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[経世済民118] 世界恐慌を貿易戦争が誘発も−米大統領政策の結果は悲惨 FRBトランプ政策で一層視界不良 黒田総裁トランプ注視 円安両刃剣
世界恐慌を貿易戦争が誘発も−米大統領政策の結果は悲惨
カールソン
Simone Foxman、Taylor Hall
2017年1月31日 14:31 JST

トランプ大統領の政策が株価の大幅な下落を引き起こすと予想
ブラック・ダイヤモンドは16年通期でプラス19%の運用成績を残した

トランプ米大統領の政策は米国と世界経済に悲惨な結果をもたらす恐れがある、とヘッジファンド運営会社カールソン・キャピタルの資金運用担当者が指摘した。
  同社のリチャード・マラビグリア氏とマット・バーコフ氏は、「ブラック・ダイヤモンド・テマティック」ファンドの顧客に宛てた四半期レターで、トランプ大統領が導入を目指す輸入関税と輸出補助金について、恐慌の引き金になりかねないと警告。「国境調整メカニズムが提案された通り実行に移された場合、世界的な不況と株式市場の大幅下落を引き起こすと考えている」と説明した。2人が運用する株式ファンドは昨年10−12月(第4四半期)がプラス9.3%、2016年通期でプラス19%の運用成績を残した。
  トランプ大統領の政策がビジネスにとってプラスになると金融業界の首脳の多くが予想しているのに対し、マラビグリア氏とバーコフ氏は、世界の株式市場が「陶酔状態」にあると指摘。バリュエーション(株価評価)が高い状況で、季節性や天候、金利といった要因で経済指標が「ほんのわずかに減速」しただけで、相場に狂いが生じる可能性があると分析した。
  両氏は貿易戦争をめぐる懸念に加え、雇用を創出する経済の力が尽きる中で、インフレ率が今後1年で最大5%に加速すると予測。「株式市場は循環調整後のバリューションが過去最高水準に達しており、われわれはスタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)という忌まわしい光景を目にすることになるかもしれない」と指摘した。
原題:Carlson Managers Warn Trade War Could Trigger Global Depression(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKMOQ76JIJVL01


 

バフェット氏も巻き込む富豪ディールメーカー、ウォール街が動向警戒
Craig Giammona、Noah Buhayar
2017年1月31日 15:18 JST

レマン氏は約2年ごとに食品業界で大型M&Aを行っている
可能性のある買収対象とされているのはモンデリーズやケロッグなど

ブラジルの富豪ジョルジ・パウロ・レマン氏が、再び企業の合併・買収(M&A)を狙っている。
  真偽はともかく、それが食品業界内で広がっているうわさだ。同氏は約2年ごとに同業界で大型M&Aを実施している。同氏は2013年にウォーレン・バフェット氏にH・J・ハインツ買収で協力するよう説得し、両氏はハインツとクラフトフーズの合併を15年に取りまとめた。

  RBCキャピタルの食品業界アナリスト、デービッド・パーマー氏は「今年がM&Aの年になるという見方には理がある」と指摘した。

  こうしたうわさをトレーダーらは警戒している。昨年12月にはほとんど知られていないスイス誌の記事で、レマン氏がバフェット氏と組んで米モンデリーズ買収を計画していると伝えられると、過去に何度も似た観測が浮上していたにもかかわらず、モンデリーズ株は急伸。数分間で28%上昇した。これまで買収合意は発表されていない。それにもかかわらず、レマン氏の17年のM&A計画には誰もが探りを入れている。モンデリーズ以外に、ゼネラル・ミルズやケロッグ、キャンベル・スープなどの名前も取り沙汰されている。

  また、一部があり得ないと一蹴しているにもかかわらず、バフェット氏が選好する米コカ・コーラも買収対象になり得るとの見方も浮上している。
  レマン氏(77)が世界の食品・飲料業界に及ぼす影響力の大きさが、こうした注目度の高さで分かる。投資会社3Gキャピタルの創業パートナーである同氏は他のパートナーと共にここ10年間にアンハイザー・ブッシュやバーガーキングなど人目を引く買収を行ったことで、その名を知られるようになった。
原題:Buffett’s Go-To Billionaire Dealmaker Has Wall Street on Edge(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKMPHP6JIJUO01


 


米金融当局、トランプ政権の政策で一層視界不良に−31日からFOMC
Rich Miller
2017年1月31日 14:02 JST

トランプ大統領の移民、貿易政策でインフレ高進や景気減速も
税制変更や規制緩和などもイエレンFRB議長らに難題突き付ける

米連邦準備制度理事会(FRB)の副議長を務めたドナルド・コーン氏は、「異例の不透明な時期にある」と誰かが陳腐な表現を口にするのを好まなかった。1980年代のレーガノミクス黎明(れいめい)期から2000年代後半の金融危機に至るまで、40年に及ぶ米金融当局でのキャリアを通じ多くを経験してきたからだ。だが、そんなコーン氏も今やこの決まり文句がとうとう現実になったと感じている。

  2月1日まで2日間の日程で、今年初めての連邦公開市場委員会(FOMC)会合に臨むイエレンFRB議長をはじめとする当局者は、トランプ政権発足に伴って生じた広範にわたる不確実性に直面している。それは税制の大幅な変更や多岐にわたる政府規制緩和、移民や貿易に対する厳格な制限の可能性といったものだ。主要政策金利が過去最低近辺にある中で、最大限の雇用と物価安定の2つの目標に近づきつつある金融当局にとって、いずれもが難題となり得る。

  イエレン議長は今月19日、米スタンフォード大学経済政策研究所で行った講演で、「不確実性が広がっている」と指摘し、実際の政策が米金融当局の予想から「大きく異なったものに行き着く」可能性があると語った。当局者が昨年12月に示した最新の経済予測では、17年は中央値で3回の利上げが見込まれているが、今週のFOMCは金利据え置き見通しが大勢だ。

  想定される難題のうち、移民と貿易を取り上げてみよう。イスラム圏7カ国からの入国を制限するとした米大統領令と、メキシコ国境の壁建設費用をどちらが負担するかで同国のペニャニエト大統領とトランプ米大統領が押し問答をしたことで先週、この2つの問題が最前線に浮上した。

  外国人の米国入国と定住が厳しく制限されれば、労働力の伸びを鈍化させ、インフレ高進のリスクを冒そうと望まない限り、金融当局が相殺するには無力であるような経済の減速をやがて招くことになる。

  他方、メキシコないし中国と貿易戦争になれば、米金融当局にとって一層深刻な悪夢だ。米国への輸入品に対する関税引き上げでインフレ率が上昇するとともに、消費者の購買力低下で経済成長率は押し下げられるだろう。

  現在はブルッキングズ研究所の上級研究員であるコーン氏は26日、ナショナル・エコノミスト・クラブで講演し、「悪い事態しか考えられない」とコメントした。
  独アリアンツの主任経済顧問モハメド・エラリアン氏は、景気悪化時には金融当局が緩和策で対処すると予想する。しかしコーン氏は、余りにも緩和的な政策スタンスを追求することでインフレ期待の危険な上昇をあおることがないよう、当局は注意しなければならないと語った。
原題:Trump Trade, Travel Tactics Add to Uncertainty at Yellen’s Fed(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKMHZB6JIJV101


 

 

黒田日銀総裁、トランプ米政権の動きを注視−金融政策は現状維持
日高正裕、藤岡徹
2017年1月31日 12:07 JST 更新日時 2017年1月31日 17:26 JST

世界的に保護主義が広がる可能性は小さい−黒田総裁
緩和出口議論は尚早、日々の金融調節は政策スタンス示さず−総裁


日本銀行は金融政策決定会合で31日、昨年9月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を決定した。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で、米国の経済政策は世界経済や国際金融市場に大きな影響があるとして、トランプ新大統領の政策や影響を注視する姿勢を示した。

  金融調節方針は、誘導目標である長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」といずれも据え置いたほか、長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどである「約80兆円」も維持。指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J−REIT)の買い入れ方針も据え置いた。

  四半期に1度の経済・物価見通しは、海外経済の改善や円安などを背景に実質成長率を上方修正する一方、物価はほぼ据え置いた。前会合に続き、木内登英、佐藤健裕両審議委員が長短金利操作等の金融調節方針に反対した。ブルームバーグがエコノミスト42人を対象に実施した事前調査では、全員が現状維持を予想していた。会合では3月に期限が来る「貸出増加を支援するための資金供給」と「成長基盤強化を支援するための資金供給」などの1年間延長も決定した。

  黒田総裁は記者会見でトランプ米政権が今後のリスク要因になるかとの質問に対し、一般的に減税やインフラ投資などでは経済成長を押し上げる方向に働くが、保護主義的な政策は「世界貿易を縮小させたり世界経済を減速させたりする懸念がある」と指摘。一方で、自由貿易の重要性は国際的に広く認識されているとして、世界的に保護主義が広がる可能性は小さいとの見解を示した。 

展望リポート

  経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、世界経済の改善や昨年12月の政府の国内総生産(GDP)統計見直しを受けて、17年度の実質GDP成長率の見通し(政策委員の中央値)を1.5%増と昨年11月の前回見通し(1.3%増)から上方修正した。
  従来「0%台前半」としていた潜在成長率もGDP統計の改定に伴い「0%台半ば程度」に上方修正した。足元の景気は「緩やかな回復基調を続けている」、先行きは「緩やかな拡大に転じていく」との見通しを維持した。
  消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比の見通しは17年度が1.5%上昇、18年度が1.7%上昇といずれも前回見通しを据え置いた。物価が2%程度に達する時期も「見通し期間の終盤(18年度ごろ)になる可能性が高い」との見通しを据え置いた。
  見通しのリスクとしては「経済・物価ともに下振れリスクの方が大きい」と指摘。物価面では「2%の物価目標に向けたモメンタムは維持されているが、なお力強さに欠け、引き続き注意深く点検していく必要がある」としている。


  政策委員見通しの中央値(単位%、カッコ内は昨年11月の見通し)
  16年度  17年度  18年度
CPI(除生鮮)  -0.2(-0.1)  1.5(1.5)  1.7(1.7)
GDP(実質 )  1.4(1.0)  1.5(1.3)  1.1(0.9)
 
   昨年11月の米大統領選でのトランプ氏勝利以降、大規模な財政出動への期待から米長期金利が上昇、為替相場のドル高・円安が進行していたが、足元では新大統領などの発言により為替相場が振れる展開が続いている。黒田総裁は記者会見で為替相場について、金利差だけで決まるものではないと指摘し、経済実体を反映して安定的に推移するのが望ましいと述べた。日銀会合前に1ドル=113円半ば近辺で取引されていたドル・円相場は会合後もほぼ変わらずで推移している。

緩和観測は沈静化、利上げ観測が浮上

  世界経済の改善や円高修正を受けて追加緩和期待がしぼむ一方、コアCPI前年比が今年末から来年初にかけて1%に達するとの見方から、引き締め方向の見方が徐々に増えている。ブルームバーグ調査では、黒田総裁の任期中に長期国債買い入れ増加ペースのめどを減額、ないしめどの公表自体を取りやめると予想したのが24人、長短金利操作の下でターゲットである長期金利を引き上げるとの予想は15人に達した。
  しかし、事情に詳しい複数の関係者によると、日銀は物価上昇率がたとえ1%に達しても、長期金利の誘導目標引き上げには慎重なスタンスで臨む構えだ。2000年のゼロ金利政策の解除や、06年の量的緩和政策の解除とそれに続く2度の利上げが時期尚早だったと批判を浴びた経験から、日銀内では金融引き締めを急ぎ過ぎるリスクが強く意識されているためだ。

  黒田総裁は記者会見で、金融緩和の出口を議論するのは「時期尚早」と述べ、「市場に余計な混乱をさせるのは適切ではない」と述べた。また日銀の日々の金融市場調節は「需給動向、市場環境を踏まえて実務的に決められる」として、先行きの政策運営姿勢を示すものではないと説明。金融政策運営方針は毎回の金融政策決定会合で示されると語った。 
  日銀は展望リポートで、政策運営について「今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえ、物価目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」とのスタンスを維持した。
  決定会合の「主な意見」は2月8日、「議事要旨」は3月22日に公表する。決定会合や金融経済月報などの予定は日銀がウェブサイトで公表している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKD6B16S972901


 


円安に潜むもろ刃の剣の恐れ、風向き変われば黒田日銀に試練も
野原良明
2017年1月31日 15:23 JST

インフレに賃金アップ追い付かなければ家計圧迫−輸入物価上昇で
日銀は長期金利目標の引き上げには慎重な構え−関係者

日本銀行が金融政策の現状維持を決定した。今年は日米金利差が拡大する見通しで、円安傾向が続けば日本経済にはプラス効果が期待できる。日銀の望むところだが、海外からの追い風が向かい風に変わると楽観ばかりはしていられない可能性もある。
  日銀は長期金利を0%程度に誘導することを通じて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに伴う日米金利差の拡大を公に認めている格好だ。これはトランプ米大統領の経済政策にかかわらず、今年は円安が続くとエコノミストの多くが予想する根拠となっている。
  同時に、円安が続いた場合には黒田東彦総裁が批判を受ける要因にもなりかねない。輸入物価の上昇が急激で賃金上昇が追い付かない場合、家計に打撃を与える可能性があるためだ。
  第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、「春先以降円安有害論が出てくるかもしれない」と指摘する。円安になっても賃金が実質プラスにならないと循環的な物価上昇が実現するか不透明なためで、「春闘による所得の改善なしに春以降の円安は限界論が出やすい」と話す。
円安のリスク
  円相場は昨年10月末から対ドルで一時約11%下落。31日午後は1ドル=113円台前半で取引されている。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは4日付のリポートで、今年の国内の最大のリスクは「円安進展が家計の実質購買力を抑制し消費低迷が続くこと」と指摘している。
  どの程度の円安が望ましいかは経済情勢による。2015年に円相場が1ドル=120円まで下げたときに、当時の甘利明経済再生担当相は、過度の円安が進めば経済のファンダメンタルズから離れると指摘したこともある。昨年9月に金融政策の枠組みを長短金利を目標に切り替えた今、日銀が円安圧力を緩和する一つの手段は0%程度としている長期金利の誘導目標を引き上げることだ。
  ただ日銀はその場合でも拙速は避けたい考えだ。事情に詳しい複数の関係者によると、日銀は物価上昇率がたとえ1%に達しても、長期金利の誘導目標引き上げには慎重なスタンスで臨む構えという。
  日銀は、2000年のゼロ金利政策の解除や06年の量的緩和政策の解除とそれに続く2度の利上げが時期尚早だったと批判を浴びた経験がある。日銀前理事でみずほ総合研究所のエグゼグティブエコノミストの門間一夫氏は、「今度は3度目なので絶対批判が起こらないという状況を目指して政策運営をやっていくと思う」と述べ、「そんじょそこらのことでは金融緩和の手を緩めることはしばらく考えられない」と話した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKMHG16S972801


 

 


ユーロ圏景況感:1月は6年ぶり高水準−景気と物価加速兆し
Maria Tadeo
2017年1月30日 19:45 JST 更新日時 2017年1月31日 17:20 JST
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景況感指数は107.9、前月は107.8
1月インフレ率と10−12月GDPは31日発表

ユーロ圏の景況感指数は1月に上昇し、2011年以降で最高に達した。景気拡大とインフレ加速の兆候が強まり、欧州中央銀行(ECB)の刺激策をめぐる議論が活発化しそうだ。
  欧州連合(EU)の欧州委員会が30日発表した1月のユーロ圏景況感指数は107.9と、昨年12月の107.8を上回り、2011年3月以来の高水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では107.8が見込まれていた。
  昨年末の物価上昇圧力が強まったことで量的緩和(QE)縮小を呼び掛ける声が一部で上がったが、この日の発表で議論はさらに高まりそうだ。当初から大規模なQEに批判的だったドイツの忍耐力が限界に近づきつつある様相を呈す一方、ドラギ総裁らECB要人は基調的な物価圧力がまだ弱いことから出口戦略を協議する時期には至っていないと主張している。
  ブルームバーグがまとめたエコノミスト52人を対象にした別の調査によれば、1月のユーロ圏インフレ率は1.5%と、前月の1.1%から加速したとみられている。これは13年半ば以来の高水準で、ECBによる今年の見通しを上回ることになる。EU統計局(ユーロスタット)は31日にインフレ率と共に、12月の失業率と10ー12月(第4四半期)の域内総生産(GDP)速報値も発表する。
  第4四半期GDPは前期比0.4%増となる見通し。ドイツとスペインの景気拡大が後押しし、伸びが加速したと見込まれている。
(原題と原文を差し替え、ユーロスタットの申し出により1月景況感指数を107.9に訂正します)
原題:Euro-Area Economic Confidence Hits Highest Since 2011 (Correct)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKL8O96KLVR401
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/520.html

[国際17] EU離脱は英国の「一世代に1度の好機」−英金融ロビー活動団体 フランス成長加速−ユーロ圏6年ぶり高水準−景気と物価加速兆
EU離脱は英国の「一世代に1度の好機」−英金融ロビー活動団体
Simon Kennedy
2017年1月31日 14:46 JST

ザシティーUKは昨年の国民投票では離脱反対だった
英国の利益に基づき独自の貿易・投資政策を追求できる

英金融業界のロビー活動団体ザシティーUKは31日、欧州連合(EU)離脱が英国にとって「一世代に1度の好機だ」との認識を示した。昨年の国民投票では離脱反対を訴えていたが、その立場を変えた。
  同団体はリポートでEU離脱が英国に投資・貿易政策を「再検証し目的を問い直す」機会を与えると指摘。英金融サービス取引の40%は欧州とのやり取りが占めるが、経済成長の90%は今後10−15年でそれ以外の地域で生まれることになり、新たな市場が優先課題になることを意味していると説明した。
  ザシティ−UKの政策・戦略ディレクター、ゲーリー・キャンプキン氏は電子メールで配布した声明で、「メイ英首相がEU離脱後に世界中と最良の貿易協定を結ぶ取り組みを示唆している」とコメントし、「EU離脱に伴う英国にとって最も大きな好機の1つが、英国が自国の利益に基づき独自の貿易・投資政策を追求できるということだ」と述べた。
原題:U.K. Finance Group Sees Brexit ‘Opportunity’ in Shift of Policy(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKMPPA6JTSEG01


 

フランス:2016年10−12月の成長加速−ユーロ圏の回復広がる
Mark Deen
2017年1月31日 16:04 JST

フランス経済は昨年10ー12月(第4四半期)に成長が加速した。ドイツとスペインに比べ出遅れていたフランスにもユーロ圏の景気回復が広がってきた。域内のインフレも同時に上向いていることから、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和の縮小開始についての議論に弾みが付きそうだ。
  仏国立統計経済研究所(INSEE)が31日発表した10−12月GDP速報値は前期比0.4%増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値に一致した。7−9月は同0.2%成長だった。
原題:French Economy Accelerates, Stoking Debate About ECB Tapering(抜粋)


 

 

 


ユーロ圏景況感:1月は6年ぶり高水準−景気と物価加速兆し
Maria Tadeo
2017年1月30日 19:45 JST 更新日時 2017年1月31日 17:20 JST

景況感指数は107.9、前月は107.8
1月インフレ率と10−12月GDPは31日発表

ユーロ圏の景況感指数は1月に上昇し、2011年以降で最高に達した。景気拡大とインフレ加速の兆候が強まり、欧州中央銀行(ECB)の刺激策をめぐる議論が活発化しそうだ。
  欧州連合(EU)の欧州委員会が30日発表した1月のユーロ圏景況感指数は107.9と、昨年12月の107.8を上回り、2011年3月以来の高水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では107.8が見込まれていた。
  昨年末の物価上昇圧力が強まったことで量的緩和(QE)縮小を呼び掛ける声が一部で上がったが、この日の発表で議論はさらに高まりそうだ。当初から大規模なQEに批判的だったドイツの忍耐力が限界に近づきつつある様相を呈す一方、ドラギ総裁らECB要人は基調的な物価圧力がまだ弱いことから出口戦略を協議する時期には至っていないと主張している。
  ブルームバーグがまとめたエコノミスト52人を対象にした別の調査によれば、1月のユーロ圏インフレ率は1.5%と、前月の1.1%から加速したとみられている。これは13年半ば以来の高水準で、ECBによる今年の見通しを上回ることになる。EU統計局(ユーロスタット)は31日にインフレ率と共に、12月の失業率と10ー12月(第4四半期)の域内総生産(GDP)速報値も発表する。
  第4四半期GDPは前期比0.4%増となる見通し。ドイツとスペインの景気拡大が後押しし、伸びが加速したと見込まれている。
(原題と原文を差し替え、ユーロスタットの申し出により1月景況感指数を107.9に訂正します)
原題:Euro-Area Economic Confidence Hits Highest Since 2011 (Correct)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-30/OKL8O96KLVR401  
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/672.html

[経世済民118] 金融関係者が注目するシムズ理論とは 安倍にも? 物価水準の財政理論 シムズの理論の内容と意味するところ
2017年01月31日第244回 金融関係者が注目するシムズ理論とは
【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

明日2月1日水曜日午前に都内で開催される、クリストファー・シムズ教授の講演が一部金融関係者の間で話題です。2011年にノーベル経済学賞を受賞したシムズ教授は、物価水準を決めるのは金融政策だけではなく、財政政策も必要であるという「物価水準の財政理論(FTPL)」を提唱しています。安倍内閣のブレーンである浜田内閣官房参与がシムズ教授を招聘、明日の講演でもパネルディスカッションで討論される予定となっていますが、シムズ教授が安倍首相にもお会いになるのでは?と注目されているのです。

2016年、ジョセフ・スティグリッツ教授やポール・クルーグマン教授が来日、安倍首相と会談しましたが、この後2016年8月、総額28兆円超に及ぶ経済対策が打ち出され消費税10%への引き上げの延期が決められたことが記憶に新しいですね。シムズ教授の来日は、新たな政策決定事項に係る何らかの伏線である可能性があるのでは?!と考える金融関係者がいても不思議はないでしょう。

金利がゼロ近辺まで下がると量的緩和は効かなくなってくるとの指摘がありますが、現実にゼロ金利政策下でのインフレターゲット達成は困難であり、日銀は非伝統的金融政策を打ち出し、国債やETFを購入しています。こうした異次元の量的緩和政策にも限界論が囁かれ始めた2016年1月、日銀はマイナス金利政策を導入したものの、逆に円高進行となり、金融株下落が日本株市場全般のセンチメントを悪化させてしまいました。

マイナス金利政策を導入したことで、マイナス金利を深堀り(マイナス幅を拡大)するという新たな緩和カードを切ったかに見えましたが、マーケットはマイナス金利政策で金融機関の収益が悪化しバランスシートを損ねてしまうとして、円高株安へと反応。資産上昇圧力も期待できなかったばかりか、預金者らはその言葉におびえ、銀行からキャッシュを引き出してタンスの奥深くにしまい込むという、思わぬ副作用も出てしまったのです。こうした経験則から浜田内閣官房参与は「デフレはマネタリー(貨幣的)な現象」との考えを改め、インフレが起こらないのは金融政策を「財政政策とセットで行っていないからだ」と述べていますが、要するに財政政策に踏み込むということは、増税はもってのほか、むしろ減税が必要であり財政の拡大が必要であるということになります。

政府債務が拡大すると、一般的に政府は財政赤字を減らそうと増税や緊縮に走りますが、これは金利低下を招く一因でもあります。将来、政府債務が減るとなると金利が下がりますね。(トランプ大統領は財政拡大路線であるため、金利が上昇し出したのです)金利が下がれば、資金需要が減ってデフレ的になっていきます。

ということで、金融政策のみでは物価を上昇させることはできないという理論が、シムズ教授の唱える「物価水準の財政理論(FTPL)」、金融関係者は「シムズ理論」と呼んでいます。週明け30日にはロイターの取材に応じ、アベノミクスは「2014年の消費増税がなければ、もっとうまくいっていた」と述べ、20年間続くデフレから脱却するためには「財政政策を物価目標の達成と連関付けるべきだ」とし、財政・金融政策の一体運営の重要性に言及していました。

インフレターゲット達成のために、日本もトランプ政権型の財政拡大に踏み切る可能性が?!30日時点で安倍首相と会う予定はないとしていますが、もし、安倍首相にお会いになることがあり、それがメディアで報じられることがあれば、ドル円相場は大きく動くかもしれません。足元ではトランプ大統領の保護主義に対する反発と警戒が強まっており、ドル安基調となってきていますが、シムズ教授の発言には注目しておきたい局面です。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

TwitterAccount@hirokoFR
前の記事:第93回 「残業規制」を読み解く 【市場のテーマを再訪する。アナリストが読み解くテーマの本質】 −2017年01月30日
http://lounge.monex.co.jp/pro/special2/2017/01/31.html


 

物価水準の財政理論についてのまとめ
2017年01月30日 12:01





池田 信夫
日経新聞にシムズのインタビューが載って、いろいろ反響を呼んでいるようだ。2月1日に来日すると日本のマスコミも物価水準の財政理論(FTPL)に興味をもつと思われるので、これまで書いた記事をまとめておこう。
まず中村仁さんの批判するようにFTPLが「財政膨張策」だというのは誤解である。シムズはこう語っている。
物価引き上げに必要なのは、日本政府が政府債務の一部を、増税ではなくインフレで帳消しにすると宣言することだ。政府が2%の物価上昇率目標を掲げ、達成するまでは消費税増税を延期する。
これを彼の論文では実質債務のデフォルトと呼んでいる。名目債務はデフォルトできないが、実質債務はインフレで踏み倒せるという意味だ。彼は「インフレ税」で政府債務を縮小せよと提言しているのだ。そのしくみは、理論的には単純だ。FTPLは、コクランの書いた次の均衡条件に要約できる。
 実質政府債務=名目政府債務/物価水準=財政黒字の現在価値 (1)
これは直観的にも明らかだろう。実質債務は名目債務を物価で割ったものだから、インフレになると分母の物価が上がって左辺の実質債務を減らすことができ、それは長期均衡では財政黒字(正確にはプライマリー黒字)の現在価値に等しくないといけない。これは必要十分条件なので逆も成り立ち、
 物価水準=名目政府債務/財政黒字の現在価値 (2)
だから財政黒字が増えると右辺の分母が大きくなり、物価が下がってデフレになる。つまり(名目政府債務を一定とすると)財政を健全化するとデフレになるのだ。これがFTPLが財政タカ派にきらわれる理由だが、この式は数学的にはトートロジーであり、20年前から確立された理論だ。
(1)式で分母の物価が下がってデフレになると、財政黒字の現在価値が大きくなって国債の収益率が上がる。だからシムズのいうように、投資家にとって国債の魅力が強すぎるため、銀行が国債に投資して民間投資が増えない。これが日本経済の長期停滞の原因だ。
したがってインフレにすると、(1)式の財政黒字が減って国債のリターンが下がり、銀行は国債を売って民間に投資(融資)するだろう。問題はここである。日銀がいくら「インフレ期待」をあおっても何も起こらないが、政府はインフレを起こせる。たとえば安倍首相が「無限にお札を印刷して政府が不動産を買う」と宣言すれば、国債は暴落し、金利が上がってインフレになるだろう。
シムズはこれよりマイルドなインフレを考えているが、それは可能だろうか。政府が2%のインフレ目標を宣言する程度では、今のように何も起こらない。逆に「インフレが5%になるまで消費税をゼロにする」といえば、急激なインフレが起こって資本が海外逃避し、円安でさらにインフレが加速する…というスパイラルに入るおそれが強い。
それを途中で止めることはできるだろうか。理論的には均衡財政で安定するのは例外で、ほとんどの場合は発散する。シムズのいう「準備預金に付ける金利を操作して政策金利を一定の範囲で保つ」という程度の手段では、インフレは止まらない。金融政策は短期の手段で、長期の物価水準には影響しないからだ。彼のシミュレーションでも、次の図のように25倍以上のハイパーインフレになるおそれが強い。

金利上昇のシミュレーション(縦軸はインフレ率)
http://livedoor.blogimg.jp/ikeda_nobuo/imgs/6/f/6f19e620-s.jpg

究極の問題は、ハイパーインフレになったら何が困るのかということだ。インフレ率は上がるが、物価水準は天井に突き当たって止まり、終戦直後のように5倍程度で収まるだろう。もちろん日本経済は大混乱になり、金融資産は大幅に減価するが、政府債務も社会保障債務も削減され、世代間の所得分配は平等化する。これは緊縮財政では不可能な荒療治だ。
いずれにせよ10年以内に、金利上昇とインフレは起こるだろう。そのとき金融機関の破綻は避けられない。日銀も債務超過になるが、それ自体は問題ではない。むしろ地方銀行などの破綻をどう防ぐかが重要で、そのとき日銀が緊急融資する最後の貸し手(LLR)機能が本質的な(唯一の)中央銀行の役割だ。
それに備えて日銀法を改正し、政府と日銀のバランスシートを統合して緊急時の日銀への資本注入を可能にし、LLR機能を強化する必要がある。これはシムズがジャクソンホール論文で提案していることだが、FTPLの専門家は一致して賛成している。

http://agora-web.jp/archives/2024173.html

 


 

2017.01.31
<経済政策大全>第3回
物価水準の財政理論 その1〜シムズの理論の内容と意味するところ
小幡 績


「物価水準の財政理論」というものが話題になっている。これは、要は、「物価水準は金融政策では決まらず、財政政策によって決まる」という理論である。
 この理論は1990年代前半に登場したのだが、今、急に話題になっているのは、この理論の有力提唱者の一人であるノーベル経済学賞受賞者のクリストファー・シムズが、昨年夏、米国ジャクソンホールにおける中央銀行関係者の会議でのスピーチで強く主張したことからだ。わが国で特に注目されているのは、安倍政権のブレーンといわれている浜田宏一氏が、シムズの話は目からうろこだった、インフレはマネタリーな(お金の、貨幣的な)現象だと思っていたのは間違いだった、とコメントして、リフレ政策の誤りを認めた、アベノミクスは失敗だった、とメディアが騒いだからである。
 ここでは、冷静にこの理論とその意味するところを考えてみよう。
 そもそも、インフレはどうしたら起こるのか。
 物価水準とはものの値段であるから、人々がものを沢山買って、供給が不足すればそれは値上がりする。需要が少なければ値下がりするし、供給が多すぎても下がる。需要と供給のどちらが多いかで決まる。
 これは一見当たり前だが、インフレ率、物価水準とはひとつひとつのものの値段とは違うから、需給で決まるのではない、というややこしい話が出てくる。
 スマホが売れるようになれば、その分飲み代は減るから、前者が値上がりしても、後者(外食費など)が値下がりして、全体には影響しない、ということだ。
 それならば、全体に需要が増えればよいのでは?ということになる。それが景気がよい、ということであり、みんなが以前よりも多く支出をすればすべての値段が上がり、インフレになる、ということだ。
 じゃあ景気がよくなればインフレになるんだ、というのが、いわゆる学問でいうところのフィリップスカーブというやつなのだが、難しい話はともかく、景気がよくなれば、失業率が下がって、物価が上がるということだ。
 そんなの当たり前で、物価なんか二の次で、まず景気を良くしてくれよ、というのが一般の感想だが、これが深遠でかつ正しい。それなのに、経済学者やエコノミストは、景気よりもインフレ、デフレ脱却、と騒いでいる。それはなぜか。
 経済政策で景気を良くするためには、手っ取り早いのは金融緩和と財政出動である。
 長くなったので、次回は、金融政策と財政政策について、議論するところからはじめよう。

※第4回へ続く。
前の記事:<経済政策大全>第2回 なぜ専門家の政策提言は経済を悪くするのか
小幡績(おばた・せき)
1967年生まれ。慶應義塾大学ビジネススクール准教授。個人投資家としての経験も豊富な行動派経済学者。メディアなどでも積極的に発言。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。著書に『リフレはヤバい』(ディスカバートゥエンティワン)、『成長戦略のまやかし』(PHP研究所)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(東洋経済新報社)などがある。
http://www.gentosha.jp/articles/-/7153



http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/529.html

[国際17] 高齢者の自殺を防げ〜韓国〜 自殺率、OECD最高 高齢者貧困が招く悲劇 みんな狂っている、まともではない 太極旗投身自殺
Asia Insight

高齢者の自殺を防げ〜韓国〜

BS1

2017年1月23日(月) 午後2:00〜午後2:30(30分)

ジャンル ニュース/報道 > 海外・国際
ドキュメンタリー/教養 > 社会・時事
情報/ワイドショー > その他
番組内容高齢者の自殺を防ごうと、ソウル市ソンボク区では行政と住民が連携して取り組みを進めている。“心のヘルパー”と呼ばれる住民ボランティアを中心に対策の最前線を見る。


詳細自殺者が毎年1万人を超える韓国。中でも自殺する高齢者の増加が深刻な問題となっている。ソウル市北部のソンボク区では、“自殺予防センター”を置くとともに、“心のヘルパー”と呼ばれる住民ボランティアを育成し、ひとり暮らしの高齢者の心のケアに取り組んでいる。“心のヘルパー”の活動に密着し、行政と住民が連携して進められる自殺防止対策の最前線を見る。
https://bh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20170123-11-01828


Preventing Elderly Suicide - South Korea
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/asiainsight/201612270600/


韓国の自殺率、OECDで「最高」…高齢者の自殺率増加
2016年09月27日15時58分
[? 中央日報/中央日報日本語版] comment3 sharemixi
昨年に比べて自殺死亡者の数は減ったが、韓国の自殺率は依然として経済協力開発機構(OECD)加盟国中で最も高い水準であることが分かった。

27日に統計庁が発表した「2015死亡原因統計」によれば、昨年自殺による死亡者数は計1万3513人で前年に比べて323人減少(マイナス2.3%)した。1日平均の自殺死亡者数は37人だ。

自殺死亡率(人口10万人あたり)は10年前と比較すると1.8人(7.5%)増え、1年前に比べると0.7人減少(マイナス2.7%)した。昨年の自殺は5月(10.1%)と4月(9.9%)に最も多く、12月(7.2%)が最も少なかった。男性の自殺率(37.5人)は女性(15.5人)より2.4倍高かった。

多くの年齢帯で自殺が減少したが高齢者の自殺はさらに増えた。70代の自殺死亡者は1年前より8.5%、80代は6.4%増加した。

経済協力開発機構(OECD)国家間の自殺率を比較すると平均が12.0人であることに比べて韓国は25.8人(2015年基準)で最も高い水準だ。日本・スロベニア・ハンガリー・エストニア・ベルギーなどがその後に続く。
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http://japanese.joins.com/article/144/221144.html



韓国、自殺率1位なのに抗うつ剤の使用率最低…原因調べてみれば
2015年11月18日16時49分
[? 中央日報/中央日報日本語版] comment18 sharemixi
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自殺率は世界最高水準に上る韓国だが、抗うつ剤の服用率は著しく低い。 自殺率が世界最高水準に上る韓国が、抗うつ剤の服用は最も低い方であることが分かった。

18日経済協力開発機構(OECD)の保健医療報告書(Health at a glance 2015)によれば、韓国の抗うつ剤の消費量(2013年基準)は20DDDで、28の調査対象国の中でチリ(13DDD)の次に低かった。DDDは国民1000人中、毎日薬を服用する人の数を意味する。一方でアイスランド(118DDD)・豪州(96DDD)・ポルトガル(88DDD)などは抗うつ剤の消費量が最も高い国に選ばれた。

特に韓国は、風邪に使う抗生剤の服用量や糖尿薬の使用量は多いほうだが、抗うつ剤の使用だけが著しく少なかった。普段から精神科の治療に対する否定的な認識が作用したものと分析されている。うつ病はよくある症状としてあらわれ早期に治療できる可能性が高いが、放置する場合は自殺のような深刻な状況に発展する恐れがある。

実際、国内の人口10万人あたりの自殺率はOECDで最も高い。2011年31.7人をピークに昨年は27.3人に減る傾向だが、OECD平均(12人)の2倍を超えている。また自殺を図る者は2013年2万5748人となるなどますます増加している状況だ。これを減らすためにはうつ病治療のための社会的雰囲気が醸成されて抗うつ剤などの薬も適切に使わなければならないという指摘が出ている理由だ。


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韓国の自殺率10年連続1位、「高齢者貧困」が招く悲劇
2014年07月03日15時01分
[? 中央日報/中央日報日本語版] comment4 sharemixi
韓国が経済協力開発機構(OECD)の加盟34カ国の中で、自殺率1位を維持した。10年連続で不動の1位だ。保健福祉部が2日に発表したOECD健康統計(Health Data)によれば、2012年の韓国の人口10万人あたりの自殺死亡者が29.1人と分かった。OECD平均(12.1人)の2.4倍だ。自殺死亡者が最も少ないトルコ(1.7人)の17倍だ。韓国が「自殺共和国」になったのは19909年代中盤以降だ。OECDの加入初期である95年、韓国の人口10万人あたりの自殺死亡者は12.7人でOECD平均(15.5人)を下回っていた。そのうちに通貨危機後の雇用不安など社会問題が浮き彫りになる中で自殺率が急増(97年15.6人→98年21.7人)し始めた。

通貨危機は消えたが、その衝撃波は依然として現在進行形だ。自殺率がなかなか落ちない。通貨危機の当時、会社から追い出された40、50代は高齢期に入り始めた。彼らは最も貧困(OECDの高齢者貧困率1位)で自殺も最も多い。2011年の65歳以上の高齢者の自殺率は人口10万人あたり81.9人だ。米国(14.5人)の5.6倍、日本(17.9人)の4.7倍に達する。韓国が10年連続で自殺率1位から抜け出せない主な理由は、高齢者の自殺率だ。福祉部のイ・チュンギュ精神健康政策課長は「韓国の自殺形態や年齢別の分布などは他国と明確な差はない」としながら「高齢者の自殺率で大きな違いが生じる」と話した。イ課長は「日本も自殺率が高いほうだが、中年期から老年期になるほどむしろ低くなる」と付け加えた。

それでも2012年の自殺死亡者(29.1人)は前年(33.3人)に比べて多少減った。この傾向が続くかは未知数だ。ソウル大学医大のカン・ヨンホ教授(医療管理学)は「2012年の自殺を分析すれば農薬を飲んだケースが18%ほど減った。これは猛毒性の農薬を排除したことと関連があるようだ」としながら「高齢者の貧困問題を解決しなければ、自殺共和国の汚名をそそぐことはできない」と話した。


http://japanese.joins.com/article/293/187293.html


 


記事入力 : 2017/01/29 06:10

【コラム】韓国はみんな狂っている、まともではない


【コラム】韓国はみんな狂っている、まともではない
 「朴大統領ヌード風刺画」事件は、芸術の話とはいえない。あれは、政界の現実を示す政治スキャンダルだ。問題の作品は、芸術と呼ぶのが恥ずかしくなるほど粗悪なものだ。風刺とユーモアではなく、女性性を突きまわす敵意に満ちている。あれを国会という公的な舞台に引っ張り出したのが、政治だった。闘争心に燃える一議員が、政治を荒れた場にした。質の悪い風刺も、荒れた政治も、正気の沙汰ではない。

 先週、サムスンの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の拘束令状を棄却した判事に「電話テロ」が殺到した。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS、会員制交流サイト)は、ありとあらゆる悪口と人身攻撃であふれかえった。大衆の暴走が攻撃性を帯びて暴力化するのは、今に始まったことではない。

 少し前、改憲の報告書を批判した最大野党「共に民主党」所属の議員に対しても「文字テロ」が行われた。数千通の中傷メールや、後援金額より事後処理費用の方が高くつくといわれる「18ウォンの後援金」が殺到し、電話番号を変える議員が続出した。攻撃を主導したのは、文在寅(ムン・ジェイン)「共に民主党」前代表の熱烈な支持者らだった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に「紅衛兵」役を果たした「ノッパ(盧武鉉支持者)」部隊が復活したかのようだった。

 驚くべきは文・前代表の対応だった。文氏は支持者に自制を訴えるどころか、文字テロをかばった。「政治の公人であれば、メッセージを受け取ることもあるだろうと理解しなければならない」と、被害に遭った議員を訓戒した。易地思之、立場を変えて考えてみる。文・前代表は、反対者に自分の携帯電話の番号を公開していても、そう言うだろうか。数千人が電話をかけてきて悪口を浴びせても、笑っていられるだろうか。


 今の時点で、文・前代表は大統領に最も近い人物だ。しかし大統領というポストの重みから考えると、危なっかしく思う部分は一つや二つではない。公務員の雇用を80万人分つくるという公約がそれだ。この構想には「元祖」が存在する。デフォルト状態に陥ったギリシャだ。

 ギリシャの悲劇は、およそ30年前にポピュリズム政権が成立したことで始まった。「官製雇用」政策が始まったのもこの時期だ。ギリシャは数十年にわたり、国が借金までして公務員の給与の支払いに苦しんだ。その結果、コメディーのようなことが起こった。人口1100万人のギリシャで、国営放送局の職員の数はCNNテレビより多かった。鉄道当局の赤字があまりに多額で、いっそ乗客をタクシーに乗せて運んだ方が安くつくというほどだった。そもそも持続不可能な政策だった。

 全く同じ狂気の沙汰を、韓国でもやろうと言う。それも、次期大統領の可能性が最も高い候補が公約をして掲げたのだから、絶句する。公務員を80万人雇おうとすると、どんなに少なくとも年に30兆ウォン(約2兆9000億円)以上はかかる。カネを都合する奇跡のような方法でもあるというのか。

 今、韓国は国が理性を失いつつあると感じる。大統領になるという指導者らは、権力欲に目がくらんでいる。政治家は扇動し、大衆は集団狂気を噴出させている。理性が行方をくらまし、憤怒と感情、アブノーマルがのさばる国になった。全てが滅びようとしているかのようだ。

 その頂点には、昨今の事態を招いた朴槿恵(パク・クンへ)大統領がいる。国中がこんなめちゃくちゃなのは、大統領が引き起こした事態だからだ。一日も早く混乱を収拾できるようにする最大の責任は、大統領にある。にもかかわらず、朴大統領は疑惑の実体について沈黙したまま、国の混乱をほう助している。真実を明らかにするのではなくメディア戦を繰り広げ、時間稼ぎという印象を与えている。

 大統領は、国政介入疑惑が「うその山」だと主張した。しかし、明白なうそが明らかになったのは大統領側だ。ミル財団・Kスポーツ財団の設立経緯についてうそをつき、ブレーンらとでっち上げを謀議したという証言まで登場した。こんな大統領が首脳なのか。韓国人が見ている大統領は、本当に「国と結婚した」と言っていた大統領その人なのか。

 しかし、朴大統領は「過去」にすぎない。より大きな問題は「未来の大統領」たちだ。大統領の座をめぐる競争に参加した大勢の候補が、皆そろって無責任な方向へ疾走している。軍服務期間を短縮し、ソウル大学をなくすという。韓国国民全員に130万ウォン(約12万7000円)ずつ分配すると言う候補もいる。みんな理性を失った。まともではない。

 問題は、国全体が非正常に慣れ、あまりにも無感覚になっている点だ。無責任な公約が守られるだろうと信じる人もいない。むしろ、自虐的・扇情的であるほど、大衆の人気も高まる。大衆は近視眼的な利己主義に走り、政治家は迎合する。誰も冷静に国の未来を考えない。

 国は「他殺」されないという。これは、外敵が来る前に、内部の矛盾のせいで自滅するという意味だ。古今東西、人類史において国が「自殺」する原因は共通している。利己主義とポピュリズムだ。大衆が目前の利益に駆られ、支配エリートが迎合するとき、国は衰亡する。韓国は今、そんな状態にある。

 トランプ台風に中国の脅しと、国外の心配事は多い。しかし本当に心配すべきは外ではなく、韓国そのものの問題だ。非理性と大衆の暴走、近視眼的利己主義と魂なきエリートが、韓国を衰退の道へと引きずり込んでいる。
朴正薫(パク・チョンフン)論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/27/2017012700596_2.html

 

記事入力 : 2017/01/31 08:34

弾劾無効訴えた61歳「朴サモ」会員、太極旗を持って投身自殺

 朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾に反対する太極旗集会に参加してきた男性(61)が旧正月当日の28日、自宅のあるマンションの6階から飛び降りて死亡した。

 ソウル・蘆原警察署によると、男性は息子2人や嫁などが訪ねてきて帰った同日夜8時ごろ、妻に「しばらく出て来る」と言って外出、外に面したマンション通路の手すりに腰掛け、韓国国旗「太極旗」を振って飛び降りたという。その太極旗には「弾劾可決、憲法裁判所無効」と書かれていたとのことだ。

 警察は「男性は昨年までソウルで市内バスの運転手をしており、朴サモ(朴槿恵を愛する会)のメンバーで、弾劾反対集会に参加していた」としている。警察は遺族らに男性が飛び降りた背景などについて話を聞いている。

 男性の死を受けて、「大統領弾劾棄却のための国民総決起運動本部」は30日、焼香所をソウル広場に設けた。ソウル市は「同広場の使用を申請していない」として許可を与えていないが、焼香所の強制撤去はしない方針だ。男性の遺族は「社会問題化されることについて負担を感じる」と外部との接触を望んでいない。

チョン・ウヨン記者 , チェ・ウォングク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/31/2017013100555.html



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/689.html

[経世済民118] ドイツ、ユーロの「甚だしい過小評価」を悪用とトランプ氏側近 ユーロ圏インフレ率予想上回る 米雇用コスト予想下回る手当低調
ドイツ、ユーロの「甚だしい過小評価」を悪用とトランプ氏側近−FT
Patrick Donahue
2017年1月31日 23:35 JST

ナバロ米NTC委員長:ユーロはドイツの貿易黒字を拡大させている
「暗黙のドイツ・マルク」で他加盟国や米国を搾取−ナバロ氏

トランプ米政権が新設した国家通商会議(NTC)のナバロ委員長は、ドイツがユーロの「甚だしい過小評価」を悪用して貿易での優位性を高めていると批判した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。
  ナバロ委員長はドイツが欧州連合(EU)内で有利な立場を得ていることが、環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)の交渉がたち行かなくなっている主因だと論じた。トランプ政権は多国間の通商協定に代わり2国間協定の締結を目指しているが、ナバロ委員長はTTIPが「『一つの屋根』の下に集まった複数国との多国間協定になる」と、FT紙の質問に書面で答えた。
  
  「TTIPを2国間協定と見なす上での大きな障害はドイツだ。ドイツは甚だしく過小評価されている『暗黙のドイツ・マルク』によって、他のEU加盟国や米国の搾取を続けている」とし、「他のEU加盟国および米国に対してドイツが抱える構造的な貿易不均衡は、EU内の経済的な不均質性、つまりエゴを浮き彫りにする。TTIPは2国間協定を装った多国間協定だ」とナバロ委員長は論じた。
  ナバロ委員長のコメントは、就任数日前のトランプ大統領の見解と一致する。同大統領は当時、欧州紙とのインタビューでEUは「基本的にドイツの乗り物にされている」と批判し、離脱を決めた英国に続く国が現れ、EUが崩壊する可能性を予測した。
原題:Trump Adviser Blasts Germany for Exploiting ‘Undervalued’ Euro(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKNBTK6JIJUR01

 


 

ユーロ圏:1月インフレ率、予想上回る−ECB内で議論活発化も
Maria Tadeo、Piotr Skolimowski
2017年1月31日 20:04 JST 更新日時 2017年1月31日 20:45 JST

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CPI上昇率は2013年以来の高水準
10−12月GDPは前期比0.5%増に伸び加速

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i.wYy9dAA2AY/v2/-1x-1.png

ユーロ圏では昨年10−12月(第4四半期)が3四半期ぶりの高成長となり、1月のインフレは加速した。欧州中央銀行(ECB)内で刺激策に関する議論が活発化しそうだ。
  欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が31日発表した1月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比1.8%上昇。伸び率はブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値である1.5%を上回り、2013年序盤以来の高水準に達した。インフレ率は事実上、ECBが目安とする2%弱の水準となった。ただ、コアインフレ率はこの半分の水準にとどまっている。

  物価上昇は原油値上がりが主因なものの、刺激策の規模が適切かとの問いを喚起するものだ。ECBのドラギ総裁は基調的な物価上昇圧力は依然脆弱(ぜいじゃく)だとし、インフレ加速が持続することを確認したい考えを繰り返し示しているが、ドイツの当局者らは量的緩和縮小を議論するよう要求を強めつつある。
  バンク・ピクテ(ジュネーブ)のシニアエコノミスト、フレデリック・デュクロゼ氏は、「極めて分かりやすい。ドライ総裁はユーロ圏全体で長期にわたり持続的かつ自律的なインフレが必要だと基準を明確にした」とし、「タカ派が声高に叫んだとしても、現在のような状況をECBは物価安定とみなさないだろう」と語った。
  1月のコアインフレ率は0.9%と、前月と同水準にとどまった。ECBはインフレ率が一時的に低下すると見込んでおり、1−3月は平均で1.3%になるとの見通しを12月に示した。4−6月と7−9月の見通しはそれぞれ1.2%。
  ユーロスタットによれば、昨年12月のユーロ圏失業率は9.6%に低下し、2009年半ば以来の低さとなった。
  10−12月期の域内総生産(GDP)速報値は前期比0.5%増。前年同期比では1.8%拡大した。
原題:Euro-Area Inflation Surges to 1.8%, Intensifying ECB Debate (1)(抜粋)
Eurozone Economy Expands 0.5% Q/q in 4Q; Est. +0.5% Q/q(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKN3YH6KLVR401


 


米雇用コスト指数:第4四半期は予想下回る伸び、諸手当低調
Shobhana Chandra
2017年2月1日 00:04 JST

昨年10−12月(第4四半期)の米雇用コスト 指数は、上昇率が市場予想を下回った。賃金は着実に伸びた一方、諸手 当の伸びが過去1年余りで最小にとどまった。
31日の米労働省発表によると、第4四半期の雇用コスト指数 (ECI、季節調整後)は前期比0.5%上昇。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト予想の中央値は0.6%上昇だった。
賃金・給与は2四半期連続で0.5%上昇。一方、一部ボーナスや退 職手当、健康保険などを含む諸手当は0.4%上昇と2015年4−6月(第 2四半期)以来の小幅な伸びとなった。前四半期は0.7%上昇してい た。
第4四半期のECIは前年同期比では2.2%上昇。前四半期は2.3% の上昇だった。
第4四半期の賃金・給与は前年同期比2.3%上昇。前四半期は 同2.4%上昇。雇用コスト全体の約7割を賃金・給与が占める。
民間部門の賃金・給与は前期比で0.5%上昇、前年同期比では2.3% 伸びた。政府部門の賃金・給与も前期比0.5%上昇、前年同期比で は2.1%の上昇だった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Employment Costs in U.S. Rise Less Than Forecast on Benefits(抜粋)
--取材協力:Jordan Yadoo.
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-31/OKNES36S972801
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/538.html

[経世済民118] 中国人観光客がもう「爆買い」をしない理由 ”異次元”トランプ流、中国にとって吉か凶か オバマ政権よりも親日的トランプ政権
中国人観光客がもう「爆買い」をしない理由
小宮一慶が読み解く経済の数字・企業の数字
2017年2月2日(木)
小宮 一慶
 中国が春節を迎え、東京や大阪の街角では大きなスーツケースを引っ張った中国人観光客を多く見かけます。しかし、彼らの消費動向は以前と大きく変わり、日本企業にも影響が出ています。また、そこから中国経済の現状などが見えてきます。
 先日、大阪で月に2回ほど出ているテレビ番組の担当者から、「小宮さん、百貨店の福袋は中国人観光客のおかげで昨年の1.5倍売れています。爆買いは続いているのですか?」という質問を受けました。私の答えは「比較的安いものは売れているが、高額品の爆買いは終わっている」というものでした。
 昨年末あたりから円安に振れたこともあり、中国人観光客による消費が少し戻ってきてはますが、それでも百貨店の数字を見ると、化粧品などの比較的安いものの売り上げは伸びているものの、宝飾品・時計などは前年比でマイナスとなっています。
 2年ほど前、中国人観光客による爆買いが日本経済に大きな恩恵をもたらし、今後も続くと期待されましたが、残念ながら一時の波で終わってしまいました。特にホテル、百貨店、家電量販店などは、爆買いで業績が急回復したものの、既に潮目が変わってしまったように感じます。
 日本を訪れる中国人観光客数自体は、2016年は前年比30%程度増えています。しかし、百貨店をはじめとする小売業の売り上げは減少が続きました。これは購入単価が下がっているからです。
 なぜ、彼らは以前のような爆買いをしなくなったのでしょうか。今回は、春節を機に中国人観光客の動向の裏にある中国経済の状況と日本経済への影響について考えてみたいと思います。

春節に銀座を訪れる中国人観光客。2016年の光景(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
闇民泊が横行し、ホテルの宿泊料金が落ち着いた
 2年前の2015年、ホテルの宿泊料金が異常に高くなっていた時期がありました。私がいつも利用している、通常なら1万円台で泊まれる大阪のホテルでは、スイートルームでもないのに「1泊6万円」と言われて驚愕したことがありました。他のホテルの料金も、1泊3万円などザラでした。ちなみに、先ほどのホテルは今年1月には1泊1万円台に落ち着いています。
 なぜその時期ホテルの宿泊料金が高騰したのでしょう。答えは中国人観光客の需要が急増したからです。観光局の集計によると、2015年の「訪日外客数」は前年比47.1%増の1974万人。外国人観光客の数が大幅に増えた年でした。そのうち中国人は同107.3%増の499万人と、群を抜いて増えていたのです。
 ところが、昨年あたりから、ホテルの宿泊料金はほぼ落ち着いています。日本経済新聞社がまとめた東京都内の主要18ホテルの稼働率を見ると、16年2月以降も高水準が続いているものの前年の実績を下回っています。2016年の訪日外客数は前年比21.8%増(うち中国人は同27.6%増)で、宿泊料金が高騰した15年よりはるかに増えているにもかかわらず、です。
 ホテルの宿泊料金が落ち着いた理由は3つあります。一つはホテルが増設されたこと。二つめは、数千人規模が乗船できる大型クルーズ船での訪日が人気があること。特に中国から九州の港にやって来るケースが多く見られます。三つめは、旅館業の認可を受けていない「闇民泊」が増えていることです。こちらも、中国人の利用者が多いと言われています。
 一部の報道によると、闇民泊の宿泊料金はだいたい1室1万円。ただし、同じ部屋に5人ほど宿泊できますから、1人当たり2000円ですみます。
 闇民泊は特に大阪で増えていると聞きます。闇民泊ビジネスをする中国人は、古いオフィスビルを一棟買いして民泊に使っているそうです。マンションの一室を民泊に使うと近隣から苦情が出るからですね。
 もちろん闇民泊は違法です。しかし、政府も長い間、見て見ぬ振りをしてきたのではないでしょうか。都市部のビジネスホテルで1泊3万などの水準が続けば、企業やビジネスで出張する人の間で「予約が取りにくい。出張したくてもできない」との不満が高まりますからね。さらに、日本人観光客からも「ホテルの料金が高すぎて旅行ができない」との苦情が出るようになりました。自民党政権にとって、見過ごせない話となったわけです。
 厚生労働省と観光庁は、今後、闇民泊の取り締まりを強化していく方針ですが、今しばらくは闇民泊が横行するのではないかと思います。
中国の外貨準備の減少が「爆買い」減少に影響
 2016年は、中国人観光客による「爆買い」の勢いが衰える年になりました。これは、高額品の売り上げを示す「全国百貨店売上高」の推移を見ると分かります。16年は、2月以外すべて前年比マイナスが続いていますね。

出所:日本百貨店協会
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011000037/013100005/h1.jpg

 2月だけプラスなのはなぜでしょうか。この質問をすると、よく「春節だから」という答えが返ってきます。残念ながら違います。正解は「うるう年」の影響です。
 うるう年によって1日分の売り上げが押し上げられているのです。その幅は、単純計算で約3.6%。これを差し引けば、2月はマイナス3.4%となり、やはり前年割れのペースなのです。
 全国百貨店売上高の値が下がり続けている理由は、先にも述べたように「爆買い」が縮小したからです。では、なぜ爆買いは終わってしまったのでしょう。
 中国経済が減速したことが原因と考える読者の方がおられるかもしれません。確かにそれもありますが、もっと深いところの理由は、中国の外貨準備高が減ってしまったことです。
 中国の外貨準備は、2014年6月に3兆9900億ドルでピークに達し、もう少しで4兆ドルのところまで増えました。それが16年12月末時点には3兆105ドルまで減少しています。2年半でおよそ1兆ドルも減り、3兆ドルぎりぎりのところまで下がってしまったのです(ちなみに日本の外貨準備高は約1兆2000億ドルです)
 中国企業は、好景気だった2000年代、輸出をどんどん増やして急成長しました。輸出をすると、中国企業は代金をドルなど外貨で受け取ります。外貨のままでは社員に給料を支払えませんから、中国企業はドルなどを市場で売って人民元を買います。すると、人民元はどんどん高くなってしまい、輸出に悪影響が出ますよね。
 そこで、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行が、ドルを中心に外貨を買い支えしたのです。それが溜まりにたまって4兆ドルまで膨らみ、中国は世界1位の外貨準備を保有する国になりました。
 ところがその後、中国経済のトレンドが変わります。2008年9月に起こったリーマン・ショック直後、中国では4兆元(当時のレートで約56兆円)もの公共投資を実施。そのお陰で、当時は10%近い成長を実現しました。

出所:中国政府
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011000037/013100005/h2.jpg

 しかし、同時に副作用も生じたのです。鉄鋼やセメントなどの供給が過剰となり、人件費も上昇。経済成長は鈍化していきました。実質GDP成長率は12年には8%を割り込み、16年には6.7%にまで低下しました。これを受けて、今度は人民元が売られ始めたのです。
 人民元が安くなりすぎるのを防ぐため、中国政府は今度は外貨準備を売ることで人民元を買い支えました。これであっという間に外貨準備1兆ドルを使ってしまったわけです。
 急速に外貨準備が減少したことで、中国政府は「外貨の流出を抑えたい」と考えるようになりました。そして、人民元の防衛に動き出したのです。
 例えば、輸入関税の税率を引き上げました。16年4月から、高級時計の関税率を30%から60%に、酒・化粧品などの税率も50%から60%に引き上げたのです。
 また、16年1月から銀聯カードを使った海外での現金引き出し限度額を年間10万元(約160万円)に制限しました。日本での消費がますます減るのではないかとの見方が浮上しています。これ以外の為替に関する規制も強化傾向です。
 こうした経緯で、中国人観光客は日本で高額品を買わなくなりました。百貨店の方から聞いた話によると、やはり高級時計は売れなくなってしまったそうです。その一方で、売れているのはドラッグや化粧品、小型の魔法瓶。中国人はお茶をたくさん飲みますから、安価で高品質な携帯用の魔法瓶の需要が伸びているのです。リピートで日本に来る人も増え、足りなくなった日用品でなどを買っていく人たちも増えています。
 彼らの消費は、高額品から比較的安価な消耗品へ移っていると言えます。また「モノ消費」から、温泉やイベントなどを楽しむ「コト消費」へトレンドが変わっていることも指摘されています。このことは、観光地などにはプラスに働きますね。
IRをつくっても高収益は期待できない
 爆買いが終わったもう一つの理由は、人民元が安くなってしまったことです。2015年には1元=20円ほどの水準で推移していたのが、16年に入って元安が進み、同年夏には1元=15円程度まで下落しました。1月28日現在、1円=16円前後の水準です。日本で買い物をするメリットが小さくなってしまったわけです。
 人民元が高かった15年は特に、日本製品を転売目的で購入する中国人が数多くいました。転売すると即座に売れ、利益率も高く儲かったからです。しかし、元安が進むにつれ利益は減り、これを受けて転売目的の購入者が減少しました。これも爆買いが収束した一因と思われます。
 以上の理由から、中国人観光客の数自体は大きく増えているものの、爆買いのトレンドは変わりつつあるのです。
 以上の点を考えると、カジノを含む統合型リゾート「IR」を日本で開業しても、期待しているほどの利益は得られない可能性があります。マカオのカジノの売り上げを調べたところ、ピーク時の2013年にはマカオ全体で年間5兆5000億円ありました。これが16年には同3兆2700億円まで落ちています。収益は激減しているのです。
 中国は習近平国家主席のもとで腐敗撲滅運動を進めており、公務員にお金が流れなくなりました。これがカジノが減収に陥った一因と思われます。ただ、それに加え、景気の長期的減速や個人による外貨持ち出しに対して中国政府の姿勢が厳しくなっていることも大きな原因です。
 たった数年の間に、中国人観光客の動きや中国の外貨事情が大きく変わってしまいました。中国は確かに豊かになり、富裕層のみならず中間所得層も増えました。しかし、彼らは日本を訪れはするものの、高額品は買わなくなってしまったということです。
 爆買いに期待していた百貨店の業績は軒並み落ち込んでいます。大丸と松坂屋を運営するJ・フロントリテイリング、高島屋、そごう・西武など大手百貨店の3〜11月期決算は、いずれも減収減益(営業利益ベース)となりました。免税店大手のラオックスも16年1〜6月期は売上高が前年同期比23%減の350億円、営業利益も同91%減の4億5400万円となり、大幅な落ち込みを見せています。
 爆買いに依存して成長できると思った業種は、戦略変更を余儀なくされているのではないでしょうか。中国の外貨準備などの動向を考えれば、今後もこのトレンドは続くと思われます。(つづく)


このコラムについて
小宮一慶が読み解く経済の数字・企業の数字
 2020年東京五輪に向けて日本経済は回復するのか? 日銀の金融緩和はなぜ効果を出せないのか? トランプ米大統領が就任した後、世界経済はどこに向かうのか? 英国の離脱は欧州経済は何をもたらすのか? 中国経済の減速が日本に与える影響は?
 不確定要素が多く先行きが読みにくい今、確かな手がかりとなるのは「数字」です。経済指標を継続的に見ると、日本・世界経済の動きをつかむヒントが得られる。
 企業の動きも同様。決算書の数字から、安全性、収益性、将来性を推し量ることができる。
本コラムでは、経営コンサルタントの小宮一慶氏が、「経済の数字」と「会社の数字」の読み解き方をやさしく解説する。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011000037/013100005/


 

”異次元”トランプ流、中国にとって吉か凶か

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス

「一帯一路」に期待、「一つの中国放棄」が火種だが…
2017年2月1日(水)
福島 香織

矢継ぎ早の大統領令で世界を右往左往させるトランプ新大統領。中国には吉か凶か(写真:代表撮影/UPI/アフロ)
 日本の場合、選挙時の公約というのは、たいてい守られないものなのだが、米トランプ政権は、ものすごい勢いで公約を履行している。政権スタートから、わずか20日で、14本もの大統領令に署名。「まさか本当にやるとは思っていなかった」と思われていた、メキシコ国境の壁建設はじめ、TPP離脱、中絶支援のNGOへの資金供給停止などを指示する大統領令が次々と出された。中東・北アフリカ7カ国出身者の入国を一時停止する大統領令では、各空港で大混乱を引き起こし、世界中が右往左往している。

 この様子を慎重に見守っているのが中国だ。トランプ流の矛先のいくつかが中国に向かってくるのは必至。その一方で、米国の世論が分裂し、米国が世界のリベラル派から批判されるようなこの状況は、中国にとってチャンスという見方もある。トランプのこの“異次元の手法”が中国にとって凶と出るのか、吉と出るのか、ちょっと状況を整理しておこう。

在米華人はトランプを支持したが…

 まず普通の中国人たちは、このトランプ流に、どのような影響を受けるのだろうか。環球時報が、専門家にインタビューしていたので概要を引用してみる。

 まず、ここ数年の間に急増していた中国からの合法移民が一定の影響を受けるとされている。H1−Bビザを受けた中国人のほか、グリーンカード所有者で米国への納税記録がない人間がグリーンカードを取り消される懸念が持ち上がっている。

 また、オバマ政権時代に、米中間の旅行者は10年マルチビザ制度が実施され、中国人観光客や留学生が急増し、在米華人の数も増加していた。中には米国で不法就労している者もあった。こうした不法就労者に対する取り締まりは強化され、ビザ発行審査がさらに厳格になり、留学生や観光客の米国滞在期限も厳格化されるのではないかと見られている。

 トランプの性格上、在米華人に対する政策が厳しくなり、華人社会に対する差別が引き起こされる可能性もある。特に、米国籍取得目的で米国に行って子供を出産した“出産ツアー”によって、国籍を得た中国人の子供は、法的にはグレーゾーンに入り、すでに米国の社会問題になっている。一部華人は、こうして取得した米国籍の子供の世話を理由に、自分の家を売り払って米国に資産移転して移住し、米国政府からの社会保障手当を得て生活している人たちもいるが、こうした人たちが追い返される政策転換が起きるかもしれない。

 さらに、投資移民にとっても、投資額が引き上げられる可能性がある。米国の移民に対する政策は目下、支離滅裂になってきており、中国人とてその混乱に巻き込まれることは避けられない。在米華人社会は、選挙のときはおおむねトランプを応援してきたわけだが、結果としては、華人社会にとってあまりありがたくない現象が引き起こされつつあるわけだ。

 中国企業としては、どのような影響を受けるだろう。一番気になるのは、いずれ実施されるであろう中国製品に対する関税45%への引き上げである。

関税45%、乗り切れると強気だが…

 少なくとも対米輸出が業務の大口を占めている、中国アパレル業界、家具業界、皮革産業、電子産業はもろに打撃を受けることになる。これら産業の利益率は全部45%以下なので、45%の関税をかけられたら、利益を生まない。実質全面的に対米輸出を停止せざるを得ない。これにより中国家具産業は生産規模が15%縮小せざるを得ないという試算もある。アパレル、皮革、電子産業も少なくとも5%の生産規模縮小が予想されている。

 そうなると、大手輸出代理企業も打撃を受けるわけで、例えば広州発の衣料品・おもちゃ・旅行・スポーツ雑貨などの輸出を手掛ける国際輸出企業・香港李豊集団の米国向け業務は売り上げの61.9%を占めているし、香港に本部を置き、レジャー、ファッション、靴ブランドを世界展開している九興ホールディングスも、その収入の49.7%を米国から得ている。これら企業は存亡の危機に直面することになる。

 ただ、中国全体としては、対米輸出が全輸出に占める割合は18%程度で、中国の通商官僚らは「短期間ならば耐えられる」という楽観的な見方を示す意見の方が多い。

 元国家対外経済貿易部副部長の龍永図が先日、フェニックステレビ主催のシンポジウムで、「中小企業はトランプの中国製品に対する高関税政策を恐れる必要はまったくない」と発言していた。その根拠は、トランプを当選させた有権者は中低所得者であり、最大の利益享受者は米国の中低所得層であり、中国製の低価格商品はその中低所得者に利益をもたらしてきたのだから、最終的にはトランプは中国製品を排除できない、という理屈だ。

 さらに、中国は米国にとって最大の農産品輸出国であり、もし、中国が対抗策として米国の農産品に関税を20%かければ、米国農業の打撃は、中国製品排除によって生まれる数十万の雇用よりも大きいかもしれない。だからトランプは最終的に、中国製品排除政策はとれない、という。

 龍永図は昨年9月にトランプとの面会を果たしており、その時の印象ではトランプの対外貿易についての理解は一知半解であり、もし、トランプが米中貿易の全体を正しく理解すれば、いったん45%関税を実施しても、すぐに調整すると考えているわけだ。あるいは、中国側も米国農産物に対する高関税カードをちらつかせて、トランプを説得する自信があるようだ。龍永図は、トランプがいずれ正気になって、中国製品の高関税が自国の経済や国民の福利にとってもマイナス影響の方が大きい、と気づくはず、という予測でものを言っているわけだが、それはひょっとすると希望的観測にすぎるかもしれない。

 ただ、中国製品高関税の部分を除くと、トランプの経済政策は、中国がほくそ笑んでいる部分もありそうだ。まずは、TPP離脱宣言。これは疑いなく中国にとって朗報だ。TPP構成国12カ国のGDPは全世界の40%を占め、このメンバー間で低関税、あるいは無関税で取り引きされてしまえば、非TPPメンバーの中国が受ける打撃は、米国から45%関税をかけられるどころの話ではなかった。しかもTPPが事実上ダメになったことで、中国主導でASEAN地域全体の経済パートナーシップ関係を形成するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)に断然注目が集まるようになってきた。

「中国こそ指導者」とうそぶくが…

 さきのダボス会議で習近平が中国国家主席としてデビューした際の開幕式での演説「ともに時代の責任を負い、ともにグローバルな発展を促進していこう」では、中国として、初めて自由世界のリーダーとしての存在感を打ち出してきた。中国がグローバル経済のリーダーであり最大の庇護者で貢献者であると訴え、保護主義に反対の立場を強調し、世界経済のキーマン、救世主であることをアピールした。

 「今は最良の時代であり、最悪の時代である」というディケンズの言葉を引用して展開された演説では、「これぞ我々がこの時代の指導者として負うべき責任であり、各国人民が我々に期待するところだ」とうそぶいた。

 冷静に考えてみると、中国はむしろ、これまで徹底した保護主義で、各国からWTOにダンピングなどでさんざん提訴されてきた。高級輸入品に高関税をかけ、日系企業などの外資国内製造業には17%の消費税をかけて、国内企業を守ってきた結果、国内には競争力のないゾンビ企業があふれかえっている。中国がグローバル経済の最大の受益者であることは確かだろうが、中国自身は真の意味でのグローバル経済推進者ではない。

 トランプ政権のドラゴン・スレイヤー(対中強硬派)筆頭のピーター・ナヴァロ(米国家通商会議代表)らが、中国を批判するのは、グローバル経済を批判しているのではなく、フェアな市場競争をせずに環境と人権を犠牲にして不当に安価な商品を世界にばらまいているからだ。中国はいまだ市場経済国として認定されていない。

 しかしながら、このダボス会議では、EUの元首があまり参加していなかったこと、そしてトランプの登場があまりに国際社会にとってショックだったことも手伝って、習近平にスポットライトが当たった。

 BBCなどは、事前から、習近平がダボス会議のスターになると予想しており、習近平がわざわざダボス会議に出席した理由として、「自由貿易の優勢を称賛し、世界の最も友好的な貿易パートナーであることをアピールするため。この場で、中国のパブリックディプロマシーの一環として、世界を説得し、中国の台頭が人々の利益になると訴えるのが狙い」と伝えていたが、まさに、その通りとなった。

 ダボス会議のスポークスマンは、環球時報に対して「習近平主席が世界経済とグローバル化において、世界のカギとなる問題に影響を与え、人類の幸福と発展に対して提案を出してくれることを期待する」などとたぶんにリップサービスも入ったコメントをしていたが、トランプの非常識ぶり、無茶ぶりのおかげで、習近平がなんか、真っ当なことを言っているような錯覚に陥りやすくなっているのは確かだ。

「一帯一路」のてこ入れ、手応えは…

 トランプがTPPを離脱し、保護主義をとり、国内就業と経済成長にのみ注意力を払うタイミングで、中国としてもう一つ期待することは「一帯一路」戦略のてこ入れである。現代版シルクロード構想ともいわれるこの戦略は、陸のシルクロードと海のシルクロードの沿線国である中央アジア、東南アジアにおける経済一体化構想だが、昨年11月に、李克強がニューヨークを訪問した際に、キッシンジャーを含むトランプ政権のブレーンや金融関係者らと座談会をもって、「一帯一路」について、かなり詳細に説明したという。

 このとき、中国側は、トランプ政権やニューヨークの金融街が「一帯一路」に関心をもっているという手応えを得ていたという。中国としては、こういったいきさつを踏まえて、トランプはビジネスマンであり、経済面では交渉できると踏んでいたからこそ、選挙前には、トランプを影ながら応援していた。

 とすると、中国EC最大手企業のアリババのCEOであるジャック・マー(馬雲)が、トランプと面会してその席で米国に100万人の雇用機会を約束したことなども、中国政府の意向と全く無関係というわけでもないだろうし、春節にあわせて、中国企業100社が合同でトランプ大統領宛ての新年グリーティングカード式広告をタイムズスクエアに掲げるなどのアクションも、企業の自発的行動というよりは、中国の対トランプ攻略の一環かもしれない。トランプの移民政策はシリコンバレーのIT企業らからかなり反感を買っており、中国IT企業にとっては米国進出のチャンスという見込みも当然ある。

念願の「G2」も、「一つの中国」放棄なら…

 中国にとっての最大の懸念は対米貿易摩擦の問題よりも、むしろ「一つの中国」原則放棄などの台湾政策の変更が今度どう展開されるかということの方だろう。

 仮に「一つの中国」原則を放棄されてしまうと、中国共産党の執政党としてのメンツが立たないので、切羽詰まった中国側が、例えば台湾の太平島を争奪作戦とか、ベトナムが領有権を主張する南シナ海の島にちょっかいを出すとか、尖閣諸島に上陸するとか、なんらかの軍事アクションをとる可能性は当然考えられる。そのときに、トランプ政権がどう出るかが、中国の命運を左右することになるやもしれない。

 総じて言えば、トランプ流の無茶ぶりは、中国にとって吉にも凶にも転び得る。トランプが差別的で人権無視の言動をすれば、中国の差別や人権問題のネガティブイメージは何となく薄められてしまうし、保護主義的になれば、もともと保護主義だった中国が「なんかグローバルな印象」になる。だが、トランプ政権が本気で中国共産党体制を潰しに来る可能性もあるので、中国としても、先の見通しが立ちにくい分、トランプの言動に振り回されている感がある。

 一つ言えるのは、トランプ大統領でなければ、良くも悪くも中国がここまで米国の対立国として世界からクローズアップされなかった。かつて中国が熱望したG2時代がまがりなりにも実現したのだから、やっぱり中国はうれしいんじゃないかな、と私は思っているのだが。

【新刊】中国が抱えるアキレス腱に迫る
『赤い帝国・中国が滅びる日』

 「赤い帝国・中国」は今、南シナ海の軍事拠点化を着々と進め、人民元を国際通貨入りさせることに成功した。さらに文化面でも習近平政権の庇護を受けた万達集団の映画文化産業買収戦略はハリウッドを乗っ取る勢いだ。だが、一方で赤い帝国にもいくつものアキレス腱、リスクが存在する。党内部の権力闘争、暗殺、クーデターの可能性、経済崩壊、大衆の不満…。こうしたリスクは、日本を含む国際社会にも大いなるリスクである。そして、その現実を知ることは、日本の取るべき道を知ることにつながる。
KKベストセラーズ刊/2016年10月26日発行

このコラムについて

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
 新聞とは新しい話、ニュース。趣聞とは、中国語で興味深い話、噂話といった意味。
 中国において公式の新聞メディアが流す情報は「新聞」だが、中国の公式メディアとは宣伝機関であり、その第一の目的は党の宣伝だ。当局の都合の良いように編集されたり、美化されていたりしていることもある。そこで人々は口コミ情報、つまり知人から聞いた興味深い「趣聞」も重視する。
 特に北京のように古く歴史ある政治の街においては、その知人がしばしば中南海に出入りできるほどの人物であったり、軍関係者であったり、ということもあるので、根も葉もない話ばかりではない。時に公式メディアの流す新聞よりも早く正確であることも。特に昨今はインターネットのおかげでこの趣聞の伝播力はばかにできなくなった。新聞趣聞の両面から中国の事象を読み解いてゆくニュースコラム。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/013000086


 


オバマ政権よりも親日的なトランプ政権

財部誠一の「ビジネス立体思考」

暴言・暴挙のトランプ大統領の意外な一面
2017年2月1日(水)
財部 誠一
オバマ大統領は親日ではなかった

 「トランプ政権で日米関係は格段に良くなる」──。
 1月28日、安倍首相とトランプ大統領との電話会談直後、この場に同席した政権幹部は日米関係の先行きに確かな手応えを感じ、高揚感すら滲ませていた。その背景には、安倍政権発足直後(2013年1月)にワシントンで行われたオバマ大統領との日米首脳会談のトラウマがあるからだ。

 安倍政権幹部は、以下のように語る。
 「今だからこそ言えるがオバマ大統領の冷遇ぶりはひどかった。日本の総理大臣が米国まで出向いたというのに、会談時間わずか45分というのは異例の冷遇です。それだけ日本を見下していた。結局、オバマさんは親中だった。中国について日米が本音で語りあうことは最後までなかった」

 演説上手で理想主義を語り続けたオバマ大統領だが、対日姿勢には甚だ疑問が残るという。対照的に暴言・暴挙のトランプ大統領はマスコミでは絶対に報じられない意外な素顔を見せながら、日米関係重視の姿勢を見せている。


電話で会談をするトランプ米大統領(写真:ロイター/アフロ)
11月の電話会談の時から、安倍総理に配慮

 そもそも安倍首相とトランプ大統領が「会談」をしたのは、1月28日の電話会談で3度目だ。1度目はトランプ氏が大統領選を制した直後、昨年11月の電話会談。2度目は12月、ニューヨークのトランプタワーで行われた直接会談だ。

 「11月の電話会談の時から安倍総理に配慮があり、驚くほど謙虚な態度でした。日米関係が大事だ、ぜひ一緒にやっていきましょうという感じだった。大統領になることへの若干の不安ものぞかせていた。その後のニューヨークでの首脳会談もすごく良い雰囲気で1時間半やった」

 そうは言っても、それらはあくまでも大統領就任前の話である。

 米国大統領に就任した後のトランプ氏が、どんな姿勢で日本と向き合ってくるのか。電話会談とはいえ、1月28日にトランプ大統領が何を語ってくるのか、この政権幹部も身構えていたという。

 「大統領就任前とまったく変わらなかった。TPP(環太平洋経済連携協定)や日本の自動車輸出など個別の話は一切なく、とにかく安全保障も含め、日米関係最重視の姿勢を強調していた」

 首脳同士の初めての電話会談で個別具体的な注文をつけなかったのは、儀礼上当然のことように思えるが、そうではない。ドイツのメルケル首相の電話会談では、トランプ大統領は貿易赤字を減らせと注文をつけたという。

トランプ大統領は、「予測不能」ではない

 メディアでは盛んに「予測不能」と形容されるトランプ大統領だが、それは明らかに違う。

 大統領令を連発して多くの人の怒りや絶望の原因を作っているとはいえ、それらはすべて公約通りだ。選挙キャンペーンで語り、大統領就任演説で明言したことをやっているにすぎない。

 「予測不能」なのではなく、公約を本当に実行することをメディアが予測できなっただけだ。個別の政策について賛否は当然あるだろうが、トランプ政権は言葉通りの“有言実行”なのだ。その意味では驚くほど一貫性がある。

オバマ政権の時にはありえなかったこと

 日米関係についても、話をもどそう。

 国家安全保障担当の大統領補佐官、マイケル・フリン氏は「日米関係重視がトランプ大統領の基本姿勢だ」と大統領選直後から日本側に伝えてきたという。

 「フリン大統領補佐官のカウンターパートである、谷内正太郎国家安全保障局長に『365日24時間、いつでも連絡をください』と、携帯電話番号とメールアドレスを連絡してきた。オバマ政権の時にはありえなかった。様変わりです」(安倍政権幹部)

 個別具体的な交渉の場面では、日米間で激しく利害が対立することもあるだろうが、少なくとも現時点において、安倍政権内には期待先行ムードが広がっている。期待は現実となるか。2月10日にワシントンで行われる日米首脳会談が注目される。


このコラムについて

財部誠一の「ビジネス立体思考」
経済ジャーナリストとして活躍する財部誠一氏が、日本経済とビジネスを斬る。ビジネスシーンで活躍する読者の皆さんへ、立体的で複合的な見方を提供します。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/122700034/013000002
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/571.html

[国際17] 拡散するブレグジット・リスク RBS英国外に移動 英インフレ仕入価格指数記録的上昇 欧州債過去最悪ECBがQE突然中止の
拡散するブレグジット・リスク

倉都康行の世界金融時評

漂流する英国と分裂するEU
2017年2月1日(水)
倉都 康行

EUからの完全離脱の方針を表明する英国のメイ首相(写真:REX FEATURES/アフロ)
 金融市場の最大の関心事が、先月20日に第45代米国大統領に就任したトランプ氏の外交・経済政策であることは論をまたない。株式市場はダウが2万ドルを突破するなど上昇の勢いを保ってきたが、従来の政権との非連続性が明白で予測が困難な、そしてイスラム国からの入国禁止など非人道的姿勢をも正当化しようとするトランプ流の「政治戦術」に対し、世界中が強い警戒感を抱いているのは明白であり、そうした緊張感が経済に及んで「新地政学リスク」として市場の波乱要因になることは十分想定される。

 同大統領の政策には、同盟システムの軽視と単独行動主義という特徴がみられる、と新アメリカ安全保障センターのラップフーパー氏は指摘している。アジアの経済的価値には無関心で、欧州に対する同盟意識は薄く、中東のパワー・バランス変化にも無頓着である。今年のダボス会議では多くのパネリストがプーチン大統領の名前を連発していたと伝えられるが、それもトランプ大統領に対する懸念の別表現だろう。主要メディアと対立している以上、いわゆる「ハネムーンの100日間」も予断は許さない。

トランプ大統領「弾劾裁判やむなし」の可能性

 トランプ大統領に関しては、弾劾リスクを指摘する声も増えている。現職大統領の罷免と言えば昨年のブラジルのルセフ大統領のケースが記憶に新しいが、米国においても反逆罪、収賄罪、または重大な犯罪や非行行為によって下院の過半数に拠る賛成で訴追され、裁判を行う上院の弾劾手続きでその3分の2の賛成があれば、有罪として大統領は罷免されることになっている。

 過去には1868年にジョンソン大統領が、1999年にクリントン大統領がそれぞれ弾劾裁判を受けたが、双方ともに無罪となって罷免を免れている。1972年のウォーターゲート事件でニクソン大統領も弾劾裁判で罷免が確実視されていたが、自主的に辞任したために罷免とはならなかった。

 最低の支持率で就任したトランプ大統領に仮にロシア関連文書の存在が明るみに出たり、目に余る非行行為が表面化したりすれば、米国民の間にも「弾劾裁判やむなし」とのムードが生まれる可能性は高い。共和党内にさえ、ペンス副大統領の方がリーダーには適役との声もあると言われ、下院・上院での反トランプ意識が弾劾への道を拓く可能性は高い、と1984年から昨年まで過去9回の大統領選挙の結果をすべて当てたアメリカン大学のリヒトマン教授は述べている。

 とはいえ足許の米国経済の腰は強く、入国制限措置を契機とする新大統領への失望感が押し下げているドルや株価の下げ幅も、恐らくは限定的だろうと筆者は考えている。新大統領の主軸の無い場当たり的な政策が市場に跳ね返るリスクに関して機関投資家はまだ未消化の状態にあるのは事実だが、先月書いたように(「2017年のカギを握る米国長期金利と米中関係」)、長期金利の急上昇や米中関係の急速な悪化が見られない限り、市場の安定感は簡単には崩れまい。

 だが「トランプ・リスク」に「欧州政治リスク」が同期して国際秩序が不安定化し、国際経済が混迷に向かう懸念が強まるような事態になれば、機関投資家も長期的シナリオを修正する必要が出て来るかもしれない。

 2017年最初に市場のさざ波をもたらしたのは英国のメイ首相であった。昨年6月のブレグジット決定から約7カ月が経過、メイ首相は「決められない首相」「優柔不断なメイビー首相」などと揶揄されていたが、先月漸く発表したその基本姿勢はいわゆる「ハード・ブレグジット」と呼ばれるEUからの完全離脱の方針であった。

メイ首相の「プランB」にEU諸国は猛反発

 その内容は、予想通り移民流入規制と司法権限独立を支柱とするものであり、EU単一市場へのアクセスや関税同盟からの離脱方針が明確化されている。市場はブレグジットの姿が明確になったと評価しているが、金融機関や企業そしてEUへの残留を望んでいたスコットランドなどは、いま強い不安に包まれていることだろう。

 特に「ハード・ブレグジット」により、EU全域でビジネスができる「金融パスポート」を失う可能性の高い金融サービス業は、戦略見直しが必至の情勢だ。英国は「パスポート制度」から「同等なシステム(エクイバレンス)」つまり英国とEUとで規制が両立しうるとの認識による金融サービス継続へと戦術変更を余儀なくされると思われる。

 だが、EUが英国を同等と承認するまでどれくらいの時間が掛かるのかが定かでなく、EUはその適用を1カ月前の通知で取り消すことが可能な仕組みになっているため、金融機関は安心して営業することができない。

 歴代の首相と違って金融に特段の興味を抱いていないメイ首相が、どれほど精力的にこの問題に取り組むのか、との猜疑心も目立つ。既にHSBCは「脱英国」の準備を具体化していると見られ、ロイズはフランクフルト支店を子会社に衣替えする、とも報じられている。ゴールドマン・サックスがロンドンの陣容を半減し、UBSは投資銀行部門をマドリードに移転する、といった観測記事も散見されている。

 メイ首相が3月に離脱通告を行えば、2019年3月を以て英国はEUから完全に切り離されることになる。英国は混乱を避けるために「段階的な移行措置」を求める方針のようだが、EU側が寛容な対応を見せる保証はない。関税同盟に代わる新たな協定締結にどれくらいの期間を要するかも全く見当もつかない。同首相は「EUからは離脱するが欧州からは離脱しない」と述べたが、そのレトリックには非現実感も見え隠れしている。

 特にメイ首相が「バッド・ディールよりもノー・ディール」と述べ、有利な通商協定が得られなければ協議は停止して「プランB」即ち低税率の導入や規制緩和で資本や企業を呼び込み、英国独自の経済成長モデルを追求する、という考えを示したことに、EU諸国は猛反発している。

 相手を脅して有利な条件を引き出そうとする戦術は、むしろ英国の立場の弱さを示しているのかもしれない。同首相は英国とEUが自由貿易協定を締結するのは経済的に合理性があると述べているが、EUの政治的な論理とは噛み合わないように思われる。

 英国にとってもこの代替案は得策とは言えないところがある。法人税の大幅引き下げで、財政赤字が急拡大するのは不可避であるからだ。因みに1%の減税で英国の歳入減は約20億ポンド(約2800億円)と試算されており、10%規模の減税となれば毎年約3兆円の赤字拡大となってしまう。また英国の金融街は約90億ポンド(約1兆2600億円)の利益を喪失するとも試算されており、減税とシティ縮小という2つの穴を「プランB」で埋めるのは夢物語だろう。

 さらに先月、英最高裁が「EU離脱通告には議会承認が必要」との高等法院の判断を8対3で支持したことで、敗訴した英政府は早々に議会に対して承認を求める法案を提出せねばならなくなった。

 議会にはEU残留派も多いが、国民投票の結果を軽視することはできない。但しメイ首相の強硬方針に反対する労働党やスコットランド民族党(SNP)などは、路線変更を求める修正案提出を準備している。態度を表明した同首相は容易には妥協できないだろうが、それが審議の長期化や通告時期の延期などを呼ぶ恐れもある。そのブレグジット戦略がどこかで挫折し、メイ政権が崩壊へと追い込まれるようなサプライズも無いとは言えまい。

注目せざるを得ないオランダ総選挙

 また、ハード・ブレグジットの背景にある移民流入への反感の強さは、大陸諸国における「反EU勢力や極右勢力」を元気づけている。周知の通り、今年は3月のオランダ総選挙を皮切りに4〜5月にフランス大統領選挙、そして11月にはドイツの連邦議会選挙が予定されており、イタリアやギリシアでも総選挙が前倒しされる可能性が浮上している。筆者の知る限り、オランダの総選挙が国際金融市場の話題になった記憶はないが、今回は流石に投資家も同国の政治リスクには注目せざるを得なくなっている。

 オランダの総選挙は3月15日に行われるが、どの政党も単独で過半数を取ることは無さそうだ。与党の自由民主国民党は、現時点で世論調査の首位に立っている極右政党の「自由党」の後塵を拝すことは確実だ。

 極右政党として勢力を伸ばしてきた自由党を率いるウィルダース党首は、移民への過激な発言で有罪判決を受けるなど反イスラムのヘイトスピーチや反EU姿勢で知られるが、一部国民の間での人気は衰えていない。だがそれは、連立を組む相手が居ないことを意味している。今回第一党となっても議席数は25%程度と予想されており、恐らく政権には就けないだろう。

 現実には、第二党以下の政党が連携する連立政権になる可能性が高いが、少数党での政権樹立も容易ではない。そもそもオランダでは総選挙後の政権が発足するのに数カ月を要することが多い。2012年には約2カ月、2010年には4カ月以上掛かった。戦後平均は72日である。今回も組閣でもたついているうちに、フランスの大統領選が始まるかもしれない。その政権樹立過程で自由党が存在感を示すようなことになれば、ル・ペン氏を勢い付かせるような展開にもなり得る。

 そのフランスでは、流石にル・ペン氏が大統領に就任するとの見方は少数に止まっているが、昨年の英米における教訓を忘れるべきではない、と警告する声も強まっている。極右政党の国民戦線(FN)を率いるル・ペン氏が4月23日の第1回投票で勝ち残るのはほぼ確実と見られているからだ。

 先月行われた「Ifop-Fiducial」による世論調査では、同氏の支持率が約26%でトップ、約24%に止まったフィオン氏をリードしている。もっとも、5月7日の決選投票での形勢不利は否めず、一騎打ちとなった場合の支持率ではフィオン氏が64%でル・ペン氏は36%と大きく差を付けられている。

 但し、フィオン氏が1カ月前の調査から支持率を落としていることも事実である。昨今勢力を伸ばしているのが無所属で立候補したマクロン元経済相であり、決選投票での組み合わせ次第では、ル・ペン氏が勝ち残る可能性も無いとは言えない。

 世論調査が当てにならないことも実証済みであり、市場は常に「まさかのシナリオ」を念頭に置かざるを得なくなっている。仮にル・ペン氏が当選すれば、EU離脱(フレグジット)とユーロ離脱がメイン・アジェンダに据えられることは間違いない。最近の講演でも同氏は「早期にユーロ建て国債をフラン建て国債に切り替える」と公言している。そんなユーロ離脱観測への市場懸念は、ギリシア問題の比ではあるまい。

 オランダとフランスの選挙の間にイタリアやギリシアが総選挙の前倒しを行うようなことになれば、世界は欧州情勢をアップデートするのに一苦労することになるだろう。

リスクを増幅するドイツの物価上昇

 そしてドイツの総選挙にはまだ時間があるとはいえ、同国の社会情勢が欧州政治リスクを増幅しかねない要素があることも無視できない。その兆候が、同国におけるやや唐突な物価上昇である。

 ドイツの12月消費者物価指数は前年同月比1.7%上昇となり、前月の1.1%上昇から急上昇している。その数字は、インフレに超敏感な同国民にとって気になる数字だろう。ユーロ圏全体では1.1%の上昇とまだ目標値には遠く、ECBは12月に導入した政策の現状維持を決定しているが、その理事会議事要旨ではドイツを含むと思われる一部の国々が資産買い入れ延長に反対したことが明らかになっており、1月も白熱した議論が展開された可能性が高い。

 記者会見においてドラギ総裁は、足許の物価上昇は原油などエネルギー価格の上昇に拠るもので、構造的に見て物価上昇傾向は定着していない、との見方を示している。確かにOPECや非OPEC諸国の減産合意で原油価格が持ち直した影響は小さくない。ユーロ圏のコア物価指数は前年同月比0.9%と低水準に留まっている。同総裁は、景気のリスクは依然としてダウンサイドにあるとの見方を示しており、緩和姿勢を変更する気配は感じられない。

 だがドイツ国内の不満を沈静化し続けることができるかどうかは微妙だ。ドイツ人記者からの質問に対して、同総裁は「ユーロ圏全体の物価安定はドイツにも有益だ」と述べ、低金利の負担への忍耐をお願いしたい、と回答しているが、ドイツでの物価上昇傾向が定着して南欧諸国での物価低迷との格差が顕著になった場合、そうした総裁の説明や要請ではドイツの忍耐を抑えきれないかもしれない。

 ドイツでは、ギリシア支援に対する不満が再燃するリスクも指摘されている。IMFが支援不参加となる可能性が強まれば、メルケル首相は改めて「IMF不在でのギリシア支援」を議会に問わねばならなくなる事態となる。

 因みにギリシアの成長率は改善しているように見えるが、国民の生活水準は悪化したままであり、一時は国民的英雄と称賛されたティプラス首相の支持率も急落している。債務再編無きギリシア再建が望み薄であることは、IMFの態度からも明白だ。同国支援を巡る議論は、難民問題と同様にメルケル首相の指導力低下に繋がる可能性もあろう。

欧州で読み直されているツヴァイクの著作

 こうしたECBへの不満やギリシアへの不信感は、ドイツ国内の「反エリート感情」に簡単に結びつく。トランプ大統領の就任式の翌日に、ドイツ南西部の都市コブレンツで欧州の「反EU」を掲げる政党が集結する初の集会が行われたことも、欧州を貫く不気味な風が吹き始めた証左である。2012年にユーロを救ったECBも、増幅し始めた主要国の政治リスクには無力である。

 いま欧州では、オーストリアの詩人ツヴァイクの『昨日の世界』を読み直す人が増えている、という。同書は、欧州の共通精神を理想に据えた著者が、第一次世界大戦という乱流やまさかの第二次世界大戦への突入という事態を前にして、自殺する数年前に記憶を辿りながら希望と絶望の交差を綴った遺作だ。心の痛み無くしては読めない自伝である。

 現代の欧州もまた、ツヴァイクが直面した憂鬱と向き合わざるを得なくなっているのだろう。それが当時と同様に、或いはそれ以上に、日本と無関係でないことは確かである。


このコラムについて

倉都康行の世界金融時評
日本、そして世界の金融を読み解くコラム。筆者はいわゆる金融商品の先駆けであるデリバティブズの日本導入と、世界での市場作りにいどんだ最初の世代の日本人。2008年7月に出版した『投資銀行バブルの終焉 サブプライム問題のメカニズム』で、サブプライムローン問題を予言した。理屈だけでない、現場を見た筆者ならではの金融時評。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/230160/012600022/

 


RBS会長:EU離脱後に数十人を英国外に移動-ダブリンを欧州拠点に
Stephen Morris、Richard Partington
2017年2月2日 01:55 JST

英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のハワード・デービーズ会長は、英国の欧州連合(EU)離脱後にダブリンを欧州事業向けの拠点にし、国内から数十人の従業員を他拠点に配置転換することを余儀なくされるだろうとの考えを示した。
Howard Davies, chairman of Royal Bank of Scotland NV (RBS), pauses during a Bloomberg Television interview in London.
Howard Davies, chairman of Royal Bank of Scotland NV (RBS), pauses during a Bloomberg Television interview in London. Photographer: Jason Alden/Bloomberg
  デービーズ会長は1日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「当行に関して言えば問題を抱えていない。アルスター銀行という形態でユーロ圏に銀行を所有しているためだ」と発言。「恐らく一部従業員を移動する必要があるだろうが数十人単位での話で、他行が論じているような規模ではない」と続けた。
  メイ首相がEU単一市場から撤退することを示唆して以来、世界的な銀行は人員移動やEU内に拠点を構える計画を明らかにし始めている。英銀ではバークレイズがダブリンに約150人を移動し、ロイズ・バンキング・グループがフランクフルトに人員を配置する可能性を示しているが、数千人単位での人員配置を示唆している英国外の銀行よりも影響は小さいもようだ。
  アイルランドのマーフィー金融サービス担当相は1日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、英EU離脱に関連した移転先としてダブリンを前向きに検討している銀行が増えていると指摘。これまでに100件余りの問い合わせを企業から受けたことを明らかにした。
原題:RBS to Move ‘Tens’ of Staff After Brexit, Chairman Davies Says(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKPDSS6JIJUO01


 


 
英国:インフレリスク高まる、1月の仕入価格指数は記録的上昇
Fergal O'Brien
2017年2月2日 02:24 JST

英国の製造業は今年の年明けに記録的なペースでのコスト上昇に直面した。インフレ上昇圧力の強まりを示唆しており、今年の英経済を圧迫する恐れがある。
  IHSマークイットと英国購買部協会(CIPS)が1日発表した1月の製造業購買担当者指数(PMI)は55.9と、業況の拡大と縮小の分かれ目とされる50を優に上回った。総合指数を構成する生産指数がほぼ3年ぶりの高水準に上った一方、仕入価格指数は1992年の統計開始以降で最高に達した。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iHyV0kZZcfxY/v2/750x-1.png

  仕入価格の急騰は欧州連合(EU)離脱選択以来のポンド安と、プラスチックや鉄鋼などの原材料と石油の価格上昇を反映している。これが経済全体に浸透すれば家計が圧迫され、過去数年にわたり経済成長のけん引役を果たしてきた個人消費が冷え込む恐れがある。
  英製造業のロビー団体であるEEFはこのリスクを強調。業界全体に価格上昇圧力がかかっている「証拠は積み上がりつつある」と指摘した。
原題:U.K. Inflation Risk Mounts on Record Surge in Factory Costs (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKPF3H6TTDS101


 

欧州債:総じて軟調、過去最悪の1月に−ECBがQE突然中止の観測
Marton Eder、Anooja Debnath
2017年2月2日 02:16 JST

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iqY7NPY1e4bc/v1/750x-1.png

1日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて軟調。域内全体で政治リスクが意識され、欧州中央銀行(ECB)が資産購入プログラムを2018年に突然中止するとの観測を背景に、1月のユーロ圏国債は過去最悪のパフォーマンスとなった。
  フランスとドイツ、オランダで年内の総選挙実施を控え、ユーロ体制に反対する論調が高まっており、ドイツ国債に対するフランスとイタリア債の利回り上乗せ幅(スプレッド)は今週、それぞれ2014年以来の大きさまで広がった。ECBは資産購入計画の規模縮小を検討していないと主張するドラギ総裁に、一部投資家らは景気拡大とインフレ上昇の現状を踏まえ耳を傾けていない。
  オールド・ミューチュアル・グローバル・インベスターズのグローバル債部門責任者、マーク・ナッシュ氏は「市場は明らかに見透かしている。量的緩和(QE)はまもなく終わりになるはずだと見込んでいる」と述べた。
  ロンドン時間午後4時23分現在、ドイツ10年債利回りは前日比3.8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.47%。先月26日には1年ぶり高水準となる0.50%に達した。1日は同国2年債と10年債のスプレッドが15年6月以来の大きさとなる118bpに拡大する場面もあった。
  ブルームバーグ・バークレイズ・ユーロ債指数によれば、ユーロ参加国の国債の1月のリターンはマイナス2.1%で、データでさかのぼれる1998年以降で最悪のスタートとなった。

原題:European Bonds Post Worst January on Record Amid Political Angst(抜粋)
Euro-Area Government Bonds End-of-Day Curves and Cross Spreads(抜粋)
*GERMAN 2-, 10-YEAR SPREAD REACHES 118 BPS, MOST SINCE JUNE 2015
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKPFIJ6JIJUU01
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/719.html

[経世済民118] FOMC個人や企業の信頼感改善を認識−政策金利は据え置 米雇用者7カ月ぶり大幅な伸 製造業景況5カ月連続で拡大ペース加速
FOMC個人や企業の信頼感改善を認識−政策金利は据え置
Christopher Condon
2017年2月2日 04:13 JST
 
米連邦公開市場委員会(FOMC)は1月31日と2月1日に定例会合を開き、政策金利を0.5−0.75%のレンジで維持する一方、ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利以降、個人および企業の信頼感が強まっていることを認めた。
原題:Fed Nods to Improving Sentiment While Leaving Rates Unchanged(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKPMJWSYF01S01

 


米ADP民間雇用者数:1月は24万6000人増、7カ月ぶり大幅な伸び
Patricia Laya
2017年2月1日 23:30 JST

1月の米民間雇用者数は昨年6月以来の大幅な伸びとなった。サービスや製造業の雇用が拡大した。
  給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが1日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、1月の米民間部門の雇用者数は24万6000人増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は16万8000人増だった。前月は15万1000人増に修正された。
  製造業や建設業を含む財生産部門の雇用は4万6000人増加。このうち建設業は2万5000人増で、4カ月ぶりの大幅な伸び。製造業は1万5000人増と、2014年12月以降で最大の伸びとなった。サービス業は20万1000人増加。前月は14万7000人増だった。
  ADPと共同で集計調査を行うムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は発表資料で、「雇用市場にとって2017年は力強いスタートとなった」と指摘。「雇用の伸びは業界や会社の規模を問わず全般的に堅調だ。エネルギーセクターさえも再び雇用を増やしている」と述べた。
  従業員が500人以上の大企業の雇用者数は8万3000人増加。50−499人の中堅企業では10万2000人増えた。49人以下の小企業では6万2000人増と、昨年7月以来の大幅な伸びを示した。
原題:ADP Says Companies in U.S. Added 246,000 Employees in January(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKP8AQ6JTSF801


 

米ISM製造業景況指数:1月は上昇−5カ月連続で拡大ペース加速
Shobhana Chandra
2017年2月2日 01:58 JST

1月の米製造業活動は5カ月連続で拡大ペースが加速した。
  米供給管理協会(ISM)が1日発表した1月の製造業総合景況指数は56と、前月の54.5から上昇し、2014年11月以来の高水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55だった。同指数では50が活動の拡大と縮小の境目を示す。
  ISM製造業調査の責任者ブラッドリー・ホルコム氏は声明で、回答者のコメントは「需要の水準や事業環境について概してポジティブ」だったと記した。
  1月の新規受注指数は60.4(前月60.3)。生産指数は61.4(前月59.4)に上昇した。
  雇用指数は56.1に上昇。5カ月連続での上昇となった。仕入れ価格指数は69(前月65.5)に上げた。一方、輸出は54.5(前月56)に低下。在庫は48.5(前月47.0)と、縮小圏で推移した。在庫の縮小は1年7カ月連続。
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Manufacturing Accelerates in U.S. for a Fifth Straight Month(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKPDS9SYF01S01

 


UBSの富裕層顧客、新興市場投資拡大に前向き−資産規模約240兆円
Selcuk Gokoluk
2017年2月1日 13:37 JST
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新興市場資産のリターンは今年1桁台後半の可能性もあるとUBS
相場は昨年上昇し、今年に入ってからも資金流入継続

UBSウェルスマネジメントは、資産規模2兆1000億ドル(約240兆円)に相当する同社の富裕層顧客が、昨年の相場上昇を受けて新興市場資産の保有拡大に前向きになっていると述べた。
  同社で新興市場の資産配分責任者を務めるミヒャエル・ボリガー氏(チューリヒ在勤)は、新興市場資産のリターンが今年、1桁台半ばから後半になるとの見通しを示した。2016年に株式と債券相場が力強いパフォーマンスを示し、今年に入ってからも資金流入が続いていることから、顧客は新興市場資産への投資に不安を抱いていないという。
  同氏は1月27日の電話インタビューで、「昨年は良い年だった。注目を集めた」とし、「投資家の間に受け入れムードが広がり、関心が一段と高まるには、数四半期にわたる良好なパフォーマンスが必要だった」と述べた。
  各国・地域の中央銀行が前例のない緩和策を講じたことで、より高いリターンを求める動きが昨年、世界的に広がり、新興市場資産の需要が高まった。EPFRグローバルのデータによれば、投資家の関心は依然強く、新興市場株で運用するファンドは1月25日までの1週間に10億ドルの資金を新たに集めた。これは3カ月ぶりの大きさだという。
原題:UBS’s Rich Clients Worth $2.1 Trillion Warm to Emerging Markets(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKOFL26S972L01


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/572.html

[経世済民118] 米国を蝕む「縁故資本主義」 トランプのドル安志向、世界最大の債務国に不都合 ロシア、リセッション脱却に 10年前トロい奴
コラム:
米国を蝕む「縁故資本主義」

河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長
[東京 1日] - 懸念した通り、トランプ新大統領は1月20日の就任演説でも、保護主義的なスタンスを修正しなかった。なんと「保護こそが素晴らしい繁栄と強さにつながる」と自由貿易を否定し、今後は「米国製品を買い、米国人を雇う」という2つを基本ルールにするという。

残念ながら、こうした政策は主に2つの経路で、米国の潜在成長率を抑制し、米国人を貧しくする。

まず、米国人が割高な商品の購入を迫られるようになる。2つ目は、あまり認識されていないが、為政者の方針に擦り寄る既存企業にばかり恩恵が施され、イノベーションの可能性を秘めた新規参入者の出現が抑制される。

トランプ新大統領はプロ(親)ビジネスであって、成長を促すはずと考えている人もいるが、それはプロビジネス政策が保護主義や縁故主義の穏当な表現であることに気が付いていないだけである。良かれと思って選択されるプロビジネス政策は、多くの場合、反・成長戦略となる。これが今回のテーマである。

<200年経っても理解されない比較優位の法則>

まず、平均レベルで見て、世界最高水準の豊かな生活が米国で可能なのは、生産性の高さもさることながら、通商面において、多くの財・サービスの関税を低く抑え、多様で安価な商品が供給されているからだ。

メキシコや中国に国境税を課すのは明確な世界貿易機関(WTO)違反であり、現実には実施されないと考えるが、もし実施されれば、今ほど自由貿易が進み、完成品、中間投入財を問わず、さまざまなものが海外から輸入されている中で、小売業者は消費者にコストを全ては転嫁できず、相当なダメージを被る。

国境税が課せられないとしても、米政権からプレッシャーを受けるグローバル企業は、効率が悪くても、米国内での生産を少しでも増やそうと努力するだろうから、最適なサプライチェーン構造からかい離し、結局、割高な商品の供給が増えるだけとなる。ツケを払うのは、所得の限られる普通の人々だ。

「経済学および課税の原理」において、リカードが比較優位の法則を掲げ、重商主義は誤りであり、自由貿易を行うことで、各国の経済厚生が向上すると主張したのは、ちょうど今から200年前の1817年のことだ。自由貿易の利益を最も享受する国の1つである米国の新大統領が自由貿易を否定するとは何とも残念な話である。

ちなみに、比較優位の法則を机上の空論と見なす人が多いのは、リカードのモデルの中で、メリットを受ける集団とダメージを被る集団のことが記述されていないことも大きく影響している。産業間で移動可能な生産要素だけでなく、産業間で移動がなかなか生じない生産要素についても、リカードはモデルに組み込むべきだったのかもしれない(メリットを受ける資本家グループに属していたリカードはそのことが分かっていて、あえてモデルに取り込まなかった可能性がある)。

つまり人々が関心を持つのは、比較優位財の生産に投入される生産要素を持つ人がメリットを受け、比較劣位財の生産に投入される生産要素を持つ人がデメリットを被るという点であり、トランプ現象や英国の欧州連合(EU)離脱問題に即して言えば、自由貿易でメリットを受けていたのは高いスキルを持つ労働者であり、デメリットを被っていたのは低いスキルしか持たない労働者ということだ。

低いスキルしか持たない労働者がデメリットを被るのは、確かに貿易がきっかけではあるが、問題は、その失われた実質所得は海外に流れるのではなく、高いスキルを持つ労働者に流れることである。

もちろん、それが分かっていても、国内で勝者と敗者を明確にするのは社会的な分断を生むため、得策ではないという判断が政治的に働くのかもしれない。それゆえ、歴史的に、いずこでも国民が貧しくなったのは、外国人や外国企業が恩恵を受けているからだという主張がなされてきた(トランプ大統領の主張も同じだ)。

しかし、問題が国内の分配ということであれば、望まれる政策は明らかで、自由貿易の下で付加価値の生産を拡大した後、貿易によってメリットを受けた人からデメリットを受けた人に所得移転を行うということになる。閉鎖経済、あるいは関税を選択するより、一国全体の経済厚生を確実に改善することができる。

結局のところ、貿易問題の本質は、国内の所得分配の問題なのだ。なお、多くの実証分析によれば、高いスキルを持った労働者がメリットを得て、低いスキルしか持たない労働者がデメリットを被っているのは、貿易の影響ではなく、技術変化の影響の方が大きい、とされている。

実際、高スキル労働の多い先進国でも、低スキル労働の多い新興国でも、高スキル労働者がメリットを得ている。貿易が原因なら、新興国では低スキル労働者がより大きなメリットを受けるはずだ。我々はグローバリゼーションの結果というが、貿易の影響以上に、世界的に進む技術変化が高スキル労働者に有利なパターンになっていることの影響が大きい。歴史的には技術革新に否定的な左派ポピュリスト政治家も台頭したことはあるが、近年ではそれは観測されないし、トランプ大統領も問題視していない。

<法の支配が不可欠な理由>

さて、2つ目の論点であるイノベーションへの影響に移ろう。リカードが比較優位の法則を唱えた1817年頃は、英国を皮切りに、高い成長が西欧でスタートした時期である。英国の高い成長は、ベルギーやフランス、ドイツ、米国に波及していった。それは、大戦期の例外を除くと、1970年代初頭までの150年以上に及ぶ長い高成長の時代となったが、高成長が始まった理由の1つは、19世紀初頭に、法の支配の下で自由主義や個人主義が確立し、人々の創意工夫が促されるようになり、さまざまなビジネス分野で草の根イノベーションが広がったことだった。

自由な経済活動において、法の支配が不可欠であるのは、人々に予測可能なルールが提示されるためであり、いちいち為政者の顔色をうかがわなくても、ルールを守ってさえいれば、試行錯誤でビジネスを進め利益を追求できるからである。それがイノベーションの原動力となる。

しかし今や、社会のルールに沿った経済活動を行っているにもかかわらず、米国で生産を増やす企業には恩恵が施され、米国外での生産活動の拡大には罰則が下されるという、全く合理性を持たない政策を新政権は進めようとしている。

為政者の意向に沿った行動を取る企業経営者が称賛されるという風潮がこのまま強まれば一体、どうなるか。従来、どの企業でもエース級の人材は、イノベーション推進に投入されていたはずだが、新たな介入主義的、集産主義的環境においては、政権との近さが企業の浮沈に大きく影響してくる。エース級の人材は、政治担当ということになる。

つまり、重要な経営資源は、イノベーションではなく、レントシーキング(ロビーイング)に割り当てられる。もともと、規制業種でイノベーションが起こりづらいのも、そして腐敗が起こりやすく、時としてそれが企業の存続を危うくすることがあるのも、経営資源がレントシーキングに割かれるためだ。規制業種以外でもそうしたことになれば、産業の行く末は危うい。

また、一部の企業にだけ恩恵を施すのは、あまり認識されていないが、イノベーションの可能性を秘める新規参入者の足を大きく引っ張ることになる。どこの国でもそうだが、少なからぬ人が、プロビジネス政策を成長戦略と誤認している。もちろん、アンチビジネスよりはましだが、既存の企業をサポートするということは、新規参入のハードルを引き上げることに他ならず、成長の源泉であるイノベーションを阻害する。

必要なのは既存企業に恩恵を与えるプロビジネス政策ではなく、新規参入を促すプロマーケット政策なのである。プロビジネス政策は単に縁故主義、保護主義の穏当な表現にすぎず、成長戦略ではなく、反・成長戦略だ。クローニーキャピタリズム(縁故資本主義)が米国の成長トレンドを蝕むことになりはしないか。

<完全雇用にある日本には円高が望ましい>

トランプノミクスがプロビジネスであることを好感し、米国の株価は上昇を続けている。しかし、その原動力は、消費者と新規参入者の利益や経済成長の可能性を犠牲に、特定の企業、産業に施した恩恵にすぎない。株式市場は、単にレントシーキングにおける勝者を探しているにすぎない。

もちろん、新大統領の力技で議会を説得し、財政は期待した以上に膨らむのかもしれない。しかし、それとて公債発行を原資に、将来の所得を先食いするだけであるから、結局、自らの未来の可能性の先食いにすぎない。トランプノミクスの賞味期限は1年半、持って2年というのが、大統領選挙直後の筆者の認識だったが、政権がスタートした現在も、その評価を変える必要性はなさそうである。

今のところ想定した動きと異なっているのは、日本に対しても保護主義的な政策が検討され、それがドル円相場に影響していることだ。標的にされると思っていなかった日本の自動車業界がやり玉に挙げられ、著しくはないものの円高圧力も見られる。対日通商政策に関し、不確実性が広がると、リスクプレミアムが増し、その結果、円高圧力が生じて、日本の株価の上値も多少だが抑えられた。

とはいえ、米経済は完全雇用にあり、賃金上昇率の加速が始まる中で、トランプ政権が大規模財政に踏み切り、一方で 米連邦準備理事会(FRB)の継続利上げが予想されるため、基本的には今後もドル高傾向が続くと筆者は考えている。日本サイドを見ても、日銀が長期金利をゼロ%程度に誘導するため、米国の金利上昇圧力が強まれば、金利差拡大につながり、そのことも円安圧力をもたらす。

規範的な視点に立てば、米国と同様、完全雇用にある日本にとっては、通貨が減価するより、通貨が増価することの方が望ましい。円安で日本の総需要が刺激されても、供給制約で、経済全体のパイはそれほど大きくはならない。この場合、望ましいのは、通貨高で輸入増加を促し、より高い消費水準を可能とすることである。それが経済厚生を高めるための正しい選択だ。

確かに、円安が進めば、輸出セクターには恩恵が及ぶが、それは、完全雇用にある中で、家計部門あるいは輸入部門の所得を輸出部門に無理に移転させているだけである。また、円安で輸出が増えるとしても、本来、非製造業部門に向かうべき雇用が、製造業に奪い取られることで可能となる。日本の政策当局が取っていることは、意図は異なるとしても、結果的にリカードが批判した重商主義政策とあまり変わらない。

完全雇用にあるだけでなく、現在の実質実効円レートは相当に低い水準にあるため、これが多少修正され円高が進めば、一国全体で経済厚生はむしろ改善する。大幅な円高でなければ、ダメージは大きいとは言えない。

実質実効円レートが相当に低い水準にあるにもかかわらず、長期金利をゼロ%程度に抑え、円安に誘導しているように見えるから、米国の競争相手がホワイトハウスに働きかけ、本来、批判されるべき点の少ないはずの日本の自動車セクターがやり玉に挙げられているのかもしれない。今後、通商交渉の中で、米国政府が日本の金融政策を問題視し始めることはないだろうか。米国の自動車業界にとって、軽四輪問題より、円安問題で攻める方が、得られるメリットは大きいように思われる。

リスクプレミアムが高じる際、巨額の公的債務を抱える日本では、円安が進まないことに、むしろ感謝すべきかもしれない。現在は、日銀の極端な金融緩和で長期金利が相当に低く抑えられているから、利払い費は抑制され、公的債務のさらなる膨張も抑えられている。もし、リスクプレミアムの上昇で円高ではなく、円安が進み始めると、極めて厄介な状況に陥る。

円安によるインフレ上昇を避けようと金利を引き上げれば、利払い費が膨らみ、公的債務が一段と膨らみ、さらにリスクプレミアムが高まるという悪循環に陥る。一方で、金利を低いままに据え置けば、実質金利の低下で、円安とインフレ加速が進む。リスクプレミアムの上昇が円高につながっている間に、財政健全化に着手しなければ、本当に手の付けられない状況に陥る。

*河野龍太郎氏は、BNPパリバ証券の経済調査本部長・チーフエコノミスト。横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)や第一生命経済研究所を経て、2000年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)
 

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焦点:トランプ政権のドル安志向、世界最大の債務国に不都合も

[東京 1日 ロイター] - トランプ米政権は、通貨安批判の矛先を中国から日本、ドイツへと広げ始めた。米国内の製造業を保護するのが目的とみられるが、通商政策と表裏一体となったドル安政策は米国にとって不都合な事態をもたらしかねない。世界最大の債務国である米国は、世界のマネーを引き寄せることで赤字をファイナンスしなければならないためだ。

<米要人発言にドル急落>

トランプ大統領は1月31日、製薬会社幹部との会合で「中国が現在行っていること、日本がこれまで何年も行ってきたことをみてみれば、彼らがマネーマーケットや通貨安を手玉に取っているのを、我々は愚か者のように座して眺めているだけだ」と述べた。

また、大統領が新設した「国家通商会議」の責任者、ピーター・ナバロ氏は同日、ドイツは「過小評価が著しいユーロ」を利用することで、米国や欧州連合(EU)の貿易相手国よりも有利な立場を得ている、との見解を示した。

市場は、これらをドル高けん制発言と受け止め、31日の海外市場で、ドル/円JPY=は急落。一時、約1.5%下げ昨年11月30日以来の安値となる112.07円を付けた。ユーロ/ドルEUR=も1%強上昇し1.0811ドルと、昨年12月8日以来の高値となる場面があった。

<他国の金融政策に言及>

今回トランプ大統領の発言で注目されたのは、他国の金融政策に言及したと受け止められる内容があったことだ。

大統領は、米企業の競争力が弱いのは「他国が通貨や通貨供給量、通貨安で有利な立場を確保してきたという事実と大いに関係している」と指摘。「米国はひどい状況におとしめられてきた」と、通貨安の原因として他国の金融政策にも矛先を向け始めた。

浅川雅嗣財務官は1日、「日本の金融政策はデフレ脱却という国内政策目的でやっているのであって、為替を念頭に置いたものではない。為替介入も最近はやっていない」と述べ、トランプ大統領の批判を退けた。

しかし為替市場では、2013年4月に日銀が導入した量的・質的金融緩和(QQE)から始まり、昨年9月の長期金利のゼロ%誘導まで続く超金融緩和政策が、ドル高/円安の基本的な背景になってきたとの見方は多い。

「そもそも、デフレで需要がないことが分かっている状況下での異次元緩和は、緩和本来の目的であるカネ回りを良くすることではなく、間接・直接的に円安が生まれ、輸入物価の上昇と株高という三方良しを追求する政策だった、とトランプ大統領が理解している可能性が出てきた」と三井住友銀行・チーフストラテジストの宇野大介氏は分析する。

これまでドル高による機会損失を黙って受け入れてきた米国が、その原因である金融緩和を止めるべきとの「直球」を投げてきた場合、日本は難しい対応を迫られるだろう、と同氏はみている。

ユーロの状況も似通っている。欧州中央銀行(ECB)が14年半ばに中銀預金金利を初めてマイナス圏に引き下げたことが、ユーロ安/ドル高の基本的な立て付けを造った。

<最終的な「ツケ」は米国に>

通貨政策と一体化した通商政策や拡張的な財政政策により、経常赤字が縮小する可能性もある。

しかし、それは経常赤字が財政赤字に置き変わっただけであり、ストックベースでも世界最大の対外債務残高(円換算で886.5兆円)を抱える米国が、その赤字ファイナンスを外資に依存する構造は変わらない。

米国は海外からの安定的な資本流入が必要で、日欧の金融緩和は国内の金利の低下を促し、相対的に米国証券の魅力を高めてきた。

日銀の中曽宏副総裁は、利上げを進める米国と、金融緩和を推進している日欧の金融政策の方向性の違いが「日欧の金融機関のドル建て金融資産への投資を促している」(20日の講演)との認識を示している。

米国際収支統計によれば、外国から米国への資本フローは13年第4・四半期に1759億ドルの流入超でピークアウトしたあと急激に縮小し、14年第4・四半期には79億ドルの流出超まで落ち込んだ。

しかし、日欧の金融緩和によるドル資産需要の「反射的効果」で急速に回復、16年第3・四半期には2200億ドルの流入超まで膨らんでいる。

この間、ドル指数.DXYは上昇。今年1月3日には103.82に上昇し、近年の最高値を付けている。米国資産に海外の資金が集まるからこそドルの需要が高まり、ドル高が生じるともいえる。

ただ「米経済はドル高に弱くなっている。米企業の海外売上比率が上昇しており、ドル高局面で収益が目減りしている」(日本総研・調査部長の山田久氏)とされ、ドル高への耐性が低下し、それが米国のドル安攻勢や金融緩和批判につながっている。

しかし、米国への資本流入が細る可能性は、金融という経路のみではない。

米国の保護貿易と相手国の報復措置により「モノの移動が滞るだろう。モノが滞れば、必然的に資金も滞るはず」(大手機関投資家)とみられ、モノと資金の総すくみとなった場合、最も大きなダメージを受けるのは、これまで自由なモノと資本の流れに大きな恩恵を受けてきた米国自身となりかねない。

(森佳子 編集:伊賀大記)

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コラム:「トランプ相場」を乗り切るヒント 
James Saft

[30日 ロイター] - ドナルド・トランプ氏の登場により、ようやく投資家は、自分たちと同じくらい頻繁に間違いを犯す大統領を得た。米大統領の政策がこれほどまでに予測不能で、強い感情を呼び起こす力を持ったことは、恐らく史上初めてだろう。

国家としてはともかく、投資家にとって短期的により大きな危険をもたらす可能性があるのは、トランプ大統領が何をやるかではなく、投資家がそれにどのように反応するか、である。

敵を目の前にしたとする。トランプ大統領は、私たちとほぼ同じように行動する。過剰反応を起こし、本能に従い、自分自身の知識と能力をひどく過大評価してしまう。彼がヘッジファンドの経営者ならば、資産査定(デュー・デリジェンス)の最も基本的なプロセスでさえクリアできないだろう。

トランプ大統領は、最悪の投資家の多くと同じように行動している。だがここでのポイントは、彼に刺激されて大失敗をやらかさないようにすることなのだ。

トランプ大統領が何をするのか、経済や世界にどのような影響が生じるのか、ひいては、それが証券や資産価格にどのような影響をもたらすのか――私たちはそれを予測できない可能性が高い。そう考えると、トランプ政権の誕生は、愚かな投資行動に関する壮大な実験という様相を帯びつつある。

もちろん、いま分かっている限りにおいて、トランプ氏の政策が何の影響ももたらさないという意味ではない。現時点での筆者の考えでは、特に貿易に関する彼の発想は、インフレを進行させ、長期的な経済成長を阻害するだろう。株式などリスク資産にとっては、有害な組み合わせである。

しかしこれは、そうした見解に基づいて利益をあげることが可能である、という話ではない。トランプ氏を嫌悪する人にとっても彼を高く評価する人にとっても等しく言えることだが、危ういのは、投資家が「強い感情」を「妥当で実践可能な投資分析」と取り違えてしまうことなのだ。

「いま投資家のあいだでは、今後1年間の利回りや価格動向はトランプ大統領の動き次第、という気分が広がっている。だがこれはほぼ確実に間違っている。私たちは恐らく、世界各国の政策当局者を相手にするのと同じようなやり方でトランプ大統領にもアプローチするべきだ。つまり、雑音を気にしすぎることなく、実際の政策決定が行われるのに応じて、その方向性と規模を評価するということだ」

資産運用会社M&Gインベストメントのスティーブン・アンドリュー氏は、顧客への書簡でこのように書いている。

<政治的信念が判断を狂わせる>

確かに「雑音」はたくさん聞こえる。だが今のところ、投資家はトランプ大統領就任を、株式にポジティブ、国債にはネガティブな材料と考えているように見受けられる。S&P500指数はトランプ氏の当選以来9%上昇し、10年物米国債は価格下落により、利回りが4割以上アップして2.48%に達した。

「とはいえ、純粋に投資という視点から見れば、トランプ政権発足についてさらに分析を進めるとどういう結論に至るかは、あまり明確ではない。ただ、過度に『知識』を装った、早合点の意見が出てくるだけだ」と前出のM&Gインベストメントのアンドリュー氏は書いている。

国境税の導入がドル高を招くという想定でドル上昇に大きく賭けた投資家は不利な立場に追い込まれつつある。国境税を既定路線と見なして小売企業の惨状を予想した投資家も同様だ。

前回、政策をめぐる熱心な賛否が見られた頃、つまりグローバルな金融危機と銀行救済の時期に、たとえ非常に洗練された投資家であっても運用実績が振るわなかったというデータを見ると、現在の危険の一端がうかがわれる。

2016年に発表されたある学術研究では、ヘッジファンドの運用実績とそのマネジャーによる政治献金との関連を検証し、「民主党支持」「共和党支持」のファンドがどのような実績を上げたのか測定することを試みた。

それによれば、2008年12月から2009年9月まで、民主党支持のファンドマネジャーの運用実績は共和党支持のファンドマネジャーを月当たり72ベーシスポイント上回った。この研究における他の期間では類例を見ない、際立って大きな差である。

当時は、各市場における重要な時期だった。株式市場が下降局面を終え、オバマ政権による財政出動と銀行優遇政策を一因とするV字回復が始まった頃である。

この研究の執筆陣は、共和党系のファンドマネジャーの運用実績がふるわなかったのは、政治的な信念が投資判断に過剰な影響を与えたことによる部分があるのではないかと推論している。恐らく彼らは、数年前に「ブッシュ恐怖症」に罹患した人々と同様に「オバマ恐怖症」の症状に苦しんでいたのだろう。

今日と2008年、またオバマ氏とトランプ氏の違いはたくさんある。しかし、現在のわが国の大統領が強い感情を引き起こすこと、そして彼のポリシーミックスと政権運営スタイルが従来に比べてはるかに個性的であることは断言できよう。

そのことは、最終的にはリスク資産にとってマイナスに働くと筆者は推測している。しかし当面は、どちらの方向にせよ、大きな賭けに出ない方が賢明であろう。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

 
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ロシア経済リセッション脱却に近付く−予想ほど縮小せず
Olga Tanas
2017年2月1日 23:33 JST

2016年成長率はマイナス0.2%、予想はマイナス0.5%
今年は政府目標の0.6%成長を上回る可能性も

ロシアはここ20年で最長のリセッション(景気後退)からの脱却に近付いている。原油価格の安定を背景に鉱業が持ち直し、農業、製造業も安定しつつある。
  ロシア連邦統計局が1日発表した2016年の国内総生産(GDP)は前年比0.2%減となった。ブルームバーグがまとめたアナリスト15人の予想中央値は0.5%減だった。ロシア経済発展省の推計値は0.6%減だった。15年は2.8%減に改定された。
  INGグループのロシア担当エコノミスト、ドミトリー・ポレボイ氏(モスクワ在勤)は統計発表前、「とりわけ2016年初めの悲観的な見通しを考慮すると、経済動向は素晴らしい」とし、「内需縮小が和らいでおり、産業はやや成長している」と語った。
  
  シュワロフ第1副首相は先月のインタビューで、今年は「1−1.5%の成長を見込める。順調に行けば、2%も可能だろう」との見方を示していた。今年の政府GDP公式予想は0.6%増。
  
原題:Russia Nears End of Recession as GDP Shrinks Less Than Forecast(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKP7TE6K50XV01

 


10年前にトロい奴は、10年経ってもトロかった…

職場を生き抜け!

