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中川隆 koaQ7Jey コメント履歴 No: 100439
http://www.asyura2.com/acpn/k/ko/koa/koaQ7Jey/100439.html
[番外地8] 私達は洗脳されていました。不良債権の処理こそが構造改革だと。。。
また見当外れの嘘言ってるね、日本の株式を外資に乗っ取らせたのが竹中だよ 2 :
私達は洗脳されていました。不良債権の処理こそが構造改革だと。。。
彼等のやり口はこうでした。
一、株式は自己資本の半分以下にすること。
二、不良債権は二年で半減すること。不良債権処理に充てた資金には税金を課す ただし繰り延べ資産として7年間分認める

私達は国の命令で株式の売却を始めました。株の暴落が始まり長銀は国有化され長銀の株券は一夜で紙くずとなりました。数兆円の血税をつぎ込み身奇麗にした 長銀は瑕疵担保条項までつけて外資の手に渡りました。その後私達は恐ろしい光景を目にすることとなりました。

瑕疵担保条項によって死ななくても良い企業まで次々と息の根を止められて行きました。 その時つぶせばつぶすほど外資がもうかる条約だった事に私達は気づきました。

そんな時あの竹中が金融中枢に入ってきたのです。
そしていきなり繰り延べ資産は認めないと言い出したのです。税金は取っておきながら、です。人々はパニックに落ちました。株価は大暴落し、旧額面で80円を割り込んだ時、外資の増資申し入れを受け入れました。
四大メガバンクすべてが外資に自社株を叩き売ったとき、りそな銀行の国有化が決まり、長銀の時と同じく数兆円の国民の税金がつぎ込まれましたが、驚いたことに減資なし、株主責任は問わないという寛大な措置でした
あれほど株主責任を厳しく追及していた竹中 木○コンビの豹変でした。

その翌日から外資の数千億単位の株式購入が連日のように続きました。
日本の国富が外資の手に落ちて行くのを私達は茫然と見ているしかありませんでした・・・。
私達は竹中によって株式をもっと売り払えと指導されていたからです

▲△▽▼

アメリカの日本叩き落とし戦略  
アメリカではFRB議長グリーンスパンの超低金利政策の結果住宅産業バブルが起こり、これが今日まで消費を支えてきたが、ここへ来て住宅バブルに「ローソクの最後の炎現象」が見えてきた。前述のようにアメリカには日本のような「潜在消費・投資力」の備蓄がないから解決策を他国に求めるしかなくなる。

そこでアメリカに狙われたのが日本、つまり竹中平蔵大臣である。

実は竹中平蔵氏は1980年から90年のJapan as No.1(「日本の世紀」と言われるほど日本経済が世界を制覇した)時代にハーバード大の客員研究員や准教授をしていた。日本の銀行が世界ランキング1位から10位を占める事態に危機感を抱いたアメリカはハーバード大等の叡智を結集して「日本叩き落とし戦略」を打ち出して見事に成功し、その結果日本の大不況はまだ続いている。竹中氏(当時、大蔵省財政金融研究所主任研究官)は日本の大蔵情報提供者として重要な働きをしたと考えられる。

だから現在のブッシュ政権の経済担当責任者とも親交が深い。異例とも言われた経済財政・金融担当の二つの経済ポストが竹中に与えられた時、グレン・ハバード米大統領経済諮問委員長は「竹中氏は申し分のない改革論者で、ブッシュ政権は竹中氏を全面的に支持している」との見解を発表すると同時に「不良債権処理と日銀の金融緩和の必要性」を強調した。

竹中大臣が10月に訪米した時、「大手銀行だからといって容赦しないぞ!」と言わんばかりの不見識な「大失言」(竹中ショック)のためニッケイは大暴落となり日本は時価総額で約50兆円の資産を失った。この時ハバード委員長をはじめ、バウチャー米国務省報道官、テーラー米財務次官らは必死になって竹中大臣をかばった。アメリカが日本に経済高官を送り込んでまでの竹中支援ぶりは異常。ここでまた経済の基本に戻るが、不良債権処理が日本経済の現況下では不要であることは再三解説したのでご理解いただいたと思う。

日本企業は現在リストラ中であり、総需要も資金需要もマイナスだから特に銀行機能を求める環境にない。こうした時、銀行の脆弱な財務体質を目の敵にするのは不自然である。しかも国会でもマスコミでも世を挙げて不況の結果である不良債権処理とデフレ対策に議論が集中し、不況の真の原因から目を避けている。異常ではないか。何故竹中大臣とアメリカはこの時期に不良債権処理と金融緩和を急ぐのか。

それはアメリカの国益の立場になって考えればすぐ分る。自ら打つ手がなくなったアメリカは日本の「打つ手」(現金備蓄)を奪うしか手が無いのである。竹中大臣はアメリカの国益の立場に立っているのである。不良債権で金融機関のパイプが詰まったままの状態で金融緩和をすると緩和された資金はアメリカに流れず、資金需要がない日本の資本市場で浮遊資金の増大となる。資金は当然土地と株にヘッジし、地価と株価を押し上げる結果となる。これこそ日本経済再生の道だが、アメリカにとっては許し難いこと。すなわち日本の土地と株が上がりだすとアメリカから資金が逃避し日本市場に向かうからである。

今アメリカは戦争と言う無駄な公共投資を前倒しで実行しているが(前述のごとく)潜在的財源が無い。どんなことをしても日本の「備蓄資金」をアメリカへ還流させなくてはならない。住宅バブルが弾けるのも時間の問題。

不良債権処理を急ぎ、日本の国民に痛みを与え、デフレをさらにスパイラル化し、大銀行や大企業を破綻に追い込んでまでもアメリカの国益の為に尽くす竹中平蔵。さらなる「詭弁」で小泉首相と国民を騙し続ける竹中大臣。まるで邪教の亡者のごとき竹中大臣の強烈な意志と情熱は、多分1980年代に洗脳された「日本叩き落とし精神」の具現だろう。今日本は「気違いに刃物」を与えてしまった。

竹中平蔵は、もともと日本からハーバード大学に留学していった。米国では世界各国から来るエリートを選び、その人物に、洗脳教育を施していると聞く。つまり、「国際金融資本に、すべて任せることがよい」という洗脳である。

○ 竹中の推し進めてきた政策を振り返るとあることに気づく。それは、すべて日本の企業を倒産させて、米国の企業に買い取らせるという結果になっている政策ばかりであり、しかも竹中はこれを「すばらしい」と表現している。

○ここでハーバードまで留学して、結局、「すべて国際金融資本に任せるべきだ」という思想を植えつけられているとする。

<竹中の破壊の歴史>
振り返ってみれば、日本は世界最強の銀行として、誇っていたのを台無しにしたのは自己資本比率規制の導入であった。これを導入することを熱心にやっていたのが竹中であり、金融ビッグバンも竹中の提案であり、不良債権処理も竹中路線であり、就任以来54もの金融機関を次から次へと倒産させてきたのは彼の政策のためである。

小泉内閣になってついに、竹中金融担当大臣が就任した。
周囲は、机上の空論の大臣だといって猛烈に反対していたが、小泉は、
「すぐれた頭脳で貢献していただく」といって任命した。
竹中はそれまでやっていた慶応大学教授からいきなり金融大臣となった。

それでは竹中がやってきた日本の金融政策を振り返ってみよう。

竹中が、日本に、自己資本比率規制を導入した。その結果、世界でも最強を誇って
いた日本の銀行は軒並み、貸し出しを減らし、貸し渋りを行うようになった。
そして不況になっていった。 それまでは世界のベスト10バンクに日本の銀行が
6行も入るすごい状態にいたのだった。

竹中がやってきた日本の金融政策を振り返ってみよう。

竹中が、日本に、自己資本比率規制を導入した。その結果、世界でも
最強を誇っていた日本の銀行は軒並み、貸し出しを減らし、貸し渋りを行うようになった。そして不況になっていった。 それまでは世界のベスト10バンクに日本の銀行が6行も入るすごい状態にいたのだった。
http://ime.nu/www.asyura2.com/0505/hasan41/msg/915.html
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/527.html

[番外地8] 1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました
また見当外れの嘘言ってるね、バブルはアメリカが人為的に作ったものだよ:
1985年のプラザ合意でドル-円が半値になって、日本は輸出で稼げなくなったので内需拡大する為に金融緩和してお金をばら撒いたのです。つまり、輸出企業の仕事が無くなったので内需振興で国民の仕事を増やそうとしたのです。
その段階で日本政府は財政出動・公共事業で国内需要を増やしました。
そしてその結果、円の貨幣価値が暴落して、日本のGDP,、日経平均と日本の不動産価格は暴騰しました。

しかし労働者の実質賃金は全く上がらなかったのです。
円の貨幣価値が暴落したのを見てCIAは日本経済を完膚無きまでに破綻させる為にバブル崩壊を仕掛けました:

1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。

 平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。

事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。

 ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。

 バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。

 バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。

 CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。


ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。

 かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
 「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。

 60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
 この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。

 その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。

 デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。

次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
 人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。

 大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
 しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。

 それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
 風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。

 彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。

 彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
 そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。

ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。


 こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。

 この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
 1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/528.html

[番外地8] バブルを起こして潰す。奴らの詐欺手口の最たるものですた。
また見当外れの嘘言ってるね、バブルはアメリカが人為的に作ったものだよ 2:
その昔、日本は国民総ででバブルに踊った時代がありますたね。
バブルを起こして潰す。奴らの詐欺手口の最たるものですた。
バブルがはじけて今では失われた10年と言われていますが、今だに日本経済はその後遺症を引きずっています。自殺者はバブル崩壊から毎年3万人。今だにその数は変わっていません。

その手口を見れば分かるのですがいつもワンパターンです。
最初は甘い話でカモを釣る。こうやれば儲かりますよ。おいしい話でカモを誘います。

そしてころ合いを見計らって真っ逆さまに突き落とす。詐欺師の典型的なパターンです。

最初に奴らはバカスカ札束を刷って、バブルを引き起こす。銀行は貸して貸して貸しまくる。株に投資すれば儲かるよ。土地を買えば儲かるよ。そしてカモが罠にかかったころ合いで急に蛇口を閉める。貸し渋りをやるわけです。
これをやられたら投資家はいきなり資金難に陥ります。そして、資金難に陥ったカモ達から担保として株、土地、あらゆる資産を奪い取るのです。昔からやっていることは同じです。
いい加減気付いたらどうかと思うのですが、今だに引っ掛かっている人がいます。

その当時の日銀総裁であった澄田智(すみださとし)と言う方をご存じでしょうか。日銀退官後は日本ユニセフ協会の会長などをやっていた方です。

澄田さんがバブル潰しの張本人と言われています。
プラザ合意以降、5%だった金利を2.5%に下げ、銀行は貸して貸して貸しまくった。その当時は、黙ってても銀行が頭を下げて貸しに来たという話は誰でも覚えているはずです。そういうジャブジャブ溢れた資金が株や不動産に流れ込んだ。借金しても金利は安いし土地や株を買えば値上がりするしで猛烈なバブルが起きたのですた。

そしてバブルが膨らみきったころ合いを図って、澄田さんはいきなり公定歩合を8%、長期金利は 10%まで引き揚げた。蛇口を閉めたのですた。借金すると金利が高い。値下がりリスクのある株や不動産よりも安全な銀行預金の方が良いということで投資家は一斉に株と不動産から資金を引き上げた。土地や株は一気に値下がり=バブル崩壊と言われています。

バカスカ金を貸し出して狂乱状態を作ってからブルを破裂させる。
その後には膨大な焼け野原、不良債権の山だけが残る。
それを二束三文で奴らが買い叩く。
昔からの手口。ばればれの三文シナリオだったのですた。

さて、それにしても、そのバブル潰しの張本人澄田さんはどのような経歴の持ち主だったのでしょうか。
澄田さんと言えばフランスに留学した留学組で、その後ベルギー大使館、フランス大使館の一等書記官からキャリアをスタートしたエリート官僚ですた。
そしてその後は、順調に大蔵省で出世して日銀総裁になっています。
澄田さんとフランス財界のつながりはお父様の代から囁かれていますた。


澄田智さんは、日銀総裁を辞めた後、ロス茶イルドフランスの旗艦、投資銀行ラザール・不レールに最高顧問として天下りしています。
ちっとはカモフラージュでもして隠せと思うのですが、親子二代に渡って奴らの充実な部下だったという、そのまんまの経歴の持ち主ですた。

▲△▽▼

最近、株価が上昇してますが、日本経済に株価が上昇するようなファクターがあったっけかな?と不思議に思っていました。GENDAI NETに気になる記述を見つけました 2005年11月30日 掲載
10月23日(日)の「がっちりマンデー!!」という民放番組を見ていると、ゲストに当時の竹中蔵相を招いて「竹中大臣の新日本経済入門U」みたいなのをやっていました(リンク)。

その番組中で竹中前蔵相は、「それを私の口から言ってしまうと問題がある」とは言いつつもニヤニヤしながら“これから投資の時代ですよ〜”、みたいなニュアンスを醸し出していました。民放とつるんで、朝からTV漬けの主婦など(竹中氏曰く“IQが低い”←リンク)の層を個人投資家として株式市場に参加させ、バブルを起こさせようというのが狙いか?と疑ってしまいます。それでも個人投資家のシェアは15年前から7%程伸びただけというのが実情。

注目はやはり、15年間で4倍にも跳ね上がって、いまやシェアの半分になろうとしている外国人投資家の方でしょう。日本の株式市場なのに、国内機関投資家のシェアがたったの3%以下(信託入れても12%)なのに、外国人投資家が46.7%もあるというのも、いかにも異常な感じがします。

国内機関投資家は、体力が無いのと前回のバブルでひどい目にあったので“羹に懲りて膾を吹く”みたいなことでシェアが少ないのかもしれませんが、個人投資家はしっかり37%のシェア。もしかして彼らは、バブルを経験していない(orその当時ひどい目に遭わなかった?)新興の勢力なのかもしれません。だとしたら、外国人投資家にとっては、投資にそれほど慣れていない(でも、「もうからへんかいな〜」と甘い夢を見ている)連中は恰好の“カモ”に映っているのではないでしょうか(実際、投資経験の浅い学生や主婦がデイトレを始める中心層とよく聞きます)。

もしそうだとすると、いやな予感が脳裏をよぎります。

彼らの投資資金は、海千山千の外国人投資家に揺さぶりをかけられて丸ごと持っていかれる…というシナリオなのではないでしょうか。

1994年:メキシコをはじめとする中南米バブル、1997年:東南アジアバブル、1998年ロシア金融危機など、次々と各地でバブルを演出し、そのたびに自分達だけがっぽり儲けて、地元の経済や社会をボロボロに破壊し、そこに付けこんでIMFを介して世界各国の経済支配を強化してきた勢力がいます(参照:17664、リンク)。

今回は、小泉首相をはじめ官庁やマスコミまでがグルになって旗を振って、国民を道連れにバブルに突き進もうとしているかのように見えます。私達は、それらの勢力やエコノミストたちの戯言に惑わされて、前回のバブル崩壊や中南米・アジアと同じ轍を踏むようなことはあってはならないと思います。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=101985
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/529.html

[番外地8] 明治天皇すり替え説 中川隆
3. 中川隆[-10684] koaQ7Jey 2020年10月22日 19:51:31 : 3HB6WmkKNY : SXUyVU9IR0VUaWs=[24]
明治以降の天皇は天皇家の血筋を引いていない可能性が高いんだよ
長州の下級武士はイギリスのエージェントで、イギリスの傀儡政権を建てたんだよ。

それでイギリスの言う事を何でも聞く人間を天皇に仕立てたという話だよ。
そもそも尊王攘夷だった天皇一族が一瞬で尊王開国に変わるのはおかしいだろ。
そんな考えの皇族は存在しないよ。
そもそも明治天皇は神仏分離政策を取って、仏教だけでなく神道も壊滅させて日本を無宗教国家に変えたけど、聖徳太子以降ずっと仏教徒だった皇族がそんな事をやる筈がないだろ。

明治天皇はイギリスの為に日清日露戦争までやったんだよ。
だからイギリスが資金援助やロシアとの調停までしてくれたんだ。
そもそも長州が徳川幕府を倒したのに、毛利氏ではなく長州の下級武士が権力をすべて握るのがおかしいだろ。
すべてイギリスが背後で仕切っていたんだ。イギリスは中国を植民地化する為に日本人を傭兵にしたのさ。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/524.html#c3

[番外地8] 鬼塚 英昭の著書 中川隆
3. 中川隆[-10683] koaQ7Jey 2020年10月22日 23:00:04 : 3HB6WmkKNY : SXUyVU9IR0VUaWs=[27]

鬼塚英昭 氏の学説は既に定説になっているよ:
鬼塚 英昭とディビット・バーガミニの二人は昭和天皇の研究者として有名だよ。タブーに触れるので他の研究者はその分野は全く研究していないから、現在では二人の学説が定説になっている、既に関係者が全員死んでしまって、当時の話を聞けないから新しい調査・研究はもう不可能なんだ:

鬼塚 英昭の著書
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E9%AC%BC%E5%A1%9A-%E8%8B%B1%E6%98%AD/s?rh=n%3A465392%2Cp_27%3A%E9%AC%BC%E5%A1%9A+%E8%8B%B1%E6%98%AD

天皇の陰謀 天皇裕仁はかく日本を対西洋戦争に導いた
ディビット・バーガミニ著 松崎元訳
https://retirementaustralia.net/old/rk_tr_emperor_02_contents.ht

▲△▽▼

鬼塚氏を中傷するコメントをネット上で見かけるが、

一、あなたが鬼塚氏の何の本を読み
二、どこの箇所を指して事実を捻じ曲げて妄想で書いていると確信を持てたのか
三、その根拠たる文献資料を示されたい。

鬼塚氏ほどあらゆる文献資料を網羅し、
かつ眼光紙背に徹するが如く読み込んでいる人を私は寡聞にして知らない。
プロパガンダをまんま信じて洗脳されている歴史作家があまたある中で、
まさに掃き溜めの鶴、恩寵、僥倖のような存在である。


鬼塚氏を中傷するコメントは、
秦郁彦がバーガミニの『天皇の陰謀』を偽書と決め付けた手法と同じ。
”バーガミニの主張に該当する資料は、杉山元メモのどこにも見つからなかった”
などとと事実無根の主張をしている。

秦は防衛庁に職員として潜入していた草である。
秦のような田布施村王朝の関係者が、国家規模の資料改竄をしていると私は思う。
日中戦争拡大の現場証言も同様である。
池田純久が近衛文麿に責任転嫁する有名な証言は、その代表例である。


田布施村王朝は実に真摯な態度で、一貫して偽史を捏造してきた。
秦や白洲次郎や松本重治などの確信犯がプロパガンダを流布し、
それに御用作家やマスコミが追随してきたが、

鬼塚氏が膨大な資料を微分積分して導いた結論は、『仮説』ではなく真実である。
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/701.html#ctop
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/522.html#c3

[番外地8] 高橋洋一は安倍・菅応援団論客として様々なメディアで安倍政権擁護、政権批判叩きをしてきたことで有名 中川隆
3. 中川隆[-10682] koaQ7Jey 2020年10月23日 06:38:48 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[1]
高橋洋一は安倍・菅応援団で反日売国奴
高橋洋一は安倍・菅応援団論客として様々なメディアで安倍政権擁護、政権批判叩きをしてきたことで有名。
「ついにあなたの賃金上昇が始まる」などとアベノミクスを礼賛していた高橋洋一氏が内閣官房参与。ちなみに実際の賃金は2000年を起点にして名目も実質もマイナス。政権の不祥事を徹底擁護してきた忠勤ぶりが認められたのだろうが、ここまで露骨だと乾いた笑いしか出ない。

アメリカが日銀に異次元金融緩和させた目的は日本の銀行と大企業の乗っ取り
アベノミクスで日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取られる。特に日本国債を日銀に売って、その金でアメリカ国債を買った日本の銀行はすべて債務超過になって欧米資本に乗っ取られる。

アベノミクスとは何だったのか(Live配信2020/9/1) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9ZMZjUkBPow

2018.5.28「安倍首相の売国政策を糾弾する」大西つねきの週刊動画コラムvol.28
https://www.youtube.com/watch?v=VFEBdHhOv5A

資金不足を続けている対外純債務国(10兆ドル;1,100兆円)が発行する米国債は、ゼロ金利の日本・欧州の金利と、2%から2.5%の金利差(イールド)があるという理由から、売れていきました。

しかし今は、コロナショックからのFRBの緊急利下げで、米国債も金利ゼロです。ゼロ金利のドル国債を買うと、日本、欧州、中国からはドル安のリスクを、金利ではカバーできません。

短期で投機的なドル先物買いの動きは別ですが、2年単位の中期では、債務国の通貨のドルに金利差がない時は、基軸通貨とは言っても「円に対してドル安」の材料になります。


高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた人物だ。そしてこんなデマも

高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議を攻撃する言説は菅政権を擁護するためのフェイクだらけ(リテラ)
http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/556.html

高橋洋一
>学術会議は一部の貴族のようなもの。引退間際の豪華なポストでお小遣い付き

ちなみに、自民党甘利もたいがいデマを飛ばしていたが、政府によって否定されて、こっそり・ひっそりブログを修正している。

必死で菅政権を擁護していたと思ったら、やっぱり「内閣参与」の餌付きだったか。

苦節8年頑張ったおかげで、ようやく政権の中枢へ。

しかし、デマやフェイクが専門職のような人間を政権の中枢に入れたらどうなるか。。。
菅の周りに、菅を喜ばせる人間ばかり配置した格好だ。
知性もなければ良識もない人間ばかり集めてこの国を潰す気か。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/490.html#c3

[近代史5] 中国のチェコ大使は反中だったチェコのクベラ前上院議長を毒殺した
中国のチェコ大使は反中だったチェコのクベラ前上院議長を毒殺した


河添恵子#30-2 チェコと中国共産党 2重構造を読み解く!チェコ大統領は中国とズブズブ!
2020/10/22




http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/336.html

[近代史5] 中国に招待された日本人はこうやって中国のスパイにされる
中国に招待された日本人はこうやって中国のスパイにされる


10-23 自分を頭イイと思ってる人たちは面倒くさい
2020/10/23




http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/337.html

[お知らせ・管理20] これが阿修羅に巣食う電通工作員 中川隆
294. 中川隆[-10681] koaQ7Jey 2020年10月23日 07:40:15 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[3]
電通のネット監視会社では反論記事作成のプロが、反論を書き、また法的措置を取ると相手に脅迫・威圧を加える担当者も常駐している。

ネット監視&削除ビジネス 電通バズリサーチ

広告を通じてテレビや新聞・雑誌などマスコミに対して大きな影響力をもつ日本最大の広告代理店「電通」が、巨大掲示板「2ちゃんねる(2ch)」を常時監視する「バズリサーチ」とよばれるシステムを保有していることが、「WIRED NEWS」の記事で明らかになった。(2007)

口コミ情報選別ソリューションの提供を中心に、クライアント企業のインターネットマーケティング活動を先端技術で支援する


電通はサイバー軍事部隊

 広告大手の電通の業績上昇が著しい。

元々、CIAの対日ブランチとして創立された日本の広告大手企業・電通が、この「ネット監視業務」を担当する。

その売上増加の大部分を占めるているのが、インターネットの「監視ビジネス」である。依頼を受けた企業・人物の名前を24時間ネット上で検索するソフトを使い、万一、その人物・企業に対する批判記事があった場合には、コンピューターが自動的に反論記事、または批判と正反対の内容の記事・意見を作成し、ネット上で数万、数十万件、大量に流し、「世論を誘導する」ビジネスである。

時には反論記事作成のプロが、反論を書き、また法的措置を取ると相手に脅迫・威圧を加える担当者も常駐している。

 批判記事の内容が「事実であるか、どうか」は関係が無い。金を払ってくれた企業の「良いイメージ」だけを大量に流し、「批判を封殺する世論誘導」ビジネスである。
ナチス・ドイツの宣伝隊長ゲッペルスが、

「ウソも100万回、繰り返せば、真実に見えてくる」

と言った事の、ビジネス版である。

これは軍隊のサイバー部隊の行っている仕事の「民営化版」である。

 ネット上で「同一意見」が多数、存在し、多数派となった意見は、こうして「金で買われたデマ宣伝」になる。多数派の意見が「政策として実現される」民主主義は、一部の金持ちの独裁政治と同義語になった。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/104938130.html
http://www.asyura2.com/11/kanri20/msg/603.html#c294

[近代史02] 幻の柴田罫線 中川隆
161. 中川隆[-10680] koaQ7Jey 2020年10月23日 09:39:00 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[8]

2020年10月23日
投資の秘訣は投資しない事? バフェットの休むも投資

大投資家は草むしりではなく大木を育てる


絶好球が来るまでバットを振らない

投資には様々な格言があり、休むも相場も良く知られているが、最も実践されていない格言です。

資産10兆円近いWバフェットは休む投資の名手で、経済危機の最中ではたいてい休んでいます。

リーマンショック時前半は損失を膨らませた銘柄を手放し、バフェットは終わった、もうろくしたと言われました。


だが経済危機が最悪になった2009年後半ごろからむっくりと起きだし、猛烈な勢いで株を買いあさりました。

バフェットはリーマンショックの大底で株を買いまくり、ほとんどの銘柄は危機終息後に大幅値上がりしました。

今回のコロナ経済危機でバフェットは損失を出し、やはりバフェットは終わったと言われました。


だがコロナ危機は僅か1か月ほどで終息し、すぐにコロナ前の最高値水準に回復しました。

結果としてまたバフェットは最大級の経済危機をうまく乗り切り、また資産を増やしました。

彼は東日本大震災でもバブル崩壊でも、湾岸戦争でも911でもITバブル崩壊でも同じように資産を増やしました。


いったいどうしてバフェットだけがこんな風に安定して危機を乗り切る事が出来たのでしょうか。


煽られるアホになるな

ある投資家は「あらゆる職業で失敗して金を払うのは投資家だけ」だと言っていました。

どんな職業でも働けばお金を貰えるのに、投資家だけは勝たない限りお金を払います。

だが投資家にはいい点もあり、投資をしないという選択が可能です。


他の職業では出社して働く義務があるが、投資家は自分が望まなければ一生投資をしなくても良い。

バフェットは野球が好きなので野球に例え、「スイートスポットに球が来るまで打たない」と言っています。

これと正反対なのが毎日必ずトレードするデイトレードで、こういう手法で数百億円を稼いだ日本人も居ます。


ですが何兆円も稼いだ世界的大投資家となると、不況の底値で買うようなバフェット流が多いと思います。

大投資家は暴落時しか株を買わないとも言われ、巨額な資産を築いた人の多くが、経済危機の暴落時に買った資産が増えています。

もっともダメなのが、「ガンガン稼ごう」というような煽りに乗せられる事で、100%大敗が待っています。


書店の本やネットの投資サイトでは必ず「今がチャンスだ」と投資を進めているが、それが彼らの金もうけです。

バットを振らなければ当たらないとばかりに、ボールが来たら必ずバットを振る打者みたいなもので100%三振します。

投資は絶好球が来るまで何度見送っても三振やアウトにならないので、ホームランを打てる球が来るまで待てば良いのです。


そのためには「絶好球」が何かを分かっている必要があり、バフェットはこれを「思考と洞察が最も重要」と言っています
http://www.thutmosev.com/archives/84198704.html

空売りや損切りなんか絶対にやっちゃダメだよ
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/429.html#c161

[近代史02] 株式投資の神様「ウォーレン・バフェット」の言葉を真に受けると悲惨な結果になる 中川隆
32. 中川隆[-10679] koaQ7Jey 2020年10月23日 09:41:30 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[9]

2020年10月23日
投資の秘訣は投資しない事? バフェットの休むも投資

大投資家は草むしりではなく大木を育てる


絶好球が来るまでバットを振らない

投資には様々な格言があり、休むも相場も良く知られているが、最も実践されていない格言です。

資産10兆円近いWバフェットは休む投資の名手で、経済危機の最中ではたいてい休んでいます。

リーマンショック時前半は損失を膨らませた銘柄を手放し、バフェットは終わった、もうろくしたと言われました。


だが経済危機が最悪になった2009年後半ごろからむっくりと起きだし、猛烈な勢いで株を買いあさりました。

バフェットはリーマンショックの大底で株を買いまくり、ほとんどの銘柄は危機終息後に大幅値上がりしました。

今回のコロナ経済危機でバフェットは損失を出し、やはりバフェットは終わったと言われました。


だがコロナ危機は僅か1か月ほどで終息し、すぐにコロナ前の最高値水準に回復しました。

結果としてまたバフェットは最大級の経済危機をうまく乗り切り、また資産を増やしました。

彼は東日本大震災でもバブル崩壊でも、湾岸戦争でも911でもITバブル崩壊でも同じように資産を増やしました。


いったいどうしてバフェットだけがこんな風に安定して危機を乗り切る事が出来たのでしょうか。


煽られるアホになるな

ある投資家は「あらゆる職業で失敗して金を払うのは投資家だけ」だと言っていました。

どんな職業でも働けばお金を貰えるのに、投資家だけは勝たない限りお金を払います。

だが投資家にはいい点もあり、投資をしないという選択が可能です。


他の職業では出社して働く義務があるが、投資家は自分が望まなければ一生投資をしなくても良い。

バフェットは野球が好きなので野球に例え、「スイートスポットに球が来るまで打たない」と言っています。

これと正反対なのが毎日必ずトレードするデイトレードで、こういう手法で数百億円を稼いだ日本人も居ます。


ですが何兆円も稼いだ世界的大投資家となると、不況の底値で買うようなバフェット流が多いと思います。

大投資家は暴落時しか株を買わないとも言われ、巨額な資産を築いた人の多くが、経済危機の暴落時に買った資産が増えています。

もっともダメなのが、「ガンガン稼ごう」というような煽りに乗せられる事で、100%大敗が待っています。


書店の本やネットの投資サイトでは必ず「今がチャンスだ」と投資を進めているが、それが彼らの金もうけです。

バットを振らなければ当たらないとばかりに、ボールが来たら必ずバットを振る打者みたいなもので100%三振します。

投資は絶好球が来るまで何度見送っても三振やアウトにならないので、ホームランを打てる球が来るまで待てば良いのです。


そのためには「絶好球」が何かを分かっている必要があり、バフェットはこれを「思考と洞察が最も重要」と言っています
http://www.thutmosev.com/archives/84198704.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/886.html#c32

[近代史3] 日本人を憎む被差別同和部落出身者 2 _ 竹中平蔵 中川隆
33. 中川隆[-10678] koaQ7Jey 2020年10月23日 10:01:37 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[11]
『竹中平蔵 市場と権力』 著・佐々木実
書評・テレビ評2020年10月22日

https://www.amazon.co.jp/%E7%AB%B9%E4%B8%AD%E5%B9%B3%E8%94%B5-%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%A8%E6%A8%A9%E5%8A%9B-%E3%80%8C%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%80%8D%E3%81%AB%E6%86%91%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%AE%E8%82%96%E5%83%8F-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8/dp/4065210909


 竹中平蔵は小泉政府で構造改革の司令塔の役割を担い、郵政民営化や金融改革をおし進めた。そして第二次安倍政府の産業競争力会議・民間委員として復活し、規制改革会議と連携して労働の規制緩和やTPP推進の旗を振り、未来投資会議や国家戦略特区諮問会議でもその中枢にいた。今の菅政府では未来投資会議にかわる経済財政諮問会議のメンバーだ。また、日本維新の会の橋下徹のブレーンとなり、衆院選候補者選定委員会委員長も務めたことがある。

 竹中平蔵とは何者なのか? フリージャーナリストの著者が、生い立ちからはじめてその実像に迫っている。

 和歌山市の履物店の次男として1951年に生まれた竹中は、桐蔭高校、一橋大学、日本開発銀行と進むが、転機となったのはアメリカ留学だ。1981年、開銀に籍を置きつつハーバード大学国際問題研究所の客員研究員になった。それがレーガン政府が新自由主義に舵を切ったのと同時期であり、彼は元駐日大使エドウィン・ライシャワーの弟子であるケント・カルダーら「小さな政府」「すべてを市場に委ねよ」と主張する、レーガノミックスを支えた学者たちから洗礼を受けた。著者はこの国際問題研究所が、貿易黒字を拡大する日本への反転攻勢のための情報収集と、親米派人脈を世界に広げる役割を担っていたと指摘する。

 竹中がそこで刷り込まれたのが全米経済研究所(NBER)のやり方で、経済学の若手研究者たちに潤沢な資金を与え、「過度な福祉政策が社会の活力をそいだ」などレーガン政府や財界のための研究をおこなわせ、それをメディアを通じて浸透させるというシステムだ。つまり「学問の自由」をみずから投げ捨て、企業と癒着した「政策プロモーター」になる道である。

 ちょうどそのときに起こったのが日米構造協議(1989年)だ。それは双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「大規模小売店舗法の廃止」「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させた。

 日米構造協議が終わった後、竹中は「スーパーSII(日米構造協議)を始動させよ」という文章を発表し、引き続き「外圧」の必要性を説いた。実際にその後の1994年から「年次改革要望書」が始まる。著名なシンクタンク「外交問題評議会(CFR)」は2000年、ブッシュ新政府への提言のなかで「日本国内の改革派が力を増すことで、従来の米国政府の外圧にとってかわる役目を果たすようになる」と指摘したが、竹中は早い時期からアメリカ中枢の意を体現して動いていたことになる。

米国の意受け政権中枢操る

 その竹中が初めて首相のブレーンになるのは小渕政府のときだが、小泉政府のときにはその誕生から深く関与していたことが、本書から読みとれる。

 竹中は小泉のために政策を本にして出版するだけでなく、米大使館近くのオフィスビルで政策に関する集中講義までおこない、小泉内閣誕生後は経済財政策担当大臣におさまった。この竹中を支えたのがアメリカ留学時代の「親友」ケント・カルダーで、当時は特別補佐官として在日アメリカ大使館に勤務していた。竹中は小泉の初の所信表明演説の内容を先取りしてブッシュ政府高官に伝え、訪米前にはカルダーからレクチャーを受けた。さながら首相の振り付け師である。

 そして小泉と、野党の民主党党首・鳩山とに、別々にシンクタンクの設立をもちかけ、事務所は同じ東京財団(笹川グループが資金源)に置いた。与野党の政治家を操るためと、巨額な報酬を得るためだ。

 竹中は2002年に金融担当大臣になると、大蔵省やメガバンクの「守旧派」を抑えて、不良債権処理のための「竹中プラン」を決定した。「2年間で不良債権を半減せよ」というもので、それで破綻の危機に直面したメガバンクは大規模増資に動いた。そのとき三井住友銀行はゴールドマン・サックスが主導した増資計画に乗ったが、そのスキームには増資と引き替えに業務提携が忍ばせてあった。ゴールドマン・サックスは投資銀行なので企業に融資できないため、三井住友に代わりに融資させるようにし(損失は三井住友が穴埋め)、同時に日本国内に活動拠点を築くことに成功した。

 アメリカの金融機関は日本の不良債権問題を千載一遇のビジネスチャンスとみなしていた。竹中はその代弁者となり、ウォール街を日本に導き入れたといえる。

 このとき竹中が破綻に追い込んだのがりそな銀行だ。小泉政府はりそなに2兆円の公的資金を投入したが、りそなの株主責任は問わない処理方法をとった。株主からすれば丸もうけで、これを契機に海外投資家が一斉に東京マーケットに投資を始めたという。あまりにも強引なやり方に、監査法人の公認会計士に自殺者まで出している。

 そして350兆円にものぼる郵貯マネーを外資に売り飛ばそうとした郵政民営化である。監督官庁は総務省だが、小泉は首相直轄で経済財政諮問会議の竹中にやらせると発表した。重視したのがメディアで、郵政民営化の政策的意味を理解できない「IQの低い層」をターゲットに「民営化賛成」を刷り込む広報活動を、電通を使って大規模に展開したことが暴露されている。

ウォール街を日本に導く

 こうした規制緩和・構造改革の行き着いた結果が、非正規雇用と貧富の格差の拡大であり、若者にとっても高齢者にとっても生きづらい社会であることは、今や誰の目にも明らかだ。

 小泉が「自民党をぶっ壊す」といった頃からメディアは「改革派」「守旧派」という言葉を好んで使い、「改革派」を応援するキャンペーンをやってきたが、その正体が親米売国派であり、国益売り飛ばしに奔走する集団であることが、本書から浮き彫りになる。その典型が竹中平蔵である。

 彼は政府の諮問機関の中枢に座り、入管法改正やコンセッション方式導入の旗を振ることで、パソナのビジネスチャンスを拡大したり、オリックスの社外取締役として関西空港など三空港の運営に参画したりしている。彼はアメリカから送り込まれたエージェントの役割を忠実に果たすことで、自分自身も濡れ手に粟の利益を手にしてきた。彼一人の問題ではなく、そこには戦後日本社会の構造にかかわる問題がある。    
        
 (講談社文庫、445ページ、定価900円+税)
https://www.chosyu-journal.jp/review/18843
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/115.html#c33

[近代史02] 竹中平蔵物語 中川隆
119. 中川隆[-10677] koaQ7Jey 2020年10月23日 10:02:05 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[12]
『竹中平蔵 市場と権力』 著・佐々木実
書評・テレビ評2020年10月22日

https://www.amazon.co.jp/%E7%AB%B9%E4%B8%AD%E5%B9%B3%E8%94%B5-%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%A8%E6%A8%A9%E5%8A%9B-%E3%80%8C%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%80%8D%E3%81%AB%E6%86%91%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%AE%E8%82%96%E5%83%8F-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8/dp/4065210909


 竹中平蔵は小泉政府で構造改革の司令塔の役割を担い、郵政民営化や金融改革をおし進めた。そして第二次安倍政府の産業競争力会議・民間委員として復活し、規制改革会議と連携して労働の規制緩和やTPP推進の旗を振り、未来投資会議や国家戦略特区諮問会議でもその中枢にいた。今の菅政府では未来投資会議にかわる経済財政諮問会議のメンバーだ。また、日本維新の会の橋下徹のブレーンとなり、衆院選候補者選定委員会委員長も務めたことがある。

 竹中平蔵とは何者なのか? フリージャーナリストの著者が、生い立ちからはじめてその実像に迫っている。

 和歌山市の履物店の次男として1951年に生まれた竹中は、桐蔭高校、一橋大学、日本開発銀行と進むが、転機となったのはアメリカ留学だ。1981年、開銀に籍を置きつつハーバード大学国際問題研究所の客員研究員になった。それがレーガン政府が新自由主義に舵を切ったのと同時期であり、彼は元駐日大使エドウィン・ライシャワーの弟子であるケント・カルダーら「小さな政府」「すべてを市場に委ねよ」と主張する、レーガノミックスを支えた学者たちから洗礼を受けた。著者はこの国際問題研究所が、貿易黒字を拡大する日本への反転攻勢のための情報収集と、親米派人脈を世界に広げる役割を担っていたと指摘する。

 竹中がそこで刷り込まれたのが全米経済研究所(NBER)のやり方で、経済学の若手研究者たちに潤沢な資金を与え、「過度な福祉政策が社会の活力をそいだ」などレーガン政府や財界のための研究をおこなわせ、それをメディアを通じて浸透させるというシステムだ。つまり「学問の自由」をみずから投げ捨て、企業と癒着した「政策プロモーター」になる道である。

 ちょうどそのときに起こったのが日米構造協議(1989年)だ。それは双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「大規模小売店舗法の廃止」「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させた。

 日米構造協議が終わった後、竹中は「スーパーSII(日米構造協議)を始動させよ」という文章を発表し、引き続き「外圧」の必要性を説いた。実際にその後の1994年から「年次改革要望書」が始まる。著名なシンクタンク「外交問題評議会(CFR)」は2000年、ブッシュ新政府への提言のなかで「日本国内の改革派が力を増すことで、従来の米国政府の外圧にとってかわる役目を果たすようになる」と指摘したが、竹中は早い時期からアメリカ中枢の意を体現して動いていたことになる。

米国の意受け政権中枢操る

 その竹中が初めて首相のブレーンになるのは小渕政府のときだが、小泉政府のときにはその誕生から深く関与していたことが、本書から読みとれる。

 竹中は小泉のために政策を本にして出版するだけでなく、米大使館近くのオフィスビルで政策に関する集中講義までおこない、小泉内閣誕生後は経済財政策担当大臣におさまった。この竹中を支えたのがアメリカ留学時代の「親友」ケント・カルダーで、当時は特別補佐官として在日アメリカ大使館に勤務していた。竹中は小泉の初の所信表明演説の内容を先取りしてブッシュ政府高官に伝え、訪米前にはカルダーからレクチャーを受けた。さながら首相の振り付け師である。

 そして小泉と、野党の民主党党首・鳩山とに、別々にシンクタンクの設立をもちかけ、事務所は同じ東京財団(笹川グループが資金源)に置いた。与野党の政治家を操るためと、巨額な報酬を得るためだ。

 竹中は2002年に金融担当大臣になると、大蔵省やメガバンクの「守旧派」を抑えて、不良債権処理のための「竹中プラン」を決定した。「2年間で不良債権を半減せよ」というもので、それで破綻の危機に直面したメガバンクは大規模増資に動いた。そのとき三井住友銀行はゴールドマン・サックスが主導した増資計画に乗ったが、そのスキームには増資と引き替えに業務提携が忍ばせてあった。ゴールドマン・サックスは投資銀行なので企業に融資できないため、三井住友に代わりに融資させるようにし(損失は三井住友が穴埋め)、同時に日本国内に活動拠点を築くことに成功した。

 アメリカの金融機関は日本の不良債権問題を千載一遇のビジネスチャンスとみなしていた。竹中はその代弁者となり、ウォール街を日本に導き入れたといえる。

 このとき竹中が破綻に追い込んだのがりそな銀行だ。小泉政府はりそなに2兆円の公的資金を投入したが、りそなの株主責任は問わない処理方法をとった。株主からすれば丸もうけで、これを契機に海外投資家が一斉に東京マーケットに投資を始めたという。あまりにも強引なやり方に、監査法人の公認会計士に自殺者まで出している。

 そして350兆円にものぼる郵貯マネーを外資に売り飛ばそうとした郵政民営化である。監督官庁は総務省だが、小泉は首相直轄で経済財政諮問会議の竹中にやらせると発表した。重視したのがメディアで、郵政民営化の政策的意味を理解できない「IQの低い層」をターゲットに「民営化賛成」を刷り込む広報活動を、電通を使って大規模に展開したことが暴露されている。

ウォール街を日本に導く

 こうした規制緩和・構造改革の行き着いた結果が、非正規雇用と貧富の格差の拡大であり、若者にとっても高齢者にとっても生きづらい社会であることは、今や誰の目にも明らかだ。

 小泉が「自民党をぶっ壊す」といった頃からメディアは「改革派」「守旧派」という言葉を好んで使い、「改革派」を応援するキャンペーンをやってきたが、その正体が親米売国派であり、国益売り飛ばしに奔走する集団であることが、本書から浮き彫りになる。その典型が竹中平蔵である。

 彼は政府の諮問機関の中枢に座り、入管法改正やコンセッション方式導入の旗を振ることで、パソナのビジネスチャンスを拡大したり、オリックスの社外取締役として関西空港など三空港の運営に参画したりしている。彼はアメリカから送り込まれたエージェントの役割を忠実に果たすことで、自分自身も濡れ手に粟の利益を手にしてきた。彼一人の問題ではなく、そこには戦後日本社会の構造にかかわる問題がある。    
        
 (講談社文庫、445ページ、定価900円+税)
https://www.chosyu-journal.jp/review/18843
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/301.html#c119

[番外地8] 内閣参与には、竹中平蔵に近い元財務官僚の高橋洋一嘉悦大教授が任命された。
菅政権の弱肉強食の経済政策の方向性が明確になった肝いり人事
「成長戦略会議」や「内閣官房参与」のメンバーに新自由主義の規制緩和人脈がズラリ並んでいる。
内閣参与には、竹中平蔵に近い元財務官僚の高橋洋一嘉悦大教授が任命された。

 成長戦略会議には、人材派遣会社「パソナグループ」会長でもある竹中平蔵慶応大名誉教授とITコンサル企業「フューチャー」の金丸恭文会長。2人は安倍政権時代の「未来投資会議」からの継続で、金丸会長は官房長官だった菅の名代として、農協改革などを主導した。新たに起用されたデービッド・アトキンソン小西美術工芸社社長は、元金融アナリストで菅の知恵袋の一人。赤字の中小企業の退場を主張する再編論者だ。

 とりわけ戦慄するのが、司令塔が竹中だということである。小泉政権で過度な構造改革を推し進め、非正規労働者を増やし、経済格差を広げた、まさに新自由主義の権化のような人物。竹中が総務大臣だった時に副大臣を務めていたのが菅で、2人は「師弟関係」みたいなもの。自民党総裁選で菅が打ち出した「自助・共助・公助」のフレーズも自己責任と競争社会の実現を訴え続ける竹中仕込みと言われたものだ。

 竹中は安倍政権の7年8カ月の間、ずっと政府の経済政策の会議に席があった。だから「何も変わっていないのでは」と思うかもしれないが、それは違う。

 安倍政権では当初、経済財政諮問会議の民間議員に就くはずが、麻生財務相に煙たがられ、格下の産業競争力会議のメンバーになった経緯があった。

 それで裏でちょこちょこ我田引水の動きをして、規制緩和を仕切ってきていたのだが、菅政権になると「私が師匠です」とばかりに表舞台に出てきて、俄然、露出と存在感を高めている。

菅首相は「竹中教」の敬虔な信者

 メディアのインタビューや取材も積極的に受けて持論を提言。「淘汰されるべき企業を残しておくと、将来的に日本経済の弱体化につながる」とアトキンソン氏同様の「中小企業ゾンビ論」を展開中だ。さらには、1人月7万円を支給する「ベーシックインカム導入論」も披露。代わりに、生活保護や年金を廃止して財源に充てると言って、「弱者切り捨てだ」と批判を浴びた。

 揚げ句に、月刊「文芸春秋」11月号では、「コロナ禍で『東京問題』が浮き彫りになった」と、小池都知事を牽制して菅が使ったフレーズを繰り出し、「東京を米国のワシントンDCのような政府直轄地にせよ」とまで言い出した。

 20日もBS11の報道番組に出演。「行政のデジタル化推進」も竹中の提言だとされるが、「デジタル庁創設の先の社会像が見えない」と質問されると、「まず各論ありきでいい。各論で具体的にやってみるのが政治のリアリズムだ」などとヌカしていた。

 一緒に勉強会を開くなど、30年前から竹中を知る元参院議員の平野貞夫氏がこう言う。

「閣僚だった竹中氏に参院の委員会で『文明論の思想のない経済政策はダメだ』と質問したら、『すべて市場原理に任せればいい』と答えたことを覚えています。市場原理主義の『竹中教』という宗教みたいなもので、その宗旨は『今だけ、カネだけ、自分だけ』。経済的利益を追求できるものに狙いを定め、規制緩和を進める。そこに倫理観はなく、利用できるものは徹底的に利用するのです。そんな『竹中教』にすっかり心酔した『信者代表』が菅首相です」

 安定した政権運営のために重要だと竹中が説くのが「アーリー・スモール・サクセス」だ。国民にとって身近で分かりやすい問題を取り上げ、それを突破口に改革を広げるというもの。実は菅は以前、「プレジデント」誌で連載していた「人生相談」で、「成功するためのコツは、できそうなことから始めて、実績をコツコツ積み上げること」と言っていた。だから国家観とは無縁のハンコ廃止であり、携帯電話料金引き下げなのか。いやはや、竹中教の敬虔な信者である。

理屈も理念もない「アーリー・スモール・サクセス」

「健全でフェアな競争が必要不可欠」「今の日本社会は既得権益層が自分たちの利益を生む規制をかたくなに守ろうとしている」――。竹中はこんなことも主張するが、どの口で、と言いたい。

 竹中が規制緩和の名の下にこれまでやってきたのは、政府の会議を利用し、もっともらしい理屈をつけて民間導入を進め、新たな利権事業を作り出すこと。つまり、新たな権益層を生んでいるだけで、健全でもフェアでも何でもない。

 その恩恵を受けてきた民間企業のひとつが竹中が2009年から会長を務めるパソナである。今回の成長戦略会議もそうだが、政府の会議のメンバーとしての竹中の肩書はいつも「大学教授」。パソナを“隠す”のは利益相反の疑いを自認している証左ではないのか。

 実際、国家戦略特区で外国人労働者の家事代行サービスが解禁された際、政府のあっせん事業を真っ先に受注したのは、パソナグループの子会社だった。働き方改革の一環で導入された「残業代ゼロ」の高度プロフェッショナル制度も竹中の主張だった。雇用改革によって人材派遣会社の仕事が増えるわけで、利益誘導のそしりを免れない。

維新も絡む「国際金融センター」構想

 菅が進める「地銀再編」にも竹中の我田引水のにおいがプンプンする。竹中はネット金融大手「SBIホールディングス」の社外取締役という顔も持ち、同社の北尾吉孝社長は地銀を糾合して「第4のメガバンク」を形成する構想を掲げているのだ。金融関係者によれば、菅と北尾社長も昵懇の仲らしく、今月10日の菅の首相動静にホテルでの朝食相手として北尾社長が登場した。

 金融ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。

「竹中氏、北尾氏、アトキンソン氏の3人が菅首相の経済指南役の中心人物になるのではないか。アトキンソン氏は米ゴールドマン・サックス出身なので、竹中氏とも親しい。竹中氏は成長戦略会議のメンバーという立場をテコにして、これまで以上に持論を実現させるために動くのでしょう。菅首相は経済界のパイプが弱いので『仲介役としてサポートします』という売り込みも増えているようです。経済政策が歪むのではと懸念しています」

 怪しい話はまだある。菅・竹中・北尾社長のトライアングルに、「大阪維新の会」が絡む動きが見え隠れするのだ。

「成長戦略会議では『国際金融都市の実現』も議題となりそうですが、北尾氏は関西に国際金融センターをつくる構想を掲げています。吉村大阪府知事も同センターの誘致に意欲を示していて、北尾氏と維新はつながっています。竹中氏のパソナも兵庫県の淡路島に本社機能を移したばかりですしね」(森岡英樹氏=前出)

日米構造協議(1989年)
それは双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「大規模小売店舗法の廃止」「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させた。


 竹中は2002年に金融担当大臣になると、大蔵省やメガバンクの「守旧派」を抑えて、不良債権処理のための「竹中プラン」を決定した。「2年間で不良債権を半減せよ」というもので、それで破綻の危機に直面したメガバンクは大規模増資に動いた。そのとき三井住友銀行はゴールドマン・サックスが主導した増資計画に乗ったが、そのスキームには増資と引き替えに業務提携が忍ばせてあった。ゴールドマン・サックスは投資銀行なので企業に融資できないため、三井住友に代わりに融資させるようにし(損失は三井住友が穴埋め)、同時に日本国内に活動拠点を築くことに成功した。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/530.html

[番外地8] 1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました 中川隆
1. 中川隆[-10676] koaQ7Jey 2020年10月23日 10:25:27 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[13]
日本政府が三橋さんが何時も言っている様な大規模財政出動や公共事業をやっていた時代も有りましたが、結果は大失敗に終わり、日本は二等国になってしまいました:
1985年のプラザ合意でドル-円が半値になって、日本は輸出で稼げなくなったので内需拡大する為に金融緩和してお金をばら撒いたのです。つまり、輸出企業の仕事が無くなったので内需振興で国民の仕事を増やそうとしたのです。
日米構造協議(1989年)は双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させました。
その段階で日本政府は三橋さんが何時も言っている財政出動・公共事業で国内需要を増やしました。
そしてその結果、円の貨幣価値が暴落して、日本のGDP,、日経平均と日本の不動産価格は暴騰しました。
しかし労働者の実質賃金は全く上がらなかったのです。

円の貨幣価値が暴落したのを見てCIAは日本経済を完膚無きまでに破綻させる為にバブル崩壊を仕掛けました:

1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。

 平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。

事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。

 ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。

 バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。

 バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。

 CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。


ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。

 かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
 「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。

 60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
 この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。

 その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。

 デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。

次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
 人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。

 大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
 しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。

 それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
 風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。

 彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。

 彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
 そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。

ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。

 こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。

 この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
 1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/528.html#c1

[番外地8] Re: 私達は洗脳されていました。不良債権の処理こそが構造改革だと。。。
『竹中平蔵 市場と権力』 著・佐々木実
 竹中平蔵は小泉政府で構造改革の司令塔の役割を担い、郵政民営化や金融改革をおし進めた。そして第二次安倍政府の産業競争力会議・民間委員として復活し、規制改革会議と連携して労働の規制緩和やTPP推進の旗を振り、未来投資会議や国家戦略特区諮問会議でもその中枢にいた。今の菅政府では未来投資会議にかわる経済財政諮問会議のメンバーだ。また、日本維新の会の橋下徹のブレーンとなり、衆院選候補者選定委員会委員長も務めたことがある。

 竹中平蔵とは何者なのか? フリージャーナリストの著者が、生い立ちからはじめてその実像に迫っている。

 和歌山市の履物店の次男として1951年に生まれた竹中は、桐蔭高校、一橋大学、日本開発銀行と進むが、転機となったのはアメリカ留学だ。1981年、開銀に籍を置きつつハーバード大学国際問題研究所の客員研究員になった。それがレーガン政府が新自由主義に舵を切ったのと同時期であり、彼は元駐日大使エドウィン・ライシャワーの弟子であるケント・カルダーら「小さな政府」「すべてを市場に委ねよ」と主張する、レーガノミックスを支えた学者たちから洗礼を受けた。著者はこの国際問題研究所が、貿易黒字を拡大する日本への反転攻勢のための情報収集と、親米派人脈を世界に広げる役割を担っていたと指摘する。

 竹中がそこで刷り込まれたのが全米経済研究所(NBER)のやり方で、経済学の若手研究者たちに潤沢な資金を与え、「過度な福祉政策が社会の活力をそいだ」などレーガン政府や財界のための研究をおこなわせ、それをメディアを通じて浸透させるというシステムだ。つまり「学問の自由」をみずから投げ捨て、企業と癒着した「政策プロモーター」になる道である。

 ちょうどそのときに起こったのが日米構造協議(1989年)だ。それは双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「大規模小売店舗法の廃止」「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させた。

 日米構造協議が終わった後、竹中は「スーパーSII(日米構造協議)を始動させよ」という文章を発表し、引き続き「外圧」の必要性を説いた。実際にその後の1994年から「年次改革要望書」が始まる。著名なシンクタンク「外交問題評議会(CFR)」は2000年、ブッシュ新政府への提言のなかで「日本国内の改革派が力を増すことで、従来の米国政府の外圧にとってかわる役目を果たすようになる」と指摘したが、竹中は早い時期からアメリカ中枢の意を体現して動いていたことになる。

米国の意受け政権中枢操る

 その竹中が初めて首相のブレーンになるのは小渕政府のときだが、小泉政府のときにはその誕生から深く関与していたことが、本書から読みとれる。

 竹中は小泉のために政策を本にして出版するだけでなく、米大使館近くのオフィスビルで政策に関する集中講義までおこない、小泉内閣誕生後は経済財政策担当大臣におさまった。この竹中を支えたのがアメリカ留学時代の「親友」ケント・カルダーで、当時は特別補佐官として在日アメリカ大使館に勤務していた。竹中は小泉の初の所信表明演説の内容を先取りしてブッシュ政府高官に伝え、訪米前にはカルダーからレクチャーを受けた。さながら首相の振り付け師である。

 そして小泉と、野党の民主党党首・鳩山とに、別々にシンクタンクの設立をもちかけ、事務所は同じ東京財団(笹川グループが資金源)に置いた。与野党の政治家を操るためと、巨額な報酬を得るためだ。

 竹中は2002年に金融担当大臣になると、大蔵省やメガバンクの「守旧派」を抑えて、不良債権処理のための「竹中プラン」を決定した。「2年間で不良債権を半減せよ」というもので、それで破綻の危機に直面したメガバンクは大規模増資に動いた。そのとき三井住友銀行はゴールドマン・サックスが主導した増資計画に乗ったが、そのスキームには増資と引き替えに業務提携が忍ばせてあった。ゴールドマン・サックスは投資銀行なので企業に融資できないため、三井住友に代わりに融資させるようにし(損失は三井住友が穴埋め)、同時に日本国内に活動拠点を築くことに成功した。

 アメリカの金融機関は日本の不良債権問題を千載一遇のビジネスチャンスとみなしていた。竹中はその代弁者となり、ウォール街を日本に導き入れたといえる。

 このとき竹中が破綻に追い込んだのがりそな銀行だ。小泉政府はりそなに2兆円の公的資金を投入したが、りそなの株主責任は問わない処理方法をとった。株主からすれば丸もうけで、これを契機に海外投資家が一斉に東京マーケットに投資を始めたという。あまりにも強引なやり方に、監査法人の公認会計士に自殺者まで出している。

 そして350兆円にものぼる郵貯マネーを外資に売り飛ばそうとした郵政民営化である。監督官庁は総務省だが、小泉は首相直轄で経済財政諮問会議の竹中にやらせると発表した。重視したのがメディアで、郵政民営化の政策的意味を理解できない「IQの低い層」をターゲットに「民営化賛成」を刷り込む広報活動を、電通を使って大規模に展開したことが暴露されている。

ウォール街を日本に導く
 こうした規制緩和・構造改革の行き着いた結果が、非正規雇用と貧富の格差の拡大であり、若者にとっても高齢者にとっても生きづらい社会であることは、今や誰の目にも明らかだ。

 小泉が「自民党をぶっ壊す」といった頃からメディアは「改革派」「守旧派」という言葉を好んで使い、「改革派」を応援するキャンペーンをやってきたが、その正体が親米売国派であり、国益売り飛ばしに奔走する集団であることが、本書から浮き彫りになる。その典型が竹中平蔵である。

 彼は政府の諮問機関の中枢に座り、入管法改正やコンセッション方式導入の旗を振ることで、パソナのビジネスチャンスを拡大したり、オリックスの社外取締役として関西空港など三空港の運営に参画したりしている。彼はアメリカから送り込まれたエージェントの役割を忠実に果たすことで、自分自身も濡れ手に粟の利益を手にしてきた。彼一人の問題ではなく、そこには戦後日本社会の構造にかかわる問題がある。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/531.html

[番外地8] 『竹中平蔵 市場と権力』 著・佐々木実
『竹中平蔵 市場と権力』 著・佐々木実
 竹中平蔵は小泉政府で構造改革の司令塔の役割を担い、郵政民営化や金融改革をおし進めた。そして第二次安倍政府の産業競争力会議・民間委員として復活し、規制改革会議と連携して労働の規制緩和やTPP推進の旗を振り、未来投資会議や国家戦略特区諮問会議でもその中枢にいた。今の菅政府では未来投資会議にかわる経済財政諮問会議のメンバーだ。また、日本維新の会の橋下徹のブレーンとなり、衆院選候補者選定委員会委員長も務めたことがある。

 竹中平蔵とは何者なのか? フリージャーナリストの著者が、生い立ちからはじめてその実像に迫っている。

 和歌山市の履物店の次男として1951年に生まれた竹中は、桐蔭高校、一橋大学、日本開発銀行と進むが、転機となったのはアメリカ留学だ。1981年、開銀に籍を置きつつハーバード大学国際問題研究所の客員研究員になった。それがレーガン政府が新自由主義に舵を切ったのと同時期であり、彼は元駐日大使エドウィン・ライシャワーの弟子であるケント・カルダーら「小さな政府」「すべてを市場に委ねよ」と主張する、レーガノミックスを支えた学者たちから洗礼を受けた。著者はこの国際問題研究所が、貿易黒字を拡大する日本への反転攻勢のための情報収集と、親米派人脈を世界に広げる役割を担っていたと指摘する。

 竹中がそこで刷り込まれたのが全米経済研究所(NBER)のやり方で、経済学の若手研究者たちに潤沢な資金を与え、「過度な福祉政策が社会の活力をそいだ」などレーガン政府や財界のための研究をおこなわせ、それをメディアを通じて浸透させるというシステムだ。つまり「学問の自由」をみずから投げ捨て、企業と癒着した「政策プロモーター」になる道である。

 ちょうどそのときに起こったのが日米構造協議(1989年)だ。それは双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「大規模小売店舗法の廃止」「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させた。

 日米構造協議が終わった後、竹中は「スーパーSII(日米構造協議)を始動させよ」という文章を発表し、引き続き「外圧」の必要性を説いた。実際にその後の1994年から「年次改革要望書」が始まる。著名なシンクタンク「外交問題評議会(CFR)」は2000年、ブッシュ新政府への提言のなかで「日本国内の改革派が力を増すことで、従来の米国政府の外圧にとってかわる役目を果たすようになる」と指摘したが、竹中は早い時期からアメリカ中枢の意を体現して動いていたことになる。

米国の意受け政権中枢操る

 その竹中が初めて首相のブレーンになるのは小渕政府のときだが、小泉政府のときにはその誕生から深く関与していたことが、本書から読みとれる。

 竹中は小泉のために政策を本にして出版するだけでなく、米大使館近くのオフィスビルで政策に関する集中講義までおこない、小泉内閣誕生後は経済財政策担当大臣におさまった。この竹中を支えたのがアメリカ留学時代の「親友」ケント・カルダーで、当時は特別補佐官として在日アメリカ大使館に勤務していた。竹中は小泉の初の所信表明演説の内容を先取りしてブッシュ政府高官に伝え、訪米前にはカルダーからレクチャーを受けた。さながら首相の振り付け師である。

 そして小泉と、野党の民主党党首・鳩山とに、別々にシンクタンクの設立をもちかけ、事務所は同じ東京財団(笹川グループが資金源)に置いた。与野党の政治家を操るためと、巨額な報酬を得るためだ。

 竹中は2002年に金融担当大臣になると、大蔵省やメガバンクの「守旧派」を抑えて、不良債権処理のための「竹中プラン」を決定した。「2年間で不良債権を半減せよ」というもので、それで破綻の危機に直面したメガバンクは大規模増資に動いた。そのとき三井住友銀行はゴールドマン・サックスが主導した増資計画に乗ったが、そのスキームには増資と引き替えに業務提携が忍ばせてあった。ゴールドマン・サックスは投資銀行なので企業に融資できないため、三井住友に代わりに融資させるようにし(損失は三井住友が穴埋め)、同時に日本国内に活動拠点を築くことに成功した。

 アメリカの金融機関は日本の不良債権問題を千載一遇のビジネスチャンスとみなしていた。竹中はその代弁者となり、ウォール街を日本に導き入れたといえる。

 このとき竹中が破綻に追い込んだのがりそな銀行だ。小泉政府はりそなに2兆円の公的資金を投入したが、りそなの株主責任は問わない処理方法をとった。株主からすれば丸もうけで、これを契機に海外投資家が一斉に東京マーケットに投資を始めたという。あまりにも強引なやり方に、監査法人の公認会計士に自殺者まで出している。

 そして350兆円にものぼる郵貯マネーを外資に売り飛ばそうとした郵政民営化である。監督官庁は総務省だが、小泉は首相直轄で経済財政諮問会議の竹中にやらせると発表した。重視したのがメディアで、郵政民営化の政策的意味を理解できない「IQの低い層」をターゲットに「民営化賛成」を刷り込む広報活動を、電通を使って大規模に展開したことが暴露されている。

ウォール街を日本に導く
 こうした規制緩和・構造改革の行き着いた結果が、非正規雇用と貧富の格差の拡大であり、若者にとっても高齢者にとっても生きづらい社会であることは、今や誰の目にも明らかだ。

 小泉が「自民党をぶっ壊す」といった頃からメディアは「改革派」「守旧派」という言葉を好んで使い、「改革派」を応援するキャンペーンをやってきたが、その正体が親米売国派であり、国益売り飛ばしに奔走する集団であることが、本書から浮き彫りになる。その典型が竹中平蔵である。

 彼は政府の諮問機関の中枢に座り、入管法改正やコンセッション方式導入の旗を振ることで、パソナのビジネスチャンスを拡大したり、オリックスの社外取締役として関西空港など三空港の運営に参画したりしている。彼はアメリカから送り込まれたエージェントの役割を忠実に果たすことで、自分自身も濡れ手に粟の利益を手にしてきた。彼一人の問題ではなく、そこには戦後日本社会の構造にかかわる問題がある。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/532.html

[リバイバル3] 酷い音のインチキ・レプリカを量産して伝説の評価を落とした Goodmans Axiom80 中川隆
70. 中川隆[-10675] koaQ7Jey 2020年10月23日 11:09:57 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[15]
2020年 10月 22日
是枝さんを訪ねて : GRFのある部屋
https://tannoy.exblog.jp/31791191/

H氏邸で衝撃を受けた私は、中国地方の出張にかこつけて、水曜日の夕方に調整していただくプリアンプを、岡山の是枝さんに届けていました。出張は前から決まっていたので、これは偶然です(笑)。

久しぶりに訪れた是枝さんの試聴室は、随分と様変わりしていました。メインのAxiom80はバリエーションが増えて、従来からの4発タイプ、コーネッタのようなコーナーキャビネットに入ったシングルタイプ。後ろ向けで設置してあるため、SP自体は前から見えない後面放射形SPの衝立みたいなSPです。これはデッカのコーナーホーンと呼ばれるSPです。

https://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=31791191&i=202010%2F21%2F99%2Ff0108399_20503509.jpg

どのSPも、鳴るとどこから聞こえてくるのか解りません。4発以外は、皆シングルスピーカーですが、正面を向いているのにどこから聞こえてくるのか解らなく、音楽だけが鳴り響いています。是枝マジックですね。

写真の左側の衝立が後面上方に向かって付いているSPだとは、音が鳴っていても気づかないでしょう。そして、コーナー型のAxiomは低域まで出て、コントラバスの響きを伝えてきます。

この部屋のAxiomを聴くと、どうして是枝さんがこのスピーカーにこだわっているかが解ります。今は、カゲになっていますが、Hartleyのスピーカーもそうです。そして何時も感じるのは是枝さんのステレオ再生に対するこだわりです。左右に5メートル以上離れても、少しも中抜けをしません。自然な音場で奥行き感もあります。各SPも1mm単位で合わせてあるのでしょう。

今回、始めて聴かせていただいた衝立みたいなDeccaのSPは、後ろ上向きにユニットが付いていて、後方に音場を作ります。家でトロバドールを聴いているような感じですが、前には出てきませんから、無指向性のSPのような全方位ではありませんが、衝立の向こう側には、オーケストラが拡がっていました。

https://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=31791191&i=202010%2F23%2F99%2Ff0108399_04124688.jpg


大切なのは、ステレオ再生へのこだわりです。私も是枝さんも、昔聞いたAMでの立体放送で、ステレオに出会いました。空間に音楽が浮かぶ魔法のような光景に驚き、ステレオ再生に感激したのです。しかし、ステレオの再生は、簡単でもあり、とても難しいとも言えます。是枝さんのお宅の様に左右のSPを5メートルも拡げることは、なかなか出来ません。まして、その間を中抜けさせない為には、その人の音楽体験がその調整に出るからです。

アンプもシャーシーが一体型のステレオアンプより、モノラルアンプの方がクロストークの発生が少なく、ステレオ音場の再生が良いと言われますが、事はそんなに簡単ではありません。別々のシャーシーで、アースの電位を保つのはかなり至難の業です。先日のKT-150アンプでもそのことを実感しました。それらの探求を踏まえ、是枝さんのアンプは進化し続けています。

よく、本棚を見ればその人がどういう人だか当てて見せようと言われますが、オーディオでは再生されている音を聴けば、その人の音楽感や体験や憧れも、そして、その時の主人公の体調も現れてきます。人様に、音楽を聴かせると言うことは恐ろしい行為なのかもしれません。

ホテルにチェックインしてから、奥様も交えて、是枝さん行きつけのレストランで歓談をしました。しかし、岡山でもレストランの営業は大変で、お客は私たちだけしかいませんでした。食事をしながら思い出話をするという、ごく当たり前の行為が、この半年以上行われてきていないのが、話が充実しているほど感じられました。是枝さんご自身の体調も以前より良くなっていると感じました。まだまだいろいろなアンプつくりに邁進していただきたいと思いました。


美味しい和朝食でした。味噌汁が今少し多いと完璧でしたね。


宿泊は、是枝さんのお宅に近い、運動公園のそばの旧いけど格式のあるホテルでした。コロナ対策も気の毒になるほど入念で、消毒や清掃を常に行っているようでした。10階の部屋でしたが、前の公園から身体を動かしている人達の大きな声が聞こえてきます。深夜、気がつくとガラス越しに、まだボールをける音が鳴り響いており、時計を見たら午前三時に近い時間でした。こういう公園での球技は、やはり時間を考えて行動して貰わないと迷惑だと思いました。遠い昔、新幹線が岡山泊まりだった頃、良くこの街を訪れていましたが、その頃から、変わらぬ岡山の県民性とかを感じました。

https://tannoy.exblog.jp/31791191/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/686.html#c70

[番外地8] 日本学術会議の会員任命拒否
これが大学人のまっとうな見解
内田樹の研究室
 日本学術会議の会員任命拒否に対して多くの学会が一斉に抗議の声を上げた。この事案は、そもそも日本学術会議法違反であること、従来の政府の法解釈と齟齬していること、任命拒否の理由を開示しないこと、誰が任命拒否の責任者であるかを明らかにしないこと、ネットを使って論点ずらしと学術会議への攻撃を始めたことなど、政府対応の知的・倫理的な低劣さは眼を覆わんばかりである。

 たしかに安倍政権は久しく政権との親疎(というより忠誠度)に基づいて政治家、官僚、ジャーナリストを格付けしてきた。権力者におもねる者は累進を遂げ、苦言諫言をなす者は左遷された。国民はもうそれに慣れ切ってしまった。「能力ではなく忠誠度で人を格付けすることができるほどの権力者には服従する他ない」という無力感と諦念のうちに日本国民は浸っていた。だから、官邸は今度は学者を相手に同じことをしようとした。日本学術会議は若干の抵抗はするだろうが、最終的には任命拒否を受け入れる。官邸はそう予測していた。過去に成功体験があったからである。

 2014年の学校教育法の改正で大学教授会はその権限のほとんどを奪われた。「教授会自治」というものはもう日本には存在しない。いま大学は限りなく株式会社に近い組織に改変された。でも、その事実を多くの国民は知らない。大学人たちが組織的に抵抗しなかったからである。法改正に反対して職を賭して戦った大学人のあることを私は知らない。みな黙って権利剥奪を受け入れた。そのとき、官邸は「学者というのは存外腰の弱いものだ」と知った。

 だが、彼らは「大学人」と「学者」は別ものだということを知らなかった。大学人は大過なく定年まで勤めることを切望している「サラリーマン」である。学者は違う。学術共同体という「ギルド」で修業を積んできた「職人」である。どれほどの「腕前」であるかがギルド内の唯一の査定基準である。そのものさしを棄てたらもうギルドは存在理由を失う。政府は「サラリーマン」を支配したのと同じ手で「職人」を支配しようとした。そして思わぬ抵抗に遭遇した。私はそう見立てる。
__________

日本学術会議問題について - 内田樹の研究室
2020-10-22

 日本学術会議の新会員任命拒否に対して、多くの学会が次々と抗議の声を上げ、政府と学術団体の対立は収束する気配がありません。 
 菅政権はなぜ発足早々にこのような政治的緊急性のない事案に手を出したのか。なぜ学術団体からの激しい反発を予測できなかったのか。単に「政治センスが悪い」というのも一つの解ですが、それよりは主観的には合理的な行動のつもりだったと考えたほうが引き出せる知見は多いと思います。
 菅政権が最優先する政治課題は「統治コストの最少化」です。どうやって統治コストを最少化するか。前政権の官房長官として首相が学んだのは、反対派の異論をすべて黙殺して、国民の間に政治に対する諦めと無力感を蔓延させるという手でした。
 安全保障関連法案でも、特定秘密保護法案でも、国民の過半数が「採決を急ぐべきではない」と意思表示する中、前政権は民意を無視して強行採決しました。選挙で勝った以上、全権は与党に託されたという理屈で譲歩を拒み、結果的に政権に批判的な国民の間に無力感と政治に対するあきらめを醸成することに成功した。
 反対派が無気力になり、政治活動をしても無駄だと思うようになれば、統治コストは最少化できます。菅政権は安倍政権で学んだその経験則を適用して、「反政府的な言説をなす者はいかなる公的支援も期待できない」ということを国民に叩き込んでやろうとして、日本学術会議の人事に手を突っ込んできた。すでに与党政治家、官僚、ジャーナリストは官邸に対する忠誠度によって「格付け」されるということに慣れ切っています。次は学者たちに同じルールを適用しようとした。どうせ無抵抗にこのルールを受け入れるだろうと思っていたからです。
 学者を黙らせることについては政府には成功体験の蓄積がありました。90年代以降、日本の大学人は教育行政に押し込まれて譲歩し続け、有効な反撃ができなかった。2014年の学校教育法の改正によって、大学教授会は権限のほとんどを奪われ、大学は学長が全権を掌握する株式会社的な組織に改編されたのですが、このときも大学人たちは組織的な抵抗ができませんでした。政権はこれを見て「学者というのは腰が弱いものだ」と思った。ですから、任命拒否も日本学術会議は無抵抗に受け入れると予測していた。
 しかし、このシナリオは学者たちの予想外にはげしい抵抗に遭遇して破綻ました。そればかりか『ネイチャー』や『サイエンス』のような海外の学術誌に報道され、世界の科学者は日本の新しい指導者は自由な学問研究を弾圧する反知性主義者らしいという印象を抱くに至った。これは国際社会における日本の知的・倫理的地位を一気に引き下げたという点で取返しのつかない失策でした。
 
 前政権で、国民が政治に無関心になると政権は安定するという教訓を学んだ新首相は、新政権では積極的に日本を「元気のない国」にする道を選びました。政界にも、官界にも、メディアにも、学界にも、どこにも権力に逆らうものがいない社会を作ろうとした。けれども、そのような社会は国力の衰微を代償にしてしか得られません。そして、日本学術会議への攻撃は「国力の向上よりも政権の安定を優先する」という判断が導いた結論でした。
「組織管理コストの最少化は《絶対善》であり、あらゆる目標に優先する」というのは現代日本を覆い尽くしている一種のカルトです。営利企業だけでなく、行政でも、医療でも、学校でも、その組織がいかなる「よきもの」を生み出すために創り出されたのかが忘れられ、代わりにその組織の管理コストをどうやって最少化するかが組織目的にすり替えられている。
「組織が当初の目的を見失って、組織防衛が自己目的化する」という倒錯はこれまでも官僚制ではよく観察されましたけれど、「組織が目的を見失って、管理コストの最少化が自己目的化する」という倒錯は私が知る限り歴史上はじめてのものです。バブル崩壊以後、新しい価値を生み出す力がなくなった組織はどこも「どうやって管理コストを削減するか」を考える部門が中枢を占めて、あらゆる政策決定を仕切るようになった。
 本来は話が反対なんです。どういう「よきもの」をこの世にもたらし来すためにこの組織は作られたのか、それが組織について考えるときの原点です。その次に、メンバーが路頭に迷わないようにどうやって組織を守るかを考える。そこからさまざまな創意工夫や冒険的なイノベーションが生まれる。でも、いまの日本の組織はどこも「管理コスト削減原理主義」という病に罹患しています。その結果、組織が負託された使命を果たせないほどに痩せ細ってしまった。あらゆる組織が上意下達の「効率的な」組織に改変され、メンバーはイエスマンであることを優先的に求められ、そうやって「暴君とイエスマン」だけで構成される組織ばかりになった。もちろん、そんな組織からは新しいものはもう何も生まれないし、そもそも存続することさえおぼつかない。
「日本学術会議のことなんか象牙の塔の問題だ」とメディアも市民も「対岸の火事」として眺めているようですが、いまの学者たちの抵抗は日本社会が「イエスマン以外には居場所がない」ものになってゆく流れに対するぎりぎりの防衛線です。これを座視していれば、遠からず日本は、上位者に対する忠誠度だけを「ものさし」にして全員が格付けされる「おべんちゃら社会」になり果てるでしょう。
 学者がエビデンスや論理を軽んじて、ときの政権におもねるような研究結果を出し始めたら、もう日本の学術は終わりです。それは単に象牙の塔の威信が失われるというだけでなく、日本発のあらゆる情報に対する国際的な信頼性が損なわれるということです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/533.html

[番外地8] 日本学術会議の会員任命拒否 中川隆
1. 中川隆[-10674] koaQ7Jey 2020年10月23日 12:53:40 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[17]
本物の大学の研究者とコネで三流大学に就職した橋洋一の知性と教養を比較してみただけさ
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/533.html#c1
[番外地8] 倒産した長銀をリップルウッドが子会社を通じて10億円で買収
竹中がやったのは犯罪だからね:
倒産した長銀をリップルウッドが子会社を通じて10億円で買収。
名を新生銀行と改め、日本政府は金銭贈与や債権買取、彼の悪名高き瑕疵担保特約などで約8兆円を注ぎ込んだ。
大儲けのリップルウッドの子会社はペーパーカントリーに本店を置き、
日本政府とは租税条約を結んでいない為に税金を払わず、母国にお持ち帰り。

その後、新生銀行は巨額の利益を上げたことで金融賭博市場で過大な評価を受け、
上場益をたっぷり手にする事となりました。

そんな巧い話、何故日本の金融機関は買わなかったの?
日本企業は無能じゃないか!とテレビに出る経済評論家達は得意げに喋っていました。


ところが植草さんは雑誌で日本の金融機関も買収の手を挙げていた、
ところが金融庁は何故か日本企業を無視してリップルウッドに売ってしまった
と書いたそうです。

それで米国CIAの逆鱗に触れ、植草さんが品川駅で不法な逮捕をされたとの事。


では、植草さん逮捕 CIA仕掛け説の出何処は?

私の場合、日本経済人懇話会の会長の神谷さん。

神谷さんは昵懇の間柄の前野徹さんから。
前野さんは親しい石原慎太郎さんから。
石原さんは親しい中曽根康弘さんから。

そのように神谷さんから聞きました。

手鏡事件のときは、植草氏は当日横浜市での講演を終えて横浜駅構内に入った時点
から二人の警官が彼を尾行していた。
殺人事件などの、犯罪容疑で被疑者を尾行することはあり得るだろう。痴漢を微罪とまでは言わないが、税金を使って警察が痴漢するかしないかで一般人を尾行するなんてあり得ない。

 縄張り意識の強い警察官がわざわざ、管轄外の品川駅構内まで尾行している。何らかの意図をもって、または使命を受けて植草氏を尾行していたと言う意外にない。

 しかも事件当日の現場の防犯カメラの提示を求めたにも拘らず、警察側は隠蔽工作するなど警察にあるまじき不正行為である。

さらに言えば、手鏡を出して覗いた現場で身柄を確保したわけではなく、たまたま交番に連行したら、ポケットから手鏡が出てきたので、「お前、手鏡で覗いただろう」という極めて悪質な推定によるでっちあげ事件と言わなければならない。

 「一体、こんな判決ってありかよ!」と思わせる有罪判決なのだから、この事件は、どうみても、「検察、警察、裁判官がぐる」でなければあり得ない事件だった。
http://www.asyura2.com/07/senkyo43/msg/844.html


そして、ついさっき役員氏から入った連絡です。

役員氏:「検察が竹中から金を受け取って、植草を逮捕した」という噂が飛んでいる。
おそらく出版差し止めだろうが、マスコミもグルだ。

テレビの報道は200%信じてはいけないよ。まるっきりのウソだからな。
わたしの直感だが、これから足銀の受け皿先が決まる。それが
りそなオリックス連合に決まってるんじゃないかと思うんだ。
「なぜりそなは救済し、なぜ足銀はつぶしたのか」これに金融庁は答えることができない。
できるだけ世間の目をそらしたいのさ。そのとき、もしかしたらなんだが
全テレビ新聞週刊誌を集め、植草を解放し、痴漢教授と吊るし上げするんじゃないかと・・・
それを確認して竹中はアメリカへトンズラするかもしれない。

最初の報道そのものがまったくのウソだらけってことかもな。
2年前の事件はまったくのデッチアゲなことを、わたしはあるルートで知った。
ところが報道は「3度も〜三回も、懲りない〜」と植草が常習者であることを
印象づけている。おそらく警察は性犯罪者に仕立てるため、マスコミやジャーナリスたちに
事前に情報を吹き込んでいる。そして既成事実化してあの事件をおこした。
http://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/127.html
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/534.html

[近代史02] ゴールドマン・サックス一人勝ちの秘密教えます_1_ 勝ち組になりたかったらこれ位の努力はしようね 中川隆
17. 中川隆[-10673] koaQ7Jey 2020年10月23日 13:35:46 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[21]
米ゴールドマン、マレーシアでの汚職で有罪認める 罰金3000億円支払いに合意
2020.10.23 Fri posted at 11:42 JST


香港(CNN Business) 米金融大手ゴールドマン・サックスのマレーシア子会社は23日までに、同国の政府系ファンド「1MDB」にまつわる巨額の汚職事件への関与によって賄賂を禁じた米国の法律への違反を共謀したとする罪を認めた。

これを受けゴールドマンは、複数の機関に対し総額約29億ドル(約3037億円)の罰金を支払うことで合意した。このうち約13億ドルは米海外腐敗行為防止法(FCPA)違反の罰金として米司法省に支払われる。同法違反に対する制裁金としては過去最高額となる。

ゴールドマンはこの件について、すでにマレーシア当局と和解。夏に和解金39億ドルを支払うことで合意していた。これを受けマレーシア側は、ゴールドマンが絡んだ国内の訴訟をすべて取り下げるとしている。

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同社の報告によると、他の国々に支払われる和解金も合わせれば今回の汚職に伴うゴールドマンの支出総額は現時点で51億ドル。今後さらに民事での制裁金を科される可能性もある。

マレーシアのナジブ元首相は今年7月、1MDBの資金を不正流用した罪などで同国の高等裁判所から有罪判決を言い渡された。

https://www.cnn.co.jp/business/35161393.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/364.html#c17

[番外地8] 橋洋一が昔 数学の研究者を目指していた事がありました、というのと同レベルのアホさ
村上陽一郎は無能な科学史家だろ、物理学の業績ゼロだしね。
橋洋一が昔 数学の研究者を目指していた事がありました、というのと同レベルのアホさ。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/535.html
[近代史5] 共働き、平成30年間で1.6倍
共働き、平成30年間で1.6倍
厚労白書、労働力確保へ就業促す
2020/10/23 ©一般社団法人共同通信社


 23日に公表された2020年版厚生労働白書は、平成の30年間で共働き世帯が占める割合が約1.6倍になったと指摘した。少子高齢化により人口減が進む中で、労働力が不足することを避けるため、女性や高齢者の就業率の向上が一層必要になるとの見方を示した。

 白書によると、男性が働いている世帯に占める共働きの割合は1989年に42.3%だったものの、2019年に66.2%へ上昇した。19年は、共働き世帯が1245万、男性だけが働く専業主婦世帯は582万となった。

 また、働き方の変化に柔軟に対応する必要があると強調し、成果の評価や労働時間の管理の方法を課題に挙げた。
https://www.47news.jp/national/lifestyle-interest/5410240.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/338.html

[近代史5] 気づかぬうちにすべてを盗まれる?国家ぐるみで盗む中国の怖さ…
気づかぬうちにすべてを盗まれる?国家ぐるみで盗む中国の怖さ…


無印良品、中国で商標敗訴は当然?国家ぐるみで知財をパクる中国「7つの手口」=鈴木傾城
2019年12月18日
https://www.mag2.com/p/money/868094


良品計画が「無印良品」の商標を中国にパクられたうえに、パクリ企業に商標侵害で訴えられ、敗訴するという事態になった。これが中国の知財を盗む手口だ。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

気づかぬうちにすべてを盗まれる?国家ぐるみで盗む中国の怖さ…

パクった側が本家を訴え、本家が負ける

中国に進出した日本企業である良品計画だが、そのブランド『無印良品』の商標を中国にパクられたうえに、パクリ企業に商標侵害で訴えられ、敗訴するという事態になっている。

パクった側が本家を訴え、本家が負ける。あまりにも不条理だが、中国では中国企業の横暴が通り、日本企業は技術も意匠もすべて盗まれて終わりだ。

中国はアメリカに「知的財産権の侵害」を激しく糾弾されて貿易戦争を仕掛けられているのだが、知的財産権の侵害ではアメリカだけではなく日本も大きな被害を受けているのだから他人事ではないはずだ。

中国はあらゆるものを日本から盗んでいく
中国は盗めるものはすべて盗むために、日本企業を本土に誘致してワナを仕掛ける。それだけではなく、日本に大量の工作員を送り込んで日本で堂々と工作活動を行っている。

日本はスパイ防止法がないうえに、政治家たちや高齢化した経営者は技術的なことがまるで分からないので、中国の工作員にやられ放題になっており、企業の機密情報から国民の個人情報までありとあらゆるものが盗まれ続けている。

「知財も意匠も個人情報もすべて盗まれている」ということが気づかないまま盗まれているのが日本の現状だと言っても過言ではない。まったく危機感がないところに危機がある。

すべてを盗むのに、中国はいったいどのような方法を使っているのだろうか。基本的に、以下の「7つの方法」が実行されている。

盗みの手口その1:カネ・女・名誉で釣って盗む

中国・韓国の企業は、日本の技術力を持った企業のトップや、社員をそのままカネで釣って技術を吸収している。

日本では技術者が冷遇されており、給料も低く、肩書きも用意されていない。だから、技術者は中国の企業から狙い撃ちされるのである。もちろん、中国だけではない。韓国も同じことをしている。

カネと女と名誉で日本人の技術者は買収され、そのまま技術を横流しする。

もちろん、罪悪感はあるのだろう。しかし、目の前に大金を積まれてしまい、女性を差し出され、丁重に持てなされて、それを拒否することができる人はいないのではないか。

まして、日本企業は技術者に何かを開発させても、その成果はすべて会社が取って、社員に還元しないので、待遇に不満を持ったまま働いている技術者は、掌を返して中国に技術を横流しする。

さらに上層部は上層部で、中国に行ってハニートラップに引っかかって脅されて、これまた技術漏洩が起きる。

ハニートラップに引っかかっているのは日本の政治家だけではない。技術を持った企業は、上から下までみんな狙われている。

「カネ・女・名誉で釣る」というのは、機密情報を盗むための基本工作であると言える。売国は、欲望から始まるのだ。

アメリカの企業家や政治家も、片っ端からこの手法で中国に寝返っていた。

盗みの手口その2:公然たるヘッドハンティングで盗む
大金を積んで技術者を引き抜くといえば、裏側でこっそり行われている「賄賂」的なものもあるのだが、最先端の技術を持った人たちは裏から買収されると共に、表からも堂々と取られて中国の企業に持っていかれる。

たとえば、経営手法などは個人の力量や人脈が決定打になることが多い。そうすると、単に技術やノウハウを盗んだだけでは役に立たず、人間そのものを引っ張ってこなければならない。

だから、こうした部分では表側からヘッドハンティングを仕掛けて堂々と中国に技術移転をさせる。

ヘッドハンティングと言えば、大企業のカリスマ経営者だけを思い浮かべるかもしれない。

しかし、それは私たちが想像していないような分野でも行われている。中小企業の経営者のヘッドハンティングもあれば、大学の研究者のヘッドハンティングもある。

日本では「この会社しか作れない」という技術を持った中小企業もあるのだが、こうした企業の技術を持った経営者や社員もしばしば中国にヘッドハンティングされている。

たとえば、工作機械には金属を削る「刃物」が非常に重要な役割を演じる。この刃物も、実は日本独自の技術が詰め込まれており、どのように刃物を製造するかは一種の「最先端技術」なのだ。

こういった「職人」に位置するような技術者の元に、ある日、ヘッドハンターがやってきて、中国の企業から高給を提示される。

そして、基礎技術からノウハウまでが、大挙として流出していくことになる。


盗みの手口その3:デザイン・ブランドを無断で盗む

製品には形がある。あるいはブランドがある。独自の意匠がある。消費者がそういったブランドや意匠を見ると、そこに信頼感を感じて、他のものよりもそのブランドを選ぶ。

こういった信頼はすぐに構築できるものではなく、長年の信頼の積み重ねで生まれて来る。

逆に言えば、そのブランドを盗んだり、一部分だけを変えてあとは同じにして紛らわしいものを出したりして、ブランドを横取りすると、労せずして売れるということになる。

中国はこの偽ブランドの温床になっている国だ。

製品を丸ごと真似したパクリ製品や、ブランドを偽装した偽商品が平気で出回る。知的所有権など完全に無視だ。

アメリカもディズニーやマーベルのキャラクターが次々と盗まれたりしているのだが、日本の製品も、完全に丸パクリされ、日本のブランドさえも乗っ取られている。

ブランドと言えば、中国では不正な無断登録も横行しているのはよく知られている。パクリ企業に訴えられて負けた「無印良品」だけでなく、「有田焼」「讃岐うどん」はすべて中国にそのまま商標登録されて乗っ取られていた。

盗みの手口その4:合弁企業、企業提携をして盗む
中国政府は「技術を盗む」という意図の元で、外国企業を自国に誘致する。「約14億人の市場」という言葉に騙された外国企業は、売上を上げるためにこぞって中国に乗り込む。

しかし、中国は外国企業が中国に進出する場合、中国企業と合弁企業の設立や企業提携を必ず行うように法律で義務付けられているのである。

すると、どうなるのか。この合弁会社に技術もノウハウもすべて盗まれるのだ。

たとえば、自国に工場を誘致して、日本企業と合弁会社を作って共同運営をする。工場の運営はすべて日本企業に任せる。

そこで日本企業は、自国のノウハウをすべて工場に投入する。選択する装置、工場のマネージング、時間管理、社員教育。すべて開示して工場を運営する。

合弁企業はそれを吸収し、すべて吸収したと判断した時点で、労働争議を起こしたり、反日運動を起こしたりして、日本企業を追い出して、ノウハウを丸ごと奪う。

日本人は、最初から「奪われる」「盗まれる」とは思っていないので、追い出されることになっても、たまたま組合運動が激化したとか、たまたま反日運動が起きたと思い込む。

最初から仕組まれていたと考える人間はいない。しかし、労働争議はたまたま起きたのではない。意図的に起こされたのだ。

最初から「技術やノウハウを盗む」つもりで、中国は合弁会社や提携を強制していたのである。

盗みの手口その5:苦境に落ちた企業の技術者を取り込んで盗む

技術を持った外国企業が何らかの理由で経営を悪化させると、技術を安く手に入れるために中国企業が買収に乗り込んでくる。

弱った相手を見て、一気に強奪しにやってくるのだ。

日本は2009年から2012年までの民主党政権下で、民主党政権は日本企業が弱るのを分かっていながら、まったく円高を阻止しようとしなかった。このため、日本企業は次々と経営が悪化してビジネスが傾いていった。

経営を悪化させた企業は多くの技術者をリストラする。すると中国は、このような技術者を「安く買う」ことも可能になったし、ノウハウを抱え込んだ企業そのものを安く買い叩くこともできるようになった。

中国は2010年代に入ると急激に製造技術を向上させていったのは、よく知られている。2010年代から中国製品の質が向上したのは「偶然だ」と思っている人もいるかもしれないが、まったくそうではない。

民主党政権下で日本の製造業が苦境に落ちて技術者を大量に放出し、その少なからずが「中国に渡った」のだ。そこから中国の製造業の品質が向上した。

2018年10月30日、レコードチャイナ紙は『ファーウェイのスマホは日本人が開発した?中国ネットで物議』という記事を出しているのだが、ここには徐静波(シュー・ジンボー)アジア通信社社長の言葉として、このように書かれている。

ファーウェイのスマートフォンがここまで発展したのは、日本人を雇って研究開発し、日本の技術を採用したからだ。任正非(レン・ジョンフェイ)CEOは実に聡明であり、日本の生産ラインを買ったのではなく、日本の頭脳を買ったのだ。

出典:ファーウェイのスマホは日本人が開発した?中国ネットで物議 – レコードチャイナ(2018年10月30日配信)

盗みの手口その6:国家が率先してハッキングして盗む
現在、アメリカ企業が次々と中国からハッキングを受けていることを報告している。

アメリカが中国との対立を選んだのは、まさにハッキングによってアメリカの企業や軍事機関が軒並み中国によって被害を受けているからである。

「中国の安全保障機関が、最先端の軍事計画を含むアメリカの技術の大規模な窃盗の黒幕だ。そして、中国共産党は盗んだ技術を使って大規模に民間技術を軍事技術に転用している」と言ったのはマイク・ペンス副大統領である。

中国は、国ぐるみで企業のイントラ内に潜り込み、情報を盗もうとしている。

もちろん、中国は大反論しており、中国こそがハッキングの被害者で、そのハッキングのほとんどはアメリカから来ていると主張している。

しかし、よくよく考えて見ると、日本は攻撃されていないのだろうか? いや、日本は攻撃されてハッキングされて漏洩し続けているのである。

アメリカの国防省でさえ狙われて防衛に必死になっているのだが、日本企業の多くはまったくそのような姿勢がない。日本政府でさえ、何ら危機感を持たない。

すなわち、盗まれている自覚がないまま盗まれ続けている可能性が高い。だからこそ、日本は危険なのだ。

「まったく危機感がないところに危機がある」というのは、これを指している。

盗みの手口その7:企業内部に潜り込んでスパイ行為で盗む

現在、安倍政権は大量の留学生や実習生を中国から引き入れている。

「これは移民政策ではない」と安倍政権は主張するが、実質的な移民政策だと考える人が多い。いまや100万人規模で外国人が流入しているからだ。

そして、中国の人間が次々と日本企業に入り込む。彼らの少なからずは中国共産党の命令があれば、それを実行する。

これについては、長野聖火リレーで何があったのか検索すればすぐに状況が分かる。「長野聖火リレー 中国人」で検索してみてほしい。中国人はいつでも中国共産党の工作員になり得るのである。

彼らが日本企業に入れば、スパイ行為が行われることもあったとしてもまったく不思議ではない。

日本企業は身内には甘く、身内は疑わないという特質がある。それは性善説に立った非常に美しい姿勢なのだが、その姿勢が悪用される。

産業スパイとは、明確にその企業の情報を盗むために、成りすまして潜り込むのである。味方のフリをして、重要な情報を虎視眈々と狙う。東レも、デンソーも、ヤマザキテックも、新日鉄も、すべてこれでやられている。

お人好しすぎる日本人
日本にはスパイ防止法がなく、中国に機密情報を垂れ流しにしている人間たちを処罰する法律もない。また、機密情報を守ると言う意識もまた非常に薄い。

私たちは、あまりにも「お人好し」すぎるのだ。

それは日本人の美しい心なのだが、中国から明確に標的にされて技術を狙い撃ちされている今、いつまでも放置していい問題ではない。

このままでは盗まれるだけ盗まれて、そしてすべてを盗まれたら安売り競争を仕掛けられて潰されるのだ。

アメリカは中国の知的財産権の侵害と戦っているが、日本も十分に当事国だ。戦争が仕掛けられていると日本人は気づかなければならない。
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/339.html

[近代史4] 偽装結婚が増加中。日本人が知らない中国人女性の恐ろしさと潔い手口
偽装結婚が増加中。日本人が知らない中国人女性の恐ろしさと潔い手口=鈴木傾城
2019年11月1日
https://www.mag2.com/p/money/808689


日本での偽装結婚は、中国人女性が圧倒的に多い。そして、その数は今後さらに増えていく。問題は、偽装結婚と中国の恐ろしさを、日本人がまったく理解していないことだ。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

そこに愛は1つもない。日本人を踏み台にして世の中を渡っていく
偽装結婚で日本の長期在留資格をゲット

2019年10月15日、ひとりの中国人女性が逮捕されている。徐玲という名前の33歳の中国人女性だ。

この日本語がペラペラの中国人女性は、夏宗明という中国人の男と、谷中信恵という日本人の女性を引き合わせて偽装結婚させて、中国人の男から現金120万円を受け取っていた。

そして、2019年10月17日。

今度は東京都大田区のスナックで、店の経営者である中国籍の林愛明という女が夫の伊東由起夫と共に、中国人の女性と日本人の男性客を偽装結婚させるビジネスをしていたということで、やはり逮捕されている。

このスナックには中国人女性が従業員として働いていたのだが、そのうちの3人も偽装結婚で長期の在留資格を手に入れていた。

日本で水商売で入ってきた中国人女性が、長期の在留資格を手に入れるために日本人の男と結婚するというのは、これまでも繰り返し使われてきた手口である。

そう言えば、2019年も平松仁という51歳の日本人が倪敏という22歳の中国人女性と偽装結婚して警察に摘発されているのだが、この倪敏という女性も「中国人パブ」で働いていた。

こういった偽装結婚の話は山ほどある
今、日本の歓楽街には、中国人・韓国人のホステスが山ほど潜り込んでいるのだが、彼女たちが虎視眈々と日本人との結婚を画策している。

いや、中国人・韓国人だけではない。フィリピン女性も、タイ女性も、ホステスとして日本にやってきて、日本でずっと暮らすことができる在留資格(永久ビザ)の取得を狙っている。

国籍目当ての「偽装結婚」と言えば、何か自分とは縁遠い犯罪事件のように感じるだろうか。それとも、あなたにも身に覚えがあるだろうか?

かく言う私は、偽装結婚を何度持ちかけられたか分からないほどだ。そのたびに結婚していたら、今ごろ「結婚歴20回」どころではなかった。

愛もないのに、なぜか結婚したいと言い出す女性で、ひとり強烈な印象を持った女性がいた。タイの郊外都市コラートで知り合ったプーという女性だった。

彼女は私のことを何も知らないのに、私に結婚しようと申し入れていた。

※参考:名前も国籍も知らないのに、あなたと結婚したいという女 – ブラックアジア:鈴木傾城(2011年12月6日配信)
https://blackasia.net/?p=3436


信じられないかもしれないが、売春地帯ではこういった結婚話が山ほどある。実際、女性の熱意にほだされて結婚してしまった男も多い。

タイ・パタヤでは、主にファラン(欧米の男)たちがターゲットになっていて、次々と裏のある結婚をしている。

売春地帯では、場合は出会ってから1時間もしないうちに「結婚しましょう」という話になることさえもある。今まで私に話を持ちかけてきたのは圧倒的にタイ人が多かったが、振り返ると、フィリピン人に、パナマ人に、コロンビア人に、それこそ枚挙に暇がない。

日本で起きている偽装結婚の事件は、かつてはフィリピン女性が多かったが、彼女たちが2004年頃から締め出された後、そのほとんどは中国人・韓国人の女性に変わった。今では中国人が日本の永住資格を取るために躍起になっている。


男を踏み台にして世の中を渡っていく
日本人と結婚して永住資格を手に入れる。その目的は何か。もちろん、カネだ。

彼女たちは「日本」で、大きく稼いで国に戻ることを望んでいる。その手段としての結婚であって、別に日本や日本の男が気に入っているわけではない。

自分の結婚相手が、気に入っているわけではない。結婚する男の容姿や年齢や性格など、まったく関係ない。言ってみれば、正真正銘の日本人でありさえすれば、相手など誰でもいいのである。

「偽装結婚」は、外国人を合法的にその国の人間にしてしまう手口のひとつだ。

偽装結婚はいくつかの種類がある。同性愛者がそれを世間に隠すために行うものもある。あるいは、犯罪者が自分の名称を変えてしまうために意図的に行うものもある。犯罪のための背乗り(はいのり)で行うものもある。

しかし、もっとも多い偽装結婚は、言うまでもなく、外国人が異国の滞在資格を得るためのものである。

どこの国でも、その国の人間と結婚した外国人には長期滞在許可や永住権を与える。それは結婚生活を送る上で、その国に長期滞在が許されていなかったら都合が悪いからだ。

それが悪用される。

よく「偽装結婚」と言うと、何か甘酸っぱい恋愛が絡むビジネスのような錯覚をする人もいるが、現実はそのようなものではない。

偽装結婚を決断し、実行する女性は、男を踏み台にして厳しい世の中を渡っていく。カネのためならば何でもする。危ない橋でも渡る。それくらいの性根の座った精神力を持っている。

愛や恋など、そこに入る隙間もない。カネの亡者になっているような女性も多い。

そこには一片の愛もない
彼女たちは愛ではなく、カネで動いている。

結婚もカネのために割り切るものであり、そこに一片の情緒も見出していない。場合によっては、結婚生活をしていると「見せかける」ためにセックスが介在するかもしれないが、しない場合も多い。

カネに対する渇望と利己的な欲望が渦巻いていて、実にしたたかであり、カネに対してのみ忠実である。

これだけ知られ渡った手口なのだから、今さら日本に在留したい外国人に偽装結婚を斡旋したところで、見破られるのは分かりきっている。古典的な手口というのはすでに研究し尽くされているのだから、勝負は最初からついているのだ。

日本でも当然、偽装結婚をする人間がいて、捜査されると見破られることが多い。にも関わらず、この偽装結婚の手口が「通る」ことが珍しくない。

不思議に思わないだろうか。調べられれば見破られるのに、それが通用することも多いとはいったいどういうことか。


本物か、偽装か。調査する人員が足りない
なぜ、あからさまな偽装結婚が日本で通るのか。その理由は簡単だ。

偽装結婚をひとつひとつ調べるには、行政の調査員があまりにも不足しているからだ。

すべての国際結婚を、ひとつひとつ丹念に「本物か、偽装か」を調べる手間と人員がないのである。

偽装結婚が最も「手っ取り早く確実」
状況はさらに悪化する。

なぜなら、安倍政権はインバウンド政策で毎年3,000万人も4,000万人も外国人を観光で入国させるからだ。

さらに「移民政策を採らない」と言いながらも、大量の外国人を単純労働者として受け入れる方策を決めているからだ。

【関連】使い捨て人材は安いほうがいい。「誰でもできる仕事」に関わる日本人の末路=鈴木傾城

こうした政策の中で大量の外国人が日本に流入し、在留資格が得られなかった外国人も大量に出てくる。そうすると、在留カードを偽装するような犯罪も出てくるのだが、こうした偽造カードはバレやすい。

確実に日本にいられるためには、偽装結婚が最も「手っ取り早く確実」なのである。

周辺国を「中国」に同化させる戦略
現在、日本のアンダーグラウンドに大量に進出しているのは中国女性である。これからも、偽装結婚に関しては、中国人女性が上位の座を譲らないはずだ。

その理由は、単純に中国人の数が多いのと、彼女たちが偽装結婚という手段にもためらいがないのと、中国の拡張・同化政策に合うからである。

中国は意図的に周辺国に大量の中国人を送り込んで、その国を中国に同化させようとする長期政策を実践する。また、そのために自国民が他国に潜り込むことに対して、黙認しつつ奨励しているフシがある。

全世界、欧米から東南アジアからアフリカまで多くの国で中国人の大量移住が確認されている。タイもカンボジアもインドネシアもミャンマーもラオスも、すでに同化政策が進みすぎて中国系の人間が政治経済を牛耳っている。

そして日本にも今、大量の中国人が進出している。目立たないように底辺から、じわじわと時間をかけて、しかし確実に増えていっているのだ。
※参考:日本も飲み込まれるのか? 異国を覆い尽くす中国人と、中国人が支配する街 – ブラックアジア:鈴木傾城(2019年10月10日配信)

中国人は、在日韓国人のように変な主張をしたり目立ったりしないので、普通の人はまったく気がつかない。しかも、中国女性の場合は、偽装をバレないようにするために、本当に「夫婦関係のある国際結婚」をする気合いの入った偽装結婚をも目論む。

そうなれば、もう摘発などできない。


日本人が知らない偽装結婚と中国の恐ろしさ
中国人の偽装結婚は、他の外国人との偽装結婚よりもさらに恐ろしい。

子どもは母親になつく。当然、現在の中国共産党政権の思想が母親を通して子どもに伝わっていくことになる。そして、この子どもたちが日本よりも中国共産党政権の思想を優先して活動していくようになる。

莫大な人口を抱える中国政府は、そうやって周辺国を「中国」に同化させる戦略を推し進めているのである。

このあたりの中国人の恐ろしさは、東南アジアの現状をよく知らない普通の日本人には、どんなに声を大にしても伝わることはないだろう。
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1125.html

[番外地8] 高橋洋一は安倍・菅応援団論客として様々なメディアで安倍政権擁護、政権批判叩きをしてきたことで有名 中川隆
4. 中川隆[-10672] koaQ7Jey 2020年10月23日 18:49:39 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[22]
高橋洋一は竹中・安倍・菅応援団で反日売国奴
高橋洋一は安倍・菅応援団論客として様々なメディアで安倍政権擁護、政権批判叩きをしてきたことで有名。
「ついにあなたの賃金上昇が始まる」などとアベノミクスを礼賛していた高橋洋一氏が内閣官房参与。ちなみに実際の賃金は2000年を起点にして名目も実質もマイナス。政権の不祥事を徹底擁護してきた忠勤ぶりが認められたのだろうが、ここまで露骨だと乾いた笑いしか出ない。

アメリカが日銀に異次元金融緩和させた目的は日本の銀行と大企業の乗っ取り
アベノミクスで日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取られる。特に日本国債を日銀に売って、その金でアメリカ国債を買った日本の銀行はすべて債務超過になって欧米資本に乗っ取られる。

アベノミクスとは何だったのか(Live配信2020/9/1) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9ZMZjUkBPow

2018.5.28「安倍首相の売国政策を糾弾する」大西つねきの週刊動画コラムvol.28
https://www.youtube.com/watch?v=VFEBdHhOv5A

資金不足を続けている対外純債務国(10兆ドル;1,100兆円)が発行する米国債は、ゼロ金利の日本・欧州の金利と、2%から2.5%の金利差(イールド)があるという理由から、売れていきました。

しかし今は、コロナショックからのFRBの緊急利下げで、米国債も金利ゼロです。ゼロ金利のドル国債を買うと、日本、欧州、中国からはドル安のリスクを、金利ではカバーできません。

短期で投機的なドル先物買いの動きは別ですが、2年単位の中期では、債務国の通貨のドルに金利差がない時は、基軸通貨とは言っても「円に対してドル安」の材料になります。


高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた人物だ。そしてこんなデマも

高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議を攻撃する言説は菅政権を擁護するためのフェイクだらけ(リテラ)
http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/556.html

高橋洋一
>学術会議は一部の貴族のようなもの。引退間際の豪華なポストでお小遣い付き

ちなみに、自民党甘利もたいがいデマを飛ばしていたが、政府によって否定されて、こっそり・ひっそりブログを修正している。

必死で菅政権を擁護していたと思ったら、やっぱり「内閣参与」の餌付きだったか。

苦節8年頑張ったおかげで、ようやく政権の中枢へ。

しかし、デマやフェイクが専門職のような人間を政権の中枢に入れたらどうなるか。。。
菅の周りに、菅を喜ばせる人間ばかり配置した格好だ。
知性もなければ良識もない人間ばかり集めてこの国を潰す気か。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/490.html#c4

[番外地8] 菅首相。記者から、あらためて日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否した理由を問われる
21日、外遊先のインドネシア・ジャカルタで記者会見した菅首相。記者から、あらためて日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否した理由を問われると、こう言い放ったから驚いた。

「国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事だ。推薦された方々がそのまま任命されてきた前例を踏襲してよいのか考えた結果だ」

 オイオイ、ちょっと待て。最初に理由を問われた際には「総合的、俯瞰的に判断」と答えていたではないか。それが世論批判を受けて突然、「推薦リストを見ていない」と支離滅裂な言い訳を始めたかと思いきや、今度は「国民に理解されることが大事」だから理解不能だ。

 さらに、16日の日本学術会議の梶田会長との会談に触れた菅は「国民に理解されるように日本学術会議をよりよいものにしていこうと合意した」などと上から目線で開き直っていたが、一体どの口が言っているのか。

 問われているのは、日本学術会議の組織体制や学者の在り方ではない。理由も示さず、法律に反する形で任命を勝手に拒否した菅の認識、違法性だ。自分自身のデタラメを棚に上げ、さも学術会議側に問題があるかのよう論点をすり替える。これぞ自分の品性下劣を告白しているようなものだ。

 日本学術会議に対して、菅が言うように「理解していないぞ」と憤慨している一般国民はほとんどいない。むしろ、「国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事」と強く指摘されるべきは今の日本政府であり、菅自身だ。

政治評論家の森田実氏がこう言う。

「この1カ月間でハッキリしたことは、菅内閣は、やることなすこと全てが間違い。やはり、誤って誕生した内閣だということです。学術会議の問題は明らかに学問の自由を保障した憲法23条違反。この条文は戦前の学者弾圧などの反省を踏まえて規定されたものであり、任命拒否は許されるものではない。説明しないのは民主主義の否定です。」

菅は「諫言」が持つ言葉の意味を理解していない

 当たり前のことだが、日本学術会議では、それぞれの研究分野において優れた知見が認められた識者が会員に推薦、任命されてきた。繰り返すが、今回、その任命について理由も示さずに拒否したのは国民じゃない。菅自身だ。

「私が任命権者」とエラソーに言うのであれば、国民が納得する理由をきちんと説明すればいい。それなのに、俺が決めたのだから従えと言わんばかり。思想統制の意思剥き出しだ。任命を拒否した識者はもちろん、学術界に対する尊敬もない。「権力があれば何でもできる」と考えているパワハラ人物と同じで、勘違いにもホドがあるだろう。こんな自己中心的な考えを「政治家の覚悟」と称しているのだとすればマンガだ。

 菅は学術会議問題の“本質”を理解していない。「教養のレベルが露見」と発言した静岡県の川勝平太知事は、メディアに真意を問われた際、「私は(菅首相が)誤っていると思うので諫言した」と語っていたが、この意味すら分かっていないだろう。

 諫言とは、目上の人の過失を指摘、忠告することだ。唐の皇帝、太宗・李世民は政治を誤らないよう諫言する役目の人物を重用したというが、それは時の権力に忖度がはびこれば、いずれは国家の衰退につながると考えていたからだ。今の日本で言えば、政府に諫言する役割を担っている組織のひとつが日本学術会議であり、それが「右向け右」となれば国家が滅びるため、識者を含む多くの国民が強い危機感を持って反対の声を上げているのだ。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/536.html

[番外地8] 日本学術会議の会員任命拒否 中川隆
2. 中川隆[-10671] koaQ7Jey 2020年10月23日 20:13:23 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[25]
これが大学人のまっとうな見解 、高橋洋一の話が詭弁だとわかります
内田樹の研究室
 日本学術会議の会員任命拒否に対して多くの学会が一斉に抗議の声を上げた。この事案は、そもそも日本学術会議法違反であること、従来の政府の法解釈と齟齬していること、任命拒否の理由を開示しないこと、誰が任命拒否の責任者であるかを明らかにしないこと、ネットを使って論点ずらしと学術会議への攻撃を始めたことなど、政府対応の知的・倫理的な低劣さは眼を覆わんばかりである。

 たしかに安倍政権は久しく政権との親疎(というより忠誠度)に基づいて政治家、官僚、ジャーナリストを格付けしてきた。権力者におもねる者は累進を遂げ、苦言諫言をなす者は左遷された。国民はもうそれに慣れ切ってしまった。「能力ではなく忠誠度で人を格付けすることができるほどの権力者には服従する他ない」という無力感と諦念のうちに日本国民は浸っていた。だから、官邸は今度は学者を相手に同じことをしようとした。日本学術会議は若干の抵抗はするだろうが、最終的には任命拒否を受け入れる。官邸はそう予測していた。過去に成功体験があったからである。

 2014年の学校教育法の改正で大学教授会はその権限のほとんどを奪われた。「教授会自治」というものはもう日本には存在しない。いま大学は限りなく株式会社に近い組織に改変された。でも、その事実を多くの国民は知らない。大学人たちが組織的に抵抗しなかったからである。法改正に反対して職を賭して戦った大学人のあることを私は知らない。みな黙って権利剥奪を受け入れた。そのとき、官邸は「学者というのは存外腰の弱いものだ」と知った。

 だが、彼らは「大学人」と「学者」は別ものだということを知らなかった。大学人は大過なく定年まで勤めることを切望している「サラリーマン」である。学者は違う。学術共同体という「ギルド」で修業を積んできた「職人」である。どれほどの「腕前」であるかがギルド内の唯一の査定基準である。そのものさしを棄てたらもうギルドは存在理由を失う。政府は「サラリーマン」を支配したのと同じ手で「職人」を支配しようとした。そして思わぬ抵抗に遭遇した。私はそう見立てる。
__________

日本学術会議問題について - 内田樹の研究室
2020-10-22

 日本学術会議の新会員任命拒否に対して、多くの学会が次々と抗議の声を上げ、政府と学術団体の対立は収束する気配がありません。 
 菅政権はなぜ発足早々にこのような政治的緊急性のない事案に手を出したのか。なぜ学術団体からの激しい反発を予測できなかったのか。単に「政治センスが悪い」というのも一つの解ですが、それよりは主観的には合理的な行動のつもりだったと考えたほうが引き出せる知見は多いと思います。
 菅政権が最優先する政治課題は「統治コストの最少化」です。どうやって統治コストを最少化するか。前政権の官房長官として首相が学んだのは、反対派の異論をすべて黙殺して、国民の間に政治に対する諦めと無力感を蔓延させるという手でした。
 安全保障関連法案でも、特定秘密保護法案でも、国民の過半数が「採決を急ぐべきではない」と意思表示する中、前政権は民意を無視して強行採決しました。選挙で勝った以上、全権は与党に託されたという理屈で譲歩を拒み、結果的に政権に批判的な国民の間に無力感と政治に対するあきらめを醸成することに成功した。
 反対派が無気力になり、政治活動をしても無駄だと思うようになれば、統治コストは最少化できます。菅政権は安倍政権で学んだその経験則を適用して、「反政府的な言説をなす者はいかなる公的支援も期待できない」ということを国民に叩き込んでやろうとして、日本学術会議の人事に手を突っ込んできた。すでに与党政治家、官僚、ジャーナリストは官邸に対する忠誠度によって「格付け」されるということに慣れ切っています。次は学者たちに同じルールを適用しようとした。どうせ無抵抗にこのルールを受け入れるだろうと思っていたからです。
 学者を黙らせることについては政府には成功体験の蓄積がありました。90年代以降、日本の大学人は教育行政に押し込まれて譲歩し続け、有効な反撃ができなかった。2014年の学校教育法の改正によって、大学教授会は権限のほとんどを奪われ、大学は学長が全権を掌握する株式会社的な組織に改編されたのですが、このときも大学人たちは組織的な抵抗ができませんでした。政権はこれを見て「学者というのは腰が弱いものだ」と思った。ですから、任命拒否も日本学術会議は無抵抗に受け入れると予測していた。
 しかし、このシナリオは学者たちの予想外にはげしい抵抗に遭遇して破綻ました。そればかりか『ネイチャー』や『サイエンス』のような海外の学術誌に報道され、世界の科学者は日本の新しい指導者は自由な学問研究を弾圧する反知性主義者らしいという印象を抱くに至った。これは国際社会における日本の知的・倫理的地位を一気に引き下げたという点で取返しのつかない失策でした。
 
 前政権で、国民が政治に無関心になると政権は安定するという教訓を学んだ新首相は、新政権では積極的に日本を「元気のない国」にする道を選びました。政界にも、官界にも、メディアにも、学界にも、どこにも権力に逆らうものがいない社会を作ろうとした。けれども、そのような社会は国力の衰微を代償にしてしか得られません。そして、日本学術会議への攻撃は「国力の向上よりも政権の安定を優先する」という判断が導いた結論でした。
「組織管理コストの最少化は《絶対善》であり、あらゆる目標に優先する」というのは現代日本を覆い尽くしている一種のカルトです。営利企業だけでなく、行政でも、医療でも、学校でも、その組織がいかなる「よきもの」を生み出すために創り出されたのかが忘れられ、代わりにその組織の管理コストをどうやって最少化するかが組織目的にすり替えられている。
「組織が当初の目的を見失って、組織防衛が自己目的化する」という倒錯はこれまでも官僚制ではよく観察されましたけれど、「組織が目的を見失って、管理コストの最少化が自己目的化する」という倒錯は私が知る限り歴史上はじめてのものです。バブル崩壊以後、新しい価値を生み出す力がなくなった組織はどこも「どうやって管理コストを削減するか」を考える部門が中枢を占めて、あらゆる政策決定を仕切るようになった。
 本来は話が反対なんです。どういう「よきもの」をこの世にもたらし来すためにこの組織は作られたのか、それが組織について考えるときの原点です。その次に、メンバーが路頭に迷わないようにどうやって組織を守るかを考える。そこからさまざまな創意工夫や冒険的なイノベーションが生まれる。でも、いまの日本の組織はどこも「管理コスト削減原理主義」という病に罹患しています。その結果、組織が負託された使命を果たせないほどに痩せ細ってしまった。あらゆる組織が上意下達の「効率的な」組織に改変され、メンバーはイエスマンであることを優先的に求められ、そうやって「暴君とイエスマン」だけで構成される組織ばかりになった。もちろん、そんな組織からは新しいものはもう何も生まれないし、そもそも存続することさえおぼつかない。

「日本学術会議のことなんか象牙の塔の問題だ」とメディアも市民も「対岸の火事」として眺めているようですが、いまの学者たちの抵抗は日本社会が「イエスマン以外には居場所がない」ものになってゆく流れに対するぎりぎりの防衛線です。これを座視していれば、遠からず日本は、上位者に対する忠誠度だけを「ものさし」にして全員が格付けされる「おべんちゃら社会」になり果てるでしょう。

 学者がエビデンスや論理を軽んじて、ときの政権におもねるような研究結果を出し始めたら、もう日本の学術は終わりです。それは単に象牙の塔の威信が失われるというだけでなく、日本発のあらゆる情報に対する国際的な信頼性が損なわれるということです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/533.html#c2

[番外地8] 林千勝さんの話はすべて妄想です。 そもそも近衛文麿は反戦派で何とかして戦争を止めようとしていたんですね 中川隆
2. 中川隆[-10670] koaQ7Jey 2020年10月23日 20:28:23 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[26]
林千勝さんの話はすべて妄想です。 そもそも近衛文麿は反戦派で何とかして戦争を止めようとしていたんですね:
天皇のための戦争
故鬼塚英昭 氏 戦争はすべて八百長 『日本の真相』 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=eUIhcvcSmrA

昭和天皇が自身の秘密や財産を守るための戦争をした。完全に天皇が指揮していた。おまけに米国、スターリンそして西洋銀行家とも天皇が内通.
御文庫といって天皇の宮殿の地下深くに御文庫を作りそこに大本営を置いて天皇が参謀たちを集め図面を置いて毎日毎日、今度はここ行けここ行けと指図をするわけ
それを指図ができると東条英機が受けてですねやるわけですだから参謀たちが天皇を大参謀に、参謀たちが戦争計画を作り、それを東条に渡すわけです
東条英機は大文庫に、御文庫の中には入れないわけです他の連中もそういうシステムで戦争が進んでいく訳です

仕組まれた戦争 (00:15:35)
皇室スキャンダル (00:18:21)
大正天皇には、子種がない(00:18:39)
天皇のための戦争(00:25:02)
戦争というものは、必ずどこかで企みがあるものなんです (00:25:04)
昭和天皇だけが、日本のストーリを全部知っていた (0:26:01)
真珠湾攻撃も大事なところで手をぬく (00:26:28)
海軍は、2年分しか石油をもってない(00:27:24)
パナマ国籍の船ならば、攻撃できない (00:28:34)
天皇が内通していた(00:31:38)
スターリンに発したい情報をつたえる (00:32:45)
天皇一族は、ゾルゲを野放しにする (00:33:15)
終戦工作と白州次郎 (00:33:39)
ヨハンセングループ (00:34:17)
日本の最高機密が、翌日には電報で全部流れていく (00:35:16)
日本は戦争をするように仕組まれていたと考えると全て矛盾がなく納得ができるんです。 (00:35:30)
弟の公一に機密情報を流してソビエトに渡せと、ソビエトを安心させて南方政策を取る訳です。 (00:35:45)
火事場泥棒なんです。(00:36:15)
こじつけ無罪論(00:36:19)
明治天皇作とされる歌の真意 (00:37:05)
第二次世界大戦の総括をやっている(00:38:21)
戦争はすべて八百長(00:38:51)
戦争は継続しなければいけない (00:40:48)
天皇が被爆に加担した(00:42:23)
白洲次郎の秘密(00:44:17)
吉田茂の秘密(00:46:20)

▲△▽▼

東条英樹は昭和天皇がみんなの反対を押し切って真珠湾攻撃を命令したと証言しています:

ドラマ東京裁判名場面02 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=6I3ZLht7o1g

▲△▽▼

東京裁判で東条英機は作戦はすべて昭和天皇一人で決めたと証言しています。
そして昭和天皇の戦争責任を証言しようとした近衛文麿の運命は
牛場友彦と松本重治が白洲次郎の汚れ仕事の仲間である。
尾崎秀実を朝飯会に入れた牛場友彦・松本重治・白洲次郎は、近衛文麿を排除すべく秘密工作もしている。

占領期になると三人は近衛を追い詰める工作をあれこれやる。
近衛の自殺は自殺という形の暗殺である。

前夜二人は白洲次郎に渡された青酸カリを持って近衛を訪問、
二時間余りも脅し強要して自殺させたのである。

山本五十六の真実D鬼塚英昭氏が発見した日本の秘密−2・26事件
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/700.html

鬼塚 英昭の著書
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E9%AC%BC%E5%A1%9A-%E8%8B%B1%E6%98%AD/s?rh=n%3A465392%2Cp_27%3A%E9%AC%BC%E5%A1%9A+%E8%8B%B1%E6%98%AD

▲△▽▼

天皇の陰謀 天皇裕仁はかく日本を対西洋戦争に導いた
ディビット・バーガミニ著 松崎元訳
https://retirementaustralia.net/old/rk_tr_emperor_02_contents.htm  

http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/521.html#c2

[番外地8] アメリカはアジアを侵略した日本を懲らしめるため、そして国民が好戦的であるから原爆投下をして戦争を終わらせ、いく百万の人命を救った
昭和天皇が東条英樹や近衛文麿の反対を押し切って真珠湾攻撃させた理由
このまま行ったらソ連が参戦してきて日本は占領されてしまう.
そして,昭和天皇が中国での大虐殺の黒幕だったことが明らかにされ,戦犯として死刑になり,その汚名は世界中で何千年も語り継がれる事になる.

