場が認識している状況というのは市場が戦後経験したことのない領域である。

その後、新型ウィルスの流行がピークを超えて感染者数が減り始めた時株価も反転するのかということについては現状では何とも言えない。今後相場の動向を見ながら決めてゆく。流行のピークまでに決断すれば良いというのが投資家に与えられた猶予である。

この状況については事前に警告しておいた。今更何が言えるだろうか。
新型肺炎で株式市場の暴落が近づいた

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9041

247. 中川隆[-13830] koaQ7Jey 2020年3月18日 09:46:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1052] 報告

世界最大のヘッジファンド 米国のゼロ金利はすべての資産価格を下落させる
グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート2020年3月18日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9099

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで引き続き新型コロナウィルス肺炎とその経済への影響について語っている。

深刻化した新型ウィルス相場

新型ウィルスの流行拡大によって株安となっているが、この相場はもともと一度下落して流行のピークを過ぎれば上がるだけの相場だったはずである。わたしも最初からそのように分析していたし、ダリオ氏も以前のブログ記事で次のように述べていた。

•世界最大のヘッジファンド: 米国では次の数週間で感染者数が劇的に増加へ


ウィルスに対する社会の反応によって恐らく経済に大きな短期的下落が起こり、その後リバウンドするだろう。そして経済はそれを長期間引きずることはないだろう。

しかし世界中の中央銀行が慌てて不必要な利下げと量的緩和を行ってしまったために別の問題が生じてきた。ここでもこれまでの記事で述べてきた通りである。

•日銀がETF買い入れ倍増の追加緩和、株式市場への影響は下落方向に決まっている

どうやらダリオ氏も同じことを考えているらしい。ダリオ氏は次のように述べている。


これは多くの有害な経済的影響を与える深刻な伝染病ではあるが、それ自体では恐ろしいものではない。しかしそれが長期金利がゼロに到達することと合わさってしまうと、本当に憂慮すべきこととなってしまう。

ゼロ金利がなぜ問題か

新型コロナウィルスを受けた世界同時株安で、アメリカの長期金利は一時0.3%付近にまで下落している。ついにアメリカも日本とヨーロッパの領域に足を踏み入れかけているということである。

何故ゼロ金利が問題なのか? ゼロ金利とは金利がこれ以上下がらないことを意味するからである。マイナス金利は可能だが、それほど深堀り出来るものでもない。特にこれは金利の継続的低下に頼ってきた株式などのリスク資産にとって問題なのである。ダリオ氏はこう語っている。


長期金利がゼロの硬い床に到達してしまうことは実質的にすべての資産クラスが下がることを意味する。金利低下の好影響がなくなる、あるいは少なくともそれほどはなくなってしまうからである。

中央銀行による利下げやイールドカーブ誘導(訳注:日銀が行う金利誘導政策)などの金利刺激が効かなくなる。中央銀行は紙幣を印刷し債券を買うことを許されているが、あまり効果はないだろう。債券に上昇余地がほとんど残っておらず、投資家も債券を売って問題に直面している他のリスク資産を買おうとするとは考えがたい。

アメリカ長期金利がここ数十年どう動いてきたかを見てみたい。金利は本当に長い時間をかけて下落してきたのであり、それがこれまで株式市場の何十年もの上昇を助けてきたのである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9099

しかしこのチャートはもうこれまでのように下落を続けることはできない。株式市場はこれまでの燃料を補給し続けることができないのである。

利下げにもかかわらず実質金利が上昇

また、本当の問題は名目の長期金利の数字ではなくそこからインフレ率を引いた実質金利の方である。例えば金利が10%でもインフレ率が10%ならば実質金利は0%であり、実際にはそれほど引き締め的ではないということになる。その実質金利はどうなるのだろうか。ダリオ氏はこう述べる。


更に悪いことに、このゼロ金利の硬い床があることで、原油などのコモディティの価格下落や経済活動の低下、債務問題などによるディスインフレやデフレが実質金利を上昇させてしまう可能性が高い。

本当の問題は実質金利は下がらないどころかむしろ上がってしまうということである。このことは実体経済にも金融市場にも一番根本的な問題である。

事実、アメリカではここ数日、下がらない長期金利と期待インフレ率の低下によって、これら2つの差である実質金利が急上昇しており、これが金価格などの急落に繋がっている。実質金利のチャートは次のようになっている。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9099

急降下からの急上昇である。アメリカを始めとして世界中が量的緩和を行っても金利を下げられないどころか上がってしまうとなると、金融市場はどうなるだろうか? 繰り返しになるが、金融市場はここ40年ほど金利低下に頼って上昇してきたのである。

市場の混乱が実体経済を侵食する

更にダリオ氏は、この新型ウィルスの問題を隔離措置などの実体経済の問題が金融市場に悪影響を与えているというよりも、金融市場の動きが実体経済に与える影響の方が大きいと主張する。


株式や類似の資産で運用されている年金基金や保険会社は資金が足りなくなる。出来ることは資産を売って支払いを行うことぐらいだろう。産油国や産油企業では費用が売上を上回り、経費削減や資産の売却が必要となるだろう。

原油価格の暴落については以下の記事で説明しているが、非常に荒れた相場となっている。

•原油価格暴落をめぐるロシアとサウジアラビアの戦争

報道によればアメリカのシェール大手Chesapeake Energyが債務整理アドバイザーとの協議を始めたらしい。いよいよ米国シェール企業の倒産ラッシュが始まるのだろうか。恐らくロシアはこれを狙ったのだろう。

しかしこうしたことは財政の危うい企業に気をつけるよう注意していたダリオ氏の以前の指摘に含まれていたことであって、それ自体は真新しいことではない。

•世界最大のヘッジファンド: 米国では次の数週間で感染者数が劇的に増加へ

それよりも問題は次に大きな下落があった時に先進国のすべての中央銀行に追加緩和の手段が残されていないということだろう。アメリカで社会の混乱がピークに達する時、何も止めるものがなければ本当に自由落下となってしまう。

•サマーズ氏: 利下げは新型肺炎相場には効かない、中央銀行は弾切れの危機に
•日銀がETF買い入れ倍増の追加緩和、株式市場への影響は下落方向に決まっている

中央銀行は完全に不必要なやり方で市場にとっては大して問題ではなかった事柄を複雑な問題にしてしまった。それでも流行のピーク=株価の底値シナリオを捨ててはいないが、本当にそうなるのかについての検証が必要となるだろう。

•新型コロナウィルス、ヨーロッパ各国の感染者数のピークはいつか


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9099

248. 中川隆[-13680] koaQ7Jey 2020年3月20日 19:06:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1202] 報告


ドル円上昇が示す世界的倒産ラッシュの可能性2020年3月20日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9163

新型コロナウィルス肺炎で株安となるなか、ドルの動きが怪しくなってきている。最近のドル円下落に理由があればその後のドル円上昇にも理由があり、しかもそれは世界的な金融危機を示唆するものである可能性がある。やや緊急になるが、迅速に考えをシェアしたい。

先ずはドル円のチャートを掲載しよう。ドル円は2月から3月にかけて大きく下落した後、急反発した。行って戻ってきたということである。

このドルの奇妙な動きはドル円に限ったものではなく、例えばユーロドルも同じ動きになっている。ただしドル円とは向きが逆で、下方向がドル高である。

しかも円とユーロはこれでも落ち着いている方であり、例えばポンドドルは大きくポンド安に振れている。

世界的にドルが上昇しているのである。

世界的なドル高の理由

では何故ドルが上昇しているのか。この理由がどうもかなり深刻なもののようである。

まず、新型コロナウィルス肺炎で経済に何が起きているかと言えば、多くの企業にとっての売上の短期的激減である。ヨーロッパでは外出禁止となっている国も多く、そうした国ではほとんどの店舗は閉鎖されている。

•新型コロナウィルス、ヨーロッパ各国の感染者数のピークはいつか

当然ながらそうした店舗では売上がなくなるが、これは大企業であっても例外ではない。例えば航空業界は深刻な影響を受けており、アメリカでは航空会社の団体がアメリカ政府に大して580億ドルの支援を求めた。また、航空機が飛ばなくなって原油が暴落しているため、アメリカのシェールオイル大手Chesapeake Energyはついに債務整理アドバイザーと話をし始めている。世界的にビジネスが立ち行かなくなっている中で、倒産の危機にあるのは恐らくこれらの企業だけではないだろう。

こうした流れが債券市場に逆風を吹かせているのである。企業の資金繰り悪化を懸念した貸し手は融資を拒むようになり、債券価格は下落、金利は上昇する。より高い金利を払わなければお金を借りられなくなっているのである。

この状況で筆者を驚かせているのは、株安にもかかわらずアメリカの長期金利が上昇していることである。長期金利とは10年物国債の金利なので、債券のなかで一番信用度の高いはずの政府の債券でさえ下落に巻き込まれているということである。これは2008年のリーマンショックの時でさえ起こらなかったことであり、債券の専門家にはこれがどれほど危機的状態かが分かってもらえるだろう。

•リーマンショックで急落した金価格、上昇した米国債

このような状況では、政府よりも信用の低い企業がお金を借りられないのは当然ということになる。そして問題はドル建てでお金を借りている企業が世界中にあるということである。

金利上昇とドル高のスパイラル

新型ウィルスで売上の見通しが立たなくなるなか金利が上昇し、財政の悪化した企業は以前のような低金利ではお金が借りられなくなっている。これまでであれば債務の期限が来ればもう一度低金利で借りていれば良かったが、今では高い金利を払わなければお金を貸してもらえなくなっている。

それだけでも問題だが、一番の問題はアメリカ国外にドル建てでお金を借りている企業がたくさんあるということである。そうした企業はどうするか? ドル建て債務を返済せざるを得なくなる。彼らは普段は現地通貨しか持っていないので、ドルを返済する時にはドルを為替市場で買って返済することになる。

もう読者もお気づきだろう。ドル債務返済のためのドル買いがドルを上昇させ、ドルが上がると今度はドル建て債務の額そのものが増大する。そうしてドル建て債務が返せなくなった企業が更に財政を悪化させ、金利が上昇する。そうすると更に多くの企業がドル建て債務の返済を強いられる。金利上昇とドル高のスパイラルである。

ドル円はどうなるか

ドル円はどうなるだろうか。こうした状況は2008年にもあった。しかしそれは暴落の主因ではなかった。当時の問題の根源はあくまでアメリカの住宅バブルとそれに関連する証券化商品を保有していた銀行の問題であり、脆弱な財政の企業の問題は脇役に過ぎなかった。

ドルでお金を借りている企業の他に低金利通貨である円でお金を借りている企業もあり、2008年には後者が勝ったため、ドル円は大幅に円高に動いた。

しかし今回は新型ウィルスによってそうした企業の財務が悪化していることが世界経済にとって一番の問題であり、ドル返済によるドル高の動きにリスクオフの円高が勝てない可能性がある。

キーとなるのはアメリカ実質金利の動きである。通常の状態ではドル円はアメリカの実質金利に連動して動いている。実質金利が上昇すればドルに資金が集まり、ドル円が上昇するということである。現在のアメリカ実質金利とドル円のチャートは次のようになっている。

下落相場では普通は金融緩和によって金利は低下するが、暴落になると金利からインフレ率を差し引いた数字である実質金利は上昇する。市場がデフレを懸念し始めるからである。

2008年には実質金利が暴騰したが、円を返済する動きが勝ったためにドル円は円高で動いた。しかし今回はどうなるだろうか。ドル返済の動きが市場の主要な動因であれば、ドル高がこのまま円に限らず世界的にバブルとなってゆくだろう。2008年の実質金利が天井知らずに上がったのと同じように、ドル円が当時と違って実質金利上昇とドル高に従うのであれば、ドル円も例外とはならない可能性がある。

個人的には2008年と同じドル円下落シナリオを支持していたが、これを撤回しようと思う。2018年に112円台で開始したドル円の空売りポジションはすべて撤収する。

•2019年へのドル円のレート推移予想と空売り開始 (2018/7/15)

理由はドル円の上昇を予想するからではなく、上げ要因と下げ要因が入り混じってきたからである。

予想的な世界的な倒産ラッシュ

この記事で話したことには世界経済にとって致命的な話が2つある。先ずは株式の下落相場でアメリカの実質金利が上昇していること(これは下落が暴落に移行したサインである)、そして暴落相場であるにもかかわらずドル円が上昇していることである。

新型ウィルスで債務を返済できなくなった企業が世界中で次々に倒産し、彼らが必死にドルを買い集める買い圧力がドルを理論的に説明不能な水準にまで上昇させる可能性がある。それが世界中のドル建て債務を更に圧迫してゆく。最後の砦であるはずのアメリカの国債が下落しているというのはそういう危機的状況なのである。

このスパイラルは世界経済を破壊する可能性があるが、それが何処まで進むかは新型ウィルスの流行がいつまで続くかということになる。この不条理な荒れ相場で唯一明快な羅針盤となってくれるのは各国の感染者数の統計である。

•新型コロナウィルス、ヨーロッパ各国の感染者数のピークはいつか

この記事を書いて数日となるが、ヨーロッパの流行状況はあまり改善していない。ヨーロッパでのピークはまだもう少し後ということになる。アメリカではその更に後だろう。

あらゆる資産価格が不合理な動きを見せる中、感染者数の統計ははっきりとした状況を示してくれる。感染者数が増加から減少に転換する時、この不合理な相場が新たな動きを見せるだろう。

その瞬間は投資家にとって千載一遇のチャンスである。例えば原油価格はもはや完全に不合理で維持不能な水準にまで下がっている。

•原油価格暴落をめぐるロシアとサウジアラビアの戦争

しかし投資家はまず感染者数の転換を待たなければならない。これはBridgewaterのレイ・ダリオ氏が2月の始めに既に予言していたことである。

•中国新型ウィルス、世界最大のヘッジファンドの投資戦略


一般的にはこうした一生に一度のレベルの災害はまず最初に過小評価され、そして状況が進むにつれて過大評価される。そしていずれファンダメンタルズが逆回転し始める(例えばウィルス感染が拡大から縮小になる)。

だから注意を向けなければならないのは何が実際に起っているのか、人々が何を信じていて何が資産価格に織り込まれているのか、そして状況の反転を示唆する指標である。

こうした先見の明にもかかわらずこれまでの相場で損を出した彼もその瞬間を冷静に狙っていることだろう。2018年もそうだったように、彼は迅速に頭を切り替えることのできる投資家である。

•「現金はゴミ」発言のレイ・ダリオ氏、リスクオフできず新型コロナ株安で20%損失


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9163

249. 中川隆[-13667] koaQ7Jey 2020年3月20日 22:01:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1215] 報告

新型コロナ株安、長期金利の動向を2018年世界同時株安と比較する2020年3月20日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9189

新型コロナウィルス肺炎が世界的流行となっていることで株式市場の暴落がニュースになっているが、一部のプロの間では債券と金利の値動きの方が危機的だと話題になっている。前回の記事でも説明した通りである。

•ドル円上昇が示す世界的倒産ラッシュの可能性

しかし何故そうなのかということは一般の投資家には実感が難しいだろう。よってもう少しチャートを交えながら解説したい。

株価と金利

まずは米国株のチャートから掲載しよう。

ちなみにこの間、アメリカの中央銀行は3月2日と3月15日に緊急利下げを行いゼロ金利までの大幅利下げを行ったが、株安は止まっていない。

•米国、新型肺炎対策で0.5%の緊急利下げ実施も米国株大幅安
•米国、緊急会合でゼロ金利まで利下げし量的緩和を正式に再開 暴落時の追加緩和が不可能に

株価が下落するとき、通常であれば市場では追加緩和を期待して金利が下がるはずである。ではアメリカ長期金利のチャートはどうなっているだろうか?

3月9日までは金利低下で反応しているが、0.4%という低水準まで低下したあと上昇に転じている。しかもその間株価は回復していない。

この動きを2018年の世界同時株安と比べるとどうなるだろうか? まずは当時の株価チャートからである。

そしてこちらが同時期の長期金利である。

株安を受けてまずは金利低下で反応、年末年始に株価が反発すると上昇に転じ、その後は中央銀行の緩和を受けて中長期的な下落トレンドとなっている。

この時は株式も債券も緩和の動きを素直に受けて回復のトレンドを進んでいっている。金融引き締めが株安の原因だったので、金利低下となったことで解決したということである。当時の株安については以下の記事を参考にしてもらいたい。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因

下がらない長期金利

では現在の動きの何が問題なのだろうか。長期金利のチャートをもう一度掲載しよう。

株価が下落しているにもかかわらず長期金利が上昇で反応しているということである。理由の1つは前回の記事で解説したように、新型ウィルスによって財政の危うい企業の倒産が懸念されており、社債の金利が急騰していることである。

•ドル円上昇が示す世界的倒産ラッシュの可能性

債券の金利上昇は価格下落を意味するので、信用の低い社債を集めたジャンク債ETFの価格は暴落している。

以前の値動きがほとんど動いていないように見えるほどの暴落である。このように社債の金利が高騰(社債価格は下落)しており、国債であってもリスクの高めな長期・超長期の金利は債券市場全体の動きに引きずられたということである。

しかしもう1つには0.4%という長期金利の水準が米国経済のファンダメンタルズを考えるとあまりに低すぎたのだろう。

新型コロナ前の数字だが日本やヨーロッパと違いアメリカはまだ2%以上のインフレ率を維持しており、コロナ前からインフレがほとんどない日本やヨーロッパと似た金利水準になるということは理にかなわない。つまり、金利は下がろうにも下がる余地がそもそもなかったということである。

株安で金利上昇の意味

繰り返しになるがこれは危機的状況である。2008年のリーマンショックの頃でさえ、国債の価格は上昇し金利は下がった。

•リーマンショックで急落した金価格、上昇した米国債

金利が下がること自体が緩和効果を発揮し株安を和らげるのである。しかしアメリカでも金利がゼロ金利という床に到達してしまったため、跳ね返ってくる状況となっている。つまりは緩和の限界に達したのである。

これは世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏の予言した状況である。彼はこう述べていた。

•世界最大のヘッジファンド: 米国のゼロ金利はすべての資産価格を下落させる


長期金利がゼロの硬い床に到達してしまうことは実質的にすべての資産クラスが下がることを意味する。金利低下の好影響がなくなる、あるいは少なくともそれほどはなくなってしまうからである。

中央銀行による利下げやイールドカーブ誘導(訳注:日銀が行う金利誘導政策)などの金利刺激が効かなくなる。中央銀行は紙幣を印刷し債券を買うことを許されているが、あまり効果はないだろう。債券に上昇余地がほとんど残っておらず、投資家も債券を売って問題に直面している他のリスク資産を買おうとするとは考えがたい。

通常、金融緩和とは金利を下げることで国債の魅力を低下させ、投資家にもっとリスクの高い資産を買わせる政策である。しかし国債の金利が下がらないためにその緩和効果がなくなっているということである。

今後の相場動向

さて、問題は新型ウィルスのピークがまだこれからだということである。アメリカでは感染者数は増え続けており、アメリカより先にピークに達すると想定されているヨーロッパでもピークはまだ先である。

•新型コロナウィルス、ヨーロッパ各国の感染者数のピークはいつか

つまり、相場でも最悪期はまだ来ていないと考えるのが妥当だろう。にもかかわらず緩和効果をもたらす金利低下が止まってしまっている。

あまり良い予感はしないと言わざるを得ないだろう。投資家としてはまずは感染者数のピークを見届け、暴落している原油など下落の行き過ぎた資産を狙って行きたいところである。

•原油価格暴落をめぐるロシアとサウジアラビアの戦争

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9189

250. 中川隆[-13602] koaQ7Jey 2020年3月21日 19:57:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1280] 報告

【教えて!ワタナベさん】株価大暴落の仕組み〜世界大恐慌に打ち勝つ戦略とは?[桜R2/3/21]

251. 中川隆[-13597] koaQ7Jey 2020年3月21日 22:14:07 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1291] 報告

新型コロナ株安はいつまで続くか2020年3月21日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9216

新型コロナウィルス肺炎が世界的流行となっており、2月まではあまり反応しなかった株式市場も流行がヨーロッパとアメリカに広がると途端に下落を始めた。中国や日本が感染している間は気にしないが、自分たちが感染し始めると途端に慌て始めるのが西洋人の主導する金融市場である。

さて、株安の下落幅はともかく、下落スピードは史上稀に見る速さであり、一時的な反発もほとんどないまま一方的に下落を続けている。アメリカの株価指数S&P 500のチャートは次のようになっている。

かなりの急落である。しかもこの間世界中の中央銀行によって次々に緊急の追加緩和が行われているにもかかわらず、まったく効いていないどころか火に油を注いでいる。

•サマーズ氏: 利下げは新型肺炎相場には効かない、中央銀行は弾切れの危機に
•日銀がETF買い入れ倍増の追加緩和、株式市場への影響は下落方向に決まっている

何故これほどの速さで株価が下落しているのだろうか。リーマンショックのあった2008年でさえ天井から底値までは1年半かかっており、今ほどの速度で急激に下落したわけではない。以下は当時のチャートである。

下落スピードが示す今後の相場動向

今回の急激な下落は買い方の投資家には容赦のないようにも見えるが、ほとんど反発もせず金融緩和に目もくれずに一直線に下落しているという事実は投資家に今後の動向を予想するためのヒントを与えてくれる。

何故か。株価が何に反応しているかということを率直に教えてくれるからである。

株価は何故金融緩和に目もくれず下落し続けるのだろうか。市場が金融政策に反応しているわけではないからである。株価は何故これほどまでに一直線に下落を続けるのだろうか。一直線に悪化している別の何かに連動しているからである。