2017年2月2日(木)
吉田 典史

10年ぶりに連絡を寄こした「トロい奴」

 今回は、10年ぶりに接触をした男性との間に生じた問題を通じて、職場での生き方を考えます。

 私は毎年暮れに、数百人にメールを送ります。何らかの形で接点をもった人たちです。「1年間、お世話になりました」という意味を込めた挨拶です。昨年暮れに送信したのは、500人前後。返信があったのが、50人ほど。

 その中に、意外な男性がいたのです。10年前に、本をつくる仕事を一緒にした編集者です。その後の10年間は、一切、接点がありませんでした。男性は当時、編集者としての経験が10数年あったにも関わらず、その仕事ぶりは要領を得ませんでした。上司である部長が、私に言っていました。

 「あいつは、トロい奴でしょう?大学を卒業し、記者になろうとして、新聞社の試験に落ちた。そんな不満を時折、まき散らす。俺は、本当は新聞記者になることができた、と。

 みんなからは、“早く辞めて、新聞社へ行けよ”と陰で言われている。だけど、なかなか辞めない。あいつは足元を見失っている。編集者としてするべき、目の前の仕事ができない」

 この言葉だけで正確に判断することはできませんが、少なくとも、男性が仕事の要領を心得ていないことは間違いない、と私も思っていました。

 10年後の今年、10年ぶりに男性と仕事をしたのです。彼のメールの返信に「本のまとめが遅れています。助けてもらえませんか」と書かれてありました。気の毒に思い、年明け早々に仕事を請け負ったのです。

 10年前にトロかった奴は、10年経ってもトロいままでした。相変わらず、「新卒時に記者になることができた」とはるか前のことを話します。「周りにいる編集者とは自分は違うんだ」と言わんばかりです。10年経っても、仕事においては大きな進歩がなかったようです。やはり、要領を得ないのです。

縁を切ることの尊さ

 前回の記事(「キモイ奴の名刺は、シュレッダーにかけなさい!」)で取り上げたキモイ奴と、今回のトロい奴は似ています。新卒時に不本意な就職をします。周囲の編集者を否定し、自分を大きく見せるために嘘をつきまくります。

 ここで、考えたいことが2つあります。1つは、なぜ、私の前にキモイ奴やトロい奴が現れたのか。もう1つは、キモイ奴やトロい奴は今後、どう生きていくべきなのかです。

 キモイ奴やトロい奴が現れた理由でいえば、私がそのような人を引き寄せる何かを発していた可能性が高いはずです。本来、私と彼らはコンビを組んで仕事をする関係ではないのです。私のキャリアやその意味でのレベル、志向性と、この2人のそれらを比べると共通するものがないのです。

 それが何かのきっかけで、ドッキングをしたのです。トロい奴の立場でいえば、急場をしのぐために助けが欲しかった。そのときに私からメールが届いた。「渡りに船」と思ったのでしょう。私は彼が苦しんでいる姿を想像し、承諾してしまったのです。

 前回のキモイ奴でいえば、嘘をつきまくっていることを、早くから見抜いていたのです。しかし、彼の言動から劣等感を察し、哀れに思えることがあったのです。

 私の心に、この人たちを受け入れるスキがあったのでしょう。双方に、「利害打算」の思惑があったかもしれません。互いに心の奥深くでは、「この人は、自分の求めているタイプとは違う」と感じていたはずです。ホンネを隠し、「利害打算」や「10年ぶりに…」という偽善めいたもので仕事を始めるから、空しい結果になるのです。

 様々な事情があるにしろ、心が感じる思いは素直に受け入れるべきです。私は、彼らのことを、編集者として半人前とみています。この思いに素直に従って深く関わらないようにすることが、双方にとって大切なのです。彼らも「この男はうるさいし、過激だから、深入りをしたくない」と感じていたはずです。その思いに素直であるべきだったのでしょう。

 話をやや広げますが、大切なことなので書きます。ビジネスに限らず、男女の恋愛にしろ、結婚にしろ、別れが来るときがあります。そのとき、必要以上に落ち込むべきではないと私は考えています。

 私は、離婚する男女20〜30組ほどをこの10数年で取材し、出会いや結婚前の頃の話を聞いています。その8〜9割から、「利害打算」や「世間体」「損得」を強く意識し、結ばれたのだろうと感じました。互いに心の奥深くでは、「この人は違う」と思っていたように思えるのです。結婚をしたものの、しだいに「利害打算」や「世間体」「損得」が表面化します。それで、一段と関係がきしみます。

 離婚をしようと思うのは、「これ以上、前に進んではいけない」という、心の奥深くからのメッセージを素直に受け取ったことなのです。実は、すばらしい判断なのです。この仕切り直す力や断ち切る力がないと、大きな不幸が訪れます。世間では、縁結びが強調されますが、縁を切ることの尊さももっと見直されていいことではないでしょうか。

「欠けている」ことこそが、実はその人らしさ

 次に、キモイ奴やトロい奴は今後、どう生きていくべきなのかを考えてみます。彼らに共通しているのは、足元を見失っていることです。前回の記事(「キモイ奴の名刺は、シュレッダーにかけなさい!」)に登場するキモイ奴が、「全国紙では…」と盛んに語るのが、その1つの象徴です。

 彼らは、出版社に勤務する編集者です。不本意であろうとも、そこで仕事を覚え、一定の実績を残すべきでした。そんな不満を聞かされる周囲の編集者たちにも配慮をするべきでした。

 キモイ奴やトロい奴は、自分を高いところにおいているのでしょう。自尊心が高いのかもしれません。しかし、彼らには、新聞社の採用試験では合格できなかったという現実が突き付けられています。

 「第一志望に落ちた=不遇」なのでしょうか。第一志望の職種に就けなかったとはいえ、今の職場で編集者として働くのは、そんなに不幸なことなのでしょうか。私は逆に、恵まれた立場だと感じます。一定の収入を得て、結婚し、家族も養っています。このことは、すばらしいことではないでしょうか。家族を養うだけの収入を得ることができない人は、世の中にたくさんいます。

 今の状況から幸福を感じ取る力がない人は、自分が持ちあわせていないもの、欠けているものを必死に探し、得ようとします。それをつかむことができないと致命的と思い、克服しがたい劣等感を抱えます。

 「欠けている」ことこそが実はその人らしさであり、アイデンティティーなのです。私でいえば、小説家である宮本輝さんや三浦綾子さんのようになりたい、と30年以上前から思っています。ただ、残念ながら、そのような力がないのです。

 50年近く生きてきて、「欠けていること」が、私らしさだとようやく思えるようになりました。この心境になるのは、苦しいことです。「自分には、自分が期待したほどの力がない」という現実を受け入れる必要があるからです。

 この壁を乗り越えると、しだいに発想を変えます。宮本さんや三浦さんのような作家に書けないであろうことを書くようになります。たとえば、会社員の頃、言い争いなどを繰り返し、許しがたい思いを抱いた上司がいました。その上司と過ごした時間を礎に、会社員としての無念さ、屈辱感、組織の冷酷さなどを書いていくほうが、自分らしいと思えるようになったのです。

自分の“値付け”を人に任せてはいけない

 キモイ奴やトロい奴は、欠けているものをいかにビジネスに結び付けるか、という発想がないように思います。武器であるものを「弱さ」ととらえ、「自分が劣っている」と受け止めているのです。

 あなたが会社員で、上司から理不尽な扱いを受けているとします。そこで、自分を否定すべきではないし、卑下するべきでもないのです。「認められない」ことを、誇りにするべきなのです。たとえば、「今、こういう冷遇を受けている。管理職になったら、こんなことをしないようにしよう」ととらえるだけでも、心の状況は変わってくるのではないでしょうか。

 そのような思いでいれば、自然と目の前の苦境を乗り越えることができるようになっていくものです。心や精神状態、意識のあり方をそのまま反映しているのが、目の前に現れる人や出来事などだからです。

 「欠けている」ことが実は「強さ」であることを心得ておくだけでも、今後の人生が変わってくると思います。欠けているものをけなされたら、無視するべきです。あなたの価値や値打ちは、あなたが決めるのです。上司や先輩、同僚、社長や役員、さらには夫や妻、親などにも、決めさせるべきではないのです。ましてや、実態のない「世間」など論外です。

 キモイ奴やトロい奴は、自分の価値の“値付け”を、周囲、世間にさせてしまっている可能性があります。「世間」という見えないものに負けてしまったのかもしれません。企業社会という明確な羅針盤がないところでは、常に自分の価値や値打ちを自分でつくり、守り抜いていくべきなのです。土壇場では、世間や周囲からの評価など、絶対に頼りになりません。

 最後に、読者の皆さんに問いたいことがあります。キモイ奴やトロい奴が次々と現れるのは、私もキモくて、トロい奴だからなのでしょうか。最近、そんな気がしているのですが…。


このコラムについて

職場を生き抜け!
「夜逃げした社長」から「総理大臣経験者」まで――。これまで計1200人を取材してきたジャーナリストが、読者から寄せられた「職場の悩み」に答えるべく、専門家、企業の人事担当者への取材を敢行する。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011600039/013000003/

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/573.html

[不安と不健康18] 見たくない現実に向き合うための手引き 口座残高や体重計、なぜ人は事実を避けるのか それが重要だと分かっているときでさえも
見たくない現実に向き合うための手引き
口座残高や体重計、なぜ人は事実を避けるのか
なぜ私たちは、それが重要だと分かっているときでさえも事実から目をそむけることがあるのだろう?

By ELIZABETH BERNSTEIN
2017 年 2 月 1 日 12:03 JST

 筆者は右ひざに痛みをずっと抱えている。運動するときも、足を組むときも痛い。夜中に痛くて目が覚めることもある。

 病院に行くべきなのは分かっている。でも大好きなヨガをやめるよう医者から言われるのが怖い。しかも手術が必要だと言われたら?

 だから痛みを無視することにしている。

 なぜ私たちは、事実から目をそむけることがあるのだろう。それが重要だと分かっているときでさえも。

‘私たちは自分が健康かつ賢明で、良い決定を下す人間だと思いたいのだ。だからそうした考えに挑むような事実を拒否してしまう。’
—フロリダ大学のジェームズ・シェパード教授(心理学)
 請求書の支払いを済ませた後の口座残高を見るのを避けたり、休暇の後で体重計に乗るのに抵抗したり、健康診断を受ける日時を決めるのを拒否したり。私たちを幸せにしてくれるかもしれない情報さえ拒むこともある。例えば、スポーツの試合結果やテレビドラマの最終回など、見逃してしまったが後で見ようと思っているようなものだ。

 研究者はこうした行動を情報回避あるいは戦略的無視と呼ぶ。気分が落ち込むような事実や、気が進まないことを自分に強要するような事実、もしくは自己認識や世界観に疑問をつきつけるような事実を私たちは避けるものだ。

 「私たちは自分が健康かつ賢明で、良い決定を下す人間だと思いたいのだ。だからそうした考えに挑むような事実を拒否してしまう」。そう話すのは、フロリダ大学のジェームズ・シェパード教授(心理学)だ。同教授はこのテーマで多数の研究を行ってきた。

 同教授によれば、人は望まない情報に対処するための金銭的な、あるいは心理的なリソースを持ち合わせていない場合に、その情報を避ける。がんの検査を受けたがらないのは、お金がなかったり、うつ状態にあったり、ストレスを感じていたり、サポートしてくれるような人とのつながりを持っていない場合に多いとシェパード教授は指摘する。

 他にも、自分が信用しない、あるいは役に立たないと思う情報や、望まない行動を強いられると感じる情報を避けるものだという。体重が増えたと分かっていても、ダイエットや運動を始める準備ができていない場合には体重計に乗るのを避けるそうだ。

 シェパード教授らによると、情報がもたらす結果に対処する力が自分にはあると思う場合に、人はその情報を受け入れる傾向にある。

 では、どうすれば抵抗をやめることができるのか。

 まずは少し時間を割いて、自分が人生で最も価値を置くものは何かを考えることだ。つまり、アファメーション(肯定的に自分をとらえる)だ。2012年1月に学術誌「サイコロジカル・サイエンス」の電子版に掲載された研究では、被験者40人の半数が自分の価値観を調べるアンケートに答えたうえで、短いエッセーを書いた。アンケートの内容は、自己認識において自分のどういう性格や特徴が最も重要かを尋ねるもので、その最も価値を置く自分の特徴を表に出したときのエピソードを書いた。残り半数の被験者は当たり障りのないテーマで書いた。

 その後、被験者全員がネット上で架空の病気の発症リスクを計算し、個別のリスク要因について知る選択肢が与えられた。すると、何に価値をおいているかについてエッセーを書いたグループのほうがフィードバックを望む率が高かった。

 これは自宅でもできる。自分にとって何が大事で、それを人生でどう実践するかについて短くまとめてみる。そうすることで「目の前の脅威は何であれ小さくなったように感じられるうえ、それに対処するためのリソースは大きくなったように感じる」とシェパード教授は話す。

 状況をコントロールする力が自分にはあると思い込むことも重要だ。健康に関する情報を避けているのであれば、治療法を選ぶのは自分であることを忘れないことだ。情報を早く知れば選択肢も増える。

 研究によれば、情報とは直接関係しない人生の他の面で自分にコントロール力があると考えることですら、望まない情報を避けるのを止める手助けになる場合がある。

 それから、なぜ情報を避けているのかを自問するといい。なぜその情報が役立つ可能性があるのか、もしくは役立たないかもしれないと思うのか熟考する。例えば、それが健康診断であれば早く行動することで命が助かる可能性がある、と考えてみる。

 「やるべきことはそれで十分だ」(シェパード教授)。

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http://jp.wsj.com/articles/SB11303642310634324165204582594333079398556
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/362.html

[国際17] トランプ米大統領への対応、再考する中国 成長で米上回るユーロ圏、鍵は政治 イタリアが封じ込めたい「ポピュリズムという魔物
トランプ米大統領への対応、再考する中国
当初は手ごわい交渉相手を歓迎、その後にメキシコとの一件
北京で流れたトランプ米大統領就任式の映像
北京で流れたトランプ米大統領就任式の映像 PHOTO: EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY
By ANDREW BROWNE
2017 年 2 月 1 日 14:58 JST

――筆者のアンドリュー・ブラウンはWSJ中国担当コラムニスト

***

 【上海】世界との関係に気を配る中国の当局者たちは、手ごわい交渉相手を尊敬するばかりか、称賛さえする。ドナルド・トランプ米大統領という課題について最初に考えた時は、そうした姿勢だった。

 トランプ氏が大統領当選後に台湾の蔡英文総統と電話会談を行い、米中関係の基盤を揺るがした時でさえ、中国当局者の落ち着いた反応には「それがはったりであってほしい」との願いが反映されていた。実際、トランプ氏はその願いに希望を与えた。米国が長らく貫いてきた「一つの中国」政策への支持を取り下げるとの脅しについて、中国が貿易面で譲歩すれば引っ込めることを示唆したのだ。

 中国の政策担当者は今では、トランプ氏をひどく誤解していた可能性に気づいているに違いない。難民の入国制限であれメキシコ国境沿いの壁建設を命じる大統領令であれ、トランプ氏は就任して数日のうちに、自身の支持基盤に対する言葉を実行に移すことを明確に示してきた。

 その路線の先には、数年にわたりくすぶっている問題(中国の重商主義的な貿易慣行、サイバー窃盗、軍拡、近隣国を圧倒する構想)を巡る2つの核大国の対立があるようにみえる。中国の指導者たちは、自らが想像し得なかったほど気まぐれで、外交儀礼に縛られないうえ、敵対国に対するのと同様に同盟国にもまくし立てる米大統領といかに対応すべきか、あるいは対応すべきか否かを決めなくてはならない。

 中国はこの米政府とやっていけるのだろうか。

 メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領も同様の疑問を抱いた。米国で計画されている壁の建設費用をメキシコが負担するかどうかを巡ってトランプ氏との応酬が激しさを増すなか、ワシントン訪問を取りやめたほどの状況に陥ったためだ。両氏はその後、電話で会談した。

 このエピソードが警鐘を鳴らしているのは、それよりはるかに重要な米中関係がいかに急速にほころびかねないか、また、2大経済国の協調を当てにしているアジアの米同盟国で米国への信頼感がいかに急速に崩れうるか、ということだ。元駐北京メキシコ大使のホルヘ・グアハルド氏は、「中国の指導部は、トランプ氏との関係改善を図るのは時間の無駄だと判断した可能性がある」と指摘。一方のペニャニエト氏については、トランプ氏が8月にメキシコを訪問した際に国賓並みの待遇で「喜ばせようと必死」だったと述べ、「即座に冷淡で厳しい態度に出ることはなさそうだ」との見方を示した。

 それからツイートだ。中国の外交は緻密だ。正式なやりとりは詳細まで準備される。中国の世論は、自国が被害者だという意識によって形成されており、外国の侮辱に極めて敏感だ。トランプ氏がツイートの放言で中国の指導部を困惑させ、高レベルの会合を台無しにしかねないことを知る中国指導層の不安は推して知るべしだ。

 それが肝心だ。「トランプ自伝―不動産王にビジネスを学ぶ」という自伝があるトランプ氏は、衝動性を交渉術に利用している。同氏は取引技術のある中国の交渉担当者が、予想のつきやすい米国の交渉相手を何かにつけて出し抜いてきたと考えている。偏った貿易の流れがこの点を物語っている。米国のテクノロジー市場は開かれているが、中国のそれは閉じている。相互依存はどこにあるのか。トランプ氏は「いい加減にしろ」と文句を言っている。

 だが強硬な交渉と根拠のない攻撃は違う。

 ペニャニエト氏は完全な決裂には耐えられない。国家の威信と、米国が北米自由貿易協定(NAFTA)を脱退して貿易に依存するメキシコ経済に打撃が及ぶとの懸念の板挟みになっている。

 中国の対米貿易黒字は、メキシコのそれを大きく上回る。だが切れるカードは中国政府のほうが多い。トランプ氏が貿易関税を引き上げれば、中国はボーイングやアップルなど同国市場に依存する米多国籍企業に対する報復措置を講じる可能性がある。

 中国にはミサイルとサイバー戦争の能力がある。最終的には、米国は台湾や南シナ海を巡る軍事的争いに勝つだろうが、恐ろしく高くつく。

 中国政府は、対立やもっとひどい事態より難しい交渉のほうがずっとましだと思っているだろう。習近平国家主席は秋の党大会で権力を固める態勢にあるため、国内の安定が必要だ。対米関係で過ちがあれば、批判にさらされかねない。一方、中国経済はさえない。資本は国外に流出し、中国にとって最大の市場である米国への輸出はかつてないほど重要な収入源になっている。

 意見の不一致が危機に発展することを防ぐには、米中政府が高いレベルでやりとりすることが不可欠だ。外交官らは、トランプ氏が最も優先すべき課題は北朝鮮の核の脅威を後退させることだとの見解で一致している。トランプ氏は習氏なしでは前に進めない。それは、個人的関係の始まりを意味する。早期の首脳会談が役立つだろう。

 リスクを避けたい中国の指導者たちは、トランプ氏が姿勢を軟化させるか政権が崩壊することに期待して待とうとするかもしれない。思い切った行動に出た場合は、同氏の予想の難しい交渉スタイルがワイルドカードになるだろう。トランプ氏が台湾を交渉材料に使おうとすれば、「壁」が対メキシコ関係に及ぼしているように、対中関係に破滅的な影響が及ぶだろう。その意味で、トランプ氏とメキシコ大統領の見苦しいいさかいは不吉だ。

 元大使のグアハルド氏は「トランプ氏は相手が(交渉の)席に着くことさえ許さない」と話している。

トランプ新大統領特集

トランプ次期大統領がツイートを続ける理由
【社説】トランプ氏とメキシコの小戦争
【社説】TPP離脱の米国はアジア防衛強化を
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjWpcj22u_RAhUKyrwKHTPICFEQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582594411890796048&usg=AFQjCNGgiRFFw8aOHSogkwyGLCaFzxID0A


 


 

 
成長で米国上回るユーロ圏、鍵はやはり政治
ユーロ圏経済には良好な兆しが見られるが、米国と同様、投資家はこれまで以上に政治に注目する必要がありそうだ
ユーロ圏経済には良好な兆しが見られるが、米国と同様、投資家はこれまで以上に政治に注目する必要がありそうだ PHOTO: TOBIAS SCHWARZ/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By RICHARD BARLEY
2017 年 2 月 1 日 15:23 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 ユーロ圏は長く経済立て直しに取り組んできたが、ようやく成果が出てきたようだ。2016年通年の域内総生産(GDP)伸び率は1.7%と、米国を若干上回った。また、1月の消費者物価指数は前年同月比1.8%上昇と、13年初め以来の伸び率となった。中でも最も明るい内容は、失業率が着実に低下していることだ。

 欧州中央銀行(ECB)が掲げる「2%弱」の目標近くまでインフレ率が上昇したことで、債券購入のペースを中心に金融政策の方向性を巡る議論が高まるのは間違いない。しかし、マリオ・ドラギECB総裁は、インフレ率上昇が持続的かつ自律的でなければならないと表明している。コアインフレ率(エネルギー・食品・アルコール・たばこを除く)は今回、0.9%だった。一方、域内物価圧力の代理変数とされるサービス部門のインフレ率は1.2%にとどまった。

 ユーロ圏の16年10-12月期実質GDPが年率2.0%増となったことは明らかに朗報だ。ここで最も重要なのは、ユーロ圏の経済成長率がいかに潜在成長率を上回っているかだ。エコノミストの多くはユーロ圏の潜在成長率を約1%とみている。

 しかし、ユーロ圏の政治的リスクを踏まえれば、遅行指数とされる失業率に注意が必要だ。中央銀行にとって失業率が問題だとすれば、政治家にとってはなおさら大きな問題のはずだ。失業率は9.6%と09年5月以降で最低水準に低下し、12%強だった13年のピークを大幅に下回っている。

 それでも、ユーロ圏は債務危機による打撃をやっと乗り越えたばかりであり、英米と違って失業率は世界金融危機以前の水準を引き続き大幅に上回っている。ユーロ圏3位の経済国であるイタリアでは失業率は実際、過去1年間に若干上昇している。ユーロ圏5カ国では失業率は依然10%を上回っており、スペインとイタリア、ギリシャでは若者の失業率が40%強に達している。失業率が低下していること自体は歓迎すべきだが、重要なのはその水準だ。

 1月31日に発表された一連の経済指標で、欧州の金融政策の方向性が大幅に変更されることはないもようだ。むしろ、エネルギーを中心とするベース効果で総合インフレ率が押し上げられる状況が収まった後、インフレ率の動向がどうなるかが鍵となろう。そのため、ドナルド・トランプ新政権が波風を立てている米国と、主要国での国政選挙が控える欧州の両方で、今後数カ月間、投資家の注目は政治に集まることになるだろう。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwidne2O2-_RAhUEe7wKHaCBDPsQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582594610108602018&usg=AFQjCNH2wbXYe1tdzvNQRskbGI2M7M-7jg


 


 
イタリアが封じ込めたい「ポピュリズム」という魔物
イタリアは「ポピュリズム」という魔物を封じ込めることができるのか(写真は「五つ星運動」の創設者、ベッペ・グリッロ氏)

By SIMON NIXON
2017 年 2 月 1 日 13:15 JST

――筆者のサイモン・ニクソンはWSJ欧州担当チーフコメンテーター

***

 イタリアが難局を乗り切る力を見くびってはならない。

 昨年12月の国民投票で憲法改正が否決され、マッテオ・レンツィ前首相が辞任した後、イタリアは大方が恐れていた混乱には陥らなかった。政治危機から解散総選挙、そしてユーロ懐疑派のポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」の政権奪取といった事態にはならず、また、脆弱(ぜいじゃく)な銀行システムが崩壊することもなかった。

 実際は、ほとんど代わり映えのない政府のトップに素早く新首相が据えられ、これが迅速に銀行システムの安定を支えた。

 イタリアのエスタブリッシュメント(既存支配層)は現在、ポピュリスト政権発足のリスクを排除しようと対応に乗り出している。憲法裁判所は先週、選挙法の改正案を却下した。改正案は下院選を2段階プロセスとし、2回目の投票で勝利した政党が自動的にボーナス議席を獲得、絶対多数に達するというものだった。

 だが、憲法裁は選挙を1段階プロセスとし、得票率が40%を上回る政党にのみボーナス議席を与える判決を下した。小党が乱立するイタリアの政治構造でこれほど基準が高ければ、連立政権の可能性が高まる。

 ただ、このような難局を乗り切るシナリオにもいくつかリスクは伴う。

 まず、憲法裁の介入によって早期総選挙(恐らく6月)の可能性が一段と高まっている。そして改正選挙法の下でも、得票率40%を達成する場合であれ他のポピュリスト政党と連立を組む場合であれ、五つ星運動を排除することはできない。

 ローマ市長選で当選を果たした五つ星運動の女性候補、ビルジニア・ラッジ氏には批判的報道が相次いでいるが、一部の世論調査では同党の支持率がレンツィ氏の民主党をやや上回っている。

 エスタブリッシュメントを批判する向きも、五つ星運動の手腕やイデオロギーの一貫性、ガバナンスについては疑問視するが、西側の民主主義国ですでにおなじみのパターンとなっているように、これが支持の低下につながることはなさそうだ。それどころか同党は欧州連合(EU)腐敗に対する市民の根強い不満をうまく利用している。

 次に、銀行システムには政治ムードの悪化につながるようなネガティブサプライズをはねのける力がまだある。事実、イタリアでシステミックな銀行危機が生じるリスクはすでに大きく低下したようだ。政府が銀行システムを支援するため200億ユーロ規模の基金を設立したことを受け、投資家懸念の渦中にあったバンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)は取り付け騒ぎを免れた。

 その一方、資産規模でイタリア最大の銀行ウニクレディトの株価は昨年12月以降、約2倍に達している。同行のジャンピエール・ムスティエ最高経営責任者(CEO)は同月、130億ユーロの株主割当増資と170億ユーロの不良債権売却を含む抜本的な再建計画を発表した。

 それでも、200億ユーロを政府がどのように配分するかについては疑問が残る。モンテ・パスキの政府支援がEU規則に沿っているか、欧州委員会の確認はまだ取れていない。EU当局は投資家補償の条件についても承認を与える必要がある。

 政府はイタリア北部ベネト州の中小銀2行の先行きを巡り、恐らくはさらに大きな頭痛の種を抱えている。この2行は昨年、民間資金で設立された銀行支援基金「アトランテ」に救済された。両行は現在さらなる資本注入を必要としているが、アトランテに十分な資金があるのか、EU規則の下で政府支援を受けられるのか不明なため、シニア債保有者や保険対象外の預金者が損失を被る可能性が高まっている。

 だが最大のリスクは、難局を乗り切る過程で問題を将来へ温存してしまうことだろう。イタリアはユーロ圏加盟国の規律に自国を縛り付けてから20年の間、最重要の課題として開かれた世界経済への適応に苦戦してきた。

 経済の屋台骨を支える中小企業の技術力は高いかもしれないが、通常は規模が極端に小さく、銀行融資に依存し過ぎている。その上、資本や経営が外部から入ることへの抵抗が強く、政府が膨大な公的債務負担への懸念を解消する上で欠かせない経済成長や生産性が押し上げられない。

 こうした傾向については、どの程度まで文化的要素によるもので、どの程度が非効率な司法制度や柔軟性を欠く労働規則、汚職のまん延といった構造問題によるものか、長年議論がなされている。だが、大規模な改革がなければ、イタリアは低成長のわなから抜けられず、エスタブリッシュメントや主流政党に対する国民の不満が広がり続け、結果としてポピュリスト政党が勝利するリスクは高まるだろう。

 ポピュリストを締め出すことの代償が、改革などできない脆弱で不安定な政府に戻ることなら、エスタブリッシュメントの勝利は割に合わないかもしれない。難局を乗り切った後の世界は、幸福にも災いにもなり得るのだ。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjo59aj2-_RAhWEkZQKHYXeBggQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582594433911685186&usg=AFQjCNGZkY73vBjpOmxt6FsDKgKncVZnnQ
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/720.html

[経世済民118] なぜ「史上最悪の米大統領」なのに世界の株価が上がるのか?国内予想全滅 トランプ政策問題点はデトロイト都市圏を見ればわかる
日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?
【第2回】 2017年2月2日 村上尚己
なぜ「史上最悪の米大統領」なのに世界の株価が上がるのか?
国内アナリストたちの予想は「全滅」だった…
トランプ新大統領誕生にまつわる経済ニュースには異常な悲観論が渦巻いている。メディアに踊らされないためには、どこまでが本当のリスクで、どこにチャンスが隠れているのかを冷静に見抜く態度が必要だ。

「トランプ相場」の到来を的中させた外資系金融マーケット・ストラテジストの村上尚己氏は、日本の大新聞・テレビが垂れ流す「通説」を鵜呑みにすることの危険性を訴える。これから日本経済で起こることを分析・考察した注目の最新刊『日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?』から一部をご紹介しよう。

アナリストらの「円高予想」は全滅

今回はまず、ドル円為替に関する報道に見られる報道を考察していこう。

[通説]「トランプ大統領なら100円割れの円高になる」
【真相】否。日本だけの異常な予測。「真逆」が正しい。

トランプショックの前後、日本の経済紙やテレビニュースでは、円高リスクを強調する論調が目立った。まずみなさんに思い出していただきたいのは、結果的に、それらの予想は壊滅的な大外れだったということだ。

他人の傷をほじくり返すようで恐縮だが、当時のウェブニュースの記事見出しをいくつか挙げてみよう(2016年9月末〜11月初旬に配信されたもの)。

「米大統領選挙後はドル安と新興国株高へ」
「米大統領選挙後の円高濃厚、来年90円台か」
「円高終焉は本当か、ドル107円に壁」
「消えぬドル95円リスク、円安再開は来春か」
「米大統領選、どちらが勝っても円高濃厚」

為替はマーケット予想のなかでも最も困難なものの一つだ。プロでも的中はなかなか難しい。だがこれらの見出しを見ると、多くの国内アナリストやメディアが、揃いも揃って「円高リスク」を既定路線としていたのには驚かざるを得ない。

いったいなぜこんな偏りが生まれてしまったのだろうか?そして、なぜ私は世の中のこうした過剰反応を冷静に見ていられたのか?あのとき起きていたことを簡単におさらいしながら、トランプショック報道に騙されなかったマーケットのプロたちが考えていたことをご紹介していこう。

「トランプショック」を煽っていた
日本のテレビ・大新聞

私が勤務する外資系運用会社でも、米大統領選は2016年最大の政治イベントとして注視されており、選挙後の世界の株式・為替・債券市場のシナリオについては、入念な分析が行われていた。

米大統領選の開票日は11月8日、東京時間で言えばこれは11月9日にあたる。私を含め東京オフィスの人間たちは、当日朝8時台から開票速報にくぎ付けだった。事前に想定されていた「クリントン勝利」が報じられないまま、ただ時間だけが刻々と過ぎていくと、次第に金融市場の雰囲気も変わりはじめた。

今回の選挙で勝負の分かれ目になったと言われているのが、共和党・民主党の勝敗が毎回入れ替わる接戦州だ。最大の接戦州であるフロリダ州の動向に関して、「クリントン候補有利か!?」「いや、トランプ候補有利か!?」との報道が交錯し、それに合わせてドル円相場が上下していた。

そして、東京時間午前11時過ぎ、フロリダ州でのトランプ候補勝利の可能性が高まった。米大手メディアが一斉に「トランプ大統領が誕生するかもしれない……」との速報を打つと、それまで1ドル105円前後で推移していた為替レートが103円台まで大きく円高に動き、日経平均株価も下落した。

その後、トランプ候補の優勢が揺るがないと見るや、円高・株安の値動きは止まらなくなった。ドル円は101円台まで大きく円高が進み、日経平均株価も約1000円の急落。こうした東京時間の値動きに応じて、NYダウ平均株価など欧米株式の先物価格も、総じて前日比約5%安の水準で取引されていた。

速報性の高いウェブやテレビのニュースでは、マーケットの混乱状況を取り沙汰する報道が飛び交い、トランプショックの到来を告げていた。これらを目にした多くの人が、破滅的な大混乱が世界経済に襲いかかるかのような印象を持ったはずだ。

「史上最悪の米大統領」で、
世界の株価が上がる不思議

ところが、欧州で金融市場の取引がはじまる時間帯になると、マーケットの雰囲気がガラリと変わり、欧州株式市場の下げ幅はすでに縮小していた。トランプ当選のショックから一夜明けた9日の米国でも、株式市場は午前中(東京時間で9日深夜)から上昇に転じ、その日だけでダウ平均株価は約257ドル高(1.4%)と大きく上昇。

1ドル101円台前半と大きく円高に振れていた為替市場も、欧州時間には103円台、米国時間には105円70銭と、むしろ前日終値よりもドル高・円安で取引を終えたのである。この値動きが日本におけるトランプ相場の序章となり、東京時間の翌10日からは円安・株高が大きく進むことになった。


ドル円相場(2016年)―安全通貨・円が買われて円高になるはずが…「真逆の動き」が起こった
「『トランプ大統領の米国』へのリスク意識が高まった結果、米ドルが手放され、安全資産である日本円が買われる。だからますます円高が進む」
これが多くの人が共有していた「トランプショックのもっともらしい説明」だっただろう。これに納得していた人からすれば、11月10日からはじまった円安・株高はかなり意外に感じられたはずだ。「え?トランプなのになぜドル高・株高に?」―そんな声があちこちから聞こえた。


日経平均株価の推移(2016年)―円安につられる格好で日本株も急上昇を見せ、年初来最高値を記録した
ここで再び強調しておきたいのが、この「反転」がわれわれにとってはさほどのサプライズではなかったということだ。むしろ、選挙直後に起きた一時的な円高・株安は、絶好の投資機会だったと言えるだろう。

では、このときわれわれは何を考えていたのか?ごくシンプルに説明しよう。

「トランプ相場」を見抜くために、
思い出すべきだったこと

私を含めたプロの投資家が、米大統領選の見通しを立てるうえで重要な参照項としていたのが、2016年6月の英国のEU離脱決定(Brexit)である。

このときは、一時は1ドル100円割れとなる円高が起き、日経平均株価も1万4000円台の安値(2016年の最安値)をつけた。日本だけでなく、米国のダウ平均株価も1万8000ドル前後から1万7000ドル前後に下落するなど、世界的な株安が起きた。しかし、私はこの直後にも「EU離脱に対する金融市場の反応は『過剰』だ」との記事をウェブメディアの連載に寄稿し、「日本株は遠からず急落前の水準に戻る」との予測を示していた。

実際、Brexitの混乱は長くは続かなかった。リスク資産が売られたのは7月初旬までで、株式市場は早々に急落前の水準を回復した。英国のEU離脱はもちろん政治的には大きなイベントだが、そもそも英国が世界経済に及ぼす影響はかなり限られているし、イングランド銀行(BOE)が積極的な経済政策を打ち出すことはわかっていたので、英国経済の失速は回避されるというのが、われわれの見立てだった。

この予想が完全に当たったかどうかを判断するのは時期尚早だが、少なくともBrexit直後のマーケットの動きが過剰反応だったのはたしかだろう。その後の英国ではメイ首相率いる新政権が誕生したが、EU離脱に向けた政治的な動きはあまり進んでいない。一部では再度の国民投票で離脱決定が覆るかもしれないとの観測もあるほどだ。

政治については不透明な部分が大きいが、少なくとも経済の面ではBOEが素早く金融緩和に動いたことで、ポンド安とともに英国株の上昇があった。7月以降の英国の経済指標は底堅く推移しており、Brexitに伴う経済ショックはかなり軽微にとどまっている。

裏を返せば、日経平均株価が1万4000円台の安値まで下げたBrexit直後のタイミングは、2016年最大の投資機会だったとも言える。このときにメディアの情報やマーケットの混乱に惑わされることなく、いまがチャンスだと捉える判断力があった人は、投資家としては相当の嗅覚の持ち主ということになるだろう。

「円高リスク」の珍説が
チャンスを生み出している

一方、われわれが9月時点に考えていたのが、「このとき得られた経験則は、米大統領選でも当てはまるかもしれない」ということである。もちろんBrexitと米大統領選とでは世界経済への影響度も異なるし、多くの要因が複雑に絡み合うので、単純なアナロジーを適用するのは危険だ。

ただ、2016年年初を大底に世界経済全体は緩やかながらも回復を見せていたし、程度の差はあれ、クリントン、トランプ両候補ともに経済動向に配慮する姿勢を打ち出していた。だとすれば、選挙結果がどちらに転んでも、米国経済が失速する可能性はそれほどない。「もしも選挙の結果を受けて株安などが起きれば、それはBrexitのときと同様、リスク資産への投資機会と見なすべきだ」―これが、私がコンタクトしている多くの海外投資家たちの見方だった。

一方、円高リスクは小さいとの判断を日本の経済メディアで示していた専門家は、私以外にはわずかしかいなかった。国内の証券会社やシンクタンクに所属する為替アナリストたちのあいだでは「米大統領選は円高要因になる」という見方が支配的だったのである。

「万が一トランプ氏が勝利すれば、Brexit後のように1ドル100円を割り込むような円高が起こるリスクもある」と強調する人だけでなく、「クリントン大統領になろうとも円高になる」という見通しもあったくらいだ(後者のロジックについては、私にはもはや理解不能だが……)。

あまりに円高強調のコメントばかりがメディアを流れる状況を見かねた私は、米大統領選が迫る10月になって、連載コラムで「トランプリスクは幻影である」と主張した。そこで私は、為替アナリストたちが空虚な円高リスクを強調し、それをメディアが拡散することで、むしろ逆に円安転換の際の投資リターンを膨らませるのに一役買っているかもしれないと書いた。要するに「彼らが騒いでいるうちはむしろ安心」というわけだ。

これはもちろん半分皮肉だったが、半分本気だった。そして、事実そのとおりになった。あの記事を参考に投資した人がいれば、多少はおいしい思いができたはずだ。

最後にもう一度まとめておこう。

[通説]「トランプ大統領なら100円割れの円高になる」
→→→【真相】否。日本だけの異常な予測。「真逆」が正しい。

村上尚己(むらかみ・なおき)
アライアンス・バーンスタイン株式会社 マーケット・ストラテジスト。1971年生まれ、仙台市で育つ。1994年、東京大学経済学部を卒業後、第一生命保険に入社。その後、日本経済研究センターに出向し、エコノミストとしてのキャリアを歩みはじめる。第一生命経済研究所、BNPパリバ証券を経て、2003年よりゴールドマン・サックス証券シニア・エコノミスト。2008年よりマネックス証券チーフ・エコノミストとして活躍したのち、2014年より現職。独自の計量モデルを駆使した経済予測分析に基づき、投資家の視点で財政金融政策・金融市場の分析を行っている。
著書に『日本人はなぜ貧乏になったか?』(KADOKAWA)、『「円安大転換」後の日本経済』(光文社新書)などがあるほか、共著に『アベノミクスは進化する―金融岩石理論を問う』(中央経済社)がある。

http://dol.ismcdn.jp/mwimgs/f/f/600/img_ffe762074168ca8be415248c2dcc11a6151401.jpg
http://dol.ismcdn.jp/mwimgs/9/7/600/img_972727efb07ec4e5dc901463633b2b78183866.jpg
http://diamond.jp/articles/-/116340

 
野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る
【第20回】 2017年2月2日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
トランプ産業政策の問題点はデトロイト都市圏を見ればわかる

1980年代のデトロイトは
廃墟のようだった

 ラストベルトにあるクリーブランドやピッツバーグが復活していると、前回述べた。

 では、デトロイトはどうだろうか? 再びグーグル・ストリートビューで見ることにしよう。

 ここは、都心部の様子だ。

https://www.google.co.jp/maps/@42.3337977,-83.0432653,3a,75y,173.49h,87.85t/data=!3m6!1e1!3m4!1sNqAAz8-HTyUGUDBTBq1O_w!2e0!7i13312!8i6656?hl=ja

 遠くに、GM本社が入っている現代的な建築群ルネッサンスセンターが見える。しかし、近景は、古い建物と駐車場だ。デトロイトは、クリーブランドやピッツバーグとはだいぶ様子が違うことが分かる。

 1980年代には、この写真に見るように、もっとひどかった。

https://goo.gl/3qee5e

 この頃、私はデトロイトを訪れたことがある。GM本社がルネッサンスセンターに移転する前で、そこまでの道筋は、この写真よりひどく、爆撃の後のようだった。廃墟のような瓦礫の中をクルマで走ったことを覚えている。

 80年代に、アメリカの自動車産業は日本の自動車に押されて衰退し、ラストベルトは、さびたどころか、崩壊してしまったのである。

 デトロイトの人口が最も多くなったのは1950年で、約185万人だった。しかしその後減少し、2000年には約95万人となった。リーマンショックでも激減し、13年には約69万人となった。

 13年には財政破たんに追い込まれ、連邦破産法9条の適用を申請した。負債総額は180億ドルを上回り、アメリカの自治体の財政破たんとしては、過去最大となった。

 犯罪が増加する一方で、公共サービスは低下。アメリカで最も危険な街と言われた。銃で撃たれて警察や救急車を呼んでも無視され、運よく警察が来ても、到着までに平均1時間ほどかかると言われる状態だった。

 14年には、連邦破産裁判所がデトロイト市の再建案を承認。70億ドルの債務免除が認められた。デトロイトは、これから市政サービスを正常化させ、再生に向かおうとしている。

自動車産業に固執すれば
復活は難しい

 しかし、楽観はできない。自動車産業という単一産業に依存しているからだ。

 鉄鋼の場合には、早くからアメリカが衰退し、政府からの救済がなかった。だから、他の産業に転換するしかなかった。

 しかし、自動車産業は、連邦政府が援助した。だから生き残った。いまもトランプ政権は、アメリカの自動車メーカーを助けようとしている。それは、アメリカの産業転換を遅らせる効果しか持たないだろう。

 また、仮に自動車の生産がアメリカに回帰したとしても、労働組合が強い北部に立地するのではなく、南部に立地するだろう。

 実際、日本や韓国のメーカーは、全米自動車労働組合(UAW)など、労組が力を持つデトロイトを避け、南部諸州に工場を建設した。

 トヨタの場合について見ると、工場があるのは、ケンタッキー、インディアナ、テキサス、ミシシッピなどだ(トヨタ自動車・海外の生産拠点)。

 つぎの画像は、デトロイトの工場地帯、リバールージュの河口の島だ。古い写真を見るとUSスティールの工場群が並んでいるが、いまはかなり荒れ果てている。

https://www.google.co.jp/maps/@42.2454831,-83.1026743,2496a,20y,349h,54.47t/data=!3m1!1e3?hl=ja

 この少し上流に、有名なフォードのリバールージュ工場がある。1928年に完成した時点では世界最大の自動車工場だった。鉄、ガラス、ゴムなどの生産まで工場内で行なう垂直統合工場で、最盛期には12万人の従業員が働いた。工場内に高炉があり、鉄鉱石を運び込んでからわずか28時間後に、T型フォードを出荷することができた。

 現在でも操業は続けられているが、周囲はかなり荒廃している。

 トランプ大統領がアメリカからの工場移転を引き留めたとしても、こうした工場を復活させるのは、とても無理だろうと、容易に想像できる

「未来都市」思わせる繁栄
デトロイト郊外のサウスフィールド

 しかし、デトロイト都市圏が全体として駄目になったわけではない。

 これは、デトロイト都心から20キロほどの郊外にあるサウスフィールド。

https://www.google.co.jp/maps/@42.4751695,-83.2446413,3a,75y,26.64h,106.94t/data=!3m6!1e1!3m4!1sDYXo0AmcUZd4fMxQDMBmkA!2e0!7i13312!8i6656

 ここは、デトロイト都市圏の新しいビジネスの中心地である。Wikipediaによると、事務スペースは250万8400平方メートルで、デトロイ中央事業地区の308万9000平方メートルの8割くらいになる。

 マイクロソフトやシスコなどハイテク企業がオフィスを構えている。この他に、国際的に有名な企業の本社もある(The Municipal参照)。

 デンソーも、ここにテクニカルセンターを設け、技術開発に取り組んでいる。

 1980年代にデトロイトを訪れたとき、ここのウェスティンホテルに泊まった。現代的なビル群と街の活気に圧倒され、デトロイト中心部とのあまりの違いに驚嘆した覚えがある。

 この街の様子を見れば、ラストベルトのすべてが駄目になったわけではないことが、はっきりと分かる。

 新しい産業を見出した都市は、ラストベルトにあっても、目覚ましく発展しているのである。

「ラストベルトは時代に見放された地域であり、そこには貧しい白人たちがこれまでの政治に不満を抱いている」という考えに凝り固まると、実態を大きく見誤ることになる。その地域に貧しい人々がいることは間違いない。しかし、それが平均的な姿だとは、決して言えないのである。

 多くの報道は、事前にストーリーをつくり、そのストーリーに合うようなインタビュ―を行ない、それに合う写真を掲載する。それらがたとえ一部のものであったとしても、読者は、それがすべてであると思ってしまう。外国の事情に関しては、とくにこうした誤りに陥りやすい。グーグル・ストリートビューで実際にはどんな場所かを確かめてみることが必要だ。

日本の地方都市は
中央官庁の移転では実現できない

 以上で見てきたラストベルトの状況は、古い産業を復活させようとするトランプ大統領に対する重要な警告だ。それだけでなく、われわれが日本の地方都市の復活を考える場合にも、重要な教訓を与えてくれる。

 日本の地方都市は、高度成長期に成長した製造業の工場や、その下請け企業によって支えられている。それが衰退することによって、地方都市も衰退した。これは、デトロイトが衰退したのと同じ現象だ。

 そして、その後は、新しい産業を成長させたわけではなく、国からの補助に頼ろうとしている。

 中央官庁の一部を地方都市に移転させることによって地方の活性化を図るという考えは、その典型だ。

 地方の人口減少が著しいペースで進むことが予測されるため、2014年12月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、「東京一極集中の是正」と「地方への新しい人の流れをつくる」という目標を設定し、民間企業の本社機能などを地方都市に移すという目標を掲げた。

 15年には、中央省庁など政府機関を地方に移転させる計画を進めることになり、文化庁を京都に、消費者庁を徳島に移転する案などが検討された。

 ここには、地方都市の発展には新しい産業が必要だとの発想など、ひとかけらも見られない。

 ラストベルトの都市は、一様に衰退したわけではない。クリーブランド、ピッツバーグ、サウスフィールドのように新しい産業を興すことに成功した都市は、目覚ましく復活している。

 重要なのは、経済条件の変化に対応して、地域の産業構造を変化させていくことなのである。地方都市の側で必要とされるのは、独自性や創造性だ。

(早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問 野口悠紀雄)
http://diamond.jp/articles/-/116375
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/585.html

[経世済民118] 世紀の教訓、米株58%は「負け組」−アクティブ運用者に新たな打撃か トランプと利上、割れる投資家 英中銀インフレ上方修正
世紀の教訓、米株58%は「負け組」−アクティブ運用者に新たな打撃か
Cormac Mullen
2017年2月2日 11:38 JST

アリゾナ州立大学教授が1926−2015年のデータを分析
米財務省短期証券を上回るパフォーマンスを示した銘柄は半数未満

ヘンドリック・ベッセムバインダー教授が構築したデータベース上の約2万6000に上る株式銘柄のうち、半数余りは「負け組」だ。
  米財務省短期証券(Tビル)に対して負けたという意味だ。アリゾナ州立大学でファイナンスを教える同教授は米国の株式と債券それぞれのパフォーマンスを約90年分にわたって調査。その結果、株式の58%は上場期間においてTビルのパフォーマンスを上回っていないという結論を導き出した。
  研究報告は今のところ草稿段階だが、アクティブ運用業界にさらなる打撃を与える可能性がある。同教授は調査結果について、分散投資の重要性を裏付けるとともに、多くのアクティブ運用型ポートフォリオがしばしばベンチマークを下回る成績しか挙げられない理由を示していると指摘した。しかも、大きなリターンをもたらす銘柄は比較的限られており、負けないためにはそれらを組み入れる必要もありそうだ。
  研究によると、調査対象期間1926−2015年の米国株の平均月次リターンはプラス1.13%で、Tビルの同プラス0.38%を上回った。しかし個別に見ると、月次リターンがプラスだった銘柄は半数未満にとどまった。この期間に米国株が生み出した富は31兆8000億ドル(約3600兆円)だが、これを創出したのはデータベース上の全株式の4%未満にすぎない約1000銘柄。しかも、このうち86銘柄がリターンの半分をたたき出したという。
原題:Lesson of the Century: Most U.S. Stocks Can’t Beat a T-Bill (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKQ4BR6KLVR501


 


トランプ氏の政策と利上げ、割れる投資家の見方
FRB(写真)の利上げやトランプ氏の政策について市場の見方は割れている
By JUSTIN LAHART
2017 年 2 月 2 日 13:33 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 投資家は、市場と米連邦準備制度理事会(FRB)に関して二つの異なる見通しを示している。だが、正しい可能性があるのはどちらか一つだけだ。

 FRBの政策担当者は2月1日、翌日物フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を据え置き、次回の利上げについては様子見の姿勢で臨んでいることを明確にした。2日間にわたって開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に出された政策声明は、利上げを実施した昨年12月以来、「(消費者および企業の)心理の評価が最近では改善している」ことを除き、経済状況は「総じてほとんど変わりがない」と指摘した。雇用市場は良好で、インフレ率は上昇しているが依然として低く、個人消費はまずまずだが企業投資は弱かった。

 投資家はFRBよりも楽観的である。米国の株式・国債市場を見ると、投資家はドナルド・トランプ大統領の減税と財政出動によって企業投資を促進され、(おそらくは輸入品への課税で)物価が押し上げられると信じているようだ。大統領選挙以来、S&P500種指数は6.4%も上げた一方、米国債市場で予想されている向こう5年間のインフレ率は1.57%から1.94%へと上昇した。

 FRBと投資家のあいだに温度差があるのはなぜか。投資家は大統領の経済刺激策を織り込み、その期待感で株価を押し上げてきた。だが、FRBは投資家よりも慎重である必要があり、大統領と議会共和党がまだまとめてもいない政策に基づいて行動することはできない。FRBがそうした政策を予想に組み入れ、適切に金融政策を定めることができるのは、トランプ氏が法案に署名してからだ。

 この点は、投資家の間でも見通しが割れているところだ。米株式と米国債市場からは投資家がトランプ大統領の政策を楽観視していることが見て取れる。しかし、FRBの利上げについての予想が示されるFF金利の先物市場は、そこまで楽観してはいない。

 FRBが年内3回の利上げを予想しているのに対し、FF金利先物市場は25ベーシスポイント(bp)の利上げが2回だけと見込んでいる。

 最終的に投資家の見通しが正しく、実際の利上げ回数が予想を下回るというシナリオを想定するのはたやすい。例えば、トランプ大統領の減税や財政出動の規模が予想を下回った場合、そして、貿易や移民に対する規制が経済成長を損なうようになるといった場合だ。あるいは、大統領が交代したからというだけでは米国経済に対する失望感に変化が起きないという場合もあるだろう。

 これらのシナリオのいずれかが正しかった場合、投資家の市場に対する見通しは間違っていたことになり、大統領選挙以来上昇してきた米国の株価と債券利回りは反転することになるだろう。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjfydTt3fDRAhVDipQKHcMBAQwQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582596480196648226&usg=AFQjCNGjp7La8uoYdUwcQbEObs_gG4hBcw


 

英中銀、今年初「スーパーサーズデー」−インフレ見通し上方修正か
Jill Ward、Scott Hamilton
2017年2月2日 13:42 JST

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• 2日は政策決定、新たな経済見通し、総裁の記者会見が集中する
• 投資家が織り込む利上げの確率が高まっている

イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁にとって2日は、金融政策委員会(MPC)の政策決定発表と新たな経済見通し公表、そして同総裁の記者会見という三拍子そろった2017年初の「スーパーサーズデー」となる。
  MPCは経済見通しを上方修正する一方で、政策金利は過去最低に据え置き、資産購入プログラムの現状維持を決定すると、エコノミストらは予想している。カーニー総裁は恐らく、英国の欧州連合(EU)離脱リスクのため、成長やインフレが加速しても、直ちに金融政策を引き締める根拠にはならないと主張するだろう。
  英国の昨年12月の物価上昇率は1.6%に加速。英中銀は同年11月、インフレ率が今年と来年の両年で2%の中銀目標を上回るとの見通しを示していた。EU離脱を選択した英国民投票後に通貨ポンドが15%下落し、輸入コストが押し上げられたことが背景。ブルームバーグの調査では、MPCが今年のインフレ見通しを引き上げると大部分のエコノミストが予想している。

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  カーニー総裁は英中銀が経済見通しを上方修正する可能性を示唆しているものの、今年と来年の成長への向かい風を強調するだろうと、ブルームバーグ・インテリジェンスのエコノミスト、ダン・ハンソン氏が指摘した。
  MPCが中立的な政策スタンスを維持することに対し、投資家の間で懐疑的な見方が強まっている。トレーダーらは利下げより利上げの確率の方が高いとみており、トレーダーが織り込む年内の利上げ確率は50%近くとなっている。
  ブルームバーグの調査では、英中銀が量的緩和プログラムのさらなる拡大を決定すると予想するエコノミストはゼロだった。
原題:U.K. Inflation Dares Carney to Blink as Forecasts Seen Lifted(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKQB5I6JIJV301

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/586.html

[経世済民118] 「国境課税ドル高招く」、トランプ氏に矛盾 経済破滅も=浜田参与 ドル政策大転換 金融当局は静観 ゴールドマン、ドル高に賭
「国境課税ドル高招く」、トランプ氏に矛盾 経済破滅も=浜田参与

[東京 1日 ロイター] - 安倍晋三首相のブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米イエール大名誉教授は1日、日本経済研究センター主催の討論会で、トランプ米大統領が主張する「国境税」について、経済学上はドル高を招くことが証明されていると述べ、輸入制限のための国境税のような措置と円安批判の並立は、理論上矛盾していると指摘した。

浜田氏は「トランプ大統領がそうした主張を押し付けてくるなら、日本経済もそして世界経済も破滅する。そうしたことを踏まえて、(政府は)きちんと交渉してほしい」と述べた。

また同じ討論会に出席した米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授は、トランプ米大統領の政策に関連し、選挙期間中にインフラ投資や法人減税などの財政支出拡大を主張してきたとしても「トランプ政権に財政赤字拡大のレッテルを張るのは間違い」と指摘した。

その理由として、税制に関する共和党の主張が一貫して財政赤字は削減すべきとの立場であるとした上で「減税するにしても他の財政削減とセットでというのが共和党の立場。また今は雇用が好調で、すでにインフレが始まっている可能性もある。いったんインフレ圧力が強まると抑えることの方が大変だ」との考えを示した。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:内田慎一)

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http://jp.reuters.com/article/hamada-usbordertax-idJPKBN15G3BK


 

 


渡辺元財務官:アメリカファーストはドル政策の大転換を暗示
酒井大輔、Chikako Mogi
2017年2月2日 09:05 JST更新日時 2017年2月2日 13:40 JST

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• 強いドルを支えた米国のビジネスパターンが崩れ始めている−渡辺氏
• トランプ政権は日中独が貿易面で通貨安の恩恵を受けていると批判

トランプ米大統領が掲げる「アメリカファースト(米国第一)」のスローガンは、ドルが強くなくても良いというスタンスに大転換していく可能性を暗示しているー。元財務官の渡辺博史国際通貨研究所理事長は、米新政権が海外からの資金で稼ぐ金融資本重視のドル高政策から輸出中心の経済政策に有利なドル安政策へ大胆にかじを切るとみている。 

渡辺博史国際通貨研究所理事長

Photographer: Akos Stiller/Bloomberg
 「トランプ大統領の頭の中には、特段為替がどうかとか、強いドルが必要かどうかはない。貿易赤字の金額や米国からの輸出の金額がどうなるかというところにある」。渡辺氏は1月31日のインタビューでこう述べ、米国民の利益を最優先すると宣言したトランプ政権が進める貿易赤字の縮小や雇用の米国回帰という「アメリカファーストが為替の問題や非関税障壁などの形で露骨に表れてきている」と指摘した。
  米国の通貨政策は1995年のクリントン政権下でルービン財務長官が「強いドルは国益」という原則を掲げて以降、連綿と受け継がれてきている。一方で、同スタンスの裏側では、ドル高に伴う輸出競争力の低下から貿易赤字拡大が加速した。

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  国際通貨基金(IMF)のデータによると、米国の貿易収支は2015年時点で7725億ドルの赤字と、日本との貿易赤字で米国がジャパンバッシングに走り始めた1970年代の水準の数十倍に膨らんでいる。国別の貿易収支では、対日が628億ドルの赤字、対中国が3370億ドルで最大の赤字、対ドイツが746億ドルの赤字で対ユーロ圏の1293億ドルの赤字の大半を占めている。
トランプ政権
  トランプ大統領は1月31日に開かれた医薬品メーカーとの会合で、他国は通貨切り下げで優位に立っているとの見方を示したほか、中国と日本はマーケットを手玉に取っているとし、「われわれはなす術もないように座視している」と述べている。これに先立ち、トランプ政権が新設した国家通商会議(NTC)のナバロ委員長は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、ドイツがユーロの「大幅な過小評価」を利用していると述べ、主要な貿易赤字相手国が通貨安の恩恵を受けていることを指摘した。
  渡辺氏は、トランプ政権以前の米国が進めてきた強いドル政策の背景として「強いドルにすることによって、お金がリサイクルされる中でその配当などでもうける米国のビジネスパターン」があったと説明。その上で、「これまで米国がもうけるために言っていた強いドルが、本当に米国民の生活のことを考えていたかは分からない」と指摘。強いドルを支えたビジネスパターン自体が崩れ始めてきている中で、「米財務長官もそのうちドルが強くなくてもいいと言うのではないか」と話した。
  トランプ大統領から米財務長官の指名を受けているムニューチン氏は1月、米上院議員からの質問に回答した書簡で、「ドルの強さは歴史的に米経済の強さや、米国でビジネスを行っている投資家の信頼と関連してきた」と指摘。「時折、過度に強いドルは経済に短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」との見解を示した。
  渡辺氏によれば、米国は海外から入ってきた資金を海外に再び流出、運用して稼いでいた。「結局、米国は外から調達する時に安い金利、安い配当を払って、外に投資するときに高い配当、高い利息を取っていた。従って負債国であっても払うものは少なく受け取るものは多い、残高に必ずしも比例しないことで所得収支がプラスだった」と言う。
  ただ、米国の外側で運用して受ける配当利益が少しずつ落ち込んできている状況にある中で、「今回の米国の貿易制限が強く出ると、もっとよその国の成長率が落ちる。そこに投資したときの配当利回りも下がってくると、お金を受けて外に流すメカニズムが米国にとって良いかどうか分からない」と渡辺氏は指摘した。
  「これまでの強いドルは、米国がもうけるために言ってただけで本当に米国民の生活のことを考えていたか分からない。強いドルをすることによってお金がリサイクルされる中でもうけている米国のビジネスパターン自体がそろそろ崩れてきているかもしれない。為替自体も微妙なことが起こってくる。タガが外れるとドルを高くするための下支えがなくなるかもしれない」と言う。
  ブルームバーグのデータによれば、1995年から2016年までのドル・円相場は、1日平均が1ドル=107円68銭程度。その間に安値75円35銭と高値147円66銭を付けて推移した。年初からは118円60銭を高値に112円08銭まで水準を下げている。渡辺氏は、年内のドル・円水準について、「108円−115円をコアレンジ。一時的に105円を割れて100円を試す局面もあるかもしれないが、2桁に定着することはない」と予測している。
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  ドル相場の今後の展開については、「今の時点のドルの価値が正しいとすれば、これから米金利が上がるだろうということからドルが高くなるかもしれない」としながらも、「今の時点のドル自体があやふやな、今までの強いドルというロジックに支えられているなら、それを失うかもしれない」と指摘。両方のメカニズムが働く中で、着々とドル高にならないかもしれないとみている。  
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKOWJS6K50XY01

 

 


トランプ大統領の矢継ぎ早の行動、米金融当局は経済効果を静観
Craig Torres、Jeanna Smialek、Christopher Condon
2017年2月2日 10:30 JST

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• 大統領令などに伴う経済的影響は依然として見極め困難
• 1日のFOMC声明、次回利上げの時期に関する手掛かり乏しい

米経済の先行きを見極めようとする人々と同様、米連邦準備制度も次回利上げの時期を検討する上で、トランプ大統領の発言や大統領令をめぐる混乱が成長にどんな意味を持つのか静観する姿勢を示した。
  米連邦公開市場委員会(FOMC)は1日、政策金利を据え置くとともに、声明ではセンチメントの改善を認め、金利の「緩やかな」調整でもインフレ率は目標の2%に向かって上昇するとの見通しを示した。企業の設備投資が昨年10−12月(第4四半期)に持ち直したことには強い印象を抱かず、引き続き「軟調」と記した。
  三菱東京UFJ銀行のチーフ金融エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「FOMCは消費者と企業のセンチメント改善を認めたが、近い将来に利上げする可能性が強いというシグナルを出せるほど十分に先行きついて確信していない」と、電子メールでコメントした。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iADHJbG8t30Q/v2/-1x-1.png

  フェデラルファンド(FF)金利先物市場の価格データによると、投資家は3月14ー15両日の次回FOMCで0.25ポイントの利上げが実施される確率を約3分の1と見込んでおり、6月の会合まででは利上げ確率を70%程度としている。
  トランプ大統領は就任早々から移民や規制緩和に関する大統領令を打ち出したほか、環太平洋連携協定(TPP)からの撤退を表明し、キーストーンXLパイプライン建設推進の覚書に署名。インフラ投資や税制改革も政策課題に掲げている。これらが今後の経済成長にどんな意味を持つのかはまだ見通しにくい。FOMCは1日の声明で次回利上げの時期については方向性をほとんど示さなかった。
  当局者らが今後注目する指標などを以下に挙げる。
• 2月3日:1月の米雇用統計発表
• 2月14−15日:イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長による半年に1度の議会証言 
• 2月22日:1月31日−2月1日開催のFOMCの議事録公表
• 3月1日:1月の米個人消費支出(PCE)価格指数発表
原題:Fed Waiting to See Economic Results From Flurry of Trump Actions(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKQ0QT6JTSEA01 

 

 


ゴールドマン運用者、トランプ氏の「ノイズ」無視−ドル高に賭ける
Netty Ismail
2017年2月2日 13:07 JST

年初のドル下落は「新たなトレンドの中の小休止」−モフィット氏
米国は年内に3回程度利上げする公算が大きい−ゴールドマン

ドルは年初の値動きとしてこの10年余りで最悪のスタートを切っているが、これはドルの一段高に向けた相場一服にすぎないとの見方をゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが示した。
  1兆ドル(約113兆円)余りを運用する同社のアジア太平洋債券責任者フィリップ・モフィット氏(シドニー在勤)は、米国やその他の国・地域でリフレが定着するのにつれ、ドル高とイールドカーブ(利回り曲線)のスティープ化を見込んだ取引を行っていると説明。欧州と日本が量的緩和策を維持している一方で、米金融当局は年内に3回程度利上げするとみられるとし、ドルはユーロと円に対して引き続き上昇すると予想した。
  モフィット氏は電話インタビューで、年初のドル相場について「新たなトレンドの中の小休止にすぎない」と発言。「財政的な正統性とデフレの脅威から、よりリフレ的な政策環境への重大な移行が世界的に起きている。それが最も強く見られるのは米国だ」と述べた。
  同氏はトランプ米大統領の移民や貿易に関する政策の「ノイズ」でドルが時々不安定な動きを示すだろうとした上で、同大統領が減税や企業に対する規制緩和といった公約を実現すれば米経済は恩恵を受けるとの認識を示した。
  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は1月に2.6%低下し、少なくとも2005年からのデータで最悪のスタートとなった。
原題:Goldman Fund Manager Ignores Trump Noise to Bet on Dollar(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKQABR6S972K01

 


米FOMC、金利据え置き 景気判断は依然前向き

[ワシントン 1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は1日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を0 .50ー0.75%に据え置くことを全会一致で決定した。米経済については比較的前向きな判断を示し、年内の金融引き締めを示唆した。

今回の会合はトランプ政権の発足後初めてとなった。会合後に出された声明では、雇用の伸びが引き続き底堅く、インフレは上昇、経済に対する信頼感は高まりつつあるとした上で「個人や企業の信頼感を示す指標は最近改善した」と指摘した。今後の金利動向をめぐる時期などには明確に触れなかった。

失業率については、引き続き低水準で推移していると強調した。足元4.7%の水準は、政策当局者の多くが完全雇用か、これに近い水準と見なしている。

インフレについては、中期的に2%目標への上昇を引き続き見込むとする一方、賃金インフレは依然低く、長期インフレ期待はほぼ変わっていないとした。さらに原油安の影響は終息しており、今後は公平なインフレ指標の内容が期待できるとの見方を示した。

ウェルズファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオストラテジスト、ブライアン・ジェイコブソン氏は「経済は堅調を維持し、センチメントも改善している。FRBは2%のインフレ目標達成に向けて自信を深めているようだ」と述べた。

FOMCの決定を受け、金融市場は概ね反応薄となった。CMEグループのFEDウオッチによると、投資家は次回利上げが6月になると予想している。

FRBは前回昨年12月に1年ぶりに利上げに踏み切った。同時に示した経済見通しでは、2017年の0.25%利上げの予想回数は中央値で3回となり、9月時点での2回からペースが速まった。

イエレンFRB議長は最近、経済は完全雇用状態に近づいていると強調した上で、FRBは利上げが遅きに失すればインフレ面で思いがけない不快を味わう恐れがあるとの考えを明らかにしている。

今回の金利据え置きは予想通り。トランプ大統領の財政・通商政策をめぐっては不透明感が根強く、それがFRBの政策に及ぼす影響も読めない状況となっている。トランプ氏は1月20日の大統領就任以降、次々と大統領令に署名し、政策に関する発言を行っているが、保護主義色が強いとの見方が多い。また最近発令された移民の入国を制限する大統領令を受け、市場は不安定な動きとなっている。

シチズンズ銀のグローバルマーケット責任者、トニー・ベディキアン氏は「財政政策をめぐる先行き不透明感は払しょくされていない。このためFRBはより多くの指標が発表され、状況がより明確になるまで様子見を続ける可能性がある」と述べた。

*内容を追加しました。

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FRB、政策金利を据え置き−次回利上げ時期は示唆せず
By DAVID HARRISON
2017 年 2 月 2 日 04:48 JST

 【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)は1日、政策金利を今年緩やかに引き上げる方針をあらためて確認したが、次回の利上げ時期については手掛かりを示さなかった。

【FOMC政策声明】現状維持、当面のリスクはほぼ均衡
 FRB当局者らは2日間の会合を終え、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50〜0.75%で据え置くことを全会一致で決めた。一方、政策声明では足元で見られる景気改善をいくつか指摘した。FRBは前回の会合で政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、2017年は25bpの利上げが3回あるとの見通しを示した。

 投資家はFRBがこの日の会合で政策を据え置くと予想しつつ、3月14・15日の次回会合に向けた手掛かりを期待していた。米東部時間1日午前の時点で、投資家は3月の利上げ確率を約25%と見込んでいる。

 米国経済はこのところ改善の様相を呈している。数人のFRB当局者によれば、労働市場はいまや「完全雇用」に近い状態にあり、好調な雇用の伸びが失業率を4.7%に抑制している。インフレ率も12月は前年比1.6%となり、FRB目標の2%に近づいている。原油価格の安定化が寄与した部分もあるが、FRBは「インフレ率は中期的に2%に上昇する」との見通しを示している。

 昨年上期に落ち込んだ経済成長も持ち直したようで、16年10-12月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)は前期比年率換算1.9%増となった。

 政策声明は「消費者および企業の心理の評価は最近では改善している」と記した。

 消費者信頼感指数は12月に15年ぶりの高水準に達した。最近発表された指標では、投資家と消費者が今後の成長加速を見込んでいることも明らかになっており、市場に基づくインフレ期待はここ数カ月上昇を続けている。

 FRBは想定する利上げ軌道からの逸脱を招く新たな動きについては言及しなかった。政策声明は見通しに対するリスクが「ほぼ均衡」しているとし、当局者が予想より景気が改善する可能性と悪化する可能性はほぼ等しいと考えていることを示した。FRBはその上で、引き続き「インフレ指標と海外の経済および金融動向を注視する」と述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwigsYHp3fDRAhVIjJQKHSpSDS0QqOcBCB4wAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582595742902588930&usg=AFQjCNFxSaRNqeL8eLmoIm2rkzGdtO-glg
 

 

米1月ISM製造業景気指数2年ぶり高水準、新規受注・雇用底堅く

[ワシントン 1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が発表した1月の製造業景気指数は56.0と、前月の54.5から上昇し、原油相場が急落し始めた2014年11月以来およそ2年ぶりの高水準をつけた。持続的な新規受注の伸びや原料費の上昇が背景にある。

内需が力強さを増し、原油安による逆風が和らぐなか、製造業の回復が浮き彫りとなった。

市場予想の55.0も上回った。同指数は50が景況拡大と悪化の分かれ目となる。

指数の上昇は、減税や規制緩和を掲げるトランプ米大統領の当選を受けた企業の信頼感改善を一部反映しているとみられている。

調査対象の製造業者は、業況は「良い」、「一段と力強い」と報告したほか、需要は「極めて」安定、受注は「想定以上」といった回答もあった。

内訳の生産指数は2.0%ポイント上昇。

新規受注指数は2014年11月以来の水準となる60.4に小幅上昇した。

雇用指数は52.8から56.1に大きく上昇、2014年8月以来の水準をつけた。1月の米雇用統計で、製造業の雇用者数が2カ月連続のプラスとなる可能性がある。

価格指数は69.0と、前月の65.5から上昇し、2011年5月以来の高水準。製造業者は11カ月連続で原料費が上昇していると報告しており、インフレ圧力の増大が浮き彫りとなった。

ウェルズ・ファーゴ証券の首席エコノミスト、ジョン・シルビア氏は「財生産セクターで価格上昇が継続すれば、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ率が2%の目標水準に回帰するとともに、その水準に維持できるとの見方を強めるだろう」と指摘。一方で、ドル高がインフレの抑制要因となる公算が大きいと述べた。

*内容を追加して再送します。

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http://jp.reuters.com/article/us-ism-jan-idJPKBN15G4YA?sp=true

 

 


米ADP民間雇用者数、1月は24.6万人増 予想上回る伸び

People attend TechFair LA, a technology job fair, in Los Angeles, California, U.S., January 26, 2017.
REUTERS/LUCY NICHOLSON - RTSXKAI
[1日 ロイター] - 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した1月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は24万6000人増加した。伸びは予想の16万5000人増を上回った。

予想レンジは14万人増─20万人増だった。

昨年12月分は当初発表の15万3000人増から15万1000人増に下方修正された。

ロイター調査によると、3日発表の1月の米雇用統計では、民間雇用者数が16万9000人増と、前月の14万4000人増から伸びが加速すると見込まれている。

全体の非農業部門雇用者数は17万5000人増、失業率は4.7%で横ばいとなる見通し。

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http://jp.reuters.com/article/adp-jan-emploment-idJPKBN15G4NH


 

 
【FOMC政策声明】現状維持、当面のリスクはほぼ均衡
2017 年 2 月 2 日 05:26 JST
 米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)が2月1日発表した政策判断に関する声明は次の通り。

FRB、政策金利を据え置き−次回利上げ時期は示唆せず
 FOMCが昨年12月の会合以降に入手した情報は、労働市場が引き続き強まり、経済活動がまずまずのペースで拡大してきたことを示した。雇用の伸びは堅調で、失業率は最近の最低水準近くにとどまっている。家計支出はまずまず伸びているが、企業の固定投資は引き続き弱い。消費者および企業の心理の評価は最近では改善している。インフレは過去数四半期で上昇してきたが、委員会が長期の目標とする2%を引き続き下回っている。相場に基づくインフレ見通しは引き続き低く、大半の調査に基づく長期のインフレ期待は総じてほとんど変わりがない。

 法定の使命に沿い、委員会は最大限の雇用と物価の安定を促そうと努めている。委員会は、金融政策姿勢の段階的な調整をもって、経済活動が適度なペースで拡大し、労働市場の状況がさらに若干強まり、インフレが中期的に2%に向かい上昇すると見込んでいる。経済見通しに対する当面のリスクはほぼ均衡しているように見える。委員会は引き続きインフレ指標と海外の経済および金融動向を注視する。

 実現したものと予想される労働市場の状況およびインフレを踏まえて、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標レンジを0.50?0.75%に据え置くことを決定した。金融政策のスタンスは引き続き緩和的で、それにより労働市場環境のさらにいくらかの改善と2%のインフレへの回復を下支えする。

 FF金利の目標水準に対する今後の調整の時期と規模を決めるにあたり、委員会は目標とする最大雇用と2%のインフレに対し、実現したものと予想される経済情勢について評価する。この評価では、労働市場環境の尺度やインフレ圧力とインフレ期待の指標、金融および国際情勢に関する諸指標をはじめとする幅広い情報を考慮する。インフレが現在2%を下回っていることを踏まえ、委員会はインフレ目標に向けた実際の進展と予想される進展を注視する。委員会は、経済情勢がFF金利の段階的な引き上げしか正当化しないかたちで展開すると予想している。FF金利は当面、長期的に主流となる見通しの水準を下回り続ける可能性が高い。しかしFF金利の実際の経路は、今後の指標が示す経済見通しに左右されるだろう。

 委員会は、エージェンシー債とエージェンシーが発行した住宅ローン担保証券の持ち高の償還元本を、エージェンシーが発行する住宅ローン担保証券に再投資し、入札時に償還期限の来る米国債を更新する既存の政策を維持し、FF金利水準の正常化が順調に進行するまでそうし続けることを予想している。委員会の大規模な長期債の持ち高を保つことで、この政策は緩和的な金融環境の維持に役立つはずだ。

 FOMCの金融政策行動に賛成した委員は以下のとおり。ジャネット・イエレン議長、 ウィリアム・ダドリー副議長、ラエル・ブレイナード、チャールズ・エバンズ、スタンレー・フィッシャー、パトリック・ハーカー、ロバート・カプラン、ニール・カシュカリ、ジェローム・パウエル、ダニエル・タルーロ。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiDkNDj3fDRAhUBmpQKHTQFAScQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582595801580101034&usg=AFQjCNFtatoFIFWBzMdP1Ipz5M2MYwPrzQ
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/587.html

[経世済民118] 低インフレ時代に幕閉じるか―世界的に上向きの兆 トランプ効果は数年、実体経済への長期影響は皆無 移民求める米斜陽産業地帯
低インフレ時代に幕閉じるか―世界的に上向きの兆し

昨年は米雇用コスト指数が2.2%上昇し、10年〜14年までの年平均伸び率である2%を上回った。写真はマサチューセッツ州ウィルミントンの「ターゲット」店舗

By MIKE BIRD,CHRISTOPHER WHITTALL AND BEN LEUBSDORF
2017 年 2 月 2 日 13:15 JST

 米国とユーロ圏、日本ではデフレとの長年の闘いを経て、消費者物価と賃金が上昇の兆しを見せている。異例の低インフレ時代が世界から姿を消しつつあるようだ。

 この背景には、エネルギー価格の回復、労働市場のスラック(余剰)縮小につながる失業率の低下、融資や経済成長を促す低金利政策などさまざまな要素がある。

 ユーロ圏では、欧州連合(EU)の統計機関ユーロスタットが1月31日発表した1月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比1.8%上昇。約4年ぶりの大幅高となったエネルギー価格が寄与し、昨年12月の上昇率(1.1%)を大幅に上回った。

 市場ベースのインフレ指標も上昇している。トムソン・ロイターによると、ドイツでは債券市場に反映されている今後10年間の予想インフレ率が昨年11月上旬の1.10%から上昇し、31日には1.36%に達した。日本でも同じ期間に0.45%から0.61%へ上昇している。

 米国では、賃金と物価に緩やかな上昇圧力がかかっている。米労働省が31日発表した2016年の雇用コスト指数は2.2%の上昇となり、10年?14年までの年平均伸び率である2%をやや上回った。

 また、米国の民間平均時給は12月に前年同月比2.9%上昇した。足元の景気拡大期では最高の伸びとなり、人材プールが縮小する中で雇用側が賃上げを競っていることがうかがえる。

 世界の成長に水を差す新たな経済ショックや、エネルギー安の再開など、この傾向を覆す可能性のある要素が多いことは確かだ。インフレが低水準から急激に加速するとみるエコノミストはほとんどいない。それでも、世界のデフレに対する懸念は、エコノミストらの懸案事項の中で優先度が下がり始めている。

 調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェパードソン氏は「ディスインフレのメカニズムやデフレのメカニズムではなく、インフレのメカニズムが定着している」と述べた。世界的なエネルギー価格の安定、中国製品の価格上昇、米国の低い失業率が賃金の伸びを促す見込みだという。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は1日、政策金利の据え置きを決定し、今後も緩やかに引き上げる方針をあらためて確認した。景気拡大を妨げることを恐れ、これまでも極端に積極的な行動は渋っている。

 物価指標としてFRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、12月に前年同月比1.6%の上昇と、14年9月以来の伸びを示した。これもエネルギー価格が回復したおかげだ。

 ユーロ圏と日本では、インフレの上昇が続くかどうかは欧州中央銀行(ECB)と日本銀行の次の動きにかかっている。FRBと異なり、ECBと日銀は景気刺激を目的とした大規模な債券買い入れを続けており、政策金利はマイナスだ。

 ユーロ圏のインフレ率はECBの目標である「2%弱」をほぼ達成していると言えるが、ECBは刺激策を解消する兆しを見せていない。ECBはむしろ、変動の大きいエネルギーや食品を除いたコアのインフレ率に注目している。1月は0.9%と低く、15年1月の水準も下回っている。

 ECBのマリオ・ドラギ総裁は1月19日の理事会後、「総合インフレ率は上昇が見込まれるが、基調的な物価圧力は引き続き抑制されている」と述べた。

 ECBはインフレ上昇に伴い、利上げを早まった歴史がある。08年と11年には利上げを開始したものの、数カ月後に方向転換して再び利下げせざるを得なくなった。

 みずほインターナショナルの欧州金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は「インフレの上昇で、(債券買い入れの)縮小ないし打ち切りを望んでいる理事会メンバーの立場は有利になるだろう」とし、「ドイツ以外の国でインフレが加速しているという事実も、タカ派メンバーの追い風となる」と指摘した。

 フランスとスペインでも1月のインフレ率がそれぞれ1.6%、3%とアナリスト予想を上回った。

 BNPパリバの欧州担当シニアエコノミスト、ギゼム・カーラ氏は「ECBに対し、インフレ統計に反応するよう求める圧力が高まる公算が大きい」と述べた。

 日銀は31日の金融政策決定会合で政策を据え置くとともに、インフレ見通しの引き上げを見送った。長年デフレと闘う日本で物価を押し上げることの厳しさが浮き彫りとなっている。

 だが一部の投資家は希望を見いだしている。商品(コモディティー)価格の上昇で総合インフレに弾みがつくとともに、円安が輸入物価を押し上げる一方で輸出と成長を促すという重要な役割を果たす可能性があるためだ。

 昨年11月以降、ドルは対円で7.7%上昇している。FRBと日銀の政策方向性の違いが引き続き円安・ドル高につながるとみる向きは多い。

 米金利が上昇する一方、日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の下で10年物国債金利をゼロ%程度にとどめれば、為替相場の材料となる日米金利差は拡大する。一部の投資家は、これもインフレ加速につながると指摘する。

 とは言え、欧州と日本ではインフレの持続的上昇は難しいとの見方もある。日本ではインフレ期待が慢性的に低い。ユーロ圏は失業率が10%に近く、賃金インフレを定着させるのは困難だ。

 JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル債券担当最高投資責任者(CIO)、ニック・ガートサイド氏は「世界的なインフレ上昇を確認するなら、米国が最も分かりやすい」と語った。同氏はドナルド・トランプ米政権の規制緩和と減税で成長とインフレが促されるとみている。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwj_1J3w3fDRAhVGupQKHYM_DGwQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582596453015362054&usg=AFQjCNFpnh83Y1sA2ZkSMZrq3hcO0hx-Mw

 

利回り曲線に見るトランプ氏への期待
「トランプフレーション」の効果は数年、実体経済への長期的影響はほぼ皆無か
トランプ大統領(29日、ホワイトハウス)

By JAMES MACKINTOSH
2017 年 2 月 2 日 11:33 JST

  投資は2つの要素からなる。起こりそうなことを見極めること、それを市場が織り込んでいる材料と比べることだ。ドナルド・トランプ氏が米国の大統領が当選して以来、メディアはトランプ政権下で起こりそうなことに関する話題で持ちきりだ。そしてどの投資家にも自分なりの見方がある。となると、それを市場が織り込み済みの材料と比べることが重要だ。

 非常に重要な米国債市場の利回り曲線(イールドカーブ)は、「トランプフレーション(トランプとインフレーションを組み合わせた造語)」が成長とインフレを数年間にわたって押し上げる一方で、実体経済への長期的影響はほとんどないというシナリオを示している。

 ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ジャン・ハッチウス氏は「成長について期待が押し上げられているが、根拠になっているのは構造面ではなく景気循環だ」と述べた。

 大統領選の投票日以降、10年物米国債の利回りが2年物よりずっと大幅に上昇していることから、利回り曲線は急速にスティープ化している。これが起きるのは、投資家が成長加速とインフレ高進を予想している時であり、将来の投資に対する期待が高まるため投資に好循環が生まれる。

遠い将来ほどフラットな曲線

 だがより長期の米国債が語るストーリーは違う。より遠い将来を指す部分ほど曲線がフラットなのだ。10年物の利回りは30年物よりずっと大幅に上昇しており、生産性やインフレに対する長期見通しにほとんど変化がないことを示唆している。

 景気循環による好景気への期待は株式市場全体に反映されている。ただ、株価水準に与える影響がより大きいのは、新政権による政策の詳細だ。投票日以降、自動車メーカーや航空会社など景気循環銘柄がS&P500種指数をやすやすと上回っている一方、ディフェンシブ銘柄は出遅れ、公益銘柄は下落している。

 利回り曲線は金融で最も重要なデータの1つかもしれないが、市場のどのような見方を反映しているかについては解釈の余地がある。

 曲線は大幅にスティープ化したが、そもそもかなりフラットだった。投資家は昨年夏には低成長とデフレのリスクを伴う暗い将来を懸念しており、利回り曲線は2007年以降で最もフラットだった。最近のスティープ化の後でさえ、10年物と2年物の利回り格差は12年と15年につけた金融危機後の低水準をわずかに上回る程度だ。

 バークレイズのチーフ米国エコノミスト、マイケル・ゲイペン氏は、利回り曲線がスティープ化しているのはトランプ氏の刺激策が原因ではないと話す。刺激策があるとしても、実現した時には経済が既に完全雇用に近い状況になっているとみられるためだ。

 ゲイペン氏は刺激策について、「循環の終わりを早めるだけかもしれない。循環のあまりに遅い段階に到来するため、長期見通しはそれほど変わらない」と述べた。

トランプ刺激策の効果は

 仮にトランプ氏の刺激策を議会が実行に移すことがあれば、実質成長率よりインフレ率の方が押し上げられる可能性がある。その見方は、米国債市場が予測する期待インフレ率を示すブレークイーブン・インフレ率の上昇に反映されている。向こう10年のブレークイーブン・インフレ率は2014年以降で初めて2%超に戻っている。

 物価連動国債10 年物のインフレ加味後の利回りは実質成長率の予想を示すとされる。大統領選後に急上昇した後、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを受けてやや押し戻された。だが0.74%という実質利回りは、12月のピークでさえ1年前の水準に回復しておらず、08年以前の標準にほど遠い。

 ここから1つ考えられるのは、成長とインフレを下押しする高齢化の圧力が、規制緩和やインフラ改善による生産性上昇圧力より強いと投資家が考えている可能性だ。大統領選のスローガンとは違って、トランプ氏にできるのはせいぜい米国を本来より少し偉大にすることだ。

 30年物国債は成長見通しの指標にはならないとの批判もある。取引が非常に活発とは言えないうえ、政府が決める発行条件などが長期成長見通しと同じくらい重要とも考えられるためだ。確かにそうかもしれないが、トランプ氏が成長とインフレを大幅かつ長期的に押し上げると投資家が本当に信じているなら、利回り3%強の30年物国債を欲しがる者はほとんどいないだろう。30年物国債は完璧ではないかもしれないが、十分に有効な基準だ。

 市場が全体として何を織り込んでいるのかを知れば、予想されるトランプ氏の実績について確固とした見方を持つ投資家にとって好機となる。成長加速やインフレ高進、政策の混乱拡大にはいずれも、市場を大きく動かす余地がある。問題は、大統領の動きについてほとんど知らない投資家だ。株と債券への分散投資は、貿易戦争のリスクに対する保険としてはほとんど役に立たない。貿易戦争になれば、インフレが高進する一方で企業利益が減少し、株と債券が共倒れになる恐れがある。

トランプ新大統領特集

米国株とインフレの不都合な関係
黒田総裁悩ます「トヨタとトランプ大統領」
それほど大きくなかったNAFTAの米国経済への影響
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjp8Zzy3fDRAhXIKZQKHQ8PDMkQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582592601199823104&usg=AFQjCNG40Vh4L19pujnxN9sKeKrBM7QRqw


 


移民求める米中西部「斜陽産業」地帯
人口減に悩む地域には新しい住民や労働力が必要との意見も
イスラム教徒が多く住むミシガン州ハムトラムク
By WILL CONNORS
2017 年 2 月 2 日 09:53 JST

 斜陽産業が集中する米中西部と北東部の「ラストベルト(さびついた工業地帯)」の議員たちが、難民や移民の入国に制限をかけるドナルド・トランプ米大統領の政策に異議を唱えている。共和党および民主党の数々の議員が大統領令に反対する大きな理由はひとつ。地元のコミュニティーが新たな人口を必要としているからだ。

 イスラム圏7カ国の市民の入国を一時禁止する大統領令に関しては、民主党勢力が強く、不法移民に寛容な「聖域都市」とされる大都市圏のシカゴ、サンフランシスコ、ニューヨークなどで、政治的にも倫理的にも問題があるとする声があった。しかしさらに小規模な都市のオハイオ州コロンバス、ミシガン州トロイ、カンザス州ガーデンシティでも、異論が広まっている。地元の議員らは移民・難民を受け入れる経済的重要性を訴え、人口や労働力の減少を補うためにも大切だとする。

 「大統領が国家の安全を守ろうとしていることは理解できる。しかし、ここに住んでいるのは戦争や政治的迫害から逃れたたくさんの素晴らしい人たちだ。彼らは安全な環境で家族を養おうとしているだけだ」とガーデンシティ市のコミッショナーを務めるジャネット・ドール氏(共和党)は話す。「ここに住む移民の人々は社会の生産的な一員だ。いい職を持ち、コミュニティーの生活向上に貢献したいと考えている」

 ラストベルト内の多くの都市や州は、外国生まれの移民などを招こうと何年にもわたって努力を続けている。製造業が低迷する中でも経済成長を実現し、人口減少への対策を打ち出すのが狙いだ。中には、移民や難民が地元の経済圏に適応できるように対策部署を設置したミシガン州のようなケースもある。ミシガン州政府は共和党が多数派を占めるが、昨年にはカリフォルニア州に次ぐ数のシリア難民を受け入れた実績を誇る。

 そのミシガン州の中でも最も多くの難民をシリアから受け入れたのが、海外出身者が人口の3割を占めているトロイだ。トロイ出身の州議会議員であるマーティン・ハウリラク氏(共和党)は、大統領令によって成長が続いている地元コミュニティーが影響を受けるのではないかと警戒する。

ミシガン州で生活するシリア移民の一家
ミシガン州で生活するシリア移民の一家 PHOTO: ANDREW RENNEISEN/GETTY IMAGES
 ハウリラク氏は「地元住民を落ち着かせようとしている」と話し、「気落ちしており、恐怖心も高まっている。われわれの経済にとって有害だ。こうした状況で経済的繁栄は望めない」と続ける。

 ラストベルトで選出された議員の中には、大統領の禁止令を支持する声もある。難民を受け入れても「どのような人物が入国するのか分からない」と話すのは、ミシガン州オークランド郡の幹部を務めるブルックス・パターソン氏(共和党)だ。「確かに難民もいるが、そこにテロリストも紛れている」と、同氏は根拠を示さずに主張した。

 一方、シリアなどからの難民を受け入れることが地元経済に大きく寄与しているとする研究も発表されている。リベラル寄りとして知られる「フィスカル・ポリシー・インスティテュート」と「センター・フォー・アメリカン・プログレス」が先月発表した内容によれば、米国に住む約9万人のシリア移民のうち、11%はビジネス経営者であるという。これは米国生まれのビジネス経営者の割合である3%と比べても高い。また米国生まれの労働者の年収の中央値が4万5000ドル(約509万円)であるのに対し、シリアからの移民の年収の中央値は5万2000ドルだ。

 2015年にオハイオ州のコロンバス市が委託した研究によれば、コロンバス都市部には難民が経営するビジネスが873もあり、3960人の雇用を生んでいる。地元経済への貢献は、年間6億570万ドルにも及ぶ。

 「さまざまな議論がある中で、経済成長に移民や新たな米国民がどれだけ重要な役割を担っているのかが見過ごされている」と話すのは、コロンバス市長のアンドリュー・ギンサー氏(民主党)だ。コロンバスでは25年来の低い失業率を記録しているが、これは新たな米国民たちが大きな役割を果たした結果だと同氏は述べる。

 米国は2016年度に8万5000人の難民を受け入れ、そのうち1万2500人がシリア人だった。トランプ氏は2017年度には5万人の難民を受け入れる予定だとしているが、シリア人の入国は凍結される。また、難民受け入れプログラム自体も4カ月にわたって停止される予定だ。トランプ氏は禁止令が「入国を許された外国出身者によるテロ攻撃から米国民を守る」ための措置だとしている。

 しかし2001年9月11日の同時多発テロ以降、米国では180人がジハーディスト(イスラム聖戦主義者)関連のテロ行為を犯したとして起訴されるか、起訴前に死亡しているが、そのうちトランプ氏が大統領令で指定した7カ国――シリア、イラク、イラン、リビア、イエメン、スーダン、ソマリア――出身の人物は11人だった。さらにこの11人は米国人が犠牲になるような事件に関与していなかったことも、ウォール・ストリート・ジャーナルの調査で判明している。国務省によれば、シリアからの難民の身辺調査には数年かかる場合もあるという。

 数十年にわたり人口減少が続いているデトロイトでは、市や非営利団体(NPO)が協力して移民人口を増やそうと努力を続ける。NPOのグローバル・デトロイトは職業トレーニングや留学生の地元就職を支援するプログラムを提供している。

 「われわれは移民の人権を保護する団体ではない」とグローバル・デトロイトのスティーブ・トボクマン代表は話し、地域の雇用を増やして経済活性化を促進することが目標だと続ける。「移民や難民を多く受け入れることが、われわれの経済的利益になるという結論に至った。現在の状況でも、考えは変わらない」と同氏は述べる。

 ガーデンシティのドール氏も、地元でたくさんの海外出身者が生活していると話す。多様な背景を持つ住人たちがどのようにうまく生活をしているのかと聞かれた時は、「われわれはお互いを必要としている。仕事をするにはひとりひとりの力が大切だ」と答えているという。

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[国際17] マティス米国防長官、厄介な任務担い日韓歴訪へ 豪州との難民移住合意トランプ破棄 豪貿易黒字と輸出過去最高、中国向28%増
マティス米国防長官、厄介な任務担い日韓歴訪へ
同盟国はトランプ氏の調整役として期待
マティス米国防長官は日韓を歴訪する

2017 年 2 月 2 日 09:13 JST

 【ワシントン】ジム・マティス米国防長官は1日、日韓歴訪の途に就く。騒々しい船出となったトランプ政権の閣僚として、初の外遊となる。同長官は2月後半には欧州を訪問する予定。

 米政府当局者によれば、マティス氏は外遊で、メキシコとの長年の同盟関係をぶち壊し、移民・難民の入国規制で大半の中東諸国の反発を買ったトランプ政権を代表するという厄介な任務を担う。外遊先では、米国が友人であり続けることを、不安を募らせる同盟国に保証しなければならない。

 アジアでは、朝鮮半島や南シナ海、台湾海峡の安全保障環境が悪化し続けている。米国と同盟国との関係が揺らぎ、トランプ政権の姿勢をめぐって混乱が生じていることで、事態は複雑化している。

 マティス氏はまた、2月17〜19日にミュンヘンで開催される安全保障会議などに参加する見通し。米国の同盟国は同氏について、トランプ氏の性急な行動を抑え、米国の海外への関与を継続させる調整役として期待している。ある外交当局者は、マティス氏が退任したり、政府内での影響力を低下させたりすれば、それは悪いことが起きる前兆となると予想し、「マティスは『炭鉱のカナリア』だ」と表現する。

 北朝鮮は、トランプ政権の外交・軍事政策の試金石になる可能性の高い国の一つだ。米国は、中国が反発している最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍への配備を計画通り進めたいと思っている。一方で米国は、中国が北朝鮮の大陸間弾道核ミサイルの開発阻止のために影響力を行使するよう望んでいる。

 韓国では国内の政治対立で、安全保障上の懸念から目が奪われる恐れがある。日韓には米軍が大量駐留しており、米国にとって両国との関係は極めて重要だ。一方、南シナ海で人工島を建設して領有権を主張している中国の次の動きは、はっきりしないままだ。オバマ前政権が構築した東アジアの不安定な同盟関係はほころびが見え、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、米国に背を向けようとしている。

 トランプ、マティスの両氏は今週初め、韓国の大統領代行を務める黄教安(ファン・ギョアン)首相、韓民求(ハン・ミング)国防相とそれぞれ電話で会談し、防衛面で韓国を全面支援すると表明した。トランプ氏は28日に安倍晋三首相とも電話で会談した。

 マティス氏は2月後半には、ブリュッセルでの北大西洋条約機構(NATO)の会議、さらにミュンヘン安保会議に出席する予定。多くの同盟国が期待するのは、トランプ氏は「アメリカ・ファースト(米国第一)」を標榜しているものの、マティス氏がこの訪欧で、それが厳格なものではないとの確約を与えてくれることだ。

 トランプ氏は、1月27日にテリーザ・メイ英首相と行った会談でNATO支持を表明したが、一方でNATOは時代遅れだと繰り返し、相反するメッセージを送っている。欧州のある上級外交官は「彼の立ち位置がどこにあるのか全く分からない」と語る。

 しかしマティス氏は、NATOに強い支持を表明しており、欧州の外交官はそれを熱烈に歓迎している。NATOのある上級外交官は、マティス氏がNATO変革連合軍最高司令官だったことを取り上げ、「マティス氏は、いろいろな意味でNATOが持ちうる最高の駐ワシントン大使だ」と評する。

 米国の同盟国の外交官らは、マティス氏がトランプ氏の主張に反対する場合、説き伏せる覚悟がありそうだと指摘する。トランプ氏は、テロ容疑者への水責めの復活について、効果があると思うとしながらも、マティス氏に判断を任せると述べた。同氏は、水責めの効果に慎重な見方を示している。

 だがマティス氏の影響力にも限界がありそうだ。トランプ氏が27日、国防総省でイスラム圏7カ国の国民の米国への入国を停止する大統領令に署名した際に、マティス氏はトランプ氏の背後に立っていた。マティス氏は昨年、フーバー研究所で講演した際に、イスラム圏からの入国禁止案を批判していた。

 英国の元NATO大使で、シンクタンク「ヨーロピアン・リーダーシップ・ネットワーク」の所長であるアダム・トムソン氏は、トランプ政権がどの程度マティス氏の判断に従うのかを同盟国は見極めようとしていると話す。

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豪州との難民移住合意、トランプ氏が破棄を示唆
メキシコのペニャニエト大統領に続き、ターンブル豪首相とも衝突
オバマ前政権はオーストラリアと1250人の難民を受け入れることで合意していた(写真はターンブル豪首相)
By DAMIAN PALETTA AND ROB TAYLOR
2017 年 2 月 2 日 14:17 JST

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は1日、1250人の難民を米国に受け入れることでバラク・オバマ前大統領がオーストラリアと交わした合意は「ばかげた取引」だとツイッターに投稿し、この合意の取り消しを示唆した。

 トランプ大統領は4日前の1月28日にマルコム・ターンブル豪首相と電話で会談し、難民合意の現状確認で辛辣なやりとりを交わした。事情に詳しい関係者によると、ツイッターへの投稿はそれを踏まえたものだ。

 難民合意の主旨は豪州沖にある収容所から1250人の難民を米国に移送するというもの。難民の大半がイラン人だが、イラクやソマリアの出身者もいる。この3カ国はトランプ大統領が大統領令で一時的に入国を禁止した7カ国に含まれる。

 関係者の1人によると、ターンブル首相は合意が尊重されるよう望んでいたが、トランプ氏の反応はこの合意が宙に浮くこともあり得ることを暗示していたという。

 トランプ氏はツイッターへの投稿で、「信じられるか? オバマ政権はオーストラリアから数千人もの不法移民を受け入れることに合意した。なぜだ? 私はこのばかげた取引を精査する」と述べた。

 ただ、トランプ氏が「数千人」と言及した理由は明らかではない。

 1月20日に大統領に就任して以降、トランプ氏と衝突した世界のリーダーはメキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領に続き、ターンブル首相が少なくとも2人目だ。

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豪貿易黒字、12月は過去最大の35.11億豪ドル 輸出も過去最高

[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した2016年12月の豪貿易収支は35億1100万豪ドル(26億7000万米ドル)と過去最大の黒字を記録した。コモディティー価格の上昇により、輸出が過去最高の規模に増加したのが要因。

市場予想は22億豪ドルの黒字だった。黒字拡大により、「AAA」の格付けが引き下げられる可能性は低下した。

輸出は前月比5%増の326億豪ドル。石炭と鉄鉱石が2桁台の増加で全体を押し上げた。中国向け輸出は28%増え、100億豪ドルを初めて突破した。

輸入は前月比1%増だった。

11月の貿易黒字は、12億4000万豪ドルから20億豪ドルへ大幅に上方修正された。

第4・四半期の貿易収支は48億豪ドルの黒字となり、前の期の38億豪ドルの赤字から急速にプラスへ転じた。第4・四半期の経常赤字縮小につながることが見込まれる。

輸出の好調ぶりが企業利益や個人所得、税収の増加として経済全体に波及することで、第4・四半期の国内総生産(GDP)は再びプラス成長を回復した可能性がある。

第3・四半期GDPは前期比0.5%減と、2011年初め以来約5年ぶりのマイナスを記録した。

豪ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のエコノミストは、今回の輸出増加に加え、天候の影響を受けた第3・四半期GDPからの回復が見込まれることから、「第4・四半期GDP伸び率は1%かそれ以上となる」との見方を示した。

*内容を追加しました。

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http://jp.reuters.com/article/australia-trade-idJPKBN15H07E
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/727.html

[経世済民118] メキシコ危機の日本直撃シナリオは杞憂か 安心して引退できない国、日本も 株安円高 債券常識に異論、長期金利の原動力は別に
コラム:
メキシコ危機の日本直撃シナリオは杞憂か

西濱徹第一生命経済研究所 主席エコノミスト
[東京 2日] - ドナルド・トランプ米大統領の「選挙公約」がさまざまな形で世界中に波紋を広げている。なかでも、最初にその矛先が向けられたのが、隣国メキシコだ。

米大統領は就任後最初の首脳会談相手に隣国メキシコ大統領を選ぶことが慣例となっているが、当初1月末に予定されていた会談は、関係悪化を理由とするメキシコ政権側からの申し立てでキャンセルされている。

周知の通り、トランプ大統領は選挙期間中から、不法移民対策を理由にメキシコ国境に「壁」を設置する方針と、その費用負担をメキシコに求める考えを示してきた。さらに、米国から海外に「流出した」雇用機会を奪回すべく通商政策を大きく見直すとし、環太平洋連携協定(TPP)離脱とともに北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を行うとしている(すでにTPP離脱の大統領令には署名)。

TPPについては加盟国間の基本合意の段階であり、米国離脱で発効されないとしても、そのことで足元の経済活動が大きく損なわれることはない。しかし、NAFTAについては協定発効から20年以上が経過しており、加盟3カ国(米国・カナダ・メキシコ)間では、相互の貿易・投資が自由になったことから、実際にクロスボーダーの取引が活発化してきた歴史的経緯がある。

特に、メキシコは人件費の低さや米国の隣国という地の利の良さに加え、海外から原材料・部品・機械を無関税で輸入できる制度(マキラドーラ)を背景に、製造業の誘致に成功してきた。米国のみならず、日本やドイツ、韓国などのグローバル企業が積極的に直接投資を行い、メキシコの経済成長を促してきた(特に足元では輸出の8割以上を米国向けが占めるなど、米国経済に対する依存度が高まっている)。

よって、対内直接投資に悪影響をもたらしかねないNAFTA再交渉の可能性にメキシコ側が抵抗を示すのは当然の話だ。特に米国への輸出が制限されることになれば、景気に大きな下押し圧力がかかるのは必至である。

むろん、NAFTA再交渉を経ても、上述のマキラドーラが存続し、かつトランプ政権が課すという「国境税」の内容が世界貿易機関(WTO)協定に準じたものになるならば、経済への甚大な打撃は杞憂かもしれない。しかし、もしもトランプ政権がWTO協定を無視する形で強硬な姿勢を貫き、両国間で「貿易戦争」とも呼べるような状況となれば、双方にとって深刻な悪影響をもたらす事態も懸念される。

現時点では、トランプ政権内部からもメキシコに対する強硬な態度が軟化する兆しはうかがえないことから、万が一の状況として「最悪の事態」への備えも必要だろう。

<ラテンアメリカ全体の企業戦略に影響も>

ところで、メキシコ危機と言えば、1990年代半ばにメキシコペソの暴落を招いた「通貨危機(通称テキーラ・ショック)」を連想する向きも多いだろう。実際、米大統領選後のペソ相場は、その記憶をよみがえらせるのに十分な急落ぶりを見せている(対ドルレートは1月半ばに最安値を更新、足元でも最安値圏で推移)。

ペソ相場の動向は今やトランプ大統領の発言に一喜一憂する展開だ。トランプ政権下で減税やインフラ投資など景気押し上げに作用する政策が採用されればドル高圧力につながるため、ペソにとっては下押し圧力がかかりやすい展開が今後も続くと予想される。

ただ、楽観的と思われるかもしれないが、前述したような米・メキシコ間の貿易戦争と呼べる状況にまで陥らなければ、恐らくテキーラ・ショック再来はなく、じわじわとペソの下落が続き、経済への悪影響が緩慢に広がっていくという展開になるのではないか。

というのも、資金流出に伴うペソ安圧力が高まる中でメキシコの外貨準備は2015年初旬をピークに減少しているとはいえ、足元では対外債務に対して潤沢な水準を維持しており、「危機」が連想される状況には依然ほど遠いからだ。

とはいえ、仮に危機的状況にならずとも、日本からすれば、メキシコ経済の衰退は由々しき事態である。日本とメキシコとの関係を見ると、NAFTAを前提に自動車関連をはじめ、さまざまな分野で日系企業が同国に進出してきた。TPPによる両国間の直接取引の拡大も見込まれてきたことも勘案すれば、緩慢な衰退シナリオであるとしても、日本企業の対メキシコ戦略の練り直しはやはり避けられない。

また、ラテンアメリカ諸国全般で見ても、ここ数年、期待を集めてきたブラジルが景気低迷に喘ぐなか、新自由主義的な経済政策を志向して構造改革に前向きな姿勢を見せてきたメキシコは進出先としての魅力を高めてきた。いわば域内経済のけん引役とも言える存在だ。

したがって、トランプ政権による対メキシコ政策の行方によっては、ラテンアメリカ市場全体に悪影響が及ぶことも懸念される。日本企業は当該域内市場に対する全体戦略を大きく転換する必要に迫られる可能性もあるのだ。

メキシコは日本企業にとって海外進出先の上位に位置してきただけに、トランプ米政権と同国の対立の行方は企業業績、ひいては日本経済にとっても無視し得ない影響を与えることになりそうだ。

*西濱徹氏は、第一生命経済研究所の主席エコノミスト。2001年に国際協力銀行に入行し、円借款案件業務やソブリンリスク審査業務などに従事。2008年に第一生命経済研究所に入社し、2015年4月より現職。現在は、アジアを中心とする新興国のマクロ経済及び政治情勢分析を担当。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
 
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コラム:中国の米企業へ、トランプ氏のメッセージは「くたばれ」 2016年 12月 07日
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日本株は反落、FOMC後の円高や米政策警戒−内外需とも広く安い
長谷川敏郎
2017年2月2日 08:10 JST 更新日時 2017年2月2日 15:29 JST

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https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iG7b_n9Lliz8/v2/-1x-1.png

ドル・円相場は112円40銭台まで円高進む
米金利が時間外で低下、国内金利は上昇し日米金利差は縮小

2日の東京株式相場は反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)後に為替市場で円高が進んだことで業績先行きへの期待が後退し、電機など輸出関連や化学など素材、海運株などに売りが増加した。業績改善が相対的に見劣りするとの見方から情報・通信や陸運株など内需関連も下げた。
  TOPIXの終値は前日比17.36ポイント(1.1%)安の1510.41、日経平均株価は同233円50銭(1.2%)安の1万8914円58銭。
  大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は「FOMCの結果は失望だった。利上げに慎重だったことが円高・株安につながった」と述べた。今の株式市場は「トランプ米大統領の政策状況がネガティブ材料で、経済と業績はサポート材料。株価はレンジ内での取引になっている」と付け加えた。
東証外観
東証外観 Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  FOMCは1月31日と2月1日に定例会合を開き、政策金利を0.5−0.75%のレンジで維持する一方、トランプ氏の大統領選勝利以降、個人や企業の信頼感が強まっていることを認めた。新政権の政策の不透明感が強まっていることから、追加利上げの時期に関してはほとんど示唆しなかった。政策当局が追加利上げを急いでいないことを示したとして、早期利上げ観測が後退。日本時間でも米10年債利回りは2.45%と低下傾向を示した一方、国内では入札低調で10年債利回りは上昇した。
  こうした流れを受け、ドル・円相場は午後に1ドル=112円40銭台と、昨日のFOMC後に付けた112円80銭台からさらにドル安・円高が進んだ。東京株式市場の1日通常取引終了時点は113円14銭だった。午前は日本銀行の上場投資信託(ETF)買いへの期待も加わって日本株は下げ渋っていたが、円高進展やETF買いの発動基準をめぐる不透明感もあって午後に下げ幅が拡大した。

  下げは大きくなったが、市場では米景気や企業業績を評価する声も根強い。米供給管理協会(ISM)が1日発表した1月の製造業総合景況指数は56と、2014年11月以来の高水準となった。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「多少のドル高でも新興国経済の底打ち反転の恩恵を受けている。トランプ米大統領が政策を打たない状況でも米景気は強い」と分析。「米国の政策期待や景況感の強さ、日本の企業業績の良さという条件がそろっており、日本株の基調の強さは変わらない」と話していた。
  東証33業種では海運や倉庫・運輸、その他金融、電気・ガス、建設、不動産、鉄鋼など31業種が下落。医薬品と卸売の2業種は上昇。医薬品は武田薬品工業と中外製薬の決算評価銘柄、卸売は業績予想を上方修正した三菱商事が上げをけん引した。売買代金上位では営業利益予想を増額修正しながらも市場予想に届かなかった三菱電機、買収を発表した米企業の株価が急落したTDKが安い。業績計画を上方修正した東ソーは高い。東証1部売買高は概算21億2818万株、売買代金は同2兆5703億円。値上がり銘柄数は296、値下がりは1635。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKPWEH6JTSE901


 


安心して引退できない国は仏とシンガポール、日本も−サンセット指数
Wei Lu、Vincent Del Giudice
2017年2月2日 08:33 JST


https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ihBiGGPlJ2QE/v4/-1x-1.png

  ブルームバーグ・サンセット指数によれば、安心して定年退職できないのは上の地図の10カ国だ。世界の人口高齢化が予想を上回るスピードで進む中、高齢者が増える一方で、支える勤労世代の数は減っていく。条件が最も悪いのはフランスとシンガポールで高齢者1人を支える勤労者は2.2人。日本は2.3人。地図にない米国は4.4人だ。
原題:France, Singapore Among Most at Risk From Aging Society: Chart(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKOYWT6K50XT01

 

 
債券市場の常識にHSBCが異論、長期金利動かす原動力は別にある
Sid Verma
2017年2月2日 08:18 JST

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渡辺元財務官:アメリカファーストはドル政策の大転換を暗示

経済成長、財政出動、インフレ、中銀の誘導−。この4つが国債利回りを動かす主な原動力であることは債券市場の普遍的な真実とされているが、スティーブン・メージャー氏らHSBCホールディングスのアナリストは違うと言う。
  アナリストらによれば、負債水準の高さと人口動態、貧富の差の3つが、債券の強気相場を今年終わらせる要因として挙げられる伝統的な4つを上回る影響力を持つ。「債券利回りに関する常識や経験則の多くが正しくない」とメージャー氏は今週のリポートに記述した。
  同氏のチームによれば、米国債利回りの動きと米名目成長率との間に強い長期的相関はない。第2に、米国債の供給増が利回りに強く影響するかどうかは明確でない。また、先物市場は近年常に米連邦公開市場委員会(FOMC)見通しより低い金利を想定してきた。つまりFOMCが金利を低く誘導してきたというのは神話だとメージャー氏は指摘。インフレと長期金利の関係もデータからは証明されないという。

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HSBC Holdings Plc
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iFmmhrOvsGXI/v0/1200x-1.png

原題:Everything You Thought You Knew About Bond Yields Is Wrong: HSBC(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-01/OKP6EH6TTDS201



http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/589.html

[戦争b19] トランプの外圧は日本の国防“独立”への好機 やはり暴走、「オルタナ右翼」が牛耳るトランプ政権 正確な情報分析は二の次? 
トランプの外圧は日本の国防“独立”への好機
米国のご機嫌取りでは同盟強化にならない
2017.2.2(木) 北村 淳
米海兵隊のF35、岩国基地へ出発 国外で初配備
英国で開かれた「ファンボロー国際航空ショー」で飛行したロッキード・マーチンの最新鋭ステルス戦闘機F-35(2016年7月12日撮影、資料写真)。(c)AFP/ADRIAN DENNIS〔AFPBB News〕
 先週の本コラム「トランプの『防衛費増額』要求はこうして突っぱねよ」では、トランプ政権による在日米軍駐留経費の増額(例えば沖縄を本拠地にしている第3海兵遠征軍の駐留に関連する経費の全額負担、あるいは大幅増額など)に対しては、金銭に見積もれば日本側だけでなくアメリカ側も莫大な利益を享受している情況を示しながら日米交渉にあたるべきだということを指摘した。

 ただし、これは「駐留経費」増額の要求に対してである。トランプ政権は駐留経費増額以上に日本の国防費全体の増額も求めてくるであろう。それに対しても突っぱねるべきだというわけではない。

 日本の国防費が国際的指標ならびに日本を取り巻く軍事的環境から客観的に評価すると異常なほど少ないことは明らかである。トランプ政権からの国防予算の増額要求は、いわば外圧を契機として国防費を国際常識的規模にするための良い機会と言える。

国防費のGDP比が低い日本とドイツ

 中国の覇権主義的海洋進出や北朝鮮の核戦力強化などに対応すべく、安倍政権は防衛費の増額を進めている。とはいうものの、増額の幅はいまだに微増レベルに留まっている。各国の防衛努力を数量的に指し示す国際指標である国防支出対GDP比は依然として1%レベルであり、国際社会平均(2.3%)の半分以下の状態が続いている。

 ちなみに、日本の国防予算の規模そのものはストックホルム国際平和研究所(スウェーデン)が公表した国際比較(2015年)では第8位である。しかしGDP比はきわめて低い。

 下の表はストックホルム国際平和研究所のデータより作成した国防支出トップ15カ国のデータである。表から明らかなように、GDP額が高い割に国防支出が低いのが日本とドイツだ。結果として両国は国防支出のGDP比がそれぞれ1%と1.2%と15カ国中最低レベルになっている。

国防支出トップ15カ国(ストックホルム国際平和研究所のデータより作成)
(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49060

トランプの言う「同盟力強化」とは

 トランプ政権はオバマ政権下でGDP比3.5%以下にまで落ち込んでしまったアメリカの国防費を、かつてのレベルである4.0%以上に引き上げるという方針を打ち出している。この程度の額にしなければ、選挙期間中より公約してきた海軍力再建は不可能である。そして、アメリカ自身の国防費を増額する以上、NATO諸国や同盟諸国に対しても経済規模相応の国防費増額を要求することは必至である。

 アメリカが国防費を増加させて戦力増強に努めるのと歩調を合わせ、同盟諸国も国防費を増加させ戦力アップを図ることで、アメリカと同盟諸国の総合戦力は大増強が目論める。これこそ、トランプ大統領が打ち出している同盟の強化の実体的意味である。

「同盟を強化する」と首脳同士が誓い合っても、自動的に同盟国全体の戦力すなわち同盟力がアップするわけではない。また、どちらか一方が国防費を増額し戦力強化に励んでも、他方がそのような努力を欠けば、それは同盟戦力の強化とは見なせない。それぞれの同盟国が経済規模や戦略環境に応じて、相応の国防費を計上して戦力アップを図ることにより、同盟力が強化されるのだ。

 おそらくトランプ政権は、世界第3位の経済規模を誇る日本と同じく4位のドイツには、少なくともイギリスやフランス並みにGDP比2%以上、できれば国際平均値である2.3%程度を目標に国防費を引き上げるように要求してくるものと思われる。その場合、日本の国防費は11.5兆円まで引き上げられることになる。

従来の慣行では血税を無駄遣いするだけ

 だが、仮に日本が国防費をGDP比2%程度まで、もしくはそこまではいかずとも1.5%程度まで引き上げたとしても、従来の国防予算編成の慣行から脱却しない限り、血税の無駄遣いを倍増させる結果となりかねない。

 すなわち、予算が大幅に増えたからといって国防当局がここぞとばかりに「買い物リスト」をこしらえて「モノ先にありき」を繰り返すようでは、それこそトランプ政権の思う壺になってしまう。

「日本の国防費が倍増されそうだ」となったら、トランプ政権はアメリカの基幹産業たる軍需産業を陣頭指揮して日本への売り込みを図るであろう。

 すでに日本への売り込みを始めている超高額兵器の弾道ミサイル防衛システム「THAAD」、F-35戦闘攻撃機などをはじめ、日本を売り込み先として狙う商品は少なくない。

 同時に、アメリカ自身が高額すぎて調達に支障を来している最新鋭高性能超高額兵器を日本に売り込むことでコストダウンを図り、米軍にとっても手ごろな価格に引き下げる策を実施するであろう(例えばTHAADはあまりにも高額なため、アメリカ軍は思ったように配備数を増やせない。F-35も、トランプ大統領自身が高額過ぎるとクレームをつけた)。

米国のご機嫌取りでは同盟強化にならない

 アメリカの超高額兵器を日本が多数購入すれば、トランプ政権は、日本政府やメディアを喜ばせるノウハウに長けているアメリカのシンクタンクなどと一緒になって「日米同盟が強化された」などというまやかしを並べ、日本側を持ち上げたり安心させたりするであろう。

 しかし、自衛隊がアメリカ製の超高額兵器を手にしたとしても、必ずしも日本の防衛力が強化されるわけではない。場合によっては、日本防衛にとって決して効率の良いツールとはならない。莫大な予算を投入してアメリカ製超高額商品を調達する前に、そのような予算を投入して揃えるべき日本の防衛にとって不可欠なシステムがいくらでも存在するのだ。

 地政学的戦略環境を考えれば、日本にとって国防費総額の倍増は間違いなく必要である。トランプ政権の外圧を利用することはその絶好のタイミングであるし、ひょっとすると最後のチャンスかもしれない。

 しかし、アメリカに対する“ご機嫌取り”が、すなわち“日米同盟の強化”という誤った姿勢のままでいては、国防費倍増も無駄な出費に終わるだけである。そうした姿勢は即刻捨て去り、アメリカも日本も共に戦力強化に努め、トータルで同盟力を強化するという正しい方向性に向かわなければ、日米同盟が中国に太刀打ちできなくなる日が遠からず訪れることになるであろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49060


 


やはり暴走、「オルタナ右翼」が牛耳るトランプ政権
正確な情報分析は二の次?政治の経験と知識に乏しいトランプ
2017.2.2(木) 黒井 文太郎
メディアは「野党」 バノン首席戦略官、口つぐめと威嚇
米ニューヨークで行われた記者会見の場に姿を見せたトランプ大統領の最側近の1人、スティーブ・バノン氏(2017年1月11日撮影)。(c)AFP/DON EMMERT〔AFPBB News〕
 暴走一直線のトランプ政権だが、その最大の理由は、トランプ政権の政策決定過程にある。アメリカ政府の省庁・機関にいた強力なヒューマンリソースが政策決定ラインから外され、ホワイトハウス内に入り込んだ少数の側近が、政治の経験と知識に乏しいトランプ大統領に影響を与えているのだ。

 まさに絵に描いたような側近政治だが、安全保障面でいえば、問題の根が深刻なのは、その側近グループがその分野のプロフェッショナルではない人物ばかりで、しかも中心に、情報・知見より政治的主張を優先する「オルタナ右翼」(オルト・ライト)系の人脈が陣取っていることだろう。

