★阿修羅♪ > dGhQLjRSQk5RSlE= > 100112
 
g検索 dGhQLjRSQk5RSlE=  
 前へ
dGhQLjRSQk5RSlE= コメント履歴 No: 100112
http://www.asyura2.com/acat/d/dg/dgh/dGhQLjRSQk5RSlE=/100112.html
[番外地7] トランプは反グローバリストではなくネオコンだった 中川隆
6. 中川隆[-14490] koaQ7Jey 2020年1月15日 18:53:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1413]
ソレイマニ司令官殺害、7カ月前に承認か=イラン情勢悪化でトランプ氏―米報道
2020/01/14 15:31

 【ワシントン時事】米NBCニュースは13日、米当局者らの話として、トランプ大統領が7カ月前にイラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官の殺害を承認していたと報じた。米国内では同司令官殺害の根拠をめぐり、政権が主張する「差し迫った脅威」に懐疑的な見方が広がっている。半年以上前から殺害を認めていたのであれば、政権側の根拠が崩れる可能性もある。
 当局者は「これまでに多くの選択肢が大統領に提示されてきた」と指摘。その上で、ソレイマニ司令官殺害も「ある程度前から」選択肢に加えられていたと指摘した。
 昨年6月に米軍の無人機が革命防衛隊によって撃墜された際、当時のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)とポンペオ国務長官はトランプ氏にソレイマニ司令官殺害を進言。だが、トランプ氏は米国人が殺されない限り、殺害を承認しないと応じた。
 同月にはソレイマニ司令官殺害に関する大統領指令書が発出されたが、作戦は大統領の最終的な承認を必要とするという条件が付けられたという。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/427.html#c6

[番外地7] トランプは反グローバリストではなくネオコンだった 中川隆
7. 中川隆[-14489] koaQ7Jey 2020年1月15日 18:55:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1412]
中東情勢巡る記者座談会 自衛隊派遣しアラブの恨みを買うな 米国の侵略が問題の根源 2020年1月12日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/15297

 米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことに端を発して、世界中が第三次世界大戦突入を懸念するような緊張した局面が続いている。あからさまなトランプの挑発に対して、イランだけでなく中東全域で戦争放火魔ともいえるアメリカへの怒りが高まり、この地域に寄生して戦火をメシの種にしてきた侵略者からアラブ世界を防衛し、叩き出す闘争がくり広げられている。このなかで、中東情勢にどのような立場をとり対応していくのか、各国が問われている。日本政府は11日にも「調査研究」を名目として自衛隊(哨戒機。護衛艦は2月)を中東に派遣することを閣議決定しているが、それはタイミングとしてもまぎれもなく「アメリカの味方」、すなわち「アラブの敵」として名乗りを上げる行為であり、長年にわたってアラブ世界で築いてきた親日感情を覆し、みずから恨まれ、標的となることを意味する。記者座談会で情勢について論議してみた。

 A 新年早早から慌ただしい展開を見せてきた。世界中が「WW3」、つまり第三次世界大戦に突入するのではないかと重大な関心を注いできた。影響はイランとアメリカの全面戦争というだけにとどまらないからだ。中東政策に失敗し泥沼状況でアメリカが力を失っているなかで、逆に影響力を強めてきたイランに牙を向けている。欧州各国はどのような態度をとるのか、さらにイラン支持を表明した中国、ロシアも含めて世界覇権を巡る力関係はどのように動いていくのか、目先の動きだけでなくさまざまな角度から見ていくことが必要になっている。国際世論や米国内での世論、中東地域での力関係など、すべてが複雑に絡み合いながら事態は動いている。
ソレイマニ司令官の出身地であるイラン南東部ケルマーン州でおこなわれた埋葬式(7日)
 B 発端は、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を米軍が無人機で殺害したことだった。ある日突然、トランプが思いついて他国の軍隊の司令官を遠隔操作の無人機によってピンポイントで斬首するのだから、国際秩序もなにもあったものではない。これが逆にイランなり他国が米軍の司令官をピンポイントで斬首したらどうなるだろうか? アメリカだけがなぜこのような横暴な軍事作戦を世界で展開することが許されるのか? だ。まさに世界一の軍事大国の傲慢さをあらわしている。トランプの一存で実行し、米国議会にも「ツイッターで知らせれば事足りる」などといっている始末だ。後に撤回したとはいえ、イランの歴史的文化財も攻撃対象として公言するなど、国際法とか世界的な約束事、建前なども二の次で、極めて野蛮なものが戦争の指揮棒を振るっている。そのことによってソレイマニに限らず生身の人間が死に、世界が巻き込まれようとしている。愚かにも程がある。

 C イランでのソレイマニの葬列の空撮がユーチューブにアップされていたが、見たことがないような大群衆の海で、「アメリカに死を!」と叫んでいた。イラン国民に限らない侵略者へのアラブ世界の積年の怒りを映し出していたように思う。ソレイマニ殺害はきっかけであって、それ以前から中東地域は長きにわたって欧米列強の侵略・分断支配とたたかってきた。フセインが斬首されたイラクにしても統治がズタズタに破壊され、国土はミサイル攻撃によって無惨に荒廃させられた。そのもとで民衆は逃げ惑った。宗派の矛盾につけこんで敵対させたり、あるときはアルカイダみたいなテロ組織をアメリカが支援して利用し、あるいはISみたいなものが台頭してきたわけだが、米軍産複合体をはじめとした戦争狂いが世界最大の武器市場にして暗躍し、米メジャーは石油利権を握り、破壊した後は復興利権でチェイニー率いるハリバートンのような米ゼネコンが乗り込んでくるなど、中東地域の戦火を玩具にして懐を肥やしてきた関係は既に広く暴露されている。

 「大量破壊兵器」等等は侵攻の口実であり、「テロだ!」とレッテル貼りをするのも常套手段。現実にはアメリカこそが世界最大のテロ国家といっても過言ではないほど、世界中で戦争を引き起こしてきた。軍事力や核の脅威が世界覇権の裏付けとなり、それに対抗する側も核開発に乗りだし、しのぎを削ってきた。

 D サウジアラビアやイスラエルがアメリカの支柱となってきたが、イラク戦争からこの方の混乱のなかでその収拾に尽力してきたイランが影響力を強め、IS掃討でもイラク国内の民兵組織や人民動員隊とも連携してイラン革命防衛隊が力を発揮していた。

 ところが米軍はIS掃討のためにイラクに駐屯している建前になっているが、そのIS掃討作戦で各民兵組織に影響力を持ち、指揮を振るって尊敬を集めていたソレイマニを殺害した。中東地域の安定のために駐留しているのではなく、目的が別であることを自己暴露している。イラクには5200人の米軍が駐屯しているというが、中東地域にはのべ7万人の米兵が配置され、これらは要するに中東全域に睨みを効かせると同時にイラン包囲網でもある。
司令官殺害の背景 力失う米とイスラエル

 B イラクの首相が国会で重要なことを暴露していたが、ソレイマニはサウジアラビアとイランとの和平に向けた使者としてイラクに向かっていたという。サウジアラビアからイラクを仲介して示された和平案に対して、イランからの回答を持って来ようとしていた矢先に空爆されたのだと−−。ぎくしゃくしていたサウジとイランの和平が成立すれば、中東は安定化に向かうはずなのに、逆にアメリカがこれをつぶしたということになる。ソレイマニをなぜ殺害したのか? の重要な解だ。それは同時にサウジへの恫喝という意味あいも持つ。

 イスラエルとアメリカが中東地域で相対的に影響力を失い、逆にアラブで中心的な存在として影響力を強めるイランに攻撃を加えて恫喝し、その出方を見ながら揺さぶっている。強気に出られるのは世界一の軍事力があるからというただそれだけ。後先がどうなるか心配はなにもしていない風だ。拳を振り上げたり、下ろしてみたりして、要するに米国の軍門に降るか否かを迫っている。核開発云云もそもそもが米国の侵略支配に対抗した産物にほかならないものだ。

 一方のイランとしてもここは感情的に出るのではなく、やられたことに対して報復はするが、全面戦争は避けたいという対応だ。しかし、防衛のためのたたかいについては何ら遠慮しないという立場を表明している。アラブ各国と連携しつつ、戦火の拡大ではなく米軍の撤退を求める方向に進んでいる。「戦争ではなくアメリカは出て行け!」が中心問題なのだ。この矛盾はイランvs米国という単純な代物ではなく、侵略者アメリカvsそれと抗うアラブ地域全体という構図のなかにある。分断され、切り裂かれた地域において、米国と対抗するまとまった存在としてイランがおり、譲れないものを持って対峙している。人種や宗派の違いこそあるが、アメリカの侵略支配に対抗するアラブの矛盾が根底にある。

 C イラク国内でも、この間のIS掃討などを経て武装組織や民兵組織のなかで親イラン勢力が増えているという。イラクの人民動員隊の副司令官をソレイマニと共に殺害したことから、反米感情も高まっているようだ。イラク国内の93%が反米感情を抱いているといい、そのなかに5200人の米軍が包囲されている関係だ。イランが2カ所の米軍基地の倉庫だけを狙って人的被害が出なかったというが、その後の全面衝突を望んでいないから「人命を狙わなかった」というメッセージに過ぎない。状況を客観視したとき、まさに宮田律氏が指摘するように米軍こそが“袋のネズミ”なのだ。

 A 目下、8日のイラク国内2カ所にある米軍基地への十数発のミサイル攻撃で、1人の死者も出なかったということで、トランプとしては「(軍事力は)使いたくない」といい、少し緊張は緩和しているかに見える。しかし、イランも屈服しているわけではない。引き続き緊張関係は続いている。ソレイマニ殺害で米国が挑発したものの、イランも無謀な全面衝突には乗らなかったといえるのではないか。8000万人の国民もおり、国土を戦場にさらすような事態は避けたいと思うのが当然だ。ひとまず「平手打ち」で報復しつつ、中心問題の侵略支配をやめろという本質に迫って「米軍は出て行け!」と求めている。

 D トランプが強気な根拠は世界最強の軍事力だけだが、仮に全面衝突になったとして、イランを侵略支配して統治することなど到底不可能だ。後先を考えたらアメリカとしてもイランとの全面衝突にのめり込めるほどの体力もなく、むしろアラブ全体の恨みをかってますます孤立する道をたどるほかない。ソレイマニ殺害もアラブ全体の結束を強める効果となった。欧州各国も核合意に留まるフランスやドイツなどは「アメリカは自制すべき」と引き気味で足並みは揃っていない。さらにイラン支持を表明する中国、ロシアも含めたパワーバランスが動くことになり、イランとて経済制裁に苦しんではいるものの世界的に孤立しているわけでもない。

 B イラク戦争でも空爆はできるが、地上軍をいくら送り込んでも統治はできなかった。その国や民衆が屈服しない限り反乱、反抗は続き、侵略支配・統治などできないことを教えている。シリアやパレスチナなどを見てもひどい攻撃を受けてきたが、どこも屈服していない。従って、イランを米国が攻撃しても中東情勢は余計に泥沼化に拍車がかかり、一層アラブ全体の憤激を呼び覚ますことになる。米軍を何十万人投入しようが完全統治などできる代物ではないのだ。今おこなわれているのはピンポイントで要人を斬首し、ショック療法によって為政者を揺さぶるという手口で、経済制裁とも併せて体制に屈服を迫る意図が丸出しだ。

根深い対米従属構造 日本の属国の姿浮彫り

 A イラク戦争でブッシュが「日本モデル」を目指すのだとのべて日本人としてはハッとするものがあったが、それは支配機構が身も心も屈服して従属構造のもとにひれ伏すことを意味している。世界中を見渡しても、日本ほど「綺麗」に占領支配され、戦後70年以上経ちながら他国の属国に成り下がっている国などない。銃声一発すら飛び交うことなく占領軍が乗り込んで支配できたのは、天皇をはじめとした軍国主義の統治機構が丸ごとアメリカに傀儡(かいらい)として抱えられ、みずから武装解除して国を売り飛ばしたからにほかならない。そして、戦後は国民に塗炭の苦しみを味わわせた罪で処分されて然るべき官僚機構も、大本営発表をやりまくった大手新聞の幹部連中も丸ごと支配機構としての身分を保障され、戦犯の岸信介まで使い勝手が認められてCIAのエージェントとして息を吹き返し、今度は鬼畜米英からアメリカ万歳へと乗り換えて今日に至っている。侵略したアジア諸国へは居直り、アメリカには頭が上がらないという今日の日本政治のルーツがそこにある。アラブの民衆が不屈の抵抗をしているのを見るにつけ、考えさせられるものがある。この違いは何なのだろうかと。

 C 日本社会にとっても中東情勢は決して無関係ではおれない。石油の8割は中東依存で、この地域が戦争状態になれば経済的にも影響は直撃する。なにより、今後の展開如何によっては、イランは米国の同盟国としてイラン攻撃に加担した国や地域を攻撃の標的にすると宣言している。沖縄をはじめとした日本国内の米軍基地から出撃したら、日本列島も「イランを攻撃した敵」として標的になり得るし、ましてや自衛隊が「調査・研究のため」などといって戦闘に加わるなら確実に標的になる。自衛隊員もなぜアメリカの侵略戦争のために鉄砲玉となって死ななければならないのか? 米軍の弾よけにならないといけないのか? と考えるのが当たり前だ。アメリカが挑発しなければタンカーはこれまで同様にペルシャ湾やホルムズ海峡を平和的に航行できるわけで、自衛艦が戦闘力を備えて向かう必要などない。なにが「日本のタンカーを守るため」かだ。自衛隊の中東派遣は何としてもやめさせなければならない。イランは親日国として歴史的に関係を切り結んできた国であり、この信頼を裏切って米国に加担し、アラブの敵になる道を選択することは国益にも反する。

 D 年初からの日本国内の報道を見ていると呑気なもので、ワシントンの発表の追随記事みたいなものばかりだったことに愕然とする。11日にも自衛隊を中東派遣しようかというのに、主体性とか当事者意識みたいなものがまるで乏しいことに特徴がある。世界でツイッターのトレンドが「WW3」なのに対して、国内のトレンドは「嵐(アイドル)」がどうとかなのだ。愚民化も大概にしなければならない。そして、安倍晋三はゴルフ三昧な日日を過ごし、ようやく「エスカレーションは避けなければならない」の官僚作文を棒読みしている始末だ。1月の中東歴訪をとりやめたとか、いややっぱり本人の強い意志で行くのだとかやっていたが、一方で自衛隊の中東派遣は強行する姿勢を見せている。しかも、このような愚行を閣議決定のみで実行しようとしている。安保法制はじめ、この間にやってきたことはアメリカの戦争に引きずり込む体制づくりであり、アメリカから要求されてきたことを丸呑みしてきたものだ。そして、自衛隊は米軍の指揮系統で動くようになり、下請軍隊の配置となった。それが、とうとう最前線に駆り出すところまできた。決して一線を踏みこえてはならないし、アメリカと心中する道に進ませてはならない重大局面だ。

 A イランに対して恨みなどないのに、アメリカに求められるままに引きずり込まれ、おかげで「敵国」と見なされるバカげた道を進むのか、独自外交を展開して和平に尽力するのかでは、日本社会はまるで異なる未来に行き着く。アラブの苦難の根源はアメリカの侵略行為にあり、それこそイランが主張しているように米軍の撤退、謀略を駆使した政治介入の排除こそが血なまぐさい紛争を終息させる唯一の選択だ。アメリカが世界覇権の座から転落を始め、世界が多極化しているなかで事態は動いており、何でもかんでも米国一辺倒では世界的にも孤立するほかない。対米従属の脳天気、平和ボケで世界情勢からとり残されるのではなく、日本はいかなる国とも敵対ではなく友好平和を求めていくことが重要だ。それが「お花畑」などと呼称されるのであれば、後先考えずに戦争に首を突っ込む者のほうがよほど脳味噌が弛緩しており、「血みどろ畑よりはマシだろうが!」と思う。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/15297
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/427.html#c7

[番外地7] トランプは反グローバリストではなくネオコンだった 中川隆
8. 中川隆[-14488] koaQ7Jey 2020年1月15日 18:56:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1411]
戦争と破滅の淵へと出航する日本の自衛隊 ーアメリカのイラン挑発と自衛隊の中東派遣ー 千葉大学教授・栗田禎子(長周新聞)
http://www.asyura2.com/19/senkyo268/msg/815.html
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/15335
2020年1月14日 長周新聞

暴挙の背景−−トランプ政権のイラン敵視政策
 米トランプ政権によるバグダードでのイラン司令官殺害事件(1月3日)は、世界を震撼させた。現時点(1月10日)では、米=イラン間の大規模な軍事衝突は当面は回避されたという見方が広がっているが、トランプ政権の暴挙により中東、さらには世界全体が戦争の瀬戸際に立たされたという事実は変わらない。また、同様の危機は今後も繰り返される可能性が強い。
 
 トランプ政権は発足以来、「強いアメリカ」の復権を掲げ、軍拡路線を追求すると共に、特に中東に関してはイランをことさらに敵視し、アメリカ(および中東におけるアメリカのエージェント的国家であるイスラエル)にとっての最大の脅威はイランだとして、「イランの脅威」を口実に中東に介入しようとする方針をとってきた。オバマ政権末期に成立し、イラン=欧米間の関係改善につながった「核合意」(2015年)から一方的に離脱する(2018年)ことで、イランを挑発し、緊張を意図的に高めようとする政策が着手された。2019年には原子力空母派遣や米軍増派によってイランへの軍事圧力が強化され、さらにはタンカー攻撃事件等を口実に、「航行の自由」を守るためとしてペルシア湾周辺での米主導の「有志連合」が活動を開始することになる。
 今回の事件は突発的ではなくトランプ政権のこのような対イラン政策の延長線上に生じたものであるが、何の法的根拠もなく他国の要人を一方的に殺害するという暴挙、明白な国際法違反であり、国際秩序を破壊しかねない行為として世界に衝撃を与えた。また、作戦の舞台となったイラクの主権を公然と踏みにじる行為(それは同国が米占領下にあることを改めて思い起こさせるのだが)である点も重要である。
自衛隊の中東派遣
 こうした状況下、日本の安倍政権は「航行の安全確保」のため中東(オマーン湾、アラビア海、バーブル・マンデブ海峡等)に自衛隊を派遣するという政策(2019年12月の「閣議決定」)を強行しようとしているが、アメリカのイラン挑発の結果、世界が戦争の淵を覗きこんでいるとも言える今、これはきわめて恐ろしい政策である。ある意味では、2015年にいわゆる「安保法案」(戦争法)が強行された時、国民の多くが危惧したことが、今まさに現実のものとなりつつあると言えるのである。安保法案は「集団的自衛」の名のもと、日本が直接攻撃されていなくてもアメリカの戦争に参加できる仕組みを法制化したものだが、2015年当時、「集団的自衛権」が発動される「存立危機事態」の唯一の具体例として政府答弁等で挙げられたのは、中東で危機が生じ、「ホルムズ海峡が封鎖された場合」だった。中東危機によって「シーレーン」の安全が脅かされ、石油供給に影響が及ぶ場合は、自衛隊を海外派兵することが許される、という論法で、アメリカの戦争に日本が協力することが正当化されたのだが、「航行の安全」を名目に米主導の「有志連合」を補完する形で中東に派兵するという今回の決定は、まさにこのシナリオをなぞるものとなっている。(政府は今回の派遣は安保法制ではなく防衛省設置法に基づくもので、任務内容も「調査・研究」だと主張しているのであるが。)
 自衛隊の中東派遣が基本的にアメリカの要請に基づくものであり、「有志連合」を補完する性格のものであることは誰の目にも明らか(自衛隊が米軍との「情報共有」を行なうことは明言されている)なので、今後アメリカの対イラン挑発が再開され、軍事的緊張が激化した場合には、自衛隊はアメリカによるイラン包囲網の一翼を担う勢力、米主導の中東侵略軍のまぎれもない一員として、中東の民衆の前に立ち現われることになるだろう。

空爆から逃げるイラクの民衆
 だが、「冷戦」終結に伴う国際政治構造の変化により何ものにも牽制されなくなったアメリカが、自国資本にとって経済的・軍事的に重要な地域には直接戦争を仕掛けるという帝国主義的な姿勢を露わにし、その過程で従来の国際法・国際秩序を露骨に踏み破る行為を繰り返した(2003年のイラク戦争は国連決議の裏づけもなく強行された)ことは、アメリカの道義的威信を傷つけ、国際社会におけるその地位を低下させた。戦争はアメリカの社会・国民をも疲弊させた。さらにあいつぐ侵略・占領の対象となった中東では、アメリカによる経済的・政治的・軍事的支配に対する民衆の批判が高まり、これが2011年の中東革命(いわゆる「アラブの春」。中東を内側から民主化すると同時に、それにより外部からの介入をはねのけ、先進資本主義諸国による支配からの自立性を回復することをめざした)にもつながっていく。
 アメリカが中東に対して繰り返してきた一連の戦争は、実はアメリカの国力を弱め、そのヘゲモニーを−−世界全体においても中東においても−−掘り崩してきたのであり、今後、「イラン戦争」という形でもう一度中東での戦争に踏み出すことがあれば、それはアメリカという国自体の(「大国」としての)凋落を決定的なものにするだろう。
 バグダードで実行された米軍による今回の殺害事件は、イラクという国が2003年以来アメリカの占領下にあり、事実上主権を奪われていることを改めて暴露する結果となり、イランだけでなく、イラクの民衆の怒りを引き起こすに至っている。アメリカのイラク占領という事実自体が批判の対象となり、2003年のイラク戦争とそれが中東全体の社会・政治に及ぼした破壊的影響とが、改めて問い直されるという状況が生じているのである。
困難な状況に置かれるイラクの民衆
 米軍の存在がイラクの主権を侵害していることは既に述べたとおりだが、それに加えて今回の事件は、イラクの今後の国内政治に深刻な影響を与える可能性があることを指摘しておきたい。
 2003年以降のイラクは米軍占領下に置かれると同時に、植民地主義的「分割統治」政策が導入され、結果として「スンナ派」対「シーア派」、「アラブ」対「クルド」といった宗派的・民族的対立をことさらに煽り、操作する政治構造が作り出された。このような構造の中で成立した現在のイラク政府は、「シーア派」主体の政権(それゆえ宗派的には「親イラン」と目される)であると同時に、実は米占領体制を容認し、これに従属している存在である。こうした状況に対し、イラクでは2019年10月から、政府の腐敗、生活苦や物価高に抗議する民衆の自発的デモが始まり、全土に拡大して、「10月革命」とも言われる様相を呈していた。2003年のイラク戦争後はじめての革命状況とも言われるこの運動は宗派別分断を越えたものであり(シーア派の市民も積極的に参加)、「スンナ派」「シーア派」に関わらず、腐敗した政府に対し一丸となって立ち上がり、民主化と社会的公正を実現していこうとしていたのである。
 しかし、米軍によるバグダードでのイラン司令官殺害、それに伴う米=イラン対立の激化、「戦争」勃発の可能性、という展開は、イラク国内における民主化運動を一瞬で吹きとばす効果を持つ。イラクを舞台とする米=イラン戦争が差し迫っているような状況は、政府が「非常事態」を口実に市民の運動を窒息させることをきわめて容易にするだろう。米=イラン対立の激化は、また、イラク国内に「親イラン」か「反イラン」か(あるいは「シーア派」か「スンナ派」か)といった対立の軸を再び持ち込むことになり、民主化運動の過程で形成され始めた民衆の「市民」としての一体感にくさびを打ち込んで、「宗派対立」を再燃させる効果を持つ危険性もある。(米占領体制下での「宗派主義」政策が生み出した鬼子と言える、いわゆる「イスラム国(IS)」のような存在が再度勢力を拡大する可能性もあるのである。)
 その意味で、今回の事件の最大の被害者は実はイラク国民であり、事態はイラク情勢の混迷・深刻化につながっていく可能性もあることに注意すべきである。
 トランプ政権による暴挙は、さまざまな意味で「パンドラの箱」を開けた。中東・日本・世界が戦争と破壊の淵に引きずり込まれることがないよう、全世界の市民による自覚的運動が求められる。

千葉大学教授 栗田禎子 (くりた・よしこ 歴史学/中東研究)
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/427.html#c8

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
1. 中川隆[-14487] koaQ7Jey 2020年1月15日 19:44:41 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1410]
CounterPoint SA-4 真空管OTLパワーアンプ
http://www.auduo-1.com/newgoods/C-D/CounterPoint/SA-4/SA-4.html

カウンターポイント SA-4 真空管OTLパワーアンプ モノ 2台です。

ノア正規物です。
定価\200万です。
中古です。

最終の出力段に6FL(TV用大型水平出力管)を使用した、
出力トランスを介入させないOTLアンプです。
電流ドリフトに悩まされるため、
特殊なICを使用した電流サーボ回路が組み込んであります。

前所有者によって完全にOH済みです。
これはあくまで本機の管財人の話ですが、
このOHの為に前所有者は、
修理業者に\70万近くを支払ったそうです。

内部コンデンサー、半固定VRまで交換し、
RIFAなどの高音質コンデサ類に交換してあります。
OTLアンプ故に曲芸の様な?調整を行い、
現回路を維持しています。
音はかなり変わります。
良い品です。

問題は発熱です。
扇風機の使用をお勧めします。
天板を外すのも方策の一つです。

音は、16オームのSPに合うようにも思いますが、
前所有者はEXCLUSIVE 2401 TWINに使用し、
十分な低音を出していました。
これはコンデンサー類の交換による影響と感じます。
外形寸法は、幅480×高さ170×奥行480mm、重量26kgです。
http://www.auduo-1.com/newgoods/C-D/CounterPoint/SA-4/SA-4.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c1

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
2. 中川隆[-14486] koaQ7Jey 2020年1月15日 19:48:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1409]
カウンターポイント SA-4
Posted by audio sharing on 1986年6月15日
菅野沖彦
ステレオサウンド 79号(1986年6月発行)
特集・「最新パワーアンプはスピーカーの魅力をどう抽きだしたか 推奨パワーアンプ39×代表スピーカー16 80通りのサウンドリポート」より
(マッキントッシュ XRT18での試聴)

 一度鳴らしてみたかった組合せである。当たった。実に魅力的なコンビネーションである。クレーメルのヴァイオリンはやや美化され過ぎるが、輝きと粘りのある質感で、ボーイングの力感が感じられるようにリアルであった。ピアノの音色の透明感と冴えは見事なものだ。弦合奏のなんとも魅力的な動きの実感と音色の美しさ。ふっくらとした弦の弓の弾力性が感じられるかの如きであった。アンプがスピーカーによって魅力を引き出された感じであった。


カウンターポイント SA-4
Posted by audio sharing on 1986年6月15日
菅野沖彦
ステレオサウンド 79号(1986年6月発行)
特集・「CDプレーヤー・ダイレクト接続で聴く最新パワーアンプ48機種の実力テスト」より

 全体に肌ざわりの滑らかで、抜けのよい立体的なふくらみを感じる音の感触を持ち、しかも、ディテールの再現に優れ、細かい音の粒子が明解に豊かに聴きとれる。つまり、優れた物理特性に基づけられた高品位な音である。また、情緒的にも、このアンプのもっている鮮やかでいて、これみよがしな派手な演出のない豊かな音楽表現は満足感の高いものだ。肌ざわりの滑らかさに加え、この暖かさと、彫琢の深い音の陰影は、ブライトな華麗さと相俟って圧倒的な表現力をもっている。

音質:9.8
価格を考慮した魅力度:9.5


カウンターポイント SA-4
Posted by audio sharing on 1986年6月15日
井上卓也
ステレオサウンド 79号(1986年6月発行)
特集・「CDプレーヤー・ダイレクト接続で聴く最新パワーアンプ48機種の実力テスト」より

 最初の試聴時には、しなやかで、素直な音ではあるが、本来の鮮度感が薄れ、聴きやすさが目立つだけの音であったが、真空管を交換してからの試聴では、音もリフレッシュされ、適度のプレゼンスをもつクォリティの高い音が聴かれた。聴感上のレスポンスは広帯域型で、低域は柔らかく、しなやかであり、高域はスムーズに伸びるが、中域は少し薄い。音場感はナチュラルに拡がり、音像定位は小さくまとまる。使いこなしは、中域を充実させ、リアリティを重視したセッティングが要点。

音質:9.3
価格を考慮した魅力度:9.0
http://audiosharing.com/review/?cat=274
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c2

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
3. 中川隆[-14485] koaQ7Jey 2020年1月15日 19:52:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1408]
y Archives: カウンターポイント
カウンターポイント SA-5000
Posted by audio sharing on 1994年4月30日
井上卓也
オーディオ世界の一流品(ステレオサウンド別冊・1994年春発行)
「世界の一流品 アンプリファイアー篇」より

 管球アンプの高級モデルを作り、アメリカのハイエンドオーディオの分野で高い評価が与えられているカウンターポイントの、管球とソリッドステートデバイスをハイブリッド構成としたステレオアンプである。現代の管球アンプは古典的な管球アンプとは異なり、電源系を中心としたソリッドステート技術のバックアップが不可欠な設計が基本であり、電源の整流回路に整流管を採用する設計は、異例中の異例といってよい。

 真空管は、素子として優れた基本特性をもちながら単純な構成でアンプが設計できるメリットがある。その一方で、真空管自体がメカニズムをもつだけに、高SN比が要求されるMCカートリッジやマイクロフォン用ヘッドアンプには、マイクロフォニックノイズに代表されるノイズが高く不向きである。そこで真空管とソリッドステート素子を組み合せることで入力インピーダンスを高くでき、ハイスピードという特徴が積極的に活かせる優れたアンプが実現する。

 このように、管球とソリッドステートの長所を併せ持たせることは考えとしては素晴らしいが、往々にして両者の短所を併せもつことにもなりやすく、そのため優れたハイブリッドアンプは少ない。そんな中にあって、本機は見事というか巧みにというか、両者の特徴を両立させた開発者の感性により実に素晴らしい成果を上げている。

 筐体構造はかつては弱点であったが、自社内生産となり精度が向上。振動対策も向上し銅メッキ処理のシャーシの採用という、海外製品として異例の配慮が見られるのは、よりよきものを積極的に採り入れるメーカーの誠意として受け取りたい。
 ナチュラルにのびたレスポンスと、音の粒子が滑らかに磨かれ、スムーズでしなやかにレスポンスするソフィステイケイトされたカウンターポイントの音は、これならではの独特の音の世界を展開するようだ。


使いこなしポイント

 組み合せるパワーアンプは同社の管球式OTLアンプ、SA4をおいてない。

カウンターポイント SA-5000 + Natural Progression Monaural Power Amplifier(JBL S9500との組合せ)
Posted by audio sharing on 1993年3月30日
井上卓也
ステレオサウンド別冊「JBLのすべて」(1993年3月発行)
「ハイエンドアンプでProject K2 S9500を堪能する」より

 この組合せは、ふところの深い、格調が高く、雰囲気のよい、サロン風の音を求めての選択である。

 プリアンプのSA5000は、ハイブリッドタイプならではの、ソリッドステートと管球方式の魅力を併せもたせる、という至難な技を実現した稀有の存在ともいうべき見事なモデルである。

 ペアとしたパワーアンプNPAは、ナチュラル・プログレッション・モノーラル・パワーアンプの頭文字をモデルナンバーとした新製品で、入力段に真空管、出力段にバイポーラトランジスターとMOS−FETの両方の特徴を備えるという、IGBTを採用したモノーラルパワーアンプだ。

 結線は、不平衡である。

 標準的なプリアンプ出力(ダイレクト出力)からの結線では外乱によるノイズ発生があり、バッファーアンプ出力からパワーアンプに送るが、許容限度のノイズは残っており、高域のディフィニッションが低下した音になるだろう。

 最初の音は柔らかく、モヤッとした音だ。

 ウォームアップは、NPAではかなりな時間はさして大きな変化を示さず、その後比較的短い時間で、音質、喜色の変化がステップ的に変る傾向があるようである。

 初期段階の20〜30分間あたりのウォームアップで聴けば、柔らかさの内側にかなり硬質なコントラストの強い部分があり、そのどちらを重視するかで、音の印象度は大きく変る。

 しかし、2時間ほど鳴らし込めば、雰囲気がよく上品で耽美的ともいわれるカウンターポイントの音に、反応の速さ、鮮食感、ソリッドな表現、といった新しい魅力が加わった音が聴かれるようになる。

 かなりの音を整理し、音楽の聴かせどころを巧みに摘んで聴かせるような、スケールはやや小さいが、ほどよく音楽に反応をし、サラッと雰囲気よく空間の拡がりを感じさせる鳴り方は、これならではの魅力がある、ひとつの世界だ。

 予想よりも、細部のディテールの描き方や表情のみずみずしさが音として出しきれていないが、起強力なTV電波が7波もある立地条件下での高周波妨害にょるマスキングと、CDプレーヤー系の長時間使用での、ある種の音のニジミ、ベール感が相乗効果的に働いているようで、ここでの結果は、かなりハンディキャップを背負ったものではあるが、それなりにカウンターポイントらしさのある音でS9500を鳴らしたあたりは、カウンターポイントのポリシーの根強さを知る、ひとつの尺度のように思われる。
http://audiosharing.com/review/?cat=274
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c3

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
4. 中川隆[-14484] koaQ7Jey 2020年1月15日 19:55:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1407]

JBL S5500(組合せ)カウンターポイント SA5000+SA220
Posted by audio sharing on 1993年3月30日
井上卓也
ステレオサウンド別冊「JBLのすべて」(1993年3月発行)
「Project K2 S5500 ベストアンプセレクション」より


 旧来のJBLを象徴する製品が43、44のモニターシリーズならば、現代の同社を象徴するのは、コンシューマーモデルであるプロジェクトK2シリーズだ。S5500は、このプロジェクトK2シリーズの最新作で、4ピース構造の上級機S9500の設計思想を受け継ぎワンピース構造とした製品である。この結果、セッティングやハンドリングがよりしやすくなったのは当然だが、使用機器の特徴をあかちさまに出すという点では、本機も決して扱いやすい製品ではない。エンクロージュアや使用ユニットこそ小型化されたものの、S9500の魅力を継承しながらも、より音楽に寄り添った、音楽を楽しむ方向で開発された本機の魅力は大きい。
 
    *

 JBLが’92年の末に発表したプロジェクトK2シリーズの最新作が、S5500である。プロジェクトK2とは、’89年にセンセーショナルなデビューを飾ったS9500 (7500)に始まる同社のコンシューマー向けの最高峰シリーズで、本機は、上級機S9500の設計思想を受け継いだワンピース構造のシステムである。S9500が35cmウーファーと4インチダイアフラム・ドライバーを搭載していたのに対し、本機は30cmウーファーと1・75インチドライバーを搭載しているのが特徴である。また、S9500で同一だったウーファーボックスの内容積が、本機では、下部のそれの内容積がやや大きい。ここに、IETと呼ばれる新方式を採用することで、反応の速い位相特性の優れた低域再生を実現している。また、チャージドカップルド・リニア・デフィニションと呼ばれる新開発のネットワークの採用にも注目したい。ネットワークのコンデンサーには、9Vバッテリーでバイアス電圧を与え、過渡特性の改善を図っている。

 本機は、S9500譲りの姿形はしているものの、実際に聴かせる音の傾向はかなり異なり、アンプによって送りこまれたエネルギーをすべて音に変換するのではなく、どちらかというと気持ち良く鳴らすという方向のスピーカーである。
 こうした音質傾向を踏まえたうえで、ここでは、ホーン型スピーカーならではのダイナミックな表現と仮想同軸型ならではの解像度の高い音場再現をスポイルせずに最大限引き出すためのアンプを3ペア選択した。

マッキントッシュ C40+MC7300

 まず最初に聴いたのは、マッキントッシュのC40+MC7300の組合せである。C40は、C34Vの後継機として発売されたマッキントッシュの最新プリアンプで、C34VのAV対応機能を廃したピュアオーディオ機である。サイズもフルサイズとなり、同社のプリアンプとしては初のバランス端子を装備している。これとMC7300といういわばスタンダードな組合せで、S5500のキャラクターを探りながら、可能性を見出すのが狙いだ。

 可能性を見出すというのは、C40に付属する5バンド・イコライザーやラウドネス、エキスパンダー、コンプレッサー機能などを使用して、スピーカーのパワーハンドリングの力量を知ることである(現在、マッキントッシュのプリアンプほどコントロール機能を装備したモデルはきわめて少ない)。また、マッキントッシュの音は、いわゆるハイファイサウンドとは異なる次元で、音楽を楽しく聴かせようという傾向があるが、この傾向はS5500と共通のものに感じられたためこのアンプを選択した。

 S5500+マッキントッシュの音は、安定感のある、非常に明るく伸びやかなものである。古い録音はあまり古く感じさせず、最新録音に多い無機的な響きをそれなりに再現するのは、マッキントッシュならではの魅力だ。これは、ピュアオーディオ路線からは若干ずれるが、多彩なコントロール機能を自分なりに使いこなせば、その世界はさらに広がる。

 その意味で、このアンプが聴かせてくれた音は、ユーザーがいかようにもコントロール可能な中庸を得たものである。ウォームアップには比較的左右されずに、いつでも安心して音楽が楽しめ、オーディオをオーディオ・オーディオしないで楽しませてくれる点では、私自身も非常に好きなアンプである。

カウンターポイント SA5000+SA220

 S5500のみならずJBLのスピーカーが本来目指しているのは、重厚な音ではなく一種のさわやかな響きと軽くて反応の速い音だと思う。この線をS5500から引き出すのが、このカウンターポイントSA5000+SA220である。

 結果は、音楽に対して非常にフレキシビリティのある、小気味よい再生音だった。カウンターポイントの良さは、それらの良さをあからさまに出さずに、品良く聴かせてくれることで、音場感的には、先のマッキントッシュに比べて、やや引きを伴った佇まいである。

美化された音楽でありながら、機敏さもあり、非常に魅力的である。たとえるなら、マッキントッシュの濃厚な響きは、秋向きで、このカウンターポイントのさわやかな響きは、春から夏にかけて付き合いたい。

ゴールドムンド ミメイシス2a+ミメイシス8・2

 次は、S5500をオーディオ的に突きつめて、そのポテンシャルを最大限引き出すためには、このあたりのアンプが最低限必要であるという考えの基に選択したのが、ゴールドムンドのミメイシス2a+ミメイシス8・2である。

 結果は、ゴールドムンドならではの品位の高い響きのなかで、ある種の硬質な音の魅力を聴かせる見事なものであった。

 モノーラルアンプならではの拡がりあるプレゼンス感も、圧倒的である。オーディオ的快感の味わえるきわめて心地の良い音ではあるが、反面、アンプなどのセッティングで、音は千変万化するため使いこなしの高度なテクニックを要するであろう。ここをつめていく過程は、まさにオーディオの醍醐味だろう。

 S5500がバッシヴで穏やかな性格をもった、音楽を気持ちよく鳴らそうという方向の製品であることは、前記した通りである。しかし、これは、本機が決して取り組みがい≠フない製品であることを示すものではない。一言取り組みがい≠ニいってもランクがあり、手に負えないほどのものと、比較的扱いやすい程度のものと2タイプあるのだ。本機は、後者のタイプで、そのポテンシャルをどう引き出すかは、使い手の腕次第であることを意味している
http://audiosharing.com/review/?cat=274
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c4

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
5. 中川隆[-14483] koaQ7Jey 2020年1月15日 19:58:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1406]
カウンターポイント SA-4 [ 2015-06 -26 ]
https://hal4550.exblog.jp/i23/

SA-4あれこれ

SA-4も最終段階になって来た。海外のカウンターポイントのQ&Aを読んでいると色んな発見がある。


中国語の記事でSA-4Platinumと云う記事が目に止まった。マイケルの改造品である特徴的なコンデンサーへの交換、こんなものまであるんだぁと驚いた。後日SA-4の回路図の手配を頼んだホームページで世界で唯一のSA-4Platinum upgradeを見た。記事を読むと新品のSA-4が買えるほどの費用がかかるそうだ。どんな音がするのだろうか、一回聴いて見たいと願う。中国語の写真を良く見ると同じ日付の写真をコピーしたもので本当に世界唯一かも知れない。

希少なSA-4 Platium upgrade

セミ改造版SA-4(コンデンサーが赤いDynami-cap E)

こちらが一般的なSA-4(黄色いコンデンサーWonder-cap)

赤いコンデンサーDynami-cap E

それから個別にバイアスを調整できるオプションもあると書いてあった(2007年2月の記事)。いろんなことをやってくれたマイケル・エリオット、もう少し早くこれに興味を持っていたなら素晴らしかったのにと思うのである。


SA-4三連ファンの配置替え(2015/6/20記)

暑さも本格的になってきて日中25℃を軽々と越える、それに追い討ちを掛けるのが湿気である。お陰で除湿機はフル稼働であるが中々追付かない。

SA-4の背面の温度が急激に上がり出した、室温が20℃近辺だと背面の温度は上がらないがやはり工夫が必要である。考えた結果背面に近い処から排気する必要がある。SA-4の機械加工をせずに行うにはファンのレイアウトを変更するしかない。試行錯誤の結果エル型配置が良いようである、背面の温度はさほど上昇しない。もしも背面開きのSA-4が手に入ればそれにファンを取り付け問題は解決するかも知れない。茨城辺りのSA-4が余っていないかなぁと密かに願うばかりである。


SA-4熱暴走について(2015/4/22記)

出力管6LF6のプレート及びスクリーン・グリッドが赤熱化して過電流が流れ真空管が破壊されるか電源回路が破壊され、その前に保護回路でスピーカは遮断されるだろうが、ユーザはただ煙が出るのを見るしかない。本当に大変な事態である。一見アンプ内の温度が上がると熱暴走が始まるように思われるだろうが、実際には関係ない。熱暴走は出力管のグリッドに与えられるバイアス電圧にある。バイアス電圧はメータを時計回しに最右にセットすると読める、この電圧は八本共通に成っている。そして時計逆周りにV1-V8に流れる電流が各々読める。

Marantz9やMcintosh MC3500でもプレート電流はカソード電圧を測定し変換している、SA-4も同じである。バイアスが規定値より浅くなると過電流が流れプレートが部分的に赤熱して更に過電流が増えてプレート全体が赤熱して間も無くダウンする。赤熱化し易い真空管があり、EL34やKT88はその代表であるが6550は比較的強いと経験的に思う。6LF6については経験は無いが障害が多いことを鑑みると熱暴走が起こりやすい真空管なんだろうと思う。MarantzやMcintoshはパラレルプッシュでも個々にバイアス電圧が調整できる仕様になっているがSA-4は共通で個々の電圧は調整できない、その代わり6LF6を選別して125-150mAになる真空管を使うように指示されている。個々に調整するより精神衛生上良いかも知れない。

さて、SA-4の熱暴走対策であるがグリッドバイアスの管理にある。正規のSA-4回路図は米国に注文したがマイケルは閉鎖したので何時届くか分らない。ネットのメモを見るとプレート電圧は±140Vでグリッドバイアスは-46Vとなっている。先に書いたように個々の電圧は調整できないので真空管の選別で近いものを合わせるしか方法は無い。

個々の電圧の調整法についてはネットに日本語で詳しく書かれているのでそれを参考にされると良いだろう。わたしは面識がないので勝手にリンクを貼る訳には行かないからYahoo検索で「SA-4調整マニュアル - Yahoo!ブログ」は簡単に見つかる。とても良くできたマニュアルである。リンク先は失念したが海外のQ&Aやフォーラムでも同様のことが書かれている。ポイントは6LF6のバイアス調整をするとき、前面のVRを時計回りにMAXにしてV1-V8の値を読み100-150mAの範囲か、可能なら110-130mAであればなお良い。多少揃わなくても良く肝心なことは使うときVRを反時計回りに最小値、わたしは100mAにしているがこれくらいであれば赤熱暴走を引き起こす事はなく音質劣化も無いように思う。

温度が高くなるから熱暴走を引き起こす訳ではない、バイアスが浅くなり入力信号の大きさで動作点を超えてグリッド電位が浅くなり過電流が流れ、赤熱したプレート部分から急激に過電流が流れる事になる。一旦赤熱化したプレートは元に戻ることは無く過電流が流れ易い組成になるので以後使用できない。熱でプレート赤熱化と過電流が引き起こされる訳ではないことをご理解戴けただろうか。6LF6のカソードやプレートは電子放出のために内部は数百度の熱環境で動作している訳で熱による損傷は無い。勿論熱対策をする理由は基盤が熱による変形損傷や真空管ソケットの損傷と最も熱影響を受けるコンデンサーの劣化を防ぐためである。グリッドのコンデンサー劣化でバイアスが浅くなり過電流の原因になるので熱対策はやはり必然だろう。


三連ファンと吸気口を開けたパネル

SA-4三連ファン (2015/4/20記)

日曜日は日がな一日パラゴンを聴き続けた。結構なレベルまで追着いて来たように思う。パラゴンもSA-4も捨てた物ではない、長く付き合えるような気がする。


SA-4改造の追加を行った、二連ファンを三連ファンにバージョンアップした。これは最初から計画していたことで六個のファンを全部使うことになる。二連ファンでも冷却能力に問題はないが風量が強いために耳を澄ますと風切音がする、気になる訳ではなかったが上蓋のパネルには一台分の余スペースがあるので改造も含めてやることにした。改造は100Vのファンを直列につなぐと50Vで動くと考えるが実際は回転初速のタイミングやインピーダンスの問題で両方が同速度で回転することは有得ない、つまり回転速度が偏ってしまうことがある。これを防ぐためにファンに等電圧が掛るようにブリーダ抵抗を挟む、これにより回転は安定する。三連ファンにするために5KΩを三本つける、すると各ファンには33Vの電圧が供給され低速で安定した回転が得られる。

電圧が下がったので風量は減り風切音は全くなくなった、しかし冷却能力に問題が出て来そうである。背面側が少し熱くなっている、実用上は問題ないのであるが熱暴走に気を付けているので少しでも不安要素は取り除きたい、風量設計を考え直す必要がある。そこでテストでファン排出口と出力管上部の吸入口を除いて全部塞いでみた。すると温度は見る見るうちに下がり全く熱を感じさせない温度になった。あとはアルミ板を貼り恰好よく見せるだけである。


後期SA-4の背面パネルの写真を見つけた、これが一番穴開きになっているものであるがこんなものでは熱対策とは云えない。やはり低速ファンを付ける必要があるだろう。


昼間のんびり遊んでいた付けが夜に回ってきた。ソフトのバージョンアップをしないと月曜日に障害が出る可能性がある、いつかはやらなければならないと思っていたので今晩やることにした。簡単な作業の筈だったが旨く行かなかった、とうとう三時までかかって終了、丁度パラゴンルームで作業をしていたので引き続き五時までCDを聴いた。アンプは昼間が電源を入れていたので深夜の綺麗な電気で音楽も美しく聴こえる。菅野邦彦のピアノは良い、諸行無常とはこのような事かと気づかされる、だから今を留めて擱きたい気持ちになるのであろう、と菅野のピアノが教えてくれる。

SA-4改造(2015/4/18記)

日本橋の行ったついでにSA-4の部品を買った。部品屋には私が思っているような冷却ファンは無かったので中国製を買わなければ仕方ないかとレジに持って行った。レジ前で突然閃いた、昔よく買っていたあそこなら有るかも知れないと思い、レジには取り置きを頼んで、昔よく行った塚口勇商店を訪ねた。

店先に中古部品が沢山並べてある、12cmのAC100Vファンを聞くと店先にあるという。新品のファンが六個あったので全部買った。店の奥で回転のテストをしてくれるというから100Vを二台直列に接続して半分の電圧で試すと問題なく回転し音も静かで風量も相当ある、これなら使えそうである。

昨日は朝からSA-4を開けて改造に取り掛かった。最初は背面パネルを作りかえるつもりで居たが天板パネルをそのまま使うテストをしたら効果は絶大であった。ファン二基でも静かで6LF6の上部でも殆ど熱くない、吸気口を工夫したら冷却の問題は全く無くなった。


最初はJAZZを聴き、次いでドンカルロを四時間かかって聴いた、最後は女房の部屋で見つけた竹内まりやのCDを聴いた。ほぼ一日聴いていたことになる、竹内まりやは自分の好みではない、むしろ嫌いな部類である。大滝詠一や山下達郎のアンニュイさが堪らなく嫌である、我慢して聴いていると判った事が有る。歌詞が或る層のオンナにぴったり来る、歌詞を聴きながら分るような気がする。しかし、一方では夫婦だからと云って必ずしも全部解り合う必要は無いのだ、夫々が自立して生きて行くのだから全部解り合う必要は無いと云うことである。


SA-4(2015/4/13記)

きのうSA-4が届いた。開梱して真空管をセット、出かける予定があったので続きは夜にしようと暫くお預けして出掛けた。


疲れて帰りアンプを触る気もせず風呂に入り寝てしまった。日曜日午前中なかなかアンプを触る気がしなかったので放置、散々トラブルの情報を見ている。素晴らしいアンプだが手放したと言う紹介で殆ど少々食傷気味、それがアンプを触るのを妨げているのだろう。

意を決して中古品を向かい入れる儀式をした。骨董品を使い始める前には必ずキッチンハイターを入れたお湯に一晩浸して消毒してから拭いて写真を撮ってから使う、口にするものを入れるから当然の事だが、アンプはハイターで消毒する訳に行かないので無水アルコールで全体を拭き、銅真ちゅうステンレスクリーナでパネル表面の酸化錆を落としツマミを磨いて薄化粧して(冗談)電源を入れる。


儀式を済ませパラゴンルームへ運ぶ、重量は一台26Kgと重たいが見た目が大きい分もっと重たく感じる。出力トランスが付いていれば軽く30Kgを超えるだろう。ネットで調べると輸入元ノアで以下の通り紹介されている。


SA-4は一般的な管球式パワーアンプで用いられているアウトプットトランスを搭載していないOTL(アウトプットトランスレス)パワーアンプとなっています。SA-4はOTLアンプで正負2電源を供給するSEPP型、出力コンデンサーを省略し正負2電源を供給して中点をゼロ電位に保ち、出力管とスピーカーをダイレクトカップリングしたOCL構成を採用しており、アウトプットトランスだけでなく出力コンデンサも搭載していません。これによりアウトプットトランスによる捲線抵抗や漏洩インダクタンス捲線の浮遊容量などの悪影響を排除しています。

出力コンデンサに代ってスピーカーにDC成分が流れ込むのを防ぐため、SA-4独自のサーボアンプシステムを搭載しています。これは、ICが記憶した30mV〜90mVの許容レベルを超えてDCが流れた場合に、このサーボアンプが動作して瞬時にSA-4とスピーカーを遮断するというものでスピーカーの破損を未然に防止しています。

16Hz以下をカットするコンデンサーをカップリングした補助系統も搭載しています。出力段は8本の6LF6で構成され、電源部には1kWを安定供給できる強力電源を搭載しています。

フロントパネルにはバイアス調整用の電流計及びメーターセレクター、半固定トリマーポテンションメーターを搭載しており、各出力管の電流バイアスやアイドル電流のチェックが行えます。


主な仕様は

出力      140W(8Ω) 280W(16Ω)
周波数帯域  0.1Hz〜50KHz
歪率      0.1%以下(最大出力) 0.02%(20W)
真空管     ECC83x1 6FS5x2 6LF6x8
電源      AC100V 消費電力200W(アイドリング時)
寸法      480W170H480D 重量26Kg


接続するスピーカは初期パラゴンであるから間違っても150-4Cは絶対に飛ばせないので神経質になる。先ずスピーカを接続せずに電源を入れる、リレーがガチャガチャしてLEDが黄色から緑に変わり電流計の針がゆっくり上がり始める。150mA付近で止まるが時間とともに少しだけ変化する、V1〜V8までの電流を見ると100mAから150mAでUper側とDown側の差異が50mA程度ある。一本一本の電流調整が出来ないのでUperとDown(SEPPだから上と下の表現)の6LF6を相互交換して電流値を概ね合わせる必要がある。これは面倒なので真空管試験機で測定して簡便に合わせる。

測定はメータ横のVRを右一杯に上げてバイアスを浅く電流値を最大にしてから内部のVR2トリーマで一本当り150mAに調整する、ピッタリに合わせることは不可能なので100mAから150mAの範囲に収めれば良い、ベストは120mAから130mAに収める事である。しかし、150mAで使い続ければ熱暴走を引き起こすので使用時にはバイアスを深くして100mAで使うのが最良である。150mAで使い続けるのはファン装着機に限られると謂う記事を見つけた。やはりそうかと合点が行った。ビーム管を150mAで使い続ければプレートが赤熱して熱暴走を引き起こすのは当たり前である。

SA-4の写真を色々調べてみると後期製品はバックパネルもスリットが開いている、最終製品はバックパネルの殆どに大きなスリットが切ってある、熱暴走を防ぐために空冷を意識したものだろう。トラブルが多いのでこのような改良を余儀なくされた結果であろう。ついでなら冷却ファンを付ければ良いものをと思った、その考えを裏付けるのが150mAで使用するのはファン装着時という記事である。近い内に冷却ファンを取り付けようと思っている。

肝心の音であるが思ったよりも大したことは無かった、低域の量感が凄いと云う評判であったが、マッキントッシュの真空管アンプを使っているので比べると大したことはないと言わざろう得ない。しかし他のアンプよりは力がある、マイケルが出力トランスを嫌う理由も分る気がするがMC75やMC3500と比べるのは無理と言うものだ。ホーンスピーカよりコーン系やドーム系ではしっかりした音がするのだろうがドライバーでは少々物足りない印象である。しかし、三時間もすれば気に成らなくなった。安くて良いアンプであるからバックパネル穴開きがあと3セットあれば買うかも知れない。

ハワイでDardaさんにSA-4を買ったと云ったら、多分そうじゃないかと思ったと云われた、そうじゃないにしても買って欲しいと思ったらしく嬉しかった。ニューヨークでドンカルロを見て翌日ダラス空港からSA-4購入の連絡を取った。随分昔のことのように思い出すのであるが。そのDardaさんの夢はマイケル特別仕様のSA3000とSA-4と初期パラゴンを鳴らす事であると聞いた、リップサービスにしても嬉しい事である。まだ細かく詰めることがあるにしてもほぼ完成形であるから残りの仕事は音楽を楽しむだけである。


SA-4(2015/4/12記)

パラゴンがやって来て一年遅れでSA-4が届いた。

カウンターポイントのアンプはトラブルが多いと聞くが自力で修理できるのも強味かも知れない、兎に角、初対面した。ネットでマニュアルを探し可能な限り対策を施そうと思っている。先ずは熱対策からだが、取敢えずフルオープンで鳴らしてみる。

https://hal4550.exblog.jp/i23/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c5

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
6. 中川隆[-14482] koaQ7Jey 2020年1月15日 20:09:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1405]
Aria Club Union JP

本サイトは元Counterpointの社長 兼 チーフデザイナーであったMike Elliott公認です。

Counterpoint製品の修理アップグレードサービスと情報提供, 詳細は是非お問合わせください。

このサイトは元々私もMike Elliottの顧客でしたが 音作りに惚れ込みのめり込みましていつのまにやら普及活動まで行うようになり 趣味の延長で約18年行ってまいりましたが本年セミリタイヤしましたので多少暇も出来今までよりは対応は良くなる見込みです。

しかしながら余暇を利用して行なっていることは変わらず専門業者さんのような迅速な対応はできません。タイミングが合えば修理は即日完了というようなこともありますが対応が遅れることもあると思います。あらかじめお含みおきください。

プリアンプ SA3, SA3.1, SA-7, SA7.1,SA5, SA5.1,SA7.1,SA-1000, SA-2000,SA-3000, SA5000、

パワーアンプ SA12, SA100、DA CONVERTER DA-10の修理アップグレードは可能です.

なお、SA220, SA-4など重量があるものは腰が悪いため取り回しができないので修理はお受けしておりません。

またDA-10のULTRA ANALOGバージョンのみはDACボードが基盤ごと樹脂でモールドされており部品交換などが出来ないため出来ません。

また最近Plitronよりトランスの受注は最小単位4個以上との打診がまいりましたのでトランスが故障した際にPlitronへの交換とアップグレードは 在庫がなくなり次第一旦打ち切らせていただきます。

SA5000, SA3000、SA5.1用は以前万が一のために予備で購入していた在庫が少量あります。---> SA5.1 用 Plitron のみ一台あり その他は完売しました。
http://ariajp.cocolog-nifty.com/aria_ltd_jp/

2009年1月22日
Counterpointの アンプの修理、アップグレードについて
http://ariajp.cocolog-nifty.com/aria_ltd_jp/2009/01/counterpoint-63.html


Counterpointの アンプの修理、アップグレードについてお問い合わせを頂く事が多いので 修理をさせて頂いた場合どのくらいの費用がかかるか大まかに
書かせて頂きました。

以下は国内で私が行わせて頂く場合です。
SA3.1, SA5.1, SA7.1など 使えるように修理する作業そのものは概ね一律1万円くらいです。

D/AコンバーターのDA10も修理可能です、ただしDAC

基盤そのものが故障の場合は修理出来ない場合が有ります,特にUltra Analog DAC基盤はモジュールになっており樹脂でモールドされているので修理不可能です。知り合いにAD,UAとも基盤を持っている人がいますので数台は何とか なるかもしれませんが,在庫がなくなり次第修理も不可能となります。DAC基盤以外の箇所は修理可能です。これも修理は基本的に1万円くらいです。

SA3000, SA5000は構造がやや複雑であるためまた、作業のための分解と組み立てに時間がかかるので2万円くらいです。

基本的に最低限正常に使えるようにするまでとご理解ください。

実際のところ工数は結構かかりますが最初の修理は趣味価格というところです。安いですから納期などはお約束出来ません。趣味ですから納期は私の都合で伸び たりもします。笑 その分お安く協力させていただいているつもりです。部品交換が必要な場合、まずは拙宅に有る中古の在庫を使います。かかっても 1000ー2000円位でほとんどの場合はすむと思います。新品やアップグレードで使う部品をご希望の場合は別途 実費が発生し、交換箇所や、交換部品の 数などにより費用が別途発生します。

それでも修理のみでしたらどんなにかかっても概ね3万円(SA3000, SA5000は4万円以下程度)を超える事は無いでしょう。ただしトランスや真空管はこれらには含まれません。トランス交換の場合はPlitronしか選択肢が無いので4−5万円かかってしまいます。

真空管は拙宅在庫のものでしたらSOVTEK, ELECTRO HARMONICS, RCAその他 テスト済の中古品を一本1000−3000円くらいの中から選択いただけます。

Vintageのいわゆる高級球は個人的に集めてはおります が おわけする事は基本的に行っていません,ご要望により余っている球が有れば相場よりお安く提供させて頂く事も可能です。アップグレードは オーバー ホールもかねており基本的にほとんどの部品を総入れ替えしますので費用はそれなりにかかります。性能も向上すると思います。ご予算に応じて部品のグレード は選択可です。またご希望の部品を搭載、もしくは部品を支給いただいて取り付けも可能です。

SA12, SA100, SA20, SA220などの
パワーアンプは重く場所を取るため、あまりやりたくないんですが^^;
基本的に故障を検査するばあい不良箇所特定まで5000円です.

そのまま簡単な部品交換で直る場合はプラス1万円と部品代(かかっても5000円以内でしょう)

出来るだけコストを抑えたい場合は拙宅に有る中古部品を使います。費用は若干下がります。

電源コンデンサーやトランスは新品を使います。コンデンサーは1個2000−3000円くらいからトランスはPlitronしか選択しがないので5万円くらいからその限りでは有りません。

MOS FETのアウトプットステージが飛んでいる場合は修理キット(中古の選別品)もしくは拙宅在庫の中古MOS FET のセットを使いますが、数に限りが有り在庫がなくなった時点で終了です。

トランスやコンデンサー交換が不要ならドンアにかかっても5万円くらいまでで直す事は可能です。使えるが劣化している部品交換まで行うのでしたら音質と信 頼性向上のためにもNP100, NP220のキットをお勧めします。いずれにしましてもわかりにくいと思いますので詳細はお問い合わせください。

尚,現在はプリアンプの修理のみ受け付けています。パワーアンプも修理の相談は可能ですが

余暇を利用して趣味で協力させて頂いており、とくに重量物で,場所を取るため、作業場の確保がままなりません。ということで 現在のところ私がお受けする ことができません。。。。。修理をお待ち頂いている方がまだ数名おられますので,それらが完了したら可能になるかもしれませんが。。。

尚,NP100, NP220へのアップグレードは受け付けております。これは修理ではなく完成した検査済の基盤に入れ替えるだけですから作業も楽で,時間もそれほどかかりませんので。


コメント


本当にご苦労様です、孤児カウンターポイントの慈父ですね。
そろそろ私のSA3000もマイクに送って修理してもらわなければ・・・と思いつつ改造してもらったSA3が比肩するパフォーマンスなのでほったらかしになってます。
投稿: だーだ | 2009年1月22日 (木) 18時44分


いえいえ,メーカーでもないですし 一個人が趣味でやっていますから高いお金は頂けないですよ。できれば慈青年と言って頂けると尚 Happy.笑
おかげで Counterpointの ほとんどのアンプはいろいろ勉強させて頂く事もでき、知識になりました。。。 笑 

SA3000の修理は はまだだったんですか?笑 是非お早めに修理してやって下さい. SA3000は良いアンプだと思います,最近聴くたびにに見直す事が多いです。
SA3は 改造の効果というより 部品が新しくなって、もともと持っているポテンシャルを発揮しているだけだと思います。。なかなか侮れない良いアンプだと思いますね。。。。笑 余裕が有れば私も一台持ってたいくらいです。^^
投稿: vin | 2009年1月23日 (金) 01時22分


sa-12の修理のご相談をさせて下さい。右チャンネルのスピーカーケーブルをショートさせてしまい、いやな匂いと共に小さなガリ交じりの音になってしまいました。蓋を開けて眺めていたらN-タイプ側のFETについている抵抗が煙を出しました(上下段共)。ほぼ同じ値の抵抗に交換したのですが、やはり右チャンネルはガリ交じりの音しか出ないため検索をしていたところSA−20のショートの記事を拝見いたしました。やはりMOS−FETを壊してしまったのでしょうか。現状ですが焼けた抵抗と少し被覆が狐色になったコンデンサーも合わせて交換し、電源をいれたまま1時間ほど様子を見ております。左チャンネルはN型、P型共に熱を帯びていますが、右チャンネルは冷たいままです。こんな状況なのですが、修理して頂けるとしたら幾らぐらいかかりますでしょうか。
投稿: moriyama | 2009年3月24日 (火) 18時54分

遅くなってすみません。
Zenner Diode も道ずれですか?
おそらくPower MOS FETが逝ってしまった可能性大です。
冷たいのはバイアスがかかってないのと、その素子自体が働いていないということですから多分逝っていると思います。私は他のMOS FETなどを流用して修理する方法はやっていませんのでオリジナルPower MOS FET の中古選別品を使って修理のみです。SA12は4個なので比較的安いかもしれないです。私が行わせて頂く場合はどんなにかかっても部品代と作業で4−5万円以内じゃないでしょうか?それ以下の可能性は十分ありますが。現状は何とも。部品は1−2万円くらいだろうと思います。ただ向う半年以降まで予約で埋まっており(趣味でやっているため一ヶ月に一件出来るかどうかと言うペースですから)まことにすみませんが 私は手が付けられないので、元輸入代理店のノアに部品支給で修理出来るかどうか?聴いてみてはいかがでしょうか? 部品は拙宅にも少量ありますし知り合いもいくつか持っているので、当方で出来るだけ安い方法にてなんとか出来るかもしれません。最悪Mike Elliottから購入することになりますが。。
よろしくお願い致します。
投稿: vin | 2009年3月26日 (木) 00時22分


こんにちは。
別のブログの方でコメントさせていただいたひぃ〜と申します。
縁あってSA-1000を入手しました。現状問題無いのですが、メンテと回路の勉強の為、回路図(のコピーorPDF等)を譲って頂きたいのですが可能でしょうか?
もちろん有償でお願い致します。
投稿: ひぃ〜 | 2009年3月26日 (木) 14時26分


こんにちは、回路図だけと言うのはないんですがSA1000のサービスマニュアルをMike Elliottから購入して頂く事になります。私には情報の所有権がなく有償、無償にかかわらず私が複製を配布する事はできませんので、

マニュアルは75jで日本への送料が26ドルで合計101ドルです、ご自分でALTA VISTA AUDIO に直接オーダーいただきましてもかまいません。私が仲介する場合は送金手数料実費 約4jと手数料1000円を別途頂きますが。詳細は本ページ左上のメール送信から直接問い合わせ下さい。
投稿: vin | 2009年3月26日 (木) 17時43分


お答え頂きありがとう御座います。
マニュアルの様なモノが同梱されていたはずなのですが、現在見あたらないので確認します。
ではまた。
投稿: ひぃ〜 | 2009年3月27日 (金) 10時00分


こんにちは。随分以前にDA10のアップグレードのことでお世話になりました名古屋の三輪隆裕です。

今回は、SA5000のトラブルです。Line input selecter と Buffered outputs level のつまみが、強い力で回しすぎた為に、くるくる回る状態になっています。交換することのできる部品をお持ちでしたら分けて頂きたいのです。そちらで交換して頂ければなお嬉しいです。もちろんお礼はさせて頂きます。なお、このSA5000はオリジナルのままです。
投稿: 三輪隆裕 | 2009年7月 8日 (水) 13時41分


三輪様、ご無沙汰しています。多分ロックネジが緩んでいるだけで締めれば治ると推察しますが。Buffered は基板直付けのロータリーセレクターで ライン
セレクターは長いシャフトを経由してセレクターに行っており本体内部のセレクターの根元のシャフトの連結部分が緩む事が一番良く有りますが,それは確認されましたか?まずはつまみや連結用カップリングについているシャフトを固定している2個の小さい固定ネジ 6角レンチで締めるタイプがしっかりしまっているかどうか確認して頂けないでしょうか?インチネジでサイズは1/16です。。ほぼ同じ巾の細いマイナスドライバーを突っ込んでこじるように回しても多少は締まりますので、緩んでいるかどうかは分かると思います。もしネジがしっかり締まっているか あるいは,つまみを外してから手でシャフトを回してもくるくる回る場合はスイッチが故障かもしれません。しかしスイッチは相当丈夫ですので、つまみのゆるみを疑った方がいいと思います。先ずは、そこを確認してみてからお返事を頂けましたらもうすこし詳しく判断出来ると思います。づ一致そのものが壊れている場合は交換するシカ有りませんが大替え品は持っていませんので適当な大替え品を取り付けなくてはならないと思います。この部品はMikeも持ってないと思います。
投稿: vin | 2009年7月 8日 (水) 14時08分


初めてお問い合わせします。
日本で購入したDA10にRaptureボードを取り付けて使用していました。本日電源ケーブルの抜き差しをしたことろ、アナログ出力から信号がでなくなりました。現象を書きます。全面の各ランプは点灯する。デジタル入力端子のうち、CD,DAB,LDおよびTapeについてケーブルの差し替えを行ったがアナログ出力せず。念のために、デジタル出力機器も2台試してみした。またDA10のアナログ出力も2台試してみました。どちらもダメでした。この障害とは別にかなり前から、右アナログチャネルのボリュームを上げると(プリアンプ)、サーというノイズが出ていましたが、大音量で聴くことは多くないのでそのままにしていました。vin様のことろで修理いただくことは可能でしょうか。どうぞよろしくお願いします。
投稿: Masa | 2010年4月18日 (日) 22時25分


Masaさん,はじめまして、修理は可能です。お送り頂ければ見てみますので詳細は左上のメール送信からお問い合わせ下さい。よろしくおねがいいたします。
投稿: vin | 2010年4月19日 (月) 13時13分

こんにちは、あつかましいご相談で申し訳ありませんがSA-100に使われているFETはSA-20FETに使用できますか? データーが無く耐圧が判らないものですから、、よろしくお願いいたします。
投稿: haruellen | 2011年10月14日 (金) 22時44分


初めまして.全く同じMOS FET です。
よろしくお願い致します。
投稿: vin | 2011年10月15日 (土) 07時13分


カウンターポイントのSA20を修理していただきたいのですが、症状は少しの雨に濡れてFETがこわれてしまってます。修理可能かどうか、在庫の状況はいかがでしょうか。またNP220へのアップグレードは受け付けていただけるのでしょうか。費用はどのくらいかかるでしょうか。おしえてください。
投稿: debudebuyamato | 2011年12月22日 (木) 11時22分


お問い合わせありがとう御座います.現在タイの水害関係のリカバリーのため タイにおりまして、年末まで帰国出来ず(年末に帰国できるかも怪しいのですが)またかなり切迫した状況のため、詳細は左上のメール送信からお問い合わせ下さい。
今後も、しばらく忙しいためMOSFETの修理はお受け出来ないと思います。MOS FETはMikeが在庫を持っているので部品供給のみでしたら可能です。NP220へのアップグレードは修理ではないので可能です。

費用はベーシックの場合 送料や,送金時手数料,輸入税金などふくめインストールまで全てですと235000円程度です。その他のバージョンは別途詳細はメールでお問い合わせください。

ただし、上記の事情から速くても着手出来るのは来年3月以降になると存じます。
よろしくお願い致します。
投稿: | 2011年12月22日 (木) 21時59分

SA-5000のBチャンネルから音がわずかに出る程度となっており、なんとか修理しようと思っています。原因不明のままです。状態は、@電源スイッチを入れstandbyからinitiaizingの点滅と同時にプッ、プッ、プッとノイズ発生点滅ランプがブルーに変わる時ブーと言うノイズが1秒位そしてプルーランプ点灯しノイズが消える。AすべてB側の出力端子はわずかな音しか出ていません。中を開くとLED209とLED501のランプが消えています。BA側の出力端子からはきちんと音は出ています。何かアドバイス頂けたら幸いです。宜しくお願いいたします。
投稿: saito | 2012年4月15日 (日) 23時41分


現在海外におりまして おそくなってすみません。
とりあえず ラインステージの左右の真空管を入れ替えてみて頂き,それでもならないようなら本体内部の電源部の6DJ82本手前からみて一本目と2本目を入れ替えて症状が左右入れ替わるかどうか確認してみてください。3本目は見た目は同じ用に見えますが違う真空管ですので入れ替えないようにしてください。(間違って入れ替えると壊れますので)これで症状がいれかわれば該当真空管を交換すれば直ると思います。わからなければ本ページ左上のメール送信から直接ご質問ください。
投稿: vin | 2012年4月20日 (金) 00時53分


カウンターポイントのパワーアンプSA-20を中古で入手しようと考えておりますが、気になるのはこのメーカーのアンプは壊れやすいという評価をよく聞きますが、ある程度脆弱性を覚悟しなければならない製品なのでしょうか?身近にこのメーカーのアンプを使っている知り合いがおらずもしご解答願えれば幸いです。
投稿: 佐藤冬樹 | 2012年10月11日 (木) 12時26分

はじめまして。
「COUNTERPOINT」でネット検索していたところ、
貴HPに辿り着いた次第です。

実は「COUNTERPOINT Solid-M8」の中古を譲り受けたのですが、
パイロットランプが赤のままで、緑に変わらないのです。
通常の動作ではミュートの状態で電源をオンにすれば赤が点灯し、
数分後には、それが緑になって、ミュートスイッチをオペレートに切り替えて音出し。
という流れだと思うのですが、
ミュートの状態で数時間待っても、赤から緑に変わらないのです。
また、この状態で、ミュートからオペレートに切りかえると、
ランプは消えてしまいますが、音は出るのです。
そこで、素人の私の推測になりますが、
緑のランプが切れているだけであれば、
ミュート状態の赤ランプが、数分後には消えてしまうだけあり、
ずっと何時間も赤が点灯したままというのであれば、
音は出ても、球切れ以外に、何らかのトラブルが発生しているのではないかと考えています。
もしよろしければ、
管理人様のお考えをお聞きしたいのと、
おおよその修理費用がわかれば、教えていただきたいと思います。
お忙しいとは存じますが、
ご回答いただけると助かります。
よろしくお願いいたします。
投稿: M8 | 2012年11月 5日 (月) 15時39分

佐藤冬樹様,遅くなり恐縮です。海外に修理用のキットを作っている人がいますので故障しても対応は出来ますが、どちらかと言えば故障しやすいアンプである事は確かです。壊れない場合はずーっと壊れないのですが、壊れる場合はすぐ壊れるというような。よろしくお願い致します。
投稿: VIN | 2012年11月 5日 (月) 15時51分

M8様,断定は出来ませんが、単にLEDのドライバ−トランジスターの故障か?その回路のコンデンサーの容量抜けか?タイマーICの故障か?そんな所だとお思います。LED回路は信号系統とは全く別系統なので、ミュートを解除すれば音が出でるのでしたら機能的には問題有りません。気にならなければそのままお使いになっても良いと思いますし修理の場合はかかっても1万円以内だと思います。
よろしくお願い致します。
投稿: | 2012年11月 5日 (月) 15時55分

Webで拝見し、すがる思いで書かせていただきます。SA3000E+SA100で主にジャズを楽しんでおりますが、チャンネルBが出なくなりました。MONOでは出るのですが修理お願いできるのでしょうか?急なメールで申し訳ありません。宜しくお願いします。
投稿: Akamatsu | 2013年5月 2日 (木) 11時21分

カウンターポイント SA5000の修理中です。
回路図がありましたら一部コピー戴けないでしょうか
勿論有償を考えています。
投稿: 古賀 一義 | 2013年6月 2日 (日) 17時29分

始めまして。カウンターポイントのSA139stですが、整備は可能でしょうか?音は出ていますが、以前と比べてずいぶん音が痩せてきた気がするのです。。。コンデンサー点検交換ぐらいで大丈夫かもしれません。よろしくお願いいたします。
投稿: TT | 2013年6月13日 (木) 16時36分

Akamatsu 様、遅くなりましてすみません。
修理は可能ですが、まだバックオーダーが10件近くあります。MONOで音が出ているのでしたら簡単に自力解決出来るかもしれませんので左上のメール送信から症状をおおしえください。

古賀様、
回路図は当方に知的財産の所有権が無いため有償、無償に限らずコピーをお渡しすることが出来ません。Mike Elliottが未だに販売だけは行っておりますので必要でしたら仲介は可能です。

サービスマニュアルと鳴りますが、Pdf版でしたら8000円前後です。
TT 様、 ST139ですが、メンテナンスは可能です。詳細は左上のメール送信からお問い合わせください。\
投稿: vin | 2013年6月21日 (金) 00時14分


少し時間ができたとの事、良かったです。
せっかく余裕ができたのに全く恐縮ですが、sa-220のFETが壊れて困ってしまいました。

altavistaのベーシックアップグレードキットを供給してくれる人にコンタクトをとったのですが、、体調不良で対応できないといわれました。
何とか打開策は無いものでしょうか?
すがるような気持ちで、お願いします。
投稿: tintin | 2013年8月13日 (火) 08時38分

こんにちは、遅くなり恐縮です。 NP220ではなく
SA220ですか?知り合いに聞いてみます。
投稿: vin | 2013年9月 1日 (日) 12時58分


tintin様、お問い合わせ件数が多く私も良く覚えていないのですが 以前 NP220ベーシックキットをご自分で手配された方でしょうか?お名前のイニシャルはYI様、ではなおかと思いまして。

もしそうでしたら左上のメール送信からお問い合わせください。何とかなると思います。もし SA220の出力段が故障ということでしたら代換えMOSFET(日立製の新品)は入手可能ですので修理は可能です。当時と同じ物ではないのですが特性そのものは当時の物より向上しています。しかし音質に関してはユーザー様ごとに見解の違いがあるため何とも言えないところです。個人的には良くなっていると思いますが。。取り急ぎこのような状況です。
よろしくお願いいたします。
投稿: Vin | 2013年9月 1日 (日) 16時31分


vin様、SA-5000のボリュームガリ修理依頼をしています、AIです。
ベーシックキットを手配はしていません。
SA-220の片チャンネルのFETが壊れました。
日立のが使えるとなると、両チャンネル変えた方が良いでしょうね?
型番等教えていただけますでしょうか?
そしてそれは単純につなぎ変えれば良いのでしょうか?