一直線に悪化している別の何かとは何か。それはアメリカとヨーロッパにおける感染者数の推移である。現在の株価の急降下は株式市場がほとんど近視眼的に感染者数の推移に連動していることを意味している。新型ウィルスの感染はねずみ算式に増えるため、流行が拡大している限り次の日には状況は悪化しており、よって市場も次の日には下落しているということである。それが毎日続いているのである。

しかしこの一直線の動きは同時にこの下落相場の底はいつかということを投資家に教えてくれる。つまり、感染者数の増加が最悪期を脱するまでは株価も最悪期を脱することはなく、株価が最悪期を脱するのは感染者数の増加率が鈍化し始めた時以降である。

欧米における感染者数の動向

つまり、株価の動向を占うためには(市場が気にしている欧米の)感染者数をフォローすれば良いということになる。では欧米での流行状況はどうなっているのか。最新のものを再確認しよう。

まずは主要国の感染者数からである。

•イタリア: 47,021人
•スペイン: 21,571人
•アメリカ: 17,235人
•ドイツ: 13,957人
•フランス: 12,612人

ヨーロッパの感染はイタリアから始まった。その後国境を接するドイツやフランスに広まり、ヨーロッパ各地に広まっていった。

しかしやはり金融市場にとって一番重要なのはアメリカの感染者数である。アメリカで感染が広がったのはヨーロッパより遅かったが、感染者数は最近急増しており、既にフランスの数を追い抜いている。

アメリカの最近の感染者数の推移を以下に取り上げてみたい。

•3月10日: 936人 (+291 +45%)
•3月11日: 1,205人 (+269 +29%)
•3月12日: 1,598人 (+393 +33%)
•3月13日: 2,163人 (+565 +35%)
•3月14日: 2,825人 (+662 +31%)
•3月15日: 3,497人 (+672 +24%)
•3月16日: 4,372人 (+875 +25%)
•3月17日: 5,656人 (+1,284 +29%)
•3月18日: 8,074人 (+2,418 +43%)
•3月19日: 11,980人 (+3,906 +48%)
•3月20日: 17,235人 (+5,255 +44%)

最後は3日連続で40%を超える上昇率である。複利計算の恐ろしさを知っている投資家ならばこの数字がどれほど深刻かが分かるだろう。40%の上昇が10日続くだけで感染者数は17,235人から50万人近くまで急上昇する。

実際には何処かで増加率が鈍化するだろうが、アメリカでは感染者数の天井がまったく見えない状況である。しかしこれはアメリカでは全土での外出禁止はまだ行われていないためだろう。

明暗分かれたヨーロッパ各国

逆にヨーロッパの感染状況を見てみると、外出禁止と店舗の閉鎖が行われた後は感染者数の増加は確実に鈍化している。特に両方の措置が行われているフランスと、まだどちらも部分的にしか行われていないドイツでは明暗が分かれている。

まずはドイツから見てゆこう。

•3月10日: 1,460人 (+348 +31%)
•3月11日: 1,884人 (+424 +29%)
•3月12日: 2,369人 (+485 +26%)
•3月13日: 3,062人 (+693 +29%)
•3月14日: 3,795人 (+733 +24%)
•3月15日: 4,838人 (+1,043 +27%)
•3月16日: 6,012人 (+1,174 +24% 近隣国との国境閉鎖)
•3月17日: 7,156人 (+1,144 +19%)
•3月18日: 8,198人 (+1,042 +15%)
•3月19日: 10,999人 (+2,801 +34%)
•3月20日: 13,957人 (+2,958 +27%)
•3月21日: (バイエルン州で外出制限)

データ元をRobert Koch Instituteのものに変更したので前回と数字が少し異なっている。

イタリアやフランスと異なり、ドイツでは全土での外出制限も店舗の閉鎖も行われていない。人の集まりやすい公共施設は閉鎖されているが、全店舗ではない。21日からようやくバイエルン州など一部で外出制限が行われる。

周辺諸国では5人以上の会合が禁止される中、ドイツではパーティが禁止される前に最後の晩餐だとでも言うように各地で「コロナパーティ」なるものが開催されており、感染拡大に拍車をかけている。

メルケル首相は22日に緊急会合を開く予定であり、強制力をもった封鎖措置がなければ状況が良くならないならば外出禁止令を発令すると警告しているが、ルールに完全に従うドイツ人がルールなしで賢明に行動するわけがないだろう。

ドイツでの感染者数の増加率はいまだ30%といったところだろうか。この数字は封鎖措置が既に行われているフランスでは状況が少し異なっている。

以下はフランスの数字である。

•3月10日: 1,784 (+372 +26%)
•3月11日: 2,281 (+497 +28%)
•3月12日: 2,876 (+595 +26%)
•3月13日: 3,661 (+785 +28%)
•3月14日: 4,499 (+838 +23%)
•3月15日: 5,423 (+924 +20% 必需品以外の全店舗の閉鎖)
•3月16日: 6,633 (+1,210 +22%)
•3月17日: 7,730 (+1,097 +17% 不必要な外出の禁止)
•3月18日: 9,134 (+1,404 +18%)
•3月19日: 10,995 (+1,861 +20%)
•3月20日: 12,612 (+1,617 +15%)

外出禁止と店舗の封鎖を境に増加率が明らかに減少している。このまま行けば10%台が定着しそうである。

結論

ここまで厳密に数字を見ていけば今後の動向もある程度明確に見えてくるというものだろう。上手く行けばフランスでは4月の前半には流行状況が収まり始めるかもしれない。ドイツなどの近隣国ではもう少し遅れて4月の半ばか国によっては4月の後半だろう。

金融市場にとって一番重要なアメリカだが、流行がヨーロッパなどに追いつき始めているのは幸か不幸か、早く流行れば封鎖措置が早く行われ、早く収まることになる。フランスやドイツよりも封鎖措置が少し遅いと仮定すると、やはり4月の後半頃だろうか。

これが投資家にとって吉報なのかどうかは分からないが、株式市場が最悪期に到達するまであと1ヶ月ぐらいだろうということである。ここでは1月の頃からピークは4月前後だと言い続けているが、現時点でもその予想は変更する必要がなさそうである。

流行がピークに達した後株価がどうなるかということについては、債券市場の問題が悪化しなければ流行ピークは株式の買い場だという1月からの予想をキープすることが出来る。

その場合は基本的には売り叩かれたものを買ってゆくことになる。どの銘柄を買うべきかということについては下落前に紹介した以下の銘柄も参考になるかもしれないが、基本的には全く別の銘柄を今後紹介してゆくつもりである。

•新型肺炎関連銘柄: 国内感染拡大で下落する個別銘柄はどれか (2020/2/17)

しかし問題はやはりドル相場と債券市場である。これらの市場が嫌な動きを見せていることは説明した通りである。

•ドル円上昇が示す世界的倒産ラッシュの可能性
•新型コロナ株安、長期金利の動向を2018年世界同時株安と比較する

こうした問題は封鎖措置が長引くほど深刻となり、世界的な債務危機にもなりかねない。逆に封鎖措置が短期間で奏功すれば特に問題にならずに終わるだろう。

そうしたことも含めて新型コロナ相場をこれからも解説してゆく。投資家としてはなかなか興味深い1ヶ月になりそうである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9216

252. 中川隆[-13608] koaQ7Jey 2020年3月22日 09:21:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1296] 報告
平野憲一の株のお話 2020.03.22 コロナと同じくマネーも増殖しています。


 トランプ政権の1兆ドル経済対策は、一気に2兆ドルに拡大するようです。各州の移動制限はまさに「戒厳令」です。第2次世界大戦でもハワイ以外の本土にはまったく被害がありませんでした。多発テロも米国人にとってはショックでしたが、経済被害は微々たるものでした。しかし今回アメリカ経済の3割が休止(日経)とは、空爆され3割の国土が火の中にあると言った感じです。アメリカ史上最大の危機と投資家が感じても不思議はありません。

 伊藤忠が米国不動産ファンドを立ち上げました。行き場をなくしたマネーの受け皿と言う事で、次の展開を考えての戦略で、さすがは商社と言ったところです。コロナウイルスと同じようにマネーもどんどん増殖しています。いずれインフレになると思います。不動産も良いですが、まずは株でしょう。

 筆者が今まで経験した大きなショック安は、1973年第1次オイルショック、1987年ブラックマンデー、1990年平成バブル崩壊、2000年ハイテクバブル崩壊、2008年リーマンショック、2011年東日本大震災ショック、2016年チャイナショックですが、その他中規模な下落を数えると十指に余り、ある程度の規模の下落は、かなり頻繁に起きている事になります。そのたびに株式投資から手を引く方も沢山見てきましたが、多くの方は今まで市場に留まって投資を楽しんで(又は苦しんで)います。そういう方々は下げた時、あきらめないで我慢した方たちでした。あるいは安く買えると喜んだ方たちでした。

 今回のコロナショックは人知を超えているかに見えますが、市場は人が作っています。過去の下げと変わりません。

 1ヶ月前には予想もしなかったレベルに下がった為、東証一部全銘柄の配当利回り加重平均は3%を超えました。4%を超える配当利回りの優良株も多くあります。5年タームで考えると予想もしないレベルまで下がった優良株(広い意味で)が、あと更に20%下がっても実損は無いと言う事になります。箪笥の引き出しからお金を出して投資資金を継ぎ足すタイミングではないかと思います。株だけでなく、原油先物、金先物、債券先物の下げを見ると、今多くの投資家は先を争って現金化を急いでいます。同じことをやっていて良いのでしょうか。
http://kasset.blog.fc2.com/

253. 中川隆[-13550] koaQ7Jey 2020年3月23日 08:19:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1354] 報告
「新型コロナ暴落」で個人投資家が取るべき行動
「過去の暴落とは別物」と見なすべきなのか

平野 憲一 : ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト 2020/03/23
https://toyokeizai.net/articles/-/338858

トランプ大統領は「最大2兆ドル規模」の経済対策を表明した。23日以降の株式市場はどう動くだろうか(写真:AP/アフロ)

2019年10月の消費税増税実施の際、安倍晋三首相は「リーマンショック級の事象が起きない限り、予定通り実施する」と念を押して、増税を強行した。
新型コロナ対策の「小出し」は避けよ

だが、まさに、そのリーマンショック級の事象が起きたのだ。その意味で言えば、消費税は元に戻すのが道理と言える。しかし、人の動きを止めている今、経済効果やシステム変更による現場の混乱を考えると、現実的ではない。

再び、2008年のリーマンショック時に行われた現金給付が取り沙汰されている。あの時は1万2000円だったが、実は筆者はもらった記憶がない。一方で、辞退した記憶もないので結局はもらったと思われる。つまり記憶に残っていないのだ。ここは記憶に強烈に残り「もらった実感」もわくように、10万円は欲しいところだ。

額の多寡などはさておき、「リーマンショック級の激震への対策」が必要なのは論を待たない。2008年秋以降を振り返ってみると、米リーマンブラザーズが9月に破綻した後、当時の政権は同10月に「生活対策」、同12月に「生活防衛緊急対策」と、矢継ぎ早に対策を出したはずだった。

だが、小規模対策だっただけに、まったくと言っていいほど効かず、翌2009年4月の経済危機対策でようやく底打ちを示したように、「様子を見ながらの対策」では効果がない。政策は1度に出すべきだ。当時は総事業費130兆円(財政支出30兆円)がトータルの数字だったが、今回も、この規模の対策を出せるかと市場は疑心暗鬼だ。

1つの希望は、当時、この小出しの政策を出したのは麻生内閣だったことだ。このときの経験を生かせるか。世界の政権中枢メンバーでリーマンショックを知っているのは、今や日本の麻生太郎財務相などわずかだ。

まさか麻生財務相のアドバイスを受けたとは思えないが、米トランプ政権が当初打ち出した「1兆ドルの経済対策」は、「最大2兆ドル」(約220兆円)に倍増される模様だ。現在、各州の移動制限措置はまさに「戒厳令」のような状態だ。第2次世界大戦下でも、ハワイ以外の本土にはまったく被害がなく、2001年の同時多発テロも、アメリカ人にとっての精神的ショックは大きかったが、経済的被害は今から考えれば限定的だった。

しかし今回は「アメリカ経済の約3割が事実上の休止状態(大手新聞)」とは、「さながら、3割の国土が火の中にある」と言った感じで、トランプ大統領が自身を「戦時下の大統領」と言う所以だろう。投資家が「アメリカ史上最大の危機」と感じても不思議はない。

また、ここへ来て伊藤忠商事が米国不動産ファンドを立ち上げるという。「緩和によって行き場をなくしたマネーの受け皿」ということで、次の展開を考えての戦略だ。「さすがは商社」と言ったところだが、これだけ世界的追加経済対策が多発すると、新型コロナウイルスと同じように、マネーもどんどん増殖していく。つまり、いずれはインフレになると考えられる。不動産も良いが、まずは株ではないか。


ショック時に株式投資を諦めるな

筆者が今まで経験した大きなショック安は、1973年の第1次オイルショック、1987年のブラックマンデー、1990年の平成バブル崩壊、2000年のハイテクバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災ショック、2016年のチャイナショックなどだ。これらのほか、中規模な下落まで数えると十指に余り、ある程度の規模の下落は、かなり頻繁に起きていることになる。

そのたびに失望し、株式投資から手を引く投資家を見てきたが、一方で多くの投資家は今でも市場にとどまって投資を楽しんでいる(あるいは苦しんでいる)。こうした投資家たちは「下げた時、諦めないで我慢した人たち」であり、「安く買えると喜んだ人たち」だった。

今回のコロナショックは人知を超えているかに見える。だが、市場は人が作っており、過去の大きな下げと本質的には変わらない。

今回の救いのひとつは配当利回りだ。株価が1カ月前には予想もしなかったレベルに下がった結果、東証1部全銘柄の配当利回り加重平均で3%を超えた。4%を超える配当利回りの優良株も多くある。

つまり、5年の期間で考えれば、4%の配当がもらえる優良株は、配当が変わらないとすればだが、さらに(4%×5年=)20%下がっても、事実上実損はないということだ。筆者は、箪笥の引き出しからマネーを出して投資資金に継ぎ足すタイミングではないかと思う。


政策の効果が出るのは意外に早いかもしれない

もちろん、新型コロナの影響で減配なしとは言えず、すべての銘柄にあてはまるわけではない。だが、ここからもう大きく売られる可能性は少ないと見る。

昨年3月の日経平均株価の配当落ちは180円ほどだった。今週はその配当の権利が付いている最終週だ(3月末が権利確定日なら、最終日は27日)。今、価格を下げているのは株式や原油先物だけではない。安全資産とされていた金先物や債券先物も下げている。パニック状態の中で、今多くの投資家は先を争って現金化を急いでいる。同じことをやっていて良いのだろうか。

日米の対策の比較をしたが、例えば、イギリスは当面、レストラン、パブ、ジム、映画館その他全ての事務所の閉鎖を命じ、その間の従業員の賃金の80%を政府が肩代わりするという。

このように、次々に新しい政策が繰り出され、個人の人権が強い自由主義国家では難しいと思われていた都市封鎖や、戦時中のような戒厳令的行動制限が容認され、世界的に危機意識が共有された。結果が出るのは意外に早いのではないか。

254. 中川隆[-13383] koaQ7Jey 2020年3月24日 19:26:20 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1521] 報告

新型コロナ株安動向予想: 流行減速で株式市場は上昇する2020年3月24日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9386

新型コロナウィルス肺炎が世界的流行となりアメリカとヨーロッパを席巻している。株式市場は暴落しているが、一方でヨーロッパの感染者数はピークに近づいている。

•新型コロナ、米国の感染者数急増止まらず ヨーロッパはピーク近し

新型ウィルスの流行がピークに達すれば株価の下落も止まるだろうかというのが投資家にとって最大の問題である。これは難しい問題だが、こうした問題を考える最適の方法は恐らくジョージ・ソロス氏の再帰理論だろう。今回の記事では彼の再帰理論を使って株安の今後の動向を予想してみたい。

ジョージ・ソロス氏の再帰理論

ジョージ・ソロス氏はヘッジファンドマネージャーとしてもっとも著名な人物であり、現代のヘッジファンドの形態は彼のクォンタム・ファンドを元型としている。レバレッジを使って買いと空売りの両方を行い、自分と顧客の資産を運用する形態というのは当時は彼のファンドだけだったのである。

そのソロス氏が自分の投資理論を説明した『ソロスの錬金術』という本があり、そこでは彼がバブルの発生と崩壊を予測するのに使っている再帰理論という理論が説明されている。

再帰理論とは相場におけるトレンドとトレンドが互いに強化しあうことよってバブルが発生し、またバブルの崩壊も同じようにトレンド同士の自己強化プロセスによって発生するという理論である。

この再帰理論を用いれば、止めることのできるバブル崩壊と止めることのできないバブル崩壊を見分けることができる。そして今回の新型コロナ株安は恐らく前者である。今回の記事は長くなるが、まずはこの2つの種類のバブルについて実例をもって説明してみたい。

サブプライムローン危機の場合

止められなかったバブル崩壊の最近の例は2008年のサブプライムローン危機である。

•リーマンショック時における米国株、政策金利、住宅価格の推移

当時の市場は低金利によって株式市場も不動産市場も好調だった。特にアメリカの住宅市場はローン金利が下がったことで誰もが家を持ちたがり、住宅価格は右肩上がりとなっていた。つまりはこういう状況である。

•金利低下 -> 住宅価格上昇

住宅価格が常に上昇するため、ローンを借りて住宅を買った人も買った家を高値で売れば楽々ローンを返せる状況にあった。こういう状況を受け、住宅ローンの債権を証券化したモーゲージ債は高騰、金利は低下していった。

モーゲージ債の中でも信用の低いローンを集めたものはサブプライムローンと呼ばれたが、信用の低い借り手も価格の上昇した住宅を高値で売ればローンを返せる状況にあったため、サブプライムローンの金利は低下した。低下したローン金利が更なる住宅購入を呼んだため、このトレンドは自己強化的なトレンドとなった。

•金利低下 -> 住宅価格上昇 -> 金利低下

こうした自己強化的なトレンドのことを再帰理論では再帰的と呼ぶ。このような再帰的なトレンドは止めるものがなければ際限なく互いを強化し合い、行き着くところまで行ってしまう。それがソロス氏の再帰理論である。

しかし長引く低金利により経済が過熱していったことで中央銀行は金利を上げていった。バブル状態となっていた住宅市場は金利上昇に敏感に反応した。

•金利上昇 -> 住宅価格下落

住宅価格が下がり始めると、サブプライムローンの問題が明るみに出始めた。安心安全と思われていたサブプライムローンがデフォルトし始めたため、低下していたサブプライムローンの金利は本来の適正な金利に戻り始める。

•金利上昇 -> 住宅価格下落 -> 金利上昇

すると低金利で住宅ローンが借りられなくなり、住宅の購入者が減って住宅価格はますます下落した。今度は逆方向の再帰的な自己強化トレンドである。金利が上がるほど住宅価格が下がり、住宅価格が下がるほど金利が上がってゆく。

特にサブプライムローンの下落は手の付けられないものとなり、それを元にして作られた金融派生商品を大量に保有していた世界中の銀行が破綻し始め、そこから世界的な景気後退と繋がることになる。

•住宅価格下落 -> サブプライムローン下落 -> 銀行破綻 -> 景気後退

当時、中央銀行は利下げを行ったが、この状況を止めることが出来なかった。低金利が住宅価格下落に効かなかったからである。

•金利低下 -> 住宅価格下落を止められず

それは利下げが住宅市場に作用するまでにタイムラグがあるからである。債券市場や株式市場であれば金融政策にすぐに反応するだろう。しかし利下げはまず長期金利を低下させ、低下した長期金利が住宅ローン金利を低下させる。そうして消費者が家を買うことを考えて初めて利下げの効果が表れることとなる。

実際には低金利の効果が実体経済に出始めるまでには3ヶ月ほどかかることになる。しかし暴落する住宅市場は3ヶ月もあれば値を大きく下げてしまう。

つまり、2008年の金融危機は住宅市場という実物資産の市場でバブルが進んだために即効性のある対策を打つことが出来ずに起こったということになる。下落の原因となっているトレンドが止められないものである場合、バブル崩壊も止められないということである。2008年の例では以下のトレンドを止められなかったということになる。

•住宅価格下落 -> モーゲージ債下落 -> 銀行破綻 -> 景気後退

2018年世界同時株安の場合

では次は逆にバブル崩壊を止められた例を同じように再帰理論によって見てゆきたい。2018年の世界同時株安である。

•世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2020/10/18)

リーマンショックの続きにもなるが、2008年以降の株価の上昇は中央銀行の量的緩和と低金利政策によって支えられてきた。これは10年来の長いトレンドである。

•金利低下 -> 株価上昇

しかしアメリカ経済が好調だったことで2018年にはアメリカは金融緩和を止め、それを巻き戻す利上げと量的引き締めを行っていた。トランプ相場の好景気もあり、長期金利は上がっていった。

株式市場は当初は気にしない素振りを見せていたが、当時筆者はその危険性を警告し続けていた。

•バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)