 トランプ大統領は、自分に批判的な主要マスメディアの報道を信用せず、「ロシアがトランプ政権誕生を水面下で支援した」と分析した米情報機関を遠ざけ、フェイク(偽)ニュースに満ちたオルタナ右翼系メディアなどが発信する情報を信用している。

 世界に影響力をもつ超大国がそのような側近政治になってしまっていることは、当然ながら世界の安全保障環境に影響を与える。超大国アメリカが偏った視野の情報認識だけで、思いつきのような政策を実行していけば、世界が蒙る迷惑は多大なものになるだろう。

トランプ政権の安全保障政策を司る4人

 では、トランプ政権の安全保障政策チームとは、どのような人々によって構成されているのか。

【スティーブ・バノン】(主席戦略官兼上級顧問)

 まず、安保政策に限らないが、現在のトランプ政権で最も発言力が大きいのが、主席戦略官兼上級顧問のスティーブ・バノンである。彼は、オルタナ右翼の中心人物の1人であり、オルタナ右翼の宣伝に大きな影響力を持つニュースサイト「ブライトバート・ニュース」の元会長だ。

 ブライトバート・ニュースは、白人至上主義系の人種差別的な主張を展開し、激しい論陣で移民反対を訴えてきた。既存のエスタブリッシュメント層に強い反感を表明し、「もう1つの保守」として共和党主流派をも攻撃している。

 早くからトランプ支持を打ち出し、本選でも「クリントンはISを創設した」「クリントンは重病」などのフェイクニュースすら利用してクリントン陣営を攻撃した。最近も「昨年の大晦日にドイツでイスラム教徒が警察署を襲撃し、教会に放火した」というフェイクニュースを流して、イスラム教徒への反感を煽っているが、このようにブライトバート・ニュースは「ファクト(事実)より主張が影響力を持つ」というSNS時代に顕著になっている“ポスト真実”の傾向を、まさに体現しているメディアといえる。

 ブライトバート・ニュースの主張とトランプ大統領の主張はほぼ同一であり、トランプ大統領がブライトバート・ニュースの論調の強い影響を受けていることが窺える。

 その中心人物であるバノンは、いわばトランプ政策のイデオローグのような存在である。選挙戦では、苦戦が伝えられるなかの2016年8月、当時の選対本部長が退いた後に、選対本部の最高責任者に就任した。その論功行賞もあってのホワイトハウス入りだが、彼はそれだけの存在ではない。

 トランプ政権のホワイトハウスでは、本来なら側近ナンバー1である首席補佐官と同等の立場とされているが、政策面では、批判の集中砲火を浴びているトランプ大統領に対して、ブレーンとしてむしろ影響力が強いとみられる。

 また、米政権としては例外的なことだが、トランプ大統領は閣僚でもないバノンを、外交・安全保障政策を検討する国家安全保障会議(NSC)の常任メンバーにした。通常、米政権内での発言力は、国務長官、国防長官が上位で、政権によっては副大統領が強い影響力を持つこともあるのだが、トランプ政権では大統領の懐刀であるバノンが優位にある。

 トランプ政権の政策は、バノンと共鳴している大統領が、情報機関や省庁の分析を退け、ファクトより主張を優先するオルタナ右翼の手法をそのまま持ち込んでいるため、現実面でさまざまな問題を生じている。

【ジャレッド・クシュナー】

 トランプ大統領の娘婿である36歳のクシュナーは、通商・中東政策担当の上級顧問としてホワイトハウスに入ったが、トランプ大統領の身内であることから、大統領の対外的な窓口を担当する秘書的な最側近として振る舞っている。当然、背後には大統領が最も信頼している実娘のイヴァンカ・トランプがいる。

 クシュナーは不動産業者の家に生まれた実業家だが、トランプ大統領と同じく政治経験はない。トランプ陣営の選挙顧問を経てのホワイトハウス入りだが、安全保障問題はまったくの門外漢である。それでも中東政策担当とされたのは、ユダヤ人だからであろう。

 しかし、クシュナーは安全保障政策も含めて、トランプ大統領の独自政策のほとんどでアドバイスを行っているとみられる。妻のイヴァンカは公的には大統領の顧問ではないものの、夫とともに父親に広範囲にアドバイスしているとみられる。

 トランプ大統領は人を「自分にとって味方か敵か」で考えていて、自身が最も信頼しているイヴァンカとクシュナーを近くに置いているため、この“政治経験もなく安全保障に関する知識も乏しい若い夫妻”の政治への影響力が非常に大きくなっている。

【マイケル・フリン】(国家安全保障担当大統領補佐官)

 NSCをとりまとめ、ホワイトハウスの安全保障政策の要となるのが、国家安全保障担当大統領補佐官である。トランプ政権でその要職に抜擢されたのが、マイケル・フリン元陸軍中将だ。

 この要職には本来、国際関係・安全保障の専門家が就くのだが、トランプ政権の場合、共和党予備選中に、主だった共和党系の専門家がトランプ不支持を表明してしまっていたために人材が枯渇しており、そんな中でトランプ大統領と波長が合ったフリンが抜擢された。もっとも、フリンは軍出身とはいっても、その特異な言動で主流派からは外れた人物である。

 フリンは国防総省の情報機関「国防情報局」(DIA)の元局長で、米軍のインテリジェンスの要職にいた。だが、当時からイスラム教全体を嫌悪し、差別的な言動が問題視されていた。部下の分析を思い込みで否定することも多く、DIA内でも浮いた存在となり、アメリカの各情報機関が集まる「情報コミュニティ」でも孤立して2014年に更迭されている。

 また、フリンにはロシアとの密接な関係も指摘されている。昨年、ロシアの宣伝放送「RT」関連の会合に参加して金銭を受け取っていたほか、オバマ大統領(当時)がロシアへの追加制裁を決めた前日、駐米ロシア大使と5回にわたって電話連絡していたことも判明している。

 そんな人物だが、それでも安全保障問題に関わった人物が少ないトランプ政権では、その分野での発言力は大きい。NSCのまとめ役として、政権の事実上の安全保障ブレーン集団となるNSC事務局スタッフの人選にも大きな影響力を持っている。

【ラインス・プリーバス】(大統領首席補佐官)

 44歳の弁護士であるプリーバスは、学生時代から政治運動に参加し、共和党スタッフとして長く活動。共和党ウィスコンシン州委員長から共和党全国委員長となった。共和党組織に精通し、前出のバノンと違い、共和党の実力者たちにも人脈がある。

 政治のプロが少ないトランプ政権では、数少ない政治のプロであり、選挙戦ではトランプ陣営のとりまとめに奔走した。その功績を認められたことと、やはり政権の政治運営を期待されての首席補佐官抜擢となった。

 政権では政策面より、組織運営面で中心的な存在となる。安全保障政策を含め、トランプ大統領がバノン主席戦略官などと繰り出していく急進的な政策に対しては、それを主導するというよりは、政治的な手法の部分でフォローする役割にまわってしまっているとの指摘もある。

*  *  *

 以上4人が、トランプ政権の安全保障政策で中心となる大統領最側近の政権内実力者といっていい。ホワイトハウス内の序列ではバノンとプリーバスが双璧といえるが、現時点では大統領と近いバノンの発言力が突出しており、安全保障政策でも主導権を握っているものとみられる。

 また、大統領の身内のクシュナー夫妻も、ほぼすべての分野で大統領の最も信頼するアドバイザーとして大きな影響力がある。フリンは安全保障分野の専門的なアドバイザーとして、自らの発言力の確保を画策している状況といえる。

大統領を支えるホワイトハウスのキーマン

 この他、ホワイトハウス内で安全保障政策に関与しているキーマンは以下である。

【スティーブン・ミラー】(政策担当大統領補佐官)

 トランプ大統領のスピーチライターでもある31歳のミラーは、政策担当の大統領補佐官である。学生時代から政治運動に関わり、複数の共和党議員のスタッフを経て、トランプ陣営に加わっている。

 前出のバノン主席戦略官とも交流があり、トランプ政権のホワイトハウスでは、バノンと組んで政策の主導権を握る。世界中を大混乱に陥れた「中東7カ国の国籍保持者の入国禁止」の大統領令において、当初は「永住権保有者は除く」とした国土安全保障省案をバノンとミラーが独断でひっくり返したと報じられている。

【キャサリン・マクファーランド】(国家安全保障担当副補佐官)

 もともとはフォード政権時代のキッシンジャー補佐官のNSCスタッフで、安全保障問題のアナリストとして実績を上げ、レーガン政権で国防次官補代理も務めた。その後は主に保守系のFOXニュースの解説者などとして活動してきた。

 安全保障問題の経験者が少ないトランプ政権では、数少ない専門家の幹部として一定の発言力を持つとみられる。オバマ前政権の対テロ政策の甘さを強く批判しており、上司のフリン補佐官と同様、イスラム過激派への警戒を強めるべきと主張している。

【キース・ケロッグ】(NSC事務局長)

 フリン補佐官の部下として、政権の安全保障政策ブレーン集団「NSC事務局」のスタッフをとりまとめる。

 元陸軍中将で、空挺部隊の出身。第82空挺師団長も務めた。また、イラク戦争では有志連合作戦指揮官も務めている。選挙戦中からトランプ陣営の安全保障問題アドバイザーだった。彼もまた、政権内の数少ない安全保障の実務経験者として影響力を持つ。

*  *  *

 ホワイトハウス内の大統領の側近としては、この他にも、元選対本部長で実質的な対外広報役を務めるケリーアン・コンウェイ上級顧問、ホワイトハウスの正規の報道官であるショーン・スパイサーなどがいるが、安全保障政策立案にはあまり関わっていないものと思われる。

 さらにこの他にも、ホワイトハウスのスタッフではないが、トランプ大統領が頼りにする人物がいる。

【ルドルフ・ジュリアーニ】(元ニューヨーク市長)

 サイバー・セキュリティ・アドバイザーに指名されているが、安全保障政策も含めた広範囲な分野で、トランプ大統領の実質的なアドバイザー役になっている。ジュリアーニはテレビのインタビューで「イスラム教徒を合法的に入国させない方法はないか、大統領から聞かれた」と発言している。

発言力を削がれる「長官」たち

 以上がトランプ大統領に直結し、政権の安全保障政策に深く関わるホワイトハウスの関係者である。側近政治を進めるトランプ政権では、それ以外の要人の影は薄い。

 国務長官になるのは、エクソン・モービル社元最高経営責任者(CEO)のレックス・ティラーソン。国務長官は本来なら、政権で大統領に次ぐ外交・安全保障政策を司るナンバー2である。ティラーソンはロシアとの関係が深い人物だが、外交・安全保障の未経験者であり、その手腕は未知数だ。しかも、国務省では新政権発足にあたって、大勢の主要幹部がその任を離れており、影響力の大幅な低下は必至となっている。

 国防長官はジェームズ・マティス元海兵隊大将。アフガニスタンやイラクで戦闘部隊の指揮をとった勇猛な指揮官(あだ名は、勇猛を意味するスラング「マッドドッグ」)として知られ、米中央軍司令官も務めた。トランプ政権では最も直近まで軍の要職にいた専門家である。

 ロシアへの警戒を表明し、同盟国を重視する姿勢を示すなど、政権幹部としては現実的な安全保障政策を主張している。トランプ大統領が「水責め」復活を示唆した際には、マティス国防長官が反対を表明し、それでトランプ大統領が取り下げたこともあった。

 このようにマティス国防長官の存在は、トランプ政権の暴走を抑制する数少ない要素だが、ホワイトハウス主導の側近政治の下では、その指導力を発揮することができるか未知数である。

 同じことは、国土安全保障長官のジョン・ケリー元海兵隊大将にも言える。中東7か国国籍保有者への入国禁止措置では、担当省庁である国土安全保障省の責任者であるケリー長官に事前に相談もなく、すでにホワイトハウスと軋轢が生じている。

 発言力が制限されるのは、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長とダン・コーツ国家情報長官(前上院議員)も明らかだ。両者ともトランプ政権ではNSC常任メンバーから外された。とくにコーツ国家情報長官は、駐ドイツ大使や上院情報特別委員会委員の経験があり、ロシアに対する厳しい姿勢が知られているが、この措置で情報機関全体とともに政権内での影響力は著しく低下することになる。

 トランプ大統領と敵対関係になっていたCIAについては、対テロ戦の強化を主張するなどトランプ大統領と主張が近いマイク・ポンペオ前下院議員が長官に任命された。CIAの重視というより、むしろCIAの影響力を削ぐ人事であり、その影響力は制限されるだろう。それに比べると、ニッキー・ヘイリー国連大使(元サウスカロライナ州知事)は、ロシアに厳しい立場ではあるが、トランプ大統領との距離は近い。

 こうした面々に加え、政権運営に発言力を持つマイク・ペンス副大統領(元インディアナ州知事)なども安全保障政策では比較的現実路線だが、ダンフォード統合参謀本部議長などの一部の専門家を除けば閣僚級幹部に安全保障分野の経験はほとんどなく、側近政治の下で指導的役割は与えられないだろう。

 1月30日、トランプ大統領は「自分の政権は記録的なスピードで政策を実行している」と自画自賛したが、オルタナ右翼が主導する側近政治では、充分に確度の高い情報が適切に分析されているとは考えられない。今後しばらくは、安易に提案された政策が実行され、混乱と分断が続きそうだ。

[JBpressの今日の記事(トップページ)へ]

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49058
http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/599.html

[経世済民118] 2017年の夏ボーナスはどうなる? - 賃上げ見通し額は前年実績下回る メキシコへの送金過去最高トランプの送金規制を警戒
2017年の夏ボーナスはどうなる? - 賃上げ見通し額は前年実績下回る
御木本千春
 
[2017/02/02]
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労務行政研究所は2月1日、2017年の「賃上げに関するアンケート調査」の結果を発表した。調査期間は2016年12月5日〜2017年1月16日、有効回答は労働側(東証1部・2部上場企業の労働組合委員長等)200人、経営側(同人事・労務担当部長)135人、労働経済分野の専門家136人の計471人。
賃上げ見通しは平均6,332円
2017年の賃上げ(定期昇給分を含む)見通しは平均6,332円(賃上げ率2.00%)。前年の実績6,639円(同2.14%)を307円下回ったが、賃上げ率は2%台を維持する見込み。労使別にみると、労働側は6,235円(同1.98%)、経営側は6,286円(同1.99%)で、労使の見通しの差は51円(0.01ポイント)だった。

http://n.mynv.jp/news/2017/02/02/359/images/002l.jpg
 実際の賃上げの見通し(額・率)(出典:労務行政研究所Webサイト)
賃上げ率の分布を調べたところ、労使とも「2.0〜2.1%」が4割台(労働側41.0%、経営側48.9%)で最多となり、次いで「1.8〜1.9%」が1割台(労働側18.0%、経営側10.4%)で続いた。同研究所は「一様には言えないが、調査結果から、定昇にいくらかのベアが上積みされるとの見方が多い」と分析している。
ベアの実施については、経営側では「実施する予定」が23.7%、「実施しない予定」が50.4%だったのに対し、労働側では「実施すべき」が60.0%に上った。
2017年の夏ボーナスの見通しを聞くと、労使とも2016年夏と比べて「同程度」と答えた割合が約6割(労働側58.5%、経営側60.7%)を占め、次いで「減少する」が2割前後(労働側20.0%、経営側17.8%)、「増加する」が1割台(労働側16.0%、経営側14.1%)となった。

http://n.mynv.jp/news/2017/02/02/359/images/001l.jpg 

2017年夏季賞与・一時金水準の見通し(出典:労務行政研究所Webサイト)
同研究所は「各機関集計による昨16年の夏季賞与支給実績(主要企業)は前年同期比増加となったが、17年についても引き続きこれと同程度になる」とみている。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。





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関連サイト
労務行政研究所

http://news.mynavi.jp/news/2017/02/02/359/

 


メキシコへの送金過去最高に、トランプ米大統領の送金規制を警戒
Eric Martin
2017年2月2日 14:58 JST

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• 選挙中にメキシコに壁の費用負担を迫るため送金を阻止する案提示
• 送金はメキシコの貧困層世帯の一部には生命線

メキシコ国外に暮らす労働者による本国への送金は昨年、過去最高に達した。米大統領選でドナルド・トランプ氏が選出されたのを受け、国境の壁建設費用をメキシコに支払わせるため米国が送金を阻止するとの懸念が強まったためだ。
  メキシコ中央銀行の1日の発表によれば、送金は昨年12月に前年比6%増の23億4000万ドル(約2640億円)と、ホリデーシーズンで過去最高を記録した。2016年通期の送金は270億ドルで、これまで最高だった07年を上回った。12月の伸びはブルームバーグが集計したエコノミスト予想中央値の11%増を下回った。トランプ氏の当選直後の11月は25%増加した。
  16年の選挙戦中にトランプ氏は、不法移民の流入を阻止する100億ドルの国境壁建設の費用をメキシコに負担させるため、送金を阻止する案を提示していた。こうした送金は、米カリフォルニア州やメーン州などの調理場や建設現場で働く親類を頼りにするメキシコの貧困層世帯や地域社会にとって生命線となっている。送金は米国からが圧倒的割合を占め、近年はメキシコの国内総生産(GDP)の約2%に相当し、原油収入を上回り、外国からの直接投資と肩を並べている。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iUIzDlEH.ZtA/v2/-1x-1.png

  多国籍企業にメキシコ関連の助言サービスを行うエカナルの経営者で独立系エコノミストのロヘリオ・ラミレス・デ・ラ・オ氏は「送金への課税や規制の可能性に関するトランプ氏の発言の影響があったのは間違いない。送金に対する脅威があれば、労働者はそれに先行しようとより多く送るだろう」と述べた。
  
原題:Fear of Trump Move Drives Cash Transfers to Mexico to Record (1)(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKQEYC6JTSE801


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/596.html

[国際17] トランプ大統領に擦り寄る英国首相、眉ひそめるEU トランプ豪首相に暴言連発険悪 イランを強く非難 ロシア米国務長官と会談
焦点:トランプ大統領に擦り寄る英国首相、眉ひそめるEU

[パリ/ブリュッセル/ベルリン 1日 ロイター] - 英国のメイ首相はトランプ米大統領との関係強化を求めており、欧州連合(EU)加盟国の間では離脱交渉を前に懸念が強まっている。

メイ首相は米国で1月27日、海外首脳として初めてトランプ大統領と会談。EU離脱(ブレグジット)後も、米国との「特別な関係」を維持することが可能だという姿勢を打ち出した。

首相の訪問で英国はEU離脱後、貿易協定を結びたいとの思惑からイランやイスラエルへの態度を変え、トランプ大統領を喜ばせるのではないかとEU加盟国は懸念している。

あるEU幹部はロイターに対し「米国との自由貿易協定を結ぶため、外交政策を犠牲にして本当に良いのか。英国にただす必要がある」と話す。

メイ首相の報道官はロイターに、首相はトランプ大統領との交渉がEU加盟国の神経を不必要に逆なですると心配してはいないと説明。米国は主要同盟国だとの考えを改めて示した。

<非常に下品な行い>

EU離脱を決めた国民投票を端緒とする英政策の変化は、トランプ氏が大統領に就任してからの短期間で、英国やEUの計算に狂いが出てきたことを示している。

「メイ首相は米政府の勢いに驚いており、ブレグジット後の立場を選択するための迅速な行動が求められている」と欧州外交評議会(ECFR)のアルムート・メラー氏は話す。

同氏は「首相にとっての問題は、トランプ大統領が英国に団結を示すよう迫れば迫るほど、欧州大陸からはネガティブな反応が強く吹き出すということだ」と指摘。「ワシントンはEUの分断を招いている」とみている。

欧州議会の最大会派で中道右派の欧州人民党(EPP)の指導者、ドイツのマンフレート・ウエーバー議員は、現在の米英間の特別な関係を過去の例になぞらえ、「ルーズベルト大統領とチャーチル首相はともに、自由を求めて闘った。レーガン大統領とサッチャー首相はともに、共産主義の拡大を阻止した。トランプ大統領とメイ首相はそれぞれ、自国の国益のことしか考えていない」と指摘する。

EU首脳らは、EU離脱が完了するまで、すなわち現在のスケジュールで2019年初頭までは、英国が海外と二国間協定を結ぶのは不可能だとみている。

EU議長国を務めるマルタのムスカット首相は1月、「英国とは公正な取り決めを求めるが、この取り決めは加盟そのものに劣後するものでなくてはならない」とくぎを刺した。

トランプ氏はメイ首相との会談の数時間後、イスラム圏7カ国出身者の入国を一時禁止する大統領令に署名した。EUの外交担当者らは、この決定は英国が直面するリスクを浮き彫りにするとみている。

トランプ大統領の決定を受け、英国でも抗議活動が起きた。その一方でジョンソン外相は、英国のパスポート所持者全員の米国入国が可能になるよう米政府から確約を取り付けようとし、EU外交官の怒りを買った。

ある西欧の上級外交官は「英国は米国と自分たちだけで何かを交渉しようとして、ありていに言って大した結果は得られなかった。非常に下品な行いだ」と怒りをあらわにした。

あるEU大使は「メイ首相は、交渉しようとしているのがどんな相手なのか分かってもいないのに、なぜワシントンへ急いで行く必要があったのか。トランプ氏への迎合は、欧州だけでなく英国内でも裏目に出ている」と述べた。

<トランプ効果>

メイ首相はトランプ大統領の立場に合わせるため、対中東・イラン政策を軌道修正している兆候があると、一部のEU幹部は見ている。

トランプ氏の大統領選勝利後の昨年12月。当時のケリー米国務長官は、入植問題でイスラエルの現政権を「最も右翼的」だと発言した。これに対し英首相報道官は、長らくテロの脅威に対応してきた国の入植問題だけを取り上げるのは、ユダヤ人とアラブの和平にとって最善ではないと批判した。

国連安全保障理事会で同月に行われたイスラエルのユダヤ人入植活動を非難する決議において、英国は賛成票を投じ、イスラエルのネタニヤフ首相を激怒させた。ただパリで年末に開催された中東和平に向けた国際会議では、紛争の当事者双方が欠席する中、共同宣言への支持を留保した。

EU側の懸念をさらに強めているのは、ジョンソン外相の発言だ。外相はシリア和平で合意した場合にはアサド大統領の再選に向けた出馬を認めるべきと主張、退任を求めていた英政府のこれまでの立場と相反する見解を示した。

あるフランス外交官は「英国はこのような方針転換を続けるなら、長期的に国際間でつけを払わされるだろう」と述べた。

メイ首相は確かに、ウクライナ問題を巡るロシアへの経済制裁や、トランプ大統領が「時代遅れ」だと指摘した北大西洋条約機構(NATO)についても支持を続けている。

だがEU加盟国の多くが、離脱決定後の英国は欧州大陸から否応なしに疎遠になっているとみなしている。

あるEU外交幹部は「英国は外交政策についてブレグジット後もEUと協力することに関心があると常に主張していた」と話し、「そこへトランプ効果が波及し、これまでの方針と異なっていても、米国の機嫌を取るようになってしまった」と述べた。

(John Irish記者、Gabriela Baczynska記者、Andreas Rinke記者 翻訳:田頭淳子 編集:村山圭一郎)

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http://jp.reuters.com/article/usa-trump-britain-eu-idJPKBN15H0PL?sp=true


 


 
トランプ氏、豪首相に暴言連発=電話会談、険悪な雰囲気

ホワイトハウスの執務室でオーストラリアのターンブル首相と電話会談するトランプ米大統領=1月28日(EPA=時事)
 【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は1日、トランプ米大統領が1月28日にオーストラリアのターンブル首相と電話会談した際、難民引き受けに関する米豪合意をめぐり激しい言葉を首相に投げつけ、険悪な雰囲気に陥ったと報じた。政敵やメディアだけでなく、意見が合わなければ同盟国の首脳にも攻撃的態度に出るトランプ氏の姿勢が表れたと言えそうだ。
「NYタイムズは廃刊を」=米大統領が暴言ツイート

 豪政府はオバマ前米政権との間で、難民認定を求め豪州へ密航後、国外の施設に収容された人々について、一部を米国へ移住させる一時的措置で合意している。同紙によると、ターンブル氏が電話会談で、トランプ政権もこの合意を守ることを確認しようとしたところ、トランプ氏は「これまでで最悪の取引だ」とこき下ろした。
 トランプ氏はさらに、豪州が「次のボストン(マラソン大会)爆弾テロ犯」を輸出しようとしていると非難。同じ28日に安倍晋三首相やプーチン・ロシア大統領らとも電話で話したことを挙げ、「この(豪首相との)電話が飛び抜けて最悪だ」と吐き捨てるように言った。1時間を予定していた電話は、25分で切り上げられたという。 
 米政府高官はポスト紙に、豪首相とのやりとりが険悪だったと認めた上で、安倍首相らとの協議は生産的で心地良いものだったと強調した。
 ターンブル氏は30日の記者会見で、トランプ氏との電話会談で難民移送に関する合意が引き継がれることを確認したと述べた。一方、トランプ氏は1日、ツイッターに「オバマ前政権は、何千人もの不法移民を豪州から引き受けると約束した。なぜだ? このばかな取引について調べる」と投稿した。(2017/02/02-15:50)
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http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020200595&g=int


 

米国イランを強く非難 ミサイル実験、対抗措置検討

毎日新聞2017年2月2日 東京夕刊

イラン
アメリカ
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 【ワシントン会川晴之】マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は1日、イランが先月29日に実施した中距離弾道ミサイル実験を強く非難する声明を発表した。ホワイトハウス高官は記者団に「幅広い対抗措置を検討する」と述べ、軍事行動を含めあらゆる対抗措置を検討する考えを示した。英仏露中独の5カ国とともに2015年7月にイランとの核合意を結ぶなど、イランとの関係改善を目指したオバマ前政権の路線を転換し、イランに強硬な姿勢で臨むトランプ政権の方針を打ち出した。

 フリン氏は、弾道ミサイル実験に加え、イランが後ろ盾となっているイエメンのイスラム教シーア派武装組織フーシが1月下旬、イエメン沖でサウジアラビアの艦船にミサイル攻撃を仕掛けたことが「中東地域の不安定化をもたらす」と非難した。こうした悪意ある行動は米国の同盟国や友好国の安全保障を脅かすだけでなく、米国民を危険にさらすものだと主張した。

 さらに、弾道ミサイル実験は、核兵器を搭載する能力がある弾道ミサイル実験をイランに禁じた国連安保理決議に違反するとも指摘。イランのデフガン国防軍需相は1日、核兵器の開発計画が無いことを理由に「違反していない」と述べ、米国の指摘は的外れだと批判している。

 トランプ米大統領は、イランとの核合意を見直す考えを重ねて強調してきた。しかし、ホワイトハウス高官はこの日、「弾道ミサイルは、核合意の対象に含まれていない」と記者団に明言。多国間合意であるイランとの核合意を維持しながら、弾道ミサイル問題を突破口にイランに圧力をかけていく考えを示した。

 ホワイトハウス高官は「幅広い措置」について、記者団から「軍事行動も含めて検討するのか」との問いかけを否定しなかった。オバマ前政権は13年9月にイランとの核交渉を本格化、関係改善に努めていた。

 イランが29日に打ち上げた中距離弾道ミサイルは、約1000キロ飛行したものの大気圏内に再突入する際に爆発、実験は失敗に終わったと見られている。

 ■ことば

イランの弾道ミサイル
 イランは1998年7月、北朝鮮のミサイルを基礎に開発した中距離弾道ミサイル「シャハブ3」(射程1300キロ)の実験に成功し、敵対するイスラエルを射程内に収めたとされる。2015年10月には、シャハブ3を発展させた「エマード」の発射実験に成功。国連はエマードには核兵器の搭載能力があり、安保理決議に反するとの報告書をまとめている。
http://mainichi.jp/articles/20170202/dde/001/030/081000c


 


ロシア、米次期国務長官のティラーソン氏とドイツで会談へ=RIA

[モスクワ 2日 ロイター] - 国営ロシア通信(RIA)は外務省筋の話として、米国務長官への就任が承認されたレックス・ティラーソン氏とロシア側が2月にドイツで会談する方向で接触する準備があると報じた。場所はボンかミュンヘンになる見通しだという。

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http://jp.reuters.com/article/usa-trump-russia-tillerson-idJPKBN15H0OA
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/732.html

[経世済民118] トランプ大統領の規制緩和がまく「混乱の種」 反トランプデモ暴徒化、大学閉鎖 ティラーソン氏、ハンディ背負って国務長官就任
コラム:
トランプ大統領の規制緩和がまく「混乱の種」

Gina Chon

[ワシントン 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 官僚主義的な規制に対するトランプ大統領の攻撃は、それを一掃するというよりPRに近い。

トランプ大統領は、1つの規制を導入する際、既存の規制2つを撤廃することを政府機関に義務付けることで、企業の負担を軽減できると考えている。英国も似たような法令を出しているが、結果はまちまちだ。このような指示の曖昧さは答えよりも疑問を生み出している。

トランプ大統領は大風呂敷を広げている。大統領は30日、小中企業のリーダーらに囲まれて、「メジャー級」の規制緩和になると自らが吹聴する大統領令に署名した。1つの規制を導入するなら2つを撤廃することを政府機関に義務付けるほか、ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)の許可がない限り、コストも増やすことができなくなる。

ホワイトハウスは成功例として英国を挙げる。英国は2013年、新たな規制でコストが1ポンド増える度に、既存の規制からコストを2ポンド削減することを義務付ける措置を講じた。2014年12月の報告書によると、当時のビジネス・企業閣外大臣マシュー・ハンコック氏は、企業にとって年間22億ポンドの節約となったと発言している。

だが、世界銀行が毎年発表するビジネス環境ランキングでは、英国の結果は一様ではない。

ビジネスのしやすさをランキングした同調査の2013年のデータによると、英国は7位から10位に後退している。2015年には6位にランクアップするものの、昨年はまた7位に落ちている。その一因として、英政府の基準がそれぞれのルールの実体と性質を考慮に入れていないことが挙げられる。同国では少なくとも新たに起業しやすくはなっており、同項目では2013年の28位から2016年には16位に上昇している。

総合ランキングで米国は、2007年の3位から8位まで転落。米国政府はこの間、数々の規制を打ち出してきたが、そのなかには金融セクターを一段と強靭(じん)にする狙いで2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)も含まれる。

トランプ大統領は30日、こうした金融改革について「大失敗」とコメント。しかし、今回の大統領令は、ドッド・フランク法を実施する米証券取引委員会(SEC)や米商品先物取引委員会(CFTC)といった独立機関にはいっさい適用されない。

さらに言えば、3ページに及ぶこの大統領令はあまりに大まかすぎて判読しづらい。たとえば、コストの算出方法を明記しておらず、業界の負担に言及しているのか、それとも実施に必要なリソースについてなのかも明らかにされていない。こうした重要な詳細については、OMBの取り組みに委ねられている。

企業はすでに、国際貿易における税や関税の変更によって起こり得る影響とともに、イスラム圏7カ国の市民に対する一時的な入国制限の評価にとりかかっている。1つの規制を導入するなら2つを撤廃するという大統領令は、事を簡素化するというより、さらなる混乱を拡散しかねない。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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http://jp.reuters.com/article/trump-regulation-idJPKBN15H03R?sp=true


 


 
反トランプデモが暴徒化、米大学閉鎖 講演会場に花火も
ロサンゼルス=平山亜理2017年2月2日17時30分
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写真・図版
1日、カリフォルニア大学バークリー校でイアノポウロス氏に抗議する人々=AP
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20170202003359.html


 米カリフォルニア州にあるカリフォルニア大学バークリー校で1日、トランプ大統領を支持する英国人コメンテーターが講演することに反対する若者たちのデモが暴徒化し、大学が閉鎖された。米CNNなどが伝えた。

特集:トランプ米大統領
 講演する予定だったのは、保守的なニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のミロ・イアノポウロス氏。数千人が集まったデモは、当初は平和的だった。ところが黒装束姿の数十人が加わり、講演会場に花火などを投げつけたり、窓ガラスを割ったりした。講演は中止された。

 イアノポウロス氏は自身のフェイスブックに「暴力的な左翼のデモがなだれ込み、私は避難した」「左翼は言論の自由におびえ、止めるためなら何でもする」と書き込み、デモを批判した。(ロサンゼルス=平山亜理)

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http://www.asahi.com/articles/ASK22458MK22UHBI019.html


 


2017年 2月 2日 1:08 PM JST
焦点:ティラーソン氏、ハンディ背負って国務長官就任へ

[ワシントン 1日 ロイター] - 米国務長官に承認されたレックス・ティラーソン氏は、極端に厳しい外交環境の下で就任せざるを得なくなった。

シリアの内戦、北朝鮮の核問題、中国の台頭、傍若無人なロシアなど、ただでさえ世界が混沌とする中、トランプ大統領が就任早々イスラム諸国や欧州諸国、メキシコを敵に回したからだ。

米上院本会議は1日、ティラーソン前エクソン・モービル会長の国務長官就任を承認した。正式な就任日はまだ決まっていない。

外交政策専門家の見方では、トランプ大統領は就任後の12日間で「自傷行為」を犯してしまった。

ある米高官は「我が国は数々のオウンゴールを入れてしまった。新政権には混乱や摩擦がつきものだが、今回はいつもより悪い」と話す。

トランプ氏は、メキシコの負担で国境に壁を建設すると主張し続け、同国のペニャニエト大統領は1月26日、トランプ氏との会談を中止するという異例の手段に出た。

トランプ氏は続いて、イスラム圏7カ国の市民・難民の米国入国を制限する大統領令に署名。対象国だけでなく、他のイスラム諸国、ドイツや英国などの同盟国、さらには米国務省の官僚からも反発が巻き起こった。

<失地回復からスタート>

関係筋によると、国務省では職員約900人が入国制限を非難するメモに署名。スパイサー大統領報道官は30日、「大統領令に従えない官僚は辞めてよい」と述べた。

ティラーソン氏がまだ就任もしていない段階で、同氏がうまくやっていく必要のある2陣営、つまり諸外国と米国の外交官らが気分を害してしまった格好だ。

ジョージ・W・ブッシュ元政権下で国務省の法律顧問を務めたジョン・ベリンガー氏は「彼はハンディを負って就任する。諸外国および国務省職員との間で信頼感を築くべく、失地を回復する必要に迫られるだろう」と言う。

別の元国務省高官は「ホワイトハウスと省の職員が共に不満を抱え、疑心を募らせる中にティラーソン氏は踏み込んで行くことになる。(世界情勢が)混沌としており、既に十分困難な環境だったのに」と案じた。

複数の現職、元職の米高官は、大統領令の署名に至るプロセスに当惑している。議会や同盟国はおろか、政権全体で根回しした痕跡が見受けられないからだ。

ケリー国土安全保障相にとって、入国制限令は寝耳に水に近かったとされる。ニューヨーク・タイムズ紙によると、トランプ大統領が署名した時、ケリー氏はホワイトハウスの電話会議に出席中で、この件について初めてきちんとした説明を受けた。

国防総省元高官のローレン・デジョング・シュルマン氏は、今のホワイトハウスがこうした問題を閣僚らに相談していないのは公然の秘密だとした上で、「国務長官が権限と影響力を持ち得るのは、大統領の考えを代弁しているという前提があってこそだ」と指摘。「初日に情報を知るのが外国の人々だという事実は、ティラーソン氏の力を決定的に弱める」と述べた。

(Arshad Mohammed記者 Lesley Wroughton記者)
http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKBN15H0A7
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/598.html

[国際17] トランプ大統領との対立に賭ける方法 メキシコや中国と違い、投資家には賭けを分散可能  百貨店、大閉店時代の始まりか!?
トランプ大統領との対立に賭ける方法
メキシコや中国と違い、投資家には賭けを分散する選択肢がある
2017.2.2(木) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙?2017年1月28/29日付)

トランプ氏のツイートで株自動取引、米企業がAIプログラム開発
ドナルド・トランプ米大統領。ホワイトハウスで(2017年1月30日撮影)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM〔AFPBB News〕
?これがいわゆるメキシカン・スタンドオフ*1なのか、それとも米国のリアリティー番組の悪い例なのか。それはさておき先日の米国・メキシコ関係の恐ろしい破綻は、米国が自国を第一に置くようになったことで状況がどれだけ変わるのかについて、とても役立つリハーサルの場を世界中の国々に与えてくれている。

?メキシコは1億2000万人の人口とかなり大きな経済を擁し、米国と非常に長い国境を接している。この国は米国にとって極めて重要だ。だが、多くの材料で米国を脅すことはできない。

?米国が負担を強いられるかもしれない唯一の実質的なコストは、米国の対策が国境の南側で全面的な危機を引き起こした場合に生じる。隣に破綻国家が存在することは不健全であり、その結果、米国への移民大量流入が再び生じる可能性が高い。

?だが、ドナルド・トランプ大統領の次のターゲットは中国だ。中国との交易条件に何らかの変化があれば、世界が揺さぶられる。また、メキシコは米国との貿易戦争に勝てないが、中国は何とか勝てるかもしれない。

?中国を別としても、トランプ氏はすべての保護主義者が突きつけられる問題に直面する。外国為替市場がそれだ。ドル高は、米国の競争力を強化するためのその他すべての対策を帳消しにする恐れがある。すべての国を犠牲にして米国が勝つためには、トランプ氏は為替トレーダーと自国の中央銀行をにらみ倒す必要がある。

*1=互いに銃などを突きつけ合い、身動きの取れない状態になること

?では、メキシコとのにらみ合いは何を教えてくれるだろうか。

?トランプ氏は長らく、メキシコとの国境沿いに壁を建設し、その費用をメキシコに払わせることを確約してきた。メキシコは費用負担を拒んでいる。トランプ氏は就任1週目に、この壁を建設する大統領令に署名した。ツイッター上での怒りに満ちたやり取りの後、メキシコ大統領は翌週に予定されていた首脳会議をキャンセルした。

?ゲーム理論に従えば、こうなった以上、引き下がるのは難しい。メキシコは絶対に費用を払うわけにはいかない。こんなことに同意するという屈辱は、反乱につながりかねないからだ。

?一方、トランプ氏は自分が何をするか、はっきり明言していた。メキシコに壁の建設費用を払うよう頼む計画をやり抜かなければ、トランプ氏の支持者たちは当然、憤慨するだろう。同氏も引き下がるわけにはいかない。

?市場に対する影響はどんなものだったか。メキシコの通貨ペソは史上最安値まで売り込まれ、株式市場は(米大統領選直後の一時的な反発を除けば)トランプ氏が選挙運動を始めて以来、その他すべての主要新興国をアンダーパフォームしている。その結果、メキシコからの輸入品が安くなる一方、米国にとってカナダ、中国に続いて3番目に大きな貿易相手国であるメキシコにモノを売ることが難しくなる。

?メキシコにとっては、ペソ安は輸入品価格を引き上げることでインフレ圧力を強める。さらなる通貨安を食い止めるために、メキシコの中央銀行は繰り返し利上げすることを余儀なくされており、今後も利上げを続けると見られている。これは、ガソリン税の増税をめぐる抗議活動によってすでに打ちのめされている経済から活力を奪い去る恐れがある対策だ。端的に言えば、見通しは米国にとって悪く、メキシコにとってはほとんど破壊的だ。

?これは中国にとってどんな予兆なのか。まず、我々はトランプ氏が言ったことをやり、中国を相手に戦うであろうと想定すべきだ。中国はすでに、貿易戦争を覚悟している。

?次に、中国に対応はすでに用意されている。中国から資本を引き揚げることが難しくなった。もし中国からの輸入品が突如、値上がりしたら、米国の消費者が痛めつけられることになる。

?では、誰が貿易戦争に勝つだろうか。英エクストラットのジョン・ポール・スミス氏が言うように、過剰債務を抱えた中国の方がシステミックな危機のリスクが大きい一方、米国は貿易とサプライチェーンの混乱に苦しめられる。

?同氏いわく、資本逃避を食い止める対策は長期的には続かず、「米国が容認できるどんな解決策も中国の貿易黒字の縮小をもたらすため、たとえ長引く論争がなかったとしても、中国の経済成長は市場がより大幅な通貨下落か金融危機(あるいは両方)を割り引いて評価し始めるところまで減速する可能性が高い」。

?これは、すべての人にとって好ましくない。西側諸国は多くの人(トランプ氏を含む)が認識している以上に中国から恩恵を得ている。モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)によると、中国が昨年初めに景気刺激策を開始して以来、売上高において中国への依存度が最も高い西側企業の株価は50%以上上昇し、市場全体をやすやす上回っている。

?リフレーションへの賭けは世界的だ。この動きは昨年11月の米大統領選によって拍車がかかったが、始まったのはもっと早く、中国が景気刺激策に乗り出したときだった。もしかしたら我々は、これを習ファクターと呼ぶべきなのかもしれない。中国の中央銀行が貸し付けを抑制し始めた今、習ファクターは間もなく衰えるだろう。

?では、投資家はどうすべきなのか。

?まず、ボラティリティー(変動率)が高まるのを覚悟すべきだ。次に、米ドルと米国債に大量の資金が流入し、ドルを押し上げ、国債利回りを押し下げる事態に備えるべきだ。ドル高と米金利低下は、米国製品の競争力を引き下げる一方で、新興国の政府とドル建て債務を抱えた国々を危機の瀬戸際まで追い込む。強すぎるドルはまさにトランプ氏が避けたいと思っているものだ。

?勝つためには、米国はドル相場をめぐるにらみ合いにも勝たなければならない。この戦いの結果は不透明だ。メキシコと中国とは異なり、投資家には、トランプ氏に迎合することも立ち向かうこともせずに、自分の賭けを分散させる選択肢がある。投資家はそうすべきだ。

By John Authers
c The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Please do not cut and
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49071


 

百貨店、大閉店時代の始まりか!?
2017.2.2(木) 経営プロ
経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」から選りすぐりの記事をお届けします。

地方で相次ぐ老舗百貨店の閉店

 2016年10月30日、西武旭川店が営業を終了した。同店のオープンは1975年。以来40年以上、JR旭川駅前という立地もあって地域の人々に親しまれてきたが、業績不振が続き長い歴史に幕を下ろさざるを得なくなった。2016年2月期の売上げは約105億円でピーク時の4割程度に落ち込んでいたという。

 最近、百貨店の閉店が相次いでいる。そごう柏店も開店以来40年以上続いた老舗百貨店だったが、同じく10月30日にその歴史に幕を下ろした。ほかにも、三越千葉店、西武筑波店、多摩センター三越などの閉店が予定されている。

 百貨店がこれほど業績不振に陥る理由は、一体何だろうか?

 そごう柏店を例に挙げると、店舗のあった柏市は東京のベットタウンとして人口増加が続いるにも関わらず、売上げは落ち込んでいた。10年連続で減少し、最近はピーク時の5分の1ほどになっていたというのだ。

 その原因の一つは2005年のつくばエクスプレスの開業だ。茨城県つくば市と東京都秋葉原を最短45分でつなぐ新路線の開通によって買い物客は都心まで手軽にいけるようになり、周辺都市から柏に来る必要がなくなったのだ。実際、柏駅の乗降客は1割以上減少した。

 加えて、国道沿いに複数の大型ショッピングセンターがオープンしたことも原因として挙げられる。単に買い物ができるだけではなく、映画館などもあり、家族連れで1日楽しめる施設に対抗できなかった。

 これは何もそごう柏店に限った話ではない。閉店、あるいは閉店が予定されているのは地方都市の百貨店に多い。つくばエクスプレスの開業というように明確な出来事はないものの、電車やバスで数十分でいける近くの大都市や都心まで足を伸ばす買い物客が増えているようなのだ。

本コラムは「経営プロ」の提供記事です
 ファッション衣料やちょっと珍しいものが欲しいとなったら、どうしても面積が広くて品揃えの豊富な大都市店、都心店へと足を伸ばすのが自然な消費行動だ。見方を変えれば、大都市店、都心店の競争が激化して、充実した店が多くなっているともいえるだろう。

 また、地方都市の郊外に大型ショッピングセンターの進出が相次いでいる点も、共通している店舗が多い。

心配される地方の暮らし

 さらに、コンビニエンスストア、ネット通販などの台頭が百貨店の客離れに拍車をかけた。中国人観光客の「爆買い」の鈍化も原因の一つとされている。

 業績不振に陥っているのは百貨店だけではない。セブン&アイ・ホールディングが、2015年10月、イトーヨーカ堂のスーパー40店を2020年2月までに閉鎖することを発表するなど、いわゆる、GMS(ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア=総合スーパー)も大閉店時代に突入したとの声が聞かれる。背景は百貨店同様、大都市店や都心店、大型ショッピングセンターとの競争激化のようだ。

 これまで、地方都市では中型店の進出で地元商店街が姿を消し、大型店の進出で中型店が閉店するといった現象が起こっていた。

 そのたびに品揃えの豊富な店ができ、消費者にとっては利便性が増してきたように見える。しかし、買い物ができる場所は確実に遠くなっている。店舗の規模が大きくなるほど、より広い商圏が必要となるからだ。トイレットペーパー一つ買うにも車がなければ難しいというところも珍しくない。

 百貨店や総合スーパーの閉店が雇用や地域経済へどのような影響を及ぼすかも懸念されるが、それ以上に生活面でどのような影響が出るかが心配される。地方では高齢化が進んでおり、運転免許を返納する人も多い。このままではいずれ生活が成り立たなくなる日も来るかもしれない──。相次ぐ百貨店の閉店は深刻な面も含んでいそうだ。

*本稿は経営・ビジネスの解決メディア「経営プロ」の提供記事です。

*経営プロの関連記事はこちらです。
・休ませ上手は経営上手!?
・【新卒採用】学歴フィルターは悪か
・残業問題における上司と部下の仁義なき戦い
・CS(顧客満足)よりも、ES(従業員満足)を!
・数分の遅刻で30分賃金カットは合法の会社もあり違法の会社もある
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49073


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/734.html

[政治・選挙・NHK220] 「万年野党」が前臨時国会の「三ツ星議員」発表 磯山友幸の「政策ウラ読み」  野党はなぜ「対抗軸」になれないのか 議員立法
「万年野党」が前臨時国会の「三ツ星議員」発表
磯山友幸の「政策ウラ読み」
野党はなぜ「対抗軸」になれないのか
2017年2月3日(金)
磯山 友幸

質問数や議員立法の提案回数などを基に国会議員を格付け

 NPO法人万年野党(田原総一朗会長、宮内義彦理事長)が1日、恒例の「三ツ星国会議員」を発表した。国会毎に国会議員の活動を評価し格付けしているもので、今回は2016年9月26日に召集され同年12月17日に閉幕した臨時国会(192国会)が対象。衆議院議員13人、参議院3人の「三ツ星議員」に加え、衆参で5人の議員を「特別表彰」とした。

衆議院議員・参議院議員合わせて16人選ばれた「三ツ星議員」のうちの1人、民主党の長妻昭議員。
■NPO法人万年野党が「三ツ星」と評価した16人の国会議員(衆議院議員および参議院議員)。

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「191.192国会版 国会議員三ツ星データブック」(NPO法人万年野党 編)より。以下同。

決して議論が活発に行われた国会ではなかった

 「三ツ星議員」の選定基準は国会での活動を定量的に評価したもので、「質問回数」「質問時間(衆院のみ)」「議員立法提案件数」「質問主意書提出件数」の上位者に★を付けている。与党議員は大臣や各委員会の委員長を務めて質問しないケースも多いため、役職者にも★1つを付与。今回は、各評価項目のトップや政党内での質問トップにも追加で★1つを与えた。
 昨年9月から12月まで開かれた秋の臨時国会(192国会)の会期は83日間。1月から6月まで開いた通常国会(190国会)は150日間だったので半分強の日数だった(なお、第24回参議院議員通常選挙の結果を受け、参議院の議長・副議長の選挙などが行われた「191国会」は昨年8月1日から8月3日までの3日間)。
 臨時国会での衆議院の質問時間総計は2万3621分(393時間41分)と、通常国会の4万7238分(787時間18分)のほぼ半分で、ほぼ通常国会並みの質問量だったことになる。もっとも、通常国会自体、サミットや参議院選挙を控えて質問が低調だった国会で、その流れを引き継ぎ、決して議論が活発に行われた国会ではなかった。

野党の存在感の大きい参議院の方が、議論が活発化

 参議院選挙で民進党などの野党が「阻止する」とした、憲法改正の発議が必要な「3分の2は取らせない」との方針は、参院選で打ち砕かれ、数の上では「改憲勢力」に3分の2を許した。ところが安倍内閣は臨時国会で積極的に憲法改正論議に踏み出すことは避け、憲法審査会での議論に委ねる姿勢を貫いた。予算委員会などで、憲法改正に関する安倍首相の姿勢を問う質問も、野党側から繰り返し出されたが、安倍首相は国会での議論に委ねるとして具体的な改正点などに言及することを避けた。参院選を受けて憲法改正が争点になるとみた左派野党の思惑が外れる結果になったことも、質問時間が伸びなかった一因だった。
 一方、参議院の質問回数は総計803回に及んだ。衆議院の質問回数が926回だったことを考えると、議員定数が圧倒的に少ない参議院の方が相対的に活発な議論が行われた格好になる。会期が2倍近かった通常国会での参議院の質問が1354回だったことを見ても、192国会の参議院の質問は多かったとみていい。参院選では自民党などが善戦したとはいえ、圧倒的な多数を握る衆議院に比べれば、野党の存在感も大きいため、議論が活発化したと見ることもできる。



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民進党の議員立法の提案が激減

 臨時国会では、「議員立法」の提案件数に大きな変化が出た。民進党が誕生した190国会では、「批判だけでなく対案を出す党」を標ぼうした民進党が議員59人によるのべ268回の議員立法提案を行ったが、192国会ではこれが激減。18議員によるのべ20回の議員立法提案にとどまった。190国会では民進党と共闘を組んだ共産党も、のべ20回、議員立法を提案したが、192国会ではわずか2回だった。これにより衆議院全体の議員立法提案数はのべ43回と低調に終わった。
 一方、参議院では大きな変化が起きた。議員立法を提案するには衆議院で20人、参議院で10人の「賛成者」が必要になる。7月の参議院選挙を経て12人の勢力を確保した日本維新の会が、「100本の議員立法を出す」方針を決めた。実際、臨時国会の会期中に101本の議員立法を提出し、11人の議員がのべ203回の提案を行う形となった。この結果、参議院の議員立法はのべ235回となり、190国会ののべ67回から急増した。

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質問主意書については、民進党議員の提出が目立った
 質問主意書は、衆議院、参議院ともに民進党議員の提出が目立ったが、共産や維新など、その他の野党の提出がほとんどなかった。参議院で積極的に議員立法を提案した維新も、質問主意書は活用しなかった。自民党や公明党は、政権与党であるとの立場から、政府に対する質問である質問主意書の提出は行わないことを申し合わせている。

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議員立法を出しまくった維新の行動には批判も

 議員立法を出しまくった維新の行動には批判もある。通る見込みのない立法を提案するのは無駄だ、というものだ。だが、数年前まで国会に出される法案の大半は「閣法」と呼ばれる内閣提出の法案ばかりで、議員立法の提案は極めてまれだった。内閣提出といっても閣僚が法案を作るわけではなく、霞が関の官僚たちが作るわけで、国会議員はそれにお墨付きを与えるだけの存在になっていた。
 議員立法を提案するには国会議員自身が政策を勉強し、立法手続きに通じる必要がある。国会議員数名の連名で提案することが多いが、それを審議するかどうかは議院運営委員会で各党折衝の中で決めるため、野党提案の法案は棚ざらしにされる傾向が強い。それでも、野党の政策立案能力を高めることにつながるとみられる。
 議員立法が増えたここ数年での変化は、委員長提案による法律案が可決されるケースが出て来ていること。与野党の立法提案を歩み寄らせたうえで、委員長が提案する形を取る。これも議員立法に分類される。

カジノを解禁する「統合リゾート法案」も議員立法で成立

 つまり、野党が対案を出し、それに与党が乗って修正作業を経ることで、法律を成立させるような例が出てきたのだ。前臨時国会で成立したカジノを解禁する「統合リゾート法案」も議員立法で成立した法律だ。
 1日の万年野党の総会には「三ツ星」に選ばれた議員が表彰式に集まったが、そのうちの長妻昭、井坂信彦、東徹、浅田均、木下智彦の各議員が残り、パネルディスカッションを行った。ジャーナリストの田原総一朗氏の司会で、オリックスのシニアチェアマンである宮内義彦氏と作家で元経済企画庁長官の堺屋太一氏も議論に加わった。

2月1日に開催された「万年野党」の総会には、「三ツ星」に選ばれた議員のうち、長妻昭、井坂信彦、東徹、浅田均、木下智彦の各議員が残り、パネルディスカッションを行った。ジャーナリストの田原総一朗氏の司会で、オリックスのシニアチェアマンである宮内義彦氏や、作家で元経済企画庁長官の堺屋太一氏も議論に加わった。
自民党とは明確に違いが分かる政策、ビジョンを打ち出すべきだ
 米国のトランプ大統領の評価などから議論を始めたが、田原氏の関心事はもっぱら「なぜ野党は安倍内閣に4回も連続で選挙に負けるのか」というもの。堺屋氏からも「ひと言で言って野党が不甲斐ない」といった厳しい指摘が出た。
 宮内氏からは「野党が対抗軸を作れていないのではないか」という指摘があった。自民党政治の延長線上で争っていては、自民党が優位になるのは当たり前、自民党とは明確に違いが分かる政策、ビジョンを打ち出すべきだ、というわけだ。また、民進党の支持母体である連合は、労働者の17%しか代表していない正社員の既得権を守る存在で、民進党が改革政党になりきれない一因だという指摘もあった。

健全な「対抗軸」は絶対に必要

 これに対して民進党の長妻氏は「自民党との体質の違いを徐々に国民に分かってもらえるよう訴えていく」といった発言が出ていた。維新の浅田氏は「決して対抗軸が作れていないとは思っていない」と発言していた。議員立法によって対案を積極的に出すことで、自民党とは違った政策を担う政党としての存在感を示そうとしていることが背景にあるのは明らかだったが、田原氏からは「維新は(野党なのか与党なのか)立ち位置がはっきりしない」という指摘が出ていた。
 安倍内閣は政権発足から4年を過ぎたが、依然として高い内閣支持率を保っている。国民の目からみれば、政権交代を託せる信頼感のある「野党」が出てきていないということだろう。かといって政権が長期化すれば、いずれ「緩み」や「腐敗」が生じることになりかねない。健全な「対抗軸」が必要であることは間違いない。果たして日本の野党はどうやって対抗軸を打ち立てていくことになるのだろうか。


このコラムについて
磯山友幸の「政策ウラ読み」
重要な政策を担う政治家や政策人に登場いただき、政策の焦点やポイントに切り込みます。政局にばかり目が行きがちな政治ニュース、日々の動きに振り回されがちな経済ニュースの真ん中で抜け落ちている「政治経済」の本質に迫ります。(隔週掲載)
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http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/143.html

[政治・選挙・NHK220] 日米外交、親密と信頼をはき違えるな 危うい幻想「日本のコメは世界一」  続「vs米国産」、おいしいのはどっち? ニッポン
日米外交、親密と信頼をはき違えるな

田原総一朗の政財界「ここだけの話」

2017年2月3日(金)
田原 総一朗

(写真=Alessandro Di Ciommo/アフロ)
 アメリカのドナルド・トランプ大統領が、シリアやイランなど7カ国から米国への入国を禁止する大統領令を発令した。

 サリー・イエーツ司法長官代理が「大統領令が合法だという確信がない」として、従わない意向を司法省に伝えたところ、腹を立てたトランプ大統領は彼女を即座に更迭した。これは無茶苦茶な話だ。

 入国禁止に反対するデモには、おびただしい数のアメリカ国民が参加している。トランプ政権内部、例えば国務省の官僚たちも約900名が反対しているという。米国内だけではない。英国やスコットランド、香港や日本など世界中で抗議のデモが起こった。

 企業からも批判の声が上がる。自動車大手のフォードやゼネラル・モーターズ、金融大手のゴールドマンサックス、IT大手のアップル、グーグルやフェイスブックなどの米国企業のトップらも反対を表明している。

 その中で、日本の安倍晋三首相はどうか。1月30日の衆議院予算委員会で、安倍首相は野党からの質問に対して「コメントをする立場にはない」と回答を避けた。

 首相というのはコメントする立場にないどころか、一番コメントしなければいけない立場にあるのではないだろうか。

 2月10日に控える安倍・トランプ会談に悪影響をもたらすことを危惧しているのだろう。しかし、1月27日にトランプ大統領と会談したメイ首相ですらも反対を表明している。メイ首相だけではない。カナダのジャスティン・トルドー首相は1月28日に、「カナダはどんな宗教の人も歓迎する」とツイッターでつぶやいた。彼もまた、近くトランプ氏と会談予定であり、安倍さんとは同じ立場にある。それでも、一国のリーダーとして自分の意見をきちんと表明した。

 それに比べると、コメントを控えた安倍首相の弱気な姿勢が目立つ。このような姿勢で、10日の安倍・トランプ会談できちんと日本の意見を主張できるのだろうか。

安倍・トランプ会談では、防衛費増額を要求される

 今、日米間には様々な問題が横たわっている。

 例えば、トヨタ自動車がメキシコに新工場の建設を進めていることに対して、トランプ大統領は強く反発し、「アメリカに建てろ」と言った。

 あるいは、トランプ大統領は日米自動車貿易について「公正ではない」と批判している。しかし、前回書いた通り、実際には米国からのクルマの輸入に関税はかかっておらず、日本からの輸出には2.5%の関税がかかっている。公正でないとするならば、それは米国有利の不公正だ。

 こんな問題もある。2月2日から、ジェームズ・マティス国防長官が韓国と日本を訪問する。3日には安倍首相を表敬し、稲田朋美防衛大臣と会談する予定だ。

 トランプ大統領は選挙の時に、「在日米軍の駐留費用を日本は全額負担すべきだ。しないのであれば、在日米軍は日本から撤退する」と主張していた。しかし、日本は在日米軍にかかる費用の75%を負担している。これは韓国の40%やドイツの30%と比べたら、格段に多い。そういうこともあり、マティス国防長官は日本に対して、「防衛費の増額を要求するのではないか」という声が関係者の間から漏れ聞こえてくる。

 先日、トランプ大統領はイギリスのメイ首相との会談で、北大西洋条約機構(NATO)の重要性を強調していた。NATOが加盟国に求める防衛費負担の目標値は、国内総生産(GDP)比2%だ。しかし、このノルマを果たしているのは、米国を除くと英国やポーランドなど4カ国しかない。トランプ氏はこの点を指摘し、「少なすぎる。同盟国はもっと負担すべきだ」と主張している。

 一方、日本の防衛費はGDP比で約1%だ。おそらく3日の会談では、マティス氏はその部分を指摘し、「もっと増やせ」と要求してくるのではないだろうか。

 防衛関係者が懸念しているのは、防衛費の増額を求められるだけでなく、その増加分でアメリカの兵器を買えと言ってくるのではないか、ということだ。

 安倍・トランプ会談の前に、マティス国防長官の訪問があることは、アメリカの1つの戦略だろう。マティス氏は稲田防衛大臣との会談で、日本に対して国防費の増強などの要求をする。その上で後日、安倍首相がトランプ氏との会談に向かう。すると安倍首相は、何かしらの答えを持っていかねばならない。

 そういったアメリカの要求に対して、安倍首相はきちんと対応出来るのか。僕はいささか心配だ。

マティス国防長官が先に韓国を訪問するのは「THAAD」配備に釘を刺すため

 一方で、安倍さん自身が元々防衛費を増やしたいと考えているのではないか、という見方もある。

 そもそも保守派の多くは、日本が中国や北朝鮮への対応で防衛費を増やすべきだという考え方を持っている。安倍さんも例外ではない。しかし、自民党が「防衛費を増やしたい」と言えば、野党や国民から反対の声が上がるのは目に見えている。

 そこで、アメリカから「防衛費を増やせ」と言われれば、これ幸いと主張することができる。こういった思惑も、安倍さんにあるのかもしれない。

 もう1つ、今回、マティス国防長官が日本より先に韓国を訪問する点にも注目したい。

 先に韓国に行く理由は、北朝鮮問題に“釘を刺す”ためだろう。韓国では、朴槿恵大統領の弾劾裁判が決まり、この夏にも大統領選挙が行われると言われている。今の情勢では、野党候補が大統領になる可能性が高い。

 朴槿恵政権は、反日親中だった。ところが昨年、在韓米軍へ「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を配備すると米韓が共同声明を発表した時、中国が強く反発した。反日路線は続き、かつ中国との関係が悪化したままとなると、韓国は八方ふさがりの状態が続く。

 ここでもし、韓国で野党の候補者が大統領になり、北朝鮮に対して融和路線へと転換すれば、THAADの配備を破棄する可能性がある。アメリカはそれを心配して、「THAAD配備を覆すな」と念を押すために先に韓国を訪問するのだろう。

日本もアメリカも「保護主義」ではやっていけない

 安倍・トランプ会談の大きなテーマは、国防費と貿易均衡の問題になる。特に、アメリカは環太平洋経済連携協定(TPP)に参加しない意向を示しているから、日本に2国間貿易協定の交渉(FTA)を持ちかけるだろう。これは、日本にとって相当妥協を強いられる厳しい交渉になると思う。

 現に米韓でFTAの交渉をやった時、韓国は相当不利な条件を飲まされた。日本にも同じような交渉をしてくる可能性がある。

 日本としてどうしていくのか。アメリカに対して何を求めるのか。安倍さんは10日の会談でトランプ氏にきちんと打ち出さなければならない。

 もし、僕が安倍さんの立場であれば、トランプ氏の進めている政策がアメリカにとってプラスにならなないことを指摘する。アメリカは、確かに自動車などの第二次産業においては輸入が多いが、金融やソフトウエアなどは大輸出国だ。アメリカはむしろ、グローバリズムの中で繁栄している国なのだ。そういった矛盾を示した上で、日米貿易の交渉をすべきだと思う。

 日本もグローバリズムの中で成長していく国だ。トランプ氏は「アメリカ人は、アメリカで作ったものを買い、雇用を増やしていく」という完全な保護政策を進めようとしているが、これでは日本経済は非常に厳しい状況に陥るだろう。

 安倍さんがトランプ氏との会談でどこまでがんばれるか。ゴルフを一緒に回って親密ぶりをアピールしたとしても、それは世界では全く評価はされない。交渉相手として信頼されるためには、自らの意見をきちんと社会に伝える必要がある。国の代表として、毅然とした態度で日本の意見を主張してほしい。


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田原総一朗の政財界「ここだけの話」
ジャーナリストの田原総一朗が、首相、政府高官、官僚、財界トップから取材した政財界の情報、裏話をお届けする。
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危うい幻想「日本のコメは世界一」

続「vs米国産」、おいしいのはどっち?

ニッポン農業生き残りのヒント

2017年2月3日(金)
吉田 忠則
 「日本のコメは世界一おいしい――。そう言われると、多くの人は自尊心をくすぐられるし、本当にそうだと思っている人も少なくないだろう」

 こんな書き出しで昨年、この連載で記事を書いた(2016年8月5日「検証!日本vs米国、うまいコメはどっち?」)。書き出しのトーンで予想できる通り、記事の内容は日本のコメが米国よりも一方的においしいとは言えないというものだった。

なぜ国産米だけで競うのか

 「豊葦原の瑞穂の国」の日本人のプライドをゆさぶる根拠になったのが、日本炊飯協会が実施した食味検査だ。検査で使ったのは米国を代表するコメのカルローズと、山形産のササニシキ、はえぬきの3種類。コメを炊き、酢飯にして味を比べたところ、総合評価で軍配が挙がったのはササニシキで、カルローズとはえぬきに有意差はなかった。

 この検査のポイントは、ご飯を酢飯にして比べた点にある。米国のすし店で働く日本人の職人のあいだで「カルローズは酢飯に合う」という評判が高まっているからだ。あえて相手の「土俵」に上がることで、日本のコメが本当に優位にあるのかどうかを確かめたわけだ。

 結果は、酢飯としての評価が高く、高級すし店で使われるササニシキはカルローズに負けなかった。だが、スーパーのすしや回転ずしで使われることの多いはえぬきは、カルローズと有意差はなかった。

 すると当然、つぎの疑問が浮かぶ。「酢飯ではなく、白米で食べ比べたら、どうなるのだろう」。日本穀物検定協会が毎年実施しているコメの食味検査に代表されるように、日本中の産地がコメの味を競い合っている。「今年は特Aがこれだけ増えた」といったことが、稲作の活況を示すかのように語られる。

 ところが不思議なことに、外国のコメと正面から比べることはほとんどない。海外からの輸入を心配するどころか、「稲作の活路は輸出にある」などの指摘が農業界にはある。にもかかわらず、品質で比べてみようとしない姿勢は奇妙なことと言わざるをえない。

 今回、日本炊飯協会はこの難題に挑戦した。中食や外食に炊いたご飯を提供する企業の集まりである日本炊飯協会にとって、内外のコメの味をいかに客観的に評価するかは切実な問題だ。利幅の薄い中・外食業界にとって、「値ごろ感」は重要な要素だからだ。値ごろ感は品質と価格のバランスで決まる。そして、年10万トンと枠は小さいが、海外からコメを輸入することはできる。

カルローズvs国産米、再び

 検査は1月17日に実施した。炊いたご飯を食べ比べ、味を評価した官能検査員は16人。炊飯メーカーの社員など、いかにご飯をおいしく炊くかを仕事にしている専門のメンバーだ。周囲の検査員の判断に影響されないようにするため、机にはパーテーションを立てた。


日本炊飯協会が実施したコメの食味検査の様子(日本炊飯協会提供)
 比較に使ったカルローズは、USAライス連合会を通し、サンプルとして直近の2016年産を取り寄せた。外国米の需要が十分にはないなかで、一般に輸入されているカルローズは、必ずしも上質のものではない可能性があるからだ。それと比べたのでは、米国に住む日本人の「こっちのコメも結構おいしい」という感覚とズレが出る恐れがある。

 比較対象の国産米は4種類。山形つや姫、茨城コシヒカリ、北海道きらら397、栃木あさひの夢だ。前2者は業界でA銘柄と呼ばれているもので、家庭の食卓で食べることが多い品種だ。これに対し、あとの2者はB銘柄と呼ばれ、中食や外食など業務用で使われることが多い。そして、値段は一般的にA銘柄のほうが高い。

 結果は、つや姫とあさひの夢はカルローズよりも総合評価が高く、評価数値には有意差があった。一方、きらら397と茨城コシヒカリの数値はカルローズより高かったものの、有意差はなく、ほぼ同程度という結果になった。

 検査ではコメの外観や香りなど、細かい品質も比較した。例えば、粘りを比べると、カルローズより茨城コシヒカリのほうが粘りが強いという結果が出た。ただ、総合評価と違い、個別の項目は必ずしも品質の優劣を示すわけではない。例えば、家庭で食べるコメは粘りの強いものが好まれる傾向があるが、レストランではあまりに粘りが強いコメは敬遠される。丼物の汁が通りにくかったり、コメが食器にひっついて洗いにくかったりするからだ。


検査方法は日本穀物検定協会の基準に準拠した(日本炊飯協会提供)
 2回の検査を通し明らかになったのは、カルローズにとって有利とみられた酢飯だけでなく、白米で食べても必ずしも国産米がおいしとは限らないということだ。しかも、国内では比較的おいしいとされるA銘柄でさえ、はっきりとカルローズより上だと言えないケースがあることもわかった。

100円の違い「使ってみたい」

 この結果をどう受け止めるべきなのだろう。検査結果を公表した日本炊飯協会の1月26日の総会では、会員企業から「値段はどうなっているのか」という質問が出た。値ごろ感を重視する業界として当然の質問だろう。これに対し、福田耕作会長はつぎのように答えた。

 「カルローズはマークアップ(政府が受け取る輸入差益)を乗せると1キロで150円で、さらに異物などを取り除く調整費を乗せると170円になる。かたや、きらら397は270円。100円の違いがある」

 「ただし、輸入枠はわずか10万トンしかない。100円の差があっても簡単には手に入らず、基本は国産を使わざるをえない」

 集まった企業はこの結果に考え込むとともに、「使ってみたい」という声がもれた。後述するように業務用のコメは品薄状態が続き、コメ卸が売り先に値上げを求めているからだ。

 このやりとりには補足が必要だろう。取材で福田氏にあらためて検査結果への感想をたずねると、「食品企業は味がよく、安全な食品をできるだけ安く提供する義務がある。100円の差があるのに提供しないのは、消費者にとっていいことなのだろうか」。福田氏は「できる限り国産を提供するのが基本」という立場だが、それでも品質がほとんど変わらず、値段には大きな違いがあるという現実に複雑な表情をみせた。

 品質が同じで安いから、ただちに外国産を選ぶべきかというと、必ずしもそうではない。食料は国民生活にとって極めて重要で、しかもコメはなお日本の主食だ。値段の安さだけで外国産に飛びついて、国産米が衰退することに賛同する国民は多くないだろう。

 問題は、日本の稲作が国民にできるだけ安いコメを提供するための努力をつくしているかというと、そうでない点にある。全国の産地が特Aを競い合い、ブランド力を高めようとしている努力は否定しない。だが農政が、補助金を使った生産調整(減反)でコメの需給を絞り上げ、その結果、業務用のコメが足りなくなり、米価が上がる現実をどう肯定すればいいのだろうか。

非効率の原因は狭さだけではない

 そう書くと、「日本の稲作を米国のように効率化するのは無理」という声が出るかもしれない。だが、日本の稲作が非効率なのは、米国と比べて田んぼが狭いことだけが原因ではない。同じ面積で比べても、日本のほうがずっと収量が少ないのだ。

 いまから約半世紀前、コメの減反を始める前は、日本の稲作の反収は世界でトップレベルにあった。だが、減反開始とともに収量の向上は政策目標から外れ、研究面でもタブーになった結果、いまや米国やオーストラリア、エジプトなどに大きく引き離された。かつて、反収が日本よりずっと少なかった中国も、日本と肩を並べつつある。

 向かうべき方向は明かだろう。効率の向上には限度がある兼業農家にまで幅広く補助金をばらまく農政をあらため、担い手に支援を集中して生産効率を可能な限り高める。それでもおそらく、米国や豪州に効率で張り合うことは難しいかもしれない。だが、ぎりぎりまで努力する姿をはっきり示したうえで、それでも無理な部分を税金で守ることを、国民は否定しないだろう。

 ちなみに、今回は安全面には触れなかったが、世界の農業大国と比べて湿度の高い日本は、一般的に農薬の使用量が多い。病害虫のリスクがより高いからだ。日本の農業を強くするためにこそ、「国産だから安心」という漠然とした思い込みに安易に乗っかる危うさを、最後に強調しておきたい。


効率の向上が稲作の将来を左右する
新たな農の生きる道とは
『コメをやめる勇気』

兼業農家の急減、止まらない高齢化――。再生のために減反廃止、農協改革などの農政転換が図られているが、コメを前提としていては問題解決は不可能だ。新たな農業の生きる道を、日経ビジネスオンライン『ニッポン農業生き残りのヒント』著者が正面から問う。

日本経済新聞出版社刊 2015年1月16日発売

このコラムについて

ニッポン農業生き残りのヒント
TPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加が決まり、日本の農業の将来をめぐる論議がにわかに騒がしくなってきた。高齢化と放棄地の増大でバケツの底が抜けるような崩壊の危機に直面する一方、次代を担う新しい経営者が登場し、企業も参入の機会をうかがっている。農業はこのまま衰退してしまうのか。それとも再生できるのか。リスクとチャンスをともに抱える現場を取材し、生き残りのヒントをさぐる。
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http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/144.html

[経世済民118] 米国が貿易戦争によらず中国を抑え込む法 身もふたもなくいえば、ヒトラーそっくり 英中銀、見通し上方修正インフレ加速に懸念
米国が貿易戦争によらず中国を抑え込む法
The Economist
建設的な対中アプローチのための提案
2017年2月3日(金)
The Economist


ダボス会議で登壇し、自由貿易に取り組む姿勢を強調する習近平国家主席(写真:AP/アフロ)
 ようこそ、混迷を極める新たな通商政策の世界へ――。現在の世界貿易体制を生んだのは米国だ。米国はこれを、その後70年にわたって守り続けてきた。ところがこのたび就任したばかりの大統領は、どうやらこの体制を一新しようと決めているらしい。この人物は現システムに破綻をもたらすかもしれない。

 一方、中国は大国として力をつけてきたもののルールに従わないことが多い。それでも習近平国家主席は現状を維持するための手段を講じている。

 米国のドナルド・トランプ新大統領がケンカ腰なのは、貿易において中国や各国から譲歩を引き出すための単なる策略か。それとも目的を妨害されれば本当に経済戦争(およびさらなる惨劇)を引き起こす覚悟があるのか。その点はいまだ明らかではない。しかしながら世界最大の経済大国とそれに継ぐ大国の関係以上に重要な二国間関係など存在しない。今後の新たな経済秩序は、トランプ大統領と習国家主席がどう付き合っていくかで決まる部分が大きい。他の多くの事柄も同様だ。そして、ここには多くの不安材料がある。

 トランプ大統領は政策が大きく揺れることで知られているが、こと貿易に関しては、米国が貧乏くじを引いているとの考えを一貫して主張している。大統領に就任してから数日のうちに、トランプ大統領は環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を宣言した。これはアジアと南北アメリカの国々が参加する自由貿易協定だ。また、海外に生産拠点を移して米国内の雇用機会を奪う米国企業には高い国境税を適用すると圧力をかけた。加えて北米自由貿易協定(NAFTA)についても再交渉する考えを明らかにした。

 貿易に対するこうした圧力とは異なり、中国に対抗したいという考えについてはまだ理解できる。習国家主席は自由市場を支持すると公言しているが、経済を重商主義に基づいて運用している。中国では、政府が指定する特定の企業だけが財務や賃借料について補助金を受けることができる。海外投資家が自国経済に参加するのを禁止する一方で、多額の資本を国内の有望企業につぎ込んでいる。例えば、半導体産業を育てるためにこれまで1500億ドル(約17兆2000億円)を充ててきた。中国市場への参加を許された企業は、知的財産の譲渡をしばしば求められる。

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必要なステップは3つ

 中国を相手に賢い取引をするつもりなら、トランプ大統領は次の3つのルールに従うべきだ。

 第一は、貿易政策と地政学を混同しないことだ。人は得てして、この衝動に駆られる。トランプ新大統領は、中国が南シナ海で主張する権利と台湾の主権問題を貿易に結びつけることで、自らの交渉力を高められると考えているようだ。しかし、愛国主義的な支持層の機嫌をとりたいのはなにもトランプ大統領だけではない。習国家主席にとって台湾は交渉の余地のない事柄であるし、南シナ海は「核心的利益」なのだ。

 第二のルールは、現実に起きた不正に的を絞ること、そして、自らを傷める行為を避けることだ。大統領選の間、トランプ大統領は中国を為替操作国に指定すると公約していた。中国が今も為替に介入しているのは、元の急激な値下がりを防ぐためである。元安を導いて輸出業者を支えるためではない。

 トランプ大統領が導入すると威嚇している包括的な関税の類は、最終的に米国の最貧民層に打撃を与えることになるだろう。米国の対中輸出品は航空機や農産物の分野に集中している。これは中国当局による報復に対して米国が脆弱であることを意味する。

 第三は、現在の国際貿易体制が擁する機関に、中国の濫用行為を訴えることだ。そして「中国は世界貿易における模範的存在だ」とする習国家主席のはったりを暴くべきである。国際貿易を管理する機構は極めてうまく機能している。オバマ前政権は世界貿易機関(WTO)に中国に関する16件の申し立てを行った。このうち敗訴したケースは一つもない。

 確かに、対立を好む短気な大統領には合わない方法かもしれない。WTOは貿易を巡る政治案件を、劇的ではない平凡なものに見せようと意図的に事を運ぶ。一つの案件が決着を見るまでに数年を要することもある。訴訟が増え過ぎればWTO自体がパンクする恐れもある。だがWTOへの申し立ては、トランプ大統領が第一の目標に掲げる米国経済の健全な成長を脅かす全面対立のリスクを軽減することにつながる。

 皮肉なことに、トランプ大統領はTPPから離脱し、最大の懸案である中国経済に影響を与えるための最善の道に自ら背を向けてしまった。TPPは現時点では中国を除外しているが、将来的には、同国が環境を汚染したり、国営企業に助成金を与えたりするのを抑制できる可能性がある。
 もしもトランプ大統領が本気で世界の貿易体制を改善したいのであれば、TPP条項の一部を復活させ、中国をはじめとする国々との重要取引の基盤として活用するはずだ。そうすれば見事な取引になるだろう。だが残念ながらそういう展開にはとてもなりそうにない。

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Jan 28th- Feb 2nd 2017 | From the print edition, All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。


このコラムについて
The Economist
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身もふたもなくいえば、ヒトラーそっくりです

(Yが)キーパーソンに聞く

新旧米大統領のスピーチ聞き比べ、トランプの政策はF・ルーズベルト的?
2017年2月3日(金)
山中 浩之
(1月21日午後6時、トランプ米大統領就任演説の直後、西新宿の喫茶店にて。以下本文敬称略)

急なお願いを聞いていただいてありがとうございます。

片山杜秀・慶應義塾大学法学部教授(以下片山) いえいえ。トランプとオバマ、新旧大統領の就任、退任スピーチを聞き比べてざっくり総括、ということでよろしかったんでしょうか。


片山 杜秀(かたやま・もりひで)氏
音楽評論家、政治思想史研究者、慶應義塾大学法学部教授。1963年生まれ。近著は『近代天皇論 ──「神聖」か、「象徴」か』(集英社新書)、『大学入試問題で読み解く 「超」世界史・日本史』(文春新書)。著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』『クラシック迷宮図書館(正・続)』『線量計と機関銃』『現代政治と現代音楽』(以上アルテスパブリッシング)、『クラシックの核心:バッハからグールドまで』(河出書房新社)、『未完のファシズム』(新潮選書)、『近代日本の右翼思想』(講談社選書メチエ)、『ゴジラと日の丸』(文藝春秋)、『国の死に方』(新潮新書)ほか、共著書多数。朝日新聞、産経新聞、「レコード芸術」、「CDジャーナル」等で音楽評を執筆。2006年、京都大学人文科学研究所から人文科学研究協会賞を、2008年、『音盤考現学』『音盤博物誌』が第18回吉田秀和賞、第30回サントリー学芸賞をそれぞれ受賞。『未完のファシズム』が2012年度司馬遼太郎賞受賞
はい、政治思想史の専門家として、お聞きになっていかがでしたか。

片山:まず、トランプ氏の就任演説を一言で言えば、「よく分からない」(笑)。選挙のときにはトランプは票が取れることを言って、それで勝てましたが、その話をどう大統領として具体化するのかという踏み込みが何もないに等しい。「アメリカ第一」と聞かされて気を悪くするアメリカ人はいないでしょう。選挙で使えば強い言葉、勝てる言葉です。しかし、例えば、何をどうすると普通の人々が豊かになって「アメリカ人がいちばん」を実感できるのか。

減税だ、法人税を下げるんだと言っているようですが。

片山:ええ、でも、それではいま豊かな側がますます豊かになってしまう。トリクルダウンが念頭にあるんでしょうけれど、それを追った結果が、まさに富める側と貧しくなる側が分裂した現状なわけです。

 結局、大統領就任であまりに過激なことは言いにくくなったけれど、元々「これをやりたい、なぜならば」という具体案はなかったから、新たに展開したり深めて語ることができない。そこで、選挙戦で受けて盛り上がったポイントを口当たりよく薄味にして、角を立てずに…ということは面白味を減らして言い直しているだけ、ということでしょう。

米国はもともと孤立主義の国だった

結果、オバマ前大統領の「チェンジ」に相当する言葉に「米国第一」がなってしまった。

片山:スピーチでの「米国第一」は、「米国以外はどうでもいい」という閉じていく印象につながります。貿易については保護主義的施策とリンクするみたいですが。

第二次大戦までは、米国は孤立主義の強い国だったそうですね。

片山:ええ、モンロー主義が提唱された19世紀以来の米国の伝統ですからね。そして1929年の世界大恐慌後、1930年代に、世界的に経済のブロック化が追求された時代がありました。ブロック経済というのは、「自国と植民地、あるいは閉鎖的な経済圏を一緒に組んでくれる従属的な国々の中だけで、需要と供給をまかなおう」という発想です。

 かつての日本の「大東亜共栄圏」もブロック化をめざし、戦争まで引き起こして大失敗に終わったわけです。言うまでもなく、その頃から世界の経済の歴史もだいぶん進みました。複雑な世界的相互依存の網の目がかつてない規模でできてしまっている。いまさらブロックに切り分けるのはとても難しい。

シェールガス、シェールオイルで資源的にも心配ないし、貿易交渉は二国間で強引に言うことを聞かせれば、という気なのでは。

片山:米国にはエネルギー資源も食べ物もあるし、カナダや中南米を巻き込んでアメリカ大陸閉鎖経済圏を本気で作ろうとしたら、できないこともないかもしれません。しかし、市場を自ら限定する以上、社会主義的な低成長、あるいはゼロ成長の計画経済しか私にはイメージできない。貿易に関しては、「自国の交易条件だけを良くするのは無理だ」ということくらいは、いかにトランプ氏でも分かるはず。ペリーの黒船みたいに強圧的に押しかけてきて、不平等な通商条約を呑め、とでもいうのでしょうか。

言うことを聞かない国の沖合に、空母機動部隊が来るのか。いやな絵だなあ。

片山:経済成長と保護主義による「米国第一」は、そもそも矛盾しているんですよね。つまり、とりあえずの人気取り策として、両方言ってみた、としか思えない。

 そもそも、保護主義にノーを唱え続けてグローバル化を進めてきたのは米国です。第二次大戦後、民主党、共和党の壁を越えて、西側世界の中でブロック経済を廃し、世界市場での自由貿易を国是としてきました。「米国第一」=「米国がリードする自由化」ということで、なぜそうするのかといえば、経済力は米国が世界一なのだから、自由化が進めば、トータルでは米国が一番得をする、という考え方です。

なるほど。国際化で国内が多少ダメージを受ける局面があっても、トータルでは米国がもっとも恩恵を受ける。

片山:そしてこの度、「壁を高くして域内で立て直す」と言う大統領が登場しました。これって、やっぱり国力が低下していく、下り坂の時代の発想でしょう。世界を引っ張っていく力がもうない、という気分が米国に広がっている。

でも「だからトランプが悪い」とも言えない

国内重視の投資拡大、というと、フランクリン・ルーズベルト(第32代米国大統領、在職期間は1933年3月4日〜1945年4月12日)の「ニュー・ディール」政策を想起させますよね。


フランクリン・D・ルーズベルト米第32代大統領 Photo Researchers/Getty Images
片山:そんなふうにも聞こえますけれど、TVA(テネシー河流域開発公社)の代わりにメキシコ国境の壁を作るのでしょうか。それが中産階級の没落を食い止めることにつながるのでしょうか。

 政府が財政政策で市場に積極的に関わるニュー・ディールは、そもそも「政府の介入」を嫌う共和党にとっては大反対の政策で、一方、これで民主党は大躍進したんですよね。かと思うと、いかにも民主党らしい、貧困層にも健康保険を与えるオバマケアは「お金がない」と廃止し、共和党に受けそうな法人税などの減税を打ち出し、と、まるで「共和党と民主党のいいところ取り」です。実際に出来るかどうかより、聞いていて「そうだそうだ」と、気持ちがよくなるような言葉を、手当たり次第にぶち込んだようです。

どこを斬っても矛盾したことを言っている。ということはどういうことでしょうか。

片山:一国の大統領に大変失礼ですが、「詐術を越えたものが何も見えない」、というのが就任演説や、それまでに発言を通しての率直な感想です。

こうした一国のリーダーは、過去に似た例はありますか。

片山:答えは見え見えで恥ずかしいくらいなんですけれど、やっぱり、典型的な1930年代の独裁者、ポピュリストにそっくりです。身もふたもなく言えばヒトラー的です。

 敵を設定し、民族意識を煽り、アウトバーンなどの派手な公共投資を行い、大衆を大事にするといいつつ資本家や大企業にもいい顔をする。愛国主義と社会主義と資本主義のいいところ取り。その場は受けますが、無計画でビジョンがないから、再分配がうまく行かなくなり、最終的には対外戦争で、植民地、閉鎖的経済圏を拡大して、パイを増やそうとし、敗戦を招いて滅亡したわけですが。

「ヒトラーは、経済に関してはうまくやった」と思っている人は意外に多いんじゃないでしょうか。私も実は今まで「ヒトラーの公共投資と再軍備でドイツ経済が活性化した」と思っていたのですが、最近ようやく読んだ『第二次世界大戦の起源』(A・J・P・テイラー)で「実際には世界景気の自律的な拡大に乗っただけ」だと指摘されていました。最近の株高を見るに、これからまた世界が幻惑されてしまったりして…。

片山:でも、「だからトランプが悪い」とも言えないんですよね。先のビジョンがないのは世界中の指導者、みんなが同じです。この先、確実な経済成長の筋道が見つからないことを国民に伝えて、痛みを分かち合おうと訴えることが出来る政治家は誰もいなかった。本当のことを言ったら当選できませんから。

 近代民主主義は近代資本主義とセットで成長してきたもので、「誰が経済を右肩上がりにしてくれるのか」という基準でしか、政治家を選べない。景気の悪い話をして票が集まるはずがない。今ほど近代資本主義先進国が景気の良い話をしにくい時代はないのではないですか。普通の政治家はみんな足がすくんでしまう。そこに出てくるのが、先のことを考えないから思い切ったことが言える、甚だ語弊がありますが「問題児」なのです。かくして、トランプの詐術は見事に効きました。

オバマはウィルソン大統領的

そういう意味では、やはりオバマ政権(2009年1月20日〜2017年1月20日)の8年間への失望が、トランプ政権を生んだ、ということになりますか。

片山:オバマの「チェンジ」で、米国民が期待したのは「また豊かになること」だったはずです。彼は、相対的には改善した、と言うけれど、期待されているほどの目に見える成長を成し遂げることは、大統領がオバマでも他の人間でも、無理だったのではないでしょうか。

 オバマは「弱腰」と批判され、事実そういうところがありますが、ブッシュ大統領の時代までは残っていた「戦争をすれば軍需産業などにお金が回り、経済が刺激される」というモデルはもう割が合わない、とはっきり認識していたのだと思います。経済的に引き合わない。武力で得はしない、と。

 かつてのウッドロー・ウィルソン大統領的な、「米国の正義」「世界の自由と公正」「物と人の自由な交流」「自由経済、自由貿易、民主主義」というセット商品を、戦争を強く絡めずに世界に売り込もうとしたんでしょう。


トーマス・ウッドロー・ウィルソン第28代米国大統領。任期は1913年3月4日〜1921年3月4日 H. Armstrong Roberts/ClassicStock/Getty Images
なるほど。

片山:米国に従わない国には強面で、という共和党路線をやめて、できるだけ戦争を避ける。例えばイランは、いい国か悪い国か、と言うより、「独立国家だから、他の国に害を為さなければいい」という接し方で、これはウィルソンの国際連盟主義、超大国も小国もすべて1票、自立した国、という考え方に似ています。

片山:自立した国なのだから、政治形態はイラン国民が選択すればよい。イランが積極的に悪さをしないのなら、きちんと認めてあげる。その代わり、独立国に勝手をする国があれば守ってあげようとする。ウクライナ問題でのオバマの対露強硬姿勢をみればよく分かりますね。

 ウィルソン主義をなるべく平和的に実現し、核兵器反対などの理想主義的姿勢も現実性はともかくとにかく高い旗として立て続け、移民、マイノリティに対する配慮をして、貧乏な人も健康保険に入れるようにして、移民を根付かせる努力をした。それらを通して世界の国から信頼を勝ち得ることが、多様性による次の成長を生み出す背景になると思っていた。

ああ、一言も文句がない。オバマ・ロスになりそうです。

片山:と、そういうよき伝統を守ろうとしたんだけど、これは、米国そのものが成長していけるモデルを持っているからこそ可能な政策です。貧困層や性的・人種的マイノリティへの配慮は重要です。しかし、その配慮は、中間層以上がそれなりに満足している状態でなければ、強く支持されません。実際には、その中間層がオバマ時代に切羽詰まってきた。「そっちに構うならこっちに構え」と思う人がずいぶん増えてしまった。「あまりチェンジしないな、その割に関係ないところにカネを使っているじゃないか」、と感じてしまった。

全体主義的と評されたF・ルーズベルト

ううむ。過去、米国が似た状態に陥った1930年代に、先ほど出てきたF・ルーズベルトが登場したわけですよね。。

片山:はい。F・ルーズベルト流のモデル、米国第一、雇用を増やし、ニュー・ディール政策による公共投資、鉄道にダムに…は、政府の大胆な財政政策と金融政策による市場介入で、社会主義的な施策です。実際、当時は「彼の政策はほぼ社会主義に向かっている」と評されていましたし「アメリカ全体主義」という言葉もできたし、アメリカ発の世界大恐慌以来、資本主義は終焉に向かっているという議論も盛んでした。

「経済復活を果たした」というイメージがあるので、ニュー・ディール政策は、資本主義の勝利のひとつかと思っていたのですが。

片山:ヒトラーのアウトバーンに当たるのが、ルーズベルトのTVAだ、という見立てもあります。ついでに言いますとニュー・ディール政策は、その結果が出る前に第二次世界大戦の戦争景気で経済が回復しましたので、成功か失敗か、評価がいまだに割れているのです。

 オバマがウィルソン的としたら、トランプの政策にはF・ルーズベルト的なところがあるのかもしれません。でもトランプはいちおう共和党ですからね。共和党の伝統からはニュー・ディールは出てこないでしょう。社会主義的なことを嫌悪するのが共和党メンタリティです。基本は自己責任。税金を取られたくない、国家介入を嫌う。このあたりをどう乗りきるつもりなのか。まあ、お手並み拝見というところです。

片山:一方、オバマの退任演説ですけれども、これを読むと、基本線は楽観的で、自分の成果を強調しながらも、将来の資本主義への強い不安も漂わせています。資本主義は効率性を追求するのが本性ですから、今のほんとうの問題は保護貿易か自由化か、などという次元よりも、容赦なく進む自動化・ロボット化であると。それによって近い将来、多くの善良な中産階級が仕事を奪われていく、と。人間の仕事がなくなってしまう。それゆえ「新たな社会契約が必要」と彼は指摘していて、これは大変重要なポイントだと思います。

…長期にわたるこの状況を打開する特効薬はありません。取引は自由である上にフェアであるべきだと考えます。しかし経済を混乱させる次の波は、海外からではなく、国内での次々と進むオートメーション化からやってきます。そしてそれは中流階級から多くの質の高い仕事を奪っています。

 我々には新たな社会契約が必要です。子供たち全員に適切な教育を受けさせ、より良い待遇を求める労働組合を結成できるだけの力を労働者に与えられるような社会的仕組み作りが必要です。

(BLOGOS掲載の退任演説の翻訳より引用。全文はこちら)
片山:国同士が保護貿易か自由貿易かで争っても、企業が踏み切るのは事務職を含めた機械化、人件費削減で、放っておけばその結果は「雇用の減少」に集約されてしまう。21世紀のラッダイト(1810年代に英国で起こった、産業革命の機械化で職を失うと恐れた人々による、機械打ち壊し運動)につながりかねない。

 ラッダイトがあっても、別の分野の産業がどんどん膨らみ、雇用を生み出している限り大きな心配はありません。近代資本主義と科学への信用があれば、「しばらく待っていればどうにかなる」と、落ち着いていられる。しかし、次の大きな産業が育つタイムラグが大きいと、あるいは「人間をたくさん雇用する次の大きな産業はもうないのではないか」と思うと、これはもうとてつもない社会不安が巻き起こりますよ。資本主義の効率追求の果てに、会社の経営から単純労働までみんなロボットがしてしまう、というような。

成長なき資本主義への不満が行き着く先は?

片山:トランプが謳う「今後10年間で2500万人の雇用を創出」の実現には、おそらく「次の産業革命」クラスの、しかも人間を機械に置き換えない方向でのパラダイムシフトが必要じゃないでしょうか。それはオバマにも、トランプにも、意図して生み出すのは難しい。一政治家の才覚で出来たら誰も苦労しない。

 「不安定でも、賃金が低くても雇用は雇用だ」と開き直れば、経済規模が小さくなり、さらに雇用減少と低賃金化のスパイラルにはまる。企業業績が良くなっても社会にとって意味がないのですが、資本主義は放置しておくとそちらへ進むでしょう。だから、オバマの退任演説の「新たな社会契約」が必要になる。もっともこのアイデアは、『21世紀の資本』のトマ・ピケティの師匠であるアンソニー・アトキンソンの『21世紀の不平等』の受け売りだとは思いますが。

 オバマのやり方が今の時代状況の中ではなかなか良い選択だったとしても、不満の増大を抑えきることはできず、不満の一掃を期待していた人々の期待とのギャップが大きくて、「じゃあトランプ」ということになったのでしょう。そういう選択をする人の気持ちはよく分かりますよね。その結果生まれてきたのが、現在の、1930年代を彷彿とさせる世界の状況だと思います。

(後編に続く)


このコラムについて

(Yが)キーパーソンに聞く
日経ビジネスの変わり種デスクYが、本人的に話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎月1人、興味深いキーパーソンに出会えます。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/284031/013000020


 

英中銀:経済成長見通し上方修正、インフレ加速に懸念の声も
Scott Hamilton、Brian Swint
2017年2月2日 22:24 JST
 
イングランド銀行は経済成長率の見通しを上方修正した。見通し引き上げは昨年6月の国民投票で欧州連合(EU)離脱が決定されて以後で2回目。金融政策委員会(MPC)の一部メンバーがインフレ加速についての懸念を強めていることも明らかにした。
  予想を上回る成長と、拡張的な財政政策、堅調な個人消費、世界的な環境改善を背景に見通しを上方修正した。MPCは今年の成長率予想を2%と、昨年11月時点の1.4%から再び引き上げた。
英国:10−12月成長率、予想上回る−消費依存が2017年の懸念材料
  堅調な景気拡大とインフレ率上昇を受けてMPCは、中銀目標の2%を超えるインフレの容認には限度があると重ねて表明した。一部メンバーはインフレ率が「許容範囲の上限に近づいている」との認識を示した。インフレ率は今年を通じて上昇し、2018年に2.8%でピークを付けると予想されている。
  景気見通しの上方修正にもかかわらず、イングランド銀は政策金利を過去最低の0.25%で据え置いた。債券購入プログラムの規模も維持した。
  経済のスラックはこれまでの想定よりも大きく、失業率はインフレを生じさせることなくさらに低下することが可能だとの見解を示し、引き締めを急ぐ考えがないことを示唆した。EU離脱決定が引き続き不透明要因になるとも警告した。
  インフレ率は今年平均2.7%。18年が2.6%と昨年11月時点の予想をほぼ据え置いた。19年には2.4%に低下すると見込んでいる。この予想は策定時点で市場が織り込んでいた19年序盤の利上げが前提。
  インフレ上昇には、国民投票以降15%下落したポンド相場が寄与している。ポンドは昨年11月の時点からは3%上昇し、インフレ圧力はやや後退したが、当局者らはEU離脱の詳細が明らかになるに伴い為替相場のボラティリティが高まる公算が大きいと指摘した。
  イングランド銀はインフレが消費に影響するとみてしているものの、消費の後退は従来見込んだほどではないとして家計支出と住宅投資の伸び予想を上方修正。労働市場についても楽観を強め、失業率予想を0.5ポイント引き下げた。
原題:BOE Sees Stronger Growth as Some Officials Flag Inflation Unease(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKQZIE6JTSFC01

 
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/608.html

[国際17] 米労働生産性:第4四半期は伸びが鈍化−実質給与は0.4%低下 米新規失業保険申請24.6万件に減少、企業は現有人材を保持
米労働生産性:第4四半期は伸びが鈍化−実質給与は0.4%低下
Shobhana Chandra
2017年2月2日 23:47 JST

米労働生産性は昨年10ー12月(第4四半期)に伸びが鈍化した。前期は2年ぶりの大幅な伸びとなっていた。
  労働省が2日発表した第4四半期の非農業部門労働生産性(速報値)は前期比年率1.3%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は1%上昇だった。前期は3.5%上昇(従来発表3.1%上昇)。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/imSzYwa.29wI/v2/-1x-1.png

  単位労働コスト(単位当たりの生産に要する労働コスト)は前期比年率1.7%上昇。市場予想は1.9%上昇だった。
  インフレ調整後の実質給与は0.4%低下。前期は2.1%上昇だった。労働総投入量指数は0.9%上昇(前期0.6%上昇)。
  統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Productivity Gains Cooled Last Quarter; Labor Costs Rose(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKR3HWSYF01V01

 


米新規失業保険申請件数:24.6万件に減少、企業は現有人材を保持
Shobhana Chandra
2017年2月3日 00:09 JST

先週の米週間新規失業保険申請件数は前週から減少した。米労働省の発表によると1月28日終了週の申請件数は前週比1万4000件減の24万6000件。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は25万件だった。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iUpSvHByC4dU/v2/-1x-1.png

  申請件数の歴史的な低水準からは、企業が現有人材の保持に努めていることが見て取れる。熟練労働者の確保が困難になっているのが背景にある。
  キング牧師生誕記念日の祝日(1月16日)を含む先週分は26万件と、速報値の25万9000件から修正された。
  より変動の少ない4週移動平均は24万8000件。前週は24万5750件だった。失業保険の継続受給者数は21日までの1週間に3万9000人減少して206万人だった。
原題:Filings for U.S. Jobless Benefits Fell to 246,000 Last Week(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKR48OSYF01U01

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/746.html

[経世済民118] 今回の経済学キーワード:主観価値説 価値は原価と無関係 市場価格が正しい 保護主義的な米税制改革、国際ルール違反の可能性
今回の経済学キーワード:主観価値説

「日経ビジネスベーシック」から

飯田泰之の「キーワードから学ぶエコノミクス」・03
2017年2月3日(金)
飯田 泰之

この記事は、「日経ビジネス」Digital版に掲載している「日経ビジネスベーシック」からの転載です。連載コラムは「飯田泰之の『キーワードから学ぶエコノミクス』」。記事一覧はこちらをご覧ください。詳しい説明はこちら 。

体系的に理解しよう! とすると、なかなか手強いのが経済学(エコノミクス)。とりあえず、耳にしたことがある経済学用語の定義だけでも、「なるほど」と腑に落ちる形で学んでみませんか。テレビでもお馴染みの、明治大学政治経済学部准教授の飯田泰之さんが、ちょっと他所では読めない角度から、経済学のキーワードを読み解きます。

 「対象が希少ならば、それを手に入れるには対価が必要」

 という認識が経済学の出発点でした。誰でもいつでも手に入るもの(たとえば「空気」ですね。今のところは…)に対価を払う人はいません。


飯田泰之(いいだ・やすゆき)
明治大学政治経済学部准教授 1975年東京生まれ。マクロ経済学を専門とするエコノミスト。シノドスマネージング・ ディレクター、規制改革推進会議委員、財務省財務総合政策研究所上席客員研究員。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。著書は『経済は損得で理解しろ!』(エンターブレイン)、『ゼミナール 経済政策入門』(共著、日本経済新聞社)、『歴史が教えるマネーの理論』(ダイヤモンド社)、『ダメな議論』(ちくま新書)、『ゼロから学ぶ経済政策』(角川Oneテーマ21)、『脱貧困の経済学』(共著、ちくま文庫)など多数。


 では人は何のために対価を支払ってまで何かを手に入れようとするのか。それは何らかの「イイ思い」をするためですよね。対象が希少であるということは、それを多くの人が欲しいと思っている=イイ思いをしたがっているということ。――つまりは人々がそれに「価値」を感じているはずです。

 さて、この「価値」とはいったい何なのでしょう。

 経済学が誕生して間もない18世紀、経済学者は「価値の源泉は労働にある」と考えました。例えば、3時間分の労働によって生産された商品には労働3時間分の価値があり、10時間かけて作られた商品には労働10時間分の価値がある、というわけです。

 正確には、労働の質を考慮し、機械や道具を用いた場合にはその機械・道具の生産に用いられた労働をカウントするなど細かな調整を考慮していましたが、結局は「商品の価値はそこに投入されている労働の量で決まる」と考えていたのです。このような考え方は労働価値説と呼ばれます。

労働価値説と主観価値説

 労働価値説に代表される、ものの価値にはそれを決定する客観的な仕組みがあるという考え方は「客観価値説」と総称されます。

 「なぜこの牛丼が290円なのですか?」という問いに対して、「それはですね、コメが●●円で牛肉が△△円で、給与が××円…」と原価を積み上げて答えようとする人も、暗黙のうちに客観価値説に従って考えていると言えるかもしれません。

 現在の(というよりも19世紀末頃以降の)経済学は客観価値説をとりません。現代の経済学が立脚する価値に関する考え方は「主観価値説」と呼ばれます。

 ある商品やサービスがどれだけの価値を持つかは、人それぞれである――つまりは人それぞれの主観で決まるものであり、それがゆえに人によって異なっていると考えるのが主観価値説の特徴です。主観価値説に従うと、ある土地が1億円で売れたのは、「買い手がその土地を1億円以上に評価していたから」ということになります。そして「なぜこの牛丼が290円なのですか?」という問いの答えは、「290円ならば、『この牛丼にはそれ以上の価値がある』と考える人がそれなりの数いる(=需要がある)と売り手が予想しているから」というものになるでしょう。

 でも、これって、トートロジー(同語反復)みたいですよね。

 なぜ経済学の価値観の主流が、数字を用いる客観価値から、概念的に思える主観価値へと転換していったのでしょうか。

 第一の理由はその単純性によるものです。客観価値説に従うと、ものの価値を知るために、それが誰によってどのように作られたかを調べる必要が生じます。モノにもよりますが、その作業は事実上不可能な場合が少なくないでしょう。

 さらに、そこまでして客観的な価値がわかったとして、何か良いことがあるでしょうか。市場価格の動向や取引量を予想するにあたって「本当の価値は」という問いはそれほど有用ではありません。「誰かが○○円の価値があると感じたんでしょ」というトートロジ−にしか見えない主観価値説による理解で十分に有用な知識が引き出せるなら、面倒な作業はしなくて良いではありませんか。

 「同じ現象を説明する複数の仮説があったときには、そのうちもっとも簡潔なものを選ぶべきだ」という考え方は、科学哲学の世界では「オッカムの剃刀(思考の節約原則)」として知られる考え方です。

 主観価値説が生き残ったのは、思考の節約のためだけではありません。

価値は原価と無関係、としか考えようがない

 客観価値説では、取引と合理性を同居させることが出来ないのです。仮に、客観的に100万円の価値の壺があるとしましょう。この壺が90万円で取引されたとき、買った側が10万得をしていて、売った側は10万円損をしているということになります。客観的な価値が存在すると仮定すると、客観価値と全く等しい価格で取引されない限り、取引は売り手買い手のどちらかが損をしていて、もう一方が同じだけ得をするというゼロサム状況にあると言うことになります。

 ここに大きな矛盾があることにお気づきでしょうか。引き続き壺の例を使うと……損をするとわかっているのに売り手はなぜ90万円で壺を手放したりするのでしょう。

 同じ商品や時期で価格に違いがあることからわかるように、全ての取引が客観価値ぴったりで行われていると考えるのはあまりに不自然です。すると客観価値説を守る(?)ためには、取引が成立するのは誰かが誰かをダマしているからであり、ダマされている方は取引によって損を被っていると考える他なくなります。同様に、取引によって得をしているのは、誰かを損させた結果だという経済観にも繋がります。このような経済観では、ビジネスの本質であるwin-winな取引を心から理解できることはないでしょう。

 「買って満足、売って満足する値段こそが正しい価格なのだ」
 というのが、現代の経済学の考え方なのです。

 食事の度に、服を買う度に、やたらと原価を気にする人っていますよね。少なくとも筆者の経験ではそのような人でビジネスに成功している人を知りません。客観価値説はビジネスのセンスを鈍くしてしまうようですよ!