しかし,昭和天皇は凡人には想像を絶する程の賢こかったんですね.

昭和天皇が考えた天才的アイデアとは:

アメリカはアジアを侵略した日本を懲らしめるため、そして国民が好戦的であるから原爆投下をして戦争を終わらせ、いく百万の人命を救ったと、みずからを平和主義者であるかのように宣伝してきた。

だが実際は、日本を侵略し、単独で占領して属国にする計画を、ずっと以前から持っており、それを実現するチャンスと見なして緻密な計画を持って望んだ戦争であった。日本支配にあたっては、天皇を傀儡(かいらい)とする政府をつくることも計画していたし、戦時中も天皇や皇族を攻撃してはならないという命令を米軍将兵に厳守させていた。それは天皇側にも知らされており、近衛文麿や吉田茂などはその線で動いていた。東京大空襲でも皇居は攻撃されていない。


国民は皆“お国のため”といって国に殺された。天皇はアメリカに日本を占領してくれとお願いしたんだ! それは共産主義が怖くてアメリカに自分を守ってもらうためだった。

米軍の無差別空襲のなかで、不思議なことに皇居は攻撃対象からはずされ、三菱重工広島造船所や長崎造船所は広島、長崎の原爆投下でも被害はなく、下関空襲でも三菱や軍は無傷であった。


アメリカの国立公文書館で発見された「米国陸軍軍事情報部真理作戦課『日本プラン』」

日本プラン」は1941(昭和16)年12月、すなわち日本軍の真珠湾攻撃の直後に作成が開始されたもので、「天皇を平和の象徴(シンボル)として利用する」戦略が明記されていた。すべての戦争責任を、「軍部」に押しつけて天皇を免罪し、「象徴天皇制」のもとで日本を占領支配するという計画を立てていた。1942(昭和17)年5月には「皇室に対するすべての攻撃は避けられなければならない」とする「英米共同指針計画」を出し、皇居への爆撃の禁止命令を厳格に実施させた。戦後駐日大使となったライシャワーはその当時、「日米戦争勝利後の“ヒロヒトを中心とした傀儡(かいらい)政権”」を提言し、「天皇は100万の軍隊駐留に匹敵する」と主張していた。

三井、三菱、住友、安田の4大財閥は、太平洋戦争中の4年間に重工業においては全国投資額に占める割合を18・0%から32・4%にふやし、金融では25・2%から49・7%へと急膨張を遂げており、「三菱は戦争のたびに大きくなった」と三菱電機社長はのべている。

 こうして1945(昭和20)年までの15年戦争で、日本の人民大衆は320万人以上が殺され、日本の都市の大部分は焼け野原となり、親兄弟、息子を殺され、家屋敷、家財道具を空襲で焼き払われて失い、塗炭の苦しみを味わった。だがこの戦争で、三井、三菱などひとにぎりの独占資本はボロもうけし、天皇を頭とする支配階級はアメリカによりすがり、アメリカの日本占領支配の下請機関となって生きのびた。そして戦後61年たった今、世界でもまれにみるアメリカの従属国家となっている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/320mannninngakorosaretadainizisekaitaisenn.htm

対日戦争というのは、野蛮な日本の侵略をこらしめ、平和と民主主義のための参戦だったと欺瞞する。しかし、日露戦争後に、日本との戦争は必至と分析し、ハワイ攻撃を待って徹底的にたたきつぶし、無条件降伏させるという計画を持っていた。ライシャワーなどは、「戦争責任はすべて軍部にかぶせて、天皇を傀儡(かいらい)として利用する」といっていた。日本にかわって中国アジアを侵略するためであり、日本を占領支配するための戦争だった。そして、日本の人民が抵抗できないように、戦地では餓死、病死に追いこみ、内地では原爆投下、全国の都市空襲、沖縄戦でさんざんに殺しまくった。

あれだけ鬼畜米英でやっていながら、その後の占領は、今から見てもスムーズすぎる。アメリカは日本を侵略・占領するための戦争をやっていたのだ。日本の全土を焼き払って攻撃して、民間非戦斗員をぶち殺している。一般国民は自然の感情として、国を守らなければと思う。特攻兵士の心情などが端的だ。

アメリカや天皇は、それが次にはアメリカの占領とそれに従っていく自分らに反対して向かっていくのが怖いわけだ。「本土決戦」を叫んでいるが、真実がばれたらその矛先が自分に向く関係だ。だから、国民には竹槍を与えるが、鉄砲で武装させるということはなかった。「鬼畜米英」のインチキはそのへんにある。

あれほどスムーズにやれたのは、天皇がやったことと、そのために本土空襲や飢餓作戦で地獄の状況を作り、国民をへとへとに疲れさせたことによる。それをアメリカが計画的に作り出したし、日本の支配階級も望んだ。国内は戦意喪失で、軍隊は独断で解散していく。集団でも離隊していく。占領軍への抵抗なども起こりようがない。かなりの男は外地に行ってしまっていない。武装解除をさせて、しかも権力の空白ができないように、そこは米軍が来て占領する。そのうえマッカーサーは民間の銃剣をすべてとりあげる徹底した「刀狩り」までやった。


マッカーサーが無条件降伏から二週間後に上陸できたのは、安心しきっていたのだ。ずっと以前から日本の対応がわかっていて、武装解除の進行具合を把握していた。占領された敗戦国でこれほど組織的な抵抗がなかったところは世界的にもまれだ。

「戦後の方が食糧がなかった」というのが実態だが、占領軍が食糧を持ち去ってないような状況にして、「食糧援助」と称して恩義を売る。飢餓作戦をやっていた。

占領期の検閲問題なども暴露されていない。きれいにマインドコントロールされるようになっている。マッカーサーは45(昭和20)年9月15日、「プレスコード」(新聞紙法)を発したが、アメリカ占領軍の「検閲」の名による言論統制を四五年秋から非公然に開始した。検閲要員は1万人近くいた。その対象は、新聞・雑誌、放送・演劇脚本・映画、紙芝居・幻灯などのすべてにわたり、国民の手紙や葉書などの郵便物、電話の盗聴までやっていた。

そういうことについても、一切知らせてはならないと、徹底した検閲をやった。日本のメディアは、自分らで自主検閲するようにするし、朝日新聞なんかは自主検閲要領というのをプレスコードの線に沿ってつくっていた。それはいまでも続いているしもっとひどくなっている。一方で、GHQは新聞やラジオなどを直接にも利用して、宣伝していった。第2次大戦についてのアメリカ軍を美化する心理作戦でも、商業新聞に直接GHQが原稿を書いていたり、NHKの「真相はこうだ」という特集などもそうだ。


米軍について悪くいうことを徹底して封じた。だから原爆の実態や空襲実態についても徹底し隠した。沖縄戦なども典型的で、日本軍がみんな殺したようなイメージをつくり出す。マニラとか長沙などへのアメリカ軍の爆撃もみんな隠蔽していた。安岡の戦争体験者が長沙へのアメリカの空襲を近年朝日新聞に投稿したら、ボツにされたといっていた。

戦後のアメリカの検閲のやり方を見ても、報道内容をチェックするばかりではなく、郵便物や電話まで開封、盗聴する。しかも検閲してないような格好をしてやる。戦前の検閲は、伏せ字で検閲したことが分かる形だったが、アメリカの方はまだ陰険だ。内容は、原爆を公表してはならない、戦争の悲惨さを公表してはならない、反米的なものは許さないというものだった
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/aratanabaikokutosennsounosyuppatutenn.htm
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/537.html

[番外地8] 菅首相。記者から、あらためて日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否した理由を問われる 中川隆
1. 中川隆[-10669] koaQ7Jey 2020年10月23日 20:54:37 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[27]
高橋洋一の話は詭弁、日本学術会議自体の問題と菅首相の日本学術会議の会員任命拒否の正当性とは全く違う問題です:
10月21日、外遊先のインドネシア・ジャカルタで記者会見した菅首相。記者から、あらためて日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否した理由を問われると、こう言い放ったから驚いた。

「国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事だ。推薦された方々がそのまま任命されてきた前例を踏襲してよいのか考えた結果だ」

 オイオイ、ちょっと待て。最初に理由を問われた際には「総合的、俯瞰的に判断」と答えていたではないか。それが世論批判を受けて突然、「推薦リストを見ていない」と支離滅裂な言い訳を始めたかと思いきや、今度は「国民に理解されることが大事」だから理解不能だ。

 さらに、16日の日本学術会議の梶田会長との会談に触れた菅は「国民に理解されるように日本学術会議をよりよいものにしていこうと合意した」などと上から目線で開き直っていたが、一体どの口が言っているのか。

 問われているのは、日本学術会議の組織体制や学者の在り方ではない。理由も示さず、法律に反する形で任命を勝手に拒否した菅の認識、違法性だ。自分自身のデタラメを棚に上げ、さも学術会議側に問題があるかのよう論点をすり替える。これぞ自分の品性下劣を告白しているようなものだ。

 日本学術会議に対して、菅が言うように「理解していないぞ」と憤慨している一般国民はほとんどいない。むしろ、「国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事」と強く指摘されるべきは今の日本政府であり、菅自身だ。

政治評論家の森田実氏がこう言う。

「この1カ月間でハッキリしたことは、菅内閣は、やることなすこと全てが間違い。やはり、誤って誕生した内閣だということです。学術会議の問題は明らかに学問の自由を保障した憲法23条違反。この条文は戦前の学者弾圧などの反省を踏まえて規定されたものであり、任命拒否は許されるものではない。説明しないのは民主主義の否定です。」

菅は「諫言」が持つ言葉の意味を理解していない

 当たり前のことだが、日本学術会議では、それぞれの研究分野において優れた知見が認められた識者が会員に推薦、任命されてきた。繰り返すが、今回、その任命について理由も示さずに拒否したのは国民じゃない。菅自身だ。

「私が任命権者」とエラソーに言うのであれば、国民が納得する理由をきちんと説明すればいい。それなのに、俺が決めたのだから従えと言わんばかり。思想統制の意思剥き出しだ。任命を拒否した識者はもちろん、学術界に対する尊敬もない。「権力があれば何でもできる」と考えているパワハラ人物と同じで、勘違いにもホドがあるだろう。こんな自己中心的な考えを「政治家の覚悟」と称しているのだとすればマンガだ。

 菅は学術会議問題の“本質”を理解していない。「教養のレベルが露見」と発言した静岡県の川勝平太知事は、メディアに真意を問われた際、「私は(菅首相が)誤っていると思うので諫言した」と語っていたが、この意味すら分かっていないだろう。

 諫言とは、目上の人の過失を指摘、忠告することだ。唐の皇帝、太宗・李世民は政治を誤らないよう諫言する役目の人物を重用したというが、それは時の権力に忖度がはびこれば、いずれは国家の衰退につながると考えていたからだ。今の日本で言えば、政府に諫言する役割を担っている組織のひとつが日本学術会議であり、それが「右向け右」となれば国家が滅びるため、識者を含む多くの国民が強い危機感を持って反対の声を上げているのだ。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/536.html#c1

[番外地8] アメリカはアジアを侵略した日本を懲らしめるため、そして国民が好戦的であるから原爆投下をして戦争を終わらせ、いく百万の人… 中川隆
1. 中川隆[-10668] koaQ7Jey 2020年10月23日 21:17:14 : BRDLYly4u6 : eHhGNHZRMlFLc3M=[28]
林千勝さんの話はすべて根拠ゼロの妄想です。
昭和天皇が東条英樹や近衛文麿の反対を押し切って真珠湾攻撃させた理由
日本陸軍は中国とのゲリラ戦に勝てそうもなくなり、昭和天皇はこのまま行ったらソ連が参戦してきて日本は占領されてしまうと判断したのですね。そうすると昭和天皇が中国での大虐殺の黒幕だったことが明らかにされ,戦犯として死刑になり,その汚名は世界中で何千年も語り継がれる事になる、天皇制ももちろん廃止されます。
しかし,昭和天皇は凡人には想像を絶する程の賢こかったのです.

昭和天皇が考えた天才的アイデアとは:

アメリカはアジアを侵略した日本を懲らしめるため、そして国民が好戦的であるから原爆投下をして戦争を終わらせ、いく百万の人命を救ったと、みずからを平和主義者であるかのように宣伝してきた。

だが実際は、日本を侵略し、単独で占領して属国にする計画を、ずっと以前から持っており、それを実現するチャンスと見なして緻密な計画を持って望んだ戦争であった。日本支配にあたっては、天皇を傀儡(かいらい)とする政府をつくることも計画していたし、戦時中も天皇や皇族を攻撃してはならないという命令を米軍将兵に厳守させていた。それは天皇側にも知らされており、近衛文麿や吉田茂などはその線で動いていた。東京大空襲でも皇居は攻撃されていない。


国民は皆“お国のため”といって国に殺された。天皇はアメリカに日本を占領してくれとお願いしたんだ! それは共産主義が怖くてアメリカに自分を守ってもらうためだった。

米軍の無差別空襲のなかで、不思議なことに皇居は攻撃対象からはずされ、三菱重工広島造船所や長崎造船所は広島、長崎の原爆投下でも被害はなく、下関空襲でも三菱や軍は無傷であった。


アメリカの国立公文書館で発見された「米国陸軍軍事情報部真理作戦課『日本プラン』」

日本プラン」は1941(昭和16)年12月、すなわち日本軍の真珠湾攻撃の直後に作成が開始されたもので、「天皇を平和の象徴(シンボル)として利用する」戦略が明記されていた。すべての戦争責任を、「軍部」に押しつけて天皇を免罪し、「象徴天皇制」のもとで日本を占領支配するという計画を立てていた。1942(昭和17)年5月には「皇室に対するすべての攻撃は避けられなければならない」とする「英米共同指針計画」を出し、皇居への爆撃の禁止命令を厳格に実施させた。戦後駐日大使となったライシャワーはその当時、「日米戦争勝利後の“ヒロヒトを中心とした傀儡(かいらい)政権”」を提言し、「天皇は100万の軍隊駐留に匹敵する」と主張していた。

三井、三菱、住友、安田の4大財閥は、太平洋戦争中の4年間に重工業においては全国投資額に占める割合を18・0%から32・4%にふやし、金融では25・2%から49・7%へと急膨張を遂げており、「三菱は戦争のたびに大きくなった」と三菱電機社長はのべている。

 こうして1945(昭和20)年までの15年戦争で、日本の人民大衆は320万人以上が殺され、日本の都市の大部分は焼け野原となり、親兄弟、息子を殺され、家屋敷、家財道具を空襲で焼き払われて失い、塗炭の苦しみを味わった。だがこの戦争で、三井、三菱などひとにぎりの独占資本はボロもうけし、天皇を頭とする支配階級はアメリカによりすがり、アメリカの日本占領支配の下請機関となって生きのびた。そして戦後61年たった今、世界でもまれにみるアメリカの従属国家となっている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/320mannninngakorosaretadainizisekaitaisenn.htm

対日戦争というのは、野蛮な日本の侵略をこらしめ、平和と民主主義のための参戦だったと欺瞞する。しかし、日露戦争後に、日本との戦争は必至と分析し、ハワイ攻撃を待って徹底的にたたきつぶし、無条件降伏させるという計画を持っていた。ライシャワーなどは、「戦争責任はすべて軍部にかぶせて、天皇を傀儡(かいらい)として利用する」といっていた。日本にかわって中国アジアを侵略するためであり、日本を占領支配するための戦争だった。そして、日本の人民が抵抗できないように、戦地では餓死、病死に追いこみ、内地では原爆投下、全国の都市空襲、沖縄戦でさんざんに殺しまくった。

あれだけ鬼畜米英でやっていながら、その後の占領は、今から見てもスムーズすぎる。アメリカは日本を侵略・占領するための戦争をやっていたのだ。日本の全土を焼き払って攻撃して、民間非戦斗員をぶち殺している。一般国民は自然の感情として、国を守らなければと思う。特攻兵士の心情などが端的だ。

アメリカや天皇は、それが次にはアメリカの占領とそれに従っていく自分らに反対して向かっていくのが怖いわけだ。「本土決戦」を叫んでいるが、真実がばれたらその矛先が自分に向く関係だ。だから、国民には竹槍を与えるが、鉄砲で武装させるということはなかった。「鬼畜米英」のインチキはそのへんにある。

あれほどスムーズにやれたのは、天皇がやったことと、そのために本土空襲や飢餓作戦で地獄の状況を作り、国民をへとへとに疲れさせたことによる。それをアメリカが計画的に作り出したし、日本の支配階級も望んだ。国内は戦意喪失で、軍隊は独断で解散していく。集団でも離隊していく。占領軍への抵抗なども起こりようがない。かなりの男は外地に行ってしまっていない。武装解除をさせて、しかも権力の空白ができないように、そこは米軍が来て占領する。そのうえマッカーサーは民間の銃剣をすべてとりあげる徹底した「刀狩り」までやった。


マッカーサーが無条件降伏から二週間後に上陸できたのは、安心しきっていたのだ。ずっと以前から日本の対応がわかっていて、武装解除の進行具合を把握していた。占領された敗戦国でこれほど組織的な抵抗がなかったところは世界的にもまれだ。

「戦後の方が食糧がなかった」というのが実態だが、占領軍が食糧を持ち去ってないような状況にして、「食糧援助」と称して恩義を売る。飢餓作戦をやっていた。

占領期の検閲問題なども暴露されていない。きれいにマインドコントロールされるようになっている。マッカーサーは45(昭和20)年9月15日、「プレスコード」(新聞紙法)を発したが、アメリカ占領軍の「検閲」の名による言論統制を四五年秋から非公然に開始した。検閲要員は1万人近くいた。その対象は、新聞・雑誌、放送・演劇脚本・映画、紙芝居・幻灯などのすべてにわたり、国民の手紙や葉書などの郵便物、電話の盗聴までやっていた。

そういうことについても、一切知らせてはならないと、徹底した検閲をやった。日本のメディアは、自分らで自主検閲するようにするし、朝日新聞なんかは自主検閲要領というのをプレスコードの線に沿ってつくっていた。それはいまでも続いているしもっとひどくなっている。一方で、GHQは新聞やラジオなどを直接にも利用して、宣伝していった。第2次大戦についてのアメリカ軍を美化する心理作戦でも、商業新聞に直接GHQが原稿を書いていたり、NHKの「真相はこうだ」という特集などもそうだ。


米軍について悪くいうことを徹底して封じた。だから原爆の実態や空襲実態についても徹底し隠した。沖縄戦なども典型的で、日本軍がみんな殺したようなイメージをつくり出す。マニラとか長沙などへのアメリカ軍の爆撃もみんな隠蔽していた。安岡の戦争体験者が長沙へのアメリカの空襲を近年朝日新聞に投稿したら、ボツにされたといっていた。

戦後のアメリカの検閲のやり方を見ても、報道内容をチェックするばかりではなく、郵便物や電話まで開封、盗聴する。しかも検閲してないような格好をしてやる。戦前の検閲は、伏せ字で検閲したことが分かる形だったが、アメリカの方はまだ陰険だ。内容は、原爆を公表してはならない、戦争の悲惨さを公表してはならない、反米的なものは許さないというものだった
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/aratanabaikokutosennsounosyuppatutenn.htm
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/537.html#c1

[番外地8] 高橋洋一は安倍・菅応援団論客として様々なメディアで安倍政権擁護、政権批判叩きをしてきたことで有名 中川隆
5. 中川隆[-10667] koaQ7Jey 2020年10月24日 07:07:43 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[1]
高橋洋一は竹中・安倍・菅応援団で反日売国奴
高橋洋一は安倍・菅応援団論客として様々なメディアで安倍政権擁護、政権批判叩きをしてきたことで有名。
「ついにあなたの賃金上昇が始まる」などとアベノミクスを礼賛していた高橋洋一氏が内閣官房参与。ちなみに実際の賃金は2000年を起点にして名目も実質もマイナス。政権の不祥事を徹底擁護してきた忠勤ぶりが認められたのだろうが、ここまで露骨だと乾いた笑いしか出ない。

アメリカが日銀に異次元金融緩和させた目的は日本の銀行と大企業の乗っ取り
アベノミクスで日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取られる。特に日本国債を日銀に売って、その金でアメリカ国債を買った日本の銀行はすべて債務超過になって欧米資本に乗っ取られる。

アベノミクスとは何だったのか(Live配信2020/9/1) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9ZMZjUkBPow

2018.5.28「安倍首相の売国政策を糾弾する」大西つねきの週刊動画コラムvol.28
https://www.youtube.com/watch?v=VFEBdHhOv5A

資金不足を続けている対外純債務国(10兆ドル;1,100兆円)が発行する米国債は、ゼロ金利の日本・欧州の金利と、2%から2.5%の金利差(イールド)があるという理由から、売れていきました。

しかし今は、コロナショックからのFRBの緊急利下げで、米国債も金利ゼロです。ゼロ金利のドル国債を買うと、日本、欧州、中国からはドル安のリスクを、金利ではカバーできません。

短期で投機的なドル先物買いの動きは別ですが、2年単位の中期では、債務国の通貨のドルに金利差がない時は、基軸通貨とは言っても「円に対してドル安」の材料になります。

因みに、高橋洋一が激賞したアベノミクスの実体は
「アベノミクスの成果」【事実をいえば……】
安倍政権の発足直前(2012年10月〜11月)、政府は、80円台から105円(2013年12月)への円安を生むため、30兆円のドル買いを、秘密裏に、郵貯・かんぽ生命等の政府系金融機関に、行わせています。


25円(30%)の円安目的の、「円売り/ドル買い」マネーが、米国系投資銀行に入って、ヘッジファンドから、2012年末から日本株の買い越し(5兆円規模)になり、日経平均が8,500円台だった株価が、1万4,000円に上がっています(2013年末)。

これが、「アベノミクスの成果」とされたのですから、内実は白々しいことでした。当時の当メールマガジンにも書いたことです。

通貨と株価の大きな変化には、いつも、資金量をもっとも大きくできる政府と中央銀行、および政府系金融機関が関与する原因があります。
https://www.mag2.com/p/money/911417


日本円が超円安になった理由
「アベノミクス」の正体
日本食潰す金融投機資本に貢ぐ 2013年5月17日付

安倍政府が発足して以後、「アベノミクス」と呼ばれる異次元の金融緩和や公共投資を中心とする政策が台頭し、急激な円安と株高の局面があらわれている。

昨年11月に民主党・野田政府が解散を表明した時点で8600円台だった日経平均株価は、半年たった今年5月中旬には1万5000円台まで急騰し、為替相場は1j=79円台だったものが102円台まで円安になるなど、世界的に見ても例がないほど大きな変動が起こっている。

海外投資家が時価総額のうち七割を占めている株式市場が熱狂し、さらに円安でトヨタをはじめとした輸出企業が過去最高益を上げるなど、金融緩和と為替マジックで金融資本や一部大企業がバブルに浸っている。

ところが一方で、燃油や穀物を中心に日本国内では生活必需品の価格が急騰し始めるなど、国民生活に深刻な影響が広がっている。「アベノミクス」でいったいなにが起きているのか、どうなっていくのかが重大な関心を集めている。


 

 バブルに群がる海外投資家

 この間、日経平均株価はリーマン・ショック以前と同レベルの価格まで急騰してきた。それほど好景気なわけでもなく、むしろ怒濤の首切りや製造業の海外移転を経て失業や貧困が全国的な範囲で広がり、生活実感としては悪化しているにもかかわらず、「日本株、年初から45%の上昇率」「1万5000円台回復」が叫ばれている。今後はさらに1万6000円台、1万7000円台まで上昇するとエコノミストたちが煽っている。

 しかし株式市場もよく見てみると、東証一部の約6割にあたる1000近くの銘柄が値下がりしている。株価が急騰している4割のなかでは円安効果の恩恵を受けた自動車産業や、ソニー、パナソニック、三菱電機といった企業が年初から倍近い株価をつけている。逆に株価が急落している企業としては不動産関係や、国内小売りのヤマダ電機、イオン、東芝などの企業群だ。

 東証の株式時価総額は昨年10月末には261兆円まで落ち込んでいたのが、今年4月末の段階では411兆円にまで膨れあがっている。わずか半年で150兆円がなだれ込んでいる。この半年の推移を見てみると、11月に14兆円増加し、12月には26兆円増加、1月に29兆円、2月に13兆円、3月に23兆円、4月には46兆円とすさまじい勢いで資金が流入しているのがわかる。

 このなかで投機の中心的なプレイヤーとして振る舞っているのが海外のヘッジファンドや投資家といわれ、時価総額の大半は国内資金ではなくこうした海外資金であることが明らかになっている。

サブプライム危機で行き場を失った膨大な余剰資金がヨーロッパを食い物にし、ギリシャ、スペインなど南欧諸国の国家破綻でボロもうけした後しばらくは中国や新興諸国のバブルに巣くっていたが、それも一段落ついて今度は「アベノミクス」バブルに大集結していることを反映している。


 加熱する米国債の購入 日銀の金融緩和で


 国債市場は株式市場よりも規模が大きく、世界的には株式市場の3倍にもなるとされている。この間の円安で輸出企業は潤ったといわれているものの、円安そのものが国債暴落で、1j=80円の段階で例えば1万円の日本国債の価値がドルベースで換算すると125jだったのが、いまや1j=100円超えなので、その価値は100jと大幅に下落することになった。

 こんな日本国債を持っているよりは、ドル建ての米国債を購入した方が儲かるという判断が働いて、日銀が金融緩和すればするほど米国債買いが加熱して、海の向こうに資金が流れ出していくことになっている。

円建ての日本国債を売り払って円を調達し、その円を売り払ってドルを買って米国債を購入するのが流れになり、あるいは国債を売り払った資金で株式市場に投機する動きとなった。


 安倍政府、日銀による異次元の金融緩和は、米国債購入という形で吸い上げられ、あるいは国際金融資本の博打の源泉として食い物にされる仕組みになっている。

リーマン・ショック後に、米国ではFRBが気狂いじみた量的緩和を実行し、銀行群の損失処理にあたり、ヨーロッパではECBが負けず劣らずの量的緩和をやり、市場に資金を供給してきた。そうしたマネーに寄生し、バブルを渡り歩いてきたのがヘッジファンドで、熱狂した後に売り浴びせることは、過去に日本市場でも経験済みだ。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/enyasukabudakanokagedekyuurakusurukokusai.html
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/490.html#c5

[番外地8] 高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた人物だ
高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた人物だ。そしてこんなデマも

高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議を攻撃する言説は菅政権を擁護するためのフェイクだらけ(リテラ)
http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/556.html

高橋洋一
>学術会議は一部の貴族のようなもの。引退間際の豪華なポストでお小遣い付き

ちなみに、自民党甘利もたいがいデマを飛ばしていたが、政府によって否定されて、こっそり・ひっそりブログを修正している。

必死で菅政権を擁護していたと思ったら、やっぱり「内閣参与」の餌付きだったか。

苦節8年頑張ったおかげで、ようやく政権の中枢へ。

しかし、デマやフェイクが専門職のような人間を政権の中枢に入れたらどうなるか。。。
菅の周りに、菅を喜ばせる人間ばかり配置した格好だ。
知性もなければ良識もない人間ばかり集めてこの国を潰す気か。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/538.html

[リバイバル3] 酷い音のインチキ・レプリカを量産して伝説の評価を落とした Goodmans Axiom80 中川隆
71. 中川隆[-10666] koaQ7Jey 2020年10月24日 07:43:40 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[4]
「音楽&オーディオ」の小部屋
オーディオ秋の陣〜JBLからグッドマンへ〜 2020年10月24日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e892738663e3bfd9812ef965b6e791a3

「すっかりAXIOM80の音が変わりましたね。以前よりもさらに良くなってます。変わったのはRCAケーブルだけですから、(ケーブルの)効果は歴然としてます。私も使ってみたいので製作者に1ペア作成していただくようにお願いできませんか」と、オーディオ仲間のYさんから依頼されたたのは先日のことだった。

「ハイ、取り次ぐだけなら構いませんよ」と、Tさん(東海地方)にお願いしたところ、快く引き受けていただき「あっという間」に到着した。いつものことながら感謝です!

Yさんによると、DAコンバーター(TAD)とパワーアンプ(マーク・レヴィンソン)との直結用ケーブル(XLR用:70cm)とのこと。

現在使用中のケーブルは8万円相当だからお値段的には1/20程度でコスパからして信じられないが、試聴結果の報告を首を長くしてお待ちしているところ。

去る17日(土)に我が家にお見えになったので、このケーブルをお渡ししたところ(Sさん宅の)SPケーブルのバナナ端子が銀製だったため経年劣化で腐食して音質に曇りが生じたので「Yラグ端子」を注文されており、その交換と一緒に試聴したいとのことで「ちょっと待ってください」とのことだった。

それはさておき、当日は先日訪問した四国のオーディオ愛好家「S」さん宅の思い出話に花が咲いた。

同じ「AXIOM80」でも箱が違うと音がすっかり変わるようで我が家では意図的にわずか1.5pの薄板で作っているので「箱鳴り」を大いに利用しているが、Sさん宅では「厚い板」のがっちりした「バックロードホーン」の箱(80kg)に収納されているので箱鳴りをさせていない分、芯のある音が聴けるので、総合的に見ると「一長一短」、音楽ソースによって評価がまちまちで手前勝手に「引き分け」ということにさせてもらおう〜(笑)。

この日は「AXIOM80」でいろんな曲を聴くうちに、「実は気になっていることがあります。ケーブルでこれだけ変われば、現在倉庫に保管しているグッドマンの「トライアクショム」(口径30センチ:同軸3ウェイ)がどういう変化を遂げるか大いに興味を持ってます。」

「それは面白そうですね。私も興味あります。JBLの2ウェイよりはきっといいと思いますよ。」と、両者の意見が珍しく一致した(笑)。

JBLよ、しばらくさようなら〜。

「善は急げ」とばかり、翌日の午後に30分ほどかけて入れ換え終了。

RCAコードとSPコードはいずれも「LAN素材」にして、胸をワクワクさせながら試聴したところ、実はそれからがたいへんだった。

久しぶりに鳴らしたせいかどうも歪みっぽい音が左チャンネルからする。高音域用アッテネーターの接触不良の模様で、もう60年以上も前のユニットだから仕方がないかなあ。

いろんなCDをかけながらエージングを続けていると1時間ほどしてからどうやら馴染んできた。

オーディオは比較試聴しないと良さが分かりにくいので、まずRCAケーブルについて既存のケーブルとの聴き比べをしてみると、爽快感というのか曇りの無さが随分違っており、一方的に「LANケーブル」に軍配を上げた。

次に、SPケーブルを「銀の単線」に代えて比較してみた。すると中高音域の抜けとか色艶は「LAN」に優位性があり、その一方中低音域の量感は「銀線」に一日の長があった。こればかりは好き好きでもっと時間をかけて判断することにした。

なお、この同軸3ウェイだと1台のアンプで済むのでアンプもいろいろ代えてみた。

「300B」シングル、「PX25」シングル、「6098」シングル、「2A3」シングル、「171」シングルなど「より取り見取り」だったが、秋の季節に相応しいグッドマン独特の翳りを表現できるとなるとやっぱり「PX25」かな。

言い方は悪いが「同じ穴の貉(むじな)」(英国勢同士)ですかな、これは(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e892738663e3bfd9812ef965b6e791a3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/686.html#c71

[近代史5] なぜ株価だけ「V字回復」? 実体経済は恐慌さながら… 猛烈な金融緩和に浮き立つ市場 中川隆
4. 中川隆[-10665] koaQ7Jey 2020年10月24日 08:24:21 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[7]

2020年10月24日
米株市場は黄金の20年代と類似 内容伴わない企業も

1920年代のアメリカ人は永遠に繁栄すると思っていたが、バブル崩壊し第二次大戦を引き起こした

コロナ拡大なのに株価は最高値

コロナ以前の米ダウ平均高値は、2020年2月12日の2万9551ドルだったが3月23日に1万8591ドルまで下落しました。

このまま経済危機かと思われたが下落は一瞬で、10月現在は2万8000ドル台と元の水準を回復しています。

この間コロナは収まるどころか拡大を続け、アメリカでも欧州でも患者数は増え続けていました。

不思議な現象の理由は中央銀行の金融緩和と政府の経済支援策で、短期間に数百兆円がばら撒かれた。

トランプ政権は夏までに2兆4000億ドル(250兆円)を支出し、追加で2兆ドル(210兆円)の支出法案を決めようとしている。

総額4.4超ドル(450兆円)ものコロナ対策費で、日本の56兆円緊急補正予算が見すぼらしく見えるほどです。


アメリカはこの予算で企業に融資し、労働者が働かなくても給料を受け取れるようにしました。

しかも一定の条件付きで、給料支払いに使った融資は返済しなくても良い事になっている。

これだけではなく産業界には航空会社などに大型支援を実施し、経営難なのに金余りで株価が上がった。

黄金の20年代に類似

米中央銀行FRBも金融緩和で民間にお金を貸し出し、銀行はFRBから借りて民間に貸し出している。

労働者が受け取った金は消費や返済や投資で企業に集まり、企業はその金を株に投資した。

この結果空前の株高が起きているが、本来の企業業績や企業価値とは無関係に株価が上がりました。


典型的なバブル経済であり、80年代後半の日本や1920年代のアメリカの状況とも似ている。

20年代のアメリカは黄金の20年代と呼ばれる超好景気で、この時期の高度成長でアメリカは超大国になった。

日米開戦時に日本では牛車で戦闘機を運んでいたが、アメリカは個人がスポーツカーを乗り回していました。


20年代の人々は「不況は古い経済システムのせい」だと考え、今後もう不況は起きないと考えていました。

今世界は「本当なら大恐慌の真っただ中」なのに、政府がお金をばらまいたせいで「不況が起きない世界」になっています。

本当にFBや日銀や政府が無限にお金を発行して経済を維持すれば良いが、どんな物も有限です。

テスラは無限に成長するか

中央銀行はいつか金融緩和を縮小するし、政府は「財政が厳しいので支出を減らして増税しよう」と思いつくでしょう。

するとバブル崩壊カウントダウンになり、1929年のアメリカや1991年の日本のようになります。

2020年の米株式市場で最も株価が上がったのはテスラで、年70万台程度の販売台数なのに株式総額では自動車世界一になりました。


さらに呆れたことに「まだ1台も自動車を生産していない」ニコラは10ドルから79ドルに高騰した。

その後ニコラは20ドル以下に急落しているが、テスラの未来を暗示しているかも知れない

GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)は物を製造しておらず、iPhoneを作っているのは中国企業です。


物を製造していないので加速度的に成長できたが、テスラは自動車という現物を自分で製造する必要がある。

根本的に成り立ちが違うのに投資家は、テスラもフェイスブックのように無限に成長する夢を描いている
http://www.thutmosev.com/archives/84190201.html#more
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/270.html#c4

[近代史5] 新型コロナウイルス対策による経済の麻痺は富豪への資産集中を促進する 中川隆
9. 中川隆[-10664] koaQ7Jey 2020年10月24日 08:24:54 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[8]

2020年10月24日
米株市場は黄金の20年代と類似 内容伴わない企業も

1920年代のアメリカ人は永遠に繁栄すると思っていたが、バブル崩壊し第二次大戦を引き起こした

コロナ拡大なのに株価は最高値

コロナ以前の米ダウ平均高値は、2020年2月12日の2万9551ドルだったが3月23日に1万8591ドルまで下落しました。

このまま経済危機かと思われたが下落は一瞬で、10月現在は2万8000ドル台と元の水準を回復しています。

この間コロナは収まるどころか拡大を続け、アメリカでも欧州でも患者数は増え続けていました。

不思議な現象の理由は中央銀行の金融緩和と政府の経済支援策で、短期間に数百兆円がばら撒かれた。

トランプ政権は夏までに2兆4000億ドル(250兆円)を支出し、追加で2兆ドル(210兆円)の支出法案を決めようとしている。

総額4.4超ドル(450兆円)ものコロナ対策費で、日本の56兆円緊急補正予算が見すぼらしく見えるほどです。


アメリカはこの予算で企業に融資し、労働者が働かなくても給料を受け取れるようにしました。

しかも一定の条件付きで、給料支払いに使った融資は返済しなくても良い事になっている。

これだけではなく産業界には航空会社などに大型支援を実施し、経営難なのに金余りで株価が上がった。

黄金の20年代に類似

米中央銀行FRBも金融緩和で民間にお金を貸し出し、銀行はFRBから借りて民間に貸し出している。

労働者が受け取った金は消費や返済や投資で企業に集まり、企業はその金を株に投資した。

この結果空前の株高が起きているが、本来の企業業績や企業価値とは無関係に株価が上がりました。


典型的なバブル経済であり、80年代後半の日本や1920年代のアメリカの状況とも似ている。

20年代のアメリカは黄金の20年代と呼ばれる超好景気で、この時期の高度成長でアメリカは超大国になった。

日米開戦時に日本では牛車で戦闘機を運んでいたが、アメリカは個人がスポーツカーを乗り回していました。


20年代の人々は「不況は古い経済システムのせい」だと考え、今後もう不況は起きないと考えていました。

今世界は「本当なら大恐慌の真っただ中」なのに、政府がお金をばらまいたせいで「不況が起きない世界」になっています。

本当にFBや日銀や政府が無限にお金を発行して経済を維持すれば良いが、どんな物も有限です。

テスラは無限に成長するか

中央銀行はいつか金融緩和を縮小するし、政府は「財政が厳しいので支出を減らして増税しよう」と思いつくでしょう。

するとバブル崩壊カウントダウンになり、1929年のアメリカや1991年の日本のようになります。

2020年の米株式市場で最も株価が上がったのはテスラで、年70万台程度の販売台数なのに株式総額では自動車世界一になりました。


さらに呆れたことに「まだ1台も自動車を生産していない」ニコラは10ドルから79ドルに高騰した。

その後ニコラは20ドル以下に急落しているが、テスラの未来を暗示しているかも知れない

GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)は物を製造しておらず、iPhoneを作っているのは中国企業です。


物を製造していないので加速度的に成長できたが、テスラは自動車という現物を自分で製造する必要がある。

根本的に成り立ちが違うのに投資家は、テスラもフェイスブックのように無限に成長する夢を描いている
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[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
14. 中川隆[-10663] koaQ7Jey 2020年10月24日 09:58:38 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[10]
チューブ・オーディオ・ラボ ドイツ球『RES964』

オーダーアンプ作成『RES964』     ・・・2020/7/27〜【8/21 更新〜終了】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/10/2020_RES964.html


 アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。
8/21無事完成の運びとなりました。
1・シャーシ図面
シャーシ図面

2020/07/27
◆ シャーシ図面
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ
シャーシ

2020/08/08
◆ シャーシ
 シャーシが出来上がって来ました。
トップパネルは1.6mm厚の鋼板で・・・重いモノを載せても大丈夫です。
若干の手直し後は塗装に出せるように・・・と

3・アモルファス
アモルファス


2020/08/14
◆ アモルファス
 思いのほか塗装が早めに出来上がって来ました。
 何時もの黒色・・・では無く暗緑灰色?
 新しい塗装色です、何か・・・新鮮ですネ

 此のアンプの要・・・アモルファスコアのOUTです。
 TSMプロダクツの特注手巻きトランス・・・良いから使うのです。

4・部品取付
部品取付


2020/08/14
◆ 部品取付
 大体の部品が取付終りです。
 トップパネル式は部品が取付け易くて作業性がとても良いです。

5・配線途中
配線途中


2020/08/16
◆ 配線途中
 シャーシの設計段階で周到な部品配置などやりませんので・・・配線をしながら 何処に付ければ邪魔に為らないか等など・・・と考えながらやっています。
後一歩でワイヤー配線が終りです。

6・思案どころ
思案どころ


2020/08/17
◆ 思案どころ
 出力管のバイパスコンデンサーが重なって・・・此で良いと言い聞かせていましたが、 気になってしまい・・・変更します。

7・やり直し
やり直し


2020/08/17
◆ やり直し
 同じキーストン社の1L2P端子が出てきました・・・此で当らずに取り付けられます。
 ヤッパリ・・・スッキリしましたネ

8・調整
調整


2020/08/18
◆ 調整
 何とか調整までこぎ着けました。
 フィラメント電圧を適正値にする作業が思いのほか手こずります。
 抵抗を何種類か用意して・・・其れでも合いませんので、サーミスタと抵抗を組み合わせて・・・ 何とか4Vの電圧が出ました。

9・配線終了
配線終了

2020/08/19
◆ 配線終了
 残暑厳しき中・・・エアコンフル稼働で・・・
 配線が終わりました。
 適正電圧に為るように調整用の抵抗を決めて・・・終了
 ハムバランスを調整・・・高能率のSPでも無音状態です。
 テレフンケンのRES964を使う限りAC点火でも十分なハムレベルに押さえられると思います、 DC点火回路を省略出来ますので、随分回路が簡単になり作りやすく為ると思います。

試聴へと続く・・・

10・DUG
DUG


2020/08/20
◆ エージング
 真空管アンプのエージングには不向きな一番暑い日でした。
 新宿DUGでのライブ録音・・・随分前に伺いましたが、今の状況はコロナで厳しいでしょうね
 暑い日に真空管アンプのエージングは辛いモノが有ります、時間と共に音が締まって来るのが判ります。
 三本吊りフィラメントの964を聴いていると・・・此で十分、高額なRE604は要らないか・・・ナ
11・試聴U
試聴U


2020/08/21
◆ 試聴U
 引き続き仕上げの試聴を繰り返しています。  コンデンサー、トランス等のエージングを兼ねて試聴をしています。
 手持ちの真空管を差し替えて・・・964も色々有るのですが、暑い中探すのも億劫ですので 手近に有ったモノを挿して、整流管は色々出てきましたので動作確認がてら差し替えての試聴です。

12・RES964
RES964


2020/08/21
◆ RES964
 2年前の真空管オーディオフェア撤収の時に、お客様の足も途絶えましたので964アンプと ローサーの組み合わせでガンガン鳴らしました・・・凄い音でしたヨ 整流管もサイドコンタクトのAZ1は、お値段も安いですしメッシュプレートも有りますので、 RES964と共にお勧めです、割と安価にドイツ球の実力を楽しめます。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/10/2020_RES964.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c14

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
15. 中川隆[-10662] koaQ7Jey 2020年10月24日 09:59:44 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[11]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『VT-52』     ・・・2020/7/27〜【9/17更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/12/2020_VT-52.html


 アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。
 少し間が空きましたが、3台集中製作…ようやく3番目の再開です。9/10〜

1・シャーシ図面 1
シャーシ図面 1

2020/07/27
◆ シャーシ図面 1
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ図面 2
シャーシ図面 2

2020/07/27
◆ シャーシ図面 2
 図面は直接計測しないでください。
 サイズはイメージです。◇◇
3・シャーシ
シャーシ


2020/08/10
◆ シャーシ
 部品を取り付けて・・・若干の修正をして、真空管は手元に有りますので挿して見ました。
 初段はレーセオン2C52、WE刻印のVT52、整流管はロジャース5X4G・・・
VT52を沈めましたので、整流管の背が高く為りました・・・思案の為所ですね。

更に続く

4・部品取付
部品取付


2020/08/27
◆ 部品取付
 シャーシの塗装も上がって来ましたので、軽い部品から取り付けます。
 トランス類は最後にしたいのですが、背面の端子が邪魔して付かなくなりそうなので・・・ 付けちゃいました。

5・配線開始
配線開始


2020/09/10
◆ 配線開始
 大分間が空きましたが、VT52アンプの配線を始めました。
 部品レイアウトは前回のPX4アンプと同じですので、配線の取り回しも一緒なので サクサクと進む予定です。

続く

6・配線終了
配線終了


2020/09/13
◆ 配線終了
 配線が終わりました。
 前回のPX4アンプとは出力管周りが違うだけで、後はほぼ同じですからスムースに進みました。
 後は調整ですが・・・DC点火回路がヘタレないか一寸心配ですがVT52のフィラメントは1Aですので、 まあ大丈夫でしょう。

7・フィラメント
フィラメント


2020/09/15
◆ フィラメント
 先ずはフィラメント電圧を規定値に合わせます。
 AC点火で実用に為るのは4V迄で、それ以上はDCにしないとハムが取り切れません。
 今回DC/DCコンバータを使いましたが、取付には絶縁ワッシャーを使って下さい。
 パターンにビスが触れてアースに落ちます、フィラメントの片側がアースです・・・ ヒューズが切れました、この原因が分るまで悩んだのですよ・・・

8・調整終了
調整終了


2020/09/15
◆ 調整終了
 DCコンバータに絶縁ワッシャーを入れて・・・今度は大丈夫です。
 プレート電圧、バイアス電圧も良いところに入っています。
 暫く初期エージングです、DCコンバータの発熱もフィラメント1Aですので大丈夫の様です。
9・2C52
2C52


2020/09/17
◆ 2C52
 順調にエージングが進みました。

 初段はレーセオン社の2C52です、余り馴染みが無いかも知れませんが12.6Vの 球を使うために電源トランスを特注致しました。
 とても良い作りの軍用球です。

10・ケルテス
ケルテス


2020/09/17
◆ ケルテス
 エージングも3日目になりまして、鳴らし始めとは比べようも無いくらいの変わりようです。
 WE球の中でもVT25AとVT52は共通の趣があります、比べるとグリッドのピッチが違うくらいで プレートは同じかと思います、グリッドのピッチが荒い分VT52の方が端正な音がします。
 今回整流管にカナダロジャースの5X4Gを使いました。
 此の組み合わせは、高音の抜けは良い低音の厚みはあるしVT52はホント良い音がします。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/12/2020_VT-52.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c15

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
16. 中川隆[-10661] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:00:52 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[12]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『PX4』     ・・・2020/7/27〜【9/8完成】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html


 オーダーアンプの作成経過の報告スタイルです。
 9月8日…色々有りましたが完成です。
1・シャーシ図面 1
シャーシ図面 1

2020/07/27
◆ シャーシ図面 1
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ図面 2
シャーシ図面 2

2020/07/27
◆ シャーシ図面 2
 図面は直接計測しないでください。
 サイズはイメージです。◇◇
3・シャーシ
シャーシ


2020/08/09
◆ シャーシ
 VT52アンプも同じシャーシなので、右側のVRツマミがケースに近くて操作し難いです。
 メインのVRは左右のレベル合わせで使って頂き、ボリューム調整はプリアンプで・・・
此のアンプのシャーシほぼ中央にバイアス切り替えのSWを追加致しました、此でRE604系の出力管も使って頂けます。
更に続きます。

4・塗装上がり
塗装上がり●


2020/08/23
◆ 塗装上がり
 塗装が上がって来ました。
 OUTとプレートCHはアモルファスコアでの特注です、 前回964アンプのOUTと今回のCHが同じコアですので、 出力トランスのコアの大きさが判ると思います。
 さて・・・其れでは部品の取付へと進みます。

続く

5・上面
上面


2020/08/27
◆ 上面
 PX4アンプの部品がほぼ取付きました。
 今まで黒色ばかり使っていましたが、此の色も良い感じですね・・・ VT52アンプとの違いはRS289のプレート結線用の赤い端子と、PX4〜604の切替えSWです。

6・端子側
端子側


2020/08/27
◆ 端子側
 後ろの端子側です。
 良い部品を使っています、入出力端子は音(株)製を使いました。
 入力端子は音(株)の特許製品で、アース側から繋がりますのでそのままピンケーブルを 抜き差し出来る優れものです。

7・配線始め
配線始め


2020/08/30
◆ 配線始め
 部品の取付が終わりましたので、配線を始めました。
 電源トランスの上は出力管のDC点火回路です、此の部分は最初に配線しておかないと 後からの配線が出来ませんので・・・

8・配線途中
配線途中


2020/09/03
◆ 配線途中
 少しずつですが進んでいます・・・ 後は出力管のバイアス切り替えのSW周りですが、 上手く抵抗の処理をやらないと収まりませんので、 此が厄介なのですよ・・・

9・バイアス切り替え
バイアス切り替え


2020/09/6
◆ バイアス切り替え
 厄介な所の配線がヤット終わりました。
 此処はもう頭の体操ですね・・・ 部品の大きさと、限られた端子とで部品の配置を考えて・・・ ゴチャゴチャしていますが、何とか収まりました。

此でPX4系とRE604系の球が安全に使用可能です。

10・調整
調整


2020/09/08
◆ 調整
 配線が全て終わりましたので、始めにフィラメント電圧の調整です。
 DCコンバータのポテンショメータで規定の電圧を調整して・・・簡単に電圧が合わせられます。

11・トラブル
トラブル


2020/09/08
◆ ●トラブル●
 出力管をPX4からRS289に差し替えて数時間エージング・・・ オヤッ・・・片側の音が歪みっぽいしDCコンバータがヤケに熱い、 無理も無いか、RS289のヒーターは2.1Aの電流が流れますので発熱も凄いです。
 熱暴走でフィラメント電圧の低下ですね・・・

12・完成
完成


2020/09/08
◆ 完成
 アッサリとDC点火回路を外しました。
 AC点火です、危惧していたフィラメントハムも気にならない程度に収まりまして、 高価な出力管にも安心です。

13・RS289
RS289


2020/09/08
◆ RS289
 先ずはRS289でエージングです・・・高真空の球ですので、うっすらとバルブトップにグローが見えます。
 プレートに十字のフィン・・・良いですね、オーディオアンプと言うより独逸の送信機と言う感じです。

14・RS289U
RS289U


2020/09/08
◆ RS289U
 電源を入れてからヒーターが点灯するまで2〜3分掛かります、 球が切れているのでは・・・と思うくらい時間が掛かります。
 カソードが赤くなってからも30分位経たないと本領を発揮しません・・・気の短い人には向かない球です。

15・アルページオネソナタ
アルページオネソナタ


2020/09/08
◆ アルページオネソナタ
 音も大分締まってきましたのでPX4に変えてシューベルトを・・・ チェロが歌います、特に2楽章が大好きなのです。

16・RE604
RE604


2020/09/08
◆ RE604
 銘球バリュームの604でバッハを・・・ 唯々聴いています至福の一時です。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c16

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
17. 中川隆[-10660] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:02:19 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[13]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『ヨーロッパ管RE604』     ・・・2019/12/24〜【完成 2020/5/14】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html

アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。

 ヨーロッパ管はフィラメント電圧4Vなのですが、6Vの出力管も有るので・・・其れも使える様に・・・ 4V管も電流値が色々ですので、DC点火では電圧調整をレオスタットで・・・厄介ですよね。
4VはAC点火で、6VはDC定電圧で行くことにしました。
1・部品集め
部品集め

2019/12/24
● 部品集め
 今年真空管の大量仕入が有りまして・・・
 資金が枯渇状態で思うように進みませんが、金額の大きい物はそこそこ揃えられて来ました。
トランスとシャーシは共に特注品です・・・今後の展開は順調に推移する事を願って・・・
2・シャーシ
シャーシ

2020/2/12
● シャーシ
 相変わらずの黒色のブツブツ塗装です。
 文字を入れて・・・部品の取付に入りました・・・
塗装の厚さを考慮して穴は大きめに開けています、
前はヤスリがけでしたが・・・知恵が付きました。
3・部品取付
部品取付


2020/3/1
● 部品取付
何しろ切替えSWが多いのです・・・
人間欲張ると碌な事が無い、あの球此の球と色々使いたい・・・
気持は私も同じですが、其の分工作が厄介で時間も掛かります。
4・プレートチョーク
完成


2020/3/3
● プレートチョーク
 前段球のプレート負荷に TSMプロダクトのチョークを使います。
 2個で良いのですが・・・今回は2台分の製作ですので、2倍の時間を費やしています。
 フロント部分のパーツが付きました、ロゴマークを入れる場所が無いので・・・ 切替えSWの下にさりげなく・・・

5・OPT
OPT


2020/3/5
◆ OPT
 出力トランスは20Wアモルファスカットコアです。
 7Kと3.5Kを二次側で切替えますので、8Ω 16Ω 32Ωで巻いて貰いました。
 何かと融通を効かせて貰っていますTSMプロダクトさんに感謝。
 引出線はWEの20ゲージで配線です。

6・部品取付完了
部品取付完了


2020/3/7
◆ 部品取付完了
 重たいトランスの取付が終わりました。
 電源部分が半分を占めます・・・贅沢なWチョーク回路です。
 後は・・・6V回路をもう一工夫オープンコアですので、ボンネットが付きます。

7・配線準備
配線準備


2020/3/27
◆ 配線準備
 手前に有りますのが6Vフィラメント用のACアダプターを固定する金具です。
 最初は結束バンドで縛ろうと思ってましたが・・・
プロの仕事では無いと・・・板金で金具を製作して貰いました。
 配線がゴチャゴチャしてます・・・上手く纏まるでしょうか・・・

8・インピーダンス切替え
インピーダンス切替え


2020/4/8
◆ インピーダンス切替え
 頭の中がゴチャゴチャして・・・配線図だけでは間違いそうなので、 実体図を書いて其れを見ながら配線して・・・と、OUTの3.5Kと7Kの切替えです、 SPの8Ωと16Ωに対応しています。

9・6V管用ACアダプター
6V管用ACアダプター


2020/4/14
◆ 6V管用ACアダプター
 ヨーロッパ6V管用のACアダプターです。
 小型ですので便利です、ダイオード整流では此のスペースに収まらないでしょう・・・
突入電流防止にサーミスタを入れます、厄介な工作が終ったので配線に移ります。

10・
フィラメント電圧切替え


2020/4/19
◆ フィラメント電圧切替え
フィラメントの切替え配線を終えて・・・ホッと一息
 ご覧のように整流管の二個使い、半波の整流管も使える様に・・・ 電源トランスは、3.8V5Aの巻線を出して貰いました、クライアントの要望が複雑さに輪を掛けます。

11・配線途中
配線途中


2020/4/21
◆ 配線途中
 B電源の配線が終わりました。
チョークコイルの上にバイアス抵抗の取付板が付きますので、此処の配線を先に済ませます。
12・配線途中其の2
配線途中其の2


2020/4/25
◆ 配線途中其の2
 バイアス抵抗切替えの配線を残し・・・ほぼワイヤー配線を終えました。
 スッキリ感は無いですが・・・ コンパチアンプで有ることを考えれば致し方ないかな・・・

13・バイアス切替
バイアス切替


2020/4/29
◆ バイアス切替
 いよいよ此のアンプの要・・・バイアス切替えの配線へと移って行きます。
 何しろステレオですので、2回路分の配線が入り組んでいます。
 間違いの無いように行き先に番号を記入して・・・

14・調整
調整


2020/5/6
◆ 調整
 配線が入り組んでますので間違いが無いか・・・ 最初に電源を入れるときは未だにハラハラドキドキです。
 電圧を測定して抵抗値を決めます、何度かやっている内に面倒になりまして・・・ 電流計を入れました・・・RES964で30mAチョット流れています。
 良い感じに仕上がりました。

15・終了
終了


2020/5/9
◆ 終了
 大分手間取りましたが、電圧配分も上手く行きまして終了の運びになりました。
 部品も収まるところに収まった感じです・・・と言ってしまえば簡単ですが、 左下ホーロー抵抗の手持ちが無くて、片道60Kmを高速道路を使って・・・ 何だかんだで結構思い入れの強いアンプと成りました。

16・試聴
試聴


2020/05/09
◆ 試聴
 先ずはRES964から・・・未だエージングが進んでませんので、下の方が膨らみ気味ですが・・・ TSMプロダクトのアモルファスOUTのお陰でしょうか、静かな休日の午後にローサーが歌います・・・
 甘い香りのモカと音楽と・・・至福のひととき
試聴(エージング)もお仕事です。

試聴パートUへ続く

17・試聴パートU
RS289


2020/05/14
17◆ RS289
 此の球は、カソードが赤くなるまで結構時間が掛かりますので・・・ 最初はヒーター断線かと思う位です。
 RS289の音は慣れると此の球で無ければ・・・
弦楽器の音は素晴らしいの一言です。

18・試聴パートU
RE604


2020/05/14
18◆ RE604
 バリューム昇華フィラメントの604です・・・
 流石に銘球! 何を聴いても破綻が有りません。

19・試聴パートU
PX650


2020/05/14
19◆ PX650
 手持ち唯一の6V管です。
かなり古い年代の球ですが・・・とても元気です。
 まだまだエージング不足ですが、角の取れた音で女性ボーカルでの再生では・・・思わずニッコリ

20・試聴パートU
L491D


2020/05/14
20◆ L491D
 私は敬意を込めて魚焼きと呼んでいます。
 此の球ほど見て良し聴いてよしは他に無いのでは・・・と思うくらいです。
 スピード感の有るスッキリとした音は、ブルージーなケニーバレルのギターに合いそう・・・

21・試聴パートU
RGN564


2020/05/14
21◆ RGN564
 半坡整流管ですので2本使いです。
 メッシュプレートですので、フィラメントが透けて見えます。
 良いですね・・・此だから真空管は止められません。

22・試聴パートU
後ろ姿


2020/05/14
22◆ 後ろ姿
 シャーシ内部や裏側など・・・普段見えない所に凝って作っています。
 滅多に見れない裏側です・・・如何でしょうか

23・試聴パートU
全体


2020/05/14
23◆ 全体
 全部ドイツのナス管で揃えて見ました。
 質実剛健の機械と言う感じのアンプが好きなのです・・・
此ばかりは変えられません。

24・試聴パートU
ヒラリー・ハーン


2020/05/14
24◆ ヒラリー・ハーン
 若干17歳のヒラリー・・・カワイイ
今までバッハの無伴奏は色々聴いてきましたが・・・
 参りました。
 ソナタ3番のラルゴ・・・
優しく包み込まれるような音色は絶品です。

 さて、長い間のお付き合いありがとうございました。
 今回のコンパチアンプは複雑な作りこみ・・・
 その分丁寧な仕事を心掛け時間をかけてまいりましたが、ようやく完成の運びとなりました。

 時間を掛けた分、エージングと言う名の試聴に未だ聴きたい真空管は有るのですが・・・
クライアントを何時までも待たせる訳にも行きませんので、此で終了いたします。
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c17

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
18. 中川隆[-10659] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:04:04 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[14]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成 その2『ヨーロッパ管コンパチアンプ』   ・・・2020/05/21〜【6/14完成】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/06/2020_06.html

さて、 先日(2020/5/14)完成しましたコンパチアンプ

『ヨーロッパ管RE604』  
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html


をもう一台作ることになりました。
同一仕様で2台目と言うことになります。

従って、今回の仕上がりは仕様が分かっている分早めの完成となる…予定です。
では、完成までまたお付き合いお願いします。

 ※仕様:ヨーロッパ管フィラメント電圧:4V管=AC点火:6V=DC定電圧
1・配線始め
配線始め

2020/05/21
● 配線始め
 前回と同じコンパチアンプの2台目です。
 前回で試行錯誤を繰り返しましたので、スムースに運びそうです。

2・配線途中
シャーシ

2020/6/3
● 配線途中
 前回と同じアンプですので、割とスムースに進んでいます。
 でも・・・複雑さは変わり有りません・・・

3・配線途中その2
配線途中U


2020/6/9
● 配線途中U
 さて、上の写真と間違い探し!?・・・か…
 CRの取付が終り後は、バイアス抵抗の配線を残すのみと為りました。
4・配線終了
配線終了


2020/6/13
●配線終了  前回のコンパチアンプに変更が有りましたので、配線の様子もチョット変わった箇所が有ります。
 此で配線が終わりました、前回分で電圧配分が上手く行っていますので・・・
後は試聴へと進みます。

5・試聴
試聴


2020/6/14
◆ 試聴  前作のアンプで色々な球を試しましたので、 今回は銘球RE604のバリュームでじっくりと・・・
整流管はRGN2504のブラックメッシュを選びました。
 ローサーが歌うジュリーロンドンのハスキーボイスをツマミに・・・
良い時間が流れています。


 と言うことで、無事に2台目のコンパチアンプが完成致しました。
 同じ仕様で2台目となると、やはり予定より早く進みましたね。
 この調子で、次は新作アンプか・・・

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/06/2020_06.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c18

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
21. 中川隆[-10658] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:15:23 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[17]
チューブ・オーディオ・ラボ

今回は、前に製作しました6AR6シングルアンプタイプUです。

6AV5GAシングルステレオアンプの製作 
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/11/2019_11.html


6AR6シングルアンプタイプU     8/12 【更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/13/6AR6.html

部品取付
●8/3 部品取付
 シャーシの穴開け塗装が終りまして・・・部品の取付に入りました。
 要の出力トランスはTSMプロダクト、お気に入りの逸品です。
取付終了
●8/3 取付終了
 全てのパーツが取付きました。
 前作アンプのチョークとブロックコンデンサーを入れ替えて配置しています。
 配線のやりやすさよりコンデンサーを熱から保護・・・と考えてです。

後ろ側
●8/3 後ろ側
 後ろ側はこんな感じで・・・
 出力端子は信頼の音(株)製・・・結構お高いですが、パーツはケチらずに・・・です。

配線途中
●8/8 配線途中◆
 チョット連日の暑さで中だるみが有りましたが、ハンダ鏝作業を進めています。
 前回のカップリング(デルリトモ1KV耐圧)が大きすぎましたので・・・
今回は400V耐圧のウエストキャップを採用です。

配線終了
●8/11 配線終了
 配線が終わりました、電圧配分も思惑通りに収まりまして・・・調整無しで終了です。
 後は・・・手持ち出力管の電流値チェックを・・・近似値のペアを使います。

エージング
●8/12 エージング
 出来上がってから変更が有りました・・・整流管に6106を採用したのですが、
6AR6の電流が思いのほか流れましたので・・・
長時間使用を考えて容量の大きなGZ34に・・・
初段管はRCAのVT229(6SL7)に変更です。
 暑い日が続きますので、此処は涼しげなシベリウスをヌブーのバイオリンで・・・
6AR6に60mAくらい流すととても迫力の有る音が出てきます・・・とても良い感じです。

配線途中
●8/12 後ろから
 真空管のプリントが後ろ側になってしまいました・・・
配線のやりやすさから致し方ないのですが・・・
前から見えた方が見栄えは良いですね。
 今後の課題と致しまして・・・終了です。

 
 さて、無事!?エージングも一段落・・・
次はRS289とコンパチアンプへ・・・そして・・・


 あとは、真空管オーディオフェア へ出展するのみ・・・

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/13/6AR6.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c21

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
22. 中川隆[-10657] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:16:38 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[18]

オーディオフェア2019に向けて・・・
去年の真空管オーディオフェアで、 RS289プッシュプルアンプを出展致しましたが、
ご購入頂きましたので・・・今回はお値段を抑えて、シングルアンプの製作です。


RS289シングルアンプ     8/21 【更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/14/RS289_14.html


使用部品

●8/11 使用部品
 アンプの要・・・出力トランスはTSMプロダクト、20Wアモルファスコア。
 ドライバートランスも同じくアモルファスコアで・・・
 RS289との組み合わせで最強のシングルアンプに仕上げたいと思います。

部品取付
●8/13 部品取付
 部品の取付が終わりました。
 オクタルソケットが見当たらず、出てくるまで結構時間が掛かりましたが・・・
穴の修正無しで収まりました。

配線開始
●8/13 配線開始
 ドライバートランスを内蔵する関係で、ある程度の配線を
進めて置かないと後からでは配線が出来ませんので、
今考えるとシャーシ寸法を大きくして、シャーシ上に
取り付けた方がやりやすかったなー・・・

配線途中
●8/17 配線途中
 AC周りの配線が終わりました。
 此処まで進めば・・・半分終わったも同然・・・と上手く行くでしょうか。
 後は、ドライバートランスの組込みへと・・・問題が生じなければ良いのですが。

ドライバートランス
●8/18 ドライバートランス
 ドライバートランスの組込みが終わりました。
 アースポイントがトランスの下側になっていまして・・・
チョット厄介でしたが、何とか無事に収まりました。
 トランスは、10K:40KのDC10mAで巻いて貰いました。
配線終了
●8/19 配線終了
 配線が終わりました。
 何か・・・ギュウーと詰まった感じですね・・・ 本当はスッキリ作りたかったのですが、今後の課題です。

球の実装
●8/19 球の実装
 では球を挿して・・・内部と違ってスッキリしています。
 整流管はムラードでイギリス製を・・・チョット拘ってヨーロッパ球の採用です。

ボンネット
●8/19 ボンネット
 トランスがオープンコアですので、ボンネットが付きます。
 裏返しにしても真空管が当りませんので・・・便利です。
 此処で電圧のチェックと調整を・・・無事に終了です。

エージング
●8/21 エージング
 此のRS289はヒーターの立ち上がりが遅くて電源を入れても球が切れているのでは?・・・と思うほどです。
 暫く・・・ヒーターのエージングです。
上から
●8/21 上から
 ボンネットの上側を空けていますが、其れほど熱くならないので・・・
塞いでも大丈夫みたいです、此の次は後ろ側だけパンチングで仕上げます。

試聴
●8/21 試聴
 久しぶりのRS289・・・2日目位から実力を出してきました。
 スピードが速くて音抜けが良いし・・・上から下まで十分伸びているし・・・
アモルファスOUTのお陰でしょうか、ローサー大喜びです。

 
 エージングも順調、後は10月の真空管オーディオフェア で、実機のご確認いただきご試聴下さい。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/14/RS289_14.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c22

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
24. 中川隆[-10656] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:19:24 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[20]

2016年10月9日、チューブオーディオラボ出展 その2
2016/10/21




試聴室の録音再生です。
オリジナルLowther巨大キャビネット、オリジナルPX25PP、オリジナルラインイコライザーアンプ、ガラード401で試聴していただきました。

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c24
[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
25. 中川隆[-10655] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:20:20 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[21]
2016年10月9日、チューブオーディオラボ出展 その3
2016/10/31





http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c25
[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
26. 中川隆[-10654] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:21:35 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[22]

真空管オーディオフェア2016年10月10日 チューブオーディオラボ その4
2016/11/03




真空管オーディオフェア2016年10月9日、チューブオーディオラボ出展。
試聴室の録音再生です。
Majestic(マジェスティック)励磁スピーカー、オリジナル励磁電源、Western Electric 275Aパワーアンプ、CEC CDプレーヤー、で試聴していただきました。

チューブオーディオラボURL:http://shinkuukan2.web.fc2.com/

チューブオーディオラボでは、真空管アンプ作成はもとより、各種オーディオ機器の修理 メンテナンスも行っております。お気軽にご相談ください。 tubeaudiolabo@rouge.plala.or.jpまで!E-Mail)

6FD7アンプが下のURLで紹介されております。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ef...

作成協力:板橋商会

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c26
[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
27. 中川隆[-10653] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:27:04 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[23]
チューブオーディオラボ 6AR6 の感想ブログ


Audio miniature garden 2020
http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html

昨年の令和元年はアナログオーディオ中心にこだわりが加速して、3台のプレーヤーに使用するアームが6本にまで増殖することとなった。

使用するカートリッジはこれまでMC型一辺倒だったが、年末に購入したMM型SHURE M44Gのキレのある音色が気に入り、新たな常用カートリッジとして加わった。

またフォノイコにも純正のSHURE M64を組み合わせることでロックなどの曲種で満足感が高まっている。

最も音色に影響のあるスピーカーには、クラシックからロックまで英国Goodmans2機種のSPシステムを使い分けている。

これらの美しい響きを持ったスピーカーに高い駆動力を持った300Bシングルと音楽性の高いUESUGI OLSON TYPEのアンプを組み合わせることで、幅広い曲種を十分満足感の得られる状態で楽しんでいる。

今年もアナログを中心に熟成を進め、心地良い音楽をのんびり楽しむ時間を増やしてゆきたいと考えている。

〈6系統のアナログ入力〉


Nottingham GRACE G-565F + Ortofon MC-30s


Nottingham INTERSPACE-ARM + LYRA Clavis.D.C


Nottingham audio-technica AT-1503II + SHURE M44G


Garrard401 audio-technica AT-1503III + Ortofon Classic-GE


Garrard401 audio-technica AT-1501II + Ortofon MEISTER-GE


Thorens TD126mkIII SME3010RB + Thorens MCH-II

★〈2020年1月現在の我が家のシステム構成〉

Analog

AMP

SPEAKER


player

tone-arm

cartridge

MC-trans

PHONO-EQ

PRI

POWER


Thorens

TD-126 MK III Centennial

SME

3010R/B

Thorens

MCH-II

Ortofon

T-30

Marantz7

SUN

VALLEY

SV-91B

300B

Single

GOODMANS

2WAY

▼▼▼▼

AXIOM 22 MK II

+

TREBAX

Garrard
401

audio-technica

AT-1501 II

Ortofon

SPU

MEISTER GE

Western

Electric

KS-9450

Nottingham

Interspace.Jr

Grace G-565

Ortofon

MC-30

SERIES

EAR 834P

Garrard
401

audio-technica

AT-1503 III

Ortofon

SPU

Classic-GE

J's

No.6600

Chriskit

MARKY

Custom

UESUGI

TAP-31

OLSON

TYPE

NON-NFB

EL34PP

GOODMANS

3WAY

▼▼▼▼

AXIOM 150 MK II

+

MIDAX

+

TREBAX

Nottingham

Interspace.Jr

Interspace arm

LYRA

Clavis D.C

Langevin

408A

Nottingham

Interspace.Jr

audio-technica

AT-1503 II

SHURE

M44G

SHURE

M64

このような構成で幅広く音楽を楽しんでいる。

少し苦手なジャズはディアゴスティーニ/LPコレクションの定期購読を続けていたが、徐々にピンとくるアルバムも少なくなって来たのでNo.59を最後に止めてしまった。

クラシックについてはGoodmans AXIOM22MkIIの2WAYと300Bシングルアンプの組み合わせにより、ほぼ不満のない音色を得られるようになった。

POPS&ROCKはメインアンプをUESUGI EL34PPに入れ替えた後、MM型カートリッジの素晴らしさに目覚めさせられたSHURE M44Gとそれに対応する石のフォノイコライザーを導入することにより、こちらもあとわずかで終着点を迎えようとしている。

昨年はオーディオを通じての交流も活発化し、我が家の愛機を試聴していただくだけでなく、巡礼に足を運んで貴重な体験をさせていただいた。

今年も更に有意義な交流を続け、新たな刺激として楽しんで行きたいと考えている。          1/1


■ EMPIRE598のレストア

 


年末からのんびりと、使用しなくなって埃をかぶったEMPIRE598のレストアを手掛けている。

まずターンテーブルのプラッターをサブシャーシから引き抜き、アームやモーター、スイッチなど外せるものは全て取り外す。

ウッドケースは紙やすりで磨いてワトコオイルを塗り重ね、からぶきしてからTANNOYのウッドワックスで仕上げることにする。

発売当時は結構高額なPLだったが、内部のフローティング構造は実にシンプルでチャチなものである。

シャーシと外周ターンテーブルは紙やすりで磨いた後、メッキ調のシルバー塗装を施してクリア塗装でガードすることにした。

オリジナルの990アームは改造に失敗して使用不能となったため別に購入した980アームを搭載しているが、このアームは通常のSMEタイプのヘッドシェルを使用できるように改造されており、内部配線材も新しいものに交換している。

何度もシャーシの塗装に失敗するが、ようやく完成した。

SHURE M44Gを組み合わせてオシャレにジャズでも楽しもうかと考えたが、フォノイコ経由のアースが不完全なためか盛大にノイズが出る。

まあ、焦らずのんびりまいりましょう。                          1/6


   


    


昨日に引き続きEMPIRE598の調整を行う。

特に出力するフォノケーブルについてはアームの980が配線材直出しなので、背面にターミナルを設置してRCAケーブルで出力できるようにした。

昨日の仮配線ではSHUREのフォノイコ経由でアンプに繋いだところ、アースが浮いた状態のためか盛大にノイズが出ていた。

今日はプリのフォノに直接繋いでアースも直接取ったところ、バッチリ音出しに成功。

スイッチを入れてターンテーブルを回転させると、僅かにドイツ製大型モーターから「ゴーッ」と回転音が聞こえるが、ボリュームを上げてもゴロもなくSN比も問題ないレベル。音質もSHURE M44Gとの相性がぴったりで、キレの良いジャズが壁面いっぱいに響き渡っている。なかなか良い状態に仕上がったものだと自己満足している。 

  1/7

■ オーディオ巡礼 「オートグラフを愛するクラシック愛好家編」


今年初のオーディオ巡礼として、昨年の夏から2回ほどご来訪いただいた東京都杉並区のsigetaさん宅へお邪魔する機会を得た。

sigetaさんはご自宅でレコードを楽しむだけでなく、多い時には月間に5回もコンサートに通われているという熱烈なクラシック愛好家である。


 


お住まいになっているのは阿佐ヶ谷と高円寺の中程に位置する閑静な住宅地である。

お邪魔して2F和室10畳オーディオルームに案内されると、一部床がフローリングとなった部分に設置された巨大なTANNOYオートグラフにまず目を引き付けられる。

購入されたのは50年ほど前にTEACが代理店となった頃で、購入時の使用ユニットはHPD385だったが、後になってM-Goldに入れ替えたとのことだ。

また部屋の入り口にはこちらも巨大なEMT-927Dstが設置されているが、一般家庭のオーディオルームにこれら世界最高峰の機器が収まるだけで、その存在感に圧倒されてしまう。

使用されているアンプ群はWEアンプの修理依頼でアメリカまで出張されるという技術者の方の手によるもので、以前はWE-91Bレプリカを使用されていたらしい。

下の左画像奥がプリアンプで手前がレイセオンの送信管?を使用したパワーアンプとのことだ。

下右の画像はそのパワーアンプの別整流アンプとのことで、これが左右2台構成となっていて凄まじい熱量を発している。


 


今回特に音質バランス改善のため導入されたというルームチューニングでは、オーディオリプラスのハーモニックディフューザーを壁面のコーナーに設置し、オートグラフの弱点である長大なバックロードホーンがもたらす低域のこもり感を解消させているとのことだ。

sigetaさんのシステムは一般家庭のユーザーが望みうる世界最高峰の機器を組み合わせられているが、この他手掛けられているこだわりとして各種WEケーブルやルームチューニングアイテム、電圧関係のダウントランスなど多岐にわたっている。

また、使用されているアンプやこの純鉄コアMCトランスのように、高い技術力を持ったエンジニアのサポートにより、市販品のレベルを超えた組み合わせを実現されている。

EMT-927Dstに搭載されているアームはオルトフォンRF-297でカートリッジにはSPU-MEISTERを組み合わせられているが、昇圧トランスを貴重なWE-618やJ's赤ドット付初期型No.41、No.6600などからこちらの大型トランスに変えることで、描き出される音の世界が違ってくるとおっしゃっていた。

早速、取り揃えられた超弩級機器の説明もそこそこに、貴重なクラシック・オリジナルプレスの数々を試聴させていただく。

オートグラフを聴くのは何年ぶりだろうか? 

1960年代から80年代までの名演を交響曲、ワーグナー、バイオリンソナタ、声楽など次から次へと、また持参した2019年新譜の「ニュー・イヤー・コンサート」を含めあっという間の充実したひと時を過ごさせて頂いた。

今回聴かせて頂いたsigetaさん宅の音は、TANNOYを初めて聴いた当時の感動が、年月を重ねるにごとにさらに美化されてゆくといった音の記憶を上廻る、これまで経験したことのないまさしくTANNOYトーンと呼べるものではないだろうか。

最初に比較的新しいプレス盤を聴いた時、オートグラフ独自の長大なバックロード・ホーンを通して放出される低域のややこもった音色に違和感を感じたが、徐々にこちらの耳が慣れてくると素晴らしいホールトーンを堪能できるようになる。

sigetaさんのお話によると、以前は過剰な低域バランスに苦労したが、ルームチューニングを施すことによりかなりバランスを改善することができたとのことであった。

特に素晴らしかったのはオートグラフが生産されていた同時期の古い英国SAXやEMIのオリジナルプレスで、適度なホールトーンを伴った低域の抜けの良さと高域の繊細な響きのバランスに感動させられた。

神経質な金切り声に成りがちなルートビッヒが、豊満で慈悲深い、笑みを称えた歌声で歌っている・・・・・。

低域の量感を抑えるのに苦労されているという反面、調整が不十分な小型エンクロージャーのIIILZなどで感じる、高域の刺激的な響きは嘘のように影を潜めているようだ。

ヴァイオリンソナタでも高域が上ずるようなことは全くなかった。

しかし日本のような少し面積の狭い和室を使って、EMTや膨大な熱量を発する大型送信管を用いたアンプなどの強力な駆動系でオートグラフを手懐けるには、相当な努力が必要だとsigetaさんのお話から伺うことができた。

最高級の機材を組み合わせているのだから、良い音が出て当たり前と思うのが普通だが、そうはいかないのがオーディオの奥深いところでもある。

要は限られた空間でバランス良く聴こえるように、それぞれの機器をどのように組み合わせ調整して行くかが、オーディオの難しさであり醍醐味なのかもしれない。


  

またオートグラフを使う上での重要な調整ポイントとして、長年の使用に伴って緩みが出た15インチユニットを固定するネジを、均等なトルクで締め付けることが重要だとおっしゃっていた。

オートグラフのホールトーンにどっぷり浸かった後、帰宅して我が家のグッドマンで同じアルバムを聴くとその低域の質の違いに驚かされる。

そんな中でも耳に慣れた響きが心地よく感じられ、sigetaさんの機器に比べると大人と子供ほどの違いはあるが、これはこれでバランスが取れているとひとりごちた自分がいるのである。

sigetaさん、素晴らしいひと時をありがとうございました。                                        1/10


■ Shure M44E

レストアしたEMPIRE598がなかなか好ましい音色なので、組み合わせるShureのカートリッジを別途購入する。

今度は楕円針だ。

ボディは1978年から83年までの間に生産されたカモメマークで、付いていた新品の交換針N44EはスイスのPfanstiehlのものらしい。

同じ楕円針でも昨年購入したKYOWAブランドの上位機種の旧型N55Eとはかなり出力や音質傾向が異なり、クラシックなども無難にこなす大人しく繊細な音のするカートリッジである。

昨年試したN55Eと同様、全体的にキレが薄れてエッジが甘くなるのが楕円針の音色傾向となっているようだ。

このカートリッジ一つで色々なジャンルの音楽を楽しむのであれば、この楕円針が最も適しているのかもしれない。

しかし我が家のように複数のカートリッジで音楽を楽しむ場合は、高域の繊細感と低域の豊かな響きに限ればMCタイプカートリッジに優位性があるので、こちらのMM型ではタイトな切れ味を追求することにしたい。

そんな訳で、昨年Nottinghamで試して高域の強調された音色のため上手く生かせなかった丸針のN44-7を試したところ、ちょうど良いバランスにおさまったのでEMPIRE598にはこの丸針を常用とすることにした。                               1/11


■ 箱庭式ルームチューニング


先日お邪魔した杉並区sigetaさん宅のルームチューニングに触発され、我が家でも試してみることにした。

しかしsigetaさんが使われているような市販のチューニングアイテムは高価なためとても手が届かないので、我が家に見合ったグッズを活用して挑戦してみることにする。

その使用したグッズというのは「必殺 卵トレー!」である。

お値段の方はネットで20枚3,000円ほどで手に入り、壁に取り付けるカラー画鋲と合わせても4,000円でお釣りが来るという圧倒的なコストパフォーマンスだ。

こんな子供騙しのアイテムで音質が改善されるようであれば全く儲け物ではないか。

画像の通り、SPを設置している壁面の上部角と中央天井部分にこのグッズを設置して試聴したところ、「あ〜ら不思議」横と奥に部屋が広くなったような音場効果と音源の分離度が高まってプレゼンスの改善がはっきりと認められた。物は試しでやってみるもんだな〜。

特に我が家のような少し狭い部屋を使用している場合には、さらに効果が発揮されるのかもしれません。

嫁殿は見るなり「何かの巣があるみたいね」と言っている。

あまり見た目を物々しくしたくはなかったが、音質が良くなるんだから我慢しましょう。

sigetaさん曰く「団子状になって耳に飛び込んでくる音の塊がほぐれて、いろいろな楽器の音が聞こえるようになったのは驚きだった」とのことだったが全く同感で、こんなチープなグッズで同じような効果が得られるとはまさしく目から鱗である。

sigetaさんありがとうございました。                    1/12

ルームチューニングアイテムを設置して試聴を続けている。

ハイビジョンTVでは画面が細かいところまで鮮明に見えるようになるのと同じで、音の分離度が改善されてクッキリ感が強まり、弦楽器群などの高域が強調されて聴こえるように感じる。

壁面左右に設置しているトレーは左右の音場の広がりに影響し、中央上部のトレーは音場の奥行き感とコントラストに影響を与えているようだ。

最終的にそのコントラストを若干緩和するため、左右スピーカー中央の壁面と天井に装着しているトレーの天井部分だけ外し、加えて2WAYスピーカーの高域アッテネーターを少し絞ることでバランスを取ることにしている。

余韻も深まって低域の量感も増加し、スケールが大きくなったように聴こえるのは2WAY、3WAYとも同じ傾向である。

これまでは映画館やコンサートホールの中程で聴いている感覚だったのが、今回のルームチューニングを実施する事で前の方に座ってかぶりつきで鑑賞しているイメージに変わって来ている。

少し音のメリハリが強まる事で聴き疲れに繋がらなければ、この状態で楽しもうと考えている。今回使用したトレーには壁面色に併せて水性スプレーで塗装を施しているが、音を拡散するだけで吸音効果がないのが影響しているのかもしれない。                                 1/13


■ 続・箱庭式ルームチューニング


その後色々な曲種を聴いているが、やはりコントラストが強くなり過ぎてクラシックの弦楽器群が煩く感じるようになって来た。

トレーは当初壁面左角に7枚と右角はエアコンがあるので6枚、中央上部に4枚使用していた。

この状態だとフォーカスが合って定位がハッキリするのは良いが、高域がキツくエッジが立ちすぎる。

アッテネーターでツイーターのレベルを絞ると緩和するが、今度は高域の繊細感が死んでしまう。

そんな訳で使用する枚数を少しずつ減らしてみる事にした。

最初は左角が5枚と右角に4枚に減らしたところ、ピントがややソフトフォーカスになって高域のキツさは治るが、今度は低域の膨らんだ不自然な音色となってしまった。

続いて中央上部を2枚に減らしたところ、低域の自然な響きが戻り高域の柔らかさが戻って来たように聴こえる。

ツイーターのアッテネーターを元のレベルに戻してもうるさく感じなくなって、繊細感のある本来の響きに戻ったようだ。

この状態だと中央最前列のかぶり付きで聴いているのが、少し席を後ろに移動して全体を見渡せる感じで聴こえるようになった。

更に左角3枚と右角2枚、中央上部2枚と天井部分1枚にまで枚数を減らしてリスナー側背面の壁にも同様に設置したところ、響きが自然のまま奥行き感が出て来た。

音源の定位の方もトレーを使用する前に比べてハッキリしているので、バランス上この状態が一番良いのではと考えている。

それぞれのご家庭で音楽を楽しまれているオーディオルームは、当然のことながらカーテンや敷物、家具などの設置状態によって音の反響条件が違ってくる。

このような方法でトレーの枚数を増減させて試聴してみるのが一番確かだ。

幸いトレー自体はとても軽く、画鋲で数カ所壁面に刺すだけで簡単に設置できるのでそれほど苦にならない。

スピーカーの間に何も置かず空間となっている場合は、この壁面にトレーを並べても効果があるそうだ。

我が家での効果はかなりあると実感したので、是非一度お試しいただくことをお勧めする。                                    1/15

最終的にSHURE M44の交換針は、オリジナルでカンチレバーがヨレヨレになったN44Gを使用している。

使用し始めたEMPIRE598が快調なこともあり、最近はロックをもっぱらこの1970年代のプレーヤーを使って聴いている。

トランジスターを使用した業務用純正フォノイコとの組み合わせで低域の締りもバッチリだ。

楕円針のN44E/N55Eは切れ味の面で不満が残り、未使用のまま終わってしまった。

N44-7も相性が良いかと思ったが、少し高域が煩く低域の締りも甘い感じがするので出番が無くなった。

不思議なのは同じM44Gでも先に購入したカモメマークなしのボディにJICOの交換針を装着したものと、このカモメマークにオリジナルの針を装着したものでは音色がかなり違ってくることだ。

SMEシェルを使用して古いカモメマークM44Eのボディにメキシコ製オリジナル針を装着したこちらの個体の方が、Ortofon木製シェルを使用しウッドハウジングでボディ剛性強化したものより左右の音の広がりが自然で聴きやすい音色となる。

EMPIRE598を使用するようになってNottinghamの外付けアームが余ったので、出番の無くなっていたDENON DL-103シリーズの再使用を目論んでいる。

組み合わせるフォノイコが足りないので、現在安価でコンパクトな現行品を選別中である。                                1/21


■ フォノイコライザー


マエストロ・ガレージさんに注文しておいた現行品のフォノイコがユキムより届けられた。

店主の谷口さんにも相談して決めたのが、こちらのMoFi Electronics Studio Phono2という2019年の中頃に発売された機種である。

この米MoFiはモービル・フィデリティというレコード・CDの復刻を手掛けている会社らしいが、決め手となったのはこの製品の監修をEARのパラヴィッチーニが行っているという点だった。


さて、ノッティンガムに増設したショートアームを使いSHUREのフォノイコとM44の組み合わせを楽しんでいたが、アメリカ物はアメリカものでということで、久しぶりにEMPIRE598を引っ張り出してきて使い始めたのがコトの起こりである。

しかしノッティンガムのショートアームで別のカートリッジが使えるようになったまでは良かったが、今度はフォノイコが足りないので活用できないままでいた。

昨年からのアームの増殖により使用する機器も増え、狭いオーディオルーム環境ではフトコロ状態以前にこれ以上大袈裟な機器を置くスペースもない。

そんな訳で置き場所を取らない、可能な限りの低価格での選出となった訳である。

組み合わせるカートリッジは長らく出番の無くなっていたDENON DL-103/103C1が真っ先に頭に浮かぶが、VL型のDECCAやMI型EMPIRE辺りでも良いかと考えていた。


現物はご覧の通り手のひら大のコンパクトなサイズで、この価格帯だと電源部がチープなのは致し方ないが、音質を考慮して電源スイッチは省略されている。

こちらのフォノイコを使用するにはプリのChriskitはライン入力が既に一杯なので、Marantz7に接続してGoodmans2WAYで楽しむことになる。

底面のディップスイッチで負荷インピーダンスを47KΩ(MM)に設定し、簡単な接続を済ませて早速試聴開始。

まず最初はトランス無しでDECCA MarkV-EEから音質を確認する。

EARなどと違ってシンプルな機種なので当初はあまり期待しないつもりだったが、聴き始めはいつもハラハラ、ドキドキするものだ。

しかし出てきた音は一聴して低域の厚みの無い高域の繊細感だけが際立った価格通りの音色だったが、この音はこれまでに聴いた経験のある組み合わせバランスを欠いた時の中性的なデッカの音質だった。

やはりこんなモノかと半分諦めかけたが、気を取り直して本命のDENON DL-103にチェンジして試してみることにする。

組み合わせるMCトランスは相性の良いALTEC/Peerless4722だ。

そうしたところ寝起きのボケた音質が目を覚ました如く、やっとのことで低域に重量感のある耳に馴染んだまさしくDENONの音が再現され始めた。

年末より使い始めた古いSHURE製フォノイコに比べ、ワイドレンジかつノイズレスなクリアな音質が展開され、音の滲みを感じられないのが特長となっている。

低域が若干軟調となる傾向にあるが、DENON特有の息の詰まるような重苦しさが影を潜め、身軽な抜けの良さが加わったような気がする。

使用開始して数時間後には更に広がりのある音場とキレの良さが見え始めたので、真空管デバイスの機器と同じく寝起きが悪いのかもしれない。

まずは目出度く期待以上の音質を得られることとなったので、これから色々な曲種を楽しもうと考えている。                      1/23

※谷口さんにこのような電源SWが無い機種の使用方法をお伺いしたところ、すぐにメーカーに確認いただき常時電源を入れた状態で問題はなく、音質面でも極力繋いだままで使って欲しいとの回答を頂戴した。

また半導体アンプでも数十時間のエージングは必要とのことで、やはりDECCAでの聴き始めはまだまだ寝起きの悪い状態だったようだ。

そんな訳でお値段の方は大変安価ながら、RCAプラグが少し緩い点を除くと作りもしっかりしていて質感も高いように感じた。

音質面でも真空管アンプでは味わうことのできなかったクリアで見通しの良い音場が新鮮で、昭和の名機DENONの新しい面を引き出せたように感じている。

エージングが進むと更に音質の改善がありそうなので、今後の楽しみが増えたと喜んでいる。

谷口さん、ありがとうございました。

■ 続・フォノイコライザー


新しいフォノイコをプリアンプに接続している時、これまで聴いたことのない原因不明の異音が発生した。

使用しているプリアンプMarantz7に接続している機器は下記の通りとなっている。

フォノイコ入力→PHONO1(Ortofon T-30+Thorens MCH-II)/PHONO2(WE KS-9450+Ortofon SPU MEISTER GE)

ライン入力→TV(Studio Phono2+Peerless4722+DENON DL-103)/AUXILIARY(EAR845P+Ortofon MC30s)

新しいフォノイコ(一番右)にケーブルを配線する時は、一端セレクターをAUXILIARYに切り替えて音が出ないよう作業を実施していた。

PHONO1/PHONO2のアースはプレーヤー→MCトランス→プリアンプまで伸びているが、ライン入力に接続しているフォノイコからプリアンプにはアースは接続されていない。(アースはプレーヤー→MCトランス→フォノイコまで)

この状態で新しいフォノイコのINPUTにケーブルを接続すると、プリのセレクターを別接続に切り替えているにも関わらずSPから「ブロロロ〜」とバイクのエンジンがアイドリングしているような異音が発生するのである。

ケーブルを動かして微妙に接続状態を変えるとノイズが出なくなるツボがあるが、フォノイコの接続を外すと当然その異音は出なくなる。

現在はいろいろケーブルを動かして異音のしない状態で音出ししているが、SPボックスの上に置いているために使用しているユニットの強力なアルニコ磁石が影響しているのか原因は不明である。

その後、2日ほど通電状態が続いており、試聴時間も10時間を超えているのでエージングはかなり進んだ状態にあると思われる。

当初感じた高域のキツさを和らげようとDL-103のリード線をオーグラインからDUCCに変え、MCトランスからフォノイコに伸びるケーブルもOrtofon7NからSMEケーブルに変更している。

同じ半導体を使用したSHURE製フォノイコと比較しても、ワイドレンジかつ精細度の高い音質傾向がリスナーに緊張感を感じさせているものとなっている。

組み合わせるカートリッジの音質にも影響されるのは当然だが、ジャズなどの曲種に向いているのではないだろうか。

同じ曲をEARに切り替えて聴いてみると、価格の違いが大きいので当然と言えば当然だが、「音の雰囲気」や「ゆとり」が全く異なって聴こえる。

そりゃそうでしょう。まだまだいろいろ試してみることがありそうですね。                               1/25

※追伸 

AUXILIARYからのアイドリング・ノイズは、やはり置き場所を変えても接続時に必ず発生する。

スピーカーは無関係で依然として原因不明だが、なぜか本体トップパネルのサブソニックフイルター・スイッチをONにすると止まる。

そして再びサブソニックフィルターをOFFにすると異音は消えたままとなるので、そのやり方で使用している。

パーツの不具合でなければ良いのだが、今度谷口さんに聞いてみましょう。

※発振ノイズ

谷口さんに問い合わせたところ、「入力インピーダンスとフォノイコの出力インピーダンスとの間で整合が取れないなどの原因で、発振(ハウリング)を誘発している可能性がある」とのことだった。

併せて電源の取り方など何項目か対応策をご教授いただくが問題の発振は解消しなかった。

使用するプリとの相性の可能性もあるとのことでChriskit Mark Y Customのプリを使用した3WAYのシステムで試したところ、なるほどおっしゃる通りこちらでは全く発振しない。

やはりMarantz7のようなオジーちゃんには孫のような今時の半導体フォノイコは馴染まないのかもしれません。こんなこともあるんだな〜。

オジーちゃんと相性が悪いというのも困った話だが、しょうがないので別のオジーちゃんのシステムで使用することにしましょう。

まあ、音質的にはジャズなどの曲種に向いていることもあるので、POPS&ROCK用の3WAYシステムで使用する方がベターかもしれません。 

それにしても今回のようにオーディオ専門店で購入すると、後々困ったときに適切な助言をいただけるのもありがたい。

谷口さん、いろいろとありがとうございました。                                     1/27


■ EMPIRE 598N

新たなフォノイコMoFi Electronics Studio Phono2はEMPIRE598の純正組み合わせで使用することにした。

昇圧トランスを使用してMC型のDENON DL-103と組み合わせて聴いていたが、中域の上の方に妙な出っ張りというかつっかえる部分があってヴォーカルなどがキツく響く傾向がある。

ケーブルやリード線を替えMCトランスを別のものに組み合わせたりしたがこの傾向は解消せず、カートリッジをDENON DL-103C1にしてもダメだった。

やはり高音質レコードを制作する会社のフォノイコだけありHi-Fiに特化した切れ味の良い音作りがされているようで、我が家の古いヴィンテージ機器と組み合わせるにはやはり相性的に無理があるのかもしれない。

なんとかこの異端児を使いこなせないものかとコントラストの淡いMI型EMPIRE1000ZE/Xと組み合わせてみたところ、低域に少し軟調な傾向はあるが量感、広がりとも十分で中高域の刺激的な響きも出ないことが分かった。

そんな訳でレストアしたEMPIRE598との純正組み合わせが実現することになった。                               1/31

■ あるところにはあるもんだシリーズ 第二弾

昨年の年末に手に入れた新品のGoodmans MIDAX650に続いて、またもや新品未使用のクロスオーバーネットワークをヤフオクにて調達した。

出品された方の話では半世紀ほど前に購入後、いつか使用するつもりで保管してきたものらしいが、未だに未使用品とはあるところにはあるもんですね〜。

このGoodmans XO-950/5000は3WAY用のネットワークで、既にAXIOM150MkIIのSTAGE3スピーカーシステムで使用している。

今回予備用に購入したが、使用時には内部コンデンサー(1.5μF/8μF)の交換が必要となる。

現在使用しているネットワークは、専門業者に依頼してWESTCAPとDEARBORNのハーメチックタイプのオイルペーパーに交換済だ。

WESTCAPの1.5μFはAXIOM22MkIIのSTAGE2スピーカーシステムのネットワークXO/5000でも使用しているが、容量の大きい8μFはアメリカでも入手困難となっているため、現行品のフィルムコンを使おうかと思案中である。

耐圧の方も指定のものより大きければ良いというものでもないらしく、なかなか悩みどころでもある。                                     2/1


■ オーディオ定例会


   

本日はsigetaさんに都合3回目となる来訪をいただき、前回から変更となった機器やルームチューニングの効果などをご確認いただいた。

併せて愛用されているWE純鉄コアのMCトランスをお持ちいただいたので、我が家のWEトランスとの比較試聴を実施した。

この超ヘビー級のMCトランスは、使用する際には磁気テープをそれぞれのトランスに巻いて内部の磁気が外に漏れないようにされているとのことで、このテープを巻く巻かないで音が違うとおっしゃっていた。

SPU-MEISTERに組み合わせてクラシック音源を試聴したが、音質の方は我が家のWEトランスを上廻る中域に濃密な味を持つ「コッテリ系」である。

特にバイオリンの甘い響きとコーラスの分離度の高さは秀逸で、通常のWEトランスの音色を濃厚さで凌駕しているようだ。

主にGoodmans2WAYを使用して試聴をするが、薄くなりがちな中域の密度が上手くマスキングされ、充実した円やかな音質バランスとなっている。

我が家でクラシック系常用となっているMCH-II+Ortofon T-30の組み合わせで比較試聴してみると、剛と柔ほどの違いがあり興味深かった。

続けてsigetaさんに、昨年秋に導入したUESUGI OLSON TYPE NON NFBアンプをEMPIRE598+2000ZEXの純正組み合わせを使って試聴いただくが、音の広がりや金管の力強い響きなどに満足いただきMM/MI型の音色の美しさを再認識したとのことだった。

システムを設置している壁面とリスナー側壁面に設置した箱庭的ルームチューニングについても、比較試聴した訳ではないのではっきりした事は言えないが、音場に奥行きが出たような気がするとの事だった。     

前回sigetaさん宅にお邪魔した際にお借りした、この「巨匠たちの音、巨匠たちの姿」は大変参考になる書物だった。

小生のようなコンサートに出る機会が少なく家庭で聴覚に頼るばかりのレコード愛好家にとって、視覚を補う想像力をもたらしてくれる知識の広がりは、音楽を聴く楽しみを倍増させてくれるものである。良い書物に出会ったと喜んでいる。

sigetaさん、本日もありがとうございました。                      2/6


■ 新規アンプ導入計画(1) 「企画立案編」


 


名古屋の先輩に勧められ、今年度最大のアンプ製作BIGプロジェクトが始動開始!

もちろん自分一人の力でなんとかなるものではないので、現在とある工房に製作をお願いしたところである。

構想=半月(My Vintage Audio)  製作=TAラボ(新潟)  製作費=ウン十万円(断捨離推進委員会)  協賛=Y下企画(名古屋)  後援=Sigeta出版(東京)

果たして見どころ満載のこの企画、完成試聴会は今年の夏頃となりそうだ。乞うご期待。                       2/16

    

■ 新規アンプ導入計画(2) 「直熱三極管編」


 


そもそもこの企画、Y下先輩の「英国のVintage-SPには同じ英国の直熱三極管が最も適している」から始まった。

GECで開発された古典ビーム管KT66は長年QUADIIで愛用してきたTUBEだが、直熱三極管のPX25/PX4も同じく英国生まれの真空管だった。

古いナス管は価格が高騰していて手が出ないが、ちょうどタイミング良く新型ST管のPX4がヤフオクに出品されているのを発見したので落札した。

ブランドシールはKT66でも使用したことのあるMarconiロゴだが、OSRAMと同じ英国MOV(Marconi-Osram Valve Co.Ltd.)で作られていたものだ。

アンプ製作を依頼している工房の方のお話では、ST管タイプはフィラメントが切れやすくハムレベルが下がらない個体が多いとのことだった。

続く・・・・・・・・                                   2/17


    

■ 新規アンプ導入計画(3) 「搭載真空管選別編」 

          


  


話は前後するが、まだ年金支給年齢に至っていない現状を鑑みると、我が家の大蔵省の厳しい追及を逃れるため極力コストをカットする工夫が必要となってくる。

新型コロナウイルスの全世界的な蔓延に伴うGDPのマイナス成長が続くこの時期に、表立った突発的な支出を要求するには社会的背景が悪すぎる。

もちろん断捨離委員会の活動を活発化させるのも財源を確保する主要な有効策の一つである。

そんなこともあり、製作していただく工房とも相談して使用する真空管はこちらで用意することにさせていただくことになった。

前述のとおり、本命の直熱三極管はすでに調達済みである。

残る初段や整流管なども製作工房と相談しながら、手持ちの英国製TUBEをチョイスして活用することにした。

初段管は6SL7系の在庫が手持ちにないためMullard ECC82/12AU7でお願いすることにして、整流管には出力管と同じ形状のCOSSOR 53KUをチョイス。

初段管も無骨な古典球に拘りたかったが、まあ脇役にはあまり個性を期待せずにこの辺りで我慢することにしましょう。

続く・・・・・・・・・                                               2/18


    


■ 新規アンプ導入計画(4) 「初段管変更編」 


計画当初は初段管に手持ちのECC82を使用する予定でいたが、よくよく考えてみるとミニチュア管では見た目のバランスが貧相なことに気がついた。

そこでアンプ工房でもお勧めいただいた6SL7系のTUBEを調達することにする。

幸いなことに以前所有していた300Bシングルアンプの初段で使用していた6SN7系より市場相場はそれほど高くないようだ。

今回調達したTUBEは英コードKB/FE(STC)CV1985/ECC35と米RAYTHEON5691、同じくRCA6SL7GTスモークガラスの3種類である。

そのうち流通量の少ない(STC/Oldway)CV1985と6SL7の最高峰となる高信頼管RAYTHEON5691については流石に値段の方も少し高かった。

RAYTHEONのVintage管は品質の高さで評判だが、よくよく調べてみるとこのRAYTHEONの赤ベースはRCAのOEM品のようである。

英STCvs米RAYTHEON、この2本が本命と対抗馬になりそうだ。

とりあえずこの3種類ぐらいあれば何とかなるでしょう。

続く・・・・・・・・・                                               2/28

    


■ 最近のアナログ事情

明日から早くも弥生3月を迎える。

2月22日に昨年より15日も早く春一番が吹き、梅も満開となって待ち侘びていた本格的な春の到来に水をさしたのが新型コロナウィルスの蔓延だ。

当初は3月の初旬から京都の実家へ両親の見舞いと並行して中国〜九州縦断旅行を計画していたが、さすがに延期とせねばならなかった。


オーディオの方は依然として不満のない音色を味わっている。

クラシックはもっぱらEMPIRE598にMI型の1000ZE/Xを使用して、壁面いっぱいに広がる独特のゆったりとした音色を楽しんでいる。

組みわせたMoFiのフォノイコもMC型のDENONを使用すると中域に違和感を感じたが、若干淡いEMPIREの色彩感にクッキリとしたスパイスを効かせているようだ。

この美しいMI型の音色に味を占め、後発で最上位機種のEMPIRE4000D/IIIに付け替えてみると、どうしたことかゆとりのないこじんまりとした音色となってしまう。

このEMPIRE1000ZE/Xはいつもリード線でお世話になっている旭川のkeisさんの手によって山本音響工芸製ヘッドシェルに組み合わされたカートリッジだが、リード線は直付けとなっているらしく微妙なチューニングが音質の向上に影響しているのかもしれない。


こちらはOrtofon SPU-GEをA-CRAFTのアダプターを介してアルミブロック削り出しのヘッドシェルに装着し、リード線には古いWE線材を使用した吟醸リードを組み合わせたカートリッジである。

MCトランスにはJ's No.6600を組み合わせているが、オリジナルのGシェルで使用した時よりにじみ感のない歯切れの良いタイトな音色が得られ、ロックなどのパルシブな音源にはちょうど良い感じに仕上がっている。                                  2/29

    


■ Garrard401 キャビネットの再塗装


3月に入っても新型コロナウイルスの蔓延がさらに規模拡大しているのが恐ろしい。

デマが広がって石油危機の時同様に、トイレットペーパーの買い占めが起こっているのは日本独自の現象だろうか?

このGarrard401は2007年に導入後、我が家の主力アナログ・プレーヤーとなっている半世紀前に製造された名機301の後継機種である。

アームはaudio-technicaの局用タイプを2本装備しており、主にSPUなどロー・コンプライアンスのOrtofonカートリッジを組み合わせて使用している。

同時期の1960年代後半に発売されたEMPIRE598Nがレストアにより美しく蘇ったので、こちらの1970年代前半に製造された後期型Garrard401についても、あちらこちらに傷が目立ったキャビネットのレストアを実施することにした。

ターンテーブル本体には針を落とす時に手が掛かるあたりに塗装の変色が見られるが、稼働10年以上で音色は当然のこと機能的にも問題はない。

最近フェルト製のパッドが磨耗してブレーキが掛かりにくくなったので、ブレーキパッドの取り替えパーツを注文しているところである。

モーターの分解清掃には手を付けたことはないが、軸受けだけは定期的に分解清掃してOILを入れ替えている。

軸受けのスラストプレートはカーボン製に交換し、アイドラーとスラストパッドは共に一回新品交換している。

ボディの部分的な変色については、色々なクリーナーを試してみたが黒ずみは取れなかった。

積層キャビネットはサンドペーパーで研磨してワトコオイルを重ね塗りしたのち、TANNOYウッドワックスを塗り込んで磨きをかけている。

なんとかエンパイヤ同様美しく蘇ったので、今後も我が家のアナログ・オーディオの主力として頑張って回り続けてくれることを期待している。

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注文していたGarrardフェルト製ブレーキパッドと化学合成OILが届いた。

これまではEMTのOILを使用していたが、こちらの純正OILに交換したところ、粘度が低いのか若干回転数が速くなったように感じた。

起動後半回転ほどで定速に達するし、回転も滑らかなのでアイドラーはまだまだ大丈夫な様子。ブレーキもパッドの交換でしっかり効くようになった。

OIL注入のため軸受けを分解清掃したところ、スラストパッドの摩耗が進んでいるようなので様子を見て注文することにしよう。

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■ Garrard401用パーツのあれこれ

ストックを漁っていたら使用ずみアイドラーが2個出てきたので、記憶を辿ると2回交換しているのを思い出した。

それほど状態も悪くなかったので表面を研磨して試してみたところ、どちらとも半回転ほどで定速になるのでまだまだ使用できそうだ。

復元のやり方は、硬化して少し湾曲していた表面を電動ドリルに挟み、800番程度のサンドペーパーで直線が出るよう研磨する方法である。

捨てないで取っておいたのが正解だった。なんとかなるもんだな〜。

スラストパッドの方は現在2mm程度の直径で当たりが出ているが、どの程度が寿命なのかわからない。

こちらはすでに交換したスラストパッド。

中央部分にスピンドルとの接触によって3mm弱ほどの面積が摩耗している。

この直径が大きくなることによってスピンドルとの接触面が増加するわけだから、抵抗が増えるということだろうか?

また摩耗することにより音質にはどのような影響があるのだろうか?

今回、試しに中央のスピンドルと接触する部分にボールベアリングを使用した、UPGRADE SPINDLE THRUST PADなるものをイギリスから調達することにした。

お値段の方も純正パーツを国内で購入するより、国際送料込みでも安価となっている。

たまたま見つけたこの改良型スラストパッドの英文記事によると、「使用しているソフトリン青銅ボールベアリングはスピンドルより材質が柔らかく、ボールベアリングのみが摩耗する場合、スピンドルの表面接触が最小限に抑えられるため摩擦が減少し、音質が向上する。」とのことであった。

はてさて、海を渡って届けられるまでは2ヶ月ほどかと思われるが、到着するのが楽しみである。                           3/9


    

■ Mullard ECC83


  


ECC83/12AX7はプリアンプやフォノイコなどで使用する機会の多いTUBEである。

Marantz7ではカップリング・コンデンサーやセレン整流器などオリジナル仕様のパーツに変更後の試聴にて、やはりオリジナル通りのTelefunken◇マークが最も相性の良い真空管だと確認している。

この独製◇マークに肩を並べるTUBEとして英Mullard製のものがあるが、そのムラードの中でも製造時期やタイプによって音質が違ってくる。

我が家には高信頼管となる軍用CV4004や後期に製造されたECC83/12AX7(CV492)ショート・プレートについてはまだ使用可能なストックが多く残っているが、1950年代の後半まで製造されていた、音質の良いと言われるロング・プレートの在庫が少なくなっていた。

最近はヤフオクでもこのロング・プレートの出品は少なくなってきており、たまたまアムトランスさんに入荷したのを見つけたので即購入した。


我が家にある17mmロング・プレートはMullardの旧ロゴ(中央:B9I)とFisherロゴ(左:B8F)の2種類で、全てゲッターがシングルサポートのラウンドタイプである。

今回調達したのは1957年製造の角形Dゲッター(右:B7A)で、e-Bayなどには出品されているが日本では最近滅多にお目にかかれないTUBEだった。

2本しかないので使用するのが勿体無いが、また試聴する機会があればChriskitのプリアンプにでも試してみようかと考えている。          3/10


    

■ 6AR6シングルアンプが到着


「新規アンプ導入計画」で製作を依頼している新潟のチューブ オーディオ ラボさんから、アンプが完成するまでの間に試聴用アンプをお借りすることになった。

この6AR6シングルアンプ2号機は昨年の真空管オーディオフェアに出品されたアンプで、1号機はすでに別のオーディオ愛好家の元へ嫁いで行った。

6AR6は米WEが開発した小型の5極管で、現在でも比較的安価に手に入るようだ。(このアンプでは3極管接続で使用されております。)

開発当初はWEでも製造されていたが、その後はTung-Solなどの他メーカーでの製造が大半となったTUBEである。

管球王国の「歴代の5極管/ビーム管 50種の音質比較テスト」でも、5極管接続ながら高い評価を受けている。

真空管博士のブログでの説明にあるとおり、3極管接続時にはPX4系PP3/250にそっくりな特性を示しているTUBEである。

(球球コレクション プアマンズPP3/250)


(製作記についてはTAラボさんのHPに公開されおります。)


さて、英国SPをこよなく愛したオーディオ評論家の故上杉氏が製作監修した UESUGI TAP-31に一旦席を譲っていただき、AXIOM150MkIIを使用したグッドマン3WAYにはSV-91Bをカップリングして、クラシック用に使用しているAXIOM22MkII2WAYをこのアンプと組み合わせることにした。


  


使用されている真空管は、初段に6SL7を1本、出力管はTung-Solの6AR6と整流管にGZ34といったコンパクトで可愛らしいアンプである。

内部の配線は流石に美しくまとめられており、配線材にはWEを使用されている。

また、出力段のカップリングに使われているのは音質の良いWEST CAPと思われ、随所に高質なパーツを使用されていて完成度は高い。

音質の良し悪しは当然のことながら、この「見た目が美しい」ということが所有する喜びを増加させるポイントではないかと考えている。

たまにオーディオ雑誌などでお世辞にも美しいと言えない、乱雑な配線で作り上げた自作アンプ記事を見ることがある。

自作ならまだこの乱雑さが努力の証として我慢もできるだろうが、完成品を購入する場合は音の良さに加えて美しさが選択の重要なポイントとなって来る。

音が良ければ良いというものでもないだろう。

音質の決め手となるトランスには、ラボさんお勧めのTSM  Productsの手巻きトランスが使われている。

当方で製作を依頼しているアンプにもこの手巻きトランスでとお願いしているが、少し高価なアモルファス・コア製を希望している。

ユーザーにとって重要なポイントとなる価格の方も、このような質の高いパーツを採用している割にはとてもリーズナブル価格設定となっているので驚いた。


試聴結果は追々記入させていただくが、来週のオーディオ定例会でSigetaさんにご来訪いただくので、その時までに本調子となるよう聴き込む予定である。

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■ 6AR6シングルアンプの試聴@


これまでAXIOM22MkIIの2WAYを駆動していたSV-91B(右)と比較するとかなりコンパクトにできていることが分かる。

出だしは軽いPOPS系の音源から試してみる。

まず最初に感じるのはSV-91Bが捻じ伏せるような力強さが特徴なのに対し、こちらは低域の量感も程々ですっきりとした瑞々しさが持ち味となっている点である。

価格が倍以上違うSV-91Bと比較するのも可哀想な話だが、クラシックの良さを楽しませてくれると言った部分ではそれほど遜色もない。

両者の最も大きな違いは低域の量感とその構築力にあり、SV-91Bが重戦車のようなガッシリした押し出しの強さを持っているのに対し、6AR6シングルは質の良いリッチな響きと余韻が特徴となっているようだ。

さて、本命のクラシック音源の試聴に入る。

POPSなどではこじんまりとして少し淡白に感じた音質が、クラシックではこってりとした織物のような彩でオケを描き分ける能力には驚くことになる。

声楽を聴くと中域の上の方に少し引っかかったトゲのような部分を感じるが、これはTAラボのKさんがおっしゃっていた整流管GZ34に起因しているのだろうか。

馬力が乏しい分少し音場が狭まったようにも感じるが、しかし弦楽器群の合奏にもコクがあるし金管楽器の緊張感のある響きも素晴らしい。

特に良いのが音の色付けがはっきりしている点で、色々な楽器の音の強弱が色彩感を伴って息遣いのような生命力を感じさせてくれるアンプである。


このシングルアンプにはプリアンプのMarantz7を組み合わせている。

使用上のポイントとして、シングルアンプの出力が低いため出力ボリュームをMaxに上げており、さらにミニマムで使っていたプリのOUTPUTレベルを中程まで上げることができるようになったことも音質の向上に影響しているのかもしれない。

圧倒的な馬力はないが必要十分な力感があり、なんといっても色彩豊かな彩が素晴らしくて、なるほど評価が高いのも肯けるものと感じた。


機器を変えた当初は変わった部分が良くなったように感じることが多い。

このアンプもまず最初のつかみはOKだが、一週間ほど試聴を続ければ短所も見えてくるかもしれない。じっくりと参りましょう。          3/13  PartII


    

■ 6AR6シングルアンプの試聴A


6ARシングルアンプの試聴を、じっくりといろいろな曲種で続けている。

このような試聴では、その日の機器の状態やこちらの体調によって感じ方が違って来ることもあるので、その辺りはご了承いただきたい。

2日目にはウォーミング・アップにより冷めた体が温まって動きが軽くなるように、伸びやかでダイナミックな音色に変化してきた。

POPSやJAZZでも初日はどちらかというと大人しく理性的だった音質が、低域の量感が増してよく弾み、ダイナミックな迫力が加わるようになった。

個々の質感をはっきりと描き分け、説得力のある音を聴かせてくれるという点は、初日に感じた印象と変わっていない。

見た目はコンパクトなアンプだが、結構馬力と細やかな表現力を兼ね備えているのは手巻きの出力トランスが影響しているのだろうか?

