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[経世済民116] トランプ氏の変革は吉か凶か、米世論割れる ムニューチンの超長期債、成功の可能性超低  豪21年財政黒字予想維持、格下回避
トランプ氏の変革は吉か凶か、米世論割れる
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WSJとNBCの共同世論調査によれば、トランプ氏が米国の政治運営を変えると考えている人は68%に及ぶ(英語音声のみ)Photo: AP
By MICHAEL C. BENDER
2016 年 12 月 19 日 09:11 JST 更新

 米国民の10人に7人は、トランプ米次期大統領を公約通りの変革の人だと思っている。しかし、トランプ政権がもたらす変革が良いか悪いかについては、国民の見解は分かれている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルとNBCテレビが共同で行った最新の世論調査によれば、トランプ氏が米国の政治運営を変えると考えている人は68%に及ぶ。しかし、そのうちの3分の1(成人全体の約20%)は、間違った変革になると予想している。

 トランプ政権下でも政治は変わらないと考えている32%を含めると、米国民の半分以上はトランプ氏が悪い変革をもたらす、もしくはまったく変化をもたらさないと考えていることにもなる。

 トランプ氏の政権移行のやり方を支持しているのは50%で、不支持は41%だった。これは、現職オバマ大統領が政権移行中だった2008年の同時期とは対照的。当時、オバマ氏の政権移行準備を支持していたのは73%に上り、反対はわずか13%だった。

 トランプ氏の政権移行への賛否は、共和党支持層と民主党支持層の間で大きく分かれた。共和党支持層の約82%は支持したのに対し、民主党支持層では支持はわずか12%にとどまる。無党派層では支持は53%、反対は32%となっている。

ロシアとの関係

 また調査では、米国民の過半数はロシアが米大統領選に影響を与える目的でハッキングをしたとの各種報道に気を揉んでいることが分かった。「トランプ氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と親しすぎる」と感じている人は、「両者の関係を心配していない」と答えた人をわずかながら上回った。

 ロシアとの関係については、米石油大手エクソンモービルのレックス・ティラーソン会長兼最高経営責任者(CEO)の国務長官就任に際して問題となる可能性がある。ティラーソン氏は、プーチン大統領からロシアの友好勲章を授与されており、西側による対ロシア経済制裁に反対してきた。一部の上院議員はティラーソン氏の国務長官指名について、トランプ氏がロシアに融和的姿勢をとろうとするシグナルではないかと懸念し、承認に慎重な姿勢を示している。

トランプ次期米大統領 ENLARGE
トランプ次期米大統領 PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
 トランプ氏とプーチン氏との関係については、約30%が「友好的過ぎる」と回答、「大統領として適切かどうか」については24%が「適切」と答えた。この質問の賛否も、支持政党の違いではっきりと分かれた。トランプ氏支持者の間では、「友好的過ぎ」はわずか3%だったのに対し、大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン氏支持者では3分の2に達した。

 ロシア政府の意向を受けたハッカーが大統領選に介入しようとしたとの米情報機関の報告に関しては、「非常に、もしくはかなり懸念している」が54%で、「それほど懸念していない」が約41%。また、「ハッキングはトランプ氏の勝利に影響を与えなかった」は57%、「与えた」が約37%だった。

 調査は今月12-15日に1000人の成人を対象に実施され、誤差はプラス、マイナス3.1%ポイント。 

トランプ次期政権特集

FRB議長とトランプ氏、ひとまず意気投合
IT業界とトランプ氏つなぐ投資家ティール氏
トランプ氏が示唆する中東戦略の大転換
【社説】トランプ氏勝利とロシアの思うつぼ
トランプ次期米政権の主要ポスト顔ぶれ
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjxs4Cssf_QAhWGVZQKHYsUAtMQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582505483368318596&usg=AFQjCNEscNEtoayYbUArlTCxRrO9NzlaYQ


 

ムニューチン氏示唆の超長期債発行、成功の可能性超低い−市場懐疑的
Brian Chappatta、Alexandra Harris
2016年12月19日 10:18 JST

関連ニュース
ゴールドマン、スター運用者起用−10年間成績トップ級のジェイン氏
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わずか60秒で売り切れに、米ドル建て商品に殺到する中国消費者
株式相場の底で買った約6.5兆円の運用者、現金比率を上限に近づける

? 新たな年限の発行にリスク、投資家は米国債入札の予測可能性を評価
? 米国債市場の平均償還期間は既に歴史的水準に向けて長期化
超長期の米国債発行はうまくいく可能性が超が付くほど低い。
  年限が50年もしくは100年の米国債発行の可能性をめぐり、トレーダーやストラテジスト、さらにはデュレーションを求める債券投資家までもがこう指摘している。一方、トランプ次期米大統領が財務長官への起用を決めたスティーブン・ムニューチン氏はCNBCとの11月30日のインタビューで、こうした年限に関する質問に「あらゆる可能性を検討する」と述べている。
  米財務省は超長期債発行のアイデアを一貫して退けているが、ムニューチン氏の発言を受けて米30年債相場は急落した。超長期債の発行は理論上は合理的に聞こえる。長期金利が過去最低付近にあり、他国は年限が50年以上の国債を定期的ではないにせよ発行しているからだ。しかし米国にとっては、こうしたアプローチはリスクを伴う。米国債入札の予測可能な性質は投資家を引き付け、借り入れコストを押し下げている。さらに重要なのは、世界最大規模を持つ米国債市場の平均償還期間が既に歴史的水準に向かって長期化している点だ。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iAl8jJsjAKxY/v2/-1x-1.png
  BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「米財務省は利回り曲線をもて遊ぶことのない予測可能で信頼できる発行体という極めて良い評判を築き上げてきた。投資家が好むのはそうした性質だ」と指摘。「それを失って、投資家が喜ぶからという理由で50年債を発行するのは実際、長期的に強いプラス効果をもたらすものではない」と述べた。
  米財務省は1970年代以降、定例入札を債務管理の「支柱」と位置付けている。ダリープ・シン次官補代行は今月、コロンビア大学でのプレゼンテーションでこのスタンスの重要性を強調。50年債を発行後、それを突然中止するなどすれば「定期的で予測可能な発行体としての米財務省の信頼性にどんな影響が及ぶだろうか」と述べた。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iETsM2LXa5PA/v2/-1x-1.png

原題:Mnuchin’s Ultra-Long Bond Idea Is an Ultra-Longshot for Treasury (抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIEOMU6KLVR801

 

 
豪州:2020−21年度の財政黒字化予想を維持−格下げ回避目指す
Michael Heath
2016年12月19日 12:03 JST

政府が年央財政・経済見通し発表−今年度赤字見通しを小幅引き下げ
今年度の経済成長率見通しを2%に引き下げ−従来2.5%

オーストラリアのモリソン財務相は、今年度の財政赤字見通しを小幅引き下げ、2020−21年度(20年7月−21年6月)に黒字化するとの予想を維持した。同相は豪州の信用格付けの引き下げ阻止を目指している。
  豪政府は19日発表した年央財政・経済見通しで、16−17年度(16年7月−17年6月)の財政赤字見通しを365億豪ドル(約3兆1300億円)とした。5月時点は赤字幅を371億豪ドルと見込んでいた。ただ、この後3年間の赤字拡大は5月時点の見通しよりも約110億豪ドル大きくなると予想している。
  モリソン財務相は、16ー17年度の経済成長率見通しを5月時点の2.5%から2%に引き下げた。同相は発表資料で、「豪経済は、実質GDP見通しの下方修正にもかかわらず、引き続き鉱業ブームの投資局面から生産局面へと移行している」と指摘。「輸出と家計消費が成長を支える見通しだ」と説明した。
  ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、この日の年央財政・経済見通しについて、豪州のAAA格付けと合致するものだとしながらも、経済成長が鈍化する状況で財政目標を達成するのは「難しい」だろうと指摘した。S&Pグローバル・レーティングにコメントを求めたが現時点で返答はない。同社は7月に豪州の格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」に変更した。
原題:Australia Sticks to 2021 Surplus Ambition in Bid to Save AAA (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIET1B6JIJUX01
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/832.html

[政治・選挙・NHK217] 北方領土「進展なし」でもプーチン来日が成功だった理由 ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦
ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦
【第30回】 2016年12月19日 北野幸伯 [国際関係アナリスト]
北方領土「進展なし」でもプーチン来日が成功だった理由
ロシアのプーチン大統領が12月15日に来日した。安倍総理との会談で、北方領土問題について具体的な進展がなかったことから、失望の声も聞かれる。しかし、もっと大局的視点から見れば、会談はロシアだけでなく、日本にとっても成功だったと言える。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

自民党内でも批判が噴出
何の進展もなかった北方領土問題

 安倍総理とプーチンは15日と16日、計6時間会談した。日本側がもっとも注目していたのは北方領土問題。しかし、返還については、何の進展もなかった。


北方領土問題が進展しなかったことから、国民はもとより自民党内でも不満の声が上がっているが、それでも今回のプーチン来日は成功だったと言える。その成果について見てみよう 写真:代表撮影/AP/アフロ
 両首脳が会談して決まったのは、日本とロシアが、北方4島で「共同経済活動」を行う協議を開始すること。その分野は、漁業、海面養殖、観光、医療、環境などと発表された。

 安倍総理は、「共同経済活動」について、「平和条約締結に向けた重要な一歩」としている。

 そしてプーチンも、安倍総理の主張に同意した。しかし、「日本企業が北方4島でビジネスをすると、『島が返ってくる』」という話には、普通ならないだろう(日本企業進出で、4島の雇用が増え、インフラが整備され、景気が良くなれば、もちろん「信頼醸成」にはつながるが)。

「北方領土問題」の結果については、自民党内でも不満があるらしい。二階俊博幹事長は16日、「国民の大半がガッカリしているということを、われわれは心に刻む必要がある」と語った。さらに、「解決の見通しがつくかのような報道が続いた。日本国民は『これで解決するんだ』と思った。なんの進歩もなくこのまま終わるなら、一体あの前触れはなんだったのかということを、日本の外交当局は主張しなければならない」と、不満をぶちまけた。

 しかし、会談前からロシア政府高官の言動を追っている人は皆知っているが、ロシア側が領土問題で譲歩する気配は、まったくなかった。だから、この件で「ロシアはウソをついた」と主張することはできない。

プーチンが北方領土を
返還したくない本当の理由

 ところで、ロシアが領土問題で強硬になっている背景について、プーチン自身が16日の共同記者会見で説明した。

 曰く、「ウラジオストクと、その北部には基地がある。そこから私たちは太平洋地域に出港する。日米安保条約で日本とアメリカがどのように対処するのか、私たちにはわからない。日本の皆さんは、ロシア側が感じている不安を理解してほしい」。

 つまり、プーチンは、「ロシアが北方領土を日本に返還すれば、4島は事実上米軍の支配下に入るのではないか?」と恐れているのだ。

 この懸念は、理解できる。ちなみに、ロシアが「クリミア併合」を決意したのは、ウクライナに誕生した親欧米新政権が、「クリミアからロシア黒海艦隊を追い出し、NATO軍を入れる」と宣言したことが原因だった。

「普通の国」であるロシアの国防意識は、安保をすべて米軍に任せ、「平和憲法で世界に尊敬されている」と勘違いしている日本より、はるかに高い。そして、ロシア国民はクリミア併合後、常に「米国と戦争中」という意識で暮らしている。だから、「4島が、事実上米軍の支配下に入ること」をプーチンが恐れるのは、当然なのだ。

 日本にとって「ロシア」というと、まず第1に「北方領土問題」であり、第2に「石油、ガス」である。 

 日ロ経済関係は2013年、安倍総理の強い意欲で、力強く発展しはじめていた。しかし、14年3月の「クリミア併合」ですべてが暗転。日本は欧米の「対ロ制裁」に参加したので、ロシアと「経済の話」ができなくなってしまった。

 その後、原油価格が1バレル110ドルから30ドル台まで急落すると、ロシアの持つ「石油、ガス」への関心も急速に薄れていった。結果、日本政府高官がロシア政府高官にする話は、「北方領土問題オンリー」になり、ロシア側は憤っていたのだ。

日ロ経済関係の復活は
日本人が思うより重要

 たとえば、メドベージェフ首相は15年8月22日、択捉島を訪問。日本政府は抗議した。そのことを聞いたロゴジン副首相は、ツイッターで「ハラキリして落ち着け!」と、日本政府を非難。あまりの無礼さに、日本人は誰もが驚いた。

 しかし、口に出すか出さないかは別として、ロシア政府高官の感情は当時、概して「そのようなもの」だったのだ。

 日本政府の人間と会えば、毎回毎回「島を返せ!」とだけ言われる。ロシア政府高官たちは当時、「日本政府関係者には会っても、何もいいことがない」と嫌悪感を露わにしていた。しかし、安倍総理は16年5月、ソチでプーチンと会った際、「8項目の協力計画」を提案、状況が変わってきた。

 ようやく日本側は、「4島の話だけしても、嫌われるだけで何の進歩もない」ことに気づき、ロシアが望む「経済協力」の話をはじめたのだ。

 両国関係は、ここから変わりはじめた。今回のプーチン来日で、「北方領土問題」は、ほとんど動かなかった。しかし、経済協力は、大きく動いている。経団連の発表によると、今回、政府間で12件、民間レベルで60件を超える協力案件で合意。日本側の投融資は総額3000億円規模になる。

 報道で明らかになっている案件をいくつか挙げると、

・三井物産、三菱商事、ロシア国営ガス会社ガスプロムと、戦略的提携で合意。
・丸紅と、ロシアの天然ガス2位ノバテック社は、「新規LNGプロジェクト開発、LNG石油製品取引等に関する協力覚書」を交わした。
・経済産業省・資源エネルギー庁とガスプロムが協力発展で合意。
・三井物産、ロシアの水力発電会社ルスギドロと協力。
・日本の大手銀行、ガスプロムに融資。
・川崎重工、ロシア・サハ共和国と、ガスタービンを利用したエネルギー供給の共同調査を実施。
・双日、ハバロフスク空港の改修工事に参加、など。
 これらの話を聞いて、普通の日本国民が「よかった!」と喜ぶことはないだろう。しかし、日本とロシアが利益の出る事業に取り組むことは、とても重要である。2つの国を結びつけるもっとも強力な「接着剤」は、「金儲け」なのだから。

安全保障面での協力再開も
日本にとってはメリット

 プーチン来日の1週間前、日本とロシアが、「外務・防衛担当閣僚協議」(2プラス2)を年明けに再開することで調整していることが明らかになった。「2プラス2」とは、2つの国の外務大臣と防衛大臣が、安全保障について話し合う枠組みのことだ。

 日米間では1960年に設置、日本とオーストラリアは2007年、そして日本とロシアは13年11月に初会合が行われた。しかし、その後「クリミア併合」で日ロ関係が悪化したことから、2回目の会合は開かれていない。

 日ロ関係が好転してきたことで、「2プラス2」が再開される方向で話が進んでいる。(今回の首脳会談でも、その流れを維持することが確認された)。これは、日本にとって、大いに喜べるニュースである。というのも、日本にとってロシアは、「安全保障面」で非常に重要だからだ。

 中国は、「日本には尖閣だけでなく沖縄の領有権もない!」と公言し、尖閣強奪に向けた布石を着々と打っている。

「尖閣有事」の際、「日本・米国vs中国」であれば、日米は必ず勝利できる。しかし、「日本vs中国」、つまり、米国抜きの一騎打ちになれば、日本は負けるだろう。通常兵器の戦いでは勝てるかもしれないが、最後に核で恫喝されれば、どうしようもない。

 だから日本は、必勝パターン「日本・米国vs中国」の形を維持するために、どんなことをしてもトランプ新大統領と良好な関係を築かなければならない。安倍総理は、トランプ勝利後、すぐ彼に電話し、すぐ会いにいった。これを「朝貢外交」と批判するのは、まったく愚かなことだ。総理の迅速な行動で、日本は「より安全に」なったのである。

 そして、「尖閣有事」には、もう一つ重要な役割を果たす可能性のある国がある。それが、ロシアだ。

 もし、「日本・米国vs中国・ロシア」の戦いになれば、どちらが勝つかわからない。しかも、「日本の島を守るために、中国・ロシアと戦えるか!」と米国が引く可能性は高いと思われる。

 そして、最悪のパターンは、「日本vs中国・ロシア」の戦いになることだ。こうなると、日本に勝ち目は1%もなく、尖閣は確実に奪われるだろう。

 というわけで、日本は、米国との関係を強固に保つと同時に、中国とロシアを分裂させ、ロシアを中立にとどめておくことがとても大事なのだ。

プーチン来日の成功に
いきり立った中国

「中ロを分裂させる」といっても、別に特別なことをする必要はない。日本がロシアと友好関係を深めていけば、中ロは自然と疎遠になっていく。さて、「2プラス2」の再開について、産経新聞12月8日付は、こう書いている(太線、筆者。以下同じ)。

 <日露両国が国境を接するオホーツク海は北極海航路につながる。
中国は東シナ海での挑発行動に加え、オホーツク海や北極海への海洋進出も強めており、日露両国の共通の脅威になりつつある。
2プラス2の開催は「中国への強烈なメッセージになる」(日本政府関係者)とされる。>

 確かに、今回のプーチン来日で、北方領土問題の進展はなかった。しかし、経済協力は大きく進み、安全保障分野の協力も再開される。だから、「プーチン来日は、日本にとっても成功」と言えるのだ。その意味は、「中国とロシアを分断するのに、成果があった」ということだ。

 ここまで書いても、一般の日本人は同意しないかもしれない。事の重要さを一番理解しているのは、中国政府である。時事通信12月16日付を見てみよう。

 <中国国営新華社通信は日ロ会談に関する論評で「安倍首相はロシアを抱き込み、中国に対する包囲網を強化したい考えだが、中ロ関係の土台を揺るがすのは難しく、もくろみは期待外れとなる」と反発。
その上で「(安倍氏の)私益だけを求めた自分勝手な外交思考は、日本が隣国からの信頼を得ることを間違いなく困難にする。ただの一方的な妄想だ」と批判した。>

 中国は、日本の専門家やマスコミより、安倍総理の意図を正しく理解している。つまり、「安倍首相はロシアを抱き込み、中国に対する包囲網を強化したい考え」である、と。確かに、今回のプーチン来日で、「中ロ分断に成功した」というのは大げさだ。しかし、日本は「中ロ分断にむけて一歩を踏み出した」ということはできるだろう。

トランプ大統領誕生が
今後の日ロ関係にも影響する

 日本とロシアの関係は、これからどうなっていくのだろうか?そして、日本は、どうすべきなのだろうか?

 米国の方向転換が、日ロ関係にも、大きな影響を与えることだろう。米国では、「プーチン嫌い」のオバマが、間もなく去る。そして、「親プーチン」のトランプが大統領になる。

 トランプの「親プーチン」ぶりは、「筋金入り」だ。選挙戦中、ヒラリーが「トランプは、プーチンの操り人形だ!」と批判しても、動じることがなかった。そして、彼が国務長官に指名したのは、「プーチンの親友」として知られるエクソン・モービルのテラーソン会長だ。

 現在プーチンの悲願は、「対ロシア制裁を解除してもらうこと」である。トランプ時代がはじまれば、制裁解除の可能性が見えてくる。

 米ロ関係が改善されると、日ロ関係はどうなるのだろうか?プーチンは、日本に妥協する必要性を、ますます感じなくなるだろう。なぜなら、「対ロシア制裁」を主導しているのは米国であり、制裁を「解除」できる力を持つのも、やはり米国だけだからだ。

 プーチンの中で安倍総理の位置づけは、トランプより下になるだろうし、北方領土の返還交渉はさらにもたつくかもしれない。それでも、日本は「米ロ和解」を歓迎すべきだ。というのも、米国とロシアが和解すれば、相対的に中国とロシアの関係が薄くなるからだ。これは、日本の安全保障上、極めて都合がいい。

 日本は、トランプやプーチンの気まぐれに振り回されることなく、「戦略的視点」を持ちながら、一歩一歩、日ロ関係を改善させる努力を続けていくべきだ。

 もう一度整理すると、重要なのは、以下の2つの視点だ。

・日米関係が好転すればするほど、中国は尖閣侵略が難しくなり、日本はより安全になる。

・日ロ関係が改善されればされるほど、同じように中国は、尖閣侵略が難しくなる。

 日本政府は、このようなロシアの「戦略的位置づけ」をはっきり認識し、ゆっくりでも着実に、日ロ関係を改善していかなければならない。北方領土返還はもちろん、日本にとって大切なことなのだが、そこにこだわるがあまりに、迫り来る「中国」という脅威を忘れてしまっては、取り返しのつかないことになりかねない。

http://diamond.jp/articles/-/111753
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/773.html

[経世済民116] 官民で常態化する長時間労働と賃金未払い、若手に募る不満 社会貢献する仕事、健康・職業寿命延ばす 宴席続きでも太らない人が
ロイター発 World&Business
2016年12月19日 ロイター
官民で常態化する長時間労働と賃金未払い、若手に募る不満

12月19日、日本で働く多くの勤労者が、長時間労働に直面し、一部の時間外勤務では賃金不払いが常態化している例もある。都内で3月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 19日 ロイター] - 日本で働く多くの勤労者が、長時間労働に直面し、一部の時間外勤務では賃金不払いが常態化している例もある。この現象は民間企業だけでなく、政府の中枢である「霞が関」でもみられ、「過労死基準」とされる80時間超の残業を強いられる若年世代では、不満と徒労感が拡大中だ。抜本的な解決には、企業文化や人事評価制度、経済システム全般の大幅な見直しが求められる。

ただ働きの実態

「残業は月80─100時間、繁忙期はさらに30時間程度余分に働く。残業代が支払われるのは概ね35時間だけ」──。

 東京都内の鉄鋼商社で電子部品の営業を担当する男性社員(26歳)は、残業申請の際に時間調整を余儀なくされていると打ち明ける。

 残業申請をカットされる背景について「会社の労働生産性が低過ぎて、マージンが取れないことがある」と、その男性社員は勤務している企業の利益率の低さを冷静に分析している。

 大学卒業後、正社員として雇用され、非正規社員よりは高い給与水準ではあるが「体力的にもきつく、給与水準にも不満が残り、退職して米国留学を目指す」と語った。

 連合総研が今年10月、民間企業に勤務している20─64歳の2000人を対象にインターネット経由で調査した「勤労者短観」によると、正規・不正規社員を含め、不払い残業が「あった」との回答は全体の38.2%を占め、過去3年間で最高となった。

 所定外労働時間(残業プラス休日出勤)の平均は40.3時間、そのうち17.6時間が残業代未払いとなっている。

 残業しても自己申告しない「慣行」も根強く存在している。IT企業でネットワークエンジニアとして勤務する男性社員(38歳)は「自ら稼いだプロジェクトの利益から、残業代が差し引かれる制度になっており、人事評価を上げるために残業代は申請しないことがある」と、その背景を説明した。

公式統計で把握できない実態

 しかし、政府の公式統計では、こうした実態はなかなか浮かび上がって来ない。企業側が回答する厚生労働省の毎月勤労統計では、9月所定外労働時間は平均で14.2時間。働く人自身が回答した「勤労者短観」の40.3時間の半分以下だ。

 このギャップについて、人事コンサルタントの松本利明・HRソトラテジー代表は「残業代の支払いを避けたい企業は多い。行政の監督が厳しくなっているとはいえ、不払いの問題はまだ多い」と指摘。

 さらに「社員がどんなに働いても、残業時間が上限を超えないように記録することはよくある」と述べている。

霞が関の常識、不払いの時間外賃金

 こうした残業代なしの「ただ働き」の実態は、民間企業に限ったことではない。働き方改革を掲げている安倍晋三政権のお膝元、中央官庁のエリート官僚が働く霞が関でも、深刻な事態となっている。

 経済官庁に勤務するある若手官僚(26歳)は、法案書類のチェックや部署間の調整などで、毎日午後11時過ぎまで役所のデスクにかじりつき、毎月の平均残業時間は平均90時間にのぼる。

 だが、100%申請しても、実際に残業代が支払われるのは7割程度と、その実態を明らかにした。

 また、自分の残業時間は「ましな方だ」と話す。「3割はただ働きしているという感じは持っている。本当は早く帰宅して、自分にとって有意義な時間を確保したい」と語る。

 安倍晋三首相自らが議長を務める「働き方改革実現会議」では、働く人の視点での議論を掲げている。同会議の有識者委員、白河桃子氏は「労働者側の実態把握も必要。不払い賃金をなくす工夫が求められる」と指摘する。

 白河氏は、長時間労働是正に向け、労働基準法36条で明記されているいわゆる「36協定」改定の議論が同会議で行われる際に、不払い残業についても提言するつもりだという。

 残業時間に上限を設けても、それを超える残業時間に対し不払い残業が増える可能性があり、罰則を強化し、政府がしっかりと監督することがその防止につながるとの考え方だ。

 労働力不足が深刻となる中、「残業の上限は過労死基準と呼ばれる月80時間より少なくすることが必要だと思っている。そうでないと海外から知的労働者は誰も来てくれないだろう」とも語る。

 ロイターの試算では、不払い残業をしている労働者に残業代が全額支払われた場合、1ヵ月に1人平均3万2543円の賃金増加となる。消費性向を勘案すると、単身勤労者の場合、残業代が全額支払われれば月間消費額が2万4000円分、13.4%程度増える余地がある。

 第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏は「労働者側にとっては、その分所得が増えて消費に回す可能性もあろう。他方で企業にとっては労働コストは増えることになり、労働時間を減らすために生産性を上げる工夫をとるインセンティブにもなる」と指摘する。

 残業時間が減れば早めの帰宅により、消費に回る効果も生まれる。むしろそうした形の効果の方が望ましいと熊野氏は説明する。

 単に残業時間の上限を設定するだけはなく、日本人の労働慣行、企業の生産性向上、商慣行など、経済全般のシステムまで踏み込む必要があるようだ。

(中川泉 取材協力:スタンレー・ホワイト 編集:田巻一彦)
http://diamond.jp/articles/-/112006


 
 
40代からの人生の折り返し方 
【第43回】 2016年12月19日 野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]
社会に貢献する仕事への挑戦が、健康寿命・職業寿命を延ばす

人から感謝されるように、仕事で飽くなき挑戦をし続けていますか?
 社会的に意義のある活動というと、多くの人はNPOやボランティア活動などを思い浮かべ、お金にならないものであると思いがちですが、それは勘違いです。

 意義ある活動は継続をしなくては意味がありません。そのためには、経済的に成り立つことが必要ですし、その活動に関わる人の生活も守らなくてはなりません。社会貢献活動を組織化して推進しようとする人にはビジネスマインドが必要です。NPOにしても、活動を継続するため必要最低限の利益を上げることは絶対に必要です。適切な収入を組織成員に払うことも当然とされています。

 さらに言えば、「志も高く、利益も高いビジネス」はいくらでも存在しています。

グラミン銀行で
健全な経営ができる理由

 たとえば皆さんは、バングラディシュにあるグラミン銀行をご存じでしょうか。2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が1983年に創設したビジネスモデルで、貧困層の経済的自立を助けるためのマイクロファイナンス機関です。そこでは無担保で主に農村の女性に対してスモールビジネスの開業資金融資が行われています。

 こう言うと、「決して利益など出そうにないビジネスではないか」と思われるかもしれませんが、実は健全な経営をしています。その秘訣は高い返済率です。グラミン銀行によれば、返済率は実に97%といいます。

 融資を受けたものが返済するためには堅実な経営をしなくてはなりませんが、そのための指導が行われていること、相互に助け合う互助のシステムが導入され、仲間同士が返済を促し合うようになっていることなど、数々の工夫を施すことにより、しっかりとした仕組みができ上がっているのです。

「社会貢献ビジネス」というと、昔はかなり肩に力が入っていたものでした。言うなれば、「荒れ狂う冬の海に小舟を漕ぎ出し、波と風に翻弄されながら一人松明を掲げ続ける。ふと気づくと志を同じくする同士が一人、また一人と集い始める……」といった具合の悲壮感漂うイメージのものでした。しかし、今はかなり様相が異なってきました。

「面白い!」と思ったら
始めてみよ!     

 数年前、社会起業家の集まりで話をする機会がありました。そこで、若手の社会起業家または社会起業を志す若者の前で、上記のような肩に力の入った話をして檄を飛ばしたのですが、休憩時間に何人かの若手起業家が私のところに来て、「何だか自分たちの抱くイメージとはずいぶん違う」と話し始めたのです。

「自分たちはそれほど悲壮感や使命感で凝り固まっているわけではなく、もっと肩の力を抜いて楽しくやっているのだ」と言うわけです。世の中に求められることを楽しく面白くやっている。まるで明るい陽だまりの中で皆と楽しく遊んでいる感覚です。「ワクワク」「ドキドキ」がキーワード。面白いと思ったらとりあえず始めてみる。そして、皆で対話しながらブラッシュアップ!辛いこともあるけれど、明るく楽しく乗り越えていける、と言うわけです。

 実際、アメリカ西海岸の若者たちも、ごく気軽に起業をしています。世の中で必要だと思えて、ワクワクするならとりあえず始めてみるというのです。楽観性を適度に持っていて、とりあえず小さく始めてみるのが近頃の社会起業のスタイルのようです。

 最近では、そうした事業を始める若者たちが日本人にも増えてきました。ただ、そうした事業を日本ではなく、海外で行っているケースも少なくありません。アフリカや東南アジア、中東など、紛争地域をはじめ、大きな社会的課題を山ほど抱えている途上国に、日本の若者が入り込み、活躍をしているのです。

 たとえば、アフリカのモザンビークの電気もない農村部で、電子マネーを使った銀行業務を始め、そうした場所の発展に寄与しようと奮闘している日本の若者がいます。また19歳でアフリカのルワンダに渡り、教育支援事業を始め、その後、タイでヘルスケア事業、インドネシアやフィリピンで新たな教育支援事業に携わっている若者もいます。

 彼らは、世の中の必然的な流れに乗っているという表現をします。それは、目の前にある課題を自然体で解決したいと思う欲求の発露なのです。自らの心の命ずるままに、ごく自然に起業する。嘘偽りのないWill(意志)の発揮です。もちろん優れたCan(自分ができること)を持ち合わせている、もしくは起業する中で急速に培っていることも事実でしょう。

 彼らの顔は光り輝いています。心の命ずるままに正しいことを真剣に行っている誇りと喜びで輝いているのです。

 そうした社会的に価値のある活動に邁進する幸せを、何も若者だけの専売特許にしておく必要はありません。

積極的な社会貢献が
重視される時代  

 企業に求められる社会的価値に関して、昨今では、CSV(Creating Shared Value;共有価値の創造)という考え方が広まっています。これは、ハーバード大学のマイケル・ポーターが提唱したものです。

 CSR(Corporate Social Responsibility;企業の社会的責任)は古くより語られてきました。第1世代(1970年代〜80年代中頃)のCSRは「公害を出さない」「不祥事を起こさない」といったマイナス面を避ける形での最低限の責任を果たす、いわば守りのCSRでした。

 これがバブル期を境に、本業以外で利益を社会に還元する動きに変わりました。第2世代(80年代中頃〜90年代前半)のCSRであり、フィランソロピー(博愛主義、または慈善)であるとか、ボランティア活動の支援、社員による環境保護活動などが行われました。しかし、これはあくまでも本業以外の社会貢献であり、言うなれば付帯的CSRです。

 それに比べてCSVは攻めのCSRと言えるでしょう。ポーターは「戦略的CSR」という概念を提唱します。本業を通じて社会課題を解決する、本業そのものが社会貢献性を持つという考え方です。本業に邁進すればするほど、世の中に貢献できるということです。さらに加えて、自社の強みで社会課題を解決することで、自社の競争力の強化、持続的な成長につなげる、そうした差別化戦略をCSVと定義しました。

 このCSVこそが、世の中の潮流になりつつあります。

 こうした起業の新たな戦略展開は、第41回で著した「健康寿命を延ばすことにつながる社会人材の働き」にも通じる話ですし、上述した若者たちの気概にも通じる話なのです。

挑戦した困難なトレーニング経験が
その後、様々な形で社会貢献に役立つ

 こうした社会貢献をど真ん中に置く考え方は、若者のキャリア先進国にも現れ始めています。端的な例は、米国・アイビーリーグ(IVY League;アメリカの名門私立大学、ハーバード大学やイェール大学など8校から成る連盟)の学生の就職希望ランキングです。その上位には、名だたる多国籍企業を差し置いてNPOが上位にランクインしています。

 たとえばTeach for America(TFA)。これは、一流大学の卒業者を、教員免許の有無にかかわらず、大学卒業から2年間、米国各地の教育環境に恵まれない地域の公立学校に常勤講師として赴任させるプログラムです。

 なぜ学生はそうした困難を買って出るのでしょうか?それが類稀なトレーニングになるからです。そこでの貴重な経験をきっかけに、その後、様々な形で社会貢献の道に進む。それこそCSVという観点を磨き、ビジネスパーソンや社会起業家になっていくのです。

 米国でも、国連職員や政府関係で働きたいという人が増えています。日本ではこうした傾向を安定志向ととらえがちですが、決してそうではありません。まさに社会人材志向なのです。世の中の役に立つような仕事をしたい。そうしたキャリアを積んでいきたいと思っている人が急増しているのです。

 一流企業に就職した若者でも、行く行くは社会企業家として独立したいと思っている人が増えています。社会人材としての生き方が当たり前化しようとしているように私には見えます。

 成熟化社会になると、多くが社会志向性を高めることによって、社会全体のコストが下がる傾向になると思います。この世界的な潮流は確実に進んでおり、後戻りはしないと思います。読者の皆さんには、そうした潮流を恐れることなく、先兵として、いち早くその流れに飛び込んでいただきたいと思います。

 そうすれば、自らの健康寿命も、職業寿命も延びるわけです。究極の利己です。「徳」を突き詰めれば、自分に必ず「得」が返ってきます。社会と自分のために、ぜひ飛び込んでみてください。

人から感謝されるように、仕事で飽くなき挑戦をし続けていますか?
 社会的に意義のある活動というと、多くの人はNPOやボランティア活動などを思い浮かべ、お金にならないものであると思いがちですが、それは勘違いです。

 意義ある活動は継続をしなくては意味がありません。そのためには、経済的に成り立つことが必要ですし、その活動に関わる人の生活も守らなくてはなりません。社会貢献活動を組織化して推進しようとする人にはビジネスマインドが必要です。NPOにしても、活動を継続するため必要最低限の利益を上げることは絶対に必要です。適切な収入を組織成員に払うことも当然とされています。

 さらに言えば、「志も高く、利益も高いビジネス」はいくらでも存在しています。

グラミン銀行で
健全な経営ができる理由

 たとえば皆さんは、バングラディシュにあるグラミン銀行をご存じでしょうか。2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が1983年に創設したビジネスモデルで、貧困層の経済的自立を助けるためのマイクロファイナンス機関です。そこでは無担保で主に農村の女性に対してスモールビジネスの開業資金融資が行われています。

 こう言うと、「決して利益など出そうにないビジネスではないか」と思われるかもしれませんが、実は健全な経営をしています。その秘訣は高い返済率です。グラミン銀行によれば、返済率は実に97%といいます。

 融資を受けたものが返済するためには堅実な経営をしなくてはなりませんが、そのための指導が行われていること、相互に助け合う互助のシステムが導入され、仲間同士が返済を促し合うようになっていることなど、数々の工夫を施すことにより、しっかりとした仕組みができ上がっているのです。

「社会貢献ビジネス」というと、昔はかなり肩に力が入っていたものでした。言うなれば、「荒れ狂う冬の海に小舟を漕ぎ出し、波と風に翻弄されながら一人松明を掲げ続ける。ふと気づくと志を同じくする同士が一人、また一人と集い始める……」といった具合の悲壮感漂うイメージのものでした。しかし、今はかなり様相が異なってきました。

「面白い!」と思ったら
始めてみよ!     

 数年前、社会起業家の集まりで話をする機会がありました。そこで、若手の社会起業家または社会起業を志す若者の前で、上記のような肩に力の入った話をして檄を飛ばしたのですが、休憩時間に何人かの若手起業家が私のところに来て、「何だか自分たちの抱くイメージとはずいぶん違う」と話し始めたのです。

「自分たちはそれほど悲壮感や使命感で凝り固まっているわけではなく、もっと肩の力を抜いて楽しくやっているのだ」と言うわけです。世の中に求められることを楽しく面白くやっている。まるで明るい陽だまりの中で皆と楽しく遊んでいる感覚です。「ワクワク」「ドキドキ」がキーワード。面白いと思ったらとりあえず始めてみる。そして、皆で対話しながらブラッシュアップ!辛いこともあるけれど、明るく楽しく乗り越えていける、と言うわけです。

 実際、アメリカ西海岸の若者たちも、ごく気軽に起業をしています。世の中で必要だと思えて、ワクワクするならとりあえず始めてみるというのです。楽観性を適度に持っていて、とりあえず小さく始めてみるのが近頃の社会起業のスタイルのようです。

 最近では、そうした事業を始める若者たちが日本人にも増えてきました。ただ、そうした事業を日本ではなく、海外で行っているケースも少なくありません。アフリカや東南アジア、中東など、紛争地域をはじめ、大きな社会的課題を山ほど抱えている途上国に、日本の若者が入り込み、活躍をしているのです。

 たとえば、アフリカのモザンビークの電気もない農村部で、電子マネーを使った銀行業務を始め、そうした場所の発展に寄与しようと奮闘している日本の若者がいます。また19歳でアフリカのルワンダに渡り、教育支援事業を始め、その後、タイでヘルスケア事業、インドネシアやフィリピンで新たな教育支援事業に携わっている若者もいます。

 彼らは、世の中の必然的な流れに乗っているという表現をします。それは、目の前にある課題を自然体で解決したいと思う欲求の発露なのです。自らの心の命ずるままに、ごく自然に起業する。嘘偽りのないWill(意志)の発揮です。もちろん優れたCan(自分ができること)を持ち合わせている、もしくは起業する中で急速に培っていることも事実でしょう。

 彼らの顔は光り輝いています。心の命ずるままに正しいことを真剣に行っている誇りと喜びで輝いているのです。

 そうした社会的に価値のある活動に邁進する幸せを、何も若者だけの専売特許にしておく必要はありません。

積極的な社会貢献が
重視される時代  

 企業に求められる社会的価値に関して、昨今では、CSV(Creating Shared Value;共有価値の創造)という考え方が広まっています。これは、ハーバード大学のマイケル・ポーターが提唱したものです。

 CSR(Corporate Social Responsibility;企業の社会的責任)は古くより語られてきました。第1世代(1970年代〜80年代中頃)のCSRは「公害を出さない」「不祥事を起こさない」といったマイナス面を避ける形での最低限の責任を果たす、いわば守りのCSRでした。

 これがバブル期を境に、本業以外で利益を社会に還元する動きに変わりました。第2世代(80年代中頃〜90年代前半)のCSRであり、フィランソロピー(博愛主義、または慈善)であるとか、ボランティア活動の支援、社員による環境保護活動などが行われました。しかし、これはあくまでも本業以外の社会貢献であり、言うなれば付帯的CSRです。

 それに比べてCSVは攻めのCSRと言えるでしょう。ポーターは「戦略的CSR」という概念を提唱します。本業を通じて社会課題を解決する、本業そのものが社会貢献性を持つという考え方です。本業に邁進すればするほど、世の中に貢献できるということです。さらに加えて、自社の強みで社会課題を解決することで、自社の競争力の強化、持続的な成長につなげる、そうした差別化戦略をCSVと定義しました。

 このCSVこそが、世の中の潮流になりつつあります。

 こうした起業の新たな戦略展開は、第41回で著した「健康寿命を延ばすことにつながる社会人材の働き」にも通じる話ですし、上述した若者たちの気概にも通じる話なのです。

挑戦した困難なトレーニング経験が
その後、様々な形で社会貢献に役立つ

 こうした社会貢献をど真ん中に置く考え方は、若者のキャリア先進国にも現れ始めています。端的な例は、米国・アイビーリーグ(IVY League;アメリカの名門私立大学、ハーバード大学やイェール大学など8校から成る連盟)の学生の就職希望ランキングです。その上位には、名だたる多国籍企業を差し置いてNPOが上位にランクインしています。

 たとえばTeach for America(TFA)。これは、一流大学の卒業者を、教員免許の有無にかかわらず、大学卒業から2年間、米国各地の教育環境に恵まれない地域の公立学校に常勤講師として赴任させるプログラムです。

 なぜ学生はそうした困難を買って出るのでしょうか?それが類稀なトレーニングになるからです。そこでの貴重な経験をきっかけに、その後、様々な形で社会貢献の道に進む。それこそCSVという観点を磨き、ビジネスパーソンや社会起業家になっていくのです。

 米国でも、国連職員や政府関係で働きたいという人が増えています。日本ではこうした傾向を安定志向ととらえがちですが、決してそうではありません。まさに社会人材志向なのです。世の中の役に立つような仕事をしたい。そうしたキャリアを積んでいきたいと思っている人が急増しているのです。

 一流企業に就職した若者でも、行く行くは社会企業家として独立したいと思っている人が増えています。社会人材としての生き方が当たり前化しようとしているように私には見えます。

 成熟化社会になると、多くが社会志向性を高めることによって、社会全体のコストが下がる傾向になると思います。この世界的な潮流は確実に進んでおり、後戻りはしないと思います。読者の皆さんには、そうした潮流を恐れることなく、先兵として、いち早くその流れに飛び込んでいただきたいと思います。

 そうすれば、自らの健康寿命も、職業寿命も延びるわけです。究極の利己です。「徳」を突き詰めれば、自分に必ず「得」が返ってきます。社会と自分のために、ぜひ飛び込んでみてください。
http://diamond.jp/articles/-/111748


 

 
2016年12月19日 井出留美
宴席続きでも太らない人が意識している10項目

年末年始は会食や宴会が多くなります。加えて、お正月休み中は、どうしても運動不足で太り気味になりがちです。一方、どんなに会食や宴会が続いても体型や体重をキープしている人がいます。そこで、太らない人が守っている基本的な注意点を解説します。(食品ロス問題専門家、消費生活アドバイザー、栄養学博士 井出留美)

毎日会食・宴席でも体型はキープできる

「僕、毎日、会食ですし、毎日ビール飲んでますけど、体型キープしてますよ」

 先日、ある講演会で一緒に登壇した40代男性が、胸を張っておっしゃっていました。

 私は20代以降、体重が40kg台〜60kg台と動きました。今では、毎日会食があっても、ここ10年間、体重を53kg±2kg程度にキープできています。

 毎日、会食や宴席が続いても体型や体重をキープできる人と、際限なくふくらんでいく人とは何が違うのでしょう?

 以下、10項目に分けて解説しましょう。

1.まず測って「見える化」する

 会社の業務を進める中で、業績を数値化していない、という人は少ないのではないでしょうか。なぜでしょうか?

 見える化し、良い点は伸ばし、悪い点は改善する対策をとるためです。

 会社の業務では必ず数字で示す。なのに、なぜ身体は数値化して管理しようとしないのでしょう。


いで・るみ
食品ロス問題専門家。消費生活アドバイザー。博士(栄養学)(女子栄養大学大学院)、修士(農学)(東京大学大学院農学生命科学研究科)。女子栄養大学・石巻専修大学 非常勤講師。日本ケロッグで広報室長と社会貢献業務を兼任し、東日本大震災では食料支援に従事する。その折の大量の食料廃棄に憤りを覚え、自らの誕生日であり、人生の転機ともなった3・11を冠した(株)office3.11設立。日本初のフードバンク、セカンドハーベスト・ジャパンの広報を委託され、同団体をPRアワードグランプリ ソーシャル・コミュニケーション部門最優秀賞や食品産業もったいない大賞食料産業局長賞へと導く。市会議員、県庁職員、商店街振興組合理事長らと食品ロス削減検討チーム川口主宰。平成28年度農水省食品ロス削減国民運動展開事業フードバンク推進検討会(沖縄)講師。同年10月『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書)上梓、2016年11月、本著内容を国際学会Food and Societyで発表。ダイエットや栄養管理の問題にも詳しく、著書『一生太らない生き方 普通に食べてスリムになる方法』、『グリーンスムージーダイエット』監修の実績もある
 私は2007年から10年間、ほぼ毎朝、朝食前に体重を測っています。そうすると、自分の傾向が見えてきます。例えば、「夏と比べて冬場は1〜2kg増えるなあ」とか食べる量が多くても運動で体脂肪が落ちるなあ」など。

 イチロー選手はこう言っています。

「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道だと思っています」

 この言葉の真意は、ポジティブな意味でしょう。

 これは逆にネガティブな意味。つまり、「太る」ことにも言えるのです。

 少しずつ太り、それを積み重ねたから「とんでもない身体」になったのです。

 ここで、太らないために気をつけるポイント2つ。(1)一日単位で調整すること、(2)事実を目の当たりにすること、です。

 そこで、読者のために私のデータを公開しましょう。

 ◎4年前(2012年)の12月7日
 体重55.20kg、体脂肪24.4%、身体年齢26歳

 ◎4年後、2016年12月7日
 体重53.60kg、体脂肪24.1%、身体年齢27歳

 会食の多い、私のような“熟年”女性でも、毎日欠かさず体重チェックをし、「見える化」することで、太ったらすぐ対処できるのです。

 数字は事実。事実を客観視することで、早めに対策をとることができます。

 キツいことを言うようですが、自分の身体すら管理できない人に、組織や部下の管理ができるのでしょうか。あなたがそれなりに責任ある仕事をしているのなら、それなりの「覚悟」を持って望みましょう。

2.あなたの体重は「お金の収支」と同じ

 お金を貯めるにはどうすればいいしょうか?

(1)収入を増やす
(2)支出を減らす

 この2つです。

 逆に、貯まったお金を減らすにはどうしたらいいか?

(1)収入を減らす
(2)支出を増やす

 ということになります。

 それでは、体重を減らすにはどうすればいいでしょうか?

(1)食べる量(インプット)を減らす
(2)消費量(アウトプット)を増やす

 もちろん、体質によって個人差はありますが、基本はこの2点に集約できます。

 実にシンプルです。

 消費量を増やすのに、ジムなどに行ける人はよいでしょう。

 もし、行く時間がない人は、日常生活でこまめに動くしかありません。

 例えば、エスカレーターより階段を使う。電車では、座るより立つ。

 では、食べる量を減らすにはどうしたらいいでしょう?

3.酒の前にナッツ

 食べ過ぎ・飲み過ぎ、二日酔いを防ぎたい。

 そんなときは、飲みに行く前、ナッツ類など脂質の豊富な食品を少し摂るといいでしょう。お腹が空き過ぎていると、アルコールの吸収が早くなるためです。

 これを防ぐには、適度に油分をとっておくことです。例えば、マカデミアナッツやくるみなど。小袋でファスナー付きのものをカバンに入れておき、飲みにいく前に少しだけ食べるとよいでしょう。

4.まず野菜を食べる

 そうは言っても、「そんな暇ないよ」という人も多いでしょう。

 そんなときは、飲み会の席で、まずサラダを頼みましょう。

 ドレッシングをかけたサラダを食べることで、アルコールが胃で吸収されたり腸で吸収されたりするのを防いでくれます。

 まず野菜を食べることで、血糖値はじわじわ上昇し、血糖値が急激に上昇するのを防いでくれます。血糖値が急激に上がると、糖がたくさんある状態となり、身体は脂肪を貯め込もうとしてしまうのです。

 野菜の次に、お酒を飲みながら食べるおつまみとしてお勧めなのが、ビタミンB系の食べ物です。アルコールを代謝してくれる役目があるからです。

 豚肉、うなぎ、納豆・豆腐などは、ビタミンB群を豊富に含んでいます。それらを含んだメニューを頼んでみましょう。

5.ビールの次は他のものに取り替える

 仕事後、「まず一杯」の生ビール。

 おいしいですよね。ビールが一番おいしいのは1杯目。ビールは食欲を増進させる役目もあります。中ジョッキ1杯は、おにぎり1個分近くのエネルギーがあります。

 ですから、中ジョッキ1〜2杯くらいでビールはおしまい。次は、焼酎を炭酸水で割ったサワーなど、ビール以外のものに切り替えましょう。

6.会話に集中する

 毎朝、体重を測っていると、自分の身体の傾向がわかります。

 私の場合ですが、おもしろいことに、飲み会の翌日は、なぜか体重や体脂肪が減っているのです。これは、会話に熱中して、食べ過ぎなかったためだと推察しています。

 そもそも、会食や外食の目的は「コミュニケーションをとること」であり、「食べまくること」ではないはずです。

「会費の元をとらなくちゃ」と飲み食いするのでなく、本来の目的に徹しましょう。

7.酒席で炭水化物はほどほどに

 夜は、朝や昼より、身体が貯め込むほうに働きます。

 朝や昼より運動量も少なくなります。

 極端な「糖質抜きダイエット」はお勧めしませんが、ご飯や麺などの炭水化物は、アルコールを摂る人は特に、ほどほどがお勧めです。

8.〆のラーメンは汁残す

 飲みに行った後「〆めのラーメン」を食べたくなることがあるでしょう。そんなとき、スープは残してください。実は、ラーメンのカロリー(エネルギー)のうち、多いのは「スープ」です。塩分と脂質を含んでいます。

 成長ホルモン、というホルモン(生理活性物質)があります。一生のうち、一番分泌されるのは、小学校高学年から中学生にかけてくらい。「成長」のためのホルモンです。大人になると、分泌量が少なくなりますが、分泌はされます。熟睡しているときです。

 この成長ホルモンは、荒れた肌を修復してくれたり、要らない脂肪を排出してくれたりしてくれます。寝ている間に働いてくれるのですからラクですね。でも、満腹状態で寝てしまうと、成長ホルモンが働きづらくなります。

 だから、寝る前の満腹状態は御法度です。身体や心臓にも負担をかけます。夜の食事をほどほどに抑えることは、とても大切です。

9.コンビニ行ったら納豆巻き

 体重60kgの人が7時間デスクワークをしたとすると、消費カロリー(エネルギー)は、およそ660kcalを消費します。

 体重70kgなら771kcalです。

 コンビニの弁当には、カロリー(エネルギー)が表示されていることが多いでしょう。600〜700kcalくらいのものを食べると、「インプット」と「アウトプット」でプラスマイナスゼロです。

 2の項目で、前述した通り、アウトプットのほうが高くてインプットが少なければ、少しずつでもエネルギー消費が増え、体重の増加が落ちるはずです。

 例えば、代謝を高めるビタミンB群を含む納豆はお勧めです。納豆巻き2本と野菜ジュースなどの組合せでしたら、500kcal程度に収まるでしょう。

10.「5色」を意識する

 コンビニやスーパー、外食先で食事を選ぶときは、いろんな色のものを選ぶとバランスがとれます。

「5色」を意識してみましょう。赤、白、黄色、緑、黒。このうち、特に意識して摂って欲しいのは、緑と黒です。

 緑の食べ物とは、色の濃い野菜(緑黄色野菜:ほうれん草、パクチー、かぼちゃ、パプリカ、にんじん、ブロッコリー)や、色の薄い野菜(淡色野菜:きゅうり、レタス)です。

 黒は、海苔やモズクなどの海草類や、しいたけなどのキノコ類。黒豆など。緑や黒は、ビタミンやミネラル、食物繊維といったように、栄養素が多く、カロリー(エネルギー)は低いのです。

                 ◇

 最後に、イチロー選手の言葉をもう一度書きます。

「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道だと思っています」
http://diamond.jp/articles/-/111749

http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/833.html

[経世済民116] 今年だけでもインフレ率700%のベネズエラ、新札発行も届かず大混乱 抗議や略奪300人以上逮捕 最低賃金30%引上12回
今年だけでもインフレ率700%のベネズエラ、新札発行も届かず大混乱
2016年12月19日 国際 コメント

ベネズエラの混乱を報じる「El Pais」紙
 原油の埋蔵量では世界一とされるベネズエラは軍人ウーゴ・チャベスが1999年にクーデターを起こして政権に就いて社会主義革命(ボリバル革命)を行った。政府の方針に背く企業は政府が介入して国営化させ、多くの企業家が経営の放棄や廃業した。その為に国内に物資は不足し、輸入に頼らねばならなくなっていた。政府の歳入の80%は原油の輸出によるもので、原油価格が高い期間は国家財政は潤った。輸入の為の資金も充分にあった。しかし、最近の原油価格の大幅な下落はベネズエラ経済を一挙に後退させ、財政危機に陥っている。

 革命が始まってから16年経過した今、チャベスの後継者マドゥロ大統領の政権下で国の経済は完全に退廃し、ハイパーインフレが続いている。<2008年から現在までの累積インフレ率は2358%>という驚異的な記録を更新しつつある。(参照:「El Confidencial」)

 さらに言えば、今年だけで<インフレ率は700%>となっている(参照:「El Pais」)

 その為、現在流通している通貨2、5、10、20、50、100ボリバルでは通貨でありなが商品の価格が高額であることから少額通貨では物が買えなくなって使用されなくなっている。そして、主に流通しているのは100ボリバル紙幣が大半という状況になっている。買い物をするにも、支払いで100ボリバル紙幣が何十枚も必要となっているのだ。価格の高騰から、一部の市場では紙幣を数えて行くのは時間がかかるということで、何十枚、何百枚と束に重ねて目方を計って用意された紙幣の総額がいくらになるか判断するという現象も起きている。

→次ページ麻薬組織対策で旧札無効化も

麻薬組織対策で旧札無効化も

 そこで、政府は新しく高額紙幣を発行することを決定し、12月15日から市場に導入させた。それは500、1000、2000、5000、10000、20000ボリバルの6種類の紙幣とコインは10、50、100ボリバルの3種類である。新しい紙幣を発行するのに、製造するコストが割高にならないように紙幣の色は従来のものを使い、デザインも既存の紙幣のデザインを尊重して、金額の単位だけが異なるという形で紙幣を印刷することにしたという。

 その一方で、政府は新しい通貨を導入する72時間前に100ボリバル紙幣の流通を一時的に中断させたという。それが麻薬組織の手に入るのを防ぐためであった。彼らは隣国の<コロンビアとブラジルに100ボリバル紙幣で凡そ3000億ボリバル(35兆円)を隠し持っている>とマドゥロ大統領は推定しているからだという。この策で、彼らが保有している100ボリバル紙幣を一挙に無効にしよという狙いである。(参照:「HispanTV」)。

 物資の不足を補うべく、隣国のコロンビアとブラジルの国境を越えて買い物に出かけるベネズエラ人は後を絶たないそうだが、そんな中、政府はコロンビアとブラジルとの国境も封鎖した。この影響で、それまで隣国に買い出しに行っていたベネズエラ市民も足止めされることになった。

→次ページ新札届かず旧札も無効化で大混乱

新札届かず旧札も無効化で大混乱

 さらに加えて、今度はスウェーデンで発行している新札の発送が遅れ、新しい高額紙幣が約束された15日までに支給されていないという状態に陥った。なんと、ベネズエラ中央銀行でさえ新札は届いていないのである。その結果、住民の不満が爆発し、第2都市のマラカイボでは市民が不満から店に入って商品を略奪するという出来事も発生した。(参照:「El Corabobeno」)

 マドゥロ大統領も慌てて100ボリバルとの交換を<1月2日まで延期する>と18日に発表……と同時に、新札が予定通り届かないというのは反政府派の仕業だとした。彼自身の否は認めず、常に他人のせいにするのがマドゥロ大統領の政治である。(参照:「El Pais」)

 その様な事態の中で、両替で長蛇の列を作っている市民を相手に<コーヒー、ジュース、パンなどを売る新しいビジネスも誕生した>という。勿論、<価格は全て100ボリバル均一価格>だ。その一方で、無効となった100ボリバル紙幣を売買で受け取ることも拒否する場合が多く、市民はお金は持っていても何も買えないという状態になっているという。(参照:「BBC」)

<文/白石和幸 photo by Garry Knight via flickr(CC BY 2.0)>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
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ベネズエラ、高額紙幣回収で混乱 抗議や略奪で300人以上逮捕

http://s3.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20161219&t=2&i=1165944710&w=640&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=LYNXMPECBI08K

 12月18日、ベネズエラのマドゥロ大統領は、現在流通している最高額紙幣の100ボリバル札を回収する措置に対する抗議活動や小売店に対する略奪行為などで、300人以上が逮捕されたと明らかにした。写真は抗議する群衆と国家治安部隊が衝突する模様。ウレナで撮影(2016年 ロイター/Carkis Edyardi Ranurez)
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[カラカス 18日 ロイター] - ベネズエラのマドゥロ大統領は18日、現在流通している最高額紙幣の100ボリバル札を回収する措置に対する抗議活動や小売店に対する略奪行為などで、300人以上が逮捕されたと明らかにした。

14歳の少年1人が死亡し数十店舗が略奪されるなどの混乱が2日間続いたことを受け、大統領は17日、100ボリバル札を来年1月2日まで使用可能にすると表明した。だが、ボリバル州のシウダボリバルでは18日も略奪が続いた。

マドゥロ大統領は国営テレビで、拘束者の中には、野党の指導者やメンバーも含まれていると指摘、混乱を起こそうとする米国の支持に従っていると非難した。

最悪の略奪行為は16─17日、南部ボリバル州のシウダボリバルなどを中心に発生。警察は催涙ガスを使用して群衆を解散させた。同州知事によると、食料品店から科学ラボまで略奪され、262人が逮捕されたという。
http://jp.mobile.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN1480CQ


 


ベネズエラ、最低賃金を30%引き上げ マドゥロ政権下で12回目
 
[カラカス 30日 ロイター] - ベネズエラのマドゥロ大統領は30日夜、最低賃金を30%引き上げると発表した。同国ではインフレが高進し、消費者の購買力が低下している。

5月1日付でベネズエラの最低賃金は1カ月当たり1万5051ボリバルとなる。これは公式為替レートでは1505ドルに相当するが、ブラックマーケットのレートでは13.50ドルにすぎない。

大統領は同時に1カ月当たりの食券の額も1万8585ボリバル(ブラックマーケットのレートで17ドル)に増やすことを明らかにした。

大統領は1時間にわたる国営テレビでの演説で、自身が大統領になってからの最低賃金の引き上げがこれで12回目であることを強調し、「ウゴ・チャベス(前大統領)の息子であるニコラス・マドゥロのような大統領だけ(が達成できることだ)」と語った。

一方、野党などからは、相次ぐ最低賃金の引き上げは、政府がインフレと深刻な景気後退に歯止めをかけられないことを露呈していると批判する声も聞かれる。
http://jp.reuters.com/article/venezuela-economy-idJPKCN0XT0BN?rpc=188
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/838.html

[経世済民116] ドル高の先にある円高リスク 06以来の米中同時引締 トランプ株高持つか 米住宅建設低迷理由 日本債券の安全神話もはや過去

コラム:
ドル高の先にある円高リスク

亀岡裕次大和証券 チーフ為替アナリスト
[東京 19日] - ドル実効為替とドル円は基本的に順相関にあるが、ときにその相関性が崩れる局面がある。従来と比べると両者の相関性は低下しており、必ずしも同じ方向には動かない。

2005年前半までは両者の相関性は高く、1995年のボトムアウトや02年のピークアウトなどのタイミングは一致していた。世界的な景気後退局面では基軸通貨のドルが買われる一方で円が売られてドル高・円安、景気回復局面ではドル安・円高となり、ドル実効為替とドル円の方向性が一致しやすかった。

ドル実効為替とは違いドル円の98年ピークが02年ピークよりも高くなったのは、日米自動車協議の合意による95年以降の円安に、97年以降の金融危機による円安が加わって大幅に円安が進み、危機終息後に大幅に円高が進んだためだ。ドル実効為替とドル円の相関性が崩れたわけではなかった。

ところが、05年後半以降は両者の相関性が崩れる局面が出てきた。07年にかけてはドル実効為替が下落する一方でドル円が上昇し、08年や15年後半にはドル実効為替が上昇する一方でドル円が下落した。低金利通貨の円が調達通貨としてリスクオン局面でドル安を上回る円安、安全通貨としてリスクオフ局面でドル高を上回る円高となり、ドル実効為替とドル円の方向性が一致しなくなったのだ。

<ドル実効為替とドル円の順相関は続くか>

09―11年には米金利低下のドル安でドル実効為替とドル円が下落し、14―15年には原油安のドル高と日銀緩和の円安で両者が上昇するなど、方向性が一致する局面もある。最近も、トランプ政策期待、米経済指標改善、原油減産合意を背景とする米株高、金利高、商品高がドル高と円安に働き、ドル実効為替とドル円がともに上昇している。

今後もこうした相場展開が続くのだろうか。それとも、相場展開が変化してドル実効為替とドル円の相関性が崩れていくのだろうか。

ドル円、ドル実効為替と、米株価指数、米長期金利、商品指数、米景況感の長期的な相関のうち、比較的相関が高い組み合わせは、ドル円と米株価指数(順相関)、ドル円と米長期金利(順相関)、ドル実効為替と商品指数(逆相関)、ドル実効為替と米景況感(逆相関)である。

ドル円と米株価指数は、04年頃までは逆相関が目立っていたが、05年以降は順相関のケースが多くなっている。また、ドル円と米長期金利も、従来に比べて順相関のケースが増えている。日本の金利が低下して他国に比べて変動が小さくなったため、従来は強かった日本の景気回復局面で円高、景気後退局面で円安という傾向は完全になくなった。そして、世界的に株価・金利が上昇するリスクオン局面で円安、株価・金利が低下するリスクオフ局面で円高が進むようになった。

<米金利上昇・ドル高による米株安・景気減速リスク>

最近もそうした傾向に沿い、米株価・金利上昇とともにドル円上昇が進んでいる。米株価と金利の上昇が続くためには、米国の成長期待が高まり続ける必要があるだろう。なぜなら、株価と金利が上昇する一方で成長期待が高まらないようだと株価が割高となり、株高が限界に達するからだ。もっとも、トランプ次期政権の景気刺激策に対する市場の期待が高まり続けることは難しく、政策内容が明らかになるにつれて政策期待は後退する可能性の方が高いだろう。

もし米国の成長期待が高まり続けるとすれば、株高が経済成長を押し上げ、それが成長期待を高めて株高につながるという好循環に入るしかないだろう。しかし、それは簡単なことではないはずだ。米株高が資産価値増大(資産効果)を通じて経済成長にプラスとなる一方で、米金利上昇やドル高が経済成長にマイナスとなるからだ。

ドル実効為替と米製造業景況感は基本的に逆相関である。ドル高で米景気後退、ドル安で米景気拡大となりやすい。また、景気後退期はリスクオフのドル高、景気拡大期はリスクオンのドル安になりやすいとも言える。

最近はそうした傾向に反し、ドル高と米景況感改善が進んでいる。米政策期待による米金利上昇がドル高に働く一方で、米株高が景況感にプラスに作用しているのだろう。ただし、米金利上昇・ドル高は米景気に逆風となる。

今のところ米経済指標は市場予想を上回るケースが多く良好だが、過去の傾向に従えばドル高にやや遅れて経済指標が市場予想を下回りやすく、17年1月以降にそうなる可能性が高い。米株価が下落に転じることで、米景気は減速しやすくなるだろう。

米景況感改善が進みにくいのであれば、世界の景況感改善によるリスクオンのドル安や米国以外の金利上昇によるドル安となる可能性は低い。たとえ米金利低下がドル安に作用してもリスクオフがドル高に作用し、ドル実効為替は下がりにくい。つまり、ドル高と米景況感悪化という方向に傾きやすいだろう。

<需要鈍化による商品安リスク>

ドル実効為替と商品指数は基本的に逆相関だが、最近はドル高・商品高と順相関になっている。トランプ政策期待による米金利上昇がドル高に働く一方で、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国(ロシア、メキシコ、オマーンなど)の原油減産合意が商品高に働いたためだ。

ただし、ドル高は商品安に作用し、商品高はドル安に作用する。ドル実効為替と商品指数の各々を押し上げる要因のどちらか一方でも弱まると、両者は再び逆相関となりやすいはずだ。

減産合意が順守されて原油在庫が減少すれば原油高要因となるが、商品高は進みにくいのではないか。減産合意に加わらなかった米国やカナダなどのOPEC非加盟国が原油を増産する可能性が高いほか、商品需要が鈍化する可能性があるからだ。中国は低価格のうちに輸入を増やしてきた備蓄用原油が貯蔵の限界に近づいているうえ、小型乗用車の減税幅縮小で年明け後に景気が減速しやすい。

また、米国発の金利上昇は世界の景気拡大と商品需要を抑える要因となる。ドル高・商品高が長く続いたりドル安・商品高に転じたりする可能性は低く、ドル高・商品安へと傾きやすいとみられる。

<ドル堅調でもドル円は下落に転換か>

つまり、ドル高のなかで、米景況感が改善から悪化へ、商品高から商品安へと変化する圧力が生まれやすい。米金利低下のドル安圧力が生まれても、リスクオフのドル高圧力が生まれるためにドル安には振れにくいだろう。

そして、米成長期待が高まらなくなることで、株高から株安へと変化しやすくなる。リスクオンの円安からリスクオフの円高へと変化するとともに、米金利上昇と日米金利差拡大も進みにくくなる。ドル実効為替が堅調に推移する一方で、ドル円が下落に転じる可能性が高いだろう。

トランプ次期政権の景気刺激策が市場の期待に未達となりそうな場合には、ドル安と円高の両圧力がかかりやすくなる。また、保護主義的な通商政策のもとでドル高(他通貨安)をけん制する姿勢を見せた場合にも、ドル安圧力がかかる。

近年、米貿易赤字は拡大こそしていないものの高水準のままであり、ドル高による輸出競争力低下で赤字が拡大する可能性もある。これまでは米国経済が他国に比べて堅調で米金利が相対的に上昇してきたことがドル高を招いてきたが、さらなるドル高が米経済成長を阻害しないようにとトランプ政権が考える可能性は十分にある。ドル実効為替がピークアウトしてドル円が大幅に下落する可能性にも留意する必要があるだろう。

*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yuji-kameoka-idJPKBN1480PO?sp=true


 

コラム:円急落の裏側、17年見通し修正は必要か

佐々木融JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
[東京 19日] - ドル円相場の急騰が止まらない。米大統領選が行われた11月8日を含む週からの6週間、ニューヨーク終値ベースで見ると14.4%も急上昇した。これは1973年の変動相場制移行以来最大の上昇率である。

ドル円急騰の原動力になっているとみられる米10年国債金利は過去6週間で80ベーシスポイント(bp)以上も上昇している。米10年国債金利とドル名目実効レートの相関は9月頃から非常に高くなっており、ドル円の歴史的な急騰は米長期金利急上昇による「ドル高」が一因になっていると言える。

しかし、過去6週間の主要通貨騰落率を見ると、ドルよりもカナダドルの方が強いし、英ポンドもドルと同程度強くなっている。つまり、ドル独歩高ではない。

一方で円は最弱通貨となっており、2番目に弱かったスイスフランに対しても7%以上も下落している。つまり、ドル円の歴史的な急騰には、米金利急上昇を受けた「ドル高」だけでなく、何らかの要因による「円安」も寄与している。

<外債急落が招いた国内勢の円売り戻し>

円独歩安を引き起こした要因は何だろうか。当社は、1)国内投資家による欧米債投資に絡むヘッジのリバランス、2)ベーシックバランスに起因する国内勢の円売りと海外投機筋による円売り、3)日銀のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)が主な原因になった可能性があると考えている。

まず1番目の要因から見ていこう。今年1月29日の日銀によるマイナス金利導入以降、顕著となった現象は、日本国債のイールドカーブの極端なフラット化と、それを発端とする国内投資家による為替ヘッジ付外債投資の急増だった。

今年2月から10月までの9カ月間で、国内投資家は27.5兆円の外債投資(国際収支ベース)を行ったが、これほどのペースで外債投資が行われたのはデータが利用可能な1996年以来初めてだ(ちなみに、このうち18.9兆円が米債、3.3兆円が仏債に投資されている)。

もっとも、27.5兆円の外債投資のうち、銀行が6.0兆円、生保が13.1兆円となっており、これらのかなりの部分がヘッジ付であったと考えられる。生保が保有するヘッジ付外債は30兆円弱と推計され、これに投信が保有するヘッジ付外債投資も加えれば、もう少し金額は大きくなるだろう。

今年に入ってから急増したヘッジ付外債を保有している国内投資家の一部は、債券価格が急落(金利が急騰)したことによってヘッジのリバランスのために、円を売り戻す必要があったものと考えられる。

簡単に試算してみると、米10年国債価格の11月以降の下落率は6.7%となるため、30兆円の6.7%で2兆円程度の円売りが発生した可能性もある。ヘッジ付外債投資は日本国債投資の代替手段であることを考えると、外債価格急落により発生する大きな為替リスクを許容できず、かなり大規模なヘッジのリバランスが短期間に行われた可能性は否定できない。

<海外投機筋が円ロングを一気に巻き戻しか>

国際収支に反映されるフローのうち、為替取引を伴うとみられる部分を積み上げたものを「ベーシックバランス」と呼んでいる。当社が推計している日本のベーシックバランスに起因する円の需給は、国内投資家による対外証券投資、国内企業による対外直接投資を主因に、円高が進んでいた今年に入ってもネット円売り超だったことを示している。これが円安を引き起こした2つ目の要因となった可能性がある。

つまり、2015年後半から2016年前半に向けての円高の動きの中でも国内投資家・企業による円売りの動きは続いていたが、海外投機筋が大きく円ロングポジションを積み上げていったことで、この国内勢による円売りを吸収していた可能性を示唆している。そして、その海外勢の円ロングポジションが一気に巻き戻されたことで、2016年後半に急激な円安を招来したという図式が考えられる。

海外投機筋のポジションを推計する上でよく参照されるシカゴIMM通貨先物ポジションは、上記の仮説を裏付ける動きを見せている。IMMの円ポジションは今年に入ってから一貫してロングだったが、米大統領選後は急激にロングが縮小、11月末時点でほぼフラットとなっている。

さらに12月に入ってからは急激に円ショートが積み上がっていることも示唆しており、9月27日から12月13日までの11週間のポジション変化幅(円ロングから円ショートへ)は、データが利用可能な1992年以降で最大となっている。

<ドル安予想修正にはトランプ政策の見極めが必要>

円安を引き起こしたと考えられる3つ目の要因は、日銀が9月21日に導入したイールドカーブ・コントロール政策である。

欧米の長期金利は9月頃からすでに緩やかな上昇基調に入っていた。9月21日以降の主要国10年国債金利の変動幅と通貨の動きを比較すると、明らかに欧米金利の上昇幅に比べて、日本の金利の上昇幅が小さく、日本と各国の長期金利差拡大が円安を引き起こしている図式となっている。

また、10年物日本国債金利の同米国債金利に対するベータ(言うなれば感応度)は、2013年5月以降に米量的緩和縮小観測で米長期金利が急上昇したときには0.9(米国債1bp上昇に対して日本国債0.9bp上昇)だったが、今年11月8日の米大統領選後は0.24となっている。さらに、今年1年間の動きを見ると、9月21日以前のベータが0.53だったのに対し、9月21日以降は0.15となっており、明らかにイールドカーブ・コントロールの効果でベータが下がっていることが分かる。

筆者の2017年末時点のドル円レート予想は99円である。2016年前半の動き(121円から99円まで急落)を見れば、あり得ない予想ではないが、過去6週間の円安の動きは明らかに予想外であり、蓋然性が低くなっていることは事実である。

もっとも、筆者が2017年のドル安・円高を予想するのは、欧米の政治リスク、特に米国が保護主義姿勢を強めることによるドル安を予想しているからだ。したがって、来年末時点の予想修正のためには、実際にドナルド・トランプ氏が米大統領に就任してからの動きを見極めたいと考えている。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

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http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-tohru-sasaki-idJPKBN14806N?sp=true

 

 


 


アングル:人民元安を恐れる中国人、外貨預金口座の開設急ぐ

[上海 19日 ロイター] - 中国では、人民元の下落を懸念した一般市民の間で外貨預金口座を開設する動きが加速している。上海に住む会計士のZhang Yutingさん(29)は、米国に行った経験は一度きりで、外貨を使う必要もほとんどないが、ドル口座を開いた。

同じような人は多く、公式統計によると、今年1─11月に中国の家計が保有している外貨預金は32%近く増えた。人民元がドルに対して8年ぶりの安値に下がったからだ。

外貨預金の伸び率は、人民元その他通貨の預金総額に比べて約4倍のペース。米国の利上げや中国経済の先行きへの不安から、資本が海外に逃避している。

トランプ次期米大統領が中国からの輸入品に懲罰的関税をかけると宣言したり、台湾や南シナ海問題を巡って緊張が高まっていることも、懸念に拍車を掛けている。

企業や銀行、富裕層が外貨預金口座その他の海外資産に振り向けている金額に比べれば、家計の外貨預金規模は大きくはない。11月末時点の家計の外貨預金残高は1187億2000万ドルだが、外貨預金全体の残高は7025億6000万ドルだった。

しかし家計による外貨保有の急増は資本逃避を象徴しており、人民元安と格闘する政府にとって頭痛の種だ。

政府は10月以来、外貨送金の承認制強化などの資本流出抑制策を講じてきたが、今後さらに規制を強める可能性がある。

個人による外貨換は年間5万ドル相当まで許されているが、複数の銀行筋によると、現在の状況が続けば対策が強化されそうだ。

銀行幹部2人によると、一部の銀行は、1日の上限である1万ドルの交換を2日続けて行った顧客をブラックリストに載せている。掲載された人は一定期間、交換を禁じられる可能性もあると幹部1人は話す。

また、資本流出を抑えるよう圧力をかけられている銀行は、自発的に外貨を人民元に戻した顧客に景品などを提供している。交通銀行では、1000ドル以上を人民元に換えた顧客はくじ引きに参加することができ、携帯用プリンターなど様々な商品が用意されている。中国工商銀行はウェブサイト上で、ドルから人民元への両替に優遇レートを提供している。

しかしキャピタル・エコノミクスの中国エコノミスト、ジュリアン・エバンスプリチャード氏によると、市民の間には外貨預金よりも、実際に持ち出せる現金を好む傾向も見られる。「規制当局は預金なら大いに統制しており、国内の外貨預金への流入ペースを統制することもできる」からだ。

前出のZhangさんは、人民元がさらに下がれば国が規制を強化し、口座内のドルを売るよう命じられる恐れもあると考え、ドルを現金で引き出した。こうした動きについて政府が何らかの対策を練っている様子は見受けられない。

(Winni Zhou、John Ruwitch記者)

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http://jp.reuters.com/article/china-yuan-foreign-account-idJPKBN1480B6

 

米利上げとドル高が招く中国の金利上昇
FRBの利上げで中国人民銀行(中央銀行)も対応を迫られた

By NATHANIEL TAPLIN
2016 年 12 月 19 日 17:57 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ決定を受け、中国の債券市場は大きな打撃を受けているようだ。この状況が2013年に中国市場をまひさせたような長期の信用収縮につながることはないだろう。それでもこれは中国で金利上昇が広がることを示唆している。

 FRBの利上げ決定を受け、15日の上海市場では金利が急騰し、取引の一時停止や中国人民銀行(中央銀行)による大規模な流動性供給を迫られた。16日の取引はやや落ち着いたが、7日物レポ金利は引き続き上昇し、当局は追加流動性の注入を余儀なくされた。

 この1年間は大量の短期融資を活性化する場としての大きな役割を果たしてきたため、中国の短期金融市場は重要である。ここを通じて資金の一部は直接経済に送り込まれ、一部はレバレッジ(借り入れ)による債券投資に回った。だがこれらの市場は、中央銀行が急騰するドルに対し人民元を買い支える際に影響を受けることとなる。中銀が実質的に国内市場から資金を吸い上げていることになるからだ。

 人民銀行はこの夏、先回りしてこうしたリスクの高い翌日物融資の抑制に動いた(そして国債先物の大量売りを招いた)が、こうした形で大幅なレバレッジ(借り入れ)をシステムから締め出せていなかったら状況はさらにひどかったかもしれない。

 翌日物債券レポの週間出来高は、7月半ばにピークをつけて以来40%程度減少しており、現在は大量の債券発行が行われる前の2015年半ばと同水準となっている。14年の水準はまだはるかに上回っているが、一部の市場参加者は明らかに大幅なレバレッジによる債券投資を縮小し、現在は市場へのエクスポージャーを制限している。

 とは言え、多くの企業にとって実際の借り入れコストは明らかに上昇している。この1年はこうしたコストが大きく低下し、バランスシートの立て直しや市場混乱の回避に寄与していた。政府は16日、中央経済工作会議閉幕後の声明で、金融状況はあまり緩和的でない可能性があるとし、資産バブルに対処する必要性があると警告した。「住宅は生活のためのものであって、投機のためのものではない」としている。

 14日発表された経済指標によると、ノンバンクによる「シャドーファイナンス(影の金融、従来の融資より金利は高い)」は11月の新規融資の約30%を占めた。この割合は1年ぶりの大きさで、シャドーファイナンスが純減した10月からの大幅な転換となる。債券利回りが上昇し、銀行融資の伸びが年央を下回る中、借り手は資金調達先として再び不安定な影の銀行システムに目を向けているようだ。

 FRBが来年追加利上げを進めるようなら、中国の債券市場は引き続き痛みを感じるに違いない。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjIxIani4DRAhWCJ5QKHYo2BMYQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582506313468621358&usg=AFQjCNEtxmYB_kg6liz4tgaQHyjarLfQvg


 

 


中国、住宅・金融市場の安定優先へ
ENLARGE
中国指導部は改革より経済安定化を優先する姿勢に変わった PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
LINGLING WEI
2016 年 12 月 19 日 15:36 JST
 【北京】中国指導部は16日、2017年の経済目標として「安定性」を最優先し、資産バブルや金融リスクを抑える考えを前面に打ち出した。わずか1年前には慢性的な経済問題への取り組みを公約に掲げていた。
 習近平国家主席率いる指導部は14日から3日間開いた「中央経済工作会議」の終了後、17年の経済運営方針として、住宅市場の問題や混迷を増す金融システムが制御不能に陥らないよう尽力する姿勢を強調した。
 中国政府関係者の間では、ドナルド・トランプ次期米政権が推進するとみられる強硬な対中政策に政府がうまく対応できるのか懸念が高まりつつある。同会議の協議内容を知る政府関係者は、海外情勢が中国経済に逆風となりかねないことを習国家主席が強調したとしつつも、トランプ氏が予告している対中貿易制裁への言及があったかどうかは明らかにしなかった。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを速める可能性があることも中国の景気見通しを複雑にしている。
 17年の経済運営方針は、より健全な長期的成長に必要とされる過剰生産設備や高水準な債務水準などの是正を主眼とした1年前の方針から一変する内容となった。中国政府関係者やエコノミストらは17年の計画について、これらの改革を推進する姿勢に変わりはないものの、政府が改革よりも経済安定化を優先する姿勢に変わったことがうかがえると指摘した。
 中国政府の上席顧問は「最優先事項はリスクを抑制しながら経済成長を維持することだ。(中略)約束した経済再編は実行するだろうが、(経済)全体の安定性が確保されていることが条件となる」と語った。

中国で金融リスクが高まっている。左から四半期GDP成長率、不良債権比率、外貨準備高
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AT176_CECON_16U_20161216045708.jpg

 今回の方針変更は、最高指導部の大幅な入れ替えが見込まれる17年秋の共産党第19回全国代表大会をにらんでのものだ。人事刷新を控え、指導部は経済自由化の公約に反する新たな資本統制などの政策を導入し、問題が起きないようにしている。
 17年の計画は、経済成長率を指導部が容認すると考えられる水準に維持しなければならないという官僚への圧力が強まりつつあることも浮き彫りにしている。これからも中国経済への逆風はやまない見通しであるにもかかわらず、エコノミストや政府顧問の多くは、指導部が17年の国内総生産(GDP)成長率目標を6.5%より低い水準に設定することは避けると予想している。習国家主席は、20年までにGDPと国民一人当たりの所得を10年の2倍に引き上げるためには年平均6.5%以上の成長率が必要だとしている。
 一方、大統領選以降のトランプ氏については、台湾の葵英文総統との電話会談など、中国政府にとって不確実性を高める行動が相次いでいる。中国政府関係者の一人は「(われわれの多くは)当惑している」と話しており、トランプ氏を「元の軌道に乗せる」ことが中国政府にとって大きな課題となるだろうと指摘する関係者もいた。
 中国を為替操作国に認定し、中国からの輸入品に一律で高関税を課す考えを示しているトランプ氏の公約はまだ実現に至っていないものの、FRBが先週利上げしたことを受け、中国からの資金流出に拍車が掛かり、人民元への下押し圧力が強まる恐れがある。
 17年の経済計画からは、人民元の下落を一段と容認する政府の姿勢がうかがえる。実際、多くのエコノミストやアナリストは、中国政府には選択肢がほとんどないと指摘する。中国人民銀行(中央銀行)が大規模な元買い介入を行えば、金融システムから人民元がさらに流出するからだ。
 今もなお資金を必要としている中国の製造業者や民間企業にとって、こうした資金流出の可能性は不安材料と言える。一方、人民銀行は利下げや他の積極的な信用緩和策には及び腰だ。債券市場や不動産市場のバブルをいっそうあおることになり、人民元相場をさらに押し下げることにもなるからだ。
 実のところ、17年の計画では、16年に「穏健」としていた金融政策方針を「穏健中立」に改め、金融政策を引き締める姿勢を示している。
 大きなリスク要因の一つが、中国経済の重要セクターである住宅市場だ。建設など関連産業も合わせると、住宅市場は不動産バブルのピーク時にGDPの25%近くを占めていた。当局はここ数カ月、住宅バブルを抑えるために住宅購入規制を厳格化している。指導部は17年の計画の中に「住宅は住むためのもので、投資の対象ではない」と明記した。
 だが、多くのエコノミストは、政府がこれまで導入した住宅政策は長期的な解決策にならないとみている。また、不動産開発業者からは、高い価格で購入した土地に建てた物件の値上げを禁止されているため、債務返済がいっそう難しくなりかねないとの不満の声が多く聞かれる。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjNy-7Qi4DRAhVIv5QKHRI6Ac8QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582506113849222838&usg=AFQjCNHKjNl-f9doYQSl_GQGlIsLbQM6rA

 

2006年以来の米中同時引き締めか−人民銀の「中立」スタンス強調で
Bloomberg News
2016年12月19日 15:08 JST

共産党指導部は慎重かつ中立的な金融政策を打ち出す
米連邦準備制度は利上げペースの加速を示唆

中国共産党指導部は16日まで開いた来年の経済運営方針を決める中央経済工作会議後に、リスク抑制の取り組みを強化する考えを示し、慎重かつ中立的な金融政策を打ち出した。一方、米金融当局は利上げペースの加速を示唆しており、米中両国の金融政策は2006年以降で初めて引き締め方向で足並みをそろえることになりそうだ。

  習近平総書記(国家主席)ら指導部は金融システムを守り、資産バブルを抑える方針。会議後に公表された声明では、17年の主な経済政策運営のテーマとして安定維持と供給サイドの改革推進が挙げられた。
  中国民生銀行のチーフリサーチアナリスト、温彬氏(北京在勤)は「中国当局は投機を取り締まると決意し、来年もそうするとの意図を明確にしつつある」と指摘。「不動産バブルの抑制は非常に重要だ」と話した。
  中国の今年の経済成長率は底堅く、習氏も6.5ー7%の成長率目標の達成に自信を示していることから、政策運営の軸足がリスク抑制に移りつつある。来年の共産党大会を控え、トランプ次期米大統領との貿易面の緊張が生じる可能性など、経済上の課題が残っている。
  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループの大中華圏担当チーフエコノミスト、胡志鵬氏(シンガポール在勤)は経済工作会議の声明に関し、「『中立』を強調したことで金融政策は16年に比べてやや引き締め気味になるだろう」と分析した。
  だが、米中同時の金融引き締めは保証の限りではない。米金融当局は今年、想定通りのペースで利上げすることができなかった。来年は一段のドル高や世界的なイベントが障害になる可能性もある。一方、中国では金融政策が見直されており、引き締めとなっても大半のエコノミストが据え置きを見込んでいる基準金利の引き上げではなく、短期金融市場を通じたものとなりそうだ。
原題:Neutral PBOC Sets Up First U.S.-China Tightening Since 2006 (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIF2ZZ6JTSEB01

 

中国、2017年は金融引き締めも=人民銀高官

[北京 19日 ロイター] - 中国人民銀行のアドバイザー、盛松成氏は、為替相場変動やインフレ高進などの経済へのリスクを抑制するため、来年金融引き締めを行うことができるとの見通しを示した。第一財経日報が19日、インタビューの内容を伝えた。

同氏は、中央経済工作会議で16日、来年も穏健で中立的な金融政策を維持するとの方針が示されたことは、現行政策が緩和的過ぎるということを示している、と語った。

為替相場の変動や物価上昇を踏まえると、来年金融緩和を行う根拠はないと指摘。株式や不動産市場もリスク要因だと語ったが、詳細は明らかにしなかった。

一方で、市場に混乱をもたらす可能性があるため、金融政策を過度に引き締めることもないと強調した。

2017年のマネーサプライM2伸び率は12%を下回ると予想。2016年の目標は13%となっている。

2017年の財政赤字は、対国内総生産(GDP)比で「間違いなく」3%を突破するとし、5%に達する可能性もあるとの見方を示した。

2016年の財政赤字は対GDP比3%と見込まれている。
http://jp.reuters.com/article/china-economy-monetary-policy-idJPKBN1480U1

 

中国経済成長率、2017年は約6.5%に=政府系シンクタンク

[北京 19日 ロイター] - 中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院(CASS)は19日、2017年の同国経済成長率が前年比約6.5%になるとの予想を発表した。

それによると、第1─第2・四半期は6.5%成長を続け、第3─第4・四半期は6.4%に鈍化するという。

今年は第3・四半期までの成長率が6.7%で、通年では25年以上で最も低い伸びとなる見込み。

人民元が下落する中で国外への資金流出を阻止することが中国経済にとっての主な課題になる。元CNY=CFXSは今年、対米ドルで6%超下落している。

中国商務省の研究員は19日、2017年に人民元は対ドルでさらに3─5%下落するとの見通しを示した。

また、2017年の中国の輸出は元建てで4─6%増加し、輸入は2─4%増えると予想した。

一方、CASSは2017年の消費者物価を、前年比2.2%上昇と予想。生産者物価は同1.6%上昇するとの見通しを示した。

*内容を追加します。

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http://jp.reuters.com/article/china-economy-idJPKBN1480B3

 

 


S&P500もう一つの節目、時価総額20兆ドルへ
ダウ工業株30種平均の13日終値を表示した株価ボード(ニューヨーク証券取引所)
By CHRIS DIETERICH
2016 年 12 月 19 日 17:04 JST

 先週の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が2万ドル台乗せをうかがう展開が続いた。だが、市場はそれよりも重要性が高いかもしれない新たな節目に近づきつつある。

 S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによると、S&P500種指数の構成銘柄の時価総額が20兆ドル(約2340兆円)に迫っている。20兆ドルに達すれば、史上初めてとなる。20兆ドルは強気相場が始まった2009年3月時点での時価総額の3.4倍に相当し、到達すれば1999年3月に初めて10兆ドルを突破してから17年ぶりの大台乗せとなる。

 S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによれば、S&P500種指数の時価総額は16日終値時点で19兆5060億ドル。この時価総額は浮動株調整ベース、つまり市場で取引されている株式の時価だけを合算したもので、安定株主の保有株や持ち合い株、政府が保有している株式などを除外した金額だ。ファクトセットによると、米大統領選以降、S&P500種指数の時価総額は約5000億ドル増えた。

 S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのシニア・インデックス・アナリスト、ハワード・シルバーブラット氏によると、07年10月から09年3月までの直近の弱気相場で、同指数の時価総額は7兆9000億ドル減少の5兆9000億ドルとなった。00年3月から02年10月まで続いたIT(情報技術)バブルが終了して以降の弱気市場の局面では、5兆8000億ドル減少した。


https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiWvrLWi4DRAhXHq5QKHcVxBoUQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582506251118422914&usg=AFQjCNHXZAVzEMO7pUdDgw7R-JSIZQ1xtw


 


 

 

米住宅建設、低迷続く理由とは
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米ペンシルベニア州カノンズバーグの住宅建設現場(11月10日) PHOTO: GENE J. PUSKAR/ASSOCIATED PRESS
By
CHRIS KIRKHAM
2016 年 12 月 19 日 13:06 JST
 米失業率は過去10年で最低水準付近に低下しており、失業保険申請件数は43年ぶり低水準を付け、住宅価格は過去最高に上昇している。しかし、ここ8年の景気拡大でも、一戸建て住宅の建設件数はリセッション(景気後退)時の水準にとどまっている。
 米商務省が16日に発表した11月の住宅着工件数(季節調整済み)は前月比18.7%減の年率109万戸となった。着工の先行指標である許可件数は4.7%減の120万1000戸だった。
 毎月の住宅指標はぶれが大きいとは言え、より広範な傾向を見ても低調だ。新築住宅建設件数は2009年初頭に35万3000戸で底を付け、今年11月には年率82万8000戸と2倍以上に回復しているものの、全般的には引き続き抑制されている。
 米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)が実施した調査によると、人口増を加味した調整ベースの一戸建て住宅建設件数は1981年と91年のリセッション時の底にやっと戻った程度だ。10月の一戸建て住宅着工件数は9年ぶりの高水準となったが、それでも長期平均を15%超下回っている。

米1000世帯当たりの一戸建て住宅着工件数の割合
https://si.wsj.net/public/resources/images/NA-CM791_BUILDE_16U_20161216160005.jpg

 住宅建設の低迷は住宅市場崩壊の長引く負の遺産の一つであり、これが一層バランスの取れた回復を達成する上で最大の障害の一つとなっている、とエコノミストは指摘する。
 ファニーメイのチーフエコノミスト、ダグ・ダンカン氏は「住宅(市場)が通常に戻っていると耳にする機会が多い」と述べた上で、「供給面からすれば通常でないことは明白だ」と続けた。
 同業界の内部構造は金融危機に伴う住宅市場の急落とともに崩れ、まだ完全には回復していない。建設業者は熟練労働者の確保に苦戦しており、中小の建設業者や土地開発業者にとっては資金調達が困難になっている。さらに、若い年齢層の住宅購入者は模様眺めの姿勢を崩しておらず、建設業者は高級住宅購入者という小さな集団に照準を絞る結果となっている。
 エコノミストは、12年の底入れ以降、住宅価格上昇の大半は需要拡大というよりも供給不足にけん引されていると指摘。今年8月には、売りに出されている中古住宅の米住宅総数に対する割合は、1999年の統計開始以来の最低水準に落ち込んだ。不動産情報大手トゥルーリアが行った全米不動産協会(NAR)と国勢調査のデータに関する分析で明らかになった。
 11月の一戸建て住宅着工件数は4.1%減の82万8000戸だった。一戸建て住宅着工件数はリセッション終了以降、住宅建設総数のうちの約3分の2を占めていた。06年には住宅バブル時の最高となる182万戸超のピークを付けた。
 中古住宅販売も景気回復期におけるこの局面としては通常を下回っている。人口調整ベースでの中古住宅販売は現在、住宅バブル発生前の1999〜2003年の水準を約10%下回っている。
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フロリダ州オーランドの住宅建設現場(2015年2月13日) PHOTO: PHELAN M. EBENHACK/ASSOCIATED PRESS
 潜在的な住宅購入者について見てみると、雇用見通しの不透明さのため若年層がリセッション中は模様眺めにとどまっていた。またそれ以来、学生ローンの拡大や、住宅ローン融資基準の厳格化が強い向かい風となっている。米調査会社ピュー・リサーチ・センターが先週行った調査では、賃貸住宅入居者の72%は将来的に住宅を購入する見通しだと回答したが、住宅ローン申請者数は大幅に減少している。ピュー・リサーチによると、こうした潜在的な住宅購入者の多くは住宅ローンを受けられないと考え、申請をしていない。
 その結果、数百万の米国の若年層が友人や家族と同居することになり、住宅需要の主なけん引役である世帯形成が抑制されている。30歳未満の若者は過去10年間に約500万人増加したが、この世代の世帯数は同時期に20万の増加にとどまっている(ハーバード大学のジョイント・センター・フォー・ハウジング・スタディーズ調べ)。
 こうした若年層が05年と同じ割合で世帯を形成していたとすれば、今日の30歳未満の世帯数は約170万多かっただろう。
 マサチューセッツ工科大学(MIT)のウィリアム・ホイートン教授(経済学・不動産学)は「住宅建設業者は、世帯形成が非常に遅れているという事実を大いに考慮している」と続けた。
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjdw-TFioDRAhWCNJQKHUa1CNQQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582505911168693098&usg=AFQjCNFEdXCurXjEQBCZuOuvmsDx-UZbAA

 


トランプ株高、大統領就任式まで「寿命」持つか
イエレンFRB議長は、米経済はほぼフル稼働であるため財政刺激策は不要との考えを示した

By JAMES MACKINTOSH
2016 年 12 月 19 日 13:08 JST

――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト

***

 米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長は、闘牛士が乗る武装馬(鎧をつけた馬)を持っていないかもしれないが、ブルマーケット(強気相場)に対する影響力は闘牛の槍ほどの効果しかないようだ。

 イエレン議長の14日の発言を受けて、株式市場は大きな打撃を受けると見られていた。その日、FRBは追加利上げに踏み切るとともに、2017年の利上げ回数予想を3回に引き上げた。イエレン議長は、米経済はほぼフル稼働状態にあるため財政刺激策は不要だと述べ、ドナルド・トランプ次期米大統領が公約通り減税を実施すれば利上げをさらに加速させる可能性をほのめかした。

 ところが、米国株は14日こそ下落したものの、15日には反発した。16日は小反落したが、それでもダウ工業株30種平均は週間ベースで6週連続でプラスとなった。

 イエレン議長の放った槍で足元の強気相場が崩れることはなかった。この「トランプラリー」にとって本当のリスクはそれ自体にある。闘牛場の観衆は、闘牛の突進をかわして倒すマタドールの華麗な姿に魅了されるものだが、株式市場の場合はトランプ氏の華やかさ、すなわち減税やインフラ支出という有望な見通しに魅了されている。

 17年を迎えるに当たっての問題は、トランプ氏が大統領に就任する前に強気相場が勢いを失うかどうかだ。

 株価は上昇が急ピッチだったため調整が入りやすくなっている。相場の勢いが増せば増すほど、強気相場が一巡してトレンドフォロー型の投資家が一斉に売りに転じたときのダメージも大きい。

 実際、今回の相場の動きは非常に速い。米大統領選後に見られたディフェンシブ株から景気敏感株にシフトする動きは、リーマンショック後の反発局面の中で最大となっている。10年物米国債相場の下げ幅は、2013年の「テーパリングかんしゃく」時にほぼ匹敵する。さらに、ドルが対円で9%も急騰し、通貨バスケットに対しては02年以来の高値を付けている。

 トランプ氏の政策が速やかに実行されるかどうか、また、それが公約通りの壮大な内容になるかどうかを心配する理由はいくつもある。こうした不安が直ちに意識されない限り、相場の上昇は続きそうだ。

 HSBCの為替戦略部門責任者、デービッド・ブルーム氏は、大統領選後の株式や債券、ドルの素早い動きに乗り遅れた投資家はいま遅れを取り戻そうとしてトランプトレードに巻き込まれていると指摘。「現在は高揚感が高まっている。アドレナリンが出ているときは痛みを感じないが、それが止まると痛みに襲われる」と述べた。

 ドルにとってその瞬間がやって来るのは、トランプ氏の公約が議会審議で現実に直面する17年5月か6月になると同氏はみている。

 バンクオブアメリカ・メリルリンチのファンドマネジャー調査によると、経済成長やインフレ、企業利益に関して回答者が自信を強め、成果がすぐに出る投資を行っていることがうかがえる。他の調査でも強気心理が過熱を示す水準に向けて急上昇している。

 市場で既に持ち高が積み上がっている取引を手掛けるリスクの大きさは、今夏の出来事で明らかなはずだ。ほんの数カ月前の市場では世界的なデフレ懸念が支配的で、経済成長に賭けようという投資家はいなかった。10年物の米国債利回りは7月、取引時間中の過去最低となる1.32%を付けた。これはもう遠い昔のことのようだ。10年債利回りは15日に一時2.64%まで上昇した。

 市場ではトランプトレードによる持ち高がますます積み上がっている。そのため、トランプ氏の実力が期待されたほどではない兆候が見られた場合にこうした取引が被る打撃も大きくなっている。米国株を買い続ける投資家は、強気相場に「買い疲れ」が生じないよう願った方が良さそうだ。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjh47bai4DRAhWEnZQKHcbIB88QqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582505921123052872&usg=AFQjCNEty9Y8FlOlWrx-uYLiNXh3NRs17Q


 


2016年12月19日公開(2016年12月19日更新)
ザイ編集部
「日本債券型投信」の安全神話はもはや過去のもの!日銀のマイナス金利政策の導入で最終利回りが信託報酬を下回って成績が悪化するリスクに要注意!

ダイヤモンド・ザイ1月号では、ザイ読者10人の保有する投資信託が「いい投資信託」なのか「悪い投資信託」なのか、プロに診断してもらう特集『行列ができる投信診断室』を掲載。診断してくれたのは、長年投資信託に携わってきた経験を活かし、投資信託を評価するデータベース「ファンド・ラボ」を開発した「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さん。今回は、2種類の債券型ファンドを保有する読者への診断を抜粋して紹介しよう!

★保有投資信託に不安を感じる読者・石橋さん
石橋典夫さん(仮名・青森県・42歳)
大きなリスクは取りたくない安定運用志向で、日本債券を組み入れたファンドと為替ヘッジ型の世界公共インフラ債券ファンドに投資。しかし、本当にリスクを抑えられているか、肝心の利回りに問題ないかが不安。

★石橋さんが保有する投資信託
◎「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」
◎「UBS世界公共インフラ債券投信(円コース)」
石橋さんの保有銘柄の診断結果(1)
⇒「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」(保有額の68%)
拡大画像表示
 日本の国債や地方債、社債などに投資する日本債券型の投資信託は、低リスクで安定的にプラスの成績を上げていましたが、問題が浮上しています。日銀がマイナス金利政策を導入し、10年物国債の満期まで保有した場合の最終利回りがマイナスとなってしまったのです。
 低コストのインデックス型にも影響は大きく、「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」の保有債券の現在の平均最終利回りは0%。そこから信託報酬の0.17%を引くと、マイナス0.17%になります。
 さらに金利が低下すれば、債券価格の上昇で値上がり益が狙えますが、金利が横ばいの場合は、運用収益で信託報酬をカバーできず、成績悪化は避けられません。低コストのインデックス型でも「日本債券型だから安心」という認識は改めるべきです。
石橋さんの保有銘柄の診断結果(2)
⇒「UBS世界公共インフラ債券投信(円コース)」(保有額の32%)
拡大画像表示
 もう1つの保有投資信託「UBS世界公共インフラ債券投信(円コース)」は、インフラ債券に投資する通貨選択型の円コース型。為替リスクを排除できるのが、この円コースや為替ヘッジ型ですが、ヘッジ取引の需要が強いこともあり、円からドルに投資するヘッジコストが上昇しています。
「UBS世界公共インフラ債券投信(円コース)」も、最終利回り1.84%から信託報酬の1.65%を差し引くと0.19%。ヘッジコストを差し引くとマイナスで、今後成績が悪化する可能性があります。
ポートフォリオの診断結果は…
為替リスクがない債券型投信も
低金利とヘッジコストで危険な状況!

 安定的な資産増を目的に低リスクの日本債券型を買うのは従来は悪くない方法でしたが、マイナス金利政策の導入により、投資信託が保有する債券の最終利回りが信託報酬を下回り、成績悪化リスクが高まっています。
 国債は日本も先進国も低利回りですが、先進国の投資適格の普通社債などを含む投資信託なら信託報酬を上回るものがあります。月次レポートなどを見て、最終利回りと信託報酬を確認して投資することが大切です。資産の傾向もチェックしましょう。
債券型から独立系投信、ラップ型投信まで多様な投信を診断
ダイヤモンド・ザイ1月号の「投信診断室」をチェック
 今回は、為替リスクがないタイプの債券型ファンドで運用している石橋さんの例を紹介した。ダイヤモンド・ザイ1月号の「行列ができる投信診断室」特集では、10人の読者の投資信託を診断。債券型だけでなく、日本株型、外債型、独立系投資信託、ラップ型投資信託など、多様な商品を診断しているので、投資信託で運用している人、もしくはこれからしようと考えている人は、是非参考にしてみてほしい。
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http://diamond.jp/articles/-/111057 

http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/839.html

[国際16] 地政学的混乱乗り切るロシア市場の急伸、賢明な金融政策や原油上昇 シリア内戦とロシアの世論誘導 「解決できるはロシアだけ」
地政学的混乱乗り切るロシア市場の急伸

賢明な金融政策や原油相場の回復がロシア経済の復活を支えている PHOTO: REUTERS
By
RICHARD BARLEY
2016 年 12 月 19 日 18:11 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 ウクライナにしてもシリアにしても、米大統領選へのサイバー攻撃の疑いにしても、ロシアは地政学上の波風を立てている。しかし、経済面ではテキスト通りの行動を取っており、こうした状況が投資家に恩恵をもたらしている。
 ロシア経済はウクライナ問題を巡る経済制裁と原油安という2重の打撃を受けてきた。これらは依然としてロシア経済を大きく左右する要因だが、原油相場は回復している。
 ロシアの政策当局者らも、ある程度は称賛に値する。フィッチ・レーティングスは10月にロシアの格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げ、「同じように原油価格急落の影響を受けている他の産油国と比較して卓越した」そして「明確で信頼できる」政策対応を評価した。
 その中心的な存在はロシア中銀で、16日には政策金利を10%で据え置いた。2014年12月には通貨ルーブルの暴落とインフレ高進に直面し、中銀の古典的政策に従い、政策金利を17%まで引き上げた。インフレ率が低下に転じる中でも、同中銀は慎重姿勢を維持している。中銀は16日、来年も利下げを検討すると表明したが、それはインフレ率が目標の4%に向かうことが大前提だ。

対ドルでのルーブル相場の動向
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RG411_russia_G_20161216074950.jpg

 ロシアの経済見通しが依然として脆弱であることは間違いない。来年の成長率見通しは1%程度だが、最新の経済指標は上向いている。11月のロシア製造業PMI(購買部景気指数)は5年超ぶりの高水準となった。
 投資家は既に報いられている。ルーブルは対ドルで年初来18%上昇しており、米大統領選後も著しく値を上げている。MICEX株価指数は約27%上昇している。ブルームバーグ・バークレイズ指数によると、ロシアのドル建て債券の年初来リターンは11%に達している。
 来年は政治が重要な役割を果たす見通しで、ドナルド・トランプ次期米大統領の就任でロシアのウラジーミル・プーチン大統領と米国との関係が変化する可能性もある。米露関係のリセットで、ロシアの資産価格が急伸する可能性もあるが、投資家に基盤を提供してきたのはロシアの経済政策だ。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjIn5n0ioDRAhUPtJQKHVbfBNMQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582506342393121060&usg=AFQjCNH4itH4Tb19nsFIwbaW_XitCB9H6g


 

シリア内戦とロシアの世論誘導
「解決できるのはロシアだけ」のメッセージ
ロシア国立歴史博物館で開催された写真展(11月、モスクワ)

By AMIE FERRIS-ROTMAN
2016 年 12 月 19 日 17:09 JST

 【モスクワ】最近モスクワで開催された2つの大がかりな写真展。爆撃の跡が残るシリアのアレッポとパルミラをとらえた作品が展示された。だがそれらは、欧米ではめったにない視点で撮影されていた。

 ロシア当局が後援したこれらの写真展にあったのは、破壊や飢えではなく、笑いや健康な子供、誰にも妨げられずに砂漠を疾走するロシアの兵員輸送装甲車を写した作品だった。

 アレッポでの大虐殺からかけ離れたそれらの写真は、「6年近いシリアの紛争を解決できるのはロシアだけだ」というロシア政府の国内向けメッセージを反映している。アレッポではロシアが支援する部隊がほぼ全ての反体制派を掃討したが、なお数千人の民間人が避難を待っている。

 ロシア政府と国営メディアはアレッポの状況を「解放」と表現している。シリアのバッシャール・アサド大統領は最近ロシアの国営テレビのインタビューで、同国政府の支援をたたえた。

 ウラジーミル・プーチン大統領による1年間の介入で、国際舞台でのロシア政府の政治的存在感は拡大し、ロシア軍の戦績が広く知られるようになり、シリア駐留のロシア部隊をテーマにした歌やビデオゲームが登場した。

 ロシアの極東に住むアルテム・グリシャノフさん(28)は、シリアでの状況のおかげで、「全世界が現在の形のロシア魂を見ることができる」と述べた。グリシャノフさんはロシア軍の英雄的行為に関する曲を作り、ユーチューブで披露している。閲覧回数が100万回近くに達した動画もある。

 シリアでの動向についてロシアで描かれる楽観的な描写は現状と違うこともある。

 過激派組織「イスラム国(IS)」は最近、シリアとロシアの部隊が今年奪還していたパルミラを奪い返した。これを受けて米国は、両国の部隊が再びISを掃討しない場合、世界遺産にも指定されているこの古代都市を制圧したISに対し、空爆を決行する方針を示した。

 アレッポではトルコとロシアの仲介で反体制派や市民が撤退することが決まったが、実現は遅れている。

 米国と英国はロシアがシリアで戦争犯罪に及んでいると非難してきた。シリアの人命救助団体ホワイト・ヘルメットが最近、共同で国連に送った書簡によれば、アレッポではロシアの空爆により子供380人を含む1000人以上の市民が死亡した。ロシアはこの主張にまだ反応を示していない。

 だがロシアは、支援する作戦がアレッポの反体制派撃退に成功したことから、国内向けの宣伝がやりやすくなった。

 ロシアの国営テレビでは週末、破壊されてほぼ無人になったアレッポの空撮映像が、勝ち誇ったようなクラシック音楽とともに数時間にわたり流れた。アレッポとパルミラの映像の放送時間はここ数日増えている。

 ロシアはテロの防止役だけでなく、キリスト教と西洋文化の擁護役でもあるという見方を伝えたいプーチン氏にとって、シリア情勢の展開は追い風になってきた。

 ロシア国内で最も有名なエルミタージュ美術館(サンクトペテルブルク)までもが協力を求められてきた。同美術館は考古学者や専門家と協力し、パルミラの保存に努めている。ISは前回パルミラを支配下に収めていた際、ローマ帝国時代の遺跡を破壊し、シリアの有名な考古学者を殺害した。

 シリア政府軍がロシア部隊の支援を受けて3月にパルミラを奪還した後に同地を訪れたエルミタージュ美術館ミハイル・ピオトロフスキー館長(72)は「私たちには文化を守る義務がある」と述べている。

 国営テレビは、先端技術を駆使したロシアのピンポイント空爆の映像を次々に放送する一方、悲惨なシーンや死者の映像はほとんど流さず、後者はシリア反体制派の仕業だと言われる。

シリアでの軍事作戦中に死亡したロシア人操縦士の墓(11月)
 写真展や放送のように国がスポンサーとなっているケースあれば、軍事介入で高揚した勝利主義の波から生じている動きもある。

 モスクワのある小さな会社は、2月にビデオゲーム「シリアの戦争」を発売する予定だ。ユーザーはシリアの警察官として、ロシア軍の助けを借りてISを破ることができる。ゲームの山場はパルミラが舞台だ。

 この会社のゲームデザイナー、ドミトリー・バブキン氏(32)は「ロシアの登場を一助にシリアはようやく崩壊の危機を回避し、リビアやイラクのように一度は繁栄したおおむね世俗主義の国と同じ運命をたどらずにすんだ。両国ではテロが頻発している」と述べた。

 国民も同感のようだ。独立系世論調査機関のレバダ・センターが10月に実施した調査では、ロシア人の49%はロシアがシリア関与を続けるべきだと答え、反対は28%にとどまった。

 ロシア軍は少なくとも15人の兵士の死亡を発表しているが、死者の数が軽んじられることは日常的にある。

 シリアにおけるロシアの役割は圧倒的にプラスに描かれるが、対照的なのが米国のシリア関与に対する描写だ。ロシアの国営テレビ局は米国が支援しイラクが主導するモスルの対IS作戦について大々的に伝えているが、ロシア当局者はこれを混乱した方向性のない作戦だと評している。

 外務省の報道官は11月に自身のフェイスブックのページで、「1つ明らかなことがある。(米国とイラクの)連合は、モスルの平和的なイラク人に、アレッポの武装集団よりひどい扱いをしている」と述べた。

 エルミタージュ美術館は、パルミラで計画している修復作業を、古代キリスト教世界とロシアに共通する遺産や、同美術館とパルミラの関係に結びつけている。同美術館には1000を超える部屋があるが、その1室は20世紀初めに得られたパルミラの遺物で埋まっている。

 ピオトロフスキー館長は「これはわが国の意識の一部だ。私たちにとってのシリアはパルミラだけではない。キリスト教正統派でもある」と述べた。アサド氏も昨年、プーチン氏がキリスト教の擁護者だと主張している。

 ピオトロフスキー氏は、ナチスによる約900日のレニングラード(現サンクトペテルブルク)包囲中にエルミタージュが所蔵品を救おうとした歴史に言及し、同じ精神をパルミラ修復に吹き込みたいと述べた。

 アサド政権に反対するシリア人はエルミタージュの活動について、数年越しの戦争を経て絶望的な状況にあるシリア人には対応しない、お飾り的な動きだと批判している。

 シャウニー州立大学(オハイオ州)のアムル・アルアズム准教授(中東史・人類学)は「彼らはそれ(パルミラ)を保存し、修復するとの勇ましい言葉の代わりに、それを安全にするなど何か有用なことをしたらどうか」と述べた。

シリア情勢特集

【社説】シリアを覆うプーチン氏の二枚舌
アサド政権、勝利と敗北を分けた選択
パルミラの博物館、IS占拠前と後の光景https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiY5eDLi4DRAhUEKZQKHRoJDNEQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582506022025964452&usg=AFQjCNHFHXg8GzGmuF9-h_G1eA76l1_G7g


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/737.html

[経世済民116] 日本がトランプ・ブランドから学べること 日本の商業や自動車に恩恵集中 英バークレイズ顧客7千社と縁切 債券上昇需給逼迫
Special | 2016年 12月 19日 14:21 JST 関連トピックス: トップニュース
視点:
日本がトランプ・ブランドから学べること

イアン・ブレマーユーラシア・グループ社長
[東京 19日] - 「製品」としては質が悪くとも「ブランド」としては最先端を走る「ドナルド・トランプ」から日本が学べることは、強みを効果的に打ち出すマーケティングだと、米調査会社ユーラシア・グループ社長で国際政治学者のイアン・ブレマー氏は指摘する。

一方、安倍晋三首相はトランプ次期米大統領に対し、国際連合や国際通貨基金(IMF)といった多国間組織を含め、日米関係を支える組織的協力への理解を促すことが可能だと説く。

同氏の見解は以下の通り。

<トランプ・安倍会談の成果>

ドナルド・トランプ氏と取引をしていくにあたって、安倍晋三首相は、個人的関係がいかに重要であるかを理解している。米大統領選後、いち早くトランプ氏と会合を持った安倍首相の決断は、信頼の構築に役立つだろう。

重要なことは、環太平洋連携協定(TPP)に関するトランプ氏の見解に対し、安倍首相がいら立ちの感情に任せて、良好なコミュニケーションの障害を最初から作ったりはしなかったことだ。そして、安倍首相は、中国問題に関して、いち早く共通の基盤を見いだす機会をとらえた。

また、ロシアのプーチン大統領とトランプ氏の良好な関係は、安倍首相が日ロ間の通商および政治的関係の改善を図り、北方領土問題で前進することを可能にするだろう。

<中国にない日本の強み>

安倍首相は、日米をつなぐ価値観を信頼するようにトランプ氏を促すことができる。トランプ氏は、他の人々と向き合う際に、取引的なアプローチを取る。「これを私のためにやってくれ。そうすれば私はあなたのためにこれをやろう」といった具合だ。

確かに、中国の台頭は、日米の安全保障関係がこれまでになく重要性を増していることを示している。しかし、日米をつなぎ合わせているのは、民主主義に対するリスペクトの共有、法の支配、オープンな市場だ。これらは、非民主主義国家には真似できないことである。

そして、リーダー同士の関係を超えた、民主主義国家間の長期的パートナーシップは、共通の価値に依拠する組織・制度上の協力によって築き上げられるものだ。これらの点については、安倍首相がトランプ氏の理解を助けることができる。

安倍首相はまた、国際連合や国際通貨基金(IMF)、世界銀行といった多国間組織に対する米国の持続的投資が持つ価値に、トランプ氏が目を向けるように促すこともできる。トランプ氏のような現実的なビジネスマンは、恐らくこの種の多国間組織に対して、冷めた見方をしているかもしれない。しかし、米国と日本がより緊密に協力し合うための助けになるのはこうした組織の存在である。

ちなみに、安倍首相が、東アジアや東南アジアにおいて、日本の通商・政治的関係の多様化を図っていることは賢明だ。特にインドやインドネシア、マレーシア、フィリピンとの政治・安保・貿易・投資関係の深化にコミットすることは、日本にとって今後有益となろう。

最後に、日本にはトランプ氏から学べることがある。トランプ次期米大統領は、世界で認知された象徴的なブランドとなった。その製品は質が悪いこともあるが、ブランディングは「最先端」である。

日本は、インフラストラクチャーへの投資、安定性の促進、人道支援の提供、そして特に技術革新において世界のリーダーだ。安倍首相は、これらの強みを新たな「日本ブランド」として、世界規模でより効果的にマーケティングできる。何より、世界にとっても、中国には提供できない日本発の多くの貴重なものに触れることは重要である。

(編集:麻生祐司)

*イアン・ブレマー氏は国際政治学者で、国際政治リスク分析・コンサルティングを手掛けるユーラシア・グループの創業社長。1994年、スタンフォード大学で博士号取得。同大学フーバー研究所のナショナルフェローに史上最年少25歳で就任。98年にユーラシア・グループを設立。主導国なき状況を「Gゼロ」と名付けたことでも有名。


北方領土問題
4島を合わせた面積は5003平方キロ。択捉島と国後島で93%を占める。ロシア人の人口は1万6828人(2015年1月)で、漁業や資産加工業、缶詰製造業などが主要産業。


日本政府が主張する北方領土問題の歴史的経緯
1855年日魯通好条約
1875年樺太千島交換条約
1905年ポーツマス条約
1951年サンフランシスコ平和条約
千島列島(=この条約で列挙されたシュムシュ島からウルップ島までの18島)が日本領になる代わりに、ロシアに対して樺太全島を放棄。
(2016年12月13日作成)

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの特集「2017年の視点」に掲載されたものです。

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

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焦点:トランプ時代の米中対立、想定される中国の報復シナリオ 2016年 12月 16日
コラム:トランプ氏に挑む「イエレン経済大統領」=鈴木敏之氏 2016年 12月 19日
コラム:嘘か真か、トランプ流「ツイート砲」がメディアを圧倒 2016年 12月 08日
http://jp.reuters.com/article/view-ian-bremmer-idJPKBN14708J

 

 


「トランプノミクス」、日本の商業や自動車に恩恵集中−野村証が分析
赤間信行
2016年12月19日 14:23 JST

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• 日米国際産業連関表を使って測定
• 特定産業への効果偏り、日本の輸出依存体質が底流に

ドナルド・トランプ次期米大統領が掲げる積極財政策、いわゆる「トランプノミクス」が実現した場合、米国と日本の産業界にどのような影響が及ぶのか。野村証券では、「商業」「自動車」「一般機械」などに恩恵が集中するとみている。
  野村証券の岡崎康平エコノミストが16日付のリポートで、経済産業省の「日米国際産業連関表」(2005年)を使って測定した。トランプ氏の政策が実現すると、「少なくとも短期的に米国経済は加速する可能性が高い」と指摘。米国内での経済効果がかなり大きく、日本の産業まで波及する規模は相対的に小さいものの、米国でどの政策が取られた場合でも日本の「商業」「自動車」「一般機械」が好影響を受けやすい、と同氏は分析する。

トランプ次期米大統領

Photographer: Albin Lohr-Jones/Pool via Bloomberg
  「トランプノミクス」は家計消費や企業の設備投資、公共投資を刺激する政策で、具体的には所得税減税、法人税減税、インフラ投資などの可能性が注目されている。野村証の分析によれば、米国の減税やインフラ投資額の規模が同じだった場合、日本の産業全体が受ける恩恵で一番大きいのは法人減税で、これにインフラ投資、家計減税が続く。
  日米国際産業連関表を使って試算したのは、米国の最終需要が1万ドル増加した際、各産業が生み出す付加価値だ。民間設備投資のケースは、米国では「建築・補修」が1857ドル、「商業」が1056ドルで、日本では「商業」が38ドル、「自動車」32ドル、「一般機械」23ドルとなった。家計減税のケースは、米国で「不動産」が1667ドル、「商業」1166ドル、「医療・保険」1070ドルとなり、日本は「商業」12ドル、「自動車」10ドル。公共投資のケースは、米国で「土木建設」が2588ドルと最も大きく、日本では「商業」23ドル、「自動車」12ドル、「一般機械」11ドルと同じ顔ぶれが上位に並んだ。
  日本で好影響を受ける産業が特定の業種に集中しているのは、「経済効果が輸出を通したものになる点、中でも競争力が高い産業で効果が出やすい点」だと岡崎氏。日本にとって法人減税の効果が最も大きいのは、「日本の産業が特に資本財に強みを持つ」ためとしている。
  野村証の米国経済チームは11月23日、トランプ氏の経済政策について一定の前提を置いた上で、米経済の成長率予想を2017年は前年比1.9%増から2%増、18年は1.6%増から1.8%増にそれぞれ上方修正した。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ixdD25.6m1AQ/v2/-1x-1.png
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIEXRB6K50XV01

 


英バークレイズ、顧客7000社との縁切り準備−利益による選別強化へ
Stephen Morris
2016年12月19日 14:15 JST

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利益で顧客をランク付けする「フライトデック」システムを運用開始
マーケッツ部門上位顧客をゴールドとプラチナ、ダイヤモンドに分類

英銀バークレイズは7000の顧客に対し、トレーディングを増やさない場合、他の銀行を探すよう通告することを準備している。金融業界では顧客リストから大きな利益を生む客だけを選別する動きが広がっている。
  バークレイズはトレーディング部門の顧客を資本利益率でランク付けする「フライトデック」と呼ばれる新しいコンピューターシステムの運用を今月開始した。最も利益につながる顧客との関係を優先する一方、足手まといになっている顧客を排除することが可能になる。資本規制強化に伴い多くの中小顧客とのディーリングの利益が減る中で、バークレイズは2014年以降、既に1万7000の顧客との関係を打ち切った。
英バークレイズ銀の支店に掲げられたログ
英バークレイズ銀の支店に掲げられたログ Photographer: Jason Alden/Bloomberg
  米銀シティグループや英銀HSBCホールディングスも顧客リストに厳密な序列を導入し、上位の資金運用会社に多大な配慮を注ぐ半面、利益が最も少ない会社に費やす時間を減らそうとしている。
  バークレイズのグローバルディストリビューションおよびマクロ金融商品の共同責任者を務めるカシフ・ザファル氏はインタビューで、「われわれにはリターンの数字が手元にあり、ハードルレート(最低限必要な利益)を満たさない顧客の所に行き、そのような厳しい話をすることができる」と述べた。投下した資本の最低10%の利益を全ての顧客から得ることを原則として目指しているという。
  バークレイズのマーケッツ部門は、収入の約3分の2を占める上位500の顧客を「ゴールド」と「プラチナ」、「ダイヤモンド」にさらに選別する。事情に詳しい関係者の1人が今月語ったところでは、ドイツ銀行もマーケッツ部門の顧客約3400人のカバレッジ縮小に動いており、モルガン・スタンレーは最も利益を生む欧州の債券顧客を「スーパーコア」「コア」「ベース」の3つのグループに分類。関係者によると、シティではヘッジファンド顧客上位5社が「フォーカスファイブ」と呼ばれるエリートグループを形成している。
原題:Barclays Severing Ties With Up to 7,000 Clients to Boost Returns(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIEZRX6KLVR901

 


債券上昇、需給逼迫観測で買い優勢−金利上昇しにくい環境との見方も
三浦和美
2016年12月19日 07:59 JST更新日時 2016年12月19日 16:26 JST

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• 先物3月物は一時16銭高の149円73銭、長期金利0.07%まで低下
• 超長期債は軟調、新発20年債利回り一時0.60%まで上昇

債券相場は上昇。年内の主要な国債入札が一巡し、需給が逼迫(ひっぱく)しやすいとの観測を背景に買い圧力が強まった。日本銀行が実施した国債買い入れオペを受けて中期債が堅調となった一方、超長期債は前週末に買われた反動もあって軟調となった。
  19日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前週末比横ばいの149円57銭で開始。いったん149円56銭まで下げた後は上昇に転じ、16銭高の149円73銭を付けた。午後は伸び悩み、結局3銭高の149円60銭で引けた。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iieJvPJ2tluI/v2/-1x-1.png

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「円安・ドル高の流れが一服する中で、やや株安になっており、金利が上昇しにくい外部環境になっている」上、「今日の日銀オペの結果を受けて中短期ゾーンはしっかりした動きになっている」と説明。一方で、残存期間「5年超10年以下」のオペ結果は強くなかったとし、「長いところに関しては上値が重い」面もあると言う。
  日銀がこの日に実施した買い入れオペの結果は、残存期間「1年超3年以下」の応札倍率が2.06倍、「3年超5年以下」が2.12倍と、ともに前回を下回った。一方、「5年超10年以下」は3.74倍と、前回から上昇した。
日銀オペの結果はこちらをご覧ください。
  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値と横ばいの0.075%で寄り付いた後、0.5ベーシスポイント(bp)低い0.07%を付ける場面も見られた。新発2年債利回りは一時1bp低いマイナス0.19%、新発5年債利回りは1bp低いマイナス0.075%まで下げた。
  超長期債は下落。新発20年物の159回債利回りは3bp高い0.60%まで売られた。新発30年物の53回債利回りは一時3bp高い0.695%を付けた。前週末はそれぞれ0.565%、0.665%まで下げた。
  16日の米国債相場はもみ合い。中国海軍が米海軍調査船の潜水無人機(ドローン)を南シナ海で接収したとの報道を受けて上昇したが、利上げ見通しを上方修正する内容の米金融当局者の発言を受けて伸び悩んだ。10年債利回りは前日比1bp低下の2.59%程度。一方、週間ベースでは2013年12月以降で最長の6週連続で上げた。
  この日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が一時1ドル=116円台後半と3営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んでいる。日本株相場は軟調推移となり、日経平均株価は一時前営業日比100円近い下げとなる場面もあった。
  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「入札をこなして今のところ売り材料もない」とし、「日銀の買いが続く中で、ここからは需給的にタイトニング方向」と指摘。「海外の利回り上昇もいったんは止まっているので、イールドカーブにはフラット(平たん)化圧力が掛かりやすい」とみる。
日銀決定会合

日本銀行本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  日銀はこの日から2日間の日程で金融政策決定会合を開催。ブルームバーグがエコノミスト39人を対象に6−12日に実施した調査によると、全員が政策の現状維持を予想した。会合終了後に黒田東彦総裁が定例会見を行う予定だ。
  メリルリンチ日本証の大崎氏は、「今回の日銀決定会合ではトランプ相場を受けたイールドカーブのイメージが注目ポイントになる」と指摘。「10年までのゾーンは堅いが、超長期に関して9月会合時点のままなのか、少し変わっているのかという点でヒントが出ると、長いところが売られる可能性も残る」と話した。
  今月は21日に流動性供給入札、27日に2年利付国債入札がそれぞれ予定されており、主要な長期や超長期ゾーンは来年1月5日の10年債入札までない。
  財務省は来年度の国債発行計画を22日に閣議決定する予算案と併せて公表する見通し。同省幹部はこの日、国債投資家懇談会後の記者説明で1、2、5年債を中心とした減額の要望があったことを明らかにした。一部には特定年限に偏らない減額を望む声もあったという。非常に金利が低い中で政府は発行年限長期化が望ましいとの意見があったとしている。
  バークレイズ証の押久保氏は、「発行計画に関しては、ある程度コンセンサスが固まってきており、だいたいマーケットに織り込まれている」とし、「あまりサプライズにならないのではないか」と指摘。日銀会合については「長期金利のターゲットについて、変更を正当化できるような消費者物価指数(CPI)の改善は見られず、簡単に変えづらい」と言い、「黒田総裁の会見内容が特に差し障りのない内容に終始するのであれば、このまま閑散としながらも金利は低下方向に行きやすい」とみている。 

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-18/OIEKTR6JTSE801


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/842.html

[政治・選挙・NHK217] 17年度予算案、過去最大97兆4500億円 税収57兆7100億円 赤国債追加1兆7512億円 貿易黒字11月千五百億円
17年度予算案、過去最大97兆4500億円 税収57兆7100億円
政府筋

[東京 19日 ロイター] - 政府は、2017年度一般会計予算案で、歳出総額を97兆4500億円とする方向で最終調整に入った。複数の政府筋が明らかにした。日銀が長期金利をゼロ%に誘導する政策を導入したことを踏まえ、国債利払い費を算出する際の金利想定を大幅に引き下げたが、社会保障費を中心とする歳出の膨張が止まらず、予算規模は過去最大を更新する。

歳出の内訳は、国債費23兆5300億円、一般歳出58兆3600億円、地方交付税15兆5700億円。

国債費は16年度の23兆6121億円を下回る。利払い費の前提となる積算金利を16年度の1.6%から0.5%ポイント引き下げ、過去最低の1.1%に見直したためだ。

ただ、社会保障や防衛などの政策経費が積み上がり、一般歳出が今年度の57兆8286億円を上回ったほか、国から地方に配分する地方交付税も今年度当初を超え、歳出総額全体では約7300億円増える。

財源の柱となる税収は57兆7100億円と見込んだ。税外収入も来年度は5兆3700億円に積み上げ、財源不足を補う新規国債の発行を34兆3700億円に抑えた。

*内容を追加します。

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財政投融資計画、4年ぶり増額へ 17年度は15.1兆円=政府筋
[東京 19日 ロイター] - 政府は、2017年度の財政投融資計画を15.1兆円とする方針を固めた。複数の政府筋が明らかにした。当初計画ベースでは、16年度の13兆4811億円を超え、4年ぶりの増額となる。
http://jp.reuters.com/article/zaitou-idJPKBN1480VN


今年度3次補正予算案、赤字国債追加1兆7512億円=政府筋

[東京 19日 ロイター] - 政府は、2016年度第3次補正予算案で、税収減の穴埋めに赤字国債を1兆7512億円追加発行する方針を固めた。複数の政府筋が明らかにした。

3次補正では政策経費を6225億円追加する。このうち、北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次ぐ現状を踏まえ、迎撃態勢を強化するための防衛費として1706億円を計上。災害対策費1955億円、国際分担金・拠出金1685億円なども盛り込んだ。

一方、国債費の不用で4164億円を減額し、補正総額としては2133億円となる。

財源には税外収入1047億円や建設国債1014億円を充てる。円高による法人税収の不振で、16年度税収は当初見込んだ57兆6040億円から1兆7440億円下振れする。財源不足を補う赤字国債と併せ、3次補正での新規国債の追加額は1兆8526億円に膨らむ。

http://jp.reuters.com/article/extra-extra-idJPKBN1480OB


 

貿易収支11月は1525億円の黒字、中国向け輸出が9カ月ぶり増

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金額ベースの輸出は5兆9565億円で14カ月連続の減少。輸入は前年比8.8%減の5兆8040億円で23カ月連続の減少となった。

為替レート(税関長公示レートの平均値)は約2週間前の実勢を参考とするため、米国のトランプ次期大統領誕生を受けた円安は大きく反映されず、1ドル104.94円とした。

地域別では中国向け輸出が同4.4%増。小型車販売の減税措置が12月末に切れるのを前にした駆け込み需要を背景に、自動車のギアボックスなどの部分品輸出が前年比23.1%増と大幅に伸びた。

もっとも、中国当局は減税幅を半分にしたうえで措置を1年延長すると発表しており、今後のトレンドが読み切れない一面もある。

米国向け輸出は1.8%減だった。

ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は2274億円の黒字。輸出は前年比2.0%減、輸入は同12.6%減だった。

*内容を追加しました。

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[経世済民116] 米国債最大保有国が中国から日本に、元安防衛で外貨崩し FOMC政策金利引上のタカ派的予想に株式市場が嫌気 家飲消費は堅調
2016年12月19日 ロイター
米国債最大保有国が中国から日本に、元安防衛で外貨崩し

12月15日、中国が世界最大の米国債保有国の座を日本に明け渡した。北京で1月撮影(2016年?ロイター/Jason Lee)
[北京?15日?ロイター] - 中国が世界最大の米国債保有国の座を日本に明け渡した。下落が続く人民元を支えるために外貨準備を取り崩しているからで、円安が進むのを好ましく思っている日本と正反対の事情が背景にある。

?投資家は中国の米国債保有動向から目が離せない。もしも大規模な売りがあれば、ただでさえ上がっている米金利に一段の上昇圧力が加わり、それがドル高/人民元安の加速をもたらしかねないからだ。

?米財務省が15日発表したデータでは、10月の中国の米国債保有額が1兆1150億ドルと6年余りぶりの低水準になったことが判明。減少は5ヵ月連続で、10月までの1年間の減少規模は1392億ドルと12ヵ月ベースで過去3番目の大きさを記録した。

?ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利を受けて中国がどう動いたかが分かる11月と12月のデータは、来年初めに公表される。

?10月の日本の米国債保有額は1兆1320億ドル。落ち込み幅は中国よりずっと小さかった。2008─09年の金融危機以降で日本の米国債保有が中国を上回ったのは、これまで昨年2月のたった1ヵ月だけだった。

?シンガポールのフォーキャストPteのエコノミスト、チェスター・リャウ氏は「中国は人民元相場維持のためにドル(資産)を売っているが、日本は円安を喜んで放置している」と指摘した。

?人民元の対ドル相場は15日、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利引き上げと来年の想定利上げ回数の上方修正を受け、8年ぶり余りの安値に沈んだ。

?こうした中でエコノミストによると、中国は保有米国債の削減を続ける見通しだ。コメルツ銀行のシンガポール駐在エコノミスト、ゾウ・ハオ氏は「中国は人民元を守るために意識的に米国債保有を圧縮しており、この流れを止めるのは難しい」と述べた。

?11月の中国の外貨準備は2014年6月のピーク時から9420億ドル減って、6年ぶりの低水準の3兆0520億ドルとなった。この間、保有米国債を1110億ドル削減した。

?人民銀行(中央銀行)は人民元支援に向けてさらに外貨準備を取り崩す公算は大きいが、同時に国外への資金流出対策として外貨準備をある程度維持しなければならないという困難なかじ取りを迫られている。

?一部の市場参加者の見方では、人民銀行にとって外貨準備の3兆ドルが心理的に重要な節目になる。もっともこのままドル高/人民元安が続くようなら、外貨準備が急減するリスクがある。

?トランプ氏が中国の貿易政策や通貨政策を批判し、台湾と接触していることなどから、中国が報復的に米国債売りに出るのではないかとの懸念もある。

?しかし中国政府の政策アドバイザーは、たとえ中国が米国に仕返しをしたいと考えているとしても、米国債売りは選択肢にならないと考えている。中国が大量に米国債を売れば、米国が資金繰りに奔走せざるを得ないのは確かだが、価格急落によって中国も自ら保有する資産の価値を傷つけてしまう恐れがあるからだ。

?中国にとって、デフォルトリスクが実質ゼロで利回りがプラス圏にある米国債の代わりになる投資先はほとんど見当たらない。ある中国政府の政策アドバイザーは「これ(米国債の投げ売り)は筋の悪いアイデアだ。政府が検討すべき米国への対抗措置には入らないだろう」と話した。

(Kevin Yao記者)

http://diamond.jp/articles/-/111986

 


2016年12月19日 広瀬 隆雄

米FOMCでの政策金利引き上げの「タカ派」的予想に株式市場が嫌気。一方、15年ぶりの減産合意により、訴訟問題も一段落した「あの会社」が要注目銘柄に!