このコラムについて

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焦点:保護主義的な米税制改革、国際ルール違反の可能性高く

[ロンドン/ワシントン 1日 ロイター] - 米議会が提案している企業税制改革が実行されれば、国際的な貿易ルールに違反することはほぼ確実で、世界貿易機関(WTO)史上最大の紛争が引き起こされる恐れがある─。米国での税制改革論議に関し、法律の専門家はロイターに対して、こうした見方を示している。

トランプ政権で保護主義的な傾向が強まることが懸念される中、欧州企業には貿易戦争につながるリスクを懸念する声も出ている。

米下院の共和党議員が検討している改革案は、現行の法人税を廃止する代わりに売上高に20%の課税をする内容。その際、売上高から米国で生み出されたモノ・サービスの購入コストと労働コストを控除できる仕組みで、米国製品の輸出は非課税扱いだ。一方で、輸入した部品を使って生産したり、輸入品を転売したりする企業にはこうした控除は認めないという「国境調整」を実施するのが特徴だ。

トランプ大統領は、複雑な仕組みだと批判的だが、こうした手法が米国の貿易赤字を削減する上では役に立つとも認めている。

税制を扱う米下院歳入委員会のブラディ委員長(共和党)は、この改革案はWTOルールに沿ったものであることに自信を持っていると強調する。

しかし、WTOをめぐる訴訟経験のある、米国、英国、欧州を拠点に活躍する6人の弁護士の見方は違う。国内製品に対する違法な補助金や、輸出補助金もしくは、輸入品に対する事実上の関税だとみなされる可能性が高いという。

6人の弁護士全員が、検討されている税制は、WTOの複数の規定に抵触すると予想。きわめて深刻な違反行為だとされ、不服とする加盟国が提訴した後、通常なら数年掛かる手続き期間の短縮が正当化される可能性すらあると指摘する。

通常、WTOに持ち込まれる問題は特定の産業や企業に限定されているが、通商の専門家は、この税制案は米国へのすべての輸入と、米国からのすべての輸出に関わるだけに、提訴されれば、WTOが扱う過去最大規模の紛争になると話す。

ホワイト・アンド・ケースの弁護士、スコット・リンシコム氏はこの改革案では「すべて国内で生産された製品に対する実効税率は、輸入品よりも低くなることになる」と指摘。

これは、WTOの関税および貿易に関する一般協定の第3条に違反することになる。協定では、海外から入ってくる商品に対し課税することは可能だが、売り上げや収入に対する課税に関連する形で国内製品を輸入品よりも優遇することは認められていないからだ。弁護士らはほかにも、補助と対抗手段に関する協定に基づいて訴えることも可能だと指摘している。

欧州の企業グループは、共和党が検討している改革案は、国際的な貿易ルールを覆すものだとし、欧州各国政府が米国に対し思いとどまるよう説得に乗り出すことを望んでいると強調。

英国最大の輸出企業のひとつ、ジャガー・ランドローバーの役員で海外販売の責任者を務めるアンディ・グロス氏は、英国政府が米政府に対し、英企業の立場を訴えることに期待を表明している。

WTOは加盟国に対し報復の手段を用意してはいるが、手続きには何年も掛かる可能があり、他の手段に訴える国も出てくるかもしれない。モルガン・スタンレーのアナリストは一例として中国を挙げ、巨大な同国国有企業に対し「米製品不買」政策をとるよう命じる可能性があると指摘している。

欧州の企業関係者の中には、米国がこの改革案を実行に移し、欧州の雇用などに影響が波及したなら、政治的な圧力が高まって全面的な貿易戦争に突入する危険性を指摘する声もある。

(Tom Bergin、David Morgan両記者)

http://jp.reuters.com/article/us-tax-plan-wto-idJPKBN15H0IQ?sp=true

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/609.html

[経世済民118] 日米中銀悩ますシムズ案とトランプ政策 入国禁止令の次は?身構える米経営者 ギリシャ危機の悪夢再び、債務不安で国債投げ売り
コラム:日米中銀悩ますシムズ案とトランプ政策

永井靖敏大和証券 チーフエコノミスト
[東京 2日] - 今週実施された日米の金融政策決定会合は、どちらも現状維持が確実視されていた。日銀は2016年9月に「新たな枠組み」を導入してからまだ半年も経っておらず、米連邦公開市場委員会(FOMC)は前回利上げを行ったばかりだったためだ。

市場の関心は政策判断ではなく、日銀についてはイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の運営方針に加え、現状打開策としての「物価水準の財政理論(FTPL)」適用の可否、米連邦準備理事会(FRB)については次のステップとしての保有資産の償還金再投資停止に移っているようだ。

<FTPLは偽薬ではなく毒薬になり得る>

2016年9月に導入した「新しい枠組み」により、日銀の金融政策は、新たなステージに入ったが、依然として効果は確認できない。市場の注目は、長期金利操作目標の許容変動幅、量のめどの許容かい離額に集まっている。

将来の出口のパスや、日銀のバランスシート拡大により生じる問題についても、「今、議論するのは時期尚早」と黒田東彦日銀総裁は回答を避け続けている。市場との対話拒否が、現行の政策運営に対する不信感の高まりにもつながっているようだ。

こうしたなか、打開策としてFTPLに注目する向きもある。FTPL自体は、1990年代から議論されているが、2016年夏のジャクソンホール会議(米カンザスシティー地区連銀主催のシンポジウム)で、ノーベル経済賞を受賞したクリストファー・シムズ・米プリンストン大学教授が講演を行い、その後、浜田宏一内閣官房参与が「目から鱗(うろこ)が落ちた」と絶賛したことで、改めてスポットライトを浴びている。

今回の金融政策会合後の会見でも、記者から、これまで金融政策でデフレ脱却できると主張していた浜田参与が、金融政策だけではデフレから脱却できないため財政拡大が必要と宗旨替えした点に関する質問が出た。黒田総裁は、「浜田先生にお聞きいただくのがよい」とした上で、金融政策が有効である点、バランスの取れた政策運営が重要な点を指摘している。

金融政策の有効性については議論の余地はあるが、バランスの取れた政策運営は極めて重要なポイントであると今更ながら筆者は考えている。すなわち、量的緩和は、長期金利の水準引き下げを通じて、経済・物価を押し上げる効果はあっても、量を増やすことによる直接的な物価押し上げ効果はないと考える。

「総括的な検証」も、量による物価押し上げ効果は定量的に示していない。積極的な金融緩和姿勢を示すことで期待の抜本的な転換を狙うという意味で、プラセボ(偽薬)効果はあったかもしれないが、効果が少ない分、副作用も市場機能の低下など一部に限られた。

これに対して、FTPLはポイズン(毒薬)になり得るため、メリットとの比較考量を十分行う必要がある。すなわち、財政赤字の拡大は、短期的には景気を押し上げるが、中長期的には、将来の増税不安の高まりが景気下押し要因になること、世代間不平等につながること、不適切な資源配分につながりやすいことなどの明確なデメリットがある。

将来の増税不安の高まりについては、政府の財政健全化目標をコントロールすることで解消できるという考え方もあるが、すでに国民は、財政健全化目標を信じていないと思われる。その意味で、FTPLに基づいた政策運営が明示的ではないが実質的には実施されていると考えると、導入するメリットについても懐疑的にならざるを得ない。

確かにシムズ教授は、「FTPLを根拠に物価が2%に上昇するまで、消費税増税を延期するというルールを作り、このルールを国民に信じ込ませる」という案を紹介している。ただ、筆者は、シムズ教授から直接話を聞く機会を得たが、教授自身、自分は日本の財政政策の専門家ではないと言及した点が印象に残った。

つまり、シムズ教授の案は、経済理論に基づいたアイデアであって、政策提言を行う意図はなかったように感じた。FTPLは理論としては興味深いが、理論の世界にとどめるべき話と筆者は考えている。

<再投資停止論の背景にトランプ政策の不透明性>

FOMCについては、12月の議事録で、償還金再投資停止が利上げのパスに影響を与える可能性が議論されたことが明らかになった。また、その後も多くのFRB高官が、再投資停止の是非に関する発言をしていることから、今回のFOMCでもこれに関する議論が行われたと考えられる。

FOMC声明文では、関連部分に関する表記に変更はなかったが、記者会見のない今会合で変更すると、市場の憶測を招く恐れがあるため、当然の対応と言えよう。

イエレンFRB議長は、再投資停止などで最終的にバランスシートを圧縮するアプローチを取れば、10年債利回りが0.15%上昇するとした分析を紹介している。分析通りなら、急きょ再投資停止を発表すると、市場の混乱を招く恐れがあるため、緩やかに織り込ませる必要がある。議論の概要は、15日に予定されているイエレン議長の定例議会証言や22日に発表される議事録で徐々に明らかになりそうだ。

停止時期については、「正常化」がキーワードになる。声明文では、再投資を「フェデラルファンド(FF)レートの水準が十分に正常化されるまで」維持するとしている。FOMC参加者の長期的なFFレートの適正値を正常化と捉えると、3%程度になるが、すでに停止に関する議論が行われている。利下げ余地が必要という「のりしろ」論もあり、早急な再投資停止は考え難いが、FOMCメンバーの目線は、意外と低い可能性がある。

筆者は、FFレート1%程度が正常化の目安と考えている。根拠は、銀行の預金に上昇余地が生まれることだ。すでにFRBは利上げを2回行ったが、米銀が預金金利を引き上げる動きは出ていない。日本の銀行と同様、預金金利の下限制約により、これまで預金金利を、収益を無視した水準に設定していたためで、引き上げに至るまでには、ある程度の金利上昇が必要だ。

複数の米銀が、FFレートが1%程度まで上昇すれば、預金金利を引き上げるとコメントしている。預金金利が引き上げ可能な状況になれば、銀行の金融仲介機能も正常化したと言えそうだ。

最近、再投資停止の議論が活発化している背景には、トランプ政権の動向が読めないこともありそうだ。現在、FFレートの誘導水準引き上げは、銀行に対する付利引き上げにより行われている。このため、利上げはFRBから銀行に対する資金供与の増加を意味する。

本来、FRBのバランスシートの正常化は、経済・物価・市場動向をにらみ、総合的に判断すべきだが、FRBとしても、一部のコスト負担増加に焦点が当たり、無用な批判を受けることは避けたいと考えているのではないか。今後、再投資停止論が、米債券相場の重しになる恐れがありそうだ。

*永井靖敏氏は、大和証券金融市場調査部のチーフエコノミスト。山一証券経済研究所、日本経済研究センター、大和総研、財務省で経済、市場動向を分析。1986年東京大学教養学部卒。2012年10月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。 
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http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yasutoshi-nagai-idJPKBN15H0UB?sp=true


 


 


入国禁止令の次は?身構える米経営者たち
不透明感が強まる中、企業は勤務地や採用方法のあり方を見直し
ロサンゼルス国際空港でトランプ氏の入国禁止令に抗議する人たち
ロサンゼルス国際空港でトランプ氏の入国禁止令に抗議する人たち PHOTO: REUTERS
By RACHEL FEINTZEIG AND ROBERT MCMILLAN
2017 年 2 月 2 日 16:59 JST

 ドナルド・トランプ米大統領が一部外国人の入国を禁止したことを受け、多くの米企業経営者が海外事業や出張業務のあり方など再考し始めている。

 大統領令は、イスラム圏7カ国の出身者が米国に入国することを90日間禁止。これを受け、企業側は自社の従業員にどのような影響が生じるのか確認作業を進める。アルファベット傘下のグーグルでは海外に滞在するある従業員を緊急帰国させ、禁止令の影響を受ける可能性がある約200人に関しては移動を制限したと関係者は明かす。

 製薬会社のスパーク・セラピューティクスも一部従業員に対し、今週欧州で開かれる業界の会議について欠席を検討するよう指示。大統領令はイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの中東・アフリカ7カ国の市民が対象だが、アマゾン・ドット・コムはこれら国の出身者を米国内で49人雇用している。同社は英国を拠点に働くリビア出身の弁護士に対し、今月予定されていた訪米を中止するように指示を出している。

 新たな状況の中で、企業経営者側は対応を急ぐ。経営者の多くは、米国で行う予定であった外国出身者との面接や研修を中止することも検討。アマゾンなどはこれら国々の出身者を雇用する場合、米国外の拠点で業務を遂行できるよう準備をしているという。

入国禁止令は寝耳に水

 大統領令はテロリストが米国に入国するのを阻止するためのものだとトランプ氏は説明するが、世界各地で事業を展開する企業側とすれば、急な海外出張でも従業員が対応できるよ環境は不可欠だ。その中で、入国禁止令は寝耳に水だった。

 企業側は、入国禁止令に影響を受ける従業員はごく少数だとしている。しかし、ホワイトハウスの関係者は他の国も入国禁止リストに加わる可能性があるとほのめかす。外国人向けの就労ビザも規定が改正されるとのうわさもあり、雇用主にとっては不確定要素が多い状況が続く。

 「米国のビジネス環境が悪化する可能性がある中で、企業側はそれに順応しようと体制を整えている」と話すのは、従業員の海外移転などを支援するムーブ・ガイズのブリン・ケネディ最高経営責任者(CEO)だ。

 ケネディ氏は大統領令が署名された後、数十にも及ぶクライアントから問い合わせを受けたと話す。多国籍の従業員を雇う米企業に対しては、会議の場や事業拠点をトロントやロンドンなどに移転するよう助言をしているという。

 本人確認ソフトの新興企業オンフィドでCEOを務めるフサイン・カッサイ氏は、拠点があるサンフランシスコとロンドンを行き来する生活を続ける。しかし今は英国とイランの国籍を持つため、近々予定されていたロンドンへの出張は中止することも考えていると話す。訪英後に再び入国できるかがどうかが不透明だからだ。

オンフィドのカッサイCEO
オンフィドのカッサイCEO PHOTO: ONFIDO
 カッサイ氏はイラン出身のスタッフ2人についても弁護士と数日間にわたり協議をしていると話す。2人には解雇するようなことはないと説明してあるものの、今後はロンドンに転勤をする必要が出てくる可能性もある。カッサイ氏もイラン出身の同僚も政局に左右される中で生活することには慣れていると話すが、「まさか米国内でこのようなことになるとは思っていなかった」と言う。

入国禁止国追加への懸念

 コーポレート・トラベル・エグゼキュティブ協会が260人の出張管理担当者に先月調査を行った結果、39%の企業が大統領令を受けて業務上の移動を制限すると答えている。また20%程度の企業は、すでに出張業務に支障が生じているとしている。

 移動や入国管理に関して今後さらにルールが制定されれば、グーグルのようなハイテク企業は大きな影響を受ける。同社の従業員7万2000人のうち、約1万人は米国のビザを取得して働いていると内情に詳しい関係者は話す。

 入国管理について企業クライアントに助言をするアンドリュー・グリーンフィールド弁護士は、移動の制限だけが問題ではないと指摘。海外出身者に対するスクリーニングが今後強化されれば、彼らを雇いにくくなると企業側は危惧しているという。厳しい規制が加われば、企業としても米国で働く従業員の数を減らすことを検討するだろうと同氏は話す。

 実験的遺伝子治療事業を行うスパーク・セラピューティクスは、「採用予定者をフィラデルフィアの本部に招くことを中止するかもしれない」と話す。候補者が入国禁止令に含まれる国の出身者であるため、同社のジェフリー・マラッツォCEOはテレビ電話での面談を検討中だ。また入国禁止令に含まれる国が今後さらに追加される可能性があるため、欧州で行われる会議には不要な社員を参加させない予定だという。マラッツォ氏は「彼らが戻ってこれなくなるような状況は避けたい」と話す。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjU45fT7_HRAhVHy7wKHbpYCNQQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582596431340352506&usg=AFQjCNHPVz2CJVjAgXBaOKyjgIPTdgRuNg


 


ギリシャ危機の悪夢再び、債務不安で国債に投げ売り

ギリシャ国債のデフォルト懸念が高まっている。写真はギリシャのチプラス首相(左)とドイツのメルケル首相

By TASOS VOSSOS AND NEKTARIA STAMOULI
2017 年 2 月 2 日 18:05 JST

 ギリシャの国債が再び投げ売りされている。今夏に満期を迎える国債を償還できないのではとの懸念が高まっているからだ。

 背景には、ギリシャ政府と、ユーロ圏諸国および国際通貨基金(IMF)から成る債権団との交渉が再び暗礁に乗り上げていることがある。同政府は、7月に約60億ユーロ(約7300億円)の国債の償還期限が来る前に、こうした状況を打開し、追加支援を確保する必要がある。

 問題を複雑にしているのは、来週、IMFの理事会が予定されていることと、IMFでの議決権比率が最も高い米国がトランプ政権下でどのような態度をとるか見通せないことだ。

 7月に満期を迎えるギリシャ国債の一部は民間債権者が保有している。この国債の利回りは先週、6%を下回る水準で推移していたが、ここ数日でその2倍以上に跳ね上がった。デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が極めて高いと投資家がみていることがうかがえる。2月1日にはトレードウェブでギリシャ国債のビッドレートが一時15%を超え、結局9.5%で取引を終えた。

 ギリシャは7月までは追加支援を受けなくても持ちこたえられるが、その先の道筋をはっきりさせることが急務となっている。今年は3月15日のオランダ総選挙を皮切りに、欧州では選挙がめじろ押しで、欧州の政治家の目はギリシャ救済に向かなくなりかねない。

 交渉が行き詰まるのはこれが初めてではない。IMFは、ギリシャが融資の形で追加支援を受けるには債務が多すぎると指摘。ドイツをはじめとするユーロ圏の債権国は大規模な債務免除を約束しようとはしない。ギリシャにはまだ予算削減の余地がある。ドイツは、IMFと一緒でなければ、ギリシャへの支援を続けない意向を示している。IMFはこれまでのところ、直近のギリシャ救済措置に加わっていない。

 ギリシャの与党・急進左派連合(SYRIZA)の国会議員が1月31日に、同国のユーロ圏離脱に関する議論をタブー視すべきではないと述べたことも、地合いをさらに悪化させた。ギリシャがユーロ圏から離脱したら、ユーロ建てのギリシャ国債の保有者はほぼ確実に巨額の損失を被る。

 SYRIZA政権の元閣僚は「この7年間で行われたことがないような政治的・国民的議論があってしかるべきだと思う」と述べたが、後日、ギリシャのユーロ圏残留支持を改めて表明し、態度を明確にした。

 その前にドイツメディアは、ドイツ政府がギリシャのユーロ圏離脱の考えに共感を寄せていることを示唆していた。

 ここにきて、再びギリシャの財政状態を巡る緊張が高まっている。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは昨年12月、ギリシャ救済措置の審査の遅れは「17年7月に満期を迎える国債が償還不能になるリスクを高める」と警告した。

 ドイツ銀行は今週、投資家向けリポートで、欧州当局者らが来週開く会合で、交渉に進展が見られなかった場合、オランダ総選挙の後まで膠着(こうちゃく)状態が続くとの見方を示した。

 ギリシャとその債権団は、7年に及ぶギリシャ救済で何度も期限に直面した。国債利回りは交渉の進捗(しんちょく)状況に応じて大きく上下している。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiH0Oai7_HRAhVKvbwKHYkUDHgQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582596861406800808&usg=AFQjCNFSVlHDxaoeCnVHCUL-K81Tz1eCFw
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/610.html

[国際17] 米入国禁止令は深刻な過ち トランプ素人劇 ビザ制度厳格化 苦境陥るインドIT 米「罵り言葉」本増え対応苦慮 ドルが板挟み
【オピニオン】米入国禁止令は深刻な過ち
一番の問題はこの大統領令が発するメッセージ
全米各地で大統領令への抗議活動が発生した(1月29日、ニューヨーク)
By WILLIAM A. GALSTON
2017 年 2 月 2 日 15:15 JST

――筆者のウィリアム・A・ガルストンはWSJの政治コラムニスト

***

 ドナルド・トランプ米大統領が発した、全ての難民とイスラム圏7カ国の一般市民の入国を一時停止するという大統領令は深刻な過ちだ。だが「移民の国」としてのわれわれのアイデンティティーに対してこの大統領令がふるった暴力について、長々とした独白を書き連ねることは控える。筆者は真実というものの価値が骨董品になりつつあることを恐れているが、それよりもっと明確な懸念をここでは指摘したい。

 まず、大統領令は恐らく違憲だ。ニューヨーク連邦地裁のアン・ドネリー判事は大統領令の効力を一部停止し、2人の難民の強制送還を認めない判断を下した際、こう記している。強制送還は「米国憲法が保証する適正な手続きと、法の下の平等な保護に違反するとの原告の主張は立証に成功する可能性が高い」。確かに原告は「市民」ではない。しかし、合衆国憲法修正第14条は「市民」の特権や免責と、「個人」が持つ適正な手続きと平等保護の権利を明確に区別している。

 大統領令は国教樹立禁止条項にも抵触している可能性がある。大統領令は難民・移民の入国に関して宗教による基準を設けたわけではないとホワイトハウスは主張するが、2つのことがそれとは反対のことを物語っている。先週末、トランプ氏の元顧問で元ニューヨーク市長のルディー・ジュリアーニ氏がFOXニュースの番組でこう語った。トランプ氏は「イスラム教徒を対象にした入国禁止」を選挙戦中に宣言した後、自分のところに来て、「一緒に法案を作ろう。合法的にやる正しい方法を教えてほしい」と言ったと。驚くべきことではないが、ジュリアーニ氏は形を変えたイスラム教徒の入国禁止令を作ることの手助けをしたのだ。

 さらに言うと、大統領令の文言は一時的な禁止措置が終了すれば、イスラム教徒以外の人が優先的に扱われることを明確にうたっている。国務省と国土安全保障省(DHS)は宗教的な迫害を理由に難民申請を行っている個人を優先するよう指示を受けている。その場合の条件は「当該者の宗教が国籍を有する国で少数派であること」だ。つまり、世界で最も危険な地域から来る多くの難民たちにとって、これはイスラム教徒が除外されることを意味する――このイスラム教徒には、シリアのように少数派のシーア派が政権を握り、多数派のスンニ派が大半を占める国のイスラム教徒も含まれる。

 憲法問題を脇に置いたとしても、大統領令の合法性は曖昧だ。移民に関する米国の基本法である1965年の移民国籍法は移民ビザ(査証)を発給する際、個人の「人種、性別、国籍、生誕地、居住地」による差別を禁じている。表面的に見れば、特定の国からの移民を除外するのは同法に抵触する。

 トランプ政権はこう反論する。国益に反すると大統領が判断した非市民については、いかなる集団であれ入国を一時的に停止することができると1952年の法律は定めていると。しかし米シンクタンク、ケイトー研究所のデビッド・バイヤー氏が指摘するように、1965年の法律はこの大統領の権限を修正・制限している。例外を設けられるのは連邦議会に限られる。ロバート・ジャクソン元最高裁判事は「大統領が(中略)議会の意向と相いれない施策をとる場合は、大統領の権限は最も弱いものとなる」との見解を示している。

 法的問題をさておいたとしても、大統領令は健全な公共政策にも合致していない。難民はすでに、トランプ氏が言う「徹底的な審査」の対象となっている。この審査は1年半から4年の歳月を要する。ブルッキングス研究所の筆者の同僚、ダニエル・バイマン氏が指摘するように、だからこそ「米国内のテロ攻撃とシリア難民には全くつながりがない」のだ。

 大統領令はまた、米軍やほかの米国機関に協力したがために命の危険を感じている移民・難民たちを痛めつけてもいる。ジョン・F・ケネディー国際空港で拘束された一人は米軍の通訳として、また米国が資金を拠出した再建設プロジェクトにエンジニアとして協力した人物だ。暗殺の危険を感じ、最初はイラクのバグダッドで次にキルクークで特別な種類の移民ビザを申請。「米国のために信頼のおける、かつ価値ある任務を行った」ほか、この任務の結果として深刻な脅威を経験していることを理由にビザは発給された。

 仮にこれが外国籍の人が期待できる米国からの「礼」であるというのなら、どうして米国に協力しようと思うだろう。

 個人への不当な扱いに加え、大統領令は米国の外交政策も損ねている。米外交問題評議会で長年、会長を務めているリチャード・ハース氏は、政策に関する専門家や元高官の大多数の声を代弁し、「過激派組織『イスラム国』(IS)の仲間にとって、今が勧誘の絶好の機会だ」と述べ、こう続けた。大統領令は「『われわれ(IS)がこれまでずっと言い続けてきたように、米国人はイスラム教徒と戦争している』というメッセージを送っている」。

 一番問題なのは、米国の現状に関して大統領令が発しているメッセージだ。トランプ大統領のもとでは、われわれの国益や道義がどれだけ犠牲になろうと、米国民は難攻不落の完璧な安全保障という幻に駆り立てられた法的なマジノライン(訳注:第1次世界大戦中に設けられたフランスの対ドイツ防衛線)の後ろでおびえ、萎縮し続ける状態に置かれる。米国は「勇気ある人々の家」でなければ、「自由の地」にはなれない。大統領令の根底にある心情を表す言葉はある。ただし、それは「勇気」ではない。

トランプ新大統領特集

入国禁止令に反対するUAW、賛否交錯
米ウーバーにバッシング 入国禁止令への対応で
トランプ大統領の入国拒否、何が狙いか?
サウジ、米の入国禁止で中東盟主として板挟み


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トランプ氏、ビザ制度の広範な改革求める大統領令を準備
ホワイトハウスで行われたサイバーセキュリティーに関する会議に出席したトランプ大統領とジョン・ケリー国家安全保障長官(1月31日)

By LAURA MECKLER AND LAURA STEVENS
2017 年 2 月 2 日 14:36 JST

 【ワシントン】ホワイトハウスと米議会はまた一つ異論の多い移民政策に手をつけようとしている。テクノロジー企業などが頼みにしてきたビザ制度だ。

 トランプ政権は、政府に「米国民の雇用、賃金、福祉を守る」ために幅広いビザ制度の見直しを命じる大統領令について検討している。

 この草案は特定の業界を挙げてはいないが、多くのテクノロジー企業は高いスキルを持った労働者向けの「H-IB」ビザが変更されるのではないかと懸念している。こうした企業は、年に8万5000件が発行されているこのビザを増やすように政府に働きかけてきた。米国にはITやコンピューター科学の専門知識を持った労働者が50万人足りないとドメイン登録大手ゴーダディー・ドット・コムのブレーク・アービング最高経営責任者(CEO)は指摘している。

 一方、共和党議員のグループはビザ制度の見直しと、法的な移民受け入れ数の縮小につながる可能性のある法案の取りまとめを進めている。中心となっているのはデービッド・パーデュー(共和、ジョージア州)、トム・コットン(共和、アーカンソー州)両上院議員で、違法な移民への対応策として強制執行に訴える方法を選択してきた同党にとって大きな方針の転換だ。トランプ大統領は選挙運動期間から同様の主張をしていた。

 この草案には、親族の移民や難民の受け入れの上限を引き下げることや、移民の少ない国の国民に抽選でグリーンカード(永住権)を与える制度を廃止することなどが盛り込まれている。民主党は一般に移民の親族の受け入れを減らすことに反対だ。

 大統領令は雇用に焦点を絞っているようだ。例えば草案は、国土安全保障長官に90日以内に「雇用されている非移民労働者に関わる制度の一貫性を取り戻し、現行制度によって影響を受けている米国民や(既に米国で働いている外国人労働者を保護するため」の新規則を策定するよう求めている。

 ただ、この草案には、グーグルやフェイスブックなどテクノロジー企業が喜びそうな条文も盛り込まれている。国土安全保障長官に対し「H-1Bビザを最高の人材に発給するため手続きの改革」を求めている部分だ。

 ホワイトハウスの報道官は、大統領令の草案についてのコメントを控えた。この草案は先週ニュースサイト「ボックス(Vox)・ドット・コム」のサイトに掲載された。草案は大幅に変更されたり、発令が見送られる可能性もある。

トランプ新大統領特集

【オピニオン】米入国禁止令は深刻な過ち
豪州との難民移住合意、トランプ氏が破棄を示唆
入国禁止令に反対するUAW、賛否交錯
米ウーバーにバッシング 入国禁止令への対応で
トランプ大統領の入国拒否、何が狙いか?
サウジ、米の入国禁止で中東盟主として板挟み
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【寄稿】入国禁止令に見るトランプ素人劇
大統領令の発表の仕方はお粗末、次に間違えば深刻な危機になる可能性も
By KARL ROVE
2017 年 2 月 2 日 17:48 JST

――筆者のカール・ローブ氏はジョージ・W・ブッシュ元大統領の次席補佐官を務めたほか、政治活動委員会「アメリカン・クロスロード」の設立に関わった

***

 ドナルド・トランプ米大統領が海外の危険地域からの訪問者に対して「徹底的な審査」を行うと発言したのは、選挙期間中の昨年8月15日のことだった。その公約が守られたことには誰も驚くべきではないだろう。しかし大統領令の内容、署名されたタイミング、そして発表後の混乱には、当惑せざるを得ない。

 トランプ政権がその政策を発表したのは金曜日の午後だった。普通はあまりメディアに取り上げられたくないことを発表するタイミングだ。しかも概要をまとめた資料もなく、政府関係者はすぐに説明しなかった。記者が大統領令の全文を受け取るまでに2時間かかり、ホワイトハウスが質問に答えるまでにさらに2時間かかった。 

入国禁止令に署名をするトランプ氏
入国禁止令に署名をするトランプ氏 PHOTO: CARLOS BARRIA/REUTERS
 大統領令は即時に発効し、入国が禁止された7カ国から来た数百人はビザを所有しているにもかかわらず行き場を失った。国外から飛行機で到着してそのまま空港で拘束される人、送還される人、国外の出発地で搭乗を拒否される人もいた。政権はグリーンカード(永住権)を保有している人たちにも同じ措置を適用した。彼らの大半は何年にもわたって米国に居住し、働いたり勉強したりしている。

 混乱と議論が起きたのは当然のことだ。全米各地の空港には何千もの人が集まって抗議した。法廷に駆け込んだ弁護士たちは、大統領令の執行を一部遅らせる司法判断を勝ち取った。政権は翌日に大統領令に変更を加え、グリーンカード保有者には場合によって入国を認めるとした。

手順を踏んで事を進めていれば

 仮にトランプ氏が時間をかけて準備し、計画的に大統領令に署名していた場合を想像してもらいたい。トランプ氏は国務長官や国土安全保障長官に囲まれて大統領らしい演説をする。7カ国からの訪問者に対するビザの新規発給は即時停止すると発表し、なぜこれらの国々が選ばれたかを明確に説明する。また2人の長官に対しては「徹底的な審査」の方法を90日以内にまとめるよう指示し、シリアからの難民受け入れは無期限で停止する。

 さらにトランプ氏は、ビザを持っている7カ国からの訪問者は米国に入国できるが、到着時には監視が強まることになると付け加える。グリーンカードの所有者には新規則が適用されないことを再確認する。演説後はメディアとの質疑応答を2長官に任せる。議会幹部はこの時点で大統領令の内容を熟知しており、その正当性を語ることができる。なぜならマイク・ペンス副大統領がトランプ氏の演説前に根回しを済ませていたからだ――。

 こうした手順を踏んでいれば、大統領令の狙いをすべて達成しつつ大きな混乱を避けることができたはずだ。米クイニピアック大学が先月行った世論調査によれば、国民の48%は「テロ事件の起こる傾向がある地域からの入国を停止すること」に賛成しており、反対はわずか42%だった。

 政策決定プロセスとその発表方法が適切であったならば、政策支持率はより高かったかもしれない。抗議の規模も数も小さく、トランプ氏は政権発足後の早い段階で一つの勝利を収めただろう。米軍の通訳を長年務めたイラク人のハミード・カリード・ダウィーシュさんは、入国ビザを持っていたのにニューヨークのジョン・F・ケネディ空港で18時間も身柄を拘束されたが、こうした問題も起きなかったはずだ。 

ケネディ元大統領に倣え

 政権関係者はあえて論争を巻き起こしたかったのかもしれない。メディアや政敵をあわてさせることでトランプ氏が有利になると考えてのことだ。しかしトランプ氏を批判する側が醜態をさらしたとしても、本人にもダメージがあったことは確かだ。ただ、バラク・オバマ前大統領の行動はトランプ氏に有利に働いた。オバマ氏は先月30日、コミュニティー活動家としての衝動を抑えきれず、抗議者たちをあからさまに激励した。大統領を退任してわずか10日目であり、後任者のために沈黙を守る期間は短かった。

 今回の論争は時間の経過とともに収まるだろう。ケリー国土安保長官は31日の会見で事態を沈静化させた。メディアの関心は、トランプ氏がニール・ゴーサッチ氏を最高裁判事に指名したことに移っている。

 しかしトランプ氏の側近は今回の件を教訓としなければならない。政策の審議過程では閣僚に全面的に参加させ、決定前の段階で大統領に直接意見を言える場を設けるべきだ。議会のスタッフをひそかに利用しておいて口止めしつつ、その上司である議員をないがしろにするのはよくない。大きな政策の発表では次の発表との間に時間を置き、国民が内容を消化できるようにすることも必要だ。ある側近は入国禁止令の発動が「大々的な成功」だとワシントンポスト紙に語っているが、今回の教訓に学ばなければこうした思い違いが続くことになる。

 過去にも出だしでつまずいた大統領はいる。ピッグス湾事件でのジョン・F・ケネディがそうだ。しかしケネディは過ちから学び、軌道を修正した。トランプ氏とその側近も同じ道を歩むべきだ。次に間違いを犯せば、トランプ政権だけではなく国全体に重大な影響を与えかねない。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiWv-vQ7_HRAhXJvLwKHeJrAhIQFgghMAE&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582596231096930696&usg=AFQjCNFL47cyx94qYhqzq4kvLaPOWrKgbA


 

 

苦境に陥るインドITサービス業界、トランプ氏の移民規制が直撃
インドITサービス業界は米国の移民制度改革で大きな痛手を受ける恐れがある
By ANJANI TRIVEDI
2017 年 2 月 2 日 17:30 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 インドの輸出は多岐にわたるわけではないが、トランプ政権はその一つと戦おうとしている。ITサービスだ。

 米国の移民規制強化の議論が高まるにつれ、専門職向けのビザを多用しているインドのIT関連企業とその株主は神経質になっている。近く実施されそうな移民規制はしばらく続く可能性があり、業界は予想より速く浸食される恐れがある。

 インドITサービス業界は、規模の大きさと米国への依存度の高さのため、ビザの規則がどう変わるにせよ、影響を受けやすい立場に置かれる。

 ITサービスはインドで最も重要な業界の一つだ。ICRAリサーチによると、昨年の輸出は総額1000億ドル(約11兆2600億円)で、過去10年にわたり年16%の成長を遂げてきた。特に米国向け輸出は全体の60%を超える。

 移民制度改革は、特殊技術を持つ低コストの労働者のおかげで高い利益率を維持しているという、この業界のビジネスモデルの中核に打撃を与える。こうした労働者の多くはインドに住んでおり、米企業は国内での事業運営を求められる政治的な圧力を感じることになりそうだ。だがインドITサービス会社は、プロジェクトの管理を支援するほか、顧客に近いところにスタッフを配置するため、米国でも多くの労働者を雇用している。

 米国の労働者の多くは外国からやって来た。移民規則が変更されれば、専門職向け「H-1B」ビザを持つ労働者の最低賃金が約2倍に跳ね上がる可能性がある。人件費が著しく増加すれば、利益率は急速に縮小する。IT関連企業は売上高の半分以上が人件費だ。野村のアナリストによると、ビザを持つ労働者の賃金が10?20%上昇すれば、1株利益は5?10%押し下げられ、利益率が1.3?2.5ポイント低下する可能性がある。

 トランプ政権の政策による痛手はさらに広がる恐れがある。野村によると、インドITサービス会社にとってヘルスケア業界向けの事業は最も急速に成長している分野の一つで、1年前に比べ20%近く伸びた。医療保険制度改革法(通称オバマケア)が需要を押し上げたが、トランプ氏はこれの廃止を目指している。

 過去1週間、トランプ政権の政策の注目の的は移民制度だった。この間、インドITサービス会社の株価は6%余り下落した。タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)は、米国の従業員のうちビザ保有者が60%余りを占める。インフォシスは売上高の約62%を米国で稼いでいる。痛手はさらに広がる恐れがある。

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米で題名に「罵り言葉」本が増加 書店など対応に苦慮
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米で題名に「罵り言葉」の入った本が増加(英語音声のみ) Photo: Allison Pasek/The Wall Street Journal
By
BRENDA CRONIN
2017 年 2 月 2 日 16:05 JST
 初めて本を出版することになったサイモン・グリフィン氏が顧客への出荷を始めたとき、娘のマチルダさん(9)が手伝いたいと言ってきた。だが、同氏はまず娘を座らせ、本の題名を告げなければならなかった。それは「F—ing Apostrophes」だった。(訳注=出版されたこの本のタイトルは「Fucking Apostrophes」となっている。しかし後述されているように、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の英語原文記事では、Fuckingなど「罵り言葉」は使用がいまなお禁止されており、記者が「−」を使用して「F—ing Apostrophes」に変更している。記事中のその後の「罵り言葉」もすべて同じ扱い)。
 グリフィン氏によれば、「娘は、変な表情をしてわたしを見ていた。わたしがたばこを吸うか何かしている場面をうっかり見てしまったかのような表情だった」という。同氏が執筆したのは、間違った場所に付けられることが多い記号「アポストロフィー」に関するポケットサイズのマニュアル本だ。

 しかし、本の注文が増えるにつれてマチルダさんは興奮して、「わたしの先生にも1冊持って行きたい」と言い出した。グリフィン氏は「ダメ、ダメ。校庭などでこれを持っていてはいけない」と娘を諭した。
 米国の書店では最近、グリフィン氏の本のように、題名に「(罵り言葉など)汚い言葉」が入った本が増えている。その中には、料理本(Thug Kitchen: Eat Like You Give a F—)もあれば、大人向けの塗り絵の本(Color Me F—ing Calmなど)、独学でゴスペルを学ぶ本(The Subtle Art of Not Giving a F—)や回顧録(There Is No F—ing Secret: Letters from a Badass Bitch)もある。

 こういったタイトルの本は、ミレニアル世代やベビーブーム世代の一部で熱烈なファンを獲得している。背景には、かつて禁じられていた罵り言葉が今や許容されるようになったと考えられていることがある。WSJは近年、この基準を緩和したが、今も多くの汚い言葉に「—」を入れて表記している。本記事でもこれを多用した。

 著者や出版社は、そういった本の売り込みが厄介になり得ることに気付き始めている。

 「ロデール・ブックス」と「ロデール・キッズ」の発行人兼副社長のゲール・ゴンザレス氏は、出版業界で何年もの経験を積んでいるが、本を売るにあたっての基準が書店間で異なることへの対応に苦慮していると話す。ロデールの料理本「Thug Kitchen」のシリーズや、4月に発売予定の「Bake Sales Are My B*tch」といった本の販売への対応だ。

 同氏は、「これまでの職場の経験上、わたしは販売チームの人たちに『この書店はass、hellとbitchだけを許すだろうけど、あの書店はf-もs-もオッケーだ』といったメールを送ったことはない」と述べた。
 ワイオミング州コーディの書店「レジェンズ・ブックストア」の店長、ケイリン・ビーズリー氏によると、店のスタッフはどの悪い言葉が許されるかに関する厳格な規則が与えられていないという。

 同氏は「こういった(罵り言葉入りタイトルの)本だけを特別に集めて並べる棚などはない」と話し、「たとえ『Eat Like You Give a F—』という料理本だとしても、『タコス図鑑』といったその他の料理本の横に並ぶことになるだろう」と語った。

Curse hedcut

 また同氏は、表紙に「f-」と表記されている本については、「(書店の)本店幹部が考え直すかもしれない」と述べ、「それは、(罵り言葉が)使われている状況とそれがどういった言葉かによる。それがs-とかhellとかだったら、Fワードが載っているのとは、かなり違うと思う」と話した。

 表紙に載っている汚い言葉に顔をしかめる書店と、それにより寛大な書店の両方に対応するため、一部の出版社は2種類の表紙を用意している。片方は1文字ないし2文字をアスタリスクに変えたもの、もう片方は「クリーン」な言葉に変えたものだ。かくして、Thug Kitchenシリーズの「Party Grub」という本のキャッチフレーズには2種類ある。1つは「For social mother-f—ers」、もう1つは「Eat clean, party hard」だ。後者の売れ行きはあまり好調でない。
 グリフィン氏の本を出版するアイコン・ブックスは、「F-ing Apostorophes」をスペリング通りにきちんと表記し、「−」の記号は入れなかった。他の本の中には、悪い言葉の一部を隠すようにインクのしみ、ぼかしや焦げた跡のイラストを入れたものや、「Thug Kitchen 101: Fast as F—」のように、曲がったパスタのイラストを入れたものがある。

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http://jp.wsj.com/articles/SB12107231265257393585504582596632122696476

 

トランプ米大統領の発言と政策にドルが板挟み

日本と中国が自国通貨を低く抑えているとするトランプ米大統領の発言を受けて、ドルは対円で2カ月ぶり安値を付けた PHOTO: JASON LEE/REUTERS
By
SAUMYA VAISHAMPAYAN IN HONG KONG, IAN TALLEY IN WASHINGTON AND CHELSEY DULANEY IN NEW YORK
2017 年 2 月 2 日 17:21 JST
 【香港】世界の外国為替市場がドナルド・トランプ米大統領や習近平・中国国家主席などさまざまな指導者の発言と、その政策の影響との間で板挟みになっている。
 世界で最も取引が多い通貨ペアの一つであるドル円相場の1月31日と2月1日の不安定な値動きからは、政治家の発言に市場がいかに神経をとがらせているかがうかがえる。
 31日の米市場では、ドルは1ドル=112円を割り込みそうになるなど2カ月ぶりの安値を付けた。トランプ大統領が、日本と中国が自国通貨を低く抑えようとし続けているのに米国は手をこまねいていると発言したことが手掛かりだった。
 ドルは1日のアジア市場で対円で反発した。安倍晋三首相は、日本の経済政策は国内のインフレ押し上げを目指すだけで、「円安誘導を巡る」米国の批判は「的外れだ」と反論した。
 2日のアジア市場午後の取引で、ドルは112.79円付近で推移している。
 アナリストらは、最終的には経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)の力が、世界の指導者たちの「口先介入」の力を上回る可能性が高いと指摘した。米連邦準備制度理事会(FRB)は今年、利上げを継続する見通しだが、欧州や日本など主要国・地域の中央銀行は景気てこ入れを目指し超低金利を維持する公算が大きい。こうした金利差はドル高につながるはずだ。金利が高い国の通貨のほうが利回りを追う投資家にとって魅力的だからだ。FRBは1日、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を据え置いた。
 シンガポールを拠点とする豪マッコーリーの債券・為替ストラテジー部門責任者、ニザム・イドリス氏は「為替相場は政府によってのみ動くわけではない」と指摘。「市場は最終的にはこうした発言にまひし、(資金の)流れで通貨の水準が決まる」と述べた。
 相次ぐ政治家の発言と実際の政策の不一致が一因となり、為替市場がしばらく荒い値動きとなる可能性がある。
 トランプ大統領と同政権の閣僚らはここ数日、ユーロと円、人民元を攻撃し、そのために米国が世界の貿易市場で敗北を喫していると主張した。通貨安になるとその国の輸出品が買いやすくなるためだ。
 トランプ氏は1月31日、他の国はどこも「通貨を切り下げている」と発言した。

対ドルでのユーロ(青)と円(緑)の推移
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AU962_FEDFX_16U_20170201033605.jpg

 一方、トランプ政権が新設した国家通商会議トップのピーター・ナバロ氏は今週、英フィナンシャル・タイムズ紙に対しユーロが著しく過小評価されていると述べ、過小評価されたユーロを利用しているとしてドイツを批判した。
 エコノミストらは、トランプ氏の不満にもかかわらず、新たな関税導入や財政支出拡大といった政策により、ドル相場が押し上げられる可能性が高いとの見方を示している。さらに、こうした政策が実行される中で、FRBはインフレ抑制を目指し、政策金利を引き上げざるを得なくなるとみている。
 ただ、発言と反対の効果が生じるような政策をとろうとするのは、トランプ氏に限ったことではない。
 安倍首相が2012年に掲げた「アベノミクス」は暗に円安を望んでいた。輸出企業の利益を押し上げることでそうした企業の賃金引き上げにつながり、インフレ率が上昇することを狙ったのだ。
 また、中国の習主席は1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、競争力を高めるために人民元を安値誘導する意図はないと発言した。これは、中国人民銀行(中央銀行)が日々、基準値(中間値)を設定している人民元相場が昨年、対ドルで6.6%下落したという現実を無視している。中国は巨額の債務や経済成長の鈍化、国民の国外への送金需要などの問題を抱えており、人民元は一段の下押し圧力にさらされている。
 ただ、世界の指導者たちの発言が、すべて望むような効果を実現しているわけではない。
 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は昨年12月、トルコリラを下支えするため、国民に保有する外貨の売却を要請した。大統領は今年1月上旬、投機筋について国家転覆を試みるテロリストと同一視する発言をした。
 しかし、大統領発言はリラの下落阻止にほとんど役立っていない。リラはドルに対し年初来、6.6%下落している。
トランプ新大統領特集
• 円安に祝うべき理由なし、上向かぬインフレ期待
• トランプ政権の通貨戦争、アジアの新たな不安材料に
• 【寄稿】トランプ氏の通商政策、真の問題は「通貨」
• トランプ相場がこれ以上続かない理由とは
• トランプ氏をすでに見限り始めた市場

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiWzaPL7_HRAhUBS7wKHcwzBTwQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582596794292284910&usg=AFQjCNEMbE--2YKZlsnG8qdOjsSYuvbJUg



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/747.html

[国際17] 英国、EU離脱で財政悪化の公算、金融サービス収入の痛手は大 遺伝子組換えでジーンズに価格破壊、かつてないほど安く商業生産
英国、EU離脱で財政悪化の公算

英国がEU離脱によってEU関連の金融サービス収入を失えば痛手は大きい(写真はデービッド・デービス欧州連合(EU)離脱担当相) PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
PAUL J. DAVIES
2017 年 2 月 2 日 15:56 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 英国議会が欧州連合(EU)からの離脱手続きに着手したら、ロンドンの金融業界がリスクにさらされるのは明らかだ。しかし、本当の痛手を被るのは同国の財政かもしれない。
 英国にとって金融サービスは主な輸出品だ。だが、テリーザ・メイ首相が立てた強硬な交渉戦略によって、英国が欧州市場へのアクセスを完全に、かつ突然失う可能性がかなりある。つまりEUから得る金融サービス収入の大半を失うことになる。
 ロンドンは欧州の投資銀行家と呼ばれている。英国を拠点とする銀行は、欧州企業の資金調達案件の半分以上、為替・デリバティブ取引の4分の3を手掛けている。しかしコンサルティング会社のオリバー・ワイマンによると、これらの銀行の収入に占めるEU関連案件の割合は2割にすぎない。
 銀行は多くの人員を欧州のオフィスに移すつもりはなく、ロンドンは安泰だろう。人員の移動は難しく、コストもかかる。また、英国を本拠とする銀行は、収入の6割を国内事業から、2割はEU以外からあげている。
 EU関連の収入が最も重要な問題になるのは英国の国際収支だ。EU域内を拠点とする企業と投資家がロンドンを通じて融資を確保したり、資金を調達したり、投資をしたりすることができなくなったら、英国の経常収支は悪化するだろう。現在、同国の経常赤字の対国内総生産(GDP)比は約6%に達している。
 オリバー・ワイマンは、英国に本拠を置く銀行が2015年に、EU域内を拠点とする顧客とユーロ関連製品が絡む案件から得た収入は230億〜270億英ポンドと試算している。これは、政府が224億ポンドと見積もる同年の英国の金融サービス(保険を含む)のEU向け輸出額に近い。
2015年の英国の国際収支内訳
左が貿易収支、中央が金融サービス収支、右がその他サービス収支;緑=対EU、黄=EU以外(単位:10億ポンド)
Balancing Act
U.K. balance of payments in goods and services for 2015

THE WALL STREET JOURNA LSource: Office for National Statistics 


 欧州から英国への金融サービスの輸出額はあまり多くないため、英国の対EUの金融サービス貿易収支は190億ポンドの黒字だった。これは対EUのサービス貿易黒字の9割以上、対世界のサービス貿易黒字の22%を占める。
 15年の経常収支では、EU関連の金融サービス収入を除くと、経常赤字の対GDP比は1ポイント余り上昇する。
 他の貿易項目が悪化している中で、EU関連の金融サービス収入を失えば痛手は大きい。今年はこれまでのところ、輸入は増えているが、輸出は減っている。
 さらに悪いことに、野村によると、英国の経常赤字の補てんが難しくなる。なぜなら、海外の金融サービス会社は08年以降、平均で英国に対する直接投資の半分を占めているからだ。こうした投資がなくなったら、金利が上昇し、ポンドも下落するとみられる。
 EUから得る金融サービス収入が急減する、またはなくなる可能性は高い。銀行のEU市場へのアクセス維持を認める金融サービス貿易協定の締結は、たとえ英国とEUが交渉をうまく進めても、複雑で時間もかかるだろう。EUからの最も強硬な離脱の形としてメイ首相がちらつかせたように世界貿易機関(WTO)協定に頼ることになれば、アクセスを完全に失うだろう。
 いくつの銀行が拠点を移すか、何件の案件が道連れにされるかを推定することは、ピントがずれている。英国がEUから強硬離脱すれば、欧州からの収入がなくなり、経常収支は悪化するだろう。雇用が減るかどうかは二の次だ。
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• 英EU離脱特集
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjKyo7B8vHRAhXBx7wKHVgBCJwQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582596662111692988&usg=AFQjCNEVNWkjHtwMHxtNkg4NsHg_aAvsLA

 

【寄稿】遺伝子組み換えでジーンズに価格破壊の波
遺伝子組み換え技術でジーンズはかつてないほど安く商業生産可能に
遺伝子工学の研究者はブルージーンズの主要材料である綿布とインディゴ染料をこれまでよりも安く生産する方法を開発した

By HENRY I.MILLER
2017 年 2 月 2 日 16:19 JST

――筆者のヘンリー・I・ミラー氏は医師で分子生物学者。米食品医薬品局(FDA)バイオテクロノジー室の初代室長を務めた。現在はスタンフォード大学フーバー研究所のフェロー

***

 遺伝子を組み換えたトウモロコシや大豆の栽培は環境に悪影響を及ぼすとか、遺伝子組み換え食品を食べるとアレルギーやがんになるという話を聞いたことはないだろうか。

 多くのフードアクティビストや過激な環境活保護主義者は遺伝子組み換え技術について誤った情報を流布し、ありもしないリスクや被害、死亡例を訴えている。中には必要以上のリスク評価を要求しておきながら、そのための実地試験を妨害する活動家さえいる。

 遺伝子組み換え技術は環境に悪影響を及ぼすものではない。それどころか、殺虫剤の散布を減らすことができる上、収穫高は増加し、水や耕作可能な農地を無駄遣いしなくて済む。遺伝子組み換え食品で人間の健康が損なわれたこともない。むしろ、この技術によって従来より長持ちする花、傷まないジャガイモ、切っても茶色に変色しないリンゴなど、消費者受けする製品が生み出されつつある。

 ブルージーンズもその1つだ。遺伝子工学の研究者はブルージーンズの主要材料である綿布とインディゴ染料をこれまでよりも安く生産する方法を開発した。もうすぐ、かつてないほど安くジーンズを商業生産できるようになる。

 遺伝子組み換えコットンはバチルス・チューリンゲンシス(Bt)という細菌の新たな遺伝子を綿に組み入れてつくる。この遺伝子から出現するタンパク質は特定の虫に対しては毒性を持つが、人間やその他の哺乳動物には害はない。こうした考え方は今に始まったわけではない。Btの生菌は1961年に米国で初めて承認され、現在では庭いじりをする人や農家に利用されている。その安全性と効果は実証済みだ。

 Btコットンに切り替えれば、農家は、虫による収穫被害の4分の1を占める主要害虫――アメリカタバコガ、ワタアカミムシ、オオタバコガ――を抑制することができる。英経済学者のピーター・バーフット、グレアム・ブルックス両氏の研究によると、この技術の導入で綿の収穫高は1996年から2014年までの間に平均17.3%増加した。

 Btコットンは環境負荷も少ない。通常の綿を生産するには、農家は鳥や魚などの水生生物に悪影響を及ぼすことが分かっている化学農薬を大量に使用して害虫を抑制している。農薬を大量に使う必要がなくなれば、農業労働者もその分、農薬に触れなくて済む。

 ジーンズのもう1つの主要原材料であるインディゴ染料は一般的に、毒性の強い化学物質を使って何段階かの複雑な過程を経て合成される。労働者や環境を毒性から保護するには特別な設備と予防措置が欠かせない。

 しかしインディゴ染料も遺伝子を組み換えたバクテリアを使ってつくることができる。製造工程は通常のインディゴ染料より少ない上、毒性の強い有機溶剤に代わりに水を使用する。主要な出発原料にはコーンシロップが使われ、廃棄物に毒性はない。現段階では商業ベースで使うほど効率的ではないが、注目に値する。

 遺伝子組み換え技術はこれまで何世紀もの間使われてきた、結果がどうなるか読みにくい技術を改良したものである。そしてこの技術は既に、経済的にも環境面においても素晴らしい結果をもたらしている。消費者は反対派が訴える証拠のない主張を受け入れる代わりに、遺伝子組み換え技術を農業やその他の産業に広く応用するよう求めるべきである。

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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwib9vnc8fHRAhXBU7wKHbrFBz0QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582596700838984264&usg=AFQjCNGDRlvUhHUp-CItXA5neSUz6wCUQg
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/748.html

[経世済民118] トランプ米大統領:カリフォルニア大バークレーへの補助金停止を警告 欧州債上昇 英国、可能な限り自由な金融取引の維持目指す
トランプ米大統領:カリフォルニア大バークレーへの補助金停止を警告
Margaret Talev
2017年2月3日 00:42 JST
トランプ米大統領は、1日夜にカリフォルニア大学バークレー校で予定されていた保守系ニュースサイト、ブライトバート・ニュースの編集者による講演が激しい抗議活動で中止となったことをめぐり、同校に対する連邦補助金の交付取りやめを警告した。
  トランプ大統領は2日朝、ツイッターに「カリフォルニア大学バークレー校が言論の自由を許さず、異なる見解を持つ罪なき人々に暴力行為を働くのであれば、連邦補助金はなしだろう?」と投稿。補助金なしの箇所は全て大文字で記した。
  カリフォルニア大バークレー校の声明によれば、「組織的とみられる暴力行為および器物損壊」により、警察当局は1日夜に予定されていたマイロ・ヤノプルス氏の講演を中止した。同氏はポリティカル・コレクトネス(政治的公正)への批判で有名なほか、ツイッターでコメディアンのレスリー・ジョーンズ氏に嫌がらせをしたとして利用禁止措置を受けていることでも知られる。ヤノプルス氏は、バークレー校の共和党支持グループの招待で講演する予定になっていた。
原題:Trump Threatens U.C. Berkeley Funding Over Violent Protests(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKR5ZISYF02401


 


欧州債総じて上昇-フランスとスペイン債買われる、入札消化で
Stephen Spratt
2017年2月3日 01:53 JST

2日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が 総じて上昇。ドイツ国債が上げたほか、入札を乗り切ったスペインとフ ランスの国債も買われた。
ロンドン時間午後4時12分現在、ドイツ10年債利回りは4.2ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.43%。
仏10年債利回りは4.1bp下げ1.05%、同年限のスペイン国債利回 りは3.7bp低下し1.64%となった。
原題:Spanish, French Bonds Bounce After Supply Easily Absorbed (抜粋)Euro-Area Government Bonds End-of-Day Curves and Cross Spreads(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKRA506S972Q01


 

英国:EU離脱後の「可能な限り自由」な金融取引の維持目指す−白書
Robert Hutton
2017年2月2日 23:46 JST

市場分断やサービス撤退の可能性の回避が必要
関係維持は英国とEUの利益にかなう−英政府

英国のメイ政権は2日、欧州連合(EU)離脱手続きに関する白書を公表し、EUとの金融サービスについて「可能な限り自由」な取引を維持する方針を示した。

  英政府は白書で「金融サービス業界は欧州経済の重要な一部で、欧州での事業の資金調達と成長に大きな役割を果たしている」とし、「市場の分断とサービスが断絶ないし撤退する可能性を回避するために継続することが、英国とEUの利益にかなう」と指摘した。

  メイ首相の計画に圧力をかけたい英議員にとって、この白書はその材料になる。最大野党の労働党はEU離脱を原則的に支持しているものの、単一市場へのアクセスを最大限確保することに注力すると表明。与党・保守党の多数の議員もEUと多くの関係維持に取り組む意向を示している。

  閣僚らはメイ首相が先月17日に行ったEU離脱に関する演説に必要な全ての情報が盛り込まれていたと主張したものの、最高裁判所は首相がEU離脱手続きを開始するためには議会の承認を得る必要があると判断。より詳細な情報の公開を求め、政府は白書公表を余儀なくされた。
原題:U.K. Seeks ‘Freest Possible’ Banking Trade Deal After Brexit(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKR39N6KLVRG01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/615.html

[政治・選挙・NHK220] 日米成長雇用イニシアチブ アメリカでインフラ投資に51兆円 数十万人の米雇用増 米側は農産品を含む日米間FTAを要求か 
日米成長雇用イニシアチブ アメリカでインフラ投資に51兆円
今月10日に予定されている日米首脳会談で、安倍首相が米国側に提案する日米経済協力の原案が2日、わかった。

米国の鉄道などのインフラ(社会資本)投資で新たに4500億ドル(約51兆円)規模の市場をつくり、70万人の雇用を生み出すとした。日本の自動車市場や、通貨安への批判を強めるトランプ米大統領に対し、日米が協力することで、経済面で大きな利点があることをアピールする内容だ。

提案は「日米成長雇用イニシアチブ」として、五つの協力分野を示した。具体的には、▽米国内における世界最先端のインフラ整備▽世界のインフラ需要開拓▽ロボットや人工知能(AI)の研究開発▽サイバー、宇宙など新分野での協業▽雇用と防衛の政策連携――となっている。
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20170202-OYT1T50102.html

まあ最終的な落としどころは真水で150兆円ぐらいじゃまいか?(爆wwwwwwwwwww
因みに雇用は白人比率が最低で90%はないとあかんやろね。もちろん日本の反米親米サマナ両方ともが大嫌いなアングロアメリカンを優先雇用。(爆wwwww


皇室と自称米国メーカーのトヨタと『日本の伝統』とやらを維持するために血便垂れ流してガンガレ!日本国民!(爆wwwwwwww


Posted by てんこもり野郎 at 23:17
2 件のコメント:
匿名 さんのコメント...
>アングロアメリカン

これです?

アングロ・アメリカン - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%B3


>日本の反米親米サマナ両方ともが大嫌い
大嫌いなんですか?(なぜ大嫌いなのか、からはじまって全部よくわからない…)
2017年2月2日 23:23
匿名 さんのコメント...
>皇室と自称米国メーカーのトヨタと『日本の伝統』とやらを維持するために血便垂れ流してガ
>ンガレ!日本国民!(爆wwwwwwww

検便すれば、ギョウ虫、回虫、サナダ虫に寄生され捲くってる現実が目のあたりにされるんでしょうが、検便すらもしようとしませんから。馬車馬のように働くのみですっ。キリッ!
2017年2月2日 23:35
http://tokumei10.blogspot.jp/2017/02/blog-post_42.html

 


 

2017年1月31日 
「日米イニシアチブ」検討、数十万人の米雇用増目指す=政府筋

[東京 31日 ロイター] - 日本政府が米政府に説明する目的で、米国内での雇用創出を見据えた政策パッケージの検討を進めている。複数の政府筋が明らかにした。トランプ米大統領が雇用を優先課題に掲げる中、米国のインフラ投資活性化などを通じ、日米連携で数十万人規模の雇用増につなげることを目指す。名称は「日米成長雇用イニシアチブ」とする方向で、2月10日の日米首脳会談に向けて最終調整する。

新たに打ち出す枠組みでは、米国内のインフラ投資を含め、複数の分野で日米が協力し、米国内での雇用拡大とともに生産性向上を促す。

具体的には、米国内で発行されるインフラ事業テコ入れのための債券(インフラ債)への投資や、米東海岸、カリフォルニア州、テキサス州で構想されている高速鉄道プロジェクトへの資金供給も視野に入れる。

安倍晋三首相は30日の参院予算委員会で、米国との通商協議に関し「ウィンウィンの関係を作り、米国の雇用を増やし、日本も良くなっていく」と述べ、日米間での経済対話に意欲を示した。

ただ、トランプ大統領は雇用創出を求める一方、自動車貿易を巡って日本批判を展開しており、今後のトランプ氏の動向次第で、同計画の扱いが流動的になる可能性もある。
http://jp.reuters.com/article/japan-us-initiative-idJPKBN15F0KT

 
首相、米雇用創出の協力策提示へ トランプ氏との首脳会談で
(2017年2月1日午前2時00分)

安倍晋三首相が米国内での雇用創出に協力するため、米ワシントンで2月10日に行うトランプ大統領との首脳会談で包括的な政策パッケージを提示する方向で検討に入った。高速鉄道やエネルギー、人工知能(AI)など幅広い分野で貢献し、数十万人規模の雇用増につなげたい考え。名称は「日米成長雇用イニシアチブ」が有力だ。複数の日本政府関係者が31日、明らかにした。

 トランプ氏が求める雇用創出に応えるとともに、自動車分野における対日貿易赤字への批判を緩和する狙いがある。

 ただ米側は、競争力のある農産品を含む日米間の自由貿易協定(FTA)を求めてくる可能性がある。

http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CO/main/1202441.html 
http://fxya.blog129.fc2.com/blog-entry-33470.html
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/148.html

[経世済民118] 「ロイター流」のトランプ報道 日本株は反発へ、円高一服や良好な企業決算 債券は上昇か、日銀期待感−円高進行も 海外市場
ブログ:
「ロイター流」のトランプ報道

Steve Adler

トランプ大統領が率いる米国の新政権に対し、ロイターはどのような報道姿勢で臨んでいるのか。スティーブン・アドラー編集主幹は31日、トランプ氏に関するロイター報道のあり方について、以下のように社員にメッセージを送った。

トランプ政権が始動してからの12日間(そう、まだそれしかたっていない)は、誰にとっても印象深いものとなったが、とりわけ報道に携わるわれわれにとっては、チャレンジングだった。

米国大統領がジャーナリストを「地球上で最も不誠実な人間の類い」と呼んだり、大統領の首席戦略官がメディアを「野党」と言い放ったりすることは、よくあることではない。トランプ新政権をどのように報道するべきなのか、疑問や意見が充満していても驚くにはあたらない。

では、これに対するロイターとしての答えは何か。政権に反対することか。政権をなだめることか。ブリーフィングをボイコットすることか。われわれのプラットフォームを使って、メディアへの支持を集めることなのか。

そうした巷にある考え方は、一部の報道機関には正しいことかもしれない。しかし、ロイターには当てはまらない。われわれはすでに何をすべきか分かっている。日々、それを世界中で行っているからだ。

分かりきったことだが、ロイターは独立した中立的な立場で、100カ国以上からニュースを伝える世界的な報道機関である。そのなかには、メディアを歓迎せず、度々攻撃にさらされる国も多く含まれる。トルコ、フィリピン、エジプト、イラク、イエメン、タイ、中国、ジンバブエ、ロシアといった国々での仕事を私は常に誇りに思っている。こうした国々では、ジャーナリストは検閲、訴追、査証(ビザ)発給拒否、時には身体的な脅威にも見舞われることがある。

ジャーナリストを守るため、このようなことすべてに対しわれわれは最善を尽くして対応する。そのためにわれわれは、公正かつ誠実な報道を行うことを改めて決意し、忍耐強く入手困難な情報を集め、そして中立の立場を維持する。

われわれは自分たちのことや自分たちの問題についてはめったに書かないが、ビジネスの世界や読者や視聴者の生活に影響を与えるような問題については頻繁に報道している。

トランプ政権による攻撃が今後、どのように先鋭化するか、あるいは、そうした攻撃によって、われわれの取材活動がどれほど法的な制限を受けるのかはわからない。

だが、確実にわかっているのは、われわれが常に、どこにおいても、自分たちの仕事を支配している同じルールに従わなくてはならないということだ。

そのルールとは、すなわち、以下の通りである。

<やるべきこと>

●人々の生活にとって重要であることを報道する。そして、人々がより良い判断ができるよう、必要な事実を提供する。

●より賢く、精力的に動く。情報を得るためのドアが1つ閉ざされたなら、別のドアを開く。

●発表資料に頼ることは止め、情報への公式なアクセスがあるかどうかにはこだわらないようにする。どのみち、本当に貴重だったことはないのだから。ロイターのイラン報道は傑出しているが、われわれには事実上、公式に取材する手段はない。だが、われわれには情報源がある。

●人々がどのように暮らし、いかに考え、何が彼らに役立ち、彼らを傷つけているのか。そして、政府とその行動が、われわれにではなく、彼らにどう受け止められているのか。現地に入り、さらに理解を深める。

●トムソン・ロイターの「信頼の原則」を手元に置き、「高潔さ、独立性、偏見からの自由を完璧に維持する」ことを忘れない。

<すべきではないこと>

●決して臆することなく報道する。

●ただし、不要なけんかは売らない。あるいは、自分たちについての記事は書かない。われわれは自分たちの内輪の話を気にするかもしれないが、世間一般はそうではなく、たとえそうだとしても、われわれを支持しないかもしれない。

●フラストレーションを毎日のようにかきたてると思われることについても、表立って怒りを爆発させるのは避ける。他の、数えきれないほど多くの国においても、われわれは個人的憎悪から記事を書いたと疑われないよう、自分たちの考えは内にしまっている。米国でも同様にそれを行う必要がある。

●報道活動が置かれている環境について、悲観的すぎる見方をしない。そうした状況は、われわれがより過酷な世界で学んだスキルを実践し、模範を示し、どの報道機関よりも新しく、有益で啓発的な情報や洞察を提供する機会であるのだから。

米国において、そして世界のどこであっても、これがわれわれのミッションである。世界に影響を与えることができるのは、われわれが勇敢で中立の立場を守るプロフェッショナル・ジャーナリズムに徹しているからだ。

間違いを犯した場合(実際に犯すことはある)、直ちに完全に訂正をする。何か知らないことがあれば、正直にそう言わなくてはいけない。うわさを聞いたなら、それを追跡し、事実に基づくものだと自信が持てる場合にのみ報道する。

スピードは重んじるべきだが、性急ではいけない。さらに確認が必要なときは、確認に時間をかける。最も早かったとしても、間違っている「スクープ」は回避しなくてはならない。落ち着きある高潔さをもって仕事に向かわなければならない。それは、われわれのルールブックにそうあるからということだけが理由ではない。これまで165年にわたり、それがロイターとしての最高かつ最良の仕事を可能にしてきたからだ。

(31日)

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視点:「悪いトランプ」は杞憂か、劇場政治の罠=安井明彦氏 2016年 12月 24日
焦点:トランプ時代の米中対立、想定される中国の報復シナリオ 2016年 12月 16日
コラム:中国の米企業へ、トランプ氏のメッセージは「くたばれ」 2016年 12月 07日
http://jp.reuters.com/article/blog-reuters-steve-adler-idJPKBN15H0ZX?sp=true



日本株は反発へ、円高一服や良好な企業決算−ソニーやパナソニク上げ
長谷川敏郎
2017年2月3日 08:09 JST
3日の東京株式相場は3日ぶり反発の見込み。為替の円高が一服している上、良好な企業決算が相次いでいることから、電機など輸出関連や非鉄金属など素材株中心に高くなる。ソニーやパナソニック、オリンパスなど決算評価銘柄が買われそう。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは「3月の米利上げを占う雇用統計を前に、ポジション(持ち高)を傾ける動きを控えて様子見になりそう」とし、「ドル・円にいったんショートカバーが入ったように、日本株でも昨日の下げに対するショートカバーが入るだろう」と予想した。
  米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物(円建て)の2日清算値は1万9040円と、大阪取引所の通常取引終値(1万8930円)に比べて110円高だった。
  けさの為替市場ではドル・円相場が1ドル=112円80銭台と、昨日の円高値112円06銭や東京株式市場の2日通常取引終了時点の112円56銭に比べて円高の勢いが弱まっている。3日発表の1月の雇用統計を前に、債券市場とともに方向感が出にくい。
  ブルームバーグが集計したエコノミスト予想によると、雇用統計での非農業部門雇用者数は18万人増(前回15万6000人増)、平均時給は前月比0.3%増(同0.4%増)、失業率は変わらずの4.7%が見込まれている。「FOMCで3月利上げが読み取れなかったことで、雇用統計が予想以上となってもう一度利上げ観測の流れが復活してくるかがポイント」と、三菱モルガンの鮎貝氏。同結果が来週の為替相場の流れを決めるだけに、いったんはリスクを低下させるため足元までの円高や日本株安に対する反動が出やすいという。
  一方、週ベースで今週が発表のピークとなる2016年10ー12月決算では、事前予想を上回る良好な結果が相次いでいる。2日発表分では半導体事業の回復が確認されたソニー、通期営業利益予想を増額したパナソニクやオリンパス、住友電気工業、業績の底堅さを示したダイセルなどが好感される可能性がある。「決算はそこそこ好調。為替要因だけでなく、生産性向上に向けた設備投資や半導体、IT絡みのソフトウエア投資などの回復感が出ている」と、鮎貝氏は指摘した。
  米主要株価指数の2日終値は、S&P500種株価指数が1.30ポイント(0.1%)高の2280.85、ダウ工業株30種平均が6.03ドル(0.03%)安の19884.91ドルとまちまちだった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKRR5S6JTSEH01



債券は上昇か、日銀の金利上昇抑制策への期待感が支え−円高進行も
三浦和美、山中英典
2017年2月3日 08:08 JST
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買い入れ増額や指し値オペなど相応の対応見込まれる−東海東京証
先物夜間取引は149円71銭で引け、前日の日中取引終値比3銭高

債券相場は上昇が予想されている。日本銀行がこの日の金融調節で長期金利上昇を抑制するために国債買い入れオペ増額などの措置を講じるとの期待感が相場を支える見通し。
  3日の長期国債先物市場で中心限月3月物は149円台後半での推移が見込まれている。夜間取引は149円71銭と、前日の日中取引終値比3銭高で引けた。

  東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「他市場は円高がポジティブ」と指摘し、「今日は買い入れ増額や、指し値オペ実施など相応の対応が行われると見込まれる」と予想する。「日銀は止めるという期待とその結果で、相場が変動しよう」とみている。
  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値0.105%付近からやや下回る水準で推移する見通し。佐野氏はこの日の予想レンジを0.085%〜0.105%としている。
  2日の取引では長期金利が一時0.115%と、日銀がマイナス金利政策を決めた昨年1月以来の水準まで上昇した。日銀の国債買い入れオペの運営に不透明感が根強い中、同日実施の10年利付国債入札が低調な結果となり、売り圧力が強まった。昨年9月からの日銀長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)下で、市場で長期金利の上限と目されていた0.1%を初めて上回った。
  東海東京証の佐野氏は、「多くの市場関係者がめどとみていた0.10%を上回り、0.115%まで上昇した。直接的引き金は不芳な入札結果だが、日銀のイールドカーブ・コントロールに対する疑念が底流にある」と指摘した。


https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iFyYcZD1pvFs/v2/-1x-1.png

日銀国債買い入れオペ


  日銀はこの日午前の金融調節で、長期国債買い入れオペを通知する可能性がある。このうち、残存期間「5年超10年以下」のオペについては、長期金利上昇を抑制するために増額されるとの観測が出ている。同ゾーンは1月27日に昨年9月の長短金利操作導入後で初めて4500億円程度に増額。しかし、1月末に発表された当面の長期国債買い入れ運営についてでは、2月初回オペの金額を1月当初の4100億円程度に戻している。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、慣例に倣えば、今日は通常の長国買い入れオペが5−10年などを対象に通知されると指摘。「日銀は1月27日に増額した同ゾーンの買い入れ額を2月初回に4100億円程度に戻すと既にアナウンスした。ただ、“程度”が付 いているので、増額余地はあると読める。仮に今日4100億円のまま通知されれば、失望的な債券売りを招くだろうから、増額の可能性は相応にありそう」と予想。また、「10年債などへの指し値オペの可能性も今日は排除できない」と言う。
  2日の米国債相場はもみ合い。米10年債利回りはほぼ変わらずの2.47%で引けた。米国株式相場は横ばい圏。ニューヨーク外国為替市場では、1ドル=112円台前半までドル安・円高が進行した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKRRML6K50YS01


2月2日の海外株式・債券・為替・商品市場
西前 明子、楽山 麻理子
2017年2月3日 06:40 JST 更新日時 2017年2月3日 07:30 JST
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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。
◎NY外為:ドルが下げ渋り、雇用統計控えてリスク選好が低調
  2日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円などで下げ渋る展開。3日発表の1月の雇用統計を前に、国債利回りと連動する動きが続いた。「トランプ・リフレ」トレードは失速、もしくは収束したようで、市場は新たな材料を探している。
  今週はトランプ大統領と側近の発言を受けてドルの地合いが弱まっており、トレーダーは次のポジション形成に向けて決定的な材料を模索している。大統領と側近はドルが過大評価されているとの認識を示した。財務長官に指名されたムニューチン氏はまだ議会で承認されておらず、為替政策について話す中心人物がいないことから、トランプ政権がドル安を目指しているのか、それとも政権初期の失言なのかトレーダーや投資家は判断しかねている。  
  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比0.4%安い1ドル=112円80銭。対ユーロでは0.1%上げて1ユーロ=1.0759ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%低下の1232.54。
  ロンドンのトレーダーによれば、はっきりした方向感がない中、商いは低調だったが、投機筋やモデル系ファンドはドルを売り持ちにしている。雇用統計が強い内容となれば、ドルの強気なセンチメントが復活する可能性があるが、弱い内容になれば、ドルは短期的に軟調な状況が続くとの見方が強まりそうだ。
  ドルが数週間前に付けた割安な水準に近づいているものの、政治よりも経済のファンダメンタルズに注目する長期的な観点の投資家は大規模なドル買いに動いていない。
  非農業部門雇用者数は17万5000人増が予想されている。ADPリサーチ・インスティテュートが1日発表した1月の米民間雇用者数は24万6000人増だった。最近は両指標の相関関係が強まっており、雇用統計の上振れを示唆している可能性がある。
原題:Dollar Pares Drop, Risk Appetite Subdued Ahead of Jobs Data(抜粋)
◎米国株:ほぼ変わらず、金融株は下げ公益株やエネルギー株は高い
  2日の米国株は企業決算や経済統計を手がかりにもみ合う展開の後、ほぼ変わらずで終えた。
  S&P500種株価指数は1.30ポイント(0.1%未満)上げて2280.85。ダウ工業株30種平均は6.03ドル(0.1%未満)下げて19884.91ドルだった。投資家は3日発表の米雇用統計に注目しながら、ホワイトハウスから経済支援政策についてサインが出るのを待っている。
  S&P500種セクター別指数では金融株が下落。このうち銀行銘柄は特に売られ、5日間のうち4日で下げた。金融株は週間ベースでは1.8%安となっている。一方、公益事業株と生活必需品は上昇。エネルギー株も高い。
  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は0.5%上昇。今週3日目の上昇となった。
  S&P500種は1月25日に終値ベースの最高値を記録して以来、騰勢を失っている。クレディ・スイスのストラテジストは2日発表したリポートで、バリュエーションは「明らかに割高」だと指摘した。
  フェイスブックは一時の上げを消して1.8%安。前日発表した10−12月(第4四半期)決算は予想を上回る増収だった。
  S&P500種採用企業のうち四半期決算を既に発表したのは半分程度。ブルームバーグのデータによると、このうち74%で利益が市場予想を上回り、約半数で売上高が市場予想を上回った。 
原題:U.S. Stocks Little Changed as Utility Gains Offset Phone Shares(抜粋) 
◎米国債:ほぼ変わらず、一時の上げ消す−アップル起債計画に反応
  2日の米国債相場はほぼ変わらず。一時上昇していたが、アップルによる30年債を含む起債計画を手掛かりに、上げを失った。
  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満上昇の2.474%。朝方には英10年債利回りが大きく下げ、10年債利回りも同時に低下し、この日の最低水準を付けていた。
  規制当局への届け出によれば、アップルは最大6つの異なる年限での9本立ての起債を実施する計画。最も長いものは30年債となる可能性がある。
  30年債利回りは3.6bpの下げを消し、5年債と30年債の利回り格差は昨年12月半ば以降で初めて116bpを超えた。
  この日はアップルやジョンソン・コントロールズなどが起債を発表。今週は、マイクロソフトやAT&Tも大型起債を明らかにした。
  朝方発表された経済指標を見ると、先週の新規失業保険申請件数は24万6000件と、市場予想(25万件)を下回った。また第4四半期の非農業部門労働生産性(速報値)は前期比年率1.3%上昇(市場予想1%上昇)。単位労働コストは同1.7%上昇(市場予想1.9%上昇)だった。
原題:Treasuries Erase Gains as Apple Joins 30-Year Issuance Parade(抜粋)
原題:Apple Plans First Bond Sale Since July to Add to War Chest (1)(抜粋) 
◎NY金:上昇、FOMCが次回利上げの手掛かり示さず
  2日のニューヨーク金先物相場は上昇。トランプ政権に変わったことで先行き不透明感が広がる米国では前日、連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を据え置き、次回利上げのタイミングに関して手掛かりをほとんど与えなかった。
  ハイ・リッジ・フューチャーズ(シカゴ)の金属取引担当ディレクター、デービッド・メーガー氏は電話インタビューで、「米利上げへの差し迫った不安はまったくない。金上昇に青信号がともされた」と指摘。「ドルの軟化と、米利上げ懸念の不在、市場での若干高いインフレの数字は全て貴金属を支える」と述べた。
  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比0.9%高の1オンス=1219.40ドルで終了。一時は1227.50ドルと、中心限月としては昨年11月17日以来の高値をつけた。
原題:Gold Bulls Emboldened as Fed Grapples With Trump Uncertainty(抜粋)
◎NY原油:1カ月ぶり高値から反落、減産まだ不十分との見方
  2日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。弾道ミサイル発射実験を実施したイランに対し、トランプ米大統領が「正式な通告」措置を取ったと述べたことから、原油は一時、1カ月ぶりの高値に上昇していた。石油輸出国機構(OPEC)の1月減産がブルームバーグの調査で明らかになったものの、減産合意の対象外とされたナイジェリアとリビア、イランでは生産が増加した。
  シティ・フューチャーズ・パースペクティブのエネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は電話取材に対し、「多数の流動的な材料を評価しようとしているところだ」と話す。「OPECの生産統計がどれほど順調な減産履行を示すのか見極めたい。生産の全体的な数字以外にも目を配る必要がある」と述べた。
  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比34セント(0.63%)安い1バレル=53.54ドルで終了。一時は上昇し、取引中ベースでは1月3日以来の高値となる54.34ドルに達した。ロンドンICEの北海ブレント4月限は24セント下げて56.56ドル。
原題:Oil Retreats From One-Month High as OPEC Seen Having to Cut More(抜粋)
◎欧州株:ストックス600、下落−企業の健全性めぐる懸念が強まる
  2日の欧州株式相場はここ5日間で4回目の下げとなった。予想を下回る企業決算が相次いだほか業績見通しもさえず、企業の健全性の先行きが懸念された。
  指標のストックス欧州600指数は前日比0.3%安の361.95で終了。デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクは7.3%下落。同社は2017年売上高見通しを下方修正した。ドイツの自動車メーカー、ダイムラーは2.7%値下がり。今年は「若干」の増益にとどまるとの見通しを示した。ドイツ銀行は5.2%安の大幅安。16年10−12月(第4四半期)の債券トレーディング収入がアナリスト予想に届かなかった。
  スウェーデンの電子機器メーカー、フィンガープリント・カーズは7%強下げた。10−12月利益が予想を下回ったことが嫌気された。
  一方、日用品メーカーの英レキット・ベンキーザー・グループが4.1%上昇。粉ミルクメーカーの米ミード・ジョンソン・ニュートリションを約167億ドル(約1兆8800億円)で買収するため交渉していることを明らかにしたことが手掛かり。
  クレディ・スイス・グループの株式ストラテジストらはリポートで、とりわけ景気敏感株などが最近上昇したことを受け、株式市場に油断のある兆候が高まっていると指摘した。
原題:European Stocks Slide as Deutsche Bank, Daimler Drop on Earnings(抜粋)
◎欧州債:総じて上昇−フランスとスペイン債買われる、入札消化で
  2日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて上昇。ドイツ国債が上げたほか、入札を乗り切ったスペインとフランスの国債も買われた。
  ロンドン時間午後4時12分現在、ドイツ10年債利回りは4.2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.43%。
  
  仏10年債利回りは4.1bp下げ1.05%、同年限のスペイン国債利回りは3.7bp低下し1.64%となった。
原題:Spanish, French Bonds Bounce After Supply Easily Absorbed(抜粋)
Euro-Area Government Bonds End-of-Day Curves and Cross Spreads(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKRIAXSYF01S01

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/617.html

[経世済民118] 「インフレで政府債務を踏み倒す」シムズ理論の衝撃 シムズ理論は正しいが不適切 シムズはハイパーインフレを起こせとは言って
「インフレで政府債務を踏み倒す」シムズ理論の衝撃
消費税を凍結したら日本経済はよみがえるか
2017.2.3(金) 池田 信夫

 いま「物価水準の財政理論」(FTPL)という経済理論が、永田町や霞が関で大きな反響を呼んでいる。今週その提唱者であるクリストファー・シムズ教授が東京に来ると、民放テレビまでインタビューに駆けつけた。

 FTPLは動学マクロ経済学の難解な理論で、理解している人はほとんどいないが、シムズの結論は単純だ。「消費税の増税を延期せよ」という。その目的は「インフレを起こして政府債務を踏み倒す」という常識外れの話だが、彼はノーベル経済学賞の受賞者であり、FTPLは理論的には完璧だ。

膨張する政府が日本経済を停滞させる

 シムズは日本経済新聞のインタビューで、日本では「投資家にとって政府債務の魅力が強すぎる。この資金の流れを民間投資に向けるには、人々が『国債を持ちたくない』と思うように仕向けなければならない」と語っている。

 国債が魅力的なのは、政府が財政再建に努めているからだ。社債でも格付けの低い(リスクの高い)ジャンク債の金利は高いが、国債はリスクがないと思われているので金利が低い。もし日本政府にデフォルト(借金を踏み倒す)の確率が少しでもあると思われたら、その金利は上がるだろう。

 しかし莫大な政府債務が積み上がると、政府は財政健全化計画を立て、財政赤字を減らそうとする。その結果、デフォルトの心配がなくなって価格は上がる。銀行は民間に融資しないで有利な国債を買うので、民間企業への投資が減ってデフレになるのだ。

 これは日本やEU(ヨーロッパ連合)で、量的緩和が続けられてもデフレから脱却できず、経済が停滞する原因をうまく説明している。皮肉なことに、財政再建に努力すればするほどデフレになり、政府の実質債務(物価で割った借金)は増えてしまうのだ。

国債を「ジャンク債」にすることは可能か

 FTPLをリフレ(量的緩和によるインフレ政策)と混同する人が多いが、ここ4年の日銀の経験でも明らかなように金融政策でインフレは起こらない。だが財政赤字でインフレを起こすことはできる。これは財政赤字で総需要を増やすケインズ理論とも違う。その意味をシムズはこう語っている。

物価引き上げに必要なのは、日本政府が政府債務の一部を、増税ではなくインフレで帳消しにすると宣言することだ。政府が2%の物価上昇率目標を掲げ、達成するまでは消費税増税を延期する。

 これは消費税をやめる代わりにインフレで政府の実質債務を減らそうというものだ。名目政府債務はデフォルトできないが、実質債務はインフレで減らせる。シムズはこれを実質債務のデフォルトと呼んでいるが、そんなことができるのだろうか?

 理論的にはできる。たとえば安倍首相が「財政健全化計画はやめて無限にバラマキ財政をやる」と宣言すれば、国債はジャンク債のような債券になって暴落(金利は上昇)するだろう。これによって政府の実質債務は減るが、国民の実質資産も減るので、インフレ税と呼ばれる。

 普通の会社に置き換えると、国民が債権者で政府が債務者である。日本政府の債務は大きすぎるので、その「債務整理」をしようというのがシムズの提案だ。これを消費税の増税でやると、税率は30%以上にしなければならない。安倍首相のように2%の増税もいやがる政治家が、これから20%ポイント以上も税率を上げるとは考えられない。

 歳出を減らすのはもっと難しい。一般会計の債務は1100兆円だが、年金債務など社会保障の「隠れ債務」は1600兆円以上あり、この支出をわずかに削減するだけでも猛烈な反発がある。歴史的にも、GDP(国内総生産)の2倍以上の政府債務を緊縮財政で正常化した国はない。イギリスはGDPの250%の政府債務をインフレで踏み倒した。

 債務整理でいうと、インフレ税は会社更生法のようなものだ。国民はいずれにせよ「債権放棄」しなければならないので、債務者(政府)がリストラで収入を増やすより、債権を一律カットしたほうが早い。2012年にヨーロッパの銀行はギリシャに対する債権を半分にカットした。シムズの提案は、それをインフレ税でやろうということだ。

日銀法を改正して金融危機に備えよ

 インフレ税は実現できるのだろうか。消費税の凍結は、やろうと思えばできるが、その程度では国民の予想は変わらないだろう。それより効果的なのは、日銀が「インフレ目標2%が実現するまで、あらゆる実物資産を無限に買う」と宣言し、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)を買いまくることだ。

 今は金融政策の範囲を超えない範囲でやっているので効果がないが、黒田総裁が「これは財政支出だ」と宣言すればいい。このとき大事なのは、シムズもいうように政府が財政健全化目標を棚上げすることだ。名目債務だけで考える発想が古いのだ。

 世代間の所得分配も、インフレ税で是正できる。年金などの社会保障給付もインフレで目減りし、現役世代が負担も減る。これは金融資産に対する一律課税なので、所得税よりはるかに公平だ。

 ただインフレ税の最大の弱点は、ハイパーインフレになるリスクが大きいことだ。インフレ目標を設定しても、投資家が国債を売って海外に逃避することは防げない。シムズも「最初は動かなくても、やがて急激に上がる瞬間が来る。急な調整を迫られる可能性もある。だからこそ物価上昇率が早めに、少しずつ上がるようにしておくべきなのだが」という。

 今のまま放置すると、いずれ金利上昇が起こる。そのとき政府債務が大きいと国債費(国債の利払い)が膨らんで財政赤字が増え、それが国債価格の低下を呼んで金利が上がり、インフレになる。そこで銀行が国債を売ると国債が暴落し、資本の海外逃避が起こって円安になり、これがさらにインフレを呼ぶ・・・というスパイラルに入るおそれが強い。

 シムズの真意は、そういう事態に備えてゆるやかにインフレを起こそうということだが、資本逃避で円安が始まったらハイパーインフレは避けられない。それを防ぐには、国際資本移動を禁止するしかない。

 ただ金利上昇に備えることは重要である。ハイパーインフレで銀行が破綻し、金融システムが崩壊することが最大の問題だから、これを防ぐには日銀が最後の貸し手として緊急融資する必要があるが、その日銀も金利上昇で大きな国債の評価損を抱える。

 このとき政府が中央銀行に資本注入する仕組みが必要だ、とシムズは指摘している。そのためには日銀法を改正して、政府と日銀のバランスシートを統合すべきだ。これも日銀の独立性をなくすので大きな政治問題になるが、多くの専門家が賛成している。FTPLは、マクロ経済政策に発想の転換を迫っているのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49095


 

〈経済学大全〉番外編
シムズは誠実だが、ハイパーインフレには楽観的、日本のことは知らない
小幡 績
シムズは誠実だが、ハイパーインフレには楽観的、日本のことは知らない

 少しこの連載の趣旨を離れて、シムズの講演とパネルディスカッションに出席した感想文を書くことにしたい。シムズは安倍首相に会う可能性が高く、パネルに出席していた浜田氏も「物価水準の財政理論」に強く賛同しており、この理論とノーベル経済学賞シムズというネイムヴァリューで、財政出動と、財政再建先送りのお墨付きを得たということで、政権は大幅な財政拡張に乗り出す可能性が出てきたからだ。

 その場合に、シムズの論文やインタビューだけではつかむ事のできない、本当のシムズと彼の意図に関して感じたこと、感覚ベースのものも含めて述べてみたいと思う。

 シムズの理論に関する説明は明快でわかりやすく、何の疑問もない。先日書いたとおりだが、インフレにならなくて困っている、金利はゼロで、これ以上金融緩和で物価を上げることはできない、そうであれば、当然財政政策の出番である、ということだ。

 このとき、将来にわたる財政赤字の合計額(現在価値)を増やすことにコミットして、将来の増税で、この赤字合計額の増加が賄われず、インフレによって賄われる、と人々が信じることが必要である。こうなれば、財政赤字が大幅に拡大するよりも先に、将来インフレの予想値が2%に上昇し、人々は、それを織り込んで消費を行うから、実際のインフレ率も2%に上がっている。つまり、かなり早くインフレ率2%になって落ち着く。

 この議論でもわかるとおり、何ら難しいことはなく、何のトリックも奇策もなく、自然な流れだ。説明していたシムズもそこには何の疑問の余地もなく、あまりに自然なことだよ、と言わんばかりだった。

 問題は、政府が赤字が膨らんだ分の増税を永遠にしない(=インフレ率が2%になれば、たとえば日本では消費税率を10%に上げるが、赤字が膨らんだ分を取り返すために12%とかにはしない)と人々が心の底から信じるかどうかが問題で、そこが鍵だと、シムズ自身も言っていた。日本側の出席者、渡辺努東大教授や塩路一橋大教授も、その点に疑問を投げかけていた。

 ハイパーインフレーション、つまり、インフレにするのはいいが歯止めが利かなくなったらどうするのか、ということに関してシムズは非常に楽観的で、「いったんインフレが起きてしまえば、それを抑える手段はある、金融政策で利上げを行い、財政政策は赤字を縮小すればよい」ということだった。

 まさに、「インフレ率0%の均衡からインフレ率2%の均衡に移るだけのことで、なんらおかしなことはおきない」という考えだった。「増税するか、インフレで人々の資産を目減りさせるかの違いだけで、人々はインフレが嫌いだから、この案は政治的には難しいかもしれないが」と言っていた。

 しかし、日本の政治の現状を知る我々としては、「インフレが起きて困る、というのは将来のことだから有権者は今は気づかない、それよりも増税もしない、ばらまきもできる、金融緩和も続ける、ということで、目先いいこと尽くめだから、政治家がそれに飛びついて危険ではないか」という日経センターの司会者の危惧のほうが日本の現実の文脈では妥当に思えた。

 もっとも印象的だったのは、シムズは、「消費税の引き上げをインフレ率が2%を超えるまで延期する、政治が強くコミットすることが必要」と提言したことだ。アベノミクスは消費税率を8%に上げたことで失敗した、という意見だったが、同時に、「自分は日本の専門家ではない。政治がどうコミットして、人々に財政赤字はインフレで賄うということを信じさせるか、ということは自分は日本政治の実情を知らないからわからない」ときわめて、誠実で謙虚な姿勢だったことだ。それは、理論の説明や、トランプ大統領の政策をばっさりときって捨てた態度とは対照的で、これは好感が持てた。

 誰にとっても明らかな今日のレッスンは、日本がどうするべきかを日本にいない人に聞いても仕方ない、ということにメディアも政治家たちも気づくべきだということだ。

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前の記事:「物価水準の財政理論」によるシムズのメッセージ
小幡績(おばた・せき)
1967年生まれ。慶應義塾大学ビジネススクール准教授。個人投資家としての経験も豊富な行動派経済学者。メディアなどでも積極的に発言。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。著書に『リフレはヤバい』(ディスカバートゥエンティワン)、『成長戦略のまやかし』(PHP研究所)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(東洋経済新報社)などがある。


 

<経済政策大全>第4回
「物価水準の財政理論」によるシムズのメッセージ
小幡 績
「物価水準の財政理論」によるシムズのメッセージ

 今日はシムズの講演会がある。模様は様々なメディアで報道されると思うので、その予習をしておこう。彼の主張の現実の政策へのメッセージのポイントをまとめると以下のとおりである。

 第一に、物価水準は金融政策だけでは決まらず、「金融政策」と「財政政策」の両方により決定される。

 第二に、金利引き下げが不可能な場合には、金融緩和による物価の上昇の影響は弱まるから、物価上昇のためには、とりわけ財政政策、財政赤字の拡大が必要である。

 第三に、量的緩和政策またはバランスシートポリシーと呼ばれる、中央銀行が保有リスク資産を大幅に拡大することによって物価水準を上昇させようとする政策は、将来の物価上昇つまり名目金利上昇により、損失が非常に大きくなり、この財政的な影響を考慮する必要があるが、財政面を考慮に入れない緩和拡大策はリスクが非常に大きい。そして、これは現実に十分に認識されていない。

 第四に、そうなると、効果がなく、リスクが大きい量的緩和政策を闇雲に拡大するのは最も不適切な政策であり、量的緩和は止めて、財政赤字の拡大が長期に継続すると人々が信じるような政策を取ることが望ましい。

 第五に、財政赤字の拡大が長期に継続する、と人々が信じることが重要であり、それによって、現在の消費の拡大が起き、インフレ期待が高まる。

 要は、「金融政策」を考える上で、財政的効果を考慮に入れないことは誤りであり、金融と財政の相互依存を踏まえたうえで、財政政策によりインフレをコントロールすることが重要である、という主張で、当たり前すぎるほど当たり前のことだ。

 しかし、一部に誤解があり、シムズがハイパーインフレーション(一般にはインフレ率20%以上)で政府の累積債務を解消しろと言っていると思われている。これはまったくの誤りだ。シムズは、日本に関しては、インフレ率が2%を超えるまで、消費税の引き上げを行わないことを宣言し、それを人々が信じるようにコミットすることが必要だ、と提言している。インフレにすることが目的だが、それは20%の“ハイパーインフレ”ではなく、年率2%程度を目標としている。

 もうひとつ重要なのは、インフレ率2%を達成した後、増税幅を拡大してはいけないということだ。たとえば、2015年から2024年までの10年間、消費税10%の予定が8%のままになり、政府の借金が1年で5兆円、10年で50兆円増えたとする。そうなっても、50兆円分を将来の増税で賄うのではない。インフレ率が0%から2%に上昇したことにより、「名目金利0%で国が借金をしている国債の、インフレ率を割り引いた価値が50兆円分下がる」ことによって帳尻を合わせる(経済学では「インフレ課税」という)ことになる。だから、インフレで国民の資産は50兆円分目減りするが、それは50兆円の増税の代わりである。

 シムズの主張は、ゼロ金利になってしまった世界(とりわけ日本)においては、「名目金利のコントロールによって実質金利をコントロールし、その結果、実需に影響を与える」というルートがそもそも機能していないのだから、物価水準は「金融政策」によってコントロールできない。だから、その役割は「財政政策」に任せるべきであり、インフレにするためにゼロ金利制約の下で長期国債などのリスクのある資産を買い捲ることは無理があり、リスクが極端に高く効果はないのだから止めるべきである、というものである。

※第5回へ続く。本日2月1日(水)公開予定です。
http://www.gentosha.jp/articles/-/7168 
http://blog.livedoor.jp/sobata2005/


 

「物価水準の財政理論」は正しいが不適切
2017年01月23日(月)15時00分
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「物価水準の財政理論」は正しいが不適切
物価を上げるいちばんましな方法は?(写真は2016年2月) Yuya Shino-REUTERS
<話題の「物価水準の財政理論」が様々に解釈されて出回っているが、どれも間違っている。今の日本であるべき経済政策の本質に斬り込むシリーズ第2回>

*第1回「経済政策論争の退歩」

 ノーベル賞経済学者でプリンストン大学教授のクリストファー・シムズの「物価水準の財政理論」が難しいとか、結論が革命的で、目からうろこだとか、ケインズの再来だとか、言っている専門家もいるが、現実の経済政策へのメッセージという点に関して言えば、それらはすべて間違っている。

 少なくともミスリードだ。

 現実へのメッセージは当たり前のことを言っているに過ぎない。

 そして、それはとても基本的で、重要なことだ。

 第一に、物価水準は金融政策だけでは決まらず、金融政策と財政政策の両方により決定される。

 第二に、金利引き下げが不可能な場合には、金融緩和による物価の上昇の影響は弱まるから、物価上昇のためには、とりわけ財政政策、財政赤字の拡大が必要である。

 第三に、量的緩和政策またはバランスシートポリシーと呼ばれる、中央銀行が保有リスク資産を大幅に拡大することによって物価水準を上昇させようとする政策は、将来の物価上昇つまり名目金利上昇により、損失が非常に大きくなり、この財政的な影響を考慮する必要があるが、財政面を考慮に入れない緩和拡大策はリスクが非常に大きい。そして、これは現実に十分に認識されていない。

 第四に、そうなると、効果がなく、リスクが大きい量的緩和政策をやみくもに拡大するのは最も不適切な政策であり、量的緩和は止めて、財政赤字の拡大が長期に継続すると人々が信じるような政策を取ることが望ましい。

 第五に、財政赤字の拡大が長期に継続する、と人々が信じることが重要であり、そうでないと、将来の増税を予期して、現在の消費の拡大は起きない。

                 ***

 これが、物価水準の財政理論の、現在の日本などへの政策的メッセージだ。

 これに対し、賛否両論ある、と思われているが、それも誤りだ。

 このメッセージは、誤りであり得ようがない。

 絶対的に正しい。理論的には誰も否定できないはずだ。

量的緩和は残したまま
 かつてリフレ派と呼ばれた人々(それも専門家と一般に思われている人々)が、日本では、この理論の強力な支持者になっているようだが、彼らが明らかに間違っているのは(おそらく確信犯的に)、量的緩和は縮小すべき、というところを排除していることだ。

 物価はマネタリーな現象ではなかった、と反省するところまではいいが、それなら、量的緩和は止めなければならず、縮小が必要なはずだ。そこには、触れず、異次元の金融緩和は残したまま、次は財政赤字拡大、というところだけ取る。

【参考記事】浜田宏一内閣官房参与に「金融政策の誤り」を認めさせたがる困った人たち
【参考記事】経済政策論争の退歩

次のページ 理論そのものは正しい

 これはリフレ派とはポピュリストだ、というだけのことだ、という事実を踏まえれば何の驚きもないが、しかし、現実経済への副作用としては甚大な被害を引き起こす。

 しかし、一方、物価水準の財政理論を非現実的だ、と非難する人々は、その多くは、財務省派と一般にみなされているが、実のところは、財務省派というよりは、アンチポピュリズムということであって、実は財務省の本質もアンチポピュリズムであるから、財務省的だ、という認識は正しいのだが、財務省派ではない。

 それはいいとして、彼らの議論も間違っている。

理論を悪用する者たち
 物価水準の財政理論は、理論的にも、そして現実的にもどこも間違っていない。

 現状でインフレを起こすためには、金融緩和では無理で、金融緩和は資産インフレだけを起こすのであり、資産バブルは起こせるが、実体経済の実物財のインフレを起こすことはできない。これは、実物への支出が増えなくてはインフレにならない。金利効果が現状の金融政策にない以上、それは政策で言えば、財政政策で行うしかない。そして、財政赤字の拡大が持続的であると信じられない場合には、消費の拡大が起きないのも当然だ。

 ポピュリストを論破するのは重要であるが、ポピュリストたちが利用している理論を攻撃するのは間違っている。批判は、ポピュリストたち、しかも、学者だったりエコノミストだったり、さらには政権のブレーンだったり、人々および首相などに知的に正しいことを言っていると思われている人々が、確信犯的に、政権やメディア、人々に受けたいからという理由で、理論を利用していることを徹底的に批判すべきなのだ。

【参考記事】トランプおよびその他ポピュリストたちの罪を深くしているのは誰か

                 ***

 物価水準の財政理論自体に誤りはない。メッセージも正しい。

 しかし、物価水準の財政理論を主張する人々、例えば、シムズの提言する政策を実行すべきではない。

 なぜなら、彼らの理論とメッセージは正しいが、正しいからこそ、経済を悪くするからだ。

 経済を明らかに悪くする政策である以上、それを実行してはいけない。

 彼らの理論が間違っているのは、理論やロジックそのものではない。

 その議論の前提が間違っているのだ。

 経済理論の現実社会への提言の誤りは、すべてここからくる。

 間違っているのは、すべてのコストを払ってでも物価を上げる、そのためには財政赤字拡大しかない、と言っているところだ。

 すべてのコストを払って、なぜ物価を上げる必要があるのか。

次のページ 財政赤字拡大ありきの議論


 現在は、失業はほば解消、実質完全雇用、むしろ人手不足、需要不足ではなく、経済の問題点があるとすれば、長期的な成長力低下、そのためには供給サイドか、需要サイドか、という議論はあるが、需要サイドにあるにしても、すべての犠牲を払って物価を上げる必要があるということはあり得ない。

 名目金利がゼロになってしまい、完全雇用、あるいは中立的な実質金利と言われる望ましい実質金利がたとえマイナスに低下していたとしても(これ自体議論が大きく分かれるところだが)、実質金利をマイナスにするにはインフレにするしかないから、すべての犠牲を払ってインフレにするべきかどうかは自明ではない。

 正確に言えば、すべての犠牲を払うのはほぼ常に間違っているから、実質金利をマイナスにすることによるメリットと、財政赤字が拡大することのデメリットを比較して決めないといけない。

 そのためには、中立実質金利がマイナスであるかどうかを議論する必要があるし、そもそもインフレ率が2%というのが最も望ましい水準であるかどうか、現在の経済では確かではなく、また、2%ではなく1%であることのデメリットが、財政赤字の恒久的な拡大のデメリットとどちらが大きいか、比較考量は絶対に必要である。

財政支出より減税を
 さらに、マクロだけでなく、ミクロの効率性も重要で、ほとんどのエコノミストは政府の効率性に懐疑的なのだから、財政支出を増やすことは無駄であると考えているはずで、やるなら減税であり、しかし、減税をやるのであれば、どのような減税にすべきか、それが将来の年金不安などをもたらさないようにはどうするか、考える必要がある。

 だから、物価水準の財政理論からのメッセージを現在の経済に、とりわけ日本で実行するのは、間違っており、極めて危険なのである。

 ただし、金融緩和よりも財政赤字拡大の方が物価上昇には効果がある、という点は正しく、物価を上げることが重要であれば、量的緩和の縮小が可能であれば、それとバランス可能な範囲で、減税、あるいは増税を先送り、縮小することが正しい、ということになろう。

 さらに、物価を上げることがそこまで重要でない、と考えれば、財政赤字拡大による国債市場の崩壊リスクを犯さずに、増税先送りで、量的緩和を淡々と縮小する、というのが現実的なポリシーミックスであり、実際の日銀はそれに近いところを目指しており、シムズの提案よりは、現在の日銀の政策の方がましであると思われる。

*この記事は「小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記」からの転載です


「物価水準の財政理論」 シムズはハイパーインフレを起こせとは言っていない 2017.01.25
「物価水準の財政理論」は正しいが不適切 2017.01.23
トランプおよびその他ポピュリストたちの罪を深くしているのは誰か 2017.01.21
経済政策論争の退歩 2017.01.11
米経済学者のアドバイスがほとんど誤っている理由 2016.10.02
日銀の今回の緩和を名付けてみよう──それは「永久緩和」 2016.09.26
日銀は死んだ 2016.07.29
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プロフィール

小幡 績

1967年千葉県生まれ。
1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現財務省)入省。1999大蔵省退職。2001年ハーバード大学で経済学博士(Ph.D.)を取得。帰国後、一橋経済研究所専任講師を経て、2003年より慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應ビジネススクール)准教授。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。著書に『成長戦略のまやかし』『円高・デフレが日本経済を救う』など。
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http://www.newsweekjapan.jp/obata/2017/01/post-14.php


 


 
「物価水準の財政理論」 シムズはハイパーインフレを起こせとは言っていない
2017年01月25日(水)10時49分
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「物価水準の財政理論」 シムズはハイパーインフレを起こせとは言っていない
<注目の「物価水準の財政理論」が現実の政策について示唆していることは何か。提唱者クリストファー・シムズの来日を控えてますます盛り上がる誤った政策論に筆者が物申す。シリーズ第3回>

*第1回「経済政策論争の退歩」
*第2回「『物価水準の財政理論』」は正しいが不適切」

 昨日、ツイッター上で、池田信夫氏と「物価水準の財政理論」について、具体的にはノーベル賞経済学者クリストファー・シムズの主張について議論したが、二人の解釈は分かれたままである。

 細かいところでも議論は色々あるが、重要なことはシムズの主張、メッセージについてだ。

(一点だけ、理論的なことを述べれば、これは物価水準の決定理論なので、基本的な状態においては、ハイパーインフレーションにはならず、累積財政赤字〔利子支払い部分を除く〕)によって物価水準が決まる。シムズが物価水準が発散″するといっているのは、金利引き下げができず、バランスシートを極端に膨らませた場合〔現在がそう〕において、金融政策が財政の裏づけを持たない場合である。)

 良い機会なので、もう一度シムズのメッセージにおける現実の政策へのインプリケーションの重要なポイントをまとめてみよう。

 彼は、ハイパーインフレーションで政府の累積債務を解消しろ、とは言っていない。

 またハイパーインフレーションを起こせ、とはまったく言っていないだけでなく、実際にも起こらないことを想定しており、ただ、そのリスクは存在し、それが起きるのは、中央銀行に対する政府の資本支援がない場合であり、政府は資本注入を必要な場合にはするべきである。

物価水準の「発散」とは
 中央銀行が形式的な独立性にこだわることには意味がない。債務超過に陥った場合に、中央銀行自身だけで、それから回復しようとすることは難しく、かつもっとも危険である。その場合だけ、物価水準は決定されず、どのような物価水準も自己実現的に均衡となりうる。中央銀行がインフレによるシニョレッジ(通貨発行益=通貨の原価と価格の差)で債務超過を解消しようとしているという予想が経済主体の間で自己実現すると、物価水準が「発散」(右肩上がりで上昇し続けること)してしまう可能性が出てくる。ハイパーインフレーションにならない場合でも、必要以上に高いインフレーションが起きてしまい、望ましくない。

 そもそも、名目金利のコントロールによって実質金利をコントロールし、その結果、実需に影響を与えるというルートが機能していない場合には、物価水準は金融政策によってコントロールできないから、その役割は財政に任せるべきだ。正確に言えば、金融政策により物価に影響を与えることができる場合でも、それは常に財政的な効果によるものであるから、インフレにするためにゼロ金利制約の下でバランスシートを膨らませることは無理がある。そもそも、財政的なバックアップがなくては、金融政策は実体経済には効果を持たないのである。

次のページ 金融政策には財政が必要


 前述したように、中央銀行がバランスシートを膨らませることはもっとも危険であり、金利の上昇によってそれは行き詰まり、財政的なコントラクション、つまり、利払いの増加により、実需に対する財政支出は縮小することになるから、金利は上昇して景気は悪化する。最も危険なのは、中央銀行が債務超過になり、それをまかなうためには、結局財源が必要で、そのためにはインフレが起こり、それにより金利が上昇し、さらに債務超過は大きくなり、インフレが必要以上に大きくなってしまうことである。

 したがって、金融政策を考える上で、財政的効果を考慮に入れないことは誤りであり、金融政策と財政の相互依存を踏まえたうえで、財政的な(財政支出的な)効果を利用して、インフレをコントロールすることが重要である。

 これがシムズの近年の主張のポイントである。

*この記事は「小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記」からの転載です

http://www.newsweekjapan.jp/obata/2017/01/post-15.php

 


2017.01.31

小幡 績
<経済政策大全>第2回 なぜ専門家の政策提言は経済を悪くするのか

これには短期的な問題と深遠な問題とがあるが、今日は短期的で単純な問題を議論する。

人々が目の前の果実を欲しがって、目先の景気対策を求めるのは理解できる。それに迎合する政治家たちも、目先の選挙がすべてであれば当然であろう。

問題は、経済の専門家たちまでもが、なぜ短期志向の政策提言ばかりするのか、ということだ。

第一に、エコノミストと呼ばれる人々は四半期のGDP予測を1つのメインの仕事としているために、四半期のGDPの予測という仕事から一歩はみ出して、それを引き上げる提言をするということだ。GDPを短期的に増やすのは短期的な景気対策に限られるため、すべてが景気対策になる。

第二に、より深刻な問題として、政策提言者の下心がある。政策提言をする人々には、政権に受け入れられたい、メディアで受けたい、という下心がある。政権かメディアに受けなければ、提言は日の目を見ないから、それは合理的であるが、これが政策をおかしくする。

すぐにGDPを上げたい政治家はこれを受け入れる。もっと単純に次の選挙で票を取りたいから、減税、バラまきを提言されれば、飛びつく。そうして、ポピュリズムは有権者から政治家という単純な構図から、有権者から受けた政治家の意向を専門家が増幅し、実現するための武器を与えるという構図に“進化”する。

このような下心に支配されているアドバイザーや有識者が、ポピュリストである政治家の理論武装を担い、経済政策は堕落し“進化”してきたのである。

この結果、政策マーケットは短期的にバブルとなり、様々な人が出入りするようになる。バブルにおける最大の問題点は、正しいものよりも単純なもの、わかりやすいものが勢いを得て、膨らんでいくことである。まさに悪貨が良貨を駆逐するのである。

この帰結は、近年は頻繁に観察されるようになった。トランプ現象、ブレグジットが顕著な例であるし、経済政策ではリフレ政策が象徴的だ。

リフレ政策の最大の問題点は、短期の景気志向で、コストを先送りし、長期の成長力に対してはマイナスの影響がある、というごく普通の短期志向の政策のデメリットだけでなく(これは政治的な歪としてある程度許容せざるを得ない、というのが現実だ)、長期の大きなリスクを膨らませていることになる。

それは、アドバイザーや有識者が、単純な政策を求める政治家に対し、わかりやすいだけでなく、これだけで全部解決できます、と、政治家や人々の「一挙解決願望」を満たす政策を提言したことだ。デフレがすべて悪い、デフレさえ解決すればすべてはうまくいく、という単純明快な論理、「デフレ脱却」というそれに乗った政治的キャッチフレーズ、政治家にとっては理想的な武器、おもちゃの武器を与えたのである。

アドバイザーとして生き残らなければ、良い政策を抱えていても、取り入れられなければ、結局実現できなくなってしまうから、ある程度の妥協は必要であるが、下心はありつつも良心の残った有識者のアドバイスは、受け入れられることにすべてを賭ける人々のアドバイスに負けてしまう。

トランプ政権内でも、そのようなことが起きている気配もあるが、ここでは、ノーベル経済学受賞者のクリストファー・シムズの「物価水準の財政理論」がそのような使われ方をされそうな気配があり、これは、おもちゃの武器としては強力すぎて、あまりに危険だ。次回はこの理論と政策について議論したい。

※第3回へ続く。本日1月31日(火)更新予定です。

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物価水準の財政理論 その1〜シムズの理論の内容と意味するところ:次の記事
前の記事:<経済政策大全>第1回 経済政策とは何か
小幡績(おばた・せき)
1967年生まれ。慶應義塾大学ビジネススクール准教授。個人投資家としての経験も豊富な行動派経済学者。メディアなどでも積極的に発言。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。著書に『リフレはヤバい』(ディスカバートゥエンティワン)、『成長戦略のまやかし』(PHP研究所)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(東洋経済新報社)などがある。
http://www.gentosha.jp/articles/-/7152

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/619.html

[原発・フッ素47] 番狂わせの「原子力ルネサンス」、計画に遅れ相次ぎかさむ建設費用  
番狂わせの「原子力ルネサンス」、計画に遅れ相次ぎかさむ建設費用
Stephen Stapczynski、占部絵美
2017年2月3日 14:32 JST

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福島の原発事故後に安全基準が世界的に強化されたことで原発の建設期間が長期化し、建設の費用が増加している。2000年代には「原子力ルネサンス」とも呼ばれ地球温暖化対策の有効な手段としてもてはやされたが、新型原子炉の製造を手掛ける東芝や傘下の米ウェスチングハウス・エレクトリックは逆流し始めた流れに飲み込まれている。

  原発メーカー各社は、電力の供給が失われても冷却材が自然に循環して3日間炉心を冷却できるような設備が採用された「第三世代プラス」と呼ばれる原子炉の建設を進めている。福島第一原発事故で起きたような電源喪失による炉心溶融(メルトダウン)を防ぐほか、耐震性の向上など安全性が高められている。しかし、規制強化により多くの建設計画が設計変更に直面しており、費用がかさむことから、政府の支援なくして前進しなくなるのではとの懸念が生まれている。

  東芝は15年にウェスチングハウスを通じて原子力発電関連の建設・サービス会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)を買収。S&Wが取り組んでいる原発建設事業のコストが大幅に増加することで資産価値が取得時の水準を下回る結果、取得価格と純資産の差にあたる「のれん」が数千億円規模に上り、10ー12月期決算で全額を減損処理する可能性があると昨年12月に発表した。

  元米原子力規制委員会のレイク・バレット氏は「原子力産業は厳格な規制基準、建設の複雑化、業界全体の原発建設経験不足といった課題を抱えており、これが建設費の上昇を引き起こしている」と指摘。「何十億ドルもの資金が小さな社会的リスクを減らすために使われている。複雑化した原子炉の設計がコストの状況を悪化させている」と話した。

  世界原子力協会が今年発表したリポートによると、欧米では原発建設コストが過去20年間で2−3倍に増加。1998年には1キロワット当たり2065ドルだった米国の原発建設コストが2015年には同5828ドルまで拡大。欧州では2280ドルから7202ドルまで増えた。

アレバも経営難に

  苦境に立たされているのは東芝だけではない。フランスの原子炉メーカーアレバはフィンランドで進めている欧州加圧水(EPR)型原子炉の建設で10年近く遅れが生じた結果、建設費用が大幅に上振れ。仏政府から45億ユーロ(約5500億円)の資本支援を受けるとともに、フランス電力(EDF)に原子炉事業を売却する。

  フランス電力(EDF)が英南西部で手掛けるヒンクリーポイント原発にはEPR型原子炉2基が建設される予定で、その費用は最大180億ポンド(約2兆5000億円)にかさむ見通し。またEDFによるフランスのフラマンビル原発でのERP型原子炉建設は6年遅れており、コストは07年1月の建設開始時と比較して3倍に増加している。広報担当者は、この問題は最新の原子炉設計に対して業界が十分な知見を有していないことなどが起因していると説明した。

  東芝は原子力事業をエネルギー事業の再注力分野として位置付けており、昨年3月に発表した事業計画では、18年度の売上高予想5兆5000億円の約2割を原子力で稼ぐ方針を示していた。同社の綱川智社長は1月27日の会見で、原発事業について、建設を含めて受注するかタービンなど機器だけの受注にするか中期計画で見直す考えを明らかにしている。

54億ドルで取得

  東芝は06年に原子力事業の将来性に賭け、54億ドル(約6100億円)でウェスチングハウスの株式を取得。ウェスチングハウスの開発した第三世代プラスの加圧水型原子炉「AP1000」をてこに、中国やロシアを中心に原子炉の受注を目指していた。AP1000は中国と米国で計8基に採用されている。

  米シンクタンク、カーネギー国際平和財団原子力政策プログラム担当のシニアフェロー、マーク・ヒブス氏は、アレバやウェスチングハウスのような企業が直面している基本的な課題は、1970−80年代の原発建設ラッシュ以降発生している建設ペースの低下だと指摘する。
  同氏は電子メールで「一定の水準で継続できてるときには原発建設も良い方向で動く」とした上で、「アレバやウェスチングハウスもそのうち新型炉の建設でそういった水準に達するとは思うが、まずは建設のペースを改善しなければならない」との見解を示した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OK4FFZ6TTDS201
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/437.html

[経世済民118] トランプ氏の目に映る為替の世界は不公正、次の標的はどの国 失業率トランプ政権でお払い箱 日本株小反発、円高一服と決算評価
トランプ氏の目に映る為替の世界は不公正、次の標的はどの国
Lananh Nguyen
2017年2月3日 15:08 JST

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カナダとメキシコ、韓国が批判される可能性−PIIE
破壊的な貿易戦争に向かう最初の一撃になる恐れも−ティップ氏

通貨を切り下げ貿易上の優位を不当に得ている国があるとするトランプ米政権の主張を受けて金融市場では、次に矢面に立たされるのはどこかという疑問が広がっている。
  ピーターソン国際経済研究所(PIIE)のシニアフェロー、ウィリアム・クライン氏によると、カナダとメキシコ、韓国さえも為替相場をめぐる批判にさらされる可能性があるという。これらの国が米国の貿易相手国の上位を占めるためで、韓国の場合は通貨が6%過小評価されていると同研究所は分析する。
  クライン氏は1日、「他にどこがリストに上るだろうか。まずは米国の貿易により重要な主要国だ。大部分のエコノミストはこれらの国が不公正だとの見方に賛同しないと思うが、この種の攻撃が暗に伝えるのはこうした結論だ」と指摘した。

  トランプ米大統領と政権幹部はここ数日、中国や日本、ドイツが通貨切り下げを通じて貿易上優位に立つ一方でドルは強過ぎると指摘しており、ドル相場の先行きを曇らせている。トランプ氏の大統領選勝利以降のドル上昇は過去5週間の下落で半分以上押し戻されている。
  PGIMフィクスト・インカムのマネーマネジャー、ロバート・ティップ氏は「これは完全に一からやり直すアプローチだ。これが貿易面での再交渉に向けた先制攻撃となるのか、あるいは破壊的な貿易戦争に向かう最初の一撃になるのか、われわれには分からない。誰もわざと負けることはしない」と述べた。

  クライン氏の昨年11月の研究では、ドルは7.9%過大評価だと試算された。ドルの強さは他国を上回る米国の景気回復に起因するという。カナダ・ドルとメキシコ・ペソはいずれも0.3%過大評価である一方、ドイツで使用されるユーロは0.8%の過大評価。中国人民元は0.7%の過大評価だった。クライン氏は円について3.3%という「控えめな」過小評価と試算した一方、韓国ウォンは6%の過小評価だとしている。
原題:As Cheaters Abound in Trump’s FX World, Traders Mull Who’s Next(抜粋)
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/idZ9RRvakuV0/v2/-1x-1.png
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/idrVpDaRQGwo/v2/-1x-1.png
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKSA1K6JTSE901

 

失業率、トランプ政権でお払い箱か−前政権から「完全雇用」受け継ぎ
Patricia Laya
2017年2月3日 07:22 JST

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失業率に代わる目標、ムニューチン氏はU−5失業率に着目
労働統計局は政治的影響を排除−トランプ大統領は局長まだ指名せず

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iO6VCGXGsWFs/v2/-1x-1.png

米雇用状況の指標として80年近く使われてきた統計に基づくと、米経済は完全雇用を達成しつつある。これを受け継いだトランプ大統領とそのチームは新しい指標に目を向けようとしている。
  米労働省は3日に1月の雇用統計を発表する。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は失業率4.7%で、前月と変わらず。米失業率はリセッション(景気後退)を抜け出したばかりの2009年には、10%に達していた。米金融当局は4.7%の水準を完全雇用、もしくはそれに近い状態とみている。つまり、これを下回るとインフレを押し上げるとみなされている。
  失業率の使用は大恐慌時代までさかのぼる。トランプ大統領は昨年の選挙運動で、失業率は労働市場の力強さを過剰に高く表示するとして、「怪しい統計だ」と批判していた。最近では、トランプ氏に財務長官に指名されたスティーブン・ムニューチン氏が、失業率が政策に「与える影響は大き過ぎる」と述べ、労働人口から自主的に離脱、もしくは積極的に仕事を探していない国民が集計に考慮されていないと批判した。ショーン・スパイサー報道官によれば、大統領の経済チームは労働市場の力強さを評価する上で「多数の統計」に目を向ける意向だ。
  実際、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長も労働市場に関する一連の統計見直しを支持している。同議長は過去に、労働参加率の低さやフルタイムの職を望みながらパートタイムに甘んじている大勢の労働者を指摘し、失業率にはスラックが反映されていないと述べている。
  米連邦公開市場委員会(FOMC)は雇用市場にはまだ改善の余地があるとの見方を示唆。1日発表の声明では12月の低失業率に触れ、「労働市場の指標はやや一層力強さを増す」と予想していることを明記した。
  ムニューチン氏は1月に上院議員からの質問に書面で回答し、失業率に代わる指標としてU−5失業率を挙げた。U−5失業率には職探しをあきらめた労働者や、職は欲しいが積極的に探していない「縁辺労働者」と呼ばれる層が加算される。昨年12月のU−5失業率は5.7%だった。さらにフルタイム就労を望むがパートタイムで働いている労働者を加算したU−6失業率(広義の失業率)は、12月に9.2%だった。

  目標とする統計を変更することについて、ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズ(ノースカロライナ州シャーロット)のチーフエコノミスト、ジョン・シルビア氏は「混乱しているという印象を受ける。何を目指すのか分かっていないという感じだ」と述べた。
  米労働統計局(BLS)のエリカ・グロッシェン局長によれば、政治的な影響が及ばないようにとの長年の指針に基づき、毎月の雇用統計リリースの作成と承認の過程には局長以外に政府指名の当局者は関与しないことになっている。トランプ大統領はまだBLS局長を指名していない。BLS局長の就任は上院の承認を必要とする。
原題:Full Employment May Be Redefined as Trump Attacks U.S. Benchmark(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKR9GASYF01S01

 


 

日本株は小反発、円高一服と決算評価−非鉄や金融高く内需一角は安い
長谷川敏郎
2017年2月3日 08:09 JST 更新日時 2017年2月3日 15:43 JST

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「狂犬」マティス米国防長官が来日、安倍首相と日米安保で意見交換
トランプ米大統領:ドッド・フランク法の見直しを指示へ
日銀12月議事要旨:長期金利操作で画一的基準は不適当−複数委員
【インサイト】シニアバンカーは費用が高い、それでも価値がある

為替は1ドル=113円台に円安進む
米雇用統計前で上値は限定、通信や陸運などが重し

3日の東京株式相場は小幅反発。為替の円高一服や良好な企業決算が相次ぎ、株価を押し上げた。決算評価で非鉄株が買われ、国内金利の高止まりから銀行など金融株も高い。半面、米国の重要指標の発表を前に上値を買う動きは乏しく、情報・通信や陸運、小売など内需関連の一角は安い。
  TOPIXの終値は前日比4.58ポイント(0.3%)高の1514.99、日経平均株価は3円62銭(0.02%)高の1万8918円20銭。
  水戸証券投資顧問部の酒井一ファンドマネジャーは「足元の金利上昇を止める意思があるのかと市場が考えていたところで日本銀行がオペを指示したため、ひとまず金利上昇懸念は後退した」と指摘。ただ、トランプ米大統領との交渉を控えて「何らかの要求が出てくる可能性も完全には否定できない。きょうに限っては良いが、リスクはまだ少し残る」とも話していた。
東証内の株価ボードを見る見学者
東証内の株価ボードを見る見学者 Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  きょうの債券市場では午前に10年債利回りが0.15%と1年ぶりの水準まで上昇したが、午後になって日銀が固定利回りで無制限に買い入れる指し値オペを実施。その結果、10年債利回りは低下し、為替市場ではドル・円が1ドル=113円付近で推移した。昨日の円高値112円06銭や東京株式市場の2日通常取引終了時点の112円56銭に比べて円高の勢いは一服した。
  昨日と同様に債券市場の動向を横目でにらみながら、この日の株価指数はプラス圏とマイナス圏を行き来した。SMBCフレンド証券投資情報部の中村晋二チーフストラテジストは、日米首脳会談を控えて金利の上昇に歯止めがかからない局面では「イールドカーブコントロールの上限が分からなくなり、金融緩和縮小の思惑」も出やすかったためとみる。業種別で上げの目立った金融では「銀行株は利ざや改善、保険株は運用益改善への期待を先取りした動きが出た」という。

  そうした中、企業業績に対する評価が終始株価指数を支えた。週ベースで今週が発表のピークとなる2016年10ー12月期決算では、事前予想を上回る良好な結果が相次いでいる。「決算では大きな業績予想の下方修正が出ておらず、予想1株利益も上昇している。年初から円高の中でもファンダメンタルズ的には堅調」と、SMBCフ証の中村氏。2日発表分では半導体事業の回復が確認されたソニー、通期営業利益予想を増額した住友電気工業、業績の底堅さを示したダイセル、17年12月期営業利益計画が市場予想を上回った花王などが上昇。住友電工が貢献し、非鉄金属は東証1部業種別上昇率首位だった。
  もっとも、米重要指標を前に上値も限定的だった。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想によると、3日に発表される米雇用統計での非農業部門雇用者数は18万人増(前回15万6000人増)、平均時給は前月比0.3%増(同0.4%増)、失業率は変わらずの4.7%が見込まれている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは「FOMCで3月利上げが読み取れる動きが無かったことで、もう一度早期利上げ観測の流れが復活してくるかがポイント」とし、仮に雇用者数と賃金が予想通りか予想を下回れば、1ドル=112円台割れを再び試すような円高と日本株の売りにつながりかねないと懸念していた。
  東証33業種では非鉄や銀行、医薬品、パルプ・紙、食料品、電機など19業種が上昇。空運、ゴム製品、陸運、卸売、情報・通信、鉄鋼など14業種は下落。東証1部売買代金上位ではゲームアプリ「ファイアーエムブレム ヒーローズ」がダウンロード数で首位となった任天堂が高い。業績失望のKDDIや神戸製鋼所は安い。東証1部売買高は概算21億1697万株、売買代金は同2兆6288億円。値上がり銘柄数は996、値下がりは854。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKRR5S6JTSEH01


 


 

 


 


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/632.html

[経世済民118] 日米通商摩擦回避の手だて トランプ円安批判は空砲 ドル円波乱要因 日銀は金利の手綱失ってない シニアバンカー高いが価値有
コラム:
日米通商摩擦回避の手だて

加藤隆俊国際金融情報センター理事長/元財務官
[東京 3日] - 懸念されていたように、トランプ米大統領は1月31日、為替問題に言及し、通貨安誘導を行っているとして、中国と並んで日本を批判した。日本政府はすぐさま「批判はあたらない」(安倍晋三首相)と反論したが、10日に予定される日米首脳会談では、ドル高の背景にある国際マクロ経済情勢についても、根気強く説明する必要があろう。

不動産業出身のトランプ大統領は、恐らくは目に見えるものを重視し、マネーの流れで、例えば為替水準が決まることを皮膚感覚で理解していない可能性が高い。

誰が入れ知恵したのかは分からないが、経常収支赤字国である米国の通貨は弱くなるはずなのにこれほど強いのは、取引相手国が為替操作をしているからに違いないという発想にとらわれているのではないか。日本側としては、為替介入を一切行っていない点、日銀の金融緩和はデフレ脱却を目指したものである点を、改めて強調すると同時に、ドル高の背景にある米国側の経済的要因も十分に説明しなければならない。

端的に言えば、ドル高は、米国経済が相対的に好調であるがゆえだ。また、トランプ政権が景気刺激的な経済政策を志向するのではないかとの市場の期待が、成長率・インフレ率の上昇見通し、米連邦準備理事会(FRB)の継続利上げ観測につながり、それが米国への資本流入を加速させ、ドル高に大きく作用している点も理解してもらう必要がある。

10日の日米首脳会談では、米国が離脱を表明した環太平洋連携協定(TPP)に関する話題や為替水準、あるいは自動車など特定産業セクターの問題など個別論に深入りするよりも今後の日米協議の枠組みに関し意見のすり合わせを行うことが建設的ではないか。また、日本からの新たな対米投資の協力分野を具体的に言及することも日米協議を前向きにする上で有益ではないか。

<保護主義加速ならドル信認にダメージも>

それにしても、トランプ政権の政策には私も憂慮を禁じ得ない。世界貿易機関(WTO)のルールを無視したような一方的な関税引き上げとも解釈できる国境税への言及、国際連合を軽視するような発言は、二度の大戦の反省から戦後70年以上をかけて形作ってきた国際ガバナンスシステムの「ちゃぶ台返し」にもつながりかねない。

さすがにトランプ政権も実際にはそこまで極端な自国優先の保護主義を志向していないと思いたいが、仮に米国が20カ国・地域(G20)の合意に背く保護主義措置の導入を連発するようなことになれば、基軸通貨ドルの信認を著しく損ねることにもつながり、国際金融市場の大混乱が予想される。

現状ではドル基軸通貨体制に代わる国際通貨システムが存在しない以上、地域ごとにどのような補完の仕組みがあり得るのか、人民元や円、ユーロなどを中心に、その準備通貨としての役割に改めて関心が向けられることも考えられる。極端な場合、中国で最近報道されているようにビットコイン的なバーチャル通貨への関心が一層高まり、普及の波が広がることもあり得る。

1971年のニクソン・ショック(ドルと金の兌換停止)のような突発的な衝撃が起こらずとも、米保護主義政策に起因するドル流動性への信認の低下を通じて、じわじわと混乱が広がるリスクには注意が必要だ。

ちなみに、トランプ政権の保護主義政策に歯止めがかかるとすれば、経済的成果が得られず、民意に基づく政治的圧力によって軌道修正が図られるケースだが、次の議会選挙(中間選挙)は来年秋であり、まだ時間がある。

最終的には、高関税に象徴されるように、保護主義的通商政策の行き着く先は高コスト化であり、潜在成長率の低下だが、手っ取り早く実行に移しやすい大型減税を打つなどして、目先の景気浮揚を演出できれば、しばらくの間、そうした負の側面を覆い隠し、保護主義路線を継続できる可能性はある。

トランプ政権としては、保護主義政策を追求してみて実際にどれだけリパーカッション(影響)があるか見極め、そこで改めて進むべき道を考えるということなのかもしれないが、リーマン・ショック後、低成長が続く世界経済がそのような破壊的実験に耐えられるとは思えない。1月のダボス会議で、中国の習近平国家主席がグローバリゼーションに肯定的な発言をし、米国の保護主義に釘(くぎ)を刺したのも、そうした危機感の表れだろう。

なお、保護主義について心配なのは、独仏蘭などで選挙が相次ぐ欧州の政治リスクもさることながら、トランプ政権が最初に攻撃の矛先を向けたメキシコで、故チャベス・ベネズエラ大統領のような対米強硬派が国政を握ることだ。実際、反米路線で知られるメキシコ左派野党リーダー、オブラドール氏は来年予定される大統領選の有力候補の一人と言われる。保護主義の連鎖が、世界経済の縮小を招くリスクには警戒が必要だ。

<新TPPより日米交渉優先が現実的>

こうした中、同じ民主主義・資本主義の価値観・理念を共有し、欧州諸国に比べれば政治的にも比較的安定している日本には、米国の保護主義化の切先(きっさき)を建設的にかわす役回りが国際社会から一層求められるようになるのではないか。

一部には米国のTPP離脱を受けて、米国抜きのTPPを進めるべきとの声もあるようだが、現実的な選択肢とは思えない。米国を除く11カ国が足並みをそろえて、新条約の早期発効にこぎ着けられれば良いが、実際には再交渉にかなりのエネルギーと時間をとられる可能性が高い。

また、そもそもTPPの大きな存在意義は、日米という2つの経済大国が加盟していることだった。日本はメキシコやオーストラリアなど多数のTPP構成国とすでに二国間の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を結んでいる。オバマ前政権が主導してきたTPPの交渉経緯を考えれば、いきなり二国間交渉に舵を切るというトランプ新政権の身勝手な行動に得心がいかないのは理解できるが、ここは残った国で無理に話を進めるよりも、米国との交渉に注力するのが現実を見据えた戦略かもしれない。

恐らく米国は、他国とのFTAのテンプレート(ひな型)とすべく、日米FTA交渉を急ぐはずだ。トランプ政権は、中間選挙をにらんで、来夏までには何らかの経済的成果を示す必要があり、前のめりで仕掛けてくることだろう。日本側は、そのペースにのまれて対立姿勢を打ち出すのではなく、政策助言や協力姿勢をむしろ前面に出し、なだめる側に回るべきではなかろうか。

例えば、米国が巨額のインフラ投資計画に本当に乗り出すのならば、インフラ債に連邦政府保証を付けることなどを条件に、日本の政府系金融機関や年金がある程度引き受けるといった協力関係も検討できるのかもしれない。

ところで、通商問題について補足すれば、私は全て二国間交渉で行うべきと言っているわけではない。中印を含む東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や日欧EPAも進めるべきだと考えている。ただし、現実問題、欧州は政治の季節に突入しており、EPA締結のハードルは高い。また、交渉国の経済発展段階が大きく異なるRCEPは、内容的にどこまで高められるのか、不透明な部分は多いだろう。

*加藤隆俊氏は、元財務官(1995─97年)。米プリンストン大学客員教授などを経て、2004─09年国際通貨基金(IMF)副専務理事。10年から公益財団法人国際金融情報センター理事長。

*本稿は、加藤隆俊氏へのインタビューをもとに、同氏の個人的見解に基づいて書かれています。

(聞き手:麻生祐司)

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

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コラム:トランプ氏の円安誘導批判は「空砲」

池田雄之輔野村証券 チーフ為替ストラテジスト
[東京 3日] - トランプ米大統領が、「いよいよ日本たたきを開始した」との見方が広がっている。1月31日に製薬会社トップを集めた会合で大統領は、「中国や日本は何年も市場で通貨安誘導を繰り広げ、米国がばかを見ている」と述べたという。

先立って、1月23日には米国製造業のビジネスリーダーらを前に、日米の自動車貿易について「不公平だ」と繰り返し言及したとされる。同26日には、共和党上下両院の集会で演説し、今後の通商交渉には「通貨安誘導に対し極めて強い制限を導入していく」と表明したことが報道されている。

これらのコメントを額面通りに受け止めれば、黒田東彦総裁の就任以来、日銀が大規模に継続している資産買い入れプログラムが批判の対象になっているように見えるし、「円安の阻止を狙っている」との解釈もあり得る。しかし、トランプ大統領がおそらく即興で繰り出している言葉をいちいち真に受けて動揺するようでは、「ドル安を望む」(筆者はその点についてさえ懐疑的だが)トランプ大統領の「思うツボ」である。

現在の国際金融市場においては、米大統領といえども為替相場に与えられる持続的な影響はきわめて限られていることを認識する必要がある。以下では、1)口先介入の効果は今後消えていくと予想されること、2)そもそも新政権がドル安を強く志向しているとは限らないこと、3)外交努力次第で「日本たたき」は抑えられる可能性があること、を議論したい。

<実力行使を伴わぬ口先介入の限界>

まず、トランプ大統領が「ドルは高すぎる」などと口先介入を今後も連発すれば、結果的にドル安誘導の効果が表れてしまうとの見方を検討してみよう。口先介入が持続的な効果を持つかどうかの判定は「実力行使が控えているか否か」で見極められるはずである。

米財務省が為替介入を打ち出す、ないし米連邦準備理事会(FRB)が利下げに転じる、という現実的なシナリオがあれば、市場は口先介入に対しても素直に従い、ドルロングを縮小せざるを得ないだろう。1985年のプラザ合意が強力なドル安効果を発揮したのは、各国が協調してドル売り介入に動いたからに他ならない。90年代に為替市場が当局者コメントに一喜一憂したのも、プラザ合意での力ずくのドル安誘導を直前に経験していたからという、昔の話である。

仮に米国がドル売り介入を今後実施する場合、主要7カ国(G7)のルールに従えば「ドル高は無秩序であり、世界市場にとってリスク」であることを説明し、介入についての相手当局の同意を得る必要がある。しかし、現局面で米国が「過度のドル高」と不満を表明しても、まったく説得力がない。なぜなら、昨年11月以降のドル高は米金利上昇と矛盾なく推移しており、到底「無秩序」とは言えないからである。

さらに、他国からは「通貨高に耐えられないほど景気が脆弱なら、なぜ利下げしないのか」と、反論されるだろう。米国が利上げ局面にある以上、為替介入の実施は非現実的である。そうなると口先でのドル高けん制は「空砲」にすぎないと見透かされ、市場インパクトは低減していくはずだ。

なお、「トランプ政権はG7からの脱退さえ辞さないのでは」との悲観論もあるが、それは米国が変動相場制のメカニズムそのものを否定することを意味する。「戦争が始まるかもしれない」といったレベルと同程度のわずかなテールリスクと言うべきだろう。

<即興コメントに強い意思は感じられず>

ところで、2016年にルー財務長官の「円高は秩序立っている」との口先介入はなぜ、時として円高をもたらす効果を持ったのか。それは「1ドル=100円前後まで円高が進んでも、日本は円売り介入を封印せざるを得なくなった」との現実的な連想につながり、投機勢の円ロング構築を後押ししたことが一因だった。

加えて、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーがことあるごとに、「ドル高は景気、インフレを下押ししている」と発言し、利上げ期待の上昇を抑えることに成功したことも影響しただろう。現局面でも、イエレンFRB議長が「ドル高によって利上げの必要性が低下している」と発言する場合には、本物のドル安圧力が加わると予想される。

次に、そもそもトランプ政権がドル安を本気で望んでいるかどうかも、慎重に検討されるべきだろう。G7のルールを無視してまでも、ドルを本当に押し下げたいのであれば、なぜトランプ大統領は「ドル安を追求する」「FRBは利下げすべき」と言わないのか。トランプ大統領が、即興で発信している為替へのコメントには強い意志が感じられないのだ。

一方、財務長官就任が見込まれるムニューチン氏は「強いドルは長期的に重要」と述べ、従来の米財務省の立場を一貫して擁護している。米国市場に投資魅力があり、それがドル高につながっているのであれば良い、との考え方だ。「最重要なのは経済成長と雇用拡大」と、為替相場そのものをターゲットにはしない方向も示している。

同氏の発言としては、「過度に強いドルは短期的にマイナスの公算」とのコメントも伝わったが、それは一般論での言及であり、現在のドルを強すぎると認定したわけではない点に注意が必要だ。

<年末1ドル120―125円予想を維持>

10日の日米首脳会談は、トランプ大統領の不当な口先介入を許さないためにも、きわめて重要な機会となるだろう。筆者は、昨年12月27日付の日本経済新聞に掲載された菅義偉官房長官の「為替の危機管理をちゃんとやっている」との発言は、トランプ政権から円安批判、日本たたきの動きが出ないよう、安倍政権が外交努力をすでに開始していた証拠だと解釈している。

首脳会談で日本側としては、1)英国に次ぐ世界第2位の対米直接投資を通じて、日本企業は米国の雇用拡大に貢献していること、2)1ドル=80円から120円へと円安が進んだ「アベノミクス」の期間においても対米貿易黒字は拡大どころか若干減少していること、3)日本は2012年以降、為替介入を一切打ち出していないこと、4)日銀の緩和努力は日本経済を強化し、ひいては米国からの輸入にもプラスに作用すること、を地道に説明すると予想される。一方、米国には「他国の金融政策には口出ししない」というG7ルールの順守を求めることになろう。

トランプ政権が、経済政策の中心に保護主義的通商政策を掲げており、貿易赤字縮小を優先課題とすることは明らかになってきた。しかし、その戦略の骨格は、1)中国に対する参入障壁撤廃と内需拡大の要請、鉄鋼などのダンピング輸出のけん制、2)米国製造業のメキシコへの生産シフトの抑制、といった点に絞られている。