そして株価は2018年末に急落することになる。

つまりはこういうことである。

•金利上昇 -> 株価下落

株価が20%以上下落する中、パウエル議長は当初金融引き締めの継続にこだわったが、年末の下げでついに降伏、量的引き締めの停止と利下げを行うことになった。

周知の通り、バブル崩壊はこのパウエル議長の判断で収まっている。何故収まったかと言えば、バブル崩壊の原因となっていた金利上昇というトレンドが中央銀行によって除去可能だったからである。何故ならば中央銀行自身が原因だったので、彼らはそれを自分で取り除くことが出来たのである。

•金利低下 -> 株価回復

つまり、金利上昇が原因となったバブル崩壊はその原因を取り除くことで防ぐことができた。2008年とは違い、トレンドの原因を取り除くことができるバブル崩壊は防げるのである。

現在の状況

さて、では新型コロナ株安の今の状況はどうだろうか。問題となっているのは流行拡大によって飛行機が飛ばなくなり、ヨーロッパなどでは生活必需品を除いて店舗の閉鎖が行われている国が多いため、企業の売上が一時的に大幅に減少していることである。

•流行拡大 -> 売上減

売上が減ると利益が減るため、株価が下落する。また企業の資金繰りが悪化するため信用が悪化、金利を上げなければ借金ができなくなり社債の金利は上昇(価格は下落)している。

•流行拡大 -> 売上減 -> 株安、社債安(金利上昇)

金利が上がれば企業にとって借り入れコストが増えることとなり、また借り換えができなくなる企業も出てくる。これまでの低金利で本来ならば破綻している零細企業が借金を借り続けることで生きながらえてきたのが破綻の危機に貧しているのである。そうした企業の破綻が懸念されることで社債の金利は更に上がることになる。

•社債金利上昇 -> 企業の破綻懸念 -> 社債金利上昇

これは再帰的な自己強化のトレンドである。これが信用の低いジャンク債が暴落している理由である。

ジャンク債の暴落は新型コロナ相場の一番直接的で一番根深い問題と言える。あまりに多くのゾンビ企業が低金利で生きながらえてきたため、これが深刻化すると金融危機に繋がる可能性がある。それはドルの急激な上昇にも表れている。

•ドル円上昇が示す世界的倒産ラッシュの可能性

さて、しかし新型コロナ株安は本来下がって上がる相場である。売上の減少は一時的なものに過ぎず、来年になれば新型ウィルスのことなど皆忘れている。今となっては悲観的な人々が多いかもしれないが、そうした悲観には2月始めのレイ・ダリオ氏の言葉を贈りたい。

•中国新型ウィルス、世界最大のヘッジファンドの投資戦略


一般的にはこうした一生に一度のレベルの災害はまず最初に過小評価され、そして状況が進むにつれて過大評価される。

しかしそれはこのジャンク債暴落による倒産ラッシュが深刻化しなければの話である。よって今の相場の問題はジャンク債暴落トレンドが止まるか止まらないかの問題ということになる。つまりは社債の問題である。トレンドの流れをもう一度引用しよう。

•社債金利上昇 -> 企業の破綻懸念 -> 社債金利上昇

そして社債金利上昇のそもそもの原因はこういうことであった。

•流行拡大 -> 売上減 -> 株安、社債安(金利上昇)

よってこの問題はソロス氏の再帰理論によれば流行拡大が止まるか止まらないかという問題に帰着するのである。そして流行が止まるかと言えば、少なくともヨーロッパでは状況が反転しそうである。

•新型コロナ、米国の感染者数急増止まらず ヨーロッパはピーク近し

アメリカがそれに続くのも時間も問題だろう。よって今回の株式と債券の下落トレンドは止めることのできない再帰的トレンドではない。したがって株式市場も債券市場も流行減速で回復するという結論になる。止まらない暴落には止めることのできない原因があり、今回のトレンドはそれに当てはまらない。

まとめ

すべてのリスクについて長らく考えていたが、こういう結論になった。久々に中央銀行の動向予測以外の仕事をしたように感じる。世界中の中央銀行が弾切れになった後の世界とはつまり、中央銀行が株価を操作する前の世界に相場が戻ったということである。それは後々量的緩和バブルの本当の崩壊を引き起こすが、それについてはこの相場を上手くさばいてから書くことにしたい。

現在の状況は投資家にとって判断が難しい状況だが、このように整理して考えると突破口が見えてくる。こうした状況を綺麗に説明できる理論はなかなかないが、ソロス氏の再帰理論は今の状況にふさわしい道具であると言えるだろう。

『ソロスの錬金術』について個人的に残念なのは、世界屈指のファンドマネージャーであるジョージ・ソロス氏が自分の投資理論を本にまで書いて説明してくれているというのに、それを真面目に読む人が金融業界にもあまりに少ないということである。宝石が落ちていても誰もそこに目を向けない。市場でもそういう場面にしばしば出会う。今の原油相場も同じようなものだろう。

•原油価格暴落をめぐるロシアとサウジアラビアの戦争

あるいは下落前の新型コロナ相場も同じようなものだっただろうか。

•新型肺炎関連銘柄: 国内感染拡大で下落する個別銘柄はどれか (2020/2/17)

価値ある銘柄がタダ同然で落ちていても誰も買わないし、価値ある本が簡単に入手できるとしても誰も読まないのである。しかし結局はそういうものなのではないか。

道端に落ちている1万円札が本物かという話がある。経済学ではそれが本物ならば誰かが拾っているはずだから偽物に違いないと言う。しかしわたしに言わせれば道端に落ちている価値あるものは本物である。大多数の人はそれを拾わないからである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9386

255. 中川隆[-13171] koaQ7Jey 2020年3月31日 09:23:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1735] 報告

ヘリコプターマネーはインフレをもたらすか2020年3月31日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9767

新型コロナウィルスの世界的流行によって各国政府は経済対策を考えているが、その中には国民に直接現金を配るいわゆるヘリコプターマネーが含まれている。米国では既に法案が議会を通りトランプ大統領によって署名され、1人あたり1,200ドル(所得制限あり)が配られることが決定している。

経済政策とデフレ

投資家として考えなければならないのはその経済的影響である。これまでどんな経済政策も先進国をデフレから脱却させることはできなかった。以下はアメリカの物価成長率である。

しかしその間中央銀行は紙幣を印刷し続けている。中央銀行が作り出した貨幣の合計、つまりマネタリーベースのチャートは次のようになっている。

マネタリーベースは1980年から25倍程度になっているが、中央銀行が作り出した貨幣の総量はそのまま銀行口座に入っているお金の総量ではない。市中の銀行もまた預金者の口座に入っているお金を別の人に貸すことによって同じお金を複数の人の口座に入れ、口座残高の合計を増やすことができるからである。

銀行の増やしたお金も含めた世の中にあるお金の総量をマネーストック(マネーサプライ)と呼ぶが、このマネーストックの伸びは次のようになっている。

こちらが口座残高の実態に近い数字であり、1980年から10倍程度というところである。

つまり、マネタリーベースを増やしてもマネーストックはそれほど増えていないということになる。中央銀行が刷ったお金が現金として銀行口座の中に入っていないということである。

では何処に行ったのかと言えば、それは株式市場や不動産市場、債券市場などに行ったのである。消費に使うための銀行口座にそのお金はなく、お金があっても使わないので投資に回されているということである。これがこれまで金融緩和がインフレをもたらさなかった理由である。

何故消費に回らないのか

世の中の多くの人々はこの現象に首を傾げるかもしれない。中央銀行がお金を刷ってくれているのに誰もお金を使わないのはどういうことか。中央銀行が好き勝手に紙幣を印刷してもハイパーインフレにならなかった理由がそこにある。それは貧富の差である。

政治家と中央銀行家は経済活性化のためと言いながら、実際には所得の移転装置に過ぎない量的緩和を長年行なってきた。中央銀行による資産買い入れは資産を持っていない人から持っている人に所得を移転する政策である。紙幣印刷はそれ自体では実体経済に影響を及ぼさず、単にその影響を受ける人の口座残高を増やすだけの政策なのだから、それは単に所得を移転する装置に過ぎないのである。

大変奇妙なのは、そういう政策が資産をほとんど持っていない人々に支持されたことである。それはさておき、それがハイパーインフレに繋がらなかったのは、ドラッケンミラー氏が指摘する理由を除けば資産を持っている層が資産を使わない人々だからである。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

富裕層の消費性向

富裕層は基本的にお金を使わない。金額で言えば中間層より大きい消費をしているかもしれないが、それでも彼らの資産総額のごく一部を使っているに過ぎない。そのほとんどは投資に回されており、消費には回されていないのである。

たまには絵画やヴァイオリンなどを買うかもしれないが、それも消費されるものではない。資産が別の資産に入れ替わるだけのことである。ところで彼らは何故ヴァイオリンを買うのだろう。わたしの知っているヴァイオリン保有者のほとんどはヴァイオリンを弾けない人々である。

ともかく彼らのお金のほとんどは投資に回され、消費に使われることがない。彼らは自分でも何故自分が口座残高を増やし続けているのかが分からないのだが、たまに絵画などを買ってみてもその不思議な問題に片がつくことはない。それはともかく、結果として中央銀行の印刷し続けた紙幣はインフレにそれほど影響を与えてこなかった。それは証券口座内の数字としてだけ立派に存在し、お金を儲ける能力はそこそこあった人々の自尊心をくすぐる程度の役にしか立っていなかったのである。

ヘリコプターマネーと物価上昇

しかしマネタリーベースの上昇がインフレの上昇に繋がらなかった理由がこうした貧富の差によるものであるならば、ヘリコプターマネーは別の話ということになる。何故ならば、それは貧困層や中間層に直接現金を渡すからである。

彼らは少なくとも富裕層よりはお金を消費に回しやすい人々である。そうなればいよいよ紙幣印刷はインフレをもたらすのだろうか? ガンドラック氏によれば、そうはならないということになる。

•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判


理論上、借金漬けの消費者にヘリコプターマネーを行なっても借金返済に使うだけだ。

しかしこれはアメリカの話である。アメリカ人はクレジットカードの仕組みを理解するだけの頭がないので、彼らはクレジットカードの支払い額を全額支払える場合にも一部だけを支払って残りを来月に残してしまう。経済学的には意味が分からないが、筆者はこういうアメリカ人に多数出会ったことがある。金利の利払いが馬鹿にならないということが分からないのである。

ともかく、こうしてアメリカではクレジットカードの支払いというローンを抱えている人が多いのである。

では日本ではどうだろうか? 日本人はアメリカ人ほど借金をしていない。彼らは消費に使うだろうか? 貯蓄に回すかもしれない。しかしそれはヘリコプターマネーが1回きりであればの話である。

かつては非伝統的手段と呼ばれていた量的緩和もついに無制限ということになったように、ヘリコプターマネーも今後10年で無制限にならないとは言い切れないのである。

•米国、量的緩和の無制限化を発表も米国株は下落

正気の沙汰とは思えないが、正気の沙汰ではないからこそあらゆるシナリオを分け隔てなく検討してゆく必要がある。

今回の新型コロナウィルスによるヘリコプターマネーはその前哨戦として経済学的に興味深い実験となるだろう。インフレになるだろうか、デフレになるだろうか? 特に閉鎖措置の影響で工場が閉まるなど供給側に制限がかかっている状態で需要を無理矢理喚起するということを念頭に置かなければならない。それでもデフレになるのだろうか?

どちらに転んでも儲ける方法のある投資家だからこそ余裕でいられるが、ほとんどの国民にとっては自分の人生をサイコロにされているようなものなのだが、量的緩和でも気にしなかった人々がそれを気にすることはないのだろう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9767

256. 中川隆[-13030] koaQ7Jey 2020年4月09日 10:28:20 : a5eHrddNZM : WlhULzcuUTlLR2M=[3] 報告
2020年04月09日
各国GDP軒並みマイナス20%以上、日本もマイナス25%予測


民間活動が止まった分を政府が支出しないとGDP半減も起こりえる


欧米はGDPマイナス20%以上

新型ウイルスの影響が経済統計にも現れ始め、GDPに深刻な影響が出ると予想されています。

アメリカ議会は4月3日までに、20年4月から6月GDPが率換算でマイナス28%以上に落ち込むいう予想を示した。

率換算28%だと3か月で-9%台ということで、7月からすぐにプラス回復すれば-9%より良い数字になる。


ドイツの主要シンクタンクは同4月から6月のドイツGDPが9.8%縮小する見通しを示した。

年率換算すると-39.2%という事なのでアメリカの年率-28%よりかなり悪い予想になっている。

もっともアメリカは最悪の場合GDP半減という予想をしているので、コロナの拡大が続けば-50%もあり得る。


フランスは1月から3月GDPが6%減つまり年率換算で-24%と予想され、4月から6月も悪化すると見られている。

日本はゴールドマン・サックスの予想で4月から6月GDPが年率で-25%、四半期だと-6%と予想している。

日本は消費増税後の2019年10月から12月GDPが年率換算で-7.1%、四半期で1.8%減となった。


消費増税でマイナスになった上さらに-6%が2回続くと、19年9月と比べて日本のGDPは14%減少する。

これを経済対策で補うには政府が40兆円程度財政支出し、民間が同じ程度支出してやっとゼロ成長になる。

安倍首相が4月7日に表明した緊急経済対策の財政支出は16.8兆円、消費増税時と合計しても20兆円に過ぎない。

日本と中国も大打撃を受ける

これだと日本のGDPは19年9月時点と比べて20兆円程度縮小するので、年間で4%程度マイナスになる。

マイナス4%はコロナが半年以内に収束し、GDPへの影響が一定以内に収まった場合です。

アメリカやイタリア並みにコロナ感染者が拡大するとGDP半減などの事態が予想される。


各国は経済的ダメージを抑えようとアメリカの220兆円を始めとして欧州各国は数十兆円の経済対策を表明している。

金額の大小を比較しても各国で中身が違うのであまり意味がないが、実施してもかなりの打撃があると思われる。

欧米投資会社やシンクタンクは中国のGDPがどうなるかを予想していないが、予想すると中国が猛反発するからでしょう。


かといって「偉大なる中国はV字回復でプラス成長する」とも書きにくいので予想しない。

その中国のシンクタンクはGDP成長目標を中止するべきだと主張していて、政府内にそうした主張があるのを伺わせる。

共産主義国家の目標は資本主義国とは違い達成できないと犯罪になり、軽くて降格、重ければ極刑になる。


だが経済目標が5%だったら実際はマイナス50%だたっとしても「プラス5%だった」と責任者は発表します。

そう言わないと罰せられるからで、GDP目標がある限り省や市や経済担当者は「目標を達成した」としか言いません。

今年の中国が一体どんなGDPを発表するかは見ものです。

http://www.thutmosev.com/archives/82648930.html

257. 中川隆[-13252] koaQ7Jey 2020年4月10日 16:09:01 : sfbpU46eAE : ZG5QWVdwY0dyRG8=[-15] 報告

ジム・ロジャーズ氏: 新型コロナ株安はまだ終わっていない2020年4月9日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9989

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを創業したジム・ロジャーズ氏が新型コロナウィルスによる下落相場はまだ終わっていないと主張している。下落予想もそうだが、それよりも面白い観点もあったのでここで紹介したい。

新型コロナ株安

2月以来、株式市場は新型コロナウィルスによる都市封鎖の影響で暴落してきたが、3月末からその下げ幅の半分程度を取り戻そうとしている。

その背景にはアメリカとヨーロッパにおける流行状況の改善がある。イタリアでは既に流行はピークを超えている。

•新型コロナ感染者数、アメリカでもピーク近づく 株安相場の終焉か

しかしロジャーズ氏は株安はまだ終わっていないという。彼はBarron’sのインタビューで次のように述べている。


市場にとって最悪の瞬間はまだ来ていない。経済へのダメージは世界どこでも深刻だ。経済は深刻な景気後退に陥る。まだ終わっていない。

さて、どうなるだろうか。株価がもう一度下落すると予想している投資家には他に債券投資家のガンドラック氏がいる。ガンドラック氏は新型コロナ相場を空売りして儲けたそうだが、彼の予想はもう一度当たるだろうか。

•ガンドラック氏: 新型コロナ株安はもう一度底値を更新する

ドル上昇予想

ロジャーズ氏は他にドルの上昇予想をしている。


下落相場になると人々は安全資産を求める。ドルは安全資産ではない。アメリカは莫大な負債を負っている。しかし多くの人がそれを安全資産だと思い込んでいる。だからドルを保有している。ドルは上がり、バブルになるだろう。

ドルが安全資産としてバブルになるというのは前回紹介したレイ・ダリオ氏の観点に似ている。ダリオ氏によるとドルは準備通貨としてバブルの状況にあり、それはいずれ崩壊するという。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

また、テクニカルな話で言えば新型コロナによる金利高によってアメリカ国外の多くの事業者が借金を借り換えられなくなり、ドル建ての借金返済を余儀なくされていることがドルを押し上げている。

•ドル円上昇が示す世界的倒産ラッシュの可能性

個人的には現在ドルをトレードしておらず、ドルの値動きは上に書いた意味で新型コロナ相場で借金の行方がどうなっているかを測るためにモニターしている。ドルが上がりすぎればクレジット市場が不調だということである。

金と銀と砂糖

しかしロジャーズ氏のインタビューで一番面白かったのは次の部分である。


金と銀も保有している。あとは砂糖だ。砂糖は史上最高値から75%か80%も下落している。何があっても人が砂糖を使うのを止めることはないだろう。投資機会は何処にでも転がっているのである。

この状況で砂糖というのはロジャーズ氏ならではの推奨だろう。ちなみに日本の個人投資家には馴染みがないかもしれないが、砂糖先物は実際にトレードできるのである。チャートは次のようになっている。

新型コロナで人が砂糖を使わなくなることはないというのは事実だろう。砂糖の買いは面白いかもしれない。

ヘリコプターマネーと砂糖

しかし個人的にはもう少し別の意味で注目している。アメリカが無制限の量的緩和を行い、アメリカと日本がヘリコプターマネーを行おうとしている中、インフレになるのかデフレになるのかということである。

ヘリコプターマネーによって人々が実際にお金を使い始めたらどうなるだろうか。お金を使い始めるというのは、つまりは現物資産と紙幣を交換するということである。膨大な負債で支えられた現在の世界経済で人々が紙幣とものを交換しようとするとき、人々は紙幣が保証するほどにはものが存在していないことに気付くことになる。「現金がゴミ」になる瞬間である。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

その瞬間はいつかは来るのだが、これまでは来なかった。しかしヘリコプターマネーがそれを引き起こす可能性は考えておかなければならない。

•ヘリコプターマネーはインフレをもたらすか

人々が実はものが足りないのだと気付くとき、投資家はどうすべきだろうか。実際に高騰するのは生活にどうしても必要になるもの、つまり砂糖などの農作物なのではないだろうか。

それが砂糖かどうかはまだ分からないが、ダリオ氏が最近考えていることは恐らくそういうことなのである。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9989

258. 中川隆[-13338] koaQ7Jey 2020年4月12日 11:52:24 : NaLPQxSvL6 : U3IwbnAxZmR6YUE=[-29] 報告

2020年04月12日
新興国の高金利通貨が下落危機、南米・アジア・韓国ウォンなど

実力より高く維持している通貨ほど下落リスクが高い

新興国通貨が下落

新型ウイルスを受けて世界経済が混乱し新興国の高金利通貨が下落している。

世界経済が混乱すると最も弱い部分に過剰な負荷がかかり、構造的破壊を引き起こすのは橋や飛行機に似ている。

地震の時は橋やトンネルの最も弱い部分が振動に耐えられず破断し、構造物全体を崩壊させる。


一時「金属疲労」という言葉が流行ったが、たった1本のボルトが折れただけで飛行機は墜落してしまう。

世界経済の弱い部分は新興国や後進国通貨にあり、もともと高すぎるレートだったら間違いなく売られる。

1997年のアジア通貨危機ではアジア諸国が高すぎる対ドルレートを設定していたため瞬時に連鎖崩壊を起こした。


タイ・インドネシア・韓国は自国通貨をドルに連動させていたが、米FRBが高金利政策に転換したためドルが値上がりしアジア通貨も連動して値上がりした。

これで3か国の通貨は高くなりすぎ、輸出産業に深刻な打撃を受けるなどして通貨レートを維持できなくなった。

自国通貨を対ドルで固定する場合、安過ぎたら保有するドルを売って自国通貨を買い、高すぎれば自国通貨を売る。


自国通貨を売ってドルを買うには自国通貨を発行すればいいが、ドルを売って自国通貨を買うには現金のドルが必要になる。

この時外貨準備が十分にあれば自国通貨を買い支えるが、保有するドルが尽きればもう買い支える手段はなくなる。

こうしてタイバーツと韓国ウォンが暴落し両国は国家破産してIMFから借りた借金を返せなくなり、国ごとIMFの所有物になった。


IMFはアメリカが創設した融資銀行なのでタイと韓国はアメリカの管理下に入った。

高金利の本当の意味は高リスク

10年後のリーマンショックでは日本政府がタイと韓国に通貨スワップでドルを供給したため国家破産は起きなかった。

現在新型ウイルスで再び新興国の通貨暴落が懸念されていて、どの国が破産するかはなってみないと分からない。

ヒントは通貨を実力より高く維持している国で、東南アジア諸国や中国韓国ロシアなどが当てはまりそうです。


日本は「不当に通貨を安く誘導している」ので超円高になる可能性のほうが高い。

アジア通貨危機を起こしたのはヘッジファンドによる空売りだったが、高すぎたから売り浴びせが成功したのでいずれは暴落していた。

アジアの時代という言葉が流行りすぐにでも先進国になるような錯覚を起こし、欧米から新興国に投資が集中した。


これらは2020年の現在もほとんど変わっておらず、アジアは今にも先進国になり中国は超大国になるような錯覚を起こしていた。

実力より高いレートを設定する「見掛け倒し通貨」は一目で見抜くことができ、それは金利を見ると分かる。

高金利通貨は実力より高く維持するため高金利を設定し、投資が集まるようにしている。


逆に実力より安いレートにしている通貨は低金利で、中でも円はマイナス金利やゼロ金利政策をとっている。

「金利」というものの意味は破産する確率と引き換えに対価を受け取るもので、リスクを買うものです。

金利10%でお金を貸すとしたら、相手が破産したり踏み倒す確率が10%で、それを引き受けることです。


高金利通貨に投資すると年利6%や8%を受け取れるが、それはその国が破産する確率が6%や8%だからです。

逆にゼロ金利通貨国は破産する確率がゼロでマイナス通貨なら破産確率はマイナスです。

結局のところ低金利通貨は絶対に破産しないので値上がりし、高金利通貨は必ず値下がりします。


結論としては世界最低金利の日本円は必ず円高になり、高金利通貨ほど円に対して値下がりします。

日本政府は金融緩和や裏介入などあらゆる手段で円高を防いでいるが、結局重力の法則には逆らえません。

http://www.thutmosev.com/archives/82677458.html

259. 中川隆[-13340] koaQ7Jey 2020年4月13日 09:53:57 : fsqm4t39Lc : b0hWUUt3RHJnVDY=[-7] 報告