もうひとつ、ALTA VISTA 亡き後NP化という道は閉ざされてしまったのでしょうか?とても気になります。
投稿: 石田厚 | 2013年9月 1日 (日) 22時53分

失礼しました。SA5000の件、誠に申し訳ありませんがもう少々お待ちください。
MOSFETの件はメールでご連絡いたします。

方法はオリジナルと同じかそれに近い物の市場在庫がありそれを流用する方法でこれはそのまま付け替えるのみ(もちろん周辺回路の修理も同時に必要です)

もう一つは現行の製品を利用する方法ですがこれはメタルケースTO-3のパッケージのものではなくモールドタイプ(東芝や日立やRenesasなど)になるため少々加工が必要になるでしょう。どちらもそれほど難易度が高い物でもないため、DIYで出来ると思います。知り合いの情報によりますと新しい素子を使うと音質は向上したという話もあるので。。。

NP220は既に事情在庫が無いため中古で出るなどを探すしかないと思います。
投稿: Vin | 2013年9月 2日 (月) 15時50分


前略 貴社益々ご隆盛の段お慶び申し上げます。

扨カウンターポイントプリアンプ SA5.1の件ですが、「ザーというノイズ」と「ハム音」が発生するので「ノア」に修理依頼をいたしましたところ「電源トランス」が不具合のため「電源トランス」の修理が必要だが交換部品がないため修理・点検共に出来ないとの回答がありました

貴社ご多忙中のところ誠に申し訳ありませんが、出来れば貴社にて修理をしていただきたく修理可能か否かのご連絡をしていただけないでしょうか、
何卒 宜しくお願い申し上げます。        敬具
投稿: 石橋 | 2013年10月24日 (木) 14時52分


石橋様、初めまして、修理は可能です。
当方にSa-5.1のトランスの在庫がまだあったと思います。詳細は左上のメール送信からお問い合わせください。よろしくお願いいたします。トランス交換だけでしたらビックリする程費用がかさむことは無いと思います。トランスでない可能性も若干思い当たりますのでよろしければ一度見させていただけましたら幸いです。ハムはトランスか、どこかのコンデンサの容量抜けも考えられますが、サーというノイズは別のところかもしれませんがこれはもし交換するとしても抵抗も合わせて部品代は数千円以内です。よろしくお願いいたします。
投稿: Vin | 2013年10月24日 (木) 15時41分

はじめまして、山谷と申します。SA3000を20年使用しておりましたが、だんだん色んな不具合が生じ、勝手に真空管を交換したりして騙し騙しやってきたら、とうとう・・・発振するようになり、あるショップの方に修理をお願いしたら、経年したパーツは全部交換したものの、「石」が見つからず断念、という結果になりました。現在、phonoが使用不可(ザー、というノイズのみ聞こえます)。 さらに、LINEはスピーカーのユニットが吹っ飛びそうなほどの発振を起こす状態で、もはや怖くてチェックすることもできない状態です。 ただ、あまりに愛着があり、どうしても諦めきれず投稿させていただきました。 幸いにもようやく、新たなプリアンプを購入しましたので、時間的にはかなり余裕があります。一度診断していただけますでしょうか?
投稿: 山谷 | 2013年11月18日 (月) 13時07分

山谷様、取り急ぎ修理は可能ですがバックオーダーの関係で半年待ちくらいになってしまいます。メールを送っておきました。よろしく願い致します。
投稿: Vin | 2013年11月18日 (月) 18時29分

はじめまして星野と申します。SA3000を手に入れ、真空管を交換して使っていたのですが、ザー、というノイズがひどくなってきたのと、セレクターのシャフトの根元が削れてしまい、締め付けが効かず切り替えが出来ない状態です。このアンプの音に魅了されております。
ぜひ一度診断していただけますでしょうか。
投稿: 星野 | 2013年11月26日 (火) 22時56分

星野様、最近ブログを余り見ておらず遅くなりまして誠にすみません。
取り急ぎ左側の上から少し下がったところにありますメール送信クリックしていただけますとメールを送れますのでそちらから からお問い合わせいただけないでしょうか?症状から判断し修理は問題ございません。また故障という訳でもなさそうですのでそれほど費用もかからないと思います。
投稿: vin | 2013年12月18日 (水) 02時43分

カウンターポイントの修理を手がけていますが手間取っています。現在電源部の赤色LEDのか電流表示が点灯しますTRが加熱します。
基盤のパターンが読みにくく回路図があればと思います。
有償でも欲しいのですが可能でしょうか?
投稿: コガ カズヨシ | 2014年11月10日 (月) 20時22分

SA-20を使用してきましたが、出力のFETの破損により故障となりました。 部品が生産終了で入手が出来ません。在庫をお持ちの様であればお譲りいただけますようお願い申し上げます。

 お手数をおかけいたしますが宜しくお願い申し上げます。
メールにて状況のご連絡頂ければ幸いです。
投稿: 富部裕一(トンベヒロカズ) | 2015年3月 6日 (金) 13時40分

はじめまして。角岡かどおかと申します。14年ほど前に中古でSA-4を入手しました。最初はうまく作動していたのですが、電源スイッチを入れててからヒートアップ時間があり、パワーメーターが振れるのですが、使っているうちに2台(モノラル2台)ともパワーオン即ち、電源スイッチは有効だが、パワーオンしない状態です。素人目にはリレーがうまく作動してないような症状です。修理を含め、診断をお願いできますでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
投稿: 角岡繁慶 | 2017年4月 4日 (火) 19時15分

SA7.1を最近購入しました。動作確認はできておりますが、オーバーホールをお願いしたく、何卒お願いします。
投稿: Sean | 2017年5月 8日 (月) 17時37分

SA220の左チャンネル音が出ません。中を開けて見ましたら
ヒューズが2本切れていました。修理出来ますでしょうか
よろしくお願いいたします。 藤本
投稿: 藤本光雄 | 2018年12月15日 (土) 12時48分


カウンターポイントSA-139stのメンテナンスをしたいのですがどのくらいの費用でお願いできますか?MONO、ステレオ切り替え時にガリが出るようになり気になってます。
投稿: | 2019年11月17日 (日) 10時20分


お世話になります。
スイッチの不良でガリが出ているだけなら1万円程度でしょうけれども現物を見てみないとなんとも言えませんのでまずはお送りいただいてみさせていただきそれで修理可能かどうか、可能な場合部品価格と作業費用の見積もりをお送りし合意した場合に着手する方式とさせていただいれいます。。

切り替え時にガリではなくポップノイズが出る場合はスイッチより電源系の可能性が高いと思います。

なお、作業再開は12月からを予定していますがすでにお待ちいただいているお客様が数名おられますので通常は3ヶ月−5ヶ月後あたりに可能と思っていますが、軽作業(1−2日)で完了できる場合はこの限りではりませんのでお送りただけましたら不良箇所の特定までは比較的早くできると思います。よろしくお願いいたします。
投稿: vin | 2019年11月17日 (日) 15時09分

http://ariajp.cocolog-nifty.com/aria_ltd_jp/2009/01/counterpoint-63.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c6

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
7. 中川隆[-14481] koaQ7Jey 2020年1月15日 20:12:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1404]
マークレビンソン・カウンターポイントのアンプのリペア

株式会社リザイエ
http://www.risaie.co.jp/repair/amp_player/index.html
https://www.facebook.com/risaie.co.ltd/

〒110-0005 東京都台東区上野5-7-7公徳堂ビル4F
 03-5817-4182
 info@risaie.co.jp

リザイエのエンジニア

林田 孝一
ハーマンインターナショナルにて約30年、オーディオ・メンテナンス業務に携わる。 JBL・Mark Levinson・SME等、歴代の銘機に深い造詣を持ち、あらゆる場面を器用に乗り切る頭脳派エンジニア。

井手 彩樹
シュリロ貿易〜ハーマンインターナショナルにて約40年、オーディオ・メンテナンス業務に携わる。 Mark Levinson・QUAD・SME・REVOX・TANNOY・MERIDIAN・AKG等、手掛けたブランドの数はリザイエの匠の中で最も多い。 修理困難時、持ち前の粘りと高い経験値で難局を打破するベテランエンジニア。

宇佐見 敏夫
ハーマンインターナショナルにて約45年、オーディオ・メンテナンス業務に携わる。 手掛けたブランドはMark Levinson・JBL・SME・QUAD・ortofon等。 特にMLAS時代における銘機のメンテナンスについて右に出る者はいない。

吉田 茂
山水電気〜ハーマンインターナショナルにて約45年、JBLメンテナンスの匠としてブランドを支え続けた。豊富な経験と卓越した感覚は、他の追従を許さない。

田中 雅人
ヘビームーン〜現在に至るまで約25年、Westlake・PMC・Bryston・BARCO等オーディオ・ビジュアルのメンテナンス業務に携わる。 的確かつ迅速な対応を求められるプロの現場実績も豊富で特にWestlake Audioで採用されたJBLユニットに造詣が深い。

須田 晃
山水電気〜ハーマンインターナショナルにて約45年、オーディオメンテナンスに携わる。
JBL・Mark Levinson・QUAD・harman kardon・Mcintosh等、手掛けたブランドは幅広い。
熟練の技と知識が頼もしい。

落合 謙一
ラックスマン・サンスイ・クレル等のオーディオ機器修理業務に約30年携わるベテランエンジニア。数多くの修理経験と豊富な知識で愛機を蘇らせる。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c7

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
8. 中川隆[-14480] koaQ7Jey 2020年1月15日 20:15:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1403]
AMP修理工房 田中勝夫
http://amp8.com/index.htm
http://amp8.com/ja1mdn/index.htm
〒371-0805 群馬県 前橋市 南町2町目68-6
アクセス
上越線新前橋駅から2.5Km、両毛線前橋駅2Km
関越道前橋インターから3Km
来工房の時は、事前予約の事。
 FAX  027-221-1920(9時〜18時迄)
 電話  027-221-1920(9時〜18時迄)

地図
http://amp8.com/etc/annai/mdn-tiz.htm
測定機器 修理者履歴
http://amp8.com/etc/annai/lja1mdn.htm
AMP修理工房の詳細・修理の御案内
http://amp8.jp/etc/annai/annai.htm

現在までの修理機器一覧(製造メーカー・機種別)
http://amp8.jp/etc/annai/listamp.htm

外国製AMP修理記録
◆Acoustic Research
◆AGI
◆Aura
◆BGW
◆BRYSTON
◆CounterPoint
◆FmAcoustics
◆GAS
◆JBL
◆QUAD
◆MarkLevinson
◆McIntosh
◆MissionElectronicsCyrus
◆Musical Fidelity
◆PROCEED
◆SAE
◆Spectral
◆SUMO
◆ETC

AMP修理工房 基本的修理方針
http://amp8.com/etc/annai/makeamp.htm
下記を熟読の上、右のアイコンをクリックして、修理機器のメールをお送り下さい。
問い合わせが多く「氏名+修理機器名」で管理していますので、質問は実名でお願いします。
 又、スパムメール対策をしておりますので、安全の為、メールの「件名」には、必ず「機種名」+「修理」+「お名前」等を入れ、長めでお願いします。 amp@amp8.net
それでも返事が無い場合は右記のフリーメールを試して下さい。 amp8com@yahoo.co.jp
初めての方の「通常修理」は原則受け付けません。

修理の流れ

1.A.貴方より修理機器の明細+故障内容のメール。
又、この修理品の思い出や、思う所も、差し支えない範囲でお送り下さい。
小生、それらを謙虚に受け止め、修理方法の提示に使用致します。

2.当方よりの、通常修理概算修理費用、オーバーホール修理概算費用を御連絡致します。

3.貴方より修理機器を当方へ送る。輸送料は貴方持ちです。 荷作り方法は此方
宅配便の場合、取次店や営業所に持ち込まなくても、電話1本で取りに来ます。
大きい声で言いませんが、持ち込むと、100円負けるらしいですが、ドライバーが取りに来ると、1格下の料金にしてくれる事も有るそうです。但し、負けなくても小生責任は取りません。
保険等の使用で修理する場合で、交換(不良)部品の返還が必要な場合は、事前に連絡下さい。普通は、取り外す前に、壊してしまいます。交換(不良)部品は修理時、壊して基板から取る方が、楽な場合が多いい為、です。

4.当方、修理機器の状態を調べます。不良部品、修理時間等を考慮し、通常修理修理費用、オーバーホール修理修理費用、及び修理期間を御連絡致します。
又、既に部品/互換部品/上位互換部品が製造中止の場合、代替え品の提示致します。
代替え品の場合、改造が伴う場合が有ります。この時、出来るだけ、点検時の様子をデジカメで取り、メールで付随して、送ります。 画像なのでファイルのバイト数が大きいので、ブロバイダーのサーバーからは出来るだけ早く削除してください。 又、小生のHPに乗せる場合がありますのでご了承下さい。 但し、出所は出しません。

5.貴方よりの返事を待ちます。
修理しない場合は、見積もり費用=15,000円〜50,000円を請求させて頂きます。
最低見積もり費用は15,000円です
見積もり時バラック修理等を行いますので、不良部品は取り外し時、破棄する場合が、有ります
返却時に、出来るだけ現況に回復しますが、戻せない場合があります。
   −1.回路図が入手可能な国内AMP製品=出力100W/100WまでのAMP=1.5万円円                           出力150W/150WまでのAMP(重量25Kg以内)=2万円
                          それ以上のAMP(重量25Kg越える物)=3万円〜
   −2.海外AMP製品、回路図が入手不可な国内AMP製品=出力100W/100WまでのAMP=2万円                           出力150W/150WまでのAMP(重量25Kg以内)=3万円                           それ以上のAMP(重量25Kg越える物)=4万円〜
   −3.真空管使用製品に付きましては、付随真空管の試験費用が追加されます
               測定真空管10本まで=無料
               測定真空管20本まで=1万円
               測定真空管40本まで=2万円
   −3.CD/チュ−ナ−/ラジオ/無線機器/テ−プデッキ/VTR等は1.5万円〜です
                  重量15Kg以上=2万円 重量20Kg以上=3万円〜
   −4.製品重量35Kgを越える物は個別に打ち合わせに成ります。
       但し、B-2302、B-1、等 分解して軽くなる製品は除く。
   −5.修理せず返却する場合は、入金確認後、送料着払いで返送致します。
       この時、修理品が不要な場合、部品取りとして当方で買取りも致しますのでお申し出下さい。
        買い取り価格は、殆ど見積もり料とチャラです。但し、買い取れない機器もあります。
物によっては後日修理し、YAHOO等に売りに出します、その時は、出来る限り、旧持ち主にメール送ります。

6.修理をする場合は見積もり料は不要です。
修理する場合は出来るだけ早く、修理を開始します。又は部品の手配を始めます。
海外製品や回路図の入手等、又部品等の検索で、修理期間が伸びる場合が有りますが、ご了承下さい。 又、小生の状態により修理期間が伸びる場合も有ります。
修理の様子、調整・測定データーをデジカメで取り、HPに乗せ、アドレスを送ります。写真(画像)は表示よりも、実サイズは大きいです。よって、細かい所を見たい場合は画像をダウンロードして見てください。

7.修理完成し最終修理金額をメールします。
貴方よりの、最終修理金額の入金を待ち、送料着払いで、返送します。
余程のことが無い限り、見積もり金額=最終修理金額です、現在まで100%同じです
御家族様へのご配慮で、返送するときに、元払いを希望される時は、最終修理金額に、お送り頂いた時の送料を上乗せしてお送り下さい。
但し、此方から送るとき差額が出ても返送致しません。
又、各運送業者の支店・営業所や郵便局に留め置くことも出来ます。そこに取りに行く必要が有ります。

8.修理品は最低30分以上の定格実働動作試験をして、引き続きエージングは24時間以上、行います。
http://amp8.com/etc/annai/makeamp.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c8

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
9. 中川隆[-14479] koaQ7Jey 2020年1月15日 20:19:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1402]
>>6 に追記

Aria Club Union JP
"For Counterpoint users, music cults and natural sound lovers"
http://ariajp.cocolog-nifty.com/aria_ltd_jp/

本サイトは元Counterpointの社長 兼 チーフデザイナーであった Mike Elliott公認です。

-Aria製品個人輸入サポート、Counterpoint製品の修理アップグレードサポート、情報提供. 詳細は是非お問合わせください。

-Ariaは生涯保障(Limited life time warranty) 付きですから基本的に何年経っても故障の修理は全て無料です。 お問い合せは下のメール送信からご遠慮なくどうぞ。このサイトは趣味で行っているため対応が遅れることがあることをあらかじめお含みおきください。

最近米国の Counterpoint Userからメールを頂く事も多くブログ全体をもう少しオーディオに特化する事にしました。ほとんど変わらないような気もしますが。。。
Since some US Conterpointers have been contacted to me. Then I have decided accepting comments in English. Probably the guys who browse this site are using Web translator and that would be so so ok in mind even would not be like Human does. So Now, English comments are welcomed! Sorry but any posts are in Japanese only so far.

_______

2012-05-25-Fri
■[雑記] Counterpointの終焉

Counterpointのアンプはメーカーの倒産後も人気があり、
薄型のプリアンプ SA-5.0、SA-5.1
http://audio-heritage.jp/COUNTERPOINT/amp/sa-5.html
はデザインの秀逸さもあって特に人気が高い。

真空管アンプであるため、定期的な部品交換で長く使え、かつ、真空管やフィルムコンデンサーの交換で音質の改善の楽しみがある。
メーカーが無くなった後も、設計者の Elliott氏が Counterpoint のアンプの保守とアップグレードを個人ビジネス"Alta Vista Audio"として継続しておこなってきた。アップグレード費用は正直に言ってかなりの高額ではあるが、そこは趣味の世界である。
日本では

”Aria Club Union JP”
http://ariajp.cocolog-nifty.com/aria_ltd_jp/

がアップグレードの取次などもやっておられるようである。
今日、6DJ8で検索しているとAria Club Unionにヒットし、そこでElliott氏が商売を閉じることを知った。

Aria Club Unionさんでリンク紹介されているElliott氏の個人blogにこの数年の経緯が語られている。

Elliott氏はアンプデザイナーではあるが実際の作業はできない人らしく、部品交換などの実作業は雇用している職人さんが行っていたが、現在の場所に移って雇った職人は手が遅く、ようやく熟練して作業速度も速くなり、順調に受注が処理できるようになったとき、この職人さんは事故で亡くなり、急遽Counterpoint時代の職人さんに助けてもらって事業を継続してきたが、この職人さんもパニック障害に罹り仕事が出来なくなった。それにより事業を閉じて引退生活にはいるとのことだ。
このblogが本当なら、今度こそCounterpointの終焉となる。私もいつか程度の良いSA-5.0/5.1が欲しいなあと思っていた。残念。
http://d.hatena.ne.jp/platycerus/20120525/p1
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c9

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
10. 2020年1月15日 20:24:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1401]

カウンターポイントのアンプについては次のサイトが詳しいです:

Counter pointの記事(6件)|禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/theme-10097864426.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c10

[番外地7] アイヌ人の起源 中川隆
2. 中川隆[-14478] koaQ7Jey 2020年1月15日 21:00:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1400]
アイヌ語が縄文語だというのは定説、日本語が話される様になったのは弥生時代からの可能性が高い
7世紀の蝦夷(エミシ)はアイヌ語を話していた
現代の東北のマタギの言葉もアイヌ語
島根や九州にはアイヌ語地名が沢山ある

神も語源はアイヌ語のカムイ

藤村久和

アイヌ語で神あるいは霊をあらわす言葉,カムイ,ピト,ラマト,タマ,イノツ,クルの6語が,日本古代における同じ種類の言葉,カミあるいはカム,ヒト,ラマ,タマ,イノチ,クルなどと同じ発音と同じ意味をもつ

アイヌの聖山の名前 モイワ山は東北ではモワ山、畿内では三輪山に変わるから モイワ山が本来の言葉

縄文語ではモイワ山だったんですね。

アイヌ語=縄文語

はほぼ確定しています

1万年以上の歴史を持つ人類最古の言葉 アイヌ語=縄文語 はどんな事が有っても守れ
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/416.html#c2

[番外地7] アイヌ人の起源 中川隆
3. 中川隆[-14477] koaQ7Jey 2020年1月15日 21:01:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1399]
日本に外来民族が来ていないというのは悪質なデマですね:
日本語自体が弥生時代以降話された言葉で、それ以前はアイヌ語を話していた:
アイヌ人の起源
国立科学博物館の神沢秀明研究員らは、縄文人の全ゲノム(遺伝情報)を解析
東京でサンプルを取った本州の人々では縄文人のゲノムを約10%受け継ぐ一方、
北海道のアイヌの人たちでは割合が約7割、沖縄県の人たちで約3割だった。
_

縄文人のDNAがアイヌ、沖縄の人たち、本土日本人(ヤマト人)の順に多く受け継がれ、アイヌと沖縄の人たちが遺伝的に近いことが確かめられた。ヤマト人が縄文人から受け継いだ遺伝情報は約12%だった。

斎藤教授

「その後、核DNAを解析した北海道・礼文島の船泊ふなどまり遺跡の縄文人骨(後期)でも同じような値が出ているので、東日本の縄文人に関してはそんなにずれることはないと思う」。アイヌと沖縄の人たちの遺伝情報の割合についてはヤマト人ほどくわしく調べていないとしたうえで、「アイヌは縄文人のDNAの50%以上を受け継いでいるのではないかと思う。沖縄の人たちは、それより低い20%前後ではないでしょうか」と推測する。

 以前から、アイヌと沖縄の人たちとの遺伝的な類似性が指摘されていたが、なぜ北のアイヌと南の沖縄の人たちに縄文人のDNAが、より濃く受け継がれているのだろうか。

 日本人の成り立ちに関する有力な仮説として、東大教授や国際日本文化研究センター教授を歴任した自然人類学者・埴原はにはら和郎かずろう(1927〜2004)が1980年代に提唱した「二重構造モデル」がある。弥生時代に大陸からやってきた渡来人が日本列島に移住し、縄文人と混血したが、列島の両端に住むアイヌと沖縄の人たちは渡来人との混血が少なかったために縄文人の遺伝的要素を強く残した、という学説だ。斎藤教授は「今回のDNA解析で、この『二重構造モデル』がほぼ裏付けられたと言っていい」という。

遺伝的に近かった出雲人と東北人

 日本人のDNAをめぐって、もう一つ、意外性のある分析結果がある。

 数年前、島根県の出雲地方出身者でつくる「東京いずもふるさと会」から国立遺伝学研究所にDNAの調査依頼があり、斎藤教授の研究室が担当した。21人から血液を採取してDNAを抽出、データ解析した。その結果、関東地方の人たちのほうが出雲地方の人たちよりも大陸の人びとに遺伝的に近く、出雲地方の人たちは東北地方の人たちと似ていることがわかった。

 「衝撃的な結果でした。出雲の人たちと東北の人たちが、遺伝的に少し似ていたのです。すぐに、東北弁とよく似た出雲方言が事件解明のカギを握る松本清張の小説『砂の器』を思い出しました。DNAでも、出雲と東北の類似がある可能性が出てきた。昔から中央軸(九州北部から山陽、近畿、東海、関東を結ぶ地域)に人が集まり、それに沿って人が動いている。日本列島人の中にも周辺と中央があるのは否定できない」と指摘。出雲も東北地方も同じ周辺部であり、斎藤教授は「うちなる二重構造」と呼んで、注目している。その後、新たに45人の出雲地方人のDNAを調べたが、ほぼ同じ結果が得られたという。

__

2019年06月04日
愛知県の「縄文人」のゲノム解析

愛知県田原市伊川津町の2500年前頃の「縄文人」個体(IK002)に 41264ヶ所の一塩基多型を用いると、IK002は現代の北海道アイヌと強い遺伝的類似性を示し、アイヌは縄文人の直接的子孫という以前からの説が支持されます。

IK002は現代の北海道アイヌを除いて、ユーラシア東部および日本列島の現代人集団とはわずかに異なります。IK002系統は、アジア東部系統とアメリカ大陸先住民系統とが分岐する前に、これらの共通祖先系統から分岐したと推測されます。

これらの知見は、縄文人と弥生時代以降にユーラシア東部から日本列島に到来した集団との融合により「本土日本人」が形成され、アイヌは「本土日本人」よりも縄文人の遺伝的影響を強く受けている、との古典的仮説を強く支持します
https://sicambre.at.webry.info/201906/article_9.html


本論文は、北海道の礼文島の船泊貝塚で1998年に発見された人類遺骸のうち2個体(F5およびF23)のDNA解析結果を報告しています。放射性炭素年代測定法による推定年代は3800〜3500年前頃です。この2人のミトコンドリアDNA(mtDNA)と核DNAが解析され、mtDNAハプログループ(mtHg)とY染色体DNAハプログループ(YHg)が決定されるとともに、F23の高品質なゲノム配列が得られました。

現代日本人起源論との関連では、縄文人とアイヌ・本土・琉球という現代日本の3集団との関係が注目されます。船泊縄文人(F23)のゲノムデータは、アイヌ集団と琉球集団が本土集団より縄文人系統の遺伝的影響を強く保持している、というじゅうらいの見解を改めて支持します。F23で観察されたヒト白血球型抗原(HLA)アレルも、本土集団よりアイヌ集団と琉球集団において高頻度で見られました。縄文人の現代日本人の各集団への遺伝的影響の推定は難しく、本論文もある程度の幅を想定しているのですが、アイヌ集団では66%、本土日本人では9〜15%、琉球集団では27%です。

 従来の諸研究は、アイヌ集団は縄文人を基盤に、その後のオホーツク文化集団やその他のシベリア北東部集団の遺伝的影響を受けて成立した、と指摘します。

アイヌ集団に関して、北海道の縄文人との遺伝的継続性を否定し、12世紀頃に樺太から北海道に渡来した、という認識さえネットでは見られますが、本論文により、そうした認識は与太話にすぎないと改めて示された、と言えるでしょう。
https://sicambre.at.webry.info/201906/article_2.html
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/416.html#c3

[番外地7] アイヌ人の起源 中川隆
4. 中川隆[-14476] koaQ7Jey 2020年1月15日 21:04:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1398]
山正之さんの話はすべて悪質な嘘です。そもそも梅原隆さんはアイヌ語=縄文語 だと言っていたのです:
アイヌ語が縄文語だというのは定説、日本語が話される様になったのは弥生時代からの可能性が高い
7世紀の蝦夷(エミシ)はアイヌ語を話していた
現代の東北のマタギの言葉もアイヌ語
島根や九州にはアイヌ語地名が沢山ある

神も語源はアイヌ語のカムイ

藤村久和

アイヌ語で神あるいは霊をあらわす言葉,カムイ,ピト,ラマト,タマ,イノツ,クルの6語が,日本古代における同じ種類の言葉,カミあるいはカム,ヒト,ラマ,タマ,イノチ,クルなどと同じ発音と同じ意味をもつ

アイヌの聖山の名前 モイワ山は東北ではモワ山、畿内では三輪山に変わるから モイワ山が本来の言葉

縄文語ではモイワ山だったんですね。

アイヌ語=縄文語

はほぼ確定しています

1万年以上の歴史を持つ人類最古の言葉 アイヌ語=縄文語 はどんな事が有っても守れ
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/416.html#c4

[番外地7] アイヌ人の起源 中川隆
5. 中川隆[-14475] koaQ7Jey 2020年1月15日 21:13:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1397]
日本に外来民族が来ていないというのは悪質なデマですね:
アイヌ人=縄文人 だというのは最新のDNA解析で証明されています
国立科学博物館の神沢秀明研究員らは、縄文人の全ゲノム(遺伝情報)を解析
東京でサンプルを取った本州の人々では縄文人のゲノムを約10%受け継ぐ一方、
北海道のアイヌの人たちでは割合が約7割、沖縄県の人たちで約3割だった。
_
縄文人のDNAがアイヌ、沖縄の人たち、本土日本人(ヤマト人)の順に多く受け継がれ、アイヌと沖縄の人たちが遺伝的に近いことが確かめられた。ヤマト人が縄文人から受け継いだ遺伝情報は約12%だった。
斎藤教授
「その後、核DNAを解析した北海道・礼文島の船泊ふなどまり遺跡の縄文人骨(後期)でも同じような値が出ているので、東日本の縄文人に関してはそんなにずれることはないと思う」。アイヌと沖縄の人たちの遺伝情報の割合についてはヤマト人ほどくわしく調べていないとしたうえで、「アイヌは縄文人のDNAの50%以上を受け継いでいるのではないかと思う。沖縄の人たちは、それより低い20%前後ではないでしょうか」と推測する。
 以前から、アイヌと沖縄の人たちとの遺伝的な類似性が指摘されていたが、なぜ北のアイヌと南の沖縄の人たちに縄文人のDNAが、より濃く受け継がれているのだろうか。
 日本人の成り立ちに関する有力な仮説として、東大教授や国際日本文化研究センター教授を歴任した自然人類学者・埴原はにはら和郎かずろう(1927〜2004)が1980年代に提唱した「二重構造モデル」がある。弥生時代に大陸からやってきた渡来人が日本列島に移住し、縄文人と混血したが、列島の両端に住むアイヌと沖縄の人たちは渡来人との混血が少なかったために縄文人の遺伝的要素を強く残した、という学説だ。斎藤教授は「今回のDNA解析で、この『二重構造モデル』がほぼ裏付けられたと言っていい」という。

遺伝的に近かった出雲人と東北人
 日本人のDNAをめぐって、もう一つ、意外性のある分析結果がある。
 数年前、島根県の出雲地方出身者でつくる「東京いずもふるさと会」から国立遺伝学研究所にDNAの調査依頼があり、斎藤教授の研究室が担当した。21人から血液を採取してDNAを抽出、データ解析した。その結果、関東地方の人たちのほうが出雲地方の人たちよりも大陸の人びとに遺伝的に近く、出雲地方の人たちは東北地方の人たちと似ていることがわかった。
 「衝撃的な結果でした。出雲の人たちと東北の人たちが、遺伝的に少し似ていたのです。すぐに、東北弁とよく似た出雲方言が事件解明のカギを握る松本清張の小説『砂の器』を思い出しました。DNAでも、出雲と東北の類似がある可能性が出てきた。昔から中央軸(九州北部から山陽、近畿、東海、関東を結ぶ地域)に人が集まり、それに沿って人が動いている。日本列島人の中にも周辺と中央があるのは否定できない」と指摘。出雲も東北地方も同じ周辺部であり、斎藤教授は「うちなる二重構造」と呼んで、注目している。その後、新たに45人の出雲地方人のDNAを調べたが、ほぼ同じ結果が得られたという。
__
2019年06月04日
愛知県の「縄文人」のゲノム解析
愛知県田原市伊川津町の2500年前頃の「縄文人」個体(IK002)に 41264ヶ所の一塩基多型を用いると、IK002は現代の北海道アイヌと強い遺伝的類似性を示し、アイヌは縄文人の直接的子孫という以前からの説が支持されます。
IK002は現代の北海道アイヌを除いて、ユーラシア東部および日本列島の現代人集団とはわずかに異なります。IK002系統は、アジア東部系統とアメリカ大陸先住民系統とが分岐する前に、これらの共通祖先系統から分岐したと推測されます。
これらの知見は、縄文人と弥生時代以降にユーラシア東部から日本列島に到来した集団との融合により「本土日本人」が形成され、アイヌは「本土日本人」よりも縄文人の遺伝的影響を強く受けている、との古典的仮説を強く支持します
https://sicambre.at.webry.info/201906/article_9.html

本論文は、北海道の礼文島の船泊貝塚で1998年に発見された人類遺骸のうち2個体(F5およびF23)のDNA解析結果を報告しています。放射性炭素年代測定法による推定年代は3800〜3500年前頃です。この2人のミトコンドリアDNA(mtDNA)と核DNAが解析され、mtDNAハプログループ(mtHg)とY染色体DNAハプログループ(YHg)が決定されるとともに、F23の高品質なゲノム配列が得られました。
現代日本人起源論との関連では、縄文人とアイヌ・本土・琉球という現代日本の3集団との関係が注目されます。船泊縄文人(F23)のゲノムデータは、アイヌ集団と琉球集団が本土集団より縄文人系統の遺伝的影響を強く保持している、というじゅうらいの見解を改めて支持します。F23で観察されたヒト白血球型抗原(HLA)アレルも、本土集団よりアイヌ集団と琉球集団において高頻度で見られました。縄文人の現代日本人の各集団への遺伝的影響の推定は難しく、本論文もある程度の幅を想定しているのですが、アイヌ集団では66%、本土日本人では9〜15%、琉球集団では27%です。
 従来の諸研究は、アイヌ集団は縄文人を基盤に、その後のオホーツク文化集団やその他のシベリア北東部集団の遺伝的影響を受けて成立した、と指摘します。
アイヌ集団に関して、北海道の縄文人との遺伝的継続性を否定し、12世紀頃に樺太から北海道に渡来した、という認識さえネットでは見られますが、本論文により、そうした認識は与太話にすぎないと改めて示された、と言えるでしょう。
https://sicambre.at.webry.info/201906/article_2.html
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/416.html#c5

[番外地7] メモ帳 _ ユダヤ陰謀論 中川隆
4. 中川隆[-14474] koaQ7Jey 2020年1月15日 22:17:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1396]
>アシュケナージは本来のユダヤ人とは血が繋がってないだろ。 ウクライナ南部辺りを根城にしていて、ユダヤ教だけを受け入れた元々白人の人達だよ。

宇野正美という人物が、自著の本で「アシュケナジーは本当のユダヤ人ではなく、カザール人というユダヤ教改宗者の子孫である」ということを主張しています。


 しかし、彼の主張がいかに誤りであるか、ここでの説明を見ていただければお分かりだと思います。少しユダヤ人の歴史の知識があれば、いかに虚偽で事実を曲げているかすぐ分かりますが、何も知らない日本人にはもっともらしく聞こえます。念のため、間違いを正しましょう。(氏の本にはその他たくさん誤謬がありますが、ここでは省略します。)


 第1に、アシュケナジーが古代ユダヤ人の流れを汲むことは、歴史的事実です。例えば、ドイツにローマ帝国時代のユダヤ人居住区(例えば、コロニア、つまり現在のケルン)があったことなど、ことさら無視しています。古代以来、ヨーロッパの諸都市にユダヤ人が居住していたことは言うまでもありません。


 第2に、カザール人とは、カスピ海とヴォルガ川沿いにあった国で、8世紀頃その王がユダヤ教に改宗したと伝えられる人々です。その国が10世紀に滅んだのち子孫がどうなったかは歴史に照らして検証される必要がありますが、ユダヤ人は改宗者であってもユダヤ人なのです。本当のユダヤ人でないとは、その点からも言えません。


 シュロモー・ザンド・テルアビブ大学教授が著した『ユダヤ人はいつ、どうやって発明されたか』という書(ヘブライ語原著、日本語訳はなし)も、このカザール人を論拠としたものです。これに関しては、隔月刊誌「みるとす」2008年8月号にてイスラエル人識者が論破しています。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/349.html#c4

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
87. 中川隆[-14476] koaQ7Jey 2020年1月16日 06:48:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1395]
プリアンプは必要か?


1. バッファアンプとパッシブプリアンプ


音量調整ボリュームについて考える

パッシブタイプのラインレベルコントローラー(俗に言うパッシブプリアンプ)

音量調整機能としてはボリュームやアッテネッター単体だけでも、用は足りる場合が多いですね。

最近パッシブプリアンプと呼ばれるものがありますが、まさにボリュームだけの調整機能です。

意味的にはアンプでない、受動素子だけで構成するコントローラーをパッシブプリアンプと呼ぶ人(中小メーカー)も少なくありません。

さすがに大手メーカー、ラックスやマランツはそうは呼びません。
増幅しないものをアンプと称して販売しても問題にならないのは、カルトなオーディオの世界ならではのものです。

その造語をあえてわかっていて呼ぶ方(その意味を刺がないように説明)と、コントロール=プリアンプと思っている方、アンプと呼ばずパッシブプリという方など、さまざまです。

昔はパッシブミキサーというボリュームだけの、簡易マイクミキサー(下段写真)がありました。

それを誰も、パッシブミキサーアンプとは呼びませんでした。

ボリュームはもともと、部品単品では可変抵抗=バリアブルオーム=バリオームと呼んでいましたが、アンプ的にはその部分をメーカーでボリュームと言っているので、ボリュームと言うようになったのでしょう?

まあ古い世代しか、バリオームなんて呼びません。類似のものでバリコン、バリL などがありますが、今ではバリコンは死語でしょうか?
面白いことにガリガリに接触不良になったボリュームはガリオームと今でも呼ばれます。

現在のラインレベル(CDプレーヤー等)からすると、プリアンプの必要性はあまり感じられなくなってきました。

遡って、思い出すと’70年代後半の中級プリメインアンプは(下図参照)トーンデフィートスイッチを入れるとトーン回路とフラットアンプが外れて入力から直接ボリュームを介して、パワーアンプにつながるような製品も多くありました。

少年向け電子工作雑誌でさえも、パワーアンプに直接つなぐと音質向上することは、理論的に説明していました。

'80年代のCD(DAD)が出たばかりのころは、入力にCDダイレクトというものがあり、CDに限ってはプリアンプ部を通さずボリュームだけで出力する機能まで搭載されていました。

それだけメーカーでも多数の接点、増幅回路を通すことは、どんな優秀な回路であっても音の鮮度が落ちることを認識していた訳です。

いわゆる現在パッシブプリアンプという名称で、売っているものは、それらを外部に持ってきただけ(下図B)で特に優れたものではありません。

むしろプリメインアンプの内部に入っている場合、後段のパワーアンプまで考慮されていますのでいいのですが、外部にその回路を持ってきた場合は、繋がれるピンコードや、繋がれるパワーアンプにも左右されます。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yapsys/vrsystem.html


「バッファアンプ」とは、インピーダンス整合と電圧増幅(voltage amplification)の複合体。

厳密に答えると、このようになります。


アンプは増幅器
バッファはインピーダンス整合器
バッファアンプは、増幅器+インピーダンス整合器

「アンプは増幅器。」その通り
「バッファアンプは増幅しない、あるいは増幅率1」。間違い。
「バッファは増幅しない、あるいは増幅率1。」概ね正解。

「概ね」の理由は、トランスのように減衰するバッファがあるから。
減衰分をアンプで増幅してトータル増幅率1にした物も、バッファとアンプの組み合わせなのでバッファアンプという事になります。
http://okwave.jp/qa/q9007424.html

1) バッファ

簡単に一言で説明するとインピーダンスを下げることです。

ギターやベースから出ている信号は通常インピーダンスが高い状態です。
この状態だと外部からの影響を受けやすく、さらに言えば抜けない音になります。

そこでバッファを使ってやるとインピーダンスが下がり、外部からの影響を受けにくく、抜ける音になります。

つまり、ノイズが少なく、エフェクトが乗りやすく、音が埋もれないってことになりますね。

ちなみにいいバッファほど音質(というか実際に聞く音)の変化が少ないので、高いものほど音に変化がないように感じるという初心者にはわけの分からないエフェクターです。

わりかしエフェクターの中にはこのバッファは入っています。
バッファバイパスとトゥルーバイパスってやつですね。

エフェクターをオフにしてても音が変わるのがバッファバイパス、変わらない(というか通過する)のがトゥルーバイパスです。

トゥルーバイパスの方が高級品に使われてたりして、単純にトゥルーバイパスの方がいいと思っている人もいますが、バッファしてくれるわけだからそれもそれでメリットがあるわけです。

特に何台もエフェクターを並べる人だったらバッファバイパスの方がいいと思います。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13105003328


オーディオで意味するところは、「インピーダンス整合器」に当たる。

一般的に高インピーダンス入力/低インピーダンス出力です。

バッファ無しで接続すると、前後互いの干渉で特性や音質が損なわれるところを、できるだけ干渉を無くして本来の特性が発揮できるようにするのがバッファの役目です。
http://okwave.jp/qa/q9007424.html

例えば、5Vの電圧出力のセンサーが有ったとして、このセンサーが反応した時に5V 駆動のブザーを鳴らしたいけれども、センサーの出力では力不足でブザーが鳴りません。
そこで、電圧は5V のままで、電流を多く供給したいという場合に使うのがバッファアンプです。

回路的にはボルテージフォロワと言います。
http://aldeban.com/faq/0053/faq_0053.html


電圧増幅はせず、出力インピーダンスの高い素子の出力を低インピーダンスにして出力します。電圧の振幅は変えないままで、消費電流の大きい負荷を駆動したい場合に利用します。
http://okwave.jp/qa/q9007424.html

1)トランスを使ったバッファアンプの市販品

ドイツの直熱三極管Bas「プルメリア」
http://www.cattlea.jp/product/?no=64

アンプ3台 スピーカー2組の切り替えが出来ます 入力は5系統
トランスはファインメットコアトランスのダブルカットコアです


回路図
http://www.cattlea.jp/up_img/amp/64/f_01.pdf

価 格 200,000円

回路構成 球一段トランスアウト

出 力 入力の3倍

使用真空管 Cas

NFB回路 なし

_____

2) バッファ無しのボリューム付きセレクター(パッシブプリアンプ)の市販品


パッシブプリアンプの探索
http://yoneharu.sakura.ne.jp/etc/passive.html


@ エーワイ電子 パッシブ型プリアンプ
https://ay-denshi.com/item-asyuracom-22/


B ソフトン Model5 セレクタ & アッテネータ
金属皮膜抵抗器使用モデル \34,000(税込\35,700)送料別
カーボンソリッド抵抗器使用モデル \38,000(税込\39,900)送料別
http://softone.a.la9.jp/Model5/m5-1.htm
http://softone.a.la9.jp/Model5/M5-2.htm


Cコスモウェーブ・パッシブプリアンプ 4回路切替 AST-VR4GU
\17,000(税別)  \18,360(税込み)
https://www.cosmowave.net/?pid=138195745
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%96-AST-VR4GII-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%96%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%97/dp/B00OEQ8P3K


   

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c87

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
88. 中川隆[-14475] koaQ7Jey 2020年1月16日 06:50:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1394]

インピーダンス・マッチング と ロー出しハイ受け


電子回路 解説
http://eman-physics.net/circuit/contents.html
http://members3.jcom.home.ne.jp/zakii/transmission_line/0contents.htm

インピーダンス 解説
http://eman-physics.net/circuit/impedance.html
http://www.tritech.tv/column/600ld.html
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/43281.html
http://www.geocities.jp/rfpagejp/tokusei-z.htm#hansya

インピーダンス・マッチング 解説
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Tachibana/9059/otasuke/impi_match.htm
http://www.tdk.co.jp/techmag/inductive/201110/index2.htm
http://eman-physics.net/circuit/matching.html

http://wista.jp/Z-Match1.htm
http://wista.jp/Z-Match2.htm
http://wista.jp/Z-Match3.htm


技術解説-製品技術 - プリアンプ
http://www.audiodesign.co.jp/Commentary-PreAmpTop.htm


インピーダンス・マッチング

インピーダンスマッチングとは、出力抵抗と入力抵抗をマッチングさせることを指します。要するに、等価にしてしまう、ということです。

ごく簡単なDC回路では、抵抗値を合わせるだけです。

出力抵抗とは、真の信号供給源に対して直列に繋がっている抵抗のことです。

教科書理論でいくと0Ωですが、現実の信号出力端子には必ず数Ω以上の抵抗が存在し、除去することは非常に困難です(現実的には無理)。

入力抵抗とは、負荷が持っている抵抗のことです。

回路図で示すと、以下のようになります。


図中の記号の意味は、

Vout : 真の信号源
R1 : 出力抵抗
R2 : 負荷抵抗(入力抵抗)


インピーダンスマッチングがとれていると(R1 = R2 の状態だと) R2で消費される電力は最大になります。最大の電力が消費されるということは、その回路でできる限り最大の仕事をしているということです。

R2 で最大の電力が消費されるということは、電力の伝達効率が一番よくなるということになります。

電力の伝達効率が良くなるということはすなわち、接続相手先での仕事率が最大になるということです。

インピーダンスマッチングを考えないと、R1が大きな負荷になってしまい、R2側で十分な電力が得られません。

スピーカーなどの電力型デバイスを駆動する際はこの辺りがかなり重要で、きちんとマッチングがとれていないと駆動側が壊れてしまうこともあります。

負荷を電流でドライブする時は、インピーダンスマッチングはとくに重要になります。
たとえば最近流行のLVDS(Low Voltage Differential Signalling)の伝送方式は電流駆動型ですが、負荷となるインピーダンスがうまくマッチングしないと、十分な電圧振幅が取り出せなくなったり、伝達される波形の位相がズレたりしてとんでもないことになります。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Tachibana/9059/otasuke/impi_match.htm

インピーダンスとは交流回路における電気抵抗成分を意味します。

直流回路における電気抵抗はレジスタンス(R)といいますが、交流回路ではレジスタンスに加えて、インダクタ(インダクション・コイル)やコンデンサも抵抗成分として作用するため、これらをまとめてインピーダンス(Z)と表します。

交流とくに高周波においては、伝送路がもつインピーダンスが回路特性に大きな影響を与えるようになります。これを特性インピーダンスといいます。


インピーダンスマッチングには2つの意味があります。
 
最大電力を負荷に供給するということと、高周波での反射をなくすということです。

インピーダンスマッチングされていない場合、最大出力を取り出せないだけでなく、高周波回路では伝送路に反射波を生じ進行波と重畳して定在波となって不都合が生じます。

回路と回路を伝送路で結ぶとき、回路のインピーダンスが異なると、信号電流の一部が反射されてノイズとなったり、出力が低下したりします。この不マッチングを解消するのがインピーダンス・マッチングです。

ドライバ回路の出力インピーダンスとレシーバ回路の入力インピーダンス、それらを結ぶ伝送路の特性インピーダンスがそろっていると、信号は反射することなくスムーズに流れ、出力も最大になります。

しかし、現実にはそれぞれのインピーダンスには差があるため、伝送路にインピーダンス・マッチング回路を挿入して、インピーダンスをそろえます。

 インピーダンス・マッチングにはトランスなども使われますが、簡便で効果的なのはインダクタ(インダクション・コイル)L とコンデンサ C を組み合わせた LC 回路の挿入です。

これは LCフィルタの1種で、ある周波数帯を抵抗成分として作用させることで、適切なインピーダンス・マッチングを図るのです。
http://www.tdk.co.jp/techmag/inductive/201110/index2.htm

インピーダンス・マッチング _ 大切だが、いつも必要だとは限らない。
http://eman-physics.net/circuit/matching.html

ロー出し、ハイ受け

 ちょっと大きめの電子回路は、あるモジュールの出力を別のモジュールの入力へと繋いでやって、次々と信号を加工して望みの結果を得る構成になっている
このときに注意すべきことについて話しておこう。

 出力と入力の関係をごく単純化して表すと、次のようになっている。
 二つのモジュールを繋いだ様子を表したものである。 

電源はこれとは別に要ることもあるし要らないこともあるのでこの図では省略されている。 

左側の抵抗 r は、信号を出力する側のモジュールの内部抵抗のようなものであり、「出力インピーダンス」と呼ばれる。 

これは単純な抵抗器ではなく、電流を妨げる様々な要因をひっくるめて抵抗の記号で表してみただけのことである。 信号の周波数によって抵抗の大きさに違いが出たり、位相にずれが生じたりする場合もあるので、抵抗よりも広い意味を含む言葉を使った方がいい。 それで「出力抵抗」ではなく「出力インピーダンス」という表現を使っているのだ。


 右側にある抵抗 R は信号を受け取る側のモジュールの、入力端子側から見た時の「回路内部の抵抗的な要素」をひっくるめて表したものである。 

これもやはりインピーダンスと呼んだ方がいい。 こちらは「入力インピーダンス」と呼ばれる。 

もしこの R がスピーカーやモーターや LED や豆電球などであって、これに電気を流すことが回路の最終的な目的である場合には、この R のことを「負荷抵抗」などと表現することも多い。

 いくつかの例外はあるのだが、基本的には、出力インピーダンス r は小さければ小さいほど良くて、入力インピーダンス R は大きければ大きいほど良い。 

どうしてなのかを今からざっと説明しよう。

 左側に描かれている信号源は、信号の波形を電圧の変化で表現している何らかの回路をたとえたものである。 もし電流がほとんど流れていなければ出力抵抗 r での電圧降下はほとんど起きないので、接続端子間にはこの信号源とほとんど同じ電圧が来ることになる。 それはすなわち、負荷である抵抗 R の両端に、ちゃんと波形の電圧が正確に伝わることを意味する。

 しかし電流 i が流れていれば、この出力インピーダンス r の部分で ir だけの電圧降下が起き、その分だけ差し引いた電圧が負荷 R の両端に現れることになる。

 この r がただの抵抗だったならまだマシな方だ。 信号電圧が上がろうが下がろうが、同じ割合で少々下がるだけだからである。 

しかしインピーダンスが周波数によって違っていたりすると、色んな周波数成分が混じった複雑な出力の波形は、元の信号とはかなり違った、崩れた形になってしまうだろう。

  r が小さければその影響はかなり抑えられるのである。

 さて、電流が流れるほど内部抵抗 r のせいで電圧が下がるというのだから、右側に繋ぐ回路は電流をなるべく食わないようなものが望ましい。 

抵抗 R が大きければ大きいほど、入力端子は電流を吸い込まないようになる。 
電圧で表現された信号波形を受け取るために、電流が流れることは必ずしも必要ではない。 

電流がほとんど流れなくとも、電圧の変化をきちんと受け止められる回路が喜ばれるのである。

 この図では簡略化しすぎて、 r と R が直列になっているため、結局、合計のインピーダンスは r + R であるように見えるし、それが大きければいいのか小さければいいのか一体どっちだ、と言いたくなってしまう。 しかしその見方は重要ではない。 

ここでは、信号源の電圧が抵抗 R の両端にどれほど忠実に伝達されるかが重要なのである。 だから、 r はなるべく小さく、 R はなるべく大きく、だ。

 要するに、左側(出力側)は、たとえ電流が多く流れても、容易に息切れを起こしたりせず、信号波形が乱れないようなものが望まれており、右側(入力側)は不必要に電流を要求しないような回路が望まれているというわけである。

 信号を出す側は低いインピーダンスで、受ける側は高いインピーダンスで。 このことを短く表現して、「ロー出し、ハイ受け」などと言われる。

一旦まとめ

 今のような文脈で話される場合、出力インピーダンス r というのは、出力波形を崩したり電圧を下げたりすることがないままで、電流がどれだけ多く取り出せるかという出力装置の能力を示すものである。 

出力インピーダンスが小さいほど、その能力が高いということである。 
電池の話をした時の内部抵抗と同じようなもので、色んな影響をひっくるめた仮想的な概念である。

 一方、入力インピーダンス R は、どれだけ電流を食わない装置であるかを表すバロメーターのようなものである。


インピーダンス整合

 ここからが今回の本題である。
 
上で話したのは、電圧の変化を使って信号をやりとりする場合の話だ。 
無駄に電力を消費しないように、電流をなるべく流さないことを理想としていたのだった。

 ところがスピーカーなどを動かそうとする場合にはまるで話が違う。 
スピーカーから大音量を得るためには、スピーカーの部分で「なるべく電力を消費して欲しい」のである。 電圧だけではだめで、電力を伝達したいのだ。

 負荷の部分でなるべく電力を消費してもらうためにはどうしたらいいかを考えよう。 直感に反することだが、負荷抵抗 R が小さいほど「重い負荷」だと表現される。 なぜなら、電圧が同じなら、抵抗が小さいほど電流が多く流れるからだ。 電力というのは電圧と電流の積で決まるから、電流が多いほど電力をバカ食いすることになるというわけだ。

 100 W 電球と 10 W 電球とでは、どちらが抵抗が大きいでしょう? というクイズが良くある。
 
100 W 電球は 100 V に繋いだ時に 1 A 流れて欲しいのだから、100 Ω だ。  
10 W 電球は 100 V に繋いだ時に 100 mA 流れて欲しいのだから、1 kΩ だ。  
このように、電圧が同じならば抵抗が小さい方が激しくエネルギーを消費するのである。  

電球というのは抵抗の部分で電気エネルギーが熱エネルギーに変わることを利用しているのだが、 抵抗が小さいほど消費が激しいというのは少し意外な感じがする。

 では R が小さければ小さいほど良いかといえば、そうではない。 

あまり小さいと電流が多く流れ、そのせいで出力インピーダンス r の側での電圧降下の方がずっと大きくなってしまって、肝心な R の両端の電圧が下がってしまうからだ。 結局、どうなるとちょうど良いのか、最良点を探すことにしよう。

 式を立ててグラフを描けば一目瞭然だが、微分を知っていればグラフを描かなくても、グラフの極大点を割り出すことができる。 

 信号電圧が V だとすると、回路を流れる電流は

I = V/(R+r)

であり、それにより、負荷 R の両端の電圧 V′は

V′ = RI = R・V/(R+r)

となるから、そこで消費される電力は

P = V’・I

によって求められて、

P = V^2・R /(R+r)^2

となる。
 
V や r が固定された条件で、 R がどれくらいの時、一番大きな電力が消費されるかを考えたいので、縦軸を電力 P 、横軸を R にしたグラフを描くことになる。

 これが最大になる点は微分して 0 になるところである。 つまり、

dP/dR = −V^2・(R−r)/(R+r)^3

が 0 になるところだから、

R=r

のときが最大だということが分かる。 つまり、

出力インピーダンスと入力インピーダンスとが等しくなっている時に、もっとも多くの電力を次の段に伝えられるのである。 

このような目的で出力側と入力側のインピーダンスを合わせる設計にすることを「インピーダンス整合」あるいは「インピーダンス・マッチング」と呼ぶ。

 グラフで分かるように、負荷抵抗 R が r よりも小さくなると急激に電力の伝達効率が落ちるので、量産の際には部品のバラつきを考慮して負荷抵抗 R の側が少し大きめになるように調整しておいた方が問題が起きにくいかも知れない。

 回路のマッチングが取れているとき、すなわちピッタリ r = R のとき、
r での消費電力と R での消費電力は等しい。 

例えば、スピーカーを鳴らすためのアンプ(増幅器)と、スピーカー本体を例にして考えると、スピーカーが音や熱として消費したのと同じエネルギーを、アンプの内部でも熱として無駄に消費することになる。 

50 W の出力のスピーカーなら、同時にアンプの内部でも 50 W を消費しており、合計 100 W を消費していることになる。 これは避けられない。 大きな出力を持つアンプに巨大な放熱板が取り付けられているのはそういう理由だ。 

(実際のスピーカーシステムはこれほど単純な構造ではないので成り立たないという指摘がありました)

特性インピーダンス

 インピーダンスマッチングが重要になる別の場面がある。 
高周波の信号を長距離の電線で繋いで伝える場合だ。 

アンテナで捕まえた電波の信号を長いアンテナ線を通して引っ張ってきて装置に引き込む場合に、このようなことが重要になる。
 
この時、インピーダンスが合っていないと接続部分で反射が起こって装置内に引き込めないという現象が起きる。

 信号を受信する場合だけではない。 送信時にも同様のことが起こる。 

電波を送信するためにケーブルを介して信号をアンテナに送るのだが、効率よく送信されず、信号が戻ってきてしまったりして送信機に大きな負担がかかったりするのである。 
出て行くはずの電力が出て行かずに戻るので、過剰な発熱を起こしたりする。

 これは極めて高周波の信号を扱う時だけに関係する話であり、 音声信号のような低周波ではほとんど気にしなくて良い。 にもかかわらず心配してこだわる人を割りと良く見かけるので、ちょっと情報不足のせいで混乱してしまっているのだろう。

 周波数が低い交流の場合には一本の電線の端から端までほとんど同じ電圧だと考えていれば良い。 しかし周波数が高くなってくると、同じ一本の電線上でも場所によって電圧が違ってきてしまうことになる。 まずはそれがなぜなのかを説明しよう。

 電線の中を電圧の変化が伝わるのは、物質中を伝わる電磁波と同じことである。

 それは大体光の速さと同じくらいだと考えていい。
 
真空中の光速よりは数十パーセントほど遅いくらいである。 例えば 300 MHz くらいの電磁波だと、その波長は 1 m くらいになる。 

それくらいの信号を電線を使って伝えようとすると、25 cm もあれば 0 から最大まで変化するのである。 このように、どれくらいの電線を長距離と呼ぶのかは周波数によって違ってくるわけだ。

 音声信号の周波数は 10 kHz 程度であって、電線中での波長は 30 km ほどである。  
それほどまでに長いケーブルを使うような場合にだけ気にすればいい話だということになる。  例えば、昔のアナログ方式の電話線などがそうだ。  

しかしそれほど線が長いと、むしろ電線自体の抵抗による電力の損失の方が気にすべき問題になる。  末端の負荷抵抗をそれなりに大きくしておかないと、 電線に掛かる電圧の方が大きくなって、肝心の末端のスピーカーにはちっとも電圧が掛からず、 信号がうまく伝わらないのである。

 このことによってなぜ信号の反射が起こるのかというのを説明するのは少し難しくなるので、別のもっと理論重視の記事で詳しく話そう。

 ごくごく簡単に説明すると、電線が持つ「特性インピーダンス」という量とアンプの持つインピーダンスが一致していないといけないのである。 

この特性インピーダンスというのは、電線の長さに比例するわけではない。 
電線の構造によって決まるものであって、電線が長くても短くてもその大きさは変わらないという不思議な概念だ。 特に、ケーブルの抵抗成分や漏れ電流が小さな場合には信号の周波数にも関係ない値になる。

 このようにちょっと変わった概念であるが、電線を伝わる交流の電圧と電流の比を意味しており、単位は Ω(オーム)で表されるような量なのである。 この辺りの話は無線工学をやると重要になってくる。

 このように、色んな場面で複数の理由でインピーダンスマッチングが重要になっている。 

必要以上にこだわる人もよく見かけるのだが、それほどこだわる必要のない場面も多い。 そこは理論的に正しく見極めよう。

 さて、インピーダンスマッチングが大事だと言われても、一体どのように両者を合わせたらいいだろうか? 

調整する手段は幾つかある。 トランジスタ回路を使う場合もあるし、トランスを使う場合もある。 
http://eman-physics.net/circuit/matching.html

ロー出しハイ受け

機器間の接続でインピーダンスのマッチングを取らず、出力側のインピーダンスを低くし、受け側の入力インピーダンスを高くする事を表す。

近年の民生音響機器のラインレベルの入出力などはこの形を取るのが一般的である。

出力端子の「インピーダンスが低い」と言う意味は駆動するパワーが大きい事であり、入力端子の「インピーダンスが高い(Hi-Z)」と言う意味は駆動するパワーが少なくて済む事を表す。

即ち、「ロー出しハイ受け」の組み合わせは入力に対して十分なパワーがある出力を接続する、という組み合わせになる。

「ロー出しハイ受け」以外の組み合わせには例えば600Ωなどの決まったインピーダンスで出力と入力のマッチングを取る方法がある。

逆に出力側のインピーダンスの方が高い「ハイ出しロー受け」は正常な信号伝達ができず、やってはいけない組み合わせである。

マッチングを取る方法に比べて「ロー出しハイ受け」は無駄に信号電圧を分圧せず効率が良い、受け側のインピーダンスが十分高ければ出力側のインピーダンスについてはそれほど気を使わなくて良い、信号の分配が容易などのメリットがある。

逆にマッチングを取る場合に比べてノイズに弱いため、長距離の伝送などには向かない。
http://www.g200kg.com/jp/docs/dic/lodashihiuke.html

インピーダンス
http://www.g200kg.com/jp/docs/dic/impedance.html

機器の入出力端子などにもそれぞれ決まったインピーダンスがあり、機器間の接続を行う時にはインピーダンスを合わせるか、「ロー出しハイ受け」と呼ばれる組み合わせにしないと正常に動作しない。

業務用音響機器の入出力端子では600Ωが使用される事が多い。

出力側と入力側のインピーダンスを合わせる事を「マッチングを取る」、と言い、マッチングを取る事により伝送される「電力」が最大になるという意味があり、伝送効率と耐ノイズ性で有利になる。

ただし、入力側の端子には敢えてマッチングを取らなくても正常動作できるようにするためインピーダンスが非常に高くなっている場合もある。これを「ハイインピーダンス」、「ハイインピー」、「Hi-Z」などと言う。

ハイインピーダンスの入力端子に低いインピーダンスの出力を接続する組み合わせが「ロー出しハイ受け」であり、入力側のインピーダンスが充分に高ければ組み合わせをそれほど気にせずに接続する事ができるため、民生用オーディオ機器などは通常このような設計になっている。

逆の組み合わせでハイインピーダンスの出力端子からローインピーダンスの入力端子に接続した場合は信号の伝達が正常に行われず、歪みが発生するなどの障害が発生する。
http://www.g200kg.com/jp/docs/dic/impedance.html

インピーダンスの話
http://www.tritech.tv/column/600ld.html


インピーダンス(Impedance)とは、『交流に対する抵抗値』のことです。

普通の抵抗器では直流でも交流でも示す抵抗値はほとんど同じですが、コンデンサやコイルなどの部品は、周波数が変わると交流の通りにくさが変化します。

コンデンサは直流抵抗は ∞Ωですが、音声信号は通りますね。

逆にコイルは、直流抵抗はほとんど0Ωですが、周波数の高い交流信号はほとんど通しません。

抵抗とコンデンサ、コイルを組み合わせた回路では、回路全体の抵抗値は周波数によって複雑に変化します。

交流に対するコイルやコンデンサの抵抗分をリアクタンスといい、それぞれインダクタンスや静電容量から計算できます。


 600Ωとハイ・インピーダンス

音響機器では、入力インピーダンスがどうとか、負荷インピーダンスがいくらかという問題が起こることがあります。

例えば入力インピーダンスが 600Ωとは、とりあえずその機器の入力コネクタが 600Ωの抵抗(R2)でグラウンドに落ちていると思えばいいのです。

その先(機器の内部)にどのような回路がつながっているかはわからなくてもとりあえず無視します。入力コネクタが不平衡(アンバランス)であれば、ホットとグラウンドの間に、平衡(バランス)であればホットとコールドの間に 600Ωの抵抗が付いているわけです。インピーダンスですから本来は周波数によって値が変わりますが、とりあえずこのように考えます。

逆に出力インピーダンス 600Ωというのは、例えばアンプの出力であれば、出力端子に 600Ωの抵抗(R1)が直列にくっついているわけです。

いま出力インピーダンス R1 = 600Ωのプリ・アンプ出力を、入力インピーダンス R2 = 600Ωのパワー・アンプの入力につないだとします。

プリ・アンプ内部で生じた 2v の信号は、直列の 600Ω(R1)を通って、パワー・アンプの入力の 600Ω(R2)でグラウンドに落ちます。パワー・アンプ内部には、入力の 600Ω(R2)の両端に生じた電圧が送られます。つまりプリ・アンプ内部で生じた 2vは、2本の 600Ω(R1,R2)で 1/2に分圧され、1v だけがパワー・アンプ内部に送られるということになります。

* 1vp-p : p-p は peak-to-peak のことで、最大値から最小値までの電圧値。

 電力伝送と電圧伝送

昔の放送機器は入出力ともインピーダンス 600Ωというのが基本でした。

そこから +4dBm という規準レベルも作られたのですが、現在では出力インピーダンス (R1) が数Ω〜数 10Ωと低く、入力インピーダンス (R2) が 10kΩ以上と高い、いわゆる「ロー出し/ハイ受け」の機器が主流になっています。

0dBm という値は、『600Ωの負荷に 1mW を生じさせる電圧値』です。

つまり電力伝送という考え方で、オーディオ帯域において(というかもともと電話の規格なのですが)もっとも電力損失(ロス)が少なくなるように線路インピーダンスから考慮して作られた基準です。

今は電圧伝送で、もっとも電圧ロスが少なくなるようにと考えます。

例えば出力インピーダンス (R1) が 20Ωのプリ・アンプを、入力インピーダンス (R2)が 50kΩのパワー・アンプにつないだとします。

プリ・アンプ内部で生じた 10v の信号は、20Ωと 50kΩで分圧されてパワー・アンプ内部に入っていきます。計算すれば 9.996v、つまりほぼ 10vですから、600Ωラインのように電圧レベルが半分になってしまうような無駄がありません。

 軽い負荷、重い負荷

さらに、ここが重要なのですが、回路設計者にとっては、ロー出し・ハイ受けはプリ・アンプの出力回路が小規模で済む、回路設計の自由度が上がるということもあります。

プリ・アンプ内部で生じた +10v は、約 50kΩ ( 50kΩ + 20Ω) の抵抗に流れることになります。流れる電流は 2mA(ミリ・アンペア)です。従ってプリ・アンプの出力回路では 2mW(ワット)の電力を考えればよいので、使用する抵抗も普通の 1/4w( = 250mW)タイプで十分ということになります。

ちなみに +4dBm 規準のアンプで、最大出力が +20dBm 程度とすると、そのときの電圧値は約 +12v。ここで引用した +10vという数値はそうありえない数値ではありません。

さてこれが 600Ω機器であったらどうでしょうか?
パワー・アンプに +10v 供給するために、プリ・アンプ内部では +20v を発生させています。

プリ・アンプの出力回路から見た負荷は 600Ω+600Ωですから、流れる電流は 約16.7mAです。出力回路は 300mW 以上の消費を考えなくてはなりませんから、放熱器や1/2wの抵抗器が必要になってきます。

このように入力インピーダンスが高いと、前段の機器の負担が小さくて済むので、現在のようなオペアンプ全盛の機器では一般的になっています。

負荷インピーダンスが高いことを「負荷が軽い」といいます。
逆に 600Ωのようにインピーダンスが低いと「負荷が重い」といいます。

負荷インピーダンスが高いと、出力回路にあまり電流を流さなくて済むので「軽い」と表現します。

逆に負荷インピーダンスが低いと、出力回路に多くの電流を流さなくてはなりません。
電流が多く流れるほど多くの熱を発生しますから、素子の放熱も考えなくてはなりません。

また出力段に電流ドライブ回路を追加したり、、あるいは電源回路から強化しなくてはなりません。「重い」と表現するのもわかると思います。

オペアンプは回路設計が楽で良いのですが、出力段が貧弱であまり大きな電流をとれないのが普通です。

一般的な 4558タイプのオペアンプでは、負荷は 2kΩ以上になっています。

つまり 4558の出力を 600Ω機器に直接つなぐわけにはいかないということです。
600Ω負荷をドライブするには、それ用に出力回路を強化したタイプ( 5532/ 5534など)を使う必要があります。

音質的に気に入ったオペアンプでも、600Ω負荷の回路には使えない、という場合、それでもということならオペアンプの先にトランジスタで電流ブースター回路を足すという手もありますが、今度はトランジスタの音質が・・・となりかねません。部品選択の悩みどころです。

 ハイ・インピーダンスのデメリット

ロー出し/ハイ受け は良いところだらけのようにも見えますが、実はそうでもありません。

600Ω受け渡しというのも、インピーダンス・マッチングという点では理想的であり、長距離伝送をしても信号の劣化が少ない、外来ノイズを拾いにくいなどのメリットもあります。

またある程度電流が流れるので信号のやり取りが電力に近い形になり、いっそう劣化やノイズに強くなります。
また接続が必ず 1:1 なので、接続がわかりやすい、受け渡しレベルの計算が楽、といったこともあります。

逆にインピーダンスが高いとノイズを引きやすくなります。

600Ωの抵抗を指でつまんでもほとんど影響がありませんが、1MΩの抵抗を指でつまむと盛大にハムを引きます。これはオームの法則そのままに、抵抗値が大きいほど小さなノイズ電流でも大きな電圧を生じるためです。

600Ωの抵抗に 1μAのノイズ電流が流れたとしても、生じるノイズ電圧は 600μvですが、1MΩの抵抗では 1vという、無視するにはあまりに大きい値になります。

プリアンプとパワーアンプが接続された状態では、線路インピーダンスそのものが下がるので、そこにノイズが飛び込むというのは少ないのですが、それでも 「ケーブルがアンテナになっている」 というトラブルが起こることがあります。

600Ωラインではあまり聞いたことがありません。またインピーダンスが高い回路ほどグラウンドまわりの処理が難しくなり、それを誤るとノイズを拾いやすくなります。

オーディオ機器の場合、入力インピーダンスは 10kΩ〜 50kΩというのが相場ですがそれなりの理由があるわけです。

実生活の環境では空中にはテレビやラジオの電波が飛び交い、室内では電灯線のハムや照明器具の調光ノイズなどがあふれている状態です。それらがどうやって機器に飛び込んでくるかわかりません。

ノイズ対策としては、インピーダンスはなるべく低いほうが有利なのです。

インピーダンス値は 1kHzに対する値を使います。いままで述べてきたインピーダンスはすべて 1kHzに対する値です。

ただ一般の電子機器ではマイクロフォンほど周波数の影響を受けないので(可聴周波数範囲程度ではほとんど変化しない)、あまり問題にならず、実用上は無視してもかまいません。
http://www.tritech.tv/column/600ld.html

インピーダンスマッチングの方法

@ トランスによるマッチング

トランス(変圧器)は、交流電圧を増減する目的だけではなく、インピーダンスマッチングに使われる。この目的の場合、変成器と呼ぶ。代表的な例が、真空管アンプの出力にスピーカーを接続する際に用いられる出力トランスである。

真空管の直線動作範囲に適合する負荷線のインピーダンスは極めて高く、スピーカーのインピーダンスは4〜32Ω程度と低いので、トランスによるマッチングが必要である。2次インピーダンスを1次側からみると巻数比nの2乗分の1に見える。
入力側においても変成器(入力トランス)を用いることがある。


A インダクタ(インダクション・コイル)C とコンデンサ L によるマッチング

高周波回路にて、狭帯域でのみマッチングが取れれば十分な場合は、コイルとコンデンサの組み合わせによるマッチング回路が用いられることが多い。
コンデンサやコイルの比率を調整することで電源側と負荷側のマッチングを図る


B 抵抗器によるマッチング

低周波の場合簡易的に、あるいは広帯域にインピーダンスをマッチングさせる方法として抵抗器を用いる方法がある。

高周波の場合 LC のみでマッチングを取ると、マッチング回路自体がフィルタ回路として動作してしまうため、特定の周波数でしかマッチングが取れない問題が生じる。

また、LC を用いてマッチングをとることで必要以上にゲインが取れてしまったり、インピーダンスが周波数特性を持ってしまい回路が不安定になることもある。

そのような場合、抵抗でマッチングを取ることがおこなわれる。
低周波と同様に直列抵抗を挿入する他、抵抗で構成した減衰器を用いることもできる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%95%B4%E5%90%88

ロー出しハイ受け

オーディオのラインでは一般に「ロー出しハイ受け」と言われる、インピーダンス整合をしない接続がおこなわれる。

多種多様な機器をあれこれつなぎかえる場合はそのほうが簡便であるためである。
このため、たとえばアンプの入力インピーダンスは 数kΩ〜数十kΩ と、ラインの標準である600Ωに比べ高めにするのが一般的である。

真空管アンプや、現代のアンプでも FETを工夫して使えば100kΩ〜1MΩといった非常に高い入力インピーダンスも可能だが、ノイズに弱くなるので、程々とする。

(ハイ受け一般の傾向として、電力ではなく電圧として信号を受けるために、電力としては小さいノイズであっても、それを信号と混じって拾ってしまう)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A5%E5%8A%9B%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9


インピーダンスって何でしょう? ロー出しハイ受け?
http://info.shimamura.co.jp/digital/knowledge/2014/01/16805

同じ10Wの電力を送る場合でもいろいろな方法が考えられます。


A)100V(ボルト)、0.1A(アンペア)で転送する場合 (100V✕0.1A=10W)
この時のインピーダンスは:1000Ω

B)10V、1Aで転送する場合 (10V✕1A=10W)
この時のインピーダンスは:10Ω


音響機器を使用する場合、電圧が高いほうが効率が良いので、上記の例ではA)・・・すなわちインピーダンスが高いほど電圧が高く取れるのです。
ところがインピーダンスが大きくなればなるほど今度は「ノイズを拾いやすい」という特性があるのですね。

つまり

ハイインピーダンスは効率的だがノイズに弱い

ということになります。

インピーダンスが

◾高いと:ノイズに弱い
◾低いと:ノイズに強い


インピーダンスのマッチングが重要なわけ

出力側と入力側のインピーダンスが一致した場合に、最も効率よく信号のエネルギーを伝達できます、これをインピーダンス・マッチングといいます。


1)出力側のインピーダンス = 入力側のインピーダンス 

インピーダンスのマッチングが行われている場合は効率が良いですね。

実際にプロ用の機器では入出力を600Ωで信号の受け渡しを行っています。

では「出力側と入力側のインピーダンスが異なる場合」はどんなことが起きるのでしょうか?