世界貿易機関(WTO)違反となる高率関税の適用は、あくまで最終手段であり、実施は念頭にないことをロス次期商務長官は明言している。通貨政策については、仮にドル安を望んでいるとしても、それを実現する手段をホワイトハウスは持っていない。

トランプ大統領の口先介入に恐れをなすのでは、思うツボになってしまう。為替相場についての「トランプ砲」はあくまで空砲であり、神通力を失うのは時間の問題と見るべきだろう。

重要なのは、米国経済の強さであり、2017年は2回ないし3回の利上げが想定できるという事実である。金利が急上昇するなどして株価が大きく崩れる場合には、ドル円相場が金利差からかい離することもあり得るが、あえて現時点でメインシナリオにする理由もない。2017年末のドル円相場は、米利上げが2回なら120円、3回なら125円との予想を維持している。

*池田雄之輔氏は、野村証券チーフ為替ストラテジスト。1995年東京大学卒、同年野村総合研究所入社。一貫して日本経済・通貨分析を担当し、2011年より現職。「野村円需給インデックス」を用いた、円相場の新しい予測手法を切り拓いている。5年間のロンドン駐在で築いた海外ヘッジファンドとの豊富なネットワークも武器。著書に「円安シナリオの落とし穴」(日本経済新聞出版社)。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

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コラム:日米金融政策に潜むドル円波乱要因

門田真一郎バークレイズ証券 シニア為替・債券ストラテジスト
[東京 3日] - 国際金融市場は昨年11月の米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利して以来、同氏をめぐる政治・政策動向に右往左往する展開が続いており、金融政策の存在感がやや低下している。

1月半ば以降はトランプ政権からのドル高けん制・他国通貨安批判が報じられる中、米金利上昇にもかかわらずドル安が進む展開となり、ドル円相場も年初の118円台から112円台まで下落した。しかし、日米中央銀行は今年、それぞれ難しいチャレンジに直面しており、再び金融政策が相場の波乱要因になり得る点に注意が必要だ。

まず、日銀については、1月30―31日の金融政策決定会合で市場予想通り政策据え置きを決定した。展望レポートでは、2017―18年度にかけての国内総生産(GDP)成長率予測を上方修正する一方、コア消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)については従来予測をそのまま維持した。決定会合自体に対する市場の反応は限定的なものにとどまったが、円債市場は日銀が昨年9月に導入した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」にチャレンジする展開となっており、為替市場も日銀の輪番オペに振らされた。

日銀は9月に導入したこの枠組みの下、10年物国債金利がおおむねゼロ%程度で推移するように国債買い入れを行っており、市場は0%からプラスマイナス10ベーシスポイント(bp)を許容レンジと想定してきた。しかし、今週後半は10年債利回りがプラス10bpを上回り、3日には日銀が国債買い入れ増額や緊急指値オペによる対応を迫られる展開となった。

<日銀の次の一手が招く円高リスク>

そもそも「金利」と「量」をともに追求する日銀金融政策の現行の枠組みは内部矛盾をはらんでおり、中長期的には持続可能ではないと判断している。特に、海外金利上昇や国内インフレ加速にけん引される形で円金利の上昇圧力が強まり、(今週のように)日銀が国債買い入れの増額に迫られる場合、最終的には市場における国債不足の問題に直面することにつながろう(意図せざる減額リスク)。

当社は日本のコアCPIが8月までに1%台に達すると予想しており、円債のスティープ化圧力は今後一段と強まっていこう。こうした中、日銀が秋頃に10年金利操作目標を引き上げると予想している。

また、2017年の国債買い入れ額(残高ベース)を年間80兆円程度から同60兆円程度に減額させていくと考えている。実際、日銀保有国債残高の増加ペース(年率)は昨年9月から12月末にかけて約3.8兆円減少しており、2017年もこのペースで減額を続けた場合、年末の買い入れペースは60兆円前後に着地する計算となる。

日銀がこうした措置を進める上では市場とのコミュニケーションが非常に重要だ。特に為替市場では、ドル円上昇見通しの根幹に日銀の長短金利操作による円金利上昇抑制を通じた日米金利差拡大を据える投資家が多い印象だ。そのため、コミュニケーションの失敗で過度な引き締め観測を生じさせた場合は円高が進む公算が大きい。

<米保護主義の景気押し下げ圧力>

次に、米国では1月31日―2月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通り金融政策が据え置かれた。声明文ではデュアル・マンデート(2つの使命)である最大雇用・物価安定に向けた進展が認識されたが、トランプ政策をめぐる不確実性が大きい中、今後の具体的な利上げ時期などについての言明は避けられた。

米連邦準備理事会(FRB)にとって最大のチャレンジはトランプ政権の動向であることは間違いない。FRBの金融政策も、米国経済・物価見通しに大きな影響を与え得るトランプ政権の財政政策や保護主義政策との政策ミックス上の兼ね合いによるところが大きい。

当社は、トランプ減税が2017年後半から2018年前半の米国経済成長率を1.0―1.5%ポイント押し上げる一方、保護主義政策は景気押し下げ方向に働くと見ている。例えば、中国に対して15%、メキシコに対して7%の関税が実施された場合、米国の成長率は0.5%ポイント程度押し下げられると推計している。仮に20%の国境税が導入された場合の景気押し下げ効果は1.0―1.5%ポイントにまで広がると見られ、減税効果がほぼ相殺される計算となる。

財政・保護主義政策に加え、現在2人分の空席があるFRB理事の指名も重要だ。今年のFOMC投票メンバーは昨年と比べてややハト派寄りにシフトしたが、トランプ大統領の指名次第ではそのパワーバランスが大きく変わる可能性もある。むろん、2018年2月3日に任期を迎えるイエレンFRB議長の後任問題が今年後半には最大の焦点となろう。

<FRBのバランスシート縮小議論>

加えて、FRBでは現在進行中の金融政策正常化のプロセスにおいて、「金利」と「量」のバランスをめぐる議論が再び俎上(そじょう)に上っている。具体的には、2008年以降3度にわたる量的緩和で急増したFRBのバランスシートをいつ縮小させるべきかが焦点だ。

振り返れば「金利」か「量」かの議論は、バーナンキ前FRB議長が政策正常化を始める際に一度盛り上がったが、当時はバーナンキ氏を中心とする「まず金利」派が勝利し、超過準備付利(IOER)導入によって膨大なバランスシートを維持しつつ利上げを行うことを可能にした。結果、FRBは償還証券を再投資することで大規模なバランスシートを維持しているが、年明け以降は地区連銀総裁によるバランスシート縮小に関する発言が注目されている。

もともと、2015年9月のFOMC議事録では再投資政策について、1)政策引き締めの少し後に停止、2)政策金利が一定水準(1―2%)に達するまで継続、という選択肢が示されていた。FOMC自身の予測通り今年3度の利上げが実施されると、2017年末のフェデラルファンド(FF)レート誘導目標レンジは1.25―1.50%に達することとなる。そのため、今後バランスシート縮小に向けた議論が進展していくことが見込まれる。

その際、最終的に適切なバランスシートの規模および金融政策運営における準備預金の役割を決定していくことが重要だ。なお、当社はFRBの利上げが2017年は年2回にとどまると見ており、現時点でバランスシート縮小は予想していない。

以上を踏まえると、当面の金融市場はトランプ政権の動向に左右される展開が続くと見られるものの、今年、日米金融政策が再び市場の錯乱要因となる可能性には十分注意が必要だろう。ドル円相場については、日銀の長短金利操作とFRBの利上げの組み合わせから一段高を見込む向きも多いようで、投機筋の円ショートポジションは高水準で維持されている。

ただ、日銀金融政策の枠組みの持続可能性に疑問が残るほか、米利上げ加速の前提にあるトランプ政策も、減税より保護主義政策が前面に出ることで経済押し上げ効果が相殺される可能性もある点に留意したい。何より景気循環後期における財政拡張は将来需要の先食いにより、その後の谷を深めるリスクがあることに加え、保護主義政策は潜在成長率を押し下げる懸念がある。FRBのターミナルレート(政策金利の最終着地点)の上昇は抑制され、米長期金利の上昇余地も限定的となろう。

ドル円は当面、トランプ政権・政策をめぐるヘッドラインに振らされやすい展開が続こうが、中期的には大きな課題に直面する日米金融政策が相場の波乱要因となっていくリスクに注意が必要な年となろう。

*門田真一郎氏は、バークレイズ証券のシニア為替・債券ストラテジスト。2008年にバークレイズ証券に入社し、銀行戦略調査および外債ストラテジーを担当、2013―16年にバークレイズ銀行で為替ストラテジストを務めた後、16年から現職。海外拠点の為替・金利・経済チームとのネットワークを活かし、為替市場見通しのほか、海外経済・政治動向などについて幅広い情報提供を行っている。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)経済学部卒。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)


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焦点:ゼロ%「程度」をめぐる神経戦、日銀が初の実弾指し値オペ


[東京 3日 ロイター] - 日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策をめぐり、市場と日銀が神経戦を繰り広げている。同政策における10年物国債金利の目標はゼロ%「程度」であるが、どこまでが「程度」なのかは曖昧だ。日銀は3日、初の実弾となる「指し値オペ」を実施。金利上昇を抑えにきたが、何度も使える手ではない。いずれ金利目標は引き上げられるのか──。ヒントを探るべく、日銀オペに対する市場の注目度は高いままとなりそうだ。

<伏線もあった長期金利上昇>

日銀のオペに債券だけでなく、為替や株式など各金融市場の注目が集まっていた。前日2日、10年債金利は節目とみられていた0.1%を突破。このまま長期金利上昇を放置するのか、それとも抑えにかかるのか──。もし放置すれば、日米金利差縮小の思惑から、円高が進み、日本株が売られる可能性もある。

3日午前10時10分。日銀は「残存5年超10年以下」の国債買い入れ額を4500億円と通告。1月31日に発表した予定額4100億円に対して400億円の増額となった。

長期金利の低下要因になるはずだったが、増額規模が物足りないと判断した向きが売り圧力を強めたほか、超長期国債の買い入れを見送ったことも嫌気された。長期金利は一気に、マイナス金利政策が導入された昨年1月29日以来の0.15%まで上昇。限定的ではあったが、円高と株安も進んだ。

市場の神経質な反応には伏線があった。3日朝に発表された昨年12月19、20日分の日銀金融政策決定会合の議事要旨だ。同会合でYCC政策の下で長期金利を「ゼロ%程度」とする目標について、上下0.1%など画一的な基準を設けるべきではない、との見解が示されていたことが判明した。

日銀が目標に掲げる「ゼロ%程度」とは、かなり広いのではないか。そうした見方がじわりと広がっていたなか、オペの金額がやや少なかったことで、長期金利の上限を試すような売りが出たとみられている。

<市場の不透明感払しょくされず>

しかし、日銀は長期金利の上昇を放置しなかった。午後零時30分、日銀は、市場の意表を突いた「指し値」オペを実施。「指し値」オペの通告は、これで2回目だが、前回は市場実勢とかけ離れたオファーであったため、応札額はゼロだった。

実は今回も、対象となった345回債は、前日に入札があったばかり。落札利回りが最高0.092%、平均0.087%だったため、指し値の利回りの0.110%を踏まえると、売却損が出た計算になる。

ただ、「業者は応札の際、先物などを活用してヘッジ(損失回避)をしていたと予想される。損失が限定的となる日銀買入れを活用して、ポジション整理を急いだ」(国内証券の債券担当者)とみられ、応札額は7239億円にのぼった。

日銀の金融市場局は「長期金利が急激に上昇していることを踏まえ、10年物国債金利の操作目標をゼロ%とする金融市場調節方針をしっかりと実現するように実施した」との見解を示した。

10年国債利回りは、今回の指し値オペの金利0.110%が当面の上限となるとみられている。しかし、「指し値オペ」は何度も効かないとの見方も多い。市場に慣れが生じてしまうためだ。

市場には不透明感が漂ったままで、三菱UFJモルガン・スタンレー証券・シニアマーケットエコノミストの六車治美氏は「日銀は適切なイールドカーブに言及しているが、そのカーブ形成を何を基準に適切と判断しているのか、日銀の裁量でしかない。根本的なことが明確にならないと、いつまでもオペに対する不透明感が残る」と話す。

<長期金利目標引き上げには円高リスク>

黒田東彦日銀総裁は31日の会見で「(オペの)タイミングや回数は、需給動向などで実務的に決定する。日々のオペで先行きの政策スタンスを示すことはない」と、オペによる金融政策の先行き示唆を否定した。

しかし、「いずれ長期金利目標を引き上げる際は、実勢金利が上がった後からでないと市場が混乱するおそれがある」(シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏)という。市場金利をスムーズに引き上げるために、オペを利用する可能性もあるとみれば、市場のオペに対する注目度は引き続き高そうだ。

また、長期金利目標に関しては、トランプ米大統領のインフラ投資などで、米金利が上昇し、ドル高が進んでいる場合は、日銀も引き上げやすい。米金利が上昇しているため、日本の金利を引き上げても日米金利差が縮まず、円高圧力も高まらないためだ。

だが、日本の物価が2%に近づくなど、米国要因によらずに、日本の金利に上昇圧力がかかる場合、長期金利目標引き上げには円高リスクが生じる。

円高を防ぐ1つのアイデアは、長期金利の引き上げと同時に、短期のマイナス金利を引き下げるツイストを行うことだ。ただ、マイナス金利への反感は日本では強い。2016年1月のマイナス金利導入時のように、銀行株が下落し株安なってしまえば、リスクオフの円高が進んでしまうおそれがある。

「円高になるか、円安になるかはやってみないとわからない」とBNPパリバ証券・チーフエコノミストの河野龍太郎氏は話している。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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増島雄樹
2017年2月3日 13:32 JST

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日本国債10年物金利が、マイナス金利導入以来1年ぶりに一時0.15%まで上昇した。市場が3日朝に実施した国債の買い入れが不十分だとみなしたことが背景にあるとみられ、金利操作目標の概ね0%程度からかい離した。ブルームバーグ・インテリジェンスでは、これが金融政策変更や日本銀行がイールドカーブのコントロールを失ったことを意味するわけではないと評価するが、市場との対話をどうするかは今後の課題だろう。

日銀は イールドカーブのコントロールを失っていない。日本の物価上昇や経済見通しのパスに影響を与えない限り、長期金利のある程度の変動は許していると評価すべきだ。
政治的な懸念も日銀があえて金利上昇を抑え込みにいかなかった要因かもしれない。
トランプ米大統領は、日本が円を減価するためにマネー市場で操作を行っていると批判している。安倍晋三首相とトランプ氏の会談を控え、目立った動きをすればトランプ氏に為替を円高に誘導する口実を与えかねない。これは日銀としても避けたい状況だろう。
もし、この見立てが正しいのであれば、日銀の市場とのミスコミュニケーションが問題となってくる。
9月の長短金利操作政策の導入後、日銀は指し値オペなど、国債市場の金利変動に呼応して何回か強いメッセージを送っている。それが、長期金利が目標の0%から0.1ポイント以上乖離(かいり)させないという印象を与えている可能性がある。
ただ、昼すぎに指値オペを行ったことで、日銀は金利の手綱は失っていないものの、日々のオペレーションでの試行錯誤が続いていることが示唆される。
原文の英語記事はこちら

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKS6DI6S972801


 
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Gillian Tan
2017年2月3日 14:03 JST

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ウォール街の一部で今、最も引っ張りだこなのはスーパーボウルのチケットではない。シニアのインベストメントバンカー(投資銀行家)だ。
  それが投資銀行のグリーンヒルやエバーコア・パートナーズ、ラザードの幹部からのメッセージだ。3行とも市場予想を上回る四半期業績を最近発表した。社員への報酬はこれらの銀行が直面する最大のコストの一つだが、ビジネス案件を獲得するという見返りは大きくなる可能性を持つ(これは手数料収入に置き換えられる)。

米大統領選以降の独立系投資銀行の株価上昇率
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iTzwjzk3oJ9k/v1/-1x-1.png

  ゴールドマン・サックス・グループに30年在籍した後、エバーコアの会長に就任したジョン・ワインバーグ氏は1日、決算発表後の電話会議で「人材の管理、維持、採用が最も重要だ」と話した。事情に詳しい関係者の話によれば、同行は今年既にシニアマネジングディレクターを新たに2人採用したほか、4人を同職に内部昇格させた。この職種の幹部は計87人になったという。
  こうしたシニアバンカーは移籍先の投資銀行の収益に好影響をもたらしている。大手行に在籍していた時期の実績をかなり上回る貢献だ。エバーコアでは2016年、こうした人材が1人当たり平均1380万ドル(約15億6000万円)の収入を生み出した。前年比9%増で、投資銀業界で最大だった。
  JMPセキュリティーズのアナリスト、デビン・ライアン氏は、エバーコアの「長期的なフランチャイズ・バリューの一番の押し上げ要因」は、こうした人材の拡大だと指摘した。
(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません。)
原題:Senior Bankers Are Pricey and Worth It in These Cases: Gadfly(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKS5DT6TTDS001

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/633.html

[日本の事件31] 高齢者の性犯罪 梅毒の男性感染者数で60代が20代前半を上回るデータも  
高齢者の性犯罪 梅毒の男性感染者数で60代が20代前半を上回るデータも
AbemaTIMES 2/2(木) 20:10配信


(C)AbemaTV
 埼玉県で先月31日、ある容疑で75歳の男が逮捕された。

 この事件を起こした運送業の原口勇容疑者は、去年9月、狭山市の路上を歩いていた87歳の女性に対し、下半身を露出した公然わいせつの疑いが持たれている。警察によると、原口容疑者は軽トラックで女性を追い越した後、軽トラックから降り、話しかけながら犯行に及んだということで、取り調べに対し容疑を認めている。

 埼玉県内では去年、高齢の女性を狙って下半身を露出する事件が数件相次いでいて、警察は関連を調べている。

 高齢者と性の問題。私たちはどのように向き合っていけばよいのだろうか。

 「犯罪というものを見るときにも、私たちが今まで持っていた固定観念とは違う形でもう出て来始めているというのが一つの事実である」と語るのは、高齢者の犯罪にも詳しい犯罪心理学者の出口保行氏。高齢化社会真っ只中の日本社会において、少年犯罪としてイメージされるような万引きなどもお年寄りの方が多くなってきたということを例に挙げて訴える。

 高齢者数と強姦検挙数(高齢者)、強制わいせつ検挙数(高齢者)の数については、増加が続いており、30年前と比較してもその急増ぶりがわかる。

1986年:約1247万人 3人 11人
2015年:約3449万人 32人 223人

 これに対し、出口氏は「性的な欲求というのは実は非常に強い欲求。年齢が上がるにつれて衰えていくと思われがちだが実はそんなことはあまりない」とし、身体機能・性的な欲求というこの二つに関して「自分の身体機能が衰えたときにその(性的な欲求の)強さが非常に高い状態であるとそれが犯罪という形で行動化されるということは十分に考えられる」と説明した。

 日本老年学会の分析によると65歳以上の高齢者の知的機能は10歳ほど若返っていることが判明したという。脳卒中、心筋梗塞などの病気にかかる割合も大きく減り、歩く速さや握力、片足立ちの時間などは20年前に比べて軒並み上昇していたそうだ。

 さらに、性機能の若返りを示すデータも存在するという。「配偶者との性交渉を望む」70代男性の割合はおよそ4割。90代男性の8割、女性の7割が「性に積極的である」というアンケート結果もあるそうだ。一方で、梅毒の男性の感染者数は20代前半を60代が上回り、高齢者の性との向き合い方も問われている。

 出口氏は犯罪における“リスク”と“コスト”という考え方を示す。“リスク”とは「それをやることで検挙される可能性の高さ」、“コスト”というのは「やったと分かったことによって自分が失うものの大きさ」であるそうだ。

 この“コスト”に関して今日の老人は問題があるのではとの考えが出口氏だ。「私たちはリスクもコストも高い状態であれば犯罪はしない」と述べ、高齢者で知り合い・友達があまりいなく家族を失っている状況になった場合を挙げ、「“リスク”の部分は当然やれば捕まるだろうとは思っているかもしれないけれど、“コスト”の部分が非常に低くなってしまう」とした上で、「そうすると動機を形成したことが行動化につながりやすくなる状況というのが今の高齢者社会では起きている」と語った。

 相次ぐ高齢者の性犯罪。元気な高齢者が多いのはいいことであるが、犯罪を防ぐシステムが求められていることはいうまでもない。

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最終更新:2/2(木) 20:10
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170202-00010001-abemav-soci
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/894.html

[エネルギ3] 太陽光、最も安い新エネルギーに  
太陽光、最も安い新エネルギーに
2017.2.3 05:00

 世界のエネルギー市場に注目すべき変化が起きている。太陽光発電が初めて最も安い新エネルギーとなりつつあるのだ。過去にも中東の競争入札プロジェクトなど、個別の案件で太陽光発電の価格が記録的な安値になったことはあった。だが、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)の最新データによると、補助金の支給を受けない太陽光発電のコストは最近、より広範に石炭や天然ガスを下回り始め、特に新興市場の新規プロジェクトでは風力よりも開発コストが安くなっているという。

 BNEFの米政策分析責任者、イーサン・ジンドラー氏は「太陽光発電はゼロから大きく成長したが、これには中国が急速に普及を推し進め、他国のプロジェクトに財政支援を行った影響が大きい」と述べた。

 2016年は太陽光発電にとって素晴らしい年だった。民間企業が大規模な電力供給契約を勝ち取ろうと競い合うオークションでは次々と安値記録が更新された。1月のインドでの契約で64ドル(約7223円)だった1メガワット時当たりの価格は、8月のチリでの契約では29.10ドルまで下がり、これは競合する石炭火力発電の約半分の価格に相当する。

 BNEFのマイケル・リーブレック会長は「再生可能エネルギーは確実に化石燃料の価格を下回る時代に入りつつある」と明言している。BNEFの調査によれば、16年の全世界での新規導入施設における太陽光発電量は70ギガワットと、風力の59ギガワットを上回ったとみられる。

 電力需要が安定または減少している、より裕福な国々では、クリーンエネルギーへの転換は少し高くつく可能性がある。こういった国では、新規の太陽光発電所は既存の石炭・天然ガス発電施設との競合を強いられる。だが、発電量を早急に増やしたい国々では「再生可能エネルギーが他の技術に勝る」とリーブレック氏は指摘する。

 再生可能エネルギーへの投資では、新興市場の投資額が15年に1541億ドルと、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の1537億ドルを上回った。

 とはいえ、風力や太陽光の発電施設の建設には時間がかかり、風が吹かない時や太陽が出ない時はやはり化石燃料が最も安い選択肢となる。石炭や天然ガスは今後もエネルギー不足の軽減に重要な役割を果たし続けるだろう。

 だが、いまだに電力のない生活をしている人や大気汚染のひどい都市で暮らしている人にとっては、再生可能エネルギーへの転換は「待ったなし」の問題だ。(ブルームバーグ Tom Randall)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170203/mcb1702030500011-n1.htm
http://www.asyura2.com/16/eg3/msg/105.html

[政治・選挙・NHK220] マティス米国防長官、日本の安保への関与を確認 安倍首相と会談 尖閣の防衛義務を表明 安倍首相「日本は防衛力強化」
マティス米国防長官、日本の安保への関与を確認 安倍首相と会談

[東京 3日 ロイター] - トランプ米新政権の閣僚として初来日したマティス国防長官は3日午後、安倍晋三首相と会談した。同長官は日本の安全保障に対する新政権の関与を確認した上で、日米同盟が強固であると強調した。

マティス長官は安倍首相に対し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威を例に挙げ、「1年前、5年前と同じく、日米安全保障条約第5条が本当に重要なものであることを明確にしたい。5年先、10年先も変わらないだろう」と語った。

第5条は日本の施政下に対する米国の防衛義務を定めており、日本はたびたび米政府に実効性の確認を求めている。

さらに同長官は、就任後の最初の外遊先として韓国と日本を選んだ理由を説明。「米国は100%、安倍総理、日本国民とともに肩を並べて歩みをともにするということに、誤解の余地のないことを示すため」と述べた。

安倍首相は、「マティス長官、そしてトランプ政権との間でも日米同盟が揺るぎないということを、内外に示していくことができると期待しているし、確信している」と語った。その上で、2月10日のトランプ大統領との会談を「楽しみにしている」と述べた。

マティス長官は3日夕に岸田文雄外相、4日午前に稲田朋美防衛相とも会談する。中国も領有権を主張する尖閣諸島(中国名:釣魚島)をはじめ、日本側は政権交代後の米国がアジア・太平洋地域の安全保障に関与し続けることを確認したい考え。

北朝鮮問題のほか、軍事力を急速に拡大している中国への対処についても議論する。

マティス長官は日本に先がけて訪問した韓国で、北朝鮮が核兵器の使用を選択した場合は「効力のある圧倒的な」報復で応じると強くけん制。同盟国である韓国の防衛への関与を確認した。

(久保信博)

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米国防長官、尖閣の防衛義務を表明 安倍首相「日本は防衛力強化」
 2月3日、トランプ米新政権の閣僚として初来日したマティス国防長官は安倍晋三首相と会談した。同長官は日本の安全保障に対する新政権の関与を確認した上で、日米同盟が強固であると強調した。代表撮影(2017年 ロイター/Eugene Hoshiko)
 2月3日、トランプ米新政権の閣僚として初来日したマティス国防長官は安倍晋三首相と会談した。同長官は日本の安全保障に対する新政権の関与を確認した上で、日米同盟が強固であると強調した。代表撮影(2017年 ロイター/Eugene Hoshiko)
[東京 3日 ロイター] - 米トランプ新政権の閣僚として初来日したマティス国防長官は3日午後、安倍晋三首相と会談した。同長官は、尖閣諸島(中国名:釣魚島)を含めた日本の安全保障への関与を確認した上で、日米同盟の重要性を強調した。安倍首相は、日本自身も防衛力を強化する方針を伝えた。

マティス長官は会談の冒頭、核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威を例に挙げ、「1年前、5年前と同じく、日米安全保障条約第5条が本当に重要なものであることを明確にしたい。5年先、10年先も変わらないだろう」と語った。

会談に同席した日本政府関係者の説明によると、マティス長官は、中国も領有権を主張する尖閣諸島にも安保条約第5条が適用されると表明。「尖閣諸島に対する、日本の施政を損なおうとする一方的な行動にも反対する」と述べたという。

第5条は、日本の施政下に対する米国の防衛義務を定めている。日本は尖閣諸島への有効性を懸念しており、今回のマティス長官の来日でトランプ新政権の認識を確認する方針だった。

一方、安倍首相はマティス長官に対し、アジア・太平洋地域における米国の関与の重要性を指摘。その上で、日本も自国の防衛力を強化していくと伝え、「自らが果たしうる役割の拡大を図っていく」と語った。マティス長官も、日本の防衛能力向上に期待を示したという。

会談では地域の安全保障環境についても意見を交換。中国が軍事活動を拡大する東シナ海、南シナ海の情勢について懸念を共有した。沖縄県にある米海兵隊の普天間基地の移設問題については、名護市辺野古沖が唯一の移転先という認識で一致。トランプ大統領が選挙期間中に増額を訴えていた在日米軍の駐留経費は、会談の議題にならなかった。

マティス長官は4日午前に稲田朋美防衛相と会談する。

同長官は日本に先がけて訪問した韓国で、北朝鮮が核兵器の使用を選択した場合は「効力のある圧倒的な」報復で応じると強くけん制。同盟国である韓国の防衛への関与を確認した。

*内容を追加して再送します。

(久保信博)

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ロシア、虚偽を武器に西側諸国の弱体化狙う=英国防相

[ロンドン 3日 ロイター] - 英国のファロン国防相はロシアのプーチン大統領について2日夜、うそを広めハッカー集団を使って重要なインフラにサイバー攻撃を仕掛けることで、西側諸国の弱体化を狙っていると批判した。

国防相は、1991年のソ連崩壊以降、プーチン大統領は西側の戦略的ライバルとなることを選択してきたと主張。北大西洋条約機構(NATO)の軍事同盟はロシアを抑止するため断固とした態度で臨むべきだと述べた。

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コラム:英国は金融業沈没で「双子の赤字」悪化も

George Hay

[ロンドン 2日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 英国政府は2日に公表した欧州連合(EU)離脱交渉に向けた「白書」で、金融サービス分野で英国とEU加盟国間の「可能な限り自由な取引」を目指すとうたった。

しかし英国は移民流入の削減なども望んでいるため、金融サービスにおける自由度が厳しく制限されるのは必至。金融街シティーがどれだけストレスに耐えられるか試しているようなものだ。

メイ英首相の行動は一見無謀だが、実は綿密な計算に基づいているのかもしれない。金融業界を軽々に扱っても票を失うことはない。またユーロ建て取引の域外での清算を禁止するという欧州大陸の政治家の脅しも、はったりに過ぎないだろう。英国の銀行、保険会社、資産運用会社の多くは昨夏以来、EU単一市場で自由に取引できる「パスポート」を失うかもしれないと想定しつつも、EU諸国の都市は活気がないなどとして、英国が対等な立場を築ける姿を思い描いてきた。確かに妥協が成立する余地はまだ残っている。

しかし、もしこの想定通りにならなければ、英国の双子の赤字は悪化する。欧州銀行監督機構(EBA)が2日発表した統計によると、年収が100万ユーロを超えるEU域内のバンカーの80%強は英国に拠点を置いている。また英歳入関税庁(HMRC)の試算によると、2015─16年に銀行関連で発生した244億ポンドの税収のほぼ4分の3をバンカーの所得税が占めた。英国の税収の3%に相当し、これが他国に逃げれば680億ポンドに上る英国の財政赤字は一段と悪化する。

英金融業界が沈没すれば、対GDP比で5.4%に達している英国の経常赤字もさらにひどくなるだろう。英国の2015年のサービス収支は880億ポンドの黒字で、財の貿易赤字の穴埋めに一役買っているが、このうち金融サービスの黒字が420億ポンドを占めている。この黒字額は不変ではない。英国家統計局によると、2005年の金融セクターの黒字は230億ポンドにとどまった。

メイ首相は英金融業界がカネを生み続けると望むだろう。これが誤算であるなら、英経済は上方修正されたばかりの成長率目標を達成しない限り、財政赤字のひどい悪化を免れない。

●背景となるニュース

*英政府は2日、EU離脱交渉に向けた白書を公表し、英国とEU加盟国間の金融サービスについて「可能な限り自由な」取引を目指す方針を掲げた。

*イングランド銀行(英中央銀行)は2日公表した四半期インフレ報告で2017年の国内総生産(GDP)成長率見通しを従来の1.4%から2%に引き上げた。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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中国外務省「通貨戦争望まず」、トランプ大統領に反論

[北京 3日 ロイター] - 中国外務省報道官は3日の定例会見で、貿易で有利な立場を得る手段として為替を利用したことは一度もないと発言、「通貨戦争」は望まないと述べた。

トランプ米大統領は先月31日、中国や日本の為替政策を批判している。

同報道官は、中国政府としてトランプ大統領の批判に初めて公式に回答。貿易問題は対話を通じて解決すべきだと述べた。

同報道官は「中国は為替戦争を利用して貿易で有利な立場を得たり、貿易競争力を高めようとしたことは一度もなく、今後もない」とし、「通貨戦争を戦うつもりはない。そのようなことをしても、長期的に中国の利益にならない」と述べた。

*内容を追加しました。

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http://jp.reuters.com/article/usa-trump-dollar-china-idJPKBN15I0W0
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/769.html

[経世済民118] ドル相場は米雇用統計で上下動、ドル高反応の後はドル安に転じる=NY為替 
ドル相場は米雇用統計で上下動、ドル高反応の後はドル安に転じる=NY為替

配信日時 2017年2月3日(金)22:43:00 掲載日時 2017年2月3日(金)22:53:00
ドル相場は米雇用統計で上下動、ドル高反応の後はドル安に転じる=NY為替

 1月の米雇用統計の結果をめぐり、ドル相場が激しく上下動している。まず、非農業部門雇用者数の伸びが22.7万人と予想18万人を上回ったことで、ドル買いに反応。ドル円は113.45近辺まで高値を伸ばした。しかし、失業率が4.8%に上昇、平均時給の伸びが前月比、前年比ともに鈍化したことでドル売りに転じる。ドル円は一時112.60近辺まで反落。

 ただ、失業率の悪化については、労働参加率が前回の62.7%から今回は62.9%に上昇したことで説明される面がある。週平均労働時間は34.4時間と事前予想34.3時間を上回った。

USD/JPY 112.85 EUR/USD 1.0749 EUR/JPY 121.31
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=354022


1月の米雇用統計概要(カッコは前月)【2/3 22:37】
失業率 4.8%(4.7%)

非農業部門就業者数 22.7万人増(15.7万人増)

物品生産部門 4.5万人増(1.5万人増)

サービス部門 19.2万人増(15万人増)

労働時間(週平均) 34.4時間(34.4時間)

平均時給 26.0ドル(25.97ドル)

労働参加率 62.9%(62.7%)

U6失業率 9.4%(9.2%)

長期失業者(半年以上) 185万人(183.1万人)

経済的理由でのパート勤務 58.4万人(55.98万人)

(注)「U6失業率」は完全失業者に経済的理由によるパート労働者、働く意欲はあるが求職をやめた人を加味した広義の失業率。

情報提供:株式会社時事通信社株式会社時事通信社



1月の米就業者数、22万7000人増に急加速=失業率は4.8%に上昇―労働省【2/3 22:32】
【ワシントン時事】米労働省が3日発表した1月の雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門の就業者数は、季節調整済みで前月比22万7000人の増加と、前月(15万7000人増=改定)から伸びが急加速した。伸び幅は2016年9月(24万9000人増)以来4カ月ぶりの高水準。失業率は4.8%と0.1ポイント上昇した。

雇用の伸び拡大を受け、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが速まるとの観測が強まりそうだ。FRBは昨年12月時点で年3回程度の利上げを想定しており、トランプ政権の政策の影響なども見極めて判断する構えだ。

市場予想(ロイター通信調べ)は、就業者数が17万5000人増で、これを大きく上回った。失業率の予想は4.7%だった。

前月の就業者数の伸びはやや上方改定され、11月は16万4000人増に下方改定された。1月は建設業や小売業などの就業者数が増加した。物価上昇につながるとされる賃金は上昇したが、市場予想は下回った。働く人の意欲を示す参加率は上昇した。

1月の民間部門の就業者数は23万7000人増(前月16万5000人増)に拡大。このうち物品生産部門は4万5000人増(同1万5000人増)。主な内訳は鉱業・林業が4000人増(同2000人増)、建設業が3万6000人増(同2000人増)、製造業は5000人増(同1万1000人増)だった。一方、サービス部門は19万2000人増(同15万人増)で、小売や金融サービスなどが増加した。

政府部門は1万人減(同8000人減)だった。

平均時給は26ドルと前月比0.03ドル増加。前年同月比では2.5%増加し、前月の伸び(2.8%増)から鈍化、昨年8月に並ぶ5カ月ぶりの低い伸びとなった。週平均時間は34.4時間と横ばいだった。

働く意欲のある人の多さを示す労働参加率は62.9%と前月から0.2ポイント上昇し、昨年9月に並ぶ4カ月ぶり高水準。半年以上の長期失業者、フルタイム勤務を望みながらパートしか職が見つからない人は、いずれも増加に転じた。
http://fx.dmm.com/market/news/


経済
1月の米就業者数、4カ月ぶり大幅増 労働参加率は上昇
1月の米雇用統計は、労働市場の需給がそれほど引き締まっていない可能性を示唆した(写真はサンフランシスコのファストフード店に貼られた求人広告)

By JOSH MITCHELL AND BEN LEUBSDORF
2017 年 2 月 3 日 23:17 JST

 【ワシントン】米国では1月、人材採用が大幅に進み、労働参加率も上昇した。労働市場は既に何年も改善が続いているものの、まだ拡大の余地があることが示された。

 労働省が3日発表した1月の非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比22万7000人増加し、昨年9月以来の高い伸びを記録した。

 ただ労働参加率の上昇を受け、別の家計調査から算出した失業率は前月の4.7%から4.8%へ悪化した。近年の順調な労働市場の改善から、いったんは職探しを諦めた失業者が求職活動を再開している可能性がある。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想は、就業者数が17万4000人増、失業率が4.7%だった。

 ただ最新の雇用統計からは、これまで考えられていたほど労働市場の需給が引き締まっていない可能性が明らかになった。

 平均時給は前月比0.12%上昇したが、伸びはエコノミスト予想の0.3%を下回った。前年同月比では2.5%増。消費者物価の伸びを上回りつつも、過去に見られた水準ほどの急伸ではない。

 2017年に入って19州で最低賃金が引き上げられたため、エコノミストの多くはより大幅な賃金上昇率を予想していた。

 こうした中で労働参加率は62.9%(前月は62.7%)と上昇した。ただ1970年代以来の低水準付近という状況に変わりはない。

 やむなくパートタイム職に就いている人や職探しを諦めた人も含めた広義の失業率は9.4%(同9.2%)だった。

 就業者数を業種別に見ると、小売りが4万6000人増。とりわけ衣料品販売で雇用が拡大した。建設は3万6000人増と、昨年の低調な流れから一変した。

 一方、医療関連では1万8000人増と伸びが減速。製造はほとんど雇用が増えず、公務員は減少した。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiXhffwl_TRAhXFxbwKHYHiDE4QqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582599310342075898&usg=AFQjCNH7IlQn5AwIUuxjXVGFlRWCfnXT-Q


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/645.html

[経世済民118] トランプ政権の「弱いドル」政策がはらむ矛盾 トランプとイエレン成長予想の違いが平和の鍵 イエレン問われる議会対策手腕


トランプ政権の「弱いドル」政策がはらむ矛盾
国家通商会議のナバロ委員長(右)は、ドイツが「ひどく過小評価されている」ユーロを利用して米国や他のユーロ圏諸国を搾取していると非難した

By JAMES MACKINTOSH
2017 年 2 月 3 日 18:53 JST

――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト

***

 ドナルド・トランプ米大統領が有権者の心をつかんだ理由の一つは、その率直な物言いだ。ドルに関して言えば、米国の歴代財務長官が昔から繰り返してきた「強いドルは米国の国益にかなう」という妄言と決別するという新政権の意向は歓迎されよう。

 残念ながら、発言をシンプルにするという新たな方針が逆に混乱を大きくしている。

 トランプ大統領は今週、日本や中国など他の国々が通貨切り下げで競争力を得ようとしている間、米国は「ただ指をくわえて見ているだけ」だったと述べた。さらに、大統領に通商政策を助言する国家通商会議のピーター・ナバロ委員長が、ドイツは「ひどく過小評価されている」ユーロを利用して米国や他のユーロ圏諸国を搾取していると非難した。

 これは米国にとって大きな方向転換と言える。なぜなら、ビル・クリントン政権のロバート・ルービン財務長官が「強いドルは米国の国益にかなう」と発言して以来、どの政権もこの見解を踏襲してきたからだ。主要通貨のバスケットに対するドルの実質価値は、米国が「強いドル」政策を維持していたとされる2002年?11年の間に、むしろ25%下落した。この政策は「#fakenews(偽ニュース)」というハッシュタグを付けた方が良さそうだ。

 シンプルな言葉であればそれだけ為替市場に理解されやすい。今回は実際に一定の効果があった。トランプ大統領とナバロ委員長の発言が伝わった直後にドルは下落した。

 率直な物言いには誠実な響きがある。事実による裏付けが少しでもあれば、なお良いだろう。中国が長年ドルに連動させる形で人民元を安値で維持してきたのは事実だが、中国はいま元安阻止に動いている。ドイツの場合は、製造業者が通貨安の恩恵を受けているのは確かだが、ドイツの重商主義政策がユーロ圏の近隣諸国に打撃を与えていることも事実だ。

 そして、国レベルで消費から生産へのシフトを促す方法の一つが自国通貨の切り下げであることも事実だ。ナバロ委員長が英紙フィナンシャル・タイムズに対して語ったように、新政権は米国民が生活保護を受けるよりも自力で稼げるようになることを望んでいる。(新政権がドル高政策を放棄すれば)給料で買えるものは減るかもしれないが、通貨安によって単純労働者の雇用は増えるかもしれない。

 シンプルな物言いを好む人には残念な話だが、通貨安を推進するというのは歴史的に矛盾がある上、トランプ大統領自身の政策とも相いれない。

 まずは貿易面での重要な出来事を振り返ってみたい。中国は01年の世界貿易機関(WTO)加盟後、元相場を安値に誘導し、自国の輸出を支えていた。だがそれからの6年間で、為替操作による元安以上に、諸通貨に対するドル安が大きく進んでしまった。

 全ては通貨次第というのなら、元安時に米製造業の雇用が中国に奪われた以上に、米国はドル安時により多くの製造業の雇用を他国から奪っていたはずだ。ところが、08年4月までにドルの実質実効相場が24%下落する中、米国では01年12月?08年4月の間に製造業の雇用者数が210万人減った。この雇用の落ち込みは、他に700万人の新規雇用が生まれたことで完全に相殺された。通貨が無関係というわけではないが、通貨は米製造業に影響を与えた最大の要因でもなければ、唯一の要因でもない。

 次にイタリアだ。ユーロがドイツに過度な通貨安をもたらしているとすれば、同時に財政難のイタリアに過度な通貨高をもたらしている。だが、米国勢調査局の最新データによると、16年1?11月の米国のイタリアからの輸入額は同国向けの輸出額より260億ドル多かった。ドイツの貿易黒字は600億ドルと、イタリアの2倍強だった。ドイツに有利になるようなユーロ相場の不正操作は、イタリアには不利になる。それでも、イタリアの対米輸出額が米国からの輸入額を上回る状況は変わっていない。米国がドイツに対して貿易赤字を抱えている要因として、ユーロ相場はドイツの国内消費および投資の抑制ほど大きくない。

 トランプ氏の経済政策も同氏の発言と矛盾している。トランプ氏が減税やインフラ投資の形で約束している、より緩和的な財政政策は(規模や速さには議論の余地があるものの)経済成長を後押しする一方でインフレ率も押し上げるだろう。経済成長率とインフレ率が上昇すれば、金利も上昇し、ひいてはドルも上昇する。

 トランプ氏の通商政策もドル高の要因だ。米大統領選後、トランプ氏がメキシコに対して言葉で攻撃したり、関税引き上げをちらつかせたりしていることで、メキシコペソは過去最安値を更新した。皮肉なことに、これはメキシコの輸出競争力を高めている。また、トランプ氏の言葉通りに中国からの輸入品に関税が課されたら、同国への投資が鈍り、人民元相場は下落するだろう。さらに、中国からの資金流出に拍車がかかるだろう。

 最後に、米議会共和党が推し進めている法人税減税案は、輸入よりも輸出に資し、ドル高を進行させるだろう。ただトランプ氏は先月のウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、この案は「複雑すぎる」と述べていたため、その行方は依然不透明だ。

 投資家が混乱するのも無理はない。もしこれらが全て、ドル相場を誘導するホワイトハウスの戦略の一環だとしたら、トランプ氏の政策がはっきりするまでの命だろう。自由貿易の支持者は、関税に関する脅しや言葉による攻撃が、中国やメキシコ、ドイツに米国製品をもっと買わせるための交渉戦略の一環にすぎないことを願っている。同様に、政治経験がほとんどない新政権の混乱ぶりを示しているだけかもしれない。いずれにしろ、ドルに対する米国のアプローチは聞こえるほど単純ではない。

トランプ新大統領特集

トランプ米大統領の発言と政策にドルが板挟み
トランプ氏の政策と利上げ、割れる投資家の見方
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【寄稿】トランプ氏の通商政策、真の問題は「通貨」
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トランプ氏とイエレン氏、成長予想の違いが平和の鍵か
トランプ米大統領は米国経済の年間成長率を4%に回復させることができると考えている
トランプ米大統領は米国経済の年間成長率を4%に回復させることができると考えている PHOTO: MICHAEL REYNOLDS/ZUMA PRESS
By GREG IP
2017 年 2 月 3 日 17:03 JST

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

***

 ドナルド・トランプ米大統領は米国経済の年間成長率を4%に回復させることができると考えているが、連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長は2%強の成長を見込んでいる。

 このことは、衝突を回避する方策のように見受けられる。つまり、経済成長に飢えたトランプ氏と、インフレを警戒するFRBの関係を平和に保つのに役立つ可能性がある。なぜなら、イエレン氏はトランプ氏ではなく自分の予測に基づいて金利を設定するからだ。イエレン氏の予測が正しければ、今後、金利が大幅に上昇することはないだろう。

 FRBが1日に発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明はこれを明確に示した。FRBは予想通り、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50?0.75%に据え置くことを決めた。それより重要なのは、追加利上げを急いでいることを示すような手掛かりを与えなかったことだ。FRB当局者らは昨年12月、今年は3回利上げすることを示唆したが、回数を増やすことを考えている様子は見られない。

 FRB当局者らが当時示した2017年の経済成長率予想の中央値は2.1%だった。1日のFOMC声明では、昨年11月にトランプ氏が大統領選で勝利してから、企業および消費者の信頼感が大幅に上昇していると述べていた。しかし当局者らは、実際の行動が伴うか確認したいと考えており、これらの指標を深読みしないよう気を付けている。エバーコアISIの政策アナリスト、クリシュナ・グハ氏は「今回の景気拡大局面では、何度も夜明け前のかすかな光が見られている」と指摘した。

 給与計算代行サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティックスが1日発表した1月の米民間部門雇用者数は、前月比24万6000人増加した。同様に、製造業の景況感を示す最新の指標も好調だ。それでも、「トランプフレーション(トランプとインフレーションを組み合わせた造語)」への投資家の賭けはピークに達したようだ。

 株式市場と債券利回りは昨年12月半ば以降、ボックス圏で推移している。また、ドルは下落している。コーナーストーン・マクロのロベルト・ペルリ氏は、市場は今年のトランプ氏の財政計画による経済成長の押し上げ効果は小さいとみていると推測する。WSJ市場担当シニアコラムニストのジェームズ・マッキントッシュは、10年物国債の利回りの動きが30年物国債と異なっていることも同様の意味を持つと見なされる可能性があると指摘している。食品とエネルギーを除いたコアインフレ率はここ数カ月、FRBの目標の2%をやや下回る水準で安定している。

 今のところ、財政政策がどのように展開していくのかについて、FRB当局者の見方は固まっていない。だが、この政策による経済成長の押し上げ効果は小さいという大方の予想が正しいと分かったら、FRBが計画を変更したり、相場が下落したりする理由を見いだしにくくなる。債券利回りはすでに、利上げを段階的に進めるFRBの計画を織り込んでいる。

 他の最近の大統領と違い、トランプ氏は政治から独立したFRBについて、おそらく平気で意見を述べている。4%という経済成長率を実現できなかった場合、トランプ氏はイエレン氏のせいにするかもしれない。だがイエレン氏が、今考えている通りに冷淡に金融引き締めを行えば、トランプ氏をカッとさせるような経済や市場の混乱は起きにくい。

 もし失業率が急低下し、経済成長が加速し始めたらどうなるだろう。言うまでもなく、FRBは引き締めペースを速めるだろう。だがトランプ氏は、好景気と株価上昇を自分の手柄にするのに忙しくて、わざわざ不満を言うことはないかもしれない。

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FRB議長、問われる議会対策の手腕

近年、FRBに対する政治的な逆風が強まっており、イエレン議長はそうした難題への対処に悪戦苦闘している PHOTO: GETTY IMAGES
By
KATE DAVIDSON
2017 年 2 月 3 日 15:20 JST
 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は昨年、上院がFRBの政策判断への監査を求める法案の採決を控える中、議会に電話を掛けた。
 議長の公務記録によると、議長はそれからの2日間で5人の共和党議員と話した。その中には、議長が就任後に1度も個別に面会したことがない議員もいた。この電話について詳しい関係者によると、議長はそれまでに何度も口にしていたセリフを繰り返し、「この法案はFRBの政策に政治家が介入することを許すものだ。中央銀行の独立性が守られている国はインフレ率が相対的に低いとの研究結果がある。FRBは既に監査対象となっている」と議員らに伝えた。
 イエレン議長は共和党議員を説得することはできなかった。上院は同法案を否決し、FRBは一息つくことが出来たが、共和党議員54人のうち反対票を投じたのは1人だけだった。
 近年、FRBに対する政治的な逆風が強まっており、イエレン議長はそうした難題への対処に悪戦苦闘している。
 FRBはかつて米経済を支える陰の立役者と称賛されたが、今では政治の厳しい監視にさらされている。FRBに対する目がこれほど厳しくなったのは、ポール・ボルカー氏が議長を務めていた1980年代以来のことだ。
 イエレン議長は政治家ではない。FRBや学界での経歴がキャリアの大半を占めるマクロ経済学者だ。しかし、ドナルド・トランプ氏が米大統領に就任したことで、今後はこれまでと違う技能を用いて課題を克服していく必要がありそうだ。トランプ氏は選挙期間中に痛烈な批判を浴びせることで、イエレン議長とFRBを国政という舞台に引っ張り上げた。そのトランプ氏が当選したことで、FRBの政策運営を制限する共和党法案が制定されるとの見方が強まった。
 トランプ大統領は、イエレン議長の任期が満了する2018年2月には後任として別の人物を指名する考えも示している。つまり、夏の終わり頃までに次期議長を指名し、イエレン議長をレームダック(死に体)化に追い込む可能性がある。
 金融危機以降はFRBの監視強化を求める法案の提出が「定番化」している。これにはオバマ政権が反対していたため、こうした法案が成立する見込みはほとんどなかった。いまやこうした後ろ盾は失われた。
 そのため、イエレン議長は共和党主導の議会で「同盟」を作ろうとしてきた。だが、議長と特に親しい関係にあるのは民主党議員らだ。その筆頭がエリザベス・ウォーレン上院議員(民主、マサチューセッツ州)で、同議員は議長との会談回数がどの議員よりも多い。
 FRBに対する改革措置を提案してきたビル・ハイゼンガ下院議員(共和、ミシガン州)はFRB関連の法案について、「われわれが本気であるのは今も昔も変わらない」と述べた。同議員は下院金融政策小委員会の委員長を務めていた。
 共和党がFRBに求めているのは、ルールに基づく金融政策運営、緊急融資権限の制限、地区連銀への加盟銀行からの出資金のうち数十億ドルの返還などだ。こうした動きは米国以外でも顕著で、日本銀行や英イングランド銀行なども中央銀行の景気浮揚策に対する懐疑論への対応に苦慮している。

縦軸:FRBの政策金利、横軸上:米国の歴代大統領の在任期間、横軸下:FRBの歴代議長の在任期間
https://si.wsj.net/public/resources/images/P1-BZ962_YELLEN_16U_20170201112108.jpg

 イエレン議長はこうしたFRB改革に反対しており、それが実現すれば、労働市場の活性化を促しインフレを低位安定させるという職務の遂行に支障が出ると主張している。FRBとその支持派は、中銀当局は金融危機が迫っている兆候を見逃したものの、その後の対応によって不況がさらに深刻化するのを防ぐことができた、と考えている。
 中銀は政治的な圧力から独立していなければならない、と中銀当局は長年主張してきた。こうした独立性があるからこそ、長い目で見れば経済に最適と考える不人気政策(利上げなど)を実行することができる、との理屈だ。
 ところが、金融危機によってFRBの信頼は失墜した。その結果、多くの議員やエコノミストがFRBの政策運営や将来の政策見通しについてより多くの情報を求めるようになった。
 下院金融サービス委員会のヘンサーリング委員長(共和、テキサス州)は共和党の法案について、「FRBが近年実施したその場しのぎの政策よりも強固な経済成長の基盤」となると語った。
 トランプ大統領はそうした措置を支持するか明言していないが、選挙期間中の発言(イエレン議長が低金利政策を続けることで民主党を支えた、など)を踏まえると、FRB指導部とその政策を批判することなど少しもためらわないものと思われる。大統領はそうした問題に口出ししない、という最近の慣例が崩れることになりそうだ。
 米独立地方銀行協会のカムデン・ファイン会長は「FRBが窮地に立たされているのは間違いない」と述べた。
 連邦議会議員と定期的に朝食を共にしていた元FRB議長のアラン・グリーンスパン氏はワシントンに広い人脈があった。後任のベン・バーナンキ前FRB議長は学界出身だったが、金融危機の際に民主・共和双方の議員と信頼関係を築いた。同氏は後日、こうした関係を築いていたおかげでFRBから銀行監督権限を奪う法案の成立を回避できた。
 イエレン議長は、ビル・クリントン政権下の1997年〜99年に経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたが、任期中に多くの時間を費やして向き合っていたのは、金利と経済の関係だった。
 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がイエレン議長の公務記録(2015年11月〜最新記録の16 年11月まで)を分析した結果、議長はこの1年、味方になってくれそうな議員への働き掛けを拡大し、議会からの支持拡大に努めてきたことが明らかになった。もっとも、その成果はまちまちだ。
 議長は15年11月以降、連邦議会議員とFRB内や議会内で数十回会談したほか、電話での会談も十数回行った。
 議長は、議会公聴会や記者会見といった公式行事に臨む場合、周到な準備をしておくことで知られる。非公開会合でもそれは変わらないと、会合出席者は述べている。その最大の目的は、FRBの政策と任務について議員を「教育」することにある。
 また、議員の意見に耳を傾ける姿勢を示す狙いもあった。議員とお互いの家族の話をしたりすることもあったという。
 昨年11月17日に開かれた上下両院合同経済委員会の公聴会では、自身最後の公聴会となったダン・コーツ委員長(共和、インディアナ州)がイエレン議長に対し、「あなたと一緒に仕事ができて楽しかった」と述べる場面があった。コーツ氏は現在、トランプ大統領から国家情報長官に指名されている。
 一方、イエレン議長との会合の出席者によると、議長は準備していた話題から話がそれるのを嫌がることもあった。共和党からは、「イエレン議長が共和党議員よりもオバマ政権の高官や民主党議員とよく会合を開いている」とか、「FRBとその職員は議会対策に無関心」といった批判が出ている。
 上院銀行委員会のメンバーであるティム・スコット上院議員(共和、サウスカロライナ州)は、昨年3月3日にイエレン議長と昼食を共にした。「議長はいい人だが、向こうから接触してきたことはない」と述べた。
 イエレン議長は議会証言で、民主・共和両党の議員との会合を申し出ている。
 ただ、ハイゼンガ議員は15年6月以降、イエレン議長に面会したことはない。ハイゼンガ議員はFRBに面会を要請すると必ず受けてくれると言うが、同議員としてはFRBから面会を求めてきて欲しいと考えている。

下院金融サービス委員会の公聴会でイエレン議長と握手するハイゼンガ議員 PHOTO:ZUMAPRESS.COM
 イエレン議長の公務記録によると、議長がヘンサーリング委員長と非公開で会談したのは、昨年は1回しかない。16年1月に電話で30分話した。上院銀行委の委員長だったリチャード・シェルビー上院議員(共和、アラバマ州)とは、記録上は16年に1度も会っていないようだ。
 対照的に、議長はFRBの監視を担当する民主党幹部とは15年11月〜16年11月の間に8回会っている。上院銀行委メンバーのシェロッド・ブラウン上院議員(民主、オハイオ州)と2回、下院金融サービス委メンバーのマキシン・ウォーターズ下院議員(民主、カリフォルニア州)と3回、さらにFRBの金融機関監督業務に批判的だが独立性の維持は支持するウォーレン議員と3回といった具合だ。
 イエレン議長はまた、ボブ・コーカー上院議員(共和、テネシー州)と3回面会している。FRB支持を公言している数少ない共和党議員の1人で、議長の執務室に直接電話を掛け雑談する仲であることで知られる。
 イエレン議長が共和党議員と非公開で会談したのは計19回だった。これに対し、民主党議員と直接ないし電話で話した回数は20回だった。議長が個別会談をもった回数は、民主党議員が16回、共和党議員が8回で、しかも民主党議員の方が会談時間は長くなることが多かった。
 イエレン議長は一定の成果を上げている。FRB監査法案に関する投票後、議長は複数の共和党上院議員と面会した。同法案に賛成票を投じたジェフ・フレーク上院議員(共和、アリゾナ州)もその1人。フレーク議員は最近のインタビューで、この法案に対する考えを改めつつあると語った。
 「この法案を支持してきたが、いま(FRBの独立性低下が心配されるなど)行き過ぎを懸念しているのは確かだ」と述べた。
 現状をもっとよく言い表している出来事がある。議会が連邦政府によるハイウエー整備事業の財源の一部をFRBに負担させるか検討していた際、イエレン議長は危険な前例になると警告した。ところが、議会は当初案よりも多くの資金(FRBの資本勘定からの193億ドルなど)をFRBから徴収することを決めた。
 調査会社コーナーストーン・マクロの政策アナリスト、アンディー・ラペリエール氏は「FRBは避雷針(身代わり)の様相を強めている」と述べた。
 イエレン議長の公務記録からうかがえるのは、議長がこの1年に戦略性を強めたということだ。
 議長は議員に面会するため議会まで足を運ぶことが多くなった。ミッチ・マコネル上院多数党院内総務(共和、ケンタッキー州)、ポール・ライアン下院議長(共和、ウィスコンシン州)、チャールズ・シューマー上院少数党院内総務(民主、ニューヨーク州)といった議会指導部との会談も増やすようにした。
 さらに、下院のFRB改革に向けた動きに対してブレーキ役となっている上院の議員らと会合する機会も増やした。
 イエレン議長が議員らの説得に成功すれば、新たなFRB改革法案が議会を通過する事態は避けられるだろう。法案の多くが審議入りするには上院で60票の賛成票を得る必要がある。現在、共和党の上院議席数は52議席と、改選前の54議席から2議席減った。
 元FRB副議長のドナルド・コーン氏は「FRBが抱える問題の一つは、(中略)一般の人々にFRBの政策が自分たちの利益にもなるということを分かってもらうことだ」とし、「イエレン議長はそうした取り組みを続ける必要がある」と述べた。
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http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/657.html

[国際17] 不透明な移民政策、米国のハイテク優位性揺るがす トランプと豪相滑稽な戦い 英国とEU深い溝 安い海外オレンジ移民の職奪う
不透明な移民政策、米国のハイテク優位性揺るがす
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移民規制が米のハイテク優位性に与える影響について筆者のクリストファー・ミムズが解説(英語音声のみ) Photo: Shutterstock
By
CHRISTOPHER MIMS
2017 年 2 月 3 日 17:33 JST
――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト ***
 1月27日に移民に関する米大統領令が発令される以前から、シリコンバレーの新興企業幹部ティム・ウィルソン氏は弁護士からナノ構造材料の専門家であるベトナム人の採用は見送った方がいいと助言を受けていた。
 トランプ大統領の移民政策には不確実な部分があるので、待つべきだというのがその理由である。
 ベンチャーキャピタル(VC)アーティマン・ベンチャーズのパートナーであるウィルソン氏は「われわれは今週、弁護士たちが予想していた混乱を目の当たりにすることになった」と述べた。
 米国でのテロを防止するめにイスラム圏7カ国の市民の入国禁止に焦点を当てたその大統領令。従業員がこの措置で影響を受けるという理由で訴訟を起こしたハイテク企業もあった。
 ハイテク企業の経営幹部の間では、大統領令で高度な技術を持つ移民の採用が難しくなることを懸念する声が出ている。トランプ氏は、これまでも外国人を雇っている米国企業を繰り返し批判してきた。実際に、ある大統領令の原案では、ハイテク企業 がよく利用しているシステム、高度な専門職向けの米国ビザ「H-1B」の発給方法の見直しが提案されている(最終的にトランプ大統領がその原案を修正したり、完全に破棄したりする可能性もある)。
この筆者の記事を読む
• 企業が現金決済をやめるべき理由
• 「第4次産業革命」と中間層の闘い
• 電動式乗り物が覆す車社会のあり方
 筆者が話を聞いたベンチャー投資家、経営トップ、エンジニアたちの主張は一貫して同じだった。2017年にハイテク技術者たちの自由な移動を過度に妨げようとする政治家たちは、米国から収入や雇用ばかりか、そうした高額な賃金を得ている労働者の それぞれがコミュニティーに生み出しているすべての追加的な支援、サービス、行政職なども奪うことになるというのだ。
 そうした企業は外国人を雇っているので、こうした主張には自己利益も絡んでいる。しかし、論理的でもある。遠隔作業を可能にする技術には新興企業を多国籍企業に変える可能性がある。また、支店、従業員、売上高などを世界中に拡散させている大手企業は、資源、知的財産、優秀な人材を事実上どこへでも移動させることができる。
 行き過ぎた衝動的な移民規制による最大の損失は、シリコンバレーのようなハイテクハブで共生している世界で最も優秀な人材たちのコミュニティーが失われることだろう。そうした文化は米国の人材だけで置き換えたり、再生したりすることができない(例えば米国が最初の原子爆弾を開発していたときに外国人の科学者や技術者の採用を拒否していたらどうなっていただろうか)。
 そうした優秀な人材は、米国の移民政策がより明確になるのを待ってくれないかもしれない。今や世界には米国やシリコンバレー以外の新興企業のエコシステムやハイテクハブがたくさんある、とウィルソン氏は指摘する。

カナダ新興企業へのVC投資総額(左)と平均投資額
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 例えばカナダ。過去の米国の移民法をめぐる問題を受け、マイクロソフトは2007年、米国での採用が難しかったエンジニアたちに職場を提供するためにバンクーバーにサテライトオフィスを開設した。マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は2009年、同社のカナダオフィスを例に挙げ、H-1Bビザの発給枠がハイテク分野での米国の優位性をいかに脅かしている点を強調した。
 マイクロソフトの広報担当者は、同社のカナダへの投資に関して、移民法がいちばんの理由というわけではないが、確実に要因の1つにはなってきたと述べた。
 マイクロソフトだけではない。アップル、グーグル、フェイスブック、シスコシステムズやその他の米大手ハイテク企業数十社は同じ理由でカナダと世界中にオフィスを開設してきた。ハイテク業界の優秀な人材の価値は非常に高く、米国に呼び寄せることができないときには企業の方から出向いていくほどである。
 カナダは昔から大勢の優秀なエンジニアを輩出してきた。たとえばウォータールー大学は、シリコンバレーの「IT企業育成機関」とも言うべきベンチャーキャピタル、Yコンビネーターの出資を受けている企業の創業者輩出人数でマサチューセッツ工科大 学(MIT)、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校に次ぐ4位であり、ハーバード大学、カーネギーメロン大学、コーネル大学らを上回っている。カナダのベンチャー投資家、ジョン・ラッフォロ氏によると、過去には、そうした人材が常に米国に流出するという問題があったという。
 カナダがリスクキャピタル、さまざまな支援・促進センターなどが集まる新興企業のエコシステムを構築してきたことで、そうした流出は減ってきている。カナダは資金と成功した国内企業――現在の企業価値が45億ドルと評価されている電子商取引のショッピファイなど――による指導の両面で莫大な再投資も経験している。カナダ最大のVCであるOMERSベンチャーズを率いるラッフォロ氏は、同国の高度な専門職に優しい移民法、寛容で多文化主義だという評判なども、米国に向かっていたかもしれない人々を誘致するのに役立っていると話す。
 2015年の米国のVC投資の総額はカナダのそれの20倍以上だった。シリコンバレーには起業文化、優秀な経営陣と専門的な技能を持つエンジニアの強固なネットワークという他にはない組み合わせがある。それでも、企業の移動性がさらに高まると、その圧倒的な優位性も脅かされる可能性がある。
 現在の従業員数は21人だが、高賃金の従業員が月4人のペースで増えている新興企業ヒューマナイズのベン・ウェイバー最高経営責任者(CEO)は「わが社の従業員の3分の1がH-1Bビザかグリーンカード(永住ビザ)で米国に滞在している」と話す。同社は世界的な大手企業がソフトウエアとハードウエアの両面を通じて従業員の働き方、大量の知的財産権の生み出し方などを最適化する過程を手助けしている。
 ウェイバーCEOの最大の懸念は、トランプ政権がH-1Bビザの制度を変更するなどして、従業員の1人に直接的な影響を与えることである。高度な専門職向けのH-1Bビザはくじ引きを通じて年間6万5000人に発行される。この制度は以前から政治家とハイテク業界の自称改革者の両方から攻撃の的となってきた。
 筆者が話を聞いた人々のなかで激しい不安や怒りをはっきりと口にしたのはウェイバーCEOだけだったが、そうした思いはハイテク業界の経営幹部や一般従業員のあいだで例外的ではないと言える。
 1月27日の大統領令の結果、「われわれが米国での採用を減らし、外国での採用を増やすことになるのは間違いない」とウェイバー氏は話した。
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【社説】トランプ氏とターンブル氏の滑稽な戦い
外交的儀礼を欠く電話会談は世界の耳に届いた
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トランプ氏とターンブル氏の電話会談について、ハドソン研究所のルイス・リビー氏が解説(英語音声のみ)Photo credit: Bloomberg.
2017 年 2 月 3 日 16:42 JST

 バラク・オバマ政権下で8年にわたって放置され続けた米国の同盟国は、ドナルド・トランプ新大統領が変化をもたらすのではないかと期待を寄せている。しかしトランプ氏の首脳外交は波乱のスタートとなっている。

 トランプ大統領とメキシコ政府との不和は先週、各メディアが大きく取り上げた。それに続いて今度は、1月28日に行われたマルコム・ターンブル豪首相との電話会談でも衝突があったと一部で報道されている。両国の間では、パプアニューギニアとナウルにある難民収容施設から米国が1250人を受け入れるという合意があった。しかし米紙ワシントン・ポストと豪メディアなどが報じたところによれば、トランプ氏とターンブル氏はこの件で激しくやり合ったという。

 これら難民は主に中東や南アジアの出身者であり、豪政府が2013年に密航者政策を強化するまでは豪州内で受け入れられていた。パプアニューギニアとナウルの収容所で難民が置かれた状況に国際社会から批判の声が高まる一方、ターンブル氏も難民を受け入れれば有権者の信任を失う状況に置かれた。その中でバラク・オバマ前大統領が米国側の身元調査を受けることを条件に、昨年11月に1250人の難民を受け入れることで合意したのだ。

 各報道によれば、電話会談でターンブル氏は、この合意がまだ有効であることをトランプ氏に確認しようとした。それに対してトランプ氏は「史上最悪の合意だ」と一蹴し、豪政府が「次のボストンマラソン爆弾テロ犯」を米国に輸出しようとしていると非難した。そして1時間の予定だった電話会議を25分で切り上げたという。

 多くの難民はイランやイラクなど、トランプ氏が先日署名した大統領令によって現在は一時入国を禁止されている国の出身者だ。しかし大統領令には豪政府との約束を守るため、すでに結ばれている他国との合意は禁止対象から除外すると書かれている。それゆえにトランプ氏はおそらく、電話口で怒鳴り散らしながらも、合意内容は守る意図があるとターンブル氏に伝えていたのだろう。

 しかし電話会談でのやりとりがメディアを通じて広まると、トランプ氏はツイッターにこう投稿した。「オバマ政権はオーストラリアから数千人もの不法移民を受け入れることに合意した。なぜだ? 私はこのばかげた取引を精査する」

 一連の展開は、聞けば聞くほどばからしくなる。ターンブル氏も謙虚さで知られる人物ではないが、今回は互いに初めての電話会談だ。わざわざ難民のことを自ら取り上げず、部下などに扱いを任せることもできただろう。一方のトランプ氏は、あらゆることを個人攻撃として受け止める癖がある。しかし今回のように相手国を非難し、米国の立ち位置に疑問符を残すような行為は国益につながらない。

 トランプ氏の大統領令も毎年5万人の難民受け入れは認めている。ならば1250人の受け入れは対応可能な範囲であり、人道的でもあろう。

 米国と豪州の関係は堅固であり、今回の1件も乗り切れるだろう。しかし第一印象がどのような影響を持つのかトランプ氏も考えるべきだ。今は世界各国の首脳に自己紹介をする段階だ。相手は横柄なやり方に順応すると同時に、トランプ氏が信頼するに足る人物かどうかを計っているのだ。

 トランプ氏は太平洋における中国の挑発的行動に対抗する姿勢を示している。そのためには米海軍は同盟国の力を必要とする。11月の米大統領選前、ターンブル豪政権は南シナ海で航行の自由を維持するためのパトロールは行わないとしていた。両者の気の短いやりとりが世間に広まったことで、ターンブル氏がその考えを改めるのは余計難しくなっただろう。世界中の他の同盟国も安心しにくくなったはずだ。

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英国とEUの間の深い溝−期限内の離脱合意は至難
先月辞任した英国のロジャーズ元駐EU大使(1日)
By VALENTINA POP AND STEPHEN FIDLER
2017 年 2 月 3 日 17:24 JST

 英国の欧州連合(EU)離脱交渉の開始が待たれる中、双方の主張の間に横たわる大きな溝が一段とはっきりしてきた。

 1月に辞任した英国のアイバン・ロジャーズ元駐EU大使は1日、議会の委員会で、離脱交渉は「われわれが恐らく経験したことのない規模、第2次世界大戦以降では間違いなく最大規模の」ものになるとの認識を示した。

 離脱通告から2年間というEUが定める期限内に交渉を完了させるのはかなり骨の折れる仕事だ。

 この2年間で合意しなければならない項目は三つある。離脱条件、離脱後の長期的な貿易・経済協定、そして正式な離脱までの暫定措置だ。

 あるEU高官は「2年間で三つの項目について合意できると考えるのは根本的に間違いだ。せいぜい一つ半だろう」と語った。

 英国のテリーザ・メイ首相は2日、離脱に向けた戦略を示す「白書」を公表した。これによると、政府は「EUとの既存の関係から新たな相互関係に移行するにあたり、ビジネスが途絶えたり安定が脅かされたり」しないようにしたい考えで、離脱後のパートナーシップや「段階的な実行プロセス」についての合意を目指す構えだ。

 英国、EU双方とも、合意に達する保証はないことを認めている。メイ首相は白書で、「英国にとっては、悪い合意よりも合意無しの方がましだ」として、途中で交渉をやめることもあり得るとあらためて強調している。EU側も交渉決裂の可能性を排除していない。だが合意が見送られた場合、共に痛手を被るにしても、EU経済より英国経済が受ける打撃の方が大きいというのが大方の見方だ。

 最大の争点は、EUが英国に求める「離脱料」となりそうだ。EUの推計によると、英国が支払いを約束してまだ未払いとなっている拠出金の額として、離脱料は550億?600億英ポンド(最大650億ポンド=約8兆4900億円)に達する見通しだ。

 英国はこの未払い金について公式な場では何も言っていない。白書では、2016年11月24日以降に署名されたEUプロジェクトについては、「資金を提供するだけの大きな価値があり、しかも英国の戦略的優先事項に合致するもの」でない限り、拠出金は出さないとしている。

 EU関係者らはこの離脱料について、英国の支払額が少なければ少ないほど、その後も支払いを求めるEU加盟27カ国からの圧力はそれだけ強まるだろうと認めている。一方、英国内では、多額の離脱料の支払いには反対の声が多い。

 交渉を頓挫させかねないもう一つの不安の種は交渉のタイミングだ。英国は早ければ3月9日にも正式に離脱を通告するとみられるが、本格的に交渉が始まるのは6月となる可能性がある。だが、5月のフランス大統領選や9月のドイツ総選挙など、欧州各国で予定されている選挙の影響で交渉に遅れが生じる公算が大きい。

 交渉の優先事項を巡っても双方の意見は食い違う可能性が高い。EUの最優先事項は、英国の離脱を完了させることだ。EUからすれば、英国が重大と考える移行措置や将来の関係などは離脱完了後に決めれば良い問題だ。

 一方、メイ首相がEUよりも有利に立てる問題の一つが、英国に住むEU市民とEUに住む英国人の市民権の問題だ。「(英国から離脱)通告がない限り交渉には応じない」姿勢のEUは、離脱交渉全体に影響が及ぶことを心配して市民権についても話し合いに応じていない。だが前出のEU高官は、EUにとって市民権は恐らく最も重要度の高い問題で、EUを合意成立に向け突き動かすインセンティブになるとみている。

 EUは依然、自らが交渉の切り札を持っていると考えているが、離脱料や市民権の問題を持ち出せば、英国にも大いに分があるだろう。

英EU離脱特集

英国、EU離脱で財政悪化の公算
【社説】トランプ氏と米英の特別な関係

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オレンジの価格下落、欧州の移民にほろ苦く
海外産の安いオレンジがイタリア農家を困窮させ、移民の職を奪う

イタリアの「オレンジ・ベルト」にあるロザルノで暖をとる移民 PHOTO: NADIA SHIRA COHEN FOR THE WALL STREET JOURNAL
By
PIETRO LOMBARDI AND DREW HINSHAW
2017 年 2 月 3 日 14:43 JST
 【ロザルノ(イタリア)】かんきつ類が多く収穫されるイタリアの「オレンジ・ベルト」地帯が、果実の価格下落と移民危機に同時に襲われている。イタリアで足止めされている数千人もの若い移民たちはオレンジ畑で働いて収入を得てきたが、価格低迷を受けて農家は収穫を見送る事態に見舞われている。
 価格の下落は安い海外産のオレンジが大量に輸入されていることが原因だ。新たな労働力が流れ込む中で、働き手の賃金も下がりつつある。収穫すべき果実がなく職を失った人々は手持ちぶさたとなり、ストレスを抱えながらテント村で生活を続け、薬物に手を出すケースも増えているという。
 「セネガルで暮らしていたのはこんな小屋ではなかった。もっと威厳を持って生活をしていた」と話すのは、イタリア南西部のロザルノに滞在するモハマド・シアムさん。以前はオレンジ畑で働いていたが、イタリアに到着して4度目の冬は無職のままスラム街で過ごす。
43万5000人の不法移民がイタリアに
 欧州の国々が受け入れを渋っていることもあり、イタリアには数十万人の移民が滞在している。多くは2014年から入国し始めた西アフリカやエリトリアの出身者だ。

イタリアにおける不法移民の推移
 排外主義が台頭する中でフランスやオーストリアの政府は、こうした移民がイタリアから流入することを阻止する姿勢を取る。欧州連合(EU)は地域全体で移民を受け入れて域内諸国に配分するとしていたが、その計画は破綻。ミラノのISMU財団の推計によれば、イタリア国内には43万5000人の不法移民が住み着いているという。2013年からは50%も増えた計算だ。この問題を解決するため、パオロ・ジェンティローニ首相の新政権は不法移民の国外追放を厳格化する考えを表明している。また亡命要請を裁判所が却下する数も増えつつある。
 その結果、多くの移民たちは就労許可を取得できず、不法移民同士で集まり生活を続けるようになる。多くが農家で働こうと試み、賃金が下がる中で職を奪い合う。
 国内の出生数が減少する中で、イタリアは不法就労者を含む海外からの労働力に依存。労働者たちは畑を耕し、オレンジを収穫する役を担ってきた。しかしオレンジの価格が下落したことを受け、今は必要とされる働き手も減っている。
フォトエッセイ
イタリア南部カラブリア州のオレンジ畑で働く移民たち

VIEW PHOTOS

NADIA SHIRA COHEN FOR THE WALL STREET JOURNAL
 農業組合のコルディレッティによれば、ブラジルやモロッコなどから価格の安い輸入品が増えたことにより、オレンジの価格は2015年4月から2016年4月にかけて50%も下落。イタリア南部のオレンジ生産者は、1キロあたり7ユーロ(約850円)で取引を強いられることもある。これは生産価格の半額だ。
 オレンジ農家のニノ・クアランタさんは、この値段では小規模な農家の選択肢は二つしかないと話す。「アフリカ出身の労働者など立場の弱い人からさらに搾取するか、オレンジの収穫を諦めるかだ」
不当労働を強いられる難民たち
 オレンジの価格下落を受けて多くの農家は収穫を諦め、果実を腐らせることを選んでいる。コルディレッティの会長を務めるピエトロ・モリナロ氏によれば、植え付けそのものを減らす動きも見られる。過去15年間で農家たちは3割ほどオレンジの木の植え付けを減らし、かんきつ類を育てる同国の畑の面積も3割ほど減っているという。
 オレンジの収穫期は、11月から3月だ。しかしこの期間に職を見つけることができても移民たちが正当な賃金を受け取ることはなく、15ユーロ程度の日給を手にして終わる。法律に規定された労働時間の2倍働かされることもあり、勤務地までの交通費や食事についても支払わなければならない。
 こうした扱いをする農家や農家から果実を購入する大企業は、時に批判を受けることもある。キャンティワイン、シチリアのレモン、イタリアのオリーブ、そして同国の巨大なトマト生産業は、移民を不当に扱っているとして批判を受け続けている。
 イタリア最大のスーパーマーケット網を誇るCo-opは昨年、仕入れ先の見直しを行った。トマト、ブドウ、オレンジ、イチゴなど300以上の業者を調査し、不法就労が行われていないかを確認した。ここ数年では不当就労があったとして9カ所の仕入れ先と取引を停止している。

ロザルノにある移民キャンプ PHOTO: NADIA SHIRA COHEN FOR THE WALL STREET JOURNAL
「物乞いとして暮らすよりはいい」
 オレンジ農家で働く不法移民に関する公式な統計はない。しかし政府や研究機関などによれば、農業部門で働く不法移民は10万人から40万人にも達するという。「スパゲティの一皿を例に取っても、製造のどこかの段階で搾取された移民労働者が関わっている」と国際移住機関のイタリア支部広報担当者、フラビオ・ディジアコモ氏は指摘する。
 イタリアで最も高価な果実のひとつであるベルガモットの皮は、多くの香水の原材料として使われている。その収穫を担っているのも移民たちだ。ベルガモットの収穫は、近年はインドからの移住者が行ってきたが、証言によれば彼らは30ユーロ程度の日当を受け取って不法に就労していたという。しかし最近ではリビアを経由して入国した西アフリカからの移民が、さらに安い賃金で収穫を行う。
 セネガル出身のボウバカル・マネさんも、その1人だ。「何もせず物乞いとして暮らすよりはいい」と話すマネさんの日当は、25ユーロだという。
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http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/777.html

[国際17] トランプ流「衝撃と畏怖」作戦の行方 あまりに多くの反トランプ勢力が生まれつつある 中国「青天のへきれき」が試す成長方程式
【オピニオン】トランプ流「衝撃と畏怖」作戦の行方
あまりに多くの反トランプ勢力が生まれつつある
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「衝撃と畏怖」作戦の下、米国がバグダット空爆で始めたイラク戦争(2003年3月20日)
By DANIEL HENNINGER
2017 年 2 月 3 日 15:18 JST

 ――筆者のダニエル・ヘニンガーはWSJ論説室の副委員長

***

 「衝撃と畏怖(いふ)」は米国の軍事作戦名から来ている言葉だが、ドナルド・トランプ大統領の支持者は過去2週間の大統領令発令のペースを表すのに使っている。

 2003年のイラク侵攻と関連づけられることが多いこの言葉は、敵が「われわれの戦略方針と戦ったり、それに対応したりする」意欲をくじくことを目標に、「急速に優位性を得る原則」を表す。

 その理論は「政治的行動に出て、世界をそれに合わせさせる」というトランプ氏の戦略モデルに適している。

 ホワイトハウスは、国境の壁であれ移民禁止であれ、トランプ氏が選挙公約を直ちに実行に移すことが重要だと考えた。問題や反対意見には、後で詳細を詰める過程で対処できると踏んだのだ。

 これまでのところ、一連の大統領令というホワイトハウス発の衝撃と畏怖作戦が主にもたらしたのは民衆蜂起だが、それは町中の話にとどまっていない。

 確かに政治制度、特に官僚制度については、異議を唱え、改革する必要がある。トランプ政権が入国制限について通常の省庁間の手続きを通さなかった理由の一つは、省庁の弁護士が骨抜きや撤回に持ち込みかねないと考えたからだろう。経験からするとその考えは正しい。今回はトランプ氏の作ったひな型に沿って命令が実行されることになる。

 だが対メキシコ政策、そしてイスラム教徒の多い7カ国からの入国禁止を命じる大統領令が呼び起こした波紋は、戦争の原則を政治に適用したときの不利益を物語っている。

増え始めた反トランプ勢力

 広く知られる政治行動の法則によると、米大統領が政治行動に出るたびに他の重要な政治勢力が動きだす。

 組織だった抗議活動をはじめ、党派心に基づいてトランプ氏に反対する勢力は既に一触即発の状態にあった。だがそれとは全く異なる勢力が、移民や難民の制限を命じる大統領令の余波を受けて反トランプに転じる例が増えすぎている可能性がある。

 行動が全てのトランプ政権は、何についても限度すれすれに挑む決意のようだ。それは構わない。ただし、限度を超えてしまっては元も子もない。複数の連邦判事に大統領令の法的根拠の不備を指摘されたのがそれに当たる。

 はっきりしておきたいのだが、入国審査のメリットに関するトランプ氏の見解が正しいかどうかはここでは関係ない。バラク・オバマ前大統領は反テロ対策としてアラブ諸国に査証制限を2度課している。問題は政治の冷酷さだ。今回の発令のお粗末さとその余波を受けて反トランプに動く政治勢力があまりに拡大し、ホワイトハウスや共和党がトランプ氏の就任100日目までに(そしてその後も)制御しきれなくなるのだろうか。

 2016年の大統領選を含め、全ての政争は数で勝敗が決まる。現在、共和党が将来の施策に成功する確率は2週間前より低くなっているようだ。こうした状況を受けて政権の政治的資本がすり減り、例えば成長志向の減税の実現が危うくなれば、トランプ大統領は秋には窮地に陥るだろう。

 民主党やメディアなど、トランプ氏に反対する勢力は確かに予想しやすいかもしれない。だがトランプ政権は査証について中途半端な命令を出して、敵に回す必要のない人まで政治的な議論に巻き込んだ。

ジョンソン元大統領も制御できなかった

 例えば、IT業界全体や他の多くの経営者と従業員だ。共和党議員と主要な議会スタッフ、国内の多くの大学や研究者、迷っているトランプ派有権者、外国の首脳(テリーザ・メイ英首相、アンゲラ・メルケル独首相、メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領など)もしかり。次官級のポストを提示されていた人たちもそうだ。ブルックリンの連邦地裁で準備ができなかった政府側の弁護士が恥をかかされたのを見て、提示の受け入れを考え直しているのだから。

 こうした不満勢力も一つだけなら、影響を最小限に抑えることはできる。だが不満のネットワークが形成され拡大するのを放置すれば、トランプ政権の目標が遠ざかりかねない。

 大統領就任式前は身動きが取れなかった民主党は、新たなエネルギーを得た。常に無料の宣伝に依存する資金集めや組織作りは、18年の中間選挙に向けて動き出している。

 トランプ氏は就任したばかりだ。この嵐は通り過ぎるかもしれない。だが誰よりも手際の良い政治家だったリンドン・ジョンソン元大統領も、1960年代に反戦の動きが一つの運動として形になった時、制御できずに政権は行き詰まった。現在の政権は、ソーシャルメディアから絶えず油を注がれている反トランプ感情がトランプ氏支持者に対抗したり支持を弱めたりすることを避けたいはずだ。

 ホワイトハウスは、正しいことをすれば勝つと主張するかもしれない。しかし、力関係が自らに有利であることを確認したほうがいい。墓地には自分の考えが正しいと信じながら制圧された将軍たちが数多く眠っている。

トランプ大統領特集

【社説】入国禁止令への抗議、トランプ政権に大打撃も
入国禁止令に見るトランプ素人劇
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中国、「青天のへきれき」が試す成長の方程式
中国にとってはトランプ氏の米大統領就任同様、製造業の失速も青天のへきれきだ(写真は北京を覆う灰色の雲、2016年12月撮影)

By NATHANIEL TAPLIN
2017 年 2 月 3 日 22:01 JST

 中国人の好む格言の1つに「青天のへきれき」がある。ドナルド・トランプ氏の予想外の米大統領選勝利がまさにそうだったが、3日明らかになった中国の製造業景況指数(PMI)も同じだ。

 中国の経済メディア「財新」と調査会社マークイットが発表した1月の中国製造業PMI(確報値)は1年半ぶりの大幅低下を示した。工業部門の企業利益や鉄鋼生産など最近の経済指標と同様、記録的な刺激策が実施された2016年が終わって製造業が予想以上に減速したことを示す統計だ。都合の悪いことに、中国人民銀行(中央銀行)がより本格的な金融政策引き締めモードに入ったのと時を同じくしている。

 人民銀はそうした刺激策、つまり景気減速に苦しむ工業企業による巨額の社債発行や銀行間債券市場のレバレッジ増加などの副作用に不満を強めている様子だ。春節(旧正月)の連休前に長期借入金利を引き上げ、3日には銀行間市場の指標金利も引き上げた。

 これを手掛かりに3日の中国国債市場では売りが強まり、10年物の利回りは2015年8月以来の高水準を付けた。実体経済の活動が弱まる中での借り入れコストの上昇は、望ましい組み合わせとは言えない。昨年の融資急増からこれほど早くであればなおさらだ。

 春節前後の季節要因がPMI低下の一因になった可能性もあるが、中国の伝統的刺激策である信用拡大の効果が薄れ、景気サイクルが短くなっている、というのが全体像だ。

 PMIは全て悪かったわけではない。新規輸出受注は2014年9月以来の伸びを記録し、ここ数カ月中国がほとんど恩恵を受けることのできなかった世界貿易の回復をあらためて浮き彫りにした。

 輸出の急拡大は製造業の支援材料になり得る。だが中国の輸出先として最も好調だったのがまさに、最も都合の悪い相手である米国だ。今月発表となる1月の輸出統計でもこのパターンが続いたことが明らかになれば、米国は不満の声を強めるだろう。トランプ氏は都合よく影響力を発揮できる機会を見逃すような人ではない。
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[経世済民118] 日銀、長期金利の上昇を阻止=2カ月半ぶり指し値オペ ドル小幅安、雇用堅調も賃金減速 米国株上昇、規制緩和期待で銀行株急伸
日銀、長期金利の上昇を阻止=2カ月半ぶり指し値オペ【2/3 20:30】

日銀は3日の東京債券市場で、長期金利の上昇を抑えるため特定の利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を実施した。トランプ米大統領が先に「円安誘導をしている」と日本を名指し批判したことから、日銀の金融緩和姿勢が弱まるとの観測が浮上。同日午前の取引で長期金利が急上昇したことに対応し、日銀は無制限の国債買い入れを通告した。長期金利を0%に誘導する目標との大きな乖離(かいり)を阻止する強い姿勢を示した格好だ。

日銀による指し値オペの実施は昨年11月17日以来、約2カ月半ぶり。前回は市場実勢より安い価格(高い利回り)での買い入れだったため応札はなかったが、今回は市場実勢よりやや高い価格(低い利回り)だったことから、7239億円の応札があり、全て落札された。

3日の債券市場では、日銀が午前中に行った定例の国債買い入れの規模が市場予想を下回り、失望感から債券売りの動きが拡大。長期金利の指標である10年物国債の利回りは一時、前日に比べ0.040%高い0.150%に上昇(債券価格は下落)し、日銀がマイナス金利政策導入を決めた昨年1月29日以来の高水準となった。

日銀が「切り札」の指し値オペを実施したことで、長期金利は再び0.1%を下回る水準に低下したが、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「トランプ大統領が日本の円安誘導や金融緩和批判をやめるかどうかが当面の焦点だ」と警戒感を緩めていない。

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NY外為(3日):ドルが小幅安、雇用は堅調も賃金の伸び減速
Dennis Pettit
2017年2月4日 06:15 JST 更新日時 2017年2月4日 07:26 JST
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3日のニューヨーク外国為替市場ではドルが小幅安。週間ベースでは6週連続下落となり、週間での下落率は昨年7月以来の最大となった。1月の米雇用統計では雇用が堅調に伸びた一方、賃金上昇圧力の兆しはほとんどないことが示された。トランプ米政権のドル政策に関する不透明感を背景に、ドルは引き続き守勢に立たされている。トランプ政権はイランに対し追加制裁を科した。
  賃金の伸びは米金融当局が年内利上げペースを加速させるよう圧力を受けることがほとんどないことを示唆した。これを受けて、ドルは上げを消した。年内利上げは現在のところ2回か3回と予想されている。シカゴ連銀のエバンス総裁は同データは強かったとし、今年2回か3回の利上げでも違和感はないかもしれないと述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%低下。ドルは対ユーロで0.2%安の1ユーロ=1.0783ドル。対円では0.2%安の1ドル=112円61銭。
  ドルの方向感は今のところまだ定まっていない。今週のトランプ氏の為替に関するツイートが政権のスタンスを示すほぼ唯一の手掛かりとなっている。米財務長官に指名されたムニューチン氏は承認待ちの状況だ。
  ドイツのショイブレ財務相は、同国が貿易上の不公正な優位性を得るため、過小評価された通貨を利用しているとの米新政権の批判を一蹴し、ユーロの為替レートを設定しているのは政府ではないことをトランプ大統領の側近は明らかに理解していないと切って捨てた。
  ドルは、わずか数週間前まで長期的な投資家にとって買い持ちを開始するのに魅力的だと考えられていた水準に接近しているものの、米為替政策のシフトの方が堅調な経済や利回り上昇によってもたらされ得る優位性よりも影響力が大きくなる可能性があると、複数のトレーダーらは匿名を条件に話した。
原題:Dollar Drops for Sixth Week as Pace Accelerates; NFP No Comfort(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKTGLJ6KLVR401

 

米国株(3日):上昇、規制緩和期待で銀行株が急伸
Oliver Renick
2017年2月4日 06:30 JST 更新日時 2017年2月4日 07:34 JST
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3日の米国株は上昇。米政府による金融規制緩和に向けた動きで、銀行株が大きく上げた。朝方発表された1月の米雇用統計によると、雇用者の増加幅はここ4カ月で最も大きかった。
  トランプ米大統領はドッド・フランク法(金融規制改革法)の見直し、および退職者に助言するファイナンシャルアドバイザーに顧客の最善の利益のために行動するよう義務付ける受託者責任ルールの施行停止を命じる大統領令に署名した。
  S&P500種株価指数は前日比16.57ポイント(0.7%)上昇して2297.42。過去最高値まで約1ポイントに迫った。ダウ工業株30種平均は186.55ドル(0.9%)高の20071.46ドル。

  S&P500種セクター別11指数は10指数が上昇した。金融株指数は2%高。この日値下がりしたのは一般消費財サービス銘柄。特にヘインズブランズは16%の急落、チポトレも4.5%下げた。
  カナダのハドソンズ・ベイは米百貨店メーシーズ買収の可能性について初期の協議を行っている。事情に詳しい関係者が明らかにした。これを手掛かりに百貨店や衣料品銘柄が買い進まれた。
  1月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比22万7000人増加。前月は15万7000人の増加だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18万人の増加。家計調査に基づく失業率は4.8%に上昇した。平均時給は前年同月比で2.5%増と、昨年8月以来で最も小幅な伸びにとどまった。
  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は8.1%低下した。
  この日はハーシーなどS&P500種採用企業うのうち6社が決算を発表した。S&P500種採用企業のうち四半期決算を既に発表したのは半分以上。ブルームバーグのデータによると、このうち4分の3で利益が市場予想を上回り、約半数で売上高が市場予想を上回った。
原題:U.S. Stocks Climb on Payrolls Surge as Trump Targets Dodd-Frank(抜粋)
U.S. Stocks Jump on Bank Rise; Dollar Slips on Jobs: Market Wrap
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKTHEGSYF01S01


 
2月3日の海外株式・債券・為替・商品市場
Bloomberg News
2017年2月4日 06:40 JST 更新日時 2017年2月4日 07:47 JST
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1月米雇用者数:23万人増、失業率2カ月連続上昇−賃金伸び鈍化

◎米国債:小幅高、雇用統計で賃金の伸びが予想下回る
  3日の米国債相場は小幅高。1月の雇用統計で賃金の伸びが市場予想を下回ったことに反応した。午後にはサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が、早ければ3月に利上げする何らかの論拠はあるとの認識を示したことに反応し、下げに転じる場面もあった。
  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.47%。
  朝方発表された1月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比22万7000人増加。前月は15万7000人の増加だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18万人の増加。
  平均時給は前年同月比で2.5%増(市場予想2.7%増)と、昨年8月以来で最も小幅な伸びにとどまった。前月比は0.1%増で、12月の0.2%増から伸びが鈍化した。
  ウィリアムズ総裁はこの日、サンフランシスコでのブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「今後入手するデータが私の見方と一致すれば、3月利上げが理にかなう何らかの論拠を得る可能性はある。利上げを3回するのであれば、どこかの時点で実施する必要がある」と述べた。
  来週は国債入札が予定されており、利回りには上振れ圧力がかかる可能性がある。財務省は7日に3年債(発行額230億ドル)、8日に10年債(同240億ドル)、9日に30年債(同150億ドル)の入札を実施する。
原題:U.S. Stocks Jump on Bank Rise; Dollar Slips on Jobs: Market Wrap(抜粋)
原題:Treasuries Erase Gains Spurred by Weak Wage Growth(抜粋)
原題:Payrolls in U.S. Increase 227,000 While Wage Growth Weakens (1)(抜粋)

◎NY金:続伸、米賃金伸び鈍化で利上げへの警戒が和らぐ
  3日のニューヨーク金先物相場は続伸。米賃金の伸び減速を背景に、インフレ率上昇で米金融当局が利上げにより積極的に動かざるを得なくなるとの警戒が和らいだ。金は週間ベースでは7カ月ぶりの大幅高。
  トロント・ドミニオン銀行の商品戦略責任者バート・メレク氏は電話インタビューで、「賃金が問題になることはないと市場は自らを納得させている」と指摘。「米国の中央銀行が今すぐ解決しなくてはならないような大きな問題はない。金市場はこうした状況を踏まえ、現時点で政策引き締めへの圧力はそれほどないと考えている」と述べた。
  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比0.1%高の1オンス=1220.80ドルで終了。週間では2.5%上げて、昨年6月10日終了週以来の大幅上昇。
原題:Gold Posts Biggest Weekly Gain Since June as Wages Trim Fed Bets(抜粋)

◎NY原油:反発、週間で3週連続高−米国がイランに追加制裁
  3日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反発。週間ベースでも上昇し、3週連続高となった。トランプ米政権はイランが実施した弾道ミサイルの発射実験に抗議し、同国に対する追加制裁を発表した。ブルームバーグの調査によれば、石油輸出国機構(OPEC)は減産目標の約60%を履行した。
  ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は、電話取材に対し「市場は反射的に動いている」と指摘。「湾岸諸国に関するニュースなら何でも市場は反応するものだ」と述べた。
  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比29セント(0.54%)高い1バレル=53.83ドルで終了。週間では1.2%の値上がり。ロンドンICEの北海ブレント4月限は25セント(0.4%)上昇の56.81ドル。
原題:Oil Advances for Third Week as U.S. Imposes New Iran Sanctions(抜粋)
◎欧州株:1週ぶり高値、米雇用統計を好感−幅広い業種で上昇
  3日の欧州株式相場は1週間ぶりの高値を付けた。1月の米雇用者数の増加幅がここ4カ月で最大だったことを手掛かりに、幅広い業種で値上がりした。
  指標のストックス欧州600指数は前日比0.6%高の364.07で終了。経済指標で今年のユーロ圏経済が力強いスタートを切ったことが示されたことも支援材料。中国経済指標が予想を下回る内容だったことから金属相場が下げ、鉱業株が唯一、値下がりした。ユーロ・ストックス50指数は0.6%上昇し、主要な下値支持線となっている50日平均移動からさらに離れた。
  IHSマークイットが発表した1月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)改定値は54.4と、1月24日公表の速報値である54.3から上方修正され、2011年以来の高水準に達した。受注増が雇用創出を後押しした。
原題:European Stocks Advance to One-Week High After U.S. Jobs Report(抜粋)
◎欧州債:ドイツ国債が上昇−スペインとイタリアは売られる
  3日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。一方でスペインやイタリアをはじめ、南欧諸国の国債は総じて軟調な展開となった。
  ロンドン時間午後4時6分現在、ドイツ10年債利回りは前日比1.1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.42%。
  一方、スペイン10年債利回りは4.3bp上昇の1.68%、同年限のイタリア国債利回りは2.4bp上げ2.26%となった。
原題:Euro-Area Government Bonds End-of-Day Curves and Cross Spreads(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKT7XKSYF01S01
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/661.html

[国際17] 実は新しくない、トランプ大統領の入国制限令 米、対キューバ政策見直し、人権悪化? EU首脳、米政権懸念「黙っていない」
コラム:実は新しくない、トランプ大統領の入国制限令

 2月1日、ムスリムを主体とする7カ国からの旅行者や難民の入国を禁じるトランプ米大統領による命令は、以前からずっと米国に存在していた暗い流れが、新たに表面化したにすぎない。写真は1月29日、シアトルでトランプ大統領の入国制限令に対する抗議に耳を傾けるムスリムの女性(2017年 ロイター/David Ryder)

Peter Van Buren

[1日 ロイター] - 「これは私たち(の国)ではない」と言う人々は、考え直した方がいい。残念ながら、私たちの国は以前から変わっていないのだ。

ムスリムを主体とする7カ国からの旅行者や難民の入国を禁じるトランプ米大統領による命令は、以前からずっと米国に存在していた暗い流れが、新たに表面化したにすぎない。

この大統領令は特に目新しいものではない。ただ、進化しただけなのだ。トランプ氏の大統領令の対象となるイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンは、9.11同時多発攻撃以降の移民法のなかで名指しされてきた国々なのである。

より具体的に言えば、トランプ氏の大統領令で国名が挙げられているのはシリアだけである。その他の国については、2015年、オバマ政権時代の法律である合衆国法典第8編第1187条(a)(12)を参照する形で言及している。このリストはトランプ氏の事業の取引先とは何の関係もない。リストを作ったのはトランプ氏ではないし、9.11後の厳格な審査の対象からサウジアラビアを除外した米国大統領は彼が最初ではない。

このリストは、小説「1984年」の著者ジョージ・オーウェルを思わせる「2015年ビザ免除制度改善及びテロリスト渡航防止法」に含まれるもので、対象国を1度でも訪れたことのある者が米国のビザ免除渡航制度を利用することを禁じている。

したがって、たとえば、通常ならばビザなしで米国に入国する資格のある英国市民であっても、対象国への渡航歴があれば、審査のために在外米国大使館又は領事館に出頭し、個別に承認を得て、パスポートに実際に印刷されたビザの発給を受ける必要がある。この規則は、ジャーナリストとして、あるいはボランティアの医療チームのメンバーとして対象国に渡航した場合にも適用される。

トランプ氏は例によって乱暴なスタイルで「きわめて厳格な審査」を提案したが、そのような審査プロセスはすでにジョージ・W・ブッシュ政権以来導入されており、オバマ政権でも引き継がれて現在に至っている。

これもオーウェル風の命名で「行政管理上の処理」と呼ばれている。対象となるのは、やはり同じ7カ国である。これら諸国からの渡航者は、それ以外とは別のビザ手続を必要とすることになり、さまざまな情報機関による審査を待つために渡航が遅れる。申請の一部は期限を切らずに審査待ちとなっている。

こうした措置のいずれに対しても、国務省の職員が集団で不同意の覚書を提出した例はない。

この週末に伝えられた、個々の難民に関するお誂え向きのエピソードは非常に感動的だが、諸外国と比較して、米国がきわめて少数の難民しか受け入れていないという事実については論じられないままである。

米国は年間の難民受け入れ人数に上限を設定しており、2016年度については8万5000人だった。8万5001番目の難民は、いかに絶望的な状況にあろうとも、翌年まで待たなければならない。2006年に遡ると、当時の上限は7万人だった(実際に認められたのは5万人以下だ)。

第2次世界大戦後のホロコーストの生存者(65万人、米国民の半数が受入に反対)、ベトナムのいわゆる「ボートピープル」(13万人、米国民の57%が受入に反対)など、米国に流入する難民数が急増することはあったが、歴史的に、米国民は難民を歓迎するというよりは、彼らを恐れる傾向がある。

1980年以来、米国が受け入れてきた難民は合計200万人に満たず、そのうち40%は、難民である親に連れられてきた子どもである。これに対し、難民には限定されないが、国外退去者の数はオバマ政権時代に限っても250万人に上る。

米国の州知事のうち30人は、可能であれば自州へのシリア難民の受入を拒否したいと表明している。米国民全体の約60%は、シリア難民のをけ入れに反対している。「テロ多発地域」からの移民受け入れ一時停止については、半数弱の米国民が支持している。

2016年度、米国が受け入れるシリア難民の上限は1万人だった。対照的にカナダは同年、シリア難民だけでも2万5000人受け入れている。ドイツが2016年にさまざまな国から受け入れた難民は30万人、前年の2015年には100万人近くを受け入れている。

合衆国法典第8編第1152条(a)(1)(A)は「国籍、出生地又は常居所」を理由として移民(合法的永住者、グリーンカード保有者)を禁じることを違法としている。だがこの法律は、 観光客や留学生、そして難民など移民以外の渡航を同様の理由で禁止することについては何も触れていない。

また、国籍や出生地、常居所を理由とした合法的移民の禁止が許されないとはいえ、特定の国について年間の移民数が決まっていることは、事実上の禁止措置となっている。

たとえば、米国市民の親族である一部のフィリピン人やメキシコ人は、グリーンカード取得までに24年間待たされるに等しい制限に直面している(これもまたオーウェル流の用語で「優先期日」と呼ばれている。順番が来るまでに申請者が死亡してしまう例も珍しくない。

トランプ氏による大統領令を覆すことは難しいだろう。司法省の法律顧問室が署名したにもかかわらず、法廷においてトランプ氏の大統領令を弁護することを拒否して解任されたサリー・イェーツ司法長官代行は、自らの反対の理由を厳密な法律的根拠以外のもの、つまりこの大統領令の意図に置いているようだ。彼女は、大統領令が「賢明又は公正」であるか否かという基準を、自らの異議の根拠としたのである。

米国の裁判所は、最近では2015年にも、長年続く「海外でのビザ発給をめぐる決定に関する司法審査の否定」という原則を支持している。つまり、海外でのビザ発給をめぐる決定に対して国内の裁判所で異議を申し立てることはできないという意味だ。

また米国は一般的に、米国法による保護を、国外の外国人に拡大適用していない。連邦最高裁判所は、移民法の「絶対的権限の法理」を認めており、大半の裁量的判断を行政府に委ねている。法廷における週末の勝利は、米国の国境内部での執行を部分的に停止しただけであり、国土安全保障省も、政策としてではなく、例外的な「国益」を根拠として従っているにすぎない。憲法上の危機が生じているかどうかは明らかではない。

だが、移民に関するトランプ氏の大統領令を通じた行動をめぐって最も注目すべき側面は、この事態全体の原動力となっている要因、すなわち「恐怖」である。

米国政府は、2011年9月12日から今日に至るまで、恐怖を煽ってきた。国内の米国民はテロよりも転倒によって命を落とす可能性の方が高いにもかかわらず、トランプ氏は前任者たちと同様に、恐怖のシンボルである「米国内に侵入した外国人戦闘員」が引き起こす米国本土での攻撃への警戒を呼びかけている。

「何も行動せずに誰かが殺されたらどうするのか」。トランプ政権のスパイサー報道官は、大統領令を擁護してこう語った。

9.11の幻影は、これまでにも何かを正当化するために利用されてきたが(容疑者に対する拷問やグアンタナモ収容所の維持、空港での過剰な保安検査)、その頃よりもずっと過去に追いやられていたにもかかわらず、今回の大統領令は再びそれを呼び起こしている。

移民に関してトランプ大統領が行ったことは、いずれも米国の安全強化には貢献しないだろう。だが、9.11後の米国で一般化したセキュリティ状況と同様に、「安全」はテーマではない。

国民の恐怖を保ち、政府は国土を保護する任務を果たしている、という政治的な神話を維持することが肝心なのだ。トランプ大統領はは、オバマ氏やブッシュ氏と同様に、このことを理解している。

目を背けたくなる真実は、抗議行動の一方で、多くの米国民は外国人を恐がっており、トランプ氏が自分たちに与えてくれるものを求めている。これまでも常にそうだった。残念ながら、トランプ時代だからといって、根本的な部分では特に変わったことはほとんどないのである。

*筆者は米国務省に24年間勤務。著書に「We Meant Well: How I Helped Lose the Battle for the Hearts and Minds of the Iraqi People」など。「Hooper’s War: A Novel of WWII Japan」が刊行予定。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

波乱のトランプ新政権、最初の100日


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DAY 15 / FEBRUARY 3: A federal judge in Seattle put a nationwide block on President Donald Trump's week-old executive order temporarily barring refugees and nationals from seven countries from entering the United States. The judge's temporary restraining order represents a major challenge to Trump's action, although his administration could still appeal the ruling and have the policy upheld.REUTERS/Brian Snyder
REUTERS/BRIAN SNYDER
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米トランプ政権、対キューバ政策の全面的見直しを実施 
[ワシントン 3日 ロイター] - 米ホワイトハウスのスパイザー報道官は3日、トランプ政権が対キューバ政策の全面的な見直しを行っていることを明らかにした。

とりわけ人権に焦点が当てられているという。

*写真を加えて再送します。

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EU首脳、米政権決定の一部懸念 状況次第で「黙っていない」

[バレッタ(マルタ) 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)は3日、当地で開催した非公式首脳会合で、トランプ米政権の決定の一部に懸念を表明しつつも、米国との連携を続けていく必要であるとの見解で一致した。ただ、状況によっては「黙ってはいない」とも強調した。

議長国を務めたマルタのムスカット首相は記者会見で「EU加盟28カ国の間からは、新米政権による決定や対応の一部をめぐり懸念が出た」と語った。ただ、反米的な感覚はなく、これまでと同様に米国と連携していく必要があるとの理解で一致しているとした。

同時に、EUの基本理念に絡む問題となれば「黙っていることはできない」とし、「基本理念が踏みにじられるようなことになれば、われわれは声を大にする」と言明した。

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焦点:
支離滅裂なトランプ政策でドル乱高下か


[ロンドン 2日 ロイター] - トランプ米政権は、ドル高をけん制する発言を繰り返す一方で、ドル高と合致する経済政策を標ぼうしている。相矛盾する姿勢に翻弄され、ドル相場は今後、乱高下しやすくなりそうだ。

トランプ大統領と米国家通商会議(NTC)のナバロ委員長は今週、ドイツ、日本、中国の3カ国について、通貨安を通じて米国の輸出競争力を損ねていると批判。安倍晋三首相とメルケル独首相はこれに反論した。

トランプ氏は選挙期間中から、米国の製造業に活気と雇用を取り戻すことを政策の中心に掲げてきたため、こうした姿勢は驚くに足らない。ドル安はこの政策を達成するために役立つだろう。

しかしトランプ氏は同時に、減税や財政支出の拡大、米企業による海外利益の本国還流を通じて米国の経済成長を押し上げる意向も示している。これらは金利の上昇およびドル高と相性が良い。

投資家から見れば、相場のボラティリティ(変動率)は上昇しそうだ。

ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー、ジョゼフ・ギャニョン氏は「政権が口先介入でドルを押し下げる一方、ドル高を招く政策を進めるなら、ボラティリティはともかく、不確実性は増す」と指摘。「矛盾、あるいは支離滅裂と呼んでいいだろう。ちょっとした混乱を招くだけに終わりそうだ」と話した。

<ジェットコースター>

米政権の口先介入は功を奏しているようだ。主要通貨に対するドル指数は米大統領選以降の最安値である99.35を付け、ユーロは約2カ月ぶりに1ユーロ=1.08ドルを上回った。

スタンダード・バンク(ロンドン)のG10ストラテジー責任者、スティーブ・バロー氏は「こうした(政権幹部の)発言によってドルは値が飛ぶかもしれないが、口先介入だけで数週間、数か月にわたって下げ続けることはない」とし、ドルは「ジェットコースター」相場に入ると予想する。

バロー氏は、スイス国立銀行(中央銀行)が2年前にユーロに対するスイスフランの上限撤廃に追い込まれ、フランが暴騰した例を挙げ、「政策当局者の発言だけで為替相場が動くのなら、われわれは皆、ここ数年でスイスフランを売って一文無しになっていただろう」と話した。

(Jamie McGeever記者)

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米雇用統計、雇用者数の伸び予想上回る:識者はこうみる
 2月3日、1月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が22万7000人増と、市場予想を上回った。写真はカリフォルニア州の就職フェア会場で2014年10月撮影(2017年 ロイター/Lucy Nicholson)

[3日 ロイター] - 米労働省が発表した1月の雇用統計は非農業部門雇用者数が22万7000人増となり、市場予想の17万5000人を上回って増加した。

特に建設業と小売業で雇用が拡大したことで、4カ月ぶりの大きな伸びとなった。雇用と景気の拡大を目指すトランプ新政権の追い風となる可能性がある。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●労働市場のひっ迫やインフレ圧力みられず

<BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏>

労働市場が非常にひっ迫し、追加刺激の漸進的な増加が賃金上昇やインフレを引き起こすとの思惑が金利圧力の背景にあるが、足元そうした状況はうかがえない。失業率が悪化したのは労働参加率が上昇したためだ。

今回の統計で残念だったことは、時間当たり平均賃金の前年比の伸びが前月から鈍化したことと、過去分の雇用者数が下方修正されたことだ。インフレ圧力は米連邦準備理事会(FRB)に対応を促すものとして注目されるが、まず賃金面で圧力がみられないと、消費動向全般にもインフレは波及していかないだろう。

●賃金の伸び弱く、3月利上げより慎重に

<アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏>

雇用創出が引き続き堅調だったものの、賃金の伸びが弱かったことが改めて示され、労働市場動向に再び疑問符が付いた。賃金の伸びが弱く、連邦準備理事会(FRB)は3月利上げに慎重姿勢を強めるだろう。

●臨時雇用の維持示唆、賃金伸び鈍化は小売り業反映

<アメリプライズ・ファイナンシャル・サービシズのシニアエコノミスト、ラッセル・プライス氏>

1月の雇用統計のプラス材料は、臨時雇用が維持されたことを示唆している点だ。伸びの一部は小売業が占めているが、穏やかな気温が寄与し、天候に左右されやすい建設業などの雇用も押し上げた。

経済は引き続き極めて健全な状態だが、賃金の伸びは鈍化した。これは賃金が低い小売り業を反映しているだろう。

総じて労働市場は堅調で、経済に寄与するペースで拡大している。米連邦準備理事会(FRB)は3月会合まで様子見姿勢を取る公算が大きい。

●失業率上昇は求職者増加が要因、堅調な内容

<RBCキャピタル・マーケッツのチーフ株式ストラテジスト、ジョナサン・ゴラブ氏>

良い内容だ。非農業部門雇用者数の伸びが力強く、民間部門の雇用者数も堅調だ。失業率が上昇したことで、弱めの統計と評価する向きもいるかもしれないが、これは求職者が増えたことが要因だ。

労働市場は好調で、賃金圧力も想定ほど悪くないことを示している。このような雇用統計が続けば、賃金に圧力がかかる。これは今後数カ月の注目点だ。

●年内3回の利上げ予想、単月指標で見通し変わらず

<コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・エシナー氏>

雇用統計はまちまちの内容となった。雇用が驚くほど伸びた点は確かに安心できる。さらに重要なのは、労働参加率が上昇したことだ。様子見をしていた人が、求職活動を促されたことを示している可能性もある。良い兆候だ。

最大のマイナス点は、賃金動向がかなり軟調だったことだ。ただ、このことで連邦準備理事会(FRB)の行動が遅れるとは思えない。雇用動向は非常に底堅く推移している。完全雇用状態に向かっているのは明らかで、上向きの賃金バイアスも確実に続くだろう。1、2カ月分の統計で、FRBの政策見通しは変わらない。年内3回の利上げ予想を維持する。

*内容を追加して再送します。

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ロサンゼルスの「テックフェアLA」で就職活動をする来場者(1月26日)
ロサンゼルスの「テックフェアLA」で就職活動をする来場者(1月26日) PHOTO: PATRICK T. FALLON/BLOOMBERG
By ERIC MORATH
2017 年 2 月 4 日 07:42 JST

 米国では1月の雇用者数が前月比22万7000人増え、昨年9月以来の高い伸びを記録した。労働参加率の上昇が一因となり失業率は4.8%と小幅に上昇した一方、賃金上昇率は鈍化した。エコノミストらの反応は次の通り。

−ファラデー・リサーチのマット・ウェラー氏

 米経済は予想以上の雇用を創出できたが、同程度の賃金上昇は伴わなかった。ここから、多くの強気筋が望んでいる「完全雇用」から一段と遠のいたことが示唆される。

−ファゾム・コンサルティングのティム・デービス氏

 企業が経済見通しの改善に反応して22万7000人の雇用純増を創出したことで、1月の非農業部門就業者数は小幅の「トランプ・ジャンプ」を示した。

−RSM USのジョセフ・ブルスエラス氏

 この1カ月の経済が予想より好調だったことによるリスクテイク環境の改善や、向こう2年間で実施が見込まれる規制緩和や減税、インフラ投資による財政刺激への期待を受け、米国経済でここ数年見られなかったアニマルスピリットが呼び起こされた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwinqtSyxPXRAhXLH5QKHU_jCQEQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582600012310582058&usg=AFQjCNHg8ygUM1ZHMSzk8Jq22cVIqPbTJg

 


 

1月の米就業者数、4カ月ぶり大幅増 労働参加率は上昇
1月の米雇用統計は、労働市場の需給がそれほど引き締まっていない可能性を示唆した(写真はサンフランシスコのファストフード店に貼られた求人広告) 
By JOSH MITCHELL AND BEN LEUBSDORF
2017 年 2 月 3 日 23:17 JST

 【ワシントン】米国では1月、人材採用が大幅に進み、労働参加率も上昇した。労働市場は既に何年も改善が続いているものの、まだ拡大の余地があることが示された。

 労働省が3日発表した1月の非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比22万7000人増加し、昨年9月以来の高い伸びを記録した。

 ただ労働参加率の上昇を受け、別の家計調査から算出した失業率は前月の4.7%から4.8%へ悪化した。近年の順調な労働市場の改善から、いったんは職探しを諦めた失業者が求職活動を再開している可能性がある。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想は、就業者数が17万4000人増、失業率が4.7%だった。

 ただ最新の雇用統計からは、これまで考えられていたほど労働市場の需給が引き締まっていない可能性が明らかになった。

 平均時給は前月比0.12%上昇したが、伸びはエコノミスト予想の0.3%を下回った。前年同月比では2.5%増。消費者物価の伸びを上回りつつも、過去に見られた水準ほどの急伸ではない。

 2017年に入って19州で最低賃金が引き上げられたため、エコノミストの多くはより大幅な賃金上昇率を予想していた。

 こうした中で労働参加率は62.9%(前月は62.7%)と上昇した。ただ1970年代以来の低水準付近という状況に変わりはない。

 やむなくパートタイム職に就いている人や職探しを諦めた人も含めた広義の失業率は9.4%(同9.2%)だった。

 就業者数を業種別に見ると、小売りが4万6000人増。とりわけ衣料品販売で雇用が拡大した。建設は3万6000人増と、昨年の低調な流れから一変した。

 一方、医療関連では1万8000人増と伸びが減速。製造はほとんど雇用が増えず、公務員は減少した。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiK1b6_xPXRAhUGjpQKHTQ4CI4QqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582599310342075898&usg=AFQjCNH7IlQn5AwIUuxjXVGFlRWCfnXT-Q


 

 

 
米国株は上昇、雇用統計や金融規制緩和に向けた大統領令が追い風

2月4日、米国株式市場は上昇。底堅い米雇用統計に加え、トランプ米大統領が金融規制改革法の見直しに関する大統領令に署名したことが追い風となった。写真は2014年2月、ニューヨーク証券取引所前で撮影(2017年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米国株式市場は上昇。底堅い米雇用統計に加え、トランプ米大統領が金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しに関する大統領令に署名したことが追い風となり、S&P総合500種は終値で過去最高値に迫った。

S&P500金融株.SPSYは2%上昇し、11月半ば以来の好成績。金融規制改革法見直しの大統領令が材料視された。

JPモルガン・チェース(JPM.N)は3.1%高。JPモルガンの上昇が主導し、S&P銀行株.SPXBKは2.6%上昇した。

朝方発表された1月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が22万7000人増となり、市場予想の17万5000人を上回って増加した。失業率は4.8%と、前月から小幅上昇。時間当たり平均賃金は前月比0.1%増と小幅な伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが緩やかなペースにとどまる可能性を示唆した。

ウェドブッシュ・エクイティ・マネジメント、首席投資責任者(CIO)のスティーブン・マソッカ氏は「賃金の伸びが注視されており、3月(利上げ)の可能性はなくなったという見方が広がった」と語った。

金融規制改革法見直しの大統領令署名は予想されていたものの、トランプ大統領の政策の「方向性が明確になったことで株価押し上げの材料となった」とした。

個別銘柄ではアマゾン・ドット・コム(AMZN.O)が3.5%安。第1・四半期の営業利益が前年同期を下回るとの見通しを示したことが嫌気された。アマゾンの下げが主導し、S&P500一般消費財.SPLRCDは0.1%低下した。

メーシーズ(M.N)は6.4%急伸。カナダの百貨店チェーン、ハドソンズ・ベイ(HBC.TO)が同社に買収案を提示したことが材料視された。

騰落銘柄比率はニューヨーク証券取引所が3.78対1で上げ優勢、ナスダックは2.82対1で上げ優勢。米取引所の合計出来高は約64億5000万株と過去20営業日平均の67億1000万株を下回った。

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http://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKBN15I30X

 

 

スナップIPO、創業者と大株主に巨額の富もたらす
米スナップのIPOは創業者とシリコンバレーのベンチャーキャピタルに巨額の富をもたらす(写真はスナップのスピーゲルCEO) 
By ROLFE WINKLER
2017 年 2 月 4 日 08:20 JST

 メッセージアプリ「スナップチャット」を運営する米スナップの新規株式公開(IPO)は、シリコンバレーの複数のベンチャーキャピタル(VC)に大きな富をもたらす。中でもベンチマークとライトスピード・ベンチャー・パートナーズの2社が巨額の富を手に入れることになる。

 両社は、2日にIPOを申請したスナップ最大の外部株主。ベンチマークは1億3160万株、ライトスピードは8660万株を保有しており、スナップの年末時点の推定適正価格である1株16.33ドルに基づくと、保有株の価値はそれぞれ21億ドル(約2370億円)と14億ドルになる。

 ただ、株価は変化する可能性が高い。1株16.33ドルではスナップのバリュエーションが約210億ドルとなるが、IPOでの評価額は最大250億ドルとなる可能性がある。来月予定されているIPOを経て同社株がニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引を始めれば、投資家が多くの株を売却する前にバリュエーションは上下する可能性がある。

 当然ながら、スナップがバリュエーション目標を達成した時に最大の勝者となるのは同社を今でも経営している2人の創業者だ。1株当たり16.33ドルで算出すると、エバン・スピーゲル最高経営責任者(CEO)とボビー・マーフィー最高技術責任者(CTO)の保有株の価値はそれぞれ約37億ドルとなる。また、同社のIPOに伴い、スピーゲルCEOはさらに発行済株式総数の3%を手に入れるため、IPO価格次第ではさらに6億ドル以上が上乗せされる可能性がある。

 スナップにはこのほか、インスティテューショナル・ベンチャー・パートナーズやヘッジファンドのコアチュー・マネジメントなどが早くから出資していた。


https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjmmeyexPXRAhUBrpQKHdSnCKkQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582600061764562628&usg=AFQjCNExDlVXTxdG05ObO9Xj-uvmwQRD4A

 

トランプ氏、ドッド・フランク法見直しの大統領令に署名
ホワイトハウスの大統領執務室で大統領令に署名するトランプ氏(2月3日)
By RYAN TRACY
2017 年 2 月 4 日 05:40 JST

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は3日、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しを指示する大統領令に署名した。金融危機以降に制定された規制の多くを撤廃しようとする大胆な計画の一環だ。

 トランプ氏は別途、4月に発効する「受託者規則」の見直しを求める大統領令にも署名した。この規則は退職貯蓄運用業界に打撃を与えるとして批判されてきた。

 トランプ氏は署名に当たり「米国の金融システムを規制する基本原理に今日、署名する」と述べた。

 トランプ氏は署名に先立ち、ホワイトハウスでの企業経営者らとの会合で「ドッド・フランク法を大幅に緩和する見通しだ。なぜなら率直に言って、私には素晴らしい事業を持っていた多くの友人がいる」と話した。その上で「彼らは資金を借り入れることができない。ドッド・フランク法の規制のせいで銀行が融資しないためだ」と語っていた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjMrK7VxPXRAhWBRZQKHXZcCz4QqUMIIDAB&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582599840472737040&usg=AFQjCNFUGe9tswwJ3WzPyGyeq-V1HAWyCQ


 

 


トランプ氏、金融規制改革法の大統領令に署名 見直し指示  
2月3日、トランプ米大統領は金融規制改革法の見直しに関する大統領令に署名した。写真は3日、ホワイトハウスで撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque) 
[ワシントン 3日 ロイター] - トランプ米大統領は3日、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しに関する大統領令に署名した。

トランプ氏は選挙期間中、ドッド・フランク法の廃止を掲げており、公約の実現に向け一歩踏み出す。

ホワイトハウス関係者によると、大統領令では、財務長官に対し、他の当局と連携し、同法をめぐる問題の解決に向けて、政府として実施可能な事項を洗い出すよう求める。財務長官には、規制・法律の変更の可能性について、120日以内の報告書提出を義務付けるとしている。

またロイターが入手した草案のメモによると、大統領令では、年金運用の助言を行う証券会社に対する受託者責任ルールの導入を180日間延期する見通し。その間、労働省は同ルールに関する経済的および法的な分析を行い、トランプ政権の優先課題に沿わないようなら撤回する。同規定は証券会社に対し、受託者として顧客の最善の利益になる助言を提供することを定めたもので、当初は4月に導入される予定だった。