逆にクラシックでは押し出しの強い中高域に、弦楽器ではそれほどでもないが少し粗い響きを金管や声楽で感じるようになる。

この辺りは使用している初段管(RCA/6SL7)と整流管(Zaerix/GZ34)を差し替えることによってかなりニュアンスが違って来るかもしれない。

工房のKさんに承諾いただいたので、明日はこの辺りを手持ちの真空管で「球転がし」を仕掛けてみようかと考えている。

小出力のため音場が少し中央に集まる傾向はあるが、それでも音が団子になることもなく質感の異なる音色で描き分ける点には感心させられる。

今日はPOPS系で迫力ある音楽を楽しませてもらった。明日の「球転がし」での音質の改善が楽しみである。                    3/14


    


■ 6AR6シングルアンプの試聴B


昨日の試聴ではようやく本領を発揮し始めたようで、躍動感が出て迫力ある音色に変化してきた。

POPSやJAZZなどは特に不満を感じなかったので、本日はクラシックでの中高域の粗さを「球転がし」によって改善ができるものか試すことにする。

前述したが少し不満に思っている点が、声楽テノールやオケ金管楽器の乾いたような粗い響きである。

逆にこの高域の粗さについてはJAZZなどの曲種においてはプラスとして作用することが多く、なんとも痛し痒しである。

この刺激的な響きが真空管を取り換えることによって若干でも改善できるとすると、オールマイティーに使用できるアンプとなるはずだ。

さて、交換してみるTUBEは前段の6SL7と整流管である。

オリジナルの6SL7GT/VT-229は米RCAのブラック・プレート/ボトムゲッターで、整流管は英ZaerixのTUBEだがエッチングコードもないので日本製かもしれない。

特に工房のKさんからは、この整流管の交換により高域の質感が改善できるとアドバイスを受けている。

クラシックでのこれらの問題点を解消するためには、やはり英国製の真空管を使うべきだろう。

6SL7は互換球のSTC/ECC35、整流管には同じくSTC/CV717/5R4GYかCOSSOR53KU/CV378などをチョイスすることにした。

最初に初段管をSTCに交換して試聴する。

残響が増してホールトーンが豊かに聴こえるようになり、弦楽器群に繊細感が加わって細やかに美しく響く。

声楽のテノールの声質にも温かみが出始め、初段の変更だけでもかなり改善されたように感じる。

さらに初段管をそのままに整流管をSTCに付け替えると、弦楽器の繊細な響きに滑らかさと柔らかさが出てきて、テノールの声質も血が通うと言うのか芯の強さがある割にキツい響きとならなくなった。

全体的な響きに柔軟性が出ることによって、持ち前の息遣いのような音色の強弱がさらに美しく表現されるようになる。

整流管をCOSSOR53KUに替えると同質な音色傾向ながら、さらに重心が下がって奥行き感が加味される。

この状態だと全く不満のない堂々とした音色を味合わせてくれるようになった。


コンパクトなサイズが嘘のように、フロアタイプの大型SPを楽々と鳴り響かせる力を持った音楽性の高い真空管アンプと感じている。                 3/15


    

■ SV-91B 300Bシングルアンプ


  

GOODMANS AXIOM22MkIIのSTAGE2/2WAYには音楽性豊かな6AR6シングルを組み合わせたので、こちらのSV-91BはAXIOM150MkIIのSTAGE3/3WAYで使用することにした。

このアンプは名古屋のアンプビルダーY下さんの手によりSUNVALLEY SV-91Bを大幅に改良されたもので、外観も高級感溢れるものとなっている。

Y下先輩の説明によると、310A-310Aのみ交流点火で300Bは直流点火に改造してあり、カップリングCにSPRAGUE/バンブルビー、抵抗はA&B、カソードコンデンサには銀タンタルを使用しているとのことだった。

これまでは基本通り、3WAYにシングルアンプは荷が重いと考えてプッシュプルで駆動し、こちらのアンプは2WAYで使用していた。

また、昨年までは真空管をオールウエスタンで使用していたが、秋頃より出力管を日本製TAKATSUKI TA-300Bに交換して楽しんでいる。

今回初めてこのアンプを3WAYに組み合わせてみたが、驚いたことにUESUGIのプッシュプルより厚みと馬力のある低域を聴かせてくれている。


以前、整流管の聴き比べを実施した時に最も馬力と勢いを感じたSYLVANIA VT-244を、WE-274B刻印から取り替えてPOPS&ROCKを中心に楽しむつもりでいる。

少し甘い香りが漂うAXIOM22MkIIを隅々にまで血を通わせてくれるような高い駆動力を持ったこのアンプ。

硬質でリッチな響きのAXIOM150MkIIからは、どのような音色を引き出してくれるのだろうか?   楽しみである。                         3/16

    

■ オーディオ定例会


本日はSigetaさんをお招きして、恒例となりつつある定例会を開催する。

今回のメニューは新潟のTAラボさんにお借りしている6AR6シングルアンプの試聴と、お持ちいただいたルーム・チューニング・グッズの効果検証である。

我が家で試聴を続けているそのアンプは現在、クラシックに最も適している組み合わせ(初段STC/ECC35整流管COSSOR53KU)に差し替えて使用している。

Sigetaさんにはまずオリジナルの真空管に戻して試聴していただき、その後「球転がし」を行って音色の変化を二人の"耳"で実施することにした。

最初に初段から交換するが、我が家の英STC/ECC35、米RAYTHEON5691、RCA6SL7GTスモークガラスとSigetaさんにお持ちいただいたKen-Rad VT-229、RCA5691赤ベースに加え、オリジナルのRCA 6SL7GT/VT229の6種類。

整流管の方は英STC/COSSOR、米RCA JAN CRC 5R4GY、WE-274B刻印に加え、こちらもお持ちいただいたRCA80などが試聴ラインナップである。

ソースはクラシックアナログ盤を使用し、カートリッジにはSigetaさんも愛用されているOrtofon SPU MEISTERを組み合わせた。

(Garrard401+SPU→Marantz7→6AR6シングル→Goodmans Axiom22MKII/STAGE2)


   


初段RCA+出力管米Tung-Sol+日ZaerixのオリジナルTUBEに戻して、試聴を実施されたSigetaさんのご感想は、

低域から高域までストレスなく質の高い音色を聴かせてくれる、クラシックには丁度良いバランス感を持ったアンプではないか。

以前のSV-91Bよりこちらの組み合わせの方が、クラシックでの試聴では相性が良いように感じるとの初見であった。

さて初段管から「球転がし」終えた後のSigetaさんのご感想は、少し渋い傾向の英国管より高域がよく伸びて音色の明るい米国管に好感を持ったとのことである。

Sigetaさんが選ぶ初段管のベスト3は、RCAとRAYTHEON/5691赤ベース、オリジナルのRCA VT-229ボトムゲッターだった。

また整流管の方ではWE-274B刻印がダントツのNo.1で、COSSORの柔らかい音色も好ましかったとの評価である。

最終的なアンプの感想としてSigetaさんからは、「山椒は小粒でもピリリと辛い」ではないが小振りな容姿にも関わらず、相当熟成された好ましい音色と感じた。

併せて出力の低いアンプの場合には駆動力に問題が出ることがあるが、SPが能率の高いGoodmansでは軽々とドライブする力強さを感じたとのことだった。

当方は初段や整流管ともやや渋めの英国系の音色に好ましさを感じたが、アンプ自体の評価は概ね同じようなものである。

次にご自宅で2セット愛用されているオーディオ・リプラスのルームチューニンググッズの効果検証を実験する。

まず画像の通り、お持ちいただいた1セット(2個)をそれぞれのSPの天板の上に設置して聴いてみる。

これだけでも音質に顕著な変化が表れるが、明らかに高域がヒステリックに響きすぎてこの配置ではいま一歩の評価となる。

次に外側のSPの壁面に立て掛けて配置してみると、音場が自然な広がりを見せて聴きやすいバランスとなることを発見する。

Sigetaさんからは我が家で設置しているチープな「必殺チューニング・グッズ」の効果により、増設しなくても自然な音場が再現されているのではとのことであった。

最後に、新たな組み合わせとなったSV-91BとGoodmans AXIOM150MKII/3WAYの音色や、Ortofon SPUシリーズ(GE/Classic GE)の聴き比べを実施して本日の定例会を終了する。

Sigetaさん、本日もありがとうございました。                                      3/19

※追伸   Sigetaさんから本日の試聴感想を、掲示板の方にご投稿いただきました。

             興味のある方はそちらもご覧ください。    ↓

     https://zawazawa.jp/bcjd0i1lnr55w007/topic/1

    

■ Garrarad401 アップグレード・スピンドル・スラストパッド

依然として世界的なパンデミックは終息への光明が見えてこない。

そんな中でも四季は普段通りの移り変わりを見せ、3月中旬よりいよいよ気温も上昇して埼玉でも桜の開花が進んでいる。

イギリスからGarrard401用のUPGRADE SPINDLE THRUST PADが届いた。

3/9に注文したから到着するまで2週間弱と意外に早かった。

画像下ボールベアリングが付いたパッドとその左に交換用ベアリングが2個、白っぽいガスケット2枚と商品内容の印刷物が送られてきたパーツの全てである。

当初考えていた価格には国際配送料が含まれておらず、到着時に着払いで送料分3600円払ったので購入金額は合計9000円となり、国内で純正パーツを購入するより少し割高となってしまった。

現在は円高が進んでいるので、日本での購入価格が値下がりしているようだ。

交換用のボールベアリングが2個付属しているので、こちらのパッドの音質に問題がなければ当分は交換品の購入は必要ないと思われる。

このボールベアリングの素材がミソのようで、国内にもかなり出回っているKokomo kitはセラミック製なの対し、こちらはスピンドルの素材より柔らかい青銅製となっているようだ。

早速スピンドルの底を磨いて清掃し、新たなパッドを装着してプラッターを回転させてみた。

少し摩耗の進んだオリジナルのスラストパッドと回転数はほぼ同等で、音質の方も今のところは大きく変わったところがある訳でもなかった。

馴染んでくるまでもう少し様子を見てみることにいたしましょう。                                        3/21

    

■ TELEFUNKEN ECC83について


愛用しているMarantz7Rの真空管は現在、オリジナル通りのTELEFUNKEN ECC83◇を使用している。

このアンプを2002年に中古購入した時にはレプリカ専用の曙光電子製ECC-83とともに、TELEFUNKEN ECC83◇リブ・プレート58年製同ロット6本が付属していた。

購入後しばらくは真空管のみTELEFUNKENに替え使用していたが、2012年にカップリング・コンデンサを後期オリジナルでも使用されているSPRAGUE BLACK BEAUTYに取り替えたところ、音質が激変したので整流方法もオリジナル通りのセレン整流器を使ったものに変更している。

カップリングCを替えるまでは神経質で薄っぺらい音質に不満があり、よく「球転がし」を仕掛けて少しでも満足の行く音質にならないか足掻いていたが、交換後は全く不満もなくなってTELEFUNKEN ECC83◇の組み合わせが定着しその後の変更はなくなった。

購入して18年近くが経過しているわけだから、ここ数年で購入当初から使用している58年製リブ・プレートにも劣化が見え始めた。

そんな訳で現在は、フォノ段V1〜V2とライン段V4〜V5はエミ減により新品の◇マークに交換しているが、V3/V6のバッファはまだ使用可能である。

早晩寿命が来ることは確かなので、今回このTELEFUNKEN ECC83◇のストックを新たに調達することにした。

画像の4本は共にダイヤ・マーク付きの本物で、左側2本がリブ・プレートと右側2本はスムース・プレート品である。

今回のテーマはプレート横に開いている穴の有無で、スムース・タイプには横穴が2(〜4)箇所上下に開けられているが、リブにはそれが無かった。


TELEFUNKEN ECC83◇マーク/リブ・プレート
TELEFUNKEN ECC83◇マーク/リブ・プレート(横穴なし)

TELEFUNKEN ECC83◇マーク/スムース・プレート
TELEFUNKEN ECC83◇マーク/スムース・プレート(横穴2箇所)

色々調べてみたところ、プレートの長さはMullardなどとは違って全て17mmのロングタイプしかなく、プレート表面がリブとスムースの2種類あることはわかっていたが、プレート横の穴の有無についてははっきりと理解していなかった。

そんな訳で真贋を確かめる時にボトムに◇刻印は必須ながらプレート横に穴がないのは本物ではないとの噂もあるが、リブ・プレートにはそもそも横穴が無いようだ。

さらにスムース・プレートの横穴も画像のTUBEは上下2箇所だが、3〜4箇所空いているTUBEもあるようなので、この辺りもご注意いただいた方が良いだろう。
3/25

    

■ TUBE TESTER (真空管試験機)

計測器マニアには(真空管だけに)タマらないTUBE TESTERのお話。
最近不必要となった真空管の断捨離を推進しているが、それでも諸々100本以上のストックがある。

それらの真空管の良否やペア組みの選定をするため、エミッション型とGM測定型の2種類のTUBE TESTERを使用している。

※共にアメリカ製機器ですから117Vにステップアップして使用しております。


エミッション型はHEATHKIT/IT-17という機種で、ヤフオクで調達したものである。

若干計測数値が怪しかったので、自力で劣化の可能性のあるオイル・コンデンサーをフィルムコンに、またセレン整流器をダイオードに交換している。

更に頑固親父さんに依頼して測定値に影響する不良抵抗などの良品交換を実施してもらっている。

○IT-17での合否判定方法

@電源を入れる。右中段のSET LINEダイヤルをOFFの位置から時計回りにメーターの針がLINE TEST中央の50を示すまで上げて行く。

A画像にはCalibration Tubeの6L6メタル管が先に挿してあるが、中央の窓表示から左右のダイヤルを回して6L6を選び出す。


B判定する6L6 TYPE→3/FILAMENT→6.3/PLATE→27/TOP(T)→CDE/BOTTOM(B)→GHの計測条件表示を確認する。

C右下段のTYPEダイヤル→3/左中段のFILAMENTダイヤル→6.3/左下段PLATEダイヤル→27に合わせる。

D下段横一列(A〜N)のレバーC・D・E→T(TOP)上に上げる、G・H→B(BOTTOM)下に倒す。

E右上のSHORT ADJ. LINEノブを下に押し下げて合否判定(BAD/?/GOOD)する。

判定結果はGOOD(58〜100)の88を示しているので非常に良好という判定になる。(BADは42以下)


GM測定型は軍用TV7でお馴染みのHICKOKが1950年代に生産したModel 533を、セカイモン経由でアメリカより調達したものである。

購入当初は計測時にメーターの揺れ(フラつき)症状が出ていたので、頑固親父さんに依頼してメンテナンスをお願いしている。

修理内容は、回路図上はメーター端子にコンデンサーが配置されていたが欠落していたので加え、計測スイッチのクリーニングを行なっている。

○Model 533での測定方法

測定精度を判断するため、アメリカより画像のModel533で使用可能なCalibration tubeを調達している。

RCA製メタル管で5628μmhoの正確な計測値が示されている。

このTUBEを使用して計測の手順を説明する。

@左中段のPOWERスイッチをON。(右中段パイロットランプ点灯)

A下段表示窓に右側のダイヤルを廻して6L6を選び出す。

B測定するTUBE TYPE 6L6→右側PILOTランプ左のFILAMENTダイヤル→6.3/中段横一列SELECTORS(7つのノブ) →左からJ・R・5・3・4・7・2/

中段左BIASダイヤル→23/中段右ENGLISHダイヤル→88にそれぞれ合わせる。

PRESS(測定ボタン)P4/MUT.COND(基準値)5000

C合否判定する時は右下MICROMHOSレバーを左ENGLISHに合わせる。

D計測前に下段横一列ボタン右端のLINE.ADJを押して、メーターの針をボタン左のLINE ADJUSTノブを回して中央のLINE TESTに正確に合わせる。

EP4ボタンを押してスケール上の針の位置で判定する。GOOD(緑)範囲内を指せば合格、REPLACE(赤)なら交換、?は早めの交換必要。

FGM計測時には、右下MICROMHOSレバーを計測するTUBEの値から3000/6000/15000スケールの中から選択。6L6→6000スケール

GP4ボタンを押してスケールの値を直読する。


  

GM計測値は5600を超えた付近を示しているので、Calibration tubeの実測値(5628)とほぼ合致している。

※ENGLISHでの合否判定を行なっていないが、GM測定で基準値5000を超えているのでそれだけでも元気な状態と判断できる。


更にこのModel 533にはLIFE TESTという便利な機能(右下スイッチ)がある。

通常の合否判定やGM測定時には上NORMALで計測する。

真空管の寿命を判断する時、下LIFE TESTでのGM計測値がNORMALの計測値の75%以下なら寿命、といった仕組みである。

6L6ではGM基準値だけで廃棄値が分からなかったが、廃棄値がわかるTUBEではこの値を下回ると既に寿命と判定できる。

GM測定値が廃棄値〜基準値の間であれば使用可能、基準値を上回れば元気な状態と判断している。

新品でもGM基準値を下回るTUBEもあるが、合否判定などと組み合わせて状態を管理している。

この試験機は大変重たくて、計測するたびに肩が悲鳴を上げている。                               3/28

    

■ 桜の開花状況

あと数日で新年度を迎える。

毎年この時期になると、近隣の荒川沿い遊歩道に咲き乱れる桜並木を撮影することにしている。

今年は3月20日(金)「春分の日」の花見となったが、東京に比べるとこちらはやや開花が遅れているようだ。

樹によっては満開に近いものもあるが、その隣が蕾だったりするので、並木全体が一斉に満開となるような感じではない。

3月下旬になって、新型コロナウイルスの世界的な蔓延拡大を受け、各国で厳しい外出制限や渡航禁止処置が取られている。

そのため生活必需品への需要が集中して、スーパーのトイレット・ペーパーの棚などは依然として品不足が続いている。

経済活動の長期間停止を余儀なくされた中小企業の倒産増加が予測される中で、なんとあのTOYOTAがパンデミック長期化に備えて1兆円もの融資枠を銀行団に要請したのは驚きだった。

定年して外出機会が減少し引き篭もりに近い生活を送っている我が家では、幸いなことに感染などのリスクは少ないが、週3〜4日通っている地元スポーツクラブの施設利用が禁止となって、喜んで良いのかますますオーディオに接する機会が増えている。                              3/30

    

■ 無題・・・・・

月末に実家より急報があり、深夜高速にて京都へ車を走らせる。

新年度初日から数日を掛けて一通りのお弔いを終え、一旦関東に舞い戻る。

新型コロナの急激な感染拡大により身動きが取れなくなるのを恐れ、初七日を待たずして早めに帰路につくことにしたのである。

西に位置する鴨川の桜並木は8分咲きだが高野川の方は満開に近く、火葬場に赴く車列に最後の彩りを添えていた。 4/4

    


■ Chriskit MARKY Custom

今年度最大のプロジェクト「新規アンプ導入計画」の進捗状況は、真空管をチョイスしたCの後、工房の製作開始待ちが続いている。

老境に差し掛かると、この「待ち侘びる」=『その時や事態が来ることを非常に期待して時を過ごす』というのも楽しいものだ。

その工房から借り受けた6AR6シングルアンプは、その後もクラシック向きの美音を楽しませてくれている。

さて、Chriskit MarkYのプリアンプと組み合わせ、ROCK&POPS用GOODMANS AXIOM150MkII/3WAYで使用するようになったSV-91Bは、

理想的で素晴らしいマッチングを見せている。

Chriskitプリアンプは昨年、カップリング・コンデンサをWEST CAPに交換して電解コンデンサーも一部銀タンタルに換装している。

UESUGI TAP-31とコンビを組んでいた時、使用する真空管については試聴して決め込んだがそのままとなっていた。

新たなSV-91Bとの組み合わせでは馬力のある重低音に満足感も高く、搭載フォノイコを使用したOrtofon SPU-GEのタイトな音質は全く素晴らしいものだ。

そんな中、Mofiのフォノイコをライン段に繋いだEMPIREの音質にも特に不満はないが、Shureフォノイコ経由のShure M44-Gの音質に高域のトゲがあるのが唯一不満となっていた。

そんな訳でこの辺りの問題を解決できないかいつも通りの「球転がし」を仕掛け、音質の変化を試してみることにした。

これまではフォノ段V1〜V2にLUXの選別管MATSUSHITA12AX7G/バッファV3にはMullard ECC83Long・Plate/ライン段V4〜V5のECC82にはMullard CV4003(8136)/V6バッファにはTELEFUNKEN ECC83◇という組み合わせだった。

これをV1〜V2にMullard ECC83Long・P/バッファV3にTELEFUNKEN◇/V4〜V5のECC82にはMullard 4003(8136)/V6バッファにはMullard ECC83Long・Pを組み合わせて、Marantz7Rなどの過去の経験を生かした最強の組み合わせでチャレンジしてみることにした。

特に不満がある訳でも無かったフォノ段についても、MullardとTELEFUNKENの組み合わせに替えて試聴を開始する。

低域の量感と高域の解像度をあわせもったMullard/Long・Pに◇マークの組み合わせは、キレ味の増加が聞き辛さにつながるのではとも思う。

そんなことを考えながら試聴したところ、やはり圧倒的な押し出し感のあった低域の勢いが弱まり、迫力の落ちた上品な音に変わってしまった。

そこでバッファには元通りMullard/Long・Pを使い、V1〜V2には米RAYTHEON12AX7A/Black・Plateを持ってきたりもしたがこれも今一歩。

最終的にはV1〜V2をがむしゃらな勢いで闊達な音色のMITSUBISHIとして、バッファにもMullard/Long・Pという元通りの組み合わせに戻った。

次に少し違和感のあった問題のライン段である。

ボックスプレートのCV4003(8136)をそのまま残して、バッファのTELEFUNKEN◇マークをMullard/Long Pにチェンジする。

そうすることで切れ味抜群の◇マークから、高域をやや大人しく色付けさせる狙いがある。

その結果、違和感のあったShure M44-Gで思い通りの改善効果を得られ、EMPIREでもグルーブ感のある音色のまま高域の抜けが良くなった。

今回もこのような試行錯誤の結果、なんとか理想に近い音色で楽しめるようになったと感じている。      

もちろんケーブルの変更などでも音質は大きく変わる。

しかしアンプに内蔵されている真空管の「球転がし」の方が、微妙な音質の変更が可能で交換作業に手間取らないのが良い。

好みの音に色付けを変えられる真空管アンプは素晴らしいと今更ながら感じている。                            4/5

    

■ 緊急オーディオ活動宣言

遅ればせな感じが否めないが、緊急事態宣言が発令されることとなった。

細かな対応は各自治体の判断に委ねられる模様だが、不要不急の外出自粛要請が強まりそうだ。

子供たちは体力を発散する場を失われストレスが溜まる心配が深まるが、オーディオを趣味とする年配のおじさんたちは引きこもりが全く苦にならない。

そんな訳で趣味の音楽鑑賞やオーディオ実験室の取り組みを細々強化することにしましょう。

本日のテーマは「ターンテーブルシート(マット)」である。

主にクラシックを楽しんでいるGoodmans AXIOM22MarkII/2WAYは、TAラボよりお借りしている6AR6シングルアンプを使って駆動している。

アナログ・システムにThorens TD126+MCH-IIを使う場合、これまでと違って低域方向へのバランスが少し希薄なため、高域がヒステリックに感じることがある。

このトーレンスのプレーヤーには付属していたマットは厚過ぎてカートリッジの高さ調整が難しく、ブチルゴム系シートOYAIDE/BR-12を組み合わせている。

このタングステン配合シートは明るく押し出しの強い音質特性が、どちらかといえばROCKやJAZZ向きではないかと考え、今回新しいシートを試してみることにした。

昨今、アクセサリー類にも高単価の波が押し寄せていて、1万を超えるような商品も多数販売されているが我が家ではそんなグッズに用はない。

選んだのは比較的安価なAETのシート(HPDM-2913M)で、「アナログリスナーに捧げる新世代ターンテーブルマット」の謳い文句が明記されている。

重みのあるゴム系のオヤイデと比較すると軍需用途に開発された新素材らしく、Nottinghamの純正マットと同じような非常に軽いマットだ。

Garrard401には5mm厚の純毛フェルトシートを使用しており、NottinghamにはパイオニアのJP-501ブチルゴムシートを使用している。

どちらかというとゴム系のシートは低域方向の量感が豊かになり重心が下がるが、フェルト系は抜けが良くなって濁り感がなくなる傾向がある。

その抜けの良さが効果的に働いて、高域に独自の繊細感を持っているMCH-IIの音色が柔らかくなれば有り難い訳だ。

さて、クラシック系ソースを使用して、早速比較試聴を実施することにしよう。

一聴して新たに購入したAET機能素材シートは、音場に立体感は出るが高域のサーフェスノイズが耳につく、やや密度の薄い音色で即NGとなってしまった。

やはり軽めの素材は無理かと早々に諦めて、ゴム系の手持ちのシートを片っ端から試してみることにした。

  

この中で比較的バランス良く聴こえたのが、厚めのThorens 純正マットと東京防音の安価なハネナイト素材のマットである。

そんな訳でThorens純正マットは厚過ぎてアームの高さが足りなくなるので、これまで使用する機会のなかった東京防音のマットを選ぶことにした。

OYAIDEのマットと比較して、優しく大人しいバランスの音色となる点が良かった。

軽量の機能素材のシートは、余程低域の量感があるシステムでないと音色バランスが取れないのではないだろうか。                      4/7

    


■ 久しぶりにMCカートリッジの話題

引きこもりオーディオ活動継続中。

こちらはNottingham INTERSPACE-ARMに装着しているLYRA Clavis.D.C(ダ・カーポ)である。

発売はSPU MEISTERと同時期の1995年。

STEREO SOUND「コンポーネント・オブ・ザ・イヤー'94〜'95」のカートリッジ部門で、SPU MEISTER と1位を分け合っている。

高精度インタースペース・アームを生かせるカートリッジとして中古で購入したが、購入後十分に活用しないまま不注意にもカンチレバーを根本から折ってしまった。


  


そのまま廃棄するのも忍びないので、たびたびお世話になっている富山の修理業者にお願いして外径接合により根本からカンチレバーを付け替えた。

オリジナルはセラロイカンチレバー+針先3×30μダイヤモンド無垢針のところ、アルミパイプカンチレバー+ダイヤモンド接合楕円針で修復している。

左画像のオリジナルと右画像の修復後を比べていただくと、カンチレバーが倍以上の太さになっているのがお分かりいただけると思う。

心臓部の強力なネオジウム磁石は同じで音質がどれほど変わったかはよく分からないでいるが、安価な修理代を考えれば文句は言えない。

さて、久しぶりにパワーアンプをSV-91Bに入れ替えたGoodmansSTAGE3/3WAYを使って愛聴盤に針を落としてみた。

MCトランスにはLangevin408Aを組み合わせている。


Pink Floyd 『P・U・L・S・E』


こちらは1995年にリリースされた新生ピンク・フロイドのライブ・アルバムである。

その後の『LIVE IN GDANSK』や『LIVE AT POMPEII』などライブの原型となるが、『狂気』の再現を含んだこちらのアルバムが最も完成度が高いと感じている。

巨大なドーム型ステージに降り注ぐライティング・シャワーが生み出す幻想的なイメージを、このカートリッジは立体的な構築力で余すことなく表現してくれる。

ワイドレンジで緻密な表現力が持ち味のカートリッジだが、それが決してきつさや煩さに繋がっていないところに好感を持っている。           4/10

    

■ 真空管のソケット

引きこもりオーディオ活動継続中。


SV-91Bアンプの音質には満足しているが、以前一度交換した整流管用GTソケットの具合が今一歩しっくりこない。

しっくりこないと言うのは音質的な問題ではなく、真空管を挿入してもグラ付きが激しくてなんとなく頼りなく感じている点にあった。

前回交換したのはオリジナルと同様の中国製オクタルセラミックタイプだが、今回はもう少し品質の高いUSA製を選ぶことにする。

同時に300BのUX4ピンの方も、セラミック中国製からUSA製に交換したかったが、こちらは取り付けサイズが合わず断念した。

左上はAMERICAN PHENORIC(アンフェノール)UX4ピン、右上は40年ほど前にウエスタン狂のオーディオ仲間からもらった米NATIONALセラミック4ピンソケットだが、ともにサイズやピン配置の問題で取り付け不可となった。

GTソケットはいつもお世話になっているバンテックさんより調達した、信頼性の高い米EBY製のMIL規格オクタルソケットだ。

  


しかし、UX4ピンソケットについてはe-bayを含めネットを通じてかなり探してみたが、良質なものはほとんど枯渇しているようだ。

現在生産されている中国製はいつも通り財布に優しいのはありがたいが、工作精度が低い上にバラツキも多く、接触不良を起こすものがあるようだ。


GTソケットを良質なものに取り替えたところ、期待通りピンの食い付きも良くなって精神衛生上すこぶるよろしい。 

今回、真空管アンプの重要なパーツであるソケットを従来の中国製から質の良い国産かUSA製に改良したかったが、またしても持ち越しとなった。

相変わらずハンダの技術に上達が認められず、配線材の被覆を焦がすなど全く汚い仕上がりで悲しい限りである。                              4/13

    

■ AXIOM22MkII+UESUGI TAP-31


いつまで続くのか、引きこもりオーディオ活動継続中。


久しぶりにEL-34TRIODE/NON-NFBプッシュプルアンプUESUGI TAP-31を持ち出し、GOODMANS AXIOM22MkII STAGE2に組み合わせて聴いてみる。

考えてみると昨年このアンプが我が家に来てから、組み合わせるのは初めてだ。

ここ数ヶ月に渡って6AR6シングルアンプで楽しんできたが、やはりプッシュプルのアンプで駆動すると音質傾向がかなり違ってくるのがすぐ分かる。

音場の見通しが良くなり、それぞれの音のエッジがハッキリして解像力と描写力がともに高まって聴こえる。

シングルでは詳細に描写するのではなく全体をシルキータッチで包み込む音質傾向が、コントラストのハッキリした分だけきめが荒くなったように聴こえてくる。

よく伸びた低域にも十分なパワーを感じさせる力強さがあり、この低域が土台となり全帯域に渡って説得力のある音質傾向を特徴付けている。

プッシュプルの中では比較的繊細で柔らかい美音系アンプに感じたが、シングルアンプと比較すると男性的に感じるほど音質傾向が異なっていた。

やはりクラシックオンリーで楽しむなら、シングルアンプの滑らかさを好ましく感じた。                               4/14

    

■ 接点クリーニング

至って真面目に、引きこもりオーディオ活動継続中。

本日のテーマは真空管アンプ愛好家なら必ず経験のある「ガサ、ゴソ」ノイズの解消にチャレンジである。

一時緩和したと思ったが、最近またChriskit MarkYプリアンプの発するこのノイズが気になり始めた。

これらのノイズはもっぱら真空管のピン(足)とソケットピンの酸化が引き起こす接触不良が原因となっている。

真空管のピンはクリーニングや磨きをかければ何とかなるが、劣化したソケットの方はこれまで新品に交換するしかないと考えていた。

Marantz7では同じ問題で悩まされた時にいつもの専門店に修理をお願いしたところ、真空管ソケットがカシメ留めされているために簡単に交換することができず、ピンを1本ごとに交換するしかなく苦労したとの話を伺った。

こちらのプリアンプは1970年代中頃の製品で、真空管はプリント基板に取り付けられた基板用のMT9ピンソケットを使用するタイプである。

これをシンチなどに取り替えれば問題は解決するはずだが、ソケット取り替え時にボケをかまして基板のパターン切れなどを起こすのが心配である。

ソケットの寿命は承知だが、何とか接触不良を解消できないものかとクリーニングを徹底してみることにした。

いつもは基本の綿棒と歯間ブラシに無水エタノールを使って処理しているが、今回は和光テクニカルのオイルとクリーナーを試してみることにする。

ゲイグなどの接点復活材は避けた方が良いとの話もあるが、こちらのアイテムはアルコールを主成分としているので悪影響はないかと思われる。


  


手順としては、真空管のピンやソケットピンをメタルクリーナーMC13を使って汚れを落とし、チタンオーディオオイルTi-102で保護する。

ソケットのクリーニングには歯間ブラシを使用していたが、今回使用した先の尖った工業用綿棒もなかなか優れものである。

今回この方法でクリーニングした結果、直近でクリーニングしたばかりだった真空管とソケットの両方とも、使用した綿棒には黒ずみが出ている。

クリーニング後の結果については、「ガサ、ゴソ」ノイズはかなり改善され気にならなくなったが、耳を澄ませば継続的なホワイトノイズも出ている。

たぶんこれはこのアンプ固有のもので、少し雑音が大きめなのは全体的なハンダの劣化などが影響しているものと考えられる。

今度症状が悪化した時は、やはりソケットの交換が必要なのかもしれない。

その時には頑張って、基板用ソケットの交換にチャレンジすることにしましょう。                                        4/15

    

■ EMPIRE4000DIII

  


依然として引きこもりオーディオ活動を継続中。

今回は1970年代に生産され、その後半世紀近く経過した令和の時代に至っても愛用者の多い、EMPIREのMI型フラッグシップ機がテーマとなる。

現在アナログプレーヤーのEMPIRE598Nには、EMPIRE1000ZE/Xの純正組み合わせでポップスなどを中心に楽しませてもらっている。

この1970年代初頭の米国製プレーヤーには、内部配線をオーグラインと102SSCに換装したEMPIRE980アームを搭載しており、音質の方もオリジナルの古臭いナローレンジなものからリフレッシュされている。

以前その1000ZE/Xと音質を比較し、全く精彩を欠いていた4000DIII。

その後、そんなはずでは無いとテクニカのスタイラスクリーナーでクリーニングを行なっていたところ、針先が取れて無くなってしまった。

高倍率のルーペで針先を確認したところ、円柱形の金属台座は確認できるがスタイラスチップだけ綺麗に取れており、これは明らかに安価な接合針の構造だ。

このカートリッジは90年代に調達したもので、カタログには「4面でカットされたダイヤのムク針」とあるし高価な価格設定からダイヤモンド無垢針が妥当だが、そもそも販売価格が6〜7割引と2春価格に近いものだったことを思えば実際のところはハッキリしない。

とにかく今更オリジナルは諦めて、今回は右画像のJICO製の交換針(シバタ針)を調達することにした。

組み合わせるヘッドシェルは1000ZE/Xが山本音響工芸製HS-1A(アフリカ黒檀)で、4000DIIIの方はHS-3(ツゲ材)を使用している。

音質の好ましい1000ZE/Xにはドライカーボンのスペーサーがシェルの上に挟んであるが、4000DIIIの方は新たに調達したカーボンシートのサイズが少し大き過ぎるので、シャルとカートリッジの間に取り付けた。


  

さて、新しい交換針に付け替えてカーボンシートを使用した4000DIIIは、先日試聴したものとは全く別物の響きを見せている。

やはり針先が既に寿命だったようで、これまで嫌と言うほど聞かされてきた評価のとおり、フレッシュでワイドレンジなとても心地の良い音だ。

1000ZE/Xと比較しても帯域が上方に伸びた影響で重心がやや持ち上がり、低域のにじみが消えて情報量の多いクリアな音質となっている。

LPを2〜3枚と聴き進むに連れて下ろし立ての針先が馴染んできたのか、低域の量感が増して中高域にキレが出てきた。


「そうだ、そうだ、この音質だよ」と納得してポップスの愛聴盤に次々と針を落とし、ニンマリと悦に浸っている。                              4/21

    

■ SHELTER


引きこもりオーディオ活動を継続中。

SHELTERは旧FRの技術者が1986年に立ち上げたアナログオーディオ専門メーカー。

今回導入したMODEL501Classicはアルミカンチレバーに丸針を装着したオーソドックスな構造のカートリッジで、販売開始は2007年頃のようだが現在でも品揃えに名を連ねているベーシック機種である。

丸針の名器として人気のあるDENON DL-103と比較されることが多いらしいが、現代版日本製カートリッジの音質を試してみたくなり購入することにした。

我が家にもDL-103/DL-103C1の2機種があるが、どうしても高域の潤い感や艶かしさを乏しく感じて、もっぱらOrtofonの楕円針を愛用している。

そのような音質傾向が針先の形状に影響されているとすれば、また同じ結果になるのかもしれない。

さて、組み合わせには今年度調達した現行Mofiのフォノイコに、昇圧トランスはDENONの時と同じくPeerless4722を使用することにした。

POPS&ROCKの愛聴盤を使用して慎重に針を落とすと、一聴して音数の多いワイドレンジな音質が感じ取れる。

音域的には中低域に重心を落としたバランスで、高域の質感がソフトなためか耳障りな音の一切しない心地良い音色が持ち味だ。

かといって高域が伸びていない訳ではなく、繊細感もありそれなりの情報量を持っている。

音場の左右の広がりと奥行きともに自然で、伸び伸びとした響きや余韻の美しさを感じることができ、DL-103とはかなり異質な音質に感じた。

製作に当たった技術者は鉛筆に例えると「2B」と喩えていたが、決して太いばかりの音質ではない好ましい響きを持っている。                           4/23

※追記・・・・・・・何気なく90年代のSTEREO SOUNDを眺めていたら、1995年/No.116にこのカートリッジに関する記事があった。

501TypeIIの試聴記で、「本機の姉妹機としてモデル501の針先を0.65milの丸針としたモデル501クラシックがある」との説明があった。

    

■ SHELTER MODEL501 Classic


引きこもりオーディオ活動を継続中。


昨日から試聴開始した新しいMCカートリッジ。

誇張された意図的な色付けを全く感じさせない、自然な音色がとても気持ちが良い。

ライブ録音を聴いていても、その会場の中に溶け込んでいるような感覚を味合わせてくれるカートリッジだ。

低域の押し出しに迫力があるとか高域にキレや艶があるという感じはしないが、なぜかほのぼのとした心地よさを感じさせてくれる。

清流のような滑らかさを持ったカートリッジで、オーディオ機器の存在を忘れさせるような味わいを持っている。

このナチュラルな感覚はとても貴重で、常用のカートリッジとなって使用する頻度が多くなりそうだ。                                      4/24

    

■ オーディオ工作室  「増設アームベース編」  

引きこもりオーディオ活動を継続中。

本日は、Nottinghamのプレーヤーに増設している「自作アームベースの改良に取り組む」の巻。

左がSHELTERを使用しているGRACE G-565ロングアーム、右は現在お休み中のaudio-technica AT-1503IIである。

これまではベースの底4カ所に振動吸収ゴムを貼り付けていたが、自重がそれほどでも無いためグラ付きがあり頼りなかった。

オーディオ用スパイクに交換するのが最も効果的かと思われるが、オーディオ用と銘打っただけで値段が大きく跳ね上がる。

そこで身の回りの金具で利用できるものはないかと考えたところ、棚板を固定するスクリュー式ダボを思いついた。

これなら高さの調整も可能だし強度も十分で、なんといってもコストが大幅に安くて済む。


早速、いつもお世話になっている近所のホームセンターで購入したのが、ダボのオス、メスとそれを埋め込むときに使うダボ錐ドリルである。

真鍮タナダボ メス(10個) \150
真鍮タナダボ オス(10個) \150
六角軸ダボ錐(10mm) \848
   
小計 \1,148
外税 \114
合計 \1,262


お値段の方は上記の通り、圧倒的なコストパフォーマンスで、2台分(8個)使用しても2個余ります。

オーディオスパイクなら1台分(4個)でも5,000円以上するのは間違いありません。

さて、作成手順は@ゴム製クッションを取り除き Aドリルで穴を開け Bダボ(メス)を埋め込む 、で小一時間ほどで完成した。

少しネジの遊びが大きいので高さを調整するのにコツがいるが、グラ付くこともなく十分使用可能なレベルではないだろうか。

固形のグリスなどを流布すればちょうど良い塩梅になるのかもしれない。

如何なものでしょうか?

場所さえあればアームの増設はそれほど難しくはありません。

Ortofon/SME/FRなど人気のアームは高価なので、格安で高性能なアームを吟味して使用しております。                     4/25

※追記

高さ調整のためタボを緩めた時に発生するネジの遊びについては、万能グリースを塗り込んでほとんど気にならなくなった。

さらにTAOCのボード上にアームベースを設置すると簡単に横滑りするので、手持のオヤイデのスパイクベース(4個/約1,600円)をダボの下に置いたところ、ベースがその分高くなるがコストパフォーマンス最高の理想的なアームベースが完成した。


  


メデタシ メデタシ。                                                                     4/26


    


■ 不思議なSHELTER


 


引きこもりオーディオ活動。

継続してSHELTERのカートリッジで楽しんでいる。

昨年試聴したKOETSU BLACKに似てハーモニーがとても自然で美しく表現されるが、こちらの方がワイドレンジでさらに滑らかさがある。

この辺はボロンカンチレバー+ラインコンタクト針とアルミカンチレバー+丸針の違いによるものなのだろうか。

また、光悦の時には感じなかったが、なぜかこのカートリッジで音楽を楽しみたいと思わせる不思議な魅力を持ったカートリッジだ。

POPS&ROCKなどではよく弾む低域の量感も十分だし、クラシックでは弦楽器のナチュラルな繊細感がとても心地よく感じられる。

それほど高価でもなくネット上にも愛用者からの投稿はあまり見かけない機種だが、十数種あるカートリッジのなかで特にお気に入りのものとなった。

4/28


    

■ GRACEのトーンアーム

引きこもりオーディオ活動。

GRACE(品川無線)はオーディオ関連の開発企業で、1980年代のCDの登場によりオーディオからは撤退するが、現在も会社自体は存続している。

特にNHK放送技術研究所と共同開発したMM型カートリッジのF-8シリーズや、工作精度の高いトーンアームは1970年代からオーディオマニアの憧れの的だった。

我が家でもこのGRACEとaudio-technicaのアームを愛用しているが、製造後半世紀近く経っても高い品質と音質の良さを維持しているのは驚きである。

それらのアームは21世紀に入ってから中古購入したものだが、選んだ理由がOrtfonやSME、FRなどの人気商品と比べ手頃な調達価格にあるのは間違いない。

さて、画像はG-545(F)ショートアームとG-565(F)ロングアームである。

後発のモデル番号末尾にFがついている商品は、4チャンネルレコード再生向け低容量シールドケーブルが採用されている。

ジンバル・サポート方式を軸受に採用した美しいフォルムも、音質だけでなく所有したいと思わせる大きな要因となっている。

工作精度の高さはこのウエイトのネジ一つからも窺える。


ピッチが昔のインチネジのようで簡単に換えが効かないのが困り物だが、ネジ先の白いストッパーは単純に接着してあるわけでなく埋め込まれる構造となっている。

こちらは2種類の純正フォノケーブル。

左が通常のケーブルで、右がモデル番号末尾にFがついている商品に付属している低容量シールドケーブルだ。

低容量シールドケーブルの方にはPC-4の型番がある。

この「低容量」というものがよく理解できなくて色々調べたところ、1970年に開発された4chステレオ(CD-4)の音楽ソフトに対応した、高い周波数帯域を減衰させないフォノケーブルのことだった。

さらに当時のようなMMカートリッジの全盛時には、カートリッジごとの負荷容量に環境を整えないと、高域が強くなったりすることがあったとのことだ。

MCカートリッジでは特に気にする必要はないらしいが、最近使用する機会の増えたSHUREやEMPIREなどの使用時には注意が必要だということになる。

SHELTERのカートリッジ購入後は、MM/MI/VL型などの機種はEMPIRE598で使用するようになった。

GRACEのアームではもっぱら軽針圧MCカートリッジを使用しているので低容量シールドケーブルの必要性はないはずだが、一度音質の比較をしてみることにした。

カートリッジには最近お気に入りのSHELTERを使用することにする。

まず、純正2種類のケーブル比較では、やはり後発の低容量シールドケーブルの方が若干レンジが広く、ワンランク上の印象を持つが基本的には同傾向の音色だ。

どちらも半世紀前の古い製品でどのような線材を使用しているのかは明らかではないが、OFC(無酸素銅)などの導体はすでに採用されていたのだろうか?

そんな訳で今回、オヤイデフォノケーブル自作セットにカルダスのM-DINプラグを使用して、新しいケーブルへの交換を思いついた。

(GRACEのフォノプラグの差し込みプラグは画像の通り、現在主流のメスではなくオスタイプなので、自作するしか新しくする方法はない。)

このオヤイデのセットで使用しているケーブルは102SSCの1芯シールド線で、この導体はEMPIRE980の内部配線材としても使用している。

流石に半世紀の間にオーディオ用として使用される導体も、進化を遂げているのは間違いないことが交換してすぐに感じ取れる。

不純物だらけの古いWE銅線をいまだにオーディオマニアが好んで使用している例はあるが、音楽性はともかく明らかに音数が増えクリアで力強い音質に変わった。

エンジンの馬力がアップしてスピードが時速から音速に変わり、シワだらけだったヨボヨボの老人がはち切れんばかりの肉体を持った若者に変身したイメージだ。

値段は安価なのでもう一本作り、Ortofon MC30シリーズを使用しているお隣のGRACE G-565Fも新しいケーブルに付け替えることを考えている。                         4/30


    

■ オーディオ工作室 「フォノケーブル編」


引きこもりオーディオ活動延長戦。

今日のテーマはMC型以外のカートリッジで使用することにした、EMPIRE598用フォノケーブルの作成である。

以前に何度か投稿させていただいているが、この1970年代のアメリカ製プレーヤーはアームをEMPIRE980に交換しており、アームの内部配線をプレーヤーキャビネットの後部ターミナルまで伸ばしてそこからRCAケーブルで配線できるように改造している。

これまではプレーヤーからSHURE M64フォノイコまでの配線はFUJIKURA RG-174/U(線間容量101pF/m)を使い、そこからプリアンプへはBELDEN8412(線間容量108.3pF/m)を使用していた。

MM型などのカートリッジではそれぞれの負荷容量に環境を整えないと高域が強調されるとのことだったので、フォノケーブルを線間容量の異なるCANARE2芯シールドケーブル(線間容量73pF/m)に交換してみることにした。

負荷容量に適応させるといっても、その範囲がカートリッジからフォノイコまでの全ての配線(リード線〜アーム内部配線〜フォノケーブル)と、フォノイコまで含まれるというから話がややこしい。

一般的なMM型カートリッジの推奨負荷容量は100〜200pFを指定しているらしいが、このカナレのケーブルは長さを考慮しても100pFほどである。

ちなみに先日製作したGRACEのフォノケーブル(102SSC 3398-SY)は、線間容量280pF/mである。

これがリード線やフォノイコまで含まれると一体どれぐらいの負荷容量になるのかは想像もつかないが、結局合わせてみるしかないとの結論に至った。

そんな訳で秋葉原の千石電商から部品を配送で取り寄せ製作を開始する。

今回選んだケーブルはThorensにも使用しているカナレの2芯ケーブルで、プラグは前回のGRACEと同様にスイッチクラフトの金メッキプラグを使用する。


    


左はプレーヤーとフォノイコを接続しているFUJIKURAの(MIL規格同軸)RCAケーブルで、右が今回製作したCANARE RCAケーブルである。

方向性は皮膜にプリントされている文字に合わせている。

一時間ほどで完成しEMPIRE1000ZE/X(静電容量100pF)で試聴すると、 ベルデンとは線間容量にもそれほど大きな差がないためか音質も大きな違いはないように聴こえるが、交換後の方が低域のにじみが消え見通しが良くなった。

しばらく聴いていると、ベルデン特有の滲み(よく言えば厚み)が消えた分、音場がすっきりしてそれぞれの楽器の分離が良くなったように感じている。

負荷容量の高いSHURE M44(450pF)ではまだ試していないが、問題が無ければこのまま使って行こうと考えている。                         5/10


    

■ 6AR6シングルアンプの試聴C

引きこもりオーディオ活動延長戦

依然としてクラシックを聴くときは、チューブ オーディオ ラボ さんからお借りしているシングルアンプを使っている。

整流管には英STC/CV717/5R4GYを使用していたが、最近になって高域の質感が滑らかで音色に温もりのあるGZ32/CV593に変更している。

一昨年トランスの寿命によりQUADIIの使用を諦めたときに整流管のMULLARD GZ32/CV593の大半を処分したが、エッチングコードが無く出所が分からない2本が手元に残っており、その内の1本を試してみたところなかなかの音色だった。

ブラウンベースにG.P.O.(General Post Office)の印字があり、構造からMULLARDブラックバーン工場製と思われるが、管壁のコードが消えてしまっている。

STC/CV717/5R4GYでは高域が少し平面的な音色となっていたが、ゆったりとした奥行きを感じさせてくれる鳴り方はまさしくMULLARDの響きそのものだ。

最近は老化のため聴力の衰えもどんどん進んでいるようで、日によってはカートリッジを変えてもあまり音質の差を感じなくなってきた。

若い頃には高域の鋭い響きによって頭が痛くなることがしばしばあったが、幸か不幸か最近はかなり長時間聴き続けないとこの違和感を感じなくなっている。

外出自主規制と同時に体育館の使用ができなくなり、4月初旬よりスポーツで体を酷使する機会がめっきり少なくなっている。

還暦後に再開したスポーツでの肉体疲労はかなり改善されたが、腕を振った時のボキボキ音と肩の痛みだけは整骨院に通ってもなかなか抜けなかった。

最近になって肩甲下筋のマッサージ動画がYouTubeに投稿されているのを発見し、試してみたところ長期間苦しんでいた肩の痛みがやっと引いてきた。

ランニングやウォーキングだけは適度に実施しているが、6月からは体育館通いを再開できないものかと考えている。                                 5/13


    

■ 新たに調達した真空管

ホームタウンの埼玉県は依然として外出自粛が解除されないので、引きこもりオーディオ活動延長戦が続いている。

真空管アンプとアナログレコードで音楽を楽しんでいるオーディオ愛好家は、真空管やカートリッジを替えることにより色々な音色を楽しむことができる。

そんな訳で真空管全盛期に各国で生産された音質の優れたTUBEを探し出し、その音色を楽しむことが真空管愛好家の楽しみとなっている。

今回調達したBRIMAR(STC)6060/CV4024(12AT7WA)は、1950年代後半から60年代初頭にかけて製造された黄色Tデカールの貼られた希少球だ。

昨年にUESUGI TAP-31を導入するまではECC81/12AT7の使用経験はなく、純正のPHILIPS ECGに加えてTELEFUNKEN ECC81◇を購入してあった。

そのTELEFUNKEN ECC81◇1本にノイズが混じるようになったので手頃なTUBEがないか物色していたが、同じダイヤマークの出物もあまり見かけないので、こちらのBRIMAR「Yellow T」に狙いを定めヤフオクにて落札した。

BRIMARは通常の1970年代に製造されたECC83を複数個所有しているが、特にこれと言ったクセのないナチュラルな響きが持ち味のTUBEだと感じていた。

それらと比較するとこの古い「Yellow T」は英国パートリッジのトランスが聴かせてくれた高域の美しい硬質感と、グッと締まった迫力ある低域を楽しませてくれる。

Telefunken801Sなどと並び称されると言うのも納得させられる音質ではないだろうか。

Chriskitプリアンプのライン段に使用しているMullard M8136/CV4003を少し増幅率の高いこちらのTUBEに変えると、低域がタイトに締まり高域の美しい輝きが俄然生きてくる。

想像以上にBRIMARの「Yellow T」は良いTUBEだ。


お次は手持ちの在庫が意外と少ない独SIEMENSブランドのE82CC/12AU7Aである。

SIEMENSは僅かにTriple-Mica E83CCをフォノイコEAR-834Pの初段で使用しているのみで、我が家では英Mullardの影に隠れたBRIMAR同様、♢マークの後塵を拝するブランド扱いとなっている。

この他に我が家のストックを見てみると、1980年代に調達した珍しいE82CCのシングルフランジのTUBEしかなかった。

Chriskitプリアンプで音質を確認してみたが、Mullard M8136/CV4003と相通ずる、ゆったり感のある滑らかで肌触りの優しい音質だった。

Chriskit MarkY CustomはパワーアンプSV-91Bと組み合わせ、GOODMANS 3WAYを使用して主にPOPS&ROCKを楽しんでいる。

今回の試聴でゆとりある優しい音質のMullard/SIEMENSより、エッジがはっきりしてゴリゴリ感のあるBRIMAR「Yellow T」を組み合わせることにした。    

5/20


    

■ 新たに調達した真空管 Part2

他県への移動自粛が徐々に緩和される中、新型コロナ感染患者が再び増加し始めている北九州市などの状況が心配だ。

さて、6月最初の投稿はまたしても真空管の話題。

これまでECC81(12AT7)系TUBEの使用経験はなかったが、昨年導入したUESUGI TAP-31に使われているので徐々にストックを増やしている。

プリアンプChriskit MarkYのライン段に使用されているTUBEをECC82からBRIMAR ECC81に変更すると、響きに実在感が出てきたのでこちらもECC81系に変更。

UESUGI TAP-31に付属しているオリジナル12AT7WCはPHILIPS ECG(シルバニア製)だったが、まず最初に最高峰のTELEFUNKEN ◇マークを調達した。

しかしこのTUBEの1本にノイズが出始めたので、新たにBRIMARの「Yellow T」を調達してこれをプリアンプに転用したところ好結果を得たというわけだ。

今回調達したのはBRIMAR/CV4024で、BRIMARの「Yellow T」より後に製造されたもののようだが、程度も良さそうだったので購入することにした。

購入後、早速HICKOK真空管試験機にて良否判定とGM測定を行い、さらに実機に装着してノイズなどの音質確認を実施している。                    6/2


    

■ MM型カートリッジのその後


先日、MM型カートリッジに合わせて線間容量の低いシールド線を使い、EMPIRE598用に新たなフォノケーブルを自作した。

その後、MI型EMPIREやVL型DECCA、MM型SHURE M44の各種カートリッジで試聴を続けている。

BELDEN8412を使用していた時にはEMPIREのカートリッジが最もバランス良く聴こえたが、交換後に聴くとなぜか腰高のバランスとなってしまった。

それとは逆にSHURE M44シリーズの音質が最もバランス良く響くようになった。

現在我が家にはSHURE M44のボディは3種類、前期カモメマークのM44GとM44E、後期型番のみボディのM44Gがある。

針は6種類、後期ガード付きのオリジナルN44GとN44-7、JICO製N44-7とN44G、KYOWA製N55E、スイスPfanstiehl製N44Eがある。

色々組み合わせてみて最も音質の良かったのが、画像のカモメマークM44Gに後期ガード付きオリジナルN44Gを組み合わせたものだった。

N44E/N55Eの楕円針ではキレが乏しく音質傾向が一挙に大人しくなり、逆にN44-7では少し乾いた荒っぽい暴れ気味の音質となる。

カモメマークM44Gに後期ガード付きオリジナルN44Gの組み合わせでは、このカートリッジの持ち味であるキレやパンチに響きの良さが加わって、これまで聴いた中ではMM型として最高の音質を楽しむことができた。

特にROCK系の曲種には相性がバッチリで、十倍以上の価格のMC型をも凌ぐ音質を味わうことができる。

今後このEMPIRE598ではこの組み合わせがリファレンスとなりそうだ。                                                           6/2 Part2


    

■ 塗装の不思議

MM専用で使用しているEMPIRE598(980アーム搭載型)プレーヤー。

SHURE M44の音質が気に入って、最近使用する機会がめっきり増えている。

今年の冬に徹底的にレストアして、再塗装を行った件はすでに投稿させていただいている。

その時に投稿した画像とアウタープラッターの色が変わっているのをお気付きいただけるであろうか?

実はシャーシやアウタープラッター用に選んだ塗料はオリジナルと同色のシャンパン・ゴールド塗料が見つからなかったので、アサヒペン「メッキ調スプレー/シルバー」を使用して、さらに保護の意味もありクリア塗装で上塗りしている。

最近、何気なしにゴムシートを取り外してみたところ、アウタープラッターの塗料が溶けてネバネバとシートに貼り付いてしまっていた。

塗装の乾燥が十分でないまま使ったのが原因かとも考え、今頃になって使用した塗料の説明書きを注意深く読んだところ、

※金属表面に金属粉を浮かして金属光沢を出すようにしていますので、乾燥後も手や衣服などが触れると金属粉が付着し金造光沢が損なわれます。

※外観が変わったりハガレを生じたりするので、クリアなど他の塗料を上塗りしないでください。

と記入されているが、色だけを考えていてこの注意書きなどは全く気にしていなかった。

アウタープラッターは手に触れると説明の通りシルバーの粉が手に付着するが、シャーシ本体は触れても全然問題もなく表面はクリア塗装でしっかりガードされている。


  


しかしこのプレーヤーに付属する上質なゴムマットは、製造後半世紀が経過しているにも関わらず未だに柔らかく光沢もあり、レコードを載せても吸い付くようである。

今度は念を入れてプライマーで下地処理を行い、プラモデル用タミヤ/ゴールドスプレーで塗装することにした。

さらにタミヤ/クリアカラーで表面保護したが、今回もしばらくすると一部塗料が溶けたようにベトついて、左画像のように所々ゴムマットに塗装が剥がれてしまっている。

しっかり乾燥させたつもりだがまだ十分に乾いていないのか、またこのゴムマットを載せると塗料との相性が悪くて溶け出してしまうのか全くわからない。

仕方なく薄い紙をゴムマットと同じ大きさに切って、右画像のようにゴムマットの下に挟んで使うことにした。

こうすればゴムマットが塗装面に接触することもなく、溶けることもないと考えたがいかがなもんでしょうか?                                    6/4


    

■ 続・塗装の不思議


なぜ本体シャーシの塗装は問題ないのにプラッターの塗装は溶けるのだろう?

この不思議な問題を解決するため、塗装についてあれこれ調べてみた。

そうしたところ、ターンテーブルマットの柔軟性を保つためにゴムに添加されている可塑剤が影響しているのではということが分かった。

この可塑剤が塗装面に付くと塗料が溶ける性質があるとのことで、だからシャーシ本体の塗装には問題なかったとの結論に達した。

そんな訳でこの可塑剤の影響を受けないクリアスプレーはないかとあれこれ探してみたところ、車用のCRCシャーシーコートクリアが使えそう。

早速、この水性コート材を表面に流布して使うことにした。

再び可塑剤の影響を受けると最初から塗装をやり直さなくなるので、プラッターとマットの間には紙を挟むことにした。                       6/7


    


■ 2台のGoodmans

有難いことにこの稚拙なHPの愛読者が少なからずいらっしゃることを、最近いろいろな場面で知るようになった。

掲示板やオークションを通じてなどで、記入した本人が忘れているのに以前の投稿にありましたとお申し出いただくと、苦労して作成した甲斐があるというものだ。


現在愛用しているGoodmansのスピーカー2台体制となってから早くも1年が経過したが、それぞれ全く不満を感じさせない音質を楽しませてくれている。

このAXIOM22MARKII(2WAY)とAXIOM150MARKII(3WAY)2機種を曲種別に使うようになってから、聴覚の衰えの影響もあるかもしれないがあまり音質に際立った違和感を覚えなくなった。

カートリッジや真空管の組み合わせによって音質の一部に不満を感じることはあるが、昔のように聴いているのが苦痛ということがほとんどない。

昔所有していたTANNOYのコーネッタ Monitor-Red IIILZは、エンクロージャーがもう少し大型で横幅が30cmほど広かった。

その当時のことを振り返ってみると気難しいユニットを手懐けるのに苦労して、単純に音楽に浸れたのはわずかな時間だったような気がする。

せっかく2台で楽しむならもっと音質の異なる、違ったメーカーのスピーカーを使い分けた方がいろいろな曲種を楽しめるのではと当然思う。

特にロックやポップスならアメリカ系の歯切れの良い音質を持つJBL/ALTECなどが楽しめるような気もしたが、実際に試してみると頭が痛くなってくるのだ。

たぶん音楽を聴く感性の根本的な部分でGoodmansが醸し出すこの英国の音質が肌に合っているらしく、低域が出る出ないや高域に繊細感があるやキレがあるなど曲種によって音色に若干の味付けを加えて使用している。

同じメーカーの2機種のSPにどれほどの音質差があるかというと、基本的な音質の色目や風合いは同質だがAXIOM22の2WAYでは高域が瑞々しくかつ甘く響く。

AXIOM150MARKIIと比較して低域のゆとりと高域の艶やかさが両立しているユニットだから、2WAYでの使用でその長所を最大限味わえると考えている。

一方、AXIOM150MARKIIの3WAYではスコーカーが加わることにより、クッキリとした持ち味に音の厚みが増し、奥行きやスケール感をメリットとして感じられる。

ツイーターはともに純正TREBAXを使用しているが、異なる真空管やカートリッジを組み合わせることにより、高域に繊細感を持った響きの2WAYと低域に馬力と高域にキレのある3WAYと言った具合に音色に変化を付けている。

主に2WAYではクラシックやヴォーカルものを、3WAYではPOPSやROCKなどの曲種を楽しんでいる。

しばらくはこの体制が続くものと考えている。                                                                                          6/10


    


■ オーディオ工作室 「MCトランス・ケーシング編」

本日は、WE-9450インプット・トランスのリケーシングを実施する。

これまでは某オーディオ専門店が製作したものをそのまま使用していたが、ベースの真鍮プレートがすぐ酸化して黒ずむのが難点だった。

MCトランスのケーシングはすでに5台目となり、今回もいつもの通りタカチのアルミケースを利用して製作することにする。

画像はすでにケースにドリルで穴を開け、プライマーで下地処理を施した状態。

内部配線材にはWE単線を使用して、悩みどころのRCAジャックはアムトランスさんから調達することにした。

当初はオヤイデさんの少し値段の高いロジウムメッキ仕上げを使用するつもりでいたが、どうしてもプラグの食いつきが甘いため方針変更する。

スイッチクラフトのジャックが一番安心して使えるが、別途絶縁ワッシャーを使用すると長さが足りなくなる恨みがある。


  


さて、ケースに直接塗装しても問題はないが、EMPIREの塗装で使用したプライマーがあるので念のために下地処理を施して塗装に入る。

今回もサビたまんまで塗れるカラースプレーを使い、仕上げにクリアスプレーでガッチリ塗装をガードすることにしよう。

内部配線についてもこれまで気に留めていなかったワイアリングの美しくさを考慮して、直線的な配線を心掛けている。


  


こんな感じに仕上がりましたが、いかがなもんでしょうか?

流石に工作室も回を重ねるごとにレベルが上がってきたようで、塗装やハンダなどの見栄えもよく我ながらなかなかの出来と満足している。

未使用のウエスタン22GA単線(錫メッキ・ゴム・紙巻)を使用したためか、音質が少しタイト気味になったような気がする。

こんな短い内部配線材についてもエージングが必要と言うことか?

前回製作したJs No6600との揃い踏みで、奥にはLangevin 408Aが収まっております。                                  6/17


    


■ 丸針の考察

ふっと考えてみると、最近になって丸針を使用する頻度がめっきり増えてきている。

以前はOrtofonやMCH-IIなどのラインコンタクト(楕円)針ばかり使用していたが、最近気に入っているSHELTERやSHUREは共に丸針だ。

昔からカートリッジの名機といえばOrtofon SPUとDENON DL-103がお決まりだったが、 小生の好みはDENONの丸針ではなくSPUの楕円針だった。

本日は平成のSHELTERと昭和のDENON DL-103丸針の音質の違いについて、試聴しながら比較してみることにする。

ステップアップトランスとフォノイコは共通でALTEC/Peerless 4722、MoFi Electronics Studio Phono2を使用する。

これまでDL-103については、90年代に購入した103C1や最近やっと購入したオリジナルタイプとも、あまり常用とする機会がなかった。

オルトフォンと比較すると全体的にタイトな印象で、響きが少ないところに大きな違いがあると感じていた。

低域の質感がオルトフォンでは「ボン、ボン」と鳴るところ、DENONでは「ガン、ガン」と響きの乏しい硬めの音色となり、高域の方もオルトフォンでは艶感や余韻を感じられるが、DENONでは直線的でやや押し出しの強いメタリックなものとなっているところが特徴だ。

派生モデルのC1の方は、上下とも帯域が拡大して音質にナチュラル感が出てややソフトな印象を持つが基本的な音質は同色である。

そんな持ち味がJazzなどの曲種では功を奏して愛好家を増やしているものと想像するが、クラシック愛好家にはこの直線的な高域は味気なく感じるだろう。

丸針についてそんな風に感じていたが、最近購入したSHELTER MODEL501Classicの響きがあまりにもナチュラルですっかり気に入ったのである。

再度そのSHELTERと同じアルミカンチレバー+丸針を採用したDENONを比べてみると、かなり音質傾向が異なるのを感じる。

DENONはこれまでの記憶とあまり異なった響きもなく、相変わらず硬い低域と直線的な高域が持ち味と感じられた。

SHELTERの方は響きの豊かさが美点となっており、さらに音の重なり具合「ハーモニー」がとても美しく表現されるカートリッジだ。

低域の質感も少しくぐもった乾いた感じはあるものの、「ボン、ボン」と楕円針に近い響き方をしている。

マグネットはSHELTERがネオジウムを使用しており、DENONはアルニコマグネットとのことなのだがこの辺りに違いがあるのだろうか?

そんな訳で、DENON DL-103の出番はこれまで通りあまり期待できない結果となってしまった。

DENON DL-103の丸針について色々調べていたところ、NHKと協同で放送用ステレオ・ピックアップの開発を実施するにあたり、その設計方針と構造の概略の中に  「ステレオ・レコードやモノーラル・レコードを共通のカートリッジで再生できること」との項目が含まれており、この内容を満たすために「針先球面半径を0.65ミルとした」との記事があった。

そんな訳で同じ針先構造を持つSHELTERについても同様の扱いが可能だろうから、モノラル盤にはこれらの丸針を使えば良いと考えている。    6/19


    

■ 新規アンプ導入計画(5) 「製作開始編」 


「待てば海路の日和あり」 「果報は寝て待て」 「石の上にも三年」 「急いては事を仕損じる」 「急がば回れ」 これぐらいでどうでしょう ?

企画立案後4ヶ月強を経て、遂にラボのK村さんから「手巻きトランスが納品されたので製作を開始します」との連絡が入った。

思い起こせばこの4ヶ月の間に、新型コロナウィルスの世界的な蔓延や実父の死去など、未曾有な出来事が起こっている。

さて、いよいよ待ちに待った新規アンプの塗装色や出力インピーダンスなど、電話にて諸々打ち合わせを行って希望内容を伝えた。

出力は8〜9Wになるとのことだったが、GOODMANSには十分な出力である。

お借りしている6AR6シングルアンプは、相変わらずなかなかの美音をたのしませてくれているが、このアンプを上廻る音質を期待するのは贅沢だろうか?

今後のために具体的な回路内容など、しっかりお伺いしておく必要がありそうだ。

完成を待ち詫びる日々も、いよいよあと僅かとなる。                                                                      6/26


    


■ 新規フォノイコライザー

いよいよ新規アンプの製作は回路構成もほぼ決定し、図面作成が終わってCAD外注にまで進んでいる模様である。

アンプ工房のK村さんや真空管博士のMさんなどのご尽力により、当初の構想では英国直熱三極管PX4を使用したシングルアンプ企画だったものが、独テレフンケンの球も楽しめるコンパチアンプにパワーアップしている。

いよいよもって、完成が待ち遠しい。

さて、本日は新規に調達した古いSHELTERのフォノイコがテーマ。

使用するプレーヤーにアームを増設したことによりフォノイコが足りなくなり、今年初めにパラヴィッチーニが監修した安価な現行フォノイコを購入して使用していた。

その後、新たに導入した丸針カートリッジSHELTER MODEL501Classicの音質が気に入り、組み合わせるフォノイコも純正タイプに組み合わせを変更することにした。

このSHELTER MODEL216 CR型フォノイコは、1995年〜2005年ごろまでロングランで販売されていた人気機種である。

キングオブアナログのパラヴィ翁が監修したMoFi Electronics Studio Phono2は、古いMarantz7真空管プリアンプに組み合わせると原因不明の発振が起こるなど組み合わせに無理があったようだが、こちらのフォノイコはそのような古いヴィンテージ機種にも寛容で相性も悪くなさそうである。

音場に厚みがあり豊かな響きが持ち味で、真空管機種と組み合わせても全く違和感のないものである。

フォノイコの入れ替えとともに、最近めっきり出番の少なかったNottingham INTERSPACE-ARMのLYRA Clavis.D.Cを、Ortofon MC-30Sに入れ替えてみた。

Clavis.D.Cは流石に情報量も多く切れ味鋭い音質が魅力となっているが、音がストレート過ぎて情感が乏しく感じてしまう。

以前このアームにOrtofon MC-30SUPERIIを組み合わせたときは、痩せた彩の少ない音質で今一歩納得できないものだったが、後継機種のMC-30Sではゆったりとした奥行きと高域の切れ味がうまい具合に調和していて、なかなか良い塩梅で音楽を楽しませてくれそうだ。        

やはりカートリッジはオルトフォンから抜け出せないでいる。                                         7/6


※追記・・・・・古いSTEREO SOUND(1995年/No.116)にこのSHELTER 216とカートリッジ501TypeIIの試聴記についての掲載があり、その姉妹機としてモデル501Classicの紹介についても記入されていたので、同時期に販売されていた組み合わせであることが分かった。


    


■ 組み合わせあれこれ

またまた東京のコロナ感染者数が右肩上がりに増加しており、隣接する埼玉や千葉の感染者数も同様の傾向にある。

3密(ソーシャルディスタンス)で感染を防ぐのにも限界があり、早くワクチンの開発が着地しないと経済が立ち行かなくなるのではと心配している。

さて、こちらはロングランを続けているEAR-834Pフォノイコライザー。

発売当初はECC83の3本構成だったが、最近では中国製コピー商品に対抗して、あまり聞き馴染みの無い13D16双三極管へ仕様変更となっている。

基盤上には依然としてECC83のプリントがあるので、我が家では3本ともECC83ヴィンテージ管に変更して使用している。

これまではOrtofon MC30シリーズと組み合わせ、パラヴィッチーニがデザインした内蔵トロイダルトランス経由でクリスキットのプリに繋いでいた。

先日、Nottingham INTERSPACE-ARMをMC30シリーズに組み替え、LYRA Clavis.D.CをEARのフォノイコ経由に入れ替えた。

響きが乏しくタイトに締まったClavis.D.Cの音質を少し滑らかにしようと、このフォノイコのTUBEを交換して試してみる事にしたのである。

これまではV2〜V3にMullard Short-Plateを、初段のみSIEMENS Triple-Maicaを使用していたが、これらをコクの出るMullard CV4004に変更してみる。

さらにクリスキットのライン段はBRIMAR「Yellow T」ECC81を組み合わせていたが、少しケバが立ち過ぎるのでバッファーをあまり出番の無かったナチュラルなBRIMAR ECC83に変更することにした。

これらの真空管変更により、なんとか意図する音色方向に改善された模様。

SHELTERのフォノイコとカートリッジの組み合わせはMarantz#7に繋いでいるが、製作者の意図する低音の太さが顕著となってまさしく「2B的音色」となっている。

太い音質が特徴となているだけではなく、結構細かい情報を拾ってくるのがこのカートリッジの持ち味だ。                                                  7/17


    

■ ORTOFON Erik Rohmann Signature

我が家では昔からOrtofonのSPUを愛用している。

その中で最も気に入っているのが1992年に1000個限定生産で発売されたSPU MEISTER GEで、磁気回路にはネオジウム・マグネットが採用されている。

その他にもオリジナルSPU-GEや復刻されたClassic GE、コイルに銀線を使用したリファインモデルのGOLD GEやネオジウム・マグネットのSYNERGYなどを使用して来たが、GOLDとSYNERGYは音色が気に入らずに放逐してしまった。

クラシックにはThorens MCH-IIの存在が見逃せないが、 MEISTERはあらゆる楽曲をオールマイティーに楽しませてくれる唯一のカートリッジだ。

またOrtofonのMC30シリーズを2機種(MC30SUPERII/MC30s)所有しているが、こちらは残念ながらヴォーカルなど限られた曲種での使用が常である。

さて、今回ご紹介するMC-ERはMEISTERと同時期の1991年に発売された500個限定生産モデルで、ネオジウムマグネットと発電コイルに7N銅線を使用し、ベリリウム製カンチレバーにファイン・ラインスタイラスの振動系が採用されている。


ボディーはMCシリーズと共有されていて磁気回路も1993年発売のMC30sと同等だが、音質の方はどちらかと言うと繊細な切れ味が持ち味のMCシリーズと違って、SPUのような低い重心と安定感を感じさせる音質バランスに仕上がっている。

MC30シリーズではどうしても腰の座った低域を求めるのは難しく、女性的で少し浮ついた音質が表現力の欠落につながっているように感じている。

その点こちらのMC-ERはSPU譲りの中低域の密度の濃さを持ち合わせており、POPS&ROCKを幅広く楽しませてくれるカートリッジだ。

MCトランスにはLangevin408Aを組み合わせているが、SPUと同じく絶妙の相性を見せている。

1998年発売で新技術を盛り込んだJubilieやその磁気回路と振動系を継承しているKontrapunktなども使ってみたかったが、2005年に発売された新世代のSYNERGYが期待外れだったので原点回帰する構図となった訳である。

これでMC30シリーズの方もお役御免となるかもしれないなあ。 7/28


    

■ 新規アンプ導入計画(6) 「シャーシ完成編」 


例年より長かった梅雨も明け、今度は打って変わって記録的な猛暑の夏を迎えている。

連日発表される新型コロナウイルスの感染者数は下降線を辿る気配もなく、東京や大阪などの大都市だけでなく地方都市での拡大傾向が恐ろしい。

さて、待ちに待ったアンプ製作の方も佳境を迎えている。         http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html

一度に3台ものアンプ製作に入り、ラボのK村さんもバテ気味なのではないだろうか。

塗装されていないので全体的な雰囲気が掴めないが、ケース左奥にはTSM Productsの手巻きアウトプット・トランスが配置され、左側縦に配置された初段管と中央の出力管の間にあるのが、真空管博士の説明にあった手巻き大型チョーク・トランスではないだろうか?

シャーシのほぼ中心にはバイアス切り替えスイッチがあり、これでRE604系のTUBEも使える事になった構図である。

ラボのK村さんから、「Rチャンネルのボリューム位置がトランスケースに近いので操作がしにくいです。アンプのボリュームは左右のレベル合わせに使って頂き、プリアンプで音量調整を行うようにして下さい。」とのご説明があったが、見たところでは特に問題はなさそうだ。


回路をご検討いただいた真空管博士の説明によると、このアンプの回路はクラングフィルムの回路も参考にしながら、無色に近く、ほんのりと薄化粧をしたような音質を目指したとのことだった。

美音系のPX4とスピード系のRS289に加えてRE604系の古典球が揃えられれば、Goodmansのシステムは1系統で済むかもしれません。

続く・・・・・・・                  8/10


    

■ 新規アンプ導入計画(7) 「出力管の点火方式」


経験のない遠い昔の戦争を彷彿とさせるような未曾有のコロナ禍で、連日発表される感染者や死亡者の夥しい人数に感覚が麻痺して来ている。

アメリカを中心とした中共制裁の行方とともに、一般報道では伝えられない中共内部の権力闘争にも注意が必要だ。

そんな世界情勢に目を奪われがちだが、猛暑に伴う熱中症死亡者数にも驚きが隠せない日々が続いている。

さて、ソーシャルディスタンスの影響により(笑)長らく待ち焦がれていたアンプ製作の順番が訪れ、益々ラボの新着・更新報告が楽しみとなっている。

昨日、ラボのK村さんからご連絡があった時に、素人ながら回路についていくつか質問させていただいた。

シャーシにハムバランサーが装備されているのを発見して出力管の点火方式をお伺いしたところ、直流点火方式を採用しているとのことだった。

この音質に深く関わるフィラメントの点火方式については諸説あるらしく、我が家で愛用しているSV-91BについてもY下先輩によって、ウエスタンアンプと同様の交流点火方式への改造が試みられているが、結局のところ前段のみ交流点火に収まり出力管についてはハムノイズの少ない直流点火に戻されている。

ラボのK村さんによると、確かに大規模映画館用のスピーカーを駆動するようなウエスタンの300Bアンプは全て交流点火方式を採用されており、SPと観客との距離が広ければ問題はないが、SPと近距離で対面する家庭用オーディオではどうしてもハムノイズの影響を受ける弊害があるとのことだった。

交流点火方式を採用した300Bアンプの音質は聴いた経験はないが、現在愛用しているこのSV-91Bアンプの音質には満足している。

点火方式により一番影響を受けると思われる高域には、美音とまでは行かないまでも適度なキレと繊細感があり、実在感のある中域とダンピングの効いた低域が大変好ましいバランスに仕上がっている。

新規アンプについては、真空管博士に考案いただいたプレートチョーク結合回路と、量販品では得られないK村さんの製作ノウハウによって、長らく続けて来たオーディオ道楽の最後のアンプになることを期待している。

特にこれまで経験のないコンパチアンプということで、数々の名だたる出力管が使えることは大きなメリットとなるだろう。

アンプ完成時には自前で準備したMarconi PX4のST管と、ラボさんから供給いただくTelefunken RS289の音質を楽しみながら、できればPX4系ナス管とROE604系のTUBEもコレクションに加えたいと考えている。                                           8/24

    

■ 新規アンプ導入計画(8) 「塗装完了編」


塗装が完了したことで、全体の雰囲気が見えて来た。

今回の塗装はグリーン系のハンマートーンで実施されており、高級感のある好ましい色だと感じている。

要となるアウトプット/プレートチョーク・トランスはアモルファス・コアの特注サイズのものを使用しているとのこと。

続く・・・・・・・。                                        8/25

    

■ 新規アンプ導入計画(9) 「パーツ取り付け編」


  


外装部品の取り付けが完了して全容が見えてきた。

入力端子などそれぞれパーツの質感も高く、堂々たる雰囲気を醸し出しているが、右後部電源トランス関連のブラック色が上手くアクセントになれば良いが・・・・・。

続く・・・・・・。                                          8/27


    


■ 新規アンプ導入計画(10) 「配線開始編」

中央2個のバランサー右側に出力管の直流点火回路を設置。

ゼネラルの電源トランス、出力管ソケットの上部にDALEのメタルクラッド抵抗が見える。

続く・・・・・・。                                                                  8/30


    

■ 激動の令和2年


未曾有の危機に直面している2020年(令和2年)も残すところ4ヶ月となるが、8月中旬頃からようやくコロナ新規感染者の減少が明らかなものとなってきた。

しかしウィズコロナの時代に入って人々の生活様式が一変し、ワクチン開発後のアフターコロナの時代には、肌をつき合わせた人と人との直接的な関わりからネットワークを通じた間接的な関わりへ大きく移行していくのではないだろうか。

20年ほど前から始めたこのホームページもコロナ渦のひきこもり影響を受けてか、3月頃から急激な訪問者数の伸びが顕著となって、7月にピークを迎えている。

特に直近の2〜3ヶ月はウクライナやロシアの複数の外部ページからのリンクが増加しており、原因が特定できずに不思議に思っている。

さて、今年2020年のオーディオの目玉は、なんといっても「新規アンプ導入計画」である。

2月の企画立案編から約7ヶ月が経過し、ようやく今月9月に着地完成の見通しである。

このコンパチアンプが導入されることにより、我が家のオーディオがどのように変わっていくのかが楽しみだ。                 9/1


    

■ 新規アンプ導入計画(11) 「配線途中編」

各トランスや基本パーツなどの配線が完了。

SPRAGUEの電解コンデンサーが取り付けられている。

RE604系使用時のバイアス切り替えスイッチ配線へと続く・・・・・・。                                                                  9/3

    


■ 新規アンプ導入計画(12) 「バイアス切り替え配線編」

出力管バイアス切り替え配線完了。

カップリングにWEST CAP、バイパスコンデンサーにはROEが採用されている。

完成まであと少し。

続く・・・・・・。                                                                  9/5


    

■ 新規アンプ導入計画(13) 「熱暴走トラブル編」

Telefunken RS289にてエージング中、直流点火回路のDCコンバータが熱を持つとのことで、出力管の点火方式が交流点火に変更となったようだ。

直流点火基盤を取り外して交流点火に切り替えるが、フィラメントハムも問題なく収まり完成に近づく。                    9/6


    

■ 新規アンプ導入計画(14) 「完成編」


点火回路の熱暴走トラブル修復後、出力管を入れ替えながら順調にエージングを進めている。

明日には我が家に到着予定。                                         9/7

    

■ PX4/RS289/RE604 コンパチブル・シングルアンプ


TUBE AUDIO LABO 6AR6シングル(手前)とPX4コンパチアンプ(奥)
PX4/ RS289/RE604コンパチブルアンプ

チューブ・オーディオ・ラボに制作をお願いしていたアンプを、わざわざK村さんが炎天下のなか新潟よりお持ち下さった。

当初は英Marconi PX4シングルアンプで依頼したが、ラボのK村さんや回路をご検討いただいた真空管博士の助言もあり、独Telefunken RS289(RV210)やRE604系の各種古典球も使用できるコンパチタイプに仕上げていただいた。

準備しておいたPX4に加えてラボさんからRS289を購入し、貴重なRE604は一旦ラボさんのストックをお借りして音質を確認後、真空管博士より調達予定である。

更にTelefunken RV210も試聴用にお借りしている。

Telefunken RE604

Telefunken RV210

Telefunlen RS289はプレートキャップの不具合により、再送していただくこととなった。


 


シャーシの塗装色にも高級感があり、全体的なサイズバランスも良好に感じている。

特にRE604ナス管を使用した時のグラマラスなボリューム感が非常に好ましい。

コンデンサーや手巻きトランスのエージングに2ヶ月ほどかかる予定なので、それぞれの出力管の試聴感想は追々アップさせていただくことにする。

本日短時間だったが、K村さんと動作確認がてらそれぞれのTUBEを試聴してみる。

どのTUBEを聴いても好ましく感じさせる音色の中で、特にウエスタン300Bを凌駕するというRE604のリアルな音質は素晴らしかった。


当初、電源トランスの上部に設置されていた出力管の直流点火回路が取り外されている。

交流点火方式での動作に変更した結果、電源投入時に「ブ〜ン」とハム音がするが、しばらく経つと全く気にならないレベルに収まっている。

K村さんのワイアリングはいつもながら美しく、仕上がりも上質で文句のないものだ。

K村さん、本日はありがとうございました。                                    9/8

   

■ コンパチブル・シングルアンプの音質/PX4編


まず最初は本命のMarconi PX4から試聴を開始している。

旧型ナス管(OSRAM)や同型管のPP3/250(MAZDA)の方が良かったのだが、高額となるため新型のドーム管ではなく音の良いST管を選択した。

当初予定通り、初段管にSTC CV1985/ECC35、整流管はCossor 53KUと英国勢で脇を固めて聴き始める。

数々の愛聴盤に針を落とし、一番最初に感じたのが音場から溢れんばかりのダイナミックな低域の響きである。

オケを聴いてるとキャンバスの隅々まで濃厚な下地を描いたように各楽器群が豪放磊落に響き渡り、半端のないゴージャス感を感じさせる。

音数の多さだけでなく響きにはコクがあり、ピアニッシモでの繊細感、音の重なりなどのデリケートな表現も申し分ない。

これまで使用してきたアンプとの一番大きな違いは、それぞれの楽器がクローズアップしてマクロ的に響かせる点である。

各楽器のパートが音場にはっきりと浮かび上がり、オペラでの歌声もこれまでの記憶より、舞台上で太く大きく堂々とした歌声を聴かせてくれる。

高域には刺々しさを感じさせず、英国機器の持ち味となっている硬質感のある明晰さが美しく、エージングが進めば更に柔らかさが加味されるだろう。

レコード中心に20時間ほど試聴を進めたところで、組み合わせる初段管や整流管を交換してみた。

前段はSTCで違和感なく落ち着いたが、整流管の方はCossorで感じられる弦楽器のコクのある飴色の響きが好ましいが、やや暴れ気味の音質となるため、落ち着きのある響きのRaytheon5U4Gを組み合わせている。

英国勢で固めたかったが、期待していたMullard GZ32では高域がヒリ付き気味で、低域方向の厚みも薄くなるなど現状では今一歩の結果だった。

エージングが進んで全体的に角が取れたところでCossorに戻そうと考えている。
現状では剛が優っている印象だが、アンプ全体にくまなく血が通い、柔よく剛を制するバランスに行き着いた時が短しみである。 9/10

   

■ 続・Marconi PX4

新作のアンプは完成した後、ラボさんの方でエージングを兼ね8時間ほどの試聴を済ませているとのことだった。

そのアンプが我が家に来て4日目、25時間ほど試聴を進めているが、愛聴盤に針を落とす度に驚きの連続が続いている。

PX4で試聴を開始して三日目ほどのところで、微妙な音質の変化が現れ始めた。

どうやらダイナミックな音場を形成していた原因は滲み気味な音質が影響していたようで、全体的に音像が締まり始めるとともに、少し重苦しく厚化粧気味だった音場に軽快感が出始め見通しが良くなって来た。

同時に太く大きく膨らみ気味だったそれぞれの音源が、ピントが合ったように小振りに聴こえるように変化している。

ここで再度、整流管をCossorに戻して音源に色彩感を加味するが、現在のところPX4にはこの組み合わせがベストのようだ。

新たなアンプを導入したシステムでは、Goodmans AXIOM22MkIIを使って、主にクラシックをアナログで楽しむことにしている。

カートリッジはThorens MCH-IIとOrtofon MEISTERを使用しているが、ともに長年愛用して来たMC型の名器だ。

MCH-IIでプッチーニのオペラを聴くと、昭和30年代生まれの方ならお分かりになると想うが、総天然色で映画を観たような趣で音楽が奏でられる。

MEISTERでは解像度が高いためか、そのような誇張した色彩感は薄らいで爽やかな自然な音場が形成されるのが特徴だ。(トランスはWEを使用)

オーケストラなど大編成の曲種では、各楽器の低音が床に反射してホールトーンが下方向に伸びるという、豪華絢爛な音質を聴かせてくれている。

特に中央左右に配置された弦楽器群が、厚みを持った帯状の合奏となってとても心地よく響く。

しかし、ソロ器楽曲の中でピアノなどは組み合わせるプレーヤー自体の音質影響を受け、これらのカートリッジも明暗を分けている。

フローティングタイプのThorens純正組み合わせは、重厚感あるグランドピアノの響きを聴かせるのに対し、リジットなGarrardシステムを使用したMEISTERでは、高域の煌めきが強すぎて若干腰高な印象を持った。

さて、明日からは次の出力管、ラボさんからお借りしているTelefunken RV210の試聴に入ることにしよう。                         9/12

   
■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RV210編


ラボさんよりお借りしたTelefunken RV210はオーディオ用の傍熱三極管である。

真空管博士の説明を借りると、「RV210はPX25並みの出力が得られる球ですが、今回のアンプでは軽い動作での使用となります。あまり高価な球ではないので面白い存在と思います。」とのことだった。

細身のTUBEはステムから上部がスモークガラスで覆われているため、内部構造を見ることができなくなっている。

この真空管に差し替えてアンプの電源を入れても、PX4の時のような「ブ〜ン」「グオ〜ン」という立ち上がりのハムノイズは一切しない。

出力の方はPX4とほとんど変わらないようだ。

PX4とその音質を比べると、このアンプの持ち味となっている「コクの深い音」には変わりはないが、少し色彩感が薄いような気がする。

もちろん耳で聴く“音”には目で識別する色は分からない筈だが、醸し出される音色が色をイメージさせるのである。

その反面、高域の繊細さと締まった低域に特長を持っており、なんとなくECC83ダイヤマークを連想させる音作りだ。

この出力管でドビッシーの「海」を聴いていると、ダイナミックな波のうねりの高さや大きさを如実に感じさせてくれるが、葛飾北斎の「富嶽三十六景」で描かれた景観が、鉛筆で描いた精密なデッサン画のような風情で聴こえてきた。

RV210のどこまでも冴え渡ったダイナミックな音質は、濃厚な色目の油絵を見るようなPX4の音質とは性格が全く異なっている。

弦楽器独奏では冷徹なまでに強い浸透力を見せるが、大編成モノになると少し粗めで調和を欠く傾向は、音の締まり具合の強さが影響しているのだろうか?

声楽のバリトンを聴いていても少し上擦った、腰高で神経質な歌声に聴こえる傾向があるようだ。

反面、ヴァイオリンやチェロソナタなどでは演奏者の技巧が花火のような煌めきでリスナーに訴えかけられ、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。

ドラマティックな曲目でもRV210の良さが明快となるので、ひょっとするとPOPS&ROCKなどの曲種にも向いているのではと感じた。

しかしこのTUBEの個性的で素晴らしい音質は、次に控えている同じテレフンケンRS289の期待度をさらに高めるものとなった。                        9/14

※追伸

真空管博士よりRV210の補足説明があった。

「RV210はプレート損失25Wの傍熱型三極管です。内部抵抗はとても低くWE300BやDA30と同じくらいです。WE300BやDA30より少し増幅率が高いので直線性は良好です。プレート形状を工夫して電極間の静電容量を低減しているので純三極管の中ではハイスピードな方です。音声信号を扱う様々な用途に使用されていたようです。(業務用アンプ・送信機のモジュレーター・有線ラジオ設備・電話通信設備)  

フルオペレーションですと7W近く出ますが、今回のコンパチアンプでは軽い動作で3W程度と思います。

RV210には弟分とも言うべきAD101という球があります。コンパチアンプではRV210同様PX4の設定で使用可能です。出力はRE604と同じくらいですのでRE604の傍熱バージョンと言えるかもしれません。

テレフンケン製の安価な球でRENS1374dという五極管があります。ST型の初期の球はメッシュプレートの外側にワイヤーリングによるシールドを施すという他に類を見ない構造をしています。出力は1W弱と小さいですが音質は良好です。PX4の設定で使用可能でお値段も@8000円程度です。」

ということだが、やはり真空管の神様である。

   

■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RS289編


いよいよ期待の送信用五極管Telefunken RS289の試聴に入る。

形状はRV210とほぼ同じだが、こちらはフィラメントの灯りや内部構造がはっきり確認できる。

真空管博士曰く、「RS289はテレフンケンが開発した送信管です。アメリカ型の増進管は高域に偏った音の球が多いのですがRS289は違います。三極管接続にすると極めて内部抵抗が低く素晴らしい低音を聞かせてくれます。物理特性はAD1やEdと非常に近くオーディオ専用管に全く引けを取りません。送信管特有の高域の抜けの良さを兼ね備えていますからとてもワイドレンジな球です。電極容量はとても小さく前段管の6SL7に優しい球でもあります。値段が安いのでスペアチューブの心配もありません。」と良いとこ尽くめな球のようである。

出力の方は僅かにRV210より小さいようで、電源投入時のハム音も一切無かった。

先に試聴したテレフンケンのオーディオ用傍熱三極管RV210は、個性的な正しくスペシャルTUBEだ。

低域の締まり具合や解像度の高さが際立っていて、切れ味の鋭い日本刀を思わせる音質が持ち味だった。

その反面、ゆったりとした響きや余韻を拭い去ったような音色が、大編成の楽曲になると温度感の低さとハーモニーの欠落を招いてた。

さて、今回のRS289の音質は、キレの良い高域はRV210の長所をそのままに、低域方向の量感を増した余韻も豊かなバランスとなっている。

大編成のオーケストラを聴いてもふくらみを持ったホールトーンを感じることができて、RV210ほど硬質な高域もそれほど苦にならなかった。

しかし一旦、豊かなホールトーンとブリリアントな響きを持ったPX4で大編成のオーケストラを聴いてしまうと、流石にこちらは少し物足りなく感じてしまう。

テレフンケンの2本を音質比較すると、個性的な音質はRV210に一歩譲るとして、トータルのバランスはRS289の方が優っているように感じる。

これらのTUBEを使用した時の音色がJAZZやROCKなどの曲種で問題が無ければ、もう1系統のシステムは役目が無くなってしまうのでは・・・・・・。

※真空管博士のRS289の補足説明。

「ある方はRS289で聞くとストラディバリとガルネリの違いが明瞭に分かると仰いました。これはRS289の解像度の高さのなせる業でしょう。

RS289は送信管ですから受信管より真空度が高いのです。更にはグリッドのプラス領域まで入力を加えますから動作時のピーク電流は相当なものになります。球自体は大きくはありませんがヒーターパワーはPX25やDA30同等であり豊富なエミッションを実現しています。

それからコンパクトな電極構造も見逃せません。送信管は電極間の静電容量をできるだけ小さくするためにプレートは小さい方が良いのです。電極間の静電容量が小さければ抜けの良いハイスピードな音が期待できます。これらのことを踏まえると低周波増幅使用時のRS289は非常に楽な動作をしているといえます。RS289の解像度が高いのは、高い真空度、豊富なエミッション、コンパクトな電極構造が寄与していると考えています。」   

9/17

   

■ 続・Telefunken RS289

新作アンプが我が家に到着して約10日、聴き始めてから35時間ほど経過している。

真空管博士の詳細な説明を伺って、ますますTelefunken RS289の完成度の高さを感じることとなった。

しかしクラシック系の小編成や弦楽器の再生に最適なTUBEだが、オケなどの大編成になると解像度の高さが災いしてか、臨場感の乏しい音質と感じていた。

そんな中、本日はPOPS&ROCKを中心に試聴を行なってみたが、予想通りこのテレフンケンのTUBEは、これらのタイトでパルシブな曲種にも適している。

特にエージングがまだ足りないのか少しマットな響きが気になるが、ドラムのタイトな響きやベースのボディに喰いこむリズム感は申し分ない。

別系統でPOPS&ROCKを聴く時に使用している、SV-91B→Goodmans AXIOM150MkII 3WAYより、よく締まった響きは心地よく感じられるようだ。

3WAYは低音の厚みや奥行き感はあるが鈍重傾向で、2WAYが持つ軽快感とよく前に出る音質傾向が影響しているのかもしれない。

前段や整流管を入れ替えて、このTUBEで大編成モノを聴けるようになるのなら、我が家のシステムは1系統で十分かもしれません。

しかし、異なる機器を使用して変わった雰囲気で音楽を聴いたり、真空管やカートリッジを色々変えて愛器に触れるのもオーディオの楽しみなので、無理せずにこのままのスタイルで参りましょう。

再びクラシックに戻って交響曲に針を落とす。

TUBE自体のエージングが進んだのか低域の量感も増してきたようで、少しボリュームを上げると澄み切った迫力のある表現力がなかなか良い塩梅だ。

しばらく聴いていると、ストレートで音質が厳しすぎる傾向はあるものの、オーケストラのフレッシュでドラマティックな表現も悪くないと思うようになってきた。

さて、いよいよ次は博士の説明で300Bを凌駕するというTelefunken RE604の出番となる。

ひょっとするとこのTUBEがRS289の音質の幅をさらに広げてくれるのかもしれません。 9/19

   


■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RE604編

いよいよ待ちに待ったTelefunken RE604の出番を迎えた。

このアンプを製作依頼するまでは、ウエスタン300A/OLD300Bなどの噂は良く聞いていたが、こちらの独製古典球については存在すら知らなかった。

真空管博士によると

「RE604は1933年〜1941年にかけて製造されたバリウム昇華型フィラメントの球が最高です。このタイプは酸化被膜フィラメントの最高性能を誇る300B以上の性能です。出力こそWE300Bに及びませんが動作における直線性においてはWE300Bを全く寄せ付けません。」

とのことだった。

試聴に使ったRE604はチューブ・オーディオ・ラボさんからお借りしている同タイプのTUBEだが、現在博士に調達を依頼しており、まもなくバリウム昇華型フィラメントの中期型と後期型の極上品が到着予定となっている。


 

このTUBEを使用する時は、出力管ソケット上部にあるトグルスイッチをRE604側に倒して使用することになる。

まずグリュミオーのヴァイオリンソナタから試聴を開始する。

聴き始めてすぐに硬質な美音を隈取るように立ち昇る鮮やかな色香を感じることになる。

解像度はこれまで試聴した2種類のテレフンケンTUBEよりさらに高まり、弦を抑える指がネック上で動く時に出る僅かな擦れ音も聴こえてくる。

先に試聴したテレフンケンTUBEの解像度の高さと硬質感は確かに素晴らしかったが、それが音質を冷たく感じさせる要因ともなっていた。

しかしこのRE604は高い解像力を持ちながら、その音質に暖かさや気品が感じられるのは期待以上の驚きである。

最初に試聴したPX4の音色はすでに忘れかけているが、先のテレフンケンTUBEとは格の違いを見せているのは確かだろう。

真空管博士やK村さんからその音色の素晴らしさを散散伺っていたが、この芳しい色気を持った音はこれまで聴いたことのないものだ。

ほっと胸を撫で下ろしてシュタルケルのバッハに針を落とす・・・・・・・。

さて、続けて聴いた交響曲のレコードは、セルがコンセルトヘボウを指揮した蘭フィリップス盤だ。

このレコードを数日前にPX4で聴いた時は、これまでコンセルトヘボウで聴いたことのない弦楽器群の左右の厚みに驚かされたが、こちらのRE604では各楽器の微動だにしない定位感とクローズアップしたようなリアルな音場再現が、想像以上の美音となって音楽を楽しませてくれている。

弦楽器のユニゾンや金管楽器の咆哮にすら刺激的な趣は全く感じさせず、申し分ない中低域の厚みは上質なホールトーンを体験させてくれる。

嬉しい誤算だが、今まで全く知らなかったドイツのTUBEが、英国の名球と呼ばれたPX4をも音質に於いて上廻っているのではと思わせるものだ。

これまで昭和の中学生時代からオーディオを続けてきて半世紀近くが経過している。

高校入学祝いで初めて手にしたのはパイオニアのトランジスタアンプだった。

その後真空管の音質の良さに目覚め、米DYNACO/Marantz、英QUAD、伊UNISON RESERCH、日LUX/ELEKIT/SUNVALLEY/Chriskit/UESUGIなど数々のメーカー製アンプを使用してきた。

プロ製作者によるオリジナルアンプでTANNOYオートグラフを駆動されているsigetaさんも、いかに優秀なメーカー製アンプより技術的な信頼を置けるアンプビルダーが、部品や回路に拘りを持たせて製作したオリジナルアンプの方が音質は優れているとおっしゃっていた。

当然のことながらメーカー製アンプは商品化して購入者に複数台販売されるが、使用されるパーツなどは特性にバラツキの少ない安全性を考慮した現行部品を採用する場合がほとんどで、完成後の品質確認についても人間の耳によるヒアリングではなく、機械を使用して標準化、平準化された特性を確認するのが大半だろう。

その点オリジナルアンプは、生産終了品や現行品に関わりなく音質の良いパーツを自由に選択し、ノウハウを持った技術者により確実な手作業で製作されている。

さらに複数台の商品化ではないから、完成後に同じ品質(音質)を求められる訳でもないので、1台1台の高音質化が計れるという構図だろう。

Y下先輩が大改造した半オリジナル91B型アンプの音質も素晴らしいが、我が家も結局このオリジナルアンプが終着点となりそうだ。

う〜ん、まさしく至福の時が続いている。                       9/20

   


■ 続・Telefunken RE604


Telefunken RE604を使用して二日目。

昨日の感動は本物かと未だに興奮気味の頭を冷やし、極力冷静な気持ちに立ち返って試聴を始める。

これまでの経験の中で、機器や部品を交換した当初はその音質の変化が「音が良くなった」と思い込み、後日聴いてみると前のほうが良かったということも度々ある。

電源を投入すると、PX4ほどではないが「ブ〜ン」とハム音がして、その後稼働時のフィラメントハムも気にならない程度に発生している。

前段のTUBEはSTCから変わりはないが、整流管をMullard GZ32から再びCossorに戻している。

この黒ベースのMullardは、エッチングコードが見当たらないためどこの工場で製造されていたものか分からないが、高域が上ずって低域も厚みが薄い。

今のところCossorが一番バランス感が良いように感じているが、今度茶ベースのSTCを試してみようか。

カートリッジは低域の量感が芳醇なフローティングのThorens純正組み合わせを使用していたが、交響曲などではOrtofon MEISTERの柔らかい響きも好ましい。

聴き始めの昨日は、ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器や、交響曲、オペラなどでその音質の良さに触れ、感激した記憶が脳裏に残っている。

早速その試聴結果を真空管博士にメールで報告したところ、次のような返信をいただいた。

「RE604気に入って頂けたようで安心いたしました。RE604は銘球と言われながらベストコンディションで鳴らしている人は少ないと思います。回路は私が基本設計を行いましたが配線材や半田を含めた使用パーツの絶妙な選定はK村さんの経験のなせる技でしょう。さらには私たちの無理な注文を快く引き受けてくださるTSM Productsさん手巻きのプレートチョークコイルとOPTの威力も絶大です。自画自賛になりますがこれまでのアンプの中でコストパフォーマンスは最高ではないかと思っています。私がアンプのコンパチ化をお勧めしたことを喜んでいただけているようなので安心いたしました。」

チューブ オーディオ ラボのK村さんからも久方ぶりにご連絡を頂いたが、RE604のバリウム昇華型フィラメントが音質の肝となっているのではとのことだった。

また、PX4にも初期型で音質の良いバリウム昇華型フィラメントのTUBEがあるとのことだったが、滅多に出てこないとのことなので聞かなかったことにしよう。

そういえば真空管博士も、PX4系出力管の頂点はバリウム昇華型フィラメントのナス型管で、その次はPP3/250最初期のニッケルプレートですとおっしゃっていた。

二日目に入り、この音色に耳が馴染んできたのか昨日聴いた新鮮な驚きは減ってきたが、初めて針を落とした愛聴盤の旋律でハッとさせられる驚きが続いている。

PX4では厚みとコクのあるゴージャスなホールトーンに驚かされたが、このRE604には高解像度に支えられた明確な定位があり、さらに響きも柔らかい。

半年以上待った甲斐もあり、このアンプの音色は素晴らしいとホッと胸を撫で下ろし満足感に満たされている。

今週は最近アンプを新調したとおっしゃっているsigetaさんが来訪されるので、この新しいアンプの評価が楽しみである。                          9/21

   

■ バリウム昇華型フィラメント RE604

青森の真空管博士より、待望のTelefunken RE604の他、お願いしていた数種類のTUBEが届いた。

チューブ オーディオ ラボからお借りしていたRE604は初期型と中期型だったが、こちらのチューブは中期型(1934/8)と後期型(1941/4)の組み合わせである。

スイスから取り寄せられた極上品とのことだが、博士の方でベースピンのハンダの入れ替えクリーニングを実施していただいている。

以前、SV-91Bで使用していた整流管(WE-274B刻印)が接触不良を起こし、ベースピンにハンダを流し込んで復活した経験があるが、古典球ではありがちなこのようなトラブルが起きないよう博士の対応も流石に万全である。


 


さらに博士お勧めの比較的安価な五極管Telefunken-RENS1374dと整流管のBRIMAR-5Z4G、その他今回のアンプに使用するわけではないが米GE12AX7 Long-Plateが手に入ったとのことだったので、こちらも2本ほど頂戴することにした。

我が家のストックにはGE12AX7/ECC83のShort-Plateは軍用を含め数種類あるが、淡白で少しボヤけた音質のためこれまで出番が全くなかった。

独テレフンケンにはLong-Plate(17mm)タイプしかないが、英ムラードでも後発のShort-Plate(14mm)より、1959年頃まで製造された初期型Long-Plate(17mm)の方が音質は良いので、米GEのLong-Plate(17mm)を一度試してみたかった。

RE604には長年灯が入っていないだろうから現在エージング中だが、博士のお話だと長期間未通電だった球には、直熱管で24時間以上が必要とのことだ。

エージング中の球がどのような経過を辿っているのかについて、以下のような博士独自の考察をご教授いただいた。

1.管壁や電極等からガス成分がイオン化して真空度が低下し始めガスによりIpは増加し始める。

この時点では音のフォーカスが甘く感じることが多いように思います。

2.球全体が十分に温まりゲッタが活性化すると管内ガスの吸着が始まり真空度が上昇し始めIpは減少傾向に転じます。

この時点のIpの減少はフィラメントやヒーターの性能が落ちているのではなく真空度の上昇によってガス電流が減少するためです。

3.管内ガスの吸着が完了すると再びIpは微増傾向となり、Ipの増加が止まればエージング完了です。

  この時点になると解像度が増し低音の締まり具合も良好となります。

球の状態にもよりますが、直熱管で24時間以上、傍熱管で36時間以上はかかります。

お付き合いいただいてまだ日は浅いが、真空管博士の知識には脱帽する思いである。

それぞれの音質評価についてはまた後日・・・・・・。                                              9/24

   

■ オーディオ定例会

本日はsigetaさんをお招きして、新作アンプの試聴会を実施した。

前回お越しいただいたのは、コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令される前の3月だったから丁度半年ぶりとなる。

その間にsigetaさんのシステムもプリアンプをリフレッシュされたようで、プロ用機器のグレードがさらに改善された模様である。

上の画像は、昨日真空管博士から届いたTelefunken RENS1374dと整流管BRIMAR 5Z4Gを用いた組み合わせである。

このメッシュプレートの傍熱五極管はTelefunken RS289のようなトップのプレートグリッド接続ではなく、ベースのピンにスクリーングリッドを接続する構造となっている。

真空管博士からの使用上注意点として、「SP端子の接続を既存の16Ωから8Ωに替えて使用することで、さらに締まった低域を聴くことができます」というものだった。

さて、新作アンプのプレートチョークの音質がどのようなものか、興味津々だったとおっしゃるsigetaさんのご感想は・・・・・・。

まず聴き始めの冒頭に一言、「変わりましたね〜。」

「古典球ということで何というかもう少し古臭い音をイメージしておりましたが、そんな感じは全くしません。」

「すごい世界に足を踏み入れたものですね。」

そんな驚きの言葉だった。

出力管はMarconi PX4から始まり、Telefunken RS289→Telefunken RENS1374d→Telefunken RE604の順に試聴を行う。

前段のSTC CV1985/ECC35→RCA5691に続いて、整流管のCossor→BRIMAR 5Z4G→KEN-RAD VT244→WE-274B刻印→STC5R4GYを次々に付け替えて試聴を続けるが、予想通りそれぞれのTUBEで大きな音質の変化を感じ取ることになる。

出力管ではPX4とRE604が大編成で音数の多さを発揮するゴージャス系、RS289とRENZ1374dがソロ系で強みを発揮するTUBEと意見が一致した。

あくまでも我が家の機器組み合わせでの場合だが、PX4よりわずかにRE604に音の深みが上廻るのではとの評価だった。

意外と音質の良さが確認できたのは、当方も昨日到着後ほとんど試聴を行なっていないRENS1374dだった。

テレフンケン特有の低域の締まりの良さに加え、柔らかな余韻もあって大編成のオケを聴いても無理のない自然な響きを感じとることができた。

前段ではやはりSTCの良さが光り、整流管ではCossorとSTCが双璧ではないか・・・・・・・。

アンプ自体の音質については、交流点火の音なのかプレートチョークが影響しているのか判断できないが、太い豪快な音がするように感じるとのこと。

出力管から前段や整流管まであれこれ入れ替えて音色を確認し、別系統のシステムで新たに調達したOrtofon MC-ERの音質も確認していただいた。

盛り沢山のメニューで、無駄話もなくあっという間に時間が過ぎる定例会となった。

アンプの基本性能が高いためか、TUBEを入れ替えるたびに比較的好ましい評価を頂戴したが、概ね当方が感じたものに近いものだった。

一方、オーディオで音楽を楽しむには問題ないが、原音再生視点で考えると実際の演奏会ではここまで豊潤な低音は聴こえて来ないとおっしゃっていた。

改めてsigetaさんご本人から試聴感想を掲示板にご投稿いただくことになっているので、本音についてはそちらを待つことにしよう。                   9/25


※追伸   sigetaさんから本日の試聴感想を、掲示板の方にご投稿いただきました。

             興味のある方はそちらもご覧ください。    ↓

     https://zawazawa.jp/bcjd0i1lnr55w007/topic/1


   


■ 2020年9月現在のシステム構成

ANALOG

AMP

SPEAKER
PLAYER
TONE-ARM
CARTRIDGE
MC-TRANS
PHONO-EQ
PRI
POWER
THORENS
TD-126MKIII
Centennial
SME
3010R/B
Thorens
MCH-II
ORTOFON
T-30

Marantz7
TUBE
AUDIO
LABO

PX4/RE604
Compatible
Single
Marconi
Telefunken

GOODMANS
2WAY
▼▼▼▼
AXIOM22MKII
+
TREBAX

GARRARD
401
audio-technica
AT-1501 II
ORTOFON
SPU
MEISTER-GE
Western
Electoric
KS-9450

Notthingham
Interspace-Jr

GRACE G-565/1
LYRA
Clavis D.C.
EAR 834P
GARRARD
401
audio-technica
AT-1503 III ORTOFON
SPU-GE
J's
No.6600

Chriskit
MARKY
Custom

SUN
VALLEY
SV-91B

300B
Single
TAKATSUKI


GOODMANS
3WAY
▼▼▼▼
AXIOM150MKII
+
MIDAX
+
TREBAX


Notthingham
Interspace-Jr

Interspace-arm
ORTOFON
MC-ER
Langevin
408A

Notthingham
Interspace-Jr

GRACE G-565/II SHELTER
MODEL501
Classic
PEERLESS
4722
SHELTER
MODEL
216
EMPIRE 598N
EMPIRE
980
SHURE
M44G

SHURE
M64

↑ ↑


9月に入り待望の新作アンプが到着したので、我が家のシステム構成はリニューアルすることとなった。

4台のアナログプレーヤーを使用して、MC型からMM型まで数多くのカートリッジで音楽を楽しませて貰っている。

最近はアナログレコードが復活して古い名盤がリカッティングされて発売されることも多く、傷のない新品で購入できるようになったのは嬉しい限りである。

もう少し広いオーディオルームで音楽を聴くことができないか常々考えていたが、大きな部屋でオーディオを楽しむのはそれはそれで大変らしく、12インチのSPを使用するならば、音響面で我が家の約8畳の広さはちょうど良いのかもしれない。

今年中はこの構図で古典球を各種楽しんでゆくつもりである。                                          9/27

   

■ 2つのTelefunken

Telefunken RS289

Telefunken RENS1374d


我が家で試聴するソースは約50%がPOPS&ROCKで、クラシックが40%、その他10%程度の割合となっている。

新作アンプは出力管を挿し替えることで、これらの曲種をほとんど無理なく楽しむことができる優れものだ。

クラシックは主にMarconi PX4とTelefunken RE604を使用し、POPS&ROCKやソロ楽器はTelefunkenの2種類のTUBEを使用している。

新作アンプの音質を料理に例えるとアクセントの効いた関東風の味付けで、優秀なアウトプットトランスの影響かシングルアンプに関わらず重心が低い。

特にこれまで使用してきた各種アンプと2WAYの組み合わせでは、音場密度がやや希薄で柔かな浮遊感を感じさせるのは良いが、音質自体が軽い印象があった。

その点今回の新作アンプでは、重心が落ちてどっしりとした安定感があり、さらにコクと豊かな響きを併せ持った音質が最大の長所となっている。

特にPX4を使用した時は濃厚さが増して豚骨ラーメンのようなコクの深さが出てくるが、RE604はさしずめ風味豊かな味噌ラーメンといった趣である。

それに比べるとテレフンケンのRS289/RENS1374dは、すっきりした爽やかな喉越しを生かした塩ラーメン的な音質である。

同じ塩ラーメンのカテゴリーではあるが、RS289は細麺のストレートタイプでRENS1374dの方は縮れた太麺の図太さを感じさせる違いがある。

このRENS1374dは先日の定例会に於いてもsigetaさんから高評価をいただいたTUBEで、暖かくなるまでは実力を発揮しない寝起きの悪さはあるが、持ち味のパンチの効いたダイナミックな音色はROCKなどのパルシブな曲種にも抜群の相性を見せている。

何となく音のニュアンスをお分かりいただけたのではと勝手な解釈をしているが、ラーメンは嫌いであまり食べてことがなく、味がよく分からないとおっしゃるオーディオ愛好家の方にはお許し願いたい。

そんな訳でコンパチアンプの利点を味わい始めているが、このアンプと軽量コーン紙を使用した12インチGoodmans2WAYを組み合わせることで、オールジャンルの曲種を楽しめるシステムとなりそうだ。                                   9/29

   

■ レイアウト変更


コロナ禍という未曾有の危機に直面した2020年も、残すところあと3ヶ月となった。

海外では感染者の増加に歯止めが掛からない国もあり、早急なワクチン開発が待たれるところである。

さて、我が家のオーディオは先月末の2日間を利用してレイアウト移動を敢行し、思い切ってシステムを一系統に集約してみた。

これでしばらくSV-91BとGOODMANS 3WAYの組み合わせは、別室で待機してもらうことになる。

気分を変えて違うカートリッジの音質を楽しむのも良いが、アナログが7系統あっても結局いつも使用するカートリッジは決まってくる。

そんな訳でアナログの方も、Marantz7で3台のフォノイコとともに使用できるカートリッジを5系統に絞り込んだ。

音質の肝となるAXIOM22MKIIのエンクロージャーは音質が良いと言われている進工舎製を使用しており、ツイーターは純正のTREBAXを組み合わせている。

ある意味セオリー通りで以前と同じSP配置に戻した構図だが、SPの中心から中心までの間隔は220cmとレイアウト変更前より若干広くなった。

嫁殿と老夫婦二人で一系統のシステムを別部屋に運び出し、新たなレイアウトに配置が完了するだけで丸一日がかりの作業となった。

おまけに久しぶりの肉体労働がたたって夫婦共々腰痛に悩まされ、近所の極楽湯に湯治に行く羽目となってしまった。

(特にSV-91Bは送信管用の大型アウトプットトランスを採用していることもあり、24kgもあるヘビー級アンプだ。)

<2020年10月からの新たなシステム構成>

ANALOG
AMP

SPEAKER

CARTRIDGE
TONE-ARM

CARTRIDGE

MC-TRANS

PHONO-EQ

PRI

POWER

THORENS

TD126MKIII

Centennial

SME

3010R/B

Thorens

MCH-II

Ortofon

T-30

Marantz7

TUBE

AUDIO

LABO

PX4/RE604

Compatible

Single

Marconi

Telefunken

GOODMANS

2WAY

🔻🔻🔻

AXIOM22MKII

TREBAX

GARRARD

401

audio-technica

AT-1501/II

Ortofon

SPU

MEISTER-GE

WESTERN

ELECTRIC

KS-9450

audio-technica

AT-1503/III

SHURE

M44G

SHURE

M64

Notthingham

Interspace-Jr

Interspace-arm

Ortofon

MC-ER

EAR845P

GRACE

G-565F

SHELTER

MODEL501

Classic

Peerless

4722

SHELTER
MODEL216

さて、やっと機器の移動や配線も完了して試聴に入る。

アンプ完成から半月以上が経過してその音質にも徐々に慣れ、TUBEごとの特徴もおぼろげながら掴めるようになってきた。

これまでと使用している機器に変更はないが、SPケーブルWE16GAが少し寸足らずなため、先日sigetaさんから頂戴したヴィンテージWE線をSP側に加えている。


SP間に物が無くなって空間に広がりが出たためか、響きに窮屈さが無くなり壁一面に広がる音場がとても心地よいものとなった。

さらに音場に漂う微妙な雰囲気も感じられるようになるなど、見通しが良く透明度の高い音質に改善された模様である。

その影響か若干高域の切れ味が増したように聴こえ、弦楽器の柔らかい響きがやや薄らいだようにも感じる。

ツイーターのレベルを調整するなどして、今後は愛機たちにもこの新しい環境に馴染んでもらうことにしましょう。                10/1

   

■ ルームチューニング

レイアウトを変更しただけなのに、結構出てくる音のニュアンスが違って来ている。

今回のレイアウトは3m×3.6mの長方形短辺にSPを配置しており、これまで長辺に2セット置いていた状態と比較して内側AXIOM22MKIIのSP間隔は広がっている。

低域の響きが増したのは良かったが、高域の質感が硬くシャープなものとなっている。

組み合わせている機器にほとんど変更はないが、置き方を変えることで部屋自体の響きが違ってくるのだろうか?

それとも部屋の音響特性を改善するために使用している「卵トレー」を、今回の変更に合わせSP間の天井部分に追加したのが良くなかったのかもしれない。

このトレーを最初に試した時も、枚数が多すぎるとコントラストが強くなりすぎて聴き疲れする傾向があったのを思い出した。

そんな訳で追加したSP間天井部分のトレーと、左右側面カーテン上部に設置していたトレーの天井部分も撤去することにした。

その結果、直線的な音質に柔らかさが出始めて、なんとかバランス上の問題が改善されたように感じている。

チューブ オーディオ ラボのK村さんから、古いWEトランスで使用されていた線材とnassauのハンダを分けていただいた。

このハンダはプラグのホットに馴染ませるだけで結構音質が改善されるとのことで、我が家のWE昇圧トランスにこの線材とハンダを使用して内部配線をやり直した。

いつも使っているKESTERに比べて綺麗にハンダを乗せるのが難しく、当方のような下手くそな初心者が使用するのはなかなか難しい物だった。

うまく乗らずに何回か接触不良を起こしてやっとのことで音出し完了するが、ヘボなハンダ付けでは逆に音質が悪化するのではと心配になる。

そんなこんなで当分の間は調整の日々を過ごすことになりそうだ。

そろそろ新作アンプのエージングも終了して落ち着いてくる頃合いではないだろうか。                                   10/2

   

■ 多国籍混成アンプ

新たなレイアウトで連日試聴を続けている。

本日は出力管に独Telefunken RENS1374dを使い、前段に旧ソビエト軍用MELZ/6N9S、整流管には米軍用SYILVANIA/VT-244といった強力な布陣の組み合わせ。

いろいろ試聴した結果、ロックに限っていうとこのテレフンケンの五極管がベストと感じている。

これまで使用して来たプッシュプルアンプと比較しても、締まったドラムや太いベースが2〜3割パワーアップして轟くところが素晴らしい。

一緒に聴いていたメタル好きの嫁殿も、若かりし1980年代昭和の愛聴盤を聴いて、これまで気が付かなかった音が聴こえるようになったと喜んでいる。

RS289の解像度の高いゾリゾリ感のある高域も素晴らしかったが、こちらのTUBEは低域の量感と太さで優っている。

この出力管の音の太さや締まり、広帯域なバランス感は安定していて、前段や整流管を米・英など他のTUBEに入れ替えても大きな影響を感じさせない。

整流管のSYILVANIA/VT-244は相変わらず蛇口全開のじゃじゃ馬で、MELZ/6N9SはRCA/5691赤ベース同様、音質がクリアな反面やや硬さがある。

鬼門のクラシックは、バランスの良かったPX4の高域に少し違和感を感じているので、もう少し前段や整流管の選別にも時間が掛かりそうだ。

チューブ オーディオ ラボのブログでは、新たにフォノイコライザーの試作情報が掲載されている。

なぜか同じタイミングで使用しているSHELTERのフォノイコに片chの音が出ない接触不良が発生し、直るか分からないがとりあえず修理に出している。

なんかタイミングが良すぎるな〜(笑)                                   10/3

   

■ POPSに最適な組み合わせ

お次はPOPSやボーカルなど、少し大人しい曲を聴くときの真空管の組み合わせについて・・・・・。

やはり出力管については、最もスタンダードなMarconi PX4の出番となる。

今回こちらのTUBEに入れ替えて試聴してみると、レイアウト移動後初めて音質を確認した時に感じた違和感は嘘のように消えている。

レイアウト移動による音質の変化に耳の方が当初違和感を憶えたのか、それとも試聴を続けるうちに徐々に機器が新しい環境に馴染んできたのかどちらだろう?

ROCKに最適なTelefunken RENS1374dに比べ、こちらは温度感がグッと上がって響きの優しい安定感のある音質となるが、打楽器のドラムではチューニングキーを緩め気味でベースも少し太めの音質に変わるなど、それぞれの楽器の音質にも変化が現れている。

ROCKに最適なTelefunken RENS1374dの特筆すべき音質特徴は、音の締まりと解像度の高さにある。

その一例として、この出力管で80年代にヒットしたデュエットのバラード曲を聴いた時、これまではSP間中央部分からそれぞれシンガーの歌声がぼんやり聴こえていたが、初めて左右に並んだ状態(女性左側、男性右側)で定位し眼前に浮かび上がった。

一方、Marconi PX4の全体的な特徴は、低域から高域までのバランス感の良さに加え、奥行きを伴った臨場感のある優しい響きではないだろうか。

音の固さが薄れて柔軟性が出る分、肌触りの良い上質な響きが加味されるように感じられる。

そしてこの出力管には前段のSTC CV1985/ECC35に加え、整流管にはBRIMAR/5Z4Gといった純英国勢のサポートがふさわしい。

この組み合わせは最もノーマルかつ全方位的な音質バランスを兼ね備えており、全てのジャンルに於いて音楽を破綻なく楽しませてくれるものだ。

さて、ここまではほぼ順調にそれぞれの曲種で満足感を得られる音質を味わうことができた。

いよいよ最後に残ったのはクラシックである・・・・・・。                                                   10/6

   


■ クラシックに最適な組み合わせは?