パターンとしては2通りありますね。

2) 出力側のインピーダンス < 入力側のインピーダンス 「ロー出しハイ受け」

3) 出力側のインピーダンス > 入力側のインピーダンス 「ハイからロー」

3)の「ハイからロー」では「正しく信号を受け渡すことができなくなる」のです・・・

このようにベストは「出力=入力」ですが、接続する機種の出力インピーダンスが特定できない場合に備え、楽器等の入力側はハイインピーダンスで受けられるような設計になっています。

というわけで鉄則「ロー出しハイ受け」


インピーダンスのマッチング実験

それでは「ロー出しハイ受け」の掟を守らないとどーゆーことになるか、実際にギターをオーディオ・インターフェースに接続して録音してみましょう。

なお、ギターのボディーからの出力インピーダンスは「250kΩ〜500kΩ」(機種や部品により異なります)というかなり高めのインピーダンス。
使用したオーディオ・インターフェースはSteinberg「UR-824」。UR-824のMIC/LINEインプットは「4kΩ」です。


実験1
ギター(出力インピーダンス250kΩ~)をオーディオ・インターフェースのLINE入力(4kΩ)につなぐ
「ハイからロー」という掟破りの状態ですね。
・・うーん・・なんだか違和感が・・・


実験2
ギター(出力インピーダンス250kΩ〜)をオーディオ・インターフェースの「HI-Z」入力(1MΩ)につなぐ
「ロー出しハイ受け」という正しい状態です。

いかがでしょう「ハイからロー」は明らかに高域が欠損し、こもった感じの音になっているのがお分かりいただけたと思います。
ギターの出力は周波数が高い(=音程が高い)ほどインピーダンスも高くなりますので、その結果が顕著に現れたのです。

一般的なギターアンプやエフェクターの入力インピーダンスは「500k〜1MΩ」となっていますが、これはギターのハイインピーダンスに対応できるようにするためです。
http://info.shimamura.co.jp/digital/knowledge/2014/01/16805


高周波回路でインピーダンスマッチングが問題とされる理由は2つあります。

一つは信号源から負荷に供給する電力を最大にする事、
もう一つは伝送線路と負荷のインピーダンスがマッチングしていないと周波数特性が平坦にならないのでこれを避けるためです。

ですから、上記2点を気にしないのであればインピーダンスマッチングを気にする必要はありません。

受信機ではアンテナで受けた電波の電力を無駄にしないためにインピーダンスマッチングを行います。

ただし、一番重要なことは信号とノイズの比の S/N ですが、インピーダンスマッチング最良と S/N 比最良の条件が一致しない場合もあり、その時は S/N比最良を選ぶこともあります。

送信機では電力を無駄にしないためにインピーダンスマッチングを行います。

広帯域の信号伝送では周波数特性の平坦さが最重要問題となるので伝送線路の入出力でインピーダンスマッチングを行います。
そのような例は高周波の測定器やビデオ回路です。

ビデオ回路用のアンプの出力インピーダンスは非常に小さい値ですが
ビデオ用の同軸ケーブル(特性インピーダンス75Ω)に接続するため
あえて75Ωの抵抗を挿入してからケーブルに繋ぐようにしています。

信号の受信側では75Ωの抵抗で終端しておいてハイインピーダンスのアンプで受け取るようにしています。

電力的には無駄になりますがビデオ帯域では S/N が十分に得られるので実用になります。

電力を無駄に出来ない回路ではこのような方法は使えません。

低周波回路では電力に余裕が有るので電力の為のインピーダンスマッチングを行う事はあまりありません。

また、出来るだけ高い電圧で受けたほうが S/N をよくできる為、ロー出力ハイ受信が都合がよいのです。

伝送線路において周波数特性が問題になるのは線路の電気長が信号の波長と比べて無視できなくなった時です。

線路の長さが信号の1波長のおよそ 1/20以下であれば伝送線路の影響は考えなくても大きな影響は無いでしょう。

オーディオスタジオ用の音声ケーブルでは特性インピーダンス 600Ωのケーブルを使用しています。

送電線では周波数が 50、60Hzと低いのですが距離が長いので伝送線路として取り扱う必要があります。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/5419318.html


「入力インピーダンスが高いほど良い」、「出力インピーダンスが低いほど良い」
と言うのは、

扱っている電力が回路のノイズよりずっと大きくて、
機器を結ぶ信号線の長さが扱う信号の波長(周波数の逆数)よりずっと短い場合

だけです。

テレビ放送などの放送電波を受信する時にアンテナから得られる電力はごくわずかです。
例えば、BSアンテナから得られる電圧は数10uV(75Ω)です。
例えば、40uV(75Ω)電力に換算すると0.021nWです。

一方で、放送を受信する受信回路はそれ自身でノイズを発生しています。
(アナログテレビで放送終了後に見える砂の嵐や、AM放送の同調ズレ時のザーという音がノイズ)

アンテナからの電力が回路のノイズより十分大きくなければノイズに負けてしまいます。
そこで、アンテナからの電力を残らず回路に取り込む必要が有ります。
その為に必要なのが第1の「インピーダンスマッチング」です。

例えば、電圧が2Vで内部抵抗が10Ωの電池が有ったとして、

100Ωの抵抗をつないだ時に抵抗に流れる電流は2/110=0.0182A
なので消費電力は(2/110)^2×100=0.033W

1Ωの抵抗をつないだ時に抵抗に流れる電流は2/11=0.182A
なので消費電力は(2/11)^2×1=0.033W

10Ωの抵抗をつないだ時に抵抗に流れる電流は2/20=0.100A
なので消費電力は(2/20)^2×20=0.1W

電池の内部抵抗と同じ10Ωの抵抗を付けた時に負荷抵抗での電力が最大になります。

機器を結ぶ信号線の長さが扱う信号の波長(周波数の逆数)よりずっと短かくない場合です。

地上デジタルTVは470〜770MHzの周波数を使用しています。
波長に直すと0.638〜0.390メートルです。当然、アンテナとテレビの距離は波長より長くなります。

この場合、適当な電線を使う訳にはいきません。
その為、特性インピーダンス75Ωの同軸ケーブルを使います。

このケーブルの75Ωと言うのはテスターでは測定できません。
ネットワークアナライザ等の測定器を使用します。

この様なケーブルを使用する場合、ケーブルに接続する機器の入力/出力インピーダンスをケーブルの特性インピーダンスに合わせる必要が有ります。
(第2のインピーダンスマッチング)


オーディオ機器などでは、取り扱う周波数は通常最大20kHzなので波長は15メートルです。

家庭で使用する場合は第2のインピーダンスマッチングは重要では有りません。

ただし、音楽スタジオや放送局などではケーブルの長さが数10メートルになる事が有ります。

その為、プロ用のオーディオ機器には特性インピーダンス600Ωのケーブルが使用されています。

600Ωなのは損失を最小にする必要が無いのと、回路の使いやすさが理由です。

オーディオ機器での第1のインピーダンスマッチングについては、普通は機器が出力する電力に余裕があるので気にする必要が無いのです。

昔のレコードプレーヤーの MC(ムービング・コイル)ピックアップは発生する電力がごくわずかでインピーダンスも極めて低い為、トランスを使ってインピーダンスを上げていました。
(第1のインピーダンスマッチング)
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8246026.html?from=recommend


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c88

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
89. 中川隆[-14474] koaQ7Jey 2020年1月16日 06:52:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1393]

パッシブプリアンプの問題


セレクターと固定抵抗式アッテネーターを搭載したパッシブプリアンプ

プリアンプ/コントロールアンプと入れ替えて、入力切替と音量調節だけを行います。
CDからの情報量をそのままパワーアンプに導きたい方に最適なパッシブプリアンプです。
パッシブプリアンプはアッテネーターのみにより音量調節を行います。

したがって良質のアッテネーターを用いた場合音質が劣化しにくいのが特長です。 実際に通常のプリアンプをパッシブアンプに交換してみると、解像度があがった、音が生々しくなった、音が前に出てくるようになったという声を多く頂きます。

通常のプリアンプでは(それが数十万円の製品でも)音質が劣化していたという状況になっている事が多いといえるでしょう。


パッシブプリの欠点は出力インピーダンスが高いことです。

減衰量によって異なりますが、弊社の10KΩのアッテネーターの場合出力インピーダンスは0〜2.5KΩになります。

設計の古い Trパワーアンプ、貧弱なOPアンプを入力段に用いているパワーアンプなどでは入力段のキャパシタンスの非直線性によって高域の歪率が悪化することがあります。この場合音が高域でにぎやかに聴こえたり、かすかにきつく聴こえたりすると思います。
またこの理由で抵抗値が100KΩ以上のボリュームやアッテネーターを Tr式アンプに使用することはお勧めできません。

入力インピーダンスが大きいものはパワーアンプの歪率を悪化させます

パッシブプリの場合、その原理上、出力インピーダンスが大きくなります。

たとえば10KΩの入力インピーダンスのアテニュエーター(又はボリューム)を用いた場合、出力インピーダンスは 0-2.5Kオームの間で変化します。

最大と最小の時に0、-6dBの時に2.5KΩになります。

ここで問題になるのは出力インピーダンス大きいと高域で無視できない歪を発生するアンプが多いことです。

アンプの入力段は差動増幅回路ですが、この入力段の容量の非直線的な電圧依存性のために、多大の歪を発生してしまうのです。

出力インピーダンスが2.5KΩ位ならそれほどでもないのですが、これが50KΩとなるとオーディオ用のOPアンプでも10KHzで0.1%を超える歪が発生します。

この辺を十分意識した設計がアンプになされていれば問題は少ないのですが、考慮されてないアンプの方が多いと思います。かといって入力インピーダンスがあまり小さいもの(たとえば600Ω)を使用するとプリアンプの負荷として重すぎて、プリアンプのほうで歪を発生します。弊社のパッシブプリアンプは半導体アンプとして最適な10KΩを採用しています。
http://www.audiodesign.co.jp/PPA.htm


 出力インピーダンスの問題と影響

一般に機器から機器への音楽信号の受け渡しは、「ロー出し、ハイ受け」が原則とされている。

「ロー出し、ハイ受け」とは、

信号を出す側の出力インピーダンスを低くし、
信号を受け取る側の入力インピーダンスを高くする事である。

一般に出力インピーダンスは10Ω〜600Ω、入力インピーダンスは20kΩ〜50kΩに設定されている場合が多い。

効果として、低い電圧で受け渡すためケーブルを通過するときにノイズに強い。ケーブルによる減衰が起きる周波数の値が高い。電流が低くなり、送り出し側機器の負担が小さい。

短所として、伝送ロスが大きくなるが、近年の機器ではあまり問題にならない。

アクティブ型プリアンプは、自分で電源を持っており電圧電流を増幅できるため、入出力のインピーダンスは自由に設定できる。

パッシブ型プリアンプは、構造上ボリュームの調節位置により変化し、高い出力インピーダンスを持つ場合がある。50kΩのアッテネータであれば、最小0kΩ、最大12.5kΩの出力インピーダンスを持つ。

パッシブ型プリアンプを使用する上で問題となるのは、「高い出力インピーダンスが、音質にどの程度影響するのか」である。

一般に言われている高い出力インピーダンスによる問題を検証すると、


■高音の損失が生じる。

出力インピーダンスが大きい場合、ケーブル長が長くなると、高音領域の損失が生じる。

例えば、出力インピーダンス 12.5kΩであれば、ケーブル長1.9mで100kHzの音域が半分になる。
どの程度の高音を有効にさせるかで、音質に影響のないケーブルの限界長さが異なり、長すぎるケーブルを使用すると影響が出てくる。


■入力インピーダンスより出力インピーダンスが小さくなれば、歪みが生じる場合がある。

パワーアンプの入力インピーダンスより低い出力インピーダンスのパッシブ型プリアンプを選べば、問題なし。


■出力インピーダンが高いと電流が大きく流れ、送り側の機器の負担が大きくなる。

電流が大きくなることは大きくなるが、機器がどの程度耐えられるのか分からないため、影響は不明。
http://www015.upp.so-net.ne.jp/yoneharu/etc/passive.html

3つの条件でプリより高音質? パッシブアッテネーター

ムジカは2種のパッシブアッテネーター

att30
http://www.musika.jp/30.html

iris-att
http://www.musika.jp/iris.html

をラインナップしています。これが意外に隠れたヒット商品なのです。

かつては数社から出ていましたが現在ではほとんど目にすることはありません。
なぜでしょう?

それは不適切な使用方法によって『パッシブアッテネーターは音が悪い』という間違った情報が流れたからかもしれません。

おそらく、パッシブアッテネーターは使用条件によって一番大きく音質が変わるオーディオ機器です。

良い音のための条件は3つ。

A.設置場所
B.出力ケーブルとの相性
C.パワーアンプとの相性

この3つの条件が整ったとき、電源ノイズと無縁のパッシブアッテネーターは

とてもクリアーな音を出してくれます。

そもそも、パッシブアッテネーターとは何でしょう?

機能は入力選択と音量調節。これはプリアンプと同じ。

乱暴な言い方をすれば、

プリアンプからバッファ回路を外すとパッシブアッテネーターになります。

『アクティブ』なバッファ回路がなくなりましたので、『パッシブ』なのです。

では、バッファ回路とは何なのでしょう?

バッファ回路は緩衝増幅器とも言われ、

前の回路と後の回路がお互いに影響することをなくす目的で使用されます。

パワーアンプによってプリアンプに悪影響が出ないようにするのがバッファ回路。

ならば、悪影響がでないパワーアンプをプリアンプに接続すれば、バッファ回路は必要ないのです。 余分な回路がなくなれば、ノイズが減って、クリアな音に。

このあたりがパッシブアッテネーターの使いこなしになります。


@ 良い音のための条件、その1 設置場所。

ここでは、プリアンプ(又はパッシブアッテネーター)とパワーアンプの関係について考えてみます。

パッシブアッテネーターとプリアンプの大きな違いは出力インピーダンス。

出力インピーダンスは高いほど、他の機器の悪影響を受けやすくなります。
空中を飛んでくる外来ノイズの影響も同様です。

一般的なプリアンプの出力インピーダンスは 1KΩ以下。
パッシブアッテネーターは 2.5KΩ。

パッシブアッテネーターは2.5倍ノイズの影響を受けやすくなると考えられます。

ノイズの影響を受けにくくする方法はないのでしょうか?

出力インピーダンスに起因する外来ノイズは主にパッシブアッテネーターとパワーアンプ間のピンケーブルから混入します。

ならば、ピンケーブルの長さを 1/2.5 にすれば外来ノイズの影響は同じ。

通常ピンケーブルは1.5m程のものがよく使われますので、これと同等にするには、60cm以下のピンケーブルを使用すれば良いことがわかります。

そうなると、パッシブアッテネーターの設置場所はパワーアンプの隣が基本。

そのためアイリスでは、横幅300mmのパワーアンプに対して、パッシブアッテネーターの横幅は100mm。
2台並べてもオーディオラック1段に収まる寸法に設計されています。

A 良い音のための条件、その2 出力ケーブルとの相性。

パッシブアッテネーターとパワーアンプを接続するピンケーブルは60cm以下が望ましいというお話をしましたが、このケーブルは質も重要です。

ノイズが入りこまないためには、シールド部分(網の部分)の目が細かい必要があります。

周波数が高いノイズほど、この網の隙間から入り込んできます。

写真をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/musica-corporation/e/dd3ab2b0f48887dfcb1630e7badaed87


シース(外側のビニールの部分)は同じようなケーブルですが、ケーブルAはシールドの目が荒く、ケーブルBはシールドの目が細かく、しかも2重になっています。

パッシブアッテネーターに使用する場合は下側のケーブルが適しています。

オーディオでは一般的に硬いケーブルが好まれますが、これはシールドがしっかりしているという一面もあります。

B 良い音のための条件、その3 パワーアンプとの相性。

パッシブアッテネーターとパワーアンプの関係は機関車と客車の関係に似ています。

プリアンプは駆動力のある大型機関車
パッシブアッテネーターは小型機関車
パワーアンプは客車です。

機関車が客車を引いて走る場合、 大型機関車であれば高速で走ることは簡単でしょう。

同じ客車を引いたとき、小型機関車ではスピードが上がらないかもしれません。

では、スピードを上げるには?

1つの方法として、軽量な客車に変更することが考えられます。

パワーアンプの入力インピーダンスが高ければパッシブアッテネーターでもプリアンプと同じ駆動力でパワーアンプをドライブできるのです。

一般的なパワーアンプの入力インピーダンスは47KΩですが、
ムジカのアイリスでは入力インピーダンス100KΩとし、
パッシブアッテネーターと相性が良いパワーアンプになっています。

出力インピーダンスと入力インピーダンスの関係は相対的な比の問題でありその絶対値は重要ではありません。
http://blog.goo.ne.jp/musica-corporation/e/06b9ade4e2573a2e5010c23cbef5367b


音量調整ボリュームについて考える
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yapsys/vrsystem.html

回路構成から考える

パッシブ回路のボリュームにピンコードを長々と接続することはおすすめできません。
ピンコードを変えると、音が変わるといいますが、パッシブタイプで長々と引きまわしては悪影響が出ているだけです。

ここで考えてみたいのが、使い勝手と音質をどのようにバランスするかです。
良質なボリュームが入手できなくなってきた昨今、自作ではどうするか考えてみました。

電線=コード 電纜=ケーブル コードの上に被服があればケーブルでしょうか?コード=安物、ケーブル=高級品のように思われているようですが、電線を減らすことは音質が向上しますが増やすことは低下します
売り文句に乗らないようにしたいものです。


間違ったパッシブプリの使い方

最近バイアンプ駆動でパッシブプリを並列にしてパワーアンプを駆動することが一部で行われています。

並列にすることで、接続される CDなどの負荷が重くなり場合によっては、低音域の特性低下を招きます。

そして出力ピンコードの寄生容量で高音域劣化。
それでは音がやせてしまいます。

上の図で説明しているように中にあるべき回路を外に持ってきただけの弊害です。
プリアンプ不要論はアンプ内にボリュームがある場合の話で外部に持ってきた場合は必ずしもそうではありません。

パッシブプリの後ろに緩衝アンプがあるだけでケーブルの影響を抑えることが出来ます。
ケーブルは意図的に音が変わるように作ってある物も少なくありません。

プリではあまり故障まで発展するようなケーブルはありませんが、大蛇のようなケーブルの容量負荷で故障するパワーアンプさえあるのです。
音が変われば何でも良しと言うのはいかがなものでしょう?。


ボリュームの例

接点を多くしたり不要な配線引きまわし、余計なシールド処理や信仰的な電線屑、または●×処理等、それでは、わざわざパッシブコントローラーを作っても、効果は望めない。

70年代プリメインアンプのボリュームを外部に引き出したのと同じようなもの。
音質低下を招く余計なコードを引き延ばしたに過ぎない。

左写真はロータリースイッチで製作した固定抵抗のアッテネッター、音の劣化は少ない。
一応私の、リファレンス用として、残してある一台だ。

多段ロータリースイッチで使い勝手は、すこぶる悪いものの。
機器組込で使用して多数の方から好評をいただいている。

機器組込は、的を得た使用方法だ。
100本もの抵抗を狭いスイッチに半田するわけだから相当、難儀なものだ。
音質最優先だと、操作性が犠牲になる。

音量調整だけならボリューム単品、フェーダー又は抵抗式アッテネーターで、用は足りるのでプリアンプは不要論も納得の事実。

ここで一般に高級プリメインアンプに用いられるボリューム RK27 ならまだしも、それ以下のもので、パッシブコントロールボリュームを構成しても、効果は少ない。
かと言って23段程度のアッテネッターでは使い勝手を考えると、全ての人が満足できるものではない。

連続可変は使い勝手がとても良い。RK27 は高級プリアンプにさえ採用されているので、決して悪いボリュームではない。後段にしかるべきプリアンプ回路が使われて、性能を発揮している場合も少なくない。 
 
写真上左端 アルプスRK27(容易に秋葉で市販品購入出来る又は電即納で直販)
写真上右 アルプスRK40(機器取り外し品)
写真下左 市販4回路23接点ロータリースイッチで自作したアッテネーター
写真下右 アルプスKフェーダーで製作中のもの、色々な物を作って比較してみるた。

アッテネッターは音が良い評判があり、廉価品のプリメインアンプにさえボリュームにクリックが付いた時代があった。ボリュームの後ろに溝付きの板が追加されそこに板ばねが摺動して良好なクリック感覚を醸し出すものであった。

メーカー製高級アンプから外したアッテネッター(左)、
固定抵抗アッテネッター(中)、
フェーダーBOX製作例。

この後ろに短いシールドコードでパワーアンプとつなげば好結果が得られるかも知れませんが、これには、ボリュームの抵抗値、コードの容量、などさまざまな影響が出ます。
長く引きまわすには、出力アンプが必要と考えます。

コードで音が変わると思っている人もいますが、音が変わる事実はその通りでも、その影響を抑えるのが出力アンプです。

カフタイプで製作したフェーダーは実に使いやすい。
卓上で音量が自由に調整できる。私のようなリモコンが嫌いな人には良い。

手持ちのピンコードは 1mで実測で 100PF位の寄生容量がありました。
高級なものでも低容量な訳ではありません。それにアンプ側の入力にもCはある。
ケーブルに容量は付きまとうものです。

ここのところは結構隠している部分でしょう。
パッシブタイプの音量調整器は使い方次第です。
素材に走る前に良く考えてみましょう。


ケーブル(シールド線)のお話

’70年代には飽き飽き語られて来たことなのですが、最近は語られません。
素材重視というか、売り手の言葉に騙されているようにさえ思えます。
線材は短く、出来れば無い方が良いのです。

短ければ短いほど良いし、ピンジャック(RCA)は構造的にどう思います?
安いので使うほうは、良いのですが、XLRに比べたらどうでしょう?
答えはご自分でどうぞ!

さて、本題です。

シールド線は構造から静電容量を持っています。
寄生容量と言われるように無用のものです。
小さいもので 1mで数100PFはざらです。

もし大きいもので1000PFあったとします。2mで2000PF
これで計算してみましょう。

f=1/(2πCoRo)Hz

で求めることが出来ます。

これは-3dB落ちる周波数でそこから6dB(*1)オクターブで減衰します。

(*1)オクターブ:その基準周波数の2倍をオクターブ上と言います。
10KHzのオクターブ上は20KHzになります。オクターブ下は半分の5KHzです。

そのオクターブ下の周波数までがフラットということと考えると、容易く音に影響が出るのではと考えてしまいます。

超高域を減衰させて落ち着いた音のケーブルと言っているのかも知れません。
計算結果は何と約32KHz(-3dB)になります。
この他にアンプの入力に1000PFの容量があったとしましょう。
3000PFで21KHzとなります。

一般的な25Kオームの出力インピーダンスとしての計算です。

だからパッシブで使う場合は短い線が必要なのです。
高いパッシブプリアンプを売りつけ、今度はケーブルを売りつけるそんな商法とはおさらばしましょう。

もっと賢明な方は出力アンプで、出力コードの影響を抑えることを考えますね。
古い電線屑でシールド構造なしでピンコードを作って音が良くなったのは、電線屑によるものだけでしょうか?

もうお分かりですね。

半田付けを覚えて自分で実験するのが一番です。
市販の高級ケーブル1本にも満たない安い費用で実験出来ます。

自作で音量調整器としている分には、何も構いませんが、デメリットを隠しパッシブの良いことだけを言うのはいかがなものでしょう。電線の影響は隠せません。


1、録音もしないし、聞くだけなので音量調整ができればよい場合

@パワーアンプの入力にボリュームを付けて使う(真空管アンプに多い例)。
この場、都度パワーアンプのボリュームを廻すので、特に床に置いてあるパワーアンプの場合すこぶる操作性が悪い。


ACDとパワーアンプの間に減衰器(ボリューム又はアッテネーター)を入れる

市販のボリュームやアッテネーター(パッシブプリアンプという増幅しないアンプ???を購入する)を自作する。

600Ωやそれ以下の超低インピーダンスのアッテネーターでの入力アンプなしで使ってはダメ。
自作では、過負荷なのに単純にやる方もいる。


2、録音も、したいし多数の機器を持っているので切替操作も、したいし操作性重視で聴きたい場合

@市販のコントロールアンプを購入(今ではいわゆるハイエンド機しかない)

A切替機能や、音質を考慮したパッシブコントローラーを購入又は自作する

Bまともに、増幅機能の付いたプリアンプを購入又は自作する。


3、いわゆるフルデジタルの将来に希望して待つ


ボリューム通過で音の劣化が気になり出したら、固定抵抗式アッテネッターを考えてみましょう

さて、本当にボリュームを入れると音が悪くなるのでしょうか?
答えはイエスと言えます。

これは古くから言われて来たことですが、多くの方がはっきりとした違いを感じてもらえる部分です。

もしご使用のCDプレーヤーに出力を下げられる機能(手で回すボリュームはダメ)電子アッテネッターが付いていたら出力を絞りコントロールアンプのボリュームを最大にしましょう。音質変化がわかります。

ボリュームを最大にすると入力出力がほぼダイレクトにつながる構造です。
下図1(B)の出力の矢印が入力につながるわけです。


1図(A)は固定抵抗による切替方式の回路です。
この組み合わせをロータリースイッチで切り替えて行けば良い。


有利な点

1)音の変化が少ない。最小限の2本だけの抵抗使用
2) 抵抗が少ないことは抵抗の線の引き出しキャップ(鉄)による音質低下を僅少に抑えられる(非磁性体キャップは音響用抵抗で高価)


不利な点

1)多段ロータリースイッチを、使用するので、重くて操作性が悪い。
2)ロータリースイッチの接点不良が悪環境下では起きやすい。
3)配線が面倒でお休み状態の抵抗が多いので損な気がする。


1図(B)は直列型のアッテネッター例で、多数の固定抵抗を1つの接点だけで切換えるもの、

有利な点
1)接点は1個で直列で立体配線もしやすい。


不利な点
1)抵抗直列数が多いことは、抵抗のキャップ(鉄)による音質低下が気になるところ高品位抵抗は、全体的なコストアップにつながる。

2)1本の抵抗の音質劣化はわからないが多くなればわかる。


この説明で、わかっていただけたと思いますが、いくら音の良いと一般に言われる固定抵抗でも直列に大量に使えば1本に付き2か所さらにはんだの接合部2か所合計4か所にもなるのです。

これのn倍の接点通過、これが許せますか?

ボリュームでは印刷抵抗を摺動子が移動し連続的に抵抗比が変わる。
これがステップに変わるだけで操作的な動作は同じである。

抵抗2本の分圧方式が、いかに優れているかがおわかりいただけると思います。
ただしこの直列型も本数増加しないように考慮した回路もあります。
ボリュームだと印刷した抵抗面をブラシが摺動摺るわけですからあまり良いことはありません。

かつてはセラミック印刷した、厚膜抵抗にトリミングして正確なアッテネッター構成で多数タップが出いて、そのタップから金メッキ接点があり実質図1(B)のようなタイプでありながら RK40の外観、操作性の真のクリック付きボリュームがありました。日本も本当に音質を追及していた時代でした。


パッシブ派ではありません。
今まで述べてきたことで私はパッシブ派と思われるかも知れません。
パッシブタイプは影響を受けやすいものです。

出力にバッファアンプを入れることにより、ピンコードの影響を抑えることができると考えています。

この度合いとパッシブタイプにして音質劣化を抑えるかの選択になります。

いくつもアッテネッターBOXやフェーダーBOXを製作して実験したため、パッシブタイプのものが出来上がっただけです。単体の音質比較用です。
実際にはこれらのBOXの後にアンプ回路を付けて実験用としています。

その他に使い勝手も重要な要素と考えています。
言葉尻をとらえているだけの、アンチパッシブ派とは思わないでください。
プリアンプでないことを分かってもらえることに越したことはありません。
それゆえに弊害もあることを理解してケーブル交換という泥沼から抜け出してください。


パッシブ関連は、ネット上で沢山検索できるますが、正しい見解で立証しているページは、非常に少ないです。
下記URLは全て計算して検証して、この方式を理解してやられている方です。
頭が下がる思いです。
http://www.vlsi.iis.u-tokyo.ac.jp/~majima/html/e/component/preamp.html


ボリュームの入手が難しくなってきた中での案

ボリュームという使い勝手の良さに重点を置きたい方のために!

最近は、ミニデテントRK 27型は入手できてもデテントRK 40型は入手出来ません。
まさかその上の RK50 真鍮削り出しケースに入ったものを 3万以上出して買うのには躊躇します。

ここで比較的安いもので、アルプスのKフェーダーというものがあります。
これはストロークが100oもあり大変使いやすいものです。

2本並べることによりバランス調整的な使い方も出来るボリュームとなります。
単連の回転ボリュームでは、並べても2つ一緒に回せませんが、スライドタイプでは可能です。

機械的なバランス機能も可能と相まってがあって、バランスボリューム排除まさに一石二鳥です。

何より内部の印刷抵抗と構造に安定性があります。電即納で入手可能なのもうれしいです。


Kフェーダー内部。卓用途なので構造が素晴らしい。
ストローク100oは細かく音量調整できます。
数年前に思いついて準備していたが、直線穴加工が面倒で放置していた。
新品の保管品なので全くすり減っていない。いわゆるガリと呼ばれる摺動雑音もない。


RK501 がこれ、

4連タイプ、パッシブタイプに使う気は全くないバランス(平衡)プリアンプ製作に使用する予定。
軸が一般的な6ミリだったのでノブで悩む必要はない。

これが最高峰のボリュームと言われている。

RK501で実機製作しましたご参照ください。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yapsys/hifipri.html


おまけ、直列構造のアッテネッターの等価回路(抵抗直列本数の増加が抑えられている回路)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yapsys/vrsystem.html

定インピーダンス型アッテネーター

シンプルイズベストな、アッテネーター。
切替えにリレーを使うので電源が必要ですが、増幅機能は一切ありません。


定インピーダンス型アッテネーターをお安く作ってみる。

オーディオアンプには音量を調整するという機能が必要です。
この機能を実現する方法としては、大まか、

・アンプそのものの増幅率を可変にするもの
・アンプの増幅率は一定のまま、入力する信号の大きさを変えるもの

に分けられます。

一般的には後者のものが大多数を占めており、我が家の現役アンプも全てこの可変入力固定ゲイン型の音量調整機能を持っています。

更に、この入力信号の大きさを変えるために、一般にはボリュームと呼ばれる可変抵抗器を使うのですが、例によって音声信号が直に流れますので、ボリュームの品質は音に大きく影響する。と言われています。

ちなみに、我が家のバッテリードライブアンプはアルプスのミニデテント(RK27)ボリュームを使っています。
メーカー製高級アンプでも採用例の多い、いわば定番品です。

更に超高級品やワンオフ品、レベルズレを嫌うプロ用、こだわりの自作品などでは、固定の減衰レベルを段階的に切替えて使う「アッテネーター」を使用したものがあります。

と言うことで、今回は固定抵抗を使ったアッテネーターを作ってみたお話です。

アッテネーターと言いましてもいろいろありまして、実は個人的にはトランス式が欲しかったりするのですが、目ン玉飛び出る二桁万円。予算の都合上、固定抵抗式でいきます。

まず、ここは外せないと言う最低スペックを決めます。

・組合せ実験が可能なのように入力端子と出力端子を持つ単体のアッテネーターにする。
・入出力バランス20kΩ、アンバランス10kΩの定インピーダンス型とする。(ターゲットアンプの入力インピーダンスに合わせます。)

・バランス、アンバランス両用
・調整幅は0〜-60dB以上
・20ステップ以上の切替
・左右連動

あとは、お財布と相談しながら高品質なものを目指します。

今回は、特に「入出力インピーダンス一定のアッテネーター」というのがこだわりポイントです。

単純にコストだけで考えればラダー抵抗やパッド式が選択肢になりますが、それでは連続可変のミニデテントを固定抵抗に置き換えて切替え式にしただけで、電気的にはほとんど変わりがないので、どうせ作るなら。というチャレンジでもあります。

インピーダンスは、アンプの入力インピーダンスに合わせてアンバランス10kΩ/バランス20kΩとしたのは、アッテネーター有無や減衰量に関わらず、ソースから見たパワーアンプの入力インピーダンス(負荷インピーダンス)が一定になり、ボリューム使用時に発生するインピーダンス変動に伴う音色変化を抑制する狙いがあります。


なお、世の中には「パッシブプリ」と呼ばれる、アクティブな増幅機能(プリアンプ、バッファアンプ)を持たない、言ってしまえば「入力切替え機能付きアッテネーター」が、極一部で熱い支持を得ているようです。


今回作るのは単体のアッテネーターですから、機能的には「入力切替機能のないパッシブプリ」な訳ですが、

抵抗を使った単体アッテネーター(パッシブプリ)には、忘れてはならない、とんでもない欠点がある

にも関わらず、パッシブプリを信奉される方々の多くはそのことをあまり気にしてない様に見受けられるため「パッシブプリ」は少々ミスリードを誘いそうな言葉と感じたので、しつこく「アッテネーター」と呼ぶことにします。

その欠点とは出力インピーダンスが高いことに起因しており、

・ノイズを拾いやすい。
・出力側ケーブルの浮遊容量(線間の静電容量)によって、高域の周波数特性に変化が生じる。


というものです。
具体的に、私のバランス接続アンプを例に高域減衰を計算してみましょう。

条件として、


・アッテネーターのHOT-COLD間出力インピーダンス20kΩ

・アンプのHOT-COLD間入力インピーダンス20kΩ

・機器内部配線やコネクタの合計浮遊容量を50pF

・接続ケーブルの浮遊容量を150pF/m


とします。


合計浮遊容量と20kHzの減衰量をセットで表すと、

・150pF(ケーブル60p)で20kHzの減衰量は約0.15dB
・200pF(ケーブル1m)で20kHzの減衰量は約0.25dB
・350pF(ケーブル2m)で20kHzの減衰量は約0.8dB
・800pF(ケーブル5m)で20kHzの減衰量は約3dB

になります。

これを大きいとみるか、小さいとみるかは、回路と人それぞれのポリシーもあろうかと思いますが、私的にはここは伸ばしても 1m に抑えたいところです。

ちなみに、

出力インピーダンス600Ωのごく一般的なプリアンプの場合、
200pF(ケーブル1m)で20kHzの減衰量0.001dB。

20kHzで3dB減衰させるには、100m以上ケーブルを引っ張りまわす必要があります。

グラフでざっくり比較するとこんな感じです。
下の方の曲線が出力20kΩ、上の方が1200Ω(受け側は共に20kΩ)の特性です。

ケーブルが長くなるほど高域特性が悪化することや、同じケーブルでも出力インピーダンスが変わると大きく特性が変わることがお分かりいただけると思います。

この事から、周波数特性の劣化やケーブルが伸ばせない欠点を回避すべく、「入出力600Ωのパッシブプリ」を作られている方もいらっしゃいますが、マイク用ならいざ知らず、ラインレベルの入力インピーダンスは 20kΩ以上というのが基準となっているのに600Ωで受けることになり、ソース側機器にとっては相当重い負荷となります。

また、ソース側出力にカップリングコンデンサーが使われている場合、低域のレベル低下を引き起こします。

明示的に600Ω受けが OKなソース(ほぼプロ用)を繋ぐ場合を除きバッファアンプが必要で、これをパッシブ素子だけで構成するのは少々無理があります。

余談ですが、同じような単体アッテネーター(パッシブプリ)でも、音量調整機能がトランス式の場合は、

ソース側から見たときの負荷インピーダンスが負荷側アンプの入力インピーダンス以上に保たれ、逆にアンプ側から見たソース側インピーダンスは接続するソースの出力インピーダンス以下になり、加えて低レベル時ほどその傾向が顕著に出るので、長いケーブルも利用可能という逆の特性を持っています。

ああ。。いつか欲しいなぁ。。(笑)

さて、話を戻して回路の検討です。

バランス、アンバランス両対応の定インピーダンス型アッテネーターとなると、回路の形式は平衡O型か平衡H型か平衡ブリッジ H型がありますが、ブリッジタイプは主に可変抵抗を使う場合の回路なので、固定抵抗を使う場合の選択肢は平衡 O型か平衡 H型になります。

無線の世界では高周波(電波の周波数)領域でのインピーダンス特性が良い O型が主流ですが、同じ入出力インピーダンスと同じ減衰量なら通過する抵抗の抵抗値が大きくなるというのが引っかかります。

ということで、今回は平衡H型を第一候補としたいと思います。

続いて切替方式をどうするか。

普通に考えれば、多段多回路の23接点ロータリースイッチを使います。

この場合、H型でもO型でも、1ch あたり 4回路が必要ですが、これで左右連動(同軸)を実現するには、8段8回路23接点というお化けのようなスイッチが必要です。

そうでなくともお高い多段ロータリースイッチ。
8段の物なんて特注しかありませんし、一体いくらになるのか想像もつきません。。
それならばと、1段1回路スイッチでリレーを駆動して切替えるという方法を使っていらっしゃる方もお見受けしました。

これだとスイッチの費用を抑えることが出来ますが、一般的な2回路6接点リレーを使った場合1ch1ステップあたり2個必要ですので、2ch23ステップ分で92個必要となり、却って費用が掛かりかねませんし、何よりも場所を食います。

また、抵抗で23ステップ分のアッテネーター回路を作るのだけでも結構な出費となります。
ということで、ここから工夫の世界。

減衰ステップは小さく(出来れば最小1dB刻み)、減衰幅は大きく、回路の数は少なくしたい。

こういう場合、小さい減衰ステップのアッテネーターと大きな減衰ステップのアッテネーターを組み合わせれば、少ない回路で必要な減衰量のセットを組むことが出来ます。
しかも、今回使う回路は入出力インピーダンス一定なので、何段重ねてもインピーダンスも減衰特性も変化しません。
無線ではよく使う手です。

さて、ここで問題です。

1dB 刻みで 0〜-60dBの減衰量を一番少ない回路数で構成するにはどうすればよいでしょうか?

ロジック回路をかじった人ならピンとくるかもしれませんね。
答えは。。

-1dB, -2dB, -4dB, -8dB, -16dB, -32dB の6回路を直列につなぎ、それぞれスルー(0dB)と切替出来るようにすることで実現出来ます。


あわせてもう一段、-∞(カットオフ)も加えれば、0〜-63dB(1dBステップ)+全ミュートのステップアッテネーターが構成できます。

23ステップを全部切り替え式にするより、リレーも抵抗も7割以上削減でき、かつ細かい刻みで制御が可能です。

23箇所のスイッチ接点情報を6bitバイナリに変換するデコーダーが要りますが、100本いくらのダイオードがあれば簡単に構成できます。

しかも、スイッチのどの位置を何dBにするのかはこのデコーダーで決めるので、減衰量を変えるのにアッテネーター自体を作り直す必要がありません。また、減衰量がバイナリで表現出来るということは、いわゆる電子制御にも応用可能です。

で、作ったのがこんなアッテネーターボックス。
抵抗は1%金皮、リレーは秋月の100円、ロータリースイッチは2段2回路23接点の激安品です。
スイッチ1段を電源とミュート解除に使い、もう1段で-62dB〜0dBを22ステップで切替えます。

シールドもへったくれもないバラック組みなこととバランス20kΩというインピーダンスから、案の定ノイズを拾いやすく、音声信号と電源は直接関係ないにもかかわらず、動作確認にACアダプターを使ったら残念なことになってしまいました。

例によってバッテリー給電でスッキリ解決。(笑)
ツマミを絞りきるとOFFになるのも何気に便利です。

もちろん欠点もあります。

上の方にも書いた通り、出力インピーダンスが高いので、外来ノイズを拾いやすく、ケーブルの浮遊容量によって周波数特性が変わってしまう事から、パワーアンプ直近でしか使えません。

また、各段アッテネーターとスルーをリレーで切替えており、切替タイミングでOFF(どこにも繋がっていない)状態が存在する事から、切替わり時にプチっというノイズが乗りやすいです。

更に、今回使った23接点スイッチの感触がイマイチな事と、中でリレーがガチャガチャ言うのとで、動作フィーリングが雑で、いかにも安っぽい。
まあ、売り物にはなりそうにありません。(苦笑)

サウンドは(固定抵抗らしく?)ソリッドな感じです。
ミニデテントが少しぼやけて感じるほど、スッキリしていて、抜けと見通しが良いです。
苦労した甲斐があるもので、現状、我が家では一番いい感じのサウンドを提供しています。当初はDACで使っていましたが、今はフォノイコライザーに使っています。
http://ezto.info/ezhome/blog/entori/2015/5/15_dinginpidansu_xingattenetawoo_anku_zuottemiru.html

デジタル系にプリアンプは必要? アッテネーター? フェーダー? マッチングトランスはいいね

かつてCDで5Vもの出力が得られるようになって、数ボルトでマキシマムのパワーアンプにプリアンプは必要なのか?が大々的に議論された。

結局、好みで終わったように記憶している。

他方で、マランツやマッキンのヴィンテージ真空管プリアンプと、現代トランジスターパワーアンプの相性の悪さ。


プリアンプなく、CDら アッテネーター パワーアンプでは音が痩せて聞こえる、低音が薄くなるなどのクレームも起きた。

これは拙宅でも経験している。

長野オーディオ倶楽部仲間の長年の実験からはこれらはある意味真実のよう。

ならプリアンプが必要かというとそうではない。

フォノはともかくラインはこの方法で解決することが発見された。


なお、かつて CDとアンプの間にライントランスを入れることが流行ったことがある。
とげとげしい CDの音が和らいで聞きやすくなるetc
これをアッテネーターとパワーアンプの間に入れるのも一考だが、インピーダンスマッチングの悪さは解消できない。 なぜなら

一次600Ω:二次600Ω

の1:1トランスだからだ。

プリアンプの効能は、ハイ受けのロー送りだしと言われるように、ハイインピーダンスの上流からの機器の信号を受けて、ローインピーダンスで送り出す、インピーダンス整合機としてのメリットとされる。

これをトランスにさせるには、数十kΩの出力インピーダンスを持つ CDプレーヤー DACらのラインアウトを、

マッチングトランス(ライントランス ラインアウトトランス)
一次 数kΩ〜数十kΩ
で受けて 
二次 600Ω前後
で送り出せば、ハイ受け ロー送りだしが実現される。

600Ω送り出しは業務用の出力インピーダンスの約束毎ですよね。


拙宅の Western Electricの WE49アンプのラインアウトトランスの
WE127Cトランスは 一次23kΩ:二次500Ω

今日完成したのがこれ
中は単純です。
このUTCのLS-55トランスは、センタータップがあって、一次3.5kΩだからWE300Bプッシュプルアンプらの出力トランスに使える。

この時代の出力トランスは業務用使用を意識して、二次には普通のスピーカー用の4Ω 8Ω 16Ωのほかに500Ωが出ている。

この後に業務用機器が接続されるパターンも意識されているトランスの500Ω巻き線を用いた。

UTCトランスのタップに抵抗が入っているのは、さらに聴きながらこの値でインピーダンス調整をして音質を最適化したものだ。
この抵抗のクオリティーがこの機器の音質を左右するので高品質なものを用いたい。

ここでは今はなきアメリカIRC社のカーボン抵抗を用いている。

比較試聴中です。

Western Electric の WE127C がUTCに比べれば帯域は狭いものの、それを感じさせない何とも言えない音楽性があってあらためてその良さを認識した。


他方 UTCは現代トランスだけに 20Hz〜2万Hz までは保証されているとおり、聴感上でもワイドレンジかつ微細表現もよく現代的だ。

どちらが上ということもなく、名だたるトランスなりの音質は確保されている。

好みなんで、パワーアンプ以下の相性 ソースとの相性 その日の気分で使い分けていこうと思っている。

日本製のトランスにはあまりハイ受け ロー送りだしのラインアウトトランスは少なかったからか、この方法が雑誌らで見かけたことは知る限りない。

是非プレーヤーと、パワーアンプはこの方法でマッチングすることもご記憶いただければ幸いです。


コメント

mixiユーザー2013年11月27日 08:27
実は写真を見て気づかれた方も少なくないと思いますが、さらにノウハウがあります。
2連のステレオボリュームをパラって、モノラルボリュームで使う作法です。
これも仲間の実験から編み出された高音質方法で、正直ダーバンあたりの VOLより高音質です。このVOLの製造会社も閉鎖してしまいました。


mixiユーザー2013年11月27日 12:21
金田さんはパッシブプリは音が痩せると言うパッシブプリ否定派ですが、金田さんの言う事だから間違いないだろうと、金田式DCラインアンプの出来合い物を買いました。
聴いてダメだこりゃと、すぐパッシブプリに戻しました。
ラインケーブルのドライブ力が無いと言いますが、増幅素子を通すと音の繊細さが無くなる。

まあ、装置に寄りますが、人それぞれです。
パッシブプリは低域が痩せると言いますが、それが本当の信号かも知れない。
痩せるのは膨らます方向に調整できますが、繊細さが欠けたら戻す方法が無い。


mixiユーザー2013年11月27日 12:22
うちではプリアンプを使うと、これとは違う fat な付帯音みたいになります。
余計な増幅段を入れる代わりに、ボリュームでその分のゲインを絞るというナンセンスさからオサラバできます。


mixiユーザー2013年11月27日 12:48
私はセイデンロータリーSWに今は手に入らない抵抗器が沢山くっ付いたタイプだけのパッシブプリですが、トランス+VR式 にはかなわないです。
今トランスタップ切り替え式のLUXの製品を借りていて、近々比較してみます。

mixiユーザー2013年11月27日 12:56
LUX のならフィーストレックスさんのところのファインメットが良さそうですが、
トランス式 ATTでは impedance の整合化は困難です。
一度ご家庭で上流との impedance マッチングが取れた音を聞いていただきたいものです。


mixiユーザー2013年11月27日 23:14
ほかにヤフオクで STC4212 らのアンプを聴いたことがあるハットオーディオラボさんもファインメットコアのものを出されていますね。 
トランス式 よい評判は聞きませんが、追試レポ願います。


mixiユーザー2013年11月27日 23:52
すみません、教えてください。
アッテネータはトランスの1次側ですか?
また、アッテネータのインピーダンスはどのくらいが良いのでしょうか。


mixiユーザー2013年11月27日 23:56
入り口か出口に可変抵抗かですが、アッテネーターはワニ口で机上実験してみてください。入り口に入れました。
トランスは 数KΩから数十kΩ、二次に300Ω〜600Ωくらいが出ていれば後は本分のとおり、固定抵抗で調整できます。


mixiユーザー2013年11月28日 00:25
アッテネータは定インピーダンス型が良いのでしょうか?


mixiユーザー2013年11月28日 00:27
いいえ。普通の入力VOL型で足ります。
10KΩを2連にして5kΩです。 
当初50kΩ2連をパラレルで25kΩよりこちらがよかったです。


mixiユーザー2013年11月28日 06:36
だいたい12時くらいが常用音量となると使いやすいし、音も良いように思います。
http://open.mixi.jp/user/8290003/diary/1916790097

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/30(日) 16:52:01.54 ID:C+faVvPO

プリなんか3万のパッシブで充分
パワーもそんなに違わん
sp と dac に注力すべき


15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/30(日) 18:00:10.08 ID:HyxhwMiM

パッシブプリは、東京光音やらアルプスの高い可変 ATTとか、固定抵抗切り替え式の奴を買えば、音はきれいだが、やはり音痩せするな
プリアンプを使うと音痩せしない豊かな音がでてきて安心する


64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/15(火) 08:28:57.11 ID:1Mv41vsQ

音痩せでは無い付帯音が無いクリアサウンドに近づくだけです。


65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/15(火) 13:07:07.73 ID:GhKte38k

出力インピーダンスが高くなるから高域は減衰するし
パワーアンプ側の負荷も増えるのに?


143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/15(金) 12:46:25.45 ID:pTMip3zl

パッシブはプリ パワー間を出来るだけ短くしないと理論的におかしくなる。
(アンプ理論の基礎の基礎 インピーダンスの問題)


436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/05/26(月) 23:38:23.96 ID:p+xEZDtp

スピーカーの能率が高いとプリアンプのボリュームを絞り切る寸前で使わなければならない。
そうなると、プリアンプにゲイン(増幅)は必要ない。
パッシブプリだと増幅しないので0dB(1倍)となるが、出力インピーダンスを低くできないのでパワーアンプとの接続で問題が生ずる。


439 :1:2014/05/27(火) 11:10:29.66 ID:zPt+HCCg
>>436
パッシブ+バッファにするなら
最初から普通のプリでよさそうだが。


144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/15(金) 12:59:31.01 ID:EdSHSb4b

音痩せやインピーダンスの問題は、設計の古いTrパワーアンプや貧弱なOPアンプの入力段のパワーアンプで問題が起きる。
原因は、入力段のキャパシタンスの非直線性によって高域の歪み率の悪化がある。


145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/15(金) 14:14:06.68 ID:FsaSRnla

そういわれても、現実にパッシブプリで音痩せする事実はかわらん
固定抵抗切り替え式ATTにバッファアンプをつけたようなプリがいちばん良い


422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/05/24(土) 18:41:58.42 ID:APM1ar4T

プリは、音量調整とインピーダンス変換のために入れる。
さらに、ピュアオーディオでは積極的にプリが持つ音色の変化を利用する。

音量調整だけならパッシブプリで良い。
セレクターとボリュームで構成されシンプルで音の鮮度が高い方式だがインピーダンスの問題がある。
インピーダンスは、高く受けて低く出すが原則で、接続コードの容量(キャパシタンス)の影響で周波数特性が変化する。
また、音痩せがすると言われる場合も多い。

プリにトーンコントロールの必要が無ければボリューム+バッファーアンプの構成がシンプルで音が良い。
最近は、高級機でもオペアンプが使われていてアマチュアでも自作プリが簡単に組める。
http://jisaku.155cm.com/src/1400956625_82ddd1bf766d38133687b7f090f49cefc6c58405.jpg

セレクター→ボリューム→バッファーアンプの構成でシンプルに作った。
オーディオ用オペアンプを差し替えて音色の変化を楽しむこともできる。


524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/14(日) 21:29:22.13 ID:GL0wW6zM

いつもの繰り返しになるが、パッシブじゃいくら逆立ち立っても
インピーダンス変換できないからなぁ。
ユニティゲインの効力はやはりでかい。


525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/18(木) 18:17:12.56 ID:r1YXykwO

パッシブは、音が痩せたりケーブルの静電容量で周波数特性が不安定になる。
そこで、>>524氏の言うようにインピーダンス変換の効果は大きい。
(インピーダンスは、高く受けて低く出す。)

ゲイン(利得)は必要ないので増幅度1倍で安定なバッファーアンプを構成する。
(ユニティ・ゲイン・ステーブル)
http://yomogi.2ch.net/test/read.cgi/pav/1356822460/


92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/06/22(日) 21:02:11.11 ID:2bDBJ3qP

入力が digital だけなら,音量調節ができる DAC でプリ不要.
プリ買わずに DAC に回す.そろそろD-70替えたい.


93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/06/23(月) 19:35:19.58 ID:0Vt26Dvp

回路を減らせば音が良くなる(と自分が感じる)と思ってるうちは何も分かってないよ


137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/08/12(火) 02:48:50.32 ID:TJkWH0HS

物にもよるんじゃね?
俺はほぼ素人だが、プリなしの直結は音がきれいだが厚みが無いと思う
プリ入れるとフィルターかけたような音になるが面白みは出る
刺身と煮付けみたいなもんじゃね


18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/26(土) 19:10:04.63 ID:0aovYKIy

俺はプリ推奨派。
ボリューム付きのDA/Cアンテロープ・ゾディアックゴールドを使ってるが、ナグラのプリを通してパワーに入れてるよ。
単純にその方がいい音なんだよね。
解像度は若干落ちる気もするんだけど、まあ、ほとんど解んないレベル。
だけど低域の伸びとか広域の美しさはプリがあると無いとじゃ段違い。
要するに、音楽性が高まる感じ。
色づけって言っちゃえばそれまでだが、それ言い出すとホールの音とオーディオの音は全く違うしな。
プリは原音再生機ではなく、オーディオとしていい音を出す道具。
それがプリの価値なんじゃないかな。


101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/07/15(火) 18:03:29.87 ID:AkdS9SDp

プリ入れないとつまらん音になる
DACの後に-12dBのアッテネータ入れるとプリ無しDACボリュームでも満足出来る音になるから試してみ

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/27(日) 11:26:35.89 ID:vR+kkjxq

劣化を認めた上で音の変化を良しとする例は当然あってもいいよ。

低域の伸びとかに差が有るなら DACの送りのインピーダンスとパワーアンプの入力インピーダンスにミスマッチが有るか、DACのボリュームがナグラの物より劣化が著しいんだろうね。
絞るとハイ落ちとか情報量欠落するボリュームっていっぱい有るから。


22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/27(日) 18:26:08.19 ID:wusfLoz3

実際聞いて感動する音になっていても「劣化」なんだろうかね
だいたい、多くのオーディオの高級機は様々な回路を駆使して いい音になるように「調整」している
そういう調整を劣化という人は、オーディオに何を求めているのか
どんな音に感動する人なのか聞いてみたいね


23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/27(日) 20:23:39.97 ID:iXNkJYT0

どんな音に感動って言われたら
ソースに入ってる気配のような物までスポイルする事無く、気持ちの悪いくらいのリアル感を持って再生された音に触れた時でしょうね。
演奏者、アーティストの存在、気合までが感じ取れた時でしょうね。
人の声なら口の中の唾の音とか声の途切れる瞬間の声帯の震えまで聴こえた時でしょうね。
上手い歌手っていうのは声の止め方が上手い。

いい音を出す道具とか言ってるうちは餓鬼のお遊びです。
いい音はソースに入ってるんです。
それがどれだけ再現出来るかがオーディオの価値。


26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/28(月) 19:31:29.95 ID:ULDNt83s
>>23
俺の経験則だと、
そこまでリアルな音を求めなら、拘るべきは機材ではなく部屋だろうね。

もともと、収録ってのは非日常の空間で行われるから録音自体が非日常な音なんだよ。
それを普通のリビングで再生して同じ者が出来る訳が無い。
もし、出来たとすればそれは、原音再生したのではなく機器が「それっぽく」作った音だという事。


27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/28(月) 19:41:13.92 ID:ULDNt83s

俺はクラ派なので、サントリーホールと新国はしょっちゅう行く。
で、実のところ、解像度だとかS/Nなんて現実じゃあり得ない。
どの席で聞いても音は全部ごっちゃだし、トゥッティなんてもう、ただの音の氾濫になる。
それを解ってない人ほど、分離が良くないね〜とか、原音再生とか口にする傾向がある。

もうね、ほんとにリアルにしたいなら機器の性能はこれ以上いらないのよ。
むしろ現代機はどれもオーバースペックで、作られた音。

だから俺はそう割り切って、コンサートは雰囲気と音の波を体で楽しむ。
オーディオはオーディオの音を耳で楽しむ。


28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/28(月) 19:51:13.07 ID:ULDNt83s

ホールだと、絶対に反響ノイズってのがあるんだよ。
もわ〜んだったりキンキンだったり、ホールや席の位置で全く違う。
隣の席に移動しただけで弦楽器が異様に奇麗に聞こえたりね。
でもそれが普通で、それが原音。
市販されてる音源は、全部それを編集で取っちゃってる。


54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/05/16(金) 22:52:14.06 ID:L2D0s/2V

プリが必要ないって金がかからなくて幸せな耳をお持ちですね
音はプリで決まる、パワアンプは直結は鮮度は高いかもしれんが すっきりした無機質な音でしょ
音の艶や広がり、暖かみ、音楽性等は得られにくいですよ


88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/06/22(日) 15:29:46.71 ID:8jMy4r89

LPからCDへの移行期、入力切替スイッチとボリュームだけのパッシブタイプが雨後の竹の子のように多く生まれた。
けど数年で全て消えた。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/pav/1379603306/


3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/30(日) 08:44:21.74 ID:EqSaj9ER

いままでパワーアンプの評価をしているつもりでしたが実はプリアンプの音を聞いていただけでしたという体験をしました。
プリで劣化した音はパワーアンプとスピーカーがどんなに がんばっても回復しません。


7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/30(日) 14:01:45.40 ID:

私も、ブリアンプのシステム支配力は、かなり高いと感じています。
他の機器を何も替えず、プリを入替えただけでシステムの表現する世界が変わってしまう程ですね。


16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/30(日) 18:44:18.95 ID:PKSnLDaw

昔からLNP-2や marantz 7 みたいな名品を長く使うのが、この趣味の王道で あったかと想います。
自分はCOHERENCEを中心に、パワーに石と球を使い分けているかんじです。
No32の方もいるでしょうし他にも良いプリはあるのでしょう。何れにしても良いプリとSPを中心に据えて、求める表現のニュアンスを、他の器具の繋ぎ替えで展開していくのが良いだろう、というのが今の自分の結論です。


539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/01/13(火) 13:23:37.91 ID:KAyV0g5P

プリを変えると音は激変するよ。
ケーブルよりインシュより明確に変化が判る。
俺はプリをグレードアップして大正解だと思った。


514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/09/07(日) 21:06:00.02 ID:DMka7Op+

50万程度のプリは何か足りない物が在る
やはり100万位からだね


国産
QUALIA INDIGO Line Amplifier 510万円
http://qualia-highend.com/jp/index.php/products/line-amplifier/

TAD-C600 300万円
http://tad-labs.com/jp/consumer/c600/

TECHNICAL BRAIN TBC-Zero/EX 298万円
http://www.technicalbrain.co.jp/products_tbc_zero_ex.html

エソテリック Grandioso C1 250万円
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/c1/

アキュフェーズ C-3800 170万円
https://www.accuphase.co.jp/model/c-3800.html

ラックスマン C-900u 110万円
http://www.luxman.co.jp/product/c-900u


海外製
FM Acoustics FM 268C
http://www.fmacoustics.com/products/line-stages/fm-268c/

Constellation Audio ALTAIR II plus 980万円
http://www.stella-inc.com/001constellation/page/AltairIIplus.html

GOLDMUND Mimesis 22 History 970万円
http://www.goldmund.com/jp/products/mimesis_22h

VIOLA SPIRITO II 890万円
http://www.zephyrn.com/products/viola/01_spirito2.html

TIDAL Presencio
http://www.tidal-audio.de/english/startprodukteverstaerker1.htm

Burmester 808 MK5 500万円
http://www.noahcorporation.com/burmester/pre808.html

PASS Xs-Preamp 480万円
http://www.electori.co.jp/PASS/Xspreamp.pdf

CH Precision L1
http://www.theabsolutesound.com/articles/ch-precision-releases-l1-dual-monaural-line-preamplifier/

soulution 725
http://www.soulution-audio.com/en/serie7/725/index.php

OCTAVE Audio Jubilee Preamp 400万円
http://www.fuhlen.jp/octave/products/jubileepreamp.html

Ayre KX-R Twenty 390万円
http://www.axiss.co.jp/brand/ayre/ayre-reference/kx-r-twenty/

darTZeel NHB-18NS 380万円
http://naspecaudio.com/dartzeel/nhb-18-ns/

Mark Levinson No.52 330万円
http://marklev.harman-japan.co.jp/product.php?id=no52

Jeff Rowland Corus 212万円
http://www.taiyo-international.com/products/jrdg/corus/

mbl 6010 D 210万円
http://www.mbl-japan.com/6010D.htm

Spectral Audio DMC-30SS series2 188万円
http://spectralaudio.com/dmc-30ss.htm


572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/07/30(木) 03:04:22.29 ID:jfrinoir

ドイツ製プリアンプ

TIDAL Presencio
http://www.tidal-audio.de/english/presencio.htm

Burmester 808 MK5
http://www.noahcorporation.com/burmester/pre808.html

mbl 6010 D
http://www.mbl-japan.com/6010D.htm

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/07/30(木) 20:04:50.30 ID:jfrinoir

スイス製プリアンプ

FM Acoustics FM 268C
http://www.fmacoustics.com/products/line-stages/fm-268c/

Goldmund Mimesis 22 History
http://www.goldmund.com/jp/products/mimesis_22h

CH Precision L1
http://www.zephyrn.com/chprecision/page/L1.html

soulution 725 preamplifier
http://www.soulution-audio.com/en/serie7/725/index.php

darTZeel NHB-18NS
http://naspecaudio.com/dartzeel/nhb-18-ns/


578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/11(火) 01:26:09.96 ID:CI12d15c
まったく…「時価」とか○千万円とか…完全に狂ってるだろw


580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/23(日) 12:41:47.90 ID:oZo3Vk2p

フォノイコもトンコンも無くボリュームとセレクターだけのが殆どなのに何故にこんなに馬鹿高いのか。さすがにメーカーも騙しきれないと悟ったのか せいぜい20万どまりのパッシブプリが出て来てる。

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/30(日) 19:07:52.12 ID:HyxhwMiM

いま使われてるプリアンプの方式は、

・可変抵抗
 いちばん主流な方式だったが、ハイエンドが電子ボリューム化していって少なくなってきた

・固定抵抗切り替え式
 小メーカー・ガレージメーカーがよく採用、キットとかでも多い

・電子ボリューム
 ハイエンドプリの多くは電子ボリュームになった

・CDSセルを使ったATT
 ごく一部のハイエンドやガレージメーカーに使われてる


599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/10/28(水) 14:23:20.41 ID:6OFSdJKE

プリ音質は駆動電圧の影響が大きい
オレは+−30V以下で稼働してるプリは使わない
そういう意味ではOPアンプ使っている機種は全て却下
高電圧で利得1かせいぜい1.5倍程度のプリに入力アテネータなしのパワーAMP
SPネットワークの安物ボリュームも撤去 トランス式か固定抵抗に置き換え
これで音がスピーカにへばりつかない 目の覚めるような音場が出現する


526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/18(木) 19:16:52.88 ID:QobAx8Oh

全体的に引き締まったハイスピードなプリアンプおしえれ


527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/18(木) 19:54:05.40 ID:r1YXykwO
>>526
ソウルノートのファンダメンタルLA-10(100万円)かな。個人的には。
100万円も出さなくてもオペアンプ使って自作すれば数万円で出来ると思う。
高級ボリュームやアッテネーターに最新オペアンプ使えば簡単に出来る。
ボリューム1個1万円〜5万円ぐらいで、ケースに1万円ぐらいかければ作れる。

ちなみに、代表的なオペアンプのスペック

LME49710 High-Performance, High-Fidelity Audio Operational Amplifier
http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lme49710.pdf

歪み率0.00003%周波数特性55MHzも出せれば引き締まったハイスピードなプリアンプなんてアマチュアで簡単に作れるよ。
好みとしては、

回路入オーディオ用HiFiオペアンプ OPA2134PA
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-03743/


これらのオペアンプは高性能でありながらユニティ・ゲイン・ステーブルだから発振せずに安定動作が可能。
ハイスピードなんて幻想だよ。音速が秒速340mより速くなるのか?
オペアンプの方が遥かにハイスピードだからね。


528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/20(土) 11:56:52.23 ID:XtC8BAgM

アンプの周波数特性に暴れがあるとハイスピードに感じる。
波形で見ると矩形波の角がオーバーシュートおよびリンギングでギザギザしている。
本当のハイスピードとは、静かにさり気なく立ち上がるのでハイスピードなどと感じる前に立ち上がっている。

アキュフェーズの最高機種C-3800も NJM4580DD や NJM5532DD などの JRCの1個50円程度のオペアンプで作られている。
大きなトランスや汎用コンデンサーを沢山使って中身が詰まっているように見せている。
物欲主義のオーディオマニアは中身が詰まっていないと買わない。

アマチュアは、極限まで性能を引き出すが中身ガラガラで売り物にはならない。
しかし、性能は部品点数が少ない分高性能。


531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/21(日) 09:58:23.80 ID:GZwJ9o+o

自作でプリアンプを作ってオペアンプを取っ替え引っ替えしてみると微妙に音が変化する。
僅か数百円のオペアンプを替えるだけでプリアンプを買え替えるぐらいの変化をするわけで面白い。
マークレビンソンやマッキントッシュだってオペアンプを使っていると言う有名な話がある。

オペアンプとオーディオのはなし
http://www.wisetech.co.jp/opampdou/story/04/

ガレージメーカー立ち上げても数百万円は金取れないし、 自分による自分のための自作プリアンプは、最高ですな。


532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/21(日) 10:19:08.36 ID:Cp+MgQJ

CDで聴いてもわかると思うけど、いろんな年代の録音聴くと必ずしも新しいものが音が良いとは限らない、それどころか古いものに驚くような録音の物がある
当然オペアンプどころかトランジスタすら使われていない
色々聴いてるうちに、そんなことを自然に疑問に思うようになる
そしてヴィンテージに走るようになるんだろうなw


533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/12/21(日) 11:40:12.49 ID:GZwJ9o+o

ヴィンテージの独特の音色は否定しないけど、厳選したオペアンプを使ったストレートな音も魅力的。

オペアンプ、トランジスターも使わないというと真空管だろうけど真空管アンプは通信機にも使われる広帯域の素子なんだよね。
オペアンプやトランジスターより遥かに広帯域なのが実は真空管なんだよね。
良くできた真空管アンプは、トランスに金が掛かるので高価なんだよね。
適当に音色を作り出して誤魔化して売っているだけなんだな。

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/31(月) 07:54:46.10 ID:oEm+kF8j

真空管バッファの固定抵抗切り替えが最強
プリは真空管が良いね
http://yomogi.2ch.net/test/read.cgi/pav/1356822460/


                    ___________

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c89

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
90. 中川隆[-14473] koaQ7Jey 2020年1月16日 06:57:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1392]

プリアンプの意義 2013年9月28日 (土)


高級機では、プリアンプとパワーアンプが分かれているセパレートタイプのアンプが常識となっています。 プリアンプとパワーアンプを分ける意義、そもそもプリアンプが必要かどうか。 
 
今日は、そのあたりについて個人的な意見を少し書こうと思います。
   
プリアンプの機能の一つとしてフォノアンプがあるのですが、レコードが廃れてしまった現在、このフォノアンプがないプリアンプも沢山あります。 一応、その違いを明確にするために、ラインアンプなんて呼んだりしているメーカーもあります。 
 
先日、掲示板で教えて頂いたものは、パッシブ・プリといって、セレクタスイッチと27型ボリュームやアッテネータが入っているだけのBOXまであるようです。 
 
すでに「プリアンプ」を名乗ってはいけないような気がしますが・・・
 
 
さてさて、

プリとパワーを分ける意義としては、プリ部で扱う微小信号をパワー部の大電力ブロックからの影響を受けにくくしたいというのがあると思います。 レイアウト的にも巨大トランスからのリーケージフラックスの影響を出来るだけ小さくしたいという点で有利になります。
 
モノラルパワーアンプを2台という構成もとれるので、大電力ブロックが左右で影響することなく独立できるというメリットはかなり大きいです。
ただし、通常、プリアンプからの出力電圧はとても小さくなりますから、プリとパワー間のケーブルは気をつけなければなりません。
 
次に、プリアンプ自体が必要か否か。

上記パッシブBOX、もしくはパワーアンプにボリュームが内蔵されている場合は、いわゆる「プリアンプ」がなくても、音量調整が可能です。
 
では、プリは本当に要らないのか。 これは意外と難しい問題です。

何故ならば、パワーアンプも低インピーダンスで駆動されている方が条件的には良いからです。 
ところがプリを入れるとアンプが1つ余分に入る事になり、余計な音の付加(歪やノイズの付加)となる可能性も捨て切れません。 
 
また、そのプリアンプだって低インピーダンスで駆動してもらいたい訳です。 じゃぁ、プリをドライブするプリプリアンプを・・・と、信号を通すアンプの数か増えているだけという解釈もあります。パッシブBOXの存在意義は、この辺りにあると思います。
 
  実際、市販のプリメインアンプでは、

プリ部をちゃんと作っていたメーカー、
逆にプリ部を省いてシンプルにしていたメーカー、
オペアンプでお手軽にプリを作っていたメーカーがありました。 

プリ部も1段だけでトーンコントロールを実現しているものから、フラットアンプとトーンアンプを別々に用意して、トーンアンプをバイパスできるようにしているものなど形態はさまざまです。 

90年代のプリメインにあったダイレクトスイッチなどは、このようなトーン部、バランスボリューム等をバイパスするものが多かったと思います。
個人的にはシンプル&ダイレクトな構成の方が好きですが、音質的な観点からすると何とも言えません。 

プリを挿入することで、明らかに音に色が付き、躍動感が増すようなことが起きるからです。 
無色透明で何も足さない、何も引かない。 という増幅は現実問題、難しいと思います。

配線、コネクタひとつで音が変わるので、きっと基板の銅箔でも音が付いているんだと思うからです。 PC-OCC銅箔基板とか、99.9999OFC基板とかがあれば面白いのですが・・・
   
結局は好みで、プリを入れるか、パワーアンプダイレクトかを選択するしかないのでしょう。プリを多機能にしてオーディオ機器のHUBのように使い、パワーアンプには真空管アンプを棚の上に飾っておくような配置で使うなんていうのにも憧れますね。
 
いや、むしろ、プリを真空管で組んで、パワーアンプはDクラスアンプにするなんていうのが現代の正しいオーディオの姿なのかもしれません。
 

コメント

私もできるだけダイレクトでシンプルな構成が良いと思います。
以前使っていたプリアンプからパッシブプリに変更したときに、情報量の違いに驚いたことがあります。
これは、悪い例だと思いますが。

また、LP 時代はフォノイコライザーが必要だったので、プリアンプの意味はそこにもあったと思います。
デジタルオーディオ時代になって、セレクター機能はデジタル信号部で切り替えることができるようになったので、プリアンプの意義は次第に薄れていっているように思います。


>いや、むしろ、プリを真空管で組んで、パワーアンプはDクラスアンプにするなんていう
>のが現代の正しいオーディオの姿なのかもしれません。

この発想おもしろいですよね。
ディスクリート、真空管、オペアンプ、これらがハイブリッドな構成として組める時代ですから。
真空管のプリは個人的に興味があります。
投稿: mr_osamin | 2013年9月28日 (土) 14時42分

>いや、むしろ、プリを真空管で組んで、パワーアンプはDクラスアンプにするなんていう
>のが現代の正しいオーディオの姿なのかもしれません。


私はPCオーディオというか、雑誌付録 USB-DACから戻ってきたために、まさにその構成です。
プリは真空管(12AU7)で音に色を付ける、ラインセレクトとして使う、アッテネータを使用するため、の3点を目的に使用しています。
パワー部にはTA2020系を色々やりくりしながら使っています。パーツなどで音をいじろうとしても、真空管より遙かに安く交換できますし。
安くおもしろく遊べるようになり、いい時代だなぁと感じております。
投稿: 降霜 | 2013年9月28日 (土) 17時33分

真空管プリは、良さそうですよね。 古くはマランツ モデル7などが有名ですが、程度の良い個体は、いまだに活躍しているようです。 

TA2020も、上手に使うと結構よくなるみたいですね。  デジタルアンプなんて言っているけど、とてもアナログ的な要素の多いアンプだと思います。 
パーツを代えるとそれに答えてくれるように音が変化するというのは、とても楽しいですね。
投稿: たかじん | 2013年10月20日 (日) 18時16分

ハイブリッドではなく、「トライブリッド」が面白い気がしています。
HyCAA+TA2020とか。
あれ?ディスクリートはどこへ行った?w
投稿: mr_osamin | 2013年10月20日 (日) 18時53分


パッシブプリは、あると便利です。
ケース込みで二千円あれば作れますし・・・。
380000円のパッシブプリとか、私には良く分かりません。
パッシブプリなのに、ダイレクトスイッチがついてるものとかも、良く分かりません・・・。
投稿: 若輩者 | 2013年10月20日 (日) 19時01分

mr_osamin さん

>HyCAA+TA2020とか。
真空管部分がディスクリートですよ。 大丈夫。大丈夫。

若輩者さん
>380000円のパッシブプリとか、私には良く分かりません。

何でしょうね・・・
そういえば、信号トランス式アッテネータなんてのを、どこかのwebサイトで見ました。
抵抗のようにロスらないのでイイって書いてました。
なるほどなぁ って思ったのですが、どこで見たのか・・・ 不明です。

ちなみに東京光音電波あたりのアッテネーターも、単体で5万円くらいするらしいですから、そういうパーツを組み合わせていけば、売価30万円になるかもしれません。
投稿: たかじん | 2013年10月20日 (日) 20時46分

名前を失念していたのですが、検索しました。

CELLO ETUDE 定価\378,000です。
http://soundlee.com/item/item_244.html
http://audio.anhona.com/global/cello/702.html
http://afuroyan.exblog.jp/4877039

ここに中身の写真があったのですが、確かに抵抗式のアッテネータが入っているみたいです。
別に詰まっている必要はないとは言え、殆ど空っぽ。もっと小型化しても良いのではないかな、と思いました。重い必要があるなら、錘入れれば良いと思いますし・・・。
投稿: 若輩者 | 2013年10月20日 (日) 21時17分

こ これは。 ひどい。 ぼっ○くりだ。  
ケースにもアッテネータにもお金がかかっている様子がないですね。 こういう製品があるから、オーディオは白い目で見られるのかもしれません。

スピーカーケーブル3mが247万円とか・・・ ありえない。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20131004_618170.html

川越シェフのレストランの水 1杯800円がかわいく思えてきます。
投稿: たかじん | 2013年10月20日 (日) 23時11分

私が持っているエルサウンドのパッシブプリはかなり良心的ですね。

エーワイ電子 Web Shop-商品一覧ページ
http://sv50.wadax.ne.jp/~ay-denshi-com//articles/html/products/list.php?category_id=6

同じものをケース含め、自作しようとすると定価の七割くらい占めますから。
投稿: mr_osamin | 2013年10月21日 (月) 08時24分


EL-SOUNDは、アルプス電気のとんでもないボリュームを使っているみたいですね。私の自作パッシブプリは RK27なので・・・

先の38万円は、評判が良いみたいですが、たかじんさんがぼっ○くりと判断したということは、価格の大部分はブランド料金なのでしょう。

最近は、ケース代が高いアンプが増えている気がします。所有満足度に重きが置かれているのでしょうか。良い風潮とは思いません。
投稿: 若輩者 | 2013年10月21日 (月) 14時34分

>EL-SOUNDは、アルプス電気のとんでもないボリュームを使っているみたいですね。

RK50ですね。メーカー直販でも結構なお値段です。
私の持っているプリはRK27(4連)がついています。
投稿: mr_osamin | 2013年10月21日 (月) 16時33分

>EL-SOUNDは、アルプス電気のとんでもないボリュームを使っているみたいですね。

アルプス50型を使っていて、この値段なら良心的のように思います。

27型も、それだけを使っていると満足なのですが、40型と聞き比べると、あれって なります。  50型は聴いたことありません。  
確かサンスイの昔の607は40型を使っています。 
その後の907では27型へとコストダウンしています。
投稿: たかじん | 2013年10月21日 (月) 20時51分

40型無き今となると、27型は貴重ですね。
しかし、50型は今も製造中のようです。

50型4連でたしか、6.5万・・・

VOL-12のほうがイイですw
投稿: mr_osamin | 2013年10月21日 (月) 21時49分

確かに。 40型とMUSES72320とでは、思っていた以上に差がありました。
電子ボリュームが高級機で使われる訳ですね。
投稿: たかじん | 2013年10月22日 (火) 08時01分
http://nw-electric.way-nifty.com/blog/2013/09/post-cfaa.html

プリアンプの必要性 2010年08月29日

プレイヤーとして使う機材から、パワーアンプへの直結では不便なので、プリアンプとして使える機材を導入しようと思いましたが、色々と迷っています。以下調べたことをまとめてみました。

音楽ソースの主流がアナログレコードからCDに移行することで、プリアンプの必要性が議論されるようになりました。CDの場合、プレイヤーの出力レベルが大きいため、プリアンプによる増幅の必要性は薄れました。

音質に関しては、通る回路が少ない分プリがない方が鮮度が確保され好ましいといわれる一方で、パワー直結では音の厚みが落ちるとされることも。
また、パワー直結にすると、今度はCDPの可変出力を使うなり、パワーアンプの入力ボリュームを下げるという手段で音量を調節することになりますが、それはそれでアッテネーターによって音が劣化する原因になるとも考えられます。

CDPのデジタルボリュームは絞ると情報の欠落が生じやすく、パワーアンプのボリュームは、そこで主に調整することを想定していない分グレードが低いことが多いそうです。

一部ではパッシブアッテネーターといって、増幅回路を持たず、ボリュームのみ、もしくはボリューム+セレクターのプリアンプに近い機械がありますが、ボリューム位置による特性の変化が大きいことで音痩せしやすく、パッシブアッテネーターではあまりボリュームを絞るわけにいかないことが多いとか。

上流で絞っても劣化するという問題は、普通のプリアンプではパッシブほど顕著ではないといっても避けられないため、パワーアンプにはボリュームが必要不可欠という主張も。

信号が微弱になると、より劣化しやすくなるため、パワーアンプに到達するまでに絞るとそれはそれで音質を落とす要因になるそうです。

前述の、パワーアンプのボリュームの質についての問題もあるため、パワーアンプのボリュームは11時〜3時がベストポジションという意見も見られました。

プリであまり絞るわけにいかず、パワーアンプのボリュームも大抵は質が良くないとなると、パワーアンプの内蔵ボリュームを自力で交換するのも有効かもw

ますます混乱してきましたw

うちの環境だと、スピーカーの能率が高いため、プリアンプを適切なボリューム位置で使うには、あまり出力が大きくないアンプの方が好ましいということはわかりました。


コメント

私も今、同じ問題にぶつかっています。
情報の落ちない電子ボリュームを使うか光ボリュームを使うのが現実的かなと思うのですが、高価だったりセレクタ機能が無かったりとなかなかに良い製品が見つかりません。
by cloe at2010-08-30 00:43


試してみるのが一番だと思います。 その昔、同じことを考えましたが、プリを省くとどうにも痩せた音になってしまい、楽しい鑑賞にはなりませんでした。 

役割として、音色の調整、ステージの形成、品位の決定など肝心なことの多くを担っているよう窺われ、パワーアンプを身体だとすると、プリは頭脳にあたるかもしれません。 

CD時代においても引き続き決定的な役割があり、良い音を聴くためにも、私は使用をお勧めいたします。 でもプリを省くと、音はある意味トンガるので、面白さは否定しません。その人それぞれで、いろんな楽しみ方をすれば良いと思います。楽しく悩んでみて下さい。
by manbanzakuro at2010-08-30 01:09


プリメインアンプのボリュームを最大にしてパッシブアッテネータでボリューム調整するのが一番好きな音がしちゃいます。
by cloe at2010-08-30 01:17


>cloeさん
ボリュームの音質への影響は気になりますね。

プリメインアンプ+パッシブアッテネーター で音質が良くなることがあるのですか。
パワーアンプとして使うよりも良いとは。やはり信号経路が単純ならいいとは言い切れないようですね。
byオタ麻呂 at2010-08-30 10:40


プリの存在(=価値)は、高出力のデジタル機器が主力である今、微妙な立場ですよね。   
CDプレーヤーもしくは、DACにヴォリューム機能を搭載しているモデルも最近は多くなってきています。  
セレクターが不要(=プレーヤーが一台とか・・)な場合や、DAC自体にセレクトを任せられる場合、あえて「プリアンプ」は要らないと思いますよ。  
そのクラスのCDPもしくは、DACであれば、世間で言われている様な、プリを使わない「負の部分」は払拭されている筈ですから。

個人的な感想では、デジタルボリュームは「新しいものに限る!」って事でしょうかね。   聴感上の「欠落」などは、デジタル機器の改善でドンドン良くなって来ていると実感しています。  

セレクトの必要が無い環境での視聴であれば・・・  CDPのヴォリューム操作で十分でしたが・・・ ワタシは、SACDを導入したかったりや・・・ ADもまともに聴いて上げないとね (^o^)丿 と、言う事で プリアンプの復活がありました。

 最低でも、CDPのヴォリュームと同等が条件でしたが・・・  何台かの試聴の結果、使い勝手も含めて今のプリアンプ(C-03 ;ESOTERIC)を迎い入れる事と致しました。

 まァ−  違いも含めて楽しむ(苦しむ)事が、オーディオですから・・・  試行錯誤で 良い音を見つけて下さい。
byアコスの住人 at2010-08-30 14:22


下記URLの日記を書いた時はXLR接続の場合でしたが、最近RCA接続を行った時も個人的には

プリメイン+パッシブアッテネーター > パワー+パッシブアッテネーター

だと思えました。
理屈や経験によるノウハウで判断することは正しいですが、それらに反していても得られた結果を信じることも必要なのかなと思っています。
この辺はちょっと勉強してみます。
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2664/20100717/19627/
by cloe at2010-08-30 23:48


プリの問題は悩ましいですね。でも、こんなことを書くと嫌われるんですけど、高性能なプリだと、VRを絞っても音が全然と言っていいほど劣化しませんですよ。

いろいろ試してみた結果ですが、よくできた自作品とかアキュフェーズの最高価格帯のプリを使えば、フェーダーを使う必要はないです。ただし、アキュフェーズの製品でも最高級品に限り、その下の製品ではガクンと性能が落ちる可能性があります。例えば、中古だとC-290以降のメンテ品ならお奨めですね。
by kitatanuki at2010-09-03 19:24


>cloeさん
パッシブアッテネーターだとボリューム位置によって特性が変化しやすいとされることもありますが、cloeさんが導入された物だと、プリメインのボリュームよりも絞ったときの劣化は少なかったということですか。NANO PATCHも気になりますw
byオタ麻呂 at2010-09-04 11:18
http://community.phileweb.com/mypage/entry/828/20100829/20296/



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c90

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
91. 中川隆[-14472] koaQ7Jey 2020年1月16日 06:59:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1391]

音質低下の少ないプリアンプ(音量調整)への挑戦 アルプスRK501の実力検証
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yapsys/hifipri.html

高音質・高精度ボリューム RK501□□型の性能を出しきるために

アルプス電気 可変抵抗器 ロータリボリューム RK501シリーズ
http://www.alps.com/prod/info/J/HTML/Potentiometer/RotaryPotentiometers/RK501/RK501_list.html

はじめに

 余計な増幅回路が入れば、そこで音質低下が発生することは、良く知られていることです。

どんな優秀な増幅回路であっても同じことが言えます。

デスクリート回路であっても、モノリシックIC(オペアンプ)回路であっても音質低下には、同じことが言えます。

そこで増幅回路を省いたパッシブボリュームやパッシブアッテネッターという考えが生まれて、ご使用の方も少なくはありません。

今回は、出来るだけ音質低下が少なく、ケーブル等の影響も受けにくい増幅回路入りボリューム(プリアンプ)を製作してみました。試聴結果は下の方にあります。物理的特性に表れない音質差は不思議であり面白いものです。メーカー品を音質で凌駕出来る可能性が見えてきました。

RK501 ボリュームをせっかく入手しても、まだ使われていない方、これからご検討する方のご参考になればと思います。
この当方製作ラインバッファアンプ基板は、他のボリュームやアッテネッターの後ろに入れても効果はあります。パッシブプリ愛用の方も追加して音質改善されています。

プリアンプとは何でしょうか?