民主党や消費者保護団体は、証券会社は助言を行う上で利害の対立が生じる可能性があり、受託者責任ルールは個人をこうしたリスクから守るために必要だと主張している。

ドッド・フランク法は2007─09年の金融危機の反省に立ち、オバマ前政権で再発防止を目的に導入された。銀行の自己資本積み増しや「大きすぎてつぶせない銀行」に対する年次ストレステスト(健全性審査)、デリバティブ取引の監視強化、銀行の自己勘定取引を制限する「ボルカー・ルール」などが含まれる。

*内容を追加して再送します。

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http://jp.reuters.com/article/usa-trump-banks-to-sign-idJPKBN15I297

 

FRB、緩やかに金利正常化すべき=シカゴ連銀総裁
シカゴ地区連銀のエバンズ総裁(写真)は、米国のインフレ率が向こう3年かけて2%の目標に到達するとみている
By SHAYNDI RAICE
2017 年 2 月 4 日 01:18 JST

 【シカゴ】米シカゴ地区連銀のチャールズ・エバンズ総裁は、フェデラルファンド(FF)金利を歴史的に正常とされる水準へ緩やかに戻すことが好ましいとの見方を示した。

 イリノイ州オリンピアフィールズでの講演用原稿によると、エバンズ総裁は「適切な政策として、緩やかなペースでの正常化が必要だと信じている。実体経済が衝撃に耐えられるよう適切な成長上の緩衝材を提供するためで、さもなければ(ゼロ金利に)後戻りしてしまうかもしれない」と述べた。

 エバンズ総裁は緩和的な金融政策を支持するハト派とみられてきた。だが1月上旬には、自らの年内利上げ回数の予想を2回としつつ、3回でも道理にかなうとの認識を明らかにしていた。

 エバンズ総裁は今回、インフレ率が3年以内に連邦準備制度理事会(FRB)の目標とする2%へ届くという見通しを掲げた。FRB当局者の多くは向こう2年前後での目標達成を視野に入れている。

 エバンズ総裁はインフレの加速が障害に直面し得ることも指摘した。

 「世界的なディスインフレ圧力や多くの国が直面する成長の課題を考慮すると、海外情勢がさらなるドル高につながりかねない」とみている。「米国のインフレ期待はここ数カ月で上昇したが、過去のすう勢に照らすとかなり低いままだ。同様に、賃金が上昇する初期的な兆候にもかかわらず、進度は鈍い」とも付け加えた。

 財政政策による景気の刺激を想定し、経済成長見通しには小幅な変更を加えた。今後数年間の国内総生産(GDP)成長率は2〜2.5%と見込む。

 これについてエバンズ総裁は「(シカゴ連銀の見通しに)控えめな変更を加えただけだ」とし、「まだ立法過程の初期にあり、さらなる詳細が必要だ」と述べた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwi6m47ixPXRAhUDqJQKHSQ7CbgQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582599472352299722&usg=AFQjCNG5tIBcvmFQ52g_Y6j3Vu4c4LINMw


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/663.html

[国際17] 嘘を「別の真実」と強弁するトランプ政権 シリコンバレーNext 米国民はハッシュタグやデモで対抗 
嘘を「別の真実」と強弁するトランプ政権

シリコンバレーNext

米国民はハッシュタグやデモで対抗
2017年2月4日(土)
瀧口 範子
 とうとうドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に就任した。トランプ政権は「リアリティーTV政権」と呼ばれているが、現実のようでありながら現実とは信じがたいものが目前に展開される、妙な感覚を味わっている。

 政権初日から明らかになったのは、トランプ政権とメディアの緊張関係である。嘘を突き通そうとする政権をメディアが批判するが、そのメディアをトランプ大統領がまた「嘘つき」呼ばわりする。トランプ政権とメディアの応酬が、雪だるま式に巨大に膨らんでいく様子がこれからさらに見られるだろう。

 選挙期間中は、メディアが図らずもトランプ候補を宣伝する役割を果たしてしまったことが多々あった。当初は、メディアでのアピールに長けた同氏を面白おかしく報道していたことが、トランプ候補の露出度を否応にも上げた。まさかこんな人物が大統領になることはないだろうという一種の安心感のようなものが、そうした不用意な報道の背後にあっただろう。一方、その間ヒラリー・クリントン候補が同等の扱いを受けることはほとんどなかった。

 それに気がついた後も、失敗はあった。リアルタイムではなかなか気がつきにくいことだが、トランプ候補のツイートをリツイートしたり、報道したりすることがそれにあたる。

 メディアがトランプ候補のツイートを「とんでもない発言だ」という意図を込めて報じても、多くの大衆にとってはその言葉を目にするだけに終わる。あるいは、報道の真の内容を読まずにタイトルだけを理解する。かくして、人々がトランプ候補の言葉や発言をオウム返しにして、それをどんどん広める役割を担ってしまったわけだ。その仲介をしたのは、他でもないメディアだ。

報道官が記者会見で「嘘」

 政権のスタート後も、メディアは一筋縄ではいかない相手に混乱させられている。例えば就任式翌日、1月21日の初めての記者会見では、ホワイトハウス報道官のショーン・スパイサー氏が「就任式には歴史上最大の観客が集まった」などと真実でない数字を並べ立てた上、記者らが質問もできないうちに会見を打ち切った。

 さらにその翌日、22日の朝のテレビ番組では、女性大統領顧問のケリーアン・コンウェイ氏が、ニュースキャスターの質問にまともに答えずにがなり立てるばかり。ついには、「Alternative Facts(別の真実)」という言葉まで編み出した。前日のホワイトハウス報道官は、真実は真実でも「別の真実」を指していた、とその正当性を主張したのだ。

 だが、あの手この手に出てくるトランプ政権の手法をメディア界も学習中だ。オウム返しにトランプ大統領らの言葉を繰り返してはならないと学習したのだ。例えばニューヨーク・タイムズ紙は、初日の記者会見について「トランプ、メディアを攻撃しつつ、2件の虚偽を働く」というタイトルをつけ(1月22日付)、嘘をついたこと自体を先に伝えている。

 また、メディア自体がファクトチェックをした結果を報道記事と並べて掲載するようになった。さらにファクトチェックを専門に行うサイトも「FactCheck.org」や「Politifact」などいくつか登場している。

 ワシントン・ポスト紙は、トランプ大統領のツイートをファクトチェックした結果を同じツイッター画面上で表示するWebブラウザー用のエクステンション(拡張機能)「RealDonaldContext」を選挙期間中に開発し、新たにホワイトハウスのアカウント「POTUS」のツイートでも使えるようにしている。このエクステンションは「Chrome」と「Firefox」に対応している。

 それと同時に面白いのは、次々とおかしなハッシュタグが作られていくことだ。ホワイトハウス報道官の最初の記者会見後には「#seanspicersays」(スパイサー発言)が早速作られた。彼が「Period.(以上)」と質問も受け付けずにブリーフィングを切り上げたのを人々がユーモラスにからかって、いろいろな発言の後に文脈もなく「Period.」とつけている。同様に、コンウェイ氏も「#alternativefacts」というハッシュタグで、まな板の鯉状態になっている。

 ハッシュタグは今後どんどん増えていくだろう。切れ味のいい冗談のネタを競っているように見えるが、これは一方で、インターネット上の抗議デモなのかもしれない。就任式翌日に世界中で行われた抗議デモ、「Women’s March」のパワーは予想以上だったが(写真)、ハッシュタグのような小さなものでも不従順を表現するプラットフォームになり得るのだ。


写真●米サンフランシスコの都心部を埋め尽くした「Women's March」
撮影:中田 敦

このコラムについて

シリコンバレーNext
「シリコンバレーがやってくる(Silicon Valley is coming.)」――。シリコンバレー企業の活動領域が、ITやメディア、eコマースといった従来の領域から、金融業、製造業、サービス業などへと急速に広がり始めている。冒頭の「シリコンバレーがやってくる」という言葉は、米国の大手金融機関、JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEO(最高経営責任者)が述べたもの。ウォール街もシリコンバレー企業の“領域侵犯”に警戒感を隠さない。全ての産業をテクノロジーによって変革しようと企むシリコンバレーの今を、その中心地であるパロアルトからレポートする。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/061700004/012500178/
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/789.html

[経世済民118] トランプ氏が金融規制緩和の大統領令署名、ウォール街の期待に応える 米GEとウォルマートが対立、トランプ唱える国境税めぐり
トランプ氏が金融規制緩和の大統領令署名、ウォール街の期待に応える
Zeke Faux、Jenny Surane、Joe Sobczyk
2017年2月4日 06:24 JST

ドッド・フランク法の改正、受託者責任ルールの施行停止を命令
ゴールドマンやJPモルガンのトップ、規制への不満を何年も訴え
 
トランプ米大統領はウォール街にとって本当に有益なのか、という疑問がちょうど金融市場に広がり始めたところだった。そのタイミングを狙い澄ましたように、大統領はバンカーが待望していた規制緩和の大統領令に署名、これを受けて大手金融会社の株価は急伸した。
  トランプ大統領は3日、金融危機後に設けられた規制を巻き戻すための大統領令2つに署名。標的には退職者を高い金融手数料から守るためのルールと、銀行の自己取引を禁じる規制が含まれる。
  ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)やJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、2010年施行のドッド・フランク法(金融規制改革法)に基づくシステムは金融業界を締め付け過ぎるとして、何年も前から見直しを訴えてきた。就任後2週間での大統領の政策は貿易と移民にほぼ限定しており、金融業界からはこうした政策に反発の声が多く挙がったが、この日は大統領令への署名によって、業界が最も忌み嫌っていた規制の多くをひっくり返すプロセスが始まった。
  元ゴールドマンの社長で、新政権で国家経済会議(NEC)委員長に就いたゲーリー・コーン氏は3日にブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「ドッド・フランク法の全側面を攻撃する」と表明。議会の支援を得なくても、政府だけで「かなりのことができる」ものの、「議会からの助けがあればその分、誰もがもっと望ましい状況になるだろう」と述べた。
  ドッド・フランク法改正法案を議会で通すのは容易ではない。たいていの場合は、フィリバスター(議事妨害)を避けるために上院で少なくとも民主党議員8人の賛成を取り付ける必要がある。共和党は改正法案の一部について、財政調整措置として知られる手法を活用する可能性がある。この手法を用い、ドッド・フランク法の特定条項が財政赤字を拡大させることを証明すれば、民主党の賛成票を取り付ける必要はなくなる。
原題:Wall Street Hope Revived as Trump Plans to Roll Back Rules (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKTF01SYF01S01


 


米GEとウォルマートが対立、トランプ大統領が唱える国境税めぐり
Lindsey Rupp、Richard Clough、Matt Townsend
2017年2月3日 09:40 JST

国境税の論争は米産業界を輸入企業と輸出企業に分断
GEのイメルトCEO:税制改革に関してウォルマートと見解異なる
 
米ゼネラル・エレクトリック(GE)とボーイングはトランプ米大統領が唱える国境税構想をめぐりウォルマートなどと対決する構えだ。複数の業界を巻き込んだ対立は近年で最も厄介な企業間の政策論争の一つになりそうだ。
  GEとボーイング、ファイザーなど約24社は米税制改革の取り組みを後押しする国産品メーカーの団体「アメリカン・メード・コーリション」のメンバー。同団体はいわゆる国境税調整が導入されれば、国内メーカーが海外製品と競争する上で助けとなり、トランプ大統領が目指す製造業の雇用拡大に寄与すると主張する。


  この論争は「コーポレート・アメリカ」を輸入企業と輸出企業に分断しつつある。ライアン下院議長が支持する法人税改革案は国産品を輸出する企業の法人税負担を軽くし、低コストの海外サプライヤーに頼る企業の法人税負担を重くするという内容。
  GEのジェフリー・イメルト最高経営責任者(CEO)は今週のボストンでのインタビューで、「私はウォルマートを尊敬するが、税制改革に関してはわれわれの見方は異なる。われわれ全員の意見を聞いてもらう必要がある」と語った。
  一方、国境税調整に反対する輸入企業側は、これが導入されれば増税分を消費者に転嫁せざるを得なくなり、食料品や衣料品、ガソリン、自動車部品など物価全般が上昇するが、国内製造業の回復は促されないと指摘する。1日には、自動車業界と小売業界の120余りの団体が、国境税が物価上昇を招き消費者に打撃となると主張するキャンペーン「アメリカンズ・フォー・アフォーダブル・プロダクツ」への支持を表明した。
原題:It’s GE vs. Wal-Mart as Corporate Feud Breaks Out Over Tax (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKRV5E6TTDS001


 



http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/669.html

[国際17] フランクフルトにバンカー1万人移動か、英EU離脱で−独団体 入国制限の米大統領令を一時差し止め 連銀総裁3月利上論拠ある
フランクフルトにバンカー1万人移動か、英EU離脱で−独団体

Gavin Finch、Simon Kennedy
2017年2月3日 12:47 JST

移動は向こう数週間に始まる可能性がある−FMF
BaFinは週初に外銀代表者50人ほどと規制に関してQ&A会合

英国の欧州連合(EU)離脱に伴い、同国の金融サービス業界から1万人程度がドイツのフランクフルトに移動すると、ロビー団体のフランクフルト・マイン・ファイナンス(FMF)は予想している。同団体によれば、こうした動きは向こう数週間に始まる可能性がある。
  FMFのマネジングディレクター、フベルトゥス・バート氏は2日、ロンドンでの会議で「ユーロ圏でサービスを提供するには、域内のフランクフルトに拠点を置く必要がある」として、フランクフルトが「最も恩恵を受ける」と述べた。
  独連邦金融監督庁(BaFin)は今週、英EU離脱によりドイツに業務を移転させる銀行の大半に最長2年間、資本要件達成のためのモデルを現行のまま継続できる提案を行ったと、事情に詳しい関係者は話した。BaFinは1月30日、規制に関する質問に答えるため、外銀の代表者約50人と非公開会合を持った。英EU離脱後にフランクフルトを新たなEU中核拠点として検討中の銀行には、シティグループやゴールドマン・サックス・グループ、UBSグループなどが含まれるもよう。
原題:Frankfurt Lobby Group Sees 10,000 U.K. Bankers Moving on Brexit(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKS4486TTDS201


入国制限の米大統領令を一時差し止め、連邦地裁判事−全米が対象
Kartikay Mehrotra、Elizabeth Amon
2017年2月4日 17:11 JST

米ワシントン州シアトルの連邦地裁判事は3日、トランプ大統領が先月27日に署名したイスラム圏7カ国の市民の入国を制限する大統領令を一時差し止める判断を下した。
  ジェームズ・ロバート連邦地裁判事は、一貫性があるため全米で大統領令を無効にすることが必要だとの判断を示した。一方、ボストンの連邦地裁判事は同日、市内の空港での入国制限の執行を差し止める判断を延長することを拒否し、トランプ政権に有利な結果が示されていた。
  ホワイトハウスは声明で、司法省ができるだけ早期に、今回の差し止め判断の凍結を求める緊急請求を提出すると表明した。
  今回の判断は、トランプ大統領の入国制限に対するこれまでで最も包括的な差し止めとなる。 ニューヨーク市ブルックリン、ロサンゼルス、バージニア州アレクサンドリアの連邦地裁判事も差し止め命令を出していたが、地域が限定されていた。
原題:Trump Immigration Order Is Grounded Nationwide by U.S. Judge (3)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-04/OKU91F6S972801



米サンフランシスコ連銀総裁:3月利上げ、何らかの論拠はある
Jeanna Smialek
2017年2月4日 05:44 JST 更新日時 2017年2月4日 10:02 JST

米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、リスクバランスが上向きつつある中では、3月の利上げは理にかなっている可能性があるとの認識を示した。また年内3回の利上げは妥当な推測だとあらためて表明した。
  総裁は3日、サンフランシスコでのブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「リスク管理の観点から見ると、待たずに早期に動く論拠がある」と述べた。
  さらに「待つのではなく、早期に動くという選択はある」とし、「これまでに述べたように、3回の利上げは基本シナリオとして妥当な推測、妥当な見方だ。だが正直なところ、米経済がこの基本シナリオよりも勢いを増す可能性は大いにあると考えられる」と加えた。
  一方でウィリアムズ総裁は、3月利上げを見送り、さらに情報が集まるまで待つという「慎重さ」を支持する論拠があるかもしれないとの考えも示した。
原題:Fed’s Williams Sees Some Arguments to Raise Rates in March (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKTDV7SYF01T01
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/790.html

[政治・選挙・NHK220] 麻生財務相が金融政策は円高による状況是正のためと発言−直後に訂正 「円安誘導はしていない」
麻生財務相が金融政策は円高による状況是正のためと発言−直後に訂正
高橋舞子
2017年2月3日 12:09 JST
財務省が「デフレ状況是正のため」と修正文を公表
金融政策は通貨安を目指していないとも反論−トランプ氏発言受け

麻生太郎財務相は3日の閣議後会見で、円高による状況を是正するために金融緩和をしたと発言した。その後、財務省が「デフレ状況を是正するため」と発言内容を訂正した。
  財務相は会見で、トランプ米大統領が日本が通貨安誘導をしていると批判したことについての受け止めを聞かれ、「円高による状況を是正するためにわれわれとしては円を、いわゆる金融政策というものを緩和したということをずっと言ってきている」と発言した。
  同省は会見後間もなく、「デフレ状況を是正するためにわれわれとしてはいわゆる金融政策というものを緩和したということをずっと言ってきている」と発言の一部を訂正した文書を公表した。
  安倍晋三政権は日本銀行による異次元緩和による円安・株高で経済を活性化するアベノミクスを推し進めることでデフレ脱却を目指してきたが、オバマ前政権時にも米当局から円安をけん制する発言が相次いだ。これに対し、政府・日銀は日本の金融政策はデフレ脱却のためとの見解を示していた。
  財務相はこの日の会見で、トランプ氏の発言について「予断を持ってコメントするのは差し控えたい」としながらも、「通貨の競争的切り下げは回避するとのこれまでのG7とかG20の合意に沿って今後とも適切に対応していくことになる」と述べ、日銀による金融政策は通貨安を目指したのではないと反論していた。
  その上で、「為替の話についても日米間でかなり頻繁にやっていた。わが国の経済政策にとって、さまざまなレベルで米国側ときちんとした話をし続けていかなければならない」と語った。
  
  ドル円相場は11時21分現在、112円近辺で推移している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-03/OKRZJ56K50ZN01

麻生財務相「円安誘導はしていない」
2月3日 11時00分

アメリカのトランプ大統領が「為替を操作して通貨安に誘導している」などと日本を名指しして批判したことについて、麻生副総理兼財務大臣は閣議のあとの記者会見で、「日本は円安誘導はしていない」として批判はあたらないと反論しました。
アメリカのトランプ大統領は、先月31日、製薬メーカーの経営トップを集めた会合で為替について言及し、「中国が何をしているか、そして日本が何年も何をしてきたか見てみろ。彼らは為替を操作して、通貨安に誘導している」と述べ、日本を名指しして批判しました。

これについて、麻生副総理兼財務大臣は、3日の閣議の後の記者会見で、「日本は通貨の競争的な切り下げは回避するなどとしたG20=主要20か国などの合意にそって、適切に対応している。日銀の金融緩和も円安誘導を目的としたものではない」と述べ、日本が輸出などが有利になるよう意図的な円安誘導をしていないとして批判はあたらないと反論しました。

そのうえで、麻生副総理は「貿易や経済について、日米間で意思の疎通を図っていくのは重要で、さまざまなレベルで、きちんとした話をし続けないといけない」と述べ、経済政策をめぐって日米で緊密に連携していく必要があるという認識を示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170203/k10010863011000.html
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/219.html

[政治・選挙・NHK220] 中国、批判の声明 米国防長官の「尖閣防衛」宣言「挑戦的行為」中国海洋進出強く牽制 米と対立避けたい中国、反発しつつも冷静

中国、批判の声明 米国防長官の「尖閣防衛」宣言
2017.02.04 Sat posted at 17:10 JST

訪日中のマティス国防長官の発言に中国が批判の声明を出した


マティス米国防長官、「尖閣に日米安保適用」
(CNN) 訪日中の米国のマティス国防長官が尖閣諸島(中国名・釣魚島)への日米安全保障条約第5条の適用を明言した問題で、中国外務省の報道官は4日までに、同長官の言動は地域の不安定化につながると批判する声明を発表した。
長官発言を受け中国側が迅速な反応を示した格好となっている。
声明では「釣魚島は古来、中国の領土であり、このことは変えることの出来ない歴史的事実だ」と主張。日米安保条約は冷戦時代の産物であり、中国の領土主権や合法的な権利を損ねるべきではないとした。
その上で、この問題に関して「米国に責任ある態度を促し、誤った発言を中止するよう求める」と続けた。

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米との対立避けたい中国、反発しつつも冷静さ保つ(2017/02/04 16:42)

  
 日本を訪問しているマティス国防長官は4日、稲田防衛大臣と会談しました。中国はどのような反応を見せているのでしょうか。

 (山本志門記者報告)
 尖閣諸島が日米安保条約の適用対象とした確認は、中国政府にとって旧正月の春節気分が吹っ飛ぶくらいの、まさに耳障りなニュースになったことは間違いありません。中国外務省は早速、尖閣諸島は「中国固有の領土だ」と反発しました。そのうえで、日米安保条約についても「冷戦時代の産物だ」としてアメリカ側に釘を刺しました。中国中央テレビも、春節の特別番組の放送の合間にトップニュースで伝えました。このなかで、専門家は「アメリカの立場はこれまでと変わっていない。アメリカの本音は紛争に巻き込まれないようにするはずで、日本のために火中の栗は拾わないだろう」とむしろ冷静に分析しています。一連の反応で、中国側は一定の反発はしているものの、ヒートアップしないようコントロールもされています。トランプ大統領が実際の行動としてどう出てくるのか、まずは見極める。最初から対立は避けたいというのが中国側の一貫した戦略なためです。しかし、電話会談がいまだに実現していないように、習近平主席にとってもトランプ大統領との距離を測りかねている、そんな苦しさもまた透けて見えます。
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(2017/02/03 16:05)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000093661.html

 


 
米国防相「挑戦的行為」 中国の海洋進出を強く牽制
佐藤武嗣2017年2月4日14時07分
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記者会見に臨むマティス米国防長官=4日午前11時17分、東京・防衛省、竹花徹朗撮影
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 来日中のマティス米国防長官は4日、稲田朋美防衛相との共同記者会見で、中国の南シナ海などでの活動を「挑戦的行為」と断定し、強く批判した。また、イランを「世界で唯一最大のテロリスト支援国家」と呼び、強く牽制(けんせい)した。

 マティス氏は「米国は、北朝鮮の核・ミサイルによる挑発から、南シナ海や東シナ海で増している中国の挑戦的行為まで、安全保障環境の変化を認識している」と強調した。

 特に中国に関し「明らかに隣国の外交、安全保障、経済の状態に関して拒否権を使おうとしており、(アジア太平洋)地域の国々の信用を切り裂いている」と強い表現で批判。「中国なしにアジア太平洋地域の安定は維持できないが、同時にルールに基づいた国際秩序が維持されるべきだと認識している」と語った。

 領有権問題について「仲裁裁判所で議論している時に、軍事的手段で所有権を主張すべきではない」と述べ、外交手段を通じて解決すべきだとの考えを強調。米政権として南シナ海での「航行の自由」を断固確保していく方針を鮮明にした。

 一方、弾道ミサイルの発射実験を行ったイランについては「最大のテロ支援国家」と厳しく批判したうえで、こうした米側の警告を無視すべきでないと牽制。中東での米軍増強は現時点では必要ないとの認識を示しつつ、「我々は(軍事行動をとる)能力は常に持っている」とも述べた。

 オバマ前政権はイランとの核協議で合意するなど関係改善を目指してきたが、トランプ政権では敵対視する姿勢が鮮明になっている。(佐藤武嗣)

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http://www.asahi.com/articles/ASK2443QCK24UHBI00Y.html
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/220.html

[国際17] トランプ大統領、入国禁止差し止めた判事に暴言 司法の独立に暗雲 前例ない個人攻撃  米司法省が上訴 政府、地裁に続々従う

トランプ大統領、入国禁止差し止めた判事に暴言 司法の独立に暗雲
2017年02月05日 09:21 発信地:パームビーチ/米国

政治
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トランプ大統領、入国禁止差し止めた判事に暴言 司法の独立に暗雲
米首都ワシントンのホワイトハウス前でドナルド・トランプ大統領に抗議するデモに参加した女性(2017年2月4日撮影、資料写真)。(c)AFP/MOLLY RILEY
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【2月5日 AFP】米政府当局は4日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が出して物議を醸しているイスラム圏7か国出身者の入国禁止令の一時的な施行停止を開始した。トランプ大統領にとっては手痛い法的敗北となる。

 米政府当局と米航空各社は、米西部ワシントン(Washington)州司法長官が提訴した裁判が決着するまでの間、暫定的に大統領令の差し止めを命じたシアトル(Seattle)連邦地裁の判事の判断を受けて、トランプ大統領令により無効化された7か国出身者のビザを認めるとともに、トランプ大統領令の施行を停止した。

 法的後退を喫したことで刺激されたとみられるトランプ大統領は4日朝、大統領令差し止めを命じた連邦地裁判事を攻撃した。現職大統領としてはほとんど前例のないことだ。

 フロリダ(Florida)州で自身が経営するリゾート施設、マーアーラゴ(Mar-a-Lago)に3泊の予定で滞在中のトランプ大統領は「この、いわゆる判事の意見は本質的にわが国から法執行というものを奪うもので、ばかげており、覆されるだろう!」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 共和党のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)元大統領に指名されたシアトル連邦地裁のジェームズ・ロバート(James Robart)判事が3日、イスラム圏7か国出身者の入国を禁止する大統領令を暫定的に差し止める命令を出したことを受けて、米政府当局は4日朝までに判事の命令の履行を開始した。

■ほぼ前例のない判事への個人的攻撃

 大統領による今回の発言は今後さらなる物議を醸すとみられている。トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)第3代大統領からバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領まで米国の歴代大統領は裁判所による判決を批判したことはあっても、判事に対する個人的攻撃はほとんど前代未聞だという。

 ハーバード大学(Harvard University)法科大学院の米国憲法学者ローレンス・トライブ(Laurence Tribe)教授はAFPに対し「少なくとも過去1世紀半でこのような(発言の)前例は思い出せない」と述べ、「法廷侮辱とはいえなくても、間違いなく軽蔑的発言であるといえる」と付け加えた。トライブ教授は現在の米最高裁判事2人とオバマ前大統領を教え子に持ち、後にオバマ大統領の顧問を務めた。

 またトライブ教授は「(トランプ大統領の発言は)司法の独立を尊重していないことを示しており、トランプ氏が大統領の座にある限り米国の将来にとって良くない兆候だといえる」と語った。

 米民主党の議員らは発言を受けてすぐにトランプ大統領を非難する声明を出した。注目すべきことに共和党員からも大統領を積極的に援護する声は上がっていない。

 カリフォルニア(California)州選出のアダム・シフ(Adam Schiff)下院議員(民主党)は、「この『いわゆる』判事は『いわゆる』大統領によって指名され、『いわゆる』上院に承認された人物だ。『いわゆる』米国憲法をよく読め」とツイッターに投稿した。(c)AFP/Andrew BEATTY

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http://www.afpbb.com/articles/-/3116691


 

米司法省が無効求め上訴へ 入国禁止差し止め命令
2017/2/5 10:06 (2017/2/5 11:30更新)
保存 印刷その他
 【ワシントン=共同】米司法省は4日、イスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令を一時差し止めた西部ワシントン州シアトルの連邦地裁命令の無効を求め、上訴する意向を裁判所側に伝えた。入国禁止措置を巡り、トランプ政権は連邦地裁側と全面対決する姿勢を鮮明にした。米メディアが伝えた。高裁判断の行方は不透明だが、混乱は長期化しそうだ。

 地裁命令により、大統領令で暫定的に失効した約6万人分の査証(ビザ)が再び有効になり、7カ国出身の市民は米国に入国できることになった。米入国のためのビザを管轄する国務省と入国管理を担う国土安全保障省は地裁判断が有効である限り従う方針をそれぞれ表明した。

 トランプ大統領は4日、ツイッターに「このいわゆる判事の意見はばかげており、(判断が)ひっくり返されるだろう!」と投稿、侮辱的な表現で地裁判事を強く非難。「1人の判事が国土安全保障省の入国禁止を差し止めることができ、悪意を持った人物が入国できるとなれば、米国はどうなってしまうのだ」とつぶやいた。

 国務省当局者はシアトルの連邦地裁判断に従い「大統領令により実施したビザの暫定的取り消しを撤回した」と述べた。国土安全保障省の当局者も「大統領令を実施するためのあらゆる措置を止めた。(これまでの)通常の方針に従って入国審査を行う」と説明した。

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米、ビザ発給にSNS審査も 国土安全省が検討 (2017/2/1 7:45)
http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040001_V00C17A2000000/

 

米政府、入国禁止めぐる地裁判断に続々従う

反応 プッシュ通知

反応


 【ワシントン=黒瀬悦成】米国務省は4日、トランプ政権による中東・アフリカ7カ国に対する一時入国禁止措置が連邦地裁によって差し止められたのを受け、暫定的に取り消していた7カ国出身者の米国ビザ(査証)を有効にすると明らかにした上で、有効なビザを所持していれば米国に入国できるとの認識を示した。

 これを受け、米国に乗り入れている航空各社は入国禁止の対象となっていた乗客らの搭乗を再開した。同省によると、今回の問題で6万人弱がビザを取り消されていた。

 国土安全保障省も、連邦地裁の差し止め命令に従い、空港などでの入国禁止措置の執行を停止して通常の乗客検査体制に戻ると発表した。

 一方、トランプ大統領は4日、ツイッターで「この判事と称する者による、わが国から法執行を取り上げるような判断はばかげており、覆されるだろう」と反論。「中東の一部の国々は入国禁止に同意している。彼らは、特定の人間が入国を認められれば、死と破壊を意味することを知っている」とも主張した。

 米主要都市では4日、トランプ氏の政策に抗議するデモが起き、各地の空港では難民支援団体の関係者などが入国を果たした移民や難民らを出迎え歓迎した。
http://www.sankei.com/world/news/170205/wor1702050018-n1.html

 

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/799.html

[国際17] 金融規制改革法見直し、危機時代の終幕告げる 2008年の記憶が薄れる中、ウォール街の足かせが外される ドッド・フランク法
金融規制改革法見直し、危機時代の終幕告げる
2008年の記憶が薄れる中、ウォール街の足かせが外される

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RY467_doddfr_J_20170203125134.jpg
ドッド・フランク法に署名するオバマ大統領(2010年7月)

2017 年 2 月 4 日 15:50 JST

――筆者のデニス・K・バーマンはWSJのビジネス担当エディター

***

 われわれは金融危機時代がいつ始まったのかを知っている。そして今、いつそれが終わったのかをようやく知ることになった。予想外に大統領になった人物が、意外にもウォール街出身の側近に支えられつつ、金融危機後の規制の拡大をフライパンで頭をひっぱたくようにして阻止した年――つまり2017年である。

 トランプ政権は3日、金融危機の惨状と怒りから生まれた金融規制改革法(ドッド・フランク法)を見直すと発表した。オバマ政権下で制定された「受託者規則」の導入も阻止するという。同規則は退職資金の投資アドバイザーたちに顧客の最大利益の追求を義務付けるものだった。

 こうした動きは金融危機後の過剰な疑心に終止符を打つとみられる。金融大手ゴールドマン・サックス・グループの元社長で国家経済会議(NEC)のゲーリー・コーン委員長に言わせれば、政府の干渉や法令順守コストで身動きが取れなくなっていた銀行業界と経済が解放されるのだ。

「今起きていることは規制のせい」

 「今起きていることは多くの規制のせいだ。連邦準備制度理事会(FRB)は銀行にマネーを注ぎ込む一方で、銀行に一層の自己資本強化を義務付けているため、資本が米国の実体経済にまで回らない」。コーン委員長はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューでこう語った。

 そうした見方は直近のデータで必ずしも裏付けられていない。米国企業が銀行から資金を借り入れていない理由は、供給不足ではなく需要不足であることを多くのデータが示している。

 規制による保護で銀行が安全になり、消費者がより守られるようになったということは否定できない。2008年9月の恐怖を覚えていない人にとって、それは価値があることだ。

 とはいえ、コーン委員長とドナルド・トランプ大統領の考え方にも一理ある。オバマ政権下の規制当局者たちは銀行を、狩猟期に間引きされるオオカミの巣窟のように、害を及ぼしかねないので囲っておくべきものとみなしていた。規制当局は銀行に対し、どの融資は行えて、どの融資は行えないかということまで指示し始めた。消費者金融保護局(CFPB)は自動車ローンの金利設定に人種差別がないかを調べるために、統計的な怪しげな方法を考案した。年次の銀行ストレステスト(健全性審査)は、数百億ドルの費用がかかり、ワシントンのコンサルタント数千人が参加する官僚的なスーパーボウルになった。

「ウォール街占拠 」はわずか6年前

 経済の再スタートが目的だとしたら、銀行を金融危機後のまひ状態から解放することには少なくとも象徴的な価値がある。それはトランプ大統領の「商魂を解き放つ」という主要政策目標とも合致している。

 しかし、政治はそこまできっぱりと割り切れるものではない。新しい政策では、数百万人の国民が自宅を失っていた時に、銀行を直接救済するために使った7000億ドルのことがほぼ忘れられている。「ウォール街を占拠せよ」運動が定着し、ニューヨークのパークアベニューをデモ隊が行進したのはわずか6年前のことだ。あの怒りがその後のバーニー・サンダース上院議員の民主党予備選挙での大健闘を後押しし、いろいろな意味でトランプ大統領の誕生にもつながった。

 2018年の中間選挙前にフェイスブックに投稿される動画広告がすでに目に浮かぶようだ。それは政府に対する銀行の影響力に不信感を抱き続ける有権者に向けた扇情的なメッセージになるだろう。

 トランプ氏の支持者たちは、移民問題では安全のために自由を犠牲にすることを受け入れている。今回の問題でもさまざまな政治的要因や感情が交錯している。彼らはウォール街の解放のためにどれくらいの安全を犠牲にしてもいいと考えているのだろうか。

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2日、宗教団体の朝食会に出席したトランプ大統領 PHOTO: WIN MCNAMEE/BLOOMBERG NEWS
By IAN LOVETT, JACOB GERSHMAN AND LOUISE RADNOFSKY
2017 年 2 月 3 日 10:21 JST

 ドナルド・トランプ米政権が、宗教的信条に基づいた個人、組織、雇用者の法的保護の範囲を大幅に拡大する大統領令の草案をまとめたことが分かった。これにより、信仰を理由に性的少数者(LGBT)への福祉が除外されたり、雇用者が従業員の避妊への医療保険適用を拒否したりすることが容認される可能性がある。草案は政権内で回覧されている。

 「信仰の自由を尊重する政府全体のイニシアチブの確立」と題した同草案のコピーをウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した。ただ草案は、トランプ氏の署名を得ておらず、同氏の手元に届けられない可能性もある。ホワイトハウスの広報担当者は2日電子メールで、「現時点ではそうした大統領令を出す計画はない」と述べた。

 トランプ氏は大統領選中、キリスト教右派の有権者を取り込むため、公共の場での信仰の役割を拡大すると公約していた。同氏は2日宗教団体の朝食会で演説し、教会が政治に関与するのを制約する1954年税制改正修正条項(ジョンソン修正条項)を撤廃する方針を表明した。

 同条項により、教会が政治に関与した場合には、免税資格を剥奪される恐れがある。トランプ氏は演説で「ジョンソン修正条項を全面廃止し、我々の信仰の代表者が罰せられる恐れを抱かずに自由に発言できるようにする」と宣言した。

 トランプ氏がこうした大統領令に署名した場合、信仰の自由や、同性愛者の権利、妊娠中絶の権利をめぐる対立が一段と激しくなりそうだ。最近では、トランスジェンダー(心身の性別不一致を感じる人)が男女のどちらの公衆トイレを使用すべきかで論争が巻き起こっている。草案は、1日にリベラル系雑誌「ネーション」に掲載された。

 同性愛者やトランスジェンダーの権利擁護団体は草案について、信仰を理由にして事実上LGBTに対する既存の多くの保護を骨抜きにできる「差別に対する認可証になる」と、直ちに反対する姿勢を示した。

 LGBTの権利擁護を唱えるヒューマン・ライツ・キャンペーンの政府問題部長であるデービッド・ステーシー氏は、「草案の一部でも大統領令として発効されれば、LGBTの平等と権利をかつてないほど後退させる」と訴え、「宗教団体は、信仰に反すると主張して、いかなる法規も守る必要がなくなってしまう」と強い懸念を示す。

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大統領令に署名するトランプ大統領
大統領令に署名するトランプ大統領 PHOTO: ANDREW HARRER/PRESS POOL
By GREG IP
2017 年 2 月 3 日 10:40 JST

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

***

 成長を妨げる規制を大々的に攻撃しているドナルド・トランプ米大統領は今週、各省庁が新たに規制を導入する場合、既存の2つの規制を撤廃するよう命じる大統領令に署名した。

 トランプ氏も気づくだろうが、ワシントンでは何かを実現するより難しいことが一つだけある。それは何かを取り消すことだ。

 各種規制は議会の命令や大統領の要請によって制定されているため、その多くには手をつけにくい。撤廃できそうな規制を見つけるのは面倒で時間もかかる作業だが、撤廃によって省けるのは書類作業など微々たるものだ。突き詰めれば、大気浄化からテロ防止を目的とした規制が承認されるのは、有権者や歴代政権が無視できなかった恩恵があるからだ。

 規制という巨大な怪物に立ち向かった最初の大統領はジミー・カーター氏だった。以来、すべての大統領が「規制の退治」を試みている。ジョージ・W・ブッシュ氏は撤廃すべき規制について国民から意見を募った。バラク・オバマ前大統領は、コストに見合わなくなった古い規制を撤廃するよう連邦機関に義務づける大統領令を2件発令した。

 いずれも、容赦なく負担が増え続ける規制の波を食い止めることはできなかった。

 おそらくトランプ氏はこれまでとは違うのだろうが、歴史を振り返ると懐疑的になる理由が浮上する。

 ペンシルベニア大学の規制専門家キャリー・コリニーシー氏によると、オバマ氏の大統領令を受けた見直し案件50件を抽出したところ、書類の電子化などにより行政コストが減って節約に至ったのは76%だった。そうしたコストは、汚染軽減装置や車いす用スロープの設置といった法令遵守のコストや事業機会逸失コストに比べると微少だ。

 同氏によると、規制の対象自体が存在しなくなったためにコストがかからなくなり、「もはや誰も気にしなくなった」規制が撤廃されるケースが多い。

 カナダと英国には、トランプ氏による「一つ導入したら二つ撤廃」の命令と似た制度があるが、大きな成果はなさそうだ。

 トランプ氏の命令は、新しく導入される規制のコストを既存規制の撤廃によって各年で完全に相殺することを求めている。しかし、そうしたコストの算出方法はまだ特定していない。多くの規制についてはそもそもコスト試算が存在せず、存在したとしても規制が承認されてから更新されていない。

 企業が規則遵守のために使うコスト(自動車の燃費改善など)の多くは、回収不可能ないわゆるサンク・コストだ。ブッシュ政権で規制担当の当局者だったワシントン大学規制研究センターのスーザン・ダドリー氏は「規制対象となる当事者が変化に抵抗するケースさえ考えられる」と述べた。例えばエアバッグを義務づける規制を撤廃しても、自動車メーカーは搭載をやめないだろうという。

 トランプ氏の大統領令は、古くて費用のかかる規制を各機関が探す大きなきっかけになるかもしれない。もし撤廃する規制が見つからなければ、新たな規制を制定できないかもしれないからだ。そうであっても、法律や裁判所は規則の制定を求めることができる。トランプ氏はクリーン電力計画を撤廃したがっているが、最高裁判所の07年の判断に直面することになるだろう。最高裁は、環境保護局(EPA)には大気浄化法に基づき二酸化炭素排出を規制権限があるとの判断を下している。

規則の費用対効果

 規制環境を改善するには、アピールには欠けるが、より効果的な方法がある。コストとメリット両方を測定する共通の方法を決めておくのだ。議会と連邦機関の両方に、法律と主な新規制の費用対効果について独立した分析を受けることや、数年後に結果を評価することを義務づけるのだ。

 だが規制の負担は、議会と大統領の優先政策がそれを必要とする限り増大し続ける公算が大きい。01年9月11日の同時多発テロ事件後、ブッシュ氏は対テロ対策のため新たなスタッフ数千人を抱える新しい省を創設した。オバマ氏の医療保険改革や金融規制法では、各機関がコストやメリットなど構わず数千の規則を定めた。

 トランプ氏も無縁ではないかもしれない。同氏はテロリストが入国しかねないとの懸念から、イスラム教徒が多い7カ国の市民の入国を一時禁止した。また、難民受け入れプログラムを4カ月停止し、17年度に受け入れる難民の数を5万人に減らした。費用対効果のテストではどんな成績をあげるだろうか。

 自由主義のシンクタンク、ケイトー研究所の移民専門家アレックス・ナウラステ氏の試算によると、テロリストになった難民に一般国民が殺害される可能性は36億分の1だ。これは新たな規則によるメリットが小さいことを意味する。

 このことが証明しているように、大統領の優先政策が絡んでくるときには、規制のコストはほとんど妨げにならない。

トランプ新大統領特集

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トランプ氏の規制緩和、課題多く効果は限定的か
製薬業界、安心するのはまだ早い 不透明な薬価の先行き
トランプ氏の政策と利上げ、割れる投資家の見方
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjuwZyko_jRAhWDyLwKHV42AC4QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12107231265257393585504582596601347345304&usg=AFQjCNG5LQAHdCJYNallB_ZvJj_B1Rpm-g
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/801.html

[政治・選挙・NHK220] (緊迫・南シナ海) 稲田防衛相「自衛隊参加せず」 米軍の航行自由作戦 「祖国へ帰れ」「ゴキブリ」「町から出て行け」 ヘイ
 
2017.2.5 10:58
【緊迫・南シナ海】
稲田防衛相「自衛隊参加せず」 米軍の航行自由作戦
 

稲田防衛相=4日、防衛省
稲田防衛相=4日、防衛省
 稲田朋美防衛相は5日のNHK番組で、中国が軍事拠点化を進める南シナ海に米国が軍艦を派遣する「航行の自由」作戦について、海上自衛隊は参加しないとの考えを改めて強調した。「自衛隊がすぐに出て行くということではない」と述べた。4日の日米防衛相会談で、航行の自由作戦を支持すると表明していた。

 南シナ海問題に関し、日本の貢献策として、東南アジア各国との防衛協力の強化や海上警備能力構築支援などを挙げて「いろいろな意味で協力し、役割を拡大していく」と語った。

 トランプ米大統領は過激派組織「イスラム国」(IS)を壊滅させるため、他国との合同軍事作戦を実施するとの意向を示している。稲田氏は、自衛隊が合同軍事作戦に参加する可能性について重ねて否定した。
http://www.sankei.com/politics/news/170205/plt1702050012-n1.html

 


「祖国へ帰れ」「ゴキブリ」「町から出て行け」 ヘイトスピーチ具体例を法務省が提示


街宣を行おうとする右派系団体と、それに抗議する反対派のメンバーたち(2016年9月11日撮影)
 法務省がヘイトスピーチ対策法の基本的な解釈をまとめ、同法で許されないとした「不当な差別的言動」の具体例を、要望があった23都道府県の約70自治体に提示したことが4日、同省への取材で分かった。「祖国へ帰れ」などのキーワードを例示。具体例では「○○人は殺せ」といった脅迫的言動や、ゴキブリなどの昆虫や動物に例える著しい侮辱、「町から出て行け」などの排除をあおる文言が当てはまるとした。
http://www.sankei.com/affairs/news/170205/afr1702050011-n1.html
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/254.html

[国際17] ユーロ安「ドイツが操作」米EU大使有力候のマロック氏がテレビ番組で明言 独テロリスト、ハイテクで特定ベルリン襲撃事件教訓



2017.2.4 20:36

ユーロ安「ドイツが操作」米EU大使有力候補のマロック氏がテレビ番組で明言

 トランプ米政権の欧州連合(EU)大使の有力候補となっているテッド・マロック氏は3日、通貨ユーロ安について、ドイツが為替相場を操作しているとの認識を示した。米テレビ番組で語った。

 米政権幹部も1月、ユーロが「過小評価されている」としてドイツを批判。米国が貿易赤字を抱えるドイツへの“口撃”を繰り返している。

 マロック氏は「ドイツからの輸入品が安くなり、米市場ですらドイツ製品があふれることになる」と話した。為替操作の具体的な根拠は示さなかった。

 またEUについては「非常に複雑で、かなり肥大化している」と指摘。個人的意見として、英国のように他国もEU離脱を問う国民投票を実施すべきだと強調した。(共同)
http://www.sankei.com/economy/news/170204/ecn1702040031-n1.html

 


 

ドイツの潜在的テロリスト、ハイテクで特定へ
昨年末のベルリン襲撃事件から教訓

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RX748_2Wiwz_M_20170202074730.jpg?width=860&height=573

フランクフルトのグリースハイム地区でモスクを捜索する警官。イスラム国への勧誘を行い、テロを計画していたとして1日、チュニジア人の男が逮捕された PHOTO: BORIS ROESSLER/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By RUTH BENDER
2017 年 2 月 3 日 11:34 JST 更新

 【ベルリン】ドイツの警察当局は2日、当局にすでに知られている過激思想の持ち主がテロ攻撃を行う可能性を予測する新しい分析ツールの概要を公表した。このツールを活用することで、捜査官がテロ攻撃を正確に予測できるようにしたいと希望している。

 こうしたツールを導入するのは、昨年末にベルリンのクリスマスマーケットで発生したトラックによるテロを未然に阻止できなかったとして、ドイツの治安当局が批判されていることを受けたものだ。警察と情報当局は数カ月間にわたってこの容疑者を追跡していたにもかかわらず、事件を阻止できなかった。

 治安当局はチュニジア人のアニス・アムリ容疑者(24)に暴力と犯罪の履歴があり、過激思想の持ち主であること、ベルリンで攻撃を行うと繰り返し話していたことも知っていた。しかし当局は同容疑者が実際にはテロを実行しないだろうと考え、監視を最終的にやめてしまった。その数週間後、同容疑者は買い物客らでにぎわうベルリンのクリスマス市にトラックで突っ込み、12人を死亡させた。

 米連邦捜査局(FBI)に相当するドイツ連邦刑事局(BKA)は2日、「レーダーiTE」という分析ツールを稼働し始めたと発表した。これは疑わしい過激なイスラム原理主義者の急増への対応で手一杯になっている警察当局を支援して、最も危険な個人を選び出し、緊密な監視が行えるようにするツールだという。

 BKA当局者によれば、新たなツールは、潜在的に危険な過激主義者を評価する際、これまでよりもシステマティックで客観的なアプローチを確実に行えるようにするものだ。これを活用して、ドイツの16州がいわゆる「危険人物(テロを実施する可能性があるが、犯罪歴のない者)」に対する対応策を調整していくという。

 BKAのホルガー・ミュンヒ長官は「武闘ジハード(聖戦)に参加しようとする人々が、危機に陥っている中東の国々だけでなくドイツ国内でも増えている」と述べ、「既知の戦闘的サラフィスト(イスラム復古主義者)たちを初めてドイツ全体で統一的に評価できるようになるだろう」と語った。

 当局に批判的な人々は、アムリ容疑者のテロを阻止できなかったのは、ドイツの連邦制度も一因だと述べている。連邦制の結果、多数の情報・警察機関の間で意思疎通が阻まれたという批判だ。容疑者の評価と追跡にあたっては、個々の州が広範な裁量権を持っている。

 「レーダーiTE」に関する詳細がすべて公表されたわけではないが、当局者によるとこの分析ツールはいわば「コンピューター化された質問リスト」であり、犯罪歴、武器へのアクセス、そして社会情勢に対する容疑者の態度などを詳細にカバーしているという。

 捜査官は、監視の期間中または法的捜査の期間中に収集したデータを入力する。すると、対象者がテロ事件を犯す確率の予測が色分けされてはじき出される。赤は確率が「高い」、オレンジは「相当高い」、そして黄色は「中程度」だ。BKAによれば、ドイツ各地の警察当局は遅くとも7月までにこの分析ツールを使えるようになるはずだという。

 ドイツでは、テロリストになる可能性が高いとみなされる人々が急増しており、治安機関は彼らの追跡で張り詰めた状態になっている。BKAによれば、現在当局に知られているのは573人で、1カ月前に比べても20人増加している。このうち約半数が現在ドイツに住んでいると考えられているという。各種の犯罪で拘束されている者を除いて、現在24時間監視下に置かれている者は一握りにとどまっている。

 治安問題の専門家は、リスク評価を標準化するBKA当局の取り組みを歓迎したが、ドイツのつぎはぎ状の治安体制下では、危険人物がすり抜けられる抜け穴が依然として残ると警告している。

 ドイツ連邦刑事公務員連合(BDK)のアンドレ・シュルツ会長は「チェックリストが本当に疑わしい人々を分類する助けになるかわたしは懐疑的だ。実態は、それ以上に複雑なのだ」と語った。

 たとえ新しいツールが導入されたとしても、誰を「危険人物」にリストアップするか、彼らをどう処遇するかは依然として各州が下す。どれほど積極的に過激分子を選んで追跡するか、またそれが認可されるかも個々の州によってばらばらだ。例えばバイエルン州の捜査官は、人々の電話傍受が認められており、公式の捜査対象とされていない場合でもそれが可能だが、他の州は認められてないところもある。

 シュルツ氏は「情報が(州境をまたいで)交換されるたびに、新たなインターフェイス(接点、共通の問題)を生み出し、そうしたなかで情報が失われたり、責任が不明瞭になったりしている」と述べた。

 ベルリン(州と同格)とノルトライン・ウェストファーレン州は、アムリ容疑者が大半の時間を費やした2つの州だが、監視についてドイツでも最も厳しい法的な制約があり、法執行のアプローチも比較的緩やかだ。両州はまた、人口1人当たりの警察官の数が最も少ない部類に入っている。

関連記事

独保安当局、ベルリンテロ犯巡り7回協議も阻止できず
「隣人を愛せよ」を再考するドイツ国民 頻発するテロ受け
【社説】寛大なドイツ、現実の脅威との板挟みに
「イスラム国」特集
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwih4qrko_jRAhVDUbwKHZJsCTQQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11303642310634324165204582598243909539640&usg=AFQjCNHQICjHGtFFf98I8SnFUtrbqvPUVA

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/802.html

[経世済民118] 終わるハネムーン相場2月10日は「株・為替急落」のXデーとなるか 投資家警戒第2プラザ合意と超円高 長期金利3%突破で何
終わるハネムーン相場。2月10日は「株・為替急落」のXデーとなるか

長谷川雅一
2017年1月31日ニュース
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安倍総理と麻生財務大臣が2月10日に訪米しますが、そこでトランプ大統領にいったい何を言われるか?トランプ政権発足直後、浜田内閣官房参与は「またプラザ合意のようなことがあるかもしれない」と発言しました。状況から、実際に今回また、似たようなことになる可能性があると言えないでしょうか?「平成のプラザ合意」があるかもしれない、ということです。(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2017/1/30号より)
プロフィール:長谷川雅一(はせがわまさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。現在は、自動売買ソフトの開発、投資教室、メルマガの執筆など、多忙な日々を送っている。
「円高がいいね」と君が言ったから二月十日は離婚記念日?
先週後半のリスクオンは「ハネムーン相場」
先週の相場は、週初に「円高・株安」の動きになったのち、水曜日以降は、NYダウが「悲願」だった2万ドル突破を成し遂げたことなどが材料視されてリスクオンとなり、日経平均は19,500円付近まで、為替(米ドル/円)は115.37円付近まで上昇しました。
「長谷川は、トランプ新大統領で相場は混乱する。これからは『円高・株安』だ、と言ってたけど、何だよ、株も為替も上がってるじゃないか。ここは、やっぱり『買い』じゃないのか?」と思った方も、いらっしゃるかもしれません。
僕は、先週後半の上昇については、「一時的な上昇。いわばハネムーン相場だろう」と考えています。そして、この先の相場については先週と同様、「円高・株安」の傾向がしだいにハッキリしてくるだろう、という見方を変えていません。
いろいろな情報を頭に入れて整理してみるのですが、どう考えても、これから相場は「円高・株安」に動くとしか思えないのです。
【関連】投資家が警戒する「第2のプラザ合意」と超円高を日本が回避する方法=矢口新
僕は「強気」でも「弱気」でもないし「自信」もない
僕は、自分の予想について「100%当てるぞ」などという自信はありません。
年末に、僕は、「トランプ相場は終わらない。日経平均は22,000円を目指すだろう」と予想しましたが、先週号でそれを撤回し、「日経平均2万円は、もう無理」と予想を変更しました。
しかし、相手は相場です。もしかしたら、このあとも先週末に見られたような「リスクオン」の相場が続き、日経平均は軽く2万円を突破し、やがて22,000円程度まで上昇、となるかもしれません。
結果的に、「あららー。最初の予想を撤回しなければよかった!」ということになるかもしれないわけです。
僕が、年末に出した予想を撤回したことについては、「長谷川が強気から弱気に転換」などと捉えられたかもしれませんが、僕自身は、もともと「強気派」でも「弱気派」でもありません。強いて言えば「その場派」です。(笑)
マーケットを取り巻く状況は、どんどん変わります。僕はいつも、その場その場で、集められる限りの情報を集め、それに自分の経験と直感を加えて、「このあと相場はこうなるのでは?」と予想しているに過ぎません。
読者の皆様と同じような立場である僕に、特殊情報も何もありません。ですから、僕の情勢判断が間違っている可能性も大いにあります。どうか「参考程度」にお読みいただければ、と思っています。
今週は「ノートレード」がベスト
特に今週は、日銀の金融政策決定会合、米FOMC、米雇用統計など、イベントが目白押しです。そこに、トランプ氏の言動が加わるわけですから、相場がどちらに振れるか、その予想はきわめて困難です。
ですから、僕が「円高・株安」を予想しているからといって、「じゃあ、売ってみるか」というのは、どうかと思います。
トランプ就任後の現在、相場はひどく不安定です。僕は、「ここで積極的に売買するのは無理。トレードしないで様子を見るのがベストだ」と考えています。
このあと、もう一度、「相場は、なぜ円高・株安に動きやすいか?」という、その理由を述べてみたいと思いますが、以上のような前提のもと、お読みいただければと思います。
Next: 「有色人種国家」日本に牙をむくトランプ。平成のプラザ合意はあるか?

アメリカの予告
アメリカがTPPを破棄して、その代りに日本と「2国間の貿易協定」を結ぼうとしており、その場合「為替操作防止」について「極めて厳しい規定を入れる」と予告していることは、ご存知の通りです。
僕はこれが、日本にとって「大きな問題」になると考えています。トランプ新大統領は、なぜか「貿易赤字」に過敏に反応します。
自国の貿易収支を改善したければ、自らの「減税、インフラ整備、規制緩和」という政策を撤回して、ドルを安く誘導すれば簡単に実現できるのですが、それをやろうとはせず、「日本などが不公平な貿易をしているから貿易赤字になるのだ!」と他国の「せい」にするわけです。
また、同じ白人国家である「ドイツ」については、なぜか貿易赤字について、あまり文句を言いません。彼は、有色人種の国家に対して「牙をむく」のです。その意味でも日本は不利です。
「平成のプラザ合意」がある?
1985年(昭和60年)に「プラザ合意」というものがありました。1ドル=240円だったドル円は、約1年で150円まで円高となり、さらに1年後には120円と、「プラザ合意」前の2倍の円高水準になりました。
トランプ政権発足直後に、浜田内閣官房参与が、「また、プラザ合意のようなことがあるかもしれない」と発言しました。
状況から、実際に今回また、似たようなことになる可能性があると言えないでしょうか?「平成のプラザ合意」があるかもしれない、ということです。
「プラザ合意」のとき、「為替相場の安定化を図る」という名目で、日本は円高を受け入れることになりましたが、その実態はアメリカの利益追求でした。
今回は「為替操作防止」という名目で、アメリカから円高圧力がかかる可能性があります。
円高でも日経平均は大丈夫?
「最近は、多少円高が進んでも、日経平均は平気で上昇する。『円高=株安』という連動性は薄れた。もう大丈夫だ」という声が聞かれます。しかし、僕の考えは少し違います。
確かに、115円〜113円まで円高が進んでも、日経平均はあまり影響を受けませんでした。
僕は、「このレベルならまだ円安水準だから、日経平均への悪影響が少ないのだろう」と考えています。「円高だと言っても、110円台なら大丈夫」ということではないか、と。つまり、円高がもっと進めば、必ず影響は出てくると思うのです。
日本にとって大丈夫な為替水準は、アメリカにとっては不利です。113円〜115円は、日本にとっては大丈夫。すなわち、アメリカにとっては「不公平」な水準であると思われます。
Next: アメリカにとって「公平な為替水準」とは1ドル=何円なのか?

アメリカが目指すは1ドル=105円以下
では、アメリカにとっての「公平な為替水準」とは、いかほどか?僕は「105円以下だ」と考えています。
この水準(105円以下)まで円高が進むと、日本政府は決まって、「為替の急激な変動は好ましくない」などと、文句を言い始めます。円安がいくら急激に進んでも、文句ひとつ言わないのに。(笑)
日本政府が文句を言う1ドル=105円以下の水準は、逆にアメリカにとっては「ありがたい」水準です。
つまり、このあとアメリカが「目指す」為替(米ドル/円)の水準は、ズバリ105円以下だと思うのです。
今後もし、米ドル/円が110円を割り込んで、100円に接近する動きになったら?さすがに日経平均にも影響が及ぶでしょう。積極的に株を買うわけには、いかなくなります。
2月10日が「Xデー」になる?
2月10日に、安倍総理と麻生財務大臣が、トランプ大統領に呼び出されて訪米しますが、そこでいったい何を言われるか?生やさしい話にはならないと思いますが、あなたは、いかが思われますか?
もしも、アメリカがハッキリと、「今の日本の金融政策は、円安誘導だ。為替操作だ」と言って、金融政策の見直しを求めてきたら?
日本は、日銀の国債買い入れも、株式市場への介入も、マイナス金利などの低金利誘導政策も、今まで通りには、できなくなる可能性があります。
そうなったら、現在115円付近にある米ドル/円は、簡単に100円付近まで下落しかねません。さらに、たとえ100円近くまで円高が進んでも、文句も言えなくなる可能性があります。
文句も言えないまま、100円で止まらない円高になったら?それは、まさに「プラザ合意」の再来でしょう。
円高が進んだとき、「1ドル=100円だが、日経平均は22,000円だ」といった状況が、はたして「ありえる」でしょうか?さすがに、それは難しいと思います。
2月10日が「Xデー」にならなければいいのですが。
Next: 可能性は低いが――リスクオン相場が続くための条件とは?

リスクオンが続く可能性も
もしも、トランプ氏が、「日本は大切な同盟国だから、多少の円安はいいだろう。許そう」と言ってくれれば、上記のような心配はなくなります。
円安、株高が進行し、日本はニコニコです。しかし、それって「アメリカ・ファースト」でしょうか?それで、アメリカの「貿易赤字」が解消できるでしょうか?
答えは、いずれも「ノー」です。となれば、日本が円安を容認してもらえる可能性は小さそうです。
もちろん、僕の見方は「局所的」かもしれません。アメリカ企業の業績はおおむね堅調だし、雇用の状況もかつてないレベルにまでよくなっています。
こうした状況下で、アメリカ株も堅調、日本株もそれに追随、というシナリオを描けないわけではありませんし、トランプ大統領下の世界経済について、ポジティブな見方をしている人が少なくないことも知っています。
現に、先週も相場はリスクオンでした。このリスクオンが、まだしばらく続く可能性も、あると思っています。
混乱が落ち着くまでは「様子見」が無難
ただし僕は、「先週末からの活況相場は、本当のリスクオンではなく、一種の混乱だ」と解釈していますし、相場は最終的に「円高・株安」に落ち着くと思っています。
今後も、トランプ氏がアメリカの大統領である限り、政治経済の「混乱」が続くことは間違いなく、トランプ政権の「初期段階」では、とりわけ相場も不安定になりがちです。
その「不安定さ」には「一時的なリスクオン(株価やル円の上昇)」も含まれます。僕は、先週末からのリスクオンを「活況」だと解釈して「買う」のは危険だと考えています。
もしも今、あなたがノーポジション(持ち株なし)なら、この「混乱」が落ち着いて、市場の方向性がハッキリするまで、少し様子見をされてはいかがでしょうか。
【関連】トランプの「口先介入」でドル円急落、戻り売り目線で対応すべき局面に=今市太郎
【関連】なぜ個人FXトレーダーは「爆上げトランプ相場」に乗り遅れたのか?

http://www.mag2.com/p/money/32318 

 

投資家が警戒する「第2のプラザ合意」と超円高を日本が回避する方法

矢口新

2017年1月31日 ニュース

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今、巷で「第2のプラザ合意」の可能性が取り沙汰されている。しかし、日米貿易協定の中に、通貨安誘導に関する為替条項を盛り込んだところで、効果的な円高誘導は難しい。超円高は杞憂に終わるのではないか。もっとも、トランプ大統領に恐れをなして、財務省・日銀が大量の円買い介入を行うことがなければだが――(『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』矢口新)
プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。
※矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』好評配信中!ご興味を持たれた方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
超円高回避の条件、それは日本の「自国第一主義」に賭かっている
予想通りと想定外
米トランプ大統領は、1月20日の就任後1週間余りで、2桁に迫る大統領令に署名した。その内容は市場の予想通りでもあり、予想を裏切るものでもあった。
予想通りというのは、大統領選の期間を通じて主張してきたことと、概ね同じ線上の「常識外れの」政策であったこと。予想を裏切るというのは、トランプ大統領による主要閣僚の指名が概ね「常識的」であったことから、政策もまた常識的になるとの思惑が高まっていたからだ。
特筆すべきところは、オバマケア撤廃を含め、前政権が行ってきたことを、ことごとく否定したことだ。そして、これまでの主張通り、保護主義的な政策を前面に押し出してきた。
TPPからの正式離脱、入国審査の厳格化、中東・北アフリカのイスラム7カ国出身者に対する当面の米国入国制限、難民受け入れ停止、メキシコとの国境に「壁」を建設、などなどだ。
「通貨安誘導に対し極めて強い制限を導入」
また、海外展開を志向していた米製造業に国内回帰を促し、他国の企業に米国内での雇用につながる米国投資を要請した。一部の国からの輸入品には高関税を課するとも述べている。
26日には、共和党上下両院の集会で演説し、諸外国との今後の通商交渉には「通貨安誘導に対し極めて強い制限を導入していく」と表明した。米が離脱を決めたTPP参加国との貿易協定に対しても、1対1の2国間での協定を構築していくと強調した。
こうした協定の中に、通貨安誘導に関する為替条項を盛り込むとみられている。
27日には英メイ首相と会談し、「英国がEUを離脱すれば他国に干渉されずに、米英2国間で自由貿易協定を結べるようになる」と、英国の決断を支持した。
米自動車業界などは、「通貨安誘導の対策が不十分」として、TPPに反対してきた。日本に対しては、主に自動車分野の貿易不均衡を問題視しているが、2月10日で調整している日米首脳会談でも通商問題が議題になり、ドル円レートに言及する可能性がある。
為替介入などの通貨安誘導に対しては、関税引き上げなどの制裁措置がとれる仕組みの導入を検討しているとされる。また、米側が貿易赤字を抱える日本などからの輸入品には、20%の税金を掛けることを検討しているとされた。
1985年「プラザ合意」の背景
1985年9月22日、先進5カ国(G5)の蔵相、中央銀行総裁たちは、ニューヨークのプラザホテルに集まり、為替レートの安定化を決めた。これを、会合を持った場所にちなんで、プラザ合意と呼ぶ。ちなみに、当時の先進5カ国とは、日米英独仏だ。
とはいえ、為替レートの安定化とは名ばかりで、ドル高是正、言葉を換えれば、米ドルの通貨安政策に他の4カ国が従ったものだった。ここでは「国際協調主義」の名のもとに「米国第一主義」が貫かれた。
Next: 今回は日本に有利?1985年との違いと「第2のプラザ合意」の行方
なぜ1985年の「プラザ合意」で円高が進行したのか?
当時の米国はインフレ抑制のための高金利政策を採っており、ドル高も米国の都合だった。その結果、民間投資が抑制され、貿易、財政の双子の赤字が膨らんでいた。日本は自ら通貨安政策を採っていたわけではないが、360円から300円に、1985年当時は240円ほどと、通貨安のメリットを受け、貿易黒字も空前の規模に膨らんでいた。
日本の貿易黒字は実需の円買いを生み、円高トレンドの根っこをつくる。大きな流れとしては、日本は2011年まで貿易黒字を続け、根っこの円高トレンドも続いていた。大震災で燃料輸入が急増し、貿易赤字に転じたことと、急速な円安に向かったことは、偶然の一致ではない。つまり、1985年当時のドル円は、当局の一押しで、急速なドル安円高に向かう下地があったのだ。

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今回は日本に有利?「第2のプラザ合意」の行方
では、「第2のプラザ合意」はあるのか?
「米国第一主義」「2国間での貿易協定」に、多国間での合意はいらない。「国際協調主義」であろうが、「合意」があろうが、国連、IMF、BIS、EUなどの歴史が教えてくれるのは、日本などの政治小国の意見は無視されるということだ。
この時、「国際協調主義」では「理念が優先」されるので、小国は建前だけで押し切られる。
では、「2国間での貿易協定」ならばどうか?こちらでは、小国は本音で押し切られる恐れがある。しかし、本音の場合は、国際政治と違って、発言力だけで押し切られることはない。実利の重みが増すからだ。
その意味では、これまで、建前は「国際協調主義」だが、本音は当然の如く「米国第一主義」だった米国が、「国際協調主義」を捨てたことで、日本など政治小国はやりやすくなったのではないか?
米国がなぜ「国際協調主義」という建前を捨てたか?建前に巣くう「国際エリート官僚」たちが、米国政府を凌ぐ力を持ち始めたからかもしれない。現実に、彼らは欧州各国政府を凌ぐ力を持っている。
大統領令に見られる通り、トランプ大統領は手強い。議会も共和党なので、政策も前政権より運営しやすいと思われる。しかし、これまでよりも交渉相手がはっきりしており、また、本音で渡り合える可能性が高まった。
日本の政治家たちも、政治家としての能力を発揮する機会が増えたと言えるだろう。
Next: トランプの「米国第一主義」を恐れる必要がない本当の理由とは?

「自国第一主義」を過剰に恐れる必要はない
トランプ大統領が就任演説で最も強調したのが「米国第一主義」だ。そのことを、「ポピュリズム(大衆迎合主義)」と非難するのが、メディアの論調だ。同じように、EUを離脱し、今後の英国の政策は英国自身で決めるとしたブレグジットも「ポピュリズム」と非難された。
確かに、大統領令にみるトランプ大統領は協調性に欠け、自国のことばかり考えているように見受けられる。この面で、トランプ大統領を擁護するのは、米国民でもない限り、難しい。
とはいえ、民主主義の国では、どこの国でも政治家は国民によって選ばれる。そして、どの国の国民も、自国の政治家には「自国第一主義」でいて貰いたいと願っている。誰が、日本の政治家に「米国第一主義」や「中国第一主義」などを望むだろうか?
もっとも、「自国第一主義」の対義語は「他国第一主義」ではない。ここでの対義語は「国際協調主義」だ。また、「大衆迎合主義」の事実上の対義語は「エリート官僚主義」、あるいは「理念優先主義」だ。
名ばかりの「国際協調主義」こそ諸悪の根源
現在の世界で「エリート官僚主義」、あるいは「理念優先主義」が最も顕著なのが、EUだ。特にユーロ圏では、通貨金融政策を決めるのは、各国の中央銀行ではなくECBだ。また、ユーロ圏では、将来の国家統合の理念のもと、財政収支の健全化を強く求めている。
つまり、経済政策の2本柱である、通貨金融政策と財政政策の実権を、各国政府ではなく、EU政府が握っている。しかし、EU政府は各国の国民が直接選んだ政府ではない。国際機関を例に挙げれば、日本の一般国民が、国連事務総長やIMFの専務理事の選挙に関与できないのと同様だ。
「エリート官僚主義」や「理念優先主義」は、平時には機能するかも知れない。ところが、2007年に米国発で起きたサブプライムショックと呼ばれる住宅バブルの崩壊、その余波で起きた2008年のリーマンショックにより、各国の財政収支は急速に悪化した。ユーロ圏での財政赤字の許容幅はGDP比3%なので、ユーロ圏の諸国は、不況時に緊縮財政を強いられた。
不況時の緊縮財政は、景気をさらに悪化させる。ユーロ圏の諸国でも、各国の首長は自国民に選ばれているので、「自国第一主義」とばかり、緊縮財政には消極的だった。その結果、ドイツを除く主要国の首長はすべて解任され、その後の選挙で選ばれたEU政府に忠実な首長が、緊縮財政を受け入れた。
以下のグラフに見るように、イタリアの財政赤字はGDP比5%ほどで踏みとどまっている。

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ところが、アイルランドの財政赤字は2010年にGDP比32.1%にも拡大した。許容幅を10倍も上回ったのだ。アイルランドでも、首長の入れ替えはあったのだが、代わった首長も、EU主導の緊縮財政を受け入れなかったことが見て取れる。つまり、国際協調主義を捨て、自国第一主義を取った。アイルランドはユーロ政府の「エリート官僚主義」、あるいは欧州統合の「理念優先主義」を捨て、「大衆迎合主義」を選んだのだ。
その結果が2015年の実質GDP成長率が前年比26.3%増という、突出した高成長につながった。アイルランドの法人税率は世界各国から叩かれているが、それではイタリアのように緊縮財政に従って、超低成長であれば良かったのだろうか?

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GDP成長率というと、もう1つ大衆には実感が湧かないかも知れないが、失業率は極めて身近だ。イタリアの失業率は2012年に2桁台となり、2015年でも11.9%に留まっている。一方のアイルランドは、2012年に14.7%まで上昇したものの、2015年には9.4%にまで低下した。
ポピュリズムではなく「生活防衛の知恵」
こうして見ると、大衆が「自国第一主義」の政治家を支持することは、無知でも、騙されているわけでもなく、生活防衛のためには不可欠な知恵だと見なすこともできる。
ギリシャは2016年に基礎的財政収支がGDP比2%の黒字になったと発表した。一方、アイルランドは2017年中に黒字化するとしている。共に、財政健全化という点では優等生だが、ギリシャはユーロ政府主導の緊縮財政により達成し、アイルランドは自国優先の財政出動により達成した。どちらの政府が自国民にメリットがあるかは、失業率の数値を見れば明らかだ。

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ここでは、誰がユーロ圏の経済政策により恩恵を受けてきたかは触れないが、興味のある方は以下のマネーボイス記事をご覧頂きたい。
※イギリス国民を「EU離脱」に追い込んだ、欧州連合とECBの自業自得=矢口新
国際機関が行うこと、正しくは「国際エリート官僚」たちが行うことは、しばしば意味不明なのだ。
Next: 米国による極端な円高誘導は困難、あとは日本次第!

理念や建前が抑圧してきた「本音」の復権
例えば、1990年代に導入されたBIS規制は、グローバル・ビジネスを行う銀行の健全化が目的とされていた。ところが、当時はいくつもあった金融機関のトリプルAが消滅したどころか、優良とされていた銀行が多く破綻し、多くが吸収合併し、健全と目されるところがほぼなくなった。
見方によれば、BIS規制があったからこそ、ドイツ銀行でも(当時はトリプルAだったが)生き残れていると主張することは可能だ。仮に、BIS規制がなければ、日本にはもはやメガバンクなどなかったのだろうか?
とはいえ、基本的には世界経済が拡大してきた中で、健全な銀行がほとんどなくなったのは何故か?BIS規制こそが、銀行の健全化を阻害してきた可能性はないのか?
しかし、ここでの最も大きな問題は、BISの決定が民主主義的、あるいは市場経済的に株主などの監視のもとに行われているのかということだ。
「エリート官僚主義」や「理念優先主義」のもとで起きたのは、結局は、貧富格差の異常な拡大だ。今や富豪トップ8人が、地球の全人口の下位半数の資産を所有している。2007年以降は国家間の格差も拡大した。国際エリート官僚たちは、いったい誰のために尽くしてきたのか?
それでも、「エリート官僚主義」や「理念優先主義」のもとで地位を高めた人たちもいる。理念や建前は、しばしば実体や本音を覆い隠す。ここ数十年間で報われた人たちが、反トランプ大統領であり、反ブレグジットであるのは、これもまた自然なことなのだ。
米国による極端な円高誘導は困難、あとは日本次第!
円に関すれば、日本の貿易収支は再び黒字化したが、米国が保護主義政策を採ると、異常には偏らない。このことは、実需が円買いに大きく偏ることはないことを示唆している。また、米国金利の上昇傾向が動かないとすれば、日米金利差は拡大し、資本面での円売り需要が高まる。
つまり、日米の貿易協定の中に、通貨安誘導に関する為替条項を盛り込んだところで、効果的な円高誘導は難しい。超円高は杞憂に終わるのではないか。もっとも、トランプ大統領に恐れをなして、財務省・日銀が大量の円買い介入を行うことがなければだが。
日本の政治家、当局が「自国第一主義」を採ってくれれば、円安・日本株高は自然な流れかと思う。米株も、「米国第一主義」のもと、しばらくは上昇トレンドを維持できると見ている。
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「機関投資家の行動特性」を逆手にとって個人投資家が勝利する方法=栫井駿介
2017年2月2日ニュース
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株式市場を大きく動かしているのが機関投資家です。多くの個人投資家にとって機関投資家は未知の存在ですが、実際に売買を行っているのはあくまでひとりの人間です。その行動特性を知れば、個人投資家が機関投資家を上回ることは難しくありません。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)
プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。
個人投資家が勝つ秘訣は「正しい逆張り」と「バイ&ホールド」にあり
機関投資家は誰よりも「短期志向」
機関投資家とは、投資信託の運用会社や銀行・証券などの金融機関のことです。しかし、いまや東証で売買をしている投資家のうち6割以上は海外投資家であり、その大部分は顧客の運用委託を受けた、いわゆる「ファンド」です。
ファンドとは、年金基金や富裕層から集めたお金を運用する、日本で言うところの投資信託に該当します。重要なのは、ファンドの多くは「委託勘定」であり、自らのお金を投じている訳ではないと言うことです。
【関連】投資家が警戒する「第2のプラザ合意」と超円高を日本が回避する方法=矢口新
ファンドが利益をあげるためには、運用成績以上に「いかにお金を多く預かるか」がビジネスの鍵を握ります。預かり資産に対する比率で手数料が決まるからです。
運用受託者であるファンドは、委託者である顧客のプレッシャーを受け続けます。投資信託は1ヶ月単位で運用報告書の提出が求められ、パフォーマンスが悪ければ解約も増えてしまいますから、そうならないために目の前のパフォーマンスを上げることに集中します。
そのような特性を持つ機関投資家が「買うべき」なのは、足元でぐんぐん上昇している銘柄です。ものすごい勢いで上昇している銘柄を持っていなければ、委託者から「なぜ持っていないのか」とクレームを受けることもあるでしょう。このプレッシャーが、機関投資家が人気銘柄を買わざるを得ない状況を作り出しているのです。
人気銘柄を買う際は、多くの場合バリエーション(PERやPBR)はさほど気にされません。PERがいくら高くなっていようとも、目の前で株価が上昇している限り、あれこれと理由をつけてはその株を買うことが正当化されます。その行為が、人気銘柄の株価を必要以上に押し上げるのです。
バリエーションが高すぎる銘柄の多くは実態が伴わず、期待が剥がれれば脆くも崩れ去るものです。しかし、機関投資家にとってそれは大きな痛手にはなりません。なぜなら、彼らのパフォーマンス評価は「絶対評価」ではなく「相対評価」だからです。
「相対評価」とは、インデックス(TOPIXなど)をどれだけ上回っているかと言うものです。相場全体が上昇基調の時にインデックスを上回っていた方がいいのはもちろんですが、下落時にはインデックスよりマイナス幅が小さければ良しとされます。要するに、その評価基準は風見鶏でしかないのです。
そのため、相場の雲行きが怪しくなると、機関投資家はわれ先に逃げようとします。仮にその投資がマイナスであっても、逃げ遅れればパフォーマンスはインデックスの下落幅を下回ってしまうからです。こうして売りが売りを呼び、下落相場はいつも劇的な動きになるのです。
このように、機関投資家は誰よりも「短期志向」なのです。扱う金額も大きいため、彼らの動きが相場の振れ幅を大きくするのに一役買っています。
Next: 個人投資家としての優位性を最大限に活かした投資スタイルを構築
「逆張り」と「バイ&ホールド」が機関投資家に勝つ秘訣
上記のような機関投資家の特性を知っていれば、皆さまのような個人投資家が機関投資家に勝つのは難しくありません。
個人投資家の投資スタイルは自由です。自分の資金を使って売買を行うため、誰からのプレッシャーを受けることもありません。そのため、機関投資家から一歩引いたスタンスを取ることがパフォーマンスを上げることにつながります。
個人投資家全体を見れば、株価が下がったときに買い、上がった時に売る「逆張り」の傾向が見られます。これは機関投資家とは逆の動きです。当社が推奨しているバリュー株投資のスタイルにも比較的似ています。
個人投資家の強みは、機関投資家が売らなければならないような「不祥事銘柄」や「業績悪化銘柄」が安くなった時に買うことができる点です。多くの人から嫌われる銘柄も、誰の許可を取る必要もなく自分の責任において買うことができます。価値が伴っていれば、時間が経つに連れて適正な株価を取り戻し、結果的に大きなパフォーマンスを上げることができるでしょう。
個人投資家のなかには一日中画面に張り付いて取引を行うデイトレーダーもいますが、大部分は買ってから3〜5年以上持ち続ける「バイ&ホールド」のスタンスです。特に、昔からの富裕層にこそ、その傾向が見られます。彼らは気に入った株があれば目の前の動きにとらわれずいつまでも持ち続けるのです。
「逆張り」と「バイ&ホールド」は、バリュー株投資の考え方に合致するものです。短期的な成果を求められないからこそ、本当に価値のある株をより安い時に買い、あとは適正な価値に上昇するまで待つことができるのです。
一方で、短期的な成果を求めると、瞬間的には良いパフォーマンスが挙げられるかもしれませんが、株価が下がる局面では大きく資産を減らしてしまいます。このような人が参入しては敗れていくのが株式投資のイメージを悪くしていますが、うまくいっている投資家の実像は、彼らとは一線を画す長期投資家なのです。
腰を据えて先を見据えた投資を行う正統派個人投資家になり、長い目で見た時に機関投資家を上回ることを目指しましょう。
つばめ投資顧問は相場変動に左右されない「バリュー株投資」を提唱しています。バリュー株投資についてはこちらのページをご覧ください。記事に関する質問も受け付けています。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。
【関連】終わるハネムーン相場。2月10日は「株・為替急落」のXデーとなるか?=長谷川雅一
【関連】バリュー投資の視点で選ぶ「2017年注目セクター」と厳選銘柄3つ=栫井駿介
【関連】さらば発泡酒! 酒税改正に揺れるビール業界、生き残りの条件とは=栫井駿介
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アメリカ長期金利の臨界点「3%ライン」突破で何が起こるか?=田口美一
2017年1月29日ニュース
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ヨーロッパの諸問題(難民・失業率・テロ・選挙など)、米国経済の行方と金利動向、日本の上がらない金利について、金融アナリストで前クレディ・スイス証券副会長の田口美一氏が分析します。(『グローバルマネー・ジャーナル』田口美一)
※本記事は、最新の金融情報・データを大前研一氏をはじめとするプロフェッショナル講師陣の解説とともにお届けする無料メルマガ『グローバルマネー・ジャーナル』2017年1月25日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に定期購読をどうぞ。
※1月15日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております
プロフィール:田口美一(たぐちよしいち)
金融経済アナリスト、前クレディ・スイス証券副会長、ビジネス・ブレークスルー大学 資産形成力養成講座講師。専門分野は金融経済全般、資産運用、年金問題など。
金融アナリストで前クレディ・スイス証券副会長の田口美一氏が分析
【欧州】ヨーロッパの問題は永久に終わらない
ヨーロッパの問題は難民問題であり、宗教問題であり、ドイツの歴史的認識が重要です。さらにEUという通貨のみ共通にしている国々が持っている歪みが、一度に出てきているのです。これには終わりがありません。私の知っている金融関係者らは100年は終わらないと言っています。
【関連】トランプ氏の攻撃ツイートは「幼稚園レベルの認識」に基づいている=大前研一
ジハードは死ぬことによって救われるなどとなれば、永久に終わらないのです。ヨーロッパの宗教戦争がそんなに短く終わったことはこれまでないと言うのです。しかもそのドイツがEUのサポート役なのです。ドイツは立場上「難民」も「EU」もサポートせざるを得ないわけで、非常に厄介だといえます。
ヨーロッパの失業率を見ると、各国驚くほど高くなっています。そうした国々はドイツに言われて財政緊縮をしています。マーストリヒト条約でGDP3%以内に赤字を調整するようにとの約束でEUに入っているため、年金を減らしたり、公務員をカットしたりしているわけです。

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失業率を具体的に見ると、ギリシャは23%、スペインは下がったものの19%、フランスも10%近くとなっています。今回選挙をするオランダは5.6%と下がってきています。ドイツは4.1%、アメリカは下がったとはいえ、まだ4.6%です。一方、日本は3.1%と、この中では最高のパフォーマンスです。
ヨーロッパは失業が多いうえに、しかも失業者が若者です。さらにそこに難民が増え、かつテロが起きているという状況です。こうした中、今年はヨーロッパで選挙が相次ぎます。3月にオランダ、4月にフランス、そして9月にドイツです。これらの選挙では、今は勝たないと言われているところが全部勝つことになってもおかしくないと思います。
オランダでは自由党がキャスティングボートをとっていて、連立を組んだときに強くなる可能性があります。フランスではル・ペンの国民戦線が1回目の選挙では勝つと言われています。2回目では50%取れないと言われていますが、結果どうなるかは分かりません。その後ヨーロッパで二度サミットが行われ、9月のドイツ議会選挙です。今はメルケル氏が圧倒的にサポートされていますが、どうなることでしょうか。
Next: 【米国】目先の良い所は織り込み済み。「10年債利回り3%」で何が起こるか?

【米国】「10年債利回り3%」で何が起こるか?
アメリカは確かに良い状況ですが、目先の良いところはマーケットに既に織り込まれてしまっています。金利が3%になったり、為替政策でドル安を仕掛けられたりといった恐ろしいお化けがアメリカにはまだ残っているのです。一方、ヨーロッパはまだ恐ろしい状況が出まくっていて、終わる見通しが立ちません。どちらも相当きつい状況だと言えます。
アメリカではFRBが自信たっぷりです。去年は中国が心配、BREXITが心配などと言いながらなかなか利上げをせず、満を持して12月に利上げを行いました。とは言え、まだ1%にも達していないところです。2017年には3回利上げすると言っていますが、去年の今頃も同じようなことを言っていました。私は3回は無理だと思っています。

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あと1回利上げを行い、10年債が3%に乗ってきたら、まず自動車売れ行きの伸びが落ちます。原油も上がっているので自動車販売はまず落ちてくるでしょう。さらに、金利が3%に乗せるとモーゲージレートが上がるので、住宅も落ちてきます。
そして、トランプの言っていたことで少しでも気になるところ、例えば雇用がそれほど増えるのか、為替のドル高は続くのか、むしろドル高が続けば輸出メーカーに悪影響ではないかなどといった話が出てくれば、失速のリスクは大いにあると思っています。米国国債が3%を超えるようだと、さすがに黄信号から赤信号という段階だと思います。
Next: 【日本】日銀券残高推移に注意。上がらない金利は何を意味するのか?

【日本】上がらない金利は何を意味するのか?
今後注目すべき数字として、日銀券残高推移を見ておきましょう。私はバブルの時この数字を見ていました。この数字が勢いを増したら、お金がどんどん世の中に出ていることになります。現在102兆円まで伸びていますが、これが120、140と出ていけばすごいことだと言えます。ただし、それは貸し出しなど何らかの行動に変化が起きないと出てこない数字です。増加ペースは毎年1兆円から4兆円にアップしていますが、全く大したことはありません。
金利は今後もどんどん上がるということはないと思います。今はほとんどゼロであり、マイナス金利は私自身も買いたくありませんし、大手銀行なども買わないと言っています。マイナスの投資をすることはありません。ただ、借りるのであれば、今の限りなく低い所で借りておくのが正解です。企業も金利を固定したいので、必要もないのに借りまくっています。

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しかし、そうすればするほど先取りをすることになり、来年再来年の需要を先食いしてしまいます。それにより、来年再来年の需要が減り、金利はむしろさらに上がりづらくなるのです。需要が先取りされれば、先の需要を食ってしまうので、先々需要がなくなることになり、価格が下がるのと同じです。
国債はこれまで、私のこれまでの人生と重なる時期、グラフでわかるようにベストフォーマンスを見せてきました。これについては今の段階では10年国債で0.5%より上は考えづらい状況です。0.5%より上がってくれば、生命保険会社をはじめ、買いたい投資家がたくさん出てくるでしょう。ただ間違ってこの金利が上がってくるようだと本当に気をつけなければいけません。住宅ローン等は固定物で借り、もし変動にしている場合はなるべく借り換えた方がよいでしょう。
【関連】「日本第一主義」時代の幕開け。なぜグローバリズムは死んだのか?=児島康孝
【関連】スティグリッツ教授も太鼓判!? 安心で平等な「預金封鎖社会」を実現する方法
【関連】スティグリッツ教授も太鼓判!? 安心で平等な「預金封鎖社会」を実現する方法

http://www.mag2.com/p/money/32018

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/697.html

[経世済民118] 言葉の壁はなくなるか? 声を一瞬で翻訳して伝えるウェアラブル音声翻訳デバイス「ili」発表 ギズモード・ジャパン 201
言葉の壁はなくなるか? 声を一瞬で翻訳して伝えるウェアラブル音声翻訳デバイス「ili」発表
ギズモード・ジャパン 2017年2月3日 18時04分 (2017年2月4日 18時50分 更新)

また一歩、海外が身近になりそうです。
国内テック企業のログバーが、発した声を他言語へと翻訳する小型の音声翻訳デバイス「ili(イリー)」を発表しました。特徴はポケットに入るサイズと、インターネット接続が不要という点。そして最速で0.2秒の高速翻訳。
これまでもスマホを利用した翻訳アプリなどがありましたが、iliはオフラインでも利用でき、しかも高速で翻訳可能。あらゆる場所で、スムーズに意思疎通ができるウェアラブル翻訳デバイスとなっています。どの程度スムーズなのか?といった点は、オフィシャルのプロモーション動画をどうぞ。

動画を見る

こちらは「英語→日本語」の翻訳ですが、その処理の速さと精度の高さを感じられますね。「日本語→英語」への翻訳例は、以下、ハワイでの実証実験動画でどうぞ。

動画を見る

iliが小型で高速に翻訳できるポイントとしては、高速のプロセッサとili独自の翻訳エンジン「ボイスストリーミングトランスレーションシステム」。そして、海外旅行というシーンに特化した翻訳という点にあります。商談や交渉、業界用語や長い文章などには不向きですが、海外旅行にフォーカスすることで、翻訳精度を上げているとのこと。
また、翻訳は双方向ではなく、一方向からのみ対応。
英語を話す人物と交互に1台のiliを操作して会話をすることはできません。言葉の壁は完全になくなるわけではなく、ある程度のヒヤリング能力は必要ということですね。しかし、でも、思ったことをそのまま言葉として発せられるというのは心強いシーンも多いはず。
少なくとも、海外旅行でこちらの意志が伝えられなくてもどかしい! といったことは少なくなることでしょう。
対応しているのは英語・日本語・中国語。今後は、韓国語・タイ語・スペイン語にも対応していく予定。iliはまず法人向け向けサービスとして「ili for Guest」を2017年6月から開始。料金は月額3,980円/ライセンスとなり、1ライセンスごとに1台貸与されます。また、海外旅行者に向けたiliのレンタルサービスなども今後始められるようです。
「ちょっとだけわかるけど、自分で正しく発音できない。伝える自信がない…」
今後iliが広まれば、こういった不安を取り除くことができるかもしれません。先日のGoogle翻訳アプリもそうですが、テクノロジーの発展により、言葉の壁はちょっとずつ低く、国々の距離はちょっとずつ近くなっているんですねぇ。

・今の言語を1万年後の未来人へ。現代のロゼッタストーンプロジェクト始動

image: ili
source: ili, YouTube(1, 2), PR Times
(小暮ひさのり)
■ あわせて読みたい・ガジェットを愛する者よ、銀座へ集え! そして「P.A.M.」による360°VR映像をソニービルで体感せよ
・PS VRでプレイする『バイオハザード7』の怖さ&楽しさの秘密を恐怖空間のプロが徹底解剖! 人は予感が恐ろしいのだ。
・8才から遊んで学べるロボット・プログラミングキット「KOOV」
・実験で間違えて致死量のカフェインが被験者に与えられる
・仕事しないなら休んでるほうが会社のため? アリのコロニーで実証か
元の記事を読む
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20170203/Gizmodo_201702_ili-wearable-tranlator.html?_p=2


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/708.html

[経世済民118] (悲報)政府が残業月100時間までを制度化か?ネット民「殺す気か!」と怒り爆発 2017/2/5(日)9:22 秒刊SU
【悲報】政府が残業月100時間までを制度化か?ネット民「殺す気か!」と怒り爆発
2017/2/5(日)9:22 秒刊SUNDAY

【悲報】政府が残業月100時間までを制度化か?ネット民「殺す気か!」と怒り爆発
秒刊SUNDAY


サービス残業による過労によって、様々な弊害がニュースで報道されています。過重労働の見直しについて、政府が残業時間についてついにメスを入れたようです。しかし、その残業時間があまりにも現実離れしてさらなる残業を加速させる事態になりかねないと反感の声が挙がっています。現在の労働基準法は、労働時間の上限を1日8時間、週40時間と定められています。
しかし、残業時間は厚生労働省の「時間外労働の限度に関する基準」によると、月45時間、年間360時間以内にしなければならないとされています。
更に、例外として年6ヶ月まで無制限で残業させることができるとされています。

政府はこの残業の例外規定の見直しを、年6ヶ月間は月最大100時間、2ヶ月平均で80時間とするような検討をしています。
しかし、この例外規定は過労死ラインに抵触していると野党は指摘しています。

例えば、1ヶ月100時間の残業を政府が認め、会社がこれを従業員に行使した場合、8時〜17時定時17時〜21時残業、隔週土曜日の休日に10時間出勤、日曜休みという生活を6ヶ月間続けなくてはなりません。
その後の6ヶ月は、労基法に従った月45時間の残業に移行する、といったような労働形態になるかもしれません。

−ネットの反応

・ 1日8時間月20日で160時間+残業100時間とか無いわ…。
・ 100時間で死なない()って言ってる人は多分100時間以上の残業したことないと見える。
・ 何時間までOKかじゃなくて残業10時間させるよりもう一人雇ったほうが安くなるような割り増し賃金体系を法制化すれば解決なんだけどね。
・ くだらねーいつまでやってんだ
・ 6ヶ月間は「月100時間」。6ヶ月間って一年の半分でしょ?これが「例外」って表現になるのは、明らかにおかしいだろう
・ 守ったところで持ち帰りが増えるだけなんだろうな
・ 正当な手当てをくれるなら、残業100hでも構わない。
・ 労働基準法もそうだけどもっと最低賃金引き上げて一律化しろよ。
・ 悪いのはサービス残業と見なし残業だから…
・ もっと小まめに監査入れて(提案)
・ 例外なく、残業を月40時間までにして、それを超えたら役員の指を詰めていけばいい。
・ 中身は別として、こういうのは定めて「お前ら、これ以上したらわかってるよな?」っていうのを解らせる。
・ 嬉しいストレスになって精神的に死なない気がするよ
・ 日本は過労死で死ぬ
・ どうせ経団連のいいなり。

掲載元
http://news.nicovideo.jp/watch/nw2623612?news_ref=top_latest

(秒刊サンデー:マギー)
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http://news.nicovideo.jp/watch/nw2628020
http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/709.html

[政治・選挙・NHK220] 異常な米追随見直しを 米軍駐留費負担増 看過できぬ 日米防衛相会談 駐留費負担増求めず 米国防長官「日本は他国の手本」
異常な米追随見直しを 米軍駐留費負担増 看過できぬ

対等・平等・友好の関係に 笠井議員が要求
衆院予算委
 

写真
(写真)質問する笠井亮議員=2日、衆院予算委
 「異常なアメリカ追随外交を根本から見直し、対等・平等・友好の日米関係に切り替えることが、いよいよ切実な課題だ」。日本共産党の笠井亮政策委員長は2日の衆院予算委員会で、国際的な人権・人道法に反しテロ根絶の取り組みに深刻な逆流をもたらしているトランプ米大統領による中東・アフリカ7カ国からの入国一時禁止命令を一切批判しない安倍晋三首相の姿勢をただすとともに、世界でも異常な日本の米軍駐留経費の負担を中止するよう求めました。

 首相は大統領令について一貫して「内政事項なのでコメントしない」と逃げています。これに対し笠井氏は、同大統領令が発令された直後の1月28日深夜、安倍首相が絶賛したことを指摘。「コメントしないというが、もうしているではないか」と矛盾を追及しました。

 笠井氏は「国際社会はテロ対策の名で、特定宗教や特定の国の市民を排除していることが問題だとしている」と指摘。各国首脳が相次いで懸念を示しているにもかかわらず、「『日米同盟第一』とトランプ政権を天まで持ち上げるのは日本の首相くらいだ」とただし、10日の日米首脳会談で大統領令のすみやかな撤回を求めるよう迫りました。

 「自国の利益を覇権主義的に押し付けるトランプ大統領の『米国第一主義』。日本への影響は看過できない」と強調した笠井氏。第2次安倍政権の発足以降、日本は総額9474億円もの米軍「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担)を支出しながらも、米国がさらなる負担増を要求する可能性を警告し、「『日米同盟』を絶対視し、世界でも異常に突出した駐留経費負担を続けるのではなく、要求はきっぱり拒否すべきだ」と述べました。

関連キーワード
安保・米軍基地
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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-02-03/2017020301_01_1.html

 


日米防衛相会談

駐留費負担増求めず 米国防長官「日本は他国の手本」

毎日新聞2017年2月5日 西部朝刊

アメリカ
オッショイ!九州
 稲田朋美防衛相は4日、防衛省でマティス米国防長官と1時間25分会談した。マティス氏は在日米軍駐留経費について会談では言及しなかったが、会談後の共同記者会見で「日本と米国のコスト分担の在り方は他国の手本になる」と述べ、日本に負担増を求めない考えを表明した。会談ではまた、東・南シナ海での中国の活動について「アジア太平洋地域の安全保障上の懸念」との認識を共有した。

 駐留経費負担については、トランプ大統領が選挙期間中に、日本側が全額負担しない場合の在日米軍撤退の可能性を示唆した経緯があり、懸念が広がっていた。マティス氏が日本側負担の水準は適切との認識を公に示したことで、日本側はこの問題は決着したものと受け止めている。

 会談で稲田氏は、米軍による南シナ海での「航行の自由」作戦に対する支持を表明。両氏は周辺国への能力構築支援や共同訓練を通じ、南シナ海への関与を強化することで一致した。

 マティス氏は会見で、南シナ海での中国の活動について「近隣諸国を脅かす行為。ルールに基づく紛争解決を揺るがしてはならない」と批判した。一方で、「現段階で軍事的な動きをすることはない」と述べ、外交努力が重要だと訴えた。

 北朝鮮の核・ミサイル開発に関しては「日米両国と地域の安定に対する重大な脅威」との認識を共有。稲田氏は日米韓3カ国で弾道ミサイル防衛能力を向上させる必要性を強調した。

 両氏は、地域の安定のため積極的に役割を果たす方針でも足並みをそろえた。マティス氏は会見で「軍の能力を強化しないといけない。差し迫った脅威があるからだ」と指摘。稲田氏は「同盟の抑止力・対処力を一層強化する」と語った。

 会談ではさらに、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の沖縄県・尖閣諸島への適用や、米国による「核の傘」を含む拡大抑止の維持も改めて確認した。沖縄の基地負担軽減で協力し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への移設が「唯一の解決策」とする方針でも一致した。【村尾哲、梅田啓祐】
http://mainichi.jp/articles/20170205/ddp/001/010/002000c

http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/276.html

[国際17] 米トランプ政権の訴え退ける 控訴裁、入国制限巡り  トランプ氏の大統領就任で米銃業界が苦境 駆け込み需要が減少
米トランプ政権の訴え退ける 控訴裁、入国制限巡り
2017/2/5 19:23
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 【ニューヨーク=平野麻理子】米司法省は4日、イスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令の一時差し止めを命じた西部ワシントン州シアトル連邦地裁の判断を不服として、即時取り消しを求めて高等裁判所にあたる連邦控訴裁判所に上訴した。ただ、控訴裁は5日朝までに米司法省の訴えを却下。入国禁止の大統領令の差し止め状態が続いている。

 控訴裁は審議のため、シアトル連邦地裁とトランプ政権に対し、6日午後までにさらなる資料の提出を求めた。

 問題となっているのは、トランプ氏が1月27日に署名した大統領令。テロ対策の観点から、イランやイラクなどイスラム圏7カ国からの入国を90日間禁じたほか、難民受け入れを120日間停止することなどを命じた。排外的な内容に対して、署名直後から内外から批判が巻き起こっていた。

 この大統領令の一時差し止めを命じたシアトル連邦地裁の決定を受け、暫定的に無効になっていた約6万人の入国査証(ビザ)が有効になり、7カ国の出身者は再び米国に入国できるようになった。米政府でビザや入国を担当する官庁は、地裁の判断が有効な限り入国を認める方針だ。

 トランプ大統領は4日、滞在先のフロリダ州パームビーチで、記者団に対し「国の安全のために勝利する」と語り、徹底抗戦の構えを見せた。「米国第一」をスローガンに就任以来大統領令を連発し、実行力をアピールしてきたトランプ政権にとって、今回の差し止め命令を巡る法廷闘争は大きな試練になりそうだ。

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シアトル連邦地裁、控訴裁判所、トランプ政権、ドナルド・トランプ、米国司法省

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http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H0L_V00C17A2000000/


 


トランプ氏の大統領就任で米銃業界が苦境 駆け込み需要が減少

7
19
2017年2月5日 17時20分
ざっくり言うと

トランプ大統領の就任を受けて、米銃業界が苦境に立たされているという
ヒラリー氏の勝利を見込んだ対策をしており、トランプ大統領の勝利で一転
厳しい銃規制の実施が遠のき、駆け込み需要が減ってしまったとのこと
米銃業界苦境、銃・弾薬の販売減 トランプ大統領誕生で一転

2017年2月5日 17時20分 CNN.co.jp

ラスベガス(CNNMoney) 米国民の銃所持の権利を支持するトランプ氏の大統領就任を受け、銃器や銃弾の販売が落ち込み、関連企業の株価も下落する傾向が顕著になってきた。

トランプ大統領の誕生で、より厳しい銃規制の実施が遠のいたと判断し、駆け込み購入が減ったことを反映しているとみられる。銃規制反対派の全米ライフル協会(NRA)は大統領選でトランプ氏を支持していた。

昨年11月の大統領選投票日以降、株式上場する銃器メーカー2社の「スターム・ルガー」と「アメリカン・アウトドア・ブランド(旧社名スミス&ウエッソン)」の株価は20%以上も値を下げた。

また、大半の銃購入の際に実施された米連邦捜査局(FBI)による犯罪歴有無などの身元調査の件数は今年1月には前年同月比で20%減少。昨年12月は16%減だった。身元調査の件数はそのまま銃器販売の正確な数字に結び付かないが、大体の実情の把握には役立つものとなっている。

銃弾の販売も落ち込んでいる。近年の需要は極めて高く製造企業は生産が追い付かず、輸入にも頼っていた。昨年の輸入実績は過去最高水準を記録してもいた。しかし、関連企業は最近、昨年10〜12月期の第4四半期の販売は前四半期比で20%下落したと報告していた。

銃などの販売減少について、銃器メーカー「カラシニコフUSA」のブライアン・スキナー最高経営責任者(CEO)はCNNMoneyとの最近の取材で、大統領選では銃器関連業界の全体が民主党のクリントン元国務長官の勝利を見越した対応策を検討していたと説明。

同氏が当選後、厳しい銃規制を打ち出すものと想定し、その前に大きな駆け込み需要が生まれるとにらんで大量の注文をしていたと指摘。しかし、トランプ氏の勝利でこの目算が狂い、発注取り消しが相次いだと見ている。

同CEOはラスベガスで開かれた銃器関連業界の年次会議で、今後4年間の銃関連ビジネスは当初予想していた状況にはならない可能性があり、業者の一部が倒産などに追い込まれる可能性にも言及した。

オバマ前大統領は銃規制の重要性を訴えたこともあり、駆け込み需要をにらんだ業界の生産量は在任期間中に倍以上の水準を記録していた。FBIによる身元調査も昨年は2700万件以上に達し、前年の記録を更新する過去最高となっていた。

ニューヨーク州立大学の政治学専攻教授はトランプ大統領の出現と米国内での銃販売の減少の関連性に触れ、今後は停滞気味に推移するだろうと予測、メーカーや販売業者は大統領選で自ら願った結果の代価を支払わされているとも形容した。

米コネティカット州ニューヘブンに本拠を置く銃器メーカー「スタンダード・マニュファクチャリング」の経営者は銃器業界の今後の展望は劇的に変わったと強調。銃器業界はヒラリー氏勝利を予想し、全ての企業が生産を急いだ結果、大量生産に結び付く結果になったと述べた。

銃器メーカーでは最近、「ビスタ・アウトドア」と「シグ・ザウエル」の2社が銃弾製造に新たに進出することを発表。過去数年の銃弾需要の好調さを受けたもので、銃器生産で損失を被る事態を想定した経営判断となっている。銃弾の販売は急激に伸びない可能性を踏まえながらも、少なくとも使い切った場合、補充が必要な製品と位置付けている。

CNN.co.jp
外部サイト

マックに強盗、特殊部隊員11人が食事中と知らず フランス
3歳娘の無邪気な写真、「真相」が分かって母親愕然
銃推進派の女性、4歳の息子に撃たれて負傷 米フロリダ州
http://news.livedoor.com/article/detail/12634308/
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/812.html

[国際17] 「米国第一」の論理的帰結は「中間層の苦痛」 想定されるドル高…ドル安誘導の先のカオス  目先に踊る中間層、ほくそ笑む富裕
「米国第一」の論理的帰結は「中間層の苦痛」


想定されるドル高…そしてドル安誘導の先に待ち受けるカオス

トランプのアメリカ〜超大国はどこへ行く 2017年2月6日(月)

篠原 筺

トランプ大統領誕生を支えた中間層の熱狂は、やがて…(写真:ロイター/アフロ)
 米大統領選の勝利で戦前の予想を大きく裏切ったドナルド・トランプ氏だが、再び市場参加者やメディアの期待を裏切りつつある。

 大統領就任後、全米各地で相次ぐデモを見ても分かる通り、歴代大統領の出だしと比べても、トランプ政権の不人気は群を抜く。それでも、ダウ工業株30種平均の2万ドル超えが象徴するように、大統領選以降、株式市場は活況を呈してきた。トランプ大統領が主張する大規模減税や規制緩和、インフラ投資などビジネス重視の姿勢を市場が好感したことが大きい。

 また、ホワイトハウスの椅子に座れば現実に気づき、保護主義的な言動や移民抑制につながるような政策を自重するだろうという期待もあった。事実、大統領選の終盤から昨年12月にかけて、それまでの強硬な主張を軟化させたように見えた時期もあった。トランプ大統領は実利を重んじるビジネスパーソンであり、保護主義や移民抑制は選挙に勝つための方便――。そんな楽観的な見方も浮上したのもこの時期だ。

株価活況も「トランプはトランプ」

 ところが、トランプ大統領はどこまで行っても"トランプ"だったことが明らかになる。

 新設される国家通商会議のトップに対中強硬派のピーター・ナバロ米カリフォルニア大学教授が指名された時には緊張が走ったが、この時は国家通商会議がどこまで影響力を持つのか不透明なところも多く、保護貿易の懸念はあくまでも懸念だった。就任演説で「バイアメリカン・ハイヤーアメリカン」と明言した時も、支持者向けに強面を演じているだけだという解釈も聞こえた。就任直後から乱発している大統領令にしても、環太平洋経済連携協定(TPP)の永久離脱やオバマケア(医療保険制度改革法)の廃止、連邦政府職員の採用停止などは想定内で、手をつけやすいところに手をつけているだけだと見る向きもあった。

 だが、メキシコの壁建設に伴う大統領令や壁の費用負担を巡るメキシコ大統領との応酬、一部イスラム教国の市民に対する入国制限、さらにトランプ政権が導入を検討している専門職向けのビザ規制や性的少数者(LGBT)の権利を後退させかねない「信仰の自由」の拡大(娘夫婦が止めたと報じられている)など、1月後半からの動きを見ると、トランプ大統領が選挙公約の実現に並々ならぬ意思を持っていることが見て取れる。ここ数日でトランプ相場に対する期待が後退しているが、それもトランプ政権の真の姿を改めて認識したからだろう。

 「トランプ大統領が主張している経済政策は大きく分けて、大型減税とインフラ投資などの財政政策、規制緩和、保護主義、移民抑制の4つある。そのうち保護主義と移民抑制がなければと思っていたが、最悪のシナリオになりつつある。選挙用のリップサービスではなく、行動を伴うものだという認識が市場参加者に広がっている」。野村インターナショナルの雨宮愛知シニアエコノミストは語る。

 TPP離脱やNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉、自動車メーカーへのツイッター介入で支持者を納得させて現実路線に回帰していく。勝手にそう考えていたこちらが浅はかなだけだが、トランプ大統領は見事に期待を裏切っている。

 「この瞬間からこの国はアメリカファーストになる。貿易、税、移民、外交問題に関するあらゆる決断は米国の労働者や家族を利するために下される」

 トランプ大統領が就任演説で語ったように、トランプ大統領の最優先事項は米国第一主義の実現、とりわけ失われた雇用の復活にある。自動車メーカーに対する批判や国境税などトランプ氏の主張は、突き詰めれば、メキシコや中国に流出した雇用を取り戻すことが目的だ。

根本的に中間層や低所得者層を痛めつける

 もっとも、トランプ大統領の米国第一主義を改めて整理すると、トランプ大統領が守るべき白人労働者もまた、彼に裏切られる可能性が高い。トランプ大統領が掲げている、あるいは実際に進めようとしている政策は、根本的に米国の中間層や低所得者層を痛めつけると考えられるからだ。

 例えば、国境税を見てみよう。この政策の主たる狙いは、安価なメキシコ産の流入を防ぎ、米国内の供給を維持・拡大するところにある。

 トランプ大統領の主張している国境税が単純な関税を意味しているのか、下院共和党の税制改革案にある国境税調整なのかは現時点では定かではない。ただ、国境税調整だとしても、輸入仕入高の損金算入が認められないということを考えれば、輸入品に関税を課しているのと同じような効果がある。

 輸入品にかかる関税を引き上げればどうなるか。為替動向を予想することは不可能だが、普通に考えれば輸入品の急激な価格上昇を緩和するためにドル高が進むか、輸入品の価格が上昇して物価が上がり、結果としてドル高になるかのいずれかだろう。

 一般論として、ドル高になれば輸出競争力が低下するため米国の製造業にはマイナス。白人労働者の雇用を直撃することは十分に予想される。

 また、トランプ大統領は米国内の工場に対する投資を企業に要請している。だが、米国の失業率は直近で4.8%と完全雇用に近い。「米国に投資したとして、労働力が確保できるかどうか」とある日系部品メーカーの幹部が打ち明けるように、人手不足の中で米国回帰を促せば賃金インフレにつながる。

 それは労働者にとって悪い話ではないかもしれないが、労働力供給が増えない中で、言い換えれば需要が伸びない中での賃金インフレが良いインフレなのかは疑問が残る。賃金が上昇すれば、物価が上がりドル高方向に動く。企業の収益率が落ちれば、レイオフや自動化を加速させることになるだろう。どちらにしても雇用にはマイナスだと思われる。

移民抑制、大規模減税の「必然」

 イスラム教徒の入国制限を巡る大統領令やトランプ大統領の側近が考えているビザ発給の厳格化など、一連の移民抑制策も労働市場をタイト化させるため、同様の結果を招くと考えられる。

 「トランプ政権、移民制限の次なる爆弾」で書いたように、エンジニアなどに発給されるH-1Bビザの見直しが現在、議論の俎上にのぼっている。だが、H-1Bの見直しで米企業に送り込むインド人エンジニアの人数が減れば、アウトソーシング会社は米国で手がけている業務をインドなど別の国で対応できるようにするだろう。長期的に見れば、H-1Bビザの見直しはIT(情報技術)に関わる雇用の海外流出を加速させることになるのではないか。現状のITエンジニア不足を考えれば、AI(人工知能)をはじめとした自動化の活用が進むことも考えられる。

 付け加えれば、移民抑制は米国の消費やイノベーションに与える影響もさることながら、将来の労働力供給に悪影響を及ぼす。「長期的な経済成長に重要なのは、労働力や生産性など供給サイドの要因」と野村インターナショナルの雨宮シニアエコノミストは語る。生産性次第のところもあるが、移民抑制策の影響で労働力の伸びが落ちた場合、トランプ大統領が企図している減税や財政支出などの影響が剥落した後の経済成長に悪影響を与える。

 そして、投資家が期待している大規模減税やインフラ投資だ。税制改革案をどうデザインするかによるが、大規模減税によって財政赤字が膨らめば、国債発行でファイナンスするため金利に上昇圧力がかかる。結果的に海外からの資金流入を招くのでドル高要因だ。インフラ投資も民間資金を活用すると述べているが、財政赤字が膨らめば同じくドル高が進む。下院共和党は国境税調整の導入によって今後10年で1兆ドルの税収を見込んでいるが、この収入を壁の建設に充ててしまうと財政赤字がさらに膨らむ。規制緩和にしても、経済が活性化されると思えばドル高要因だろう。

 こうしてみると、トランプ大統領が進めようとしている政策はことごとくドル高政策に見える。

 そうなると、次の焦点はトランプ大統領がドル高を容認するのかという話になる。現状、トランプ大統領は日本の金融緩和を円安誘導と厳しく批判している。財務長官に指名されたムニューチン氏は「強いドルは国益」と従来のスタンスを踏襲しているが、「雇用創出」という政権の一丁目一番地を考えると、トランプ大統領がドル高を容認するかどうかは微妙だ。

 ドル高は米国経済の相対的な強さやFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ政策、新政権の政策によるところが大きい。30年前は主要国の間でプラザ合意が成立したが、トランプ大統領の一方的な主張に各国が理解を示す可能性は低いと思われる。

 もっとも、それでトランプ大統領が納得するとも思えないので、ハト派のFRB議長を任命して金融緩和に転換させるなり、外国債を購入するなり、何か手を打つのかもしれない。ただ、経済の摂理に背いたところで不均衡のエネルギーが蓄積していくだけ。日本やドイツに無理難題をふっかけたとしても、いずれ何かの反動が起きるだろう。そうなれば、米国も無傷では済まない。

目先に踊る中間層、ほくそ笑む富裕層

 ここまで述べてきた話は反対に、富裕層やウォール街にはプラス要因だ。大規模減税は既に資産を持っている人間のほうが恩恵が大きい。規制緩和でドッド=フランク法が緩和されれば、規制で身動きが取れなくなっていた金融機関も万々歳だろう。トランプ政権の為替政策でマーケットのボラティリティが高まれば、ディーラーがさやを抜く機会も増える。

 大富豪や元軍人、ゴールドマン・サックスのOBが多いトランプ政権は、「Gazillionaire(大富豪)」「General(将軍)」「Goldman Sachs(ゴールドマン)」の3G政権と揶揄されている。トランプ大統領自身は経済成長から取り残された中間層やプア・ホワイトを本気で救おうと考えているのかもしれないが、実際の方向は恐らく逆である。

 トランプ支持者も、この結末に気づいていると思うが、トランプ氏が勝利したのは経済的な不満もさることながら、移民の増加を背景にした社会的、宗教的な不満も大きかった。それを思えば、長期的に米国が衰退したとしても、移民をブロックできればそれでいいのかもしれない。その時のアメリカが、我々のイメージするアメリカなのかは分からないが。


このコラムについて

トランプのアメリカ〜超大国はどこへ行く
1月20日に第45代米大統領に就任したドナルド・トランプ氏。通商政策や安全保障政策など戦後、米国が進めてきた路線と大きく異なる主張をしているトランプ大統領に対する不安は根強い。トランプ氏は具体的に何を実施し、何を目指しているのか。新大統領が率いるアメリカがどこに向かうのか。それをひもといていこうというコラム。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/012700108/020300005


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/815.html

[不安と不健康18] 「野菜をたくさん食べる」べき本当の理由 野菜がヘルシーだというのは勘違い 「野菜一日350グラム」にたしかな根拠はない 
ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」
「野菜をたくさん食べる」べき本当の理由
2017/02/06
佐藤達夫 (食生活ジャーナリスト)
 健康に(少しは)気をつけているビジネスパーソンから「野菜が健康にいいことはわかっているんだけど、なかなか食べられないんですよね〜」という言葉をよく聞く。本当に野菜は健康にいいのか、今回は驚くべき事実をお伝えする。


iStock
野菜がヘルシーだというのは勘違い

 最初にお伝えしたいのは野菜の「栄養的価値」だ。テレビ等では食品として野菜が登場すると、出演者(タレント、アナウンサー、料理研究家、ときには栄養士や医師までも)が「野菜たっぷりなのでヘルシーですよ」などと発言することがきわめて多い。しかし、これは勘違いである。少なくとも「野菜を食べれば健康になれる」という証拠はない。

 それどころか、野菜ばっかりの食生活では「健康で長寿」は望めない。たとえば、アフリカや南アメリカや東南アジアには、ほぼ毎日、野菜と穀物だけを食べて暮らしている子供たち(子供だけに限らない)が大勢いる。その子たちは健康でもなければ長寿でもない。タンパク質(とりわけ動物性タンパク質)や適度な量の脂肪などが不可欠である。彼ら(彼女ら)にとってはタンパク質や脂肪こそがヘルシーな食材なのであり、野菜はヘルシーでも何でもない。

 ビジネスパーソンは「野菜を食べてさえいれば健康になれる」などと勘違いしないことが、まず肝要。動物性脂肪やタンパク質やアルコールや糖類を過剰に食べている現代人は、野菜不足のためにバランスが偏っていることが多いので、バランス上「野菜をたくさん食べましょう」というだけの話である。

「野菜一日350グラム」にたしかな根拠はない

 カタイ話になって恐縮だが、ビジネスパーソンの皆さんは、厚生労働省が「健康のためには一日350グラム以上の野菜を食べましょう」といっているのをご存じだろうか? 知っている人でも「350グラム」という数値がどこからきているかは、おそらく知らないだろう。それもそのはず、「野菜一日350グラム」にはたしかな根拠がないからだ。

 たとえば、一日に「野菜350グラム以上食べるグループ」と「350グラム未満のグループ」を作り、長期間その食生活を続けてもらう。そして5年後あるいは10年後に「350グラム以上食べていたグループ」の人が健康で、「350グラム未満」の人が不健康になった、という実験があれば、「野菜を一日350グラム以上食べれば健康になれる」といえることになる。しかし、そういう実験は、日本には(世界にも)1つもない。なので「野菜350グラムを食べれば健康になれる」という根拠はない。

「野菜ジュースを飲むこと」は
「野菜を食べること」と同じではない!