Marconi PX4

Telefunken RE604


いよいよ最終関門のクラシックを検証する・・・・・。

これまでの試聴で、長年使用して来たプッシュプルやシングルアンプを凌駕する音質をこの新作アンプはもたらしてくれている。

ROCKやJAZZなどの曲種には音の締まりとキレが要求されるし、POPSやボーカルなどでは心地よい音の温もりと響きの美しさが必要だ。

しかしクラシックになると少し話はややこしく、コクのある弦楽器の胴鳴りや湿り気のある肉声の響き、ホールトーンを感じさせる残響など要求が多岐に渡る。

まず最初にオールマイティーなPX4を試してみると、前段や整流管などPOPSと同じ組み合わせでは音が少し鈍重傾向となり、抜けや見通しが今一歩に聴こえる。

整流管をCOSSOR/53KUに換えると粗かった高域に細やかさが加わって低域の響きに軽快さと躍動感が出始め、持ち味のブリリアントで硬質な輝きが生きてくる。

オペラやコンチェルトなどでは歌手の肉声やソロ楽器が音場にクローズアップされ、オケとの融合がとても気持ちの良い相乗効果を醸し出している。

この組み合わせで1950年代に録音されたオペラの英EMI/ASD録音盤などを聴くと、最高の気分を味わうことができそうだ。

一方、80年近く前に製造されたバリウム昇華フィラメントのTelefunken RE604はどうだろう。

このTUBEは古典球を愛してやまない真空管博士やアンプビルダーのK村さんから最高の評価を得ており、レイアウト変更前に実施した定例会でもshigetaさんからPX4を超えるのではとの感想を伺っている。

2本とも同じ昇華型フィラメント構造だが、全体形状は画像左の後期型が僅かに背が高くなっている。

高域の繊細感に優れ、抜けの良さが持ち味の整流管COSSOR/53KUを組み合わせたPX4では、豪華絢爛に響く高域がやや派手な音質を見せていたものが、このTUBEに換えると重心が下がって雄大ないぶし銀の音質バランスに表情が変わってくる。

同じテレフンケンのRS289/RENS1374dはやや温度感が低いが引き締まったストレートな音質が持ち味となっていたが、こちらのTUBEでは光の当て方によって色目が変わって見える肌触りの柔らかいビロード地を想わせるような奥深い音色が味わえる。

さらに整流管を前段と同じブラウンベース英STC CV1985/ECC35に交換すると、繊細感が増して重厚感がやや薄らぎ、音質に見通しの良さと軽快な躍動感が出て来るなど全く甲乙付け難い選択となる。

どちらにしてもPX4ほど絢爛豪華に響くリッチな趣きはないが、回転数を落としたような重厚で渋い音色傾向を持っており、オケの弦楽器群のユニゾンが心地よくほぐれて特に鳴り終わった後の余韻がとても美しく聴こえる。

やや帯域は狭いが、高域の豊かな余韻や中域の濃厚なコクともに申し分なく、予想通りクラシックにはRE604が最適なTUBEと確認できた。

新作アンプが我が家に到着してからほぼ1ヶ月が経過している。

いろいろな曲種を試聴したが、このコンパチアンプは各種古典球を使用することで、幅広いジャンルの曲種を満足ゆくレベルで楽しめるものだ。

真空管博士によるとRS289/RENS1374dのように、あまり市場には出ていないが音質の良い古典球がまだまだ存在するとのことなので、今後はそれらのTUBEの音質を楽しんで行きたいと考えている。                                             10/8

  

■ 5系統に絞り込んだアナログの楽しみ方


この半月の間どっぷりと試聴を続けた結果、コンパチアンプを使った音楽ジャンルごとの楽しみ方も理解できるようになってきた。

現在主力ソースのアナログはSPシステムを縮小した結果、5系統が使用可能となっている。

Marantz7に装備されたフォノイコ入力を使用しているのは、WE-KS9450でステップアップするOrtofon/MEISTERとJ'sトランスを内臓したOrtofon/T-30で昇圧するThorens/MCH-IIのMC型カートリッジ2機種である。

カートリッジの中で最も使用する機会が多いのがOrtofon/MEISTERで、クラシックをメインにほぼオールジャンルで活躍している。

幅広いジャンルに対応するMEISTERに比べ、MCH-IIはクラシック専用のカートリッジとなっている。


Ortofon SPU MEISTER GE

Thorens MCH-II


最も使用頻度の高いMEISTERの音質にとても似ているのが、発売年代の近いOrtofon/MC-ERだ。

こちらのカートリッジは現在EAR/834Pのフォノイコを組み合わせており、ステップアップもパラヴィッチーニ翁ご自慢の内蔵トランスを使用している。

MEISTERと同様に、馬力のあるブリリアントでリッチな響きが楽しめるため、主にPOPSで使用することが多い。

Ortofon MC-ER

SHELTER MODEL216/EAR 834P

ROCK専用に使用しているのが、フォノイコSHELTER/MODEL216+SHELTER/MODEL501ClassicとSHURE/M64+SHURE/M44Gの純正組み合わせだ。

最もガツンとパンチが効いて弾ける音を聴かせるのがMM型SHURE/M44Gで、SHELTER/MODEL501Classicはこれに重低音の豊かな響きが加わる。


SHURE M44G

SHELTER MODEL501 Classic

どの組み合わせを聴いていても、これまで気が付かなかった音にハッとさせられるのは、アンプの基本性能が優れている証ではないだろうか。

レコードに針を落とすたびに、自然とニンマリとした笑顔になってくるのが分かる。                             10/10

■ Telefunken RS vs RENS

現在のところROCK&POPSを中心として、最も出番の多いのがTelefunken RENS1374dだ。

RS289と同じ五極管だがRENSの方は低域の量感が増えて、やや中高域に持ち上がった軽めの音質バランスが改善されているように聴こえる。

このRENSを使用する時は真空管博士から使用上の注意として伺った通り、SPインピーダンスを16Ωから8Ωに接続変更して使用している。

先日博士と電話で情報交換していた折に、低域の音質の違いはSP端子の変更に影響されているのではとの話になって、同じ条件で再検証することにした。

そんな訳でRS289を使用するのは久しぶりとなるが、SP端子をRENSと同じ条件の8Ωに接続して試聴を開始する。

以前試聴した記憶と違って中高域が乾いたマットな音質となり、持ち味の切れもやや薄らいだようで、低域の量感や広がりも期待したほど感じない。

結論としてこのRS289を8Ω端子で使用すると、最大の利点だった高域の解像度も低下してあまり魅力のない音質となってしまうようだ。

再びRENSに戻すと、高域のゾリっとした切れ味と低域の押し出し、ダンピングの効いた躍動感とも申し分なく、やはり我が家のコンパチアンプにはこの豆タンクのようなフォルムをしたRENS1374dの方が相性が良いことを再確認できた。

RS289

RENS1374d


いよいよエージングも終盤に近づいて、ますます本領を発揮して来た模様。                             10/12


■ Telefunken RENSの可能性

整流管各種
6SL7系初段管各種


コンパチアンプに古典球を使って試聴を繰り返した結果、ROCK&POPSなどのジャンルではRENS1374dが最も相性の良いTUBEと感じている。

流石にクラシックではPX4やRE604など銘球の音質が優っているが、先日ROCK盤を楽しんでいたそのままの流れでクラシック盤に針を落としてみたところ、エージング効果も出て来たのか当初不満だった低域の広がりや量感をそれほど問題なく感じるようになった。

その反面高域の潤いや艶感に物足りなさがあり、細部に渡る描写力は十分に感じられるものの、やや乾燥した音質が影響しているのかもしれない。

そんな訳で基本的な音質には問題ない訳だから、初段管や整流管の変更により細かな表現力が改善できないか試してみることにした。

音質に影響力がより大きいのは整流管の方だが、高域の質感となると初段管での改善も見込めるのではないか。

初段管では音の輪郭や表層的な部分に違いが現れるが、整流管になると根本的な音質バランスが使用する真空管によって変わるようだ。

現在初段管6SL7系のストックは、英STC ECC35の他、米RCA5691/ RCA6SL7GT(スモーク)、 米RAYTHEON5691、旧ソビエト MELZ/6N9Sがある。

整流管は英Cossor53KU/Mullard GZ32(CV593)/STC5R4GY、米KENRAD VT-244/SYLVANIA VT-244/RAYTHEON 5U4Gなどである。

これらを各種組み合わせて試聴を行い、音質改善が計れないものか試してみることにした。


その結果、前段にRCA5691(赤ベース)と整流管にCossor53KUを使用する組み合わせに落ち着いた。

じっくり腰を据えてクラシックを楽しむ時はPX4やRE604を使用するが、気軽に音楽を聴く時はこの組み合わせでオールジャンルが楽しめそうだ。

しばらく聴いていると、オーケストラの立体的な音場がとても好ましく、弦楽器の繊細な響きもなかなかのものでこれはこれで魅力のある音色である。

10/16

■ 新たな整流管

ZENITH/Super Silvertone 5Y3G(Raytheon) / DARIO GZ32

Silvertone(Ribbed Plate)/ZENITH(Smooth Plate) 5Y3G


青森の真空管博士からまた魅力的な整流管が送られて来た。

博士のお宅には3000本近いTUBEストックがあるとのことで、真空管マニアには応えられない桃源郷のような場所と勝手にイメージしている。

以前送っていただいたBRIMAR-5Z4Gは残念ながら、先日電源を投入した際に管内にポンポンと花火のような火花が散って昇天してしまった。

RENS1374dのような小振りのST管と組み合わせるには、Cossorや5U4G系の整流管はサイズが大き過ぎるのでこれぐらいがちょうど良い大きさである。

黒ベースにZENITHとSuper Silvertoneの商社名が刻印されているのは5Y3GというRaytheonで製造されたTUBEで、ともに音質の良いフックフィラメント構造を持っているがスムースとリブでプレートタイプが異なっている。

もう一種類は仏DARIO GZ32で、我が家で使用していたDARIO GZ32がエミ減となっていたのでちょうど良いタイミングだった。

こちらのDARIOも製造時期が古いようで、これまで使用していたのは通常のスクエアゲッタだったが、こちらはトレーを逆さまにしたようなRENS1374dと同じ形状のゲッタとなっている。

DARIO GZ32 OLD

DARIO GZ32 NEW


5Y3Gの音質は、若干帯域が狭まって音場が中央に集まるような傾向はあるものの、音色バランスは滑らかで温かみのあるものだ。

GZ32の方は音場に広がりが出て余韻も豊かになり、テレフンケンの几帳面な音色を和らげるような大らかさを持っている。


全体的なバランスを見ても、出力管とほぼ同じくらいのサイズで収まりがよろしい。

どちらにしても製造時期が近いTUBEを組み合わせると、相性の問題で音質もそれなりに良くなるのかもしれません。                             10/20

■ Telefunken RENS1374d ナス管

東北地方に実在する桃源郷から新たなTUBEが届いた。

現在最も使用頻度の高いRENS1374dのナス管で、滅多にお目にかかれない初期型である。

これらの古典球は同じ種類のものでも製造メーカーごとに型番が異なっており、共通化がなされていない。

このTUBEもRENS1374d(Telefunken)=L4150D(Valvo)=E453(Philips)=APP4100(Tungsram)=P440N(Triotron)=RS4353・RS4553(Vissuaex)=TE53(Dario)として、ヨーロッパの数多くのメーカーで1932年頃から製造されていた。


今回送られて来たものには管頂に独Telefunkenの同じロゴ印字があるが、博士の説明によるとTelefunkenはValvoと相互にOEM供給しており、背の高い方はValvoで製造されたTUBEとのことで、内部構造もグリッドやメッシュサイズなど若干異なっている。

最初はやはり少し寝ぼけた音質で、何十年も寝かしてあったTUBEだとすると、はっきり目覚めるまでにかなりの時間が必要かと思われる。

現在使用しているST管と違って基本的にはふくよかな余韻を感じさせ、エッジの角が丸まってカチッとした硬質感が抑えられた大人しい音質だ。

どちらかというとスケールを落とした小振りなRE604のような音色に感じるが、ガラスの形状が影響しているのだろうか?

現在のところは今一歩はっきりとしない音質だが、エージングと共にキレが加味されてくるかどうかは今後一週間ほど試聴してみないと分からないようだ。

ST管で聴くことができる素晴らしいキレと、RE604のような奥の深い大らかさが合わさった音質になれば文句なしになるのではと期待している。

10/22

■ 古典球の長所と短所


Telefunken RENS1374d ナス管のエージングを続けているが、使用して二日目には劇的に音の締まりと伸びやかさが出始めた。

その辺りのところを真空管博士にお伺いしてみた。

アマチュア愛好家(私):「先に使用していたST管の方はそれほど最初から寝ぼけた音がしなかったんですが、ナス管はなぜこんなに寝起きが悪いんでしょうか?」

真空管博士:「ナス管とST管の使いはじめの音質差は管内の真空度の違いから来ています。ST管が製造される頃には真空ポンプの性能が大きく改善して、製造直後から真空度が高いことが要因となっています。ナス管製造時にはまだ真空度が低く、エージングによるゲッタの活性化により管内の真空度がじわじわと高まって、低域の締まりや解像度の増加が顕著となって現れます。」

なるほどそういうことだったのだ。

以前、真空管のエージングについてお話を伺っていたのを思い出したが、その時は傍熱管では36時間ほどのエージングが必要だとの話だった。

そんな訳でこれまで寝ぼけて弟分のST管とは全く別人の出来の悪い兄貴だったTUBEが、にわかに優秀で模範的な実力を示しはじめた。

そんなこんなで良いことばかりかと思えばさもあらず・・・・・・・。

古典球の弱みは製造後1世紀近い年月が過ぎているため、その分だけ品質の低下をリスクとして考慮しておかないといけないという面にある。

真空管博士のようにその品質を徹底的に吟味して全世界からTUBEを調達し、その後には真空管試験機にて良否を判定してピンの劣化したハンダを入れ替えるなど徹底したリファインを実施したとしても、実際にアンプに装着して長時間音出しをすると不具合が出るパターンがあるのだ。

今回博士からお譲りいただいた貴重なTUBEについても、最初に届いたRENS1374dのペアは片方のノイズが収まらないので品質の高い良品に入れ替えてもらっているし、今回のナス管についてもValvo製の片方からノイズが出るのでTelefunnken製に交換してもらい完璧なフォロー対応を受けている。

「どうしても試験機などでは判別できないリスクがあるので、できれば複数を調達するよう心がけています。」とは博士の弁であるが、これを独自でe-bayにて海外から調達し、実機に装着して問題が起きた時を考えると誠にゾッとする話である。

この辺りも博士が古典球の良さを日本のオーディオ愛好家に広めたいという、真空管への愛情が垣間見えるところである。

そんな訳で1930年代の人間が100年近い時を経て現代にタイムスリップし、その昔の素晴らしさを融合させていくという側面も伺える物語のような話でもある。

当時はラジオ程度にしか使用されていなかった真空管を、現代の高品質パーツに融合させて音楽を楽しむという、新たな発見がそこにはあるのかもしれない。

10/24


http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c27

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
28. 中川隆[-10652] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:29:52 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[24]
「音楽&オーディオ」の小部屋
「地震情報」が取り持った新しい真空管アンプ 2019年05月21日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/43b58b64fb161c8ef7ffab7309a31641


あれは2週間ほど前のことだったろうか。

「東北地方に地震」とのテロップがテレビに流れたのでさっそく「北国の真空管博士」に電話して安否をご確認。

「御無事でしたか?」「ハイ、それほど揺れた感じはありませんでしたよ」

「貴重な真空管は大丈夫でしたかね?」「アハハ、被害はありませんでした」

笑われたところをみると、ホンネがバレたかな(笑)。

博士の所蔵される古典管は極めて珍しい希少管ばかりだし程度のいいものが”わんさ”とあるので地震と聞くと気になって仕方がない。

ものはついでと「何か目新しい情報はありませんか」とお訊ねすると、

「はい、このところ古典管が品薄になって高騰しているので、比較的手に入りやすい球で代用できるものがないか、もっぱらチェックしています。

アッ、そうそう、チューブ・オーディオ・ラボさんが新しいアンプを作られたそうですよ。出力管は6AR6です。

〇〇さんにはなじみの薄い球でしょうが、3極管接続にすると「PP3/250=PX4」そっくりの特性になります。あなたが大好きなブリティッシュサウンドに変身しますよ。」

「ほう、それはぜひ試聴してみたいですね!」「それなら連絡をとってみましょう」

そして、すぐに博士から出力管「6AR6」についてメールが届いた。

「6AR6は1945年にベル研究所(WE)によってWE350Bの後継管として開発されたようです。 当時WE350Bはその信頼性の高さからレーダーの掃引用として使われていました。

しかしWE350Bは大型のため機器の小型化には問題が有りバルブを小型化した特殊なWE350B互換球を使用していたようです。

そこでレーダーに最適なコンパクトかつ信頼性の高い球として6AR6が開発されたわけです。 6AR6は極初期にWEが少量生産したのみでその後はTungsolに引き継がれました。

数社が製造したようですが圧倒的にTungsol製が多いです。 ビーム管として極めて優秀な6AR6ですが、私が検証したところ三極管接続にすると英国を代表する古典管の銘管PP3/250とほぼ同じ動作をするのです。

今回のチューブ・オーディオ・ラボさんによる6AR6シングルアンプは6FD7アンプ同様極力シンプルな構成として6AR6の素顔を存分に堪能できる内容となっています。

良質なインターステージトランスを使用して古典に倣った回路構成とすれば米系出力管でありながらブリティッシュ・サウンドが聴けるかもしれませんので今後の発展が楽しみです。」

とのことだった。

文中の「PP3/250」(英国マツダ)だが、めったにオークションに出てくることも無く古典管マニア垂涎の球としてつとに知られている希少管である。

我が家では英国系の出力管として「PX25=PP5/400」を愛用しているが、人によっては「PP3/250=PX4」の方が好きという方もいるほどで実力伯仲といったところだろう。

古典管の泰山北斗「博士」折り紙付きの「6AR6」アンプなので期待に胸を膨らませていたところ、昨日(20日)になって新アンプが我が家に到着した。

   

構成は初段管が「6SL7」、出力管が「6AR6」、整流管が「6BY5GA」。出力トランスは今どき珍しい「手巻き」で知られる「TSM Products」製。

さっそくスピーカーをJBLの「D123+075」で聴いてみたところ、ウ〜ン、これは素晴らしい!(笑)

パワー感、情報量、透明感、分解能など何ら不足を感じない。欠点のないアンプとはこういうアンプを指すのだろうか。

取り分け「PP3/250」と同じ動作をするという「6AR6」の中高音域の艶は流石で、アメリカ球なのにイギリス系のほのかな色香を感じさせるのが不思議。

これまで「PP3/250」アンプを聴いたことがないが、おそらく同等か、いやもしかしてそれ以上ではなかろうかと思わず夢が膨らんだ。

次にスピーカーを「AXIOM80」にして聴いてみた。

すると中高音域の情報量が多いせいかやや暴れ気味の感じがしたので取り付けている「AXIOM80」(復刻版)から「最初期版」への変更の必要性を感じたが、念のためにと前段管(6SL7)を「シルヴァニア」から手持ちの「STC」の「CV569=ECC35=6SL7」に代えてみたところ見事に暴れが収まって心地よい響きになったのには驚いた。

   

左がシルヴァニア(アメリカ)、右がSTC(英国)。

いずれにしても、JBLシステムもAXIOM80も気が遠くなるほどうまく鳴ってくれる!(我が家の試聴環境ではという条件付きです)

さあ、あとは購入するかどうか大いに心が揺れ動くが決め手は「懐」次第といったところですね。とりあえず「予約1号」として登録しておくことにしよう(笑)。

最後に、出来るだけ多くの方に聴いていただきたい(製作者)とのことなので、貸出しOKのようですよ。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/43b58b64fb161c8ef7ffab7309a31641
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c28

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
29. 中川隆[-10651] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:30:55 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[25]
「音楽&オーディオ」の小部屋
凄いアンプ! 2018年08月17日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1d3bebb26d2c711e725b08136e58ec71


連綿と続いた「SPユニット遊び」もようやく一段落し、今度は我が家の6台の真空管アンプとの相性テストに移ろうとした矢先に朗報が飛び込んできた。

「今年の秋の真空管オーディオフェア(東京)に出品予定の真空管アンプがようやく完成しました。まだプロトタイプですが一度試聴してみませんか。」

新潟県の老舗の真空管アンプ工房「チューブオーディオラボ」のK村さんからだった。

「いやあ、それはまたとない機会ですね。ぜひ試聴させてください。」と、一つ返事。

それから3日ほどして我が家に到着したものの、あまりの容れ物の大きさに仰天した(笑)。

        

すぐにK村さんと交流のあるKさん(福岡)に連絡して、「かねがね話題に上っていたアンプが到着しましたよ。よろしかったら明日一緒に試聴してもらえませんか?」

「エッ、急な話ですね。多分うかがえると思いますが・・。」と、当然のごとく歯切れが悪い。

「どうも無理を言ってすみません。」

翌日の午後、予定通りお見えになったKさんともども新型アンプの試聴に入った。

アンプの概要を紹介しておこう。

プッシュプル方式で出力管は「RS289」(テレフンケン:1942年製)×4本、整流管は「83」(水銀蒸気入り:刻印)、アンプの要である出力トランスとドライバートランスは「TSMProducts」特注品というなかなか凝ったツクリ。

「RS289」は5極管(傍熱管)だが、それを3極管接続にしてあり、第二次世界大戦中のドイツ地上(戦車)部隊の通信用に製造された球である。兵士の生命ひいては国家の存亡にかかわる真空管だからツクリの精度は民生用の比ではない。

70年以上も前の希少な球だし、さぞやあの独特のドイツ語の発音にも適応した優れた球なのだろう。戦後になってロシアから大量に出てきたりするそうで、おそらく戦利品として持ち帰ったと推測される。いまだに戦争の爪痕が色濃く反映された球として実に興味深い。

かっては、血まなぐさい戦いの中で使用されていた真空管が見事に現代に蘇り芸術鑑賞用として優雅な音で我々の耳を愉しませてくれるなんて、天と地ほどのあまりの境遇の違いに「これこそ本来の使命だ!」と、真空管もきっと喜んでいるに違いない(笑)。

これらの珍しい真空管の採用は「北国の真空管博士」のアドバイスを参考にされており、独自の「裏技回路」なども組み込まれているとのこと。

アンプのスイッチは2段階に分かれており、まず、整流管の「ヒートアップ・スイッチ」をオン、3分ほどしてアンプのパワースイッチをオン、傍熱管なので本格的なサウンドを出すまでには30分ほどかかるという代物である。気忙(ぜわ)しい人にはまず向かないアンプ(笑)。

テストに使ったスピーカーはワーフェデールの2ウェイ、CDシステムはdCS(イギリス)のトラポとDAC、プリアンプは12AX7を6本使った真空管式。

記念すべき最初の試聴盤はKさんともども愛好してやまない「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364」(モーツァルト)。

          

「五嶋みどり」と「今井信子」のコンビだが、ヴァイオリンとヴィオラの押したり引いたりの「阿吽の呼吸」が神業としか言いようがないほどの素晴らしい演奏。モーツァルト一筋に40年以上に亘ってひたすら聴き込んできた自分が言うのだからどうか信じてほしい(笑)。

ほかにもパールマン盤やグリュミオー盤も持っているが「みどり・信子」コンビの方が断然上回っているので同胞としてまことにうれしくなる。

第一楽章から耳を澄まして聴いてみたが、Kさんともども「可聴帯域の周波数レンジをすべて網羅している印象です。これまで聞こえてこなかった音が聴こえてきますねえ。」と感嘆しきりだった。

プッシュプル方式だから中低音域の厚みとスケール感はほぼ予想した通りだったが、中高音域の透明感もシングルアンプと比べてそん色がないことに驚いた。

二人で驚嘆しながら次から次にCD盤を取り換えて鑑賞に耽った。マルサリスの「バロック デュオ」も素晴らしかった。ホーンタイプのユニットを使っていないのに、唾が飛んでくるほどのトランペットの迫力と勢いに圧倒された。サキコロ(ソニー・ロリンズ)のシンバルもバッチリ!

「とても我が家でこんな音を出すのは無理です。」とKさんが白旗を掲げられるほど(笑)。

さらにこのアンプはスピーカーを完全に牛耳っているところが頼もしい。両者の関係はケースバイケースで様々だが、あるべき姿はやはりアンプがスピーカーをコントロール下におく主従関係に尽きる。

それに、いかなるオーディオ機器もじっくり聴き込むと何かしら欠点が見えてくるものだが、このアンプに限ってはそういうことが感じられそうにない印象を受けた。

実を言うと我が家の6台の真空管アンプも相当なレベルに到達していると自負していたのだが、中低音域の分解能と分厚い響きには正直言ってとうてい敵いそうにない。

Kさんが辞去された後、K村さんに連絡した。

「このアンプはだいたいどのくらいのお値段を考えられているんですか。」と単刀直入に切り込んだ。

「う〜ん、そうですねえ・・・・。〇〇万円ぐらいですかねえ。」と、まだ具体的なお値段までは想定されていなかったご様子。

実を言うと、このところ知人に委託して不要になったオーディオ機器をオークションに出品してもらったところ、その代金がかなり溜まっている。

いわば軍資金だが、たとえば3ペア持っていた「AXIOM80」のうち1ペアを処分したところ「278千円」と予想以上の価格だったし、真空管のWE300Bオールドは「300千円」近いお値段だったし、ほかにもいろいろあって「懐」はかなり潤っている状況だ。

それに、真空管「RS289」のストックにも限界があり「早い者勝ち」になることは目に見えている。

まさに「猫に鰹節」のような危険な(?)状況だが、はてさて、どうしようか・・・(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1d3bebb26d2c711e725b08136e58ec71
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c29

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
30. 中川隆[-10650] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:34:28 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[26]
「音楽&オーディオ」の小部屋
真空管アンプはハンダで音が変わる! 2017年01月27日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/c/45d6e4b9b842f142d7022ba9f57e4c44


今回ばかりは表題をどうするか迷った。話題沸騰中の「6FD7」アンプに関することなので「魅惑の真空管アンプ〜その12〜」にするか、それとも「真空管アンプはハンダで音が変わる!」にしようか。

結局、「風変わりなタイトル」を付けたときの誘引力は無視できないので(笑)、後者にしたが、その代わりカテゴリーは「魅惑の真空管アンプ」のままなので、実質「〜その12〜」としておこう。

さて、我が家に真空管アンプ「6FD7」の完成品がやってきてからおよそ1か月。

     

今ではエース級として八面六臂の大活躍で、「グッドマンAXIOM150マークU・イン・ウェストミンスター」を鳴らすときには欠かせない存在になっている。

これまで主にPX25シングルアンプを使ってきたが、弦楽器はいいもののピアノの再生に難があって時折り甲高い音にヒヤリとすることがあったが、それがこの「6FD7」アンプだと弦楽器もピアノもボーカルも「何でもござれ」で、まずはひと安心。

たかがテレビ用の小さな真空管が大型の古典管に対して互角以上の勝負をするのが不思議でたまらないが、改めてその主な理由を3点ほど列挙してみると、

☆ 出力管がドライバー機能と出力機能とを併せ持っているため信号の伝達ロスが極めて少ない

☆ 個人の手巻きによる優秀な出力トランス(周波数の再生帯域が7〜5万ヘルツを誇る)が利いている

☆ 百戦錬磨のアンプビルダーたちが知恵を振り絞った独自の回路

ところが、これらに加えてほかにも大切な秘密があったんですよねえ(笑)。     

結論から言うと、それは真空管アンプを製作する時に欠かせない「ハンダ」のブランドにあったのだ!

判りやすいように、このアンプの製作者様(Kさん)との問答を再現してみよう。

Kさん「使用するハンダの種類で音は随分変わりますよ。端的な例を挙げるとエレキ・ギターですね。ギターの内部配線のハンダを変えるだけで音が一変するので、(ハンダの種類に)拘るエレキ奏者がとても多いです。

真空管アンプにしても以前古いウェスタン製のアンプを修繕したことがありますがソックリそのまま復元したのに肝心の音の方が蘇りません。原因は使うハンダにありました。爾来、古いアンプを修繕するときは可能な限り使用されているハンダを吸い取ってそのまま使用することにしています。」

「ほう〜、たかがハンダごときでそんなに音が変わりますか!ちなみにこの6FD7アンプはどのくらいハンダ付けの箇所があるんでしょう?」

Kさん「そうですねえ。手元に回路図があるので数えてみましょうか。1,2,3・・・・。全体で65か所ぐらいですかねえ。」

「そんなに沢山ありますか!そのうち音声信号系統と電源系統に分けるとすると、どのくらいの比率になりますかね。」

Kさん「音声信号系統のハンダ付けの箇所となりますとおよそ35か所ぐらいになります。」

「ハンダは一種の抵抗素材ともいえますから35か所もの関所があればハンダの種類によって音が変わるというのは十分納得できますね。ちなみにこれまで使用された中で一番音のいいハンダのブランドは何ですか?」

話はいよいよ核心に迫っていく(笑)。

Kさん「それは〇〇〇です。もう市販はされていませんので昔買い込んだものを大切に使っています。古いアンプでも回路はそのままで結線の箇所をこのハンダに入れ替えるだけで音が激変しますよ。」

「そうですか!この6FD7アンプにもそのハンダを使っていただいているんでしょうね?」

Kさん「もちろんです!」

ああ、良かったあ(笑)。

世にアマチュアのアンプ・ビルダーさんは数多いが、どうしてもプロに及ばないのはこういうところに一因があるのかもしれない。

血なまぐさい激動の幕末期に、「新選組」が「勤王の志士」たちを襲撃したあの有名な「池田屋騒動」事件で当時現場で死亡したのはなまじ剣術の腕に心得のある連中ばかりだったという。腕に覚えのない面々はハナから逃亡したおかげで命が助かった。

「生兵法は大怪我の基」ということを言いたいわけだが、ほんとうに家庭で音楽をいい音で聴きたいと思ったら、つまらないプライドは捨てて(よほどのプロ級は別だが)、ハナからプロが作ったアンプを使った方がいいと思うが、これはちょっと言い過ぎかなあ(笑)。



魅惑の真空管アンプ〜その11〜
2017年01月12日 | 魅惑の真空管アンプ
今年の元旦のお天気のように「新年早々から幸先の良いスタート!」にピッタリ当てはまる出来事があったので、胸を躍らせながら報告しよう(笑)。

テレビ用の真空管「6FD7」を使ったアンプについては「魅惑の真空管アンプ」シリ〜ズとして、新たにカテゴリーを設けて連載しているが、次から次に話題が出てくるのでオーディオをますます楽しませてくれる。

このアンプを「デモ用として使っていいですよ。」と「チューブ・オーディオ・ラボ」さん(新潟県)から預かったのは「真空管オーディオフェア」(東京都)が終了した10月上旬のことだった。

音質が我が家のシステムにマッチしていたのですぐに注文したところ、よそ様からの注文が相次いだため「お馴染みさんは後回し」の原則(?)のもとに待たされること3か月、ようやくこのほど待望の完成品が届いた。

舌なめずりしながら、さっそく試聴してみたところ「デモ用アンプ」をさらに上回る出来栄えだった。

          

左側がデモ用アンプで右側が完成品だが基本的な部品の配置は変わっていないものの、いろんなところが改良されている。

列挙してみると、

☆ 電源供給の要となる電源トランスが容量の大きいものに変更され、それに応じて「6FD7」のプレートにかける電圧が190Vから220Vへアップ、また電解コンデンサー(2本)も300Vから500Vへと大幅にアップされている。

☆ デモ用アンプはグッドマン(能率97db)のときには目立たなかったが、フィリップス(能率100db)のときに微かな残留雑音(ハムノイズ)が感じられてやや気になっていたのだが今回のアンプでは完璧に抑えられていた。つまりSN比が大幅に向上している。

☆ SPターミナルがネジ式からバナナプラグ式に変更されてSPコードが接続しやすくなった。

さらに肝心の音質だが、周波数レンジの拡大は言うに及ばず、スピード感、透明感から音のゆとり感までまったくケチのつけようがない。

我が家ではこれまで「PX25」アンプが王様として君臨してきたが、その牙城に迫らんとする勢いがある(笑)。

「6FD7」はドライバー管機能と出力管機能が一体化しているので信号の伝達にロスが無く、その辺のメリットが音のスピード感に寄与しているのだろう。我が家のジャジャ馬的な存在の「AXIOM80」(最初期版)との相性では、弱点である中低音域の量感を増やし、鋭すぎる高音域を抑え気味にするなど、このアンプが今のところベストの組み合わせといっていい。

先月(2016・12月)、同じ「AXIOM80」をこよなく愛好されている横浜市のSさんがデモ用アンプを試聴されてこのアンプの購入を決定されたが、完成品はそれ以上の出来栄えなので決して期待を裏切らないと思う。Sさん、あとしばらくの辛抱ですよ〜。

さっそく製造元様に次のように申し上げた。

「完成品は素晴らしい仕上がりぶりです。デモ用アンプとはかなり違います。もし、デモ用アンプを借りて試聴したいという申し出があっても、むしろ悪い印象を持たれるとまずいので貸さない方がいいかもしれません。完成品を新たにデモ用としたほうがいいので早急に(完成品を)送付していただくわけにはいきませんか。」

すると、製造元様から「それは分かりますけどフル稼働してもチョット追いつかない状況です。もし希望者がありましたら、おおよその音の傾向とか自宅のシステムとの相性の具合とか、大まかな範囲でよろしければという条件付きで貸していただくわけにはいきませんか。」

「ハイ、それもそうですね。」

ところが皮肉なことにその懸念がすぐに現実のものとなった。

このほど、兵庫県にお住いの「I」さんという方からメールが来て「6FD7」アンプを借りて試聴したいという申し出があったのだ(笑)。

すぐに次のような苦心(?)のメールを発信した。

「現在、お貸出しできるデモ用の<6FD7>アンプは手元にありますが、このほどチューブ オ−ディオ ラボさんから別誂えの完成品を受け取りました。

すると、周波数レンジの広さや残留雑音の低減など著しく改良されています。したがって、おおよその音の傾向とかご自宅のシステムとの相性がおおまかに試すという意味でデモ用アンプを試聴されるならいいと思いますが、おかしな先入観を持たれない方がいいので、まずもって完成品の方を聴かれた方がいいと思います。

完成品を貸し出せる予定はおよそ1月末とのことです。

それまでに、どうしてもデモ用アンプを試聴ご希望なら<送料着払い>になりますが送付してもいいですよ。」

すると「それでは待ちましょう。」というメールが返ってきた。

ハイ、それが非常に賢明な選択だと思います(笑)。


魅惑の真空管アンプ〜その10〜
2016年12月27日 | 魅惑の真空管アンプ
クラシック音楽の世界では「9」という数字が忌み嫌われていることをご存知だろうか。

たとえばマーラー作曲の『大地の歌』は、交響曲第8番に次いで完成され、本来ならば「第9番」という番号が付けられるべきものだった。しかし、ベートーヴェンやブルックナーが第9交響曲を書いて世を去っていることを意識したマーラーは、この曲に番号を与えず、単に「大地の歌」とした。

その後に作曲したのが純然たる器楽作品であったため、これを交響曲第9番とした。マーラーは続いて交響曲第10番に着手したのだが、周知のとおり未完に終わり結局「第九」のジンクスは成立してしまったという逸話がある。

こういう大作曲家たちに“あやかる”のは、まことに不届き千万だが(笑)、書き連ねてきた「魅惑の真空管アンプ」シリーズも「〜その9〜」に留めておくつもりだった。

だが、しかし、どうしても「〜その10〜」を書かざるを得なくなったので以下、その辺の事情について記してみよう。

1970年前後のテレビ用の真空管を出力管にした「6FD7」アンプだが、ほとばしるようなエネルギー感にたいへんな魅力を秘めており、新たにカテゴリーを設けて「魅惑の真空管アンプ」シリーズとして連載してきた。

製作者様からのご好意によってデモ用アンプを預かっているので希望者(メール)に貸し出しているが、大いに好評を博し注文が相次ぐ状況となって累計20台近くとなって目が回るほどの忙しさ。納品は3月以降ということになっている。

これまでの実戦では5勝3敗1引き分けといったところで、すでに5人の方が申し込まれている。

          

つい最近では、12月上旬、横浜市にお住いのSさんに1週間ほど貸出していたところ、どうやらご当家のシステムと相性が良かったみたいで、めでたく購入の運びとなった。

ここで、Sさんから届いた試聴結果のメールを紹介させていただこう。匿名ということで無断掲載お許しください。

「試聴させていただきましたアンプの受注は大盛況との由、何よりと存じます。AXIOM80を常用しておる方もさほど多くはないと思いますが、このスピーカーで音楽と対峙している時の緊張感には麻薬的なものがあり、時間的、予算的な側面はあったにせよ、それでもついつい戻ってきてしまう繰り返しの50数年でありました。

その昔学生時代に、西部百貨店池袋店のオーディオコーナーに瀬川冬樹さんが相談窓口をされていたことがあり、小生の好みのジャンルや予算、装置の相談をした事があるのですが、その時スピーカーはAXIOM80とタンノイVLZで充分ではないかとのアドバイスを頂きました。

まあ、貧乏学生相手の話だったかも知れませんが、小生は既に瀬川教の信者となっておりましたので、その後は向上心を放棄し、ひたすらそのアドバイスを金科玉条として今までやってきました(苦笑)。

今般折角の機会を頂きましたので、これからは時に可愛い『6FD7メインアンプ』を活かしてシャープな輝きのある元気ある音を楽しみたいと思います。 この度は色々とお世話になり有り難うございました。」

いやあ「6FD7アンプ」の凄さを共有できて光栄です!

それにしても瀬川冬樹さんですか〜、懐かしい・・・。

昔はそれこそいろんなオーディオ誌を読み漁ったものだが、一番肌にピッタリきた評論家は瀬川さんだった。

Sさんと同様に無条件の「瀬川教の信者」だったし、今だってそうだが、ご存命中に一度でもお会いしたかったのでSさんがほんとにうらやましい。こういうときこそ、「しがない田舎暮らし」を恨みたくなる(笑)。

もし瀬川さんが長生きされて今でもご活躍されていたら、現在の日本のオーディオ界もこんな惨状にならなかったのでは、と思わせるほどの魅力的な感性の持ち主だった。

2013年に復刻された瀬川さんの遺稿集「良い音とは 良いスピーカーとは」は今なお座右の書になっている。

                     

以前のブログにも書いたことがあるが、この本の中で強く印象に残る一節を紹介してみよう。

「コダックのカラーフィルムの染色の良さは世界的に知られている。それは映画の都ハリウッドが育てた色だといってもいい。そのハリウッドがトーキーの発達とともに生み・育てたのがウェストレックスのトーキーサウンドであり、アルテックのA7に代表されるシアタースピーカーである。

世紀の美男・美女が恋を語るスクリーンの裏側から、広い劇場の隅々にまで明瞭でしかも快いサウンドをサーヴィスするために、シアタースピーカーの音質は、人の声の音域に密度をもたせ、伴奏の音楽や効果音の現実感を損なわないぎりぎりの範囲までむしろ周波数帯域を狭めて作られている。

大きなパワーで鳴らすことが前提のスピーカーの場合に、低域をことさら強調したり帯域を延ばしたりすれば恋の囁きもトンネルで吠える化け物になってしまうし、低音域のノイズも不快になる。高音もことさら延ばしたり強調すればサウンドトラックの雑音や歪が耳障りになる。

こうしたスピーカ−が生まれたのは、1930年代で、その頃のレコードや蓄音機の性能からみればトーキーのシステムはワイドレンジであり、高忠実度であった。けれど現在の高忠実度の基準からみればシアタースピーカーはもはや広帯域とは決して言えない。

しかしこのことから逆に、音楽や人の声を快く美しく聴かせるためには、決して広い周波数レンジが必要なのではないということを知っておくことは無駄ではない。

低音が80ヘルツ、高音が7〜8キロヘルツ、この程度の帯域を本当に質の良い音で鳴らすことが出来れば人間の耳はそれを本当に良い音だと感じることが出来るのである。」

以上のとおりだが、要するに周波数レンジを拡大することは決して悪いことではないが、それは「基本的な周波数帯」(80〜8キロヘルツ)において「分解能」と「透明感」をしっかり確保していることが大前提となっての話。

言い換えると、80ヘルツ以下の低音と、8キロヘルツ以上の高音は「おまけ」と考えておけば、実に視界がすっきりする。

しかも「基本的な周波数帯」が十全だと、それ以下の低音もそれ以上の高音も欲しくなくなるから不思議。

その点、「6FD7」アンプは「基本的な周波数帯」をしっかり確保したうえで、低音域も高音域もほどよく伸びているのでまったく言うことなし。我が家の「AXIOM80」の線の細さをピッタリ補完してくれるし、Sさんはとても「いい買い物」をされたに違いないと思っている(笑)。


魅惑の真空管アンプ〜その9〜
2016年11月17日 | 魅惑の真空管アンプ
このシリ〜ズもとうとう9回目になった。「前回からの続きです」と、いきたいところだが、もし初めから事情を知りたいという方は「カテゴリー=魅惑の真空管アンプ」を設けていますのでどうぞ〜。

さて、主人公の「6FD7」アンプだが「異人さんに連れられて」放浪の旅に出たのは去る5日(土)のことだった。

それから福岡県の2か所、兵庫県の1か所と他流試合を経て我が家に戻ってきたのがこの14日(月)。

その結果だが、採用が1件、不採用が1件、保留が1件ということだった。採用、不採用ともに奇しくも相手のスピーカーはタンノイさんだったのがご愛嬌(笑)。それも、より低音域が重視される大型システムの方で採用となり、小型システムの方で不採用となったのはこのアンプの重厚な性格をよく表わしているようだ。

兵庫県の別のマニアの方がJBLの「150−4C」(38センチ・ウーファー:片チャンネル2発)の鳴りっぷりが気に入られて、即注文となったのも頷ける。

さらにまた、使われているプリアンプとの相性によって命運が分かれた可能性も否定できない。

なにはともあれ、10日ぶりに我が家に戻ってきたこのアンプを遊ばせておくのは勿体ない。不在中、2台のアンプを繋ぎ替えて楽しんでいたが、今度は改めて実力確認の意味で胸をワクワクさせながら3台による聴き比べを実施した。

       

相手が定評のある「71系」アンプ2台とくれば、不足はなかろう。左側から順にアンプを紹介しておくと、

「471−B」アンプ

前段管が「6SN7GTB」(ボールドウィン)〜出力管「471−B」(デフォレ)〜整流管「380」(カニンガム)

「6FD7」アンプ

改めて言うまでもないがテレビ用の真空管「6FD7」(複合管)を使っていて、整流管は「6BW4」。出力トランスは個人の手巻きによるもので、製作者によると周波数特性は「7ヘルツ〜4万ヘルツ」というから驚異的な数値を誇っている。

道理で、こんな小さな図体のアンプからあんなに深々とした低音が出るはずである。このトランスが(このアンプの)「陰の主役」といっても過言ではあるまい。

「371ーB」アンプ

前段管「AC/HL」(英国マツダ:ナス管)〜インターステージ・トランス〜出力管「371−B」(カニンガム)〜整流管「OK−X213」(メッシュプレート)

そして、試聴に使ったシステムは次のとおり。

CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS)〜DAコンバーター「27iXVer3.0」(ワディア)〜上記の3台のパワーアンプ〜スピーカー「AXIOM150マークU」で、プリアンプは抜き。

結果からいくと3台とも「いずれアヤメかカキツバタ」、ほんとうに惚れ惚れするような鳴りっぷりだった。

強いて言えば、「471−B」アンプのゲインが少々高過ぎてDAコンバーターのボリューム位置が「30/100」程度となって、どうしても不利な状況となり、この場合に限ってはプリアンプを噛ました方がよかった。

残るは「371−B」アンプと「6FD7」アンプとの一騎打ち。両者ともゲインが同じくらいでDAコンバーターのボリューム位置が「60/100」程度で丁度いい塩梅。

音の陰影というか、彫の深さからいくと「371−B」アンプに軍配が上がり、音の立ち上がり、立下りといった「スピード感覚」から言えば、やっぱり「6FD7」アンプの方が一枚上。

こうなると、もう好き好きだがクラシックもジャズも両方聴きたいと欲張るとなれば明らかに「6FD7」アンプだろう。

ただし、先日購入したフルトヴェングラー・ボックス」の中のオペラ「魔笛」(1951年版:ライブ)を聴くと、明らかに「371−B」の方が舞台の雰囲気の再現性に優れていた。さすがに1930年代の古典管の面目躍如という気がした。

したがって「6FD7」アンプは優れた近代録音盤の方とマッチングがいいといえる。

それに面白いことに気が付いた。「AXIOM150マークU」をウェストミンスターの上に置いているので頭の上から音が降ってくる感じがあったが、「6FD7」アンプに切り替えたとたんに音の重心が見事に下がり耳の高さで音が出ている感覚に襲われた。音にも目方があるのかと驚いたほど(笑)。

それにしても誰が聴いても、「これがアンプとスピーカー合わせて10万円前後の音?」とはきっと信じられないに違いない。

最後にピンコードについて。

実は「これを使ってみてください」と、つい最近いただいた「ウェスタンの単線」を使ったピンコードがある。いろんな線材を試されて、ようやくこの単線に行き着かれたそうだ。

          

実はその昔、ピンコードや電源コードで音の変化を大いに楽しんだ時代があったが、そのうち飽きてしまって「どうせ50歩、100歩」と思うようになった。

したがって、今回のピンコードもその類だろうとあまり乗り気ではなかったが、実際に使ってみて音が激変したのには驚いた。それもDAコンバーターとパワーアンプを直結するときに使うと威力絶大の効果を発揮した。音が艶やかになって生気がより一層出てくるのだ!

さっそく14日(月)の夜、注文した。「是非同じものがワンペア欲しいです。お金は払いますから〜。」(笑)。



魅惑の真空管アンプ〜その8〜
2016年11月08日 | 魅惑の真空管アンプ
「魅惑の真空管アンプ」シリ〜ズもいよいよ8回目を迎えた。第一回を登載したのが10月18日だからおよそ3週間の間に8回なので、ほぼ3日ごとの更新ペースになっている。

単にテレビ用の真空管に過ぎない「6FD7」が意外な実力を秘めていることへの驚き、そしてその新鮮さに興味を魅かれる方が多いようで、上々の反応ぶりにこちらもつい熱が入ってしまう(笑)。

さらに製作者様の情報によると、実際に試聴していただいた方々からもご好評のようで、早くも1回目のロット「5台」が完売となり、2回目のロットを準備中とのこと。

しかし、よく考えてみると、お値段も手ごろだし、持ち運びに便利な軽さだし、音も見かけによらず重心の低い本格派なのでむしろ売れない方がおかしいくらいで、サブアンプとして使いながらも、ひょっとしてメインアンプを凌駕するかもしれない可能性を秘めているところが何とも頼もしい。

今でも評判を聞きつけて乗り気になった方々から試聴希望のメールが当方にもいくつか舞い込んでおり、順番待ちの状態だが、そのメールの内容を拝読させていただくと真空管アンプの「低音域のエネルギー感と制動力」に悩んでいる方がいかに多いかを実感する。実は、かくいう自分もそのクチなのでほんとうに身につまされている。

さて、去る5日(土)、福岡方面の試聴希望者のとりまとめの窓口にあたるKさんがこの「6FD7」アンプを引き取りにお見えになった。名残惜しいがしばしの別れとなるので、アンプの編成替えをしなければならない。

もちろん、Kさんにはお見えになったついでに丁度いい機会だから我が家のシステムを試聴していただいた。

何といっても今回のハイライトはにわか作りの「AXIOM150マークU」の試聴である。

            

画像のライトブルーの箱に容れた「150マークU」(口径30センチ)だが、設置してしばらくしてからちょっとした細工を施した。というのは、聴いているうちに、たしかに素性のいい音なんだけどやはり(箱が)後面開放だと音にタメがないことに気付いた。

グッドマンのユニットはすべてそうだが、ユニットの振幅時に何がしかの負荷を与えた方がメリハリがつくので、ARU(背圧調整器)もどきに、適当に細かい穴を開けた板に補強材をガッチリ張り付けて箱の後ろ側を塞いでみたところ、明らかに音のクオリティが向上した。ほんのちょっとしたことだが、スピーカー周りの細工の効果はアンプを替えたどころの比ではない。

折角だからKさんがお見えになる前にぜひ作業をやっておこうと取り掛かり、ギリギリの前日の夕方にようやく完成をみた。

当日は秋晴れの中、11時過ぎにお見えになったKさんに一番最初にこのシステムを聴いていただいた。

まず、優秀録音で知られるヒラリー・ハーンの「プレイズ・バッハ」を聴いていただいたところ、ほんとうに驚かれたご様子。イヤ、けっして大げさではない(笑)。

「音の佇まい、音色の艶やかさといい、これが一番いい音ではないでしょうか!グッドマンの赤色マグネットのトライアクショム(口径30センチ)を別宅でちょくちょく聴いてますが、この150マークUは優るとも劣りませんよ。」と、仰るのだ。

「たしかに、これが一番いい音かもしれませんね。このユニットは私の好みにピッタリです。ツィーターが無くてもシンバルがとても繊細な響きを出してくれますし、低音域の質感もこれで十分です。オーケストラからボーカル、ジャズまであらゆるソースに対応できますので、これ1台あれば十分でしょう。早いうちにこのユニットに巡り会っておれば無駄遣いしなくて済んだのですが・・・。」

実は内心複雑である。

「150マークU」のユニットは2個とも中古の安物のジャンク品だし、箱の材料は厚さ1センチほどのありふれた集成材だし、プリアンプもパワーアンプも予備役に編入していた残り物を使ったし、こんな安普請のシステムから我が家で一番いい音が出るなんて絶対に許せん!(笑)

ちなみに、集成材の箱の厚さは1.15センチだが、音が鳴っているときにそっと触ってみるととてもいい振動が伝わってきて、この共振が心地よいサウンドを生み出してくれているのだろう。

改めてオーディオに見かけや値段は通用しないと、痛感した!

まさに、うれしい悲鳴だが午前の部はこれで終了。そして波乱は午後に起こった。

午後からは話題の「6FD7」アンプで「AXIOM300+スーパーツィーター」そして「AXIOM80」の試聴に移った。

Kさんは先月(10月)の13日に我が家に到着した「6FD7」アンプを既に試聴されているのだが、そのときに比べると「随分音がこなれてきましたねえ。明らかにエージングの効果が出てますよ。」と、ひとしきり感心されながら二人で「6FD7」アンプの特徴を述べ合った。

低音域はどんな使い方をしても破綻がなさそうなので、あとは中高音域の素直さをいかに引き出すかが使い主の腕の見せ所だろう。

しばらく試聴してから、「今度はひとつ3ウェイの音(箱はウェストミンスター)を聴いてみましょうか。」とお誘いしたところ「いや、私は3ウェイの音は結構です。」とかたくなに拒否される。

まあ、そんなに言わなくてもと、アンプのスイッチを入れて強引に聴いていただいたところ、30分もせぬうちに、そそくさと帰り支度を始められて、「今日はもうこの辺で帰らせていただきます!」。

「エッ、まだいいじゃありませんか。」

「いや、帰宅してから早く6FD7アンプを試聴したいものですから。」

日頃のKさんに似合わぬ言動なので「?」・・・。

思い当たるのに完璧なフルレンジ愛好派で知られるKさんのことだから、3ウェイの音を耳が受け入れず我慢できなかったに相違ない。

「Kさんを殺すのに刃物は要らぬ、3ウェイの音を聴かせればいい。」と、初めて気が付いた(笑)。

モーツァルトが幼少の頃、トランペットの音が大嫌いで聴いただけで恐怖に打ち震えたという逸話があるが、Kさんの耳はまさにモーツァルト並みだ!

フルレンジで聴いていると、つい周波数レンジの広さが欲しくなるので「3ウェイ」にするのだが、するとハーモニーがおろそかになって、ふたたびフルレンジに戻る。そういうことの繰り返しが実験用のウェストミンスターの箱に限って延々と続いている。

まあ、大いに楽しんでいるので仕方がないか(笑)。


魅惑の真空管アンプ〜その7〜
2016年11月03日 | 魅惑の真空管アンプ
前回からの続きです。

29日(土)午前の部でいかんなく実力を発揮した「6FD7」アンプだが、午後の部に入ってからはまず「PX25」アンプの登場となった。

前回掲げたテーマの3番目「AXIOM300+スーパーツィーター」と4番目「大改造したPX25アンプ」の検証である。

          

「AXIOM300」はオークションに頻繁に出品されている「AXIOM301」とよく間違えられるが、これは似て非なるものでたった1番違いにもかかわらず、れっきとしたグッドマンのアルニコ・マグネット・タイプである。ここでもDAコンバーター「エルガー プラス」との直結でスタートした。結局、以降プリアンプの出番はなし。

「PX25アンプは随分変わりましたね〜。これならわざわざPP5/400の出番はなくても済みそうです。スーパーツィーターも十分効果を発揮してますよ。この音は以前、友人宅で聴いたグッドマンのトライアクショム(3ウェイ)の音とそっくりです。」と、Sさん。

先日、オークションで滅多に出品されないトライアクショムを執念が及ばず、とり逃したことを今でも忘れ切っていないが、これでどうやら胸が収まった(笑)。

30分ほど音楽に浸ってから、Sさんがおもむろに「アンプをPX25から6FD7に変更して聴いてみたいですねえ。」

そ〜ら、おいでなすった!(笑)

それからが本日のクライマックスだった。試聴盤は女性ボーカルからヒラリー・ハーンの「プレイズ・バッハ」、ブルックナーの「交響曲8番」(チェリビダッケ指揮:リスボンライブ盤)などさまざま。

じっと目を瞑って聴かれていたSさんだが、やおら「いやあ、こんな小さなアンプから出てくる音とはとても信じられませんよ。カーテンをして聴いたら、大型アンプで駆動しているみたいです。ヒラリー・ハーンのヴァイオリンはこれまで聴いた中では最高です。音のスピードが信じられないほど早いです。大規模編成の曲でも破綻がありません。このアンプぜひ欲しいですねえ。〇〇さんと同タイプのもので結構ですからさっそく注文をお願いします。」

「この出力管6FD7は複合管のためドライバー機能と出力機能が一体化していますのでスピードが並外れて早いのでしょう。たいへんなメリットですよ。アンプ発注の件は製作者にすぐに連絡しておきます。いくらアメリカからの直輸入ルートがあるといっても、スペア管などのことも考え合わせると本数に限度が有りますので早い者勝ちです。なかなか評判が良くて注文が舞い込んでいるようですが、まだ間に合うと思います。」と、自分。

実際に試聴してみての注文だから説得力がある。これまでこのアンプを実際に聴いた人間は自分も含めて7名。そのうち実際に注文したのは3名。保留が1名だから確率は50%だ。高いか低いかは読者のご判断に任せよう。

最後にテーマの5へ。「我が家のベストの組み合わせを探る」

たいへん熱のこもった本日の試聴会もいよいよSさんの帰りの電車の時間が迫ってきた。いよいよ真打ち「AXIOM80」の登場である。

          

AXIOM80(イギリス)は復刻版も含めて製作年代によってツクリ(コーン紙の軽さやカンチレバーの質など)が微妙に変わり、したがって音質も微妙に異なるが、我が家の「AXIOM80」はSさんと同様にオリジナル「最初期版」のものである。ただし、いつ故障してもいいようにスペアとして「復刻版」を2ペア保管しているが、出番はまったくない。

女性ボーカルを聴いたが、思わず息を呑むほどの美しさだった。何という透明感、デリケートな表現力・・・。

ときどき「いい音」ってなんだろうと思うことがある。別に公式的な尺度があるわけでもなし、人それぞれの感性でもって「それで良し」としているだけだ。

したがって世界中に「いい音」がいくつも氾濫しているわけだが、我が家の場合「いい音」の「物差し」は「可聴周波数の全域に亘って透明感があること」に尽きると思っている。

ただし「透明感って何?」と訊かれても言葉で表現するのは無理だが、「それはAXIOM80を聴いていただくと自ずと分かると思います。」と答えるしかない(笑)。しかし、このAXIOM80は鳴らし方が難しくて、アンプとの相性が悪かったりすると耳障りで騒音以外の何物でもない。

まあ、そういうわけで長年「ああでもない、こうでもない」と彷徨しているわけだが、今回はうまくいったようだ。

「やっぱりAXIOM80は空前絶後のスピーカーですねえ。とても複雑なツクリで潜水艦のソナー探知用に開発されたというだけのことはありますよ。」と二人で嘆息した。6FD7アンプとはどちらもスピード感(音の立ち上がり)を身上としているのでとても相性がいい。

これで我が家のベストの組み合わせは決定した。しかし、これは持ち主しかわからない微妙な心理なのだがこの音は日常的に聴くべきではないように思う。だいいち自分のようなガサツな人間にはもったいない。ひっそりと大切に保存しておき、お盆と正月、そしてお客さんが見えたときにだけ聴けばいい音だ(笑)。

いつものことながら今回も実り多き試聴会だった。

SさんをJR別府駅まで送った後、すぐに製作者に連絡をとったところ「6FD7アンプ製作」2台分(自分とSさん)の了解を得た。

とにかく、お値段がリーズナブルだし、軽いので持ち運びに便利だし、音もいいし、シンプルな回路で球も丈夫だし、こういう四拍子そろったアンプはなかなかお目にかかれない。

少なくとも今年中には新たな「6FD7」アンプが完成するだろうから、今度はSさん宅でどういう活躍を見せるか、とても楽しみ〜。


魅惑の真空管アンプ〜その6〜
2016年11月01日 | 魅惑の真空管アンプ
今回のブログはテレビ用の真空管「6FD7」を使ったアンプが登場するので「魅惑の真空管アンプ」シリ〜ズとして分類しておこう。また、カテゴリーとして新たに「魅惑の真空管アンプ」を15番目に設定したのでバックナンバーをご覧になりたい方はどうぞ〜。

さて、去る29日(土)、およそ9か月ぶりに我が家にお見えになったSさん(福岡)。

その間、我が家のシステムの方もかなり変遷しているので頭が混乱しないように事前に主要なテーマを設定しておいた。

1 新たに導入を決定したデモ用アンプ「6FD7」の試聴

2 ウェストミンスターの箱に容れた「AXIOM110」(25センチフルレンジ)を核とした3ウェイシステムの試聴

3 「AXIOM300+スーパーツィーター」の試聴

4 大改造した「PX25アンプ」の試聴

5 我が家のベストの組み合わせを探る

こうして書き上げてみると、改めて9か月間にすっかりシステムが様変わりしていることに驚くが、はたして変化することがいいことなのかどうか、確たる自信があるわけでもない。こういう状況のもとで同じスピーカー「AXIOM80」(グッドマン)を愛用している仲間から意見をもらうは大いに参考になる。どうせ「似た者同士」だが(笑)。

午前9時半から午後3時まで昼食を挟んで、5時間半みっちり試聴してもらいながら意見交換を行ったのでその模様をおいおい述べていくとしよう。

まず1から。

           

関西のMさんに貸出していた「6FD7」アンプだが、この日の試聴のために27日(木)に約束通り返してもらった。余談になるがMさんはなかなかお気に召されたようで既に製作を依頼されたとのこと。

さて、この日は始めから我が家のエース級のシステムで聴いてもらうことにしたので日常用のワディアのDAコンバーターの出番はいっさいなし。したがってシステムの構成は次のとおり。

CDトランスポート「ラ ヴェルディ スカラ」(dCS) → DAコンバーター「エルガー プラス」(dCS) → プリアンプ「大西式プリ」 → パワーアンプ「6FD7シングル」 → スピーカー「AXIOM110+ワーフェデールのコーン型ユニット+JBL075ツィーター」3ウェイシステム

スピーカーを前半の部(午前中)は同上のとおり3ウェイを、後半の部(午後)はフルレンジに分けて、試聴することにした。

はじめに、女性ボーカルを聴いていただいたが、Sさんの第一声は「低音域のエネルギー感は目を見張るものがありますが、中高音域の透明感というか抜けは今一つですね〜。」

長いお付き合いを背景に、思ったことをズバリと指摘されるのがSさんのいいところ(笑)。

「プリアンプを外してDAコンバーターのエルガー・プラスから直結にして聴かせていただけませんか。」

そういえば、ワディアとの直結はしょっちゅうやっているが、エルガーとの直結は滅多に試したことがない。これもボリューム調整機能が付いているので可能だ。RCAコードを差し替えるだけだから簡単そのもので1分で完了。

「いやあ、これは素晴らしい!何よりも気になっていた中高音域に透明感が出てきました。やっぱりプリアンプが邪魔していたんですねえ。この音はわたしの大好きなブリティッシュ・サウンドそのものです。6FD7アンプは私も是非欲しいですね。それに出力管もさることながら出力トランスの優秀性が際立っていると思います。」

広い帯域を身上とするこの出力トランスに目を付けられたSさんの慧眼には驚いた。

「市販されている機械巻きのトランスと違って個人の丁寧な手巻きによる出力トランスですからその効果は歴然としています。それこそ製作者は福岡市近郊の方だそうですよ。北国の博士が優秀性に着目され実際に使用されていますので折り紙つきです。このトランスの存在なしに、この音は語れないでしょう。」と、自分。

それにしても、Sさんは絶対的なプリアンプ使用派だと思っていたので「プリアンプを外す」というご提案は意外だった。

「ケースバイケースでプリアンプの程度次第ですよ。中途半端なものなら入れない方がいいです。この6FD7の特徴は無色透明なところにあるようですからスピーカーの個性をそっくり活かすならプリアンプ無しの方がいいと思いました。これがテレビ用の球だなんてとても信じられませんよ。」

さあ、ここから我が家の手持ちのアンプテストに入った。このDAコンバーター直結状態のもとで次々にアンプを取り代えて試聴した。何しろアンプの個性が一目瞭然に分かるのだからこたえられない。

そして「171シングル」「71Aシングル」「71Aプッシュプル」「2A3シングル」がいずれも枕を並べて討ち死に〜。何も比較してやらなければ誇り高く生き残れたものを・・・、無念(笑)。

それにしても、このチビちゃんアンプ「6FD7」は出力トランスが出力管を生かしているのか、出力管が出力トランスを生かしているのか、どうも両者の主従関係がよく分からない。いい真空管アンプとはそういうものだろう。もちろん、独特の回路も良質な整流管も陰の主役だ。

なお、併せて2のテストもしたわけだが、この“にわか作り”の3ウェイシステムは十分鑑賞に耐え得るものだった。自画自賛になるがフルレンジのときよりもずっと広帯域になってハーモニーにも違和感はない。

ちなみに前々回のブログで紹介した時と比べると、「〜1100ヘルツ」は従来どおりだが、「1100〜9000ヘルツ」はワーフェデールの「コーン型ツィーター」に、「9000へルツ〜」はJBL「075ツィーター」に変更している。

高音域(9000ヘルツ〜)に加えたJBL075ツィーターは、ブリティッシュ・サウンドとは異色の存在にもかかわらず「生かさず、殺さず」で、挿入したマイカ・コンデンサー「0.1μF」が功を奏したようだ。

以上で午前の部は終了し、昼食を挟んで今度は午後の部へ〜。

いよいよ「PX25アンプ」による「AXIOM300+スーパーツィーター」、そして「AXIOM80」の駆動という我が家の生命線の登場だが、ここでも意外な展開に心の底からビックリ(笑)〜。

以下、続く。


魅惑の真空管アンプ〜その5〜
2016年10月27日 | 魅惑の真空管アンプ
ブログの原稿をツクルのは嫌いでもないがそれほど好きでもないし、まあ厭わないという程度だが、この「魅惑の真空管アンプ シリ〜ズ」のときだけはいつも胸がワクワクするのはいったどうしてなんだろう?

それは、お値段とかブランドとか外見にいっさい惑わされない「ホンモノの真空管アンプを紹介できる喜びと痛快さにある」といえば言い過ぎだろうか(笑)。

さて、前回の「シリーズ〜その4〜」で述べたように、低域不足で悩んでおられる関西在住のMさんに急いで試聴していただこうと、この「6FD7」アンプを送付したのが23日(日)、そして翌日の午後には無事到着の運びとなった。

          

Mさんの第一声は「真空管って人間と同じだなと思いました。外見と肩書だけで判断は出来ませんね。3時間くらい聴き惚れていました。明日、試聴レポート送ります。」

そして、25日(火)の夜に期待のメールが届いた。

「簡単なレポートお送りします。 最初にオーディオルームですが、自宅ではなくおよそ2Kmくらい離れた所に以前、八百屋を営業していた店舗を改造(防音設備無し)道楽部屋にしました。広さは50帖位、30年位になります。

システムは現在4セットありまして、そのうちの1つアルテックA4は結納が済み嫁入り前です。

低域不足はJBLシステム(150ー4C×2+375+075)とアルテック822システム(803A×2+803C)です。

マイルスのカインド・オブ・ブルー(LP)聞きました所、ポールチェンバースのベースが今まで引き込んでいたのに前に出てきました。CDだともっと出てくるでしょうね。

中低域がこれだけ安定した音がでるので非常に聞きやすいです。低域が出なければ、つまらないと何時も思っていますので、6FD7アンプは<凄い!>の一言です。

部屋が広いので音量はかなり上げますが、それでもつまみ位置は11時〜1時の間です。2ワット以内の出力だそうですが、余裕ありすぎです。

また、CD直出し時の再生周波数レンジの広い事。今まで聞かれなかった音が聞こえますのでビックリです。

RCA845シングル、WE300Bパラシングル等大小5セット所有していますが、ディスプレイになりそうです。

アルテックA4(515B×2+288C×2)とアメリカ・タンノイ(ゴールド15インチ・国産箱?)の低域は何とか出ている感じでしたが、メリハリのあるしっかりした低域に変わりました。

中高域は直熱3極管アンプの方がいいかな?と思ってましたが、いやいや負けていません。同等以上です。

というわけで、すぐにでも注文したいのですが〇〇様にお願いできるのでしょうか。

またはメーカー様へ注文すればいいのでしょうか?6FD7アンプが1日も早く手に入れられるようご協力宜しくお願い致します。」

これは大変なことになった。想像以上といっては失礼になるが、部屋の大きさを含めてこんな豪華なシステムはおそらく日本でも有数だろう。いくら低域不足といっても我々とはちょっとレベルが違う(笑)。

慎重に一考してから、次のように返信した。

「Mさんは凄いシステムをお持ちですね!あの高名なJBLのウーファー<150−4C>を片チャンネル2発とは恐れ入りました。50畳の部屋といい、私のシステムとはスケール感が桁違いです。

舞台が大きくなればなるほど6FD7アンプが実力を発揮できたようでうれしくなりました。

実は<このアンプは一通りオーディオ仲間たちの試聴が済んだあとは私に引き取らせてください>と、製作者様に申し上げて了解をいただいていたのですが、この株をM様にお譲りしましょう。<6FD7アンプ>もその方がきっと喜ぶと思います(笑)。

話が複雑にならないように出来るだけ早期の引き渡しなども含めて製作者様には私の方から交渉してみます。」


魅惑の真空管アンプ〜その4〜
2016年10月25日 | 魅惑の真空管アンプ
この「魅惑の真空管アンプ シリ〜ズ」も早くも4回目を迎えた。最初の稿を登載してから丁度1週間が経過したが、なかなかの反響振りで、まず1日当たりのアクセス数がこれまでで最高の「800 IP」台に到達するなど通常の2割増し近い伸びには驚いた(笑)。

おそらく、巷には高額な真空管アンプが溢れかえっており、少々食傷気味のところに「安価なテレビ用の真空管からいい音が出る!」という意外性と新鮮さが受けたのだろう。

改めて製作関係者に敬意を表し、「真空管オーディオの真髄ここにあり」と言いたいところだが、「いい音」かどうかを最後に決めるのは当事者である。

関西の読者の方(仮にMさんとしておこう)から「JBL、アルテックのスピーカーを使ってますが低音不足に悩んでいます。6FD7の記事を拝見して、これだと思いました。ぜひアンプ製作の依頼をしたいのでお願いします。」という趣旨のメールが届いた。

当方の記事の内容を信じていただいたのはありがたいし、まことに光栄の至りだが、自分は過去にオーディオ専門誌の記事を鵜呑みにして散々涙を流してきたのでMさんに同じ轍(てつ)だけは踏んでほしくない(笑)。

そこで「音の好みやシステムとの相性の問題がありますので、一度試聴されてから決めた方がいいと思いますよ。試聴が一段落したらこのアンプを送付しますのでしばらくお待ちください。」と、返事した。

真空管アンプの低音域の問題は自分もメチャ苦しんできたのでMさんのお気持ちは痛いほどよく分る。できるだけ早く送ってあげよう。

さて、オーディオ仲間のNさん(大分市)にお貸ししていた「6FD7」アンプだが、貸与期間の三日が経過したのでさっそく回収に出かけて持ち帰った。結局Nさんから「このまま置いていって欲しい」という言葉は最後まで聞けなかった(笑)。

しかし、このアンプはまだ来たばかりなので、いろいろ鳴らし方を研究するところがあって興味が尽きない。

不在中の3日間で頭に描いていたのが「今度はプリアンプを通さずに聴いてみよう」だった。これほど(音の)重心の低いアンプならプリアンプ無しでもうまく鳴ってくれそうな気がする。

レコードと違ってCDオンリーの愛好家の場合「プリアンプ不要論」は延々と続く「古くて新しいテーマ」である。

何ごとも「シンプル・イズ・ベスト」なので、プリアンプ無しでいい音が出ればそれに越したことはない。「プリアンプは必要悪だ」という思いはずっと変わらない。

ちなみに6年半ほど前に投稿した「プリアンプはもう要らない?」は、いまだに過去記事の閲覧数ではいつも上位に食い込むほどの常連組だ。

そのくらい「プリアンプ不要論」に対して読者の関心度の高さが伺えるわけだが、当時と違ってこのテーマに対する(現時点の)じぶんの結論は「結局、相性の問題に尽きる」と考えている。

つまりDAコンバーター、メインアンプ、スピーカーがそれぞれの長所と欠点を補い合い「三位一体」として、うまく調和してくれればそれでヨシ、もし、そうじゃないときはプリアンプを介入させた方がマシ。

もちろんDAコンバーターにボリューム調整機能が付いていることが前提条件である。プリアンプの代わりにアッテネーターを使うなんてのは論外だ(笑)。

今回の実験ではDAコンバーターに「27ixVer3.0」(ワディア)、メインアンプに「6FD7シングル」、スピーカーに「AXIOM110」(グッドマン:箱はウェストミンスター)という組み合わせだった。

ちなみにこのDAコンバーターは初めからプリアンプを使用しなくてもいいような仕様になっており、出力インピーダンスは「1Ω以下」となっている。

胸をワクワクさせながら聴いてみたところ、これぞこれまで聴いた中でベストのサウンドだと唸ったねえ!(笑)。

周波数レンジの広さ、音の立ち上がりの早さ、低音域の力感と制動力も申し分なし。しかもDAコンバーターのボリュームが「60/100」あたりで十分な音量が確保できるのでエネルギー感にも余裕がある。さらにプリアンプを入れていた時よりも明らかに高音域が素直になっている!

これなら「WE300B」アンプや「PX25」アンプの出番はもうないと一瞬思ったが、瞬間風速での感想は危険だし、後々ブログが書きづらくなるので、断言するのは止めておこう(笑)。

このアンプの生みの親の「北国の博士」にこの状況をぶつけてみると「ケース・バイ・ケースですがプリアンプを入れると、どうしてもレンジが狭くなりがちです。その点この6FD7アンプは低音域から高音域までレンジの広さが持ち味なのでたしかに直結の方がいいかもしれませんね。」

そういうわけで、これからこのアンプを持っていって他流試合をする場合、プリアンプを使わなくて済むように予備のワディアのDAコンバーターも携帯してセットにして試聴しようと決めた。

実は思い当たる節がある。このDAコンバーターはつい最近コンデンサーを36個も替えたりしてオーバー・ホールしたのだが、その効果が如実に出てきたようなのである。以前、パワーアンプと直結したときにはもっとボンヤリした音だった記憶がある。成る程、あのときは10年以上も経過してコンデンサーが劣化していたせいで性能をフルに発揮できなかったのか・・・。

大枚をはたいて懐が痛かったけど、やっぱり修繕して良かった(笑)。

             

というわけで、調子に乗って次から次にテスト盤を試聴した。

エンヤの「Caribbean Blue」では冒頭の「ガツン」という衝撃音に対して真空管アンプによってはスピーカーから「ザザッ」という音が出て(アンプが)クリップするのが常だったが、この「6FD7」アンプはその気配が微塵もなくスンナリ通り過ぎていったのには感激。

ジャズの「サキソフォン・コロッサス」(ソニー・ロリンズ)の1曲目「セント・トーマス」の冒頭のシンバル(マックス・ローチ)はマニア泣かせの一撃だが、こればかりは惜しいことにきらびやかさがイマイチだった。

これは明らかにスピーカー(フルレンジ)のせいだろう。こういう音はJBL「075ツィーター」の独壇場だが、もう拘らないことに決めた。

これまでこの1曲のためにどれだけ苦労し、そのせいでシステム全体がおかしくなったか、身を持って体験している。

オーディオは捨てることも肝心だ。

と、偉そうに吐(ぬ)かしてみたが、単に根気が失くなってしまっただけかもしれない…(笑)。



魅惑の真空管アンプ〜その3〜
2016年10月23日 | 魅惑の真空管アンプ
前回からの続きです。

久しぶりに低音域が充実した真空管アンプに出会って、ついウキウキしてしまうが(笑)、このアンプ、我が家ではうまく鳴ってくれたけど、「よそ様のお宅ではどうなんだろう、もしかして内弁慶かもしれないなあ」なんて思いながらいそいそと武者修行のたびに出掛けた。

コンパクトな「6FD7」アンプをクルマに積み込んで目指すは大分市内のMさん宅、Nさん宅と巡回の予定だ。

まずMさん宅のタンノイ・オートグラフとクリプッシュホーンの2台のスピーカーとの対戦。

       

オートグラフを駆動している「KT88プッシュプル」(新藤ラボ)、クリプッシュホーンを駆動している「マランツ8B」アンプをわざわざ外しての対決と相成った。いずれも真空管アンプとしては高出力を誇っているので有名だ。

これに対して、この「6FD7」アンプはたかだか出力が2ワット前後だが、そのハンディにもめげず十分伍していける戦いぶりだった。個人的な感想では「クリプッシュホーン」の方とより相性がいいようで、両者ともアメリカ出身らしい屈託がなくて伸びやかな音が大きな魅力。

そして肝心のMさんのご感想といえば終始当たり障りのない表現で、一言でいえば「そんなに飛び付くほどでもない」という印象を受けた(笑)。ご本人の好みやプリアンプとの相性などいろいろあるのでこればかりは仕方がない。

1時間半ほど試聴して今度はNさん宅へ向かった。いよいよ「アルテックA5」との対戦だ。

             

接続されていたアンプは泣く子も黙る「WE300Bシングルアンプ」(モノ×2台)で、カンノのトランスを使った逸品だが、これを「6FD7」アンプと入れ替えて試聴した。お値段からすると月とスッポンだ(笑)。

結果的には本日の3台のスピーカーとの試聴の中では「アルテックA5」が一番相性がいいように思えた。シンプルな回路の持ち味が存分に発揮されているようで、音の立ち上がりや低音域への制動力など、まるで水を得た魚のよう。

とりわけマイルスの「カインド・オブ・ブルー」は圧巻。ベースが奥に引っ込んで鳴らしづらいという定評がある盤だが、さすがはアルテックでとてもバランスが良くて我が家ではとてもこんなにうまく鳴ってくれない。

           

「このアンプはなかなかいいですねえ。」と、Nさんがポツリと洩らされた。

「2〜3日ぐらいなら置いていってもいいですよ。折角なのでWE300Bアンプとじっくり比較試聴してください。」

このアンプは鳴らせば鳴らすほど音が良くなっていく感じがするが、来年の春までたっぷりと貸与期間をいただいているので、これからいろんなお宅にお邪魔して「道場破り」をさせてもらうのが楽しみ〜(笑)。


魅惑の真空管アンプ〜その2〜
2016年10月20日 | 魅惑の真空管アンプ
前回からの続きです。

真空管オーディオに嵌り込んで40年以上になるが、ときどき真空管(出力管)の種類っていったいどのくらいあるんだろうと考えることがある。同種の球でもプレート電圧などいろんな仕様の違いがあり、おそらく気が遠くなるほど夥しい数があるに違いない。

そういう中から実際に使われてみてクチコミで段々と評判が伝わっていき「WE300B」や「PP5/400」などの名管伝説が生まれていくのだろうが、実は秘めたる実力を有しながら誰も知らない、使わない、そして注目されない球だってきっとあるに違いない。ましてやテレビ用の球なんて「オーディオ用には無理」とハナから無視されてもちっとも不思議ではない。

こういう市井の中に埋もれてしまい一顧だにされない球の中から「回路などの工夫次第でいい音が出る」球を発掘することは、まるで砂浜の中から一粒のダイヤモンドを見つけるようなもので、これこそ真空管を愛好する人間の醍醐味だといっても過言ではあるまい。

北国の真空管博士が掘り出された「6FD7」はまさにそういう球だった。

          

再掲画像左側の2本がそうだが、ミニチュア管を一回り大きくしてふっくらさせたような可愛らしい図体だ。用途は1970年前後のカラーテレビ用(アメリカ)で、家庭で長時間点けっぱなしという酷使される環境を前提として作られた丈夫さと、アメリカにおける長きにわたる古典管製造のノウハウを併せ持った球だという。

ドライバー機能と出力機能が一体化した複合管のため、きわめてシンプルな回路が持つ優位性が存分に発揮されたアンプというのが第一印象だった。

試聴しながら「低音域の制動力が見事です。ウェストミンスターのバックロードホーンを苦もなくコントロールしてますよ。アンプがスピーカーを牛耳ってます。こんな小さな球からこれほど力感の溢れるサウンドが聴けるなんてとても信じられません。これは凄いアンプですよ。」

一緒に聴かれていたKさんも「いやあ、これほどとは思いませんでした。(ジャズの)ベースの音はこれが一番ですね。周波数レンジも広くて録音された音声信号をそのまま出してくれる感じです。回路がシンプルな分、音のスピード感も申し分ありません。たしかに、これは凄いアンプです。」

二人でひたすら、凄い、凄いを連発(笑)。

「お値段が安い割には音がいい」という次元を明らかに突き抜けており、目隠しでこの音を聴いたらどなたもこんな小さなアンプから出てくる音とは信じられないに違いない。

無論、人によって評価が左右されることは否めない。どちらかといえばアメリカ系サウンドで「音声信号をいっさいの装飾なしにそのまま出す」ところにプラス面とマイナス面が同居していて、その辺が好き嫌いが分かれるところだろう。

自分の場合は「音の粒立ちとエネルギー感」が圧倒的に買いで(笑)、現用の「PX25」アンプや「171」アンプには求められない持ち味があるので、ぜひこのアンプをメイン・アンプの一角として戦列に加えようと決心した。

ただし、この「6FD7」は国内では製造されなかったし、オークションにも出品されることはまずない。したがってアメリカからの直輸入品に頼らざるを得ないのが実状だ。

また、独自の工夫が為された回路、個人が手巻きした出力トランス(これがたいへんな優れもの!)、小粒だけどピリッと辛い整流管(6BW4)、配線材はウェスタン製、使用ハンダはナッソといった「絶妙なバランス」のもとに成り立っているので、この球を使いさえすれば誰が作ってもいい音が出るという保証はない。

アンプ製作者のKさん(新潟県)によると、ヒアリングテストでは片チャンネルにはオートグラフを、もう片方にはローサーを繋いで最後の音質調整をされた由。

「低音が出過ぎて困るほどで対策に苦労しました。」とのことで、通常のアンプとは真逆なのがユニークだ。

こんな凄いアンプを独り占めするのは勿体ないし、いろんなスピーカーを試したい気が湧き起こったので、さっそく武者修行の旅に出ることにした。

行く先は大分市内のMさん、Nさん宅でこのアンプによる試聴テストの申し込みをしたところ両者とも一言のもとにご快諾(笑)。

対戦相手はタンノイ「オートグラフ」、「クリプッシュホーン」(アメリカ)そして「アルテックA5」という強敵たち。

相手にとってまったく不足なしだが、この一騎打ちの結果やいかに〜。

以下、続く。


魅惑の真空管アンプ〜その1〜
2016年10月18日 | 魅惑の真空管アンプ
1か月ほど前からちらほら耳にはしていた。

「1970年前後のカラーテレビ(アメリカ)に使用されていた球を使ったアンプを作って楽しんでいる方がいる。テレビ用の真空管ともなると誰も見向きもしないのでお値段は格安だが、信じられないほどいい音が出るらしい。」

この話題の出力管は「6FD7」という、ドライバー機能と出力機能が一体化した珍しい複合管でこれまで聞いたこともない球だが、こういう稀少球の出所となると例によって北国の真空管博士にトドメをさす(笑)。

博士に詳しくお伺いしたところ、近隣にお住いのウェスタンの名管「205D」に精通した名うてのアンプ・ビルダー(Hさん)が、博士のお薦めで子供さん用にとこの球を使ったアンプを作ってみたところあまりの音の良さに驚かれたとのこと。

その話を聞きつけられたのが新潟県で老舗の真空管オーディオショップを経営されるKさん。この方もまた百戦錬磨のアンプ・ビルダーさんだ。「名人は名人を知る」で、博士とはご昵懇の仲である。

先日(10月9日〜10日)開催された「第22回真空管オーディオ・フェア」(東京)で、この「6FD7シングルアンプ」を製作し出品したところ、こんな小さなアンプからこれほど力強い音が出るのかと、注目の的だったそう。

こういう話を聞きつけて黙って見逃す手はない。このアンプをお借りしてぜひ我が家で試聴させてもらおう!

「真空管アンプはパワーとお金をかければかけるほど音が悪くなる」という通説があるが(笑)、「誰にも手が届く価格帯で音がいいアンプこそあるべき姿だ」と思っているので、(博士のご紹介のもとに)Kさん(新潟県)にお願いした。

「6FD7アンプにたいへん興味がありますので是非試聴してみたいです。よろしかったら真空管オーディオ・フェアの終了後に我が家に送付していただけませんでしょうか?」

すると「ハイ、いいですよ。じっくり試聴してください。期間は来年の春ごろまでOKです。その頃にはエージングも済んで一段とレベルアップした音で戻ってくることでしょうから。」とご快諾。

いやあ、厚かましいお願いに対してありがたいことです!心構えとして球もコンデンサー類も何もかも新品なのでエージングが完全に済んでいないことを念頭に置きながら聴いたほうが良さそうだ。

そして、間髪を入れず真空管オーディオ・フェア終了後の11日に「6FD7」アンプが新潟県を出発。別府到着は13日(木)。

さっそくオーディオ仲間のKさん(福岡)に連絡した。

「噂の6FD7アンプが13日に我が家に到着予定です。クロネコに問い合わせたところ、通常の配達なら夕方になるそうですが、営業所まで取りに来てくれれば14時頃にはお渡しできるとのことですがどうされますか?」

「ハイ、是非試聴させてください。もう今から胸がワクワクしています。」(笑)

さあ、当日は朝からの曇り空だったが暑からず、寒からず、「オーディオ三昧」にはもってこいの日だった。

いつものように10時半ごろにお見えになったKさんと、とりあえず我が家のシステムを試聴。

前回と変わったところはグッドマンの「AXIOM110」(ウェストミンスターの箱入り)の導入と、前段管に「LS7」(GEC)を導入した「PX25シングルアンプ」だった。

最初にクラシックを聴いていただいたがジャズの方が音の変化が分かりやすいので試聴に選んだCD盤はシェリー・マンの「マイ・フェア・レディ」。

すると「クラシックもジャズも両方うまく鳴ってくれますねえ。音を聴くのならともかく、音楽を聴くのであればスピーカーはやっぱりグッドマンですよ。」と、ご満悦。

ちなみに、オーディオシステムの音をクラシックで調整するか、それともジャズで調整するか、なかなか興味深いテーマだと思う。

オーディオの世界では「その道の権威だ!」と自称される方がたくさんいらっしゃるので、「物言えば 唇寒し 秋の風」だが(笑)、自分の拙い経験で述べさせてもらうと「クラシックで調整したシステムはジャズがうまく鳴らないことが多い」、その一方、「ジャズで調整したシステムはクラシックもうまく鳴ることが多い」というのが正直な感想だ。

つい先日、ジャズマニアの「I」さん(東海地方)からメールが来て「いつもジャズで調整したままでクラシックを聴きます。」とあったので、思わず頷いたことだった。ジャズを聴くときのスピード感(音の立ち上がり)重視とクラシックを聴くときの量感重視について優先すべきはどちら?答えは自ずとわかるだろう。

ま、各人の好みの問題だが(笑)。

さて、そうこうするうちに待望の14時近くになったので、クルマで15分ほどのクロネコさんの営業所にアンプを受け取りに出かけた。

予定の定刻通り到着して取り置きされていたのでひと安心。図体もコンパクトだし重量もそれほどではないので腰を傷めなくて済む。年寄りに優しいアンプだ(笑)。

すぐに我が家に持ち帰って梱包を解いて設置しケーブル類を繋いだ。最初の試聴スピーカーは「AXIOM110」で、材料代がたかだか5万円程度というこの破格の小型アンプがウェストミンスターのバックロードホーンをどう鳴らすのか、半信半疑ながらKさんともども固唾を呑んで耳を澄ました。

そして「こんな小さな球から・・・」と、二人ともビックリ仰天(笑)。

          

以下、続く。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/c/45d6e4b9b842f142d7022ba9f57e4c44
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#c30

[リバイバル3] 超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2 中川隆
31. 中川隆[-10649] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:39:24 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[27]

理想のオーディオ研究所
https://www.arisan58.com/


理想のオーディオ研究所(板橋商会)は、音楽再生において
虚飾を排した一生涯にわたり世界に誇れる製品を販売します。

取り扱い品目

・チューブオーディオラボ 真空管アンプ
・テクトロントランス ・TSM トランス
・カスタム高能率スピーカー
・Lowther ユニット エッジ交換 ダンパー修理
チューブオーディオラボ 45 パラシングルステレオ
チューブオーディオラボ RS289PP ステレオ

商品リスト

■チューブオーディオラボ 真空管アンプ

全ては音楽を楽しむ為に製作されたアンプです。
雄大ながらも繊細な音色を実現する為、回路設計で特許を持っている真空管を知り尽くした製作者は、アンプに
妥協のない緻密なデザインをします。
また、アンプを形にする技術も随一です。そのワイヤリングを見て頂ければ納得して頂けるでしょう。
工程は設計から製作までを全て一人で責任もって行う徹底ぶりです。
使用パーツの選定にも勿論妥協がありません。真空管、トランス、コンデンサ、抵抗、シャーシ、線材、ハンダ
の選定にも一切の手抜き無しです。というか手抜き出来ないそうです。
是非フェアでは、そのありのままの音をお聴きください。


poweramp

・テレフンケン RS289PP ステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球付き
・テレフンケン RS289 シンングルステレオパワーアンプ
TSM アモルファスカットコア仕様 球付き
・6AR6 シングルステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球別
・50 シングルステレオパワーアンプ(F704 用ソケット販売可)
テクトロンカットコア仕様 球別
・45PP ステレオパワーアンプ
テクトロンカットコア仕様 球別
・テレフンケン RES664D シングルモノブロック
パワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球付き
・テレフンケン RE604 系コンパチプル
シングルモノブロックパワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球別
※テレフンケン RES664D 使用可でお作り出来ます。その他、使用球はご相談下さい。
・13FD7 シングルステレオパワーアンプ 球付き
TSM オリエント EI コア仕様
・71A シングルステレオパワーアンプ 球付き
パートリッジトランス仕様


priamp

・c3o ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ 球付き


上記は現在までチューブオーディオラボで製作してきた一例にすぎません。非常に好評で何台も売れたものや、
一点もので大好評だったものを記載しました。その他、特注も賜りますのでお問い合わせください。

アモルファスカットコアにバージョンアップしたものも製作出来ます(ファインメットも可能。)。
TSM 製またはテクトロン製のもの、それぞれ製作可能です。
ただし、シャーシ構成が変わった場合、ステレオ構成からモノブロックへ変更等の可能性があります。

価格はその都度お見積りをお出ししますのでご相談下さい。


■テクトロントランス

値段も確かですがこれ以上の音を奏でるトランスはあるのだろうかと思います。設計・部材が非常にしっかりし
ており、大型なコアを磨き上げ、そこに太い線を巻きつけます。その為重量も非常に重くなりますが、音楽信号
の損失のない性能を誇ります。その設計思想の為、小型のものは製作出来ませんので、ご了承ください。チュー
ブオーディオラボ製のアンプの特に超重量級アンプに使用されています。製造会社のツゲ電気は唯一ピアレスの
OEM の権利を持っているという一面をみても、普通ではないトランスということが分かるでしょう。最高のも
のを求める方は是非お使い下さい。


・電源トランス
・出力トランス
・ドライバートランス
・チョークトランス
・その他特注トランス等
※コア材オリエントからファインメット等ご用意出来ます。
・ファインメット MC ステップアップステレオトランス
(レコードファンの方は是非ご使用ください。究極のトランスです。)


■TSM トランス
チューブオーディオラボ製のアンプに使用されています。非常に安価ながらも電源トランス以外の高品質トラン
スを特注で制作しています。その音は一言でいうと、鮮烈! 音楽のエッセンスを上から下までダイレクトに伝
えてくれます。このトランスで制作されたアンプでモニターシルバーをお使いの方が、「このアンプ最高ですよ!」
と興奮してお電話頂いたことは記憶に新しい事です(RS289PP ステレオパワーアンプ)。TSM は他社にも技術
提供、指導するような、確かな技術を持っている会社です。自作の方も是非お使い下さい。

・15w オリエント出力トランス
・25w オリエント出力トランス
・50w オリエント出力トランス
・インターステージトランス CS10
・インターステージトランス CS20
・アッティネータートランス オリエント
・アッティネータートランス アモルファス
・アッティネータートランス ファインメット
※シールドケースは付きません。
電源トランス以外の特注品ご相談承ります。
コア材種類についてもお問い合わせ下さい。


■高能率カスタムスピーカー

板橋商会のメインスピーカーです。高能率なので真空管アンプに最適です。スタジオモニタリング用スピーカー
ですが、非常に音楽性があります。色々使用しましたが、結局このスピーカーに落ち着きます。ユニットはビン
テージではなくアメリカ製の現行品です。

・RCS38
高能率 38cm 同軸 2way 35Hz〜20kHz(±5dB)
98dB/w/m H740×W530×D450mm
ケーブル付き 2 台
・RCS30
高能率 30cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
96dB/w/m H600×W400×D350mm
ケーブル付き 2 台
・RCS25
高能率 25cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H520×W360×D300mm
ケーブル付き 2 台
・RCS20
高能率 20cm 同軸 2way 60Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H450×W320×D280mm
ケーブル付き 2 台
※ご必要でしたらサランネットお造りいたします(別途料金。)。
5


■Lowther ユニット補修
・エッジ交換(キョン革エッジに張替ユニット 1 個につき)
・ダンパー修理(キョン革ダンパー交換ユニット 1 個に付き)


■真空管

■ビンテージハンダ


For overseas customers, please contact us by e-mail.

販売代理店:板橋商会ホームページ
http://www.arisan58.com(理想のオーディオ研究所)

板橋商会メールアドレス itabashi.trading0358@gmail.com
板橋商会代表 村上 武(takeshi murakami)
板橋商会住所:板橋区本町 31-3 703

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[近代史4] チューブ オーディオ ラボ の格安真空管アンプ 中川隆
1. 中川隆[-10648] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:40:33 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[28]
理想のオーディオ研究所
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理想のオーディオ研究所(板橋商会)は、音楽再生において
虚飾を排した一生涯にわたり世界に誇れる製品を販売します。

取り扱い品目

・チューブオーディオラボ 真空管アンプ
・テクトロントランス ・TSM トランス
・カスタム高能率スピーカー
・Lowther ユニット エッジ交換 ダンパー修理
チューブオーディオラボ 45 パラシングルステレオ
チューブオーディオラボ RS289PP ステレオ

商品リスト

■チューブオーディオラボ 真空管アンプ

全ては音楽を楽しむ為に製作されたアンプです。
雄大ながらも繊細な音色を実現する為、回路設計で特許を持っている真空管を知り尽くした製作者は、アンプに
妥協のない緻密なデザインをします。
また、アンプを形にする技術も随一です。そのワイヤリングを見て頂ければ納得して頂けるでしょう。
工程は設計から製作までを全て一人で責任もって行う徹底ぶりです。
使用パーツの選定にも勿論妥協がありません。真空管、トランス、コンデンサ、抵抗、シャーシ、線材、ハンダ
の選定にも一切の手抜き無しです。というか手抜き出来ないそうです。
是非フェアでは、そのありのままの音をお聴きください。


poweramp

・テレフンケン RS289PP ステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球付き
・テレフンケン RS289 シンングルステレオパワーアンプ
TSM アモルファスカットコア仕様 球付き
・6AR6 シングルステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球別
・50 シングルステレオパワーアンプ(F704 用ソケット販売可)
テクトロンカットコア仕様 球別
・45PP ステレオパワーアンプ
テクトロンカットコア仕様 球別
・テレフンケン RES664D シングルモノブロック
パワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球付き
・テレフンケン RE604 系コンパチプル
シングルモノブロックパワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球別
※テレフンケン RES664D 使用可でお作り出来ます。その他、使用球はご相談下さい。
・13FD7 シングルステレオパワーアンプ 球付き
TSM オリエント EI コア仕様
・71A シングルステレオパワーアンプ 球付き
パートリッジトランス仕様


priamp

・c3o ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ 球付き


上記は現在までチューブオーディオラボで製作してきた一例にすぎません。非常に好評で何台も売れたものや、
一点もので大好評だったものを記載しました。その他、特注も賜りますのでお問い合わせください。

アモルファスカットコアにバージョンアップしたものも製作出来ます(ファインメットも可能。)。
TSM 製またはテクトロン製のもの、それぞれ製作可能です。
ただし、シャーシ構成が変わった場合、ステレオ構成からモノブロックへ変更等の可能性があります。

価格はその都度お見積りをお出ししますのでご相談下さい。


■テクトロントランス

値段も確かですがこれ以上の音を奏でるトランスはあるのだろうかと思います。設計・部材が非常にしっかりし
ており、大型なコアを磨き上げ、そこに太い線を巻きつけます。その為重量も非常に重くなりますが、音楽信号
の損失のない性能を誇ります。その設計思想の為、小型のものは製作出来ませんので、ご了承ください。チュー
ブオーディオラボ製のアンプの特に超重量級アンプに使用されています。製造会社のツゲ電気は唯一ピアレスの
OEM の権利を持っているという一面をみても、普通ではないトランスということが分かるでしょう。最高のも
のを求める方は是非お使い下さい。


・電源トランス
・出力トランス
・ドライバートランス
・チョークトランス
・その他特注トランス等
※コア材オリエントからファインメット等ご用意出来ます。
・ファインメット MC ステップアップステレオトランス
(レコードファンの方は是非ご使用ください。究極のトランスです。)


■TSM トランス
チューブオーディオラボ製のアンプに使用されています。非常に安価ながらも電源トランス以外の高品質トラン
スを特注で制作しています。その音は一言でいうと、鮮烈! 音楽のエッセンスを上から下までダイレクトに伝
えてくれます。このトランスで制作されたアンプでモニターシルバーをお使いの方が、「このアンプ最高ですよ!」
と興奮してお電話頂いたことは記憶に新しい事です(RS289PP ステレオパワーアンプ)。TSM は他社にも技術
提供、指導するような、確かな技術を持っている会社です。自作の方も是非お使い下さい。

・15w オリエント出力トランス
・25w オリエント出力トランス
・50w オリエント出力トランス
・インターステージトランス CS10
・インターステージトランス CS20
・アッティネータートランス オリエント
・アッティネータートランス アモルファス
・アッティネータートランス ファインメット
※シールドケースは付きません。
電源トランス以外の特注品ご相談承ります。
コア材種類についてもお問い合わせ下さい。


■高能率カスタムスピーカー

板橋商会のメインスピーカーです。高能率なので真空管アンプに最適です。スタジオモニタリング用スピーカー
ですが、非常に音楽性があります。色々使用しましたが、結局このスピーカーに落ち着きます。ユニットはビン
テージではなくアメリカ製の現行品です。

・RCS38
高能率 38cm 同軸 2way 35Hz〜20kHz(±5dB)
98dB/w/m H740×W530×D450mm
ケーブル付き 2 台
・RCS30
高能率 30cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
96dB/w/m H600×W400×D350mm
ケーブル付き 2 台
・RCS25
高能率 25cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H520×W360×D300mm
ケーブル付き 2 台
・RCS20
高能率 20cm 同軸 2way 60Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H450×W320×D280mm
ケーブル付き 2 台
※ご必要でしたらサランネットお造りいたします(別途料金。)。
5


■Lowther ユニット補修
・エッジ交換(キョン革エッジに張替ユニット 1 個につき)
・ダンパー修理(キョン革ダンパー交換ユニット 1 個に付き)


■真空管

■ビンテージハンダ


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http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/487.html#c1

[近代史3] 新潟県 南魚沼市 チューブ・オーディオ・ラボ _ マイナー出力管を使った廉価な真空管アンプ製作 中川隆
9. 中川隆[-10647] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:41:11 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[29]
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取り扱い品目

・チューブオーディオラボ 真空管アンプ
・テクトロントランス ・TSM トランス
・カスタム高能率スピーカー
・Lowther ユニット エッジ交換 ダンパー修理
チューブオーディオラボ 45 パラシングルステレオ
チューブオーディオラボ RS289PP ステレオ

商品リスト

■チューブオーディオラボ 真空管アンプ

全ては音楽を楽しむ為に製作されたアンプです。
雄大ながらも繊細な音色を実現する為、回路設計で特許を持っている真空管を知り尽くした製作者は、アンプに
妥協のない緻密なデザインをします。
また、アンプを形にする技術も随一です。そのワイヤリングを見て頂ければ納得して頂けるでしょう。
工程は設計から製作までを全て一人で責任もって行う徹底ぶりです。
使用パーツの選定にも勿論妥協がありません。真空管、トランス、コンデンサ、抵抗、シャーシ、線材、ハンダ
の選定にも一切の手抜き無しです。というか手抜き出来ないそうです。
是非フェアでは、そのありのままの音をお聴きください。


poweramp

・テレフンケン RS289PP ステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球付き
・テレフンケン RS289 シンングルステレオパワーアンプ
TSM アモルファスカットコア仕様 球付き
・6AR6 シングルステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球別
・50 シングルステレオパワーアンプ(F704 用ソケット販売可)
テクトロンカットコア仕様 球別
・45PP ステレオパワーアンプ
テクトロンカットコア仕様 球別
・テレフンケン RES664D シングルモノブロック
パワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球付き
・テレフンケン RE604 系コンパチプル
シングルモノブロックパワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球別
※テレフンケン RES664D 使用可でお作り出来ます。その他、使用球はご相談下さい。
・13FD7 シングルステレオパワーアンプ 球付き
TSM オリエント EI コア仕様
・71A シングルステレオパワーアンプ 球付き
パートリッジトランス仕様


priamp

・c3o ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ 球付き


上記は現在までチューブオーディオラボで製作してきた一例にすぎません。非常に好評で何台も売れたものや、
一点もので大好評だったものを記載しました。その他、特注も賜りますのでお問い合わせください。

アモルファスカットコアにバージョンアップしたものも製作出来ます(ファインメットも可能。)。
TSM 製またはテクトロン製のもの、それぞれ製作可能です。
ただし、シャーシ構成が変わった場合、ステレオ構成からモノブロックへ変更等の可能性があります。

価格はその都度お見積りをお出ししますのでご相談下さい。


■テクトロントランス

値段も確かですがこれ以上の音を奏でるトランスはあるのだろうかと思います。設計・部材が非常にしっかりし
ており、大型なコアを磨き上げ、そこに太い線を巻きつけます。その為重量も非常に重くなりますが、音楽信号
の損失のない性能を誇ります。その設計思想の為、小型のものは製作出来ませんので、ご了承ください。チュー
ブオーディオラボ製のアンプの特に超重量級アンプに使用されています。製造会社のツゲ電気は唯一ピアレスの
OEM の権利を持っているという一面をみても、普通ではないトランスということが分かるでしょう。最高のも
のを求める方は是非お使い下さい。


・電源トランス
・出力トランス
・ドライバートランス
・チョークトランス
・その他特注トランス等
※コア材オリエントからファインメット等ご用意出来ます。
・ファインメット MC ステップアップステレオトランス
(レコードファンの方は是非ご使用ください。究極のトランスです。)


■TSM トランス
チューブオーディオラボ製のアンプに使用されています。非常に安価ながらも電源トランス以外の高品質トラン
スを特注で制作しています。その音は一言でいうと、鮮烈! 音楽のエッセンスを上から下までダイレクトに伝
えてくれます。このトランスで制作されたアンプでモニターシルバーをお使いの方が、「このアンプ最高ですよ!」
と興奮してお電話頂いたことは記憶に新しい事です(RS289PP ステレオパワーアンプ)。TSM は他社にも技術
提供、指導するような、確かな技術を持っている会社です。自作の方も是非お使い下さい。

・15w オリエント出力トランス
・25w オリエント出力トランス
・50w オリエント出力トランス
・インターステージトランス CS10
・インターステージトランス CS20
・アッティネータートランス オリエント
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・アッティネータートランス ファインメット
※シールドケースは付きません。
電源トランス以外の特注品ご相談承ります。
コア材種類についてもお問い合わせ下さい。


■高能率カスタムスピーカー

板橋商会のメインスピーカーです。高能率なので真空管アンプに最適です。スタジオモニタリング用スピーカー
ですが、非常に音楽性があります。色々使用しましたが、結局このスピーカーに落ち着きます。ユニットはビン
テージではなくアメリカ製の現行品です。

・RCS38
高能率 38cm 同軸 2way 35Hz〜20kHz(±5dB)
98dB/w/m H740×W530×D450mm
ケーブル付き 2 台
・RCS30
高能率 30cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
96dB/w/m H600×W400×D350mm
ケーブル付き 2 台
・RCS25
高能率 25cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H520×W360×D300mm
ケーブル付き 2 台
・RCS20
高能率 20cm 同軸 2way 60Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H450×W320×D280mm
ケーブル付き 2 台
※ご必要でしたらサランネットお造りいたします(別途料金。)。
5


■Lowther ユニット補修
・エッジ交換(キョン革エッジに張替ユニット 1 個につき)
・ダンパー修理(キョン革ダンパー交換ユニット 1 個に付き)


■真空管

■ビンテージハンダ


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販売代理店:板橋商会ホームページ
http://www.arisan58.com(理想のオーディオ研究所)

板橋商会メールアドレス itabashi.trading0358@gmail.com
板橋商会代表 村上 武(takeshi murakami)
板橋商会住所:板橋区本町 31-3 703

https://www.arisan58.com/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/459.html#c9

[近代史3] 新潟県 南魚沼市 チューブ・オーディオ・ラボ _ マイナー出力管を使った廉価な真空管アンプ製作 中川隆
10. 中川隆[-10646] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:42:17 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[30]
詳細は

超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/459.html#c10

[リバイバル3] 一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ? 中川隆
17. 中川隆[-10645] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:19:53 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[31]
超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html

チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『VT-52』     ・・・2020/7/27〜【9/17更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/12/2020_VT-52.html

 アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。
 少し間が空きましたが、3台集中製作…ようやく3番目の再開です。9/10〜

1・シャーシ図面 1
シャーシ図面 1

2020/07/27
◆ シャーシ図面 1
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ図面 2
シャーシ図面 2

2020/07/27
◆ シャーシ図面 2
 図面は直接計測しないでください。
 サイズはイメージです。◇◇
3・シャーシ
シャーシ


2020/08/10
◆ シャーシ
 部品を取り付けて・・・若干の修正をして、真空管は手元に有りますので挿して見ました。
 初段はレーセオン2C52、WE刻印のVT52、整流管はロジャース5X4G・・・
VT52を沈めましたので、整流管の背が高く為りました・・・思案の為所ですね。

更に続く

4・部品取付
部品取付


2020/08/27
◆ 部品取付
 シャーシの塗装も上がって来ましたので、軽い部品から取り付けます。
 トランス類は最後にしたいのですが、背面の端子が邪魔して付かなくなりそうなので・・・ 付けちゃいました。

5・配線開始
配線開始


2020/09/10
◆ 配線開始
 大分間が空きましたが、VT52アンプの配線を始めました。
 部品レイアウトは前回のPX4アンプと同じですので、配線の取り回しも一緒なので サクサクと進む予定です。

続く

6・配線終了
配線終了


2020/09/13
◆ 配線終了
 配線が終わりました。
 前回のPX4アンプとは出力管周りが違うだけで、後はほぼ同じですからスムースに進みました。
 後は調整ですが・・・DC点火回路がヘタレないか一寸心配ですがVT52のフィラメントは1Aですので、 まあ大丈夫でしょう。

7・フィラメント
フィラメント


2020/09/15
◆ フィラメント
 先ずはフィラメント電圧を規定値に合わせます。
 AC点火で実用に為るのは4V迄で、それ以上はDCにしないとハムが取り切れません。
 今回DC/DCコンバータを使いましたが、取付には絶縁ワッシャーを使って下さい。
 パターンにビスが触れてアースに落ちます、フィラメントの片側がアースです・・・ ヒューズが切れました、この原因が分るまで悩んだのですよ・・・

8・調整終了
調整終了


2020/09/15
◆ 調整終了
 DCコンバータに絶縁ワッシャーを入れて・・・今度は大丈夫です。
 プレート電圧、バイアス電圧も良いところに入っています。
 暫く初期エージングです、DCコンバータの発熱もフィラメント1Aですので大丈夫の様です。
9・2C52
2C52


2020/09/17
◆ 2C52
 順調にエージングが進みました。

 初段はレーセオン社の2C52です、余り馴染みが無いかも知れませんが12.6Vの 球を使うために電源トランスを特注致しました。
 とても良い作りの軍用球です。

10・ケルテス
ケルテス


2020/09/17
◆ ケルテス
 エージングも3日目になりまして、鳴らし始めとは比べようも無いくらいの変わりようです。
 WE球の中でもVT25AとVT52は共通の趣があります、比べるとグリッドのピッチが違うくらいで プレートは同じかと思います、グリッドのピッチが荒い分VT52の方が端正な音がします。
 今回整流管にカナダロジャースの5X4Gを使いました。
 此の組み合わせは、高音の抜けは良い低音の厚みはあるしVT52はホント良い音がします。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/12/2020_VT-52.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html#c17

[リバイバル3] 英国の気品 PX4 シングルアンプ  中川隆
13. 中川隆[-10644] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:21:22 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[32]
超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html

チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『PX4』     ・・・2020/7/27〜【9/8完成】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html

 オーダーアンプの作成経過の報告スタイルです。
 9月8日…色々有りましたが完成です。
1・シャーシ図面 1
シャーシ図面 1

2020/07/27
◆ シャーシ図面 1
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ図面 2
シャーシ図面 2

2020/07/27
◆ シャーシ図面 2
 図面は直接計測しないでください。
 サイズはイメージです。◇◇
3・シャーシ
シャーシ


2020/08/09
◆ シャーシ
 VT52アンプも同じシャーシなので、右側のVRツマミがケースに近くて操作し難いです。
 メインのVRは左右のレベル合わせで使って頂き、ボリューム調整はプリアンプで・・・
此のアンプのシャーシほぼ中央にバイアス切り替えのSWを追加致しました、此でRE604系の出力管も使って頂けます。
更に続きます。

4・塗装上がり
塗装上がり●


2020/08/23
◆ 塗装上がり
 塗装が上がって来ました。
 OUTとプレートCHはアモルファスコアでの特注です、 前回964アンプのOUTと今回のCHが同じコアですので、 出力トランスのコアの大きさが判ると思います。
 さて・・・其れでは部品の取付へと進みます。

続く

5・上面
上面


2020/08/27
◆ 上面
 PX4アンプの部品がほぼ取付きました。
 今まで黒色ばかり使っていましたが、此の色も良い感じですね・・・ VT52アンプとの違いはRS289のプレート結線用の赤い端子と、PX4〜604の切替えSWです。

6・端子側
端子側


2020/08/27
◆ 端子側
 後ろの端子側です。
 良い部品を使っています、入出力端子は音(株)製を使いました。
 入力端子は音(株)の特許製品で、アース側から繋がりますのでそのままピンケーブルを 抜き差し出来る優れものです。

7・配線始め
配線始め


2020/08/30
◆ 配線始め
 部品の取付が終わりましたので、配線を始めました。
 電源トランスの上は出力管のDC点火回路です、此の部分は最初に配線しておかないと 後からの配線が出来ませんので・・・

8・配線途中
配線途中


2020/09/03
◆ 配線途中
 少しずつですが進んでいます・・・ 後は出力管のバイアス切り替えのSW周りですが、 上手く抵抗の処理をやらないと収まりませんので、 此が厄介なのですよ・・・

9・バイアス切り替え
バイアス切り替え


2020/09/6
◆ バイアス切り替え
 厄介な所の配線がヤット終わりました。
 此処はもう頭の体操ですね・・・ 部品の大きさと、限られた端子とで部品の配置を考えて・・・ ゴチャゴチャしていますが、何とか収まりました。

此でPX4系とRE604系の球が安全に使用可能です。

10・調整
調整


2020/09/08
◆ 調整
 配線が全て終わりましたので、始めにフィラメント電圧の調整です。
 DCコンバータのポテンショメータで規定の電圧を調整して・・・簡単に電圧が合わせられます。

11・トラブル
トラブル


2020/09/08
◆ ●トラブル●
 出力管をPX4からRS289に差し替えて数時間エージング・・・ オヤッ・・・片側の音が歪みっぽいしDCコンバータがヤケに熱い、 無理も無いか、RS289のヒーターは2.1Aの電流が流れますので発熱も凄いです。
 熱暴走でフィラメント電圧の低下ですね・・・

12・完成
完成


2020/09/08
◆ 完成
 アッサリとDC点火回路を外しました。
 AC点火です、危惧していたフィラメントハムも気にならない程度に収まりまして、 高価な出力管にも安心です。

13・RS289
RS289


2020/09/08
◆ RS289
 先ずはRS289でエージングです・・・高真空の球ですので、うっすらとバルブトップにグローが見えます。
 プレートに十字のフィン・・・良いですね、オーディオアンプと言うより独逸の送信機と言う感じです。

14・RS289U
RS289U


2020/09/08
◆ RS289U
 電源を入れてからヒーターが点灯するまで2〜3分掛かります、 球が切れているのでは・・・と思うくらい時間が掛かります。
 カソードが赤くなってからも30分位経たないと本領を発揮しません・・・気の短い人には向かない球です。

15・アルページオネソナタ
アルページオネソナタ


2020/09/08
◆ アルページオネソナタ
 音も大分締まってきましたのでPX4に変えてシューベルトを・・・ チェロが歌います、特に2楽章が大好きなのです。

16・RE604
RE604


2020/09/08
◆ RE604
 銘球バリュームの604でバッハを・・・ 唯々聴いています至福の一時です。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/443.html#c13

[近代史3] 世紀の捏造? ”ガス室はなかった” は本当か? 中川隆
3. 中川隆[-10643] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:29:04 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[33]

灰になった110万人「死者の名前見つけたい」
今も続く保存作業、虐殺の歴史後世に アウシュビッツ生存者の消せない記憶(3)
2020/10/24
https://www.47news.jp/47reporters/5412850.html


アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)の有刺鉄線と監視塔。現在は博物館として公開されている=1月、ポーランド・オシフィエンチム(共同)

 窓の外に有刺鉄線が走る作業室は静けさに包まれている。白衣姿のスタッフが皮の古い旅行かばんを手作業で修復し、大人から幼児用まで当時の色を保つ大小の靴も修復を待つ。いずれもアウシュビッツ強制収容所の収容者の遺品だ。犠牲者は110万人以上。9割をユダヤ人が占めるが、大半は名前すら記録されず、死の詳細は分かっていない。かつての収容所施設に設けられた作業室では今も、膨大な遺品の保存や犠牲者の身元解明など虐殺の歴史を後世に伝える地道な作業が続いている。(共同通信=森岡隆)

アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)として使われた建物で、移送されてきた人々のかばんを修復する博物館のスタッフ=1月、ポーランド南部オシフィエンチム(共同)
 ▽犯罪の証拠

 「紙の資料から収容所の建物の部材まで、あらゆるものを保存する」。当麻さくらさん(37)=神戸市出身=が話す。ナチスが1940年、占領下のポーランド南部の都市オシフィエンチムに開設したアウシュビッツ。第2次大戦後、施設跡はポーランド国立のアウシュビッツ・ビルケナウ博物館として運営され、見学者受け入れのほか、資料の保存や修復などを続けてきた。当麻さんは博物館に勤務する約80人の保存担当職員の1人だ。

アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)として使われた建物で、収容者の手紙の保存作業をする当麻さくらさん=1月、ポーランド南部オシフィエンチム(共同)
 犠牲者の服や靴、ナチス親衛隊(SS)隊員が撮った写真など10万を超す資料を所蔵し、スタッフは一点一点に保存処置を施す。ユダヤ人たちが収容されたれんが造りのバラックも保存のため解体し、個々の部材を薬品で処理する。劣化対策はかつて電流が流れていた収容所の有刺鉄線や鉄線を支えるコンクリートの柱にも及ぶ。戦後75年を経て生存者は減り続け、間もなく戦後世代が悲劇を語り継ぐ時が来る。その時、こうした資料が実相を後世に伝える直接の証拠となるからだ。

アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)の施設として使われた建物で、移送された人々の靴を見る当麻さくらさん=1月、ポーランド南部オシフィエンチム(共同)
 博物館には今も収容者ゆかりの品が持ち込まれる。当麻さんは日々、収容者の遺品に接し、傷やしみの位置も覚えてしまうという。「手を加えるのではなく、あくまで75年前と同じ本物の状態を保つ。この作業に終わりはない」

 ▽消えた人々

 アウシュビッツでは誰がどのような最後を遂げたのか、大勢の死の詳細が不明だ。クシシュトフ・アントンチュクさん(52)ら職員12人は100万件以上の記録が入力された博物館の「収容者データベース」などを基に、犠牲者の身元を1人でも多く明らかにしようとしている。

 欧州各国からアウシュビッツに移送されたユダヤ人は到着直後、7割以上がガス室に送られ、残りは強制労働に就くために名前などを登録された。到着直後にガス室へ送られた人は約90万人。SSはその名前を記録せずに遺灰を近くの川や穴に捨て、人々の痕跡は消えてしまった。一方、約40万人が登録されたが、飢餓や病気などで半数がその後、アウシュビッツで死亡した。

 大戦終盤の44年末以降、ソ連軍がアウシュビッツに迫り、SSは犯罪の証拠を消しに掛かった。膨大な記録文書の9割以上を廃棄し、アウシュビッツ第1収容所から約3キロ離れた広大なアウシュビッツ・ビルケナウ収容所(第2収容所)では四つの大型ガス室の破壊に着手した。最後に残ったガス室を爆破した翌日の45年1月27日、ソ連軍がアウシュビッツに到着し、収容所を解放した。第1収容所とビルケナウなどには衰弱した約7千人が残っていた。

 「アンネの日記」を書いたユダヤ人少女アンネ・フランクの父オットーもこの時解放された。だが、アンネは既にビルケナウからドイツ国内の強制収容所に移送され、現地で2月に死亡したとみられる。

 ▽巨大なパズル

 犠牲者の特定には困難がつきまとう。記録の大部分が失われ、現存するものも姓名のどちらかが欠けるなど不完全だったり、判読不能だったりする場合が多いからだ。欧州各国から移送された収容者の名前が実際とは異なるつづりで登録され、混乱を招くケースも目立つ。

 「だから戦後75年を経ても、パズルのピースを埋めるような作業を続けている」とアントンチュクさん。スタッフは記録のデータ化や米国やイスラエルなど国外の公文書館などとも協力して犠牲者の情報を集め、登録された約40万人の6割の名前をこれまでに特定した。

アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)の施設として使われた建物で、データベースを基に犠牲者らの身元特定を進めるクシシュトフ・アントンチュクさん=1月、ポーランド・オシフィエンチム(共同)
 ▽追悼作業

 ドイツへの抵抗運動に加わり、捕まったスタニスワフ・ヤシンスキという20代のポーランド人男性がいた。アウシュビッツに近い都市クラクフから移送され、戻らなかったことだけが分かっていた。アントンチュクさんがロシアから提供されたSS作成の収容者の死亡証明書を調べていた際、アダム・ソスナという男性の書類に行き当たった。死亡日は43年1月。出生地などの個人データがヤシンスキと重なり、本人がソスナの偽名を名乗っていたと思われた。

 ヤシンスキの家族から逮捕前の写真を受け取り、現存する4万枚の収容者の顔写真からこの時期、クラクフ経由で到着した人々の写真と一枚一枚照らし合わせていった。囚人番号77587。ついに同じ人物が見つかった。データベース上で番号をたどると、死の2カ月前に着いたことが判明した。遺体は焼却されていた。

ドイツ語で「アルバイト・マハト・フライ(働けば自由になる)」と表示されたアウシュビッツ強制収容所(第1収容所)の門=1月、ポーランド・オシフィエンチム(共同)
 今もアウシュビッツの犠牲者の子や孫たちが肉親の消息を求め、博物館に連絡してくる。SSにとって収容者は番号にすぎなかったが、親族にとってはかけがえのない存在だ。

 「110万を超える人々がここで犠牲になり、遺灰を捨てられた。1人でも多くの名前を見つけ、人生の最後の空白を埋めたい。名前を見つけるのは彼らを追悼することだと思っている」。アントンチュクさんが力を込めた。(終わり)

https://www.47news.jp/47reporters/5412850.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/346.html#c3

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
61. 中川隆[-10642] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:48:49 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[34]

超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html


チューブ・オーディオ・ラボ ドイツ球『RES964』
オーダーアンプ作成『RES964』     ・・・2020/7/27〜【8/21 更新〜終了】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/10/2020_RES964.html


 アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。
8/21無事完成の運びとなりました。
1・シャーシ図面
シャーシ図面

2020/07/27
◆ シャーシ図面
 オーダーアンプのシャーシ図面が出来上がりましたので、シャーシ製作を依頼中です。
2・シャーシ
シャーシ

2020/08/08
◆ シャーシ
 シャーシが出来上がって来ました。
トップパネルは1.6mm厚の鋼板で・・・重いモノを載せても大丈夫です。
若干の手直し後は塗装に出せるように・・・と

3・アモルファス
アモルファス


2020/08/14
◆ アモルファス
 思いのほか塗装が早めに出来上がって来ました。
 何時もの黒色・・・では無く暗緑灰色?
 新しい塗装色です、何か・・・新鮮ですネ

 此のアンプの要・・・アモルファスコアのOUTです。
 TSMプロダクツの特注手巻きトランス・・・良いから使うのです。

4・部品取付
部品取付


2020/08/14
◆ 部品取付
 大体の部品が取付終りです。
 トップパネル式は部品が取付け易くて作業性がとても良いです。

5・配線途中
配線途中


2020/08/16
◆ 配線途中
 シャーシの設計段階で周到な部品配置などやりませんので・・・配線をしながら 何処に付ければ邪魔に為らないか等など・・・と考えながらやっています。
後一歩でワイヤー配線が終りです。

6・思案どころ
思案どころ


2020/08/17
◆ 思案どころ
 出力管のバイパスコンデンサーが重なって・・・此で良いと言い聞かせていましたが、 気になってしまい・・・変更します。

7・やり直し
やり直し


2020/08/17
◆ やり直し
 同じキーストン社の1L2P端子が出てきました・・・此で当らずに取り付けられます。
 ヤッパリ・・・スッキリしましたネ

8・調整
調整


2020/08/18
◆ 調整
 何とか調整までこぎ着けました。
 フィラメント電圧を適正値にする作業が思いのほか手こずります。
 抵抗を何種類か用意して・・・其れでも合いませんので、サーミスタと抵抗を組み合わせて・・・ 何とか4Vの電圧が出ました。

9・配線終了
配線終了

2020/08/19
◆ 配線終了
 残暑厳しき中・・・エアコンフル稼働で・・・
 配線が終わりました。
 適正電圧に為るように調整用の抵抗を決めて・・・終了
 ハムバランスを調整・・・高能率のSPでも無音状態です。
 テレフンケンのRES964を使う限りAC点火でも十分なハムレベルに押さえられると思います、 DC点火回路を省略出来ますので、随分回路が簡単になり作りやすく為ると思います。

試聴へと続く・・・

10・DUG
DUG


2020/08/20
◆ エージング
 真空管アンプのエージングには不向きな一番暑い日でした。
 新宿DUGでのライブ録音・・・随分前に伺いましたが、今の状況はコロナで厳しいでしょうね
 暑い日に真空管アンプのエージングは辛いモノが有ります、時間と共に音が締まって来るのが判ります。
 三本吊りフィラメントの964を聴いていると・・・此で十分、高額なRE604は要らないか・・・ナ
11・試聴U
試聴U


2020/08/21
◆ 試聴U
 引き続き仕上げの試聴を繰り返しています。  コンデンサー、トランス等のエージングを兼ねて試聴をしています。
 手持ちの真空管を差し替えて・・・964も色々有るのですが、暑い中探すのも億劫ですので 手近に有ったモノを挿して、整流管は色々出てきましたので動作確認がてら差し替えての試聴です。

12・RES964
RES964


2020/08/21
◆ RES964
 2年前の真空管オーディオフェア撤収の時に、お客様の足も途絶えましたので964アンプと ローサーの組み合わせでガンガン鳴らしました・・・凄い音でしたヨ 整流管もサイドコンタクトのAZ1は、お値段も安いですしメッシュプレートも有りますので、 RES964と共にお勧めです、割と安価にドイツ球の実力を楽しめます。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/10/2020_RES964.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c61

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
62. 中川隆[-10641] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:50:25 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[35]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成『ヨーロッパ管RE604』     ・・・2019/12/24〜【完成 2020/5/14】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html
アンプのオーダーを頂きました。例により作成経過の報告スタイルです。