先週のFOMCで
FFレートは予想通り0.25%引き上げに
 12月14日(水)に連邦公開市場委員会(FOMC)が終了し、大方の予想通り、米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートが0.25%引き上げられました。
 そのときに発表された、FOMCメンバーによる来年以降のフェデラルファンズ・レートの予想は、向こう3年に渡り毎年3回の利上げを示唆する、いささか“タカ派”的な予想でした。
 株式市場の投資家はこれを嫌気しました。
 その関係で、先週の米国株式市場の週間パフォーマンスは、ダウ工業株価平均指数が+0.44%、S&P500指数が−0.07%、ナスダック総合指数が−0.15%と、まちまちでした。
ダウ工業株価平均指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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石油減産に関するOPECと非OPECの合意が
原油高の要因に
 さて、先週はもうひとつ重要な材料が出ました。それはウイーン開催された非OPEC(石油輸出国機構)各国の会合で、56万バレル/日の減産が決まったことです。
 これに先立ち、11月30日にOPECが120万バレル/日減産することを決めていますので、今回の非OPECの減産は、それに同調する決定と言えます。これは実に15年ぶりの快挙です。
 OPECと非OPEC合せて176万バレル/日の減産は、当初の減産目標134〜48万バレルを軽く超える規模です。
 実際の減産は来年に入ってから実施されます。減産がはじまると、原油価格はじり高するでしょう。
 そこで銘柄ですが、私はBP(ティッカーシンボル:BP)に注目しています。その理由を、BPの歴史も踏まえながら解説しましょう。
英海軍の軍艦の燃料を重油に切り替えたことで
BPは国策会社に
 BPは昔、ブリティッシュ・ペトロリアムという名前でした。同社は1908年にウイリアム・ノックス・ダーシーという英国の実業家がペルシャ(=こんにちのイラン)で石油採掘権を取得したときに発足した会社です。
 同社は最初、石油の発見に手間取り、資金が尽きそうになります。しかしそこへ思わぬ助け舟が出されます。
 当時は第一次世界大戦の前夜で、英国とドイツが激しい建艦競争を繰り広げていました。そのときの英国の海軍大臣はウインストン・チャーチルです。
 チャーチルは、石炭より重油を燃料にした方が航行速度が速くなる点に注目し、英海軍の軍艦の燃料を、石炭から重油に切り替える決断をします。
 英国では石炭は沢山産出されますが、石油は出ません。すると英海軍の軍艦向けの重油をガッチリ確保するために、ペルシャの油田をおさえることが急務となりました。
 このため、英国政府はBPを資本面で支援することを決めます。つまりこの決定を境として、BPは英国の国益を色濃く反映する存在となったのです。
マーガレット・サッチャー首相の時代に
国策会社からグローバル企業へ転身
 その後、1960年に北海油田が発見され、これがBPにとって重要な資産になります。
 1973年に第一次オイルショックが起きると、BPは、OPEC諸国から安定的に原油を生産することが出来なくなります。そこで同社は、アメリカでスタンダード石油系列のソハイオを、さらにアラスカに油田を持つアトランティック・リッチフィールドを相次いで買収します。
 その後、マーガレット・サッチャーが首相になって民営化ブームが起きた際、政府が持っているBPの株式も放出されました。
 このようにBPは、英国の国策会社から、グローバル企業へと変身したのです。
テキサスやメキシコ湾など
経営を揺るがす大事故が相次いで発生
 しかし2000年代に入ると、同社は相次いで大きな事故に見舞われます。
 まず2005年に、アメリカのテキサス・シティ精油所が大爆発を起こします。さらに同じ年、メキシコ湾でサンダー・ホースという10億ドルをかけて建造した大型リグが沈みそうになりました。
 さらに2010年4月に、ルイジアナ沖で操業していたディープ・ウォーター・ホライゾンが火災を起こし、490万バレルもの原油がメキシコ湾に流失するという大事故を起こしてしまいます。この事故は、今日までの累積賠償金総額555億ドルという莫大な経済的損失を同社に与え、BPは減配のみならず、一時は会社の存続すら危ぶまれる危機に瀕しました。
 今日、このメキシコ湾原油流出事故絡みの訴訟は殆ど片付き、同社は長い低迷期にようやく終止符を打つことが出来る見通しとなっています。
BPの業績と株価評価は
同業他社より低め
 BPの業績は、賠償金の支払い負担と2014年秋以降の原油価格の下落で低迷しています。
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 同社の株価評価は、他の大手石油会社に比べるとかなり割安に放置されています。下は、BPと競合他社のエンタープライズ・バリューを売上高で割算したものです。
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 エンタープライズ・バリューは、「時価総額+純負債」で求められます。これは「1ドルの売上高に対して投資家が幾らの価値を与えているか?」の尺度です。これで見ると、BPはロイヤル・ダッチ・シェル(ティッカーシンボル:RDS.A)の60%程度の評価に甘んじていることがわかります。
 次に「1バレルの石油換算埋蔵量(BOE)に、投資家は何ドルの価値を与えているか?」のチャートを示します。
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 これで見ると、BPはエクソン・モービル(ティッカーシンボル:XOM)の73%の評価に甘んじていることがわかります。
【今週のまとめ】
原油価格の上昇が予測できる中
メキシコ湾原油流出事故の賠償がひと段落したBPが狙い目
 OPECと非OPEC各国が仲良く減産するのは、実に15年ぶりのことです。だから原油価格は、今後上昇すると考えるのが自然です。
 今回挙げたBPは、大手石油会社の中で最も割安に取引されています。メキシコ湾原油流失事故は同社に大打撃を与えました。しかし、その訴訟も片付いたので、今後、同社株には割安感から見直し買いが入ると期待されます。

http://diamond.jp/articles/-/111922


 


「家飲み」消費は堅調見通し、関連銘柄にポジティブと野村証
佐野七緒
2016年12月19日 14:25 JST

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• 高齢化や節約志向の高まりが後押し、従来型の「外飲み」は減少へ
• おつまみ消費にもポジティブな影響

高齢化や節約志向の高まりで、自宅で飲酒を楽しむ「家飲み」消費は堅調な需要が見込める−−。国内統計や将来の人口動態などから判断して、エコノミストやアナリストはそうした需要動向が関連銘柄の業績にもポジティブな影響を与えると予想している。
  野村証券は16日付リポートで、外食消費と酒類消費の世代年齢別の消費額をみると、外食消費額は高年齢層で低下するものの、酒類消費額は世代別年齢別のピークが高い傾向があると指摘。また、ワタミなど従来型の居酒屋の売り上げは減少傾向が続く中、低価格帯の居酒屋は好調に売り上げを伸ばしていることにも触れ、高齢化に加えて消費者の節約志向の高まりが家飲みの流れを後押ししていると結論付けた。
  人口動態に基づいて将来の消費額のシミュレーションを行ったところ、高齢化が想定される中では家飲み消費(酒類消費)が今後も堅調に推移する一方で従来型の外飲み消費(外食・飲酒消費)はさらなる低下を続け、かい離幅は拡大すると予想。おつまみ業界最大手のなとり、米菓業界最大手の亀田製菓などおつまみメーカー、チーズ需要の拡大から六甲バターのほか、鳥貴族や串カツ田中など低単価専門居酒屋、ハイデイ日高、サイゼリヤの「ちょい飲み」レストランなどを注目銘柄に挙げた。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iY6uzYWiskII/v2/-1x-1.png

  同証では分析にあたり総務省・消費実態調査などを用い、2014年時点の1世帯当たりの1カ月の外食支出はおおむね30歳未満から59歳までは1万4000円台で推移するものの、60−69歳では1万2000円台、70歳以上では約8000円に低下していることに着目。50歳代未満の世代の消費額が大きい半面、60歳以上の消費額が少ない外食や居酒屋などについては、高齢化の進行に伴って総消費額にネガティブに作用すると分析するとみる。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIEUOP6JTSEJ01


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/845.html

[経世済民116] FRB議長:経済成長が生活水準押し上げ−力強い労働市場が寄与 米国債上げ縮小 欧州債高 トランプ備えるCEO 

FRB議長:経済成長が生活水準押し上げ−力強い労働市場が寄与
Christopher Condon、Jeanna Smialek
2016年12月20日 03:56 JST更新日時 2016年12月20日 04:58 JST

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、経済成長がようやく大半の米国民の生活水準を押し上げつつあると指摘、健全な労働市場が賃金押し上げに寄与しているとの認識を示した。
  議長は19日、ボルティモア大学を卒業する学生に向けてスピーチ。事前に配布された原稿によると、「何年にもわたる緩慢な景気回復の後、労働市場はここ10年近くで最も力強い状況になりつつある」と発言。「賃金上昇の加速を示す兆候も見られ、若年労働者の週当たりの所得はこの2年で力強く伸びた」と続けた。
  米連邦公開市場委員会(FOMC)は14日、政策金利を0.25ポイント引き上げたほか、2017年の予想利上げ回数を3回と、従来予想の2回から上方修正。当局者らが米経済への自信を深めていることが示唆された。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iy6.Tzbxpzaw/v2/-1x-1.png

  イエレン議長はこの日の講演で、「グローバル化は今後も続く可能性が高く、テクノロジーも発展し続けるが、その一方で経済成長の速さやどういったテクノロジーが新たに開発されるか、また雇用がどの程度速く、そして着実に拡大するかは分からない」と指摘。「成功は今後も教育と関係する。良い教育は経済の変化への対応能力を高めるというのが理由の一つだ」と加えた。
  学士以上の学位を持つ人の失業率は2.3%に低下し、2008年以来の低水準にある。米国全体での失業率はその2倍の4.6%だが、これはここ9年余りで最も低い水準。
  イエレン議長はこの失業率について、「良い雇用機会と結び付く水準だ」と述べた。
原題:Yellen Sees Economic Gains Boosting Workers in Strong Job Market(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIG45S6VDKHS01


 
米国債:上げ縮小、労働市場はここ10年で最も力強いとFRB議長
Brian Chappatta、Edward Bolingbroke
2016年12月20日 05:05 JST

19日の米国債相場は上げを縮める展開。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が、経済成長がようやく大半の米国民の生活水準を押し上げつつあると指摘、「労働市場はここ10年近くで最も力強い状況になりつつある」と発言したことに反応した。
  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時5分現在、10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.55%。一時2.53%まで下げた。イエレン議長講演の2時間前には、米国債が急伸する場面があった。ロシアの駐トルコ大使がトルコの首都アンカラで銃撃され死亡し、安全資産として米国債の需要が高まった。
  イエレン議長は19日、ボルティモア大学を卒業する学生に向けてスピーチ。事前に配布された原稿によると、「何年にもわたる緩慢な景気回復の後、労働市場はここ10年近くで最も力強い状況になりつつある」と発言。「賃金上昇の加速を示す兆候も見られる」と続けた。
原題:Treasuries Pare Gains as Yellen Sees Best Job Market in a Decade(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIG79C6VDKHS01


 

 
ドイツ:12月のIfo景況感、3年ぶり高水準−景気回復の勢い示す
Piotr Skolimowski
2016年12月19日 18:53 JST
景況感指数は111.0、市場予想は110.6
現状指数と期待指数も前月を上回る

ドイツのIfo経済研究所がまとめた12月の独企業景況感指数は前月から上昇し、約3年ぶりの高水準に達した。欧州最大の規模を持つドイツ経済が年末に向けて勢いを増したことが示唆された。
  Ifo経済研が19日発表した12月の独企業景況感指数は111.0と、11月の110.4から上昇し、2014年2月以来の高水準。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では110.6が見込まれていた。
 
  夏季に減速したドイツの景気が再び加速したことがあらためて示された。11月の失業率が過去最低水準を維持したほか、IHSマークイットが先週発表した12月のドイツ製造業購買担当者指数(PMI)はほぼ3年ぶりの力強いペースでの活動拡大を示した。
  Ifoのクレメンス・フュースト所長は電子メールでの発表文で、「ドイツ経済はお祭りムードにある」とし、「2017年上期についての企業の見通しも幾分楽観度を増した」と指摘した。
  12月の現況指数は116.6と、11月の115.6から上昇。期待指数は105.6で、前月の105.5を上回った。
原題:German Business Confidence Improves on Signs of Stronger Growth(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIFEDK6JTSE801

 

欧州債:ユーロ参加国の国債、総じて高い−年末控え薄商い
Eddie van der Walt、Jeremy Herron
2016年12月20日 02:56 JST

19日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて上昇した。年末を控え薄商いとなっている。
  バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のチーフ為替ストラテジスト、サイモン・デリック氏(ロンドン在勤)は、「年末に向けてやや投資が減っており、休み明けについて再考する準備を進めている」とし、「1月には幾つかの大きなイベントが控えており、どのような状況になるか見直す必要がある」と語った。
  ドイツ10年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.29%。同年限のスペイン国債利回りは4bp下げ1.37%となった。
原題:U.S. Stocks Pare Gains as Yen, Treasuries Strengthen With Gold(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-18/OIEJJB6JTSEA01


設備・人材投資ETF失敗か、時価総額低迷−日銀マネーJPX400に
長谷川敏郎、Min Jeong Lee
2016年12月20日 00:00 JST

東証に6本上場、16日時点の合計額1792億円にとどまる
時価総額の2分の1の範囲で購入ルール、規模拡大足かせの面も

日本銀行の指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ政策で、4月から新たに購入を始めた設備・人材投資支援の新型ETFの売買が低調だ。市場規模が一向に拡大せず、日銀も用意した資金を他の指数に振り向けるなど、現状は当初の狙いとかけ離れつつある。
  5月18日に初めて上場した「ダイワ上場投信−MSCI日本株人材設備投資指数」(当初設定額307億円)と「NEXT FUNDS野村企業価値分配指数連動型上場投信」(同41億円)の2本を皮切りに、現在まで6本の設備・人材投資支援のETFが東京証券取引所に上場した。しかし、いずれも売買が低迷、16日時点の時価総額合計は1792億円にとどまる。
日銀黒田総裁
日銀黒田総裁 Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  日銀は4月4日以降、設備・人材投資支援のための買い入れ枠で毎営業日12億円のETFを購入している。新型ETFの設定が間に合わなかった当初はJPX日経インデックス400連動のETFを代替的に買ったが、新型ETFの上場後はこれらの買い入れを始めた。ただ、新型ETFの時価総額が年間買い入れ枠の半分程度に過ぎないため、やむなくJPX日経400連動のETFも引き続き購入することを強いられている。
  ウィズダムツリー・インベストメンツ日本法人の最高経営責任者(CEO)、イェスパー・コール氏は設備・人材投資支援の新ETFについて「残高が小さい。意図や目的を考えたとしても、現時点でみると失敗だ」と手厳しい。日本の資産運用にもっとクリエイティブになってほしいというメッセージを日銀が投資家として伝えるのは良い精神だが、「残念ながら結果として運用会社も投資家もベネフィットはなかった」と言う。
  日銀は昨年12月、量的・質的金融緩和の補完措置として「設備投資・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」を支援する新たなETFの買い入れ方針を決定。4月から年間約3000億円の購入枠を設けた。野村証券の塩田誠ETFビジネス推進室長は、設備・人材投資支援ETFの時価総額低迷に関し、「1月から日本株が下がり、設定タイミングがあまり良い時期ではなかった」と分析。作り込んでいるコンセプトは良いが、「一見してそうした企業はコストを使うだけの企業に見えてしまうので、企業収益増にどのようにつながっているのか、利益成長を捉えるためのファクターを入れて選択していく」と話す。
  さえないパフォーマンスも新たな投資資金の流入につながらない要因の1つだ。時価総額で最大の「MSCI日本株人材設備投資指数」の設定来上昇率(16日時点)は14.5%、「野村企業価値分配指数連動型上場投信」は12.4%と、いずれも同期間のTOPIXの上昇率16%に届かない。「MSCI日本株人材設備投資指数」の組み入れ上位はトヨタ自動車、KDDI、アステラス製薬、NTTドコモなどで、業種別では医薬品11.8%、通信11.7%、銀行7.3%、自動車部品・装置などとなっている。

  S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの日本オフィス統括責任者、牧野義之氏は「世界の潮流として、今は設備投資の金額以上に自社株買いの方が多い」と指摘。設備投資はリスクを伴い、投資からリターンまでの即効性に乏しいため、企業経営者は株主価値を短期的に上げる手段として自社株買いを選ぶと言う。設備・人材投資ETFの上昇率の鈍さについては、「金融株など日本株の特定銘柄が買われたため、パフォーマンスがついていってない」との見方を示した。
  日銀が購入枠に上限を設けている点も売買低迷の一因だ。日銀は、設備・人材投資ETFの買い入れについて「原則として時価総額の2分の1の範囲内で行う」とのルールを定めている。日銀は具体的な保有銘柄や購入額を開示していないが、上場6銘柄全てを既に保有し、おおむね「50%に数%足りないか、足元で足りているか」という状況だと野村証の塩田氏は推察する。現在のペースで買い入れが続けば、「2−3カ月で日銀の買いが止まり、毎日の購入額はJPX日経400のETFに振り替わる」とも同氏は予想している。
  日興アセットマネジメントの今井幸英ETFセンター長は、「日銀が政策でやるからには、100%を保有しても良いという姿勢でやらなければならなかった。スイッチの入れ方が良くなかったのかもしれない」と振り返る。一方で、「スマートタイプなど新しい指数のETFは投資家にあまりなじみがなく、時間がかかる。ゆっくり育てていかなければならない」と長期的視野で見守るべきとの認識も示した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OI9ZL76JTSEA01

 


日銀会合注目点:長期金利上昇、円安への見解は−黒田総裁が午後会見
日高正裕、藤岡徹
2016年12月20日 00:01 JST
エコノミスト調査では39人全員が現状維持を予想−金融政策
市場の関心は長期金利抑制の金融市場オペ

日本銀行は20日の金融政策決定会合で政策運営方針を決定する。現状維持が見込まれる中、トランプ氏の米大統領選の勝利後、大幅に進んだ円安や長期金利の上昇など金融市場の変化に黒田東彦総裁が会合後の会見でどのような見解を示すかに市場の関心は集まっている。

  ブルームバーグがエコノミスト39人を対象に6−12日に実施した調査では、全員が現状維持を予想した。円安の進行とともに追加緩和期待は大きく後退しており、黒田総裁の任期の2018年4月まで追加緩和はないとの見方が25人(64%)と多数を占めた。

  東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは同調査で、「トランプ勝利によってドル高円安が進行、当面、日銀が追加緩和に踏み込む理由はなくなった」と指摘。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストも「トランプ相場で円安が進んだことで、日銀はホッとしているところだろう。当面の日銀は現行のマイナス金利と10年金利誘導目標を維持して、じっと待つ姿勢を続けるだろう」と予想する。

  金融政策決定会合は従来、おおむね正午から午後1時の間に終了し、それから間もなく結果が発表される。黒田東彦総裁は午後3時半に記者会見を行う。今会合の注目点は以下の通り。

長期金利の上昇にどう対応するか

  日銀は9月の会合で、マネーの量を操作目標としてきた従来の金融緩和から、長短金利を操作目標とする新たな枠組み(イールドカーブ・コントロール)に変更。長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」とすることを決定した。

  トランプ氏の米大統領選の勝利以降、大規模な財政出動への期待から米長期金利が急上昇しており、国内の長期金利にも上昇圧力が加わっている。急激な金利上昇を抑えるため、日銀は11月17日に新枠組み導入後初めて、中期ゾーンで指定した利回りで国債を無制限に買い入れる指し値オペを通知。14日には超長期ゾーンの国債買い入れ額を増額した。
  日銀が超長期ゾーン主導の長期金利上昇をけん制したことで超長期、長期ゾーンの金利はいったん低下に転じたが、14日の米連銀の利上げ後の米金利上昇やドル高円安の進行を受けて、10年物金利は16日一時0.1%と10カ月半ぶりの高水準まで上昇した。黒田総裁が会見でどのような見解を示すかが注目点の一つだ。

長期金利目標の行方

  メリルリンチ証券のデバリエ・いずみチーフエコノミストは16日付のリポートで、日銀が近い将来、金利目標を引き上げる可能性はあるか、と質問する投資家が出始めていると指摘。その上で、黒田総裁は会見で「早期の利上げ予想を打ち消し、日銀は必要に応じ、固定利回りで国債を買い入れる指し値オペを利用し、無制限に国債を買い入れる用意があるとあらためて述べる」とみている。

  ブルームバーグ調査では、黒田総裁の任期中はマイナス0.1%の短期政策金利の引き上げはないとの予想は9割と圧倒的多数だった一方、長期金利目標については26%が引き上げを予想した。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは同調査で、「1ドル=120円を超えた時点から、日銀は長期国債購入額の縮小、10年国債金利誘導目標の引き上げを真剣に検討すべきだ」という。
  一方、ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは19日付のリポートで、日銀がいったん長期金利目標を引き上げれば、「さらなる引き上げを織り込んでカーブがスティープしていくだけだ」と指摘。10年金利の0%程度を変更する時は、「2%インフレがみえて、イールドカーブ・コントロール政策から脱却する時だ」とみている。

情勢判断を上方修正か

  企業短期経済観測調査(短観、12月調査)で、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が昨年6月調査以来6期ぶりに改善。同調査の「企業の物価見通し」では、1年後の上昇率の平均値が2014年3月の統計開始後、初めて前回調査を上回った。

  こうした経済指標の改善を受けて、日銀が情勢判断を上方修正するかどうかも注目材料だ。SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは19日付のリポートで、「従来の『輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている』から、前半部分の削除か修正、後半部分の『基調としては』の削除が検討されるようだ」とみている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIEWVV6S972801

 

 


トランプ米政権の4年間に備えるCEOら−吉か凶か予測は困難
Matt Townsend
2016年12月20日 00:42 JST

トランプ次期米大統領は企業寄りの姿勢を取り、経済政策では法人税減税を打ち出している。一方で自由貿易に否定的で、大企業を名指しで批判する。
  こうした姿勢は、トランプ次期政権が吉と出るか凶と出るかを見極めようとしている企業の最高経営責任者(CEO)らを混乱させている。次の最高司令官がツイッターを駆使し、米企業にプラスにもマイナスにもなり得るような政策を書き込むような人物であれば、事前に計画を立てるのはたやすいことではない。CEOの多くはインタビューで、慎重ながらも楽観しているとしつつ、若干神経質になっているとも述べている。
  衣料品メーカー、PVHのマニー・キリコCEOはブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「次期政権に対しては非常に大きな信頼感を抱いている」と述べた上で、「貿易に関する発言の一部には懸念を抱かざるを得ない」と加えた。
  トランプ氏が大統領に就任し実際どのような政策を実施するかについて推測するのは容易ではない。移民を厳重に取り締まり、外食や小売り、建設といった業界の雇用に打撃を与えるのか。また米国外で製造された製品への関税引き上げや貿易協定からの離脱でアップルやナイキといった企業に悪影響を及ぼすのか。それとも、税率引き下げや規制緩和といった企業が望むような政策を推進するのか。
  ニューヨーク大学スターン経営大学院のデービッド・ヤーマック教授は「何を予期すべきか分かっている人は誰もいないだろう」とし、「企業は何がいつ起こり得るかについて、これまでの経験を基に推測せざるを得ないが、不確実性は極めて大きい」と続けた。
原題:Four Years of Living Dangerously: CEOs Brace for the Trump Era(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIFU0B6VDKI801

http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/854.html

[政治・選挙・NHK217] 高齢者「70歳以上に」 内閣府、定義引き上げ提言 70歳以上の医療費「自己負担増」に悲鳴「死ねばいいと言
高齢者「70歳以上に」 内閣府、定義引き上げ提言
2016/12/20 1:22日本経済新聞 電子版
保存その他
 内閣府は技術革新などがなされない場合、2030年には生産年齢人口が1%減少し、日本で低成長が定常化するとした分析をまとめた。高齢者の定義を70歳以上に引き上げることも提案。定年延長や、医療や介護サービスで、高所得の高齢者の負担を増やすといった施策を想定する。構造改革の基本的考え方として、政府の経済政策に反映させる。

 内閣府が報告書をまとめ、近く開く経済財政諮問会議で公表する。30年にかけて20〜…

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10862000Z11C16A2EE8000/


 
 
70歳以上の医療費「自己負担増」に悲鳴「死ねばいいと言われている」

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71
2016年12月8日 12時0分
ざっくり言うと

70歳以上の人が医療費「自己負担増」に悲鳴を上げていると女性自身が報じた
「『野垂れ死ねばいい』と言われているようなもの」と72歳の年金受給者
大学の助教授は「『孤独死』が蔓延する可能性さえ出てくる」と指摘した
「もう生きていけない!」70歳以上医療費“自己負担増”に怒り

2016年12月8日 12時0分 女性自身

「年金生活者の私たちにとっては“野垂れ死ねばいい”と言われているようなもの。もうすぐ70歳になる妻は片頭痛と腰痛を抱え、毎月の医療費は6万円ほど。このままでは、医者にかかることさえ難しくなるでしょう」(72・年金受給者の男性)

11月30日、厚生労働省が検討している医療費抑制のための“見直し案”が示された。70歳以上の高齢者への負担増を求めるメニューがずらりと並んだこの見直し案について、ファイナンシャルプランナーで慶應義塾大学大学院の加藤梨里特任助教は、次のように解説する。

「平成27年度の『国民医療費』は41兆5,000億円で、人口1人当たり平均32.7万円。しかし、75歳以上になると94.8万円になり、開きがあります。これまで与党は選挙において“大票田”の高齢者に気を使って、若い世代を中心に負担を増やしてきました。ところが、今回の“見直し案”では、珍しく高齢者に対しても大きな負担を強いてきたのです。これには驚きました」(加藤助教・以下同)

検討されている制度の変更案には、毎月の医療費の自己負担に上限を設けている「高額療養費制度」において、'17年8月から、70歳以上の人の限度額を年収に応じて引き上げることが盛り込まれている。

「年収370万円未満の70歳以上の人たちが病気やケガで入院した場合、現在の『高額療養費制度』だと、約4万4,000円以上かかった場合は、超過分が返金されるシステムですが、その上限が約5万8,000円にまで引き上げられます。さらにインパクトが強いのが“外来特例”が廃止されることです。病院に行く機会が多い高齢者にとっては大きな負担に感じるでしょう」

この“外来特例”とは、病院の外来で支払った自己負担分について月額の上限をもうけた制度のこと。年収370万円の70歳以上の人の場合、病院窓口での支払いが月額1万2,000円を超えた分は、返金されるという特例措置だ。

「この優遇措置の縮小により“外来特例”の上限額が2倍の2万4,600円に引き上げられます。さらに’18年には“外来特例”の廃止まで検討されています。その場合の高齢者の自己負担の上限は、5万7,600円になります。現状より月4万6,000円もの負担増になります――。病院に通っていた高齢者のなかには、今回の受診料の増額をきっかけに“受診控え”をする人も出てくるでしょう。本来ならば受診が必要なのに、病院に行かずにいると高血圧や糖尿病などが悪化していって……。つまり、将来“孤独死”が蔓延する可能性さえ出てくるのです」

そして、厚労省の方針は、「年収370万円以上」の70歳以上の高齢者に対して、おしなべて69歳以下と同水準にしようとしているのだ。

「これまでは、1,000万円以上の収入がある高齢者でも、100万円の医療費がかかっていながら、外来の自己負担は4万円ほどで済んでいました。私も、そんな優遇措置が見直されたことは理解できます。しかし、なぜ“年金暮らし”で、ギリギリで生活している人たちまで狙い打ちにするような案を出してきたのか、理解に苦しみます」
女性自身
外部サイト

いくらあれば安心? 専門病院で教わる「がんと闘うマネー術」
来年1月から実施も…「市販薬控除」のおさえたいポイント
介護保険の負担増で、損しないため知っておくべき制度とは?
http://news.livedoor.com/article/detail/12388313/
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/804.html

[経世済民116] 円急落の裏側、17年見通し修正は必要か 金利目標引上、時期尚早=日銀 手数料開示、銀行負担増 株1年ぶり高値 豪中銀楽観
コラム:
円急落の裏側、17年見通し修正は必要か

佐々木融JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
[東京 19日] - ドル円相場の急騰が止まらない。米大統領選が行われた11月8日を含む週からの6週間、ニューヨーク終値ベースで見ると14.4%も急上昇した。これは1973年の変動相場制移行以来最大の上昇率である。

ドル円急騰の原動力になっているとみられる米10年国債金利は過去6週間で80ベーシスポイント(bp)以上も上昇している。米10年国債金利とドル名目実効レートの相関は9月頃から非常に高くなっており、ドル円の歴史的な急騰は米長期金利急上昇による「ドル高」が一因になっていると言える。

しかし、過去6週間の主要通貨騰落率を見ると、ドルよりもカナダドルの方が強いし、英ポンドもドルと同程度強くなっている。つまり、ドル独歩高ではない。

一方で円は最弱通貨となっており、2番目に弱かったスイスフランに対しても7%以上も下落している。つまり、ドル円の歴史的な急騰には、米金利急上昇を受けた「ドル高」だけでなく、何らかの要因による「円安」も寄与している。

<外債急落が招いた国内勢の円売り戻し>

円独歩安を引き起こした要因は何だろうか。当社は、1)国内投資家による欧米債投資に絡むヘッジのリバランス、2)ベーシックバランスに起因する国内勢の円売りと海外投機筋による円売り、3)日銀のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)が主な原因になった可能性があると考えている。

まず1番目の要因から見ていこう。今年1月29日の日銀によるマイナス金利導入以降、顕著となった現象は、日本国債のイールドカーブの極端なフラット化と、それを発端とする国内投資家による為替ヘッジ付外債投資の急増だった。

今年2月から10月までの9カ月間で、国内投資家は27.5兆円の外債投資(国際収支ベース)を行ったが、これほどのペースで外債投資が行われたのはデータが利用可能な1996年以来初めてだ(ちなみに、このうち18.9兆円が米債、3.3兆円が仏債に投資されている)。

もっとも、27.5兆円の外債投資のうち、銀行が6.0兆円、生保が13.1兆円となっており、これらのかなりの部分がヘッジ付であったと考えられる。生保が保有するヘッジ付外債は30兆円弱と推計され、これに投信が保有するヘッジ付外債投資も加えれば、もう少し金額は大きくなるだろう。

今年に入ってから急増したヘッジ付外債を保有している国内投資家の一部は、債券価格が急落(金利が急騰)したことによってヘッジのリバランスのために、円を売り戻す必要があったものと考えられる。

簡単に試算してみると、米10年国債価格の11月以降の下落率は6.7%となるため、30兆円の6.7%で2兆円程度の円売りが発生した可能性もある。ヘッジ付外債投資は日本国債投資の代替手段であることを考えると、外債価格急落により発生する大きな為替リスクを許容できず、かなり大規模なヘッジのリバランスが短期間に行われた可能性は否定できない。

<海外投機筋が円ロングを一気に巻き戻しか>

国際収支に反映されるフローのうち、為替取引を伴うとみられる部分を積み上げたものを「ベーシックバランス」と呼んでいる。当社が推計している日本のベーシックバランスに起因する円の需給は、国内投資家による対外証券投資、国内企業による対外直接投資を主因に、円高が進んでいた今年に入ってもネット円売り超だったことを示している。これが円安を引き起こした2つ目の要因となった可能性がある。

つまり、2015年後半から2016年前半に向けての円高の動きの中でも国内投資家・企業による円売りの動きは続いていたが、海外投機筋が大きく円ロングポジションを積み上げていったことで、この国内勢による円売りを吸収していた可能性を示唆している。そして、その海外勢の円ロングポジションが一気に巻き戻されたことで、2016年後半に急激な円安を招来したという図式が考えられる。

海外投機筋のポジションを推計する上でよく参照されるシカゴIMM通貨先物ポジションは、上記の仮説を裏付ける動きを見せている。IMMの円ポジションは今年に入ってから一貫してロングだったが、米大統領選後は急激にロングが縮小、11月末時点でほぼフラットとなっている。

さらに12月に入ってからは急激に円ショートが積み上がっていることも示唆しており、9月27日から12月13日までの11週間のポジション変化幅(円ロングから円ショートへ)は、データが利用可能な1992年以降で最大となっている。

<ドル安予想修正にはトランプ政策の見極めが必要>

円安を引き起こしたと考えられる3つ目の要因は、日銀が9月21日に導入したイールドカーブ・コントロール政策である。

欧米の長期金利は9月頃からすでに緩やかな上昇基調に入っていた。9月21日以降の主要国10年国債金利の変動幅と通貨の動きを比較すると、明らかに欧米金利の上昇幅に比べて、日本の金利の上昇幅が小さく、日本と各国の長期金利差拡大が円安を引き起こしている図式となっている。

また、10年物日本国債金利の同米国債金利に対するベータ(言うなれば感応度)は、2013年5月以降に米量的緩和縮小観測で米長期金利が急上昇したときには0.9(米国債1bp上昇に対して日本国債0.9bp上昇)だったが、今年11月8日の米大統領選後は0.24となっている。さらに、今年1年間の動きを見ると、9月21日以前のベータが0.53だったのに対し、9月21日以降は0.15となっており、明らかにイールドカーブ・コントロールの効果でベータが下がっていることが分かる。

筆者の2017年末時点のドル円レート予想は99円である。2016年前半の動き(121円から99円まで急落)を見れば、あり得ない予想ではないが、過去6週間の円安の動きは明らかに予想外であり、蓋然性が低くなっていることは事実である。

もっとも、筆者が2017年のドル安・円高を予想するのは、欧米の政治リスク、特に米国が保護主義姿勢を強めることによるドル安を予想しているからだ。したがって、来年末時点の予想修正のためには、実際にドナルド・トランプ氏が米大統領に就任してからの動きを見極めたいと考えている。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

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http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-tohru-sasaki-idJPKBN14806N?sp=true

Business | 2016年 12月 20日 17:33 JST
長期金利目標の引き上げ、時期尚早=黒田日銀総裁

 12月20日、日銀の黒田東彦総裁は記者会見で、ゼロ%程度としている長期金利目標の引き上げを議論するのは時期尚早と指摘した。写真は都内で11月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung Hoon)
[東京 20日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は20日の記者会見で、ゼロ%程度としている長期金利目標の引き上げを議論するのは時期尚早と指摘した。もっとも、トランプ相場の円安による物価への影響を「来年1月の次会合で議論する」としており、物価見通しを引き上げる可能性を示唆した。
また、2018年4月の「任期までに出口が議論になる可能性はある」とも述べた。急激な円安と金利上昇で金融政策は従来の追加緩和から緩和縮小など引き締め方向の政策変更に移りつつある。
日銀は今年9月、金融緩和の柱を従来の資金供給量(マネタリーベース)の「量」から「金利」にシフトし、金融機関が日銀に預ける当座預金の一部をマイナス0.1%、長期金利(10年債利回り)をゼロ%程度とする金利目標を導入した。トランプ相場による米国の長期金利上昇につられる格好で国内の金利上昇圧力も高まっており、債券市場では日銀が来年中にも長期金利目標を引き上げるとの観測が高まっている。
黒田総裁は、金利目標は「毎回の決定会合で議論される」と述べ、永久に固定はしないとの原則を強調しつつ、「2%目標への距離はまだ遠く、具体的に議論するのは時期尚早」と反論した。
もっとも、日銀の声明文は、物価が2%を超えるまで国債買い入れ残高が減らないようにすると明記する一方、2%を超えるまで金利目標も変更しないとは明記しておらず、解釈の余地を残している。総裁はこの点について「2%目標達成への(物価の)モメンタム(勢い)維持に最も適切なイールドカーブ形成を促すために行っている」と説明。現実の物価が2%に到達せずとも、物価上昇の勢いに応じ、適正な金利水準が上方シフトするならば長期金利目標を引き上げる姿勢を示唆した。
<任期中、出口議論の可能性も>
日銀は前回10月31日━11月1日の決定会合で2%目標の達成時期を2018年度に延期し、18年4月までの総裁任期中は達成を断念したと解釈された。今回は任期までに「具体的な出口論が出るか否かについても今から申し上げられない。議論になる可能性もあるし、そうでないかもしれない」と含みを持たせた。
米大統領選後の円安について「円安は輸入物価を通じて物価押し上げに作用する」と指摘した。わずか1カ月強で10%程度の急激な円安が進んだが、現時点で「円安が行き過ぎて問題になるとの見通しは持っていない」という。日銀が公表している試算によると、10%の急激な為替変動は1年半程度で0.45ポイント程度物価に影響を与える。今回の円安の影響については、展望リポートで経済・物価見通しを示す来年1月末の「次回会合で議論する」という。
(竹本能文、伊藤純夫)
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低金利克服へ新政策が必要、インフレ目標引き上げも=SF連銀総裁
http://jp.reuters.com/article/kuroda-boj-idJPKBN1490SN


日銀:金融政策を据え置き、金利引き上げ議論は「尚早」と黒田総裁
日高正裕、藤岡徹
2016年12月20日 11:59 JST更新日時 2016年12月20日 17:29 JST


Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
• 円安は2月と同じで驚く水準ではない、弊害は見通せず−総裁
• 景気判断を上方修正、「緩やかな回復基調を続けている」−日銀

日本銀行は金融政策決定会合で、9月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を決定した。11月の米大統領選以降、長期金利が上昇、為替相場も円安に振れているが、黒田東彦総裁は記者会見で長短金利の操作目標引き上げを議論するのは時期尚早だと述べた。
  黒田総裁は会見で、2%物価目標の達成は「まだまだ遠い」と述べ、長期金利と短期金利の操作目標の引き上げについて「具体的に議論するのは時期尚早かなというふうに思っている」と言明。今は目標達成に向けたイールドカーブ形成を促すため強力な金融緩和を推進していくことが最も適切だと語った。18年4月までの総裁任期中に現在の金融緩和の出口が議論になる可能性についてはあるともないとも明言しなかった。
  黒田総裁は、現在の円相場について「円安と言うよりもドル高」だと指摘、金融政策の違いは何らかの影響を為替に与えるが、「今の時点で、何か円安が行き過ぎて問題になる、そういった見通しは持っていない」と述べた。同時に現在の水準は2月ごろと同じであり「別に驚くような水準とも思っていない」とも語った。総裁発言を受けて円は下落し、日本時間午後4時半すぎでは1ドル=117円90銭台で取引されている。
  同日の決定会合で、長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」といずれも据え置いたほか、長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどである「約80兆円」も維持した。指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J−REIT)の買い入れ方針も据え置いた。

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  前会合に続き、木内登英、佐藤健裕両審議委員が長短金利操作等の金融調節方針に反対した。ブルームバーグがエコノミスト39人を対象に6−12日に実施した調査では、全員が現状維持を予想していた。円安の進行とともに追加緩和期待は大きく後退しており、黒田東彦総裁の任期の2018年4月まで追加緩和はないとの見方が25人(64%)と多数を占めた。 
  またブルームバーグ調査では、黒田総裁の任期中はマイナス0.1%の短期政策金利の引き上げはないとの予想が9割と圧倒的多数だった一方で、長期金利目標については26%が引き上げを予想した。
景気判断
  日銀は発表文で、足元の景気について「緩やかな回復基調を続けている」として判断を上方修正した。従来の「新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられる」との表現は削除。輸出は「持ち直している」、個人消費は「底堅く推移している」、鉱工業生産は「持ち直している」として、いずれも判断を引き上げた。
  大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは「景気判断は幅広くいろいろなところで上方修正になっている」としながらも、「一番大事なのは実際に物価指数が上向き、それによってインフレ期待に働き掛けることだ。そうなるには時間がまだかかるだろう」としている。
 
  黒田総裁は会見で、不動産市場について現時点で過熱はないが金融機関にはリスク管理を促したいと述べた。またETFの買い入れついては物価目標早期実現に必要な施策として、株価の動きによって買い入れペースが左右されるものではないとの考えを示した。
  企業短期経済観測調査(短観、12月調査)は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が昨年6月調査以来6期ぶりに改善。同調査の「企業の物価見通し」では、1年後の上昇率の平均値が14年3月の統計開始後、初めて前回調査を上回った。
  信州大学の真壁昭夫経済学部教授はブルームバーグ調査で、新たな枠組みの導入によって、「日銀は金融政策の持続性を確保した」と指摘。「足元では米金利上昇を受けて国内金利にも上昇圧力がかかっているが、市場は安定を保っている。米国の財政・金融政策の不透明感はあるものの、当面、日銀は現状を維持するだろう」とみている。
長期金利引き上げ予想
  米大統領選でのトランプ氏勝利以降、大規模な財政出動への期待から米長期金利が急上昇しており、国内の長期金利にも上昇圧力が加わっている。急激な金利上昇を抑えるため、日銀は11月17日、中期ゾーンで指定した利回りで国債を金額無制限で買い入れる指し値オペを初めて通知。14日には超長期ゾーンの国債買い入れ額を増額した。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ijehPzRwOblY/v3/-1x-1.png
  一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は14日、フェデラルファンド (FF)金利の誘導目標を引き上げることを決定。さらに来年3回の利上げを見込んでいることが示され、ドル高円安も加速している。
過度の円安なら国民の反発も
  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストはブルームバーグ調査で、「14年終盤には、ドル円レートが120円に近づいたころから国内で反発が起き始めた」ことから、「いずれ過度な円安の進展に対し政治的反発が強まる、という事態に直面する可能性が高い」と指摘する。
  河野氏はその上で、「円安が進むにつれ、来年後半には10年金利の許容範囲の上限と市場が解釈する0.1%を多少超えることを日銀が容認する」と予想。16日付のリポートでは、リスクシナリオとして来年前半あるいは早ければ1月末の展望リポートの公表に合わせて長期金利の誘導目標を引き上げる可能性にも言及した。
   一方、シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは同調査で、「安易に長期金利目標を引き上げれば、日銀の金利目標へのコミットメントに対する信認の低下を通じて、イールドカーブ・コントロールが一段と困難になることが避けられないだろう」と指摘。現在の目標を「当面、維持する選択肢しかないように思われる」としている。
  決定会合の「主な意見」は29日、「議事要旨」は来年2月3日に公表する。決定会合や金融経済月報などの予定は日銀がウェブサイトで公表している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OI9NUF6K50XU01


 


焦点:金融庁が強調する手数料開示、増える銀行負担 差別化必要に 

[東京 20日 ロイター] - 金融庁が20日にまとめた業務運営に関する諸原則の報告書では、手数料の開示などを金融機関に求めた。顧客の利便性を重視した結果だが、金融機関の負担が増加して収益を圧迫する要因になると専門家は指摘する。高い手数料を取っても収益が稼げる差別化した商品の開発力が、金融機関の収益格差を生み出す可能性が出てきた。

同庁の「市場ワーキング・グループ」(座長=神田秀樹・学習院大学大学院法務研究科教授)がまとめた報告書では、7つの原則が明記された。

その中で同庁が最も重視したのが、金融商品手数料の明確化だ。一部の銀行は、今回の報告書を先取りする形で手数料の見直しに着手している。

どうして手数料の明確化に焦点が当たっているのか──。同庁によると、国内の売れ筋上位5本の投資信託の販売手数料は平均3.20%。これに対し、米国は0.59%に過ぎない(2016年3月末時点)。

また、銀行窓口で販売されている複雑な商品設計の外貨建て一時払い保険は、他の金融商品より手数料が高く、2015年度は主要行・地銀の計21行平均で7%に迫った。

金融庁幹部は「十分な説明がないまま、顧客は不当に高い手数料を支払わされているのではないか」と語る。

今回の報告書では「名目を問わず、顧客が負担する手数料その他の費用の詳細」について、顧客に示すよう要請。手数料を開示する商品を具体的に限定することはせず、金融機関が提供するすべての金融商品について、手数料を開示すべきとした。

<開示できるものは開示>

報告書の取りまとめを受け、ある銀行では、近く特命委員会を立ち上げ、諸原則にどのように取り組むのかについて議論を始める。

その銀行関係者は「これまでも顧客のために業務に当たってきた。しかし、顧客に疑問を持たれているのならば、顧客に分かるかたちで取り組みを示さなければならない」と語った。

りそな銀行は今年10月から、金融商品の手数料の見直しに着手。来年4月から新たな手数料での商品販売を開始する方針だ。

コンシューマービジネス部の吉岡史博グループリーダーは「これまでは相場観やライバル他社の動向を見て手数料を決めていた」と話す。金融商品の手数料が、販売の対価として顧客に説明がつくのかという観点に立って検討し、「開示できるものは開示していく」という。

<銀行には二重の負担>

ただ、手数料の開示は、銀行に新たな負担や課題を投げかける。マネックス証券の大槻奈那チーフ・アナリストは、手数料に引き下げ圧力がかかることに加え、開示事項について、顧客に丁寧に説明する必要が出てくると指摘。「銀行への負担がより大きくなるのは避けられない」と述べる。

また、銀行の窓口で販売された公募投信の純資産残高は、2015年末には30兆円を超えていたが、2016年は頭打ちの状況が続く。

マネックス証券の大槻氏は、投信販売が伸びていないのは、市況の悪化だけではなく、販売担当者の説明力不足も一因だと指摘。手数料の開示は「投信の個人顧客への浸透のために重要なステップだ」とみている。

一方で「個人向け運用商品のコンセプトには、それほど大きな差がない」(銀行関係者)ため、同じ商品内容であれば、安い手数料の運用商品に顧客が流れる。「独自のサービスを付加するなど、高い手数料でも顧客の理解が得られるような工夫が不可欠だ」(同)との声も出てきた。

手数料の開示という「刺激」が、運用商品の差別化を促す力になれば、頭打ちの投信販売の現状に一石を投じる可能性もありそうだ。

(和田崇彦 編集:田巻一彦)

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顧客本位確立へ金融商品の手数料など開示を、金融庁部会が報告書
http://jp.reuters.com/article/fsa-bank-idJPKBN1490NU

 


 

日本株1年ぶり高値を更新、内外景気期待強い−日銀会合後に切り返す
鷺池秀樹
2016年12月20日 08:06 JST 更新日時 2016年12月20日 15:47 JST

陸運や不動産、通信など内需セクター中心買われる
日本銀行は景気判断を上方修正、政策は現状維持

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iOPFAdfK5fds/v2/-1x-1.png

20日の東京株式相場は反発し、主要株価指数は約1年ぶりの高値を更新。内外景気の改善期待が強い中、日本銀行が金融政策決定会合の発表文で景気判断を上方修正し、午後の取引で上昇が明確となった。陸運や不動産、情報・通信、小売株など内需セクターが高い。

  TOPIXの終値は前日比3.30ポイント(0.2%)高の1552.36、日経平均株価は102円93銭(0.5%)高の1万9494円53銭。TOPIXは昨年12月17日以来、日経平均は同7日以来の高値。
  明治安田アセットマネジメントの杉山修司チーフ・ストラテジストは、「日銀の景気判断上方修正で材料出尽くしとなり、ドル・円や日経平均は下落すると予想していたが、実際にはドルも日経平均も上昇し、想定以上に基調は強い」と指摘。背景には米国の景気回復に対する確信があり、「米国発の世界景気拡大という投資家の楽観論が相場上昇の息を長くする」とも話した。

  日銀は19、20日の日程で開いた政策決定会合の結果をきょう正午前に公表。現在の量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針を維持した半面、足元の景気については「緩やかな回復基調を続けている」とし、判断を上方修正した。これを受け、ドル・円は1ドル=117円70銭台まで円安方向に戻し、日本株が切り返す一因になった。午前には一時116円90銭台まで円が強含む場面があった。
  米経済の先行きも楽観視されている。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は19日、ボルティモア大学を卒業する学生に向けスピーチし、「労働市場はここ10年近くで最も力強い状況になりつつある」「賃金上昇の加速を示す兆候もみられる」などと指摘した。同日の米S&P500種株価指数は0.2%高と小幅ながら反発した。
  きょうの日本株は、午後に日経平均が1万9500円台まで上昇したとはいえ、午前はマイナスで推移する時間帯が長かった。海外で不穏な動きが相次いでおり、年末にかけてのリスク要因になりつつある。前週の中国による米無人潜水機奪取事件に続き、19日にはロシアの駐トルコ大使がアンカラで銃撃され死亡、ドイツのベルリンではトラックがクリスマスマーケットに突っ込み、多数の死傷者が出た。
  東証1部の売買高は19億2972万株、売買代金は2兆3389億円。代金は前日より9.1%増えた。上昇銘柄数は1230、下落は626。東証1部33業種は陸運や不動産、精密機器、情報・通信、小売、医薬品、建設など19業種が上昇。鉱業や保険、銀行、石油・石炭製品、パルプ・紙、証券・商品先物取引など14業種は下落。銀行など金融セクターは、前日の米国債利回りが低下し、収益改善期待が後退した。
  
  売買代金上位では、ソフトバンクグループやアサヒグループホールディングスが上げ、海外大手パネルメーカーから大口受注があったブイ・テクノロジーは急伸。みずほ証券がスマートフォンゲーム「スーパーマリオラン」の出足は悪くないとし、強気の投資判断を継続した任天堂も高い。半面、第一生命ホールディングスや東京電力ホールディングス、アナリストが投資判断を下げたヤマハ発動機やSUMCOは売られた。東京証券取引所が特設注意市場銘柄の指定を継続した東芝も安い。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-19/OIGF356KLVRL01


きょうの国内市況(12月20日):株式、債券、為替市場
Bloomberg News
2016年12月20日 16:36 JST

●債券上昇、好需給や日銀政策据え置きで買い安心−黒田総裁発言見極め

(記事全文はこちらをクリックしてご覧下さい)
  債券相場は超長期ゾーンを中心に上昇。年内の主要な国債入札が一巡して需給環境の良さを背景に買いが先行した。一部で長期金利の操作目標水準が引き上げられるとの懸念が出ていたが、日銀が金融政策の現状維持を決めたことで買い安心感が広がったとの見方も出ていた。
  長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比4銭高の149円64銭で取引開始。日銀会合結果を受けて、午後は水準を切り上げて寄り付き、一時149円83銭まで上昇。結局13銭高の149円73銭で引けた。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、午後に相場が堅調となったことについて、「日銀決定会合の結果は予想通りで、海外市場の流れを引き継いだ買い戻しの動きが全般に強まっている。積極的に動くというよりは、これまでの流れでたまっていたものが買い戻されている」と説明。「黒田総裁会見で驚きの発言がなければ、債券相場は戻り基調」だと述べた。
  日銀は金融政策決定会合で、9月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を決定した。長期金利を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」といずれも据え置いた。ブルームバーグがエコノミスト39人を対象に実施した調査によると、全員が政策の現状維持を予想した。
  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.07%で開始。一時0.06%と14日以来の水準に下げたが、その後は0.07%で推移した。
  超長期債が堅調。新発20年物の159回債利回りは2bp低い0.57%まで低下し、新発30年物の53回債利回りは2.5bp低い0.67%を付けた。


●ドル・円が上昇、日銀政策据え置きや黒田総裁発言で−一時118円接近

(記事全文はこちらをクリックしてご覧下さい)
  東京外国為替市場ではドル・円相場が上昇し、1ドル=118円台に接近する場面があった。日本銀行が金融政策の現状維持を決めたことや黒田東彦総裁の為替をめぐる発言を背景に、ドル買い・円売りが優勢となった。
  午後4時半現在のドル・円は前日比0.7%高の1ドル=117円89銭。朝方に付けた116円99銭から、日銀の金融政策の発表後に117円台後半に水準を切り上げ、黒田総裁が現行の円安水準を容認する姿勢を示すと一時117円96銭までドル高・円安が進んだ。
  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替市場課の一口義仁課長は、「ドル・円は日銀によるイールドカーブコントロールの部分に変更がなかったことで、日米金利差拡大への期待が相場を押し上げている」と説明し、「基本的に、トランプ新政権に対する期待がリードしている相場で、確かに上昇ペースは速いが、妨げるものがないうちは上昇が続きやすい」と述べた。
  またFXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「一部で日銀が長期金利目標をほぼゼロ%から引き上げるとの観測があったようで、それを背景にドル・円をショートにしていた。それが裏切られたので、ショートカバーが入ったのだろう」と分析した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OIH0X46JIJV101


 


 


豪中銀、景気に慎重ながら楽観的 政策のバランス重視=議事要旨

[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は20日、12月の理事会の議事要旨を公表した。第3・四半期の国内総生産(GDP)がマイナス成長となったものの、景気見通しは慎重ながらも楽観的と表明し、当面は利下げを見送る構えを示した。

中銀は12月の理事会で政策金利を4カ月連続で過去最低の1.5%に据え置いた。

議事要旨は緩和政策がもたらす効果と、既に高水準にある個人の借り入れを助長するリスクについて「バランスを引き続き検討する必要があると認識している」とした。

議事要旨によると、理事会のメンバーは労働市場の状況について時間をかけて協議した。

「理事会メンバーは労働市場で当面緩みが残ると指摘した。これは労働コスト圧力の抑制を示す複数の兆候と整合的だ」とした。

その上で「これはインフレ率がより正常な水準に戻るまで、しばらくは低水準にとどまることを示唆している」と分析した。

基調的なインフレ率は1.5%となっており、この先1─2年は中銀が目標とする2─3%を下回る公算が大きい。第3・四半期のGDPは伸びが2011年以来のマイナスとなり、中銀は成長見通しを引き下げを余儀なくされるとみられる。

*内容を追加します。

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[国際16] 米オピオイド危機、犠牲になる子供たち 親が薬物中毒で死亡、祖父母に引取られるケース  生まれながらの薬物依存、PTSD

米オピオイド危機、犠牲になる子供たち
(前編)
親が薬物中毒で死亡、祖父母に引き取られるケースも

両親がヘロイン中毒だったベン君は生まれながらに中毒症状を抱えていた。現在はオハイオ州の里親のもとで養育されている PHOTO: MADDIE MCGARVEY FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
JEANNE WHALEN
2016 年 12 月 20 日 14:33 JST 更新
 3年前、米オハイオ州にあるミカヤ・フュットさんのアパートの部屋に踏み込んだ警察官は、ゴミや汚れた皿、嘔吐(おうと)物が入ったプラスチック容器が一面に散らばる光景を目にした。
 当時3歳と2歳の幼い兄弟は、警察官が母親の腕に注射痕があるのを確認する様子をじっと見ていた。室内のどこにもない食べ物を探しながら――。
 ミカヤさんが今年の夏、オピオイド系の薬物「カーフェンタニル」の過剰摂取で死亡した時、兄弟はすでに祖父母のもとで暮らしていた。それでも母親が薬物中毒になり、生活が荒れ果てた体験はこの先何年も影を落とすはずだ。母親と一緒だったときはたいていおなかをすかせ、汚れた格好をしていた。母親の交際相手にベルトでぶたれたこともあったという。
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オピオイド中毒の親を持つ多くの子どもたちが過酷な状況に置かれ、心に深い傷を負っている(英語音声のみ)
 享年24歳のミカヤさんの葬儀で、弟のリード君は棺おけに横たわる母親にしがみついたという。「単なるハグではなかった。胸が張り裂けそうだった」と祖父のチャック・カランさん(63)は振り返る。
 米国では強力なオピオイドの乱用が広がり、過剰摂取による死亡者数が過去最高に達している。それは数万人の子どもの心にも傷を残している。里親に引き取られる子どもが多くの州で急増し、ソーシャルワーカーや裁判所は悲鳴を上げている。
 オピオイド中毒の親と暮らす子どもたちの多くは過酷な状況にさらされる。母親や父親が薬を過剰摂取し、トイレの床で息絶えるのを目にする。電気も食料も暖房もない生活を送ることもある。学校に行くのをやめ、必需品を手に入れるため盗んだり略奪したりすることを覚える。
 ヘロインやその他のオピオイド系鎮痛剤による強烈な薬物依存症は、子どもを慈しむ親としての最も強い本能さえも奪い去ると、医師やソーシャルワーカーは口をそろえる。
 最近はヘロインの何倍も効果が強いフェンタニルやカーフェンタニルといった合成オピオイドが闇市場で簡単に入手できるため、危機的状況が悪化の一途をたどっている。
犠牲になる子どもたち

左:オハイオ州で親戚や里親に引き取られる子どもの数、右:親の薬物中毒に関連して初めて里親制度を利用する件数
https://si.wsj.net/public/resources/images/NA-CM762A_OPIOI_16U_20161214182106.jpg

 オハイオ州の児童サービス機関の関連団体によると、同州では2010年以降、親元から保護され、親戚や里親の家庭で養育される子どもが19%増加。バーモント州児童家族局によると、同州でも2013年から16年にかけて40%増加。いずれも主因はオピオイドだという。
 フェイスブックで中毒者の子どもを育てる祖父母を支援するグループには、全米で現在2000人が登録している。ミカヤさんの子どもを引き取った祖母ミシェル・カランさん(47)もその1人だ。
 カランさん夫妻はオハイオ州コロンバス郊外に退職後住むための家を建て、そこで暮らしている。車で2時間ほど離れた町に住む娘のミカヤさんは、美容師になる学校に通いながら子どもの面倒もよく見ていたと話す。



クリスマスツリーの飾り付けをするカランさん一家。弟リード君は家族の絵を描き、兄レーン君は祖父に甘えるPHOTOS: MADDIE MCGARVEY FOR THE WALL STREET JOURNAL(3)
 約3年前、ミシェルさんは娘のアパートや子どもたちの身なりが乱れ始めたのに気づいた。ミカヤさんは絶えずお金の無心をするようになった。
 ある日、留守中の子どもの世話を頼まれて訪問したとき、当時3歳の兄レーン君が注射器やスプーン、粉末状物質が詰まったブリキ缶を手に持って歩いているのに気づいた。後日ヘロインであることがわかった。「どこから持ってきたの?と聞くと、案内してくれた。娘の寝室の引き出しに入っていた」とミシェルさんは振り返る。
 ミシェルさんは娘に子どもたちを連れて帰ると告げた。2週間くらい休んではどうかと話すと、ミカヤさんは同意した。一方、アパートの管理人は室内がひどく不潔だと警察に通報していた。
 母親のアパートに戻る日、弟のリード君は部屋に近づくと「震えて泣き出した」とミシェルさんは話す。「もうここに戻らなくていいと言ったのに!」と叫んだという。
 到着すると、すぐに警察もやってきた。ミカヤさんの注射痕を確認し「どうやって子どもたちの面倒を見るというんだ? どこに食料があるんだ? ここで一体何が起きているんだ?」と警察官が続けさまに尋ねたのをカランさんは思い出す。台所のキャビネットを開けると、中は空だった。嘔吐物が入ったプラスチック製の牛乳容器が散らばっていたのは、お金が尽きて薬物が買えなくなり、禁断症状に苦しんでいる兆候を示していた。
 裁判所はカランさんに緊急養育権を認めた。ミカヤさんがリハビリ施設を出たり入ったりし、何度かホームレスになったため、養育期間は次第に長期化した。
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実家にあるミカヤさんの写真。ミカヤさんは幼い息子2人を残して薬物の過剰摂取で今夏死亡した PHOTO:MADDIE MCGARVEY FOR THE WALL STREET JOURNAL
 カランさん夫妻と暮らすうちに、レーン君はミカヤさんの交際相手にぶたれたことを打ち明けた。兄弟はその後も長い間、祖父母のそばを片時も離れなかった。「置き去りにされるのを恐れていた」とカランさんは話す。
 空腹の心配もしていた。2人は「食料保管庫を絶えずチェックし、空いた場所があるとパニックになった。彼らを落ち着かせるため、食料を常に前列に移動しなくていけなかった」とカランさんは話す。夜になると翌日の朝食と昼食の用意があるのか聞かれたという。
 今年7月、リハビリの試みもむなしくミカヤさんはフロリダ州のホテルの部屋で死亡した。彼女の血液からはカーフェンタニルと微量のヘロインが検出された。
 現在7歳と5歳になった兄弟は、祖父母の家でスパイダーマンとティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズの絵柄のパジャマを着て、夜食をとりながら母親の写真と遺灰の入った骨つぼを眺めていた。


レーン君(7)とリード君(5)は祖父に寄り添い、祖母は洗濯物を畳んでいるPHOTOS: MADDIE MCGARVEY FOR THE WALL STREET JOURNAL(2)
 レーン君は海岸で過ごす母親の写真を見せ、「お母さんは体を治すためにフロリダに行ったんだよ」と話した。
 カランさん夫妻は2人の養子手続きをするが、不安も抱えている。妻ミシェルさんはクレジットカード関連会社で働き、夫チャックさんは自動車工場の管理責任者だが定年が近づいている。「大学の費用をためようにも限界がある」と話し、兄弟が10代後半に達したとき、面倒を見る余裕があるか心配している。


米オピオイド危機、犠牲になる子供たち(後編)
親の影響で生まれながらの薬物依存、PTSDも
両親がヘロイン中毒だったベン君は生まれながらに中毒症状を抱えていた。現在はオハイオ州の里親のもとで養育されている PHOTO: MADDIE MCGARVEY FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
JEANNE WHALEN
2016 年 12 月 20 日 14:28 JST
※(前編)はこちら>>
 育児放棄された子どもはソーシャルワーカーが親戚に保護を求めるのがふつうだ。一方で多くの自治体が里親制度の充実にかじを切り始めている。オハイオ州ルーカス郡でも今年、里親を募集する広告看板を掲げ、パレードやイベントで一斉にビラを配った。
 親元から保護した子どもの数が今年20%増加したことから、里親制度の登録家庭を2倍以上の約650に増やしたいと同郡児童サービス局のロビン・リーズ氏は話す。
 同氏によると最近、里親家庭にいる子どもの実の親が1週間に2人、薬物の過剰摂取で死亡した。
 「正直言ってこのままでは1世代分の子どもを失いかねない」とリーズ氏は言う。「孤児院を復活させたくはないが、児童養護システムではもう対応しきれない」


養父母であるホートンさん夫妻と自宅でくつろぐベン君(7)PHOTOS: MADDIE MCGARVEY FOR THE WALL STREET JOURNAL(2)
 オハイオ州バタビアに住むホートンさん夫妻は2009年、ベンという名の乳児の里親になった。実の両親がヘロイン中毒者で、ベン君も生まれながらの薬物依存。震えや激しい鳴き声といった痛ましい禁断症状を脱するのに数カ月かかった。
 実の母親はすぐ育児を放り出したが、実父のデービッド・マッキントッシュさんは薬物依存から離脱し、ベン君が1歳8カ月のときに養育権を回復した。
 ベビーシッターを務めていたホートンさんによると、健康なときのマッキントッシュさんは温かく愛情にあふれる父親だった。しかしそれは長続きしなかった。
 ベン君は父親が薬物を注射し、時に失神する様子を見ていた。ベン君はおなかがすくと台所のカウンターによじ登って食べ物を探したという。また父親がヘロインを使う手順を事細かにホートンさんに話したという。
 1年半後、ホートン夫妻はベン君の養育権を再び取得した。昨年には養子にし、3人の実子と一緒に育てている。実父のマッキントッシュさんは今年の春、フェンタニルとモルヒネの過剰摂取で死亡した。
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「もう1人のパパ」と呼ぶ実父とつかの間の時間を楽しんだ時の写真を眺めるベン君 PHOTO:MADDIE MCGARVEY FOR THE WALL STREET JOURNAL
 7歳になったベン君は最近のある朝、実父の写真アルバムのページを繰っていた。「もう1人のパパ」と呼ぶマッキントッシュさんが亡くなる1年前、監視付きでベン君を訪問したときの写真だ。コミックを一緒に読んだり、フットボールをしたり、カメラの前でおどけたりした。
 自宅で死亡した日のことをホートンさんが話すと、ベン君は途中で遮り、誰かが父親の命を助けようとしたかどうか質問した。
 「手遅れだったのよ。いい? 心臓が止まっていたのよ」とホートンさんは答えた。
 「手遅れだった」とベン君は繰り返し、下を向いた。「とても優しいパパだった」
 ベン君はこの4年間、シンシナチ子ども病院医療センターのトラウマ(心的外傷)を抱える子ども向けの特別プログラムでカウンセリングを受けている。担当セラピストはホートンさんの家族が与える愛情や安心感が大きなプラス効果をもたらしていると話す。ただ、これまでの経験は依然として大きな心の負担になっている。


ベン君はインディ・ジョーンズやハリー・ポッターなど架空のキャラクターに強い執着心を示すPHOTOS: MADDIE MCGARVEY FOR THE WALL STREET JOURNAL(2)
 1年生になった彼は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんでいる。セラピストやホートンさんによると、発作的に躁(そう)状態が起き、攻撃的になって同居する兄弟の顔をひっかくことがある。薬がないと夜ぐっすり眠れないことが多い。興味のあること(スーパーヒーローやハリー・ポッター、インディ・ジョーンズなど)には自制心が効かず、他の子どもを無視してノンストップで語り続ける。
 薬物を使う実父のことを話すとき、テレビで見たホラー映画のイメージと混同することがある。ホートンさんはこんな風に言う。「『彼が具合が悪くなって気を失った時、ナイフを握った男の手が家のドアを突き破った』とベンが言えば、それは彼にとって本物の記憶なのだ」

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http://jp.wsj.com/articles/SB11484601320931144569304582507560006796648


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/754.html

[戦争b19] (社説)ミャンマーのロヒンギャ迫害が生む武装蜂起 イスラム教徒の少数民族「浄化」が激しい反発を招いている 
【社説】ミャンマーのロヒンギャ迫害が生む武装蜂起
イスラム教徒の少数民族「浄化」が激しい反発を招いている

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RH141_3burma_IM_20161219122509.jpg
ミャンマーとバングラデシュの国境を通過するロヒンギャの難民(11月22日)

2016 年 12 月 20 日 16:16 JST

 ミャンマーは民主主義と多元主義に向けて劇的な進歩を遂げてきたが、軍はその間もイスラム教徒の少数民族ロヒンギャに対する「民族浄化」作戦を進めてきた。政府は10万人を超える人々を粗末なキャンプに追いやり、救援が受けられないようにした。

 外国に逃れたロヒンギャは数万人に上り、途中で命を落とした者も多い。一方、ミャンマー西部のラカイン州には約100万人のロヒンギャが住んでいるが、政府が1980年代に市民権を?奪したことから、仕事を見つけることは難しい。

 道義に反するこの政策が激しい反感を呼んでいる。サウジアラビアの支援を受けたロヒンギャの武装勢力は、ミャンマーの治安部隊に戦いを仕掛けている。治安部隊は市民に報復し、より多くのロヒンギャを戦いに向かわせるリスクを犯している。

 非政府組織の国際危機グループ(ICG)は先週発表したリポートで、この新たな反政府勢力「ハラカト・アル・ヤーキン(HaY)」(アラビア語で信仰運動の意味)について説明している。HaYは10月にラカイン州で国境警備隊の拠点3カ所を襲撃し、警官9人を殺害。軍が報復措置に出ている。

 HaYは、メッカに逃れたロヒンギャの委員会や外国でゲリラとして戦った経験を持つ地元司令官らの指揮下にある。最近の作戦はサウジアラビア、パキスタン、アラブ首長国連邦(UAE)などのイスラム教聖職者からファトワ(宗教令)の承認を受けている。作戦は11月になっても続き、IED(即席爆発装置)や襲撃で治安要員数人が死亡した。

スー・チー氏はどうしたいのか

 ICGによれば、ロヒンギャが「急進的な集団だったことはなく」「共同体、高齢者、宗教的指導者の大部分はこれまで、逆効果だとして暴力行為を避けてきた」。しかし状況は急速に変化している。HaYは、約200人が死亡したラカイン州での大規模衝突を受けて2012年に結成され、現在では訓練を受けた戦闘員数百人を抱えるとみられている。

 HaYへの軍の対応により、ラカイン州北部でのロヒンギャの生活は一段と悪化した。ICGのリポートによれば、「その場で射殺された容疑者、多数の家屋の焼失、略奪、食料備蓄の差し押さえや破壊、女性や少女のレイプが報告」されている。少なくとも1500棟の建物が最近焼かれたことが衛星写真からわかる。救援活動家やジャーナリストは近づかない。新たに約3万人のロヒンギャが住む家を追われた。

 ミャンマー政府は、昨年の総選挙で圧勝した国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー氏が率いているが、それは旧軍事政権が08年に制定した憲法下での統治だ。反民主的な条項のため、スー・チー氏も選挙で選ばれた他の当局者も軍・国防省・国境省を制御できない。そのため、昨年の選挙はロヒンギャにほとんど好影響を及ぼしていない。投票前にロヒンギャ全てから選挙権を奪うとした政府の決定で、HaYへの参加が増えたとみられる。

 スー・チー氏は軍を自制させることができるだろうか。無国籍で絶望的な状況にあるロヒンギャを、いずれミャンマーの国民として取り込めるだろうか。そもそも同氏はそうしたいのか。これまでのところスー・チー氏は、外国の指導者たちと話し、コフィ・アナン前国連事務総長をロヒンギャ問題の諮問委員会の委員長に指名した以外には、ほとんど何もしていない。国の政策が大きく変わらなければ、ラカイン州で始まった反政府運動はミャンマーの国境を越えて広がるジハード(聖戦)に拡大する恐れがある。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjCouLEv4LRAhXLXrwKHcSVB_cQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582508040740054480&usg=AFQjCNHM-a_NX6TsAW6FBnmApff8Ke7SVA
http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/360.html

[国際16] 習近平主席の改革が成功し得ない理由 危機は時間の問題、レーニン主義  韓国国民は抗議行動をやり過ぎか 愛を再燃させる思考
習近平主席の改革が成功し得ない理由
中国危機は時間の問題、レーニン主義が強すぎる一党制国家の宿命
2016.12.20(火) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙?2016年12月14日付)

台湾独立に反対=中国主席、孫文生誕150年で演説
中国・北京の人民大会堂で開かれた孫文生誕150周年記念大会で演説する習近平国家主席(2016年11月11日撮影)。(c)AFP/WANG ZHAO〔AFPBB News〕
?中国の指導部の「核心」という称号を手にした習近平国家主席は、2つの任務を負っている。1つは、中国共産党から腐敗を一掃すること。もう1つは、経済の改革だ。

?しかし、習氏がこのレーニン主義政党が支配する腐敗した独裁国家の純化と強化に力を入れ続けていくと、2つの任務は互いに相いれないことが明らかになるだろう。

?習氏は2014年、中国が直面している困難を次のように表現していた。

「地方と産業界における腐敗は密接に関係している。結託して汚職をはたらく事例が増えている。人事における権限の乱用と行政権限の乱用は重なり合っている。権力と権力を交換したり、権力をカネと交換したり、権力をセックスと交換したりすることが頻繁に行われている。公務員とビジネスマンとの結託、そして上司と部下の結託も絡み合っている。お互いに利益を供与し合う方法は秘密にされており、多種多様である」

?この容赦ない告発は、自分を利するためのものかもしれない。裴敏欣(ペイ・ミンシン)教授が『China’s Crony Capitalism(中国の縁故資本主義、邦訳未刊)』というよくできた著作で指摘しているように、ストロングマン(強権的な指導者)になりたがっている人物は、ライバルを叩きつぶす手段として汚職の嫌疑をよく利用する。この手法は非常に効果的だ。汚職に手を染めているという指摘は、いかにもありそうな話だからだ。

?裴敏欣教授は中国当局が公表した資料を用いて、なれ合いの汚職がはびこっていることを明らかにしている。こうした腐敗は経済をゆがめ、当局を堕落させ、中国共産党から社会的正統性をはぎ取ってしまっている。

?確かに、腐敗はガンだ。とはいえ、何かの偶然でできたわけではない。

?1990年代初め以降の腐敗の爆発的な拡大は、成功している改革の負の側面だった。「中国の政治経済における縁故資本主義の台頭と確立は、今にして思えば、ケ小平による独裁主義的な経済近代化モデルの論理的な帰結である」と裴敏欣教授は論じている。

「なぜなら、何者にも縛られない権力を手にしたエリートは、経済成長によってもたらされた富を、その権力を使って略奪するという誘惑に抗えないからだ」

?腐敗とは、一党制国家と市場の結婚によって生まれる産物だ。誘惑、威圧、模倣によって広まっていき、ひとたびそれが常態になってしまうと、システム全体が大きな転換点に達してしまうリスクが生じる。習氏が恐れているのは、まさにそうした事態だ。

?中国の腐敗に見られる特徴のうち際立っているのは、富の急増と同時に発生したことだ。

?腐敗が富の急増を妨げることはなかった。それどころか、経済成長と腐敗は足並みをそろえて伸びてきた。しばらくの間お互いを補完していた可能性もある。腐敗が経済成長に燃料を供給し、実現した経済成長が汚職の原資を作り出すといった具合だ。

?この時期に中国がとっていた政策の特徴は主に3つある。市場の自由化、権限の委譲、異議を申し立てられる不確かな財産権の3点だ。中央政府がすべての財産を支配する時代は終わった。だが、安定的な所有権が国民に配分されたわけではなかった。

?中国のように、財産に対する支配力が権利ではなく特権である場合、政治力を持つ人間は自分自身(そして自分がひいきする取り巻き)をとてつもなく裕福にすることができる。中国で行われたのは、まさにそういうことだった。共産党の役人たちが、自国の政府から貴重な資産(土地、鉱物資源など)を没収し、勝手に自分の懐に入れてしまったのだ。

?その過程では結託する必要があった。経済活動に必要な手段――財産と許認可――を1人で支配している例はなかったからだ。結託の輪が姿を現すのは必然だった。上級幹部(「一把手」と称されるトップのリーダー)が管理する「垂直的結託」もあれば、同程度の地位の役人が管理する「水平的結託」もあった。民間の起業家が運営するものもあったし、ギャングが運営するものまであった。

?一部の地方では、このギャングの結託により一種の「マフィア国家」が生まれている。腐敗は中国共産党の規律維持を担うメカニズム、警護部門、人民解放軍でさえ見つかっている。いずれも、一党制国家自体の中核機関だ。

?汚職や腐敗は中国の並外れた経済パフォーマンスを妨げることはなかったという主張を展開することは可能であり、正しくもある。だが、そうした自己満足に対する反論が4つある。

?第1に、腐敗は次第に広がりを見せ、多大なコストをもたらすことが多かった。第2に、国民の教育水準が高まっていろいろな要求が政府に寄せられるようになると、腐敗やそれによる当局の失敗に対して国民は寛容でなくなっていく。第3に、経済成長は減速しており、一部の者が富を掠(かす)め取ることによってその他全員が被る損害はその分だけ大きくなる。第4に、経済成長は革新的な起業家精神への依存度を次第に高めつつあるが、縁故資本主義はこの起業家精神を圧迫する公算が大きい。

?しかし、最大の問題は、大変な数の人々を投獄するだけではなくさらに大きな成果を上げることができるか、だ。習氏はこの問いに対し、レーニン主義を強化しながら市場ももっと利用するという答えを示しているように見えるが、これはかなり問題のある組み合わせだ。ケ小平が意思決定の権限委譲を推進したのは、それ以外の方法を取るには中国という国が大きすぎるからだった。

?経済がさらに複雑化した今、中央集権的な支配はますます機能しなくなっている。実際、中央が全政府職員の行動を管理することなどできはしない。さりとて、全政府職員に国民への説明責任を負わせるわけにもいかない。そんなことをしたら、共産党による権力の独占が崩れ去ってしまうだろう。

?レーニン主義の一党制国家である中国は、ガバナンス(統治)の問題に解決策を提示することができない。とはいえ、経済問題に解決策を示すこともできない。市場経済と、腐敗がないと見なせる政府を共存させるのであれば、経済主体には、独立した司法機関に守られた法的権利が必要になる。だが、これこそ、レーニン主義の一党制国家には提供できないものにほかならない。定義上、この国家は法を超越するからだ。

?一党制国家は法律を使って統治を行うかもしれないが、法律によって統治されることはあり得ない。従って政府の職員は、民間人による法的手段の手が及ばないところにいるのだ。

?レーニン主義の規律の回復と市場の自由化を統合しようという習氏の取り組みがうまくいかないことが判明したら、習氏の体制はこれまで以上に深刻な危機に直面することになる。すぐにはそうならないかもしれない。だが、最終的には間違いなくそうなるように思われる。

?習氏が今の手法に取り組んだのは、もっともな理由があってのことだった。しかし、もっともな解決策を習氏が持っているか否かは、全く別の話だ。

By Martin Wolf

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48700


 
【寄稿】韓国国民は抗議行動をやり過ぎか
抗議行動を通じた体制変革はほとんど実現できていない
12月17日にソウルで行われた朴槿恵大統領の退陣を求める集会

By DAVID VOLODZKO
2016 年 12 月 20 日 12:32 JST

――デビッド・ボロズコ氏は中央日報の英字紙JoongAng Dailyのナショナルエディター

***

 韓国で行われた朴槿恵大統領の退陣を求める集会には200万人が参加した。今や朴氏は弾劾裁判に掛けられることになり、それを民主主義の勝利だと唱える向きもある。だが、帝政ローマのギリシャ人哲学者プルタルコスの言葉を借りるならば、韓国はこうした勝利を次は迎えられないかもしれない。

 韓国では過去数十年間、何万もの集会や行進、座り込み、ストが行われてきた。平均すれば1日当たり1件以上になる。こうした抗議行動は、生活の質や統治が改善しているのにもかかわらず増加している。そして、抗議行動を通じた体制の変革はほとんど実現できていない。

 1960年4月、李承晩大統領は民衆によるデモを発端に辞任に追い込まれた。その後、朴正煕氏がクーデターで政権を奪取し、経済発展を通じて国民の支持を集めた。1988年2月には民主化デモで全斗煥大統領が辞任せざるを得なくなった。後継者には自分とともに光州事件を引き起こした盧泰愚氏を指名。盧氏は大統領選で当選したが、その後2人は反逆罪などで有罪を宣告された。

 現在、抗議デモで朴氏の大統領職は風前の灯火となっている。だがやはり前途は多難だ。後継候補のリストを見ると、この勝利はうたかたのように思える。

 韓国ではなぜこれほど頻繁に抗議行動が起きるのか。時に「デモ共和国」と称される韓国で、なぜ抗議行動は永続的な変革をもたらさないのか。

 よく言われるのは、韓国国民は短気だという説明だ。2002年に少女2人が米軍車両にひかれて死亡した事件では、米兵2人が無罪判決を受けると、反米抗議行動が韓国全土を席巻した。レストランには「米国人お断り」の看板が掲げられ、人気歌手PSYは反米ソングを歌った。ある米当局者はロサンゼルス・タイムズ紙に対し、「私が話をする韓国人のほとんどが、判決には国民感情を反映させなければならないと主張する。これに対し我々は、苦労して法律から感情を切り離そうとしている。考え方がまったく違うのだ」と語った。

 韓国国民は、激しやすい自分たちの性向を「フライパン文化」と評する。例えば、2005年には日本の歴史教科書の記述をめぐり抗議行動が発生した。この教科書は、日本の中学校のわずか0.04%で採用されていただけだったにもかかわらずだ。2008年には米国産牛肉の再開をめぐり、安全性に問題がある証拠はなかったにもかかわらず、数十万人が抗議デモを繰り広げた。駐韓米商工会議所の会頭を務め、韓国に帰化したジェフリー・ジョーンズ氏は、こうしたことは韓国では感情が法律を優先してしまうことを示していると話す。

 しかし、もっと説得力のある説明は、韓国では権力は政治的見解が同じ人たちに訴えることによってではなく、個人的なつながりを動員することによって生まれるというものだ。盧泰愚氏は全斗煥氏の友人だったし、朴槿恵氏は朴正煕氏の娘である。

 個人的つながりを基にしたグループの存在が、政治的な発展を妨げている。他の国々では、社会運動は政党の政策に取り込まれる。しかし韓国では、個人的なつながりが強いため、権力は政策に賛同して結集することでは生まれない。その結果、不満を抱く人たちは街頭に出て抗議する以外に、政治参加する道がほとんどなくなる。

 こうした問題を増幅しているのが、韓国経済とともに成長してきた巨大財閥の存在だ。サムスンの売上高は韓国の国内総生産(GDP)の20%強を占めている。これら財閥は、韓国経済における特権的地位を維持するために、自分たちを競争から守ってくれる各種規制を存続させる政党や政治家に献金する。このことが、生活水準は向上しているのに、国民が抗議行動に走る一因である。

 要するに、問題は1人の腐敗した指導者ではなく、そうした指導者を支える個人的なつながりと経済状況にある。韓国国民は、不屈の精神を持ち、今の状況より困難な障害を乗り越えてきた。だが後退を避けるためには、朴氏の退陣後のことを考える必要がある。腐敗は根が深く、その資金は潤沢にある。

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いかにして愛を再燃させるか 思考がカギ
ILLUSTRATION: VERONICA GRECH
By ELIZABETH BERNSTEIN
2016 年 12 月 20 日 12:33 JST

 朗報がある。愛は再燃させることが可能だというのだ。

 科学者たちはこれを「love regulation(愛のレギュレーション=愛情調整)」と呼ぶ。米ミズーリ大学セントルイス校とオランダのエラスムス・ロッテルダム大学の心理学者が行った新たな研究によると、人間は思考を駆使して誰かへの愛情を高められることが分かった。反対に、意図的に愛情を減らすこともできるという。例えば、誰かと別れた後だ。

 8月に科学誌「プロス・ワン」に掲載されたこの研究には、40人が被験者として参加した。うち半数は恋愛関係にある人、残りの半数は最近パートナーと別れた人だった。各被験者はパートナー(ないし元パートナー)の写真を30枚ずつ持参していた。被験者はまず、パートナーのこと、2人の関係やその未来について、ポジティブなことを考えながら写真を眺めるよう指示された。次にパートナーのこと、2人の関係やその未来について、逆にネガティブなことを考えながら、再度写真を眺めるよう指示された。

長い付き合いのカップルが性欲を取り戻す秘訣
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異性とうまく付き合いたい人たちへのアドバイス

 被験者は、それぞれこの実験タスクを始める前と後に、パートナーに対してどのくらい愛情を感じ、夢中になっていると思うかと質問された。研究チームは被験者の脳波、とりわけ後期陽性電位(LPP)も測定した。LPPは自分と関連があると思う何かに意識が集中したときに強くなる。

 写真を見ながらポジティブなことを考えていたときは、被験者は愛情を「up regulate(上方調整)」できた。彼らが報告したパートナーに対する愛情の度合いはより大きく、LPPも強かった。一方、ネガティブなことを考えていたときは、愛情が「down regulate(下方調整)」され、執着心も夢中になっている度合いも少なかった。恋愛関係にある人たちのLPPも同様に弱かった。

 ミズーリ大学セントルイス校心理学部の助教授で、この研究を主導したサンドラ・ランジェスラグ氏は、「人々は愛情をコントロールできないと思っているため、それを試してさえいないのかもしれない」とし、「しかし、この研究はコントロールが可能なことを示している」と述べた。

 愛情が感情であるか否かについては、心理学者の間でも意見が分かれている。感情と同様に、愛情は複雑で、生理学的かつ心理学的な変化を生じさせる。だが、愛情はすぐに消えてなくなるものでなく、怒りや喜びのように明確なトリガー(引き金)を持たない。一部には、愛情がその他の感情を混ぜ合わせたものかもしれないと見る向きもある。

 人々は、愛情が自分たちの中に生じるものであると考えがちで、自分たちが影響を及ぼせる何ものかであるとは考えない場合が多い。ハーバード大学医学部の心理学者で、「Emotionally Agility」の著者でもあるスーザン・デービッド博士は、愛情をコントロール(制御)できないというのは本当だと述べる。「制御という言葉は、それを抑圧して、その王ないし女王になることが含意されている」からだ。しかし同博士は同時に、われわれは自分たちの感情を日々形成してマネージ(管理)することが可能であり、愛情もその例外でないと指摘している。
http://jp.wsj.com/articles/SB11677208751388613819604582507871003245072
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/755.html

[経世済民116] FRBの金融政策、機械任せにはできない 業況回復に雇用追いつかず 気の抜けない時代 政権ボスぞろい サウジ、対米投資転換
【寄稿】
FRBの金融政策、機械任せにはできない
テイラー・ルールに機械的に従えば政策ツールに足かせ
By NEEL KASHKARI
2016 年 12 月 20 日 17:01 JST

――筆者のニール・カシュカリ氏はミネアポリス地区連銀総裁でFOMCのメンバー

***

 金融危機の最中とその後、米連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和策や記録的な低金利など異例の措置を講じてきた。そして現在、一部のエコノミストは連邦公開市場委員会(FOMC)に対し、金融政策を行う上では単一のルールに機械的に従うよう求めている。地区連銀総裁、そしてFOMCメンバーとして、筆者はこれがFRBの政策ツールに不当な足かせをはめてしまい、最終的には経済、そして雇用に打撃を与えてしまうと信じている。

Dollar sign filled with an electronic circuit. Blue background.
 この考えは、広範なデータと経済トレンドを考慮する際、FRB政策立案者に最善の判断を利用させ続けるのではなく、実質的に金融政策をコンピューターに引き継がせようとするものだ。こうしたルールの古典的な例として、スタンフォード大学の経済学者ジョン・テイラー氏が20年以上前に提示した案が挙げられる。「テイラー・ルール」として広く知られるこの提案は、インフレ率と国内総生産といった経済変数に従ってフェデラルファンド(FF)金利の望ましい水準を計算するものだ。

失業者数が250万人追加も

 筆者が総裁を務めるミネアポリス地区連銀のスタッフの推計によると、FOMCが過去5年間にわたりテイラー・ルールに従っていれば、現在の米国人の失業者数は250万人多くなっているだろう。一体、それはどれくらいの人数なのか。31個の米プロフットボールリーグ(NFL)スタジアムを同時に埋めるのに十分な人数であり、下院議員の全選挙区で失業者が約6000人増えることにもなる。

 テイラー・ルールに従っていれば、非常に多くの米国人に多大な損害を与えたと推定されるのはなぜなのか。この期間にテイラー・ルールが適性水準よりも高い金利を要求したと思われるためだ。例えば、FOMCは先週、FF金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、0.50%?0.75%にすると発表した。テイラー・ルールであれば3%への引き上げを求めていただろう。

 適切な金融政策を決めるプロセスの一環として、FOMCはテイラー・ルールなどが何を推奨するのかを参考にする。しかし、こうしたルールが考慮しない他の重要な経済トレンドを加味した上で、こうしたガイダンスが合理的かを見極めるため、最終的にはFRB当局者がそれぞれの判断と前例を利用することになる。

 厳格なルールに基づいた金融政策の提唱者は、筆者と同様、称賛に値する目標を追求している。理論的に言えば、単純なルールに厳しく従うことで政策の不透明感と要らざる市場のボラティリティーを低下させ、「雇用の最大化」と「物価の安定」というFRBの2つの使命(デュアル・マンデート)に対する信認を高め、政治的圧力に対する潜在的なぜい弱性を減少させることができる。

ルールの特定と裁量余地の排除

 しかし、こうした恩恵を得るためにはFOMCが従うべきルールを特定し、そして(これが最も重要な部分なのだが)経済状況にかかわらずそれに固執することが必要になるだろう。FOMCが例外を認めれば、それがいかに異例で善意に基づいたものであっても、ルールに機械的に従うことから得られる恩恵の大半は失われるだろう。この方程式に再び裁量の余地が入り込めば、直ちに不透明性とボラティリティーが戻ってくるだろう。残念だが、経済の展開にかかわらずこのようなルールに固執すれば、非常に大きな打撃になる可能性がある。

 研究者らは長年かけ、最初のテイラー・ルールを改善して欠点を克服しようと、さまざまな調整を加えてきた。ただ、世界経済と米国経済は複雑で、絶え間なく展開している。過去25年間、世界は驚くほどの技術革新、中国の台頭、ユーロ圏の創設と緊張、金融危機、米国のインフレ率低下(約4%から2%以下まで)を目にしてきた。こうした世界経済のダイナミズムを考慮できる単一の代数式はない。地図情報サービス「グーグルマップ」は見事なアプリケーションだが、たまに湖の中心を走るよう助言してくる。

テイラー・ルールでは住宅バブルはなかったか

 一部の人はFOMCがテイラー・ルールに従っていれば住宅バブルはなかっただろうと主張する。ただ、この主張は誤りであることが証明されている。各国がそれぞれ独自の金融政策を行ってきたにもかかわらず、英国やスペイン、オーストラリアなど先進国経済の多くも米国と同時期に住宅バブルを経験したという事実があるからだ。英国の住宅バブルを米国の金融政策で説明することはできない。

 機械的にルールに従うようFRBを強制することで不透明感をなくそうとするよりも、経済の軌道における金融政策の重要性を大幅に低下させることの方が必要だ。中央銀行の支援によってではなく、自力で力強く成長する経済が必要とされているのであり、それは本物の、生産性を高める投資によって促進される。市場は、新たな議会とドナルド・トランプ次期政権がこのような真の経済成長を促進する財政および規制政策を実施するだろうという、楽観的なシグナルを発している。

 仮に市場が正しく、成長が実現すれば、自動操縦の金融政策が最も望まれないものになるだろう。それは生産性と潜在生産能力が高まっているのか、経済に成長余地があるのかどうかを認識できないため、回復を妨げてしまう可能性がある。高い成長を遂げる

投資主導型の経済は、自動的に金融政策を本来あるべき後方に追いやるだろう。

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米製造業、業況回復に雇用が追いつかず

米製造業は業況の回復に雇用が追いついていない PHOTO: CHUCK BURTON/ASSOCIATED PRESS
By
ANDREW TANGEL AND PATRICK MCGROARTY
2016 年 12 月 20 日 14:17 JST
 米国では、国内製造業を再活性化させるという公約がドナルド・トランプ氏を次期大統領に押し上げる以前から、製造業は活気を取り戻していた。
 だが、雇用はそれに追いついていない。そのため、トランプ氏(同氏に限らないが)が公約通りに工業地帯の雇用を大幅に増やすのは難しいだろう。製造業者はIT(情報技術)化と自動化によって、今までより少ない人員で製品を作り、成長することが可能になっている。
 製造業生産はリセッション(景気後退)前の水準に近づいている。しかし今年11月の製造業雇用者数は1230万人と、正式に景気後退入りした2007年12月の1370万人を約150万人下回っている。これは景気後退期に失われた雇用の約20%に相当する。
 連邦準備制度理事会(FRB)と労働省の統計によると、11月の製造業生産は前月比で横ばいだったが、製造業雇用者数は減った。
 景気後退から脱した09年6月から11月までで、米国の雇用者数は11%増加した。労働省によると、09年11月の非農業部門雇用者数は約1億4500万人だった。一方、同じ期間に製造業雇用者数は5%しか増えなかった。

上:製造業生産指数(2012年を100とする)、下:製造業雇用者数(単位:100万人)
https://si.wsj.net/public/resources/images/BF-AM801_OUTLOO_16U_20161216165502.jpg

 需要があるのはスキルの高い労働者だ。製造業の求人件数は15年ぶりの高水準に達しているが、スキルが低い多数の元工場労働者は、米経済がいくら急成長しても、IT化が進む製造業から締め出されそうだ。
 ロボット開発会社Hロボティクスの創業者、ピッパ・マルムグレン氏は「米国には2つの経済が存在する。そのうちの1つは、どれほど油を注いでも火はつかない」と述べた。
 シカゴ地区連銀のエコノミスト、ウィリアム・ストラウス氏は、生産性と効率の向上で大量の人員を雇う必要がなくなるにつれて、米製造業の労働者が全体に占める割合は現在の8.5%から低下し続けると予想している。
 「この傾向は数十年前から続いており、それが変わる理由は見いだせそうにない」と語った。
 トランプ氏は違う考えを示唆している。アイオワ州デモインで今月開いた集会で、規制を緩和し、中国との貿易関係を見直す方針を改めて示した。これが経済成長と新たな雇用をもたらすとしている。
 トランプ氏とマイク・ペンス次期副大統領は先月、米複合企業ユナイテッド・テクノロジーズ傘下の空調大手キヤリアに対し、インディアナ州の工場の雇用を一部維持するよう説得した。その数日後、トランプ氏はツイッターで、ウィスコンシン州ミルウォーキーを拠点とする工業機械メーカーのレックスノードが約350の雇用の多くをメキシコに移そうとしていることを激しく非難した。
 こうした強引な手法や経済成長の加速が製造業者に大量の増員を促すかどうかは不明だ。より少ない人員でより多くの仕事をこなす方が簡単だと話す企業は多い。ユナイテッド・テクノロジーズのグレッグ・ヘイズ会長兼最高経営責任者(CEO)は今月、キヤリアのインディアナポリス工場の自動化への投資は「ゆくゆくは人員の減少につながる」とCNBCに語っていた。
 製造業のIT投資が遅れていることを示すデータもある。米製造技術協会(AMT)によると、今年1〜10月の製造機械の新規受注は前年同期と比べ6%減少した。だが10月単月では前年同月比で3カ月連続のプラスとなった。
 工場への投資の回復は、製造業の雇用にとって新たな逆風になる恐れがある。
 ロン・デフェオ氏は今年、米工作機械メーカーのケナメタルのCEOに就任した時、メキシコへの工場移転計画を中止した。これにより、数千人の従業員が解雇を免れた。
 しかしその一方で、2億ドル余りを投じて同社工場の多くで設備を見直す予定で、数百人の従業員が機械に置き換えられる可能性がある。
 デフェオ氏は、需要が増加して増員できるようになることを期待していると述べた。近代化された工場では、今働いている従業員が持つものより高いスキルが求められそうだ。ケナメタルのような会社から去るスキルの低い従業員は取り残されるかもしれない。
 歴史の浅い製造業者には少人数しか採用しないところもある。
 ジェフ・フリーランド・ネルソン氏は12年にミネソタ州セントポールで工場を開業し、再生包装資材から子供用ブロックを製造している。従業員は同氏を含めて8人しかいないが、昨年の売上高は5倍に増加した。
 大統領選以降、トランプ氏は製造業が自動化に向かっていることを認めており、人に取って代わるロボットなど、米国の製品製造は増えるとの見通しをニューヨーク・タイムズ紙に示した。
 トランプ氏が米製造業の再活性化に成功したとしても、生産拡大の余地はすでにある。FRBによると、11月の設備稼働率は75%と、過去40年間の平均値(79%)を下回った。
 つまり人員を増やす余地はあるかもしれない。ただし、効率が向上しても増員が不要にならないという話ならばだが。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjPt5G6voLRAhWJXbwKHRPOCZwQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582508030029471216&usg=AFQjCNHKDQfsVXQ9xGZWbSPQzyvY6e_x1w

 

アニマルスピリットに火が付くとダリオ氏−気の抜けない時代の到来か
Bei Hu
2016年12月20日 15:21 JST
79年から82年の米英政権シフトよりも著しい経済的変化が起きる公算
利益生む人々は力が制限された悪役でなく著しい力を持つヒーローに

ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者であるレイ・ダリオ氏は、トランプ次期米政権の下では、1979年から82年にかけて米国と英国、ドイツが経験した「社会主義者から資本主義者」への政権シフトよりも著しい経済的な変化が起きる可能性があると指摘した。
  ダリオ氏は19日のリンクトインへの投稿で、トランプ次期米大統領をサッチャー元英首相やレーガン元米大統領、コール元独首相になぞらえ、次期米政権は税制改正や財政支出で測れるよりもはるかに大きな影響を米経済に与えかねないと主張。トランプ時代は「アニマルスピリット」に火を付け、生産資本を呼び込むことができるだろうとの見方を示した。
  ダリオ氏は「全体として見れば、ディールメーカーのビジネスマンが政権を運営することになる。彼らの大胆さは、新たな4年間を信じ難いほど面白くすると同時にわれわれ全員を気が抜けない状態に置くことはほぼ間違いない」と予想した。
  さらに次期政権の主要ポストに指名された人々は、60年代以降の大部分の政権よりも政治経験に乏しいが、ビジネス経験は圧倒的に豊富だと分析。利益を生む人々は、今のような「力が制限された悪役」ではなく「著しい力を持つヒーロー」になる公算が大きく、そのような環境の下では、現金をリスクの高い資産に移す投資家の動きが非常に顕著になる可能性があると予測した。
原題:Trump Administration ‘Hell-Bent’ to Make Big Changes, Dalio Says(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OIGVM66TTDS201


 

 
焦点:トランプ政権の顔ぶれ、本人そっくりの「ボス」ぞろい

[ワシントン 16日 ロイター] - トランプ次期米政権の内閣は、大統領本人にそっくりの性格になりそうだ。これまでに主要ポストに指名された21人の顔ぶれを見ると、年齢は高め、多くは白人男性で金持ち、リスクテークと商談成立の才覚を自負し、熟考より行動を重んじるタイプがそろっている。

米政府は既得権益に支配され、「壊れて」いると批判してきたトランプ氏は、概して政府経験の長い専門家を避け、各界の「ボス」を集めたチームを結成した。

閣僚指名者名簿から一目瞭然なのは、過去の大統領が起用してきたような知識人、弁護士、学会人といった人種が姿を消したことだ。代わりに登用されたのはエクソン・モービル(XOM.N)やゴールドマン・サックス(GS.N)といった財界の重鎮ら、そして3人の元軍司令官も含まれている。

彼らの多くはこれまで自分の思い通りに事を進めてきたが、今後はトランプ氏というボスに仕える必要がある。しかも、時として動きが鈍く、肥大化した官僚組織を率いなければならない。

国務長官に指名されたエクソン・モービルのレックス・ティラーソン会長兼最高経営責任者(CEO)と、国防長官に指名されたジェームズ・マティス中央軍司令官を知る元米高官は、閣内で大規模なエゴの衝突が起こると予見する。

ティラーソン、マティス両氏は「どんな場所に行ってもそこを牛耳ることに慣れ切っており、今度はシチュエーションルーム(緊急司令室)や、場合によってはオーバルルーム(大統領執務室)がそうした舞台に含まれることになりそうだ」という。

これまでに指名された21人中、16人は白人男性だ。女性は4人だが、最重要級ポストに指名された女性は1人もいない。アフリカ系、アジア系、インド系がそれぞれ1人で、ヒスパニックは皆無となっている。

数名は政府経験を持たず、自らが率いることになる機関に敵対的な人物もいる。

トランプ氏は、現場経験があって物言いが単刀直入という自己イメージに沿った内閣をつくっている、と話すのはプリンストン大の大統領史研究者、ジュリアン・ゼリザー氏。「周りを軍人や商売人で固めていることから、明確なメッセージが読み取れる。冷酷非道な交渉人というのは、トランプ氏が描く自己像そのものだ」という。

<行政に切り込む>

ホワイトハウス未経験の次期閣僚指名者らを知る人々は、彼らが従来の行政に切り込むと予想している。

保健福祉長官に指名されたトム・プライス共和党下院議員について、同じく共和党議員のトム・コール氏は「生まれながらにして決断力がある」と評する。

住宅都市開発長官に指名された元神経外科医のベン・カーソン氏について、元同僚のヘンリー・ブレム氏は「冷静」で直言を恐れない人物だと説明。「彼は紳士で、率直に語る。着想は壮大。そして世界中だれ1人として彼を脅すことなどできない」と述べた。

エネルギー長官に指名されたリック・ペリー氏は、テキサス州知事を3期務めた人物。テキサス大のテキサス政治プロジェクト学部長、ジェームズ・ヘンソン氏によると、ペリー氏はこれまで「非常に保守的でイデオロギー色を強める草の根の支持層と、非常に強い影響力を持つ財界のバランス」を取ってきた。

しかしヘンソン氏は「官僚に囲まれ、明らかに大きなエゴがしのぎを削る内閣という環境でもそれができるかどうかは、別の問題だろう」

と見ている。

財務長官に指名された元ゴールドマン・サックス幹部のスティーブン・ムニューチン氏は、世界金融危機で破綻した住宅金融機関のインディマックを2008年に買収し、ワンウエストという社名で新生へと導いた。

投資会社幹部のケビン・ケリー氏は、実業界におけるこの種の機転が、政権の活性化にいかせるかもしれないと見る。高レベルの企業経験を持つ人々は、株主、取締役会、従業員、地域社会のいずれも満足させる必要があり、「非常にきちんとしていて熱心な人物でなければつとまらない」からだという。

<過剰な破壊>

しかし、外部からの閣僚起用がこれまで必ずしも成功を収めてきたわけではない。ジョージ・W・ブッシュ元大統領が2001年、財務長官に任命した元アルコアCEOのポール・オニール氏は、経済政策についての不用意な発言で市場を混乱させ、最終的に更迭された。

ブルッキングス研究所の政権運営専門家、トーマス・マン氏は「大規模な公的機関の運営は本当に難しい仕事で、経験と知識の豊富な人材を参加させる必要がある上、人々を疎外しないようなやり方で取り組まなければならない」と話す。

トランプ氏の経済顧問であるアンソニー・スカラムッチ氏自身、あまりにも経験不足の人物ばかりでは、未熟な次期政権に害をもたらしかねないと認める。「ワシントンというのは非常に健康な免疫系だ。既成体系の破壊者を数多く投入し過ぎると、臓器が本格的な拒否反応を起こすだろう」と語った。

(James Oliphant記者 Emily Stephenson記者)

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http://jp.reuters.com/article/trupm-team-boss-idJPKBN1480GG?sp=true


 

転換するサウジの対米投資、米政治の変化で
サウジは対米投資戦略を再検討している(写真はサウジアラムコの天然ガス液プラントと原油生産の拠点であるシェイバ地区)
By JUSTIN SCHECK, MAUREEN FARRELL AND BRODY MULLINS
2016 年 12 月 20 日 16:52 JST

 サウジアラビア政府は現在、大規模な対米投資戦略について再考している。背景にあるのは米国の政治状況の変化だ。関係者らによると、こうした方針転換には国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)の上場市場問題も含まれる。

 米議会は9月、テロによる米国人被害者がサウジ政府を提訴することを可能にする法案を可決した。米大統領選ではこの法案を強く支持していたドナルド・トランプ氏が勝利した。この2つの出来事を受け、サウジ政府高官と外部顧問が戦略見直しに着手したという。

 サウジの政府系ファンド関係者によると、同ファンドは新法の持つ意味が明確になるまで対米投資を休止している。

 世界最大の産油会社、サウジアラムコは2017年か18年のIPOを暫定的に予定している。IPOは過去最大の1000億ドルとなる可能性があるため、金融各社は10億ドルが予想される手数料収入を巡り奔走している。

 サウジ当局は上場市場をまだ決めていないが、銀行関係者は規模を考えるとニューヨーク証券取引所(NYSE)が最適とみている。関係者らによると、サウジ政府はロンドン証券取引所など多くの証券取引所の関係者と協議を進めている。

 サウジ関係者や投資家は政府系ファンドの公的投資基金(PIF)の運用についても検討している。当局者はPIFを事実上、原油以外の対外投資で運用すると示唆しているが、サウジアラムコのIPOでの調達資金で同ファンドはさらに拡大するだろう。

 PIFの広報担当者は、テロ関連法案の可決とこれに対するPIFの対応についてコメントを避けた。サウジアラムコとNYSEは同社IPOが米国外で実施される可能性についてコメントを控えた。

 サウジ政府は、01年9月11日のテロ被害者による損害賠償訴訟を可能にした米国の新法にとりわけ危機感を募らせている。テロ犠牲者遺族は、サウジ政府が同時多発テロの実行メンバーを支援したとして提訴した。メンバー19人のうち15人はサウジアラビア人だった。

 サウジの投資計画関係者によると、テロ攻撃の責任を問われる可能性が浮上したことで当局者は、多額の対米投資を行えば資産が法的判断に委ねられる恐れがあると懸念している。

 同法案にバラク・オバマ大統領は拒否権を発動したが、上下両院が再可決して拒否権を覆した。トランプ氏はこれに先立ち、「次期大統領に選ばれればこの法案に署名する」と述べていた。同氏はコメント要請に応じていない。

 トランプ氏はサウジの友人を自認としており、長年サウジを支持していた退役大将のジェームズ・マティス氏を次期国防長官に指名している。ただ、米軍がサウジを支援することには疑問を呈している。

 サウジにとってもう一つの課題となりそうなのは、トランプ氏が原油輸入削減のため米国内での原油増産を支持していることだ。

 サウジの企業は米製油企業の株を保有しており、石油化学部門への事業拡大を目指している。だがトランプ氏の顧問を務めるエネルギー大手コンチネンタル・リソーシズのハロルド・ハム最高経営責任者(CEO)は最近、サウジによる米国内での石油化学プラント保有を認めるべきでないとの考えを示した。こうしたプラントが米石油企業から原油を購入せず、サウジ産原油を使用することで米企業と利害が衝突するためだ。

 ハム氏の発言についてサウジ政府はコメントを控えている。

 6月にはサウジのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子がシリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)幹部数人と会い、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズへの出資のような形の取引を計画していると示唆した。

 9月には米議会がオバマ大統領の拒否権を覆した。10月には、PIFはソフトバンクグループが運営するファンドに450億ドルを出資すると明らかにした。

 こうしたサウジ政府の投資計画に詳しい筋によると、サウジ当局はテロ関連新法の成立後にソフトバンクのファンドへの多額の投資を決めた。直接米国に投資した場合のエクスポージャーを懸念したためだ。

 関係筋によると、PIFはソフトバンクの実力にも関心を持っていた。多額の資金を1件の投資に向けることができるためだ。また、世界のトップクラスの起業家の一部が提示する取引にPIFがアクセスできるようになる可能性も魅力だった。

 ソフトバンクに投じた資金の一部は、ソフトバンクの投資を通じて結局は米国に渡る可能性が高いようだ。ソフトバンクの孫正義社長は6日にニューヨークのトランプタワーでトランプ次期米大統領と会談し、その後記者団に、米国に500億ドルを投資し5万人の雇用を創出すると述べた。この投資資金の一部はサウジが出資したファンドに由来している。