ドル円に短期的な下落の兆候2020年4月12日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10042#more-10042

アメリカから中国に覇権が移るレイ・ダリオ氏の話など最近はスケールの大きい話題が多かったので、今回は短期的なドル円の現状確認である。

ドル相場の奇妙な動き

新型コロナウィルス肺炎でドル円、というかドル相場は奇妙な動きを見せている。ドル円のチャートは次のようになっている。

以下はユーロドル(ドル円とは逆で下方向がドル高ユーロ安)であり、同じように奇妙なチャートとなっている。

これは以前説明した通り、アメリカの量的緩和と利下げというドルの下げ圧力とドル建て債務の返済ラッシュによる上げ圧力が互いに争っているからである。ドル建て債務の返済ラッシュによるドル高については以下の記事で説明している。

•ドル円上昇が示す世界的倒産ラッシュの可能性

ドル円についてはこの両方の圧力がいまも続いているため、長期的には手出しをしない方針を継続している。しかし短期的に見れば注目しておくべきチャートがある。それはアメリカの実質金利のチャートである。

アメリカの実質金利とドル円

為替相場を短中期的に支配しているのは金利であり、ある通貨の金利が高くなると高金利を求めて資金が流入し、その通貨は上がる。逆に利下げなど金融緩和を行うとその通貨に投資するインセンティブが薄れ、通貨は下落することになる。

この観点で考えると、日本の長期金利はほとんど動かないようなものなので、ドル円はアメリカの実質金利に左右されることになる。金利が高くなればドル円は上がり、金利が低くなればドル円は下がる。アメリカの実質金利のチャートとドル円のチャートを並べると次のようになる。

上がれば上がり、下がれば下がる相関関係になっているが、相場が荒れ始めるとドル円がやや遅れて実質金利についていく形になっている。そして今ドル円は108円程度だが、実質金利の位置を考えれば103円程度まで下がっても良いということになる。

結論

こうした短期的な市場の歪みも捉えながら長期的な相場観を考えてゆきたい。新型コロナウィルスというダウンサイドと量的緩和やヘリコプターマネーという未曾有の金融緩和が組み合わされるとき、市場と経済には何が起こるのだろうか? 世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏は1929年の大恐慌の再来だと言っている。こうした主題についても引き続き考えてゆく。

•ヘリコプターマネーはインフレをもたらすか
•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10042#more-10042

260. 中川隆[-13276] koaQ7Jey 2020年4月15日 19:52:04 : HgktOnod6s : ZkdSQWE4ZmxFWHc=[30] 報告
コロナ危機、7月の収束を予想する投資家が65%?2020年末までの両極2シナリオとは=吉田繁治
2020年4月15日
https://www.mag2.com/p/money/911417
コロナショックは、株価から実体経済にまで及んできました。いつ収束するのか。投資家の間で主流となってきた2シナリオと2020年末までの相場予想を解説します。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)


1. 時期の予想をめぐって

メディアが分析しきれていないことに踏み込みます。今回の「米国の金融対策」では、日本とは相当に違う米国金融の仕組みを知っていなければ、意味が分からないでしょう。それについても後半で解説しています。

大都市の街路からは人が消え、コロナショックは、株価から実体経済に及んできました。戦争は知りませんが、都市はこんな感じだったのか。希代の思想家オルテガ・イガセットが言ったように、1500年の農業時代から転移した資本主義は「大都市への人の密集と国際化」でした。

原始からのウイルスは、人に寄生して生きるための変異の戦略を、DNA(RNA)にもっています。短期とはいえ、国内と国際の経済取引を生む密集がなくなった。
人は、将来を考えます。将来を想定しないと、動けない。見通しをつけるため、米国と日本のコロナショックの内容を検討します。

【株価】
MYダウは、

・1万8,500ドルの一番底から(3月23日:ピークから-37%)
・2万3,700ドル台に回復し(4月10日:ピークから-20%)

となりました。
金融市場では、心理的な安堵が広がっています。

今後、NYダウ、日経平均、FT100が上がるという安心ではなく、中央銀行のマネー増発で、急性期の金融危機がとりあえず避けられたという認識から、投資家の買い超が起こったからです。

参考:https://nikkeiyosoku.com/nydow/

日本含む世界の株価では、資本規制のある中国を除き、NYダウの動きが波及します。米ドルは、国際的な流通で60%以上を占めているからです。

拡大版地域通貨のユーロ圏を除いた、アジア(中国、日本、インド、東南アジア)、北米、南米、中東、南半球では、90%でしょう。国際通貨としては円の存在感はない。ドルに寄生して、相手国が受け取る国際通貨になるだけです。

NYダウを論じることは、世界の株価を論じることです。基軸通貨は、世界のマネーをドル買いとして吸収し、米国からは世界からのドル買いが、再投資がされる「ハブ通貨」だからです。「媒介通貨」ともいう(筆者注:米国の吸収分が1年に1兆ドルくらい多い。2020年には吸収分が3兆ドルに増えるでしょう)。

【事実をいえば……】

安倍政権の発足直前(2012年10月〜11月)、政府は、80円台から105円(2013年12月)への円安を生むため、30兆円のドル買いを、秘密裏に、郵貯・かんぽ生命等の政府系金融機関に、行わせています。

25円(30%)の円安目的の、「円売り/ドル買い」マネーが、米国系投資銀行に入って、ヘッジファンドから、2012年末から日本株の買い越し(5兆円規模)になり、日経平均が8,500円台だった株価が、1万4,000円に上がっています(2013年末)。
これが、「アベノミクスの成果」とされたのですから、内実は白々しいことでした。当時の当メールマガジンにも書いたことです。

通貨と株価の大きな変化には、いつも、資金量をもっとも大きくできる政府と中央銀行、および政府系金融機関が関与する原因があります。

コロナショックが引き起こすのは、急性期の金融・経済危機です。狭心症(経済取引の急減)が終わったあとの2021年は、まだ見通しがつかない。仮に、2021年まで続くと、間違いなく世界スケールの大恐慌になっていきます。


2. 投資家の予想(20年4月初旬の時点)

通貨投資家へのアンケートでは、以下のようになっています。
・米国の新規確認感染数のピークアウトの時期予想を材料に、20年の6〜7月までの収束を見ている人が65%
・8〜9月以降から2021年に長期化すると想定している人が25%
・残りの10%は不明

NY州のクオモ知事が外出禁止を発令したのは、3月22日でした。その直後は、NY州の確認感染数が1日5,000人から8,000人でした。2週目の1日あたりの増加は8,000人から1万人で安定し、急増の傾向はなくなっています(ただし東京は増加傾向)。


NYでは入院の増加数も鈍っています。確認された新規感染数は、グラフでは4月にはピークアウトしたように見え、8週後の6〜7月収束説が出てきたのです。

上記のアンケート結果では、NYダウが37%下落した1番底(3月23日)から回復傾向を続けると予想している人が、投資家の65%(3人のうち2人)の多数派ということです(早期収束派65%)。

6〜7月に収束しても、その後の第二波で二番底をつけると見ている人は、25%の小数派です(長期派25%)。

投資家の判断は、今後の米国の、新規の確認感染数にかかっています。あなたは早期収束派、第二波を想定する長期派のどちらでしょう。


(筆者注:メディアがいう感染数は、本当は、PCR検査したあとの確認数としなければなりません。オーストラリアで、無差別にサンプリングしてPCR検査したところ、確認感染数の2倍の感染者がいることがすでに分かっています。豪州より感染率が高い東京では、3倍から4倍でしょうか。)

注目すべきは中国の今後

中国は、国内の新規感染がほぼゼロに下がったとして、武漢の封鎖をも解き、外出・出勤・経済活動が正常化に向かっています(4月10日)。起点になったのは、習近平主席が「3月末に収束」としたことです。

中国での第一波は、2019年の12月からでした。政府が発表する新規感染では、4か月後の3月末に収束しています。現在の新規感染は、海外からの訪中客に限られるという。外出の禁止と隔離を、中国のように徹底すれば、3か月で第一波が収束するのは実証的な事実でしょう。

ただし、武漢には今も1万人から2万人、無症状または軽症の感染者がいるとトランプ大統領は言い、封鎖の解除から第二波も予想されています。

第二波がないのは、市民の60%以上が感染して(無症状は約80%)、抗体ができたときでしょう。武漢は、そうなっているかもしれない(不明)。しかし他の都市では、抗体がなく感染しやすい人が多いはずだからです。

新型コロナウイルスは、生存のために変異し人間に抗体ができても、二度かかるという報告も出始めています。そうすると、第二の波が来ます。WHOの最新の見解では、感染して抗体ができる人と、できない人がいたという。わかっていないことが多い。

初期には「DNA(RNA)に人工でしか作ることができない特徴があり、抗体はできない」という恐ろしいことをいう科学者もいましたが、それに近いような状況が出てきました。

「WHOの感染症専門家、マリア・ファンケルクホーフェ氏は記者会見で、中国上海市で行われた最近の研究から、「(回復後に)検出できるほどの抗体反応を示さなかった人もいれば、非常に高い反応を示した人もいたことが分かった」と説明した。抗体の量が少なければ、再び陽性になる恐れがある。韓国でも、いったん回復してから陽性と診断された人が111人に達した(日経新聞:4月14日:電子版)」

発生源でも、中国政府のいうコウモリか、武漢の研究所で人工のウイルスを接種されていた小動物(マウスやラット)が逃げ、外部に流出したのか、謎のままです。

収束したように見えていた北海道での感染増加もあります。世界的には、感染情報が見えない中国武漢の、封鎖解除のあとを見なければならない(4月下旬)。封鎖の解除は、医学的な見地からではなく、統治のための経済成長に気を使う習近平主席の命令で、行われたからです。

【短期収束:第二波はないとする説】

米国:確認感染数増加は2月から。4か月目は5月(→ 5〜6月に収束)
日本:確認感染数増加は3月から。4か月目は6月(→6〜7月に収束)

と予想できます。

この見方が、投資家の2/3の多数派です。このため、NYダウは1万8,500ドルの一番底(3月23日)から2万3,900ドル(4月14日)までほぼ半値の5400ドル戻しています(ピークは2万9,500ドル)。

日経平均は、日銀の株ETFの買い(1回2,000億円)を主因に、1万9,600円まで戻したのです。


(筆者注:先進国でもっとも早かったイタリアでは、まだ新規感染増加が続いています。※4月9日は610人、前日比+68人/+12%)。


【3か月先の予想に賭ける投資家】

実際に、レバレッジのかかる通貨(FX)、株(先物、CFD)、債券(先物)、原油先物の売買をしている人は、タイミングを誤れば、破産にもつながります。レバレッジ投資をしていない経済評論家やアナリストとは、材料の判断では、次元の違う真剣さがあります

米国でも、第一波の収束(5月から6月)のあとは、都市封鎖が解かれるので、9月〜10月の米国大統領選挙の前から、第二波があるかもしれないとして、買い出動してないのが投資家の25%です。


4月・5月に先物やCFD(差金取引)の売買か、現物で市場参入する人は、自分が
(1)早期収束派
(2)第二波があると見る長期化派
のどちらなのかの判断を決めていなければならない。

いち速く封鎖を解除した中国の4月〜5月の感染数の推移を見ればこれが分かります(本当のデータが公表されたとして)。

・第二波がなければ、ドル高(円安)、株価上昇
・第二波があれば、ドル安(円高)で、株価は二番底に向かう

でしょう。


性質が分かっていない新型コロナウイルスに変異があること、あるいは抗体のできない人がいることが事実なら、第二波があって長期化する可能性が高くなります。

261. 中川隆[-13178] koaQ7Jey 2020年4月18日 14:22:53 : rg4H6flUlY : TXlYZGwuUFM0Wms=[25] 報告
新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する
2020年4月17日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10224#more-10224


新型コロナウィルスの世界的流行によって景気後退が避けられないと言われている。一部のヘッジファンドマネージャーらは1929年の世界恐慌のようになるとも主張している。

しかし一方でアメリカも日本も莫大な金額を景気対策に費やすと発表しており、こうした政策が景気をどれだけ下支えることが出来るのかが興味を集めている。
そこでこの記事では非常に単純化した例えを用いることで、景気後退がどのように進んでゆくのか、そして経済対策はどれくらい効くのかを分かりやすく考えてゆきたい。


農家と映画館の経済

ここで考えるのは農家と映画館しか存在しない世界である。食料は農家が供給し、娯楽は映画しかない。新型コロナウィルスで映画館が一時的に閉まった場合、この経済はどうなるのだろうか?

まずはそれぞれ現金2万ドルを持っているところから始めよう。

0年目
農家: 現金2万ドル
映画館: 現金2万ドル

次に、通常1年あたり映画館は2万ドル食料を農家から買って消費し、農家は現金2万ドル分映画館に映画を見に行くとすると、1年目のそれぞれの資産と消費は次のようになる。農家は映画を見過ぎではないかという意見もあるだろうが、この世界には映画しか娯楽がないのである。

1年目 (GDP: 4万ドル)
農家: 現金2万ドル (消費: 映画2万ドル)
映画館: 現金2万ドル (消費: 食料2万ドル)

これが全世界の消費のすべてなので、GDPはそれぞれの消費を足し合わせた4万ドルとなる。お互いがお互いに2万ドルずつ払っているので、両方の資産は2万ドルで変わっていない。

しかし2年目にコロナショックで映画館が封鎖となり、農家は一切映画館に行けなかったとしよう。映画館には収入がないが、それでも食料は同じように2万ドル消費しなければならない。すると2年目の状況はこうなる。

2年目 (GDP: 2万ドル)
農家: 現金4万ドル (消費: なし)
映画館: 現金なし (消費: 食料2万ドル)

GDPは映画館の消費だけとなり2万ドルとなる。映画館は農家に2万ドル支払うが農家は映画館に何も支払わないので、資産総額に差が生じている。

3年目にはコロナショックも去り農家も映画館に行けるようになったが、困ったのは映画館である。何故ならば2年目に収入が無かったので手元には資金が残っていない。3年目の食料が買えないために、映画館は農家から何も買わずに台所に余っていた僅かな食料で3年目を食い繋いだとすると、3年目の経済は次のようになる。

3年目 (GDP: 2万ドル)
農家: 現金2万ドル (消費: 映画2万ドル)
映画館: 現金2万ドル (消費: なし)

コロナショックは2年目に終わったにもかかわらず、GDPが戻っていない。映画館が生活を切り詰めなければならなかったからである。しかしお陰で映画館の資産は2万ドルまで戻ったので、4年目にはいつもと同じように食料を2万ドル分買うことができた。

4年目 (GDP: 4万ドル)
農家: 現金2万ドル (消費: 映画2万ドル)
映画館: 現金2万ドル (消費: 食料2万ドル)

重要なのはコロナショックが2年目に終わったにもかかわらず、3年目のGDPも下がったままだったということである。


資産総額と消費

ここでは3年目に農家の資産が増えても消費は変わらないと仮定した。実際には農家は資産が増えればある程度消費を増やすだろう。

しかし基本的に富裕層は貧困層よりもお金を使わない。このことは政府が国民にお金を配るヘリコプターマネー政策の是非にも影響してくる。上記の例で2年目に農家と映画館の両方に現金が配られるとどうなるかを考えてみたい。まず1年目はこうなる。

1年目 (GDP: 4万ドル)
農家: 現金2万ドル (消費: 映画2万ドル)
映画館: 現金2万ドル (消費: 食料2万ドル)

そして2年目にコロナショックが起こり、農家が映画館に行けなくなったためにGDPが2万ドル落ち込んだが、その2万ドルを補うために農家と映画館にそれぞれ1万ドル、合計2万ドルが配られるとしよう。

2年目 (GDP: 2万ドル)
農家: 現金5万ドル (消費: なし)
映画館: 現金1万ドル (消費: 食料2万ドル)

上と違うのは資産がそれぞれ1万ドル増えていることである。映画館は幸いにも素寒貧にならずに済んだので、3年目に食料を少なくとも1万ドル分農家から買うことができた。

3年目 (GDP: 3万ドル)
農家: 現金4万ドル (消費: 映画2万ドル)
映画館: 現金2万ドル (消費: 食料1万ドル)

これでようやく映画館の資産が2万ドルに戻ったため、4年目には消費はもとに戻ることになる。

4年目 (GDP: 4万ドル)
農家: 現金4万ドル (消費: 映画2万ドル)
映画館: 現金2万ドル (消費: 食料2万ドル)


経済対策の問題点

ここまで読んで読者はこの経済対策の問題点がお分かりだろうか? 2万ドル分のヘリコプターマネーを行なったにもかかわらず、GDPは2年目と3年目で合計3万ドル減っているということである。前のケースではGDPの減少は合計で4万ドルだったので、2万ドルのヘリコプターマネーで1万ドルのGDP増加になったということになる。
勿論このモデルは非常に単純化されているが、重要なのは農家が渡された1万ドルを使わなかったように、同じ金額のお金を渡してもその内どれだけを消費に回すかはその人の資産総額によって違うということである。富裕層はお金を使わない。お金を使わずにどうするかと言えば、株式や債券に投資をするのである。

それでGDPが対して伸びないにもかかわらず株式市場は上昇しているのである。これだけ経済が傷んでいるにもかかわらず、世界市場でハイテク株や金相場がバブルになっていることは前回の記事で書いた通りである。金融緩和によってばら撒かれたお金はGDPを大して上げることなく金融市場に流れてゆき、資産を持っている人が更に得をする仕組みになっているのである。

米国株全体の下落をよそに20%以上高騰するハイテク株

そしてGDPは大して上がらない。そろそろ日本国民は自分がどういう政策を支持したのか分かってきただろうか。こうして金融市場に流れ込んだ資金は一部の層に利益をもたらし、そして経済をどんどん停滞に追い込んでゆくだろう。一部のファンドマネージャーらは大分前から警告していたのだが、誰も聞かなかったのである。

ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10224#more-10224

262. 中川隆[-13147] koaQ7Jey 2020年4月19日 08:13:45 : wny17rF5Xg : NXdnaUlkMDBETk0=[2] 報告

新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する2020年4月18日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10248

前回の記事では農家と映画館しかいない経済を想定することで新型コロナで消費が減速してゆく様子を簡単に説明した。

•新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する

しかし前回の記事では考慮しなかった1つの要素がある。それは借金である。

債務の実体経済への影響

前回の記事では考えなかったが、現実の世界には人にお金を借りることが可能であり、人によっては(あるいは国によっては)借金を使って無茶な消費を楽しんでいる。

今回の記事では経済の中に借金に頼って無謀な消費をする経済主体がいる場合、コロナショックがどういう影響を及ぼすのかということを考えたい。

前回と同じように農家と映画館しか存在しない経済を考える。最初はそれぞれが2万ドルを持っている。

0年目 (総資産4万ドル)
•農家: 現金2万ドル
•映画館: 現金2万ドル

前回では映画館は毎年2万ドルの食料を農家から買っていたが、今回は映画館は質素な生活をしており、1年間に食料を1万ドルしか消費しないと仮定しよう。一方で農家は娯楽の多い豪華な生活が好きで、映画鑑賞に毎年3万ドル費やしたいとしよう。消費の合計(つまりこの経済のGDP)は前回と同じで4万ドルになるだろう。

しかし農家は2万ドルしか持っていない。そこでお金を使わない映画館に頼み込んで1万ドル借金をしたとしよう。農家は1万ドルを受け取る代わりに債券を発行して映画館に渡す。将来お金を返しますという証明である。つまりこうなる。

0年目 (総資産5万ドル)
•農家: 現金3万ドル、うち借金1万ドル
•映画館: 現金1万ドル、債券1万ドル

今や農家は3万ドル持っている。一方で、映画館の方でも債券を資産としてカウントする。債券とは株式や不動産などと同じ金融資産であり、株式を買っても資産が減ったと考える人はいないだろう。債券も同じであり、よって映画館もまだ2万ドルの資産持っていることになる。

そうすると、いつの間にか経済全体の総資産が5万ドルに増えている。ここがポイントである。経済全体の資金量は貸付で増加する。そしてそれは経済のなかで貸付が減ると再び縮小する。そうするとどうなるかというのが今回の話なのである。