 ヨーロッパ管はフィラメント電圧4Vなのですが、6Vの出力管も有るので・・・其れも使える様に・・・ 4V管も電流値が色々ですので、DC点火では電圧調整をレオスタットで・・・厄介ですよね。
4VはAC点火で、6VはDC定電圧で行くことにしました。
1・部品集め
部品集め

2019/12/24
● 部品集め
 今年真空管の大量仕入が有りまして・・・
 資金が枯渇状態で思うように進みませんが、金額の大きい物はそこそこ揃えられて来ました。
トランスとシャーシは共に特注品です・・・今後の展開は順調に推移する事を願って・・・
2・シャーシ
シャーシ

2020/2/12
● シャーシ
 相変わらずの黒色のブツブツ塗装です。
 文字を入れて・・・部品の取付に入りました・・・
塗装の厚さを考慮して穴は大きめに開けています、
前はヤスリがけでしたが・・・知恵が付きました。
3・部品取付
部品取付


2020/3/1
● 部品取付
何しろ切替えSWが多いのです・・・
人間欲張ると碌な事が無い、あの球此の球と色々使いたい・・・
気持は私も同じですが、其の分工作が厄介で時間も掛かります。
4・プレートチョーク
完成


2020/3/3
● プレートチョーク
 前段球のプレート負荷に TSMプロダクトのチョークを使います。
 2個で良いのですが・・・今回は2台分の製作ですので、2倍の時間を費やしています。
 フロント部分のパーツが付きました、ロゴマークを入れる場所が無いので・・・ 切替えSWの下にさりげなく・・・

5・OPT
OPT


2020/3/5
◆ OPT
 出力トランスは20Wアモルファスカットコアです。
 7Kと3.5Kを二次側で切替えますので、8Ω 16Ω 32Ωで巻いて貰いました。
 何かと融通を効かせて貰っていますTSMプロダクトさんに感謝。
 引出線はWEの20ゲージで配線です。

6・部品取付完了
部品取付完了


2020/3/7
◆ 部品取付完了
 重たいトランスの取付が終わりました。
 電源部分が半分を占めます・・・贅沢なWチョーク回路です。
 後は・・・6V回路をもう一工夫オープンコアですので、ボンネットが付きます。

7・配線準備
配線準備


2020/3/27
◆ 配線準備
 手前に有りますのが6Vフィラメント用のACアダプターを固定する金具です。
 最初は結束バンドで縛ろうと思ってましたが・・・
プロの仕事では無いと・・・板金で金具を製作して貰いました。
 配線がゴチャゴチャしてます・・・上手く纏まるでしょうか・・・

8・インピーダンス切替え
インピーダンス切替え


2020/4/8
◆ インピーダンス切替え
 頭の中がゴチャゴチャして・・・配線図だけでは間違いそうなので、 実体図を書いて其れを見ながら配線して・・・と、OUTの3.5Kと7Kの切替えです、 SPの8Ωと16Ωに対応しています。

9・6V管用ACアダプター
6V管用ACアダプター


2020/4/14
◆ 6V管用ACアダプター
 ヨーロッパ6V管用のACアダプターです。
 小型ですので便利です、ダイオード整流では此のスペースに収まらないでしょう・・・
突入電流防止にサーミスタを入れます、厄介な工作が終ったので配線に移ります。

10・
フィラメント電圧切替え


2020/4/19
◆ フィラメント電圧切替え
フィラメントの切替え配線を終えて・・・ホッと一息
 ご覧のように整流管の二個使い、半波の整流管も使える様に・・・ 電源トランスは、3.8V5Aの巻線を出して貰いました、クライアントの要望が複雑さに輪を掛けます。

11・配線途中
配線途中


2020/4/21
◆ 配線途中
 B電源の配線が終わりました。
チョークコイルの上にバイアス抵抗の取付板が付きますので、此処の配線を先に済ませます。
12・配線途中其の2
配線途中其の2


2020/4/25
◆ 配線途中其の2
 バイアス抵抗切替えの配線を残し・・・ほぼワイヤー配線を終えました。
 スッキリ感は無いですが・・・ コンパチアンプで有ることを考えれば致し方ないかな・・・

13・バイアス切替
バイアス切替


2020/4/29
◆ バイアス切替
 いよいよ此のアンプの要・・・バイアス切替えの配線へと移って行きます。
 何しろステレオですので、2回路分の配線が入り組んでいます。
 間違いの無いように行き先に番号を記入して・・・

14・調整
調整


2020/5/6
◆ 調整
 配線が入り組んでますので間違いが無いか・・・ 最初に電源を入れるときは未だにハラハラドキドキです。
 電圧を測定して抵抗値を決めます、何度かやっている内に面倒になりまして・・・ 電流計を入れました・・・RES964で30mAチョット流れています。
 良い感じに仕上がりました。

15・終了
終了


2020/5/9
◆ 終了
 大分手間取りましたが、電圧配分も上手く行きまして終了の運びになりました。
 部品も収まるところに収まった感じです・・・と言ってしまえば簡単ですが、 左下ホーロー抵抗の手持ちが無くて、片道60Kmを高速道路を使って・・・ 何だかんだで結構思い入れの強いアンプと成りました。

16・試聴
試聴


2020/05/09
◆ 試聴
 先ずはRES964から・・・未だエージングが進んでませんので、下の方が膨らみ気味ですが・・・ TSMプロダクトのアモルファスOUTのお陰でしょうか、静かな休日の午後にローサーが歌います・・・
 甘い香りのモカと音楽と・・・至福のひととき
試聴(エージング)もお仕事です。

試聴パートUへ続く

17・試聴パートU
RS289


2020/05/14
17◆ RS289
 此の球は、カソードが赤くなるまで結構時間が掛かりますので・・・ 最初はヒーター断線かと思う位です。
 RS289の音は慣れると此の球で無ければ・・・
弦楽器の音は素晴らしいの一言です。

18・試聴パートU
RE604


2020/05/14
18◆ RE604
 バリューム昇華フィラメントの604です・・・
 流石に銘球! 何を聴いても破綻が有りません。

19・試聴パートU
PX650


2020/05/14
19◆ PX650
 手持ち唯一の6V管です。
かなり古い年代の球ですが・・・とても元気です。
 まだまだエージング不足ですが、角の取れた音で女性ボーカルでの再生では・・・思わずニッコリ

20・試聴パートU
L491D


2020/05/14
20◆ L491D
 私は敬意を込めて魚焼きと呼んでいます。
 此の球ほど見て良し聴いてよしは他に無いのでは・・・と思うくらいです。
 スピード感の有るスッキリとした音は、ブルージーなケニーバレルのギターに合いそう・・・

21・試聴パートU
RGN564


2020/05/14
21◆ RGN564
 半坡整流管ですので2本使いです。
 メッシュプレートですので、フィラメントが透けて見えます。
 良いですね・・・此だから真空管は止められません。

22・試聴パートU
後ろ姿


2020/05/14
22◆ 後ろ姿
 シャーシ内部や裏側など・・・普段見えない所に凝って作っています。
 滅多に見れない裏側です・・・如何でしょうか

23・試聴パートU
全体


2020/05/14
23◆ 全体
 全部ドイツのナス管で揃えて見ました。
 質実剛健の機械と言う感じのアンプが好きなのです・・・
此ばかりは変えられません。

24・試聴パートU
ヒラリー・ハーン


2020/05/14
24◆ ヒラリー・ハーン
 若干17歳のヒラリー・・・カワイイ
今までバッハの無伴奏は色々聴いてきましたが・・・
 参りました。
 ソナタ3番のラルゴ・・・
優しく包み込まれるような音色は絶品です。

 さて、長い間のお付き合いありがとうございました。
 今回のコンパチアンプは複雑な作りこみ・・・
 その分丁寧な仕事を心掛け時間をかけてまいりましたが、ようやく完成の運びとなりました。

 時間を掛けた分、エージングと言う名の試聴に未だ聴きたい真空管は有るのですが・・・
クライアントを何時までも待たせる訳にも行きませんので、此で終了いたします。
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c62

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
63. 中川隆[-10640] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:51:01 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[36]
チューブ・オーディオ・ラボ
オーダーアンプ作成 その2『ヨーロッパ管コンパチアンプ』   ・・・2020/05/21〜【6/14完成】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/06/2020_06.html
さて、 先日(2020/5/14)完成しましたコンパチアンプ

『ヨーロッパ管RE604』  
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/17/2019_17.html


をもう一台作ることになりました。
同一仕様で2台目と言うことになります。

従って、今回の仕上がりは仕様が分かっている分早めの完成となる…予定です。
では、完成までまたお付き合いお願いします。

 ※仕様:ヨーロッパ管フィラメント電圧:4V管=AC点火:6V=DC定電圧
1・配線始め
配線始め

2020/05/21
● 配線始め
 前回と同じコンパチアンプの2台目です。
 前回で試行錯誤を繰り返しましたので、スムースに運びそうです。

2・配線途中
シャーシ

2020/6/3
● 配線途中
 前回と同じアンプですので、割とスムースに進んでいます。
 でも・・・複雑さは変わり有りません・・・

3・配線途中その2
配線途中U


2020/6/9
● 配線途中U
 さて、上の写真と間違い探し!?・・・か…
 CRの取付が終り後は、バイアス抵抗の配線を残すのみと為りました。
4・配線終了
配線終了


2020/6/13
●配線終了  前回のコンパチアンプに変更が有りましたので、配線の様子もチョット変わった箇所が有ります。
 此で配線が終わりました、前回分で電圧配分が上手く行っていますので・・・
後は試聴へと進みます。

5・試聴
試聴


2020/6/14
◆ 試聴  前作のアンプで色々な球を試しましたので、 今回は銘球RE604のバリュームでじっくりと・・・
整流管はRGN2504のブラックメッシュを選びました。
 ローサーが歌うジュリーロンドンのハスキーボイスをツマミに・・・
良い時間が流れています。


 と言うことで、無事に2台目のコンパチアンプが完成致しました。
 同じ仕様で2台目となると、やはり予定より早く進みましたね。
 この調子で、次は新作アンプか・・・

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/06/2020_06.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c63

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
64. 中川隆[-10639] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:52:09 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[37]
オーディオフェア2019に向けて・・・
去年の真空管オーディオフェアで、 RS289プッシュプルアンプを出展致しましたが、
ご購入頂きましたので・・・今回はお値段を抑えて、シングルアンプの製作です。

RS289シングルアンプ     8/21 【更新】
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/14/RS289_14.html


使用部品

●8/11 使用部品
 アンプの要・・・出力トランスはTSMプロダクト、20Wアモルファスコア。
 ドライバートランスも同じくアモルファスコアで・・・
 RS289との組み合わせで最強のシングルアンプに仕上げたいと思います。

部品取付
●8/13 部品取付
 部品の取付が終わりました。
 オクタルソケットが見当たらず、出てくるまで結構時間が掛かりましたが・・・
穴の修正無しで収まりました。

配線開始
●8/13 配線開始
 ドライバートランスを内蔵する関係で、ある程度の配線を
進めて置かないと後からでは配線が出来ませんので、
今考えるとシャーシ寸法を大きくして、シャーシ上に
取り付けた方がやりやすかったなー・・・

配線途中
●8/17 配線途中
 AC周りの配線が終わりました。
 此処まで進めば・・・半分終わったも同然・・・と上手く行くでしょうか。
 後は、ドライバートランスの組込みへと・・・問題が生じなければ良いのですが。

ドライバートランス
●8/18 ドライバートランス
 ドライバートランスの組込みが終わりました。
 アースポイントがトランスの下側になっていまして・・・
チョット厄介でしたが、何とか無事に収まりました。
 トランスは、10K:40KのDC10mAで巻いて貰いました。
配線終了
●8/19 配線終了
 配線が終わりました。
 何か・・・ギュウーと詰まった感じですね・・・ 本当はスッキリ作りたかったのですが、今後の課題です。

球の実装
●8/19 球の実装
 では球を挿して・・・内部と違ってスッキリしています。
 整流管はムラードでイギリス製を・・・チョット拘ってヨーロッパ球の採用です。

ボンネット
●8/19 ボンネット
 トランスがオープンコアですので、ボンネットが付きます。
 裏返しにしても真空管が当りませんので・・・便利です。
 此処で電圧のチェックと調整を・・・無事に終了です。

エージング
●8/21 エージング
 此のRS289はヒーターの立ち上がりが遅くて電源を入れても球が切れているのでは?・・・と思うほどです。
 暫く・・・ヒーターのエージングです。
上から
●8/21 上から
 ボンネットの上側を空けていますが、其れほど熱くならないので・・・
塞いでも大丈夫みたいです、此の次は後ろ側だけパンチングで仕上げます。

試聴
●8/21 試聴
 久しぶりのRS289・・・2日目位から実力を出してきました。
 スピードが速くて音抜けが良いし・・・上から下まで十分伸びているし・・・
アモルファスOUTのお陰でしょうか、ローサー大喜びです。

 
 エージングも順調、後は10月の真空管オーディオフェア で、実機のご確認いただきご試聴下さい。

http://shinkuukan2.web.fc2.com/2019/14/RS289_14.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c64

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
65. 中川隆[-10638] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:53:25 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[38]
チューブオーディオラボ 6AR6 の感想ブログ

Audio miniature garden 2020
http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html

昨年の令和元年はアナログオーディオ中心にこだわりが加速して、3台のプレーヤーに使用するアームが6本にまで増殖することとなった。

使用するカートリッジはこれまでMC型一辺倒だったが、年末に購入したMM型SHURE M44Gのキレのある音色が気に入り、新たな常用カートリッジとして加わった。

またフォノイコにも純正のSHURE M64を組み合わせることでロックなどの曲種で満足感が高まっている。

最も音色に影響のあるスピーカーには、クラシックからロックまで英国Goodmans2機種のSPシステムを使い分けている。

これらの美しい響きを持ったスピーカーに高い駆動力を持った300Bシングルと音楽性の高いUESUGI OLSON TYPEのアンプを組み合わせることで、幅広い曲種を十分満足感の得られる状態で楽しんでいる。

今年もアナログを中心に熟成を進め、心地良い音楽をのんびり楽しむ時間を増やしてゆきたいと考えている。

〈6系統のアナログ入力〉


Nottingham GRACE G-565F + Ortofon MC-30s


Nottingham INTERSPACE-ARM + LYRA Clavis.D.C


Nottingham audio-technica AT-1503II + SHURE M44G


Garrard401 audio-technica AT-1503III + Ortofon Classic-GE


Garrard401 audio-technica AT-1501II + Ortofon MEISTER-GE


Thorens TD126mkIII SME3010RB + Thorens MCH-II

★〈2020年1月現在の我が家のシステム構成〉

Analog

AMP

SPEAKER


player

tone-arm

cartridge

MC-trans

PHONO-EQ

PRI

POWER


Thorens

TD-126 MK III Centennial

SME

3010R/B

Thorens

MCH-II

Ortofon

T-30

Marantz7

SUN

VALLEY

SV-91B

300B

Single

GOODMANS

2WAY

▼▼▼▼

AXIOM 22 MK II

+

TREBAX

Garrard
401

audio-technica

AT-1501 II

Ortofon

SPU

MEISTER GE

Western

Electric

KS-9450

Nottingham

Interspace.Jr

Grace G-565

Ortofon

MC-30

SERIES

EAR 834P

Garrard
401

audio-technica

AT-1503 III

Ortofon

SPU

Classic-GE

J's

No.6600

Chriskit

MARKY

Custom

UESUGI

TAP-31

OLSON

TYPE

NON-NFB

EL34PP

GOODMANS

3WAY

▼▼▼▼

AXIOM 150 MK II

+

MIDAX

+

TREBAX

Nottingham

Interspace.Jr

Interspace arm

LYRA

Clavis D.C

Langevin

408A

Nottingham

Interspace.Jr

audio-technica

AT-1503 II

SHURE

M44G

SHURE

M64

このような構成で幅広く音楽を楽しんでいる。

少し苦手なジャズはディアゴスティーニ/LPコレクションの定期購読を続けていたが、徐々にピンとくるアルバムも少なくなって来たのでNo.59を最後に止めてしまった。

クラシックについてはGoodmans AXIOM22MkIIの2WAYと300Bシングルアンプの組み合わせにより、ほぼ不満のない音色を得られるようになった。

POPS&ROCKはメインアンプをUESUGI EL34PPに入れ替えた後、MM型カートリッジの素晴らしさに目覚めさせられたSHURE M44Gとそれに対応する石のフォノイコライザーを導入することにより、こちらもあとわずかで終着点を迎えようとしている。

昨年はオーディオを通じての交流も活発化し、我が家の愛機を試聴していただくだけでなく、巡礼に足を運んで貴重な体験をさせていただいた。

今年も更に有意義な交流を続け、新たな刺激として楽しんで行きたいと考えている。          1/1


■ EMPIRE598のレストア

 


年末からのんびりと、使用しなくなって埃をかぶったEMPIRE598のレストアを手掛けている。

まずターンテーブルのプラッターをサブシャーシから引き抜き、アームやモーター、スイッチなど外せるものは全て取り外す。

ウッドケースは紙やすりで磨いてワトコオイルを塗り重ね、からぶきしてからTANNOYのウッドワックスで仕上げることにする。

発売当時は結構高額なPLだったが、内部のフローティング構造は実にシンプルでチャチなものである。

シャーシと外周ターンテーブルは紙やすりで磨いた後、メッキ調のシルバー塗装を施してクリア塗装でガードすることにした。

オリジナルの990アームは改造に失敗して使用不能となったため別に購入した980アームを搭載しているが、このアームは通常のSMEタイプのヘッドシェルを使用できるように改造されており、内部配線材も新しいものに交換している。

何度もシャーシの塗装に失敗するが、ようやく完成した。

SHURE M44Gを組み合わせてオシャレにジャズでも楽しもうかと考えたが、フォノイコ経由のアースが不完全なためか盛大にノイズが出る。

まあ、焦らずのんびりまいりましょう。                          1/6


   


    


昨日に引き続きEMPIRE598の調整を行う。

特に出力するフォノケーブルについてはアームの980が配線材直出しなので、背面にターミナルを設置してRCAケーブルで出力できるようにした。

昨日の仮配線ではSHUREのフォノイコ経由でアンプに繋いだところ、アースが浮いた状態のためか盛大にノイズが出ていた。

今日はプリのフォノに直接繋いでアースも直接取ったところ、バッチリ音出しに成功。

スイッチを入れてターンテーブルを回転させると、僅かにドイツ製大型モーターから「ゴーッ」と回転音が聞こえるが、ボリュームを上げてもゴロもなくSN比も問題ないレベル。音質もSHURE M44Gとの相性がぴったりで、キレの良いジャズが壁面いっぱいに響き渡っている。なかなか良い状態に仕上がったものだと自己満足している。 

  1/7

■ オーディオ巡礼 「オートグラフを愛するクラシック愛好家編」


今年初のオーディオ巡礼として、昨年の夏から2回ほどご来訪いただいた東京都杉並区のsigetaさん宅へお邪魔する機会を得た。

sigetaさんはご自宅でレコードを楽しむだけでなく、多い時には月間に5回もコンサートに通われているという熱烈なクラシック愛好家である。


 


お住まいになっているのは阿佐ヶ谷と高円寺の中程に位置する閑静な住宅地である。

お邪魔して2F和室10畳オーディオルームに案内されると、一部床がフローリングとなった部分に設置された巨大なTANNOYオートグラフにまず目を引き付けられる。

購入されたのは50年ほど前にTEACが代理店となった頃で、購入時の使用ユニットはHPD385だったが、後になってM-Goldに入れ替えたとのことだ。

また部屋の入り口にはこちらも巨大なEMT-927Dstが設置されているが、一般家庭のオーディオルームにこれら世界最高峰の機器が収まるだけで、その存在感に圧倒されてしまう。

使用されているアンプ群はWEアンプの修理依頼でアメリカまで出張されるという技術者の方の手によるもので、以前はWE-91Bレプリカを使用されていたらしい。

下の左画像奥がプリアンプで手前がレイセオンの送信管?を使用したパワーアンプとのことだ。

下右の画像はそのパワーアンプの別整流アンプとのことで、これが左右2台構成となっていて凄まじい熱量を発している。


 


今回特に音質バランス改善のため導入されたというルームチューニングでは、オーディオリプラスのハーモニックディフューザーを壁面のコーナーに設置し、オートグラフの弱点である長大なバックロードホーンがもたらす低域のこもり感を解消させているとのことだ。

sigetaさんのシステムは一般家庭のユーザーが望みうる世界最高峰の機器を組み合わせられているが、この他手掛けられているこだわりとして各種WEケーブルやルームチューニングアイテム、電圧関係のダウントランスなど多岐にわたっている。

また、使用されているアンプやこの純鉄コアMCトランスのように、高い技術力を持ったエンジニアのサポートにより、市販品のレベルを超えた組み合わせを実現されている。

EMT-927Dstに搭載されているアームはオルトフォンRF-297でカートリッジにはSPU-MEISTERを組み合わせられているが、昇圧トランスを貴重なWE-618やJ's赤ドット付初期型No.41、No.6600などからこちらの大型トランスに変えることで、描き出される音の世界が違ってくるとおっしゃっていた。

早速、取り揃えられた超弩級機器の説明もそこそこに、貴重なクラシック・オリジナルプレスの数々を試聴させていただく。

オートグラフを聴くのは何年ぶりだろうか? 

1960年代から80年代までの名演を交響曲、ワーグナー、バイオリンソナタ、声楽など次から次へと、また持参した2019年新譜の「ニュー・イヤー・コンサート」を含めあっという間の充実したひと時を過ごさせて頂いた。

今回聴かせて頂いたsigetaさん宅の音は、TANNOYを初めて聴いた当時の感動が、年月を重ねるにごとにさらに美化されてゆくといった音の記憶を上廻る、これまで経験したことのないまさしくTANNOYトーンと呼べるものではないだろうか。

最初に比較的新しいプレス盤を聴いた時、オートグラフ独自の長大なバックロード・ホーンを通して放出される低域のややこもった音色に違和感を感じたが、徐々にこちらの耳が慣れてくると素晴らしいホールトーンを堪能できるようになる。

sigetaさんのお話によると、以前は過剰な低域バランスに苦労したが、ルームチューニングを施すことによりかなりバランスを改善することができたとのことであった。

特に素晴らしかったのはオートグラフが生産されていた同時期の古い英国SAXやEMIのオリジナルプレスで、適度なホールトーンを伴った低域の抜けの良さと高域の繊細な響きのバランスに感動させられた。

神経質な金切り声に成りがちなルートビッヒが、豊満で慈悲深い、笑みを称えた歌声で歌っている・・・・・。

低域の量感を抑えるのに苦労されているという反面、調整が不十分な小型エンクロージャーのIIILZなどで感じる、高域の刺激的な響きは嘘のように影を潜めているようだ。

ヴァイオリンソナタでも高域が上ずるようなことは全くなかった。

しかし日本のような少し面積の狭い和室を使って、EMTや膨大な熱量を発する大型送信管を用いたアンプなどの強力な駆動系でオートグラフを手懐けるには、相当な努力が必要だとsigetaさんのお話から伺うことができた。

最高級の機材を組み合わせているのだから、良い音が出て当たり前と思うのが普通だが、そうはいかないのがオーディオの奥深いところでもある。

要は限られた空間でバランス良く聴こえるように、それぞれの機器をどのように組み合わせ調整して行くかが、オーディオの難しさであり醍醐味なのかもしれない。


  

またオートグラフを使う上での重要な調整ポイントとして、長年の使用に伴って緩みが出た15インチユニットを固定するネジを、均等なトルクで締め付けることが重要だとおっしゃっていた。

オートグラフのホールトーンにどっぷり浸かった後、帰宅して我が家のグッドマンで同じアルバムを聴くとその低域の質の違いに驚かされる。

そんな中でも耳に慣れた響きが心地よく感じられ、sigetaさんの機器に比べると大人と子供ほどの違いはあるが、これはこれでバランスが取れているとひとりごちた自分がいるのである。

sigetaさん、素晴らしいひと時をありがとうございました。                                        1/10


■ Shure M44E

レストアしたEMPIRE598がなかなか好ましい音色なので、組み合わせるShureのカートリッジを別途購入する。

今度は楕円針だ。

ボディは1978年から83年までの間に生産されたカモメマークで、付いていた新品の交換針N44EはスイスのPfanstiehlのものらしい。

同じ楕円針でも昨年購入したKYOWAブランドの上位機種の旧型N55Eとはかなり出力や音質傾向が異なり、クラシックなども無難にこなす大人しく繊細な音のするカートリッジである。

昨年試したN55Eと同様、全体的にキレが薄れてエッジが甘くなるのが楕円針の音色傾向となっているようだ。

このカートリッジ一つで色々なジャンルの音楽を楽しむのであれば、この楕円針が最も適しているのかもしれない。

しかし我が家のように複数のカートリッジで音楽を楽しむ場合は、高域の繊細感と低域の豊かな響きに限ればMCタイプカートリッジに優位性があるので、こちらのMM型ではタイトな切れ味を追求することにしたい。

そんな訳で、昨年Nottinghamで試して高域の強調された音色のため上手く生かせなかった丸針のN44-7を試したところ、ちょうど良いバランスにおさまったのでEMPIRE598にはこの丸針を常用とすることにした。                               1/11


■ 箱庭式ルームチューニング


先日お邪魔した杉並区sigetaさん宅のルームチューニングに触発され、我が家でも試してみることにした。

しかしsigetaさんが使われているような市販のチューニングアイテムは高価なためとても手が届かないので、我が家に見合ったグッズを活用して挑戦してみることにする。

その使用したグッズというのは「必殺 卵トレー!」である。

お値段の方はネットで20枚3,000円ほどで手に入り、壁に取り付けるカラー画鋲と合わせても4,000円でお釣りが来るという圧倒的なコストパフォーマンスだ。

こんな子供騙しのアイテムで音質が改善されるようであれば全く儲け物ではないか。

画像の通り、SPを設置している壁面の上部角と中央天井部分にこのグッズを設置して試聴したところ、「あ〜ら不思議」横と奥に部屋が広くなったような音場効果と音源の分離度が高まってプレゼンスの改善がはっきりと認められた。物は試しでやってみるもんだな〜。

特に我が家のような少し狭い部屋を使用している場合には、さらに効果が発揮されるのかもしれません。

嫁殿は見るなり「何かの巣があるみたいね」と言っている。

あまり見た目を物々しくしたくはなかったが、音質が良くなるんだから我慢しましょう。

sigetaさん曰く「団子状になって耳に飛び込んでくる音の塊がほぐれて、いろいろな楽器の音が聞こえるようになったのは驚きだった」とのことだったが全く同感で、こんなチープなグッズで同じような効果が得られるとはまさしく目から鱗である。

sigetaさんありがとうございました。                    1/12

ルームチューニングアイテムを設置して試聴を続けている。

ハイビジョンTVでは画面が細かいところまで鮮明に見えるようになるのと同じで、音の分離度が改善されてクッキリ感が強まり、弦楽器群などの高域が強調されて聴こえるように感じる。

壁面左右に設置しているトレーは左右の音場の広がりに影響し、中央上部のトレーは音場の奥行き感とコントラストに影響を与えているようだ。

最終的にそのコントラストを若干緩和するため、左右スピーカー中央の壁面と天井に装着しているトレーの天井部分だけ外し、加えて2WAYスピーカーの高域アッテネーターを少し絞ることでバランスを取ることにしている。

余韻も深まって低域の量感も増加し、スケールが大きくなったように聴こえるのは2WAY、3WAYとも同じ傾向である。

これまでは映画館やコンサートホールの中程で聴いている感覚だったのが、今回のルームチューニングを実施する事で前の方に座ってかぶりつきで鑑賞しているイメージに変わって来ている。

少し音のメリハリが強まる事で聴き疲れに繋がらなければ、この状態で楽しもうと考えている。今回使用したトレーには壁面色に併せて水性スプレーで塗装を施しているが、音を拡散するだけで吸音効果がないのが影響しているのかもしれない。                                 1/13


■ 続・箱庭式ルームチューニング


その後色々な曲種を聴いているが、やはりコントラストが強くなり過ぎてクラシックの弦楽器群が煩く感じるようになって来た。

トレーは当初壁面左角に7枚と右角はエアコンがあるので6枚、中央上部に4枚使用していた。

この状態だとフォーカスが合って定位がハッキリするのは良いが、高域がキツくエッジが立ちすぎる。

アッテネーターでツイーターのレベルを絞ると緩和するが、今度は高域の繊細感が死んでしまう。

そんな訳で使用する枚数を少しずつ減らしてみる事にした。

最初は左角が5枚と右角に4枚に減らしたところ、ピントがややソフトフォーカスになって高域のキツさは治るが、今度は低域の膨らんだ不自然な音色となってしまった。

続いて中央上部を2枚に減らしたところ、低域の自然な響きが戻り高域の柔らかさが戻って来たように聴こえる。

ツイーターのアッテネーターを元のレベルに戻してもうるさく感じなくなって、繊細感のある本来の響きに戻ったようだ。

この状態だと中央最前列のかぶり付きで聴いているのが、少し席を後ろに移動して全体を見渡せる感じで聴こえるようになった。

更に左角3枚と右角2枚、中央上部2枚と天井部分1枚にまで枚数を減らしてリスナー側背面の壁にも同様に設置したところ、響きが自然のまま奥行き感が出て来た。

音源の定位の方もトレーを使用する前に比べてハッキリしているので、バランス上この状態が一番良いのではと考えている。

それぞれのご家庭で音楽を楽しまれているオーディオルームは、当然のことながらカーテンや敷物、家具などの設置状態によって音の反響条件が違ってくる。

このような方法でトレーの枚数を増減させて試聴してみるのが一番確かだ。

幸いトレー自体はとても軽く、画鋲で数カ所壁面に刺すだけで簡単に設置できるのでそれほど苦にならない。

スピーカーの間に何も置かず空間となっている場合は、この壁面にトレーを並べても効果があるそうだ。

我が家での効果はかなりあると実感したので、是非一度お試しいただくことをお勧めする。                                    1/15

最終的にSHURE M44の交換針は、オリジナルでカンチレバーがヨレヨレになったN44Gを使用している。

使用し始めたEMPIRE598が快調なこともあり、最近はロックをもっぱらこの1970年代のプレーヤーを使って聴いている。

トランジスターを使用した業務用純正フォノイコとの組み合わせで低域の締りもバッチリだ。

楕円針のN44E/N55Eは切れ味の面で不満が残り、未使用のまま終わってしまった。

N44-7も相性が良いかと思ったが、少し高域が煩く低域の締りも甘い感じがするので出番が無くなった。

不思議なのは同じM44Gでも先に購入したカモメマークなしのボディにJICOの交換針を装着したものと、このカモメマークにオリジナルの針を装着したものでは音色がかなり違ってくることだ。

SMEシェルを使用して古いカモメマークM44Eのボディにメキシコ製オリジナル針を装着したこちらの個体の方が、Ortofon木製シェルを使用しウッドハウジングでボディ剛性強化したものより左右の音の広がりが自然で聴きやすい音色となる。

EMPIRE598を使用するようになってNottinghamの外付けアームが余ったので、出番の無くなっていたDENON DL-103シリーズの再使用を目論んでいる。

組み合わせるフォノイコが足りないので、現在安価でコンパクトな現行品を選別中である。                                1/21


■ フォノイコライザー


マエストロ・ガレージさんに注文しておいた現行品のフォノイコがユキムより届けられた。

店主の谷口さんにも相談して決めたのが、こちらのMoFi Electronics Studio Phono2という2019年の中頃に発売された機種である。

この米MoFiはモービル・フィデリティというレコード・CDの復刻を手掛けている会社らしいが、決め手となったのはこの製品の監修をEARのパラヴィッチーニが行っているという点だった。


さて、ノッティンガムに増設したショートアームを使いSHUREのフォノイコとM44の組み合わせを楽しんでいたが、アメリカ物はアメリカものでということで、久しぶりにEMPIRE598を引っ張り出してきて使い始めたのがコトの起こりである。

しかしノッティンガムのショートアームで別のカートリッジが使えるようになったまでは良かったが、今度はフォノイコが足りないので活用できないままでいた。

昨年からのアームの増殖により使用する機器も増え、狭いオーディオルーム環境ではフトコロ状態以前にこれ以上大袈裟な機器を置くスペースもない。

そんな訳で置き場所を取らない、可能な限りの低価格での選出となった訳である。

組み合わせるカートリッジは長らく出番の無くなっていたDENON DL-103/103C1が真っ先に頭に浮かぶが、VL型のDECCAやMI型EMPIRE辺りでも良いかと考えていた。


現物はご覧の通り手のひら大のコンパクトなサイズで、この価格帯だと電源部がチープなのは致し方ないが、音質を考慮して電源スイッチは省略されている。

こちらのフォノイコを使用するにはプリのChriskitはライン入力が既に一杯なので、Marantz7に接続してGoodmans2WAYで楽しむことになる。

底面のディップスイッチで負荷インピーダンスを47KΩ(MM)に設定し、簡単な接続を済ませて早速試聴開始。

まず最初はトランス無しでDECCA MarkV-EEから音質を確認する。

EARなどと違ってシンプルな機種なので当初はあまり期待しないつもりだったが、聴き始めはいつもハラハラ、ドキドキするものだ。

しかし出てきた音は一聴して低域の厚みの無い高域の繊細感だけが際立った価格通りの音色だったが、この音はこれまでに聴いた経験のある組み合わせバランスを欠いた時の中性的なデッカの音質だった。

やはりこんなモノかと半分諦めかけたが、気を取り直して本命のDENON DL-103にチェンジして試してみることにする。

組み合わせるMCトランスは相性の良いALTEC/Peerless4722だ。

そうしたところ寝起きのボケた音質が目を覚ました如く、やっとのことで低域に重量感のある耳に馴染んだまさしくDENONの音が再現され始めた。

年末より使い始めた古いSHURE製フォノイコに比べ、ワイドレンジかつノイズレスなクリアな音質が展開され、音の滲みを感じられないのが特長となっている。

低域が若干軟調となる傾向にあるが、DENON特有の息の詰まるような重苦しさが影を潜め、身軽な抜けの良さが加わったような気がする。

使用開始して数時間後には更に広がりのある音場とキレの良さが見え始めたので、真空管デバイスの機器と同じく寝起きが悪いのかもしれない。

まずは目出度く期待以上の音質を得られることとなったので、これから色々な曲種を楽しもうと考えている。                      1/23

※谷口さんにこのような電源SWが無い機種の使用方法をお伺いしたところ、すぐにメーカーに確認いただき常時電源を入れた状態で問題はなく、音質面でも極力繋いだままで使って欲しいとの回答を頂戴した。

また半導体アンプでも数十時間のエージングは必要とのことで、やはりDECCAでの聴き始めはまだまだ寝起きの悪い状態だったようだ。

そんな訳でお値段の方は大変安価ながら、RCAプラグが少し緩い点を除くと作りもしっかりしていて質感も高いように感じた。

音質面でも真空管アンプでは味わうことのできなかったクリアで見通しの良い音場が新鮮で、昭和の名機DENONの新しい面を引き出せたように感じている。

エージングが進むと更に音質の改善がありそうなので、今後の楽しみが増えたと喜んでいる。

谷口さん、ありがとうございました。

■ 続・フォノイコライザー


新しいフォノイコをプリアンプに接続している時、これまで聴いたことのない原因不明の異音が発生した。

使用しているプリアンプMarantz7に接続している機器は下記の通りとなっている。

フォノイコ入力→PHONO1(Ortofon T-30+Thorens MCH-II)/PHONO2(WE KS-9450+Ortofon SPU MEISTER GE)

ライン入力→TV(Studio Phono2+Peerless4722+DENON DL-103)/AUXILIARY(EAR845P+Ortofon MC30s)

新しいフォノイコ(一番右)にケーブルを配線する時は、一端セレクターをAUXILIARYに切り替えて音が出ないよう作業を実施していた。

PHONO1/PHONO2のアースはプレーヤー→MCトランス→プリアンプまで伸びているが、ライン入力に接続しているフォノイコからプリアンプにはアースは接続されていない。(アースはプレーヤー→MCトランス→フォノイコまで)

この状態で新しいフォノイコのINPUTにケーブルを接続すると、プリのセレクターを別接続に切り替えているにも関わらずSPから「ブロロロ〜」とバイクのエンジンがアイドリングしているような異音が発生するのである。

ケーブルを動かして微妙に接続状態を変えるとノイズが出なくなるツボがあるが、フォノイコの接続を外すと当然その異音は出なくなる。

現在はいろいろケーブルを動かして異音のしない状態で音出ししているが、SPボックスの上に置いているために使用しているユニットの強力なアルニコ磁石が影響しているのか原因は不明である。

その後、2日ほど通電状態が続いており、試聴時間も10時間を超えているのでエージングはかなり進んだ状態にあると思われる。

当初感じた高域のキツさを和らげようとDL-103のリード線をオーグラインからDUCCに変え、MCトランスからフォノイコに伸びるケーブルもOrtofon7NからSMEケーブルに変更している。

同じ半導体を使用したSHURE製フォノイコと比較しても、ワイドレンジかつ精細度の高い音質傾向がリスナーに緊張感を感じさせているものとなっている。

組み合わせるカートリッジの音質にも影響されるのは当然だが、ジャズなどの曲種に向いているのではないだろうか。

同じ曲をEARに切り替えて聴いてみると、価格の違いが大きいので当然と言えば当然だが、「音の雰囲気」や「ゆとり」が全く異なって聴こえる。

そりゃそうでしょう。まだまだいろいろ試してみることがありそうですね。                               1/25

※追伸 

AUXILIARYからのアイドリング・ノイズは、やはり置き場所を変えても接続時に必ず発生する。

スピーカーは無関係で依然として原因不明だが、なぜか本体トップパネルのサブソニックフイルター・スイッチをONにすると止まる。

そして再びサブソニックフィルターをOFFにすると異音は消えたままとなるので、そのやり方で使用している。

パーツの不具合でなければ良いのだが、今度谷口さんに聞いてみましょう。

※発振ノイズ

谷口さんに問い合わせたところ、「入力インピーダンスとフォノイコの出力インピーダンスとの間で整合が取れないなどの原因で、発振(ハウリング)を誘発している可能性がある」とのことだった。

併せて電源の取り方など何項目か対応策をご教授いただくが問題の発振は解消しなかった。

使用するプリとの相性の可能性もあるとのことでChriskit Mark Y Customのプリを使用した3WAYのシステムで試したところ、なるほどおっしゃる通りこちらでは全く発振しない。

やはりMarantz7のようなオジーちゃんには孫のような今時の半導体フォノイコは馴染まないのかもしれません。こんなこともあるんだな〜。

オジーちゃんと相性が悪いというのも困った話だが、しょうがないので別のオジーちゃんのシステムで使用することにしましょう。

まあ、音質的にはジャズなどの曲種に向いていることもあるので、POPS&ROCK用の3WAYシステムで使用する方がベターかもしれません。 

それにしても今回のようにオーディオ専門店で購入すると、後々困ったときに適切な助言をいただけるのもありがたい。

谷口さん、いろいろとありがとうございました。                                     1/27


■ EMPIRE 598N

新たなフォノイコMoFi Electronics Studio Phono2はEMPIRE598の純正組み合わせで使用することにした。

昇圧トランスを使用してMC型のDENON DL-103と組み合わせて聴いていたが、中域の上の方に妙な出っ張りというかつっかえる部分があってヴォーカルなどがキツく響く傾向がある。

ケーブルやリード線を替えMCトランスを別のものに組み合わせたりしたがこの傾向は解消せず、カートリッジをDENON DL-103C1にしてもダメだった。

やはり高音質レコードを制作する会社のフォノイコだけありHi-Fiに特化した切れ味の良い音作りがされているようで、我が家の古いヴィンテージ機器と組み合わせるにはやはり相性的に無理があるのかもしれない。

なんとかこの異端児を使いこなせないものかとコントラストの淡いMI型EMPIRE1000ZE/Xと組み合わせてみたところ、低域に少し軟調な傾向はあるが量感、広がりとも十分で中高域の刺激的な響きも出ないことが分かった。

そんな訳でレストアしたEMPIRE598との純正組み合わせが実現することになった。                               1/31

■ あるところにはあるもんだシリーズ 第二弾

昨年の年末に手に入れた新品のGoodmans MIDAX650に続いて、またもや新品未使用のクロスオーバーネットワークをヤフオクにて調達した。

出品された方の話では半世紀ほど前に購入後、いつか使用するつもりで保管してきたものらしいが、未だに未使用品とはあるところにはあるもんですね〜。

このGoodmans XO-950/5000は3WAY用のネットワークで、既にAXIOM150MkIIのSTAGE3スピーカーシステムで使用している。

今回予備用に購入したが、使用時には内部コンデンサー(1.5μF/8μF)の交換が必要となる。

現在使用しているネットワークは、専門業者に依頼してWESTCAPとDEARBORNのハーメチックタイプのオイルペーパーに交換済だ。

WESTCAPの1.5μFはAXIOM22MkIIのSTAGE2スピーカーシステムのネットワークXO/5000でも使用しているが、容量の大きい8μFはアメリカでも入手困難となっているため、現行品のフィルムコンを使おうかと思案中である。

耐圧の方も指定のものより大きければ良いというものでもないらしく、なかなか悩みどころでもある。                                     2/1


■ オーディオ定例会


   

本日はsigetaさんに都合3回目となる来訪をいただき、前回から変更となった機器やルームチューニングの効果などをご確認いただいた。

併せて愛用されているWE純鉄コアのMCトランスをお持ちいただいたので、我が家のWEトランスとの比較試聴を実施した。

この超ヘビー級のMCトランスは、使用する際には磁気テープをそれぞれのトランスに巻いて内部の磁気が外に漏れないようにされているとのことで、このテープを巻く巻かないで音が違うとおっしゃっていた。

SPU-MEISTERに組み合わせてクラシック音源を試聴したが、音質の方は我が家のWEトランスを上廻る中域に濃密な味を持つ「コッテリ系」である。

特にバイオリンの甘い響きとコーラスの分離度の高さは秀逸で、通常のWEトランスの音色を濃厚さで凌駕しているようだ。

主にGoodmans2WAYを使用して試聴をするが、薄くなりがちな中域の密度が上手くマスキングされ、充実した円やかな音質バランスとなっている。

我が家でクラシック系常用となっているMCH-II+Ortofon T-30の組み合わせで比較試聴してみると、剛と柔ほどの違いがあり興味深かった。

続けてsigetaさんに、昨年秋に導入したUESUGI OLSON TYPE NON NFBアンプをEMPIRE598+2000ZEXの純正組み合わせを使って試聴いただくが、音の広がりや金管の力強い響きなどに満足いただきMM/MI型の音色の美しさを再認識したとのことだった。

システムを設置している壁面とリスナー側壁面に設置した箱庭的ルームチューニングについても、比較試聴した訳ではないのではっきりした事は言えないが、音場に奥行きが出たような気がするとの事だった。     

前回sigetaさん宅にお邪魔した際にお借りした、この「巨匠たちの音、巨匠たちの姿」は大変参考になる書物だった。

小生のようなコンサートに出る機会が少なく家庭で聴覚に頼るばかりのレコード愛好家にとって、視覚を補う想像力をもたらしてくれる知識の広がりは、音楽を聴く楽しみを倍増させてくれるものである。良い書物に出会ったと喜んでいる。

sigetaさん、本日もありがとうございました。                      2/6


■ 新規アンプ導入計画(1) 「企画立案編」


 


名古屋の先輩に勧められ、今年度最大のアンプ製作BIGプロジェクトが始動開始!

もちろん自分一人の力でなんとかなるものではないので、現在とある工房に製作をお願いしたところである。

構想=半月(My Vintage Audio)  製作=TAラボ(新潟)  製作費=ウン十万円(断捨離推進委員会)  協賛=Y下企画(名古屋)  後援=Sigeta出版(東京)

果たして見どころ満載のこの企画、完成試聴会は今年の夏頃となりそうだ。乞うご期待。                       2/16

    

■ 新規アンプ導入計画(2) 「直熱三極管編」


 


そもそもこの企画、Y下先輩の「英国のVintage-SPには同じ英国の直熱三極管が最も適している」から始まった。

GECで開発された古典ビーム管KT66は長年QUADIIで愛用してきたTUBEだが、直熱三極管のPX25/PX4も同じく英国生まれの真空管だった。

古いナス管は価格が高騰していて手が出ないが、ちょうどタイミング良く新型ST管のPX4がヤフオクに出品されているのを発見したので落札した。

ブランドシールはKT66でも使用したことのあるMarconiロゴだが、OSRAMと同じ英国MOV(Marconi-Osram Valve Co.Ltd.)で作られていたものだ。

アンプ製作を依頼している工房の方のお話では、ST管タイプはフィラメントが切れやすくハムレベルが下がらない個体が多いとのことだった。

続く・・・・・・・・                                   2/17


    

■ 新規アンプ導入計画(3) 「搭載真空管選別編」 

          


  


話は前後するが、まだ年金支給年齢に至っていない現状を鑑みると、我が家の大蔵省の厳しい追及を逃れるため極力コストをカットする工夫が必要となってくる。

新型コロナウイルスの全世界的な蔓延に伴うGDPのマイナス成長が続くこの時期に、表立った突発的な支出を要求するには社会的背景が悪すぎる。

もちろん断捨離委員会の活動を活発化させるのも財源を確保する主要な有効策の一つである。

そんなこともあり、製作していただく工房とも相談して使用する真空管はこちらで用意することにさせていただくことになった。

前述のとおり、本命の直熱三極管はすでに調達済みである。

残る初段や整流管なども製作工房と相談しながら、手持ちの英国製TUBEをチョイスして活用することにした。

初段管は6SL7系の在庫が手持ちにないためMullard ECC82/12AU7でお願いすることにして、整流管には出力管と同じ形状のCOSSOR 53KUをチョイス。

初段管も無骨な古典球に拘りたかったが、まあ脇役にはあまり個性を期待せずにこの辺りで我慢することにしましょう。

続く・・・・・・・・・                                               2/18


    


■ 新規アンプ導入計画(4) 「初段管変更編」 


計画当初は初段管に手持ちのECC82を使用する予定でいたが、よくよく考えてみるとミニチュア管では見た目のバランスが貧相なことに気がついた。

そこでアンプ工房でもお勧めいただいた6SL7系のTUBEを調達することにする。

幸いなことに以前所有していた300Bシングルアンプの初段で使用していた6SN7系より市場相場はそれほど高くないようだ。

今回調達したTUBEは英コードKB/FE(STC)CV1985/ECC35と米RAYTHEON5691、同じくRCA6SL7GTスモークガラスの3種類である。

そのうち流通量の少ない(STC/Oldway)CV1985と6SL7の最高峰となる高信頼管RAYTHEON5691については流石に値段の方も少し高かった。

RAYTHEONのVintage管は品質の高さで評判だが、よくよく調べてみるとこのRAYTHEONの赤ベースはRCAのOEM品のようである。

英STCvs米RAYTHEON、この2本が本命と対抗馬になりそうだ。

とりあえずこの3種類ぐらいあれば何とかなるでしょう。

続く・・・・・・・・・                                               2/28

    


■ 最近のアナログ事情

明日から早くも弥生3月を迎える。

2月22日に昨年より15日も早く春一番が吹き、梅も満開となって待ち侘びていた本格的な春の到来に水をさしたのが新型コロナウィルスの蔓延だ。

当初は3月の初旬から京都の実家へ両親の見舞いと並行して中国〜九州縦断旅行を計画していたが、さすがに延期とせねばならなかった。


オーディオの方は依然として不満のない音色を味わっている。

クラシックはもっぱらEMPIRE598にMI型の1000ZE/Xを使用して、壁面いっぱいに広がる独特のゆったりとした音色を楽しんでいる。

組みわせたMoFiのフォノイコもMC型のDENONを使用すると中域に違和感を感じたが、若干淡いEMPIREの色彩感にクッキリとしたスパイスを効かせているようだ。

この美しいMI型の音色に味を占め、後発で最上位機種のEMPIRE4000D/IIIに付け替えてみると、どうしたことかゆとりのないこじんまりとした音色となってしまう。

このEMPIRE1000ZE/Xはいつもリード線でお世話になっている旭川のkeisさんの手によって山本音響工芸製ヘッドシェルに組み合わされたカートリッジだが、リード線は直付けとなっているらしく微妙なチューニングが音質の向上に影響しているのかもしれない。


こちらはOrtofon SPU-GEをA-CRAFTのアダプターを介してアルミブロック削り出しのヘッドシェルに装着し、リード線には古いWE線材を使用した吟醸リードを組み合わせたカートリッジである。

MCトランスにはJ's No.6600を組み合わせているが、オリジナルのGシェルで使用した時よりにじみ感のない歯切れの良いタイトな音色が得られ、ロックなどのパルシブな音源にはちょうど良い感じに仕上がっている。                                  2/29

    


■ Garrard401 キャビネットの再塗装


3月に入っても新型コロナウイルスの蔓延がさらに規模拡大しているのが恐ろしい。

デマが広がって石油危機の時同様に、トイレットペーパーの買い占めが起こっているのは日本独自の現象だろうか?

このGarrard401は2007年に導入後、我が家の主力アナログ・プレーヤーとなっている半世紀前に製造された名機301の後継機種である。

アームはaudio-technicaの局用タイプを2本装備しており、主にSPUなどロー・コンプライアンスのOrtofonカートリッジを組み合わせて使用している。

同時期の1960年代後半に発売されたEMPIRE598Nがレストアにより美しく蘇ったので、こちらの1970年代前半に製造された後期型Garrard401についても、あちらこちらに傷が目立ったキャビネットのレストアを実施することにした。

ターンテーブル本体には針を落とす時に手が掛かるあたりに塗装の変色が見られるが、稼働10年以上で音色は当然のこと機能的にも問題はない。

最近フェルト製のパッドが磨耗してブレーキが掛かりにくくなったので、ブレーキパッドの取り替えパーツを注文しているところである。

モーターの分解清掃には手を付けたことはないが、軸受けだけは定期的に分解清掃してOILを入れ替えている。

軸受けのスラストプレートはカーボン製に交換し、アイドラーとスラストパッドは共に一回新品交換している。

ボディの部分的な変色については、色々なクリーナーを試してみたが黒ずみは取れなかった。

積層キャビネットはサンドペーパーで研磨してワトコオイルを重ね塗りしたのち、TANNOYウッドワックスを塗り込んで磨きをかけている。

なんとかエンパイヤ同様美しく蘇ったので、今後も我が家のアナログ・オーディオの主力として頑張って回り続けてくれることを期待している。

 3/3

    


注文していたGarrardフェルト製ブレーキパッドと化学合成OILが届いた。

これまではEMTのOILを使用していたが、こちらの純正OILに交換したところ、粘度が低いのか若干回転数が速くなったように感じた。

起動後半回転ほどで定速に達するし、回転も滑らかなのでアイドラーはまだまだ大丈夫な様子。ブレーキもパッドの交換でしっかり効くようになった。

OIL注入のため軸受けを分解清掃したところ、スラストパッドの摩耗が進んでいるようなので様子を見て注文することにしよう。

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■ Garrard401用パーツのあれこれ

ストックを漁っていたら使用ずみアイドラーが2個出てきたので、記憶を辿ると2回交換しているのを思い出した。

それほど状態も悪くなかったので表面を研磨して試してみたところ、どちらとも半回転ほどで定速になるのでまだまだ使用できそうだ。

復元のやり方は、硬化して少し湾曲していた表面を電動ドリルに挟み、800番程度のサンドペーパーで直線が出るよう研磨する方法である。

捨てないで取っておいたのが正解だった。なんとかなるもんだな〜。

スラストパッドの方は現在2mm程度の直径で当たりが出ているが、どの程度が寿命なのかわからない。

こちらはすでに交換したスラストパッド。

中央部分にスピンドルとの接触によって3mm弱ほどの面積が摩耗している。

この直径が大きくなることによってスピンドルとの接触面が増加するわけだから、抵抗が増えるということだろうか?

また摩耗することにより音質にはどのような影響があるのだろうか?

今回、試しに中央のスピンドルと接触する部分にボールベアリングを使用した、UPGRADE SPINDLE THRUST PADなるものをイギリスから調達することにした。

お値段の方も純正パーツを国内で購入するより、国際送料込みでも安価となっている。

たまたま見つけたこの改良型スラストパッドの英文記事によると、「使用しているソフトリン青銅ボールベアリングはスピンドルより材質が柔らかく、ボールベアリングのみが摩耗する場合、スピンドルの表面接触が最小限に抑えられるため摩擦が減少し、音質が向上する。」とのことであった。

はてさて、海を渡って届けられるまでは2ヶ月ほどかと思われるが、到着するのが楽しみである。                           3/9


    

■ Mullard ECC83


  


ECC83/12AX7はプリアンプやフォノイコなどで使用する機会の多いTUBEである。

Marantz7ではカップリング・コンデンサーやセレン整流器などオリジナル仕様のパーツに変更後の試聴にて、やはりオリジナル通りのTelefunken◇マークが最も相性の良い真空管だと確認している。

この独製◇マークに肩を並べるTUBEとして英Mullard製のものがあるが、そのムラードの中でも製造時期やタイプによって音質が違ってくる。

我が家には高信頼管となる軍用CV4004や後期に製造されたECC83/12AX7(CV492)ショート・プレートについてはまだ使用可能なストックが多く残っているが、1950年代の後半まで製造されていた、音質の良いと言われるロング・プレートの在庫が少なくなっていた。

最近はヤフオクでもこのロング・プレートの出品は少なくなってきており、たまたまアムトランスさんに入荷したのを見つけたので即購入した。


我が家にある17mmロング・プレートはMullardの旧ロゴ(中央:B9I)とFisherロゴ(左:B8F)の2種類で、全てゲッターがシングルサポートのラウンドタイプである。

今回調達したのは1957年製造の角形Dゲッター(右:B7A)で、e-Bayなどには出品されているが日本では最近滅多にお目にかかれないTUBEだった。

2本しかないので使用するのが勿体無いが、また試聴する機会があればChriskitのプリアンプにでも試してみようかと考えている。          3/10


    

■ 6AR6シングルアンプが到着


「新規アンプ導入計画」で製作を依頼している新潟のチューブ オーディオ ラボさんから、アンプが完成するまでの間に試聴用アンプをお借りすることになった。

この6AR6シングルアンプ2号機は昨年の真空管オーディオフェアに出品されたアンプで、1号機はすでに別のオーディオ愛好家の元へ嫁いで行った。

6AR6は米WEが開発した小型の5極管で、現在でも比較的安価に手に入るようだ。(このアンプでは3極管接続で使用されております。)

開発当初はWEでも製造されていたが、その後はTung-Solなどの他メーカーでの製造が大半となったTUBEである。

管球王国の「歴代の5極管/ビーム管 50種の音質比較テスト」でも、5極管接続ながら高い評価を受けている。

真空管博士のブログでの説明にあるとおり、3極管接続時にはPX4系PP3/250にそっくりな特性を示しているTUBEである。

(球球コレクション プアマンズPP3/250)


(製作記についてはTAラボさんのHPに公開されおります。)


さて、英国SPをこよなく愛したオーディオ評論家の故上杉氏が製作監修した UESUGI TAP-31に一旦席を譲っていただき、AXIOM150MkIIを使用したグッドマン3WAYにはSV-91Bをカップリングして、クラシック用に使用しているAXIOM22MkII2WAYをこのアンプと組み合わせることにした。


  


使用されている真空管は、初段に6SL7を1本、出力管はTung-Solの6AR6と整流管にGZ34といったコンパクトで可愛らしいアンプである。

内部の配線は流石に美しくまとめられており、配線材にはWEを使用されている。

また、出力段のカップリングに使われているのは音質の良いWEST CAPと思われ、随所に高質なパーツを使用されていて完成度は高い。

音質の良し悪しは当然のことながら、この「見た目が美しい」ということが所有する喜びを増加させるポイントではないかと考えている。

たまにオーディオ雑誌などでお世辞にも美しいと言えない、乱雑な配線で作り上げた自作アンプ記事を見ることがある。

自作ならまだこの乱雑さが努力の証として我慢もできるだろうが、完成品を購入する場合は音の良さに加えて美しさが選択の重要なポイントとなって来る。

音が良ければ良いというものでもないだろう。

音質の決め手となるトランスには、ラボさんお勧めのTSM  Productsの手巻きトランスが使われている。

当方で製作を依頼しているアンプにもこの手巻きトランスでとお願いしているが、少し高価なアモルファス・コア製を希望している。

ユーザーにとって重要なポイントとなる価格の方も、このような質の高いパーツを採用している割にはとてもリーズナブル価格設定となっているので驚いた。


試聴結果は追々記入させていただくが、来週のオーディオ定例会でSigetaさんにご来訪いただくので、その時までに本調子となるよう聴き込む予定である。

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■ 6AR6シングルアンプの試聴@


これまでAXIOM22MkIIの2WAYを駆動していたSV-91B(右)と比較するとかなりコンパクトにできていることが分かる。

出だしは軽いPOPS系の音源から試してみる。

まず最初に感じるのはSV-91Bが捻じ伏せるような力強さが特徴なのに対し、こちらは低域の量感も程々ですっきりとした瑞々しさが持ち味となっている点である。

価格が倍以上違うSV-91Bと比較するのも可哀想な話だが、クラシックの良さを楽しませてくれると言った部分ではそれほど遜色もない。

両者の最も大きな違いは低域の量感とその構築力にあり、SV-91Bが重戦車のようなガッシリした押し出しの強さを持っているのに対し、6AR6シングルは質の良いリッチな響きと余韻が特徴となっているようだ。

さて、本命のクラシック音源の試聴に入る。

POPSなどではこじんまりとして少し淡白に感じた音質が、クラシックではこってりとした織物のような彩でオケを描き分ける能力には驚くことになる。

声楽を聴くと中域の上の方に少し引っかかったトゲのような部分を感じるが、これはTAラボのKさんがおっしゃっていた整流管GZ34に起因しているのだろうか。

馬力が乏しい分少し音場が狭まったようにも感じるが、しかし弦楽器群の合奏にもコクがあるし金管楽器の緊張感のある響きも素晴らしい。

特に良いのが音の色付けがはっきりしている点で、色々な楽器の音の強弱が色彩感を伴って息遣いのような生命力を感じさせてくれるアンプである。


このシングルアンプにはプリアンプのMarantz7を組み合わせている。

使用上のポイントとして、シングルアンプの出力が低いため出力ボリュームをMaxに上げており、さらにミニマムで使っていたプリのOUTPUTレベルを中程まで上げることができるようになったことも音質の向上に影響しているのかもしれない。

圧倒的な馬力はないが必要十分な力感があり、なんといっても色彩豊かな彩が素晴らしくて、なるほど評価が高いのも肯けるものと感じた。


機器を変えた当初は変わった部分が良くなったように感じることが多い。

このアンプもまず最初のつかみはOKだが、一週間ほど試聴を続ければ短所も見えてくるかもしれない。じっくりと参りましょう。          3/13  PartII


    

■ 6AR6シングルアンプの試聴A


6ARシングルアンプの試聴を、じっくりといろいろな曲種で続けている。

このような試聴では、その日の機器の状態やこちらの体調によって感じ方が違って来ることもあるので、その辺りはご了承いただきたい。

2日目にはウォーミング・アップにより冷めた体が温まって動きが軽くなるように、伸びやかでダイナミックな音色に変化してきた。

POPSやJAZZでも初日はどちらかというと大人しく理性的だった音質が、低域の量感が増してよく弾み、ダイナミックな迫力が加わるようになった。

個々の質感をはっきりと描き分け、説得力のある音を聴かせてくれるという点は、初日に感じた印象と変わっていない。

見た目はコンパクトなアンプだが、結構馬力と細やかな表現力を兼ね備えているのは手巻きの出力トランスが影響しているのだろうか?

逆にクラシックでは押し出しの強い中高域に、弦楽器ではそれほどでもないが少し粗い響きを金管や声楽で感じるようになる。

この辺りは使用している初段管(RCA/6SL7)と整流管(Zaerix/GZ34)を差し替えることによってかなりニュアンスが違って来るかもしれない。

工房のKさんに承諾いただいたので、明日はこの辺りを手持ちの真空管で「球転がし」を仕掛けてみようかと考えている。

小出力のため音場が少し中央に集まる傾向はあるが、それでも音が団子になることもなく質感の異なる音色で描き分ける点には感心させられる。

今日はPOPS系で迫力ある音楽を楽しませてもらった。明日の「球転がし」での音質の改善が楽しみである。                    3/14


    


■ 6AR6シングルアンプの試聴B


昨日の試聴ではようやく本領を発揮し始めたようで、躍動感が出て迫力ある音色に変化してきた。

POPSやJAZZなどは特に不満を感じなかったので、本日はクラシックでの中高域の粗さを「球転がし」によって改善ができるものか試すことにする。

前述したが少し不満に思っている点が、声楽テノールやオケ金管楽器の乾いたような粗い響きである。

逆にこの高域の粗さについてはJAZZなどの曲種においてはプラスとして作用することが多く、なんとも痛し痒しである。

この刺激的な響きが真空管を取り換えることによって若干でも改善できるとすると、オールマイティーに使用できるアンプとなるはずだ。

さて、交換してみるTUBEは前段の6SL7と整流管である。

オリジナルの6SL7GT/VT-229は米RCAのブラック・プレート/ボトムゲッターで、整流管は英ZaerixのTUBEだがエッチングコードもないので日本製かもしれない。

特に工房のKさんからは、この整流管の交換により高域の質感が改善できるとアドバイスを受けている。

クラシックでのこれらの問題点を解消するためには、やはり英国製の真空管を使うべきだろう。

6SL7は互換球のSTC/ECC35、整流管には同じくSTC/CV717/5R4GYかCOSSOR53KU/CV378などをチョイスすることにした。

最初に初段管をSTCに交換して試聴する。

残響が増してホールトーンが豊かに聴こえるようになり、弦楽器群に繊細感が加わって細やかに美しく響く。

声楽のテノールの声質にも温かみが出始め、初段の変更だけでもかなり改善されたように感じる。

さらに初段管をそのままに整流管をSTCに付け替えると、弦楽器の繊細な響きに滑らかさと柔らかさが出てきて、テノールの声質も血が通うと言うのか芯の強さがある割にキツい響きとならなくなった。

全体的な響きに柔軟性が出ることによって、持ち前の息遣いのような音色の強弱がさらに美しく表現されるようになる。

整流管をCOSSOR53KUに替えると同質な音色傾向ながら、さらに重心が下がって奥行き感が加味される。

この状態だと全く不満のない堂々とした音色を味合わせてくれるようになった。


コンパクトなサイズが嘘のように、フロアタイプの大型SPを楽々と鳴り響かせる力を持った音楽性の高い真空管アンプと感じている。                 3/15


    

■ SV-91B 300Bシングルアンプ


  

GOODMANS AXIOM22MkIIのSTAGE2/2WAYには音楽性豊かな6AR6シングルを組み合わせたので、こちらのSV-91BはAXIOM150MkIIのSTAGE3/3WAYで使用することにした。

このアンプは名古屋のアンプビルダーY下さんの手によりSUNVALLEY SV-91Bを大幅に改良されたもので、外観も高級感溢れるものとなっている。

Y下先輩の説明によると、310A-310Aのみ交流点火で300Bは直流点火に改造してあり、カップリングCにSPRAGUE/バンブルビー、抵抗はA&B、カソードコンデンサには銀タンタルを使用しているとのことだった。

これまでは基本通り、3WAYにシングルアンプは荷が重いと考えてプッシュプルで駆動し、こちらのアンプは2WAYで使用していた。

また、昨年までは真空管をオールウエスタンで使用していたが、秋頃より出力管を日本製TAKATSUKI TA-300Bに交換して楽しんでいる。

今回初めてこのアンプを3WAYに組み合わせてみたが、驚いたことにUESUGIのプッシュプルより厚みと馬力のある低域を聴かせてくれている。


以前、整流管の聴き比べを実施した時に最も馬力と勢いを感じたSYLVANIA VT-244を、WE-274B刻印から取り替えてPOPS&ROCKを中心に楽しむつもりでいる。

少し甘い香りが漂うAXIOM22MkIIを隅々にまで血を通わせてくれるような高い駆動力を持ったこのアンプ。

硬質でリッチな響きのAXIOM150MkIIからは、どのような音色を引き出してくれるのだろうか?   楽しみである。                         3/16

    

■ オーディオ定例会


本日はSigetaさんをお招きして、恒例となりつつある定例会を開催する。

今回のメニューは新潟のTAラボさんにお借りしている6AR6シングルアンプの試聴と、お持ちいただいたルーム・チューニング・グッズの効果検証である。

我が家で試聴を続けているそのアンプは現在、クラシックに最も適している組み合わせ(初段STC/ECC35整流管COSSOR53KU)に差し替えて使用している。

Sigetaさんにはまずオリジナルの真空管に戻して試聴していただき、その後「球転がし」を行って音色の変化を二人の"耳"で実施することにした。

最初に初段から交換するが、我が家の英STC/ECC35、米RAYTHEON5691、RCA6SL7GTスモークガラスとSigetaさんにお持ちいただいたKen-Rad VT-229、RCA5691赤ベースに加え、オリジナルのRCA 6SL7GT/VT229の6種類。

整流管の方は英STC/COSSOR、米RCA JAN CRC 5R4GY、WE-274B刻印に加え、こちらもお持ちいただいたRCA80などが試聴ラインナップである。

ソースはクラシックアナログ盤を使用し、カートリッジにはSigetaさんも愛用されているOrtofon SPU MEISTERを組み合わせた。

(Garrard401+SPU→Marantz7→6AR6シングル→Goodmans Axiom22MKII/STAGE2)


   


初段RCA+出力管米Tung-Sol+日ZaerixのオリジナルTUBEに戻して、試聴を実施されたSigetaさんのご感想は、

低域から高域までストレスなく質の高い音色を聴かせてくれる、クラシックには丁度良いバランス感を持ったアンプではないか。

以前のSV-91Bよりこちらの組み合わせの方が、クラシックでの試聴では相性が良いように感じるとの初見であった。

さて初段管から「球転がし」終えた後のSigetaさんのご感想は、少し渋い傾向の英国管より高域がよく伸びて音色の明るい米国管に好感を持ったとのことである。

Sigetaさんが選ぶ初段管のベスト3は、RCAとRAYTHEON/5691赤ベース、オリジナルのRCA VT-229ボトムゲッターだった。

また整流管の方ではWE-274B刻印がダントツのNo.1で、COSSORの柔らかい音色も好ましかったとの評価である。

最終的なアンプの感想としてSigetaさんからは、「山椒は小粒でもピリリと辛い」ではないが小振りな容姿にも関わらず、相当熟成された好ましい音色と感じた。

併せて出力の低いアンプの場合には駆動力に問題が出ることがあるが、SPが能率の高いGoodmansでは軽々とドライブする力強さを感じたとのことだった。

当方は初段や整流管ともやや渋めの英国系の音色に好ましさを感じたが、アンプ自体の評価は概ね同じようなものである。

次にご自宅で2セット愛用されているオーディオ・リプラスのルームチューニンググッズの効果検証を実験する。

まず画像の通り、お持ちいただいた1セット(2個)をそれぞれのSPの天板の上に設置して聴いてみる。

これだけでも音質に顕著な変化が表れるが、明らかに高域がヒステリックに響きすぎてこの配置ではいま一歩の評価となる。

次に外側のSPの壁面に立て掛けて配置してみると、音場が自然な広がりを見せて聴きやすいバランスとなることを発見する。

Sigetaさんからは我が家で設置しているチープな「必殺チューニング・グッズ」の効果により、増設しなくても自然な音場が再現されているのではとのことであった。

最後に、新たな組み合わせとなったSV-91BとGoodmans AXIOM150MKII/3WAYの音色や、Ortofon SPUシリーズ(GE/Classic GE)の聴き比べを実施して本日の定例会を終了する。

Sigetaさん、本日もありがとうございました。                                      3/19

※追伸   Sigetaさんから本日の試聴感想を、掲示板の方にご投稿いただきました。

             興味のある方はそちらもご覧ください。    ↓

     https://zawazawa.jp/bcjd0i1lnr55w007/topic/1

    

■ Garrarad401 アップグレード・スピンドル・スラストパッド

依然として世界的なパンデミックは終息への光明が見えてこない。

そんな中でも四季は普段通りの移り変わりを見せ、3月中旬よりいよいよ気温も上昇して埼玉でも桜の開花が進んでいる。

イギリスからGarrard401用のUPGRADE SPINDLE THRUST PADが届いた。

3/9に注文したから到着するまで2週間弱と意外に早かった。

画像下ボールベアリングが付いたパッドとその左に交換用ベアリングが2個、白っぽいガスケット2枚と商品内容の印刷物が送られてきたパーツの全てである。

当初考えていた価格には国際配送料が含まれておらず、到着時に着払いで送料分3600円払ったので購入金額は合計9000円となり、国内で純正パーツを購入するより少し割高となってしまった。

現在は円高が進んでいるので、日本での購入価格が値下がりしているようだ。

交換用のボールベアリングが2個付属しているので、こちらのパッドの音質に問題がなければ当分は交換品の購入は必要ないと思われる。

このボールベアリングの素材がミソのようで、国内にもかなり出回っているKokomo kitはセラミック製なの対し、こちらはスピンドルの素材より柔らかい青銅製となっているようだ。

早速スピンドルの底を磨いて清掃し、新たなパッドを装着してプラッターを回転させてみた。

少し摩耗の進んだオリジナルのスラストパッドと回転数はほぼ同等で、音質の方も今のところは大きく変わったところがある訳でもなかった。

馴染んでくるまでもう少し様子を見てみることにいたしましょう。                                        3/21

    

■ TELEFUNKEN ECC83について


愛用しているMarantz7Rの真空管は現在、オリジナル通りのTELEFUNKEN ECC83◇を使用している。

このアンプを2002年に中古購入した時にはレプリカ専用の曙光電子製ECC-83とともに、TELEFUNKEN ECC83◇リブ・プレート58年製同ロット6本が付属していた。

購入後しばらくは真空管のみTELEFUNKENに替え使用していたが、2012年にカップリング・コンデンサを後期オリジナルでも使用されているSPRAGUE BLACK BEAUTYに取り替えたところ、音質が激変したので整流方法もオリジナル通りのセレン整流器を使ったものに変更している。

カップリングCを替えるまでは神経質で薄っぺらい音質に不満があり、よく「球転がし」を仕掛けて少しでも満足の行く音質にならないか足掻いていたが、交換後は全く不満もなくなってTELEFUNKEN ECC83◇の組み合わせが定着しその後の変更はなくなった。

購入して18年近くが経過しているわけだから、ここ数年で購入当初から使用している58年製リブ・プレートにも劣化が見え始めた。

そんな訳で現在は、フォノ段V1〜V2とライン段V4〜V5はエミ減により新品の◇マークに交換しているが、V3/V6のバッファはまだ使用可能である。

早晩寿命が来ることは確かなので、今回このTELEFUNKEN ECC83◇のストックを新たに調達することにした。

画像の4本は共にダイヤ・マーク付きの本物で、左側2本がリブ・プレートと右側2本はスムース・プレート品である。

今回のテーマはプレート横に開いている穴の有無で、スムース・タイプには横穴が2(〜4)箇所上下に開けられているが、リブにはそれが無かった。


TELEFUNKEN ECC83◇マーク/リブ・プレート
TELEFUNKEN ECC83◇マーク/リブ・プレート(横穴なし)

TELEFUNKEN ECC83◇マーク/スムース・プレート
TELEFUNKEN ECC83◇マーク/スムース・プレート(横穴2箇所)

色々調べてみたところ、プレートの長さはMullardなどとは違って全て17mmのロングタイプしかなく、プレート表面がリブとスムースの2種類あることはわかっていたが、プレート横の穴の有無についてははっきりと理解していなかった。

そんな訳で真贋を確かめる時にボトムに◇刻印は必須ながらプレート横に穴がないのは本物ではないとの噂もあるが、リブ・プレートにはそもそも横穴が無いようだ。

さらにスムース・プレートの横穴も画像のTUBEは上下2箇所だが、3〜4箇所空いているTUBEもあるようなので、この辺りもご注意いただいた方が良いだろう。
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■ TUBE TESTER (真空管試験機)

計測器マニアには(真空管だけに)タマらないTUBE TESTERのお話。
最近不必要となった真空管の断捨離を推進しているが、それでも諸々100本以上のストックがある。

それらの真空管の良否やペア組みの選定をするため、エミッション型とGM測定型の2種類のTUBE TESTERを使用している。

※共にアメリカ製機器ですから117Vにステップアップして使用しております。


エミッション型はHEATHKIT/IT-17という機種で、ヤフオクで調達したものである。

若干計測数値が怪しかったので、自力で劣化の可能性のあるオイル・コンデンサーをフィルムコンに、またセレン整流器をダイオードに交換している。

更に頑固親父さんに依頼して測定値に影響する不良抵抗などの良品交換を実施してもらっている。

○IT-17での合否判定方法

@電源を入れる。右中段のSET LINEダイヤルをOFFの位置から時計回りにメーターの針がLINE TEST中央の50を示すまで上げて行く。

A画像にはCalibration Tubeの6L6メタル管が先に挿してあるが、中央の窓表示から左右のダイヤルを回して6L6を選び出す。


B判定する6L6 TYPE→3/FILAMENT→6.3/PLATE→27/TOP(T)→CDE/BOTTOM(B)→GHの計測条件表示を確認する。

C右下段のTYPEダイヤル→3/左中段のFILAMENTダイヤル→6.3/左下段PLATEダイヤル→27に合わせる。

D下段横一列(A〜N)のレバーC・D・E→T(TOP)上に上げる、G・H→B(BOTTOM)下に倒す。

E右上のSHORT ADJ. LINEノブを下に押し下げて合否判定(BAD/?/GOOD)する。

判定結果はGOOD(58〜100)の88を示しているので非常に良好という判定になる。(BADは42以下)


GM測定型は軍用TV7でお馴染みのHICKOKが1950年代に生産したModel 533を、セカイモン経由でアメリカより調達したものである。

購入当初は計測時にメーターの揺れ(フラつき)症状が出ていたので、頑固親父さんに依頼してメンテナンスをお願いしている。

修理内容は、回路図上はメーター端子にコンデンサーが配置されていたが欠落していたので加え、計測スイッチのクリーニングを行なっている。

○Model 533での測定方法

測定精度を判断するため、アメリカより画像のModel533で使用可能なCalibration tubeを調達している。

RCA製メタル管で5628μmhoの正確な計測値が示されている。

このTUBEを使用して計測の手順を説明する。

@左中段のPOWERスイッチをON。(右中段パイロットランプ点灯)

A下段表示窓に右側のダイヤルを廻して6L6を選び出す。

B測定するTUBE TYPE 6L6→右側PILOTランプ左のFILAMENTダイヤル→6.3/中段横一列SELECTORS(7つのノブ) →左からJ・R・5・3・4・7・2/

中段左BIASダイヤル→23/中段右ENGLISHダイヤル→88にそれぞれ合わせる。

PRESS(測定ボタン)P4/MUT.COND(基準値)5000

C合否判定する時は右下MICROMHOSレバーを左ENGLISHに合わせる。

D計測前に下段横一列ボタン右端のLINE.ADJを押して、メーターの針をボタン左のLINE ADJUSTノブを回して中央のLINE TESTに正確に合わせる。

EP4ボタンを押してスケール上の針の位置で判定する。GOOD(緑)範囲内を指せば合格、REPLACE(赤)なら交換、?は早めの交換必要。

FGM計測時には、右下MICROMHOSレバーを計測するTUBEの値から3000/6000/15000スケールの中から選択。6L6→6000スケール

GP4ボタンを押してスケールの値を直読する。


  

GM計測値は5600を超えた付近を示しているので、Calibration tubeの実測値(5628)とほぼ合致している。

※ENGLISHでの合否判定を行なっていないが、GM測定で基準値5000を超えているのでそれだけでも元気な状態と判断できる。


更にこのModel 533にはLIFE TESTという便利な機能(右下スイッチ)がある。

通常の合否判定やGM測定時には上NORMALで計測する。

真空管の寿命を判断する時、下LIFE TESTでのGM計測値がNORMALの計測値の75%以下なら寿命、といった仕組みである。

6L6ではGM基準値だけで廃棄値が分からなかったが、廃棄値がわかるTUBEではこの値を下回ると既に寿命と判定できる。

GM測定値が廃棄値〜基準値の間であれば使用可能、基準値を上回れば元気な状態と判断している。

新品でもGM基準値を下回るTUBEもあるが、合否判定などと組み合わせて状態を管理している。

この試験機は大変重たくて、計測するたびに肩が悲鳴を上げている。                               3/28

    

■ 桜の開花状況

あと数日で新年度を迎える。

毎年この時期になると、近隣の荒川沿い遊歩道に咲き乱れる桜並木を撮影することにしている。

今年は3月20日(金)「春分の日」の花見となったが、東京に比べるとこちらはやや開花が遅れているようだ。

樹によっては満開に近いものもあるが、その隣が蕾だったりするので、並木全体が一斉に満開となるような感じではない。

3月下旬になって、新型コロナウイルスの世界的な蔓延拡大を受け、各国で厳しい外出制限や渡航禁止処置が取られている。

そのため生活必需品への需要が集中して、スーパーのトイレット・ペーパーの棚などは依然として品不足が続いている。

経済活動の長期間停止を余儀なくされた中小企業の倒産増加が予測される中で、なんとあのTOYOTAがパンデミック長期化に備えて1兆円もの融資枠を銀行団に要請したのは驚きだった。

定年して外出機会が減少し引き篭もりに近い生活を送っている我が家では、幸いなことに感染などのリスクは少ないが、週3〜4日通っている地元スポーツクラブの施設利用が禁止となって、喜んで良いのかますますオーディオに接する機会が増えている。                              3/30

    

■ 無題・・・・・

月末に実家より急報があり、深夜高速にて京都へ車を走らせる。

新年度初日から数日を掛けて一通りのお弔いを終え、一旦関東に舞い戻る。

新型コロナの急激な感染拡大により身動きが取れなくなるのを恐れ、初七日を待たずして早めに帰路につくことにしたのである。

西に位置する鴨川の桜並木は8分咲きだが高野川の方は満開に近く、火葬場に赴く車列に最後の彩りを添えていた。 4/4

    


■ Chriskit MARKY Custom

今年度最大のプロジェクト「新規アンプ導入計画」の進捗状況は、真空管をチョイスしたCの後、工房の製作開始待ちが続いている。

老境に差し掛かると、この「待ち侘びる」=『その時や事態が来ることを非常に期待して時を過ごす』というのも楽しいものだ。

その工房から借り受けた6AR6シングルアンプは、その後もクラシック向きの美音を楽しませてくれている。

さて、Chriskit MarkYのプリアンプと組み合わせ、ROCK&POPS用GOODMANS AXIOM150MkII/3WAYで使用するようになったSV-91Bは、

理想的で素晴らしいマッチングを見せている。

Chriskitプリアンプは昨年、カップリング・コンデンサをWEST CAPに交換して電解コンデンサーも一部銀タンタルに換装している。

UESUGI TAP-31とコンビを組んでいた時、使用する真空管については試聴して決め込んだがそのままとなっていた。

新たなSV-91Bとの組み合わせでは馬力のある重低音に満足感も高く、搭載フォノイコを使用したOrtofon SPU-GEのタイトな音質は全く素晴らしいものだ。

そんな中、Mofiのフォノイコをライン段に繋いだEMPIREの音質にも特に不満はないが、Shureフォノイコ経由のShure M44-Gの音質に高域のトゲがあるのが唯一不満となっていた。

そんな訳でこの辺りの問題を解決できないかいつも通りの「球転がし」を仕掛け、音質の変化を試してみることにした。

これまではフォノ段V1〜V2にLUXの選別管MATSUSHITA12AX7G/バッファV3にはMullard ECC83Long・Plate/ライン段V4〜V5のECC82にはMullard CV4003(8136)/V6バッファにはTELEFUNKEN ECC83◇という組み合わせだった。

これをV1〜V2にMullard ECC83Long・P/バッファV3にTELEFUNKEN◇/V4〜V5のECC82にはMullard 4003(8136)/V6バッファにはMullard ECC83Long・Pを組み合わせて、Marantz7Rなどの過去の経験を生かした最強の組み合わせでチャレンジしてみることにした。

特に不満がある訳でも無かったフォノ段についても、MullardとTELEFUNKENの組み合わせに替えて試聴を開始する。

低域の量感と高域の解像度をあわせもったMullard/Long・Pに◇マークの組み合わせは、キレ味の増加が聞き辛さにつながるのではとも思う。

そんなことを考えながら試聴したところ、やはり圧倒的な押し出し感のあった低域の勢いが弱まり、迫力の落ちた上品な音に変わってしまった。

そこでバッファには元通りMullard/Long・Pを使い、V1〜V2には米RAYTHEON12AX7A/Black・Plateを持ってきたりもしたがこれも今一歩。

最終的にはV1〜V2をがむしゃらな勢いで闊達な音色のMITSUBISHIとして、バッファにもMullard/Long・Pという元通りの組み合わせに戻った。

次に少し違和感のあった問題のライン段である。

ボックスプレートのCV4003(8136)をそのまま残して、バッファのTELEFUNKEN◇マークをMullard/Long Pにチェンジする。

そうすることで切れ味抜群の◇マークから、高域をやや大人しく色付けさせる狙いがある。

その結果、違和感のあったShure M44-Gで思い通りの改善効果を得られ、EMPIREでもグルーブ感のある音色のまま高域の抜けが良くなった。

今回もこのような試行錯誤の結果、なんとか理想に近い音色で楽しめるようになったと感じている。      

もちろんケーブルの変更などでも音質は大きく変わる。

しかしアンプに内蔵されている真空管の「球転がし」の方が、微妙な音質の変更が可能で交換作業に手間取らないのが良い。

好みの音に色付けを変えられる真空管アンプは素晴らしいと今更ながら感じている。                            4/5

    

■ 緊急オーディオ活動宣言

遅ればせな感じが否めないが、緊急事態宣言が発令されることとなった。

細かな対応は各自治体の判断に委ねられる模様だが、不要不急の外出自粛要請が強まりそうだ。

子供たちは体力を発散する場を失われストレスが溜まる心配が深まるが、オーディオを趣味とする年配のおじさんたちは引きこもりが全く苦にならない。

そんな訳で趣味の音楽鑑賞やオーディオ実験室の取り組みを細々強化することにしましょう。

本日のテーマは「ターンテーブルシート(マット)」である。

主にクラシックを楽しんでいるGoodmans AXIOM22MarkII/2WAYは、TAラボよりお借りしている6AR6シングルアンプを使って駆動している。

アナログ・システムにThorens TD126+MCH-IIを使う場合、これまでと違って低域方向へのバランスが少し希薄なため、高域がヒステリックに感じることがある。

このトーレンスのプレーヤーには付属していたマットは厚過ぎてカートリッジの高さ調整が難しく、ブチルゴム系シートOYAIDE/BR-12を組み合わせている。

このタングステン配合シートは明るく押し出しの強い音質特性が、どちらかといえばROCKやJAZZ向きではないかと考え、今回新しいシートを試してみることにした。

昨今、アクセサリー類にも高単価の波が押し寄せていて、1万を超えるような商品も多数販売されているが我が家ではそんなグッズに用はない。

選んだのは比較的安価なAETのシート(HPDM-2913M)で、「アナログリスナーに捧げる新世代ターンテーブルマット」の謳い文句が明記されている。

重みのあるゴム系のオヤイデと比較すると軍需用途に開発された新素材らしく、Nottinghamの純正マットと同じような非常に軽いマットだ。

Garrard401には5mm厚の純毛フェルトシートを使用しており、NottinghamにはパイオニアのJP-501ブチルゴムシートを使用している。

どちらかというとゴム系のシートは低域方向の量感が豊かになり重心が下がるが、フェルト系は抜けが良くなって濁り感がなくなる傾向がある。

その抜けの良さが効果的に働いて、高域に独自の繊細感を持っているMCH-IIの音色が柔らかくなれば有り難い訳だ。

さて、クラシック系ソースを使用して、早速比較試聴を実施することにしよう。

一聴して新たに購入したAET機能素材シートは、音場に立体感は出るが高域のサーフェスノイズが耳につく、やや密度の薄い音色で即NGとなってしまった。

やはり軽めの素材は無理かと早々に諦めて、ゴム系の手持ちのシートを片っ端から試してみることにした。

  

この中で比較的バランス良く聴こえたのが、厚めのThorens 純正マットと東京防音の安価なハネナイト素材のマットである。

そんな訳でThorens純正マットは厚過ぎてアームの高さが足りなくなるので、これまで使用する機会のなかった東京防音のマットを選ぶことにした。

OYAIDEのマットと比較して、優しく大人しいバランスの音色となる点が良かった。

軽量の機能素材のシートは、余程低域の量感があるシステムでないと音色バランスが取れないのではないだろうか。                      4/7

    


■ 久しぶりにMCカートリッジの話題

引きこもりオーディオ活動継続中。

こちらはNottingham INTERSPACE-ARMに装着しているLYRA Clavis.D.C(ダ・カーポ)である。

発売はSPU MEISTERと同時期の1995年。

STEREO SOUND「コンポーネント・オブ・ザ・イヤー'94〜'95」のカートリッジ部門で、SPU MEISTER と1位を分け合っている。

高精度インタースペース・アームを生かせるカートリッジとして中古で購入したが、購入後十分に活用しないまま不注意にもカンチレバーを根本から折ってしまった。


  


そのまま廃棄するのも忍びないので、たびたびお世話になっている富山の修理業者にお願いして外径接合により根本からカンチレバーを付け替えた。

オリジナルはセラロイカンチレバー+針先3×30μダイヤモンド無垢針のところ、アルミパイプカンチレバー+ダイヤモンド接合楕円針で修復している。

左画像のオリジナルと右画像の修復後を比べていただくと、カンチレバーが倍以上の太さになっているのがお分かりいただけると思う。

心臓部の強力なネオジウム磁石は同じで音質がどれほど変わったかはよく分からないでいるが、安価な修理代を考えれば文句は言えない。

さて、久しぶりにパワーアンプをSV-91Bに入れ替えたGoodmansSTAGE3/3WAYを使って愛聴盤に針を落としてみた。

MCトランスにはLangevin408Aを組み合わせている。


Pink Floyd 『P・U・L・S・E』


こちらは1995年にリリースされた新生ピンク・フロイドのライブ・アルバムである。

その後の『LIVE IN GDANSK』や『LIVE AT POMPEII』などライブの原型となるが、『狂気』の再現を含んだこちらのアルバムが最も完成度が高いと感じている。

巨大なドーム型ステージに降り注ぐライティング・シャワーが生み出す幻想的なイメージを、このカートリッジは立体的な構築力で余すことなく表現してくれる。

ワイドレンジで緻密な表現力が持ち味のカートリッジだが、それが決してきつさや煩さに繋がっていないところに好感を持っている。           4/10

    

■ 真空管のソケット

引きこもりオーディオ活動継続中。


SV-91Bアンプの音質には満足しているが、以前一度交換した整流管用GTソケットの具合が今一歩しっくりこない。

しっくりこないと言うのは音質的な問題ではなく、真空管を挿入してもグラ付きが激しくてなんとなく頼りなく感じている点にあった。

前回交換したのはオリジナルと同様の中国製オクタルセラミックタイプだが、今回はもう少し品質の高いUSA製を選ぶことにする。

同時に300BのUX4ピンの方も、セラミック中国製からUSA製に交換したかったが、こちらは取り付けサイズが合わず断念した。

左上はAMERICAN PHENORIC(アンフェノール)UX4ピン、右上は40年ほど前にウエスタン狂のオーディオ仲間からもらった米NATIONALセラミック4ピンソケットだが、ともにサイズやピン配置の問題で取り付け不可となった。

GTソケットはいつもお世話になっているバンテックさんより調達した、信頼性の高い米EBY製のMIL規格オクタルソケットだ。

  


しかし、UX4ピンソケットについてはe-bayを含めネットを通じてかなり探してみたが、良質なものはほとんど枯渇しているようだ。

現在生産されている中国製はいつも通り財布に優しいのはありがたいが、工作精度が低い上にバラツキも多く、接触不良を起こすものがあるようだ。


GTソケットを良質なものに取り替えたところ、期待通りピンの食い付きも良くなって精神衛生上すこぶるよろしい。 

今回、真空管アンプの重要なパーツであるソケットを従来の中国製から質の良い国産かUSA製に改良したかったが、またしても持ち越しとなった。

相変わらずハンダの技術に上達が認められず、配線材の被覆を焦がすなど全く汚い仕上がりで悲しい限りである。                              4/13

    

■ AXIOM22MkII+UESUGI TAP-31


いつまで続くのか、引きこもりオーディオ活動継続中。


久しぶりにEL-34TRIODE/NON-NFBプッシュプルアンプUESUGI TAP-31を持ち出し、GOODMANS AXIOM22MkII STAGE2に組み合わせて聴いてみる。

考えてみると昨年このアンプが我が家に来てから、組み合わせるのは初めてだ。

ここ数ヶ月に渡って6AR6シングルアンプで楽しんできたが、やはりプッシュプルのアンプで駆動すると音質傾向がかなり違ってくるのがすぐ分かる。

音場の見通しが良くなり、それぞれの音のエッジがハッキリして解像力と描写力がともに高まって聴こえる。

シングルでは詳細に描写するのではなく全体をシルキータッチで包み込む音質傾向が、コントラストのハッキリした分だけきめが荒くなったように聴こえてくる。

よく伸びた低域にも十分なパワーを感じさせる力強さがあり、この低域が土台となり全帯域に渡って説得力のある音質傾向を特徴付けている。

プッシュプルの中では比較的繊細で柔らかい美音系アンプに感じたが、シングルアンプと比較すると男性的に感じるほど音質傾向が異なっていた。

やはりクラシックオンリーで楽しむなら、シングルアンプの滑らかさを好ましく感じた。                               4/14

    

■ 接点クリーニング

至って真面目に、引きこもりオーディオ活動継続中。

本日のテーマは真空管アンプ愛好家なら必ず経験のある「ガサ、ゴソ」ノイズの解消にチャレンジである。

一時緩和したと思ったが、最近またChriskit MarkYプリアンプの発するこのノイズが気になり始めた。

これらのノイズはもっぱら真空管のピン(足)とソケットピンの酸化が引き起こす接触不良が原因となっている。

真空管のピンはクリーニングや磨きをかければ何とかなるが、劣化したソケットの方はこれまで新品に交換するしかないと考えていた。

Marantz7では同じ問題で悩まされた時にいつもの専門店に修理をお願いしたところ、真空管ソケットがカシメ留めされているために簡単に交換することができず、ピンを1本ごとに交換するしかなく苦労したとの話を伺った。

こちらのプリアンプは1970年代中頃の製品で、真空管はプリント基板に取り付けられた基板用のMT9ピンソケットを使用するタイプである。

これをシンチなどに取り替えれば問題は解決するはずだが、ソケット取り替え時にボケをかまして基板のパターン切れなどを起こすのが心配である。

ソケットの寿命は承知だが、何とか接触不良を解消できないものかとクリーニングを徹底してみることにした。

いつもは基本の綿棒と歯間ブラシに無水エタノールを使って処理しているが、今回は和光テクニカルのオイルとクリーナーを試してみることにする。

ゲイグなどの接点復活材は避けた方が良いとの話もあるが、こちらのアイテムはアルコールを主成分としているので悪影響はないかと思われる。


  


手順としては、真空管のピンやソケットピンをメタルクリーナーMC13を使って汚れを落とし、チタンオーディオオイルTi-102で保護する。

ソケットのクリーニングには歯間ブラシを使用していたが、今回使用した先の尖った工業用綿棒もなかなか優れものである。

今回この方法でクリーニングした結果、直近でクリーニングしたばかりだった真空管とソケットの両方とも、使用した綿棒には黒ずみが出ている。

クリーニング後の結果については、「ガサ、ゴソ」ノイズはかなり改善され気にならなくなったが、耳を澄ませば継続的なホワイトノイズも出ている。

たぶんこれはこのアンプ固有のもので、少し雑音が大きめなのは全体的なハンダの劣化などが影響しているものと考えられる。

今度症状が悪化した時は、やはりソケットの交換が必要なのかもしれない。

その時には頑張って、基板用ソケットの交換にチャレンジすることにしましょう。                                        4/15

    

■ EMPIRE4000DIII

  


依然として引きこもりオーディオ活動を継続中。

今回は1970年代に生産され、その後半世紀近く経過した令和の時代に至っても愛用者の多い、EMPIREのMI型フラッグシップ機がテーマとなる。

現在アナログプレーヤーのEMPIRE598Nには、EMPIRE1000ZE/Xの純正組み合わせでポップスなどを中心に楽しませてもらっている。

この1970年代初頭の米国製プレーヤーには、内部配線をオーグラインと102SSCに換装したEMPIRE980アームを搭載しており、音質の方もオリジナルの古臭いナローレンジなものからリフレッシュされている。

以前その1000ZE/Xと音質を比較し、全く精彩を欠いていた4000DIII。

その後、そんなはずでは無いとテクニカのスタイラスクリーナーでクリーニングを行なっていたところ、針先が取れて無くなってしまった。

高倍率のルーペで針先を確認したところ、円柱形の金属台座は確認できるがスタイラスチップだけ綺麗に取れており、これは明らかに安価な接合針の構造だ。

このカートリッジは90年代に調達したもので、カタログには「4面でカットされたダイヤのムク針」とあるし高価な価格設定からダイヤモンド無垢針が妥当だが、そもそも販売価格が6〜7割引と2春価格に近いものだったことを思えば実際のところはハッキリしない。

とにかく今更オリジナルは諦めて、今回は右画像のJICO製の交換針(シバタ針)を調達することにした。

組み合わせるヘッドシェルは1000ZE/Xが山本音響工芸製HS-1A(アフリカ黒檀)で、4000DIIIの方はHS-3(ツゲ材)を使用している。

音質の好ましい1000ZE/Xにはドライカーボンのスペーサーがシェルの上に挟んであるが、4000DIIIの方は新たに調達したカーボンシートのサイズが少し大き過ぎるので、シャルとカートリッジの間に取り付けた。


  

さて、新しい交換針に付け替えてカーボンシートを使用した4000DIIIは、先日試聴したものとは全く別物の響きを見せている。

やはり針先が既に寿命だったようで、これまで嫌と言うほど聞かされてきた評価のとおり、フレッシュでワイドレンジなとても心地の良い音だ。

1000ZE/Xと比較しても帯域が上方に伸びた影響で重心がやや持ち上がり、低域のにじみが消えて情報量の多いクリアな音質となっている。

LPを2〜3枚と聴き進むに連れて下ろし立ての針先が馴染んできたのか、低域の量感が増して中高域にキレが出てきた。


「そうだ、そうだ、この音質だよ」と納得してポップスの愛聴盤に次々と針を落とし、ニンマリと悦に浸っている。                              4/21

    

■ SHELTER


引きこもりオーディオ活動を継続中。

SHELTERは旧FRの技術者が1986年に立ち上げたアナログオーディオ専門メーカー。

今回導入したMODEL501Classicはアルミカンチレバーに丸針を装着したオーソドックスな構造のカートリッジで、販売開始は2007年頃のようだが現在でも品揃えに名を連ねているベーシック機種である。

丸針の名器として人気のあるDENON DL-103と比較されることが多いらしいが、現代版日本製カートリッジの音質を試してみたくなり購入することにした。

我が家にもDL-103/DL-103C1の2機種があるが、どうしても高域の潤い感や艶かしさを乏しく感じて、もっぱらOrtofonの楕円針を愛用している。

そのような音質傾向が針先の形状に影響されているとすれば、また同じ結果になるのかもしれない。

さて、組み合わせには今年度調達した現行Mofiのフォノイコに、昇圧トランスはDENONの時と同じくPeerless4722を使用することにした。

POPS&ROCKの愛聴盤を使用して慎重に針を落とすと、一聴して音数の多いワイドレンジな音質が感じ取れる。

音域的には中低域に重心を落としたバランスで、高域の質感がソフトなためか耳障りな音の一切しない心地良い音色が持ち味だ。

かといって高域が伸びていない訳ではなく、繊細感もありそれなりの情報量を持っている。

音場の左右の広がりと奥行きともに自然で、伸び伸びとした響きや余韻の美しさを感じることができ、DL-103とはかなり異質な音質に感じた。

製作に当たった技術者は鉛筆に例えると「2B」と喩えていたが、決して太いばかりの音質ではない好ましい響きを持っている。                           4/23

※追記・・・・・・・何気なく90年代のSTEREO SOUNDを眺めていたら、1995年/No.116にこのカートリッジに関する記事があった。

501TypeIIの試聴記で、「本機の姉妹機としてモデル501の針先を0.65milの丸針としたモデル501クラシックがある」との説明があった。

    

■ SHELTER MODEL501 Classic


引きこもりオーディオ活動を継続中。


昨日から試聴開始した新しいMCカートリッジ。

誇張された意図的な色付けを全く感じさせない、自然な音色がとても気持ちが良い。

ライブ録音を聴いていても、その会場の中に溶け込んでいるような感覚を味合わせてくれるカートリッジだ。

低域の押し出しに迫力があるとか高域にキレや艶があるという感じはしないが、なぜかほのぼのとした心地よさを感じさせてくれる。

清流のような滑らかさを持ったカートリッジで、オーディオ機器の存在を忘れさせるような味わいを持っている。

このナチュラルな感覚はとても貴重で、常用のカートリッジとなって使用する頻度が多くなりそうだ。                                      4/24

    

■ オーディオ工作室  「増設アームベース編」  

引きこもりオーディオ活動を継続中。

本日は、Nottinghamのプレーヤーに増設している「自作アームベースの改良に取り組む」の巻。

左がSHELTERを使用しているGRACE G-565ロングアーム、右は現在お休み中のaudio-technica AT-1503IIである。

これまではベースの底4カ所に振動吸収ゴムを貼り付けていたが、自重がそれほどでも無いためグラ付きがあり頼りなかった。

オーディオ用スパイクに交換するのが最も効果的かと思われるが、オーディオ用と銘打っただけで値段が大きく跳ね上がる。

そこで身の回りの金具で利用できるものはないかと考えたところ、棚板を固定するスクリュー式ダボを思いついた。

これなら高さの調整も可能だし強度も十分で、なんといってもコストが大幅に安くて済む。


早速、いつもお世話になっている近所のホームセンターで購入したのが、ダボのオス、メスとそれを埋め込むときに使うダボ錐ドリルである。

真鍮タナダボ メス(10個) \150
真鍮タナダボ オス(10個) \150
六角軸ダボ錐(10mm) \848
   
小計 \1,148
外税 \114
合計 \1,262


お値段の方は上記の通り、圧倒的なコストパフォーマンスで、2台分(8個)使用しても2個余ります。

オーディオスパイクなら1台分(4個)でも5,000円以上するのは間違いありません。

さて、作成手順は@ゴム製クッションを取り除き Aドリルで穴を開け Bダボ(メス)を埋め込む 、で小一時間ほどで完成した。

少しネジの遊びが大きいので高さを調整するのにコツがいるが、グラ付くこともなく十分使用可能なレベルではないだろうか。

固形のグリスなどを流布すればちょうど良い塩梅になるのかもしれない。

如何なものでしょうか?

場所さえあればアームの増設はそれほど難しくはありません。

Ortofon/SME/FRなど人気のアームは高価なので、格安で高性能なアームを吟味して使用しております。                     4/25

※追記

高さ調整のためタボを緩めた時に発生するネジの遊びについては、万能グリースを塗り込んでほとんど気にならなくなった。

さらにTAOCのボード上にアームベースを設置すると簡単に横滑りするので、手持のオヤイデのスパイクベース(4個/約1,600円)をダボの下に置いたところ、ベースがその分高くなるがコストパフォーマンス最高の理想的なアームベースが完成した。


  


メデタシ メデタシ。                                                                     4/26


    


■ 不思議なSHELTER


 


引きこもりオーディオ活動。

継続してSHELTERのカートリッジで楽しんでいる。

昨年試聴したKOETSU BLACKに似てハーモニーがとても自然で美しく表現されるが、こちらの方がワイドレンジでさらに滑らかさがある。

この辺はボロンカンチレバー+ラインコンタクト針とアルミカンチレバー+丸針の違いによるものなのだろうか。

また、光悦の時には感じなかったが、なぜかこのカートリッジで音楽を楽しみたいと思わせる不思議な魅力を持ったカートリッジだ。

POPS&ROCKなどではよく弾む低域の量感も十分だし、クラシックでは弦楽器のナチュラルな繊細感がとても心地よく感じられる。

それほど高価でもなくネット上にも愛用者からの投稿はあまり見かけない機種だが、十数種あるカートリッジのなかで特にお気に入りのものとなった。

4/28


    

■ GRACEのトーンアーム

引きこもりオーディオ活動。

GRACE(品川無線)はオーディオ関連の開発企業で、1980年代のCDの登場によりオーディオからは撤退するが、現在も会社自体は存続している。

特にNHK放送技術研究所と共同開発したMM型カートリッジのF-8シリーズや、工作精度の高いトーンアームは1970年代からオーディオマニアの憧れの的だった。

我が家でもこのGRACEとaudio-technicaのアームを愛用しているが、製造後半世紀近く経っても高い品質と音質の良さを維持しているのは驚きである。

それらのアームは21世紀に入ってから中古購入したものだが、選んだ理由がOrtfonやSME、FRなどの人気商品と比べ手頃な調達価格にあるのは間違いない。

さて、画像はG-545(F)ショートアームとG-565(F)ロングアームである。

後発のモデル番号末尾にFがついている商品は、4チャンネルレコード再生向け低容量シールドケーブルが採用されている。

ジンバル・サポート方式を軸受に採用した美しいフォルムも、音質だけでなく所有したいと思わせる大きな要因となっている。

工作精度の高さはこのウエイトのネジ一つからも窺える。


ピッチが昔のインチネジのようで簡単に換えが効かないのが困り物だが、ネジ先の白いストッパーは単純に接着してあるわけでなく埋め込まれる構造となっている。

こちらは2種類の純正フォノケーブル。

左が通常のケーブルで、右がモデル番号末尾にFがついている商品に付属している低容量シールドケーブルだ。

低容量シールドケーブルの方にはPC-4の型番がある。

この「低容量」というものがよく理解できなくて色々調べたところ、1970年に開発された4chステレオ(CD-4)の音楽ソフトに対応した、高い周波数帯域を減衰させないフォノケーブルのことだった。

さらに当時のようなMMカートリッジの全盛時には、カートリッジごとの負荷容量に環境を整えないと、高域が強くなったりすることがあったとのことだ。

MCカートリッジでは特に気にする必要はないらしいが、最近使用する機会の増えたSHUREやEMPIREなどの使用時には注意が必要だということになる。

SHELTERのカートリッジ購入後は、MM/MI/VL型などの機種はEMPIRE598で使用するようになった。

GRACEのアームではもっぱら軽針圧MCカートリッジを使用しているので低容量シールドケーブルの必要性はないはずだが、一度音質の比較をしてみることにした。

カートリッジには最近お気に入りのSHELTERを使用することにする。

まず、純正2種類のケーブル比較では、やはり後発の低容量シールドケーブルの方が若干レンジが広く、ワンランク上の印象を持つが基本的には同傾向の音色だ。

どちらも半世紀前の古い製品でどのような線材を使用しているのかは明らかではないが、OFC(無酸素銅)などの導体はすでに採用されていたのだろうか?

そんな訳で今回、オヤイデフォノケーブル自作セットにカルダスのM-DINプラグを使用して、新しいケーブルへの交換を思いついた。

(GRACEのフォノプラグの差し込みプラグは画像の通り、現在主流のメスではなくオスタイプなので、自作するしか新しくする方法はない。)

このオヤイデのセットで使用しているケーブルは102SSCの1芯シールド線で、この導体はEMPIRE980の内部配線材としても使用している。

流石に半世紀の間にオーディオ用として使用される導体も、進化を遂げているのは間違いないことが交換してすぐに感じ取れる。

不純物だらけの古いWE銅線をいまだにオーディオマニアが好んで使用している例はあるが、音楽性はともかく明らかに音数が増えクリアで力強い音質に変わった。

エンジンの馬力がアップしてスピードが時速から音速に変わり、シワだらけだったヨボヨボの老人がはち切れんばかりの肉体を持った若者に変身したイメージだ。

値段は安価なのでもう一本作り、Ortofon MC30シリーズを使用しているお隣のGRACE G-565Fも新しいケーブルに付け替えることを考えている。                         4/30


    

■ オーディオ工作室 「フォノケーブル編」


引きこもりオーディオ活動延長戦。

今日のテーマはMC型以外のカートリッジで使用することにした、EMPIRE598用フォノケーブルの作成である。

以前に何度か投稿させていただいているが、この1970年代のアメリカ製プレーヤーはアームをEMPIRE980に交換しており、アームの内部配線をプレーヤーキャビネットの後部ターミナルまで伸ばしてそこからRCAケーブルで配線できるように改造している。

これまではプレーヤーからSHURE M64フォノイコまでの配線はFUJIKURA RG-174/U(線間容量101pF/m)を使い、そこからプリアンプへはBELDEN8412(線間容量108.3pF/m)を使用していた。

MM型などのカートリッジではそれぞれの負荷容量に環境を整えないと高域が強調されるとのことだったので、フォノケーブルを線間容量の異なるCANARE2芯シールドケーブル(線間容量73pF/m)に交換してみることにした。

負荷容量に適応させるといっても、その範囲がカートリッジからフォノイコまでの全ての配線(リード線〜アーム内部配線〜フォノケーブル)と、フォノイコまで含まれるというから話がややこしい。

一般的なMM型カートリッジの推奨負荷容量は100〜200pFを指定しているらしいが、このカナレのケーブルは長さを考慮しても100pFほどである。

ちなみに先日製作したGRACEのフォノケーブル(102SSC 3398-SY)は、線間容量280pF/mである。

これがリード線やフォノイコまで含まれると一体どれぐらいの負荷容量になるのかは想像もつかないが、結局合わせてみるしかないとの結論に至った。

そんな訳で秋葉原の千石電商から部品を配送で取り寄せ製作を開始する。

今回選んだケーブルはThorensにも使用しているカナレの2芯ケーブルで、プラグは前回のGRACEと同様にスイッチクラフトの金メッキプラグを使用する。


    


左はプレーヤーとフォノイコを接続しているFUJIKURAの(MIL規格同軸)RCAケーブルで、右が今回製作したCANARE RCAケーブルである。

方向性は皮膜にプリントされている文字に合わせている。

一時間ほどで完成しEMPIRE1000ZE/X(静電容量100pF)で試聴すると、 ベルデンとは線間容量にもそれほど大きな差がないためか音質も大きな違いはないように聴こえるが、交換後の方が低域のにじみが消え見通しが良くなった。

しばらく聴いていると、ベルデン特有の滲み(よく言えば厚み)が消えた分、音場がすっきりしてそれぞれの楽器の分離が良くなったように感じている。

負荷容量の高いSHURE M44(450pF)ではまだ試していないが、問題が無ければこのまま使って行こうと考えている。                         5/10


    

■ 6AR6シングルアンプの試聴C

引きこもりオーディオ活動延長戦

依然としてクラシックを聴くときは、チューブ オーディオ ラボ さんからお借りしているシングルアンプを使っている。

整流管には英STC/CV717/5R4GYを使用していたが、最近になって高域の質感が滑らかで音色に温もりのあるGZ32/CV593に変更している。

一昨年トランスの寿命によりQUADIIの使用を諦めたときに整流管のMULLARD GZ32/CV593の大半を処分したが、エッチングコードが無く出所が分からない2本が手元に残っており、その内の1本を試してみたところなかなかの音色だった。

ブラウンベースにG.P.O.(General Post Office)の印字があり、構造からMULLARDブラックバーン工場製と思われるが、管壁のコードが消えてしまっている。

STC/CV717/5R4GYでは高域が少し平面的な音色となっていたが、ゆったりとした奥行きを感じさせてくれる鳴り方はまさしくMULLARDの響きそのものだ。

最近は老化のため聴力の衰えもどんどん進んでいるようで、日によってはカートリッジを変えてもあまり音質の差を感じなくなってきた。

若い頃には高域の鋭い響きによって頭が痛くなることがしばしばあったが、幸か不幸か最近はかなり長時間聴き続けないとこの違和感を感じなくなっている。

外出自主規制と同時に体育館の使用ができなくなり、4月初旬よりスポーツで体を酷使する機会がめっきり少なくなっている。

還暦後に再開したスポーツでの肉体疲労はかなり改善されたが、腕を振った時のボキボキ音と肩の痛みだけは整骨院に通ってもなかなか抜けなかった。

最近になって肩甲下筋のマッサージ動画がYouTubeに投稿されているのを発見し、試してみたところ長期間苦しんでいた肩の痛みがやっと引いてきた。

ランニングやウォーキングだけは適度に実施しているが、6月からは体育館通いを再開できないものかと考えている。                                 5/13


    

■ 新たに調達した真空管

ホームタウンの埼玉県は依然として外出自粛が解除されないので、引きこもりオーディオ活動延長戦が続いている。

真空管アンプとアナログレコードで音楽を楽しんでいるオーディオ愛好家は、真空管やカートリッジを替えることにより色々な音色を楽しむことができる。

そんな訳で真空管全盛期に各国で生産された音質の優れたTUBEを探し出し、その音色を楽しむことが真空管愛好家の楽しみとなっている。

今回調達したBRIMAR(STC)6060/CV4024(12AT7WA)は、1950年代後半から60年代初頭にかけて製造された黄色Tデカールの貼られた希少球だ。

昨年にUESUGI TAP-31を導入するまではECC81/12AT7の使用経験はなく、純正のPHILIPS ECGに加えてTELEFUNKEN ECC81◇を購入してあった。

そのTELEFUNKEN ECC81◇1本にノイズが混じるようになったので手頃なTUBEがないか物色していたが、同じダイヤマークの出物もあまり見かけないので、こちらのBRIMAR「Yellow T」に狙いを定めヤフオクにて落札した。

BRIMARは通常の1970年代に製造されたECC83を複数個所有しているが、特にこれと言ったクセのないナチュラルな響きが持ち味のTUBEだと感じていた。

それらと比較するとこの古い「Yellow T」は英国パートリッジのトランスが聴かせてくれた高域の美しい硬質感と、グッと締まった迫力ある低域を楽しませてくれる。

Telefunken801Sなどと並び称されると言うのも納得させられる音質ではないだろうか。

Chriskitプリアンプのライン段に使用しているMullard M8136/CV4003を少し増幅率の高いこちらのTUBEに変えると、低域がタイトに締まり高域の美しい輝きが俄然生きてくる。

想像以上にBRIMARの「Yellow T」は良いTUBEだ。


お次は手持ちの在庫が意外と少ない独SIEMENSブランドのE82CC/12AU7Aである。

SIEMENSは僅かにTriple-Mica E83CCをフォノイコEAR-834Pの初段で使用しているのみで、我が家では英Mullardの影に隠れたBRIMAR同様、♢マークの後塵を拝するブランド扱いとなっている。

この他に我が家のストックを見てみると、1980年代に調達した珍しいE82CCのシングルフランジのTUBEしかなかった。

Chriskitプリアンプで音質を確認してみたが、Mullard M8136/CV4003と相通ずる、ゆったり感のある滑らかで肌触りの優しい音質だった。

Chriskit MarkY CustomはパワーアンプSV-91Bと組み合わせ、GOODMANS 3WAYを使用して主にPOPS&ROCKを楽しんでいる。

今回の試聴でゆとりある優しい音質のMullard/SIEMENSより、エッジがはっきりしてゴリゴリ感のあるBRIMAR「Yellow T」を組み合わせることにした。    

5/20


    

■ 新たに調達した真空管 Part2

他県への移動自粛が徐々に緩和される中、新型コロナ感染患者が再び増加し始めている北九州市などの状況が心配だ。

さて、6月最初の投稿はまたしても真空管の話題。

これまでECC81(12AT7)系TUBEの使用経験はなかったが、昨年導入したUESUGI TAP-31に使われているので徐々にストックを増やしている。

プリアンプChriskit MarkYのライン段に使用されているTUBEをECC82からBRIMAR ECC81に変更すると、響きに実在感が出てきたのでこちらもECC81系に変更。

UESUGI TAP-31に付属しているオリジナル12AT7WCはPHILIPS ECG(シルバニア製)だったが、まず最初に最高峰のTELEFUNKEN ◇マークを調達した。

しかしこのTUBEの1本にノイズが出始めたので、新たにBRIMARの「Yellow T」を調達してこれをプリアンプに転用したところ好結果を得たというわけだ。

今回調達したのはBRIMAR/CV4024で、BRIMARの「Yellow T」より後に製造されたもののようだが、程度も良さそうだったので購入することにした。

購入後、早速HICKOK真空管試験機にて良否判定とGM測定を行い、さらに実機に装着してノイズなどの音質確認を実施している。                    6/2


    

■ MM型カートリッジのその後


先日、MM型カートリッジに合わせて線間容量の低いシールド線を使い、EMPIRE598用に新たなフォノケーブルを自作した。

その後、MI型EMPIREやVL型DECCA、MM型SHURE M44の各種カートリッジで試聴を続けている。

BELDEN8412を使用していた時にはEMPIREのカートリッジが最もバランス良く聴こえたが、交換後に聴くとなぜか腰高のバランスとなってしまった。

それとは逆にSHURE M44シリーズの音質が最もバランス良く響くようになった。

現在我が家にはSHURE M44のボディは3種類、前期カモメマークのM44GとM44E、後期型番のみボディのM44Gがある。

針は6種類、後期ガード付きのオリジナルN44GとN44-7、JICO製N44-7とN44G、KYOWA製N55E、スイスPfanstiehl製N44Eがある。

色々組み合わせてみて最も音質の良かったのが、画像のカモメマークM44Gに後期ガード付きオリジナルN44Gを組み合わせたものだった。

N44E/N55Eの楕円針ではキレが乏しく音質傾向が一挙に大人しくなり、逆にN44-7では少し乾いた荒っぽい暴れ気味の音質となる。

カモメマークM44Gに後期ガード付きオリジナルN44Gの組み合わせでは、このカートリッジの持ち味であるキレやパンチに響きの良さが加わって、これまで聴いた中ではMM型として最高の音質を楽しむことができた。

特にROCK系の曲種には相性がバッチリで、十倍以上の価格のMC型をも凌ぐ音質を味わうことができる。

今後このEMPIRE598ではこの組み合わせがリファレンスとなりそうだ。                                                           6/2 Part2


    

■ 塗装の不思議

MM専用で使用しているEMPIRE598(980アーム搭載型)プレーヤー。

SHURE M44の音質が気に入って、最近使用する機会がめっきり増えている。

今年の冬に徹底的にレストアして、再塗装を行った件はすでに投稿させていただいている。

その時に投稿した画像とアウタープラッターの色が変わっているのをお気付きいただけるであろうか?

実はシャーシやアウタープラッター用に選んだ塗料はオリジナルと同色のシャンパン・ゴールド塗料が見つからなかったので、アサヒペン「メッキ調スプレー/シルバー」を使用して、さらに保護の意味もありクリア塗装で上塗りしている。

最近、何気なしにゴムシートを取り外してみたところ、アウタープラッターの塗料が溶けてネバネバとシートに貼り付いてしまっていた。

塗装の乾燥が十分でないまま使ったのが原因かとも考え、今頃になって使用した塗料の説明書きを注意深く読んだところ、

※金属表面に金属粉を浮かして金属光沢を出すようにしていますので、乾燥後も手や衣服などが触れると金属粉が付着し金造光沢が損なわれます。

※外観が変わったりハガレを生じたりするので、クリアなど他の塗料を上塗りしないでください。

と記入されているが、色だけを考えていてこの注意書きなどは全く気にしていなかった。

アウタープラッターは手に触れると説明の通りシルバーの粉が手に付着するが、シャーシ本体は触れても全然問題もなく表面はクリア塗装でしっかりガードされている。


  


しかしこのプレーヤーに付属する上質なゴムマットは、製造後半世紀が経過しているにも関わらず未だに柔らかく光沢もあり、レコードを載せても吸い付くようである。

今度は念を入れてプライマーで下地処理を行い、プラモデル用タミヤ/ゴールドスプレーで塗装することにした。

さらにタミヤ/クリアカラーで表面保護したが、今回もしばらくすると一部塗料が溶けたようにベトついて、左画像のように所々ゴムマットに塗装が剥がれてしまっている。

しっかり乾燥させたつもりだがまだ十分に乾いていないのか、またこのゴムマットを載せると塗料との相性が悪くて溶け出してしまうのか全くわからない。

仕方なく薄い紙をゴムマットと同じ大きさに切って、右画像のようにゴムマットの下に挟んで使うことにした。

こうすればゴムマットが塗装面に接触することもなく、溶けることもないと考えたがいかがなもんでしょうか?                                    6/4


    

■ 続・塗装の不思議


なぜ本体シャーシの塗装は問題ないのにプラッターの塗装は溶けるのだろう?

この不思議な問題を解決するため、塗装についてあれこれ調べてみた。

そうしたところ、ターンテーブルマットの柔軟性を保つためにゴムに添加されている可塑剤が影響しているのではということが分かった。

この可塑剤が塗装面に付くと塗料が溶ける性質があるとのことで、だからシャーシ本体の塗装には問題なかったとの結論に達した。

そんな訳でこの可塑剤の影響を受けないクリアスプレーはないかとあれこれ探してみたところ、車用のCRCシャーシーコートクリアが使えそう。

早速、この水性コート材を表面に流布して使うことにした。

再び可塑剤の影響を受けると最初から塗装をやり直さなくなるので、プラッターとマットの間には紙を挟むことにした。                       6/7


    


■ 2台のGoodmans

有難いことにこの稚拙なHPの愛読者が少なからずいらっしゃることを、最近いろいろな場面で知るようになった。

掲示板やオークションを通じてなどで、記入した本人が忘れているのに以前の投稿にありましたとお申し出いただくと、苦労して作成した甲斐があるというものだ。


現在愛用しているGoodmansのスピーカー2台体制となってから早くも1年が経過したが、それぞれ全く不満を感じさせない音質を楽しませてくれている。

このAXIOM22MARKII(2WAY)とAXIOM150MARKII(3WAY)2機種を曲種別に使うようになってから、聴覚の衰えの影響もあるかもしれないがあまり音質に際立った違和感を覚えなくなった。

カートリッジや真空管の組み合わせによって音質の一部に不満を感じることはあるが、昔のように聴いているのが苦痛ということがほとんどない。

昔所有していたTANNOYのコーネッタ Monitor-Red IIILZは、エンクロージャーがもう少し大型で横幅が30cmほど広かった。

その当時のことを振り返ってみると気難しいユニットを手懐けるのに苦労して、単純に音楽に浸れたのはわずかな時間だったような気がする。

せっかく2台で楽しむならもっと音質の異なる、違ったメーカーのスピーカーを使い分けた方がいろいろな曲種を楽しめるのではと当然思う。

特にロックやポップスならアメリカ系の歯切れの良い音質を持つJBL/ALTECなどが楽しめるような気もしたが、実際に試してみると頭が痛くなってくるのだ。

たぶん音楽を聴く感性の根本的な部分でGoodmansが醸し出すこの英国の音質が肌に合っているらしく、低域が出る出ないや高域に繊細感があるやキレがあるなど曲種によって音色に若干の味付けを加えて使用している。

同じメーカーの2機種のSPにどれほどの音質差があるかというと、基本的な音質の色目や風合いは同質だがAXIOM22の2WAYでは高域が瑞々しくかつ甘く響く。

AXIOM150MARKIIと比較して低域のゆとりと高域の艶やかさが両立しているユニットだから、2WAYでの使用でその長所を最大限味わえると考えている。

一方、AXIOM150MARKIIの3WAYではスコーカーが加わることにより、クッキリとした持ち味に音の厚みが増し、奥行きやスケール感をメリットとして感じられる。

ツイーターはともに純正TREBAXを使用しているが、異なる真空管やカートリッジを組み合わせることにより、高域に繊細感を持った響きの2WAYと低域に馬力と高域にキレのある3WAYと言った具合に音色に変化を付けている。

主に2WAYではクラシックやヴォーカルものを、3WAYではPOPSやROCKなどの曲種を楽しんでいる。

しばらくはこの体制が続くものと考えている。                                                                                          6/10


    


■ オーディオ工作室 「MCトランス・ケーシング編」

本日は、WE-9450インプット・トランスのリケーシングを実施する。

これまでは某オーディオ専門店が製作したものをそのまま使用していたが、ベースの真鍮プレートがすぐ酸化して黒ずむのが難点だった。

MCトランスのケーシングはすでに5台目となり、今回もいつもの通りタカチのアルミケースを利用して製作することにする。

画像はすでにケースにドリルで穴を開け、プライマーで下地処理を施した状態。

内部配線材にはWE単線を使用して、悩みどころのRCAジャックはアムトランスさんから調達することにした。

当初はオヤイデさんの少し値段の高いロジウムメッキ仕上げを使用するつもりでいたが、どうしてもプラグの食いつきが甘いため方針変更する。

スイッチクラフトのジャックが一番安心して使えるが、別途絶縁ワッシャーを使用すると長さが足りなくなる恨みがある。


  


さて、ケースに直接塗装しても問題はないが、EMPIREの塗装で使用したプライマーがあるので念のために下地処理を施して塗装に入る。

今回もサビたまんまで塗れるカラースプレーを使い、仕上げにクリアスプレーでガッチリ塗装をガードすることにしよう。

内部配線についてもこれまで気に留めていなかったワイアリングの美しくさを考慮して、直線的な配線を心掛けている。


  


こんな感じに仕上がりましたが、いかがなもんでしょうか?