 関係筋によると、PIFはソフトバンクのファンドではパッシブ投資家であるため、ソフトバンクの資金の投入先を決定することはできない。最終的には米国に多額の投資をすることになる可能性がある。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwju5_-7v4LRAhUBS7wKHSxDAxkQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582508242685798830&usg=AFQjCNGmxUrUQzxkpMv4kLw6cBpn2RfD4w
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/868.html

[政治・選挙・NHK217] 実質成長率1.5%、17年度政府経済見通しを閣議了解 名目経済成長率、来年度は2.5% 経済見通しと経済財政運営の基本的
実質成長率1.5%、17年度政府経済見通しを閣議了解

[東京 20日 ロイター] - 政府は20日、2017年度の政府経済見通しを閣議了解した。実質経済成長率は1.5%と16年度実績見込みの1.3%から緩やかに伸びる見通しだ。名目成長率は2.5%とし、政府が8月に決定した経済対策などで民需中心の景気回復を見込む。物価は需給の引き締まりの中で上昇するとし、消費者物価(総合)上昇率は1.1%とした。

個人消費は雇用・所得環境の改善から緩やかに増え、16年度の0.7%増から0.8%増に上昇すると試算。設備投資も企業収益の改善で3.4%増と想定した。

経済の好循環が進展する中での景気回復を見込む一方、先行きのリスクとして「海外経済の不確実性」や「金融資本市場の変動の影響」を明記した。

*見出しを修正しました。

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薬価毎年改定へ基本方針、18年度から全品対象調査を明記=政府筋
http://jp.reuters.com/article/japan-economy-growth-idJPKBN149051

 

名目経済成長率、来年度は2.5% 政府見通し
2016年12月20日12時35分
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 政府は20日の閣議で、2017年度の政府経済見通しを了解した。国内総生産(GDP)の成長率は、物価変動を反映した名目で2・5%、反映しない実質で1・5%。8月にまとめた経済対策の効果で個人消費も緩やかに回復し、来年度の名目GDPは553・5兆円で過去最高に達すると見込む。

 8月の経済対策効果で、実質成長率を0・5ポイント押し上げるとした。米次期大統領選後の円安も、企業業績が改善して設備投資が増える要因とみている。世界経済は緩やかに回復していくとの見方だ。

 ただ、過去の実際の成長率は、政府見通しを下回ることが多い。日本経済研究センターがまとめた民間エコノミスト予測の平均は、名目1・4%、実質1・1%成長となっている。
http://www.asahi.com/articles/ASJDN0F5BJDMULFA03Q.html


 

動画が再生できない方はこちら(政府インターネットTV)
閣議の概要について

 閣議の概要について申し上げます。一般案件等36件と法律の公布、政令、人事が決定されました。大臣発言として、石原大臣から「平成29年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度について」、総務大臣から「平成28年版消防白書について」それぞれ御発言があり、私(内閣官房長官)から「『犯罪対策閣僚会議の開催について』の一部改正について」申し上げ、法務大臣及び安倍総理大臣から「再犯の防止等に関する施策の推進について」、安倍総理大臣から「海外出張不在中の事務代理について」それぞれ御発言がありました。

原子力災害対策本部会議について

 本日の閣議前に、原子力災害対策本部を開催し、「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針」を決定いたしました。この指針は、地元からの御要望や8月に出された与党からの提言などを踏まえて策定したものであり、今後の福島復興の施策の基本的な方向性を示すものであります。具体的には、帰還困難区域における復興拠点の整備などに向けて、次期通常国会において必要な法的措置を講じることなどを定めております。総理からは、関係閣僚が密接に連携し、福島の復興・再生に向けた道筋を具体化するよう指示がございました。政府全体としてしっかり対応してまいります。

関連リンク
平成28年12月20日(火)定例閣議案件 (官邸HP)
政府経済見通し (内閣府HP)別ウィンドウで開く
消防白書 (総務省消防庁HP)別ウィンドウで開く
犯罪対策閣僚会議 (官邸HP)
原子力災害対策本部 (官邸HP)

http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201612/20_a.html


政府経済見通し

経済見通しと経済財政運営の基本的態度
閣議了解(平成28年12月20日)
(1)本文(PDF形式:381KB)別ウインドウで開きますEnglish version(PDF:173KB)別ウィンドウで開きます
(2)概要(PDF形式:138KB)別ウインドウで開きます
(3)大臣談話(PDF形式:111KB)別ウインドウで開きます

経済動向について(内閣府年央試算)
平成28年度
本文(PDF形式:270KB)別ウインドウで開きます English version(PDF:223KB)別ウィンドウで開きます
 
 
http://www5.cao.go.jp/keizai1/mitoshi/mitoshi.html


 

平成 29 年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度

平成 28 年 12 月 20 日
閣議了 解


1.平成 28 年度の経済動向及び平成 29 年度の経済見通し
 

2
(2)平成 28 年度の経済動向
平成 28 年度の我が国経済をみると、アベノミクスの取組の下、雇
用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調が続いている。ただし、年
度前半には海外経済で弱さがみられたほか、国内経済についても、個
人消費及び民間設備投資は、所得、収益の伸びと比べ力強さを欠いた
状況となっている。
政府は、デフレから完全に脱却し、しっかりと成長していく道筋を
つけるため、「未来への投資を実現する経済対策」(以下「経済対策」
という。)1
を取りまとめた。雇用・所得環境が改善する中、経済対策
等の効果もあって、景気は緩やかな回復に向かうことが見込まれる。
物価の動向をみると、これまでの原油価格の下落の影響等により
前年比で伸びが低下している。
この結果、平成 28 年度の実質国内総生産(実質GDP)成長率は
1.3%程度、名目国内総生産(名目GDP)成長率は 1.5%程度と見
込まれる。また、消費者物価(総合)は 0.0%程度になると見込まれ
る。
(3)平成 29 年度の経済見通し
平成 29 年度の我が国経済は、「経済対策」など、「2.平成 29 年度
の経済財政運営の基本的態度」に示された政策の推進等により、雇
用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環が進展する中で、民需
を中心とした景気回復が見込まれる。
物価については、景気回復により、需給が引き締まっていく中で上
昇し、デフレ脱却に向け前進が見込まれる。
この結果、平成 29 年度の実質GDP成長率は 1.5%程度、名目G
DP成長率は 2.5%程度と見込まれる。また、消費者物価(総合)は
1.1%程度の上昇と見込まれる。
なお、先行きのリスクとしては、海外経済の不確実性、金融資本市
場の変動の影響等に留意する必要がある。
@実質国内総生産(実質GDP)
(@)民間最終消費支出
雇用・所得環境の改善により、緩やかに増加する(対前年度比
0.8%程度の増)。
1 平成 28 年8月2日閣議決定

3
(A)民間住宅投資
雇用・所得環境が改善する中で、緩和的な金融環境に支えられ、
おおむね横ばいで推移する(対前年度比 0.1%程度の増)。
(B)民間企業設備投資
生産の増加や企業収益の改善等により、引き続き増加する(対前
年度比 3.4%程度の増)。
(C)公需
経済対策の円滑かつ着実な実施と社会保障関係費等の増加によ
り増加する(実質経済成長率に対する公需の寄与度 0.4%程度)。
(D)外需
世界経済が緩やかに回復していくことから増加する(実質経済成
長率に対する外需の寄与度 0.1%程度)。
A実質国民総所得(実質GNI)
海外からの所得の増加により、実質国民総所得(実質GNI)は
実質GDP成長率を上回る伸びとなる(対前年度比 1.7%程度の
増)。
B労働・雇用
雇用環境が改善する中で、女性や高齢者等を中心とした労働参加
の拡大もあり、雇用者数は緩やかに増加する(対前年度比 0.8%程
度の増)。完全失業率はやや低下する(2.9%程度)。
C鉱工業生産
輸出や国内需要の増加等から増加する(対前年度比 2.7%程度の
増)。
D物価
消費者物価(総合)上昇率は景気回復による需給の引き締まりに
より、1.1%程度となる。こうした中でGDPデフレーターは引き
続き上昇する(対前年度比 0.9%程度の上昇)。
E国際収支
世界経済の緩やかな回復を背景とした輸出の増加や、海外からの
所得の増加等により、貿易収支、経常収支の黒字は増加する(経常
収支対名目GDP比 4.3%程度)。

4
(注1) 本経済見通しに当たっては、「2.平成 29 年度の経済財政運営の基本的態度」
に記された経済財政運営を前提としている。
(注2) 世界GDP(日本を除く。)、円相場、原油輸入価格については、以下の前提
を置いている。なお、これらは、作業のための想定であって、政府としての
予測あるいは見通しを示すものではない。
平成 27 年度
(実績) 平成 28 年度 平成 29 年度
世界GDP(日本を除く。)の
実質成長率(%) 2.8 2.9 3.2
円相場(円/ドル) 120.1 107.5 111.5
原油輸入価格(ドル/バレル) 49.4 45.9 48.2
(備考)
1.世界GDP(日本を除く。)の実質成長率は、国際機関等の経済見通しを基に算
出。
2.円相場は、平成 28 年 11 月 10 日〜12 月9日の期間の平均値(111.5 円/ドル)
で同年 12 月 12 日以後一定と想定。
3.原油輸入価格は、平成 28 年 11 月 10 日〜12 月9日の期間のスポット価格の平均
値に運賃、保険料を付加した値(48.2 ドル/バレル)で同年 12 月 12 日以後一定と
想定。
(注3) 我が国経済は民間活動がその主体をなすものであること、また、特に国際環
境の変化には予見しがたい要素が多いことに鑑み、上記の諸計数はある程度
幅を持って考えられるべきものである。

5
2.平成 29 年度の経済財政運営の基本的態度
今後の経済財政運営に当たっては、引き続き、「経済再生なくして
財政健全化なし」を基本とし、名目GDP600 兆円経済の実現と平成
32 年度(2020 年度)の財政健全化目標の達成の双方の実現を目指す。
「経済対策」の円滑かつ着実な実施により、内需を下支えするとと
もに、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現
につなげていく。
一億総活躍社会の実現に向け、アベノミクス「新・三本の矢」に沿
った施策を実施する。「戦後最大の名目GDP600 兆円」に向けては、
地方創生、国土強靱化、女性の活躍も含め、あらゆる政策を総動員す
ることにより、デフレ脱却を確実なものとしつつ、経済の好循環をよ
り確かなものとする。また、未来への投資の拡大に向けた成長戦略を
推進するため、「日本再興戦略 2016」2
を着実に実施する。「希望出生
率 1.8」及び「介護離職ゼロ」に向けては、子育て・介護の環境整備
等の取組を進め、国民一人ひとりの希望の実現を支え、将来不安を払
拭し、少子高齢化社会を乗り越えるための潜在成長率を向上させる。
財政健全化については、「経済財政運営と改革の基本方針 2015」3
に盛り込まれた「経済・財政再生計画」及び「経済・財政再生計画改
革工程表」に則って、これまでの歳出改革の取組を強化していく。平
成 29 年度は、「経済・財政再生計画」の2年目に当たり、同計画に掲
げる歳出改革等を着実に実行する。
日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標
を実現することを期待する。


2 平成 28 年6月2日閣議決定 3 平成 27 年6月 30 日閣議決定
http://www5.cao.go.jp/keizai1/mitoshi/2016/1220mitoshi.pdf

http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/830.html

[経世済民116] 中国住宅市場に忍び寄る破裂音 流動性引締で脆弱さ露呈−中国債券市場で売りの連鎖 元安容認とAIIB出資、米中取引あるか 
中国住宅市場に忍び寄る破裂音、投機熱は一服
中国の住宅価格は上昇ペースが急激に鈍化している
By NATHANIEL TAPLIN
2016 年 12 月 20 日 17:16 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 中国では債券市場の破裂音が鳴り響く中、新たに発表された住宅データにはさらに悪いニュースが含まれていた。

 中国の住宅市場が、現在あるいはかなり近い将来にピークを迎えることは間違いない。

 11月は多くの都市で住宅価格が上昇したが、大都市の伸び率は2カ月前の水準から急激に鈍化した。また、上海や南京といった裕福な1級・2級都市では伸び率が0.5%以下にとどまった。これらの都市では9月には3?4%上昇していた。

 住宅価格の上昇に急ブレーキがかかったことは、厳しい融資条件によって投機筋が閉め出されつつあることを示している。16日に発表された「中央経済工作会議」の経済運営方針で、当局は「住宅は住む場所であり、投機のためのものではない」と投機筋を厳しく批判した。

 一方、投機筋が主導する大都市の住宅市場は中国全体の住宅価格動向のよい先行指標となっているが、実際の投資や建設の状況が正しく反映されていないことを投資家は心にとめておく必要がある。3級都市はおおむね貧しい内陸部に位置しており、住宅市場の60%程度を占めているが、現況ははっきりせず、モメンタムの鈍化はさほど明確になっていない。

 公式統計では、3級都市の価格が前月比0.1%増と緩やかな伸びにとどまったが、3カ月単位ではまだ上昇トレンドが続いている。さらに、11月の不動産投資の伸びは低調だったものの高水準にあり、今年の大規模な景気刺激策の効果が遅れて現れるとみられることから、鉄鋼やセメントの実需は今後数カ月間にわたり堅調な動きが続きそうだ。

 電力や鉄鋼などの生産は引き続き拡大している。11月の電力生産は伸び率が前年同月比で小幅低下して7%増となったが、4月の減少からは大きく回復している。

 中国の建設活動は引き続き良好だが、大都市では鈍化しており、融資コストが全土で上昇し始めているため、価格上昇の鈍化が始まっている。2017年半ばごろには破裂音が大きくなる可能性がある。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjRuLWtv4LRAhWMabwKHaW1CH4QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582508280894087156&usg=AFQjCNGATikuJ13Oh10G-e_b8Mm6W2gQ4Q

流動性引き締めで脆弱さ露呈−中国債券市場で売りの連鎖
Justina Lee
2016年12月20日 14:28 JST

• 銀行向けに資産運用商品を手掛ける投資会社が選好する戦略にリスク
• 混乱はもはや流動性逼迫の結果ではなく信用機能停止の結果との声も

レバレッジとカウンターパーティーリスク、償還期日をめぐるミスマッチ。中国の記録的な債券強気相場はバブル形成のあらゆる兆しを備えていた。
  緩和的な金融環境で警戒感が薄れていた中で、流動性の引き締めだけで流れが反転した。米利上げペースが加速するとの見通しが、中国の資金調達コスト上昇で生じていた圧力を一段と強め、10月に始まった債券市場の調整は混乱に転じた。債券先物は先週、過去最大の値下がりとなり、10年物国債利回りは2年ぶりの大きな上昇を記録、金利スワップレートは1年8カ月ぶりの高水準に達した。
  債券の値下がりが広がるにつれ、売りが銀行やファンド、証券会社の間に連鎖反応を引き起こした。リスクの多くは、銀行向けに資産運用商品を手掛ける投資会社が選好する戦略に起因している。借り入れた短期資金を債券投資に充てる戦略だ。
  低水準の短期市場金利がこうした戦略に基づく取引を実入りの良いものにしていたが、それも8月に中国人民銀行(中央銀行)が金融システム内の行き過ぎたレバレッジを抑制しようと資金供給を引き締め始めるまでのことだった。
  貸し手が資金の返済を求め始め、資金提供をやめたことで、投資会社は保有資産の圧縮とデリバティブ(金融派生商品)を使っての損失ヘッジを強いられている。
  平安証券の債券調査責任者、石磊氏(北京在勤)は、「こうした銀行以外の金融会社には問題が2つある。1つは資金調達市場で冷遇されていることで、もう1つは銀行がこうした会社に委託しており、銀行側が資金を取り戻そうとすれば、一斉行動が生じるのは当然ということだ」と語った。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iqp4_6OAaUcc/v2/-1x-1.png
  債券市場がこれまで築いてきたのは、緩めの資金調達環境に全面的に頼ったレバレッジの連鎖であり、今回の混乱が市場のもろさを露呈させた。
  オーバーシー・チャイニーズ銀行の謝棟銘エコノミスト(シンガポール在勤)はリポートで、「先週目にした市場の混乱は、もはや流動性逼迫(ひっぱく)の結果ではなく、信用機能停止の結果だ」と指摘。「債券価格の崩壊が最終的にカウンターパーティーリスクを露呈させた。信用を取り戻すには、一定の時間を要するかもしれない」と予想した。
  サードパーティーが運用を担当する資産運用商品3兆元(約51兆円)相当について、銀行がこれまでに償還を受けたのはわずか10%程度にすぎず、まだ値下がりの続く余地があると石氏はみている。
原題:China’s Bond Rout Triggers Turmoil as Leverage Curbs Bite (1)(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OIGPQT6S972E01


 

 
コラム:元安容認とAIIB出資、米中取引あるか

村田雅志ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト
[東京 20日] - 米中外交で、さまざまな軋轢(あつれき)が目立ち始めている。トランプ次期米大統領は11日、米テレビ番組のインタビューで、台湾を中国の一部だとする中国政府が掲げる「一つの中国」の原則を米国が維持していくかは、中国の対応次第との考えを表明した。

報道によれば、中国外務省は、トランプ氏の発言に対し、「一つの中国」の原則は米中関係の政治的基礎であり、もしこれが妨害され、壊されれば、両国の健全かつ安定的な発展や協力などあり得ないと強く反発した。

トランプ氏の挑発に応えるかのように、中国海軍は16日、米調査船の目の前で米海軍の無人潜水機を拿捕(だほ)した。トランプ氏はツイッター上で中国が米海軍の潜水機を公海で盗んだと非難。中国政府は18日に潜水機を返還することに同意したが、米側が公の場で一方的にこの問題を誇張したことは不適切で、問題の早期解決にマイナスだったとして遺憾の意を表明した。

トランプ氏が今後も中国政府に対し様々な圧力をかけ続けるとの見方は根強い。同氏は米大統領選において、中国からの輸入製品に最大45%の関税をかけると発言するなど、中国の貿易・為替政策に対し批判的な姿勢を示し続けていた。

一方、中国当局は昨年8月、事実上の通貨切り下げを実施し、人民元は対ドルで約3%の元安となった。その後も人民元は下落基調での推移を続け、足元では1ドル=6.95元台と2008年5月以来の元安水準に達している。

元安の動きが続いていることもあり、市場関係者の一部は、トランプ氏が米大統領選終盤に発表した「100日計画」を根拠に、米国政府が中国を為替操作国として認定する可能性を指摘している。

為替操作国とは、米財務省が半期に一度のペースで提出する為替報告書に基づき、米議会が為替相場を不当に操作していると認定した国のことである。為替操作国に認定された国は米国との二国間協議で通貨切り上げを要求されるほか、米国は必要に応じて関税引き上げの制裁を実施するとされている。

<為替操作国認定より新プラザ合意に現実味>

しかし、トランプ氏が正式に大統領に就任したとしても、米国政府が中国を為替操作国として認定することはないだろう。トランプ氏の計画によると、大統領就任初日に中国を為替操作国として認定するよう財務長官に「命令(direct)する」と述べているにすぎず、中国を為替操作国として認定すると断言していない。

大統領に命令された財務長官(ひいては財務省)は、命令を無視するわけにもいかず、検討作業に入るだろうが、中国を為替操作国として認定できないと回答するだろう。米国の「2015年貿易円滑化・貿易執行法」では、1)対米貿易黒字が年200億ドル超、2)経常黒字が名目国内総生産(GDP)比3%超、3)外貨買い(自国通貨売り)介入を続けている(年間の純外貨購入が名目GDP比2%超)の3つを為替操作国と判断する基準としている。

中国の場合、該当するのは対米貿易黒字(2015年で3657億ドル)のみであり、昨年までGDP比で3%を超えていた中国の経常黒字は今年に入り2%台に低下。また、中国は外貨買い介入ではなく、外貨売り(元買い介入)を続けている。

人民元が下落を続けている背景には中国の資本流出がある。中国の資本・金融収支は2015年に4853億ドルの赤字(中国からの資本流出)と過去最大を記録し、16年は9月末までに3798億ドルの赤字に達している。資本・金融収支の赤字が巨額なため、外貨準備を取り崩しても同収支の赤字をカバーしきれず、為替市場では人民元を売る動きに歯止めがかからない。

中国の資本流出は、複合的な要因によるもので早期に収束するとは考えにくい。中国の習近平国家主席は、中国から欧州までを陸路と海路でつなぐ一帯一路(シルクロード)構想を対外政策の最重要施策と位置付け、海外への直接投資を拡大させている。海外金融機関は、中国景気の先行き懸念を背景に中国から融資を引き揚げ、中国人投資家は人民元の先安観から海外投資を積極化させている。

習近平主席が推進する反腐敗運動を受け、腐敗高官は多額の不正蓄財を非合法な形で海外に持ち出す動きを止めない。香港では中国人投資家によるドル建ての投資性保険の売れ行きが好調で、過去最高を記録した11月のビットコイン取引の9割が中国の取引所を経由したものとされている。

資本流出が続く以上、外貨準備を減らす形での元買い介入は、いずれ行き詰まる。中国の外貨準備は、ピーク時(2014年6月)に約4兆ドルあったが、外貨売り(元買い)介入を続けたことで16年11月には3兆0516億ドルまで減少した。国際通貨基金(IMF)の試算によると、中国にとって安全といえる外貨準備の最少額は2.8兆ドルとされており、中国が元買い介入に使える外貨準備は、数千億ドル程度しか残されていない可能性もある。

トランプ次期政権にとっても、中国政府が外貨準備を減らし続けることは都合が悪い。中国当局が外貨準備を使った元買い介入を続けた結果、中国が保有する米国債は、2016年10月に1兆1157億ドルと10年7月以来の低水準に減少し、世界最大の米国債保有国の座を日本に明け渡した。このまま中国が保有する米国債を売り続ければ、米国債利回りの上昇圧力が高まり、トランプ氏が掲げるインフラ投資の推進が阻害される恐れも出てくる。

中国の外貨準備が減少し続ければ、同国の景気や人民元相場の先行き懸念を背景に、世界の金融市場でリスク回避姿勢(リスクオフの動き)も強まるだろう。この結果、堅調に推移する米国株も調整を余儀なくされ、米国の企業・消費者マインドも悪化する可能性が高まる。

このためトランプ次期政権としては、中国当局に対し元安政策を批判するのではなく、むしろ元安の進展を容認させ、外貨準備の減少に歯止めをかけることを要求したほうが合理的となる。米中で秘密裏に協議をし、中国の資本流出に歯止めがかかる水準まで人民元を一気に大きく切り下げることも一案となるだろう。ドル安ではなく元安誘導を目的とした新プラザ合意である。

<人民元ショックでリスクオフの円高再来か>

もちろん、人民元の大幅切り下げは、中国経済に大きな恩恵を与える一方で、米国だけでなく世界各国に悪影響を及ぼす。そこでトランプ次期政権は、交換条件の形で中国当局から何らかの譲歩を引き出そうとするだろう。中国金融・資本市場の規制緩和や、人民元の変動相場制への移行は、人民元の国際化を目標とする中国政府にとっても受け入れやすい譲歩である。

人民元切り下げの交換条件として、米国によるアジアインフラ投資銀行(AIIB)への多額の出資を中国が受け入れるようトランプ次期政権が要求することも考えられる。現在、AIIBでの中国の出資比率は約3割と、中国がAIIBを事実上、支配した状態にあり、日米両国は融資基準の透明性や公平性などが担保されていないことを理由にAIIBへの出資を見送ったままである 。

米国がAIIBに主導権を握る規模で出資できれば、米国企業がAIIB融資案件に参画する道筋が開ける。中国にとっては、融資案件による利権の一部を米国に渡すことになるが、米国がAIIBに出資することで、AIIBの国際機関としての位置付けは強化される。AIIBを活用し一帯一路構想を推進したい習近平主席にとっても、米国のAIIBへの出資は悪い話ではない。

しかし、米中合意によるものとはいえ、人民元が大幅に切り下げられることになれば、世界の金融市場に大きなショックがかかるのは避けられない。人民元の大幅切り下げは、人民元に対する他通貨の大幅上昇と同義なので、米国、日本だけでなく、中国に資源を輸出するオーストラリア、ブラジル、ロシア、中東産油国への経済的ダメージは大きく、株価は大幅に下落し、債券利回りは大きく低下することになる。

一方、人民元の大幅切り下げは、中国からの資本流出が止まり、中国経済の安定化につながることから、中国株は輸出株を中心に買いが先行するだろう。

また、人民元の大幅切り下げは、世界の多く国での景気悪化につながると見込まれることから、世界の金融市場はリスクを避ける姿勢(リスクオフ)を強めるだろう。為替市場では円高の動きが強まると予想される。

中国経済との結びつきが強い新興国(中国依存の新興国)は、人民元の大幅切り下げで景気が悪化するとの見方から利下げなど金融緩和に動くと予想される。中国依存の新興国の多くは、先進国に比べ金利水準が高いため、金融緩和による金利低下は為替市場で材料視されやすい。

中国依存の新興国の通貨は、人民元に対しては上昇しても、他の先進国通貨に対しては下落する可能性が高く、中でも円に対してはリスクオフの動きもあって大きく下落すると予想される。

*村田雅志氏は、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト。三和総合研究所、GCIキャピタルを経て2010年より現職。近著に「人民元切り下げ:次のバブルが迫る」(東洋経済新報社)

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

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http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-masashi-murata-idJPKBN1490OT


 

 
ドイツ、生産者物価指数が前年同月比で上昇に転じる 
Fergal O'Brien
2016年12月20日 17:58 JST

  ドイツ連邦統計局が20日発表した11月の独生産者物価指数(PPI)は前年同月比0.1%上昇となった。PPIが前年を上回ったのは3年余りで初めて。ユーロ圏同様、ドイツ国内でもインフレが緩やかに上昇している。
原題: German Producer Prices Rise for First Time in Three Years: Chart (抜粋)German November Producer Prices +0.1% Y/y; Est. -0.2% Y/y (抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OIH77Q6TTDS701

http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/873.html

[政治・選挙・NHK217] 英米発の世界リスク、救えるのは日独 岡部直明「主役なき世界」を読む 歴史の大逆転はあるか
英米発の世界リスク、救えるのは日独

岡部直明「主役なき世界」を読む

歴史の大逆転はあるか
2016年12月21日(水)
岡部 直明
 歴史は繰り返すというが、歴史の大逆転は起きるだろうか。2016年は、民主主義、資本主義の最先進国で、覇権国家でもあった英国と米国が予期できないリスクを世界に拡散した年だった。英国の欧州連合(EU)離脱決定と米国のトランプ大統領の選出である。ポピュリズム(大衆迎合主義)を背景とした反グローバリズムが共通項である。英米発の世界リスクの連鎖をどう食い止めるかが2017年の大きな課題だろう。危機を救うのが第2次世界大戦を引き起こした日独だとしたら、歴史は75年で大逆転することになる。


英米発の世界リスクが広がる中で、リベラリズムの「最後の砦」として期待されるのがドイツのメルケル首相だ。来年秋に行われる連邦議会(下院)選挙に首相4期目を目指して出馬する考えを表明している。(写真:Sean Gallup/Getty Images)
第2次大戦後の大転換

 英国のEU離脱決定と米国のトランプ大統領選出を冷戦終結後、最大の転換とみる向きは多いが、歴史をさかのぼれば、これは第2次世界大戦後の大転換と位置付けられる。1930年代の大不況を受けて台頭したドイツのナチスと日本の軍部は、世界全体を第2次大戦に巻きこませた。それを収束したのは米英を中心とする連合軍だった。

 勝者である米英は戦後の国際秩序を築くことになる。国際連合や国際通貨基金(IMF)・世界銀行の体制である。とりわけ、英国に代わって圧倒的な覇権国家になった米国は、敗戦国である日独の経済再建を優先する。第1次大戦の戦後処理の失敗によりナチスの台頭を許した苦い教訓からだ。マーシャル・プラン(欧州復興計画)とドッジ・ラインのもと、敗戦国ドイツと日本は「奇跡の経済復興」を遂げることになる。

 その指導的国家である英米が戦後71年で、世界にリスクをまき散らす国になってしまったのである。この世界リスクは中国、ロシアという大国の存在感を高める危険がある。それは、主役なき世界をさらに混迷させるだろう。この世界規模の危機を救える立場にいるのは、第2次大戦の敗戦国、日独しかない。歴史は皮肉である。

グレート・ブリテンの分裂

 国民投票による英国のEU離脱決定は、世界に衝撃を与えたが、最も衝撃を受けたのは当の英国である。それは「グレート・ブリテン」の分裂を招いたからである。EU離脱か残留かの選択は世代間、所得階層間でその違いが鮮明だが、地域間の落差も大きい。スコットランドや北アイルランド、そして首都のロンドンは残留を支持している。英国がEUから離脱するなら、スコットランドは独立し、北アイルランドはアイルランドに統合し、ロンドンもシンガポールのように独立するという説もある。「グレート・ブリテン」は「リトル・イングランド」になるわけだ。

 もちろん、メイ首相は「グレート・ブリテン」としての結束固めに懸命だが、EUとの離脱交渉しだいで、英国分裂の恐れが強まりかねない。

 EU離脱通告は国民投票だけでなく、英議会の承認が必要だと英高裁が判断し、その最終判断が最高裁から来年1月に下される。残留派が過半の英議会が国民投票のEU離脱をくつがえせば、総選挙で改めて争われる可能性もある。メイ首相は来年3月に離脱をEUに通告する方針だが、通告が遅れる恐れもある。

 EU離脱交渉は難航必至である。内務相の経験からメイ首相は移民の流入抑制を優先したい意向だが、それではEUへの自由な市場アクセスや金融パスポートの取得はむずかしくなる。メルケル独首相でさえ「いいとこ取りは許さない」と警告している。

 離脱交渉のカギを握るのは、英国に進出している日米など外資である。外資はEU市場全体をにらんで英国に進出している。EU離脱でこのネットワークが分断されるなら、外資は欧州大陸などに拠点を移さざるをえなくなる。金融センターであるロンドン・シティーの地位も盤石ではなくなるだろう。

排外主義者を大統領にする超大国

 英国のEU離脱決定以上に、世界に衝撃を与えたのは、超大国・米国であからさまな排外主義を掲げるトランプ氏が次期大統領に選ばれたことだ。トランプ氏は選出直後には発言を慎重にした気配があったが、排外主義の本質は変わらなかった。

 「米国第一主義」という名の保護主義が強行されることになれば、世界経済は危機に見舞われる。とりわけ現存する北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しは、照準を定められているメキシコ経済を直撃するだけでなく、日本企業を含めグローバル経済の生産ネットワークを分断することになる。それは、英国のEU離脱がEU市場に自由にアクセスできない「ハードBREXIT」になるのと同様である。

 日米を中心に練り上げられてきた環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱は、この地域の成長の果実を自ら放棄することになる。

 海外に工場を移転しようする企業を名指しで攻撃し、過重な課税を実行するなどということは、資本主義の先進国の首脳として、考えられない態度だといわざるをえない。

自由ゆえの危機

 それにしても、なぜ自由で民主的で豊かな英米で世界リスクを拡散する事態が発生したのか。やや皮肉だが、自由で民主的だからこその危機といえる。ナチスの登場も民主的なワイマール体制下で起きた。自由で豊かだからこそ、英米に移民は増え、そこにあつれきも生じることになる。フランスやベルギーという自由な欧州諸国がIS(イスラム国)のテロの温床になったのとも通じる。

 置いて行かれたと思い込む大衆の不満は、ツィッターなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によって結合し、拡散した。ナチスは新しいメディアだったラジオを活用したが、現代社会ではSNSによる横のつながりは予想を超えて広がった。

格差拡大はグローバル化のせいか

 英国のEU離脱決定もトランプ米大統領の登場も、格差拡大が背景にあるのは事実だろう。それは先進国、新興国を問わず共通の現象である。しかし、格差拡大が冷戦終結後のグローバル化のせいだというのは本当か。米国のノーベル経済学者、ジョセフ・スティグリッツ教授やフランスの人口学者、エマニュエル・トッド氏ら論客が反グローバリズムを扇動しているが、そこには落とし穴がある。 

 グローバル化は新興国を台頭させ、世界経済全体を底上げした。格差拡大をもたらしたのは、グローバル化そのものというより、情報革命を軸とする産業構造の転換による面はなかったか。それは19世紀の英国発の産業革命以来、産業の進歩とともに繰り返されてきた。しかし「打ちこわし運動」は失敗し、産業革命は経済全体に浸透していくことになる。それは、いま起きている「第4次産業革命」でも同じだろう。

 格差拡大の最大の要因は、グローバル化でも産業構造転換でもなく、実物経済と金融経済の落差にあるとみるべきだろう。英米という金融センターを抱える先進国で、ともに予想外の展開があったのをみてもそれは明らかだ。

 リーマンショックで打撃を受けたはずの金融資本主義だが、再び息を吹き返している。しかも公的支援を受けた金融機関の首脳たちは何のお咎めも受けず、高所得を得つづけている。低成長の実物経済と肥大化する金融経済の落差にこそ、格差拡大の原因がある。

 英国のメイ首相は、ロンドン・シティーの勤務経験もあり、EU離脱にあたっては金融パスポートの維持などシティー重視の姿勢を貫くだろう。トランプ次期米大統領は財務長官など主要経済閣僚にウォール街出身者を起用、ウォール街重視を鮮明にしている。リーマンショックを受けた金融規制の緩和も打ち出している。

 英国のEU離脱やトランプ大統領の登場の背景にある格差は、皮肉にもますます拡大することになる。

中ロの台頭で混迷する世界

 英米発のリスクは、強権国家である中国、ロシアの台頭を許し、主役なき世界をさらに混迷させることになる。とりわけロシアはこの英米発の世界リスクで、漁夫の利を得ようとしている。プーチン政権は英国のEU離脱を歓迎する。ウクライナ危機やシリア危機で対立するEUが分裂すれば、その勢力をそぐことになると考えるからだ。

 それ以上に、トランプ米大統領の登場はロシアのプーチン政権にとって願ってもないことだろう。トランプ氏自身が米大統領選中にプーチン大統領を持ち上げてきた。プーチン政権はそのトランプ勝利のためにサイバー攻撃をかけたという疑惑が消えない。ヒラリー・クリントン氏が大統領になれば、プーチン政権に厳しい態度を取り続けてきたオバマ米政権の路線が継承されると考えたのだろう。米ロ関係が転換すれば、ウクライナや中東問題、それに欧州の行方にも大きな影響を及ぼすことになる。

 トランプ政権下で予想される米中関係のきしみも大きな懸念材料だ。中国は南シナ海などへの海洋進出の姿勢を一貫して強化している。これに対して、トランプ氏は台湾接近の姿勢をのぞかせ、中国の国是でもある「ひとつの中国」をけん制している。トランプ氏は中国を為替操作国と決めつけ、高率関税を課す姿勢を示している。硬軟両様だったオバマ政権から「ハードライナー」に転換する可能性がある。

EU再生担うメルケル首相

 英米発の世界リスクが広がる中で、リベラリズムの「最後の砦」として期待されるのがドイツのメルケル首相だ。引退する可能性もあったが、英国のEU離脱決定を受けて、欧州内に極右勢力やポピュリズムが蔓延するなかで、来年秋の総選挙で4選をめざして立ち上がった。

 「ドイツのための選択肢」という保守勢力が進出するなかで、ドイツ国内でリベラリズムの足場を固めるのが狙いだが、それ以上に欧州全域に広がる極右勢力の台頭を食い止めようとするEUの盟主としての確固とした姿勢がみてとれる。とりわけ、ルペン氏の台頭が予想される来年春のフランスの大統領選挙を側面から支援したいという意識が働いている。

 EU内では「ドイツ独り勝ち」が批判されるが、メルケル首相がリーダーとして積極的な役割を演じないかぎり、EU再生はおぼつかない。メルケル首相が指導力を発揮すれば、世界にはびこる強権政治に対して、リベラリズムの防波堤を築くことになる。

アジア安定こそ安倍首相の責務


国際社会における日本の安倍晋三首相の役割は重要だ。トランプ氏の排外主義にくぎをさすのは、同盟国である日本の責任である。(写真:Lintao Zhang/Getty Images)
 英米発の世界リスクのなかで、メルケル独首相とともに期待されるのが日本の安倍晋三首相の役割である。日米同盟が日本外交の土台であることに変わりはない。だからこそトランプ次期大統領には多くの分野で物申す必要がある。

 とりわけトランプ政権が保護主義に傾斜することにはくぎをさすべきだ。TPPへの参加を呼び掛けるだけでなく、NAFTAの見直しには明確に反対することだ。グローバル経済は勝ち負けでなく、広範な相互依存によって築かれていることを粘り強く理解させることだ。

 トランプ政権下で米中関係がきしむなら、日本がその仲介役を買って出る必要もある。TPPと中国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を結合するのは、両方の協定作りに参加している日本の使命である。アジア太平洋全体が広範な自由貿易地帯になるなら、トランプ氏も孤立主義の不利益に気づくはずである。

 英米発の世界リスクのなかで、日本とEUとの経済連携協定の意義も高まっている。メガFTA(自由貿易協定)の時代が終わっていないことを実証しなければならない。

 安倍首相とメルケル首相の関係は必ずしも親密とはいえない。地球を俯瞰する外交をめざすなら、安倍首相は強権政治家たちよりもリベラリズム政治家たちとの連携を優先することだ。

 英米発の世界リスクのなかで、日本に求められる歴史的責務は重い。


このコラムについて

岡部直明「主役なき世界」を読む
 世界は、米国一極集中から主役なき多極化の時代へと動き出している。複雑化する世界を読み解き、さらには日本の針路について考察する。
 筆者は日本経済新聞社で、ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、取締役論説主幹、専務執行役員主幹などを歴任した。
 現在はジャーナリスト/明治大学 研究・知財戦略機構 国際総合研究所 フェロー。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/071400054/122000014/
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/851.html

[国際16] なぜ中国は米軍の潜水ドローンを拿捕したのか 中国新聞趣聞チャイナ・ゴシップス 忍耐力の低い米中の「偶発事件」に備えよ
なぜ中国は米軍の潜水ドローンを拿捕したのか

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス

忍耐力の低い米中の「偶発事件」に備えよ
2016年12月21日(水)
福島 香織

「暴君トランプ」と「狂犬マティス」は中国の挑発をいなせるのか(写真:AP/アフロ)
 中国の人民解放軍海軍が南シナ海で米軍の無人潜水探査機(ドローン)を「違法に奪取」した。12月15日のことである。米国側はすぐさま返還を要求、18日には中国側も返還に応じることを決定したが、いったい中国側は何を考えて、このような大胆な真似をしたのだろうか。今後の米中関係の行方を占ううえでも、気になるところだ。

フィリピンと中国の係争水域で

 米国防総省の発表では、15日、アメリカ海軍の海洋調査船「バウディッチ」が南シナ海のフィリピン・ルソン島沖、スービック湾から北西93キロの地点で、無人潜水探査機(ドローン)2機による海洋調査を実施、探査機を回収しようとしたところ、中国海軍の潜水艦救難艦がボートを出して1機を奪ったという。バウディッチは無線で返還を要請したが、救難艦は応答せずに探査機を持ち去った。

 米国側によればドローンは海水の塩分濃度や透明度などを調査するものだが、これは潜水艦航行時のソナーデータに役立つ情報でもある。潜水艦の航行、作戦に必要とされる情報といえば、軍事情報になるが、機密というほどのものはない。国防総省の発表でも、今回の調査は、民間用のドローンを使って非機密情報を収集していたという。

 無断でこのドローンを拿捕した中国国防部は「中国海軍は15日午後、南シナ海海域で正体不明の装置を発見し、船舶の航行の安全と人員の安全を守るために、救難艦の責務としてこの装置の識別検査をしたのだ」と主張した。

 だが、目の前に米海軍の調査船があり、無線で返還を呼び掛けているのに持ち去ったとなれば、この主張も口実にすぎないとわかる。中国国防部側は識別検査の結果、無人潜水探査機であると判明したので米国に返還すると決定した、と説明。「中国側は米国側とずっと連絡を保っているのに、米国側が一方的に問題を公開し、騒ぎ出したのは不適当であり、問題をスムーズに解決するのに不利となった。我々はこのことに遺憾を表明する」と開き直った。

 さらに中国国防部は「強調すべきことは、長年、米軍は頻繁に中国当面海域で偵察や軍事測量を行ってきているが、中国はこのことには断固反対しており、この種の活動を停止することを米国側に要求する。中国側は引き続き米国側のこうした活動に対し警戒を維持し、必要な措置をもって対応する」とけん制した。

 米海軍海洋調査船が寄港していたスービック湾沖という現場は、本来フィリピンの排他的経済水域内だが、スービック湾西200キロの地点にあるスカボロー礁はフィリピン、中国が領有権を争う係争地である。米国側はこの周辺海域を国際水域、つまり公海や自由海に準ずるものとして認識しているが、中国側にすれば現場は中国の排他的経済水域ということになる。排他的経済水域内の科学目的調査は沿海国への「妥当な考慮」が必要となっている。

 この海域の認識はともかく、軍の船が領海領空のボーダーに近いところで調査を行えば、沿海国にとっては苛立つものだし、情報収集艦が接続水域や領海に入ってこないように、追尾し、監視して追い払おうともするだろう。中国の情報収集艦もしばしば尖閣諸島などの接続水域に入り、ときに領海を横切ることもあったので、日本もきりきりしている。ただ、日本は抗議するが、実力行使を行ったことはない。

 中国側がいきなりドローンを無断で拿捕するということは、これは実力行使、戦闘行為に発展してもおかしくないぐらいの挑発といえる。

 米国側が抗議と返還要求という抑制の効いた対応になったのは、前代未聞の中国海軍の行為にあっけにとられたのか、ひょっとするとこれは中国政府の意思に反した現場の暴走ではないかと考えたのか、奪われたドローン自体が民間の商用品で収集していた情報も非機密情報であったので、さして慌てる必要もなかったのか。トランプはこの件について、そんなドローンなど中国にやってしまえ、とツイッターで発言したのは、そこに軍事機密として保護を優先させるものはなく、中国の挑発に乗らないことを優先させた、ということかもしれない。

 しかし、いったい、中国側は何を考えて、こうした前代未聞の、米国に対して真っ向から喧嘩を売るような行動に出たのだろう。

 中国側の主張は、南京大学中国南海研究院院長の呉士存が環球時報のインタビューに対して語ったことにまとめられている。

「米軍の腹はわかっている」

 
 「外国メディアが言っている国際水域、これは米国サイドの言い分であって、海洋法公約上にはこういう言い方はない。海洋には領海、領海の外側の接続水域、排他的経済水域、その外に公海がある。公海は公海としての管理規則がある。国際水域という明確な法律上の定義はない。

 したがって、米国が中国に無人潜水探査機を拿捕されたのは国際水域ではない。黄岩島(スカボロー礁)の近海、つまり中国の排他的経済水域内かどうかを判断しなければならない区域である。ならば中国はこの種の科学的研究目的の潜水機に対し管轄権を有することになる。拿捕後、中国は米国と話し合い、最終的な交渉結果を出したわけだ」

 「米国はどうして軍事測量船を用いたのか。なぜなら海洋法公約にはアナがあるからだ。沿岸国家が排他的経済水域における排他的主権・管轄権を有しており、海洋科学研究や海底ケーブル敷設や、人工施設建設・管理などについては沿岸国の同意が必要だ。だが、軍事測量については沿岸国の同意が必要、とは書いていない。米国はこの法的アナをついてきたのだ」

 「米国が(中国が領海と主張する)九段線の中に入ってきたのは、米国の言うような海水濃度のデータ収集といったものではなく、実際のところは、中国の南沙諸島における施設建設状況にかかわる情報偵察が目的であろう。あるいは、中国の南シナ海の潜水艦航路の探索が目的であろう」

 「この意味から言えば、米国の無人潜水探査機は中国の安全に対して脅威をなすものである。これは新たな接近偵察である」

 「米国よ、お前は何をしに来たのか? 米軍の腹はわかっている」

 習近平政権における「南シナ海政策ブレーン」の筆頭、呉士存がここまではっきりと中国の立場を主張するからには、おそらく今回の事件は現場の暴走というようなものではないと考えられる。一部で習近平自身も知らされなかった「現場の暴走」説が出たのは、そうしないことには、米国側も収まりがつかないからではないか。

 ちなみに、2013年1月に東シナ海尖閣諸島付近で起きた「ロックオン事件」も、日本側は「現場の暴走」説をとることによって早期に収束させたが、後々に漏れ伝えられる情報を突き合わせると、習近平政権は2013年当初は、東シナ海で日本を挑発し軍事行動をとらせることで、日本の軍国主義台頭脅威の国際世論をあおり、日米離反を画策する目論見があったようである。日本は挑発に乗らず、この目論見は崩れた。

 軍の末端が、政権の意向を無視して、勝手に対象国の軍艦に火器照準を合わせたり、探査機を拿捕したりしたら、それはそれで政権が軍を制御できないということであり、恐ろしい状態である。習近平の軍制改革があまりうまくいっていないという話もあるので、その可能性は捨てきれないのだが、拿捕後の中国の対応、落ち着きぶりを見れば、今回の件に関しては計算づくで来たような印象を受ける。

「やられたら、やり返す」

 呉士存の意見をさらに見てみると、こう続く。

 「いわゆる南シナ海の国際法廷による仲裁が出たあと、南シナ海問題は中国、フィリピンの当事国同士で解決するという形で下火になったのに、米国はそれに甘んじることができなかった。つまり、それは米国利益に合致しておらず、米国は南シナ海をかき回して中国の平和的発展をけん制しようとしている」

 「中米の南シナ海における“地縁的政治競争”、海洋覇権ゲームに決着がついていない以上、米国はまたやってくる」

 「中国が南シナ海問題のコントロールを強くできるか否か、それが米国に欲しいままにさせないためのカギだ」

 「中国軍はこの点に関しては自信がある。南シナ海情勢は中国の南沙における関係施設の配置にともない徐々に変化してきている。米軍は焦っているのだ」

 そのうえで、中国側がドローンを米国におとなしく返還したのは、「我々には米国の接近偵察が国家安全を脅かすことに対し、反撃の用意がある。…中国はただ黙っているだけの忍耐はない。今の時代、やられたらやり返す、ということだ」ということを伝える意味があったという。

 トランプは国防長官に中国に強い警戒感を持つ元海兵大将・ジェームズ・マティスを指名しており、軍事的には対中強硬姿勢を強めてくるとの観測が中国側にも出てきている。トランプ政権が登場した当初は、トランプはオバマのアジアリバランス政策を後退させるのではないか、という期待が中国側にもあったが、政権チームの概要が見え始めてくるにつれ、南シナ海、台湾問題など、アジア太平洋における米中軍事対立の先鋭化は避けられないという見方に修正してきた。

 もっとも、それでも習近平政権にとっては、トランプ政権はヒラリー政権よりも歓迎すべきだという考えが政権内部には強い。国外に巨大な敵の存在があれば、不安定な内政問題から国民の関心は逸れ、国内はまとまりやすく、共産党政権の求心力は高まる。軍、特に海軍空軍の士気は上がり、習近平の考える軍制改革、つまり陸軍中心から海空軍中心の覇権拡大に向けた軍制への改革が進めやすくなるし、それに伴う軍の掌握によって習近平が目指す独裁体制への道も近くなる、という期待があろう。

 しかも米中二大大国冷戦構造というのは、中国が大国として米国に認識されたということでもあるので、そこはかとなく自尊心もくすぐられる。かつての冷戦構造は米ソ対立であり、その米ソ対立ゆえに、米国は中国を経済的軍事的に支援して自分たちの仲間に引き入れようとしてきたのだ。それが今やロシア(旧ソ連)と中国への米国の対応は入れ替わっている。

 呉士存が指摘するように、南シナ海は米中の地縁政治競争、海洋覇権ゲームの最重要対局盤である。特に中国は、フィリピンのドゥテルテ政権が心底嫌米であることを布石として、今のタイミングをもってこの対局を制したいところではないか。それが成功するかしないかはともかく。

日本は「偶発的有事」を覚悟せよ

 とすると、米中の間に、そう遠くない時点で、なにがしかの軍事的衝突があってもおかしくはない。

 誰もが思い出すのは2001年の海南島付近上空での米中軍用機衝突事件(海南島事件)である。無線傍受偵察をしていた米海軍電子偵察機に対して、中国海軍戦闘機が挑発行為をした結果、接触し海に落ちた中国人パイロットは行方不明、米軍電子偵察機は中国側に回収され、機体の返還をめぐって緊張感の続く長い交渉があった。

 この事件は中国を「戦略的競争相手」と認識したブッシュ共和党政権下で起きたこともあって、一つ間違えば紛争に発展しかねないものだったが、時の江沢民政権が外資導入による中国経済高度成長政策にプライオリティを置いていたこともあり、双方が忍耐をもって事件を決着させた。

 これに続く米中危機は2009年のインペッカブル事件だ。米軍海洋調査船「インペッカブル」が海南島沖南120キロの地点で調査を行っていたところ、中国艦船5隻が取り囲み、立ち退きを要求。中国艦船はインペッカブルに25メートルまで近づき、あわやアレイ・ソナーを奪われそうになった。このときも、ひょっとすると軍事紛争に発展しかねないという危機感があったが、当時のオバマ政権、胡錦濤政権とも基本は協調外交路線にあり、双方が忍耐をもって危機を回避した。

 今後、南シナ海で同様の軍事的偶発事件が起きる可能性は十分に予想されることだ。だが過去二度の米中軍事危機と明らかに違うのは、米国・トランプ政権にしても中国・習近平政権にしても、忍耐力が過去の政権と比して明らかに低そうなことだ。政治的にも経済的にも地政学的にも両国の動きに翻弄されやすい立ち位置の日本は、十分にアンテナを張って覚悟を決めておく必要があるだろう。

【新刊】中国が抱えるアキレス腱に迫る
『赤い帝国・中国が滅びる日』

 「赤い帝国・中国」は今、南シナ海の軍事拠点化を着々と進め、人民元を国際通貨入りさせることに成功した。さらに文化面でも習近平政権の庇護を受けた万達集団の映画文化産業買収戦略はハリウッドを乗っ取る勢いだ。だが、一方で赤い帝国にもいくつものアキレス腱、リスクが存在する。党内部の権力闘争、暗殺、クーデターの可能性、経済崩壊、大衆の不満…。こうしたリスクは、日本を含む国際社会にも大いなるリスクである。そして、その現実を知ることは、日本の取るべき道を知ることにつながる。
KKベストセラーズ刊/2016年10月26日発行

このコラムについて

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
 新聞とは新しい話、ニュース。趣聞とは、中国語で興味深い話、噂話といった意味。
 中国において公式の新聞メディアが流す情報は「新聞」だが、中国の公式メディアとは宣伝機関であり、その第一の目的は党の宣伝だ。当局の都合の良いように編集されたり、美化されていたりしていることもある。そこで人々は口コミ情報、つまり知人から聞いた興味深い「趣聞」も重視する。
 特に北京のように古く歴史ある政治の街においては、その知人がしばしば中南海に出入りできるほどの人物であったり、軍関係者であったり、ということもあるので、根も葉もない話ばかりではない。時に公式メディアの流す新聞よりも早く正確であることも。特に昨今はインターネットのおかげでこの趣聞の伝播力はばかにできなくなった。新聞趣聞の両面から中国の事象を読み解いてゆくニュースコラム。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/121900080/

http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/761.html

[経世済民116] 来年に制度拡大、「じぶん年金」はお得か? 新ビジネスに最適の組織構造を見極めるには しゅんぺいた博士と学ぶイノベーショ
来年に制度拡大、「じぶん年金」はお得か?

記者の眼

確定拠出年金「イデコ」、来年ほぼ全員が加入可能に
2016年12月21日(水)
武田 健太郎

公務員や主婦などが参加できるようになったイデコ。厚生労働省は広告費に約5億円の予算を計上するなど、認知度向上に余念が無い。
 来年1月から、自ら将来に向けた年金を積み立てる「じぶん年金」の制度が拡大する。公務員や主婦など新たに2600万人が個人型確定拠出年金(愛称イデコ)の対象となり、現役世代のほぼ全員が利用できる制度となる。イデコは公的年金を補う制度として期待され、税制面での様々なメリットが特徴と言われる。本当にお得な制度なのか。少し整理してみたい。

 イデコの正式名称である個人型確定拠出年金。個人型とは、企業が管理する年金制度では無く、個人が自ら申し込む制度ということ。口座を作る金融機関などを自ら選ぶ事になる。

 確定拠出とは、毎月拠出する掛け金(入り口)が決まっているということ。公務員や主婦、自営業者などで、それぞれ決められた上限額まで拠出する事ができる。半面、将来貰える給付額(出口)は確定していない。毎月の拠出額を使って、投資信託や定期預金、保険商品などで運用する制度のため、結果次第では拠出額より多い金額が貰える可能性がある半面、元本割れしてしまうリスクも出てくる。

3つの税制メリット、お得度は高い

 このイデコ。変な名前だが、実は結構凄い。経済コラムニストの大江英樹氏は「税制面でこれほど多くのメリットが詰め込まれた制度は他にはありません。資産形成には最適です」と強調する。

 税制優遇は3つ。1つ目は積み立て時。毎月の拠出額の合計が所得控除される。例えば年収800万円の人が毎月1万円積み立てた場合、年末調整や確定申告で3万6000円程度の税負担を減らすことができる。

 運用中にもメリットがある。通常は保有する投資信託の価格が上昇した場合、売却時に利益に対して約2割の税金がかかるが、これが非課税となる。

 最後は受け取り時。イデコでは60〜70歳までの間に、運用したお金を一時金か年金形式、もしくは一時金と年金の併用で受け取りを開始する事ができる。どの受け取り方でも控除の対象となり、税金が安くなる。

 NISA(少額投資非課税制度)と比較した場合、どちらも自分でリスクを取って資産運用する点は同じだが、税制面ではイデコには3つのメリットがあるのに対し、NISAは運用時の非課税のみにとどまる。確かにイデコはお得感のある制度とわかる。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/122000379/p2.png

公的年金の縮小、自助努力で補う時代に

 公的年金の支給額を抑えやすくなる改正国民年金法が12月に成立した。少子高齢化で公的年金制度を支える現役世代の割合が徐々に減っていくなか、老後資金を「公」に強く依存することは難しくなってくる。イデコを通じて「じぶん年金」を積み立て、公的年金を補完する必要が出てきている。

 とはいえ、多くの人は投資初心者。自ら運用商品を選定する制度に戸惑う人も多いだろう。実際、既に確定拠出年金を利用している人の多くは投資に消極的で、定期預金や保険商品など元本割れが無い商品への投資割合が50%台半ばにのぼる。

 経済学の理論上は、老後資金向けなど長期スパンの運用の場合は、ある程度リスクを取ることが推奨されている。株式や投資信託に投資すれば、経済成長やインフレなどに対応したリターンが受け取れる。金融市場は定期的にアップダウンを繰り返すが、20年、30年スパンの投資なら、下落局面での損を取り返す機会が十分にある。という理屈だ。

求む、日本流「投資の王道」

 しかし、理屈は理屈。米国では株価指数が史上最高値水準で直近は推移している一方で、日本の日経平均株価は1989年末に付けた高値3万8957円のせいぜい半分の水準だ。株式や投資信託への投資が長期投資に向いていると言われても、正直心の底から納得できる人は限られる。

 イデコ制度が今後普及すれば、当然多くの人が投資について学び考える環境が必要となる。失われた20年を経験した日本には、日本なりの投資教育の理論やテキストを作る必要がある。

 運用資金を元本保証型で寝かすだけだとインフレリスクに対応できないが、積極投資に転じても日本株だけの運用では成果は期待薄。世界中に分散投資するのも良いが、運用コストが少し高い。長期積み立てで投資期間を分散することは有効的。でも、ある程度値上がりしたら、さっさと売却して利益を確定した方が得かもしれない。

 投資に対する考え方は色々とある。未来は不確実性に溢れていて、何が一番正しい理論かなんて正直誰にも分からない。だが、それなりに議論を重ねることで、リスクを抑えながら適度なリターンを受け取るための選択肢が見えてくるはずだ。「この方法が正しい」、ではなく、「これらの投資方法のなかで好きなものを選んで下さい」と提示できる位になれば、イデコ制度の普及にも弾みがつくかもしれない。

 日経ビジネス12月26日号のスペシャルリポート「年金、自己責任の時代」では、イデコ制度拡大の背景や、海外制度との比較などを特集する。


このコラムについて

記者の眼
日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/122000379

 

新ビジネスに最適の組織構造を見極めるには

しゅんぺいた博士と学ぶイノベーションの兵法

第21回 新しい酒は新しい革袋に入れろ!(その2)
2016年12月21日(水)
玉田 俊平太

「破壊的イノベーション」は原理的に、既存の組織には起こせない。イノベーションを起こすために最適化された別組織を、新たに創ることが最も重要なポイントだ。(写真:PIXTA)
前回までのまとめ
 これまでの連載を通じて、私たちは「破壊的イノベーターになるための7つのステップ」のうち、@どのタイプのイノベーションを起こすか戦略を立て、A多様なメンバーをチームに集め、B「無消費者」や「満足過剰な顧客」を探し、C正しいブレインストーミングを行い、D破壊的アイデアを選び出す──やり方までを学んで来ました。(以下の<■図1>参照)

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/062400001/121600023/ZU01.jpg
■図1 破壊的イノベーターになるための7つのステップ

前回からE「新しい酒(破壊的イノベーション)は新しい革袋(別組織)に任せる」の項目について学んでいます。
「破壊的イノベーション」は既存組織では育たない

 前回の連載で私たちは、破壊的イノベーションによる製品・サービスは、シンプルで使い勝手が良いため、新しい顧客やそれほど要求が厳しくない顧客にはアピールするのですが、既存製品・サービスの主要顧客には見向きもされず、オモチャ呼ばわりされ、「そんなものは要らない」と拒否されてしまうということを学びました。

 そして、既存企業は、既存企業や株主が満足するような市場の上方向(利益率が高まる方向)には上がれる(持続的イノベーションは出来る)が、市場の下(利益率が下がる方向)には降りられない「非対称的モチベーション」という特性を持っています。このため、既存顧客が求めていない、利益率が低く破壊的なビジネスモデルのアイデアを既存組織内で育てようとしても、必要とする資源が割り振られず、また仕事のプロセスや価値基準も違うため、まずうまく行かないということも学びました。

 ですから、企業が本気で「破壊的イノベーションを起こしたい」と願うのであれば、かけ声だけでなく、破壊的イノベーションを起こすために最適化された、「新しい組織」を別途創り出す必要があるのです。

イノベーションをどのような組織に任せるべきか

 そのことをよりよく理解するために、以下の<■図2>をご覧ください。これは、イノベーションのアイデアをどのような組織に任せるべきかを判断するために、横軸に「既存組織の価値基準との適合度」を、縦軸に「既存の仕事のプロセスとの適合度」を取った、「新ビジネスのための組織構造を考えるフレームワーク」です。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/062400001/121600023/ZU02.jpg

■図2 新ビジネスのための組織構造を考えるフレームワーク

(出典:クレイトン・クリステンセン著『イノベーションのジレンマ』240頁 図8.1をベースに筆者改訂)
 横軸の「既存(組織)の価値基準との適合度」は、事業に必要な資源が新しいプランの方に優先的に割り振られるかどうかに影響します。

 新しいビジネスのアイデアが既存組織の価値基準とうまく適合する場合、すなわち<■図2>の左側(領域Aや領域B)のビジネスであれば、資源がそのプランに優先的に割り当てられる可能性が高いため、既存の組織内に設計・開発・販売を任せることができるでしょう。

 逆に、既存組織の価値基準との適合性が低い製品やサービスの場合(右側の領域Cや領域Dのケース)には、既存組織内では優先度が低くなってしまい必要なときに必要な資源が割り当てられないため、別組織に任せないとうまくいかないでしょう。

 また、縦軸の「既存の仕事のプロセスとの適合度」とは、ある製品やサービスを開発する際の「仕事のプロセス=個人やチームが他の個人やチームと協調したり相互作用したりするやり方」がこれまで通りで良いかどうかということです。既存プロセスとの適合度が良好な(高い)場合(<■図2>の下側の領域Aや領域Cのケース)には、既存の機能的組織で開発を進めることができるでしょう。

 しかし、製品やサービスのアーキテクチャがまったく異なり、これまでの仕事のプロセスを大幅に変えなくてはならないような場合(<■図2>の上側の領域Bや領域Dのケース)には、独立性の高い新しい組織(重量級組織)で開発を進める必要があるでしょう。

 さて、ここまででご説明してきた議論はかなり抽象度が高いので、以下では仮想的なケースを用いながら、「どのようなタイプのイノベーションはどのような組織に任せるべきか」を理解していきましょう。

ケース1:トヨタが「マークX」をマイナーチェンジする

 最初のケースは、トヨタにおいて「『マークX』をマイナーチェンジするプロジェクト」です。このプロジェクトはどのような組織に任せるのがよいでしょうか?

 このプロジェクトの開発チームが行う作業は、エンジンの小幅な改良、クルマの外観の洗練、装備の見直しといった事柄で、自動車のアーキテクチャ自体に影響するような大幅な変更はありえません。

 したがって、チームのメンバーが他の人やチームと協調・協働するやり方(仕事のプロセス:<■図2>の縦軸)は、これまで通りで大丈夫でしょう。<■図2>で言えば、縦軸の下側の領域AかCの機能的組織に改良を任せてよいことになります。

 また、改良しようとするマークXは、既にトヨタの販売店で販売されている既存のセダンですので、マイナーチェンジしたマークXを見せれば、販売店は喜んで新モデルの販売にも協力してくれるでしょう。

→「既存の機能的組織」に任せればよい

 したがって、横軸の「既存の価値基準」との適合性も「良好」(<■図2>の横軸の左側)だということになります。

 したがって「マークXのマイナーチェンジ」というプロジェクトは、<■図2>の領域A、すなわち「社内の機能的組織」に任せればよいことになります。

ケース2:トヨタでハイブリッド車を開発・販売するケース

 さて今度は、トヨタがハイブリッド車を新規に開発・販売するケースを考えてみましょう。このプロジェクトは、どのような組織に任せるのが適切だと思われますか?

 よく誤解されているのですが、ハイブリッド車は「破壊的イノベーション」ではありません。ガソリンエンジンと発電機にもなる電気モーター、バッテリーなどを複雑に組み合わされた「画期的」な製品ではありますが、「顧客にもたらす価値」から見ると、ハイブリッド車は「燃費が非常に良く、やや高額なガソリン自動車」にすぎません。

 つまり、自動車の既存顧客の主要ニーズである「燃費」を、ガソリン自動車の2倍以上に「向上」させた「画期的ではあるけれども持続的なイノベーション」なのです。

 事実、私の回りでハイブリッド車を購入した人達は、それまでガソリン自動車に乗っていた人達ばかりでした。つまり、ハイブリッド車の顧客はトヨタの既存のガソリン車ユーザーからの買い換えが中心で、トヨタのディーラーの既存顧客そのものです。販売単価も上がるため、既存のトヨタ車のディーラーやセールスパーソンの価値基準とも合致します。ですから、既存ディーラーは、ハイブリッド車を喜んで売ってくれるでしょう。

 つまり、「ハイブリッド車開発・販売プロジェクト」は、トヨタの既存組織の価値基準と適合性が高いので、<■図2>の左側の領域であると判断できます。

 一方、ハイブリッド車の内部構造は、既存のガソリンエンジンで走る自動車とはかなり様子が異なります。例えば、ハイブリッド車は、加速する際にはモーターとガソリンエンジンが協調して全力で加速し、減速する際には車の惰性で発電してバッテリーを充電する回生ブレーキのメカニズムを持っています。そのため、既存のガソリン車開発に最適化された組織では開発が困難だと推定されます。

→「社内の重量級組織」で対応する

 したがって、<■図2>で言えば上側の領域であると言え、こうした場合、強いリーダーシップを持ったプロダクトマネージャーの下に、エレクトロニクスやバッテリー、モーターやエンジンといった様々な技術的知識・能力を持つメンバーを集結してプロジェクトチームを発足させることが不可欠です。

 つまり、ハイブリッド車の開発・販売プロジェクトには、<■図2>の左上の領域B、すなわち「社内に独立したプロジェクトチームを編成して開発し、既存の販売網で販売する」体制が必要になるのです。

ケース3:トヨタで軽自動車を製造販売するケース

 それでは、もしトヨタが軽自動車を設計・製造し、販売しようとする場合には、どのような組織に任せればよいのでしょうか?

 トヨタがこれまでに販売してきた普通自動車同様、軽自動車も車輪が四つありガソリンを燃料とする自動車であることに変わりはありません。したがって、軽自動車の開発に際しては、エンジンやトランスミッション、サスペンションやボディーといった既存の開発組織に任せ、製造も既存の工場で可能でしょう。つまり、<■図2>の縦軸、「既存の仕事のプロセスとの適合度」は良好だと考えて差し支えないでしょう。

 しかし、<■図2>の横軸の「既存の価値基準との適合度」はどうでしょうか? トヨタ販売店のセールスパーソンが、仮りに毎月の売上金額によって評価されているとすれば、「どうせお客さんにクルマを一台買ってもらうのなら、より高額な車を購入してもらいたい」と思うのが人情でしょう。

 そんな価値基準を持つ既存ディーラーからすると、価格が安く利幅も少ない軽自動車を新たに販売せよと言われても、既存ディーラーはとても積極的に売る気にはなれないでしょう。

→開発チームは社内でいいが、販売は別組織に任せる

 つまり、「トヨタが軽自動車を製造し、販売する」というプロジェクトは、<■図2>の横軸の「既存組織の価値基準」との適合性が悪いということになります。したがって、こうしたプロジェクトは、<■図2>で言えば右下の領域Cに該当し、「開発チームは社内でいいが、販売は別組織に任せる」べきでしょう。

ケース4:ホンダがビジネスジェットを開発・販売するケース

 次のケースは「ホンダがビジネスジェットを開発・販売する場合」です。まず既存組織の価値基準との適合度ですが、ビジネスジェットの顧客は自動車のような個人顧客中心ではなく、法人顧客が中心です。また、ビジネスジェットの主要な市場は、国が広く、空港も整備されているアメリカが中心になるでしょう。

 つまり、ビジネスジェットの顧客は既存の自動車の顧客とは地域も属性も大きく異なるため、ビジネススジェットの製造・販売というプロジェクトは既存のホンダディーラーの価値基準とはとても相性が悪いことが予想されます。

 また、ビジネスジェットは、そのアーキテクチャも自動車とは大きく異なります。部品点数も多く、部品に求められる信頼性などの特性も違います。何より空を飛ぶ航空機は軽量であることが求められるため、素材もアルミニウムや炭素繊維などが中心で、ほとんどが鉄で一部アルミなどが使われている自動車とは相当異なります。推進機関もピストンエンジンではなく、ガスタービンエンジンの一種であるターボファンエンジンです。

 また、開発を進める上で連携しなければならない安全審査担当部局も日本の国土交通省ではなくアメリカの連邦航空局(FAA)がそのカウンターパートとなるでしょう。つまり、ビジネスジェットの開発は、既存の自動車の開発プロセスとの適合度が低いと考えられます。

→社外の独立した別組織での開発・販売が必要

 このように、ホンダによるビジネスジェットの開発プロジェクトは、既存組織の価値基準との適合性が低く(<■図2>右側)、既存のビジネスプロセスとも合わない(<■図2>上側)ため、<■図2>の右上の領域D、「社外の独立した別組織での開発・販売が必要」となるでしょう。

 事実、ホンダのビジネスジェット開発・販売は、ホンダ本体からは独立した、米国にある航空機事業子会社、「ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI、米ノースカロライナ州)」で推進されています。ホンダは、本体とはプロセスも価値基準も独立した子会社をつくり、資源を適切に配分することで、ビジネスジェットの分野でも飛び立とうとしているのです。

 いかがでしたか? 今回もお楽しみいただけましたでしょうか?


「ホンダジェット」は、既存のプロセスとの適合度が低く、既存組織の価値基準とも合わないため、米国にある別会社で事業化が進められた。(写真:PIXTA)
著書の紹介

 これまでの連載を復習したい方や、今後の連載について予習をなさりたい方は、拙著『日本のイノベーションのジレンマ 破壊的イノベーターになるための7つのステップ』(税込2,160円、翔泳社)が発売中です。

 よろしければ是非、読んでみて下さい。
「医療経営プログラムの学び方」講演会
地方自治体関係者対象 合同入学説明会 開催のおしらせ
 関西近辺にお住まいの読者の皆さんにお知らせがあります。

 来る2017年1月7日(土)の13:00〜15:00に医療関係者を対象とした「関学ビジネススクール医療経営プログラムの学び方」と題した講演会を、 関西学院大学 大阪梅田キャンパス10階1005教室にて開催いたします。
 予約不要です。みなさま、ふるってお越し下さい。

 講演会の後(16:30〜18:30)、地方自治体関係者を対象として、関西学院大学 大阪梅田キャンパス10階1005教室にて、入試説明会を予定しております。

■医療経営プログラムの学び方 チラシ(PDF)
■地方自治体関係者対象 合同入学説明会 ご案内(PDF)

【問い合わせ先】 関西学院大学 経営戦略研究科 事務室  TEL 0798-54-6572
※イベント案内ページ

このコラムについて

しゅんぺいた博士と学ぶイノベーションの兵法
ビジネスの世界では「イノベーション、イノベーション」と、毎日のように、イノベーションの重要性が叫ばれています。しかしそもそも、本来のイノベーションの意味って何でしょう? 何も、技術革新だけがイノベーションというわけではありません。その名も“シュンペーター”、玉田俊平太教授と一緒に、“イノベーションの兵法”を学びます。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/062400001/121600023

http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/884.html

[経世済民116] トランプ・ラリー、長続きするかはドイツや中国次第 ヘッジファンド、今年の勝ち負けは鮮明 トランプジレンマ ダウ平均最高値
トランプ・ラリー、長続きするかはドイツや中国次第−エラリアン氏
Jordyn Holman、Katherine Chiglinsky
2016年12月21日 06:45 JST

米大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利に関連した世界的な株価の大幅上昇は、トランプ次期大統領がドイツや日本、中国といった国々に改革を進めるよう説得できれば持ちこたえる可能性が高まると、独アリアンツのチーフ経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏が指摘した。
  エラリアン氏は20日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「トランプラリーが持続するためには、米国内で政策を実施するだけではだめだ」とし、「重要なのは、共和党が上下両院で主導権を握ることで国内でのトランプ氏の国内政策の道筋が非常に明確になるということだけではない。トランプ氏は同盟国や中国に自国のバランス回復を推進するよう説得する必要がある」と述べた。
  米S&P500種株価指数は米大統領選の投票日以降に約6%上昇。トランプ氏が掲げるプロジェクトや減税の方針が経済成長を押し上げるとの楽観が背景にある。また債券利回りの上昇に伴い、ドルも上昇。輸出が損なわれることになれば、製造業の雇用再生を実現するというトランプ氏の公約を脅かしかねない。
  エラリアン氏はトランプ氏が掲げるインフラ支出拡大について、「容易に達成できる公約」だと指摘。オバマ大統領も同様の目標を持っていたが、共和党が支配する議会の支持をなかなか取り付けられなかったと加えた。
  エラリアン氏はここ数カ月、政治的な行き詰まりで多くの先進国の歩みが止まっていると批判している。中国や日本、ドイツといった国に対し構造改革の実施を呼び掛けており、ドイツについては財政投入による景気刺激を強化することで恩恵が得られるとしている。
原題:El-Erian Says Sustaining Trump Rally Depends on Germany, China(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OII0RC6VDKHV01


ヘッジファンド、今年の勝ち負けは鮮明−トランプ氏勝利で一部は回復
Katia Porzecanski、Nishant Kumar、Bei Hu
2016年12月21日 06:33 JST

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マクロトレンド戦略ファンド、今年のリターンは最悪
原油高がディストレスト債投資ファンドに恩恵


今年はヘッジファンドにとって冷笑の的となる1年だった。年金基金や政治家、ウォーレン・バフェット氏、ヘッジファンドの運用担当者自身まで、残念なパフォーマンスと高い手数料、市場の飽和に誰もが言いたいことがあった。
  レイ・ダリオ氏やジョン・ポールソン氏ら著名マネジャーが運用する主力ファンドが横ばいから2桁マイナスのパフォーマンスに沈む一方、ジェイソン・マドリック氏らディストレスト債投資家の一部は商品価格の上昇から恩恵を受けた。リターンが最悪だったのはマクロトレンドと株式ヘッジに注力する戦略。膨張する株式市場のバリュエーションと超低金利で、この戦略はこれまでもリターンが圧迫されていた。
ジェイソン・マドリック氏
ジェイソン・マドリック氏 Photographer: Michael Nagle/Bloomberg *** Local Caption *** Jason Mudrick
  だが年の暮れが近づき、ヘッジファンドは予想外に持ち直した。下馬評を覆したドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利の余波で、一部のファンドはリターン改善に成功しており、先行きの明るさを示している可能性もある。
  ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントのマスター・ファンド、ルビコン・ファンド・マネジメントのグローバル・ファンドはいずれも11月に好成績を挙げ、年初来のパフォーマンスをプラスに転じさせた。株式ロングショート戦略を採るプロキシマ・キャピタル・マネジメントのファンドは11月だけでプラス14%のリターンを上げ、年初来のパフォーマンスをプラス44%に伸ばした。
  トランプ氏の政策は金利上昇、企業間の利益格差拡大、さらなる企業の合併・買収(M&A)活動を促すとみられ、ヘッジファンドが再び機能するようになるかもしれない。
  今年のヘッジファンドの勝ち組と負け組は以下の通り。同様の戦略をとるファンドですらリターンには幅広い相違が見られる。
FUND NAME
FIRM AUM
(BILLIONS)
YTD
RETURN (%)
STRATEGY
Renaissance Institutional Equities Fund* $32 19.3 Quantitative
Two Sigma Compass Cayman Fund $38 10.4 Quantitative
Owl Creek Overseas Fund* $2.4 14.5 Event-driven
Pershing Square Holdings $11.6 -13.5 Event-driven
Paulson Advantage $12 -16 Event-driven
Element Capital Management $9 15 Macro
Dymon Asia Macro Fund (Singapore) $5.2 12 Macro
Mudrick Distressed Opportunity Fund $1.5 35.5 Distressed
Marathon Special Opportunity Fund $13 18.5 Distressed
CQS Directional Opportunities $12 30 Multi-strategy
BFAM Asian Opportunities Master Fund $2 16 Multi-strategy
Pine River Liquid Rates Fund* $10.7 16 Relative Value
Proxima Capital LP $0.200 44.2 Long/Short Equity
Passport Global Strategy $3.1 -15.2 Long/Short Equity
Horseman Global Fund $2 -17.6 Long/Short Equity
Odey European $8 -48 Long/Short Equity
OCP Asia’s Orchard Landmark Fund $1.2 13 Credit
Paulson Credit Opportunities $12 11 Credit
Note: YTD returns as of Nov. 30. *Indicates through Dec. 9.
原題:Hedge Fund Winners, Losers Emerge as Trump Revival Beckons (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OIHRAS6KLVR401



トランプ次期大統領、ホワイトハウス近隣ホテルで抱え込んだジレンマ
Hui-yong Yu、Ben Brody
2016年12月21日 06:32 JST

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1部屋80万ドル超で売れないとコスト回収不能、高額売却も契約違反
倫理専門家や議員らは利益相反で売却迫る


ドナルド・トランプ次期米大統領は首都ワシントンで保有するホテルを今売却した場合、損失を抱え込む可能性がある。大統領職との利益相反が問題視されており、倫理専門家や議員らはトランプ氏に対し、同ホテルを手放すよう強い圧力をかけている。しかし、ワシントンのホテルが特に注目される中で、これを完全に手放すことは容易ではない可能性が出てきた。
  客室263室を抱えるトランプ・インターナショナル・ホテルは、連邦政府とリース契約したオールド・ポスト・オフィス(旧郵政省ビルでワシントンの史跡に指定されている)のビルを改装して9月に開業した。利益相反が懸念されるトランプ氏の資産は多いが、その中でも、ワシントンのホテルの注目度が高いのはわけがある。
 
  政治の中心である首都ワシントン、しかも大統領が職務を執るホワイトハウスからわずか徒歩数分のところに位置しているからだ。トランプ氏は大統領に就任後、このホテルのリース契約の借り手であると同時に、貸し手にもなる。トランプ・オーガナイザーションが改装に投じた2億1200万ドル(約250億円)を回収するには、1部屋当たり約80万6100ドルで買い手を見つけなくてはならない。この物件にそれだけ高い買値が付くか先行きは不透明だ。
  商業不動産ブローカー最大手、CBREグループのアンディ・ウィムサット氏は「一部屋80万ドルといえば、高級ホテル市場の上限に相当する」と指摘。同ホテルは開業からまだ3カ月しかたっていないため、収入に関する有意なデータはないという。
  とはいうものの、オールド・ポスト・オフィスは、史跡に指定されているほど由緒高い建物だ。その上、連邦議会とホワイトハウスを直線で結ぶペンシルべニア通りに面する好立地でもある。高値で売却できる可能性も高い。実際、ホワイトハスから西に数キロ離れた学生街、ジョージタウンの近くに立地するフォーシズンズ・ホテルは1部屋当たり約100万ドルで売却されている。
  ワシントンのトランプ・インターナショナル・ホテルのリース契約書は選挙で公職に就いた人物が契約から利益を得ることを禁じている。売却を決定したとしても、損失を抱えるリスクもさることながら、高い買値が付くリスクも無視できない。しかも次期大統領からの見返りを期待したものとして批判されかねない。トランプ氏は来春からホワイトハウスの主人になることにより、そのすぐそばに購入していた建物で深刻なジレンマを抱えることになりそうだ。
原題:Selling Trump’s Washington Hotel to End Conflict May Mean Loss(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OIHRYN6VDKHS01


米国株:ダウ平均終値で過去最高値−テロへの反応薄、金融株高い
Oliver Renick
2016年12月21日 06:23 JST 更新日時 2016年12月21日 07:09 JST

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20日の米国株式相場は続伸。ダウ工業株30種平均は一時、2万ドルの大台まで13ドル未満に迫り、引けでは過去最高値を更新した。今年の金融市場ではテロ攻撃による影響の度合いが弱まっている。クリスマスや年末を控えた薄商いの中、投資家は大統領選挙後の株高傾向から大きく離れることに抵抗を感じているようだ。
  S&P500種株価指数は前日比8.23ポイント(0.4%)上げて2270.76。ダウ工業株30種平均株価は91.56ドル(0.5%)高い19974.62ドルで終了。ナスダック総合指数は26.50ポイント(0.5%)上昇し5483.95。

  ボヤ・インベストメント・マネジメントのストラテジスト、ダグ・コート、カリン・キャバナー両氏は、トランプ氏の勝利で「新たな道筋」が見えてきたと指摘。S&P500種は2400に達するとの予想を示した。

  金融株指数は大統領選挙後の上げが22%に達した。この日の上昇率は約1%。チャールズ・シュワブやブラックロックが高い。

  カーマックスやトリップアドバイザーなど選択的消費株にも買いが入った。ダウ採用銘柄ではナイキ、ゴールドマン・サックス・グループが上昇。資本財や通信サービスが高い一方、生活必需品銘柄は下げた。

  ブルームバーグがまとめたストラテジスト15人の予想平均では、S&P500種は2017年を2356で終える見通し。19日の終値から4.1%の上値余地を示唆している。

原題:U.S. Stocks Extend Climb as Dow Sets Record on Bank Stock Rally(抜粋)
U.S. Stocks, Dollar Rise in Sign of Resilience: Markets Wrap
S&P 500 to Reach 2400 Next Year, Voya Investment Predicts
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OII0SZ6VDKHS01



米国債:下落、経済成長の加速見通しで−インフレ期待指標が上昇
Brian Chappatta、Edward Bolingbroke
2016年12月21日 05:52 JST 更新日時 2016年12月21日 07:25 JST

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https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ifwkU4NHXS4E/v2/-1x-1.png

20日の米国債相場は下落。市場では経済成長の加速見通しに再び注目が集まっている。インフレ期待を示す市場の指標は、約3週間で最大の上昇となった。
  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.56%。前日は5bp下げていた。ドイツのベルリンでクリスマスマーケットにトラックが突っ込んだ事件や、ロシアの駐トルコ大使が銃撃され死亡したことを受けて逃避の動きが強まっていた。

  インフレ期待を示す米10年債と同年限TIPSの利回り格差(ブレークイーブンレート)は11月30日以降で最大の上げ。
  この日は欧州でも総じて国債が下落した。
  米国では今週、中古住宅販売や国内総生産(GDP)、個人所得・支出、耐久財受注、新築住宅販売、ミシガン大学消費者信頼感指数といった経済指標が発表される。
  米財務省は22日に5年物インフレ連動債(TIPS)の入札を実施する。
原題:Treasuries Fall on Economic-Growth Bets; Inflation Gauge Climbs(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OII3KH6VDKHS01



NY外為:ドル伸び悩む、10年債利回り低下で−流動性低い
Dennis Pettit
2016年12月21日 05:58 JST 更新日時 2016年12月21日 07:20 JST

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20日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。午後に入って伸び悩む展開。米10年債利回りが低下したため、ドルの買い持ち高を減らす動きになった。ドル指数は引き続き2002年以来の高値水準近くにある。
  商いは引き続き低調で方向感は出ていない。トレーダーによれば、取引が少なく流動性が低いと、値動きが増幅されることもある。

  商いは前日よりもかなり低調で、今後は祝日や短縮取引で流動性が減り、さらに薄商いになるとみられる。23日の日本市場は天皇誕生日の祝日で休場。同日は欧州および英国で短縮取引となる。
  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比0.7%高の1ドル=117円86銭。一時は118円24銭まで上昇する場面もあった。対ユーロでのドルは0.1%上昇の1ユーロ=1.0388ドル。ドル指数は0.2%上げて103.29。
  ユーロは対ドルで一時1.0352ドルまで下落した後、下げ渋った。ロンドンのトレーダーによると、1.0350ドルをやや下回る水準に控えるストップ売りが発動しなかったため、短期トレーダーがユーロを買い戻した可能性がある。
  対円でのドルは一時118円24銭まで上昇した後に伸び悩んだ。ただ、年初来高値121円69銭をまだ狙える距離にある。
  日本銀行の黒田東彦総裁は円相場について、円安というよりドル高であるとの認識を示した。さらに、長短金利の操作目標引き上げを議論するのは時期尚早だと述べた。
原題:Dollar Gains Fizzle as 10-Year Treasury Yield Falls From Highs(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OII4BR6VDKHT01


2016年12月21日 06:28 JST 更新日時 2016年12月21日 07:19 JST


◎NY金:反落、終値は10カ月ぶり安値付近−ドル高で、逃避需要相殺
  20日のニューヨーク金先物相場は反落し、終値では2月以来の安値付近となった。ドルの上昇が重しになり、テロ攻撃とみられるベルリンでの事件やロシア大使の暗殺を受けた逃避需要が相殺された。
  COMEX金先物2月限は前日比0.8%安の1オンス=1133.60ドル。
  「ドルの強さが貴金属を含む商品セクターに打撃を与えている」− ハイ・リッジ・フューチャーズ(シカゴ)の金属取引担当ディレク ター、デービッド・メーガー氏。「安全逃避資産の必要性は低下している。ニュースは悲惨かも しれないが、債券や貴金属に質への逃避の動きはみられない」
  銀先物3月限は0.2%高の16.117ドル。プラチナ先物1月限は0.7%高の924ドル。パラジウム先物3月限は1.2%安の670.85ドル。
原題:Golds Closes Near 10-Month Low as Dollar Eclipses HavenDemand(抜粋)

◎NY原油:小幅続伸、52ドル付近−米原油在庫統計に注目
  20日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が小幅続伸。52ドル付近で引けた。リビアは油田2カ所の操業を再開したと発表。21日発表の米エネルギー情報局(EIA)週間統計では、米原油在庫の5週連続減少が明らかになると予想されている。
  トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)のシニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は電話インタビューで、「市場は値固め局面に入った」と指摘。「ニュースに反応して一進一退の展開が予想される。生産枠違反や増産を示唆するニュースが出れば、相場を圧迫するだろう」と述べた。
  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は前日比11セント(0.21%)高い1バレル=52.23ドルで終了。1月限はこの日が最終取引。中心限月の2月限は24セント上昇の53.30ドル。ロンドンICEの北海ブレント2月限は43セント(0.8%)高の55.35ドル。
原題:Oil Closes Near $52 as Libya Fields Start, U.S. Supply Seen Down(抜粋)

◎欧州株:上昇、メディアセットやロイズに買い−企業買収などを好感
  20日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数はここ4営業日で3回目の値上がりとなった。
  イタリアのメディアでベルルスコーニ元首相がオーナーの企業メディアセットは23%高の急伸。フランスの同業ビベンディがメディアセットへの出資比率引き上げを計画していると伝えられたことが買い材料。英銀ロイズ・バンキング・グループは2.2%上昇。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の英クレジットカード事業MBNAを19億ポンド(約2760億円)で買収することで合意した。
  ストックス600指数は前日比0.5%高の361.32で終了。この日の出来高は30日平均を約20%下回る水準だった。年初来の下落率は約1.2%に縮まった。アナリストらは来年の企業業績への楽観度を強めており、増益率を12.5%と予想している。
  シティ・インデックス(ロンドン)の調査ディレクター、キャサリン・ブルックス氏はリポートで、「リスクオンのトレンドが終わったとの見方には疑問だが、最近の状況は年末休暇が近づいていることを思い出させるのに十分だ。一定の利益を確定させてもいい頃かもしれない」と語った。
原題:Europe Stocks Lifted by Deal Activity Inch Closer to 1-Year High(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が下落、株高で−地政学的要因への反応弱まる
  20日の欧州債市場ではドイツ国債が下落。地政学的出来事に対する金融市場の抵抗力が高まる中で米財政拡大見通しを手掛かりに株式が買われ、国債や金が下げる展開となった。
  アクセンド・マーケッツの調査部門責任者、マイク・ファンデュルケン氏は、「市場のテロ事件への反応は、新たな事件が起きる度に弱まりつつある」とし、株高は「投資家の神経が図太くなってきたことの裏付けだ」と語った。
  ドイツ10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.26%となった。
原題:Dow Targets 20,000, Bonds Fall as Markets Display Resilience(抜粋)https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OIHJGK6VDKHS01
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/885.html

[政治・選挙・NHK217] 同一賃金、実効性の壁 政府指針に法的拘束力なし 負担増懸念、賞与に影響大 非正規待遇改善、多様な働き方広げたい=安倍首相
同一賃金、実効性の壁 政府指針に法的拘束力なし
2016/12/21 0:57日本経済新聞 電子版

http://www.nikkei.com/content/pic/20161221/96958A9E93819591E0E29AE3E58DE0E2E3E0E0E2E3E49793E0E2E2E2-DSXMZO1091803021122016EA2002-PN1-2.jpg


 政府は20日、安倍晋三首相が働き方改革の目玉と位置づける「同一労働同一賃金」のガイドライン(指針)案をまとめた。同じ内容の仕事をしていれば、正社員であろうと非正規社員であろうと待遇が同じになるようにするのが狙いだ。しかし、どこまで実効性があるかはおぼつかない。改革は緒に就いたばかりだ。


■なぜいま働き方改革

 政府が同一労働同一賃金の実現をめざす背景には、正社員に比べて少ない非正規社員の給料を増やして個人消費の拡大につなげる狙いがある。停滞感が漂うアベノミクスを再び浮揚させる起爆剤にしたい考えだ。

 日本ではパートタイム労働者の時間あたり賃金がフルタイム労働者の6割弱にとどまる。同一労働同一賃金の仕組みが定着するドイツの8割やフランスの9割と比べて見劣りするのが実態だ。

 賞与も加味すると賃金差はさらに広がり、特に企業規模が大きくなるほど格差は深刻だ。政府は同一労働同一賃金の実現をテコにして、欧州並みまで格差を縮める未来図を描く。

 少子高齢化がすすむ日本では働き手が足りなくなっている。

 政府は雇用者全体の4割を占めるパート労働者や契約社員、派遣社員といった非正規職員の待遇が良くなれば、今まで働いていなかった女性や高齢者が仕事につきやすくなり、働き手が増えると期待している。

 もっとも、企業と働き手の生産性が高まらなければ、企業の稼ぎは増えず、非正規職員の給料を上げるための原資は得られない。同一労働同一賃金とともに、時間でなく成果で賃金を払う脱時間給の導入などを一体で実現する必要があるが、関連法案は国会で棚ざらしになったままだ。

■実現へ道筋どう動く

 同一労働同一賃金は非正規労働者の処遇改善にどの程度の効果があるのか。賃金の多くを占める基本給の格差を縮める効果は、今のところ限定的になるとの見方が多い。

 指針は基本給を「職業経験や能力」「業績・成果」「勤続年数」の3つの要素に分類した。例えば入社以降の経験や能力が同じであれば、非正規の職員という理由だけで待遇を正社員より低くしないように求めている。

 ただ、指針は経験や能力などが同じかどうかの基準を示しておらず、企業が自ら判断することになる。対応はばらつきが予想され、いまの仕組みを変更しない判断をする企業も多いとみられる。

 一定の効果が見込めそうなのは賞与だ。業績への貢献度合いに応じた支給を求めており、経済界では「少なくてもいいから賞与は払ってくれというメッセージ」と受け止める声が出ている。

 非正規労働者を対象とする賞与の制度を持つ会社は全体の4割弱にとどまる。「全く払っていなかった企業が支給するようになれば、それは大きな成果」(厚生労働省幹部)という見方が政府内でも多い。

 ただ、非正規の給料を増やすために正社員の賃金を削るようなことになれば、かえって正社員の働く意欲が低下して改革の趣旨に逆行する。非正規の賃上げは、企業の稼ぐ力を高めるための構造改革が前提となる。

 指針は現時点で法的な拘束力を持たず、企業の自主的な取り組みを促すにとどまる。今後の法改正でどのくらい実効性を確保できるかが大きな焦点となる。

http://www.nikkei.com/content/pic/20161221/96958A9E93819591E0E29AE3E58DE0E2E3E0E0E2E3E49793E0E2E2E2-DSXMZO1091799021122016EA2002-PN1-2.jpg


■企業の対応なお手探り

 「同じ仕事なら採用形態の違いで賃金や処遇が異なるのを直していく」。NTT東日本の山村雅之社長はこう語り、政府の取り組みを評価する。

 非正規社員のモチベーション引き上げは産業界全体の重要な経営課題だ。イトーヨーカ堂は週20時間以上勤務といった一定基準を満たすパート従業員には、正社員と同じ年2回の賞与をすでに支給している。通勤手当や教育訓練、厚生施設の利用なども、正規、非正規で格差はない。

 ただ企業にとっては、同一労働同一賃金の導入によって「人件費負担が増す」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの土志田るり子研究員)懸念がある。慎重姿勢を崩さない企業は多い。

 検討企業が増えるとみられる賞与についても、ある大手外食チェーン幹部は「生産性向上などで原資を増やさなければ、賞与を出す一方で基本給を削るようなことになりかねない」と指摘する。

 日本経済新聞社が12月にまとめた「社長100人アンケート」で働き方改革で取り組んでいる施策を聞いたところ、同一労働同一賃金は8.3%にとどまった。政府の指針が明確に固まっていなかった時期での調査ではあるが、「長時間労働是正」や「育児介護支援」と答えた経営者が9割を超えたのとは対照的だ。

 最近では非正規社員が正社員との賃金格差是正を求めて、勤め先を訴えるケースが相次いでいる。通勤手当や食事手当などについて、正社員と同一の支給を命じる判決も出ている。

 今回の政府の指針に法的な拘束力はない。ただ今後、指針を手掛かりにこうした訴訟が増えれば、労働のルールに関する判例が蓄積されて大きな流れが生まれ、格差是正に対する圧力は強まる。企業は賃金制度改定などの対応に迫られることになりそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC20H17_Q6A221C1EA2000/

 

経営側、負担増を懸念 同一労働同一賃金、賞与に影響大
2016年12月21日05時14分
写真・図版
日本総研・山田久チーフエコノミストの顔
写真・図版
 「同一労働同一賃金」の実現に向け、政府がガイドライン(指針)案をまとめた。非正社員の待遇改善が狙いだが、企業は労務管理の見直しを迫られそうだ。負担増につながる可能性もあり、早くも懸念の声が出ている。

 非正社員は今や働き手の4割近くを占める。正社員と同じような仕事をしているのに、正社員と待遇差があるケースも目立つ。企業にとってとくに影響が大きいとみられるのが賞与だ。

 厚生労働省が2011年に実施したパート社員の実態調査によると、正社員とパートがいる事業所のうち、賞与を正社員に支払ったのは8割以上だが、パート社員に支払ったのは4割以下だった。支給していても、非正社員には「寸志」のように一定の低額を支払うケースも多いとみられるが、こうした支給方法は今後、認められなくなる可能性がある。小売りや外食など非正社員を多く抱える業界では、企業経営に及ぼす影響は小さくない。

 牛丼チェーンを展開する吉野家ホールディングスは、2万人を超える非正社員を抱える。現金での賞与支給はしていないが、レストランなどで使えるグルメカードや牛丼無料券を20年以上前から配布してきた。今回の指針案について広報担当者は「コスト増にもつながるので、すぐに対応できるものではない」。パート従業員らに賞与を支給していない外食大手も「指針案に従えば負担が増える。影響は大きい」(広報担当者)と警戒を隠さない。

 一方、総合スーパーを展開する…
http://www.asahi.com/articles/ASJDN51Y8JDNULFA028.html

 


 
焦点:非正規同一待遇へ指針、企業は抵抗 立証責任など課題残る ロイター 2016年12月20日 18時53分 (2016年12月20日 23時06分 更新)


[拡大写真]

[東京 20日 ロイター] - 安倍晋三首相が「働き方改革」の最優先事項に掲げる「同一労働同一賃金」の実現に向け、非正規労働者の差別に関する政府のガイドラインが示された。
将来的に非正規であることを理由にした賃金・待遇差別の禁止へ第一歩を踏み出したが、労働コストの確実な増加が予想され、企業側は抵抗姿勢をみせており、違法性の立証責任を労働側に求めている。実効性の確保には、なお多くの課題が残っている。
<あいまいな差別禁止へ踏み出したガイドライン>
「安い労働力として増えた非正規雇用者は、今や労働人口の半数弱まで達した。日本社会の持続可能性という視点から、企業にも価値観を共有してほしい」──。
非正規労働者の待遇改善に取り組む全国ユニオンの関口達矢事務局長は個人的見解としながらも、賃金・待遇の均等均衡への理解を訴える。差別待遇が不合理であるか否かで裁判に発展せざるを得ない事例がある中、待遇改善はなかなか難しいとみている。
政府が今回発表したガイドラインによると、基本給の正規・非正規間の差について、これまで企業側が理由として挙げることが多かった「将来の役割期待が異なるため、賃金ルールが異なる」といった主観的理由だけでは足りないとしている。
この点について政府は「これまでと大きく異なる」(内閣官房幹部)としている。また、現在の業務に関して同じキャリアを持つならば、非正規を理由とした賃金差は不合理と見なされる。手当も非正規社員へのボーナス支給や休暇付与は同一とすることも盛り込んだ。
ただ、ガイドラインには法的根拠がなく、強制力もない。「ガイドラインという位置付けであれば、実効性が期待できない。(法改正とともに)できれば企業が取り組みの実行計画を発表することなどが望ましい」と、働き方改革会議の有識者委員を務める少子化ジャーナリストの白河桃子氏は指摘する。
政府も今回のガイドライン案をもとに、来年早々にも労働関連法(労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法)の改正案作業に取り組む。法案が国会を通過して初めてガイドラインが有効となるため、具体的な事例による差別が禁止され、実効性が伴うまでには相当の時間がかかりそうだ。
<企業の抵抗、労使の溝大きく>
また、ガイドラインが現実に適用されても、なお、実効性に疑問が残るとの声もある。
連合では、ガイドラインによる合理的理由のない処遇格差の線引きは、現場での判断の参考資料と位置付けている。
総合労働局の村上陽子総合局長は「何が不合理な差別に当たるのか、目安はあった方がよいが、職場によって賃金や手当の概念も異なり、働き方も多様であるため、一律に行政が線を引くことは難しく、縛り切れない」と指摘。ガイドラインで範囲を限定すべきではないという。
連合が求めるのは、労働契約法に総則的な規定を置き、現状でははっきりと書かれていない合理的理由のない処遇差別禁止を法律に明記し、実効性を高めるために、差別の「合理性」の立証責任を使用者側が負うこととしている。
しかし、この点で産業界との溝は深い。経団連は、同一労働同一賃金という考え方に抵抗が強い。
榊原定征会長は今月5日の会見で「同一労働同一賃金の検討を進めるにあたっては、日本の雇用慣行にも十分配慮するよう繰り返し述べてきた」「企業の負担につながれば、国際競争力を毀損(きそん)することになるため、慎重な検討が求められる」と述べている。
しかも、今年夏に経団連がまとめた方針では、差別が合理的かどうかの理由を企業が立証することには反対姿勢を示す。立証責任を負わされると「企業は紛争回避のため、正規従業員と非正規従業員の仕事を明確に分けることが想定され、正社員登用の機会減少や、高齢者の再雇用後の活躍が阻害されるおそれがある」としている。
<コスト増へ身構える企業>
企業の抵抗の背景には、これまで低コストで労働力が確保できた非正規社員の待遇改善が、企業にとってコスト増となるためだ。政府内でも実効性確保の大きな壁の1つとして、企業のコスト意識が壁になるとの見方が出ている。
安倍首相は「働き方改革実現会議」で取り組むべき課題の第1番目に「同一労働同一賃金」を掲げ、正規・非正規の区別を廃止するというスローガンを掲げている。
内閣官房によれば、3月に同会議が取りまとめる実行計画には法制化が盛り込まれる見通し。
しかし、経営側と労働側の主張には大きな隔たりがあり、実効性のある取り組みには、安倍首相の「働き方改革」への強い決意が不可欠と言えそうだ。

(中川泉 編集:田巻一彦)


 
非正規の待遇改善、多様な働き方の選択広げたい=安倍首相 ロイター 2016年12月20日 18時59分 (2016年12月20日 23時06分 更新)

[東京 20日 ロイター] - 安倍晋三首相は20日夕、官邸で開いた働き方改革実現会議で「非正規雇用で働く方の待遇を改善し、女性や若者などの多様な働き方の選択を広げていきたい」と述べ、同一労働同一賃金の導入に向けた意欲を示した。その上で「正規労働者と非正規労働者の間の不合理な待遇差を認めない」と強調した。
同日の会議では、同一労働同一賃金に関する政府のガイドライン案が示され、今後はこれに基づいて法改正の議論を進める方向だ。
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20161220/Reuters_newsml_KBN14910E.html

http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/853.html

[政治・選挙・NHK217] 「日本の若者は政治に関心がない」は本当か? 食品輸入規制問題でかみ合わない日台、急がば回れ 日本食品は放射能に汚染されて
WEDGE REPORT
「日本の若者は政治に関心がない」は本当か?
2016/12/19
清水唯一朗 (慶應義塾大学総合政策学部准教授)
 「今時の若い者は政治に関心がない。この国の将来をどう考えているのか」。中年男性を中心によくこんな不安とも小言ともつかない話を耳にする。昨年、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられたが、この時も「若者の政治に対する関心を高める必要がある」から選挙権年齢を引き下げるという説明がしばしばなされた。果たして本当に若者は政治に関心がないのだろうか。

 結論を先取りすれば、この言説は国際的に見ても、国内的に見ても否定される。

 まず国内から見てみよう。たしかに若者の投票率は他の世代に較べて低い。2016年の参議院議員選挙では全体の投票率が54.7%であったのに対して、20代は35.6%に止まった。全体に較べて19.1%低いことは看過できない状況である。

 しかし、叙上のような警世を口にする今の50代が「若者」であったころはどうだろうか。今から27年前、1989年の参議院選挙の投票率は、全体で65.02%であるのに対して20代は47.42%に止まっている。20代と全体の差は18.35%であり現在と大差ない。昔の若者も政治に対する関心は薄かった。自分のことを棚に上げた説教は避けたいものだ。


iStock
政治への関心が高い日本の若者

 次に国際比較をしてみよう。2008年に行われた世界青年意識調査では、58%の日本の若者が「政治に関心がある」と答えた。これはアメリカ(55%)、韓国(50%)、イギリス(33%)など他の調査対象国と較べて最も高いものであった。政権交代への期待が感じられる。

 もっとも、5年後の2013年調査ではこの数字は50%に下落し、対照的にアメリカは59%、韓国は62%、イギリスは55%と上昇した。とはいえ、他国との差はきわめて小さい。これらの国と較べても、日本の若者が政治に関心がないという言説はまやかしであることがわかる。

 では、この言説はどこからやってくるのだろうか。世界35カ国を対象に40年近く行われてきた世界価値観調査を分析した田辺俊介氏、高橋征仁氏らは、政治に対する関心が学歴や年齢に比例して上昇することを指摘している。どの国でもどの時代でも、若者の政治に対する関心は、中高年のそれに対して低く現れる普遍的な現象ということだ。

 ただ、田辺氏らは興味深い指摘もしている。日本ではこの上昇度合いが他の国に較べて大きいというのだ。若者の政治に対する意識は国際的に見ても低いものではないが、中高年になるほど他国に比して高くなるという傾向は興味深い。「意識高い系」は日本の中高年にこそ当てはまるのかもしれない。

 一方で、各国の状況を見ると、若者が政治を動かすシーンも目立っている。この間、香港では雨傘革命が起こり、台湾ではひまわり運動があり、スペインでは大学発の政党「ポデモス」がキャスティグ・ボードを握り、韓国では学生が主体となって大統領辞任要求デモを行っている。

 昨秋、私は台湾の大学で教鞭を取っていたが、台湾の学生たちは溢れんばかりの熱意と深い国際法上の知見を持って、自分たちの国家のあり方を論じてくれた。3月に訪ねたスペインの学生たちは既存政党による政治の限界を語り、年末にソウルで出会った大学院生たちも大統領制が抱える構造的欠陥や民主主義の制度内においてデモを行うことの意義について熱心に解説してくれた。

 日本ではどうか。2015年夏のいわゆる安全保障関連法案審議をめぐる首相官邸前でのデモンストレーションでは学生団体の積極的な活動が注目された。各国の日本研究者も、主張をしなくなっていた日本の青年たちがついに立ち上がったと、ある種の期待を持ってこれを迎えていた。しかし、彼らは香港や台湾、スペインのように政党を立ち上げて国会に議員を送ることはなく、翌年には活動を停止し、解散した。

 彼らの「挫折」を嘆く向きもある。しかし、それは永田町にしか「政治」を見いださなくなっている、メディアに犯された大人たちの狭い政治観がなせるものだろう。若者たちの関心はそこにはない。

 投票に行っても何も変わらない、デモをしても政治は変わらない。こうした社会を作ってきたのは今の大人たちである。「国の政策に対してどの程度民意が反映されていると思うか」という内閣府の調査に対して、反映されていないとする回答は1983年の51.1%から2015年には66.8%まで上昇している。政治に自分の意見が届いていると感じる「政治的有効性感覚」はきわめて低下している。くわえてこの世代は1980年代後半以降、政治腐敗が立て続けに報じられるなかで育った。政治に期待せず、それと距離を置くことは当然であろう。それにも関わらず国際平均と同じ水準で「政治に関心がある」と答えていることは驚異的と言うべきだろう。

 では、その高い関心はどこに向かっているのだろうか。彼ら彼女らは政治とは異なるパスを持って、自分たちが直面する問題に正面から向き合い、それを動かそうとしている。いくつか実例を紹介してみよう。

目下、女子大生を悩ます最大の問題

 目下、女子学生を悩ます最大の問題は仕事と家庭の「両立」である。一方で「一億総活躍」といわれ、一方では出産と育児を求められる。学生たちは「両立」できる自分を目指して奮闘する。ところがこれまで彼女たちが相談してきた母親は、この問題にあってロールモデルたり得ない。その多くが就職してほどなく結婚し、専業主婦として育児に専念してきたからだ。彼女たちの将来への不安は増幅する。

 それならば、育児世代の共働き家庭を訪ねて一日体験をして、様々な相談をすればよいのではないか。これを「家族留学」と名付けて展開する学生団体が「manma」である。代表を務める新居日南恵氏はいまだ学部生だが、政府審議会の委員も務めるなど、学生であることを存分に生かして活動している。

 地方の衰退が問題視されるなか、ありきたりな地方活性化ではなく、地方にある優れた産品を都会の若者が買いたくなるようにリデザインする「ハピキラFACTORY」も、代表の正能茉優氏、山本峰華氏が学部生のときに立ち上げた。

 ふとした偶然から訪れて大好きになった地方の町と一緒に仕事をする。そのことで地方も、自分たちも楽しい人生を送ることができる。二人とも大企業に勤務する一方で社長業を続け、兼業による多様なライフスタイルの提言をしているほか、後輩たちを「日本かわいいプロデューサー」として育てるなど、将来に向けた活動も進めている。

日本の若者は「大文字の政治」とは距離を置く

 台湾で、スペインで、韓国で学生たちと話したときに、統治構造をはじめとする「大文字の政治」に対して深い関心と理解を持っていることに驚く一方で、彼らが少子高齢化や地方活性化といった具体的な政策に対する興味と知識が乏しいことに気づいた。

 他方、日本の若者は「大文字の政治」とは距離を置く。それを人は「日本の若者は政治に関心がない」と言うのだろう。しかし、それは公共に対する無関心を意味するものではない。上記の取り組みを見れば明らかであろう。

 もっとも、政治に向き合おうという動きもある。高校3年生が立ち上げて4年間活動を続けている「僕らの一歩が日本を変える。」はその代表例であろう。彼らは香港や台湾の学生とも交流し、活動の幅を広げている。ボートマッチシステムを導入している政治情報サイト「日本政治.com」も大学生が立ち上げたものだ。彼らにとっては、少子高齢化も、地方活性化も、政治参加も、自分たちの世代が直面する課題である。

 彼ら彼女らと話していると、この層が「ゆとり教育」の勝ち組であることに気づかされる。ゆとりとして得た時間に、彼らはさまざまな経験をし、刺激を受け、意欲的な大人たちと交流した。そして2005年の郵政選挙、2009年の政権交代、2012年の再交代を見てきた彼らは「政治だって変えられるもの」という感覚を持っている。そして2011年の東日本大震災が彼らをして、公共のために何かをするという気持ちを抱かせた。

 震災後、大学のキャンパスには「何かを実現したい」と考える学生が溢れるようになった。講義に出ず、サークルに没頭し、モラトリアムとしての大学生活を送った世代が思い描く大学生の像はもはや過去のものとなりつつある。彼らは自分の課題にぶつかっては、それを乗り越えるために教室にやってくる。サボったり、ノートを回したりする姿はそこにはない。

 すでに、政府や一部の企業は、この意欲的な学生たちと協働をはじめている。「若者は政治に関心がない」のではなく、見ている次元が異なるのだ。その違いを超えて、むしろ彼らをパートナーとして社会を変える時代が来たと捉えたらどうだろうか。世界的に見て「意識高い系」になりやすいと分析された日本の中高年にとって、これは朗報なのかもしれない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8479


 


食品輸入規制問題でかみ合わない日台、「急がば回れ」
いまだに「日本食品は放射能に汚染されている」
2016/12/21
小笠原欣幸 (東京外国語大学准教授)
 台湾で新政権が発足し7カ月になる。安倍政権と蔡英文政権は日台連携の思惑が一致しているので日台関係拡大の期待が語られたが,実は大きな進展は見せていない。

 現在日台間の最大の問題は,台湾側の日本食品輸入規制である。福島原発事故後各国が日本食品輸入規制を導入したが,最近は規制を緩和・撤廃する方向にある。しかし台湾は福島,栃木,群馬,茨城,千葉の5県の食品(生鮮,加工共)の輸入禁止を続け,昨年逆に規制を強化した。馬英九政権が規制解除に動かなかったため,日本側の期待は蔡政権に向けられた。

 11月に蔡政権が福島以外の四県の食品について規制を緩和する方針を示したが,激しい抗議行動が巻き起こり,押し込まれた蔡政権は解決を先送りにした。日本側関係者の失望は非常に大きい。日本側には東日本大震災で破格の支援をしてくれた台湾への感謝の気持ちが広く存在している。それがために被災地の風評被害を広げるような台湾側の対応に困惑させられている。


(画像はイメージです:iStock)
食の安全に神経質

 この問題は双方の議論がまったくかみ合わない。本来の争点は,日本からの輸入食品中に基準値を超える放射性物質が含まれているかどうかであるはずだ。台湾の衛生当局の検査では日本の輸入食品から放射性物質は検出されていないのだがその事実はほとんど注目されず,輸入食品の中に5県の産品が含まれているかどうかばかりが注目され,見つかるとスーパーの棚から同種食品を撤去する騒ぎを繰り返している。日本から見ると台湾の議論は感情的で方向がずれていると映る。

 台湾では食の安全について人々の警戒感が極端に強い。台湾メディアは5県の食品を「核災食品」と報道し,市民団体も人々の不安を煽り,野党国民党は政治的目的で抗議活動を展開したので,「日本食品は放射能に汚染されている」という誤解やデマが独り歩きしているのが実情である。

 日本側の交渉方針は,WTOの自由貿易ルールに違反している可能性が高い輸入規制を台湾側が解除してこそ,日台間の経済協力の協議のレベルを上げることができるとしている。つまり交渉の入り口である。

かたくなな台湾

 これは当然の対応であるが,台湾の民衆の眼には,日本が危ない食品を売りさばこうとして台湾に圧力をかけていると映る。台湾では食品安全の問題は貿易問題とは別という意識が強い。現状では,日本側が輸入規制解除を求めれば求めるほど台湾側はかたくなになり,日本への反発が高まる。

 背景には,近年の「台湾アイデンティティ」の高まりもある。アイデンティティというのは他者にバカにされたくないという強い感情であり,中国にもアメリカにも日本にも向かうものである。中国は中台サービス貿易協定の批准ができなければその先の交渉に進めないとして馬政権に強い圧力をかけ,学生らによる国会占拠=ひまわり運動を招いた。日本側としてはこの問題では理が日本にあるので台湾の姿勢にいらだちを覚えることも多いが貿易のルールという大義で直進すれば,上から目線ということで「台湾アイデンティティ」を刺激しかえって事態の解決を遠ざける可能性がある。

 ここは柔軟に並行的な協議を進めるべきではなかろうか。日台の経済協力拡大が双方のプラスになることが見えることによって台湾のかたくなな姿勢も変化してくるであろう。日本の消費者が台湾産のマンゴーをおいしそうに食べている映像が広がれば,台湾でも反応は変わってくる。急がば回れである。

国民党との付き合い方

 馬英九政権は「友日」を唱え,日台漁業協定を締結するなど日台関係の前進に貢献があった。しかし,最後の1年は,歴史認識,慰安婦,海洋問題で執拗な日本批判を繰り返す一方,中台首脳会談に象徴されるように中国傾斜が目立った。このため日本側での馬英九評価は低下した。洪秀柱国民党主席は日本に対し日常的に批判を続けている。

 今回の食品問題で,国民党の立法委員らは蔡政権に対抗するため民衆の不安を利用して日本食品そして日本全体を貶める言動を展開した。国民党の抗議活動の現場を取材した日本メディアの記者はデマ宣伝のあまりのひどさにあきれている。多くの日本国民の眼に国民党は「反日親中」という印象が強まるであろう。

 日本の行動パターンからすると表面上は変わらないが,日台交流の現場で,日本の議員,自治体,各種団体が「反日的な」国民党との交流を避ける傾向が出てくるかもしれない。国民党を見切って民進党と交流をしていけばよいという意見が広がるかもしれない。

 しかしこれは望ましいことではない。国民党も台湾の民意のある部分を代表している。非友好的,気に入らないからといって交流をやめてしまえば中国と同じになる。中国は国民党とだけ交流し,民進党とは交流も対話もボイコットしている。日台関係は民主主義の価値を共有しているから貴重なのであって,日本側は台湾の主要政党との交流・対話を常に続けるべきである。

日本側の情報発信を

 日本食品規制問題での台湾メディアの報道を見ていると,日本の実情とかけ離れた報道がなされていることに驚く。これは日本側からの積極的な情報提供が少ないことも影響している。台湾メディアの誤った報道,政党や団体の誤った主張に対しては,日本政府の出先機関の交流協会がその都度記者会見を開き,安全性についての根拠,数値データなどを提供し,懇切丁寧に説明する必要がある。これは台湾の内政の問題なので,日本側の介入と受け取られないよう慎重に対処しているのだと思うが,中国語メディアではその都度反論していないと負けになる。台湾には中国寄りのメディアもあり,簡単な効果は期待できないが,日本側が反論していれば,少なくとも記事には載る。

 トランプ政権の登場で日本も台湾も米中の動きにこれまで以上に揺さぶられる予感が漂う。日台の協力はますます重要になる。台湾は,よい点も悪い点も含め日本への理解が非常に深い。台湾=親日という思いに安住することなく,隣人の不安に思いを寄せることも必要だ。日本の食の安全への取り組みはしだいに理解してもらえるであろう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8500
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/862.html

[原発・フッ素47] 福島第一原発の8兆円規模の廃炉事業、外国企業の採択は少数 Stephen Stapczynski  
福島第一原発の8兆円規模の廃炉事業、外国企業の採択は少数
Stephen Stapczynski
2016年12月21日 10:19 JST
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廃炉事業の大部分は原発関連施設の大半を建設した日本企業が落札
廃炉経験の豊富な外国企業が支援可能:IRID国際顧問
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福島第一原子力発電所事故の廃炉費用は当初の想定額を大幅に上回る見通しだ。しかし、廃炉事業で数十年の実績がある外国企業が同事業から利益を得る可能性はほとんどなさそうだ。
  経済産業省は9日、2011年に発生した東日本大震災と津波によって破損した福島第一原発の廃炉費用が約8兆円に上るとの試算を発表。従来想定していた額より6兆円増えるとの見通しを示した。廃炉事業の受託は専門技術を有する企業にとって利益につながる可能性があるが、同事業の大部分は原発関連施設の大半を設計・建設した国内企業が請け負っている。
  福島第一原発の廃炉作業に必要な技術の研究・開発に取り組む技術研究組合、国際廃炉研究開発機構(IRID)の国際顧問、レイク・バレット氏は、日本は、福島第一原発3基の炉心溶融(メルトダウン)は言うまでもなく、商業用原発の廃炉を終了した経験がないため、廃炉事業の公募プロセスは革新的アイデアを持った外国人らにもっと分かりやすくあるべきだと話す。過去に例のないような規模の事故でもあり、必要とされている多くの支援を商用原子炉の廃炉経験を持つ外国企業が提供できると指摘した。
  経産省が14年以降に実施した公募事業44件のうち約8割でIRIDが採択されている。同省のウェブサイトによれば、IRIDは福島第一原発事故をきっかけに創設され、企業など日本の法人で構成されている。この公募のうち外国企業で直接採択されたのは2社のみ。また、多くの公募では1−2社程度しか応募していなかった。
  経産省資源エネルギー庁の担当者が内部規定を理由に匿名を条件に明らかにしたところによると、11年3月の福島第一原発事故以降に実施された約70件の公募のうち9件で外国企業を採択。担当者によれば、外国企業にも機会を提供するため、同省は公募に関する英語のウェブサイトも作成し、契約に関して英語の説明会も開催していると述べた。
  IRID広報担当の春山嘉男氏によると、IRIDが採択された事業は、東芝や日立GEニュークリア・エナジー、三菱重工業といった外国企業と提携や合弁関係を持つIRIDの組合員に委託されているという。外国企業に直接委託することはないものの、海外の専門家の助言を活用したり国際的な共同事業に取り組んだりしている。
原題:Fukushima’s $70 Billion Cleanup Leaves Foreign Firms in the Cold(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIGO1G6TTDS101
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/166.html
[経世済民116] 就任前のトランプ氏が日本経済をノーマルに近づけている 根拠なき悲観は過去、米経済極めて強力 JPモルガン鉱業株暗黒局面越
就任前のトランプ氏が日本経済をノーマルに近づけている
−社説 論説委員室
2016年12月21日 11:59 JST

トランプ次期米大統領はまだ就任してもいないのに、既に景気を押し上げてくれた。ここで言っているのは日本経済のことだ。気がめいるような発表が続いた1年の終わりに、日本銀行は景気判断を上方修正した。大部分はトランプ氏のおかげだろう。
  日銀のムード改善の主因は、輸出を押し上げる円安だ。そして、円下落の主因はドル上昇。ドル高は、トランプ次期政権に期待される減税や新たなインフラ投資を一部反映している。これらが米国の公的借り入れを増やし、追加利上げを加速させるものだからだ。
  もちろん、日銀の楽観は従来と比較してのものだ。政府の来年度の成長率見通しは1.5%と、これまでの予想の1.2%から引き上げられたが、お世辞にも目を見張る水準とは言えない。それでも9月時点ではマイナス金利の状況下でも経済が反応せず、先行きはさらに暗そうだった。
  景気判断を上方修正したものの、日銀は超緩和的な金融政策を維持する方針としている。短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)をマイナス0.1%、長期金利(10年物国債金利)を0%程度でいずれも据え置くほか、国債購入や指数連動型上場投資信託(ETF)などの資産買い入れも維持する。
  4年近い量的・質的緩和の下でもインフレ率は相変わらずゼロ近辺で、日本の本格的な景気回復はまだまだ先。だが、低成長のわなを抜け出すのに大きく物を言うのは信頼感で、どんな小さなことでも役立つ。
  また、こんな考え方もあるだろう。トランプ政権の財政をめぐる思惑が日本経済の見通しにつながるという関係性は、純粋な国内経済政策の限界をタイムリーに思い起こさせてくれるものだ。各国・地域の経済は、モノや資本のグローバル市場を通じて微妙に、そして時には予想できない風につながっている。このため、米国の内需拡大で起こり得る副作用は通貨高による輸出競争力低下になるかもしれない。
  まあ、これは必ずしも問題ではない。誰かが不公正な貿易慣行だと他国を責めるという状況が起きない限りにおいて。
原題:Trump’s Budget Promises Help Make Japan Normal Again: Editorial(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIIH6A6KLVRC01


 


 
「根拠なき悲観」は過去のもの、世界経済に上振れリスク
Rich Miller
2016年12月21日 12:57 JST

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さらば「根拠なき悲観」と言おう。

  悲観論は2016年に頂点に達した。将来を全く楽観できなくなった投資家は、コストに見合った利回りを得られない政府債であってもそれに殺到した。
  米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の世界経済アドバイザー、ヨアヒム・フェルズ氏は、グリーンスパン元連邦準備制度理事会(FRB)議長が1990年代後半の活況の時代に用いた表現を引用し、「それは根拠なき熱狂の正反対だった」と指摘。経済成長はほとんど望めないと信じて「誰もが長期停滞論を崇拝していた」と語った。
  そして今、17年が近づく中で、投資家やエコノミスト、政策当局者は事態悪化の可能性を思い悩むのではなく、世界経済の状況改善の可能性に一段と注目するようになりつつある。
  陰鬱(いんうつ)なムードを解消したのは何か。世界は過去5年間、低成長のわなにはまっていた。だがその後、拡張的な財政政策や賃金の伸び加速、企業の設備投資拡大が相まって、わなから脱却できるとの期待が広がった形だ。

良きサプライズ

  米ディシジョン・エコノミクスのアレン・サイナイ最高経営責任者(CEO)は「先行きのサプライズは、誰もが予想していたよりもはるかに良い時代かもしれない」と話した。
  事の始まりは、米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利と共和党の議会選挙圧勝で、大型減税実施と規制緩和の期待が高まったことだ。
  国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストを務め、現在は米ハーバード大学教授のケネス・ロゴフ氏は「米経済は極めて強力になるだろう」と述べた上で、「企業景況感は大いに高まる」との見通しを示した。
  ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者、レイ・ダリオ氏は19日のリンクトインへの投稿で、トランプ氏当選によって「アニマルスピリットに火が付く」可能性があり、「総じてディールメーカーのビジネスマン出身者が米政府の運営に当たる」ことになるため、投資家は大胆な変革を期待して当然とコメントした。
原題:Irrational Despondency Passé as World Economy Risks Tilt Up (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIILPQ6S972B01.