さて、1年目を考えよう。借金によって農家は希望通り3万ドル分映画を見ることができた。一方で映画館も農家から1万円分の食料を買い入れる。

1年目 (GDP: 4万ドル、総資産5万ドル)
•農家: 現金1万ドル、うち借金1万ドル (消費: 映画3万ドル)
•映画館: 現金3万ドル、債券1万ドル (消費: 食料1万ドル)

この経済全体のGDPは農家と映画館の消費を合わせて4万ドルということになる。前回と同じである。

しかしこれで農家の持つ現金は1万ドルになってしまった。農家は2年目も3万ドル分映画を見たいので、映画館に再び2万ドルの借金を申し込んだ。映画館はお金が余っているので、これを承諾する。すると次のようになる。

1年目 (GDP: 4万ドル、総資産7万ドル)
•農家: 現金3万ドル、うち借金3万ドル (消費: 映画3万ドル)
•映画館: 現金1万ドル、債券3万ドル (消費: 食料1万ドル)

借金が増えたことによって経済全体の総資産は7万ドルに膨れ上がった。馬鹿みたいな話だが、これは現実である。世界経済の借金総額はもう何十年も膨らみ続けている。これは実際に起こっているのである。

そして2年目にコロナショックが発生する。農家は映画館に行けなくなる。一方で映画館はいつも通り1万ドル分食料を買い入れる。するとその結果は次のようになる。

2年目 (GDP: 1万ドル、総資産7万ドル)
•農家: 現金4万ドル、うち借金3万ドル (消費なし)
•映画館: 現金なし、債券3万ドル (消費: 食料1万ドル)

GDPは1万ドルに落ち込み、質素に暮らしていたはずの映画館は現金がなくなってしまった。これでは3年目の消費ができないので、映画館は農家に貸している借金を返してもらうことにした。農家はやむなく3万ドルの借金を返済する。

2年目 (GDP: 1万ドル、総資産4万ドル)
•農家: 現金1万ドル (消費なし)
•映画館: 現金3万ドル (消費: 食料1万ドル)

3年目にはコロナショックはなくなるのだが、映画館は資金をある程度手元に置いておく大切さを学び、これまで行なっていた貸付を行わないことにした。

すると農家はもはや3万ドルの消費をすることができず、農家は3年目に映画を1万ドル分しか見られなくなる。一方で映画館はいつも通り1万ドル分食料を消費する。3年目はこうなる。

3年目 (GDP: 2万ドル、総資産4万ドル)
•農家: 現金1万ドル (消費: 映画1万ドル)
•映画館: 現金3万ドル (消費: 食料1万ドル)

3年目まで経済が落ち込むのは前回と同じである。しかし今回の問題は4年目になってもそれが回復しないことである。農家の持つ現金はいまだ1万ドルのままなので、農家は1年目のように3万ドルの消費を行うことができない。よって4年目は次のようになる。

4年目 (GDP: 2万ドル、総資産4万ドル)
•農家: 現金1万ドル (消費: 映画1万ドル)
•映画館: 現金3万ドル (消費: 食料1万ドル)

GDPは2万ドルに減ったままである。前回の話では4年目にはGDPは元に戻っていたことに着目してもらいたい。

•新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する

現金の量が前回と同じで最初のGDPも前回と同じでも、経済のなかに借金によって無理に消費を上げている経済主体がいると貸付の減退によってコロナショックの後もGDPは恒久的に下がったままになる。

現実世界に話を戻そう。新型ウィルスによる世界的な都市ロックダウンや原油暴落で売上が減少した企業や事業者が大量に出ており、一部は債務不履行に陥っている。

•原油暴落でついに米国シェール企業が経営破綻

こうした状況によって多くの人や企業が借金返済を迫られると、上で説明したように世界全体の資金総額が減り、GDPは恒久的な減速に直面することになる。

よってここから世界経済がどうなるかを考えるためには、経済全体の借金(債務)の量が減るのかどうかを考えなければならない。

リーマンショックの例

2008年のリーマンショックにおいて債務の量がどうなったかと言えば、当然ながら民間における債務の量は大幅に減少した。多くの人が借金の返済を余儀なくされたということである。

これを補うために政府は国債を発行するなどして代わりに借金を増やした。政府債務はこの期間むしろ増えている。

結果として経済全体の債務の量は増えている。

ここの読者の多くは上の農家と映画館の例を見て「自分なら農家のような無茶な暮らしぶりをするわけがない」と思ったことだろう。しかし実質的には政府を通して先進国の国民すべてがそういう生活をしているのである。個人では無茶な借金をしないにもかかわらず、選挙を通すと同じことが簡単にできてしまう。殺人は難しくとも戦争は簡単であるのと同じである。本当はやりたくともやる勇気がないことは政府にやってもらおうということである。

経済対策と景気後退

さて、そして注目しなければならないのは2008年には債務(流通するお金の量)が合計でむしろ増えたにもかかわらず、それでもGDPは下がったということである。

それは前回の記事で説明したように債務の量にかかわらず消費減速があるからであり、また政府の公共事業や今回の新型コロナの場合はヘリコプターマネーなどが経済に不均衡を生み出すからである。

•新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する

現状どういう不均衡が生まれているかは金融市場を見れば分かる。以下の記事で説明している。
•米国株全体の下落をよそに20%以上高騰するハイテク株

そして前回の記事で説明したように、不均衡はそれそのものが景気後退要因である。

さて、今回の新型コロナでは不況の規模はどれくらいになるだろうか。例えばアメリカ政府は借金を増やして2兆ドルの経済対策を行うとしている。これは現在のアメリカのGDPの10%弱にあたるが、2兆ドルを費やして経済が2兆ドル持ち上がるわけではないということは前回の記事を読んでもらえれば分かるだろう。新型コロナによる経済減速が仮にGDP10%分に相当する場合、それでも実体経済はマイナス成長になるだろう。

新型コロナによる経済減速と政府による莫大な資金投入、その結果はどうなるだろうか。今後、GDP統計を含む様々なデータが公表されることにより新型コロナの影響がより明らかになってくることになる。ここではそれらをいち早く報じ、できるだけ分かりやすく解説してゆくので楽しみにしてもらいたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10248

263. 中川隆[-13110] koaQ7Jey 2020年4月20日 07:54:38 : at6ayMU0Ck : WklkR3pzU3dhZmM=[12] 報告

世界最大のヘッジファンド: 新型コロナでデフレは続くが資産価格は上がる2020年4月19日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10297#more-10297


世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がBloombergのインタビューでインフレに関する非常に重要なコメントを述べている。

インフレと資産価格

新型コロナウィルスによる都市ロックダウンの経済への影響については色々なことが言われている。流行状況自体はアメリカでもヨーロッパでも改善する一方で、その後経済は回復するのかということが問題となっている。

•アメリカ、イギリスで新型コロナ流行ピーク宣言 欧米の先進国はほぼピークへ

実体経済が一時的な景気後退になるということは大多数が同意するところであり、その傾向は既に統計や決算に表れ始めている。

•株式市場は決算シーズン突入、新型コロナの悪影響の実態が明らかに

一方でアメリカや日本の政府は大規模な経済対策を決定しており、特にアメリカの2兆ドルの経済対策はアメリカのGDPの10%近くに達する。経済対策は景気減速を止めることが出来るのだろうか? そして物価はどうなるのだろうか。

アメリカと日本で国民に現金を配るヘリコプターマネー政策が既に決定されている。国民は配られた現金をある程度は消費に回すだろう。世界経済はインフレ率の上がらない状態を長らく経験しているが、政府が国民に無制限に現金を配ってもインフレにはならないのだろうか?

ダリオ氏の答えはそれでもデフレは続くというもののようである。彼は次のように述べている


インフレには2種類ある。1つはものやサービスの値段が上がることであり、もう1つは貨幣の価値に関するもので、ある種の資産の価格が上がることだ。

1つはものやサービスの需要と供給が逼迫していてものが不足している状態で、需給のインフレと呼べるだろう。もう1つは金融インフレである。1930年からの時代ではものに関してはデフレだったが、金融資産はインフレになった。そして通貨は下落した。通貨は別の通貨に対して下落し、更にゴールドは当時通貨として考えられていたが、ゴールドに対しても下落した。

ダリオ氏はもののインフレと資産のインフレは違うと言う。そして今はどちらのインフレが問題になっているのかと言えば、彼は次のように述べている。


これからわれわれが突入する時代は恐らく1930年から1945年までの期間(訳注:世界恐慌から戦争終結まで)に似ているだろう。この期間にはデフレ圧力があり、それは今と同じである。

正確に言えばこの時期は戦争期間を除いてアメリカではデフレあるいは低インフレとなっている。世界恐慌を受けてFed(連邦準備制度)はゼロ金利政策を採用し、ゼロ金利は戦争が終わるまで解除されなかった。ちなみに株価については1929年に高値に達し、そこから1932年まで90%下落してから上昇を再開した。

また、ダリオ氏は1980年代との類似性も指摘する。


1982年から1990年の期間も今に似ていると言える。世界的に債務が大きく、経済には資金が足りなかった。そして債務危機が起こった。状況は国によっても違った。新興国では債務が大きく、Fedの緩和の恩恵を受けることもできなかったため通貨危機が起こった。

1982年はアメリカで金利が頂点に達し、金利の下落トレンドが始まった頃である。金利低下トレンドはその後2008年のゼロ金利まで続いている。金利水準という意味では当時と今はまったく違うが、ダリオ氏の言いたいことは次の点なのだろう。


この時期はアメリカにとってはリフレの時代だった。資産価格は上がったがインフレは減速していった。

そしてダリオ氏はこう続ける。


だからインフレの種類を区別することが重要なのだ。今の状況はは需要と供給のインフレではない。ものが足りなくなるわけではない。これは金融インフレだ。金融インフレの初期には資産価格が上昇する。それはある程度金価格に織り込まれ、ある程度株価や他の資産価格に織り込まれることになる。

つまり、無制限の量的緩和やヘリコプターマネー政策などの未曾有の経済対策は金相場と株式市場に影響を及ぼすが、インフレを引き起こすわけではないとダリオ氏は予想しているのである。金相場は世界的な金融緩和を受けて上昇している。

そしてより大きな問題は現状次のようになっている株価がどうなるかである。

結論

ダリオ氏は現状が株価と金相場にプラスに働くということを明らかに示唆している。金相場はこれまでそのように動いている。一方で問題は株価の方である。

ダリオ氏は少し前のインタビューで「株価は何年も前回の高値を取り戻すことはないだろう」とも述べているのである。そこで問題となってくるのが、ダリオ氏は現状を1929年の不況の始まり(株価にとってはピークとなった)と見ているのか、1932年の株価の底値を越えた状態と見ているのかということである。例えばコロナショックの空売りで儲けたガンドラック氏などはまだ1932年に達していないと考えているのだろう。

•新型コロナ相場空売りで儲けたガンドラック氏、空売り再開

ダリオ氏はBloombergのリポーターに聞かれても株価水準について多くを述べなかった。3月からの株価反発については「不思議はない」とは述べている。

そこでやはり個人的に考えたいのは「株価は3月の底値では買える状態だった」という結論である。
•新型コロナ感染者数、アメリカで急改善 投資家は株を買い始めるべきか (2020/3/26)

株式全体の買い持ちについては筆者は既に利益確定しており、この結論は株価が既に上がってしまった今では役に立たないとも思えそうだが、実際にはそうでもない。考えるべきなのは現在相場には以下の3つの種類の株があるということである。

•新型コロナの影響を受けるにもかかわらず何の問題もなく株価が反発した銘柄
•新型コロナの影響を受けるがそれを織り込んだ安値になっている銘柄
•新型コロナの影響を受けないにもかかわらずある程度下がった銘柄

例えばAppleなどは平然と反発しているが、Apple Storeが閉まった影響はどうでも良いのだろうか。

そして株価指数が反発したからといって、すべての銘柄が既に上がったわけではない。

つまりは以下の記事で書いたように1つ1つの銘柄をしっかり分析し、しっかりと安値で掴めた銘柄については1932年の底からそれほど遠くないと思って良いのだろう。また、ハイテク株など新型コロナの影響を受けにくい銘柄も保有していける銘柄である。

•米国株全体の下落をよそに20%以上高騰するハイテク株

しかしどの株価でそれを掴むか、掴んだかということが非常に重要である。銘柄を厳選してかなりの割安水準でそれを掴まなければならない。繰り返しになるが、株を買っている読者についても持っている銘柄を厳選することをお勧めしたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10297#more-10297

264. 中川隆[-13100] koaQ7Jey 2020年4月20日 14:51:47 : at6ayMU0Ck : WklkR3pzU3dhZmM=[22] 報告

2020年04月20日
世界GDPが大恐慌以来の3%マイナス、後半も流行なら-6% IMF予測

世界GDPがマイナス3%

国際通貨基金(IMF)は4月14日、2020年の世界合計成長率がマイナス3.0%になるという予想を発表しました。

20年1月時点の予想は+3.3%とまずまずだったが一転して1929年大恐慌以来の全世界マイナス成長になる。

世界全体のGDPがマイナスになるのは第二次大戦前に遡らねばならず、今から約90年前になる。



最近ではリーマンショックによる世界経済危機が発生した2009年にマイナス0.1%になったが誤差の範囲だった。

1929年から1932年の4年間に主要国経済はマイナス16%、世界全体ではマイナス10%だったと言われている。

これはマイナス2%台が4年間続いたという事で、1年間で見れば今回のコロナショックも同じ程度マイナスになる。


1月から3月の各国GDPは中国だけが発表済みで-12.8%だがこれが1年間続くと-51.2%になりGDPが半減する。

アメリカも経済縮小が予想されていて年間GDPが5.9%前後縮小し、欧州も同様の数字が予想されている。

アメリカはリーマンショックの2009年にGDPが-2.5%だったが、コロナショックはそれを遥かに上回る。


日本は中韓や欧米ほど厳しい行動制限をしていないとは言え、マイナス成長は避けられそうもない。

IMF予測では日本は-5.2%、アメリカが-5.9%、中国は+1.2%としているが楽観的過ぎたようです。

中国は3か月間で-12.8%だったのでこれから年末までに14%も急成長しなくてはプラス成長にならない。(中国GDPはIMF予測の後の4月17日に発表された)

早期終息ならV字回復も

この予想はコロナ危機が2020年前半で収束し後半V字回復する想定なので、年後半も続くと世界GDPはマイナス6%になるとしている。

スペイン風邪のように2021年に再流行した場合は、IMFでは21年も世界全体で3%程度マイナスになるとしている。

コロナが6月までに収束すると最も良い予想のマイナス3%、年後半も続けばさらに落ち込むという予想です。


先進国はマイナス5%以上が多いが新興国の平均はマイナス1%程度に収まるとしている。

だがコロナ前の成長率が先進国で2%以下、新興国では5%以上だったので、下落幅は新興国もあまり変わらない。

世界で計8兆ドル(約870兆円)の緊急経済対策が決定したがほとんどは先進国政府が支出する。


新興国はそのようなお金を出せないので、リーマンショックでアメリカの金融緩和のおこぼれに預かったような事を期待している。

2007年から2010年にかけて米FRBは空前の金融緩和を行い世界金余りを起こして危機から脱出した。

アメリカで余った金は新興国や全世界に還流し、全世界同時好景気を引き起こした。


この10年の新興国経済は先進国や中国が世界に金余りを起こし、新興国はその分け前で経済成長した。

新興国に再びリーマンショックのような幸運があるのか、あるいはアジア通貨危機のように新興国の経済破綻も起こりえる。

http://www.thutmosev.com/archives/82741461.html

265. 中川隆[-13051] koaQ7Jey 2020年4月21日 19:21:25 : 0mSWXSkwek : Lmc3M2g0VW5abnM=[10] 報告
2020.04.21
原油価格マイナス!史上初! 通貨紙屑化の重要サイン来たーーー!
https://golden-tamatama.com/blog-entry-oil-value-minus.html


つぉぉぉぉおお。

ぇああああああああ。
何このチャート。
原油価格がぁぁあ。

初のマイナスになってしまいますた。

逆オイルショック来たー

価格がマイナスってどういうこと?
イメージつきにくいかもしれませんが。
石油買ったらお金貰えるということです。

初の原油価格マイナスを受けて
NYダウも592ドル安。

はい。
そうか。
これからガソリン価格安くなるんだ。
ワーイ(∩´∀`)∩
そんな単純な話じゃない。
もっと根本的な。。
次の段階。
そう。
これは次の段階の重要なサイン。
通貨の紙屑化。
いよいよ来る。
なぜそうなるのか。
前に書いた説明を再度載せときます。
皆さん知っての通りアメリカは借金大国ですよね。
不思議に思わないでしょうか、なんで毎年あんな借金してやってけるんだ?
毎年80兆の赤字。
輸入と輸出の差し引きが輸入が80兆も上回っている借金大国です。

えっ?
アメリカってそんなに毎年赤字なの?
だってgoogleとかappleとかfacebookとかamazonがあるじゃない。
それはアメリカのシリコンバレーの企業でしょ。
いやいや、IT企業はどっちかというと無国籍企業です。
タックスヘイブン企業。
アメリカの会社じゃぁありません。
アメリカは自動車、電気製品、食料品。
ありとあらゆるものを輸入してます。
完全輸入超過大国です。
これを個人の家計で例えるなら、支出と収入で差し引き毎年800万の赤字。
収入がちょびっとしかないのに、毎年バカスカ買い物してるキチガイ一家ってことです。
普通なら破産しちゃいますよね。
ぇえ?
なんでそれでやってけるの?
どらえもーーん。
毎年無駄遣いし過ぎて借金で首が回らないよ〜。
もうしょうがないなぁ のび太君は。

はい。
ペトロダラーシステム〜
じゃーん。

これを使えばどんなに借金をしようがやってけるんだ。
わーい(∩´∀`)∩
ありがとうカネえもーん。
そう。何度も今まで書いたことですね。
そりゃぁあんた。
米ドルが基軸通貨だからです。
アメリカはとにかく毎年米ドルを刷りまくってる。
そのため借金しようがなんだろうが、やってけるのです。
ぇ?
でも、そんなに米ドルを刷りまくったらハイパーインフレになるんじゃない?
例えばベネズエラなんて、こんなハイパーインフレになっちゃいますたよ。

いやいや。
ベネズエラの通貨ボリバルなんて誰も欲しがりません。
というか通貨名すら知りません。
そんな通貨を刷りまくったらそりゃインフレになるのは当たり前です。
でも、米ドルは世界中の人が欲しがってますよね。
だから米ドルは紙屑にならないのです。
これをペトロダラーシステムというのです。
アメリカが借金大国なのにやっていける仕組み。
米ドルが紙屑にならない仕組み。
例えばあなたが世界のどっかの国の人だとします。
そうですね。
あなたは例えば極北のアイスランド人だったとして。
ガクガクガクガク。
寒い。凍え死ぬ。
石油欲しい。
石油欲しいよ〜
そう思って、サウジアラビアさんに問い合わせる。
すみません。石油売ってくれませんか?
そうすると、1バレル70ドルですね。
そう言われる。
ドル以外では買えないんですか?
アイスランドの通貨クローナでは買えないの?
すみません。うちはドルでしか売ってないんですよ。
そう断られる。
そうですか。。。
で、しょうがないので他のイラクとかクェートとかいろんな国に問い合わせる。
でも、全部ドルでしか売ってくれないのですた。
実は原油はぜーーーんぶドルでしか買えない。
つまり、あなたは原油を手に入れようと思ったら、
まず自分の通貨とドルを交換してからそれで原油を買わざる得ないのですた。
これをペトロダラーシステムと言うのですた。
ペトロ(石油)とドルをくっつけた造語です。
ってことは普通に分かると思いますが、ドルの価値は下がりませんね。
だって、世界中の人が石油を欲しがる限り、ドルと交換したがるわけですから。
なので米ドルを刷りまくってもインフレにならないのです。
で、産油国はどんどん米ドルが貯まってきちゃいます。
当たり前ですが。
この溜まった米ドルどうしよう。
で、産油国はその米ドルをなにかで運用しようとするのですが、どこで運用するでしょうか。
実は、産油国はその米ドルで米国債を買ってるんですね。
つまりアメリカにお金を貸してあげてるのです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosugetsutomu/20180109-00080211/


https://golden-tamatama.com/wp-content/uploads/2018/03/WS20180220AZC21AGAG000611.jpg

サウジアラビアさんなどの産油国は貯まった米ドルで米国債(借用証書)を買ってるのです。

これが必殺のペトロダラーシステムです。
どらえもんの出してくれた打出の小づち。

これで借金大国アメリカは維持されているのですた。
まわりまわって価値がアメリカに還流する仕組み。
どんなに使おうが、価値が回って戻って来るのです。
はい。
ですから
原油がマイナスになった。
この意味分かりますね。
その仕組みが逆回転し始めるのです。
今まで価値が米国にまわって来たものが、
今度は米国から価値がどんどん逃げてくくということです。
米ドルは石油価格で、価値を裏付けされてきた。
でも、マイナスになったということは。
こんな紙屑、なんで引き受けなきゃならないの?
引き受けてあげてもいいけど、保管料5万円よこせ。
このようになるのです。

いや、基軸通貨ドルに重要なサイン出た。
いよいよ来た。
世界の株価は半値戻しつつある。
でもそこから真っ逆さまに。。
かなり近い。
ひじょーに近い。

https://golden-tamatama.com/blog-entry-oil-value-minus.html

266. 中川隆[-13038] koaQ7Jey 2020年4月22日 06:53:00 : 13OAtnQgho : d2VxeFFzSXBVMTI=[1] 報告