流石に工作室も回を重ねるごとにレベルが上がってきたようで、塗装やハンダなどの見栄えもよく我ながらなかなかの出来と満足している。

未使用のウエスタン22GA単線(錫メッキ・ゴム・紙巻)を使用したためか、音質が少しタイト気味になったような気がする。

こんな短い内部配線材についてもエージングが必要と言うことか?

前回製作したJs No6600との揃い踏みで、奥にはLangevin 408Aが収まっております。                                  6/17


    


■ 丸針の考察

ふっと考えてみると、最近になって丸針を使用する頻度がめっきり増えてきている。

以前はOrtofonやMCH-IIなどのラインコンタクト(楕円)針ばかり使用していたが、最近気に入っているSHELTERやSHUREは共に丸針だ。

昔からカートリッジの名機といえばOrtofon SPUとDENON DL-103がお決まりだったが、 小生の好みはDENONの丸針ではなくSPUの楕円針だった。

本日は平成のSHELTERと昭和のDENON DL-103丸針の音質の違いについて、試聴しながら比較してみることにする。

ステップアップトランスとフォノイコは共通でALTEC/Peerless 4722、MoFi Electronics Studio Phono2を使用する。

これまでDL-103については、90年代に購入した103C1や最近やっと購入したオリジナルタイプとも、あまり常用とする機会がなかった。

オルトフォンと比較すると全体的にタイトな印象で、響きが少ないところに大きな違いがあると感じていた。

低域の質感がオルトフォンでは「ボン、ボン」と鳴るところ、DENONでは「ガン、ガン」と響きの乏しい硬めの音色となり、高域の方もオルトフォンでは艶感や余韻を感じられるが、DENONでは直線的でやや押し出しの強いメタリックなものとなっているところが特徴だ。

派生モデルのC1の方は、上下とも帯域が拡大して音質にナチュラル感が出てややソフトな印象を持つが基本的な音質は同色である。

そんな持ち味がJazzなどの曲種では功を奏して愛好家を増やしているものと想像するが、クラシック愛好家にはこの直線的な高域は味気なく感じるだろう。

丸針についてそんな風に感じていたが、最近購入したSHELTER MODEL501Classicの響きがあまりにもナチュラルですっかり気に入ったのである。

再度そのSHELTERと同じアルミカンチレバー+丸針を採用したDENONを比べてみると、かなり音質傾向が異なるのを感じる。

DENONはこれまでの記憶とあまり異なった響きもなく、相変わらず硬い低域と直線的な高域が持ち味と感じられた。

SHELTERの方は響きの豊かさが美点となっており、さらに音の重なり具合「ハーモニー」がとても美しく表現されるカートリッジだ。

低域の質感も少しくぐもった乾いた感じはあるものの、「ボン、ボン」と楕円針に近い響き方をしている。

マグネットはSHELTERがネオジウムを使用しており、DENONはアルニコマグネットとのことなのだがこの辺りに違いがあるのだろうか?

そんな訳で、DENON DL-103の出番はこれまで通りあまり期待できない結果となってしまった。

DENON DL-103の丸針について色々調べていたところ、NHKと協同で放送用ステレオ・ピックアップの開発を実施するにあたり、その設計方針と構造の概略の中に  「ステレオ・レコードやモノーラル・レコードを共通のカートリッジで再生できること」との項目が含まれており、この内容を満たすために「針先球面半径を0.65ミルとした」との記事があった。

そんな訳で同じ針先構造を持つSHELTERについても同様の扱いが可能だろうから、モノラル盤にはこれらの丸針を使えば良いと考えている。    6/19


    

■ 新規アンプ導入計画(5) 「製作開始編」 


「待てば海路の日和あり」 「果報は寝て待て」 「石の上にも三年」 「急いては事を仕損じる」 「急がば回れ」 これぐらいでどうでしょう ?

企画立案後4ヶ月強を経て、遂にラボのK村さんから「手巻きトランスが納品されたので製作を開始します」との連絡が入った。

思い起こせばこの4ヶ月の間に、新型コロナウィルスの世界的な蔓延や実父の死去など、未曾有な出来事が起こっている。

さて、いよいよ待ちに待った新規アンプの塗装色や出力インピーダンスなど、電話にて諸々打ち合わせを行って希望内容を伝えた。

出力は8〜9Wになるとのことだったが、GOODMANSには十分な出力である。

お借りしている6AR6シングルアンプは、相変わらずなかなかの美音をたのしませてくれているが、このアンプを上廻る音質を期待するのは贅沢だろうか?

今後のために具体的な回路内容など、しっかりお伺いしておく必要がありそうだ。

完成を待ち詫びる日々も、いよいよあと僅かとなる。                                                                      6/26


    


■ 新規フォノイコライザー

いよいよ新規アンプの製作は回路構成もほぼ決定し、図面作成が終わってCAD外注にまで進んでいる模様である。

アンプ工房のK村さんや真空管博士のMさんなどのご尽力により、当初の構想では英国直熱三極管PX4を使用したシングルアンプ企画だったものが、独テレフンケンの球も楽しめるコンパチアンプにパワーアップしている。

いよいよもって、完成が待ち遠しい。

さて、本日は新規に調達した古いSHELTERのフォノイコがテーマ。

使用するプレーヤーにアームを増設したことによりフォノイコが足りなくなり、今年初めにパラヴィッチーニが監修した安価な現行フォノイコを購入して使用していた。

その後、新たに導入した丸針カートリッジSHELTER MODEL501Classicの音質が気に入り、組み合わせるフォノイコも純正タイプに組み合わせを変更することにした。

このSHELTER MODEL216 CR型フォノイコは、1995年〜2005年ごろまでロングランで販売されていた人気機種である。

キングオブアナログのパラヴィ翁が監修したMoFi Electronics Studio Phono2は、古いMarantz7真空管プリアンプに組み合わせると原因不明の発振が起こるなど組み合わせに無理があったようだが、こちらのフォノイコはそのような古いヴィンテージ機種にも寛容で相性も悪くなさそうである。

音場に厚みがあり豊かな響きが持ち味で、真空管機種と組み合わせても全く違和感のないものである。

フォノイコの入れ替えとともに、最近めっきり出番の少なかったNottingham INTERSPACE-ARMのLYRA Clavis.D.Cを、Ortofon MC-30Sに入れ替えてみた。

Clavis.D.Cは流石に情報量も多く切れ味鋭い音質が魅力となっているが、音がストレート過ぎて情感が乏しく感じてしまう。

以前このアームにOrtofon MC-30SUPERIIを組み合わせたときは、痩せた彩の少ない音質で今一歩納得できないものだったが、後継機種のMC-30Sではゆったりとした奥行きと高域の切れ味がうまい具合に調和していて、なかなか良い塩梅で音楽を楽しませてくれそうだ。        

やはりカートリッジはオルトフォンから抜け出せないでいる。                                         7/6


※追記・・・・・古いSTEREO SOUND(1995年/No.116)にこのSHELTER 216とカートリッジ501TypeIIの試聴記についての掲載があり、その姉妹機としてモデル501Classicの紹介についても記入されていたので、同時期に販売されていた組み合わせであることが分かった。


    


■ 組み合わせあれこれ

またまた東京のコロナ感染者数が右肩上がりに増加しており、隣接する埼玉や千葉の感染者数も同様の傾向にある。

3密(ソーシャルディスタンス)で感染を防ぐのにも限界があり、早くワクチンの開発が着地しないと経済が立ち行かなくなるのではと心配している。

さて、こちらはロングランを続けているEAR-834Pフォノイコライザー。

発売当初はECC83の3本構成だったが、最近では中国製コピー商品に対抗して、あまり聞き馴染みの無い13D16双三極管へ仕様変更となっている。

基盤上には依然としてECC83のプリントがあるので、我が家では3本ともECC83ヴィンテージ管に変更して使用している。

これまではOrtofon MC30シリーズと組み合わせ、パラヴィッチーニがデザインした内蔵トロイダルトランス経由でクリスキットのプリに繋いでいた。

先日、Nottingham INTERSPACE-ARMをMC30シリーズに組み替え、LYRA Clavis.D.CをEARのフォノイコ経由に入れ替えた。

響きが乏しくタイトに締まったClavis.D.Cの音質を少し滑らかにしようと、このフォノイコのTUBEを交換して試してみる事にしたのである。

これまではV2〜V3にMullard Short-Plateを、初段のみSIEMENS Triple-Maicaを使用していたが、これらをコクの出るMullard CV4004に変更してみる。

さらにクリスキットのライン段はBRIMAR「Yellow T」ECC81を組み合わせていたが、少しケバが立ち過ぎるのでバッファーをあまり出番の無かったナチュラルなBRIMAR ECC83に変更することにした。

これらの真空管変更により、なんとか意図する音色方向に改善された模様。

SHELTERのフォノイコとカートリッジの組み合わせはMarantz#7に繋いでいるが、製作者の意図する低音の太さが顕著となってまさしく「2B的音色」となっている。

太い音質が特徴となているだけではなく、結構細かい情報を拾ってくるのがこのカートリッジの持ち味だ。                                                  7/17


    

■ ORTOFON Erik Rohmann Signature

我が家では昔からOrtofonのSPUを愛用している。

その中で最も気に入っているのが1992年に1000個限定生産で発売されたSPU MEISTER GEで、磁気回路にはネオジウム・マグネットが採用されている。

その他にもオリジナルSPU-GEや復刻されたClassic GE、コイルに銀線を使用したリファインモデルのGOLD GEやネオジウム・マグネットのSYNERGYなどを使用して来たが、GOLDとSYNERGYは音色が気に入らずに放逐してしまった。

クラシックにはThorens MCH-IIの存在が見逃せないが、 MEISTERはあらゆる楽曲をオールマイティーに楽しませてくれる唯一のカートリッジだ。

またOrtofonのMC30シリーズを2機種(MC30SUPERII/MC30s)所有しているが、こちらは残念ながらヴォーカルなど限られた曲種での使用が常である。

さて、今回ご紹介するMC-ERはMEISTERと同時期の1991年に発売された500個限定生産モデルで、ネオジウムマグネットと発電コイルに7N銅線を使用し、ベリリウム製カンチレバーにファイン・ラインスタイラスの振動系が採用されている。


ボディーはMCシリーズと共有されていて磁気回路も1993年発売のMC30sと同等だが、音質の方はどちらかと言うと繊細な切れ味が持ち味のMCシリーズと違って、SPUのような低い重心と安定感を感じさせる音質バランスに仕上がっている。

MC30シリーズではどうしても腰の座った低域を求めるのは難しく、女性的で少し浮ついた音質が表現力の欠落につながっているように感じている。

その点こちらのMC-ERはSPU譲りの中低域の密度の濃さを持ち合わせており、POPS&ROCKを幅広く楽しませてくれるカートリッジだ。

MCトランスにはLangevin408Aを組み合わせているが、SPUと同じく絶妙の相性を見せている。

1998年発売で新技術を盛り込んだJubilieやその磁気回路と振動系を継承しているKontrapunktなども使ってみたかったが、2005年に発売された新世代のSYNERGYが期待外れだったので原点回帰する構図となった訳である。

これでMC30シリーズの方もお役御免となるかもしれないなあ。 7/28


    

■ 新規アンプ導入計画(6) 「シャーシ完成編」 


例年より長かった梅雨も明け、今度は打って変わって記録的な猛暑の夏を迎えている。

連日発表される新型コロナウイルスの感染者数は下降線を辿る気配もなく、東京や大阪などの大都市だけでなく地方都市での拡大傾向が恐ろしい。

さて、待ちに待ったアンプ製作の方も佳境を迎えている。         http://shinkuukan2.web.fc2.com/2020/11/2020_PX4.html

一度に3台ものアンプ製作に入り、ラボのK村さんもバテ気味なのではないだろうか。

塗装されていないので全体的な雰囲気が掴めないが、ケース左奥にはTSM Productsの手巻きアウトプット・トランスが配置され、左側縦に配置された初段管と中央の出力管の間にあるのが、真空管博士の説明にあった手巻き大型チョーク・トランスではないだろうか?

シャーシのほぼ中心にはバイアス切り替えスイッチがあり、これでRE604系のTUBEも使える事になった構図である。

ラボのK村さんから、「Rチャンネルのボリューム位置がトランスケースに近いので操作がしにくいです。アンプのボリュームは左右のレベル合わせに使って頂き、プリアンプで音量調整を行うようにして下さい。」とのご説明があったが、見たところでは特に問題はなさそうだ。


回路をご検討いただいた真空管博士の説明によると、このアンプの回路はクラングフィルムの回路も参考にしながら、無色に近く、ほんのりと薄化粧をしたような音質を目指したとのことだった。

美音系のPX4とスピード系のRS289に加えてRE604系の古典球が揃えられれば、Goodmansのシステムは1系統で済むかもしれません。

続く・・・・・・・                  8/10


    

■ 新規アンプ導入計画(7) 「出力管の点火方式」


経験のない遠い昔の戦争を彷彿とさせるような未曾有のコロナ禍で、連日発表される感染者や死亡者の夥しい人数に感覚が麻痺して来ている。

アメリカを中心とした中共制裁の行方とともに、一般報道では伝えられない中共内部の権力闘争にも注意が必要だ。

そんな世界情勢に目を奪われがちだが、猛暑に伴う熱中症死亡者数にも驚きが隠せない日々が続いている。

さて、ソーシャルディスタンスの影響により(笑)長らく待ち焦がれていたアンプ製作の順番が訪れ、益々ラボの新着・更新報告が楽しみとなっている。

昨日、ラボのK村さんからご連絡があった時に、素人ながら回路についていくつか質問させていただいた。

シャーシにハムバランサーが装備されているのを発見して出力管の点火方式をお伺いしたところ、直流点火方式を採用しているとのことだった。

この音質に深く関わるフィラメントの点火方式については諸説あるらしく、我が家で愛用しているSV-91BについてもY下先輩によって、ウエスタンアンプと同様の交流点火方式への改造が試みられているが、結局のところ前段のみ交流点火に収まり出力管についてはハムノイズの少ない直流点火に戻されている。

ラボのK村さんによると、確かに大規模映画館用のスピーカーを駆動するようなウエスタンの300Bアンプは全て交流点火方式を採用されており、SPと観客との距離が広ければ問題はないが、SPと近距離で対面する家庭用オーディオではどうしてもハムノイズの影響を受ける弊害があるとのことだった。

交流点火方式を採用した300Bアンプの音質は聴いた経験はないが、現在愛用しているこのSV-91Bアンプの音質には満足している。

点火方式により一番影響を受けると思われる高域には、美音とまでは行かないまでも適度なキレと繊細感があり、実在感のある中域とダンピングの効いた低域が大変好ましいバランスに仕上がっている。

新規アンプについては、真空管博士に考案いただいたプレートチョーク結合回路と、量販品では得られないK村さんの製作ノウハウによって、長らく続けて来たオーディオ道楽の最後のアンプになることを期待している。

特にこれまで経験のないコンパチアンプということで、数々の名だたる出力管が使えることは大きなメリットとなるだろう。

アンプ完成時には自前で準備したMarconi PX4のST管と、ラボさんから供給いただくTelefunken RS289の音質を楽しみながら、できればPX4系ナス管とROE604系のTUBEもコレクションに加えたいと考えている。                                           8/24

    

■ 新規アンプ導入計画(8) 「塗装完了編」


塗装が完了したことで、全体の雰囲気が見えて来た。

今回の塗装はグリーン系のハンマートーンで実施されており、高級感のある好ましい色だと感じている。

要となるアウトプット/プレートチョーク・トランスはアモルファス・コアの特注サイズのものを使用しているとのこと。

続く・・・・・・・。                                        8/25

    

■ 新規アンプ導入計画(9) 「パーツ取り付け編」


  


外装部品の取り付けが完了して全容が見えてきた。

入力端子などそれぞれパーツの質感も高く、堂々たる雰囲気を醸し出しているが、右後部電源トランス関連のブラック色が上手くアクセントになれば良いが・・・・・。

続く・・・・・・。                                          8/27


    


■ 新規アンプ導入計画(10) 「配線開始編」

中央2個のバランサー右側に出力管の直流点火回路を設置。

ゼネラルの電源トランス、出力管ソケットの上部にDALEのメタルクラッド抵抗が見える。

続く・・・・・・。                                                                  8/30


    

■ 激動の令和2年


未曾有の危機に直面している2020年(令和2年)も残すところ4ヶ月となるが、8月中旬頃からようやくコロナ新規感染者の減少が明らかなものとなってきた。

しかしウィズコロナの時代に入って人々の生活様式が一変し、ワクチン開発後のアフターコロナの時代には、肌をつき合わせた人と人との直接的な関わりからネットワークを通じた間接的な関わりへ大きく移行していくのではないだろうか。

20年ほど前から始めたこのホームページもコロナ渦のひきこもり影響を受けてか、3月頃から急激な訪問者数の伸びが顕著となって、7月にピークを迎えている。

特に直近の2〜3ヶ月はウクライナやロシアの複数の外部ページからのリンクが増加しており、原因が特定できずに不思議に思っている。

さて、今年2020年のオーディオの目玉は、なんといっても「新規アンプ導入計画」である。

2月の企画立案編から約7ヶ月が経過し、ようやく今月9月に着地完成の見通しである。

このコンパチアンプが導入されることにより、我が家のオーディオがどのように変わっていくのかが楽しみだ。                 9/1


    

■ 新規アンプ導入計画(11) 「配線途中編」

各トランスや基本パーツなどの配線が完了。

SPRAGUEの電解コンデンサーが取り付けられている。

RE604系使用時のバイアス切り替えスイッチ配線へと続く・・・・・・。                                                                  9/3

    


■ 新規アンプ導入計画(12) 「バイアス切り替え配線編」

出力管バイアス切り替え配線完了。

カップリングにWEST CAP、バイパスコンデンサーにはROEが採用されている。

完成まであと少し。

続く・・・・・・。                                                                  9/5


    
■ 新規アンプ導入計画(13) 「熱暴走トラブル編」

Telefunken RS289にてエージング中、直流点火回路のDCコンバータが熱を持つとのことで、出力管の点火方式が交流点火に変更となったようだ。

直流点火基盤を取り外して交流点火に切り替えるが、フィラメントハムも問題なく収まり完成に近づく。                    9/6


    
■ 新規アンプ導入計画(14) 「完成編」


点火回路の熱暴走トラブル修復後、出力管を入れ替えながら順調にエージングを進めている。

明日には我が家に到着予定。                                         9/7

    

■ PX4/RS289/RE604 コンパチブル・シングルアンプ


TUBE AUDIO LABO 6AR6シングル(手前)とPX4コンパチアンプ(奥)
PX4/ RS289/RE604コンパチブルアンプ

チューブ・オーディオ・ラボに制作をお願いしていたアンプを、わざわざK村さんが炎天下のなか新潟よりお持ち下さった。

当初は英Marconi PX4シングルアンプで依頼したが、ラボのK村さんや回路をご検討いただいた真空管博士の助言もあり、独Telefunken RS289(RV210)やRE604系の各種古典球も使用できるコンパチタイプに仕上げていただいた。

準備しておいたPX4に加えてラボさんからRS289を購入し、貴重なRE604は一旦ラボさんのストックをお借りして音質を確認後、真空管博士より調達予定である。

更にTelefunken RV210も試聴用にお借りしている。

Telefunken RE604

Telefunken RV210

Telefunlen RS289はプレートキャップの不具合により、再送していただくこととなった。


 


シャーシの塗装色にも高級感があり、全体的なサイズバランスも良好に感じている。

特にRE604ナス管を使用した時のグラマラスなボリューム感が非常に好ましい。

コンデンサーや手巻きトランスのエージングに2ヶ月ほどかかる予定なので、それぞれの出力管の試聴感想は追々アップさせていただくことにする。

本日短時間だったが、K村さんと動作確認がてらそれぞれのTUBEを試聴してみる。

どのTUBEを聴いても好ましく感じさせる音色の中で、特にウエスタン300Bを凌駕するというRE604のリアルな音質は素晴らしかった。


当初、電源トランスの上部に設置されていた出力管の直流点火回路が取り外されている。

交流点火方式での動作に変更した結果、電源投入時に「ブ〜ン」とハム音がするが、しばらく経つと全く気にならないレベルに収まっている。

K村さんのワイアリングはいつもながら美しく、仕上がりも上質で文句のないものだ。

K村さん、本日はありがとうございました。                                    9/8

   

■ コンパチブル・シングルアンプの音質/PX4編


まず最初は本命のMarconi PX4から試聴を開始している。

旧型ナス管(OSRAM)や同型管のPP3/250(MAZDA)の方が良かったのだが、高額となるため新型のドーム管ではなく音の良いST管を選択した。

当初予定通り、初段管にSTC CV1985/ECC35、整流管はCossor 53KUと英国勢で脇を固めて聴き始める。

数々の愛聴盤に針を落とし、一番最初に感じたのが音場から溢れんばかりのダイナミックな低域の響きである。

オケを聴いてるとキャンバスの隅々まで濃厚な下地を描いたように各楽器群が豪放磊落に響き渡り、半端のないゴージャス感を感じさせる。

音数の多さだけでなく響きにはコクがあり、ピアニッシモでの繊細感、音の重なりなどのデリケートな表現も申し分ない。

これまで使用してきたアンプとの一番大きな違いは、それぞれの楽器がクローズアップしてマクロ的に響かせる点である。

各楽器のパートが音場にはっきりと浮かび上がり、オペラでの歌声もこれまでの記憶より、舞台上で太く大きく堂々とした歌声を聴かせてくれる。

高域には刺々しさを感じさせず、英国機器の持ち味となっている硬質感のある明晰さが美しく、エージングが進めば更に柔らかさが加味されるだろう。

レコード中心に20時間ほど試聴を進めたところで、組み合わせる初段管や整流管を交換してみた。

前段はSTCで違和感なく落ち着いたが、整流管の方はCossorで感じられる弦楽器のコクのある飴色の響きが好ましいが、やや暴れ気味の音質となるため、落ち着きのある響きのRaytheon5U4Gを組み合わせている。

英国勢で固めたかったが、期待していたMullard GZ32では高域がヒリ付き気味で、低域方向の厚みも薄くなるなど現状では今一歩の結果だった。

エージングが進んで全体的に角が取れたところでCossorに戻そうと考えている。
現状では剛が優っている印象だが、アンプ全体にくまなく血が通い、柔よく剛を制するバランスに行き着いた時が短しみである。 9/10

   

■ 続・Marconi PX4

新作のアンプは完成した後、ラボさんの方でエージングを兼ね8時間ほどの試聴を済ませているとのことだった。

そのアンプが我が家に来て4日目、25時間ほど試聴を進めているが、愛聴盤に針を落とす度に驚きの連続が続いている。

PX4で試聴を開始して三日目ほどのところで、微妙な音質の変化が現れ始めた。

どうやらダイナミックな音場を形成していた原因は滲み気味な音質が影響していたようで、全体的に音像が締まり始めるとともに、少し重苦しく厚化粧気味だった音場に軽快感が出始め見通しが良くなって来た。

同時に太く大きく膨らみ気味だったそれぞれの音源が、ピントが合ったように小振りに聴こえるように変化している。

ここで再度、整流管をCossorに戻して音源に色彩感を加味するが、現在のところPX4にはこの組み合わせがベストのようだ。

新たなアンプを導入したシステムでは、Goodmans AXIOM22MkIIを使って、主にクラシックをアナログで楽しむことにしている。

カートリッジはThorens MCH-IIとOrtofon MEISTERを使用しているが、ともに長年愛用して来たMC型の名器だ。

MCH-IIでプッチーニのオペラを聴くと、昭和30年代生まれの方ならお分かりになると想うが、総天然色で映画を観たような趣で音楽が奏でられる。

MEISTERでは解像度が高いためか、そのような誇張した色彩感は薄らいで爽やかな自然な音場が形成されるのが特徴だ。(トランスはWEを使用)

オーケストラなど大編成の曲種では、各楽器の低音が床に反射してホールトーンが下方向に伸びるという、豪華絢爛な音質を聴かせてくれている。

特に中央左右に配置された弦楽器群が、厚みを持った帯状の合奏となってとても心地よく響く。

しかし、ソロ器楽曲の中でピアノなどは組み合わせるプレーヤー自体の音質影響を受け、これらのカートリッジも明暗を分けている。

フローティングタイプのThorens純正組み合わせは、重厚感あるグランドピアノの響きを聴かせるのに対し、リジットなGarrardシステムを使用したMEISTERでは、高域の煌めきが強すぎて若干腰高な印象を持った。

さて、明日からは次の出力管、ラボさんからお借りしているTelefunken RV210の試聴に入ることにしよう。                         9/12

   
■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RV210編


ラボさんよりお借りしたTelefunken RV210はオーディオ用の傍熱三極管である。

真空管博士の説明を借りると、「RV210はPX25並みの出力が得られる球ですが、今回のアンプでは軽い動作での使用となります。あまり高価な球ではないので面白い存在と思います。」とのことだった。

細身のTUBEはステムから上部がスモークガラスで覆われているため、内部構造を見ることができなくなっている。

この真空管に差し替えてアンプの電源を入れても、PX4の時のような「ブ〜ン」「グオ〜ン」という立ち上がりのハムノイズは一切しない。

出力の方はPX4とほとんど変わらないようだ。

PX4とその音質を比べると、このアンプの持ち味となっている「コクの深い音」には変わりはないが、少し色彩感が薄いような気がする。

もちろん耳で聴く“音”には目で識別する色は分からない筈だが、醸し出される音色が色をイメージさせるのである。

その反面、高域の繊細さと締まった低域に特長を持っており、なんとなくECC83ダイヤマークを連想させる音作りだ。

この出力管でドビッシーの「海」を聴いていると、ダイナミックな波のうねりの高さや大きさを如実に感じさせてくれるが、葛飾北斎の「富嶽三十六景」で描かれた景観が、鉛筆で描いた精密なデッサン画のような風情で聴こえてきた。

RV210のどこまでも冴え渡ったダイナミックな音質は、濃厚な色目の油絵を見るようなPX4の音質とは性格が全く異なっている。

弦楽器独奏では冷徹なまでに強い浸透力を見せるが、大編成モノになると少し粗めで調和を欠く傾向は、音の締まり具合の強さが影響しているのだろうか?

声楽のバリトンを聴いていても少し上擦った、腰高で神経質な歌声に聴こえる傾向があるようだ。

反面、ヴァイオリンやチェロソナタなどでは演奏者の技巧が花火のような煌めきでリスナーに訴えかけられ、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。

ドラマティックな曲目でもRV210の良さが明快となるので、ひょっとするとPOPS&ROCKなどの曲種にも向いているのではと感じた。

しかしこのTUBEの個性的で素晴らしい音質は、次に控えている同じテレフンケンRS289の期待度をさらに高めるものとなった。                        9/14

※追伸

真空管博士よりRV210の補足説明があった。

「RV210はプレート損失25Wの傍熱型三極管です。内部抵抗はとても低くWE300BやDA30と同じくらいです。WE300BやDA30より少し増幅率が高いので直線性は良好です。プレート形状を工夫して電極間の静電容量を低減しているので純三極管の中ではハイスピードな方です。音声信号を扱う様々な用途に使用されていたようです。(業務用アンプ・送信機のモジュレーター・有線ラジオ設備・電話通信設備)  

フルオペレーションですと7W近く出ますが、今回のコンパチアンプでは軽い動作で3W程度と思います。

RV210には弟分とも言うべきAD101という球があります。コンパチアンプではRV210同様PX4の設定で使用可能です。出力はRE604と同じくらいですのでRE604の傍熱バージョンと言えるかもしれません。

テレフンケン製の安価な球でRENS1374dという五極管があります。ST型の初期の球はメッシュプレートの外側にワイヤーリングによるシールドを施すという他に類を見ない構造をしています。出力は1W弱と小さいですが音質は良好です。PX4の設定で使用可能でお値段も@8000円程度です。」

ということだが、やはり真空管の神様である。

   

■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RS289編


いよいよ期待の送信用五極管Telefunken RS289の試聴に入る。

形状はRV210とほぼ同じだが、こちらはフィラメントの灯りや内部構造がはっきり確認できる。

真空管博士曰く、「RS289はテレフンケンが開発した送信管です。アメリカ型の増進管は高域に偏った音の球が多いのですがRS289は違います。三極管接続にすると極めて内部抵抗が低く素晴らしい低音を聞かせてくれます。物理特性はAD1やEdと非常に近くオーディオ専用管に全く引けを取りません。送信管特有の高域の抜けの良さを兼ね備えていますからとてもワイドレンジな球です。電極容量はとても小さく前段管の6SL7に優しい球でもあります。値段が安いのでスペアチューブの心配もありません。」と良いとこ尽くめな球のようである。

出力の方は僅かにRV210より小さいようで、電源投入時のハム音も一切無かった。

先に試聴したテレフンケンのオーディオ用傍熱三極管RV210は、個性的な正しくスペシャルTUBEだ。

低域の締まり具合や解像度の高さが際立っていて、切れ味の鋭い日本刀を思わせる音質が持ち味だった。

その反面、ゆったりとした響きや余韻を拭い去ったような音色が、大編成の楽曲になると温度感の低さとハーモニーの欠落を招いてた。

さて、今回のRS289の音質は、キレの良い高域はRV210の長所をそのままに、低域方向の量感を増した余韻も豊かなバランスとなっている。

大編成のオーケストラを聴いてもふくらみを持ったホールトーンを感じることができて、RV210ほど硬質な高域もそれほど苦にならなかった。

しかし一旦、豊かなホールトーンとブリリアントな響きを持ったPX4で大編成のオーケストラを聴いてしまうと、流石にこちらは少し物足りなく感じてしまう。

テレフンケンの2本を音質比較すると、個性的な音質はRV210に一歩譲るとして、トータルのバランスはRS289の方が優っているように感じる。

これらのTUBEを使用した時の音色がJAZZやROCKなどの曲種で問題が無ければ、もう1系統のシステムは役目が無くなってしまうのでは・・・・・・。

※真空管博士のRS289の補足説明。

「ある方はRS289で聞くとストラディバリとガルネリの違いが明瞭に分かると仰いました。これはRS289の解像度の高さのなせる業でしょう。

RS289は送信管ですから受信管より真空度が高いのです。更にはグリッドのプラス領域まで入力を加えますから動作時のピーク電流は相当なものになります。球自体は大きくはありませんがヒーターパワーはPX25やDA30同等であり豊富なエミッションを実現しています。

それからコンパクトな電極構造も見逃せません。送信管は電極間の静電容量をできるだけ小さくするためにプレートは小さい方が良いのです。電極間の静電容量が小さければ抜けの良いハイスピードな音が期待できます。これらのことを踏まえると低周波増幅使用時のRS289は非常に楽な動作をしているといえます。RS289の解像度が高いのは、高い真空度、豊富なエミッション、コンパクトな電極構造が寄与していると考えています。」   

9/17

   

■ 続・Telefunken RS289

新作アンプが我が家に到着して約10日、聴き始めてから35時間ほど経過している。

真空管博士の詳細な説明を伺って、ますますTelefunken RS289の完成度の高さを感じることとなった。

しかしクラシック系の小編成や弦楽器の再生に最適なTUBEだが、オケなどの大編成になると解像度の高さが災いしてか、臨場感の乏しい音質と感じていた。

そんな中、本日はPOPS&ROCKを中心に試聴を行なってみたが、予想通りこのテレフンケンのTUBEは、これらのタイトでパルシブな曲種にも適している。

特にエージングがまだ足りないのか少しマットな響きが気になるが、ドラムのタイトな響きやベースのボディに喰いこむリズム感は申し分ない。

別系統でPOPS&ROCKを聴く時に使用している、SV-91B→Goodmans AXIOM150MkII 3WAYより、よく締まった響きは心地よく感じられるようだ。

3WAYは低音の厚みや奥行き感はあるが鈍重傾向で、2WAYが持つ軽快感とよく前に出る音質傾向が影響しているのかもしれない。

前段や整流管を入れ替えて、このTUBEで大編成モノを聴けるようになるのなら、我が家のシステムは1系統で十分かもしれません。

しかし、異なる機器を使用して変わった雰囲気で音楽を聴いたり、真空管やカートリッジを色々変えて愛器に触れるのもオーディオの楽しみなので、無理せずにこのままのスタイルで参りましょう。

再びクラシックに戻って交響曲に針を落とす。

TUBE自体のエージングが進んだのか低域の量感も増してきたようで、少しボリュームを上げると澄み切った迫力のある表現力がなかなか良い塩梅だ。

しばらく聴いていると、ストレートで音質が厳しすぎる傾向はあるものの、オーケストラのフレッシュでドラマティックな表現も悪くないと思うようになってきた。

さて、いよいよ次は博士の説明で300Bを凌駕するというTelefunken RE604の出番となる。

ひょっとするとこのTUBEがRS289の音質の幅をさらに広げてくれるのかもしれません。 9/19

   


■ コンパチブル・シングルアンプの音質/RE604編

いよいよ待ちに待ったTelefunken RE604の出番を迎えた。

このアンプを製作依頼するまでは、ウエスタン300A/OLD300Bなどの噂は良く聞いていたが、こちらの独製古典球については存在すら知らなかった。

真空管博士によると

「RE604は1933年〜1941年にかけて製造されたバリウム昇華型フィラメントの球が最高です。このタイプは酸化被膜フィラメントの最高性能を誇る300B以上の性能です。出力こそWE300Bに及びませんが動作における直線性においてはWE300Bを全く寄せ付けません。」

とのことだった。

試聴に使ったRE604はチューブ・オーディオ・ラボさんからお借りしている同タイプのTUBEだが、現在博士に調達を依頼しており、まもなくバリウム昇華型フィラメントの中期型と後期型の極上品が到着予定となっている。


 

このTUBEを使用する時は、出力管ソケット上部にあるトグルスイッチをRE604側に倒して使用することになる。

まずグリュミオーのヴァイオリンソナタから試聴を開始する。

聴き始めてすぐに硬質な美音を隈取るように立ち昇る鮮やかな色香を感じることになる。

解像度はこれまで試聴した2種類のテレフンケンTUBEよりさらに高まり、弦を抑える指がネック上で動く時に出る僅かな擦れ音も聴こえてくる。

先に試聴したテレフンケンTUBEの解像度の高さと硬質感は確かに素晴らしかったが、それが音質を冷たく感じさせる要因ともなっていた。

しかしこのRE604は高い解像力を持ちながら、その音質に暖かさや気品が感じられるのは期待以上の驚きである。

最初に試聴したPX4の音色はすでに忘れかけているが、先のテレフンケンTUBEとは格の違いを見せているのは確かだろう。

真空管博士やK村さんからその音色の素晴らしさを散散伺っていたが、この芳しい色気を持った音はこれまで聴いたことのないものだ。

ほっと胸を撫で下ろしてシュタルケルのバッハに針を落とす・・・・・・・。

さて、続けて聴いた交響曲のレコードは、セルがコンセルトヘボウを指揮した蘭フィリップス盤だ。

このレコードを数日前にPX4で聴いた時は、これまでコンセルトヘボウで聴いたことのない弦楽器群の左右の厚みに驚かされたが、こちらのRE604では各楽器の微動だにしない定位感とクローズアップしたようなリアルな音場再現が、想像以上の美音となって音楽を楽しませてくれている。

弦楽器のユニゾンや金管楽器の咆哮にすら刺激的な趣は全く感じさせず、申し分ない中低域の厚みは上質なホールトーンを体験させてくれる。

嬉しい誤算だが、今まで全く知らなかったドイツのTUBEが、英国の名球と呼ばれたPX4をも音質に於いて上廻っているのではと思わせるものだ。

これまで昭和の中学生時代からオーディオを続けてきて半世紀近くが経過している。

高校入学祝いで初めて手にしたのはパイオニアのトランジスタアンプだった。

その後真空管の音質の良さに目覚め、米DYNACO/Marantz、英QUAD、伊UNISON RESERCH、日LUX/ELEKIT/SUNVALLEY/Chriskit/UESUGIなど数々のメーカー製アンプを使用してきた。

プロ製作者によるオリジナルアンプでTANNOYオートグラフを駆動されているsigetaさんも、いかに優秀なメーカー製アンプより技術的な信頼を置けるアンプビルダーが、部品や回路に拘りを持たせて製作したオリジナルアンプの方が音質は優れているとおっしゃっていた。

当然のことながらメーカー製アンプは商品化して購入者に複数台販売されるが、使用されるパーツなどは特性にバラツキの少ない安全性を考慮した現行部品を採用する場合がほとんどで、完成後の品質確認についても人間の耳によるヒアリングではなく、機械を使用して標準化、平準化された特性を確認するのが大半だろう。

その点オリジナルアンプは、生産終了品や現行品に関わりなく音質の良いパーツを自由に選択し、ノウハウを持った技術者により確実な手作業で製作されている。

さらに複数台の商品化ではないから、完成後に同じ品質(音質)を求められる訳でもないので、1台1台の高音質化が計れるという構図だろう。

Y下先輩が大改造した半オリジナル91B型アンプの音質も素晴らしいが、我が家も結局このオリジナルアンプが終着点となりそうだ。

う〜ん、まさしく至福の時が続いている。                       9/20

   


■ 続・Telefunken RE604


Telefunken RE604を使用して二日目。

昨日の感動は本物かと未だに興奮気味の頭を冷やし、極力冷静な気持ちに立ち返って試聴を始める。

これまでの経験の中で、機器や部品を交換した当初はその音質の変化が「音が良くなった」と思い込み、後日聴いてみると前のほうが良かったということも度々ある。

電源を投入すると、PX4ほどではないが「ブ〜ン」とハム音がして、その後稼働時のフィラメントハムも気にならない程度に発生している。

前段のTUBEはSTCから変わりはないが、整流管をMullard GZ32から再びCossorに戻している。

この黒ベースのMullardは、エッチングコードが見当たらないためどこの工場で製造されていたものか分からないが、高域が上ずって低域も厚みが薄い。

今のところCossorが一番バランス感が良いように感じているが、今度茶ベースのSTCを試してみようか。

カートリッジは低域の量感が芳醇なフローティングのThorens純正組み合わせを使用していたが、交響曲などではOrtofon MEISTERの柔らかい響きも好ましい。

聴き始めの昨日は、ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器や、交響曲、オペラなどでその音質の良さに触れ、感激した記憶が脳裏に残っている。

早速その試聴結果を真空管博士にメールで報告したところ、次のような返信をいただいた。

「RE604気に入って頂けたようで安心いたしました。RE604は銘球と言われながらベストコンディションで鳴らしている人は少ないと思います。回路は私が基本設計を行いましたが配線材や半田を含めた使用パーツの絶妙な選定はK村さんの経験のなせる技でしょう。さらには私たちの無理な注文を快く引き受けてくださるTSM Productsさん手巻きのプレートチョークコイルとOPTの威力も絶大です。自画自賛になりますがこれまでのアンプの中でコストパフォーマンスは最高ではないかと思っています。私がアンプのコンパチ化をお勧めしたことを喜んでいただけているようなので安心いたしました。」

チューブ オーディオ ラボのK村さんからも久方ぶりにご連絡を頂いたが、RE604のバリウム昇華型フィラメントが音質の肝となっているのではとのことだった。

また、PX4にも初期型で音質の良いバリウム昇華型フィラメントのTUBEがあるとのことだったが、滅多に出てこないとのことなので聞かなかったことにしよう。

そういえば真空管博士も、PX4系出力管の頂点はバリウム昇華型フィラメントのナス型管で、その次はPP3/250最初期のニッケルプレートですとおっしゃっていた。

二日目に入り、この音色に耳が馴染んできたのか昨日聴いた新鮮な驚きは減ってきたが、初めて針を落とした愛聴盤の旋律でハッとさせられる驚きが続いている。

PX4では厚みとコクのあるゴージャスなホールトーンに驚かされたが、このRE604には高解像度に支えられた明確な定位があり、さらに響きも柔らかい。

半年以上待った甲斐もあり、このアンプの音色は素晴らしいとホッと胸を撫で下ろし満足感に満たされている。

今週は最近アンプを新調したとおっしゃっているsigetaさんが来訪されるので、この新しいアンプの評価が楽しみである。                          9/21

   

■ バリウム昇華型フィラメント RE604

青森の真空管博士より、待望のTelefunken RE604の他、お願いしていた数種類のTUBEが届いた。

チューブ オーディオ ラボからお借りしていたRE604は初期型と中期型だったが、こちらのチューブは中期型(1934/8)と後期型(1941/4)の組み合わせである。

スイスから取り寄せられた極上品とのことだが、博士の方でベースピンのハンダの入れ替えクリーニングを実施していただいている。

以前、SV-91Bで使用していた整流管(WE-274B刻印)が接触不良を起こし、ベースピンにハンダを流し込んで復活した経験があるが、古典球ではありがちなこのようなトラブルが起きないよう博士の対応も流石に万全である。


 


さらに博士お勧めの比較的安価な五極管Telefunken-RENS1374dと整流管のBRIMAR-5Z4G、その他今回のアンプに使用するわけではないが米GE12AX7 Long-Plateが手に入ったとのことだったので、こちらも2本ほど頂戴することにした。

我が家のストックにはGE12AX7/ECC83のShort-Plateは軍用を含め数種類あるが、淡白で少しボヤけた音質のためこれまで出番が全くなかった。

独テレフンケンにはLong-Plate(17mm)タイプしかないが、英ムラードでも後発のShort-Plate(14mm)より、1959年頃まで製造された初期型Long-Plate(17mm)の方が音質は良いので、米GEのLong-Plate(17mm)を一度試してみたかった。

RE604には長年灯が入っていないだろうから現在エージング中だが、博士のお話だと長期間未通電だった球には、直熱管で24時間以上が必要とのことだ。

エージング中の球がどのような経過を辿っているのかについて、以下のような博士独自の考察をご教授いただいた。

1.管壁や電極等からガス成分がイオン化して真空度が低下し始めガスによりIpは増加し始める。

この時点では音のフォーカスが甘く感じることが多いように思います。

2.球全体が十分に温まりゲッタが活性化すると管内ガスの吸着が始まり真空度が上昇し始めIpは減少傾向に転じます。

この時点のIpの減少はフィラメントやヒーターの性能が落ちているのではなく真空度の上昇によってガス電流が減少するためです。

3.管内ガスの吸着が完了すると再びIpは微増傾向となり、Ipの増加が止まればエージング完了です。

  この時点になると解像度が増し低音の締まり具合も良好となります。

球の状態にもよりますが、直熱管で24時間以上、傍熱管で36時間以上はかかります。

お付き合いいただいてまだ日は浅いが、真空管博士の知識には脱帽する思いである。

それぞれの音質評価についてはまた後日・・・・・・。                                              9/24

   

■ オーディオ定例会

本日はsigetaさんをお招きして、新作アンプの試聴会を実施した。

前回お越しいただいたのは、コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令される前の3月だったから丁度半年ぶりとなる。

その間にsigetaさんのシステムもプリアンプをリフレッシュされたようで、プロ用機器のグレードがさらに改善された模様である。

上の画像は、昨日真空管博士から届いたTelefunken RENS1374dと整流管BRIMAR 5Z4Gを用いた組み合わせである。

このメッシュプレートの傍熱五極管はTelefunken RS289のようなトップのプレートグリッド接続ではなく、ベースのピンにスクリーングリッドを接続する構造となっている。

真空管博士からの使用上注意点として、「SP端子の接続を既存の16Ωから8Ωに替えて使用することで、さらに締まった低域を聴くことができます」というものだった。

さて、新作アンプのプレートチョークの音質がどのようなものか、興味津々だったとおっしゃるsigetaさんのご感想は・・・・・・。

まず聴き始めの冒頭に一言、「変わりましたね〜。」

「古典球ということで何というかもう少し古臭い音をイメージしておりましたが、そんな感じは全くしません。」

「すごい世界に足を踏み入れたものですね。」

そんな驚きの言葉だった。

出力管はMarconi PX4から始まり、Telefunken RS289→Telefunken RENS1374d→Telefunken RE604の順に試聴を行う。

前段のSTC CV1985/ECC35→RCA5691に続いて、整流管のCossor→BRIMAR 5Z4G→KEN-RAD VT244→WE-274B刻印→STC5R4GYを次々に付け替えて試聴を続けるが、予想通りそれぞれのTUBEで大きな音質の変化を感じ取ることになる。

出力管ではPX4とRE604が大編成で音数の多さを発揮するゴージャス系、RS289とRENZ1374dがソロ系で強みを発揮するTUBEと意見が一致した。

あくまでも我が家の機器組み合わせでの場合だが、PX4よりわずかにRE604に音の深みが上廻るのではとの評価だった。

意外と音質の良さが確認できたのは、当方も昨日到着後ほとんど試聴を行なっていないRENS1374dだった。

テレフンケン特有の低域の締まりの良さに加え、柔らかな余韻もあって大編成のオケを聴いても無理のない自然な響きを感じとることができた。

前段ではやはりSTCの良さが光り、整流管ではCossorとSTCが双璧ではないか・・・・・・・。

アンプ自体の音質については、交流点火の音なのかプレートチョークが影響しているのか判断できないが、太い豪快な音がするように感じるとのこと。

出力管から前段や整流管まであれこれ入れ替えて音色を確認し、別系統のシステムで新たに調達したOrtofon MC-ERの音質も確認していただいた。

盛り沢山のメニューで、無駄話もなくあっという間に時間が過ぎる定例会となった。

アンプの基本性能が高いためか、TUBEを入れ替えるたびに比較的好ましい評価を頂戴したが、概ね当方が感じたものに近いものだった。

一方、オーディオで音楽を楽しむには問題ないが、原音再生視点で考えると実際の演奏会ではここまで豊潤な低音は聴こえて来ないとおっしゃっていた。

改めてsigetaさんご本人から試聴感想を掲示板にご投稿いただくことになっているので、本音についてはそちらを待つことにしよう。                   9/25


※追伸   sigetaさんから本日の試聴感想を、掲示板の方にご投稿いただきました。

             興味のある方はそちらもご覧ください。    ↓

     https://zawazawa.jp/bcjd0i1lnr55w007/topic/1


   


■ 2020年9月現在のシステム構成

ANALOG

AMP

SPEAKER
PLAYER
TONE-ARM
CARTRIDGE
MC-TRANS
PHONO-EQ
PRI
POWER
THORENS
TD-126MKIII
Centennial
SME
3010R/B
Thorens
MCH-II
ORTOFON
T-30

Marantz7
TUBE
AUDIO
LABO

PX4/RE604
Compatible
Single
Marconi
Telefunken

GOODMANS
2WAY
▼▼▼▼
AXIOM22MKII
+
TREBAX

GARRARD
401
audio-technica
AT-1501 II
ORTOFON
SPU
MEISTER-GE
Western
Electoric
KS-9450

Notthingham
Interspace-Jr

GRACE G-565/1
LYRA
Clavis D.C.
EAR 834P
GARRARD
401
audio-technica
AT-1503 III ORTOFON
SPU-GE
J's
No.6600

Chriskit
MARKY
Custom

SUN
VALLEY
SV-91B

300B
Single
TAKATSUKI


GOODMANS
3WAY
▼▼▼▼
AXIOM150MKII
+
MIDAX
+
TREBAX


Notthingham
Interspace-Jr

Interspace-arm
ORTOFON
MC-ER
Langevin
408A

Notthingham
Interspace-Jr

GRACE G-565/II SHELTER
MODEL501
Classic
PEERLESS
4722
SHELTER
MODEL
216
EMPIRE 598N
EMPIRE
980
SHURE
M44G

SHURE
M64

↑ ↑


9月に入り待望の新作アンプが到着したので、我が家のシステム構成はリニューアルすることとなった。

4台のアナログプレーヤーを使用して、MC型からMM型まで数多くのカートリッジで音楽を楽しませて貰っている。

最近はアナログレコードが復活して古い名盤がリカッティングされて発売されることも多く、傷のない新品で購入できるようになったのは嬉しい限りである。

もう少し広いオーディオルームで音楽を聴くことができないか常々考えていたが、大きな部屋でオーディオを楽しむのはそれはそれで大変らしく、12インチのSPを使用するならば、音響面で我が家の約8畳の広さはちょうど良いのかもしれない。

今年中はこの構図で古典球を各種楽しんでゆくつもりである。                                          9/27

   

■ 2つのTelefunken

Telefunken RS289

Telefunken RENS1374d


我が家で試聴するソースは約50%がPOPS&ROCKで、クラシックが40%、その他10%程度の割合となっている。

新作アンプは出力管を挿し替えることで、これらの曲種をほとんど無理なく楽しむことができる優れものだ。

クラシックは主にMarconi PX4とTelefunken RE604を使用し、POPS&ROCKやソロ楽器はTelefunkenの2種類のTUBEを使用している。

新作アンプの音質を料理に例えるとアクセントの効いた関東風の味付けで、優秀なアウトプットトランスの影響かシングルアンプに関わらず重心が低い。

特にこれまで使用してきた各種アンプと2WAYの組み合わせでは、音場密度がやや希薄で柔かな浮遊感を感じさせるのは良いが、音質自体が軽い印象があった。

その点今回の新作アンプでは、重心が落ちてどっしりとした安定感があり、さらにコクと豊かな響きを併せ持った音質が最大の長所となっている。

特にPX4を使用した時は濃厚さが増して豚骨ラーメンのようなコクの深さが出てくるが、RE604はさしずめ風味豊かな味噌ラーメンといった趣である。

それに比べるとテレフンケンのRS289/RENS1374dは、すっきりした爽やかな喉越しを生かした塩ラーメン的な音質である。

同じ塩ラーメンのカテゴリーではあるが、RS289は細麺のストレートタイプでRENS1374dの方は縮れた太麺の図太さを感じさせる違いがある。

このRENS1374dは先日の定例会に於いてもsigetaさんから高評価をいただいたTUBEで、暖かくなるまでは実力を発揮しない寝起きの悪さはあるが、持ち味のパンチの効いたダイナミックな音色はROCKなどのパルシブな曲種にも抜群の相性を見せている。

何となく音のニュアンスをお分かりいただけたのではと勝手な解釈をしているが、ラーメンは嫌いであまり食べてことがなく、味がよく分からないとおっしゃるオーディオ愛好家の方にはお許し願いたい。

そんな訳でコンパチアンプの利点を味わい始めているが、このアンプと軽量コーン紙を使用した12インチGoodmans2WAYを組み合わせることで、オールジャンルの曲種を楽しめるシステムとなりそうだ。                                   9/29

   

■ レイアウト変更


コロナ禍という未曾有の危機に直面した2020年も、残すところあと3ヶ月となった。

海外では感染者の増加に歯止めが掛からない国もあり、早急なワクチン開発が待たれるところである。

さて、我が家のオーディオは先月末の2日間を利用してレイアウト移動を敢行し、思い切ってシステムを一系統に集約してみた。

これでしばらくSV-91BとGOODMANS 3WAYの組み合わせは、別室で待機してもらうことになる。

気分を変えて違うカートリッジの音質を楽しむのも良いが、アナログが7系統あっても結局いつも使用するカートリッジは決まってくる。

そんな訳でアナログの方も、Marantz7で3台のフォノイコとともに使用できるカートリッジを5系統に絞り込んだ。

音質の肝となるAXIOM22MKIIのエンクロージャーは音質が良いと言われている進工舎製を使用しており、ツイーターは純正のTREBAXを組み合わせている。

ある意味セオリー通りで以前と同じSP配置に戻した構図だが、SPの中心から中心までの間隔は220cmとレイアウト変更前より若干広くなった。

嫁殿と老夫婦二人で一系統のシステムを別部屋に運び出し、新たなレイアウトに配置が完了するだけで丸一日がかりの作業となった。

おまけに久しぶりの肉体労働がたたって夫婦共々腰痛に悩まされ、近所の極楽湯に湯治に行く羽目となってしまった。

(特にSV-91Bは送信管用の大型アウトプットトランスを採用していることもあり、24kgもあるヘビー級アンプだ。)

<2020年10月からの新たなシステム構成>

ANALOG
AMP

SPEAKER

CARTRIDGE
TONE-ARM

CARTRIDGE

MC-TRANS

PHONO-EQ

PRI

POWER

THORENS

TD126MKIII

Centennial

SME

3010R/B

Thorens

MCH-II

Ortofon

T-30

Marantz7

TUBE

AUDIO

LABO

PX4/RE604

Compatible

Single

Marconi

Telefunken

GOODMANS

2WAY

🔻🔻🔻

AXIOM22MKII

TREBAX

GARRARD

401

audio-technica

AT-1501/II

Ortofon

SPU

MEISTER-GE

WESTERN

ELECTRIC

KS-9450

audio-technica

AT-1503/III

SHURE

M44G

SHURE

M64

Notthingham

Interspace-Jr

Interspace-arm

Ortofon

MC-ER

EAR845P

GRACE

G-565F

SHELTER

MODEL501

Classic

Peerless

4722

SHELTER
MODEL216

さて、やっと機器の移動や配線も完了して試聴に入る。

アンプ完成から半月以上が経過してその音質にも徐々に慣れ、TUBEごとの特徴もおぼろげながら掴めるようになってきた。

これまでと使用している機器に変更はないが、SPケーブルWE16GAが少し寸足らずなため、先日sigetaさんから頂戴したヴィンテージWE線をSP側に加えている。


SP間に物が無くなって空間に広がりが出たためか、響きに窮屈さが無くなり壁一面に広がる音場がとても心地よいものとなった。

さらに音場に漂う微妙な雰囲気も感じられるようになるなど、見通しが良く透明度の高い音質に改善された模様である。

その影響か若干高域の切れ味が増したように聴こえ、弦楽器の柔らかい響きがやや薄らいだようにも感じる。

ツイーターのレベルを調整するなどして、今後は愛機たちにもこの新しい環境に馴染んでもらうことにしましょう。                10/1

   

■ ルームチューニング

レイアウトを変更しただけなのに、結構出てくる音のニュアンスが違って来ている。

今回のレイアウトは3m×3.6mの長方形短辺にSPを配置しており、これまで長辺に2セット置いていた状態と比較して内側AXIOM22MKIIのSP間隔は広がっている。

低域の響きが増したのは良かったが、高域の質感が硬くシャープなものとなっている。

組み合わせている機器にほとんど変更はないが、置き方を変えることで部屋自体の響きが違ってくるのだろうか?

それとも部屋の音響特性を改善するために使用している「卵トレー」を、今回の変更に合わせSP間の天井部分に追加したのが良くなかったのかもしれない。

このトレーを最初に試した時も、枚数が多すぎるとコントラストが強くなりすぎて聴き疲れする傾向があったのを思い出した。

そんな訳で追加したSP間天井部分のトレーと、左右側面カーテン上部に設置していたトレーの天井部分も撤去することにした。

その結果、直線的な音質に柔らかさが出始めて、なんとかバランス上の問題が改善されたように感じている。

チューブ オーディオ ラボのK村さんから、古いWEトランスで使用されていた線材とnassauのハンダを分けていただいた。

このハンダはプラグのホットに馴染ませるだけで結構音質が改善されるとのことで、我が家のWE昇圧トランスにこの線材とハンダを使用して内部配線をやり直した。

いつも使っているKESTERに比べて綺麗にハンダを乗せるのが難しく、当方のような下手くそな初心者が使用するのはなかなか難しい物だった。

うまく乗らずに何回か接触不良を起こしてやっとのことで音出し完了するが、ヘボなハンダ付けでは逆に音質が悪化するのではと心配になる。

そんなこんなで当分の間は調整の日々を過ごすことになりそうだ。

そろそろ新作アンプのエージングも終了して落ち着いてくる頃合いではないだろうか。                                   10/2

   

■ 多国籍混成アンプ

新たなレイアウトで連日試聴を続けている。

本日は出力管に独Telefunken RENS1374dを使い、前段に旧ソビエト軍用MELZ/6N9S、整流管には米軍用SYILVANIA/VT-244といった強力な布陣の組み合わせ。

いろいろ試聴した結果、ロックに限っていうとこのテレフンケンの五極管がベストと感じている。

これまで使用して来たプッシュプルアンプと比較しても、締まったドラムや太いベースが2〜3割パワーアップして轟くところが素晴らしい。

一緒に聴いていたメタル好きの嫁殿も、若かりし1980年代昭和の愛聴盤を聴いて、これまで気が付かなかった音が聴こえるようになったと喜んでいる。

RS289の解像度の高いゾリゾリ感のある高域も素晴らしかったが、こちらのTUBEは低域の量感と太さで優っている。

この出力管の音の太さや締まり、広帯域なバランス感は安定していて、前段や整流管を米・英など他のTUBEに入れ替えても大きな影響を感じさせない。

整流管のSYILVANIA/VT-244は相変わらず蛇口全開のじゃじゃ馬で、MELZ/6N9SはRCA/5691赤ベース同様、音質がクリアな反面やや硬さがある。

鬼門のクラシックは、バランスの良かったPX4の高域に少し違和感を感じているので、もう少し前段や整流管の選別にも時間が掛かりそうだ。

チューブ オーディオ ラボのブログでは、新たにフォノイコライザーの試作情報が掲載されている。

なぜか同じタイミングで使用しているSHELTERのフォノイコに片chの音が出ない接触不良が発生し、直るか分からないがとりあえず修理に出している。

なんかタイミングが良すぎるな〜(笑)                                   10/3

   

■ POPSに最適な組み合わせ

お次はPOPSやボーカルなど、少し大人しい曲を聴くときの真空管の組み合わせについて・・・・・。

やはり出力管については、最もスタンダードなMarconi PX4の出番となる。

今回こちらのTUBEに入れ替えて試聴してみると、レイアウト移動後初めて音質を確認した時に感じた違和感は嘘のように消えている。

レイアウト移動による音質の変化に耳の方が当初違和感を憶えたのか、それとも試聴を続けるうちに徐々に機器が新しい環境に馴染んできたのかどちらだろう?

ROCKに最適なTelefunken RENS1374dに比べ、こちらは温度感がグッと上がって響きの優しい安定感のある音質となるが、打楽器のドラムではチューニングキーを緩め気味でベースも少し太めの音質に変わるなど、それぞれの楽器の音質にも変化が現れている。

ROCKに最適なTelefunken RENS1374dの特筆すべき音質特徴は、音の締まりと解像度の高さにある。

その一例として、この出力管で80年代にヒットしたデュエットのバラード曲を聴いた時、これまではSP間中央部分からそれぞれシンガーの歌声がぼんやり聴こえていたが、初めて左右に並んだ状態(女性左側、男性右側)で定位し眼前に浮かび上がった。

一方、Marconi PX4の全体的な特徴は、低域から高域までのバランス感の良さに加え、奥行きを伴った臨場感のある優しい響きではないだろうか。

音の固さが薄れて柔軟性が出る分、肌触りの良い上質な響きが加味されるように感じられる。

そしてこの出力管には前段のSTC CV1985/ECC35に加え、整流管にはBRIMAR/5Z4Gといった純英国勢のサポートがふさわしい。

この組み合わせは最もノーマルかつ全方位的な音質バランスを兼ね備えており、全てのジャンルに於いて音楽を破綻なく楽しませてくれるものだ。

さて、ここまではほぼ順調にそれぞれの曲種で満足感を得られる音質を味わうことができた。

いよいよ最後に残ったのはクラシックである・・・・・・。                                                   10/6

   


■ クラシックに最適な組み合わせは?

Marconi PX4

Telefunken RE604


いよいよ最終関門のクラシックを検証する・・・・・。

これまでの試聴で、長年使用して来たプッシュプルやシングルアンプを凌駕する音質をこの新作アンプはもたらしてくれている。

ROCKやJAZZなどの曲種には音の締まりとキレが要求されるし、POPSやボーカルなどでは心地よい音の温もりと響きの美しさが必要だ。

しかしクラシックになると少し話はややこしく、コクのある弦楽器の胴鳴りや湿り気のある肉声の響き、ホールトーンを感じさせる残響など要求が多岐に渡る。

まず最初にオールマイティーなPX4を試してみると、前段や整流管などPOPSと同じ組み合わせでは音が少し鈍重傾向となり、抜けや見通しが今一歩に聴こえる。

整流管をCOSSOR/53KUに換えると粗かった高域に細やかさが加わって低域の響きに軽快さと躍動感が出始め、持ち味のブリリアントで硬質な輝きが生きてくる。

オペラやコンチェルトなどでは歌手の肉声やソロ楽器が音場にクローズアップされ、オケとの融合がとても気持ちの良い相乗効果を醸し出している。

この組み合わせで1950年代に録音されたオペラの英EMI/ASD録音盤などを聴くと、最高の気分を味わうことができそうだ。

一方、80年近く前に製造されたバリウム昇華フィラメントのTelefunken RE604はどうだろう。

このTUBEは古典球を愛してやまない真空管博士やアンプビルダーのK村さんから最高の評価を得ており、レイアウト変更前に実施した定例会でもshigetaさんからPX4を超えるのではとの感想を伺っている。

2本とも同じ昇華型フィラメント構造だが、全体形状は画像左の後期型が僅かに背が高くなっている。

高域の繊細感に優れ、抜けの良さが持ち味の整流管COSSOR/53KUを組み合わせたPX4では、豪華絢爛に響く高域がやや派手な音質を見せていたものが、このTUBEに換えると重心が下がって雄大ないぶし銀の音質バランスに表情が変わってくる。

同じテレフンケンのRS289/RENS1374dはやや温度感が低いが引き締まったストレートな音質が持ち味となっていたが、こちらのTUBEでは光の当て方によって色目が変わって見える肌触りの柔らかいビロード地を想わせるような奥深い音色が味わえる。

さらに整流管を前段と同じブラウンベース英STC CV1985/ECC35に交換すると、繊細感が増して重厚感がやや薄らぎ、音質に見通しの良さと軽快な躍動感が出て来るなど全く甲乙付け難い選択となる。

どちらにしてもPX4ほど絢爛豪華に響くリッチな趣きはないが、回転数を落としたような重厚で渋い音色傾向を持っており、オケの弦楽器群のユニゾンが心地よくほぐれて特に鳴り終わった後の余韻がとても美しく聴こえる。

やや帯域は狭いが、高域の豊かな余韻や中域の濃厚なコクともに申し分なく、予想通りクラシックにはRE604が最適なTUBEと確認できた。

新作アンプが我が家に到着してからほぼ1ヶ月が経過している。

いろいろな曲種を試聴したが、このコンパチアンプは各種古典球を使用することで、幅広いジャンルの曲種を満足ゆくレベルで楽しめるものだ。

真空管博士によるとRS289/RENS1374dのように、あまり市場には出ていないが音質の良い古典球がまだまだ存在するとのことなので、今後はそれらのTUBEの音質を楽しんで行きたいと考えている。                                             10/8

  

■ 5系統に絞り込んだアナログの楽しみ方


この半月の間どっぷりと試聴を続けた結果、コンパチアンプを使った音楽ジャンルごとの楽しみ方も理解できるようになってきた。

現在主力ソースのアナログはSPシステムを縮小した結果、5系統が使用可能となっている。

Marantz7に装備されたフォノイコ入力を使用しているのは、WE-KS9450でステップアップするOrtofon/MEISTERとJ'sトランスを内臓したOrtofon/T-30で昇圧するThorens/MCH-IIのMC型カートリッジ2機種である。

カートリッジの中で最も使用する機会が多いのがOrtofon/MEISTERで、クラシックをメインにほぼオールジャンルで活躍している。

幅広いジャンルに対応するMEISTERに比べ、MCH-IIはクラシック専用のカートリッジとなっている。


Ortofon SPU MEISTER GE

Thorens MCH-II


最も使用頻度の高いMEISTERの音質にとても似ているのが、発売年代の近いOrtofon/MC-ERだ。

こちらのカートリッジは現在EAR/834Pのフォノイコを組み合わせており、ステップアップもパラヴィッチーニ翁ご自慢の内蔵トランスを使用している。

MEISTERと同様に、馬力のあるブリリアントでリッチな響きが楽しめるため、主にPOPSで使用することが多い。

Ortofon MC-ER

SHELTER MODEL216/EAR 834P

ROCK専用に使用しているのが、フォノイコSHELTER/MODEL216+SHELTER/MODEL501ClassicとSHURE/M64+SHURE/M44Gの純正組み合わせだ。

最もガツンとパンチが効いて弾ける音を聴かせるのがMM型SHURE/M44Gで、SHELTER/MODEL501Classicはこれに重低音の豊かな響きが加わる。


SHURE M44G

SHELTER MODEL501 Classic

どの組み合わせを聴いていても、これまで気が付かなかった音にハッとさせられるのは、アンプの基本性能が優れている証ではないだろうか。

レコードに針を落とすたびに、自然とニンマリとした笑顔になってくるのが分かる。                             10/10

■ Telefunken RS vs RENS

現在のところROCK&POPSを中心として、最も出番の多いのがTelefunken RENS1374dだ。

RS289と同じ五極管だがRENSの方は低域の量感が増えて、やや中高域に持ち上がった軽めの音質バランスが改善されているように聴こえる。

このRENSを使用する時は真空管博士から使用上の注意として伺った通り、SPインピーダンスを16Ωから8Ωに接続変更して使用している。

先日博士と電話で情報交換していた折に、低域の音質の違いはSP端子の変更に影響されているのではとの話になって、同じ条件で再検証することにした。

そんな訳でRS289を使用するのは久しぶりとなるが、SP端子をRENSと同じ条件の8Ωに接続して試聴を開始する。

以前試聴した記憶と違って中高域が乾いたマットな音質となり、持ち味の切れもやや薄らいだようで、低域の量感や広がりも期待したほど感じない。

結論としてこのRS289を8Ω端子で使用すると、最大の利点だった高域の解像度も低下してあまり魅力のない音質となってしまうようだ。

再びRENSに戻すと、高域のゾリっとした切れ味と低域の押し出し、ダンピングの効いた躍動感とも申し分なく、やはり我が家のコンパチアンプにはこの豆タンクのようなフォルムをしたRENS1374dの方が相性が良いことを再確認できた。

RS289

RENS1374d


いよいよエージングも終盤に近づいて、ますます本領を発揮して来た模様。                             10/12


■ Telefunken RENSの可能性

整流管各種
6SL7系初段管各種


コンパチアンプに古典球を使って試聴を繰り返した結果、ROCK&POPSなどのジャンルではRENS1374dが最も相性の良いTUBEと感じている。

流石にクラシックではPX4やRE604など銘球の音質が優っているが、先日ROCK盤を楽しんでいたそのままの流れでクラシック盤に針を落としてみたところ、エージング効果も出て来たのか当初不満だった低域の広がりや量感をそれほど問題なく感じるようになった。

その反面高域の潤いや艶感に物足りなさがあり、細部に渡る描写力は十分に感じられるものの、やや乾燥した音質が影響しているのかもしれない。

そんな訳で基本的な音質には問題ない訳だから、初段管や整流管の変更により細かな表現力が改善できないか試してみることにした。

音質に影響力がより大きいのは整流管の方だが、高域の質感となると初段管での改善も見込めるのではないか。

初段管では音の輪郭や表層的な部分に違いが現れるが、整流管になると根本的な音質バランスが使用する真空管によって変わるようだ。

現在初段管6SL7系のストックは、英STC ECC35の他、米RCA5691/ RCA6SL7GT(スモーク)、 米RAYTHEON5691、旧ソビエト MELZ/6N9Sがある。

整流管は英Cossor53KU/Mullard GZ32(CV593)/STC5R4GY、米KENRAD VT-244/SYLVANIA VT-244/RAYTHEON 5U4Gなどである。

これらを各種組み合わせて試聴を行い、音質改善が計れないものか試してみることにした。


その結果、前段にRCA5691(赤ベース)と整流管にCossor53KUを使用する組み合わせに落ち着いた。

じっくり腰を据えてクラシックを楽しむ時はPX4やRE604を使用するが、気軽に音楽を聴く時はこの組み合わせでオールジャンルが楽しめそうだ。

しばらく聴いていると、オーケストラの立体的な音場がとても好ましく、弦楽器の繊細な響きもなかなかのものでこれはこれで魅力のある音色である。

10/16

■ 新たな整流管

ZENITH/Super Silvertone 5Y3G(Raytheon) / DARIO GZ32

Silvertone(Ribbed Plate)/ZENITH(Smooth Plate) 5Y3G


青森の真空管博士からまた魅力的な整流管が送られて来た。

博士のお宅には3000本近いTUBEストックがあるとのことで、真空管マニアには応えられない桃源郷のような場所と勝手にイメージしている。

以前送っていただいたBRIMAR-5Z4Gは残念ながら、先日電源を投入した際に管内にポンポンと花火のような火花が散って昇天してしまった。

RENS1374dのような小振りのST管と組み合わせるには、Cossorや5U4G系の整流管はサイズが大き過ぎるのでこれぐらいがちょうど良い大きさである。

黒ベースにZENITHとSuper Silvertoneの商社名が刻印されているのは5Y3GというRaytheonで製造されたTUBEで、ともに音質の良いフックフィラメント構造を持っているがスムースとリブでプレートタイプが異なっている。

もう一種類は仏DARIO GZ32で、我が家で使用していたDARIO GZ32がエミ減となっていたのでちょうど良いタイミングだった。

こちらのDARIOも製造時期が古いようで、これまで使用していたのは通常のスクエアゲッタだったが、こちらはトレーを逆さまにしたようなRENS1374dと同じ形状のゲッタとなっている。

DARIO GZ32 OLD

DARIO GZ32 NEW


5Y3Gの音質は、若干帯域が狭まって音場が中央に集まるような傾向はあるものの、音色バランスは滑らかで温かみのあるものだ。

GZ32の方は音場に広がりが出て余韻も豊かになり、テレフンケンの几帳面な音色を和らげるような大らかさを持っている。


全体的なバランスを見ても、出力管とほぼ同じくらいのサイズで収まりがよろしい。

どちらにしても製造時期が近いTUBEを組み合わせると、相性の問題で音質もそれなりに良くなるのかもしれません。                             10/20

■ Telefunken RENS1374d ナス管

東北地方に実在する桃源郷から新たなTUBEが届いた。

現在最も使用頻度の高いRENS1374dのナス管で、滅多にお目にかかれない初期型である。

これらの古典球は同じ種類のものでも製造メーカーごとに型番が異なっており、共通化がなされていない。

このTUBEもRENS1374d(Telefunken)=L4150D(Valvo)=E453(Philips)=APP4100(Tungsram)=P440N(Triotron)=RS4353・RS4553(Vissuaex)=TE53(Dario)として、ヨーロッパの数多くのメーカーで1932年頃から製造されていた。


今回送られて来たものには管頂に独Telefunkenの同じロゴ印字があるが、博士の説明によるとTelefunkenはValvoと相互にOEM供給しており、背の高い方はValvoで製造されたTUBEとのことで、内部構造もグリッドやメッシュサイズなど若干異なっている。

最初はやはり少し寝ぼけた音質で、何十年も寝かしてあったTUBEだとすると、はっきり目覚めるまでにかなりの時間が必要かと思われる。

現在使用しているST管と違って基本的にはふくよかな余韻を感じさせ、エッジの角が丸まってカチッとした硬質感が抑えられた大人しい音質だ。

どちらかというとスケールを落とした小振りなRE604のような音色に感じるが、ガラスの形状が影響しているのだろうか?

現在のところは今一歩はっきりとしない音質だが、エージングと共にキレが加味されてくるかどうかは今後一週間ほど試聴してみないと分からないようだ。

ST管で聴くことができる素晴らしいキレと、RE604のような奥の深い大らかさが合わさった音質になれば文句なしになるのではと期待している。

10/22

■ 古典球の長所と短所


Telefunken RENS1374d ナス管のエージングを続けているが、使用して二日目には劇的に音の締まりと伸びやかさが出始めた。

その辺りのところを真空管博士にお伺いしてみた。

アマチュア愛好家(私):「先に使用していたST管の方はそれほど最初から寝ぼけた音がしなかったんですが、ナス管はなぜこんなに寝起きが悪いんでしょうか?」

真空管博士:「ナス管とST管の使いはじめの音質差は管内の真空度の違いから来ています。ST管が製造される頃には真空ポンプの性能が大きく改善して、製造直後から真空度が高いことが要因となっています。ナス管製造時にはまだ真空度が低く、エージングによるゲッタの活性化により管内の真空度がじわじわと高まって、低域の締まりや解像度の増加が顕著となって現れます。」

なるほどそういうことだったのだ。

以前、真空管のエージングについてお話を伺っていたのを思い出したが、その時は傍熱管では36時間ほどのエージングが必要だとの話だった。

そんな訳でこれまで寝ぼけて弟分のST管とは全く別人の出来の悪い兄貴だったTUBEが、にわかに優秀で模範的な実力を示しはじめた。

そんなこんなで良いことばかりかと思えばさもあらず・・・・・・・。

古典球の弱みは製造後1世紀近い年月が過ぎているため、その分だけ品質の低下をリスクとして考慮しておかないといけないという面にある。

真空管博士のようにその品質を徹底的に吟味して全世界からTUBEを調達し、その後には真空管試験機にて良否を判定してピンの劣化したハンダを入れ替えるなど徹底したリファインを実施したとしても、実際にアンプに装着して長時間音出しをすると不具合が出るパターンがあるのだ。

今回博士からお譲りいただいた貴重なTUBEについても、最初に届いたRENS1374dのペアは片方のノイズが収まらないので品質の高い良品に入れ替えてもらっているし、今回のナス管についてもValvo製の片方からノイズが出るのでTelefunnken製に交換してもらい完璧なフォロー対応を受けている。

「どうしても試験機などでは判別できないリスクがあるので、できれば複数を調達するよう心がけています。」とは博士の弁であるが、これを独自でe-bayにて海外から調達し、実機に装着して問題が起きた時を考えると誠にゾッとする話である。

この辺りも博士が古典球の良さを日本のオーディオ愛好家に広めたいという、真空管への愛情が垣間見えるところである。

そんな訳で1930年代の人間が100年近い時を経て現代にタイムスリップし、その昔の素晴らしさを融合させていくという側面も伺える物語のような話でもある。

当時はラジオ程度にしか使用されていなかった真空管を、現代の高品質パーツに融合させて音楽を楽しむという、新たな発見がそこにはあるのかもしれない。

10/24


http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html

28. 中川隆[-10652] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:29:52 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[24] 報告
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「音楽&オーディオ」の小部屋
「地震情報」が取り持った新しい真空管アンプ 2019年05月21日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/43b58b64fb161c8ef7ffab7309a31641

あれは2週間ほど前のことだったろうか。

「東北地方に地震」とのテロップがテレビに流れたのでさっそく「北国の真空管博士」に電話して安否をご確認。

「御無事でしたか?」「ハイ、それほど揺れた感じはありませんでしたよ」

「貴重な真空管は大丈夫でしたかね?」「アハハ、被害はありませんでした」

笑われたところをみると、ホンネがバレたかな(笑)。

博士の所蔵される古典管は極めて珍しい希少管ばかりだし程度のいいものが”わんさ”とあるので地震と聞くと気になって仕方がない。

ものはついでと「何か目新しい情報はありませんか」とお訊ねすると、

「はい、このところ古典管が品薄になって高騰しているので、比較的手に入りやすい球で代用できるものがないか、もっぱらチェックしています。

アッ、そうそう、チューブ・オーディオ・ラボさんが新しいアンプを作られたそうですよ。出力管は6AR6です。

〇〇さんにはなじみの薄い球でしょうが、3極管接続にすると「PP3/250=PX4」そっくりの特性になります。あなたが大好きなブリティッシュサウンドに変身しますよ。」

「ほう、それはぜひ試聴してみたいですね!」「それなら連絡をとってみましょう」

そして、すぐに博士から出力管「6AR6」についてメールが届いた。

「6AR6は1945年にベル研究所(WE)によってWE350Bの後継管として開発されたようです。 当時WE350Bはその信頼性の高さからレーダーの掃引用として使われていました。

しかしWE350Bは大型のため機器の小型化には問題が有りバルブを小型化した特殊なWE350B互換球を使用していたようです。

そこでレーダーに最適なコンパクトかつ信頼性の高い球として6AR6が開発されたわけです。 6AR6は極初期にWEが少量生産したのみでその後はTungsolに引き継がれました。

数社が製造したようですが圧倒的にTungsol製が多いです。 ビーム管として極めて優秀な6AR6ですが、私が検証したところ三極管接続にすると英国を代表する古典管の銘管PP3/250とほぼ同じ動作をするのです。

今回のチューブ・オーディオ・ラボさんによる6AR6シングルアンプは6FD7アンプ同様極力シンプルな構成として6AR6の素顔を存分に堪能できる内容となっています。

良質なインターステージトランスを使用して古典に倣った回路構成とすれば米系出力管でありながらブリティッシュ・サウンドが聴けるかもしれませんので今後の発展が楽しみです。」

とのことだった。

文中の「PP3/250」(英国マツダ)だが、めったにオークションに出てくることも無く古典管マニア垂涎の球としてつとに知られている希少管である。

我が家では英国系の出力管として「PX25=PP5/400」を愛用しているが、人によっては「PP3/250=PX4」の方が好きという方もいるほどで実力伯仲といったところだろう。

古典管の泰山北斗「博士」折り紙付きの「6AR6」アンプなので期待に胸を膨らませていたところ、昨日(20日)になって新アンプが我が家に到着した。

   

構成は初段管が「6SL7」、出力管が「6AR6」、整流管が「6BY5GA」。出力トランスは今どき珍しい「手巻き」で知られる「TSM Products」製。

さっそくスピーカーをJBLの「D123+075」で聴いてみたところ、ウ〜ン、これは素晴らしい!(笑)

パワー感、情報量、透明感、分解能など何ら不足を感じない。欠点のないアンプとはこういうアンプを指すのだろうか。

取り分け「PP3/250」と同じ動作をするという「6AR6」の中高音域の艶は流石で、アメリカ球なのにイギリス系のほのかな色香を感じさせるのが不思議。

これまで「PP3/250」アンプを聴いたことがないが、おそらく同等か、いやもしかしてそれ以上ではなかろうかと思わず夢が膨らんだ。

次にスピーカーを「AXIOM80」にして聴いてみた。

すると中高音域の情報量が多いせいかやや暴れ気味の感じがしたので取り付けている「AXIOM80」(復刻版)から「最初期版」への変更の必要性を感じたが、念のためにと前段管(6SL7)を「シルヴァニア」から手持ちの「STC」の「CV569=ECC35=6SL7」に代えてみたところ見事に暴れが収まって心地よい響きになったのには驚いた。

   

左がシルヴァニア(アメリカ)、右がSTC(英国)。

いずれにしても、JBLシステムもAXIOM80も気が遠くなるほどうまく鳴ってくれる!(我が家の試聴環境ではという条件付きです)

さあ、あとは購入するかどうか大いに心が揺れ動くが決め手は「懐」次第といったところですね。とりあえず「予約1号」として登録しておくことにしよう(笑)。

最後に、出来るだけ多くの方に聴いていただきたい(製作者)とのことなので、貸出しOKのようですよ。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/43b58b64fb161c8ef7ffab7309a31641

29. 中川隆[-10651] koaQ7Jey 2020年10月24日 10:30:55 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[25] 報告
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「音楽&オーディオ」の小部屋
凄いアンプ! 2018年08月17日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1d3bebb26d2c711e725b08136e58ec71

連綿と続いた「SPユニット遊び」もようやく一段落し、今度は我が家の6台の真空管アンプとの相性テストに移ろうとした矢先に朗報が飛び込んできた。

「今年の秋の真空管オーディオフェア(東京)に出品予定の真空管アンプがようやく完成しました。まだプロトタイプですが一度試聴してみませんか。」

新潟県の老舗の真空管アンプ工房「チューブオーディオラボ」のK村さんからだった。

「いやあ、それはまたとない機会ですね。ぜひ試聴させてください。」と、一つ返事。

それから3日ほどして我が家に到着したものの、あまりの容れ物の大きさに仰天した(笑)。

        

すぐにK村さんと交流のあるKさん(福岡)に連絡して、「かねがね話題に上っていたアンプが到着しましたよ。よろしかったら明日一緒に試聴してもらえませんか?」

「エッ、急な話ですね。多分うかがえると思いますが・・。」と、当然のごとく歯切れが悪い。

「どうも無理を言ってすみません。」

翌日の午後、予定通りお見えになったKさんともども新型アンプの試聴に入った。

アンプの概要を紹介しておこう。

プッシュプル方式で出力管は「RS289」(テレフンケン:1942年製)×4本、整流管は「83」(水銀蒸気入り:刻印)、アンプの要である出力トランスとドライバートランスは「TSMProducts」特注品というなかなか凝ったツクリ。

「RS289」は5極管(傍熱管)だが、それを3極管接続にしてあり、第二次世界大戦中のドイツ地上(戦車)部隊の通信用に製造された球である。兵士の生命ひいては国家の存亡にかかわる真空管だからツクリの精度は民生用の比ではない。

70年以上も前の希少な球だし、さぞやあの独特のドイツ語の発音にも適応した優れた球なのだろう。戦後になってロシアから大量に出てきたりするそうで、おそらく戦利品として持ち帰ったと推測される。いまだに戦争の爪痕が色濃く反映された球として実に興味深い。

かっては、血まなぐさい戦いの中で使用されていた真空管が見事に現代に蘇り芸術鑑賞用として優雅な音で我々の耳を愉しませてくれるなんて、天と地ほどのあまりの境遇の違いに「これこそ本来の使命だ!」と、真空管もきっと喜んでいるに違いない(笑)。

これらの珍しい真空管の採用は「北国の真空管博士」のアドバイスを参考にされており、独自の「裏技回路」なども組み込まれているとのこと。

アンプのスイッチは2段階に分かれており、まず、整流管の「ヒートアップ・スイッチ」をオン、3分ほどしてアンプのパワースイッチをオン、傍熱管なので本格的なサウンドを出すまでには30分ほどかかるという代物である。気忙(ぜわ)しい人にはまず向かないアンプ(笑)。

テストに使ったスピーカーはワーフェデールの2ウェイ、CDシステムはdCS(イギリス)のトラポとDAC、プリアンプは12AX7を6本使った真空管式。

記念すべき最初の試聴盤はKさんともども愛好してやまない「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364」(モーツァルト)。

          

「五嶋みどり」と「今井信子」のコンビだが、ヴァイオリンとヴィオラの押したり引いたりの「阿吽の呼吸」が神業としか言いようがないほどの素晴らしい演奏。モーツァルト一筋に40年以上に亘ってひたすら聴き込んできた自分が言うのだからどうか信じてほしい(笑)。

ほかにもパールマン盤やグリュミオー盤も持っているが「みどり・信子」コンビの方が断然上回っているので同胞としてまことにうれしくなる。

第一楽章から耳を澄まして聴いてみたが、Kさんともども「可聴帯域の周波数レンジをすべて網羅している印象です。これまで聞こえてこなかった音が聴こえてきますねえ。」と感嘆しきりだった。

プッシュプル方式だから中低音域の厚みとスケール感はほぼ予想した通りだったが、中高音域の透明感もシングルアンプと比べてそん色がないことに驚いた。

二人で驚嘆しながら次から次にCD盤を取り換えて鑑賞に耽った。マルサリスの「バロック デュオ」も素晴らしかった。ホーンタイプのユニットを使っていないのに、唾が飛んでくるほどのトランペットの迫力と勢いに圧倒された。サキコロ(ソニー・ロリンズ)のシンバルもバッチリ!

「とても我が家でこんな音を出すのは無理です。」とKさんが白旗を掲げられるほど(笑)。

さらにこのアンプはスピーカーを完全に牛耳っているところが頼もしい。両者の関係はケースバイケースで様々だが、あるべき姿はやはりアンプがスピーカーをコントロール下におく主従関係に尽きる。

それに、いかなるオーディオ機器もじっくり聴き込むと何かしら欠点が見えてくるものだが、このアンプに限ってはそういうことが感じられそうにない印象を受けた。

実を言うと我が家の6台の真空管アンプも相当なレベルに到達していると自負していたのだが、中低音域の分解能と分厚い響きには正直言ってとうてい敵いそうにない。

Kさんが辞去された後、K村さんに連絡した。

「このアンプはだいたいどのくらいのお値段を考えられているんですか。」と単刀直入に切り込んだ。

「う〜ん、そうですねえ・・・・。〇〇万円ぐらいですかねえ。」と、まだ具体的なお値段までは想定されていなかったご様子。

実を言うと、このところ知人に委託して不要になったオーディオ機器をオークションに出品してもらったところ、その代金がかなり溜まっている。

いわば軍資金だが、たとえば3ペア持っていた「AXIOM80」のうち1ペアを処分したところ「278千円」と予想以上の価格だったし、真空管のWE300Bオールドは「300千円」近いお値段だったし、ほかにもいろいろあって「懐」はかなり潤っている状況だ。

それに、真空管「RS289」のストックにも限界があり「早い者勝ち」になることは目に見えている。

まさに「猫に鰹節」のような危険な(?)状況だが、はてさて、どうしようか・・・(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1d3bebb26d2c711e725b08136e58ec71
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c65

[リバイバル3] ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 中川隆
66. 中川隆[-10637] koaQ7Jey 2020年10月24日 11:54:43 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[39]
詳細は

超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html



▲△▽▼

理想のオーディオ研究所
https://www.arisan58.com/

理想のオーディオ研究所(板橋商会)は、音楽再生において
虚飾を排した一生涯にわたり世界に誇れる製品を販売します。

取り扱い品目

・チューブオーディオラボ 真空管アンプ
・テクトロントランス ・TSM トランス
・カスタム高能率スピーカー
・Lowther ユニット エッジ交換 ダンパー修理
チューブオーディオラボ 45 パラシングルステレオ
チューブオーディオラボ RS289PP ステレオ

商品リスト

■チューブオーディオラボ 真空管アンプ

全ては音楽を楽しむ為に製作されたアンプです。
雄大ながらも繊細な音色を実現する為、回路設計で特許を持っている真空管を知り尽くした製作者は、アンプに
妥協のない緻密なデザインをします。
また、アンプを形にする技術も随一です。そのワイヤリングを見て頂ければ納得して頂けるでしょう。
工程は設計から製作までを全て一人で責任もって行う徹底ぶりです。
使用パーツの選定にも勿論妥協がありません。真空管、トランス、コンデンサ、抵抗、シャーシ、線材、ハンダ
の選定にも一切の手抜き無しです。というか手抜き出来ないそうです。
是非フェアでは、そのありのままの音をお聴きください。


poweramp

・テレフンケン RS289PP ステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球付き
・テレフンケン RS289 シンングルステレオパワーアンプ
TSM アモルファスカットコア仕様 球付き
・6AR6 シングルステレオパワーアンプ
TSM オリエント EI コア仕様 球別
・50 シングルステレオパワーアンプ(F704 用ソケット販売可)
テクトロンカットコア仕様 球別
・45PP ステレオパワーアンプ
テクトロンカットコア仕様 球別
・テレフンケン RES664D シングルモノブロック
パワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球付き
・テレフンケン RE604 系コンパチプル
シングルモノブロックパワーアンプ(2 台)
テクトロンカットコア仕様 球別
※テレフンケン RES664D 使用可でお作り出来ます。その他、使用球はご相談下さい。
・13FD7 シングルステレオパワーアンプ 球付き
TSM オリエント EI コア仕様
・71A シングルステレオパワーアンプ 球付き
パートリッジトランス仕様


priamp

・c3o ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・6RA9 ステレオプリアンプ 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ EQ 付き 球付き
・12AU7 ステレオプリアンプ 球付き


上記は現在までチューブオーディオラボで製作してきた一例にすぎません。非常に好評で何台も売れたものや、
一点もので大好評だったものを記載しました。その他、特注も賜りますのでお問い合わせください。

アモルファスカットコアにバージョンアップしたものも製作出来ます(ファインメットも可能。)。
TSM 製またはテクトロン製のもの、それぞれ製作可能です。
ただし、シャーシ構成が変わった場合、ステレオ構成からモノブロックへ変更等の可能性があります。

価格はその都度お見積りをお出ししますのでご相談下さい。


■テクトロントランス

値段も確かですがこれ以上の音を奏でるトランスはあるのだろうかと思います。設計・部材が非常にしっかりし
ており、大型なコアを磨き上げ、そこに太い線を巻きつけます。その為重量も非常に重くなりますが、音楽信号
の損失のない性能を誇ります。その設計思想の為、小型のものは製作出来ませんので、ご了承ください。チュー
ブオーディオラボ製のアンプの特に超重量級アンプに使用されています。製造会社のツゲ電気は唯一ピアレスの
OEM の権利を持っているという一面をみても、普通ではないトランスということが分かるでしょう。最高のも
のを求める方は是非お使い下さい。


・電源トランス
・出力トランス
・ドライバートランス
・チョークトランス
・その他特注トランス等
※コア材オリエントからファインメット等ご用意出来ます。
・ファインメット MC ステップアップステレオトランス
(レコードファンの方は是非ご使用ください。究極のトランスです。)


■TSM トランス
チューブオーディオラボ製のアンプに使用されています。非常に安価ながらも電源トランス以外の高品質トラン
スを特注で制作しています。その音は一言でいうと、鮮烈! 音楽のエッセンスを上から下までダイレクトに伝
えてくれます。このトランスで制作されたアンプでモニターシルバーをお使いの方が、「このアンプ最高ですよ!」
と興奮してお電話頂いたことは記憶に新しい事です(RS289PP ステレオパワーアンプ)。TSM は他社にも技術
提供、指導するような、確かな技術を持っている会社です。自作の方も是非お使い下さい。

・15w オリエント出力トランス
・25w オリエント出力トランス
・50w オリエント出力トランス
・インターステージトランス CS10
・インターステージトランス CS20
・アッティネータートランス オリエント
・アッティネータートランス アモルファス
・アッティネータートランス ファインメット
※シールドケースは付きません。
電源トランス以外の特注品ご相談承ります。
コア材種類についてもお問い合わせ下さい。


■高能率カスタムスピーカー

板橋商会のメインスピーカーです。高能率なので真空管アンプに最適です。スタジオモニタリング用スピーカー
ですが、非常に音楽性があります。色々使用しましたが、結局このスピーカーに落ち着きます。ユニットはビン
テージではなくアメリカ製の現行品です。

・RCS38
高能率 38cm 同軸 2way 35Hz〜20kHz(±5dB)
98dB/w/m H740×W530×D450mm
ケーブル付き 2 台
・RCS30
高能率 30cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
96dB/w/m H600×W400×D350mm
ケーブル付き 2 台
・RCS25
高能率 25cm 同軸 2way 45Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H520×W360×D300mm
ケーブル付き 2 台
・RCS20
高能率 20cm 同軸 2way 60Hz〜20kHz(±5dB)
95dB/w/m H450×W320×D280mm
ケーブル付き 2 台
※ご必要でしたらサランネットお造りいたします(別途料金。)。
5


■Lowther ユニット補修
・エッジ交換(キョン革エッジに張替ユニット 1 個につき)
・ダンパー修理(キョン革ダンパー交換ユニット 1 個に付き)


■真空管

■ビンテージハンダ


For overseas customers, please contact us by e-mail.

販売代理店:板橋商会ホームページ
http://www.arisan58.com(理想のオーディオ研究所)

板橋商会メールアドレス itabashi.trading0358@gmail.com
板橋商会代表 村上 武(takeshi murakami)
板橋商会住所:板橋区本町 31-3 703

https://www.arisan58.com/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html#c66

[リバイバル3] ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3
ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3


Wharfedale SFB3 vintage open baffle speakers, Gilbert Briggs & Quad ESL57 speakers




Wharfedale SFB/3 Deluxe - Omni-directional 3way 3 speaker system



Wharfedale SFB - YouTube動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Wharfedale+SFB

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html

[リバイバル3] ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3 中川隆
1. 中川隆[-10636] koaQ7Jey 2020年10月24日 12:57:37 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[40]

ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB3 デラックス・エディション
2018-04-07
https://ameblo.jp/lajazzaudio/entry-12366431191.html


本品はWharfedale社(ワーフェデール社)から 1960年代に発売された非常に珍しい後方開放・無指向性フロア型 3ウェイ 3スピーカーシステムの最高峰、
Windsor Deluxe Edition(ウィンザー・デラックス・エディション)です

https://ameblo.jp/lajazzaudio/image-12366431191-14165596798.html

同社の創設者であり、SFBの設計者でもあるギルバート・ブリッグス氏が生涯もっとも愛したスピーカーがこの SFB3デラックス・エディションです

なんとこちらのスピーカー、音が四方八方どの角度から聞いても同じ音が楽しめるんです
部屋のどこにでも置けるものとして成り立たせたいというブリッグス氏は背面開放の性能を最大限に活かした設計を発案し、無指向性型へと到りました

■ 最高峰中の最高峰、103C-115方式の3ウェイシステム ■
本品はEV社が用意した3つの方式(内部設計)の中でも最高峰の103C-115方式。
https://ameblo.jp/lajazzaudio/entry-12366431191.html

英国の老舗ワーフェデールのSFB/3 2016/09/16
ハイファイ堂メールマガジン第659号 日本橋店
https://www.hifido.co.jp/merumaga/nihon/160916/index.html

今回は、つい先程外装メンテナンスが完了したばかりのスピーカーを紹介します。

英国の老舗メーカー・ワーフェデールのSFB/3です。

1950年代のビンテージ品で後面開放型という、どちらもメンテナンス経験の無いものでしたから、結構緊張して手掛けました。

出来るだけ手を加えないように、と心掛けていたのですが、前面の塗装に剥がれが有り、さらに部分的にニスを塗った跡が有りましたので、仕方なく塗装面を剥がしてオイルフィニッシュを施しました(木目を生かした仕上げにしております)。
後面は材の欠けた部分をパテ補修した程度で、出来るだけ手をつけない様にしました。
後面のグリルを外したところです。
バッフルの内部には、振動を減衰させる為の砂が封入されています(外装補修時、本体を逆様にした時「サー」と何か流れる音がしたので焦りました)。恥ずかしながらネットで調べて初めて知りました。


SFB/3のユニット&回路構成について紹介します。
12インチ低域用/10インチ中域用/3インチ高域用ユニット搭載の3ウェイです。
各ユニットの不具合(ビリつき・音圧差等)は、外注でメンテナンス実施済みです。
ネットワークは用いず、高域用ユニットはハイパスフィルターで中低域をカット、中域と低域用ユニットの再生帯域は各ユニットの特性に任せるという方式は、お馴染みDIATONE 2S-305も同じです。

高域用ユニットのみ上側(真上では無くやや後方に角度がついた状態)に向けて取り付けられています。


前面のオイル仕上げ以外にも、手を加えてしまった箇所が他にも有ります。
まずスピーカー端子ですが、専用のプラグ(バナナプラグとはサイズが異なる)を差し込まないと結線出来ない状態でしたので、汎用のバナナプラグ対応のものに交換しました(端子取付部が小さい為大きくて頑丈な端子を用いる事が出来ませんでした)。
せめて使い易いようにと、端子の取付けを少し下にずらしてケーブルを差し込み易いように処置しました。

もうひとつ、上部グリルの内側(高域用ユニットの上)に張られていたネットが、劣化して異物も固着していましたので、普段サランネット新規張替時に用いる生地(黒色)で張替しました。


年代的にペアで揃えて製品化していたスピーカーでは無さそうですので、2本揃えても外観に結構差が生じます。
後面グリルの中央に桟が無い方(画像右側)は、WHARFEDALEのロゴが消えかかっています。

なかなか後面開放型のスピーカーを聴く機会が有りませんので、テストも兼ねて色々なジャンルの曲を聴いてみる事にしました。

最初音を聴いた時は、音像がフワッとした感じといいますか、何かつかみどころの無い印象で、少し違和感が有りました。
ところがしばらく聴いていると、それがとても心地良く聴こえるようになり、「ああ、このスピーカーはこれでいいんだ」と思えるようになりました。
「スピーカーの存在を感じさせない音」とよくいわれますが、そのように感じました。

結局、かなり気に入ってしまいました。奥行が30cm程と、設置スペース的にも嬉しいサイズです。
当然アンティーク調インテリアに合いますので、例えばそのようなお店でさりげなく音楽を流しておきたい場合など、お勧めさせて頂きます。
https://www.hifido.co.jp/merumaga/nihon/160916/index.html


LPレコードとオーディオ 2015年09月05日
ターフェル・アナトミア
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52219684.html

ロンドンの友人とメールで ” mingei movement (柳 宗悦の民芸運動)” のことを話していたら、 こんな写真が送られてきた。

grey BuffleSFB buffle after stripping

水性剥離剤でバッフルのシルヴァーグレイのペイントを取り除く

SFB disassembled
Wharfedale SFB3 の解体写真  彼は英国オーディオ史上に残る名システムを元の姿と音質に戻すという冒険の最中にある。 

SFB8 スコーカはSFBのために製造された専用ユニットで10インチ、サラウンドは空気の通りを念入りに考慮したフォーム製なので、現存しているものはほとんどが写真のように毀損している。 専用ユニット仕様のため他の10インチユニットと交換するとシステムとしては、オリジナルと違う音に変質するので、要注意。 

Super 3 トウィータはWharfedale Super3 が上向きに取り付けられる。 センタキャップがアルミ製板のものがオリジナルで、通常のSuper3 よりも音が飛ぶようにデザインされている。

業者に修理を依頼するそうだ。  

EPSON001


ロイヤルフェスティヴァルホール檀上、ピアノの前に2台並んだデモンストレイション中のSFB3 に聴き入るオーディエンス。 右下手前がWharfedale社長ブリッグス。 戦前から50年代にかけて彼がこしらえたスピーカには民芸運動に通じるものがあると言う。 僕も同感だ。 そうでなければ、ロンドンの彼もこんなにまでして元に戻そうとはしないだろう。EPSON002 ACOUSTICAL社製ESLが最先端技術に裏打ちされたシステム、一方SFB(Sand Filled Buffle)は1956年発売、戦前のスタイルを踏襲した暖かみがあるシステム。 側板に手を入れる穴があって、聴かないときは壁際に運べるよう考慮された普段使いのスピーカ。 

グレイのオフィスに SFB3 が運ばれてきて、もう2年。 
何度も何度も調整して、この頃やっと聴けるようになってきた。
まだ完璧とまではいかないが、ほぼ発売時の状態にまで近づいていると感じている。
そうして聴いていると、このスピーカがいかにユニットに空気をからませようとしているか、 
肩の力が抜ける音楽が湧き出る広がり方で判ってくる。
これは平面バッフルとはまったく違う。
T氏に言わせれば平面バッフルは箱が出来ないやつが苦し紛れにするやっつけ仕事とのこと。
やれ、桜の板だ、やれ何の板だと板の自慢をするしかない。
一緒にされたらSFB3は、いい迷惑、なんだそうだ。

ロンドンのSFB3 もうまくいきますように。 近くの氏神様に祈ってきたよ。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52219684.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html#c1

[近代史4] 中川隆 _ アンティーク・オーディオ関係投稿リンク 中川隆
23. 中川隆[-10635] koaQ7Jey 2020年10月24日 12:59:49 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[42]
ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/109.html#c23
[番外地8] 高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた… 中川隆
1. 中川隆[-10634] koaQ7Jey 2020年10月24日 15:21:58 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[43]
高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた人物だ。そしてこんなデマも

高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議を攻撃する言説は菅政権を擁護するためのフェイクだらけ(リテラ)
http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/556.html

高橋洋一
>学術会議は一部の貴族のようなもの。引退間際の豪華なポストでお小遣い付き

ちなみに、自民党甘利もたいがいデマを飛ばしていたが、政府によって否定されて、こっそり・ひっそりブログを修正している。

必死で菅政権を擁護していたと思ったら、やっぱり「内閣参与」の餌付きだったか。

苦節8年頑張ったおかげで、ようやく政権の中枢へ。

しかし、デマやフェイクが専門職のような人間を政権の中枢に入れたらどうなるか。。。
菅の周りに、菅を喜ばせる人間ばかり配置した格好だ。
知性もなければ良識もない人間ばかり集めてこの国を潰す気か。

▲△▽▼

菅政権の弱肉強食の経済政策の方向性が明確になった肝いり人事
「成長戦略会議」や「内閣官房参与」のメンバーに新自由主義の規制緩和人脈がズラリ並んでいる。
内閣参与には、竹中平蔵に近い元財務官僚の高橋洋一嘉悦大教授が任命された。

 成長戦略会議には、人材派遣会社「パソナグループ」会長でもある竹中平蔵慶応大名誉教授とITコンサル企業「フューチャー」の金丸恭文会長。2人は安倍政権時代の「未来投資会議」からの継続で、金丸会長は官房長官だった菅の名代として、農協改革などを主導した。新たに起用されたデービッド・アトキンソン小西美術工芸社社長は、元金融アナリストで菅の知恵袋の一人。赤字の中小企業の退場を主張する再編論者だ。

 とりわけ戦慄するのが、司令塔が竹中だということである。小泉政権で過度な構造改革を推し進め、非正規労働者を増やし、経済格差を広げた、まさに新自由主義の権化のような人物。竹中が総務大臣だった時に副大臣を務めていたのが菅で、2人は「師弟関係」みたいなもの。自民党総裁選で菅が打ち出した「自助・共助・公助」のフレーズも自己責任と競争社会の実現を訴え続ける竹中仕込みと言われたものだ。

 竹中は安倍政権の7年8カ月の間、ずっと政府の経済政策の会議に席があった。だから「何も変わっていないのでは」と思うかもしれないが、それは違う。

 安倍政権では当初、経済財政諮問会議の民間議員に就くはずが、麻生財務相に煙たがられ、格下の産業競争力会議のメンバーになった経緯があった。

 それで裏でちょこちょこ我田引水の動きをして、規制緩和を仕切ってきていたのだが、菅政権になると「私が師匠です」とばかりに表舞台に出てきて、俄然、露出と存在感を高めている。

 メディアのインタビューや取材も積極的に受けて持論を提言。「淘汰されるべき企業を残しておくと、将来的に日本経済の弱体化につながる」とアトキンソン氏同様の「中小企業ゾンビ論」を展開中だ。さらには、1人月7万円を支給する「ベーシックインカム導入論」も披露。代わりに、生活保護や年金を廃止して財源に充てると言って、「弱者切り捨てだ」と批判を浴びた。

 揚げ句に、月刊「文芸春秋」11月号では、「コロナ禍で『東京問題』が浮き彫りになった」と、小池都知事を牽制して菅が使ったフレーズを繰り出し、「東京を米国のワシントンDCのような政府直轄地にせよ」とまで言い出した。

▲△▽▼

日本の株式を外資に乗っ取らせたのが竹中平蔵と高橋洋一の唯一で最大の業績

私達は洗脳されていました。不良債権の処理こそが構造改革だと。。。
彼等のやり口はこうでした。

一、株式は自己資本の半分以下にすること。
二、不良債権は二年で半減すること。不良債権処理に充てた資金には税金を課す ただし繰り延べ資産として7年間分認める


私達は国の命令で株式の売却を始めました。株の暴落が始まり長銀は国有化され長銀の株券は一夜で紙くずとなりました。数兆円の血税をつぎ込み身奇麗にした 長銀は瑕疵担保条項までつけて外資の手に渡りました。その後私達は恐ろしい光景を目にすることとなりました。

瑕疵担保条項によって死ななくても良い企業まで次々と息の根を止められて行きました。 その時つぶせばつぶすほど外資がもうかる条約だった事に私達は気づきました。

そんな時あの竹中が金融中枢に入ってきたのです。
そしていきなり繰り延べ資産は認めないと言い出したのです。税金は取っておきながら、です。人々はパニックに落ちました。株価は大暴落し、旧額面で80円を割り込んだ時、外資の増資申し入れを受け入れました。
四大メガバンクすべてが外資に自社株を叩き売ったとき、りそな銀行の国有化が決まり、長銀の時と同じく数兆円の国民の税金がつぎ込まれましたが、驚いたことに減資なし、株主責任は問わないという寛大な措置でした
あれほど株主責任を厳しく追及していた竹中 木○コンビの豹変でした。

その翌日から外資の数千億単位の株式購入が連日のように続きました。
日本の国富が外資の手に落ちて行くのを私達は茫然と見ているしかありませんでした・・・。
私達は竹中によって株式をもっと売り払えと指導されていたからです


http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/538.html#c1

[リバイバル4] 人間よりAI上司のほうがいい
人間よりAI上司のほうがいい


2020年10月24日
AI上司をほとんどの部下が信頼 最初に消える職業は「上司」

AI上司は人間よりずっと評判がいい


人間よりAI上司のほうがいい

日米欧中など10か国を対象にした2019年の調査で、職場でAIを使っている割合は50%に達し、前年の32%から大きく上回った。

2019年はAIブームに沸いた年で、AIでほとんどの仕事は人間が要らなくなるなどと言われていた。

それから1年たったのでAI普及率はもう70%や80%にもなっているでしょう。

この調査で中国人労働者の77%、インド人労働者の78%が職場でAIを使っていると回答し、フランス(32%)日本(29%)を大きく上回った。

関係があるのかどうか不明だが、AI普及率が高い国のほうが、コロナを早期に抑え込んだ気がします。

「満員電車」「はんこ」「あいさつ回り」の国よりはAIでさっさと済ませた方が効率が良いし、コロナに感染しにくい。


AIの同僚を歓迎する人はインドや中国では過半数、先進国では8%から26%にとどまった。

逆説的な見方をするとインドや中国ではそれだけ「人間の同僚」の質が悪い事になる。

女性(23%)のほうが男性(32%)よりAIへの評価が低いのは、AI相手だとおしゃべりできないからかも知れません。

人間よりAIのほうが信頼できると回答

「管理職とAIのどちらを信頼するか」では64%がAIを信頼すると回答しました。

インド(89%)中国(88%)日本(76%)米国(57%)英国(54%)など全ての国の人々が「AIの方が信頼できる」と回答しました。

82%の人は「管理職よりAIが有能」と答え、人間が有能と答えたのはおそらく自分が管理職だった。


この回答は示唆に富んでいて、例えば将来はバスや飛行機の運転手より「AIの方が信頼できる」ようになる可能性がある。

AIが人間より優れている点としては中立的な情報の提供、作業スケジュールの維持、問題解決、予算の管理などだった。

人間のほうが優れていると答えた人は感情の理解や職場文化など仕事以外の事を挙げた。


これらは「今現在AIと一緒に仕事をしている」人たちの回答なので、現実にこうなっていると認めざるを得ない。

現実の上司は仕事の邪魔をするだけで助けてくれず、上司がAIだったらどんなに良いだろうという話です。

これでは今後10年ほどで多くの職場から「上司」という仕事が真っ先に消滅するでしょう。

http://www.thutmosev.com/archives/84213539.html
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/138.html

[番外地8] 今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば生活に必要な物がすべて作れる時代です。 中川隆
4. 中川隆[-10633] koaQ7Jey 2020年10月24日 16:07:12 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[45]
三橋さんは昭和脳ですね。
今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば日本人全員が生活に必要な物をすべて作れる時代です。
言い換えると、日本人の 3/4はやるべき仕事が無いんですね。
政府が公共事業で需要を増やしたところで日本人の 3/4がやっている、やってもやらなくても何も変わらないどうでもいい仕事の量が増える事はありません。
その金は不動産や株式市場に流れてバブルを起こすだけです。

日本人の 3/4 は、風俗、パチンコ、ヤクザとかラーメン屋、飲み屋とか、コンビニ・ガソリンスタンド・薬局・歯医者みたいに既に適正数の何倍も店舗がある仕事の様な、やってもやらなくてもいい労働生産性がゼロに近いサービス業をやって何とか食べているのです。

公共事業をやっても日本人の 3/4 のやる仕事ができるという訳ではないですね。
現在の日本がデフレだというのは言い換えると、技術の進歩で労働者が1日2,3時間も働けば生活に必要な食べ物や工業製品をすべて作れる時代になってしまった、それ以上の仕事はやってもやらなくても同じだという事です。

だから今は農業人口も200万人以下で日本全体の食糧消費の大半を簡単に作れるのです。
今は高齢者186万人が農業に従事しているだけです:
(農業就業人口は引き続き減少・高齢化)
農業就業人口のうち基幹的農業従事者(*2)数は、186万2千人となり、前年に比べて18万9千人(9.2%)減少し、200万人を下回りました。 また、65歳以上の割合は59.1%と前年に比べて2ポイント低下したものの6割を占めており、平均年齢も66歳と高齢化が進んでいます。

三橋さんは緊縮財政を続けると日本の供給力が壊滅して開発途上国になると騒いでいますが、元々日本は供給力が増えすぎて困っているのです。 食料も電気製品も住居も土地も日本では有り余っています。 ただ、労働者の賃金が安くて世の中に有り余っているものを消費できないというだけです。デフレギャップを減らすには、終戦直後にGHQがやった様に、意図的にインフレを起こして資本家の資産を目減りさせて労働者に再分配するしかありません。国債発行や公共事業をいくらやっても、増えた金はすべて資本家に持って行かれるだけで、労働者の実質賃金はどんどん下がっていきます。

日本の仕事の殆どはサービス産業なので、食べていく為にやってもやらなくても良い無駄な仕事をしている事になります。
人口が減ればそういう無意味な仕事をする必要も無くなるので、デービッド・アトキンソンの最低賃金を上げて、それに耐えられない中小企業は潰せ、というのは正しいです。存在価値が無い中小企業を淘汰するのは合理的です。

セブンイレブン、業績好調なのに大量閉店の闇〜月収26万円で疲弊するオーナーたち=栫井駿介
2019年10月24日
https://www.mag2.com/p/money/798181

安物・粗悪品の製造会社、アマゾンに対抗できない小売店、国債の利息でなんとか生きながらえている地方銀行、海外からの技術研修生を使わないとやっていけない会社、コンビニより多い歯科医院、外人留学生が居ないとやっていけない大学・専門学校、インバウンドで食べている旅館・観光会社、風俗等のヤクザのしのぎになっている仕事、パチンコ・IR

すべて日本の生産性を下げているだけの無意味・無駄な仕事です。

________

起業家の半数が1年で廃業し収入はバイト以下
起業しても10%以下しか継続できない
起業家の厳しい実態

10数年前から日本政府は起業を奨励していて、起業すれば必ず成功するかのようなキャンペーンをやっていました。

ブームに乗って実際に起業した人たちがどうなったか検証してみると、政府が振りまいた夢とは正反対の現実があった。

中小企業白書によると個人事業主として開業した人の約3割が、1年以内に廃業し、2年で約半数、10年後には88%が廃業しています。


個人ではなく会社を設立した場合、1年以内で6割が廃業(倒産)し、5年後には85%が廃業、10年後に残っているのは6%でした。

個人事業主より会社設立の方が、より速いペースで廃業しているのが分かります。

理由は自分ひとりでやるよりも、他人に給料を払えば余計なコストが発生するからだと考えられます。


会社を設立する人はだいたい、会社員として仕事がデキる人で、自信満々で部下を引き抜いたりして開業する。

いわば人生のピークで勝負をかけて起業するのだが、統計からは例外を除いて失敗に終わっています。

「起業に成功する人、失敗する人」のような本は多く出ていますが、そもそも会社の数は足りているのです。


現在存在している会社だけで世の中は足りているのに、そこに割って入って仕事を奪うのが「起業」だと言えます。

既存の会社には目の敵にされるし、会社員として実績があっても、おそらく助けては貰えないでしょう。

それでも起業して数ヶ月の間は、会社員だった頃のツテやコネから仕事を得られる場合があるが、それも無くなります。


起業する人には何かアイディアがあり「これが世の中に必要とされる筈だ」というような構想があると思います。

ところが革新的なアイディアの99%は、短期間で社会から不要になる事が多いです。

インターネット関係の新しいアイディアは1年もたずに陳腐化してしまい、事業として続かない事が多いです。


自分が住んでいる地域で30年続いている会社は、不動産とか床屋とか食堂とか、平凡で代わり映えしない業種しかないと思います。

まわりで10年続いている会社を見ても、喫茶店とかコンビニとか薬局、設計事務所や大工など「パッとしない」業種ばかりだと思います。
これが意味するのは新しいアイディアほど早く陳腐化している事で、生き残ったのは平凡で「ダサい」ものだったのでした。

日本政策金融公庫の調査で起業家の4割がが月商30万円未満だと発表されました。

月商はもちろん売上げであって、そこから様々な経費を差し引いたのが収入になります。

仮に月商の50%が利益になるとしても月収15万円未満な訳で、起業した人の家計が非常に苦しくなるのが分かります。

良く不動産ビジネスで「年商1億円」のように言う人が居ますが、不動産の利益は良くて年10%以下と言われています。

しかもこれは借金が無い場合なので、利子の支払いなどがあれば年商1億円でも「年収」は500万円以下かも知れません。

起業家の8割は1人で自宅で仕事をし、最近はネットで仕事をするネット企業家が増えています。

起業した人の多くは会社員時代より収入が減り、しかも労働時間が延びる傾向があります。

働いた分だけ収入になるのは、働かなければ収入がない事なので、特に時給に換算した収入が減少します。

会社では10人分の仕事を10人でやり、起業すると1人分の仕事を1人でやり、一見同じ事に思えるが効率が大幅に悪化します。


設計の仕事で起業したとしても、膨大な雑事が発生してやりたい仕事になかなか取り掛かれないでしょう。


顧客の獲得や対応、宣伝、値引き要求や代金不払い、理不尽なクレームなどありとあらゆるトラブルを1人で処理しなくてはならない。

一時的に成功しても、流行の業種ほどすぐに陳腐化して仕事と売上げが減るのが普通です。


時代の波を乗り越えて10年後に事業を続けていられる人は、10%前後というわけです。

________

失業者には国が十分な金を出せばいいだけでしょう。
MMTでお金はいくらでも発行できます。
生活困窮者の生活費を国で出せばいいだけですね。
日本は世界一の金持ち国で対外資産が沢山あるので、日本人は大して働かなくても食べていけるのです。

貧困者を救済した為にインフレになったら資産家の資産が目減りして所得再分配になるし(インフレ税)
超円安になったら日本の輸出企業の一人勝ちで、海外の競合メーカーはすべて倒産するし
日本政府が貧困者にいくらお金をばら撒いても大企業や資本家の資産が減るだけです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/504.html#c4

[近代史4] スピーカーユニットは平面バッフルに取り付けるのが一番安くて、音も一番良い 中川隆
20. 中川隆[-10632] koaQ7Jey 2020年10月24日 17:08:38 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[47]

平面バッフルは箱が出来ないやつが苦し紛れにするやっつけ仕事とのこと。
やれ、桜の板だ、やれ何の板だと板の自慢をするしかない。


LPレコードとオーディオ 2015年09月05日
ターフェル・アナトミア
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52219684.html

ロンドンの友人とメールで ” mingei movement (柳 宗悦の民芸運動)” のことを話していたら、 こんな写真が送られてきた。

grey BuffleSFB buffle after stripping

水性剥離剤でバッフルのシルヴァーグレイのペイントを取り除く

SFB disassembled
Wharfedale SFB3 の解体写真  彼は英国オーディオ史上に残る名システムを元の姿と音質に戻すという冒険の最中にある。 

SFB8 スコーカはSFBのために製造された専用ユニットで10インチ、サラウンドは空気の通りを念入りに考慮したフォーム製なので、現存しているものはほとんどが写真のように毀損している。 専用ユニット仕様のため他の10インチユニットと交換するとシステムとしては、オリジナルと違う音に変質するので、要注意。 

Super 3 トウィータはWharfedale Super3 が上向きに取り付けられる。 センタキャップがアルミ製板のものがオリジナルで、通常のSuper3 よりも音が飛ぶようにデザインされている。

業者に修理を依頼するそうだ。  

EPSON001


ロイヤルフェスティヴァルホール檀上、ピアノの前に2台並んだデモンストレイション中のSFB3 に聴き入るオーディエンス。 右下手前がWharfedale社長ブリッグス。 戦前から50年代にかけて彼がこしらえたスピーカには民芸運動に通じるものがあると言う。 僕も同感だ。 そうでなければ、ロンドンの彼もこんなにまでして元に戻そうとはしないだろう。EPSON002 ACOUSTICAL社製ESLが最先端技術に裏打ちされたシステム、一方SFB(Sand Filled Buffle)は1956年発売、戦前のスタイルを踏襲した暖かみがあるシステム。 側板に手を入れる穴があって、聴かないときは壁際に運べるよう考慮された普段使いのスピーカ。 

グレイのオフィスに SFB3 が運ばれてきて、もう2年。 
何度も何度も調整して、この頃やっと聴けるようになってきた。
まだ完璧とまではいかないが、ほぼ発売時の状態にまで近づいていると感じている。
そうして聴いていると、このスピーカがいかにユニットに空気をからませようとしているか、 
肩の力が抜ける音楽が湧き出る広がり方で判ってくる。

これは平面バッフルとはまったく違う。
T氏に言わせれば平面バッフルは箱が出来ないやつが苦し紛れにするやっつけ仕事とのこと。
やれ、桜の板だ、やれ何の板だと板の自慢をするしかない。
一緒にされたらSFB3は、いい迷惑、なんだそうだ。

ロンドンのSFB3 もうまくいきますように。 近くの氏神様に祈ってきたよ。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52219684.html


詳細は

ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/511.html#c20

[近代史4] スピーカーユニットは平面バッフルに取り付けるのが一番安くて、音も一番良い 中川隆
21. 中川隆[-10631] koaQ7Jey 2020年10月24日 17:11:58 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[48]
Goodmans maxim BBCが卓上モニターとして使っていたので有名になった。
アルニコVマグネットの異例の強力な磁気回路を搭載。
精密感が凄いが冷たくならず軽快で柔らかく広がりのあるサウンドで
ウォームな雰囲気。英国スピーカーだが明るい陽気な音色。
甘い口で贅沢な酒に酔うような心地よさがある。

maxim は大変すばらしいですね。こんなインティメートな
雰囲気と味わい深さは現代のスピーカーでは得られないでしょう。
暖かく情緒があって繊細にして優美な音色が素晴らしい。


Goodmans maxim のような音は他の Goodmans では出ないそうだ。
すごくちっさいスピーカーだから大きなので同じ音が出るやつない?
と質問しても 「ない」 との事で残念です。