JPモルガンの資源ファンド好調−鉱業株の「暗黒の局面」乗り越え
Luzi Ann Javier、Susanne Barton
2016年12月21日 10:10 JST

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オールド・ミューチュアル−JPM天然資源ファンドのリターン79%
金属価格と需要の回復で鉱山会社への投資家の関心高まる

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ijd4WaPeUmlY/v2/-1x-1.png

米フリーポート・マクモランやスイスのグレンコアなどの鉱山会社の株価が昨年下落する中、JPモルガン・アセット・マネジメントの「オールド・ミューチュアル−JPM天然資源ファンド」は鉱業株の保有を継続することを選択した。現在では金属相場が弱気から強気に転じ、その恩恵を受けている。
  同ファンドの今年のリターンはプラス79%と、ブルームバーグが調査対象としている北米と西欧の競合ファンド150本のうち3位。同ファンドが保有する主要株式の一つであるグレンコアの株価は昨年70%下落したが、今年は3倍に上昇。ほぼ同様の下落を示したフリーポートは今年、2倍に値上がりしている。

  JPモルガンで天然資源資産25億ドル(約2900億円)相当の運用に携わるジェームズ・サットン氏は、「昨年末と今年1月の2週間の暗黒の局面でも、市場関係者が破滅すると考えていた鉱業株を保有し続けた」と述べた。
  債務とコストを削減したことで、金属価格と需要の回復による恩恵を一層受けている鉱山会社への投資家の関心は高まっている。シティグループとバンク・オブ・アメリカ (BOA)メリルリンチは、鉱山業界の回復継続について楽観的な見方をしている。モルガン・スタンレーは来年選好する金属として亜鉛やニッケル、アルミニウムを挙げ、それぞれの価格見通しを引き上げた。
  
原題:JPMorgan-Led Fund Shines as Glencore Survives ‘Darkest Days’ (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIICE96JTSEE01

http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/894.html

[経世済民116] ギリシャに長い冬到来 債券投資家ポピュリズムで夜も眠れず、懸念3倍超 独自仮想通貨で資金調達、急増 ユーロ14年ぶり安値
【社説】
ギリシャに長い冬到来

選挙が実施されれば国民の意思が改めて示される機会に
ギリシャの新民主主義党のミツォタキス党首

2016 年 12 月 21 日 06:40 JST

 2017年には欧州の数多くの国で選挙が予定されている。議会の解散が現実味を帯びてきたギリシャも、その輪に加わることが濃厚だ。仮に選挙が実施されたとしても、同国の経済問題の解決にはつながらないだろう。しかし選挙が行われればギリシャでどの程度の改革が実現するのかを計ることができ、欧州他国や自国民にとってもそれを確かめる機会にはなる。

 2015年にギリシャを救済した債権団は、今も定期的にその合意が守られているかレビューを続けている。選挙の引き金となるのは、この債権団とギリシャ政府の交渉決裂だろう。ギリシャのアレクシス・チプラス首相は今月に入り、国内160万人の各年金受給者に300ユーロ(約3万6700円)から800ユーロのクリスマス特別給付金を支払った。またいくつかの地域では消費増税を中止するとし、債権団を驚かせた。

 チプラス氏は歳入が予測を上回ったため、これらを実現できたとしている。しかしこのような政策を実施する際には債権団の許可を得ることが必要だと救済合意では決められていた。

 チプラス氏が党首を務める与党・急進左派連合(SYRIZA)は、選挙での敗北が予測されている。今回の給付金などは、有権者からの支持を得るための土壇場の判断だろう。この手口は財政的には無謀な行動だが、チプラス氏はこれを試しても失うものはあまりない。ギリシャの債権放棄に関する交渉はほとんど進展がないからだ。

 債権団の欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の間にも意見の不一致が生じている。ギリシャの財政健全化目標と債務レベルをどの程度に設定すれば将来的に自立して返済を履行できるようになるのか、まだ決められていない状況だ。EUはギリシャが国内総生産(GDP)の3.5%分の財政黒字を維持しつつ債務を返済するべきだとしているが、IMFが考えている通りそれは難しいだろう。

 そもそも幅広い改革が行われなければ、これら数字はすべて仮定のまま終わるわけだが、今のところどの政党もそれを実現できていない。有権者も行政改革に抵抗する姿勢を見せている。債権団も改革を強制できず、しようともしていない。

 選挙が実施されれば、ギリシャ国民が改革の必要性を理解するきっかけになる。選挙が行われれば、2015年1月の選挙でチプラス氏に敗北した中道右派の新民主主義党が勝つと予測されている。同党にはキリアコス・ミツォタキス党首を中心に新たな改革に向けた動きもある。同氏は増税に頼るやり方ではなく、減税と財政出動によって財政目標を達成するべきだと主張する。また、民営化などを通してサプライサイドの大きな改革を任期当初に実現させ、投資家や債権団からの信頼を再び得たいとしている。

 この考え方は新民主主義党内でもまだ少数派だ。しかし経済再生に向けた手段は出尽くした感がある中で選挙が行われれば、有権者にこの発想を広めるチャンスになる。

 来年はイタリア、オランダ、フランス、ドイツで議会選挙が行われる。ギリシャでも選挙実施となれば、国民の意思に変化があったかどうかが示される機会になるだろう。他国の有権者たちも、自らの票を投じる際にギリシャの選挙結果を参考にできる。ギリシャ国民が選んだ道を支持し、自分の税金を再度投入してまで債権放棄を認め、さらなる譲歩をするべきかの判断材料にできるはずだ。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiA9tKtvITRAhUHoJQKHWwkCioQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582507892638036810&usg=AFQjCNGT0EuvtKPvH2EWoKpkGbOnYaL9IA


 

債券投資家はポピュリズムで夜も眠れず、懸念は3倍超に
−BofA Natasha Doff
2016年12月21日 05:16 JST

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• 2017年のポピュリスト台頭に備え、投資家はポートフォリオ微調整

米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げやインフレ上昇は気にしなくていい。現時点で債券投資家が最も気に病んでいるのは政治だ。
  バンク・オブ・アメリカ(BofA)・メリルリンチのグローバル調査部門が19日発表したリポートによると、投資適格級債券の投資家68人の30%以上が今後1年間の最大の懸念として政治のポピュリズム(大衆迎合主義)を挙げた。ドナルド・トランプ氏が米大統領選で予想外の勝利を果たす前の10月に行われた同様の調査では、この割合は9%にすぎなかった。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i1WgJWeQmrTk/v2/-1x-1.png
  この大統領選や欧州連合(EU)離脱が選択された英国民投票で、投資家は裏をかかれた。今年の二の舞を避けようと、投資家は2017年にサプライズが続く可能性に備えている。来年はフランス、オランダ、ドイツで大きな選挙が控えている。
  バーナビー・マーティン氏率いるBofAメリルリンチのアナリストらは、顧客向けの調査リポートで「12月の調査はほぼすべての項目で『ポピュリズム』への警戒があらわだった」とし、「投資家は2017年にポピュリストがさらに台頭する事態に備え、ポートフォリオを微調整した」と指摘した。
  今回の調査によると、償還期間が10年を超える社債のロングポジションを投資家は10月以降に54%減らした。債券利回りの上昇を最大の懸念に挙げた投資家は13%と、10月の6%から上昇した。
原題:Bond Investors Now Losing Most Sleep Over Rising Populism (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OIHXIA6KLVRF01


 


2016年12月21日 ロイター
独自の仮想通貨で資金調達、ハイテク新興企業が急増

12月19日、独自の仮想通貨(トークン)を発行し、銀行などを介さずに資金を調達するハイテク新興企業が、まだ少ないながらも急速に増加しつつある。写真はビットコイン。仏パリで昨年5月撮影(2016年ロイター/Benoit Tessier)
[ニューヨーク19日ロイター] - 独自の仮想通貨(トークン)を発行し、銀行などを介さずに資金を調達するハイテク新興企業が、まだ少ないながらも急速に増加しつつある。

「initial coin offerings(ICO)」と呼ばれる方法で発行されたこれらのトークンは、最初に登場した仮想通貨ビットコインに並ぶか、それをしのぐ存在になるとの期待が投資家を引き付ける理由だ。トークンの売り手も、公募証券発行の際に必要とされるような書類作成の手間をかけずに多額の現金を確保できるメリットは大きい。

しかし一部の専門家やフィンテック担当弁護士などは、規制対象外の分野であることに懸念を表明しており、法的な正当性を疑う声すら出ている。

オンラインゲーム企業ファーストブラッドの共同創設者ジョー・ゾウ氏によると、同社が実施したトークン売り出しによる約550万ドルの資金調達は、わずか1分足らずで完了した。当初は販売に1ヵ月はかかると想定し、早期応募者には優遇価格まで用意していた。

ファーストブラッドのトークンは、同社のプラットフォームでゲームするために必要になる。

こうした取引をサイバーセキュリティーの面で可能にしているのはブロックチェーン技術だ。トークン売り出しで資金を調達している企業はいずれもこの技術を利用している。

暗号通貨調査会社スミス+クラウンのデータによると、ICOによる資金調達は今年これまでに40件あり、総額は約2億2500万ドルで、昨年の980万ドルを大きく上回った。

ただICOは、企業のトークンが米証券取引委員会(SEC)の監督対象となる証券とみなされ得るため、違法とされる恐れがあるとの見方もある。

モナックス・インダストリーズのプレストン・バーン最高執行責任者(COO)兼法務顧問は「トークンを個人投資家向けに投資対象として売り出そうとして、登録なしに手続きを進めれば恐らく法に触れる」と述べた。

法律事務所ホーガン・ロヴェルズのパートナー、ルイス・コーエン氏は、SECが今後ICOについて調査に乗り出す可能性があると指摘。もっとも投資家が相当の損失を被る恐れが出てくるまでは、事態を静観しているように見えると説明した。

さまざまな暗号通貨フォーラムやチャットページなどで広告されているトークンの主な買い手は、こうした技術の熱狂的な支持者やソフトウエア開発者のほか、機関投資家や個人投資家も含まれている。

今年トークンの売り出しで1000万ドル強を調達したICONOMIの技術・取引ディレクター、ジャニ・バルジャベック氏は「ICOにおいては信頼こそが最も大事な要素だ。投資家は常にこれらの企業は実体があるのか、姿をくらますことはないのかと心を悩ませるだろう」と話した。

トークンには価格変動の激しさという問題もある。スミス+クラウンのデータでは、今年発行されたトークンの大部分は、ICO時点よりも価値が下落している。

同社の調査ディレクター、Matt Chwierut氏は、今年トークンを発行した新興企業28社のおよそ3分の2で、売り出し価格を割り込んでいると述べた。

Chwierut氏によると、暗号通貨市場の値動きは非常に不安定で気の弱い人には向かないという。
http://diamond.jp/articles/-/112353

 
ユーロが一時14年ぶり安値、円は反落=NY市場
 
[ニューヨーク 20日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで下落。欧州時間には一時約14年ぶりの安値に沈んだ。

米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が19日、雇用情勢の明るさに言及したため来年の利上げペースが加速するとの観測が強まり、ドル買いが広がったことが影響した。

円は日銀金融政策決定会合を受け、ドルに対して反落した。

終盤のユーロ/ドルEUR=は0.1%安の1.0385ドルで、ロイターのデータによると欧州時間には2003年1月以来の安値となる1.0350ドルを付けた。

イエレン議長の発言をきっかけに米国債利回りが上がると、ドルは主要通貨に対して上昇した。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのG10通貨ストラテジスト、イアン・ゴードン氏によると「(ドル高は)米国債利回り主導だった。ただ取引は極めて薄い」という。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは一時2002年12月以来の高値になった。

ドル/円JPYは直近が0.6%高の117.72円。前日はロシアの駐トルコ大使殺害やドイツ・ベルリンのトラック突入事件を背景に安全通貨の円を買う動きが優勢だった。しかし日銀が20日までの決定会合で長期金利の操作目標など現行政策の維持を決めると、何らかの緩和縮小を予想していた一部市場参加者が円売りに動いた。

市場関係者らは、ユーロの下げ圧力は今後一層強まるとみられている。来年の欧州は主要国で国政選挙が続く上に、経済成長は緩やかにとどまる見通しとなっているからだ。

ユーロや円に逆風が吹く中で、ドル買い需要はこの先も続く公算が大きい。BTIGのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、ケイティ・ストックトン氏は「ドルは依然として支えられている。短期的には息切れの兆しが出ているものの、上昇の流れは健在だ」と指摘した。

ドル/円 NY午後4時 117.81/117.84

始値 117.87

高値 118.20

安値 117.66

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0389/1.0390

始値 1.0378

高値 1.0407

安値 1.0353

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http://jp.reuters.com/article/ny-forex-idJPKBN1492M2?sp=true

 


トランプ次期政権、商務長官指名のロス氏が通商政策担当へ

[ウエストパームビーチ(米フロリダ州)/ワシントン 20日 ロイター] - トランプ次期米大統領は、商務長官に指名したウィルバー・ロス氏に通商政策の舵取りを任せる意向だ。政権移行チームの報道官、ジェイソン・ミラー氏が明らかにした。

米国ではこれまで、米通商代表部(USTR)が中心となって貿易協定の交渉を進める一方、商務省は反ダンピング課税や安価な輸入品の補助金をめぐる調査などを担当してきた。

ロス氏が通商政策を担当すれば、オバマ政権から大きな方向転換となる。

ミラー氏によると、USTRを商務省と統合する計画はない。

またトランプ氏は選挙期間中、メキシコや中国などと結んだ多国間協定が米国の雇用を奪ったと批判、協定を再交渉する方針を示している。通商分野でロス氏に大きな役割を担わせることで、トランプ氏は貿易相手国への強硬姿勢を強めそうだ。

保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所のデレク・シザーズ氏は「USTRが格下げされ商務省の下位に置かれるようだ」と指摘し、USTR代表の地位は魅力が低下する可能性があるとの見方を示した。

トランプ氏はUSTR代表の選考を続けており、同氏の選挙戦に協力したヨウィータ・カランサ氏と20日に面会することになっていた。カランサ氏はジョージ・W・ブッシュ政権下で中小企業庁の高官を務めた経験がある。

レーガン政権でUSTR次席代表だったロバート・ライトハイザー氏、鉄鋼大手ニューコアの最高経営責任者(CEO)を務めたダン・ディミッコ氏も有力候補とされ、これまでにトランプ氏と意見交換した。
http://jp.reuters.com/article/usa-trump-trade-ross-policy-idJPKBN1492JV
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/895.html

[不安と不健康18] 究極のコーヒーとは?科学者の飽くなき探求心 流体力学や応用化学も導入:完璧な一杯は「哲学的コンセプト」
究極のコーヒーとは?科学者の飽くなき探求心
流体力学や応用化学も導入:完璧な一杯は「哲学的コンセプト」
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「究極のコーヒー」とは何か。世界中の学者がさまざまな手法を使って研究を続けている(英語音声のみ、英語字幕あり)Video/Photo: Rob Alcaraz/The Wall Street Journal
By ROBERT LEE HOTZ
2016 年 12 月 21 日 07:35 JST

 ドリップからパーコレーター、そしてポアオーバーまで。コーヒー愛好家たちは数世紀にわたりさまざまな方法を試し、究極の一杯を探求し続けてきた。中にはイタリアのコーヒー界の巨匠、レナート・ビアレッティ氏のように、直火式エスプレッソメーカーへのこだわりから自らの遺灰をその中に納めて埋葬されている人もいる。

 今、究極のコーヒーを追求する最前線に立っているのは大学の研究者たちだ。彼らはカフェインを量子力学の観点から解析し、コーヒーメーカーの蒸気の熱的性質を学ぶ。さらには「コーヒーリング効果」(コーヒーの水滴が乾燥する際に残る跡)と毛管作用の関係や、ホットコーヒーの低液体粘性にも着目する。

ビアレッティ社製のコーヒーメーカー
ビアレッティ社製のコーヒーメーカー
 コーヒー好きで知られ、確率論の研究で名をはせたハンガリーのアルフレッド・レーニイ氏は、「数学者とは、コーヒーを定理に変える機械だ」と語ったことがある。ダンキンドーナツとキャリアビルダーによる2011年の調査によれば、米国内で最もコーヒーを消費するのは科学者と検査技師だという。

 一部の研究者はアロマこそがコーヒーのうまみを左右すると結論づける。一方、水の中に含まれるイオンがコーヒーの味を決めると主張する声もある。究極のコーヒーを求める中で1番の驚きに値するのは、その答えが極めて難しいということだ。

レナート・ビアレッティ氏の遺灰が収められたコーヒーメーカー ENLARGE
レナート・ビアレッティ氏の遺灰が収められたコーヒーメーカー PHOTO: AP
コーヒーの味を決める1800種類の物質

 マサチューセッツ工科大学(MIT)の計算化学者クリストファー・ヘンドン氏は、コーヒーが「これまでに見た中で最も難しい応用化学」の問題だと話す。同氏はコーヒーと水の関係について134ページの学術論文を共同で執筆。「完全なコーヒーには、ありとあらゆる要素が関わっている」と言う。

 英ポーツマス大学の応用数学者、ウィリアム・リー氏は先月、コーヒー用のドリップフィルターに関する論文を発表。その中では豆の粒間の気孔率やコーヒーの固体密度など、22種類の変数を使った方程式を取り入れている。

 「コーヒーのごくわずかな部分だけにズームインすれば、それは極めてシンプルなものだ」と語るリー氏。「しかしそれらをまとめて考察するとなると、複雑さが一気に爆発する」ため、研究のためには代数学の処理を行う新たなプログラムを書く必要があったという。

 コーヒーにはスキムミルクを入れる派だと話すリー氏によれば、コーヒーの味は約1800種類の物質によって形成される。それが少なくなれば「単にスモーキーな味の水」になり、逆に多すぎれば苦味が増えることになる。

英ポーツマス大学のウィリアム・リー氏 ENLARGE
英ポーツマス大学のウィリアム・リー氏 PHOTO: CREDIT: HELEN YATES PHOTOGRAPHY
 17世紀になって世界各地で飲まれるようになったコーヒーは、消費量が右肩上がりに増加してきた。近年はスターバックスなどの企業が専門的な抽出による飲み方も広めたことで、消費が一段と増加。国際コーヒー機関によれば、今後5年でコーヒーの需要はさらに25%近く伸びる見通しだ。

 ニューヨーク大学で工学を教えるエミリー・ドレッセア氏は、スターバックスでの体験を元にある研究を進めている。ラテの飲み口をふさぐマドラーをバリスタにお願いしたところ、ラテはレギュラーコーヒーのようにこぼれたり飛び散ったりしないので必要ないと助言を受けたことがきっかけだ。

 その言葉をヒントにドレッセア氏は、液面揺動の研究に着手。ラテが安定している理由は、ミルクフォームの中に含まれる小さな泡が相互作用することに関係があると結論づけ、それが液体の動きを抑えていると分析した(ちなみにビールの泡も同様に作用する)。現在、この発想を燃料タンカーや貨物船のコンテナなどに応用できないか研究を進めている。

おいしいコーヒーの概念

 コーヒーをおいしいと感じる理由に関しては、いまだ多くが謎のままだ。MITのヘンドン氏は砂糖がコーヒーの味に与える化学的な変化や、低圧力で抽出した場合のエスプレッソへの影響、そしてフィルター部分にコーヒーを詰める量なども研究する。しかし「完全なコーヒー」とは、毎回同じ方法で作り、そのたびに同じ基準に達している一杯を指すのではないかと話す。

 ヘンドン氏は「化学的な概念上に完全なコーヒーは存在しない」とし、「それは主観によるものであり、どちらかと言えば哲学的なコンセプトだ」と主張。「私にとっての最高の一杯は、ほぼ間違いなく他人の最高の一杯とは別のものだ」と語る。

マサチューセッツ工科大学のクリストファー・ヘンドン氏 ENLARGE
マサチューセッツ工科大学のクリストファー・ヘンドン氏 PHOTO: ROBERT LEE HOTZ
 コーヒーの味はカップの色によって変化すると結論付けた研究もある。オックスフォード大学とオーストラリアのフェデレーション大学がフレーバー誌で発表した論文によれば、青いカップでラテを飲んだ場合は白いカップで飲むよりも大幅に甘く感じられるという。

 コーヒーに関するこれら研究の中から得られた成果も多い。ポーツマス大学のリー氏はコーヒー豆の粒子の間を水がどのように流れるのかを調べた結果、粒子の理想的な大きさと味の関連性をピンポイントで発見できたという。この公式をコーヒーメーカーを作る企業が取り入れ、器具のノズル部分に応用される可能性もある。

 究極のコーヒーを求める研究は、たくさんのコーヒーブレークを挟みながら今後も続くことになる。

 1日にコーヒーを2杯飲むと話すMITのヘンドン氏は、研究室でしかコーヒーを楽しまないという。自身にとって最適である業務用コーヒーミルと水のろ過システムが、自宅に導入するには大きすぎるからだ。

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http://jp.wsj.com/articles/SB11484601320931144569304582507422327120252 

http://www.asyura2.com/16/health18/msg/247.html

[戦争b19] 止まらないトルコの暴走 EU候補国から離脱? 中国が破棄した南シナ海のルールブック 国際法に構わず米軍の無人潜水機を奪取


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
止まらないトルコの暴走
2016/12/21
岡崎研究所
 11月21日付の英フィナンシャル・タイムズ紙社説は、EU・トルコ関係が危機に瀕している状況を描写し、エルドアンの権威主義的統治に問題があると指摘しています。同社説の論旨は、次の通りです。


iStock
 欧州議会は今週、トルコのEU加盟交渉を停止するかどうかについて採決する予定である。この交渉は長い間動かなかったが、議会の停止決定は、EUとトルコの関係にとり転換点になるだろう。8年前には、EU加盟の見込みがトルコの民主主義と近代的経済への移行のための橋であった。5年前にもトルコはイスラムと民主主義の共存の模範と見られていた。今は、それは遠い昔のことに思える。エルドアンの権威主義がトルコのEU加盟資格を失わせた。

 7月のクーデタ未遂後、トルコはこの計画者を粛清し、ギュレン師の仲間による国家機関への浸透を終わらせようとする。エルドアンは、彼の批判者を刑務所に入れるなど、すでに専制への道を進んでいる。エルドアン大統領は非常事態の下、大統領令で統治している。議会システムからプーチン式の大統領制にするまで続けるだろう。クーデタ後の大規模粛清において、彼は法の支配を自分の都合に合わせて歪曲している。彼は独立メディアを閉鎖し、大学を乗っ取り、クルドの人民民主党を壊そうとしている。エルドアンはシリアとイラクの一部にオットマンの請求権があるとトルコ人に想起させている。来春の行政権限を持つ大統領制のための国民投票で過激民族主義者の支持を得るためである。

 エルドアンはEUに対して怒り、またNATO諸国の神経を逆なでしている。トルコの伝統的西側友好国は、エルドアンのトルコは同盟国なのか疑っている。欧州議会と多くのEU加盟国が、トルコの広範な反テロ法が改正されない限り、トルコ人の無査証での欧州渡航に同意しないことが明らかになる時、衝突が生じる。EUはトルコが主としてシリア難民を一時的に滞在させることの見返りに査証についての取引をした。

 EUはトルコが行うべき法的改革について譲ることはできない。EUの信頼性がなくなる。移民の流れを止めるのにトルコの協力とバルカン・ルートの一部閉鎖のいずれが最も効果があるかについて議論はあるが、無査証渡航の条件については議論の余地はない。

 エルドアンは来年二つの国民投票を呼び掛ける危険がある。二つ目の国民投票はEU加盟候補国からの離脱である。トルコの脆弱な経済はEUに依存しており、EUとの関税同盟は重要である。欧州はトルコの指導層に影響を与えるテコはほぼすべて失ったが、トルコ国民への影響力は持っている。将来のためにこれは保持し続ける価値がある。

出 典:Financial Times ‘Crunch time approaches for EU-Turkey relations’(November 21, 2016)
https://www.ft.com/content/ad414ec0-ada8-11e6-ba7d-76378e4fef24

 この論説はEU・トルコ関係が今直面している困難を良く描写しています。なぜそうなったのかについては、EU側の言い分が正しく、エルドアンの権威主義的統治に問題があるとしています。クーデタ後のエルドアンの弾圧の行きすぎなどを見れば、これにも一理ありますが、もう少し歴史をさかのぼると、EU側のトルコ加盟への消極的姿勢が今の状態をもたらした遠因であると言えるでしょう。EUがトルコを暖かく迎え入れる姿勢を示し、法制度もEU加盟国にふさわしいものにすべしとの対応をしていたならば、こんなことにはならなかったかもしれません。

EU候補国から離脱?

 問題は、今後どうするかです。この論説は、エルドアンが来年、EU加盟候補国であることから離脱する国民投票を行う可能性があり、これは危険であると警鐘を鳴らしています。しかし、これはやってもらえばいいのではないでしょうか。今のトルコがEUに加盟することはありえないというのがフィナンシャル・タイムズ紙の判断ならば、国民投票で離脱派が勝ってもBrexitのようなことにはならないでしょうし、加盟候補国に留まる結果が出れば、それはそれでいいでしょう。

 現在のEU・トルコ関係の悪化が、NATOの一員としてのトルコの地位に影響を与えるという地政学上の問題がありますが、トルコもNATO脱退は考えていないでしょうし、米国もそれを望んではいないでしょう。経済的にはトルコはEUの関税同盟の一部であり、それを続けることで良いと思われます。無査証渡航の権利がトルコ人に与えられれば、EUに加盟したのとあまり変わらない関係になります。

 トルコは地政学的に重要な位置にあります。それを考え、できるだけトルコを抱き込んで行くことを基本として政策展開をすべきであるように思われます。無査証渡航は難民をトルコに留め置くことの代償として約束したことであり、原則的には約束は守るべきでしょう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/8466


 


中国が破棄した南シナ海のルールブック
国際法に構わず米軍の無人潜水機を奪取
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中国が米海軍の無人潜水機を奪ったのは公海での海賊行為と等しいと欧米諸国の専門家は指摘する(英語音声、英語字幕あり)Photo: CCTV
By ANDREW BROWNE
2016 年 12 月 21 日 10:35 JST

――筆者のアンドリュー・ブラウンはWSJ中国担当コラムニスト

***

 【上海】ドナルド・トランプ次期米大統領はツイッターへの投稿で、中国が「盗んだ」と非難した。

 欧米諸国の法務専門家の多くもトランプ氏に同調し、米海軍の無人潜水機を中国の軍艦の乗組員が奪ったことは公海における海賊行為に等しいとみている。米国防総省は中国の行為を「違法」だと言明した。

 中国は20日、奪った潜水機を返還した。その前日には中国外務省の報道官が、乗組員は持ち主のいない財産を単純に回収しただけであり、それは「道に落ちている物を拾う」のと同じだと釈明していた。

 この言い分はあまりにも無理がある。中国は新たな境界線を越えた。かつては南シナ海での攻撃的な行為を大きな法的枠組みの中で正当化することが必要不可欠だと理解していた。米国やその同盟諸国には、その法体系がいかに薄っぺらく、わざとらしく、あるいは物議をかもすように見えたとしてもだ。

筆者の過去のコラム

中国は慢心で失敗、今度はトランプ氏の番か
トランプ氏のラブコール、台湾市民は戦々恐々
トランプ氏の対中戦略、愛憎の歴史は繰り返すか
 ここに中国とロシアの違いが表れていた。中国は自由貿易協定やインフラ投資、低金利の融資や援助といった札束外交で地域の覇者になろうとしていた。一方のロシアはジョージアへの侵攻やウクライナの一部併合であからさまに国際規範に逆らってきた。

 無人潜水機には明らかに印がついていた。近くを航行中の米海軍海洋調査船「ボーディッチ」の管理下にあったことも同様に明白だった。中国が無人潜水機を奪取できるなら、船の航行を妨害できないわけがない。こうした事柄で国際海洋法は船の種類や大きさを区別しない。

トランプ氏へのしっぺ返し

 中国は南シナ海の自由な航行を制限しないと繰り返し主張してきたが、ここにきて再びこの主張が疑問視されることになった。  

 中国が「平和的な台頭」を望むという自身の言明から一歩ずつ遠ざかっていくことを、近隣諸国は懸念している。習近平国家主席が南シナ海で造成中の7つの人工島を軍事化しないと表明したのは、つい昨年のことだ。だが米ワシントンのシンクタンク、国際戦略研究所(CSIS)の報告によると、中国は最近、人工島に対空砲などの兵器を配備した。

 恐らくこの1件は、トランプ氏へのしっぺ返しとして意図されたものであったのだろう。中国の見解では、トランプ氏は台湾のリーダーからの電話に応じたり、ツイッターへの投稿で中国が大事にしている「一つの中国」という原則に疑問を投げかけたりすることで、米中関係を支えてきた土台に挑戦した。今度は中国がタブーを破っている。

南シナ海で中国に奪われたものと同型の無人潜水探査機 ENLARGE
南シナ海で中国に奪われたものと同型の無人潜水探査機 PHOTO: EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY
 もちろん無人潜水機を海中からすくい取ることは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のあからさまな攻撃性とは比較にならない。 

 だが危険な方向に向かう動きであることに変わりはない。2001年に中国の戦闘機が米国の偵察機と海南島沖で衝突し、米機が着陸を余儀なくされた際、中国は米機が違法な近接偵察を行っていたと主張。その根拠は独自に解釈した国際法だった。

 今回、中国が法的根拠を気にかけることはほとんどなかった。中国共産党機関誌「人民日報」の海外版は無人潜水機が中国の「管轄海域」にいたと主張。現場は、南シナ海のほぼ全域を囲むように中国が引いた「九段線」と呼ばれる境界の外側にあったにもかかわらずだ。中国の外務省や国防省の表現はこれより曖昧で、無人潜水機は「中国に面する海域」にあったとしている。

 中国外務省の報道官は20日、米国が中国の領海近くで偵察活動を行っていたと非難した。

 いずれにせよ、この全海域は今や軍事化されている。

 今回のドローン奪取により、中国はあるメッセージを送っていると指摘する中国の学者もいる。どれだけ自国の海岸から離れていようと、中国の潜水艦の活動に関する情報を収集するために米国が潜水機利用を増やしていることに我慢ならないというわけだ。

 ただ、武力衝突がぼっ発する可能性は依然かなり低い。中国の人民解放軍は世界一の超大国を相手にする準備が全くできていない。

 米太平洋軍のハリー・ハリス司令官は先週、最新鋭のステルス戦闘機F22「ラプター」をオーストラリアに配備すると発表した際、中国に単刀直入のメッセージを送った。「われわれは協力できるときにはそうする。だが、対立しなければならないときは、その準備を整える」

「中国は自制しない」

 中国はそうした発言を空威張りと解釈する可能性はある。共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」はトランプ氏のツイッターへの投稿に対しこう反論した。トランプ氏が大統領として挑発し続けるなら「中国は自制しない」と。

 冷戦時代は「交通ルール」がしっかりと守られ、米国とソ連の間に戦争をもたらすような事態は免れた。米中両国もこれまで、同じような外交儀礼の構築に取り組んできた。だが計算づくとみられる先週の違法行為は、状況を一変させる。

 中国の聖域に尊大な姿勢で踏み込むトランプ氏と、法律をないがしろにする中国との間で、今後も摩擦が生じるだろう。中国は明らかに米国の意思を試している。

 もちろん戦略上の変化があるとすれば、無人潜水機を奪う決断が軍の司令官ではなく国家のトップによるものだったことが前提となる。だが司令官の独断だったとすれば、それもまた不吉だ。習主席が共産党支配を強化するために取り組む大がかりな軍の再編に疑問が浮上することになるからだ。

 中国経済の足取りがもたつくなか、習政権は「安定性の維持」が2017年の最優先課題だと宣言した。一方、トランプ氏による中国への挑戦が米中両国を先の見えない海路へと引きずり出している。習主席の海軍は文字通り、また比喩的にも、波風を立てた。

南シナ海問題特集

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjh75LLvoTRAhVEOrwKHdz4Cj0QqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582509650456784584&usg=AFQjCNGwHpN7lQ27BEXInAFXO4gknDCWzQ

 

http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/364.html

[戦争b19] トランプ次期大統領を待ち受ける不穏な世界 ロシアとトルコ絆強める大使殺害事件 オマバに残された仕事、対ロ「さよなら」作戦
トランプ次期大統領を待ち受ける不穏な世界
ロシア大使射殺とベルリン襲撃が浮き彫りにしたものとは?


By CAROL E. LEE AND DAMIAN PALETTA
2016 年 12 月 21 日 10:30 JST 更新

 今週に相次いで起きたロシアの駐トルコ大使射殺と、独ベルリンでのトラックを使った襲撃。両事件はドナルド・トランプ次期米大統領が数週間後に直面する国際情勢が一触即発の状態であることを浮き彫りにした。また、一連の事件に対する同氏の最初の反応は、次期米政権がこうした不測の事態に、オバマ大統領とはかなり異なる対応を取るであろうことをうかがわせる。

 この2つの事件の数時間後にトランプ氏が出した声明は、ホワイトハウスの声明とは好対照を示した。トランプ氏はアンカラでのロシア大使射殺に関し、犯人の動機についてトルコ当局が結論を下していないうちに、「イスラム過激派テロリスト」による犯行だと決めつけた。一方、オバマ大統領は「テロと断固対峙する決意である」と強調する声明を出しただけだった。

悲しみに暮れる独ベルリン トラック突入事件

 19日にクリスマス市場の群衆にトラックが突入する事件が発生したドイツの首都ベルリン中心部では、犠牲者を悼む人々が現場近くのカイザーウィルヘルム記念教会前に花束を手向けた。この事件では少なくとも12人が死亡、約50人が負傷した。

Firefighters walk past ambulances.
A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.”
A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany.
People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market.
Police officers inspect the crime scene.
A police officer puts a suspect into a police van in Berlin.
Authorities inspect the truck.
Medics attend to an injured person after the truck crashed.
Firefighters walk past ambulances.
A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.”
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Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas ... A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany. ARNO BURGI/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market. PAWEL KOPCZYNSKI/REUTERS Police officers inspect the crime scene. MARKUS SCHREIBER/ASSOCIATED PRESS A police officer puts a suspect into a police van in Berlin. TVNEWSKONTOR/ASSOCIATED PRESS Authorities inspect the truck. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Medics attend to an injured person after the truck crashed. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.” TOBIAS SCHWARZ/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES

 トランプ氏は、ベルリンでのトラック突入に関しても「おそろしいテロ攻撃」と断じたのに対し、ホワイトハウスは「テロ攻撃とみられる恐ろしい事件」と評した。

 中東専門家のジェームズ・ジェフリー氏は、オバマ氏がイスラム教と過激主義とを結び付けない姿勢を一貫してとってきたのに対し、トランプ氏が今回の2つの事件を直ちに「イスラム教徒の」テロと断定したことについて、トランプ氏が大統領選中にしばしばオバマ氏を批判するのに利用してきた手法だと分析する。オバマ政権下でイラク大使を務め、現在はワシントン近東政策研究所の客員研究員であるジェフリー氏は、「オバマ氏は思慮深いが、なかなか決断しない。オバマ氏は怒らないし、短気を起こさない。だが、指導者にはそうした面は必要だと思う」と語る。

 トランプ氏は、中東や欧州、アジアの外交政策上の多くの課題について方針を明確に示していない一方で、ロシアに対して融和的な姿勢を見せており、米国の同盟国や議会に懸念を生んでいる。

 トランプ氏の側近らは、どのような情報に基づきベルリンとアンカラでの事件に関する声明を出したのかとの質問に回答していない。ホワイトハウス当局者は両事件について、トランプ氏がオバマ氏とは違う情報や、より具体的な情報を得ているのかどうか分からないと述べている。

<これまでになく複雑なテロの脅威>

 トランプ氏が11月8日の大統領選に勝利して以降、中国による米軍の潜水機奪取という挑発行為や、ロシアが米大統領選でサイバー攻撃を仕掛けたとする米情報機関の結論をめぐるロシアとの対立激化など、さまざまな外交問題が浮上している。トランプ氏は、中国による潜水機奪取についてツイッターで「前代未聞の行為」と非難。一方で、ロシアによるサイバー攻撃疑惑に関しては情報機関の評価に疑問を呈した。

 戦略国際問題研究所(CSIS)のジョン・オルターマン副所長(中東プログラム責任者)は、大統領たる者はさまざまな脅威をすべて同時に比較検討できなければならないと指摘する。「核によるアルマゲドンを食い止めようとしているのか。敵対国が同盟国を攻撃するのをやめさせようとしているのか。国内でのテロ発生を未然に防ごうとしているのか。大統領はそうした異なる問題のすべてに対処する必要がある」

 また、国土安全保障省の元テロ対策調整官だったラトガース大学のジョン・コーエン教授は、米欧がこれまでになく複雑なテロの脅威に直面し、それらの脅威を単純化することは適切ではなさそうな状況にある時に、トランプ氏は大統領に就任すると指摘。「『イスラム過激派』といった言葉を使って、事態をあまりに単純化してとらえようとする向きがあるが、現在生まれている脅威はテロ対策機関がこれまで対応してきたものとはまったく違う」とくぎを刺す。

 トランプ氏は、外交政策チームの重要ポストである安全保障担当補佐官や国防長官、国土安全保障長官に退役将官を起用。国務長官には、国際経験はあるものの、他国の内戦に介入したり、人道上の危機に対処したりする必要のなかった民間企業のトップを登用した。外交専門家らは、トランプ氏が異例の陣容で、大統領就任後直ちにこうした試練に立ち向かうことになると語っている。

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http://jp.wsj.com/articles/SB11677208751388613819604582509672998343912

 


Column | 2016年 12月 21日 12:25 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:
ロシアとトルコの絆強める大使殺害事件

Sarah Hurst

[ロンドン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トルコの首都アンカラで19日、ロシア大使が射殺された事件は、両国の関係に深い傷を負わせなかったのかもしれない。それどころか、共通の仮想敵の存在は、両国の独裁的指導者を一層強く結びつける可能性がある。

2015年11月にトルコ軍がロシア軍機を撃墜した事件はロシアを怒らせ、同国はトルコ製品の輸入を禁止した。しかしトルコのエルドアン大統領はその後謝罪し、制裁は解除された。大統領は最近、トルコ軍がシリアでロシアが支援するアサド大統領の打倒を狙っていると発言したが、この発言も撤回している。

アンドレイ・カルロフ駐トルコ大使の射殺に対する両国の反応は、驚くほど足並みがそろっていた。両国の政治家はすぐさま、銃撃の狙いは両国関係の分断だと非難。トルコ・メディアは犯人について、7月15日のエルドアン大統領に対するクーデター未遂事件後に失職した警察官だと伝えている。犯人もその場で射殺された。クーデターの際には、米国に事実上亡命しているトルコのイスラム指導者ギュレン師(75)を支持したとして数万人のトルコ人が拘束あるいは更迭されている。トルコ側は今回の銃撃犯を「ギュレニスト」と呼んだ。これは犯人が西洋諸国の後ろ盾を得ていたことをあからさまに示唆するものだ。トルコ国営メディアは既に米中央情報局(CIA)の関与を指摘している。

強い経済関係で結ばれるトルコとロシアにとって、外部の犯人は好都合だ。ロシアはトルコから食品や消費財を輸入し、トルコ人の建設労働者に多くを頼っている。ロシア人にとって、トルコは人気の旅行先だ。ロシアの天然ガスを黒海経由でトルコに供給するパイプライン「ターキッシュ・ストリーム」建設計画の再開も視野に入っている。

その上、両国はともに経済に問題を抱えている。産油国のロシアは石油安と国際制裁に直面。トルコリラは7月のクーデター未遂以来、対ドルで20%超下落し、エルドアン大統領は市民に外貨をリラに両替するよう促している。トルコの国内総生産(GDP)は算出方法の変更により最近20%も増えたように見えるが、第3・四半期は前年同期比で1.8%減少し、7年ぶりのマイナス成長となった。

ロシア、トルコ、イランの外相は20日、モスクワでシリア和平について協議した。ロシアとイランの支援を受けたアサド政権軍によるアレッポ制圧を、トルコは渋々ながら受け入れた。欧州連合(EU)など西側の意図に反し、ロシアとトルコの絆は強まる公算が大きい。

●背景となるニュース

*トルコの首都アンカラで19日、ロシアのアンドレイ・カルロフ駐トルコ大使が銃撃され死亡した。犯人は警察に射殺される前、銃撃はアレッポを巡るロシアの行動に対する報復だと叫んでいた。

*トルコのエルドアン大統領は同日、プーチン・ロシア大統領と電話会談した後、「これは挑発行為であるとの認識でプーチン氏と一致した」と述べ、「連帯を強化することで合意した」と付言した。

*プーチン大統領は政府高官らとの会談で「殺人犯をだれが操っていたのか突き止める必要がある」と発言。アンカラに捜査員を送り、トルコ当局と協力させる意向を示した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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Column | 2016年 12月 21日 11:25 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:

オマバ氏に残された仕事、対ロ「さよなら」作戦

Tim Weiner

[18日 ロイター] - 判決は全員一致である。オバマ米大統領も、米国のあらゆる情報機関関係者も、ロシアのプーチン大統領が高度な諜報作戦を実行し、米国の民主主義を混乱させ、ドナルド・トランプ氏を次期大統領に当選させたことで見解が一致している。

反対意見は1人だけ。トランプ氏本人だ。

オバマ大統領は、米国は自らの選択する時期と方法によって対応する、と宣言している。本稿執筆時点で、反撃のために彼に与えられた時間は1カ月だ。刻限は迫っている。

ホワイトハウス、国防総省、中央情報局(CIA)には、厳格に隔離された部屋にしまいこまれた緊急対応計画が用意されている(理論的には、「ロシアから」隔離されているわけだが、最近はどうだろうか)。

こうした計画が発動されれば、ロシア政府首脳、情報機関、新興財閥(オリガルヒ)の痛いところを突けるはずだ。米国は、彼らのコンピューター基板やオフショア口座に預託された資金を攻撃できる。プーチン大統領配下のスパイネットワーク内に、多機能なマルウエアを仕込むこともできる。政治機構をまひさせることも可能だ。

オバマ氏が冷戦期の記録をひもとけば、大統領任期の最後を締めくくるにふさわしい大規模な諜報作戦のお手本が見つかるだろう。作戦のコードネームもぴったりだ。「フェアウェル(さよならの意)」である。

1975年(プーチン氏がソ連の諜報部員になった年だ)の時点で、モスクワでは「ラインX」と呼ばれる諜報部隊が活動しており、国家保安委員会(KGB)の科学技術局、軍事諜報活動を専門とするソ連参謀本部情報総局(GRU)、そして東欧各国の情報機関と協力関係にあった。その使命は、西側から軍用・民生用の別を問わず、最先端のソフトウエア、ハードウエアを盗み出すことである。ソ連は科学技術の点で米国より10年は遅れていた。追いつかなければ、いずれ崩壊してしまう。

1981年、オタワで開かれた経済サミットの場で、米国のレーガン大統領は、フランスのミッテラン大統領と会談した。彼らは英仏2カ国語を話せる情報機関当局者を通訳として言葉を交わした。ミッテラン氏は生涯にわたる社会主義者だったが、頑固な資本主義者であるレーガン氏のために、ソ連に対抗する最終兵器になり得る貴重なプレゼントを用意していた。

フランスは、KGB内部に内通者を確保していた。ウラジミール・ベトロフ大佐である。「フェアウェル」とは、ベトロフ大佐を指すコードネームだった。ベトロフ大佐は「ラインX」の活動を詳細に記した4000件もの文書を提供していた。そこに記載されていたのは、航空機用レーダーシステムのソフトウエア、軍用機および弾道ミサイル防衛の設計、スペースシャトルからエネルギープラントに至るまで、ありとあらゆる用途のコンピューターシステム、つまり米国の軍産複合体の精華を盗むことを狙った、多年にわたる諜報作戦だった。

ウィリアム・J・ケイシーCIA長官と、元CIA長官であるジョージ・H・W・ブッシュ副大統領は、「フェアウェル文書」の要旨を読み、リチャード・V・アレン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)にもこの情報を伝えた。アレン補佐官は、ソ連側への対抗策として、長期にわたるスローペースで分かりにくくはあるが、破壊的な効果をもたらす反撃作戦を考案すべく、政権スタッフだったガス・ワイス氏の支援を求めた。ワイス氏が1996年にCIA向けにまとめた事後報告は、CIAのウェブサイトで閲覧することができる。

20年後、アレン氏は口述史編纂用のインタビューのなかで「それは素晴らしいプランだった」と語っている。「われわれはまず、ソ連に質の低いテクノロジーを流すことから始めた。出来の悪いコンピューター技術、役立たずの石油掘削技術などだ。そのようなテクノロジーを大量に流した。彼らが喜ぶようなガラクタを好きに盗ませた」

腐敗した防衛産業関係者を演じたのは米連邦捜査局(FBI)の捜査員だった。愚かなソ連のスパイに、彼らが求めている以上のものを提供した。次世代兵器用の半導体、化学プラントの設計図、最新鋭のタービンなどだ。いずれも分かりにくく、致命的な欠陥を抱えていた。こうした「トロイの木馬」の群れは、じきに暴れ始め、ロシアという熊に噛みつくようになった。

そのうえで、米国は真の一撃を食らわせることを決意したのである。

ソ連は、当時建設中だったシベリア─東欧間の大規模な天然ガス輸送パイプラインに必須の圧力計とバルブを制御するための高度なコンピューターシステムを必要としていた。CIAとFBIは、密かにソ連の「ラインX」担当者をあるカナダ企業へと誘導した。彼が盗んでくるよう命じられたソフトウエアそのものを保有している企業だった。ソ連政府は大いに満足した。そのソフトウエアと半導体は1982年にシベリア横断パイプラインに組み込まれた。数カ月が経過した後、ゆっくりとではあるが、圧力は小刻みに高まっていった。そして、ツンドラの凍土のなかで大爆発が起きた。

もちろん、逆の立場からすれば、これをテロ行為と見ることもできよう。だが、死者は1人も出ていない。冷戦という背景のもとでは、これはフェアプレーだった。CIAはジョン・マクマホン副長官を西欧諸国に派遣することで、「フェアウェル」作戦の最後の仕上げをした。彼は、「ラインX」の担当者と海外諜報員200人の氏名を記したリストを携えていた。彼はそれを北大西洋条約機構(NATO)諸国の情報機関に提供したのである。

米国は、CIA、FBI、国防総省、国家安全保障会議の協調による反撃として、諜報作戦用のさまざまな武器を駆使した。政治戦、サイバー攻撃、戦略的欺瞞(ぎまん)、経済的妨害行為などである。今日、ロシアによるグローバルかつ高度な諜報作戦に対する適切な対応として、「フェアウェル」作戦の教訓をどのように生かせるだろうか。

オバマ氏は、ロシアによるハッキングに関する情報を収集し、大統領の座を離れる前に徹底的な報告を発表する程度の対応にとどめたいと考えているかもしれない。だが、彼がプーチン大統領を罰したいと考える可能性もある。

これから行われる攻撃は、最初のうちは米国民の目には触れないかもしれないが、プーチン氏にとっては歴然たる影響を感じられるようなものでなければならない。ロシアが使ったようなサイバー兵器が、逆にロシア政府に対して使われる可能性もある。ロシア首脳や新興財閥の最も脆弱(ぜいじゃく)な部分を攻撃する、つまり彼らの政治的・人格的・金銭的な秘密を暴露・公表することもできる。ちょうど、プーチン氏が民主党の秘密を盗み、ヒラリー・クリントン氏を傷つける武器に転化させたように。

米国の政治システムに対するプーチン氏の攻撃から何か学ぶべき点があるとすれば、それは昔ながらの重要な教訓、「情報は力である」ということだ。プーチン氏が自ら提供した良薬の苦さを気に入るかどうか、われわれにもじきに分かるかもしれない。

*筆者はピュリツァー賞を受賞した著述家。著書に “Legacy of Ashes: The History of the CIA”(「CIA秘録─その誕生から今日まで」)など。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
 

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http://jp.reuters.com/article/column-obama-russia-idJPKBN14A05V?sp=true


 

メルケル首相、ベルリン襲撃で一層厳しい局面に
議論の中心は難民政策の是非に移っている
ベルリンのクリスマス市で起きたトラック襲撃事件の犠牲者を追悼するメルケル首相ら ENLARGE
ベルリンのクリスマス市で起きたトラック襲撃事件の犠牲者を追悼するメルケル首相ら PHOTO: HANNIBAL HANSCHKE/REUTERS
By ANTON TROIANOVSKI
2016 年 12 月 21 日 09:08 JST 更新

【ベルリン】ドイツの首都ベルリンのクリスマス市で19日発生したトラックでの襲撃事件。事件の全容は依然として明らかになっていないが、既に明確になったことが1つある。それはメルケル首相にとって状況が転換点に達したということだ。

 市民ら12人が死亡したトラック襲撃から1時間後、ある有力ナショナリスト政治家は、犠牲者たちを「メルケルのせいで死んだ人々」と呼んだ。翌20日朝までに、メルケル氏にとって最も大切な保守派の同志であるキリスト教社会同盟(CSU)のホルスト・ゼーホーファー党首(バイエルン州首相)は、メルケル氏の移民政策を再考する時期だと述べた。また同日正午までに、メルケル氏自身、襲撃の政治的な影響を認識していると発言した。そして、早期の兆候からみると亡命希望者が襲撃の背後にいた可能性があり、そうであるならば「卑劣だ」と述べた。

悲しみに暮れる独ベルリン トラック突入事件
 19日にクリスマス市場の群衆にトラックが突入する事件が発生したドイツの首都ベルリン中心部では、犠牲者を悼む人々が現場近くのカイザーウィルヘルム記念教会前に花束を手向けた。この事件では少なくとも12人が死亡、約50人が負傷した。

Firefighters walk past ambulances.
A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.”
A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany.
People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market.
Police officers inspect the crime scene.
A police officer puts a suspect into a police van in Berlin.
Authorities inspect the truck.
Medics attend to an injured person after the truck crashed.
Firefighters walk past ambulances.
A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.”
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Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a ... A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany. ARNO BURGI/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market. PAWEL KOPCZYNSKI/REUTERS Police officers inspect the crime scene. MARKUS SCHREIBER/ASSOCIATED PRESS A police officer puts a suspect into a police van in Berlin. TVNEWSKONTOR/ASSOCIATED PRESS Authorities inspect the truck. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Medics attend to an injured person after the truck crashed. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.” TOBIAS SCHWARZ/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES


 メルケル氏が発言した数時間後、警察当局は拘束した容疑者を証拠不十分として釈放。この容疑者はパキスタン人男性で、昨年大みそかに難民としてドイツに入国していた。しかし、事件発生からすぐに議論の中心はメルケル氏の難民政策の是非に移っており、それは、来年9月の連邦議会選挙(総選挙)で再選を目指す同氏が57%という支持率であるにもかかわらず、いかに立場が不安定かを浮き彫りにしている。

 ベルリン自由大学の政治学者オスカー・ニーダーマイヤー氏は「ドイツの有権者は投票行動で、以前よりもはるかに柔軟になっている」とし、「その結果、このような引き金になる出来事が状況を変化させる可能性が十分にある」と語った。

 ドイツでは、難民危機に対するメルケル首相の対応をめぐって世論が割れており、その結果、政治状況は近年で最も不透明になっている。メルケル首相率いる中道右派政党のキリスト教民主同盟(CDU)が最近の州議会選挙で支持者を失い、新興極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に票を奪われている。

 そうしたなかでメルケル首相は過去数カ月間、当初はリベラルだった難民政策を厳しくした。例えば、亡命申請を拒否された申請者について、国外送還の迅速化と、新たな流入の阻止を約束した。しかしこうしたシフトは最近、メルケル氏支持率を押し上げたものの、同氏に批判的な人々をなだめるまでには至っていない。

 20日、ベルリン中心部のジャンダルメンマルクト広場を散策していたクリスチャン・フーグラーさんは「われわれはナイーブ(甘い考え)だった」とし、メルケル首相が国境閉鎖を拒否していたことがトラック襲撃の原因になったと述べた。フーグラーさんは「今後は状況がさらに悪化するだけだろう。難民や移民が来れば来るほど、ドイツ社会は構造的に緊張の度を増すのだ」と語った。

<盟友の厳しい言葉>

 バイエルン州アンスバッハで今年7月に自爆テロが発生し、15人が負傷した事件の際、メルケル首相は直ちに記者会見を行わなかった。昨年大みそかにケルンで発生した性的暴行事件の際もそうだった。しかし今回は、事件発生の数時間後にカメラの前に立ち、現場も視察した。

‘犠牲者たち、被害を受けた人々、そして国民全体に対し、移民・治安政策全体を再考し、調整する義務がある’
—ゼーホーファーCSU党首
 さらにメルケル首相は、襲撃の背後に移民がいるとの報道にも言及。ベルリンの首相府で記者団に対し、「この行為を犯した人物がドイツで保護と亡命を求めていたことが確認されたら、われわれすべてにとってとりわけ耐えがたいことになる」と述べた。

 通常、あらゆる事実を把握するまでは事件についてコメントを避けるメルケル氏としては異例の対応だ。

 メルケル氏の政治的盟友であるゼーホーファーCSU党首はミュンヘンで、「われわれは犠牲者たち、被害を受けた人々、そして国民全体に対し、移民・治安政策全体を再考し、調整する義務がある」と語った。

 この厳しい言葉は、選挙が来年に迫っているとはいえ、ゼーホーファー氏がメルケル首相に戦いを仕掛けることも辞さない姿勢を示唆したものだ。

 過去数カ月間、ドイツ政治家たちの間では、メルケル氏は来年の総選挙で勝利して4期目に入るだろうが、テロ攻撃が発生すれば潮目は変わるとの声が出ていた。極右政党のAfDがメルケル氏の保守政党CDUの票を食ってしまい、左派連立勢力が政権を握る道を開く可能性もあるというのだ。

 前出の政治学者ニーダーマイヤー氏は「それが多くの人々の恐れるシナリオだろう」と述べた。

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http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/365.html

[国際16] 米国は停滞する運命にあるのか 経済成長妨げる規制、我々が知るのは氷山の一角 米国人口増加率、大恐慌以来の低さ、NY人口減
【オピニオン】
米国は停滞する運命にあるのか

米国の経済成長を妨げているのは規制だが、我々が知っているのは、その氷山の一角にすぎない。

By BRET STEPHENS
2016 年 12 月 21 日 13:09 JST

――筆者のブレット・スティーブンスはWSJ論説室の副委員長

***

 お粗末な仕事ぶりが目立つ世界銀行だが、各国の事業環境に点数と順位をつける年次調査は例外的にすばらしい。例えば、ギリシャが置かれた混乱について理解を深めたければ、同国で契約履行にかかる日数を見るといい。2006年には平均151日だったのが、現在は1580日だ。イスラエルの進歩は、起業にかかる日数が10年前の約34日から12日に短縮していることに表れている。

 米国はどうか。09年にバラク・オバマ大統領が就任した時には、シンガポール、ニュージーランドに次ぐ3位だった。その後8位に下がっている。建設許可を得るのに必要な日数は、8年前には40日だったが、現在は81日だ。ジョージ・W・ブッシュ大統領が任期を終えた時、契約履行にかかる日数は300日だった。現在は420日だ。不動産登記の費用は、09年には物件の価値の0.5%だったのが現在は2.4%と、約4倍に増えている。

 オバマ政権下で全ての数字が悪化したわけではない。例えば納税にかかる時間はやや短くなっている。だが大勢は明らかであり、それは現在の米国での、そして米国に関する、最も重要な議論の中心に関わってくる。米国は誰が大統領かにかかわらず、日本と欧州が見舞われているような長期的な経済停滞に追い込まれるのだろうか。それとも、1980、90年代のような成長を再現できるのだろうか。

 停滞を示す例はマクロ経済から見て取れる。労働力はかつてのようには拡大していない。技術革新は過去と同じようには生産性を押し上げていない。貯蓄は多すぎ、投資は足りない。悲観論者によれば、広範な指標は全て下を指している。

 一方、成長はミクロ経済にある。米国の低成長について「長期的な」要素はない。それは単に、これまで以上に費用と時間がかかる規制がとめどなく増加してきた結果だ。それらはいずれも、理論的には、一挙に覆される可能性がある。時代遅れのエリートは、それらの規制にほとんど気づいていない。というのも、政治家、弁護士、官僚、学者、コンサルタント、評論家など、私たちの仕事は主に言葉を生産し操ることだからだ。だが規制(そしてそこから利益を得る人々)は、エンジン、ハンバーガー、プール用品などあらゆる物の生産者や配達人を悩ませている。

 言葉の生産者は、言論規制の偉大な防波堤である憲法修正第1条を利用して自らの仕事から政府を遠ざけている。しかし、物の生産者は違う。両者の世界が政治的にこれほど離れているようにみえるのは、そのせいでもある。

 ここ数カ月、私は物作りの世界の感覚についてもっと知りたいと思い、今日の米国で事業をするのはどのような感じかとさまざまな業界の幹部に聞いた。幹部たちは、企業改革法(サーベンス・オクスリー法)の厳しい会計基準について話した。または金融改革法(ドット・フランク法)が銀行内に生んだコンプライアンス(法令順守)策について。医療保険改革法に基づく雇用主の義務や被扶養「児童」の上限年齢の引き上げに関する話もあった。 

 それらは氷山の一角にすぎない。

 労働省の最近の規制によると、政府の請負業者や下請け業者は労働力の7%以上を障害者とする目標を設定しなければならないそうだ。この目標を達成するため、「請負業者は『年次の』利用分析と問題分野の評価を実施し、特定された問題があれば、行動志向の具体的な『プログラム』を設けて対処しなければ『ならない』」(強調は筆者による)という。

 労働安全衛生庁(OSHA)は最近、差別につながりないとの理由で、事故を起こした従業員に一律に薬物検査を受けさせる方針を禁止した。OSHAが導入した03年の国連勧告「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」を順守するため、対象企業は表示や分類の変更に推定21億ドルを費やした。

 また、シアトル市の境界線内で配達をするドライバーの最低時給は15ドルで、これは雇用主が市内に支店を持っているかどうかは関係ない。サンフランシスコの条例は、会社が求職者に逮捕歴などを聞くことを禁じている。

 こうした例は枚挙にいとまがない。言葉作りの世界に住む私たちが「過剰規制」という言葉を使う時、自分ではほとんど経験のない概念に名前をつけていることがほとんどだ。だが物作りの世界では、規制は倦怠(けんたい)と苦痛の入り交じった経験となり、利益や時間を奪い、米国で稼ぐことの楽しさに水を差している。

 ジョージ・メイソン大学マルカタス・センターによる最近の試算によれば、80年以降、規制は年間国内総生産(GDP)を0.8%押し下げており、失われたGDPの累計は4兆ドルに上る。低成長という謎の解明に努める経済学者は、この試算をとっかかりにするのがよかろう。言葉作りの世界に住み、なぜ人々が怒っているのか当惑し、米国政治で何が起きたのか理解しようとしている私たちも同様だ。

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米国の人口増加率、大恐慌以来の低さに
ニューヨーク州は10年ぶりに人口が減少した

By JANET ADAMY AND PAUL OVERBERG
2016 年 12 月 21 日 08:43 JST

 米国の人口増加率は今年、大恐慌以来の低さとなり、ニューヨーク州は10年ぶりに人口が減少した。米国勢調査局が20日発表した統計で明らかになった。

 死亡者数の増加、出生者数の伸び鈍化、移民のわずかな減少が、今年7月1日までの1年間の人口増加率を押し下げた。米国人口は0.7%増の3億2310万人で、米ブルッキングス研究所の人口統計学者ウィリアム・フライ氏によると、1936〜37年以来の低い伸びにとどまった。

 統計では、北部から西部への人口の流れが示された。西部のユタ州、ネバダ州、アイダホ州などの人口増加率が上位を占めた一方、ニューヨーク州、ペンシルベニア州、イリノイ州の人口は大幅に減少した。中でもイリノイ州の人口減少が全米最大となった。

 ニューヨーク州の人口は1900人減の1970万人。人口高齢化が進む中で、退職後にフロリダ州など暖かい州に引っ越す移住者や、死亡者数が増えていることが背景にある。

 今年人口が最も伸びたのはユタ州で、約6万1000人(2%)増の310万人となった。ユタ大学で人口動態調査を率いるパメラ・パーリッチ氏は、ハイテク業界などの雇用拡大によって労働市場が引き締まり、住宅不足が起きる一方、就学者数が増えていると指摘した。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwi4s4CgvoTRAhXLabwKHdjdDrIQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582509572637104822&usg=AFQjCNHBmgG8T7gd7QskVMfDLwnmNVVCeA
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/766.html

[経世済民116] 「悪いトランプ」は杞憂か、劇場政治の罠、政策の振れ幅に覚悟必要 若い上司、年長者の生産性を低下させる恐れ「情動感染」 
視点:
「悪いトランプ」は杞憂か、劇場政治の罠

安井明彦みずほ総合研究所 欧米調査部長

[東京 21日] - ドナルド・トランプ氏は規格外の米国大統領として劇場型の政治を行う可能性が高く、政策の振れ幅には覚悟が必要だと、みずほ総合研究所の安井明彦・欧米調査部長は指摘する。

経済政策については、選挙公約通りならば「大きな政府」路線であり、伝統的に均衡財政を重視する共和党議会との亀裂が深まった場合には、民主党との協力画策もあり得ると見る。

同氏の見解は以下の通り。

<「良いトランプ」楽観は禁物>

トランプ氏の政策には、経済にプラスの要素(「良いトランプ」)とマイナスの要素(「悪いトランプ」)が混在している。この「2つのトランプ」のうち、市場は現在、「良いトランプ」に期待し、好反応を示していると言える。

ただ、今後は「悪いトランプ」が出てくることにも注意が必要だろう。

そもそもトランプ氏が掲げる優先政策分野には、税制改革やインフラ投資、規制緩和などの「良いトランプ」がある一方で、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や環太平洋連携協定(TPP)離脱、移民コントロール強化などの「悪いトランプ」が顔を並べている。

まず懸念されるのは、保護主義的な方向への通商政策の見直しだ。NAFTA再交渉により特恵税率が失われた場合の関税負担増は、米国がメキシコを上回ると見られる。また、自動車に対する関税引き上げは、メキシコに工場を持つ米系メーカーの収益を直撃する。

移民制度改革も気掛かりである。トランプ氏は、不法移民の本国送還を示唆し、厳格な移民政策を標榜しているが、移民は米国の重要な労働力だ。規制強化が移民減少につながれば、すでに完全雇用状態にある米国経済の成長余力を損ねることになろう。

さらに、「良いトランプ」であるはずの税制改革・インフラ投資についても、潜在成長率向上を伴わない大盤振る舞いに終われば、財政効果がいずれ消失したあとは、経済の失速を招き、膨大な財政赤字を残すだけとなる恐れがある。

ちなみに、市場にはトランプ次期大統領と1980年代のレーガン大統領の経済政策思想が似ているとの見方が多いが、両者には決定的な違いがある。貫く理念の有無である。

就任演説で「政府は問題の解決策ではない。政府こそが問題なのだ」と述べていたように、レーガン大統領には「小さな政府」という理念があった。確かに、トランプ氏が大規模な減税と歳出拡大を提案しているように、レーガン時代も拡張的な財政運営が行われた。しかし、レーガン政権の拡張財政はあくまでも結果論だ。

これに対してトランプ氏は、「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」以外、経済政策思想上の理念があるようには思えない。理念がないだけに、政策の先行きは読み難い。よく言えば柔軟だが、先入観にとらわれていると足をすくわれかねない。

<先入観を覆す閣僚人事>

トランプ次期政権については、分からないことが多すぎる。閣僚人事を見ても、複数のシグナルが混ざり合って方向性が読みにくい陣容になってきた。

そもそも、それがトランプ氏の計算によるものなのか、それとも同氏に協力したくない人が多い中で、切れるカードを組み合わせた結果なのか、あるいは個人的に気が合う人だけを集めた布陣なのか、真意が読み取りにくい。

これは、同氏の発言にも言えることだが、額面通り受け取るべきか、何か裏があると勘ぐるべきなのか距離感がつかめない。それゆえに国内外の政財界キーパーソンたちが「トランプ詣で」に熱を上げているのだろう。トランプ氏にさまざまなアイデアが提案されている状況は、同氏の術中にはまっている可能性もある。

そうしたなかでも、閣僚人事を見渡すと、いくつかの特徴は指摘できそうだ。まず軍経験者と金融業界出身者(特にゴールドマン・サックス元幹部)が多いことである。

軍人に関して言えば、対テロ政策に関心が強く、現場に明るい人選が行われた印象だ。特に次期国防長官に選ばれた元中央軍司令官のジェームズ・マティス氏は、「狂犬」という異名から日本では誤解されがちだが、極めて軍関係者の信頼が厚い人物である。米国自身の安全に直接関わる場合には、選択的に海外に介入していく展開もありそうだ。民主主義を広めるといった価値観的な外交には関心が薄そうだが、「トランプ政権=孤立主義」という先入観は正しくないかもしれない。

一方、スティーブ・ムニューチン次期財務長官らゴールドマン・サックス元幹部の起用は、トランプ氏が選挙中に繰り広げていたウォール街批判と矛盾している。また、米金融関係者はドル高・ドル安の是非については、市場や経済をにらみながら、柔軟に言動を変える傾向が強い。「トランプ政権=ドル安志向」という先入観も捨てた方がいいのかもしれない。

もっとも、共和党の主流路線に近づくのかと思えば、その他のポストでは極端な政策提案で知られる政治家たちを選んでいる。例えば、保健福祉長官にはオバマケア(医療保険制度改革)廃止法案の立案者であるトム・プライス下院議員、エネルギー長官には同省廃止を主張したことがあるリック・ペリー前テキサス州知事、環境保護局長官にはオクラホマ州司法長官として連邦政府の環境規制を訴訟に持ち込んだスコット・プルイット氏を指名した。

トランプ氏は、米国の外交政策について、「もっと予測不可能にならなければならない」と述べたことがある。外交政策に限らず、経済政策においても、その振れ幅は驚くほど大きくなりそうである。

<民主党がなびく可能性>

このように「不確実性の塊」のような大統領であるがゆえに、経済政策の具体的中身は予測し難いが、選挙中の発言などを見る限り、やはり財政政策の注目は、税制改革(減税)とインフラ投資になりそうだ。

トランプ政策の予想は脇に置いて、米財政政策のあるべき方向性を考えれば、規制緩和との合わせ技で、企業の投資を引き出していけるかだ。

米国だけではないが、先進国の最重要課題は生産性向上による潜在成長率引き上げである。財政政策の効果はいずれ消失する。生産性の伸びを高める民間投資や企業の経営事業改革が喚起されなければ、経済成長は続かない。また、極端な拡張財政は、市場金利上昇などを介して、民間投資を逆に冷え込ませる恐れがある。これを避けるためにはバランスの取れた財政政策運営が必要だ。

幸いにして、議会は上下両院ともバランスバジェット(均衡予算)を是とする共和党が過半数を握っている。「悪いトランプ」が顔を見せるのを止める役割を果たしてくれる可能性はある。

もっとも、トランプ氏は規格外の大統領であり、もしも大盤振る舞い(財源を無視した大幅減税やインフラ投資)にこだわるならば、共和党の分裂も恐れず、党内のシンパ作りに勤しむとともに、もともと「大きな政府」志向が強い民主党との協力画策に動くかもしれない。

民主党側でも、2018年の中間選挙に向け、トランプ氏に歩み寄る議員が出てくる可能性はある。そもそも次回の中間選挙で改選対象の上院議席は、共和党の8議席に対して、民主党は25議席もある。

しかも、その中には、民主党優勢と言われながら、今回の大統領選でトランプ氏が勝ったオハイオ、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、フロリダの5州が含まれる。民主党議員も、トランプ支持者を無視できないと考えるのが自然だろう。

民主党が支える共和党大統領――。そうした規格外の出来事すら起こりかねないのが、「トランプ大統領」ではないだろうか。

*本稿は、安井明彦氏へのインタビューをもとに、同氏の個人的見解に基づいて書かれています。

(聞き手:麻生祐司)

*安井明彦氏は、みずほ総合研究所・欧米調査部長。1991年東京大学法学部卒業後、富士総合研究所(当時)入社。在米日本大使館専門調査員、みずほ総研ニューヨーク事務所長などを経て、2014年より現職。主な著書に「アメリカ 選択肢なき選択」などがある。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの特集「2017年の視点」に掲載されたものです。

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若い上司、年長者の生産性を低下させる恐れ
フェイスブックのザッカーバーグCEO(2015年3月)
EDELSON/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By RACHEL EMMA SILVERMAN
2016 年 12 月 21 日 11:43 JST

 若い上司は、年長の従業員の満足度を低下させる可能性があり、ひいてはそれが企業の業績不振を招く恐れもあるという。

 ドイツの企業61社で働く従業員約8000人を対象に行った最近の研究によると、自分より若い上司を持つ従業員は、そうでない従業員に比べ、怒りや恐怖などガティブな感情を報告する件数が多かった。

 さらに、この研究からは、若い上司と年長の従業員という力関係が、間接的に組織としてのパフォーマンス低下につながり得ることがうかがえた。研究によると、従業員がネガティブな感情を多く報告していた企業は、財務状況や生産性を表すいくつかの指標で、そういった感情がほとんど認められなかった企業の数値を9%下回った。この研究は専門誌「Journal of Organizational Psychology」に掲載された。

 論文の共著者である独コンスタンツ大学のフロリアン・クンツェ教授は、自分より若い上司を持つことは、長年培われてきたキャリアや地位に関する常識に逆らうことになると指摘。それが、従業員が同僚や仕事自体に悪感情を抱くことにつながっている可能性があると述べた。

 少数の極端なケースだけでも、従業員にネガティブな感情を引き起こすきっかけになり得る。例えば、25歳の上司が60歳の部下を率いるというだけで、否定的な感情が企業全体に広がる可能性がある。クンツェ博士はこれを「情動感染」と呼ぶ。

 同教授は、このように「年齢が逆転した」上下関係、つまり若い上司が年長の部下を持つ関係は、より頻繁に見受けられるようになっていると述べる。その理由には、退職年齢の引き上げや、強制退職制度を持つ企業が減っていることのほか、企業が年功序列ではなくパフォーマンスに基づいた実力主義にシフトしていることがあるという。

 若い上司と年長の部下がいる企業が忍び寄る危機を回避する方法もある。同教授によると、例えば、リーダーシップ研修に投資し、若い上司が年長の部下をリードする方法を学ぶのを支援することなどだ。

 クンツェ教授は、「最近の研究によると、若い上司がこういった状況下で最もうまくやっていけるのは、彼ら上司が年長の部下との間に職務上の距離を置いた上で、部下に自主性を与え、明確な目標やゴールを設定した場合だ」と指摘している。

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http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/899.html

[経世済民116] 円安けん制しなかった黒田総裁120円超予想増える兆し 株価連続下落止まるランドやルーブル上昇 OPECアジア、シェア維持
Column | 2016年 12月 21日 08:17 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:円安けん制しなかった黒田総裁、120円超予想増える兆し

田巻 一彦

[東京 20日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁が20日、2%の物価目標達成を最優先に長期金利のゼロ%固定を長期化させる方針を明確化し、市場関係者の多くは日米長期金利のギャップ拡大に注目したようだ。

今後は米長期金利US10YT=RRの動向が円安・株高の行方を左右し、それが回りまわって日銀の金融政策スタンスにも影響を与える比重が高まる。円安けん制のなかった黒田発言を受け、中期的に1ドル120円超の円安進展を見込む参加者の声が多くなる気配だ。

<2%目標達成を最優先>

20日の会見の中で私が注目した発言は「2%の物価安定には距離」「現段階で円安が行き過ぎて問題になるとの見通しは持っていない」「(長期金利目標の引き上げの)具体的な議論をするのは時期尚早」の3つだ。

11月9日から12月20日までの間に、ドル/円JPY=EBSは16円超の円安が進んだが、黒田総裁はそのピッチの速さには言及せず、長期金利のゼロ%目標を2%の物価目標達成のためにかなりの期間据え置く覚悟を明確にしたと言える。

この会見を前に、一部の市場関係者の間では、1)長期金利のゼロ%固定を強調すると、円安が加速する、2)円安加速を懸念しているなら、長期金利目標の引き上げに関して何らかのシグナルを出す──との二者択一の見方が出ていた。

ある国内銀行の関係者は「黒田総裁の発言は、明らかに2%目標達成を優先することに置かれた。明確な円安容認だった」と述べる。

19日の欧米市場では、ロシアの駐トルコ大使が殺害されたほか、ベルリンでクリスマス市にトラックが突っ込んで少なくとも12人が死亡する事件が発生し、ドル/円はいったん117円前半まで下落していた。

ところが、日銀の政策維持が発表されてドルが買い戻され始め、黒田総裁の発言を受けていったん118円近辺まで上昇。その後、欧州市場の取引時間帯に118円前半まで水準を切り上げた。

<日米金利差拡大の流れ>

別の国内銀行の関係者は「ドル/円は、最もリスクが少なく収益を得られる取引になっている」と話す。黒田総裁の円安容認のニュアンスが予想よりも強く、円安がさらに進んでも、長期金利ゼロ%のピン止めに変化はないということが強く印象づけられたという。

また、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表されたドット・チャートでは、2017年の利上げ予想が従来の2回から3回に引き上げられ、米長期金利の上昇圧力が高まる方向にシフトした。

そこに今回の黒田発言が加わった。「この先、大きな環境変化が発生しない限り、日米金利差の拡大を前提に、ドル買い/円売りは最もリスクの低い取引」と冒頭の国内銀行関係者は解説する。

<米長期金利が最重要指標に>

ただ、この日の会見で黒田総裁も指摘していたように、トランプ次期米大統領の具体的な政策がどのように打ち出されるのかは、今後の展開を見守りつつ確認するしかない。仮に予想を下回る財政出動規模になりそうな展開となれば、3%を目指すとみられてきた米長期金利は一転して低下基調をたどり、円高方向に振れる可能性もある。

その意味で、米長期金利の動向こそが、市場動向を占う上で当面、最も重視するべきデータということになる。

仮に米長期金利が3%方向に上昇を継続すれば、ドル/円は120円台に乗せ、125円の壁も突破する可能性が高まる。

その時に予想されるのは、輸出企業の業績上方修正を予期した日経平均.N225の2万円台乗せであり、期待インフレ率の上昇だろう。

消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)は、17年前半に予想を上回る速いテンポで前年比プラス1%近辺まで上昇していることもあり得る。

黒田総裁は、このところの市場環境の急変を「向かい風がやんだ」と表現したが、上記のシナリオなら、かなり強い「追い風」が吹いていると言ってもいいだろう。

円安や株高の勢いがどうなるかは、米長期金利の動向が大きく影響する。東京市場では、ダウ.DJIより先に米長期金利のデータに目をやる参加者の割合が増えて来るのではないか。

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新興市場:株価の連続下落止まる−南ア・ランドやルーブル上昇
Dana El Baltaji、Ben Bartenstein
2016年12月21日 08:20 JST

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地政学的リスク、世界の市場に大きく影響せず
原油価格上昇でロシア・ルーブルやコロンビア・ペソが上昇

20日の新興市場では株価が前日までの4営業日続落の流れが止まり、他の世界の金融市場と同様に最近の地政学的ショックからの回復力を示した。通貨では南アフリカ共和国のランドと原油高を受けてロシア・ルーブルの上昇が目立った。
  MSCI新興市場指数は一時0.3%低下したが、ほぼ変わらずで終了。一方、新興市場通貨指数は0.1%下げた。ロシアの駐トルコ大使殺害やテロの可能性が指摘されるドイツでのトラック突入事件は世界の市場にさほど重大な影響を与えておらず、ホリデーシーズンを控えた薄商いの中でリスクオンの取引が再開されている。
MSCI新興市場指数は0.1%弱の上昇。中南米の株価指数の大半はほぼ変わらずだった。
MSCI新興市場通貨指数は0.1%低下。トルコ・リラは0.1%上昇。同国中央銀行は市場予想に反して主要政策金利を全て据え置いた。
北海ブレント原油価格上昇でロシア・ルーブルが上昇し、南ア・ランドも高い。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査によると、トランプ次期米大統領は来年、対ロシア経済制裁を緩和すると過半数が予想。
リサーチ
バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチはリポートで、投資適格級資産の投資家にとって2017年の最大の懸念は「政治におけるポピュリズム」と利回り上昇であり、投資不適格級資産投資家にとっての懸念は資産バブルと地政学的紛争だと指摘。  
原題:Emerging Stocks Halt Four-Day Slide as South African Rand Gains(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-20/OIIAPH6KLVR601


 


2016年12月21日 ロイター
OPECはアジア供給減に及び腰、シェア維持の思惑

12月19日、石油輸出国機構(OPEC)加盟国は輸出の3分の2を占めるアジアについて、市場シェアを維持したいとの思惑から供給削減に及び腰となっている。写真はOPECのロゴが描かれた旗。ウィーンで10日撮影(2016年ロイター/Heinz-Peter Bader)
[シンガポール19日ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)加盟国は輸出の3分の2を占めるアジアについて、市場シェアを維持したいとの思惑から供給削減に及び腰となっている。このため原油は在庫のだぶつきが長期化し、価格も上がりにくい状態が続きそうだ。

OPECの盟主サウジアラビアは、製油所向け供給削減で標的をアジアではなく米国と欧州に定める見通し。クウェートもサウジと同じ戦略を採り、OPEC第2の産油国イラクに至ってはアジア向けの輸出を増やす。

モルガン・スタンレーは19日の顧客向けノートで「欧米の製油所はサウジ、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)の各国から1月分の割り当て削減の通知を受け取った」と指摘した。

一方、日本、中国、韓国の製油所はロイターに対して、ほとんどの中東産油国から割り当て削減の通知は受け取っていないと明かした。唯一の例外はアブダビだが、これも契約限度内の小幅な削減だという。

産油国は1月から減産を実行に移すと、米国の石油会社が割り込んでシェアを奪うのではないかと危惧している。

しかしアジアは莫大な原油在庫を抱えるだけに、減産計画からの除外は原油在庫圧縮というOPECの戦略にとって痛手となりそうだ。

アグリトレード・エナジーのトレーディングヘッド、エン・ヒァン氏は「アジアで原油供給が細るのには時間が掛かりそうだ。私は来年の下半期頃と見込んでいる。今は供給過剰の状態だ」と話す。

エナジー・アスペクツのアナリストのビレンドラ・ショーハン氏によると、OPECは米国向けの供給を減らすことで、米産油業者がアジアへ輸出する代わりに国内需要を穴埋めするのを期待しているという。

アジアは原油供給が続く公算が大きいとみられるにもかかわらず、原油や精製品の在庫が高水準に達している。

トムソン・ロイター・アイコンのデータによると、シンガポールとマレーシア南部ジョホール州の沖合に停泊している大型タンカー約20隻が抱える原油在庫は計2600万─3000万バレルに上る。

アジアは陸上の在庫も豊富だ。中国の税務当局や統計局の月次データによると、中国の原油在庫は3月から10月にかけて平均で日量74万バレルと、過去2年間を上回るペースで増加した。

中国の10月の原油商業在庫は2億3980万バレルに達していた。韓国は3530万バレル。日本は最新の数字が9120万バレル。

仲介会社フィリップス・フューチャーズのジョナサン・チャン氏は、世界的に原油の過剰在庫は10億バレルを超えたままだと試算。「原油価格の一段の上昇を確実にするには、まずこうした在庫を一掃しなければならない」とした。

(Henning Gloystein記者)
http://diamond.jp/articles/-/112356
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/900.html

[環境・自然・天文板6] 大陸の出現:新しい仮説  Advent of Continents: A New Hypothesis 201
大陸の出現:新しい仮説 
Advent of Continents: A New Hypothesis
2016年9月27日 Scientific Reports 6 : 33517 doi: 10.1038/srep33517 (2016)
http://www.natureasia.com/figures/91790.jpg

本論文では、これまで予想されていなかった単純明快な関係を提示する。それは、海洋島弧である伊豆‐小笠原(ボニン)弧およびアリューシャン弧の、火山の下の地殻の厚さと噴出するマグマとの関係である。伊豆‐小笠原弧の南部とアリューシャン弧の西部(アダック島西部)に沿った火山の下には薄い(10-20km)地殻が存在する。これとは対照的に、伊豆‐小笠原弧北部とアリューシャン弧東部に沿った火山の下には35kmの厚さの地殻が存在する。興味深いことに、前者(薄い地殻)の火山の噴出物は安山岩マグマが多いが、後者(厚い地殻)の火山からは大部分は玄武岩溶岩が噴出している。(この関係に基づき)本論文で次の仮説を提示する。マントル・ダイアピル(マグマの源であるマントル)はマントルウェッジ内を上昇するが、その定置位置はその上にある地殻の厚さにより制御されており、地殻の直下で停止する(つまり、地殻直下のマントルが融解する)。地殻が薄いところでは、マントルウェッジ内の比較的低圧で(マントルの)融解が生じて(マントルで直接)安山岩マグマを生成する。地殻が厚いところでは、(マントルの)融解する圧力はより高く、(必然的に)玄武岩マグマのみが生成される。この仮説は以下の二点を意味している。(1)大陸地殻は、安山岩の平均組成を持つが、その成長速度は、地球上で沈み込みが始まった直後が最大となる。なぜなら、そのときは、地球上のほとんどの地殻が薄かったからである;(2)(地殻の厚い)大陸地殻で噴出する安山岩マグマの大部分は、もともとは(地殻の薄い)海洋島弧で生成された「初生」安山岩が、玄武岩マグマによって再融解して噴出した(リサイクルした)可能性がある。
Yoshihiko Tamura, Takeshi Sato, Toshiya Fujiwara, Shuichi Kodaira and Alexander Nichols
Corresponding Author
田村 芳彦
国立研究開発法人 海洋研究開発機構
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http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/abstracts/81618 

Advent of Continents: A New Hypothesis
• Yoshihiko Tamura
• , Takeshi Sato
• , Toshiya Fujiwara
• , Shuichi Kodaira
• & Alexander Nichols
• Scientific Reports 6, Article number: 33517 (2016)
• doi:10.1038/srep33517
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o Geochemistry
o Geology
o Petrology
Received:
06 January 2016
Accepted:
30 August 2016
Published online:
27 September 2016
Abstract
The straightforward but unexpected relationship presented here relates crustal thickness to magma type in the Izu-Ogasawara (Bonin) and Aleutian oceanic arcs. Volcanoes along the southern segment of the Izu-Ogasawara arc and the western Aleutian arc (west of Adak) are underlain by thin crust (10–20 km). In contrast those along the northern segment of the Izu-Ogasawara arc and eastern Aleutian arc are underlain by crust ~35 km thick. Interestingly, andesite magmas dominate eruptive products from the former volcanoes and mostly basaltic lavas erupt from the latter. According to the hypothesis presented here, rising mantle diapirs stall near the base of the oceanic crust at depths controlled by the thickness of the overlying crust. Where the crust is thin, melting occurs at relatively low pressures in the mantle wedge producing andesitic magmas. Where the crust is thick, melting pressures are higher and only basaltic magmas tend to be produced. The implications of this hypothesis are: (1) the rate of continental crust accumulation, which is andesitic in composition, would have been greatest soon after subduction initiated on Earth, when most crust was thin; and (2) most andesite magmas erupted on continental crust could be recycled from “primary” andesite originally produced in oceanic arcs.
Introduction
The Earth is the only planet in the solar system that contains both oceanic and continental crust1,2. Without its continents, the evolution of the Earth and the life that flourishes on it would have been very different. In Earth’s early history, when continental crust was sparse, Archean oceans would have occupied a large part of its surface area3,4. Devoid of continents, Earth would have been enveloped by a monotonous crust of basalt and covered by ocean.
Continental crust formation requires juvenile input from the mantle; its evolution also involves reworking of pre-existing continental crust. When the rate of Earth’s continental crust formation is discussed, however, it is crucial to distinguish between juvenile input from the mantle and internal recycling within the crust1. Moreover, what is the compositional variability of the juvenile input from mantle? The continental crust we observe on the surface of the Earth has been deformed, metamorphosed, and otherwise processed perhaps several times from its creation to the present. It is impossible to imagine what wild tuna fish looks like based on what you see when you open a can of processed tuna; the same might be said about juvenile versus mature continental crust. However, we believe that the genesis of andesite in general is the key to understanding juvenile continental crust formation. The ‘andesite model’5 suggests that subduction zones were always the dominant sites of continent generation based on the assumption that primary arc magmas were andesitic6,7. Similarly, Kelemen et al.8 stated that ‘our favored hypothesis is that continental crust was mainly produced by fractionation of olivine and clinopyroxene from primitive andesite….interaction between eclogite melts and highly depleted mantle peridotite yielded primitive andesite’. Kushiro9 reviewed the experimental studies for the origin of magmas in subduction zones, those produced by partial melting of mantle peridotite under hydrous conditions, and found that melt compositions range from olivine tholeiite (basalt) to magnesian andesite. However, most subduction zone magmas, particularly those erupted along oceanic arcs, are not andesitic10,11, and it is widely concluded that granitic rocks of the continental crust are produced by partial melting of pre-existing crust (requires two stage melt generation)12,13,14. Currently no consensus has been reached on whether the juvenile material from the mantle wedge involved in continental crust formation is basaltic and/or andesitic. This is despite the huge number of field studies and vast amount of related analytical data that have been collected to date. However, the unexpected relationships between crustal structure and magma types presented here suggest the existence of primary (mantle-derived) andesitic magma only when the overlying crust is thin.
Results
Izu-Ogasawara (Bonin) –Mariana Arc
Izu-Ogasawara-Mariana (IOM) system of arcs (also known as the Izu-Bonin-Mariana (IBM) arc system) is a typical oceanic arc produced by subduction of the Pacific Plate beneath the Philippine Sea Plate. The Izu-Ogasawara arcs extend from ~35°N near Tokyo in the north to ~24°N, the northern end of the Mariana arc in the south (Fig. 1a). Volume-weighted histograms of rock types from the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs (30.5°–35°N), north of Torishima, are bimodal10, with basalt and dacite-rhyolite predominating. Rhyolitic submarine calderas15 are located between basalt-dominant island volcanoes, and it is suggested that rhyolite volcanoes have no mantle roots beneath the crust16. Instead it is believed that the rhyolite magmas are produced by melting of the existing underlying Oligocene middle crust triggered by basalt dikes (reflector X17) that travel laterally from the neighboring basalt volcanoes16. Thus, rhyolitic caldera-forming volcanoes likely resulted from crustal melting, and are omitted from discussion in this paper. The spacing of basalt-dominant island volcanoes in the northern segment is greater (~100 km) than the spacing of mostly submarine volcanoes in the southern segment (~50 km) (Fig. 1b). Supplementary Table S1 provides the sources of the analytical data from Quaternary volcanoes in the Izu-Ogasawara arcs (locations shown in Fig. 1b) used in this study. The table also shows data from Oligocene volcanic rocks collected at Omachi seamount in the Ogasawara arc18 and Guam, Rota and Saipan in the Mariana forearc18,19. Geochemical data from the entire IOM system of arcs from the Oligocene to the present, plus thin-section photos and videos taken from JAMSTEC submersibles, are available on the GANSEKI database20.
Figure 1

(a) Bathymetric features of the Izu-Ogasawara (Bonin) arcs. Old seafloor (135–180 Ma) of the western Pacific Plate subducts beneath the active Izu-Ogasawara arcs at the Izu-Ogasawara Trench. The location of the present-day volcanic front is shown by arrows, and is divided into the northern segment, the Torishima area and the southern segment, along which the wide-angle seismic profile21 is shown in Fig. 1b. Copyright (2007) The Geological Society of America. Reproduced with permission of GSA Publications. (b) Seismic velocity image along the volcanic front of the Izu-Ogasawara arcs obtained by seismic refraction tomography21. The crust beneath the arc volcanoes in the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs is 32–35 km thick, which is twice as thick as the 16–21 km crust underlying the volcanoes in the southern segment. The crust beneath Torishima volcano has intermediate thickness between the northern and southern segments. Copyright (2007) The Geological Society of America. Reproduced with permission of GSA Publications. (c) The water depth and crustal thickness along the seismic profile, where densely deployed (~5 km spacing) ocean-bottom seismographs (OBSs) and a large air-gun array (~197 L) were used. The profile is along the volcanic front, but is just off the summits of the volcanoes. (d) Depth of water between arc-front volcanoes versus crustal thickness along the Izu-Ogasawara arcs. The northern segment is in shallower water and has thicker crust than the southern segment. Torishima is located and plots between them. The rectangle shows the range exhibited by the eastern Aleutian arc, east of Adak80.
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Differing crustal thicknesses and water depth
Kodaira et al.21 conducted active source wide-angle seismic studies for ~1,050 km along the volcanic front of the Izu-Ogasawara arcs (Fig. 1a–c). These studies provide unique along-strike images of arc crust and uppermost mantle to complement earlier, cross-arc lithospheric profiles22 and reveal the crust of the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs to be notably thicker than the crust of the southern segment. In the northern segment (left side of panel of Fig. 1b), the observed range of the crustal refraction phase, reflecting crustal thickness, is more than three times that of the southern section21. This difference indicates a considerable increase of crustal volume northward towards the Izu arc. Overall, the seismic image using these data shows that the largest volume of crust (~35 km thick) underlies the northern segment beneath Hachijo-jima, and that the smallest volume of crust (~10 km thickness) underlies the area between the Kayo and Suiyo seamounts in the southern segment, where the major tectonic line (the Sofugan tectonic line), dividing the Izu and Ogasawara arcs, crosses the volcanic front21. This 10-km-thick crust represents the thinnest arc-crust thickness reported anywhere on Earth21. Crustal thicknesses underlying each volcano in Fig. 1b are shown in Supplementary Table S1. All volcanoes along the southern segment, except for Sofugan and Nishinoshima, are submarine, and the crust underlying Nishinoshima is only 21 km thick. Nishinoshima, therefore, is one of the closest arc volcanoes to the mantle on Earth. The crust beneath Torishima volcano has a thickness of 25 km, which is intermediate between the northern and southern segments (Fig. 1b). Figure 1c shows the water depth and crustal thickness along the seismic profile, which was obtained using densely deployed (~5 km spacing) ocean-bottom seismographs (OBSs) and a large air-gun array (~197 L). The profile is along the volcanic front, but is just off the summits of volcanoes. Based on the profile, the depth of water at the spaces between arc-front volcanoes is shown versus the crustal thickness along the Izu-Ogasawara arcs in Fig. 1d. Tamura et al.23 showed that Quaternary volcanoes in NE Japan are generally underlain by topographically elevated basement rocks, which reflect ongoing uplift of the underlying basement rocks by magmatic intrusions. Thus, the water depth at the spaces between volcanoes along the volcanic front is more suitable to see the relationship between the water depth of the seafloor and crustal thickness. The northern segment is in shallower water depths and has thicker crust than the southern segment, suggesting that the depth of water over the arc massif is related to crustal thickness via isostacy. Torishima is located and plots between the two segments.
Water depth along the Aleutians and possible crustal thickness
Figure 2 shows the bathymetric features of the Aleutian arc system. The red line in Fig. 2a defines the bathymetry section shown in Fig. 2b, passing through the Aleutian arc volcanoes, from Piip submarine volcano in the west to Pavlof volcano on the Alaska Peninsula in the east. The water depths between volcanoes change drastically from the western Aleutians (west of Adak, 2,000–4,000 m) to the eastern Aleutians (east of Adak, 0–500 m). The range of water depths (<500 m) and crustal thicknesses (35–37 km) east of Adak are shown as a rectangle in Fig. 1d, and are consistent with the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs. The crustal thickness west of Adak is not independently known. However, Fig. 1d suggests, based on the water depth between arc front volcanoes, that it could be similar to the thickness beneath the southern segment of the Izu-Ogasawara arcs, which is about 10–20 km thick (Fig. 2).
Figure 2

(a) Bathymetric features of the Aleutian arc system. The red line in the bathymetric map indicates the location of the bathymetry profile shown in Fig. 2b. The Generic Mapping Tools (GMT) software (version 4.5, https://www.soest.hawaii.edu/gmt) was used in the bathymetric data processing. Bathymetry is taken from ETOPO181(http://www.ngdc.noaa.gov/mgg/global/global.html, date of access:09/03/2016). (b) Bathymetry of the Aleutian arc through the arc volcanoes, from Piip submarine volcano in the west to the Pavlof volcano on the Alaska Peninsula in the east. The bathymetric data were sampled at intervals of 0.015° (~1.1 km) along the track from ETOPO181(http://www.ngdc.noaa.gov/mgg/global/global.html, date of access:09/03/2016). The water depths between volcanoes change drastically from the western Aleutian arc (west of Adak, 2,000–4,000 m) to the eastern Aleutian arc (east of Adak, 0–500 m).
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Different Magma Chemistry
Figure 3 shows histograms of SiO2 abundances from Quaternary volcanoes along, (a) the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs and Torishima, (b) the Aleutian arc, east of Adak24, (c) the southern segment of the Izu-Ogasawara arcs, (d) the Aleutian arc, west of Adak24, and (e) Oligocene lavas from the IOM system of arcs. Five Quaternary volcanoes along the northern segment (Fig. 3a) of the Izu-Ogasawara arcs, eight Quaternary volcanoes along the southern segment (Fig. 3c), and Oligocene lavas from the IOM system of arcs (Fig. 3e) are based on data from references contained in Supplementary Table S1. Basalt lavas (<53 wt. % SiO2) are the dominant eruptive products in the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs, Torishima and east of Adak, but andesites (53–63 wt. % SiO2) show major peaks in the southern segment of the Izu-Ogasawara arcs and the western Aleutian arc (west of Adak). Counter-intuitively, magmas passing through thin crust, rather than thick crust, are andesitic (Fig. 1d). Oligocene lavas from the IOM system of arcs are similar to those of the southern segment of the Izu-Ogasawara arcs and west of Adak, tending to be more SiO2-rich, and having unimodal peaks of andesitic compositions ranging from 55 to 65 wt. % SiO2 (Fig. 3e).
Figure 3

Number-of-analyses histograms of SiO2 content from Quaternary volcanoes along, (a) the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs and Torishima, (b) Aleutian arc, east of Adak24, (c) the southern segment of the Izu-Ogasawara arcs, (d) Aleutian arc, west of Adak24, and (e) Oligocene lavas from the IOM system of arcs. Basalt lavas (<53 wt. % SiO2) are dominant eruptive products in the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs, at Torishima and east of Adak, but andesites (53–63 wt. % SiO2) show major peaks in the southern segment of the Izu-Ogasawara arcs, west of Adak, and in the IOM arcs during the Oligocene.
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FeO*(total iron as FeO)/MgO vs. SiO2 diagrams show the contrast between lava compositions from the northern and southern segments of the Izu-Ogasawara arcs (Fig. 4a–f), and between the northern segment and the Oligocene IOM system of arcs (Fig. 4g,h). FeO*/MgO and the corresponding values of molar Mg# [100Mg/(Mg + Fe)] are shown on the vertical axes. Primary basaltic magmas from the Mariana arc25,26 and the bulk continental crust27 are also plotted. Figure 4 shows that lavas from the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs have significantly lower SiO2 contents than those from the southern segment and the Oligocene IOM arcs at similar FeO*/MgO and molar Mg#. In other words, silica contents are different at the same differentiation indices reflecting crystal fractionation of olivines and pyroxenes. According to the Miyashiro definition28, most lavas from the northern segment are defined as tholeiitic basalts (lower SiO2 at a given FeO*/MgO and Mg# or molar Mg/(Mg + Fe)), whereas those from the southern segment are calc-alkaline andesites (higher SiO2 at the same FeO*/MgO or Mg#). Torishima, located between the segments, has features of both, containing tholeiitic and strongly calc-alkaline lavas.
Figure 4

Variation diagrams of SiO2 (wt. %) vs FeO*/MgO ratios for lavas from (a,b) the northern segment of the present Izu-Ogasawara arcs, (c,d) Torishima, (e,f) the southern segment of the present Izu-Ogasawara arcs, and (g,h) the Oligocene Izu-Ogasawara-Mariana arcs. FeO*; total iron as FeO.
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The western Aleutian arc, west of Adak, has many strongly calc-alkaline andesites, including a large number of primitive andesites (Mg# >0.6)24,29. The average composition of lavas from the western Aleutian arc is the most similar to continental crust of any average oceanic arc lava composition worldwide24,29. Furthermore, isotope data from the western part of the Aleutian arc preclude recycling of components from subducted, continentally-derived sediments24,29. Thus, primitive andesites are being extracted directly from the mantle (and perhaps subducting oceanic crust) to form juvenile continental crust in the western Aleutians24,29.
Thickness of crust and mantle melting
Mantle-derived (primary) magma stalls and accumulates in crustal magma chambers, which results in crystal fractionation of phenocryst phases and assimilation of wall rocks30,31. It seems logical, therefore, that thicker crustal sections would provide greater opportunities for magma differentiation and more evolved compositions would erupt above such crust. The unexpected relationship observed for the Izu-Ogasawara arcs and the Aleutian arc is that SiO2 content at a given Mg# is higher where the crust is thinner (Figs 1, 2, 3, and 4). Moreover, the immature arc lavas produced by the IOM system of arcs in the Oligocene are similarly enriched in SiO2 at a given Mg# compared to lavas from the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs above thicker crust (Figs 3 and 4). The crustal thickness in the Oligocene is not really known, and subsequent rifting and extension will have thinned the crust, as represented by the southern segment of the Izu-Ogasawara arc32. However, we can estimate the crustal thickness in the Oligocene based on the crustal evolution of the Izu-Ogasawara arcs33. Kodaira et al.33 show that once steady state subduction had been established, the arc crust evolved through continuous thickening from the Eocene to the present. Thus, the Oligocene crust could have been much thinner than the crust presently underlying the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs.
These lines of evidence indicate that the thickness of the crust in the oceanic arc influences mantle melting and the production of primary andesitic magmas rather than the extent of differentiation of similar primary basalt magmas. Thus we further explore the assumption that the thickness of the crust influences mantle melting.
Primary magmas
Unfortunately, arc lavas are characteristically evolved, multiply-saturated, and rich in phenocrysts. As shown in Fig. 4, primitive arc magmas, representing magmas still nearly in equilibrium with mantle peridotite (FeO*/MgO <1.0 and Mg# ~70), are rare in the Izu-Ogasawara arcs. New research strategies, in particular those focusing on the lower flanks of intra-oceanic arc volcanoes using remotely operated vehicles (ROVs), are allowing us to sample magmas that may have bypassed crustal magma chambers25,26. For example the ability to collect primitive magmas from the submarine flanks of Pagan and NW Rota-1 volcanoes in the Mariana arc at ~2,000 m below sea level permitted the estimation of primary magmas compositions that are in equilibrium with the underlying mantle peridotite (Fig. 4). These primary magmas are basaltic in composition, and most differentiated basalts and basaltic andesites of the Izu arc can be explained by olivine, clinopyroxene and plagioclase fractionation from similar basaltic progenitors34,35. By using the chemical composition of primitive NW Rota-1 basalts, the primary basalt magmas were estimated to have segregated from their mantle source region at pressures of 1.5–2.0 GPa (equivalent to depths of 50–65 km)25. These depths are similar to the equilibration depths of 34–87 km estimated for hydrous melts beneath the Mariana volcanic arc based on thermobarometry36. Thus, we have not seen primary magmas that have been produced at shallower depths (<30 km) in the mantle wedge in the IOM system of arcs.
Why are basaltic rocks currently so rare in the southern segment of the Izu-Ogasawara arcs, the western Aleutians, and in the IOM arcs during the Oligocene, in spite of their thin and, in the case of the Oligocene IOM arcs, immature crust (Figs 1d and 3)? Primary magmas of calc-alkaline andesites have not yet been collected from the submarine flanks of the volcanoes in these parts of the arcs, except for some primitive andesites from the western Aleutians. However, calc-alkaline magmas and high Mg# andesites could not be produced from basaltic primary magmas through crystal fractionation, but they instead could be produced from andesitic primary magmas8,37,38,39. A shallow mantle origin for primitive andesites, and an arc origin for continental crust, seems to be consistent with data from the Aleutians8,24.
Primitive andesites are also present in the eastern Aleutian arc, most notably at Recheshnoi Volcano on Umnak Island, where the crustal thickness is known. However, the andesites from Recheshnoi volcano with Mg# of ~0.7 are from rock unit Qrq, a postglacial, quartz- and olivine-bearing, high-MgO hypersthene andesite that clearly represents a mixed magma40, which is different from the primitive andesites in the western Aleutians.
Water alone is not enough to produce primary andesite
In hydrous conditions the silica content of magmas formed by partial melting of mantle peridotite increases41,42,43. Moreover, the presence of H2O increases the depth range over which tholeiite and other relatively silica-enriched magmas can be formed by partial melting of mantle peridotite44,45,46,47,48. Experimental melts of lherzolite KLB1 at 1.0 GPa are basaltic (SiO2, 50~53 wt. %) with lower H2O contents and become more silica-rich and high-magnesia andesitic at higher H2O contents49,50. Gaetani & Grove51 conducted detailed experiments to determine compositions of melts in equilibrium with lherzolite mineral assemblages at 1.2–2.0 GPa with up to 12 wt. % H2O in the melts. They showed that both SiO2 activity and SiO2 content (anhydrous base) of melts increase with greater amounts of dissolved H2O. However, the increase in the SiO2 content in partial melts is significantly less than would be necessary to produce andesitic magmas from partial melting of hydrous mantle peridotite51.
Melt inclusions within olivines in high Mg#, calc-alkaline andesites from near Mt. Shasta, California, USA, contain 3–6 wt. % H2O, not the 10–14 wt. % H2O that would be required to stabilize andesite in equilibrium with olivine + orthopyroxene at 1 GPa52. However, erupted andesites may have lost 6–8 wt. % H2O during mid-crustal degassing in a magma chamber, prior to entrapment of the melt inclusions, and so the inclusions may not retain the originally higher H2O contents of the parental magma. Such extreme H2O-loss from a melt (or melt inclusion), however, would induce considerable amounts of multi-phase crystallization that is not observed52. Theoretically, H2O, K2O and Na2O all displace the composition of melts in equilibrium with mantle olivine + orthopyroxene to higher SiO2 contents at a given pressure e.g. refs 43 and 47. However, mantle-derived primary andesites imply magma generation processes related to the presence of refractory harzburgite only in the shallow mantle (<1 GPa).
Depths of segregation of primary magmas and their compositions
The mantle wedge in subduction zones is hydrous because of the addition of hydrous fluid from the subducting slab. Moreover, the differences of subduction components (hydrous carbonatite melt versus hydrous silicate melt) do not have a strong influence on major element compositions25,26. Thus, the effect of pressure could be the most important factor controlling mantle phase relations and the production of primary magmas with different major element compositions.
Figure 5 shows the schematic effect of pressure on forsterite-enstatite equilibria in hydrous conditions. Similar diagrams can be seen in many petrology textbooks, based on high-pressure experiments under dry conditions53. Primary magmas in equilibrium with magnesian olivine and orthopyroxene become progressively more silica-rich or silica-poor with decreasing and increasing depths, respectively. A) At high pressure (>~1 GPa) and in hydrous conditions, congruent melting of magnesian orthopyroxene results in only primary basalt melt. B) At lower pressure (<~1 GPa) and in hydrous conditions, the liquidus field of forsterite expands relative to that of enstatite with the consequence that at some point, enstatite melts incongruently to produce primary andesite melt.
Figure 5: Schematic illustration of the effect of pressure on forsterite-enstatite equilibria in the hydrous environment.

Primary magmas in equilibrium with magnesian olivine and magnesian orthopyroxene become progressively more silica-rich with decreasing depth53. (a) At high pressure and in hydrous conditions, congruent melting of magnesian orthopyroxene results in primary basalt melt. (b) At lower pressure and in hydrous conditions the liquidus field of forsterite expands relative to that of enstatite, with the result that, at some point, enstatite melts incongruently to produce primary andesite melt. (c) Schematic illustration showing primary basalt and andesite magmas and their possible fractionation trends.
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The schematic illustration in Fig. 5c shows primary basalt and andesite magmas and their possible fractionation trends. Most basalts and basaltic andesites of the northern segment of the Izu-Ogasawara arcs and the eastern Aleutian arc could be produced from primary basalt magmas through crystal fractionation. On the other hand, basaltic lavas are rare in the southern segment of the Izu-Ogasawara arcs and western Aleutian arc where the crust is thin, and in the IOM arc system during the Oligocene (Fig. 3) when the crust was thin. It is possible that the calc-alkaline andesites or high Mg# andesites in these arcs were produced by crystal fractionation of primary andesite magmas, not primary basalt magmas.
There may be regions in the upper mantle beneath arcs that are not composed of peridotite, but instead have been transformed to pyroxenite via reaction with relatively SiO2-rich magmas. The SiO2-rich magma reactants may form either during cooling and crystal fractionation in the shallow mantle54,55 or by melting of subducting basalt and sediment, followed by transport in diapirs to the shallow mantle, together with reaction between the melt and mantle at high melt/rock ratios55,56,57. Based on the phase diagrams, however, modal volume change of the source mantle via reaction with relatively SiO2-rich magmas does not change our conclusions that olivine exists in the source mantle (Fig. 5a,b). Although some areas of the mantle wedge of subduction zones could be completely transformed to pyroxenite in which there are no olivines, such extreme transformation while ubiquitous will be minimal in volume.
Crustal thicknesses control the stall-depths of mantle diapirs and thus the composition of primary magmas
Where the crust is thin, mantle diapirs can ascend to shallower depths below the crust and segregate primary magmas (Fig. 6). Magmas in equilibrium with mantle peridotite at low pressure (<~1 GPa) and in hydrous conditions are andesitic in composition (Fig. 5b) and can readily evolve into continental crust type (calc-alkaline andesite) magmas (Fig. 5c). In contrast, where the crust is thick, mantle diapir ascent is attenuated at greater depths and primary magmas segregate at higher pressures (Fig. 6). Under increased pressure (>~1 GPa), the liquidus field of forsterite shrinks relative to that of pyroxene (Fig. 5a) even under hydrous conditions. Thus the eutectic melt becomes poorer in silica content. All magmas in equilibrium with mantle peridotite at higher pressures could be basaltic in composition, as we have estimated for the Mariana arc25,26; these magmas cannot evolve directly into calc-alkaline andesite (continental crust) (Fig. 5c). The hypothesis proposed here, that primitive andesites originated from shallow mantle melting and continental crust formed in an arc setting, is consistent with data from the Aleutians24.
Figure 6: Along-arc variation of crustal thicknesses along the Izu-Ogasawara arcs.