 音量可変、音質調整(トーンコントロール)入出力の選択、古くはレコード再生のイコライザー、テープ再生のヘッドアンプ様々な役割がありました。
それらは微少電圧を扱うのでプリアンプの性能は大変重要でした。
現在はCDを筆頭に出力電圧も大きくその時代のようなゲインのアンプは不要となりました。
しかし過去のものとばかりも言えません。
ボリュームの後ろに性能の良いアンプが付くと断然、音に元気が出ます。
こればかりは聴いてみないと判りませんが。

まず古い年代の市販のプリアンプを見てみましょう。あえて型番は記載しません。ご想像ください。いずれも著名な銘機です。

評判が良かったもの程、シンプルな構成です。
そしてオペアンプの採用が目立つことがお解りいただけるでしょう。
配線の手法もご覧ください。
現在の高級プリアンプの中身は、ラインレベルアンプになり、回路構成的にもバランス型となっているものが多いです。


まずは市販のプリアンプの中身を見てください。


@ ハイエンド向けのプリアンプ(海外製品)。
ボリュームはアルプス RK40が、採用されていた。
増幅回路はオペアンプ NE5534ANのみ。

写真は最新のものにICが交換されているが、元のICにはシールが貼ってあり名前が見えないようになっていた。ICソケットなので自己責任で差替えして遊べる。
この上位機種も同じでグライコ分の回路が多いだけでオール NE5534。
まさにオペアンププリだ。

自作プリで5534が入っていると、なんだと笑われるが、このメーカーだと笑われない。
ブランド名のご加護というものだ。そういう先入観を持つのは良くありません。
しかしこのメーカー好きの方々は、このICは一般のものと違うなどとなぜそんなにもかばうのだろう?


A 国産中級プリアンプ
回路部分はプラスチックで覆われている。
入力はDUAL FETでまともなデスクート回路なのに、DCサーボにICが入っているだけでなんら問題ないはず、引け目があったのだろうか?それともSS誌対策か?
いずれにしろ評論家の無責任発言対策だろう。

メーカーは、振動に対する音質対策と言っていたはず。
ボリュームはもちろんアルプス RK40。
入力の切替は長くならないように青いスイッチの延長板で判る。
実は、昭和40年代からメーカーアンプはロータリースイッチは後ろの方にあり軸が丸棒で延長されていた。
遡れば1950年代の製品にも見ることが出来る。
そういえば、ネットで検索すると、某国内ハイエンドメーカーの製品に NJM45○○が入っていたなどと得意げに晒しているのを見るが、DCサーボなどに汎用オペアンプが使われるのは当たり前のこと。


B 国産昭和42年製プリアンプ、
デスクリート回路シリコントランジスタ32石。7バンドグライコ(SEA)付き。
手前のシールドボックスがインダクタの入った箱。
まだまだ球やゲルマニュームトランジスタ主流の時代にシリコントランジスタの採用


C ハイエンド向けのプリアンプ(海外製品)。
入力切替はアナログスイッチ(FET)
ここでもボリュームはアルプス RK40が、採用されていた。
増幅回路はオペアンプ。
5バンドイコライザー付き。
面白いのはコンパンダー/エクスパンダー機能まで付いている。
説明書には規格から外れる場合は返品にも応じると書くくらいのプレシジョンアンプ。
ただし0.02%以下のひずみと20Hz〜20KHzの帯域特性。


Dトランジスタ構成の33.3V外部電源方式プリアンプ海外製品。
ボリュームはアルプス RK27に交換されている。
NE5534 がこれにも入っているが、バランス調整を単連ボリュームで行っているのでパンポット回路のようなところに採用している。
端子部までシールド線の配線がない。

入力切り替えスイッチまではプリントパターンで引かれている。
バックパネルまで全部プリント基板。シールド線はここでも使われていない。
シールド配線は使いようによっては音が悪くなるのは確かだ。しかしアマチュアのパッシブプリ自作はシールド線を使うと音が良くなるとばかりに、太い最上川音頭などが、これ見よがしに使われているのを見かける。

内部配線は両端シールド落としではなく片側落としも重要だ。
このようにメーカーアンプは、配線の合理化意外に音質を考慮してのこと。
わずか数センチの配線に太いシールド線は不要、普通のコードでOK。


E 当時マークレビンソンが買えない人が買ったと言われたこともあるそうな、ハイスピードプリアンプ。
本機は初期型で、これまたIC(オペアンプ LM318)
確かにハイスピード汎用オペアンプです。
のちに LF357の採用となる。
A&BのVRが使われているがこの個体には東京コスモスの60dBATT(1977製)が入っていた。

推測だが当時の連動誤差は日本人には、許せなかったはず、それで交換されたのかも知れない。詳しくは知る由もない。
入出力の配線はアースサンドイッチのフラットケーブル。


F 国産管球式プリアンプ。
いわゆるマランツ#7型EQ回路。
フォノを使わない場合、電源不要。
パッシブATT構成(東京光音製ATT採用)
写真では判りにくいが入出力はいわゆるフラットケーブルと一部にシールドコード。


G ハイエンド向けのプリアンプ(海外製品)
この時代はまだボリュームは、海外製
日本製部品は見当たらない。ハイブリットICが採用されている。
ICと言っても複合部品と言った方が良いかも知れない。


H LUXMAN プリアンプ。
値段分きちんとお金をかけて作ってある。これだけ日本は、真面目である。
ライン専用でバランスにも対応している機種である。


I 参考写真 
一番上がRK-501試聴用に今回製作した音量調整器(バランス対応型)試聴用に製作したので外観意匠に関しては、イマイチいただけません。
高級ケースに納めないのがかえって試聴では良い。視聴となると外観も影響する。所有欲をそそる外観にすると、このまま持っていかれる可能性が高いことも・・・。


中身を見ないで音で評価されていた時代

一通り往年の銘機の中身を拝見した訳ですが、70年代からオペアンプが採用されていたことがお解りいただけます。

そして採用ボリュームは、やはりアルプスです。
長らく音質が良いと絶賛されて来た訳であります。

オペアンプだからダメとかデスクリ構成だから良いという訳ではないことが分かります。
それでは、最新オペアンプで作れば良いということになりそうですが、オペアンプ交換して(装換と言うらしい)変わる差は、そんなに大したことはありません。

誰が聴いても音質が向上したと分かるくらいの物を製作しなくては、面白くありません。
私はオペアンプ回路を超える奇抜な回路は、そんなに無いと思っています。
しかし音質向上のためには、回路、実装的試行錯誤と試聴も重要な項目です。


最高クラスのボリュームの性能を生かすために

これに採用したフラットアンプは、製作試聴を繰り返し、オペアンプを使いながらも工夫によりデスクリート回路の良いところを併せ持つ、音質劣化の少ないものです。
それを使いアナログ音量調整装置として製作してみました。

そもそもの始まりは色々な VR による音質差の確認から始まっています。
ボリューム単体での比較では、どうしても接続機器の影響が出ます。
まずは、比較検証用ラインアンプの製作でした。
(パッシブ音量調整器参照)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yapsys/vrsystem.html


今回は最終確認として最高峰のボリューム RK501 の採用のラインアンプです。
このRK501を使う(実験)には、本当に勇気が要ります。
失敗したら製品価格からショックは大きいです。

このボリュームの性能をいかすには、それ以上のラインバッファアンプが必要なのは言うまでもありません。このボリュームの性能を生かせないラインバッファアンプでは意味がありません。

パッシブで使うより音質的影響が出ないようにすることが目標でした。
結果、高級プリアンプをも凌ぐ音質に仕上がっています。
最終的には心配を大きく裏切ってくれました。


これが RK501 10KΩ4連。
はたして希望の音は出るのだろうか?
特注で6万3千円也。通常は2連で済むのでおおよそ半額。

基板用の端子で1ミリ幅のピンだ!
パッシブ派の人はこんな高価なボリュームの根元に極太のシールドを使う。
熱と機械的ストレスが相当かかるだから中古は、使えない。
未使用の物でヤフオクに出たら絶対買いだ!


これが今回採用のフラットアンプ基板。
私としては、音質的に気に入っている。聴感上の評判も良い。
滅多に使わないガラエポ基板(賞味期限が切れそうだったので今回は採用しただけ)バランス対応なので実機では2枚使用した。
フラットアンプの挿入は、とにかく力強い音になる。
部品をまとめて購入したのである程度まとまってペア組部品が取れました
お安く基板は提供できます。15,000円

全く同じ回路のフェノール基板。音は同じです。
人によっては違いが判るのでしょうが・・・・
普通のアンバランスでの使用は、これ一枚でOK。
何枚も製作して、試行錯誤の上、完成したものです。
回路図は下記ブロック図をご参照ください。
FET OPAMP TRでの構成です。
写真で見ると高い基板と思う人もいるが相当安いつもり。
部品代は相当かかっている。拘りで全て日本のメーカーの部品を採用している。


ご予算的なお話(ここが一番の問題か?)
2チャンネル アンバランスの場合 (試聴実機は2チャンネルバランス)
ボリューム           3,6000円位
ツマミ              2,000円
基板セット特価期間限定 20,000 この基板のみは18,000円
ケース            5,000〜20,000  適宜
入出力雑材、電源トランス   5,000
ご自分の労力含まず


6万6千円〜で作れる訳です。
昭和の時代の中古を買って、ノスタルジーに浸るのも良いですが、音を聴くともう戻れないと思う方が多いです。
騙すつもりは全くありませんが、騙されたと思って製作してみると真実がお解りいただけます。
何しろRK501採用機種は100万もするのですから中古でもまだまだ高額です。


音量調整器の基本構成
上図のように、RK501 高音質ボリュームの性能を接続される機器での影響を受けないようにするのがフラットバッファアンプの役割です。
ボリュームが良くてもフラットアンプが良くても片方だけではだめです。
相乗効果で高音質が期待されます。
ボリュームの性能以下のフラットアンプでは意味がありません。

プリアンプ(フラットバッファアンプ基板ブロック図

試聴実機の構成
せっかくの4連ボリュームなので、バランス対応とした。
アンバラでは、ホット側を使えば良いだけだ。
アンプ基板は写真では分かりにくいが2階建で構成。
電源はハムが出なければどうでも良い。こんな汎用電源トランスでも実用になる。
2009/10/14製作


完成機試聴(個人による感想なのであまり意味がありませんが)
ほとんどの方が同じことを言うので傾向は判ります。

自分で聴いて、サイコーと言っていたのでは某誌ライターと同じですが、音を出した瞬間。これは大変なことだと実感しました。
この違いをわからない人はまずいないという自信を持ちました。
解像度が高く余韻がとても良いのです。

そのため定位感が増し、楽器の位置やボーカルのセンター定位などを実感できました。
またボリュームを絞っても音痩せしないので、一人で夜中に、にやけてしまいました。
これに入力セレクタを付ければプリアンプの実用品となるわけです。

注意しなくてはならないのが、あまり一人で同じ曲で試聴を繰り返すとゲシュタルト崩壊してしまう可能性があります。


第3者による拙宅での試聴
恐る恐る感想を聞くと、答えは私が夜中に聞いたのと全く同じ。
言い方こそ違うが同じ意味でした「スカッとする、音が伸びる」。
偶然の一致もあるので、別の友人を呼んでも同じ、やはり解像度の向上が一番なのかも知れません。

それを繰り返すこと4人、全く同じ内容の結果となりました。
さらにオーディオに興味のない人に聴いてもらっても、余韻による臨場感があり、聞こえない音がはっきり聞こえると、同じ意見をもらいました。


こうなったら怖いがお宅訪問他流試合

金田式製作愛用者。仙台市 AYさん 
これは勇気がいる。解像度では中々勝てない金田式です。
相当先入観があるし、無名なこのプリに勝ち目があるのか?差が出るのか?
ここでもはっきりした差が出ました。
解像度が高い1枚ベールが取れるといった結果です。
金田派も RK501ボリュームを買おうか悩んでいます。


スーパーハイエンドなお宅訪問 仙台市Mさん
20畳以上はある大きな部屋、ハーツフィールドが鎮座し、43シリーズやJBLオリンパスがとても小さく見えます。
あれだけのシステムをお持ちですから、相当数の著名器機をご使用になっています。
そんな方でさえ唸ってしまいました。
感想はやはり同じ、音階が聴き取れると好評。
アキュフェーズのDC-300の後ろにつないでも、劣化は感じません。


マッキン C22+MC275 3台使用マルチ宅訪問 石巻市Tさん
音像が広く、音の密度が甘いとダメだしを受ける。
規模の小さいシステムなら良いだろうとのこと。
もちろんこのような評価になることもあります。
しかし、これは正しい評価と受けることもできます。
解像度が高い音は分離が良く、そういう表現もありでしょう。


ラックスC7 プリ 3ウェイマルチ宅 石巻市Hさん
今まで聞こえない音が聞こえる。分解能が高い。
ラックスプリのこの VRの入った上位機種を買っておけば良かった。
アナログレコード主体の方ですが、CDにもこれだけの音が入っていたと驚いていた。


3ウェイ超大型オリジナルマルチアンプシステム(オーディオ専門店) Nさん
規模的には怒涛のマルチと言えます。 
パイプオルガンの超低域で破鍵しない独自システムをご使用。
解像度の高い音とやはり同じ感想をいただく。
話を伺うと RK501 の開発時、エンドユーザー評価に近い聴感特性追及のために、設計者が訪れアドバイスしたとのこと。


東京都Yさん(現品発送の試聴です)
実家のマルチシステムに組み入れでの試聴結果ですが、私室での試聴結果と おおよそ傾向は似ており、やはりオペラの歌声は RK501プリの方が質感がよかったで す。
もっと端的にいうと厚みがありまろやかな声に聞こえました。
他の楽曲でも、重心が低く低音が豊かな厚みのある傾向の音質で、いわゆる高級機器音質です。
それらの音質差は驚く程大きいものではありませんが、差異は明確にわかりました。 
また、決して双方に優劣が判定できるグレード差はありませんでした。 
それにしても、ボリウムの違いはマルチシステム再生音にて違いがわかる結果でした。


電気的特性を表示します。
(試聴テストには関係ありません)機器内部と特性を先に見ると視聴テストになってしまいます。
出力2V時の歪率データー(ボリューム+専用アンプ通過のデータ) 

Ch/周波数 100Hz 1KHz 10KHz 備考
LEFT (%) 0.0001 0.0011 0.0011 (A)補正
RIGHT(%) 0.0001 0.0011 0.0011 (A)補正


S/N比(A) L 100dB R 99dB

周波数特性
10Hz〜90KHzフラット値 -3db 170KHz


アルプス電気 PRODUCTS INFORMATIONからの引用
≪高性能を凝縮して、ピュア・サウンドを追及≫
高音質・高精度ボリューム RK501□□型

製品の概要
デジタルソースの普及により、ダイナミックレンジや周波数特性などの高音質化を実現できる情報ソースが身近に得られるようになった。
このためオーディオ機器では、これらの情報を忠実に再現できる内部回路や高音質部品のニーズが高まっている。

特に音量コントロール用のボリュームにおいてはその注目度も高く、重要な部品の一つに位置づけられる。

これらの要求に応えるべく、要素技術を根本から見直すことにより、評価手段として従来の物理特性だけではなく、エンドユーザーの評価により近い聴感特性をも重視し、材料から形状まで幅広い開発をおこない、

@高音質 A高特性 B高品位

を実現した高音質・高精度ボリューム RK501□□型を開発した。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yapsys/hifipri.html



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c91

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
92. 中川隆[-14471] koaQ7Jey 2020年1月16日 07:03:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1390]

good or bad, but thinking makes it so 良いも悪いも捉え方次第 Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-464.html

約3年前、大きな決意をしてラインアンプの受注を受けましたが、作業を完遂してお届けすることは叶いませんでした。

ざっくりと言えば、こちらからのご提案と使用者様のご希望との乖離を最後まで埋めることができなかったためです。

この一件は、私自身にとって(そして、ユーザーたろうと楽しみにされていた発注者さんにとっても)精神的な痛手となりました。

半年以上お待たせして、その上に破談となったわけですから大変なご迷惑をおかけしてしまったわけです。

しばらくは外からの依頼を全てお断りをして、状況の把握と反省する時間が必要でした。


こうした反省を踏まえもう一度頑張ろうと思えたのは辛くも貴重な経験があったからで、今は感謝しています。

そして、今後このような悲劇を繰り返さないようにしようと、改めて「自分のすべきこと」を見直す良いきっかけになりました。


そのチャンスは今年の春にやってきました、実に2年と半年ぶりの事でした。


http://blog-imgs-72.fc2.com/k/a/o/kaorin27/PICT3451.jpg


使い勝手につながる入出力の端子形状や選択数については、今回も全面的にオーナーの意向を反映させました。

古い録音を聞くために STEREO ↔︎ MONO の切変えも供えました。

別の方からモノラル・プレスのCD(左右チャンネルは電気的に同一)をかけるのに、なぜわざわざMONOスイッチが必要なのか?

と、聞かれましたが「必要だから」という以外明確な答えはありません。
それしか答えはないんです。

前回の反省を生かして、作業に掛かる前にまず電気的、機械的な中身については私が一番良いと思った方法を受け入れて使って頂くしかない。と申し上げて納得をいただいてから製作にかかりました。

どんな物を作るにしろ、私が作ったという事実は未来永劫消える事はないんです。
いくらオーナーからのご希望とはいえ(外見やファンクションに関してはどうぞご自由に、ですが)私自身が納得の出来ない機械を世に出す事こそ、私が第一番に避けるべき事だったのです。

以上が前回の失敗から得た教訓でした。

前回のご依頼者様が悪いわけではもちろんありません。
一番悪かったのは「出来うる限りご希望に添って作ります」と曖昧な投げかけをした私です。
ご希望に添う部分と、納得頂くべきところをしっかりと最初から分けてスタートするべきでした。

各ステージ間のインピーダンス整合とゲインセットはオーディオ・システムのクオリティを決定付ける最も影響力の強い要件ですが、それを一般の方に納得のいただけるように説明することは「音の良いアンプ」を製作するよりもずっと困難な作業です。


結局、誰が善で誰が悪だという話ではなかったのです。
沢山売るという事が善である大きなメーカーならば、要望の多い方面へ舵を切ってしかるべきでしょう。
私はそのような立派な立場ではなかっただけの事。

ならばきっと、私のやろうとする事を待っていて下さる酔狂な方も(数はよっぽど少ないけれど)見えるだろうからそちらの世界への期待に答える事が、小ならばこその役割だろうと思い至ったわけです。

http://blog-imgs-72.fc2.com/k/a/o/kaorin27/PICT3447.jpg


これは仮組み中の写真ですが、オーナーさんの思いと自分のすべき事を練り上げた上で形にして、良いアンプができたと思います。

外装デザインはオーナーさんのご希望通り
Klangfilmの専用電源と重ねてキャビネットに納めました


http://blog-imgs-72.fc2.com/k/a/o/kaorin27/PICT3468.jpg


このラインアンプは5極管の1球仕様で、この次の世代になると3極管の2段NF付きになり、音味が変わります。
そういった意味では貴重ではあるのです

もちろん、だから「良い」とか「悪い」という話ではありません。


There is nothing either good or bad, but thinking makes it so.

ー 物事(オーディオ機器)に良いも悪いもない。考え方(捉え方)によって良くも悪くもなる。 ー


と、綺麗にまとまりました、お後がよろしいようで
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-464.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c92

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
93. 中川隆[-14470] koaQ7Jey 2020年1月16日 07:04:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1389]

プリアンプは導入してみると音楽の世界が変わると思います。


私は最初、デジタルプリメインアンプの前段へ入れましたが、解像度が増したような感じと音のしまり具合から音質向上したと感じました。

その後、アナログパワーアンプ、AVアンプの前段にも入れていましたが、そのままの状態よりプリアンプを入れたほうが良いです。

パワーアンプ部にも音質的な特徴はあると思うので、プリアンプが完全に支配するというわけではないですが、プリメインアンプのプリ部がいかに貧弱だったかが分かります。

パワーアンプは搭載している電源部によって瞬発力とかが変わってくると思います。

プリアンプはCDPからの音声信号を整理して、音楽としてより聴きやすくしてパワーアンプへ送ります。

CDPとパワーアンプ直結だと、パッと聴いた感じでは音の鮮度がものすごく上がったように聴こえるので音質が上がったと感じると思いますが、プリアンプで聴いた後で聴くと荒削りだということも感じると思います。

直結はMIXし終わったばかりでマスタリングをする前の状態という感じです。

プリアンプはプリメインアンプを持っていても前段に導入したほうが良いです。

この際のプリメインアンプが安価なものでも、プリアンプを前段に入れるとかなりグレードアップした音質になります。

プリアンプをどのメーカーで選ぶかの基準は、普段聞いている音楽がどこの国のものかということに合わせたほうが良いかもしれません。

私の場合、95%がアメリカとヨーロッパのアーティストですので、アメリカ産・ヨーロッパ産のオーディオ機器しか持っていません。

真空管プリアンプを導入して、パワーアンプは普通のアナログアンプで良いと思います。

私は真空管のプリとパワーは導入していませんが、真空管のアウトボードを導入しています。

真空管は正常に動いている時は良いですが、球のどれかが切れ始めるとノイズが混入しはじめたりして大変です。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14107860119

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c93

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
94. 中川隆[-14469] koaQ7Jey 2020年1月16日 07:12:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1388]
EAR 912 \1,980,000(税別)
https://www.yoshinotrading.jp/ear-yoshino-page/912/

EAR社の創立25周年を記念し、またEARのチューブ・テクノロジーの集大成として作られたプリアンプが912です。最高級プロ仕様のMCヘッドトランス付フォノイコライザーを搭載しLINE入力PHONE入力の双方で、最高の真空管サウンドを実現します。


試聴機が届けられる前と届けられたとき、正直これが「198万円」という印象がぬぐえませんでした。

しかし、その音を聞いた後ではその価格が「高い」とは思えなくなってしまいました。

今回のテストではCDプレーヤーとトランジスター・プリメインアンプの間に繋いで音質をチェックした(プリアンプのテストでは、音質がどの程度"失われるか?”を確認するため、必ずこのチェックを行います)のですが、驚いたことにCDプレーヤーの価格が一桁上がった!?のではないかと思えるくらい音が良くなったからです。

単なる音量/音質調整器としてのプリアンプを超えた、「音を良くできる(失われた音を復元できる)」プリアンプ(アナログコンピューター)としての能力を兼ね備えプリアンプが EAR 912です。


912を通すと音が浄化されます。

デジタルとトランジスターの組み合わせでは、避けられない「粉っぽさ」や「とげとげしさ」が完全に消え、高域が透き通ってバイオリンの倍音が美しく伸びてゆきます。響きに潤いが出て、部屋の天井を取り払ったように大きく音が上に広がります。

電気的に感じられた倍音の硬さが取れ、弦楽器の高音がまるで生演奏のようにスムースでスィートになります。

どうすればこんな音が出せるのか?全く理解できませんが、アンプやスピーカーが消えて演奏会場に居合わせているような雰囲気です。

過去に数多くの真空管プリアンプを聴きました。驚くほど音が良い製品も沢山ありましたが、これほど「色づけを感じさせないプリアンプ」は今までに聴いたことがありません。優しく透明で、スムースな音。解像度感も抜群です。


濁っていた響きが整理され、各々の楽器の音がクッキリします。ボーカルの定位が改善し、口元が引き締まります。

ボーカルと伴奏の前後関係が改善し、立体感が増しています。

中でもボーカルの明瞭感の改善は驚くほどで、CDをSACDに変えたくらい音が良くなります。最高の電源ケーブルとラインケーブルを奢っても、これほどまで音質が改善するか?俄には信じられないほど、音が良くなりました。

極端な例えではなく、20万円のCDプレーヤーを200万円のCDプレーヤーに変えたくらい、音が良くなります。

シンバルの切れ味や響きのリアルだけではなく、すべての音の実在感とリアルさが大きく向上します。クラスの違うシステムを聴いているようです。プリアンプだけでこれほど音が良くなるのは、驚きを通り越して衝撃ですらあります。


響きの長さ、演奏会場のサイズがまるで変わります。

楽器の織りなすポリフォニックの構造の精度、大きさ、美しさは912を使う前とまるで別物です。現在使っているCDプレーヤーは58万円のX05/Ultimateですが、このプレーヤーをトップモデルのUX1SE/Limited+Antelope OCXの組み合わせにしても、ここまで音は良くならないかも知れません。

CDで聞き比べましたが、912の音質改善をたとえるなら「CDがSACDになったよう」ではなく、「CDが高音質レコードになったよう」という例えが正しいと思います。すべてにおいて改善が著しいので、どこがどうなどと個別に音を評価できません。

外観は素っ気なく少々安っぽい感じも受けますがその音は素晴らしく、メーカー希望小売価格を遙かに超える価値を感じます。真空管プリアンプでこれほど感動したのは、10年以上前に中古で入荷した Audio Research SP10を聞いて以来かも知れません。

同価格帯あるいは遙かに高額なトランジスター・プリアンプを聴きましたが 912と比べれば、私にはそれがただの「音量調節器」としか思えないほど 912が素晴らしい音に感じられました。


プリアンプはパワーアンプには欠かせない「音量調節器」なので、一般には「音を良くできる」という認識はないと思います。また、CDとパワーアンプの「間に入る」のに「情報量が増える」というのは、理解しにくいことだと思います。しかし、今までの経験から良いプリアンプは確実に音を良くすることがわかっています。

電気的には、プリアンプを使うことで信号のインピーダンスが下がり伝達能力が増すため「伝わりきらなかった細かい信号が消えずに伝わり」情報量が増えると説明されます。実際聞いた感じも説明のイメージに近く、良いプリアンプを使うことで細かい音が出てレンジが広くなります。しかし、 私は、ちょっと違う考え方をしています。それを説明しましょう。

プリアンプではなくケーブルでも音が良くなりますが、プリアンプと同じように電気的に説明すると「ケーブルによって消えていた(損なわれた音)が、良質なケーブルを使うことで伝わるようになる」となります。しかし、それでは「測定器のケーブルを変えると得られるデーターが良くなる(改善する)」という矛盾を抱えることになります。測定器ではケーブルの良否を判断できない、聴感上はあれほど音が変わるケーブルを測定できない。測定器に使われているケーブルは、オーディオ用よりも遙かにお粗末なのに得られるデーターは正しい。この矛盾をどのように解釈すればよいのでしょう。私は電気的な説明と違うことが起きているに違いないと思いました。

聞こえる音が変わるのは、電気的な情報損失ではなく人間側(聴覚)の問題だと考えています。人間の聴覚は類似する音に非常に敏感です。関連がある音の「あるなし」の聞き取りでは、測定器を遙かに超える感度を持っています。しかし、物理的に耳殻の構造を調べても、それほど小さな感度の音を拾えるようには思えません。そこで人間の驚くべき聴覚の秘密は、耳ではなく脳にあると考えました。耳が電気信号に置き換えた「音」が脳の中を広がるとき、信号の強い弱いで伝達速度が変わるはずです。また、類似する信号は重なって強まるはずです。つまり、細胞内を伝わってゆく電気信号の形は、音の大小ではなく「神経刺激の伝達パターン」に大きく左右されると考えられるからです。

ケーブルやプリアンプの中を音楽信号が通過すると、その振動(エネルギー)により、響き(付加振動)が発生します。それによって「特定の音響(神経刺激)パターンが強化される」ということは十分考えられます。つまり電気的な情報の変化よりも、「音響パターンの変化」に注目することで、些細なことで音が大きく変わって聞こえることを説明できると思うのです。

真空管プリアンプ(真空管アンプ)は、真空管という「物理的な響きを伴う増幅素子の存在」によって、物理的に信号に響きを付加します。エコーチャンバーやエフェクターのような働きです。EARはこの「響き」を見事に味方に付けて、失われた音楽信号の「パターン」を復元し、人間がいい音と感じる「パターン」を作り出す(強化する)に違いありません。 そう考えると912の素晴らしい音質を理解できますし、失われた音を復元できる装置(つまり非常に高度なアナログコンピューター)と考えれば、その価格も十分納得できると思うのです。

912は単なるプリアンプではなく、最高の音楽復元装置でした。 以前高価な真空管プリアンプとしてEMT JPA66を聴きましたが、さすがにレコードは超高価な昇圧トランスを搭載するJPA66に敵いませんでしたが、CDの音質に関してEAR 912はJPA66を足下にも寄せ付けないくらい素晴らしい音を出しました。

オーディオ機器を単純な「増幅装置」と考えるのは間違っています。それは失われた「音と音楽」を復元できる非常に高度な装置なのですから。
http://www.ippinkan.com/ear_912.htm


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c94

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
95. 中川隆[-14468] koaQ7Jey 2020年1月16日 07:37:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1387]

マランツやマッキントッシュのヴィンテージ真空管プリアンプと現代トランジスターパワーアンプとは相性が悪い。

改造して戻ってきたプリアンプ - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2013年01月12日

以前、名器とされる「マランツ7」(復刻版)を持っていたが、音質自体は気に入っていたもののレコードを聴かなくなったし、図体が比較的大きいし、12AX7(真空管)を6本も使ってあったり、トーンやバランスコントロールもあったりなので2年ほど前にあっさり知人に譲ってしまった。

「マランツ7」を使っていたときの記憶に低音域にプリアンプを使うと「ボワ〜ン」といったふくらみが過剰になって、量感はともかく分解能に問題があった。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ce6f49b84a2fe64a4e34b576c86990eb


「プリアンプはもう要らない?」 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2010年06月22日

以前、低域用のユニットとしてJBLの130Aユニット(口径38cm)を使っていた頃に、プリアンプとして「マランツ7」を使用していた。

まあ、真空管プリの往年の名器としてよく知られたものだがこのときはメインアンプも真空管でなにぶん小出力のため、プリアンプで味付けしてやると適度に低域が膨らんでうまく聴けたものだった。したがって当時は絶対の必需品。

ところが、低域用のアンプをトランジスター(Lー01A:4Ω時出力140ワット)に取替え、SPを片チャンネル4本にしたときに「マランツ7」を入れてみると、パッシブプリと比べて低域がボワ〜ンとなって締りがなくなりとても聴けたものではなかった。

つまり、メインアンプとスピーカーが充実するとプリアンプの効果が如実に薄くなったというわけ。もちろんケース・バイ・ケースだろうがこれで自分は完全にプリアンプ不要論に傾いてしまった。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/dec430d10a98efbf08b2291285bfdd28


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c95

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
96. 中川隆[-14467] koaQ7Jey 2020年1月16日 07:41:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1386]
「音楽&オーディオ」の小部屋 2017年01月03日

先日の記事で掲載していた「71Aプッシュプル」アンプの画像。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ebc8869f903352efb2e757b604a7ed84
       

この画像を見て「アレッ、おかしいな」と気付いた方はとても「観察力が鋭い方」であることを保証しよう。

もったいぶらずに種明かしをすると画像右側のボリュームつまみの位置(黒線)が午前9時になっている!

通常、パワーアンプのボリュームは絞らずに全開にして聴くのが当たり前なのでこれはいったいどうしたことか。

というわけで、この間の事情を述べてみよう。

システムにおけるパワーアンプの繋ぎ方は泣いても笑っても次の3系統しかない。(レコードを利用しない場合だが、もう一つ「マッチング・トランス」を経由する手があるがここでは省略。)


1 プリアンプから繋ぐ(パワーアンプのボリュームは全開)

2 アッテネーターから繋ぐ(パワーアンプのボリュームは全開)

3 DAコンバーターから直接繋ぐ

  (1) DAコンバーターのボリューム調整をしながら聴く(パワーアンプのボリュームは全開)

  (2) DAコンバーターのボリュームは全開にし、パワーアンプ付属のボリュームで調整しながら聴く

以下、逐次、解説してみよう。

1 我が家のシステムでは「プリアンプ」を入れて聴くと、力感は出てくるが繊細な音となるとイマイチだ。音の奥行き感、(それぞれの楽器の前後の位置関係)にちょっと不満が出てくる。結局どちらを採るかはプラス・マイナスがあって総合的な判断になるが、自分の場合は繊細さを優先するのでプリアンプはなるべく使いたくない。

と、ここまで記したところで、いくら「無責任で書きたい放題のブログ」といっても、わずかながらも良心は残っている(?)積もりなので念のためプリアンプを再度実験してみた。

使われている真空管は「12AU7」が4本あってうち2本は新品のムラード(イギリス)、残り2本は中古のテレフンケン(ドイツ)だったが、試しにテレフンケンをRCA(アメリカ:クリヤトップ)に変更してみたところ、アッと驚くほどの変わり様。

これほどの繊細さを表現できるのだから我が家のプリアンプは十分使える!使う球次第で豹変するので、やっぱり“うかつ”なことは書けない(笑)。

2 プリアンプの代わりにアッテネーターを使う方法もある。これも随分試してきたが、音が痩せて妙に神経質になるし、結局うまくいかなかった。アッテネーターに対する印象は目下のところ最悪だ。

3 こうなるとプリアンプを使わないときの残された手段はDAコンバーターからの直結しかない。当然(1)の方法が一般的だし、これまでずっとそうしてきたが、つい最近「物は試し」とばかりに(2)の方法で鳴らしてみたところ、音の力感はやや後退したが繊細さは明らかに向上した。

意外だった。

とりあえずパワーアンプ側からの言い分を聞いてみようと歴戦のアンプビルダーさんにご意見を訊いてみた。すると「普通はパワーアンプのボリュームを全開にして聴きますが、スピーカーも含めて機器同士の相性もありますのでボリュームを絞って聴いてみて、そちらの方が良ければ別にこだわる必要はありませんよ。」

「ボリュームを全開にしておかないとパワーアンプの能力がフルに発揮できないとずっと思ってきましたが、そうとは限らないんですねえ〜。」

けっして既成概念にとらわれることなく、スピーカーを部屋の真ん中近くに置いたりするなど「オーディオは何でもあり」なのだ(笑)。

結局パワーアンプのボリュームを絞ることはけっして好ましいことではないものの、DAコンバーターのボリュームを絞るよりはまだマシということもあり得ることが分かった、少なくとも我が家では。

そういうわけで自分の好みを優先し、このところ一系統だけだが、パワーアンプのボリュームを絞って聴いているのが真相だ。

最後に、いつもクルクル変わるので後日の記憶のため現在のシステムの接続状況を記しておくと次のとおり(2017.1.3現在)

CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS)は共通。


第1系統

DAコンバーター「NA11−S1」(マランツ) 
→ プリアンプ「大西式プリ」 
→ パワーアンプ「71Aプッシュプル」 
→ スピーカー「AXIOM150マークU・イン・ウェストミンスター」

主に聴くのはインターネットラジオで「モーツァルトの専門チャンネル」


第二系統

DAコンバーター「エルガー プラス」(ボリューム全開) 
→ パワーアンプ「171シングル」(ボリューム絞る) 
→ スピーカー「フィリップス」(口径30センチ:アルニコ・マグネットタイプ」)


主に聴くのは「ボーカル」と「小編成」の音楽


第三系統

DAコンバーター「27ixVer3.0」(ワディア)(ボリューム絞る) 
→ パワーアンプ「PX25シングル」(ボリューム全開) 
→ スピーカー「AXIOM300」(AXIOM80と共用)

主に聴くのはオーケストラやジャズそしてテレビ番組
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ebc8869f903352efb2e757b604a7ed84


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c96

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
97. 中川隆[-14466] koaQ7Jey 2020年1月16日 07:55:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1385]
「音楽&オーディオ」の小部屋2016年05月15日
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e5b52b75fce84ff2021b96cda7829052

オーディオ仲間のU君(福岡)がリン(イギリス)のSACDを4枚送ってくれた。

クラシックからジャズまで、オムニバス形式でアトランダムに曲目が収録されているが、リンのことだから音像定位にものすごくこだわった録音だろうと察しはつくのだが、一聴すると何の変哲もない普通のCDの鳴り方である。

「リンほどのメーカーにしては大した録音でもないなあ」というのが正直な感想だったが、もしかしてオーディオシステムの方に問題があるのかもしれないと思い至った。何せ相手はリンなんだから〜(笑)。

これまでプリアンプ、パワーアンプ、スピーカーは八方手を尽くしてそれぞれ吟味してきてやり尽くした感があるので、これ以上替える手段は持たない。
そこで「押してもダメなら、引いてみな」とばかりに、プリアンプを外してDAコンバーターから直結でパワーアンプに繋いでみた。

使っているDAコンバーターは「dCS」(エルガー プラス)にしろ、「ワディア」(27ixVer3.0)にしろボリュームコントロールが付いているのでプリアンプもアッテネーターも要らない。

いやあ、驚きました。スケール感などはやや落ちるものの、楽器の位置の前後感などが克明にくっきりと再生してくれるではないか。精緻極まる音楽に変身とでも言えばいいのだろうか。さすがはリン。

レコードをやらずCDオンリーの我が家に限ってのことだろうが「プリアンプを介在させた方がいいのか、どうか」は永遠のテーマである。まあ「功罪相半ばする」といったところだろう。

そして、プリアンプを使っていた時は幾分冴えなかったアンプが、DAコンバーターと直結にしてやるとがぜん息を吹き返してくるのだからたまらない。逆も真なりで、プリアンプ使用時はエース的存在だったアンプが途端に色褪せるのだからオーディオは本当に面白い。

いつ何どき出番があるのか分からないので、使っていないアンプでも簡単に放逐してはいけないと、肝に銘じたことだった。

最後に、今回の騒動でものの見事に息を吹き返してエース級の座を射止めたアンプは「71Aシングルアンプ」(インターステージトランス入り)だった。ドライバー管は「MHL4」、出力管は「171」(トリタン仕様)、整流管は「180」(ARCTURAS)。
         
71系の真空管よ、永遠なれ
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e5b52b75fce84ff2021b96cda7829052

「高音域不足」騒動記 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2016年04月30日
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/bd38aba7def5beea9aec33ffc12dafdb

先日、音楽にもオーディオにもたいへん造詣が深くて、とても信頼のおける方からメールが届いた。

「最近のあなたのブログにはツィーターユニットの内容が多いのですが、もしかしてプリアンプの高域不足に原因があるのではないですか?」という趣旨だった。

「そうかもしれませんね〜。ちょっと実験してみましょう。」と返信。
さっそく取り掛かった。

現在使用している真空管式プリアンプには2系統の出力端子があり、それぞれ別個の真空管パワー・アンプを繋いでいる。

「PX25シングル」(以下「PX25」)と「71Aプッシュプル」(以下「71A」)である。

そこで、実験1。
第一系統のシステムの流れを替えてみた。

CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS) 
→ DAコンバーター「ワディア27ixVer3.0」 
→ パワーアンプ「PX25」 
→ スピーカー「AXIOM300+コーン型ツィター」

ワディアのDAコンバーターからプリアンプを介さずダイレクトに「PX25」に繋いでみたところ、スッキリ爽やかな音質へと大変身。
やっぱりねえと感激。

プリアンプは相性次第でパワーアンプを生かしも殺しもするが、これで「北国の真空管博士」の入魂の作品「PX25」の魅力全開となって実験大成功。

実験2
同様に第二系統のシステムの流れは次のとおりだが、プリアンプをいろいろ取り換えてみた。

CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS) 
→ DAコンバーター「エルガー プラス」(dCS:SACD用)
→ 「プリアンプ」 
→ パワーアンプ「71A」 
→ スピーカー「ウェストミンスター箱使用の2ウェイ方式」

旧来のプリアンプを含めて3台、それぞれ交互に繋ぎ替えて実験したところ、いずれも甲乙つけ難しだったが、強いて言えば現用中のプリアンプが一番安定感があるようだ。

つまり高音域不足がさほど気にならなかったのだが、ふと、面白いことに気が付いた。

プリアンプにパワーアンプを2台繋いでいた時よりも1台だけにした方が全体的に音に躍動感が出てきて低音域も高音域も充実したのだった。

ボリュームの目盛も通常10時の位置だったのが9時半ぐらいに収まったのには驚いた。

プリアンプに2台のパワーアンプを繋ぐのはご法度で、どうやら1台限りにしておいた方が良さそうだ。

もちろん、同時に両方の2台を鳴らさなくてもただ繋いでおくだけでもプリアンプには負担がかかるとみえる。

まあ、これは真空管アンプに限っての話だろうが、とにかくMさんのおかげで前進出来たので謝、謝。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/bd38aba7def5beea9aec33ffc12dafdb

グッドマン「AXIOM80」の魅力全開 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2017年02月14日
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/da1fc3359ae6997c28b096edb9e74a3e

前々回に記したようにAXIOM80用に作った新たなエンクロージャーは、これまでとはまるっきり違う魅力を引き出してくれた。         

当日のシステムは次のとおり。
CDトランスポート(dCS) 
→ DAコンバーター(dCS) 
→ プリアンプ「大西式真空管プリ」 
→ パワーアンプ「171シングル」 
→ スピーカー「AXIOM80」

当然のことながら例によっていろいろ実験を試みた。

まずアンプを「171シングル」から話題沸騰中の「6FD7」アンプに交換して鳴らしてみたところ、悪くはないのだが「171」アンプのリアル感にはとても追い付かない感じ。

そこでプリアンプと相性が悪いのかもしれないのでDAコンバーターと直結して聴いてみたところ、俄然、音に生々しさが出てきた。

我が家で鳴らすときは「6FD7」アンプにプリアンプを繋ぐのはご法度である。
ちなみに、この「6FD7」アンプはSさんも注文されており、もうすぐ完成するとのことで「この音なら満足です。とても楽しみです。」とのことだった。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/da1fc3359ae6997c28b096edb9e74a3e
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c97

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
98. 中川隆[-14465] koaQ7Jey 2020年1月16日 08:05:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1384]
「音楽&オーディオ」の小部屋 2016年10月25日

レコードと違ってCDオンリーの愛好家の場合「プリアンプ不要論」は延々と続く「古くて新しいテーマ」である。

何ごとも「シンプル・イズ・ベスト」なので、プリアンプ無しでいい音が出ればそれに越したことはない。

「プリアンプは必要悪だ」という思いはずっと変わらない。
このテーマに対する(現時点の)じぶんの結論は「結局、相性の問題に尽きる」と考えている。

つまりDAコンバーター、メインアンプ、スピーカーがそれぞれの長所と欠点を補い合い「三位一体」として、うまく調和してくれればそれでヨシ、もし、そうじゃないときはプリアンプを介入させた方がマシ。

もちろんDAコンバーターにボリューム調整機能が付いていることが前提条件である。

プリアンプの代わりにアッテネーターを使うなんてのは論外だ(笑)。

今回の実験では

DAコンバーターに「27ixVer3.0」(ワディア)
メインアンプに「6FD7シングル」
スピーカーに「AXIOM110」(グッドマン:箱はウェストミンスター)

という組み合わせだった。

ちなみにこのDAコンバーターは初めからプリアンプを使用しなくてもいいような仕様になっており、出力インピーダンスは「1Ω以下」となっている。
胸をワクワクさせながら聴いてみたところ、これぞこれまで聴いた中でベストのサウンドだと唸ったねえ!(笑)。

周波数レンジの広さ、音の立ち上がりの早さ、低音域の力感と制動力も申し分なし。しかもDAコンバーターのボリュームが「60/100」あたりで十分な音量が確保できるのでエネルギー感にも余裕がある。

さらにプリアンプを入れていた時よりも明らかに高音域が素直になっている!
これなら「WE300B」アンプや「PX25」アンプの出番はもうないと一瞬思ったが、瞬間風速での感想は危険だし、後々ブログが書きづらくなるので、断言するのは止めておこう(笑)。

このアンプの生みの親の「北国の博士」にこの状況をぶつけてみると
「ケース・バイ・ケースですがプリアンプを入れると、どうしてもレンジが狭くなりがちです。その点この6FD7アンプは低音域から高音域までレンジの広さが持ち味なのでたしかに直結の方がいいかもしれませんね。」

そういうわけで、これからこのアンプを持っていって他流試合をする場合、プリアンプを使わなくて済むように予備のワディアのDAコンバーターも携帯してセットにして試聴しようと決めた。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8869b0b4de316e64d7cfb05ee27048e4

「音楽&オーディオ」の小部屋 2016年11月01日
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/53675333c7f218bf6cb681177029cc3c

新たに導入を決定したデモ用アンプ「6FD7」の試聴

チューブ オーディオ ラボ 6FD7シングルステレオアンプ
http://shinkuukan2.web.fc2.com/2016/Audiofair2016_2/fair2016_2.html
http://shinkuukan2.web.fc2.com/


システムの構成は次のとおり。

CDトランスポート「ラ ヴェルディ スカラ」(dCS) 
→ DAコンバーター「エルガー プラス」(dCS) 
→ プリアンプ「大西式プリ」 
→ パワーアンプ「6FD7シングル」 
→ スピーカー「AXIOM110+ワーフェデールのコーン型ユニット+JBL075ツィーター」3ウェイシステム


はじめに、女性ボーカルを聴いていただいたが、Sさんの第一声は
「低音域のエネルギー感は目を見張るものがありますが、中高音域の透明感というか抜けは今一つですね〜。」

「プリアンプを外してDAコンバーターのエルガー・プラスから直結にして聴かせていただけませんか。」

そういえば、ワディアとの直結はしょっちゅうやっているが、エルガーとの直結は滅多に試したことがない。これもボリューム調整機能が付いているので可能だ。RCAコードを差し替えるだけだから簡単そのもので1分で完了。

「いやあ、これは素晴らしい!何よりも気になっていた中高音域に透明感が出てきました。

やっぱりプリアンプが邪魔していたんですねえ。
この音はわたしの大好きなブリティッシュ・サウンドそのものです。

6FD7アンプは私も是非欲しいですね。それに出力管もさることながら出力トランスの優秀性が際立っていると思います。」
広い帯域を身上とするこの出力トランスに目を付けられたSさんの慧眼には驚いた。

「市販されている機械巻きのトランスと違って個人の丁寧な手巻きによる出力トランスですからその効果は歴然としています。それこそ製作者は福岡市近郊の方だそうですよ。北国の博士が優秀性に着目され実際に使用されていますので折り紙つきです。このトランスの存在なしに、この音は語れないでしょう。」と、自分。

それにしても、Sさんは絶対的なプリアンプ使用派だと思っていたので「プリアンプを外す」というご提案は意外だった。

「ケースバイケースでプリアンプの程度次第ですよ。
中途半端なものなら入れない方がいいです。

この6FD7の特徴は無色透明なところにあるようですからスピーカーの個性をそっくり活かすならプリアンプ無しの方がいいと思いました。」
さあ、ここから我が家の手持ちのアンプテストに入った。このDAコンバーター直結状態のもとで次々にアンプを取り代えて試聴した。何しろアンプの個性が一目瞭然に分かるのだからこたえられない。

そして「171シングル」「71Aシングル」「71Aプッシュプル」「2A3シングル」がいずれも枕を並べて討ち死に〜。何も比較してやらなければ誇り高く生き残れたものを・・・、無念(笑)。

それにしても、このチビちゃんアンプ「6FD7」は出力トランスが出力管を生かしているのか、出力管が出力トランスを生かしているのか、どうも両者の主従関係がよく分からない。いい真空管アンプとはそういうものだろう。もちろん、独特の回路も良質な整流管も陰の主役だ。

なお、併せて2のテストもしたわけだが、この“にわか作り”の3ウェイシステムは十分鑑賞に耐え得るものだった。自画自賛になるがフルレンジのときよりもずっと広帯域になってハーモニーにも違和感はない。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/53675333c7f218bf6cb681177029cc3c
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c98

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
99. 中川隆[-14464] koaQ7Jey 2020年1月16日 08:14:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1383]

プリアンプ機能付き DAC 推奨品

>>69
超高性能 DAC Topping【 D70 】55,000円

TOPPING社の新型DACでプリアンプ機能も持つ
Topping DAC D70
https://dp00000116.shop-pro.jp/?pid=143303697

____


>>12
CD 専用プレーヤー EAR Acute Classic
メーカー希望小売価格 890,000円(クロム仕上げ・税別)・798,000円(ブラック仕上げ・税別)
https://www.yoshinotrading.jp/products/ear/cd-player-1/

CD 専用プレーヤー EAR Acute Classic _ ティム・デ・パラヴィチーニの世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/853.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c99

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
100. 中川隆[-14463] koaQ7Jey 2020年1月16日 08:22:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1382]
2012年8月 3日デジタルボリュームとアナログボリューム
https://nw-electric.way-nifty.com/blog/2012/08/post-5cf7.html


名前だけ見るといかにもデジタルで処理したボリュームの方が性能が良さそうに思います。

では実態を見て行きましょう。

ここでは、分かりやすく表現するために、若干大げさな設定で比較していきます。
DACは16bitです。

   16bit DAC 2^16 = 65536ステップ   96dB
これが表現できる電圧のステップ数になります。 
ステップ数が少ないと階段状になり、ステップ数が多いと滑らかに波形を表現することができます。
 
 

■デジタルボリュームの場合のブロック図
           D-Data         D-Data  
  デジタルソース−−−>ボリューム−−−−>
 
             10mV         50mV
        DAC−−−−>HPA 5倍−−−−>HEADPHONE 
  ※) D-Data:デジタルデータの略


■アナログボリュームの場合のブロック図
           D-Data      2.0V  
  デジタルソース−−−>DAC−−−−>
 
                10mV         50mV
        ボリューム−−−−>HPA 5倍−−−−>HEADPHONE 
 
 
どちらも、ボリュームで必要な電圧に調整してヘッドホンへ届けることが出来ます。

ボリュームの減衰量は、2V÷10mV= 1/200倍です。 約-46dBです。
アナログの場合2Vの信号を10mVまでそのまま小さくすることができます。ステップ数も減りません。

ボリュームを通った信号はインピーダンスが上がり、ノイズ混入やチャンネルセパレーション悪化などの悪影響があります。部品や配線の工夫などでその影響は無視できるほど小さく出来ます。 極小ボリュームだと接点(摺動子)に電流が沢山流れるとそこで歪が発生すると言われていますので、ある程度サイズの大きなボリュームが望ましいです。 16型程度が許せる最低ラインと思います。

デジタルの場合は96dBあるダイナミックレンジを-46dB減衰。つまり50dBまでダイナミックレンジが狭くなります。 ステップ数でいいますと、316ステップ。 bitに換算すると8.3bit程度。

さすがに音声信号で300ステップというのは、粗さが目立って汚い音になることが想像できます。
      どちらのボリュームが良いか、一目瞭然ですね。
 
表現を分かりやすくするため、少し大げさな条件での比較となりましたが、30Ωのヘッドホンで50mVというと、0.1mWくらいになりますので能率が高めのヘッドホンなら普通に聞ける音量でもあります。 特に高精度なボリュームではなくても、16型(300円程度)ボリュームで十分に勝てます。

  
ちなみに、デジタルスケーリングされた音は、20bitDACで-1〜-2dBの減衰でも、アンプやスピーカーの表現力が豊かだと音場が違ってくるのが認識できます。 
(このくらいでは劣化したというほどではありませんが、聞き分けられるということです。 )
 

 
 
これはWolfsonのWM8711LというDAC-ICのブロック図なのですが、内部DACの後にアナログボリュームがあって、ヘッドホンドライバへと繋がっているのが分かります。 
この構成はデジタル領域で一切情報を欠落させず、DACをフルレンジで使用していて音量調整はアナログ領域で減衰さるという仕組みです。
DACメーカーもそれなりに考えて製品を作っていますね。   
 
やっぱりDACはフルレンジ使用が基本です。 たとえ20bitDACでも24bitDACでもです。
  
 
 

※正確な理論ダイナミックレンジは 6.02xbit数+1.78 [dB] です。 
  16bitの場合98dBとなります。
  この1.78dBというのは量子化ノイズ(ノコギリ波)の実効値です。
  上の説明では、量子化ノイズを除いて表現しています。


コメント

>ちなみに、デジタルスケーリングされた音は、20bitDACで-1〜-2dBの減衰でも、アンプやスピーカーの表現力が豊かだと音場が違ってくるのが認識できます。
では、(−1〜−2dB)デジタルスケーリングされた音と、アナログにより(−1〜−2dB)減衰した音を実際に比べた事がありますか?


私はあります。細心の注意を払って作った実験用アナログプリ・ATT、更には大枚はたいて超々高級プリアンプを導入したり、いろいろやりましたが(減衰量は−20〜28dB)、「圧倒的に」デジタル式が高音質でした。

これらの実験から、アナログボリュームの限界は意外に低く、一般的に言われるデジタル式とアナログ式の比較論は現実的では無いと思います。
投稿: K.K | 2019年3月 8日 (金) 17時06分

K.Kさん
おっしゃる通りですね。
デジタル処理は日々進化しており、デジタル領域でのスケーリングの方が劣化するとは言えないと思います。

私が試聴したのは、ずいぶん昔のことで、モデルはマランツのProject D-1です。 0dBとそれ以外(-1dBなど)とで音の印象がガラっと変わっていました。

後段のアンプの(アナログ)ボリュームを弄るまでもなく変化を感じました。

0dBでは鮮烈かつパワフルな「キレ」があるのに、スケーリングをかけた途端、やわらかく、まろやかになったと記憶しております。抵抗による(アナログ)ボリュームをちょっと回転させても、ああいう音の変化を感じたことはありません。

アキュフェーズやLUX、TAD、マッキン、Jeff、NAGRAなど、アナログ式を継続しているメーカーがありますが、アナログ式とデジタルスケーリングのどちらが良いかは、もう一概に言えないですね。
投稿: たかじん | 2019年3月 8日 (金) 20時46分
https://nw-electric.way-nifty.com/blog/2012/08/post-5cf7.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c100

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
101. 中川隆[-14462] koaQ7Jey 2020年1月16日 08:37:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1381]
電子ボリュームの巻き

ハムさんの日記にもあったように電子ボリュームを搭載されたアンプの新製品がでるようです。
ハムさんの日記 → http://d.hatena.ne.jp/hamtaro/20060825
メーカサイト   →  http://www.marantz.jp/ce/news/press/2006/20060725sc7s2.html

価格はなんと70万円以上もします。私のオーディオシステムが丸ごと買えそうな値段でしょうか(笑)。

このような値段のアンプには全然触手が動かないですね。え、なぜかって?
だって4000万円もするようなフェラーリをみても物欲が全然沸かないのと同じことですよ。私の守備範囲外です(爆)。


電子ボリュームを使うきっかけ

さて、電子ボリュームは私も以前に色々と試したことがあります。
もともと、いわゆる普通の2連のボリュームのギャンギングエラーを避けるために採用したのがきっかけです。

というのも日頃は小さい音量で使うので、ボリュームをほとんどまわさないのですが、
最初につかったコスモの通信用VRは最初に左から音がでて、次に右から音がでてといった感じです。

音そのものはよいとしても、音量差には我慢できないものがありました。

最初の電子ボリューム(VCAタイプ)

最初につかった電子ボリュームは三菱のもので、電圧コントロールタイプ(VCA)のものです。

もともとの用途は廉価オーディオ用でしょう。音はそれなりでした。
ただ問題は電源を切ると制御電圧がゼロに近くなりボリュームが最大になってしまいます。

そのため音楽をならしながらアンプの電源を切ろうものなら音が突然大きくなって(烈しい騒音)、びっくりしてしまいます。
MUTE回路なしでは使えない状態でした。まあ、これについては音があまりよくなかったのですぐにやめました。

    三菱M5241L。VCAタイプの電子ボリュームで廉価でした。

 電圧−減衰特性。電圧ゼロでボリューム最大になるなんて、つかいにいぞ!

次なる電子ボリューム(アナログSW+抵抗アッテネータ方式)
市販の電子ボリュームは諦めて、次に取り組んだのがアナログスイッチと抵抗で組んだディスクリートの電子ボリュームです。

アッテネータを2段に分けて、前段を8dBステップの8段階、後段を1dBステップの8段階にして8×8=64ステップとしました。

マイコン制御は面倒だったので、12BitのAD変換器の下位6ビット出力をそのままアナログスイッチのデコードとして入力しています。
これでー63dB〜0dBまで1dBステップにて調整できる優れものの完成です。

とくに不自由な点はなかったのですが、なにぶんAD変換器の出力を直接つないでいるのでビット境界になると1dBの差で音量が変わります。
音量が変わるだけなら大丈夫ですが、切り替わるときのグリッジ音がノイズのように発生してしまいます。

ほんのすこしボリュームを動かせばノイズは消えますが、やはり面倒です。
それにつかったアナログスイッチが悪かったのか、音にすこし劣化を感じました。
まあ、機会があれば部品の交換でもみようとは思っていましたが、グリッジノイズだけはどうしようもありません。

これは一時期にヘッドホン用のボリュームとして使っていましたが、しばらくして使わなくなってしまいました。

自作のディスクリート電子ボリューム。部品を奢れば、もっと高音質がねらえたかな?

やっぱり普通のボリュームに戻る(抵抗アッテーネータ方式)
この時点で電子ボリュームはやや諦めモード。で次に取り組んだのは原点復帰というか、

23接点のロータリースイッチと固定抵抗を組み合わせた抵抗アッテネータです。
これは、音の劣化もなく音質面ではよかったのですが、いかんせん操作フィーリングが悪いのです。

とにかくスイッチが硬い。ボリュームをまわすににしっかりとつまみを握らないといけないなんて・・・・。

スイッチの板バネの強度等を調整しましたが、やわらかくしすぎると、逆にスイッチの接点の摩擦する感じがつまみに伝わってきて、
これまた雰囲気がよくありません。

最後はこれかな?(普通のボリュームに戻る)

そうこういいながら、秋葉原でアルプスの標準サイズのデテントボリュームをみつけそれに交換して、
今にいたってます。このボリュームで特段不満はありません。


これはミニデテント。標準サイズは生産中止の様子。


最近の電子ボリュームは高機能

さて、話がそれましたが電子ボリュームのよいところはなんといっても、ギャンギングエラーがない(厳密にはあるが、無視できるレベル)点と、
設計に自由度がでる点でしょう。とくに後者は重要な点です。

通常のボリュームをつかうと、どうしてもシャフトを延長したり、あるいはアンプ基板から配線を伸ばして全面パネルまでもってこなくてはいけません。

とくに配線を伸ばすとS/N劣化の要因になってしまいます。電子ボリュームならアンプ基板の入力から最短位置におけますから、S/Nの点でも有利です。

それにICの内部で音量変化時にノイズがでないように、入力信号のゼロクロス時に音量が変わるような工夫もしてあります。

また、ホームシアターなどをしようものなら6連くらいのVRが必要ですが、電子ボリュームなら複数チャンネルの同時調整もいとも簡単にできます。
音質については、色々な意見があるので省略しますが、カタログ値はすばらしいものがあります(PGA2310でD-rageが120dB)。

HiFi用にも十分に、というより実装のメリットから考えると普通のVRよりも高性能かもしれません。

それと電子ボリュームの最大のメリットとして、オーディオにはあまり関係ないかもしれませんが、ゲインの設定が定量化でき、
同じ数値に再設定できるます。そしてPGA2310のゲインエラーはなんと0.05dBです。
ちなみに普通のAカーブのボリュームをつかって同じ出力値に再設定するのはほとんど不可能です。

すこしのつまみのずれでも出力が10%程度は簡単に変わってしまいます。

まあこのようにメリットの多い電子ボリュームですが、難点といえばマイコンが必要になる点でしょうか・・・・

PGA2310をつかってみた

PGA2310はDigiKeyで容易に入手できます。使い方はマイコンと3線シリアルで接続すれば、C言語で10数行のプログラムで動作可能です。

周波数帯域も1MHzくらいまで延びていますから、前述のようにD-rangeおよび歪率の点からも、低周波数の計測器にも十分につかえます。
とくに電子ボリュームの特徴である、「同じゲインに再設定ができる」という利点が大きいです。

これをロータリースイッチで組もうと思ったら出来ないことはないのですが、抵抗値選びや配線が大変です。
それに配線が複雑になればなるほど外来ノイズに弱くなってしまいます。

で、実際に作った計測器のプロトタイプ(これは趣味で作ったもの)はこれです。

用途が判らないようにしています(ごめんなさい)。


一応中味は公開します。でも主要なICは判らないようにしています。

この計測器の中には3個のPGA2310が入っています。1つはセンサ信号を増幅するメインの役割。

残りの2つは、勿体ないつかいかたですが、ヘッドホンのボリュームとアラーム音のボリュームとしてつかっています。

とくにヘッドホンやアラーム音のボリュームは普通のAカーブのボリュームでよかったのですが、

パネルの配線数を極力減らすことを目的として、あえて高価なPGA2310をつかっています。信頼性重視です。


真ん中のPGA2310がセンサ信号増幅用。右のPGA2310はアラーム音量の調整用。


PGA2310のプリには高性能なOPA627を使用。ここでのゲインは60dB

PGA2310はゲインがおおよそ-90dB〜30dBですが、1以上の増幅率とするため0〜30dBの範囲をつかっています。

そして2ch分をカスコード接続することによって0〜60dBの増幅器としてつかっています。

ゲインはロータリーエンコーダをつなげて0.5dB単位で調整できるようになっています。

Gはセンサゲイン。SPはアラーム音レベル。HPはヘッドホンレベル。
とくにアラーム音の調整にPGA2310をつかうのは、完全なオーバークオリティです。
LCDは秋月のドットマトリクスタイプです。バーグラフを書くのが便利です。

計測器という用途からわかるように、その前段にはプリとしてオペアンプがはいっています。PGA2310自体の入力インピーダンスが高くないので、
バッファーは必要なわけですが、初段でゲインを稼ぎたかったので前段のオペアンプで60dBのゲインを得ています。

ちなみに、そのオペアンプはOPA627をつかっています。

最初はもっと安いものをつかっていたのですが、さすがに総合ゲイン120dBにすると、ちょっと粗がでてきたのでOPA627をつかいました。

これはとても安心して使えるICです。お値段はすこし高いのですが、計測器の心臓部だと思えば納得できるC/Pです。

(オーディオ用にはもったいない気がいつもしています・・・・)

話はオーディオとは関係ない話になってしまいましたが、PGA2310は高性能で計測用途にも十分につかえます。

いづれオーディオ用にもつかってみようかと思っていますが、マイコンプログラム(PICアセンブラなど)が下手なのでなかなか取り組むきっかけがありません。
H8くらいのマイコンならC言語をつかって組めるのですが、それではオーディオ用としてはたいそうですからね。
http://www.easyaudiokit.com/Annex/memorandom/volume.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c101

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
102. 中川隆[-14461] koaQ7Jey 2020年1月16日 08:45:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1380]

プリメインアンプ マランツ(marantz) PM8006

電子ボリュームについて 2018/09/27
keromasaさん

購入して約2ヶ月が経過し、音質や機能などは大変満足しています。
ですが新搭載されたデジタル制御ボリュームについて違和感があり、質問の形で投稿しました。

ボリューム最小の状態から、適切な音量まで上げていくと、音量の上がり方が段階的に上がります。

アナログボリュームではないのである程度段階的に変化するのはしょうがないと思いますが、ちょっと極端に変わる感じがします。
個人的な感覚の問題もあると思いますが、自分にとって、丁度よい音量を通り越してしまう感じです。

集合住宅のため、あまり大きな音量にはできない事情もあり、余計にそのように感じている可能性もあります。(ボリュームノブの位置は時計の針の9時程度です)
皆様方のPM8006はどのような感じでしょうか?
ちなみに当方の個体は2017年製造品で、割と初期のロット品と思われます。

以上よろしくお願い致します。

blackbird1212さん
2019/05/02 01:15

keromasaさん、みなさん、こんばんは。
古い質問ですが、浮上していたのでちょっとだけ。

なんか、本質的な事実を知らないので、
このような誤解と間違った回答が繰り返されるようですね。

keromasaさんの直面した問題というものは、
現実に簡単に起こることです。
あっ君。さんのものが支障なく操作できているのは、
単に当たりを引いただけです。

現在使われている主流の電子ボリュームというものは、
IC化されたアナログ抵抗を電子スイッチで切り替えて
抵抗値を変化させることで音量調整しているアナログボリュームです。

問題は、その制御信号(デジタル信号です)をどうやって作るか、です。
この機種は、モーター付きの単連可変抵抗器を動かすことで、
抵抗値の変化(実際には電圧の変化)を読み取って、
その値をアナログ→デジタル変換することで制御信号を作っています。

このようなシステムにすることで、従来と同じ手で回す感触が得られ、
ロータリーエンコーダーを使った、くるくる回って止まらない違和感から逃れ、
リモコン操作でモーターを動かして音量調整することが出来ます。
つまり、従来と同じように使えるわけです。

しかし、使っている可変抵抗器に抵抗の塗りムラがあった場合、
可変抵抗器を直接使った場合のギャングエラーによる左右の音のばらつき、
これと同じ現象が起きるわけです。

2連の場合、片側が正常でもう片側にムラがある場合に、
左右で音量変化に違いが出てしまうわけです。
つまり、正常なものと正常ではないものが組み合わされることで
ギャングエラーによって左右の音のバランスに狂いが出るわけです。

実際、どのくらいの確率で正常ではないものが混じるのかはわかりませんが、
2連のアナログボリュームを使ってもギャングエラーが必ず起きるわけではありませんが、
1個しか使わないとしても、当たり外れの問題からは逃れられるわけではありません。

デジタル信号の生成にアナログの可変抵抗器を使っている以上、
抵抗のムラによる不正規な音量変化というものは、
電子ボリュームでも起こってしまうということです。
これを避けるには、ロータリーエンコーダーを使うしかないわけですが、
リモコンでの音量変化には別回路をもうけなくてはならないなど、
コストアップにつながるので、難しいのかもしれません。

こういう現象を避けたかったら、
リモコンで音量調整が出来る場合、
本体のノブが連動して動かないもの、
を選ぶくらいでしょうか。

keromasaさん 2019/05/02

blackbird1212さん
書込みありがとうございました。真の原因について理解することができました。
本器は、確かにロータリーエンコーダーは使用されてないですね。(コストの問題でしょう)

結局、コントロール用電圧を生成する可変抵抗器の精度の問題なので、私のように当たりはずれ問題となりますね。
ボリュームノブが時計の9時以降であればスムースなのも合点が行きます。
私は2台連続で外れました。(*_*;

現状、15dB程度のATTケーブルを自作し、プレイヤー側のゲインを落とし、問題を回避してますが、本体の保証が切れたら、内部に手を入れてみます。
VRが電圧生成なら、いくつか方法は考えられますが、自分で何とかできそうです。

ご助言ありがとうござました。
https://bbs.kakaku.com/bbs/K0001007524/SortID=22142156/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c102

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
103. 中川隆[-14460] koaQ7Jey 2020年1月16日 08:53:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1379]
電子ボリュームを使ってみた
http://www.maroon.dti.ne.jp/jyaku9/koneta/koneta6/koneta.html


秋月で安価(\300)に手に入るナショセミの LM1972 を使って、ヘッドホンアンプを製作します。 まあ、アンプはおまけですよw  ただ、そのまま作っても面白くないので、フォトカプラでデジタル回路と絶縁してみます。 (これがよけいだったかもしれない・・・w)


(1) 電子ボリューム
世間一般的に電子ボリュームの利点は、

・ボリュームのギャングエラー(左右で音量が異なる現象)がない。
・ボリュームによる音質劣化(まあ、俺は気にならないがw)がない。

など言われています。

要するに、秋月で売っているような2連ボリュームで満足している人には、必要のないものでしょう。

え? 私ですか? ぜんぜんOKですよ。秋月でw

じゃ、なんで作ってみることにしたのか?
技術的な興味ですねw


(2) ヘッドホンアンプで試してみる
さっそく設計・・・

図1 回路図
http://www.maroon.dti.ne.jp/jyaku9/koneta/koneta6/datas/circuit.pdf


で、こんな感じに製作しました。


図2 実際に製作した回路


・電子ボリューム部分は LM1972、制御には AVRマイコンの TINY13A を使用しました。

マイコンの ADC でボリューム VR1 の値を読込み、一定値以上の変化があった場合、電子ボリュームの音量設定を変更するようにしています。 今回はマイコンのノイズ対策として、フォトカプラによる絶縁を行っています。 これで、マイコンからのノイズ混入を恐れる必要がほぼなくなりますね。 また、1 ピン余りましたので電源LED D4 を PWM で音量に合わせて明るさを変えるようにしました。

* TINY13A 用のソースは TINY13A_LM1972.zip です。よかったらどうぞ。

・今回もお手軽な単電源仕様です。
仮想 GND の生成に OPA277 と LME49600 を使用しています。今まで作った中で一番高級ですw

・アンプ部分は LME49720 と LME49600 を使用しています。
LME49720 と LME49600 の組み合わせは結構評判なので、私も試してみたくなりましたw

(3) 測定結果
まずは、アンプ部分の特性をはかって見ました。

・歪み率測定結果

図3 歪み率(30Ω負荷)

0.003〜0.005[%] 程度ですか・・・期待してたほど良くないですね。 歪み率だけ見ると以前作ったお手軽ディスクリートアンプ程度の性能で少しがっかりです。 というのも、LME49720 のカタログスペックでの歪み率は 0.000009[%] と記載されており、 ものすごく低い歪み率になるかな? と期待していたところもあったのです。 ま、そもそも私の測定環境では 0.003[%] が測定限界なので測定できませんが・・・w

・30[Ω]負荷での方形波応答
リンキングもなく綺麗なものですね(図4参照)。

図4 方形波応答(30Ω負荷)

・0.1[uF]負荷での方形波応答

0.1[uF] でも発振はしませんでした。これならば発振対策は不要でしょう(図5参照)。

図5 方形波応答(0.1uF負荷)

・DCオフセット電圧

アンプのオフセット電圧は 1.5[mV] 程度でした(図6参照)。 この程度なら、データシートになるような”DCサーボ”までは必要ないと判断します。 たまたま当たりを引きましたかね?