「復刻のaxiom80持ってたんですが、音が全然違います!」

「それは箱がオリジナルじゃないでしょ?」

「確かにそうでした」

「でしょ?」


Goodmansは現在のFostexのような立ち位置のメーカーで、
事業はスピーカーユニットの供給が主だった。
完成品としてのスピーカーシステムはあまり残っていないのが惜しまれるところです。

詳細は

グッドマン MAXIMスピーカーシステム
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1076.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/511.html#c21

[番外地8] 今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば生活に必要な物がすべて作れる時代です。 中川隆
5. 中川隆[-10630] koaQ7Jey 2020年10月24日 17:33:55 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[49]
三橋さんは昭和脳なんですね。
今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば日本人全員が生活に必要な物をすべて作れる時代です。
言い換えると、日本人の 3/4はやるべき仕事が無いんですね。
政府が公共事業で需要を増やしたところで日本人の 3/4がやっている、やってもやらなくても何も変わらないどうでもいい仕事の量が増える事はありません。
その金は不動産や株式市場に流れてバブルを起こすだけです。

日本人の 3/4 は、風俗、水商売、パチンコ、ヤクザとか、ラーメン屋・飲み屋・コンビニ・ガソリンスタンド・薬局・歯医者みたいに既に適正数の何倍も店舗がある、やってもやらなくてもいい、労働生産性がゼロに近いサービス業をやって何とか食べているのです。

公共事業をやっても日本人の 3/4 のやる仕事ができるという訳ではないですね。
現在の日本がデフレだというのは言い換えると、技術の進歩で労働者が1日2,3時間も働けば生活に必要な食べ物や工業製品をすべて作れる時代になってしまった、それ以上の仕事はやってもやらなくても同じだという事です。


だから今は農業人口も200万人以下で日本全体の食糧消費の大半を簡単に作れるのです。
今は高齢者186万人が農業に従事しているだけです:
(農業就業人口は引き続き減少・高齢化)
農業就業人口のうち基幹的農業従事者(*2)数は、186万2千人となり、前年に比べて18万9千人(9.2%)減少し、200万人を下回りました。 また、65歳以上の割合は59.1%と前年に比べて2ポイント低下したものの6割を占めており、平均年齢も66歳と高齢化が進んでいます。


三橋さんは緊縮財政を続けると日本の供給力が壊滅して開発途上国になると騒いでいますが、元々日本は供給力が増えすぎて困っているのです。 食料も電気製品も住居も土地も日本では有り余っています。 ただ、労働者の賃金が安くて世の中に有り余っているものを消費できないというだけです。デフレギャップを減らすには、終戦直後にGHQがやった様に、意図的にインフレを起こして資本家の資産を目減りさせて労働者に再分配するしかありません。国債発行や公共事業をいくらやっても、増えた金はすべて資本家に持って行かれるだけで、労働者の実質賃金はどんどん下がっていきます。

日本の仕事の殆どはサービス産業なので、食べていく為にやってもやらなくても良い無駄な仕事をしている事になります。
人口が減ればそういう無意味な仕事をする必要も無くなるので、デービッド・アトキンソンの最低賃金を上げて、それに耐えられない中小企業は潰せ、というのは正しいです。存在価値が無い中小企業を淘汰するのは合理的です。

セブンイレブン、業績好調なのに大量閉店の闇〜月収26万円で疲弊するオーナーたち=栫井駿介
2019年10月24日
https://www.mag2.com/p/money/798181

安物・粗悪品の製造会社、アマゾンに対抗できない小売店、国債の利息でなんとか生きながらえている地方銀行、海外からの技術研修生を使わないとやっていけない会社、コンビニより多い歯科医院、外人留学生が居ないとやっていけない大学・専門学校、インバウンドで食べている旅館・観光会社、風俗等のヤクザのしのぎになっている仕事、パチンコ・IR

すべて日本の生産性を下げているだけの無意味・無駄な仕事です。

________

起業家の半数が1年で廃業し収入はバイト以下
起業しても10%以下しか継続できない
起業家の厳しい実態

10数年前から日本政府は起業を奨励していて、起業すれば必ず成功するかのようなキャンペーンをやっていました。

ブームに乗って実際に起業した人たちがどうなったか検証してみると、政府が振りまいた夢とは正反対の現実があった。

中小企業白書によると個人事業主として開業した人の約3割が、1年以内に廃業し、2年で約半数、10年後には88%が廃業しています。


個人ではなく会社を設立した場合、1年以内で6割が廃業(倒産)し、5年後には85%が廃業、10年後に残っているのは6%でした。

個人事業主より会社設立の方が、より速いペースで廃業しているのが分かります。

理由は自分ひとりでやるよりも、他人に給料を払えば余計なコストが発生するからだと考えられます。


会社を設立する人はだいたい、会社員として仕事がデキる人で、自信満々で部下を引き抜いたりして開業する。

いわば人生のピークで勝負をかけて起業するのだが、統計からは例外を除いて失敗に終わっています。

「起業に成功する人、失敗する人」のような本は多く出ていますが、そもそも会社の数は足りているのです。


現在存在している会社だけで世の中は足りているのに、そこに割って入って仕事を奪うのが「起業」だと言えます。

既存の会社には目の敵にされるし、会社員として実績があっても、おそらく助けては貰えないでしょう。

それでも起業して数ヶ月の間は、会社員だった頃のツテやコネから仕事を得られる場合があるが、それも無くなります。


起業する人には何かアイディアがあり「これが世の中に必要とされる筈だ」というような構想があると思います。

ところが革新的なアイディアの99%は、短期間で社会から不要になる事が多いです。

インターネット関係の新しいアイディアは1年もたずに陳腐化してしまい、事業として続かない事が多いです。


自分が住んでいる地域で30年続いている会社は、不動産とか床屋とか食堂とか、平凡で代わり映えしない業種しかないと思います。

まわりで10年続いている会社を見ても、喫茶店とかコンビニとか薬局、設計事務所や大工など「パッとしない」業種ばかりだと思います。
これが意味するのは新しいアイディアほど早く陳腐化している事で、生き残ったのは平凡で「ダサい」ものだったのでした。

日本政策金融公庫の調査で起業家の4割がが月商30万円未満だと発表されました。

月商はもちろん売上げであって、そこから様々な経費を差し引いたのが収入になります。

仮に月商の50%が利益になるとしても月収15万円未満な訳で、起業した人の家計が非常に苦しくなるのが分かります。

良く不動産ビジネスで「年商1億円」のように言う人が居ますが、不動産の利益は良くて年10%以下と言われています。

しかもこれは借金が無い場合なので、利子の支払いなどがあれば年商1億円でも「年収」は500万円以下かも知れません。

起業家の8割は1人で自宅で仕事をし、最近はネットで仕事をするネット企業家が増えています。

起業した人の多くは会社員時代より収入が減り、しかも労働時間が延びる傾向があります。

働いた分だけ収入になるのは、働かなければ収入がない事なので、特に時給に換算した収入が減少します。

会社では10人分の仕事を10人でやり、起業すると1人分の仕事を1人でやり、一見同じ事に思えるが効率が大幅に悪化します。


設計の仕事で起業したとしても、膨大な雑事が発生してやりたい仕事になかなか取り掛かれないでしょう。


顧客の獲得や対応、宣伝、値引き要求や代金不払い、理不尽なクレームなどありとあらゆるトラブルを1人で処理しなくてはならない。

一時的に成功しても、流行の業種ほどすぐに陳腐化して仕事と売上げが減るのが普通です。


時代の波を乗り越えて10年後に事業を続けていられる人は、10%前後というわけです。

________

失業者には国が十分な金を出せばいいだけでしょう。
MMTでお金はいくらでも発行できます。
生活困窮者の生活費を国で出せばいいだけですね。
日本は世界一の金持ち国で対外資産が沢山あるので、日本人は大して働かなくても食べていけるのです。

貧困者を救済した為にインフレになったら資産家の資産が目減りして所得再分配になるし(インフレ税)
超円安になったら日本の輸出企業の一人勝ちで、海外の競合メーカーはすべて倒産するし
日本政府が貧困者にいくらお金をばら撒いても大企業や資本家の資産が減るだけです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/504.html#c5

[リバイバル3] ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3 中川隆
2. 中川隆[-10629] koaQ7Jey 2020年10月24日 17:47:03 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[50]
超稀少! Wharfedale W3 広い音場、そして豊かな音楽性♪♪♪
https://detailtext-aucfan.com/detail/yahoo/b160370250/

商品説明+++
●紹介

イギリスの名門スピーカーメーカー、ワーフェデールの<W3>(1959〜66年製造、少量生産)、
外観、動作共にコンディションのいい状態になります。
(以下長くなりますので、ご興味のある方だけご覧願います)

何年か前、銀座の某オーディオ店で見て以来捜し求め、ようやく2年前、海外より購入。
それが、この国の市場に滅多に出てこないワーフェデール<W3>でした。
海外でも状態の良い<W3>は滅多にお目にかかれません。2年に1度出るか出ないかです。
以来、メインのヴィンテージスピーカーとして、魅力ある音を愉しんできた<W3>ですが
今回、同じワーフェデールの上位モデルを購入したため出品いたします。

●概要
Whafedale<W3>はツィーターにSuper3、ミッドに5インチのW3、ウーファーが
WLS/12からなる3ウェイ。
1960年代のワーフェデールの中・上位システムにあたるSFB/3、W4、銘機エアデール
と同様に<W3>もツィーターが上向きに取り付けられているのが大きな特徴です。
ツィーターは欧州でも評価の高いSUPER3(薄型、組み込みタイプ)ですが
3インチの振動径とほぼ同じサイズの巨大なマグネットを持ち、反応も良く
透明感のある高域を奏でます。
ウーファーW12は有名な赤い帯のアルニコ・マグネットで、ウーファー前面に
黒く塗られた発砲スチロール(グリルで見えません)が直に貼られています。
これは高域ユニットとのバランスをとるために考案されたようです。
本体上部には高域、中域調整用のダイヤルがあります。

スピーカー本体の背面内側には薄いセラミックタイル(レンガ?)4枚が貼られており、
キャビネットの共振をほどよく押さえる効果を狙ったものと考えられます。
また、キャビネットは正面から見ると上下共に斜めにカットされ、
中域(ミッド)は斜め上方へ、低域は丸形バスレフポートで斜め下方へ放たれ、
音から考えたられたデザインがなされています。(イラスト写真参照)

以上のような技術が評論家より“包み込まれるようなサウンド”と評される
所以(ゆえん)かもしれません。
1950〜60年代、英国各都市の大きなホールを借り、自社スピーカーと生演奏を聴き比べる
試聴会を行ったワーフェデール設立者であるG.A.ブリッグス氏の試行錯誤と
自分の耳を信じて作ったスピーカーの魅力が<W3>には感じられます。

●感想
私感になりますが上向きのツィーターと高域ユニット背面が開いているためか
目を閉じて音楽にひとたび耳を傾ければ、部屋がコンサートホールに変わります。
クラシック、ヴォーカル、加えてジャズも伸びやかに部屋に鳴り響き、
やわらかく時に熱く! 演奏がより胸に響き! しかもサウンドステージが広い!
音場型のスピーカーシステムです。
20世紀半ばのあのオーディオ興隆期にホールの響きの再現を目指した
G.A.ブリッグス氏の情熱溢れたスピーカーだと思います。

上にあるダイヤル(高域、中域)を微調整し、聴きやすい位置が探せます。
サイズはブックシェルフとフロア型の中間ほどで扱いやすく、圧迫感のない大きさ。
キャビネットデザインにもヴィンテージ然とした雰囲気があります。

タンノイの個性的で味わいのある音、JBLのカラッとした空気さえ感じられるような音
とはまた違う、やわらかで、自然で、しかも音楽性のある音を
このワーフェデール<W3>は聴かせてくれます。
(試聴環境:真空管アンプ、10畳洋間、床フローリング、一部カーペット敷き、
ルームチューニングパネル使用)

注意!
ヴィンテージ品ですから経年による変化は必ずあります。
ですから、発売当時のユニット、ネットワークのパフォーマンスを出品者が
保証することはできません。あしからず、ご承知置きください。
修理歴(ないように思われますが)は不明です。

下に写真も載せておりますので、ご覧願います。

●参考
季刊アナログ誌、vol.39(2013年・春)、148ページに紹介記事があります。

●状態
・動作品(聴感上になります)
・キャビネットに小傷等はありますが、ヴィンテージとしてはたいへん良い外観状態です。
・片方のキャビネット上部、グリルの飾り縁取りがほんの少し下がっている部分があります。
・音質調整用(中域、高域)ダイヤル4個のうち、ひとつのダイヤルだけ回転位置が半分
ずれ、ガリが少し出ることもありますが、聴く分には支障ありません。
・グリルは取り外しができません。
・グリルの<Wharfedale>バッジもいい状態です。

●仕様
ユニット    12″WLS/12、5″W3、3″Super3
インピーダンス 12〜15オーム
最大入力    15W
レンジ     30Hz - 20kHz
大きさ     高さ71.6cmx幅35.8cmx奥行き30.8cm
重量      約21.5s / 1台

●付属品
・プラグ2セット(合計4個)写真参照。
・ケーブル2.5メートル、4本。(外皮に劣化部分あり)
プラグは精度の低い作りですし、ケーブル径も1mmほどですから
共に最初の音出し確認用とお考えください。
注)写真のオーディオボードは付属しません。
注)保証書、元箱はありません。

参考)W3のケーブル接続ターミナルは径、約3mmの差し込みタイプです。
通常のバナナプラグ(5mm)は使用できません。
当方で使用時はヴィンテージタイプの細いプラグを使い、その間に挟みものをして、
外れないように使用しておりました。
落札された方は安全のため、仕様に合わせたプラグ作成もご検討ください。

https://detailtext-aucfan.com/detail/yahoo/b160370250/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html#c2

[番外地8] フィッシャーの交換方程式 MV=PQ 中川隆
19. 中川隆[-10628] koaQ7Jey 2020年10月24日 19:00:31 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[51]
国債を発行すると、その金利でマネーストックが増え、増えた金が海外投資されるだけで、労働者の実質賃金は下がり続ける。円は現在も着々と紙屑化している。
この30年間汗水たらして働いた人の給料は実質1円も増えず資産は減り、一切働かず国債の金利収入だけを得た人の資産は倍増しました。経済学者によると現代は中世暗黒時代以上に貧富の差が大きく、人類史上最大の格差が生まれようとしている。


国債を大量発行すると、こういうメカニズムで労働者の実質賃金が下がる:


フィッシャーの交換方程式 MV=PQ

ここで

M はある期間中の任意の時点tにおける流通貨幣(通貨)の総量 (価値保蔵手段としての貨幣は含めない)
V は貨幣の"流通速度"(特定期間内に人々のあいだで受け渡しされる回数:貨幣の回転率のようなもの)売買契約の約定回数
P はある期間中の任意の時点tにおける物価水準(通常は基準年度を1としたデフレータ)
Q は"取引量" (特定期間内に人々のあいだで行われる取引量(quantity)の合計)

である。

交換方程式は取引経済の実態そのものの数式化であり、かならず両辺が一致する。

フィッシャーの交換方程式 MV=PQ は
販売価格総額=購買価格総額
という恒等式だから誰も否定できない。
フィッシャーの交換方程式は取引経済の実態そのものの数式化であり、かならず両辺が一致する。
新古典派経済学の考え方によると、労働供給が飽和する水準で実質GDPは均衡するので(セイの法則)、実質GDPは貨幣量や物価とは関係なく決定される。そこで貨幣量Mが一意的に物価水準Pを決めることになる。
フィッシャーのMが増加すればPも増加するという説明は、昔からある貨幣の中立性を数学的に洗練して叙述したものである。

古典派経済学の貨幣の中立説は貨幣量の増減は物価にだけ影響を与え、生産活動や雇用の増減などには影響を与えないとする説。古典派経済学の中心的な命題のひとつであり、中立説によれば、貨幣は社会的な分業や効率性をもたらす以上の役割はない。経済活動の本質は物々交換であり貨幣はその仲介を行っているにすぎず、貨幣量の増減は貨幣錯覚による混乱をもたらすが国富・国民経済の観点では中立的であり、国富の増大には貨幣量の拡大ではなく生産・供給能力の増強によるべきとした。
貨幣数量説は貨幣の中立性を前提にしており、物価の乱高下は流通貨幣量の管理によって押さえ込むことができるとする。
フィッシャーは、貨幣の流通速度:Vと1期間における財・サービスの取引量:Qは慣習的に(大きな)変動はないとみなした(実際はVを観測するのは非常に難しく、観測はほぼ不可能である)。だとすると、MV=PQの左辺のV、右辺のQが大きく変動しないのであるから、自明なこととして、この方程式においてMとPは常に比例することになる。そうであるならば、M(貨幣量)を増やせば、P(物価)も上昇することになる。あるいは、M(貨幣量)を減らせば、P(物価)も低下するであろう。そうだとすれば、政策論的に言えば、例えばある経済の物価を上昇させたいのであれば、貨幣量を増やせば物価が上昇させることができるとこの方程式から言えるだろう。あるいは、もし物価が下がっているならば、それは貨幣量が足りないからだということができるだろう。これが古典派の貨幣数量説の基本的な考え方である。

ミルトン・フリードマンに代表されるマネタリストは、Q/Vの構造に長期的な安定傾向を見いだし、短期的には貨幣の中立性が満たされないことはあるが、長期的には満たされるとする。このため貨幣量が増加すると一時的に実質GDPまで拡大することはありうるが、長期的には実質GDPは完全雇用できまる水準に低下し、物価Pの上昇をもたらすだけだと考える。Q/Vは一回あたりの発注ロット数の平均値をあらわすが、フリードマンは経済の期待成長力や期待収益率の多寡によって、1回あたりの受発注量が増減することは短期的に観察できる事実であるが、長期の統計においては安定した関係にあると実証した(この功績でノーベル賞を受賞)。

長期的には貨幣の中立性は成立し、金融政策は実体経済に影響を与えず、ただ名目変数を動かすだけであるという点では、新古典派経済学、マネタリスト、ニュー・ケインジアンの見解は一致している。
__

フィッシャーの交換方程式 MV=PQ を国内と海外で別にすれば正確に現状に当てはまっているよ
日銀が発行したマネーストックのかなりはドルに変えられて海外で流通している

だから超円安になって、スイスの最低賃金は時給4500円、昼食代1万円 になったのさ。

国内金融に対するフィッシャーの交換方程式 MV=PQ
M : 貨幣量 = マネーストックの内、実際に国内市場で流通している金額、ドルに変えられて海外で運用されている金額は含まない
V : 貨幣の国内での取引流通速度
P : 国内物価(基準年度を1とした GDPデフレータ)
Q:1期間における財・サービスの取引量 ≒ 実質GDP
PQ ≒ 名目GDP


ドルを商品、ドル価格を物価P、日銀異次元緩和で増えた円の総額を貨幣量Mとすると

海外金融に対するフィッシャーの交換方程式 MV=PQ
M : 貨幣量 (価値保蔵手段としての貨幣は含めない)V : 貨幣の取引流通速度
P : 物価(基準年度を1としたデフレータ)
Q : 1期間における財・サービスの取引量

が成立して、何故ドルが円ベースで高くなったか説明できる

国内で流通するマネーストックは異次元金融緩和以前と変わらないから国内物価も上がっていない
すべて フィッシャーの交換方程式 MV=PQ で説明できるよ
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/462.html#c19

[番外地8]  平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベル… 中川隆
3. 中川隆[-10627] koaQ7Jey 2020年10月24日 19:31:36 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[52]
日本政府が三橋さんが何時も言っている様な大規模財政出動や公共事業をやっていた時代も有りましたが、結果は大失敗に終わり、日本は二等国になってしまいました:
1985年のプラザ合意でドル-円が半値になって、日本は輸出で稼げなくなったので内需拡大する為に金融緩和してお金をばら撒いたのです。つまり、輸出企業の仕事が無くなったので内需振興で国民の仕事を増やそうとしたのです。

日米構造協議(1989年)は双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させました。
その段階で日本政府は三橋さんが何時も言っている財政出動・公共事業で国内需要を増やしました。

そしてその結果、円の貨幣価値が暴落して、日本のGDP,、日経平均と日本の不動産価格は暴騰しました。
しかし労働者の実質賃金は全く上がらなかったのです。
円の貨幣価値が暴落したのを見てCIAは日本経済を完膚無きまでに破綻させる為にバブル崩壊を仕掛けました:

1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。

 平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。

事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。

 ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。

 バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。

 バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。

 CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。


ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。

 かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
 「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。

 60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
 この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。

 その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。

 デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。

次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
 人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。

 大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
 しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。

 それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
 風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。

 彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。

 彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
 そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。

ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。

 こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。

 この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
 1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/506.html#c3

[番外地8] 1985年のプラザ合意でドル-円が半値になって、日本は輸出で稼げなくなったので内需拡大する為に金融緩和してお金をばら撒いたの… 中川隆
2. 中川隆[-10626] koaQ7Jey 2020年10月24日 19:33:01 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[53]
日本政府が三橋さんが何時も言っている様な大規模財政出動や公共事業をやっていた時代も有りましたが、結果は大失敗に終わり、日本は二等国になってしまいました:
1985年のプラザ合意でドル-円が半値になって、日本は輸出で稼げなくなったので内需拡大する為に金融緩和してお金をばら撒いたのです。つまり、輸出企業の仕事が無くなったので内需振興で国民の仕事を増やそうとしたのです。

日米構造協議(1989年)は双子の赤字に苦しむアメリカが、見えない貿易障壁となっていた日本の商習慣や制度を改めさせるために仕掛けた貿易戦争で、「10年間で総額430兆円の公共投資の実施」を日本政府に約束させました。
その段階で日本政府は三橋さんが何時も言っている財政出動・公共事業で国内需要を増やしました。

そしてその結果、円の貨幣価値が暴落して、日本のGDP,、日経平均と日本の不動産価格は暴騰しました。
しかし労働者の実質賃金は全く上がらなかったのです。
円の貨幣価値が暴落したのを見てCIAは日本経済を完膚無きまでに破綻させる為にバブル崩壊を仕掛けました:

1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。

 平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。

事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。

 ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。

 バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。

 バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。

 CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。


ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。

 かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
 「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。

 60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
 この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。

 その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。

 デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。

次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
 人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。

 大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
 しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。

 それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
 風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。

 彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。

 彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
 そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。

ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。

 こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。

 この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
 1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。
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[近代史4] 近衛上奏文
近衛上奏文
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%A1%9B%E4%B8%8A%E5%A5%8F%E6%96%87

近衛上奏文は、太平洋戦争末期の1945年(昭和20年)2月14日に、近衛文麿が昭和天皇に対して出した上奏文。


背景
1945年1月6日、アメリカ軍がフィリピン・ルソン島上陸の準備をしているとの報を受けて、昭和天皇は内大臣木戸幸一に重臣の意見を聞くことを求めた。木戸は陸海両総長と閣僚の招集を勧め、また、近衛も木戸に斡旋を求めていた。木戸と宮内大臣の松平恒雄とが協議し、重臣らが個々に拝謁することになった[1]。準備は木戸が行い、軍部を刺激しないように秘密裏に行われた[2]。表向きは重臣が天機を奉伺するという名目であり、木戸が残した日記にも本来の目的は記されていない。

重臣らは以下の順で昭和天皇に意見を述べた。重臣の内、米内光政(海軍大臣)、阿部信行(朝鮮総督)は現職にあるため召集されていない[3]。

2月7日 - 平沼騏一郎
2月9日 - 広田弘毅
2月14日 - 近衛文麿
2月19日 - 若槻禮次郎
同日 - 牧野伸顕 (元内大臣)
2月23日 - 岡田啓介
2月26日 - 東條英機
上奏の前、近衛は書き上げた「近衛上奏文」を持って吉田茂邸を訪れた。吉田もこれに共感し、牧野伸顕にも見せるために写しをとったが、吉田邸の女中とその親類を名乗る書生はスパイであり、写しが憲兵側に漏れたために吉田は拘引され、その他近衛周辺の人物も次々と、近衛を取り締まる布石も兼ねて取調べを受けることとなる。2人のスパイは、吉田拘引後は近衛邸の床下に入り盗聴を行っていたという。

近衛の上奏と御下問
1945年2月14日の朝、木戸内大臣が侍従長室に姿を見せ、藤田尚徳侍従長に、

「藤田さん、今日の近衛公の参内は、私に侍立させてほしい。近衛公は、あなたをよく存じあげていない。それで侍従長の侍立を気にして、話が十分にできないと困る。ひとつ御前で近衛公の思う通りに話をさせてみたい」

と要請した。藤田侍従長は快諾し、木戸と近衛の二人が昭和天皇に拝謁し、以下の上奏文を捧呈した[4]。

戦局の見透しにつき考ふるに、最悪なる事態は遺憾ながら最早必至なりと存ぜらる。以下前提の下に申上ぐ。
最悪なる事態に立至ることは我国体の一大瑕瑾たるべきも、英米の與論は今日迄の所未だ国体の変更と迄は進み居らず(勿論一部には過激論あり。又、将来如何に変化するやは測断し難し)随って最悪なる事態丈なれば国体上はさまで憂ふる要なしと存ず。国体護持の立場より最も憂ふべきは、最悪なる事態よりも之に伴うて起ることあるべき共産革命なり。

つらつら思うに我国内外の情勢は今や共産革命に向って急速に進行しつつありと存ず。即ち国外に於ては蘇聯の異常なる進出に之なり。我国民は蘇聯の意図を的確に把握し居らず。彼の一九三五年人民戦線戦術即ち二段革命戦術採用以来、殊に最近コミンテルン解散以来、赤化の危険を軽視する傾向顕著なるが、これは皮相且つ安易なる視方なり。蘇聯は究極に於て世界赤化を捨てざることは、最近欧州諸国に対する露骨なる策動により明瞭となりつつある次第なり。

蘇聯は欧州に於て其周辺諸国にはソビエット的政権を、爾余の諸国には少くとも親蘇容共政権を樹立せんとして着々其の工作を進め、現に大部分成功を見つつある現状なり。

ユーゴーのチトー政権は其の最典型的なる具体表現なり。波蘭に対しては予めソ聯内に準備せる波蘭愛国者聯盟を中心に新政権を樹立し、在英亡命政権を問題とせず押切りたり。羅馬尼、勃牙利、芬蘭に対する休戦条件を見るに、内政不干渉の原則に立ちつつもヒットラー支持団体の解散を要求し、実際上ソビエット政権にあらざれば存在し得ざるが如く強要す。イランに対しては石油権利の要求に応ぜざるの故を以て内閣の総辞職を強要せり。瑞西がソ聯との国交開始を提議せるに対し、ソ聯は瑞西政府を以て親枢軸的なりとて一蹴し、之が為め外相の辞職を余儀なくせしめたり。

米・英占領下のフランス、ベルギー、オランダに於ては、対独戦に利用せる武装蜂起団と政府との間に深刻なる闘争続けられ、是等諸国は何れも政治的危機に見舞われつつあり。而して之等武装団を指揮しつつあるものは主として共産党なり。 独逸に対しては波蘭に於けると同じく、巳に準備せる自由独逸委員会を中心に新政権を樹立せんとする意図たるべく、之は英米にとり今は頭痛の種なりと思はる。

ソ聯はかくの如く欧洲諸国に対し、表面は内政不干渉の立場を取るも、事実に於ては極度の内政干渉をなし、国内政治を親ソ的方向に引摺らんとしつつあり。ソ聯の此の意図は東亜に対しても亦同様にして、現に延安にはモスコーより来れる岡野[5]を中心に日本解放聯盟組織せられ、朝鮮独立同盟・朝鮮義勇軍・台湾先(一字欠)隊等と連携し日本に呼びかけ居れり。斯くの如き形勢より推して考ふるに、ソ聯はやがて日本の内政に干渉し来れる危険十分ありと思はる(即共産党公認、共産主義者入閣−ドゴール政府、バドリオ政府に要求せる如く−、治安維持法及防共協定の廃止等)。

飜て国内を見るに共産革命達成のあらゆる条件日々具備せられ行く観あり。即ち生活の窮乏、労働者発言権の増大、英米に対する敵愾心昂揚の反面たる親ソ気分、軍部内一味の革新運動、之に便乗する所謂新官僚の運動、及、之を背後より操る左翼分子の暗躍等なり。

少壮軍人の多数は我国体と共産主義は両立するものなりと信じ居るものの如く、軍部内革新論の基調も亦ここにあり。皇族方の中にも此主張に耳を傾けらるる方ありと仄聞す。

職業軍人の大部分は中以下の家庭出身者にして其の多くは共産的主張を受入れ易き境遇にあり。只彼等は軍隊教育に於て国体観念丈は徹底的に叩き込まれ居るを以て、共産分子は国体と共産主義の両立論を以て彼等を引摺らんとしつつあるものと思はる。

抑々満洲事変・支那事変を起し、之を拡大し、遂に大東亜戦争に迄導き来れるは、是等軍部内一味の意識的計画なりしこと今や明瞭なりと思はる。

満洲事変当時、彼等が事変の目的は国内革新にありと公言せるは有名なる事実なり。

支那事変当時「事変は永引くが宜し。事変解決せば国内革新は出来なくなる」と公言せしは此の一味の中心的人物なりき。

是等軍部内一味の革新論の狙ひは必ずしも共産革命に非ずとするも、これをとり巻く一部官僚及民間有志(之を右翼と云うも可、左翼と云うも可、所謂右翼は国体の衣を着けたる共産主義者なり)は意識的に共産革命に迄引きづらんとする意図を包蔵し居り、無智単純なる軍人之に踊らされたりと見て大過なしと存ず。此の事は過去十年間、軍部・官僚・右翼・左翼の多方面に亙り交友を有せし不肖が最近静かに反省して到達したる結論にして、此の結論鏡にかけて過去十年間の動きを照し見るとき、そこに思ひ当る節々頗る多きを感ずる次第なり。

不肖は此の間二度迄組閣の大命を拝したるが、国内の相剋摩擦を避けんが為出来る丈け是等革新者の主張も採り入れて挙国一致の実を挙げんと焦慮せる結果、彼等の背後に潜める意図を充分看取する能はざりしは、全く不明の致す所にして、何とも申訳なく深く責任を感ずる次第で御座います。

昨今戦局の危急を告ぐると共に一億玉砕を叫ぶの声次第に勢力を加へつつあり。かかる主張をなす者は所謂右翼者流なるも、背後より之を煽動しつつあるは、之によりて国内を混乱に陥れ、遂に革命の目的を達せんとする共産分子なりと睨み居れり。

一方に於て徹底的英米撃滅を唱ふる反面、親ソ空気は次第に濃厚になりつつある様に思はる。軍部の一部にはいかなる犠牲を払ひてもソ聯と手を握るべしとさへ論ずるものあり。又延安との提携を考え居る者もありとのことなり。

以上の如く国の内外を通じ共産革命に進むべきあらゆる好条件が日一日と成長しつつあり。今後戦局益々不利ともならば此形勢は急速に進展致すべし。

戦局の前途につき何等か一縷でも打開の理ありと云ふならば格別なれど、最悪の事態必至の前提の下に論ずれば、勝利の見込なき戦争を之以上継続することは全く共産党の手に乗るものと云ふべく、従って国体護持の立場よりすれば、一日も速に戦争終結の方途を講ずべきものなりと確信す。戦争終結に対する最大の障害は満洲事変以来今日の事態に迄時局を推進し来りし軍部内の彼の一味の存在なりと存ぜらる。彼等は已に戦争遂行の自信を失ひ居るも、今迄の面目上アク迄抵抗を続くるものと思はる。若し此の一味を一掃せずして早急に戦争終結の手を打つ時は、右翼左翼の民間有志一味と響応して国内に大混乱を惹起し、所期の目的を達成すること能はざるに至る處れあり。従って戦争を終結せんとせば、先ず其の前提として此の一味の一掃が肝要なり。此の一味さへ一掃せらるれば、便乗の官僚・右翼・左翼の民間分子も影を潜むるならん。蓋し彼等は未だ大なる勢力を結成し居らず、軍部を利用して野望を達せんとする者に外ならざるが故なり。故に其本を絶てば枝葉は自ら枯るるものなりと思ふ。

尚之は少々希望的観測かは知れざれども、もし是等一味が一掃さるる時は、軍部の相貌は一変し、英米及重慶の空気は或は緩和するに非ざるか。元来英米及重慶の目標は、日本軍閥の打倒にありと申し居るも、軍部の性格が変り、其の政策が改まらば、彼等としても戦争継続につき考慮する様になりはせずやと思はる。

それは兎も角として、此の一味を一掃し軍部の建直を実行することは、共産革命より日本を救ふ前提先決条件なれば、非常の御勇断をこそ望ましく存じ奉る。

以上申しげたる点につき間違えたる点あらば何卒御叱りを願度し。
— 近衛文麿、[6]
木戸内府のメモを元に藤田尚徳侍従長は下記のように綴っている。

近衛公は終戦を前提として述べていたが、如何にして終戦に時局を移すのかの具体的な方策については成案をもっておられなかったようだ。ただ共産革命の脅威を、言葉を尽くして述べ、その主力になっているのが他ならぬ軍部の一味であると指摘するのである。一味とは一体、誰を指すのであろうか。陛下も、この近衛公の議論には、内心でその特異さに驚かれたご様子が窺われる。
— 藤田尚徳、[7]
昭和天皇はすぐに近衛へ御下問している。

(御下問)我国体については近衛の考えとは異り、軍部は、米国は我国体の変革迄も考へ居る様観測し居るが、其の点は如何。

(御答)軍部は国民の戦意を昂揚せしむる為めにも強く云へるならんと考へらるる。グルーの本心は左にあらずと信ず。グルー大使離任の際、秩父宮の御使に対する大使夫妻の態度、言葉等よりみても、我皇室に対しては充分なる敬意と認識を有すと信ず。但し米国は輿論の国なれば、今後戦局の発展如何によりては将来変化なしとは保証し得ず。之戦争終結策の至急に講ずるの要ありと考ふる重要なる点なり。

(御下問)先程の話に粛清を必要とするとのことであったが、何を目標として粛軍せよと云うのか。

(御答)一つ思想あり。之を目標とす。

(御下問)人事の問題に結局なるが、近衛はどう考へて居るか。

(御答)それは陛下の御考へ……。

(御下問)近衛にも判らない様では中々難しいと思う。

(御答)従来軍は永く一つの思想の下に推進し来ったのでありますが、之に対しては又常に之に反対し来りし者もありますので、此の方を起用して粛軍せしむるも一方策なりと考へらる。之には宇垣、香月、真崎、小畑、石原の此の三つの流れあり。之等を起用すれば当然摩擦を増大す。考へ様で何時かは摩擦を生ずるものとすれば、此際之れを避けることなく断行することも一つなるが、若し之を敵前にて実行するの危険を考慮するとせば、阿南・山下両大将の中を起用するも一案ならん。先般平沼・岡田等と会合せし際にも此の話出たり。賀陽宮殿下は軍の建直には山下大将が適任と御考への様なり。

(御下問)もう一度戦果を挙げてからでないと中々話は難しいと思ふ。

(御答)そう云う戦果が挙がれば誠に結構と思はれますが、そう云う時期が御座いませうか。之も近き将来ならざるべからず。半年、一年先では役に立つまいと思ひます。
— 御下問:昭和天皇、御答:近衛文麿、[8]
解説
昭和18年1月、近衛文麿は参考として木戸に書簡を送り「軍部内の或一団により考案せられたる所謂革新政策の全貌を最近見る機会を得たり。勿論未だ全貌を露呈するには至らずと雖、徐々に巧妙に小出しに着々実現の道程を進みつつあるが如し」と告げた[9]。そして同年3月18日、近衛は、小林躋造海軍大将を荻外荘に招いた。

当時日独の攻勢作戦が限界に達して崩壊へ向かい始め、それに伴い東條内閣に対する信頼感が減退し、一部識者の間では、東條英機首相の更迭の必要性が囁かれる中、吉田茂と共に早期講和を画策していた小林大将は、次期首班候補の一人として浮上していた。

近衛は、会談劈頭に陸軍中堅層が抱懐するという以下の『国家革新の陰謀』[10]を打ち明け、小林大将に、後継首班を引き受け「赤に魅せられた」陸軍の革新派を速やかに粛清することを要請したのである。

満州事変発生以前より石原莞爾はソ連の復仇乃至共産主義の南下を恐れ早きに於いて之に痛撃を加えざるべからずと考えていた。之が為には我が国の軍需生産増加を必要とするのみならず国内体制も亦更新を要すとし、彼の影の人たる宮崎正義をして産業五カ年計画之に伴う国内革新案[11]を作らしめた。この二案は池田成彬、結城豊太郎君も一読し両君共納得出来る議論だとして居た。
石原は満洲事変には其の対ソ連観から大いに努めたけれ共、之を拡大し支那事変に導くが如き考え方には反対した。之が為に追われて晩年不振であったが、彼の作らしめた産業五カ年計画及び国内革新案は其の儘軍に保管されて居た。之を軍の新進気鋭の徒が読んで大いに之に共鳴し、世の所謂新人乃至革新派の連中に近付き之が実現の方策を練らしめた、所が此の新人の内に共産主義者が居り、彼等は軍を利用して其の理想を具現せんと決意し切りに軍の新進に取り入った。何しろ新人は頭がよく其の理論も一応条理整然として居るので軍の新進は何時の間にか之に魅せられ、国内革新を目標に、而して其の手段として長期戦争を企てるに至ったのである。

この魅せられた連中は参謀本部よりも陸軍省内に多く、現に北支事変の起った時も、参謀本部は常に政府の局地解決に同意し、この方針で指令したのだが、陸軍省に蟠踞する革新派が出先の軍と通謀しドンドン事変を拡大した。之には立派な証拠がある。今、企画院に居る秋永少将の如きも支那事変を早く治められては困ると云って来た事もある。要するに陸軍の新人は作戦上の必要に藉口し、独断で戦争を拡大し、之に依って国家改造を余儀なくせしめんと計画したのである(中略)。

要するに陸軍の赤に魅せられた連中は、政府や軍首脳部の指示を無視し、無暗に戦線を拡大し英、米との衝突をも憚らず遂に大東亜戦争にまで追い込んで仕舞った。しかも其の目的は戦争遂行上の必要に藉口し、我が国の国風、旧慣を破壊し、革新を具現せんとするのである。此の一派の率いる陸軍に庶政を牛耳られては国家の前途深憂に堪えない。

翻って所謂革新派の中核となってる陸軍の連中を調べて見ると、所謂統制派に属する者が多く荒木、真崎等の皇道派の連中は手荒い所はあるが所謂皇道派で国体の破壊等は考えて居らず又其の云う所が終始一貫してる。之に反し統制派は目的の為に手段を選ばず、しかも次々に後継者を養っている。速かに之を粛清しないと国家危うしである。
小林大将は、自分の微力は総理の任にあらざる旨を答えたが、かねてより岡田啓介海軍大将から陸軍内に斯くの如き恐るべき動きのある事を薄々聞いており[12]、近衛から改めて「陸軍統制派アカ論」を聞かされ、とにかく早く戦争を止めねばならないと痛感したのであった[13]。

同年4月、中野正剛と共に東條首相を批判していた三田村武夫代議士が荻外荘を訪問し近衛と会談した。三田村は1928年(昭和3年)6月から内務省警保局、拓務省管理局に勤務し、左翼運動の取締に従事しながら国際共産主義運動の調査研究に没頭した後、衆議院代議士となり、第七十六回帝国議会衆議院の国防保安法案委員会(昭和16年2月3日)では、日本の上層部が戦時防諜体制の大きな抜け穴になっていることを問題視して近衛首相を叱咤し、世間から危険視されても国家の為に徹底的に、第三国の思想謀略、経済謀略、外交謀略、政治謀略、中でも最も恐ろしい、無意識中に乃至は第三者の謀略の線に踊らされた意識せざる諜報行為に対する警戒と取締を強化するように政府(第二次近衛内閣)に要求していた[14]。

荻外荘の近衛を訪問した三田村は、戦局と政局の諸問題について率直な意見を述べ、「この戦争は必ず敗ける。そして敗戦の次に来るものは共産主義革命だ。日本をこんな状態に追い込んできた公爵の責任は重大だ!」と近衛を詰問したところ、近衛は珍しくしみじみとした調子で、第一次第二次近衛内閣当時のことを回想し、「なにもかも自分の考えていたことと逆な結果になってしまった。ことここに至って静かに考えてみると、何者か眼に見えない力に操られていたような気がする−」と述懐した[15]。

近衛文麿が小林躋造と三田村武夫に告白したこと及び三田村と警視庁特高第一課長の秦重徳[16]から聴取したことと同じ趣旨の警告と反省が昭和20年2月14日には近衛から昭和天皇に上奏されたのである。

三田村は、近衛上奏文を「近衛が自分の経験と反省を述べ、自分が革命主義者のロボットとして躍らされたのだと告白するもの」と評し[17]、敗戦後に長年にわたる自分の調査研究と政治経験、そして自分が入手した企画院事件、近衛文麿のブレーントラスト昭和研究会に結集していた企画院革新官僚および朝日新聞社出身のソ連スパイ尾崎秀実や三木清ら共産主義者の戦時中の好戦的な言動と思想、ゾルゲ事件、ソ連およびコミンテルンの世界戦略に関する多数の証拠資料に依拠して、近衛上奏文に該当する具体的事実を解剖し、近衛内閣の軍事外交内政政策の背後にソ連の対日諜報謀略活動があったことを指摘した[18]。三田村の資料と論究は1950年3月に「戦争と共産主義−昭和政治秘録」(民主制度普及会)として出版され、馬場恒吾(読売新聞社長)、南原繁(東大総長)、島田孝一(早稲田大総長)、小泉信三(元慶応義塾大学塾長)、田中耕太郎(最高裁判所長官)、飯塚敏夫(元大審院判事)の賛辞と支持を得た。これは後に遠山景久によって復刊され、晩年の岸信介(元首相)に大きな衝撃を与えた[19]。

サンフランシスコ講和条約発効後の日本では、近衛上奏文に対する様々な見解が発表されている。近衛は二・二六事件など1930年代中期のテロやクーデターの観察により軍部内の共産化を憂慮しており、1940年(昭和15年)には日中戦争の長期化で革命必至との認識を持っており、この認識は軍部の革新派が満州事変以後の戦争を計画したとする陰謀論へと転換されたという見解[20]、1941年(昭和16年)9月から翌年4月にかけて発覚したゾルゲ事件が近衛の対共産党政策への影響を与えたという見解[21]、「マルクス主義者であった近衛文麿がマルクス主義者ではないとの偽イメージを作る自己弁護の文書[22]」などである。

なお、2013年8月12日の産経新聞の報道によると、近衛が「軍部の一部はいかなる犠牲を払いてもソ連と手を握るべしとさえ論ずるものもあり、又延安との提携を考え居る者もありとの事に御座候」と警告した通り、統制派を中心とする陸軍中枢の一部(首相秘書官を務めた松谷誠大佐や参謀本部戦争指導班長の種村佐孝大佐など)は、ソ連に接近し、天皇制存続を条件に戦後、ソ連や中国共産党と同盟を結び、「天皇制と共産主義を両立した国家」の創設を目指す「米国ではなくソ連主導による終戦構想」を持っていたという。また、1945年6月に、駐スイス中国国民政府(蒋介石政権)の陸軍武官(国共合作をしていたため中国共産党員の可能性がある)が、米国のアレン・ダレス(CIAの前身組織である戦略情報局(OSS)欧州総局長)からの最高機密情報として「日本政府が共産主義者たちに降伏している」と重慶に機密電報で報告していたことが、ロンドンの英国立公文書館所蔵の最高機密文書によって判明したという[23]。

脚注

^ 岡 (1966)、上巻 三一頁。
^ 藤田 (1987)、43頁。
^ 藤田 (1987)、73頁。
^ 藤田尚徳 『侍従長の回想』 中央公論社〈中公文庫〉、1987年、55-67頁。
^ 当時、中国の延安で活動していた野坂参三(変名・岡野進)を指す。
^ 木戸日記研究会代表岡義武 編 『木戸幸一関係文書』 東京大学出版会、1966年、495-498頁。
^ 藤田尚徳 『侍従長の回想』 中央公論社〈中公文庫〉、1987年、64-65頁。
^ 木戸日記研究会代表岡義武 編 『木戸幸一関係文書』 東京大学出版会、1966年、497-498頁。
^ 木戸幸一関係文書591〜592頁。
^ 近衛文麿の最側近の一人である矢部貞治は、昭和16年5月6日に、米内内閣を倒した陸軍中堅層を「大政翼賛会を親軍的一国一党運動として支持しソ連邦との抱合を企図する革新右翼」と呼んでいた(現代史資料国家総動員2、484〜488頁)。
^ 国内革新案とは、日本国権社会党による一国一党政治、少数内閣制、銀行、重要産業、商業の国公営化の実現を目指す「政治行政機構改造案」である。石原莞爾は昭和6年5月に、「戦争は必ず景気を好転せしむべく爾後戦争長期に亘り経済上の困難甚だしきに至らんとする時は、戒厳令下に於いて各種の改革を行うべく平時に於ける所謂内部改造に比し遙かに自然的に之を実行するを得べし。我が国情は国内の改造を第一とするよりも寧ろ国家を駆って対外発展に突進せしめ途中状況により国内の改造を断行するを適当とす」 と述べ、参謀本部戦争指導課長として昭和11年秋頃に宮崎正義に「産業五カ年計画」と「政治行政機構改造案」を立案させたが、後者の案は検討段階で中止になった(石原莞爾資料国防論策編76〜78頁「満蒙問題私見」、秦郁彦【軍ファシズム運動史】246〜247頁、伊藤隆【近衛新体制】59〜60頁)。
^ 海軍には支那事変の勃発以前から陸軍統制派アカ論が存在した。海軍大将の山本英輔は、斉藤実内府に送るの書(昭和10年12月29日)の中で、政府が一向に荒木、真崎の陸軍皇道派の要望に応えない為に、革新将校が「意気地がなく手緩い、最早上官頼むに足らず、統制派の方がマシだ」といい、我が国体に鑑み皇軍の本質と名誉を傷つけることなきを立て前とし、大元帥陛下の御命令にあらざれば動かないと主張する皇道派を見限り、統制派の勢力が拡大しつつあることを指摘し、「始めは将官級の力を藉りて其目的を達せんと試みしも容易に解決されず、終に最後の手段に訴えて迄もと考える方の系統がファッショ気分となり、之に民間右翼、左翼の諸団体、政治家、露国の魔手、赤化運動が之に乗じて利用せんとする策動となり、之が所謂統制派となりしものにて、表面は大変美化され居るも、其終局の目的は社会主義にして、昨年陸軍のパンフレットは其の真意を露わすものなり。林前陸相、永田軍務局長等は之を知りてなせしか知らずして乗ぜられて居りしか知らざれども、其最終の目的点に達すれば資本家を討伐し、凡てを国家的に統制せんとするものにて、ソ連邦の如き結果となるものなり」と警告を発していた(木戸幸一関係文書257〜258頁)。
^ 終戦工作の記録上67〜72頁「小林躋造回顧録」
^ 第76回帝国議会衆議院国防保安法案委員会議録第3回昭和16年2月3日。
^ 大東亜戦争とスターリンの謀略−戦争と共産主義、28頁。
^ 昭和19年6月、荻外荘に招かれた警視庁特高第一課長の秦重徳は、我が国の共産主義運動について、「今日のわが国には共産党はなく、従って、共産主義運動は統一性を欠いている。けれども、共産主義者は職場と時とに即応して運動を行っており、戦争による国民生活水準の低下は、これら運動の温床になっている。その運動は正面から共産主義を標榜せず、敗戦の場合にそなえて共産主義者を養成するという目的でなされているものが多い。要するに、現在の情勢は『枯草を積みたる有様』であるから、これにマッチで火をつければ、直ちに燃え上がる。警視庁では国体を否認するものを左翼、そうでないものを右翼として扱っているものの、この右翼の中には実は左翼の多いことは、明かである。最近の産業奉還論のごときは、その良い例である。またいわゆる転向者の大部分は真に転向しているのではない」と近衛に説明した(岡義武【近衛文麿】202頁)。
^ 大東亜戦争とスターリンの謀略−戦争と共産主義、30頁。
^ 大東亜戦争とスターリンの謀略−戦争と共産主義参照。戦後日本において地政学の再評価を行った外交史研究家の曽村保信は、戦争と共産主義−昭和政治秘録(三田村武夫著/民主制度普及会、1950年)を「大東亜共栄圏とマルクス主義との関わりを歴史的に立証した本」と評価し、これに依拠して、「戦前および戦中の日本では地政学は日本に対英米開戦を迫る国際共産主義の一手段として、言い換えればすなわちスターリンの対外政策実現のために知らず知らずのうちに利用されたというあまり香ばしくない過去の閲歴を持っている」と述べ、「日本の大陸政策に最も大きな影響を与えた外来の思想は実はマルクス主義であって、本来の意味の地政学ではなかったように思われる」と結論づけた(曽村保信【地政学入門外交戦略の政治学】130〜134頁)。
^ 大東亜戦争とスターリンの謀略−戦争と共産主義、311〜322頁。岸信介は戦争と共産主義−昭和政治秘録を読み、次のように遺言した。 「知友のラジオ日本社長、遠山景久君が、某日、『岸先生、大変な本を見付けました。是非第一読下さい』と持参されたのが、この三田村武夫氏の著書であった。読む程に、私は、思わず、ウーンと唸ること屡々であった。支那事変を長期化させ、日支和平の芽をつぶし、日本をして対ソ戦略から、対米英仏蘭の南進戦略に転換させて、遂に大東亜戦争を引き起こさせた張本人は、ソ連のスターリンが指導するコミンテルンであり、日本国内で巧妙にこれを誘導したのが、共産主義者、尾崎秀実であった、ということが、実に赤裸々に描写されているではないか。近衛文麿、東条英機の両首相をはじめ、この私まで含めて、支那事変から大東亜戦争を指導した我々は、言うなれば、スターリンと尾崎に踊らされた操り人形だったということになる(中略)。 この本を読めば、共産主義が如何に右翼、軍部を自家薬籠中のものにしたかがよく判る。何故それが出来たのか、誰しも疑問に思うところであろう。然し、考えてみれば、本来この両者(右翼と左翼)、共に全体主義であり、一党独裁・計画経済を基本としている点では同類である。当時、戦争遂行のために軍部がとった政治は、まさに一党独裁(翼賛政治)、計画経済(国家総動員法→生産統制と配給制)であり、驚くべき程、今日のソ連体制と類似している。ここに、先述の疑問を解く鍵があるように思われる。 国際共産主義の目的は、この著書でも指摘しているように、大東亜戦争の終結以降は筋書どおりにはいかず、日本の共産化は実らなかったものの、国際共産主義の世界赤化戦略だけは、戦前から今日まで一貫して、間断なく続いていることを知らなければならない。往年のラストボロフ事件、又、最近のレフチェンコ事件などは、ほんの氷山の一角にすぎないのであろう。これを食い止めるには、自由主義体制を執るすべての国家が連帯して、自由と民主主義をがっちりと守り、敵の一党独裁・計画経済に対するに、複数政党・市場経済の社会を死守することである。 私は、私自身の反省を込めて、以上のことを強調したい。また、このショッキングな本が、もっともっと多くの人々に読まれることを心から望む次第である。」
^ 庄司 (1995) 「それでは何故、上奏文のなかで過剰とも思える革命への恐怖と、それによってもたらせる陰謀説が展開されたのだろうか。元来近衛がこのような傾向を持ち、ゾルゲ事件や軍部憎悪により増幅されたことは否定し得ないが、異常とも言える内容が問題である。むしろ近衛の本音というより、殖田らの影響とともに、当時近衛らのグループが模索していた、さらには二・二六事件以降の宿願である皇道派の復権・組閣のために、皇道派に冷淡な天皇を説得しようとする政略的な意味があったと推測される。そのためには、誇張された表現が必要であった」
^ 藤田 (1987)、58頁。
^ 「『本土決戦』『一億玉砕』を叫んだ敗戦革命論者たち」(平間洋一「中国共産党 野望と謀略の90年」『別冊正論』平成23年6月号) 中川八洋は「近衛文麿が対英米戦争主義者でなかったかのような偽イメージ、あるいは近衛文麿がマルクス主義者でなかったかのような偽イメージをつくる、近衛自身による自己演技の最たるものがあの有名な近衛上奏文であろう。それは日中戦争と日米戦争の八年戦争のすべての責任を軍部に転嫁するに絶妙で華麗な演技の典型であった。この上奏文をもって近衛文麿が従前から英米に対する戦争の回避論者であったと、その証拠としてあげるものが多いが、それは余りにも短絡的である。また読解力に欠陥ありといわざるをえない(中略)。近衛上奏文は、日本の八年戦争とは日本の共産化を目的として共産主義者(マルクス主義者、社会主義者)たちによって遂行されてきたこと、一九四四年頃からのスローガン一億玉砕はレーニンの敗戦革命論に従った、共産革命がし易い荒廃した日本社会をつくるためのものであること、陸士・陸大の秀才組のある部分がソ連軍を日本に導入しての日本の共産化を策謀していること、などの最も深刻な諸状況について最も正確に鋭く核心を衝く省察をなしている。が同時に、この近衛の指摘は、マルクス主義にかぶれた陸士・陸大卒の赤い軍人たちに対英米戦とその継戦の動きのすべての責任を転嫁する狙いであるのは誰しも一読すれば理解できよう。」と近衛上奏文を批評している(近衛文麿とルーズベルト大東亜戦争の真実76、81頁)。
^ 終戦へ共産国家構想 陸軍中枢「天皇制両立できる」1/42/43/44/4 産経新聞2013年8月12日
参考文献
終戦工作の記録上下巻(江藤淳監修、波多野澄雄編、講談社文庫、1986年)
敗戦の記録(参謀本部編、原書房、1967年)
大本営陸軍部戦争指導班機密戦争日誌(軍事史学会編、錦正社、1998年)
尾崎秀実著作集1〜5巻(尾崎秀実著/勁草書房、1979年)
大東亜戦争とスターリンの謀略−戦争と共産主義(三田村武夫著、自由選書、1987年、戦争と共産主義−昭和政治秘録の復刻版)
近衛文麿とルーズベルト(中川八洋著、PHP出版、1995年)
第二次世界大戦と日独伊三国同盟―海軍とコミンテルンの視点から(平間洋一著、錦正社、2007年)
近衛日記(共同通信社開発局、1968年) ASIN: B000JA68IO
道越治・松橋雅平・松橋暉男『近衛文麿「六月終戦」のシナリオ』毎日ワンズ 、2006年 ISBN: 4901622153
木戸幸一『木戸幸一日記』上巻、木戸日記研究会校訂、東京大学出版会、1966年。ISBN 9784130300117。
岡義武『解題』、1966年、一頁−四十三頁。
『木戸幸一関係文書』、木戸日記研究会編、東京大学出版会、1966年。ISBN 9784130300131。
「時局ニ関スル重臣奉答録」 四九五頁−四九八頁
近衛上奏文を収録。
藤田尚徳『侍従長の回想』中央公論社〈中公文庫〉、1987年。ISBN 4122014239。
当時、昭和天皇の侍従長を務めていた藤田尚徳から見た上奏の経緯と、上奏文の口語訳とが記述されている。
「天皇の終戦秘密工作」43頁−54頁
「陽の目を見た近衛上奏文」55頁−67頁
「御意思に遠い重臣の奏上」68頁−85頁
庄司潤一郎「『近衛上奏文』の再検討 国際情勢分析の観点から」『国際政治』109号 終戦外交と戦後構想、日本国際政治学会、1995年5月、 54頁―69頁、 ISSN 0454-2215。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%A1%9B%E4%B8%8A%E5%A5%8F%E6%96%87
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1126.html

[番外地8] 鬼塚 英昭の著書 中川隆
4. 中川隆[-10625] koaQ7Jey 2020年10月24日 20:30:50 : 95N7eT9Y4k : bTBGb0RiUDcwNnM=[54]
鬼塚英昭 氏の学説は既に定説になっているよ:
鬼塚 英昭とディビット・バーガミニの二人は昭和天皇の研究者として有名だよ。タブーに触れるので他の研究者はその分野は全く研究していないから、現在では二人の学説が定説になっている、既に関係者が全員死んでしまって、当時の話を聞けないから新しい調査・研究はもう不可能なんだ:
鬼塚 英昭の著書
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E9%AC%BC%E5%A1%9A-%E8%8B%B1%E6%98%AD/s?rh=n%3A465392%2Cp_27%3A%E9%AC%BC%E5%A1%9A+%E8%8B%B1%E6%98%AD

天皇の陰謀 天皇裕仁はかく日本を対西洋戦争に導いた
ディビット・バーガミニ著 松崎元訳
https://retirementaustralia.net/old/rk_tr_emperor_02_contents.ht

▲△▽▼

鬼塚氏を中傷するコメントをネット上で見かけるが、

一、あなたが鬼塚氏の何の本を読み
二、どこの箇所を指して事実を捻じ曲げて妄想で書いていると確信を持てたのか
三、その根拠たる文献資料を示されたい。

鬼塚氏ほどあらゆる文献資料を網羅し、
かつ眼光紙背に徹するが如く読み込んでいる人を私は寡聞にして知らない。
プロパガンダをまんま信じて洗脳されている歴史作家があまたある中で、
まさに掃き溜めの鶴、恩寵、僥倖のような存在である。


鬼塚氏を中傷するコメントは、
秦郁彦がバーガミニの『天皇の陰謀』を偽書と決め付けた手法と同じ。
”バーガミニの主張に該当する資料は、杉山元メモのどこにも見つからなかった”
などとと事実無根の主張をしている。

秦は防衛庁に職員として潜入していた草である。
秦のような田布施村王朝の関係者が、国家規模の資料改竄をしていると私は思う。
日中戦争拡大の現場証言も同様である。
池田純久が近衛文麿に責任転嫁する有名な証言は、その代表例である。


田布施村王朝は実に真摯な態度で、一貫して偽史を捏造してきた。
秦や白洲次郎や松本重治などの確信犯がプロパガンダを流布し、
それに御用作家やマスコミが追随してきたが、

鬼塚氏が膨大な資料を微分積分して導いた結論は、『仮説』ではなく真実である。
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/701.html#ctop

昭和天皇がスパイだとわかると困るから、鬼塚英昭やバーガミニを否定する勢力がいるんですね。
この分野はタブーになっているので大学の研究者は一切調査・研究をしていません。
当時の関係者に会って実際に話を聞いたのは鬼塚英昭とバーガミニの二人だけです。
もう既に関係者は全員死んでいるので、林千勝さんが研究するのは不可能です。
それで林千勝さんは先学の鬼塚英昭やバーガミニの有名な学術書には一切触れないんですね。



http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/522.html#c4

[番外地8] 日本最大の売国スパイ=暗号名「ヨハンセン」
終戦工作は白洲次郎という男が全部絡んできますけれど、これが終戦工作をやります。ヨハンセン・グループというのがやります。ヨハンセン・グループというのは、吉田反戦グループといいます。それでヨハンセンとなります。アメリカ人の暗号名です。「ヨハンセンから連絡があったか?」。ヨハンセンというのは吉田と樺山愛輔という貴族と、その中に連絡係りの白洲次郎がいます。彼らがグルーからも貰うし、別のルートからもデータを貰い、まだ御前会議で戦争を遣る最後の会議の時にも、御前会議が始まると次の日にはもう、グルーを通してアメリカの上層部に日本の最高機密が流れていくわけですよ。これが日本の現実なんです。ね。
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/700.html

日本最大の売国スパイ=暗号名「ヨハンセン」

太平洋戦争の前夜に日本の対米英戦争を決定した1941.9.6の「帝国国策遂行要領」に関する所謂「御前会議」の内容を細大漏らさず、敵米国の駐日大使に通報していた、日本最大の売国スパイ=暗号名「ヨハンセン」とは吉田茂。
元自民党総裁選=麻生太郎の祖父。

また吉田茂元首相の再軍備問題のブレーンだった辰巳栄一元陸軍中将(1895〜1988年)も、米中央情報局(CIA)に「POLESTAR―5」のコードネーム(暗号名)で呼ばれていた。


アメリカから昭和天皇への指示は国務大臣、グルーによって日本の吉田、牧野、樺山、白州のヨハンセングループを通じ貞明皇后に伝わっていた。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/539.html

[番外地8] 竹中がインサイダー情報を流して、外資が底値で日本株を大量に買ったのは有名な話
竹中がインサイダー情報を流して、外資が底値で日本株を大量に買ったのは有名な話だよ
それで日本株の 1/4が外資に乗っ取られた。
それを暴いたミラーマンこと植草 一秀は痴漢冤罪で刑務所に入れられた。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/540.html
[番外地8] 天皇の陰謀が物書きとしての私の経歴をお終いにしてしまった
研究者や歴史学者が言っていないというだけだよ。政治家や右翼が根拠無しにデタラメだと騒いでいるだけさ。デヴィッド・バーガミニは歴史家としての評価も高いし、直接当事者から聞いたり当時の文献を調べて本を書いているから間違いなんかないよ。問題は真実を語られると困る人間が多いという事さ:

バーガミニの本は、日本語で出たものとしてはもちろん、その前の英語で出たものとしても、明治以降の日本の歴史、とりわけ大正天皇以降、大正11年に裕仁が摂政になって以降、昭和天皇が日本の国家の中枢を握ったわけです。その昭和天皇の歴史の真相について、バーガミニの本が初めてそれを明らかに光を当てたんですよ。
この本がアメリカで出たら、凄い大ベストセラーになって色々な人が非常に高く評価した書評を書いたりしてるんです。ところが! これはよく熟読してくださいね。短い文章でしょう。83年の新版、新版というのは日本語の新書版が出るのでその序文を寄せたわけです。驚くべきことが書いてあります。


「天皇の陰謀が物書きとしての私の経歴をお終いにしてしまった」と言ってるんですよ。

これはビックリしませんか? 非常に私はビックリしましたよ、それを初めて知って。

この本が出た1971年以来、大ベストセラーになったんです。良く調べると、なんとこのバーガミニという人はアメリカの大学を出た後、ローズ奨学生になってオックスフォードに入学してます。ローズ奨学生のオックスフォード卒業生ですよ。これは欧米ではとてつもないエリートです。インサイダーの候補です。

そういう人が、自分は日本に非常に縁が深いので昭和天皇の歴史を中心とした日本史を書いてみようという訳で、アメリカの有力な権力層から日本の多くのインサイダーへの紹介状を貰って、インタビューしたりして、本もたくさん買って、京都に住んで、京都の学生・卒業生とかを助手にして、非常に詳しい調査をして、日本のインサイダー、元将軍、元なんとかという人たちのインタビューをしたりして書いた本ですよ。これは凄い本だということで前途洋々かと思うと、とんでもない。この本を出したおかげで、自分の物書きとしての経歴がおしまいになったって言ってるんです。

内輪に見積もっても200万〜500万ドル。今のドルではなくて1970年代だからもう少し価値があったんじゃないでしょうか。200万〜500万ドルが、私を押さえつけておく賄賂ないしは監視料として使われたって言うんですよ。奇妙奇天烈な話じゃないですか? いかなる手段によるにせよ、その勘定、つまりお金は日本政府からは出ていないって言うんです。じゃあ誰がそのお金を出したんですか?

「とりわけエドウィン・O・ライシャワーが、私を押しつぶす大きな蝿叩きを作るために手を貸した」って言うんですよ。ライシャワーは、気の赴くままに合衆国の大学に与える贈り物を持っていたし、日本での訓練期間中に彼に借りを作ったCIAの手の者達の中核の献身を受けていたって言うんです。

つまり、ライシャワーを中心とする、アメリカのまさしく権力エリートが、バーガーミニを著述家として葬り去るために全力を尽くしたわけです。賄賂ないし監視料というのは、バーガーミニの著述家としての活動の全てに渡って完全に抹殺するように米国の権力が総力を挙げて襲いかかったんですよ。奇妙奇天烈な話じゃあないですか?

本を5冊書いたけどね、出版社に持って行くと、すかさずその出版社に手がまわって、その賄賂ってわけで、これだけ金をやるからバーガーミニの本は出すな、どうのこうのって訳ですよ。アメリカの日本問題専門家は全部ライシャワーの息がかかってますからね。ライシャワーが命令して「あいつはもう一切相手にするな」って言うわけです。

そんな風にして、彼はあっという間に物書きから転落していくわけですよ。そうしてね、いまの私はマイクロコンピューターを売ったり、コンピューターのプログラムを作ったりすることで身を立てておりますって言うことになっちゃった。そして、彼は「私の愛国心は幻滅に帰した」、つまり、アメリカは自分の祖国と思っていたがとんでもない、自分が1冊の本を書いたが為に、アメリカという国家は自分に襲いかかって、自分を叩き潰そうと、もう叩き潰してしまった。愛国心ってのものは無くなったと、そう言ってますよ。

これは実に驚くべき序文ですよ。バーガーミニの本は、日本の天皇を中心とする体制にとっては、絶対あってはならない本だと考えるのは当然ですよ。ところが、日本ではなく、アメリカの国家権力そのものが、バーガーミニに襲いかかった。それはこの本が、米国つまりイルミナティにとって虎の尾を踏んだ、絶対隠蔽すべきタブー、隠蔽すべき秘密を、バーガーミニが白日の下にさらけ出してしまう。そういう悪い事をした、犯罪を犯したという評価ではないかと。従って、そういう扱いを彼は受けるわけですよ。

いいだももさんが翻訳者ですけど、いいだももさんがね、このバーガーミニの新版の序文を高く評価して、何かコメントしたかどうか、私は調べてないけど、少なくとも私は知りませんよ。

それで、アイリス・チャンという人が、すごく悪名をつけられてしまったTHE RAPE OF NANKING という本、アメリカで出たら日本の天皇教狂信者達が一斉に襲いかかって、あれはとてつもない出鱈目だインチキだ悪書だって言ってすごく悪評が充満して、一般の日本人はそういう悪評だけ耳に入っていて、本物の本は全く知らないっていうことが続いて、最近10年後に日本語訳が出ましたね。その日本語訳を読んだら、そのバーガーミニの本がいろいろ引用されてます。しかし、アイリス・チャンも、アメリカでも高名な偉い学者達はみんな、バーガーミニの本を否定してるっていう風に言ってるんです。だから、普通の人は理解不可能です。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/541.html

[番外地8] 裕仁が、真珠湾攻撃の数ヶ月前、軍事的、経済的計画について、詳細な質問をしていることを記していた。
>本題である林千勝さんの言ってることが妄想ということの説得力ある根拠も。

真珠湾という地名を当時知っていたのは昭和天皇ただ一人だけだったんだ:

原書房という東京の小さな出版社が、戦時中の陸軍参謀総長、杉山元〔はじめ〕大将が1940年から44年に書きとめた備忘録〔『杉山メモ』〕を出版した。これは、日本国家の最高位の軍事将校による歴然たる手書き資料である。杉山は日本が降伏した1945年に自殺しており、彼の記録を装飾する機会はなかった。記録のほとんどは、無味乾燥な軍事的詳細か、さらに単調な軍事用語で満たされていた。しかし、そのうちのいくつかは、裕仁との会話の言葉どおりの記述である。

それらは、裕仁が、真珠湾攻撃の数ヶ月前、軍事的、経済的計画について、詳細な質問をしていることを記していた。

それは、マッカーサー将軍が語ったという、裕仁が戦後将軍に告白した――1941年にはすべての軍事的、経済的事柄については無知であった――という発言と真っ向から食い違っていた。

 最も驚くべきことは、1941年1月、対米戦勃発の11ヶ月前、裕仁が独自に、真珠湾への奇襲攻撃のフィジビリティー調査を命じていることを、『杉山メモ』が記録していることである。

それ以前では、欧米の歴史家は、少なくとも1941年11月までは、裕仁は真珠湾奇襲攻撃計画については何も知らなかった、と信じていた。1941年当時の侍従長、鈴木貫太郎は、戦後、裕仁は真珠湾攻撃計画については、それが実行されるまでは知らなかった、とはばかることすらなく記している。

 『杉山メモ』はまた、裕仁は、真珠湾計画に、彼の公式軍事輔弼がそれを告知される丸六ヶ月前の段階で、参加していたことを明らかにしている。極東国際軍事法廷の連合軍判事たちに提示され、また、宣誓のもとでの目撃証言や緻密な調査によって検証された証拠は、裕仁を戦争にまで引きずり込んだとされる「軍国主義者」の誰もが、1941年8月まで、真珠湾計画を知らなかったと結論ずけている。
https://retirementaustralia.net/old/rk_tr_emperor_04_choshakara.htm
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/542.html

[番外地8] 昭和天皇は若いころから、宮中の書斎にはナポレオンの胸像が飾られていた
どうせアホ右翼に理解できる筈も無いからどうでもいいんだけど:
昭和天皇は若いころから、宮中の書斎にはナポレオンの胸像が飾られていた(有名な話らしい)。パリを訪問したときに土産として自分で買ったもので、珍重していた。

「ナポレオンの軍隊は安上がりの徴集兵で」彼は「この軍隊を愛国心に燃える兵隊の群れに仕上げた。日本の軍隊は葉書一枚で徴兵された“民草”といわれる安上がりの軍隊で、ナポレオンの軍隊以上に愛国心に燃えていた。

ナポレオンは補給のほとんどを現地補給とした。天皇の軍隊はこれを真似た。

ナポレオンは参謀部をつくり、機動力にまかせて、波状攻撃を仕掛けた。天皇は大本営を宮中に置き、参謀部の連中と連日会議を開き、ナポレオンと同様の波状攻撃を仕掛けた。」

「あの真珠湾攻撃は、そしてフィリピン、ビルマ、タイ…での戦争は、ナポレオンの戦争とそっくりである。」と鬼塚氏は書いている。そう言われれば確かにそうだ。

 つまり、昭和天皇はナポレオンを崇拝し、彼にならって大戦争を仕掛けるという壮大な火遊びをやったのである。真珠湾攻撃が「成功した」と聞くと、狂喜乱舞したと言われる。2・26事件当時の侍従武官・本庄繁の『日記』には、天皇がナポレオンの研究に専念した様子が具体的に描かれているそうだ。

終戦の玉音放送が流れる日の朝、侍従が天皇を書斎に訪ねると、昨夜まであったナポレオンの胸像がなくなっており、代わってリンカーンとダーウィンの像が置いてあった、と…。

 この変わり身の素早さには驚かされる。つまりもう占領軍が来てもいいように、好戦的なナポレオンの像は撤去し、アメリカの受け(好印象)を狙って、リンカーンを飾り、自分は生物学に専念している(政治に無関心な)人間なのだとの印象を与えるためダーウィンを飾ったのであった。天皇は書斎からしてこうなのです…といえば、戦争責任が回避でき、マッカーサーに命乞いできるという思惑である。

戦後、天皇が海洋生物の研究家になったのは、ただひとえに自分が専制君主ではなかったというポーズであり、戦争中の責任を隠す念のいった方便だった。国民もそれに騙された。

 そして戦争指導の責任を全部、東条ら軍人(それも陸軍ばかり)に押し付けた。

大東亜戦争で米英と戦った主力は帝国海軍である。陸軍の主任務地は支那およびビルマやインドであって、太平洋を主任務地としたのは海軍であったから、あの太平洋での拙劣きわまる作戦で惨敗につぐ惨敗を喫し、国家を惨めな敗北に導いた直接の責任は、海軍にあった。

ところが、戦後は「海軍善玉論」がマスコミや出版界を席巻し、あの戦争は全部陸軍が悪かったという風潮が醸成された。多くの作家(阿川弘之ら)がそのお先棒を担いだ。

だから後年、阿川弘之が(あの程度の作家なのに)文化勲章を授賞したのは、海軍と天皇の戦争責任を隠してくれた論功行賞であったとしても不思議はない。

海軍の作戦を宮中の大本営で指導したのが、昭和天皇だったから、天皇としてはどうしても敗戦の責任を海軍に負わせるわけにはいかなかった。そこから「海軍善玉論」を意図的に展開させたのではないか。

佐藤氏は太平洋の作戦全般を大本営の服部卓四郎や瀬島龍三ら下僚参謀が勝手に指揮したと書いているが、知ってか知らずか、さすがに本当は昭和天皇が指導したとは書いていない。

東京裁判で収監された東条英機は尋問に答えて、

「我々(日本人)は、陛下のご意志に逆らうことはありえない」と言った。

これは当時としては真実である。

しかし東条のこの発言が宮中に伝えられると天皇は焦ったと言われる。責任が全部自分に来てしまい、自分が絞首刑にされる。

それで天皇は部下を遣わして、東条と軍部に戦争責任を負わせるべく工作をした。

 それから天皇は、なんと東京裁判のキーナン検事に宮廷筋から上流階級の女性たちを提供し、自分が戦犯に指名されないよう工作した。キーナンはいい気になって、しきりに良い女を所望したと鬼塚氏は書いている。

キーナンに戦争の責任は全部東条ら陸軍軍人におっかぶせるからよろしく、との意向を女を抱かせることで狙った。女優・原節子がマッカーサーに提供されたという噂は、噂ではあるが、当時から根強くあったのは有名である。おそらくそういう悲劇が多数あったのだろう。

みんな天皇一人が責任を回避するためであり、東条らが天皇を騙して戦争を指揮したというウソの歴史をつくるためであった。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/543.html

[番外地8] 米国の銀行ディロン・リードに 対する日本と天皇一族の借金返済問題であった。

1945年、第二次世界大戦に敗北した日本に米軍が上陸して来る。
今後の日本をどうするか、米軍の指揮官ダグラス・マッカーサーとの交渉を担当したのが、当時の大蔵省事務次官池田勇人(後に首相)の部下、渡辺武であった。


渡辺の自伝である「渡辺武日記 対占領軍交渉秘録」(東洋経済新報社)によると、渡辺と米軍の最初の「大きな交渉テーマ」は、米国の銀行ディロン・リードに
対する日本と天皇一族の借金返済問題であった。

明治憲法第11条により、日本の陸海空軍全ての指揮権は天皇にあり、政治・軍事の全責任は天皇にあった。米軍が天皇の戦争責任を問題にせず、真っ先に銀行ディロンの代理人として借金の取り立てを行った事は、戦争の目的が金であった事、そして米軍が米国政府の代理人などでなく銀行ディロンという私的機関の「代理人」である事を良く示している。

しかも奇妙な事に、日本は戦争のための兵器購入資金を敵国の米国ディロンから「借り入れ」ていたのだ。さらに貸し付けた側の銀行ディロンの社長が、米国の戦争省長官ウィリアム・ドレーパーであった。米軍の陸海空軍全ての指揮権を持つ戦争省長官ドレーパー本人が、敵国・日本の陸海空軍全ての指揮権を持つ天皇に
戦争資金を貸し付けていた。

ディロンの親会社が、現在のブッシュ大統領一族の経営する軍事産業専門投資会社カーライルであり、そのブッシュの経営するハリマン銀行の取締役ロバート・ ラヴェットが、戦争省次官として自分の経営する兵器会社から米軍に武器を納入していた。米軍の兵器と日本軍の兵器購入資金は、同一のハリマン=カーライル=ディロンから出ていた。

日本軍と米軍が「殺し合えば殺し合う程」この銀行が儲かる「仕組み」になっていた。この銀行の私的利益のために日本と米国の軍人は「殺し合い」をした。

この金儲けシステムの米国側にドレーパーがおり、日本側に天皇が居た。

ドレーパーの銀行ディロンは、戦争で莫大な利益を得た。
天皇も日本軍の兵器購入資金の一部を私物化し、スイス銀行に莫大な財産を蓄積した。天皇が戦争責任を問われなかったのは当然である。
日本人と米国人に「殺し合い」を行わせ金儲けする、ディロン=ハリマン銀行の日本支店長が天皇であった。最初から天皇は「日本と日本人の命」を「敵国に売り渡して」いた。

なお天皇は、スイスに莫大な蓄財が出来た感謝の印に、「敵国の戦争指揮官」ドレーパーに勲一等瑞宝章を与え表彰している。
http://www.asyura2.com/07/senkyo38/msg/517.html
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/544.html

[番外地8] 今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば生活に必要な物がすべて作れる時代です。 中川隆
6. 中川隆[-10624] koaQ7Jey 2020年10月25日 04:27:54 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[1]
三橋さんは昭和脳なんですね。
今は技術の進歩で、日本人の1/4が8時間労働すれば日本人全員が生活に必要な物をすべて作れる時代です。
言い換えると、日本人の 3/4はやるべき仕事が無いんですね。
政府が公共事業で需要を増やしたところで日本人の 3/4がやっている、やってもやらなくても何も変わらないどうでもいい仕事の量が増える事はありません。
その金は不動産や株式市場に流れてバブルを起こすだけです。

日本人の 3/4 は、風俗、水商売、パチンコ、ヤクザとか、スキー場・温泉宿・ガソリンスタンド・コンビニ・回転寿司・ファミリーレストラン・ラーメン屋・飲み屋・調剤薬局・歯医者・弁護士みたいに既に適正数の何倍も店舗がある、やってもやらなくても何も変わらない労働生産性がゼロに近いサービス業をやって何とか食べているのです。

公共事業をやっても日本人の 3/4 のやる仕事ができるという訳ではないですね。
現在の日本がデフレだというのは言い換えると、技術の進歩で労働者が1日2,3時間も働けば生活に必要な食べ物や工業製品をすべて作れる時代になってしまった、それ以上の仕事はやってもやらなくても同じだという事です。


だから今は農業人口も200万人以下で日本全体の食糧消費の大半を簡単に作れるのです。
今は高齢者186万人が農業に従事しているだけです:
(農業就業人口は引き続き減少・高齢化)
農業就業人口のうち基幹的農業従事者(*2)数は、186万2千人となり、前年に比べて18万9千人(9.2%)減少し、200万人を下回りました。 また、65歳以上の割合は59.1%と前年に比べて2ポイント低下したものの6割を占めており、平均年齢も66歳と高齢化が進んでいます。


三橋さんは緊縮財政を続けると日本の供給力が壊滅して開発途上国になると騒いでいますが、元々日本は供給力が増えすぎて困っているのです。 食料も電気製品も住居も土地も日本では有り余っています。 ただ、労働者の賃金が安くて世の中に有り余っているものを消費できないというだけです。デフレギャップを減らすには、終戦直後にGHQがやった様に、意図的にインフレを起こして資本家の資産を目減りさせて労働者に再分配するしかありません。国債発行や公共事業をいくらやっても、増えた金はすべて資本家に持って行かれるだけで、労働者の実質賃金はどんどん下がっていきます。

日本の仕事の殆どはサービス産業なので、食べていく為にやってもやらなくても良い無駄な仕事をしている事になります。
人口が減ればそういう無意味な仕事をする必要も無くなるので、デービッド・アトキンソンの最低賃金を上げて、それに耐えられない中小企業は潰せ、というのは正しいです。存在価値が無い中小企業を淘汰するのは合理的です。

セブンイレブン、業績好調なのに大量閉店の闇〜月収26万円で疲弊するオーナーたち=栫井駿介
2019年10月24日
https://www.mag2.com/p/money/798181

安物・粗悪品の製造会社、アマゾンに対抗できない小売店、国債の利息でなんとか生きながらえている地方銀行、海外からの技術研修生を使わないとやっていけない会社、コンビニより多い歯科医院、外人留学生が居ないとやっていけない大学・専門学校、インバウンドで食べている旅館・観光会社、風俗等のヤクザのしのぎになっている仕事、パチンコ・IR

すべて日本の生産性を下げているだけの無意味・無駄な仕事です。

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起業家の半数が1年で廃業し収入はバイト以下
起業しても10%以下しか継続できない
起業家の厳しい実態

10数年前から日本政府は起業を奨励していて、起業すれば必ず成功するかのようなキャンペーンをやっていました。

ブームに乗って実際に起業した人たちがどうなったか検証してみると、政府が振りまいた夢とは正反対の現実があった。

中小企業白書によると個人事業主として開業した人の約3割が、1年以内に廃業し、2年で約半数、10年後には88%が廃業しています。


個人ではなく会社を設立した場合、1年以内で6割が廃業(倒産)し、5年後には85%が廃業、10年後に残っているのは6%でした。

個人事業主より会社設立の方が、より速いペースで廃業しているのが分かります。

理由は自分ひとりでやるよりも、他人に給料を払えば余計なコストが発生するからだと考えられます。


会社を設立する人はだいたい、会社員として仕事がデキる人で、自信満々で部下を引き抜いたりして開業する。

いわば人生のピークで勝負をかけて起業するのだが、統計からは例外を除いて失敗に終わっています。

「起業に成功する人、失敗する人」のような本は多く出ていますが、そもそも会社の数は足りているのです。


現在存在している会社だけで世の中は足りているのに、そこに割って入って仕事を奪うのが「起業」だと言えます。

既存の会社には目の敵にされるし、会社員として実績があっても、おそらく助けては貰えないでしょう。

それでも起業して数ヶ月の間は、会社員だった頃のツテやコネから仕事を得られる場合があるが、それも無くなります。


起業する人には何かアイディアがあり「これが世の中に必要とされる筈だ」というような構想があると思います。

ところが革新的なアイディアの99%は、短期間で社会から不要になる事が多いです。

インターネット関係の新しいアイディアは1年もたずに陳腐化してしまい、事業として続かない事が多いです。


自分が住んでいる地域で30年続いている会社は、不動産とか床屋とか食堂とか、平凡で代わり映えしない業種しかないと思います。

まわりで10年続いている会社を見ても、喫茶店とかコンビニとか薬局、設計事務所や大工など「パッとしない」業種ばかりだと思います。
これが意味するのは新しいアイディアほど早く陳腐化している事で、生き残ったのは平凡で「ダサい」ものだったのでした。

日本政策金融公庫の調査で起業家の4割がが月商30万円未満だと発表されました。

月商はもちろん売上げであって、そこから様々な経費を差し引いたのが収入になります。

仮に月商の50%が利益になるとしても月収15万円未満な訳で、起業した人の家計が非常に苦しくなるのが分かります。

良く不動産ビジネスで「年商1億円」のように言う人が居ますが、不動産の利益は良くて年10%以下と言われています。

しかもこれは借金が無い場合なので、利子の支払いなどがあれば年商1億円でも「年収」は500万円以下かも知れません。

起業家の8割は1人で自宅で仕事をし、最近はネットで仕事をするネット企業家が増えています。

起業した人の多くは会社員時代より収入が減り、しかも労働時間が延びる傾向があります。

働いた分だけ収入になるのは、働かなければ収入がない事なので、特に時給に換算した収入が減少します。

会社では10人分の仕事を10人でやり、起業すると1人分の仕事を1人でやり、一見同じ事に思えるが効率が大幅に悪化します。


設計の仕事で起業したとしても、膨大な雑事が発生してやりたい仕事になかなか取り掛かれないでしょう。


顧客の獲得や対応、宣伝、値引き要求や代金不払い、理不尽なクレームなどありとあらゆるトラブルを1人で処理しなくてはならない。

一時的に成功しても、流行の業種ほどすぐに陳腐化して仕事と売上げが減るのが普通です。


時代の波を乗り越えて10年後に事業を続けていられる人は、10%前後というわけです。

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失業者には国が十分な金を出せばいいだけでしょう。
MMTでお金はいくらでも発行できます。
生活困窮者の生活費を国で出せばいいだけですね。
日本は世界一の金持ち国で対外資産が沢山あるので、日本人は大して働かなくても食べていけるのです。

貧困者を救済した為にインフレになったら資産家の資産が目減りして所得再分配になるし(インフレ税)
超円安になったら日本の輸出企業の一人勝ちで、海外の競合メーカーはすべて倒産するし
日本政府が貧困者にいくらお金をばら撒いても大企業や資本家の資産が減るだけです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/504.html#c6

[番外地8] 高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた… 中川隆
2. 中川隆[-10623] koaQ7Jey 2020年10月25日 04:35:38 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[2]
高橋洋一は、デマとフェイクの総合商社のような人物で、悪質なデマ「日本学術会議は千人計画に協力する反日組織」を叫んでいた人物だ。そしてこんなデマも
高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議を攻撃する言説は菅政権を擁護するためのフェイクだらけ(リテラ)
http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/556.html

高橋洋一
>学術会議は一部の貴族のようなもの。引退間際の豪華なポストでお小遣い付き

ちなみに、自民党甘利もたいがいデマを飛ばしていたが、政府によって否定されて、こっそり・ひっそりブログを修正している。

必死で菅政権を擁護していたと思ったら、やっぱり「内閣参与」の餌付きだったか。

苦節8年頑張ったおかげで、ようやく政権の中枢へ。

しかし、デマやフェイクが専門職のような人間を政権の中枢に入れたらどうなるか。。。
菅の周りに、菅を喜ばせる人間ばかり配置した格好だ。
知性もなければ良識もない人間ばかり集めてこの国を潰す気か。

▲△▽▼

菅政権の弱肉強食の経済政策の方向性が明確になった肝いり人事
「成長戦略会議」や「内閣官房参与」のメンバーに新自由主義の規制緩和人脈がズラリ並んでいる。
内閣参与には、竹中平蔵に近い元財務官僚の高橋洋一嘉悦大教授が任命された。

 成長戦略会議には、人材派遣会社「パソナグループ」会長でもある竹中平蔵慶応大名誉教授とITコンサル企業「フューチャー」の金丸恭文会長。2人は安倍政権時代の「未来投資会議」からの継続で、金丸会長は官房長官だった菅の名代として、農協改革などを主導した。新たに起用されたデービッド・アトキンソン小西美術工芸社社長は、元金融アナリストで菅の知恵袋の一人。赤字の中小企業の退場を主張する再編論者だ。

 とりわけ戦慄するのが、司令塔が竹中だということである。小泉政権で過度な構造改革を推し進め、非正規労働者を増やし、経済格差を広げた、まさに新自由主義の権化のような人物。竹中が総務大臣だった時に副大臣を務めていたのが菅で、2人は「師弟関係」みたいなもの。自民党総裁選で菅が打ち出した「自助・共助・公助」のフレーズも自己責任と競争社会の実現を訴え続ける竹中仕込みと言われたものだ。

 竹中は安倍政権の7年8カ月の間、ずっと政府の経済政策の会議に席があった。だから「何も変わっていないのでは」と思うかもしれないが、それは違う。

 安倍政権では当初、経済財政諮問会議の民間議員に就くはずが、麻生財務相に煙たがられ、格下の産業競争力会議のメンバーになった経緯があった。

 それで裏でちょこちょこ我田引水の動きをして、規制緩和を仕切ってきていたのだが、菅政権になると「私が師匠です」とばかりに表舞台に出てきて、俄然、露出と存在感を高めている。

 メディアのインタビューや取材も積極的に受けて持論を提言。「淘汰されるべき企業を残しておくと、将来的に日本経済の弱体化につながる」とアトキンソン氏同様の「中小企業ゾンビ論」を展開中だ。さらには、1人月7万円を支給する「ベーシックインカム導入論」も披露。代わりに、生活保護や年金を廃止して財源に充てると言って、「弱者切り捨てだ」と批判を浴びた。

 揚げ句に、月刊「文芸春秋」11月号では、「コロナ禍で『東京問題』が浮き彫りになった」と、小池都知事を牽制して菅が使ったフレーズを繰り出し、「東京を米国のワシントンDCのような政府直轄地にせよ」とまで言い出した。

▲△▽▼

日本の株式を外資に乗っ取らせたのが竹中平蔵と高橋洋一の唯一で最大の業績

私達は洗脳されていました。不良債権の処理こそが構造改革だと。。。
彼等のやり口はこうでした。

一、株式は自己資本の半分以下にすること。
二、不良債権は二年で半減すること。不良債権処理に充てた資金には税金を課す ただし繰り延べ資産として7年間分認める


私達は国の命令で株式の売却を始めました。株の暴落が始まり長銀は国有化され長銀の株券は一夜で紙くずとなりました。数兆円の血税をつぎ込み身奇麗にした 長銀は瑕疵担保条項までつけて外資の手に渡りました。その後私達は恐ろしい光景を目にすることとなりました。

瑕疵担保条項によって死ななくても良い企業まで次々と息の根を止められて行きました。 その時つぶせばつぶすほど外資がもうかる条約だった事に私達は気づきました。

そんな時あの竹中が金融中枢に入ってきたのです。
そしていきなり繰り延べ資産は認めないと言い出したのです。税金は取っておきながら、です。人々はパニックに落ちました。株価は大暴落し、旧額面で80円を割り込んだ時、外資の増資申し入れを受け入れました。
四大メガバンクすべてが外資に自社株を叩き売ったとき、りそな銀行の国有化が決まり、長銀の時と同じく数兆円の国民の税金がつぎ込まれましたが、驚いたことに減資なし、株主責任は問わないという寛大な措置でした
あれほど株主責任を厳しく追及していた竹中 木○コンビの豹変でした。

その翌日から外資の数千億単位の株式購入が連日のように続きました。
日本の国富が外資の手に落ちて行くのを私達は茫然と見ているしかありませんでした・・・。
私達は竹中によって株式をもっと売り払えと指導されていたからです。
__________

竹中平蔵がインサイダー情報を流して、外資が底値で日本株を大量に買ったのは有名な話です。
それで日本株の 1/4 が外資に乗っ取られました。
それを暴いたミラーマンこと植草一秀は痴漢冤罪で刑務所に入れられました。  
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/538.html#c2

[番外地8] マネーストックがいくら増えても経済破綻なんかしないんだよ。 中川隆
1. 中川隆[-10621] koaQ7Jey 2020年10月25日 05:54:21 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[5]
通貨の信用というのは通貨発行量によって価値が変わってくるという話さ
マネーストックがいくら増えても物価が上がるだけで経済破綻なんかしないんだよ。
大西さんが準拠しているエンデの経済論や地域通貨の話は古典派経済学の貨幣の中立説そのものです:
貨幣の中立説は貨幣量の増減は物価にだけ影響を与え、生産活動や雇用の増減などには影響を与えないとする説。古典派経済学の中心的な命題のひとつであり、中立説によれば、貨幣は社会的な分業や効率性をもたらす以上の役割はない。経済活動の本質は物々交換であり貨幣はその仲介を行っているにすぎず、貨幣量の増減は貨幣錯覚による混乱をもたらすが国富・国民経済の観点では中立的であり、国富の増大には貨幣量の拡大ではなく生産・供給能力の増強によるべきとした。

貨幣数量説は貨幣の中立性を前提にしており、物価の乱高下は流通貨幣量の管理によって押さえ込むことができるとする。

長期的には貨幣の中立性は成立し、金融政策は実体経済に影響を与えず、ただ名目変数を動かすだけであるという点では、新古典派経済学、マネタリスト、ニュー・ケインジアンの見解は一致している。

貨幣数量説
フィッシャーの交換方程式 MV=PQ

M : 貨幣量
V : 貨幣の取引流通速度
P : 物価
Q: 1期間における財・サービスの取引量

M : 貨幣量 = マネーストックの内、実際に市場で流通している金額
Q:取引量の総額 ≒ 実質GDP

フィッシャーの交換方程式 MV=PQ は
販売価格総額=購買価格総額
という恒等式だから誰も否定できない。
フィッシャーの交換方程式は取引経済の実態そのものの数式化であり、かならず両辺が一致する。

ミルトン・フリードマンに代表されるマネタリストは、Q/Vの構造に長期的な安定傾向を見いだし、短期的には貨幣の中立性が満たされないことはあるが、長期的には満たされるとする。このため貨幣量が増加すると一時的に実質GDPまで拡大することはありうるが、長期的には実質GDPは完全雇用できまる水準に低下し、物価Pの上昇をもたらすだけだと考える。Q/Vは一回あたりの発注ロット数の平均値をあらわすが、フリードマンは経済の期待成長力や期待収益率の多寡によって、1回あたりの受発注量が増減することは短期的に観察できる事実であるが、長期の統計においては安定した関係にあると実証した(この功績でノーベル賞を受賞)。

フィッシャーは、貨幣の流通速度:Vと1期間における財・サービスの取引量:Qは慣習的に(大きな)変動はないとみなした(実際はVを観測するのは非常に難しく、観測はほぼ不可能である)。だとすると、MV=PQの左辺のV、右辺のQが大きく変動しないのであるから、自明なこととして、この方程式においてMとPは常に比例することになる。そうであるならば、M(貨幣量)を増やせば、P(物価)も上昇することになる。あるいは、M(貨幣量)を減らせば、P(物価)も低下するであろう。そうだとすれば、政策論的に言えば、例えばある経済の物価を上昇させたいのであれば、貨幣量を増やせば物価が上昇させることができるとこの方程式から言えるだろう。あるいは、もし物価が下がっているならば、それは貨幣量が足りないからだということができるだろう。これが古典派の貨幣数量説の基本的な考え方である。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/467.html#c1

[番外地8] マネーストックがいくら増えても経済破綻なんかしないんだよ。 中川隆
2. 中川隆[-10620] koaQ7Jey 2020年10月25日 05:55:55 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[6]
通貨の信用創造というのは通貨発行量によって貨幣価値が変わってくるという話です。
マネーストックがいくら増えても物価が上がるだけで、絶対に経済破綻なんかしません。
大西さんが準拠しているエンデの経済論や地域通貨の話は古典派経済学の貨幣の中立説そのものです:
貨幣の中立説は貨幣量の増減は物価にだけ影響を与え、生産活動や雇用の増減などには影響を与えないとする説。古典派経済学の中心的な命題のひとつであり、中立説によれば、貨幣は社会的な分業や効率性をもたらす以上の役割はない。経済活動の本質は物々交換であり貨幣はその仲介を行っているにすぎず、貨幣量の増減は貨幣錯覚による混乱をもたらすが国富・国民経済の観点では中立的であり、国富の増大には貨幣量の拡大ではなく生産・供給能力の増強によるべきとした。

貨幣数量説は貨幣の中立性を前提にしており、物価の乱高下は流通貨幣量の管理によって押さえ込むことができるとする。

長期的には貨幣の中立性は成立し、金融政策は実体経済に影響を与えず、ただ名目変数を動かすだけであるという点では、新古典派経済学、マネタリスト、ニュー・ケインジアンの見解は一致している。

貨幣数量説
フィッシャーの交換方程式 MV=PQ

M : 貨幣量
V : 貨幣の取引流通速度
P : 物価
Q: 1期間における財・サービスの取引量

M : 貨幣量 = マネーストックの内、実際に市場で流通している金額
Q:取引量の総額 ≒ 実質GDP

フィッシャーの交換方程式 MV=PQ は
販売価格総額=購買価格総額
という恒等式だから誰も否定できない。
フィッシャーの交換方程式は取引経済の実態そのものの数式化であり、かならず両辺が一致する。

ミルトン・フリードマンに代表されるマネタリストは、Q/Vの構造に長期的な安定傾向を見いだし、短期的には貨幣の中立性が満たされないことはあるが、長期的には満たされるとする。このため貨幣量が増加すると一時的に実質GDPまで拡大することはありうるが、長期的には実質GDPは完全雇用できまる水準に低下し、物価Pの上昇をもたらすだけだと考える。Q/Vは一回あたりの発注ロット数の平均値をあらわすが、フリードマンは経済の期待成長力や期待収益率の多寡によって、1回あたりの受発注量が増減することは短期的に観察できる事実であるが、長期の統計においては安定した関係にあると実証した(この功績でノーベル賞を受賞)。

フィッシャーは、貨幣の流通速度:Vと1期間における財・サービスの取引量:Qは慣習的に(大きな)変動はないとみなした(実際はVを観測するのは非常に難しく、観測はほぼ不可能である)。だとすると、MV=PQの左辺のV、右辺のQが大きく変動しないのであるから、自明なこととして、この方程式においてMとPは常に比例することになる。そうであるならば、M(貨幣量)を増やせば、P(物価)も上昇することになる。あるいは、M(貨幣量)を減らせば、P(物価)も低下するであろう。そうだとすれば、政策論的に言えば、例えばある経済の物価を上昇させたいのであれば、貨幣量を増やせば物価が上昇させることができるとこの方程式から言えるだろう。あるいは、もし物価が下がっているならば、それは貨幣量が足りないからだということができるだろう。これが古典派の貨幣数量説の基本的な考え方である。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/467.html#c2

[番外地8] 菅首相。記者から、あらためて日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否した理由を問われる 中川隆
2. 中川隆[-10619] koaQ7Jey 2020年10月25日 07:19:17 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[7]
チャンネル桜の話は詭弁、日本学術会議自体の問題と菅首相の日本学術会議の会員任命拒否の正当性とは全く違う問題です:
10月21日、外遊先のインドネシア・ジャカルタで記者会見した菅首相。記者から、あらためて日本学術会議の新会員候補6人の任命を拒否した理由を問われると、こう言い放ったから驚いた。
「国の予算を投じる機関として国民に理解されることが大事だ。推薦された方々がそのまま任命されてきた前例を踏襲してよいのか考えた結果だ」

 オイオイ、ちょっと待て。最初に理由を問われた際には「総合的、俯瞰的に判断」と答えていたではないか。それが世論批判を受けて突然、「推薦リストを見ていない」と支離滅裂な言い訳を始めたかと思いきや、今度は「国民に理解されることが大事」だから理解不能だ。

 さらに、16日の日本学術会議の梶田会長との会談に触れた菅は「国民に理解されるように日本学術会議をよりよいものにしていこうと合意した」などと上から目線で開き直っていたが、一体どの口が言っているのか。

 問われているのは、日本学術会議の組織体制や学者の在り方ではない。理由も示さず、法律に反する形で任命を勝手に拒否した菅の認識、違法性だ。自分自身のデタラメを棚に上げ、さも学術会議側に問題があるかのよう論点をすり替える。これぞ自分の品性下劣を告白しているようなものだ。

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これが大学人のまっとうな見解 、チャンネル桜の話が詭弁だとわかります
日本学術会議問題について - 内田樹の研究室 2020-10-22


 日本学術会議の新会員任命拒否に対して、多くの学会が次々と抗議の声を上げ、政府と学術団体の対立は収束する気配がありません。 
 菅政権はなぜ発足早々にこのような政治的緊急性のない事案に手を出したのか。なぜ学術団体からの激しい反発を予測できなかったのか。単に「政治センスが悪い」というのも一つの解ですが、それよりは主観的には合理的な行動のつもりだったと考えたほうが引き出せる知見は多いと思います。
 菅政権が最優先する政治課題は「統治コストの最少化」です。どうやって統治コストを最少化するか。前政権の官房長官として首相が学んだのは、反対派の異論をすべて黙殺して、国民の間に政治に対する諦めと無力感を蔓延させるという手でした。
 安全保障関連法案でも、特定秘密保護法案でも、国民の過半数が「採決を急ぐべきではない」と意思表示する中、前政権は民意を無視して強行採決しました。選挙で勝った以上、全権は与党に託されたという理屈で譲歩を拒み、結果的に政権に批判的な国民の間に無力感と政治に対するあきらめを醸成することに成功した。
 反対派が無気力になり、政治活動をしても無駄だと思うようになれば、統治コストは最少化できます。菅政権は安倍政権で学んだその経験則を適用して、「反政府的な言説をなす者はいかなる公的支援も期待できない」ということを国民に叩き込んでやろうとして、日本学術会議の人事に手を突っ込んできた。すでに与党政治家、官僚、ジャーナリストは官邸に対する忠誠度によって「格付け」されるということに慣れ切っています。次は学者たちに同じルールを適用しようとした。どうせ無抵抗にこのルールを受け入れるだろうと思っていたからです。
 学者を黙らせることについては政府には成功体験の蓄積がありました。90年代以降、日本の大学人は教育行政に押し込まれて譲歩し続け、有効な反撃ができなかった。2014年の学校教育法の改正によって、大学教授会は権限のほとんどを奪われ、大学は学長が全権を掌握する株式会社的な組織に改編されたのですが、このときも大学人たちは組織的な抵抗ができませんでした。政権はこれを見て「学者というのは腰が弱いものだ」と思った。ですから、任命拒否も日本学術会議は無抵抗に受け入れると予測していた。
 しかし、このシナリオは学者たちの予想外にはげしい抵抗に遭遇して破綻ました。そればかりか『ネイチャー』や『サイエンス』のような海外の学術誌に報道され、世界の科学者は日本の新しい指導者は自由な学問研究を弾圧する反知性主義者らしいという印象を抱くに至った。これは国際社会における日本の知的・倫理的地位を一気に引き下げたという点で取返しのつかない失策でした。
 
 前政権で、国民が政治に無関心になると政権は安定するという教訓を学んだ新首相は、新政権では積極的に日本を「元気のない国」にする道を選びました。政界にも、官界にも、メディアにも、学界にも、どこにも権力に逆らうものがいない社会を作ろうとした。けれども、そのような社会は国力の衰微を代償にしてしか得られません。そして、日本学術会議への攻撃は「国力の向上よりも政権の安定を優先する」という判断が導いた結論でした。
「組織管理コストの最少化は《絶対善》であり、あらゆる目標に優先する」というのは現代日本を覆い尽くしている一種のカルトです。営利企業だけでなく、行政でも、医療でも、学校でも、その組織がいかなる「よきもの」を生み出すために創り出されたのかが忘れられ、代わりにその組織の管理コストをどうやって最少化するかが組織目的にすり替えられている。
「組織が当初の目的を見失って、組織防衛が自己目的化する」という倒錯はこれまでも官僚制ではよく観察されましたけれど、「組織が目的を見失って、管理コストの最少化が自己目的化する」という倒錯は私が知る限り歴史上はじめてのものです。バブル崩壊以後、新しい価値を生み出す力がなくなった組織はどこも「どうやって管理コストを削減するか」を考える部門が中枢を占めて、あらゆる政策決定を仕切るようになった。
 本来は話が反対なんです。どういう「よきもの」をこの世にもたらし来すためにこの組織は作られたのか、それが組織について考えるときの原点です。その次に、メンバーが路頭に迷わないようにどうやって組織を守るかを考える。そこからさまざまな創意工夫や冒険的なイノベーションが生まれる。でも、いまの日本の組織はどこも「管理コスト削減原理主義」という病に罹患しています。その結果、組織が負託された使命を果たせないほどに痩せ細ってしまった。あらゆる組織が上意下達の「効率的な」組織に改変され、メンバーはイエスマンであることを優先的に求められ、そうやって「暴君とイエスマン」だけで構成される組織ばかりになった。もちろん、そんな組織からは新しいものはもう何も生まれないし、そもそも存続することさえおぼつかない。

「日本学術会議のことなんか象牙の塔の問題だ」とメディアも市民も「対岸の火事」として眺めているようですが、いまの学者たちの抵抗は日本社会が「イエスマン以外には居場所がない」ものになってゆく流れに対するぎりぎりの防衛線です。これを座視していれば、遠からず日本は、上位者に対する忠誠度だけを「ものさし」にして全員が格付けされる「おべんちゃら社会」になり果てるでしょう。

 学者がエビデンスや論理を軽んじて、ときの政権におもねるような研究結果を出し始めたら、もう日本の学術は終わりです。それは単に象牙の塔の威信が失われるというだけでなく、日本発のあらゆる情報に対する国際的な信頼性が損なわれるということです。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/536.html#c2

[近代史5] 中国の GDP の嘘を暴く
中国の GDP の嘘を暴く


橋洋一チャンネル 第14回 中国統計の嘘を暴く!中国経済崩壊のシナリオ
2020/10/21





10-25 アメリカ議員の発言は誇張ではなかった
2020/10/25




http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/340.html

[近代史4] 東証1部 公的マネーが大株主 8割 
<朝日新聞、1面トップ!>公的マネーが大株主 8割 東証1部 4年で倍増、1830社に GPIF・日銀 
http://www.asyura2.com/20/hasan134/msg/758.html


※2020年10月23日 朝日新聞1面トップ 
※2020年10月23日 朝日新聞2面 


公的マネーが大株主 8割 

東証1部 4年で倍増、1830社に GPIF・日銀

 年金資産を運用する国の独立行政法人と日本銀行が、東証1部企業の8割にあたる約1830社で事実上の大株主となっていることが朝日新聞などの調べでわかった。4年前の調査時から倍増した。巨額の公的マネーは実体経済と乖離(かいり)した株高を招き、「官製相場」の側面が強まっている。「安定株主」として存在することで企業の経営改善に対する努力を弱める恐れがある。▼2面=巨大化する官製相場

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀の3月末の保有分を、東京商工リサーチとニッセイ基礎研究所の井出真吾氏の協力を得て朝日新聞が推計した。GPIFと日銀は信託銀行などを通じ、日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの指標に連動した金融商品を買っている。こうした指標に含まれる銘柄の株主名簿に名前は出ないが、間接保有している。

 大量保有を報告する基準の5%以上を大株主としてみると、東証1部2166社(3月末時点)のうち約1830社で公的マネーが大株主になった。両者の間接保有分が10%以上も約630社。最も高いのは半導体大手アドバンテストの29・0%で、20%超も28社にのぼる。保有額全体ではGPIF36兆円、日銀31兆円と計67兆円分。東証全体の時価総額の12%を占める。

 2016年3月末での同様の調査では、両者が5%以上持つ企業は約980社で、4年でほぼ倍増。当時は時価総額全体の8%の約40兆円分だった。今年3月末では67兆円に膨らみ、公的マネーが株式市場でより巨大化した姿が調査でわかった。GPIFのような年金資産の運用機関が株を買うのは海外でも一般的だが、中央銀行による購入は国際的に異例の対応だ。日銀は10年12月から、幅広い銘柄を組み合わせた金融商品「上場投資信託(ETF)」を買い始めた。13年3月の黒田東彦総裁就任後に大きく拡大。GPIFも14年から、国内株での運用比率を上げている。

 GPIFの株購入は、年金資産をより増やすためだが、日銀はお金を市場へ流す金融政策として実施している。コロナ禍で株価が急落し、今年3月にはETF買い入れを最大年12兆円へ倍増すると決めた。

 日銀の保有額は急増し、今年度中にもGPIFを抜き、日本の株式市場の事実上最大の株主となる見通し。公的マネーは東証1部の企業全体など幅広い銘柄に投じられるため、業績とは関係なくどの企業も一様に上がり、株価全体を底上げする。こうしたひずみは経営者の規律を失わせるなど弊害も生む。

 東京商工リサーチの友田信男・情報本部長は「公的マネーが株価を支えることで、業績が株価に反映されにくくなり、企業に対する経営監視の目が行き届かなくなっている」と話す。(座小田英史、寺西和男)

■例えば、こんな企業の大株主に

 ファーストリテイリング       22.1

 ソフトバンクグループ        15.3

 三菱UFJフィナンシャル・グループ 14.1

 ANAホールディングス       13.5

 トヨタ自動車            10.4

 日産自動車              8.6

 実質的な持ち株比率で、単位は%
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1127.html

[近代史4] 三島由紀夫の世界 中川隆
7. 中川隆[-10618] koaQ7Jey 2020年10月25日 08:36:12 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[9]
モーリス・ベジャール『M』解説:三島由紀夫という「起源」
2020-10-25
http://blog.tatsuru.com/2020/10/25_0808.html


東京バレエ団が三島由紀夫没後50年を記念して、モーリス・ベジャール振付、黛敏郎作曲の『M』を上演した。公式パンフレットに寄稿を依頼されたのでDVDで最初の公演の映像を見て、次のような文章を寄せた。

 三島由紀夫は「三島由紀夫」というヴァーチャル・キャラクターをきわめて精密に彫琢したことで作家として奇跡的な成功を収めた。

 もちろん、どんな作家も、程度の差はあれ、謎めいた「虚像」を読者の前に掲げることでその作品の魅力を上積みしている。別に作家自身が仕掛けなくても、読者や批評家たちが進んで「虚像」を作り込んでくれる。それは作家が凡庸で世俗的な人物であるよりミステリアスな存在である方が読者の快楽が強化されるからである。作家にいくつもの相貌があり、いくつもの地層があることを私たちは読者として素朴に願う。だから批評家たちの主務は「この作家は諸君の知らない一面を隠し持ち、諸君が気づかぬ屈託や欲望を抱え込み、諸君が見落としているメッセージをひそかに発信している」という仮説を提示することになるのである。それは「謎解き」というよりはむしろ「謎をふやす」ことに等しい。批評家の仕事は実はそれなのである。それが作品の魅力を増し、読者を引き寄せ、出版社の売り上げに結びつく限り、作家と批評家はある種の「共犯」関係にあると言ってよい。

 三島由紀夫の独自性はそのような共犯関係を峻拒したことにある。三島由紀夫は批評家や読者によって「謎解き」をされることも、作家の許可なしに勝手に「謎を加算されること」も、どちらも拒絶した。その拒絶の仕方はまったく独特のものだった。

 彼は自分にまつわるすべての「謎」を最初から自作したのである。これから先、彼の死後も、自分に関して「解かれたり、付加されたりする」であろうすべての「謎」を批評家に先立って網羅的にカタログ化し、それを「決定版」として残そうとしたのである。

よくこんな不思議なことを思いつくものである。それは三島の作家的矜持のなせるわざであったと同時に彼の超絶的な知性が切望したものだったと思う。「そのようなことをなしうる作家は文学史上私以外にいない」という圧倒的な自負が三島由紀夫を「三島由紀夫を造形する作業」に駆り立てたのだ。

『仮面の告白』について三島自身はこう書いて、自らのテクスト戦略を明かしてみせた。

「多くの作家が、それぞれ彼自身の『若き日の藝術家の自畫像』を書いた。私がこの小説を書かうとしたのは、その反對の欲求からである。この小説では、『書く人』としての私が完全に捨象される。作家は作品に登場しない。しかしここに書かれたやうな生活は、藝術の支柱がなかったら、またたくひまに崩壊する性質のものである。従ってこの小説の中の凡てが事實に基づいてゐるとしても、藝術家としての生活が書かれてゐない以上、すべては完全な仮構であり、存在しえないものである。私は完全な告白のフィクションを創らうと考へた。」(「『仮面の告白』ノート」)

「『書く人』としての私」とは実在の平岡公威のことである。彼はそれが「完全に捨象される」ような私小説を書くことで、その小説の作家として作品のあとに登場してくる三島由紀夫という、「完全な仮構」「存在しえないもの」を虚空のうちに造形したのである。

 わかりにくい話で申し訳がないが、そんな変なことを考えて実践した作家は三島以前にも以後にもいないのだから、話がわかりにくくなるのは仕方がない。
 作家は作品の前にいるのではなく、作品の後に、事後的に、仮構された起源としてはじめて登場してくるという知見自体は三島の創見ではない。モーリス・ブランショはこう書いている。「作家はその作品によってはじめて自己を見出し、自己を実現する。作品以前に作家は自分が誰であるかを知らないばかり、存在しさえしないのだ。彼は作品に基づいてしか存在しない。」(『文学と死ぬ権利』)

 三島由紀夫はその作品が書かれる前には存在しなかった。平岡公威は三島由紀夫に命を吹き込み、三島由紀夫という作家に「作品の起源」の座を譲るという仕方で姿を消した。後に残されたのは三島由紀夫という「あたかも全作品の創造主であるかのように仮構された被造物」である。三島由紀夫についてのすべての「謎」もまた「三島由紀夫の謎」として計画的に製作されたものなのである。作品だけでなく、彼が造型した肉体にも、写真や映像にも、政治的行動にも、三島由紀夫の日常生活の挙措のすべてに、目を凝らして見れば「製造元・三島由紀夫 不許複製」という刻印が押されている。それはもはや「書く人」のいない完全な虚構であり、それゆえ完全な芸術だったのである。

 だから、三島由紀夫の全生涯をいくつかの特権的な図像的主題に凝集させてバレエ作品に仕上げるというモーリス・ベジャールの仕事も、三島の生涯をいくつかの特徴的な音楽的主題にとりまとめるという黛敏郎の仕事も、二人のクリエイターに「これは三島という巨大な存在を切り縮めることにはならないだろうか?」という不安をもたらすことはなかったと思う。むしろ、これは二人にとって心楽しい作業だったはずである。それは「三島由紀夫という主題」を選定して、いくつかの特権的な主題や言葉や図像にとりまとめ、「これが三島由紀夫だ 決定版」カタログをあらかじめ作り置きしておいたのは作家自身だったからである。

 ベジャールも黛も、「三島が作り置きした三島由紀夫についての物語」に忠実に準拠してそれぞれの作品を創り上げた。この仕事は「死せる三島と共同作業をしている」という高揚感を彼らにもたらしたはずである。そして、それこそが三島由紀夫からの後世への気前の良い贈り物に他ならなかったのである。

 モーリス・ベジャールはみずから解題して、「M」は「謎(mystère)のM」だと語った。「Mが何を意味するかは誰も知りません。ですから、ひとりひとりの観客は物語の意味を、自分にとっての神話(mythologie)を自分自身で見出さなければなりません。」

 ベジャールはにこやかにこう語った。このような言葉は「『M』を見た観客たちは物語の意味を、自分にとっての神話を必ず見出し得るであろう」という自信なしには出てこない。ベジャールが自信を持っているのは、自分が独特の三島解釈を下したわけではなく、三島自身が手ずから創り上げた「三島解釈」に忠実に従って振り付けたことに確信があるからである。そうである以上、仮に三島由紀夫が冥界から甦ってこの舞台を見ても、きっと深く満足して破顔一笑するに違いないという自信がベジャールにはあった。

 死んだあとでさえ、三島由紀夫については、誰にも謎解きすることも、謎を付加することも許さない。その死せる作家の強烈な意志がこの舞台をすみずみまで貫いている。そのような法外な意志を死後半世紀のちにまで貫きとおすことのできた作家を私は文学史上三島由紀夫の他に知らない。

http://blog.tatsuru.com/2020/10/25_0808.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/451.html#c7

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(1)たまさんの絵
執筆者:寺島英弥 2019年8月15日
https://www.fsight.jp/articles/-/45747


ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供)

 内外の街や島を焼き、同胞約300万人以上の犠牲を生んだ日本の敗戦から、75年目の夏が訪れた。

 軍部が反対勢力を一掃して政治をわが物にし、国民の統制と総力戦へ舵を切る転機といわれるのが、1936(昭和11)年に起きた「二・二六事件」。天皇に弓引いた叛乱と陸軍から宣伝され、戦後はファシズムの時代の先兵と目された青年将校らの素顔も、蹶起と刑死の真実も、いまは歴史と忘却のかなたにある。

 その当時を知る生き証人だった遺族の女性が6月末、104歳で他界した。

 長い沈黙を越えて語り部となり、兄である青年将校の言葉を伝え、戦前という時代と現在を重ねて事件の意味を問い続けた。20年の取材の縁をいただいた者として、終生の思いの一端を記していきたい。

鬼気迫る遺品の絵の情景
「母が、絵のようなメモを残したんですよ。亡くなる少し前、1人で何かを一生懸命にかいていて。私は初めて目にするものでした」

 青森県弘前市に住む波多江多美江さん(70)から、こんな電話をもらったのは7月7日だった。

 その前月29日、老衰のため104歳で眠るように他界し、お葬式が4日前に行われたばかりの母親、たまさんの遺品だという。速達で送られてきた「メモ」は掛かり付け医院の領収書の裏にかかれた、子どものような筆致の鉛筆画だった。三角屋根らしいものが5つ並んだその絵を眺めるうち、にわかに鬼気迫るものが込み上げた。筆者がこれまで、たまさんから何度となく語り聞かされた情景だったからだ。

 5つの三角屋根は、5張りのテント。中に長方形の箱が描かれ、その前にたくさん並んだ◯印は人の列らしい。鉛筆を握る力も弱くなっていたのか、少し震えたような字のメモはこう記してあった。

「5つ 遺体」

「まだ暖(か)かった 寝(ねむ)っているようだった」

「安田さんは、デスマスクを取っていた」

「テント 私達は少し待たされた」

「一度に五人ずつ銃殺 午前中に15人」

「暖(か)い遺体 焼場え(へ)急ぐ」


たまさんが残した絵とメモ。83年前の処刑後の遺体引き渡しの場
 読み取れた場面は83年前。1936年の7月12日の朝、現在の東京都渋谷区宇田川町の渋谷税務署や『NHK』の一部に重なる場所で、15人の青年将校らが銃殺された。

 戦前は陸軍衛戍刑務所があり、処刑場はその一角だった。

 彼らは同年2月26日の早朝、武装した約1500人の兵士を率いて首相官邸などを襲撃し、昭和天皇の重臣であった斎藤実内大臣、高橋是清蔵相や同じ陸軍の渡辺錠太郎教育総監らを殺害。永田町、三宅坂、溜池山王、赤坂見附などの一帯を占拠したが、3日後、陸軍部隊に包囲され、叛乱事件として鎮圧された。

 青年将校らと民間人の参加者は、東京陸軍軍法会議の「非公開、弁護士なし、一審のみ」の裁判に掛けられ、7月5日、「首魁」や「謀議参与又は群衆指揮」の罪状に問われた17人に死刑判決が下された。

 処刑はわずか7日後の7月12日。

 衛戍刑務所の北西隅に5列の壕が掘られ、煉瓦塀を背に正座用の十字架が立てられ、約10メートルの距離で銃架が据えられた。小銃がそれぞれ2挺固定され、額への1発目で即死しなければ心臓へ2発目を撃つよう照準されたという。

 その朝に処刑されたのは15人。遺族の河野司さん(故人)が編んだ記録集『二・二六事件』(1957年、日本週報社)に所収された当日の処刑指揮官の1人、山之口甫氏(歩兵大尉)の証言によると、青年将校らはカーキ色の夏外被姿で目隠しをされ、監房から5人ずつ刑場に連行された。

 午前7時に、香田清貞歩兵大尉、安藤輝三歩兵大尉、竹島継夫歩兵中尉、対馬勝雄歩兵中尉、栗原安秀歩兵中尉。「天皇陛下の万歳を三唱しよう」と香田大尉が呼びかけ、「天皇陛下万歳」の三唱が続いた後、射撃指揮官の手の合図で一斉に引き金がひかれた。

 同7時54分には丹生誠忠歩兵中尉、坂井直歩兵中尉、中橋基明歩兵中尉、田中勝砲兵中尉、中島莞爾工兵少尉、最後は同8時30分に安田優砲兵少尉、高橋太郎歩兵少尉、林八郎歩兵少尉、民間活動家の渋川善助、水上源一が銃弾を受けた。外の代々木原から、処刑の音をカムフラージュするような演習部隊の射撃音がひっきりなしに聞こえたという。

 一部始終を実見した刑務所看守、林昌次氏の同書の証言によれば、

〈銃弾の発射後、軍医駆けつけ脈を取り、絶息せば死体収容所に運んで並べ清拭して、更に安置所に運んで遺族に渡す〉

 という手続きが取られた。波多江たまさんは、青年将校の1人、青森県出身の対馬勝雄歩兵中尉=享年28=の妹だ。

 安置所とは、刑務所の外に仮設された5張りの三角屋根のテントのことであろう。

 不思議な絵とも見えるたまさんの遺品は、当時は極秘とされて写真も残されていない場面を焼き付けた「記憶の証言」だった。

(注・2回目の処刑は翌1937年8月19日、村中孝次元陸軍歩兵大尉、磯部浅一元陸軍一等主計、民間人の西田税元陸軍少尉、北輝次郎が銃殺された)

兄「対馬勝雄」中尉
『邦刀遺文』という書物に出会った。「邦刀」(ほうとう)と号した対馬勝雄中尉への、妹のたまさんら遺族の追憶と、旧仙台陸軍幼年学校に入った14歳から死までの日記や手紙を上下巻につづってある。