Partial melting of mantle wedge can result in the production of mantle diapirs, which ascend into the mantle wedge. Where the crust is thin, these diapirs could rise to shallower depths than where the crust is thick. The pressure where primary magmas separate from mantle peridotite would therefore be low where the crust is thin and higher where the crust is thick. In the former scenario andesite primary magmas are produced through incongruent melting of magnesian pyroxene; in the latter primary basalt magmas are produced through congruent melting of the same starting material. The Early Earth, the IOM arcs during the Oligocene, the western Aleutian, west of Adak, could have been similar to the southern segment of the Izu-Ogasawara arcs.
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However, the thin crust does not result in the melting of the shallow mantle beneath the crust when the temperature is below its solidus. Moreover, basaltic magmas could be produced at higher pressures within the mantle wedge even when the overlying crust was thin. In short, a lack of primitive andesites or the presence of basaltic magmas from volcanoes on thin crust does not necessarily contradict the hypothesis presented here. We, however, expect that volcanoes on the thicker crust will tend to produce more basaltic magmas and cannot produce primitive andesites. This is consistent with the observations from the northern segment of the Izu-Ogasawara arc and east of Adak in the Aleutian arc (Figs 3 and 4).
Implications for andesite genesis in continental arcs
The petrological features of andesite and dacite lavas erupted from Daisen volcano in SW Japan during the last million years can be attributed to ‘anti-fractionation’, in which episodes of heating (and remelting) of solidified andesite protolith produced the compositional variations observed in the volcanic rocks at the surface58. This model proposes that andesite and dacite eruptions were triggered by the influx of hot basalt magmas from the mantle, which reheated, softened and reactivated crustal andesite magma bodies at depth, permitting them to erupt. Reheating and remobilization of calc-alkaline magmas has been envisaged in the Adamello massif, Italy59, Lascar volcano, Chile60, and Soufriere Hills volcano, Montserrat61,62,63. Price et al.64present a model for the generation of Ruapehu andesitic magmas in New Zealand and the evolution of crust in that continental subduction setting. This example demonstrates that, in continental andesite volcanoes, whole-rock compositions are not necessarily direct analogues for melt compositions65,66,67,68,69,70,71. Segregation of partial melt from restite crystals produces magma of rhyolitic composition. Partial melting of previously emplaced, intermediate calc-alkaline rocks can produce the chemical compositions of the silicic group of the voluminous Tiribi Tuff (~25 km3) in Central Costa Rica72. The Izu arc is characterized by bimodal, basalt-rhyolite, magmatism, and rhyolite could be produced by dehydration melting of solidified hydrous calc-alkaline andesite in the arc crust10,16. Yogodzinski & Kelemen73,74 show that strongly calc-alkaline magmas in the Aleutians, with evidence for magma mixing, incorporate a primitive mantle-derived andesite or dacite endmember.
Most andesitic and silicic magmas erupted on continental crust and thick oceanic crust (>30 km) could therefore be recycled from “primary” andesite previously produced in oceanic arcs when the crust was thin.
Implications for continental crust formation
Plate tectonics processes may have initiated at about 3.8 Ga1,75,76, and the volume of continental crust may have progressively increased from that early time. This is very controversial, however, as can be seen from inspection of Fig. 1 of Korenaga76. Stern and Scholl77 refute the arguments that continental crust volume has increased with time since plate tectonics began. The southern segment of the Izu-Ogasawara arcs and the western Aleutian arc where the crust is ~10–20 km thick, however, could be an analogue for an early stage subduction zone. Bulk arc crust is different from bulk continental crust, as suggested by many authors14,21,78. However, arc-arc collision such as at the Tanzawa mountains in Japan, delaminates lower crust from the upper and middle crust, resulting in andesitic bulk composition18,79. Thus, subduction involving thin crust produces andesite, which is the material of continental crust, and subsequent arc-arc collisions accumulate these materials to produce continents. It is therefore suggested that a “stockpile” of continental crust (andesitic magma) was produced when most crust was thin.
However, it should be noted that it has taken about 50 and 40 million years for the Izu-Ogasawara arcs and the Aleutian arc, respectively, to attain their current thicknesses. The thicker, Kohistan arc crust exposed in northern Pakistan formed in 50 to 70 million years. These time spans are small compared to the duration of the Archean and Proterozoic eras. There was plenty of time to form thick arc crust in the early Earth. On the other hand, it could be argued that, in a hotter early Earth, the extents of melting were higher in mantle plumes, beneath spreading ridges, and in arcs. If so, perhaps the crust in such settings was generally thicker, rather than thinner, compared to the present day. Thus, the production of continental crust might have been impossible in the early Earth if the oceanic crust had been thick.
Discussion
The relationship between crustal thickness and magma compositions in the Izu-Ogasawara arcs and the Aleutian arc suggests that shallow mantle melting in hydrous conditions is crucial for the genesis of andesitic magmas. Moreover, andesite is produced only when the crust is thin, thus only in oceanic arcs. If so, most andesite magmas erupted on continental crust could be recycled from “primary” andesite previously produced in oceanic arcs. A “stockpile” of continental crust (andesitic magma) might be produced when most crust was thin. Although the crustal thickness in the early Earth is quite controversial, the rate of continental crust accumulation might have been greatest early in Earth’s history when subduction was initiated and if the initial crust was thin. On the other hand, if the crust was generally thicker, rather than thinner, compared to the present day, the production of continental crust might have been impossible in the early Earth.
Additional Information
How to cite this article: Tamura, Y. et al. Advent of Continents: A New Hypothesis. Sci. Rep. 6, 33517; doi: 10.1038/srep33517 (2016).
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Wright, I. C., Worthington, T. J. & Gamble, J. A. New multibeam mapping and geochemistry of the 30°–35° S sector and overview of southern Kermadec arc volcanism. J. Volcanol. Geotherm. Res.149, 263–296 (2006).
o + Show context
o
 CAS
 Article
12. 12.
Annen, C., Blundy, J. D. & Sparks, R. S. J. The genesis of intermediate and silicic magmas in deep crustal hot zones. J. Petrol. 47, 505–539 (2006).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
13. 13.
Bedard, J. H. A catalytic delamination-driven model for coupled genesis of Archaean crust and slab-continental lithospheric mantle. Geochim. Cosmochim. Acta 70, 1188–1214 (2006).
o + Show context
o
 CAS
 Article
14. 14.
Tatsumi, Y. et al. Structure and growth of the Izu-Bonin-Mariana arc crust: 2. Role of crust-mantle transformation and the transparent Moho in arc crust evolution. J. Geophys. Res. 113, B02203, doi: 10.1029/2007JB005121 (2008).
o + Show context
o
 CAS
 Article
15. 15.
Fiske, R. S., Naka, J. Iizasa, K., Yuasa, M. & Klaus, A. Submarine silicic caldera at the front of the Izu-Bonin arc, Japan: voluminous seafloor eruptions of rhyolite pumice. Geol. Soc. Amer. Bull. 113, 813–824 (2001).
o + Show context
o
 CAS
 Article
16. 16.
Tamura, Y. et al. Silicic magmas in the Izu-Bonin oceanic arc and implications for crustal evolution. J. Petrol. 50, 685–723 (2009).
o + Show context
o
 CAS
 Article
17. 17.
Kodaira, S. et al. Seismological evidence for variable growth of crust along the Izu intraoceanic arc. J. Geophys. Res. 112, B05104, doi: 10.1029/2006JB004593 (2007).
o + Show context
o
 Article
18. 18.
Tamura, Y. et al. Missing Oligocene crust of the Izu-Bonin arc: consumed or rejuvenated during collision? J. Petrol. 51, 823–846 (2010).
o + Show context
o
 CAS
 Article
19. 19.
Reagan, M. K. et al. Petrogenesis of volcanic rocks from Saipan and Rota, Mariana Islands, and implications for the evolution of nascent island arcs. J. Petrol. 49, 441–464 (2008).
o + Show context
o
 CAS
 Article
20. 20.
JAMSTEC. Deep Seafloor Rock Sample Database (GANSEKI).http://www.godac.jamstec.go.jp/ganseki/e (2010) (Date of access: 22/11/2014).
o + Show context
21. 21.
Kodaira, S. et al. New seismological constraints on growth of continental crust in the Izu-Bonin intra-oceanic arc. Geology 35, 1031–1034 (2007).
o + Show context
o
 Article
22. 22.
Suyehiro, K. et al. Continental crust, crustal underplating, and low-Q upper mantle beneath an oceanic island arc. Science 272, 390–392 (1996).
o + Show context
o
 CAS
 Article
23. 23.
Tamura, Y., Tatsumi, Y., Zhao, D., Kido, Y. & Shukuno, H. Hot fingers in the mantle wedge: new insights into magma genesis in subduction zones. Earth Planet. Sci. Lett. 197, 105–116 (2002).
o + Show context
o
 CAS
 Article
24. 24.
Kelemen, P. B., Yogodzinski, G. M. & Scholl, D. W. Along-strike variation in the Aleutian island arc: genesis of high Mg# andesite and implications for continental crust. In Inside the Subduction Factory (ed. Eiler, J.) Geophysical Monograph 138, 223–276 (2003).
o + Show context
o
 CAS
25. 25.
Tamura, Y. et al. Two primary basalt magma types from Northwest Rota-1 volcano, Mariana arc and its mantle diapir or mantle wedge plume. J. Petrol. 52, 1143–1183 (2011).
o + Show context
o
 CAS
 Article
26. 26.
Tamura, Y. et al. Mission immiscible: distinct subduction components generate two primary magmas of Pagan volcano, Mariana arc. J. Petrol. 55, 63–101 (2014).
o + Show context
o
 CAS
 Article
27. 27.
Rudnick, R. L. & Gao, S. Treatise on Geochemistry Vol. 3 (ed. Rudnick, R. L.) Ch. 3.01 Composition of the Continental Crust, 1–64 (Elsevier, 2003).
o + Show context
28. 28.
Miyashiro, A. Volcanic rock series in island arcs and active continental margins. Amer. J. Sci. 274, 321–355 (1974).
o + Show context
o
 CAS
 Article
29. 29.
Kelemen, P. B. & Behn, M. D. Formation of lower continental crust by relamination of buoyant arc lavas and plutons. Nature Geosci. 9, 197–205 (2016).
o + Show context
o
 CAS
 Article
30. 30.
Davidson, J. P., Hora, J. M., Garrison, J. M. & Dungan, M. A. Crustal forensics in arc magmas. J. Volcanol. Geotherm. Res. 140, 157–170 (2005).
o + Show context
o
 CAS
 Article
31. 31.
Finney, B. et al. Magmatic differentiation at an island-arc caldera: Okmok volcano, Aleutian Islands, Alaska. J. Petrol. 49, 857–884 (2008).
o + Show context
o
 CAS
 Article
32. 32.
Ishizuka, O. et al. The timescales of subduction initiation and subsequent evolution of an oceanic island arc. Earth Planet. Sci. Lett. 306, 229–240 (2011).
o + Show context
o
 CAS
 Article
33. 33.
Kodaira, S., Noguchi, N., Takahashi, N., Ishizuka, O. & Kaneda, Y.Evolution form fore-arc oceanic crust to island arc crust: a seismic study along the Izu-Bonin fore arc. J. Geophys. Res. 115, doi: 10.1029/2009JB006968 (2010).
o + Show context
34. 34.
Tamura, Y. et al. Are arc basalts dry, wet, or both? Evidence from the Sumisu caldera volcano, Izu-Bonin arc, Japan. J. Petrol. 46, 1769–1803 (2005).
o + Show context
o
 CAS
 Article
35. 35.
Tamura, Y. et al. Wet and dry basalt magma evolution at Torishima volcano, Izu-Bonin arc, Japan: the possible role of phengite in the downgoing slab. J. Petrol. 48, 1999–2031. (2007).
o + Show context
o
 CAS
 Article
36. 36.
Kelley, K. A. et al. Mantle melting as a function of water content beneath the Mariana arc. J. Petrol. 51, 1711–1738 (2010).
o + Show context
o
 CAS
 Article
37. 37.
Tamura, Y. Genesis of island arc magmas by mantle-derived bimodal magmatism: evidence from the Shirahama Group, Japan. J. Petrol. 35, 619–645 (1994).
o + Show context
o
 CAS
 Article
38. 38.
Tamura, Y. Liquid Lines of descent of island arc magmas and genesis of rhyolites: evidence from the Shirahama Group, Japan. J.Petrol. 36, 417–434 (1995).
o + Show context
o
 CAS
39. 39.
Tamura, Y. & Nakamura, E. The arc lavas of the Shirahama Group, Japan: Sr and Nd isotopic data indicate mantle-derived bimodal magmatism. J. Petrol. 37, 1307–1319 (1996).
o + Show context
o
 CAS
 Article
40. 40.
Miller, D. M., Langmuir, C. H., Goldstein, S., L. & Franks, A. L. The importance of parental magma composition to calc-alkaline and tholeiitic evolution: evidence from Umnak island in the Aleutians. J. Geophys. Res. 97, 321–343 (1992).
o + Show context
o
 CAS
 Article
41. 41.
O’Hara, M. J. Primary magmas and the origin of basalts. Scotland J. Geol. 1, 19–40. (1965).
o + Show context
o
 CAS
 Article
42. 42.
Kushiro, I., Yoder, H. S. & Nishikawa, M. Effect of water on melting of enstatite. Geol. Soc. Amer. Bull. 79, 1685–1692 (1968).
o + Show context
o
 CAS
 Article
43. 43.
Kushiro, I. The system forsterite-diopside-silica with and without water at high-pressures. Amer. J. Sci. 267A, 269–294 (1969).
o + Show context
44. 44.
Kushiro, I. & Sato, H. Origin of some calc-alkalic andesites in the Japanese Islands. Bull. Volcanol. 41, 576–585 (1978).
o + Show context
o
 CAS
 Article
45. 45.
Tatsumi, Y. Melting experiments on a high-magnesian andesite. Earth Planet. Sci. Lett. 54, 357–365 (1981).
o + Show context
o
 CAS
 Article
46. 46.
Nichols, I. A. & Ringwood, A. E. Production of silica-saturated magmas in island arcs. Earth Planet. Sci. Lett. 17, 243–246 (1972).
o + Show context
o
 Article
47. 47.
Kushiro, I. Melting of hydrous upper mantle and possible generation of andesitic magma: An approach from synthetic systems. Earth Planet. Sci. Lett. 22, 294–299 (1974).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
48. 48.
Ringwood, A. E. The petrological evolution of island arc systems. J. Geol. Soc. 130, 183–204 (1974).
o + Show context
o
 Article
49. 49.
Hirose, K. & Kawamoto, T. Hydrous partial melting of lherzolite at 1 GPa: the effect of H2O on the genesis of basaltic magmas. Earth Planet. Sci. Lett. 133, 463–473 (1995).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
50. 50.
Hirose, K. Melting experiments on lherzolite KLB-1 under hydrous conditions and generation of high-magnesian andesitic melts. Geology 25, 42–44 (1997).
o + Show context
o
 CAS
 Article
51. 51.
Gaetani, G. A. & Grove, T. L. The influence of water on melting of mantle peridotite. Contrib. Mineral. Petrol. 131, 323–346 (1998).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
52. 52.
Ruscitto, D. M., Wallace, P. J. & Kent, A. J. R. Revisiting the compositions and volatile contents of olivine-hosted melt inclusions from the Mount Shasta region: implications for the formation of high-Mg andesites. Contrib. Mineral. Petrol. 162, 109–132 (2011).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
53. 53.
Morse, S. A. Basalts and phase diagrams. An introduction to the quantitative use of phase diagrams igneous petrology (Krieger Publishing Company Malabar, Florida, 1994).
o + Show context
54. 54.
Kelemen, P. B. Assimilation of ultramafic rock in subduction-related magmatic arcs. J. Geol. 94, 829–843 (1986).
o + Show context
o
 CAS
 Article
55. 55.
Kelemen, P. B. Reaction between ultramafic rock and fractionating basaltic magma I. Phase relations, the origin of calc-alkaline magma series, and the formation of discordant dunite. J. Petrol. 31, 51–98 (1990).
o + Show context
o
 ISI
 Article
56. 56.
Kay, R. W. Aleutian magnesian andesites: melts from subducted Pacific ocean crust. J. Volcanol. Geotherm. Res. 4, 117–132 (1978).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
57. 57.
Myers, J. D., Marsh, B. D. & Sinha, A. K. Strontium isotopic and selected trace element variations between two Aleutian volcano centers (Adak and Atka): implications for the development of arc volcanic plumbing systems. Contrib. Mineral. Petrol. 19, 221–234 (1985).
o + Show context
o
 Article
58. 58.
Tamura, Y., Yuhara, M., Ishii, T., Irino, N. & Shukuno, H. Andesites and dacites from Daisen volcano Japan: partial-to-total remelting of an andesite magma body. J. Petrol. 44, 2243–2260 (2003).
o + Show context
o
 CAS
 Article
59. 59.
Blundy, J. D. & Sparks, R. S. J. Petrogenesis of mafic inclusions in granitoids of the Adamello massif, Italy. J. Petrol. 33, 1039–1104 (1992).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
60. 60.
Matthews, S. J., Sparks, R. S. J. & Gardeweg, M. C. The Piedras Grandes-Soncor eruptions, Lascar volcano, Chile; evolution of a zoned magma chamber in the central Andean upper crust. J. Petrol. 40, 1891–1919 (1999).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
61. 61.
Murphy, M. D., Sparks, R. S. J., Barclay, J., Carroll, M. R. & Brewer, T. S. Remobilization of andesite magma by intrusion of mafic magma at the Soufriere Hills volcano, Montserrat, West Indies. J. Petrol. 41, 21–42 (2000).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
62. 62.
Couch, S., Sparks, R. S. J. & Carroll, M. R. Mineral disequilibrium in lavas explained by convective self-mixing in open magma chambers. Nature 411, 1037–1039 (2001).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 PubMed
 Article
63. 63.
Harford, C. L. & Sparks, R. S. J. Recent remobilisation of shallow-level intrusions on Montserrat revealed by hydrogen isotope composition of amphiboles. Earth Planet. Sci. Lett. 185, 285–297 (2001).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
64. 64.
Price, R. C. et al. The Anatomy of an andesite volcano: a time-stratigraphic study of andesite petrogenesis and crustal evolution at Ruapehu volcano, New Zealand. J. Petrol. 53, 2139–2189 (2012).
o + Show context
o
 CAS
 Article
65. 65.
Gamble, J. A. et al. A fifty year perspective of magmatic evolution on Ruapehu Volcano, New Zealand: verification of open system behavior in an arc volcano. Earth Planet. Sci. Lett. 170, 301–314 (1999).
o + Show context
o
 CAS
 Article
66. 66.
Gamble, J. A., Price, R. C., Smith, I. E. M., McIntosh, W. C. & Dunbar, N. W. 40Ar/39Ar geochronology of magmatic activity, magma flux and hazards at Ruapehu Volcano, Taupo Volcanic Zone, New Zealand. J. Volcanol. Geotherm. Res. 120, 271–287 (2003).
o + Show context
o
 CAS
 Article
67. 67.
Hobden, B. J., Houghton, B. F., Davidson, J. P. & Weaver, S. D. Small and short-lived magma batches at composite volcanoes: time windows at Tongariro volcano, New Zealand. J. Geol. Soc. London156, 865–868 (1999).
o + Show context
o
 CAS
 Article
68. 68.
Dungan, M. A., Wulff, A. & Thompson, R. Eruptive stratigraphy of the Tatara-San Pedro Complex, 36°S, Southern Volcanic Zone, Chilean Andes: reconstruction method and implications for magma evolution at long-lived arc volcanic centers. J. Petrol. 42, 555–626 (2001).
o + Show context
o
 CAS
 Article
69. 69.
Price, R. C. et al. An integrated model for the temporal evolution of andesites and rhyolites and crustal development in New Zealand’s North Island. J. Volcanol. Geotherm. Res. 140, 1–24 (2005).
o + Show context
o
 CAS
 Article
70. 70.
Price, R. C. et al. U-Th-Ra fractionation during crustal-level andesite formation at Ruapehu volcano, New Zealand. Chem. Geol.244, 437–451 (2007).
o + Show context
o
 CAS
 Article
71. 71.
Kent, A. J. R., Darr, C., Koleszar, A. M., Salisbury, M. J. & Cooper, K. M. Preferential eruption of andesitic magmas through recharge filtering. Nature Geosci. 3, doi: 10.1038/NGEO924 (2010).
o + Show context
72. 72.
Hannah, R. S. et al. Origin of silicic volcanic rocks in Central Costa Rica: a study of a chemically variable ash-flow sheet in the Tiribi Tuff. Bull. Volcanol. 64, 117–133 (2002).
o + Show context
o
 Article
73. 73.
Yogodzinski, G. M. & Kelemen, P. B. Slab melting in the Aleutians: implications of an ion probe study of clinopyroxene in primitive adakite and basalt. Earth Planet. Sci. Lett. 158, 53–65 (1998).
o + Show context
o
 ISI
 CAS
 Article
74. 74.
Yogodzinski, G. M. & Kelemen, P. B. Trace elements in clinopyroxenes from Aleutian xenoliths: Implications for primitive subduction magmatism in an island arc. Earth Planet. Sci. Lett.256, 617–632 (2007).
o + Show context
o
 CAS
 Article
75. 75.
Komiya, T. et al. Plate tectonics at 3.8–3.7 Ga: field evidence from the Isua accretionary complex, southern West Greenland. J. Geol.107, 515–554 (1999).
o + Show context
o
 CAS
 PubMed
 Article
76. 76.
Korenaga, J. Initiation and evolution of plate tectonics on earth: theories and observations. Annu. Rev. Earth Planet. Sci. 41, 117–151 (2013).
o + Show context
o
 CAS
 Article
77. 77.
Stern, R. J. & Scholl, D. W. Yin and yang of continental crust creation and destruction by plate tectonic processes. International Geol. Rev. 52, 1–31 (2010).
o + Show context
o
 Article
78. 78.
Taira, A. et al. Nature and growth rate of the Northern Izu-Bonin (Ogasawara) arc crust and their implications for continental crust formation. Island Arc 7, 395–407 (1998).
o + Show context
o
 CAS
 Article
79. 79.
Hacker, B. R., Kelemen, P. B. & Behn, M. D. Differentiation of the continental crust by relamination. Earth Planet. Sci. Lett. 307, 501–516 (2011).
o + Show context
o
 CAS
 Article
80. 80.
Shillington, D. J., Van Avendonk, H. J. A., Holbrook, W. S., Kelemen, P. B. & Hornbach, M. J. Composition and structure of the central Aleutian island arc from arc-parallel wide-angle seismic data. Geochem. Geophys. Geosyst. 5, doi: 10.1029/2004GC000715 (2004).
o + Show context
81. 81.
Amante, C. & Eakins, B. W. ETOPO1 1 Arc-minute global relief model: procedures, data sources and analysis, National Geophysical Data Center, NOAA Technical Memorandum NESDIS NGDC-24, 19 pp. (2009).
o + Show context
Download references
Acknowledgements
We greatly appreciate the review and comments on an early version of the manuscript by Richard S. Fiske, John Gamble and Jon Blundy. Helpful reviews by two anonymous referees are also gratefully acknowledged.
Author information
Affiliations
1. Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Yokosuka 237-0061, Japan
o Yoshihiko Tamura
o , Takeshi Sato
o , Toshiya Fujiwara
o , Shuichi Kodaira
o & Alexander Nichols
Contributions
Y.T. performed lava data compilation from the Izu-Ogasawara-Mariana arc and wrote the manuscript with feedback and contributions from T.S., S.K., T.F. and A.N. T.S. and S.K. prepared the crustal structure of the Izu-Ogasawara arcs and its relationship with the water depth. T.F. made the topographic profile of the Aleutians.
Competing interests
The authors declare no competing financial interests.
Corresponding author
Correspondence to Yoshihiko Tamura.
Supplementary information
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1. 1.
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This work is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License. The images or other third party material in this article are included in the article’s Creative Commons license, unless indicated otherwise in the credit line; if the material is not included under the Creative Commons license, users will need to obtain permission from the license holder to reproduce the material. To view a copy of this license, visit http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
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References
1. Abstract
2. Introduction
3. Results
4. Discussion
5. Additional Information
6. References
7. Acknowledgements
8. Author information
9. Supplementary information
10. Comments
http://www.nature.com/articles/srep33517 


http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/442.html

[経世済民116] トランプノミクスと日本の蜜月が終わる時 ユーロ・ドル等価、欧州から逃げ出す資金 FOMC利上と経済予想矛盾 BSセンフ閉

FX Forum | 2016年 12月 21日 13:34 JST
関連トピックス: トップニュース コラム:

トランプノミクスと日本の蜜月が終わる時


竹中正治龍谷大学経済学部教授

[東京 21日] - 11月9日から始まった「トランプ相場」は、2017年以降の米国景気の上振れ期待を背景に、長期金利高、ドル高、株高(特に金融銘柄の高騰)の三拍子で急速に進んでいる。大統領選挙前に支配的だった悲観予想を裏切り、このトランプ相場で現在一番順風を受けているのは日本の金融経済情勢だろう。
ドル高・円安への反転は、いったんピークアウトした日本の企業収益のリバウンド期待に火を付けたようだ。日本株の大規模な売り越しで動いていた海外投資家層はショートカバー的な買い戻しに転じ、日経平均は1万9000円台を回復した。円高による物価下落効果も一転し、円安・物価上昇に転換するだろう。
2014年4月の消費税率引き上げ後の消費の反動減は終わったはずなのに15年から16年にかけても、実質雇用者報酬の増加にもかかわらず個人消費は低迷した。だが、幸い雇用環境の改善が持続した結果、景気の腰折れには至らなかった。
そこにトランプ相場の波及による円安・株高が加わり、景況感は改善している。内閣府の景気ウォッチャー調査が示す家計動向、企業動向はともに2016年6月に底値を付け、直近では消費税率引き上げ前の水準に戻りつつある。こうした「トランプノミクスと日本経済の蜜月」とも言える状況を背景に、2017年初の株式相場は楽観的なトーンでスタートしそうだ。
しかし、この蜜月はどれほど持続するだろうか。また何がそれを終わらせるだろうか。この点では市場アナリストの見方は分かれている。筆者は最長で2―3年程度、早ければ1年前後で蜜月は終焉し、再び円高・株安に大きく振れるリスクが高いと思う。その理由を説明しよう。
<レーガン政権期に起きたこと>
減税や公共投資の形で財政支出(赤字)を大規模に拡大した場合の短期・中期の金融経済効果については実証的にも理論的にもほぼコンセンサスがある。すなわち長期金利の上昇、内外金利差拡大による通貨相場の上昇、経常収支の赤字拡大(あるいは黒字減少)である。
1980年代前半のレーガン政権期に起きたことがこの典型的なケースだ。70年代に悪化した高インフレを鎮静化するために、当時の米連邦準備理事会(FRB)はボルカー議長の下で厳しい金融引き締めを実施し、ドル金利は短期も長期も10%を超えた。
一方、財政政策では累進税率の引き下げを含む大規模な所得減税が実施された。この結果、1982年はマイナス成長となったが、翌83年の実質国内総生産(GDP)成長率は4.6%、84年は7.3%と跳ね上がった。同時にドル高が進行、経常収支赤字は当時としては記録を更新し、GDP比率で3%を超えた。
レーガン大統領は控えめに言ってもマクロ経済音痴であり、最初は「ドル相場が上がるのは強い米国復活の証拠」という趣旨の発言をしていた。しかし、経済界では製造業を中心に産業の空洞化への危機感が強まり、連邦議会では特に日本を標的にした保護主義的な論調が激しくなった。そして最終的には85年の「プラザ合意」でドル下落の協調介入に至った。
現時点でトランプ次期政権の下でどの程度の規模の減税とインフラ投資が実施されるか不確実である。しかし、前回コラム「トランプ相場はまだ序章、大減税の衝撃」(11月23日掲載)で述べた通り、減税が今後10年間で5兆ドル前後の規模で実施されれば、米国の経済成長率は当面その趨(すう)勢的な水準(2%台前半)から大きく押し上げられ、3%超の水準となるだろう。
3%超という水準はFRBを含む諸機関の目下の予想から見ると高めであるが、現状ではトランプ次期政権の減税実施はその規模、詳細ともに不確実であるため、そもそも予想に織り込んでいない機関が多いのだ。
<米貿易収支赤字はどこまで拡大するか>
大減税と公共インフラ投資で、長期金利の上昇とそれに随伴したドル高と経常収支赤字の拡大が生じる。こうしたシナリオはすでに各方面のエコノミストによって語られているが、問題はその規模と生じる時期である。それを予測してみよう。
一国の対外不均衡は経常収支(貿易収支、所得収支その他の合計)で見るのが一般的だが、トランプ次期政権は貿易への関心が強いので財とサービスを合計した貿易収支で考えてみよう。
中期(1年から数年)程度の貿易収支の変動は、1)実質実効為替相場(「実効為替相場指数」とは貿易シェアで加重平均した当該国の為替相場指数であり、さらにそれを内外インフレ率格差で調整したものが「実質実効為替相場指数」)、2)当該国と海外の内需成長率格差、などの要因に強く規定されることが知られている。
掲載図は、FRBが公表している実質実効ドル相場指数(ブロードベース、以下「実質ドル指数」)と米国の貿易収支の対GDP比率(以下「貿易収支比率」)の相関関係を示したものだ。実質ドル指数の変化は平均で約2年半(10四半期)のタイムラグを伴って貿易収支の増減に影響を与えている。

http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20161220/fxforum.gif

青の分布は1980―97年であり、緑の分布は1998―2016年(第3四半期)である。いずれも分布が右肩下がり(負の相関関係)となっており、実質ドル指数の上昇は2年半のタイムラグを伴って貿易収支の赤字拡大をもたらしている。
青の分布から緑の分布へと左下方向にシフトしているのは、米国の貿易収支赤字比率が長期的、すう勢的に拡大したことを示しており、その分岐点は1990年代の後半にあった。このような長期的なシフトは、ここであげた実質ドル相場指数などの循環的な変動要因では説明できない。一般には経済金融のグローバル化の深化で米国に流入する資金が飛躍的に拡大した結果と考えられる。
注目して頂きたいのは、図中の実質ドル相場指数は2年半のタイムラグを伴っていることだ。直近時点である2016年第3四半期(オレンジの点)の貿易収支比率マイナス2.5%(マイナスは赤字、実額で1164億ドル)は同時点のものだ。一方、同点の実質ドル指数85.30は10四半期前のものである。16年11月時点の実質ドル指数はオレンジの垂直線で示した101.32であり、それに対応する分布の近似線上の貿易収支比率はマイナス4.3%である。
すなわち実質ドル相場指数が今後11月と同じ水準を維持しただけでも、2年半後には貿易収支赤字はGDP比で現在の2.5%から4.3%に拡大することを意味する(ただし、ブレのある数字だ)。
<穏やかなドル高持続でも貿易赤字拡大へ>
もちろん米国の貿易収支に中期的な影響を与える要因は実質ドル相場指数だけではない。米国と海外の内需成長率の格差なども循環的な要因として働いている。この変数の計算作業は少し手間がかかるので、代わりに米国のGDP需給ギャップ(連邦議会予算局公表)で代理することにしよう。
GDPギャップのマイナス値の拡大は国内総供給力に対して総需要の不足を意味し、輸入減少・輸出増加を通じて貿易収支にプラスに働く(黒字効果)。逆にGDPギャップのプラス値の拡大は総供給力に対する総需要の超過を意味し、輸入増加・輸出減少を通じて貿易収支にマイナスの拡大に働く(赤字効果)。2016年第3四半期ではGDPギャップはまだマイナス1.9%と需要不足の状態にある。
そこで貿易収支比率の中期的な変動を説明するために1998年から2016年第2四半期の期間について、要因として、1)実質ドル相場指数の前年同期比(前年比で4四半期+6四半期=10四半期のタイムラグ付き)、2)GDPギャップ、の2つの変数を使って回帰分析すると有意な結果が得られた。
詳細は省略するが、GDPギャップの1%ポイントの上昇は貿易収支比率を0.16%ポイント低下(赤字拡大)させ、実質ドル指数の前年同期比1%ポイントの上昇(ドル高)は同じく0.04%ポイントの貿易収支比率の低下(赤字化)をもたらす。
次に回帰分析で得られた推計式に基づいて、2016年第3四半期から18年第4四半期まで推計してみよう。推計の想定は次の通りだ。
1)実質ドル相場指数について目先6四半期はタイムラグを伴うので過去6四半期の実績値が使用できる。最後の4四半期は前年同期比で5%の穏やかなドル高が継続する。
2)米国の実質GDP成長率は2018年末まで平均3%とし、その結果GDPギャップは18年第4四半期にはプラス0.8%の需要超過となる(この水準はリーマン・ショック前の06年第2四半期ピーク時のGDPギャップのプラス0.6%に近い)。
実は変数の設定は多少異なるが、米国の経常収支についてほぼ同種の推計を私は2008年4月に公表している。当時まだGDP比で4.9%(07年第4四半期、その後の改定で4.3%になった)だった経常収支赤字は、穏やかなドル安が継続するだけで12年には2.2―2.9%に縮小する見通しを述べた(「米国経済とドル相場の中期展望:米経常赤字は2、3年で半減」日本経済研究センター会報、08年5月)。
当時、拡大した米国の対外不均衡のゆえにドル相場の暴落が起こるのではないかという論調がエコノミストの間で強かったが、結局はドル相場の暴落なしに2012年の経常収支赤字比率は2.8%に縮小したので、私の予想はほぼ的中している。
さて、今回はこの想定の下で貿易赤字比率は2018年第4四半期に4.8%、18年通期では4.2%と現在の2.5%(16年第3四半期)から大きく拡大するという推計結果を得た。
この貿易収支比率の赤字水準は過去のピークだった2006年の5.5%には及ばないが、それに次ぐ水準だ。赤字額で言うと年間4885億ドル(16年見込み)から8157億ドル(18年推計値)へ3272億ドル(約36兆円)の増加である。もちろん、これは確率的な推計であり、数値についてはブレを付けて受け止めてほしい。
<トランプノミクスが引き起こす次のリスク>
すなわち、「海外から米国内に雇用を取り戻す」と掲げ、そのために露骨に保護主義的な主張を繰り返してきたトランプ次期大統領が、自らの拡張的な財政政策によって貿易赤字の拡大を招く可能性が極めて高いのだ。その事態に政権が直面した時、次にどのような行動に出るか。これが現下の「トランプ相場」の次に日本と世界が直面する不確実性(リスク要因)である。
貿易収支赤字の再拡大に直面した場合のトランプ次期政権のアクションを今から具体的に予想することは困難だが、考えられる選択肢はいくつかある。
1990年代のクリントン政権時の「日米包括経済協議」のように2国間ベースの交渉で個別項目毎に「アメリカ・ファースト(米国第一)」の通商利益をごりごりと押し通す手法が最もありそうな選択肢だ。あるいは、これまで為替相場について米国は85年のプラザ合意を除くと「市場介入」という手法をドルに対して取ってこなかったが、「他国がするなら米国がしない理由はない」とドル売り介入をする、あるいはその可能性を公言することもあり得るだろう。
多少楽観的に考えると、米国景気の上振れが続いているうちは、トランプ次期大統領も露骨に保護主義的な言動を控えるかもしれない。このリスクが顕現化するのは、金利上昇とドル高で景況感に陰りが出てくるときかもしれない。また1980年代と異なり、米国の対外的な赤字に占める比率では日本ではなく中国が圧倒的なシェアとなっており、トランプ次期政権の矛先は中国に向かう可能性が高い。
もちろん、以上で述べた米国景気の上振れやドル相場の上昇は中期的、循環的なものだ。トランプ次期政権に米国の長期的な潜在成長率を目立って押し上げるような包括的な政策はまだ見られない。この点では1980年代の2期にわたるレーガン政権もすう勢的な経済成長率の引き上げには成功していないことと同様である。
実際、米国の平均実質成長率は、1970年代3.2%、80年代3.1%、90年代3.2%と10年平均では驚くほど安定していた。とりあえずは、2017年以降に到来するすう勢的な水準から上ぶれた局面で、株式とドル相場は売り、長期債券は買いの好機となるだろう。
*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職。経済学博士(京都大学)。最新著作「稼ぐ経済学 黄金の波に乗る知の技法」(光文社、2013年5月)
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
(編集:麻生祐司)
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
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http://jp.reuters.com/article/column-masaharu-takenaka-idJPKBN14A08O

 
ユーロ・ドル等価への道、欧州から逃げ出す資金
先週のFOMC以来、ドルは対ユーロで2.5%上昇している PHOTO: TON KOENE/ZUMA PRESS
By
MIKE BIRD
2016 年 12 月 21 日 12:22 JST
 今年はユーロ圏の金融市場からの流出資金が過去最大規模で推移しており、このため、14年ぶりにユーロが対ドルでパリティ(等価)になる流れが加速している。
 欧州中央銀行(ECB)が20日公表したデータによると、今年9月までの1年間のユーロ圏からの純資金流出額は過去最大となった。

 ユーロ圏の投資家は9月までの1年間にユーロ圏外で4975億ユーロ(約61兆円)規模の株式や債券といった金融資産を購入した。一方、この同じ1年間に世界の投資家が売却したか、償還を迎えたユーロ圏の資産額は313億ユーロとなった。これを合わせると、ユーロ圏からの純資金流出額は5288億ユーロと、1999年に単一通貨ユーロが導入されて以来最大だった。
 20日の海外市場でユーロは1.0352ドルの安値を付けた。これは対ドルでは2003年初頭以来の安値。アナリストの多くは現在、ユーロが来年、対ドルで等価を付けると確信している。
 ドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利を収め、米金利上昇見通しが高まって以来、ユーロは対ドルで下落している。米連邦準備制度理事会(FRB)は先週、今年初となる利上げに踏み切り、さらなる利上げペースの加速を示唆した。一方、欧州中央銀行(ECB)の政策金利は依然マイナスにとどまっている。このため、米国債利回りは欧州の国債利回りと比較して急伸し、米国債の投資リターンがますます魅力的になっている。
 投資家は欧州での投資リターンの低さを考慮し、資金を欧州から引き揚げてユーロを売っているためユーロ相場への下押し圧力が一段と強まっている。一方、欧州のファンドは域外の株式や債券などの証券購入を好んでいるため、ドルを中心とした他通貨の需要が高まっている。

ここ数四半期の投資先としてのユーロ圏の不人気がユーロ安につながっている
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AT341_PARITY_16U_20161220161506.jpg 

 TD証券の欧州担当筆頭為替ストラテジスト、ネッド・ラムペルティン氏は「ドルは熱狂状態にあり、これが最も明確に反映している市場の一つがユーロ相場だ」とし、「FRBとECBの政策がかい離していることに加え、両地域の経済が異なる軌道にあることが要因となっている」との見方を示した。
 同氏は、年明けから数カ月のうちにユーロが対ドルで等価、あるいはこれを割り込む可能性さえあると予想している。こうした見方は同氏に限ったものではない。
 モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスのアナリストも、来年中にはユーロがドルで等価を付けると確信している。またドイツ銀は、同銀が提唱している「ユーログラット(ユーロの過剰)」シナリオに沿ったユーロ圏からの巨額資本流出が背景となり、来年はユーロが少なくとも0.95ドルまで下落すると予想している。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwi3uJfrwYTRAhXBf7wKHcIxCYoQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582509871961396762&usg=AFQjCNH2BM_Liz8unPx7KSAyja_UKevvTA

 


米FOMCの17年利上げ回数見通しと経済予想に矛盾点
Christopher Condon
2016年12月21日 14:50 JST

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利上げ回数見通しはそれまでの2回から3回に引き上げられた
経済予想はほぼ据え置き−トランプ次期政権の財政拡張予想が背景か

米連邦準備制度理事会(FRB)が14日に公表した連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の最新経済予測には、どこか奇妙な部分がある。

  四半期ごとにまとめられる最新予測のうち、当局者の金利予想を点で示した「ドット・プロット」(金利予測分布図)では、2017年の利上げ回数見通しが3回と、それまでの2回から引き上げられた。この上方修正はサプライズとなり、1年ぶりとなる利上げ決定と相まって、株価を過去最高水準から押し下げる一方、債券利回りとドル相場を押し上げた。

  だが、経済指標の予想にはほとんど変化はなかった。17年の実質国内総生産(GDP)伸び率見通し中央値は2.1%と、9月の前回予測からわずか0.1ポイント上方修正。17年末時点の失業率見通しも4.5%と9月予測の4.6%から0.1ポイントの修正にとどまり、17年の個人消費支出(PCE)価格指数は1.9%上昇に予想が据え置かれた。
  スタンダードチャータードの米国担当シニアエコノミスト、トーマス・コスターグ氏(ニューヨーク在勤)は「全体像は極めて一貫性を欠く」とコメント。「ドット・プロットの意義を損なう方向に作用するもので、どんなメッセージを伝えようとしているのだろうか」と語った。

困惑の種

  FOMC参加者の経済予測に込められた矛盾点について、一部エコノミストはその背景にあるのが何なのか、当局者の意図を示す一段と真実に近いシグナルはどれなのかと困惑気味だ。ドット・プロットを見ると、タカ派的なメッセージが浮かび上がり、経済のわずかな改善にも金融政策の引き締めで対応する用意が増している様子がうかがわれる。他方で、据え置き同然となった経済指標の予想は、金利調整に忍耐強い態度で臨むとした過去の路線に沿ったものなのだろうか。

  ウェスタン・アセット・マネジメント(カリフォルニア州パサデナ)の運用担当者、ジョン・ベロウズ氏はこうした矛盾点の一因について、トランプ次期米政権の下で拡張的な財政政策が講じられるとの見通しによるものかもしれないと説明。その上で、こうした見通しはFOMC参加者の金利見通しには反映される一方で、経済指標の予想は大きく変更されることはなかったとの見方を示した。
  スタンダードチャータードのコスターグ氏はまた、FOMC参加者が大統領選以降の株価上昇を見通しに組み込んだ可能性があると分析する。大統領・議会選の投票が行われた11月8日から、12月のFOMC会合初日の13日までに、米S&P500種株価指数は6.2%上昇していた。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iVTCxk0MHYMM/v2/1200x-1.png

FOMC interest-rate projections have moved upward

原題:Fed Blurs Intentions as Dots Drift Away From Economic Forecasts(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIIRQ86JTSEH01

 

米ブラックストーン、ヘッジファンドのセンフィナを閉鎖へ−運用不振
Katherine Burton
2016年12月21日 13:54 JST

今年の運用成績はマイナス24%に低迷
成績は2月にマイナス17%に落ち込んだ後、持ち直せず

オルタナティブ(代替)資産の運用最大手、米ブラックストーン・グループは、2年前に設立した自社のヘッジファンド、センフィナ・アドバイザーズを閉鎖する。今年の運用成績はマイナス24%に低迷している。
  センフィナの運用資産は18億ドル(約2120億円)で、ポートフォリオマネジャー11人のグループの中で資産配分して運用しているが、リターンは先月だけでもマイナス6%だったとブルームバーグは今月報じた。ブラックストーンは2014年に複数の運用者による同社初の自前ファンドとしてセンフィナを設立したが、この新しい試みは短命に終わることとなった。
  ブラックストーンの広報担当、ポーラ・チャーハート氏は電子メールで配布した発表文で「ロング・ショート戦略型ヘッジファンドの16年の市場環境は前例のないものだった」と述べ、「われわれは投資家の資金を守るため、投資家にとって最大の利益になることを実行した」と説明した。
  センフィナは昨年、運用成績で上位層に入り、リターンはプラス21%と、ブルームバーグがまとめた運用資産10億ドル超のヘッジファンドで8位に付けていた。しかし今年の成績は2月にマイナス17%に落ち込んだ後、4、5月はプラスとなったものの持ち直してはおらず、先月も米大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利後の動きを読み誤って苦戦していた。
  同ファンド閉鎖についてはロイター通信が20日に先に報じた。
原題:Blackstone Closes Senfina Hedge Fund After Losing 24% in 2016(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIILCQ6TTDSA01
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/911.html

[経世済民116] スイス時計業界、今度は米国で苦戦 Xmas週売買減少は風物詩 インドネシア格付+ SW中銀QE延長、金利据置 スイス時計
スイス時計業界、今度は米国で苦戦
スイス製時計の米国向け輸出は11月に18%減少した。写真はスイス・バーゼルで4月に開催された時計・宝飾品見本市「バーゼルワールド」の「クリスチャン・ディオール」のブース

By STEPHEN WILMOT
2016 年 12 月 21 日 17:39 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 今年のクリスマスはスイス製時計の売れ行きに期待しない方がいい。スイスの業界団体が20日発表した統計によると、同国製時計の米国向け輸出は11月に18%減少した。ドル高とスマートウォッチとの競争が響いた。

 香港はこれまで、スイスの時計業界にとって厄介な市場だった。中国の習近平国家主席がぜいたく品の贈答を禁じたことを受け、現地では何年も売り上げが低迷した。「カルティエ」などのブランドを展開するカンパニー・フィナンシエール・リシュモンや、「オメガ」「ハリー・ウィンストン」などの高級時計だけでなく「スウォッチ」などのカジュアル時計も手掛けるスウォッチ・グループは、小売業者から売れ残りの在庫を買い戻して廃棄せざるを得なかった。シティグループによると、この買い戻し分は今年1〜10月の輸出の約8%に相当した。その割合は2015年通年では6%だった。

 だがここにきて香港市場が持ち直しつつある。営業日が1日多かったことで、11月はスイス製時計の香港向け輸出額が2億4900万スイスフラン(約280億円)と前年同月比で0.7%の減少にとどまり、減少率は時計輸出全体の5.6%を下回った。香港市場は今もスイス製時計輸出の5分の1を占めているため、11月の数字は時計関連銘柄に対する地合いに大きな影響を与える。

 しかし米国向け輸出は減速している。スイスの時計業界にとって米国は中国に次ぐ主要市場だが、ドル高で観光客が米国への旅行を敬遠しているほか、米国人は海外でスイス製時計を購入している。英国の欧州連合(EU)離脱決定後の英ポンドの下落によって英国向けの輸出が急増したことは、為替相場の変動がいかに重要かを浮き彫りにしている。

 長期的に見て、スイスの時計メーカーにとってもっと大きな懸念材料は、米国で設計されたスマートウォッチの登場かもしれない。ちなみに、11月に輸出されたスイス製時計で最も売れ行きが悪かった価格帯は200〜500スイスフラン(約2万3000〜5万7000円)だった。9月に発売された米アップルのスマートウォッチ「アップルウォッチ・シリーズ2」の最廉価モデルの販売価格は369ドル(約4万3000円)だ。

 スマートウォッチはまだ紛れもない成功を収めているわけではない。調査会社IDCによると、7-9月期の出荷台数は前年同期からほぼ半減した。だがこれはアップルの新製品の発売時期が原因で、クリスマス商戦が繰り広げられる10-12月期は状況が一変しそうだ。

 そうなれば、スイスの時計業界は米国でも苦戦を強いられることになるだろう。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiG-cWiv4XRAhXIyLwKHTOjBvMQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582510322293294212&usg=AFQjCNEgRDDUvK8MlrujurTHwLZEYOiXPA

 


Xmas週の売買減少は風物詩、海外勢不在−1月売りは回避か
赤間信行
2016年12月21日 09:59 JST 更新日時 2016年12月21日 15:51 JST
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昨年12月4週は前週から26%減る、ことしもほぼ同ペース
米トランプ氏政策への期待強い、国際投資家の評価も向上中

日本株市場の売買の7割を支配する海外投資家は例年、12月25日のクリスマスに合わせ休暇に入る向きが多く、この時期の売買代金は前後と比較して減少傾向だ。11月以降の「トランプラリー」で相場が盛り上がったことしも同じ道をたどるが、休暇明け後の海外勢の動きについてはここ数年と異なるシナリオが市場関係者の間で期待されている。

  12月1週(5ー9日)の東京証券取引所1部の1日平均売買代金は2兆9995億円、2週(12ー16日)の2兆8834億円に対し、3週(19ー22日)は21日までで2兆3007億円と前の週から2割以上減っている。昨年12月も1週の2兆4381億円、2週の2兆3305億円、3週の2兆7153億円に対し、クリスマスを含む4週は2兆36億円と前週比で26%減少した。

  海外投資家の不在が市場全体の売買代金減少に直結したことは、東証が公表する投資部門別売買動向のデータから顕著だ。海外勢の総売買代金(東証1・2部、マザーズ、ジャスダック合計)は昨年12月2週に15.9兆円、3週に19.2兆円だったが、4週は10.5兆円に急減。ことしは11月5週が20兆円、12月1週が19.2兆円となっており、1部売買代金の推移をみる限り、ここ2週間は減少方向にある可能性が高い。


  東海東京調査センターの仙石誠マーケットアナリストは、「例年のパターンだと、今週は海外勢のフローが落ち込むのは必至」と指摘。米国の大統領選後に日本株を2兆円強買い越すなど、「存在感の大きかった海外勢がいったん手を引くことで株高の勢いも鈍る」とみている。
  もっとも、トランプ次期米大統領が打ち出す大型減税や大規模なインフラ投資など積極財政策が今後の米景気を刺激し、世界経済にも好影響を及ぼすとの期待感は強く、海外投資家は早ければクリスマス休暇明けにも日本株投資を再開するとの見方がある。

  アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長は、「来年2月の米国予算教書の公表くらいまでは、トランプ政権への期待に根差す株式買いが続く」と予想。米国株は、利上げやドル高のマイナス面が意識される可能性がある半面、「円安の恩恵を受ける日本株には海外投資家の買いがもうしばらく続く」とし、日経平均株価は年明けに2万円の大台回復を目指すとの見通しを示す。

  米ゴールドマン・サックス・グループの調べでは、10月末時点で国際株式型投資ファンドの日本株ウエートは7.2%のアンダーウエートだった。一方、バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの世界のファンドマネジャー調査によれば、12月のグローバル投資家の日本株配分比率は前月のマイナス5%のアンダーウエートからプラス21%のオーバーウエートに急伸、26ポイントの上昇幅は過去最大だったという。アベノミクスへの評価が高まっていた14年には、プラス40%を超すアウトパフォームの状況もあった。

  過去3年にわたり、海外投資家はクリスマスを通過した年明けに日本株への売り姿勢を強めた。1月の日本株の現物売買動向をみると、16年が1兆556億円の売り越し、15年が8932億円の売り越し、14年が1兆1696億円の売り越し。特に原油安による資源国経済への懸念、低調な米国や中国経済統計への警戒があったことしは、2月と3月にもそれぞれ2兆円弱売り越し、この影響で日経平均は年初の1万8900円台から2月12日の1万4800円台へ約4000円急落した経緯がある。

  来年初を見据えれば、原油価格は反発し、米経済統計は良好、中国景気への過度な警戒は薄れており、今年初のような海外勢売りで日本株が崩れるシナリオは描きにくそうだ。アムンディの浜崎氏も、年末以降の日本株堅調を想定。「米大統領選後の予想外の円安で自動車や精密機器、電機といった輸出関連、日米長期金利上昇の恩恵を受ける金融セクターに妙味がある」と話している。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iyE1TGPcAGos/v2/-1x-1.png
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIGWBN6KLVR601

インドネシア格付け見通し、「ポジティブ」に引き上げ−フィッチ
Yudith Ho、Karlis Salna
2016年12月21日 20:06 JST

従来は「安定的」、格付け「BBB−」に据え置き
今年が5.1%、17年が5.4%、18年は5.77%と成長率を予想

格付け会社フィッチ・レーティングスは21日、インドネシアの信用格付け見通しを「ポジティブ(強含み)」に引き上げたと発表した。これまでは「安定的」だった。ここ1年の構造改革が東南アジア一の経済大国の成長を支える可能性があると指摘した。
  フィッチは資料で、インドネシアの格付けを「BBB−」に据え置いたとした上で、「2015年9月以降の力強い構造改革が徐々に難しいビジネス環境を改善させており、中期的に成長見通しを支える公算が大きい」と説明した。
  インドネシア経済の成長率については、今年が5.1%、2017年は5.4%、18年が5.77%と見込んでいる。
原題:Indonesia’s Outlook Changed to Positive From Stable at Fitch(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIJ7RM6KLVRM01

 
スウェーデン中銀、QEプログラムを延長−政策金利は据え置き
Johan Carlstrom、Amanda Billner
2016年12月21日 18:54 JST

スウェーデン中央銀行は21日、量的緩和(QE)プログラムの延長と政策金利の据え置きを発表した。
  中銀声明によれば、債券購入プログラムは来年6月末までに延長された。政策金利のレポ金利は過去最低のマイナス0.5%に据え置かれた。
  中銀は一般国債、インフレ連動債をそれぞれ150億クローナ(約1900億円)追加購入する。4月に今年末までの6カ月間について決定した際は、計450億クローナの上積みとしていた。ブルームバーグの市場関係者調査での大勢の予想通りとなった。
原題:Swedish Central Bank Sees Growing Divisions as QE Extended (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIJ4066KLVRK01

 

http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/918.html

[国際16] (社説)寛大なドイツ、現実の脅威との板挟みに トラック襲撃で、移民めぐる議論は待ったなし 
【社説】寛大なドイツ、現実の脅威との板挟みに
トラック襲撃で、移民めぐる議論は待ったなし
トラック襲撃事件があった独ベルリンのクリスマス市を20日訪れたメルケル首相 ENLARGE
トラック襲撃事件があった独ベルリンのクリスマス市を20日訪れたメルケル首相 PHOTO: ASSOCIATED PRESS
2016 年 12 月 21 日 14:40 JST

 欧州でテロのニュースが相次ぐ。昨年はパリのナイトクラブが襲撃された。今年3月にはベルギーの首都ブリュッセルの空港で爆弾が爆発。7月にはフランス革命記念日の花火大会でトラックが暴走し、その数日後にドイツの列車内で乗客がおので襲われた。今月19日はまたしてもトラックが突入。今度はドイツの首都ベルリンのクリスマス市だ。

 ベルリンでの死者は12人、負傷は数十人に上る。過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。警察は19日夜に容疑者を1人逮捕したが、証拠不十分で釈放した。本稿執筆の時点で実行犯はまだ逃走中だ。

 今回の襲撃は7月にフランス南部ニースでISに感化された犯人がトラックで花火大会に突っ込み、86人の命を奪った事件に酷似する。単に攻撃手段だけではない。テロリストが狙ったのは国民が大切にする伝統的行事だ。ニースではフランスの民主主義の誕生を祝う記念イベント、ベルリンではドイツの各都市が中世から開催するにぎやかなクリスマス市。これは欧州の文化や価値観に対する攻撃だ。

 とりわけドイツに厳しい仕打ちとなったのは、アンゲラ・メルケル首相がこの1年半、中東からの移民を受け入れるのがドイツ人の本質的な価値だと精力的に国民に訴えてきたからだ。ドイツの安全保障当局者が大勢の難民の中にISの工作員が紛れ込んでいると警告したにもかかわらず、また7月の列車内の事件など、最近入国した移民の一部が攻撃に関与する例があったにもかかわらず、首相は方針を変えなかった。

悲しみに暮れる独ベルリン トラック突入事件
 19日にクリスマス市場の群衆にトラックが突入する事件が発生したドイツの首都ベルリン中心部では、犠牲者を悼む人々が現場近くのカイザーウィルヘルム記念教会前に花束を手向けた。この事件では少なくとも12人が死亡、約50人が負傷した。

Firefighters walk past ambulances.
A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.”
A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany.
People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market.
Police officers inspect the crime scene.
A police officer puts a suspect into a police van in Berlin.
Authorities inspect the truck.
Medics attend to an injured person after the truck crashed.
Firefighters walk past ambulances.
A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.”
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Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas ... A police officer positions concrete blocks that will be used in new security measures at the entrance to the Striezelmarkt Christmas market in Dresden, eastern Germany. ARNO BURGI/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY People gather to lay down flowers outside the Gedaechniskirche near the area where a truck plowed into the crowded Christmas market. PAWEL KOPCZYNSKI/REUTERS Police officers inspect the crime scene. MARKUS SCHREIBER/ASSOCIATED PRESS A police officer puts a suspect into a police van in Berlin. TVNEWSKONTOR/ASSOCIATED PRESS Authorities inspect the truck. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Medics attend to an injured person after the truck crashed. ODD ANDERSEN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES Firefighters walk past ambulances. MICHAEL SOHN/ASSOCIATED PRESS A view of the truck on Tuesday that crashed into a Christmas market in Berlin. German police said they were treating the incident as “a probable terrorist attack.” TOBIAS SCHWARZ/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
 実行犯が最近入国したにせよ、もともとの居住者がドイツ国内で過激化したにせよ、新たな脅威のまん延にドイツの安全保障当局は神経をとがらせている。テロリストが今後も監視の目をかいくぐることはほぼ避けられない状況だ。

 今回の事件は被害者やその家族に悲劇をもたらしたが、同時にメルケル首相にも警告を発した。手に負えないほど大量の移民が流入したのは、同首相が昨年大きく門戸を開いたのがきっかけだ。政府が基本的な安全確保の手だてを示すことができなければ、深刻な移民危機を前にして「われわれなら何とかできる」という首相の信念は、すぐに有権者から「われわれには無理だ」と否定されるだろう。

 20世紀の歴史に鑑みると、特にドイツでは警察の取り締まりや監視への疑念がつきまとう。しかし、テロリストはどんな隙間も見逃さずに利用するだろう。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたように12歳のイラク系ドイツ人の少年が今月、国内の別のクリスマス市で爆弾テロを実行する計画だったとみられることや、16歳の少女がIS工作員の命令で警察襲撃を企てていたのは、ドイツの法律で未成年者の監視を禁じていることが一因だ。

 ドイツは過去の歴史への懸念と、イスラム過激派による重大な危険性に直面する現実との間で、身を裂かれるような議論をすべき時を迎えている。メルケル首相が昨年見せた「寛大なドイツ」は、日々高まる現実世界の脅威によって後退せざるを得ない。

 米政権がシリアやイラクでのイスラム国との本格的な戦争に尻込みする中、欧州はそれに代わるリーダーシップを発揮することができず、引き続き苦い果実だけを受け止めている。今年のクリスマスに(犠牲者が座るはずだった)空いた席を思うとき、その代償の大きさが一段と悲痛に感じられるだろう。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwitnu3LwIXRAhWE2LwKHUMcChoQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582509972264317552&usg=AFQjCNGR7tLAdudiUVP8W0dJs8GC9yQSmA
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/772.html

[経世済民116] トヨタ中古車が炙り出したテロ資金ネットワーク 1台の中古車が行き着いた先は世界的なマネーロンダリングの玄関口ベナン  
トヨタ中古車が炙り出したテロ資金ネットワーク(前編) 
1台の中古車が行き着いた先は世界的なマネーロンダリングの玄関口
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米ジョージア州コロンバス在住のアニー・マレーさんのトヨタが行き着いた先は西アフリカ・ベナンにある世界的な資金洗浄ネットワークの玄関口だった PHOTO: YANICK FOLLY FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
CHRISTOPHER S. STEWART, ROB BARRY AND MARK MAREMONT
2016 年 12 月 21 日 12:23 JST
 米ジョージア州コロンバス在住のアニー・マレーさんには、自分が所有していたシャンパン色の2009年型トヨタ・ランドクルーザーが、一体どのようにして西アフリカの野ざらしの駐車場にたどり着いたのか全く見当がつかなかった。 
• トヨタ中古車が炙り出したテロ資金ネットワーク(後編)
 マレーさんは毎週その車を運転し、教会に通っていた。しかし昨年の冬、経済状況の悪化に不運が重なり、ローン滞納で車を引き上げられてしまった。マレーさんのトヨタが行き着いた先はベナンのとある自動車売り場だった。そこは、世界的なマネーロンダリング(資金洗浄)ネットワークの玄関口。イランが支援するイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの資金源になっていると米当局が疑っている場所だ。
 ランドクルーザーは、お決まりの米・ベナン貿易ルートをたどり5700マイル(約9170キロ)以上を移動した。それは米連邦当局が5年前にテロ資金に関わる事件で一掃したと考えていたルートだった。
 米当局は当時、海外の自動車販売で得た巨額の利益に南米の麻薬カルテルから得た利益を紛れ込ませ、マネーロンダリングに協力しているレバノンの銀行に預けているのではとの疑いを持っていた。
 連邦捜査官の話やニューヨークの連邦地検が2011年に提起した訴訟内容によると、ヒズボラがその取引の手数料として分け前を受け取り、一部は米国の自動車販売業者に返金され、自動車購入に使用されていた。
 
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ベナンの広大な中古車置き場で売られるアニー・マレーさんが所有していたトヨタ・ランドクルーザーPHOTO: NO CREDIT AVAILABLE
 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は米・ベナン間の中古車貿易を調査し、2011年の訴訟で特定された米自動車販売業者の一部が今も中古車購入を続けており、買い取った車は以前と同じ業者によって海外に輸送されていることを突き止めた。
 ベナンでは、マレーさんのトヨタ車をはじめとする何百台もの自動車が、ある男が所有する駐車場に集められていた。米当局はこの男が中古車ネットワークの関係者とみている。
 この記事で言及されている自動車販売業者と輸送業者は、テロ組織との関係を含め違法行為を否定した。しかし、現・元当局者によると、ヒズボラの中古車ネットワークは今も存在し、世界各地で行われる作戦の資金源となっている。
 米連邦麻薬取締局(DEA)の報道官は「世界的な麻薬取引業者とテロ組織のこの『政略結婚』は米国や同盟国に著しい脅威を与え続けている」と述べた。
 ヒズボラは社会福祉サービスも提供しているレバノンの政治組織。1980年代の米国人を標的にした数々のテロの犯人ともされている。ヒズボラは1995年に米政府にテロ組織に指定されており、米国民がヒズボラとビジネスを行うのは違法だ。一方、ヒズボラは長年、犯罪との関係を否定している。
 米自動車販売業者はいずれもこの民事訴訟で不正行為を認めなかった。しかし、利益の一部を没収されたり、商売をやめたりした者もいた。2012年と13年に政府と合意した和解内容によると、消息不明の1人を除き全員が顧客を調査し、ヒズボラと関係があるとみられる人物とは二度とビジネスを行わないことに同意した。
 原告の政府側の申し立てによれば、2007〜11年にネットワークを通じて取引された資金は3億ドル(約352億円)を超える。米自動車販売業者への取材によると、取引は実入りがよく、月に数万ドル稼ぐこともあった。その多くがレバノンからの移民で、自動車業での経験がほとんど、または全くない者もいた。1人は不動産業に、もう1人はカーペットを敷く仕事に携わっていた。

米国からベナンへの乗用車輸出額
https://si.wsj.net/public/resources/images/P1-BZ592A_TERRC_9U_20161219105407.jpg

 2011年の訴訟が和解したあとも、十数人が連絡を取り合っていた。一部はオークションで顔を合わせていたと話す。その他はフェイスブックでつながっており、自分の車や旅行の写真を投稿していた。中には、ベナンへの最近の旅行で撮ったビーチチェアに腰掛ける一団の写真もあった。
 会社や輸送記録のほか十数人に取材した結果によれば、少なくとも10人の自動車販売業者が捜査後も西アフリカへの自動車の輸出を続けていた。
 一方、海上輸送情報会社ピアーズから得た輸出記録を確認したところ、2012年以降に米国からベナンに自動車を輸出した輸送大手10社のうち5社は政府の訴訟で名前が挙がった人物や企業と関係があるか、米国がヒズボラを相手取って起こした他の訴訟の対象とつながりがあった。記録によると、その期間にベナンに輸出された自動車約30万台のうち少なくとも3分の1をそれら5社が占めていた。
 5社のうちの1社はミシガン州デトロイトを拠点とするグローバル・シッピング・サービシーズだ。2011年の政府の申し立てによれば、同社はヒズボラと関係のある複数の自動車販売業者から900万ドル以上を受け取った。会社や輸送記録によると、同社のオーナーであるアリ・カイン氏は会社を解散し、社名をスペシャライズド・オーバーシーズ・シッピングに変えて同じ場所で自動車輸出業を続けた。ピアーズのデータによると、2012年以降にスペシャライズドがベナンに輸送した自動車は2万台を超える。
 カイン氏はヒズボラとの関係を否定し、自分は仲介役であり、自動車が最終的にどこに行くかは一切知らないと話した。同氏は「私は旅行代理店のようなものだ」とし、「FBI(連邦捜査局)やCIA(中央情報局)のように行動し、世界中の捜査対象の悪党全員を知っていなければならないというのか」と述べた。
 米国からの中古車の輸出は合法であり、ベナンの市場は活況を呈している。ベナンに輸出された車のほとんどは、後に隣国ナイジェリアに密輸されている。ナイジェリアは一部中古車の輸入を禁じており、他の中古車には高い関税を課している。
 米国の輸出データによると、昨年のベナンへの乗用車の輸出総額は4億3400万ドルと2005年の4700万ドルから大幅に増えている。石油に依存するアフリカ諸国の経済問題やドル高が原因で自動車輸出はこのところ落ち込んでいる。しかし、最近の一連の事件は脅威が続いていることを物語っている。
 フロリダ州タンパで昨年、連邦当局が中古車販売業者のハンジャル・ダンダチェ容疑者を起訴した。録音された政府の情報提供者との会話の中で、ダンダチェ容疑者はヒズボラとの関係を自慢げに話し、その後、中古車の輸出を通じて15万ドルを資金洗浄することに同意したとされている。
 ダンダチェ容疑者の弁護士は、容疑者は取引を進めるためにマネーロンダーと関係があるとうそをついただけで、ヒズボラとは一切関係がなかったと説明した。
 ダンダチェ容疑者はマネーロンダリングの罪状を認め現在は服役中。事件に詳しい関係者によると、捜査当局はダンダチェ受刑者がフロリダの自動車輸出業者の一団と関係があり、何カ月もかけてベナンの複数の銀行から1500万ドルを受け取ったとみている。
 昨年10月にはジョージア州アトランタで、ヒズボラの工作員とされる人物が武器取引とマネーロンダリングの疑いで逮捕された。同人物は、ベナンの自動車貿易業界に仲間がおり、15%の手数料でマネーロンダリングを請け負っていると話していた。この事件について司法省はコメントを控えた。
 政府の訴訟に携わった元国務省スタッフのデービッド・アッシャー氏は「われわれは米国を介した大掛かりな策謀を許し、相当な努力を払ってきたにもかかわらず、それを止めることができずにいる」とし、「それらは全てありふれた日常に潜んでいる」と指摘した。
※この記事は後編に続きます>>
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トヨタ中古車が炙り出したテロ資金ネットワーク(後編)
米国で回収されたトヨタ車が、いかにしてベナンにたどり着いたのか
  
By
CHRISTOPHER S. STEWART, ROB BARRY AND MARK MAREMONT
2016 年 12 月 21 日 17:07 JST
 マレーさん(63)と夫のトムさんは2009年にランドクルーザーを購入した。数カ月後、トムさんが死去し、自宅で保育サービス業を営むマレーさんはローンの返済に窮するようになった。そこで友人に車を貸し、毎月の費用を賄ってもらうことにした。
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 だが、友人からの支払いが途絶え、今年初めに銀行に車を回収されてしまったという。「アフリカについては本で読んだり、テレビで見たりした以上のことは何も知らない」。マレーさんは自分の車がどこに行き着いたかを聞いたとき、こう話した。
 ランドクルーザーはオハイオ州シンシナティの自動車販売業者KSユーズド・オート・セールスに競り落とされた。同社のマネジャー、ハレド・サバー氏によると、買い手から電信送金を受け、ベナンへの輸送を手配した。
 サバー氏は2011年の訴訟で名前は挙がっておらず、輸送を処理する仲介人についても、車がアフリカ到着後にどこへ行くかについても何も知らないと話した。同氏は「彼らが私の口座に送金してくれる限りは、取引をする。私が知っているのはそれだけだ」とし、「私がやっていることは全て合法だ。私は誰よりも正直だ」と述べた。
 輸送記録によると、ランドクルーザーは今春、フロリダ州ジャクソンビルでベナンに向かう船に積まれた。輸送に関わった企業のうちの2社は2011年の政府の訴訟にも関係していた。
 記録によると、2社のうちの1社はデトロイトに拠点を置くスペシャライズド・オーバーシーズ・シッピング。同社のオーナーは、2011年の訴訟でヒズボラに関連した資金移動で数百万ドルを受け取ったとされていた。
 また、もう1社はブルー・アライアンス・シッピング。同社のために働いていたコネティカット州の自動車販売業者2人は、政府の訴訟でヒズボラに関連した口座から3600万ドル以上を受け取り、海外に車を輸出していた疑いがかけられていた。
 ブルー・アライアンスのさらにもう1人の従業員も、米当局がマネーロンダリングネットワークで極めて重要な役割を果たしていたとみている人物の下で以前働いていた。その人物とは輸送業を営むレバノン人のメルヒ・アリ・アブ・メルヒ氏。同氏が経営する複数の会社が、ベナンへの資金移動と自動車輸送の大部分を管理していた疑いが持たれていた。
 メルヒ氏の会社の元従業員3人によると、同氏は2010年後半、米市場から突然手を引いた。ジャクソンビルにあった同氏の会社は別の輸送会社と合併。後にブルー・アライアンスを共同創設し、元の顧客の多くの仕事を続けていたという。
 メルヒ氏は昨年、ヒズボラに関連した「マネーロンダリング活動と広範な麻薬取引」をほう助したとして財務省のブラックリストに載せられた。リストには同氏の家族や関連会社も含まれており、その中にはベナンの自動車輸送会社もある。
 この件について、レバノンのメルヒ氏の会社にコメントを求めたところ、息子のアテフ・メルヒ・アブ・メルヒ氏が応じた。アテフ氏も父親と共にブラックリストに載せられている。同氏は自分たちはテロ組織と仕事はしておらず、米政府のブラックリスト入りについても抗議していると説明。「ヒズボラがしたいことをするのに、私たちは必要ないだろう」と述べた。
コトヌーの自動車置き場
 マレーさんのトヨタ車は6月にはベナンに到着し、最終的にコトヌー近くの広大な自動車置き場に運ばれた。車には、波と舵輪の取っ手をモチーフにしたトレーディング・アフリカ・グループ社のロゴが貼られていた。
 30エーカー近くあるその場所は、レバノン人実業家のカセム・ミーティ氏が管理していた。同氏は、ヒズボラの工作員にマネーロンダリングと金融サービスを提供したとして、2013年に米財務省が名指しした人物だ。米企業はそのような人物とは取引を控えるべきであることを意味する。
 財務省当局者は当時、ミーティ氏と同氏の会社を公然と名指ししたのは、ヒズボラと麻薬取引を支援する「手の込んだ多国籍のマネーロンダリング組織」を壊滅させることが目的だと説明した。しかし、ミーティ氏は米国のテロ関係者のブラックリストには含まれていない。米企業はリストにある人物とは取引を禁じられている。
 財務省によると、ミーティ氏と同氏の会社は2008年から11年初めにかけて、少なくとも2500万ドルを米自動車販売業者と輸出業者に送金した。その後2011年から12年にかけて、政府の監視をかわすため異なる会社を使い、350万ドル以上を米自動車販売業者に支払った。
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ヒズボラのマネーロンダリングの仕組み
 ミーティ氏に取材したところ、財務省の調査結果もヒズボラとの関係も否定した。スペシャライズド・オーバーシーズ・シッピングとブルー・アライアンスについては、両社を知っているが、取引はしていないと述べた。
 また、マレーさんのトヨタ車がどのようにして同氏の駐車場にたどり着いたのかは分からないと話した。米国の輸出書類には同氏の名前は見当たらないが、ベナンの移送記録によると、車は港に到着してすぐに同氏の駐車場に運ばれた。
 ミーティ氏は「駐車場を使いたいという人に対し、車がどこから出荷されかや誰が出荷したかはいちいち聞かない」と述べた。
 コネティカット州の自動車販売業者2人のうちの1人であるウィリアム・アズィーディン氏は、自分はブルー・アライアンスの単なる従業員の1人にすぎず、どのような経緯でトヨタ車がミーティ氏の駐車場に行き着いたかは分からないと話した。ブルー・アライアンスは既に廃業している。
 もう1人のコネティカット州の自動車販売業者であるハッサン・ハマディ氏も詳しいことは知らないと述べたが、「FBI(連邦捜査局)が私の助けを必要としているなら、その準備はできている」と調査に協力する姿勢を示した。
 最近までランドクルーザーはうっすらとほこりをかぶった状態でミーティ氏の駐車場に置かれていた。どの車もフロントガラスに同氏の会社であるトレーディング・アフリカ・グループのロゴが入ったステッカーが貼られていた。
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http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/919.html

[経世済民116] 「トランプショック」、日本にはもろ刃の剣 トランプ次期政権、中国の米国債売却は朗報 トランプ発言、懸念する習近平と蔡英文
 

「トランプショック」、日本にはもろ刃の剣

米大統領選でのトランプ氏勝利に感謝している金融政策当局者がいるとすれば、日銀の黒田総裁だろう

By WILLIAM PESEK
2016 年 12 月 21 日 17:09 JST
 米大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利は幸運だと感謝している金融政策当局者がいるとすれば、日本銀行の黒田東彦総裁だろう。

 11月8日の大統領選が世界に衝撃を与えて以来、円相場は急落し、アベノミクスには新たに追い風が吹いた。11月は日銀が金融政策決定会合を開いた1日以降に円相場が11%下落し、月次としては1995年以来の下落率を記録した。企業心理が著しく上向いていることはすでに調査で明らかになっており、2017年は安倍晋三首相がかねて促してきた賃金上昇の年になるとの期待が高まっている。このため、日銀は20日の金融政策決定会合で政策の据え置きを決めた。

 こうした楽観論の急浮上には二つの問題が伴う。一つ目は、トランプ氏の大統領就任がまだ1カ月先であり、次期政権の経済計画については誰にも分からないという事実をないがしろにしていることだ。二つ目は、円相場の動向が、日本再建は完了したと安倍首相に確信させてしまう恐れがあることだ。

 2016年が終わりに近づく中、一つ目のリスクを評価するのは不可能だ。大規模な財政刺激策や貿易戦争、規制撤廃というトランプ氏の計画は日ごとに変化しているもようで、安倍首相や黒田総裁にとって1年先の円相場の水準ははっきりしない。トランプ氏が中国をやり込めようとドルを切り下げたらどうなるだろうか。2017年末は1ドル=130円まで円安が進む可能性と同じくらい、100円程度の円高となる可能性がある。

 二つ目の問題については評価や対応がしやすい。「トランプショック」以来の日経平均株価の上昇も短期的には理にかなっている。日本市場を特徴付けているのは、化粧品メーカーのコーセーや三井住友フィナンシャルグループといった資金力はあるが間違いなく過小評価されている一連の企業だ。ただ、円相場が(英国の欧州連合=EU離脱決定を受けて上昇する以前に)30%下落しても、経済の競争力が高まらなかったことは覚えておくべきだ。円安はデフレの収束につながらなかったばかりか、世界のトヨタや三菱、任天堂に大幅な賃上げを促せず、技術革新や起業の波も後押しできなかった。安倍政権に債務の縮小や生産性の向上、具体的な少子化対策を促すにも至っていない。

 円安は完全に裏目に出ている。背後から忍び寄る中国に対し、日本企業はまだ今はリードしているとの安心感を膨らませてしまった。また安倍政権に対しては、労働市場の自由化やリスクテークの促進、女性の登用、海外人材の活用、企業幹部への国際基準適用要請、貿易障壁の撤廃といった施策をゆっくり進めることができると確信させてしまった。

 近年の30%もの円安が海外からの企業買収の急増につながらなかったのはそのいい例だ。背景には、なれ合いの株式持ち合いや敵対的買収を防ぐ毒薬条項(ポイズンピル)といった防衛策がある。めったにないような例外として、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープの買収が挙げられるが、これも30億ドルを超えるシャープの偶発債務が発覚すると暗礁に乗り上げた。この報道で日本企業のブランドには改めて傷が付いた。

 これは、アベノミクスの成果が出ていないという意味ではない。社外取締役の増員や投資収益率の向上、女性の労働参加率引き上げに向けた動きは方向性として正しい。安倍首相はトランプ氏がご破算にしようとしている環太平洋経済連携協定(TPP)への参加でも実績を上げた。だが、競争力向上や企業の賃上げにつながる最も重要な改革は、いずれも黒田日銀総裁が手綱を握っている。

 アベノミクスは12月26日で誕生から4年がたつ。何かが証明されたとすれば、日本のデフレは貨幣的現象ではなく構造的なものだということだ。企業は政府の政策を信用できないため、収益を内部留保している。一方で、数十年も収入が上向いていない家計は2%のインフレ目標を達成するという政府方針を聞いて貯蓄に励んでいる。日本政府は一連の大規模な改革という公約ではいくつかのわずかな成果しか上げられず、アニマルスピリットを呼び覚ませずにいる。

 円安が短期的にプラスでも長期的にはマイナスである理由はこれだ。これによって、安倍首相は来年に構造改革の本格化を目指す責任から解放される一方、日銀の緩和継続への責任はさらに増してしまう。

 黒田総裁はまさにバランスを取ることを強いられている。日銀のテーパリング(緩和の段階的縮小)に対する期待はすでに高まっている。日銀の大規模な債券購入で市場が追い詰められたことで価格決定力は阻害され、民間部門は国債購入がなかなかできなくなっている。ただ、トランプショックで日本を含む世界中の債券利回りが上昇する中、テーパリングにはリスクが伴うだろう。

 今のうちであれば日銀は幸運だと思えるだろうが、1億2700万人の日本人は円安の影響で生活水準がほぼ確実に下がるため、安心などしていられないかもしれないのだ。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjivbTtv4XRAhWBzbwKHdvSBhoQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582510280917684296&usg=AFQjCNFOcYK_QXXoPweOHL8zcYoSSKkR_w


 

トランプ次期政権、中国の米国債売却は朗報
トランプ次期米大統領
By WILLIAM PESEK
2016 年 12 月 21 日 16:01 JST
 ドナルド・トランプ次期米大統領とタカ派の側近らは、南シナ海で米国の無人潜水機が中国に奪われたことに激怒した。だが、中国の軍事的野心が懸念される一方、米財政に対する中国の影響力が弱まったことは歓迎すべきだろう。

 中国は大量保有する米国債を猛烈なペースで売却しており、その規模は10月だけで410億ドル(約4兆8000億円)を超えた。人民元の下落に歯止めを掛けるための米国債売却であるが、これにトランプ氏が不快感を強め、中国が制御不能になるのではと警戒する投資家が動揺するのは確実とみられる。

 銀行各行の推計によると、中国では2015年末以降の資金流出額が1兆ドルを超えるため、当局による臨時資金供給の規模が膨らみつつある。

 中国の米国債売却にはプラスの面がある。それは、米国にとって最大のライバル国がそのメインバンクを務めるという状況が変わるということだ。日本は中国を抜いて世界最大の米国債保有国に返り咲いたばかりだが、その重要性は財政面でも地政学面でも非常に大きい。

 米財務省出身のブラッド・セッツァー氏といった有力エコノミストはここ数年、世界最大の米国債保有国が中国という状況は安全保障上の脅威だと警告していた。いざとなれば、中国はドル建て資産を売却して米国にすぐ打撃を与えることができる。その影響が世界市場に広がれば中国も痛手を被るが、世界最大の米国経済の動揺ぶりはその比ではなく、債券利回りの急騰や株価の暴落に見舞われそうだ。ドル建て資産を大量に抱える中央銀行や大口投資家は他にも多数いるため、信用格付けの引き下げやリセッション(景気後退)という事態に即、発展するだろう。

 対照的に、日本は米国にとってアジア諸国の中で最も友好的な国だ。安倍晋三首相はこの絆を維持するのに必死すぎるあまり、次期米大統領と面会するためにニューヨークのトランプタワーまで押しかけた。日本政府が米政府のメインバンクとなれば、中国の債務は減り、アベノミクスは再び勢い付く。安倍政権としては、米国債保有額を増やせばそれだけ円安を通じて輸出を押し上げることができる。これは米国にも安心感を与える。信頼のおけない国より信頼のおける国が米国債を大量保有している方が、都合が良いに決まっているからだ。

 中国当局は時折、こうした影響力を行使する考えを示唆してきた。例えば、中国共産党の機関紙「人民日報」は2011年、中国にとって望ましい中台関係とはどういうものかを米国に知らしめるため、今こそ財政上の兵器を使うべきだと訴えた。トランプ氏が台湾の蔡英文総統と電話で会談するという大胆な行動に出た2週間後に、中国が米国の無人潜水機を奪ったのは偶然ではない。

 日本は何十年間も世界最大の米国債保有国だった。だが、2008年に中国が過剰流動性の吸収や元相場の制御を余儀なくされて米国債の購入を増やすと、日本はその座を失った。その結果、政治の力学に奇妙な変化が生じた。例えば、09年初頭にヒラリー・クリントン氏が国務長官として初めて北京を訪問した際、検閲や人権に関する議論を棚上げし、「米中経済は密接に連動しているため、米政府が赤字支出を工面できなくなれば厄介な状況に陥る」と述べた。クリントン氏は当時、米中は「まさに一蓮托生の関係」だとし、中国は米国債を買い支え続けることでこうした共存関係を認めていると語った。

 クリントン氏は同じ年にオーストラリアのケビン・ラッド首相(当時)との会談で、米国債の売り込みという似つかわしくない役を演じていることについて、「取引銀行に厳しい態度で臨むことなどできるだろうか」と問いかけた。日本が米国のメインバンクとしての地位を高め、中国を2番手に追いやれば、これはトランプ政権にとって無用の質問になりそうだ。日本の米国債保有額は現在1兆1300億ドルで、中国の1兆1200億ドルを上回る。日中の保有額を合わせると、米国債の海外保有額全体の37%超を占める。

 米国は米国債を取り巻く政治的な思惑に弱いようだ。1997年には日本の橋本龍太郎首相(当時)が「大量の米国債を売却したい気持ちに駆られたことが何度かある」と認め、市場を混乱に陥れた。これは日米自動車交渉が緊迫化する中での出来事だった。そうは言っても、日本が中国よりもドル建て資産の保有を増やしているため、米国は中国に対して強い態度に出る余地が広がりそうだ。

 日本がトランプ次期政権の気を引くため実際に米国のメインバンクとなり、大きなリスク要因を取り除くことはあり得る。安倍首相にとってこれは政治的に受け入れ可能だろう。中国を「為替操作国」に認定すると断言している大統領のお墨付きを得て為替相場を円安に向かわせることができるからだ。中国の軍事的野心が高まり、領土問題も悪化し、さらに北朝鮮の挑発が強まる事態となれば、日本はトランプ政権と距離を置こうとはしないだろう。

 米国は2012年、中国がウォール街のディーラー経由で米財務省から債券を直接購入するのを認めるという異例の措置に出た。だとすれば、中国の代わりに日本にその資格を与えて米国債をさらに購入してもらうこともできるはずだ。しかも、安倍首相が日本経済の活性化や人口高齢化への対応に追われているため、日本は借り入れが増えている。トランプ政権は日本国債を米国が買うという協力関係を取りまとめることもできよう。

 トランプ氏が中国による脅迫や力ずくの措置を心配しなくていいのなら、中国に厳しく当たる方がずっと簡単だろう。トランプ政権は、東京にいる米国の友人と財政面の関係強化を目指すべきだ。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjkq7SGwIXRAhWBgLwKHe0eCwsQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582510182231941476&usg=AFQjCNFaZMfiDUXtn0H8dtSsy9yXRkgiFQ

 

トランプ発言の余波を懸念する習近平と蔡英文

The Economist

ニクソンショックならぬトランプショックを警戒する台湾
2016年12月22日(木)
The Economist


トランプ氏の発言は、中国と台湾のトップの双方を憂慮させている(写真:AP/アフロ)
 中国政府関係者によれば、ある記念すべき施設の大規模な刷新・修復が12月末までに完了するという。この施設は、1990年代半ばに台湾海峡で米中間の緊張が高まり、2大核保有国である米国と中国が一触即発の危機を迎えた時のものだ。

 近年の歴史において、この時ほど両国間の緊張関係が高まったことはない。舞台となったのは、台湾海峡の中国沿岸にほど近い場所に浮かぶ小島、福建省平潭島だ。100人を超える将軍がここに立つコンクリート造りの塔の天辺から、眼下の様子を見下ろしている。浜辺で、中国軍が台湾へ侵攻する訓練を繰り広げているのだ。

 今、塔の壁には「中台を統一し中国を活性化せよ」と金色の文字で書かれたスローガンが掲げられている。かつて戦車や軍隊が集結し、戦闘機が頭上を行き交った地でこうしたスローガンを掲げることは、必要なら武力に訴えても台湾を統一するという意思表示に他ならない。

トランプ氏は米中関係の琴線に触れた

 現在、平潭島に観光客を呼び込むための様々な工事が行われている。その対象は塔の駐車場の拡大や、塔までの道路の修復にも及ぶ。こうした工事が行われているのは、偶然かもしれない。12月11日、米国の次期大統領、ドナルド・トランプ氏は米フォックスニュースのインタビューに答え、中国が対米関係における絶対的な前提と見なしている「一つの中国」の原則に疑問を投げかけた(「一つの中国」とはつまり、台湾政府を正式な国家として認めないことを意味する)。

 中国政府は怒りのあまり、1995年に何が起きたかを、中国人民と米国に思い出させる挙に出る可能性がある。同年、ビル・クリントン米大統領(当時)は李登輝総統に米国への私的な訪問を許し、この原則に抗する姿勢を見せた。これを契機に、米中間の緊張が一気に高まった。

 こうしてみれば、中国が今、平潭島に大量の観光客を迎え、バスに満載の観光客を中国軍幹部が急襲訓練を見下ろしていた丘に運ぼうとしているのは、まさにタイムリーと言えるかもしれない。

 1995年の状況と比べれば、現在、両国関係はそれほど危うい状況にはない。この時、中国は擬製ミサイルを台湾近海に発射。対する米国は平潭島近くに空母打撃群2隊を派遣し、台湾を攻撃しないよう中国に警鐘を鳴らした。中国はトランプ氏の発言(と12月2日の蔡英文・台湾総統からトランプ氏への祝いの電話)に激怒しているものの、トランプ氏が2016年1月20日の大統領就任以降も「一つの中国」の原則を巡って挑発を続けない限り、報復行動に出る公算は小さい。

ニクソンショックならぬ“トランプショック”を警戒

 蔡総統が5月に就任して以降、中国は台湾への風当たりを強めている。台湾との外交チャネルを閉ざし、蔡総統が一つの中国の原則受け入れを拒否したことに不快感を表明した。

 だが、トランプ氏が一つの中国の原則に懐疑を示していることに、葵総統自身、不安を感じているかもしれない。トランプ氏は「どうして我々が『一つの中国』政策に縛られなければならないのか分からない。通商を含めて、色々な面で中国と取引があるなら別だが」と発言した。さらに、中国は通貨価値を切り下げたり、南シナ海において人工島を建造したりして、米国に「大きな損害をもたらしている」と指弾した。北朝鮮問題に関しても、「我々に一切協力しない」と中国を非難した。

 多くの台湾人は、これらの発言は、トランプ氏が台湾を交渉カードに使おうとしていることを意味するのではないかと危惧している。冷戦時代、米国と中国が国交回復交渉を秘かに進めたことは、今も台湾の人々の脳裏に焼き付いている。これにより1979年、米国と台湾は断交に至った。

 蔡政権は、トランプ氏の発言に対して直接コメントするのを差し控えている。トランプ氏と電話で会談したことについて公に言及するのを避けている背景に、中国との緊張が高まるのを回避したいとの考えがあることは明らかだ。

トランプ発言は習近平にも悩みの種

 トランプ氏の発言は、どのような時であれ、中国の指導者の怒りを買っただろう。だが、今回の発言は習近平国家主席にとって、とりわけ時機が悪かった。習国家主席は現在、2017年末に開催される共産党大会の準備に忙殺されている。次期党大会では、中央政治局およびその他の党組織の体制一新が発表されるとみられている。

 習国家主席による人事案を阻止しようと目論む人々は、米国に対し弱腰だと映る兆候を同国家主席が見せれば、すかさずその機に乗じようとするだろう。台湾との関係はその格好の材料となる。トランプ氏が一つの中国の原則に抗い続ければ、次期共産党大会が近づくこの時期、中国側の反応が常にも増してエスカレートする恐れがある。

 とりわけ、中国と台湾の相違は「後世に引き継がれるべきではない」と習国家主席が主張していることを考えれば、なおさらだ。政府内のタカ派勢力は、今が台湾問題を力づくで解決する絶好の機会だと訴えるかもしれない。

 中国国内で反米あるいは反台湾デモへの機運が高まれば、習国家主席は妥協することが一段と困難になるだろう。彼自身、ナショナリストの怒りの矛先が向けられることを恐れているとみられる。

現状を変えるのは難しい

 だが、そうした事態が生じるリスクは小さいかもしれない。習国家主席が2012年に政権を掌握して以降、ナショナリストによる大規模な抗議活動は起きていない。その一因は、同国家主席が社会的・政治的管理を強化してきたことにある(かつてないほど大量の反体制派を拘束してきたこともその1つ)。

 精華大学の孫哲教授は、台湾問題について大規模なデモが起きる公算は小さいと語る。孫教授によれば、「彼らは新しいルール、すなわち政治的な規律の強化に改めて焦点が置かれるようになったことを理解している」。また同教授によれば、トランプ氏は大富豪であることや、予想外の政治的成功を成し遂げたことで、多くの中国人から今も称賛されているという。中国国民は「トランプ氏は中国と取引したがっている」(同教授)。

 台湾の一部の人々は、トランプ氏が台湾との関係を変えるのは難しいであろうことに、安心感を抱いている。例えば、武器の売却を恒久的に停止すると発表するのは困難だ。台湾への武器売却は、台湾関係法で保障されている。1979年に成立した台湾関係法は、公式な国交を断絶した後も、「米国は台湾防衛に関心がある」と台湾の人々に納得させることを目的としている。

 米共和党員の多くは台湾に同情的で、同法の変更には消極的だと思われる(この法律自体、一つの中国という考えに挑戦するものだが、中国はしぶしぶ受け入れている)。

 中国政府の姿勢が、軍事演習を強行した20年前とは変わっていると見受けられることも、台湾にとって安心材料の1つかもしれない。今年4月、人民日報の国際版、環境時報は、武力による台湾統一に関する世論調査の結果を掲載した。同調査によれば、回答者の85%が武力による台湾統一に賛成しており、最適な時期は向こう5年以内とする回答が58%に上った。だが報道によれば、中国のインターネット監視当局は、環境時報を厳重注意した。このような調査を実施すれば「デリケートな問題について騒ぎを引き起こす」との理由だった。

© 2016 The Economist Newspaper Limited.
Dec 17th 2016 | From the print edition, All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。
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このコラムについて

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http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/924.html

[経世済民117] マイナス金利生んだ中銀がQE規模縮小−世界的な潮流か  パスキ増資失敗デフォルト率70%  捨てる神あればアジアHF勝組
マイナス金利生んだ中銀がQE規模縮小−世界的な潮流か
Amanda Billner
2016年12月21日 18:54 JST更新日時 2016年12月22日 12:08 JST

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• スウェーデン中銀で6人いる理事中、3人がQE延長めぐり異論
• 「他の中銀とも足並みがそろっている」−SEBチーフエコノミスト

マイナス金利を生み出した北欧で、この金融政策が限界に達したことが示唆されている。
  スウェーデン中央銀行は21日、政策金利を過去最低のマイナス0.5%に据え置くとともに量的緩和(QE)を来年6月末まで継続することを決めたが、これは簡単な決断ではなかった。6人の理事の票が割れ、イングベス総裁は最終決定を迫られた。2人がQE停止を求め、1人が購入半減を求めたのだ。
  SEBのチーフエコノミスト、ロベルト・ベリクビスト氏は電話インタビューで、「際立ったのはQEをめぐり理事会が全会一致できなかった点だ」とし、「大局的に捉えれば、非伝統的な金融政策はスウェーデンで終了に向かいつつあり、他の中銀とも足並みがそろっている」と付け加えた。
  デフレ定着を防ぐ取り組みに全力で取り組んできたスウェーデン中銀だが、今や世界の主要中銀と同じような認識に至りつつあるようだ。日本銀行は量的緩和から長短金利操作に軸足を移し、欧州中央銀行(ECB)も国債購入プログラムが終了に近づいていることを示唆。米国に至っては、金利がゼロに近い状況が10年近く続いた後の引き締めを加速させる準備を進めている。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iIbmefIgaroI/v2/-1x-1.png

  スウェーデン中銀は一般国債、インフレ連動債をそれぞれ150億クローナ(約1900億円)追加購入すると決定。今年末までの6カ月間では計450億クローナの上積みとしていたため、規模縮小となる。ただ、イングベス総裁は金融政策を通じた追加刺激は今後ないと想定するべきではないとし、インフレ率が予想をかなり下回れば、政策金利の引き下げや国債購入の拡大はあり得るとくぎを刺した。
  同総裁は21日の記者会見後のインタビューで「結局、インフレ率を2%に戻すためにやらなければならないことは何でもするということだ」と述べた。
原題:Birthplace of Negative Rates Nears End of the Road for Stimulus(抜粋)Swedish Central Bank Sees Growing Divisions as QE Extended (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIJ4066KLVRK01 

 


パスキ増資失敗の可能性高まる、公的救済必至か−デフォルト率70%
Sonia Sirletti
2016年12月21日 23:43 JST 更新日時 2016年12月22日 09:49 JST

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期待されるアンカー投資家はこれまでのところ増資に関心を示さず
債券の株式転換で約20億ユーロの資本調達が可能になる

イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの50億ユーロ(約6130億円)相当の増資計画は、投資家需要を十分に呼び込めず、政府による救済が必要になる可能性が高い。事情に詳しい複数の関係者が指摘した。
  モンテ・パスキが21日の取締役会終了後に発表したところでは、期待されるアンカー投資家はこれまでのところ増資に関心を示していない。一方、一般投資家と機関投資家が合計で約25億ユーロ相当の債券の株式転換に応じたことで、約20億ユーロの資本調達が可能になる。
  事情に詳しい複数の関係者によると、カタールの政府系ファンドも投資を検討していたが、増資引き受けの確約には至っておらず、増資に応じることを検討している他の機関投資家は、アンカー投資家から10億ユーロを調達できることが資金を投じる条件になると示唆している。
  モンテ・パスキの存続可能性をめぐる不安が高まる中で、同行は21日の届け出で流動性が底を突く時期が4カ月後と、従来想定していた11カ月後よりも近いことを明らかにした。同日のミラノ株式市場で同行の株価は急落し、12%安の16.30 ユーロで終了。年初来では約87%下げている。
  スウェドバンクのストラテジスト、パール・マグヌソン氏は21日のリポートで、「モンテ・パスキによる民間資本の調達努力に関するこれまでの報道には非常にがっかりさせられる。政府の介入が日に日に近づいているようだ」と指摘。政府による介入は「株主と劣後債保有者に損失を強いることになり、それ自体が大きな懸念になる」との見方を示した。
  モンテ・パスキの劣後債をめぐり市場が織り込むリスクも過去最悪となっている。ブルームバーグが集計したデータによれば、2019年3月満期の劣後債5億ユーロ相当の価格は0.06ユーロ安の0.44ユーロと過去最安値を更新。CMAのデータによると、同行の劣後債のデフォルト(債務不履行)に備える期間5年のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、70%のデフォルト確率を示唆している。
  イタリア政府は今週に入り公的借り入れを最大200億ユーロ増やす承認を議会に求め、モンテ・パスキや他の銀行の救済に備える準備が前進した。
原題:Paschi Falls as Buyers Said to Balk, Making State Aid Likely (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-21/OIJG8M6TTDSX01


 


信条は捨てる神あれば拾う神あり−アジアのヘッジファンド勝ち組
Bei Hu、Kathleen Chu、Klaus Wille
2016年12月22日 11:09 JST

BFAMやLIM、セリカなどのファンドが今年好調
ダイモン・アジアは円などアジア通貨下落に賭けて利益を上げた

捨てる神あれば拾う神ありだ。
  アジアの多くのヘッジファンドが今年低迷する中で、こうした信条を持ったBFAMパートナーズやLIMアドバイザーズ、セリカ・パートナーズ・アジアなどトップクラスの一角を担うファンドが好調だった。1−3月(第1四半期)に売り込まれた商品関連の債券を買い入れたり追加保有したりしたことが寄与し、日中の不安定な相場変動に苦しんだアジアのヘッジファンドの中で際立つ実績を残した。
  BFAMのマルチ戦略「アジアン・オポチュニティーズ・マスター・ファンド」は1−11月のリターンがプラス16%だと事情に詳しい関係者が非公開情報だとして匿名を条件に語った。運用資産は今年末時点で20億ドル(約2350億円)を上回る見込みだという。
  セリカのクレジットファンドは1−11月のリターンがプラス30%を超える。別の関係者が明らかにした。香港でアイバン・リー氏が運用する同ファンドは、年初に買い入れたインドネシアや資源会社の債券が値を戻したことで、利益の大半を確保したと関係者は説明した。セリカの担当者はコメントを控えた。
  LIMのジョージ・ロング最高投資責任者(CIO)は、3億400万ドル規模の「LIMアジア・スペシャル・シチュエーションズ・ファンド」の1−11月のリターンがプラス10%(手数料調整後)だったと語った。商品業界を中心とする高利回り債は、同業界の持ち直しと一部企業の債務借り換えに伴い、価格が回復した。
  ダイモン・アジア・キャピタル(シンガポール)のマクロファンド(運用資産34億ドル)は1−11月にプラス約12%のリターンを記録した。投資家に送付された推計で分かった。同社の「ダイモン・アジア・カレンシー・バリュー・ファンド」(運用資産7億2100万ドル)のリターンはプラス45%。円などアジア通貨がドルに対し下落すると想定したことが両ファンドに利益をもたらした。
原題:BFAM, Dymon Shine in Asia Hedge Funds’ Toughest Year Since 2011(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OIKBB86JIJVC01

http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/111.html

[経世済民117] 物価の財政理論  FTPL(Fiscal Theory of Price Level)を巡る論点について
物価の財政理論

『物価水準の財政理論』 (FTPL, Fiscal Theory of Price Level)
anond.hatelabo.jp/20161116045208
2016/11/16 - 『物価水準の財政理論』というのはその名前がミスリードなもので、基本的には「まともな経済なら、現在の政府債務の実質価値は、将来にわたる…

[PDF]「物価水準の財政理論」の真意 - econ.keio.ac.jp
web.econ.keio.ac.jp/staff/tdoi/c200303_2.pdf
本稿では、「物価水準の財政理論(Fiscal Theory of the Price Level)」に関する議論を紹. 介する。この理論は、「物価変動は財政政策による現象である(通貨供給量は物価変動に影. 響を与えない)」というものである。特に、物価水準が政府の予算制約式(歳入= ...


政府の貨幣価値コミットメントと金融政策の限界 -金本位制から現代まで ...
www.fujitsu.com/jp/group/fri/report/research/2003/report-172.html
ところで,人々の財政の将来に対する期待から生じる貨幣価値すなわち物価への圧力は、金融政策により緩和したり増幅したりする ...
一貫した理論的枠組みによって分析するには、FTPL (Fiscal theory of the price level:物価水準の財政理論)が有効である。

[PDF]注目される「物価水準の財政理論」 - みずほ総合研究所
www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/today/rt161114.pdf
2016/11/14 - C.A.Sims氏を中心とした「物価水準の財政理論」(Fiscal Theory of Price Level:FTPL)に代表されるように、. 物価水準に影響を与えるのは、金融政策以上に財政政策にあるとの考えが台頭し、財政政策の役割を再. 認識する見方が世界的な ...


[PDF]福井義高「FTPL(Fiscal Theory of the Price Level)の視点から見た国債 ...
www.carf.e.u-tokyo.ac.jp/research/zaisei/130208fukui.pdf
2013/02/08 - FTPL (Fiscal Theory of the Price Level). の視点から見た. 国債発行 ... The NNS model behaves like the flexible price RBC [Real. Business Cycle] model ..... 財政破綻が現実問題となった日米の状況下では、物価. 水準も利子率も中央 ...


[PDF]物価の変動メカニズムに関する2つの見方 - 日本銀行
https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2002/data/ron0207a.pdf
貨幣的現象である」という命題でも知られている。これに対し、近年、「物価水準の財. 政理論(Fiscal Theory of the Price Level)」と呼ばれる新しい理論が学界で議論され、. 注目を集めている1。この理論は、「インフレは貨幣的現象ではなく、財政的現象である」.


物価水準の財政理論
htn.to/sNj9y7
物価水準の財政理論(感想). 今井亮一. 2003年6月6日. 2003年6月9日(改訂). 最近話題の「物価水準の財政理論」(Fiscal Theory of Price Level、以下、FTPLと略)について、一言感想。 財政再建と財政支出のムダ告発の論客として知られる若手財政学者 ...


連続時間モデルにおけるFTPLの批判的検討
ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nels&lang=en&type=pdf&id=ART0009853784
鑓田亨 著 - ‎2012 - ‎関連記事
流通速度Vと実質生産Tを一定とすれば、物価水準Pは貨幣供給Mに比例する。しかし、これ. だけではなぜ財政問題が通貨価値下落に通じるのか説明できない。FTPL(Fiscal Theory of the. Price Level:物価の財政理論)が注目を集めることになると予想される ...


 


 

 


物価水準の財政理論
(感想)

今井亮一

2003年6月6日

2003年6月9日(改訂)

最近話題の「物価水準の財政理論」(Fiscal Theory of Price Level、以下、FTPLと略)について、一言感想。

財政再建と財政支出のムダ告発の論客として知られる若手財政学者のD氏が、FTPLについて解説文を書いている。

その中で氏は、次のように言う。

@「名目公債発行額の増加分よりも、実質基礎的財政収支赤字の増加分が大きければ、政府の予算制約式を満たす(政府が債務不履行を宣言しない)には、物価水準が下がらなければならない」

さらに氏は、次のように続ける。

A「1990年代に大量発行した国債は、いずれ現金償還の時期を迎える。その時にはインフレがピークを迎える」

これらを読んで、読者はどのような印象を抱くであろうか。

文字通り解釈すれば、基礎的収支を悪化させる政策、つまり公共投資の増額や減税が、デフレの原因であり、逆に国債を大量償還すればインフレになる、と取るのが正常な受け取り方であろう。

しかし、このような解釈はきわめて大きな誤解を招く。結論を先に言えば、D氏は、フローの政府予算制約式に密着してこのような結論を得ており、その限りでは「ほぼ」正しいが、本来、FTPLは、フローの政府予算制約式を和分ないし積分した、通時的予算制約式に基づいて解釈されなければならない。

というのは、D氏は「政府の予算制約式を満たす(政府が債務不履行を宣言しない)」と言うが、政府が長期的に債務を果たすためには、通時的予算制約式が満たされなくてはならない。しかし、フローの政府予算制約式をいくら眺めていても、政府が債務を履行するかしないかはわからない。

通時的予算制約式に基づいて議論すれば、正しくは、

B実質的財政基礎収支の現在価値和の減少または政府債務の現在価値和の増加は今日の物価水準の上昇を招くが、前者の増加または後者の減少は今日の物価水準の低下を招く、

と言わなければならない。

早速、簡単なモデルで、以上のことを確認しよう。

まず、フローの政府予算制約式を書いてみる。

Bt+1-Bt=Gt+iBt-Tt               (F)

ただしここで、Bは公債発行残高、Gは政府支出、Tは税収、iは名目利子率であり、添字のtはperiodを現わす。すべて貨幣表示、すなわち名目値である。

これを変形すると、

Tt-Gt=iBt-(Bt+1-Bt)

を得る。言葉で書けば

名目基礎的財政収支=名目公債費ー名目新規公債発行額

ここで、t期の物価水準をPtとする。実質政府支出をγ、実質税収をτと表すことにすると、

Tt-Gt=Pt(τt-γt)

であるから、次を得る。

Pt=[iBt-(Bt+1-Bt)]/(τt-γt)          (P)

物価水準が正の値を取るためには、右辺の分子、分母は同じ符号を持たなければならない。それらが正の場合は、次のように言える。

今期の物価水準=[名目公債費−名目新規公債発行額]/[実質基礎的財政黒字]

もし、それらが負の場合には、次のようになる。

今期の物価水準=[名目新規公債発行額−名目公債費]/[実質基礎的財政赤字]

さてここで、名目公債費は前期の公債発行残高から自動的に決まるから、政府の操作可能変数ではない。そこで、この式の変化率を取ると、(だいたい)次のようになる。

今期のインフレ率=名目新規公債発行額の増加率−実質基礎的財政赤字の増加率

ここから直ちに、命題@が導かれるとD氏は主張する。@「名目公債発行額の増加分よりも、実質基礎的財政収支赤字の増加分が大きければ、政府の予算制約式を満たす(政府が債務不履行を宣言しない)には、物価水準が下がらなければならない」と。

氏の主張は正しい。しかし、ここでは、政府が将来的に債務を履行するか否かは、何の役割も果たしていない。この式は、政府が長期的にsolventか否かにかかわりなく成り立つ。

次に、氏の命題Aを見てみる。今期は、前期の公債残高のうちΔBtを償還することにしよう。すると、式(P)は、次のように書き換えられる。

Pt=[iBt+ΔBt-(Bt+1-Bt)]/(τt-γt)          (P')

ただしここで、D氏は、公債償還にあたって新規に公債を発行しない、と言っているから、分子の()内を(ΔBt+Bt+1-Bt)とする必要はないとしている。

ここから直ちに命題Aがしたがうように見える。分子が増え、分母は一定だから、今期の物価は上がる。

しかし、現在の日本は、基礎的財政赤字である。したがって、正しくは、こうなる。

Pt=[(Bt+1-Bt)-(iBt+ΔBt)]/(γt-τt)          (P'')

すなわち、今期、まとめて公債を償還する場合、公債費が新規公債発行額を上回らない限り、今期物価の上昇ではなくて、低下が起こる。すなわち、氏の命題Aは成り立たない。償還額が大きすぎると、分母は正なのに、分子は負になってしまうから、そもそも、そういう解釈が成り立たなくなる。

D氏の文章を私が正しく解釈している限り、D氏の命題@は正しいが、命題Aは誤っていると結論付けられる。

ところで、D氏は、国債を大量償還する頃には、基礎的収支は黒字に転換していると仮定している可能性がある。すなわち、(P'')ではなく(P')が成り立つなら、氏の議論は正しい。

しかし、そもそも氏は、基礎的収支は赤字であるという日本の現状から議論を始めたのである。それなら、基礎的収支が赤字から黒字に転換するときに、物価水準に何が起こるかを説明しないと、議論は整合的とならない。

つまり、フローの政府予算制約式を操作して何か言おうとすることは、FTPLの使用法として、あまり適切でないと思われるのである。

(補筆、2003年6月9日) その後、D氏と直接議論をする機会を得た。

その結果、D氏は、国債を大量償還する頃には、基礎的収支は黒字に転換していると仮定していることがわかった。したがって、D氏の命題Aは正しい。

しかし、依然として、基礎収支が赤字から黒字に転換する場合の適切な物価決定式は、フローの政府予算制約式からは出てこない。

ところで、以上の議論では、公債の満期は一律に1年と決まっており、毎年借り替えてゆくことが暗黙のうちに仮定されている。

しかし、満期が一年以上の長期債が発行され、市場の国債の期間構造が複雑になっている場合には、単純に国債の発行増が物価水準を低下させることにはならない。

Cochrane (2001)は、長期債が流通している世界を考え、物価水準の長期債残高の分布による誘導型を導出している。

それによれば、長期債残高は、物価水準を長期的には上昇させるが、短期的には低下させる。

例えば、2010年に満期を迎える国債を、毎年追加発行する思考実験を考えよう。

すると、物価は、ベースラインに比べ、最初の年は下落し、2年目以降、上昇に転ずる。ピークは9年目であり、10年目に元の水準に戻る。

実際には、年々、逐次的に満期を迎える国債が発行されるのが普通であるから、新規の国債発行規模が十分に大きければ、物価水準が年々低下するということも起こり得る。

つまり、逆説的なことに、国債発行が、短期的にはデフレ要因として働く可能性があるのである。

Cochrane (2001)は、1980年代前半のアメリカで、レーガノミクスによって大量の国債が発行されたにもかかわらずインフレが沈静化したのは、このメカニズムによるのではないか、と言っている。

さらに、基礎的収支の現在価値を所与として、短期債を発行し長期債を買入償却する国債管理政策を行うことによって、インフレが起こるタイミングを早めることができる。

FTPLに関する詳細な議論は、日本語では、渡辺・岩村(2002)によって与えられている。

そこでは、政府のフローの予算制約式を和分し、発散項がゼロに収束する条件(横断条件)を課して通時的予算制約式を得ている。横断条件が、政府が長期的に債務を履行する条件であることは言うまでもない。その結果、次の表現が得られる。

現在の物価水準=[公的部門の名目コミットメントの現在価値]

/[公的部門の実質サープラスの現在価値]

ただしこれは、岩村(2002)が用いている表現である。言い方を変えると、次のようになる。

現在の物価水準=[公的部門の名目債務の現在価値和]

/[公的部門の実質基礎的財政収支の現在価値和]

したがって、いずれの表現においても、右辺の分子を減少させ分母を増加させる政策を行えば、現在の物価水準は低下する。これに対し、逆の政策を取れば、現在の物価を上げることができる。

右辺分子を減少させる政策とはどのような政策であろうか。岩村(2002)によれば、「名目コミットメント」とは,政府が将来にわたって約束したあらゆる給付を表す。国債に対する利払いや償還だけでなく、公的年金や公的医療保険による給付、預金保護や政府による債務保証などを、すべて含んでいる。

現在、政府はこれらの名目コミットメントを整理・縮小しようとする「構造改革」に取り組んでいるが、それは、現在の物価水準の低下を招く。

一方、右辺分母を増大させる政策とは何であろうか。言うまでもなく、増税や政府支出の削減がこれに当たる。これまた、現在、政府が実施を計画している政策である。

というわけで、現在の政府の構造改革や財政再建政策が、現在の物価水準を低下させていることは明らかである。

これを意識しているかどうか定かではないが、政府はもっぱら、自らの責任については知らぬ振りをして、日本銀行にデフレ対策を求めている。しかし、FTPLにおいては、中央銀行が供給する貨幣とは、政府による広義の名目コミットメントの一つにすぎない。中央銀行がいかなる政策を取ろうとしても、全体として政府がそれをオフセットする政策は、いくらでも実行できる。

年金や医療に対する将来不安が、国民に消費を手控えさせデフレを招く、と言われる。「不安」という言葉はともかく、確かに構造改革はデフレを招いているのである。

岩村(2002)は、構造改革、財政再建、デフレ解消という三つの目的を同時には実現できない、と言っている。構造改革と財政再建を同時に進めるなら、必ず今日の物価水準は低下する。

政府の名目コミットメントを縮小することが構造改革として必要であり、何よりも実行しなければならないのなら、一見、これと矛盾するようではあるが、政府支出の拡大や恒久減税を行って、基礎収支の現在価値和の低下を同時に進めないと、今日のデフレを防ぐことはできない。

参考文献

岩村充(2002)「公的コミットメントの整理とそのデフレ効果」、富士通総合研究所、Economic Review, Vol.6, No.3, 2002年7月。

河越正明・広瀬哲樹(2003)「FTPL(Fiscal Theory of Price Level)を巡る論点について」, ESRI Discussion Paper No.35, 内閣府経済社会総合研究所。

土居丈朗(2000)「我が国における国債管理政策と物価水準の財政理論」、『経済分析 政策研究の視点シリーズ』, 16号, 9-35頁。

土居丈朗(2003)「「物価水準の財政理論」の真意」、三菱信託銀行。

渡辺努・岩村充(2002)「ゼロ金利下の物価調整」、財務省・財務総合政策研究所『フィナンシャル・レビュー』64号。

Canzoneri, Cumby, Diva (2001a), "Fiscal Discipline and Exchange Rate Systems," Economic Journal 111, 667-690.

Canzoneri, Cumby, Diva (2001b), "Is the Price Level Determined by the Needs of Fiscal Solvency?" American Economic Review 91(5), 1221-1238.

Dupor, Bill (2000), "Exchange Rates and the Fiscal Theory of the Price Level," Journal of Monetary Economics 45, 613-630.

Cochrane, John H. (1998), A Frictionless View of US Inflation, NBER Macroeconomics Annual 1998, MIT Press, 323-334.

Cochrane, John H. (2001), Long-Term Debt and Optimal Policy in the Fiscal Theory of the Price Level, Econometrica 69, 69-116.

Woodford, Fiscal Requirements for Price Stability, Journal of Money, Credit, and Banking, 66(3), 669-728.