新型コロナによる世界恐慌、やはりリーマンショック級か2020年4月20日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10311


新型コロナウィルスの世界的流行によって多くの国の都市がロックダウンとなっている影響で世界的に経済活動が止まっており、これが2020年とその後の世界経済にどういう影響を及ぼすのかが懸念されているが、影響はどうやらかなり大きくなりそうである。

新型コロナ相場初期の動向

ここまでの流れとしては先ず株式市場が反応した。株価は急落し、3月後半に底値を付けて反発した。以下はアメリカの株価指数S&P 500のチャートである。

この激動の値動きを実際にトレードし続けた金融家にとっては一仕事終えたような感覚かもしれないが、重要なのは市場が実体経済の数字をほとんど何も考慮せずにここまで来ているということである。

1-3月期のGDPの発表までまだあと10日ほどあり、新型コロナの実体経済への影響は推計で色々言われてはいるが実際の数字は2、3の統計や既に発表された少数の決算を除いてほとんどまだ出ていないのである。
•株式市場は決算シーズン突入、新型コロナの悪影響の実態が明らかに (2020/4/14)

筆者はこの株価反発に乗ることができたが、それは4月までの相場が実体経済の数字を反映せずに動くという前提で進んだゲームなのである。

•新型コロナ感染者数、アメリカで急改善 投資家は株を買い始めるべきか (2020/3/26)

しかしここからはGDP統計を始め実際の経済の数値を正しく計算した市場参加者が勝つことになる。

新型コロナの実体経済への影響

では経済は実際のところどうなるのだろうか。既に出ている統計で一番経済の実態を表しているのは恐らくアメリカの小売売上高だろう。

最近発表された2020年3月の小売売上高(実質)は前年同期比7.6%のマイナスとなった。

アメリカのロックダウンは3月の半ばから始まり5月から本格的なロックダウン解除が始まる予定である。よってロックダウンによる売上減のピークは4月と想定され、その数字は恐らく15%から20%のマイナスとなるだろう。

そうなると、チャートを見てもらえば分かるがリーマンショックのあった2008年の売上減の数字(11%)を上回る減速ということになりそうである。これが経済全体にどういう意味を持つかである。

景気後退の波及ルート

売上が減るということは売り手にとっては収入が減るということである。収入が減れば貯蓄状況が悪化し、家計が生計を切り詰めれば消費が減る。

こうして売上の減少が経済全体を悪化させてゆく仕組みについては以下の記事で説明した。

•新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する

この記事は今後の経済の行方を理解する上で非常に重要なので是非読んでもらいたいが、この記事では農家と映画館しか存在しない単純な経済をモデルとして、新型コロナで映画館の売上が減少した場合に映画館の資産状況(貯蓄状況)が悪化し、それが新型ウィルスが去った後も一定期間GDPに影響を与えるということを示した。

つまり、景気後退にはまず危機による直接的影響(2008年の場合は金融危機による資金の激減、今回の場合は新型コロナによる売上減少)と、直接的影響の結果家計などの資産状況が悪化することによる2次的影響の両方があるということが上記の記事を読んでもらえれば分かるだろう。

新型コロナの直接的影響については2008年より傷は深いが影響が続く期間はより短いと見積もるべきだろう。もう一度チャートを掲載するが、小売売上高が2008年1月にマイナス成長となり始めてから11月にピークに達するまでほぼ1年ほどかかっている。一方で新型コロナの場合は3月に始まって4月にはピークに達しそうである。

急激な減少となっている新型コロナの方が事態は深刻なのかと言えば、逆である。変化が急激となる方が傷の総量は小さくなる。何故ならば、5%の売上減が1年続くよりも半年しか続かない方が年間の売上減少は小さいからである。一方で減少のピークは今回のほうが大きくなりそうである。

2020年の売上減少

リーマンショックの場合には年間の売上減少(前年比)は2008年に5.0%、2009年に7.0%となった。リーマンブラザーズの倒産は2008年の半ばなので、ざっくり言って2008年の減少が直接的影響、2009年の減少が2次的影響と言うことができるだろう。

では2020年の売上減少がどうなるかと言えば、傷は深いが期間は短いことを両方考慮するとリーマンショックと同程度の売上減少となる可能性が高い。そして以下の記事での考察を考えるとその後に2次的影響が来ることになる。

•新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する

そしてリーマンショックの時にはそれは直接的影響より大きい年間7%だったということである。

株価への影響

では、この考察結果は株価にどういう影響をもたらすのだろうか? 株価に一番影響を及ぼす経済統計は勿論企業利益である。そして企業利益のチャートはこうなっている。

リーマンショックの頃に企業利益はほぼ半減している。利益とは基本的に投資家のものなので、これは投資家が受け取る金額がほぼ半減したということである。そしてその結果株価がどうなったかというと、ほぼ半減したのである。

株式市場はなかなか理にかなっている。

結論

こう考えると2020年の株式相場が高値から40%近く下落したのはある程度合理的な動きだったと言える。

一方で2020年の景気減速がこれからだという状況でこれほど上がってしまった株式市場が買えるかと言えば、やはりNoだろう。

ガンドラック氏の再下落予想はこうした企業利益と株価のミスマッチとを突いたものだと思われる。

•新型コロナ相場空売りで儲けたガンドラック氏、空売り再開

一方で、3月後半の安値付近で買った株式銘柄に関しては今後株価が再び下落することがあってもある程度安全だと言えるだろう。仮にリーマンショックと同じ50%まで株価が下落するとしても3月の底値からの下落幅は10%から15%に留まり、そこが本当の底値になるだろう。この値動きの激しい相場では10%はほとんど誤差のようなものである。

世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏は「株価は何年も前回の高値を奪還することはないだろう」と述べた一方で、資産価格のインフレを警告した。これが両方正しいとすると、問題は株価が何処から上がるのかということである。

•世界最大のヘッジファンド: 新型コロナでデフレは続くが資産価格は上がる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10311

267. 中川隆[-12999] koaQ7Jey 2020年4月23日 15:57:49 : GQpq4C3J56 : WFRrYkRPZmZYYWc=[2] 報告

新型コロナによる世界恐慌でヨーロッパ経済壊滅の可能性2020年4月22日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10350


新型コロナウィルスの流行による世界的なロックダウンで世界経済は停止している。そして問題は停止していた間の経済損失だけではなく収入と資産の減少によるその後の消費停滞、経済減速だということを以下の記事で説明した。
•新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する

それはどうやら2008年のリーマンショック級の不況になりそうである。それでもアメリカと日本は何とか生き残るかもしれないが、ヨーロッパ経済がコロナショック後に原型を留めていることはかなり難しいだろう。

一昔前の覇権国

世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏はコロナショックによる世界恐慌がアメリカの覇権を危うくする事態を警告している。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

この歴史的な観点で言えばヨーロッパは先進国の中でもっとも古い覇権であり、その衰退は100年以上前から細々と続いている。そして今回のコロナショックが瀕死のヨーロッパにとどめを差してしまうかもしれない。

例えばイタリアの予算局は1-3月期のGDP成長率が5%のマイナス、4-6月期が10%のマイナスになると予想している。この予想が正しければ、仮に今年の後半は前年の水準に戻ったとしても(そんなことはあり得ないが)、2020年のイタリア経済は約4%のマイナス成長ということになる。実際には6%程度の景気後退となると考えられ、これはリーマン・ショック時の2009年の5.3%を上回る。

問題はこの6%の景気後退ではなく、その後の消費の減少である。記事の最初に載せた説明記事に借金の概念を付け加えて景気後退を説明した記事が以下である。

•新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10248

この記事で説明したように、経済のなかに借金をして消費を無理矢理大きくしている経済主体がいる場合、景気後退による資金減少で借金ができなくなり債務がしぼむと無理矢理増やしていた分の消費がなくなるため、経済後退を乗り越えた後の経済水準は景気後退の前よりも一段弱いものとなる。詳しくは上記の記事を読んでもらいたい。

ではイタリアのGDPがリーマンショック以後どうなっているかというと、こうなっている。

リーマンショック前の水準をいまだ大きく下回っているのである。それで株価も上がっていない。

しかもその間政府債務はGDP比100%から130%に増えている。債務を無理矢理増やしてGDPも株価も上がっていないことに着目したい。そして今回のコロナショックでこの両方がもう一段下がることになるだろう。

これはヨーロッパにおいてイタリアだけの問題ではない。スペインやポルトガルも同じような状況にあり、ギリシャでは問題はより大きくなるだろう。ギリシャ政府は否定しているが、2020年は10%のマイナス成長になるという予想もある。

結論

もう一度イタリアのGDPと株価のチャートを考えてもらいたい。今だから「リーマンショック前の高値を回復していない」と言えるが、ここからもう一段下がればそれが長期的な下落トレンドであることを認めざるを得なくなる。それが最初に書いた「ヨーロッパの覇権の凋落」なのである。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

これはダリオ氏の観点を借りれば100年前からの長期トレンドであり、債務を無理矢理増やすことによってそれに抗ってきたが、明らかに限界が来ている。

ダリオ氏はアメリカの覇権の凋落を気にしているようだが、恐らくそれはヨーロッパに一番当てはまる表現だろう。ヨーロッパが先進国となってから数百年だが、コロナショックの後にはイタリアを含むヨーロッパ諸国の大半は先進国とは呼べない経済状況になっているかもしれない。今回の世界恐慌はそれだけ大きいものなのである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10350

268. 中川隆[-12998] koaQ7Jey 2020年4月23日 16:04:43 : GQpq4C3J56 : WFRrYkRPZmZYYWc=[3] 報告
新型コロナによる世界恐慌でヨーロッパ経済壊滅の可能性2020年4月22日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10350

新型コロナウィルスの流行による世界的なロックダウンで世界経済は停止している。そして問題は停止していた間の経済損失だけではなく収入と資産の減少によるその後の消費停滞、経済減速だということを以下の記事で説明した。
•新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する

それはどうやら2008年のリーマンショック級の不況になりそうである。それでもアメリカと日本は何とか生き残るかもしれないが、ヨーロッパ経済がコロナショック後に原型を留めていることはかなり難しいだろう。

一昔前の覇権国

世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏はコロナショックによる世界恐慌がアメリカの覇権を危うくする事態を警告している。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

この歴史的な観点で言えばヨーロッパは先進国の中でもっとも古い覇権であり、その衰退は100年以上前から細々と続いている。そして今回のコロナショックが瀕死のヨーロッパにとどめを差してしまうかもしれない。

例えばイタリアの予算局は1-3月期のGDP成長率が5%のマイナス、4-6月期が10%のマイナスになると予想している。この予想が正しければ、仮に今年の後半は前年の水準に戻ったとしても(そんなことはあり得ないが)、2020年のイタリア経済は約4%のマイナス成長ということになる。実際には6%程度の景気後退となると考えられ、これはリーマン・ショック時の2009年の5.3%を上回る。

問題はこの6%の景気後退ではなく、その後の消費の減少である。記事の最初に載せた説明記事に借金の概念を付け加えて景気後退を説明した記事が以下である。

•新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10248

この記事で説明したように、経済のなかに借金をして消費を無理矢理大きくしている経済主体がいる場合、景気後退による資金減少で借金ができなくなり債務がしぼむと無理矢理増やしていた分の消費がなくなるため、経済後退を乗り越えた後の経済水準は景気後退の前よりも一段弱いものとなる。詳しくは上記の記事を読んでもらいたい。

ではイタリアのGDPがリーマンショック以後どうなっているかというと、こうなっている。


リーマンショック前の水準をいまだ大きく下回っているのである。それで株価も上がっていない。


しかもその間政府債務はGDP比100%から130%に増えている。債務を無理矢理増やしてGDPも株価も上がっていないことに着目したい。そして今回のコロナショックでこの両方がもう一段下がることになるだろう。

これはヨーロッパにおいてイタリアだけの問題ではない。スペインやポルトガルも同じような状況にあり、ギリシャでは問題はより大きくなるだろう。ギリシャ政府は否定しているが、2020年は10%のマイナス成長になるという予想もある。

結論

もう一度イタリアのGDPと株価のチャートを考えてもらいたい。今だから「リーマンショック前の高値を回復していない」と言えるが、ここからもう一段下がればそれが長期的な下落トレンドであることを認めざるを得なくなる。それが最初に書いた「ヨーロッパの覇権の凋落」なのである。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

これはダリオ氏の観点を借りれば100年前からの長期トレンドであり、債務を無理矢理増やすことによってそれに抗ってきたが、明らかに限界が来ている。

ダリオ氏はアメリカの覇権の凋落を気にしているようだが、恐らくそれはヨーロッパに一番当てはまる表現だろう。ヨーロッパが先進国となってから数百年だが、コロナショックの後にはイタリアを含むヨーロッパ諸国の大半は先進国とは呼べない経済状況になっているかもしれない。今回の世界恐慌はそれだけ大きいものなのである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10350

269. 中川隆[-12889] koaQ7Jey 2020年4月27日 21:12:33 : zrsOI5p4Io : bEk5OEtmU2hDYVk=[5] 報告

原油の次に暴落するもの2020年4月26日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10440#more-10440

新型コロナウィルスの世界的流行により飛行機や自動車の利用が激減したことから原油価格が暴落したが、原油暴落の本当の原因は新型ウィルスではない。それは元々存在したバブルであり、それが20年かけて崩壊したのである。

20年来の原油バブル

原油価格の長期チャートを見てもらいたい。

原油はもともと20ドル前後だった。それは長らく20ドル前後だったのだが、2001年のドットコムバブル崩壊によってアメリカ経済が景気後退に陥ったことで、当時のグリーンスパン議長が4%もの利下げを行なったところから猛烈な勢いで原油価格に資金が流入し始めた。20ドルだった原油は100ドルを越え、ついには150ドル近くにまで達した。

このグリーンスパン氏の低金利政策によるバブルは2008年のリーマンショックの原因となるのだが、原油価格の高騰がそのバブルと同じ根を持ったものであることを証明するように原油相場も2008年のバブル崩壊とともに暴落している。

しかし原油はその後100ドル近辺に戻ってしまった。この歴史的な観点から見れば分かるが、それは100ドルが原油の適正価格になったということではなく、2001年からの原油バブルがまだ続いていることを意味していた。それは米国シェール産業による供給増加で2014年に100ドルから50ドル近辺まで下落し、コロナショックによって50ドルから地の底まで落ちることになったのだが、それらは単に元々存在したバブルを崩壊させるトリガーに過ぎなかったのである。

原油の後に続くもの

原油は元の水準にまで戻ったが、同じようにバブルになってまだ元の水準まで戻っていないものがある。例えば銅相場である。

これも全く同じ種類のバブルだということが理解してもらえるだろう。銅の価値が2000年代にいきなり急上昇したというわけではない。そして原油相場と違ってまだ崩壊していない。

銅相場のバブルがまだ崩壊していない事実は株式市場にも同様の資金が入り込んでおり、まだ出ていっていないことを意味している。以下は米国株のチャートである。

2008年以前のトレード経験のない金融関係者が多くなってきている今では忘れられていることかもしれないが、量的緩和以前の世界では米国株は必ずしも毎年上がり続ける資産クラスではない。実際に2009年までの10年間では横ばいを続けていたのである。原油相場や銅相場に帰るべき適正水準があり、量的緩和もそれを止められなかったとすれば、株式だけその運命を逃れる理由があるだろうか。

金融市場でないバブルも挙げてみよう。例えばイタリアのGDPである。原油相場を押し上げたアメリカの低金利は世界中に低金利をもたらし、低金利は債務の膨張を可能にする。債務が膨張すればGDPも膨張する。それで元々それほど上がるはずもなかったイタリアのGDPも2008年までは成長していたのである。

しかしこのバブルも2008年が頂点であり、コロナショックによって下落トレンドが確定的なものとなるだろう。ギリシャは更に一歩先に行っている。スペインやポルトガルはイタリアに続くだろう。以下の記事で説明した通りである。

•新型コロナによる世界恐慌でユーロが下落する理由

この結果イタリアの株式市場がどうなっているかと言えば、原油価格のように元の水準に戻っているのである。

そしてイタリアがこの運命を逃れられないように、結局はすべての国がこの運命を逃れることは出来ないのである。

このようにはっきりした前例があるにも関わらずそれを認めない人は多いだろう。しかし何故米国や日本がイタリアと違うと言えるのだろうか。バブルによって経済を無理矢理支えてきたという点ではどの国も同じであり、銅より早かった原油と同じようにイタリアは他の国より早かったというだけのことなのである。

スペインやポルトガルの後に続くのはドイツや日本であり、アメリカも同じように続くだろう。世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏が話しているのはそういうことである。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

このトレンドは20年来の巨大なトレンドであり、原油が他のものより先に暴落したようにすべてが一気に崩壊するのではなく、長い時間をかけて順番に崩壊してゆくことになる。

しかしはっきりしていることは1つある。量的緩和やヘリコプターマネーを使ったところで原油暴落やイタリア経済の斜陽化が止まらなかったように、それは単に順番の問題に過ぎないということである。そして金融緩和による延命が成功すればするほど最後の下落は痛ましいものになるだろう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10440#more-10440

270. 中川隆[-12857] koaQ7Jey 2020年4月29日 18:11:02 : ivljIUpnCM : Zm44Z3NMaklOZ00=[14] 報告
2020年04月29日
政府の裏介入で株や為替が安定、原油は大波乱で投げ売り相場
http://www.thutmosev.com/archives/82817684.html

原油価格だけは政府が統制せず大波乱になっている

画像引用:https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iQjWnnqrrOM0/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/977x-1.png

あらゆる市場が固定相場になった

世界は新型コロナウイルスによって経済危機だというのに、あらゆる相場価格は安定を保っている。

米ダウ平均は2万4000、日経は2万前後、ドル円レートは107円前後を維持しています。

自動車メーカーの販売台数が半減、航空会社は9割減などを見れば、もっと大暴落している筈でした。


それを食い止めているのは各国政府と中央銀行による買い支えや裏介入、市場操作といったものです。

日本では日銀がETF購入を通じて株価を支え、年金や郵貯資金なども投入されている筈です。

同じことは為替市場でも行われ、ドル円が乱高下して円高にならないよう、おそらく円売りドル買いしています。


財務省の指示で日銀がドル買いすると「為替介入」になるが、実際は平常時でも年10兆円近くドルを買い越している。

他にも金利をいじったり金融緩和で通貨の供給量を増やしたり、市場操作の方法は色々とある。

世界中の国がこんな事をするのは2008年から2010年のリーマンショックでこうした操作が有効だったからでした。


ところが現在でも政府による操作が効かない市場が一つあり、それが国際原油市場でした。

原油ETFがブームだが異常事態が進行

原油先物価格は2019年に1バレル(約159L)60ドルくらいだったが、2020年現在は20ドル前後まで下落しています。

元は1リットル13円から40円の原油を日本ではガソリン1L130円で売っているわけで、高いのか安いのかわからない。

ドル円や株価は安定しているのに原油だけ1/3に暴落したのは、政府が買い支えや調整をしなかったためです。


原油価格を調整する世界機関は存在せず、OPEC石油輸出国機構は町内組合みたいなもので強制力はありません。

OPECは中東など15ヶ国が加盟しているが、ロシアやアメリカなど非加盟国の産出量が増えて影響力は低下しています。

1970年代にはOPECが価格を決めていて、一挙手一投足に先進国は震え上がったものですが、今は負け犬の集団みたいな感じです。


石油は最初アメリカが独占していたが、中東が最大の産出国になり、今は多くの国で産出されている。

生産調整や価格統制が利かなくなって暴騰したり暴落したりします。

あらゆる相場が政府の統制で動かなくなっても、原油価格だけは自由な価格変動をしています。


原油価格の暴落によって「今後値上がりする筈だ」と考えた一般投資家が原油先物ETFを購入している。

問題は2つあって1つは原油価格はそう簡単に回復するか分からない。

もう1つは原油先物ETFは投資信託で、そもそも原油価格イコールではない。


原油価格は上昇したが先物は下落とかその逆もあり得るし、なかなか思い通りの値動きをしない。

2015年ごろ試しに原油先物ETFを買ったが、為替の影響を受けるので原油価格が上がってもマイナスという事があった。

長期間保有して何年も値上がりを待つなら良いと思いますが、数か月程度で元手倍増などを夢見ると痛い目に遭うかも知れません。


4月20日には史上初めてWTI原油先物がマイナスになるなど異常事態になっている。

原油を買っても売れず置き場所にコストが掛かるので、原油を持っている人がお金を払って手放したからマイナスになった。

話は違うが越後湯沢のゴーストマンションは維持費がかかるので、売る側が30万円などを払って買ってもらう場合がある。


そういう異常事態が起きているので、思わぬ方向に展開して損失を被る可能性もある。

http://www.thutmosev.com/archives/82817684.html

271. 中川隆[-12770] koaQ7Jey 2020年5月05日 19:30:41 : Wu2Pehh8fA : cjFrUGJaUC5TSmc=[27] 報告
新型コロナと株価暴落の「第二波」は10月か?ロックダウン解除の危険性=吉田繁治
2020年5月5日


5〜6月に都市封鎖が解除された場合、静かな7〜9月を経て、10月から新型コロナの第二波が来る可能性が高いでしょう。そうなれば株価は二番底をつけます。

「新型コロナの第二波に注意せよ」専門家の警告

英国LANCET(権威のある医学専門雑誌)に掲載されたこの論文は、「Beware of the second wave of COVIC-19(新型コロナの第二波に注意せよ)」として、以下のように述べています(4月8日)。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30845-X/fulltext