 ただし、「健康で長生きしている日本人」の食事内容を調べたら「一日に野菜を約300グラム以上食べていた」という調査はある。現在、日本人の野菜の摂取量は一日に平均290グラムくらいなので、「もう少し野菜を多く食べましょう。できれば350グラムくらい」という目標が設定されている。

 また(これはアメリカの調査だが)野菜と果物を合わせて400グラム以上食べた女性(看護師)のほうが、それ未満の野菜摂取量の女性よりも健康だった、という研究もある。アメリカは、栄養上、野菜と果物を分けては考えないが、日本では野菜と果物をかなり明確に分けてある。そのうえ、日本では果物の摂取量がかなり少ないため「野菜で350グラム以上を摂取」しないと、この「アメリカの研究結果」を生かすことができない。その点からも「健康のために野菜を一日350グラム以上食べよう」という目標が設定されてある。

 これらの研究からも推察できるように、健康のためには「野菜350グラムに含まれる栄養素」を体内にとり入れればいい、というわけではない。野菜(と果物)をたくさん(数値でいえば、日本人ならばだいたい350グラム以上)食べることが健康にいいらしい、ということがわかっているだけなのだ。

 「野菜350グラム分の栄養素を摂取すれば健康になれる」という科学的事実はない。つまり、野菜350グラム入りのジュースを飲めば健康になれるという保証はない。野菜ジュース(青汁も)を飲むことは野菜を食べることとは同じではないからだ。

野菜ジュースが逆効果を招く“落とし穴”

 「野菜をたくさん食べる」という行為(とりわけ食習慣)の中には(野菜の栄養素を摂取できるということ以外に)さまざまな要素が含まれる。野菜をたくさん食べる人は、たとえば(その分だけ)主食の食べすぎになっていないかもしれない。たとえば、脂肪やタンパク質の過剰摂取になっていないかもしれない。結果的に「栄養バランスがいい人」なのかもしれない。

 さらにいえば、このご時世に「野菜をたくさん食べている」という人は、食事以外でも健康に気をつけている人なのかもしれない。運動もしっかりやっている人なのかもしれない。それらの総合的な習慣が、その人を健康にしているという可能性もある。野菜の栄養素だけの影響ではないかもしれないのだ。

 この点を理解しないで「野菜ジュースさえ飲めば健康問題は解決する」と思ってはならない。ただし「野菜ジュースは健康的に何の役にも立たない」というわけではない。ふだん健康的な食生活を心がけている人が、たまたまその日は野菜不足になるからという理由で野菜ジュースを(補助的に)飲用する、ということであれば、きわめて有効な使い方(食べ方)になるであろう。

 しかし、多くの人は逆になる。どういうことかというと「野菜ジュースを飲んだから(飲んでいるから)野菜を食べなくてもいい」となる。さらには「健康を考えた食生活などしなくてもすむように、とりあえず野菜ジュースを飲んでおく」という人さえいる。これではまさしく逆効果で、野菜ジュースを飲むことが不健康を招くことになりかねない。

 忙しいビジネスパーソンこそが陥りやすい落とし穴なので、充分に気をつけたい。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8829
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/372.html

[国際17] 「スッキリしたい」言語麻薬がトランプを走らす 新旧米大統領のスピーチ聞き比べ 身もふたもなく言えば、ヒトラーそっく
日経ビジネスオンライン(Yが)キーパーソンに聞く

「スッキリしたい」言語麻薬がトランプを走らす
新旧米大統領のスピーチ聞き比べ(後編)

2017年2月6日(月)
山中 浩之
(前編から読む→「身もふたもなく言えば、ヒトラーそっくりです」)

(西新宿の喫茶店、入店してインタビュー開始から約2時間が経過。本文敬称略)

トランプ大統領の就任演説も、ヒトラーの施政も、金持ちにも貧乏人にもいい顔をして、落としどころがない話をしている。しかし、ヒトラーに関して言えば、なぜすぐに底が割れなかったのでしょう。

片山:歴史を振り返ると、頭のいいポピュリストは、次のごまかしを持ち出して、前の話を忘れさせるんです。例えば経済がごまかせなくなったら、次は外交。「やる時はやるぜ」という姿勢を見せると、1年かそこらは「やっぱり彼はすごい」と人気を保てる。そして「どうしようもなくなった」と言われる前に、退任していれば上々、というわけです。

ひどい(笑)。そういう、うまく逃げおおせたポピュリストには誰かいますでしょうか。


片山 杜秀(かたやま・もりひで)氏
音楽評論家、政治思想史研究者、慶應義塾大学法学部教授。1963年生まれ。近著は『近代天皇論 ──「神聖」か、「象徴」か』(集英社新書)、『大学入試問題で読み解く 「超」世界史・日本史』(文春新書)。著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』『クラシック迷宮図書館(正・続)』『線量計と機関銃』『現代政治と現代音楽』(以上アルテスパブリッシング)、『クラシックの核心:バッハからグールドまで』(河出書房新社)、『未完のファシズム』(新潮選書)、『近代日本の右翼思想』(講談社選書メチエ)、『ゴジラと日の丸』(文藝春秋)、『国の死に方』(新潮新書)ほか、共著書多数。朝日新聞、産経新聞、「レコード芸術」、「CDジャーナル」等で音楽評を執筆。2006年、京都大学人文科学研究所から人文科学研究協会賞を、2008年、『音盤考現学』『音盤博物誌』が第18回吉田秀和賞、第30回サントリー学芸賞をそれぞれ受賞。『未完のファシズム』が2012年度司馬遼太郎賞受賞
片山:たとえば毛沢東とか。彼は中国共産党の指導者として農民主体で共産主義革命を成功させ、資本主義擁護・ブルジョワ擁護の蒋介石を台湾に追い出して、中華人民共和国を作り出しました。ですが、肝腎の革命の主体である膨大な農民層を豊かにすることにはなかなか成功しなかった。それどころか非科学的な農法を推奨して餓死者を続出させたり、マイナスの政策も多かったでしょう。

 ところが農民はいつも毛沢東の味方なんですよ。毛沢東は国内に敵を作り出しては失敗の責任をそちらに押しつけて、農民を信じこませてしまう。国内で足りなければ中ソ対立を演出して対外危機も作り出す。「たいへんだ」と騒いで、「国民がひとつにまとまって頑張らなくては」とやっている間に何年もが過ぎた。万事そういう調子の毛沢東に任せていては中国は拙くなると、ついに引導を渡そうとした勢力を「人民の敵だ」として、純真な青少年を紅衛兵に仕立て、退治してしまいさえしましたね。それが文化大革命。

 失敗を逆に自らの権力強化に利用し、世界的アイドルになったわけです。日本でも「文化大革命は素晴らしい」という学者やジャーナリストが大勢いました。そんなこんなで最後まで偉いまま世を去りました。この人はやはり凄い。

「成長策が見えない」ことを認められない

ポピュリストは逃げれば勝ちでも、国民はたまったもんじゃありません。

片山:ただし、繰り返しになりますが、冷静に考えてみれば、大統領や首相が替わったからといって、新しい成長モデルが出てくるものではありません。しかも、経済のグローバル化が国家の経済に対する影響力をどんどん限定的にしている、つまり、「国家の経済的アクターとしての地位」は低下の一途を辿っているのが現代史ですから、さすがの米国大統領でも「グッドアイデアを実行すれば世の中がいきなり変わる」ということは、もう恐らくありえない。大統領がそういう約束をできると考えるほうがおかしい。

じゃあ、どんな約束ならできるんでしょう。

片山:「なかなかこれ以上は成長しない経済を受け入れて、苦しい思いもしてもらうけれど、最大多数がそれなりに人間らしく生きられるように工夫の限りを尽くし、社会主義的施策も辞さない」と言える政治家が、今の先進資本主義国には必要だし、それを支持できる「新しい価値観」を有する国民も登場しないといけないと、私は思うのです。

 でも実際には、オバマでもダメでしたし、新しい米国の指導者は出来ないことを「出来る」と言う人で、出来ないことを本気でやりそうで、支持者もなんたかそれに期待していると。末期的かもしれませんね。

「成長しない」ことを受け入れるのが、「新しい社会契約」なんでしょうか。なんだかぱっとしないというか…。

片山:いや、先進国が次の成長モデルを失っていることを「認められない」からこそ、現在の、まるで1930年代を思わせる状況が作り出された、と言った方がいいかもしれません。

そうか、「高度成長できる」と言い続けてきたからこそ、国民の失望が高まってしまって、ついにはトランプを生んだということですか。

片山:ええ。その結果、「時代が1930年代に回帰してきた」と感じています。本気でそう思います。考えても見て下さい。ブロック化、保護主義の流れや「米国第一」の大元には「分割しても成長できるんだ」という幻想があるでしょう。

自由貿易の行き過ぎを調整しよう、というのではなくて、「誰かに損をさせられているから、そいつを追い出せば成長できる」という気持ちですかね。

片山:そういう方向に世界を導くのが、とりあえずは「トランプの時代」かなと。

…こうなると、八つ当たりですが、もうちょっとオバマが頑張ってくれていたら、と思いますね。新しい成長モデルが生まれる、生まれないには運もあると思いますけれど、彼がここまで、米国の中流層を追い詰められた気持ちにさせなければ。

片山:オバマは、議会を動かすことに興味がなく、その能力もない大統領でした。エスニックや同性愛者、マイノリティに対する理解を持ち、理想主義者だけれど、リアリズムで議会にネゴしていくより、民衆に訴えて演説で世論を作り、その圧力を背景に議会をコントロールしようと思ったのではないですか。これもある意味ポピュリズムの手法ですね。米国は議院内閣制ではないので、大統領は議会と張り合うことができる。足場を、政治の外の社会に求めた。その分、議会そのものへの政治的な交渉力は弱かった。

 でも、その議会外の声は、トランプを支持する方にも流れる。オバマは成果を出したつもりだったが実感と違う。成長の実感が足りないから、マイノリティからの支持も強くはならなかった。オバマは貧困層のケアには尽くしたけれど、中間層のケアはあまりできていなかったのではないでしょうか。そこに溜まった怨みから、トランプ台頭の芽が吹いたのかもしれません。

 これはオバマ個人というよりも、民主主義と資本主義の限界でしょう。彼の退任演説を読むと、「民主主義の強さと弱さ、現代社会の問題点をほんとうによく知って、うまく表現している」と感心せざるを得ませんが、これに本来、心を打たれるはずのそれなりの教養と良識ある中産階級が弱って余裕をなくしてしまったので、なんだか虚しく、大統領というより、頭の良い批評家か何かの台詞のように響いてしまうのですね。オバマは最後までよいことを言っていたと思いますよ。でも打てば響く共鳴層が消えていっていた。

自分が報われないなら、せめて世の中も不幸になれ

逆に、トランプの差別発言は思ったほど彼にネガティブな影響を与えませんでしたね。

片山:余裕がなくなると、「ユダヤ人が悪い」的な差別発言を社会が許すようになるのですね。差別発言が問題になるのは、「守るべきこと、ものがある」人が、社会的な評判が落ちるのを避けようとする反応です。しかし、実態はどうあれ「収奪されて、もう自分には失うものがない」と思う人が多くなると、差別を容認できるようになる。市民社会の良識がどんどん効かなくなる。

 そうなると、怨恨といいますか、何かを「恨んでいる」人が多くなる。ナチスも、誰かを恨まずにいられないと感じている人が増えた結果、半ば冗談で「こんな世の中は壊れてしまえ」と投票する人が増えて、意外にそういう人が多くなっていて、ドイツの第一党になりおおせた。

「俺が報われないなら、みんな不幸になれ」ですか。

片山:ひとつおもしろい話があります。貧困層でさらに貧困になってゆく人と、中間層の中で上の方から下の方に落ちていく人。どちらが選挙のときに極端な選択に走るか。「経済的に困る度合いが高いのは前者だから、過激な選択をするのも前者」。そう思うかもしれませんが、実際は後者だというのです。貧困層にずっといる人は貧しさに慣れていて耐性があるが、中産階級は、はた目にはまだそれなりに余裕があるように見えても、失った物の大きさに、社会や国家を呪うようになる。「こんなはずではなかった。誰か悪いやつが邪魔しているからこうなるんだ」と、とにかく誰かを憎まないではいられなくなる。

どなたの言葉ですか。

片山:ビスマルク宰相時代のドイツ帝国に留学した日本の数学者、藤澤利喜太郎がベルリンの酒場かどこかでドイツの知識人に聞いてきた話です。

“良識派”が攻撃されるわけ

人間は私たちを含めみんなひがみますから、「俺が貧しいのは豊かな人に毟られているせいだ」と、つい思いますよね。

片山:「報われない」「不公平に扱われている」と、現状を感じている人が増えると、上の人を引きずり下ろして、自分と同じ水準に平準化しようという力が働きはじめます。格差が顕著になる社会に付随してくる現象ですね。

あ、近年、正論というか、いわゆる“良識派”の発言がやたらとネットで攻撃されるのはこれですか。

片山:そうですね。「良識的なことをいう=余裕がある=ずるい奴、甘ちゃん、もの知らず」という目で見られて、怨恨を抱えた人々が引きずり下ろしにかかる。トランプがオバマを攻撃するときの視点もこれに近い。こうなると、普通にものが言いにくくなって、「言うだけ損だ」と、黙る人が多くなっていく。

現状のネット上の雰囲気そのものですね。

片山:そういう際に支持されるのは「イライラをすっきりさせてくれる」「思わず溜飲が下がる」言葉であって、整合性や合理性、具体性ではないのです。

 たとえば、またナチスですが、なんでも「ユダヤ人と共産党が悪い」と言うのです。悪いことは全部、この2つに帰結する。「ユダヤ人は我々を苦しめる相場の変動を使って荒稼ぎしている。株価のように日々刻々動いてゆく事柄にばかり興味があるのだ。それが証拠にユダヤ人のアインシュタインは、波動を扱う相対性理論なんてものを考えている。こんな腰の据わらないやつらが、本来確固としたものであるべき国家を切り崩していく。早く追い出さないとドイツが壊れてしまう」てな感じで。

 共産党ならば、「彼らは、国や民族が違っても同じ労働者は仲間だと主張する。この思想に染まると、ドイツの労働者も、労働者以外のドイツ人を仲間と思わなくなる。別の国の労働者こそ仲間だと思うようになる。要するに売国思想である」といった具合。


ヴェネト・ムッソリーニ(左)とアドルフ・ヒトラー(右)
(写真:SuperStock/Getty Images)
はあ。アホみたいですが。

片山:一事が万事、なんでもユダヤ人と共産党を悪く言うと気持ちよくなるんですよ。

そんなもんでしょうか。

「誰かのせいだ」と発言する気持ちよさ!

片山:Yさんも、仕事がうまく行かないとか、買いたい物を買えないとかを、誰かのせいにして愚痴りたいことはあるでしょう。私も蔵書やCDの整理の愚痴をこぼしたいのですが、その際に「誰それが悪い、誰それのせいだ!」というと、思いの外すっきりするのですよ。

 例えば、Yさんの世代だと親御さんの介護とか心配ではありませんか。でも「日本の年金制度や介護の苦境は××党の責任だ!」というような物言いは、Yさんはおそらく、したことがありませんよね。

はあ、はい。

片山:でも、そう思うかどうかをまーったく別として、一度、はっきり口にしてごらんなさい。困っていること、ストレスの原因を「誰かのせい」にして発言すると、思わず腹の底がら“すかっ”とします。問題は何も解決していないし、責任の所在は不明なままなんです。でも、重い荷物を下ろしたように気分がよくなるはずです。“良識派”には恥ずかしくて難しいのですが、一度やるともうやめられない(笑)。

やってみよう。「介護不安の元凶は××党だ!」…うわ、何の根拠もないのに、口に出すと気持ちがすごくすっきりする!

片山:そのような「これを言えば気持ちいい」と感じさせる言語魔術を、社会的に作り上げたのがナチスです。その前では理屈は通じなくなるのです。瞬間的でも気持ちよくなる方に、せっぱ詰まった人はなびきます。

右翼、左翼とレッテルを貼る人が味わっている気持ちよさがやっと分かりました。これは言いたくなる、書きたくなるわけですよ。なるほど。

片山:言語魔術は言語麻薬でもある。言っているうちに慣れてきて、だんだん効きが悪くなってくるから、言葉の暴力性や切れ味、残酷さを競うようになる。たいてい、あとでひどいことになりますが、ナチスの政権も12 年続きましたから、続くときは無茶でも続きます。

うっかり試さない方がよかったかもしれない。やばいです。ハマりそうです。トランプのツイートが受けるワケもよく分かりました。米国第一、米国第一、と言っていれば気分がいいし、スピーチも含めて「××のせい」の塊ですもんね。

「不愉快」がネットを席巻する

片山:“良識派”を攻撃する言葉を書く人も好む人も、理屈の正しさや解決策が欲しいのではありません。「よく言った!」と、溜飲が下がるすかっとした感じを味わいたいわけです。すっきりするのが最優先。「失うモノはない」という気持ちがそうさせる。先のことは考えていない。いま、このとき、自分が抱えている怨念という荷物をすこしでも軽くしたいんです。

 この怨念を怨念じゃない、新しい価値観につながる道を作らないと、恨みでドライブされる社会がすぐ生まれますよ。口だけでは物足りなくなって、略奪、打ち壊し、殺人といった暴力までつながっていく気持ちですから。

まさか。

片山:良識派の人は基本的に社会を信じていますから、まだ「まさか」と思っているのです。災害時に「まさか」と逃げない人ですね。

片山:「異なる意見が議論していくことが市民社会の姿だ」と、オバマは退任演説で述べました。ところが、いまは意見を言い合っても落としどころを見つけられない、よって対話にならない。自分と合う意見のところに行って「そうだそうだ」と気持ちよくなっていくだけです。もし反論を耳にしても「なんだよ、俺の気持ちよくないことを聞かせるな」になる。

「不愉快だから記事を載せるな」というコメント、よく頂戴します。レトリックかと思いましたが、そういう方は、本当に気分を害しているのですね。

片山:プラットフォームを用意しても、「敵か味方」を決めることにしか作用しない。私が日本の右翼研究の専門家だから、特定の片側についてだけ批判しているのかと誤解されても困るので言っておきますが、この現象は右も左も両方で起きていると思いますよ。リベラルも党派姓が強くなる一方です。

これはもう、人間の宿命ということなんでしょうか。

片山:そうかもしれません。少なくとも政治の世界は突き詰めるとそうなりますね。「自分と近い人と一緒にいたい」と考えるのは我々の本能でしょうし、そこから棲み分ける、ブロック化するという発想も出てきますし、自分に害を為すおそれのある者は「万人の万人に対する闘争」ということでやっつけてしまえというパターンもありますね。ホッブス的な人間像です。このホッブスの先に出てくるのがカール・シュミットで、「味方か敵かを決定し、敵を物理的に粉砕するのが政治だ」と主張して、ナチスのアイドルになりました。

繁栄は寛容とともに生まれ、排斥によって崩れ去る

…。だいぶ前に出た本ですが、米国の法学者、エイミー・チュアの『最強国の条件』で、これまでに世界を制覇した国は、同時代の他国に比べて「寛容」だったことを指摘していました。異民族、異文化、異なる宗教を受け入れることで、才能と労働力を惹きつけ、それをもって世界を制した、と。具体的には、アケネメス朝ペルシャ、ローマ、オランダ、英国、そして米国だったかな。

「一時代を築いた歴史上すべての”“最強国”は、人種・宗教・文化を問わず、世界の優れた人材を受け入れ、寛大に遇したが故に最強たりえた。そして寛容すぎたが故に不寛容が生まれた結果、ほぼ例外なく最強国は衰退し、滅んだのである」(同書紹介より)
片山:それは「帝国研究」の定石ですね。ひとつの価値観、言語で縛らず、いろいろなモノを認めつつ、土俵を広げて取り込む。取り込む中心が繁栄している姿を見て「ついていくと、いまよりいい思いが出来るかな」と、自然に周りが従っていく。強権ではなく、技術、建築物、文化で納得させる。で、広がりすぎると、真ん中の富が流出し始めて、「これはよそ者のせいだ」となって、寛容さを失い、周囲が離れていき、没落に至る。

まさにそのような話です。非常に面白かったです。著者は、米国の未来がこうならないといいな、と願って書いたようですが。

片山:挙げられている“最強国”は、「成長につながる革命」を、世界に先駆けて起こした国です。米国も英国も、そしてオランダもそうですね。オランダは小さな国ですが、あちこちで迫害されて集まってきたキリスト教のプロテスタントの才能ある人々を集めることで、科学技術で世界の最先端に立ち、航海術も軍事も発達させて、覇権国家になった。

ああ、それは『大学入試問題で読み解く 「超」世界史・日本史』の、東大の論述問題に出たやつですね。

片山:結局、成長という言葉を真摯に捉えるなら、それは寛容さでしか掴めない。政治史もそれを教えているのですが、今回の新旧大統領のスピーチは、その難しさも明らかにしています。寛容にしても成果が出ないではないか。かえって悪化しているではないか。そういうこともあるでしょう。

 歴史から学ぶべきなのは「寛容への反動が強すぎるととんでもないことになる」ということもあります。第一次世界大戦後のドイツに生まれた寛容の国がワイマール共和国ですよ。ユダヤ人の難民が東ヨーロッパから押し寄せたのは、ワイマール共和国に行けば救われると思ったからです。それで国境を越えてどんどんドイツに集まった。寛容への期待で人が集まる。ところがドイツの中産階級が、彼らに既得権益を侵されて自分たちが貧しくなっていると怒りだし、ヒトラーを選んだ。

かくしてドイツは最強国になりそこねたわけですけれど。

片山:当時の状況が、オバマからトランプに移行する物語とそっくり…とは思いませんが、やっぱり似ている。よほど気を付けなくてはいけません。こんな時代に巡り合わせるとはねえ。

隣席の女性 あの、すみません。

でも、諦めて黙るべきではない

はい?! あっ、うるさかったですか?

片山:お隣で長々と好き放題にしゃべってしまって、申しわけありません。

女性 いえ、そうではなくて、あまりに楽しそうにお話しされているので、つい聞き耳を立てていたんですが、とても面白かったので。どなたかは存じませんが、雑誌とかに掲載されるのなら是非読みたいなと思いまして。

! ありがとうございます!

片山:それは大変光栄です。

こちらは片山杜秀先生で、媒体は「日経ビジネス」と申します。アドレスはこちらです。普段からこういう政治のお話にご興味が?

女性 いえ、投票にも行かないんですけどね(笑)。たまたま新宿でヴォイス・トレーニングの教室があって、帰る前にコーヒーを飲もうと思ったらお話が聞こえたんです。ありがとうございます。読ませていただきます。それでは。

(女性立ち去る)

片山先生、今までこういうご経験ありましたか。

片山:いや初めてです。僕に喫茶店で声を掛ける若い女性がいるとは思わなかった(笑)。

こういう話が、今の社会の「普通の人」にも、ちゃんと需要がある、ということじゃないでしょうか。

片山:はい、聴いてくれる方、読んでくださる方がいるのは嬉しいものですね。やはり、ヘンに厭世的になってはいけませんねえ。

(おわり)

 


身もふたもなくいえば、ヒトラーそっくりです

(Yが)キーパーソンに聞く

新旧米大統領のスピーチ聞き比べ、トランプの政策はF・ルーズベルト的?
2017年2月3日(金)
山中 浩之
(1月21日午後6時、トランプ米大統領就任演説の直後、西新宿の喫茶店にて。以下本文敬称略)

急なお願いを聞いていただいてありがとうございます。

片山杜秀・慶應義塾大学法学部教授(以下片山) いえいえ。トランプとオバマ、新旧大統領の就任、退任スピーチを聞き比べてざっくり総括、ということでよろしかったんでしょうか。


片山 杜秀(かたやま・もりひで)氏
音楽評論家、政治思想史研究者、慶應義塾大学法学部教授。1963年生まれ。近著は『近代天皇論 ──「神聖」か、「象徴」か』(集英社新書)、『大学入試問題で読み解く 「超」世界史・日本史』(文春新書)。著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』『クラシック迷宮図書館(正・続)』『線量計と機関銃』『現代政治と現代音楽』(以上アルテスパブリッシング)、『クラシックの核心:バッハからグールドまで』(河出書房新社)、『未完のファシズム』(新潮選書)、『近代日本の右翼思想』(講談社選書メチエ)、『ゴジラと日の丸』(文藝春秋)、『国の死に方』(新潮新書)ほか、共著書多数。朝日新聞、産経新聞、「レコード芸術」、「CDジャーナル」等で音楽評を執筆。2006年、京都大学人文科学研究所から人文科学研究協会賞を、2008年、『音盤考現学』『音盤博物誌』が第18回吉田秀和賞、第30回サントリー学芸賞をそれぞれ受賞。『未完のファシズム』が2012年度司馬遼太郎賞受賞
はい、政治思想史の専門家として、お聞きになっていかがでしたか。

片山:まず、トランプ氏の就任演説を一言で言えば、「よく分からない」(笑)。選挙のときにはトランプは票が取れることを言って、それで勝てましたが、その話をどう大統領として具体化するのかという踏み込みが何もないに等しい。「アメリカ第一」と聞かされて気を悪くするアメリカ人はいないでしょう。選挙で使えば強い言葉、勝てる言葉です。しかし、例えば、何をどうすると普通の人々が豊かになって「アメリカ人がいちばん」を実感できるのか。

減税だ、法人税を下げるんだと言っているようですが。

片山:ええ、でも、それではいま豊かな側がますます豊かになってしまう。トリクルダウンが念頭にあるんでしょうけれど、それを追った結果が、まさに富める側と貧しくなる側が分裂した現状なわけです。

 結局、大統領就任であまりに過激なことは言いにくくなったけれど、元々「これをやりたい、なぜならば」という具体案はなかったから、新たに展開したり深めて語ることができない。そこで、選挙戦で受けて盛り上がったポイントを口当たりよく薄味にして、角を立てずに…ということは面白味を減らして言い直しているだけ、ということでしょう。

米国はもともと孤立主義の国だった

結果、オバマ前大統領の「チェンジ」に相当する言葉に「米国第一」がなってしまった。

片山:スピーチでの「米国第一」は、「米国以外はどうでもいい」という閉じていく印象につながります。貿易については保護主義的施策とリンクするみたいですが。

第二次大戦までは、米国は孤立主義の強い国だったそうですね。

片山:ええ、モンロー主義が提唱された19世紀以来の米国の伝統ですからね。そして1929年の世界大恐慌後、1930年代に、世界的に経済のブロック化が追求された時代がありました。ブロック経済というのは、「自国と植民地、あるいは閉鎖的な経済圏を一緒に組んでくれる従属的な国々の中だけで、需要と供給をまかなおう」という発想です。

 かつての日本の「大東亜共栄圏」もブロック化をめざし、戦争まで引き起こして大失敗に終わったわけです。言うまでもなく、その頃から世界の経済の歴史もだいぶん進みました。複雑な世界的相互依存の網の目がかつてない規模でできてしまっている。いまさらブロックに切り分けるのはとても難しい。

シェールガス、シェールオイルで資源的にも心配ないし、貿易交渉は二国間で強引に言うことを聞かせれば、という気なのでは。

片山:米国にはエネルギー資源も食べ物もあるし、カナダや中南米を巻き込んでアメリカ大陸閉鎖経済圏を本気で作ろうとしたら、できないこともないかもしれません。しかし、市場を自ら限定する以上、社会主義的な低成長、あるいはゼロ成長の計画経済しか私にはイメージできない。貿易に関しては、「自国の交易条件だけを良くするのは無理だ」ということくらいは、いかにトランプ氏でも分かるはず。ペリーの黒船みたいに強圧的に押しかけてきて、不平等な通商条約を呑め、とでもいうのでしょうか。

言うことを聞かない国の沖合に、空母機動部隊が来るのか。いやな絵だなあ。

片山:経済成長と保護主義による「米国第一」は、そもそも矛盾しているんですよね。つまり、とりあえずの人気取り策として、両方言ってみた、としか思えない。

 そもそも、保護主義にノーを唱え続けてグローバル化を進めてきたのは米国です。第二次大戦後、民主党、共和党の壁を越えて、西側世界の中でブロック経済を廃し、世界市場での自由貿易を国是としてきました。「米国第一」=「米国がリードする自由化」ということで、なぜそうするのかといえば、経済力は米国が世界一なのだから、自由化が進めば、トータルでは米国が一番得をする、という考え方です。

なるほど。国際化で国内が多少ダメージを受ける局面があっても、トータルでは米国がもっとも恩恵を受ける。

片山:そしてこの度、「壁を高くして域内で立て直す」と言う大統領が登場しました。これって、やっぱり国力が低下していく、下り坂の時代の発想でしょう。世界を引っ張っていく力がもうない、という気分が米国に広がっている。

でも「だからトランプが悪い」とも言えない

国内重視の投資拡大、というと、フランクリン・ルーズベルト(第32代米国大統領、在職期間は1933年3月4日〜1945年4月12日)の「ニュー・ディール」政策を想起させますよね。


フランクリン・D・ルーズベルト米第32代大統領 Photo Researchers/Getty Images
片山:そんなふうにも聞こえますけれど、TVA(テネシー河流域開発公社)の代わりにメキシコ国境の壁を作るのでしょうか。それが中産階級の没落を食い止めることにつながるのでしょうか。

 政府が財政政策で市場に積極的に関わるニュー・ディールは、そもそも「政府の介入」を嫌う共和党にとっては大反対の政策で、一方、これで民主党は大躍進したんですよね。かと思うと、いかにも民主党らしい、貧困層にも健康保険を与えるオバマケアは「お金がない」と廃止し、共和党に受けそうな法人税などの減税を打ち出し、と、まるで「共和党と民主党のいいところ取り」です。実際に出来るかどうかより、聞いていて「そうだそうだ」と、気持ちがよくなるような言葉を、手当たり次第にぶち込んだようです。

どこを斬っても矛盾したことを言っている。ということはどういうことでしょうか。

片山:一国の大統領に大変失礼ですが、「詐術を越えたものが何も見えない」、というのが就任演説や、それまでに発言を通しての率直な感想です。

こうした一国のリーダーは、過去に似た例はありますか。

片山:答えは見え見えで恥ずかしいくらいなんですけれど、やっぱり、典型的な1930年代の独裁者、ポピュリストにそっくりです。身もふたもなく言えばヒトラー的です。

 敵を設定し、民族意識を煽り、アウトバーンなどの派手な公共投資を行い、大衆を大事にするといいつつ資本家や大企業にもいい顔をする。愛国主義と社会主義と資本主義のいいところ取り。その場は受けますが、無計画でビジョンがないから、再分配がうまく行かなくなり、最終的には対外戦争で、植民地、閉鎖的経済圏を拡大して、パイを増やそうとし、敗戦を招いて滅亡したわけですが。

「ヒトラーは、経済に関してはうまくやった」と思っている人は意外に多いんじゃないでしょうか。私も実は今まで「ヒトラーの公共投資と再軍備でドイツ経済が活性化した」と思っていたのですが、最近ようやく読んだ『第二次世界大戦の起源』(A・J・P・テイラー)で「実際には世界景気の自律的な拡大に乗っただけ」だと指摘されていました。最近の株高を見るに、これからまた世界が幻惑されてしまったりして…。

片山:でも、「だからトランプが悪い」とも言えないんですよね。先のビジョンがないのは世界中の指導者、みんなが同じです。この先、確実な経済成長の筋道が見つからないことを国民に伝えて、痛みを分かち合おうと訴えることが出来る政治家は誰もいなかった。本当のことを言ったら当選できませんから。

 近代民主主義は近代資本主義とセットで成長してきたもので、「誰が経済を右肩上がりにしてくれるのか」という基準でしか、政治家を選べない。景気の悪い話をして票が集まるはずがない。今ほど近代資本主義先進国が景気の良い話をしにくい時代はないのではないですか。普通の政治家はみんな足がすくんでしまう。そこに出てくるのが、先のことを考えないから思い切ったことが言える、甚だ語弊がありますが「問題児」なのです。かくして、トランプの詐術は見事に効きました。

オバマはウィルソン大統領的

そういう意味では、やはりオバマ政権(2009年1月20日〜2017年1月20日)の8年間への失望が、トランプ政権を生んだ、ということになりますか。

片山:オバマの「チェンジ」で、米国民が期待したのは「また豊かになること」だったはずです。彼は、相対的には改善した、と言うけれど、期待されているほどの目に見える成長を成し遂げることは、大統領がオバマでも他の人間でも、無理だったのではないでしょうか。

 オバマは「弱腰」と批判され、事実そういうところがありますが、ブッシュ大統領の時代までは残っていた「戦争をすれば軍需産業などにお金が回り、経済が刺激される」というモデルはもう割が合わない、とはっきり認識していたのだと思います。経済的に引き合わない。武力で得はしない、と。

 かつてのウッドロー・ウィルソン大統領的な、「米国の正義」「世界の自由と公正」「物と人の自由な交流」「自由経済、自由貿易、民主主義」というセット商品を、戦争を強く絡めずに世界に売り込もうとしたんでしょう。


トーマス・ウッドロー・ウィルソン第28代米国大統領。任期は1913年3月4日〜1921年3月4日 H. Armstrong Roberts/ClassicStock/Getty Images
なるほど。

片山:米国に従わない国には強面で、という共和党路線をやめて、できるだけ戦争を避ける。例えばイランは、いい国か悪い国か、と言うより、「独立国家だから、他の国に害を為さなければいい」という接し方で、これはウィルソンの国際連盟主義、超大国も小国もすべて1票、自立した国、という考え方に似ています。

片山:自立した国なのだから、政治形態はイラン国民が選択すればよい。イランが積極的に悪さをしないのなら、きちんと認めてあげる。その代わり、独立国に勝手をする国があれば守ってあげようとする。ウクライナ問題でのオバマの対露強硬姿勢をみればよく分かりますね。

 ウィルソン主義をなるべく平和的に実現し、核兵器反対などの理想主義的姿勢も現実性はともかくとにかく高い旗として立て続け、移民、マイノリティに対する配慮をして、貧乏な人も健康保険に入れるようにして、移民を根付かせる努力をした。それらを通して世界の国から信頼を勝ち得ることが、多様性による次の成長を生み出す背景になると思っていた。

ああ、一言も文句がない。オバマ・ロスになりそうです。

片山:と、そういうよき伝統を守ろうとしたんだけど、これは、米国そのものが成長していけるモデルを持っているからこそ可能な政策です。貧困層や性的・人種的マイノリティへの配慮は重要です。しかし、その配慮は、中間層以上がそれなりに満足している状態でなければ、強く支持されません。実際には、その中間層がオバマ時代に切羽詰まってきた。「そっちに構うならこっちに構え」と思う人がずいぶん増えてしまった。「あまりチェンジしないな、その割に関係ないところにカネを使っているじゃないか」、と感じてしまった。

全体主義的と評されたF・ルーズベルト

ううむ。過去、米国が似た状態に陥った1930年代に、先ほど出てきたF・ルーズベルトが登場したわけですよね。。

片山:はい。F・ルーズベルト流のモデル、米国第一、雇用を増やし、ニュー・ディール政策による公共投資、鉄道にダムに…は、政府の大胆な財政政策と金融政策による市場介入で、社会主義的な施策です。実際、当時は「彼の政策はほぼ社会主義に向かっている」と評されていましたし「アメリカ全体主義」という言葉もできたし、アメリカ発の世界大恐慌以来、資本主義は終焉に向かっているという議論も盛んでした。

「経済復活を果たした」というイメージがあるので、ニュー・ディール政策は、資本主義の勝利のひとつかと思っていたのですが。

片山:ヒトラーのアウトバーンに当たるのが、ルーズベルトのTVAだ、という見立てもあります。ついでに言いますとニュー・ディール政策は、その結果が出る前に第二次世界大戦の戦争景気で経済が回復しましたので、成功か失敗か、評価がいまだに割れているのです。

 オバマがウィルソン的としたら、トランプの政策にはF・ルーズベルト的なところがあるのかもしれません。でもトランプはいちおう共和党ですからね。共和党の伝統からはニュー・ディールは出てこないでしょう。社会主義的なことを嫌悪するのが共和党メンタリティです。基本は自己責任。税金を取られたくない、国家介入を嫌う。このあたりをどう乗りきるつもりなのか。まあ、お手並み拝見というところです。

片山:一方、オバマの退任演説ですけれども、これを読むと、基本線は楽観的で、自分の成果を強調しながらも、将来の資本主義への強い不安も漂わせています。資本主義は効率性を追求するのが本性ですから、今のほんとうの問題は保護貿易か自由化か、などという次元よりも、容赦なく進む自動化・ロボット化であると。それによって近い将来、多くの善良な中産階級が仕事を奪われていく、と。人間の仕事がなくなってしまう。それゆえ「新たな社会契約が必要」と彼は指摘していて、これは大変重要なポイントだと思います。

…長期にわたるこの状況を打開する特効薬はありません。取引は自由である上にフェアであるべきだと考えます。しかし経済を混乱させる次の波は、海外からではなく、国内での次々と進むオートメーション化からやってきます。そしてそれは中流階級から多くの質の高い仕事を奪っています。

 我々には新たな社会契約が必要です。子供たち全員に適切な教育を受けさせ、より良い待遇を求める労働組合を結成できるだけの力を労働者に与えられるような社会的仕組み作りが必要です。

(BLOGOS掲載の退任演説の翻訳より引用。全文はこちら)
片山:国同士が保護貿易か自由貿易かで争っても、企業が踏み切るのは事務職を含めた機械化、人件費削減で、放っておけばその結果は「雇用の減少」に集約されてしまう。21世紀のラッダイト(1810年代に英国で起こった、産業革命の機械化で職を失うと恐れた人々による、機械打ち壊し運動)につながりかねない。

 ラッダイトがあっても、別の分野の産業がどんどん膨らみ、雇用を生み出している限り大きな心配はありません。近代資本主義と科学への信用があれば、「しばらく待っていればどうにかなる」と、落ち着いていられる。しかし、次の大きな産業が育つタイムラグが大きいと、あるいは「人間をたくさん雇用する次の大きな産業はもうないのではないか」と思うと、これはもうとてつもない社会不安が巻き起こりますよ。資本主義の効率追求の果てに、会社の経営から単純労働までみんなロボットがしてしまう、というような。

成長なき資本主義への不満が行き着く先は?

片山:トランプが謳う「今後10年間で2500万人の雇用を創出」の実現には、おそらく「次の産業革命」クラスの、しかも人間を機械に置き換えない方向でのパラダイムシフトが必要じゃないでしょうか。それはオバマにも、トランプにも、意図して生み出すのは難しい。一政治家の才覚で出来たら誰も苦労しない。

 「不安定でも、賃金が低くても雇用は雇用だ」と開き直れば、経済規模が小さくなり、さらに雇用減少と低賃金化のスパイラルにはまる。企業業績が良くなっても社会にとって意味がないのですが、資本主義は放置しておくとそちらへ進むでしょう。だから、オバマの退任演説の「新たな社会契約」が必要になる。もっともこのアイデアは、『21世紀の資本』のトマ・ピケティの師匠であるアンソニー・アトキンソンの『21世紀の不平等』の受け売りだとは思いますが。

 オバマのやり方が今の時代状況の中ではなかなか良い選択だったとしても、不満の増大を抑えきることはできず、不満の一掃を期待していた人々の期待とのギャップが大きくて、「じゃあトランプ」ということになったのでしょう。そういう選択をする人の気持ちはよく分かりますよね。その結果生まれてきたのが、現在の、1930年代を彷彿とさせる世界の状況だと思います。


このコラムについて

(Yが)キーパーソンに聞く
日経ビジネスの変わり種デスクYが、本人的に話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎月1人、興味深いキーパーソンに出会えます。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/284031/020100021/
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/818.html

[不安と不健康18] 健診の意外な盲点、視力検査はどこまで正確? 知ってビックリ! 健康診断のウソ・ホント 
健診の意外な盲点、視力検査はどこまで正確?

知ってビックリ! 健康診断のウソ・ホント

2017年2月6日(月)
田村知子=フリーランスエディター
会社勤めを続けている限り、避けては通れない職場の健康診断。自覚症状のない病気を見つけてくれるのは有難いが、仕事に追われるなかで再検査を受けるのはできれば避けたいのが人情。異常値を指摘されたとしても、どこまで生活を見直せばよいのか、今ひとつ釈然としない人も多いだろう。このコラムでは、各種検査への臨み方や結果の見方、検査後の対応など、誤解交じりで語られやすい職場健診についてわかりやすく解説する。

Q  午後の仕事の合間に受けた職場健診の視力検査で視力が悪化。メガネなどで矯正すべき?

A  視力検査は目や体のコンディションが良いときに受けた方がいい。まずは眼科で再検査を。
 職場健診で視力検査を受ける時間帯が選べるなら、その人の目や体のコンディションが良いときに受けるのが望ましい。こう話すのは、表参道内科眼科名誉院長の戸張幾生氏だ。「視力は体調によって違ってきます。仕事の合間の午後に受けた場合は、パソコン作業などで目が疲れていて、よく見えないこともあります」。

 とはいえ、午前中でも寝不足だったり、前日に深酒をしていたりする場合は、視力に影響が及ぶこともある。視力検査を受ける際は、体調が良く、目の疲れも感じていないときがベストだ。

 視力検査を受けたときの目の状態や体調がいま一つで、視力低下も気になる場合は、「眼科で検査を受けてほしい」と戸張氏は勧める。「職場健診の視力検査で視力低下がみられると、メガネ店でメガネを作ろうとする人もいますが、職場健診やメガネ店で行われている視力検査は、簡易視力測定器を用いた簡便な検査がほとんど。正確な視力や見え方の質までは分かりません」(戸張氏)。

職場健診の視力検査では遠視は分からない

 視力検査には、遠くを見るときの視力を調べる「遠見視力検査」と、近くを見るときの視力を調べる「近見視力検査」があり、職場健診では一般的に、遠見視力検査が行われている。


正式な遠見視力検査は、指標(ランドル環)の並んだ視力表から5メートルの距離を取り、片目ずつ、指示された指標の切れ目を読む。(©PaylessImages-123RF)
 ちなみに、職場健診の視力検査では、近視、遠視、乱視かどうかまでは分からない。これらは「屈折異常」と呼ばれるもので、視力とは別のものだからだ。

 正式な遠見視力検査は、指標(ランドル環)の並んだ視力表から5メートルの距離を取り、片目ずつ、指示された指標の切れ目を読むのが基本。さらに、室内の明るさ、視力表の照度やコントラスト比なども決められている。

 一方、簡易視力測定器による検査では、機器をのぞき込み、片方ずつ、示された指標の切れ目の方向に機器のスティックを倒していくことで、自動測定を行うことが多い。小さいスペースでも検査ができて、簡便に行える利点があるものの、正しい視力や目の病気の有無などを調べるには、やはり眼科での詳しい検査が必要だ。そのうえで、視力の矯正をしたほうがいい場合は、処方箋を書いてもらい、それに合ったメガネを作る。

近視のメガネは度が強すぎないよう注意

 メガネ店に直接出向いてもメガネを作ることはできるが、「メガネ店で検査をしてメガネを作る場合、遠くが見えづらい近視の人は、過矯正になるケースが多い」と、戸張氏は指摘する。「メガネ店で検査を行うと、近視の人は遠くが最も良く見える状態に合わせてレンズを選びがちです。しかし、それでは、長時間かけていたり、仕事でパソコンを使ったりするには度が強すぎて、目が疲れてしまいます」。


メガネ店での視力検査では、近視のメガネが過矯正になるケースが多いので要注意だ。(©baranq-123RF)
 近視の人がメガネを作る場合は、長時間かけていても違和感がないよう、度を少し下げて作るといい。遠視の場合は、もともとの焦点が網膜より後ろにあり、近くも遠くも見えづらいが、調節力を働かせて、遠くにピントを合わせている。そのため、調節力を助けるよう、少し度を上げるか、ちょうど良い度で作るといいそうだ。

 眼科できちんと検査を受ければ、その人の視力やライフスタイルなどに合わせた処方を受けることができる。目の病気の有無も調べられるので、視力低下が気になるときは、コンディションのいいときを選んで、眼科で検査を受けることが大切だ。

戸張幾生(とばり いくお)さん
表参道内科眼科名誉院長、東邦大学医学部名誉教授
戸張幾生(とばり いくお)さん 1935年生まれ。64年東邦大学医学部卒業。東京大学医学部眼科、東京厚生年金病院、東京都老人医療センター眼科医長を経て、83年に東邦大学医学部教授に就任。2003年より同名誉教授、表参道内科眼科院長。現在は同クリニック名誉院長。日本眼科学会認定眼科医。専門は網膜眼底疾患に対するレーザー光凝固治療、白内障手術。主な著書、監修書に『治し方がよくわかる 疲れ目・目の痛み』(幻冬舎)、『名医の図解 よくわかる緑内障・白内障と目の病気』(主婦と生活社)などがある。

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知ってビックリ! 健康診断のウソ・ホント
会社勤めを続けている限り、避けては通れない職場の健康診断。自覚症状のない病気を見つけてくれるのは有難いが、仕事に追われるなかで再検査を受けるのはできれば避けたいのが人情。異常値を指摘されたとしても、どこまで生活を見直せばよいのか、今ひとつ釈然としない人も多いだろう。このコラムでは、各種検査への臨み方や結果の見方、検査後の対応など、誤解交じりで語られやすい職場健診についてわかりやすく解説する。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/16/090200008/020300010
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/374.html

[経世済民118] 日本人はやがて絶滅するのか? 日本が資源大国に返り咲く「海のジパング計画」 余命4カ月、会社に行きますか 会議3ポイント
日本人はやがて絶滅するのか?
1分で読める経営理論
日本の社会が機能停止状態になる前に
2017年2月6日(月)
ラファエル・プジョール

住人が誰も住まなくなってゴーストタウンと化した長崎県・軍艦島。(写真:PIXTA)
子供がいなくなる日
 西暦4205年10月12日、日本から子供がいなくなる──。
 これは東北大学経済学研究科の吉田浩教授の研究室などが、現在の人口や出生率などのデータを基に算出した日付だ(「日本の子ども人口時計」2016年版による)。もちろん、この日は遥か遠い未来であり、計算通りに進むかどうかは神のみぞ知るだが、経済学者たちが言いたかったことは、「確実に日本が人口減少のステージに入った」ということだ。
 2016年12月には1億2692万人の日本の人口が、2050年には1億人を割り込み9708万人(国立社会保障・人口問題研究所の推計)に、2100年には8300万人(国連の推計)にまで減少すると予測されている。
 この人口の急降下の原因は何なのか。日本では死亡者数が出生者数を上回っており、数年前から人口減少が続いてきた。例えば2015年には約100万8000人の赤ん坊が生まれたのに対し、死亡者数は約130万2000人で、すでに年間30万人近い“人口赤字”となっている。
婚外子の割合も非常に低い
 “日出づる国”日本では結婚に興味を示さない人が増えた。一方で欧米諸国とは異なり婚外子の割合も非常に低い。国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年)の調査によれば、未婚者のうち恋人がいない人は男性で70%、女性で60%と前回調査よりも増加した。経済的な要因や慎重さがあいまって結婚する人の数が減り、子どもの出生率(2015年の合計特殊出生率)は1.45(2年ぶりに上昇したが)、女性の平均初婚年齢は29.4歳、平均初産年齢は30.6歳と晩産化が進む。
 多くの現代女性たちは「出産によって仕事を犠牲にしたくはない」と考えている。そのためこの数年間、日本の政府や地方自治体、企業は、女性が仕事か結婚・出産の二者択一を迫られる状況を打破し、出生率を上げるための措置を講じている。保育施設の充実、育児休業期間の延長、様々な経済的援助、夫が子育て・家事のための時間を取れるようにすること、そして不妊治療費の援助などだ。
一方、平均寿命は世界最高レベル
 ところで、平均寿命では日本は世界最高レベル(男性80.79歳、女性87.05歳)である。社会の高齢化は日本が抱える大きな問題の一つだ。65歳以上の人口は3300万人(構成比26.0%)で、15歳未満の人口(構成比12.8%)の約2倍(2014年の人口推計より)にまでなった。人類の伝統的なピラミッド型の人口比率が逆転している。その上、高齢者の中でも、80歳以上の人々が総人口の8%を占め、2015年には1000万人を突破、高齢者の分類の中でもさらに高齢化が進んでいるという現実がある。
 では何ができるのか?
 人口は「出生者数が死亡者数を上回る」か、「外国人の在留者が増えるか」によってしか増加しない。出生者数が死亡者数を上回るのは、日本では現実的には非常に難しいだろう。日本の人口構成比から言えば、今後も死亡者数が増加し続けるのは確実だからだ。一方の出生者数は増えるのか? これも現実的には難しいだろう。国連は2010年から2015年の5年間で530万人だった日本の出生者数が、2045年から2050年には430万人になると予測している。この現実を前にして行政当局は本当に有効な対策を取っているのだろうか? そしてそれらの対策で十分なのか?
日本人が外国人労働者を受け入れるのは可能か
 出生者数を維持するのが無理であれば、日本には別の解決策も考えられる。それは外国人労働者の受け入れである。しかし、外国人の長期在留者の数字を見ても、現在その数は他国に比べて非常に少なく、約250万人で総人口の2%にしか及ばない。
 歴史的に見ても、日本は長く外国に門戸を閉ざしてきた。日本人のいわば“純血主義”の意識の壁は高く、一部の韓国・朝鮮人のみに特別永住者として在留許可が与えられて来た。
 もっとも、現在では外国人受け入れにオープンな空気が流れつつあるのも事実。「WinGallup」の調査によると、外国人の受け入れを好意的に見る人の方が、批判的に見る人よりも多数となっている。
日本は人口学的に衰退の過程にある国家
 外国人労働者へのさらなる門戸開放を望む企業からの要請もあって、政府は外国人労働者の受け入れ枠をわずかではあるが広げている。フィリピン・ベトナム・インドネシアの3か国から介護福祉士を受け入れたり、学生・奨学生ビザの拡大、永住許可申請に必要な居住年限の短縮、高度外国人材や短期雇用の受け入れ活性化──などの措置をとってきた。
 とはいえ、今後50年間で1000万人の外国人労働者を受け入れるという目標を達成するには限界がある。外国人労働者が日本の人口問題を簡単に解決してくれるというわけにはいかないようだ。
 絶滅の危機にある国──という表現は大げさであるし、日本国民にとって大変失礼でもあろうが、日本は人口学的に衰退の過程にある国家であるということは言えよう。日本の政治家と国民は、社会が機能停止状態になる前に、国内・国外の両方から現在の人口動態を逆転させる有効な施策を模索していかなければならない。


このコラムについて
1分で読める経営理論
スペインのIEビジネススクールで教える教授陣が、経営や社会、テクノロジーなどをめぐる最新の話題について分析・紹介するショートエッセイです。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/283738/012900037 


 


日本が資源大国に返り咲く「海のジパング計画」

元素が買えない 自国優先主義が招く危機

沖縄深海底に「宝の山」はあったのか
2017年2月6日(月)
島津 翔
 日経ビジネス2月6日号の特集「元素が買えない」では、世界各国で自国優先主義が台頭し、調達リスクが顕在化しつつあることを指摘した。本稿では、国家プロジェクト「海のジパング計画」で沖縄海底を調査する探査船「ちきゅう」の航海記を掲載する。

 海のジパング計画の正式名称は、次世代海洋資源調査技術。内閣府が手掛ける戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一つであり、数十億円の国家予算を投入する。狙いは、海底下に眠る“宝の山”を掘り当てること。その一つと期待されるのが「海底熱水鉱床」だ。深海底から噴出した金属が沈殿してできた海底の鉱山である。

 「黄金の国ジパング」と呼ばれた日本はかつて、世界有数の金銀銅の産出国だった。だが、陸上資源は枯渇し、現在では金属資源のほぼ100%を輸入に頼る。海のジパング計画は、日本がもう一度資源大国になるための壮大な計画である。

 海底探査の最大のハードルは、正確な場所と効率的な調べ方が分かっていないこと。プロジェクトの推進役である国立研究開発法人・海洋研究開発機構が保有する探査船「ちきゅう」などを使って、調査技術の開発を進めている。

 昨年末、30日間の航海に出た探査船「ちきゅう」は、海の底で何を見たのか。
2016年11月16日@高知

 午前4時半。まだ夜が明け切らぬ高知新港に巨大な船が停泊していた。無数の光を点滅させている様は、まるで大規模な工場のようだ。

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有する地球深部探査船「ちきゅう」。水深2500mの海底に穴を開け、そこから地中を7000m掘削できる世界最先端の探査船である。ちきゅうはこの日、海底にある「元素の宝の山」を見つける旅に出ることになっていた。

 出港まで残り4時間。最後の安全確認のため、船員が慌ただしく走り回った。


夜はまるで「工場」のように見える、地球深部探査船「ちきゅう」(写真:山下 隆文)
 もはや国内の陸上資源は掘り尽くした。日本が再び「ジパング」として輝くためには、海底に活路を見いだすしかない。

 ターゲットは明確だ。沖縄海域に存在する「海底熱水鉱床」。海の底の地中深くから噴出する金属成分が沈殿した、海底の鉱山だ。金や銀、亜鉛に加えてガリウム、ゲルマニウムなどの希少資源を豊富に含んでいる。

 ちきゅうに課せられた使命は、海底熱水鉱床が生まれるメカニズムを解明すること。その原理が分かれば、日本周辺のどこを集中的に掘ればいいか推測できる。本格的な産業化をにらんだ調査航海である。

 16日午前9時。明るくなった高知の海で、ちきゅうはいかりを上げた。長い3度の汽笛が鳴る。「長3声」と呼ばれる、見送りに対する礼を兼ねた慣習である。この汽笛が、沖縄海域に向けた30日間の航海の始まりを知らせた。

「ちきゅう」のもう一つの目的

 デッキで手を振ったJAMSTEC主席研究員の野崎達生はその足でミーティングルームに向かった。17人の研究員全員の自己紹介を終えた後で、野崎は改めて航海の目的を語った。

 「海底の“宝の山”とも言われる海底熱水鉱床。航海のミッションは、鉱床が生まれるメカニズムを科学的に解明することだ」


「ちきゅう」は沖縄海域を調査する航海に出た(写真:山下 隆文)
 今回の航海には、もう一つの隠れた狙いがあった。既に沖縄海域「伊是名(いぜな)」には海底熱水鉱床があることが分かっている。問題はその資源量だ。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、740万トンと認定しているが、この量でビジネスとして成立させるのは極めて難しい。数千万トンが必要だ。

 JOGMECの調査船「白嶺」は海底下50m〜60mしか掘ることができない。ちきゅうはその数倍は楽に掘れる。もし鉱床が深さ方向に続いていれば、資源量は数倍になる可能性があった。

2016年11月19日@沖縄

 3日間の航海を経て沖縄・名護港に着いたちきゅうに、もう一人の主席研究員である熊谷英憲が乗船した。二人の研究責任者を乗せ、すぐに調査海域に移動。無人の遠隔操作探査機を海底面に降ろした…

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【インタビュー後半のポイント】
●「研究者人生で最大の発見」
●「海外勢に先行されてからでは遅すぎる」

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このコラムについて

元素が買えない 自国優先主義が招く危機
世界各国で自国優先主義が台頭し、調達リスクが顕在化した。 フィリピン発のニッケル供給不安、中国が起点となったリチウム高騰…。 偏在しているがゆえに、囲い込みによって「元素」が買えない時代が来る。 スマートフォンから家電、電気自動車…。生産に暗雲が垂れ込める。 資源を持たない日本が「元素ショック」を乗り越える道はただ一つ。 競争の土俵を変えるようなイノベーションを起こすしかない。 日経ビジネスDIGITALの有料会員向けには、記事全文を公開している。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/16/020200015/020300002


 

余命4カ月、あなたは会社に行きますか?
ダンナが、ガンになりまして
仕事と、仲間と、食べることを愛す(もちろん妻も!)
2017年2月6日(月)
Curiko .
 口腔底がんの手術後、ものを噛む機能に障がいが残った夫・アキオさんのために、初めての介護食作りに取り組んだ料理研究家の妻・クリコさん。前回は仮の入れ歯を入れたアキオさんが、食べられるものが増えて、クリコさんが作る家庭の定番料理・介護食バージョンをさらに楽しみ、食べたいものを食べられるヨロコビを満喫。そこに生きる希望と活力を見出した…というお話をお伝えしました。今回はその後のお二人についてです。
(前回から読む)

ふわふわの鶏団子を詰めた丸ごと蕪を、和風出し汁でコトコトと煮含めた「蕪のふわふわ鶏団子詰め」。やわらかくてほんのり甘い蕪と鶏肉団子の旨味を、出し汁のきいたとろみあんがやさしく包み、とろけるおいしさが口いっぱいに広がります
快復への確かな手ごたえを感じていた、その矢先に
 待ちに待った職場復帰を果たし、少しずつ仕事のギアを上げていくアキオは、まるで水を得た魚のようだった。わたしはそんなアキオを毎日、まぶしいような、頼もしいような想いで見つめる。アキオはやっぱり仕事が好きなんだなぁ。
 アキオには大好きな仕事を思いっ切りやってほしい。
 仕事が楽しそうなアキオを見るのがうれしかった。もちろん、食事も、仮の入れ歯が入ったことで、噛む力が増し、食べられるものが増え、アキオの食欲はとどまることを知らなかった。食べたいものを食べ、大好きな仕事に張り合いを感じているアキオの姿に、快復への確かな手ごたえを感じていたわたしは、すべてが順調に行っていると安心しきっていた。
 だが、そのわずか1カ月後のある日、突然、アキオは「食欲がない」と体調不良を訴えた。ガンの再発だった。
 医師からの余命宣告は淡々としたもの。
 ――残された時間は4カ月。
 その頃の、わたしとアキオのメールが残っている。
アキオへのメール
 わたしはアキオとずっと一緒。ふたりで頑張ろうね。愛してるよ。クリコ
アキオからの返信
 おおっ!
 この時、アキオは大きな不安の中にいたと思う。この短い「おおっ!」という返信は、自分を奮い立たせるための覚悟の言葉であり、「クリコ、頼むな」という言葉でもあるのだろうと、わたしはいくつものアキオの気持ちを想像した。ふたりで新たに闘う覚悟をした瞬間だった。
アキオは会社に出社することを止めなかった
 自分の命の終わりを宣告されたら、ひとは何を考え、残りの日々をどう生きようと思うのだろう。
 快復への手ごたえを感じていただけに、アキオにとっても、わたしにとっても、その宣告は大きな衝撃であり、信じられない、信じたくないものだった。そして、その現実は目の前にあった。
 アキオとわたしは、生きる望みを捨てることなく、免疫細胞治療に望みを託した。その一方で、緩和ケア病棟への入院手続きも行った。
 そしてアキオは、余命宣告後も、会社に出社することを止めなかった。
 ガンとの闘いに体力を奪われ、普通なら歩いて10分程度の駅までの道を、7、8回休憩しないと行けなくなったと言い、1時間以上かけて歩いていく。タクシーで行くように言っても聞かない。苦しいのになぜそうまでしてと、わたしは思った。空気や木々の匂いや、家々の日常の風景を少しでも長く感じていたかったのだろうか。いつもと同じように普通に、今まで通りに暮らしたかったのかもしれない。
 その後、アキオの体調が悪くなるにつれ、会社で任される仕事は減っていったようだった。それでも、アキオはどんなに小さな仕事でもうれしかったらしく、一生懸命に取り組んでいた。
 「みんなさあ、優しくて、すごくいい職場なんだよぉ。僕なんかさあ、もうできる仕事なんかほとんどないのに、嫌な顔ひとつしないで居させてくれるんだよ」と言い、心から感謝していた。
 仕事は生きる糧だ。
 生きるためのお金を稼ぐというだけの意味ではない。
 社会とつながり、仕事を通じて自分が人や会社や社会といった、誰かや何かの役に立っているという喜びがそこにはあるのだろう。思うように働けなくなってしまっても、いや、自分の生命の終末を見つめたからこそ、アキオは出社をヤメず、社会とつながり、生きている実感を求めていたのではないかと思う。
僕がいなくなった後は、妻をよろしく頼む
 そして、アキオは友人達とのお別れの会を自ら計画した。幼なじみ、大学時代の友達、会社の仲間との食事会をそれぞれ催し、友人たちと語らうひと時を楽しむ。もちろん、わたしも一緒に連れて行く。
 「僕がいなくなった後は、妻をよろしく頼む」とアキオは言い、友人らに別れを告げる。アキオの病状をずっと見守り、快復を応援し続けてくれた友人たちは涙を見せまいと決めていたのだろう。いつもと変わらぬ、笑いの絶えない語らいに湿っぽさはなく、明るくさらりとした別れだった。
 お別れの会でも、アキオは食べることを楽しんだ。うなぎ会席、ちらし寿司、しゃぶしゃぶ…。自分で行きたい店を選び、料理のほとんどを食べた。わたしが以前からアキオと一緒に行きたかった豆腐会席のお店にも仲良しの友人夫妻と一緒に行き、さまざまな工夫を凝らしたお豆腐料理に、アキオは「おいしいね。君がずっと来たがっていた店にやっと来られたね」と満足そうだった。
 そうそう、この頃、アキオと入った有名珈琲チェーン店で、アキオがアボカドとソーセージのアボカドドッグを注文した。両手で力いっぱいつぶして、アキオは長い時間をかけてこれを食べ切った。口のまわりと手がアボカドの緑色に染まってる。子供みたいでかわいい。
 ああ、あのときハンバーガーをおいしく食べたと言っていた(前回、ついに職場復帰! 召しませ愛の「流動食弁当」でお伝えした)のは、本当だったんだ。アキオは食べたいモノを食べておいしく味わったんだと、胸が詰まるほどうれしかった。
会社の机の中の私物を取りに行きたい
 アキオが最後に楽しんだ外食は穴子丼だ。
 医師から、出社禁止の絶対安静を言い渡されたあと、アキオは「会社の近くに、おいしい海鮮丼を出す店があるから、どうしてもクリコに食べさせたい」と、車椅子のアキオが連れて行ってくれたのだ。
 わたしが海鮮丼を食べ、アキオは穴子丼を食べる。食べることが大好きなアキオとわたしはいつも、外食時には必ず、別々に違う料理を注文する。そうすれば「半分こして、分けっこ♪」することで2つの違う料理を楽しめるからだ。
 このときも、もちろん海鮮丼と穴子丼を分け合って食べた。わたしが「おいしいね」というと、アキオは「でしょっ」と得意げな笑顔を向けた。
 その店を出ると、アキオの勤務先の会社は目と鼻の先。わたしは、食事を終えたらすぐタクシーで帰るつもりだった。なにしろ医師から絶対安静と言われている。これ以上、無理をさせるわけにはいかない。だが、アキオは「会社の机の中にある私物を取りに行きたい」と言い出した。
 ……もしや、会社に行きたくて海鮮丼を持ち出した!? 謀られた!
 どうしても行きたいというアキオに根負けしたわたしは、ちょっとの時間だけと約束させて、アキオを職場へ連れて行った。
 アキオの姿を見つけると、フロアのあちらこちらからたくさんの同僚の方々が集まってきて、アキオの車椅子を取り囲み、次々と声をかけてくれる。そのときのアキオのうれしそうな顔といったら! どれだけ職場を愛しているんだ、この人は!
 アキオが言っていた通り、こんなにやさしい人たちに囲まれて、アキオはなんて幸せなんだと、うれしかった。彼を職場に連れて来て本当によかった。アキオの残された時間がわずかであることを知っているひとの中には泣いている方もいたが、アキオは笑って、言葉を交わしていた。わたしは、ああアキオは大好きだった職場とその同僚の皆さんにひと目会って挨拶をしたかったんだな、と気づいた。
一番大切で、最後に残されるのは希望
 それからも、新しいスマホを買ったり、デジタルスピーカーを買ったり、わたしに内緒のプレゼントを用意してくれたり、余命宣告の期限より先のコンサートのチケットを買ったりと、アキオが生きることを放棄することはなかった。
 以前からわたしが行きたがっていたヴェネツィアへ旅行しようと言い出した時は驚いたが、わたしに楽しい思い出を残そうとしてくれるアキオの想いがうれしかった。
 この頃のことを思い出してみると、アキオは「生きられるところまで生きるのだ」という希望と強い意志を持ち続け、やがて訪れる終末への覚悟をしながら、 わたしに一生懸命、愛を残そうとしてくれていたのだとわかる。
 「僕はもう君を守ってあげられないんだから、自分に嘘をつかないように生きていかなくちゃいけないよ」
 この時期、つらくなかったとは言わない。
 いやもう、本当は心底つらかった。
 それでも生きる希望、生きる楽しみを持ち続けたアキオの姿に、わたしは勇気をもらい、どんなにつらくても傍らで見守ることができたのだと思う。アキオが病気と闘う姿や、余命宣告後の日々の姿を間近で見ていて、生きる上で一番大切で最後に残されるのは希望なのだと教えてもらった。
僕がどれだけ君を愛していたかがわかるよ
 ある時、アキオは「僕の人生は、圧倒的に幸せだったなあ」と、涙を浮かべてしみじみとつぶやいた。自分の人生を振り返り、さまざまなことを思い出しての言葉なのだろう。それを聞いたわたしは、あああああ…、よかったあああああと涙があふれた。そして、アキオの隣で、わたしも圧倒的な幸せに包まれたのだった。
 ―――食べることは生きること。
 家族で一緒にごはんを食べて「おいしいね」と笑顔がこぼれる食卓、家族のために作る食事、毎日の当たり前の光景がどれほど価値のあることか。わたしがアキオのために毎日作った介護食にも、生きる希望が詰まっていたのだと、いまは一つひとつの料理のレシピを愛しく思う。
 アキオが去って4年が経った。
 アキオが食べておいしいと喜んでくれたレシピを、今まさに介護食作りで苦労されている方々の役に立ててほしいと、わたしは活動を始めた。わたしが迷ったり、悩んだりするときは「クリコが思う通りにやればいいよ」とアキオがわたしの背中を押してくれている気がする。アキオとの二人三脚は現在進行形だ。
 亡くなる前、アキオはじっとわたしの目を見て「僕が死んだら、僕がどれだけ君を愛していたかがわかるよ」と、いつになく真剣な面持ちで言った。その時、わたしは「そんなこと、今この瞬間だってわかってる。わたしがわかっていないと思ってるの?」と戸惑い、何も言えなかった。でも、今ならわかる。アキオの不在がもたらした欠落感は、わたしにとって人生最大のピンチだったからだ。惜しみない愛情に包まれていた日々を思うたび、アキオの愛の深さ、大きさを強く感じている。
 ………いやいやいや、でもやっぱり!
 絶対、断然、圧倒的に、わたしの方がアキオを愛してる!!と、声を大にして書いておこう。
次のページに「アキオごはん」の数々が。次回は、著者インタビューを掲載いたします(編集Y)。
わたしが作ったアキオごはんをご紹介します
ポーチドエッグのトマトソース添え

ポーチドエッグ(沸騰したお湯に卵を割り入れて作る半熟卵)のふわふわ食感とトロ〜リ濃厚な黄身が至福の味わい。さわやかな酸味のトマトソースと絶妙なハーモニー
クリーミーなポテトピュレのサラダ

ジャガイモのピュレ(茹でてつぶした状態)にたっぷりのバターと牛乳を混ぜるだけ。バターのコクと香り、滑らかでクリーミーな食感がやめられないおいしさ。いろいろなトッピングを楽しんでいただけます
海老ビスク(スープ)のリゾット

全粥に市販の海老ビスクスープ(海老の旨味を煮出してクリームを足した濃厚スープ)の粉末を混ぜるだけで、海老の旨味がぎゅっとつまったリゾットのできあがり。家庭では出せない海老の濃厚風味が超リッチ
3分で作れる!簡単かぼちゃプリン

冷凍かぼちゃのピュレ(茹でてつぶしたもの)に、卵とミルク、ゼリー化パウダー(介護食用のゲル化剤)を混ぜるだけ。たった3分でできる濃厚なめらかプリン。カラメルソースは市販品でOK


このコラムについて
ダンナが、ガンになりまして
会社員アキオと専業主婦クリコは仲良し夫婦、というか、仲良し過ぎるバカップル夫婦。だが、夫アキオが口腔底ガンに。復活への意欲を燃やすが、体力を回復しようにもまず普通の食事ができない。妻クリコは奔走の過程で、味も見た目も「…」な介護食のお寒い現実を思い知り、決意する。「よし、それなら夫のために、おいしくて栄養のある介護食を私が作る」。仕事と、夫婦と、食事への愛情を綴る、バカップル・ノンフィクション。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/102500028/020200009/ 


 

「うまくいかない会議」3つのチェックポイント
会議が変われば、仕事が変わる
試して、実感して大きな差をつける
2017年2月6日(月)
横田 伊佐男

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 突然ですが、会社に勤めるビジネスパーソンにお願いがあります。
 ご自身の手帳やスケジューラーを開き、どれだけ「会議」に時間を割いているか計算してみてください。どうでしょう。スケジュールに占める「会議」の数と時間って、驚くほど多くありませんか。
 朝会、営業会議、進捗会議、他部署との連携会議、半期に1度の戦略会議、役員会議…。会議、会議、会議のオンパレードのはずです。
 そして、こんなボヤキを抱えていませんか。「会議、会議、また会議で自分の時間が取れない…」。「意味のない会議で、時間だけが無駄に過ぎていく…」。
 会議を仕切る、もしくは会議を部下に任す立場の管理職であれば、「お通夜じゃあるまいし、また誰も発言しないよ…」、「会議に“ぶらさがってる”部下たちばかりだ…」といった不平に近いボヤキも聞こえてきそうです。
 「ボヤキ」と言ったのには理由があります。「痛み」がないので、「悩み」にならないのです。悩みにさえならない「会議」。しかし、改めてスケジュールを眺めてみると、なんとまあ、会議に支配される時間が多いことでしょう。愕然としてしまいます。
「何を決断したか」が肝心
 ビジネスパーソンにとって、なくならないもの、それが「会議」です。忙しいビジネスパーソンにとって、非効率な会議ほど避けたいものはありません。分かってはいるけど、何の手も打たず、ただ会議をやり過ごしてませんか。
 あなたの部下、いやもしかしたら、あなた自身が非効率会議に文句も言わず、ただ参加している「ぶら下がり型ビジネスパーソン」ではありませんか。
 実はこれがやっかいです。非効率会議は、ボヤキになっても痛みがない分、悩みとして顕在化されにくいからです。
 「悩みとして顕在化されにくい」ということは、言い換えれば会議があると仕事をしているつもりになってしまうことを意味します。仕事をしているつもりというのは、安心してしまうのです。「あー、会議に次ぐ会議で、オレほど忙しいビジネスマンはいないよな」という方は、次のように問いかけてみてください。
 「それらの会議で何を決め、何を決断しましたか」
 答えられなければ、会議にぶら下がって安心している証拠です。
 ボヤキが悩みにならなければ、仕事の効率を上げる機会がいつまでたっても改善されないのです。これは、実にもったいない。「非効率型会議」を「効率型会議」にするだけで、劇的に仕事の質は圧倒的に上がります。
会議は不要どころか、絶対に必要
 ボヤキが多い「会議」。では、そもそも「会議」は不要なのでしょうか。
 ともすれば、「会議」自体が悪者の代名詞とされてしまうこともあります。ちまたには、会議を減らす、会議をやめる、などのノウハウ本も見かけられます。長い会議を短くするために、座る会議をやめて、立って会議をする会社が注目されたこともありました。
 しかし、会議についての問題の本質に近づかず、手法論に終始するノウハウは、本末転倒と言わざるを得ません。
 「会議は不要か」という問い対して「いや会議は、絶対に必要です」が私の解答です。これは私見ではなく、各界のトップランナーも異論を唱えず、実践していることです。いくつかトップランナーの実例を挙げましょう。
《先進各国首脳の例》
 先進各国の首相や大統領などの首脳は、かならず定期的にサミット(首脳会議)を行います。地理的に離れ、言語も異なり、多忙を極める首脳ならば、メールやテレビ会議が効率的かもしれません。しかし、そんなことは絶対に行わず、「会って」会議を行います。
 多忙なスケジュールの中、ホスト国に赴いて、顔を合わせて限られた時間内で会議を行います。登山者をガイドする案内人を「シェルパ」と言いますが、サミット(頂点という意味)で意思決定を支援する各国政府高官もまた「シェルパ」と呼ばれます。シェルパが準備に準備を重ねて顔を合わす時間を有意義にするのです。
 安倍首相も米国のトランプ大統領の就任が確定してまもなく、就任前に渡米会談して友好を深めたことは対面することの重要性を強く感じているからに違いありません。
《ソフトバンク・孫正義社長の例》
 日本を代表する経営者として知られるソフトバンクの孫正義社長は、新聞の一面を飾るような買収や出資などの意思決定をします。独断的に意思決定しているような孫社長も取締役会議を有効に活用しています。
 日本電産の永守重信社長、ユニクロで知られるファーストリテイリングの柳井正社長をブレーキ役、ご意見番役として社外取締役に据えて、会議の場を通じて、面と向かって孫社長自らに対峙できる実力者を揃えています。ボーダフォンを買収する際に、孫社長が柳井社長の後押しするアドバイスを参考にしたのは、有名な話です。
《楽天・三木谷浩史会長の例》
 楽天グループの三木谷浩史社長もまた日本を代表する経営者です。「楽天経済圏」を標榜し、業種が通販、金融から球団経営まで行う多様性の中で三木谷氏が重要視していることがあります。それは毎週、定例時間に全社員が一堂に会しての会議(朝会)です。
 インターネットサービスを推進している会社なので、テレビ会議、ウェブ会議に偏りがちに思われますが、三木谷氏は、「ライブで行う週一度の朝会に匹敵するほどのインパクトがある技術に出会ったことがない」と断言し、会議を活用しています(出典:三木谷浩史著『楽天流』講談社)。
 例に挙げた賢者達はみな、「会議」の重要性を認識し、実践しています。会議を行うことでチーム間での意思疎通が実現され、多様な視点から思わぬアイディアや解決策が生み出されます。
 うだつの上がらぬ経営者が言うなら説得力がないかもしれませんが、信頼を集め実績を出しているトップランナーです。上手に「会議」を活用し、意思決定や意識共有を図っているのでしょう。
 こうして見ると、会議で忙殺される、会議がうまく活用できないとボヤく我々ビジネスパーソンとの差は、あまりにも大き過ぎませんか。その差は、一体なんでしょうか。なぜ、我々の会議は、うまく機能しないのでしょうか。
 私はこれまで日本企業と外資系企業に勤務した後に、数百社のビジネスコンサルティングを行う中で幾千と会議に参加してきました。その経験から、「うまくいく会議」と「うまくいかない会議」を分ける、3つの「ステージチェックポイント」を発見しました。
会議前、中、後の3ステージで考える
 3つのステージとは、「会議前」「会議中」「会議後」という会議を取り巻くステージです。会議自体は「会議中」というステージにあります。その会議を迎えるまでが「会議前」です。会議終了後は、何かしらの行動が必要になりますが、それが「会議後」となります。
 それぞれ3つのステージには、気をつけるべきポイントがあります。
• 会議前:会議の論点を定め、人員を選定しているか。
• 会議中:3つのステップ(拡大・分割・俯瞰)で会議を運営しているか。
• 会議後:会議成果を共有し、行動につなげているか。
 この3つです。たった3つのチェックポイントを意識するだけで、会議の質が驚くほど変貌します。「会議」が変われば、「仕事」が変わります。「仕事」が変われば、「会社」が変わります。「会社」が変われば、それは自分に還元され、「人生」が豊かになります。
 これら3つのチェックポイントに答えるための簡単なノウハウがあります。
 簡単なノウハウを知るだけで劇的に人生まで変化させることができるのです。知っていると知らないのとでは、大きな差が生まれます。だったら、試して、実感して大きな差をつけませんか。
 次回から本格的に「最強の会議術」のノウハウをお伝えしていきます。
3ステップで組織の生産性が劇的に上がる! 最強の会議術 2月23日(木)開講!

講師の横田伊佐男氏
 本コラム著者、横田伊佐男氏による1泊2日の合宿型講座です。「確実に」「ストレスなく」組織の生産性を上げる会議の進行手法を2日に分けてしっかり学べます。
 プログラムは「最大の効果を引き出すためのカンタン準備術」「論点を定める『拡大思考』」「アイディアを整理する『分割思考』」「圧倒的な実行力を生み出す『俯瞰思考』」などで構成。15分の簡易ミーティングから数日に及ぶビジネス合宿まで、各種会議を効率的に取り仕切ることができるようになります。
 2日間の時間投資で、すぐに会議の質が変わる本講座。ぜひご参加ください。詳しくはこちら。


このコラムについて
会議が変われば、仕事が変わる
 会議に次ぐ会議…。ビジネスパーソンにとって「会議」は必要不可欠な活動ですが、忙しければ忙しいほど、非効率な会議は避けたくなるものです。効率的かつ生産性のある「会議」は、上級管理職から一般社員まで共通の願い。とはいえ、理想にほど遠いのが現状でしょう。
 このコラムでは、その課題を解決しつつ、「受動的」に会議にぶら下がる社員から、「能動的」に会議を仕切るビジネスパーソンに生まれ変わるため、カンタンかつ最強の会議術を修得してもらおうと考えています。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/16/012600016/012600002/ 



http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/726.html

[政治・選挙・NHK220] 日米同盟揺るがないとのメッセージ発信したい=首脳会談で安倍首相  トランプ氏への「英国女王流」おもてなし
日米同盟揺るがないとのメッセージ発信したい=首脳会談で安倍首相

[東京 6日 ロイター] - 安倍晋三首相は6日の政府与党連絡会議で、10日の日米首脳会談に関し「日米同盟は揺るがないとの明確なメッセージを世界に向けて発信したい」と述べ、日米関係の強化を通じてアジア太平洋地域の安定と平和に貢献すると強調した。

一方、文部科学省の天下り問題を巡っては「このような事案はあってはならない。国民の疑念を払しょくしなければならない」と語った。

(梅川崇)

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焦点:対中強硬姿勢のトランプ氏、次期政権内では意見不一致も
http://jp.reuters.com/article/abe-trump-message-idJPKBN15L0AT

 


Special | 2017年 02月 6日 08:24 JST 関連トピックス: トップニュース

コラム:トランプ氏への「英国女王流」おもてなし

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 2月2日、英国のエリザベス女王(写真)は、たとえ我慢のならない相手であっても、外国首脳と会うときは常に非の打ち所のない振る舞いを見せる。ただし、厳しいメッセージを送る場合には、きつい1発をお見舞いすることで有名だ。英国東部で27日撮影(2017年 ロイター/Toby Melville)

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[2日 ロイター] - 英国のエリザベス女王は、たとえ我慢のならない相手であっても、外国首脳と会うときは常に非の打ち所のない振る舞いを見せる。ただし、厳しいメッセージを送る場合には、きつい1発をお見舞いすることで有名だ。

元駐サウジアラビア英国大使のシェラード・カウパー・コールズ氏によれば、女王がかつてサウジアラビアの主要王族の一員を招き、王室の使用するランドローバーの前部座席に座らせ、王室領バルモラルをドライブしたことがあったという。

このとき女王は突然運転席に移り、スコットランドの風景のなか、存分に車を走らせ、皇太子を仰天させた。もちろん、サウジアラビアでは女性の運転が禁じられている。第2次世界大戦中に軍の技術者としての訓練を受けた女王は、そうした制約に対する自分の見解を行動で示したようである。

こうしたエピソードが世間で話題になることはめったにない。どのようなテーマであれ、王族との会話を公にしないのが英国の慣例だからだ。とはいえ、女王が礼節と様式について自分なりの考え方を持っていることは明白である。

さて、君主として世界最長の在任期間となる90歳のエリザベス女王は、これまでで最も始末に困る国賓の訪問を受けようとしている。トランプ米大統領だ。

トランプ大統領の訪英に向けた招待を撤回すべきだとまで主張する英国民も多い。イスラム教国7カ国とのつながりを持つ者の渡航を制限する米大統領令が出されて以来、さらにその声が高まっている。

トランプ氏の訪英阻止を求める請願はすでに150万人以上の署名を集めている。議会において、この問題に関する拘束力を伴わない討論を実施させるのに十分な数だ。昨年も似たような趣旨の反トランプ派の請願によって議会での討論が行われたが、政府がトランプ氏への招待を本当に撤回する見込みはほとんどない。

英国民投票における欧州連合(EU)離脱の選択を受け、まだ条件も定まらないブレグジットに向けて英国がヨロヨロと進むなかで、英国政府はこれまで以上に米政府との良好な関係を必要としている。具体的には、トランプ大統領にできるだけ満足してもらう必要がある。つまり、トランプ氏に「女王に歓迎されている」という印象を与える必要があるようだ。

具体的には、どういうことになるのか。女王自身を含むロイヤルファミリ―は、評判のよろしくない、あるいは少なくとも民主的な説明責任を果たしているかどうかも疑わしい、さまざまな国家指導者と顔を合わせてきた。多くの場合、それは、英国の経済的、外交的、地政学的な利益のためだった。それも王族に欠かせない務めなのだ、と多くの人が賛同するだろう。

英国は以前からずっと、米国との「特別な関係」にこだわり続けてきた。イラクやアフガニスタンへの軍事介入も含め、さまざまな行動の少なくとも一部は、そうした関係を維持する必要があるからという理由で正当化されてきた。

実際、米国と早期に貿易協定を締結し、米国の外交上の影響力を利用して他国にも同様の協定締結を促すという見通し(というより必須に近いが)は、「ブレグジット後」の悩める政権にとっては魅力的である。だが、これほど評価の別れる米国の指導者に傾倒しすぎることは、王室はさておき、メイ英首相にとっては、むしろ仇になる可能性がある。

外国の指導者、特に歴代の米国大統領は、女王や他の主要なロイヤルファミリーとの面会を強く求めるのが普通である。オバマ前大統領は昨年半ばに行われた最後の訪英の際、エリザベス女王の90歳の誕生祝いに出席し、女王のひ孫、つまりウィリアム王子の息子で王位継承者でもあるジョージ王子にもしっかりと面会している。

トランプ氏の熱意も、前任者に負けるとも劣らないようだ。「王室について報道されるたびにテレビにかじりついていた」とトランプ氏自身が評するスコットランド生まれの母親からの遺伝だろうか。

だが訪英に対するトランプ氏の期待を満たすことは難しいかもしれない。

たとえばサンデータイムス紙の報道によれば、トランプ氏はチャールズ皇太子との面会を望んでいないと明言しているという。恐らくこれは、同皇太子が環境問題・気候変動問題に強い関心を抱いていることが広く知られているからだろう。

外国の指導者が、就任後のこれほど早い時期に、完全な国賓として招待される、つまり、実質的にはその折々の政権ではなく君主の主催する威風堂々たる歓待を受けることは珍しい。

オバマ氏もジョージ・W・ブッシュ氏も、大統領として3回目の訪英で初めて国賓としての待遇を受けた。最初の訪英時から正式な国賓としての扱いを受けた最も新しい例はロナルド・レーガン氏だが、このときは就任から約18カ月が経過していた。だがトランプ氏は、無作法なほど性急な形で、国賓待遇を受けようとしているようだ。

大統領の訪英がいつ実現するのか、まだ正確には分からない。メイ首相は、先週ワシントンにトランプ氏を訪れた際に招待状を渡したと話している(こうした招待状は、厳密には首相官邸からではなく、バッキンガム宮殿から送られるもので、恐らくこれは、政治的にどうしても有害であると判明した場合に、メイ首相がトランプ氏訪英から距離を置くための便利な口実になる)。

だがガーディアン紙によれば、これほど早期に国賓待遇での招待が行われた要因の多くは、首相官邸に由来しているという。米国の新大統領との良好な協力関係を確保したいという気持ちが尋常でないほど強いことがその一因である。そうした関係のなかには、もちろん、何らかの種類の貿易協定の締結が含まれており、トランプ氏もその実現を公言している。

ガーディアン紙の報道では、首相官邸は、英国政界におけるブレグジット支持派の派手な面々の幾人かがトランプ氏と独自の会見を早々に実現したことにも動揺したという。

トランプ氏は、当選から数日も経たないうちに、ニューヨークで英国独立党のナイジェル・ファラージ前党首と会談した。ブレグジット運動を展開した元閣僚のマイケル・ゴーブ氏も、大統領就任式後まもなく独自の会見を実現した。どちらの人物もメイ首相との折り合いが特に良いわけではないと考えられており、メイ首相は明らかに、できるだけ早く自分もトランプ氏との関係を構築したいと考えている。

トランプ氏のように評価の別れる大統領が相手だと、関係の構築には複雑な政治的計算が伴う。もっぱら右派と目されるデイリーメール紙でさえ、トランプ氏の最も性差別的な発言のいくつかは言語道断だとみなしている。あるいは少なくとも、女性を中心とする同紙の読者がそうみなしていると考えているようだ。

メイ首相がワシントン訪問に向かう前、同紙は首相に対して、女性に対する軽蔑的なコメントについて釈明を求めるよう要望した(メイ首相はBBCに対し、トランプ氏のそうした女性蔑視の発言は受け入れがたいと話したが、ホワイトハウス訪問の際にメイ首相がこの点を話題にしたという裏付けはない)。

全般的には、メイ首相とトランプ氏との会談に対するメディアの反応は、ほぼメイ首相が期待した程度に好意的だった。会談は誠意のこもったものであり、英国側が「特別な関係」にどれだけ重きを置いたかを考えれば、概ねうまく行った。

2人の首脳がしっかり手を取り合っている写真は、人によっては少し親密すぎると見たようだが、大統領がスロープや階段、傾斜を気にしていたというのが一因であったと説明されている。どうやら彼には安心感が必要だったのだ。

恐らく英国の当局者にとってもっと気になるのは、これほど風変わりな米国大統領が、女王とのやり取りに何を期待しているのかという点である。ある英タブロイド紙によれば、英国の当局者は、トランプ氏が優先しているのは、自分の訪英がオバマ氏のときに比べて「より良い」ものであると感じられることだ、と考えているという。

トランプ氏の最大の希望が、女王が見守るなかで、バルモラルの王室領内でゴルフをする許可を得ることであっても不思議はない、と彼らは示唆している。

だが、トランプ氏は今回の訪英をあまり楽しめないはずだ。英国は貿易協定を必要としているかもしれないが、90歳の女王は、まだいくつかの手厳しい切り札を隠し持っている可能性がある。

*筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

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http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/303.html

[経世済民118] 外貨も稼ぐ漁師、平均所得200万円から脱却−24時間でアジアに鮮魚 米MBS市場のクジラが懸念材料に急浮上−FRB縮小

外貨も稼ぐ漁師、平均所得200万円から脱却−24時間でアジアに鮮魚
伊藤小巻、Chikako Mogi
2017年2月6日 05:00 JST 更新日時 2017年2月6日 13:11 JST

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複雑な流通を経ず鮮魚ベンチャーが直送、漁師の手取り増やす
羽田で鮮魚を集荷・加工し販売、ミシュラン星付きすし店も仕入れ

長崎県対馬市の漁業会社社長、久保幹太さん(44)は自身を含め9人で定置網漁を行っている。今の季節はイカ、ヒラマサ、サワラなどの漁獲があるが、「魚が減っており、どうやって高く売るかを考える必要がある」と言う。
  「生き延びるには売り先の選択肢も必要」と話す久保さんの出荷先は、地元の卸売市場だけではない。直線で1000キロ近く離れた東京・羽田空港内の「羽田市場」にも空輸で出荷する。鮮魚流通ベンチャーのCSN地方創生ネットワークが運営する鮮魚加工センターだ。ここから国内の百貨店やスーパー、高級すし店のほか、羽田をハブにアジア各地にも「超速鮮魚」が届けられている。売上高の4割は海外向けだ。

羽田空港内で仕分けされる魚 Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  豊かな海洋資源に恵まれながら、漁業従事者が減り続けている日本。複雑な流通経路でコストがかさむ結果、漁師の手取りは少なく、生計を立てにくいという背景がある。羽田市場の試みは捕れたての新鮮な魚をダイレクトに国内外に届け、生産者、消費者、店舗がともに恩恵を受ける三方良しを目指している。全国の漁業関係者の関心は高く、前地方創生担当相の石破茂氏も1月半ば視察に訪れた。
  水産白書によると2015年の国内漁業就業者数は16万6610人と12年間で3割減った。また14年の沿岸漁船漁家の平均漁労所得(燃料や修繕費など支出を除いた手取り)は199万円。これに水産加工や民宿などの漁労外所得を加えても215万円で、全国平均年収415万円の約半分にとどまっている。地方創生に向け、政府は農林水産物・食品輸出額を15年の7452億円から19年には1兆円に拡大することを目指している。
  一方、北欧の漁業大国ノルウェーは厳格な漁獲規制で水産資源を保護するとともに、養殖物など水産物の輸出に力を入れている。国際競争力強化に向け産地ごとではなく、国全体としてブランド戦略に注力し、「ノルウェーサーモン」を売り出している。

鮮度=カネ

  日本では水揚げされた魚は、産地と消費地の二つの卸売市場を経由するのが一般的で、地方で捕れた魚は築地で売られるまでに2、3日程度かかる。産地と消費者を直接つなぐ羽田市場の場合は、都内ならその日の夕方までにはスーパーや飲食店に並ぶ。アジア各都市でも水揚げから24時間で到着し、早ければ当日中に着くこともあるという。
  羽田空港の貨物ターミナル内にある鮮魚センター。外部からの雑菌を遮断した半導体工場並みのクリーンルームだ。貨物機の到着から間もなくコンテナが搬入されるとマスクに帽子姿の従業員たちが、全国から届いた魚の内蔵や骨の除去作業に取り掛かる。鮮度を保ったり、輸送コストの削減に向け軽量化したりするのが狙いだ。顧客のオーダーに合わせて箱に詰め、昼ごろには出荷する。行き先は国内にとどまらず、香港やシンガポール、タイ、ベトナムなどアジア各国・地域にまで及ぶ。

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鮮魚加工センターで魚を処理 Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  居酒屋チェーンなどで食材調達に関わった職歴を経て、CSNを設立した野本良平社長(53)は「鮮度がお金になる」と強調する。生産者も鮮度維持に向け指定された方法で血抜きや神経を抜く作業を求められている。対馬の久保さんは「鮮度処理や見栄えに気を遣い良い物を出荷するには手間は掛かるが、その分の価値を生む」と話す。
  鮮度が良ければ、単価の高い刺し身で提供できる状態が長くなる。香港なら届いた後、5−6日間刺し身で食べられるという。飲食店は食材破棄による損失を減らせるため、価格を上乗せしてもニーズがある。
地方創生
  もともとは漁業が盛んな対馬市も後継者難に直面している。久保さんは地元漁師の跡取りではなく、東京からのIターン組。大学卒業後、電気系エンジニアとしてサラリーマンをしていたが、11年前に漁師未経験者の就業者を探すフェアで後継者不在の会社と知り合い、漁業に飛び込んだ。
   
  農林水産省によれば小売価格に占める生産者の受取価格の比率(13年度)は青果物が45.8%だが、水産物は温度管理などが必要になるため30.8%と低い。さらに同じ水産物でも流通経路が複雑な通常の取引だと漁師の手取りは少なくなるのに対し、「羽田市場に出荷すると、福岡の魚市場に比べて1.5−2倍程度で売れる」と久保さんは言う。
  CSNの野本氏は「地方創生は外貨を稼がないと始まらない」が持論。「外貨」と言っても外国の通貨だけではなく、地元以外で稼ぐことを意味する。対馬では、どこの店でも朝捕れの魚が安価で並んでいるのが当たり前でも「良い状態で東京に運べば3―5倍で売れる」と話す。
  手取りを増やすには、朝一番の飛行機に間に合うよう朝6時から始めていた漁を夜中に前倒ししたり、ほかの漁師が休んでいる年末年始に働いたりするなどの努力も必要だ。そうして稼いだお金で車を買い換え、家を改築し、「経済的に潤う姿を都会に出た子どもが目の当たりにして、そろそろ家を継ぐかなって帰ってくる」と野本氏。そういう循環ができて、地方が自立した持続可能な社会になるという。
消費者
  高島屋日本橋店の鮮魚売り場で羽田市場のイカの刺し身を手にとった60代の主婦は、「ここのイカは鮮度が良いので何度か買っている」と話す。父親が板前だったこともあり魚の鮮度にはうるさい。この日は2人前880円で「値段はスーパーより1.5倍くらいするが、家族2人なので良いものが食べたい」と買い求めた。羽田市場が直営する銀座店には、ミシュランから星を獲得している有名すし店も仕入れに来る。


高島屋日本橋店で売られる「超速鮮魚」 Photographer: Komaki Ito/Bloomberg

  今年の築地市場の初競りは1月5日。高島屋で羽田市場の鮮魚を扱う中島水産では、日本橋店初売りの1月2日から鮮魚セットと寒ぶりを店頭に並べると即完売した。小売営業本部の唐木英輔チーフは、「築地が閉まっているため天然物は諦めて来店した顧客が喜んで購入していった」と振り返る。他の産直物に比べ羽田市場の特徴は全国からさまざまな旬の魚が集められ、「バラエティーに富んだ売り場」になることだ。買う物を決めずに来店する人から支持されているという。
  外国での和食ブームを背景に、羽田市場は海外販路の一段の拡大も考えている。運営するCSNは三菱地所などを引受先として第三者割当増資を実施し10億円を調達する予定で、海外営業の強化や海外飲食店の合併・買収(M&A)も視野に検討している。
  懸念されるのは、少子化の進行に伴う将来の国内需要の先細りだ。CSNの野本氏は魚離れを食い止めようと7年前から、首都圏などの小・中学校の給食時間に箸の持ち方から魚の骨の仕組みなどを楽しく学びながら食べ方を教える活動をしている。「魚の骨を自分ではずして食べるおいしさを覚えれば食べられなかった子も食べるようになる」。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-05/OKB7L06K50XS01


 

米MBS市場のクジラが懸念材料に急浮上−FRB保有証券の縮小観測
Liz Capo McCormick、Matt Scully
2017年2月6日 10:17 JST

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• FRBは量的緩和プログラムを通じ1兆7500億ドル相当のMBS保有
• 当局者発言を受けて年内に保有縮小を開始するとの見方も

米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策の壮大な実験開始からほぼ10年を経て、ようやくその巻き戻しについて話し始めている。それが実行に移されれば債券市場に波及し、米住宅市場の回復にも脅威を突き付ける恐れがある。
  どれほど大きな影響が及ぶかを数値化することは難しい。だが、金融危機後の前例のない量的緩和(QE)の一環としてFRBが蓄積した保有債券を縮小する必要性について、幾人かの当局者がここ1カ月に公に言及している。こうした発言を受け、ウォール街関係者の間では当局が早ければ年内に縮小を開始するとの見方も一部浮上。1兆7500億ドル(約200兆円)規模の住宅ローン担保証券(MBS)の保有が再び関心を集めている。

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  FRBは4兆4500億ドルの資産の一部として米国債を保有しているものの、MBSの保有は長期にわたり論争を呼ぶ問題となっており、一部の議員はFRBの責務達成に必要な措置を超えた投資だと批判している。FRBは現時点で米国のMBS需要の最大の源泉で、MBS市場の3分の1を占めるだけに、何か行動を起こせば住宅購入者のコストを押し上げる公算が大きい。
  過去1年だけでもFRBは、保有を維持するためだけに3870億ドル相当のMBSを購入した。ムーディーズ・アナリティクスによると、景気改善を受けて当局が債券購入から手を引けば、30年物住宅ローン金利は3年以内に6%を超える可能性がある。
  RBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、マイケル・クロハティ氏はQEの巻き戻しはMBS市場に「大規模で長期にわたる打撃を与える」と述べ、当局が10−12月(第4四半期)に保有証券の縮小を開始して最終的に保有するMBS全てを処分すると予想した。

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原題:The Mortgage-Bond Whale That Everyone Is Suddenly Worried About(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKXGKX6JTSJG01

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/728.html

[政治・選挙・NHK220] トランプ氏、揺らぐ同盟国との信頼関係 日本も矛先か 
トランプ氏、揺らぐ同盟国との信頼関係 日本も矛先か
By WILLIAM PESEK
2017 年 2 月 6 日 17:07 JST
 昨年11月7日の米大統領選で勝利し、世界に衝撃を与えたドナルド・トランプ氏は、その10日後に日本の安倍晋三首相が大急ぎでニューヨークに飛び、金色に輝くトランプ・タワーを訪ねてきたことにご満悦だった。安倍首相にとっても、それはホームランを打ったようなものだった。トランプ氏に真っ先に祝意を伝えれば、日本は地政学上の序列で特権的地位を得られると考えたようだ。トランプ氏にとっては、主要国である日本の安倍首相に米国の新たな「信頼できる指導者」と宣伝してもらう効果があった。

 それから80日ほどが過ぎた今、トランプ氏と安倍首相の「信頼関係」は揺らいでいるように見える。トランプ氏は安倍首相の訪問を受けた直後に環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を宣言し、安倍首相のこれまでの改革努力を台無しにした。トランプ氏はさらに、「日本株式会社」を代表するトヨタ自動車をツイッター上で批判した。最近では、為替操作を行っているとして日本政府と中国政府を同列に非難しているようだ。トランプ氏は、中国と日本が通貨を切り下げている間、「米国はただ指をくわえて見ているだけだ」と述べた。

 トランプ氏と安倍首相の関係はうまくいかないのだろうか。気が早いと思うかもしれないが、日本の思惑通り安倍首相がトランプ氏と「信頼関係」を築くことができる、との考えに疑問を唱える時が来ている。

 オーストラリアのマルコム・ターンブル首相はこの件について物申したいことだろう。日本と同様、米国の主要同盟国であるオーストラリアのターンブル首相とトランプ氏との1月28日の電話会談では、全貌を表しつつある「トランプ主義」を垣間見ることができた。ロシアのウラジミール・プーチン大統領のような「友好国のふりをした敵国」に好意的な態度を示す一方、米国の友好国をないがしろにするというやり方だ。

 この電話会談で難民問題に話が及ぶと、トランプ氏は「次のボストン(マラソン)爆弾テロ犯」を米国に送り込むつもりかとターンブル首相を非難したとされる。同氏は2月1日のツイートでオーストラリア政府への批判をさらに強め、バラク・オバマ前米大統領との間で締結した「ばかげた」取引の内容を精査していると述べた。トランプ氏は本気なのだろうか。同氏が信頼できる友好国と積極的に距離を置くつもりなのかは誰にも分からない。足元でドルを売っている為替トレーダーもそれは同じだ。日米同盟の行方は興味深い先例となりそうだ。

 安倍首相が最初に犯した大きなミスは「流儀」だった。米国でベストセラーとなった1987年出版のトランプ氏の自伝「アメリカを変える男(原題:Art of the Deal)」に軽く目を通していれば、安倍首相はトランプ氏との交渉で不利な立場に立たされることはなかったかもしれない。安倍首相の「トランプ詣で」は、「日本はトランプ氏のお墨付きがどうしても欲しいのでトランプ氏の言いなりになる」という印象を与えた。トランプ氏が日本とのさまざまな交渉の中で11月17日という日をすぐに、そして何度も思い出すのは間違いない。自由貿易交渉をはじめ、円相場の妥当な水準、米国の安全保障網にとどまるために日本が負担すべき対価、米国のアジアでの利益拡大に向けた日本の支援などを巡る交渉でそうした記憶がよみがえるはずだ。

 米国務省の高官だったジェレミー・シャピロ氏はニューヨーク・タイムズ紙に対し、トランプ氏が重んじるのは「力と勝利」であって「人間関係」ではないことがこれまでに明らかになったはずだと言う。「ホワイトハウスまで急行し、そこで出したのが友情関係という弱いカードだったなら、搾取されるのは間違いない」と述べた。

 例えば、英国のテレーザ・メイ首相は、ホワイトハウスを訪れた数時間後にトランプ氏が事実上のイスラム教徒入国禁止令に署名したことを知り、気分を悪くした。

 安倍首相は同じような仕打ちを受けるリスクがあることを認識しておくべきだ。就任から2週間余りという段階で早くも、トランプ氏が言う「米国第一主義」の本当の意味は「米国の一人勝ち」だということが明らかになりつつある。このゼロサムゲームは、日本の利益(輸出拡大を促す取り組みなど)と真っ向から対立する。米国の「最も緊密な関係」について知らないことを文字通り知らない米大統領と連携していく方法を検討中のオーストラリアにも同じことが言える。

 日本の綱渡りの対応は特に心もとない。核開発を進める北朝鮮は大陸間弾道ミサイルを完成させつつあり、中国はアジアの海域で領有権争いを繰り広げている。そうした中、米国の安全保障網の重要性はかつてないほど高まっている。米国の「最高司令官」であると同時に「最高交渉官」と化したトランプ大統領が日本と「取引」しようとしているため、安倍首相の地位は地に落ちた。どれほど地に落ちたかというと、安倍首相は今週フロリダ州でトランプ氏とゴルフを楽しむ予定で、その際に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による米国のインフラ事業への投資を約束すると報じられているほどだ。トランプ氏はそれに報いるだろうか。テンプル大学のジェフ・キングストン教授は「日本は米国との『壁』に年金資金を投じるようなものだ」と言う。つまり、安倍首相は、日本が東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を巡って交渉中のアジア15カ国よりもトランプ氏から有利な条件を引き出せるという考えを撤回するのが早ければ早いに越したことはない、ということになる。

 安倍首相にとっての最善策は構造改革に真剣に取り組むことだ。そうした改革を通じて競争力の向上や技術革新の促進、労働市場の規制緩和、官公庁の非効率性改善、教育の近代化、さらに女性の地位向上を実現することだ。アベノミクスはこの4年余りで小刻みに得点を上げてはいるが、ホームラン級の成果は上げていない。日本銀行の大規模な金融緩和が企業の一時的なカンフル剤になっているものの、大胆な規制緩和でなければ日本が世界経済の牽引役になることはできない。トランプ氏をその気にさせるには「勝利」する以外にない。日本が経済面で「勝者」となり、米国に対して中国という逆風以上の追い風をもたらせば、トランプ氏も納得するだろう。

 安倍首相は国際社会で日本の影響力を高めようと懸命に取り組んでいるが、うまくいっていない。世界中を訪問し、首脳会談を何度も開催している。トランプ大統領の「親友」であるプーチン大統領とは何度も会談しているが、プーチン大統領の対応はつれない。日本の影響力を高めるには、日本経済を再び強くすることが一番の近道だ。その取り組みは日本国内で始めるべきであって、1万キロ以上も離れた金色のタワーの中ではない。安倍首相が「信頼関係」を妄信しているわけではないのは明らかだ。大事なのは、1億2700万人の日本国民からそうした信者が生まれないようにすることだろう。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwje5uHpg_vRAhUFpZQKHYHMDBEQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10734999991334983926204582604824023290142&usg=AFQjCNHZ9pnC9LJ2sRJ98DJOipRemmVJQg
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/311.html

[経世済民118] トランプ氏をだます厚化粧1月雇用は300万人減 会社から正社員が消える時 ウォール街はトランプによる規制緩和の夢を見るか
【米経済ウオッチ】
トランプ氏をだます厚化粧、1月雇用は300万人減
山広 恒夫
2017年2月6日 06:45 JST

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• 選挙運動中なら、トランプ氏は「いかさま統計」と叫ぶところ
• 年末の一時雇用者を一斉解雇、季節調整で「22万7000人増加」に変身

トランプ米大統領は、1月の雇用者数が約23万人増加したと公表された後、「雇用の数値に非常に満足している。国民には活気がある」と統計内容を高く評価した。選挙運動中に好調な雇用を示す統計が発表された後、「怪しい統計だ」と批判していたのと様変わりだ。
  選挙戦当時に出た好調な経済統計はオバマ民主党政権の功績とされ、同党から指名されたクリントン候補を支援するため、トランプ氏は統計内容の精度に疑いの目を向けていた。しかしトランプ政権誕生後はこの関係が逆転し、強い経済は共和党政権の手柄になるため、明るい統計はトランプ氏に歓迎されるようになった。

金融規制緩和の大統領令に署名したトランプ米大統領(3日)

Photographer: Aude Guerrucci/Pool via Bloomberg
  トランプ氏はこんなところでも発言の真意が分かりやすい。実際、1月の雇用統計は選挙運動中のトランプ氏ならずとも、「いかさまだ!」と言いたくなるような内容だ。労働省は1月の非農業部門の雇用者数を22万7000人増加と発表した。この数値は季節調整を施したもので、調整前の原数値は294万8000人減少と途方もない数値である。
  これを季節調整で22万7000人増に厚化粧したわけだ。2016年1月の原数値は297万5000人減少で、今年1月よりマイナス幅がわずかながら大きい。この時の季節調整値は12万6000人増と、プラス幅は今年1月に比べて10万1000人も少ない。2010年以降15年にかけて毎年1月は原数値マイナス260万−280万人台で推移しており、16年1月からマイナス幅が拡大した。チャートからはチャネルトレンドの下限を下回ってきたことが見て取れる。これは景気後退を先見しているようだ。

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  1月に雇用が大幅にカットされるのは、11月の感謝祭で始まる年末セールで一時雇用された労働者が、年明けに一斉に解雇されるためである。今年は1月に大幅なマイナスを記録したが、昨年12月も22万5000人の減少で、減少幅は15年12月の3000人から大幅に拡大していた。
  今年1月と昨年12月を合計すると317万3000人の減少となり、16年1月と15年12月の合計297万8000人減より悪化したことが分かる。
  さらに、この原数値をサービス部門と財生産部門に分解すると、新たな視界が開ける。今年1月のサービス部門の雇用者原数値は前月比261万9000人の減少と、16年1月の258万2000人減少からマイナス幅が拡大している。
  これに対して、季節調整値では今年1月が18万2000人増と、原数値ではマイナス幅が小さかった16年1月の10万2000人増から8万人もプラス幅が拡大しているのである。季節調整のマジックが一段と強く効いているわけだ。参考までに、今年1月の財生産部門雇用者数は原数値32万9000人減が、季節調整後に4万5000人増。16年1月は原数値39万3000人減が、季節調整で2万4000人増とされている。
  季節調整係数は細目ごとに変化するため、一概には論じられない。しかしグレートリセッション後の弱い労働市場、さらに15年後半以降の雇用増の基調的な鈍化を反映して、季節調整による押し上げが大きくなってきたことは間違いない。この要素を無視してヘッドラインの動向に一喜一憂していたのでは、いずれ現実が表面化したときの驚きは倍加されよう。トランプ米大統領はそのときになって、前政権と統計の精度のせいにすることはできない。
 
(【米国ウオッチ】の内容は記者個人の見解です)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-05/OKTH3J6K50Y001


 


 

米賃金、伸びの鈍化に惑わされるべからず
1月の米雇用者数の伸びはエコノミスト予想を上回ったものの、賃金の伸びは予想を下回った
By JUSTIN LAHART
2017 年 2 月 6 日 07:20 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 1月の米雇用統計を見る限り、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ再開までもうしばらく待てそうだ。もっとも、投資家はそんな見方にしがみつくべきではない。

1月の米雇用統計、エコノミストはこうみる
 1月は米国の労働者にとって素晴らしい1カ月だった。米労働省が3日発表した1月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月比22万7000人増となった。ただ、雇用者数はエコノミストの予想を上回ったものの、賃金の伸びは予想を下回った。平均時給は前月比で0.1%増にとどまり、前年同月比では2.5%増だった。12月の平均時給は前年同月比2.9%増から2.8%増に下方修正された。

 賃金の伸び率だけを見れば、労働市場には依然としてかなりのスラック(緩み)があり、一部の雇用主の主張とは裏腹に、能力のある労働者の不足は実際には生じていないという説がもっともらしく思える。だとすれば、FRBは少なくとも今年前半は金利を現行水準に据え置くことができるということだ。

 しかし、1度の雇用統計だけでそこまで言うのは言い過ぎだ。賃金はさまざまな理由でかなり大きく動くことがある。1月がそうだったが、賃金が低い小売業が雇用者数の増加幅で賃金が高い製造業を上回れば、全体の賃金は下押しされる可能性がある。コーナーストーン・マクロのエコノミストは、労働省が雇用調査を行ったタイミングが賃金に影響したと主張している。同社の予想は、雇用者数ではコンセンサス予測を上回り、賃金では下回った。

 さらに言えば、月間の賃金にぶれはあっても、賃金の伸びは基本的に上昇傾向にある。もしここ最近のようなペースで雇用者数が増加し続ければ、雇用できる労働者はさらに減り、賃金の伸び率は上向くだろう。そうなれば、FRBも手をこまねいてはいられない。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwivku3o8vrRAhXIW5QKHW0oCUsQqOcBCBwwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11367774349816344181604582604003667145034&usg=AFQjCNEMx1KypOB_aJENEb7DBClLOv_WSg


 


 


会社から正社員が消える時:変わる米企業
ホワイトカラー職にもアウトソーシングの波

By
LAUREN WEBER
2017 年 2 月 6 日 16:08 JST
 企業の労働生産性を見る指標の一つである「1人当たり売上高」。米航空業界では、この指標でヴァージン・アメリカの右に出る企業はない。なぜなら、同社で荷物の配送や機材の整備、予約、ケータリングを含む数多くの業務を行うのは正社員ではなく、委託を受けた外部業者だからだ。
 「顧客と対面しない業務のすべてを外注するつもりだ」。昨年3月、デービッド・カッシュ最高経営責任者(CEO、当時)は株主に向けてそう話した。4月にはカッシュ氏が立役者となり、26億ドル(現在の為替レートで約3000億円)で同社をアラスカ航空に売却することで合意。この価格は2014年11月に実施した新規株式公開(IPO)時の2倍以上だ。カッシュ氏は昨年12月、売却が完了した時点で退任した。

プラット・アンド・ホイットニー(P&W)の部品配送業務を担うユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の集荷・再配送施設 PHOTO: FOR THE WALL STREET JOURNAL
 米国企業が従業員数の縮小にこれほど注力したことはかつてない。アウトソーシング(業務外部委託)の波は衣料メーカーの縫製部門を中国に、コールセンター業務をインドに移すなどしてきたが、いまや全米各地のほとんど全ての業種に波及しているようだ。
 米小売り大手ウォルマート・ストアーズの倉庫で荷物を下ろしている男女は米トラック輸送シュナイダー・ナショナルの物流部門が人材派遣業者から手当てした人々だ。米製薬大手ファイザーは昨年、臨床試験の大部分を外注した。
 米経済誌フォーチュンが毎年発表している「最も働きがいのある会社」ランキングで過去10年のうち7回トップに輝いたグーグルの親会社アルファベットは、関係者によると、正規社員と非正規社員がほぼ同数だという。 
 同社で働く約7万人の派遣・臨時・契約社員は自動運転車の試験や、製品の改良、マーケティング、データ関連プロジェクトなど数多くの業務を担当している。正社員は白いバッジをつけているが、非正規社員は赤いバッジをつけている。
様変わりする働き方や企業のあり方
 こうした傾向は企業や社員のあり方を劇的に様変わりさせつつある。企業にとっては雇用規模や人件費、福利厚生面で融通が利くようになる一方、従業員にとっては雇用の保障が弱まることを意味する。かつては郵便物の仕分け係から昇進を繰り返し、最後には幹部として眺めの良い角部屋のオフィスに出世するコースもあったが、今ではそれが難しくなった。外部に委託される仕事はもはや、将来のスター社員を輩出する出世コースには入っていないからだ。
 企業にとって、従業員を外注業者に置き換える最大の魅力は経費コントロールだ。外部委託しておけば、新たなアイデアや必要な変化への対応に足りるだけの正社員を抱えるだけで済む。
勤め先はどこ?
米国の労働力に占める非正規社員の内訳(青:フリーの契約社員、赤:非常勤社員、黄:臨時社員、灰:派遣社員、緑:複数の企業と契約している派遣社員)

https://si.wsj.net/public/resources/images/P1-BZ973B_CONTR_16U_20170201171529.jpg

 一方、労働者にとって、この変化は賃金の低下につながることが多い。また、「勤め先はどこ?」という単純な質問に答えるのが驚くほど難しくなることを意味する。外部委託によって作り出された労働力のこうした二層構造が、同一業務を担う労働者間の所得格差を広げていると指摘するエコノミストもいる。 
 政府機関が統計対象とする雇用カテゴリーにぴたりと当てはまるものがないため、こうした雇用形態で働いている人が具体的にどれほどいるのかは不明だ。エコノミストの推計は、全米労働力の3%から14%と幅広く、最大で2000万人と見積もられている。
 昨年発表された学術研究によると、アウトソーシングを最も狭い意味でとらえた統計の一つは、単一顧客での常駐業務に従事する間接雇用による労働者としており、米国の労働者全体に占める比率は2005年の0.6%から15年には2%に上昇している。
 企業は社外従業員について詳細をほとんど公開しないが、外部委託向け業務の種類や数を急速に増やしている。人材会社の幹部によると、大手企業の場合は全従業員の20〜50%をアウトソースしていることが多い。 
 独SAP傘下の米SAPフィールドグラスで戦略・顧客部門を率いるアルン・スリニバサン氏は、石油、ガス、製薬業界では、外部従業員の数が少なくとも2対1の割合で正社員を上回る企業もあると指摘する。
ホワイトカラーにもアウトソーシングの波
 清掃やビル管理業務、社員食堂の運営などは外部委託されて久しいが、給料が比較的高いホワイトカラー職、例えば科学研究や採用、運用管理、融資審査といった職種にも同じような変化が起きている。
 米労働統計局(BLS)の2015年のデータによると、医師や看護師による口述の診療記録を文書に起こす医学記録転写士の25%は同局が業務補助サービスと呼ぶ業種の雇用者に分類されている。この比率は2009年以降で8ポイント余りも急増している。
 大手企業の中には最終的に、最も重要な社員以外をすべて外部委託で賄うところも出てくるかもしれない。コンサルティング会社のアクセンチュアは昨年、今後10年以内に世界中の2000社に1社は、「最高責任者の肩書きがつく職種以外はすべて非正規社員」になると予測した。

以前はプラットの社員150人が2工場で部品の仕分け作業をしていたが、今はUPSの200人の従業員が5工場分の仕事を処理している PHOTO: FOR THE WALL STREET JOURNAL
 ただ、中には外部委託を試みた後で翻意した大手企業もある。米小売りチェーン大手ターゲットでは、2015年にマイク・マクナマラ氏が最高情報責任者(CIO)に就任した際、IT(情報技術)関連業務の約70%が外部委託に移された。ところが現在は外部委託された業務の約70%を正規社員が担当している。
 マクナマラ氏は「競争上の優位性をどこから得るかといえば、それは社内からだと強く確信している」とし、同社は「(競争相手が)実際に問題にならないくらい優秀なサプライチェーンのアルゴリズムを持っている」と述べた。
ハリウッド型の雇用形態を想定
 しかし外部委託の潮流が反転すると考える企業やコンサルティング会社、エコノミストはほとんどいない。中核業務以外の仕事を外部へ委託すれば、その分の時間とエネルギーを企業が最も得意な分野に割くことができる。労務管理を外部に任せておけば、企業は最終製品のことだけ心配していればいいことになる。
 ハリウッドの映画制作会社のように、制作する作品が決まってから監督を雇い、俳優や編集者、特殊効果チーム、マーケティング会社を決めていく雇用形態にこれをなぞらえるエコノミストもいる。集められたスタッフは特定の映画を制作するためだけに働き、制作会社は映画公開後の長期的な雇用義務を持たないという形態だ。
 ジェットエンジンメーカーの米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)は2015年、3つの新工場の稼働に合わせ、それまで工場ごとに部品メーカーが直接納入していた方法をやめることにした。サプライヤーからの納入を1カ所に集中させ、そこから全5工場へ向けてまとめて再配送する一元管理を導入し、配送業務をユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)に委託することを決めた。
 UPSはフットボール場10個分に相当するプラット専用の巨大な集荷・配送施設を新設。プラットの既存2工場で働いていた約150人の部品配送スタッフには再研修の機会が与えられた。離職した従業員もいたが、多くは再研修を受けた。UPSは時間給制の労働者を約200人雇用した。

ニューハンプシャー州ロンドンデリーにあるUPSの集荷・再配送施設 PHOTO: FOR THE WALL STREET JOURNAL
 UPSの従業員の大半はこの分野の未経験者で、当初は部品の損壊や不備が出た。プラットによると、同社とUPSのコンピューターシステムを同期させるのにも苦労し、その結果、2015年第3四半期にエンジンの納入が33%減少し、売上高が約5億ドル(約563億円)減った。
 だが次の四半期には生産がスケジュール通りに戻り、現在はうまく機能しているという。以前はプラットの社員150人が2工場で仕事をしていたが、今はUPSの200人が5工場分の仕事を処理している。プラットの従業員は労働組合に入っているが、UPSの時給労働者は入っていない。
 バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)は2015年、決算発表後の投資家向け電話会議で、一人当たりの収入が他行より低い理由を聞かれたことがある。
 トッド・ギボンズ副会長兼最高財務責任者(CFO)は、投資家は別の要素にも注目すべきだと指摘。「正社員か契約社員かなどを考慮に入れて、従業員の頭数と競争力の関係を正しく計算するのは困難を極める」と述べた。
 ジェラルド・ハッセル会長兼最高経営責任者(CEO)は、現在は人が行っている業務をテクノロジーで置き換え、人件費を抑えると約束した。より多くの業務が自動化されるまでの一時しのぎとして契約社員をとらえている企業もある。
 BNYは1月、アナリストや投資家に向けて、同行では今、「150以上のボット(人の代わりに業務を行うソフトウエア・ロボット)が稼働中だ」と話した。
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjTvcfFg_vRAhVGo5QKHezfAb0QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11367774349816344181604582604182174102756&usg=AFQjCNHTzTIqT33HBwtq9mGu5NRbMpmG9Q

 


 

 

ウォール街はトランプ氏による規制緩和の夢を見るか

トランプ大統領はドッド・フランク法の見直しを指示する大統領令に署名した PHOTO: NICHOLAS KAMM/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By AARON BACK
2017 年 2 月 6 日 12:53 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」***

 ドナルド・トランプ米大統領の金融政策課題は、規制緩和という面だけでなく、議会の承認を得ずに物事を進める決意を明らかにしているという点でも大胆だ。

 トランプ政権が3日に金融規制緩和計画の概要を示した後、金融株に投資している向きは株価を大きく押し上げてこれを祝った。しかし、同政権が融資と雇用創出を促進するという公約をどの程度達成できるかは不明だ。法律の制定が伴わない場合はなおさらだ。

 トランプ氏は3日、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の縮小に向けた枠組みを作る大統領令に署名した。また、オバマ政権が制定した、小口投資家の保護を目的とした退職貯蓄の受託者責任ルールの導入を延期、そしておそらく廃止に乗り出している。

 金融大手ゴールドマン・サックス・グループの元社長で国家経済会議(NEC)委員長のゲーリー・コーン氏が説明したように、この規制緩和計画はひと目見ただけでウォール街の夢のように思える。

 金融危機後に制定された規則の多くは規制当局の自由裁量に任されている。トランプ政権はこうした規則の施行方法を見直す計画で、銀行の自己勘定取引を禁止するボルカー・ルールも含まれているほか、消費者金融保護局の人事異動もあり得る。

 自己資本要件も一部緩和されるかもしれない。この分野のトランプ政権の裁量権は国際協定によって制限されるが、コーン氏は「自己資本については、(米国の銀行が)欧州の銀行のずっと先に行っている」とウォール・ストリート・ジャーナルに語った。

 自己資本要件が大幅に見直されなかったら、行動計画の多くは、トランプ氏が中心的課題と言う銀行融資にせいぜいわずかな効果しかもたらさないだろう。

 確かに融資活動は金融危機後の数年間、弱まったが、景気回復に加え、銀行が自己資本を積み増し、新規則に適応したことで、銀行融資は再び加速している。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、米銀による融資・リースはこの3年間、年平均6.9%のペースで増加した。2000?07年では7.9%だったが、この数字は金融の安定を維持するには高過ぎた。

 ワシントンの民主党と共和党の間では、中小規模の銀行が規制によって過度な負担を負っているため、小規模企業に融資が行き渡っていないとの見方が大勢だ。だが、トランプ政権がこの問題にどのように対処するかは分からない。幅広い支持が得られそうな措置の1つは、FRBの年次ストレステスト(健全性審査)の対象となる銀行の総資産基準の引き上げだ。現在は500億ドルで、おそらくシステム上重要ではない数多くの中堅銀行が対象となっている。

 しかし、それには法律制定が必要で、トランプ氏の一方的な行動に議会がどのように対応するかは不明だ。独自の改革案を策定している共和党は、脇に追いやられることを快く思わないかもしれない。また、上院で議事進行を妨害できる民主党は、闘争的な態度をとることを一段と迫られる可能性がある。

 ただ、トランプ政権にはもともと、特にウォール街の大企業のために規制を大幅に緩和できる力がある。大統領選以降、大きな勝ち組の1つとなっている金融株は上値を伸ばす新たな燃料を得たのだ。

トランプ新政権

トランプ氏、ドッド・フランク法見直しの大統領令に署名
トランプ政権の「弱いドル」政策がはらむ矛盾
トランプ米大統領の発言と政策にドルが板挟み
トランプ氏は「シリコンバレー型」大統領なのか
米入国禁止差し止め、最高裁1人欠員の影響は
米入国禁止令、中東のキリスト教徒に逆風
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米金融規制緩和、トランプ氏にできることとできないこと

トランプ米大統領(写真)が署名した金融規制緩和の大統領令が目指す規制変更は大きく三つに分けられる PHOTO: EVAN VUCCI/ASSOCIATED PRESS
By RYAN TRACY
2017 年 2 月 6 日 14:16 JST

 ドナルド・トランプ米大統領が3日、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しを指示する大統領令に署名したことを受け、米金融業界が何年も掲げてきた目標の実現に弾みがつく一方、民主党や消費者団体の間からは不安の声が上がっている。

 だが、大統領令が発令されたからといって、オバマ前政権下で成立した規制を廃止するためホワイトハウスができることに実際には限界があるという事実は変わらない。

 この大統領令が見直しを目指す規制は大きく三つに分けられる。変更に議会の承認が必要なもの、トランプ大統領が指名する規制当局の独自の判断で変更可能なもの、そしてホワイトハウスが一方的に変更できるものだ。

1.ホワイトハウスが変更できるもの

 まず挙げられるのは、退職貯蓄を扱う金融機関に新たな規制を課す「フィデュシアリー・ルール」だ。オバマ前政権は昨年、業界の強い反発をよそにこのルール導入を決定した。トランプ政権は施行日(17年4月10日)延期のほか、ルールの変更や撤回を行うことができる。他の多くの金融規制と違い、これは労働省によって発せられたものだからだ。労働省トップである労働長官は閣僚の一人だ。大統領選の結果にかかわらず一定の任期を務める金融規制当局トップと異なり、労働長官の人事は大統領が握る。

 トランプ大統領は規制当局トップを指名する権限を使って金融政策の方向性を左右することもできる。ただ、これには時間がかかる。例えば、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の任期が満了するのは18年2月だ。

 とはいえ、大統領が直ちに指名できる重要ポストは幾つかある。FRBの銀行監督担当副議長が空席になっているほか、商品先物取引委員会(CFTC)委員長もすぐ指名できる。証券取引委員会(SEC)委員長は既に指名済み。通貨監督庁(OCC)と連邦預金保険公社(FDIC)のトップはそれぞれ4月と今秋に指名できる。

 また、消費者金融保護局(CFPB)の現局長を更迭し、住宅ローンや自動車ローンなどに影響する同局の規則を撤廃することに前向きな人物を新たに指名することもできる。

 さらに、財務長官が議長を務める金融安定監視評議会(FSOC)などを通し各当局に圧力をかけることも可能だ。

2.金融規制当局が独自に変更できるもの

 トランプ政権が指名した当局トップが正式に就任すれば、それぞれ規制の見直しに着手できる。だが、幾つかハードルもある。銀行の自己資本規制については、すでに国際基準のバーゼル新規制に署名しているため、変更は容易ではない。また、オバマ前政権下で導入された規制の多くはドット・フランク法で義務付けられたものであるため、議会の承認がなければ撤廃できない。

 当局がまずできるのは、一部規則について当局の裁量で決められる部分を緩和することだろう。例えば、大手銀行を対象とした年次ストレステスト(健全性審査)や「生前遺言(破綻時清算計画書)」の条件を和らげたり、自己勘定取引を禁止するボルカー・ルールの解釈を見直して銀行の自由裁量の余地を増やしたりできる。

3.議会の承認が必要なもの

 民主党の反対が予想されるため、これが最も実現が難しそうだ。だが、上下両院で過半数を占める共和党は目標達成に全力を尽くすとみられ、民主党の支持を得られなくても幾つか重要な変更を成し遂げる可能性がある。

 共和党が下院において賛成多数で法案を通すことは簡単だろう。難しいのは上院だ。上院では大半の法案について定数100人のうち60人の賛成が必要だが、共和党は52議席しかないからだ。

 民主党は地方銀行・信用組合の規制緩和や、より厳格な監督対象となる銀行の総資産の下限を500億ドル(約5兆6200億円)から引き上げることなど、ドッド・フランク法の小幅な変更では合意する可能性があるが、ボルカー・ルールの撤廃といった大きな変更には反対するかもしれない。

 トランプ大統領の就任から2週間の行動は、民主・共和両党の対抗心をあおり、歩み寄りを一段と難しくした可能性がある。上院銀行委員会の民主党トップ、シェロッド・ブラウン議員(オハイオ州)は3日、トランプ氏がフィデュシアリー・ルールをやり玉に挙げたことに対し、「安心した老後生活を送るための貯蓄と投資に四苦八苦しているオハイオ州の世帯が今度は金融機関が顧客を第一に考えていないことを心配しなければならないとは言語道断だ」と懸念を表明した。

 上院のルールがあいまいなために定員100人のうち50人の賛成だけ、つまり民主党の支持無しで可決できる変更もある。これは一般的に連邦支出に影響する政策だけに適用される制度だが、共和党はこれを利用して金融規制に影響を及ぼそうとする可能性がある。CFPBやドッド・フランク法に基づき新設された金融調査局(OFR)の予算削減や、同法下でFDICに付与された「秩序立った清算権限(OLA)」(必要に応じて破綻銀行を接収・解体できる権限)の剥奪などが考えられる。

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米金融規制緩和、トランプ政権の具体的検討課題
トランプ米大統領は移民政策や通商政策などに関する大統領令に次々と署名している

By JACOB M. SCHLESINGER
2017 年 2 月 6 日 16:17 JST

 ドナルド・トランプ米大統領は就任後、移民政策や通商政策などに関する大統領令に次々と署名している。3日には2010年に制定された金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しを指示する大統領令に署名し、金融規制の緩和に乗り出した。金融大手ゴールドマン・サックス・グループの元社長で、国家経済会議(NEC)の委員長を務めるゲーリー・コーン氏が同法の縮小に向けて精査している条項や問題を以下にまとめた。

・受託者責任ルール

 このルールは実際にはドッド・フランク法の一部ではないが、リベラル派や消費者団体が長年提唱する一方、保守派と金融業界が批判している消費者保護策で、利害対立を避けるために、退職貯蓄制度で投資アドバイザーが推奨できる投資商品を制限するもの。トランプ氏はドッド・フランク法に関する大統領令に添付された覚書で、このルールを管轄する労働省に導入の延期または廃止を検討するよう命じる予定だ。

・ボルカー・ルール

 このルールは銀行の自己勘定取引を禁じたもので、議論の的になっている。コーン氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、当局者らが見直しを予定していることを明らかにした。