※インターネットで、岩村充氏や土居丈朗氏を検索すれば、さらに有用な情報が得られます。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:UIJAuTuGCMAJ:htn.to/sNj9y7+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp


 


FTPL(Fiscal Theory of Price Level)を巡る論点について

2003年5月
河越 正明(内閣府政策統括官(経済財政−運営担当)付企画官)
広瀬 哲樹(内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官)
要旨
1.趣旨、問題設定
政府の予算制約式が物価水準を決めると主張する理論、物価水準(決定)の財政理論(FTPL, Fiscal Theory of Price Level)が近年登場したが、その理論の受け取られ方は肯定的・批判的さまざまである。また、その理論が現実のデータ等をどの程度説明できるかといった実証分析はまだそれほどなされていない。まして、その理論を踏まえた政策提言について、政策当局者がその現実妥当性や信頼性をどのように判断してよいかは明らかでない。こうした状況にかんがみ、FTPLの理論・実証、さらには日本経済に対する政策的な含意について現時点で包括的な整理を試みた。
2.目的及び手法
理論面については、なるべく統一的かつシンプルな枠組みを示した上で、その前提を変更するとどうなるのか、理論的枠組みに対する疑問も紹介しながら検討した。実証分析については、FTPLが成立する前提となるNon-Recardian型財政政策が果たして取られているか、政策論としては、FTPLのもつ流動性の罠についての脱出策について、を中心にそれぞれ批判的に検討した。
3.分析結果の主なポイント
今期の物価水準が政府の予算制約式から決定されるというFTPLの主張は、金融政策がマネタリー・ターゲットにしたがって運営される場合や、長期国債が存在する場合など、その理論の前提を変えるとそれほど明確でなくなる。実証分析においては、FTPLが成立する前提となるNon-Recardian型財政政策が果たして取られているか、はっきりしない。
日本に関する政策論としては、FTPLが主張する処方箋を実際には実施済みだと解釈することが可能であり、それでも流動性の罠から抜けられないのはなぜかという疑問が残る。
4.おわりに
FTPLが政策オプションとして現実への妥当性を高めるためには、理論的な枠組みとしても、(1)民間経済主体の期待が絶えず裏切られる状況が均衡として成立することを是正するとともに、(2)物価に担わせている財の価格という役割と、政府債務の実質実効価値という役割の2つを切り離すことが必要だと考える。そのためには、従来のモデルに国債価格決定方程式、または価格決定式を導入することが必要となろう。
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全文の構成

概要
1ページ1.はじめに
2ページ2.FTPL理論の概要
2ページ2.1 完全予見のモデル
5ページ2.2 不確実性のある場合
7ページ2.3 貨幣なき貨幣理論(又は貨幣の税理論)
7ページ2.4 小括
7ページ3.FTPLの諸前提の再検討と拡張
8ページ3.1 Ricardian型財政政策ルール
8ページ3.2 代替的な金融政策のルール:マネタリー・ターゲットに変更
10ページ3.3 国債のデフォルトの可能性
10ページ3.4 HTPL, TTPL, CTPL,...
11ページ3.5 開放経済への拡張
13ページ3.6 長期国債の導入
15ページ3.7 時間的整合性の問題 (time-consistency)
16ページ3.8 小括
16ページ4.実証分析の論点
17ページ4.1 前史
19ページ4.2 NR型と R型の識別
21ページ4.3 資産効果
22ページ4.4 小括
22ページ5.デフレ克服についての政策的な含意
23ページ5.1 金融引き締めのパラドクス
24ページ5.2 流動性の罠
26ページ5.3 日本経済への含意
28ページ5.4 小括
28ページ6.結び
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http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis035/e_dis035.html

1
概要
本稿では、物価水準(決定)の財政理論(FTPL, Fiscal Theory of Price Level)について、
理論、実証及び政策的な含意をサーベイし、検討した。その際、なるべく統一的かつシン
プルな枠組みを示した上で、その前提を変更するとどうなるのか、理論的枠組みに対する
疑問も紹介しながら検討した。FTPLについては既にChristiano and Fitzgerald (2000) や
木村(2002)のようなサーベイも存在するが、前述の問題意識から、本稿は、実証や政策論
も含むより包括的なものになっている。
今期の物価水準が政府の予算制約式から決定されるというFTPLの主張は、金融政策ルール
や国債の満期構成等の前提を変えるとそれほどはっきりしない。実証分析においては、FTPL
が成立する前提となるNon-Recardian型財政政策が果たして取られているか、はっきりしな
い。日本に関する政策論としては、FTPLが主張する処方箋を実際には実施済みであり、そ
れでも流動性の罠から抜けられないのはなぜかという疑問が残ることを示す。
Abstract
This paper surveys and reexamines Fiscal Theory of Price Level’s (FTPL, hereafter) theoretical
framework as well as empirical and policy implications. A simple theoretical model, which
unifies various models and notations scattered in the literature, is presented and reexamined through
changes in assumptions underlying the model. Manipulating the assumptions is quite useful to
show usefulness and limits of FTPL, which are critically surveyed here. This paper is intended to
be more comprehensive than other surveys like Christiano and Fitzgerald (2000) and Kimura (2002)
in that this comprises empirical results and policy proposals.
FTPL’s assertion that today’s price level is determined through government’s budget constraint
could be obscure if assumptions such as monetary policy rule and maturity structure of government
debt are altered. It remains to be seen whether Non-Recardian type fiscal policy, which is a
critical assumption of FTPL argument, is actually adopted. This paper casts a doubt on validity of
FTPL as a policy proposal to overcome Japan’s liquidity trap by arguing that the current Japanese
macro policies are, in fact, consistent with prescriptions given by FTPL. Hence, a question is
“Why has not Japan escaped the trap?”
キーワード:FTPL(物価水準(決定)の財政理論)、政府の予算制約式、流動性の罠;

はじめに
本稿では、物価水準(決定)の財政理論 (FTPL, Fiscal Theory of Price Level) について、理論、実証及び政策
的な含意をサーベイし、検討した。FTPL は、Leeper (1991)、Woodford (1994, 1995) や Sims (1994)、Cochrane
(1998) 等によって展開されたが、Buiter (2002) の批判に見られるように、その理論の受け取られ方は肯定的・
批判的さまざまである。また、その理論が現実のデータ等をどの程度説明できるかといった実証分析はまだそ
れほどなされていない。まして、その理論を踏まえた政策提言について、政策当局者がその現実妥当性や信頼
性をどのように判断してよいかは明らかでない。こうした状況にかんがみ、FTPL の理論・実証、さらには日
本経済に対する政策的な含意について現時点で整理を行うことは意義あることだと考える。
その際、なるべく統一的かつシンプルな枠組みを示した上で、その前提を変更するとどうなるのか、検討し
た。FTPL については既に Christiano and Fitzgerald (2000) や木村 (2002) のようなサーベイも存在するが、前
述の問題意識から、本稿は、実証や政策論も含むより包括的なものになっている。1970 年代に、合理的期待
がマクロ経済学にはいってきた時に、それをどのように受容するかについてのさまざまな議論を経て、最終的
には一つのベンチマーク・ケースを提供するものとして取り入れられたように思われる。FTPL についても、
いたずらに批判するのではなく、まずはこの理論が新たにどのような視角を与えてくれるか、検討することが
重要であろう。
FTPL は、インフレは貨幣的な現象だとする Friedman 流の考え方とはだいぶ異なる。Friedman 流の考え方
に対する留保としては、Sargent and Wallace (1981) による “unpleasant monetarist arithmetic” の議論がある。
彼らは、いくら金融政策が慎重に運営されていても、放漫な財政運営の下では、財政赤字を monetize せざる
を得ず、その結果インフレが生じる可能性があることを示した。金融政策と財政政策は、政府の予算制約式を
通じて結びついており、相互の調整を図らなければならない。つまり、歳出は、税か、国債発行か、貨幣の発
行でファイナンスされる以外ない。歳出と税収が政治的な決定の下にある場合は、いくら貨幣発行を k %ルー
ルで縛っても、市場が国債を消化しきれなくなった時点で、貨幣の増発を余儀なくされ、その結果インフレが
生じる。ただし、この議論では、あくまでもマネー・サプライの増加によってインフレが生じるので、インフ
レの根本的な原因は財政政策にあっても、貨幣数量説とは必ずしも矛盾しない。
ここで取り上げる FTPL は、Sargent and Wallace (1981) と同様に政府の予算制約式を重視するものの、
貨幣発行の増加がなくともインフレが生じる としている点で、より強い主張をしている1。このアプローチの
長所の一つは、金利を目標に金融政策を行った場合に物価水準が不決定になる場合があることが知られている
が、これを回避できる点である。また、政策提言としても重要な含意を持つ。Sargent and Wallace (1981) の枠
組みにおいては、財政赤字を税収でファイナンスするか、貨幣の増発でファイナスするかは、しばしばチキ
ン・ゲームに喩えられる (Sargent, 1982)。ここから出てくる政策的な含意は、中央銀行の独立性を高めて、中
央銀行が政治的なプレッシャーに屈しないことが重要となる。しかし、FTPL が主張するように、マネー・サ
プライとは独立に政府の予算制約式から物価水準を決定されるのであれば、中央銀行の独立性だけで物価の安
定を図ることは不可能となる。
本稿の構成は以下のとおりである。次節で FTPL の理論の概要を示した上で、第 3 節ではその理論の前提を
変更した場合にどうなるか、再検討を加える。第 4 節では、FTPL の実証分析の論点を整理する。その上で、
第 5 節では日本経済の現状に照らし、FTPL がデフレ克服についてどのような政策的な含意をもつのか、検討
1
Carlstrom and Fuerst (2000) は、Sargent and Wallace (1981) を weak form of FTPL と位置づけている。
1
する。第 6 節は結びである。
  理論の概要
本節では FTPL 理論の骨組みを、フォーマルな形で、しかしなるべく簡潔に示す。次節では、政策のルール
をはじめとするモデルの前提を変更するとどうなるかを検討するが、本節はその準備作業に当たる。

完全予見のモデル


家計部門
無限に生きる代表的家計を想定し、効用最大化を考える。効用関数は、MIU(Money-in-Utility)アプローチ
に従って定式化する 2。ここで
Mt と Bt はそれぞれベースマネー3と国債(満期が1期の短期債)の期末残
高、Rt はグロスの名目金利、τt は(ネット)移転支払とする。本論文では、原則として、小文字は実質値、大
文字は名目値を示す。ここで財は (非耐久) 消費財であり、翌期まで持ち越すことはできないと仮定する。代
表的家計は、以下のように、式 (2) の下で式 (1) を最大化するよう ct
Mt 及び Bt を決定する。
m


 物価水準の決定
式 (23) のような財政政策の結果、式 (22) によって、均衡物価水準は P
0 R1A1sr¯
r

11
となる。式
(19) 及び (23) から得られた差分方程式は図1のように示すことができる。at にかかる係数 r はグロスの実質
金利であって1より大きいので、式 (19) は、図1に示すように、45 度線を下から切って交わる。この交点E
が定常状態における実質政府債務残高 a  sr¯ r

1 煤
i0s¯ri

を示している。初期値が a
以外である
場合、図1に例示しているように発散し、こうした経路は横断性条件を満たさない(すなわち、式 (11) 及び
(16) が等号で成立しない)ので均衡経路ではない。均衡経路は、at a

t
0
1
2
 であり、物価が 0 期
に a
となるように P
0 にジャンプしてその水準に 1 期以降も止まるというものである。
このモデルにおいては、式(13)の下で、式 (8) 及び (9) からは実質値しか決まらない。純粋金利ペッグ
(pure interest rate peg) の下で物価水準が非決定となること(indeterminacy)は、よく知られた結論である 7。
ここでは、NR 型財政政策のルールの下で政府の予算制約式が物価水準を決めている。換言すれば、式 (8) 及
び (9) と整合的な無数の物価水準から選択を行う道具が、均衡式としての政府の予算制約式である。
FTPL における物価水準の決定メカニズムについて考えるために、恒久減税が物価水準に与える影響を考え
よう。恒久減税によって、式 (23) において財政余剰の目標値が s¯1 から 0 s¯2 s¯1 に低下したと仮定しよう。
この結果、将来にわたる財政余剰の流列の割引現在価値を引き下げるので、物価上昇により、それに見合って
実質政府債務残高も低下する。なぜ物価が上昇するかといえば、恒久減税により将来にわたる可処分所得の流
列の割引現在価値が増加するという 資産効果 によって、消費が増加し、財市場で超過需要が生じるためと説
明される (Woodford, 2001)。第 4.3 節ではこのメカニズムを実証的な側面から検討する。
これまでの物価水準の決定に、貨幣の役割はなかった。Sargent and Wallace (1981) においては、国債の累増
の結果、国債の発行による財政赤字のファイナンスが困難となって貨幣供給の増加を招き、それがインフレ
の原因となることを示した。つまり、財政政策が貨幣供給量を通じて間接的に物価水準を決めているが、金
利ペッグ下の FTPL においては、式 (22) によって、貨幣を通じることなく もっと直接的に価格水準が決定さ
れる。

不確実性のある場合



貨幣なき貨幣理論(又は貨幣の税理論)
物価水準の決定に貨幣の役割がないのであれば、仮に決済手段の多様化等が進んで貨幣という実態がなく
なって、単に unit of account の役割しかない想像上のモノとなった場合でも、FTPL に従えば物価水準を決定
することは可能である。Buiter (2002) は、貨幣という実態がないにもかかわらず、その価値である物価水準が
決定されることの不自然さを、中世の錬金術の時代に火が燃える原因と考えられていた「燃素 (phlogiston)」
という想像上の化学物質の価格決定にたとえて強調している。
しかし、逆に Cochrane (1998, 2000) は、決済手段の多様化等が進んだ極限状態、Woodford (1998b) のいう
キャッシュレス・リミットにおいて9、貨幣需要がなくなっても物価水準が決定できるのはむしろメリットだ
と主張している。つまり、通常の貨幣理論のように、取引においてなんらかの摩擦があること等から貨幣需要
が生じ、他方その供給はもっぱら中央銀行に独占されているという仮定を置く必要がない。Friedman (1999)
は、こういう仮定に現実的妥当性がなくなった場合、何が価格水準を決定するのか、経済理論ははっきりした
解答を出せないと述べている。そして、技術進歩にともなうこうした問題を回避できる確率が高い解決策とし
て、税の支払いに銀行預金に裏打ちされた小切手 (checks against reservable bank deposits) を用いることだと
している (Friedman, 2000)。
実は、これは FTPL の貨幣理論として Cochrane (2000) が強調する点である。つまり、貨幣は税の支払い手
段として受け 入れられるからこそ価値があると考えるのである (Tax Theory of Money)。このように政府が人
為的に取引需要を生み出したために使用された貨幣としては、例えばフランス革命当時発行された assignats 10がある
(Sargent and Velde, 1995) 。 
小括
以上、FTPL の標準的な結論をまとめれば、以下の通りである。  一般的に金利ペッグの金融政策の下で物価水準は不決定となるが、FTPL の下では均衡でのみ政府の予
算制約式が成立すると考えることによって、物価水準が決定される。この結果、金融政策は期待物価上
昇率をコントロールしても、財政政策が物価上昇率を決定する。  FTPL においては、たとえ貨幣がなくても物価水準が決定されるので、貨幣の役割がない点が含意され
る。この点は、Sargent and Wallace (1981) と異なる。
  の諸前提の再検討と拡張
本節は前節で示した基本的なモデルの種々の仮定を再検討してその意味を吟味するとともに、緩めることに
よってどのようにモデルが拡張されるか、検討する。
9
理論的にはともかく、現実的には決済手段の多様化がどれほど進んでもキャッシュレス・リミットを想定することは困難である。
例えばデフォルト・リスクがあれば、決済のための現金需要が必ず必要となる。 10
これは、没収された教会財産を裏づけに発行され、国が税収 不足を補うために教会財産を売る入札において、(金等とともに)
assignats による代金の支払いが認められた。
7

 小括
以上の第 3 節の検討をまとめれば、以下の通りである。  R 型の財政政策やデフォルト・リスクを考慮する場合には、政府の予算制約式から物価水準は一意的に
決定されない。すなわち、デフォルトがないと仮定した上で、価格水準の調整により成立する均衡式と
して政府の予算制約式を解釈することによって、FTPL の主張は成立する。  金融政策がマネタリー・ターゲットで運営されている場合は、政府部門の外で物価が決定されることに
より、FTPL の下では政府の予算制約式から物価が決定されると過剰決定となる可能性がある。  FTPL の解釈に従えば、国債は将来の財政余剰の流列に対する請求権であり、国債の価値である物価は、
株価の決定と同様に決定されると考えていることになる。  政府の予算制約式は、政策レジームに応じてその範囲を判断する必要がある。たとえば、産業政策いか
んでは企業の予算制約式を統合する必要があり、また、為替制度いかんでは他国政府の予算制約式と統
合して考える必要がある。  長期国債がある場合には、債券価格がいわば緩衝材となって、財政のショックが当期の物価水準に与え
る影響を小さくし、また、国債管理政策によってインフレのタイミングを調整することが可能となる。  時間的整合性の問題からみると、なぜ、物価上昇率の期待が常に裏切られるのに名目の政府債務を保有
するのかという問題がある。もし、国債がインデックス債だけになると、FTPL の主な主張は成立しな
くなる。名目の政府債務を家計に保有してもらうためには、R 型の財政政策を行う必要があるのではな
いか、という疑問が生じる。
 実証分析の論点
政府の予算制約式が物価水準を決めるのは NR 型の財政政策が取られている場合であり、R 型の財政政策の
場合には決定されない。そこで FTPL の実証分析においては、果たして実際に NR 型の財政政策が取られてい
るか、そもそもどのように財政政策を R 型と NR 型とに識別するかが課題となっている。物価が財政政策で
16
決定されることを直接テストしたものはまだあまり見当たらない22。
以下ではまず、FTPL のいわば「前史」として、ソルベンシー・テストと財政当局の反応関数についての実
証分析のサーベイを行い、その分析結果をどのように解釈すべきか、FTPL を検証する観点から検討する。そ
の上で、まだ数は少ないものの、FTPL の実証分析をサーベイする。FTPL の実証分析においては、実質財政
余剰が予算制約式を満たす値でない時に、どの変数がどのように反応するかをみることがポイントになるが、
これは後述するように、一つの結果を R 型からも NR 型からも解釈できるため、識別が困難である。
 前史


ソルベンシー・テスト


 小括
以上、第 4 節の検討をまとめれば、以下の通りである。  FTPL の実証分析においては、財政政策が N 型か、それとも NR 型なのか、という識別が焦点となって
いる。政府の予算制約式は、事後的には常に成立するが、通常、事前的な均衡式が観測されないために
テストは困難である。  財政余剰に加わった正のショックが政府の債務残高を減らすというデータの規則性は、R 型財政政策で
は容易に解釈可能であるが、NR 型でも、もし、財政政策がインフレ率の平準化を目的としていれば、
解釈不可能ではない。しかし、実際に、日本においてインフレ率の平準化が財政政策の目標であったの
かどうかは疑わしい。  FTPL についてテストしたと主張する実証分析の中には、財政余剰に加わったショックが、はたしてマ
ネーサプライの増加を経ることなく、物価水準等の他の変数に影響を及ぼしたのかどうかを検証してい
ないので、本当に FTPL をテストしているのかどうか、疑わしい。  実質財政余剰に加わったショックは財市場においては資産効果を通じて顕在化するが、これまで経験的
に知られている資産効果は、通常観察される物価上昇率を説明できないくらい小さい。
 デフレ克服についての政策的な含意
日本経済はデフレの中で停滞している。短期金利がほぼゼロとなるなど流動性の罠にはまってしまい、金融
政策を活用しようにももはや限界に達しているので、FTPL に脱出口を求める論者もでてきた。本節では、ま
ずテイラー・ルールに基づく金融政策の下でどのような財政政策が望ましいかを検討する。その後、(局所的
には望ましいルールとされる) 同ルールが大域的には流動性の罠を生む可能性があることを示す。その際に、
FTPL に基づけば NR 型財政政策によって、経済が流動性の罠から抜け出すことが可能となるという議論を日
本に適用することについて、批判的に検討する。


 日本経済への含意
以上のような FTPL が導かれるデフレ克服に有効だという処方箋を、実際に日本経済を当てはめるといった
いどのような点が論点になるだろうか。そして、我々はこの処方箋を、ひいては FTPL について、どのように
考えるべきであろうか。
■ゼロ金利政策の評価 前節の議論は、流動性の罠に陥った場合に横断性条件が満たされないような特定の
政策ルールを採用し、流動性の罠を完全予見均衡から除く(つまり、そこから脱出する)というものであ
る。しかしそのためにはなにも NR 型財政政策をとらなければならないわけではない。Benhabib et al. (2002,
p.549-550) が示しているように、均衡財政 とゼロ金利政策というポリシー・ミックスでも流動性の罠から脱す
ることが可能である。
均衡財政の場合は、実質政府債務は物価上昇分だけ増減することになるので、均衡において等号で成立すべ
き横断性条件の式 (15) は、以下のように書き換えられる。
lim
T∞ 
aT
rT  lim
T∞ a0
T
∏t0
R1
t (51)
つまり、デフレが継続する限りゼロ金利政策 Rt
1 がとられると、上式はゼロにはならず、横断性条件は満
たされなくなる。以上の議論を信じれば、現在の日本の政策はゼロ金利政策に加え財政赤字を出しているので
流動性の罠から脱出するのに、十分過ぎる位である。それでも、デフレが進行するのはなぜか。
■ 年度当初予算の目標である財政赤字  兆円枠の評価 2002 年度当初予算において、財政赤字を 30 兆
円に抑制したことについて、財政引締めであって、デフレ克服に逆行するという議論がある。デフレ克服のた
めに、NR 型財政政策をとるべしという論者もこれと同意見のようである38。構造財政収支を推計すれば、あ
る程度の引き締めになることは確かであろう39。
しかし、これが直ちに R 型の政策であるかというとやや疑問がある。30 兆円の財政赤字の結果、財務省に
よれば国債残高は 2001 年度補正後の約 395 兆円から 2002 年度には約 414 兆円に増加すると予測されていた。
つまり、約 5 %の増加である。Benhabib et al. (2002) によれば、
At1
At k (52)
という政府債務の k %ルールが、もし、
RπL
k Rπ
(53)
という関係にあれば、流動性の罠の下では式 (21) が成立せず、均衡ではなくなる。実際、日銀のゼロ金利政策
によって、まさに式 (53) が成立している。つまり、小泉総理の「税収 50 兆円のところ、30 兆円も国債を発行
していてどこが緊縮財政なのか」という主張は、FTPL のロジックに従えばデフレ克服策として正しい。 38
例えば、竹田 (2002, p.173) を参照。 39
OECD, Economic Outlook 72 (Dec. 2002) によれば、2002 年度の補正予算を含まないベースの構造財政赤字(対 GDP 比)は 2001
年 6.8 %、2002 年 7.1 %、2003 年 6.9 %、構造プライマリー赤字は 2001 年 5.4 %、2002 年 5.9 %、2003 年 5.5 %と推計してい
る。暦年ベースであるので、t 年の補正の有無は t+1 暦年の収支に影響する。2002 年は 2001 年度の 2 回にわたる補正予算の結
果、拡張的であり、2002 年度において補正がなく 30 兆円枠をまもることは 2003 年に構造赤字が縮小していることに現れている。
OECD の評価は、財政は broadly neutral というものである。
26
換言すれば、依然 NR 型の政策と解釈することが可能であり、国債 30 兆円枠は、日銀のゼロ金利政策とあ
いまって、デフレ克服のために必要にして十分な政策となる。これでデフレ克服が進まないことは、FTPL の
処方箋がどこか間違っているのではないか。
■国債管理政策の影響 普通国債残高の平均残存期間をみると、1998 年度末の 5 年 10 ケ月まで漸増してきた
が、それ以降急速に短くなり、2001 年度末では 4 年 11 ケ月となっている。これは、今期の財政余剰のショッ
クが、以前よりも今期の物価水準に反映されやすくなったことを意味する40。FTPL
に従えば、長期債の買
入消却を積極的に行うことによって、インフレを起こすタイミングを前倒しすることが可能となる。政府は、
2008 年度の 10 年債等の満期集中に備えて、国債の発行額及び償還額の平準化を目的に 2003 年 2 月から買入
消却を開始することとしているが41、これをもっと積極的に増額することはデフレの早期克服に有用なはず
である。他方、2003 年度から導入される物価連動債については、そもそも政府の予算制約式の左辺を実質値
で固定しようとするものであり、こうした操作の有用性を殺ぐものである。
このような観点から、国債管理政策についての提言はあまりないようである。本当に FTPL を信じるなら
ば、短期国債で調達した資金で、長期国債の買入消却を積極的に行えばよい。この結果、国債はすべて仮に 3
カ月ものになってしまったとすれば、そして借り換えを行わないのであれば、デフレは 3 ケ月後に克服できる
はずである。
■政府のバランス・シート 第 3.4 節で議論したように、FTPL によれば、政府のバランス・シートにどこま
で含まれるのかは、式 (22) の左辺の分子に影響するので、予算制約式を通じる物価水準の決定にとって重要
である。また実際、渡辺 (2002) は、政府・日銀が民間の「痛み」を引き取る方向の政策をとると、FTPL のメ
カニズムが働いて、デフレ脱却に有効だという42。
ここで興味深いのは、これまでの政府による債務承継の事例である。1998 年には、国鉄長期債務及び国有
林野事業の債務、計約 26 兆円を国の一般会計が継承した。仮にこの債務承継によって政府の予算制約式にお
いて左辺の名目の政府債務残高が増加し、かつ、右辺の財政余剰がそれに見合って増加しないと認識される
と43、FTPL
によれば、物価が上昇するはずであった。
また、2002 年 10 月のペイオフ解禁の延期の決定により、銀行預金に対する政府の保証がなくならずに継続
してことも FTPL のケーススタディーとなり得る。もし、FTPL が教科書通りに適用できれば、ペイオフ解禁
によって減少するはずであった政府債務が減少しなくなり、他の条件が一定の下で物価水準を引き上げるよう
に作用する44。
40
ただし、この平均残存期間短縮の評価は時間的整合性の観点からは、逆の評価も可能である。例えば、デフレ克服に政府が確信を
持っているとしよう。その場合、政府は市場には十分反映されていないものの長期金利の上昇予想を持っていることになり、長
期債発行によって市場にデフレ克服に確信を持っているというシグナルを送ることが可能となるかもしれない。これは、Missale,
Giavazzi and Benigno (2002)が分析したインフレ抑制時の国債管理政策の議論の応用である。 41
具体的には、2002 年度は 0.25 兆円程度、2003 年度は 1 兆円程度を予定。 42
渡辺 (2002) は、「デフレ克服に必要なのは、(中略)政府のバランスシートを民間並みに悪化させる財政出動であり、それは例えば
恒久減税である。」と主張し、日銀による銀行保有株の買い取りについては、「今回の買い取りでは日銀の資産保全が大きな前提と
して掲げられており、この効果(筆者注:デフレ圧力を弱める方向に作用する効果)をそぐものとなっている。」と指摘している。 43
「平成 10 年度予算及び財政投融資計画の説明」によれば、国鉄長期債務の一般会計が承継した 23.5 兆円の元本償還には、一部た
ばこ特別税が充てられ、「最終的には、年金等負担が縮小していくことに伴う確保される財源等で対応」するものの、当面は「一般
会計の歳出・歳入両面にわたる努力」で対応することとされている。同様に、国有林野事業の債務の処理策についても、一般会計
が承継した 2.8 兆円の債務の元本償還は「一般会計の歳出・歳入両面にわたる努力」で対応するとされている。 44
もっとも、物価にあまり影響しなかった理由も考えられる。例えば、(i) これらの債務はそもそも広義の「国」の一部であり、一般
会計で継承しようとしまいと、特段の違いはないと認識されたかもしれない、(ii) これらの債務の状況について広く知られるよう
になったのはその処理策が検討されるようになった 1996 年末からであり、1998 年時点では既に「織込み済み」のできごとであっ
たかもしれない、(iii) 債務承継の際に、国債発行、財政投融資の貸付け返済等の結果、どのようなキャッシュフローとなったのか
27
こうしたイベント・スタディーは、FTPL の実証分析上、他の実物経済があまり変わらないまま政府債務が
外生的に増加するという有意義な機会を提供してくれるように思われる。国債発行を伴う経済対策のイベン
ト・スタディーと比較すれば、経済対策の場合には、対策によって実施された公共投資等によって、実物経済
が変化する。したがって、物価はさまざまな実物ショックも受け、判定は困難となる。債務承継等のイベン
ト・スタディーについては、そうした実物ショックの影響は予め最小限に制御されていることが想定される。
こうした点についての詳細な検討は、別稿に譲りたい。
■財政拡大で物価上昇を起こすことができるか 松岡 (2002) は、式 (22) において、名目政府債務の動
きと物価の動きから、実質財政余剰の現在価値の期待値を逆算し、その値と OECD が推計した構造プラ
イマリー収支との動きを G7 諸国について調べた。その結果、日・米・英・伊においては、構造プライマ
リー黒字の減少の後で、将来の実質財政余剰の割引現在価値の期待値は有意に増加することを見つけ、他
の 3 国については無相関であった。つまり、拡張的な財政政策の実施(構造プライマリー黒字の減少)
は、将来の実質財政余剰の割引現在価値の期待値を減少させることにならない。このファインディング
は、たとえ FTPL が成立しても、拡張的な財政政策は物価上昇に結びつかない ことを意味していると解釈で
きる45。
 小括
以上、第 5 節の主な検討結果をまとめれば、以下の通りである。  通常の場合、R 型の財政政策とテイラー・ルールによる金融政策というポリシー・ミックスが経済の安
定化に望ましい。  しかし、流動性の罠に陥ってしまうと、NR 型財政政策とマネタリー・ターゲットの組み合わせが望ま
しい。これは、こうした政策の組み合わせによって、流動性の罠の状態では横断性の条件が満たされな
いことが予見され、これが均衡でなくなるためである。  ただし、横断性の条件を満たさないようにするためには、均衡財政とゼロ金利政策という組み合わせで
も十分である。FTPL の下では、財政赤字のゼロ金利政策という日本のポリシーミックスは流動性の罠
からの脱却のために十分なはずである。  2002 年度当初予算における財政赤字 30 兆円枠という政策も、FTPL の観点からすれば流動性の罠から
脱却するのに十分なはずである。  FTPL が正しければ、現状よりもさらに拡張的な財政政策を行う必要はなく、短期国債で調達した資金
で長期国債を買入消却すればデフレを克服できるはずである。
結び
FTPL の教科書的な主張は、現在の名目政府債務を与件として、物価水準が政府の予算制約式において将来
の実質財政余剰の割引現在価値と実質政府債務が等しくなるように決定されるというものである。ただし、こ
をみると、物価にそれほど大きな影響のないオペレーションであった可能性もある。 45
松岡 (2002) は、FTPL の成立は疑わしいと主張し、その実証的な証拠として、本文で紹介したような分析結果を示している。しか
し、この分析は FTPL が成立するかどうかをテストしたものではないので、本文で述べたように、FTPL が成立したとしてもデフ
レ克服は困難だということを示すものと解釈するのが妥当だと考える。
28
の主張は、種々の仮定の下で NR 型財政政策が採られた場合に成立するものであり、現実の経済への適用を念
頭に置いた場合、以下の点に留意が必要である。
まず、金融政策が(金利ターゲットではなく)マネタリー・ターゲットで運営される場合には、物価は金融
政策によって決定されるので、物価水準が過剰に決定される可能性が出てくる。また、政府の債務に(短期債
でなく)長期債がある場合には、債券価格(すなわち金利)が変動することによって、実質財政余剰が変化し
ても物価が変動することには必ずしもならない。(また、国債がインデックス債だけになれば、理論の再構築
が必要となる。)
さらに、NR 型財政政策が行われていることが議論の前提だが、これが理論的にはともかく、どの程度現実
に妥当するか、不明である。NR 型財政政策が行われているかどうかは、実証分析上の大きな焦点であるが、
その識別のためには、均衡への調整過程において、物価水準が動くのか、財政政策が動くのかがわからなけれ
ばならず、これは通常、事後的には観察不可能である。ただ、実質財政余剰に対する正のショックは政府債務
を減少させるというファインディングは、R 型の政策がとられていると解釈するのがもっともらしい。国債管
理政策による物価上昇率の平準化を図る場合にはこうしたデータが生じる可能性もあるが、こうした議論は、
日本においては国債管理政策が物価上昇率の平準化をしていないという実証分析 (土居, 2000) があることに鑑
みると、そうした反論はあまり説得的ではない。
日本のデフレ克服との関係においては、FTPL に基づいて更なる財政拡大を主張する論者 (竹田 (2002)、渡
辺・岩村 (2002)、渡辺 (2002) 等) がいる。だが、FTPL に基づく処方箋がどれくらい妥当なものか、筆者は
(半信半疑ではなく)二信八疑である。たとえば、国債発行 30 兆円枠はゼロ金利政策と併せれば、「流動性の
罠」からの脱却に十分なはずである。FTPL 論者の主張に従い財政拡大を行った場合には、物価水準が上昇す
るのではなく、単にリスクプレミアムの増加による金利上昇を招く可能性が大きい。こうした形での金利上昇
は望ましいシナリオではない。
FTPL が政策オプションとして現実への妥当性を高めるためには、理論的な枠組みとしても以下の 2 点につ
いて検討する必要があると考えられる。まず、民間経済主体の期待が絶えず裏切られる状況が均衡として成立
することの是正である。FTPL においては、通常はデフォルト・リスクも考慮されない。モデルにおいて成立
する均衡は、ワルラス均衡であるが、さらにゲーム理論的な観点からこれらの均衡を再検討する必要があると
考えられる。次に、さらに根本的には、物価に担わせている財の価格という役割と、政府債務の実質実効価値
という役割の 2 つを切り離すことである。そのためには、従来のモデルに国債価格決定方程式、または価格決
定式を導入することが必要となろう。その際、Woodford の主張する資産効果を明示的に織り込んだ価格式を
定式化することが望ましい。こうした拡張を行えば、実証分析による現実妥当性のチェックは、(i) 財政政策
が R 型か NR 型か、(ii) 現在の名目政府債務を与件として、国債価格は将来の実質財政余剰をどの程度反映す
るのか、(iii) 実質政府債務がどの程度資産効果を生み出すか、(iv) 需要変化がどの程度価格水準を変化させる
か、という 4 段階の要素分解に基づいて行うことが可能となろう。現在不足しているのは、(i) と (ii) の分析で
ある。特に (i) は、このような4段階の要素分解によって分析が容易にならないので、特段の研究が必要とな
ろう。
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1
(日本銀行調査月報 2002 年 7 月号掲載論文)
物価の変動メカニズムに関する2つの見方
―― Monetary View と Fiscal View ――
企画室 木村武*
1.はじめに
物価の安定、すなわちインフレでもデフレでもない状態を実現することが、持続的な
経済成長を達成するうえで不可欠の前提条件であることは、今や各国共通の理解になっ
ている。それでは、物価はどのような要因によって決まるのであろうか。現実の物価の
短期的な動きは様々な要因によって左右されるが、少なくとも長期的には、中央銀行の
金利操作やこれを通じるマネーサプライの増減が物価に影響する重要な決定要因であ
ることは言うまでもない。そうした見方は、“Monetary View”と呼ばれ、「インフレは
貨幣的現象である」という命題でも知られている。これに対し、近年、「物価水準の財
政理論(Fiscal Theory of the Price Level)」と呼ばれる新しい理論が学界で議論され、
注目を集めている1
。この理論は、「インフレは貨幣的現象ではなく、財政的現象である」
という“Fiscal View”を主張する。
前者の Monetary View に基づけば、政府・財政当局から独立した中央銀行を確立する
ことが物価安定の十分条件になる。現実にも、1990 年代以降、多くの国において中央銀
行の金融政策運営の独立性が強化されてきたが、その背後にある考え方は、主として

* 日本銀行企画室政策調査課(E-mail: takeshi.kimura-1@boj.or.jp)
本稿中で示された内容や意見、およびあり得べき誤りは、筆者に属するものであり、日本銀行の公式
見解を示すものではない。
1 「 物 価 水 準 の 財 政 理 論 」 に 関 す る 平 易 な 解 説 と し て は 、 Sims[1999] や Christiano and
Fitzgerald[2000a,b]を、厳密な解説は、Leeper[1991]や Cochrane [2000]、Woodford[2001]などを
参照。
2
Monetary View であると言えよう。しかし、同時に、物価の安定を実現するうえで、財
政当局の行動に対する何らかの歯止めやルールが必要であることも、従来から意識され
てきた。例えば、ユーロという統一通貨圏に参加することを認める条件として、マース
トリヒト条約では、財政収支や政府債務残高の対GDP比を一定の基準以内に収めるこ
とが設定された。このことが示すように、政府や財政当局の行動が物価に影響する可能
性は従来から意識されており、Fiscal View という考え方も決して目新しい考え方では
ないとも言える。
現在のところ、多くの新しい理論が登場する時と同様に、Fiscal View についても、
ある程度確立した共通の評価が得られるまでにはもう少し時間がかかるように思われ
るが、海外の学界では Fiscal View を巡って活発な議論がなされている。そのような議
論の状況を前提にすると、Monetary View と Fiscal View という、言わば2つのレンズ
を通して物価の変動について考察を巡らすことによって、わが国の物価動向についても、
新たな洞察が得られるかもしれない。本稿は、このような問題意識のもと、金融政策や
財政政策の物価安定に果たす役割に関して、Monetary View と Fiscal View の考え方を
紹介したものである。
2. 政府と中央銀行、民間部門の関係
本節では、まず、Monetary View と Fiscal View の違いを理解するための準備として、
政府と中央銀行、民間部門の関係について概観する。Monetary View と Fiscal View と
で、物価の変動メカニズムについて異なる見方となっているのは、両者が、政府と中央
銀行、民間部門の行動様式について異なる考え方に立っているためである。そこで、最
初に、これら3者の取引関係について説明し、それから、Monetary View と Fiscal View
について説明を進めることとする。
2.1. 予算制約式を通した関係
ここでは、本稿の分析目的にあわせて、現実の複雑な経済を以下のように単純化して
考える。
l 経済は、民間部門、政府、中央銀行の3つの部門から構成される。民間部門は、家
3
計、企業、金融機関から構成されるが、考察に際しては、これら3者を統合して民間
部門全体の予算制約に焦点をあてる。
l 経済には、貨幣市場と国債市場、財市場の3つの市場がある。政府、中央銀行、民
間部門は、これらの市場を通して取引きを行う。貨幣市場で取引きされるマネーは、
中央銀行の負債であるマネタリーベースである。中央銀行は、公開市場操作(オペ)
を実行することによって、民間部門の保有する国債を購入し、マネーを供給する。な
お、現実のマネーには、マネタリーベースのほかに、民間金融機関の預金があるが、
民間部門全体で考えると、同部門内の資金の貸借関係は全て相殺されるので、ここで
は、民間金融機関の預金は考察の対象外とする。
図表1は、国債やマネー、財の取引きに関して、政府と中央銀行、民間部門間の取引
関係を簡略化して示したものである。
(図表1)政府と中央銀行、民間部門間の取引関係
図表1の中で、民間部門の取引きに焦点をあててみよう。民間部門における財や資金
の流れは、次式に集約することができる。
中央銀行 政府
民間部門
国債市場 財市場
マネーの需要
公開市場操作
政府への納付金
国債の償還
国債の償還
税金+社会保障負担
―社会保障給付
消費(財の需要)
国債の発行
国債の売買
財政支出 (財の需要

生産(財の供給

資金や国債の流れ 財の流れ
貨幣市場
資金決済
マネーの供給
4
期初に民間部門が保有する
国債残高(元利合計)

期初のマネー残高

所得(生産)
財政支出
税金

社会保障負担

社会保障給付
(資金源) (資金の使途)
上式は、民間部門の予算制約式を表したもので、民間部門は、(1)式左辺に示された期
初の貯蓄残高(国債およびマネー)と当期の所得の合計を、右辺の内訳で示された項目
(税金等、消費、貯蓄)に振り分けることを示している2

ここで、財の供給と需要が一致するという市場均衡式(生産=消費+財政支出)を上
記民間部門の予算制約式(1)式に代入して整理すると、次のようになる。
この(2)式は、中央銀行と政府を統合した部門――これを統合政府と呼ぶ――の予算制
約式を表している。統合政府とは、中央銀行と政府との間に何らかの特別な関係を念頭
においたものではなく、単に、民間部門以外の部門を総称したものである。(2)式の第
1項と第2項からなる財政余剰とは、税金とネット社会保障負担から財政支出を差し引
いたものである。財政余剰がマイナスであれば、民間部門にとっては政府からの受取り
よりも支払いの方が小さいことを意味し、政府にとっては民間部門からの受取りよりも
支払いの方が多いことを意味する。そして、政府は、その不足資金を国債の発行でファ
イナンスする。民間部門は、政府によって発行された国債を購入するが、これは、保有
国債の残高増加となって表れる((2)式の第3項)。一方、中央銀行は、公開市場操作

2 家計が直接国債を保有していなくとも、家計の貯金は、銀行預金を経由して国債で運用されている。
マネー残高
の変化
税金+社会保障負担−社会保障給付

消費

期末のマネー残高

期末に民間部門が保有する国債残高

当期初の
貯蓄残高
当期末の
貯蓄残高
− = 0
民間が保有
する国債残
高の変化

中央銀行の公開市場操作(オペ)
によってウェイトが変化

財政余剰 資金調達の方法
(1)
(2)
5
(オペ)――国債とマネーの交換――の実施によってマネーを供給するが、これは、民
間部門が保有する国債とマネーのウェイトの変化となって表れる((2)式の第3項と第
4項)。中央銀行が民間保有の国債のほとんどをオペで吸収してしまえば、中央銀行が
財政赤字のファイナンスをマネーの増加によって行ったことになる。逆に、中央銀行が
オペによってマネーを増加させなければ、国債は全て市中消化されることになり、場合
によっては、財政赤字が民間資金をクラウド・アウトすることもある。
なお、上記の説明から既に明らかなように、民間部門の予算制約式(1)式と統合政府
の予算制約式(2)式は、表裏一体の関係にある。これは、経済を民間部門と統合政府の
2部門に分割して考えた場合、民間部門と統合政府間の取引きが(1)式に反映される時
には、同時に、その取引きは (2)式にも反映されるからである。
2.2.消費者の合理性と政府のソルベンシー条件
 民間部門と統合政府の予算制約式(1)(2)式は、毎期必ず成立する。そこで、毎期の
予算制約式を将来にわたって積み上げると、次のような異時点間の予算制約式が得られ
る。下記2式は、物価水準でデフレートし、実質ベースで表示したものである。
(民間部門の異時点間の予算制約式)
―――――――――――――――――― +
=           +           +
(統合政府の異時点間の予算制約式)
―――――――――――― = +
民間部門の異時点間の予算制約式(3)式の左辺は、現時点における実質資産残高と将
来所得の割引現在価値の和であり、民間部門が今後将来にわたって使える資金の総額を
表している。一方、(3)式の右辺は、その資金使途を表したものであり、将来にわたる
民間部門保有の国債残高 財政余剰の割引
現在価値
マネー残高の変化の
物価水準 割引現在価値 (4)
民間部門保有の国債とマネーの残高合計 所得の割引現
在価値
マネー保有に伴う
機会費用の割引現
在価値
物価水準
(3)
税金とネット社会
保障負担の割引現
在価値
消費の割引現在
価値
[実質ベース]
[実質ベース] [実質ベース]
[実質ベース]
[実質ベース] [実質ベース]
6
税金とネット社会保障負担、マネー保有に伴う機会費用3
、そして、消費に振り分けられ
る。
(3)式の左辺と右辺が一致するということは、「消費者は生涯を終えるまでに資産を
余すことなく全て使いきる」ことを意味しており、経済学では、この条件を「横断性条
件(transversality condition)」と呼んでいる。仮に、(3)式の左辺が右辺を上回ると、
これは、消費者が生涯を終える際に資産を使い残すことが見込まれる状況を意味する。
この場合、合理的な消費者は、右辺が左辺に一致するようになるまで、消費を増やすこ
とによって効用を高めることができる。逆に、(3)式の右辺が左辺を上回ると、これは
資産見合い以上の支出を消費者が計画している状況を意味する。この場合、合理的な消
費者は、資産に見合った水準になるまで、現在から消費支出を抑制するよう支出計画を
見直す。その結果、(3)式の左辺と右辺は等しくなる。このように考えると、(3)式の
左辺と右辺が一致するという横断性条件は、消費者の合理性を担保した条件と解釈でき
る。
次に、統合政府の異時点間の予算制約式(4)式について説明する。(4)式は、「既に
発行された国債のうち、民間が保有する国債の実質価値は、将来にわたる財政余剰とマ
ネー残高の変化の割引現在価値に等しい」ことを示している。これをよりわかり易く言
えば、「政府は、民間から借りたお金を必ず返済しなければならない」ということであ
り、経済学では、この条件を「政府のソルベンシー条件」と呼んでいる。政府は、「将
来にわたる財政余剰」を財源として、国債の償還を行うが、中央銀行が公開市場操作で
民間から国債を購入しマネーを民間に供給すれば、その分だけ、財政余剰を財源とした
国債の償還負担は減少することになる。(4)式の導出プロセスから示されるように、
「政府が借金を必ず返済しなければならない」という政府のソルベンシー条件は、「消
費者が生涯を終えるまでに資産を使いきる」ために満たされなければならない条件であ
る。

3 マネー保有に伴う機会費用とは、民間部門が利子の付かないマネーを国債のかわりに保有すること
によって発生する逸失利益のことである。この逸失利益は、中央銀行の公開市場操作を経由し、国債
とマネーを交換したことによって発生するもので、中央銀行側からみれば、通貨発行益(シニョレッ
ジ)と呼ばれるものである。通貨発行益は、中央銀行が無利子のマネーを債務として発行し、国債運
用によって得た収益であり、最終的には納付金として政府へ移転する。
7
3.物価の決定に関する2つの理論
3.1. Monetary View と Fiscal View の違い
以下では、2.で説明した概念を用いて、Monetary View と Fiscal View の違いを説明
する。Monetary View と Fiscal View のいずれの見方でも、民間部門と統合政府の異時
点間予算制約式(3)(4)式は成立する。しかし、両者は、(3)(4)式を、事後的に必ず
成立する単なる「恒等式」とみなすのか、それとも「物価を決める均衡式」としてみな
すのかで大きく異なっている。すなわち、Monetary View は、(3)(4)式を「恒等式」
とみなし、一方の Fiscal View は、(3)(4)式を物価を決める「均衡式」としてみなし
ている。
3.1.1. Monetary View
 Monetary View は、(3)(4)式を恒等式としてみなす。そして、物価水準はマネーの
需要量と供給量のバランスによって決まると考える。Monetary View の基本的な考え方
は、「貨幣数量説」によって説明できる。すなわち、貨幣数量説は、物価水準が次の貨
幣数量方程式(5)式に基づいて貨幣市場で決まると考える。
MV=PY (5)
ただし、M:マネー、V:流通速度、P:物価水準、Y:実質生産(=実質所得)
(5)式は、名目所得(PY)が生み出される過程で、経済に投入されているマネー(M)が
一定の期間に何回流通するか、その関係を表したものである。その回転数が流通速度
(V)である。
Monetary View における経済の均衡の決まり方を具体的に説明すると、次のようにな
る。
l 実質生産(Y)は、利用可能な生産要素と技術によって決まる潜在産出量に長期的に
一致する。流通速度(V)を一定であると仮定すると、中央銀行がマネー(M)の供給量
を決めれば、貨幣数量方程式(5)式に基づいて、物価水準(P)が決まる。
l 物価水準(P)が決まると、既に発行された民間部門保有の政府債務の実質価値
(B / P )も決まる。政府は、中央銀行が決めるマネー(M)の先行きの推移と民間部門
保有の政府債務の実質価値(B/P)を所与としたうえで、予算制約式(4)式を満たす
ように、現在から将来にわたる財政余剰を調整する。
8
―――――――――――― = +
つまり、(4)式は、政府にとって文字通り制約式として機能するため、事後的には恒
等式として必ず成立する。2.で説明したように、統合政府の予算制約式(4)式と民
間部門の予算制約式(3)式は表裏一体の関係にあるので、(4)式が恒等式として機能
する時には、(3)式も恒等式として機能する。
ここで、数量方程式(5)式に基づいて、物価水準(P)が貨幣市場で決まるということ
の意味について、もう少し具体的に説明しよう。(5)式を変形すると、次式のようにな
る。
M =  ―――
右辺は、「流通速度(V)が一定であるとすると、マネーの需要は名目所得(PY)に比例
する」ことを示している。マネーの需要が名目所得に比例して増えるのは、所得が増え
ると、取引量も増えるため、取引きのために必要なマネーも増えるからである。ここで、
中央銀行が左辺のマネーの供給量を増加させたとしよう。すると、人々が保有したいと
考えるマネーよりも大きくなるので、人々は、余分なマネーで財を購入しようとする。
その結果、財の需給が逼迫し、物価(P)が上昇する。物価(P)が上昇すると、名目の所
得額も増加し、その分、名目のマネー需要も増加する。そして、物価(P)の上昇は、マ
ネーの供給と需要が一致するようになるまで続くことになる。
上記のプロセスにおいて、マネーの増加が物価の上昇をもたらす最もオーソドックス
なルートは、金利チャネルである。すなわち、中央銀行が公開市場操作でマネーの供給
を増やすと、名目金利が低下し、それが民間部門の支出活動を活発化させることで、物
価が上昇する。ただし、名目金利の低下余地がない場合に――すなわち、ゼロ金利制約
に直面した場合に――、金融政策がなお有効性を有するかどうかについては、見解は分
かれている。仮に、ゼロ金利制約の下では金融政策が有効でないならば、マネーが増加
しても、物価の上昇にはつながらない。
政府の対民間債務残高(B) 財政余剰の
割引現在価値
マネー残高の変化
物価水準(P) (ΔM)の割引現在価値
前掲
(4)
PY

(6)
マネーの供給量 マネーの需要量
9
3.1.2. Fiscal View
Fiscal View は、Monetary View とは逆に、貨幣数量方程式(5)式を恒等式としてみ
なす。そして、民間部門と統合政府の異時点間予算制約式(3)(4)式が物価を決める均
衡式として機能すると考える。Fiscal View における経済の均衡の決まり方を具体的に
説明すると、次のようになる。
l 中央銀行は将来にわたるマネー(M)の推移を決定する。したがって、マネー残高の
変化(ΔM)の割引現在価値も決まる。一方、政府は、中央銀行が決めたマネー(M)
の推移とは独立に、将来にわたる財政余剰の推移を決定する。既に発行された政府の
対民間債務残高(B)は所与なので、将来にわたる財政余剰とマネー残高の変化(ΔM)
の現在価値が決まれば、政府の予算制約式(4)式に基づいて、当期の物価水準(P)
が決まる。
l 実質所得(Y)は潜在産出量に長期的に一致する。したがって、実質マネー(M/P)
と実質所得(Y)を所与として、流通速度(V)が(5)式から事後的に決まる。
政府の予算制約式(4)式が物価を決定する均衡式として機能する背景には、民間部門
の合理的な支出行動がある。ここで、もう少し具体的なイメージが持てるように、政府
による恒久減税の実施を例にとって、その影響について考えてみよう。恒久減税とは、
将来の増税を伴わない減税であり、財政余剰の割引現在価値を低下させるものである。
恒久減税が実施されても消費者が何ら支出を増やさなければ、貯蓄が増加し、消費者は
最終的には、資産を使い残してしまうことになる。つまり、民間部門の異時点間予算制
約式(3)式は成立せずに、(7)式のような不等号が成立することになる。
   ―――― +     > ↓+         +
同じことを、統合政府の予算制約式で表現すると、次の不等式になる。
―― > ↓ +
これらの不等式は、消費者が資産を使い残して生涯を終えることを意味し、政府は借り
たお金を全額返済せずに済むことになる。こうした状況は、消費者にとって合理的なこ
とではない。恒久減税が実施されれば、消費者は資産の使い残しがなくなるように、消
B+M 所 得 の
現在価値
消費の
P 現在価値 (7) 税金等の
現在価値
マネー保有に伴う
機会費用の現在価値
民間部門
の資産残高


財政余剰の (8) 現在価値
マネー残高の変化
(ΔM)の現在価値
政府の対民間
債務残高
恒久減税の実施
恒久減税の実施
10
費を増やすことが合理的である4
。つまり、恒久減税は、生涯にわたる可処分所得の増加
という資産効果を経由して、消費の増加をもたらす。消費支出の増加によって財市場の
需給が引き締ってくれば、物価(P)が上昇する。物価(P)が上昇し、(7)(8)式左辺の
資産の実質価値が低下すれば、(3)(4)式の予算制約式が満たされるようになる。より
正確に言えば、財政余剰の現在価値の低下に対して、(3)(4)式が成立するようになる
まで、消費支出の増加に基づく物価の上昇が続く。これが、民間部門と統合政府の予算
制約式(3)(4)式が物価決定の均衡式として機能することの意味である5
。こうした考え
方によれば、物価水準はマネーの供給量によって決まるものではなく、現在から将来に
わたる財政余剰の推移によって決まるということになる。
なお、Fiscal View で想定されている物価変動メカニズムは、財政余剰の現在価値の
変化を背景とした資産効果に基づいたものである。したがって、経済がゼロ金利制約に
直面し金融政策の有効性が低下したケースでも、上記の物価変動のメカニズムは影響を
受けない。この点も、Monetary View とは異なる特徴と言えよう。
3.2.財政赤字の変動が物価に及ぼす影響
このように、Fiscal View は、物価の変動メカニズムについて、伝統的な Monetary View
とは、全く異なる見方を提示している。それでは、いずれの見方が正しいのであろうか。
実は、これらの見方は、中央銀行と政府の行動原理について、異なる仮定をおいている
ために違いが生じている。それぞれの見方を整合的に解釈するための鍵は、「経済の中
で、誰が政府のソルベンシー条件を満たすように自らの行動を調整するか」という点に
ある。言い換えると、政府の債務返済能力を維持するように、政府自らが財政政策を変
更するのか、それとも中央銀行が金融政策を変更するのか、あるいは、民間部門が支出
行動を調整するのかによって、物価の変動メカニズムが異なるということである。

4 家計が子孫に遺産を残す場合でも、ここでの議論は成立する。すなわち、合理的な家計には、最適
な遺産水準があると考えられ、恒久減税が行われても、消費を何ら変化させなければ、遺産が最適水
準を上回ってしまう。しかし、それでは、子孫に資産を残し過ぎることになるため、家計は遺産が最
適水準に低下するまで、消費を増やす。
5 こうした Fiscal View のメカニズムは、価格の伸縮性如何に関係なく成立する。例えば、
Woodford[1996]は価格の粘着性を前提に、Woodford[2001]は価格の伸縮性を前提に分析している。な
お、価格が伸縮的な世界では、実質所得(生産)が潜在GDPに常に一致するので、(7)式における
実質所得の現在価値は一定である。価格が粘着的な世界では、実質所得(生産)が潜在GDP から乖
離するため、(7)式の実質所得の現在価値は変化する。
11
このことの意味を具体的に理解するために、当期の財政赤字が拡大した時に――例え
ば、政府が減税を実施した時に――、経済がどのように変動するかを考えてみよう。こ
こで、政府のソルベンシー条件とは独立に自らの行動を決定する主体を、ゲーム理論の
用語に従って Leader(先導者)と呼び、政府のソルベンシー条件を満たすように、自ら
の行動を調整する主体を Follower(追随者)と呼ぶことにする6
。想定し得るケースと
しては、中央銀行が Leader か Follower か、政府が Leader か Follower かによって、次
の4つのケースを考えることができる(図表2参照)。
(図表2)誰が政府のソルベンシー条件を満たすように行動を調整するか?
Leader
財政余剰のパスとは独立に、
中央銀行がマネー(金利)の
パスを決定する。
Follower
財政余剰のパスを所与とし
たうえで、中央銀行が、政府
のソルベンシー条件 を満た
すようにマネーを調整する。
Leader
マネー(金利)のパスとは独立に、
政府が財政余剰のパスを決定す
る。
(ケース1)
民間部門が政府のソルベン
シー条件を満たすように、支
出を調整する。
(ケース3)
中央銀行が、政府のソルベン
シー条件を満たすようにマ
ネーを調整する。
Follower
政府は、いかなる経済の変動に対
しても、自らのソルベンシー条件
を満たすように、財政余剰のパス
を内生的に変化させる。
(ケース2)
政府のソルベンシー条件を
満たすように、政府自らが財
政余剰のパスを内生的に変
化させる。
(ケース4)
中央銀行と政府の双方がソ
ルベンシー条件を満たすよ
うに政策を調整する。
(ケース1)政府も中央銀行も Leader の場合
このケースは、政府が減税を実施しても、中央銀行が財政余剰の推移とは独立に――
すなわち、減税財源のマネー・ファイナンスを政府から強いられることなく――金融政
策を決定するケースである。この場合、政府も中央銀行も、政府のソルベンシー条件を
全く意識せずに、Leader として自らの政策を決定するため、代りに民間部門が政府のソ
ルベンシー条件を満たすように支出行動を調整することになる。こうしたケースは、中
央銀行に独立性が付与されていても、政府の財政政策の裁量性を拘束するルールがない

6 Leader と Follower という用語は、ゲーム理論のシュタッケルベルグ均衡の概念にならったもので
ある。
中央銀行
政府
12
場合に起こり得る。財政赤字や国債残高のGDP比率に上限を設けるなどした財政健全
化に向けたルールがないと、民間は、「今日の減税は明日の増税を伴わない、すなわち
恒久減税が実施された」という予想を形成し易くなる。そして、そうした予想は、財政
余剰の現在価値の低下による恒常所得の増加をもたらし、消費の増加につながる。その
結果、財市場の需給逼迫化から物価が上昇し、国債の実質価値が低下する。こうした経
済変動は、民間が政府のソルベンシー条件を満たすように――言い換えれば、民間が自
らの横断性条件を満たすように――、支出を調整した結果である。言うまでもなく、こ
れが、Fiscal View の想定する世界である。
(ケース2)政府が Follower で、中央銀行が Leader の場合
このケースは、中央銀行の独立性が確保され、また、財政政策の裁量性を拘束する
ルールがある場合に起こる。例えば、財政赤字や国債残高のGDP比率に上限が設定
されている場合、政府は減税を行っても、将来、上限を守るために増税をしなければ
ならない可能性が高い。したがって、民間部門は、そうしたルールが政府によって遵
守されると信用すれば、「今日の減税は明日の増税」という予想を形成する。この予想
は、財政余剰の現在価値は変化しないという予想であり、民間部門の恒常所得は全く
変化しないため、支出も変化しない。これは、財政変動の経済効果を否定した、いわ
ゆる「中立命題(Ricardian Equivalence Theorem)」の想定する世界である。この世界
では、財政政策は経済に対して常に中立的であるため、中央銀行がマネーの供給量を
適切にコントロールすれば、物価もコントロールできる。インフレやデフレが発生す
るとすれば、それは、マネーの供給量が適切にコントロールされていないためである。
そうしたインフレやデフレは、Monetary View によって説明できる。
(ケース3)政府が Leader で、中央銀行が Follower の場合
このケースは、中央銀行に独立性がなく、また、政府の裁量的な財政政策を拘束す
るルールがない場合に起きる。すなわち、Leader である政府が減税を実施すると、中
央銀行が Follower として、政府のソルベンシー条件を満たすように、マネーを増加
させる。そして、マネーによる財政赤字のファイナンスは、インフレをもたらす7
。こ
のインフレのそもそもの原因は、政府が財政赤字を拡大させたことにあるが、財政赤

7
このケースは、Sargent and Wallace[1981]によって、「マネタリストの不愉快な算術」として分析
された。
13
字を中央銀行がファイナンスしてしまうからこそ、インフレが発生する。その意味で、
このインフレも「貨幣的現象」であり、Monetary View によって説明可能である。
(ケース4)政府も中央銀行も Follower の場合
このケースでは、今日の減税が、明日の増税とマネーの増加のいずれによってファイ
ナンスされるか定まらない。あるいは、明日の増税とマネーの増加のそれぞれがどの程
度ファイナンスに寄与するか定まらないケースである。この場合、民間の先行き予想が
定まらないので、物価の水準は一意には定まらない8

このように、物価の変動メカニズムは、中央銀行と政府の行動パターンの組み合わせ
によって異なるものと考えられる。図表3は、上記4つのケースを改めて整理したもの
である。重要な点は、どれか1つのケースが普遍的に成立するというわけではなく、物
価がどのようなメカニズムで変動するかは、中央銀行と政府の行動パターンの組み合わ
せ次第で変わり得るということである。
(図表3)今期の減税に対して、民間は何を予想し、その結果、何が起こるか?
Leader Follower
Leader
(ケース1)
民間は「今日の減税は明日の増税を伴わ
ない」と予想する。財政余剰の現在価値
の低下によって恒常所得が増加するの
で、消費が増加し、物価が上昇する。
(ケース3)
民間は「今日の減税はマネーの増加でフ
ァイナンスされる」と予想する。その結
果、物価が上昇する。
Follower
(ケース2)
民間は「今日の減税は明日の増税」と予
想する。財政余剰の現在価値は変化しな
いので、恒常所得も変化せず、経済には
影響を与えない(中立命題)。
(ケース4)
民間は、今日の減税が、明日の増税とマ
ネーの増加のいずれによってファイナ
ンスされるかわからない。したがって、
物価の水準は一意には定まらない。
Fiscal View Monetary View
政府が Leader として財政余剰の推移を決定し、政府のソルベンシー条件を満たすよ

8 言い換えると、民間の予想次第で、物価が上昇する場合も下がる場合もあり得るという状況が発生
する。
中央銀行
政府
(財政当局)
14
うに、民間の行動変化を誘発する財政政策は、「非中立型財政政策(Non-Ricardian
Fiscal Policy)」と呼ばれる。一方、経済に発生したいかなるショックに対しても、政
府が Follower として自らのソルベンシー条件を満たすように、財政余剰をコントロー
ルする財政政策は、「中立型財政政策(Ricardian Fiscal Policy)」と呼ばれる。中立型
財政政策は、政府の行動が民間部門の恒常所得に影響を与えない政策であり、「中立命
題」が前提とする政策である。既述の通り、財政赤字や国債残高のGDP比率に上限を
設定した財政ルールは、中立型財政政策の典型例である9
。逆に言うと、そうした財政ル
ールが設定されていない状況で、政府が財政政策を行うことは、非中立型財政政策と解
釈することができる。経済にショックが発生しても財政余剰を全く変化させない政策―
―つまり、政府が何のアクションもとらない政策――も、非中立型財政政策の一種であ
る。
4.金融政策と財政政策の物価安定に果たす役割
前節では、中央銀行と政府の行動パターンの組み合わせによって、物価の変動メカニ
ズムが異なることをみた。それでは、物価の安定は、前掲図表2における中央銀行と政
府の行動パターンの4つの組み合わせのうち、いずれのケースにおいて達成されるであ
ろうか。中央銀行に Leader としての独立性がないケース3とケース4では、金融政策
によって物価の安定は達成できない。残るケース1とケース2のうち、どちらのケース
において、物価の安定は達成されるであろうか。つまり、中央銀行に Leader としての
独立性が与えられた時に、政府も Leader として非中立型財政政策を運営すべきであろ
うか、それとも、Follower として中立型財政政策を運営すべきであろうか。この点を明
らかにするために、以下では、経済がゼロ金利制約に直面しない平時の状況にある場合
とゼロ金利制約に直面する場合とに分けて考察する。
4.1. 平時において物価安定を達成するための政策の枠組み
4.1.1. 中央銀行の独立性は物価安定の十分条件か
政府が税収や歳出を調整することによって財政余剰の現在価値を変化させると、消費

9
詳しくは、Woodford[2001]を参照。
15
者は生涯を終えるまでに資産を使いきるように支出を変化させる。その結果、財市場の
需給が変化し、物価水準が変化する。したがって、財政以外の要因で総需要が変動した
場合――例えば、世界景気の低迷により純輸出が減少した時――、政府がその影響を相
殺するように財政余剰の現在価値を調整することができるならば、非中立型財政政策は
経済活動の落込みや物価の下落を防ぐことができる。しかし、実際には、需要変動の影
響を相殺するように、政府が機動的な非中立型財政政策を実施することは難しい。なぜ
なら、同政策が経済に及ぼす影響は、「財政余剰の現在価値に対する民間の予想
..
」に基
づくものであり、裁量的な非中立型財政政策の繰り返しは、民間の予想を混乱させ、所
期の目的を達成できなくするためである。また、裁量的な財政政策は、意思決定から効
果発現までのラグが長く、景気循環の振幅を拡大させ易いといった問題も従来から指摘
されている。
こうした点を考慮すると、政府は、財政政策を経済に対して中立的になるように維持
することが望ましいということになる。つまり、政府が中立型財政政策を採用したうえ
で、中央銀行が Leader として金融政策の運営にあたることが、物価安定のために望ま
しい政策の組み合わせと言える10。金融政策は財政政策に比べ機動性が高く、そうした
特性を活かして、経済の変動に対してシステマティックに金融政策が運営されれば、民
間の期待形成も安定化する。中央銀行が Leader として金融政策を遂行するということ
は、インフレ率やGDPギャップで表される経済情勢に基づいて政策判断を行うことを
意味する。言い換えると、財政赤字のファイナンスを容易にするという考慮が、金融政
策の判断基準になることはないことを意味している。金融政策ルールとして有名なテイ
ラー・ルールは、インフレ率とGDPギャップに基づいて政策金利を決めるものであり、
これは Leader としての中央銀行の行動原理を表した典型例と言えよう。
 以上の考察を踏まえると、前掲図表2のケース2の組み合わせ、つまり、中央銀行が
Leader、政府が Follower という組み合わせが、平時における物価安定策としては望ま
しいことになる。ここで重要なポイントは、中央銀行に Leader としての独立性があっ
ても、それだけでは物価安定の十分条件にはならないということである。なぜなら、政
府も Leader として非中立型財政政策を運営した場合には、ケース1が実現し、金融政
策だけでは物価の安定を達成することが困難となるためである。物価安定のためには、
政府が財政ルールを遵守し、財政余剰の現在価値に対する民間の期待を安定化させるよ

10 より理論的な説明に関しては、Woodford[2001]を参照。
16
う、Follower として行動することが必要となる。言い換えれば、中立型財政政策を維持
するような制度的枠組みがなければ、独立した中央銀行が金融政策の運営を行っても、
物価安定の実現が保証される訳ではない。このように考えると、Fiscal View の意義は、
「インフレやデフレが財政的現象である」ことを指摘した点にあるのではなく、むしろ、
「インフレやデフレが究極的に中央銀行によってコントロールできる貨幣的な現象で
あるようにするためには、政府が中立型財政政策を採用することが重要である」ことを
明らかにした点にあると言えよう。
4.1.2. 欧米における財政ルール
図表4は、欧米で現在採用されている財政ルールを整理したものである。これらのル
ールは、政府の裁量的な財政政策を抑制するために、フローの財政収支やストックの政
府債務残高に何らかの制約を設けたものであり、中立型財政政策と解釈できる。つまり、
中央銀行に Leader としての独立性が付与されたもとで、政府が Follower として行動す
るような制度的枠組みが設定されていると解釈できよう。
(図表4) 欧米諸国における財政ルール
英国
ブレア政権は、1998 年度の予算案作成にあたって、「財政安定化規律(Code of Fiscal
Stability)」を発表したが、その中で、以下の2つの財政政策ルールにコミットした。
@ゴールデン・ルール:単年度ではなく、景気循環を通して、経常収支(=経常支出
−経常収入)を均衡あるいは黒字に維持する。
Aサステイナブル・ルール:景気循環を通して、ネット公債残高の対GDP比を安定
的かつ健全な水準に維持する(安定的かつ健全な水準については 40%が目処とされ
ている)。
ユーロ
域内国
1992 年2月に調印されたマーストリヒト条約では、1997 年までに、@一般政府の財政
赤字対GDP比を3%以下に抑えること、Aグロス政府債務残高の対GDP比を 60%
以下とすることが義務づけられた。1997 年以降は、安定成長協定(Stability and Growth
Pact)により、一般政府の財政赤字対GDP比を3%以下に抑えることを目処としつ
つ、中期的な均衡財政を維持することが義務づけられている。
米国
1985 年のグラム・ラドマン・ホリングス法により、毎年の財政赤字削減目標を制定し、
1991 年度の収支均衡が目標として掲げられた。その後、1990 年包括財政調整法により、
歳出について以下の2つのルールが導入された。
@キャップ制:裁量的支出について、国防、非国防国内、非国防国外の各項目に上限
を設定。
APay-as-you-go ルール:義務的支出について、新たな支出増加を伴う政策を策定した
場合には同額の財源補填策を必要とする。
17
 ちなみに、インフレーション・ターゲティングを採用している英国では、上記の財政
ルールを設定しているほか、大蔵省が財政政策の目的を「短期的には財政の自動安定化
装置を活用することなどによって金融政策をサポートすること」(HM Treasury[1999])
と明記している11。また、欧州中央銀行も、金融政策の有効性を達成するうえで、ユー
ロ域内各国における財政ルールを重視した健全な財政政策の運営が非常に重要である
ことを強調している(ECB[2001]参照)。
 また、米国において、近年物価安定が維持されてきた背景として、金融政策と財政政
策の両方の要因が指摘される。金融政策については、政策金利がテイラー・ルールによ
って概ねトレースできるなど、システマティックに運営されてきたことはしばしば指摘
されるところである。しかし、Fiscal View の考えに立つと、そうしたシステマティッ
クな金融政策運営に加え、米国政府が中立型財政政策を採用してきたことも重要な要因
として指摘される12。
4.2.ゼロ金利制約時における財政政策の役割
4.2.1. 景気刺激的な非中立型財政政策の役割
 政府が中立型財政政策を採用し、中央銀行が物価の安定を実現するという経済政策の
枠組みは、金融政策の主たるトランスミッション・メカニズムである金利チャネルが有
効に機能するという通常の経済を前提としている。しかし、そうした政策の枠組みは、
ゼロ金利制約に直面し流動性の罠13に陥った状況においても、うまく機能するであろう

11下記は、HM Treasury[1999]の該当部分の抜粋である。
Given the central importance of economic stability, the key objectives of the Government’s fiscal policy are:
・over the medium term, ……(中略)……
・over the short term, supporting monetary policy, where possible, by:
--- allowing the automatic stabilizers to play their role in smoothing the path of the economy in the face of
variations in demand; and
--- where prudent and sensible, providing further support to monetary policy through changes in the fiscal
stance. For example, it is likely to be more appropriate to change the fiscal stance in this context if the
economy is projected to be some way from trend.
12 例えば、Christiano and Fitzgerald[2000a,b]を参照。
13「流動性の罠」には幾つかの解釈が存在するが、ここでは単純に、「名目金利に低下余地がない状
況、すなわち、ゼロ金利制約を受けた状況」と定義する。例えば、この定義に従えば、近年のわが国
では、短期金融市場はほぼ流動性の罠に陥っているということができよう。なお、ケインズが定義し
た流動性の罠とは、長期金利が極限まで低下し、そこから先はむしろ金利上昇によるキャピタルロス
を恐れて、人々が長期債投資よりも貨幣を保有することを選好する状況を指す。わが国の現在の状況
が、ケインズの定義した流動性の罠に相当するか否か、すなわち、長期金利に一段の下げ余地が存在
するか否かは評価が難しいように思われる。
18
か。ゼロ金利制約によって金融政策の有効性が著しく低下した時に、中立型財政政策を
運営するということは、負の需要ショックの発生による税収減を補うために、増税ない
し歳出の削減を行うことを意味する。これは、負の需要ショックがもたらすデフレ・イ
ンパクトを拡大させる可能性を高める。
 既述の通り、Fiscal View の物価の変動メカニズムは、財政余剰の現在価値の変動を
背景とした資産効果に基づいたものであり、経済がゼロ金利制約に直面していても機能
する。Fiscal View は、このような考え方に基づき、ゼロ金利制約に直面した経済がデ
フレの罠から脱却するための処方箋として、「政府が中立型財政政策から非中立型財政
政策へ政策転換すること」が望ましいと考える14。通常の経済においては、財政余剰の
現在価値を変化させて、経済の安定を実現しようとする非中立型財政政策は、民間部門
の期待を不安定化させることから望ましくない。しかし、Fiscal View によると、ゼロ
金利制約によって中央銀行の物価の制御能力が低下した場合には、財政政策にも物価安
定を達成するうえで重要な役割があることになる。すなわち、政府が財政余剰の現在価
値を低下させる非中立型財政政策へ転換することによって、デフレ圧力を抑制するとい
う役割である。これは前掲図表2でいうと、ケース1に相当する15。
 概念的には以上のような整理が可能であるが、ここで留意する必要があるのは、財政
余剰の現在価値の低下は、単に「今日の減税」や「今日の財政支出の増加」で実現する
ものではないということである。それらの政策が将来の増税予想を生み出す場合には、
財政余剰の現在価値は減少しない。財政余剰の現在価値を低下させる「非中立型財政政
策」とは、概念的には「明日の増税」という予想を伴わないようにして実行される「今
日の減税」や「今日の財政支出の増加」を指している。
 なお、財政赤字を拡大させる景気刺激的な非中立型財政政策を実施すると、名目の政
府債務残高は一時的に増加する。しかし、Fiscal View が想定する世界では、財政余剰
の現在価値の低下が物価や名目GDPの上昇をもたらすので、政府債務残高が増加して
も、政府債務残高のGDP比率は上昇するとは限らない。むしろ、同比率が低下する可
能性もある。

14 流動性の罠における財政政策の役割について、Fiscal View に基づき分析した研究としては、
Benhabib et al.[2000]や Woodford[2001]を参照。
15 中央銀行がゼロ金利制約に直面しても、ゼロ金利政策の実施が景気の悪化に対処したものであっ
て、財政赤字の穴埋めのために行うものでなければ、中央銀行は Leader である。したがって、この
ケースは、前掲図表2では、ケース3ではなく、ケース1に該当する。
19
4.2.2. 理論上の留意点
 ゼロ金利制約下での非中立型財政政策に関して、理論上の留意点を3点指摘しておこ
う。
第1に、ゼロ金利制約時に財政赤字を拡大させる(財政余剰を低下させる)ことが望
ましいという Fiscal View の主張は、流動性の罠下での財政政策の役割を重視した伝統
的なケインジアンの主張と同じである。ただし、伝統的なケインジアンの主張では、経
済主体の将来予想という視点を欠いており、「当期の財政赤字の規模」が重要とされる。
これに対して、Fiscal View は、経済主体の将来予想を明示的に取り入れ、「将来にわた
る財政余剰の現在価値がどう変化するかという民間の期待」が重要であることを強調す
る点で、伝統的なケインジアンの主張とは異なっている。すなわち、伝統的なケインジ
アンでは、非効率な公共投資であっても、今期の財政赤字が拡大すれば、有効需要の増
加につながると考える。しかし、Fiscal View では、そうした非効率な公共投資が将来
の納税負担の増加につながると民間部門が予想してしまうと、財政余剰の現在価値が実
質的に減少することはないため、需要は創出されず、したがって、物価の上昇も期待で
きないということになる。
 第2に、民間部門のフォワード・ルッキングな期待形成を前提にすると、政府は、非
中立型財政政策への転換をゼロ金利制約に直面してから宣言するよりも、平時における
中立型財政政策の景気弾力条項として事前にコミットしておく方が、政策効果は強まる
と言える16。なぜなら、経済情勢と関連付けた弾力条項を事前に設定しておけば、経済
に強い下方ショックが発生した場合でも、民間に財政余剰の現在価値の低下予想が生ま
れ、経済の大きな悪化を防ぐことが可能となるためである。
第3に、経済が実際に流動性の罠にはまり、景気刺激的な非中立型財政政策を発動す
る場合、将来どのような状況になれば、中立型財政政策に復帰するかを事前にコミット
しておく方が政策の有効性を強めることが理論上示唆される。すなわち、経済がどのよ
うな状況になれば、平時の中立型財政政策の運営に再転換するかを、非中立型財政政策
を発動する際にコミットすることである。例えば、「経済が安定成長軌道に乗るまで減
税を継続し、それを達成した段階で中立型財政政策にレジーム転換する」というように、
経済情勢に関連付けた出口政策にコミットすることが一案である17。こうしたコミット

16 例えば、Sims[1999]を参照。
17 経済情勢と関連付けずに、終了時期だけをコミットしてしまうと、予期せぬショックによって、
達成期限の先延ばしを繰り返すことになり、コミットメントのクレディビリティーが失われる可能性
20
は、「財政余剰の現在価値が十分低下したと国民に納得してもらうまで、非中立型財政
政策を継続する」ことを約束することに等しく、政策の有効性やクレディビリティーを
高めることになる18。また、そうした出口政策にコミットしておかないと、将来におい
て中央銀行が物価をコントロールできる状態が保証されないので、財政規律の緩みなど
から将来の物価が不安定化するリスクがある。その結果、インフレのリスク・プレミア
ムが拡大し、長期金利が上昇することによって、現在の政策効果を減殺してしまうと考
えられる。財政規律の喪失懸念をもたらさないようにするためには、将来の物価を中央
銀行がコントロールできる財政環境を整備しておくこと、言い換えれば、中立型財政政
策への再転換をコミットしておくことが重要となる。
5.おわりに
以上、Monetary View と Fiscal View の紹介を行うとともに、金融政策と財政政策の
物価安定に果たす役割について理論的な整理を行った。重要な点は、Monetary View と
Fiscal View のうち、いずれか1つの見方が普遍的に妥当するということではなく、物
価がどのようなメカニズムで変動するかは、中央銀行と政府の行動パターンの組み合わ
せ次第で変わり得るということである。中央銀行の独立性が確保されていない状況では、
マネーの供給量が財政余剰の変動に左右され得るため、金融政策だけでは物価安定の達
成が困難となる。しかし、中央銀行の独立性が確保されても、政府の財政政策が裁量的
に行われる場合は、財政余剰の現在価値が変動する結果、民間部門の支出が変化し、物
価が不安定になる可能性がある。
そして、Monetary View と Fiscal View の2つの見方を重ねあわせてみると、「インフ
レやデフレが究極的に中央銀行によってコントロールできるようにするためには、財政
政策の役割も重要である」というインプリケーションが得られる。すなわち、政府は、

がある。
18 中立型財政政策に将来戻ることが予想された場合、現在の非中立型財政政策が景気刺激効果を持
つのかという疑問もあろう。単純化のために、現在(1期目)と将来(2期目)の2期モデルを考え
てみると、2期目において中立型財政政策が採用されることが予想されていても、1期目の財政余剰
の現在価値(1期目の財政余剰と2期目の財政余剰の現在価値の和)を低下させることは可能である。
すなわち、2期目の財政余剰を変更することなく、1期目の財政余剰のみを低下させることによって、
1期目の財政余剰の現在価値は低下する。
21
@平時においては、民間部門の行動調整を誘発しない中立型財政政策を実施すること、
Aただし、流動性の罠に陥り金融政策の有効性が低下しているケースでは、景気刺激効
果を有する非中立型財政政策に転換すること、が理論的には望ましいことが示された。
(ゼロ金利制約下の様々な政策提案)
 近年、わが国では、経済活動が総じて停滞している中、物価は緩やかな下落を続けて
いる19。このような状況のもとで、様々な政策提案が行われている。ここでは、そうし
た様々な政策提案の具体的評価には立入らずに、それぞれの政策提案が Monetary View
や Fiscal View に照らして、どのように位置付けられるかを整理する。
 第1の政策提案は、「積極的な金融政策」である。これは、マネー(マネタリーベー
ス)をより積極的に増加させることで、金融緩和効果を高めようというものである。し
かし、既述の通り、ゼロ金利制約下では、Monetary View の最もオーソドックスなトラ
ンスミッション・メカニズムである金利チャネルが機能しないため、金融政策単独で物
価をコントロールすることは難しい。また、金利チャネル以外のトランスミッションを
経由することで――例えば、金融資産間のポートフォリオのリバランスを起こすことで
――、金融政策の有効性が引続き確保されている場合でも、財政余剰の現在価値の増加
懸念があると物価の上昇圧力はなかなか生まれ難い。現在、わが国では積極的な金融政
策が採用され、マネタリーベースは非常に高い伸びを示しているが、物価は依然緩やか
に下落している(BOX1参照)。このことは、@Monetary View がゼロ金利制約下では
妥当しないことを示しているのか、Aそれとも、政策効果がトランスミッションのラグ
からまだ現れていないだけなのか、Bあるいは、増税懸念や年金不安など財政余剰の現
在価値の増加懸念が物価上昇圧力を減殺しているのか、見解は分かれよう。
 第2の政策提案は、「積極財政」である。積極財政とは、伝統的には減税や歳出増と
定義される。これらによって、財政余剰の現在価値が低下すれば、物価は上昇すること
になる。ただし、財政政策のスタンスが経済に対して刺激的か否かを評価するためには、
表面的な財政赤字の規模ではなく、景気変動の影響を調整した構造的財政収支をみる必
要がある。また、当期の構造的財政収支が赤字であっても、現在価値でみた場合に、財
政が景気刺激的であると評価できるかどうかを考えなければならない。例えば、近年に
おける日本の財政状況をみると(BOX 2参照)、財政余剰のマイナス幅(財政赤字)

19 わが国の物価動向や物価安定を巡る論点整理については、日本銀行調査統計局[2000]や白川・門
間[2001]を参照。
22
が拡大し、一般政府の対民間債務残高のGDP 比は、1991 年にボトムをつけた後かなり
高い水準にまで上昇している。Fiscal View に基づいて物価動向を分析する際には、こ
うした財政収支の変動のうち、景気循環要因を除く構造的な財政赤字はどれだけあるか、
そして、そうした財政政策のスタンスが、財政余剰の現在価値の低下予想につながって
いるのかどうかを考える必要がある。現在の財政赤字の拡大が将来の増税懸念や年金不
安を惹起するのであれば、財政余剰の現在価値に対する民間の予想はむしろ増加するこ
とも可能性として考えられる20。その場合、今期の減税や歳出増加が、かえって、逆効
果となることも考えられる。
 第3の政策提案は、「財政再建」である。財政再建は、財政赤字や政府債務残高の
GDP 比率の目標達成を目指して、増税や歳出削減を実施することと定義される。一般
的に言うと、ゼロ金利制約によって金融政策の有効性が低下したもとでは、こうした緊
縮的な財政政策の実施は、財政余剰の拡大を通して、総需要減少の影響を大きくし物価
を下落させると考えられる。ただし、非効率な財政支出が多くなされている場合や過度
な納税負担が将来に先送りされているような場合には、現時点の歳出削減や増税が、財
政支出の効率化や課税の平準化を通して、財政余剰の現在価値を低下させることも考え
られる21。その場合、恒常所得の増加をもたらし、民間部門の支出増加や物価水準を高
めることになる。
 第4の政策提案は、「経済構造改革」である。積極財政や財政再建は、将来にわたる
財政余剰の推移自体を変化させることによって、財政余剰の現在価値に影響を与えるが、
経済構造改革は、潜在成長率の上昇など経済の供給サイドの変化を通して、財政余剰の
現在価値に影響を与え得る。例えば、財政余剰の将来にわたる推移が変わらなくても、
それを割り引く際の割引率である均衡実質金利が潜在成長率の上昇によって高まれば、
財政余剰の現在価値も低下する。このことは、民間部門が将来の納税負担が重いと感じ
るかどうかは、将来の成長期待に依存することを考えれば、理解できよう。
 以上は、いずれも理論的・概念的な整理であり、これから直ちに何が望ましい政策で
あるのか結論が出るわけではない。積極的な金融政策について言えば、マネタリーベー

20 実際、日本では、1990 年代後半以降、増税懸念や年金不安が国民の間で高まり、それが消費抑制
の一因となっていることが、各種アンケート調査によって窺われる。例えば、日本銀行情報サービス
局「生活意識に関するアンケート調査」(http://www.boj.or.jp/)を参照。
21 財政再建が景気回復をもたらし得ることに関しては、Bertola and Drazen [1993]、Blanchard[1990]、
Giavazzi and Pagano[1990,1995]、Perotti[1999]を参照。
23
スの増加が、ゼロ金利制約下でも物価の上昇をもたらすかどうかがポイントになろう。
積極財政については、@財政赤字の規模が膨らんだ下でも、財政余剰の現在価値の低下
を目指した政策が、金融市場の信認を得られるか、Aそして、政策の経済効果が現れる
までに民間の信認を維持し続けることが可能か、B経済情勢との関係でどの程度即効性
や持続性のある方策が打ち出せるか、といった点がポイントとなろう。また、財政再建
については、財政余剰の現在価値を低下させることも理論的には可能であるが、現実に
どういった影響が出るかは、実行される財政再建の内容によって変わり得よう。経済構
造改革については、潜在成長率の上昇が見込まれるようになるまでに長期の期間を要す
る可能性があり、即効性のある方策とは必ずしも言えない面がある。その場合、他のど
の政策オプションと組み合わせることが望ましいのかといった点がポイントとなろう。
いずれにせよ、Monetary View と Fiscal View による議論の整理は、経済政策運営を
考える際に、1つの視点を提供しているように思われる。
以 上
24
下図は、マネー(マネタリーベースとM2+CD)とCPIの推移を示したものである。
70〜80 年代を大局的に捉えれば、マネーとCPIの間には正の相関がある。つまり、両者
の伸び率がともに非常に高い局面やともに低い局面を含むような長期の時系列でみれば、緩
やかな正の相関が観察される。しかし、近年では、マネーが伸び続ける中、CPIは横這い
ないし下落傾向が続いており、正の相関が窺われていない。
-5
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
マネタリーベース   
M2+CD      
CPI
(前年比%)
7 0 7 1 72 7 3 7 4 75 7 6 7 7 78 7 9 8 0 81 8 2 8 3 84 8 5 86 87 8 8 89 90 9 1 92 93 9 4 95 9 6 9 7 98 9 9 0 0 01 0 2
(年)
90
100
110
120
130
140
150
160
170
180
190
200
210
220
9 0 9 1 9 2 9 3 9 4 9 5 9 6 9 7 9 8 9 9 0 0 0 1 0 2
マネタリーベース
M2+CD
CPI
(1990年=100)
(年)
(出所)総務省「消費者物価指数」、日本銀行「金融経済統計月報」
[BOX1.マネーと物価]
25
本文では、説明を単純化するために、政府債務を中央政府の国債のみに限定して説明した。
しかし、現実の世界で、民間部門と経済活動の面で関係のある政府とは、中央政府のほかに、
地方政府と社会保障基金を含んだ「一般政府」である。したがって、本文中(4)式の左辺分
子の「政府の対民間債務残高」は、国債ではなく、「一般政府」の債務として考えることが
適当である。
左下図が示すように、日本では、一般政府の対民間債務残高のGDP比が、91 年にボト
ムをつけた後、最近では財政赤字の拡大を背景に、非常に高い水準にまで上昇している。
なお、統合政府の異時点間の予算制約式(4)式において、政府の対民間債務残高の実質値
と等しくなるのは、将来にわたる財政余剰やマネタリーベースの変化幅の割引現在価値であ
り、右下図で示した各期の実績値ではない。
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01
50
60
70
80
90
100
110
120
130
140
150
一般政府の対民間債務残高[左目盛]
(参考)一般政府のグロス債務残高[右目盛]
(年)
(GDP比、%) (GDP比、%)
-8
-6
-4
-2
0
2
4
85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01
財政余剰
マネタリーベースの変化
(年)
(GDP比、%)
(注)一般政府の対民間債務残高は、「一般政府のネット債務残高−日銀の保有国債残高+日銀への政府の預け金」
を示したもの(末残ベース)。財政余剰は、「一般政府のプライマリー・サープラス」を示したもの。マネタリ
ーベースの変化幅は、平残前年差を示したもの。
(出所)OECD「Economic Outlook」、日本銀行「金融経済統計月報」
一般政府の債務残高 マネタリーベースの変化幅と財政余剰
[BOX2.日本の財政状況]
26
参考文献
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http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/112.html

[経世済民117] 一部ヘッジファンド、株価下落の読み外れ大打撃 米景気先行き信頼感12年以来の高水準 米地方債投資、税制改革の影響はいかに
一部ヘッジファンド、株価下落の読み外れ大打撃
今年の株価下落に賭けたヘッジファンドは予想が裏目に出た。写真はフランクフルトの証券取引所近くにある雄牛(ブル)と熊(ベア)のブロンズ像) 
By LAURENCE FLETCHER
2016 年 12 月 22 日 17:26 JST

 大手ヘッジファンドの一部は今年初め、株式市場は大幅に下落すると予想していた。だがその予想は大外れとなった。

 株価下落に賭ける空売りは、金融危機のさなかにヘッジファンドに多大な利益をもたらした。だが、米大統領選、マイナス金利、中銀の景気刺激策に触発された低位株への資金流入によって株式相場は反発し、一部の著名ファンドが痛手を被った。

 ホースマン・キャピタル・マネジメントのラッセル・クラーク氏もその一人。昨年はヘッジファンドマネジャーで世界トップクラスの運用成績を上げ、最大規模の空売りを仕掛けていた。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認したところによると、同氏は1月、投資家宛ての書簡で、自身の弱気スタンスはデフレ懸念を根拠にしていると説明した。デフレは通常、株価にとって悪材料となる。同氏は米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長について、映画「スター・ウォーズ」の悪役「ダース・ベイダー」の姿をしたデフレと闘う、主人公「ルーク・スカイウォーカー」だと表現した。

 デフレーション・ベイダーはイエレン・スカイウォーカーに、インフレ率を押し上げようとすればするほど「影の部分(デフレ)が力を増す」と告げたという。

 直近の投資家宛て書簡によると、クラーク氏は今年、17億ドル(約2000億円)のポートフォリオで、不動産、自動車、航空会社の各セクターの株価下落に賭けるポジションを大幅に増やした。

 この賭けは散々な結果に終わった。WSJが確認した投資家向けデータによると、ホースマンの旗艦ファンド「ホースマン・グローバル・ファンド」の11月までのリターンはマイナス18%と、世界最悪に近いパフォーマンスとなった。11月単月でもマイナス12.8%だった。ドナルド・トランプ氏が米大統領選で予想外に勝利し、株価が急伸したことが響いた。ホースマンはコメントの要請に応じていない。クラーク氏は投資家宛ての書簡で、自身のポジション取りやアイデアは「孤独」に感じたが、中国の危機と株価下落が近づいていたと説明した。

 書簡によると、ホースマンではこのほか、クラーク氏の同僚で今年を通じて大きなショートポジションを取っていたスティーブン・ロバーツ氏が運営する10億ドル規模の「ホースマン・ヨーロピアン・セレクト」の年初来リターンがマイナス40%となり、ファンドの規模が3億4000万ドルに縮小した。

 これだけではない。クリスピン・オデイ氏率いるオデイ・アセット・マネジメントは投資家に、ファンド「オデイ・ヨーロピアン」の資産価値が48%減少したと伝えた。株価下落に賭けたことが主な理由。英タロー・オイルや英鉱業大手アングロ・アメリカンなどの株価下落に賭けたことが特に響いた。同氏は昨年、主要株式市場で相場が40%下落すると予想していた。オデイはコメントの要請に応じていない。

 モルガン・スタンレーのアナリストによると、ヘッジファンドが11月にショートポジションで被った損失は、月間の損失としては2010年以降で2番目の大きさだった。

 またマークイットによると、2月にはヘッジファンドによる米国株のショート・ポジションが10年以降で最大に達した。

 スイスの資産運用会社GAMのポートフォリオマネジャー、アンソニー・ローラー氏は、今年の初めには世界の経済成長に勢いが見られなかったため、株式が2桁のリターンをもたらすなどと誰も考えていなかったと述べた。GAMは1191億スイスフラン相当の資産を運用している。

 運用マネジャーは、空売りが不発に終わった理由としてさまざまな要因を挙げている。共通しているのは、ユーロ圏、日本、英国の量的緩和に対する不満だ。景気刺激策は、空売り筋が当てにしている、パフォーマンスの良い銘柄と悪い銘柄の差を縮小させると説明している。

 超低金利やマイナス金利もヘッジファンドに逆風となる。空売り筋は株を借りて市場で売り、現金を手にする。かつてはこの現金が大きな利益を生み出していたが、今や利益を生まないばかりか、逆に負担となっている。

 アバディーン・アセット・マネジメントのピーター・ワスコ氏は「空売りは難しくなっている」と指摘した。アバディーンのヘッジファンドの運用資産は約110億ドル。同氏は、ヘッジファンドが増やした資産価値の大部分は株の空売りではなく株の購入によるものだとし、ここ2年ほどは空売り投資家にとってたいへん良かった年はないと述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjAg_bezofRAhWFrJQKHQzjDfgQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582512313408206418&usg=AFQjCNGJwuyKZZiI76VV_TiGMfwj7uqLKA

米景気先行き信頼感、12年以来の高水準
17日にアラバマ州モービルで開いた集会で演説するドナルド・トランプ次期米大統領 ENLARGE
17日にアラバマ州モービルで開いた集会で演説するドナルド・トランプ次期米大統領 PHOTO: BRYNN ANDERSON/ASSOCIATED PRESS
By NICK TIMIRAOS
2016 年 12 月 22 日 13:31 JST

 米国では米大統領選でのドナルド・トランプ氏の当選を受けて、景気の先行きに対する信頼感が2012年以来の高水準に達している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCテレビの最新の世論調査で明らかになった。

 それによると、来年景気が「好転すると思う」と回答したのは全体の約42%に達し、「悪化すると思う」と答えたのは19%だった。これほど楽観的な見方が多かったのは12年10月以来で、当時、「好転する」は45%、「悪化する」はわずか9%だった。

 1年前の調査では「好転する」と「悪化する」がともに24%だった。

 今回の調査結果は、景況感に関するその他の指標と一致する。企業の最高経営責任者(CEO)を対象とした調査では、トランプ氏の政策について楽観的な声が聞かれた。エコノミストらは、リセッション(景気後退)のリスクはやや低いとみている。

 WSJとNBCの調査では、景気見通しの改善は、大統領選後に共和党陣営が活気づいていることによるところが大きい。共和党有権者の約68%が来年は景気が好転すると予想しており、悪化すると予想しているのは6%にとどまった。昨年、「好転する」と答えたのはわずか14%で、「悪化する」は34%だった。

 無党派層でも、「好転する」が「悪化する」を22ポイント上回った。昨年は「悪化する」が「好転する」を15ポイント上回っていた。

 所得別では、総じてどの所得層も来年景気が好転するとみているが、5万ドル以上の場合は楽観的な傾向が強まる。性別では、男性の方が女性よりも景気先行きを楽観している。

 人種別では結果が大きく異なった。白人の場合は、「好転する」が「悪化する」を34ポイント上回ったのに対し、黒人の場合は、「悪化する」が「好転する」を8ポイント上回った。

 今回の調査は、12月12〜15日に成人1000人を対象に電話で行われた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwifpf3xzofRAhVFpJQKHTdxBjgQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582511982063968296&usg=AFQjCNHoumXumuJEklY3GL6JwBw96EF_Hg


米地方債投資、税制改革の影響はいかに

米連邦議会議事堂(ワシントン) PHOTO: BLOOMBERG NEWS
By
LAURA SAUNDERS
2016 年 12 月 22 日 16:02 JST 更新
 米地方債の投資家は過去30年ほどの間、税優遇措置を享受してきた。だがこうした利点が劇的に縮小する可能性が浮上してきた。
 ドナルド・トランプ次期大統領と米下院共和党は、投資からの金利収入のうち課税対象への税率を引き下げることを提案している。それが実現すれば現在非課税の地方債の利点は減り、場合によっては投資の意味がなくなってしまうような影響を及ぼすことになりそうだ。
 最も急進的な提案は、ポール・ライアン下院議長(ウィスコンシン州)率いる下院共和党と、ケビン・ブレイディ下院歳入委員会委員長(テキサス州)によるもので、10年物国債や社債など現在課税されている債券の最高税率を、現行の43.4%から16.5%へと6割以上引き下げるとしている。
 課税対象の年利5%の債券に投資すると仮定すると、この金利に対する連邦税は現在1ドルにつき最大0.434ドル。最高税率が引き下げられれば、投資家の手取り分が増えることになる。

現在は無税の地方債が課税されるようになれば、5%の金利は各改正案によってこのように変化する
https://si.wsj.net/public/resources/images/BF-AM773_TAXREP_16U_20161216100907.jpg

 一方、非課税の地方債は非課税のままで、最高税率引き下げの恩恵はない。つまり投資家にとって地方債の魅力は低下して値下がりする可能性がある。
 税務戦略を手掛けるトウェンティファースト証券(ニューヨーク)のロバート・ゴードン社長は「地方債の計算は変わろうとしている。免税であることの価値は下がる。ただ、どの程度かは分からない」と述べた。
 変化が最も小幅で支持が最大なのは、金利収入、配当収入、キャピタルゲイン(売却益)などの純投資収益にかかる3.8%の付加税を廃止するというもの。付加税は所得が夫婦世帯で25万ドル以上、単身者で20万ドル以上の場合に課されており、トランプ氏と米議会の多くの議員が廃止を求めている。
 付加税が廃止されれば、課税債の最高税率は現行の43.4%から39.6%に低下する。メリット・リサーチ・サービシズ(シカゴ)の社長兼最高経営責任者(CEO)で地方債専門家のリチャード・シカロン氏によると、他の条件が同じと仮定すれば、最高税率が適用される投資家に同等のリターンをもたらすためには、指標となる10年物地方債の利回りは現行の2.37%から2.55%に上昇する必要がある。
 別の提案でトランプ氏は、賃金など「通常の」収入の最高税率を現行の39.6%から33%に引き下げることを求めている。付加税の廃止と共に実現すれば、シカロン氏によると、同じ金利収入を得るために指標となる10年物地方債の利回りは2.80%程度にまで上昇する必要がある。ゴードン氏によると、他の市場環境に変化がなければ、1万ドルの投資の価値は9627ドルに縮小する見通し。
 3つ目の、最も混乱を招きそうな提案は、下院共和党の税制改革案だ。これは金利収入に現在税優遇措置の対象となっている長期投資のキャピタルゲインと同じ恩恵を与えるというものだ。金利収入に通常の所得と同じ税率を適用するという長年続いてきた慣行が変わることになる。
 この提案での最高税率は16.5%。シカロン氏によると、この場合、最高税率が適用される投資家に同等のリターンをもたらすためには、現行2.37%の地方債利回りが3.50%に上昇する必要がある。
 1986年の税制改革で金利収入の最高税率を50%から28%に引き下げて以降、地方債はこうした大掛かりな改革に直面したことがなかった。
 16.5%の最高税率が個人投資家に適用される可能性はどの程度あるだろうか。税制専門家は、この税率は企業の支払う金利に対する控除を認めない包括的な提案の一部だと指摘する。これは控除の恩恵を失いたくない高レバレッジ企業の反発が強いだろうと、ワシントンを拠点とするタックス基金のアラン・コール氏は予想する。
 ウェルズ・ファーゴ証券の地方債調査責任者、ナタリー・コーエン氏は、税制改革前には売却・購入とも注意が必要だと指摘している。地方債は安全な投資先であるとの認識など、金利以外の要因の影響があるためだ。
 同氏は「税制改革はまだ分からないことばかりだ」と語った。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwj6nJmOz4fRAhUCEpQKHX7cCk0QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582512183778075146&usg=AFQjCNHeMeQYmn-6gJMKmlYuf0WNR_nrmg



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[経世済民117] トランプ氏の脅し、一蹴する中国の技術力 深セン、企業の米国回帰をものともせず 中国、ドル高が試練に−国債急落が伝える警告
トランプ氏の脅し、一蹴する中国の技術力
(前編)
ハイテク都市の深センは企業の米国回帰をものともしない

中国広東省深センの街並み PHOTO: BLOOMBERG
By
JOHN LYONS
2016 年 12 月 22 日 11:14 JST 更新
 【深セン(中国)】ドナルド・トランプ次期米大統領がアップルなどの米企業に対し、海外ではなく自国の工場で製造するよう圧力をかけている。この動きは世界屈指のハイテク産業集積地となっている中国の深センにとって、脅威となるはずだった。
 一昔前まではのどかな漁村だった深センは今、中国最大の輸出品である家電製品の一大拠点だ。台湾の鴻海科技集団は同地で二つの工場を運営し、約23万人の従業員がアップルなど世界の大手メーカー向けに製品を作る。そのうちの1社、スマホメーカーとして世界3位の華為技術(ファーウェイ)も本社を深センに置く。
 しかし現地企業の幹部の多くが、トランプ氏の発言を気にしていないと一蹴する。貧困にあえいでいた深センには今や、複数の高層ビルが建つ。各工場の製造工程は改善され続け、設計、製造、そして出荷まで効率化された。仮にトランプ氏が中国からの輸入品に関税をかけたとしても、へき地を大都市に変えた経済力はその程度のことに影響を受けないというのが彼らの考え方だ。深センに工場を持つある世界的なメーカーの上級幹部は、「騒音は気になる」としつつも「関税についてのことは心配していない」と話す。
 トランプ氏の政策以上に深センの企業を不安にさせているのが、グローバルで進む製造業の進化競争に勝ち抜けるかどうかだ。深センはグローバリゼーションの果実を享受している方だが、米国でトランプ氏が反転させようとしているのと同種の競争圧力にさらされてもいる。
 2010年から賃金上昇が続く中、一時は栄えていた衣料産業や玩具工場がより安い人件費を求めてベトナムなどへと移っていた。一部の家電メーカーにも後を追う動きが見られる。人権費を抑えるため、工場でロボットを導入する企業もある。 
Gadget Economy 
China’s high-tech device manufacturers face competition from lower-wage regions.
High-tech product exports All of China 
Mobile-phone production In Guangdong province 
Micro computer† production In Guangdong province

*Through October †Includes laptop computers and tablets
Sources: China Customs (high-tech exports); National Bureau of Statistics
http://online.wsj.com/media/SHENZHEN-01.png
http://online.wsj.com/media/SHENZHEN-02.png
http://online.wsj.com/media/SHENZHEN-03.png


 深セン・ワンダテック社のエミリー・ウー氏は、「あまりにも競争が激しい。アマゾンでも割安製品が多過ぎる」と嘆く。同社はアマゾンなどで売られるブランドのカメラを月に4万台製造するが、経営は厳しい。人件費の上昇に伴い、赤字覚悟で製造の注文を受けることもあるという。
 トランプ氏は選挙期間中、アップルは米国内でコンピューターなどを製造するべきだと発言し、その後はアメとムチを使って製造業の米国回帰を実現しようとしている。これを受け、アップルのサプライヤーであるフォックスコンは米国内での製造を拡大する可能性に言及した。
 しかし、こうした動きが実現したとしても、それがどの程度の雇用を生みだし、米国内で具体的に何が製造されるのかは不透明だ。フォックスコンが現在進めているのはロボットを使った工場の自動化だ。同社は具体的な顧客名や事業計画ついてはコメントはできないとしている。
 「これらの雇用が米国に戻ったとしても、実際に雇われるのは自動化された工場で1000体のロボットを操作できるような人たちだ」と指摘するのは、北京大学で財政学を教えるクリストファー・ボールディング教授だ。「仕事を得ることになるのはトランプ氏に投票した層ではなく、コンピューターに詳しい人たちになる」
*この記事は後編に続きます(有料)>>
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• トランプ氏の公約、製造業の米国回帰は非現実的
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• アップルと中国、すれ違う思惑
• 「中国のシリコンバレー」深センのアキレス腱
http://jp.wsj.com/articles/SB11484601320931144569304582511580436585246

 
トランプ氏の脅し、一蹴する中国の技術力(後編)
深センはこれまでも大きな変化に対応してきた
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AT303_SHENZH_M_20161220025750.jpg
深センの発展にはケ小平氏が大きく関わった PHOTO: AFP/GETTY IMAGES
By
JOHN LYONS
2016 年 12 月 22 日 13:06 JST
 【深セン(中国)】世界有数のハイテク産業集積地となった中国の深センだが、その国際競争力は制約を受けてもいる。中国政府がインターネットを規制しているため、新たな発想やオープンソースのソフトウエアへのアクセスが制限されているからだ。また知的財産権に関する規則も甘いため、中国の起業家はアイデアを盗まれる危険とも背中合わせだ。
• トランプ氏の脅し、一蹴する中国の技術力(前編)
 しかし深センはこれまでも大きな変化に対応し、生き抜いてきた歴史がある。1979年、トウ小平氏は深センを特別経済地区に指定。低コスト製造業の地として10年以上にわたって40%の経済成長が続いた。繊維産業が落ち目となれば、国立大学のキャンパスを建ててよりスキルの高い労働力を育成。公式統計によれば、深センの過去数年の経済成長率は平均13%と、中国全体を大幅に上回っている。
 スマートフォン向けの特殊なパーツは日本、台湾、そして韓国の企業が担うが、深センはそれを組み立てるサプライチェーンに入り込むことで比較優位を手に入れた。そして大学で教育を受けた技術者たちが、深センをプロトタイプ製造の世界的拠点に成長させている。
 新製品を作る際のモックアップ製造は、米国では通常数週間かかる。しかし投資家のダンカン・ターナー氏によれば、深センではわずか1日でそれが可能なだけでなく、値段もわずか数分の一で済む。「深センは安く物を作れる場所として知られていたが、質の高い物を作れる場となった」と同氏は語る。「今では製品のプロトタイプを作りたい場合は、誰もがここにくる」
‘雇用が米国に戻ったとしても、実際に雇われるのは自動化された工場で1000体のロボットを操作できるような人たちだ’
—北京大学のクリストファー・ボールディング教授
 深センの製造業の成長率は鈍化しているが、ソフトウエアや科学研究といった分野は大きな伸びを見せ続けている。製造業は2012年から2014年の成長率が年間8%だったのに対し、研究分野は平均16%だった。2015年の深センの年間統計によれば、市の経済規模のうち製造業が占める割合は同期間で7ポイント下がった。一方、情報技術や研究に関する分野が占める割合は3ポイント拡大している。
 この勢いの差は一目瞭然だ。製造業が集中するエリアでは、工場地帯に空きが見られることが増えてきた。一方でハイテク企業が集まる地域では、オフィスビルが次々と建設されている。

高層ビルが並ぶ深センの中心部 PHOTO: BLOOMBERG
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AT302_SHENZH_M_20161220025510.jpg

 デザインやブランドを重視する世界的な企業も、深センに根を下ろし始めている。世界最大のドローン製造会社である中国DJIは、「サプライヤーや原材料、そして継続的成功のために必要な若くてクリエーティブな才能」にアクセスできるため、同地に本社を置いているとしている。
 独自動車大手ダイムラーは中国の電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD)と2011年に手を組み、深センで電気自動車の開発を手掛けている。アップルは研究開発拠点を同地に開設する予定だ。またイノベーションセンターとしての深センの台頭を受け、中国ネット業界の巨人、百度(バイドゥ)や阿里巴巴集団(アリババグループ)も大きなオフィスを開設した。
 深センでは、より小規模な製造企業も、デザインやブランディングに力を入れつつある。安価なカメラなどを製造していたQiwoスマートリンク・テクノロジーは、わずか2年の間に年間売上高1億ドル(約117億円)を誇るデザイン会社へと変貌。「すべてのサプライチェーンや関連企業がこの場にある。これらを米国に移動させようとしてもそれはできないだろう」と同社のジェームズ・グオ氏は話す。
 米国が中国からの輸入品に高い関税をかけたとしても、すでに進行中の動きを加速させるだけだと現地企業の経営者らは言う。工場は深センを去るかもしれないが、米国に戻るのではなく、より人件費が安い中国の他の都市に移動する。その一方で深センはデザインやエンジニアリング、マーケティングなどの分野でさらに雇用が増えていくというのだ。
 深センで開発研究を行うジュンイ・ソン氏(26)は、低価格のロボットアームを考案している。販売予定価格はわずか7000ドル程度。これがあれば小規模の工場でも自動化を実現させ、人件費を削減できる。「これが未来のあり方だ」とソン氏は言う。
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=3&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiWqfno2ofRAhWJxbwKHXqQD7gQFggkMAI&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582511663008989018&usg=AFQjCNEXulSTNtuT__SvJMWQJbgUa38CxQ


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/119.html

[国際16] 中東で敵つくるロシアの台頭  「イスラムの敵」米国に代わって居座る帝国主義大国  


中東で敵つくるロシアの台頭
「イスラムの敵」米国に代わって居座る帝国主義大国

トルコのロシア大使館前でアサド政権支援に抗議するシリア人(17日、イスタンブール) PHOTO: OZAN KOSE/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By YAROSLAV TROFIMOV
2016 年 12 月 22 日 10:03 JST

――筆者のヤロスラフ・トロフィモフはWSJ中東担当コラムニスト

***

 勝利には代償が伴う。

 ロシアは昨年シリア内戦に参戦してから、米国に代わって中東に強大な影響力を持つ唯一の国になることに成功した。仕上げになったのはアレッポ陥落だ。

 この台頭により、ロシアは中東に欠かせない陰の実力者となった。ロシアは欧州でも、シリア内戦による移民の激増を受けて影響力を強め、ウラジーミル・プーチン大統領と親密なポピュリスト政党を勢いづかせた。

 しかし、トルコ駐在ロシア大使アンドレイ・カルロフ氏が19日に殺害されたことで、ロシアの急速な台頭の裏側が浮き彫りになった。米国の影響力が低下するなか、ロシアは中東の多くの人が長らく米国に対して抱いていたイメージを受け継いだ。それは、イスラム教とイスラム教徒に戦いを仕掛ける帝国主義のよそ者というイメージだ。

 中東ではこのところ反米抗議活動は起きていない。一方アレッポで死闘が続くなか、イスタンブールやベイルート、クウェート市などのロシア公館前には今月数万人が詰めかけ、「ロシアはイスラムの敵だ」などと抗議した。

 ロシア大使を射殺したトルコの警察官は、アレッポの苦痛に対する報復だと叫んだ。同都市はここ数週間でシリア政権軍やシーア派勢力に制圧されたが、それまで1年にわたってロシアの空爆の対象になっていた。

新たなガキ大将

 ロシア大使殺害は各国政府から非難されたが、アラブのソーシャルメディアやパレスチナの難民キャンプではあからさまに称賛された。

 「ロシアが近所の新たなガキ大将だと思われていることは確かだ」とタハリール中東政策研究所(米ワシントン)のハッサン・ハッサン氏は述べた。「中東で特に崇拝されているスンニ派都市アレッポの破壊に関与したことを受け、人々はイラク占領後の対米感情を思い起こさせる反応を示した」

 怒りの矛先がロシアに向かう一方、アレッポ陥落で、欧米でテロを計画する「イスラム国」やアルカイダなどジハーディスト(聖戦主義者)集団に対する支持が高まっている。

 「アレッポは新たな段階を意味するという感覚がある」とレバノンのある議員は述べた。「怒りの度合いは非常に強く、そこで起きたことは欧州や他地域で過激主義をあおっている」

 19日にはベルリンのクリスマスマーケットで12人が殺害されたが、これもそうした過激主義を背景にした攻撃のようだ。ISが翌日に犯行声明を出している。実行犯はまだわからないが、欧州でのテロ攻撃は、大量の難民流入との絡みでとらえられている。

 ロシアが以前とは違う形で世界的ジハードの標的になったことは、同国がシリアに部隊や軍用機を配備してからわずか1カ月後の昨年10月に明白になった。ロシアの旅客機がエジプトのシナイ半島で墜落し、ISが犯行声明を出したのだ。

 最近、部隊や資金面でのロシアの関与は拡大している。同国に対する怒りもずっと露骨になり、ジハーディストの間にとどまっていない。

 このことは例えば、シリアの将来を巡りプーチン氏やイランの理解を得ようとするトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の試みに問題を投げかけている。トルコ政府は最近までバッシャール・アサド政権打倒を目指していたが、ISやクルド人武装勢力に対するトルコ軍の作戦をロシアが黙認したのと引き替えに、この姿勢を軟化させた。ロシア、トルコ、イランの外相は20日、モスクワでシリアについて議論した。

大使暗殺でも政策は不変か

 トルコや中東各国での敵対的な世論を受け、ロシアの外交官は、米外交官の業務を数十年にわたり妨げてきたのと同様の安全面での制約を受けることになる。

 しかし、米国は過去数十年、外交官らに対するデモや攻撃にもかかわらず中東から撤退しなかった。ロシアもカルロフ大使の死を受けて自重することはなさそうだ。

 「今回起きたことから、ロシアの役割や敏感な地域への関与が拡大しているために同国がより高いリスクを受け入れなくてはならないことがわかる」と、サンクトペテルブルクの欧州大学のニコライ・コザノフ教授は述べた。「だがそれはターニングポイントにはならず、政策変更にもつながらないだろう」

 トルコもロシアも、最近の両国関係改善を大使暗殺事件で反転させてはならないと必死だ。

 エルドアン氏は先月、トルコが上海協力機構に加盟する意向まで示した。これは、ロシアや中国などの国が安全保障で協力する枠組みで、トルコは北大西洋条約機構(NATO)を脱退しなければ正式に加盟できない。

 何が起ころうと、中東の指導者らはロシアがこの地域に居座るためにやって来たことを十分に認識している。

 アラブ連盟のアハマド・アブルゲイト事務局長は先週のインタビューで、ロシアは「自国の承諾がなければ中東では何も起こらないほどの影響力があることを知らしめたがっている」との見方を示し、「そしてそれに成功している」と述べた。

シリア情勢特集

シリア内戦とロシアの世論誘導
【社説】シリアを覆うプーチン氏の二枚舌
地政学的混乱乗り切るロシア市場の急伸
トランプ氏に希望見いだすシリア反体制派
ロシアの駐トルコ大使 美術館で射殺
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwi17sP32ofRAhVEvbwKHZSLDlwQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582511491446832120&usg=AFQjCNGU9Pp-UCqtmAKt3-ol0oUwTzXwdg
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/784.html

[国際16] 米国の若者、親同居率40% 過去75年間で最高 #パラサイトは日本に限らない 経済構造変化の必然


米国の若者、親同居率40% 過去75年間で最高
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景気が回復して雇用が伸びているにもかかわらず、親など家族と同居する若者の比率は2005年以降上昇し続けている。CHRIS KIRKHAM記者が解説(英語音声、英語字幕あり) Photo: iStock
By
CHRIS KIRKHAM
2016 年 12 月 22 日 12:57 JST
 米不動産情報サイトのトゥルーリアが国勢調査を分析したところによると、2015年に親、兄弟姉妹やその他の親族と同居していた米国の若者の比率はほぼ40%と、1940年以降の75年間で最高だったことが分かった。
 景気が回復して雇用が伸びているにもかかわらず、親など家族と同居する18―34歳の若者の比率は2005年以降上昇し続けている。05年当時は、直近のリセッション(景気後退)が始まる前で、およそ3人に1人が家族と同居していた。
 これは、過去の景気循環時のトレンドに反している。これまでは、親族と同居する若者の数が、リセッションを受けて急増した後、景気が回復するとともに減っていく傾向にあった。
 この結果、ミレニアル世代の住宅需要は予想を大幅に下回っている。同世代の数は米国史上最多だ。ハーバード大学のジョイント・センター・フォー・ハウジング・スタディーズ(以下HJC)によれば、30歳未満の成人の数は過去10年間で500万人増えたが、世帯数は同期間で20万世帯しか増えていない。
 アナリストたちは、多くの都市で家賃が高騰していることや、住宅ローンの借り入れ基準が厳格化していることを要因に挙げ、その結果、米国の若者の自立が難しくなっていると指摘している。
 トゥルーリアのチーフエコノミスト、ラルフ・マクラフリン氏は、「これらの要因が若い世帯を永続的に住宅市場から閉め出し続けるとは思わないが、将来にわたって彼らの住宅所有率を歴史的低水準にとどめる可能性はあるだろう」と話す。

18―34歳の若者の親らとの同居率の推移
https://si.wsj.net/public/resources/images/NA-CM849_FAMILY_16U_20161220162704.jpg

 親などと同居する米国の若者の比率は、大恐慌が正式に終わったとされる年の1年後である1940年に最大(40.9%)に達した後、1960年に最小(24.1%)となった。その後、1980年から2000年代半ばまでの間は、31―33%程度で推移したが、それ以降は徐々に上昇している。
 世帯形成は、住宅の取得しやすさや収入と密接に関係している。HJCによると、収入が2万5000ドル未満の25―34歳のうち、自ら世帯を形成している人の比率は40%だった。この比率は、収入が2万5000―5万ドルになると50%、5万ドル以上になると58%にまで上がった。
 国勢調査のデータからは、米国の若者がそれまでの世代より遅い時期に結婚・出産していることがうかがえる。だが、エコノミストたちは、ミレニアル世代は歴史的に見て多いため、世帯数は25年までに現在の2倍以上に増えるだろうとみている。
 それでも、この世帯形成の遅れを受けて、住宅建設業者は彼ら若者世代の向こう数年間の行動がどうなるか思案している。カリフォルニア州に本拠を置く住宅建設会社、MBKホームズのティム・ケーン社長は、ミレニアル世代の世帯形成が明らかに遅いと指摘。このため、「今後同じペースで世帯形成が進むのか、そして、住宅取得のブームが起きるのか」が分からない状態にあると話している。
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiNlPmC2ofRAhVLErwKHfdGAc4QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582511913184365698&usg=AFQjCNF6w73seJr-S_2lco3yUErRr0GY7g

http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/785.html

[国際16] トランプ氏勝利で米経済は揺らがず、顧客は先行き楽観  ムニューチン厳しい追及必至  米国家通商会議新設トップは対中強硬派
トランプ氏勝利で米経済は揺らがず、顧客は先行き楽観
−モイニハン氏
Laura J. Keller
2016年12月22日 15:23 JST

中小企業が与信利用に動いているとモイニハン氏インタビューで発言
ボルカー・ルールが緩和されても、銀行は変わらないと同氏


米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は、ドナルド・トランプ氏が次期米大統領に選ばれたことによって、来年の米経済が動揺するとは考えておらず、むしろ法人顧客は意欲的になっていると指摘、現に事業拡大資金の手当てに動いていると語った。
  モイニハン氏(57)は22日放映のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、中小企業が「より活発で積極的になっている」と述べ、「彼らはビジネスや規制環境の先行き、最終需要の実現により楽観的だ」と説明した。
  さらにトランプ氏が公約した税制改革がどのように実行されるか見極めるまで経済界は一部の決定を先送りする可能性があると発言。早過ぎる行動に出る経営幹部は、利益を逃すリスクがあるとの見方を示した。
  モイニハン氏はまた、「ボルカー・ルールが明朝撤廃されても、われわれの仕事は変わらないだろう。われわれの株主は、プライベートエクイティ(PE、未公開株)ファンドに投資したいと考えればそうすることができる」と主張した。
原題:BofA’s Moynihan Says Businesses Are Friskier After Trump Victory(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OIKOMK6TTDS401


 
ムニューチン氏:民主党の厳しい追及必至か−指名承認プロセスで
Saleha Mohsin
2016年12月22日 13:59 JST

かつて買収・指揮した銀行の住宅差し押さえ慣行が批判の的に
上院銀行委のブラウン民主党筆頭理事は書簡で説明求める
 
トランプ次期米政権の財務長官に起用されるスティーブン・ムニューチン氏は、同氏がかつて買収して指揮を執った銀行がずさんな住宅差し押さえに従事していたと非難を浴びた点をめぐり説明するよう、上院民主党議員から厳しい追及の圧力にさらされつつある。

  上院銀行委員会の民主党筆頭理事であるシェロッド・ブラウン議員(オハイオ州)は21日、ムニューチン氏宛ての書簡で、公正貸付法や差し押さえ防止プログラムを含む問題に関し、見解を詳述するよう求めた。来年1月6日までに11項目の質問に回答するよう呼び掛けたブラウン議員は、経済制裁や金融規制など同委管轄の他の問題をめぐってもムニューチン氏の記録は知られていないと指摘した。

  ブラウン議員は発表文で、「勤労者はウォール街のためでなく、自分たちのために働いてくれる財務長官を必要としている」とコメント。「ムニューチン氏が監督することになる住宅や金融の重要問題についての同氏の立場を一般の米国民は知るに値する」とした上で、「ムニューチン氏は金融危機に乗じて大もうけしたが、オハイオ州ではまだあまりにも多くの人々が立ち直ることができずにいる」と論じた。

  ムニューチン氏の指名承認に必要な票の確保は、上院で過半数を占める共和党議員に期待できるが、民主党議員は厳しい態度で臨む意向を示唆している。ゴールドマン・サックス・グループのパートナーを務めた経歴を持つ同氏は金融危機の際、経営破綻した銀行を投資家グループと共同で買収し、利益を生み出した。ワンウェスト銀行に社名変更されたこの銀行は不当な差し押さえ慣行のほか、マイノリティー居住者が多い地域での事業を回避したとして批判されている。

  ムニューチン氏は、15年にCITグループに売却した同銀行事業の経営に携わったことを誇りに思うと明言。また、数週間前に同氏からブラウン議員に会談を申し入れたが、同議員はこれを受け入れていないと、同氏の広報担当者タラ・ブラッドショー氏は述べた上で「ムニューチン氏は指名承認プロセスと、ブラウン上院議員に会って同議員にとって重要な問題を議論することを楽しみにしている」と語った。
原題:Mnuchin Faces Heat From Democrats on OneWest Foreclosures (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OIKIQ56JIJUQ01

 

トランプ次期政権、国家通商会議を新設−トップは対中強硬派ナバロ氏
Michelle Jamrisko
2016年12月22日 13:26 JST
 
カリフォルニア大学アーバイン校のナバロ教授を大統領補佐官に起用
トランプ氏:ナバロ氏の「論拠の明晰さに感銘受けた」
 
米カリフォルニア大学アーバイン校の経済学教授で中国の貿易慣行を頻繁に批判してきたピーター・ナバロ氏がトランプ次期米大統領の補佐官として、新設の国家家通商会議を率いる。
  政権移行チームの21日の発表によると、ホワイトハウス内に設置する同会議は、「貿易交渉での革新的戦略に関する大統領への助言や、米国の製造業の能力などの評価をめぐる他機関との連携」、製造業における新たな雇用機会の促進といった役割を担う。ナバロ氏は大統領補佐官兼「通商産業政策ディレクター」に就任する。
  ナバロ氏は大統領選でトランプ陣営の主要エコノミストの一人で、商務長官への起用が決まったウィルバー・ロス氏と9月に成長プランに関するリポートを共同で執筆した。ハーバード大学の博士号を持つナバロ氏は職業人生の大部分を中国批判に費やしており、15年余りの間に米中の通商関係に関する複数の書籍の執筆やドキュメンタリー映像の監督を行っている。
  トランプ氏は21日、「私は数年前、ピーターが執筆した米国の通商問題に関する著作を一冊読み、論拠の明晰(めいせき)性や調査の完璧性に感銘を受けた。彼はグローバル化が米国の労働者に与える悪影響を予見するように記録し、中間所得層を回復させるための今後の道筋を打ち出した。トランプ政権で通商問題のアドバイザーとして重要な役割を果たすだろう」との見解を示した。
  
  ナバロ氏は北米自由貿易協定(NAFTA)や2001年の中国による世界貿易機関(WTO)加盟について、15年間の米景気減速の原因の全てでなくとも一部だと批判している。この期間の米経済の平均成長率は1.8%で、1986年から2000年までの3.4%を下回る。
原題:Trump Forms White House Trade Office Led by China Critic Navarro(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OIKHDH6K50YA01
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/786.html

[政治・選挙・NHK217] 新規国債減額、外為特会頼み 信頼揺らぐ政府予算 外為特会剰余金、全額繰り入れOK=麻生財務相 米国抜きTPPに日本の活路
Business | 2016年 12月 22日 16:55 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース
焦点:

新規国債減額、外為特会頼み 信頼揺らぐ政府予算


[東京 22日 ロイター] - 政府予算が税収の伸びで歳出を賄う本来の姿から逸脱し始めた。2017年度予算案では、民主党政権下の11年度以来の規模となる税外収入を頼りに、不足を補う新規国債を減額した。ただ、表面上の増減にこだわる姿はかえって信頼を損ない、安倍官邸が掲げる経済成長と併せた財政再建の手法を疑問視する声が広がりそうだ。

「禁じ手ではないだろう」。12月中旬、首相官邸。次年度予算を巡る折衝で、政府高官の一人はこう話した。

念頭にあったのは外国為替資金特別会計(外為特会)。円高に伴う法人税収の伸び悩みで、17年度の国の税収はどう見積もっても大幅に伸ばせない。経済成長と財政健全化の両立をうたう以上、「官邸の意向としては新規国債も減らしたいようだった」と、ある政府関係者は当時を振り返る。

外為特会の剰余金を一般会計に繰り入れる場合、その30%以上は特会に残すのが、ここ数年の慣例だった。

一方で、財政状況に応じた柔軟な運用も認められ、政府は17年度予算で、剰余金(見込み額)の全額を財源に充て、16年度当初比8583億円増の2兆5188億円を捻出。税外収入全体では、同6871億円増の5兆3729億円と、第2次安倍内閣発足以降、初めて5兆円台に乗せた。

別の政府関係者の一人は「税外収入で稼ぐという政治判断がなければ、新規国債の増額は避けられなかった」と指摘する。

予算案の編成過程では16年度税収について、当初想定した減額幅1.9兆円から最終的に1.7兆円に縮減し、17年度税収を57兆7120億円に蹴り上げた。次年度税収の「発射台」となる16年度分を引き下げすぎれば「高い成長率を想定しても当初ベースで税収が増える姿が示せない」(前出の政府関係者)との懸念があったためだ。

表面上は「税収増、国債減」というこれまでの路線を維持した17年度予算案。麻生太郎財務相は、予算案決定後の記者会見で「(新規国債を減額することで)バランスが取れた」と強調した。

しかし、当初予算をいくら抑制しても、補正での予算措置を事前に約束する「補正回し」が続く現状に、明治大学の田中秀明教授は「会計上の操作で見栄えを良くできる当初予算の信頼性は低い」としている。

(梅川崇 編集:山口貴也)

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外為特会の剰余金、全額繰り入れても影響大きくないと判断=麻生財務相

[東京 22日 ロイター] - 麻生太郎財務相は22日の閣議後会見で、同日決定した2017年度当初予算案に関し、外為特会の剰余金見込み額を一般会計に全額繰り入れても「(特会への)影響は大きくないと判断した」と語った。予算像をめぐっては、新規国債の減額や歳出の目安を順守したことを念頭に「方向としては間違っていない」と強調した。

17年度予算案は、税収の伸びが鈍化する中で、外為特会の剰余金見込み額2兆5188億円を一般会計に繰り入れて財源を確保した。全額繰り入れはルール上「禁じ手」ではないものの、2011年度以来6年ぶりの措置。

一般会計の厳しい現状を踏まえ、麻生財務相は「有効に活用させてもらった」と語った。

新規国債の減額が小幅にとどまったことなどから、財政健全化には停滞感も漂うが、麻生財務相は「消費増税を2年半延期した段階で厳しくなっている。今に始まったことではない」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/gaitame-aso-idJPKBN14B073


 

 

視点:
米国抜きの新TPPに日本の活路


山下一仁キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹

[東京 22日] - ドナルド・トランプ次期米大統領の予告通り、米国が環太平洋連携協定(TPP)から離脱したとしても、日本は米国抜きの新TPPを通商戦略の根幹に据えるべきだと、キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹の山下一仁氏は主張する。

同氏の見解は以下の通り。

<論拠を失うTPP反対派の米国脅威論>

トランプ氏が、1月の米大統領就任後100日間の優先政策事項を語った11月21日公開のビデオ声明で、TPP離脱を予告したにもかかわらず、日本のTPP推進派には任期中の君子豹変を期待する向きがいまだ多いようだ。しかし、そのような甘い期待はきっぱりと捨てた方がいいだろう。

トランプ氏を大統領にまで押し上げたのは、移民と貿易に関する保護主義的な言動だ。地球温暖化対策の見直しや医療保険制度改革(オバマケア)の廃止といった他の公約で妥協することはあっても、通商問題では譲歩できないだろう。トランプ氏が大統領でいる間は、米国のTPP参加はないものとして、日本は通商戦略を再構築する必要がある。

とはいえ、私は、TPPがダメだから、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉に軸足を移すべきだとの考えには賛同できない。むしろ、その逆だ。米国抜きの新TPPを進めることを、日本の通商戦略の根幹に据えるべきだと考えている。

理由は2つある。1つはその規模だ。米国が離脱しても、TPPにはカナダ、オーストラリア、メキシコなど比較的大きな国が多数参加している。しかも、フィリピン、インドネシア、台湾など、他にも多くの国や地域が参加の意向を示している。個々の国・地域と結んできた通商協定よりも大きなスケールメリットを追求できる。

もう1つの理由は、TPPが既存のいかなる多国間通商協定よりも高いレベルの内容であるということだ。関税撤廃やサービス貿易拡大など自由化の取り組みは、世界貿易機関(WTO)以上に進んでいる。また、投資、貿易と環境、貿易と労働などWTOがこれまで網羅してこなかった分野についても、新たなルール作りに踏み込んでいる。さらに、将来の中国加入をにらんで、国有企業のあり方についても細かく定めた。

これらはいずれも中国主導のRCEPでは、実現不可能な内容だ。例えば、TPPでは、労働者に労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)を法的に保障することが参加国に義務付けられているが、現在の中国政府には到底受け入れられる項目ではないだろう。

また、RCEP交渉には、高関税国のインドも入っており、関税引き下げはほとんど進まない可能性が高い。TPPの空白をRCEPが埋められるとは、いずれのTPP交渉参加国も考えていないのではないだろうか。

実際、米国抜きの新TPPの可能性に言及する当事国は増えている。報道によれば、ペルーのクチンスキ大統領は「米国を外し、環太平洋での新たな経済連携協定を構築すべきだ」と表明。メキシコのグアハルド経済相も、米国を除く11カ国で協定が発効できるように条項見直しを提案している。その意味で、日本が先んじてTPP批准案を可決したことは、他国に対して前向きなメッセージになったと思う。

ちなみに、TPP発効には参加国の国内総生産(GDP)の85%を占める6カ国以上の批准が必要との規定があるため、60%を占める米国が抜ければお蔵入りすると思われがちだが、実際にはその規定を修正・削除した上で、米国以外の参加11カ国で新TPP協定を締結し直せばよいだけだ。

加えて、米国は抜けるのだから、同国の利益を反映した条項の修正・削除も行われることになろう。日本の場合、米国に認めた7万トンのコメ特別輸入枠の削除などが可能になる。農産物関税の削減・撤廃規定が米国に適用されることもない。

さらに、ISDS(投資家と国家間の紛争解決)手続き条項や新薬のデータ保護期間、食品の安全などに関する米国主導で決まった他の規定も大きく見直されるだろう。TPP反対派の米国脅威論は論拠を失うことになる。

<日米FTA交渉は拒否すべき>

何より重要な点は、先に米国抜きでTPPを発効させることができれば、将来、米国が加入を求めてきたときに、既存参加国は結束して強い交渉態度で臨めることだ。

米国抜きと言ったが、私は米国もいずれ(トランプ大統領後は)TPPに加入申請せざるを得なくなると考えている。TPPに入らないことで一番割を食うのは、米国であるからだ。

例えば、日本が輸入する牛肉にかけている関税は、TPP加盟国のオーストラリア産やニュージーランド産が9%に引き下げられるのに対して、米国産は38.5%で据え置かれる。同じような関税率の格差が豚肉や小麦、乳製品など他の農産物についても発生するため、米国の農業界は大きな痛手を受ける。

米国の農業界はもともと共和党支持層であり、これまで日本市場の確保とさらなる開放を強く求めてきた。TPP不参加で明白な不利益が生じれば、共和党中枢を突き上げ、TPP加入申請を強く求めることになるはずだ。そもそも、共和党は伝統的には自由貿易推進派である。

米国がTPP加盟を求めてきたら、既存参加国は、強い交渉態度で臨めばいい。後から入る国の要求が通りにくいのは、国際通商交渉の常である。米国自体、例えば中国のWTO加入交渉で、そうした強硬な姿勢を取ってきた経緯がある。

こう話すと、トランプ氏は、自国の農業界などに明白な不利益が生じれば、日本に対し「日米自由貿易協定(FTA)」を結ぶよう強い圧力をかけてくるのではないかとの反論が聞こえてきそうだ。確かに、その可能性は高い。だが、拒否すればいい。道理は日本側にある。

そもそもTPPはアジア太平洋経済協力(APEC)全域を網羅する自由貿易圏構想(FTAAP)実現に向けた取り組みの1つとして、米国をはじめとするAPEC首脳が推進してきたことだ。

また、2国間FTAの乱立が複数のルールや規則につながり、世界貿易の障害となることは自明の理だ。こうした筋論や自由貿易主義の理想を、日本はAPECやTPP参加国を味方につけて、米国側に諭すべきである。

<報復関税合戦は杞憂か>

ただ、私のこうした見方は全て次期米政権が常軌を逸した行動には出ないとの前提に基づいている。仮にトランプ次期米大統領が、選挙期間中に公言していたように、本気で中国やメキシコに45%や35%の高関税をかけようとした場合、日米FTAを断れば日本もその標的にされるのかもしれない。

むろん、そのようなことをすれば、WTO違反であり、トランプ政権は「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」の貫徹のため、TPPどころか、WTO離脱も辞さないということになる。実際には離脱せずとも、報復関税合戦を招くことになりかねない。

現代のビジネスは、国境を越えて複雑に入り組んだサプライチェーンによって支えられている。世界貿易の6割が部品の貿易だ。100%のメイド・イン・チャイナも100%のメイド・イン・USAもない。米国などから輸出された部品を中国で組み立て、米国に輸出している企業も多い。関税引き上げによる保護貿易主義は、米国企業の収益を直撃し、結果としてトランプ氏を支持した米国人労働者を苦しめるだけだ。

さすがにトランプ氏も現代の産業構造を理解していると考えたいが、選挙期間中の過激な発言が万が一、ブラフ(はったり)でなかった場合、大恐慌まっただ中の1930年に米国が国内産業保護を優先するスムート・ホーリー法を制定し、関税を大幅に引き上げ、世界経済をさらに悪化させた「暗黒の時代」再来も杞憂とは言えなくなりそうだ。

*本稿は、山下一仁氏へのインタビューをもとに、同氏の個人的見解に基づいて書かれています。

(聞き手:麻生祐司)

*山下一仁氏は、キヤノングローバル戦略研究所の研究主幹、経済産業研究所の上席研究員(非常勤)。1977年、東京大学法学部卒業後、農水省入省。ウルグアイラウンド交渉などの国際交渉に参加。農水省の国際部参事官、農村振興局次長などを経て 2008年に同省を退職。東京大学博士(農学)、ミシガン大学行政修士・応用経済学修士。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの特集「2017年の視点」に掲載されたものです。

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http://jp.reuters.com/article/view-tpp-kazuhito-yamashita-idJPKBN14B063

http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/921.html

[政治・選挙・NHK217] 17年度地方債計画11兆6257億円、前年比3.7%増=総務省 日本が防空レーダーの輸出を検討、タイ空軍が入札=関係者
Business | 2016年 12月 22日 11:34 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース

17年度地方債計画11兆6257億円、前年比3.7%増=総務省


[東京 22日 ロイター] - 総務省が22日発表した2017年度の地方債計画(通常収支分)によると、総額は11兆6257億円と、前年との比較で3.7%増加する。内訳は、普通会計分が3.7%増の9兆1907億円、公営企業会計分が3.7%増の2兆4350億円。地方の財源不足に対応するのに発行する「臨時財政対策債」は6.8%増の4兆0452億円とした。

通常分とは別に、東日本大震災分の復旧・復興事業として前年比50.5%減の188億円を計上した。

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16年度2次補正予算案を閣議決定 建設国債増発、2.75兆円=政府
http://jp.reuters.com/article/localbond-idJPKBN14B07L

 