[原文]
「Leung and colleagues also modelled the potential adverse consequences of premature relaxation of interventions, and found that such a decision might lead to transmissibility exceeding 1 again?ie, a second wave of infections.」

[翻訳]
「リャン(中国名の李?)と研究所の同僚は、政府介入の早期緩和(都市封鎖や移動制限の解除)が、逆の結果を生むことをモデル化し、感染は(現在の)第一波を超えて第二波を生むかもしれないことを発見した」

上記は、5〜6月に都市封鎖や移動制限を解除すれば新型コロナの第二波が訪れ、20年の秋・冬まで長期化する可能性があるという趣旨です。未来は現在の条件から確定したものではなく、未知の新しい現象が生じるので、確率的なものとしてしか示せない。LANCETでは「might」という仮定の助動詞を使っています。

感染症学者は、「最も多い26万人(839万人の人口の3%)の感染者が確認されたNY市ですら初期の段階であろう。感染者はこれからも増える」と言っています。


4月の反発はダマシ?楽観的すぎる株式市場

世界の株価を4月に上昇させた早期収束論は、数理モデルからは誤っている可能性が高い。ワクチンができるのも、最短でも1〜1.5年後とされているからです。
ワクチン開発に時間がかかるのは、臨床の治験が必要だからです。ワクチンは副作用を極小化する必要があるので、普通は短くても5〜7年かけます。ワクチンからの感染事例が出ると巨額の損害賠償になるからです。製薬会社は、そうした分かり切ったリスクは犯しません。

南半球での、およそ4か月遅れの感染増加を考慮すると、延期された東京オリンピックの開催も危ういと見なければならない。アフリカでの確認感染はごく初期段階の2万人(4月上旬)、オーストラリア6619人、ブラジルが1万人です。人が集まる会場は、ウイルス拡散の場になります。

無制限緩和という“人工心肺”で延命中だが
NYダウは、3月18日の一番底の1万8,600ドルから2万3,600ドルまで、4週で5,000ドル回復しています(4月20日)。ピークの2万9,500ドルから9,900ドル下落していたので、半分戻したことになります。
この買いは、

(1)コロナショックは5〜6月に収束するという論
(2)FRBによる2.3兆ドルのマネー供給

によって果たされています。

FRBは、3月3日と16日に2度(1.5ポイント)の利下げをした上で(短期金利誘導目標0.00%〜0.25%)、金融機関とファンドがもっていた米国債と、REIT(不動産上場投信)が下がっていた住宅証券のMBSを買い上げて、まず、金融機関にマネー供給をしたのです。その金額は、2兆ドル(220兆円)と巨大です。

米国債の価格は10年債で14%上がり、MBSも価格を回復しました。金融機関とファンドは、国債とMBSをFRBに売って、入ったドル現金をもとに33%下がっていた米国株(NYダウ、S&P500、ナスダック)の買い越しを続け、ダウで2万3,600ドルまで5000ドル戻したのです。

FRBは今回の量的緩和を無制限としています。株価を下げず、金融危機・企業倒産を防ぐためなら、いくらでも増額するということです<中略>
50%回復した株式市場が想定しているロックダウン解除(5〜6月)が、米国で実際に行われた場合、静かな7月、8月、9月を経て、10月から第二

https://www.mag2.com/p/money/916477

272. 中川隆[-12769] koaQ7Jey 2020年5月05日 19:31:42 : Wu2Pehh8fA : cjFrUGJaUC5TSmc=[28] 報告
続き

50%回復した株式市場が想定しているロックダウン解除(5〜6月)が、米国で実際に行われた場合、静かな7月、8月、9月を経て、10月から第二波が来る可能性が高いと思っています。第二波が来れば株価は二番底をつけるでしょう。社債、CLO、REITの再下落も同時です。

273. 中川隆[-12752] koaQ7Jey 2020年5月06日 11:48:53 : JiV1eTDCIw : eXZlblBTcFo4T1k=[14] 報告
化が起きている
アメリカの魔法のステッキ、今回も無限資金供給発動か


バーナンキ(右)とポールソンは短期間で危機を終わらせ、後の10年の好景気を作った

画像引用:https://amp.independent.ie/migration_catalog/b1747/25060987.ece/AUTOCROP/w620h350/banks

アメリカはどうやって金融危機をクリアしたか

最近アメリカは新型コロナウイルスへの対策で1か月に300兆円も財政支出を決め、政府債務が急増している。

労働者の半数が自宅からの外出を制限され事実上の無職状態に陥っている。

年間の財政赤字は過去最悪の水準で、経済専門家や財政関係者は危機感を表明している。


だがそれでアメリカが破産するかというと、数年後には何事もなかったかのように立ち直っていると思われる。

2007年から2010年までの世界金融危機でも同じだったからで、当時はドルが無くなりアメリカが無くなると言われていた。

専門家たちは次の超大国は中国であり、世界は中国を中心に再編成されると言っていました。


10年前の新聞を読んだら今の専門家の言い分と同じで、同じことをずっと言っているだけだと気づくでしょう。

アメリカは2009年に破産を確信するほど経済と財政が悪化したが、1年後の2010年に立ち直り10年続く好景気に入りました。

重要な役割を果たしたのはFRB議長のバーナンキで、空から金を撒けといって毎週数兆円の資金供給をしました。


その方法は金融危機で破産した企業や公団の債権、株式を額面で買い取るという大胆なものでした。

その会社はすでに倒産しているので債権や株券はゴミに過ぎないが、ゴミを数百億円で買い取っていました。

FRBのゴミ買取でアメリカは空前の金余りになり、金は世界に還流して世界中が2010年代のバブルに突入しました。

アメリカの魔法のステッキ

比較しては何だが日本の麻生首相と白川日銀総裁は、金をばら撒くどころか逆に締め上げていました。

消費者金融が問題視され規制強化したのは良かったが、ほとんどの主婦や低所得者はカードを作れなくなった。

消費が大幅に落ち込んだが麻生首相は何も経済対策をせず、日本経済が崩壊するままにまかせてGDP大幅マイナスを記録した。


世界金融危機で最初にアメリカのサブプライムローンが破綻しローンを返済できない貧困者が続出した。

驚くべきことにアメリカ政府はローン破産した人の代わりにローンを支払い、住宅を差し押さえられないようにしました。

当時CNNでこの件を「ローンを払えないくらいで住宅を取り上げられるなんてあり得ない」と糾弾していました。


日本なら「金がないくせに借金したのが悪い」と破産者を非難したのではないでしょうか。

それでどうなったかというと、大盤振る舞いのアメリカはたった1年で完全に立ち直り10年間好景気を謳歌した。

ケチケチ日本は今も世界金融危機前まで回復しておらず、借金だけが雪だるま式に増えた。


どちらが正しくどちらが間違っていたかは明らかです。
http://www.thutmosev.com/archives/82873685.html

274. 中川隆[-12739] koaQ7Jey 2020年5月07日 06:59:49 : IC9sJkmouQ : MEtrMm16cm5xY0k=[2] 報告

米国の量的緩和が限界に近づき失速へ 株価への影響は2020年5月6日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10574

世界の株式市場は新型コロナウィルスの世界的流行による株安相場からの反発が続いている。しかし筆者には現在の相場にはポジティブな要素がほとんどないように見える。実体経済が危機的状況にあるのはこれまで伝えているが、それに加えてアメリカの量的緩和が失速し始めたからである。

国債買い入れ失速

アメリカでは2月からの株安相場を受けて無制限の量的緩和が行われている。

•米国、量的緩和の無制限化を発表も米国株は下落

量的緩和とは中央銀行が通貨を発行してその通貨で国債などの証券を買い入れることであり、無制限とはその買い入れ額に制限がないことである。

しかしこの無制限の量的緩和が4月の後半から失速し始めている。中央銀行の国債保有額の推移は次のようになっている。

3月に入って勢い良く急上昇したグラフの傾きが段々なだらかになってきているのが分かるだろう。そしてその結果どうなっているかと言えば、長期金利が不気味な上昇を始めている。

長期金利は10年物国債の金利だが、よりリスクの高い30年物国債の金利はもっと明らかに上向き始めている。

繰り返すが、現在アメリカの中央銀行は無制限の国債買い入れによって金利を下げようとしているのである。量的緩和で株価が支えられるのは、国債の金利が下がることによって投資家がよりリスクの高い不動産や株式に資金を振り分けるからであり、金利が上がってしまうとその浮揚効果も無くなってしまう。

量的緩和失速の理由

「無制限の国債買い入れ」は何故失速してしまっているのだろうか? その理由は中央銀行の買い入れ額に制限がなくとも買い入れることの出来る国債の総量に限りがあるからである。

現時点で存在している米国債の量は23兆ドルである。一方で3月に量的緩和が加速してから1ヶ月で買い入れた国債の額はグラフを見れば分かるが1兆ドル程度である。

つまり、「無制限の量的緩和」を当初の速度で続けるとこの世に存在するすべての米国債を2年足らずですべて買い上げてしまうことになるのである。これが量的緩和の限界である。買い入れ対象が無くなれば買い入れは出来なくなる。当たり前である。

それで中央銀行は株価が落ち着いたために買い入れ速度を落としたのだが、そうすると今度は金利が上昇してきた。しかし金利が上昇すれば株価を支えることは出来なくなってしまうだろう。

量的緩和の限界

これがここ数年何度も懸念されていた中央銀行の緩和限界の問題である。

•米国、緊急会合でゼロ金利まで利下げし量的緩和を正式に再開 暴落時の追加緩和が不可能に

今回のコロナショックで世界中の中央銀行は追加緩和の余地を失ってしまった。それどころかアメリカはここまで限界を越えて緩和しており、失速は不可避だったと言える。しかしもしかすると市場は失速を許さないかもしれない。米国の株価指数S&P 500は次のように推移している。

現在の株価水準

筆者は現在米国株を空売りしているが、同じように空売りをしている投資家にジェフリー・ガンドラック氏がいる。ガンドラック氏は株価水準について次のように述べている。

•ガンドラック氏: 株価は3月の底値を更新する


2,863でS&Pを空売りした。ここからはアップサイドもダウンサイドも大きくない。

S&P 500は3,000まで行かないと思うが、それも有り得る。ダウンサイドについては容易に底値を越えていくだろう。

彼が何故このように言ったかと言えば、現在の市場環境とコロナショックの規模の大きさから考えれば3,000程度が株価の限界だからである。実体経済へのダメージの大きさについては以下の記事で説明している。

•新型コロナ、米国経済の景気後退はリーマンショックの倍以上か、第1四半期GDP速報

しかし3,000というのは金利が今の水準に留まるならばの話であり、量的緩和が減速を続けて金利が上昇する場合には3,000という水準も維持が難しくなってくるだろう。しかし量的緩和は減速しなければ2年で打ち止めになってしまう。仮に減速せずに続けたとしても、この状況で量的緩和が打ち止めになれば株価も実体経済も崩壊するだろう。

結論

ということで、実体経済も株式市場も詰んでいるという見解を維持したい。しかしそれで良いのである。コロナショックでこれほど大きなダメージにならなければならないのはこれまで金融緩和と政府債務の膨張によって無理矢理経済をバブルにしてきたからであり、借金と紙幣印刷に頼らないまともな生活をしていれば経済のV回復も可能だったはずである。このことについては以下の記事で説明している。

•新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する

しかし借金を増やして株価をバブルにしたがる政治家から経済を操作する道具は失われた。まともな投資家は当然それを歓迎しているわけである。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10574

275. 中川隆[-12420] koaQ7Jey 2020年6月14日 07:58:50 : DpuNCXvzKk : T3VxNEk4M1UzWnc=[4] 報告
平野憲一の株のお話 2020.06.14 何も変わっていないこの株高の要因。
http://kasset.blog.fc2.com/
 「ロックダウン」(都市封鎖)によって、新型コロナウイルスは世界経済を「ノックダウン」させてしまいましたが、人の接触を止める行き過ぎたコロナ対策は人の生存権まで奪うことになり、耐え切れなくなった世界は「ウィズコロナ」と称して、感染2波、3波のリスクを承知の上で、経済活動再開に踏み切りました。

これを受けて株式市場は驚異の復元力を見せ、ナスダックは史上最高値を更新し、日経平均もコロナショックの下げのほぼ全値を戻し、経済の回復に対して大きな乖離を示して居ます。投資家は良い意味での混乱に陥っており、今後の株式市場の絵図が描けないでいますので、個人的シナリオをまとめて見ました。

 コロナショック経済が回復途中又は失速の危険が払しょくされていないのに株価だけがショック前の水準まで回復したのは株価の先見性によるものと簡単に言えないほどの大きな乖離の原因は、3つあると解説してきました。過度に下げすぎた反動、経済対策の規模、株式そのものへの見直しの3つです。

 まず下げすぎの反動高は、「全値戻し」までしている現在、「もう株高の原因にはならない」と言いたいところですが、反動高のインナーマッスルと言うべき取り組み(需給)は、全値を戻した今でも全く変わっておらず、裁定取引売り残は過去最高レベルの状態でメジャーSQを迎えました。

敢えて説明しますと、裁定取引とは先物と現物の鞘を取る投資手法で、例えば先物が割高になっていたら、先物を売ると同時に指数を構成する銘柄を買えば、理論上は無リスクで収益を得ることができ、逆に先物が割安だったら先物を買って同時に現物を貸し株で借りてきて信用取引や貸し株の売りをする手法です。そして理論上の収益を現実にするのがSQ(Special Quotation)特別清算指数です。

コロナショックはあの相場巧者ウォーレン・バフェット氏も多くの持ち株を売ったほどで、戻りに入っても投資家は売り続けた為、先物が割安になり、裁定取引では先物を買って現物を売る取引が続き、売り残が過去最高レベルになりました。

ここで重要なのは、先物はSQで清算され消えてなくなりますが、現物はSQで買い戻さなければなりません。買い戻さなければ単なる空売りとなり無リスクの収益を確保できないからで、この買戻しが株高の原因になります。

先週は先物の割安状態を作った空売りに一部が買い戻され、裁定売り残の多くも買い戻されたと思いますが、直前(6/5)の売り残の2兆3358億円は、かなりロールオーバー(現物を買い戻さずに先物の期先を売る)され先送りされたと思われます。つまり、第1の原因である過度に下げすぎた反動高はまだ終わっていないと言えます。

 経済対策の規模は言うまでもなく、対策手段の議論で「邪道」として絶対的に批判の多かったヘリコプターマネー(文字通り国民にお金をばらまく)は今や基本政策になり、財政ファイナンス(日銀の直接国債引き受け)やMMT理論(自国通貨を持つ国はある条件下で国債をいくらでも発行して良い)は曖昧(事実上の容認)になり、この段階で財政規律をうんぬんするエコノミストはほとんど見かけなくなりました。1〜3月期GDP改定値は上方修正され、コロナショックによるGDPの毀損額は当初予想ほどではなくなったにもかかわらず、資金供給の蛇口は開け広げたままです。

 株式そのものへの見直しは、今まで批判の的だった「内部にカネを貯め込む日本企業」が「コロナに強い金持ち企業」として配当利回りに期待する投資家が増えています。

 日経平均2万3000円から上の市場コンセンサスが出来上がっていないので、利食い千人力としましたが、ここまでの基本的な株高要因は全く変わっていないのです。

 紙面がいっぱいです。利食い千人力以降のシナリオは、明日の本欄と東洋経済オンラインのマーケットコラムで書きます。大きな相場の可能性がありますよ。
http://kasset.blog.fc2.com/

276. 中川隆[-12403] koaQ7Jey 2020年6月16日 07:28:59 : DR6u9soCfE : QXQ3SkdNR3JpLi4=[4] 報告

日経平均下落の理由 債券市場に吸い込まれる資金
2020年6月15日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11139


さて、株式市場が荒れ始めてきた。6月15日の日経平均は774円安と2%以上の下落となった。しかしこの程度では下がった内には入らないだろう。

株式市場は急落

日本やヨーロッパなどの先進国の株式市場は前日の米国株の動向に従うのが通例だが、前日(日本時間の金曜深夜)の米国株はやや上昇で終わっており、今日は東京市場の後場にかけて下落が大きくなった。日本時間に大きく市場が動いた状況となる。

2018年の世界同時株安でも日本時間主導で動いたことが思い出されなくもない。当時も日本株が一気に上がり、その後の急落から世界同時株安が始まったのである。

バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続
現在の日経平均のチャートは次のようになっている。


日本時間の株安を受けてザラ場前の米国株先物も下落している。ただ、今日の下げ幅はここ1ヶ月ほど突出して上がっていた日本株の下げ幅ほどではないようである。これも2018年の時と似ている。


そして株式市場の下落を受けて上昇しているのが国債市場である。債券の価格上昇は金利低下を意味するため、米国債の金利は引き続き下落している。

株価下落の理由

以上の動きを眺めれば、株価下落の理由は単純であると言える。リスクオフによって資金が株式市場からより安全な国債市場に動いたのである。この動きについては事前に説明してある。

6月FOMC結果は現状維持も株価下落の理由 債券市場と株式市場の綱引きが始まる
既に債券市場と株式市場で資金の奪い合いが始まっている。債券市場と株式市場が綱引きを始めれば、勝つのは必ず債券市場である。

しかし何故債券市場と株式市場が資金の奪い合いをしているのか? 1つの理由はアメリカの中央銀行が既に量的緩和を行っていないことにある。アメリカのマネタリーベースは4月頃までは急速に増加していたが、増加は既に止まっている。中央銀行はこっそりと量的緩和を停止しているのである。


証券会社などは流石に気づいているはずだが、この事実を認識している個人投資家はここの読者ぐらいではないのか。大手メディアが何処も報じていないからである。このことについては上記の記事で以下のように書いておいた。

6月FOMC結果は現状維持も株価下落の理由 債券市場と株式市場の綱引きが始まる
実体経済が壊滅的であるにもかかわらず量的緩和でここまで上がってきた相場が、量的緩和なしで上がり続ける理由があるとすれば誰か筆者に教えてほしいものである。

そしてその懸念が実現したということである。大手メディアではコロナ第2波への懸念が下落の理由だと言われているが、第2波への懸念などは先月も先々月もあった話で、今問題になったことではない。以下の記事にもこう書いてある。そういうメディアの反応も含めて予想しておいたということである。

銀行株暴騰はバブル相場の終わりの始まり
丁度市場が支え手の枯渇に苦しみ始めた辺りでコロナの第2波などが来てぎりぎり支えてきたものが決壊することになる。しかしニュースとして何がトリガーになるかは大した問題ではないのである。

結局のところ、現在の相場が上下どちらに行くかということはコロナによって実体経済から失われた資金(信用収縮)、量的緩和によって市場に注ぎ込まれた資金(利下げと量的緩和)、そして経済対策によって実体経済に注ぎ込まれた資金(財政出動)のどれが勝つのかという話になる。

筆者の計算では量的緩和がまともに機能していても株式市場への影響は合計で大きなマイナスになるはずだが、量的緩和が動いていなければ上下どちらに行くかは言うまでもない話なのである。

結論

まともなヘッジファンドは全員がその計算をしている。今回の記事では短期的な値動きを取り上げたが、中期的な動向には7月から業績相場に入るということが動因として大きいだろう。

先進国ではコロナの経済的影響はロックダウンのあった4月が最大と予測されているが、4-6月の決算は7月以降に発表されるため、市場はそれを完全に織り込むことが出来ていない。まだ何も始まっていないのである。

Starbucksの株価が店舗閉鎖で急落 コロナ業績相場の幕開け
これから市場は筆者や一部のファンドマネージャーが事前に計算した数字を各企業の純利益という具体的な数字のなかに織り込んでゆくことになる。著名投資家が数ヶ月前には弱気表明をしていたことについて一部メディアでは彼らが間違ったかのような報道がされていたが、とんでもない話である。

世界最大のヘッジファンド、3月の底値でも株式は買わず
ドラッケンミラー氏: 量的緩和はコロナから株式市場を救えない、株のリスク・リワード比は過去最悪
ガンドラック氏: 株価は3月の底値を更新する
新型コロナが未だ収まっていないブラジルの銀行株が上がったことが典型的だが、現在の相場が流動性相場ではなく無知による楽観であることは個別の銘柄をしっかり精査すれば分かることである。

コロナで窮地のブラジル、遂に累計感染者数を非公表に
まともな計算や分析をしていない人々だけが勝手なことを言うことができる。しかし相場は彼らを無視して自分の進みたい方向に進んでゆくだろう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11139

277. 中川隆[-12336] koaQ7Jey 2020年6月19日 19:04:29 : mtaSPXV036 : cHI5NGdJOGx1M2c=[47] 報告
米ドル覇権はコロナで終わった。10年後の基軸通貨が「仮想通貨」になる理由=吉田繁治
2020年6月15日
https://www.mag2.com/p/money/930027


ポストコロナでは、米ドルがシェア60%の基軸通貨の役割を減らしていくでしょう。5年後には基軸通貨の多極化が起こり、10年後は仮想通貨に置き換わります。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)


倒産・廃業を阻止しながら「封鎖解除」へ
北半球の国は、第二波を恐れながら封鎖の解除に向かっています。

パンデミックは3月に始まりました。米国では、高級百貨店ニーマン・マーカス(2017年の年商は5,270億円:全米45店)に続き、GMSの大手JCペニーも会社更生法を申請(年商117億ドル:全米660店)。社員と負債をカットし、資本の再投入を目指す米国型倒産です。