図6 無信号時の出力(DCオフセット)

・RMAA(RightMark Audio Analyzer) の結果

詳細は こちら です。
http://www.maroon.dti.ne.jp/jyaku9/koneta/koneta6/rmaa.htm


測定結果から見てわかるとおり、音質には不満はありません。 気になっていたマイコンのノイズもオシロスコープでは観測できませんでした。 もちろん聴覚上も問題ありません(くそ耳ですがw)。 とりあえず、ヘッドホンアンプとしては合格点です。

補足 : 毎度のことですが、クロストークが若干悪いのは GND 共通なので妥協ですね。 改善したい場合は、LR で 回路と電源を独立すればよいでしょう。 どのみち普通のヘッドホンでは最終的に共通になっちゃいますがw
* 注意ポイントは、電源 OFF の時のノイズがものすごいです。

 「ポッ!」とか言う生やさしい物ではなく、「バリバリバリッ!!!」という感じでかなり大きい音でなるので、 精神衛生上よろしくありません。 OPアンプを OPA2134 に変更しても一緒なので、LME49600 が犯人っぽいですね。 まあ、しょうが無いのでリレーを追加しました。

 ちなみに、今回はちょっと変わったリレーの接続をしてみました。 電源 OFF で瞬断したいのですから、ダイオードを大容量コンデンサの前に入れればOKかな?  と思ったら案外うまくいきましたw 結果的に電源 ON 時のポップ音まで消えて全くなくなりましたが、なぜ消えたんだろ?

・・・わずかでも負荷への接続が遅れることで、アンプが早く安定するのでしょう・・・と予想w

(4) 電子ボリュームのノイズ
さて、電子ボリュームの話にうつります。

ボリュームを変更したときに僅かですがノイズが発生します。 ”グリッチノイズ”っていうんですか? 「チチチ・・・」という感じです (再生時にはまったくわかりませんが、無音時であれば僅かに聞こえるレベル)。

感覚で言ってもあれなので、そのノイズを WaveSpectra で測定したものを図7に示します。 WaveSpectra の設定を「ピーク」に設定し連続でボリュームを変化させました。

データを見てみると、全体的にレベルが上がってますけど 75[Hz] にピーク、次いでその2次高調波かな? 150[Hz] にピークが見て取れます。 うーん、何の周波数でしょうか? LM1972 のクロックにしては遅いし、ボリュームの変更間隔でもないし、60[Hz] のハムでもないですしね・・・ ちなみに、大きさは -90[dB] 弱です。 なんか数字だけ見ると聞こえるの? というような微妙なラインですが実際聞こえるんですよ! 気のせいではないと思います。

図7 グリッチノイズ?


(5) 電源のせいか?

DCオフセットがあるとグリッチノイズが出とあったので、確認のために LM1972 のオフセットを調べてみましたが 1.4[mV] 程度と、 まず問題ない値でした

(LME49720 のバイアス電流からオフセットを見積もっても正常範囲です)。 また、「FET 入力の OPアンプを使用するべし!」とありましたので、LME49720 から OPA2134 へ変更してみましたが変わらずです。

DCオフセットが原因でないとすると電源でしょうか?  そこで電源ラインを調べてみると、ボリューム変更時に電子ボリュームのボリューム変更に同期した変動がありました。

図8 ボリューム変更時の +6[V] 電源ライン

図8は +6[V] 電源ラインですが、1回の音量変更につき 60[mV] 程度の比較的大きな変動があります。

図9 ボリューム変更時の -6[V] 電源ライン

図9は -6[V] 電源ラインですが、+6[V]ラインと比較すると小さく ±10[mV] 程度の変動でした。

フォトカプラにはボリューム変更時に、8〜10[mA] 程度のパルス状の電流が流れますので、 これが +6[V] ラインを揺さぶっていると考えられます。 ちなみに、-6[V] ラインのほうが小さい理由は、フォトカプラの負荷側の電源を +6[V] と GND から取っているためと思われます。

というわけで、電子ボリュームのデジタル電源を別途外部から供給しても見たのですが、 結果グリッチノイズは消えませんでした。

まあ、変動は大きいですが周波数が遅いので、この程度の電源ラインの変動は OPアンプが吸収してしまっているはずです。 やはり、原因はフォトカプラのスイッチングによる電源変動ではないのか? 正直ちょっとお手上げですなぁ・・・(´・ω・`)


(6) まとめ
というわけで、まとめです。


・今回の方法でマイコンのクロックノイズは観測できませんでした。
というか、マイコンからのノイズが相当小さいので、絶縁までは必要なかったんですかね?  とりあえず言えることは、「マイコンを混在させても電源さえきちんと処理すれば影響はほとんどない」って事ですね。


・しかし、電子ボリュームのグリッチノイズに対しては相当神経質になる必要がある。

音量変更しなければノイズは乗らないわけですが、 完成度を高めるためには”グリッチノイズをどこまで小さくできるか?”が肝でしょうね。 少なくとも私の回路構成では完全無音というわけには行かないようです。

・・・といっても、そんなに手抜きしたつもりもないので、 「そもそも LM1972 は ”完全無音” でボリューム変更できるのか?」という疑念も生まれ・・・ うわぁ、最悪だ!責任転嫁とか!! ううう、私が屑なだけです。ナショセミさんごめんなさいw


補足 : 残ってる対策ですが、「きちんとした±の両電源を使用して、さらにデジタル電源を強化する」事くらいですねぇ?  でもねぇ・・・単電源仕様でアンプ自体はまともに動作するのに、 ”たかだか数百円の電子ボリューム” のためにそこまでするのも何か変ですw

また、今回の記事の全否定ですが、”フォトカプラとか使用しない”方が逆にいいのかもしれませんねw。 あいつらは結構電流食いますので・・・

(7) 感想
最後に感想ですが・・・

正直、普通のボリュームでもいいんじゃないでしょうか?w

 べ、別に俺が LM1972 使いこなせなかったって言う、いいわけじゃないんだからね!(サーセンw)

まあ、今回 ”しっかりと電源対策すれば、マイコンを使用してもアナログ回路に影響は出ない。” ということがわかっただけでもめっけもんでした。 オーディオミキサーとかセレクタを作るためにマイコンを使用してもぜんぜんOKなわけですもんね。

さてさて、最終的には満足良く仕上がりではありませんでしたが、 これから LM1972 を使用しようかな? という人のために、少しでもこの記事がお役に立てたらと思います。
http://www.maroon.dti.ne.jp/jyaku9/koneta/koneta6/koneta.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c103

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
104. 中川隆[-14459] koaQ7Jey 2020年1月16日 08:59:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1378]
トランス式アッテネーターを導入・・・(2016/4/5)
    
SIC-MOSFETアンプにアップデートしてからは、プリアンプを使用せず、DAC(カプリース)のラインアンプを使用してきた。シンプルで具合はいいのだが、ネット記事によると、このラインアンプはあまり音質が良くないらしい。そこで、SNSで知り合ったM氏にお願いして、トランス式式アッテネータを製作していただいた。出力を2系統とし、ひと回り大きいケースを使用。トランスを極厚アルミ板にしっかりマウントした上でシャーシに取り付けたため音質がかなり改善した、とのことである。
プリアンプは相応の高級機でないと、アッテネータに敵わない。また、抵抗式アッテネータは絞る度合いによって音質も変化するらしい。そこでトランス式が廉価で効果も見込めると判断した。

使用後は明らかに音の鮮度が上がり、ドームミッドのトランジェントも向上、極めて満足できるサウンドとなった。ウェスタンの555Aが欲しいとは今後とも思わないだろう。
http://audio.nomaki.jp/#att

プリアンプ不要の時代 2015年 01月 10日

プリアンプには、

@音量調節機能
Aフォノイコライザー機能
Bトーンコントロール機能

があるが、最近はAやBを全く使わない人が多い。@はDACの可変出力に繋げば済むのである。しかも最近のUSB-DACはリモコンで音量調整もできる。ならばプリアンプは要らないのではないか。

かく言う私もDACの音量調整機能で十分満足している。ケーブルは十分遍歴を繰り返して、ローブースト傾向の好みのバランスで落ち着いているので、トーンコントロール機能は要らない。LPは大して聴かないので、単品の廉価フォノイコを買って、DACのAUX端子に繋げている。

もし単体プリアンプを買うなら、今後はトーンコントロールを使う人が、トーンコントロール機能つきのプリアンプを買う、とかLPも再生する人がフォノイコライザーつきを買う、でないと意味のない時代になったように思う。遅ればせながら、ようやくそういう認識に至った。

今は昔、クリスキットというアンプブランドがあった。かなり変人の桝谷という方の製品で、私も一度毒づかれたことがある。「プリアンプを変えるだけで音が変わる」が売りだったが、今繋いだらやっぱり音質が向上するだろうか。やってみないとなんとも言えないが。

このプリアンプにはトーンコントロール機能はないが、ローブーストSWがあるのはいい。クラシック音楽ファンならぜひ欲しい機能である。シンプルなデザインにも好感が持てる。

上は故上杉氏のメモリアルプリアンプのBROS-2011P。たいへん美しいデザインである。フォノイコ内蔵、トーンコントロールなし、リモコンなし、なのだが、こうした魅力的な製品も我が家ではあまり意味がないということになる。

最後はすでに生産完了となったラックスマンの旗艦プリアンプC-1000fである。トーンコントロールもフォノイコライザーもはなく、巨大な音量調節器の趣だ。価格は100万円を超えるが、DACの音量調整機能とどう違い、どう違って聴こえるのか、私はわかっているとは言えない。
http://compact.exblog.jp/23990827/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c104

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
105. 中川隆[-14458] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:05:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1377]
>>44, >>45
トランス式パッシブプリアンプ 推奨品

MASTERSブランド - オーディオのイシノラボどっとこむ
トランス式パッシブプリアンプ
https://www.ishinolab.com/modules/doc_merchandise/original/masters/index.html

超お買い得 イシノラボのトランス式パッシブ・プリアンプ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/689.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c105

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
106. 中川隆[-14457] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:09:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1376]

パッシブプリ(IN・OUT1系統)のシンプルさ - Mr.トレイルのオーディオ回り道 2018年02月16日
http://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/1c2e238a03297d9b83d5d863be5179a2

パッシブプリを入手しました。早速自宅システムでプリアンプ(自作管球プリ)とパワーアンプ(Exclusive M4)の間に入れ「音出し確認」をしました。内部配線が一般品なので「曇った」音ですね。でもシンプルに減衰している様なので使い勝手が良いです。

内部配線がこれでは当たり前です。音出し確認で使いましたが、早急に内部配線を交換してやらないと「管球プリ」の実力が出て来ません。

元々Exclusive M4パワーアンプにゲインコントロールが有れば不要な代物。実際に自宅にM4を据え置くかはまだ迷っている。もう1台A級アンプを用意している。LUXMAN M-06αをD208システムで鳴らして使っている。こちらにはパワーアンプ側にゲインコントロールが有るので、こちらを使う場合はパッシブプリは不要となる。今度の日曜日にM4とM-6αを入れ替えて使ってみようと思っている。どちらが残ることになるか?楽しみにしている。M4用のフルテックヒューズも入荷した。同じ条件に近い状態が作り出せる。
http://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/1c2e238a03297d9b83d5d863be5179a2

パッシブプリの内部配線交換(追加配線) - Mr.トレイルのオーディオ回り道
http://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b73173db4bcb4afe6e0d4b907638bd4f

昨日到着したパッシブプリを一晩使いました。内部配線が一般の配線なので「曇った」様なサウンドに感じました。普通の方が聴いたら「普通」なのかも知れませんが、音質に拘る方が聴いたら一発で判るでしょう。

交換前の内部配線の状態。

内部配線を自分仕様の「最高級グレード」のケーブルに「内部配線」を追加配線しました。ボリュームの処のグランド端子や1・2の+端子の電極が小さい上に、間隔が狭いのでショートしない様に事前に形を作って、その形を保ったまま半田付けしました。オリジナルの配線は残したまま、追加で配線を加えたようにしました。(電気は抵抗の少ない方に多く流れます・・・おそらくオリジナル配線の方にはほんの少ししか流れないと思います)

出てきたサウンドは「ストレート」です。プリの出力をそのままスルーした様な表現力のあるサウンドです。線の細かった音が自然な音に近くなりました。出力を持ったプリアンプの2台使いより、こちらのパッシブプリの方が音量調整域が広く音質も良いです。24クリップのボリュームが心地よいです。しかし、このボリュームはMAXとMINの間隔が1クリップ分と殆ど有りません。MAXの処だけマークして使っています。これだけシンプルだと「内部配線」も楽です。それでも2時間ほど所要しました。
http://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b73173db4bcb4afe6e0d4b907638bd4f
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c106

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
107. 中川隆[-14456] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:14:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1375]
MUSES72320 プリにチャレンジ - Innocent Key
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1219

以前に電子ボリュームのチャレンジでは2度失敗しているのですがDACでかなりの飛躍を遂げたため、ノウハウを再投入して性懲りもなくまたチャレンジです。
今回の設計の特徴は次のとおりです。

•MUSES72320を使う。とりあえずアンバランスで。

•入力と出力にはアンプを入れる。それぞれディスクリートアンプにする。入力アンプは見かけ上の可変抵抗による劣化を防ぐため。

•レギュレータは今までの最高のものを投入する(アナログJung2000、デジタルJung95)

•ディスクリートアンプ用にDCサーボを入れる。


結論

明らかに失敗作です。ダラダラ書いても仕方ないのでズバッと書きます。結構頑張って作ったのですが。

まず設計の問題として電子ボリュームの入り口でディスクリートアンプを使うとDCが出るのでボリュームの切り替えノイズが出ます。

ゼロクロスポイントを検出しますが微小音量時にDCが残っていると検出できずにプチノイズの原因となります。

ディスクリートアンプ上でDCを調整してもすべての条件で安定するわけじゃないのでプチノイズは完全にはなくなりません。これは入り口のアンプをICに変えれば改善できますが、わざわざディスクリート用に設計にした意味があまりなくなってしまいます。

次に音質ですがやっぱりダメです。MUSE72320はこれで完全に見切りをつけました。
このプリをDACの出力に接続すると明らかに劣化をします。

試聴がスピーカだろうがヘッドフォンだろうが同じです。

もちろん電子ボリュームの電源は別供給にして理想状態に近づけていますが、それでも音質的には MUSES72320 を通過するとかなりの劣化があります。

もちろん以前作成したものよりはずっと音がいいのですが、やはりアッテネータや高級プリには完敗です。

それどころか間違いなくデジタルボリューム以下です。
コストと物量をこのようなところに掛ける価値はないと思いました。
結局これを使うならデジタルボリュームのほうが音はいいです。

どういう音質の違いかというと、DACダイレクトのデジタルボリュームの音質はアッテネータや高級プリを通すよりもさらに分離はよくストレートな音でした。
奥行が深いとか減衰がどこまでも伸びるとかそういう方向性です。

アナログのボリュームではまっさきに失われる部分です。
質の悪い抵抗や高い抵抗値もそうですね。

決して音色とかニュアンスがどうとかの問題ではありません。
音が消えるかどうかです。消えた音は戻りません。

アナログボリュームは悪いと言っても確かに高級な製品であればやはりメーカーのカラーという意味でプリを通すのも味があって良いものですが、単純な品質、忠実度だけならデジタルボリュームのほうが優れています。

よく言われるデジタルボリュームのビット欠けについては最新の DAC は内部処理が24bit以上なので16bit音源の再生ならば極端に音量を絞らなければ実用上問題にはなりません。

少なくとも自作 DAC のケースに限って言えばデジタルボリュームのほうが音は良いということです。
そしてアナログでデジタルボリュームを超えるのは本当に容易ではないということです。

このようになった原因として考えられる理由などは後述します。

高級プリってこれです
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1219

たまたま比較する機会があったのですが、高級プリとは LINN の Klimax Kontrol です。


ラインレベルプリアンプ LINN Klimax Kontrol SE 
¥1,400,000(税別)
※生産完了(2015年6月時点)

SEへとバージョンアップをはたし、音楽ファンを一気に興奮状態に導いたリファレンスプリアンプKLIMAX KONTROL SE。 リファレンスと呼ぶに相応しい圧倒的な性能と、素材の持つ特質を活かした印象的な意匠をそなえたKLIMAX KONTROL(クライマックスコントロール)。

アルミ合金を削り出して仕上げられた2ピースからなる筐体内部には、高音質を実現するために表面実装で仕上げられた左右対称のパターンレイアウトの音声回路とスイッチモード電源等が整然と配置されています。音楽の生命を表現するカギとなるプリアンプの重要性を実感させるシステムの核。

カラーラインナップ:Silver/Black
◾入力端子:RCAフォノ3系統・XLR(2番ホット)1系統・KNEKT IN
◾入力インピーダンス:10kΩ(アンバラ)・7.8kΩ(バランス)
◾利得幅:−95.5dB〜+19.5dB
◾出力端子:RCAフォノ1系統・XLR(2番ホット)1系統
◾出力インピーダンス:300Ω(アンバラ)・600Ω(バランス)
◾サイズ:W350mm x D355mm x H60mm
◾重量:9kg
http://linn.jp/products/pre-amplifiers/klimax-kontrol/
https://note.mu/onojima/n/n5f65b2e18dee
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2960/20131226/40621/

ヤフオク! - オーディオ機器 - 「LINN klimax kontrol」の検索結果
https://auctions.yahoo.co.jp/search/search;_ylt=A7dPFljt3exaejcA3iBAPDh8?p=LINN+klimax+kontrol&aq=-1&oq=&fixed=0&ei=UTF-8&slider=0&tab_ex=commerce&auccat=23764&x=27&y=27


まぁこれに勝とうというのは無謀というものかもしれませんが、当然ながら音質、音色、魅力、全てにおいて MUSES72320 単発では勝負になりませんでした。
でも DAC直のデジタルボリュームは音質とかクオリティだけならこれよりいいんですよ。

それだとLinnの強いカラーや個性がないだけです。

重要なところはこのクラスの機材を持ってきても分離重視ならば DAC のデジタルボリュームのほうが良いってことです。

しかしだからこの機材に意味が無いってことじゃありません。
音楽はそれだけでは語れない要素があります。

この機材の特徴はそういうクオリティ本意の部分じゃなくて、最大の魅力はやっぱり音色でしょう。美音系で聞いていて癒やされる方向性だと思います。
音は明らかにソースから変わるのですがその方向性が決して嫌な音じゃなくていわゆる良い音になります。すごく上品さを感じる音色です。

このあたりはやっぱりメーカーの強いカラーと思います。高水準のクオリティを維持しながらわかりやすいメーカー独自のカラーと魅力をしっかりと出してくるわけです。

これはいいです。ハイエンドブランドの条件はこういうところだと思います。
制作サイドの言い方に変えると、上質なアナログアウトボードでソースに音楽的ニュアンスを付加するようなイメージでしょうか。

大抵そういう機材は高いもんです。
Manley、Neve、Avalon等でしょうか。
このプリも例に漏れずということだと思います。

その機材でなければならない理由がある。
それがなければ…単なる特性やクオリティ勝負だけでは、後発でより上位なものが登場した時にその機材は存在意義を失います。

Linnのチューニング方法

ではどうやってこのようなカラーを作り出しているのでしょうか。
所有者の方にお許しをもらってちょっとだけ内部を確認したのですが、いやー詳細はさすがに書けませんが面白いです。
セオリーに反したことをやっています。

電源なのですが電源で普通は Aのことが Linn では Bでした。

市販製品で Bになっているものはちょっと想像できません。というか存在しないと思います。こういうところが独自性なのだと思います。確かに音は変わると思います。

この単純なハイクオリティを実現するだけにとどまらず最後にウソというかありえないことをやるわけですね。

真面目なだけじゃ面白くない、どこか不安定だったり核心的な嘘が魅力を出す
このへん実は音楽制作と同じじゃないかと思いました。人間だってそうかもしれません。

そして音楽ではそういう意図的なタイミングや仕込みで思い通りにリスナーの心理をコントロールする、それで初めてプロと呼べるレベルと思いますので、Linn はそういう意味ではオーディオのプロでしょうね?

ハイエンドブランドのやり方が一つ分かりました。

でもそれは音楽制作と繋がる部分でした。面白いですね。

デジタルボリュームが優位になる条件
書き忘れていたので追記です。

アナログボリュームよりもデジタルボリュームが音質的に優位となるには条件があります。何でもデジタルボリュームがいいわけじゃないです。

そういえばお気楽 WM8741 を作った時はデジタルボリュームは悪くはないが圧倒的に優位とは思いませんでした。当時はボリュームを絞るとやっぱり劣化があるなと思ったものです。なのでデジタルボリュームが優位になったきっかけは基板設計をやり直して DAC 出力の SN特性が優秀になってからの話になります。

これは要するに DAC出力のノイズフロアが全帯域で十分に低く安定していて、データシート通りの SN を実現できていることがデジタルボリュームの高音質化の条件になると思います。

最近のハイエンド DAC になってようやくデジタルボリュームの優位性が出てきたのかもしれません。

なのでデジタルボリュームが優れているという事実は DAC のスペックが上がったことによる新しい法則だと思われます。

古い世代の DAC ならばアナログボリュームのほうが良いというのは正しいと思われます。

例えば当方の作成している DAC のノイズフロアは FFT観測で-150dB付近でリップルもありません。測定データのうち代表的な実測データを見せるとこんな感じです。
このような測定が実現できている場合は大抵のアナログボリュームよりもデジタルボリュームが良いはずです。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1219

アナログボリュームの減衰はこの DAC 由来のノイズフロア自体を押し下げる効果があります。

よく言われるアナログボリュームの優位性の一つです。
もう一つがビット欠けがないことです。

しかしアナログボリュームによる抵抗由来のノイズは DAC 出力に対して付加されるので、アナログボリュームが DAC のノイズフロアを下げる効果よりも抵抗ノイズが大きい場合には、アナログボリュームが音質的に劣る結果となるはずです。
逆にアナログボリューム由来のノイズが DAC のノイズフロアより低く出来る場合にはアナログボリュームがより優れた結果となるはずです。

デジタルボリュームの場合は DAC そのもののノイズ量は一定ですからデジタルボリュームで音質を絞ることは SN の悪化となります。

デジタルであっても減衰が大きすぎるとノイズフロアの上昇とともにビット欠け(16bit音源なら-48db以上の減衰)も起きますので、あまりにデジタルボリューム頼りになるのも考えものです。

なので実用領域でデジタル減衰量が出来るだけ少なくすること。
要はむやみに出力側のアンプでゲインを稼ぎ過ぎないことでしょうか。

これもデジタルボリュームが優位になる条件となりそうです。
10kΩのアッテネータから発生する雑音はどれくらいでしょうか。
こちらでも試算してみました。まずこちらの表を引用します。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1219

以前乗っていた計算が間違っていたので修正します。(2014/12/04)

音声帯域幅を 0-22kHzとした場合、10kΩの抵抗が音声帯域で生じるノイズが約1.9μVrms、DACのノイズはどれくらいかというと現代の平均的なハイエンド DAC では聴感フィルタなしだと SN は-120dB位がデータシートでは主流です。とりあえず-120dBで想定するとして、振 2Vrmsで SN-120dBならノイズは 2μVです。
大体現代の DAC の SN と10kΩの抵抗のノイズが同じくらいの量ですね。

そのまま抵抗のノイズが乗ってきた場合 DAC の S/N は-114dB位に悪化するということになるかとおもわれます。

これではアナログボリュームで信号レベルを減少させたときにノイズフロアが減少するというメリットがあっても抵抗由来のノイズで台無しです。

過去に何度もチャレンジしてきた内部抵抗が 10k〜20kの電子ボリューム(デジタルスイッチのアナログボリューム、デジタルボリュームではない)を通した時に DAC直よりも劣化してしまうのはこの抵抗由来のノイズが DAC のノイズに加算されることが原因だということはこの結果から判断できそうです。

大幅な劣化ではないにしろ DAC のスペックよりも S/N は悪化してしまうわけです。

最新のDACの真のスペックならば普通にアナログボリュームとして使われる代表的な抵抗値のノイズよりも低いわけです。

実際に MUSES72320 のデータシートを見ると最悪の場合 10uVものノイズを発生するようです。これは DAC の残留ノイズよりもずっと大きな値です。
ここから考えるとデジタルボリュームの音が悪く聞こえる DAC というのは、その DAC のノイズ特性が悪いということと同義だと思われます。

大体実測 SN が 110dB以上出ていればアナログボリュームの劣化も徐々にはっきりしてくると思われます。このあたりがデジタルボリューム優位となるかどうかの運命の分かれ道と言えそうです。

ところで AIT labo、SAYA のプリアンプで採用されている 300オームのアッテネータのノイズは 0.33uV ですから DAC の理論 SN よりもずっと低い数字です。
現代の最新 DAC でアナログボリュームの劣化を最大限に抑えつつ現実的な負荷の大きさで検討するとこれくらいの抵抗値を採用することが求められるのかもしれません。

最後にResonessence社のこちらの資料です。
http://resonessencelabs.com/wp-content/uploads/2012/05/invicta_analog_vs_digital_volume.pdf

DAC の SN とデジタルボリュームの性能についての数値データが有ります。

ただしこの表のアナログボリュームの SN の表記で 132dB という数字があるので熱雑音を含めていない理論値での計算だと思います。
132dB 出すには抵抗値 100Ω以下が求められますので DAC の負荷としてはあまり現実的ではありません。

例え理想アナログボリュームでの計算だとしても 16bitなら-40dBまではデジタルとアナログの差はないようです。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1219
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c107

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
108. 中川隆[-14455] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:15:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1374]

抵抗、コンデンサの音質比較 - Innocent Key
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1039

実験
前回の記事のヘッドフォン兼プリアンプで殆どの部品は試しています。下の写真です。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1039

一部は違う基板で実験したものもありますが、できるだけ他の部品と相対的に判断しているので概ね相対順位の位置づけ判断はできていると思います。ただし個人の主観による聴き比べが中心になっていますのである程度の限界はあります。人によって聞こえ方や印象が異なる可能性も十分に考えられます。そのため参考程度としてもらえるようお願いします。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1039

抵抗の比較
一応出来る範囲で世間で音質が良いとされているものを集めました。残念ながら写真はやや見にくくなってしまいました。主観じゃない測定による情報ならばこちら↓の抵抗ノイズ測定データを参考にしてもらえると良いと思います。
https://dcc.ligo.org/public/0002/T0900200/001/current_noise.pdf


resistor
1位 Vishay VAR
圧倒的な透明度と自然さです。透明感は高級な抵抗でないと絶対に出ないので他の音質的要素よりも抵抗の評価では優先されるべき点だとおもうのですが、この VAR は透明感以外の部分でも全てが最も優秀に聞こえます。レンジが広く、ナチュラルで柔らかい音なのです。これと比べると VSR も大分癖があります。試した限りこれ以上の抵抗はありませんでした。

2位 Vishay VSR
透明度は VAR と比べても相変わらず高いですが音質の自然さでは VAR に劣っています。ただし力みのある固い音なのでうまく音楽にハマれば VSR がより良い場合もあります。

3位 アルファ抵抗
ここまで 1-3位は全部金属箔抵抗です。
これも悪くはないのですが VSR のほうが全体的に良いですね。
他の抵抗よりはいいのですが実際に VSR 等と比較してしまうと、あえてこちらを選ぶ理由はなさそうです。安ければありかもしれません。

4位 Mills Resistor
ここから巻線抵抗になります。
この抵抗は透明度では巻線で一番でした。
VSR には及びませんがなかなか頑張っています。NS-2B と比べると大げさな音じゃなくておとなしい感じなのですが、それが逆に癖がなく扱いやすい音にも思います。
とはいえ金属箔抵抗と比べてしまうとインダクタンスのせいか高い音が少し濁っているように聞こえるのが難点です。巻線なので使い方によっては発振リスクも有ります。

5位 Dale NS-2B
低域が張り出したような量感のある音です。巻線らしい透明感も持ち合わせているのでこれはほとんどの方に好まれる音質だと思います。無誘導巻きですが NFB 抵抗では発振する場合もありますので使い方に注意がいります。

6位 Dale RS-2B
音質を優先するなら 5位までの抵抗を選びたいです。
これより下位はコストの為に何か妥協するときにしか選ぶ理由はありません。
巻線の透明感はあるのですが無誘導巻きではないので高域に結構癖があるのと、NFB抵抗に使うと簡単に発振してしまうため使える場所が限られます。
この抵抗を選ぶ最大の理由はコストが安いのに巻線の透明感があるからです。
これ以下の価格でこの透明感を出すことは知る限り不可能なので価値があります。
当時海外では1本80円くらいで買えたので 5位までの抵抗と比べると圧倒的に安い割にいい部分も残っているというわけです。高域の癖も音作りと割り切れるかどうかでしょう。

7位 マルツ LMFQ
自作オーディオの nabeさんがオススメしていた抵抗です。
金属皮膜はいろいろ試したのですが、透明感があるとは決していえなくなるのはここからです。
金属皮膜は上位の抵抗と比べるとどうしても音が固い、高域が刺激的で痛い、分離が悪い等の特徴があります。
しかしこのLMFQは20円と安い割にかなり良い音出してます。金属皮膜で選ぶなら今のところこれが一番良さそうです。

8位 Vishay TNPW、SUSUMU RG等
薄膜チップ抵抗です。
ソケットでの比較だとチップ抵抗は振動が乗りやすいのでフェアではないのですが、それでも分離の良さは感じます。面実装出来る場合には本当の良さが出ます。
大抵の金属皮膜よりも透明感があって大量に買うと安いのでコストパフォーマンスが非常に高いです。たくさん使うならベストではないでしょうか。
音はサイズを反映してかやや細身で神経質です。ソケットにつけたりして固定が甘いと高域がかなり荒くなってしまいます。面実装チップ抵抗の最大の利点は内部インダクタンスの低さです。リードタイプの金属皮膜抵抗では発振してしまう回路でもこの抵抗なら安定する組み合わせが存在します。

9位 その他巻線 OHMITE、Sfernice、Dale CWシリーズ等
OHMITE は無誘導巻きですが巻線の良さがありません。金属皮膜に近いレベルで透明感が低い。
Sfernice は音質を覚えてないので中途半端かあまり良くなかったのだと思います。CW は Dale製で NSや RSとは別のシリーズの巻線抵抗ですが安いだけで全然良くなかったです。
これなら RSを使ったほうがずっとましです。
というわけでこの項目はコスト、音質的に買う価値がないと思った抵抗をまとめました。OHMITEは高評価も見かけるので買った型番が違うものかもしれません。

10位 その他金属皮膜 PRP抵抗、Dale CMF60
金属皮膜は借りて比較した抵抗もあるので詳細はわすれましたが比較した当時はどれも LMFQ のほうが良かったです。
CMF60 は低音だけは多いですが音は濁りすぎです。PRP はこれといって特徴がない音でした。悪くはないのですが LMFQ のほうが上です。
そして普通のカーボン抵抗はこれより下です。
アムトランスのアッテネータもカーボンなのでいいものもあるのかもしれませんが、この時点で比較したものはこの位置以下でした。
カーボンが最高に良いと言っている人もいますが、私とは評価軸が根本的に違うだけだと思います。そういうところは主観評価の難しさでしょう。


カップリングコンデンサの比較
cap
色々買いましたが超高級品は試していません。有名なコンデンサの比較はこちらを参考にお願いします。
http://www.humblehomemadehifi.com/Cap.html
個人的な印象ではカップリングコンデンサの音質差は材質と形による音質変化が中心だと感じました。特徴や印象があった部品だけ書きます。

1位 ポリプロピレンフィルムコンデンサ
安い価格帯のコンデンサだと素材による音質差が重要のようです。
ポリプロピレンは比較した中では音質が一番良く高域が荒れないのが良いです。
カップリングコンデンサによる音質劣化はまず高域が荒れてガサガサする、繊細な部分が潰れて消えてしまう、そして情報量が減るなどの特徴があります。
ですがポリプロピレンは割りとどっしりとした音で荒れにくいですね。
それでも直繋ぎと比べてしまうと大分違いますのでカップリングコンデンサは使わないように極力設計上の工夫をして減らしたいものです。

ポリプロピレンが高音質の理由は実は形が大きいことが最大の理由のような気がします。
どうも実験を終えたあとの印象としてはカップリングコンデンサは見た目の形状や大きさからくる振動の影響がそのまま音質につながっているような気がしてなりません。固定方法を変えたら音も変わりそうですね。よくメーカーでコンデンサが基板に接着剤で付けてありますがあれも音質対策の可能性が高いです。

1位(2014/12/27追加) PMLCAP
最近ようやくテストしました。テスト環境は違うのですが、面実装セラミックと比較してこの順位です。
頂上決戦はポリプロピレンと対決が難しいのでどちらも 1位に設定していますので PMLCAP>ポリプロピレンってわけじゃないです。しかし確実にこれは面実装セラミックより上ですね。
PMLCAP はフィルムコンとほぼ同じ特性でありながら面実装なので振動にも強く、その結果すごく引き締まっていて癖のない透明感のある音がします。
特に素晴らしいのが10uFなどのカップリングコンデンサ用の定数がありながら、超小型でセラミックコンデンサのような基板へのガッチリ固定が出来る点です。
従来のフィルムコンの形状制約とかサイズの弱点がないです。
というわけでこれは絶対にいいだろうっていう先入観もあったのは認めますが、実際に比較した感じでも良さそうです。今はセラミックコンと言っても特性でそれほど問題なく音質もいいものもあるのは確かですが、ものによってはノイズを出したり歪率に影響しやすいのも確かなので、ここはコストを掛けて PMLCAP を選んだほうが安全ですね。
実測特性も直結と比較して劣化なし(測定限界以下)でした。これは良いです。


2位 面実装タイプセラミックコンデンサ
試したのは TDK の X7Rタイプの 10uF、1210サイズです。
信じられないかもしれませんがカップリングコンデンサに使った場合にはポリエステルフィルムコンデンサより良いです。引き締まっていて音質の荒れが少なく、ポリプロピレンまでは行きませんが近い音質です。世間で言われているセラミックコンデンサの音質と全然違います!
良い理由は面実装タイプはガッチリ付くので振動特性が良いからだと思います。
他の例としてはカップリングコンデンサじゃないのですがディスク型のセラミックを位相補償コンデンサに使った時は音質が最悪だったので、昔から言われているセラミックコンデンサの評価ってリード部品の時代の話じゃないでしょうか。面実装だと音は全く違うと思います。
このタイプは価格も安く、スペース効率もいいので、実は実用面では最も優れているのではないかと思います。C0Gっていう電圧による容量変化が無いタイプもありますので特性面でもちゃんと選べば実は問題ないです。
実際に DAC出力にセラミックコンデンサをカップリングコンデンサに使用して歪率を測定しても大幅な悪化はなく、1kでTHD+N0.0009%、THDなら0.0004%程度で観測できました。

3位 ラジアル型ポリエステルフィルム
わかりにくい書き方ですが、上の画像で言うと濃赤のツルッとした外見の Π形のものです。このタイプはどのメーカーも型式も同じような音がしました。
この形のものはポリエステルフィルムでは一番しっかりした音がします。
でもこのあたりから音は大分荒れてくるので常用したくないレベルになってしまいます。
値段もそんなに安くないので余り選びたくはありません。

4位 ラジアル型ポリエステルフィルム
3位と同じじゃないか!と思われるかもしれませんが、こちらは箱型のものです。
箱形は見た目は好きなんですけど音質ではやや劣ります。
このなかではWIMAがワイドレンジというかメリハリを効かせたような音がしていて、オーディオでよく使われる理由に納得しました。
ロックとかと相性が良さそうです。やや大げさなサウンドです。

5位 アキシャル型ポリエステルフィルム
この形は一番音質は良くないですね。かなり音が荒れます。
ですがここまでくるとかなり派手になってくるので音作りにはむしろちょうどいいんじゃないかと思います。
実際上の画像の黄色と緑の MKT1813 は良く見かける気がします。
GOLDMUND の CDプレイヤーでも SPDIFラインに 1813 が入っていたような気がします。多分音作りのためですね。
1813 はこの中では WIMA以上に大げさで派手な音がしますので音を変えることを目的に割りきってしまえばありです。
でもクオリティが高いわけじゃなくて派手に荒れているだけなのは注意が必要です。
センスに自信のある方は適材適所で活かすと面白い音が作れると思います。
このタイプ以外は個性もなく荒れるだけという中途半端な音質でした。


可変抵抗ボリュームの比較
画像を引用して紹介します。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1039
可変抵抗は結構早い段階で見限っていたため、あまり高い部品は試していません。なので最高音質の追求の参考にはならないかもしれませんが安くて割にいいものは紹介できます。定数はどれも 10kだったと思うので比較条件は同じはずです。


アルプス ミニデテント RK27
これは結構有名でカプリースのプリ出力もこれだと思うのですがよく使われている割に音は全然良くありません!
なんでこのような部品が評価されているのか全然わかりませんでした。
曇るし濁るし音が消えます。確かに嫌な音は出さないのですが大事な音も出ていません。
あえていいところを評価するなら高域が優しく、低音はしっかり出ているので特定の音楽ジャンルや古い録音には合うかもしれないです。
解像度とか分離重視なら選んではいけません。
カプリースの劣化の最大の要因はこれでしょう。でも良かった部分は一つだけあって、つまみを付けた時の感触はこの中では重みがあって一番良かったです。使いませんけど。

Linkman R1610G
LMFQ を紹介していた nabe さんのところにあったものです。安いので買ってみました。
個人的にはこれは欠点がハッキリしていてあまり好ましくありませんでした。ちょっと音が荒すぎました。解像度も高域がうるさいから高いように感じるだけで、本当の繊細な部分は消えてしまっているように感じます。
とにかく派手目でハイがキツ目という意味ではミニデテントよりわかりやすい音だとは思いましたが、この音質は合う合わないが決定的にあります。
繊細なジャンルの音楽はまるで駄目でしょう。
ただし値段は圧倒的に安いのでコストパフォーマンスは割と良いです。


東京光音 CP600
コンダクティブプラスチックを使ったボリュームで、上の2つとは格が違う音質です。
大分クリアです。解像度が高く細かい音が失われにくいのが特徴だと思います。
パッと聞いても余りわかりにくい部分なのですけど。とはいえやはり直繋ぎと比べるとかなり厳しい音質です。マシってだけで確実に劣化はあります。
あと問題は価格で2500円もします。正直この価格は高い。この価格だと国産の農産物を応援するために買うような気分になります。
そうじゃなくて安くても音質を求めたいなら下の Vishay の同等品を買ったほうが良いでしょう。
さらに言えば値段が高いのにギャングエラーが気になるレベルで残っていた外れを引いたのが残念です。もうちょっと品質を頑張って欲しいところ。


Vishay Sfernice P9シリーズ
CP600 が良かったのでやすい同じ素材の物を探してみました。
こちらもCP600と同じくコンダクティブプラスチック製で価格は当時 800円くらいでした。
音質はCP600とくらべて余り変わらないので最後はやっぱり材質がものをいう世界なのだと感じます。
問題は回すときの手触りが軽くて安っぽいのと、サイズが小さすぎてなんとなく不安になるところでしょうか。でも音質がいいので許せます。
たまたまかもしれませんがギャングエラーがそれほど気になりませんでした。
これは結構安いのでオススメできます。RSで買えます。国産を応援しない方はこちらでしょう。

(友人の使っている)アッテネータ
アムトランスのカーボン抵抗を使った本格アッテネータです。
これも似たような設計回路で音質を比較しましたがコンダクティブプラスチックの可変抵抗よりもっといいです。
うーん、これを聞いてしまうとやっぱりアッテネータがいいなと思うのですが、切り替えがガチャガチャして滑らかじゃない点と、コストが高過ぎるのが難点です。これだけで万単位を覚悟しなければならないので・・・。
でも音は抵抗をアップデートすることでもっと拘れるので音質最優先ならやっぱりこれだなと思います。
超低抵抗でアッテネータというのがオーディオでは最終回答じゃないでしょうか。
そういえばAITもプリは 300Ωのリレー切り替え式ですし、
SAYAも300Ωのリードリレー式だったような気がします。
どこかのハイエンド機も特注の600Ω電子ボリューム(これ欲しい!)を使っていたような・・・。
これは偶然じゃなくて大いに正しいアプローチ方法だと思います。自分もやりたいです。

ということで
まとめると個人的には次のような感じです。
電子ボリュームの試験もやっているので合わせて書きます。
同じ10kΩでの比較です。抵抗値が変わると正しく評価できないので注意してください。

アッテネータ > コンダクティブプラスチック可変抵抗 > MUSES72320 > PGA2320 > R1610G > RK27
という感じです。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1039
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c108

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
109. 中川隆[-14454] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:19:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1373]

AIT LABO の超高性能 DAC, プリ、パワーアンプ
http://aitlabo.net/

AIT LABO の ESS社製DACチップ ES9038PRO を 2ケ使用の 超高性能 DAC
http://aitlabo.net/ES9038shiyou.pdf
http://aitlabo.net/ES9038compe.pdf

AIT LABO の DACプリパワーアンプ一体型
http://aitlabo.net/DPPshiyou.pdf

AIT LABO の超高性能 プリアンプ
http://aitlabo.net/pre_shiyou.pdf

AIT LABO の超高性能 パワーアンプ
http://aitlabo.net/ma_shiyou.pdf

AIT LABO ユーザーの声
http://aitlabo.net/blog/?c=005

AIT Labo - 5ちゃんねるスレタイ検索
https://www.google.co.jp/search?hl=ja&source=hp&ei=TxVbW4G8FdqqoATywLqQBw&q=AIT+Labo++5%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AD%E3%82%8B&oq=AIT+Labo++5%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AD%E3%82%8B&gs_l=psy-ab.3...2126.4822.0.5656.2.2.0.0.0.0.119.208.1j1.2.0....0...1c.1.64.psy-ab..0.0.0....0.dV_iItk9IwE

ヤフオク! - 「AIT Labo」の検索結果
https://auctions.yahoo.co.jp/search/search?p=AIT+labo&b=1&slider=undefined

AIT DACを導入して以来ESS信者。

でも最初に買ったAIT DACが一番音質は良かったと思う。
AITは音作りを一切していない、回路設計のみで勝負する。
音楽性はゼロどころかマイナスでした。工業製品みたいな味気ない音。

性能的には

AIT DAC > INVICTA > Sonica >> HA-1

日本のガレージメーカー恐るべし!

▲△▽▼

Aitlabo製プリアンプの試聴! 2018年 04月03日
http://sankyohou1.blog14.fc2.com/blog-entry-357.html

昨年末からspeakerと共に「preamp」を追加すべきか否か検討していました。
私の場合PC audioを始めてからずっと「DAC → poweramp(stereo型)」直結での再生方法をやって来ました。

この接続方式でも全く問題なく音質的にも充分満足出来るレベルです。
ただこの先将来もずっとこの方式で行くという事ではなく将来的には「バイアンプ & ブリッジ」方式も選択肢として入っています。

という理由でspeakerのchoiceと合わせてpreampの機種選びを行って来ました。
sonas speakerの試聴時に合わせてpreamp類も何機種か試聴させてもらいましたが何れも「帯に短し襷に長し」でなかなか決まりませんでした。

強いて上げれば個人的にはLuxmanのwarm soundが気に入っているのですがいかんせん拙宅のsystemに接続しての試聴が出来ない為最終的に購入迄踏み切れませんでした。

しかし拙宅のsystemを見れば「DAC,power amp」共Aitlabo製で統一していますのでここは試聴機の貸し出しを行っているAitlaboの角田氏にpreampの貸し出しをお願いしました。

*現在のmain system構成は以下の如く

(1) apu2c4 x 2台 lightmpd/upnpgwのイーサーネット分離方式。
(2) Nasはsynology製をリニア電源に変更。
(3) DACはaitlabo製(ESS9018S)にてDDCはUSDA_mini基板を内部でI2S接続。
(4) power ampはaitlabo製(stereo型)x1基。
(5)speakerはQuad11L2_mk2

音質
* 音の粒子密度がpower amp単体に比較して一層細かく音数が増えた印象。
* 音の鮮度感が際だつ。
* 音場感が上下左右に一層拡がります。
* 音質が際だって柔らかく長時間聴いていても耳障りが殆ど無くずっと聴いていられる。
* 音質に色づけがなく原音再生に特化している様に感じます。

Aitlabo製のpre ampには「電圧伝送 & 電流伝送」方式があるとの事ですが試聴機は電圧伝送方式に固定されているという事でした。

電流伝送の場合は「pre amp 〜 power amp」間のXLRケーブルには300Ωの抵抗を入れる必要性があるとの事らしいです。

これを使わないと下手をするとamp,speakerが壊れるという事で実際その様なトラブルがあったみたいです。

今回このpre ampを通した時の音質の変化を確認したのですが上記に記載している様にこれ程変化するとは予想出来ませんでした。

特にDSD再生時の音場感では音が立体的に感じられてそれが恰も三次元的な鳴り方もする音源等もあり少々驚きました。

そして特筆すべきは音質が柔らかく音の粒子が細かい為に非常に心地良くそして音膜が厚い。

何も色付けされていない為に面白みがないという方もおられるかと思いますがもともと音質のpure soundを目指している当方としては非常に満足しています。
恐らくpower ampは他機種でもpre ampをこのait製に変えても同様の結果が得られそうな感じがします。

その位技術的にもhigh Levelのpre ampと思います。

*上段部がpreamp試聴機です。
http://sankyohou1.blog14.fc2.com/blog-entry-357.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c109

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
110. 中川隆[-14453] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:20:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1372]

AIT Pre Amp 試作機試聴【第二段】2013年06月30日
http://blog.livedoor.jp/johnny_trio_lsr/archives/1948052.html

GWから一月半、いよいよAITプリアンプの量産機種が出来上がった、
ということで、再度試聴と相成りました。
今回はエントリーとして

・RA-870BX(改)プリ部
・Acustic Research Limited Model2(以降AR)
・AIT pre(リレー切り替え式)

の3機種で比較。

AIT Preは、この一月半の間に、
前回あったDAC電子ボリューム式が数箇所の試聴で思わしくなかった
(どうもリレー切り替え式に比べ解像感、拡がりに劣る印象があった)ため、
製品版としてはリレー切り替え式に集約したようでした。

接続環境は、ROTELはアンバランス入出力、
ARとAITはバランス入力→アンバランス出力で試聴しました。
(前回アンバランス入力時にバランス端子のピンショートを忘れるミスをしたため、
今度はしっかりバランスで入力。。)
トランスポートはSofton Model3改(同時期出力)、
DACはAIT ES9018 DSD出力(256MHz)です。

さて、DACボリューム式に勝ち残り、AITのプリアンプとして正式に発売が決まった
リレー切り替え式プリアンプ。正しい使い方をするとどんな音がしたかというと、、、
一言でいうと”有機的でとにかく自然な音”に尽きると感じました。
まず第一声は前回歪みっぽかった印象を払拭するような、大変ゆがみの少ない音。
解像度がとても高く、それでいてどこかの帯域を強調したかのような感触がなく、
ウルトラスムースでありながらとにかく自然。
この辺の”自然さ”は、ES9018DualのAIT DACにも通じるもので、
とにかく丁寧にジッタを排除し歪み成分を取り除いていったら純水になった、
というような印象で、音色をゴテゴテ作る前にまず問題の対策・解決からしていく、というアプローチのように感じます。
で、このプリアンプ何が凄かったのかというと、とにかく音の生命感が半端なかった。
それは極めて広いレンジ感と、空間の広がりからもたらされているんですが、
音の出方と質感が”有機的”で生命感が溢れていました。
具体的にはDCアンプのため、レンジ感がその他のプリメインに比べ一段広く、
特に低域が深く重く沈みこみます。
これに比べるといつも聴いてるRA870プリは量感はあるけど膨らみ気味で重量感不足、
ARは締まりと力感ががあるものの、やはり比べると低域は中量級という按配。
その低域をベースにして、有機的と感じさせる中高域の質感が素晴らしい。
空間表現が優れており、横方向と奥行き方向の空気感が良く出ます。
しかもその空間が、濡れたような透明感と実在感のある質感を伴っているのです。
音に艶がある、といえばそうなのかもしれないけど、オーディオ機器に良くある、
レンジが伸びなかったり帯域を強調した結果出来てしまった”艶”のような
レベルの低いものではなくて、とにかく帯域的にどこにも強調した感がなく、
それでいて超ワイドレンジ高解像でありながら音に濡れたような質感があるんです。
これは正直たまりません。
FusionのDave GrusinのDrive(良録音)やRippington Wednesday's Childなどの
フュージョン系ソースでは音がプリプリしていて、ベースやドラムは弾けるような弾力感と力感、
サックスとピアノは活き活きと伸びきります。演奏者がより力強く表現しようとすれば
際限なくそれに応えて抑揚を表現してくれそうな余裕の雰囲気

Lindsey Stirling
エレクトリックバイオリンのソースですが、
バイオリンの豊かな余韻を艶をもって再現しながら、低域の沈み込みとのコントラストが
見事でまさに”濡れたような空間”が出てきます。
製作側のパートによるエコーの掛け具合や、バイオリンの駆け上がるパートと低音の
空間表現のうまみが最高に気持ちいい。

Andrea Marcon Vivaldi concerto
現代の良録音らしく、弦楽器のキレと余韻が素晴らしく繊細で、弦の擦れるような音が聞こえつつも、
とにかくあとに引く余韻が美しく、低音楽器の拡がり感と合わせて、
スピーカーの能力にもよると思いますが演奏空間そのものが表れるような快感があります。

正直このプリアンプを聴いた後だと、
ARでさえも、空間の拡がりと低域の力感で一段小さくまとまっているような印象を受けました。

AR独特のシルキーな粉末を散らすような高域表現も、
サラリと音楽の抑揚を表現していて好印象ですが、
どうしても比べるとオーディオ的な表現だと感じます。
(聴いていて面白いし気持ちいいんですけどね)
AITは濡れたような、有機的な音の拡がり感を伴い、艶やかなソースはより艶やかに
なるような印象。つい何度も聴きたくなる音です。

これまでプリアンプは何度か比較試聴したり、ショップでもプリを変えることで
結構な違いが音につくことも体験してきていましたが、どうも価格や、それに見合った効果が得られるか分かりづらく、その他の部分にばかり投資が行っていました。

が、AITからのDACを聴いて、今後オーディオを続けて、
またスピーカーを調整する意味でも、新しい標準機としてこのAIT Preは導入することに決めました。

また他の良いプリアンプが出てきたときも、比較できるしね。
http://blog.livedoor.jp/johnny_trio_lsr/archives/1948052.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c110

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
111. 中川隆[-14452] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:21:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1371]
AIT LABO DACのこと 2015/12/8
https://blogs.yahoo.co.jp/ta_syumi/65550470.html

メインDACとして使用中のAIT LABO製 ES9018S ですが、知る人ぞ知るDACだと思います。
それなりに高価だとは思いますが、一聴の価値はあるDACです。

こちらを導入してから随分時間は立つのですが、未だにこのDACを超える音質を聞いていません。(私個人の感想です)

出て来る音色は どっかのCMみたいに、何も足さない、何も引かないと言うイメージがピッタリだと思います。


例えば、CDプレーヤーと接続する 光ファイバーケーブル音質の違いなども笑っちゃうくらい、ハッキリと違いを聞かせます。
まるで高精度測定器のような感じといったところでしょうか。


なので このDACと比較して聞いてみると、他のDACには 必ず音色に個性が感じられてしまいます。(個性 = 悪では無い)


再生音源の良い部分もワザとらしい音作りも、聞き分けられてしまうので
ソースを選ぶようになってしまいました。小細工していない古めのCDなどはレンジは狭いですが良く聞こえます。


ESS社のES9018Sの性能を大きく超える、DACチップはまだ出てきていないようですが、 AIT LABOでは 同じESS社の ES9018K2M というDACチップを使用したDAC基盤を出しています。こちらはES9018Sでは設定できなかった、NOBANDWIDHTに設定可能で更にジッターの影響を排除しているらしいです。

私はまだ視聴機を借りて聞いていないのですが、自分で聞いて確認したいですね。


コメント(3)
はじめまして。AIT DAC持ちで立ち寄りました。
MOJOもお持ちで且つAITを基準にされてるとのこと、私はHUGOを試聴会で聞いたのですが、CHORDの音作りに比してAITは少しだけノリがほしいかなと最近感じています。
その絶対性能はすばらしいの一言ですが。Sより勢いがあると聞くK2Mを年明けお借りしようかとも考えています。
最近ですが逢瀬というDACも試聴しました。もう一つAITに及ばないところがありましたが勢い良く楽しく聞けたので対決予定です。
CHORDのFPGAの音ですが私には中高音にきれいに響く中に少しですが粉っぽさみたいな音色を感じてしまい、大きさなど魅力、所有欲は十分なのですが手が止まっています。
最期にAIT DACはおっしゃられるとおりです。私の感想はコミュニティに書いていますが、暫くぶりに更新しようと思っています。
2015/12/29(火) 午後 10:07 [ kao**00000 ]


私の所は田舎なので、HUGOなどの高級品は視聴できないため
少しだけうらやましいですね。
個人的にはAIT DACのSについては更に音質改善は可能だとは
思っていますが、角田さんはやらないでしょうね。
MOJOはモバイル用として視聴もせずに予約購入したのですが、
価格とサイズの割に良かったので書いてみました。
2016/1/5(火) 午後 6:08
https://blogs.yahoo.co.jp/ta_syumi/65550470.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c111

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
112. 中川隆[-14451] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:22:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1370]
AIT LABO の DACプリパワーアンプ一体型
http://aitlabo.net/DPPshiyou.pdf


AIT DAC・プリ・パワー一体型アンプのコストパフォーマンスは過去最高
https://kimama2audio.com/classic/ittaigata/

この一体型アンプは、一応キットで購入したものですが、実際にはほぼ組み立て済みで届きましたので、すぐに音出しができてラッキーでした。

・AIT一体型アンプの仕様
私が購入したこの一体型アンプの仕様は以下のようになっています。

デジタル入力
同軸デジタル × 1
光デジタル × 1
USB × 1
HDMI × 1
プリアンプ入力
XLR × 1
スピーカー出力 × 1

USB 入力はDDC(combo384)を通って、DACに入力されます。
DAC部はES9018K2Mチップを使っており、FPGAによるAIT独自の高性能ジッター抑圧方式の採用でNBWモードでK2Mチップを安定動作させています。
また、FPGAにより、PCM -> DSD リアルタイム変換を実現しており、変換OFF、DSD128、256、512、DSD1024が切り替えできます。
この機能により、CD音源もCDからリッピングした音源もDSD1024に変換できるので、より滑らかな再生音が得られるようになりました。
DAC出力からパワーアンプ出力まで差動アンプとなっていますので、外来の電気ノイズに強く、S/N的にも有利です。
パワーアンプ出力の電源にリモートセンシングを使うことにより、電源に起因するノイズの影響が抑制されています。
さらに、スピーカーからのリモートセンシング機能も搭載できるようになっており、この機能を搭載することでダンピングファクターが改善され、スピーカーケーブルの違いによる影響をほとんど受けなくでき、再生音が改善されるということです。
私のアンプは当初はスピーカーからのリモートセンシング機能は搭載されていませんでしたが、改造でこの機能を追加したところ、非常に効果がありました。詳細は別記事を参照してください。
プリアンプ部はリモコンによる音量調整機能があり、結構便利です。

・AIT製一体型アンプの音
S/Nが非常に良く、細かな音や静かな音の品質はすばらしいものです。
特に、クラシック音楽ではDSDリアルタイム変換でPCM -> DSD1024とするのがベストだと思います。
DSD1024に変換することにより、音が一段と滑らかになり、楽器の質感やホールの響きもより自然になって心地良く鳴ってくれます。
これだけの音を出せるDACとプリメインアンプが一体になって、30万円程度で購入できるので、コストパフォーマンスが非常に高いと言えます。少なくとも、私がこれまでに使用してきたDACとアンプの組合せの中では最高だと考えています。

・AIT製ES9038PRO DAC
AITでは、ES9018K2Mより高性能なES9038PROチップを採用したDACもリリースされており、気になるところですが、当分の間は予算の都合でES9018K2Mを採用したこの一体型アンプを使用していこうと思います。
https://kimama2audio.com/classic/ittaigata/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c112

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
113. 中川隆[-14450] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:49:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1369]
平野紘一さんとウエストリバーアンプ


WestRiver ウエストリバー アンプ (クラシック向きで JBL には合わない)
https://west.wramp.jp/

ウエストリバーアンプ 2ch.net
http://awabi.2ch.sc/test/read.cgi/pav/1436608366/

ウエストリバーのアンプについて語ろう
http://hobby8.2ch.net/test/read.cgi/pav/1098454830/

WEST RIVER〜ウエストリバー〜その1
http://hifi.denpark.net/1138024363.html


Ε-5H、Ε-10Hに最適なプリアンプ WRP-α9(ヘッドホン端子付)を新発売します。
最高レベルのプリに昇華可能なカスタム化(WR掲示板1717、1772、1820を参照)ができます!

WRP-α9:\69,120(税込み) 330Wx230Dx75H


安定化電源搭載5W+5Wの最新型高帰還パワーアンプ E-5H(H:ハイブリッド型)を
価値ある価格\54,000(税込み)で大好評発売中です!

10WのモノーラルパワーアンプE-5H/Mも製作可能です。


WRアンプの事を詳しくお知りになりたい方々へ

WRアンプの事を詳しくお知りになりたい方は、WRアンプのすべてが分かるWR掲示板を是非お読みになって下さい。WR掲示板には1999年から今日までのWRアンプの歴史がすべて書かれています。

WRアンプ開発者のその時々のWRアンプに対する考え方が書かれています。過去のユーザーの貴重な声が漏らさず記録されています。最初は斜め読みでも結構ですから、是非、お目をお通しになって見て下さい。これは開発者からのたってのお願いです。

ウエストリバー 製品開発者   川西 哲夫 
 

コレクタホロワ化された、WRプリとWRパワーアンプをセットで貸し出し致します。
ご自宅でWRアンプを聴いてみませんか?以下の5点セットでお貸しいたします。


1.スピーカーケーブル:マッチング抵抗付きMITSUBOSHIスターソフト2mm スケア 2.4m
  (スピーカー側は4cm 程被覆を剥いて半田がもってあります。アンプ側は Y端子です)

2.バランス接続ケーブル:2.4m

3.WR式RCAピン接続ケーブル:1.2m

4.電源ケーブル:プリ及びパワーアンプ用 計2本

5.プリ電源部と本体間の接続ケーブル:約50cm

WestRiver オーディオアンプの特徴

高周波ノイズ対策によりCDがよリ音楽的に。

一般的なアンプでCDを再生すると、音が硬い、ひきつるなどの問題がありました。これはデジタル機器の普及に伴い電磁環境が悪化し、その影響を受げてアンプがダメージを受けていたのです。

WRアンプはこの点に着目し、理論的な解析により高周波ノイズに強いアンプを設計しました。さらにWRではコレクタホロワ型パワーアンプの製品化に成功。このコレクタホロワ型は従来のエミッタホロワ型より高周波に於ける動作が安定で、WRの特許技術との相乗効果によって、ピアノやホルンなどの再生に付き纏う異常音が殆どなく、耳に優しいアンプに仕上がっています。そういう意味では真空管アンプに慣れた方にも十分にご満足頂けるものと思います。

自分用のオリジナルアンプはいかがですか?

お客様の使用する環境や好みに合わせカスタムアンプを作ることができます。デザインや機能など既存のアンプとは違った「カスタムオーディオアンプ」をご希望のお客様はどうぞお気軽にご相談ください!
https://west.wramp.jp/


普及型プリアンプ

WR初の普及型プリアンプです。高性能ヘッドホンアンプとしても使えます。

 i-Pod等の携帯プレーヤーにつなぐと直接聴くよりいい音で音楽が楽しめます。
またCDプレーヤーを使って手持ちのCDを質の高いBGMとして楽しむ事ができます。

 高S/N比なのでニアフィールドでも十分使えます。E-5H等と接続して、
音楽を気楽にお楽しみ下さい。癒しサウンドでありながら必要にして十分な情報量があります。

 プリ機能に優れていますので、プリのない方はパワーアンプの音をより引き立てることが可能です。

型番:WRP-α9

入力切替:3(RCA入力)

ヘッドホン端子:1
残留ノイズ:15uV(DIN AUDIO)以下

ゲイン:12.3dB

プリアンプ出力:2

寸法:330(W) 230(D) 75(H)

価格 \69,120

____


型番:WRP-α9/BAL

入力切替:2(バランス入力とRCA入力の切替)
ヘッドホン端子:1

残留ノイズ:15uV(DIN AUDIO)以下
ゲイン:12.3dB

プリアンプ出力:2

寸法:330(W) 230(D) 75(H)

価格\79,920


▲△▽▼


プリアンプ 高帰還アンバランス型

高帰還プリアンプΕHシリーズのラインナップは

ΕC-1H:\129,600(税込み)(390WX332DX70H)
ΕC-2H:\126,900(税込み)(340WX332DX70H)

となっています。

高帰還アンバランス型プリアンプ ΕC-1H
E-10H、E-30H、E-50H にベストマッチングなプリアンプ

ΕC-1H:\129,600(税込み)

一体型高帰還アンバランス・プリアンプ ΕC-1H の仕様

ゲイン:前段:6dB+後段:12.3dB → 綜合ゲイン:18.3dB
        (前段アンプと後段アンプ間にマスターボリウム)

入力:RCA:3系統、PHONO:オプション(RCAの1系統使用)
        (入力インピーダンス:20KΩ)

出力:RCA:2系統(並列出力)、HP端子:オプション
        (出力インピーダンス:75Ω)

周波数特性:20〜20KHz(-0.2dB以内/1V出力)
ひずみ率:0.02%以下(1KHz/1V)
最大出力:8.4V(1KHz/THD:0.05%以下)
残留ノイズ:30uV以下(LPF:30KHzにおいて)
サイズ:390(W)×80(H)×330(D):突起物含まず
重さ:4.2Kg
消費電力:7W(電気用品安全法)
備考:標準納期30日

___


高帰還アンバランス型プリアンプ ΕC-2H
ΕC-2H:\126,900(税込み)

横幅340mmのコンパクトなプリアンプΕC-2H(H:ハイブリッド型)を新発売します。
横幅350mmが限度のラックに最適!

ただし、基板の増設は不可なのでEQオプションはお選び頂けません。

フォノイコ搭載をご希望の方はΕC-1Hをどうぞ。

シャーシ寸法以外の仕様はΕC-1Hと同等です。詳細はWR掲示板の項番1593をご参照下さい。


ΕC-2H:\126,900(税込み)(340WX332DX70H)



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c113

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
114. 中川隆[-14449] koaQ7Jey 2020年1月16日 09:53:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1368]
1644 川西哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Fri Jan 1 00:00:00 JST 2016
謹賀新年 2016

 皆様、新年明けましておめでとうございます。昨年はハイブリッド化および高スルーレート化のアップグレードを実施し、多くの方にご好評を頂きまして「新しいWRアンプは革命的である!」

と言う名誉あるお言葉まで頂戴する事ができました。

 長年の懸案事項でありましたピアノの異常音は殆ど姿を消し、ほぼ完璧にピアノ再生ができるようになりました。再生の一番難しい楽器はピアノである言っても過言ではないと思いますので、他の楽器の再生も全く問題なく再生できるようになったはずです。WRアンプはほぼ完遂されたと言っても過言ではないかも知れません。

 基礎的研究は半世紀も前にスタートしておりましたが、WR アンプと言う商品を初めて開発したのは多分1997年頃だと思います。

大学時代の友人であった平野紘一氏に頼んだのがその切っ掛けでした。
私は大学に残って学問的にオーディオを研究し、彼は一流のオーディオ会社に就職して実践的にオーディオを研究したのです。その間は、浅からず深からずと言うお付き合いを続けていました。

 1998年にベンチャー甲子園に出場した時にも彼のサポートのお陰で優勝でき、WRアンプが世に出る第一歩になりました。その後、WRアンプはラジオ技術の編集部の扱いで細々とご希望の方に頒布させて頂いておりましたが、彼がマスターズとして独立してアンプ製作を行うようになってからは、マスターズを通じて WR アンプは皆様の手に亘る事になったのです。

 一時は基板製作から出荷まで、全てをマスターズに託していた時期もありましたが、私が定年になりなるべく私自身が製作に関与すべきだと考えて、手始めに基板製作を私が行うようになりました。この期間が一番長く続き、つい最近までこのスタイルで WR アンプは運営されて来ました。

 しかし、何事にも始めと終わりがあるように、2016年から殆ど全てを私が行う事となりました。

デザインシャーシの供給だけは従来通り行われますので、お振込み口座を除いて皆様には特段の変化はありませんので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
従いまして WR アンプに関する事は修理を含めてまして全ての窓口がウエストリバーになりますので、ご承知置き下さいますようにお願い致します。

 お互いそれ相応の歳になり、他人の事に気を遣いまた責任を負うのが辛くなってきたと言うのが正直なところだと思います。今後ともウエストリバー、マスターズを共にお引き立て頂きますように、心よりよろしくお願い申し上げます。
http://west.wramp.jp/datawr35.html


1646 川西哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Mon Jan 11 11:00:00 JST 2016
WRアンプをお使いのユーザーのみなさまへ

 新春独立製作第1弾は WR アンプとして初めて Ε-5H をお求めになる方で、目出度く9日に納入されました。

その際、お買い上げの御礼を兼ねて、以下のような WR アンプを使うに当たって目を通して頂きたい事をまとめた文書を添付させて頂きましたので、既知の事ばかりですがユーザーの皆様にも一応ご披露しようと思います。今更ですが、ユーザーの皆様に置かれましてもどうか初心に帰ってお読み頂ければ幸いです。

WRアンプをお使いになる前に

  この度は WR アンプをお買い上げ頂き大変ありがとうございました。
WRアンプを有意義にお使い頂く為に、以下の事に目を通りして頂き、なるべく励行して頂ければと思います。

 1.付属の WR 推奨の電源ケーブルのプラグの極性は、確定していないようなので、こちらで1本1本テスターで調べてアース側に青のマーカー線を入れてありますので、これを壁コンセントの長い切れ目(地中アース側)に入れてお使い下さい。

 2.アナログ系とデジタル系は、なるべく別のコンセントから取るようにして下さい。
 テーブルタップを使う場合は、プラグとタップはパナソニック電工製が無難です。
 電源ケーブルには、MITSUBOSHIスターソフトかM-ONAMBAソフトをお使い下さい。
 決してOFC 系のケーブルやタップなどを使わないようにして下さい。

 3.電源電圧は東京電力の誤差範囲内(95V〜107V)であれば問題はありませんが、絶縁トランスなどをお使いの場合は、それを逸脱する可能性がありますので十分にご注意下さい。適正電圧を越えた使用による故障は保証対象外になる事があります。

 4.信号用ケーブルにはOFC 系でない極普通のものを使うようにして下さい。
 またRCA ピンプラグの内部構造にも注意して下さい。ピンの先(上方)から内部を覗き込んだ時に見える、外側(アース側)とピンの間の誘電体が丸々見えるものが良いようです。

 外側の金属がピンの方の張り出しているものは、プラグのインピーダンスが低くなりミスマッチングを起こす度合いが大きくなると考えられます。

 5.WR パワーアンプは原則的に WR プリアンプとセットでお使い下さい。
他社製のプリ又はパワーアンプと組合わせた場合は、最高のパフォーマンスは望めませんので、WR アンプ入門時点では仕方ないですが、将来的にはなるべく揃えるようにお願い致します。

 パワーアンプのボリウムは全開とし、プリのマスターボリウムで音量を調節するようにお願いします。マルチの場合はこの限りではありません。

 6.スピーカーケーブルにもマッチング抵抗付きのWR推奨のケーブル(作り方はHP参照)を使うようにし、OFC系のものは絶対に使わないようにして下さい。パワーアンプのスピーカー端子にもマッチング抵抗は付けてありますが、アンプ側とスピーカー側の両端でマッチングを取るとより効果的です。
                                     以上

 1については、過去に掲示板でもお知らせしてありますが、WR推奨のSHINAGAWA のケーブルはプラグの向きが一定ではありません。その為、極性が逆になる事も考えられますので、アース側に青ペンで印を付けて発送するようにしました。過去に受け取った方は、テスターで確かめるか検電器で調べて、プラグを正しい向きにコンセントに差すようにして下さい。

 2につてはオーディオの基本だと思いますが、アナログ機器もデジタル機器も同じコンセントから取ると、電源を介してデジタル機器のノイズがアナログ機器に混入し易くなります。ご注意頂きたくお願いします。テーブルタップは自作に限ります。MITSUBOSHI か M-ONANBA のケーブルとパナソニック電工の普通のテーブルタップでお作りになると良いと思います。PC用は使わない方が無難です。

 3については、これまで殆ど言及して来ませんでしたが、絶縁トランスなどの中には出力電圧に無頓着なものが存在しています。パワーが出るとか迫力が増すとか、そんな理由で出力電圧を上げてお使いになるのは絶対にお止め下さい。WR アンプは例外(ΕC-1H等)を除いて安定化電源で供給されていますから、出力電圧を上げてもパワーアップにはなりません。安定化電源に余計なストレスが掛かるだけです。

 我が家の商用電源電圧を測って見ると、かなり 100Vに近い事が多いです。低くても 98V 以上はありますし、高くなっても 102Vを越える事は滅多にありません。一度、ご自分の家の電圧を測定して置くのも悪くないと思います。一般のテスターはデジタルテスターを含めてもそう高額ではありませんし、オーディオをやる以上1台くらい持っていたいものです。

 もう一つ、危険防止と言う観点から申し添えたい事があります。それは夏季の室温です。概略 28℃以下で快適に音楽をお楽しみ頂ければと幸いです。WRアンプは安定化電源を積んでいる関係で、非安定化電源式のアンプに比べて平均で 1.5倍以上の発熱がありますので、なるべく涼しい環境でお使い頂きたくお願い申し上げます。

 4については、これまで口を酸っぱくして申し上げて来た事ですが、音を整える為のOFC 系のケーブルは必要がないばかりか、折角の生きた音を殺す事になり兼ねません。使用を控えて頂きたくお願いします。また RCA ピンケーブルも音を弄ったものが多いようですので、十分にご注意下さい。それだったら、寧ろ安価な赤白ケーブルの方がまだマシです。

 ピンプラグの内部形状ですが、WRアンプの入出力インピーダンスは高周波で75Ωに近付くようになっています。アース側の金属がピンの方に張り出しているものはプラグのインピーダンスが75Ωより低くなる可能性が高く、大きなミスマッチングを起こす可能性があります。ケーブルの理屈は、先ず伝送線路理論に依るべきであると私は考えています。75Ω同軸ケーブルは何処でも容易に入手可能です。
 5については掲示板でも「プリ効果」と言う事で何回も言及してきました。特に最新の ΕC-1H はその効果が高く、百万円オーダーもする著名なプリよりも、良い音になると言う評価を頂いております。

高々 12,3万円程度のプリだと見くびらないで頂ければ幸いです。
そこまでは出せないと言う方には WRP-α9 があります。

 6については、RCA ピンケーブルと共通した問題があります。MITSUBOSHI などの特性インピーダンスをほぼ120Ω として、WR アンプはスタート時点から出力端子に120Ω を付けて来ましたが、コストダウンした新型アンプからは省略していました。しかし高スルーレート化アップグレード作業にこの点検を含め、無いものには必ず付加しています。勿論、新規アンプにも付けるようにしています。ご心配の方は高スルーレート化アップグレード作業を受けて頂ければと思います。
 以上、WR アンプを使うに当たっての肝の部分を改めて書き記して見ました。
今一度、点検して頂ければ幸いです。
http://west.wramp.jp/datawr35.html

2015年 01月 04日
ウエストリバー・アンプの設計者は元電気通信大で教鞭をとっていた、川西哲夫 先生で基本設計と基板の製作を行います。

その後 かつて川西氏と電気通信大で同期だったサンスイで幾多の機器の設計製作に関わった現イシノラボの平野紘一氏が全体の製作と調整を行う、分業体制をとっています。

重要なのはこの設計者(川西氏)が完璧なオーディオマニア(良い意味での)でなお且つ尋常では無い程の音楽マニアと言う事です。

そしてWEST RIVER のアンプが いかにしてリアリティーを持ちつつ音楽を楽しく聴けるかに重点を置き、設計しているという点にあります。
まさに「音楽的快楽とオーディオ的悦楽の融合」を目指して設計されたアンプなのです。
http://flashdaiyo.exblog.jp/23513802/


536 平野紘一さん(マスターズ代表) Wed Nov 22 13:56:48 JST 2006

 川西さんとは大学1年からのお付き合いで、私は
タムラ〜学校戻り〜山水入社〜会社設立〜・・・
と言った人生をたどっておりますが、川西さんは会社勤めは経験していないはずです。
川西さんとの連携は1990年以降、川西さんが何とかWRアンプを世に出して問いたい!、製品のかたちにしたい!と考えていた頃からです。
 サンスイはご存知のように、日本マーケットでは製品の供給がない、悲しい状況が続いております。サンスイアンプの最後の部分では短期間お手伝いをしたのですが、既に日本資本ではなく、現状に至っております。
 
 サンスイのサウンドポリシーはサンスイからこのようにしたいと言って、出来たものではなく、AU−9500で、結果的にそうなったからだと思います。
一時、タンノイのSPをモニターにして、主としてクラシックソースで、サウンドチューンをしていた時期があり、この時期のアンプ売上は落ちました。特に評論家の皆様の支持が得られませんでした。
私が4chとか新型SPの開発をやっていた1975〜76年頃の昔の話です。
 AU−607/707から、ガッツ路線に変えようと努力しましたが、今から思うと、やや不充分だったと思います。しかし、現在、聴いてみると、瑞々しいサウンドで悪くはなかったと思っております。
ダイアモンド差動回路のシリーズから、かなりガッツ路線が明確になりましたが、クラシックに向かないとの評価は当らないと思います。
 今後のオーディ史で触れますが、クラシック音源での評価に厳しいアドバイザーの方がいて、必ず、最終チェックで修正しつつ、ガッツなサウンドにしたつもりです。
私見ですが、今度のバランス入力対応の新型WRパワーアンプはサンスイの明るい、切れ味のあるサウンドに一脈通じるところがあると感じています。
 
 私のつたない掲示板はこれから、スーパーフィードフォワード、Xバランス回路と進んでいきますが、最終的に1982年頃に開発したXバランス回路が改良されながらサンスイアンプの最後を飾ったことは感慨深いです。
 WRアンプはバランス対応が整いつつあります。是非期待して欲しいです。バランス対応は、従来の負性抵抗キャンセル効果だけでなく、バランス増幅にその真髄があります。アキュフェーズさんはじめ、メーカーの皆さん、その効果にそれ程、気がついていないようですが、WRアンプをバランス方式にして聴くと、そのメリットがよく分かります。
 WRアンプでは今後、そのあたりを充分、理論で、サウンドで、発揮していきたいと思います。バランスアンプ方式は従来のWRアンプをアップグレードすることによって実現出来ますので、WRアンプユーザーの方を困らせたり、裏切ることは絶対ありません。
http://west.wramp.jp/datawr13.html