日本が防空レーダーの輸出を検討、タイ空軍が入札=関係者
[東京 22日 ロイター] - 日本がタイ空軍に航空自衛隊の防空レーダーの輸出を検討していることがわかった。タイは軍事政権となって以降、米国との関係が希薄になる一方、中国と接近しつつある。軍事政権誕生後も良好な関係を維持する日本が、防衛装備品の移転などを通じてタイと安全保障上の結びつきを強め、中国をけん制する。

防衛省などの複数の関係者によると、タイ空軍が来年にも実施する入札に、同省と三菱電機 (6503.T)が参加する可能性を探っている。三菱電機が開発し、航空自衛隊が配備する固定式の警戒管制レーダー「FPSー3」を、タイの仕様に変えて提案する案が有力だ。

タイでは2014年5月にクーデターが発生し、軍事政権が誕生した。実質的な同盟国の米国が民主化を求めて軍事支援を凍結した隙を突き、「一帯一路」構想で周辺国への影響力拡大を図る中国が、タイとの関係を深めつつある。

タイは今年7月、中国から潜水艦3隻を10億ドルで調達することを決定した。11月には両国の空軍がタイ北東部で共同訓練を実施。さらにタイ国内に中国と共同で武器の生産施設を建設することも検討している。

一方、タイ軍から防衛大学校に留学生を受け入れるなどしてきた日本は、軍政と良好な関係を継続。米国に代わって安全保障上の関係を強めようとしている。防衛交流の一環として杉山良行航空幕僚長が11月にタイを訪問し、面会した空軍司令官も防大出身だ。

「タイやベトナムは、米国より日本のほうが関係が良い。日米が得意なところ、不得意なところを分担しながら東南アジアとの関係を強めることは意義がある」と、日本の政府関係者は言う。

タイ空軍は全国で防空レーダーを順次更新している。日本が入札に参加を検討しているレーダーは、ミャンマー、ラオスと国境を接するタイ北部に設置される予定だ。タイ国防省の報道官はロイターに対し、「多数の国から売り込みがあるが、わが国に合うものかどうか精査する必要がある」と回答。農業支援などと組み合わせた提案の必要性を示唆した。日本からの接触の有無については明らかにしなかった。

日本の防衛省は「タイが国内でレーダーを整備していることは承知している」とした上で、「個別の企業活動にはコメントを控える」とした。三菱電機もコメントを控えた。

タイの国防費は年間およそ60億ドル。高性能なレーダーを整備できる規模ではないことから、日本の政府内には、価格競争に巻き込まれることを懸念して入札への参加に慎重な声もある。

(久保信博、ティム・ケリー、エイミー・レフェブル)

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[経世済民117] 中国は米債投資を調整する可能性=外為当局報道官  習主席、不動産投機抑制   中国人民元、ドルと通貨バスケットに対し上昇

中国は米債投資を調整する可能性=外為当局報道官

[北京 22日 ロイター] - 中国国家外為管理局(SAFE)の報道官は22日の会見で、中国は米債投資を調整する可能性があり、米債保有の減少は戦術的な動きだと述べた。

報道官は、大規模な資本流出を抑えるために「カウンター・シクリカル」な措置を講じる必要があると説明。今年の対外直接投資は急ピッチで過大な状況になっていると指摘した。

この会見に同席した、中国人民銀行(中央銀行)のチーフエコノミスト、馬駿氏は、米ドルへの楽観的見方は行き過ぎている可能性があり、当局は人民元の基本的安定を維持することが可能と述べた。

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中国の習主席、不動産市場の投機抑制をあらためて強調−党会合で
Bloomberg News
2016年12月22日 17:01 JST

中国の習近平国家主席(総書記)は21日、国民の住宅需要をより良く満たすために中国は不動産バブルをしぼませ賃貸住宅市場を規制すべきだと述べた。先週の中央経済工作会議で概略を示した方針をあらためて強調した。
  国営の新華社通信によると、習主席は中国共産党の中央財経領導小組の会合で「家屋が居住空間であることを国は正確に理解する必要がある」と発言。新たな都市住民への供給を改善するため、購入と賃貸のより優れたシステムを構築しなければならないと述べた。
  中央経済工作会議は16日の閉幕後、慎重かつ中立的な金融政策を来年採用する方針を示すとともに、資産バブル回避のため金融リスクを防ぎ、コントロールすることが優先課題になるとの声明を発表。「家は住むためのもので、投機対象ではない」との文言を盛り込んだ。
 
原題:Xi Again Pledges to Curb Speculation in China Property Market(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OIKT6V6JTSEF01



 

中国人民元、今週はドルと通貨バスケットに対し上昇−中銀支援観測
Bloomberg News
2016年12月22日 19:51 JST

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中国人民元は今週、ドルと貿易加重の通貨バスケットに対して上昇している。中国当局が元相場を支えるとの観測が背景だ。
  中国人民銀行(中央銀行)は毎営業日設定している人民元の中心レートをここ4日間で0.1%引き上げた。人民銀研究局の馬駿チーフエコノミストは22日の声明で、人民銀が為替相場に関する期待を誘導する取り組みを強化したと説明した。
 
  人民元はまた13通貨から成る指数に対して6営業日連続で上昇し、ほぼ5カ月ぶりの長期上昇となっている。
  東亜銀行の外国為替アナリスト、ケニックス・ライ(頼春梅)氏は「中国の意図は明らかだ。人民元の値下がりを限定することであり、通貨バスケットとドルに対して元が下落してほしくないと考えている」と指摘。「人民元の対通貨バスケット相場は引き続き安定するが、短期的にそれほど強くはならないだろう。国内経済がまだ弱いこの時期にそれほどの元高は不要だ」と述べた。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iVxNov.4MOdM/v2/-1x-1.png

原題:Yuan Advances Against Dollar, Basket Amid Bets of PBOC Support(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OIL1AR6JIJUX01


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/120.html

[国際16] 欧州で増える少数与党政権、来年は政策運営に苦心か 12月英消費者信頼感はやや改善、インフレ加速で17年見通しは悪化GfK
アングル:
欧州で増える少数与党政権、来年は政策運営に苦心か

[ダブリン/マドリード 20日 ロイター] - スペイン、アイルランドなど欧州の少数与党政権は今年、連立相手との歩み寄りによって辛うじて政策運営を乗り切った。来年は多くの欧州各国で選挙が予定されており、少数与党政権がさらに増えて政策遂行に苦心する恐れがある。

スペインでは看板政策の労働改革に野党が反旗を翻し、アイルランド与党は先週、重要な住宅賃貸に関する法案の審議で野党の支持確保に四苦八苦した。

ノルウェーとデンマークでは何週間も政争が続き、少数与党政権が崩壊の危機に瀕している。

来年はオランダ、フランス、ドイツ、イタリアと選挙が相次ぐ見通し。少数与党政権が発足するようなら、妥協とそれに伴うリスクに直面するかもしれない。

コメルツバンクのエコノミスト、ピーター・ディクソン氏は「有権者は変化を望んでいるだけで、どのような変化を望むのか明確な考えがあるわけではない。少数与党政権の場合、信頼に足る経済政策を保ちながら、同時に有権者の要求に答えるのは至難の業だ」と言う。

政府が必要な政策を遂行できず、「政策が後退する恐れがある」上、ただでさえ弱体な政権に政治リスクが積み重なる恐れがあるとディクソン氏は警鐘を鳴らした。

<ビッグバンは望み薄>

スペインのラホイ首相は主要政策を巡り、野党と歩み寄る姿勢を示しており、専門家によると選挙回避のために妥協が成立する可能性がある。

同様に、ポルトガルでも与野党が舞台裏で取引し、一部の予想に反して財政政策で折り合いをつけることができた。

リスクコンサルタント会社、テネオ・インテリジェンスのシニア・アナリスト、アントニオ・バローゾ氏は「大規模な改革を行えるほどの勢いは見当たらないが、スペインのように大政党の思惑が一致し、ある程度の変化を起こせている国もある」と説明。「例えば、投資家が求める年金改革などはこうして可能になった。ビッグバンは望めないが、徐々に歩を進めることはできる」と話した。

しかしコメルツ銀行のディクソン氏は、欧州の政治は分断化の一途をたどっており危ういとし、問題が起こっても「2010、11年のような政策措置を実行に移せる状態でないのは明らかだ」と述べている。

(Padraic Halpin記者 Julien Toyer記者)

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12月英消費者信頼感はやや改善、17年見通しは悪化=GfK #インフレ加速

[ロンドン 22日 ロイター] - 市場調査会社GfKが公表したデータによると、12月の英消費者信頼感指数はマイナス7となり、11月のマイナス8からやや改善した。家計の大きな買い物への意欲が大幅に高まったことが背景。

ただ、インフレの高まりで家計の購買力が低下するとみられる2017年の経済見通しは悪化し、6月の欧州連合(EU)離脱決定直後以来の弱さとなった。

GfKのアナリスト、ジョー・ステイトン氏は「英国の経済状況全般に対する信頼感は、国内と海外の先行き不透明感から落ち込んだ」と分析した。

GfKは、大きな買い物への意欲が高まった理由については説明していない。

ただイングランド銀行(英中央銀行)が21日発表した調査では、来年の物価上昇を見込んで消費者が支出を前倒ししている可能性が示唆された。

ステイトン氏は「EU離脱交渉や、インフレ加速が購買力に影響を及ぼす見通しを踏まえると、消費者信頼感は試されるだろう」と述べた。

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http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/788.html

[経世済民117] 電気自動車化、最大の受益者はサプライヤーか 黒田日銀に待ち構える「2017年問題」 会社のクリスマス会より悲惨なものとは
電気自動車化、最大の受益者はサプライヤーか

デルファイの自動運転技術が搭載された車のダッシュボード

By STEPHEN WILMOT
2016 年 12 月 22 日 17:10 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 景気後退期以降の自動車ブーム最大の勝者は自動車メーカーではなく、そのサプライヤーだ。自動車業界のこうした傾向は、電気自動車が台頭しても変わりそうもない。ニーズに合った技術を持つサプライヤーの株価は高いが、それだけの価値はある。

 この10年間、自動車は消費者を獲得するため、規制に合わせエンジン効率を改善させるため、多くのガジェットを取り込んできた。しかし、そのせいでより高額にはなってはいない。それを可能にしてきたのは、自動車メーカーと大手サプライヤーの象徴的な関係性だ。自動車メーカーは継続的な値下げと引き換えに米デルファイなど最大手のサプライヤーからより多くの部品を購入してきた。

 こうした力関係はサプライヤーにより有利に働いた。この5年間でサプライヤー株が自動車メーカー株を50%近くも上回ってきた。調査会社エバーコアISIによると、継続的な値下げにもかかわらず、上場している4大サプライヤーが提供する自動車1台当たりの価値は過去3年間に年率4%以上上昇。ここ数年は自動車メーカーの販売実績が好調だったこともあり、サプライヤーの売上高も急増した。

 パワートレインの電動化により、エンジン、排気装置、内燃機関に関連した他の機能に関連する部品が徐々に不必要になっていくとの懸念を引き起こしている。コンサルティング会社アリックスパートナーズのアンドリュー・バーグバウム氏は「サプライヤー業界の中で大規模な再編が必要になるだろう」と予想する。

 絶えず厳しくなる排出ガス基準を従来型のエンジンで満たすため、サプライヤーは複雑なハイブリッド技術に多額の投資を行ってきた。しかし今や自動車メーカーは排出ガス削減戦略の焦点を純電気自動車に絞るという姿勢をより明確にしている。

 このため、サプライヤーが当てにしてきた利幅の大きいハイブリッド化の期間が短縮される恐れがある。また、サプライヤーは新技術への投資に追い込まれる可能性もある。

 しかし、大手サプライヤーはこうしたリスクにどうにか対応できそうだ。そうしたサプライヤーの大半は、製品ポートフォリオの焦点を基本的な機械部品ではなく、急成長している電子部品、ハイブリッド車用部品に当てているからだ。ハイブリッド車用パワートレインの台頭から受ける恩恵がこれまでの想定以下だったとしても、純電気自動車の台頭にはそれを補うだけの魅力がある。というのも、インターネットを利用した装置、自動運転用の装置など、電気自動車には利益率が高くなりそうな電子部品が多く必要になるからだ。

 個別のサプライヤーがどれほど好位置に付けているかは、その会社が買収したり投資したりしてきた技術で推測できる。成長見通しが最も有望なのは、自律運転支援技術を専門とするイスラエルのモービルアイだ。予想1株当たり利益の50倍で取引されていることからも分かる。投資家は、専門分野が異なるサプライヤーの複雑な状況に価値を見出せるかもしれない。連邦破産法11条に基づく事業の全面的な再編以降の数年間で電子部品を専門に扱うようになったデルファイ。同社は、電気自動車1台当たりの部品の売上高が従来型自動車の7〜8倍になると予想。同社株の株価収益率(PER)はわずか11倍である。

 新技術への投資はこの2年間の買収ラッシュを後押ししてきた。例えばドイツの自動車部品大手ZFフリードリヒスハーフェンは、ライバルの米TRWオートモーティブ・ホールディングスを136億ドルで買収することで、自動運転車で利用されるレーダー・認識技術を入手した。コンサルティング会社ストラテジーアンドによると、今年の自動車サプライヤー業界の大型買収(規模が5億ドル以上のもの)の数は過去8年間で最多となる見通しだ。

 しかし、自動車の技術に興味を示しているのは従来の自動車サプライヤーだけではない。韓国のサムスン電子は先月、インフォテインメントとコネクテッドカーを専門とする米自動車部品メーカーのハーマン・インターナショナル・インダストリーズを80億ドルで買収すると発表。パナソニックは今月、オーストリアの自動車用ライト大手ZKWグループを買収した。こうした消費者向け技術と自動車技術の収斂は注視すべきリスクである。利益率の高い一部のニッチ市場への参入が増えれば、利益率は低下してしまうからだ。

 それでも大手上場サプライヤーは今のところ、顧客の自動車メーカーよりもそうした変化に強そうである。そのほとんどが、どのメーカーの電気自動車にも利用される知的財産権を保有しているからだ。ファクトセットによると、そうしたサプライヤーの予想1株当たり利益の11倍というPERは、自動車メーカーの7倍と比べると割高に見えるが、収益伸び率も高いので十分に理にかなっている。自動車業界の変革の本当の勝者は自動車メーカーではなく、ハイテクに強いサプライヤーなのかもしれない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwie5s3q74fRAhVCVLwKHdUABmkQFggjMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582512281389898416&usg=AFQjCNFBSKh0k-zxzcfNKzuesr_yr5C2CQ


 


 
コラム:黒田日銀に待ち構える「2017年問題」

永井靖敏大和証券 チーフエコノミスト
[東京 21日] - 2016年の日銀の金融政策を振り返ると、マイナス金利導入という予想外の幕開けになった。7月に上場投資信託(ETF)の買い入れペースを拡大。9月に「総括的な検証」を発表し、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という新しい枠組みを導入するなど、矢継ぎ早に政策発動を行った。ただ、その後は、波乱なく年を越えようとしている。

2017年については、新しい枠組みが維持されると思われるが、日銀にとって平穏な1年になるとは限らない。物価がさほど上昇しないケースでは、その理由を説明する必要があり、場合によっては追加的な行動を強いられる。また、十分上昇するケースでは、適切な情報発信や対応が求められるためだ。

<物価低迷なら「新たな理由」が必要>

まず、物価がさほど上昇しないケースについて考えると、日銀は現行の政策運営を正当化するため、新たな理由を探す必要がある。これまでは、最大の原因は原油価格の下落と説明してきた。

「総括的な検証」でも、原油価格の下落による一次的な影響に加え、日本の物価が「適合的」な(過去の物価水準に左右される)面が大きいことから、結果として「物価安定の目標」を2年以内に達成できなかったが、「量的・質的金融緩和」自体は物価押し上げ効果があったと分析している。このため、原油価格の下落が一巡した後も、物価の伸びが想定を下回った場合、日銀は説明に窮する恐れがある。

とはいえ、後付けで理由を見つけることは難しくないだろう。2007年のサブプライムショック、1997年のアジア通貨危機、1987年のブラックマンデーを理由に、末尾7の年は金融ショックがあると主張するつもりはないが、最近は毎年何らかのショックが起きている。「2017年は何のショックも起きない」と考える方が不自然だ。

具体的には、中国について、住宅市場はバブルと指摘する向きもあり、2017年に大幅に調整する可能性を否定することはできない。米国については、トランプ次期米大統領と米議会の対立が表面化し、債務上限問題などで市場の混乱を招く恐れもある。

欧州については、春のフランス大統領選挙、秋のドイツ総選挙が予想外の結果となり、これが世界経済に悪影響を及ぼすというリスクシナリオも無視できない。何らかのショックに加え、「総括的な検証」で日銀が想定した以上に日本の物価が「適合的」だったと主張することで、説明責任を果たすことができそうだ。

<金利操作目標引き上げ時の説明責任>

より問題なのは、物価が十分上昇するケースだろう。新しい枠組みは、期待インフレ率の上昇に応じて、ゼロ%程度とした長期金利の操作目標を適宜引き上げることが可能な仕組みになっている。今後、物価の伸びが高まるにつれて、市場で操作目標引き上げ観測が強まりそうだ。

筆者は、コア物価の実績値が少なくとも1%を超える必要があると考えているが、市場の見方はまちまちで、日銀が引き上げを行う判断材料は、ブラックボックス化されている状況にある。

日銀が長期金利の操作目標を引き上げるには、金融緩和度合いが過度に高まることにより生じる弊害について説明する必要がある。政策運営は、ベネフィットとコストを比較した上で実施される。「過度に高まった」と言うためには、具体的なコストの所在を明らかにしなければならないだろう。

筆者は、コストとして、行き過ぎたリスクテークを誘うこと、望ましくない円安を招くこと、長期金利の操作目標引き上げ時に市場が波乱することなどが思いつく。ただ、日銀が行き過ぎたリスクテークの弊害を問題視すると、質的緩和を正当化できなくなる。為替レートについては、財務省専管事項であるため、望ましくない水準に達したとコメントすることはできない。

このため、長期金利の操作目標引き上げ時期は、「引き上げ時の市場の波乱」に関する日銀のコスト評価が鍵になる。引き上げは、「早めで緩やか」か「遅めで急か」の選択で、コストを重視すれば、「早めで緩やか」の方が望ましい。日銀も、新しい枠組みの導入で、これまで軽視していた政策運営の持続性に配慮する姿勢を示したことから、コストもある程度意識していると思われる。

とはいえ、日本の物価は「適合的」と説明しているため、早過ぎる引き上げは望ましくない。黒田東彦日銀総裁は、12月の金融政策決定会合後の記者会見で、現行の金融政策は2%の「物価安定の目標」達成に向けたモメンタムを維持するために導入したと説明し、2%目標までになお距離がある状態での長期金利の操作目標引き上げについて、否定的な見解を示した。

会合前に、長期金利が上昇していたが、米長期金利の上昇が主因と考えられるため、日銀が市場の動きを追認しなかったのは、当然のことだろう。会合後の市場の反応も軽微なものにとどまった。

日銀にとってのベストシナリオは、期待インフレ率の上昇に応じて長期金利が上昇し、金融政策決定会合で上昇を追認するという手法だろう。9月の会合で、長期金利の水準を「概ね現状程度(ゼロ%程度)」とし、新しい枠組み導入による大幅な相場変動を回避できたことを、成功例と考えていると思われる。

2017年は、ある程度の物価上昇が見込まれる。物価上昇後、長期金利の操作目標を長期間ゼロ%のまま据え置くと、変更後のショックが大きくなる。黒田総裁は、イールドカーブについて「適切にコントロールしている」という発言にとどめたが、2017年は、市場の混乱を避けるため、より緻密な情報発信が求められる。

*永井靖敏氏は、大和証券金融市場調査部のチーフエコノミスト。山一証券経済研究所、日本経済研究センター、大和総研、財務省で経済、市場動向を分析。1986年東京大学教養学部卒。2012年10月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

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会社のクリスマス会より悲惨なものとは
在宅勤務者を取り込む「バーチャルパーティー」で失敗しない方法
米ハッピーメリー社で行われたバーチャルパーティーの様子 ENLARGE
米ハッピーメリー社で行われたバーチャルパーティーの様子 PHOTO: LISETTE SUTHERLAND
By LAURA MECKLER
2016 年 12 月 22 日 16:49 JST

 デジタルの時代では、通勤経路が道路から自宅の階段に変わり、仕事着がズボンからパジャマに変わった。今や、伝統的なオフィスパーティーの姿も変わろうとしている。

 リーダーシップ研修を手がけるケン・ブランチャード社(本社・カリフォルニア州)では今月、毎年恒例の「バーチャル・オフィスパーティー」が開かれた。ある金曜日の朝、ブレント・バイステッド氏率いるチームに所属する約15人の在宅勤務者は、それぞれ自宅のパソコンのウェブカメラ前に集まった。メンバーはカリフォルニア、バージニア、イリノイの各州などに散らばっている。パソコン画面にみんなの顔が並んだ。

 一方、本社では他のメンバーが会議室に集合。パーティーはパワーポイントを使ったゲームで始まった。最初のゲームは与えられたヒントからクリスマスソングを当てるというものだ。例えば「私の聴覚を刺激しているものと同じ長軸方向の圧力をあなたも受けていますか?」というヒントなら、答えは「Do you hear what I hear?(あなたにも同じものものが聞こえますか?)」。

 他に、カメラの前の在宅勤務者が飲み物の入ったカップを片手に「What’s in the cup?(中身は何?)」と聞くゲームも楽しんだ(答えはコーヒー、紅茶、ココア、水が多かった)。

ケン・ブランチャード社で今月開かれたバーチャルパーティーの様子 ENLARGE
ケン・ブランチャード社で今月開かれたバーチャルパーティーの様子 PHOTO: BRENT BYSTEDT
 参加者はクリスマス用の帽子とセーターを身につけた姿で画面に登場し、ノートパソコンのカメラを利用して自宅の飾り付けを紹介した。本社は事前に在宅勤務者にクッキーを送り、仲間はずれになった気分を味わう人が出ないようにした。

 雰囲気はどうだったのか。バイステッド氏によると、「まあ、盛り上がったかな」。

 米カウンセリング会社グローバル・ワークプレース・アナリティクスが国勢データを分析したところ、就労時間の少なくとも半分は自宅で働いたという就労者が2015年には約300万人に達した(個人事業主を除く)。 

 IT(情報技術)大手シスコシステムズのマネジャーを務めるアサン・オスマン氏は、バーチャルパーティーはうまくいかないことが多く、完全に「悲惨な」結末に終わる可能性もあると話す。「ただパソコンの前に座って何かを食べながら、他の人が食べている様子を画面で見ているだけ」になりがちだと指摘。主催者はチームの結束固めのイベントとして組み直したほうがいいと助言する。

悲壮感が募るパーティーも

 オスマン氏は、数年前に勤めていた新興企業でのバーチャルパーティーを振り返る。15人の在宅勤務者のうち参加したのはわずか5人ほどで、いざ始まってみると、ほとんど何もすることがないという事態に直面。「悲壮感が募っただけだった」という。

 ヘルス・フィットネス関連の事業を手がけるビーチボディー社で約300人のオンラインコーチを束ねるケリー・キング氏は今年、少なくとも本物の味が楽しめるバーチャルパーティーを実施することに決めた。

 キング氏は参加者に好きな飲み物やスナックを用意し、ウェブカメラの前で飲食するよう促した。秘密のプレゼント交換会も企画した。参加者は互いにメールでプレゼントを贈り合い、画面上で開けるという趣向だ。

 昨年のバーチャルパーティーでは、同社のトレーナー、ミシェル・ファンク氏が頭にトナカイの角のヘッドバンドをつけ、他の参加者もクリスマスらしいシャツやセーターを着て参加した。それぞれがグラスにワインを注ぎ、ファンク氏は低カロリーのウオツカをソーダ水で割った。飲み物代は自腹だった。

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[政治・選挙・NHK217] カジノ解禁にこれだけの問題、4兆円利権が押す無理筋  社員がダラダラ会社に残ってしまう「4つ」の理由

山田厚史の「世界かわら版」
【第124回】 2016年12月22日 山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

カジノ解禁にこれだけの問題、4兆円利権が押す無理筋

 カジノ解禁法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)が成立した。これでカジノが開業できるわけではない。「解禁法案」はカジノ合法化に道を開くものだが、1年以内に政府が「実施法案」を作ることを定めたに過ぎない。カジノ法制は2段階だ。運営、許認可、監督官庁や税率など制度の骨格は次の実施法案で決まる。

 報道各社の調査では、過半数の人が「カジノ反対」だ。ろくな審議がないまま、国会を通過したことへの違和感が広がった。実施法案が姿を現せば、カジノ解禁が孕む様々な問題があぶりだされるだろう。

 刑法が禁止する賭博を「特定業者」に開放すると、何が起こるか。4兆円ビジネスというカジノで儲けるのは誰か。そしてカジノ利権を握るのは誰か。自民・維新が採決を急いだ裏事情が見えてくるだろう。

アジアで既に過当競争
タイ国王の叡智は日本にないのか

 12月13日の東京新聞に、カジノ乱立で衰退した「東のラスベガス」のルポが載っていた。舞台は米国東海岸のニュージャージー州アトランティックシティ。ニューヨークやワシントンからクルマで3時間も走れば行ける手軽さから地域興しとしてカジノが解禁された。豪華なカジノホテルが建ち一時はラスベガスと肩を並べる勢いだったが、乱立がたたり経営難に陥った。

「06年52億ドルあった売上高は15年には25億ドルに半減。12軒あったカジノは7件に減り、働いていた約3万人のうち約1万人が仕事を失って町は活気をなくした」と記事にある。

 大統領になるトランプ氏が開業したカジノホテル「トランプ・タージマハル」もここにある。経営は友人に渡ったというが既に閉鎖され「人影はなく廃墟のようだ」と書かれている。


アジアでは既に過当競争のカジノ。今から日本に作って勝算はあるのか。写真はシンガポールのマリーナベイサンズ
 日本ではシンガポールの巨大な観光複合体マリーナベイサンズが喧伝され、安倍首相も見学に訪れた。「カジノは成長戦略」と持ちあげたが、アトランティックシティも一時は豪華絢爛だった。カジノビジネスは賭博さながら、時間の経過の中で勝者と敗者が鮮明になるのが特徴だ。

 アトランティックシティで起きたことが、いまアジアで静かに進んでいる。過当競争である。アジアのカジノブームは21世紀に起きた。1999年にポルトガルから返還されたマカオがカジノ都市として再生し中国マネーを吸引した。賭博を禁止したシンガポールがカジノ解禁に踏み出したのが03年である。韓国はカジノを外貨獲得の手段し入場を外国人に限定していたが、2000年から国民にも開放した。それ乗って03年からラスベガス資本が参入した。

 マレーシア、フィリピンばかりかベトナム、カンボジア、ネパール、ミャンマーなどアジアの途上国がカジノに縋った。カジノにきっぱりと背を向けていたのがタイ。自国にある観光資源の魅力を知る聡明な王様がいた。

「タイを訪れる観光客の懐をラスベガス資本にむしり取られるような政策はとらない」

 タクシン首相(当時)の側近はそう語った。

 アジアで起きたのは、国境を越えたカジノ乱立である。バブル末期の日本で起きたリゾート法の結末と似た現象がすでに見え始めている。日本は最後尾に乗ろうとしている。

賭博は原則「犯罪」
特定業者だけ合法化の無理筋

 振り返れば日本でカジノ論議が持ち上がったのは1999年、石原慎太郎都知事の「お台場カジノ構想」である。国際カジノ資本がアジア市場に狙いを定めた時期。都財政の窮地を賭博の上がりで補填しようという石原都知事の目論見は支持されなかった。なりふり構わずカジノに縋る、というほどの窮乏感は日本にはなかった。

 それでも国際カジノ資本は日本にこだわった。世界に冠たる貯蓄大国、カジノの収益を支える中間所得層が分厚い。賭博に寛容な国柄でもある。

 ラスベガスで培ったビジネスモデルの上にこれまでの失敗を教訓にした新たなビジネスを日本で展開する戦略だ。

 開業できる地域(自治体)を政府の責任で限定する。認可された自治体が業者を選ぶ。つまり国のお墨付きで、限られた業者だけがカジノを開業できるようするのだ。カジノは胴元が得をする。地域独占で競争を排除すれば業者は大儲けできる。電力業界に似た官製独占を賭博でやろうという戦略だ。

 日本のギャンブルは公営で行われている。カジノは民営。特別な民間業者だけ刑法の賭博罪を適用しない、という法律を作る。これは一大事ではないか。

 普通の企業や団体がこっそりカジノを開いたら犯罪だが、認可された業者が大々的にやれば問題ナシ、という法律を政府の責任で作りなさい、というのが今回の「推進法」である。

 法理としても怪しい。「カジノは悪いことではないから賭博罪から外せ」あるいは「賭博を刑法から除外しろ」というのは理屈として成り立つ。

 政府は、「賭博は犯罪」「カジノは賭博」という立場を堅持している。なのに「特定業者が特定地域でカジノを開くことは合法」というのである。

 地域・業者を限定することで業者の儲けを保証する。アトランティックシティやアジアで巻き起こした過当競争の教訓を活かし「国家の許可による地域独占」に行き着いたのだ。業者にとって、こんなおいしい話はない。

 ラスベガス資本であるMGMリゾートインターナショナルやラスベガスサンズといった有力カジノ業者が「認可されれば50億ドル投資する用意がある」「うちは100億ドル投資する」というコメントを発表するのは、大儲けができるからだ。

 問題はここにある。特定の業者だけが儲かるビジネスを国家の名の下に行っていいのか。しかも賭博。負けた顧客の生き血を吸う事業である。

 中国は社会主義市場経済だという。社会主義と市場経済の合体は矛盾するように思えるが、「金儲けは自由にできる」が資本主義で「国の認可がなければビジネスできない」が社会主義、と考えれば中国の経済制度は理解できる。認可さえ得れば大儲けできる。だから中国は汚職が蔓延する。

 日本のカジノ解禁は、社会主義市場経済のビジネスだ。究極の許認可事業である。

巨大な利権が誕生
なぜ「公設民営」なのか

 誰が業者を選ぶのか。自治体が選ぶ。その自治体を選ぶのは政府。閣議で決定する。つまり政権が業者を選ぶのである。政権とは誰か。首相である。首相に助言するのは誰か。永田町の慣行では、法制化に汗をかいた政治家たちだ。カジノ議連(IR議連と呼ばれる)のトップは細田博之元自民党幹事長。議連幹事長として取りまとめ役となったのが岩屋毅衆議院議員である。

 岩屋議員は2年前、AERAの誌上で、適地の認定について「まず2〜3箇所で認め、運営状況をみながら次を判断していきたい」と語っている。関係者の間では「数ヵ所が限度、全国に広げればリゾート法の二の舞になる」という。「カジノ資本は、地方に興味はない。中間層が集まった首都圏・関西圏が狙い」と指摘する専門家もいる。

 韓国やシンガポールなどとの競争を考えれば乱立は避けたいとIR議連も考えている。

 2006年に自民党がまとめた基本方針では「当面3ヵ所に限定、実績を検証し最大10ヵ所に段階的拡大」となっている。

 岩屋氏が言うように「運営状況を見ながら」となると、3ヵ所から増えるのは難しいのでは、というのがもっぱらの見方だ。

 候補地はほぼ絞りこまれた、という。

「菅官房長官の地元である横浜市、自民党に急接近している大阪維新の会の地元が有力視され、地方にひとつつくるとしたら二階自民党幹事長が仕切る和歌山が候補に挙がっている」と関係者は言う。

 自由であるビジネスを中国並みに「許認可」にすれば、利権を差配する政治家と認可をもらいたい業者に癒着が生ずるのは自然の流れだ。カジノ法制は巨大な利権を生み出した。

 国会ではギャンブル依存症が大きな問題として取り上げられた。日本にはギャンブル依存症の患者が536万人いるという。カジノが解禁されればさらに事態は深刻になるだろう。推進派はこの議論を逆手にとって「カジノの収益の一部を依存症対策に当て、これまで放置されていた問題に正面から取り組む」としている。

 カジノの弊害をギャンブル依存症にすり替えるような展開だが、「カジノ利権の発生」にしっかり目を向けるべきではないか。

 競輪・競馬などは公営なのにカジノに限って「公設民営」にするのはなぜか。この議論がないままIR議連は「民営カジノ」へと突き進んでいる。

 カジノを分かっているのはカジノ経営者だ。自治体も政治家もカジノ資本やその代理人からカジノを教わる。カジノ解禁はカジノ資本の主導で進んでいるからだ。

法律、役所、取締機関…
そこまでしてカジノは必要か

 民営カジノには監視するお役所が必要ということで「カジノ管理委員会」という行政組織を作ることが「推進法」に書かれている。

 カネが飛び交う賭場には犯罪や闇の世界が絡みつく。黒い手を遮断するには、厳格なルールと的確な監視が必要とされ、役所が作られる。詳細な規定は「実施法案」に盛られる予定だが、公正取引委員会と同格の政府組織ができる。運営する人の身辺調査や暴力団との遮断、ゲーム機が審査や、サイコロの品定めまでできる専門家の配置など、細々と監視する。

「厳格な管理を行うことで安心して娯楽に興ずることができる」と専門家は言うが、日本に数ヵ所しかないカジノのために、役所を一つ作るというのである。

 それぐらい徹底して取り組まないと、犯罪との接点ができてしまう、という危ういビジネスということだ。

 手本としたのはアメリカの州法というが、100を超えるカジノがあるアメリカで実施されている制度を、数ヵ所しかない日本のカジノの為に作るというのはどういうことか。役所や厳重な取締機関を作ってまでカジノは開業する必要があるのだろうか。

 表向きは「全国に最大10ヵ所」となっているカジノだが、誇大広告ではないか。カジノ資本は乱立を望んでいない。

 IRとはホテルの娯楽場にカジノがあります、という程度のものではない。国際会議場や劇場など娯楽施設などの複合施設の中核にカジノを置く複合施設だ。窮乏化する地方経済を何とかしたい自治体が誘致に動いているが、カジノ資本は地域おこしに手を貸すほど甘くはない。人が集まり儲けられる所にしか立地しないだろう。

「窓がない。鏡がない。時計がない。カジノはそのような空間です」

 週刊エコノミストの金山編集長が、デモクラTVに出演しカジノをこう語った。

 外が分からない。自分が見えない。時の変化を感じられない。我を忘れ、熱くなった頭で賭博にのめり込む。そんな異様な空間で、カネを吸い取られる人の犠牲で利益を稼ぐ。だから社会は賭博を禁止してきた。

 胴元が儲かる。豪華な施設を作っても利益は回収できる。許認可を得るには工作資金が要る。代理店やロビイストを雇って世論工作をする。政界や自治体への工作も欠かせない。カジノ資本は、期待される利益の一部をあちこちに撒いて日本上陸を目指す。それだけのコストを払ってもカジノは儲かる。コストと利潤を負担するのは、博打で負ける人たちだ。

 実態を知れば知るほど「カジノ解禁は国民論議に耐えられるのか」と疑問に思う。

 推進しているのは「おこぼれ」がもらえそうな人たちだが、例えば横浜の人は、山下公園の先の海側にカジノができることをどう思うだろう。利害関係者が必死になって推進の旗を振っているが、大多数の人は利害と縁がない。損得抜きの目で眺めればあまりにも問題が多すぎる。

 政府は、これから「実施法案」を作成し、来年秋の国会に上程する。問われるのは国会議員の見識、メディアの姿勢、国民の品性だろう。本番はこれからだ。

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残業ゼロがすべてを解決する
【第11回】 2016年12月22日 小山 昇
社員がダラダラ会社に残ってしまう「4つ」の理由
電通過労自殺事件で強制捜査が入ったいま、中小企業も大企業もお役所も「残業ゼロ」に無関心ではいられない。
小池都知事が「夜8時には完全退庁を目指す」、日本電産の永守社長が「2020年までに社員の残業をゼロにする」など、行政も企業も「残業ゼロ」への動きが急加速中!
株式会社武蔵野は、数十年前、「超ブラック企業」だった。それが日本で初めて日本経営品質賞を2度受賞後、残業改革で「超ホワイト企業」に変身した。
たった2年強で平均残業時間「56.9%減」、1.5億円もの人件費を削減しながら「過去最高益」を更新。しかも、2015年度新卒採用の25人は、いまだ誰も辞めていない。
人を大切にしながら、社員の生産性を劇的に上げ、残業を一気に減らし、過去最高益を更新。なぜ、そんな魔法のようなことが可能なのか?
『残業ゼロがすべてを解決する』の著者・小山昇社長に、「社員が会社に残る4つの理由」について語ってもらおう。

残業したくないのに、なぜ会社に残るのか?


小山昇(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。『1日36万円のかばん持ち』 『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』 『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』 『強い会社の教科書』 (以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】http://www.m-keiei.jp/
 わが社の社員は、残業が「ある」会社のほうがいい会社だと思っています。

 でも、残業をするのは、仕事が好きだからではありません。
 お金がほしいからです。
 残業をしてもしなくても、可処分所得が変わらない。
 あるいは、残業時間が減っても、今と同じだけ給料をもらえるのであれば、残業をしない社員がまともです。

 残業をする一番の理由は、「お金がほしいから」ですが、それ以外にも、ダラダラと会社に残ってしまう理由が「4つ」あります。

【会社に残る4つの理由】
1.既婚男性は、「残業」を理由に家に帰らない
2.独身社員は、さびしい思いをしない
3.同僚に話しかけられて集中できない
4.上司が「帰りにくい雰囲気」をつくっている

既婚男性は、「残業」を理由に家に帰らない

 男性社員が定時に会社を追い出されると、家事や育児を手伝うことになります。
 けれど残業があれば、家事や育児をしなくてもすみます。

 また、「家に居場所がない」「妻が怖い」と思っている社員は、わざと残業を多くすることがあります。

 末吉ネームプレート製作所の沼上社長は、「以前は、営業マンの仕事の見える化がされていなかったので、なぜ残業するのか、何が忙しいのか、理由がわからなかった」
 と言います。

「いつも遅くまで会社に残っている営業マンをつかまえて、『どうして早く家に帰らないのか』を問いただしたら、彼はこう答えた。
『家に帰ると、家庭の仕事をさせられる。だから、帰りたくない』。
 遅くまで会社にいれば、家の仕事をしなくてもすみます。だからダラダラと会社に残っていた」(沼上社長)

 タイムカードを先に押して帰ったフリを装い、実際には会社に残っている社員もいたそうです。

 そこで沼上社長は、事前の残業申請やタイムカードと実際の退社時間のチェックを徹底。
 さらに、残業を賞与に連動させて、「残業が多くなると賞与が少なくなる」ルールを決めました。

 その結果、「家の仕事をしたくない」という理由で残業を続けていた社員も、早く帰るようになったそうです。

独身社員は、さびしい思いをしない

 家に帰ってもすることがないから、残業をする独身社員がいます。
 早く帰ってもさびしいだけですが、会社には人がいるので、さびしさが紛れます。

同僚に話しかけられて集中できない

 仕事中に、やたらと話しかける同僚や上司がいます。仕事をしていようが、電話で話していようが、お構いなしです。
 同僚や上司との雑談は、信頼関係を築くうえで大切ですが、長時間のおしゃべりは、仕事の手を止めるだけです。

上司が「帰りにくい雰囲気」をつくっている

 社内に「残業するのが当たり前」という雰囲気があると、仕事が早く終わっても、「なんとなく帰りにくい」と感じることがあります。
 全社を挙げて残業ができない仕組みをつくり、強制的に早帰りをさせることが大切です。

 入社6年目の国松美夏は、「残業改革が始まって一番変わったことは、『帰りやすい雰囲気になったこと』だ」と話しています。

「今は経理ですが、以前はダスキン小金井支店の内勤で、みなさんより早く帰っていました。
 当時の残業は月に30時間くらいで、営業の社員に比べたら少ないです。それでもみんな遅くまで会社に残っているので、『なんとなく帰りにくいな』と思いました。それに、武蔵野はみんな仲がいいので、居心地がいいんです。なので、ダラダラと残ってしまいます。
 ところが今は、上司からも『早く帰れ』と言われます。強制的に早く帰る仕組みがあるので、気兼ねせずに帰れます。
 私自身、『早く帰らなければいけない』という気持ちが強くなったので、『早く仕事を終わらせるために、どうすればいいのか』を同じ部署の人たちと考えるようになりました。その結果として、仕事の効率も上がっていると思います」(国松)

小山昇(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。『1日36万円のかばん持ち』 『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』 『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』 『強い会社の教科書』 (以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】http://www.m-keiei.jp/
http://diamond.jp/articles/-/109799
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/928.html

[経世済民117] この円安はドル独歩高の裏返し、日本経済の行方は米政策次第だ 来年は政治強権化 個人投資家は上昇率に注目 ネット販売進まず

【第15回】 2016年12月22日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
この円安はドル独歩高の裏返し、日本経済の行方は米政策次第だ
 アメリカ大統領選の結果判明後、円安が進んだ。株価も上昇した。
 2013〜14年頃の円安と違い、今回は、ドル高の側面が強い。そのため、アメリカの政策によって大きく影響される。将来どう推移するかには、大きな不確実がある。
大統領選直後の金利上昇と
ドル高の進行

 大統領選の結果判明後、アメリカの金利が急上昇した。この連載ですでに示したように、10年国債の利回りで見ると、1.8%程度から2.3%程度へという大きな変化だ(第11回「トランプの経済政策で懸念される円安と金利上昇」2016年11月24日)。
 これまで、政策金利の引き上げにもかかわらず、長期金利は低下を続けていたので、かなり大きな変化である。
 これは、トランプ政権のマクロ政策(減税とインフラ投資増)の結果、長期資金市場がタイトになり、金利が上昇するとの見通しによる。
 これとほぼ歩調を合わせて、図表1に示すように、ドルの実効レートが急上昇した。11月1日の123.482から11月15日の126.5164まで、2.46%も上昇した。
 つまり、ドルは円だけでなく、他の通貨に対しても増価したのである。その意味で、これは、円安というより、ドル高である。
◆図表1:ドルの名目実効レート(短期)

 なお、図表2に示すように、円の実効レートも下落している。11月1日の91.8から11月15日の90.29まで1.64%下落した。
 そのかなりの部分は、ドル高によって引き起こされたものだ。ただし、それ以外の要因もある。実際、円はユーロに対しても減価した。
 これは、世界的な投機資金が、リスクオフからリスクオンに切り替わったことの影響なのだろう。
 日本の貿易や輸入物価に影響するのは、円ドルレートではなく、円の実効レートである。
 BIS(国際決済銀行)のデータによれば、日本の実効レートにおけるドルの比重は、15.2%だ。
 したがって、円ドルレートだけを見ていると、影響を過大評価する危険がある。日本の企業利益や輸入物価などに対する影響を評価するには、円ドルレートの変化を見るよりは、円の実効レートの変化を見るほうがよい。
◆図表2:円の名目実効レート(短期)

10月中旬に
ドル高期待が高まる
「円安でなくドル高」ということは、シカゴ・マーカンタイル取引所における投機取引(非商業取引)の残高を見ても言える。
 まず、図表3に示すドルの先物残高を見ると、ロングが10月中旬に急に増えた。なぜこうなったのか、理由は分からない。先物市場は、この時点において、トランプ勝利とそれによるドル高の進行を予測したのであろうか?
 それ以降、ドルのロングがショートを大幅に上回る状態が続いている。ただし、両者の差はほぼ一定値に留まっている。
◆図表3:シカゴ取引所における投機筋のドル先物残高

 つぎに、図表4に示す円の先物残高を見ると、大統領選後しばらくの間は、ロングがショートを上回る状態が続いていた。すなわち、ドル高を期待しての投機は増えたが、円安を期待しての投機は、急激には増えなかったのだ。
 ただし、円ショートは徐々に増えた。つまり、円安を期待しての投機が徐々に増えた。
◆図表4:シカゴ取引所における投機筋の円先物残高

FRB利上げによって
さらに円安が進行した
 以上で見た大統領選の結果による変化は、一応、出尽くしたと考えられる。
 10年債金利も上げ止まった。また、図表1に示したドルの実効レートも、11月下旬からは緩やかな下落に転じた。
 その後、11月下旬に、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の利上げが確実になったことから、アメリカ2年債利回りが上昇した。ただし、上昇幅はあまり大きくはない。
 ドル実効レートも、あまり大きくは変化しなかった。
 利上げがドルの実効レートに大きく影響しなかったのは、すでに市場が織り込み済みだったからだろう。
 しかし、円ドルレートは、115円から118円まで下落した。
 つまり、ドルと他国通貨との関係はあまり変わらずに、円が下落したのである。その意味で、これは、ドル高と言うよりは円安だ。
 円に対する見方が変わったことは、投機筋の残高にも見て取れる
 ドルの先物残高はあまり変わらなかったが、日本円のショートが増えた。そして、11月末からは、ショートがロングを上回る状態になった。
 円安が進んだことによって、投機筋が、今後さらに円安が進むとの予測に転換したことを示している。
円安とドル高は
どこが違うか
 以上で見たように、最近では円安の側面が見られるものの、今回の為替レートの変化は、全体として見ると、ドル高の側面が強い。
 これは、2013年頃の状況とは異なるものである。
 図表5に見るように、この頃はドルの実効為替レートはあまり変化しなかった。しかし、円の実効レートが非常に大きく低下したのである。これは、円がそれまではユーロ危機から脱出する資金のセイフヘイブンとしての役割を果たしていたが、その役割がなくなったことによる。
 この時期には、アメリカの実効レートが変化しなかったことが重要である。
 なぜなら、貿易収支があまり影響を受けないので、政治問題にならないからだ。
 しかし、今回は状況が異なる。図表1で見たようにドル高が顕著に進行したので、アメリカの貿易収支に影響が及ぶ可能性が高いからだ。
 トランプ氏は選挙戦中、中国や日本が為替操作を行なっているとの批判を展開していた。
 したがって、アメリカの貿易収支が悪化すると、ドル高抑制策を取る可能性が否定できない。
 その結果、アメリカに資金が流入しなくなれば、日本に流入して円高になる。
 もちろん、これは、アメリカにとって合理的な政策ではない。現在のアメリカの製造業は、アップルに典型的に見られるように、生産活動を海外で行なっている。こうした企業にとっては、ドル高のほうが望ましい。
◆図表5:円とドルの名目実効レート(長期)

マクロ環境には
大きな不確実性がある
 以上で見たように、為替レートは円安基調に転じた。しかし、この基調がどこまで続くかは不透明である。
 将来を見ると、いくつかの不確実性を指摘できる。
 第1は、アメリカの金利引き上げのスピードだ。FRBは利上げのスピードを速めていく意向を持っているが、トランプ政権下でこれが実現できるかどうか、不透明だ。
 最大の不確実性は、本稿の最初に述べた変化が、まだ実現していない将来のアメリカのマクロ政策の予測に基づいていることだ。実際の政策がその通りになる保証はない。減税やインフラ投資が期待通りに進まなければ、上記の過程は逆転する。
 トランプ氏はまた、アメリカ企業が海外に保有する留保資金をアメリカに還流させる計画を持っている。
 留保資金は主としてヨーロッパに存在すると考えられるので、これが実現して実際に資金がアメリカに還流すれば、ユーロに対してドル高になるだろう。
 これはアメリカの金利上昇を抑えるだろう。
 すると、日米の金利差が縮小することから、円高になる可能性もある。
日本経済への大きな問題は
金利上昇の可能性
 円安が進んで日本の輸入物価が2割程度上昇すれば、消費者物価の対前年比は、半年程度の遅れを伴って、1〜2%程度に上昇する。2017年の下半期には、こうした事態が実現する可能性がある。
 表面上は、日銀のインフレ目標に近づくことになる。しかし、これは日銀の政策によって実現することではなく、海外情勢の変化によって実現するものだ。
 実は、13年頃の円安下の物価上昇も、日銀の政策によって実現したというよりは、世界的な投機資金の流れの変化によって実現したのである。
 日本経済にとっての大きな問題は、金利が上昇する可能性があることだ。
 全世界的に資金がアメリカに流入し、ドル高と他国通貨安が進む。そして、全世界的に金利が上昇する。
 日本も例外ではない。すでに上昇し始めている。これが続く可能性がある。
 これに対抗しないと、日本経済は大混乱に陥ってしまうので、是が非でも対応しなければならない。金利の上昇を抑えるためには国債購入を増やす必要があるが、それが実行できるだろうか?
 他方で、物価が上昇すると、日銀が緩和政策を続ける理由はなくなる。むしろ、緩和政策からの脱却を図る必要がある。しかし、それは、金利抑制と相反する。
 来年の中頃には、この問題への判断が必要になるだろう。
 最も重要なことは、13年頃には円安の進行で株価は上昇したが、物価が上昇し、実質消費が減退したことだ。今回もそうなるだろう。
 日本経済は、為替レートによって振り回されている。しかも、日本の経済政策によってではなく、海外の事情によって振り回されている。このような状況から脱却することが必要だ。
(早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問 野口悠紀雄)
http://diamond.jp/articles/-/112246 

 
日本人が知らない本当の世界経済の授業
【第20回】 2016年12月22日 松村嘉浩
2017年は政治の強権化の年になる:トランプ当選を的中させたプロと語る市場の行く末(後篇)
各方面から絶賛されたストーリー仕立ての異色の経済書、『増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?』。その著者・松村嘉浩氏と、トランプ大統領の誕生を見事に予測した、フコクしんらい生命保険の資産運用業務全般を統括する林宏明氏との対談・後篇です。
不安定な経済を押さえ込む「強い政治」を求める時代を、2人はどのように見ているのでしょうか。


“プロレスラー”トランプの危険性

松村 中国はトランプに対して取り立てて反論もせず、黙っているわけですが、トランプのアピールの仕方がプロレスにおけるマイクパフォーマンスのようなものであり、さすがに本気ではないと考えているからだと思います。

 問題は、プロレスの観衆はあくまでショーであることを理解していますが、政治においては民衆がトランプの勇ましいマイクパフォーマンスに酔っているわけですから、プロレスのような落とし所がきれいに見つかるのかは、分からないということです。

林 中国が対応に困っているのは間違いないですね。フェィクのつもりの蹴りが間違えて顔面に入って本気の乱闘になるリスクも十分あるでしょう。

松村 笑い事ではないですが、プロレスのつもりがK-1になってしまうということですよね。日本で民主党政権になったときも、大衆迎合のために実現不可能な政策を並べて、実現できずにグダグダになったわけですが、政策のつじつまが合わないことが明らかになれば市場は逆に暴落ということになるんじゃないでしょうか。

林 そのとおりです。私は昨年と同様に、2017年も年初から市場は危うくなるのではないかと考えています。先ほども申し上げたように、来年1/20の大統領就任演説が大きな山場ですね。大統領就任演説とは、たとえばオバマの核廃絶のように、デフォルメした大きなビジョンを示すものです。どのようにしてこれまでの主張と整合性をつけるのか、過去に例のない状況で実に見ものだと思います。

松村 それがこれまでどおりのマイクパフォーマンスであれば、世界は腰を抜かすでしょうし、そうでなくておとなしいものになれば国民からは大ブーイングということですね。そして、たとえ大統領就任演説を通過しても次は予算教書というハードルがあります。

林 ええ、すでに市場は4兆ドルの減税と1兆ドルの公共投資を期待しているわけですが、さすがにそれは現実的な数字ではないでしょう。それが調整されれば市場には明らかにネガティブでしょうし、その数字どおりだとしても織り込み済みとなるのではないでしょうか。先ほどおっしゃった民主党政権の例ではないですが、期待を裏切ったときの反動は極めて大きなものとなるはずです。

予測される中央銀行と金利の動向

松村 しかしながら、現状はトランプに期待し、そこにおんぶに抱っこになろうとしています。12月にFRBは予定どおり利上げしましたが、経済見通しをほとんど変えていないにもかかわらず、おどろいたことに予想された年2回の利上げペースを3回に上げてきました。これは、トランプの期待が続いているうちに早急に利上げしておこうというFRBの意図が露骨に出たものだと思います。

林 FRBとしては、糊代をつくっておきたいわけですから、この際できるだけ利上げしておきたいということでしょう。ちなみに、FRBが利上げできないというシナリオは、トランプの財政政策によって修正となりましたね。

松村 日銀がマイナス金利政策に突っ込んで金融政策の限界を露呈し、実質的にはテーパリングに入りました。ECBも、テーパリングではないと言い張っていますが、同様にテーパリングに入っています。このように金融政策がもはや手詰まりになるなかで、昨年は財政政策に舵をとろうと国際的な掛け声があって、安倍政権が財政を拡張させたものの他国が追随することはありませんでした。ところが、ここにきて突如、米国が大盤振る舞いすることになった……。これは中央銀行にとって負担軽減の、正に恵みの雨という話ですね。

 言い方は良くないですが、日銀もどさくさに紛れてテーパリングをアグレッシブにやるべきだと思います。

林 しかし、それはトランプの政策が機能する前提の議論にすぎません。本当に中央銀行が引き締めていって大丈夫なのかといえば、そんなことはないでしょう。そもそも、過去と異なるのは、現状の経済が膨大なレバレッジによって成り立っているという事実です。金利が上がることによるインパクトは安易に考えるべきではないでしょう。

松村 おっしゃるとおりだと思います。トランプの背中にみんなで乗っかろうとしているわけですが、親亀こけたらみなこけたというような事態になってもおかしくありません。現状は、「グレート・ローテーション」といって、景気が良くなって株が上がり金利が上昇するというバラ色のシナリオで動いていますが、それは昔の経済だから成り立った議論です。実際に膨大な財政政策で長期金利が上昇すれば、現在のようなレバレッジ型の経済は持たないはずです。

 そもそも、米国株の上昇要因が基本的には「自社株買い」、つまり低金利で債券を発行し自社株を買うというレバレッジに依存している構造であることを忘れるべきではないでしょう。

林 そもそも財政政策によって目先のGDPは上がるかもしれませんが、長期的に経済成長に寄与するのかどうかは甚だ疑問です。『増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?』に書かれておられたように、未来の人から借金しているだけの話なのですから。

松村 私がよく言う朝三暮四の議論ですね。すでに多大な借金をして成長しない状態に陥っている中で、選択する打開策がさらに借金をすることというのは、完全に間違いです。今さえよければ良いという思考は、将来に多大な禍根を残すことになるでしょう。

2017年は、政治の強権化の年になる

松村 ここまでトランプ大統領の影響について話してきましたが、他の面では、来年はどんな年になるんでしょうか?

林 なにがトリガーになるのか明確にイメージできませんが、先ほどから申し上げているように、いずれ過剰な期待が剥がれたときに、ずいぶんと悲惨なことになると思います。また、来年は欧州の選挙の年ですから、トランプ・サンダース現象のムーブメントがヨーロッパに波及して、ユーロの崩壊の始まりを示すことになるのではないでしょうか。私は、フランスでは反EUと反移民を掲げるルペン大統領が誕生すると思っています。

松村 たしかに、今となってはその可能性も否定できません。世界が行き詰まり不満が拡大する中で、世の中は暴力的な利害調整を要求し、それに応える強権型の政治家が増えてきています。

 11/28の日本経済新聞の中沢克二編集員の『「大統領」狙う強権 習氏に死角 トランプ現象は中国でも』という記事によれば、習近平首席の権力を強化して、いずれは大統領にしようという試みが共産党の中で行なわれているそうです。つまり、強権化を推し進めなければ、共産党が不満分子によってつぶされてしまうという危機感があるというもので、大変すぐれた洞察でした。こうした動きが示唆するのは、やはり極めて危険な流れのなかに我々はいるし、そのスピードは加速しているということだと思います。

林宏明(はやし・ひろあき)
フコクしんらい生命保険取締役執行役員財務部長。
1982年早稲田大学法学部卒。同年、富国生命保険入社。証券金融市場での経歴は25年近くに渡る。富国生命保険では国内の国債・地方債・財投機関債、海外の国債、地方債、エージェンシー債、カバードボンド等幅広く内外公社債市場の運用を担当するとともに、短期金融市場での運用にも従事。また、内外のクレジット市場、証券化商品の投資には深く関わってきた。現在は、フコクしんらい生命保険において、公社債市場・株式市場を始め、資産運用業務全般を統括している。
http://diamond.jp/articles/-/112177


 

低位株待ち伏せ投資
【第4回】 2016年12月22日 吉川英一 [個人投資家]
個人投資家は上昇率に注目しなさい!
業績も財務状況もよくない低位株。だが、個人投資家が儲けるには最も効率的な投資対象だという。『低位株待ち伏せ投資』の著者・吉川英一氏が、低位株投資の魅力を語った。


大きく増やすには低位株効果を利用する

 私が低位株をすすめるのには、ちゃんとした理由があります。それは、低位株効果と呼ばれるものがあるからです。

 一般的に、値がさ株より低位株のほうが上昇率が高くなる傾向があります。例えば、株価50円の株が100円になる可能性と、5000円の株が1万円になる可能性では、どちらが高いでしょうか?

 理論的には、どちらも倍になる可能性を聞いているのですから、本来は同じであると思われるかもしれません。しかし、現実は違います。

 仮に売買単位がどちらも1000株単位だとしたら、50円の株は5万円で買うことができますので、誰でも気軽に参戦することが可能です。一方、5000円の株は500万円を持っていないと買えないので、個人投資家で参加できる人は極端に減ってしまいます。過去の相場においても、全員参加型の安い株のほうが意外高を演じているのは言うまでもありません。

 値がさ株の代表銘柄でもあるファーストリテイリング(ユニクロ)の株価は、12月19日の終値で4万3130円しているのですが、売買単位が100株なので、買う場合は少なくとも431万3000円と手数料分を用意しなければいけません。個人投資家が簡単に参戦できる銘柄ではないのです。

 そして、この株がここから株価倍増を果たすには、よほど大きなニュースや大幅な利益増加がないと無理だと言えます。

 なぜなら、多くのアナリストや機関投資家、証券会社などによって将来の予想利益や成長性までリサーチされているので、サプライズな変化が起きる可能性が低いからです。そんな銘柄が、ある日突然、上昇しだしたり、株価が短期で倍になることはまずありえません。

 投資資金を早く大きく増やそうと思ったら、値がさ株に比べて上昇率で勝っている低位株を中心に売買するのが一番効率的だと言えます。

 株の初心者は、とくに誰もが知っているトヨタやファナック、村田製作所、武田薬品などの値がさ株に投資しがちですが、これらの株は低位株のように株価が短期間で倍になることはありません。株で儲けようと思ったら、誰も知らないような安い銘柄を買って、大きく上昇し始めるまで持ち続けることです。

 いつ上がるかわからない株を所有し続けるのは心配ですし、売却するまではずーっと不安だけが募りますが、ひたすら信じて待つことによって、思わぬ上昇相場に遭遇することがあるものです。

 株というものは、上がらないからといって、しびれを切らして売った途端に上昇することがよくあります。私の過去の経験からも、乗り換えて損をするパターンのほうが圧倒的に多いです。
http://diamond.jp/articles/-/112039

 

DOL特別レポート
2016年12月22日 森山真二
百貨店の「ネット販売」がいつまで経っても進まない理由

高島屋は百貨店業界で最もオムニ化に熱心だが、売上高の構成比ではわずか1%強にすぎない Photo by Ryosuke Shimizu
なぜ、百貨店はネットと店舗を融合したオムニチャネル化が進まないのか――。「オムニチャネル化は重要な戦略の一つ」と、百貨店経営者の発言は異口同音だ。しかし、その実態は「オムニ化に着手した」、あるいは「軌道に乗ってきた」という話をあまり聞かない。合理的なオムニチャネル化が進まない理由は、百貨店の古くて古い前時代の遺物となったような商慣習があった。(流通ジャーナリスト 森山真二)

ネットとの融合が進まない
百貨店の商慣行

 米アマゾン・ドット・コムが無人レジの店舗を開発し、米ウォルマート・ストアーズがダークストア(来店できない倉庫型の品ぞろえセンター)によるネットスーパーのピックアップ方式を順調に伸ばしているこの時世に、日本の流通は百貨店を始めとして、遅々として近代化が進んでいない。このままいくと、アマゾンがあれよあれよという間に1兆円の売上高を獲得したように、ネットに長けた流通外資に市場を席巻されてしまう懸念も出てきた。

 日本のオムニ化で、懸念の最たる場所が百貨店だ。もちろん、「晴れの日」を演出するという流通での役割からすると、簡単にデジタル化と相容れない世界なのかもしれない。そうだとしても店舗の機能や役割を変革して、オムニ化に舵を切ることはできるはずだ。

 しかし、そこには障害となる商慣習が横たわっている。

 グループでオムニ化に取り組んでいるセブン&アイホールディングスは別にして、百貨店のなかでもオムニ化に熱心な高島屋は、昨年の2015年2月に「オムニチャネル推進室」を設けて、取り組み始めている。木本茂社長による肝いりのプロジェクトだ。

 このプロジェクトも約2年が経過しようとしているが、ネットの売上高が前期は2割程度増加し、120億円程度。伸び率は大きいが、高島屋全体の売上高である9250億円(17年2月期見込)の構成比では1%強ということでしかない。

 先駆的に取り組んでいる高島屋ですらこういう状態だから、他百貨店は推して知るべしだ。

 なぜ、百貨店のオムニ化が進まないのか。それはアパレルメーカーと百貨店が共同で作り上げてきた、相互にリスクを持たない仕組みが横たわっているからだ。

 一つは店で売上の発生と同時に仕入が計上される消化仕入れという商慣行であり、さらに今ひとつはアパレルの支店単位の仕入れで、百貨店の本部が集中して購買する集中仕入れ体制ではないことだ。

 つまり、今では改善されているようだが、百貨店側は長らく販売の情報を保有する体制にない状態だった。

 また百貨店は自らがモノづくりに踏み込めなかった(何度かやって失敗)。そして消化仕入れや支店単位の仕入れ体制では、アパレル側は売上が鈍化すれば製造原価を落として対応するという手法をとってきており、悪循環を招いてきた。

 結果として、いつの間にか百貨店業界全体の衣料品売上高は2兆円超と、ユニクロとしまむらの売上高を足した数字にかなわない状況となっていた訳だ。

それでも高島屋は
オンワード樫山と取り組んだ

 百貨店とアパレルの商慣習の何がオムニ化の障壁となっているのか。

 オムニ化はいつでもどこでも、顧客が欲しいときに欲しい商品を提供し、顧客の利便性を高める手段といっていい。そのため、まず商品がどこにどれくらいあるのかを把握しておかなければ、話にならない。

 百貨店が主導的に在庫状況を把握していれば、仮に品切れしていた場合でも迅速な対応で顧客にあたれる。しかし、百貨店側とアパレル側の慣習では、多くはそうなっておらず、アパレル側が一方的に商品の在庫の所在を把握している状態だ。百貨店側が主導的に支店を含めて在庫状況を検索し、在庫がある店から顧客の自宅に出荷できるようにしているところはない。

 それでも高島屋は、オンワード樫山と在庫の同期化に取り組んだ。店舗のオンワードのショップ内にタブレット端末を持ち込み、高島屋のオンラインサイト「セレクトストア」とオンワードの在庫情報を一元化した。

 顧客の欲しい商品の色やサイズが店頭になかったら、オンワードの複数のブランドショップに持ち込んだ同端末から高島屋のセレクトストアへと発注できるようにした。従来、在庫があるかないかは、いちいちアパレルに電話で連絡して確認していたことを考えれば、かなりの進歩ではある。

 それにしても百貨店のスマートフォンサイトやPCサイトはまったく使い勝手がよくない。実際、百貨店のスマホの対応を見てみると分かる。売れ筋商品を品切れさせておいて放置しているし、店舗で受け取ったり、近くのコンビニで受け取れるようになっていない。それどころか、初めての購入では会員登録しないと買えない。これでは面倒臭くて普通なら購入を諦めてしまう。

決済革命が進んでいる米国
アマゾンは無人レジの店舗も

 これに対し米国では決済革命が進んでいる。ウォルマートの会員制ホールセールクラブであるサムズクラブで、スキャン&ゴーという決済の仕組みが導入されている。
 アプリをスマホにダウンロードし、商品のバーコードを顧客自らがスキャンするだけで決済が済む。最終的にアプリで決済が終わったことを通知するバーコードが出てくる。従業員がそれをチェックし検品すれば終了となる。混雑するレジに並ばなくても済むし、買い物のスピードも格段に早くなるのだ。

 米アマゾンでは無人レジの店舗を開設しつつある。カメラやセンサーなどに店内の"目"とAI(人工知能)、アルゴリズムで買い物をしたかどうかをジャッジし決済する。もはやこうした時代に、百貨店ではいまだにカードをレジまで持っていき、決済するところが多いのは驚きだ。

 事前に店舗に誘導する仕組みであるウェブルーミングもこれとてまだまだ。ネットをみながら、思わず来店したくなるような仕組み、仕掛けができているところは皆無なのが現状だ。時代はどんどん先に進み、日本の百貨店流通は古色蒼然としてきた。

 米アマゾンは20年までに現在の米アパレル事業の売上高約1兆9800億円を6兆4400億円に引き上げる計画を打ち出している。進出している日本でも、アパレルの取り扱いを始めている。アマゾンの都内なら1時間で届くという配送の仕組み、決済の仕組みを使えば、そのうち日本でもアパレルの売上が拡大する可能性はある。

 水は低いところに流れる。価格が「高い」ところよりも「安い」ところ。「複雑な仕組み」のところよりも「簡単な仕組み」のところ。配送が「遅い」ところよりも「早い」ところなど。

 流通外資の仕組みを持ち込めば市場攻略ができる。アマゾンがその好例だ。今のうちから布石を打っておかないと、アッという間に市場がひっくり返されることになりかねない。
http://diamond.jp/articles/-/112337

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[経世済民117] 中国人のクルーズ船観光が急増中、世界の海を席巻へ 女子会のノリで世界一周 旅慣れた中国人たち 日本を飛び越え、世界へ
莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見
2016年12月22日 莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
中国人のクルーズ船観光が急増中、世界の海を席巻へ

中国人観光客のクルージングによる旅が急増している(写真はイタリアのコスタビクトリア)
「豪華客船楽しむ時代に」

 約6年半前の2010年3月6日、私は日本の全国紙にこのようなタイトルで、中国人観光客がクルージング用の大型豪華客船に乗って世界中を旅行する時代が訪れた、とコラムで取り上げた。

 その年の2月、豪華客船による初の世界周遊ツアーが実現したので、当時の中国のメディアは、中国もクルージング元年を迎えた、とはしゃいだ。

 イタリアの「歌詩達」(コスタ)、米国の「皇家加勒比」(ロイヤルカリビアン)などの社名が豪華客船と重なり、多くの中国人の心に焼き付けられた。地中海の青い空、太平洋を横断する爽快さ、船の横を流れていく無名の島、海の水面をかすめて飛ぶ魚……。これらが豊かになった億単位の中国人が追い求める新しい生活スタイルとなりつつある、と私は書いた。

 実は、その時点から中国の沿岸部で新しい競争も始まった。「郵輪母港」つまりクルーズ専用の港になるべく、大連、青島、上海、寧波、アモイ、海南の三亜などの沿海都市が名乗りをあげている。タイタニックよりはるかに大きい皇家加勒比の22万トン客船が、2009年12月に初航海をした。それを聞いた海南では、すぐに25万トンの大型客船が停泊できる規模の埠頭の建設に取り掛かった。いうまでもなく、その大型客船の寄港に狙いを定めている。

 歳月はあっという間に過ぎ去ってしまい、中国のメディアはまた、2015年はクルーズ元年と騒ぎ出した。同じく「元年」という言葉を使っているが、その着眼点が違う。前者はクルーズが中国に登場したことに力点を入れて強調しているのに対して、後者はその市場規模がある程度になったことに力点を置いて見ているのだ。

 その着眼点の違いからは、市場の変化と乗客の顔ぶれが読み取れてくるので、なかなか面白い。

女子会のノリで世界一周
旅慣れた中国人たち

 12月9日〜20日まで、航路としては、横浜から神戸を経て、さらに上海に寄港したうえ、シンガポールにたどり着いた。これは私が乗った区間の航路だ。

 私が乗りこんだのはオーシャン・ドリーム号という客船だが、30年前後もある船齢の船だが、1000人規模の乗客を載せて世界一周の旅に出るのだ。神戸、上海、シンガポールから乗船する人もかなりいる。私が降りた後、客船はインド洋に進み、南極を経て、世界一周の旅を本格的に展開させていく。

 私は、上海から乗船した中国人乗客の大半は初のクルーズ体験ではないか、と事前に推測していたが、実際、乗ってきた中国人乗客に話を聞いたら、びっくりする事実が出てくる。

 たとえば、趙さん(79歳)という上海出身の男性乗客は、今回の航海を除いて、すでに8回もクルーズの乗船経験を持っている。

 本人の話を聞くと、「アメリカのクルーズ“量子號”はこれまで乗ってきたなかで最大の客船です。その量子號の処女航海に参加するため、上海からわざわざスペインに飛んでいって乗船したのですよ。世界一周のクルーズの旅も今回を入れて2回となりますが、ただ、2回とも南半球の旅だった」という。やや残念がっている口ぶりがいかにも旅慣れた様子だったが、初クルーズ体験は2013年だったということを知って、そのクルーズ利用頻度にただただ驚いたのだった。

 ちなみに、趙さんが言う“量子號”はロイヤルカリビアン社の海洋量子號(英語名:MS Quantum of the Seas)のことを言う。16万トンで4000人も載せる量子號は上海を母港とするクルーズだ。処女航海は2014年の11月だった。

 もう一人の男性にもインタビューをしてみた。74歳の呉さんだ。クルージング体験はすでに4回だ。ヴォルガ川、ナイル川、ドバイなどでクルージングしたことがある、という。

 もう一つの現象は旦那さんを家に残して、女子会のノリで世界一周のクルーズ旅に出る女性も相当いることである。船上で積極的に日本人に声をかけたり日本人が作った自主企画に参加して交流したりしている。言葉が通じないとか、受け入れてもらえるのかといった悩みなど、まったく見せない。海外旅行に慣れてきた中国人客がだいぶ増えたという実感を一層強くした。

80年代とは大違い
日本を飛び越え、世界へ

 1981年、私は初めて日本を訪問したとき、瀬戸内海にひとめぼれした。フェリーの手すりに寄りかかって、瀬戸内海の夕日を眺めるのが好きだった。これから多くの中国人観光客もその瀬戸内海の美景に陶酔するだろう、と想像していた。

 しかし、いまや大勢の中国人はクルーズの手すりに寄りかかって、世界の川と海の景色を楽しみ始めている。しかも急速な勢いでそのクルージング人口を増やしていく。

 2002年から2012年までの間に、中国人のクルージング人口は毎年30%の勢いで増え続けている。2015年、中国はすでに世界のクルージング人口ランキングにおいては、7位に食い込んだ。これからは間違いなく世界最大の規模を誇るようになるだろうと、多くのクルーズ会社が中国を熱く見つめている。だが残念ながら、日本のクルーズ会社にとっては中国はまだ近くて遠い市場のようだ。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)
http://diamond.jp/articles/-/112331
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/128.html

[国際16] フランス極右政党のルペン氏、選挙資金確保が難航−ロシア資金断絶で 

フランス極右政党のルペン氏、選挙資金確保が難航−ロシア資金断絶で
Helene Fouquet、Gregory Viscusi、Henry Meyer
2016年12月22日 23:16 JST

国民戦線、来年の大統領選と議会選の資金約25億円を模索
党系列のロシア金融機関が7月に免許失効、「手痛い打撃」

フランスの極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首は、2017年の同国大統領選および議会選に必要な2000万ユーロ(約24億5000万円)の資金集めに手こずっている。FNが資金源としていたロシアの金融機関を失ったことが大きいと、同党の財務担当が明らかにした。
  この財務担当者ワルラン・サンジュスト氏によると、FNがモスクワに拠点を置く金融機関ファースト・チェコ・ロシアン銀行(FCRB)が7月にロシア当局から銀行免許を無効とされて以降、同党は他の資金源を見つけられていない。フランス国内の銀行はFNへの資金提供を拒んでいるため、ロシアを含む諸外国の国際的な銀行家を探している。
  サンジュスト氏は「FCRBを失ったことはわれわれにとって痛手だった」とし、「ロシアからの借入金は安定した資金源だった。われわれは現時点で引き続き資金を探し求めている」と認めた。
  米大統領選でドナルド・トランプ氏を勝利させようとロシアのプーチン大統領がハッカーに指示していたと米中央情報局(CIA)が結論づけたことを受け、ルペン氏とロシアとの関係にここ数週間、厳しい視線が向けられている。ルペン氏は来年のフランス大統領選候補者のうち支持率2位につけており、ロシアのシリア軍事介入やクリミア併合を公に支持している。
原題:Le Pen Struggling to Fund French Race as Russian Bank Fails (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OILA5C6JIJV701
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/793.html

[経世済民117] 中国フィンテック業界を揺るがす社債デフォルト ゴールドマンと1MDBの深い関係 不正計65億ドル(約7650億円)の調達
中国フィンテック業界を揺るがす社債デフォルト

アント・フィナンシャルは電子決済サービス大手「支付宝(アリペイ)」を擁することなどから市場での注目度が高い

By JAMES T. AREDDY
2016 年 12 月 22 日 23:54 JST

 【上海】中国の通信機器メーカー、僑興集団が12月に入り4500万ドル(約53億円)相当のデフォルト(債務不履行)を起こしたことで、約1万3000人の投資家が資金の回収を不安視している。この問題の影響は中国の電子商取引大手、阿里巴巴集団(アリババグループ)傘下のマ蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル・サービシズ・グループ)にも波及し、同社が販売する投資商品の質に疑問を唱える声が上がっている。

 今回のデフォルトは、中国のフィンテック(ITを使った新たな金融サービス)業界の複雑なビジネス関係を浮き彫りにするものだ。フィンテックは個人の貯蓄を法人向け融資へ振り向けるのに寄与し、中国で急成長しているが、ほとんど規制されていない。

 僑興は今月、2年前にアント・フィナンシャル経由で一般投資家に販売した高利回り社債でデフォルトが起こる可能性があると通知した。僑興はアントを通じたオンライン上の社債発行で1億6600万ドルを調達していた。会社発表とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した投資契約によると、このプログラムに関わった少なくとも4社が投資家に対する責任について互いを非難している。

 アント・フィナンシャルを巡っては、中国の電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を擁することなどから市場で高揚感が生まれ、時価総額で世界首位のフィンテック企業として注目が高まっている。

 しかしアント・フィナンシャルのアプリケーションで取り扱われている数千もの投資商品の多くは第三者が組成したものであるため、今回のデフォルトで突如、苦境に立たされた。親会社のアリババは、自らのネット通販サイト「淘宝網(タオバオ)」でも消費者の信頼低下の危機に直面している。米通商代表部(USTR)は21日、偽造品の販売で知られる悪質業社リストにタオバオを指定した。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjjgcrgm4jRAhUFqJQKHcxcBwMQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582512853427330074&usg=AFQjCNGsacOyt9CKBkHJvSHwoDD5N14BYw

 
ゴールドマンと1MDBの深い関係
ゴールドマン・サックス本社(ニューヨーク) ENLARGE
ゴールドマン・サックス本社(ニューヨーク) PHOTO: RON ANTONELLI/BLOOMBERG NEWS
By JUSTIN BAER,TOM WRIGHT AND KEN BROWN
2016 年 12 月 22 日 18:04 JST

 マレーシアのナジブ・ラザク首相は2013年7月、仏サントロペに係留されていたヨットで、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の皇太子と仕事の話をした。U字型に並んだ椅子の1つには、ゴールドマン・サックス・グループのパートナーも座っていた。

 ゴールドマンは、ナジブ氏と同氏が設立した政府系投資ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」の資金調達を手がけるなかでこうした地位を得た。計65億ドル(約7650億円)の調達案件で約6億ドルの手数料を稼いだゴールドマンにとって、1MDBは有数の上客になっていた。

 現在1MDBは不正疑惑で調査を受けている。捜査関係者によると、ナジブ氏は不正に政治資金を受け取る際に1MDB を利用し、関係者は10億ドル超をロンドンやビバリーヒルズなどでの不動産や美術品購入に流用したとされる。

 この疑惑では世界各地の銀行など複数の企業の名前が取りざたされているが、ゴールドマンは1MDBやその幹部らとの親密さで際立っている。

 1MDBの資金調達が苦しくなった時、ゴールドマンは債券発行を通じて資金の流れを支えた。

 ゴールドマンの支援を受けて1MDBが調達した資金について、米司法省の捜査官らは、ゴールドマンが悪用を疑うべき根拠があったか否か、また、そうであれば当局に懸念を伝える義務があったかどうかを調べている。関係者によると、米連邦準備制度理事会(FRB)、証券取引委員会(SEC)、ニューヨーク州金融サービス局(DFS)、シンガポール当局も、ゴールドマンの行為について調査している。

 当局は、ゴールドマンとマレーシアの実業家ジョー・ロウ氏の関係に注目している。ロウ氏はナジブ氏と親しく、各国の調査担当者から疑惑の中心とみられている。かつてゴールドマンの東南アジア部門を統括していたティム・ライスナー氏は数年間ロウ氏とやりとりしていた。ロウ氏は1MDBで正式な地位にはなかったものの、大きな決定を下しており、09年以降1MDBから数億ドルを受け取っていたと捜査官らはみている。

 関係者らによると、ロウ氏の資産の源に懸念を抱いたゴールドマンは、同氏を個人客として受け入れることはなかったが、1MDBの事業絡みで接触を続けた。

 ゴールドマンは一貫して不正行為を否定し、1MDBの周辺で不正があったことを知るすべはなかったと述べ、1MDBから聞いた目的を想定した資金調達が自社の主な役割だったとしている。「ジョー・ロウ氏が1MDBの債券取引に関与していたことを示す証拠は見つかっていない」という。

 ロウ氏もナジブ氏と同様に不正行為を否定しており、マレーシアのアパンディ司法長官はナジブ氏訴追を見送った。1MDBは不正行為を否定し、捜査に協力する姿勢を示した。行方が分からなくなっている1MDBの資金については、複数の国で捜査が進められている。

ゴールドマンの東南アジア部門を統括していたティム・ライスナー氏(2014年、ニューヨーク) ENLARGE
ゴールドマンの東南アジア部門を統括していたティム・ライスナー氏(2014年、ニューヨーク) ILLUSTRATION: ZUMAPRESS.COM
ライスナー氏の役割

 1MDBとの関係でゴールドマンのキーパーソンだったのがライスナー氏だ。同氏は47歳のドイツ人。元同僚らによるとアジアのビジネスマンに近づくのが得意だった。

 ライスナー氏は09年にロウ氏と知り合った。ロウ氏の説得を受けてマレーシアのある州が石油基金を設置したが、この基金はゴールドマンをアドバイザーに採用している。同基金はその後ナジブ氏の提案で1MDBに発展した。

 ゴールドマンの従業員によれば、ライスナー氏は10年にナジブ首相の側近の娘を同社のインターンに推薦した。この女性がシンガポールでの勤務を開始して程なく、1MDBは買収計画の審査役にゴールドマンを採用している。

 12年には債務に追われるようになっていた1MDBに、ライスナー氏はキャッシュフロー源となる発電所の買収を勧めた。

 1MDBは17億5000万ドルを調達する必要があったが、信用格付けがなかった。ゴールドマンは、格付けの高い機関から債券保証を受けることを提案した。

 中東とつながりのあるロウ氏がゴールドマンと1MDBの人間をアブダビ政府系投資ファンド「国際石油投資会社(IPIC)」の幹部に紹介した。

 ロウ氏についてゴールドマンはそれまでに2度、コンプライアンス面の懸念を理由に個人口座開設を拒否していた。同氏の親族の投資機関が手がけた案件のアドバイザーも拒否していたと関係者らは述べた。

 1MDBの案件では、ロウ氏の役割についてゴールドマン社内で混乱もあったようだ。ライスナー氏はロウ氏が資金調達案件に参加していないと請け負ったが、ゴールドマンの幹部はロウ氏がIPICを紹介したことを知っていた。

 1MDBはIPICから債券保証を取り付けた。IPICはコメントを控えている。

 ゴールドマンは債券を自社のバランスシートに計上したうえで投資家に売却することに合意し、速やかな起債にこぎ着けた。同社によると、それに伴うリスクは高い手数料によって正当化される。米司法省が起こした資産差し押さえ訴訟では、ゴールドマンの手数料は1億9250万ドル、起債額の約11%とされている。この種の案件では、手数料の相場は100万ドル程度だ。

 1MDB は12年に再び17億5000万ドルの調達を決め、ゴールドマンとIPICが前回と同様の役割を果たした。手数料は、同訴訟によると約1億1400万ドルだった。

 13年1月の世界経済フォーラムのダボス会議で、ライスナー氏はゴールドマンの副社長だったマイケル・エバンズ氏とともにナジブ氏に会った。ナジブ氏は、クアラルンプールでの金融センター建設に向けて1MDBがアブダビとの合弁を計画しており、さらに30億ドルの起債をしたいと話した。

 30億ドルの債券発行となれば売却資金は大手国際銀行に集めるのが普通だが、1MDBはスイスの小規模プライベートバンク、BSIのシンガポール支店を指定した。

 ゴールドマンは30億ドルをBSI内の1MDBの口座に送金した。米司法省の訴訟によれば、その3分の1超は即刻オフショアの複数のファンドに送られ、その後ロウ氏の関係者が管理する機関に行き着いた。

 シンガポールはBSIの幹部3人を1MDBとの取引に関連した犯罪で起訴した。このうち2人は文書偽造などについて有罪を認めている。

 ゴールドマンのバンカーは引き続き1MDBの案件を扱った。エバンズ氏は13年7月のサントロペでの会合後、ナジブ氏らと夕食を共にした。それから約2カ月後、国連会合のためニューヨークを訪れたナジブ氏は、ゴールドマンのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)が顧客のために開催した会合に出席している。

 ライスナー氏は15年6月、ルクセンブルクのプライベートバンクにあてたロウ氏の紹介状を作成。ゴールドマンがロウ氏のデューディリジェンス(資産の精査)を実施した結果、問題はなかったと書いていた。

 ゴールドマンのコンプライアンス担当幹部は16年1月にこのことを知った。会社は規定違反となるこの紹介状についてライスナー氏を問いただし、同氏は翌日に辞職した。

 シンガポール通貨庁は(MAS)は今月、この紹介状を理由にライスナー氏の就業を10年間禁止する計画を明らかにした。

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アブダビ政府系ファンド「1MDBから支払いなし」
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwit3aDjm4jRAhWBkJQKHRbLBFIQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582512021406002212&usg=AFQjCNEMbfzZOARxfpE8SVpoi6ecW3AMEg
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/132.html

[経世済民117] 7-9月期の米GDP、3.5%増へ上方修正 週間新規失業保険申請6カ月ぶり高水準 耐久財受注コア資本財予想以上−全体減少
7-9月期の米GDP、3.5%増へ上方修正
年末を前に明らかになった米7-9月期GDP成長率は3.5%だった(写真はジョージア州オーガスタ近郊でクリスマスツリーを運ぶ軍人)
By ERIC MORATH AND JEFFREY SPARSHOTT
2016 年 12 月 22 日 23:48 JST

 米商務省が22日発表した7-9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)確報値は前期比年率換算3.5%増となり、11月発表の改定値(3.2%増)から上方修正された。四半期ベースで2年ぶりの増加幅となった。

 成長率は今年1-3月期の0.8%、4-6月期の1.4%から加速した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエコノミスト調査では3.3%増と予想されていた。

 今回の統計ではサービスへの消費支出や建物、知的財産への設備投資が上方修正された。

 消費支出は2.8%増から3%増へと上方修正された。ただ4-6月期の4.3%増には及ばなかった。

 企業の設備投資の尺度である非住宅固定投資は0.1%増から1.4%増へと引き上げられた。建造物への投資が12%増加したほか、知的財産投資も3.2%伸びた。

 企業利益は下方修正された。7-9月期の企業の税引き後利益(在庫評価・資本減耗調整前)は前期比2.6%増(従来発表は3.5%増)。前年同期比でも4.3%増へと引き下げられたが、それでも2年ぶりの伸び率となった。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjogPTdm4jRAhUBi5QKHehvCh4QqOcBCB8wAQ&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582512844286609790&usg=AFQjCNGqw1eKMVI_svw7vEL6_DUWU3rjWg

米成長率、3.5%増に上方修正 7〜9月期確定値
2016/12/22 23:01
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 【ワシントン=河浪武史】米商務省が22日発表した7〜9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)確定値は、前期比年率換算で3.5%増加した。個人消費が上振れして11月に発表した改定値から0.3ポイント上方修正し、市場予測(3.3%程度)も上回った。

 実質経済成長率は4〜6月期の1.4%から加速し、14年7〜9月期(5.0%)以来、2年ぶりの高い伸びとなった。GDPの7割を占める個人消費が3.0%増と上方修正された影響が大きい。南米向けの大豆出荷が膨らんで輸出も10.0%増と大きく伸びた。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM22H8Y_S6A221C1FF2000/


米GDP:7−9月確定値3.5%増に上方修正−幅広い分野で寄与拡大
Michelle Jamrisko
2016年12月23日 00:13 JST
7−9月(第3四半期)の米実質国内総生 産(GDP)確定値は改定値から上方修正された。サービス支出や知的 財産、州および地方政府による建設など幅広い分野の寄与が拡大した。
米商務省の22日発表によると、第3四半期のGDP確定値は前期比 年率3.5%増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値 は3.3%増だった。改定値は3.2%増。
GDPの上方修正は、企業の研究・開発(R&D)投資や非営利団 体による支出、金融サービスの利用などを反映した。
経済の約7割を占める個人消費は3%増と、改定値の2.8%増から 上方修正された。
純輸出や在庫の寄与度は改定値からほぼ変わらず。変動の大きい両 項目を除く国内最終需要は2.1%増。改定値は1.7%増だった。
企業の設備投資では機器への投資が4.5%減(改定値4.8%減) と、0.3ポイントのマイナス寄与となった。前期は2.9%減だった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Economic Growth Revised Up to 3.5% Pace in Third Quarter(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OILD416KLVR401

米週間新規失業保険申請件数:6カ月ぶり高水準、4週移動平均も増加
Patricia Laya
2016年12月22日 23:26 JST

先週の米週間新規失業保険申請件数は前週比で予想以上に増加し、6カ月ぶり高水準となった。
  22日の労働省発表によると、17日終了週の申請件数は前週比2万1000件増の27万5000件。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は25万7000件だった。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iao.XlqeSVDs/v4/-1x-1.png
  より変動の少ない4週移動平均(季節調整済み)は26万3750件と、前週の25万7750件から増加した。失業保険の継続受給者数は10日までの1週間に1万5000人増えて204万人。
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Jobless Claims in U.S. Increased to Six-Month High Last Week(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OILBS96VDKJ601

 


米耐久財受注:11月はコア資本財が予想上回る伸び−全体では減少
Patricia Laya
2016年12月23日 00:53 JST

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11月の米耐久財受注統計では、航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注が市場予想を上回る伸びとなった。
  米商務省の22日発表によると、設備投資の先行指標となるコア資本財の受注額は前月比0.9%増。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値は0.4%増だった。前月の0.2%増に続き2カ月連続プラスながら、9月の1.5%減を埋められなかった。
  11月の全耐久財受注額は4.6%減。変動の大きい民間航空機の受注が大きく落ち込んだ。輸送機器を除く耐久財受注は0.5%増。
  ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スイート氏は「設備投資が安定しつつある可能性を示す初期の兆候が一部に見られる」と指摘。「設備投資はここしばらく米経済の弱点だったが、今後は上向くだろう」と続けた。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iyl_7MDKJLqM/v2/-1x-1.png

  通信機器の受注は6.7%増と、6カ月ぶりのプラス。伸びは2015年1月以来の最大。機械は1.3%増(前月0.4%減)。一方で民間航空機は73.5%減少した。前月は94.6%増だった。
  国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア資本財の出荷は0.2%増加にとどまり、
前月の0.3%減を埋め切れなかった。  
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Orders for U.S. Business Equipment Increase More Than Forecast(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-22/OILBZT6VDKHT01


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/133.html

[国際16] トランプ氏、選対本部長を大統領顧問に起用 米大統領顧問に就任するコンウェイ氏 
トランプ氏、選対本部長を大統領顧問に起用

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RI542_1222co_IM_20161222073043.jpg
米大統領顧問に就任するコンウェイ氏
By DAMIAN PALETTA
2016 年 12 月 22 日 22:45 JST

 【ワシントン】ドナルド・トランプ次期米大統領は22日、選挙対策本部長を務めたケーリアン・コンウェイ氏を大統領顧問に指名した。側近を要職に起用し、事実上あらゆる決定に関して助言を受けられるようにする。

 コンウェイ氏は8月、選挙戦でトランプ氏らが一貫した主張を打ち出せずにいた同陣営に加わり、投票までの3カ月に戦略の絞り込みに貢献。女性の選対本部長として初めて米大統領候補者を当選に導いた。

 トランプ氏は発表文で「私の計画を精力的かつ粘り強く提唱できる人物で、われわれのメッセージの効果的な伝え方について驚くほどの洞察力を備えている」と評した。

 大統領顧問は大きな影響力を持つことが多いが、助言は大統領との関係次第だ。国内・外交を問わずほぼ全ての政策への助言が可能という点で、特定の分野に限られる他の補佐官とは異なる。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwi38rXbm4jRAhXCnpQKHQ3-D6gQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11484601320931144569304582512761141372238&usg=AFQjCNHgK8Iy3Yn3-PDQ9D-YKbMCne8I4g
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/794.html

[政治・選挙・NHK218] 安倍政権の「チマチマした改革路線」を大胆に蘇らせる法 安倍政権はバラマキ政権 膨らみ続ける一般会計予算

【第48回】 2016年12月23日 岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

安倍政権の「チマチマした改革路線」を大胆に蘇らせる法

2017年度予算の政府原案では、一般会計の予算額は過去最高を更新。アベノミクスでは、増大する社会保障費などの改革がなぜ進まないのか

安倍政権はバラマキ政権
膨らみ続ける一般会計予算
 22日に2017年度予算の政府原案が決定され、一般会計の予算額は97.4兆円と過去最高を更新しました。と言っても、多くの方は“過去最高”という表現だけではイメージがわかないのではないでしょうか。
 しかし現実には、アベノミクスが金融緩和と財政出動に頼りすぎた結果、安倍政権は典型的なバラマキ政権になっています。たとえば10年前、すなわち安倍さんが最初に総理になった2006年度の予算と今年度予算、そして来年度予算を比較すると、以下のようになります。

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 つまり、2006〜2016年度の10年間で一般会計予算は21%も増加しているのです。この10年の間に人口は減少を続け、名目GDPも減少していることを考えると、縮みつつある国で予算だけが2割以上も増えてしまったというのに、来年度予算ではそれをさらに増やしたのです。
 もちろん、予算の増加には理由があります。1つは、この10年の間にリーマンショック、東日本大震災と大きな外的ショックが発生したため、大規模な財政出動が必要だったことです。ただ、外的ショックが起きた年に大規模な財政出動が必要なのは当然ですが、時間が経ったら予算額を元の水準に戻すべきなのに、増えた予算を官僚と政治家が既得権益化してしまったため、平時になっても予算が膨張したままなのです。

 その意味では、今の安倍政権だけを非難するのはアンフェアで、小泉政権が終わって以降、民主党政権も含め10年以上もバラマキ政権が続いているのが現実なのです。
 ちなみに、その間の歳入構造を見ると、

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 と、税収は10年間で14%しか増えていないため、国債発行額は35%も増えています。だからこそ、国債発行残高は10年間で59%も増加してしまいました。
 もちろん、経済成長率を高めることができれば、それは税収増を通じて財政再建に貢献します。しかし、逆に言えば経済成長だけで財政再建は無理ですので、それに加えて政府の支出の削減や増税も必要になります。
 そう考えると、来年度予算でも鷹揚にバラマキを続ける安倍政権が自民党総裁任期延長で2021年まで続き、2020年の東京オリンピックまで同じことを続けるとしたら、それで本当に財政再建ができるのか、6歳と4歳の子を持つ親として心配になってしまいます。

高齢化で急激に膨張する
社会保障支出をなぜ削減できないか
 ところで、予算が膨張を続けるもう1つの理由として、高齢化の進行に伴う社会保障支出の急激な増加があります。実際、この10年で一般会計の社会保障支出は55%、社会保障給付費(医療、介護、年金など)は33%も増加しており、一般会計予算の増加のペースをはるかに上回っています。

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 したがって、財政再建のリアリティを高めるためには、一般会計の社会保障支出や社会保障給付費の増加をできる限り抑制することが必要となります。

 それにもかからず、17年度予算では社会保障支出は0.5兆円も増加しています。17年度の社会保障給付費もおそらく数兆円増加するのでしょう。
 それでは、政府は社会保障支出の抑制に毎年取り組んでいるはずなのに、逆に増加が続くのは何故でしょうか。メディアの解説では“高齢化の進展のペースが早いから”となりますが、それで済ませていいのでしょうか。
 私は個人的に、それ以上に問題なのは、社会保障支出削減に向けた努力が官僚と族議員の主導によるチマチマとした小手先の対応に終始しているからではないかと思っています。
 実際、政府は来年度予算での社会保障支出の伸びを抑制しようと、高額療養費制度での自己負担の引き上げ、後期高齢者医療制度の保険料引き上げ、介護保険の保険料への総報酬割の導入など、様々な論点に取り組みました。ちなみに、先の臨時国会では年金改革法案を成立させ、年金支給額の削減も始めようとしています。
 これらに取り組むこと自体を否定する気はありませんが、それでも、やはり微々たる金額の調整ばかりであり、“改革”というより“多少の改善”のレベルに過ぎません。
 ついでに言えば、安倍政権が最も熱心に取り組んでおり、社会保障とも密接に関連する働き方改革にもまったく同じことが言えます。同一労働同一賃金を実現しようとしていますが、その内実は非正規の賃金水準を上げるだけで、生産性の低い正規雇用の賃下げや解雇規制の緩和にまでは踏み込んでいません。その他のテーマも長時間労働の是正など取り組みやすいものばかりですので、これでは名前で“改革”を謳っていても、実際には“働き方の改善”の域を出ません。

社会保障制度改革に向けた
フィンランドの大胆な取り組み
 こうした政府の自称“改革”が、いかに実際にはチマチマした改善に過ぎないかを実感していただくため、フィンランド政府のダイナミックな社会保障改革の取り組みを紹介したいと思います。
 多くの方がご承知のように、フィンランドは社会保障が充実した高福祉高負担の国ですが、逆にそれが働き方に弊害をもたらしている面もあるという問題意識が高まっています。失業者は手厚い失業手当を受け取りつつ職業訓練を受けられますが、失業手当を受給している間は仕事をして収入を得ることを禁じられているため、これが労働意欲を阻害していると問題になっているのです。
 フィンランド中部の都市オウルは、かつては携帯電話のノキアの拠点があったこともあり、ワイヤレスコミュニケーション関連のハイテクベンチャーが増えつつあり、ハイテク都市としての再生を目指しています。
 ノキアは最盛期にオウルで5000人を雇用していましたが、ノキアの事業を買収したマイクロソフトはその雇用を半減させたため、失業率は16%と高いものの、優秀な技術者が数多く住んでいるからです。
 しかし実際には、オウルで起業したスタートアップ企業は、マイクロソフトをレイオフされた優秀な技術者をなかなか雇用できずにいます。新規に雇用しようとしても、4人家族を養う人の場合で失業手当は失職前の収入の73%をもらえるため、優秀な技術者ほど良い雇用機会を待ち続け、あまり給料が高くないスタートアップ企業に来てくれないのです。
 そうした現実を踏まえ、フィンランド政府は社会保障をスリム化するとともに、社会保障が労働意欲を阻害しないようにするという問題意識から、社会保障の改革を目指した新たな実験を来年からオウルで始めることにしました。
 具体的には、2000人を対象に実験的に2年間にわたってベーシックインカムを給付し、その労働意欲への影響などを観察して、その成果を将来の社会保障改革に反映させようと考えているのです。
 すでにドイツやオランダ、米国などでベーシックインカムに関する実験が行なわれ、様々な賛否の意見があるのは承知の上で、それでも現行の社会保障システムが内包する問題を解決しようと、ベーシックインカムを実験的に導入するのです。

日本の国民はそろそろ
ブチ切れたほうがいい
 現行の制度や仕組みに拘泥することなく、政策の問題点の解決に向けて大胆な取り組みを始めつつあるフィンランド政府の改革姿勢と意欲は高く評価できますし、こうした大胆な取り組みこそが社会保障制度の本当の改革につながるのではないでしょうか。
 それと比べると、日本での社会保障支出の削減に向けた取り組みは、現行制度の維持が前提のチマチマした改善に過ぎず、これでは当然ながら大胆な削減は不可能です。それで本当に財政や社会保障の持続性が確保できるのかとなると、やはり疑問に感じざるを得ません。
 そして、日本で社会保障制度の改革が進まず、チマチマした改善ばかりが繰り返される理由は明確です。官僚と族議員に任せていては無理なのです。それを打開するには、官邸が主導してフィンランドのように大胆な社会保障制度改革に取り組むしかありません。
 このコーナーでこれまで何度も、官邸主導で改革を進める必要性を言ってきましたが、もう4年も経ってしまいました。その間、成長戦略でも大した改革は進んでいません。もし来年も、社会保障制度の改革や成長戦略の改革が官僚と族議員任せで今までと同じように進まなかったら、いい加減国民の側はブチ切れるべきではないでしょうか。
http://diamond.jp/articles/print/112511


http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/105.html

[経世済民117] 上海で人気沸騰の“IT自転車” 1日1万社超の起業大国・中国
金融市場異論百出
2016年12月23日 加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
上海で人気沸騰の“IT自転車”
1日1万社超の起業大国・中国

中国・上海で大人気となっている、貸自転車「mobike」は、ITを駆使した新サービスだ Photo:AP/アフロ
 中国・上海では最近、「mobike」という貸自転車が大人気となっている。

 街のあちこちに置いてあるこの自転車には、QRコードが付いている。これをスマートフォンのカメラで読み取れば、利用開始情報がセンターに届き、鍵は自動的に解除される。

 乗り終わったら、どこに乗り捨ててもOKだ。鍵をロックした時点で利用終了となる。支払いは、中国アリババ集団が展開するスマホ決済システム「支付宝(アリペイ)」などのモバイル決済で完了する。料金も安く、利便性は極めて高い。

 ただし、当然のことながら、自分の家や店の前にmobikeが乗り捨てられていると、「邪魔だ」と怒り出す人もいる。日本企業であれば、こうしたクレームを想定して事前に議論を重ね、結果的に開業が遅れそうだ。しかし、中国ではリスクを顧みずに新しいビジネスがどんどん始まる。

 また、中国・北京では配車サービスが急速な発展を見せている。

 例えば、週末に北京国際空港から飛び立つ予定の人がいるとする。その人は安い料金で空港に行く手段はないかと考えている。

 一方で、おおよそ同じ時間帯に空港に到着する家族を、車で迎えに行くつもりの人がいるとしよう。その人は、空港への往路は一人だから誰かを乗せて小遣いを稼ぎたいと思っている。

 そういった両者のニーズをマッチングさせるアプリが最近人気だ。多少の時間のズレは当事者間で交渉して調整するが、これを使うと、タクシーなら空港まで通常120元(約2000円)支払うケースが、40〜50元で済む。

 筆者を北京国際空港まで迎えに来た運転手は、実際それで小遣い稼ぎをしていた。

 今年6月、中国・天津で開催されたダボス会議でも、IT関連の話題が出た。中国の李克強首相はその会議の場において、IT・ハイテク関連の消費が急成長しているとアピールした。そうしたブームを背景に、中国では毎日なんと1万3000社が起業しているという。

 おそらくその大半は早々につぶれてしまうのだろうが、一獲千金を夢見て創業したがる人は、中国では実際にものすごく多い。世界最大のスマホ利用人口を抱えるだけに市場は巨大で、アプリでヒットを飛ばすことができれば、大もうけできるからだ。

 IT産業とは無縁そうな筆者の北京の友人ですら、親しい仲間が集まって飲む際は「こういうアプリを作ったらもうかるんじゃないか」といった会話で延々と盛り上がるという。

 電子商取引(Eコマース)の劇的な拡大やモバイル決済によるキャッシュレス化も含め、ITを使ったサービスの普及に関して、中国は日本よりはるかに進んでいる。安全性が日本ほど重視されないことや、当初は規制上グレーな商売でも利用者の支持が高まれば当局が追認することが多々ある、といったことも展開の速さの要因だ。

 さらに、日本は既存のサービスの質が非常に高いため、ITを用いた新サービスの必要性があまり感じられない面がある。欧米や中国では、小売店や銀行の窓口の対応にいらつかされたり、タクシー運転手がだまそうとしたりするので、ITサービスの方がいいという人が多い。

 今は素晴らしい日本のサービスだが、海外で続々と確立されている新サービスの標準に取り囲まれてしまうと、後が心配である。

(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)
http://diamond.jp/articles/print/111795
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/137.html

[経世済民117] 日本はホワイトカラーの生産性が低い/AI研究に日本は大きく出遅れている
今週の 大前研一ニュースの視点


日本はホワイトカラーの生産性が低い/AI研究に日本は大きく出遅れている


労働生産性・AI研究・塗料大手・中国自販機市場 〜日本はホワイトカラーの生産性が低い
労働生産性 サービス業の生産性がアメリカを大きく下回り
AI研究 AI研究、米中2強
塗料大手 ヘリオスグループを買収
中国自販機市場 中国、自販機普及に勢い


日本生産性本部が12日に発表した日米の労働生産性に関する調査結果によると、日本の卸売・小売業の生産性は米国の38.4%、飲食・宿泊業が34%と低水準にとどまりました。
ITの導入が遅れているのが主因とのことです。
大きな問題となっているのは、日本企業におけるホワイトカラーの生産性です。日本企業では欧米に比べて、ホワイトカラー領域の「分業」が進んでいません。
いまだに課長・部長クラスの人が電話に応対をして部下にメモを残す、という企業もたくさんあります。
こうした光景は欧米では20年〜30年前に姿を消しました。日本はブルーカラーの生産性が高いのに、ホワイトカラーが合わさると一気に生産性が落ち込みます。
飲食業などの生産性の低さは、お客さんからの要求が強く、その対応のために人が動いていることが原因でしょう。これは合理化により解決できます。
温泉でも仲居さんがやっていたことを、星野リゾートのように合理化して生産性を上げている事例もあります。
ただし合理化して生産性が高くなると、それまで「人」が対応していた部分がなくなっていくので、失業する人が増えます。おそらく失業率は急上昇することでしょう。合理化と同時にこの問題が発生することは忘れてはいけません。
***

日経新聞は9日、「AI研究、米中2強」と題する記事を掲載しました。

文部科学省の科学技術・学術政策研究所の分析では、主要な国際学会での発表は米中が圧倒的に多く、両国の共同研究の報告も増えているということです。
2015年の研究発表数を見ると、米国:326件、中国:138件、日本:20件となっています。さらに米中共同研究が80件あり、日本が大きく出遅れていることがわかります。
こうした研究分野における中国の台頭が著しい一方、OECDの生徒の学習到達度調査(PISA)の結果を見ると、中国内の格差が激しいという点について問題を指摘する声もあるようです。上海が断トツに優秀で、留学生の数も多く、成績が抜群です。
PISAの結果は江蘇省など、上海には及ばないですが優秀な地域も含まれています。中国全土に対象地域を広げたら、もっと全体の数値は落ちるし、格差は大きくなると思います。
日本ペイント躍進は東南アジアの成功/中国自販機のUboxは日本にとって競合相手

関西ペイントは6日、欧州の塗料メーカー、ヘリオスグループ(オーストリア)を買収すると発表しました。
また日本ペイントホールディングスは、シンガポールの同業大手ウットラムとのアジアの合弁子会社を、数年内に完全子会社化する検討に入ったことがわかりました。
日本の塗料メーカーと言えば、関西ペイントと日本ペイントの2強です。歴史的には、関西ペイントの方が大きく首位を走っています。その関西ペイントがヘリオスグループの買収を発表しました。
長年、関西ペイントに追いつけなかった日本ペイントですが、シンガポールのウットラム社との協業が功を奏し、アジア戦略が成功しています。
ウットラム社のハップジン代表は、東京大学出身。日本語も堪能で、事業家として非常に優秀な人物です。この人のおかげで、日本ペイントがアジアで強い立場を築き上げられたと言えます。
日本ペイントがウットラム社を完全子会社化すれば、連結で関西ペイントを上回ることになります。売上も営業利益も横ばいが続いている関西ペイントに対し、一気に大きく差をつける格好です。
関西ペイントは自動車を中心にやや依存度が高いのに対し、日本ペイントは自動車に限らず幅広く展開している点も大きな違いです。
再び日本ペイントを逆転し大きく成長していくために、関西ペイントはヘリオスグループの買収へ踏み切ったのだと思います。
私から見ても、日本ペイントと関西ペイントにこれだけの差が生じるとは意外でした。ウットラム社という東南アジアでの良きパートナーを得たことが、本当に大きかったのだと思います。
最終的にウットラム社が完全子会社化に合意してくれれば、日本ペイントにとっては実に明るいニュースになるでしょう。
***

日経新聞は7日、「中国、自販機普及に勢い」と題する記事を掲載しました。
中国で自販機最大手の富士電機はスマホ対応機の生産を倍増し、中国の年間出荷台数が2020年には日本を上回る見通しです。
微信支付(ウィーチャットペイメント)などの電子決済やIoTにより販売動向などを瞬時に把握できる運営システムが普及を牽引しているとのことです。いろいろな問題があった中国ですが、ようやく自販機が普及してきました。
年間の出荷台数で、日本が30万台、中国が33万台とのことですから、国土の広さを考えると中国はまだまだという段階でしょう。
富士電機にとってのクライアントである販売業者のUbox(友宝)は2010年設立の新しい会社ですが、自販機6万台の運営を行っているほか、デジタル広告事業などユニークな商品の開発も手掛けています。
Uboxの販売機は、アリペイ(支付宝)や微信支付(ウィーチャットペイメント)といったモバイル決済など、複数の支払い方法に対応しています。
日本企業にとっても有望な競争相手として浮上してきたといえるでしょう。
この記事は12月18日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し本メールマガジン向けに編集しています

今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?