JCペニーは、イオンやIY堂にあたるでしょう。2018年に倒産したシアーズがダイエーです。18年、19年の業績がボディブローで、都市封鎖がカウンターパンチでした。

米国政府は、都市のロックダウンを、災害時の仮設住宅への収容と同じと考えています。仮設住宅には政府が補助金を出さねばならないとして、


(1)航空機の受注が消えたボーイングを筆頭とする大企業(全米の雇用の50%:7,000万人)に対しては直接の増資(劣後債)、CP(短期手形)の購入

(2)中小企業(雇用の50%:7,000万人:従業員500人以下)には社債の購入、家賃と人件費の補助

などを打ち出しています。

倒産と廃業を、貸付金・劣後債の投入・社債とCPの買い上げ・家賃補助・件費補助によって防ぐ。原資は、国債を発行してFRBが買い取ること。ドルのプリンティングです。

米国債の消化問題が生じる米国
米国債は、ほぼ100%を国内で消化してきた日本とは違いがあります(海外所有は短期債10%)。

米国は、経常収支(貿易+所得の収支)が赤字続きです(2019年:5,995億ドル)。その分、ドルは海外に流出を続けています。

ドル国債の100%国内引き受けはできません。経常収支が赤字の時はドルが海外に流出し、国全体はドル不足になるからです。不足とは、投資と支払い(マネーの需要)に必要な金額に対して、現金が足りないことです。

日本は、米国とは逆に経常収支の黒字が続き(1年に約20兆円)、国内の銀行にマネー余力があり、国内で国債を消化しています。加えて、海外から流入したドルで米国債も買っています。

その日本とは真逆で、新規の国債発行分の50%くらいは海外に売らねばらないのが米国です。

米国国債のこれからの問題は、「3月のFRBの利下げ(ドルの緩和)によってゼロ金利になった米国債は、海外に円滑に売れるのかどうか」ということです。

日本、中国、産油国、ユーロから米国債の買い越しが減ると、経常収支の赤字でドルが海外流出している米国債の金利は、FRBの買い上げにもかかわらず上昇していくでしょう。


ドル安をカバーするため金利が上がらないと、海外からは米国債は買われにくくなっていくからです。自国通貨でもっていれば、為替は関係がない。ゼロ金利のドル国債を買えばドル高では得をしますが、ドル安になると損をします。

ドルの為替リスクと金利
ドルを買えば、ドル安のリスクに晒される。通貨変動がリスクです。金融でいう「リスク」は、日本語の「危ない」「損をする」という意味ではありません。将来の価値の「変動」が、金融のリスクです。

将来の為替レートは分からない。上昇も下落も、リスクとしては等しい。専門的には「ボラティリティ(標準偏差の変動幅)」と言っています。


先物での売りで、通貨の下落時に利益が出る投資ができるようになったため、ドル高もリスクになったのです。そのリスクを計算するのが、金利と標準偏差によるブラックショールズ方程式です。

資金不足を続けている対外純債務国(10兆ドル;1,100兆円)が発行する米国債は、ゼロ金利の日本・欧州の金利と、2%から2.5%の金利差(イールド)があるという理由から、売れていきました。

しかし今は、コロナショックからのFRBの緊急利下げで、米国債も金利ゼロです。ゼロ金利のドル国債を買うと、日本、欧州、中国からはドル安のリスクを、金利ではカバーできません。

短期で投機的なドル先物買いの動きは別ですが、2年単位の中期では、債務国の通貨のドルに金利差がない時は、基軸通貨とは言っても「円に対してドル安」の材料になります。


新型コロナの感染数と被害が、米国が日本より大きいことも加担します。

第二波も、日本よりは米国が大きいはずです。コロナショックの大きさは、金融のリスクです。いったんドル安に向かうと、海外である日・欧・中は、米国債を売るので、米国債価格は下がり、金利(利回り)は一層上がっていきます。

米ドル基軸通貨体制の黄昏(たそがれ)が来る
新型コロナは、米ドルがシェア60%の基軸通貨の役割を減らしていくことを示します。

中国と新興国は、基本的なところで「反ドル」です。

長期的(5年)にはなりますが、基軸通貨(国際的にやり取りされる通貨)は、多極化(複数の基軸通貨)に向かっています。

将来は以下に分散するでしょう。

(1)ドル圏(米国、日本、中南米)
(2)ユーロ圏(欧州、中東)
(3)中華圏(中国、日本を除くアジア、アフリカ)
※ユーロは、財政赤字を自由に増やすため、自国通貨(リラ)を発行したい姿勢も見せているイタリアの離脱から、5年後には崩壊しているかもしれません。

人民元の、国際通貨になり得る仮想通貨は、20年4月から使われはじめました。ビッグニュースのはずですが、コロナショックに紛れたことと、意味がわかりにくいため、大きなニュースにはなってはいません。

仮想通貨は、直接に国際的な決済の通貨になり得るからです。


世界の中央銀行は研究所を作り、密かに、自国の通貨を仮想通貨にする準備を進めています。外形は仮想通貨と同じである「電子マネーの奨励」がその入り口です。

電子マネーと仮想通貨
10年後の世界を想定すれば、国際的な取引に使う通貨は「電子マネー化」し、ブロックチェーン方式の仮想通貨(暗号通貨)に代わっていくでしょう。

テレワークは、仕事の電子化でもあります。人にわたる文書も、不正な改ざんができないブロックチェーンになっていきます。


紙幣がブロックチェーンになることと、文書がブロックチェーンになることは、プログラムでは同じことです。

世界の電子マネーに激しく遅れていた日本でも、コロナショックを契機にスマホでの電子マネーの利用が急速に増えています。こうしたことが、転換のきっかけになるのです。

カードのようなタッチがない。ケータイ・マネーは思っていたより便利という声が多い。スマホの電子マネーと、暗号通貨の仮想通貨には、同じといえるくらいの親和性があります。

10年後を遠いと感じるか、近いか。

278. 中川隆[-9384] koaQ7Jey 2020年12月10日 16:16:42 : A8APEzsbZs : WjdVYXowTk04bEk=[23] 報告
誰が日本株を買っている?2021年、経済再始動で日経平均3万円へ=藤井まり子
2020年12月10日
https://www.mag2.com/p/money/995176


現在進行形の内外株式のブームは、少なくとも向こう数年間、長ければ向こう10年間は続くと見ています。波乱の年末年始を経て、2021年には日経平均は3万円を試しに行くことでしょう。

来年2021年の米国株式市場はたいして上昇しない
私はとにかく強気継続がよいと考えています。現在進行形の内外株式のブームは、少なくとも向こう数年間、長ければ向こう10年間は続きます。

2021年には「黄金の1950年代」のような、「高めのインフレ&株高」時代が始まることでしょう。

注意すべきは、アメリカ株式市場。S&P500は、今年のうちに「1年後の将来」を先取りし過ぎま
した。今現在のおよそ3,700ポイントを起点にすると、来年2021年は「およそ3%〜5%弱」しか上昇が見込めないかもしれません。

S&P500指数 日足(SBI証券提供)
https://www.mag2.com/p/money/995176


それでも、2021年のS&P500は「およそ3〜5%弱」上昇して、2021年末には3,800〜3,900弱ポイントを目指すと見ています。

そして2021年、日経平均は3万円を試すでしょう。

そろそろ危険水域に入り始めた?
内外の株式市場は、そろそろ「危険水域」に入り始めているように見受けられます。しかしながら、冒頭でお伝えした通り、私の考えは「強気継続」です。

内外のマーケットには、身の置き所に困るほどの超大量のじゃぶじゃぶマネー(ヘリコプターマネー)で溢れかえっています。このじゃぶじゃぶマネーは今後も増え続けることでしょう。

目先の注意事項としては、以下のの4つが挙げられます。

・12月10日のラガルドECBの追加の緩和策の発表
・12月10日のワクチン相場の終焉
・12月16日のFOMC発表
・1月20日のバイデン大統領の大統領就任式

それぞれ詳しく見ていきましょう。

12月10日には、アメリカ食品医薬品局がファイザー連合の新型コロナ・ワクチンに対して緊急使用許可を出す予定です。この日を境に、期待だけが先行して上昇してきた「ワクチン相場」が一旦は終焉するはずです。

新型コロナ・ワクチンについては、効果的なワクチンの「開発」そのものは成功したようです。が、直近では、「副作用の有無などの、安全性」「貯蔵・運搬などの、供給体制の整備が間に合うのか?」といった点が改めて疑問視され始めています。こういった面も含めて、ワクチンについての悪い情報が流れれば、これが「激震」の引き金になるかもしれません。

また同じく12月10日、ラガルドECBが追加の金融緩和策を発表したら「噂で買って事実で売れ」の相場の格言通りに、内外のマーケットは弱含み始めるかもしれません。

追加の量的金融緩和策は期待できない?
12月15日〜16日には、アメリカでFOMCが開催されます。この日のFOMCは、マーケットの想定以上に「タカ派」になる可能性があります。「追加の量的金融緩和策」を期待している向きは、その期待は裏切られる可能性があります。

共和党と民主党の間で協議されている「さらなるヘリマネ」法案は、その規模はおよそ9,000億ドルになる見込みです。アメリカ国内のインフレ期待も1.88%まで着実に上昇してきています。

こんなにアメリカ国内の個人消費が旺盛な時に、FRBは「追加の金融緩和」を発動したりはしないでしょう。

そもそも、アメリカや日本では、2021年以降は、金融緩和は力強く継続されるものの、刺激政策の主役は、金融緩和政策から積極財政政策(ヘリコプターマネー)へとバトンタッチされています。

2021年からのパウエルFRBの役割は、「イエレン財務省のヘリマネ政策のもと、長期金利の急上昇をいかにして抑え込むか?」といった「脇役」に回ります。

言い換えたら、今後のFRBの主な仕事は、「景気が良くなって行く中で、長期金利の上昇を押さえ込むことに四苦八苦すること」なのです。

ということで、12月16日のFOMCでは、一部マーケット関係者が期待しているような「追加の量的金融緩和策」は発表されないでしょう。

その代わりに、この日のパウエルFRBは、「比較的近い将来のテーパリング(=債券買い入れ額の縮小)」について、今よりもっと具体的な道案内を示すことでしょう。

たとえば、「平均インフレ目標が達成される見込みがほぼ確実になったならば、FRBはテーパリングを開始する」などといった表現で、具体的なガイダンスを発表するのではないでしょうか。

かくして、来週16日のFOMCは、一部のマーケット関係者が想定しているよりも、タカ派的な内容になる可能性があります。

今のアメリカ株式市場は、イエレン次期財務長官就任にすっかり浮かれて、ユーフォリア(多幸感)に包まれています。16日のわき役=パウエルFRBによる「将来の景気回復後のテーパリングの道案内」の表明には、まだ準備ができていないように見えます。

もちろん、パウエルFRB議長は慎重に言葉を選ぶことでしょうが、12月16日のFOMCを境に、長期金利は、近い将来の手堅い景気回復を見越して着実に上昇を開始することでしょう。

言い換えたら、この日を境に、「マーケットの波乱」が始まる可能性が否定できません。

年明けのバイデン就任式に要警戒
加えて、1月20日はバイデン氏の大統領就任式が行われます。1月20日を境に「100日間ハネムーン」が終わって、「激震」が走る可能性は高いです。

今の内外の株式市場は、退屈になるくらい、多くの市場関係者が同じ方向へ(株価の上昇へと)賭けています。市場はユーフォリアに包まれています。

この感じは、2017年末から「メルトアップ」した市場を彷彿とさせます。2017年12月当時、トランプの大型の減税法案が成立してマーケットは溶け上がりました。その上昇は留まるところを知りませんでした。翌年1月になってもマーケットは溶け上がり続けました。実際に、何の前触れもなしに「市場のメルトダウン」が起きたのは、2月に入ってからです。

かくして、内外の株式市場は、12月10日前後からそろそろ「危険水域」に入り始めて、12月16日のFOMCから荒れ始めるのではないでしょうか?

そして、どんなに遅くても、やはり1月20日の大統領就任式あたりまでには「激震」が走るのではないかと考えます。このじりじりじりじりの上昇は、「2月の激震」まで上昇を続けるのでしょうか?

「12月・1月は株価上昇」のアノマリーも


歴史的に見ても、12月・1月は株式市場が上昇しやすい時です。もしかしたらひょっとすると、今年12月末までに、株価はじりじり上昇を続けるかもしれません。

しかし、長期国際分散投資を目指す地道な個人投資家の方におかれましては、運用成績を上げるためには、今は慌てて買い増す時期ではなく、今は次の「絶好の買い場」を虎視眈々と待つ時期だと考えます。


誰が日本株を買っているのか?
今は、じゃぶじゃぶマネーの大洪水なのです。私は当メルマガで「現代版:ノアの箱舟」に乗り続けましょう!と発信し続けています。

イエレン財務長官は、失業者や貧困層の救済のために、ヘリコプターマネーをばらまき続けて、世界中のマーケットをヘリマネであふれさせ続けることでしょう。これは、内外の株式市場にとっては「大変な朗報」です。

日本株、強いですね。今後とも日本株式市場の力強い上昇を見込みます。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)
https://www.mag2.com/p/money/995176/3

「2021年3月期の日経平均の利益予想」で眺めると、PERはおよそ25倍ととても高いです。ところが、再来年の「2022年3月期の日経平均の利益予想」では、それまでにコロナ禍が収束すると仮定すると、およそ50%増しが期待できます。

すると、「2022年3月期の日経平均の利益予想」では、PERはおよそ15倍くらいに低下します。外人投資家たちは、こういった算段で日本株式市場へ参入しているのです。

そして、今回2020年のスガノミクス下での日本株式市場は、アベノミクスの時のように「円安とセット」になって上昇していません。これは、今の日本株式市場には投機筋があまり入り込んでいない証拠です。

スガノミクスは、マクロ経済運営ではアベノミクスを継承しています。一方、ミクロでは構造改革を推し進めています。

今回のスガノミクス下での日本株式市場には、息の長い地道な機関投資家たちが参入してきているのです。彼ら地道な海外の機関投資家たちの中では、東アジアの株式をオーバーウェイトする流れの中で、自動的に日本株を買い増して来ているものが多いです。

さらに、海外の地道な機関投資家たちは、

・日本は新型コロナの感染者数が欧米に比べると2桁も少ない
・成長著しい中国経済の恩恵を受けている
・円が強含みで推移しそう
・さらなる財政刺激策が見込まれている

などなどの理由で、日本株を見直して、11月から日本株式市場に参入しています。

一方、11月から日本株を売っているのは、国内機関投資家と個人投資家です。彼らは「やれやれ売り」をしてしまって、大変に悔しい思いをしています。

彼ら国内投資家たちは、再び日本株式市場に参入しようと、虎視眈々と次のチャンスを伺っています。

年内に日経平均は2万7,000円を試すのではないでしょうか? そして2021年には、日経平均は3万円を試しに行くことでしょう。

279. 中川隆[-6231] koaQ7Jey 2021年3月29日 16:27:12 : U6kLTmD2iU : cmZlNW1GRFFJREU=[25] 報告

2020年12月21日
政府が日本株の最大株主に、日銀とGPIF
http://www.thutmosev.com/archives/84678863.html

株式市場のオーナーは政府

日本株の時価総額は現在、東証1部と2部で約690兆円(2020年12月)となっているが、その1割以上を国が保有している。

新聞報道などによると20年11月に日銀は35兆円のETFを購入し、時価総額は45兆円に達した。

年金運用のGPIFの運用額も約45兆円だが、購入ペースが速い日銀が上回り日本株の最大株主になった。

日銀は安倍政権と連携しデフレ不況を防ぐため金融緩和、いわゆる黒田バズーカなどを実施してきた。

金融緩和はお金の量を増やす政策でお金は発行すれば良いが(現代では印刷すらしない)、発行したお金を配らないと流通しない。

日銀は大手銀行にお金を貸したり、国債を買ったり企業の社債を購入したり、間接的に日本株を購入したりしている。


日銀が株を買うのは日銀法で禁止され財務省が改正に反対しているので、ETFを購入して間接的に株を買っている。

ETFは投資信託の一種で株のように自由に売買でき、幅広く購入することで日本株全体に投資することが出来る。

日銀は特定の企業の株を買うのではなく多くの企業に幅広く投資するので、多くの企業で大株主になっている。


新聞調査によると東証1部2166社のうち1830社で、日銀と年金が株式の5%以上を保有している。

公的資金の株式保有率が10%以上も約630社、さらに20%を超える企業も28社あった。

こうした公的資金による株購入にはメリットとデメリットが指摘されている。

公的資金購入のメリットとデメリット

最大のメリットは何と言っても株価の暴落を防ぎ株価が上昇することで、株価が上昇すれば景気が良くなりGDPが増える。

今のような公的資金の株購入がなかった2009年3月10日に7,054円というバブル後最安値を記録している。

最高値は1989年12月末で、自由市場にまかせると3万8000円から7000円まで上下してしまう。


2020年現在の株価はコロナ下にも拘わらず2万6000円台で、バブル崩壊後の最高値水準を維持している。

これが公的資金購入の威力で、完全に自由放任だったらコロナショックで1万円を割り込んでいた可能性もありました。

デメリットとして良く言われるのが出口で暴落するというもので、90兆円を『売る』という噂だけで暴落するでしょう。


従って日銀と年金の資産90兆円はもはや売ることは出来ず、保有し続ける以外にない。

逆に言えば売らなければ暴落しないのだが、世界的な経済危機の影響で相場自体が下落する場合もあるでしょう。

2009年リーマンショックのような全世界株価暴落が起きたら、日銀と年金が買い支えても下落は避けられない。


年金運用のGPIFはこうした事に備えて株は運用の5割まで、しかも日本株は株運用の5割までに抑えている。

年金は毎年定額購入して定額売却するので、安い時に多く買い、高い時は少なく買うコスト平均法になっている。

コスト平均法だと単年度では損失が出るが長期間では必ず平均値で購入するので、理論上絶対に赤字にならない。


日銀も同じ理屈で、長期間平均して買い続け株価が上がった時に少しづつ売ると、長期的な損失は出ない。
http://www.thutmosev.com/archives/84678863.html

280. 2021年3月29日 20:51:11 : U6kLTmD2iU : cmZlNW1GRFFJREU=[27] 報告
橋洋一チャンネル 第130回 金融業界の話に要注意!実は簡単な為替の話


281. 中川隆[-6222] koaQ7Jey 2021年3月29日 22:17:48 : U6kLTmD2iU : cmZlNW1GRFFJREU=[36] 報告

2020年12月20日
コロナで超円高の可能性、2011年の再現も
http://www.thutmosev.com/archives/84666250.html


リーマンショックから200兆円分もの経常黒字が溜まっている


21年は円高予想が多い

2020年から21年にかけて円高ドル安が進むと予想する専門家が多い。

ドル円レートは12月現在103円台で、来年は100円台まで下がると見られている。

その根拠は米FRBの政策金利、基本的にドル円は日米の金利差で決まる。

日本の日銀金利はずっと0%で変わらないので、アメリカの金利によってドル円レートが変わる。

2007年に世界経済危機が始めると0.25%まで金利を下げ、2016年から徐々に利上げを始めた。

利下げは不況の時に景気対策として行われ、利上げは好況時にインフレ対策で行われる。


米金利は2019年に2.5%まで上昇し、米金利が上がっている間ドル円はずっと円安に作用しました。

だがコロナを受けて2020年3月にFRBは再び0.25%まで利下げし、コロナ危機が終息するまで低金利を続けるでしょう。

ここで思い出さなくてはならないのは2009年から2011年の超円高で、米金利は今と同じ0.25%でした。


ドル円レートは2009年12月に1ドル88円、2010年10月に81円、2011年9月に76円まで円高が進みました。

当時は2007年から2009年にかけて世界経済危機、2011年3月には東日本大震災が発生しました。

状況は異なるものの今回は世界コロナ危機が発生し、日本は大不況に陥る可能性があります。


最悪の場合ドル円は再び1ドル70円台や、もっと円高が進むのを覚悟するべきでしょう。

円高という洪水をダムでせき止めていた

ドル円レートは短期的には日米金利差で決まるが、長期的には日米の国際収支から大きな影響を受けます。

日米国際収支は戦後ずっと日本の黒字、アメリカの赤字なので、その分ドルが円に換金され円高になる理屈です。

最近日本の国際収支は年間20兆円ほど黒字なので、リーマンショック後だけで200兆円も「円高のマグマ」が溜まっています。


日本の経常黒字、例えばトヨタの車がアメリカで500万円で売れるとおそらく200万円程度の経常黒字になります。

トヨタはこの200万円をすぐ円に替えたりせず、アメリカ国内で再投資したり新興国に工場を建設したりします。

だから長期間円安のままですが、リーマンショックでは1ドル120円台から数年で76円まで円高になりました。


長期間海外で運用していた経常黒字が、世界的な経済危機で日本企業が赤字になると、本社がある日本にお金を集めるからです。

もしコロナ危機で日本の大企業が続々と赤字になると、資金繰りのために膨大なドルを円に換金するでしょう。

そこにヘッジファンドや大手投資機関が目を付けて、投機が投機を呼んで超円高になります。


そうなる可能性があるという事で、必ずそうなる訳ではありません。

だがもし事態が円高に進み始めると、今度は1ドル60円台や50円台に飛び込む可能性もあります。
http://www.thutmosev.com/archives/84666250.html

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