______

West−River AMP WRP−α1MKU
音が生きている!これが WRアンプです!
基本から考え直した音楽のためのパワーアンプ誕生。
デジタル時代に最適な1台。
”WRP−α1”は AudioSpice ブランドでお馴染みのクエスト・アメリカ社とのコラボレーションによって、なお、一層すばらしい音質となりました!(2004.01改良型)
WRP−α1MKU(2004.01改良型)
《価格(税込み)》
  完成品(ボンネットなし):  ¥231,000(税抜き:¥220,000)
  完成品(ボンネット付):  ¥252,000(税抜き:¥240,000)
これ聴いた
相当よかった。
クラフトメードらしい音。疲れない、の一言に尽きる。
数ワットしか入力できないスピーカーをはじめ繋いだ。
2Wでけっこうでかい音量になる。そのスピーカーは弱いところがあって音もビンテージな鳴り方するけど聴きやすかった。
僕が使ってるのがウイアコS-1 なので 2WAY をつないでくれた。
ロジャーズ LS5/9classic(定価50万円⇒中古25万円)
これはスペンドールと区別つきにくかった。あのように、メリハリのない自然な弦楽の存在感、雰囲気をもっているタイプ。ブリティッシュスピーカー。ウイーンアコースティックは甘い音色で、輪郭をまとめたい意識があるような現代SPなのでタイプが違う。このLS5/9には、東京文化会館に前々日に行っていたというのもあるけどホールがスピーカーにフラクタルになって出てくるような心地を受けた。雲全体は大きいけど一部をもぎ取ってきても雲の形をしている。
今やBBCモニターシリーズの貴重な遺産だろう。というかこれを店の人は聞かせたかったんだろう。
次はVictorのSX-WD8(定価10万円)[URL]
木の振動板で響きに温かみはあるけどウエストリバーがもともとふんわかしているのでスケールダウンしただけのように感じた。解像度はそれほどでもない感じ。ウエストリバーはメタルコーンより、顕微鏡でみたらニューロンの繋がりみたいなパルプコーンとか、繊細で暖かい音をかもすユニットのほうがいいかもね。
WRP-α1MkII は目を引くところがないけどとてもそのままというか、狙いがないというか、素な音だった。ずっと聴いていて疲れない。粒子は細やかではなく滑らかではなく画素数でいったら131万画素ぐらい。でもそれぞれの画素が自然精神で生きている。
パーツは最高にいいものを使っているらしく外装にはお金をかけてないけど質がいい。
およそ個性というものがないけど。プリなしで鳴らせるというのもすごかった。
プリ使えばもっと色気出せるね。
値引きはしない。
高い定価で安くするのではなくこれがもとの値段なので引かれないとのこと。
注文を受けてから2週間から一カ月ぐらいで手元に届く。出荷数は少ないみたい。プリメインの WRI-β3 はわりと出るけど月に一桁のよう。
WRP-α1 パワーアンプは 25万だけど、これもいい。
グリーグのピアノ協奏曲を最後まで聴き終えたのだけどホールで演奏し終えたあとみたいな感覚でいた。ノニジュースやヤシの実ジュースを飲んだあとのように、自然に体があったまっていた。
LS5/9 と同様、生々しいというわけでなく、ホールのフラクタルとしてのものだった。
ROTEL は最高にうまくチューニングした感性に効く音だけど、ウエストリバーは企業的ではなくクラフトメードで、作られていない感が自然にある。素材で出してる。

帰りの電車でも響いていた自然な音。機械離れした音。
言葉はいつでもあからさますぎて、大切な光をすべて消してしまう。言葉にならないものは、「言葉にならないもの」と書くだけで言葉になってしまう気がする・・

それは本当にやりたいことか
それが本当に欲しいのか
本当にそれでなければだめなのか。
本当にそれを聴きたいのか
それを本当に撮りたいのか
本当にそれを食べたいのか
本当に吸いたいのか。
本当にそれが言いたいことなのか
本当に好きなのか、それは本当に忌むべきことなのか。
そう自問自答するとなにもなくなっていくときがある。
ROTEL はそんな哲学を感じさせる側で、実際なにも残ってないのはウエストリバーだった。
ROTEL はオーディオとしての本質を穿つサウンド。全体的に理念的で、徹底したシンプルな回路でピュア。ミッドファイながら解像は比較的しっかりしている。
ウエストリバーはここの部分をはっきりと聞き取りたいという種類の欲求には多くは応えないが、どんなスピーカーでも同じように体裁ない音で鳴る。地味に鳴る。
本当に魅了させるものがない。音場が広いわけでもないし値段の割に解像度も低いかな。
解像度とは原音をインフィニティとした場合のゲージ(目やす)だけど。
ウエストリバーはインフィニティをフラクタルとしている音なので、解像度というものは(低いが)気にする問題ではなくなる。
プレーヤーは Accuphase の DP67 か何かだった。自分は長時間リスニングで疲れるんだけど、デジタルの再生機だからというわけではなく、アンプのほうが原因の多くを占めるのかなと聞いたら「たぶんそう」だと答えた。
ウエストリバーは解像度は高くない(感じない)けど現代のハイレゾアンプのようにハイあがりなところもない。自分の使ってるものは AU-α907XR でそれは反対に海洋深層水のような自分好みの音色なんだけど疲れる音なんだ。
プリメイン WRP-β3 のほうはほどよい減り張りがあって音の輪郭もつややかだった。
やや結晶的サウンドで中低域などスカスカした感はあるが企業のプリメインのような楽しさがある。低域などにおけるふんわりしたものの厚みは WRP-α1 のほうがかなりある。ウエストリバーらしさがあると思う。
http://www.hikinik.net/camera/MINOLTA_DiMAGEX31_sampleimg3.htm

193 北条さん(会社経営) Thu Dec 30 20:28:58 JST 2004
確かに、ゼロ(WR)はクラシックというか生演奏に適性があるようです。
雅楽、和太鼓等も同様でした。
アルファ1 もそうでしたが、ゼロに比べるとリアルさに欠けます。

195 ミラージュさん(プログラマー・作曲家) Sat Jan 1 13:51:36 JST 2005
 同じ趣味を持つ友人何人かに聞き比べをしてもらいましたが、全く先入観無しで聞かせてみると、例外なく
刺激あるいは挑発する感じが少なくなった
という感想を口にします。 それと、
このアンプなら JBL よりタンノイの方が相性が良い筈だ、
という感想を別々の2人に言われたので、それがちょっと気になってます。

196 北条さん(会社経営) Sat Jan 1 18:49:58 JST 2005
仰るとおり、クラシック向きですから、JBL では合わないと思います。
使用しているスピーカーで、ユーザーの大体の趣向がわかるものです。
ジャズは JBL、クラシックはタンノイ、B&W でホールオンリーならタンノイ愛好者が多いですね。(事実、そのような傾向の音です)
なんでも聴く場合は、ヤマハの1000Mの使用者が多いです(私もそうです)。
アンプでモチーフとなる音は決まっているのですが、SP が変わると、その背景というか環境が変わりますので、モチーフ自体の印象もかなり異なってきます。
映像にたとえると被写体は同じでも、昼か夜か、晴天か雨天か曇天か霧がかかっているのか雪が降っているのかによってのようなもので、そのよさが最大限引き出せるものがベストと思います。
アンプの音を人と考えたら、SP の音は服のようなものでして、それぞれ似合うものか TPO を考慮したものを選ばなければいけないということでしょう。
その意味からみて、私もタンノイがよいと思います。
http://west.wramp.jp/datawr6.html

1666 O.M.さん(アマチュアコントラバス奏者) Thu Apr 7 04:07:48 JST 2016
▪ 古典的なユニットは、WRアンプとは合わない
WRアンプと組み合わせるスピーカーについて当方が経験したことを投稿いたします。
当方は後述のように川西先生がリファレンスにしておられる B&W 805 MATRIX を導入し、JBL D130、LE175を処分することを決断しました。
当方はオーケストラ等でコントラバスを弾いいておりまして、JBL D130、LE175は「コントラバスの音を再現するのに此れに勝るユニットはない」というオーディオとコントラバスの大先輩の主張を受け入れて揃えたものでありました。
導入直後は確かに、分厚い中低音に、ホーンの厚い中高音にしびれました。
しかしすぐにどうしても「耳につく不快な音」に気がつき悩むことになります。
またヴィオラやピアノの左手がどうも落ち込んでいます。
サイン波を入れても音圧がガタガタで特に 1,000Hz〜2,000Hzに凹みがあります。
結果的にこれは過制動による歪んだ音だとわかりましたが、それがわかるまでに数カ月かかりました。
過制動だと判明するまでの道のりが本当に長く苦しかったです。
ネットワークが悪いかと思って高価な素子を買い求めたり、ホーンドライバを買い換えようか、高域用のツイータを導入しようかと悩んだりと落ち着かない日々でした。
川西先生に相談しようにも何が不満なのかうまく表現できません。
とうとう当方のイライラが爆発してWRアンプが悪い!と川西先生に怒りをぶち撒けました。
しかし、このことで結果的に正しい解決の道が開けました。

川西先生より3台のアンプを送って頂きまして解決策を探っていきました。
比較試聴していきますと、JBL は高出力になるにつれて解像度が上がるのですが歪みは決して消えません。
その後一般的な管球アンプを入手してみると、あんなに悩んでいた歪みはすっと消え去り素直な鳴り方です。
しかし音の粒が大雑把です。
なんというか「古い音」とでもいうのでしょうか、
これがスタンダードなJBLの音なんだと納得いたしました。
これらのいわゆる古典的なユニットは管球アンプの特性に合わせた設計である、
という結論に達しました。
録音されたものを適切に再生させようと思うならば現代的な設計のスピーカーを用いて WRアンプで鳴らすのが最善であると分かりました。

▪805matrixと WRアンプはやはり最高であった!
そうなるとしても、当方はしっかりした低音が欲しい。
大型のスピーカーが必要ではないかと考えました。
川西先生がリファレンスとされているスピーカーはブックシェルフ型です。
いくらこのスピーカーで低音も十分出ていると言われてもにわかには信じられません。
しかし B&W の MATRIX で 805 より大型の 802、801 という選択肢も難しい。
802 は川西先生もおっしゃるように中途半端な感がします。
801 は巨大過ぎて躊躇します。
丁度良品が市場に出ていたので思い切って 805 MATRIX を導入することといたしました。
80 5MATRIX 導入当初はウーハーが熟れていないのか低音がすかすかでこれは大失敗だったかと思ったものの、急速に音が変わっていきました。
数日鳴らし込んだ 805MATRIX の音は、当方が今まで聴いてきたブックシェルフ型スピーカーのイメージを覆します。
和音の響きという縦のラインと、音と音の繋がり、進行感という横のラインがこれまで聞いたことがないくらいに自然です。
フルオーケストラの5弦コントラバスの響きさえも十分再現されています。
この低音の再現性の高さは正に川西先生が掲示板で何度も書いておられることです、やはり川西先生は正しかったのです!
クラシック、ジャズ、タンゴ、ロック、ポップス等々全てにおいてコントラバス、
エレキベースの音がくっきり聞こえ全く問題を感じません。
ピアノの低い音の金属巻きの弦を叩いたズンとした響きもあります。
グランドハープも所有しておりますが、その生音と比べても遜色ありません。
目の前で吉野直子さんが演奏している感じです。
ホーンじゃないと分厚い中高音は得られないと思っていましたが全くホーン以上です。
歪みなく繊細でしっかりとした音圧です。
バイアンプで駆動しツイータの音量を相対的に大きくするとJBL のホーンで頑張って出そうともがいていた音が出てきました。奏者の息遣い、細やかな指の動きがはっきり見えます。
定位感もびっくりします。スピーカーがすっかり消えています。
実際のところ JBL も B&W も音の方向性は違いがありません。
世の中では前者は音が前に出る、ジャズ向きだ、後者は音が後ろに広がる、クラシック向きだなどと言われたりしており当方もそう思い込んでいました。
実際に使ってみると当方が JBL のユニットを使って鳴らした音の延長上に B&W の音がありました。JBL も B&W も当時の技術の制約の中で生の音を再現するために
ユニットを開発していたわけで、JBL も真空管アンプを使えば B&W と音のベクトルは全く同一です。

またタンノイのスターリング(TW)も試しましたが、スピーカーの癖のようなものは感じますが、特にクラシック向きという印象はありませんでした。
ただ WR アンプでは 805 程には上手く鳴っている感じは致しません。
JBL のように何か鳴らしにくい要素があるのかもしれません。

805 MATRIX ですと、出力の違う WRアンプで聞いても音は全く同じです(もちろん個体差による極僅かな音の違いはあるような気がしますが誤差の範囲内でしょう)。
5W でも 100W でも再生された音のクオリティは同じく高いです。
JBL の古典ユニットのように W数で解像度が変化するということはありません。
最も安価な E-5H でも何ら問題ないわけです。
どんなジャンルの音楽を聴こうとも、アンプもスピーカーも正しい方向に向かって適切に作られたものを選べば良いだけであって、その一つの方向が WRアンプであり、B&W MATRIX シリーズであるということでしょう。
ジャズ向きだとか、オーケストラ向き、室内楽向きなどというスピーカーはなく、またスピーカーのグレードアップなどというのもなく、WR アンプを基軸におけば、あとはつないだスピーカーの音が生と比べて適切かどうかを基準にすれば良いのではないでしょうか。
川西先生は出力の違うアンプを貸し出してくださいます。
もし比較試聴して音が違った場合はスピーカーに問題があるのかもしれません。
805MATRIX にサイン波を入れてみて驚きました。なんと50Hzまでも音圧が落ちずに
出ているではないですか! サイン波で性能が図れる訳ではありませんがこの数値だけでも805MATRIX は少なくともコントラバスの再生には問題がないように思われます。
そもそもコントラバスは低音楽器というよりは倍音楽器と認識したほうが
しっくりくるかもしれません。弦の振動で震えた駒が表板を叩くことで発生する
豊かな倍音が重要です。基音の周波数を基準に考える必要はないかもしれません。
この小さな805MATRIX でここまで再現されるのであれば、ウーハーの追加された801、802 もどれだけの再現性があるのか興味があるところです。
しかし、これらはユニット数が増えるのでどうしてもチェロが下に、ヴァイオリンが上にくるような定位における違和感が生じるだろうと想像出来てしまいます。
店頭で聞いた最新の B&W の大型スピーカーをそこにあるメーカーのアンプで鳴らしたのを聞いた時にはそういう違和感が大きかったのです。
805 は 805 なりに大変バランスのよい完成されたスピーカーだと思います。
805 MATRIX と WRアンプを組み合わせて音楽を楽しんでいると、スピーカーの B&W の開発者とアンプの川西先生の、生の音を再現したいという熱い思い、熱い執念が出会って見事に実を結んでいるのだと深く実感いたします。
オーディオで求めるものは人それぞれですが、もし生を基準にした再生音を求めるならば、第一候補は川西先生がリファレンスに用いている 805 MATRIX が最良の選択であり、さもなくば現代において素直に設計されたスピーカーを使用するのが良いだろうと思われます。
オーディオ装置などは単なる道具ですので、当方の経験したように懐古的なものや
根拠がはっきりしないのに高額なものなどに惑わされないようにして正しい方向のものを選べば良いでしょう。WRアンプは間違いなくそういうものです。

____

1669川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Thu Apr 14 2016
O.M.さん、詳細で単刀直入なご投稿ありがとうございます。
 O.M.さんが使用されていたスピーカーは、ずっと B&W の CDM1 だとばかり思っていました。そして暫く音信が途絶えておりました。
 去年の文化の日の頃でしたか、久し振りにお便りがありました。それは、お持ちの ΕC-1 と Ε-10 のアップグレードのお話でした。2年ほど前にΕ-10 のプロトタイプをお貸し出しし、WR アンプを気に入って頂きご購入頂いたのを思い出しました。
 しかしよくお話を伺うとどうもチャンデバを使ってマルチ駆動をされているようで、ローチャンに Ε-10、ハイチャンにはもっと以前にご購入頂いた WRP-α9/A をお使いになっている事が分かり、結局、WRP-α9/A の安定化電源化も含めてアップグレードをして頂く事になったのでした。
 ところが「どうせアップグレードするならΕC-1 に EQ 基板を載せて LP も聴けるようにしたい」とご希望が脹らみ、結果的に大手術となりました。そのご報告はWR掲示板の 163 6と 1642 に詳述されていますので、改めてお読み頂ければ幸いです。
この時に「WRアンプの音は革命的だ!」と言う名誉あるご感想を頂いたのです。

 実はこの頃に既にヘッドアンプのご注文も賜っており、それは年末ギリギリに納入させて頂いたのでした。この絡みで純粋MCカートリッジが見直されています。また、MMの再生音にも劣るCDの音を改善すべく、プレーヤーも32bitDACを積んだものに買い換えられています。
 このように短期間で O.M.さんは急速な坂道を登られたのです。それが何処かに歪となって皺寄せが来るとは夢にも思っていませんでした。詰まり音が良くなったら、又それだけ粗が目立って来る事になり易いのだと思います。今まで隠れていた欠点が表に出てくる可能性があるのです。
 11月の末頃には、ローチャンとハイチャンの繋がりが悪い、と言うようなお話をチラホラされています。この時に初めて私は O.M.さんが D130+LE175+D91 をお使いになっていると認識したのです。
12月に入ってからこの問題が大きくクローズアップされて来ています。
既に、チャンデバは止めて LE175 の方をコンデンサーでカットする方法に変わっていましたが、そのコンデンサーの質で音がコロコロ変ると仰っています。そこで、私が ASC を推奨して

> ツイータのハイパスのコンデンサーですが、川西先生ご推奨の ASC がやっと届きまして、
> この違和感がすっきりと解決できました!
と一度は満足されています。
 この後、ヘッドアンプ導入によるMCカートリッジの音について色々感想を寄せて頂いたのですが鉄心入り MCカートリッジの音が
> ジャズベースが鉄芯だと一旦PAを通した音に聞こえてきました。
と仰っていたので、最初は誇張かと思っていたのですが、今思えばスピーカーの問題が顔を出していたのかも知れません。
確かに、鉄心入りMCは純粋 MC に比べてそう言う傾向が多少はあるのですが、その時「PAを通した音」と言う表現に多少違和感はありました。
 2月に入ってハイパスのコンデンサーで随分悩まれたようです。エージングの問題、耐圧の問題等で音がかなり変ると言うのがご不満のようでした。今思えばそう言う事で音に大きな変化がある場合は、別に本質的な問題が隠されている事が多いのです。
 中高域に違和感があるとカットオフ周波数を下げたくなるものです。その為にはコンデンサーの容量を増やさなくてなりませんが、そうそう思い通りの容量のコンデンサーが手に入る訳ではありません。勢い、コンデンサーの並列接続になります。
 コンデンサーはそれぞれ直列にインダクタンス分を持っていますので、不用意に並列接続すると高周波領域に共振峰ができ、システムに何らかの問題があると、それが音質に微妙に影響してくるのです。WR アンプのパスコンにも昔から1Ωの抵抗を直列に入れています。
 O.M.さんもこれで暫く悩まれたようですが、並列にされた2つのコンデンサーそれぞれに直列に0.5Ωから2Ω位を入れるようにアドバイスさせて頂いたのです。その結果、
> この音を聞けば、昨日までの音は奇妙奇天烈であったのは一目瞭然です。
> バイオリンのパワーに負けず、ビオラやチェロの粘っこい音が難なく聞き取れます。
> 当然ピアノの左手もしっかりしており、低音の太い金属弦の粘っこい感じ、
> 高音はキンキンせずにカンカンなる感じが出ています!
> これはすごい。正にこの方向の音が欲しくて右往左往しておったのです。
と言うレポートを頂き私は一安心したのです。それから3月の半ば頃までは便りがなく満足されているのかなと思っていたのですが、また問題が発覚したようでした。
それはウーハーとツイターを別々のアンプで鳴らすと、本来はもっと良くなるはずなのに耳に着く違和感があって改悪になると言う問題でした。
音楽がちぐはぐに聴こえると言う事でした。
 ウーハーを鳴らしている Ε-10H の音と、ツイターを鳴らしている WRP-α9/A (Ε-5H 相当)の音がかなり違うと言うご不満でした。
WRP-α9/A の方が膜が掛かったようになると言う事でした。
私は5W以下で鳴らすなら、Ε-5H とΕ-50H の音はそんなに変わらないと常々申し上げていますし、今回のアップグレードの時もそれを確認して発送していますから、これは何かあるなと薄々思い始めていました。しかし、未だスピーカーのダンピングの問題だとは気付いていませんでした。

 それ以降、こちらのΕ-10Hプロト、WRP-ΔZERO(Ε-50H相当)、100W機(Ε-100H相当)を次から次とお貸し出しし様子を見させて頂きました。
それに依ると、Ε-10HよりΔZERO、ΔZEROより 100機とドンドン分解能が上がると言う事でした。
この時に、音の表現を形容詞などで表現すると誤解の元になると痛感し、なるべく具体的に表現するように努めるべきであると悟ったのです。こちらで鳴っている音と余りに違うレポートを頂くと、何を頼りにそれを判断すれば良いか分からなくなるのです。
 この頃に頂いたご感想の一片を記しますと

> 届いたアンプでは、音の次元が違います。これはすごい。
> 当方のアンプもつなぐスピーカーが805matrix だとこのような素晴らしい音で鳴るのでしょうか。
> まったく信じられません!

と言うように、ハイパワーアンプなら結構良く鳴るものの、ご所有の α9/A やΕ-10H では、とても上手く鳴らせないと言う内容です。
この頃は他に何かあると思いつつも、まだネットワークの問題も気になっていて、スピーカーのインピーダンス上昇の問題も考慮し、打ち消しの為の直列素子を入れるように進言したりしましたが、少し効果はあったものの本質的な解決には至りませんでした。
 この頃になると O.M.さんもアンプの問題もさる事ながら、真空管時代に開発された JBL の問題点に気付き始めて居られたのでしょう。
真空管アンプと高帰還アンプ、又大きな箱に入れないと低音が出ない昔のスピーカーと小型エンクロージャーに入れてハイパワーで鳴らす現代のスピーカーの違い等々について、色々調査されたようです。
 D130+LE175 を聴いて衝撃を受けた時、鳴らしていたのは真空管アンプだった事も思い出されたのでしょう。
一度は真空管アンプで鳴らす必要性と、既に JBL を諦めて 805 MATRIX を探す気にもなられていたのだと思います。それから5日程音信が途絶えていました。
 真空管アンプを入手し、805 MATRIX も注文したと言うメールが突然ありました。
真空管アンプは3結シングルのミニパワーアンプでしたが、次のようなレポートが添えられていました。

> JBL とWRアンプでは高出力に比例して解像度は上がります。100Wの解像度はαZEROをはるかに
> 凌ぎます。しかし、しぶとく残り続ける「うまく鳴っていない感じ」があります。
 しかし、3結で鳴らすと
> これが管球アンプだとこの鳴らない感じがすっと消えているのです。
> 解像度は一気に落ちているのに、耳触りはとても自然です。
と言う風に仰っています。
真空管アンプだとずっと付き纏っていた違和感がスッと消えるようです。
どうも、WRアンプだと無理に JBL の穴を叩いているようです。しかし、次のようにも仰っています。
> 管球アンプの解像度はMMとMCのような違いがあります。いや、もっとあるかもしれません。
> WRアンプの解像度を聞いてしまうと全く笑ってしまう大雑把さなんです。
> しかし管球アンプですとユニットの発音の様子が全く異なり、総体的にこれが
> 当時のスタンダードな再生音であると納得できるような質感です。
 生の音を求めて近代的なスピーカーを高帰還アンプで鳴らすのと、昔ながらのゆったりした音を楽しむのと両極端を経験された事になります。
この音の違いの要因はアンプの出力インピーダンスの違いだと思います。
昔ながらのスピーカーはやはり当時想定された目的で使うべきなのでしょう。
無理に定電圧駆動するとコーン紙の振動が制動され過ぎてしまう為に、一部に耳障りな音が残ると考えられます。
D130 がアルニコを使っているのも裏目に出た感じです。
察するに昔の真空管アンプでも、それなりにダンピングが効いた音が出るように図られていたのだと思います。
 振動学的には、臨界粘性減衰係数に、系の粘性減衰係数が近付くと減衰振動は振動的でなくなり、単調減衰になってしまいますが、このような系は反応が鈍くなりますので、切れのある軽い音にはならないのです。
電気振動でも言えて、方形波特性を余り鈍らせるとアンプの音は硬直して来ます。
制動不足でリンキング状態になると音は荒れますが、少しアンダー気味で低い山が1つ見える程度が良いとされています。
 しかし、805 MATRIX が到着すると、
> 805MATRIX 届きまして、衝撃です!
> JBL と合わせて、もう必要のないものとなりました。
O.M.さんは生楽器の音を再現する為のオーディオを目指して居られますので、当然の結果となったのです。どのように衝撃だったかは次に示す文章から見て取れます。
> E-10H で駆動していますが、805 を慣らしきってやろうという先生の熱い思いがビシビシと
> 伝わってきます!第一印象だと低音が薄いかな?と思いやはり失敗だったかなあと思ったものの、
> しばらく聞いていると音がこなれてきたのか、バランスがよく感じてきました。
 ハイパワーアンプに比べてご自分のものは大きく見劣りがするとお感じになっていたはずですが、805 MATRIX ならものの見事に鳴ったようです。
音のバランスが聴くうちに良くなったのは、やはり長い間眠っていたスピーカーのエージングが進んだ為ですが、耳が小型スピーカーに慣れたこともあると思います。さらに、
> この小さな筐体SPでピアノがこんなに満遍なく聞こえるのは奇跡ですね!
> 掲示板や先生のメールに書いてある左手の最低音が聞こえるという記述はさすがに
> 言い過ぎだろう、聞こえていても蚊の泣くような微かな響きでしょうと思っていたのですが、
> まさかまさかこんなに聞こえるとは!

と仰っていて、私が Feastrex で体感した時と似たような衝撃を受けられたようです。この音が認識できると本当に幸せな気分になるから不思議です。
そして、やっとO.M.さんは納得の行く音を手に入れられたのです。
> 全体の音楽性は明らかに805 です。時間軸に沿って響きが繋がっていく感じに破綻がありません。
> 定位感もすごいです。よそ様のところでのJBL で相当大音量で試聴距離も離れて聞いた時にSPが
> 消えている感覚がありましたが、自宅では近接で歪みが多く耳につくのかいまいちです。
> それに比べればこの805はとても素晴らしい!スピーカーを意識することが全くない!
> やっと色々な呪縛から解放されました。
 この成功は B&W805 MATRIX でなければ得られないのではありません。
又 B&W805 MATRIX に WR アンプを無理に合わせている訳でもありません。
その証拠にサトウさんの追試でもっと小型で安価な DENON の USC-M3E を繋いでも「これだけでも十分立派な鳴りです。」と仰っています。
D130では過制動になり違和感が残りましたがその理由ははっきりしています。
現代のスピーカー、特にヨーロッパ系のものなら全く問題はないと思います。
どうぞ安心して、WRアンプをお求めになって下さい。
http://west.wramp.jp/datawr35.html

2ちゃんねる ウエストリバーアンプ
49 : 名無しさん@お腹いっぱい。2015/10/18(日) 20:38:35.07 ID:iTYpjxTB
川西という元サンスイの技術者で大学教授が設計しているね。

50 : 名無しさん@お腹いっぱい。2015/10/18(日) 21:08:54.87 ID:EZAHLq9m
?????
専門は電気じゃなくて機械系なんですのん。
でもって色々微妙に違うのだが ま、いいか。UEC。

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/12/07(月) 17:45:26.99 ID:cuJxFQrl.net
イシノラボとどっちがいいの?

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2016/08/06(土) 20:25:34.70 ID:E7h/HSgc.net
>>70
作ってる人はどっちもイシノ爺ちゃんだけど、電源周りに気合入れてるウエストリバーの方が音いい事が多い
爺ちゃんがたまに作る電源別仕様とかバッテリー仕様だとウエストリバーより大抵音いいと WRP−α4MOS (赤ツマミのテスト機の石を日立製 MOS に交換した物) を持っている俺が言ってみる

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2016/08/29(月) 07:49:22.42 ID:1fA150G3.net
>>77
ウエストリバーは、現在はイシノラボ製ではないと思うけど。
開発者が直接作っているばず。
イシノラボの別電源仕様とかもイシノラボの音であって、ウエストリバーより良い訳ではないよ。
イシノラボ爺は単にアンプ作りが好きな人で、ウエストリバーは生音の再現に執念を燃やしている人だから、ものづくりの方向性が違うよ。
ボリューム、低音ブースト、電源フィルターとかまとめて全部やったけど、凄いよ。

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2016/08/08(月) 22:51:20.34 ID:z76HMGFV.net
両方持ってるが甲乙付難い
どっちも大手からみたら破格の高音質

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2016/08/16(火) 00:00:52.60 ID:t8FEF5eM.net
ここのアンプはボリュームのパーツが悪すぎなんだよなー
摺動式の安価なので全体が歪みっぽい音になる。高音にいたっては細かな音が消える。
お金貯めてマランツとか選んだほうがいいよ。
http://awabi.2ch.sc/test/read.cgi/pav/1436608366/
http://mint.2ch.net/test/read.cgi/pav/1436608366/

2ちゃんねる 単独スレは難しいアンプについて語ろう
271 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/25 13:08 ID:ZwSCUH5E
Westriver の名が一度だけここにでてきたみたいですが、買っちゃいました。
Westriver のアンプ先月視聴なしで注文しました。
一ヵ月半待ってようやく火曜か水曜に届くはず。
年末製作会社(といっても幕張のマンションの一室でしたが)で売価14万円の安いほうを視聴しました。
今まで Ayre AX-7 を使っていましたが、とんでもない実力を見せ付けられた。
再生空間が桁違いに広く、音色の自然さでいったら過去視聴した中で最強でした。
アンプの値段について大いに考えさせられたひと時でした。
100万のアンプ持ってきてもかなわないでしょう。
あくまで主観ですが。意匠がいまいちなのがちょっと所有欲を満たすまでにはいきませんが、まあ架体にかねかけると販価があがるのそこまでやりたくないというのが、 開発者の回答でした。

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/09/18 04:38:14 ID:VBmnUj/9
>> 271
14万円の WRアンプ(Westriverアンプ)というと「WRP-α3」のことでしょうかね。
このアンプずっと気になっていたのですが、評価らしい評価を初めて眼にしました。
お尻を押してもらった気分です。さらに欲しくなりました。
新しく発売された約13万円の「WRI-β2」も気になります。
ところで、川西さんの“音・耳の良さ”は信頼してよいものでしょうか。
WRケーブルはもひとつとのことですが…。
同価格帯で評価の高いドットラボの「PrimaLuna プロローグ・ワン」を加えた上記三機種のアンプからどれを選んだものか迷っております。
いずれも自宅試聴はできないアンプなので賭けになりますが、音を知っている方がいらっしゃればアドバイスなどよろしくお願いします。

331 :272:04/09/22 19:50:13 ID:pehxvbLp
>>324
漏れの書いたインプレは低下20マソ程度の初期モデルの奴な。
14マソのアンプの音は知らんのよ。
で、20マソアンプの音は普通?のアンプの音とはチョトタイプが異なる。
まず一聴して高域があまり出てないのが分かり、更に音に潤いというかエコー成分が少ない感じで、コレが乾燥気味の音という印象に繋がる。
オーディオ的演出がほとんど無い音ってかんじ。
音の表現力も単調ぎみに聞こえるかも。
乾燥肌な感じが、漏れが所有する エレクトロコンパニエのアンプとは対照的だとオモタ。
一般的なオーディオで再生される音が、生の音に比べて妙に透明だと気が付いているなら WRアンプに価値を見いだせる鴨ね。
「音色の自然さ」とかいうのが、自分にとってはどういうものかと言うところが評価の分かれ目かな?

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 00:52 ID:iotk1NHd
>>271
オーディオ的には ツマラナイ音だった記憶がある。
華が無いって言うか、高域が大人しい感じ。
漏れ聞いたのは SP に B&W M805 を使ったデモだったが、乾燥系な音がしてあまりパッとしなかったような。
>音色の自然さでいったら過去視聴した中で最強
自然な音って、第一印象が大人しいモンだから、自分が実際使用する場合果たしてこれで満足できるのかな?
なーんていうふうに思っちゃうんだよね。オーディオテクネの音もそうだった。
広めの部屋でデモしたところで、死んだ音にしか聞こえないからね、こういう音は。
でも、自分の部屋で聞いたらどんな印象なんだろう?

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 01:02 ID:iotk1NH
川西さんは、WR アンプは全くの無個性だから SP の特徴を引き出すだけだとかなんとか言ってたけど、そりゃ違う。
SP を変えても、ドライで高域が萎んだ音は変わらず出てた。
この音の特徴は聞いてすぐに分かるようなハッキリしたものだったよ。
気に入った人にはいい音なんだろうな。漏れも気に入るアンプがほしいよ。

332 :324:04/09/23 20:38:02 ID:EQX7v8O5
>>272
それは「WRP-α1」ですね。
そのような方向性は正に私が目指しているものです。
オーディオの音を、自然音のリアルさに近づけていくこと。
これは「WRP-α3」や「WRI-β2」を聴いた人の意見が聞いてみたいですね。
奇遇ながら私もエレクトロコンパニエの「ECI-1」持ってました。
ウェットで叙情的でありながらスピードの速い音を聴かせる素晴らしいアンプでしたね。
電源部が超強力で、うちの低能率スピーカーをちゃんと手なずけてくれてました。
WRアンプも電源部には相当こだわっているようですね。

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/10/27 22:34:17 ID:QpYgcDEf
>>272,>>273
>>ドライで高域が萎んだ音は変わらず出てた。
それってオーディオテクネも一緒ですか?
オーディオ的にはツマラナイ音、という意味でオーディオテクネと似ているのか、
出ている音そのものがオーディオテクネと似ているのか?
その辺が詳しく知りたいです。

336 :272=攻撃的人格者:04/10/27 23:17:22 ID:xQ5VQD4A>>335
あー、もう記憶が薄れてるよ(ワラ
記憶にある限りのことを書くと、
聴感上の高域をロールオフさせてるのはどちらも同じ。
低域もガッツがない。っていうかマッキンとか山水のパワーみたいな音とは逆方向。
ツマンネって意味で同じ。音的にはね。躍動しないしハッタリが全くないし。
心臓の弱いジジイ向けだな(ワラ
音が向こうからやってくるってより、自分から聞き込みに逝って初めて良さが分るタイプかな。
つーか、WR は広い部屋でのデモだから、エネルギーバランスとか基本的な音調しかつかめんかった。
普通の部屋で聴くなら空間表現なんかもよく分るだろうが。
でも、あの高域萎んだ音はいただけんなって思った。
音楽の表現力をどう感じるかは個人差が激しすぎるからノーコメント。
あ、これだ。思い出した。SPの飲酒にカーボン製の使ってみ。
この方向の音の変化は音がスッキリした感じがするが・・・似てる方向性の音かなぁ?
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/pav/1055167476/

9 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/01/24(火) 16:42:30 ID:YyzsVzlF
WRP-α1 Mark2(プリ&パワー)の保有者の私がやってきましたよ。
なんか質問あります?

15 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/01/24(火) 23:30:27 ID:u+88x3J6
>>9
何のスピーカー使ってる?
30Wのアンプで力不足にならない?
プリは必要?

21 名前:9 :2006/01/25(水) 10:40:56 ID:9sfnKQJ1
>>15
スピーカーはマラプロの NM-01 とパストラルシンフォニーのAP103です。
何れも能率的には慣らしやすいスピーカーなので 30w でもパワー不足を感じたことはありません。
プリが必要かの件ですが、WR パワーアンプ単体でもノイズが少ないウェストリバーアンプの音は楽しめると思いますが、WR プリを導入すればノイズ感がさらに激減して音に深みが出るので、間違いなく導入するべきですね。
プリ無しでは多少つまらない音に聞こえると思います。

22 名前:14 :2006/01/25(水) 11:12:56 ID:EL0Mnaix
>WRパワーアンプ単体でもノイズが少ない・・・
とありますが、プリメインとしても使えるのですか?

23 名前:9 :2006/01/25(水) 15:34:05 ID:9sfnKQJ1
>>22
ボリュームもあるのでプリメインとしても使用は可能です。
確か RCA 入力が3系統だったかな?
入力がセレクタで切り替え可能ですので、最初にパワーアンプだけ購入してのちにプリを買うのが良いと思いますが、パワーアンプのみだと実力の半分程度しかWRアンプの良さが出ないと思います。
予算が少ないなら WRプリメインも選択枝に入れてみてはどうでしょう?

35 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/02/10(金) 14:32:57 ID:AzW+qnQ4
山水アンプが正常進化した音がウェストリバー。
そんな感じの音です。

37 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/02/11(土) 12:06:13 ID:2WVc7ZyZ
>>35
おいおい、スゲー耳してるな?オーディオ止めたら?
ちなみに漏れは山水のパワーと直截聞き比べた事がある。
山水は川西に比べ作為的な音作り(特に低域)をしていて音色が濃い。
そして音に躍動感がある。作られた音だという事が分かっても漏れは山水を取る。
聞いていて楽しいのは山水だったからね。踊らない音は川西。
http://hifi.denpark.net/1138024363.html

530 平野紘一さん(マスターズ代表) Thu Nov 16 11:38:27 JST 2006
エンジョイオーディオ!その行く道は!?
 WRアンプの製作・販売を始めて、数年経った。
おかげ様でその製作台数は3桁になっている。
わたしのようにオーディオ黎明期から、繁忙期にオーディオで飯を食ってきた者には現状及び近未来が楽しみであり、心配である。
 長年、オーディオ業界にいるので(1965年から)、内外からいろいろ情報が入ってくる。 
皆さんの参考になるかどうか分からないが、ここに書いてみることにする。 
 まず、アメリカではオーディオ、とりわけ、ハイエンド・オーディオは非常にシュリンクしてしまっている。
振りかぶって言うと、共和党の金持ち優遇によって、金持ちしか、ハイエンド・オーディオを買えなくなったからである。
従って、アメリカのハイエンド・コンポは非常に高額である。
また、アメリカのオーディオメーカーの設立・廃業・転売が著しい。
 あの、有名なオーディオ誌”ステレオファイル”もあまり、みるべきものが無くなってきた。
マッキントッシュはクラリオンに支えられてきたのは故存知の方も多いと思うが、クラリオンが傾いてきて、マッキントッシュはリップルウッドの傘下に入ることになった。今後、どのような方向になるのか?
今年、創業60年になるJBLの新商品開発のエネルギーは素晴らしい。
 アメリカの友人に聞くと、JBLをアメリカの東海岸ではあまり見かけないと言う。
JBLを率いるハーマンさんはユダヤ人だけにクレバーであるから、JBLをうまく導いていくと思う。そうなると、JBLの商売はアジア、それも、日本、中国、台湾、それに韓国あたりのオーディオファイルの方々が買うのではなかろうか?
特に、最近の中国の富裕層の購買意欲がすごいらしい。
 金持ちではないオーディオ好きのアメリカ人は AVレシーバーを買って、スピーカーを自分できれいにセットして、SPケーブルは壁に入れてきれいに処理するらしい。
重点はやはりVであり、それからがAであると言う。
AVレシーバーは日本勢(DENON、パイオニア、ケンウッド、ヤマハなどなど)が強いと言う。
 ハイエンドオーディオではなかなか日本勢はむずかしそうである。
まず、スピーカーではサウンドバランスの点で、イエローがやったのは認めたがらないようだ。
スピーカーユニットでは日本の技術は世界一であったのだから、サウンドバランスは早く、彼等に任せれば良かったのだ。近年、パイオニアがそのようなシステムを取り入れて、かなり良いサウンドバランスになったと言う。
(つい、最近、CEATECでパイオニアのこの種のSPシステムは聴いた。かなり、聴かせる!)
 アンプでは、近年デジタルアンプが登場しているが、高周波を取り扱うので、もう、普通のオーディオメーカーでは他におえないところまできている。
すなわち、デバイスはIC製造ノウハウが必要だし、プリント基板は多層構造が必要である。こうなると、初期投資が大変で数が出る平面TV、5.1chサラウンド、カーオーディオ用アンプ、それこそipodのようなアイテムにデジタルアンプは皆さんの気がつかない分野にどんどん採用されている。
最近のTV、音質が違うとは、皆さん気がつかないかな?
 アメリカのハイエンド・オーディオは一握りのお金持ちが買えるものになってしまったから、日本での価格は¥100万を超えるものが多くなったのはそのせいでもある。
 それでは、ヨーロッパはどうかと言うと、まだ、かなり、健全である。
まだまだ、SACDはこれからだし、アナログレコードも健在で、アナログレコードプレーヤー、フォノアンプ、カートリッジなどもある。スピーカーが苦手だったドイツからエラックのような小型でありながら、優れた音質のSPが出てきたし、B&Wに至っては技術的にも、サウンドバランス的にも非常に評価が高い。アメリカでもB&Wはアメリカ勢を圧倒していると言う。
 価格も特に金持ちでなくとも、買えるようなリーゾナブルな製品が多い。
残念なのは、BBC出身のSPブランドに元気がややないことだ。BBC出身のエンジニアから、後継者への橋渡しが難しいのかも知れない。
 さて、日本の現状はどう見たらよいであろうか?
特にアンプに絞ると、アキュフェーズ、DENON、マランツ、LUXとブランドも限られてきた。そして、真空管アンプは中国製も多くなってきた。
そして、オークションを眺めると、懐かしいアンプが沢山、売りに出ている。
どう、考えたらよいのだろうか?
 
 医学的には聴覚・味覚は発生学的に皮膚感覚の一部である。そして、オーディオはエンジョイするものである。そこから、WRアンプのような、NFBアンプの問題点を解決したアンプもあるし、ノンNFB真空管アンプもあるし、小型・高効率(言わばオーディオのファーストフード)のデジタルアンプもある。
それぞれの主張があり、これぞオーディオは面白いと思う。
 最後に話が少しそれるが、NFBの発明者ハロルド・ステファン・ブラック氏に生前お会いしたS社のTS氏の話によると、NFBはMASTER &SLAVE システムであると言う。誤解されそうであるが、悪い意味ではないことを次回書かせていただこうと思っている。
 
 ”皆さん、一度きりの人生!楽しんでください。それには、広告も充分ではなく、地道にやっているところも尋ねてみると、新しい発見、喜びを得ることありますよ!”
http://west.wramp.jp/datawr13.html

528 川西哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sun Nov 12 15:23:58 JST 2006
最近考えていること−WR アンプのキットは如何?
 真空管の根強い人気とクラフトの面白さからか、真空管アンプキットが流行っていると言う。
真空管の魅力は、ヒーターやフィラメントが赤く灯りムードがある事、そこそこの音が出る事、そして作り易い事などが挙げられる。
 日本のメーカーが真空管の製造を止めて久しいが、上記の理由からか未だに真空管の人気は衰えていないし、寧ろ拡大する気配さえ感じられる。私は日本のメーカーが真空管から撤退し始めた頃に、将来性を考え思い切って見切りをつけたので、もう真空管には微塵の未練もないが、一時は真空管のアンプで真剣にいい音を求めていた。
 最近、WR アンプがほぼ完成の領域に入って、自分の決断が間違っていなかったと思うし、真空管に拘っていたら、今現在得られている音質のグレードには、到底到達出来なかったと思う。
真空管とトランジスタの違いは煎じ詰めれば、後者の方にのみコンプリメンタリー素子があると言えるのではないかと思う。
 例えば、プッシュプルを構成する場合の事を考えてみると、真空管の場合は必ず位相反転回路が必要になるのに対して、コンプリメンタリー素子が使えるトランジスタでは、その基本性質から、位相反転回路を使わないでプッシュプルが構成できる。勿論、純コンはその代表的なものであるが、準コンもその恩恵に浴している。
 この事は真空管がどんなに逆立ちしても真似のできない技術的優位性である。
最近、銅シャーシの準コンアンプを発売してご好評を頂いたが、真空管でこれと似た様な事をしようとすると、多くの低内部抵抗の真空管を並列に接続した OTL アンプになるが、それでも、位相反転回路とそのドライブに関する大きな技術的問題を抱え、今回得られた音のレベルにすら到達できない場合が多いのである。
 これは一例であるが、真空管とトランジスタの違いを如実に示す縮図である。従って、真空管の場合は余り欲張らずにほどほどにして置くのが正解であろう。
即ち、裸の特性が良いと言う、逆にトランジスタには無い特長を生かした、シンプルな構成のアンプが生きる道であろう。
だから、クラフトに向いているし、アマチュアでもそこそこの物が出来上がる。
 ラジオ技術、MJ誌などの製作記事が殆ど真空管になってしまったのも、頷けることではあるのだが、それは裏を返せばやさしいトランジスタアンプの製作記事を書くライターが居なくなったと言う事でもあるのだ。
 トランジスタの欠点は素子の直線性が悪い事であるが、それ故に真空管のような無帰還シングルアンプは最も不得意とする分野である。音は出てもトランジスタラジオ並である。到底ハイエンドに耐える音は出ないだろう。トランジスタの直線性の悪さを補正するには、どうしても大掛かりな帰還技術が必要になる。
 しかし、これまでの帰還技術は少なくてもハイエンドオーディオでは本領を発揮できなかったと言ってもよいだろう。それは、真空管が第一線を退いてから、数え切れない程のソリッドステート式アンプがメーカー各社から発売されたが、その殆どは短い生命で終わってしまったし、それが原因となって多くのメーカーがオーディオからの撤退を余儀なくされた事は周知の事実である。
 それは帰還技術を 100%信じて真っ向勝負したメーカーの責任であり、もう少しハイエンドオーディオの観点に立って考えるべきであったろう。我田引水で申し訳ないが、私は帰還技術をオーディオにアプライする場合のマナーを心得ていたので、100%は信用していなかったのである。元来、帰還技術はハイエンドオーディオ用に考えられたものではないからである。
 帰還技術をハイエンドオーディオにアプライする適当な方法を独自に見つける事ができた私はラッキーだったと思う。それには普段からの幅広い経験が役に立ったと思う。オーディオが好きな割りには、アマチュア無線のような無線通信にも非常に興味を持ち、短波送信機も自作した事があるので、自然に高周波的センスが身に付いていたのである。
 それでオーディオを高周波的な見地から見直したのであるが、当時は誰も私の言う事を信用しなかったのである。しかし、それが功を奏して高帰還アンプに内包される負性抵抗の存在に気が付き、長い年月をかけて2つの特許NRL 回路に行き着いたのである。誰も信用しようとしなかった技術が今WRアンプとして花を咲かせ、WRアンプユーザーの方達に、それが正しかったと言う事を証明して頂いていると思っている。
 しかし、WR アンプは高価であり、誰にでもお求め頂ける価格ではない事も事実である。もう少し裾野を広げて、なるべく多くの方に気楽に WR アンプの音を楽しんで頂きたいと思うのだが、音を良くしたいと言う欲求と、価格を下げると言う事は相反するのでなかなか難しい。
 そこで製作を担当して頂いている平野紘一氏とも相談し、一つの方法としてクラフトブームでもあるので、WR アンプのキットを売り出したら良いのではないかと言う事になったのである。
平野氏の調査によれば、現在の日本には本格的なトランジスタアンプのキットは無いと言う事だし、オンリーワンを目指して是非実現したいと構想を練っている。
 何故、今現在トランジスタアンプのキットが無いかと言えば、技術的に面倒な事が多く、キットにし難い事と、上述の理由で簡単にいい音のアンプが出来ないからであろう。幸い WR アンプの NRL 回路を用いた高域補償は非常に安定なので、細かな調整が不要であるし、音質は太鼓判が押されている。キットの条件は満たしているのである。
 勿論、価格は少なくても銅シャーシ準コンアンプ並にして、普通の人が手の届く範囲に設定し、誰が作っても失敗の無いアンプにしたいと思っている。その為には基板は調整済みにして、機構部品をねじ止めし、必要な線材を半田付けすれば完成できるように考えている。間違いなく完成できれば、高音質の WR サウンドが聴けると言う寸法である。自分で作れば尚一層いい音に聴こえるだろう。
 日頃買いたいと思うけど手が出ないと諦めて居られる方は、是非 WR アンプのキットに期待して頂きたいと思う。準備万端整えて、来年の初めには何とか発売に漕ぎ着けたいと考えている。
クラフトに趣味のある方は勿論の事、少し半田付けくらいは出来ると言う方でも完成できるように、キットの構成をなるべくシンプルにしたいと計画している。WR アンプユーザーの方にも面白い遊びとして受け入れられたら最高である。
 真空管アンプキットは山ほど在るが、トランジスタアンプキットは希少価値だし、出来上がりの音はメーカー製高級アンプに引けを取らない自信がある。安易に真空管アンプに決めないで、是非、WRアンプのキット発売を待って欲しい。
http://west.wramp.jp/datawr13.html

529 川西哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Wed Nov 15 18:52:00 JST 2006
ものの考え方−オーディオに対する考え方
 私はかなり純粋な理工系人間である。「正しいか正しくないか」を何時も考える。
生まれ付き親から受け継いだDNA のせいもあるし、若い頃経験した勉強のせいでもあるだろう。兎に角何かにぶつかった時は常に、それが優先されて頭に浮かぶ。
 難関な理工系大学を突破するには、その位の徹底した考えをもたないと、到底あの難しい数学の問題は解けないだろう。特に私のように能力に余裕の無いものはそうだ。冗長な考え方をしていれば、時間内に難問を解く事はできない。それを高校3年間と浪人生活で徹底的に鍛えられた。
 だから今の自分があるのだし、それを今更後悔もしていないが、明らかにその延長線上に私の人格が形成された事は確かだ。良く言えば常に正しい路を選ぼうとする善良な人間だし、悪く言えば融通の利かない堅物に映る。
 WR アンプもそうした「正しいか、間違っているか」と言う、長来にわたる自問自答の末に到達した結果であるので、それを大事にして得られた結果もそれを基盤に考えるようになる。
しかし、大学以来長い間の付き合いである平野紘一氏は私とは若干考え方が違う。
 勿論、彼も基本的には理工系人間であるが、彼はオーディオは食事と同じで味覚に通じるものがあると捉え「正しいか、正しくないか」より「美味いか、美味くないか」なのだと言う。だから、オーディオアンプに対する考え方も微妙に違う。
 私は WRアンプ一筋であるが、彼はもっとフレキシブルであり、真空管アンプもデジタルアンプも手がけていて、彼の頭の中でそれらは決して矛盾しない。
私にそれが出来ないのは、一つの原理に忠実であろうとする為に、それと融合しない理屈を受け入れられないからである。
 誤解を避ける為に言って置きたいが、私と平野氏の生き方がどちらが正しいか、等と言う低次元の比較をしているのでは決してないので、興味本位で読まないで欲しい。あくまで、事例として身近に居る平野氏の事を書かせて貰ったに過ぎない。
 だから、これは平野氏の悪口では決してなく、世の中にはいろいろな考え方がある、と言う事を示したかっただけである。このように、人間の考え方は人それぞれで、右から左までいろいろな考え方がある。その意味に置いて、私は最右翼かも知れない。少なくてもオーディオに関してはハト派ではないだろう。
 具体的な例を挙げよう。
私の研究に依れば、高帰還アンプの安定度を自動制御理論で決定してきた従来の設計法では、十分な安定度が確保できない為、音質に何らかの問題が出る可能性が大きいと私は考えている。
その根拠は、特許NRL 回路によって負性抵抗が無くなるまで補償を行うと、自動制御理論でよく使われる安定度の指標である位相余裕が、設計目標とされる値より遥かに大きくなるからである。
 こういう場合、従来の設計法による帰還アンプは理論的に不備があるから、得られた音は評価できないと私は考える。
一方で理屈は兎も角、出てきた音がその人にとって好ましい音だと感じれば、それはそれで良いとする考え方が明らかに存在する。どちらにもそれなりの言い分がある。
 私は帰還アンプが不安定になった場合に発生する音を極端に嫌うので、出来れば皆さんにもその音の洗礼を受けて欲しくないと考えている。
しかし、仮に不安定な音だとしても、それで低音が出ていると感じるなら、あるいはそれで歯切れが良いと思うなら、それも価値はあると考える人もいる。
 それがずっと続けば良いが、私はその錯覚は長くは続かないと思うし、人は必ず何時かは気が付くものであり、その時又新しい別の物を求めようとする。そして、また伝統的な帰還アンプか気分を変えて真空管アンプを新しく求めても、結局は同じ事の繰り返しになり、何時かは諦めて、オーディオを趣味から外す人が出てくる事になる。それが、過去の日本のオーディオの歴史ではなかったか。
 確かに、アンプの買い替えがあれば、アンプの売れ行きを確保できるメリットはあるが、それは製造側の言い分であって、買う側の論理ではない。
先日も書いたが、数年以上も前に WR アンプを買って頂いた方が未だに愛用されている現状は、ビジネス的には失敗かも知れないが、私はそれを間違っているとは考えない。ビジネスチャンスは買い替え需要に頼るのではなく、新規に開拓すべきだろう。WR アンプのキットはそれを目指している。
 このように歯に衣着せぬ発言も私の性格から来るもので、最近はこのような発言をする人は少なくなっている。それは社会から嫌われるからであろう。今の社会は目立つ者を許容しない。皆等しく幸せを望む。それが日本の民主主義なのだろう。そして誰も本心を言わなくなる。評論家もズバリ本音を言わなくなる。それが住み易い社会を造ったのだろうか。
 最近の虐め及び自殺、幼児虐待及び殺人、談合汚職、酒酔い運転などなどニュースで報じられる事は嫌な事ばかりである。しかし、これが日本の民主主義の現実だ。私は、もう少し識者がその専門の立場を生かした、攻撃を恐れない、自分の信じる本当の事を言うべきだと思うし、周りもそれを謙虚に聞くべきだと思う。皆一人前面して、人の話しに敬意を払わないのも最近の傾向だ。
 結局は、社会にしろオーディオにしろ、国民または消費者が何が正しいかを識別する目を養う事、そして言うべき時は正々堂々と発言するべきだと思う。そうでないと世の中は一向に良くならないだろう。
やはり、私には「正しいか、正しくないか」が人間の基本にあるべき事だと思えてならないのである。
http://west.wramp.jp/datawr13.html

43 川西哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Thu May 13 17:59:03 JST 2004
私のアンプ理論は、最終的な結論まで学会で認められたわけではなく、寧ろ世の中からは冷たい目で見られて来ました。
 「オーディオアンプは可聴帯域を扱うのだから、高周波領域の問題が関与するわけがない」
というのが、当初の世の中の反応でした。
そして帰還アンプの設計と言えば、自動制御論が唯一の理論的よりどころだったのです。
そして、大メーカーを含む各アンプメーカーはそれをよりどころに、一体何種類の帰還アンプを発売してきたでしょうか?
 そこへ、
「制御理論だけでは不足であり、帰還アンプが必然的に内包する負性抵抗を考慮しなければ、正しく動作する帰還アンプは作り得ない」
と唱えたわけですから、社会の力関係から言っても、それが素直に認められるわけがなかったのです。
 それ以来、大学に席を置く研究者でありながら、学会での活動を打ち切り、特許取得に力を注ぎました。審査に異例の時間が掛かったりはしましたが、2つの特許が取得でき、小生の考えがお国から認められたのです。
 それに勇気付けられて、
「実際にアンプを作って第3者に聴いてもらう」、
「そして実際に聴いてくれた人の評価で自分の考えが正しいかどうかを判断しよう」
と思い、大学時代の友人、平野紘一氏にアンプの製造を依頼したのです。
 それが1998年の夏頃でした。
当初はα1のみの販売で、公的機関で唯一の理解者だったラジオ技術のサービス部を通じて販売を始めました。以来、少しづつですが WRアンプを理解してくれる方が増えてきたのです。
 正直言って、アンプの利益率は極小であり、特許料や無くなりつつあるトランジスタの購入費を考えると、決して楽な道ではありません。会社組織ならとっくに倒産しているでしょう。
人件費ゼロ、平野さんには手弁当、というような事で切り抜けています。
 それでも、これが自分の使命だと考えて、命ある限り頑張って行こうと思います。そして「WRアンプを買って良かった!」という人が1人でも多くなるように努力を重ねて行こうと考えています。
 どうか、アンプに疑問を感じた方は是非 WRアンプを試してみて下さい。
WRアンプはそういうあなたを決して裏切らないでしょう。
http://west.wramp.jp/datawr4.html

803 川西哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Tue Dec 4 17:23:00 JST 2007
Tomさん、WRP-α100のお買い上げと試聴レポートありがとうございます。
 WRアンプが曲がりなりにも製品化されたのは1998年の秋でした。
折りしも三多摩の有力大学によって組織された、多摩起業家育成フォーラムが主催する「ベンチャー甲子園大会」が電通大で開催され、恩師の勧めもあって「WRアンプ」を引っ提げてエントリーしました。
 私が「NRL 回路」の理論的な発表を行い、別会場では平野紘一氏によって製作されたWRアンプ第1号が、ワーグナーの「タンホイザー序曲」などを奏でてデモを行っていました。
既に特許が成立していた事とその理論が実用化されていた強みから、幸いにも「大賞」を受賞する事ができ、楯と賞状を頂きました。
 その模様は読売新聞やテレビ朝日によって取材されていました。新聞にはその模様が写真入りで報道され、テレビでは翌年の1月30日に「ザ・スクープ」という鳥越俊太郎氏が司会する番組の中で「ベンチャーに賭ける男たち」と題して放映されました。新聞やテレビの影響力は凄いもので、全国から問い合わせが殺到しましたが、残念ながらまだビジネスに対する準備が全くなく、具体的な進展はありませんでした。
 最初にビジネスらしい事が始まったのは、私がよく執筆していた「ラジオ技術」の編集部とのタイアップで、現在の WRP-α1MK2 に相当するアンプを半完成キットとして、売り出した時に遡ります。
当時 18万円でした。機種はそのパワーアンプ1台のみで、今から考えるとWRアンプの本領は本当の意味では発揮されないスタートとなりました。
 当時は 30W もあれば十分だと考えていましたし、事実当時の8Ωスピーカーなら何とか鳴らす事ができていました。その後プリアンプWRC-α1 が開発され、次第にネット販売に移行して行きました。30W の時代はかなり長い間続いたと思います。世の中は次第にコーン紙を重くし、強力なマグネットを搭載したスピーカーが開発されて、小さなエンクロージャでも十分な低音が得られるようになって来ました。その結果スピーカーの能率は低くなり、アンプには高出力が求められてきたのです。
 そこで、WRP-αZERO なる 50W アンプが開発されたのです。
50W という値は近代的スピーカーを駆動する最低ラインのようで、私が使用している B&W の MATRIXシリーズは確か 50W 以上のアンプを使うように指定されていたと思います。WRアンプの50W は全段安定化電源駆動である為、普通の 50W アンプより駆動能力は高く、これで大方のスピーカーに対応できると思っていました。
 しかし、Tom さんが所有されているディナウディオを始めとした、ローインピーダンス化されたスピーカーが開発され始め、8Ω以下でのアンプ駆動問題が浮上してきました。実はこの話は今に始まった事ではなく、インフィニティの2Ω問題は既に存在していて、メーカーはその対処を済ませていたのですが、その解決に不可欠なパワートランジスタの並列接続による音の濁りを嫌って、WRではインフィニティは例外問題として考えていたのです。
 そんな折、Tom さんが昔憧れた YAMAHAの旧型スピーカーからディナウディオに乗り換えられたのです。そして、偶々Tom さん宅に納められたWRP-αZEROのプロテクションが、過敏に動作する問題にぶつかったのです。
これは後から分った事ですが、まさか個体問題であるとは夢にも思わなかったので、新たな高出力アンプが必要ではないかと思ってしまったのです。
 そんな折、Tom さんが1年前の秋の試聴会でお披露目した X-100(100Wアンプ)に注目されて、これを何とか都合つけて貰えないだろうか、と言われたのです。このアンプは確かに8Ωで 100W出るようにはなっていましたが、私の悪い癖でローインピーダンススピーカーへの対応は面倒な事もあって考えておりませんでしたので、パワートランジスタの並列接続もしていませんでした。
 即ち、ローインピーダンス(4Ω)スピーカーを接続すると、単純に考えて電流が2倍流れる事になります。この事はアンプ部分のパワートランジスタは勿論の事、安定化電源のパワートランジスタにも摘要される話です。
極端な場合はパワートランジスタがぶっ飛びます。
それが原因でスピーカーを破壊する事も考えられます。
非常にアンプ製作側からは厳しい条件になるのです。
 従って、このままX-100 をお渡しする事はできません。それから急遽、背に腹は代えられないので、パワートランジスタの並列接続工事を行い、業界で行われる厳しい4Ω連続負荷テストや激しい音楽をフルボリュームで再生して、放熱器の温度上昇が限度内に納まるかどうか等、種々の過酷なテストを繰り返し、これならばディナウディオに接続しても安全である、と評価できるように改造したのです。
 こうして完成した新生 X-100 と代替えの αZERO をもって、平野氏と共にTom さん邸を訪れた事は既にご報告した通りです。
今回もある意味厳しいTom さんのご要望があったからこそ、ローインピーダンス・スピーカーを駆動できる、WRアンプが完成できたのだと思っております。

 我が家のX-100 も、α100 がドック入りしている最中に、α100 の良さをフィードバックして出来る得る限り同じように改造しました。
かなり音質は近づいたと思っています。
B&W 805 MATRIX と組み合わせて聴いても、その改造の利点がよく分ります。
並列接続による音の濁りも殆ど気になりません。メーカー製によくあるパワー感はあるけど大味だ、という印象も全くありません。
 ゴールドムント等の海外製高級アンプもお聴きになっている Tom さんが α100 の良さを色々と書いて下さいました。
価格差から考えても、α100 は凄いハイC/P パワーアンプです。
そろそろ外国崇拝から脱却して、実質的にはより優れている α100 をお使いになって見ては如何でしょうか。
大切なのは、他人に対する見栄ではなく、自分自身が如何に満足して音楽を楽しむかどうかだと思うのですが。
 このように自信をもってお勧めできるのは、帰還アンプに不可避的に発生する負性抵抗を特許 NRL 回路で消失させているのは、世界広しと言えども多分 WRアンプだけだからです。
負性抵抗がアンプ内に包含されている限り、どんな超高額・高級アンプと言えども絶対いい音のアンプにはならない、
これが私のオーディオ上の信念であり、根拠もなくお勧めしている訳では決してないのです。
http://west.wramp.jp/datawr17.html

804 川西哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Thu Dec 6 18:38:59 JST 2007
ベストバイ・プリアンプのブロックダイアグラムについて
 先日HPにアップした、ベストバイ・プリアンプのブロック図について補足説明させて頂きます。
このブロックダイアグラムの特徴は
1.バランス入力された4つの独立した信号は、完全バランス増幅器及び4連音量調節VRを使って独立に処理されている事。
2.A1及びA2はオペアンプを使わずに、特許NRL回路を生かしたディスクリート回路で構成されている事。
3.アンバランス信号は、−6dBのA1増幅器でホット・コールドの両信号を可能な限り均質にバランス信号に変換している事。
4.A1とA2のゲイン配分を適当に設定し、バランスプリとしては10dB、
  アンバランスプリとしては4dBのゲインが得られるようにして、両立を図っている事。
5.RCAピン端子のバランス出力を利用して、2台のパワーアンプをブリッジ接続したりバイアンプ駆動したりできる事。
6.イコライザーをオプションする事により、LPの信号もバランス化する事が可能になり、アナログレコードをこれまでにないパフォーマンスで再生できる事。
7.100V用トランスを2つ直列に接続して使用する事により、電源部がセパレート型で安定化電源を採用しているフラグシップ機と、同等の高S/N比を得ている事。
以上のようになっています。項番毎に解説を加えさせて頂きます。
 1に関して: 昔のトランス結合のように一度アンバランス信号に変換し内部でアンバランス増幅してから、最後にバランス変換して出力すれば増幅器の数が半分で済むとか4連VRの必要がないなどのメリットがありますが、その変換の際に音質を損なう可能性があり、WR では完全バランス増幅方式を採用しています。
 2に関して: 増幅器に LF357 のようなICオペアンプを使って構成すれば、比較的簡単にこのブロック図を実現できますが、音質は月と鼈くらい違う結果になるでしょう。特に-6dBのゲインに設定するには、過度な帰還が必要になりオペアンプの動作上に大きな問題が生じてくることが考えられます。-6dBという特殊なゲインでも、何ら音質に問題を起こす事なく信号を増幅できるのは、特許 NRL 回路の大きな特長です。
 3に関して: 簡易にバランス信号化する事は可能でもホットとコールドの信号が均質でない場合には、真の意味でバランス信号にはならないので、バランス伝送の音質上のメリットは余りなく、最悪の場合は、余計なひずみ感が生じてくる危険性があります。A1は高域補償の問題も含めて、かなり神経を使って均質性を保つように設計・製作されています。
 その結果バランス出力を有するCDプレーヤーなどは必須ではなくなり、アンバランス出力しかないプレーヤーでも、バランス伝送の効果を大いに享受する事が可能です。私はこれまでアキュフェーズの高級 DAC(DC-91)を原則的に使って来ましたが、WRのアンバランス−バランス変換回路が完成してからは、TEAC DV-15でも十分なパフォーマンスが得られており、最近は、殆どアキュフェーズを使わなくなりました。
 この事をもう少し言えば、プレーヤーやDAC に入っているバランス増幅器の性能が完璧でない可能性もあり、場合によってはWRプリのアンバランス−バランス変換回路を使った方が結果的に音が良い場合が有り得る事になります。バランスとアンバランス両方の出力端子を有した機器の場合は、両者をWRプリの隣り合わせの入力端子に同時に接続して、瞬時切替によって音質の違いを見極める事も必要になると思います。
 4に関して: まだまだ世の中の趨勢はアンバランス伝送なので、アンバランスプリとしても使用可能なように、ゲイン配分を考えてあります。私の経験ではWRパワーアンプのゲインは 26dBと高いので、0dB のプリでもVRの位置を右に大きく回せば実用上使えない事はなく、事実かなり長い間0dB プリを愛用していた事があります。従って普段余り大きな音で聴く事がない方は 4dBのゲインが有れば、十分使えるものと思います。
 5に関して: ブリッジ接続には逆相の、バイアンプには同相の2つの信号が必要ですがこの為にバランス出力端子を使う事ができます。普通のパワーアンプの、左右の入力端子はRCA 端子ですからRCA ピン接続ケーブルを用いる必要がありますが、仮にパワーアンプの左右の入力端子がキャノンコネクタの2、3番に用意されているならば、バランス接続用のキャノンケーブルを用いてブリッジ接続が可能です。一部のWRバランス入力対応パワーアンプはそのように加工されています。
尚、バイアンプに使う場合は2つのアンプの位相が逆になりますから、どちらかのSP端子の極性を変えて位相を揃える必要があります。
 6に関して: WRのイコライザーはオーディオ誌の評価も高く定評がありますが、これをバランス化して、さらに高品質な音でアナログディスクを楽しむ事ができるようになります。
9月の試聴会で平野紘一氏がデモった音に多くの方が度肝を抜かれたのではないでしょうか。
アナログディスクからあのような凄いピアノの音が出るなんて、昔では考えられなかったでしょう。我々の常識を完全に覆したあの音は、昔作られたレコード盤から再生されたのです。カートリッジの性能もそんなに変っていないのですから、これはイコライザーを含む WRアンプの勝利だと言っても良いでしょう。LP再生に今後の楽しみを託す方には特にお勧めです。
 7に関して: 電磁及び静電シールドの施されていないトランスの漏洩磁束は、プリアンプに使うには余りに多く不用意に電源トランス内蔵型に使うとS/N 比が悪化し、音質を大きく損なう事があります。従って、WRのフラグシップ機は、安全を見込んでシールドを施した上に別筐体に収納しています。しかし、これはコスト高になる事は自明であり、ベストバイプリに採用する事はできませんでした。
そこでトランスの設計経験のある平野氏のアイデアで、100V 用トランスを 50V で使う事にしたのです。
 即ち、2個直列にして使うとトランスの漏洩磁束および唸りは激減するので、トランス内蔵型プリに使っても何ら問題がなくなるのです。
こうして、上記特長を生かしたプリアンプの製作に成功したのです。
平野氏の実測によれば、WRプリの残留ノイズはフラグシップ機で平均10μV であり、ベストバイプリでは平均15μV であったと報告されています。
 このように、WRのベストバイプリアンプは優れた回路構成と、スチコン、MALLORY のフィルムコン、ニッケミSME コンなどの優良部品を使用して、非常にハイ C/Pのプリに仕上がっています。
東山さんが掲示板で仰っているWRプリの効果を、気楽にお試し頂きたいと思います。10万円位でこれだけの機能及び性能を満載したプリは他にないでしょう。メーカー製パワーアンプ等と組み合わせても、それなりの効果があると言うご報告を別のユーザーの方から頂いています。
 今回掲載したブロック図はベストバイ型でしたが、フラグシップ機も電源部を除いて同じ構成になっています。αZERO などには当然フラグシップ機が良い訳ですが、ベストバイ型プリアンプと組み合わせてもランク違いで聴けないと言う事はなく、それなりに聴けることを確認してあります。
注) フラグシップ機のA2ゲインは6dBですが、ご希望により10dBに設定する事は可能です。
http://west.wramp.jp/datawr17.html

ウエストリバーのアンプを聞く 2014年12月28日
だいぶ昔余所で聞いたことがあるのだがよい印象を持っていたので借りてみた。
パワーは WRP-ΔZERO(50W)、プリは WRC-α1/FBAL である。
推奨バランスケーブル、スピーカーケーブルも付けて頂いた。
結論から言えば 802SD を駆動できなかった。
低域の量が少なく抑えた表現になっていた。伸びやかさが不足している。
中高域が立った音が好きな人からすればナローに聞こえるだろう。
しかし、音の動きは良くわかるし、奥にきれいに広がる。定位も安定している。
音が整理された感じだ。この中高域で好き嫌いが分かれると思う。
ちょっとゴソゴソした雰囲気があり、S/N が悪い感じはある。
適切なスピーカーを用いて試聴すればだいぶ印象も変わるでしょう。
うちはパワーがある意味ちょんまげ純正のクラッセだったから相手が悪かったかもしれない。

余所で聞いて印象が良くても自宅に入れると印象が変わるところが難しい。
http://otogawarui.seesaa.net/article/411354745.html
 
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c114

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
115. 中川隆[-14448] koaQ7Jey 2020年1月16日 10:10:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1367]
サウンドパーツ 300B プッシュプル・アンプ

サウンドパーツ HP
http://www.soundparts.server-shared.com/index.html


サウンドパーツ/SOUND & PARTS

390-1702 長野県松本市梓川梓856-7

TEL 0263(78)5206

定休日 不定期
営業時間 AM10:00〜PM7:00

地図
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%84/@36.227369,137.872773,15z/data=!4m5!3m4!1s0x0:0x47da8d108760cb99!8m2!3d36.227369!4d137.872773?hl=ja


サウンドパーツの真空管アンプ
http://www.soundparts.server-shared.com/prodct.html

サウンドパーツ WE300B シングルアンプ回路設計と製作
http://www.soundparts.server-shared.com/make300bse.html

サウンドパーツ製作アンプの回路図、サウンドパーツがアンプ設計や専用部品開発のヒントを得た回路図と背景
http://www.soundparts.server-shared.com/filebox.html


▲△▽▼


私は、プリアンプもパワーアンプも真空管アンプを使用している。
大手メーカー製ではなく、サウンドパーツというガレージメーカーのものだ。

簡単にいえば腕のある職人が一つ一つ手作りしたものである。

トランスも、特注の完全手巻きによるもの。

配線は見事な手配線によるもので、回路も完全オリジナルである。
本当に良いモノは大量生産できないのである。

現在使用している真空管はプリアンプが6本(4本がフォノイコライザー部で、2本がプリ部)、パワーアンプが4本(2本が電圧増幅管、2本が出力管)である。
パワーアンプの真空管の少なさは驚きだろう。これ以上シンプルに出来ない2段構成なのである。

しかも完全プッシュプルで完全バランス回路である。
出力25wのアンプに100wクラスのアモルファス出力トランスを使用した大変贅沢なものである。

しかも、このトランスが完全手巻きによるものだ。
https://omsound.exblog.jp/15803511/

私の使用しているサウンドパーツ製プリアンプ LIVE5 に内蔵されているフォノイコライザーはプリアンプ部と含めて40万円である。

私はFMアコースティックの「FM222MKII」400万円弱のものと比較したが、気配の再現性でこのLIVE5に軍配を上げた。

これは衝撃としか言いようが無い。しかしこれが、会社と屋号の違いである。
http://omsound.exblog.jp/17980826/


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c115

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
116. 中川隆[-14447] koaQ7Jey 2020年1月16日 10:13:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1366]
真空管の差し替え タヌキ親父の部屋 2012-07-20
https://omsound.exblog.jp/15803511/

私は、プリアンプもパワーアンプも真空管アンプを使用している。
大手メーカー製ではなく、サウンドパーツというガレージメーカーのものだ。

簡単にいえば腕のある職人が一つ一つ手作りしたものである。
トランスも、特注の完全手巻きによるもの。
配線は見事な手配線によるもので、回路も完全オリジナルである。
本当に良いモノは大量生産できないのである。

現在使用している真空管はプリアンプが6本(4本がフォノイコライザー部で、2本がプリ部)、パワーアンプが4本(2本が電圧増幅管、2本が出力管)である。
パワーアンプの真空管の少なさは驚きだろう。これ以上シンプルに出来ない2段構成なのである。

しかも完全プッシュプルで完全バランス回路である。
出力25wのアンプに100wクラスのアモルファス出力トランスを使用した大変贅沢なものである。

しかも、このトランスが完全手巻きによるものだ。詳しくはパワーアンプの項を参照願いたい。

 さて、今日は真空管のお話。

一部のオーディオファイルならお分かりかと思うが、真空管は規格が同じものと差し替えが出来て、音の変化を楽しむことが出来るのだ。私も、その例にもれず差し替えを楽しんでいる。プリアンプはお金の都合でまだ差し替えていないが、パワーアンプの出力増幅管を差し替えている。
https://omsound.exblog.jp/iv/detail/?s=15803511&i=201207%2F20%2F79%2Fa0277279_143946.jpg

もともと付いていたのは、真ん中のKB/FD製13D3である。KB/FDは聞きなれないと思うが、ロチェスター工場でBRIMARによって製造されたものである。音質の方向は、良く言うピラミッド構造で、どっしりとした低音に支えられた安定感のある音。深い音場とトルクのある音質は実在感のあるものである。一番右のCV1068は本家BRIMARのもので、さすがにこの2本の違いは認められなかった。差し替えるのではなく、サブとして購入したのである。CVナンバーは通常、軍用の真空管となっている。耐震性や耐久性に優れていると言われているが、値段は民生用と変わりが無い。もっとも音の違いが認められたのは、外見も違うE80CCとの差し替えであった。このタングスラム(TUNGSRAM)製のE80CCは@8,000円もする高価なものである。13D3の倍以上である。音はその分良いのか、と言われると自信を持って良いとは言い難い。E80CCの特徴は、抜けの良い音だろう。反対に、力強さという面では13D3には劣る。ではどちらがより“らしい”か、と言われるとどちらも“らしい”のである。これは好き嫌いである。私は、どちらも好きであるので、しばらく使用しては差し替えて変化を楽しんでいる。いわゆる、真空管アンプの楽しみの一つである。今度、お金に余裕が出来たらプリの方もやってみたい。
https://omsound.exblog.jp/15803511/


プリアンプ タヌキ親父の部屋 2012-05-17

あまり古い話から始めても意味が無いので15年くらい前から。PRIMARE 928というアンプをご存じだろうか。

これは、PRIMARE 設立の第一弾として928シリーズとして販売されたプリアンプである(写真左下)。
http://omsound.exblog.jp/iv/detail/?s=15329300&i=201205%2F17%2F79%2Fa0277279_12545796.jpg

おおよそアンプらしからぬ素晴らしいデザインと、抵抗式アッテネーターの重厚な感触のボリュームはまさに持つ喜びを与えてくれるアンプであった。B & O の技術者のアドバイスを受け製作されたこのプリアンプは、色付けの無いとても精緻な音がした。これ以上何を求めようかとと思っていた。
ところがである!