今週は、日本のホワイトカラーの労働生産性のニュースについてお届けしました。
ホワイトカラーの生産性の低さが大きな問題となっている日本企業。一方で、合理化によって生産性を高めると、失業率の問題が発生してしまう可能性があります。
このように、一つのニュースの意味合いを正しく解釈するためには、ミクロな視点だけでなく、マクロな視点も持ち合わせることが大切です。
そうして、物事の因果関係を丁寧に分析することで、その根幹となる課題は何なのかが明らかになっていきます。
http://www.lt-empower.com/ohmae_blog/


 

日米産業別労働生産性水準比較
発表日 2016/12/12
発表元
内 容 公益財団法人日本生産性本部は12月12日、「日米産業別労働生産性水準比較」を発表した。
産業別にみた労働生産性水準対米比は、経済産業省「通商白書2013年版」に産業別日米生産性水準比較(2003〜2007年平均)として掲載されているが、最新のデータに更新されていない。そのため、日本生産性本部は、滝澤美帆・東洋大学准教授を座長とする「日米産業別労働生産性水準比較研究ワーキンググループ」を立ち上げ、類似データを利用しながら同様の手法で最新年次による比較を行った。
産業別にみた日本の労働生産性水準(2010〜2012年平均)は、製造業で米国の7割、サービス産業で5割であった。日米格差は、1990年代後半と比較すると製造業で3.2%p縮小したものの、サービス産業では0.9%p拡大している。リーマン・ショック前と比較しても、製造業では日米格差が6.0%p縮小しているのに対し、サービス産業では1.8%p拡大している。サービス産業の労働生産性水準は、1990年代後半から米国の5割程度にとどまる状況が続いている。

1.直近の日本の労働生産性水準は、製造業で米国の7割(69.7%)、サービス産業で5割(49.9%)。

・産業別にみた日本の労働生産性水準(2010〜2012年平均)は、化学143.2%)や機械(109.6%)で米国を上回り、輸送機械(92.7%)でも遜色ない。一方、サービス産業をみると、運輸(44.3%)や卸売・小売業(38.4%)、飲食宿泊(34.0%)などの主要分野で格差が依然として大きい。

2.日米労働生産性格差は、製造業では縮小傾向にあるものの、サービス産業では米国の5割程度の状況が続いており、卸売・小売や運輸などで格差が拡大している。

・90年代後半(1998〜2000年平均)と比較すると、製造業では日米格差が3.2%p縮小しており、特に化学(+36.7%p)や建設業(+18.2%p)、食品製造業(+10.1%p)などで大幅に改善した。一方、サービス産業では大きな変化はなかった(0.9%p格差が拡大)。飲食・宿泊(+2.5%p)で若干差が縮小したものの、卸売・小売(−6.3%p)や運輸業(−3.6%p)などで格差が拡大している。

・リーマン・ショック前(2005〜2007年平均)と比較しても、日米格差は製造業(+6.0%p)で縮小する一方、サービス産業(−1.8%p)で拡大している。飲食・宿泊(+3.2%p)で改善したものの、運輸(−0.2%p)や卸売・小売(−3.3%p)、物品賃貸・事業サービス(−4.5%p)などで日米格差が拡大したことが影響した。

添付ファイル 日米産業別労働生産性水準比較_プレス資料.pdf
http://activity.jpc-net.jp/detail/01.data/activity001494/attached.pdf 
http://activity.jpc-net.jp/detail/01.data/activity001494.html


 


日米産業別労働生産性水準比較
1. 〜日米格差は製造業で縮小するも、サービス産業で対米比 5 割 の状況が続く〜
公益財団法人 日本生産性本部
公益財団法人日本生産性本部は 12 月 12 日、「日米産業別労働生産性水準比較」を発表した。
産業別にみた労働生産性水準対米比は、経済産業省「通商白書 2013 年版」に産業別日米生産
性水準比較(2003〜2007 年平均)として掲載されているが、最新のデータに更新されていない。
そのため、日本生産性本部は、滝澤美帆・東洋大学准教授を座長とする「日米産業別労働生産
性水準比較研究ワーキンググループ」を立ち上げ、類似データを利用しながら同様の手法で最
新年次による比較を行った。
産業別にみた日本の労働生産性水準(2010〜2012 年平均)は、製造業で米国の 7 割、サービ
ス産業で 5 割であった。日米格差は、1990 年代後半と比較すると製造業で 3.2%p 縮小したも
のの、サービス産業では 0.9%p 拡大している。リーマン・ショック前と比較しても、製造業
では日米格差が 6.0%p 縮小しているのに対し、サービス産業では 1.8%p 拡大している。サー
ビス産業の労働生産性水準は、1990 年代後半から米国の 5 割程度にとどまる状況が続いてい
る。
製造業 電気ガス 卸小売 飲食宿泊 運輸 郵便通信 金融仲介 ビジネスサービス
70.6% 61.0% 42.4% 37.8% 48.4% 73.2% 87.8% 50.8%
【お問合せ先】 公益財団法人 日本生産性本部 生産性研究センター
担当:木内 TEL.03-3409-1115
FAX.03-5466-7661

1. 直近の日本の労働生産性水準は、製造業で米国の 7 割(69.7%)、サービス産業で 5 割
(49.9%)。
・産業別にみた日本の労働生産性水準(2010〜2012 年平均)は、化学(143.2%)や機械(109.6%)
で米国を上回り、輸送機械(92.7%)でも遜色ない。一方、サービス産業をみると、運輸(44.3%)
や卸売・小売業(38.4%)、飲食宿泊(34.0%)などの主要分野で格差が依然として大きい。
2. 日米労働生産性格差は、製造業では縮小傾向にあるものの、サービス産業では米国の
5 割程度の状況が続いており、卸売・小売や運輸などで格差が拡大している。
・90 年代後半(1998〜2000 年平均)と比較すると、製造業では日米格差が 3.2%p 縮小しており、
特に化学(+36.7%p)や建設業(+18.2%p)、食品製造業(+10.1%p)などで大幅に改善した。一方、
サービス産業では大きな変化はなかった(0.9%p 格差が拡大)。飲食・宿泊(+2.5%p)で若干差
が縮小したものの、卸売・小売(−6.3%p)や運輸業(−3.6%p)などで格差が拡大している。
・リーマン・ショック前(2005〜2007 年平均)と比較しても、日米格差は製造業(+6.0%p)で
縮小する一方、サービス産業(−1.8%p)で拡大している。飲食・宿泊(+3.2%p)で改善したも
のの、運輸(−0.2%p)や卸売・小売(−3.3%p)、物品賃貸・事業サービス(−4.5%p)などで日米
格差が拡大したことが影響した。
報告書の本文は、日本生産性本部 ・生産性 研究センター のホームページ
http://www.jpc-net.jp/study/) よりダウンロードしてご覧いただけます。
JAPAN PRODUCTIVITY CENTER
産業別日米労働生産性格差の現状
• 産業別にみた日本の労働生産性(就業1時間当たり付加価値額/2010〜2012
年平均)は、製造業で米国の7割(69.7%)、サービス産業で5割(49.9%)。
• 産業別にみた日本の労働生産性水準(2010〜2012年平均)は、化学(143.2%)
や機械(109.6%)で米国を上回り、輸送機械(92.7%)でも遜色ない。
• 一方、サービス産業をみると、運輸(44.3%)や卸売・小売業(38.4%)、飲食宿
泊(34.0%)などの主要分野で格差が依然として大きい。
※産業別労働生産性水準(対米比)
日本生産性本部・日米産業別労働生産性水準比較研究ワーキンググループ(座長・滝澤美帆 東
洋大学経済学部准教授)は、「通商白書2013年版」(経済産業省)に掲載された産業別日米生産性水
準比較(2003〜2007年平均)の計算手法をもとに、ハーバード大学ジョルゲンソン教授などを中心に
構築されている「WORLD-KLEMS」データベース等を利用して、日本及び米国の産業別労働生産性
水準(購買力平価ベース・就業1時間当たり付加価値)を計測し、対米比率の算出・比較を行った。
http://activity.jpc-net.jp/detail/01.data/activity001494/attached.pdf


 

AI研究、米中2強 出遅れ目立つ日本勢
2016/12/9 12:30日本経済新聞 電子版
保存その他
 世界的に競争が激化している人工知能(AI)の研究で、米国と中国の2強の存在感が増している。文部科学省の科学技術・学術政策研究所の分析では、主要な国際学会での発表は米中が圧倒的に多く、両国の共同研究の報告も増えた。中国企業が米大学に研究投資する例も出てきた。政府はAIを成長戦略の柱に位置づけるが、日本は基盤研究で出遅れている。巻き返しには抜本的な対応が必要になりそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG09H0M_Z01C16A2MM0000/
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/138.html

[政治・選挙・NHK218] 新人教員 10年で少なくとも20人が自殺「国は職場の改善を」 中学校長パワハラ停職、2時間立たせ説教 ある新人教師の死
新人教員 10年で少なくとも20人が自殺
12月23日 19時00分

精神疾患などにかかる公立学校の新人教員が急増し続ける中、この10年間で、少なくとも20人の新人教員が自殺していたことがNHKの取材でわかりました。教員は新人でも担任をもったり、保護者に対応したりする必要があり、専門家は「新人教員は即戦力として扱われ、過度なプレッシャーを受ける。国は自殺の現状を把握して、改善をはかるべきだ」と指摘しています。
学校の教員は採用されたばかりの新人でもクラス担任や部活動の顧問を任されたり、保護者に対応したりと、ベテランと同じ役割が求められています。

文部科学省によりますと、昨年度、精神疾患などの病気を理由に退職した新人教員は92人で、平成15年度の10人と比べて、急激に増えています。

さらにNHKで、昨年度までの10年間に死亡した新人教員、合わせて46人の死因について、取材した結果、少なくとも20人が自殺だったことがわかりました。

このうち半数の10人が採用から半年以内に亡くなっていて、なかには4月の始業式から2週間余りで自殺していた新人教員もいました。

詳しい自殺の動機は多くの遺族が民間企業の労災にあたる公務災害を申請していないため、不明ですが、おととし自殺した福井県の中学校の教員の場合は時間外労働が月に最大160時間を超え、部活動や保護者の対応に追われていました。

また、同じく自殺した関西地方の教員は担任を任されていましたが、生徒などとの関係に悩んでいたということです。

新人教員の自殺の実態について、文部科学省は把握しておらず、教員の公務災害などに詳しい川人博弁護士は「教員は採用されてすぐに担任を受け持つなどいきなり即戦力として扱われるうえ、理不尽な保護者への対応もあり責任やプレッシャーが大きい。国は自殺の現状を把握して、改善を図るべきだ」と指摘しています。
新人教員の自殺 実態は
福井県の新人教員だった嶋田友生さん(27)は、おととし10月、自分の車の中で、みずから命を絶ちました。取材に応じた父親の富士男さんは、「教員になって半年でこういうことになるとは予想もしていなかった」と振り返りました。

友生さんは、なぜ自殺したのか。そのいきさつを知る手がかりが友生さんが毎日つけていた日記にありました。赴任した初日の日記には「目の前の子どもたちのために初心を忘れたくない」と決意が記されていました。1年生の担任と野球部の副顧問を任された友生さん。夢だった教員となり、大好きな子どもたちのためにと日々努力しました。

しかし、次第に日記には「日付が変わるまで戻れない日々」、「休んではいけないという脅迫観念」、「今、欲しいものと言われれば、睡眠時間」。こんな記述が増えていきました。そして、ついには「死という言葉が頭に」という記述が現れました。

当時の友生さんの勤務表を見ると、毎朝7時ごろに出勤し、深夜帰宅の日々が続いています。土日も部活動や授業の準備のため働いていました。6月の休みはわずか2日。時間外の勤務も最大で月160時間に及んでいました。

当時の様子を父親の富士男さんは、「帰宅すると2階にある自分の部屋にたどり着けず、そのまま1階で寝てしまうことが多くなった。食事も取らなくなったり、精神的に追い込まれている様子だった」と話しています。

そして10月、体のだるさを訴え、学校を休んだ友生さん。昼すぎになり、家族に「出勤する」と言い残して家を出て、そのまま命を絶ちました。日記の表紙には、『疲れました。めいわくかけてすみません』と記されていました。

ことし9月、友生さんの自殺は「長時間労働や保護者対応など強度の精神的、肉体的なストレスがあった」として公務災害と認められました。父親の富士男さんは「教員の皆さんには、学校の働き方が非常識だということに気付いて欲しい。息子と同じ過ちを繰り返さないで欲しい」と話していました。
職場全体が疲弊 管理職も放置
関西地方で教員となって2年目の女性も、おととし新人教員だった友人が自殺した経験があり、今回、新人教員の実態を知って欲しいと取材に応じました。

この教員は、中学校に赴任してすぐに担任を任せると告げられました。当時の心境を「かわいい子には旅させろ、がけから落とされた気分でした。いきなり担任と言われ、学級開きと言われても何していいかわからない。ありえない失敗をたくさんし続けました」と振り返りました。

初めての担任で子どもたちと向き合うだけでも大変なところに、保護者への対応、さらに部活も担当しました。勤務は早朝7時から深夜まで。土日もほとんど休むことはなかったといいます。さらに、管理職からは若手教員に対して、国が導入を決めた道徳の教科化やアクティブラーニングなどにすぐに取り組むよう求められました。

教員は何度も周りの同僚に相談しようと考えました。しかし、学校には若手の教員が多く、みんなが忙しそうにしているためできませんでした。校長など管理職の姿勢にも疑問をもったといいます。教員は「周りの先生も疲弊していた。助けてと思っても、みんなが助けてという状態だったので、その空気感がしんどかった。管理職は『ただ、はよ帰れよ』と言うだけだった。帰りたいけど帰れないと言っても関心がない。何でこんなに遅くなっているんやと聞いてもらえれば、よかった」と話していました。
専門家「国は職場の改善を」
教員などの公務災害に詳しい川人博弁護士は、「民間企業は採用後に一定の研修期間があるが、教員は採用されてすぐに担任となり、子どもや保護者との関係で責任を課せられることが多い。新人には精神的にも身体的にも過度な負担がかかっている」と指摘しています。

そのうえで、「学校の中には採用して1年間は研修期間と明確に位置づけて、担任を持たせない学校もある。国は新任教員の問題がどこにあるか課題を明確にして職場の改善を図る必要がある」と話しています。
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中学校長、パワハラで停職へ 新人教員2時間立たせ説教
2016年12月22日03時01分
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 愛知県豊田市の市立中学校長が複数の教員にパワーハラスメントをしたとして、愛知県教育委員会が停職1カ月の懲戒処分にする方針を決めた。22日に発表する。

 関係者によると、校長は7年ほど前、深夜の駐車場で、新人教員を約2時間立たせたままで説教したとされる。また、2014年12月には、仕事で飲み会に遅れて参加した別の若手教員たちの頭や尻をたたくなどの暴力をふるった。外部からの情報で把握した県教委が校長に事情を聴くと、「新任の教員だから厳しく指導した」などと説明し、パワハラではないと主張していたという。

 県教委はほかにも、女子児童の服を脱がせ、撮影をしたとして、9月に強制わいせつ容疑で逮捕された豊田市立小学校の男性教諭(52)を懲戒免職にする方針を決めた。

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http://www.asahi.com/articles/ASJDP6D75JDPOIPE020.html

 


シリーズ・教育ルポ

ある新人教師の死
分断され孤立化する学校現場

【前文】新採用の小学校教師が勤務校の教室で自殺した。赴任してわずか3週間だった。背景にはあまりにも忙し過ぎる職場環境がある。新任教師だけでなく、学校の教師の世界そのものが、増大する雑務と管理強化によって多忙をきわめている。自分のことで精いっぱいで、仲間や後輩の悩みに耳を傾けるだけの余裕がないのが実情だという。周辺取材から、分断され孤立化する教師たちの姿が浮かび上がってきた。
●衝撃●早朝から深夜まで多忙な勤務●

 学校に衝撃が走った。昨年(2005年)4月19日午前9時半ごろ、埼玉県越谷市の市立小学校の図工室で、4年生担任の男性教諭(22歳)が首をつって死んでいるのを校長が見つけて119番通報した。目立った外傷がないことなどから警察は自殺と判断した。

 越谷市教育委員会によると、1時間目の授業が始まっても男性教諭が教室に姿を見せないので、管理職や同僚が校内を探していた。この日は午後の5時間目に授業参観、続いて6時間目には保護者懇談会が予定されていたが、ほかの教師が代行した。

 男性教諭は同年3月に埼玉大学教育学部を卒業し、4月1日に同小学校に赴任したばかりだった。

 市教委学校課の山口竹美課長は、「18日間しか勤務していないので、自殺の理由についてはなんとも言えない。クラスでトラブルがあったなどの話も聞いていないし、本人から職場の人間関係や授業に関する悩みなども聞いていません」と話す。

 「男性には昨年3月に面接した時に会いました。すらっと背の高いスポーツマンで、受け答えのはっきりした好青年という印象が残っています。子どもたちの人気者になるだろうな、意欲に燃えて教師を志した念願がかなったんだなと感じました。4月8日の金曜日が入学式と始業式でしたから、子どもたちと接したのは実質7日もない。これからスタートという段階だったのですが」

 一方、地元の教師たちは「あの小学校でなければこんなことにはならなかったかもしれない」と指摘する。

 男性が赴任した小学校は、市内では「超多忙校」の一つとして有名だった。昨年3月までいた前任校長の方針で、とにかくやたらに行事が多い。日替わりで朝の全校マラソン、読書タイム、詩の発表会などがある。始業前のこうした行事の準備のために登校時間はどうしても早くなり、こなしきれない仕事は放課後に持ち込まれる。文部科学省の研究指定校の仕事を割り振られることもある。

 教師の負担はほかの学校の比ではなく、ベテランでも他校から異動してきて慣れるまでしばらく時間が必要だったという。新任教師にとってはなおさら大変だ。そんな方針は後任校長にも引き継がれた。

 新任教師はただでさえ忙しい。初めて経験するクラス担任と授業準備に戸惑いながら校務に追われ、年間300時間以上と規定されている「初任者研修」も並行して受けなければならない。指導案や研修レポートを週に何枚も書かされる。指導教官によっては何回も書き直しを命じられて、提出枚数は膨大な量になるという。日付けが変わる時間まで学校に残って仕事をすることもある。慣れない環境で、新人はかなりの負担を強いられることになる。

 同校に赴任した新任教師は、自殺した男性のほかに新卒の女性が1人。女性教諭は失敗して不安に感じることがあればその都度、職場の先輩に愚痴をこぼしたり相談したりしていた。だが、男性教諭が周囲に弱音を吐くことはほとんどなかったという。同僚の1人は、男性教諭が「きょうは眠れるかな」とつぶやくのを1度だけ聞いたことがあったというが、それ以外に男性から悩みや愚痴などを聞かされた人はいない。

 周囲の目はどうしても女性教諭に向きがちで、ベテラン教師が相談に応じたり面倒を見たりする対象となるのは、もっぱら女性だった。それとは対照的に、男性教諭については「彼は放っておいても大丈夫だろう」と思われていたらしく、同僚らがこれといってフォローすることはほとんどなかった。

 関係者の話では、男性教諭は指導案作りなどで毎晩遅くまで学校に残っていた。両親と一緒に住んでいる自宅には午後11時ごろ帰宅。夕食後も、自室で午前1時までパソコンに向かって仕事をしていた。朝は午前5時に起きて、午前7時過ぎには登校するといった生活が続いていたという。

 亡くなる前夜、1年先輩の教師が男性を車に同乗させて学校を出た。翌日の授業参観について「大丈夫か」と声をかけると、男性は「準備できています」と答えた。年齢の近いこの先輩や同じ新任の女性らと男性は、メール交換などをしていたといい、男性が職場で完全に孤立していたとまでは言えないようだ。

●評価●こういう状態ずっと続くのか●

 亡くなった当日は、学校の防犯警備システムが午前6時20分に解除されていることから、いつもより1時間ほど早く登校したようだ。それから自らの命を断つまで、男性教諭は何を考え、どんな思いで図工室に向かったのだろうか。職員室の男性の机の上には、授業参観の完璧な指導案が置かれていたという。

 自殺した男性教諭の大学の成績は、ほとんどが「優」の評価だった。教員採用試験の結果も、2004年度に採用された埼玉県の教員約600人のトップクラスだったという。

 埼玉県教育委員会は2004年度から、採用試験合格者のうち希望者(30人)をボランティアとして小中学校に派遣し、大学在学中の段階で現場を体験させる「インターンシップ制度」を始めた。自殺した男性教諭も参加したが、ここでも管理職らによる評価はとても高かった。県教委市町村教育課によると、「元気。真面目でさわやか。熱意に満ちている」などと報告されていたという。

 「教育委員会がモデルにしたいようなピカイチの新人で、太鼓判を押されて採用された。『期待しているので頑張ってほしい』と県教委幹部から激励されていたとも聞いていますよ。それだけに、赴任してたった3週間で、しかも学校で自殺してしまったのだから県教委は真っ青になった」

 埼玉県内の教育事情に詳しい大学関係者はそう解説してから、「ただ、県教委の考える『優秀な人材』とはどんな人材なのか。そこは疑問に感じる。成績がよくて、要求されたことをそつなくこなすのが優秀だとしたら、人間観察の観点がずれているのではないか」と付け加えた。確かに、教師に向いている人材や教師になってもらいたい人材は、学校の成績や事務処理能力とは無縁だろう。

 「『期待されている』ことが大きなプレッシャーになっていたのだろうか」と推測する人がいる。また、「周りの人に相談できず、自分ですべてを背負い込んでいたのかもしれない。朝早くから夜遅くまで黙々と働くうちに展望を失って虚しくなってしまったのか」「優秀だっただけに見切りをつけてしまったのかな」などと分析する人もいる。「悩みを打ち明ける余裕さえなかったのかも」──。関係者の間にはいろいろな憶測が今も飛び交う。

 それにしても、赴任してわずか3週間で精神を病んで、自殺することはあるのだろうか。埼玉県内で教職員の健康診断や勤務状況調査を続けている埼玉協同病院の内科医・清水禮二さんは、「十分にあり得る」と言う。

 「極度にストレスが集中して緊張した状態に置かれれば、短期間でも精神的に追い込まれる。夢があって教師になったのに壁を乗り越えられなければ自殺することはあります。兆候は必ずあるはずだが、同僚が自分の仕事に追われて余裕がなければ気付かずに見過ごされてしまうでしょう。学校の先生は疲れ切っている人が多いですから」

 ほかの学校でも、新任教師が精神的に追い込まれることは十分にある。

 遺書は見つかっていない。家族や同僚にもメッセージなどは残されていない、とされている。しかし、職員室の男性教諭の机を整理している際に同僚が見つけた大学ノートには、「こういう状態がずっと続くのかな」という走り書きが残されていたという。複数の同僚がこの走り書きを目にしているが、市教育委員会は「そのような大学ノートの存在は把握していない」としている。

●同僚●自分のことだけで精いっぱい●

 男性教諭はなぜ自ら死を選んだのか、何を訴えたかったのか。自殺の原因や真意を確かめるすべはない。

 けれども、「周りがもっとサポートしていれば」という思いや、「とにかく忙しい。ベテラン教師に後輩の悩みを共有してフォローする余裕がない」といった学校現場の実態を訴える声は、多くの教師や大学関係者が口にした。

 社会経験などほとんどなく、子どもや親とのコミュニケーションも満足にできず、不安でいっぱいの新任教師。「あなたがこの教室のすべてを仕切る先生です」と言われて放り出されても、戸惑うばかりだろう。

 そういう時に相談に乗って愚痴を聞いてくれるのが、先輩や同僚の教師仲間だったはずだが、そうした「バックアップ体制」がおかしくなっている。教師同士で悩みを共有してフォローし合う関係が崩れてきている。仲間の話に耳を傾けるどころじゃない。仕事を山のように抱え、管理強化に翻弄され、自分のことだけで精いっぱい。教師集団がバラバラにされているのが今の学校だというのだ。

 まず、書類の量が格段に増えた。学級経営方針、全教科の年間指導計画、週案(1週間の授業計画案)などの作成はもちろん、研究発表授業の準備もしなければならない。

 行事があったりトラブルが起きたりすれば、勤務時間内にはとてもではないが仕事は片付かない。放課後の会議に出席し、その後にテストや宿題の採点をして、指導案を書き、次の日の用意をしていると、午後8時や9時になるのは当たり前だ。日付けが変わることもある。朝も早くから学校に来なければならない。教師は疲弊している。授業の準備や教材研究、子どもたちとのスキンシップがおざなりになってしまうのが心配だと教師たちはこぼす。

 職員会議は議論する場ではなくなり、上意下達の場になってしまった。「人事考課」制度の導入は管理強化と教師集団の分断を促した。教職員組合の弱体化は、仲間に無関心な職員室に拍車をかけた。現場で支え合う体制は瓦解し始めている。教師の共同体をつくっていくのは時間がかかるが、壊すのはあっという間だ。

 男性が亡くなった越谷市の小学校では、「新任は毎朝掃除してみんなの机の上を拭くように」という不文律があったが、男性の死後、「よくないからやめよう」ということになった。女性の新任教師の負担はかなり軽減されたようだという。

 校長は、教師たちに「早く帰るように」と言い出した。休み時間を確保しようとの試みも始めた。

 しかし、日替わりで用意されているいくつもの行事が減らされない限り、仕事量は同じだから教師の負担は変わらない。早く下校する分、仕事を自宅に持ち帰って片付けることになる。それでも、男性の自殺を契機に、忙しすぎる学校の状況をなんとか変えようと考え始めた空気を、同校の教師たちはほんの少しだけ感じている。

●悲鳴●ストレス抱えて「心の病」急増●

 東京都教職員互助会が運営する三楽病院(千代田区)は、東京以外の広範囲の地域からも教職員の受診者が多いことで知られるが、新任教師が心や体に変調を訴えて受診するケースが最近目立っているという。社会経験が乏しい若手教師が、多忙で困難な仕事に直面してストレスで登校できなくなるようだ。また若手だけでなく、さまざまなストレスを抱えて「心の病」にかかる教師は年齢にかかわらず、全国的に急増している。

 同病院の精神神経科部長の中島一憲さんは、「指導教官や管理職とうまくいかないなど、職場の人間関係に問題があるのが若手教師の特徴だ」と分析する。

 「本人にコミュニケーションの力が足りない人が多いが、学校現場が忙しくなっていることも背景にある。指導教官の側にもじっくり教えてあげる余裕がなくなっています。職員室で話を聞いてあげる立場の先輩の方が疲れてしまって、後輩にかかわってあげることができない。学校現場でコミュニケーションの断絶が進んでいるんです」

 さらに、保護者からの一方的な苦情や批判が増えていることも、教師のストレスの要因として指摘した。

 「子どものことを考えて生徒指導しているのに、保護者から一方的に誹謗中傷されて孤立化し、うつ病で休職する教師も少なくありません。保護者には家庭でやるべきしつけを学校に押しつけてくる人や、対話のできない人もいる。子どもの前でも平気で教師を馬鹿にする親もいます。教師と保護者の人間関係が一方通行な上に、中には校長が教育委員会の指示を教師に伝えるだけになって、教師の裁量はどんどん減っている。ストレスは増えるばかりです」

 もちろん、理不尽で非常識な「無理難題」を突き付けてくる保護者ばかりではない。常識的なコミュニケーションがとれる親もいるし、納得できる批判をする親や信頼関係が築ける親も多い。だが、エキセントリックでヒステリックな迫り方をする保護者は確実に増えている。

 「教師が親たちのストレスのはけ口の対象になっている。文句を言って教師を追い詰めていく。特に若い教師に対する親たちの目が厳しい」と現場教師は嘆く。

 文部科学省のまとめによると、2004年度に精神性疾患で休職した全国の公立小中学校・高校などの教員は3559人で、前年度と比べて365人増加。すべての病気休職者に占める精神性疾患休職者の割合は56・4%で、前年度と比べ3・3ポイント上昇している。

 こうした保護者の意識変化を反映してか、新任教師自殺のニュースが報じられた直後、インターネットの掲示板には次のような情報が書き込まれた。

 「クラスで子ども同士のトラブルが起きた。担任の対応がおかしいと双方の親が学校に怒鳴り込んだが紛糾した。同僚や管理職は放置し、授業参観と保護者懇談会の日を迎え、対応に窮した担任が教室で首をつった」──。

 インターネット上に無責任な情報が乱れ飛ぶ中、こんなストーリーがまことしやかに流され、さらに大学や教職員組合などの関係者の多くも、この「物語」を信じて疑わなかった。関係者への取材をいくら重ねても、この「物語」を裏付ける証言は一つも出てこなかったことから、これは根も葉もない憶測だと判断する。しかし見事なまでに、最近の教師と保護者の関係を図式化したストーリーだったからこそ、多くの人が信じ込んだのだろう。

●育成●新人教師の「居場所」目指す●

 埼玉県川越市内の公民館。毎月1回、午後6時半を過ぎると、採用されて1年目〜2年目の新人教師が集まってくる。中には、臨時採用教師やこれから教員採用試験を受験する大学生もいる。「大学教育と学校現場の橋渡しの場に」と2004年4月に始まった自主サークル「教育実践研究会」だ。

 指導するのは、朝霞市立朝霞第2小学校教諭の増田修治先生(47歳)。埼玉大学教育学部で非常勤講師としても教えている。「若い教師たちの救いの場になれたらいい。トラブルがあるのは当然なんだよ、悩みを聞いてあげるからおいでよ」。そんな思いで研究会を立ち上げた。

 「越谷市で起きた新任教師の自殺は他人事ではない」と増田先生は思った。「教師1人の命はこんなに軽視されているのか、若い教師がなぜ追い詰められたのか、教師の世界がバラバラにされている」と感じたという。

 増田先生は「教師を育てるには昔の徒弟制度みたいなものが必要だ」と話す。

 「教育っていうのは、ていねいに話をして分かってもらう仕事なんですよ。新人教師を育てるのも同じです。一般論的なことを言ってもダメ。直面している問題について具体的に語って初めて分かる。手取り足取り、1人1人に合った言葉で説明されてその人の胸にストンと落ちるんです」

 研究会はまず、参加者の近況報告から始まる。そして、それぞれのクラスや子どもたちの様子を書いてきた詩の読み合わせをして、全員で検討する。言葉に敏感になって、自分の言葉で具体的に表現することで、子どもたちを見る目を養うことにつながる。それが教師自身の成長にもなる。

 教師1年目の女性は、落ち着きがなく暴力をふるうクラスの子どものことで悩んでいた。エスカレートする子どもの行動に、どう対応すればいいのか分からなくなった。そんな様子をリポートした。

 「隣の先生や教頭に怒ってもらったことで、この先生は怒ることもできない先生だと思われたんだよ。でもこの子は掲示物を破いても、友達の作品は破かない。荒れている行動の中から、その子の光っている部分を見つけ出すことが必要だよ」と助言する増田先生の言葉に、新任の女性は自信とやる気を取り戻していく。

 校長からは「甘い」と叱責され、荒れる子どもには蹴られたり噛みつかれたりする毎日。「だれも分かってくれない」と辛くてたまらなかったが、研究会で仲間に話を聞いてもらい、増田先生にアドバイスしてもらうことで、余裕が出てきたという。子どもも心を開いてくれるようになった。

 「学校だと、みんな忙しそうだから聞いたら悪いかなと思う時もあるけど、研究会では子どもたちのことで悩んでいる話や愚痴を気軽に聞いてもらえるし、冷静な視点で、なるほどなと納得できる鋭い助言もしてもらえる。子どもにどう接したらいいか、という方向性が見えてきて、教師としてレベルアップしたように思います。自信がつきました」

 持ち寄った実践リポートの報告や検討も、研究会の重要なメニューだ。

 教師2年目の男性は、学級通信の取り組みについて報告した。決して上手ではないが味のあるイラストが描かれた学級通信が、全員に配られる。増田先生はディスカッションを整理しながら、「どうして子どもたちはこの学級通信を読みたがるんだろう。緻密でないところがいいんだよな。通信を通じて、子どもたちは友達に対する新しい発見がある。子どもと先生が紙面から感じられる。頑張ることを強要していないのに頑張る気にさせるよな。共有関係をつくり出しているんだよ」とアドバイスした。参加者はうなずきながら、熱心にメモをとる。

 増田先生は、参加者の教師を決してけなさない。いいところをすくい上げるように評価してほめる。その上で、「こういう視点を持てばもっと豊かになるよ」と具体的に助言する。その一言で、悩みや不安を抱えていた新人教師の顔は明るく輝く。

 「聞いてもらうことのうれしさを、まず教師自身が体得するのが大事だと思うんです」

●行政●「もの言わぬ教師」広がる?●

 だから増田先生は、教育委員会の初任者研修を「型にはまった教師をつくり出していく」と批判する。

 「初任研では、いかに教師として力がなくてダメか、新人を徹底的にけなして指導する。そして、『ずいぶん力がついたじゃないか』と教育委員会の方針に沿った教師像を植え付けていくんですね。そんなやり方でまともな教師が育つわけがない」

 埼玉県教職員組合の贄田教秋書記長は、「必要な研修はすべきだろうが、授業や教室の中で力量を高めるような工夫こそ大事なのではないか」と指摘する。

 「そもそも教師の仕事というのは、子どもに始まって子どもに還るものです。新任教師は子どもたちと触れ合って体温を肌で感じ、失敗しながら現場で学んでいくべきなのに、初任者研修によって現場から離れてしまう。形式的な指導案を書かされ、校長や指導教官の検閲を受けて、パターン化された教師になってしまうのが心配です」

 しかも新任教師の身分はきわめて不安定だ。採用1年目は「条件付き採用」とされ、勤務態度や適性などに問題があれば、採用を取り消されることもある。このような「仮採用」が1年間も続くのはおかしいのではないか、採用取り消しを恐れて「もの言わぬ教師」が広がるのではないか、と教職員組合などは批判する。

 また、大学在学中に現場を体験させる埼玉県教委の「インターンシップ制度」に対する疑問の声もある。「新任教師をフィルターにかけて、教育委員会や管理職の言うことを素直に聞くかどうか査定し、従順でない者のチェックや排除に利用されかねない」と心配するのだ。2005年度は前年度よりも参加枠を広げて、80人に増やしている。

 埼玉大学の教授の1人は、「新任教師に即戦力を求めることがおかしい」と県教委の姿勢に疑問を投げかける。

 「最初から上手くできる教師なんかいませんよ。失敗しながら、おろおろしながら、怒られながら、現場で育てられてベテランになっていくのが普通でしょう」

 ところがさらに踏み込んで、採用前の段階から教育委員会が独自に「実践的指導力」のある教師を養成する動きが進んでいる。東京都は、大学4年生(公募100人)を対象にした「東京教師養成塾」を2004年度にスタートさせた。市区町村レベルでは、東京都杉並区が社会人や大学生(同30人)を対象に「杉並師範館」を今年(2006年)4月にスタートさせる。

 杉並師範館は、「気高い精神と卓越した指導力」を持ち、「わが国の歴史や伝統を尊重し、ふるさと杉並や日本を大切にする教師」を育てるとしている。教育のプロや経済界のトップを講師に迎え、1年間にわたって学ばせてから杉並区の小学校教諭に採用する計画だが、現場は「これでいい教師が育つのか」「教育行政に疑問を持たない教師がつくられる」と懐疑的だ。「教育が政治の道具に使われている」と批判する管理職もいる。

 自分の教室で生身の子どもたちとぶつかって試行錯誤してこそ、教師は一人前に成長する。先輩や同僚が助言し合い議論することで、教師集団は「問題を共有する」ことにもなる。「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」の真骨頂だが、そのためには、職場の仲間と語り合う時間と自由な雰囲気が欠かせない。今の学校現場が最も必要としているものだろう。

 教師が授業と子どもたちに専念するためには、自由でおおらかな職場環境が必要だ。教育行政と管理職のやるべき仕事は、教師が仕事をしやすいような「環境整備」をすることではないだろうか。

初出掲載(月刊「世界」2006年4月号)

=雑誌掲載時とは表記や表現など一部内容が異なります。

 【メモ】このルポルタージュは、単行本「教育の自由はどこへ/ルポ『管理と統制』進む学校現場」(現代人文社)に収録されています。
(C)池添徳明(いけぞえのりあき)2006年

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[経世済民117] 「世界一幸福な国」をめぐる誤解 ブータンで今起きていること 貧富の差の拡大や失業率の上昇、農村の過疎化 少年犯罪の増加

2016年12月24日 dot.
「世界一幸福な国」をめぐる誤解 ブータンで今起きていること

「世界一幸福な国」と呼ばれることもあるブータン。彼の地ではどのような生活が営まれているのか
 活気に満ちた街並みだった。盛んに行き交う自動車。忙しそうにスマートフォンを操りながら歩く人。ヒップホップ風のファッションで仲間とじゃれ合う若者たち。そんななかに伝統衣装の「ゴ」や「キラ」を身に着けた人の姿もある。ここはブータン王国の首都・ティンプー。同国における最大の都市だ。

 GNH(国民総幸福)という、国民の幸福度を測る尺度が国家運営の柱に据えられているブータンは、「世界一幸福な国」「現代最後の秘境」といった名で日本でも知られている。それゆえに牧歌的で、不安やストレスとは無縁の「桃源郷」のような国というのが、多くの日本人の抱くイメージではないだろうか。実際、記者もそう考えていた。

ブータンは意外と普通の国

 たしかに、ブータンには日本では見ることのできない風景が溢れている。

 例えばティンプーは電気式の交通信号機がない世界でも珍しい首都。中心部の、ある交差点の中央には小屋が設置されており、常駐する警察官が手信号で車の往来を監督している。これが国内唯一の「信号」で、その見事な手並みはしばらく眺めていても飽きない。少なくとも旅人にとって、ブータンが魅力的な国であることは確かだ。

 けれど、世界一幸福なのか、と問われると言葉に詰まる。ほほえみを浮かべながら道をゆく人もいるし、多くの人は親切だ。だが、終始しかめっつらで雑貨を売るおばちゃんや肩をいからせながら人ごみを押しのけて歩く人もよく目にする。日が落ちた路地裏にはぎらぎらした目つきの男たちがたむろし始めるし、記者が宿泊していたホテルの目と鼻の先では、現地人同士の喧嘩の現場検証をする警察官にも出くわした。

 つまり、幸せもあれば苦悩もある、普通の国に見えるのだ。

 記者をガイドしてくれた現地人男性に、「あなたは幸せですか?」と単刀直入に聞いてみると、どこか歯切れ悪そうな言葉が返ってきた。

「ブータンを訪れた旅行者からよく聞かれる質問です。幸せかそうでないかと聞かれたら、幸せだと思います。ただ、ブータンがGNHを重視しているのは、GDP(国内総生産)ではほかの国から大きく後れをとっているからで……」

 後れをとっているから何なのか。彼はそこで言葉を濁し、多くを語らなかった。滞在中、複数人のブータン人に同様の質問を投げかけたが、結局納得のいく結論を得られぬまま彼の地を後にすることになった。

ブータンは本当に「幸福の国」なのか

「そもそも、ブータンが『世界一幸福な国』というのは誤解です」

 長年ブータンを研究してきた早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター助教・平山雄大氏はそう指摘する。

「正しくは『世界一幸福な国を目指している国』。その目標を実現するための政策の柱がGNHで、幸福というイメージが独り歩きしてこうした誤解が生じたのだの考えられます」(平山氏)

 1970年代に当時のブータン国王によって提唱されたGNH。物質的な豊かさのみではなく、精神的にどれほど充足しているかを示すこの指標は、当時国際社会との交流を開始したばかりのブータンにとって国家のアイデンティティーの萌芽になり得るものだった。

 現在でもブータンの名目GDPは約20億ドル(2015年、国際通貨基金による)。調査対象となっている189ヵ国中166位と、世界でもかなり貧しい国のひとつであり、GDPが支配的な評価基準となっている国際社会で存在感を示すには、それ以外の尺度が必要だった。とはいえ2010年にブータン研究センター(現ブータン研究・GNH調査センター)が行った調査ではブータン国民の幸福度は6.1(0を「とても不幸」、10を「とても幸福」とした11段階評価)。日本の6.6(2012年、内閣府による)と比較しても、突出して幸福といえるわけではないのだが。

ブータンは「実験国家」だった

 ではブータンの現状とはどのようなものなのか。先の平山氏は「多くの国がそうであるように、貧富の差の拡大や失業率の上昇、農村の過疎化など、さまざまな問題が山積している」という。なかでも問題視されているのが少年犯罪だ。

 ある現地人男性は「傷害や窃盗などに手を染める若者が増えた。10年前まではほとんど考えられないことでした。インターネットやスマートフォンの普及で海外の映画やドラマを見る若者が増えたからともいわれます」と語っていた。

 ブータンの統計局が発行している年鑑には、少年犯罪に限定されたものではないが、確かに犯罪件数の上昇が見られる。例えば、2014年の資料に掲載された2008年と2013年の犯罪件数を比較したグラフ。窃盗等は436件から786件、傷害等は440件から644件、強盗等は310件から486件となっており、確かに治安悪化の兆候はあるようだ。

「海外メディアの影響」という観点ならば、平山氏からこんな話を聞いた。

「2009〜2012年ごろ、ブータンの若者の間では日本の映画『クローズZERO』がブームになり、感化された若者が徒党を組んで乱闘をするのがちょっとした社会問題になりました。一部の学校では、『クローズZERO』の視聴を禁止するお触れが出されたといいます」

 このようにさまざまな社会問題に直面するブータン。平山氏が語るには、その原因はこの国が今まさにターニングポイントにあるためだという。長らく隣国以外の外部社会との繋がりが希薄であったブータンが国際社会との交流を本格的に始めたのは1970年代。それを契機に始まった近代化のスピードは、ほかの国々が経験したものとは比較にならない。

「例えば、ブータンで携帯電話サービスが始まったのは2003年です。2015年の携帯普及率は約87%ですが、これは圧倒的な変化といえます。現在ブータンが抱える社会問題は、こうした急速な社会変化によるゆがみなのです。非常にわかりやすいのが教育分野。少し前まで高校に進学する人は全体の半分にも満たなかったのに、現在の高校就学率は80%近くに及んでいます。さらに、大学進学率も急速に伸びている。しかし、ブータンにはいわゆるホワイトカラーの仕事が少なく、高学歴の若者は肉体労働を嫌がるため、仕事をしていない者がとても多い。つまり教育制度の整備と労働市場の実情が噛み合っていないわけです。こうした現象がさまざまな分野で見られます」(平山氏)

 だが、こうした状況においても平山氏はブータンに希望を見いだす。

「もともとブータンが近代化を志向した背景には、北に位置する中国、南に位置するインドのプレッシャーがありました。20世紀半ばから後半にかけて中国がチベットを侵攻、インドはブータンの西にあったシッキム王国を併合しており、ブータンの為政者は『ブータンとしてのアイデンティティーを打ち出していかなければ、国がなくなってしまう』という強い危機感を抱いたはずです。その打開策の終着点のひとつがGNHだった。国家ブランドの確立という観点では非常によく考えられており、実際にある程度の成果を収めています。そういう意味ではブータンは“実験国家”なのです。かつて中国とインドという脅威から生き延びたように、現在抱える社会問題に対しても何らかの打開策を打ち出せるのではないか。この国にはそう思わせる力があります」

 ブータンの街を歩けば必ず目にする「ゴ」や「キラ」といった伝統衣装も、数十年前まではきちんと着る者はそれほど多くなかったという。しかし、国家のブランディングを模索する過程で、国王の号令によって公共の場所での着用が義務付けられるようになった。こうしたしなやかな国家運営やそれに順応できる国民性は世界でもなかなか類を見ない。この国なら本当にいつか世界一幸福な国になれるのでは……そんな期待を抱かずにはいられないのだ。

(ライター・小神野真弘)

※dot.より転載
http://diamond.jp/articles/-/112383?

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[経世済民117] コラム:2017年のブラックスワン、3つの有力候補=唐鎌大輔氏  
コラム:2017年のブラックスワン、3つの有力候補

唐鎌大輔みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
[東京 24日] - 2016年を振り返ると、まっとうと思われた予想がことごとく空振りに終わる年でもあった。そこで、各種市場の見通しは諸賢の論考に任せるとして、筆者は「あり得なさそうだが心配なこと」に思索を巡らせてみたい。

事前予測がほとんど不可能であり、発生時の衝撃が極めて大きい事象を「ブラックスワン」と呼ぶが、本稿のテーマは極論すれば「2017年のブラックスワンはどこに現れそうか」ということである。

列挙していけば枚挙にいとまがないため、今回は米国、欧州、アジアから1つずつ筆者の思いつくシナリオを紹介してみる。

<第2次プラザ合意でドル安加速>

まず、米国に関しては何が言えそうか。トランプ大統領誕生自体がブラックスワンだったため、同氏の執行する政策全てが混乱の種になり得るのは間違いない。

為替相場の観点から言えば、米次期政権の通貨外交がドル安への忌避を隠さずに、通貨の低め誘導を図ってくる展開は警戒せざるを得ない。しかし、それらはブラックスワンというほどのものではなく、現実的に警戒すべきリスクだろう。

トランプ次期大統領の下での通貨外交に関し、ブラックスワンを想定するとした場合、それは「国際協調を絡めたドル安誘導」まで希求し始めるような展開かもしれない。極端な話、第2次プラザ合意を模索するような動きだ。

今年11月時点でドル相場は名目実効相場で見て2002年11月以来、約14年ぶりの高値をつけている。今年、ドルは円に対して大きく下落したものの、実はドル相場全体としてはほとんど下がっていない。言い換えれば、円以外の通貨に対する上昇余地はすでに相当限られている。

例えば、トランプ次期大統領が通商上、目の敵にするメキシコのペソは対ドルでの史上最安値を断続的に更新している。このような状況がさらに極まっていくことを同氏は許すだろうか。

かかる状況下、2017年を通してドル高が続いた場合、米国は基軸通貨としての影響力を行使することを選ぶかもしれない。多くの人は忘れているかもしれないが、今年2月に中国・上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に関し、事前には第2次プラザ合意への思惑があったし、事後には「暗黙の上海合意」に対する観測報道が材料視されドル全面安となった。

現在のドル相場はその当時よりも高水準にある。ドル高が続けば、中国を筆頭とする新興国で資本流出が加速し、混乱が起きる。だからこそ、そのような国際協調の必要性がささやかれたはずだ。今後もドル相場の上昇が続くとしたら、同種の観測が浮上する可能性はあろう。

足元ではトランプノミクスをレーガノミクスと重ね合わせる向きが散見されるが、今起きていることが本当にレーガノミクスの再現ならば、行き着く先はプラザ合意だ(1985年に日米欧はドル安誘導で合意)。第2次プラザ合意を、2017年のブラックスワン候補として用心するに越したことはない。

<英国がEU離脱方針を撤回>

2017年については「トランプの年」との下馬評が目立つ中で、同時に「欧州政治の年」との声も多く聞かれる。17年のスケジュールを見ると約3カ月に1回、欧州連合(EU)の大国で総選挙が実施されるイメージだ。

特にイタリアで総選挙が実施された場合、反EU政党である五つ星運動率いる勢力が政権を奪取する可能性が現実的に見え始めており、その場合はユーロ離脱を問う同国の国民投票まで視野に入れたリスクオフ相場に至る可能性がある。しかし、これらも市場参加者の警戒の範疇に入る事象であり、ブラックスワンと呼べるほどの展開ではない。

欧州政治に関するブラックスワンを想定するとした場合、英国のEU離脱(ブレグジット)方針が撤回される可能性に注目したい。英国からEUへの離脱通知に関し議会承認が必要との司法判断が示されて以降、ブレグジットをめぐるスケジュールには不透明感が強まっている。今後、議会の採決が得られなければ解散総選挙を経て「今一度、民意を問う」という可能性はゼロではない。

その場合は離脱に対する国民の意思表示を再確認する意味が込められようが、果たして国民投票と同様の結果(離脱)が得られるのかは定かではない。また、仮にメイ英首相が宣言した通り、2017年3月までに離脱通知が行われたとしても、協議が思うように進まないことを受けて、双方合意の上で離脱方針の撤回へ傾くという流れもないわけではない。

リスボン条約50条に基づく離脱通知は不可逆的との理解が通説だが、実際にはそのような明記はない(少なくとも再加盟に関する記述はある)。双方納得すれば、撤回は可能という展開もあり得る。

何より、2017年に大国で総選挙が相次ぐことを踏まえれば、欧州委員会を筆頭とするEU政策当局にとってブレグジット方針は「揺らげば揺らぐほど良い」というのが本音だろう。

むろん、国民投票で示された意思表示は簡単に覆されることはないというのがメインシナリオだが、投票後のばたつきを見ていると、離脱方針が本当に遂行されるのか不安に思うこともある。なお、ブレグジット方針が撤回された場合、リスク許容度の改善から円売りが加速する可能性が高い。

<中国人民元相場のフロート化>

アジアに関してはやはり中国経済、特にその通貨政策にまつわるブラックスワンを警戒したい。過去1年間を振り返れば、米金融政策の正常化を受けて新興国から資金が流出、特に中国ではこれに応じて人民元相場の切り下げが行われた。

現状の中国の通貨政策は「基調としては元安を追求しつつ、断続的な元買い介入によって急落は避ける」という軟着陸を意識した運営が続いている。資本流出が落ち着くまで、こうした対応でやり過ごしたいというのが本音と推測される。

今年の中央経済工作会議で公表された金融政策のスタンスが「慎重かつ中立的」へと、わずかながら引き締め方向に調整されたのも、米中金融政策格差に応じた資本流出に一定のブレーキをかけたいという思いの表れと見受けられる。

だが、漸進的なアプローチを放棄し、一気に完全変動相場制(フロート化)に踏み切るリスクもゼロではあるまい。昨年来続く外貨準備の減少は、切り下げを経てもまだ市場が「あく抜け」に至っていないことの証左でもある。

仮に現時点で為替介入の手を止めれば、人民元相場は急落するだろう。市場心理に歯向かうような為替誘導を続ける限り、その代償として外貨準備は確実にすり減っていく。現状の外貨準備は約3兆ドルと市場の元売りに立ち向かい続ける「弾薬」はかなり潤沢だが、減少が続く以上、どこかで投機アタックの可能性が浮上する。

もし中国が将来的にフロート化したいのであれば、潤沢な外貨準備とともに十分な防衛力を備えている今が決断の好機だ。国際金融大国を志向する以上、追い込まれてフロート化させられるパターンを中国は望まないはずだ。一度下げたいところまで下げさせれば、痛みは急性的でも一時的なもので済むと思われる。

しかし、昨年8月や今年1月のケースを振り返れば分かるように、人民元の大幅切り下げは中国経済への極度の不安をあおり、株や商品などのリスク資産が軒並み底割れするような展開を招く。むろん、そのような展開はメインシナリオではないが、2017年のブラックスワン候補としては検討する価値があるように思える。

*唐鎌大輔氏は、みずほ銀行国際為替部のチーフマーケット・エコノミスト。日本貿易振興機構(ジェトロ)入構後、日本経済研究センター、ベルギーの欧州委員会経済金融総局への出向を経て、2008年10月より、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)。欧州委員会出向時には、日本人唯一のエコノミストとしてEU経済見通しの作成などに携わった。2012年J-money第22回東京外国為替市場調査ファンダメンタルズ分析部門では1位、13年は2位。著書に「欧州リスク:日本化・円化・日銀化」(東洋経済新報社、2014年7月)

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)
 

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http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/181.html

[経世済民117] 異例のトランプ氏なら打破できるか−共和党政権下でのリセッション トランプ氏安保側近、ソ連KGB関係で罪歴ある人物の会社と
異例のトランプ氏なら打破できるか−共和党政権下でのリセッション
Rich Miller
2016年12月26日 06:58 JST

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日本株は3日続落、米雇用に不透明感−景気敏感や金融セクター安い
第2次世界大戦後に就任した共和党出身の米大統領、1回は経験
民主党政権は実績で勝るが、運による部分も

来年1月20日の就任の準備を進めるトランプ次期米大統領にとって、ありがたくない「都市伝説」がある。第2次世界大戦後に就任した共和党出身の大統領は在任中に少なくとも1回はリセッション(景気後退)を経験するというものだ。
  もちろん俗に言うように、過去のパフォーマンスは必ずしも将来の結果を指し示すものではなく、トランプ氏は在任中に景気の落ち込みを回避できるかもしれない。
  だが、現行の景気拡大局面は間もなく過去3番目の長さを記録する方向で、トランプ氏がホワイトハウスにいる間にリセッションに見舞われるリスクをたやすく否定することはできない。

  米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の世界経済アドバイザー、ヨアヒム・フェルズ氏は今月12日付のブログでリセッションについて、「共和党の大統領はどうやら避けることができないようだ」と記した。

  民主党出身の大統領の場合、事情は違う。オバマ大統領は、ジョージ・W・ブッシュ前政権から引き継ぐ形で、政権発足当初6カ月はリセッションの辛酸をなめた。ケネディ大統領の就任直後に米経済はリセッションを脱した。カーター大統領とトルーマン大統領の在任中に米経済はリセッション入りしそれから脱却した。
  それでも、1960年代のジョンソン政権と90年代のクリントン政権の下ではリセッションはなかった。

  クリントン政権時に大統領経済諮問委員会(CEA)メンバー、連邦準備制度理事会(FRB)副議長などを務めた米プリンストン大学のアラン・ブラインダー教授は、学会誌アメリカン・エコノミック・レビューに今年掲載された同僚のマーク・ワトソン教授と共同執筆の論文で、「大統領が共和党出身であるよりも民主党出身である場合の方が、米経済のパフォーマンスは良好だった」と指摘した。

  しかし、両教授によれば、こうした違いは民主党政権下での一段と拡張的な財政政策や緩和的な金融政策によるものではない。むしろ、石油ショックの影響がより穏やかだったことや、もっと良好な国際環境、生産性向上をもたらす技術進歩、より楽観的な消費者といった要因によるものだという。こうした相違点の一部はより良い政策によって説明できるかもしれないが、運による部分もある。

  PIMCOのフェルズ氏は、歴代の大統領がリセッションを回避したり、逆にそれを招いたりする能力を過大評価すべきでないと警告する。結局、景気の浮沈は連邦準備制度が金利変更を通じてもたらすケースが多い

  トランプ氏は選挙戦で、自身の計画によって年率3.5%の成長を実現すると公約した。これは現行の景気拡大局面の2.1%を大きく上回るものだ。ただ、共和党政権下のリセッションをめぐる記録を否定することはできない。異例づくめの次期大統領として、トランプ氏が成功を収めるには、これも打ち破らなければならない同党のもう一つの「伝統」なのかもしれない。
原題:Trump Needs to Thwart Recession-Prone History of GOP Presidents(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-25/OIKQFP6TTDS701


 


トランプ氏安保側近、ソ連KGB関係で罪歴ある人物の会社とビジネス
David Kocieniewski、Peter Robison
2016年12月26日 07:27 JST

国家安保問題担当補佐官に起用のフリン氏、ブレインウェーブと協業
ブレインウェーブの共同創業者、バイオ資料を偽装工作員に売却

トランプ次期米大統領が国家安全保障問題担当補佐官に起用したマイケル・フリン氏は、ボストンのブレインウェーブ・サイエンスというテクノロジー会社と今年ビジネスで提携した。この会社を共同経営するスブ・コタ氏はかつて、盗難されたバイオテクノロジー関連の資料をソ連国家保安委員会(KGB)に売ろうとしたとして、有罪判決を受けている。
  スブ・コタ氏はソビエト崩壊前にソ連の工作員に偽装した米連邦捜査局(FBI)の捜査官に資料を売ったとして、1996年に有罪を認めた。ブレインウェーブ・サイエンスは同氏を含む2人で取締役会を構成する。数年に及んだ米連邦裁判所での審理で検察側が提示した証拠は、コタ氏が1985年から90年にかけ、KGBの工作員と繰り返し会い、米国のミサイル防衛技術をソ連に売る数十万ドル規模のスパイ活動に関わったとしている。同氏はスパイ活動への関与を否定。ただ、バイオテクノロジー関連の容疑で有罪答弁に応じ、軍用ヘリコプターのスケッチを共同被告人に売ったことを認めた。この共同被告人は後に、KGBの工作活動に関与していたとして有罪判決を受けた。
  フリン氏は30年以上の軍歴を経て、米国防情報局(DIA)の局長になったが、政策に関する見解の不一致でオバマ大統領に2014年に解任された。同氏は民間コンサルタント会社、フリン・インテル・グループ(FIG)を創立し、サイバーセキュリティーや国防請負の分野で複数企業とのビジネスに携わっている。同氏はこの春、ブレインウェーブ・サイエンスとの協業を開始した。
  フリン氏はロシアとの緊密な関係を広く批判されている。この1カ月、同氏にインタビューを申し込んでいるが、応じていない。トランプ氏の政権移行チームでスポークスマンを務めるジェイソン・ミラー氏は、フリン氏はコタ氏と会ったことも、話をしたこともなく、ブレインウェーブ・サイエンスとの関係はすでに終わっていると電子メールで述べた。
  一方のコタ氏は22日の電話インタビューで、同氏に対する訴追およびKGBとの関わりを誤解だと表現。ロシアのスパイに偽装した米連邦捜査官にバイオテクノロジー関連の資料を売却したことは認めたが、これは特許紛争に関するものであり、スパイ活動ではないと述べた。
原題:Trump Aide Partnered With Firm Run by Man With Alleged KGB Ties(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-25/OINBS96VDKHW01

http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/197.html

[経世済民117] 超長期債が安い、日銀オペ通知なしで売り圧力−金利抑制姿勢が支え 日銀:国債購入額めど削除は誤ったシグナル 
超長期債が安い、日銀オペ通知なしで売り圧力−金利抑制姿勢が支え
三浦和美
2016年12月26日 07:56 JST 更新日時 2016年12月26日 11:28 JST

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新発20年債利回り0.575%に上昇、新発10年物は取引成立せず
超長期オペ、月内6回の必要はないと思う−岡三証

債券市場では超長期債相場が安い。日本銀行が午前の金融調節で長期国債の買い入れオペを通知しなかったことを背景に、目先の買い材料に乏しい展開となっている。
  26日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前営業日比4銭安の149円84銭で取引を開始し、一時は149円81銭まで水準を切り下げた。午前は6銭安の149円82銭で引けた。
  現物債市場では超長期債が下落。新発20年物の159回債利回りは日本相互証券が公表した前営業日午後3時時点の参照値から1ベーシスポイント(bp)高い0.575%で推移。新発40年物9回債利回りは1bp高い0.80%まで売られている。長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債はまだ取引が成立していない。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「今日の日銀オペがなかったことで、やや失望の売りが出ている」とし、「14日に超長期ゾーンのオペが入った時点で月内6回の可能性もあったが、利回り上昇に歯止めがかかった形になっており、その必要はないと思う」と指摘。一方、「日銀が金利上昇に対応する姿勢を見せており、それほど大きく動く材料もない」と言い、「環境的には円高圧力でそんなにばたばた売られることもない」としている。

日銀国債買い入れ

  日銀は今月に入り、8回のオペを実施している。14日には市場の予想に反して残存期間10年超25年以下と25年超の買い入れを増額して行った。
  黒田東彦総裁は先週の日銀金融政策決定会合後の会見で、2%物価目標の達成は「まだまだ遠い」と述べ、長期金利と短期金利の操作目標の引き上げについて「具体的に議論するのは時期尚早かなというふうに思っている」と言明。今は目標達成に向けたイールドカーブ形成を促すため強力な金融緩和を推進していくことが最も適切だと語った。
  東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「ドル高・円安が一服し、米10年国債利回りもいったんのピークを打ったとみられる」とし、「日銀のスタンスも好感されている」と指摘。一方で、「イールドカーブにはスティープ(傾斜)化の圧力が残る」とみる。
  今週は27日に2年利付国債の入札が予定されている。佐野氏は「長期・超長期債は来年1月5日の10年債まで行われない。従って、足元の需給環境は良好と判断できる」としている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-25/OIRGVW6K50XS01

 

日銀:国債購入額めど削除は誤ったシグナル与えかねない−複数委員
日高正裕
2016年12月26日 10:03 JST
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10月31、11月1日の金融政策決定会合の議事要旨を公表
めどは「先行き適宜プレイダウンしていけばよい」との指摘も

日本銀行は10月31、11月1日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下での長期国債の年間買い入れ増加ペースについて、複数の委員が買い入れ額の「めど」に関する記述を削除すれば「市場に対して誤ったシグナルを与えかねない」として、80兆円のめどを維持した上で買い入れを柔軟に運用することが適当との見解を示した。
  一方で、ある委員は、現状程度の買い入れペースを継続すると、ストック効果により長期金利は一段と低下するので、「金利水準の維持には買い入れ額の調整が必要になる」とした上で、操作目標は金利であるから、公表文中の約80兆円のめどは「先行き適宜プレイダウンしていけばよい」と述べた。

  日銀は9月の会合で、金融調節の操作目標をマネーの量から長短の金利にシフトした新たな枠組みを導入。長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」としたほか、それまで操作目標だった長期国債の年間買い入れ増加ペースを約80兆円をめどとして継続することを決定した。

  今回会合では、大方の委員が約80兆円の「めど」を維持した上で、引き続き長期国債買い入れを運営することが適当との見方を共有した。複数の委員は、 前回会合以降、買い入れ額の「めど」を示す下で実際の買い入れ額を若干減額しているが、長期金利は安定的に推移しており、こうした柔軟な買い入れの運営を市場は冷静に受け止めていると指摘した。

  別の委員は、国債買い入れの運営において「金利への正のショックに対しては長期金利をゼロ%程度に維持する一方、負のショックに対しては約80兆円の買い入れを継続して、金利の低下を許容すべきである」と指摘。その上で、「ショックが大きく、かつ持続的な場合には、当然、金融政策決定会合で金融市場調節方針の変更を議論 することになる」と述べた。

いずれテーパリング

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは議事要旨公表後のリポートで、「市場に対して誤ったシグナルを与えかねないため」との記載は、「よほどのことがない限り80兆円の『めど』を維持することが市場の混乱を招かないとのスタンスをあらためて確認させる内容だろう」と指摘。
  ただ、「ストック効果により長期金利は一段と低下するので、金利水準の維持には買い入れ額の調整が必要」との「ある委員」の発言は、マジョリティ(大勢意見)ではないが、「いずれ(たとえば2017年度にも)Tapering(テーパリング)が生じる旨の示唆と思われる」としている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-26/OIROAX6KLVR501
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/198.html

[経世済民117] 再び強まる人民元の先安観、2017年下値めどは 「債務危機」阻止難航、緩和終了 空母が太平洋初進出 軍が米ハッキング
焦点:
再び強まる人民元の先安観、2017年下値めどは

[ロンドン 23日 ロイター] - 今年初めに世界の金融市場を覆っていた人民元の先安観が、再び強まりつつある。中国政府は、今年序盤のヘッジファンドなど短期投機筋の元売りを力で抑え込んだ。春節(旧正月)後に中国企業のポジション調整が終わって元の押し下げ効果が弱まり、ファンド勢との闘いに勝利できた格好だ。

だが現在、元安を見込む取引を手掛けているのはもっと保守的で長い目を持つ実需型、いわゆるリアルマネー投資家であることが、いくつかの指標から判明している。投機筋主導の動きではないため、中国当局にとっては、かえって元安圧力を取り除きにくいかもしれない。

JPモルガン・アセット・マネジメントの通貨運用責任者で2600億ドルを運用するロジャー・ハラム氏は「われわれはドルに強気であり、人民元は来年も弱含み続けるとみている」と話す。

その上でドル/人民元は足元の6.90元から3カ月後には7.0元まで元安が進むと予想し、来年中に7.25元に近づくというのもそれなりの合理性はあるとの見方を示した。

また複数の銀行関係者の話では、欧米の大手投資家は過去1カ月で行使価格が7.25─8.00元で半年から1年以内に期限を迎えるオプションを大量に積み上げた。

ゴールドマン・サックスは先月、来年の主要な予想の1つとして7.30元まで元安に振れる事態を挙げた。

もっともファンドマネジャーによると、1日の変動幅が1%を超えることもあるドル/円やユーロ/ドルと異なり、より管理された元の下げ局面で利益を稼ぐためには、適切なタイミングで市場に参入することが重要になる。

今後7.25元まで元が下がっても、下落率は4%前後で、過去5週間で円がドルに対して記録した下げの4分の1にしかならない。

仏アムンディの通貨運用責任者ジェームズ・クウォック氏は、来年も元安が続くと予想しながら、下げ幅はそれほど大きくならないと考え、これまでに構築していた売り持ちポジションを最近になって手じまい、利益を確定させたことを明らかにした。

(Patrick Graham記者)

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http://jp.reuters.com/article/markets-china-yuan-idJPKBN14F073

 


焦点:中国「債務危機」阻止へかじ取り難航、緩和局面は終了か
 12月23日、中国指導部は来年の景気減速を示唆しており、緩和的な金融政策によって経済下支えをしながらも、債務問題悪化による不安定化を阻止するという難しいかじ取りを迫られている。写真は人民元紙幣。2013年5月撮影(2016年 ロイター/Petar Kujundzic)
 12月23日、中国指導部は来年の景気減速を示唆しており、緩和的な金融政策によって経済下支えをしながらも、債務問題悪化による不安定化を阻止するという難しいかじ取りを迫られている。写真は人民元紙幣。2013年5月撮影(2016年 ロイター/Petar Kujundzic)
[北京 23日 ロイター] - 中国指導部は来年の景気減速を示唆しており、緩和的な金融政策によって経済下支えをしながらも、債務問題悪化による不安定化を阻止するという難しいかじ取りを迫られている。中国の政策アドバイザーが指摘した。

この点からすれば、2014年11月に始まって昨年10月までに6回の利下げを経てきた今の金融緩和サイクルは、恐らく終了したとみなされる。

デフォルト(債務不履行)や企業破綻を避けながら、債務や投機的な投資を抑え込むために、どのように金融引き締めを進めるかを考えるのは容易ではない、と複数の政策アドバイザーは指摘する。

アドバイザーの1人は「金融政策は緩和的過ぎてはいけない。だからといって大幅な引き締めの余地もない。デレバレッジ(債務圧縮)を推進してバブルを阻止する一方、成長を支える必要もあり、この釣り合いを取るのは難しい」と語った。

先週開かれた中央経済工作会議で指導部が話し合った来年の主な政策は、経済成長に関するものではなく、資産バブルと金融面のリスクへの対応だった。

またそこで定義された金融政策の方針が、2011年以降ずっと使われていた「慎重」という表現から「慎重で中立的」に修正された点も重要な意味を持つ可能性がある。

ある関係者はロイターに「『慎重で中立的』という枠組みで金融政策がやや引き締め方向に傾いてもおかしくない」と話した。それでも利上げに動く環境は整っていないとみている。

人民銀行(中央銀行)は市場金利をじりじりと高めに誘導しているが、政策アドバイザーの見立てでは、消費者物価指数(CPI)上昇率が3%に達するまでは政策金利の引き上げはなさそうだ。11月のCPI上昇率は2.3%だった。

一方で今年は人民元が対ドルで8年半ぶりの安値に沈み、来年も米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測を背景に下げ圧力を受け続ける見込みなので、人民銀は元安を助長しかねない預金準備率の引き下げには消極姿勢を続けるとみられる。

このように金融政策の動ける範囲が限られるので、指導部は景気を後押しするために財政赤字の対国内総生産(GDP)比の目標を今年並みの3%ないしそれ以上にすることを目指すかもしれない、と政策アドバイザーは予想している。

複数の関係者の話では、来年の成長率目標は今年の6.5─7%から6.5%前後に引き下げられる見通し。正式な発表は、来年3月の全国人民代表大会(全人代)開催時期まで待たねばならない。

(Kevin Yao、Elias Glenn記者)
http://jp.reuters.com/article/china-economy-policy-debt-idJPKBN14F02T?sp=true


 


中国、126カ所でスモッグ監視 健康への影響調査
 12月24日、中国の保健当局高官は23日、同国北部で続くスモッグが健康に与える影響を調べるため、全国の126カ所に監視地点を置くことを明らかにした。写真は厚いスモッグに覆われている町の様子。山西省清徐県で撮影(2016年 ロイター/Jason Lee)
 12月24日、中国の保健当局高官は23日、同国北部で続くスモッグが健康に与える影響を調べるため、全国の126カ所に監視地点を置くことを明らかにした。写真は厚いスモッグに覆われている町の様子。山西省清徐県で撮影(2016年 ロイター/Jason Lee)
[上海 24日 ロイター] - 中国の保健当局高官は23日、同国北部で続くスモッグが健康に与える影響を調べるため、全国の126カ所に監視地点を置くことを明らかにした。

先週は北部の広い範囲で大気汚染によるスモッグが続き、最も深刻な汚染が予想される場合に出される「赤色警報」が北京を含む24都市で発令された。

国家衛生計画出産委員会の副主任は会見で、新たな監視システムによってスモッグが各地の市民に与える影響範囲を把握できると説明した。

国際エネルギー機関(IEA)が今年発表した報告によると、中国では毎年、大気汚染が原因で120万人が早死し、平均寿命を2年以上押し下げているという。

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http://jp.reuters.com/article/china-pollution-health-idJPKBN14F03S


 

米預金保険公社にハッキング、中国軍関与の見方=関係筋

[ワシントン 23日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)のコンピューターが中国軍の支援を受けたとみられるハッカー集団の攻撃を受け、米連邦捜査局(FBI)が捜査していることが分かった。関係筋が明らかにした。

ハッキングは2010年に始まり、当時のベアー総裁のものを含むコンピューター数十台に何者かが侵入していたという。

FDICは商業銀行を所管する連邦機関で、大手銀の破綻処理に関する機密情報を管理するほか、個人の口座記録にもアクセスできる。

関係者によると、FDICは先月、ハッキングに関する内部調査の結果を議会関係者に提示した。その中で、攻撃は中国軍が支援するハッカーによるものと言及。ただ、その根拠には触れていないという。

FBIは捜査についてコメントを拒否した。

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露ハッカーがモスクワ支局を攻撃、被害はなし=米NYT紙
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米民主党のメール流出、ロシアの関与示す証拠=米当局者ら
米FDICにハッキング、中国政府関与の可能性=米議会報告書
http://jp.reuters.com/article/usa-cyber-china-idJPKBN14E0IP


 


正午のドルは117円付近、調整売り圧力に押される 米中関係の悪化を想起させる中国の空母の宮古海峡通過

[東京 26日 ロイター] - 正午のドルは、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル安/円高の117.05/07円。

主要な海外市場がクリスマス休暇で休場となるなか、東京市場の午前の取引で、ドルは調整売りに押され上値の重い展開となった。

新たな材料に乏しい中、米中関係の悪化を想起させる中国の空母の宮古海峡通過のニュースは、若干、リスク回避の地合いにつながったという。

菅義偉官房長官によると、25日午前10時ごろ、海上自衛隊の護衛艦および航空機が宮古島の北東約110キロの海域を東シナ海から太平洋に向けて進む中国海軍の空母はじめ6隻の中国艦艇を確認した。中国の空母が太平洋に進出するのを確認したのは初めて。
http://jp.reuters.com/article/t-forex-idJPKBN14F05T


 
前場の日経平均は小幅続落、海外勢不在で売買低調

[東京 26日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比17円24銭安の1万9410円43銭と小幅に続落した。外為市場で円安一服となったことを受け、自動車株などに売りが先行。海外勢が休暇中で売買が膨らまない中、受け渡しベースの年内最終売買日を明日に控え、節税対策の損切り売りなども出た。一方で年末株高や日銀のETF(上場投信)買いへの期待もあり下値は限られた。前場の東証1部売買代金は7525億円と低調だった。

前場の値幅は上下約35円と小さく、方向感に欠ける動きだったが、任天堂(7974.T)が商いを伴って買われたほか、中小型株も総じて底堅いなど個人が好む銘柄には資金が流入した。市場では「日経平均1万9500円の節目が抵抗線として意識されているが、テクニカル指標の過熱感は和らぎつつある。新年相場を見据えてエネルギーを蓄積する局面だろう」(岡三オンライン証券チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)との声が出ていた。

東証1部騰落数は、値上がり925銘柄に対し、値下がりが937銘柄、変わらずが143銘柄だった。
http://jp.reuters.com/article/t-stock-idJPKBN14F04U
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/199.html

[経世済民117] 金の黄金時代の終わり 米国にインフレは来るか―乖離する市場と消費者 OPEC、減産合意は「空騒ぎ」実際の減産幅は極めて小
金の黄金時代の終わり
金は今年、プラス圏で取引を終えられそうではあるが、今後数カ月下落する見通し

2016 年 12 月 26 日 11:16 JST

 金が苦戦している。ドナルド・トランプ氏の米大統領当選を受けて、市場のボラティリティー(変動率)が高まり投資家は安全な資産に向かうはずだった。ボラティリティーは上昇したが、投資家センチメントは景気刺激策や減税、インフラ投資などによって経済成長が加速するとの期待にシフトしている。

 さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月中旬にさまざまな米経済指標が上向いてきていることを理由に2006年以降で2度目となる政策金利引き上げに踏み切ったことも、金相場を圧迫している。金投資には金利や配当支払いがないことから、FRBが正式に利上げに動く前から投資家を利回りが上昇する資産に奪われ始めていた。

 その結果、金は今年、プラス圏で取引を終えられそうではあるが、経済活動の良好な見通しとさらなる金利上昇の見込みに圧迫され、今後数カ月下落する見通しだ。

 一方、金相場の上昇につながるインフレは引き続き抑制されており、ドルは数年来の高値を付けている。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは「2017年コモディティーアウトルック」で、「インフレ期待が抑制された環境でのFRBの利上げが金相場にとって主な向かい風だ」と指摘した。

 この3カ月で金相場は年初来の上昇分のほとんどを失った。金相場は今年1〜7月に約25%の上昇し、1トロイオンス1350ドルを付けていた。しかし、今月23日のニューヨーク商品取引所(COMEX)金終値は同1133.6ドルと、年初来では4.75%高だった。

 メリルリンチのアナリストらは、ドル高と低い実質レート(インフレ調整ベース)を背景に、2017年半ばには金相場が同1200ドル前後と予想している。「名目金利と実質利回りがともに上昇していることから、インフレ期待が高まっても市場における全般的な物価水準への上昇圧力への見方が比較的抑制されていることが浮き彫りになっている」との見方を示した。

 また、経済成長ペースの加速見通しが広がる中で、インターコンチネンタル取引所(ICE)ドル指数によると、ドル相場は12月中旬に14年ぶり高値を付けた。金価格はドル建てで換算されることから、ドルの上昇により米国外の投資家にとって金が高くなった。


 ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアコモディティーアナリスト、マイク・マクグローン氏は11月に「トランプ氏の大統領選勝利後のドル高と債券利回り上昇、株高で、安全な投資先から工業用金属などへのシフトが加速した」と指摘。金は08年の金融危機の際に投資家にとって安全な投資先となった後、現在は米経済が力強さを増しているように見えることから、魅力が低下している。

 トランプ次期米大統領の経済政策の一つがインフラ投資拡大であることから、工業用金属および株価が全般に堅調となっている。対照的に金は金属中で年初来、最もパフォーマンスが悪い。

 貴金属上場投資信託(ETF)からの資金流出は13年の金相場急落以降見られなかったような水準に達している。金投資を中心とするファンドからは今月8〜14日に7億ドル(約820億円)の資金が流出した。この間、株式ファンドには210億ドルが流入した。これは1週間の資金流入額としてはこれまでで9番目の額だった。

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RJ303_ONBY38_NS_20161225212151.gif

 トランプ次期大統領の財政支出計画を受けた米景気拡大のそこそこの加速とインフレ高進見通しを受けて、来年は一段の利上げが見込まれている。つまり、金相場にはさらなる下押し圧力がかかる見通しだ。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwj83fH4hpHRAhXGFpQKHdvXD1YQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10878553558812384085704582519843999465950&usg=AFQjCNEG7TzXYWIpWI7V8ZIu3SMdgXvzhA


 


米国にインフレは到来するのか―乖離する市場と消費者の見解
消費者のインフレ見通しが下がる一方、市場が織り込むインフレ率は上昇している

By BEN EISEN AND MIN ZENG
2016 年 12 月 26 日 12:17 JST

 インフレ見通しに関しては、トレーダーと消費者の見方が異なっている。この違いが相場の大きな反転につながると考える投資家もいる。

 米ミシガン大学が23日発表した12月の消費者調査では、5〜10年先のインフレ見通しが年率2.3%となり、1970年代末の調査開始以来最も低い水準となった。6月調査では2.6%だった。

 一方、債券市場が織り込む5年先の消費者物価伸び率は上昇している。FTNフィナンシャルによると、5年先スタートの5年物ブレークイーブン・インフレ率(名目国債と物価連動国債=TIPSの利回り差)は23日時点で2.03%だった。これは6カ月前の1.49%を大きく上回る水準で、インフレ観測が高まりつつあることを示唆している。

 インフレ動向についての見解が市場と消費者の間で乖離(かいり)していることは重要だ。投資家は、ドナルド・トランプ氏が来年1月に大統領に就任すれば、次期政権が政策の柱に掲げる減税や規制緩和、インフラ投資を追い風に物価が上向くとみているからだ。こうした見通しを背景に、10年物米国債利回りが数年ぶりの高水準をつける(価格は低下)一方、米国の主要株価指数は軒並み最高値を更新している。

 だが、リフレーションを見込んだこうした市場の動きが消費者の見方と食い違っていることから、相場は崩れやすいと懸念する向きもある。

 低金利の長期化を予想しているグラスキン・シェフ・アンド・アソシエイツのチーフ投資ストラテジスト、デビッド・ローゼンバーグ氏は「市場が抱く(インフレ)シナリオは間違っている」と指摘。2017年のインフレ率について、エネルギー価格の(前年との)比較効果で当初は短期的に上昇するだろうが、その後再び減速する可能性が高いと述べた。

 「過剰債務やグローバリゼーション、高齢化、技術(革新)といった、数年に及ぶディスインフレ傾向をもたらした構造要因を一人の人間の力でひっくり返せると考えている人は皆、すぐに経済学を学び直す必要がある」と同氏は言う。

 とはいえ、TIPSに特化した米債券ファンドや上場投資信託(ETF)への資金流入が続いており、多くの投資家がインフレ率は連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%に到達あるいは突破すると予想していることがうかがえる。ファンド調査会社のリッパーによると、これらのファンドには21日までの1週間にネットで3億4150万ドル(約401億円)の資金が流入した。年初からは116億ドルの流入超で、このペースで行けば年間では09年以来最大の流入超となる見通しだという。

 市場が織り込むインフレ見通しは時に大きく変動する。運用担当者らがインフレ率はこの先やや上昇すると予想してTIPSを買い入れた場合、ブレークイーブン・インフレ率が過度に押し上げられる場合がある。これは、市場の流れに逆らった取引を行いづらい原因にもなっている。

 FRBのイエレン議長は今月、賃金上昇率が上向きつつある兆候が見られると述べた。だが、直近11月の雇用統計では、民間労働者の平均時給は前月比0.1%減少。前年同月比では2.5%増加したが、09年6月以来の大きな伸びとなった10月の2.8%増からは減速した。

 インフレリスクを抑える可能性があるもう一つの要因はドル高だ。ドルは先週初め、主要通貨バスケットに対し14年ぶりの高値をつけた。ドル高が進めば輸入品価格が下落する。そうなると、インフレは抑えられ、FRBのインフレ目標達成が遅れるかもしれない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjmjtz2hpHRAhXDo5QKHRbsBoAQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12551518554479554206404582519931276965546&usg=AFQjCNFPwFF9rkD0UftSmYBRka8Msrw6zg


 

 
OPEC、減産合意は「空騒ぎ」か
OPEC減産合意は来年1月に発効するが実際の減産幅は極めて小さくなるかもしれない  
By SPENCER JAKAB
2016 年 12 月 26 日 10:08 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 この何十年間か弱まり続けてきた主要な原油輸出国の影響力が復活してきたようだ。

 11月30日の石油輸出国機構(OPEC)総会以降、原油価格は17%近く上昇した。価格上昇の大半は、ロシアを中心としたOPEC非加盟国が減産に協力し、世界の原油生産量の2%近くを削減することで合意してからのものだ。

 唯一の問題は、合意に比べ減産幅が小さくなるかもしれないことだ。それも極めて小さく。OPECは合意事項を守らないという長い歴史があるため、合意の順守がハードルになる。アナリストがOPEC合意の影響を予想する場合、合意内容を文字通りには受け取らず、今回は60〜75%程度と見積もっている。さらに、油層での「自然減」や需要の季節変動もある。こうしたことは、何もしなくても生産量の減少につながる可能性がある。


 9月から11月までにOPEC加盟国とロシアの生産は日量約50万バレル増加し、米国の生産量は30万バレル増加した。OPECが減産の方向で合意した9月から、減産を開始する来年1月までの間に、世界の生産量は、合意した減産量の50〜60%程度増加したようだ。

 合意順守の程度が従来と同様であれば、実際の減産量は合意に比べごくわずかになるだろう。

 このところの原油価格上昇に対しては、供給より需要の方が敏感に反応するかもしれない。つまりOPECがそれと分かる減産をしなくとも、市場の見えざる手が減産に貢献してくれることも考えられる。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjX-YL7hpHRAhVCjZQKHSoVABAQFgghMAE&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10878553558812384085704582519730932031056&usg=AFQjCNFeFGW-dPaJf4hEPKPJMESf6j7YLQ

http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/200.html

[経世済民117] (FRBウオッチ)「景気の断崖」で利上げ、未曾有のバブル崩壊へ 銀行破綻処理のEU枠組崩壊か―パスキ救済は危険な綱渡り
【FRBウオッチ】「景気の断崖」で利上げ、未曾有のバブル崩壊へ
山広 恒夫
2016年12月26日 07:15 JST

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• フルタイム就業者数は景気の山を示唆、ピーク圏で強気になる米当局
• 出遅れた利上げ、手遅れになる利下げはいつか来た道

米連邦公開市場委員会(FOMC)は1年前に利上げを始め、今年は4回の追加利上げを予測していたが、結局1回実施しただけで今年は終わろうとしている。これは実体経済の成長力衰退をある程度反映しているものの、その実体経済から程遠い株式市場の高騰は、利上げの出遅れで異常なバブルが膨張していることを示唆している。

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  FOMCは来年について追加利上げ3回と予測しているが、景気拡大局面はさらに進行しており、いずれ景気の山から後退期へとつながっていく。FOMCは12月会合の声明で、「金融政策はなお緩和的であり、労働市場がさらに一定程度の強さを増す(some further strengthening)ように支援していく」と指摘。完全雇用が近づいたとの認識を示した。
  ここで注意すべきことは、完全雇用の達成は過去の景気拡大局面で景気の山とほぼ一致してきたことだ。この完全雇用を占う統計としては、フルタイム就業者数が優れている。1991年から10年間続いた史上最長の景気拡大期は、2001年3月に景気の山を形成し、フルタイム就業者数のピークとぴたりと一致した。FOMCはその2カ月前の同年1月3日に緊急会合を招集し、0.5ポイントの利下げを決定していた。
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  2007年12月に始まったグレートリセッションの時には、フルタイム就業者数はその1カ月前の同年11月にピークアウトしていた。この時もその2カ月前の同年9月にFOMCは大幅利下げに踏み切っている。FOMCは過去2度の景気後退局面で、その2カ月前に異常を探知し、利下げに転換していたことになる。
  もっとも金融当局者は異常を探知しても、利下げで景気後退は避けられるとあくまで強気の姿勢を貫いていた。楽観過ぎたことが判明するまでにそれほど時間はかからなかった。翌2008年1月21日にFOMCは緊急会合を開き、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を一気に0.75ポイント引き下げ、さらにその1週間後の定例会合で0.5ポイントの追加利下げを決めたのである。2007年12月に景気の山を形成した米国経済は、グレートリセッションに突入していた。
  今回の景気拡大局面でのフルタイム就業者数は、今年8月に記録した1億2430万人でこれまでのピークを付けている。ピークは後になって振り返らなければ確認できないが、FOMCは完全雇用が近いとみており、かなり微妙な時期に差し掛かってきたことだけは間違いあるまい。
  このようにフルタイム就業者数は優れた景気一致指標だが、景気に先行するデータと合わせてチェックすることが肝要だ。それにはさらに細目を見ると新たな視点が得られる。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長がヒントを示してくれた。
  同議長は19日にボルティモア大学の卒業式で演説し、「大学での学位取得、さらに修士・博士号の取得は経済的な成功の鍵となる」と述べ、卒業生らを激励していた。
  確かに議長が指摘するように、大学以上の教育を受けた労働者の失業率は直近11月に2.3%にまで低下している。一方、高校を卒業していない高卒未満の失業率は11月に7.9%に上昇した。しかも同項目は今年7月の6.3%から、既に1.6ポイントも水準を上げている。

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  前回の景気拡大局面では、高卒未満の労働者の失業率がボトムを付けた2006年10月から1年2カ月後に、米経済はグレートリセッションに突入した。今回の景気拡大局面で今年7月がボトムとなれば、来年後半にも景気後退入りというシナリオが描ける。
  さらに今回の景気拡大局面は低成長が続き、金利も異例の低水準に抑え込まれてきたことから資産バブルも異例の様相を呈している。今世紀の景気後退はいずれもバブル崩壊が複雑に絡んで傷口を広げており、煮詰まりつつある現在の景気・バブル循環の終着点に未曾有(みぞう)の混乱が生じることを想定しておくべきだろう。
  この状況でFOMCの当局者は来年、再来年とも毎年3回の利上げを想定。その先に長期中立金利水準しか見ていないのは楽観に過ぎるのではないか。FOMCは利上げの初動が遅れたばかりか、その後の追加利上げがのろいため、経済に異常な不均衡をもたらしている可能性が高い。
 
  その延長線上でいずれ決定する利下げも当然のことながら出遅れるため、景気の断崖からの落下はもはや避けることはできないだろう。しかもこの米経済の断崖は資産バブルによって未曾有のレベルまで引き上げられているため、そこからの落下は想像を絶するものになりそうだ。
 (【FRBウオッチ】の内容は記者個人の見解です) 
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-25/OILWPA6K50XY01


 


 
2016年の株式投資、勝者は逆張り投資家
今年は市場のトレンドに逆行した投資家が勝利を収めた 
By BEN EISEN
2016 年 12 月 26 日 16:56 JST

 今年は市場のトレンドに逆行した投資家が大きな勝利を収めたようだ。

 ロバート・バックランド氏率いるシティグループのアナリストらによれば、ある尺度で見ると、こうした逆張りの株式投資家は年初来のリターンが31%と、2009年以来最高に達している。これは、S&P500種指数の年初来上昇率(約11%)の3倍に近い。

 例年ならこの戦略はこれほど利益が上がらないが、市場に大きな変化が生じた場合、それまでアンダーパフォームしていた銘柄が急に方向転換することはあり得る。逆張り戦略はIT(情報技術)バブルが崩壊した2000年や、金融危機以降の弱気相場が終了した09年に大きな利益を収めている。

 2016年は思いもよらない展開が有利に働いたもようで、それを踏まえると逆張りがアウトパフォームしているのも当然と言える。英国の有権者は6月の国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択した。そして米国は先月、ドナルド・トランプ氏を次期大統領に選んだ。いずれも世論調査や市場予想と反対の結果だった。

 だが、逆張りが今年勝利を収めた主な背景はもっと簡単に説明できる。商品(コモディティー)価格が回復したことだ。今月公表されたシティの分析は、逆張り投資家が前年のパフォーマンス下位10銘柄を買い、上位10銘柄を空売りしたことを前提にしている。各銘柄は「MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」の構成上位250銘柄を含め、世界中から選び出されている。

 買いの対象となった銘柄の多くはコモディティー関連で、リターンは29%に達した。例えば、英豪系鉱業大手BHPビリトンは2015年に35%下落したが、今年はこれまでに46%上昇している。英蘭系石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルは15年に31%下落したが、今年は45%上昇している。

 売りの対象は総じてIT関連の銘柄で、パフォーマンスはまちまちだったが、今年のトータルリターンには2%寄与した。

 株式市場以外でも、パフォーマンス下位銘柄を買って上位銘柄を売る戦略は引き続きそれなりにうまくいっている。逆張り投資家が買い対象とする原油は15年に31%下落した後、40%余り上昇している。金相場は昨年10%下落し、今年は9%上昇しているが、米大統領選後は上げ幅の大半を失っている。シティによれば、逆張り投資家が購入対象とした5つの資産クラスは全体で13%上昇した。

 勝利の1年を締めくくった逆張り投資家は、2017年は何に賭けるのだろうか。シティによると、買い対象の株式10銘柄のうち8銘柄は、今年売り込まれた医薬品株だ。イスラエルのテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ、アイルランドのアラガン、デンマークのノボ・ノルディスクはいずれも16年に株価が30%余り下落している。

 今年買いの対象だった素材やエネルギー銘柄は、17年には売り銘柄となる。スイスの商品取引・鉱業大手グレンコア、BHPビリトン、英豪系鉱業大手リオ・ティントは全て売り対象のリストに入っている。

 シティのアナリストらによれば、逆張り投資家は米国債に対して強気、原油と途上国・新興国の株式については弱気に徹するとみられる。

 ただ、逆張り投資戦略は今年うまくいったからといって、来年もそうなるとは限らない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjcsbHJ7ZHRAhVKkZQKHWenDAoQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12551518554479554206404582520321055243242&usg=AFQjCNEND2bq85gmyuXunVET1FufTlUCew


 


 
ダウ2万ドル間近、宴への参加はもう遅い?
今からでも遅くはない、考えるべき3つのポイント
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ダウ工業株30種平均は史上初となる2万ドルの手前でもたついている(英語字幕のみ)Photo: AP
By ANNE TERGESEN
2016 年 12 月 26 日 16:59 JST

 前回の弱気相場で懲りたのか、多くの個人投資家は株式市場に戻るのを渋っており、株価が連日のように過去最高値を更新するのを眺めながら様子見を続けてきた。

 現在、ダウ工業株30種平均は2万ドルの大台に近づいているが、米株式市場へ舞い戻るにはタイミングが遅すぎるのではないかと迷う人もいる。

 その答えは簡単だ。すぐに現金が必要でないのであれば「遅すぎることはない」。

 はるかに難しいのは、投資の願望を行動に移す方法を見いだすことだ。多くの人にとって、株式に資金を投じるためには、まず市場に参加するのを思いとどまらせる不安心理を乗り越えることが必要になる。

 「投資しない理由を探せば、いつでもそれを見つけることができる」。行動ファイナンスを専門とする英コンサルティング会社センタップスの創業者グレッグ・デービーズ氏はこう指摘する。「だが長期投資家であれば、ほぼ全てのタイミングが(市場に)参入する好機になる」

 行動に移すべきかを見極める方法、そして行動する場合の金額、不安を克服する方法をそれぞれ説明しよう。

1. 株式に投資すべきか
 蓄財の目標期間が5年以上であれば、この単純な質問に対する答えは(大抵の場合)「イエス」だ。デービーズ氏は「5年以上であれば、大半の人々にとって何らかの方法で投資するのは理にかなっているだろう。ただし、中には他の人よりリスクの低い方法で投資すべき人もいる」と話す。

2. 手持ち資金の何割を株式投資に回すべきか
 この質問に答えるには三つの要因をてんびんにかける必要がある。

 一つ目はリスク許容度だ。リスク許容度の測定ツールを販売するフィナメトリカの米国ストラテジスト、タイラー・ナナリー氏によると、これはファイナンシャルアドバイザーが頻繁に議論する概念で、「より多くの潜在リターンと引き替えに元本の一部、あるいは全部」を失うリスクを受け入れられる度合いを測る尺度だ。

 投資家のリスク許容度は弱気相場のときに最も重要な意味を持つ。相場が下落しているとき、本当の満足以上の投資資金(例えば50%ではなく80%)を株式に割り当てている投資家はパニックに陥り、資金を現金に戻してしまう可能性が高まるからだ。

 リスク許容度を測る単一のツールはない。米インデックスファンド大手のバンガード・グループや米オンライン投資顧問会社のウェルスフロントなどは、自由回答できる質問票を顧客に提示している。

 ただ、投資リスクを引き受ける意思があるからと言って、そうすべきだという意味にはならない。

ダウ工業株30種平均の株価推移


 考慮すべき二つ目の要因は想定する投資期間、三つ目は目標達成に必要だと見込まれるリターンだ。大ざっぱに言えば、退職などの目標に近づけば近づくほど、許容できるリスクは低くなる。例えば、あなたが65歳の退職時に必要になると見積もる100万ドルを60歳の時点ですでに蓄積していれば、その多くを株式に投じて相場下落による計画の頓挫を引き起こすリスクを負う理由はあるだろうか。

 ナナリー氏は、目標がはるか先にあるのであれば、「心の平穏と潜在的な高成長との両立を測る」必要が出てくるだろうと指摘する。

 デービーズ氏が勧める別のアプローチは、現金が必要となる時期に基づいて複数のセグメントに資金を分散させることだ。向こう2年以内に必要となる資金は全て現金で保有すべきだ。2〜5年以内に必要となる資金は株式のリスクが許容度を下回るようなポートフォリオに投じられるべきだ。5〜10年以内に必要となる資金はリスク許容度に見合うように株式に投資するといい。それ以上長く置いておきたい資金は全て、より積極的な投資に充当しよう。

3. 株式投資への不安を克服する方法
 カギとなるのは投資から感情を取り除くことだ。

 「株式投資で恐怖心を抱かせているものの多くはリスク許容度ではなく、不安心理、つまり短期的な精神状態だ」とデービーズ氏は言う。「(将来の)潜在的な良い結果のために(現在の)安心を断念したがる人はいない。人々は常に、この取引に渋々と反応している」

 不安の克服は必ずしも難しいことではない。専門家たちは以下のような戦略を推薦する。

 長期に特化せよ:日々の相場の動きを凝視するのをやめれば、不安を軽減しやすくなるかもしれない。ナナリー氏は「投資の最終目標はあらゆる年で損失を回避することではない。目標はあなたの財務目標を達成することなのだ」と指摘する。

 計画性を持とう:米カリフォルニア州にあるサンタクララ大学のメイア・スタットマン教授(金融学)によると、株式投資をためらう理由の一つは、相場が下落すれば後悔するだろうと不安になるからだ。後悔しないためのカギとなるのは、分散ポートフォリオを構築し、毎年リバランス(再調整)を行い、銀行口座から証券口座、あるいは退職金勘定へ一定額を毎月自動送金するよう設定するという、有効性が保証された投資戦略を採用することだ。自分で立てた計画に十分な確信が持てなければ、ファイナンシャルプランナーへの相談を検討しよう。

 慎重に進もう:投資資金20万ドルのうち50%を株式に充てると決めた場合、一度に10万ドルを投じるよりも10カ月かけて毎月1万ドル(10%)ずつ投資する方が心理的に楽だ。スタットマン氏によると、そこにはボーナスがある。相場が下落すれば、株価が下がった時点で株式を追加購入できるという恩恵を享受するだろう。

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銀行破綻処理のEU枠組み、崩壊の恐れ−モンテ・パスキ救済計画で
Boris Groendahl
2016年12月26日 14:48 JST

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イタリア政府はベイルイン・ルールの適用回避を目指している
銀行を公的救済する時代に幕を引くとの欧州構想が危機にさらされる

銀行を公的救済する時代に幕を引くという欧州の壮大な構想は、イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナという最初の大きな試練で瓦解(がかい)する危機にさらされている。
  欧州連合(EU)各国の議員らは、破綻にひんした銀行の救済コストを納税者ではなく、投資家に負担させるいわゆるベイルイン・ルールの枠組みを構築。しかしイタリア政府は、同ルールの適用回避を目指している。22日に発表されたモンテ・パスキ救済の概要は、一部に不透明な部分が残っているものの、銀行と国の関係を断とうとするEUの取り組みに逆行していることは明白だ。
  欧州議会のドイツ人議員、スベン・ギーゴルド氏は「イタリアの救済計画はリトマス試験紙だ」と指摘。EUの行政執行機関、欧州委員会が「これを承認すれば、危険な前例を設けることになる。モンテ・パスキは新たに始まる欧州での救済の端緒になり得る」と説明した。

  EU各国政府は2008−14年に金融セクター救済のため約2兆ユーロ(約245兆円)の公的支援を行った。危機収束後、銀行支援、特に存続可能な銀行への資本基盤強化で公的支援を行う際の要件が厳格化された。
  EUの銀行指令によれば、イタリア政府が予防的な銀行支援を行うためには「同国経済の深刻な混乱を是正」し、「金融の安定性を確保」する上で必要だと示さなければならない。これが認められた場合でも、通常、株主と劣後債保有者に損失負担を義務付ける国家救済規則に従う必要がある。
  イタリア政府は以下のような道筋を計画している。モンテ・パスキのティア1債保有者は額面の75%で株式に転換し、ティア2債は額面で転換。財務省は後に、一部投資家への補償として、株式転換で受け取った株式を優先債に交換する提案を行う予定。
  ジェンティローニ首相はEU当局者らがこの計画に同意していると述べた。しかし欧州委は23日の声明で、「要件が満たされているかの確認でイタリア当局および責任ある監督当局と連携する」とのみ表明した。
原題:Monte Paschi Rescue Pushes EU Bank-Failure Rules to the Brink(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-26/OIRZ8R6TTDS301


 

イタリアの銀行救済は危険な綱渡り
モンテ・パスキの救済計画は、政府支援を禁じる欧州の規則に違反したり、機関投資家からの法的な異議申し立てに直面したりする恐れがある

By PAUL J. DAVIES
2016 年 12 月 26 日 14:05 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 イタリア政府には、個人投資家の混乱を引き起こすことなく、まだ試されたことのない欧州の銀行救済ルールを順守する形で、経営難に陥った国内銀行を支援するための賢明な計画がある。

 だが、これはどう見ても難しい綱渡りとなりそうだ。結果がどうなろうとも、他の脆弱(ぜいじゃく)な国内銀にとって、そして欧州の他地域の銀行にとっても重要な意味を持つことになろう。

 イタリア政府は、国内3位の銀行バンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)の劣後債を保有する個人投資家を保護する計画だ。この債券は、50億ユーロ(約6100億円)規模のモンテ・パスキ救済の一環として強制的に株式に転換されることになる。

 これは一般投資家へ安全なシニア債を代わりに与えるという考え方だ。賢明ではあるが、政府による支援を禁じる欧州の規則に違反したり、同じ扱いを受けられない機関投資家からの法的な異議申し立てに直面したりする恐れがある。

 モンテ・パスキは必要な50億ユーロを増資で調達できず、イタリア政府が22日に設立した200億ユーロの基金に支援を要請した。同行は流動性支援のほか、政府基金からの資本注入を求めている。

 この計画が承認されるかどうかは、欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)に委ねられている。

 こうした救済に関する規則は2016年初めに完全施行されたばかりで、まだ試されたことがない。ただ、具体的な規定はいくつかはっきりしている。救済を受ける銀行は、支払い能力がある(破綻していないという意味)こと、民間から資金調達できないこと、株式と劣後債の保有者に損失を負担させること、が条件となる。重要なことに、最近の損失、もしくは今後被る損失を穴埋めする資金は必要とされない。

 モンテ・パスキは、大幅な評価切り下げを伴う不良債権の削減をECBに命じられているため、資本増強を強いられている。救済の規則では、こうした損失は営業損失でなく規制当局が負わせたものであるという理由から、免除される可能性がある。

 仮に救済が承認された場合、モンテ・パスキは劣後債保有者に新株との交換を求めなければならない。この株式はリスクが高く不安定な動きが予想されることから、約20億ユーロの債券を保有する個人投資家に多額の損失が生じる恐れがある。

 こうした投資家の混乱を避けるため、政府は彼らに新株とモンテ・パスキ発行のシニア債を交換する機会を提供し、後に政府が代わりに株式を買い入れるという解決策を示している。

 こうすれば一般預金者は政府から直接支払いを受けていないように見えるが、当然ながら受けている。そしてモンテ・パスキはやはり政府支援を受けているように感じられるだろう。鍵を握るのは欧州委員会だ。

 欧州委がこれを見送った場合、他の劣後債保有者が対象になる可能性もある。主な個人向けの社債は、機関投資家が保有する劣後債の大部分より弁済順位が低いため、通常の破綻であれば個人投資家が最初に損失に直面するはずだ。

 債券を保有する機関投資家はこうした理由から、特に受け入れた株式が値下がりした場合、同行や政府を相手に訴訟を起こす可能性がある。

 当事者の誰もが、イタリア政府は救済計画への支持について欧州からすでにいくつか非公式にフィードバックを受けていると思い込んでいる。外側からはまだ成功は難しいように見えるのだが。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiN5ZTv7JHRAhVBrpQKHc3HDEYQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12551518554479554206404582520082014751836&usg=AFQjCNHo-k8szZYosfqq0zXUjiRU0eRiiA

http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/205.html

[国際16] (オピニオン)ローマ法王、いかに世界の左派指導者になったのか 保守派が台頭するなか格差や気候変動に異議を唱える法王に連帯
【オピニオン】ローマ法王、いかに世界の左派指導者になったのか
保守派が台頭するなか、格差や気候変動に異議を唱える法王に連帯する動き

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RI620_POPE_IM_20161222121232.jpg

米議会で演説するローマ法王フランシスコ(2015年9月) PHOTO: ANDREW HARRER/BLOOMBERG NEWS
By FRANCIS X. ROCCA
2016 年 12 月 26 日

――筆者のフランシス・X・ロッカはWSJバチカン担当記者

***

 ローマ法王フランシスコが今年出すクリスマスメッセージは、カトリック教会のトップとしてだけでなく、世界中の多くの左派・進歩主義者を代表する意外なリーダーとしてのメッセージにもなるだろう。

 保守的なナショナリスト(国家主義的)勢力があちこちで台頭し、バラク・オバマ米大統領やフランソワ・オランド仏大統領のような政治家が去ろうとするなか、中南米の社会主義者から欧州の環境保護主義者に至るまで左派の多くの人々は、現在80歳の法王に指導力を期待している。

 「法王フランシスコは多くの人々を戦う気にさせている。カトリック教会の顔でなかったら、彼はわれわれとともに街頭に出ているだろう」。米フロリダ州タンパの最低賃金運動団体「Fight for $15(15ドルのために戦おう)」の活動家ブルー・レイナ−氏はこう語る。レイナー氏は先月ローマを訪問し、法王が演説した草の根活動家の国際大会に出席した。「法王はわれわれの論点にテコ入れし、道徳の問題にしている」

 リベラル派の幾つかの主張に対する法王の支持は、貧者や弱者を気遣う伝統的なキリスト教の姿勢に根ざしたものだ。しかし、結果的にはカトリックの道徳上の教えを否定する勢力とも共闘する形になっている。また法王に批判的な人々は、カトリック教徒たちがさまざまな立場を取るのを許されている政治的な問題で、法王が特定の強い立場を取るべきでないと語る。

 フランシスコ法王は各種の問題で大胆な意見を表明してきた。例えば移民、気候変動、経済的な不平等、先住民の権利などだ。2015年6月、環境に関する「回勅」(全世界の司教や信者に宛てて出す公文書)を発表し、化石燃料使用の大幅削減を訴えるとともに、地球温暖化は地上の生命に対する主たる脅威だと表現した。この文書はグローバルな市場経済も糾弾の対象とし、市場経済は貧者と将来の世代を犠牲にして地球を荒らしてきたと述べた。ローマ法王庁は今では、聖職に就こうとする神学生に気候変動を含む環境問題を学ぶよう義務付けている。

「壁」問題でトランプ氏を批判

 法王は難民や経済移民に国境を開放するよう事実上求めているが、その見解は今年、米共和党大統領候補だったドナルド・トランプ氏に対する批判にもなった。トランプ氏がメキシコとの国境に壁を構築するよう求めていることについて、法王は「キリスト教徒らしくない」と述べた。11月8日の大統領選の数日前に開かれた草の根活動家大会では、「外国人嫌いのまん延」と「物理的・社会的な壁という偽りの安全」に警鐘を鳴らした。それはトランプ氏への批判と広く受け止められた。

 法王は経済的な不平等についても鋭く批判してきた。「土地・住まい・雇用」は「神聖な権利」であるとし、「こう話すと、法王は共産主義者だと結論づける人もいる」と述べた。2015年に米議会で演説した際には、米国の「カトリック労働者運動(CWM)」の創始者ドロシー・デイ(1897−1980)に言及し、「彼女の社会運動、正義や被抑圧者の大義への情熱」を称賛した。

 こうした発言を受けて、多くの左派政治家はフランシスコ法王を英雄だとみなすようになった。民主党の大統領候補指名を目指していたバーニー・サンダース上院議員は今年4月、ニューヨーク予備選直前の2日間、選挙運動を中断してバチカンで開かれた会合に参加し、「明晰(めいせき)さ、謙虚さ、そしてビジョンと勇気を持った法王のファンだ」と述べた。

 法王の立場は、カトリック教会の社会的な教え(社会教説)の長年の流れに沿っている。それは19世紀末にローマ法王レオ13世が出した回勅に端を発した教えだ。回勅は自由市場の行き過ぎを批判し、労働者の団結の権利を肯定した。

 「法王はカトリック教会主流の社会ドクトリンを根本的に変更したわけではない」とローマ法王庁のシルバノ・トマシ大司教(社会的正義問題担当)は語る。「開発途上国における自身の経歴を反映した言葉と優先課題を取り上げているだけだ」

 フランシスコ法王は、アルゼンチンで若い聖職者だったころ(当時はホルヘ・ベルゴリオ神父と称していた)、カトリックの「解放神学」というマルクス主義的な学派を忌避し、「人々(主権民)の神学」を支持した。それは物質主義と階級対立を拒否する神学だ。また、アルゼンチンの独裁者だったフアン・ペロン将軍(1895−1974)を家族ぐるみで支持していた。

左派が利用する名声

 歴史的に見ると、現代の法王が政治運動に関係した前例はある。第2次世界大戦後、ローマ法王庁はイタリアのキリスト教民主勢力を支持した。1980年代には法王ヨハネ・パウロ2世が母国ポーランドの労働運動「連帯」を支持し、冷戦の終結とソ連の崩壊を早めた。どちらも明確に反共産主義的だった。

 フランシスコ法王に批判的な人々は、政治的立場の一方の極に同調しすぎることで保守的なカトリック教徒を疎外する恐れがあると懸念する。今年の米大統領選の出口調査によれば、カトリック教徒の有権者の半分以上がトランプ氏に投票した。

 「世界の左派は明らかに、自分たちの大義のために法王の名声を利用できる機会だとみている」。自由市場重視の米シンクタンク「アクトン・インスティチュート」(ミシガン州)の研究ディレクター、サミュエル・グレッグ氏はそう語る。「それは、信徒が自由に異論を唱えられる問題について教会の二極化を招く」

 法王は自身の発する見解によって、カトリック教会の幾つかの道徳上の教義に反対しているグループとも結び付いている。多くの環境保護主義者たちは生態系の被害を抑制するため人口制限を支持しているが、カトリックの教義は中絶や避妊を禁止している。法王は同性愛者に対する差別を批判し、トランスジェンダー(心と体の性が異なる人々)への同情と理解を呼びかけているが、同性愛者同士の結婚は受け入れていない。

 法王が進歩的な見解で各方面と連帯してもそれほど不自然に見えないのは、性的・医学的な倫理という難問を前面に出さず、経済的な正義や環境保護といった広く共通する問題を強調しているからだ。トマシ大司教は、法王は政治的に左に傾いているとしながらも、「それは法王がマルクス主義者であるからでも左翼支持者であるからでもない。(これらの運動団体が)社会の傷を代表しているからだ」と話す。

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ローマ法王、難民連れ帰りは土壇場の「ひらめき」
トランプ氏がローマ法王と言葉の応酬
ローマ法王と米大統領候補の共通点
http://jp.wsj.com/articles/SB10878553558812384085704582520012357276988
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/832.html

[国際16] (社説)オバマ氏、イスラエルへ最後の一撃  国連安保理決議での「棄権」は、オバマ政権を特徴づける行為だ  

【社説】オバマ氏、イスラエルへ最後の一撃
国連安保理決議での「棄権」は、オバマ政権を特徴づける行為だ
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RJ135_3pique_IM_20161223161338.jpg
スイスにある国連の事務所 PHOTO: GETTY IMAGES
2016 年 12 月 26 日 13:31 JST

 イスラエルによるヨルダン川西岸への入植拡大に関し、国連安全保障理事会が非難決議を採択した。米国が拒否権を行使せずに「棄権」を選択したことは、オバマ政権の性格を特徴づける判断のひとつであり、重大なことでもある。

 バラク・オバマ大統領はこの問題が政治的なものであるにもかかわらず、個人的にわだかまりを持つ相手への攻撃手段として利用をした。また今回の米政府による判断は、国際社会の左派層がイスラエルに対して強い抵抗を持ち続けていることをうかがわせた。

 非難決議案を提出したエジプト政府はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相から圧力を受け、一時は撤回の姿勢を示していた。この問題にはドナルド・トランプ次期米大統領も介入し、エジプト政府との直接対話を実施。さらにツイッターを通して、米政府が決議案に反対票を投じるようオバマ大統領に呼びかけていた。2011年のオバマ氏を含め、米政府は同様の決議案に反対の立場を取り続けていた。

 しかし多くのメディアで報じられている通り、オバマ政権は23日に実施された投票を棄権。ネタニヤフ首相やトランプ氏による努力は踏みにじられ、その結果パレスチナ寄りの決議案が採択されることとなった。

 ネタニヤフ首相に対するオバマ大統領の敵意は、広く知られている。国連安保理決議案に対してトランプ氏が意見をはさんできたことに、オバマ氏が侮辱されたと感じた部分もあるかもしれない。

 しかし今回の棄権はオバマ大統領個人の横暴としてだけ受け止められるべきものではなく、政権自体が持つイスラエル国家への敵意として理解していい。もはやユダヤ人有権者からの支持を必要としなくなったオバマ氏は自由の身となり、過去の大統領には見られなかったかたちでイスラエルをこらしめたことになる。

 今回の決議は入植を「国際法」違反であると指摘している。将来的にこの判断を取り消そうとしても、中国とロシアが拒否権を持っているためそれは不可能だ。イスラエルに対してはボイコットや投資接収、制裁を呼びかける「BDS運動」が展開されている。オバマ大統領の今回の判断は欧州や国際機関や米国の大学などで反イスラエルを主張するこれら活動のだしに使われていくことになる。

 民主党のチャック・シューマー上院院内総務は決議案がシオニズムと人種差別を混同させる内容だとの正論を主張し、政権に対して反対票を投じるよう懇願していた。シューマー議員は党内リベラル層の本質を目の当たりにしたことだろう。

 ポール・ライアン下院議長(共和)も今回の政権の判断を「恥ずべきものだ」と批判。またリンゼー・グラム上院議員(共和)は国連への分担金を削減か停止することを目的とした超党派グループの結成を主張している。この運動は推進されるべきだろう。

 今回の1件を通し、トランプ氏は米国務省の素性を垣間見ることができただろう。国務省に勤務する官僚たちは以前からこのような信念を持ち続け、その実現を心待ちにしていた。今回はオバマ大統領がそれを実現させたということだ。

 イスラエルは中東での米政府の最も古い民主的な同盟国だ。新たに生じた同国に対する敵視は、ツイッターなどで変えることができない。しかし不和を生じさせた今回のオバマ政権の判断は、越えてはいけない一線を示したという意味で次期政権にとっては指針となるだろう。

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http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/833.html

[経世済民117] インドのとっぴな現金撲滅作戦 「キャッシュレス社会」をめざす当局の失策 中国、ドル高が試練に−国債急落が伝える警告
【社説】
インドのとっぴな現金撲滅作戦
「キャッシュレス社会」をめざす当局の失策
インドの10ルピー紙幣(12月8日)  
2016 年 12 月 26 日 17:59 JST

 インドのアルン・ジャイトリー財務相は「インドはキャッシュレス社会に向かわないといけない」と言う。キャッシュレス社会? インドが? 11月に発表された高額紙幣廃止を受けた経済の大混乱は続いているが、効率化と透明性拡大につながる電子決済システムを促すため長期的には報われるとしてこの措置を擁護する声も出てきた。だが現金に対して恣意的に権限を行使している当局者が、全取引を監視するようなシステムに干渉しないなどと国民が信じるべき根拠があるだろうか。

 キャッシュレス社会では国家が国民を害する手段がはるかに強大であり、不適切な政策と権力乱用によって害はもたらされる。そこまでいかなくても、ここ数週間はひどいものだ。まず、インドの通貨の約85%が法定通貨でなくなり、まだ印刷されていない新紙幣と交換しなければならないと突然の発表があった。市民が銀行に長い列を作り、流動性を失った会社が廃業するなか、当局者は新たな現金の扱いについて矛盾する指示を発表している。その同じ当局者が、今度は全ての交換について電子記録を求めている。

 インドには既に強力すぎるお役所があり、免許付与、労働、税金、その他について厳しい規制を課し、起業やイノベーションを抑え込んできた。主にこうした理由から、インドでは全ての取引の推定95%に現金が使われ、経済全体の約45%が記録のない「非公式」経済となっている。全ての規制を守るのにとてつもないコストがかかるとなれば、それ以外の面では合法な企業が地下に潜る。広範な規制緩和がなければ、デジタル化とキャッシュレス化で役人は力を強め、一段と押しつけがましく煩わしい存在になるだろう。

 お金を巡るプライバシーの喪失もある。現地紙タイムズ・オブ・インディアにアミット・バーマ記者が書いているように、「エイズ治療薬やポルノ雑誌を買ったり、恋人と会うのにホテルの部屋を予約したりすれば、その情報に政府やハッカーがアクセスし、悪用する可能性がある」。また、「現金は力をもたらす。アルコール依存症の夫に隠れてへそくりしている若い妻や、自立している感覚を得るために何年も前からマットレスの下にお札を隠している年老いた母親に聞けばわかる」という。

 ドイツでは、共産主義とナチスの記憶もあって匿名性が尊ばれており、取引の約80%が現金決済だ。米国では32%。日本とスイスではマイナス金利の影響もあってタンス預金が盛んだ。これは、超緩和的な金融政策への反応としてはしごく当然だが、ハーバード大学の経済学教授ケネス・ロゴフ氏やシティグループのウィレム・ブイター氏など、ケインズ派にとっては頭が痛い。両氏は、中央銀行が現金を限定すれば罰せられることなく預金者に圧力をかけられると主張している。

 スウェーデンはキャッシュレス社会の最高の見本かもしれない。現金が使われるのは取引のわずか2%だ。しかし、同国では政府の汚職が少なく、信頼できる法的保護があり、社会への信頼度が高く、金融・技術インフラが進んでいる。インドにはいずれも備わっていないが、その政府当局者は、人口の半分(約6億人)が銀行預金さえ持たない社会を作りかえるために極端な計画を立てている。

 インド国民は電子金融へのアクセスから恩恵を受けるだろう。手癖の悪い役人を介さなくなるため、取引コストが下がり、融資金利がより手頃になり、国の援助が直接市民に流れる可能性があるためだ。政府は、金融規制の緩和と通信インフラの改善で後押しできる。だが、少なくともいくらかの現金を手元に残したい市民も尊重すべきだ。「キャッシュレス社会」の押し付けは、経済的自由の対極にある。

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【社説】
ケインズ派がクドロー氏を嫌うわけ
トランプ政権に成長重視の声が加わる意味

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RI333_3kudlo_IM_20161221180440.jpg

経済コメンテーターのラリー・クドロー氏 PHOTO: AFP/GETTY IMAGES
2016 年 12 月 23 日 10:52 JST

 ドナルド・トランプ次期米大統領が閣僚ポストを埋めていく中で、メディアはその顔ぶれの多くに対して警戒や否定的な声を上げている。しかし大統領経済諮問委員会(CEA)のトップにラリー・クドロー氏が就任濃厚であることについて、進歩派が見せている反応がなかなかおもしろい。逆にこれ以上に説得力のある是認などあるのだろうか?

 まずよく聞くのが、クドロー氏が経済学の博士号を取得していないことに対する批判だ。確かに同氏は博士号を持っていない。クドロー氏はプリンストン大学で大学院課程の授業を履修したあと、ニューヨーク連銀でエコノミストとして働いた。その後はレーガン政権の行政管理予算局で予算政策を担当し、その他にも多数の金融会社で働いた。今は主に経済評論家としてテレビに出演を続けている。

 経済諮問委員会のポストをわが物のように注意深く観測している業界人の間では、博士号がなければ資格不足なのだろう。しかしニクソン政権の時代から今のオバマ政権までを見ても分かる通り、学位があれば経済的知見も高いとは必ずしも限らない。少なくともクドロー氏は任務を遂行できるだけ経済に精通していると言えるだろう。

 クドロー氏は2008年の金融危機を予測できなかったではないか、という批判もある。しかし他にも予測できなかった人はたくさんおり、その中にはニューヨーク連銀の総裁であったティモシー・ガイトナー氏や、連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ元議長も含まれる。バーナンキ氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)から博士号を取得しているにもかかわらず、今では金融危機前の的外れな発言が動画にまとめられ、ユーチューブで公開されている始末だ。

 2008年3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融機関の資金不足を指摘する声が上がった際には、ガイトナー氏も力のこもった反論を展開した。市場がパニックに陥る時は大抵そうだが、2008年の金融危機の被害があそこまで拡大したのは、政府や金融機関がそれを全く予想していなかったからだ。

 ケインズ派を称する人たちがクドロー氏を嫌う本当の理由は、彼らの理論を同氏が否定しているからだ。クドロー氏は政府の移転支出ではなく、インセンティブを変える減税こそが経済成長につながると考えている。ケインズ派は「乗数」効果をとなえるが、クドロー氏は1ドルの消費が1ドル70セント分の成長をもたらすという主張をナンセンスだと考えている。MITやプリンストンから博士号を取得していないほとんどの人も、同じ意見だろう。

 これこそが、トランプ氏を囲む経済チームの中にクドロー氏が加わるべき理由だ。次期大統領に対して財政や金融についてアドバイスする顔ぶれは、政策に関する知識が真っさらな人物や、反貿易や移民政策に関して熱心である人物で固められてきている。トランプ氏は21日に国家通商会議を新設したが、そこでも経済学者のピーター・ナバロ氏をトップに指名した。ナバロ氏も保護主義を主張している人物だ。その中で、クドロー氏のように自由貿易をとなえている人物が1人ぐらいはホワイトハウスにいるべきだろう。

 トランプ氏を批判するリベラルな勢力は、貿易政策や政府の支出に関して自らと同じ考えを持つ人物にはかみつかない。しかし彼らはクドロー氏を嫌う。それは同氏の成長重視戦略が、レーガン政権の時のようにうまくいきすぎてしまうことを恐れているからだ。

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【社説】
中国、ドル高が試練に−国債急落が伝える警告
中国人民銀行は今年、信用引き締めに努めてきたが、その力には限界がある

2016 年 12 月 22 日 16:44 JST

 中国政府は債券自警団について学びつつある。15日の中国市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が13・14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の引き上げを決定し、FOMCメンバーが2017年に見込む利上げ回数も増えたことを受け、債券相場が急落した。中国経済が影響を受けないよう政府が準備を施し、海外から隔離させようと最善を尽くしているにもかかわらず、中国が依然としてドル高による打撃を受けやすい状態にあることに投資家は気づき始めている。

 中国の国債市場では15日、利回りの急騰(価格の急落)を受けて先物取引が一時停止された。その後、中国人民銀行(中央銀行)が沈静化のため短期金融市場に約220億ドル(約2兆5800億円)の資金を供給したことを受け、取引は再開された。人民銀行は金融機関への緊急融資も行い、取引を続けるよう促した。15年6月の株価暴落後に株式取引を停止して余計に混乱を拡大させた当局が、当時の失態から教訓を学んだしるしだ。だが、社債の利回りは上がり続けており、起債は中止されている。

 中国の債券市場はここ2年間で政府の介入を背景にバブルの領域に入っていた。政府は銀行融資への依存を減らすために債券を発行するよう企業に促す一方、投資家には社債を買うよう推奨した。経営難の企業がデフォルト(債務不履行)に陥らないよう救済策も講じた。このため、市場は根本的にリスクを正しく評価していない状態となっており、これからの調整はいっそう痛みを伴うものとなるだろう。

 いつものことながら、バブルが破裂すれば、誰が裸で泳いでいたかが明らかになる。国海証券は先週、債券関連の取引でデフォルトに陥った。従業員の不正行為が原因とされている。投資家が債券ファンドから資金を引き上げているといったうわさも広がっている。約束したリターンを確保するために多額の資金を借りて投資していた企業は今やマージンコール(追加担保請求)に直面している。

 それよりも大きな問題は、中国の実体経済そのものがバブルなのかどうかだ。政府の統計によると、銀行融資を含む社会融資総量は国内総生産(GDP)の約2倍の速さで増加している。債務総額は現在、GDP比260%に達し、08年の同154%を大きく上回る。しかもこれには、銀行が「投資未収金」などと分類した数兆ドルもの融資が含まれていない。

 人民銀行は今年、信用引き締めに努めてきたが、その力には限界がある。人民銀行、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)、中国証券監督管理委員会(CSRC)の3機関が金融機関の監督を担っているため、銀行などは資産をあちこち動かして当局の目を欺くことができる。また、政府内の強力な既得権益勢力は、経済成長目標を達成するために金融緩和を維持したいと考えている。

 だが、このような成長が持続可能なのかどうか、疑問が深まりつつある。金融緩和のせいで生産性は悪化した。企業は資本統制を巧みに回避し、資金を海外に持ち出してドルに転換する。中国の外貨準備は依然として巨額だが、月ごとに減少している。人民元の急落を防ぐには国内金利の引き上げが必要だろうが、利上げすれば経済成長が損なわれ、破綻する企業も出てくるだろう。

 中国の債券市場はリスクを正確に評価していないものの、金利見通しは反映している。先週の「ミニかんしゃく」から判断すると、FRBがこの先も見通し通りに利上げを遂行すれば、人民銀行は金利を低く維持できなくなることを投資家は理解しているようだ。ドル高が進む中、中国の金融機関と実体経済は試練にさらされることになる。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiUloyG8JHRAhXBmpQKHSHVBw0QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582512252740541054&usg=AFQjCNFvLHtNPOYdXaxeA15o3w9iiTkWxA
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/206.html

[政治・選挙・NHK218] 給食費未納の子どもが給食を食べられないのは仕方ないのか 『給食費未納』 鳫咲子准教授インタビュ
オトナの教養 週末の一冊
給食費未納の子どもが給食を食べられないのは仕方ないのか
『給食費未納』 鳫咲子准教授インタビュー
2016/12/22
本多カツヒロ (ライター)
 昨年、埼玉県北本市の公立中学校が給食費を3カ月以上滞納する家庭の生徒に対し給食の提供を中止すると報じられた。これに対し、世間の反応は「保護者のモラルが欠如している」といった批判が相次いだ。果たしてこの裏側にはどのような問題が隠れているのか。

 『給食費未納 子どもの貧困と食生活格差』(光文社新書)を上梓し、子どもや女性の貧困等の調査研究を行っている鳫(がん)咲子・跡見学園女子大学マネジメント学部准教授に給食費未納と、その対応方策について話を聞いた。

――今年、三重県鈴鹿市の教育委員会が野菜の高騰により給食を2日間中止するとの方針を示し、その後撤回すると報じられました。また大阪市では給食費の滞納分を弁護士が回収し、回収額に応じた出来高制で報酬を支払う制度が11月から実施されるなど給食費未納が問題化しています。子どもと女性の貧困を研究している立場として、これらのニュースを聞いた時、どんな印象を受けましたか?


『給食費未納 子どもの貧困と食生活格差』
(鳫咲子、光文社)
鳫:鈴鹿市のケースは、保護者や児童がいかに学校給食を頼りにしているか示していると思います。しかし、横浜市などを始め、全国の公立中学校では未だに主食、おかず、ミルクの揃った完全給食が実施されていない地域が2割ほどあります。そうした事実を知ったら、皆さんもっと驚くのではないでしょうか。 

――確かに、小中学校共に給食のある地域で育った私も、給食が実施されていない中学校が2割もあると本書で初めて知り驚きました。しかも、本書によれば給食のない地域の子どもたちの中には、朝食を家で食べず、昼食のお弁当も持参していない子どもも少なくないと。成長期で一番お腹が空くはずの中学生がどのような食生活を送っているのかとても心配になりました。

鳫:弁当を持たせない保護者は昼食代として数百円のお金を渡し、子どもは給食並みに栄養の整ったお弁当を買うかわりにスナック菓子などで表面上お腹を満たす可能性があります。中には昼食代も渡していないケースもあります。

 また、パートに出ているお母さんも多く、お弁当を用意することは難しいのが実情です。また、夏季は弁当が痛みやすいなどの問題もあります。

 一方で、デコ弁に代表されるような手の込んだ弁当を作る保護者も中にはいて、食生活格差が大きくなっているのではないかと考えられますね。

――ジャンクフードばかりだと将来にも影響が出ますね。

鳫:そうです。勉強はもちろん健康面への影響が心配です。こども食堂を運営している方に話を聞くと、やんちゃな子どもに温かい物を食べてもらうと、普段ジャンクフードが多いのか、みんな顔が穏やかになるとも言います。

――昨年、埼玉県北本市の公立中学校が給食費を3カ月以上滞納する家庭の生徒に対し給食の提供を中止すると決定したことが報じられると、給食費未納の保護者に対し「本当は払えるのに払わない」や「モラルが欠如している」などという批判がネット上を中心に巻き起こりました。こうした指摘は妥当なのでしょうか? それとも経済的な困窮が原因と考えますか?

鳫:ネット上では「保護者がベンツに乗っているのに払わない」「高級ブランド品をお母さんが所持しているのに払わない」という意見を見かけます。このようなケースは実際には多くはないと思いますが、見た目だけで、その家庭の事情がすべてわかるわけではありません。

 経済的に困窮している家庭では、家計管理が上手く出来ていないケースがままあります。生活保護や就学援助制度を受けているケースでも家計管理の問題があります。就学援助制度とは、経済的理由で就学が困難な小中学生の保護者に、市町村が給食費や学用品費、通学費、修学旅行費、一部の医療費に当たる現金給付を行う制度です。そうした援助は数カ月分まとめて支給されることが多く、支給時には、給食費を払ったり、必要なのに普段買えないものを買ったりできます。しかし、家計管理が上手く行えない家庭では、まとめて支給されるお金で無駄遣いをして、次の支給まで計画的な支出が出来なくなってしまうこともあります。

――実際に給食費を滞納している割合はどれくらいなのでしょうか?

鳫:未納率は全国平均で0.9%と決して高くはありません。

 本来、給食費を「払う・払わない」というのは、滞納している保護者と自治体との問題なはずです。ところが、結果として不利益を被るのは子どもです。つまり、そういう給食費を滞納する保護者の子どもだから、家族責任で子どもが不利益を被るのは仕方がないといった意見があまりに強調されすぎていると思います。

 また、実際に未納問題が生じるということは、生活保護や就学援助といった制度が上手く機能していない面があると考えられます。

――具体的にどのようなケースが考えられますか?

鳫:まず日本の福祉は申請主義ですから、保護者が生活保護や就学援助制度を自ら申請しなければならない。そのため制度や申請方法を知らずに、保護されるべき世帯が漏れている。

 ただ、実際には就学援助に関し、学校長の所見により認められるケースもあるにはありますが、どの程度実施されているかは自治体次第です。

 また、特に保護者が経済的な問題を抱えている自営業者の場合、就学援助を受けようにも課税証明を出せないケースもあります。課税証明を取得するために自治体に申告すると、国民健康保険料などの督促があるのではないかと恐れているためです。

 給食費以外では、修学旅行費の未納が結構あることが知られています。ただ、給食費と違いデータがないために、全体像の把握は出来ていません。しかし、旅行費が払えないため修学旅行を断念しているケースは少なくないようです。

――生活保護や就学援助は地域差があるのでしょうか?

鳫:あります。例えば、小さな町や村は小さいコミュニティですから、外聞を気にして生活保護申請をためらいがちです。就学援助すらも難しいと聞きます。

 例えば被災した石巻市では、被災前、就学援助を受けている割合が13%で、給食費の未納も200件ほどあったそうです。しかし、被災後、被災児童生徒就学援助事業が開始されると、受給割合が40%まで増え、未納は100件以下に下がったそうです。被災前は、それだけ就学援助を受けるハードルが高かったということです。

 しかし、こうした援助を受けるハードルが高い小さい町や村をはじめ、最近になって全ての子どもに対し給食の無償化を導入する自治体が増えています。その数は全国で約2割にものぼります。誰かを特別に支援するのが難しい小さな町や村を中心に、子育て支援の枠組みで、給食費や保育料の無償化が少しずつ進んでいます。

――元々、給食制度というのはどういった考えからスタートしているのでしょうか?

鳫:明治以降の学校給食は「貧困児や欠食児童救済」を目的に始まり、そうした児童に関しては無料でした。しかし貧しい家庭の子を選別するのは非常に難しく、やがて全ての子どもの栄養改善を目的とした給食が普及すると保護者負担が始まり、普遍的給食として設けられました。

――鳫先生は給食費未納を防ぐためには、どのような制度を構築すべきだとお考えですか?

鳫:そもそも義務教育は無償と憲法でうたわれていますから、給食を全ての児童に無償で提供すべきだと考えています。

 では、その予算をどうするか。例えば、児童手当から給食費を一律に天引きすれば、未納は防げますが、その分現金収入が減りますから、低所得家庭にとっては厳しい結果になります。また、給食費を税金から投入すれば反対する人もいると思います。しかし、給食にかかる費用のうち、人件費や施設設備費は既に税金で賄われ、食材費のみが保護者負担となっています。

 現在、子どもの医療費を無償化している自治体は増えています。この金額と給食費無償化の金額は同じくらいと考えられます。

 給食は子どもの食事におけるセーフティネットになっていると思います。それを親が払う、払わないで左右され、子どもに辛い思いをさせるのは非常に良くない。セーフティネットとして考えていけば、無償化するために、何をするのか、知恵を絞って考えていく必要があります。給食の対象も増やしていければと思いますね。

――給食の対象を増やすとはどういうことでしょうか?

鳫:給食のない夏休みに、昼食を食べられないために体重が減る子どもがいます。こうした事態を防ぐために、埼玉県越谷市では希望者のみですが、夏休み期間中に学童保育で夏休みの給食センターを活用し給食を提供しています。

 ただ、なかなか広がらないのが実情で、やはり未納問題が生じるからだという懸念があるのでしょう。同じく中学校で給食が実施されていない地域でも、未納問題が普及のネックになっています。

 今後、子どもはさらに減少します。そうなると現在の給食施設の供給可能量は余るので、給食を高校生まで拡充し、それでも余るようならば、地域のひとり暮らしのお年寄りにまで伸ばし、地域の食堂をセーフティネットとして設置する仕組みも良いのではないでしょうか。

 北欧には、有料ですが地域の給食センターのような場所があり、障がいのある人達を調理に雇用しています。

――文部科学省は給食費未納問題をどう考えているのでしょうか?

鳫:これまで自治体は悪質な事例については訴訟を起こしていますが、その他について文部科学省は親のモラルの問題であるとしてきました。

 未納という経済的な問題が、ネグレクトや保護者のメンタルヘルスの問題のシグナルと捉え、福祉につなげていくべきだという方向性を文部科学省にも持って貰いたいものです。それだけ食というのは子ども生活にとってコアな部分なのです。
http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/248.html

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