 1991(平成3)年に世に出たという。

「なぜ、二・二六事件から半世紀以上も過ぎてから……」

 それを問うため、弘前に向かった。1999(平成11)年2月のことだ。

「あの事件の後、対馬の妹であることを隠して生きてきた」

 波多江たまさん(84、当時)は、語り始めた。

「戦前は、天皇に弓を引いた『国賊』、敗戦後は『軍国主義の先兵』と言われ続けて」

 二・二六事件を扱った本だけは出版の度、ひそかに読んだ。が、さまざまな“真相”の誤りを見つけては、「兄の真実を伝えたい」との思いを募らせたという。

〈『私』なく、貧しい人々を思う、優しい兄でした〉

 この一文は、『河北新報』連載『時よ語れ 東北の20世紀』第6回目に載った「リンゴ花 解かれた時の封印 二・二六に散った兄の真実」(1999年8月5日)という記事の冒頭だ。

 筆者の新聞記者時代、たまさんを弘前に訪ねたのが連載開始の半年前だった。世紀の遷(うつ)り目に東北の100年史をたどる取材行で、二・二六事件に参加し処刑された対馬中尉の名と、当時84歳の妹さんのご健在を初めて知った。遠い暗い時代の歴史の本に記された事件を、そして、貧しかった東北から蹶起した兄を、いまも終わらずここにある出来事、いまもここで共に息づく家族として語るたまさんに、人生を懸けて「真実」を伝える使命を背負った人の覚悟を見た。


波多江たまさん。元気に外出した姿の最後の写真=2019年4月8日、青森県弘前市の自宅前(筆者撮影、以下同)
 以来20年、春夏秋冬の岩木山を仰ぐJR奥羽本線の電車で弘前へ何度旅し、会うたびに遠くなる耳に「たまさん」と呼びかけながら兄と事件の話を聴かせてもらったか。

 毎朝の新聞やテレビのニュースを欠かさず確認し、この時代、この社会、この国の政治の有様を見つめる視線の鋭さ、厳しさ、若い世代の行く末を憂うる言葉の重さ、深さは、まさに百余年を生きて、兄が殉じた戦前の昭和という時代を重ねて見ることのできる人ゆえだ、と感じた。

 未来を左右する政治への関心、平和の大切な価値を若い世代に問う長文の新聞投稿コラムを寄せてくれたこともたびたびある。そして、折々にもらった手紙は70通を超える。多美江さんから「母がいよいよ危ない」と伝えられてから、それらの手紙を読み返した。

二・二六事件の真実とは
東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所事故の取材に筆者が明け暮れていた2012年。7月3日の消印で届いた手紙は、たまさんの好物、山形のサクランボを送ったことへの礼状だった。被災地の人々への心配と見舞いの言葉、東北の実りの季節の話題から、手紙は突然、「さて、サクランボを前にして兄の思い出がよみがえりました」と二・二六事件の記憶へ続いていった。

〈今すぐ亦(また)七月十二日が(事件の刑死者の慰霊)法要です。牢(衛戍刑務所)に入っている兄に、弘前の小父がサクランボを沢山カゴに入れて東京に来ました。然(ただ)しそれは間に合いませんでした。お盆にのせられたサクランボを見つめたまま、誰れも手を出さず、口も開かず、只眺めていたのを思い出します〉

〈軍人は国を守る者と、それをのみ願って死にました。私が今、刑死した若者達のあまりの純真さに驚くと共に、言葉がありません。(中略)部下が血を流して得た其の土地(旧満州のこと)を、財閥が引き受けて大もうけをしたのなら、其の何分のいくつかを戦死者の家族に、と云うのが兄達の考えでした。兄は戦地から毎日のように父に便りを送って来ました。それは明日がないと思ってのことでした。従って、功でいただいた物は全部、(部下の兵士の)方々にあげていまして、お金も殆ど其のために使い果たしていました〉

〈残っている(兄や青年将校らの)手紙等を見てびっくりでした。刑死した人の考え方は十人十色でしたでしょうけれど、国を思う心は皆同じだったのです。自己責任を通して亡くなった兄を私は誇りに思います。(中略)そして自分は命以上に国にささげる物はない共、そして、このままでは日本は駄目になる共、戦争の拡大は望まない共云っています。只々 天皇と国しか考えていない。其の国を守るには、兵士と其の家族を大事にしなくてはならない、と〉

〈今の人々はあまりに、あの頃が判っていません。この事件を追及してゆくと、農村(の貧困と苦境)に行きつくのです。お金持ちの子は兵役を逃れていました。戦地に行った兵は農家の子供達が多く、それも一軒から二人も三人も出征しているのです。(中略)農地はどうなりますか。(青森から上京して)二十年近く東京に住んで、戦争で丸裸で故郷に疎開した私は、二十年前と少しも変わっていない青森の農家を見て絶句しました。農家なのにお米が食べられない、カヤもない。シラミとノミで、アメリカの飛行機よりも困ると母が云いました。農家の窮状は目をおおうばかりでした〉

〈兄は何処迄も(天皇)陛下を信じていました。(昭和維新のための蹶起に)お許しが出たら、赤飯をたいて祝ってくださいと云って亡くなりました。(教育勅語の忠孝の道そのままに生きようとした)兄にしてみれば、この赤飯がせめてもの親孝行だったのでした〉

 しかし、対馬中尉が最後に願った赤飯は、ついに一家で炊かれることはなかった。

銃殺刑「執行の朝」に
 古来あるべき天皇親政の理想を妨げ、政治権力と大資本を私し、皇国の行く末を誤らせる元老、重臣、官僚、軍閥などの奸臣を討ち、国家を改造し統帥権の名の下に国防を充実させ、大凶作にあえぐ東北の農村をはじめ国民の窮乏を救う――。

 大化の改新や明治維新にならい「昭和維新」断行を掲げた青年将校らの行動は、しかし、〈朕が最も信頼せる老臣を悉く倒すは、真綿にて朕が首を締むるに等しき行為〉と昭和天皇の怒りを招いた(『本庄日記』原書房、本庄繁侍従武官長著)。

 青年将校らが敵視した、「統制派」と呼ばれた陸軍主流派からは国家反逆の徒と貶められて発表され、昭和維新の志を同じくした仲間も根こそぎ軍事裁判で罰せられ、軍を追われた。彼らの訴えは銃弾と封殺によって闇に葬られ、沈黙を強いる監視が遺族にも及んだ。

 たまさんの思いは、世の中で起きること、身の回りのささやかな出来事も、兄と二・二六事件、それを生んだ苦難の時代への記憶につながった。そして、蹶起という行動にしか行き着けなかった兄の生きざまと死を、繰り返し手紙につづり、語り続けた。誰よりも兄の純粋さを信じるがゆえの無念と苦痛が、遺体引き渡しの場面を、その象徴のようにたまさんの目と心に焼き付け、104歳になるまでフラッシュバックさせてきたのだろう。

 たまさんが亡くなる2カ月と少し前、今年4月8日に弘前の自宅を訪ねた時も、死に至る病になった喘息のような苦し気な肺の音を漏らしながら、83年前のあの朝の光景を話した。

「7月12日の朝は、誰も気づかないくらい静かに霧雨が降っていた。母(なみさん、故人)が憔悴したようなすごい顔で、2階から寝間着で降りてきた」

 当時、東京で働いていたたまさん、姉たけさん(故人)が住んでいた四谷箪笥町の借家でのことだ。

 死刑判決が発表された7月7日から家族の面会が許され、青森市の生家、対馬中尉の妻の実家の両親らが連日、陸軍衛戍刑務所に通っていた。

 5日目の12日は日曜日に当たり、「面会はお休みです」と看守から告げられていた。しかし、母なみさんはこう話したという。

「けさ早く、軍服を着た勝雄(対馬中尉)が枕元に座り、一言も言わずにじっと私を見ていた。別れのあいさつに来たんだ」

 そして、階段にへたり込んだまま動けなくなった。なみさんは霊感が強かった。東北で昔から「シルマシ」と呼ぶ、死者からの知らせだったかもしれない。

 ほどなく午前8時ごろ、玄関ががらっと開いて憲兵たちが死刑の執行を伝達に現れ、「遺体を引き取りに来るように」と冷たい事務的な口調で通知書を置いていった。

 あまりのことに両親姉妹の誰も口をきけず、炊いたご飯も食べられなかった。

 しばらくして迎えに来た憲兵の車に、霊柩車を用意して付いていくと、広い原っぱに着いた。代々木原練兵場だった。現在の代々木公園から宇田川町までの一円を占めた練兵場に衛戍刑務所は接し、その門外に三角のテント群の遺体安置所は設けられていた。

「前の晩からシトシト、音もなく降っていた雨がからりと上がって、濡れた芝草の野に日が差し、まるでダイヤモンドがまかれたみたいにキラキラと光っていた。霊柩車も並んでお祭りのようだった」

 たまさんは、その情景がいまも忘れられないと言った。

「最初に案内された刑務所の部屋で所長さんが兄の最期の様子を話してくれた。どの将校も取り乱した姿はなく、立派だったと。外の安置所の前には他の遺族たちも並んでおり、順番で私たちが案内されたテントの中に、木のテーブルに載った白木の寝棺があった」

供養続ける「仏心会」の人々
 83年前も、ちょうどこんな梅雨空だったのだろう。細かい霧のような雨が、衛戍刑務所の処刑場があった場所を濡らしていた。

 今年7月12日の午前9時すぎ。渋谷税務署の角の緑の中、右手を天に掲げて観音像が立っていた。


7月12日の二・二六事件慰霊像。83年前の処刑の朝のような細い雨が降った=東京・渋谷
 台座を囲む赤いレンガの壁は、銃声が響き渡った朝そのままに処刑場を生々しくしのばせる。白い木柱には「二・二六事件慰霊碑」の文字。涙雨に包まれたかのようなその場所を、都会の慌ただしい朝は誰にも気づかせてくれない。

 道路向こうの『NHK』の南門へ、通る人の群れが吸い込まれていく。観音像の下に焼香台があり、そこに花束を供え線香を上げる喪服の男女がいた。青年将校らの遺族会「仏心会」有志だった。

〈昭和維新の企画壊えて首謀者中、野中(四郎)、河野(寿)両大尉は自決、香田、安藤大尉以下十九名は軍法会議の判決により、東京陸軍刑務所に於て刑死した。

 この地はその陸軍刑務所の一隅であったり、刑死した十九名とこれに先立つ永田事件の相沢三郎中佐が刑死した処刑場の一角である。

 この因縁の地を選び刑死した二十名と自決二名に加え、重臣、警察官この他事件関係犠牲者一切の霊を合せ慰め、且つは事件の意義を永く記念すべく、広く有志の浄財を集め、事件三十年記念の日を期して慰霊像建立を発願し、今ここに竣工を見た。

 謹んで諸霊の冥福を祈る。昭和四十年二月二十六日 仏心会代表 河野 司 誌〉

(注・相沢三郎中佐は仙台市出身。昭和維新の運動に深く共鳴し、二・二六事件に先立つ1935=昭和10=年8月12日、運動の敵対者と目された陸軍統制派の中心人物、永田鉄山軍務局長を斬殺。蹶起将校らの処刑の9日前、同じく衛戍刑務所の刑場で銃殺された)

 慰霊の観音像の台座にある碑文の一節である。仏心会は、青年将校ら15人の1回目の処刑から3カ月余り後の1936(昭和11)年秋、栗原安秀中尉の父で陸軍大佐の栗原勇さん(故人)が世話役となって生まれた遺族の会だ。

 往時の代々木原練兵場は敗戦後、米軍に接収されて「ワシントンハイツ」という軍用住宅地とされ、衛戍刑務所跡地は赤レンガの壁を残したまま、米軍車両のモータープールに利用された。1964(昭和39)年にアジア初の東京オリンピックが開催されるのを機に練兵場跡地の日本への返還が決まり、仏心会の人々は念願とした刑場跡への供養碑建立を計画した。

 旧大蔵省、東京都、渋谷区との交渉を重ね、建設資金も募り、建築家川元良一氏(代表作に同潤会アパート、九段会館=旧軍人会館など)、弘前市出身の彫刻家三国慶一氏の協力を得て、二・二六事件から29年後に建立、序幕を迎えた。遺族の先頭になって実現に奔走した2代目の代表が、自決した河野寿大尉の兄、司さん(故人)だった。

 同じ日の午後1時、港区元麻布にある曹洞宗賢崇寺。本堂の須弥壇に「二・二六事件関係物故者諸精霊位」の大きな位牌があり、その隣には、「空」(成仏の意)の字の下に「二十二士」の戒名が刻まれた位牌が並ぶ。

 対馬中尉の戒名は「義忠院心誉清徳勝雄居士」。

 在りし日の軍服姿の遺影がずらりと、須弥壇を挟んだ両側の白壁に飾られた。

 昭和もはるか遠くなった2019年の雨の東京の片隅で、仏心会の遺族たちによる今年の慰霊法要が行われた。

同じ境遇を背負った遺族
〈当山(賢崇寺)は今より三百二年前、鍋島藩三代の主 忠直公の菩提を弔う為に建立し、其のご戒名、興国院殿敬英賢崇大居士に因み 興国山賢崇寺と号される。爾来、江戸に於ける同藩の菩提所として、代々藩主の帰依甚だ厚し。現時の住職は藤田俊訓師とす〉

 栗原勇さんが1936年11月、遺族の参詣のためにガリ版で刷った『興国山賢崇寺累説』の文章である。

 鍋島家代々の墓所がある佐賀ゆかりの寺で、29代の藤田俊訓住職(故人。戦後に駒沢大学学監=副学長)も、檀家だった栗原さんも佐賀人だ。

 蹶起将校の栗原大尉、同じく佐賀出身だった香田大尉、中橋中尉、中島少尉の墓とともに、境内の刑死、自決した全員が合祀された「二十二士之墓」がある。


7月12日、賢崇寺で仏心会が催した二・二六事件の青年将校らの法要。壁際に遺影が並ぶ=東京・麻布十番
 7月12日の命日、そして2月26日に催される事件全関係者の慰霊法要の際も、仏心会の人々はこの墓に手を合わせ、花を手向ける。その長いつながりの機縁は、青森市の対馬家にも届いた1936年8月24日付けの手紙だった。

 母なみさん宛の封筒には、二・二六事件の後、得度し僧籍に入って如山と号した栗原勇さんの手紙と、刑死、自決した22人の法号、その遺族たちの住所を記した名簿が、それぞれガリ版刷りの1枚紙で入っていた。

 生前のたまさんから読ませてもらった手紙にはこうある。

〈今次の事変の為には、お互に甚大なる有形無形の損失を受けまして、何とも彼ともお慰めの言葉はありません。たゞ/\、我子の為に泣き同志達の為に涙にくれるのみであります。

 然しながら、私は安秀の親たる責任から、既に得度しある立場から、在京の便宜から……等何かと好都合かと考えまして、僭越ながら暫くの間、私にお世話させて頂きたい、必ず捨身となって犬馬の労に服します。

●今後は心から睦まじい親類のような懇親を結びませう。而して誠心誠意を以って慰め合ひ、且つは失礼か知れませんが、若しも生活苦のお方がありましたら、互に一飯を分かつことに致しませう。

●故人の諸英霊は、確に佛陀の御慈悲に救はれ給ひ、既に極楽浄土の一座に成佛せられて居ります。これからお互に佛心を深め清浄無垢の心情を以って永代の御回向に勤めませう(後略)〉

 事件から間もないころの遺族の心情、仏心会の命名のいわれも、つづられた言葉からよく伝わる。

 遺族たちは代々木練兵場でのわが息子、兄弟の遺体引き取りの場で、突然の逆境に突き落とされた当事者として初めてあいさつを交わした。その折、栗原さんが世話役になって互いの連絡のことなどの声を掛け、遺族たちは感泣し心を合わせた、と河野司さんは記している。

〈同じ立場の心の苦しさ、第三者にはとうてい理解できないこの深刻な苦悩は、同じ境遇の者同士でないと解ってもらえないことだった〉(『ある遺族の二・二六事件』河出書房新社、河野司著)

 悲嘆と苦しみの輪に、まだ21歳のたまさんもいた。

最後のあいさつの手紙
 賢崇寺での仏心会(現在は一般社団法人。香田忠維代表理事)の慰霊法要に、筆者が初めて出席させてもらったのは今年の2月26日。ずっと以前から長旅ができなくなっていたたまさんの名代を兼ねての参列だった。

 たまさんは2月の法要には欠かさず弘前の親しい農家が収穫した津軽リンゴを送っており(7月にはリンゴジュース)、「波多江たま」と記された大きなリンゴ箱が須弥壇の両側に供えられていた。

 俊訓師の孫の藤田俊英住職の供養の読経と、代替わりした遺族らの焼香の後、仏心会の監事で司会役の今泉章利さん(69)が各地にいる遺族の近況を報告し、「皆さんに伝えてほしい」とたまさんから届いた手紙を読み上げた。

 今泉さんは、父義道さん(故人)が近衛歩兵第三連隊の少尉として二・二六事件に参加し、禁固刑に処せられた。世話人の1人として、たまさんとも懇意にしていた。慰霊法要の日への手紙は、それが仏心会の長年の仲間たちへの最後のあいさつになると予期していたのかもしれない。

 手紙で語られたのは、やはり、遺体引き渡しの朝の情景だった。案内された天幕の下には白木の寝棺。

〈白(い着物)を着て頭部を幾重にも厚くして繃帯して、私の兄は眠るように、おだやかな顔でしたが、見えているところは赤、紫に血走っていましたが…〉

 腫れ上がった顔の包帯で隠された額に血がにじんでおり、そこに銃弾を撃ち込まれたと分かった。

〈母は右手をにぎりしめ、私達は左手をにぎりしめました。まだ暖かく、全く硬直もして居らず、昼寝でもしているような感じでした。私達は涙いってきもなく眺めてるだけでした。父は口をとじたまま眺めていました。涙は、こおりついたのでしょうか〉

 死者と遺族へのさらに酷い扱いは、息を引き取って間もなく体が温かいままなのに、永の別離を惜しむ暇も与えられず埋葬証書を渡され、憲兵から火葬場へと急がされたことだ。

 対馬中尉の骨箱を家族が守って青森に帰る列車の中や、東北線の途中の駅々にも憲兵が張り込んで、誰も接触できないようにした。

 実家の通夜、葬式も憲兵、特高(特別高等警察)が監視し、弔問客を調べたり、追い返したりした。

 悲しみを人に語ることも、戒名を刻んだ墓を建てることも許されず、「天皇に弓引いた逆賊」の扱いが遺族を後々まで苦しめた。

 104歳のたどたどしい、しかし、強い意思に導かれたような手紙は続いた。

〈兄は、あの事件で始めから死を覚悟していたのも判っています。陛下の軍隊を使っての事件は、始めから生きられぬのを覚悟していました。只、自分達の心が何処にあったのか、何故その事件を起したか。次第に乱れてくる政治や軍隊の上層部を見てぢっとして居られなかったのです。それも私は次第に判るようになりました〉

 すでに耳がかなり遠くなり、1人では歩けぬほど体も弱ってきたたまさんは、83年にわたって二・二六事件の真実と意味を求めた模索と葛藤と自問の末、それでも兄の最期を、遺族の無念を語り終えてはいなかった。

二・二六事件はまだ終わっていない
 4月になって喘息のような胸の異変をにわかに強く発して、6月に入ると娘の多美江さんが付き添う自宅のベッドで夜も寝られぬ苦しさに耐えた。そして、筆者の最後の訪問になった同月20日。

 たまさんは前の晩、赤黒い血の塊のようなものを吐き、それからは胸もすっかり楽になって久しぶりに眠れたという。見舞いに持参した山形の真っ赤なサクランボを一粒、口に含むと「甘いね」。

 多美江さんが「1週間、ものを食べられなかったのに」と驚くのをよそに、衛戍刑務所での兄の思い出につながる季節の味をかみしめてくれた。

 もう耳も聞こえない様子なので、ノートを破いて筆談をし、「お兄さんが『妹よ、よくぞ頑張ってくれたね』と、ほめてくれますよ」と大きな字で書くと、たまさんは笑顔を浮かべて手を合わせ、「お世話になりました」「ありがとうございます」。

 ところがにわかに、それまでの弱々しい口調がうそのように、

「びっくりしたのは、(代々木)練兵場にテントが5張り立っていて、芝生がきらきらと光っていて……」

 と語りだした。その情景はついに末期の床まで消えることなく昇華することもなく、104年を生きた女性の心と人生を苦しめ続けた。

「ここ数年は、『いまが人生で一番幸せ』と話していました」

 と多美江さんは話すが、それでも語り尽くせぬまま、冒頭のような絵にまでして残したかったものとは何だったのか。

「兄の真実はまだ世に伝えられていない」「二・二六事件はまだ終わっていない」という憾みなのか、「伝えてほしい」という遺言なのか。

 縁あって立ち会った者が、語り部の思いの一端でも受け継ぐほかはない。(つづく)

https://www.fsight.jp/articles/-/45747
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
2. 中川隆[-10617] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:41:46 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[11]

【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(4)青森・相馬町の浜から
執筆者:寺島英弥 2019年10月12日
https://www.fsight.jp/articles/-/45985

ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供)

 本州最果ての海、陸奥湾には冬と春の境の鉛色の雲が垂れ込めていた。

 今年4月上旬、JR青森駅から東に2キロ余りの堤川を越えた海べりを歩いた。青森市港町地区。魚介の缶詰、焼き竹輪などの水産加工場、問屋、造船所、町工場、倉庫が並び、住宅街と同居する一角だ。古い町名を相馬町という。海岸は青森漁港のコンクリートの岸壁で埋められ、東端は地元の海水浴場、合浦公園の長い砂浜と緑の松林に続く。啄木の歌碑も立つ、この景色だけは昔から変わらない。

 相馬町の面影を探し歩くうち、殺風景な道路沿いに残る大きな石碑と、古い観音堂を見つけた。石碑は1921(大正10)年12月、開町30周年を記念して建立されたとあり、碑文にこんな記録が刻まれる(原文は漢字)。

https://www.fsight.jp/articles/-/45985
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c2

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
3. 中川隆[-10616] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:42:50 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[12]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(5)勝雄、陸軍幼年学校へ
執筆者:寺島英弥 2019年10月19日
https://www.fsight.jp/articles/-/46019

ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供、以下同)

〈或る冬の寒い日、私が雪に足をとられ乍ら小学校から帰ると、家の入り口に立派な一頭の馬がつながれていました。

 私は馬がこわくて家に入れず、まごまごしていると、何に驚いたのか、いきなり馬が飛び上がり、結んでいた綱が外れて走り出しました。

 私は驚いて大声を上げました。すると家の中から軍人が出てきて、あわてて逃げる馬を追いかけていきました〉

 この連載の主人公、波多江たまさん(青森県弘前市で今年6月、104歳で死去)は、7歳になって間もない1920(大正10)年の暮れか、翌21年初めの出来事だった――と、自らの記憶を掘り起こしたノートにつづった(勝雄の遺文や書簡、家族の手記などをまとめた自費出版本『邦刀遺文』=1991年=の下書きとしたノート類)。

https://www.fsight.jp/articles/-/46019
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c3

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
4. 中川隆[-10615] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:43:55 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[13]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(6)「廃校の憾み、少年の胸に宿り」
執筆者:寺島英弥 2019年12月18日
https://www.fsight.jp/articles/-/46275

ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供)
 仙台市の名所、榴岡公園。旧仙台藩で文人藩主と謳われた4代伊達綱村が、「四民遊楽」の場として枝垂れ桜などを植えさせて庶民に開放し、いまも市民たちの花見でにぎわう。

 広い公園には瀟洒な白亜の洋館が立つ。1874(明治7)年に建てられた旧陸軍歩兵第四連隊兵舎で、現在は市歴史民俗資料館。戦前、東北の軍都と呼ばれた仙台には第二師団司令部(現東北大学川内キャンパス)をはじめ、いくつもの旧陸軍施設が広大な面積を占めていた。

仙台陸軍幼年学校
 歴史民俗資料館と道路を挟んで、古今の歌枕・宮城野の名をよすがとする宮城野中学校がある。かつて、日清戦争後の1897(明治30)年に開校した仙台陸軍地方幼年学校の一角だった。中学校の歩道に面した隅に、幼年学校跡の記念碑と並んで、長年の風雪で黒ずんだ大きな石碑が残され、漢文調の碑文がこう刻まれている。

https://www.fsight.jp/articles/-/46275
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c4

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
5. 中川隆[-10614] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:44:59 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[14]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(7)「津軽義民」への道
執筆者:寺島英弥 2020年1月12日
https://www.fsight.jp/articles/-/46366

ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供)

〈祖母ガ病気ナリト聞キタレバ早速弘前ニ向フ。晝(ひる)頃浦町駅(注・青森市、現在は廃駅)ヲタチ、二時間許ニテ叔父ノ家ニツク。直チニ祖母ヲ見舞フ。スツカリ痩セ給ヘルニ驚ク、祖母ハ今年七十五才余命少キヲ悲シムベシ 叔父ノ家ニ泊ル〉

 二・二六事件=1936(昭和11)年=で蹶起し銃殺刑とされた青年将校の1人、青森出身の対馬勝雄中尉(享年28)。

 まだ16歳だった1924(大正13)年3月20日の日記の一節である。

 皇国軍人の志と精神をはぐくんだ仙台陸軍幼年学校がその2日前、「山梨軍縮」の一環で廃校となり(2019年12月18日『(6)廃校の憾み、少年の胸に宿り』参照)、2学年を修了したばかりの勝雄が理不尽な思い、傷ついた心を抱えて帰省した春休みの出来事だ。

https://www.fsight.jp/articles/-/46366
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c5

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
6. 中川隆[-10613] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:45:53 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[15]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(8)昭和4年 運命の出会い
執筆者:寺島英弥 2020年2月18日
https://www.fsight.jp/articles/-/46537


ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供、以下同)
 1929(昭和4)年の正月。連載の主人公、対馬勝雄は18歳になり、仙台、東京の陸軍幼年学校を経て、将校養成の教育機関である陸軍士官学校(東京・市ケ谷台、現防衛省の所在地)の予科、本科で学び、卒業を半年後に控えていた。

 帰省した青森市相馬町(現港町)の対馬家の家族には、小さな変化があった。3人の妹たちで長女のタケ(当時16歳)は3年前の春に上京したのだ。

 もう1人の主人公で、タケさんの3歳下の次女だった波多江たまさん(弘前市で昨年6月、104歳で他界)が筆者に託したノートによれば、次のような思わぬ出来事があった。(注・勝雄の日記や記録、家族と友人らの証言を集めて1991年、自費出版された『邦刀遺文 二・二六事件 対馬勝雄勝雄記録集』の下書きとなったノート類の1冊)
https://www.fsight.jp/articles/-/46537
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c6

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
7. 中川隆[-10612] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:46:48 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[16]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(9)満州事変前夜
執筆者:寺島英弥 2020年4月25日
https://www.fsight.jp/articles/-/46845

ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供)
 山形県酒田市から国道7号を日本海沿いに北上すると、東北の名峰・鳥海山のふもとの遊佐町に至る。道を脇に折れて少し急な坂道を上ったところに、うっそうとしたクロマツの林に囲まれた広場があった。

 遠い海鳴りのほかは時が止まったような薄暗い一隅に、直径10メートルもある円形のこんもりした塚が築かれ、見上げるような石柱が立っている。刻まれた文字はただ「南無妙法蓮華経」のみ。塚の隣には墓碑銘のように、

「私はただ仏さまの予言と日蓮聖人の霊を信じているのです」

https://www.fsight.jp/articles/-/46845
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c7

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
8. 中川隆[-10611] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:47:38 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[17]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(10)分かれ道の兄妹
執筆者:寺島英弥 2020年5月31日
https://www.fsight.jp/articles/-/46968

ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供、以下同)
〈昭和六年、東北一帯はひどい冷害だった。夏、八月というのに、毎日毎日、冷たい雨がしぶいて、日のさした日といっては、ほんの二、三日しかなかった。

 秋になって、田圃の色だけは、黄金色にかわったが、毎朝、田を回っては心配そうに、稲の穂をしごいて見る百姓の掌に、穂はさらさらと軽く、噛んでみると、むなしいしいなだけが舌に残った。〉

 1897(明治30)年に青森市に生まれ、弾圧と闘った農民運動の活動家、戦後は社会党代議士として昭和を生きた淡谷悠蔵は、1931(昭和6)年の記憶を著書『野の記録』(春陽堂書店)にこうつづった。
https://www.fsight.jp/articles/-/46968
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c8

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
9. 中川隆[-10610] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:48:34 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[18]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(11)「昭和維新」胎動の中へ
執筆者:寺島英弥 2020年8月3日
https://www.fsight.jp/articles/-/47163

ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供)
 1931(昭和6)年9月18日の満州事変勃発から2カ月後。陸軍第八師団(司令部・弘前)の弘前、青森、秋田、山形の各一大隊など500余人からなる混成第四旅団が編成され、内地からの最初の出動部隊として11月18日に朝鮮・釜山に上陸。20日には満州・奉天に到着し守備に就いた。弘前の第三十一連隊が基幹となった同旅団の第二大隊約500名の中に、本連載の主人公・対馬勝雄少尉(当時23歳)がいた。

血気滲む挨拶状
 第七中隊の小隊長を任じられて、自らが教育してきた兵士らとの初めての出征に奮い立った勝雄は、国家改造運動の国内での進展を念願し後事を託する内容の挨拶状をしたためた。宛名リストはないが、律儀な勝雄の性格から、同志の青年将校らだけでなく軍内外の理解者と頼む人々に出されたか。

https://www.fsight.jp/articles/-/47163
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c9

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
10. 中川隆[-10609] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:49:25 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[19]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(12)凶作の郷里、慟哭の戦場
執筆者:寺島英弥 2020年9月1日
https://www.fsight.jp/articles/-/47268

ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供)
 東北新幹線の二戸駅(岩手県二戸市)から北上山地に分け入った「荷軽部」(にかるべ、久慈市山形町)という集落に、「バッタリー村」の看板がある。

 地元の木藤古(きとうご)徳一郎さん(89)が、昔ながらの山村の暮らしを伝える活動の場として、沢水で動く唐臼「バッタリー」の小屋や、わら細工、木工品の作業場などを開放し、遠来の来訪者たちと語り合う。筆者が山村文化の取材で知った木藤古さんは、1930(昭和5)年生まれ。1931〜34年にわたる東北大凶作を記憶していた。

https://www.fsight.jp/articles/-/47268
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c10

[近代史4] 寺島英弥 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ 中川隆
11. 中川隆[-10608] koaQ7Jey 2020年10月25日 09:50:43 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[20]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(13)戦塵のかなた見果てぬ夢
執筆者:寺島英弥 2020年10月24日
https://www.fsight.jp/articles/-/47456

ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供)
「幻想交響曲」(エクトル・ベルリオーズ作曲)に「野の風景」(第3楽章)という不思議な楽章がある。追い求めても手の届かぬ女への恋情に翻弄され、断頭台への道を生き急ぐ男に訪れる束の間の静寂の夢。

 読むたびに連想を誘う記述が、本連載の主人公、青森出身の対馬勝雄少尉(陸軍歩兵第三十一連隊)の日記にある。

 満州での戦闘が激しさを増していたさなかの1932(昭和7)年4月1日、奉天で書かれた日記の「余ノ個人生活ノ理想」という一節だ(『二・二六事件 對馬勝雄記録集「邦刀遺文」』所収)。

農の暮らしへの憧憬
〈余ハ故郷ノ平和ナル一部落ノ百姓トシテ暮シ得ンハ甚ダ満足デアル。余ハ敢ヘテ村長タルヲ希望シタイ。自ラ人生ヲ楽シミツゝソノ部落ノ自治助長、共存扶助ニツクシ且ツ文化ニ貢献スルニ力(つと)ムルノミデアル。シカモ日常国家的問題ニ注意ヲ怠ラズ推移ヲナガムルデアラウ〉

〈余ハ自作農トシテ最小限二町歩乃至五段部ノ土地ヲ有スレバ満足デアル。其内概ネ半分ヲ田トシ残リヲ畑地及宅地ニスルデアラウ。別ニ私有又ハ共有ノ山林等ガアレバ多々益ヲ弁ズルノミデアル〉

〈余ハ馬ヲ一頭鶏ヲ数十羽飼ヒタイト思フ。コレニヨッテ肥料ヲ自給スルノデアル。余ハ村オ共同製酒所ヨリ自給セラルゝ濁酒ヲ飲ンデ陶然トセンコトヲ願フ。菓子ヲ購ウコトナク甘藷、南瓜、菓物ヲ代用センコトヲ思フ。又乾柿ヲ以テ糖分トシ蜂蜜ニヨリ菓子ヲ自製センコトヲ思フ。下駄ヲハカズ草履ヲ用ヒ懐中電灯ヲ用ヒズ提灯ヲ用フ(然シ燈火ハ電燈ニヨラント欲ス)燃料ハ山ノ柴ヲ用フ〉

〈莨(たばこ)ハ畑ニ栽培ス。蓋シ莨ノ栽培ハマタ畑ノ害虫ヲ去ルノ効果アルナリ。家ノ北側ノ軒下ニハ「ミジ」(注・山菜のミズ)ヲ栽培スルデアラウ〉

 駐屯先だった関東州荘河の兵営の夜更けにつづったのだろうか。東北の同時代人であった宮沢賢治(1896〜1933年)の『雨ニモマケズ』の響きにも通じる静謐な決意や、農の暮らしへの憧憬が、殺伐たる戦地の砲煙、銃声、阿鼻叫喚とは別の世界から伝わる。最後の一節はこうだ。

〈余ハ村ニ少年団ヲ建設シタイト思フ。ソハ質素作業洋服ヲ着テ相当軍規的訓練ヲ施スノデアル。又鳩ト犬等ニ稍々重点ヲオキ一面我軍事界ニ資スルノデアル〉

 このくだりだけ軍国的に聞こえるかもしれないが、筆者には、勝雄が古里・青森市相馬町での貧しい少年時代、近所の男の子たちを集めて軍旗や基地を作り、教練ごっこをし、イソップ話を聞かせた「少年団」(本連載4回『青森・相馬町の浜から』参照)を瞼によみがえらせているように思える。

 果たして、故郷の現実はどうだったのか。1930(昭和5)年の農村恐慌、翌31年に始まる東北大凶作で、東北の村々には寒々とした枯れ田や娘身売りの光景があり、困窮した小作農民たちと地主とのさらに激しい争議が広がっていた。

先鋭化する小作争議
「小作人から田畑をとりあげるな」「小作人を人間扱いにせよ」「小作人の生き血を吸う鬼畜地主を倒せ」――。

 1926(大正15)年、本州北辺の冷害常襲地にこんなスローガンを筵旗に掲げ、地主に対峙した青森県車力村(現・つがる市)の農民組合の話を本連載7回『津軽義民への道』で紹介した。大凶作でも収穫の4割もの小作料を頑として譲らぬ地主との闘いは、さらに先鋭化した政治闘争になっていた。


昭和初めの村の暮らしを絵にした秋田義信さん=2019年5月、青森市
 戦前・戦後の青森の農民譚を記録してきた著述家、秋田義信さん(94)=青森市=は、昭和初めの騒然たる古里・車力村を多感な子どもの目で見つめた。

「小学生でランドセルやズック靴は地主の子ども1人。あとは風呂敷包みを腰に結わえ付け、男子は夏に裸足、冬も足袋だった。女の子は田んぼに出る親の手伝いで休んだり、弟や妹を学校の廊下で子守りしたりした。

 集落では農民組合が開く街頭演説会が盛んで、淡谷悠蔵(全国農民組合青森県連合委員長・戦後は衆議院議員)や青森の共産党の大沢久明らが我が家の前で熱弁をふるった。私が夕方の食卓で『われわれ労働者は……』と弁士を真似て、父親から怒られたものだった」

「地主は小作料を払えない農家の土地を取り上げようとし、農民組合がそれを阻止した。小作米不納で団結し、地主の手先が農家に催促に歩くと仲間で包囲し、地主の家に押し掛けた。ある尋常小学校では農民組合の人たちが子どもを学校にやらず、国定教科書の授業を受けさせない運動を始めた。

『アカ』といわれて首になった教師を連れてきて、お堂を教室に臨時学校を開いた。その読本の初めに『地主の子どもはゲンダカ(方言で毛虫)の子』とあったそうだ。小学校の朝礼には誰も来ないので、校長が烈火のように怒った。警察からは弾圧されたが」

 当時の労働人口の半分を占めた全国の農民の負債は、1931年7月の農林省の推計で約60億円(現在の約10兆800億円)、1戸当たり約1060円(同約190万円)で平均年収を上回り、1912(明治45)年の推計との比較で8倍余に急増した。革命前夜のような車力村の様相は、もはや起つしか手段のない農民の絶望の現れだった。暴力で潰そうとする地主との衝突も各地で頻発した。

〈厖大化する農民負債の相當部分は高利貸しあるいは寄生的地主からの法外な高利率をもっておこなわれ、このことがさらに農民經濟を壓迫し負債を累揩ケしめた〉

〈農業恐慌の激化は、農業危機を一層具體化し、國家權力をかつてない動揺にみちびき、なんらかの補強工作を必要とするまでに、半封建的な農村社會機構を震駭せしめた〉(白川清「昭和恐慌下の農村財政」=『農業総合研究』1951年第2号所収=)。 

 海軍将校や茨城県の農民らが「農村救済」を掲げて起こした五・一五事件(1932年5月15日)の後、殺害された犬養毅首相の後任の斎藤實首相(退役海軍大将)は、全国から殺到した農村救済請願の運動を受けて開いた第63回議会で、

「諸君、不況困憊の難局に直面して、農山漁村及中小工業の窮状に對し、之が匡救(きょうきゅう)策を講ずることは、今期議会の使命であります」

 と演説する。 

 農村匡救事業は3カ年で国費約5億円(現在の約9000億円)に上るが、満州事変を背景に、

〈「時局匡救に名を借りた軍事費」の支出を含んでおり、さらには匡救事業費中首位を占める内務省匡救豫算には「軍事國道費」あるいは軍港湾費が含まれていたのであった〉(前掲白川清論文)。

 この年、国家歳出の35%を占めた軍事費は翌々年43.5%に拡大。匡救事業を圧迫し、3年で打ち切りとなる矛盾を生む。

 最も優先すべき地主制の改革は避けられ、最後は「農村部落ニ於ケル固有ノ美風タル隣保共助ノ精神」で農民の奮起を促す「自力更生」運動が推し進められる。

家族に満州移民を勧め

1931(昭和6)年刊行の農民運動の機関紙『農村新聞』。勝雄の遺品にあった
 勝雄も満州にあって、部下の岩手出身の兵士たちの声や日々の新聞を通して、東北の農村の窮状を我が身のことと憂えていた。

 では、〈余ハ故郷ノ平和ナル一部落ノ百姓トシテ暮シ……〉という日記は、戦火のさなかの一夜の郷愁、あるいは幻想に過ぎなかったのか。

 筆者には、それは満州という新天地に勝雄が見出そうとした「新しい故郷」への夢ではないか、と思われるのだ。

 その日記と同じ4月1日、勝雄は父嘉七さん宛に手紙を書いている。

〈豊年は豊年飢饉、凶年は凶年飢饉で百姓もどうにもならないでせう……〉

 という絶望的な記述の後に、その思いはつづられる。

〈次に満洲は絶対によい処であります。心配無用、たゞし従来の営利一点張りの金儲主義はだめであります。先ず自給自足経済の観念にて着々と進むべきであります。百姓でも嫩江(のんこう・満州北部、黒竜江省の町)の湿地はそのままゝ水田でモミをまいたきりで草も生えず秋とり入れるのみであるそうです。また馬鈴薯も可、羊の飼育も有望、気候は悪くありません。悪いのは景色だけです。(勝雄の所属する)第八師団が駐屯になる様なら是非移民して下さい〉


乗馬小隊と警ら中の勝雄(左上)
 ひと月前の3月1日、関東軍は清朝最後の皇帝だった溥儀を執政に据え、満州国を独立させた。独立宣言では、
〈凡そ新国家の領土内に居住するものは皆種族の岐視尊卑の分別なし原有の漢族満族蒙族及日本、朝鮮の民族を除く外即ちその他の外人と雖も長久に居住を願うものは又平等の待遇を受くる事を得〉

 と、「五族協和」が謳われた。傀儡国家の建国にも、満州事変を戦った現場の軍人には安堵と楽観があったのだろう。勝雄は、東京で洋裁の修業をしていた妹たまさんに「ミシンを買ってやる」と約束していたが、同じ日記でやはり満州での開業を勧めた。

〈又商売ではたま子のやっている仕立屋などよいと思います。ハルピン辺りでは着物をぬふだけでも大多忙です。何故かといふと(内地から)当地にくる女は水商売やそんなものでハリをとることをしらず、また知っていてもとらぬといふ位です。

 薬屋は相当あります。チゝハルだけでも日本薬屋三軒あり、これからは平和にさえなれば日本人の薬屋のゐない処にて薬屋も有望であります。とにかく日本人のゐない処には商売がよい。集団でゆくなら農業が確実、又チゝハルの奥なら内地と連絡して気のきいた食料品店も(選択として)よくあります〉

 嘉七さんへの満州への移民の勧めは、以後の手紙でも熱心に説かれる。


「楽土 安民の營み」と題された満州の絵葉書
〈第八師団は満洲に来る様に候がいづれ官舎が出来たならばそこに入る様にして家族としては将来、渡満せられては如何に候哉。その前に家督を私に譲り官吏の家族として将来全然内職もなにもせず 或いは集団移民と一緒に来るか。又は単独移民と一緒に長春付近にて暮らすか如何に候哉〉(4月8日)

〈錦州は仲々暑く相成候 然し凌げない訳でなく出来れば家の方も移住する様にいたしたく考え居り候……(文末の追伸)満洲国承認、農村救済は議会で決議せるも実行力うたがはれ候〉(6月28日)

〈満洲は非常によい処と存じます。匪賊のおかげで適当に緊張して暮しよくあります。何れ将来出来るならば一家全部吉林方面へでも移住すれば甚だ結構に存じます。今に満洲の農業が一番さかえる時が来るでせう〉(9月24日)

 満州国は、勝雄だけではなく当時の多くの日本人の目に、建国のもう1つのスローガン「王道楽土」のごとく、昭和の初めを重く覆った困窮と閉塞から解き放たれて未来を生き直せる土地と映ったのだろうか。

 後に東北などの貧しい村々を分村させてまで約30万人もの農民家族や若者を送り出し、悲劇的な破局と犠牲をもたらす「満州開拓移民」の国策が芽生える前夜のことだ。                 

「生産権奉還」に共鳴
 この時期、勝雄が読んで感化された本がある。日記や手紙に記し、国家改造運動を志す青年将校の同志や親しい人々に自腹で寄贈したと思われる。

〈長沢九一郎氏著「生産権奉還」をヨミテ感深シ、酒肴料ヲ以テ本ヲ買ヒ各方面ニ送ラントス〉(5月7日の日記)

〈農村の自覚はこの際喜ぶべきことであります。吾々は凡て自力更生で進むべく国内にては農村と在郷軍人さへしっかり手を取って奮起すれば大丈夫であります。最近この感特に深く上級者はたのむに足らぬ気がします。先日お送りした生産権奉還の書は私のチゝハルにていたゞいた御下賜の酒肴料を以って購ったものであります。最も意義ある様に使用したのであります。内容或ひはむつかしいかもしれぬのですが我々は熾烈なる皇民の情操を以て光輝と躍進の跡とを有する昭和維新に到達したいと希ふのであります〉(8月28日、岩手県の元部下への手紙)

 1932(昭和7)年刊行の同書(先進社)の著者長沢九一郎は社会主義から国家主義者に転向し、盟友の遠藤友四郎と共に「尊王急進党」を結成。「昭和維新」を唱える活動家の1人として内務省警保局からマークされていた。

 生産権奉還とは次のような主張だ。

 明治維新は、天皇の下に全ての臣民が一体で奉仕する国体に還る時だったのに、大名の版籍奉還だけの不徹底に終わり、元勲らが欧米に幻惑されて採った資本主義が今日の財閥などの搾取と社会格差、貧困を生んだ。企業や工場、農業などすべての経済分野の生産権も天皇に奉還し、真に平等公平な皇民の道義国家を目指すべきだ――。

 こうした思想に勝雄ら青年将校たちは共鳴し、その目標を阻む財閥や、癒着する政党政治を打倒し天皇親政を実現することが明治維新の完成、すなわち昭和維新の断行であると考えた。

 勝雄は満州で3年目を迎えた1933(昭和8)年の元旦、「新年ニ當リ東天ヲ拝シ昭和維新ノ断行ヲ期ス」と題した長文のメッセージを書いて謄写版で印刷し、同志たちに送った。

〈鉄、石炭、交通、肥料、移民等モトヨリ國民ハ滿蒙開發ニツイテ功利的思想ヲ抱イテハナラヌカ當局者トシテハ 滿州開發ニヨッテ現下ノ國内不況ヲ打開シ以テ國民一般ニ希望ノ光明ト元気トヲ抱カシメネバナラヌ〉

〈個人的榮利資本主義ヲ滿州ニ奔放ニ跳梁セシメタナラハ利ヲ追ッテ止マヌ資本ノ本質上現地住民ハ其搾取ニ苦悩スルニ至ルテアラウ。コレニ反シ農業的工業的集團移民ハ日鮮滿蒙ノ民族互ニ其部落ヲ形成シ自立自活而シテ協和ノ平和郷ヲナシウルモノト信スル〉


満洲を勝雄と転戦した第三十一連隊乗馬小隊
 勝雄にとっては、昭和維新の断行も、満州での理想郷の実現も、困窮する国民に希望の光明を灯すことも1つにつながり、そのために満州で戦っていると信じた。

 それが成った時、自らは軍服を脱ぎ、貧乏暮らしの苦労を重ねた青森の両親ら家族を満州に呼んで、新しい故郷をつくり、〈余ハ敢ヘテ村長タルヲ希望シタイ。自ラ人生ヲ楽シミツゝソノ部落ノ自治助長、共存扶助ニツクシ且ツ文化ニ貢献スルニ力(つと)ムルノミデアル〉と、戦塵のかなたに見果てぬ夢を描いたのではないか。4年後には二・二六事件の蹶起に加わることになるが、勝雄は革命家ではなかった。

大凶作に続いた三陸津波
「津波・火災の襲来 死傷者行方不明者 家屋の流出燒失夥し」

 1933年3月3日の『河北新報』夕刊トップの大見出しだ。その日午前2時半ごろ、岩手県釜石沖約200キロを震源とする大地震が、岩手、宮城を中心とする太平洋岸に巨大津波をもたらした。翌日の朝刊には、被災した海岸集落の悲惨な運命を詳報する記事と写真が満載された。

「正視し得ざる釜石 全町にもの凄き阿鼻叫喚!」

「漁船は木っ葉微塵」

「波に押し上げられ 路上に轉がる傳馬船」

「着の身の儘さ迷ふ老若男女」

「十五濱村荒部落 殆ど全滅の悲況」……。

 いまに伝承される「昭和三陸大津波」が、勝雄の属する満州の第八師団(弘前)の兵士たちに伝えられたのは、発生からおよそ1カ月後。関東州の要衝、山海関での激戦(本連載第12回『凶作の郷里、慟哭の戦場』参照)に続いて、国境を越えた中国・熱河省への侵攻作戦に動員されていたさなかだった。同月27日に日本は国際連盟脱退を通告する。

 勝雄が乗馬小隊長を務めた第三十一連隊(弘前)のある兵士は、戦後、同連隊第二中隊の戦友会(アカシア会)の「中隊出身者想い出記」にこう記憶をつづった。

〈幹部が「今から一カ月前の三月三日、三陸津波があったという。直ぐにみんなに知らせたかったが、戦斗中であったので、志気に影響があったらいかんと考え、今日の報告になった」という。「津波」と言えば、他人事ではない。私の家も作業小屋も、八木港(岩手県洋野町)の海岸近くにある。私には漁船もあり、其処には兄弟も住んでいる。常に私の念頭から「津波」のことは離したことのない重大事なので、もっと詳しい被害状況を知りたいと思った。だが、津波の詳細を知っている人は一人もいなかった〉

 その37年前、1896(明治29)年6月15日には明治三陸大津波があり、三陸の住民は死者行方不明者が約2万2000人という痛ましい体験を家族史に刻んでいた。

 大船渡市(旧岩手県三陸町)の津波研究家、山下文男さん(故人)の『昭和東北大凶作』(無明舎出版)によると、昭和の大津波があった当時、岩手から出征兵士を送り出していた家の被災戸数は420戸に上り、うち386戸が熱河作戦に出動中の兵士の家だった。その郷里の人々は大凶作に続いて、さらなる辛酸をなめた。


昭和三陸大津波の後、集落を高台に移転した白浜のいま。東日本大震災では1人の犠牲者も出さなかった=大船渡市綾里
 当時の被災地の1つ、大船渡市三陸町綾里(旧綾里村)の白浜を筆者は昨年訪ね、当時9歳だった熊谷正吾さん(94)の体験を聴いた。明治の大津波では波高38.2メートルを記録し、100人以上が犠牲になった場所だ。

「あの寒い夜、2度の大きな地震の後、ものすごい大砲のような音が海から響き、明治の津波を生き延びた祖父の声で家族全員、真っ暗な中を裏山の畑に逃げた」


戦地への出征者、昭和三陸大津波など、白浜の記憶を伝えている熊谷正吾さん=大船渡市綾里
 雪が降った真っ白な朝、42軒の集落はほとんど崩壊、流失していた。死者・行方不明者は66人を数え、熊谷さんと同じ小学生も23人が犠牲に。残った住民が潰れた家を起こして避難所にし、無事な布団を敷いてけが人を救援した。

 壊れた部材を縄でしばったような小屋で仮住まいをし、青年団の支援などで暮らしをつなぎ、3カ月ほどして「助け合って『復興地』を造ろう」という話が出た。高台移転である。地主に交渉して土地を借り、自力更生事業の土方作業や出稼ぎで働き、山や畑を売り、国の金を借り、1軒40円(現在の約7万円)の建築費を懸命に蓄えた。 

「自力更生という言葉を覚えている。海と山に挟まれた白浜は田んぼが乏しく、魚とワカメだけで稼げず、麦やヒエ、アワばかり食い、なければよその家から借りてしのいだ。うちは狭い田んぼもあって10人家族が何とか食えたが、大津波の翌年の昭和9年はまたも大凶作。コメが全く実らず、畑の大根やサツマイモくらいしか取れず、盗みも出た。支那事変(1937年)の前あたりから、皆で材料の木を山から運んだり、製板所に出したりして、やっと家を建てた」

 満州事変はそんな集落からも男手を奪ったが、

「軍隊に行けばやっと飯が食える、と聞かされた」

 と熊谷さん(自身は横浜の造船所に徴用後、大湊海兵団に入隊)。それから太平洋戦争まで白浜からは407人が出征し、112人が戦死したという。

死ぬことを当然と願う

勝雄の母なみさん
 新しい郷里をつくる夢を、結局、勝雄は胸にしまい断念することになる。満州事変での中国軍との戦闘がひとまず止む1933(昭和8)年5月31日の塘沽停戦協定まで、勝雄は多くの部下に戦死され、実家近くの観音堂に息子の無事を日々祈願していた母なみさんに自らも、

〈戦死でもしたら喜んで皇国のため目出度し/\とやって貰わねばならんと存じ候 これは今後に於ても同じことにて平時戦時をとはずいつ死なれてもかくあらんことをお願い申し候〉

 と、死ぬことを当然と願う手紙(同年6月26日)を書き送った。古里への「後顧ノ憂」を抱きつつ逝った部下たちへの責任を、二・二六事件での蹶起の理由にさえした(本連載12回参照)。

 そして、最期まで軍人たれ、と勝雄を引き戻したであろう1本の新聞記事がある。父嘉七さんの遺品に『報知新聞』青森岩手版(1932年7月2日付)の切り抜きがあり、勝雄も満州で同じ記事を読んで、

〈御両親の御言葉に私は満足至極に存じます〉

 と手紙(1932年7月13日)に書いた。


満洲出征中の勝雄の両親を取材し、軍国美談にして伝えた『報知新聞』青森岩手版の記事=1932(昭和7)年7月2日

https://www.fsight.jp/articles/-/47456
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1128.html#c11

[リバイバル3] ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3 中川隆
3. 中川隆[-10607] koaQ7Jey 2020年10月25日 11:43:41 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[22]
Wharfedale(ワーフェデール)のスピーカー
2012.04.30 毎日ひとつこと、製品紹介
https://soundcreate.co.jp/wharfedale%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%AB%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC/


先日ご紹介したWharfedale(ワーフェデール)について、もう少し・・・

Wharfedaleは、英国で最も歴史の古いスピーカーメーカーの1つで、1932年に設立。
創始者で設計者のギルバート・A・ブリッグス氏は、元々エンジニアだったわけではなく、大の音楽好きが嵩じて、スピーカー製造するにいたったのだそうです。
それでも、音響学者でもあったというのですから、よほどのことですね。

このW3も、ツイーター、ミッドが上向きに取り付けられ、ウーファーが前方に、5cmのポートが右下に取り付けられています。

ユニークなユニット配置ですが、ひとたび音が鳴ると音場の作り方に、なるほどねーと納得。

それでただユニークな音場再生のスピーカーかと言うと、そうではなく、音楽性の豊かなこと!

手元にある古いステレオ雑誌にある写真の中のブリッグス氏は、英国のジェントルさを持ちながら、好奇心にあふれています。

オーディオ評論家の菅野先生も憧れたという名機エアデールの1つ前の型のW3、ご試聴いただけるのは、スピーカーがあるうちだけ!?

https://soundcreate.co.jp/wharfedale%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%AB%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html#c3

[リバイバル3] ワーフェデール 後方開放・無指向性フロア型スピーカー SFB/3 中川隆
4. 中川隆[-10606] koaQ7Jey 2020年10月25日 11:46:31 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[23]
ワーフェデール W3入荷
スバラシイ音楽性!
2012.04.28 毎日ひとつこと、製品紹介
https://soundcreate.co.jp/%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%95%e3%82%a7%e3%83%87%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%80%80w3%e5%85%a5%e8%8d%b7%e3%82%b9%e3%83%90%e3%83%a9%e3%82%b7%e3%82%a4%e9%9f%b3%e6%a5%bd%e6%80%a7%ef%bc%81/


ヴィンテージスピーカーのワーフェデール W3、Legatoに入荷致しました!


見て下さい、この風格!

英国の名門スピーカーメーカー「Wharfedale(ワーフェデール)」の1950年代後期のモデルです。当時5年間ほど製造されていたのだとか。

あまり多くの資料がないのですが、
3ウェイスピーカーで、ツイーター(Super3)、ミッド(W7)、ウーファー(W12)を使用。

これは上から見た図なのですが、ウッすらと透けてユニットが見えますでしょうか?

モノラルからステレオ時代の製品なので、ユニットの配置は左右同じになります。
うんちくはこれからもうちょっと調べるとして、何せ音がアツイ!!
厚いし熱い!のです。

バイロン・ジャニスのラフマニノフのピアノ協奏曲2番を試しにかけてみます。
冒頭の弱音からクレッシェンドしていくところなど、現代のスピーカーだとついボリューム上げたくなってしまうことしばしばなのですが、最初から部屋の空気が変わります。

鼻血出そう、とはあまりよろしくない表現ですが、それくらいグッときます。
クラシックだけではないです。JAZZもスバラシイ!!
クリフォード・ブラウン、エリントン、とにかく熱気がほとばしるプレイ。
なんか、こういうの忘れてたな!と、思ってしまうくらい、すごいです。

これ1ペアしかございませんので、売り切り御免なのですが、ちょっと心がウズウズしてしまっている、素晴らしいスピーカーです。
どうも、今日はまともな文章が書けそうにはありませんね・・・。

https://soundcreate.co.jp/%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%95%e3%82%a7%e3%83%87%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%80%80w3%e5%85%a5%e8%8d%b7%e3%82%b9%e3%83%90%e3%83%a9%e3%82%b7%e3%82%a4%e9%9f%b3%e6%a5%bd%e6%80%a7%ef%bc%81/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1091.html#c4

[近代史02] 弥生人の起源 _ 自称専門家の嘘に騙されない為に これ位は知っておこう 中川隆
292. 中川隆[-10605] koaQ7Jey 2020年10月25日 12:21:07 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[25]
2020/10/14
都道府県レベルでみた日本人の遺伝的集団構造
〜縄文人と渡来人の混血がもたらした本土日本人内の遺伝的異質性〜

渡部 裕介(研究当時:生物科学専攻 博士課程3年生)
一色 真理子(研究当時:生物科学専攻 博士課程3年生)
大橋 順(生物科学専攻 准教授)
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2020/7056/

発表のポイント
47都道府県に居住する日本人約11,000名の全ゲノムSNP遺伝子型データを解析し、現代日本人の遺伝的構造は各都道府県における縄文人と渡来人の混血の程度と地理的位置関係によって特徴づけられることを示した。
都道府県レベルで日本人の遺伝的集団構造を初めて明らかにした。
本研究により、日本人の形成過程の理解が進むだけでなく、疾患遺伝子関連研究において、適切な検体収集地域の選定が可能になると期待される。

発表概要
今回、東京大学大学院理学系研究科の渡部裕介・一色真理子大学院生(研究当時)と大橋順准教授は、47都道府県に居住する日本人約11,000名の全ゲノムSNP遺伝子型データを用いて、都道府県レベルで日本人の遺伝的集団構造を調べた。クラスター分析により、47都道府県は沖縄県とそれ以外の都道府県に分かれ、沖縄県以外は九州・中国地方、東北・北海道地方、近畿・四国地方の3つのクラスターに大別された。関東地方や中部地方の各県は1つのクラスター内に収まらなかった。主成分分析の結果、第1主成分は沖縄県との遺伝的距離と関連しており、第2主成分は緯度・経度と関連していた。これらの結果は、各都道府県の縄文人と大陸から来た渡来人との混血の程度の違いと地理的位置関係が現代日本人の遺伝的地域差を形成した主な要因であることを示唆している。

本研究は、都道府県レベルで日本人の遺伝的集団構造を初めて明らかにした。今後、不明な点が多い縄文人と渡来人の混血過程の理解が進むだけでなく、疾患遺伝子関連研究において、集団階層化によるバイアスを避けた検体収集が可能になると期待される。

発表内容
研究の背景・先行研究における問題点
現代の日本人(アイヌ人、琉球人、本土人)は、縄文人の系統と、渡来人の系統が混血した集団の子孫であることが示唆されている(Japanese Archipelago Human Population Genetics Consortium. 2012, J Hum Genet)。日本の7つの地域間の遺伝的異質性を指摘した先行研究があるが(Yamaguchi-Kabata et al. 2008, Am J Hum Genet)、中国地方や四国地方の県は含まれておらず、7つの地域に分けることの妥当性を含め、日本人集団の詳細な遺伝的集団構造やかかる構造を生じさせた要因はよく理解されていなかった。また、地域間の遺伝的異質性が不明なため、日本人を対象とする疾患遺伝子関連研究(注1) において、集団階層化によるバイアス(注2) を避けた検体の収集が困難であった。

研究内容
今回、東京大学大学院理学系研究科の渡部裕介・一色真理子大学院生(研究当時)と大橋順准教授らのグループは、ヤフー株式会社が提供するゲノム解析サービスHealthData Labの顧客11,069名の138,688か所の常染色体SNP(注3)遺伝子型データを用いて、日本人の遺伝的集団構造を調べた。まず、個体レベルで主成分分析(注4)を行い、琉球人(主に沖縄県)と本土人(主に沖縄県以外の46都道府県)が遺伝的に明瞭に分かれることを確認した(図1)。なお、本研究に用いたデータにはアイヌ人は含まれていないと考えられる。

図1:日本人11,069名と中国・北京の漢民族の主成分分析の結果。常染色体上の138,688か所のSNP遺伝子型データから各個体の主成分得点を求めてプロットした。

次に、47都道府県のそれぞれから50名ずつ無作為抽出して各SNPのアリル頻度を計算し、中国・北京の漢民族も含めてペアワイズにf2統計量(注5)を求めてクラスター分析(注6)を行った(図2)。

図2:47都道府県と中国・北京の漢民族を対象にしたクラスター分析の結果。日本地図上の番号が各都道府県に対応している。47都道府県を4つのクラスターに分けると、沖縄地方、東北・北海道地方、近畿・四国地方、九州・中国地方に大別された。

47都道府県を4つのクラスターに分けると、沖縄地方、東北・北海道地方、近畿・四国地方、九州・中国地方に大別された。関東地方や中部地方の各県は1つのクラスター内に収まらなかった。このことは、関東地方もしくは中部地方の都県を遺伝的に近縁な集団とみなすことはできず、そのような単位で日本人集団の遺伝的構造を論じることや、疾患遺伝子関連研究の対象検体を収集することは適切ではないことを示している。

47都道府県を対象に主成分分析を行ったところ(図3)、第1主成分は沖縄県と各都道府県の遺伝的距離を反映していた。沖縄県に遺伝的に最も近いのは鹿児島県であった。図2でクラスターを形成した地方に着目すると、九州地方と東北地方が沖縄県に遺伝的に近く、近畿地方と四国地方が遺伝的に遠かった。さらに、f2統計量の解析から、近畿地方や四国地方は中国・北京の漢民族に遺伝的に近いこともわかった。第2主成分は都道府県の緯度および経度と有意に相関していた(緯度:P-value = 3.21 × 10-12、経度:P-value = 2.38 × 10-14)。

図3:47都道府県を対象にした主成分分析の結果。

本研究の結果は、各都道府県の縄文人と大陸から来た渡来人との混血の程度の違いと地理的位置関係が本土人の遺伝的地域差を形成した主な要因であることを示唆している。大部分の渡来人は朝鮮半島経由で日本列島に到達したと考えられるが、朝鮮半島から地理的に近い九州北部ではなく、近畿地方や四国地方の人々に渡来人の遺伝的構成成分がより多く残っていることは、日本列島における縄文人と渡来人の混血過程を考えるうえで興味深い。本土人のゲノム成分の80%程度は渡来人由来であると推定されているが、近畿地方や四国地方には、さらに多くの割合の渡来人が流入したのかもしれない。また、地理的位置も遺伝的構造に影響していることや、沖縄県に遺伝的に近い九州地方と東北地方が互いには近縁でないことから、渡来人との混血時に縄文人は遺伝的に分化していたと考えられる。

社会的意義・今後の予定
本研究では、都道府県レベルで本土日本人の遺伝的集団構造を初めて明らかにした。47都道府県の遺伝的近縁関係がわかったことで、日本列島全域での縄文人と渡来人の混血過程の理解が進むと期待される。また、日本人集団を対象にした疾患遺伝子関連研究において、集団階層化によるバイアスを極力避けた、適切な検体収集地域の選定が可能になると期待される。

発表雑誌
雑誌名 Journal of Human Genetics
論文タイトル Prefecture-level population structure of the Japanese based on SNP genotypes of 11,069 individuals
著者 Yusuke Watanabe*, Mariko Isshiki*, Jun Ohashi (these authors contributed equally to this work)
DOI番号 10.1038/s10038-020-00847-0
アブストラクトURL https://www.nature.com/articles/s10038-020-00847-0

用語解説
注1 疾患遺伝子関連研究
多数の患者と対照の塩基配列を比較する(一般的には、多型のアリル頻度を比較する)ことで、疾患発症と関連する多型を検出する研究。関連多型が明らかになることで、疾患の発症機序の理解が進むだけでなく、各個体の発症リスクを推定することが可能となる。↑

注2 集団階層化によるバイアス
疾患遺伝子関連研究において、遺伝的背景の異なる患者と対照を調べると、疾患とは関連しない多型が見かけ上の関連(偽陽性)を示す可能性がある。統計学的手法によってバイアスを調整する努力もされているが、根本的に解決することは困難である。↑

注3 単塩基多型(SNP)
ヒトのDNAの塩基配列(A/T/G/Cの4種類の塩基による並び)を比較すると0.1%程度の違いがある。塩基配列の違いを多型といい、1つの塩基の違いによる多型を単塩基多型(single nucleotide polymorphism; SNP)とよぶ。↑

注4 主成分分析
多数の変数(多次元データ)から全体のばらつきをよく表す順に互いに直行する変数(主成分)を合成する多変量解析手法の一つ。主成分分析によって次元を削減することで、データ点を可視化することができる。本研究では、個体単位の解析では遺伝子型を、都道府県単位での解析ではアリル頻度を変数として用いた。↑

注5 f2統計量
2つの集団間の遺伝距離を測る尺度の一つ。SNPデータに対するf2統計量は、SNP毎にアリル頻度の集団間差の2乗を計算し、それらの平均値として与えられる。↑

注6 クラスター分析
多数の変数(多次元データ)からデータ点間の非類似度を求め、データ点をグループ分けする多変量解析手法の一つ。グループ分けが階層的になされる階層的手法と、特定のクラスター数に分類する非階層的手法がある。本研究では、階層的手法の一つであるウォード法を用いた。↑

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2020/7056/
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/547.html#c292

[近代史3] 日本人と同程度の報酬をもらっていた徴用工がいた一方で、劣悪な条件で働かされたあげく、給与をピンハネされたり、未払いのまま踏み倒された徴用工が多数いた
日本人と同程度の報酬をもらっていた徴用工がいた一方で、劣悪な条件で働かされたあげく、給与をピンハネされたり、未払いのまま踏み倒された徴用工が多数いた


安倍前首相が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートし「お前が言うか」のツッコミ殺到! 徴用工めぐる主張自体もフェイク(リテラ)
http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/751.html

2020.10.25 安倍が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートしツッコミ殺到 リテラ

     
     安倍晋三フェイスブックより


安倍前首相は辞任後、すでに2度にわたって靖国神社を参拝しているが、23日には〈昨日、産業遺産情報センターにて長崎県の端島(通称軍艦島)の元島民の皆様とお話しする機会を得ました〉とツイート。こうつづけている。

〈世界最大の人口密集率といわれた当時の端島での生活をものがたる様々な資料が展示されておりましたが、その中に台湾出身の徴用工である鄭新発さんが大切に残していた給料袋(給与+ボーナス)がありました。〉

 そして、産業遺産情報センターに展示されている「戦時中の長崎造船所 徴用工に支払われていた給与+ボーナス」といった展示パネルの写真を貼り付けた上で、安倍前首相はこのように綴ったのだ。

〈鄭新発さんに感謝したいとおもいます。当時の彼らの労働に対する待遇が本当はどうであったかを物語る貴重な資料です。
いわれなき中傷への反撃はファクトを示す事が一番でしょう。
コロナ禍の中、入場者数が制限されていますが、是非多くの方に来館していただきたいと思います。〉

「いわれなき中傷への反撃はファクトを示す事が一番」──。つまり安倍前首相は、強制動員・強制労働され差別的な扱いを受けたと訴えている元徴用工の証言を「いわれなき中傷」などと言い放ち、その展示を「ファクト」だとし、“徴用工にもしっかり給与やボーナスが支払われていた”“徴用工は強制的に動員された被害者ではなく対価が支払われていた労働者”だと主張したのである。


■徴用工の強制連行や賃金のピンハネ、不払いなどを示す証言や公文書が

 しかし、このツイートが問題なのは、そういうブーメラン話だけではない。それ以上にあらためて強調しておかなければならないのは、今回、安倍前首相が挙げている資料が、徴用工の差別的待遇や強制労働を否定する「ファクト」ではけっしてないということだ。

 安倍前首相は台湾出身の元徴用工の給与袋や賞与袋の展示を紹介し、すべての徴用工が日本人と同じ待遇であったかのように喧伝しているが、実際は、日本人と同程度の報酬をもらっていた徴用工がいた一方で、劣悪な条件で働かされたあげく、給与をピンハネされたり、未払いのまま踏み倒された徴用工が多数いたことは、数々の証言や記録からも明らかになっている。

 たとえば、端島(軍艦島)に連れてこられ、過酷な労働をさせられた崔璋燮(チェ・チャンソプ)さんは2010年の市民団体によるインタビューのなかで、その労働や生活をこう語っている(長崎在日朝鮮人の人権を守る会・編『〔増補改訂版〕軍艦島に耳を澄ませば 端島に強制連行された朝鮮人・中国人の記憶』社会評論社)。

「石炭を掘り出す仕事、採炭だ。わずか一週間だけ採炭現場を見学させて、仕事に就かせた。一番方、二番方、三番方というふうに三交代で一日一六時間労働のときと、二交代で一日一二時間労働のときとあった。一度に四〇人ずつ、坑口から三、〇〇〇尺もの地下にものすごいスピードで降下して、身の縮む思いがした。現場は暑くて汗だくなので、一年中、褌一丁で働いた。〔中略〕汁かけ飯一杯食っただけで長時間働くのだから、みんな栄養失調状態になった。仕事が終わって、七メートルはある防波堤の上に毛布を敷いて体を休めていると、脚が痙攣を起こした。『俺、死にそうだ』という呻き声も聞こえた。しかも賃金をもらったことはない。私の記憶は確かだ」

 また、当時、徴用工の実態を調査報告していた内務省管理局・小暮泰用の「復命書」には、山口県下沖宇部炭鉱労務者967人の徴用工は〈一人平均月76円26銭の内稼働先の諸支出月平均62円58銭を控除し残額13円68銭が毎月一人当りの純収入〉だったという記述もある。

 ようするに、安倍首相の挙げた給与袋は徴用工の劣悪な労働を否定するなんの証拠にもなっていないのだ。

 しかも、安倍首相は元徴用工の人びとが証言している強制動員・強制労働や差別的な扱いを「いわれなき中傷」などと決めつけているが、この主張こそがフェイクだ。

 戦時中の朝鮮人強制連行は当事者の証言だけではなく、公文書を含んだ史料がいくつも残っている歴史的事実だ。たとえば、1944(昭和19)年4月13日付の朝鮮総督府の官報には、政務総監だった田中武雄による訓示にこう記されている。

〈官庁斡旋労務供出の実状を検討するに労務に応ずべき者の志望の有無を無視して漫然下部行政機関に供出数を割当て下部行政機関も亦概して強制供出を敢てし、斯くして労働能率の低下を招来しつつある欠陥は断じて是正せねばなりません。〉

 さらに、前出の内務省管理局・小暮泰用の同年7月31日「復命書」には、〈徴用は別として其の他如何なる方式に依るも出動は全く拉致同様な状態である/其れは若し事前に於て之を知らせば皆逃亡するからである、そこで夜襲、誘出、其の他各種の方策を講じて人質的略奪拉致の事例が多くなるのである〉とも書かれている。

■〈意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいた〉と説明していた日本政府

「ファクトを示す」というなら、〈志望の有無を無視〉〈全く拉致同様〉〈人質的略奪拉致〉の〈強制供出〉であったことを認めるこれらの公文書の内容こそが「ファクト」ではないか。

 だいたい、徴用工を強制動員したことは安倍政権下でも認めていた事実なのだ。安倍前首相は軍艦島(端島)も含まれている「明治日本の産業革命遺産」をユネスコの世界遺産にゴリ推した張本人だが、2015年の世界遺産委員会では、日本側は朝鮮人徴用工について〈その意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいた〉と強制動員だった事実を認め、〈第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる〉(内閣官房「産業遺産情報センターの在り方等について(第一報告書))」)と約束していたからだ。

 だが、こうして国際機関と交わした約束を、安倍政権はその後、反故にするという下劣な手に出る。2017年、日本側がユネスコへ提出した「保全状況報告書」では、朝鮮人徴用工について〈戦前・戦中・戦後に多くの朝鮮半島出身者が日本の産業の現場を支えていた〉という記述で、強制連行や過酷労働の実態を矮小化。そして、2019年に出された「保全状況報告書」では、朝鮮人徴用工について一切触れなかったのだ。

 それだけではない。今回、安倍前首相が訪れた産業遺産情報センターは、前述した世界遺産委員会において〈徴用政策を実施していたことについて理解できる措置を講じる〉として設置を表明していたものなのだが、今年6月にいざオープンしてみると、徴用工の置かれた過酷な状況を説明するどころか、まったく逆になっていた。

 同センターでは軍艦島や長崎造船所、八幡製鉄所など登録された23資産とともに、「国民徴用令の官あっせん、徴用、引き揚げについて理解できる5文書」をパネルで列挙しているが、その説明は通り一遍のものにすぎず、隣には徴用工問題は解決済みとアピールするかのように1965年の「日韓請求権協定」の全文まで掲示。さらに、同じ部屋では軍艦島の元島民らのインタビューが紹介されているのだが、徴用工が受けた差別などを証言するものではなく、逆に、父親が軍艦島炭鉱で働いていたという在日韓国人2世の「いじめられたとか、指さされて『あれは朝鮮人ぞ』とは全く聞いたことがない」という証言が紹介されているのである。

 世界遺産への登録という目的を果たした途端、強制動員の事実を伝えるという約束を破り、むしろ歴史修正に利用する──。信じがたい話だが、しかし、これこそが安倍前首相がそもそも「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産化にこだわった理由だった。

■都合のいい事実だけを断片的につなぎあわせて徴用工の強制労働を否定する安倍首相

 しかし、繰り返すが、戦時中の朝鮮人強制連行は歴史的事実であり、人間の生きた証そのものを記録や記憶から消してしまおうとする歴史修正は、許される行為ではない。

 強制連行の実証的研究で知られる東京大学の外村大教授は、こんなことを述べている。

「特に90年代半ばからですね、史料の発掘が進み、いろんな話が出てきました。朝鮮人の待遇が日本人よりよかったとか、自ら望んで来た人がいたとか。いずれも事実の断片ではあるんですよ。じゃあ暴力的な連行や虐待は例外的だったかというと、それは違う」
「事実というものは無限にあるものです。都合のいい事実だけをつなぎあわせれば別の歴史も生まれる。でも、それは『こうあってほしい』というゆがんだ願望や妄想に近い」(朝日新聞2015年4月17日付インタビュー)

 安倍前首相が今回、持ち出した資料は「事実の断片」でしかなく、それによって「暴力的な連行や虐待」を示す資料や証言を否定することは、まさしく「ゆがんだ願望や妄想」にほかならない。

 朝鮮人徴用工の強制動員の否定や靖国神社の参拝といった言動によって、安倍前首相はネトウヨや極右にアピールをし、求心力を維持することに躍起になっている。その裏には「3度目の総理返り咲き」という欲望があるのはミエミエで、このコロナ禍にあって政権を放り出したことの責任など微塵も感じていないらしい。そのこと自体にも怒りを覚えずにはいられないが、今後、安倍前首相が自身の私利私欲による歴史修正発言を繰り返すことは必至であり、引きつづき監視が必要だ。

http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/751.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1030.html

[近代史4] 徴用工の待遇は本当に良かったのか? 中川隆
3. 中川隆[-10604] koaQ7Jey 2020年10月25日 14:47:13 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[26]
日本人と同程度の報酬をもらっていた徴用工がいた一方で、劣悪な条件で働かされたあげく、給与をピンハネされたり、未払いのまま踏み倒された徴用工が多数いた
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1030.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/411.html#c3
[近代史3] チャンネル桜の常連 西岡力 の悪質な詐欺の手口 中川隆
23. 中川隆[-10603] koaQ7Jey 2020年10月25日 14:48:28 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[27]
日本人と同程度の報酬をもらっていた徴用工がいた一方で、劣悪な条件で働かされたあげく、給与をピンハネされたり、未払いのまま踏み倒された徴用工が多数いた


安倍前首相が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートし「お前が言うか」のツッコミ殺到! 徴用工めぐる主張自体もフェイク(リテラ)
http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/751.html

2020.10.25 安倍が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートしツッコミ殺到 リテラ

     
     安倍晋三フェイスブックより


安倍前首相は辞任後、すでに2度にわたって靖国神社を参拝しているが、23日には〈昨日、産業遺産情報センターにて長崎県の端島(通称軍艦島)の元島民の皆様とお話しする機会を得ました〉とツイート。こうつづけている。

〈世界最大の人口密集率といわれた当時の端島での生活をものがたる様々な資料が展示されておりましたが、その中に台湾出身の徴用工である鄭新発さんが大切に残していた給料袋(給与+ボーナス)がありました。〉

 そして、産業遺産情報センターに展示されている「戦時中の長崎造船所 徴用工に支払われていた給与+ボーナス」といった展示パネルの写真を貼り付けた上で、安倍前首相はこのように綴ったのだ。

〈鄭新発さんに感謝したいとおもいます。当時の彼らの労働に対する待遇が本当はどうであったかを物語る貴重な資料です。
いわれなき中傷への反撃はファクトを示す事が一番でしょう。
コロナ禍の中、入場者数が制限されていますが、是非多くの方に来館していただきたいと思います。〉

「いわれなき中傷への反撃はファクトを示す事が一番」──。つまり安倍前首相は、強制動員・強制労働され差別的な扱いを受けたと訴えている元徴用工の証言を「いわれなき中傷」などと言い放ち、その展示を「ファクト」だとし、“徴用工にもしっかり給与やボーナスが支払われていた”“徴用工は強制的に動員された被害者ではなく対価が支払われていた労働者”だと主張したのである。


■徴用工の強制連行や賃金のピンハネ、不払いなどを示す証言や公文書が

 しかし、このツイートが問題なのは、そういうブーメラン話だけではない。それ以上にあらためて強調しておかなければならないのは、今回、安倍前首相が挙げている資料が、徴用工の差別的待遇や強制労働を否定する「ファクト」ではけっしてないということだ。

 安倍前首相は台湾出身の元徴用工の給与袋や賞与袋の展示を紹介し、すべての徴用工が日本人と同じ待遇であったかのように喧伝しているが、実際は、日本人と同程度の報酬をもらっていた徴用工がいた一方で、劣悪な条件で働かされたあげく、給与をピンハネされたり、未払いのまま踏み倒された徴用工が多数いたことは、数々の証言や記録からも明らかになっている。

 たとえば、端島(軍艦島)に連れてこられ、過酷な労働をさせられた崔璋燮(チェ・チャンソプ)さんは2010年の市民団体によるインタビューのなかで、その労働や生活をこう語っている(長崎在日朝鮮人の人権を守る会・編『〔増補改訂版〕軍艦島に耳を澄ませば 端島に強制連行された朝鮮人・中国人の記憶』社会評論社)。

「石炭を掘り出す仕事、採炭だ。わずか一週間だけ採炭現場を見学させて、仕事に就かせた。一番方、二番方、三番方というふうに三交代で一日一六時間労働のときと、二交代で一日一二時間労働のときとあった。一度に四〇人ずつ、坑口から三、〇〇〇尺もの地下にものすごいスピードで降下して、身の縮む思いがした。現場は暑くて汗だくなので、一年中、褌一丁で働いた。〔中略〕汁かけ飯一杯食っただけで長時間働くのだから、みんな栄養失調状態になった。仕事が終わって、七メートルはある防波堤の上に毛布を敷いて体を休めていると、脚が痙攣を起こした。『俺、死にそうだ』という呻き声も聞こえた。しかも賃金をもらったことはない。私の記憶は確かだ」

 また、当時、徴用工の実態を調査報告していた内務省管理局・小暮泰用の「復命書」には、山口県下沖宇部炭鉱労務者967人の徴用工は〈一人平均月76円26銭の内稼働先の諸支出月平均62円58銭を控除し残額13円68銭が毎月一人当りの純収入〉だったという記述もある。

 ようするに、安倍首相の挙げた給与袋は徴用工の劣悪な労働を否定するなんの証拠にもなっていないのだ。

 しかも、安倍首相は元徴用工の人びとが証言している強制動員・強制労働や差別的な扱いを「いわれなき中傷」などと決めつけているが、この主張こそがフェイクだ。

 戦時中の朝鮮人強制連行は当事者の証言だけではなく、公文書を含んだ史料がいくつも残っている歴史的事実だ。たとえば、1944(昭和19)年4月13日付の朝鮮総督府の官報には、政務総監だった田中武雄による訓示にこう記されている。

〈官庁斡旋労務供出の実状を検討するに労務に応ずべき者の志望の有無を無視して漫然下部行政機関に供出数を割当て下部行政機関も亦概して強制供出を敢てし、斯くして労働能率の低下を招来しつつある欠陥は断じて是正せねばなりません。〉

 さらに、前出の内務省管理局・小暮泰用の同年7月31日「復命書」には、〈徴用は別として其の他如何なる方式に依るも出動は全く拉致同様な状態である/其れは若し事前に於て之を知らせば皆逃亡するからである、そこで夜襲、誘出、其の他各種の方策を講じて人質的略奪拉致の事例が多くなるのである〉とも書かれている。

■〈意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいた〉と説明していた日本政府

「ファクトを示す」というなら、〈志望の有無を無視〉〈全く拉致同様〉〈人質的略奪拉致〉の〈強制供出〉であったことを認めるこれらの公文書の内容こそが「ファクト」ではないか。

 だいたい、徴用工を強制動員したことは安倍政権下でも認めていた事実なのだ。安倍前首相は軍艦島(端島)も含まれている「明治日本の産業革命遺産」をユネスコの世界遺産にゴリ推した張本人だが、2015年の世界遺産委員会では、日本側は朝鮮人徴用工について〈その意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいた〉と強制動員だった事実を認め、〈第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる〉(内閣官房「産業遺産情報センターの在り方等について(第一報告書))」)と約束していたからだ。

 だが、こうして国際機関と交わした約束を、安倍政権はその後、反故にするという下劣な手に出る。2017年、日本側がユネスコへ提出した「保全状況報告書」では、朝鮮人徴用工について〈戦前・戦中・戦後に多くの朝鮮半島出身者が日本の産業の現場を支えていた〉という記述で、強制連行や過酷労働の実態を矮小化。そして、2019年に出された「保全状況報告書」では、朝鮮人徴用工について一切触れなかったのだ。

 それだけではない。今回、安倍前首相が訪れた産業遺産情報センターは、前述した世界遺産委員会において〈徴用政策を実施していたことについて理解できる措置を講じる〉として設置を表明していたものなのだが、今年6月にいざオープンしてみると、徴用工の置かれた過酷な状況を説明するどころか、まったく逆になっていた。

 同センターでは軍艦島や長崎造船所、八幡製鉄所など登録された23資産とともに、「国民徴用令の官あっせん、徴用、引き揚げについて理解できる5文書」をパネルで列挙しているが、その説明は通り一遍のものにすぎず、隣には徴用工問題は解決済みとアピールするかのように1965年の「日韓請求権協定」の全文まで掲示。さらに、同じ部屋では軍艦島の元島民らのインタビューが紹介されているのだが、徴用工が受けた差別などを証言するものではなく、逆に、父親が軍艦島炭鉱で働いていたという在日韓国人2世の「いじめられたとか、指さされて『あれは朝鮮人ぞ』とは全く聞いたことがない」という証言が紹介されているのである。

 世界遺産への登録という目的を果たした途端、強制動員の事実を伝えるという約束を破り、むしろ歴史修正に利用する──。信じがたい話だが、しかし、これこそが安倍前首相がそもそも「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産化にこだわった理由だった。

■都合のいい事実だけを断片的につなぎあわせて徴用工の強制労働を否定する安倍首相

 しかし、繰り返すが、戦時中の朝鮮人強制連行は歴史的事実であり、人間の生きた証そのものを記録や記憶から消してしまおうとする歴史修正は、許される行為ではない。

 強制連行の実証的研究で知られる東京大学の外村大教授は、こんなことを述べている。

「特に90年代半ばからですね、史料の発掘が進み、いろんな話が出てきました。朝鮮人の待遇が日本人よりよかったとか、自ら望んで来た人がいたとか。いずれも事実の断片ではあるんですよ。じゃあ暴力的な連行や虐待は例外的だったかというと、それは違う」
「事実というものは無限にあるものです。都合のいい事実だけをつなぎあわせれば別の歴史も生まれる。でも、それは『こうあってほしい』というゆがんだ願望や妄想に近い」(朝日新聞2015年4月17日付インタビュー)

 安倍前首相が今回、持ち出した資料は「事実の断片」でしかなく、それによって「暴力的な連行や虐待」を示す資料や証言を否定することは、まさしく「ゆがんだ願望や妄想」にほかならない。

 朝鮮人徴用工の強制動員の否定や靖国神社の参拝といった言動によって、安倍前首相はネトウヨや極右にアピールをし、求心力を維持することに躍起になっている。その裏には「3度目の総理返り咲き」という欲望があるのはミエミエで、このコロナ禍にあって政権を放り出したことの責任など微塵も感じていないらしい。そのこと自体にも怒りを覚えずにはいられないが、今後、安倍前首相が自身の私利私欲による歴史修正発言を繰り返すことは必至であり、引きつづき監視が必要だ。

http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/751.html  
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/216.html#c23

[近代史3] 昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 岸谷五朗・吉本多香美 らせん (フジテレビ 1999年) 中川隆
2. 中川隆[-10602] koaQ7Jey 2020年10月25日 15:45:16 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[28]
Rasen EP3 らせん 1999



http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1029.html#c2
[番外地8] 最近、株価が上昇してますが、日本経済に株価が上昇するようなファクターがあったっけかな?と不思議に思っていました。GENDAI NETに気になる記述を見つけました 2005年11月30日 掲載
​ @hana. hana
>アメリカCIAの話しからして、本当ですか?

竹中平蔵と橋洋一は小泉ミニバブルの時も同じ手口でアメリカに利益供与していたよ:

最近、株価が上昇してますが、日本経済に株価が上昇するようなファクターがあったっけかな?と不思議に思っていました。GENDAI NETに気になる記述を見つけました 2005年11月30日 掲載

10月23日(日)の「がっちりマンデー!!」という民放番組を見ていると、ゲストに当時の竹中蔵相を招いて「竹中大臣の新日本経済入門U」みたいなのをやっていました(リンク)。

その番組中で竹中前蔵相は、「それを私の口から言ってしまうと問題がある」とは言いつつもニヤニヤしながら“これから投資の時代ですよ〜”、みたいなニュアンスを醸し出していました。民放とつるんで、朝からTV漬けの主婦など(竹中氏曰く“IQが低い”←リンク)の層を個人投資家として株式市場に参加させ、バブルを起こさせようというのが狙いか?と疑ってしまいます。それでも個人投資家のシェアは15年前から7%程伸びただけというのが実情。

注目はやはり、15年間で4倍にも跳ね上がって、いまやシェアの半分になろうとしている外国人投資家の方でしょう。日本の株式市場なのに、国内機関投資家のシェアがたったの3%以下(信託入れても12%)なのに、外国人投資家が46.7%もあるというのも、いかにも異常な感じがします。

国内機関投資家は、体力が無いのと前回のバブルでひどい目にあったので“羹に懲りて膾を吹く”みたいなことでシェアが少ないのかもしれませんが、個人投資家はしっかり37%のシェア。もしかして彼らは、バブルを経験していない(orその当時ひどい目に遭わなかった?)新興の勢力なのかもしれません。だとしたら、外国人投資家にとっては、投資にそれほど慣れていない(でも、「もうからへんかいな〜」と甘い夢を見ている)連中は恰好の“カモ”に映っているのではないでしょうか(実際、投資経験の浅い学生や主婦がデイトレを始める中心層とよく聞きます)。

もしそうだとすると、いやな予感が脳裏をよぎります。

彼らの投資資金は、海千山千の外国人投資家に揺さぶりをかけられて丸ごと持っていかれる…というシナリオなのではないでしょうか。

1994年:メキシコをはじめとする中南米バブル、1997年:東南アジアバブル、1998年ロシア金融危機など、次々と各地でバブルを演出し、そのたびに自分達だけがっぽり儲けて、地元の経済や社会をボロボロに破壊し、そこに付けこんでIMFを介して世界各国の経済支配を強化してきた勢力がいます(参照:17664、リンク)。

今回は、小泉首相をはじめ官庁やマスコミまでがグルになって旗を振って、国民を道連れにバブルに突き進もうとしているかのように見えます。私達は、それらの勢力やエコノミストたちの戯言に惑わされて、前回のバブル崩壊や中南米・アジアと同じ轍を踏むようなことはあってはならないと思います。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=101985
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/545.html

[番外地8] 植民地のインドは商品を輸出しても、その見返りの代金は ポンドでイギリスに蓄積され、デフレになり、不景気になった
​ @hana. hana
日本からトヨタみたいな輸出企業を追い出して、内需だけでやればいいんです:

植民地のインドは商品を輸出しても、その見返りの代金は
ポンドでイギリスに蓄積され、デフレになり、不景気になった
2006年2月9日 アメリカの謎を解く 橋本裕の文学・人生日記帳

ブッシュ大統領が1月31日の一般教書演説で、「私は8800億ドルを減税し、国民に返却した。今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」と述べた。
 一方で、アメリカの経常赤字は05年が7900億ドル(93兆6940億円)、財政赤字も06年度は4230億ドル(約50兆2千億円)で過去最大、債務残高はすでに8兆ドル(約950兆円)を越えている。

 日本では、税制赤字を解消するために、増税をしなければならないと考えられているが、アメリカは逆である。減税をして国内消費を活性化し、景気をよくして税収をあげようとする。さらにアメリカの場合は戦争によって軍需景気を作りだしているわけだ。

 いずれにせよ、アメリカは消費大国。国も国民も借金をして消費を楽しんでいる。このアメリカの消費を助けているのが日本をはじめとするアジア諸国だ。とくに日本の貢献が大きい。日本は政府と民間が何百億ドルというアメリカ国債を買っている。

 先日、朝日新聞夕刊「経済気象台」に「米国のもう一つの謎」という文章が載った。経常収支の赤字が拡大しているにもかかわらず、ドル高が持続している謎について、それは借金国のアメリカが負債について支払う金利が「異常」に低いからだと書いている。これに反して、アメリカの対外資産は巨大な利益を手にしている。

 アメリカは莫大な借金をし、そしてその中から、わずかな一部を他国に貸している。そして不思議なことに、巨大な借金のための利払いよりも、わずかな海外資産の方が多くの利益を生み出しているというのだ。

 どうしてこんなマジックが可能なのか。それは日本がこの逆をしているからである。なぜ日本がこの分の悪い役回りを続けるのか、実はこれこそが本当の謎だということになる。

驚くべきことに、小さな対外資産から受け取る利子と配当が、大きな対外負債に支払う利子と配当を今日まで上回り続けている。家計にたとえると、収入を上回る買い物をして毎月赤字が続き、借金が膨らんでいる。ところが、多額の借金に支払う金利がゼロに近ければ、わずかばかり保有する預金などから受け取る利子の方が大きいという状態なのだ。これでは赤字をいくら出しても、借金さえできれば、後は何の憂いもなく買い物ができる

このうまい話に手放しで悪のりして、米国は経済収支赤字を続け、負債の増加に加速度がついている。この構図が最近話題になり、債権国が浮き足だっている。日本にその気配がないことが「謎」の源である

 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。

 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。

 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。

 一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。

 仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。

 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている。

輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。
 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。

 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである

 幸い、最近この貿易構造がかわりつつある。日本の貿易相手国が中国をはじめとするアジアやヨーロッパにシフトしたことで、日本の対米黒字の割合が相対的に低下したからだ。こうして日本がデフレから解放されるチャンスがここから拡大した。

 しかし、問題はすでに厖大なドル建て資産をアメリカに持っていることだ。日本人の汗の結晶であるドル建て資産が、今後ドル安で何百兆と失われる可能性がある。こうした形で、アメリカは最終的に日本の資産を合法的に手に入れようとする。

「今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」というブッシュの一般教書の宣言は、これからも日本をはじめ、世界から資金を調達するという意思表示と読むべきなのだろう。
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/546.html

[番外地8] アメリカが日銀に異次元金融緩和させた目的は日本の銀行と大企業の乗っ取り
アベノミクスはアメリカへの利益供与だった。これから超円高になったら恐ろしい事になる:

アメリカが日銀に異次元金融緩和させた目的は日本の銀行と大企業の乗っ取り

アベノミクスで日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取られる。特に日本国債を日銀に売って、その金でアメリカ国債を買った日本の銀行はすべて債務超過になって欧米資本に乗っ取られる。

アベノミクスとは何だったのか(Live配信2020/9/1) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9ZMZjUkBPow

2018.5.28「安倍首相の売国政策を糾弾する」大西つねきの週刊動画コラムvol.28
https://www.youtube.com/watch?v=VFEBdHhOv5A

資金不足を続けている対外純債務国(10兆ドル;1,100兆円)が発行する米国債は、ゼロ金利の日本・欧州の金利と、2%から2.5%の金利差(イールド)があるという理由から、売れていきました。

しかし今は、コロナショックからのFRBの緊急利下げで、米国債も金利ゼロです。ゼロ金利のドル国債を買うと、日本、欧州、中国からはドル安のリスクを、金利ではカバーできません。

短期で投機的なドル先物買いの動きは別ですが、2年単位の中期では、債務国の通貨のドルに金利差がない時は、基軸通貨とは言っても「円に対してドル安」の材料になります。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/547.html

[番外地8] 石原都知事「小沢一郎?民主党?"ちゃんちゃら可笑しい"」石原慎太郎
小沢一郎とか自民党が日銀を全面バックアップしていましたから:

小沢一郎は売国奴
石原都知事「小沢一郎?民主党?"ちゃんちゃら可笑しい"」石原慎太郎 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=Vo5WGwQe3eE

『1980年代から1990年代にアメリカは、日本に対しすさまじいばかりの金額の内需拡大要求をしています。その要求を丸呑みした小沢一郎は、元祖媚米派というべき存在です。  


アメリカは、80年代から90年代にかけては、アメリカ企業の需要拡大のために「内需拡大」を唱えていたものの、アメリカ企業の体たらくに匙を投げて、今度は日本企業そのものをアメリカ資本のものにしようという作戦に転じたのかもしれません。  

アメリカ大好きの自称保守は、80年代から90年代にかけてのアメリカの理不尽とも思える「内需拡大要求」についてはどう弁明するつもりでしょうか。 』

日本のバブル生成とその崩壊に尽力した小沢一郎先生は、その過程で関係が深まったロスチャイルドに自分の新しい飼い主になって貰いました。 そしてポチの小沢先生の裏切りにカンカンに怒ったのが90才になった元飼い主のデビッド・ロックフェラーお爺さん:

小沢一郎は出発点からロスチャイルド系のサラブレッド  11/06/02
小沢一郎待望論がネット界を中心に騒がれているが、彼はロスチャイルド系の人間であるようだ。したがって石油利権(ロックフェラー系)というよりは原発利権(ロスチャイルド系)の小沢が原発を廃止する方向に行くわけは無い。

小沢一郎は、中学生時代から、ロスチャイルド系の石油メジャーの日本支社長の妻が、家庭教師となり、「アメリカ国家によって、日本の政界の後継・政治家」として育てられた、サラブレッドである。

この支社長の娘ルイーザ・ルービンファインは、一時期、小沢の「政策秘書」となり、小沢の「お目付け役」を担当して来た。このルイーザ・ルービンファインは、現在は、アメリカ国務省の高官として、アメリカの「対日政策」を決定する重鎮となっている。このルイーザが、小沢の著書「日本改造計画」の本当の著者=ゴーストライターである事は、良く知られている。

アメリカ政界・官界では、アメリカ民主党が政権に就任すると、これまでの共和党とは「異なった」勢力が、主導権を持ち始めた。前ブッシュ大統領一族が、ロックフェラー直系の、石油業界をバックとしたエネルギー屋集団であり、ブッシュ一族本人も、テキサスの石油マフィアの一族であった。一方で、オバマ民主党政権は、「環境保護」を掲げ、石油を使う文明は二酸化炭素排出で、地球温暖化を「モタラス」として、明らかに、「反・石油屋」の経済政策を採り、逆に、原子力発電を推進する、核兵器・原子力発電マフィアとして、動き始めている。

この小沢のボス=ルイーザを、指揮・命令する、アメリカ民主党=核兵器・原子力発電マフィアの「元締め」が、かつてのカーター民主党政権の副大統領ウォルター・モンデールである。アメリカで「民主党が、政権交代した以上、日本でも、民主党に政権交代しなければならない」、と言った、政界の利権「バトンタッチ」が行われた事になる。

小沢一郎の背後に、世界を支配する、巨大な兵器マーケットの支配者群が存在する事実を、明確に記憶に留めておかなければならない。小沢の資金源と、権力が、「なぜ絶大であるのか」、理由は、ここにある。 モンデールは、遺伝子組み換え食品、世界最大手のカーギル=モンサント社の取締役でもある。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=252397
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/548.html

[近代史3] 昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 岸谷五朗・吉本多香美 らせん (フジテレビ 1999年) 中川隆
3. 中川隆[-10601] koaQ7Jey 2020年10月25日 17:32:11 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[29]
>>2 は間違いでした

Rasen EP 3 らせん 1999 English Subtitle 日本のドラマ 人気 .



http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1029.html#c3
[近代史4] ボリビア侵略の歴史
ボリビア侵略の歴史


2020.10.25
米国が昨年、クーデターで追い出したモラレスの後継者がボリビアの選挙で圧勝
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202010250001/


 ボリビアで10月18日に実施された総選挙でルイス・アルセが次期大統領に選ばれたと言われていたが、その得票率は55.1%で他の候補を圧倒していたことが明らかになった。第2位のカルロス・メサは28.8%、最もアメリカの巨大資本に近いルイス・フェルナンド・カマチョは14.0%だ。

 昨年11月10日にクーデターで追放されたエボ・モラレスとアルセは同じMAS(社会主義運動)に所属、キューバやベネズエラとの関係を修復すると語っているのだが、モラレスの路線に戻る可能性は小さいと見られている。

 モラレスは昨年11月10日、ボリビア軍の最高指揮官だったウィリアム・カリマンから「最後通牒」を受けて「辞任」を強いられた。事実上のクーデターだが、それにはカリマンのほか、マンフレド・レイェス・ビラ、レンベルト・シレス・バスケス、ジュリオ・セーザ・マルドナド・レオニ、オスカル・パセロ・アギレ、テオバルド・カルドソ・ゲバラといった軍幹部が参加している。

 モラレスが排除された後、アメリカの支配者が暫定大統領に据えたキリスト教系カルト信者のヘアニネ・アニェスはボリビア上院の副議長だったものの、国民に支持されていたわけではない。その人物を暫定大統領にしたのは、ボリビアの軍や警察、その背後に存在するアメリカの支配者だが、この構図は崩れていない。

 このボリビアでは53年前、1967年10月9日にエルネスト・チェ・ゲバラが殺された。1964年11月の軍事クーデターで実権を握っていたレネ・バリエントス・イ・オルトゥニョはアメリカ大使のダグラス・ヘンダーソンからゲバラを処刑するように命令されていたと言われている。その当時、まで存在が認められていなかった電子情報機関のNSAはゲバラの動きを正確に把握、現場でゲバラに撃ち込む銃弾の位置も指示していたフェリックス・ロドリゲスはCIAのオフィサーで、ジョージ・H・W・ブッシュと親しかった。

 ところで、ボリビアは近代ヨーロッパの登場に重要な役割をはたしている。ヨーロッパの富は略奪で築かれた。15世紀から17世紀にかけての「大航海時代」にはエルナン・コルテスがアステカ王国(現在のメキシコ周辺)に攻め込んで莫大な金銀を奪い、フランシスコ・ピサロはインカ帝国(現在のペルー周辺)で金、銀、エメラルドなどを略奪した。いずれの帝国とも滅ぼされている。

 ヨーロッパ人は莫大な量の貴金属品を盗んだだけでなく、先住民を酷使して鉱山開発も行った。その象徴的な存在がボリビアのポトシ銀山だが、どの程度、盗み出されたかは不明である。

 スペインやポルトガルがラテン・アメリカから盗み出した金銀財宝を海賊に奪わせていたのがイギリス。そうした海賊の中でもジョン・ホーキンス、フランシス・ドレイク、ウォルター・ローリーは有名だ。エリザベス1世はホーキンスにナイトの爵位を与えた。ドレイクやローリーはナイトになっている。金やダイヤモンドを産出した南部アフリカをイギリスが侵略するのは19世紀の終盤だ。しょう
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202010250001/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1129.html

[近代史5] 新自由主義の時代 中川隆
5. 中川隆[-10600] koaQ7Jey 2020年10月26日 00:51:32 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[32]
イギリスやアメリカの支配者はシティやウォール街を拠点にして新自由主義を世界に広めてきた。

この信仰で教祖的な役割を果たしたのがシカゴ大学の教授だったミルトン・フリードマンであり、その先輩とも言える学者がフリードリッヒ・フォン・ハイエク。このハイエクの教え子にはデイビッド・ロックフェラーも含まれている。

彼らは社会や民主主義を否定、強大な私的権力が支配する市場と支配者が定める道徳を「新しい生活様式」の柱にしようとしている。そうした「リセット」を実現する上でCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)は重要な役割を果たしている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202010250001/
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/268.html#c5

[近代史5] Terror Tuesday _ オバマ大統領は火曜日夕方に必ず CIA のブレナンに暗殺指令を出した
Terror Tuesday _ オバマ大統領は火曜日夕方に必ず CIA のブレナンに暗殺指令を出した

【令和元年秋 特別対談】伊藤貫氏の警告、
パックス・アメリカーナと中華思想の間で摩滅する「商人国家日本」[桜R1-10-26]

https://www.nicovideo.jp/watch/so35866762

ゲスト:伊藤貫(国際政治アナリスト)
聞き手:水島総
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/341.html

[近代史5] Terror Tuesday _ オバマ大統領は火曜日夕方に必ず CIA のブレナンに暗殺指令を出した 中川隆
1. 中川隆[-10599] koaQ7Jey 2020年10月26日 01:01:35 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[34]
小沢一郎先生を襲った恐怖とは
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/296.html

日本人は「狂ったアメリカ」を知らなすぎる
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/175.html

アメリカ人は頭がおかしい
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/556.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/341.html#c1

[近代史3] Terror Tuesday _ オバマ大統領は火曜日夕方に必ず CIA のブレナンに暗殺指令を出した 中川隆
12. 中川隆[-10598] koaQ7Jey 2020年10月26日 01:02:45 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[35]
Terror Tuesday _ オバマ大統領は火曜日夕方に必ず CIA のブレナンに暗殺指令を出した

【令和元年秋 特別対談】伊藤貫氏の警告、
パックス・アメリカーナと中華思想の間で摩滅する「商人国家日本」[桜R1-10-26]

https://www.nicovideo.jp/watch/so35866762

ゲスト:伊藤貫(国際政治アナリスト)
聞き手:水島総  
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/696.html#c12

[番外地8] 石原都知事「小沢一郎?民主党?"ちゃんちゃら可笑しい"」石原慎太郎 中川隆
1. 中川隆[-10597] koaQ7Jey 2020年10月26日 01:32:51 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[36]
小沢一郎とか自民党が日銀を全面バックアップしていましたから:

小沢一郎は売国奴
石原都知事「小沢一郎?民主党?"ちゃんちゃら可笑しい"」石原慎太郎 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=Vo5WGwQe3eE

『1980年代から1990年代にアメリカは、日本に対しすさまじいばかりの金額の内需拡大要求をしています。その要求を丸呑みした小沢一郎は、元祖媚米派というべき存在です。  


アメリカは、80年代から90年代にかけては、アメリカ企業の需要拡大のために「内需拡大」を唱えていたものの、アメリカ企業の体たらくに匙を投げて、今度は日本企業そのものをアメリカ資本のものにしようという作戦に転じたのかもしれません。  

アメリカ大好きの自称保守は、80年代から90年代にかけてのアメリカの理不尽とも思える「内需拡大要求」についてはどう弁明するつもりでしょうか。 』

日本のバブル生成とその崩壊に尽力した小沢一郎先生は、その過程で関係が深まったロスチャイルドに自分の新しい飼い主になって貰いました。 そしてポチの小沢先生の裏切りにカンカンに怒ったのが90才になった元飼い主のデビッド・ロックフェラーお爺さん:

小沢一郎は出発点からロスチャイルド系のサラブレッド  11/06/02
小沢一郎待望論がネット界を中心に騒がれているが、彼はロスチャイルド系の人間であるようだ。したがって石油利権(ロックフェラー系)というよりは原発利権(ロスチャイルド系)の小沢が原発を廃止する方向に行くわけは無い。

小沢一郎は、中学生時代から、ロスチャイルド系の石油メジャーの日本支社長の妻が、家庭教師となり、「アメリカ国家によって、日本の政界の後継・政治家」として育てられた、サラブレッドである。

この支社長の娘ルイーザ・ルービンファインは、一時期、小沢の「政策秘書」となり、小沢の「お目付け役」を担当して来た。このルイーザ・ルービンファインは、現在は、アメリカ国務省の高官として、アメリカの「対日政策」を決定する重鎮となっている。このルイーザが、小沢の著書「日本改造計画」の本当の著者=ゴーストライターである事は、良く知られている。

アメリカ政界・官界では、アメリカ民主党が政権に就任すると、これまでの共和党とは「異なった」勢力が、主導権を持ち始めた。前ブッシュ大統領一族が、ロックフェラー直系の、石油業界をバックとしたエネルギー屋集団であり、ブッシュ一族本人も、テキサスの石油マフィアの一族であった。一方で、オバマ民主党政権は、「環境保護」を掲げ、石油を使う文明は二酸化炭素排出で、地球温暖化を「モタラス」として、明らかに、「反・石油屋」の経済政策を採り、逆に、原子力発電を推進する、核兵器・原子力発電マフィアとして、動き始めている。

この小沢のボス=ルイーザを、指揮・命令する、アメリカ民主党=核兵器・原子力発電マフィアの「元締め」が、かつてのカーター民主党政権の副大統領ウォルター・モンデールである。アメリカで「民主党が、政権交代した以上、日本でも、民主党に政権交代しなければならない」、と言った、政界の利権「バトンタッチ」が行われた事になる。
小沢一郎の背後に、世界を支配する、巨大な兵器マーケットの支配者群が存在する事実を、明確に記憶に留めておかなければならない。小沢の資金源と、権力が、「なぜ絶大であるのか」、理由は、ここにある。 モンデールは、遺伝子組み換え食品、世界最大手のカーギル=モンサント社の取締役でもある。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=252397


小沢一郎の著書『日本改造計画』は小沢が自民党の幹部時代、講談社から1993年(平成5年)5月20日に発表された。内容は小沢の政策やビジョンをつづったもの。

平野貞夫によると、森内閣の頃、自由党の幹部少数で政策勉強会の一環として行われていた『日本改造計画』の勉強会に竹中平蔵が参加していた。 本書は小沢の理念をもとに、詳細については小沢の主催する勉強会に参加していた官民の有識者が肉付けしたものとされてきたが、執筆過程の詳細はわかっていなかった。
しかし2014年になって、政治学者の御厨貴が明らかにしたところによると、本書の執筆(協力)者は学者が中心で、具体的には

「国内政治」は御厨(東京都立大学 (1949-2011)教授)と飯尾潤(埼玉大学講師)、
「経済」は伊藤元重(東京大学助教授)と竹中平蔵(慶応大学助教授)、
「外交・安全保障」は北岡伸一(立教大学教授)

であったという(肩書はいずれも出版当時)。また、税制改革については大蔵官僚であった香川俊介らが関わったとされる。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/548.html#c1

[番外地8] c house n人が反日になった理由
c house n人が反日になった理由

1.飢餓輸出させた
2.農民の土地を奪った
3.日本に連れてきてタダ同然で強制労働させた
4.c house n の財産をすべて奪った
5.c house n 女性を性奴隷にした
_____

c house n人が反日になった理由 1 _ 飢餓輸出させた
日本で米が足りなくなったのは日清戦争がきっかけでしたが、それが日露戦争のとき顕著になったと東京外語大の大月先生は語っていました。

   それ以降は米不足が慢性的になり、1918年にはそれが頂点に達し「米騒動」が起き政権が揺らぎました。

この時、政府は次の三つの対策案を練りました。

 1。タイなどから外地米を輸入する。
 2。国内産の米を増産する。
3。chousenや台湾など植民地で米を増産する。

第1案のタイ米はパサパサしてまずく評判がさんざんで話になりませんでした。

私も数年前にはタイ米をけっこう食べましたが、カレーやチャーハンにでもしないとなかなか箸が進みませんでした。

   第2案ですが、内地米の増産はその余地があまりなく効果は期待薄でした。

そこで結局、第3案の植民地での産米増殖計画が本格的に採用され、1920年から始まりました。

chousen総督府は巨費を投じ、ダムや灌漑設備をつくったり、輸送用の鉄道や港湾などインフラの整備を始めました。

また米の品種も、早神力など日本人好みのものを奨励し、あわせて化学肥料を勧めました。さらに栽培技術も「正条植え」による田植えなどを巡査を動員してまで指導しました。(早神力を番組では「わせしんりき」と発音していました)


こうした努力の結果が、chousenの食生活を少しでも豊かにしたのであれば、かの江藤元長官の問題発言「日本は植民地に少しは良いこともした」という考えをある程度私も認めたいところです。

   しかし、事実は残念ながら忘暮楼さんの指摘通り、米の生産量は増えてもchousen人一人当たりの消費量は逆に減り、「飢餓輸出」の現実がchousen農民を苦しめました。

   その実状を、番組は具体的にある農家の回想をとりあげ紹介していました。

秋に農民が米を70俵収穫しても、水利税や肥料代などもろもろ差し引かれ手元には15俵くらいしか残らないそうでした。

   しかも、これはかなりましな方で日本人の金融組合などに借金のある人は高利のかたにお米をとられ、手元にはせいぜい2、3俵しか残らないそうでした。

   これではとうてい食べていかれないので、農民は知恵を絞って米を土の中に埋めたり隠したりしたのですが、冷酷な借金取りもさるもの、針金で地面をつついてまでそれを見つけだし有無を言わせず持ち去ったとのことでした。

   このように、c house n の農民を苦しめた「産米増殖計画」は勢い余って日本の農家をも苦しめました。

安くてしかも品質の向上した c house n米の大量導入は内地米の暴落を引き起こし、これに世界的な恐慌が重なり農村では深刻な「娘の身売り」や、はては新たな植民政策「満蒙開拓団」を生み出しました。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/549.html

[番外地8] 石原都知事「小沢一郎?民主党?"ちゃんちゃら可笑しい"」石原慎太郎 中川隆
2. 中川隆[-10596] koaQ7Jey 2020年10月26日 01:47:09 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[37]
​ @hana. hana
小沢一郎とか自民党が日銀を全面バックアップしていましたから:

小沢一郎は売国奴
石原都知事「小沢一郎?民主党?"ちゃんちゃら可笑しい"」石原慎太郎 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=Vo5WGwQe3eE

『1980年代から1990年代にアメリカは、日本に対しすさまじいばかりの金額の内需拡大要求をしています。その要求を丸呑みした小沢一郎は、元祖媚米派というべき存在です。  


アメリカは、80年代から90年代にかけては、アメリカ企業の需要拡大のために「内需拡大」を唱えていたものの、アメリカ企業の体たらくに匙を投げて、今度は日本企業そのものをアメリカ資本のものにしようという作戦に転じたのかもしれません。  

アメリカ大好きの自称保守は、80年代から90年代にかけてのアメリカの理不尽とも思える「内需拡大要求」についてはどう弁明するつもりでしょうか。 』

日本のバブル生成とその崩壊に尽力した小沢一郎先生は、その過程で関係が深まったロスチャイルドに自分の新しい飼い主になって貰いました。 そしてポチの小沢先生の裏切りにカンカンに怒ったのが90才になった元飼い主のデビッド・ロックフェラーお爺さん:

小沢一郎は出発点からロスチャイルド系のサラブレッド  11/06/02
小沢一郎待望論がネット界を中心に騒がれているが、彼はロスチャイルド系の人間であるようだ。したがって石油利権(ロックフェラー系)というよりは原発利権(ロスチャイルド系)の小沢が原発を廃止する方向に行くわけは無い。

小沢一郎は、中学生時代から、ロスチャイルド系の石油メジャーの日本支社長の妻が、家庭教師となり、「アメリカ国家によって、日本の政界の後継・政治家」として育てられた、サラブレッドである。

この支社長の娘ルイーザ・ルービンファインは、一時期、小沢の「政策秘書」となり、小沢の「お目付け役」を担当して来た。このルイーザ・ルービンファインは、現在は、アメリカ国務省の高官として、アメリカの「対日政策」を決定する重鎮となっている。このルイーザが、小沢の著書「日本改造計画」の本当の著者=ゴーストライターである事は、良く知られている。

アメリカ政界・官界では、アメリカ民主党が政権に就任すると、これまでの共和党とは「異なった」勢力が、主導権を持ち始めた。前ブッシュ大統領一族が、ロックフェラー直系の、石油業界をバックとしたエネルギー屋集団であり、ブッシュ一族本人も、テキサスの石油マフィアの一族であった。一方で、オバマ民主党政権は、「環境保護」を掲げ、石油を使う文明は二酸化炭素排出で、地球温暖化を「モタラス」として、明らかに、「反・石油屋」の経済政策を採り、逆に、原子力発電を推進する、核兵器・原子力発電マフィアとして、動き始めている。

この小沢のボス=ルイーザを、指揮・命令する、アメリカ民主党=核兵器・原子力発電マフィアの「元締め」が、かつてのカーター民主党政権の副大統領ウォルター・モンデールである。アメリカで「民主党が、政権交代した以上、日本でも、民主党に政権交代しなければならない」、と言った、政界の利権「バトンタッチ」が行われた事になる。
小沢一郎の背後に、世界を支配する、巨大な兵器マーケットの支配者群が存在する事実を、明確に記憶に留めておかなければならない。小沢の資金源と、権力が、「なぜ絶大であるのか」、理由は、ここにある。 モンデールは、遺伝子組み換え食品、世界最大手のカーギル=モンサント社の取締役でもある。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=252397

因みに、小沢一郎は竹中平蔵がゴーストライターだった『日本改造計画』を何千回も講演していたので、小沢一郎の考え方も竹中平蔵と全く同じだったのですね:

小沢一郎の著書『日本改造計画』は小沢が自民党の幹部時代、講談社から1993年(平成5年)5月20日に発表され、実際に書店に並んだのは6月下旬だった。内容は小沢の政策やビジョンをつづったもの。

平野貞夫によると、森内閣の頃、自由党の幹部少数で政策勉強会の一環として行われていた『日本改造計画』の勉強会に竹中平蔵が参加していた。 本書は小沢の理念をもとに、詳細については小沢の主催する勉強会に参加していた官民の有識者が肉付けしたものとされてきたが、執筆過程の詳細はわかっていなかった。
しかし2014年になって、政治学者の御厨貴が明らかにしたところによると、本書の執筆(協力)者は学者が中心で、具体的には

「国内政治」は御厨(東京都立大学 (1949-2011)教授)と飯尾潤(埼玉大学講師)、
「経済」は伊藤元重(東京大学助教授)と竹中平蔵(慶応大学助教授)、
「外交・安全保障」は北岡伸一(立教大学教授)

であったという(肩書はいずれも出版当時)。また、税制改革については大蔵官僚であった香川俊介らが関わったとされる。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/548.html#c2

[近代史3] 昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 岸谷五朗・吉本多香美 らせん (フジテレビ 1999年) 中川隆
4. 中川隆[-10595] koaQ7Jey 2020年10月26日 02:29:57 : maeqeulk3U : ai5wQnR4S0NjYVU=[38]
Rasen EP 4 らせん 1999 English Subtitle 日本のドラマ 人気




http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1029.html#c4
[番外地8] 大西つねき 老人治療と介護は若い人の時間と金の無駄遣いという思い込み 中川隆
1. 中川隆[-10594] koaQ7Jey 2020年10月26日 10:02:16 : dmSeYzZ7jM : dUcuNGFwLk1nYUU=[1]
下級国民は定年で働けなくなったら、国民健康保険で腎臓の透析を受けられなくなって死ぬんだろ
資産家は年何百万円かの民間の医療保険に入って透析を受けるから死なないんだ。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/519.html#c1
[番外地8] 誤解している人が多いけど、大西さんは緊縮財政派だよ 中川隆
3. 中川隆[-10593] koaQ7Jey 2020年10月26日 10:03:02 : dmSeYzZ7jM : dUcuNGFwLk1nYUU=[2]
下級国民は定年で働けなくなったら、国民健康保険で腎臓の透析を受けられなくなって死ぬんだろ
資産家は年何百万円かの民間の医療保険に入って透析を受けるから死なないんだ。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/367.html#c3
[近代史5] 人々の意識や好みを変えたコロナ すし詰め観光や手作り料理はもう流行らない
2020年10月26日
人々の意識や好みを変えたコロナ すし詰め観光や手作り料理はもう流行らない

奈良時代は川や池で用を足したため疫病が流行し、寺社を建てまくって神に祈った。
疫病はライフスタイルを大きく変える


コロナで終わったブーム

2020年の世界コロナ流行は多くの産業にダメージを与えたばかりでなく、人々の生き方も永遠に変えた。

例えば今日の人類はトイレで用を足したり箸やフォークで食事をするのは、過去に伝染病が流行したせいでした。

飛鳥時代から奈良時代に日本にトイレは無く、小川や池で用をしていたので奈良は疫病の都でした。

西欧も似たようなものでフランス革命の後までフランスでは道路で用を足していました。

14世紀のペスト大流行の後で西洋人は食器を使うようになったが、ナイフとフォークが普及したのは18世紀でした。

各家庭やあらゆる建物にトイレがあり、手を洗うことが出来るようになったのは20世紀になってからです。


コロナ感染者は人類の0.5%、なくなったのはその3%に過ぎないので過去の伝染病に比べると大したことが無い。

だが現代では情報が一瞬で全人類に共有されるので、「コロナは恐ろしい」という情報が拡散した。

過去の疫病が人類の生活を変えてきたように、コロナ以前とコロナ後では人々の生活が変わる。

旅行ブームの終焉

コロナ前の10年は旅行ブームで、世界の人々は格安航空会社を利用して飛び回っていました。

その環境は今考えると不潔そのもので、密閉した旅客機に数百人が押し込まれて空気を共有していました。

この状況で感染症が広まるのは当たり前で、旅行先でも数百人が押し込まれるのは「当たり前だ」と考えられていた。


こうした詰め込みビジネスをしてきた旅館や観光地は、今後もう再生することはないでしょう。

開業以来女性に大人気だった東京ディズニーランドすら、赤字で従業員を解雇しています。

ディズニーランドでは「何時間待ち」並んでも乗れないのを自慢していたが、今は「不潔」の代名詞になった。


航空会社は世界の旅行ブームで旅客機を増便してきたが、今は半分以上の機体が遊んでいる。

パイロットや乗務員を大量に解雇し、航空業界で食べていけない人が大勢いる。

コロナ前は世界でクルーズ船が大人気だったが、ダイヤモンドプリンセス号では「コロナ船」と呼ばれた。


飛行機は空港に降りて解散となるが、クルーズ船は何か月も船内に閉じ込められ漂流する船が続出した。

三菱MRJことスペースジェットは2000年に森総理の構想で始まったが、20年を費やした挙句凍結となった。

原因は民間企業に放り出して国が関与しなかった事で、中国やロシアは国営企業で軍の支援を受けて開発している。

米国ファーストフードが危機に強い理由は

飲食業でコロナの打撃を受けなかった企業もあり、米国ファーストフードチェーンは打撃が少なかった。

マックに代表される合理的システムはもともと米軍が世界の兵士に食糧を配給するためのものでした。

大量に製造して安全に兵士に届けるには、軍隊システムが有効で個人商店では不可能です。


牛丼など日本のチェーン店もそこそこ対応したが、アメリカ発チェーン店ほど割り切りが良くない。

ダメだったのはラーメンの特に個人店で、米国チェーン店の合理性とは真逆の手作り感を売りにしていた。

例えばラーメンを全世界の米軍兵士に同時に提供できるかを考えると、適さないのが分かります。


同じ理由で回転ずしも衛生管理や大量供給、デリバリーが難しく、店内に客を詰め込まないと利益を上げられない。

過酷な戦場で兵士に飯を食わせる米軍流の米国チェーンは、世界のどんな場所でも同じサービスを保てるのが最大の強みです。

平時にはもっと美味しい店があるかも知れないが、伝染病が流行るなど過酷な状況になるほど強くなる
http://www.thutmosev.com/archives/84221163.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/342.html

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