人は、「知らなければ良かった」と思うことがしばしばある。まさにそれである。
現在まで約10年使い続けているのがこの PRIMARE 928 の牙城を崩したサウンドパーツの「LIVE5」(写真下)である。
http://omsound.exblog.jp/iv/detail/?s=15329300&i=201205%2F17%2F79%2Fa0277279_12532712.jpg
http://omsound.exblog.jp/iv/detail/?s=15338905&i=201205%2F18%2F79%2Fa0277279_13155182.jpg

オーディオファイルがやれ高音だの低音だのと講釈を述べるが(私も)、そんなことはどこ吹く風。そこには、ただ自然な音楽が存在するのみであった。
その帰り、奥さんと相談の上即購入を決めてしまった。待つこと1週間(完全受注生産のため)、ぴたりとおさまった外観はお世辞にも良いデザインとは言えず何ともさびしい限りだが、出てきた音は。。。

なんと芳醇な良い音だぁ・・・・。
初めはエコーでもかかっているかと思ってしまった。
それほど PRIMARE 928 は微細な音が出ていなかったのだった。
これは PRIMARE 928 に限ったことではない。私はこれまで様々なアンプをオーディオ店に足を運び聞いてきたが、こんな経験は初めてであった。これ以来わたしは LIVE5 を超えるものに出会っていない。

このアンプは、サウンドパーツオリジナルの回路で構成されていて、過去の回路の焼き直しではない。ここが重要である。

現代の真空管アンプは、そのほとんどが過去の回路の焼き直しである。
さらに重要なトランスがある。このトランスが素晴らしい。
その当時、日本に数人と言われた技術者による完全手巻きのものだ。
さらに、このプリにはフォノイコライザーも付いている。実はこれがこのプリの一番の要なのであった。
http://omsound.exblog.jp/15329300/

プリアンプ 2 タヌキ親父の部屋 2012-05-18

このサウンドパーツ製プリ LIVE5 に使用されている出力トランスは5Hz〜50000Hzまでフラットな極めて優秀なトランスである。通常トランスは奇数次歪率を嫌ってカットするが、これはカットしていないらしい。なぜなら、自然界には存在するから。もちろんこれによって耳につくようなことは無い。これを手巻きによって作っているのである。当時、御歳80歳を超える賢人である。あれから10年近くたっているのでご健在かどうか心配である。

さらにもう一つ、極めて優秀なフォノイコライザーを内蔵しているのである。
もちろんMCトランスも内蔵している。パーマロイコア78%の1インチタイプのもので、メーカー品ならこれだけで数十万円はするだろう。
さらに、驚くなかれこのクオリティーのインダクターを使用した LCR型なのである。

メーカー品なら数百万円もするコニサーのアンプくらいしか知らない。
市販品の多くのCR型プリなら数個の抵抗で済むところを、数万円の原価がかかるコイルを、ステレオで4個も使用しているのである。

さらにコンデンサーはデンマークのJENSEN(ヤンセン)製の銅箔/オイルコンデンサーをふんだんに使用している。なんと贅沢な。。。

このフォノイコライザーから紡ぎだされるアナログ音楽は言いようもなく自然で、奥行き、広がりが石のアンプとは比べようがありません。

ここもPRIMARE 928のヘッドアンプを使用した音とは雲泥の差でした。
ということで、プリもスピーカーに続きこれを超えるものが見当たらないので、現在落ち着いています。
http://omsound.exblog.jp/15338905/


フォノイコライザー タヌキ親父の部屋 2013-06-22

私の使用しているフォノイコライザーはサウンドパーツ製プリアンプ LIVE5 に内蔵されている。下記画像は以前プリアンプ2でも紹介したLIVE5の内部である。
http://omsound.exblog.jp/iv/detail/?s=17980826&i=201306%2F22%2F79%2Fa0277279_11382130.jpg

 白ラインで囲まれた部分、上部4本の真空管(茶色の真空管ラジエターが付いている)と、左に見える4つの銀色円筒形と、その右上の2つの円筒形部分がフォノイコライザー部分である。回路はLCR型である。

 ここでLCR型の説明をば・・・。
一般的に市販のフォノイコライザーはNF型もしくはCR型である。中でもNF型がほとんどで、おそらく99%以上であろう。NF型とはNFつまり、ネガティブフィードバックのことで、パワーアンプで言われるNFBのことである。つまり、よく言われる通り、ノイズが出にくく、容易にカーブ特性が出せるなどの如何にも市販に向いた回路なのである。しかし、私はどうしてもネガティブフィードバックが掛ったものは綺麗な音になりすぎるきらいがありやはり好きになれない。

 ではCR型はというと、C(コンデンサ)とR(抵抗)でカーブ特性を作る非常にシンプルな回路である。非常にシンプルゆえ使う部品のクオリティがとても重要になってくるのである。つまり、部品の選別が肝である。NF型とは違い電気信号が一度しか通らないので各パーツ選びが重要なのである。一般的に自作派やガレージメーカーの製品に多く見られる回路である。私としてはNF型より好きである。
 さて、最後にLCR型であるが、LCR型はCR型にプラスしてコイルを使用する回路である。LCR型は定インピーダンス回路となるためノイズにとって有利となり最も自然な増幅を可能とする。では、なぜメーカーはLCR型を採用しないのか。理由は簡単である。製造コストに難があるのである。

1.イコライザーの前後段増幅において非常に小レベルなノズの増幅器が必要となる。

2.L素子(インダクター)のクオリティが重要となる。

3.電磁シールドが必要となる。

特に、良いインダクターを作れるところが無いのである。

まあ、全体がNF型やCR型に比べコストが掛るうえに技術(ノウハウ)が必要となってくるので、頭が良いだけでは出来ないのである。
私が知る限るで、一般市販品でこのLCR型を採用しているものがあるのはコニサーだけだ。

コニサー製品のすべてが採用しているかは定かでないが、LCR型を採用している型番は失念した。たしか数100万円はした。しかし、コニサーは確か半導体とハイブリッドだったと思う。

コニサーに関してはネットでも情報が極めて少ないので、聞いたことがあるオーディオファイルもすくないに違い無い。私は聞いたことがあるが、確かに良い音だった記憶がある。しかし、いかんせん価格が高すぎるのである。その試聴時は、アンプとフォノイコライザーだけで1千万円を軽〜く超えていた。これでは、頭の片隅にも置けない。

 私の使用しているフォノイコライザーはプリアンプ部と含めて40万円である。
一般的なハイエンドフォノイコライザーとしてはプリも含まれるので破格の値段だ。

しかし、単純に値段で判断しないでもらいたい。職人の技(わざ)は値段だけでは判断できないものである。

聞いて、耳で判断してもらいたい。
数100万円のフォノイコライザーが霞むであろう。

私はFMアコースティックの「FM222MKII」400万円弱のものと比較したが、気配の再現性でこのLIVE5に軍配を上げた。

これは衝撃としか言いようが無い。しかしこれが、会社と屋号の違いである。
職人の技なのである。これは作品である。

 本当に良いものは大量生産できない。改めて感じるLCR型フォノイコライザーの驚異である。
http://omsound.exblog.jp/17980826/


プリアンプ 3 “ボリューム” タヌキ親父の部屋 2012-07-25

 プリアンプとは音量を調整するアンプである。まさか、プリアンプのボリュームを最大にして、CDプレーヤーのデジタルボリュームで音量調整している方はいるまい。

もしかしているのだろうか・・・。はっきり言ってこれはやめた方が良い。
入力の微小信号をカットするというのは極めて非効率的で、音質劣化は免れない。この話は後日ということにして、今日はプリアンプのボリュームについて。

 プリアンプのボリュームは以前書いたとおり、そのほとんどが Aカーブの可変抵抗を利用している。中にはデジタルアンプのデジタルボリュームや、抵抗式アッテネーター、巻き線型トランスによるボリュームが付いている機器もある。

ここでは一般的な150度開度のAカーブボリュームを使用しているプリアンプのお話。プリアンプを見るとき、ボリュームはかなり重要である。なぜなら、私達が音楽を聴くとき、そのほとんどの音がボリュームによって失われているからである。
例えば100KΩのボリュームの場合、時計の針12時の位置でアンプ出力の15〜25%程度の抵抗値、残り85〜75KΩのボリュームを通ることになる。言ってみれば、85〜75%がボリュームによって失われているのだ。

いかにここの部分が大事かお分かりかと思う。

だから、抵抗式アッテネーターを作る場合、良い抵抗を奢るのはこのためである。川上に当たるCDプレーヤーやBDプレーヤー、TVなどいくら高価なものを揃えても、このボリュームがプアならすべて良い音が失われることになる。
100万円のCDプレーヤーを購入するなら、良いボリュームを入れた方が良いのである。

私が使用しているサウンドパーツ製プリアンプ“LIVE5”はアルプス製の RK-50 を使用している。
http://omsound.exblog.jp/iv/detail/?s=15842087&i=201207%2F25%2F79%2Fa0277279_14264422.jpg

(写真右のもの)真鍮の削り出しによる精密加工だ。直径は50mm、厚みは40mm近くある。価格は1個36,750円もする。ボリュームだけの値段である。

このボリュームは適度なトルクと、回した時の感触が何とも言えない高級感がある。もちろん高級なのは感触だけでは無い。これを使用したことによる音質の差となって表れる。まさしくベールを取ったようなクリアさと、聴感上のSN比の向上である。音の前後左右、上下の広がりに差が出る。

写真左側のボリュームはアルプスのミニデテントボリュームだ、これは左右のバランスに用いている。音楽信号では無いので、ここではこれで十分である。
価格は1,000円程度だ。もし、出来ることならご自分のアンプをちょっと覗いてみてほしい。どの程度のボリュームを使用しているかで、そのアンプの真価が分かるものである。
http://omsound.exblog.jp/15842087/

真空管 タヌキ親父の部屋 2012-05-21

今、私のシステムは、プリアンプ、パワーアンプ共に真空管アンプである。
様々なアンプを聴き比べた結果である。

値段も、数万円から一千万円以上もするアンプまで聞き比べた。
その種類は、大手メーカー製からガレージメーカーと呼ばれる自作に近いものまで。

そして最後に行き着いたのが、真空管のガレージメーカー製アンプである。
求めた音は、どこまで自然か。また、実際のコンサート等で体験するような自然な音楽鑑賞に浸れるかということ。

これは、自然音、人の会話等などを捉えた音の出方も同様なことがいえる。
科学的に真空管より石のアンプがすぐれているといったことより、聞いて自然な音かということの方が私にとっては重要である。

自然とは、言うまでも無く“らしい”かである。どこまで“らしく”再現されているかである。

その結果行き着いたところが大手メーカー品には無い、ガレージメーカーの真空管アンプだったのである。

そして、CDプレーヤーもアナログ部に真空管を使用した良いものは無いかと探してみたが、残念ながら現在発売中のものでは良いものが無かった。やはり、真空管という素子の問題ではなく、その他の部分も重要なのである。当たり前だが・・・。
もうひとつ、このサウンドパーツのアンプの優れたところにトランスがある。
もちろん完全特注品であるが、技術と人の職人技が詰まっているものなのだそうだ。

私が購入した10年以上も前にすでに78歳ということだったので、今は御存命かどうか。。。その方の手巻きによるこのトランスが音を決めている一つの要因であることも、また間違いが無いのである。

「本当に良いものは大量生産できない。」というのが私の持論であるが、このトランスも1日1個程度だそうだ。

日本にもいまや数名程度というトランス巻の最高の職人だそうだ。このトランスがあってこそ、真空管が生きるということだ。
逆に言うと、トランスは真空管の要であるということ(OTLアンプは除く)。
https://omsound.exblog.jp/iv/detail/?s=15365970&i=201205%2F21%2F79%2Fa0277279_1503899.jpg

上の写真はパワーアンプである。詳細はまた別の機会にするとして、トランスである。

とくに右側の縦に並んでいる2つのトランスは出力トランスである。125mm四方で高さが150mmもある。

出力25wのアンプにこの大きさの78%アモルファス手巻きトランスを奢っている。さらに職人の手巻きと聞くと、何とも感慨深いものである。まさに出会ってよかったと思える逸品である。
https://omsound.exblog.jp/15365970/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c116

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
117. 中川隆[-14446] koaQ7Jey 2020年1月16日 10:14:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1365]
「サウンドパーツ社」の真空管プリアンプ 2015年03月16日
https://ameblo.jp/toyovax/entry-11996124266.html

もうオーディオ装置は買わない!と家内にタンカを切っていた
にも拘らず、また真空管のプリアンプを買ってしまった。
実は数ヶ月前にはこっそり入手し、隠してあった。

長野県の「サウンドパーツ社」のプリアンプだ。

このラボのアンプ類はオーナーの水谷氏が設計・製作して作られている。
私はもう30年以上の付き合いになるし何台か設計製作して貰った。

特に300Bppのパワーアンプは音は勿論、アンプに取り付けてあるトランスなどの部品と真空管の姿も大変気に入っていて、今も大切に使っている。
私の感想だがもう氏の製品は作品の部類に入っていると思える。

数年前に「Love Five」と言う名の渾身の一台、プリアンプが仕上がったとの評判を聞き、欲しくなってしまった。
それがこの写真の物だ。
https://ameblo.jp/toyovax/image-11996124266-13232433826.html

洋間で鳴っているもう一組のシステムはどちらかと言うと大きな編成が得意だ。
機器の個性を活かして私好みにチューニングしている。
しかし和室には自慢のタンノイのヴィンテージスピーカー「コーナーランカスターin Red15」が鎮座している。

以前はコーナーヨークの完全オリジナル「コーナーヨークin Black」を所有していたが不意と売ってしまい大変後悔していた。
縁あってこのランカスターが来てくれたので再びイブシ銀のヴァイオリンの音を奏でたい。

1960頃イギリスで作られた物だとは思うが当時日本には輸入されていなかった。
15インチのモニターレッド入りのこの5角形の箱を良い音で鳴らしたいものだ。

水谷氏製作のWE300Bをプッシュプルで使ったトランス結合パワーアンプとこのプリが絶妙のハーモニーを聞かせてくれるのは間違いないだろう。

何度見ても美形だ。球は色々と紆余曲折を経て色々なメーカーも差し替えたりしているしCDプレーヤーとの統一感が無いのは仕方ない。

マニヤチックな話をするとユニットに合わせてトランスは15Ω出しにしている。
https://ameblo.jp/toyovax/image-11996124266-13232433829.html

このプリのバージョンも色々とある。フォノや昇圧トランスなども内蔵したフルバージョンなどもあったりマニヤックだ。

分厚いアルミのケース、木製のオリジナルツマミ、シャンパンゴールドの高級感溢れる色、ウムムム・・・、マタマタ時間が直ぐに過ぎて行く。
この装置のセットでは諸般の事情からCDのみを聞く事にしている。

しかもモーツァルトとバッハが殆ど、と言う変則的な聞き方。
CDプレヤーにはどうも力が入らないのは何時もの事として此方のシステムのチューニングも今から楽しみ一杯だ。
https://ameblo.jp/toyovax/entry-11996124266.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c117

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
118. 中川隆[-14445] koaQ7Jey 2020年1月16日 10:31:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1364]

サウンドパーツの詳細は

サウンドパーツ 300B プッシュプル・アンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/114.html


しかし、サウンドパーツも Aitlabo も WestRiver も原音再生一辺倒で、無味無臭、無色透明な音ですね。

日本の優秀な技術者がつくるオーディオ製品の特徴です。

聴く音楽が流行歌だけの技術者には
チェロ、ゴールドムント、ブルメスターや EAR みたいな心を震わせるアンプは絶対に作れないのですね。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c118

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
119. 中川隆[-14444] koaQ7Jey 2020年1月16日 10:38:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1363]

日本人は色付けがなくフラットな音が大好き

PRO CABLE社 推薦ケーブル 「フラット」という名の音の個性(笑)
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-469.html


Der Klang vom Theater(ドイツ〜劇場の音と音楽)

ひと昔前のことです

当時、ケーブルの交換や真空管を取り替えて楽しんでいた知人(そんなことをする必要の全くない素晴らしい装置を揃えていたが、着せ替え遊びに飽きて現在はオーディオ休火山)から中部地区のとあるショップが運営するHPを紹介された

「プロケーブル」と書けば知っている人も多いだろう

思い込みの激しい文章で世間を騒がせていたらしいが、僕が知ったのは騒動が少し収まった頃だったろうか

HP自体は、同じことを何度も繰り返しているだけなので断片を読んだらもうゲップが出てやめたけれど、一つのワードに大変に心惹かれた

それはおそらく、こんな感じで使われていた

店「◯Xのケーブルを使うと、フラットな音を実現できます」 とか

客「おたくの◯Xケーブルを使ったら、フラットな音になりました、ありがとうございました!!」

てな感じ


ここのお客さんは比較的若い人が多いらしく、幾つかの関係するブログやHPがあったのでそちらも確認してみると

やはり「フラット」の大合唱じゃないか


素直な僕は

すごいなー「プロケーブル」の関係者諸氏は測定器を駆使してフラット・レスポンスを獲得されているんだなあ(憧れ)皆さんレベルが高いなあ、と

ちょと考えてみれば突っ込み所満載なのですが、その当時は本当にそうなのか?と思っていましたよ


しかし、店のHPを見てもお客さんの書き込みを見てもどこにも測定の「そ」の字もでてこない

それに、使っている機器や部屋の様子が映っている写真を見ても「フラット・レスポンス」の音が出ているようには到底思えない

不思議に思ったのでそれまで斜め読みしていたのを、内容を咀嚼しながら読んでみた
そうしたら、一つの重大な事実に到達してしまったのだ


http://blog-imgs-88.fc2.com/k/a/o/kaorin27/20160213132448f90.jpg


このグラフは本文とは関係ありません、Yさん宅の実測値 勝手に出してごめんなさいね

彼らは、オーディオで音楽(まあ音ですね)を聞いた感想の新しいボキャブラリーの一つとして

「フラットに聞こえる音」という new word を開発していたのですね(きっと、想像です。質問したのではない)

・音数が多い音
・音楽性のある音
・スピードが速い音
・生々しい音

云々カンヌン

そして、期待の新人登場!

・フラットな音

上の先輩ワードたちと同じように、オーディオを通じて聞いた音の感想を第三者と交流するためのコニュニケーション・ツールとしての「形容詞」だったのです

F特性をフラットにした時の音なんかでなく、音の特徴の一つ、つまり音のカラーの表現ですね、無色も色の一つだというような哲学的な深遠な意味を含むかもしれません・・・

 よくわかりませんがきっと違うと思います、その証拠にプロケーブル・グループの一員でなかった私には「フラットな音」のテイストが全く想像もつきません・・・のでコミュニケーション・ツールとしての汎用性、普遍性はありません


まあ、僕自身も無音にも種類があるなんて奇特な記事を以前に書いていますから気持ちがわからないことはないんです

その際にコメントを頂いた方が北海道にお住まいだったので、雪が降る夜の「しんしん」とした静けさという表現を使いましたけれど、雪国でないところにお住いの方には分からないことですよね

もちろん、我が家のお隣に住んでいる人だからといって同じイメージを共有できるはずだなんて思い込みは、傲慢で独りよがりな実に鼻持ちならない幻想です


もとより、音を言葉遊びしても仕方ないですよ、ワードのベースとなる共通認識や前提が皆無なのですから

「赤いりんご下さい」と言われたら日本人なら緑のメロンを持ってきちゃいかんのです
そんなことは当たり前だと思われるかもしれませんが、当事者間に「赤色」とはこんな色で「リンゴ」とは青森とか信州名産のあんな果物だという共通認識があるからこそ「言葉というコミュニケーションツール」が機能するのです

でも、オーディオの世界じゃそんな簡単な前提を無視する会話が堂々とまかり通っている


だからね「フラットな音」や「音数が多い」なんて表現のイメージはそのワードを発した人の数だけ異なるイメージがあるんだと思わなきゃだめなんですよ

プロケーブル店主やお客さんのHPやブログに現れる表現を読んでいると10人寄れば、10通りの「フラットな音」があるように感じます

まあ、俯瞰して考えるとそれでいいんです
むしろそれこそが尊いことなんです、同じアンプ、スピーカー、プレーヤーを使っても出てくる音は使う人によって違うんです。感覚が異なる人間が使うのだから

PCで再生する時代が来たって「音は人なり」だよなあ、やっぱり間違いないです


コメント

一度、天誅をとまでは申しませんが、思うところがありました。
ご本人以上に何かに憑かれたかの様な崇拝者の存在に驚きました。

何十万も掛ける前に、ケーブルの基本的な性能を確かめようと言う話であれば、やぶさかでない所もあるのですが、そこに留まる話ではない様でした。
2016/02/22(月) 14:08 | URL | kawa


Re: 期待してます
私的には、いかなるメーカー、販売店、個人がどのような思想を持っていても個々に違うのは当然と思うので。お好きにどうぞ、と申し上げるしかありません

今回の話題は「フラット」という単語が続出しているのにもかかわらず測定結果が出ていないのは不思議だ!

ということで、こちらがどうのと言うよりもオーディオ界全体の音よりも言葉が先行する滑稽さに着目しました

よって、ここの販売店さんがどのようなご活躍をされているかは興味の外ですが、読み物としては同じことが何度も繰り返されるので読みきれなかったなあ
・・・が個人的感想ですね
2016/02/23(火) 00:00 | URL | kaorin27
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-469.html


Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽)
色付けのない音・・・という悪い冗談
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-470.html

http://blog-imgs-88.fc2.com/k/a/o/kaorin27/PICT4285.jpg

この六つの簡略化したグラフの要旨を説明すると

ある時評論家の傅さんと欧州で活躍する外国人のオーディオ評論家の方との対談の機会があった

ひとしきりオーディオ評論やジャーナリズムについての意見交換があったのち、ではランチでもと言う運びになってビールなどが入っていよいよ個人的で本音の(仕事抜きの趣味人同士でのという意味)オーディオ談義に入っていく

その中で、大人同士の余興というノリであったと思うが、スピーカーを聴いた印象とスピーカーのお国柄(スピーカー生産国毎の音色イメージと言えばいいか)との関連性をイメージしたグラフが上の図になる

右側 @、B、D が傅さんの見解
左側 A、C、E がドイツ人評論家の方の見解   
各図の下にどの国のスピーカーの印象についてか書いてある

ここに少し加えると

ドイツ人は自国のスピーカーをフラットだと感じるが傅さんはドンチャリと聞こえると・・・

またイギリスのものはドイツ人にはこんもりと聞こえるが傅さんには高音に特徴がある・・・

そして奇しくもお二人に共通するのが、日本のスピーカーは「ハイ上がりである」と一致した


前回は音を言葉遊びしても中々思うように伝わらないよねという記事でした

それでも、今聴いた音の印象を何らかの形で伝える努力はわかります、傅さんを挙げるまでもなく、オーディオに限らずジャーナリズムの存在、もっと風呂敷を広げれば政治だって言葉の発信がなければ成り立たないでしょう


そこで、今日のテーマですが

自分の中で最も「オーディオの深い闇」を感じる事柄(ワード)についてです


「私は色付けのないオーディオが目標だ」

「このアンプはニュートラルな音色なので好みだ」

「オーディオで色付けすべきではない」

・・・・・・まだまだこのベクトルの発言は多数あるが、全く意味が、と言うか正解がわかりません

冒頭に前提を挙げましたので、多くは語りません

想像するに、オーディオという趣味を続ける上で多くの人が一度は通過する儀礼とでもいうのかな

魅力的に映る「ワード」なのでしょうね

昭和の頃に流行った「原音再生」が形を変えて、今の流行りかもしれませんが根っこは一緒ですね

私にとっては

・我が家のオーディオ装置はスピーカーを含めたトータルで歪率 0.000000000000% を達成している

・俺は昨日、鉄で真球のタマを作った

・10年後には月まで歩いていける

これと同じくらい滑稽な話です


****こう書けば云いたいことは伝わるだろうと思っていたのだけれど言葉は怖いので少々加筆****

私が何をわからないかと申しますと

「みなさんご存知の」みたいなノリで「色付けがない」とか「ニュートラル」って言ってますけどのような状態ならばニュートラルなのか、どなたからも具体的な指針をお聞きした試しがないんですね

「お前のニュートラルなんて、あたしゃ知らないよ」と思うから、正解がわからない

それで、実際に音を聞かせていただくとですよ
ハイ上がりに聞こえる御宅もあれば、腰の太い音に聞こえる御宅もあるが、みんな「ニュートラルな色付けのない音」を目指していると仰る

結局のところ「俺の好みの(それぞれの)音」を皆さん出されているだけなのに、なぜそれが「ニュートラル」なのか???
実は全員まだ達成できていないだけで、達成した暁には全員同じ音になるのだろうか? それにしてはクセが強い!

それともオーディオをしていると、いつしか自分が世界の中心にいると思えるのか? (まずは中心の座標をおくれ)

本当に意味がわかりません


********ここまで読んだら、もう一度冒頭に戻って六つのグラフをご覧ください********


鋭い方はもう分かりましたね

遠い異国で生を受け、異なる文化で育ってきた人たちとの間には、当然のことですが異なる音の受け止め方があるでしょう

もちろん同じ日本人だとしても音の受け止め方は十人十色ですよ
DNAも育った環境も違うのだから


あるお宅で音を聞かせていただいている時の私は私の「耳のくせ」と「脳の感性の個性」を避けて音は聴けないんです

私の癖を通じてしか自分は聞けないし、100人寄れば100通りの癖という耳のフィルターを通じて聞くのだから100通りの「音の感想」があるはずなのに

「ニュートラルな音のアンプ」

「オーディオでは色付けすべきでない」

こんなタワゴトは、人間の耳で音を聞き、人間の脳で音を感じる、という圧倒的な大前提を無視しています

さらに人間の創造物には全て個性=クセ=歪と言ってもいい、があるという大前提も無視している、たかだか300万や500万で買ってきた機器に何の幻想を抱いているんだキミ達は!と思う

それらを全部入れ込んだ上で

「色付けのない音」というワードは特に日本人の男子=お刺身を始めとする和食のように素材を活かした新鮮なものを善として育った=にとっては心をくすぐる麻薬のような単語なのでしょう

これを販売店やオーディオ先輩にささやかれたらイチコロでしょうね

だから深い闇だというのです

さらにタチの悪いことに、「このような根拠でニュートラルである」と誰も証明してくれません

広大で漆黒の誰もいない宇宙空間で「ここが宇宙の中心だ」と叫んでいるだけなのです

おじさんたちにこんなことを言ってももう手遅れですけどね、

若い人たちは、一人前の男になるには元服を過ぎたらこんな神経系のワードから卒業しなければ遺憾と思うのです


私は、心を許せるオーディオの友人とは測定値抜きで音の話をしません

慣れるのに時間がかかりますが、分かってしまえば確度の高い意思疎通が可能ですし
機械に癖があっても(測定器だって機械だからクセはある)毎回同じ癖を出しますからね、それ込みで(逆特性という)評価できます


なので、今日からは

「私の家の音は、私が聞く限り色付けのないニュートラルに聞こえる音という特徴を持った個性ある音色を目指しています」

と、言ってもらえないでしょうか?

それならば、こちらもスッキリと感想を言えます

「僕がイメージする色付けのない音と比べるとかなりハイ上がりに聞こえますが、これは僕の耳のクセですからご容赦を」


しかし現実は

「我輩の音は色付けを徹底的に排したニュートラルな音である故、そちも心して聞くように」 って言われちゃうので

「はは〜、御意に。さすがに鮮度感のある生々しい音(つまり、ハイ上がりでうるせーぞの意)ですねえ、ご立派なりー」
てな感じに答えざるを得ませんがな

なんだか平安貴族の雅な遊びのようです


コメント

あはは、なんか脱輪させられてますねえ!

ご隠居、フラット、ニュートラルに、「生々しい」だの「ビビッド」だの足しておいておくんなまし。

一体どこの誰に陥れられて、そんな哲学書10冊もかけそうなネタにありつかれたんざんしょ?

百人百音、それぞれ耳骨の形状が違い、鼓膜の感度も違い、聴こえの同一化は無理難題!

絶対音感を授けられた人は、この耳骨が黄金形状(黄金比の真似ですよん! 突っ込まないでね〜)になってるはず、、、、(黄金形状ってどんな形? 知らん!)
で、旦那、オチは何処へくくるおつもり?
それ一番楽しみ!
2016/03/09(水) 02:10 | URL | mambo #n9Bk/wZI


Re: あはは、なんか脱輪させられてますねえ!

やあやあ くまさんじゃねえか(爆)久しぶりだな。こっちへへえんなよ

どこの誰って、16、7歳の頃に初めてステサン誌の裏表紙の日本コロムビア(当時)の広告を見て以来ですよ

当時の日コロさんは「原音回帰」みたいなコピーを長いこと前面に打ち出して広告していました

あれから幾星霜、振り返れば(たまたまですが)日コロさんの機械は一度も手にしたことがないです、どこかで引っかかっていたのですかねえ

オチなんて何もねえですよ、文字のまんま

共通認識のないアヤカシの言葉を使うんじゃねえ!そんなものに心揺らいでんじゃねえ!ってだけです

絶対音感てのは音の高さの基準を記憶して持っている人の能力ことでオーディオをするときに特には関係ねえっす

街歩いていて、クラクションの音を「これBだ」とか音程で表現できる人がいます、訓練で身につきます

でも、音楽を聞いているときに色々気になって楽しめない人もいるみたいですよ(こっちにツッコんだ)

そういえばブラームスがある演奏会のときに、半音だか一音下で調律されていたピアノを前にして、咄嗟に鍵盤をずらして一曲弾き終えたそうです
その逸話からブラームスには絶対音感がなかったと言われていますが、単純に機転の利く人だったのかもしれません
2016/03/09(水) 12:51 | URL | kaorin27 #-[ 編集]
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-470.html


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c119

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
120. 中川隆[-14443] koaQ7Jey 2020年1月16日 10:42:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1362]

伝説の名機はすべて原音とは全く違う音を出している


プリアンプ 伝説の名機 まとめ

オールド マランツ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/635.html

マッキントッシュ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/627.html

オールド QUAD の安物アンプは名機なのか?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/840.html

ジャズ喫茶「ベイシー」の選択 _ JBLーSG520
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/402.html

チェロ AUDIO SUITE + Performance
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1032.html

CR Electronic Design _ Pre-Amplifier Kaster Pro (イギリス)
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/119.html

カウンターポイント SA-5000 + SA4
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html

ゴールドムンド _ その奇跡の音色の秘密
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/948.html

コニサー (Lyra Connoisseur )
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/651.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c120

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
121. 中川隆[-14442] koaQ7Jey 2020年1月16日 10:47:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1361]

名機はすべて原音とは全く違う音を出している


プリアンプ 現行の名機

EAR の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/947.html

ボッタクリ アンプ _ FM Acoustics の世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/754.html

Burmester _ プレーヤー、アンプ、スピーカーはもちろん、、オーディオラックまで作ってしまう超高級セット・コンポーネント
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1028.html

ドイツ OCTAVE社の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/946.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c121

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
122. 中川隆[-14441] koaQ7Jey 2020年1月16日 10:57:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1360]
原音再生 なんて 幻想 だ!
http://www.schumann.jp/old/audio/au02-16.html
 
さて、ピアノに JBL サブシステムを乗っ取られたので(陰の声:それが目的でピアノを買ったんじゃないの?)、当然ながら、サブシステム用のスピーカー購入が急務となった。 手持ちは、QUAD, JBL なので、当然、それ以外のメーカーからの選択が妥当だ。

スピーカーが、そのシステムの音質を、おおよそ方向づけるのはよく知られたことだ。
 
私は、原音再生なんて、幻想だと思っているので、いろいろな傾向をもつシステムがあった方がよいと考えているからだ。

原音再生とは何なのか? そもそも原音とは存在し得るのか?

とあるサイトで、ホールの場所によって音が変わるので、原音再生なんて幻想だという論に対して、それならホールの中央前列の音を原音と定義すれば良いと、原音再生派が強弁されておられた。
 
原音再生派の幻想も、ここまでくると、私にはただの滑稽な喜劇である。
 
私自身は、同じホールでも、演奏の種類によって、異なる席を選ぶのを常にしている。 例えば、オーケストラであれば、ホールのほぼ中央よりやや後方。 室内楽ならほぼ中央よりやや前方。 ピアノであれば、中央は避けて、少し側方にずれる。 ピアノの反響版からの直射音は単調で、つまらなく聞こえるからである。 
このように席を選ばないと、心地よい音が得られないのである。 

こんなことは、クラシック音楽聴きには常識なのだが、オーディオ評論家にはわかっていないらしい。

ホールの中央前列の音をオーディオ再生の目標にされたら、どんな音が聞こえるのであろうか? 

もちろん、そんなデリカシーの欠けた音を聞くのはごめんこうむりたい。

『原音を横に用意して、その都度比較しながら再生音を評価すると、記憶の曖昧さがなくなって飛躍的に精度は向上する。これが「原音比較法」である。その例を挙げてみよう。

 一番簡単なのは直流の掛かっていない場所の結合コンデンサーである。短い銅線でショートした時の音を原音として、コンデンサーを通した音を「そのコンデンサーの音」と評価すれば良い。小生が何度か実施したコンデンサーの音質評価はこの方法である。』

とあるサイトより引用

これは、一見正しい論法のように見えて、実は、何の意味もない方法である。 
ちょっと電気に詳しい方なら、すぐにおわかりいただけると思うが、直流がかかっていないところに、何故に結合コンデンサーをいれる必要があるのか? 
そんなところにコンデンサをいれて、音質の評価になるのか? 

結合コンデンサは、そもそも直流電圧がかかっているところにおかれるものであり、直流がかかっているときと、かかっていないときでは、そのコンデンサの音質が異なるというのは、良く知られた話である。 OS コンなんかは、そういう状況でないと、正常に動作できないことが良く知られている。 そもそも直流がかかっていたら、導線でショートしたら、電気的に回路が正しく動作しなくなってしまう。

 この意味で、上記の「原音比較法」というのは、ただのまやかしに過ぎないように私には思える。 

文句があるなら、私を論破して欲しいし、加えて、トランジスタなどの増幅素子の「原音比較法」をどうやって実現するのかも説明して欲しいものだ。 

上記の原音再生論は、MJ「無線の実験」にも執筆なさっている方のページにからの引用であるが、よりよい音楽を聴きたい、一介のオーディオファンの私から見てさえも、論点があやふやで、議論に耐えないレベルに思える。

かくいう私自身も、20 年前は、原音再生という錦の旗をふりかざしていたものであるが・・・。
http://www.schumann.jp/old/audio/au02-16.html  
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c122

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
123. 中川隆[-14440] koaQ7Jey 2020年1月16日 10:59:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1359]

2012.12.13
やはり、ヨーロッパの装置で聴けるクラシックというのは、アメリカの装置で聴くクラシックとは何かが違っている。ほとんど苦労しないで、ちゃんとクラシックが聴けるというところで、最初から全くレベルが違う。

アメリカ製品を使い始めて、濃厚な感じにどっぷりと嵌ってきたので、久々にこういう音を聴くと、こっちも必要だと思うようになった。

最初はちょっと物足りない感じがしたが、次第にこの方が正しいのじゃないか?と思い始めた。

前に、ムジークフェラインの1階のど真ん中で聴いたときに、ずいぶんと物足りなさを感じた。

ああ、実際は、こんな音だったんだ・・・と思ったのを覚えている。

どこから音がとんできているのか、さっぱりわからないくらいに、音がブレンドされまくっていて、その響きがまさにムジークフェラインのホールの特質というか、美点というのか、だろう。

オーディオで聴くような、セパレーションの良い音なんて、全くのウソっぱちだった。

じゃー、アメリカの音響製品は、ウソっぽいのか?ということになる。
デフォルメされた音、メリハリのきいた音は、面白くないかというと、ものすごく面白く感じるわけで、実際の音に迫る必要がないというところに立てば、全くのエンターテイメントであっていいわけで。

そこらへんは、マッキンアンプは実に上手いと思う。

家庭での音楽の楽しみ方というものを、実に上手く提示してくれる。
それは全くのウソっぱちの音だとしても。
http://blogs.yahoo.co.jp/gonta4350a/MYBLOG/yblog.html?m=lc&p=2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c123

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
124. 中川隆[-14439] koaQ7Jey 2020年1月16日 11:01:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1358]
こういう音楽再生こそが理想


どうしたら あの音を体験できるか?


            ̄~^ヽ、;ヽ;;;;ヽ;:ヽ
           '~" ̄ヽヽ;i;;;i;;;;i;;;;i   
              ノ:ノ::ノ;/;;;;;i;;i   あ…ん? ああ…あああ…いや? いや? ダメぇ!
        __,,,,,,,,,,,___/:/;/:/;;i::ノ/
  /^~"´ ̄-‐‐‐'''"´/:/;ノ;;;;ノ://
 /::::::/:::::::_,,,、---‐‐'''`~,、-''/::/
/:::/:-‐''''"~~::::::::;;;;-、,,,,、-,,、-‐ヽ,,_                 _、-、_
;/;;'`"~、-''''''~^'''''ー-、_,,i:i、  ヽ`ヽ、;ヽ、,,,ノ.   /"´ ̄~''ヽ. ,.. ‐"`'ー-''`''-、
;;;/~":、---、___/´ ,,i:'''  ::   ヽ. ヽ.`'''"´  /´    :::..,/        .:::ヽ
;;;;;'''''^~~~~^'''''/ー-  ';、 :::    `  ヽ`''ー-,,,i_    -‐''"          ::::::::;i、,
;;;、;;;`''ー-,,,,,,,,,,,,,,_,,,,,、_   ''       ',::::    `'ー            .:::::::::;/:: ヽ、
;;;ヽ、ー、;;ー-、,,,,,,,、-‐''"    .;´ ̄`,   ',::::,,,,、-    _、           ''~     ''ー
:::::ー、ヽ、,,''ー-ヽ.''''",.,;' "^' 'ー-‐'' . _、-'''''"´    "       ヽ     ::
:::ヽ、`''ー-、ー-、'ヽ"、i;.     ヽ /"     .::..   '::,,:ヽ.     i     :::::
、::ヽ;;ヽ、:ー-、,,,,,、.ヽ ';''   ノノノ/;/      ..:: ::::  ヽ,,,ノ     ':::    :::
ヽ,,_::''‐、,,,,''ー-''ー-"''/~'"''"/:/::      ::、::: ::::..     ..:.::::::::"     :::::::::
  ヽ

音楽に魔法をかけよう 美しい天使の響きを手に入れよう
http://metamor1.zouri.jp/musicmagician0.html

リバーブとディレイを駆使して作る極上のサウンド
昔から憧れた天使の響きを自分で作ることに成功!

貴方は、感じたことはありませんか?
ボーカルがはいっているCDを聴いていてたまに「シュワ〜ン」という余韻が残るのを....

私はこれを天使の響きと命名し、長い間憧れてきました。どうせ高価な機材を買わなきゃ手に入れられる訳がないと思っていました。しかし、今は昔とは違い高価な機材とスタジオでしか作れないサウンドが、PCを使えば近いものを得ることができます。

天使の響きの作り方!まさにミュージック・マジシャンの魔法と呼ぶにふさわしい術ですよ。

大きなポイントは、これでもかというくらい高音を強調してリバーブとディレイをかけることによって天使の響きを作ることが出来ます。まずは、天使の響きを体験してみてください。
http://metamor1.zouri.jp/musicmagician0.html


左図が天使の響きを得るための仕組みの概要を示したものです。

点線で囲まれた部分が従来の設定であると仮定します。具体的には天使の響き用にトラックをもう1つ追加して響きのみを発生させ、最後に従来の音と新たに作った響きの音をミックスすることで実現することが出来ます。原理はこういうことです。

さて、具体的な説明をする前にまずは、準備が必要です。以下のエフェクタが、貴方の音楽ソフトに含まれるか確認してください。ちなみにMetamor1はMMS(MusicStudioStandard)というシーケンサに付属のソフトを使っています。今時の音楽ソフトなら多分付属していると思います。ない場合は、揃えるしかありません。ご自分のソフトにあったプラグインがひょっとするとフリーで供給されているサイトがあるかも知れません。こりゃ買うしかないと揃えてしまうのも一つの方法ですが、一応調べてみたほうが良いと思います。無駄なお金はかけないほうが良いに決まっています。

 1)コンプレッサ
 2)イコライザ
 3)リバーブ
 4)3TAPディレイ

 前提条件としてエフェクタが付属しているシーケンサで実現するものとして説明します。録音したボーカルのトラックと、天使の響きを作るトラックを2つ用意します。上の2トラックを同時に再生することで天使の響きを持つボーカルを手に入れることができます。録音したボーカルのトラックは特に変更する必要はありません。では、天使のトラックのエフェクト設定を試して見ましょう。
ソースは、録音したボーカルと同じソースに設定します。

1)コンプレッサの設定
左図が、コンプレッサの設定例です。
 録音したボーカルのコンプレッサの設定と同じぐらいにします。
 従来側も、天使の響き側も基本的に同じ設定でかまいません。

2)イコライザ
 左図を一応、従来設定していたイコライザの設定とします。天使の響き側の設定はこの従来の設定に対して相対的にさらに高音をブースト、低音をカットした設定にします。この設定の加減で天使の響きの聴こえ具合が大きく変わります。要するに天使の響き側は高音だらけの設定にすればするほど良いわけです。設定例を示すと下図のようになります。

3)リバーブ
自分の好きなリバーブの設定を選びます。ここは、あまりいじらなくても従来用意されている規定の設定で構わないと思います。できれば、この設定例にあるような豊かなリバーブを得られるエフェクタを使うと天使の響きが一層引き立ちます。単純なリバーブを使う場合、とにかくHIGHパラメータだけは100%近くにして高音を強調した設定を心がけることです。単純なリバーブでも設定さえちゃんとすれば天使の響きを得られると思います。高音が強調されない場合は、残響というより原音を繰り返すような粒々感が感じられます。そう聴こえる場合は設定が悪いはずなのでもう一度設定を見直してみることです。

4)3TAPディレイ

 左図にディレイの設定を示しますが、ここが一番の勘所です。

Highは、100%近くにして高音が強調されるように設定することが1つ。
もう1つは、ドライレベルを50〜80%ぐらいに設定して粒々感ををなくしホワ〜ンという感じの余韻がでるように設定値を決めることです。

 もうご存知とは思いますが、各TAPのディレイタイムは、その曲の速度の4分音符、8分音符、16分音符と同期するように設定します。えっ、どうすれば良いか判らないって?

えーと、速度が、80(4分音符)の場合だと、4分音符に同期させたい場合は、60000÷80=750mSに設定します。8分音符ならその半分の375mSです。16分音符ならさらに半分の188mSに設定します。んっ、187.5mSじゃないとだめじゃないかって?

0.5mSの誤差など人間には感知できないからこれでいいですよ。貴方のディレイが小数点以下まで設定できるなら187.5mSにしてもいいです。でもPCではそこまで正確なカウントはできないかも?

【あとがき】
 さて、これで設定は全て完了です。天使の響きを体験できるよう期待しています。

 それから、注意事項をひとつ。この天使の響きは、「サシスセソ」の歌詞だけにのみ通用するということを理解しておいてください。例えば、「やさしさわすれない〜でって」の「さしさ」の部分で「シュワ〜ン」と響きますが、「ねがいをこめ〜た」とかでは響きません。

 天使の響きで貴方の音楽が少しレベルアップできたら良いですね。
http://metamor1.zouri.jp/magician1_6.html


★超初心者・MIDI-DTM入門講座★
http://roundsquaretriangle.web.fc2.com/dtm/index_01.html

MIDIなにかいいことないかな
http://www2.odn.ne.jp/~cbu69490/MIDI_index.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c124

[近代史3] 右翼・左翼の対立を使った分割統治政策 _ 左翼運動・マルクス主義運動は国際金融資本が資金提供していた 中川隆
60. 中川隆[-14438] koaQ7Jey 2020年1月16日 17:59:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1357]
2020年01月16日
反安保闘争は中国の操り人形 学生はいつも馬鹿だった


オツムが足りない人に武器と権力を与えると暴動を起こす。
レーニン以来の共産主義の伝統

引用:http://static.blogos.com/media/image/12090/1/ref_l.jpg


安保闘争をした60年代の学生達と、反政府デモをする現代の学生達には共通点がある。

学生は社会の実体験が無いので、騙しやすく利用しやすいのを付け込まれているのです。


学生という騙しやすい人達

反安倍政権や反辺野古、反原発、日本ではいつも学生と老人が反対運動をしている。

「学生と老人」の組み合わせには重大な意味があり、1970年頃に学生だった老人が、現代の学生を騙して煽ってます。

学生運動の歴史は長く、幕末に騒動を起こした若者の多くが職を持たない、今で言う学生でした。


明治・昭和には民権運動的や愛国主義などがあったものの、それほど活発ではなかった。

戦前の学生を考えれば分かるが、学生運動しても生活できないし、学業をサボれば卒業できず、大学を追い出されるだけです。

学生運動が盛んになったのは、戦後の混乱期を抜け出して高度成長が始まった1960年代でした。


この頃から学生は、遊んでいても親の仕送りで生活できたり、バイトで暮らしていけるようになった。

大学も学生には甘く、一日も大学に来なくても卒業させていたそうです。

有名な文化人や政治家にも、まったく大学に行かず火炎瓶を投げたり棒を振り回したのを自慢する人たちが居る。


1960年代に学生運動が盛んになった大きな理由は、学生が裕福になり暇を持て余し、社会が甘かったからで、若者が急に信念を持った訳ではない。

火炎瓶をオモチャ代わりに遊んだ、昭和の学生達が引きつけられたのは、毛沢東やレーニンといった共産主義の英雄達でした。

これには伏線があり、共産主義者を日本で英雄にしたのはアメリカ政府とGHQでした。

日本で共産主義を広めたのは

第二次大戦で日本、ドイツ、イタリアなどは共産主義ソ連を最大の敵としており、特にドイツはソ連を敵視していました。

日本もロシア革命で皇帝を倒した事から、共産主義は反天皇であるとして、国内で厳しく弾圧した。

一方アメリカやイギリスは日独に(最初)負けそうだったので、ソ連に助けを求め、共産主義を利用しました。


第二次大戦が終わり、GHQ(米軍)が日本を占領すると、日本政府が投獄していた共産主義者を全員釈放した。

そればかりではなく大企業や新聞社、マスコミには共産主義者を雇用する義務を課しました。

世界一の発行部数を持つ日本の某新聞で、戦前逮捕歴があった共産主義者が権力を握ったのは、こういう理由です。


NHKなどのメディアも、共産主義は平和主義者で、悪い日本を倒しましたのような放送を盛んにしていました。

NHKに多くの逮捕者や共産主義者がもぐりこんで、今日の「反日放送局」を作り上げていった。

GHQとアメリカ政府がこんな事をした理由は、日本には右翼に対抗する勢力は共産主義しかなかったからです。


戦前からある大企業には必ず、こうした黒歴史みたいなのが存在しています。

ネットを騒がせるいわゆる「反日企業」の大半は戦前からある古い企業か、その系列会社です。

まったくの新興企業が「尖閣諸島は中国の領土です」のような事を言う例は少ない。


毛沢東は、頭は良いが判断力が弱い学生を集めて、「社会を変えよう」と煽った。
そうして政敵を倒したのが学生運動の始まりです。

引用:http://images.takungpao.com/2013/0814/20130814080651108.jpg

知らないのは学生本人だけ

歴史のある古い企業ほど「反日」な理由はGHQの命令によって、共産主義者が役員や社長やオーナーになり、その後継者も共産主義者だからです。

この状況に上手くつけこんで来たのは中国の指導者毛沢東で、日本赤化計画というものを開始しました。

毛沢東は第二次大戦に勝った(と勝手に主張した)がその後の国内運営に失敗し、1960年までには失脚していました。


1965年頃から毛沢東は権力を奪還するため、バカ学生を利用し過激闘争を開始しました。

悪名高い「文化大革命」がそれで、まず騙しやすい学生を集めて集会を開き「君たちが社会を変えるのだ」と吹き込みました。

社会の実体験の無い若者を集めて洗脳し、暴動を起こさせる手口はフランス革命でも、ロシア革命でも、オウム真理教でも使用されていました。


学生に武器と権力を与えていきなり社会のトップの地位につかせ、それを毛沢東が操った訳です。

「紅衛兵」という学生の軍隊および警察みたいな組織をつくり、権力者を襲撃させ、ついに権力を奪還した。

毛沢東は再び共産中国の最高権力者になると、同じように「バカな学生」を操れば日本を共産化できると考えた。


折りしも日本ではGHQの指導によって、共産主義は崇高な理念で、共産主義者は皆良い人だと宣伝していた。

何の苦労も無く中国共産党は日本の学生や教授を通じて侵入し、60年代から70年代の学生運動を指導しました。

学生達は中国に操られているのに最後まで気づかず、おそらく老人になった現在も気づいていません。


老人になった元学生達は現在の学生を騙しては、知ってか知らずか中国の為に働いているのです。
http://www.thutmosev.com/archives/43183870.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/296.html#c60

[近代史3] GHQ とユダヤ金融資本は戦後の日本を共産化しようとして農地改革、人為的インフレ生成、預金封鎖、日本国憲法制定を行った 中川隆
23. 中川隆[-14437] koaQ7Jey 2020年1月16日 18:01:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1356]
2020年01月16日
反安保闘争は中国の操り人形 学生はいつも馬鹿だった

オツムが足りない人に武器と権力を与えると暴動を起こす。
レーニン以来の共産主義の伝統
引用:http://static.blogos.com/media/image/12090/1/ref_l.jpg

安保闘争をした60年代の学生達と、反政府デモをする現代の学生達には共通点がある。
学生は社会の実体験が無いので、騙しやすく利用しやすいのを付け込まれているのです。

学生という騙しやすい人達
反安倍政権や反辺野古、反原発、日本ではいつも学生と老人が反対運動をしている。
「学生と老人」の組み合わせには重大な意味があり、1970年頃に学生だった老人が、現代の学生を騙して煽ってます。
学生運動の歴史は長く、幕末に騒動を起こした若者の多くが職を持たない、今で言う学生でした。


明治・昭和には民権運動的や愛国主義などがあったものの、それほど活発ではなかった。
戦前の学生を考えれば分かるが、学生運動しても生活できないし、学業をサボれば卒業できず、大学を追い出されるだけです。
学生運動が盛んになったのは、戦後の混乱期を抜け出して高度成長が始まった1960年代でした。

この頃から学生は、遊んでいても親の仕送りで生活できたり、バイトで暮らしていけるようになった。
大学も学生には甘く、一日も大学に来なくても卒業させていたそうです。
有名な文化人や政治家にも、まったく大学に行かず火炎瓶を投げたり棒を振り回したのを自慢する人たちが居る。

1960年代に学生運動が盛んになった大きな理由は、学生が裕福になり暇を持て余し、社会が甘かったからで、若者が急に信念を持った訳ではない。
火炎瓶をオモチャ代わりに遊んだ、昭和の学生達が引きつけられたのは、毛沢東やレーニンといった共産主義の英雄達でした。
これには伏線があり、共産主義者を日本で英雄にしたのはアメリカ政府とGHQでした。

日本で共産主義を広めたのは
第二次大戦で日本、ドイツ、イタリアなどは共産主義ソ連を最大の敵としており、特にドイツはソ連を敵視していました。
日本もロシア革命で皇帝を倒した事から、共産主義は反天皇であるとして、国内で厳しく弾圧した。
一方アメリカやイギリスは日独に(最初)負けそうだったので、ソ連に助けを求め、共産主義を利用しました。

第二次大戦が終わり、GHQ(米軍)が日本を占領すると、日本政府が投獄していた共産主義者を全員釈放した。
そればかりではなく大企業や新聞社、マスコミには共産主義者を雇用する義務を課しました。
世界一の発行部数を持つ日本の某新聞で、戦前逮捕歴があった共産主義者が権力を握ったのは、こういう理由です。

NHKなどのメディアも、共産主義は平和主義者で、悪い日本を倒しましたのような放送を盛んにしていました。
NHKに多くの逮捕者や共産主義者がもぐりこんで、今日の「反日放送局」を作り上げていった。
GHQとアメリカ政府がこんな事をした理由は、日本には右翼に対抗する勢力は共産主義しかなかったからです。

戦前からある大企業には必ず、こうした黒歴史みたいなのが存在しています。
ネットを騒がせるいわゆる「反日企業」の大半は戦前からある古い企業か、その系列会社です。
まったくの新興企業が「尖閣諸島は中国の領土です」のような事を言う例は少ない。

毛沢東は、頭は良いが判断力が弱い学生を集めて、「社会を変えよう」と煽った。
そうして政敵を倒したのが学生運動の始まりです。
引用:http://images.takungpao.com/2013/0814/20130814080651108.jpg

知らないのは学生本人だけ
歴史のある古い企業ほど「反日」な理由はGHQの命令によって、共産主義者が役員や社長やオーナーになり、その後継者も共産主義者だからです。
この状況に上手くつけこんで来たのは中国の指導者毛沢東で、日本赤化計画というものを開始しました。
毛沢東は第二次大戦に勝った(と勝手に主張した)がその後の国内運営に失敗し、1960年までには失脚していました。

1965年頃から毛沢東は権力を奪還するため、バカ学生を利用し過激闘争を開始しました。
悪名高い「文化大革命」がそれで、まず騙しやすい学生を集めて集会を開き「君たちが社会を変えるのだ」と吹き込みました。
社会の実体験の無い若者を集めて洗脳し、暴動を起こさせる手口はフランス革命でも、ロシア革命でも、オウム真理教でも使用されていました。

学生に武器と権力を与えていきなり社会のトップの地位につかせ、それを毛沢東が操った訳です。
「紅衛兵」という学生の軍隊および警察みたいな組織をつくり、権力者を襲撃させ、ついに権力を奪還した。
毛沢東は再び共産中国の最高権力者になると、同じように「バカな学生」を操れば日本を共産化できると考えた。

折りしも日本ではGHQの指導によって、共産主義は崇高な理念で、共産主義者は皆良い人だと宣伝していた。
何の苦労も無く中国共産党は日本の学生や教授を通じて侵入し、60年代から70年代の学生運動を指導しました。
学生達は中国に操られているのに最後まで気づかず、おそらく老人になった現在も気づいていません。

老人になった元学生達は現在の学生を騙しては、知ってか知らずか中国の為に働いているのです。
http://www.thutmosev.com/archives/43183870.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/146.html#c23

[リバイバル3] 中川隆 _ 経済、ビジネス関係投稿リンク 中川隆
150. 2020年1月16日 18:11:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1355]
欧州で増える貧困層 イギリスではフードバンク難民が100万人以上
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/803.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/813.html#c150
[リバイバル3] 中川隆 _ 欧米文化関係投稿リンク 中川隆
130. 中川隆[-14436] koaQ7Jey 2020年1月16日 18:12:20 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1354]
欧州で増える貧困層 イギリスではフードバンク難民が100万人以上
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/803.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/464.html#c130
[近代史3] 平和主義者だったトランプがイラン革命防衛隊の精鋭組織コッズ部隊の司令官を殺害した理由 中川隆
44. 中川隆[-14435] koaQ7Jey 2020年1月16日 19:29:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1353]
トランプが選んだ「キリスト教福音派と極端な選択肢」
海野素央 (明治大学教授、心理学博士)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/18409


 今回のテーマは、「キリスト教福音派と極端な選択肢」です。米メディアによれば、ドナルド・トランプ米大統領がイランのカセム・ソレイマニ司令官殺害を選択したとき、国防総省の職員は驚きを隠せなかったといいます。

 トランプ大統領はどのような状況下で「極端な選択肢」を選ぶのかが、ソレイマニ司令官殺害で、はっきり見えてきました。そこで本稿では、トランプ氏が極端な選択肢を受け入れる状況を分析します。

「支持基盤崩壊」の回避

 トランプ大統領の支持基盤であるキリスト教福音派から、昨年12月「トランプ罷免発言」が飛び出しました。ウクライナ疑惑におけるトランプ大統領の言動は、不道徳であると言うのです。この発言にトランプ氏は、敏感に反応しました。

 再選の選挙において、キリスト教福音派の影響力を無視することは不可能だからです。

 2006年2月に南部テキサス州サンアントニオで設立された福音派団体「イスラエルを支持するキリスト教徒連合(CUFI:Christians United for Israel)」には、800万人のメンバーが所属しています。同団体は、オバマ政権の「イランとの核合意」反対及び「エルサレム大使館移転」賛成の立場をとっており、反イラン色を強く打ち出しています。

 米メディアによれば、同団体の創設者でテレビ伝道師のジョン・ハギー氏は、イランのマフムード・アフマディネジャド前大統領をヒトラーと比較して、同国への軍事攻撃を求めたことがありました。

 今回のソレイマニ司令官殺害を推したといわれているマイク・ペンス副大統領及びマイク・ポンぺオ国務長官は共にキリスト教福音派で、彼らの宗教色が外交に色濃く反映されています。そもそもトランプ大統領は2016年米大統領選挙で、キリスト教福音派の票獲得を狙って、ペンス氏を副大統領に指名しました。

 しかし、そのキリスト教福音派がウクライナ疑惑におけるトランプ氏の言動を国益よりも個人的利益を優先したとみて非難しました。そこで、「反イラン」のキリスト教福音派の「トランプ離れ」を食い止めたい大統領の強い想いが、ソレイマニ司令官殺害の動機の1つになりました。

 トランプ政権は1月2日(現地時間)、司令官殺害を発表しました。翌3日にはトランプ大統領自ら、南部フロリダ州で開催されたキリスト教福音派の集会に参加して、ソレイマニ司令官殺害について報告しました。

 以前説明しましたが、トランプ大統領の支持基盤は白人中心の「単一文化連合軍」です。主として白人労働者、退役軍人、キリスト教福音派及び白人至上主義者から構成されています。トランプ大統領は、キリスト教福音派の罷免発言で信徒が離れ、「支持基盤崩壊」になりかねないほど危機的状況に直面していました。

「極端な選択肢」

 今回の「イラン危機」から、トランプ大統領のある言動が明白になりました。トランプ氏は支持基盤崩壊を阻止するためなら、ソレイマニ司令官殺害といった「極端な選択肢」を選ぶことも辞さないということです。

 となると、仮に支持基盤の一角を成す白人労働者の「トランプ離れ」が起きそうになった場合、おそらく対中貿易交渉で何らかの「極端な選択肢」をとる可能性が高いでしょう。

 実際、民主党候補指名争いを戦っているジョー・バイデン前副大統領がトランプ大統領の支持基盤である中西部の白人労働者票を奪おうとすると、ウクライナに対する軍事支援の保留及びバイデン親子の調査要請という「極端な選択肢」を選びました。今思えば、それは充分納得がいく言動だったのです。

 結局、トランプ大統領の地震の震源地は、常に支持基盤です。それはどのような意味かと言いますと、支持基盤が揺れ動いて離脱の危機にさらされたとき、極端な選択肢を選び、支持者離れを防ぎます。従って、支持基盤と極端な選択肢は密接な関係にあります。

 2020年米大統領選挙の投票日は11月3日です。それまでにトランプ大統領は、他の政権がとってこなかった極端な選択肢を選び、自ら導火線に火をつけ、ギリギリのタイミングで消すというパターンを繰り返して、世界を振り回す可能性は否定できません。

司令官殺害後の支持率

 ロイター通信とグローバル調査会社イプソスが行った共同世論調査(2020年1月6−7日実施)によれば、トランプ大統領の支持率は41%です。ソレイマニ司令官殺害前後で支持率に大幅な変化はみられませんでした。

 ちなみに、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の指導者アブバクル・バグダディ容疑者殺害を昨年10月に発表したときも、米ワシントン・ポスト紙とABCニュースの共同世論調査では、支持率が39%で殆ど影響がありませんでした。

 上で紹介したロイター通信とイプソスの共同世論調査にでは、トランプ大統領の最近の対イラン政策に対して、38%が支持、53%が不支持で、後者が15ポイントも上回っています。米ABCニュースとイプソスによる最新の共同世論調査(2020年1月10−11日実施)においても、同様の結果が出ています。同調査によれば、支持が43%であるのに対して、不支持が56%で、後者が13ポイントリードしています。

 しかも、52%がソレイマニ司令官殺害によって、米国が「より安全でなくなった」と回答しており、「より安全になった」の25%を27ポイント差をつけています。さらに、73%が「イランとの全面戦争の可能性を懸念している」と答えました。

 一方、「イランとの全面戦争の可能性を懸念していない」は27%で、この数字はトランプ支持率の41%を大きく下回りました。つまり、トランプ支持者の中にもイランとの全面戦争の可能性に不安を抱いている者が存在するという意味です。
 トランプ大統領はソレイマニ司令官殺害によって、確かにキリスト教福音派を喜ばせ、米大使館が「第2のベンガジ」になるのを防ぎました。従って、これらの点ではトランプ氏の思惑通りだったのかもしれません。

 しかし、トランプ氏が選んだ「極端な選択肢」は、米国民のみならず全世界に強い懸念を与えたことは間違いありません。今年は、「トランプリスク」が具体的に目に見える形になって現れるでしょう。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/786.html#c44

[番外地7] トランプ大統領のキリスト教原理主義を許すな 中川隆
19. 中川隆[-14434] koaQ7Jey 2020年1月16日 19:35:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1352]
トランプが選んだ「キリスト教福音派と極端な選択肢」
海野素央 (明治大学教授、心理学博士)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/18409

米メディアによれば、ドナルド・トランプ米大統領がイランのカセム・ソレイマニ司令官殺害を選択したとき、国防総省の職員は驚きを隠せなかったといいます。

 トランプ大統領はどのような状況下で「極端な選択肢」を選ぶのかが、ソレイマニ司令官殺害で、はっきり見えてきました。


「支持基盤崩壊」の回避

 トランプ大統領の支持基盤であるキリスト教福音派から、昨年12月「トランプ罷免発言」が飛び出しました。ウクライナ疑惑におけるトランプ大統領の言動は、不道徳であると言うのです。この発言にトランプ氏は、敏感に反応しました。

 再選の選挙において、キリスト教福音派の影響力を無視することは不可能だからです。

 2006年2月に南部テキサス州サンアントニオで設立された福音派団体「イスラエルを支持するキリスト教徒連合(CUFI:Christians United for Israel)」には、800万人のメンバーが所属しています。同団体は、オバマ政権の「イランとの核合意」反対及び「エルサレム大使館移転」賛成の立場をとっており、反イラン色を強く打ち出しています。

 米メディアによれば、同団体の創設者でテレビ伝道師のジョン・ハギー氏は、イランのマフムード・アフマディネジャド前大統領をヒトラーと比較して、同国への軍事攻撃を求めたことがありました。

 今回のソレイマニ司令官殺害を推したといわれているマイク・ペンス副大統領及びマイク・ポンぺオ国務長官は共にキリスト教福音派で、彼らの宗教色が外交に色濃く反映されています。そもそもトランプ大統領は2016年米大統領選挙で、キリスト教福音派の票獲得を狙って、ペンス氏を副大統領に指名しました。

 しかし、そのキリスト教福音派がウクライナ疑惑におけるトランプ氏の言動を国益よりも個人的利益を優先したとみて非難しました。そこで、「反イラン」のキリスト教福音派の「トランプ離れ」を食い止めたい大統領の強い想いが、ソレイマニ司令官殺害の動機の1つになりました。

 トランプ政権は1月2日(現地時間)、司令官殺害を発表しました。翌3日にはトランプ大統領自ら、南部フロリダ州で開催されたキリスト教福音派の集会に参加して、ソレイマニ司令官殺害について報告しました。

 以前説明しましたが、トランプ大統領の支持基盤は白人中心の「単一文化連合軍」です。主として白人労働者、退役軍人、キリスト教福音派及び白人至上主義者から構成されています。トランプ大統領は、キリスト教福音派の罷免発言で信徒が離れ、「支持基盤崩壊」になりかねないほど危機的状況に直面していました。

「極端な選択肢」

 今回の「イラン危機」から、トランプ大統領のある言動が明白になりました。トランプ氏は支持基盤崩壊を阻止するためなら、ソレイマニ司令官殺害といった「極端な選択肢」を選ぶことも辞さないということです。


 実際、民主党候補指名争いを戦っているジョー・バイデン前副大統領がトランプ大統領の支持基盤である中西部の白人労働者票を奪おうとすると、ウクライナに対する軍事支援の保留及びバイデン親子の調査要請という「極端な選択肢」を選びました。今思えば、それは充分納得がいく言動だったのです。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/424.html#c19

[番外地7] メモ帳 _ アイヌ 中川隆
5. 中川隆[-14433] koaQ7Jey 2020年1月16日 20:14:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1351]
江戸時代のアイヌの人口は、記録上最大26800人であったが、天領とされて以降は感染症の流行などもあって減少した。
2006年の北海道庁の調査によると、北海道内のアイヌ民族は23,782人となっており、支庁(現在の振興局)別にみた場合、胆振・日高支庁に多い。
なお、この調査における北海道庁による「アイヌ」の定義は、
「アイヌの血を受け継いでいると思われる」人か、
または「婚姻・養子縁組等によりそれらの方と同一の生計を営んでいる」人
というように定義している。

また、相手がアイヌであることを否定している場合は調査の対象とはしていない。
1971年調査で道内に77,000人という調査結果もある。
日本全国に住むアイヌは総計20万人に上るという調査もある。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/340.html#c5

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
11. 中川隆[-14432] koaQ7Jey 2020年1月16日 20:32:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1350]

何となく気になるオークション - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2014年02月23日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c09cf900d1894cfc492550ccfaf9adc


クラシック音楽を少しでも“いい音”で聴きたいと、熱心に取り組んできたオーディオだが、周知のとおりこの世界は天井知らずなのでどの辺のレベルに留めるか、こればかりはまったく本人の意思次第。

「欲を言えばきりがないし、ボチボチこの辺で終わりにしようかな〜」という昨今だが、何となく気になるのがオーディオ機器のオークション。

「昔、欲しくて欲しくてたまらなかったのにどうしても手が出なかった憧れの機器がもしかして手に入るかもしれない」という期待と欲望はいくつになっても無くならない。もうこればかりは執念というか怨念と言おうか(笑)。

実は現在でも大いに気になっている機器がある。それはカウンター・ポイントのプリアンプ「SAー5000」で、落札日は明日24日(月)の22時38分。

            

オークションの説明では「本体までは通電しますがメインのシステムには通電していないようで、パネルのランプが点かず、また入出力が出来ません。」とのことで「ジャンク品」扱い。

そういうハンディはあるものの、むしろ修理先の心当たりさえあればとんでもない掘り出し物(安価で性能が飛びっきりいい製品)に化ける可能性を大いに秘めている状況ともいえる。

このプリアンプは電源部が別筐体となっており、トランジスターと真空管(6DJ8)の“いいとこ取り”をしたハイブリッドアンプである。発売当時軽く100万円を超えていた逸品で音が良かったことでも有名で、当時「いつかは手に入れたい」と胸を躍らせた方もさぞや多かったことだろう。もちろん自分もその一人だった。

実はこのアンプ、先々週あたりにも出品(中古品専門店)されていて、たしか高値(20万円前後)でどなたかが落札されたはずだが、またもや再出品されているのが不思議の巻。

その経緯を知りたいと思ったので該当オークションの質問欄で「この製品は先日オークションに出品の上、どなたかに落札されたように記憶してますが、今回、再度の出品となっております。よろしかったら、その間の事情をお知らせ願いたいのですが。」と投げかけてみた。

即座に次の回答が寄せられた。
「お問い合わせ頂き有り難うございます。前落札者様のキャンセルにより再度出品させて頂いております。再度ご検討の方宜しくお願い致します。」

落札者のキャンセルなんてのは分かりきっている!
知りたかったのは落札者がキャンセルした理由だったが、そんなことを訊く方がむしろアホなのかもしれない(笑)。出品者側として営業上、不利なことは答えないほうがいいに決まっているのでこれ以上深追いしないことにした。

何といってもお互いに顔の見えない人間同士の取引だから、当たりもハズレも両方覚悟しておかねばならないのがオークションで、まあ、半分は博打だと割り切っておいた方がいい。「ハイリスク ハイリターン」。

実は第1回目のオークションのときに本気で落札しようといろいろ調べてみた。先ずネットでググってみると次のようなヤフーの質疑応答があった。

「質問」

カウンターポイントSA5000を知人から不動品を購入しました。知り合いのアンプ修理店に修理して貰いましたが、回路図がないので手に追えずほとほと困ってます。助けてください。
近所に修理を出したのですが残留ノイズが気になるので、ノアに出しましたが純正品と違うモノを交換してるので修理受付さえしてくれません。かといって回路図は提供してくれないので、こちらでは手に追えず、宙ぶらりんの状況です。
カウンターポイントのアンプに詳しく助言を頂けると助かります。またこのような状態でも修理を受付て貰える所があれば教えてください。

「ベストアンサーに選ばれた回答」

SA5000は何台か整備しましたが、不動の場合の原因は、電源部のケミコンが真空管の隣にあり、熱による劣化で容量抜け、が早く起こっているとおもいます。それとノイズの原因は、ヴォリュームの劣化が原因だと思います。

純正部品での整備が行われていないとの事ですが、私感ですが、電源部のケミコンでもオーディオ用は使われていませんし、内部のカップリングコンデンサーも音質的には?と思います。どうして、あんな値段がするのか、不思議でした。

音質的にもっと伸びる要素は何点かありますので、オーナー様の要望で、交換しましたが満足を頂いています。よほどの変な回路のアンプでない限り、回路図が無いと整備出来ないと言うのはスキルが不足していると思います。ノイズの原因はヴォリュームに有ると思います、又ロータリーSWの清掃で直る場合もありますね!」

以上のとおりだが、「回路図がないと整備できないというのはスキルが不足している」との指摘は、身の回りにはそういう該当者はいっさい居ないことを申し添えておくが、さぞや耳の痛い“ご仁”もおられるかも(笑)。
さて、ネット以外にもオーディオ仲間にいろいろ相談させてもらった。そのうち、真空管に関することなら何でも知っているKさん(福岡)によると、

「音がいいので有名なプリアンプですが、電源部の故障が非常に多いみたいです。あるベテランの方から聞いた話ですが、分解して調べてみたところ、目に見えるところには立派な部品が使ってありますが、隠れた部分には秋葉原で二束三文で売っているような部品が使ってあったそうです。そんな部品を使ってどうしてあんなにいい音がするのか不思議でたまらないとのことでした。現在、カウンターポイントのプリはSA3.1を持ってますが、ボリュームを交換したらメチャ音が良くなりましたよ。」

第1回目のオークションのときは散々迷った挙句、入札価格が折り合わなかったので見送る結果になったわけだが、2回目となる今回の「出戻り」さんのアンプ、はたしてどう始末をつけようか?

2月23日(日)午前4時現在の入札価格は81,700円。

タイムリミットは前述したように明日24日(月)の22時38分!