・銀行の自己資本比率規制

 銀行は多額の損失から身を守るために一定の自己資本比率の維持を義務付けられているが、コーン氏はその基準が高いために融資が抑制されており、メリットよりデメリットの方が多いと考えていることを示唆した。

・ノンバンク金融会社の規則

 コーン氏は、「システム上重要な金融機関(SIFI)」に指定された大手ノンバンクには連邦当局の監視が強まることを挙げ、「ノンバンクはSIFIに指定するべきではないと考えている」とWSJに語った。同氏が答えなかった大きな問題の1つは、トランプ政権がプルデンシャル・ファイナンシャルやアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)、メットライフの米保険大手3社のSIFI指定解除を推し進めるかどうかだ。

・「生前遺言」

 これは、公的資金に頼らずに破綻処理するための詳細な計画の策定を銀行に義務付けるもので、コーン氏は自らの経験では極めて煩雑だったとして、手続きの簡素化を求めることを示唆した。

・消費者金融保護局(CFPB)

 コーン氏はインタビューで、とりわけ消費者関連の金融規制の負担に繰り返し言及した。CFPBのリチャード・コードレイ局長の処遇については明言しなかったが、「人事も政策だ」と述べ、体制を一新する可能性を示唆した。

 もっとも、コーン氏に人事権はなく、多くは独立した規制当局に行ってもらう必要があるが、同氏は一部の人選に関与するとみられる。重要な人事の中には議会の同意が必要なものもある。金融規制緩和が議会の未決案件のどこに位置付けられているかは不明だ。

 だが、大統領に就任して間もないトランプ氏がすでに証明しているように、ホワイトハウスは独自の判断でさまざまなことができる。米国の金融システムの方向性に関する議論は大きく変わる可能性がある。

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[国際17] 特別リポート:ローマ法王とマルタ騎士団、「対立」の舞台裏 コンドームの配布が判明
News | 2017年 02月 6日 08:43 JST 関連トピックス: トップニュース
特別リポート:ローマ法王とマルタ騎士団、「対立」の舞台裏

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 1月28日、聖地エルサレムにおいて巡礼者のための医療支援を提供するため1048年に設立されたマルタ騎士団の総長が、数世紀ぶりに生前に退任する理由となった法王フランシスコとの対立の背景とは。写真は2013年2月、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂に到着したマルタ騎士団(2017年 ロイター/Alessandro Bianchi)

Philip Pullella

[バチカン市国 28日 ロイター] - 1月24日の午後、ローマ市中にある16世紀様式の宮殿から黒のBMWが滑り出て、ティベル川を渡ってバチカンに向かった。ローマ法王フランシスコの権威に対する大胆な挑戦を終わらせるための短い旅である。

車中には67歳の英国人マシュー・フェスティング氏の姿があった。はるか昔から続くカトリック系の騎士修道会で、現在は外交上で独特の地位を保ち、世界的な慈善活動に従事するマルタ騎士団の総長である。

フェスティング氏は辞任しようとするところだった。聖地エルサレムにおいて巡礼者のための医療支援を提供する趣旨で1048年に設立されたマルタ騎士団の総長が、終身ではなく生前に退任するのは数世紀ぶりである。

騎士団の運営をめぐって、フェスティング氏と改革派の法王フランシスコとのあいだの対立が衆目を集めており、今回の辞任は、そうした対立に終止符を打つことが狙いだ。

法王フランシスコは12億人の信徒を抱えるローマカトリック教会の近代化を進めているが、フェスティング氏との数週間にわたる対立は、そうした法王の努力に対する内部からの最大の抵抗の1つとなった。

焦点となっているのは、ミャンマーにおけるマルタ騎士団による援助事業の1つでコンドームの配布が判明したことに対する騎士団の対応だ。騎士団は、コンドーム配布に関する責任者だった外務総官のアルプレヒト・フライヘル・フォン・ベーゼラガー氏を解任。今回の取材について同氏からのコメントは得られなかった。

コンドームの使用はカトリックの教義に反しているが、ローマ法王庁(バチカン)はベーゼラガー氏の解任に関する調査を指示。その後、調査への協力を拒否したフェスティング氏を、バチカンは公然と非難している。

かつてサザビーのオークション担当者だったフェスティング氏は、調査拒否を撤回し、法王フランシスコの私邸において自筆の辞職願を提出した、とバチカン上層部の関係者は明らかにした。「大公」の称号を持つフェスティング氏に対し、ロイターはインタビューを申し入れたが、断られた。

だが、フェスティング氏の辞任は、対立を沈静化させるどころか、法王フランシスコの権威に対する新たな挑戦を招いた。バチカンとマルタ騎士団の関係者によれば、その主役は、活発に法王批判を行っている米国のレイモンド・レオ・バーク枢機卿であるという。

具体的にはどういうことか。

関係者によれば、バーク枢機卿はフェスティング氏に辞任を撤回し法王との戦いを続けるよう説得しようとしたという。だが21日、マルタ騎士団の政務評議会はフェスティング氏の辞任を承認し、ベーゼラガー氏を復帰させた。明らかにバーク枢機卿の敗北である。本記事に関してバーク枢機卿のコメントは得られなかった。

バチカンの内部関係者によれば、今回の対立は、法王就任からほぼ4年が経過した今でも、依然として法王フランシスコがローマカトリック教会における権力基盤強化に苦心していることを示している。

関係者はさらに、今回の対立は、コンドーム配布をめぐる議論にとどまらず、教会内の保守派と、法王の改革志向を支持する進歩派との分裂が続いていることを物語っているという。

法王フランシスコは、カトリック教会が従来の教条主義を抑え、同性愛者や離婚経験者など、教会から排除されていると感じている人々も歓迎するようにしていきたいと努力している。

「今回のゴタゴタはすべて内部の問題であり、そのように扱われるべきだったかもしれないが、保守派と進歩派の分裂を示す対立に変質してしまった」と法王フランシスコに関するいくつかの著書があるアンドレア・トルニエリ氏は語る。

今回の対立と法王による権力基盤強化の取り組みについて、バチカンからのコメントは得られなかった。

バチカンはロイターの取材に対し、2つの公式声明を参照するよう指示している。1つは12月22日付けで、ベーゼラガー氏解任についての調査を命じるバチカンからの指示に関するものだ。もう1つは1月17日付けで、マルタ騎士団のウェブサイトでフェスティング氏がバチカンによる調査に協力しないよう要請したことを受けたもので、フェスティング氏の抵抗を批判し、騎士団のメンバーに対し協力するよう指示している。

<ドイツ貴族>

マルタ騎士団のトップ幹部は全員男性で、聖職者ではないが、清貧、貞潔、そして法王への服従という誓願を行っている。

べーゼラガー氏はドイツ貴族の家柄であり、その父親は第2次世界大戦中、失敗に終わったヒトラー暗殺計画に参加している。ベーゼラガー氏は12月、マルタ騎士団のグローバルな人道支援事業を統括しているときにコンドームの使用を許可したことを非難され、フェスティング氏に解任された。

騎士団やバチカンの関係者によれば、フェスティング氏はバーク枢機卿立ち会いのもとで、ベーゼラガー氏が外務総官に指名された際に、コンドーム使用を許可したことを騎士団の幹部たちに隠したと主張して、ベーゼラガー氏を解任したという。

この解任は、ただちに騎士団指導部とバチカンのあいだに対立を引き起こした。

敬虔なカトリック教徒であるベーゼラガー氏は、12月23日の声明で、自分は完全にカトリック教会の教えに従っていると述べた。コンドーム配布が発覚したため、開発途上国における2件の事業を中止したが、もう1件のミャンマーにおける事業については、中止してしまうと、貧困層に対する基礎医療サービスの提供がすべて唐突に終了してしまうとの理由で継続した。

カトリック教会は産児制限の手段としてのコンドームの使用を認めておらず、禁欲と一夫一妻制の異性間結婚がエイズ蔓延を防ぐ最善の手段だとしている。

ベーゼラガー氏は上述の声明のなかで、フェスティング氏とバーク枢機卿から、バチカンが彼の辞任を望んでいる、辞任しなければマルタ騎士団にとって「深刻な結果」を招くだろうと言われたとしている。

バチカンの国務長官から騎士団に宛てた書簡をロイターが閲覧したところ、バチカンはベーゼラガー氏の辞任を命じたことを否定しており、騎士団に対して、法王が対話による解決を望んでいると伝えている。

ベーゼラガー氏は、今回の解任は騎士団の憲章に違反しているとして、法王に上訴し、調査の命令を引き出している。

フェスティング氏は調査への協力を拒否し、一連の公式声明の語調は次第に強まっていった。ある声明で彼は、解任を調査する法王の諮問委員会は「法的に無効」と述べている。

騎士団のトップ幹部に宛てた1月14日付けの書簡をロイターが閲覧したところ、フェスティング氏は次のように書いている。「私がこの一団の人々の司法管轄権を認めないのは、騎士団の主権を守るためだ」

マルタ騎士団は主権実体としての地位を持っており、100以上の国及び欧州連合との外交関係を維持している。国際連合においても常任オブザーバーとしての地位を有する。

バチカン上層部の関係者によれば、法王はフェスティング氏の挑戦的な態度に立腹し、バチカンは騎士団に服従を命じる公式声明で反撃した。この公式声明の後、フェスティング氏の態度は軟化し、1週間後、法王私邸での辞任となった。

フェスティング氏の辞任は騎士団の多くの関係者に衝撃を与えた。ロイターの取材に対し、2013年の法王ベネディクト16世の退位に匹敵するショックだと語る関係者もいた。

ただし、4人の情報提供者によれば、騎士団メンバーの多くはフェスティング氏の辞任によって安堵したという。世界中の最貧困層の支援に当たっている団員1万3000人、ボランティア8万人、有給の医療スタッフ2万人を擁する騎士団にとって、今回の対立がイメージ低下につながることを危惧していたからだ。

バチカン及び騎士団の関係者によれば、フェスティング氏が法王に辞職願を渡した翌日、バーク枢機卿はバチカン近郊の自宅から騎士団の本部へと車を走らせ、フェスティング氏に辞任を撤回するよう説得を試みたという。バーク枢機卿はフェスティング氏との会談についてコメントを拒んでいる。

バーク枢機卿は以前から法王に対する抵抗の先頭に立ってきた。フランシスコ法王は2014年、公式には何の説明もなく、バーク枢機卿をバチカンの要職から外し、マルタ騎士団の「擁護者」に指名した。

こうした「擁護者」の地位は、もっと年長の枢機卿が75歳で引退した後に与えられるのが普通である。バーク枢機卿はまだ65歳であり、この降格人事は、法王の改革をバーク枢機卿がたえず批判していることに対する法王の苛立ちを示すものとの見方が広まっていた。

特にバーク枢機卿が反発したのは、法王フランシスコが、カトリック教会による婚姻無効の宣告を受けずに離婚・再婚した教徒に対して、聖体拝領の儀式への復帰を認めたことである。降格人事について、バーク枢機卿はコメントを拒んでいる。

降格以来、同枢機卿はますます保守派にとっての拠り所となり、世界中を飛び回っては保守派グループを相手に講演を行い、インタビューのなかで法王の決定を批判することも多い。

11月、バーク枢機卿は他の3人の枢機卿と一緒に、めったに見られない、法王に対する公然たる挑戦の先頭に立った。離婚した信徒の聖体拝領など重要な倫理上の問題について混乱を招いたとして法王を批判したのである。

その後バーク枢機卿は、あるインタビューのなかで、もし法王が彼らの書簡に対応しなければ、カトリック教会のために枢機卿ら自身が法王の行いを「正す」必要があるかもしれないと述べている。

バチカン側は当時、この反乱について何もコメントしなかったが、法王支持者の多くは4人の枢機卿を公然と批判している。

法王は、少なくともマルタ騎士団の新たな総長を決める選挙が行われるまで、騎士団の運営を支援するための「教皇使節団」を指名する予定である。

騎士団政務評議会に宛てた1月27日付けの直筆の書簡をロイターが閲覧したところ、法王フランシスコは、バチカンは騎士団の主権に干渉する意図はないことを明言しつつ、使節団は「騎士団、特に誓願を行ったメンバーの崇高さを新たにすること」を求めるだろうと述べている。

(翻訳:エァクレーレン)

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[経世済民118] トランプ政権の強硬な通商政策姿勢、米金融当局を苦境に 中国商務省が米反ダンピング関税を批判 就労ビザ改革IT大手チャンス
【寄稿】
トランプ政権の強硬な通商政策姿勢、米金融当局を苦境に
寄稿者:Tim Duy
2017年2月6日 14:34 JST

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トランプ米政権の下、金融政策と財政政策は衝突に向かい、米金融当局は需要面のショックに直面すると当初、想定されていた。だが、一部の国々への新政権の敵対的な姿勢を見ると、金融政策が衝突するのは国際的な貿易・金融政策で、金融当局が見舞われるのは供給面のショックかもしれない。
  トランプ氏当選を受けてまず台頭した基本的なシナリオは、米経済が完全雇用に近い現状で、赤字財政によって需要が膨らめばインフレを加速させ、米金融当局は支出拡大の効果を相殺するために一段と積極的なペースでの引き締めを強いられるというものだった。
  こうした金融政策運営はトランプ大統領の経済政策の目標と対立し、金融当局とホワイトハウスが衝突するという筋書きだ。

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米連邦準備制度理事会のイエレン議長 Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  しかし、この論理展開では常に、対外セクターが難問の部分的な突破口となってきた。成長加速はドル高を招いて輸入品価格を押し下げ、増大する内需を海外の生産者に振り向ける。輸入品の値下がりはインフレ圧力を和らげ、金融当局の負担も多少軽減される。言い換えれば、米国の貿易赤字拡大により、政権との衝突につながるような金利の大幅引き上げなしで内需の増大を可能にする。
  これがホワイトハウスと金融当局との対立を回避する部分的な解決策にすぎない理由には、ドル高が米製造業の重しになる点が挙げられる。貿易赤字拡大を容認すれば増大する内需をカバーできるが、製造業部門の雇用は打撃を受ける。そして、トランプ氏が公約に掲げてきたのは同部門の雇用を保護して増やすことだ。
  トランプ氏は本気でこの約束を守ろうとしているようだ。だが、そうなれば米国は国際貿易という安全弁を失うことになる。国家通商会議(NTC)のナバロ委員長は、国際的なサプライチェーンを米国本土に取り戻したい考えだが、それには時間がかかり、その間にインフレ高進が予想される。

逆回転と悪循環

  北米自由貿易協定(NAFTA)発効後の世界では、こうしたサプライチェーンが広がり、耐久財価格は大幅に下落した。この世界的な流れを逆行させるなら、正反対の事態が予想される。さらにトランプ氏の政策では、インフレ高進の下で米金融当局が利上げで内需の伸びを抑制しようとしても、海外に内需を振り向ける余地は小さくなる。この結果、急増する内需に金融当局は一層積極的にブレーキをかけなければならない。
  高めの金利は一段のドル高につながると想定され、ドル安を志向していると受け止められるトランプ氏らの通商政策にここでも金融政策が衝突することになる。ナバロ氏はユーロが「甚だしく過小評価」されていると指摘。トランプ氏は、中国と日本がそれぞれの通貨を操作して押し下げるのを、米国は「間抜けな集団」のように傍観してきたと主張した。
  それでも、ドル安はインフレ圧力をあおり、米金融当局にさらなる引き締めを促す。それがドル高圧力を高めてトランプ政権に目標達成をあらためて阻害する。
  結局のところ、新政権が推し進めようとしている通商やドル、移民をめぐる政策は供給サイドのショックと捉えるのがベストだ。その帰結は成長鈍化とインフレ圧力の高まりであり、金融当局は苦境に陥ることになる。ショックは恐らく、最近の商品相場高に絡んだものよりずっと深刻となりそうだ。金融当局は商品値上がりを一時的なものとして受け流し、ほとんど対応を必要としなかったためだ。これに対し、政権の対外政策の転換の場合、衝撃はもっと長期的で、金融当局の対処の仕方もそれに相応したものでなければならない。
(この寄稿を書いたティム・ドイ氏は米オレゴン大学の教授で、「 ティム・ドイのフェッドウオッチ」の執筆者です。この寄稿文の内容は 同氏自身の見解です。このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)
原題:Trump’s Hard Line on Trade Puts the Fed in a Quandary: Prophets(抜粋)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKSF3F6KLVR401


 

 

就労ビザ改革、米IT大手にはチャンスかも

タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)などアウトソーシングを手がけるインド企業は「H-1B」ビザを多用している PHOTO: BLOOMBERG NEWS
By
DAN GALLAGHER
2017 年 2 月 6 日 15:50 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
 ドナルド・トランプ大統領の就労ビザ改革に懸念を表明している米大手IT(情報技術)企業は、皮肉にも新政権のナショナリスト的な価値観に訴えかけることになるかもしれない。
 当然ながらそうなるかどうかは改革の詳細次第であり、現段階では何も明らかになっていない。リークされた大統領令の草案は、IT業界が多く利用する「H-1B」ビザを含め、移民制度の見直しを政府に指示するものだ。米労働省が2016会計年度に承認したH-1Bの約3分の2はIT関連のの人材に発給された。
 このビザを多用しているのが、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)やインフォシス、ウィプロなど大企業へアウトソーシングサービスを提供するインド企業だ。これはハワード大学のロン・ヒラ教授がまとめた政府発表の調査データに基づいている。同教授は昨年、H-1Bビザの乱用について議会で証言を行った。米企業は従業員を雇う代わりにコストが安いアウトソーシングを利用することが多いため、こうしたビザは物議を醸している。
 だが、グーグルの親会社アルファベットやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アップル、インテルといったIT大手も、かねてH-1Bビザの労働者を大量に受け入れてきた。その多くはソフトウエアや半導体の優れた技術者で、海外で雇用されて米国に移り住み、出世街道を歩みながら高い給料を稼いで税金を支払い、モノやサービスを購入している。最大手の2社、グーグルとマイクロソフトの現最高経営責任者(CEO)が米国に移住してキャリアをスタートした人物であるということを、新政権も分かっているはずだ。
H-1Bビザで働いている従業員の平均給与

 H-1Bビザ制度が賃金の高い職に有利な方向へ改正されれば、すでにアウトソーシング企業を上回る賃金を支払っているこうした米国のIT大手は恩恵を受ける可能性がある。ヒラ氏の調査によると、グーグルとアップル、マイクロソフト、アマゾン、インテルではH-1Bビザ取得者の賃金中央値が平均10万5000ドル(約1180万円)強だった。これは調査したアウトソーシング大手5社の賃金中央値(平均6万5000ドル)を大きく上回る。
 改正がどのようなものになり、どのように実施されるのかは誰にも分からないが、反グローバリズムを掲げる大統領の下でグローバルにビジネス展開する米IT企業幹部にとって、入国管理問題はまさに大きな懸案となっている。IT大手の多くは、一部従業員の母国であるイスラム圏7カ国から米国への入国を禁止する大統領令を声高に批判している。アップルやアマゾンは法的措置を検討していることを明らかにしている。
 だが、H-1Bビザ改革の論拠として草案に明記されているのは経済的な面であり、国家の安全ではない。従って、米IT企業の主張には説得力があり、新大統領が聞く耳を持つ可能性は少しばかりだが高いだろう。
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中国商務省が米の反ダンピング関税を批判、ステンレス鋼巡り

[北京 4日 ロイター] - 中国商務省は4日、米国がダンピング(不当廉売)で中国製鋼板に対する高関税の継続を決めたことに失望しているとし、中国企業の権利保護に必要な措置を取ると表明した。

米商務省は2日、中国から輸入されるステンレス鋼板とステンレス鋼帯について、国家補助を受けて米国で不当に安い価格で販売されていると認定し、63.86─76.64%の反ダンピング関税などを課すことを最終決定したと発表した。

米国際貿易委員会は3月20日に米企業への被害の有無について最終決定を行う。ITCが被害を認めれば、反ダンピング関税と相殺関税が5年間にわたって課せられる。

中国商務省の責任者は、中国企業が提供した証拠を米国が無視し、世界貿易機関(WTO)のルールを軽視しているなどと非難した。

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http://jp.reuters.com/article/usa-china-steel-idJPKBN15L01L

 


 

米雇用統計、利上げに追い風 3月実施には賛否
1月の米雇用統計では雇用の伸びが加速し、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ見通しを後押しする形となった(写真はワシントンのFRB本部)
By HARRIET TORRY
2017 年 2 月 6 日 10:24 JST

 米雇用市場の2017年の幕開けは雇用者数が大幅に増えるなど好調な滑り出しとなり、連邦準備制度理事会(FRB)が年内に見込む緩やかな利上げを後押しする形となった。だが、賃金の伸びが減速したことを受け、一部の関係者が抱いていた早ければ3月にも利上げすべきとの考えが後退する可能性もある。

 米労働省が3日に発表した雇用統計によると、1月の非農業部門就業者数は前月比22万7000人増加し、直近3カ月の増加幅は月間平均18万3000人となった。これはFRBが十分と考える雇用ペースをはるかに上回る水準だ。FRBのイエレン議長は最近、月間7万5000人?12万5000人のペースで雇用が伸びれば、失業率を長期的に安定させられるとの見方を示している。

 1月の失業率は4.8%と、12月の4.7%から上昇したが、これは労働参加率が前月を0.2ポイント上回る62.9%に上昇したことが一因だ。

 シカゴ地区連銀のチャールズ・エバンズ総裁は雇用統計の発表後、記者団に対し、労働参加率が上昇傾向にあることが示されたことが特に喜ばしいと指摘した。低金利維持を長らく主張してきた同総裁は、年内に2回の利上げを見込むと従来の見解を改めて示しつつも、3回の利上げの可能性も排除せず、「状況次第では3回の利上げもあり得る。(3回利上げすることになったとしても)私自身、違和感はないと思う」と語った。

 依然として失業率は低く、雇用市場の需給が逼迫(ひっぱく)していることがうかがえる。このため、一部のFRB関係者は景気が過熱しないよう3月14・15日の次回会合で利上げを考えるかもしれない。だが、失業率と労働参加率の上昇を理由にもう少し利上げを先送りすべきだと主張する関係者もいるだろう。

 この利上げ先送り派は雇用市場のスラック(緩み)が消えていないしるしとして1月に賃上げが鈍化した点を指摘する可能性もある。1月の平均時給は前月比0.03ドル(0.12%)増と、16年12月の0.06ドル増を下回る伸びにとどまった。エコノミストらは19の州が1月から最低賃金を引き上げたことを踏まえて0.3%増と予想していたが、これにも届かなかった。

 スラックの存在は、職探しを諦めた人や不本意ながらパートタイムで働いている人を含む広義の失業率が9.2%から9.4%に上昇したことでも示唆された。

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http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/735.html

[国際17] 米入国禁止令、中東のキリスト教徒に逆風 入国禁止令を自ら窮地に追いやるトランプ 米入国禁止差し止め、最高裁1人欠員の影響

米入国禁止令、中東のキリスト教徒に逆風
「イスラム教徒との緊張を生む」懸念も
ISから奪還されたイラク・バルテラのキリスト教会で行われたミサ(2016年12月24日)
ISから奪還されたイラク・バルテラのキリスト教会で行われたミサ(2016年12月24日) PHOTO: CHRIS MCGRATH/GETTY IMAGES
By YAROSLAV TROFIMOV
2017 年 2 月 6 日 06:36 JST

――筆者のヤロスラフ・トロフィモフはWSJ中東担当コラムニスト

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 ドナルド・トランプ米大統領が中東・アフリカ7カ国の市民の米国入国を一時禁止したことを受け、この地域で誰よりも動揺しているのはトランプ氏がまさに助けようとしているキリスト教徒たちの指導者だ。

 1月27日に出されたこの大統領令の狙いは米国でのテロ攻撃を防ぐことで、イスラム教徒が多数を占める7カ国からの入国を少なくとも90日停止した。トランプ氏は、難民認定プロセスを改めて宗教のせいで迫害されている人を優先することも命じたが、対象は自国で「少数派の宗教」を信仰している申請者に限定している。

 だが中東では、衝突の大半はスンニ派とシーア派というイスラム教同士のものだ(スンニ派はイラクでは少数派、シリアでは多数派)。トランプ氏は先週、米クリスチャン・ブロードキャスティング・ネットワークのテレビ番組で、キリスト教徒を優先する方針を示した。キリスト教は中東で最大の少数派宗教だ。

 トランプ氏は「彼らはひどい扱いを受けている」との認識を示し、「われわれが助ける」と述べた。

キリスト教徒への偏見を助長か

 米国移住を目指している中東のキリスト教徒数千人にとっては朗報かもしれない。だが、そうでない約1300万人にとっては迷惑なメッセージだ。ホワイトハウスの当局者たちは大統領令がイスラム教徒禁止だとする見方を否定しているが、イスラム教徒の米国入国についてトランプ氏が選挙中に発していた言葉と一致しているとの見方が現地では一般的だ。

 レバノン国会で唯一のプロテスタントの議員バセム・シャブ氏は大統領令について、「誰も治安面だけが理由だとは思っていない。みなイスラム教徒の移民が主な標的だとみている」と述べ、「トランプ氏が差し出している救いは毒杯のようなものだ。イスラム教徒からキリスト教徒を遠ざけるという犠牲が伴う」と説明した。


ISに破壊されたカルデア・カトリック教会を調べるイラク兵(1月、モスル郊外) PHOTO: AHMAD AL-RUBAYE/ AGENCE FRANCE PRESSE/GETTY IMAGES
 中東におけるキリスト教徒の立場は国によって大きく異なる。レバノンでは、大統領と軍の司令官がキリスト教徒であり、人口に占める割合も高く、比較的安全に暮らしている。一帯で最大のキリスト教徒人口を抱えるエジプトでは、キリスト教徒はテロ攻撃の標的になっているが、相変わらずアブデルファタハ・シシ大統領を支える防塁の1つだ。両国とも大統領令の対象になっていない。

 大統領令にある7カ国の人は、イスラム教徒でもキリスト教徒でも米国に入国できない。このうちシリアとイラクには多くのキリスト教徒がいる。両国のキリスト教徒は「イスラム国(IS)」などのスンニ派過激派組織に迫害され、家を追われている。だが通常は、シーア派イスラム教徒に対するよりもわずかながらましな扱いを受けている。シーア派は改宗か死かの選択に直面している。

 中東ではどこでも昔から、イスラム教徒の世論の相当部分が、歴史的に西欧との関係があるキリスト教徒の市民を疑いの目で見てきた。トランプ氏の大統領令はそうした感情をあおる公算が大きいと、米シンクタンクのセンチュリー財団の上級研究員マイケル・ワヒド・ハンナ氏は警鐘を鳴らす。

 7カ国のキリスト教徒指導者がトランプ氏の動きを非難するのはそうした理由からだ。

 ヨルダンのカトリック系研究施設の幹部は「キリスト教徒は中東の一部であり、同じ市民であるイスラム教徒と別の扱いを受けることは受け入れられない」と述べた。

「キリスト教徒に対するわな」

 キリスト教指導者たちの怒りはイラクで特に激しい。新たに組織されたキリスト教徒の民兵と米国の助けを借りたイラク軍がここ数カ月で、モスルを州都とするニナワ州にあるキリスト教の中心地の大半をISから奪還したのだ。イラクのテレビは、古い教会の最上部に十字架を復活させる部隊の映像を誇らしげに流した。

 これにより、2014年半ばから過激派の支配下にあったキリスト教徒の町々に数十万人が戻れるかもしれない。

 キリスト教徒の国会議員ヨナダム・カンナ氏は、トランプ氏の大統領令がイラクのキリスト教コミュニティーに悪影響を及ぼすとの見方を示した。「新たな差別につながるだろう。少数派に非常に悪い影響を及ぼす」とし、「脆弱(ぜいじゃく)なコミュニティーを支援する気持ちはありがたいが、私たちが望んでいるのはとどまることであり、国外に出ることではない」と述べた。

 国内にあるカルデア・カトリック教会のルイス・ラファエル1世サコ・バビロン総大司教も同じ考えだ。バチカンの通信社に出した声明で、同大統領令は「中東のキリスト教徒に対するわな」であり、「イスラム教徒の同胞との緊張を生み、助長する」と述べた。

 さらに、宗教に基づいて迫害され苦しんでいる人々の中で分け隔てすれば、中東のキリスト教徒を害する結果になるとの見方を示し、同大統領令が「キリスト教社会を攻撃するすべてのプロパガンダと偏見に根拠を与えている」と話した。

トランプ大統領特集

入国禁止令に見るトランプ素人劇
トランプ流「衝撃と畏怖」作戦の行方
【社説】入国禁止令への抗議、トランプ政権に大打撃も

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【社説】入国禁止令を自ら窮地に追いやるトランプ氏
法律上は正しくても、暴言を吐くやり方は敵を作るだけ

3日に連邦地裁がトランプ大統領の入国禁止令の一時差し止めを命じたのを受け、5日にバージニア州のダレス国際空港で温かく迎えられる入国者
3日に連邦地裁がトランプ大統領の入国禁止令の一時差し止めを命じたのを受け、5日にバージニア州のダレス国際空港で温かく迎えられる入国者 PHOTO: ASTRID RIECKEN/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY
2017 年 2 月 6 日 12:38 JST

 ドナルド・トランプ米大統領が出した入国禁止令をめぐる混乱は引き続き悪化し、米司法機関との対立という事態に発展している。不品行や非難すべき点は多々あるものの、トランプ氏はここまでの論争を引き起こす必要はなかった。

 テロの頻発しているイスラム圏7カ国出身者の米国入国を一時禁止する大統領令に対し、ワシントン州シアトルにある連邦地方裁判所のジェームズ・ロバート判事は3日、全米でこれを一時差し止める命令(TRO)を出した。トランプ政権はTROの効力停止を求めて上訴したが、現在は差し止め命令に従って、大統領令の執行を停止している状態だ。新政権になってよく耳にするのはファシズムが始まったのかという論調だが、合衆国憲法の「抑制と均衡」のシステムが機能したおかげで、そうした状況は当面先送りされそうだ。

 しかし、トランプ氏は侮辱をベースとする政治スタイルを司法にも持ち込み、こうツイートした。「わが国から実質的に法の執行を奪うのがいわゆる『判事』だが、この判事の意見はばかげており、覆されるだろう!」。行政が司法に敗北した場合のより適切な反応としては、控訴審では政権側が勝利すると確信していると述べればよい。特に今回は、ロバート判事の判断が著しく根拠が弱いのだからなおさらだ。

 裁判所の判事は、原告が回復不能な損害を被っており、勝訴の見込みがある場合、一時差し止めを命じる権限がある。判事はこの異例の救済策を講じる理由を説明し、その必然性を明らかにする義務がある。

 ロバート判事の7ページにわたる判決文には議論や分析が欠けており、ワシントン州はじめ各州の「公立大学や他の高等教育機関の運営や使命」に害悪を与えるほか、「各州の活動や課税基盤、公的資金に損害をもたらす」という通り一遍の説明をしただけだ。

 合衆国憲法は移民に関して連邦政府の優位性を認めており、米大統領には1952年の移民国籍法で「米国の国益に有害と見なされる」「いかなる種類の外国人の入国も」一時的に停止できる独占的権限が与えられた。

 判事がとるべき最初のステップは自らの司法管轄権の有無を判断すること、すなわち原告が提訴の根拠となる具体的な損害を被っているかどうかを判断することだ。州の予算や大学に関する推測に基づく主張だけでは条件を満たさない。それゆえロバート判事のTROは司法権の範囲を超えている。連邦第9巡回控訴裁は、TROの即時効力停止を求めたトランプ政権の上訴を却下したが、原告であるワシントン州は6日までにこれに関する回答を提示しなければならない。

 トランプ氏の司法に対する暴言は法の支配への侮辱であり、恐らく法廷での争いでも不利に働くだろう。ここ最近、トランプ氏に盾突く者は一夜明けると進歩的な民衆のヒーローとなる傾向があり――(入国禁止に反旗を翻した)サリー・イエーツ司法長官代理がそうだが――第9巡回区のリベラル派は、大統領の攻撃から司法を擁護する必要を感じれば、判決を守るために結集する可能性がある。

 たとえ法律上はトランプ氏に分があるとしても、同氏と側近のスティーブン・バノン首席戦略官・上級顧問やスティーブン・ミラー大統領補佐官は、秘密裏に策定したずさんで範囲の広すぎる大統領令を、困惑する国民に突きつけたことでこの混乱を生み出した。(バノン氏が運営していた)保守派ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のやり方はネット上では有効だろうが、大統領執務室では政治の現実にぶち当たってしまう。トランプ氏が自身の最悪の衝動に身を任せている限り、潜在的な友人を敵に回し、勝てる戦で大敗を喫することになるだろう。

トランプ新政権

米入国禁止差し止め、最高裁1人欠員の影響は
米入国禁止令、中東のキリスト教徒に逆風
難民入国禁止令への抗議、トランプ政権に大打撃

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米入国禁止差し止め、最高裁1人欠員の影響 
リベラル派と保守派が4人ずつの最高裁判事、賛否同数なら逆転判決は不可能 

ニューヨーク行きの搭乗券を見せるイラン出身の研究者(5日、イタリア・ミラノの空港) PHOTO: ANTONIO CALANNI/ASSOCIATED PRESS
By DEVLIN BARRETT AND BRENT KENDALL
2017 年 2 月 6 日 10:21 JST 更新

 【ワシントン】イスラム圏7カ国出身者の米国入国を一時禁止する大統領令の差し止めを巡る裁判は、最高裁判事が1人欠員となっていることから、サンフランシスコにある連邦控訴裁の判断が最終的なものになる可能性がある。

 入管当局は現時点で、イスラム圏7カ国の出身者の入国を最低90日間停止するドナルド・トランプ大統領の大統領令について執行を停止している。大統領令はテロリストの入国を阻止するために必要だとして1月27日に出された。大統領令は難民の受け入れプログラムを4カ月間全面停止することも命じている。

 この大統領令に対し、直ちに異議申し立ての訴訟が起こされた。ワシントン州シアトルの連邦地裁は3日、大統領令の一時差し止めを命じた。司法省は大統領令の即時復活を求めて上訴したが、連邦第9巡回控訴裁は5日、この訴えを退けた。控訴裁は審理を継続することとし、最終審理が6日午後に行われることになった。最短では同日中に控訴裁の判断が下され、入国禁止措置が復活する可能性もある。

 最高裁は現在1人欠員で、リベラル派と保守派が4対4と真っ二つに分かれている。そのため控訴裁で敗訴した側は、最高裁に上告しても、控訴裁判決を覆すのに必要な過半数の支持を得られない可能性がある。最高裁が手続き停止の判断を下すには5人の判事の賛成が必要となり、賛否同数の場合は控訴裁の判決が有効となる。

 最高裁に1人欠員が生じているのは、死去したアントニン・スカリア最高裁判事の後任としてバラク・オバマ前大統領が2016年3月にメリック・ガーランド巡回控訴裁判事を指名したのに対し、議会共和党が承認手続きを拒否したためだ。有権者の意見を反映させるため次期大統領に指名を委ねるべきだというのがその理由だった。

 トランプ氏は先週、空席の最高裁判事にニール・ゴーサッチ巡回控訴裁判事を指名した。

 現在の最高裁判事8人が必ずしも賛否同数となるわけではない。信条・思想で二分された判断を出すとは限らず、幅広い意見の一致を見る可能性もある。ただこれまで移民・難民問題の判決では、各判事の立場がそのまま判決に表れている。オバマ前政権の一部不法移民の強制送還延期計画の是非をめぐる訴訟でも、判事の判断が賛否きっ抗し、同計画は暗礁に乗り上げた。

 今後、最高裁の欠員が埋まり判事が9人になれば、入国できる人とできない人を決める権限を大統領がどこまで持つのかという法的な問題について、数カ月後で判断が下される可能性がある。

 大統領令に対する異議申し立ての訴訟は全米各地で複数起こされている。サンフランシスコ控訴裁での訴訟が続く中で他の裁判がどう進められるのかは不明だ。

 トランプ氏は4日、シアトル連邦地裁のジェームズ・ロバート判事が大統領令の差し止めを命じたことに激怒し、ツイッターで「いわゆる判事による」判決という表現を使って批判した。

 大統領が判事を公に攻撃することには共和党議員の間からも懸念の声が上がった。共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務(ケンタッキー州)は5日、CNNテレビで「(判決には)時に失望することもあるが、個々の判事を批判することは避けるのが一番だと思う」と述べた。

トランプ大統領特集

入国禁止令に見るトランプ素人劇
米最高裁判事指名のゴーサッチ氏、文学者的側面も
トランプ流「衝撃と畏怖」作戦の行方
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http://jp.wsj.com/articles/SB10734999991334983926204582604061496799658?mod=trending_now_1


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/824.html

[戦争b19] イラン政策を転換したトランプ政権 米財務省はイランの弾道ミサイル計画に新たな制裁 中東におけるイランの侵略行為と戦う  
【社説】
イラン政策を転換したトランプ政権
米財務省はイランの弾道ミサイル計画に新たな制裁
軍事演習中に発射された長距離ミサイル「S-200」(2016年12月29日、イラン・ブシェール)

2017 年 2 月 6 日 08:32 JST

 米国のドナルド・トランプ政権はバラク・オバマ前大統領がイランと結んだ核合意から撤退するか。世界が注目するこの問いに対する答えはどうやら「ノー」のようだ。核合意から撤退すれば米国と同盟国の関係が断たれるうえ、イランに悪さを重ねる隙を与えると考えれば、妥当な判断である。しかしトランプ大統領に、オバマ氏がやろうとしなかった仕事を引き受けるつもりがあるように見えることは確かだ。オバマ氏がやろうとはしなかった仕事とは、核合意を厳格に実施すること、そして中東におけるイランの侵略行為と戦うことである。

 これこそが、国家安全保障担当大統領補佐官のマイケル・フリン氏が言わんとしたことである。フリン氏は1日、イランが弾道ミサイルの発射実験を実施したことを受けて、同国に「警告する」と述べた。フリン氏はイランがミサイル発射を実施したことや、イラン製の武器がイエメンの武装勢力「フーシ派」に供給されていることには言及したが、米国がどのような対応をとるかについては具体的には語らなかった。その後、3日になって、財務省はイランの世界規模の調達ネットワークを対象にした新たな制裁を発表した。

 対象となったのは25の個人と団体。今回の制裁から、イランのミサイル開発に向けた活動が広範囲に及んでいることが分かった。イランの主要人物以外にも中国、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)にある調達ネットワークが制裁の対象となった。その中には、玉軸受け(ボールベアリング)や複合繊維など軍民両用技術の供給源や、ヒズボラなどのテロ組織のために送金したり資金を洗浄したりしているところも含まれている。こうした活動の証拠は数々の偽装団体やペーパーカンパニーが隠している。

 今回の制裁措置はこうした動きの一部に影響を及ぼすだろう。しかし不正な調達ネットワークは罰するのが難しい一方で、比較的容易に再建できる。制裁対象となった企業の中で、凍結対象となる資産を米国内に持つ団体はほとんどない。これらの団体が米国と取引している可能性も低い。

 しかし制裁の注目すべき点は、イスラム革命防衛隊(IRGC)に重点を置いていることだ。IRGC関連では8つの個人や団体が制裁対象となった。ブッシュ、オバマ両政権がこの10年間で制裁を科したIRGC関連の個人、団体は52で、 今回の措置で制裁対象は大幅に増加した。イエメンのフーシ派に武器を供給したのはIRGCの精鋭「コッズ部隊」で、フーシ派はその武器を使って紅海を航行する船舶を攻撃している。先月30日には、サウジアラビアのフリゲート艦が船舶を使った自爆テロ攻撃に遭った。米国防総省はこれを受けて、米駆逐艦「コール」の現場海域への出動を命じた。

 イランはフリン氏の発言ははねつけたが、制裁には注目するだろう。民主主義防衛財団のマーク・ドゥボウィッツ氏が指摘するように、イランは今ごろ、新たな制裁が「オバマ政権下の威圧戦略の終焉(しゅうえん)というより、新たな威圧戦略の始まり」なのかと思案しているだろう。

 制裁の強化に反対する人々は、さらに強制的な措置をとれば、イランの強硬派とされる人々が勢いづいて、イランはさらに攻撃的な政策をとると主張している。しかしオバマ政権が報われなくても譲歩を続けたおかげでイランの行動が抑制されたとは言い難い。

 イランがさらに挑発行為に及んだ場合、米国がとれる1つの対応は、イランのミサイル開発計画に関わる冶金(やきん)やコンピューターサイエンスなど幅広い経済分野に制裁を科すことを求める、ディーン・ヘラー上院議員(共和、ネバダ州)提出の法案を公然と支持することだ。下院にも、軍事目的でイランの政権が利用した航空会社を標的にした2本の法案が提出されている。法案が成立すれば、イランへのボーイング機売却は中止に追い込まれる。

 しかし制裁だけではイランをとめることはできない。米政権はより広い政策の選択肢を検討する必要がある。オバマ氏は3月に行われるイランの新年の祝祭「ノウルーズ」を利用してイラン政権に働きかけた。トランプ氏も同じ機会を利用して政権に抑圧されているイラン国民の人権の擁護を訴えてもいい。ペルシャ湾で米海軍のプレゼンスを強化したり、米船舶への攻撃を続けるIRGCの艦船に対する交戦規則を変更したりすれば効果があるだろう。イエメンのフーシ派をたたく際にサウジアラビアへの支援を強化してもよさそうだ。

 イランは米新政権の本気度を試すためにミサイルを発射した。次は、ホワイトハウスがどこまで本気で「警告」を実行するつもりかを試そうとするかもしれない。米政権の対応が明確であればあるほど、イラン政府は早い段階で、今度の政権が口だけではないことを理解するだろう。

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http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/619.html

[経世済民118] 実質賃金、1年ぶり減少 GSもトランプ政権不安視 トランプに飽VIX低下 トヨタ業績増額 独経済の勢いユーロ最も割安

実質賃金、1年ぶり減少

[東京 6日 ロイター] - 厚生労働省が6日発表した12月の毎月勤労統計調査(速報)では、名目賃金に当たる現金給与総額が前年比0.1%増の54万4823円だった。実質賃金は0.4%減と、1年ぶりの減少に転じた。厚労省は「賃金は基調として緩やかに増加している」としている。

給与総額のうち、所定内給与は前年比0.5%増の24万0487円と6カ月連続で増加した。一方、所定外給与は同1.9%減の2万0009円と、7カ月連続で減少した。

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http://jp.reuters.com/article/wage-dec-idJPKBN15L01

 

ゴールドマンもトランプ政権不安視
リスクバランスが悪い方に傾く
Julie Verhage
2017年2月6日 17:41 JST

完全な方向転換をしないまでも考え直そう−。これがウォール街の空気だ。
  数週間前にはトランプ政権の税制改革や規制緩和、財政出動に期待して経済見通し引き上げに余念がなかったウォール街だが、政権発足後の2週間にトランプ大統領が目を向けたのは移民や貿易問題ばかり。このため、市場や米経済への政権の影響を不安視する見方が再浮上した。
  アレック・フィリップス氏らゴールドマンのエコノミストは先週終盤のリポートで、「選挙後の投資家および消費者のセンチメント好転は、減税と規制緩和の実施確率が貿易や移民に重大な制限がかかる確率より高いことを示唆した」が、「今年に入って1カ月がたち、当社の見解でリスクバランスは以前ほどポジティブでない」とコメントした。
原題:Goldman Sachs Economists Are Starting to Worry About President Trump(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKY1TF6K50XT01


 

トランプ発言に少々飽き飽き、外為市場でボラティリティー低下現象
Stefania Spezzati、Vassilis Karamanis
2017年2月6日 10:09 JST

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• ユーロ・ドル変動性低下、ブッシュ氏やオバマ氏の政権発足後と同様
• 市場の注目度は徐々に下がりつつある

外国為替市場でボラティリティー(変動性)が低下してきており、これはトランプ米大統領がツイッターに投稿する誇張発言にトレーダーらが慣れつつあることを示唆している。
  ユーロ・ドル相場のボラティリティーは、大統領選でのトランプ氏勝利後に5カ月ぶり高水準に達したものの、今では昨年11月の大統領選前の水準に下がっている。同氏の発言によって為替相場が急変してきた状況は一方で、米大統領発言が市場に最もインパクトを与えるのはしゃべる機会が多い政権発足時であるとの従来の傾向に沿ったものだと、ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キット・ジャックス氏が指摘した。
  野村ホールディングスのG10通貨オプショントレーディング責任者、アンディ・ソーパー氏は「市場はトランプ氏のコメントに反応し、正午までにツイートがないと、トランプ氏が寝過ごしているのではないかと思うほどだ」と述べた上で、「トランプ氏はもちろんボラティリティーを引き起こしてはいるが、誰もが少々飽きつつある。トランプ氏のツイッター投稿への注目度は下がり始め、爆弾発言に市場は慣れるだろう」と付け加えた。
  ユーロ・ドルのインプライドボラティリティーが低下する現象は、2000年のジョージ・W・ブッシュ氏、08年のバラク・オバマ氏それぞれの大統領当選の後にも見られた。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ike81NFG8QZw/v2/-1x-1.png

原題:Currency Volatility on Trump’s Tweets Fades as Traders ‘Bored’(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKXG9D6TTDS301


 
トヨタ:今期業績見通し増額、円安が寄与−米政権の影響は不透明
萩原ゆき、Ma Jie、Kevin Buckland
2017年2月6日 16:34 JST 更新日時 2017年2月6日 17:25 JST

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トヨタ自動車は今期(2017年3月期)の業績見通しを上方修正した。諸経費の増加などがある中、為替相場を円安方向に見直したことなどが寄与する。市場予想は下回った。
  6日発表の決算資料によると、今期の純利益予想は前期比27%減の1兆7000億円で、従来は1兆5500億円だった。営業利益は同35%減の1兆8500億円(従来1兆7000億円)に見直した。ブルームバーグが集計したアナリスト20人の純利益予想の平均は1兆7451億円だった。
  今期業績予想の増額は円安効果が主因となっている。今期の為替前提は対ドルで従来の103円から107円に、対ユーロで同114円から118円にそれぞれ見直した。営業利益の段階で、為替変動の影響が従来予想に比べ、2550億円のプラス要因となる。
  ダイハツ工業、日野自動車を含むトヨタグループ世界販売は小売りベースの計画で、従来の1010万台から前期比0.6%増の1015万台に上方修正した。中国合弁などを除いた連結ベースの地域別では、日本や北米などの販売計画を若干引き上げた。大竹哲也常務は決算会見で、今年の米国市場について、前年比2%程度減少して1720万台ぐらいになるとの見通しを示しながらも、トヨタ車の販売は前年並みの見込みと話した。
  通商政策で米国最優先の発言をしているトランプ政権の影響について、大竹常務は、現時点で見通すのは難しいと述べ、政権の動向をみてグループとも連携すると話した。国内生産は300万台を維持する方針に変わりないとした。米国の生産能力については余力がなく、「増設はかなりのリードタイムが必要であることはご理解いただきたい」と語った。
  早川茂専務は、10日の日米首脳会談を控えた安倍晋三首相とトヨタの豊田章男社長の夕食会について、足元の情勢について懇談したと説明した。首脳会談では両国経済発展に向けて意思疎通を図ってもらいたいと話した。
  トヨタの昨年10ー12月の純利益は前年同期比23%減の4865億円だった。ブルームバーグのデータによると、昨年10−12月の為替相場は対ドルの平均値で110円近くとなり、前年同期に比べ1割近い円高で推移していた。ブルームバーグが集計したアナリスト10人の純利益予想の平均は4188億円。
  トヨタは昨年のグループ世界販売で前年比0.2%増の約1017万5000台となり、5年ぶりに首位を逃した。独フォルクスワーゲン(VW)が同3.8%増の約1031万2000台と、年間で初めて首位になった。
  国内大手自動車メーカーの決算は、ホンダが3日に発表し、円安などで今期業績予想を増額修正した。日産自動車は9日に公表する予定だ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKQ7I66JTSEB01


 

 

日米首脳会談控え、積極的なドル買いは手控え=今週の外為市場

[東京 6日 ロイター] - 日米首脳会談を週末に控えた今週の外為市場でドル/円は、引き続き要人発言などに振らされやすい神経質な展開が続くとみられる。トランプ大統領による円安けん制と金融緩和批判が記憶に新しい中、積極的なドル買いは手控えられそうだ。

予想レンジはドル/円が111.00―114.00円、ユーロ/ドルが1.0600―1.1000ドル。

トランプ大統領は先月31日「米国企業の競争力が弱いのは、他国が通貨や通貨供給量、通貨切り下げで有利な立場を確保してきた事実と大いに関係している」と訴え、通貨安のみならず、金融緩和政策にも言及した。

FXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は「本気で他国の金融政策に注文を付けているのだとすれば、明らかに『内政干渉』に当たる」としたうえで、「為替市場では、グローバル経済の分断化が意識され、リスク回避のドル売りの流れが定着する可能性がある」とみている。  

浅川雅嗣財務官は「日本の金融政策はデフレ脱却という国内政策目的でやっているのであって、為替を念頭に置いたものではない」と反論したが、日本が超緩和政策を採用してきている以上、ドル/円が日米金融政策の違いを反映するのは当然とみられる。

一方、日本国債(JGB)市場では長期金利が上昇、日銀は3日午後に「指値オペ」を通告し「長期金利が急激に上昇していることを踏まえ、10年物国債金利の操作目標をゼロ%とする金融市場調節方針をしっかりと実現するように実施した」との見解を示した。

指値オペを受けてJGB利回りは低下、為替市場ではドル買い/円売りが進んだ。

今週もJGBの利回り動向は注視されているが、オペの持続的効果に懐疑的な声も出てい居る。

三井住友銀行、チーフストラテジストの宇野大介氏は、今回の金利跳ね上がりは、サプライズ(指し値オペ)で防衛することに成功したが、単発でしか打てないオペであり、その持続可能性には限界があると指摘。「日銀は今回のような措置を挟みつつ、金利の上振れを市場に経験させながら、次第にテーパリングに向けた地ならしをしていく過程にある」との見方を示した。また、ドル/円の反発局面では戻り売りが現実的なオペレーションだとした。

日米両政府は、ワシントンで10日に安倍晋三首相とトランプ大統領の首脳会談を予定している。スパイサー米大統領報道官は3日に記者会見で「貿易と安全保障の両面で多くのこと」が議題になると述べた。

トランプ大統領はこれまで対日貿易赤字への不満を示しており、会談では、安全保障面での同盟強化に加え、為替を含む通商問題が焦点となる。

安倍首相は、自由貿易の重要性を訴えるのと合わせ、米国での雇用創出を柱とする「日米成長雇用イニシアティブ」を示し、米国の理解を得たい考え。

米労働省が3日に発表した1月の雇用統計では非農業部門雇用者数が22万7000人増となり、市場予想を上回ったが、失業率は4.8%と前月の4.7%から上昇。時間当たり平均賃金の増加は前月比0.1%にとどまり、労働市場にはなおスラック(需給の緩み)が存在している可能性が示された。

*誤字を修正して再送します。

(為替マーケットチーム)

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http://jp.reuters.com/article/fx-week-idJPKBN15K0VQ

 

 
邦銀3メガ:10−12月は微増益、低金利で本業苦戦も市場収益好調
河元伸吾、Gareth Allan
2017年2月6日 05:00 JST 更新日時 2017年2月6日 12:16 JST

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Sorted fresh fish sit in a box at CSN Chihou Sousei Network Co.'s fishing processing and distribution center in the restricted zone of Haneda Airport in Tokyo, Japan, on Thursday, Jan. 19, 2017. Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
外貨も稼ぐ漁師、平均所得200万円から脱却−24時間でアジアに鮮魚
マイナス金利下で資金利益は減少、国債売買益や株式売却益が下支え
通期予想は3グループともに据え置き、9カ月進捗率は78〜93%

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など邦銀3メガグループの第3四半期(10−12月)純利益合計は前年同期比0.3%増の6284億円となった。マイナス金利政策の下で国内を中心に融資関連収益は伸び悩んだが、国債や保有株式の売買など市場関連収益が下支えした。
  純利益合計はブルームバーグが集計したアナリスト予想の合計5493億円を上回った。個別ではMUFGは国債売買益などが好調で17%増の2964億円だった。みずほフィナンシャルグループは運用子会社設立に伴う特別利益もあり8.3%増の1465億円だった一方、前年同期にあったの税金関連利益がなくなった三井住友フィナンシャルグループは22%減の1855億円となった。
  第3四半期の連結粗利益は合計で0.1%減の2兆1842億円。資金利益は利ざや低下を受け3.1%減の1兆608億円となった。投信販売手数料など役務取引等利益は1.4%減少した。金利変動局面で国債等債券売買益などのその他業務利益は70%増の2737億円、政策保有株の売却などに伴う株式等関係利益は合計で37%増の1535億円となった。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/inpswprwInt4/v1/-1x-1.png


  海通国際証券集団のアナリスト、マイケル・マクダッド氏(東京在勤)は、1年前の低金利に比べると「今は金利上昇の兆しが出てきた」と述べ、銀行の収益向上が見通せる「明るい環境」になったとみている。日本の長期金利は昨年11月の米大統領選後からプラス圏に浮上し上昇傾向にある。
  3メガバンクの株価は6日の取引で堅調に推移。午前終値はMUFGが前営業日比33.6円(4.6%)高の763.6円、三井住友Fが102円(2.3%)高の4515円、みずほFGが3.3円(1.6%)高の211.2円だった。
  純利益の通期目標・予想はMUFGが8500億円(前年同期比11%減)、三井住友は7000億円(8.2%増)、みずほFGが6000億円(11%減)をそれぞれ据え置いた。会社予想に対する4ー12月(9カ月)までの各社の進捗率はそれぞれ93%、78%、84%となった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-05/OKQ5VP6KLVR501

 

 


日本株は続伸、米金融規制の緩和と雇用改善を好感−円高推移が重しに
長谷川敏郎
2017年2月6日 08:02 JST 更新日時 2017年2月6日 15:34 JST

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Sorted fresh fish sit in a box at CSN Chihou Sousei Network Co.'s fishing processing and distribution center in the restricted zone of Haneda Airport in Tokyo, Japan, on Thursday, Jan. 19, 2017. Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
外貨も稼ぐ漁師、平均所得200万円から脱却−24時間でアジアに鮮魚

銀行はじめ金融セクターが終日堅調、MUFGなど決算評価も
米雇用統計は賃金の伸びが鈍化、早期利上げ観測は薄れる

6日の東京株式相場は続伸。米国の金融規制緩和や雇用者数の増加が好感され、銀行など金融株が高く、輸送用機器や商社、海運株など景気敏感セクターの一角も堅調だった。三菱UFJフィナンシャル・グループやヤフーなど決算評価銘柄も買われた。

  TOPIXの終値は前週末比5.43ポイント(0.4%)高の1520.42、日経平均株価は58円51銭(0.3%)高の1万8976円71銭。
  アライアンス・バーンスタインの村上尚己マーケット・ストラテジストは、「米雇用の伸び自体は極めて順調。賃金の伸びは鈍いものの、経済指標は総じて改善が続いている」と評価。大きな流れとしてのドル高という方向性は変わらず、「景気回復による企業業績も改善が続いており、日本株が割高とは思えない」と話した。
東証内
東証内 Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg
  トランプ米大統領は3日、金融危機後に設けられた規制を巻き戻すための2つの大統領令に署名した。退職者を高い金融手数料から守るためのルールと、銀行の自己取引を禁じる規制が含まれる。
  また、米労働省が同日発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比22万7000人増え、増加幅はここ4カ月で最大だった。前月は15万7000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18万人増。一方、平均時給は前年同月比で2.5%増(市場予想2.7%増)と、昨年8月以来で最も小幅な伸びにとどまった。
  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「中小企業への融資増加やよりリスクを取れるようにする米国の規制緩和は、商業銀行や投資銀行にとってプラス」とみる。その上で、日本の金融株は昨年12月からの日柄調整と値幅調整が進行していただけに、「バリュエーションの割安さも加わり、調整が完了する可能性がある」と言う。
  個別の好決算発表企業も株価指数を押し上げた。2016年10ー12月期純利益が前年同期比17%増の2964億円と市場予想2352億円を上回った三菱UFJフィナンシャル・グループ、17年3月期の営業利益予想を上方修正したホンダが上昇。両銘柄はTOPIXの上昇寄与度で1、2位だった。10ー12月期決算が予想以上と野村証券が評価したヤフーは大幅高。
  もっとも、週明けの主要株価指数は朝方の買い一巡後に伸び悩み。一時157円高まであった日経平均は午後の取引で一時マイナス圏に転じた。きょうの為替市場ではドル・円が一時1ドル=112円20銭台となるなど、3日の日本株終了時点113円2銭に対し終始ドル安・円高水準で推移した。米雇用統計で賃金の伸びが市場予想に届かず、早期の利上げ観測が後退し、この日の時間外取引でも米10年債利回りは低下傾向となった。
  カブドットコム証券の河合達憲マーケットストラテジストは、「米雇用統計を好感して始まったが、その後は為替によって下へ引きずられた」と指摘。日本を為替操作国と主張しているトランプ米大統領との日米首脳会談を今週に控え、「為替がドルの下値を探る状況で日本株は上値を追えない」と話していた。
  東証1部33業種は水産・農林や金属製品、銀行、情報・通信、海運、ガラス・土石製品など24業種が上昇。その他製品や繊維、食料品、陸運など9業種は下落。東証1部の売買高は17億9766万株、売買代金は2兆1808億円。値上がり銘柄数は1132、値下がりは728。
  売買代金上位では、17年3月期の営業利益計画を増額したイビデンが急騰。第3四半期に営業増益を達成したLIXILグループも高い。半面、4ー12月期営業利益が前年同期比15%減だったシスメックス、第3四半期営業益が市場予想を下回ったヤマハは安い。午前に発表した9カ月営業利益が2割を超す減益の帝人も売られた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-05/OKXAW66K50XS01

 


ユーロが最も割安、主要10通貨のフェアバリュー比較−チャート
Ven Ram
2017年2月6日 09:06 JST 

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i8UauQRF_xvA/v3/-1x-1.png


少なくとも4つの異なる基準でユーロは適正価値(フェアバリュー)を大きく下回っており、同通貨についてナバロ米国家通商会議(NTC)委員長が「甚だしく過小評価されている」と発言したと伝えられたことに納得がいくかもしれない。経済協力開発機構(OECD)の購買力平価に基づくと、ユーロはG10通貨の中でフェアバリューに対する価値が最も低く、これら基準によれば9ー25%割安であることが示唆される。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKXE9N6JIJUO01


 
ドイツ12月の製造業受注、2年半ぶり大幅増−独経済の勢い持続示唆
Alessandro Speciale
2017年2月6日 16:41 JST

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ihgXORZa8iJk/v2/-1x-1.png

ドイツの昨年12月の製造業受注は2年半ぶりの大きな伸びとなった。投資財の需要が大きく伸びた。昨年終盤のドイツ経済の勢いが持続することが示唆された。
  独経済省の6日の発表によると、製造業受注指数(季節・インフレ調整済み)は前月比5.2%上昇。11月は3.6%低下に改訂された。12月の上昇率は2014年7月以来で最高。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は0.7%上昇だった。12月実績は前年同月比では8.1%上昇。
  発表によると、ユーロ圏内からの投資財受注は19.5%増。これによって輸出受注は10%増となった。国内受注は6.7%増。
  16年10―12月(第4四半期)の受注は4.3%増だった。

原題:German Factory Orders Surge as Economy Maintains Strong Momentum(抜粋)
German Factory Orders Surge Most Since 2014 on Investment (1)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKXYOM6K50XS01

 

 

中国国債、1月は海外勢売り越し−2015年10月以来
Bloomberg News
2017年2月6日 17:50 JST

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i24cgNsOg7PE/v2/-1x-1.png

中国国債を海外ファンドが1月に19億元(約310億円)売り越した。2015年10月以来の海外勢売り越しとなった。中央国債登記結算(CCDC)が週末公表したデータで分かった。
  指標の中国10年国債利回りは1月、34ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、月間ベースで10年以来の大きな上げ幅となった。

原題:Foreigners Cut Chinese Bond Holdings First Time Since 2015 (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKY2FW6K50Y001

http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/737.html

[政治・選挙・NHK220] 日本人のあなたが、知らないうちに重婚状態になっているリスクについて 国際私法と戸籍法 父親の同意や許諾が必要ない新日系人
日本人のあなたが、知らないうちに重婚状態になっているリスクについて
[橘玲の日々刻々]
 一夫一妻制の国では重婚は犯罪です。日本は戸籍制度があるので、複数の女性を法的な配偶者にすることは不可能だとされています。

 しかし現実には、戸籍に2人の配偶者が記載されることがあります。そのうえ本人のまったく知らないうちに戸籍が書き換えられ、重婚の状態になることもあります。

 なぜこんなことが起きるかというと、海外で現地の女性と結婚式を挙げたものの、日本の戸籍にはそのことを載せない男性がいるからです。その後、2人の関係が破綻して、日本人の父親が妻子を捨てて日本に帰ってしまう、ということも珍しくありません。この場合、日本では戸籍上独身ですから、日本人女性とあらたに結婚してもなんの問題もありません。

 しかしじつは、ここに「罠」があります。

 国際私法では「婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による」とされており、日本人が海外で結婚式をあげた場合、現地の政府が発行した正式な証明書があれば、日本でも婚姻の事実が認められます。さらに戸籍法では、婚姻届は、その事実があればいつでも提出できます。この2つを組み合わせると、海外で日本人男性と結婚した外国人女性は、何年後、あるいは何十年後でも、その事実を日本の戸籍に記載させることができるのです。そしてこのとき、男性が別の女性と結婚していれば、「合法的」に2人の妻を持つことになります(理屈のうえでは日本人女性と外国人男性でも同じことが起きますが、そのようなケースは聞いたことがありません)。

 この事実が知られるようになったきっかけは、フィリピンで「新日系人」と呼ばれる子どもたちの存在が社会問題になったからです。彼らは日本人男性とフィリピン人女性のあいだに生まれましたが、父親が養育を放棄したため、フィリピンで母子家庭の貧困生活を余儀なくされていました。しかし母親がフィリピン政府の発行する結婚証明書を持っていれば、父親が日本人であることを証明できますから、血統主義の日本の国籍法では子どもは「日本人」になるはずです。

 こうしてフィリピンで、新日系人に日本国籍を取得させるビジネスが始まりました。そのためにはまず、フィリピン人の妻を日本の戸籍に記載させます。するとそれに基づいて日本の大使館から渡航ビザが発給され、本人あるいは母子で日本に行くことができます。そして国籍法に定められた一定の居住要件を満たせば、戸籍上、日本人の父を持つ子どもには自動的に日本国籍が与えられるのです。そして驚くべきことに、これはたんなる行政手続きなので父親の同意や許諾が必要ないばかりか、その事実を通知する義務もないのです。

 成人した新日系人が日本国籍を取得すれば、「日本人」として自由に働くことができます。幼い子どもに日本国籍が与えられれば、母親は保護者として日本での労働ビザが発給されます。これが国籍取得の目的ですが、自業自得とはいえ、知らないうちに戸籍を書き換えられ、重婚になった男性とその家族はいったいどうなるのでしょうか。

 そんな話を小説『ダブルマリッジ』(文藝春秋)で書きました。

 ある日突然、戸籍に見知らぬ外国人の名前が載っていたら、あなたはどうしますか?

『週刊プレイボーイ』2017年1月30日発売号に掲載

橘 玲(たちばな あきら)

作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(ダイヤモンド社)など。中国人の考え方、反日、歴史問題、不動産バブルなど「中国という大問題」に切り込んだ『橘玲の中国私論』が絶賛発売中。近刊『「言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)が30万部のベストセラーに。

●橘玲『世の中の仕組みと人生のデザイン』を毎週木曜日に配信中!(20日間無料体験中)
http://diamond.jp/articles/-/116985
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/318.html

[不安と不健康18] 意志力にまつわる30年の誤解を解 「意志力は有限=自我消耗説、糖分は意志力の促進剤など」は、完全に誤り

意志力にまつわる30年の誤解を解く
ニール・イヤール:著述家、教育者、起業家
2017年2月6日
意志力は有限である、という従来の「自我消耗」説を覆す、数々の研究を紹介。筆者によると、脳のエネルギー欠乏が糖分の摂取で補われるという説も誤りだという。

 私はつい最近まで、仕事を終えた後のこんな習慣を繰り返していた。とても消耗した日には、ソファに座って何時間も“Netflix and chill”(「ネットフリックスを観ながらまったりする」、またはネット上のスラングで「誰かを連れ込んでイチャつく」の意味)にふけるのだ。
 ただし私の場合、お相手は半リットルのアイスクリームである。長時間座ってアイスを食べるのはよくないはず、とわかってはいた。だが懸命に働いた後、まったりするのは当然のご褒美だと自分に言い聞かせていた。
 心理学者はこの現象を「自我消耗」(ego depletion)と呼ぶ。その理論はこうである。意志力は脳のエネルギーと結びついているが、このエネルギーは蓄えが限られており、いったん使い果たしてしまうと、自制心が効きにくくなる。この説は、私の労働後の無節制を完璧に理由づけるように思われる。
 ところが近年の研究では、私たちは意志力についてまったく誤解しており、自我消耗説は真実ではない可能性があると示唆されているのだ(英語記事)。もっと悪いことに、「意志力は限られた認知資源である」という考えにしがみつくのは、実際にはマイナスだという。それによって自制心がますます失われ、賢明な判断に反する行動を取りがちになるようだ。
http://www.slate.com/articles/health_and_science/cover_story/2016/03/ego_depletion_an_influential_theory_in_psychology_may_have_just_been_debunked.html

 自我消耗が科学的支持を得たのは1990年代後半である。ケース・ウェスタン・リザーブ大学の心理学者ロイ・バウマイスターと同僚が実施した実験は、その後、研究者らに3000回以上も引用されている(英語論文)。
 実験では2種類の被験者グループに、2つの皿が置かれた部屋で待つよう指示をした。1つの皿には焼きたてのクッキーが、もう一方には紅白の大根が盛られている。各グループは、どちらか指定された一方のみを食べてよい。大根を指定されたグループは、クッキーを食べたい気持ちを抑えるために強い意志力を発揮しなければならないはず、というのが実験の前提だ。
 次に、両方のグループにパズルに取り組んでもらった。被験者には知らせていないが、そのパズルは完成できないようにつくってある。研究者らは、どちらのグループのほうが課題に長く取り組むかを見極めようとした。事前の予想は、「大根グループのほうがパズルを諦めるのが早い」であった。クッキーを食べまいとして、エネルギーの蓄えをかなり消費したと思われるからだ。そして結果は、まさに予想通りとなった。
 クッキーを食べなかった被験者の作業継続時間は平均8分であったのに対し、クッキーを食べたグループ(および、パズルのみの実験に参加した対照群)は19分であった。同研究では、大根を選んだ被験者の自我は明らかに消耗していたと結論づけている。
『パースペクティブス・オン・サイコロジカル・サイエンス』誌に発表された最近の研究では、バウマイスターが承認した実験を用いて、2000人超の参加者を対象にバウマイスターの結果の再現を試みた。ところが、自我消耗の証拠は認められなかった(英語論文)。
http://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1745691616652873

 さらに、『プロス・ワン』誌掲載の2つの研究でも、当該実験の結果を再現できなかった(論文@、A)。バウマイスターは、フォローアップ実験の一部で用いられた方法論は不適切であるとして反論を唱えたが(英語論文)、いまや複数の科学者が自我消耗の理論を疑っている。
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0147770
No Evidence of the Ego-Depletion Effect across Task Characteristics and Individual Differences: A Pre-Registered Study
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0109950
Failure to Replicate Depletion of Self-Control

 2010年、当時マイアミ大学の大学院生であったエバン・カーターが、バウマイスターの研究結果に初めて疑問を呈した(英語論文)。彼が注目したのは、200件近い実験報告のメタ分析によって自我消耗を本物と結論づけている研究だ。詳細な検証の結果、彼はこのメタ分析に「出版バイアス」を見出した。つまりこの分析対象には、自我消耗が発現しなかった実験結果は含まれていなかったのだ。カーターは自身の研究にこれらの結果を勘案し、自我消耗説を支持する確固たる根拠は存在しないと結論している(英語論文)。
 さらに、同理論にまつわる魅惑的な要素の一部、たとえば「糖分は意志力の促進剤として働く」などは、完全に誤りであると判明している(英語記事)。そもそも、レモネードをちょっとすすって得られた糖分は、脳のエネルギーを少しでも高めるほど速くは血流に乗れない。

 そして、脳科学の専門家の間ではかなり前から知られていることだが、脳は難しい作業に取り組んでいるからといって、より多く血糖を消費するわけではない(英語記事)。脳は筋肉ではなく器官であるため、筋肉と同じ原理でエネルギー消費が増えることはないのだ。計算式に取り組んでいようと、猫の動画を観ていようと、脳は目覚めている間は毎分同じだけのカロリーを消費する。
 では、(バウマイスターをはじめ)研究者らによって観測された現象を、どう説明すればよいのだろう。
 懸命に働けばエネルギーを消耗する。そして、クッキーその他のご褒美で充電すれば困難な作業を続けやすくなる――。これは結局のところ、わかりきった常識ではないだろうか。
 この問題は、相関関係イコール因果関係ではないという典型的な例である。自我消耗に関する初期の実験で観察された、事例レベルの(科学的に実証されていない)現象は、本物らしく見えたかもしれない。だがいまとなっては、研究者らは誤った結論に飛びついてしまったように思われる。
 気力の消耗については、新たな研究で別の説明が提唱されている。スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエックらが米国科学アカデミーの紀要に発表した研究によれば、自我消耗の徴候は、「意志力は有限の資源」だと「信じた」被験者でのみ観察されたという(英語論文)。意志力を有限と見なさなかった被験者は、自我消耗の徴候を示さなかった。

 どうやら自我消耗は、「認識が行動を決定づける」ことの表れにすぎないようだ。自分が消耗したと考えると気持ちが沈む。自分にご褒美を与えると気分がよくなる。持続する気力を生むのは、レモネードの糖分ではなく、仕事におけるプラセボ効果なのだ。
 自我消耗が実際には自滅的な思考にすぎないならば、いまでは覆されているこの仮説がもたらす弊害が懸念される。自己啓発の指導者をはじめ、自我消耗説を唱える人々はいまだに多くいる。彼らはおそらく、この理論が疑わしいことを示す反証的証拠の存在を知らない。しかし、ドゥエックの結論が正しいとすれば、意志力を有限と考え続けることは実際に有害となる。
 一例として、自我消耗説が広まると、人々は目標を達成しにくくなる。本来ならばやり抜けるのに、この説を信じれば「やめる理由」ができるからだ。これに付随する、糖分欠乏による意志力低下説などが追い打ちをかけている。中途半端でやめることが無意識のうちに正当化されるのみならず、糖分たっぷりのまやかしの強壮剤で私たちを太らせるのだ。

 バウマイスターの研究チームは、自我消耗が本物であることを示すためにさらなる研究に取り組んでいるという。入念にコントロールされた実験室環境ならば、意志力の消耗が実際に観察される可能性は十分にある。ただし、反証的証拠が存在するので、その結論は不完全となるだろう。
 自我消耗説がもてはやされる理由は、悪いと知りながら時折やってしまうことを正当化したいというニーズが満たされるからであろう。プロジェクトを終えなくてはならない時に怠ける、といった行為だ。
 だが私たちは、頭の中に隠れた「意志力の燃料タンク」という、実際には存在しないものを探し求めるよりも、やるべきことがある。自分が脆く、注意散漫な存在であることを受け入れ、多少の息抜きを自分に許すことだ。気力の減退や心のさまよいはおそらく、何かを自分に訴えようとしているのだろう。
 トロント大学の心理学教授であり、トロント社会神経科学研究所の主任研究者であるマイケル・インズリットは、意志力は有限な資源ではなく、感情のように働くと考えている(英語記事)。喜びや怒りは「使い果たす」ことがないのと同様に、意志力はその時に起きていることや感じ方に応じて満ち引きするというのだ。このような見方には大きな意義がある。
 脳のエネルギーが「タンクの中の燃料」ではなく感情に類するならば、そのつもりで管理・利用でき、倦怠感を乗り越える術を学べばよい。また、困難な作業を遂行する時は、意欲減退は一時的なものだと信じるほうが、自分は消耗し休憩(とアイスクリーム)が必要だと考えるよりも、生産的で健全である。
 だが時として、モチベーションの欠如は一時的でない場合もある。私たちの身体は気分や感情を通して、意識上ではともすると気づかない情報を発信する。脳のエネルギー欠乏が慢性化している時には、みずからの意志力に耳を傾けてみよう。感情と同じように意志力も、何かを教えてくれる発信源なのだ。
 たとえば、私が記事を執筆中にすぐに気が散ってしまう時は、何かがうまくいっていないのだとわかる。フェイスブックやツイッターを必要以上にチェックしているなら、それは目の前のトピックに興味を失っている明白な徴候であり、別のテーマについて書くべきだと考える。興味がなくても無理をすれば、記事の1本や2本はきっと書ける。だが、それを生涯の仕事につなげることはまず不可能だろう。
 しかし、トピックが好奇心をそそるもの、あるいは自分が信じる大義に沿うものである場合、私は没頭して時間が飛ぶように過ぎ、言葉が溢れ出てくる。書くことを自分に強いる必要はない。書きたいからだ。意志力をまったく必要としない作業に取り組んだ日には、疲れを感じない。むしろ、エネルギーに満ちている。ネットフリックスを見続けたい衝動に駆られることはなく、自分が取り組んでいる仕事について世界中に語りたい気持ちになる。
 人は基本的に、つまらないと感じる作業は続ける気が起きない。白衣を着た社会科学者に命じられて解けないパズルに取り組むのは、楽しくないし、意義もない。同じことは、多くの人々が日々耐えながらやっている無味乾燥な作業にも当てはまる。楽しんでいない作業でもしばらくは何とか続けられるが、自分の気持ちが発しているサインを無視すれば、けっしてベストを尽くせないはずだ。
 意志力や感情は、論理的思考とセットになって私たちの意思決定を助ける。意志力に耳を傾けてその欠乏に向き合うことで、根本的に望まないことを強いられずに済む新たな道が見出せるかもしれない。
 楽しめる仕事を通して喜びを追求するのが、人のあるべき姿だ。同様に、そもそも意志力を消費せずに済むようにすることで、その恩恵を間接的に受ければよい。私たちが重視すべきは意志力ではなく、意欲がもたらす力なのだ。

HBR.ORG原文:Have We Been Thinking About Willpower the Wrong Way for 30 Years?November 23, 2016
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従業員のパフォーマンスを左右する6つの動機

ニール・イヤール(Nir Eyal)
著述家、教育者、起業家。共著邦訳に『Hooked ハマるしかけ』(翔泳社、2014年)がある。
http://www.dhbr.net/articles/-/4676

Everything Is Crumbling

http://www.slate.com/articles/health_and_science/cover_story/2016/03/ego_depletion_an_influential_theory_in_psychology_may_have_just_been_debunked.html


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/375.html

[経世済民118] 待遇格差にやりがい搾取「子会社族」は不条理に泣く 若者の生涯収入倍増も ジロー不動産のグーグル2/3を寡占 銅変動幅拡大
【2017/2/11号】 2017年2月6日 週刊ダイヤモンド編集部
待遇格差にやりがい搾取「子会社族」は不条理に泣く
『週刊ダイヤモンド』2月11日号の第1特集は『誰も触れなかった絶対格差?子会社「族」のリアル』です。待遇や立場で親会社に劣る子会社のプロパー社員、子会社出向を命じられた親会社社員、果ては転籍を余儀なくされた者……現場では日々、様々な悲哀を感じながら、「子会社」という器に関わり会社員生活を送る人々がいます。その実像を追いかけつつ、絶対格差が生まれる仕組みや「親子待遇格差」の実態、またグループ経営上の子会社論にまで踏み込み、会社員から就活中の学生まであらゆる関係者必読のコンテンツとしました。


写真はイメージです
“やりがいの搾取”だ──。新卒で大手損害保険会社の子会社に入社した20代男性はそう不条理を叫ぶ。

?同じグループ企業で働くも月給は親会社の約7割、賞与は半分以下。親会社から出向中の社員と机を並べてほとんど同じ仕事をしているが、出向者は親会社の給与体系に基づく高待遇を享受する。子会社の社員(プロパー)が報われることはない。

?そんなとき、親会社の人々が待遇格差の隠れみのとして持ち出すのは「仕事のやりがい」という殺し文句だ。「子会社は現場の最前線を担う重要な存在」とうそぶき、士気を保とうとする。だが、待遇が改善されることはない。

?いろいろな働き方がある中、今日では非正規労働者の格差問題に世間の目が向いている。だが、前述のような歴然とした待遇格差があり、不遇をかこちながら全く日の目を見てこなかった人々がいる。その一群こそが「子会社族」だ。

?毎月の給料だけではない。年金から退職金、福利厚生や社内教育、果ては心理的な領域に至るまで、あらゆる面で子会社は親会社の下に位置付けられる存在──。そんな実態が半ば“常識”として、日本社会ではまかり通ってきた。

?冒頭の男性の会社は、約10年前に現在の親会社に買収、子会社化された。「選択と集中」の名の下、取引額の大きい法人顧客の“お得意様”を次々に親会社に奪われていき、今や「親玉に上流の金山を献上して、下流で砂金集めをやらされているような状態」という。

?親会社からの“天下り”役員は子会社を見下し、本社側の方法論を押し付けがち。一方でお上の親会社の意向をうかがうばかり、という「ヒラメ出向者」で溢れる。

?ある大手航空会社の子会社に勤めていた20代女性は「ステップアップの無理強いがあった」と訴える。若くして「現場責任者」と呼ぶ立場を任され、これは一見、出世の早道で“名誉なこと”にも映るが、給料は一切上がらない。

?子会社幹部は親会社からの出向者で占められ「ガラスの天井」が見えている。一方で責任とそれに伴う業務負担が増えても、待遇には全く反映されない。この子会社では構造的に、出世するメリットが見いだせない。だから入社後3年で半数の人が辞めていく。

?現場の不満を尋ねれば、子会社族の多くはせきを切ったように、こうした不幸な実態を口にする。

?周囲と数年違いで就職氷河期に直面し、早慶レベルでも大企業に内定できずに、子会社行きを余儀なくされた学生も珍しくない。

?そんな一群を生み出す子会社の基本的な定義は次の通りだ。ある会社(親会社)が議決権のある他社の株式の過半数(50%超)を保有する場合、この株を握られている方が子会社と位置付けられる。

?50%以下でも、「実質的な支配」の関係にあれば子会社となり、さらに傘下で同様の関係にあれば親会社から見て孫会社。議決権20〜50%なら関連会社で、これらを総称してグループ企業と呼ぶ。

?サラリーマンなら誰もが関係し得る、子会社という存在。身近にありながら、実はその全貌をつかめる統計などはほとんどない。

?その中で比較的網羅性が高そうな経済産業省の「企業活動基本調査」によれば、従業員50人以上、資本金3000万円以上の製造業を中心とした日本企業(金融・建設業など除く)で見た場合、国内の子会社数は約5万社に上る。子会社といっても規模はさまざまだが、仮に中小企業と定義される1社当たりの従業員数300人以下(業種による)から推定すると、関係者は1000万人規模になる可能性もあり、裾野は極めて広い。

?企業再編が国内でも活発になっている中、ある日突然、籍を置く会社が買収されないとも限らない。そういう意味では、潜在的には全てのサラリーマンが「子会社族」予備軍だ。あなたも決して、その例外ではない。

http://diamond.jp/articles/-/116742


 


 

シリーズ・日本のアジェンダ 崖っぷち「人口減少日本」の処方箋
2017年2月6日 ダイヤモンド・オンライン編集部

若者の生涯収入“倍増”が人口減少でも夢ではない理由

吉川 洋・立正大学経済学部教授

未曽有の人口減少時代に突入しつつある日本では、近い将来、経済が衰退するのではないかという説が、半ば常識として語られている。しかし、それは本当だろうか?
未曽有の人口減少時代に突入しつつある日本では、労働力人口や消費の減少により、近い将来、経済が衰退するのではないかという不安が募っている。しかし、それは本当だろうか。もしも、人口減少にもかかわらず経済が成長し、日本人が豊かになれる未来があるとしたら――。実は、そんなシナリオを唱える専門家は現実にいる。マクロ経済学に精通する吉川洋・立正大学経済学部教授が唱える、これまでとは違う「人口と日本経済」論に耳を傾けよう。(まとめ/ダイヤモンド・オンライン?小尾拓也)

財政危機に地方の消滅、
人口減少の脅威は確かだが……。

?日本は今、かつてない人口減少時代を迎えようとしています。2012年1月に公表された国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位)によると、2015年現在、1億2711万人(15年国勢調査)いる日本の人口は、2110年には4286万人になると見られています。今後100年間で、日本の人口は約3分の1まで減少するというのです。少子化に伴う人口減少・急速な高齢化により、日本社会に深刻な影響が起きるでしょう。

?少子高齢化の進行による最も大きな影響の1つは、社会保障の増大と財政赤字の拡大です。年金、医療、介護などの社会保障費は現役世代(15〜64歳)が高齢世代(65歳以上)を支えることで成り立っています。

?足もとで、日本の高齢化率(総人口のうち65歳以上が占める割合)は26.7%(2015年国勢調査)となっており、日本人の4人に1人以上は高齢者です。現役世代と高齢世代の比率は2.5対1(2013年時点)で、現役世代2〜3人で1人の高齢者を支える「騎馬戦」の状態になっています。これが、高齢化率のピークを迎えると見られる2060年には1.3対1となり、ほぼ1人の現役が1人の高齢者を支える「肩車」の状態になります。

?一方、日本の社会保障の給付は約116兆円ですが、このうち労使折半の保険料でカバーできているのは6割に過ぎず、残り4割は税金で賄われています。財政赤字が拡大し続ける日本は、社会保障給付を税金だけでは賄い切れず、赤字国債を増発し、借金が現役世代へツケ回されています。今後、少子高齢化で現役世代が減り、高齢世代が増え続ければ、社会保障の給付が増える半面、それを支える財源はどんどん先細り、日本は財政破綻の危機に直面しかねません。

?もう1つの深刻な影響は、地方自治体の消滅です。過疎問題は高度経済成長時代からありましたが、今後は地域によって人口減少、高齢化が極端に進み、立ちゆかなくなる自治体が増えそうです。2014年に民間の日本創成会議・人口減少問題検討分科会が発表した報告書によると、これまでと同じ人口流出が続くと想定した場合、子どもを生む若手女性人口(20〜39歳)が2040年にかけて5割以下まで減少する市町村は896(全体の49.8%)、このうち2040年時点で人口が1万人を切る市町村は523(同29.1%)と見られています。今後25年間で、全国市町村の約3割が消滅する可能性が高いのです。

「人口減少で経済ゼロ成長」は
あまりにも悲観的すぎないか?


よしかわ・ひろし
立正大学経済学部教授。1951年生まれ。東京都出身。東京大学経済学部卒、イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D)。ニューヨーク州立大学教授、大阪大学社会経済研究所助教授、東京大学助教授、東京大学大学院教授を経て現職。東京大学名誉教授。専攻はマクロ経済学。『マクロ経済学研究』『日本経済とマクロ経済学』『高度成長』『転換期の日本経済』『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ』『デフレーション』など著書多数。?写真:中央公論新社
?このように、人口減少が日本にとって大問題であることは間違いありません。そして人口減少問題が意識されてからの数十年間、とりわけ経済については、人口減少によって今後は右肩下がり、よくてゼロ成長だろうという悲観論が、半ば常識的に語られてきました。

?しかし、私はこうした見方に異議を唱えています。人口減少を悲観的にしか語らない人は、経済成長というものについて、人々がツルハシを持って道路工事をするイメージしか持ち合わせていないからです。

?経済の供給サイドについて言えば、よく語られるのはこういうことです。労働力人口の減少によって、100人で工事をしていた工事現場の労働者が10人に減ると、アウトプットは90人分減ってしまう。それが国全体で起きれば、日本はマイナス成長になる――。

?しかし、そうしたイメージは間違っている。そもそも過去の先進国の経済成長は、作業員1人1人がツルハシを持って仕事をしていた工事現場にブルドーザーやクレーンが登場したことから始まりました。まずメーカーが機械を発明し、それが市場に投入され、道路工事を請け負う企業がそれを購入し、工事に使用するという資本蓄積が起きる。そして、現場が機械を動かす技能を身につけることによってイノベーション(技術進歩)が起きる。

?その結果、労働生産性が向上します。労働者1人ひとりがツルハシで工事をしていたら、仕事の生産性は上がりません。しかし、機械の導入で人手が少なくて済むようになれば、100人でやっていた仕事が10人でできるようになり、生産性は向上します。そして、以前の職場で必要とされなくなった労働者が他の職場へ移って働くようになれば、新しい経済価値を生み出します。先進国では、国全体でこうしたイノベーションが起き、経済が成長してきたのです。これからの人口減少下でも同じことが起きれば、経済は成長し続けることができるはずです。

?悲観論者は経済成長の目安として人口の増減しか見ていませんが、実は労働生産性が向上するメリットのほうが、人口減少のデメリットよりもよほど大きいのです。それは過去のデータからも明らかです。

?たとえば、1870年代以降の日本の人口と実質GDPの推移を比較すると、それらは150年間、「ほとんど関係ない」と言っていいほど乖離しています。とりわけ日本の高度経済成長期(1955〜70年)、実質GDPは少し前の中国と同じように10%ペースで成長しましたが、当時の労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)の伸び率はおおむね1%強に過ぎませんでした。

?この経済成長と労働力人口の9%の差は、労働生産性の伸びによってもたらされたものに他なりません。労働生産性の伸びは、ガンバリズムとは関係なく、前述したイノベーションによるものでした。人口が変わらなかったり、少し減ったりしても、1人あたりの労働者がつくり出すモノが増えれば、経済は成長し続けるのです。

労働生産性と付加価値の向上は
街の洋食店でも起きていること

?これまでイノベーションは、工事現場で使われる機械のようなハードのみならず、ソフトに至るまで、あらゆるモノやサービスで起こってきました。

?たとえば、街の洋食店でもイノベーションは起こりました。洋食店が持つ資本は火力、フライパン、食材など昔とあまり変わりませんが、シェフの知識や腕の向上によって新メニューが増えました。これまでスパゲティと言えば、ミートソースやナポリタンしかつくれなかったのが、お洒落なパスタをお客に提供できるようになった。同じ資本でより高い付加価値を実現するという、労働生産性の向上が起きたわけです。

?他にも、駅の改札が係員による切符のチェックから自動になったこと、通信が手紙だけでなくメールででもきるようになったこと、書店だけでなくインターネットでも本を買えるようになったことなどは、日本の労働生産性をどれだけ向上させたかわかりません。

?では、供給サイドはそうだとしても、需要サイドはどうなのか。「人口減に伴い需要が落ち込むのではないか」という不安もよく耳にします。しかしそれも違う。消費はあくまで価値をベースに決まるものであり、量とは関係ありません。つまり洋食店なら、500円のミートソースをたくさん売るより、付加価値を高めた1500円のパスタを少し売れば、これまでよりも効率的に同じ量か、もしくはそれ以上の量の消費を喚起することができます。

人口減少下でも若者の
生涯収入が倍増しそうな理由

「そうは言っても、人口減少が起きたら経済が縮小し、消費者に高いモノやサービスを消費する購買力はなくなるのでは」という異論も出てくるでしょう。ところが、人口減少は国民の所得を向上させる要因になります。人口と経済成長の間に関連性がないことは前述しましたが、イノベーションによって労働生産性が向上し、人手が少なくて済むようになった職場では、1人当たりの賃金は増えていくからです。

?足元では「AI(人工知能)に人間が仕事を奪われるのではないか」という議論もありますが、機械の発達で仕事が減るとしたら、数多くのイノベーションが起きた明治時代以降、日本人の所得はほとんどなくなっているはずです。でも、現実にはそうなっていない。昔の若者は安いナポリタンしか食べられなかったけれども、今は若いOLでも昼食に高価なパスタを食べている。これは昔と比べて、日本人の購買力が上がっている証拠です。

?多くの経済学者は、日本の潜在成長率は0.5%程度しかないと言いますが、私は1.5%程度の実質経済成長は可能だと考えています。そのためには、年率2.0%程度の労働生産性の伸びが必要ですが、それが実現すれば、国民1人当たりのGDP、つまり1人当たりの所得は年率2.0%で成長する計算になります。

?事実、リーマンショック後の大不況が起きた2009年を除く、2000年以降の14年間で見ると、日本の平均経済成長率は1.3%、労働生産性の平均上昇率は1.5%となっていることから、1人あたりGDPの年率2.0%成長は決して不可能な数字ではないことがわかります。

?2%で成長するものは35年で2倍になります。したがって、現在30歳の若者の生涯所得は、現在65歳の高齢者の生涯所得の2倍になってもおかしくありません。団塊世代の生涯所得をざっくり3億円とした場合、若者のそれは6億円になるということ。そうなれば、将来の日本人の購買力は減るどころか、むしろ増えていくでしょう。

?このように、人口減少下であっても、イノベーションによる労働生産性の向上が起き、経済が成長し、国民所得が増え、国が豊かになっていく可能性がある。決して無責任な話でなく、米国、欧州、日本の歴史を振り返ってもそうでした。しかし、世の中ではなぜかそう思われておらず、「人口減少で日本は立ちゆかなくなる」という不安ばかりが煽られています。

?こうした風潮はいつから、どうして出て来たのか。私が子どものときは「日本は狭い国土に人がたくさんいて、人口密度が高すぎる」と言われていました。それが変わって来たのが1970年代で、社会保障や財政の問題、過疎問題などに警鐘を鳴らす専門家が増えてからです。そして、不安が一気に噴出したのがバブル期以降。バブル崩壊後に経済がうまくいかない理由の多くが、人口減少のせいにされてきた印象があります。

人口減少は日本の未来を
よくするためのヒントにもなる

?冒頭で述べた通り、人口減少がよくないことは確かです。しかし、それが鮮明化した場合、どんな工夫をして国力を維持していけばいいのか、また人口減にも肯定的な面はないのか、というところへ視点を移していかないといけません。

?人口減少に伴う高齢化も、世の中でネガティブに捉えられ過ぎていますが、イノベーションの土台になります。たとえば高齢者用の紙おむつ。従来、「紙おむつは赤ちゃんのもの」というイメージしかありませんでしたが、「ひょっとしたら高齢者にもニーズがあるのでは」とメーカーが思いつき、開発したのがきっかけで、今ではシニアの生活必需品となっています。そう考えると、今後、自動車や流通などあらゆる業界で高齢者市場を見据えたイノベーションが起きるはずです。

?消費者の潜在的なニーズに気づくことは、企業の成長の原動力となり、経済を活性化させます。そこで必要なのは必ずしも難しい技術開発ではなく、ちょっとした発想の転換。まずはコンセプトが重要で、テクノロジーは後からついてくるのです。

?日本は少子高齢化のフロントランナーであり、消費者の目も厳しいので、日本企業にとって人口減少下の市場はイノベーションのための「格好の実験場」とも言える。国内は人口減少だからという理由で、人口が増加する海外市場に目を向ける企業も多いですが、いくら減っていると言っても、日本はまだまだ人口が多い市場です。企業は国内と海外の両方に、バランスよく目を向けるほうがいいでしょう。


吉川洋著『人口と日本経済〜長寿、イノベーション、経済成長』(中公新書)(アマゾンヘリンク貼る)好評発売中。『週刊ダイヤモンド』2016年の〈ベスト経済書〉第1位にも輝き、10万部突破のベストセラーに
?また一方で、国内の人口減少を補うために海外から若い労働力を受け入れようという動きもありますが、イノベーションとは付加価値を生むことなので、全くの単純労働者を無制限に受け入れても意味がなく、技能を持つ人たちを誘致すべきでしょう。これは、移民に関する議論も同じことです。

?さらに、そうした人々を有効活用できるよう、行政が現実的な施策を行うことも必要です。たとえば日本は、インドネシアやフィリピンから女性の介護士を受け入れていますが、彼女たちには着任から数年後に難解な日本語の試験が課せられ、及第点を取れないと本国へ帰らされてしまう。求められているのは実務能力なのだから、こうした非現実的なハードルは緩和されるべきです。

?人口減少を軸に考えると、今の日本が抱える課題が改めて浮き彫りになります。そこから、未来への提言も行うことができます。人口減少から我々日本人が学べることは、かくも多い。しかるに、今の日本では「人口減少ペシミズム(悲観主義)」が行き過ぎているのではないでしょうか。

http://diamond.jp/articles/-/116744


 



2017年2月6日 広瀬 隆雄
着実に回復を続ける米国の住宅市場に投資しよう!
米国のネットを介した不動産紹介の2/3を寡占し、
「不動産のグーグル」とも呼ばれる「ジロー」を解説
米国の住宅価格や中古住宅販売件数は、じわじわと回復
そこに投資できる関連銘柄とは?
 米国の住宅市場はリーマンショックで冷え込みましたが、その後の景気回復、失業率の低下、連邦準備制度理事会(FRB)の低金利政策による住宅ローン金利の低下などの支援材料を背景に、じわじわと回復しています。
 下はS&Pケース・シラー20都市住宅価格指数です。
拡大画像表示
 米国の不動産取引の大半を占める中古住宅販売件数も、着実に伸びています。
拡大画像表示
 このような住宅市場の回復に投資する方法としてまず考えられるのが、宅建業者の株を買うというやり方です。
 また大工さんが建材を買い求める際に利用する、ホームデポ(ティッカーシンボル:HD)などの小売店株に投資するという方法もあるでしょう。
 さらに、ウエルズファーゴ(ティッカーシンボル:WFC)のような、住宅ローンに強い銀行株を買うという手もあります。
 それらに加えて今日は、不動産紹介サイト、ジロー(ティッカーシンボル:Z)を紹介したいと思います。
不動産紹介サイトのジローは、
「不動産のグーグル」とも言える注目のサービス
ジロー(Zillow)の検索画面。さまざまな項目を入力することで、条件に合った物件を見つけ出せる
拡大画像表示
 ジロー(Zillow)は、「不動産のグーグル」のような存在です。消費者が家を探すとき、ジローを見れば、自分の住みたい町で、いまどんな物件が売りに出ているかを閲覧することが出来ます。
  同社のデータベースに含まれている物件数は、1.1億物件となっています。自分の求めている家を、予算や間取りでスクリーニングすることはもちろん、その家の外観や内部の各部屋の写真、広さや築年数、その他のあらゆるデータを調べることが出来ます。
 また、その物件の周辺の犯罪件数や小中学校の評価、同様の物件が幾らで取引されているか、などについても知ることが出来ます。
 さらに、それらの周辺物件の取引価格から、自分が検討している物件の「妥当価格」も教えてくれます。
 ジローは、「Zillow」サイトの他に、「トゥルーリア(Trulia)」、「ストリートイージー(StreetEasy)」、「ホットパッズ(HotPads)」、「ネーキッド・アパートメンツ(N*kid Apartments)」という、全部で5つのサイトを運営しています。
 これらのサイトを通じて、同社はネットを経由した不動産紹介の実に3分の2を寡占しています。ユーザーの多くは、スマートフォンを通じてこれらのサイトを頻繁にチェックしています。
 同社の平均月次ユニーク・ユーザー数は、下のチャートのように推移しています。
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収益源である不動産仲介業者からの広告へ
新たに入札方式を導入
 同社の売上高の約7割は、プレミア・エージェントと呼ばれる、不動産仲介業者の広告から上がっています。
 ひとつの物件につき4人の不動産仲介業者が「この物件に興味があるなら私にコンタクトしてください!」という広告を出せます。消費者は、ある物件に興味を抱いたら、その4人の不動産仲介業者の写真から1人を選び、問い合わせのメールを送るわけです。
 これまでは、地域によって広告枠の価格設定をジローが予め決めていましたが、今期からは広告枠の価格が入札方式で動的に決められる方式が導入されました。
 最初はこの変更で広告を出す不動産仲介業者も戸惑うかもしれませんが、いずれこの新方式が円滑に動き出せば、生産性の高い、やり手の不動産仲介業者はどんどん高い値段で広告枠を落札し、顧客をどんどん獲得することが予想されます。適者生存というわけです。
 これは、ジローの側からすれば、売上機会が青天井になることを意味します。
 さらに、ジローのサイトは住宅ローン・ブローカーとも直結しており、消費者が興味を持った物件を買う際のローンを組む手伝いもします。
 このように、全てがジローのサイトを中心に動くわけです。
米国の不動産市場の拡大に連動し
ジローの売上げ高も成長
 ジローの売上高は「不動産仲介業者がどれだけ広告費を使う意欲を持っているか?」によって決まります。すると、そもそも不動産仲介業者が商売繁盛していないといけません。
 不動産仲介業者は、不動産取引が成立すると、売り手の不動産売却代金から6%の仲介手数料を差し引きます。売り手を代表する不動産仲介業者(=この業者をリスティング・エージェントといいます)は、買い手を代表する不動産仲介業者との間で手数料を50:50で折半することが多いです。
 このように不動産仲介業者の収入は、1)売買の成立、2)価格、によって変動します。
 冒頭の二つのチャートで見たように、不動産価格が上昇し、中古住宅の販売が増加するということは、不動産仲介業者の売上高も増えていることを示唆します。
 このように増加した手数料収入の一部を、不動産仲介業者はジローのサイト上での広告展開に再投入するわけです。
 同社の売上高は、下のチャートのように推移しています。
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 なお、チャートには、2015年第1四半期からは、買収したトゥルーリアの数字が含まれています。
 ジローは、トゥルーリアを買収した後、一部の重複している部門を整理しました。そのリストラにまつわる費用が2016年第2四半期の修正EBITDA(利払税金償却前利益)を押し下げています。
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【今週のまとめ】
不動産仲介業者にとって欠かせないツールとなった
ジローの値上がりに期待
 米国の住宅市場は回復してきています。不動産仲介業者が日々の業務を進める上で、ジローは欠かせないツールになっています。
 ジローは広告枠をこれまでの固定料率から入札方式に改めました。一定の試行期間を経て、広告出稿者がこの方式に慣れれば、不動産取引が活発になるにつれて売上も青天井になると予想されます。
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http://diamond.jp/articles/-/116925

 

2017年2月6日 芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員]
銅相場足元は回復基調も供給過剰続き変動幅が拡大

http://dol.ismcdn.jp/mwimgs/9/8/-/img_98c2b30a535424dc7ce8b0a720ce0fc6127527.jpg
 世界景気の先行指標として注目されることも多い銅相場は、高値警戒感があるものの、底堅く推移している。
 銅相場は、2011年に1トン当たり1万0190ドルの高値を付けた後、下落基調で推移し、16年1月には4318ドルの安値を付けた。その後、低迷が続いたが、10月終盤から急騰し、11月には6000ドル台に乗せた。12月後半には5500ドル割れまで下落したものの、17年1月後半には再び6000ドル近くまで上昇している。
 昨年10月までは、銅相場は低迷を続けるとの見方が支配的だった。中国の銅需要の鈍化や高水準の在庫といった需給の緩みから、上値は追いにくいとみられていた。
 ところが、その後、相場が急騰した。中国景気持ち直しが銅需要を喚起するとの観測が出始めたところに、米大統領選挙でトランプ氏が勝利し、インフラ投資や減税による需要増も連想されたためだ。
 銅の供給に対する見方も変化している。16年前半の需給緩和の背景には、鉱山開発を受けて供給が増えたことや生産障害の発生が例年に比べ少なかったことがあると指摘された。しかし、ここにきて、鉱山開発による供給増の勢いは一服し始めたとの見方が出ており、チリやインドネシアでは、ストライキや規制変更による供給減が懸念されるようになっている。
 出遅れ感のあった銅相場が上昇基調に転じたことは、ファンド勢の関心を集め、LME(ロンドン金属取引所)における資金運用者のネットポジションの買越幅が急拡大した。
 足元では、中国景気が回復の動きを見せている上に、供給の伸びも鈍化しつつあり、需給は引き締まる方向とみられる。もっとも、それでも17〜18年は供給過剰が続くとの慎重な見方も多い。
 また、トランプ政権の政策による銅需要の押し上げ効果は具体化しておらず、そもそも、米国の需要(年約180万トン)が増加することになっても、世界需要(同約2300万トン)に比べて小さいとみられている。
 これまでの銅相場上昇を受けて、銅供給が増える兆しもある。銅スクラップの供給が中国などで増え始めていると指摘され、価格低迷下で操業が停止されていた高コスト鉱山での生産も再開される可能性が高い。
 投機的な銅買いポジションもすでに高水準にあり、さらなる大幅増は見込み難い。最大消費国の中国では、不動産市場の過熱を沈静化する方策が採られつつある。
 17年の銅相場は、基調としては世界景気の拡大に合わせて緩やかに上昇するだろう。しかし、米中の景気や政策の動向によって市場の基調は変化しやすく、変動幅は大きくなりやすいだろう。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)
http://diamond.jp/articles/-/116766


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/741.html

[中国10] 深セン電気街の凄み、アキバやシリコンバレーを超える開発力

2017年2月6日 高須正和 [チームラボMake部]

深セン電気街の凄み、アキバやシリコンバレーを超える開発力

「世界の工場」深センの中心部には、世界中の家電マニア、発明家、ブローカーを夢中にする巨大電気街「華強北」が存在する。1万店舗以上の電気店・パーツ問屋が集中し、「ここにない部品はこの世にない」「ここでの1週間はシリコンバレーでの1ヵ月」などと言われる華強北の凄みを紹介する。(チームラボMake部 高須正和)
世界最大の電気街「華強北」

秋葉原をモデルにした
超密集電気ビル「賽格広場」
 毎日新鮮な魚が並ぶ築地市場のように、深センの電気街「華強北」(Hua Qiang Bei:ファーチャンベイ)には毎日発明品が店に並ぶ。多くは逃したら二度と買えない、一回限りの新製品だ。
 パーツを売っている部品街として始まったこの街は、深センの工場や製造業者のほか、安い製品を仕入れに来る世界中のバイヤーから僕みたいなマニアを含め、28の巨大ビル(合計50万m2)に1日50万人の来訪者を集め、年間1000億元(1兆7000億円)を超える売り上げをたたきだす。

https://www.youtube.com/watch?v=J5JuV8lk0Iw 
空にはドローン、地には露天商、これが深セン! Movie by Akira Matsuda
 上の動画は2016年8月に華強北で撮影したものだが、2017年1月には露天商もドローンも姿を消してここは公園的な広いスペースになっている。華強北は深圳の中でも特に変化が早く、数ヶ月もたつとゲームの「ローグ」や「風来のシレン」のように、風景や店に並ぶ製品がガラッと変わっていることが多い。
 1980年代ぐらいまで、香港は製造業で有名な場所だった。「MADE IN HONGKONG」というタグをつけた衣服やブリキのオモチャや安い家電製品を、「ブランドショップの試着室で着替えをしていると底が抜けて誘拐され、売り飛ばされる」みたいな都市伝説とともに覚えている中年世代も多いのではないか。
 連載第1回「人類史上最速で成長する都市『深セン』で何が起きているのか」で紹介したように、深センの急激な発展は中国の改革開放政策のあと、その香港の製品を実際に作る労働力を提供することにより始まった。
 1990年代に入り、製造力は充分についた深センがなんとかして企画や開発から行う地場産業を作ろうと考えたときに、「企業同士が情報交換できるように、いろいろな部品が一ヵ所に集まり、自然と情報が交換される市場を作ろう」と、深センの産業グループ・賽格電子集団(Shenzhen Electric Group:SEG)は東京の秋葉原を視察し、おそらく「旧ラジオ会館」「ラジオデパート」あたりをモデルにして、“1m売り場”と呼ばれる間口の小さい店がたくさん並ぶ構造の電気ビル「賽格広場(SEG Plaza)」を作った。
(上)賽格広場ビルの内部。「1m売り場」と呼ばれる密度でみっしり店舗が集積している /(下)別のビルの1m売り場を上層の吹き抜けから撮影したもの。密集ぶりがわかる 拡大画像表示
 賽格広場では、商品がみっしりと詰め込まれた1m売り場が、さらに1Fから10Fまでぎゅうぎゅうに埋まっている。電気街としての営業面積は4万8000m2と言われる。「ヨドバシAkiba」(営業面積2万3800m2)の2倍近いサイズの巨大な建物が、ほぼすべてこのような小店舗で埋まっていて、総店舗数は3000を超える。
 この賽格広場の「巨大なラジオ会館」モデルは大当たりし、華強北電気街全体では現在、21の巨大電気ビル(床面積1万m2以上のもの。総ビル数は717といわれる)、1万店舗以上が集積している。最近はオンラインショッピングでの取引が多いが、ピーク時にはこうした小規模店が、年間500万円ほどのテナント料だったという。
 政府からのアイデアではないせいか、深センの博物館に行っても、証券取引所や政府が誘致した工場の展示はあっても、華強北の展示は目立たない。賽格広場をつくりあげた賽格電子集団の活動が全体のガイドラインにはなったので、完全に無秩序から立ち上がったのではないが、オープンソースのプロトタイプの元にアイデアが洗練されていって大規模になっていくように、商売人の活動が集中するにつれて、自然発生的に電気街が巨大化してきた活動のようだ。
 都市計画や区画整理に市が介入してきたのは2000年頃といわれているので、21世紀に入ってからムクムクと大きくなったといえる。一定の整理はされているものの、第2回で触れた絵画村といい、この圧倒的なエネルギーとカオス感はその成り立ちによるのだろう。
家族経営の問屋が多い。床では子どもたちが商品をパッキングしている 拡大画像表示

メインの販売品はパーツ類
電子部品の市場レポートも提供
 もともと製造業者たちに部品と情報を流通させる成り立ちだったこともあり、今でも部品の取引が多い。写真のこれらはすべて電子部品で、組み立て工場が千個単位で購入するを想定して、ものすごい量のパーツやモジュールが無造作に売られている。
(上)iPadやiPhone(最新機種だけでなく古いものも含む)、その他スマホ・タブレットなどの通信モジュール。あらゆる通信モジュールを購入して自社製品に組み込むことができる /(下)監視カメラ、ドライブレコーダーなどに使われるCCDセンサーモジュール 拡大画像表示

 こういう店で数個単位でパーツを買うのは難しい。たいていの1m売り場は工場と直結していて、注文すれば何千/何万個単位で製造してくれる。小さく見えてもBtoBの問屋なのだ。先ほどの賽格広場の上層、11Fから71Fまではオフィスビルになっていて、問屋街として機能している。
 現在は中国のECサイト「Taobao」(アリババグループ)などでの取引が急激に伸びていて、いつ見てもどの店でも箱詰めやパッキングに忙しい。オンラインが伸びてもリアル市場の意味がなくなったわけではなく、歩き回って店主と話して情報交換したり、「どうしても明日からの製造のために500個だけ必要」といった急場の需要を満たしたりする用途があり、ECがもっと伸びても、完全になくなるというものではなさそうだ。
 そして、もちろんこの電気街があることは新しいガジェットの発明家にとってもこれ以上ないメリットになっている。数時間歩き回れば、「世の中にどういうパーツがあるか」が一目瞭然にわかり、かつ問屋や製造元に相談までできるのだ。
(上)山のように売られるステッカー。「品質保証」「クオリティチェックOK」「認証番号xxxx」「容量32G」のようなシールも売られている。買ってみたら容量が少なかった、というのはこういうところでシールだけ買って貼り付ける行為から生まれるのだろうか。もちろんオーダーメイドが中心で、置いてあるのは「こういう印刷もできます」という見本 /(下)華強北にはプリント基板(PCB)の製造を受け付ける店もある。この電気街でモジュールを買い、自分のラップトップで基板の設計をしてここで制作依頼をすれば、特急だと翌日には基板ができている 拡大画像表示

 深セン周辺の巨大な製造業エコシステムがあるかぎり、部品屋としての性質はなくならないのだろう。同じアジアの電気街として挙げられる香港の「深水埗」やタイの「マーブンクロンセンター」などではこうしたパーツやモジュール類を見ることは少ない。
華強北では、米相場や原油価格のように、電子部品の価格がインデックスチャート「華強北指数」になって公式サイトで日々発表されている。世界の電子パーツの市場がわかる街だ 拡大画像表示
http://diamond.jp/mwimgs/5/6/-/img_56d72d2d8d78685e0390c0e45ff00527529250.jpg

深センの1週間は
シリコンバレーの1ヵ月
 賽格電子集団の目論見はある程度あたったのだろう、大量のモジュールがやりとりされることによって、深センから大量の電機メーカーが登場するに至った。「カメラモジュールと通信モジュールを組み合わせるとカメラ付き携帯ができる」ように、半完成品の形で流通するモジュールを組み合わせると製品ができる。中国のニセ製品でよく言われる「山寨」(Shanzhai:シャンザイ)である。
 山寨は山岳要塞という意味で、中央の目の届かないところで勝手なことをする梁山泊のような事柄を指す。もともとは罵倒語だったのだが、最近の発明家の間では肯定的に使う人もいて、英語圏のハックやハッカーと通じるものがある。
 日本などで行われている通常の製品開発では、深センではモジュール化されている部分まで含めて部品を選び、設計することになる。
 実際に深センでタブレットなどを製造する企業「JENESIS」の藤岡淳一社長が東京大学での「メイカーズ×アジア」イベントで語ったところによると、Androidセットトップボックス一つ開発するのに日本だと1年近い製造期間・1300万円の設計開発費(製造にかかるコストとは別)・1万個製造として1万円の製品単価になるところを、深センのモジュール類を使用すると3ヵ月・50万円の設計開発費・1000個の製造を5000円で行えるという。期間が6〜7割引になり、設計費が9割以上削減され、製造ロットが10分の1になる。
https://www.youtube.com/watch?v=MSk7xN4OUI8 
深センで家電を製造するJENESISの藤岡淳一社長による講演
 初期投資が小さくなり、華強北という市場があることで、「とりあえず作ってみてから考えよう」的なプロジェクトが多発し、電気街は奇妙な山寨新製品であふれる。
(上)ショーケース内の人形や車のオモチャのようなものはすべて携帯電話 /(下)大きいボタンと限定された機能の、日本で言う「らくらくホン」。老人机という身も蓋もない名前で製造されて売られている 拡大画像表示

 たとえばこれだ。ペットボトルぐらいのサイズがあるこの巨大携帯電話は、21000mAhのバッテリを持ち、モバイルバッテリとしてほかの機器にUSB電源を供給できる。満タンだと1ヵ月を超えて使用することができ、とても明るいLEDライトもついている。これはビル工事とかダム工事のような建設作業者のための携帯電話だという。作業しながらでも聞こえるように、アラーム音がものすごく大きい。
(左)ペットボトルサイズの携帯。これもここ1〜2年の新製品 /(右)驚異のバッテリ容量21000mAh 拡大画像表示

 ほとんどの部品がモジュール化されて再販売されてしまうため、アイデアだけの価値(特許など)が薄い深センでは、“思いつきでつくられた”ような新製品、半製品がびっくりする数で、日々新発売されている。
 この巨大携帯は中国専門ガジェットライターで「中国のインターネット」という著書もある山谷さんがレビューを書かれているものによく似ているが、液晶サイズやバッテリなどが違い、おそらく別メーカーの山寨だろう。このくらい「似たようなちょっと違う」製品で市場は満ちている。
 日刊の広告新聞が発行されていて、中はすべて新製品と半製品。パッと見どこが進化したかわからないものがほとんどだ。純粋なコピーも多いだろうが、欧米人が日本の「醤油ラーメンだけで軽く20種類はある」ことが「全部同じにしか見えない」ように、彼らなりの識別ができているのかもしれない。
日刊の新製品新聞。いくつも配布されていて、日本からもPDFで読むことができる。左はスマートウォッチの完成品、右はスマートウォッチ等に心拍センサを埋め込むモジュールの半製品 拡大画像表示

 この市場と周辺の工場群が生み出す開発速度を指して、シリコンバレーに本拠を置き深センに開発ラボを置くハードウェアインキュベータのHAXは、「深センの1週間はシリコンバレーの1ヵ月」と言う。
2015年にオープンしたMJの店。賽格広場02A08(2FのA区画8番)に入居している。ほかの店と違い、正規品のArduinoやサーボモータなどのDIYツールを販売する。世界から多くの発明家が深センを開発拠点にし始めたことにより、このようなビジネスが始まっている 拡大画像表示

ビルごとに特色がある売り場
サイバーパンクSF感満載
 華強北に多くあるビルは、ビルごとに特色があり、売っているものが違う。
国際電子城。看板にはさまざまな言語で「卸売りします」と書かれている Photo by Yuichi Hirose 拡大画像表示

 たとえば上写真の国際電子城は、GoProのようなアクションカメラ、モバイルバッテリ、車のバックミラーにAndroidタブレットを組み込んだものなど、消費者家電の山寨……というよりも“パチモノ”で満ちていて、中東やアフリカ、東南アジアなどから多くの家電ブローカーがバイヤーとして仕入れに来ている。
 パチモノ感いっぱいの山寨家電を、ターバンを巻いたアラブ人ブローカーと商店主の中国人が狭い店内で交渉している様子は映画「スターウォーズ」の闇ガジェット市場のようで、サイバーパンクSF感満載だ。
 今回は電気街全体の紹介になったが、ビルごとに扱う製品の違う華強北の電気ビルと怪しくも魅力に満ちた山寨ガジェット、そしてそれを生み出す街のエコシステムについても、今後はより詳細に紹介していきたい。
(チームラボMake部 高須正和)
DIAMOND,Inc. All Rights Reserved.

http://diamond.jp/articles/-/116420

http://www.asyura2.com/16/china10/msg/864.html

[国際17] トランプ「学問迫害」に揺れるハーバードで、米国の衰退を憂う トランプの大統領令に走る緊迫 ハーバード大からの3通のメール

長内 厚のエレキの深層
【第21回】 2017年2月6日 長内 厚 [早稲田大学商学学術院大学院経営管理研究科教授/早稲田大学台湾研究所研究員・同IT戦略研究所研究員/ハーバード大学GSAS客員研究員]
トランプ「学問迫害」に揺れるハーバードで、米国の衰退を憂う
トランプの大統領令に走る緊迫
ハーバード大からの「3通のメール」


トランプ政権がイスラム圏からの入国禁止令を出して以降、ハーバード大学では、海外からの学生や研究者を気遣う「異例のメール」が矢継ぎ早に送られた。その内容とは?
?アメリカでトランプ政権が誕生してから10日あまり、多くの大統領令が発布され、世界が右往左往している。著者はトランプ大統領の人柄や施策の全てを否定するつもりはないが、昨今騒動になっている特定のイスラム圏からの入国禁止令に関しては、大学人として、アメリカが20世紀から積み上げてきた世界の学問の中心という地位を崩壊させかねない事態だと、極めて強い憂慮の念を抱いている。

?現在、ハーバード大学でGSAS客員研究員の職にある筆者をはじめ、同大学の全教員、学生、招聘研究者宛てに、大学側から12月に1通、そして1月末の28日、29日に立て続けに2通、政権移行と入国管理に関するメールが送られてきた。

?1通目は、クリスマスシーズンの帰省に不安を感じている学生に対し、「新政権はまだ誕生していないし、入国管理の仕組みがすぐに変わるわけでないので安心して年末休暇を楽しむように」との内容であった。ただし、不安を抱えている学生には「大学の心療内科の受診やカウンセリングを受けるように」というアドバイスが書かれていたので、トランプ氏が“口撃”を行なっている国の出身の学生は、相当ナーバスになっていたようであった。

?年が明けて、筆者は学生と1月20日の大統領就任式をテレビで見ていたが、そもそも就任式を見に来ない学生が多く、選挙の開票時には大勢の学生が集まったことを考えると、ハーバードの学生のトランプ評がうかがい知れる。中には就任演説で泣き出す女性もいた。

?そして、就任後間もなくこの入国制限である。ハーバード大学の対応は早かった。1月28日に教職員・学生に国際オフィスから2通目のメールが送られた。現在、入国規制されている7ヵ国以外にも、今後対象国が増える可能性があること、そうした大統領令は直ちに施行される可能性があることに注意を促す内容だった。学生・研究者には、不要不急の国外旅行は再入国ができなくなる可能性があることを示した上で、リスクを考えて判断してほしいという。

?12月の「年末休暇を楽しんで」から打って変わって一転、メールの文章からも緊迫感が伝わってくる。12月のメールとの落差がいかにも不気味だ。筆者の近くにも、しばらくは怖くて国外に出られないという人がいる。

?そして翌1月29日、ハーバード大学のキャサリン・ドリュー・ギルピン・ファウス学長から、全教職員・学生に向け、「We are ALL Harvard」と題した3通目のメールが届いた。海外からの学生・研究者ともにハーバードの大切な一員であり、外国籍の学生・研究員の活動に支障が出ないように、直ちに政府、議会、裁判所に訴えていくという内容である。アップルなどの企業のCEOがすでに述べているように、アメリカは移民の国であり、移民なくして経済活動は成り立たない。大学もそうである。

海外学生・教員を狙い撃ち
ナチスの「焚書」再来か?

?ファウス学長のメールには次のような記述がある。

「ハーバードの学部や大学院の約半数の学部長・研究科長は、インド、中国、北アイルランド、ジャマイカ、そしてイランからの移民である。世界中から集まる人々の才能とエナジー、知識とアイデアから受ける恩恵は、ハーバードにとってだけ重要な利益になっているわけではない。これまでもそうであったし、現在も全くそうであるが、それらはアメリカ合衆国にとっても重要な利益であり続けた」(メールの全文はハーバード大学のホームページでも紹介されている)

?確かに、テロ対策も喫緊の課題である。しかし、一律に特定の国や宗教を狙い撃ちした入国受け入れ拒否はやり過ぎであると共に、アメリカにとっても得策ではない。アメリカの経済力の源泉は世界中から人を集める求心力であったはずだ。移民受け入れというコアコンピタンスがあればこそ、世界一の大学がアメリカにあり、世界一の経済力を持ち、優れた多くのベンチャー企業を輩出してきたと言える。アメリカがその入り口を閉ざすということは、アメリカのコアコンピタンスを破壊することにもつながりかねない。

?20世紀前半まで、世界の学問の中心はドイツであった。ドイツの大学には世界中から学生や研究者が集まり、科学技術をはじめ多くの学問がドイツで発展した。日本の年配の医師がドイツ語でカルテを書くのもその名残と言える。

?しかし、ナチスドイツの台頭で始まった焚書とユダヤ人迫害によって、多くの学問が途絶え、研究者は自由を求めてアメリカに移った。20世紀後半のアメリカ経済の隆盛は、アメリカの学問の隆盛とリンクしてきた。今や医師も多くはアメリカに留学し、カルテも英語で記載する。ドイツの大学の伝統はナチスによって断絶させられた。

?今、学問の世界に新たな迫害が迫っているのかもしれない。Twitterの限られた字数での短く強烈なメッセージは、丁寧で長文の論説よりもインパクトがある。新聞や書籍が廃れ、知識や情報まがいのものはスマホのコンパクトな文章によって得られるようになった。「デジタル焚書」といってもいいかもしれない。

?そこに追い打ちをかけるように、大学研究者の行動の自由が奪われる大統領令の施行だ。そこにはやはり人種偏見が見え隠れしてはいないだろうか。トランプ大統領はNAFTAによってアメリカがメキシコから経済的な被害を被っていると言うが、カナダについては「カナダとは特別な関係」と言う。

?我々日本人も無関係ではない。対米貿易黒字で言えば、ドイツの方が日本を上回っているが、名指しで批判されてきたのは主にアジアの日本・中国・韓国である(最近になってドイツ批判も始めたようだが)。アングロサクソンの国とそれ以外とで対応に違いがあるように感じるのは、気のせいだろうか。

?ナチスドイツ政権下でもユダヤ人やその他多くの外国人が迫害され、差別の危険を感じた多くの研究者が自由を求めてアメリカに渡った。アメリカの大学の躍進は優れた研究者を移民として受け入れてきた歴史でもあるが、今回の大統領令はそれをぶち壊してしまうかもしれない。今回の大統領令にその意図はないという擁護論もあるが、これまでのキャンペーンも含めた全体のコンテクストを見れば、多くの外国人が迫害の危険を感じてもおかしくはない。

?これでは、アメリカを再び偉大にするどころか、アメリカの知の後退にしかならないだろう。

米国が教育の門を閉ざすなら
日本は「無門の門」になれ

?今後、アメリカの大学が衰退するようであれば、世界の優秀な頭脳を集めるセンターとしての大学がどこか他の国に求められるはずである。そのとき日本の大学は、世界から優秀な人材を集められる準備はできているだろうか。

?ハーバードのメールの緊迫感は、学生を守るという意味だけでなく、長期的なハーバード大学の国際競争力を心配してのことだと思う。東南アジアから西アジアにかけての国はムスリムが多いと同時に、ITなどに強い優秀な人材の宝庫でもある。先も述べたようにアメリカの大学の優位性は、移民の受け入れによる多様性に立脚している。

?アルカイダやISは学校をつくることで子どもを過激な兵士に育てている。日本のテロ対策には、イスラム圏諸国にテロ組織が関わらない学校をつくるという活動があるという。生活に苦しむ人々は、仕事ができるだけの読み書き計算を無料で教えてくれるのであれば、テロ組織の学校でもありがたい、と感じてしまうらしい。こうした子どもたちをテロ組織から守るための学校をつくる、というのだ。

?日本のODAでつくられた学校で学んだ優秀な子どもたちが、日本の大学で自由に勉強や研究に従事する。それは日本の大学の活性化につながるだけでなく、日本の産業に優秀な国際人材を送り込むチャンスでもある。今後、もしアメリカが門を閉じるのであれば、日本が「無門の門」で対応すればいい。

(早稲田大学大学院経営管理研究科教授、ハーバード大学GSAS客員研究員?長内 厚)
http://diamond.jp/articles/-/116741
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/828.html

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