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c09cf900d1894cfc492550ccfaf9adc
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c11

[リバイバル3] カウンターポイント SA-5000 + SA4 中川隆
12. 中川隆[-14431] koaQ7Jey 2020年1月16日 20:43:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1349]
カウンターポイント/SA-5000の真空管交換
https://e-staff-net.com/yomoyama/counterpoint_sa5000/counterpoint_sa5000.html

1990年に発売され、音質の良さで長くベストバイに選出されたカウンターポイントのコントロールアンプのSA-5000。2018年春にユーザー様の御依頼で中の真空管を交換してみたところ、好結果が出ましたので御紹介致します。

アンプ内部の様子です。「A」の部分がフォノイコライザー部。「B」の部分はラインアンプ部。「C」の部分が電源部となります。基板の約半分をフォノイコに使用しています。半導体と真空管のハイブリッド回路構成となっており、基板は振動対策のため、フロートされています。

真空管の構成はフォノイコ部、ラインアンプ部、電源部共に6DJ8をそれぞれ2本づつ、合計6本、電源部の1本のみ12AX7が使用されています。このアンプを使用される方はほとんどレコード再生に重点を置いているはずですので、V1、V2に良い球を奢り、次に良い球をV3、V4に使用する事にしました。


フォノ部にテレフンケン/ECC88を使用しました。ECC88は6DJ8のヨーロッパ表記で同じ物です。この球はてっぺんの部分(Tip)に色がついており、フォノグレードを表しています。1960年代の貴重なNOS(New Old Stock)球です。

テレフンケンの証、底部のダイヤマークです。この球には2、7、7の数字が見えます。

ラインアンプ部にはテスラ(当時のチェコスロバキア)のE88CCを使用しました。現在のJJテスラではありません。有名な剣のマーク(Crossed Swords)が見えます。E88CCはECC88の高信頼管ですので6DJ8と互換があります。

そして、電源部にはフィリップスECGの6922を使用しました。6922はアメリカでの6DJ8の軍用管(JAN規格)です。価格的には使用した6DJ8系の球のなかでは最もリーズナブルでした。

最後に電源部に使用されていた12AX7ですが、ここが意外と音質に影響大でした。当初、電源部は何でもいいだろうと思って松下とか現行管を使ってみたのですが、変化が大きいので、思い切ってシーメンスのECC83を奢りました。ECC83は12AX7のヨーロッパ表記です。

試聴の様子。実際には天板を外した状態で何度も何日も沢山の球を交換しては試聴の繰り返しの結果が上記のような内容となりました。交換前の音は、解像度が低く、SN比が悪く、レンジも狭いごくごく普通の古いアンプの音でした。しかし、ある時、電源部の12AX7を交換してから、球を交換した際の変化がはっきり出るようになって驚きました。

最終的に落ち着いた上記内容での音質は音楽性では現在でも十分通用するものと思います。真空管を変えて音が変化するのは、基本設計が優れている証拠だと思います。

当時のマイケル・エリオットの設計は間違っていなかったという訳です。

そこで、改めてSA-5000について調べてみると、ステレオサウンドNo.97(1991、Winter)で長島達夫氏が詳しく書かれており、「真の意味でのハイブリッドアンプ」と表現されていました。元々百万円のアンプですが、良質の真空管で更にグレードアップできるなんて素晴らしい事だと思います。尚、真空管選びは自己責任ですので悪しからず。
https://e-staff-net.com/yomoyama/counterpoint_sa5000/counterpoint_sa5000.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html#c12

[リバイバル3] ゴールドムンド _ その奇跡の音色の秘密 中川隆
3. 中川隆[-14430] koaQ7Jey 2020年1月16日 20:46:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1348]
第十八話「黄金の口が語る美意識」
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/oto/oto18.html


  第一章『回想』

 毎月世界のハイエンド・オーディオ・コンポーネントを集めて行っている試聴会も今
月で30回を数えるまでになった。この間に聴いてきたオーディオ・コンポーネントの
数々も既に数えきれないほどになった。その中でも、とりわけ鮮明に記憶に残っている
ものがある。ちょうど昨年の今頃(1993年9月27日)に、『生涯の記憶・ゴール
ドムンドの哲学を聴く試み』と題して開催したもので、試聴会というよりはセミナー的
な雰囲気のものであった。1981年スイスのジュネーブに発足したゴールドムンド社
は、まずアナログ分野でその評価を世界的なものとしてきた。1983年にはリファレ
ンス・ターンテーブルが米国のアブソリュートサウンド誌で五つ星(芸術の領域)の評
価を得て、世界のハイエンドシーンに彗星のごとく、その航跡を印したのだった。19
87年ミメーシス2プリアンプとミメーシス3パワーアンプを発表しエレクトロニクス
の分野でも、その英知を世界中のエンドユーザーのために披露し始めたのである。19
88年にはアポローグ・スピーカーシステムを発表し、クラウディオ・ロタ・ロリア氏
によるデザインのこの作品は、ニューヨーク近代美術館に展示されることとなった。1
990年ミメーシス10デジタル/アナログコンバーターを発表し、昨年のCDトラン
スポートミメーシス36と、大変計画的な製品開発を行ってきた。価格が1400万円
というアポローグとゴールドムンド全製品を一堂に集め、しかも世界中を飛び回ってい
ながらエンドユーザーを前にして話をするのは初めてという同社社長ミッシェル・レバ
ション氏が来訪するということで、一段とテンションが高まってしまったのは無理もな
いことであった。

 一般の方々へは配布されていないが、私の手元には「ザ・ゴールドムンド・ライン」
と題されたオリジナルのパンフレットがある。過去の製品が分野別、発表年代順に紹介
されている内容だが、非常に興味をひくのは表紙の表裏両面に渡って、スイスにある同
社のヘッド・クォーターの建物の写真が使われていることだ。この近代的な建築デザイ
ンから、同社がいわゆるガレージメーカーではなく芸術的なレベルでオーディオを捉え
ようとしている企業であることが感じられる。その建物の写真のかたわらに次のような
文章が掲げられている。
 
「Ich lerne viel von dir,Goldmund.
            Ich beginne zu verstehen was Kunst ist.」
 
ご想像の通りドイツ語の一節で、訳してみると。「ゴールドムンド、きみのおかげで芸
術とは何かということが私にも少しわかってきたようだ。」こんな感じになるであろう
と思われる。今世紀最大の文学者と称されるヘルマン・ヘッセの一節である。彼は人類
史上初めてエジソンが機械式録音に成功した年、一八七七年に南ドイツに生まれたわけ
だが、後世のオーディオマニュファクチャラーの社名に、彼の作品の登場人物の名が使
われようとは思いもよらなかったにちがいない。そして、スイスで青春を過ごしたヘッ
セの壮年期1930年に、長編「知と愛(NARZISS UND GOLDMUND)」は刊行された。真の
美を追求する彫刻家ゴールドムンドと神に奉仕する哲学者ナルチス。肉と霊を象徴する
二つの魂の反発と友情を、ゴールドムンドの精神の道程を通して描いた3部構成全20
章からなる大作である。みずからの芸術を極めるため愛と放浪に生きたゴールドムンド
。その熱い魂への限りない共感から、オーディオブランド「ゴールドムンド」は誕生し
たのである。

 そして、この一節を紹介している同社の日本語版カタログのセンスには、ハイエンド
・オーディオを紹介するという情熱と誇りが強く感じとることが出来る。数多くの製品
を販売してきた私から見ても販売促進ツールであるカタログに、これだけの思い入れを
施してくれた輸入元に敬意を表したい。同社の製品を所有するユーザーにとって、将来
的には同社の新製品に買い替えたとしても人生の一時期を当時のゴールドムンドのコン
ポーネントで音楽を聴きながら生きてきたという、まさに記念アルバムとして保存する
に値する出来栄えである。さて、話は当日の模様に戻るが何といっても圧巻だったのは
アポローグの3時間にも及ぶ組立てとセッティングであった。5つのエンクロージャー
に分割され、一台の総重量約三二五 に達するアポローグの中心荷重が、親指よりも太
いスパイク・シャフトによって床に設置されるメカニカル・グランディングの構造は見
るだけでその存在感を訴えてくるものがある。そして、司会役の私が当日投げかけた質
問とその答えの中で大変印象に残っていることがある。「御社の製品で共通の構造とな
っている、メカニカル・グランディングを開発したきっかけは何か。」これに対してレ
バション氏の反応は早かった。「ゴールドムンドを設立して間もないころ、ある目的か
ら研究所に重さが2トンもあるコンクリートの塊を運び入れた。その塊の上にアナログ
プレーヤーを乗せLPに針を乗せるが、アンプやスピーカーは接続しない。そして、聴
診器の様な器具を2トンのコンクリートに押し当てると、なんと回っているLPの音が
聴こえてくるではないか。我々は、この実験から振動エネルギーを制動するためには物
体の質量に頼り過ぎてはいけないということを教えられた。質量を大きくしていくだけ
ではなく機械的な支持点を明確にしていくことで、より制振構造を完璧なものにしてい
く手段として、このメカニカルグランディングを開発したのである。」単純であるが、
凄い事をやったものだと関心してしまった。商品化のための開発ではなく、何を追求し
ていくのかという基礎研究に情熱を注いだ一時代があったということにゴールドムンド
の素晴らしさがあり、今日の同社の製品の奥の深さを窺い知ることが出来る興味深いエ
ピソードだと思う。

  第二章『スパイク性ピンポイント症候群』

 私のフロアーには全国から熱心なユーザーが数多く訪れる。同時に、来日した海外オ
ーディオメーカーのトップが数多く訪れる場所でもある。その中でも、私が共通の質問
を発した二者から同様な答えが返ってきて、大変印象に残ったメーカーがある。クレル
のダニエル・ダゴスティーノ氏と、カウンターポイントのマイケル・エリオット氏、両
氏に放った質問は単純であった。「一部のメーカーで採用している、アンプにスパイク
を取り付けてピンポイントの支点によって設置するという方法をどの様にお考えか。ま
た、御社でそれをやらない理由は何か。」クレルのダゴスティーノ氏は、「アメリカで
は純正のオプションとして本来の足と交換可能なスパイクは販売している。ただ日本向
けには装備していないだけの事だ。だからスパイクの効用は知っているが、結局はユー
ザーの判断で選択すればよいことだと思う。」同様にカウンターポイントのマイケル・
エリオット氏は、「アメリカでは、購入後に我々のアンプに対してスパイクを使ってい
る人はたくさんいる。アンプの剛性については何ら問題ないので、ユーザーの好みによ
って選択すればよいことだ。」強い語調ではなく、やんわりとした物腰での回答からア
ンプ設計者としてはさほど重要視していない傾向が見受けられ、このスパイクについて
はユーザーに選択を任せるという結論を出した。でも、あのガルネリ・オマージュを作
り出したフランコ・セルブリン氏の一言。「響きのよいスパイクはない。」といった感
性の方向にアンプの作り手も同類項の選択をしてきたのであろうか。この様にハイエン
ドオーディオ界の「スパイク性ピンポイント症候群」とも言うべき事例が数多く出回り
、今では入り口から出口まで見渡してもスパイクを採用していない製品の方が珍しいく
らいである。

 しかし、「響きの良い」という魅惑的な形容詞には「程好い」という但し書きが必要
になることを忘れてはならないと思う。この「程好い」という言葉を具現化するならば
、数多くのコンポーネントを聴いてきた立場から一つの指標を提案することが出来る。
それは入り口から出口までの全てのコンポーネントに共通して、その構造と素材からの
見方である。その製品に設計者が与えた剛性が、その素材と構造から柔構造(高剛性と
自他共に認める製品群と対比しての表現で、他意はない)となっているものにはスパイ
クの使用はあまりお勧め出来ない。(というよりも効果が薄いというべきだろうか)例
を挙げれば、ステューダーのCDプレーヤーやマッキントッシュのアンプ、スピーカー
ではタンノイやボーズなどがそれに当たるかもしれない。ゴールドムンドのミメーシス
9に見られるように厚さ六ミリもある鉄板を溶接によって箱に仕上げているようなもの
は、どの様に判断すべきかはもうおわかりの事と思う。

  第三章『未知による誤解、経験による認識』

 「引き締まった低音」「繊細な切れ込み」「ワイドレンジで鋭敏な反応」「端正で涼
しい響き」「硬質な輪郭線」「精緻なディティール」「シャープなフォーカス」「無駄
な膨らみは激しく削り落す傾向」「鋭く瞬発的に立ち上がる見事さ」五年前からのオー
ディオ誌をひもとくとゴールドムンドを表現する言葉として、この様な表現が多用され
ている。まだまだ書ききれないほどの紹介事例があるのだが、ニュアンスの共通点とし
ては十分であり、同様なベクトルを指し示す表現としてうまく言い当てていると思う。
そして、これらの言葉のニュアンスを対象比較するとこんな感じになるのではないだろ
うか。「鈍角よりも鋭角」「ソフトよのもハード」「ホットよりもクール」「曖昧より
も正確」「ルーズよりもタイト」「軟質より硬質」決して間違いではないのだが、この
様な印象をもたれている方は多いと思う。

 しかし、私はこれらの表現について一つの条件を付加した上で理解している。D/A
コンバーターを含むアンプ等エレクトロニクス分野では、少なくともこれらの形容で間
違ってはいないと思う。つまり電気信号が入力され、電気信号が出力される機器群とい
うことだ。それでは、ゴールドムンドというブランドの音は、これら片方の器の底をほ
じくり返しただけの、一方に偏った傾向で終わってしまう味わいの薄いメーカーなのだ
ろうか。我々は前述のエレクトロニクス分野の機器群を聴いただけでゴールドムンドを
理解したつもりでいたのではないだろうか。また、これらの個性はどんな目的のために
生み出されたものなのか、ゴールドムンドと同じ視点に立って考えたことがあっただろ
うか。私は、これらの答えを昨年のアポローグとの出会いと、今年のCDトランスポー
ト・ミメーシス36との出会いの中で発見することが出来た。この『音の細道』第四話
「究極の音を知る価値」の中で述べたとおり、私は、ゴールドムンドのアンプが有する
傾向の延長線上で、アポローグとCDトランスポート・ミメーシス36の音をイメージ
していたことが誤りであったと考えている。「ハードの中にソフトな一面があり」「正
確さの中に許容されるべき曖昧さがあり」「クールな中に「硬質ばかりと思っていた表
情に軟質な笑みがある」前述のニュアンスをこんな風に改めなくてはならないという気
がしている。電気信号を機械振動に変換するスピーカー、光信号を電気信号に変換する
CDトランスポート。いわゆるトランスデューサーといわれる機器を含めて、すべてゴ
ールドムンドの思想で統一して聴くことによって初めて体験出来る絶妙な質感のバラン
スが存在するものと実感された。世の中でアンプだけ、スピーカーだけ、と特定ジャン
ルの製品群を製造して評価を得たブランドも数多くあるが、ハイエンドというステータ
スを大切に真の意味で自らの思想で入り口から出口までを作り上げた例は少ない。同社
の統一システムを聴くことが出来た数少ない人間の一人として、ゴールドムンドの正し
い認知と理解を日本の愛好家諸氏にお伝えていく使命感を感じずにはいられないのであ
る。

  第四章『責任の領域』

 先に紹介したゴールドムンドで行われた二トンのコンクリートによる実験の話につい
ては、それを誘導したもう一つの質問があった。「確かにメカニカルグランディングの
効用はわかるのだが、メカニカルなアースを取る場合に、その相手となる置き台なり床
はどう考えればいいのか。私のフロアーに置いているラックは一台七〇 の重量がある
が、これで十分か。床は木のフローリングが良いのか、コンクリートが良いのか。機械
的なアースを受けさせるものによって音が変わってしまうわけで、メカニカル・グラン
ディングの効果を考える時、どこまでそれを追究していけば良いのか。」住宅事情とリ
スニングルームの広さ、日本ならではの建築材料の選択など、欧米との違いを理解して
同社の製品をどう使いこなすかの質問であった。つまり、この質問の答えの一つとして
、台になる部分の重量があれば良い、というわけではないというのが二トンのコンクリ
ートの話になって返ってきたわけである。従って、二トンのコンクリートの塊でも不完
全なわけだから、大きさと重量を現実レベルで考え、私なりにまとめてみるとこう思わ
れる。床に関しては数十 もの重量があるパワーアンプを置くからといって、畳やフロ
ーリングをはがしてコンクリートの基礎を地面から立ちあげるのも現実離れしている。
2階にリスニングルームがあったり、マンションなどでは出来ぬ相談になってしまう。
フローリングの場合はゴルフボールを落して良く弾み、しかも高さを持って数回バウン
ドするような、そしてボーンとかコーンという音ではなく、小さくコッという音だけで
終わるような状態であればそのまま設置して良いと思う。逆にバウンドもせずに、ボー
ルの落下した位置エネルギーが、ボーンとかゴーンという板の振動によって音になって
しまうようであれば、タオックやラスクのような重量と固さのある板、あるいは大理石
などを敷いてからスピーカーやパワーアンプを置かれると良いと思う。

 畳の場合も同様にお考え頂きたい。それでは、アナログとデジタルの両プレーヤーや
プリアンプはどうしたら良いのか。使い勝手の上からも、同様な床置きでは現実的では
ない。従って、市販のオーディオラックの世話になるわけだが、基本的にはゴルフボー
ルの落下実験で得た結論で取りまとめていくのが間違いないと思う。おりもおり、ステ
レオサウンド誌の112号313頁に「オーディオラックの現在形」と題した特集が取
り上げられているので是非ご参照願いたい。少なくとも、木製ラックに見受けられる4
本の金属またはプラスチックのピンに乗せられているだけの可動式棚板に、ゴルフボー
ルを落してみてどうなるかは想像に難しくないと思う。だからといって、インテリア的
に妥協点を探した上での選択に異論を差し挟むつもりは毛頭ない。この段階で、前述の
「スパイク性ピンポイント症候群」を思い出して頂き、ご自分の選択に納得して頂けれ
ば良いのだ。さて、まだ試してはいないがゴルフボールを落せばコツンではなくコッと
いう音だけで、大変高く跳ね返ってくるであろうラックが登場した。ゴールドムンドの
手になる、その名もミメーシス・ラックがそれである。重量は約50kgでラックの中
では超ヘビー級というほどでもないが、その構造にはメカニカル・グランディングその
ものが生かされている。3cm×6cmの太さで、高さが53・5cmのスチール製の
黒く塗装された脚柱四本で各コーナーが固められている。ドライバーの握りで叩いてみ
てもコッと音にもならない。もちろん、この脚柱から床にはスパイクがしっかりと打ち
降ろされるこ とになる。いま私のフロアーに置いてある実物は、床から天板まで 約5
7cmの高さがある。

棚板の素材をきいて驚いた。同社のCDトランスポート・ミメーシス36に採用され、
アメリカのウィルソンオーディオがWATTのエンクロージャー素材として採用し注目
されているメタクリレートなのである。最上部の天板のサイズは幅565mm、奥行き
435mm、厚さ20mm。その下に三枚の同質の棚板が装備されており、サイズは幅
490mm、奥行き413mm、厚さ18mmである。高速道路を下から支える高架か
ら延びている腕のような突出し部分が、鋼鉄製の脚柱から各棚板の下に向かって張り出
している。この腕のような突出し部分に対して、棚板は厚いメタクリレートを貫通する
太いボルトによって強固に取り付けられている。天板の各コーナーには上から脚柱に接
差し込まれたボルトが四本あり、合計20本のボルトが使用されており水平方向に対し
てもガタが発生することはありえない。従って、棚板の上下動は出来ないが、この構造
を見ていると今までのラックに対する問題意識がわき上がってしまうのはやむを得ない
事だと思う。何故かといえば、従来からある他の多くのラックは、オーディオコンポー
ネントの設計方針と切り離されたところで考えられ作られていたように思えてならない
からだ。このミメーシス・ラックは、メタクリレートという贅沢な素材を棚板に使って
いるのに、その棚板にCDプレーヤーやアンプ等の荷重を負わせようとしていない。良
く見ると各棚板の四角に直径2cm程の穴があけられており、のぞくと脚柱から突き出
している鋼鉄の腕が見えている。コマのような形にステンレスを削り出したスパイクが
付属しており、この穴に落とし込み使用するのだという。更にゴールドムンド・コーン
ズという別売のスパイクをコンポーネントの下部に取付け、その先端がコマの様なスパ
イクの上部に合うようにセッティングする。これがミメーシス・ラックのセッティング
の基本形となり、コンポーネントのメカニカル・グランディングは棚板を介さず、直接
脚柱から床にアースされることになる。同社のスピーカー、アポローグと同様の構造で
あり、システムのフロントエンド各機器に完全なメカニカル・グランディングを実現し
ている。そして、ゴールドムンドの製品は勿論のこと、他社の製品についても寸法さえ
許せば収納が可能である。

 さて、同社のCDトランスポート・ミメーシス36は何度も聴いているが、それらは
全て木製のラックに乗せた状態の音であった。木製といっても貧弱なものではなく、使
用しているのはハミレックスのBKシリーズで、厚さが50 の高圧縮パーチクルボー
ドを天地と側面に使ったもので七五 の重量がある。そこからミメーシス36をミメー
シス・ラックのトップに乗せ、その下にミメーシス2aプリアンプ、ミメーシス10C
プラスD/Aコンバーターを収納し、パワーアンプはミメーシス9・5でアンサンブル
社のスピーカーであるプリマドンナ・ゴールドに接続した。ごたいそうなラックに納ま
ったものだが、ゴールドムンドの音は知っているという自負心があり、冷静そのものに
大変聴きなれているイタリア合奏団のロッシーニをかけた。ボリュームを上げた瞬間に
思わず出た言葉は、「ちょっと待ってよ!」別に音を止めろと言ったわけではない。目
の前に出現した現実が受け入れがたかったのである。音の鮮度が桁違いに高い。困っ、
これまでに聴いてきたゴールドムンドの音は一体なんだったのだろうか。この段階でミ
メーシス36はそれ自身のスパイクによってセッティングしたが、ミメーシス2aとミ
メーシス10Cプラスは標準のゴム足で棚板に置かれているだけであった。ということ
は、この両者にゴールドムンド・コーンズを取り付けてメカニカル・グランディングを
施すと、今聴かされた音の輝きが更に増すというのだろうか。翌日ステラヴォックスジ
ャパンの西川氏が来訪され、いよいよゴールドムンド・コーンズを取り付けた。昨日と
同じ曲をかけて思わず唸ってしまった。まばゆいばかりの輝きがより一層強さを増すも
のと想像していたが、ゴールドムンドはそれほど単純ではなかった。太陽を見上げて思
わず目を細めてしまうような刺激は取り去られて、サングラスをかけると強い日差しの
中でも状況判断がしやすくなるように落ち着くのである。演奏している音場のコントラ
ストが、より細かさを増し余韻のグラデーションが生き生きとしてくる。金属のスパイ
クをより多用していくと音も硬くなる。そんな先入観を見事に払拭してしまう説得力が
ある。まったく予想を裏切られ更に透明な空間表現へと、うれしい誤算の音の変化ぶり
である。メカニカル・グランディングを構成する機械的アースの伝達経路の中に余分な
物が有ってはだめだ。要は中途半端はいけないよ、というゴールドムンドからの啓示な
のであろうか。昨年投げかけた、「機械的アースを受けさせるものを、どこまで追究し
ていけば良いのか」という問いかけに対して、この様な製品としてズバリ答えを出して
しまうことがゴールドムンドの大胆さを物語っている。近い将来にはゴールドムンドブ
ランドのスピーカーケーブルも発表するという。自分が生み出した音を、どの様なコン
ディションで味わってもらうか。そこまでゴールドムンドは自らの責任の領域として考
え、実現するための手段を提供していく姿勢に素晴らしさを感じる。ゴールドムンドと
はドイツ語で「黄金の口」を意味する言葉である。ヘルマンヘッセの作品「知と愛」に
登場する彼は彫刻家であるのだから「黄金の腕」という意味の言葉の方が良かったはず
だが。しかし、哲学者ナルチスから見ればゴールドムンドの口から語られる言葉は、彼
にとって黄金にも等しい価値があったのかもしれない。いま我々がゴールドムンドで聴
く音楽のように。
         
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/oto/oto18.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/948.html#c3

[リバイバル3] 中川隆 _ 日本文化関係投稿リンク 中川隆
124. 2020年1月16日 21:13:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1347]
「半島から見た日本人」西尾幹二が語る日本人と中国・韓国人を画す“ある特性”とは?
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/804.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/466.html#c124
[リバイバル3] 中川隆 _ 朝鮮関係投稿リンク 中川隆
31. 中川隆[-14429] koaQ7Jey 2020年1月16日 21:13:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1346]
「半島から見た日本人」西尾幹二が語る日本人と中国・韓国人を画す“ある特性”とは?
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/804.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/973.html#c31
[近代史3] 財務省は何故日本を滅ぼそうとしているのか? 中川隆
32. 中川隆[-14428] koaQ7Jey 2020年1月16日 21:27:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1345]
【財務省】政治家も恐れる「財務省の暴力装置」 - “政界のドン”金丸信が消された本当の理由 〜日本再興戦略 現代日本論「経済と官僚」編|藤井厳喜×高橋洋一


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/151.html#c32
[リバイバル3] 中川隆 _ 古代史、人類学、ハプロタイプ、民族学関係投稿リンク 中川隆
60. 2020年1月16日 21:47:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1344]
縄文時代の大型住居の企画には、35pを基準とする「縄文尺」が用いられていた
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/805.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/811.html#c60
[番外地7] メモ帳 _ 相場情報 中川隆
6. 中川隆[-14427] koaQ7Jey 2020年1月17日 08:59:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1343]
名目GDPに対する米国株の時価総額の倍率(バフェット指数)が、過去最高を超えました。

それに合わせてバフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの資産の現金比率が過去最高になり、株安に備えていると言われています。

バフェット指数は米国1.6倍に対し日本は1.23倍(東証1部661兆円、2部8兆円、JQ10兆円、マザーズ6兆円、名目GDP 557兆円)で、割安です。

ここにも、2020年相場は「米国株より日本株」が見えます。


相場はキリスト教原理主義者のトランプの手のひらの上

2019年の相場は、年間を通じてトランプ大統領の発言に右往左往させられることになりました。

その1つがFRBへの利下げ圧力です。クリスマス・ショックを受けて、景気後退を避けるためにと、TwitterでFRBに利下げを迫る圧力をかけ続けました。これを受け、利下げに対する市場の期待感が高まり、年前半の上昇が起こります。

しかし、元はと言えば昨年までトランプ大統領自らが仕掛けた米中貿易戦争により中国経済が減速し、株価が急落したのです。大統領としては自らの手腕で株価を上げたように発言していますが、見れば見るほど自作自演、マッチポンプなのです。

市場が利下げを織り込むと、夏頃には再び勢いがなくなってきます。そこで大統領は米中貿易戦争の和解をちらつかせ、投資家の心をくすぐったのです。すると、秋頃から年末にかけて、株価は見事に上昇しました。

米国株は史上最高値を更新し続け、大統領はご満悦です。Twitterを使った「株価操作」に関して彼の右に出る人はいないように思えます。

なぜトランプ大統領がここまで株価にこだわるのかと言えば、2020年11月3日には2期目をかけた大統領選挙が行われるからです。米国では大多数の国民が何かしらの形で株式を持っていますから、株価の上げ下げは支持率に直結します。

これから大統領選挙にかけてトランプ大統領の思い通りになるとすれば、株価はもう下がりようがないという気さえします。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/360.html#c6

[リバイバル3] 株で損した理由教えてあげる 新スレ 中川隆
227. 中川隆[-14426] koaQ7Jey 2020年1月17日 09:03:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1342]
2020/1/17
ダウ3万ドル目前?・・・事実上のQE4を実施するFRB  時事/金融危機
https://green.ap.teacup.com/applet/pekepon/2450/comment#comment

■ 資産買い入れを再開していたFRB ■

FRBの利下げ報道の影に隠れていまうが、実はFRBは2019年9月から資産買い入れを再開しています。上のグラフはFRBのバランスシート推移ですが、右端で跳ね上がっている事が分かります。

1年未満の短期の国債購入を行っている様ですが、これって「QE4(量的緩和)」じゃね?と思うのは私だけではありあません。

「それがアヒルのように見え、アヒルのように歩き、アヒルのように鳴くなら、それはアヒルだ。」と発言したのは経済評論家のピーター・シフですが、資産買い入れ再開を量的緩和では無いと言い張るパウエルFRB議長を皮肉った。

■ 資金供給量が増えればバブルは膨らむ ■

FRBの利下げ以降顕著な市場の上昇ですが、QE4の効果もそれなりに出ているはずです。焚火に燃料を追加すれば、炎は一層激しく燃え上がります。

トランプの要求に渋々対応するふりをしながらも、FRBはしっかりと市場に燃料をくべて、大統領選まで相場を上昇させる気満々です。

■ 様々な事件にに敏感に反応する市場 ■

FRBの年長追加で市場のファンダメンタルは上層ですが、先日のイランと米国の緊張の高まりで大きく値を下げた様に、様々な出来事に過敏に反応しています。

現在は米中貿易協定の第一ラウンドが、どうにか丸く収まると見て、市場は相当強気になっていますが、直ぐに調整に入り、ダウが一気に3万ドルに達する事は無いでしょう。

ただ、大統領選まではトランプ政権は相場を上昇させたいので、あの手、この手を使うでしょう。FRBに強引に利下げも要求する。

■ 株式はリスクが少なく、債券はリスクが高い? ■

FRBの利下げによって債券の金利が下がってしまったので、債券市場の金利はリスクに見合わなくなっています。結果的にリスクに対して債権よりもマシな金利(利益)が確保できる株式市場に資金が流れ込み、株価を押し上げています。

日本と同様に、アメリカの株価は実体経済と乖離しています。特にIT系企業でその傾向は顕著ですが、アップルの業績が振るわなかったり、WeWorkのIPOが延期されるなど、昨年辺りから不安材料は増えています。

現在の株高は、緩和マネーの生み出した過剰流動性が行き場をを無くして、株式市場に流入しているだけかも知れません。

■ 市場との対話って・・・■

FRBは市場を焦らしたり、エサを与えたりが上手です。これを市場との対話と表現します。しかし、昨今の隠れQE4や利下げの経緯を見ると、ご主人様は市場で、FRBはその要求に屈服している様にも見えます。

結果的には相場は持ち直し、一時は凍り付いた債権市場にも再び活気が戻りつつあります。これを良しとするか、それともバブルの総仕上げと見るかは、個人の主観に任せるしかありません。

ただ、市場は今後、益々ピーキーな動きになるでしょうから、個人は振り落とされ無い様にしがみ付くか、或いは列車を降りるか判断すべき時期に来ていると思います。


・・・・正直な気持ちを言ってしまえば・・・市場って意外にタフだなと思う今日この頃。
https://green.ap.teacup.com/applet/pekepon/2450/comment#comment
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/823.html#c227

[近代史02] プーチン大統領は神の申し子_____小沢一郎先生はこういう人になって欲しかった 中川隆
168. 中川隆[-14425] koaQ7Jey 2020年1月17日 09:09:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1341]
2020.01.16
露首相の辞任を切っ掛けにして欧米巨大資本とつながる勢力の粛清を願う露国民


 ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相が辞任した。ウラジミル・プーチン大統領が年頭の演説を行った直後のことだ。メドベージェフはロシア国民からの人気がなく、プーチン政権のマイナス要因と見られているので、辞任自体は大統領にとってダメージではない。

 メドベージェフは西側の巨大資本と結びついているグループに属すと見られている。ロシアでは1990年代のボリス・エリツィン時代に西側と結びついたクレムリンの腐敗勢力が国民の富を盗み、オリガルヒと呼ばれる富豪が出現する一方、大多数の人びとは貧困化した。その経験によって西側に抱いていた幻想から抜け出したロシア人は少なくない。メドベージェフがロシアで嫌われている理由のひとつはそこにある。

 現在でもロシアの経済分野では西側人脈が大きな影響力を保持していると言われている。経済が動かなくなると体制は維持できない。ニューディール派を率いていたフランクリン・ルーズベルトと似た問題を抱えていると言える。

 ルーズベルトはJPモルガンをはじめとするウォール街の住人たちと対立、そのウォール街の住人たちは1933年から34年にかけてファシズム体制の樹立を目指すクーデターを計画していた。

 そのクーデターを成功させるため、軍に大きな影響力を持っていたスメドリー・バトラー退役少将を抱き込もうとして失敗し、クーデターも実行されなかった。ただ、その計画内容はバトラーが得た情報や彼と親しいジャーナリストの取材内容が議会の証言という形で記録されている。

 その際、JPモルガンはバトラーが民主主義的な考え方をする人物だということを懸念、JPモルガンと関係の深いダグラス・マッカーサーをクーデターの指導者として考えていたという。ちなみに、1932年にアメリカ大使として来日したジョセフ・グルーのいとこがJPモルガンの総帥、ジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアの妻である。

 エリツィン時代、ロシアの経済政策を決めていたハーバード大学教授のジェフリー・サックスはジョージ・ソロスと親しい新自由主義派。サックスの下で働いていたのがソロスの知り合と言われるエゴール・ガイダルだ。

 アナトリー・チュバイスなる人物もロシア経済に君臨してきた。この人物もサックスに近く、エリツィンの娘で腐敗勢力の中心とも言われるタチアナ・ドゥヤチェンコの利権仲間としても知られている。

 このガイダルとチュバイスを動かしていたひとりにラリー・サマーズがいる。ハーバード大学教授、世界銀行主任エコノミスト、財務次官、財務副長官、財務長官を務め、その後ハーバード大学の学長に就任した人物。サックスとはハーバード大学仲間だ。

 この新自由主義派がロシアを完全に制圧したのは1993年3月だろう。ロシア国民の資産を略奪する政策を進め、国家緊急事態を宣言したエリツィン大統領に議会が抗議、議会ビルに立てこもるのだが、エリツィン大統領は戦車にビルを砲撃させた。その時に殺された人の数は100名以上とも1500名とも言われている。こうした虐殺に対し、西側の人びとは寛大だ。

 そうした過去をロシアの人びとはメドベージェフの背後に見ているだろう。彼が首相を辞任した後に何が起こるかは不明だが、多くのロシア国民は西側の巨大資本と結びついた勢力の粛清を望んでいるはずだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202001160000/
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/297.html#c168

[リバイバル3] かぐらスキー場 (かぐら・三俣・田代スキー場) 中川隆
131. 中川隆[-14424] koaQ7Jey 2020年1月17日 09:31:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1340]
251名無しさん@ゲレンデいっぱい。2020/01/17(金) 07:56:54.04

元かぐらスタッフだけど
そりゃGWはゲレンデのどこかしらでいざこざが起きてる

1番多いのがロープウェイ、リフト乗り場でのトラブル
板踏んだだの横入りしただの些細な事から殴り合いに発展する

大体若者グループは皆で寄って集って袋打たきにしてる
相手がスキヤーでストックで応戦しようもんならボーダーがボードでバッチバチに全身殴打しているのを毎週のように見た

喧嘩になった時は絶対にヘルメット被ってる奴が有利、ストレート出す奴は少く、大体大振りのフックから始まってメット被ってる奴にはあまり効かない
取っ組み合いになった時にメット被って相手にヘッドバット喰らわすとかなり効いてて顔面血まみれになってた奴が居た
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/ski/1579062998/l50
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/779.html#c131

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
125. 中川隆[-14423] koaQ7Jey 2020年1月17日 09:53:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1339]
推奨製品まとめ


スピーカー 推奨品

Western Electric 20cm フィックスドエッジ・フィールド型フルレンジスピーカーユニット TA-4189
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/971.html

魔性の歌姫 Lowther
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/685.html

Lowther ユートピア輸入製品一覧 
http://www.utopianet.co.jp/product/import.html

天才 E.J.JORDAN のメタルコーン ユニットを引き継いだスウェーデン EAD社のドライバー
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1000.html


▲△▽▼


真空管パワーアンプ 推奨品

Western electric 124 amplifier _ すべてのアンプの中で最も艶やかな音の WE350B プッシュプルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/133.html

英国の気品 PX4 シングルアンプ 
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/443.html

一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html

EAR の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/947.html

新潟県 南魚沼市 チューブ・オーディオ・ラボ _ マイナー出力管を使った廉価な真空管アンプ製作
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/459.html

山中湖 ペンション すももの木 真空管アンプ「カトレア」_ 三極管名管を使った交流点火シングルアンプ
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/461.html


▲△▽▼


トランジスター パワーアンプ 推奨品

3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html


▲△▽▼


プリアンプ機能付き DAC 推奨品

>>69
超高性能 DAC Topping【 D70 】55,000円
TOPPING社の新型DACでプリアンプ機能も持つ

Topping DAC D70
https://dp00000116.shop-pro.jp/?pid=143303697

____


>>12
CD 専用プレーヤー EAR Acute Classic
メーカー希望小売価格 890,000円(クロム仕上げ・税別)・798,000円(ブラック仕上げ・税別)
https://www.yoshinotrading.jp/products/ear/cd-player-1/

CD 専用プレーヤー EAR Acute Classic _ ティム・デ・パラヴィチーニの世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/853.html

▲△▽▼


パッシブプリアンプ 推奨品

>>44, >>45
MASTERSブランド - オーディオのイシノラボどっとこむ
トランス式パッシブプリアンプ
https://www.ishinolab.com/modules/doc_merchandise/original/masters/index.html

超お買い得 イシノラボのトランス式パッシブ・プリアンプ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/689.html


▲△▽▼


プリアンプ 推奨品


>>9
EAR 912 Professional Tube Control Centre
https://www.yoshinotrading.jp/ear-yoshino-page/912/

____


>>15, >>73, >>74
FM Acoustics FM155MKUR
定価(税込) ¥2732400 販売価格 (税込)
https://blog.goo.ne.jp/audiospacecore/e/79ed8cfc02d002ead920b1c98ba1f454

FM ACOUSTICS|禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/theme-10078694024.html

FM Acoustics FM155 | 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12118358341.html

FM ACOUSTICS FM255 FM155比較 | 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12251147114.html

FMは超高精度な音と圧倒的な確かさで楽音のリアリティを訴求する。
他社のアンプとは余りの違いで、聴いた瞬間に「これは別次元だ」ナンバーワンだとなる。

現行ハイエンドと比べると鮮度感やS/N比や透明度ではやや弱い。


FM はハイエンドアンプだと思われがちですが、現代の一般的な無色透明なハイエンドアンプとは違い、真空管のような音色を持っている

情緒や官能なら球アンプを突き詰めた方が良く、低価格でも FM は越えられる。




http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c125

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
126. 中川隆[-14422] koaQ7Jey 2020年1月17日 10:10:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1338]

プリアンプ 伝説の名機 まとめ


オールド マランツ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/635.html

マランツ#7 については
>>85, >>24, >>25, >>26, >>27, >>28

___


オールド QUAD の安物アンプは名機なのか?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/840.html

QUAD については
>>55, >>56, >>57, >>58, >>59, >>60, >>61, >>62, >>64, >>65

______


ゴールドムンド _ その奇跡の音色の秘密
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/948.html

ゴールドムンドについては
>>32, >>33, >>34, >>35, >>36

______


マッキントッシュ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/627.html

ジャズ喫茶「ベイシー」の選択 _ JBLーSG520
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/402.html

チェロ AUDIO SUITE + Performance
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1032.html

CR Electronic Design _ Pre-Amplifier Kaster Pro (イギリス)
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/119.html

カウンターポイント SA-5000 + SA4
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html

コニサー (Lyra Connoisseur )
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/651.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c126

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
127. 中川隆[-14421] koaQ7Jey 2020年1月17日 10:16:20 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1337]
プリアンプ 現行の名機

EAR の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/947.html

EAR については
>>9, >>12

______


ボッタクリ アンプ _ FM Acoustics の世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/754.html

FM Acoustics については
>>15, >>73, >>74

______

Burmester _ プレーヤー、アンプ、スピーカーはもちろん、、オーディオラックまで作ってしまう超高級セット・コンポーネント
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1028.html

Burmester については
本文, >>1, >>2, >>3, >>4, >>5, >>6, >>7, >>8

____


ドイツ OCTAVE社の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/946.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c127

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
128. 中川隆[-14420] koaQ7Jey 2020年1月17日 10:37:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1336]

日本のプリアンプ

世評が高い順に並べました。
オーディオテクネが最高で、ウエスギ・アンプが最低です。


オーディオテクネ _ オールトランス結合 無帰還 300B プッシュプル・アンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/123.html

オーディオテクネのプリアンプについては
>>38

____


サウンドパーツ 300B プッシュプル・アンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/114.html

サウンドパーツのプリアンプについては
>>18, >>115, >>116, >>117, >>118

______


AIR TIGHT 300B シングル ステレオ アンプ _ オーディオ販売店の評価は最高なんだけど…
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/134.html

AIR TIGHT のプリアンプについては
>>20, >>21, >>22, >>23

______


真空管アンプ「カトレア」 _ 交流点火の 300B ・ PP5-400 コンパチブル モノラルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/113.html

カトレアのプリアンプについては
>>52, >>53, >>54

_______


AIT LABO
>>109, >>110, >>111, >>112

_______


ウエストリバーアンプ
>>113, >>114


___


上杉研究所 交流点火 無帰還 300B シングルアンプ U・BROS-300AH
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/121.html

ウエスギ・アンプのプリアンプについては
>>30, >>31



http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c128

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
129. 中川隆[-14419] koaQ7Jey 2020年1月17日 11:43:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1335]

スピーカー 推奨品に追記


QUAD ESL57 復刻新品

Q: 最高に音の良いスピーカー教えて下さい。 2012/2/15 rollingcyukunさん
最高に音の良いスピーカー教えて下さい。
音の良し悪しは個人差があると思いますがあなた様が良いと思うスピーカーを教えて下さい


A: papageno_eulenspiegelさん

クラシックを聴く場合に限定すれば、QUADのコンデンサー型を超えるものはまだ存在しないと思っています。

数ミクロンという極薄の振動膜に数千ボルトの高電圧をかけたうえ、それを挟む形の電極板に+と―の音楽信号を与えて振動膜を震わせ音を発生させる仕組みで、一般的な、ラッパを箱に取り付ける形式と違って、音楽信号に固有音の色付けがされる要素を極限まで排除したスピーカーです。

拙宅では現在、旧いタンノイのGRF(モニターゴールド)、最近導入したハーベスのHL-P3ESRを含めて3種類をおいていますが、結局、ほとんどQUADのESL57しか使わなくなってしまいました。

ESL57は1957年頃に発売され、’80年代半ばごろに生産終了となったいわば骨董品ですが、世界中に根強いファンがいて、リストアして使い続けている人たちが大勢います。

ドイツの QUAD代理店では、振動膜を枠に張る機械を英国のQUADから買取って、「新品」を供給しているので(金属製のグリルだけは中古品を塗りなおしたものですが)、ドイツに住んでいたころにわざわざコブレンツに近いQUAD代理店まで行って買ってきました。外観のデザインも大変気が利いていますので、グリルをくすんだ緑色に塗装してもらった我が家のセットは私の最も愛するオーディオ・コンポーネントです。

ドイツQUADでは、ESL57 の改良型である ESL63 の新品も、さらに現在も QUAD本社が量産している ESL2805/2905 も販売していましたが、じっくり聴き比べたところ、音そのものの魅力ではやはり原点である ESL57を超えられていないと思います。改良型では音像の定位や空間表現を改善する措置が加えられているのですが、やはりそのために音質への影響が避けられなかったのでしょう。

QUAD のコンデンサー・スピーカーの唯一の問題点は、その発音方式に必然的に起因する低音の不足と言われてきました(私自身は、主に聴く音楽の種類からあまりそう感じていませんでしたが)。ところがドイツ QUAD では最近、ESL63、ESL57 向けにそれぞれ専用のサブウーファーを独自に開発したとのこと。従来は、既存のサブウーファーをQUADのコンデンサー・スピーカーとうまくマッチさせる事は不可能と言われてきましたが、このESL57専用サブウーファーをドイツに注文してみようかと、近頃悩ましい日々を送っております(きっと近々注文しちゃうんだろうなァ〜〜)。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1181575751


▲△▽▼


ESL57は普通のSPのような音場は出していないのです。前にも後ろにも拡がりはしません。振動膜が音源となってその部屋に音が浸透していくのです。当然その音は、会場の残響も含んでいますから、コンサートホールのような響きはするのですが、部屋の中に音場は浮かび上がらないのです。それでも極めて美しい音質なので、音楽は充分以上楽しめます。


 そのことは、音を聴きながらESL57の間を通り過ぎるとよく分かります。音が出ているのは平面上の二次元空間なのです。この感覚は、どこかで聴いたことがあります。位相の良く合ったSPで聴くモノラルの音と同じです。SPが一つなのに、会場の残響を忠実に再現しますから、ホールの音は聞こえるのです。しかし、その空間の中には入れません。

SPが音源となりステージ上に並んでいるのです。しかし再現されている音は極めて質の高いいい音なのです。同じ事が、ほかの平面型SPでもいえます。アポジーもステージの被り付きで聴いているような臨場感があります。


ESL57はステージは出ません。厚みが無いのです。でも音は前にも後ろにも放射され、音楽が鳴り響きます。不思議です。ステージや舞台は出現しないのですが、臨場感はあるからです。

このユニークな、それでも凄く音の良いSPがもっと普及しないのは不思議です。ESL57は時代を先取りしすぎていたのです。真価が出始めたのは、CD時代に入ってからだと思います。でもその時は、ESL63に変わっていたのです。
http://tannoy.exblog.jp/15534923/



▲△▽▼

Electrostatics - QUAD Musikwiedergabe
http://www.quad-musik-shop.com/epages/62919310.sf/en_GB/?ObjectPath=/Shops/62919310/Categories/Elektrostaten

ドイツQUAD Musikviedergab GmbH 社QUAD ESL57 復刻新品(受注生産品)
* QUAD ESL57QA ¥1,300,000 ペア(税別)
2 つの違ったスタイル、前面メタル・グリル色は3色から選択してください。
https://www.soundbox.co.jp/QUAD_ESL57QA_Cata_a.pdf

ドイツQUAD Musikviedergab GmbH 社QUAD ESL63 復刻新品(受注生産品)
* QUAD ESL63QA ¥1,600,000 ペア(税別)
フレーム木の材質、色を指定してください
https://www.soundbox.co.jp/QUAD_ESL63QA_Cata_a.pdf


ドイツ QUAD ESL 専用サブウーファ QUAD Musikwiedergabe
http://www.quad-musik-shop.com/epages/62919310.sf/en_GB/?ObjectPath=/Shops/62919310/Products/%22Sub%20QA%22


復刻品 QUAD-II 真空管モノラル・アンプ 
(ドイツ QUAD MusikWiedergabe GmbH) 製 ¥500.000/ペア
オプション KT66/GEC、EF86/Mullard、GZ32/Mulalrd +\120,000より
https://www.soundbox.co.jp/QUAD/QD-II.htm

復刻品 QUAD 33/2プリアンプ  QUAD 303QR パワーアンプ 
(オランダ QUADREVISIE社製)
https://www.soundbox.co.jp/QUAD/QD_33_2_303QR.htm
https://www.soundbox.co.jp/QUAD/Quad%20Revisie_JP_left.pdf

____


サウンドボックス
https://www.soundbox.co.jp/

東京都調布市仙川町2−13−32
Tel: (03) 5577-5227 
サウンドボックスへの地図
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=10SwyUNIYBG0FdAFxBfQZSf_iNdw&ie=UTF8&hl=ja&msa=0&ll=35.66216900000003%2C139.58260799999994&spn=0.004184%2C0.006866&z=17&source=embed

営業時間:月曜日−土曜日11:00−19:00/日曜・祝日休み

QUAD ESL の詳細は


伝説の静電型スピーカー QUAD ESL57・ESL63
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/682.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c129

[近代史02] 弥生人の起源 _ 自称専門家の嘘に騙されない為に これ位は知っておこう 中川隆
275. 中川隆[-14418] koaQ7Jey 2020年1月17日 11:54:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1334]

2020年01月17日
古墳時代の出雲人のDNA解析

 古墳時代の出雲人のDNA解析について報道されました。まだ報道でしか確認していませんが、たいへん興味深い研究だと思います。出雲市の猪目洞窟遺跡では1948年に3〜7世紀頃の古墳時代のものと考えられる人類遺骸が発見されています。このうち6人で母系遺伝となるミトコンドリアDNA(mtDNA)が解析され、「縄文系」と「渡来系」がそれぞれ3人ずつだった、とのことです。さらに、この6人のうちDNAの保存状態が良好だった「縄文系」と「渡来系」それぞれ1人ずつの核DNAが解析され、ともに東京都の古墳時代の人類や現代日本人よりも遺伝的に「縄文人」に近縁であることが明らかになったそうです。

 日本列島の本州・四国・九州(およびそれぞれのごく近隣 の島々)から構成される「本土」集団が、遺伝的には「縄文人」と弥生時代以降の「渡来系」集団との混合で、後者の影響の方がずっと大きい、ということはほぼ通説になっています。しかし、「本土」集団の形成過程は一様ではなく、時代・地域による違いが大きかったのではないか、と予想されます。西日本は東日本と比較して、弥生時代以降の「渡来系」集団の影響が早期に大きくなったのでしょうが、西日本でも地域差があり、出雲はその進行が遅れた地域だったのかもしれません。ただ、出雲とはいっても1遺跡での調査だけに、より広くDNA解析が進まないと、一般化できないと思います。
https://sicambre.at.webry.info/202001/article_24.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/547.html#c275

[近代史3] 被差別同和部落の起源 _ 朝鮮からの渡来人が先住の縄文人・弥生人をエタ地域に隔離した 中川隆
14. 中川隆[-14417] koaQ7Jey 2020年1月17日 11:57:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1333]

2020年01月17日
古墳時代の出雲人のDNA解析

 古墳時代の出雲人のDNA解析について報道されました。まだ報道でしか確認していませんが、たいへん興味深い研究だと思います。出雲市の猪目洞窟遺跡では1948年に3〜7世紀頃の古墳時代のものと考えられる人類遺骸が発見されています。このうち6人で母系遺伝となるミトコンドリアDNA(mtDNA)が解析され、「縄文系」と「渡来系」がそれぞれ3人ずつだった、とのことです。さらに、この6人のうちDNAの保存状態が良好だった「縄文系」と「渡来系」それぞれ1人ずつの核DNAが解析され、ともに東京都の古墳時代の人類や現代日本人よりも遺伝的に「縄文人」に近縁であることが明らかになったそうです。

 日本列島の本州・四国・九州(およびそれぞれのごく近隣 の島々)から構成される「本土」集団が、遺伝的には「縄文人」と弥生時代以降の「渡来系」集団との混合で、後者の影響の方がずっと大きい、ということはほぼ通説になっています。しかし、「本土」集団の形成過程は一様ではなく、時代・地域による違いが大きかったのではないか、と予想されます。西日本は東日本と比較して、弥生時代以降の「渡来系」集団の影響が早期に大きくなったのでしょうが、西日本でも地域差があり、出雲はその進行が遅れた地域だったのかもしれません。ただ、出雲とはいっても1遺跡での調査だけに、より広くDNA解析が進まないと、一般化できないと思います。
https://sicambre.at.webry.info/202001/article_24.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/113.html#c14

[番外地7] アメリカは「ロシアが二度とアメリカに 反抗できないよう この国を破壊し尽くそう」と考えた。 中川隆
1. 中川隆[-14416] koaQ7Jey 2020年1月17日 12:33:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1332]
露首相の辞任を切っ掛けにして欧米巨大資本とつながる勢力の粛清を願う露国民
 ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相が辞任した。ウラジミル・プーチン大統領が年頭の演説を行った直後のことだ。メドベージェフはロシア国民からの人気がなく、プーチン政権のマイナス要因と見られているので、辞任自体は大統領にとってダメージではない。

 メドベージェフは西側の巨大資本と結びついているグループに属すと見られている。ロシアでは1990年代のボリス・エリツィン時代に西側と結びついたクレムリンの腐敗勢力が国民の富を盗み、オリガルヒと呼ばれる富豪が出現する一方、大多数の人びとは貧困化した。その経験によって西側に抱いていた幻想から抜け出したロシア人は少なくない。メドベージェフがロシアで嫌われている理由のひとつはそこにある。

 現在でもロシアの経済分野では西側人脈が大きな影響力を保持していると言われている。経済が動かなくなると体制は維持できない。ニューディール派を率いていたフランクリン・ルーズベルトと似た問題を抱えていると言える。

 ルーズベルトはJPモルガンをはじめとするウォール街の住人たちと対立、そのウォール街の住人たちは1933年から34年にかけてファシズム体制の樹立を目指すクーデターを計画していた。

 そのクーデターを成功させるため、軍に大きな影響力を持っていたスメドリー・バトラー退役少将を抱き込もうとして失敗し、クーデターも実行されなかった。ただ、その計画内容はバトラーが得た情報や彼と親しいジャーナリストの取材内容が議会の証言という形で記録されている。

 その際、JPモルガンはバトラーが民主主義的な考え方をする人物だということを懸念、JPモルガンと関係の深いダグラス・マッカーサーをクーデターの指導者として考えていたという。ちなみに、1932年にアメリカ大使として来日したジョセフ・グルーのいとこがJPモルガンの総帥、ジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアの妻である。

 エリツィン時代、ロシアの経済政策を決めていたハーバード大学教授のジェフリー・サックスはジョージ・ソロスと親しい新自由主義派。サックスの下で働いていたのがソロスの知り合と言われるエゴール・ガイダルだ。

 アナトリー・チュバイスなる人物もロシア経済に君臨してきた。この人物もサックスに近く、エリツィンの娘で腐敗勢力の中心とも言われるタチアナ・ドゥヤチェンコの利権仲間としても知られている。

 このガイダルとチュバイスを動かしていたひとりにラリー・サマーズがいる。ハーバード大学教授、世界銀行主任エコノミスト、財務次官、財務副長官、財務長官を務め、その後ハーバード大学の学長に就任した人物。サックスとはハーバード大学仲間だ。

 この新自由主義派がロシアを完全に制圧したのは1993年3月だろう。ロシア国民の資産を略奪する政策を進め、国家緊急事態を宣言したエリツィン大統領に議会が抗議、議会ビルに立てこもるのだが、エリツィン大統領は戦車にビルを砲撃させた。その時に殺された人の数は100名以上とも1500名とも言われている。こうした虐殺に対し、西側の人びとは寛大だ。

 そうした過去をロシアの人びとはメドベージェフの背後に見ているだろう。彼が首相を辞任した後に何が起こるかは不明だが、多くのロシア国民は西側の巨大資本と結びついた勢力の粛清を望んでいるはずだ。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/429.html#c1

[リバイバル3] 苗場スキー場の元高級リゾートマンションが遂に10万円になった 中川隆
563. 中川隆[-14415] koaQ7Jey 2020年1月17日 16:16:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1331]
2020年01月17日
GS閉店で給油困難地域が増加 1台給油して利益50円


過疎地のGSは一度閉店すると、出店することは2度と無い

引用:http://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/028/354/614/28354614/p1.jpg?ct=361ddc0250ff


ガソリンスタンドの閉店が続き、ついに最盛期の半分近くにまで数が減ってしまいました。

ガソリンスタンドが少ない「GS過疎地」や給油不可能な地域まで出来ようとしている。


ガソリンスタンドの大量閉店

ガソリンスタンドの数がついに最盛期の半分に減少し、給油困難地域が深刻な問題になろうとしています。

1994年には6万ヶ所存在したが、2018年には3万70ヶ所に減少し、さらに減少を続けています。

年間消費量は2004年の6147万キロリットルから、2018年は5063万キロリットルに減少しました。


燃料消費量は毎年1%から2%減少していて、減っていく客をGS同士で奪い合っている。

車で遠出をする人が減り、若い男性の月間走行距離は、1990年代の半分に減ったというデータもある。

ハイブリッド車や軽自動車など、燃費の良い車が普及し、ガソリンを道路に撒くような大型車が売れなくなった。


追い討ちを掛けたのが政府の失策で、2013年までに老朽化したタンクの改修を義務付けました。

地下タンクの改修には1基100万円掛かり、灯油と軽油タンクも必要なので、最低500万円から1000万円は掛かる。

大手や繁盛店はコストを負担できたが、ギリギリで運営しているスタンドには、借金して営業を続ける意味は無かった。


ガソリンを売るだけでは利益を得られなくなり、大手は洗車機やカフェ、点検整備の充実で補っている。

設備を拡大できない小規模店や、そもそも人口が少ない地域では、淘汰されて大量閉店しました。

利益率が低いので増税による減収も響き、2012年の温暖化対策税や、2014年の消費増税で閉店が相次いだ。


経済産業省はガソリンスタンドが3ヶ所以下の自治体を「GS過疎地」と呼び2017年に312市町村に増え、全体の17%以上になった。

ガソリンスタンドは灯油販売所も兼ねているので、灯油の入手が難しくなり、寒冷地では深刻な問題になる。

ガソリン需要が少ない地域では24時間営業する意味がないので、給油できるのは朝8時から夜8時までに限られる。


給油計画を建てておかないと、どこかで燃料切れという事になりかねません。

また農家の農機具に給油出来ないといった事例も出て来ています。

ガソリン需要は減っていない

総務省や経産省はようやく間違いに気づいたのか、少ない費用で運営できるスタンドを検討しています。

コンビニにスタンドを併設し、コンビニ店員が給油する「駆けつけ型GS」などが考えられている。

大量閉店の原因を作った地下貯蔵タンクについては、地上に設置して費用を抑える事も検討している。


国土交通省によれば、高速道路で100キロ以上もGSがない「空白区間」が83ヶ所存在している。

燃費がリッター10キロとして、燃料計が残り10リッターを指してから、スタンドを探しても間に合わない計算になる。

高速道路上での停止は重大事故に繋がりかねないが、営業に応募する石油会社がなければ手の打ちようが無い。


最終手段として自治体や役所、公的事業者などが高速GSを営業する手段もあるが、現在は検討されていません。

奇妙な事にガソリン需要は毎年減少しているのに、自動車の保有台数は毎年増え続けています。

低燃費化と走行距離減少が、ガソリン需要減少の主な原因になっているのが分かります。


ガソリン需要は最盛期の6147万Kリットルから、5063Kリットルに減少したと最初に書きました。

減少率は17%に過ぎず、ガソリンスタンドが半減するほど消費量は減っていなかったのです。

GSが半減した理由としては、80年代頃のブームで増えすぎていたのが最大の要因とされています。


場所によっては100mの間に3軒以上もGSが並んでいたのは、どう考えても多すぎました。

第2の理由は過当競争と増税、安全設備でガソリン1リッター当たりの利益率が減少した。

1990年代には1Lあたり10円以上の利益が在ったそうですが、現在は2円以下だそうで、なるほどやってられません。


軽自動車に30L給油して利益は30円か60円で、100円ショップで駄菓子を売ったほうが儲かる。

今後の見通しですが、ガソリンそのものの需要減少はゆっくりとしたものであり、今後も急速には進みません。

従って過当競争が収まって、ガソリンの利益率が回復したら、GS閉店ラッシュも収まるのではないでしょうか。


GSと反対に増えているのがEVの急速充電所で、2009年はほぼゼロだったのが2019年に7600か所になりました。

ただ2016年まで充電所は急激に増えていたが17年以降はゆっくりとしたものであり、今後急速には増えない。
http://www.thutmosev.com/archives/43917925.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/565.html#c563

[リバイバル3] 中川隆 _ 日本文化関係投稿リンク 中川隆
125. 2020年1月17日 16:23:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1330]
外国人犯罪は増えていた 警察庁が偽グラフで減少に見せかけた
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/806.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/466.html#c125
[リバイバル3] 中川隆 _ 凶悪犯罪 関係投稿リンク 中川隆
25. 中川隆[-14414] koaQ7Jey 2020年1月17日 16:24:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1329]
外国人犯罪は増えていた 警察庁が偽グラフで減少に見せかけた
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/806.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/595.html#c25
[リバイバル3] 中川隆 _ 音楽関係投稿リンク 中川隆
61. 2020年1月17日 17:08:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1328]
バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/450.html#c61
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
1. 中川隆[-14413] koaQ7Jey 2020年1月17日 17:46:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1327]
空気が全然読めないオカルト趣味の変人だったベラ・バルトーク


吉松隆 バルトークに関するバトルトーク
(1995年6月 レコード芸術 バルトーク特集号)
http://yoshim.music.coocan.jp/~data/BOOKS/Thesis/bartok01.html


Bartok - Bluebeard's Castle - Boulez - Norman - Fried - Paris 2006



Bartok Der wunderbare Mandarin - Boulez Wiener Philharmoniker (1992 Movie Live)




Bartok Concerto for Piano no. 2, Sz. 95 (Anda, Fricsay, RSO)





◆PART1:バルトーク、理知的に思考するオカルト世界

 ◆吉松隆の左脳(談)「バルトークの音楽について考えると、いつも右脳と左脳とのバトル・トークになるんですよね。

 どうしてかと言うと、この人の音楽って多面体なんですよ。知的で晦渋だと思ってると結構明るくて脳天気だし、真面目一辺倒かと思ってると意外に皮肉屋で遊び心がある。根底にあるのは祖国ハンガリーの土着の民族音楽なんですけど、それにR=シュトラウスやドビュッシーの近代和声とストラヴィンスキーの原始主義的リズムの味付けが加わり、さらにシェーンベルクの十二音に対抗するかのような知的作曲法がその上にかぶさってる。

 この、まるっきり異質で本来は混じり合いっこない素材3つに固執した挙げ句の個性こそが、バルトークの面白さであり、わけの分からなさなんですよね。

 それに、この人、語法が民族的と純粋思考的との間を揺れているわりには、文学的には結構オカルト趣味なんじゃないかなあ。え?理工系知性を振りかざしながら意外にオカルト趣味なのは、何か最近話題の某宗教団体を思わせる?。あ、そういえばそうですね。あれって、根底に日本の土着の仏教的な修業を置きながら、キリスト教的な終末思想の味付けを施し、その上に一見科学的な軍事思考をかぶせていますもんね。しかも、その基本はオカルト趣味。あらら、なんかソックりですね。うーん。もしかしたらバルトークって意外と世紀末なのかも知れないな。

 でも、人工的なハルマゲドン作り出そうとした挙げ句テレビや新聞でクソミソに叩かれるよりは、難解な現代音楽作曲して自滅した挙げ句死後50年たって音楽雑誌で小さな特集記事にされるほうがナンボかマシですよね。え?そうでもないって?
 で、空中浮遊するわけでも終末予言をするわけでもないバルトークのどこがオカルトなのか、というと、まずは「不思議なマンダリン」(中国の不思議な役人...という誤訳で知られているが...)がいい例ですね。これなんか、完全に世紀末的オカルト。サイバーパンク的な汚い都市の片隅で売春をやっている少女がいて、その少女とヒモをやってるチンピラたちの前にわけの分からない東洋人が客として現れるっていう設定がまず大友克洋してる。しかもこの東洋人、チンピラたちにナイフで刺されても死なないで少女に抱きつき、挙げ句に天上から吊るされると青白く光り出すっていうんだから凄い。

 それに、唯一のオペラである「青ヒゲ公の城」だって、陰惨なく暗い城に住んでて妻を次から次へと殺してしまう男が主人公でしょ。基本的には「愛」の話だけれど、舞台はどう見てもベル・ルゴシ主演の「ドラキュラ」を思わせるようなゴシック・ホラーの世界。それもそのはず、ドラキュラ伯爵の住むトランシルバニアは彼の生家の近くなんですよね。

それから、そうそう、「シャイニング」って映画見ました?。ええ、ジャック・ニコルソンが雪で外界から隔絶された冬山のホテルで狂ってゆくホラー映画。もっとも、彼の顔は最初から怖いですけど。それはともかく、あれにバルトーク先生の「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」のアダージョ楽章が使われてて、これが結構怖い。
 
  ほかにも、狼男的なバーバリズムが出てくるアレグロ・バルバロ部分もバルトークの魅力ですね。「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」とか「ピアノ協奏曲第2番」なんかでピアノを打楽器として荒々しく扱う力学的なところとか。そう。「不思議なマンダリン」にもありますよね。

つまり、オカルトにも神秘的で静的なオカルトと攻撃的で動的なオカルトがあるわけですよ。それを共生させているのがバルトークの音楽っていうわけなんですけど、え?それも某宗教団体と似てるって?。うーん。    
 

 ◆吉松隆の右脳(記)「ともすると悪名高い難解な現代音楽の一種だと考えられがちなバルトークの音楽だが、実はここだけの話、本当に難解なのである。(おいおい)

 知ってる人は知ってても知らない人は知らないだろうが、傑作と呼び声の高い「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」や「2台のピアノと打楽器のための音楽」などは、なんと主題や変奏や展開の長さが黄金分割やフィボナッチ数列に基づいて構成されているのだ、まいったか。(ちょっと、ちょっと)

 ちなみにこの黄金分割とは、1本の線を長・短2つに分割した時、その長と短の比率が、全体と長の比率と一致するような分割比。式にすると、1:X=X:(1-X)で、具体的には1:0.618。もひとつのフィボナッチ数列とは、各項が先行する2つの数字の和に等しいような数列。例えば、2、3、5、8、13、21、34、55...なわけである、驚いたか。(こらこら。しちめんどくさい数式はやめなさいって!)

 しかも、メロディやハーモニーあるいはリズムを生み出すシステムも、この黄金分割やフィボナッチ数列を元に組み立てられた音列や旋法に基づいているのだから凄い。例えば前記の2、3、5、8、13というフィボナッチ数列からは、2半音(長2度)、3半音(短3度)、5半音(完全4度)、8半音(短6度)、13半音(増8度)という音列と和音が得られ、これを♪単位でリズムに応用すれば、2拍(♪)、3拍(♪)、5拍(♪♪)、8拍(♪)13拍(♪♪♪)と言うリズムが得られる。これをヴァイオリン協奏曲だの弦楽四重奏曲だので駆使しているわけである。さあ、頭痛くなったでしょ?。(なった。なった)

 つまり、このバルトーク先生、調性を完全に壊してしまうシェーンベルクの十二音主義に対して、和声感(ドミナント機能)を温存する「中心軸システムによる十二音主義」とでも呼ぶべき独自の語法を打ち立て、後のウェーベルンらによる全面セリー音楽(音の高さ、長さ、強さをすべて数的処理で決定する作曲法)と呼応すらしているのだ。いやはや、困ったものだよ本屋のネズミ、知識はあるけど食うものない、ときた。(ちょっと、ちょっと。あんた、酒飲んでこの原稿書いてません?)

しかし!。しかしである。にもかかわらず、バルトークのサウンドは凡百の頭デッカチの数字コネクリ型ゲンダイオンガクとは決定的に違うのである。(ほお...)
 それは、バルトークが若いころ祖国ハンガリーからルーマニアに至る東欧の民謡を採譜収集し、ヨーロッパの中にあって東洋的な風味を持ついわゆる5音音階の音楽を体に染み込ませていることが最大の原因だったりする。

 この人間の音楽の素朴にして原初的な基盤と言うべき5音音階の熟知ゆえに、機能和声の臨界に達すると同時にそれを根底から解体することしか頭に浮かばなかったオーストリア=ドイツ系の作曲家に対して、バルトークは「人間の聴覚上の性質から生まれた旋法=5音音階」と「音の物理学上の性質(自然倍音)から生まれた旋法=全音音階・半音階」の両面に新しい知的処理を施す可能性を見い出し、それを実践しえたのである。

 バルトークの音楽が、シェーンベルク一派のような純粋知性思考の偏重による袋小路に陥らなかったのは、そんな理由があったりするのである。

 (ま、要するに、「体で感じる音楽」と「頭で考える音楽」とを一応両方持ってたってわけでしょ?。でも、それって音楽やる人間ならあたりまえのことじゃないの?)

 うーん。そう言われるとそうだなあ。 


◆PART2:私はどうやってバルトークになったか?

「第1部:ハンガリー(疾風怒涛)篇」

 ◆吉松隆の左脳(記)「東欧ハンガリーが生んだ最大の作曲家の一人であるベラ・バルトークが生まれた1881年という年は、同じくハンガリー出身のリストが70歳でヨーロッパ楽壇にまだ君臨していて、ワグナー68歳、ブルックナー57歳、ブラームス48歳でまだ現役という時代。

 当時は、オーストリア皇帝がハンガリーの君主を共有するという「オーストリア=ハンガリー二重帝国」だったころ。この奇妙な形態の国家は、1848年にハンガリー独立運動が失敗した後の1867年に誕生し、二重帝国の皇太子がサラエボで暗殺されて第一次世界大戦が勃発するまで続いている。

 18歳でブダペスト音楽院のピアノ科と作曲科に入学したバルトークは、まずピアノで頭角を表わし、当時最先鋭のR=シュトラウスの「ツァラトゥストラはこう語った」や「英雄の生涯」などの交響詩をバンバン弾きまくっていたようで、これらを規範にしてオーケストラ作品を書き始める。

 その結果生まれた最初のオーケストラ作品が、前記のハンガリー独立運動の英雄コシュートを描いた交響詩「コシュート」。1903年22歳の時に発表されたこの扇動的なテーマの作品は、バルトークの民族主義者としての原点と言える。(このあたりはフィンランドのシベリウスが「クレルヴォ交響曲」や「フィンランディア」を書いた背景によく似ている)
 
  その後、自作の「ラプソディ」を引っ提げてパリのルビンシュタイン・コンクールに参加するが、選外。しかし、この時に知ったドビュッシーやラヴェルの音楽がバルトークに新たな和声感覚と色彩を与えることになる。

帰国後は同年代のコダーイ(組曲「ハーリ・ヤーノシュ」などで有名)と共に民謡収集の旅に出て、ハンガリーからルーマニア(あのドラキュラで有名なトランシルバニアも)を経て北アフリカまで回り、ロシアからブルガリアさらにはトルコやアラブの音楽までをも体系化するライフ・ワークともいえる民謡研究に没頭することになる。 
 
  1914年に第一次世界大戦が起こったころバルトークは、ブダペストのリスト音楽院の教授で33歳。オーストリア=ドイツ系音楽への嫌悪からフランス近代音楽風の作風を取り込んだ彼は、さらにパリで爆発的大ヒットとなったストラヴィンスキーの影響を受け、神秘的な寓話オペラとでもいうべき「青ひげ公の城」、木彫りの人形の王子が主人公の伽話的バレエ「木彫りの王子」、そして世紀末オカルト的ですらある問題作「不思議なマンダリン」という舞台作3部作を書き上げる。(ちなみに「青ひげ」「木彫り王子」「マンダリン」は、そのまま「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」に対応する)。

 そして1918年に二重帝国側は敗戦し、ハンガリーは共和国として独立する。30代後半にさしかかったバルトークの名は国際的に知られるようになっていて、この1920年代から30年代には「舞踏組曲」や「ピアノ協奏曲第1〜2番」、名作「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」や「2台のピアノと打楽器のための音楽」「弦楽四重奏曲第3〜4番」など多くの名作が生まれ、ピアニストとして世界各地へ演奏旅行に出かけるなど充実した音楽活動を展開している。

 ただしこの時期のハンガリーは、戦後の共和国時代にソヴィエトが介入し、1920年代には摂政ホルティによる反共産主義体制、30年代には右翼急進派のゲムベシュによるナチス・ドイツ寄りのファシズム政権と、音楽的自由人であるバルトークをイライラさせる政治状況だったようで、彼は何度となく政府と摩擦を起こしている。

 そして、1939年9月、ナチス・ドイツ軍がポーランドに侵攻して第二次世界大戦が始まると、バルトークはついにプッツンして亡命を決意。翌1940年10月にピアニストである妻ディッダと共にお別れコンサートを開き、最期の地となるアメリカに亡命することになるのである。


「第2部:アメリカ(七転八倒)篇」

 ◆吉松隆の右脳(談)「で、アメリカに渡ってからのバルトークの生活はというと、これがなかなか怖いんですよね。

 この時期に第二次世界大戦の戦禍を恐れてアメリカに亡命してきている作曲家としては、ハリウッドの豪邸住まいのストラヴィンスキーや、ロサンジェルスで作曲の教授を始めたシェーンベルクなどがいるわけですけど、バルトークはストラヴィンスキーほどヒット曲メイカーではなく、シェーンベルクほど理論家に徹することも出来ない。有名ではあるけどその作品がそんなに上演されるわけでもない、という中途半端な位置に放り出されてしまったわけです。
 
 有名な現代の作曲家であることは知っているが、その音楽は難解で分かりにくく聞きやすいわけでもない、という評価はそのころのアメリカの聴衆の大多数の意見だったようで(それは今でもあまり変わっていないかも知れませんけど)、そういう反応についてもバルトークも結構落ち込んだようですね。「私がアメリカで名を成すには何十代も後までかかりそうだ」と、彼はそのころつぶやいています。

 で、ニューヨークの狭いアパート暮らしを余儀なくされ、自作のコンサートもなければ作品の委嘱もなく、祖国ハンガリーからの年金もヨーロッパからの出版印税や演奏使用料なんかの入金も途絶え、しかも体調を崩して(それは後に彼の生命を奪う白血病だったのですが)しまうという泥沼に陥ってしまうわけです。

 古くはカーネギー・ホールのこけら落としを飾ったチャイコフスキーとか、新設の音楽院の学長として異例の好条件で招聘されたドヴォルザーク、メトロポリタン歌劇場やニューヨーク・フィルの指揮者として腕を振るったマーラー、などといった作曲家たちに比べると、まあ、戦争中だったから仕方ないといえば仕方ないんですが、不遇だったとしかいいようがないですね。
 
   そんな中で、1943年にクーセヴィツキー財団からオーケストラ曲の作曲依頼を受けます。頼んだ方としては作曲依頼にかこつけた金銭援助だったようですが、異国の地でようやく受けた作曲依頼に喜んだバルトークは、その夏に一気に全5楽章からなる「管弦楽のための協奏曲」という名作を書き下ろすわけです。
 この曲の中に前年7月に全米で放送されたショスタコーヴィチの「レニングラード交響曲」のパロディが出てくるのがケッサクなんですが、自分を受け入れてくれないアメリカでまだ30代のソヴィエトのチンピラ作曲家(とバルトークには見えたことでありましょう)の書いた陳腐な戦争交響曲がもてはやされることに、よっぽど悪い印象を持ったんでしょうね。

 この曲、初演したクーセヴィツキが「この50年で書かれた最高の作品」と絶賛したという話が有名ですが、「彼はショスタコーヴィチの曲を演奏した後でも同じことを言っていたから、割り引いて聞かないとね」とバルトークは皮肉ってます。

  で、1944年11月にメニューインが委嘱した「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」が初演され、12月に「管弦楽のための協奏曲」が大好評のうちに初演されて、ようやくバルトークにも運が向いてくるわけです。

 そしてその後、いくつかの大作を構想し作曲に没頭し始めるんですが、アメリカに渡って以来一進一退を繰り返してきた病状の方も悪くなり、日米戦争が終わってこれからという1945年9月26日に死んでしまい、後には妻のディッダによせる「ピアノ協奏曲第3番」と、スケッチのみの「ヴィオラ協奏曲」が残されました。
 これってなんか、地味ながら感動的な映画になりそうな気がしません?

◆Part3:モダンとエスノ/音楽史の中のバルトーク

◇モダンとしてのバルトーク

◆吉松隆の左脳(記) 「バルトークは現代音楽なんですか?」と聞かれたら、「とんでもない!」と答えて正解である。しかし、「じゃあクラシックなんですか?」と聞かれて、「はい!」と即答は出来そうにない。さて、バルトークはモダンなのだろうか?それともクラシックなのだろうか?

 ここで「どちらでもいいじゃないの!」と言い切れる人がいたら羨ましい。そういう方ばかりなら、こんな原稿書いてクドクドとバルトーク先生の音楽を解説しなくてもいいわけだし、私の中の振り切れてしまっている右と左の脳をバトルさせなくてもいいのである。しかし、例えばこれからお付き合いするBさんの宗教が「カトリック」なのか「真言宗」なのか「オウム真理教」なのか、あなた気になりません?本当に「どちらでもいい」と言い切れます?(あのう、ちょっと強引な誘導尋問のような気が....)

 なにしろ西欧クラシック音楽は、20世紀に入ってモダンの時代に突入し、様々な画期的語法を開発し表現手段を著しく拡大したものの、残念ながらそれとともに聴衆の支持を失ってしまった。しかも、20世紀初頭にデビューして第2次大戦の終戦直後(1945年)に亡くなったバルトークは、まずいことにまさにその時代の人。まさに「音楽」なのか「現代音楽」なのかよく分からない境界線にいるのだから困ってしまうのである。

     *

 ところでこの時期、私の独断の持論でいうと西欧音楽は3つの分岐点を持っていたことになっている。1つは19世紀末にドビュッシーが開拓した近代和声という名の非機能和声。2つめは1910年代にストラヴィンスキーが偶然手にしたリズムの素材化。そして3つめが1920年代にシェーンベルクが開発した12音主義という名の調性の解体である。

 そして、1つめはコード進行という発想に転化されてジャズ理論の基礎となり、2つめはビートが最優先になる現代のロックの始祖となり、3つめはいわゆる現代音楽や前衛音楽の元祖となったわけである。(しっかし、もの凄い独断の持論ですね....)

 現代音楽の不幸はこの3つがバラバラ死体となって進行したことによるのだが、実を言うとバルトークはなんとこの3者の合体を試みていたのである。

 1つめは、民謡の5音音階と西欧の全音音階を組み合わせた新しい旋法と和声の開発。2つめは東欧の民族音楽の舞曲などから導きだされたリズムの素材化。そして3つめはそれらの素材の黄金分割やフィボナッチ数列などによる数学的処理。

 つまり、これが完璧に実現されれば、20世紀の音楽は「感性と知性」および「ナショナルとインターナショナル」を兼備した理想的なものになる。....はずだったのだが、このバルトークの音楽的統一場理論は結局孤立した存在として終わってしまう。

 それが理論の欠陥のせいなのか時代のせいなのか、あるいは彼の性格のせいなのか、それは何とも言えないが、シベリウスの後期の音楽などと並んで、モダンの時代に生まれた非モダニズムによる孤高の音楽として屹立することになったことだけは確かである。

  そんなわけで、幸か不幸かバルトークのモダンは、孤立したゆえに異化された「折衷的なモダン」として捉えられることになった。つまり、知性だけで音楽を制御できずに感性がはみ出してしまう中途半端なモダンという捉え方である。

 しかし、逆に言えばそれこそが音楽そのものの形なのである。純音楽である交響曲の中に田舎舞曲が聞こえ、厳格な楽曲構成の向こうに女性の顔がちらつく、それこそがモーツァルトやベートーヴェン以来伝統のクラシックではないか!

 つまり、モダンとしては甘すぎ、クラシックとしては苦すぎる、これこそがバルトークの音楽の魅力なのである。(うーん。ほめてるんだか、けなしてるんだか....)


◇エスノとしてのバルトーク

◆吉松隆の右脳(談)ぼくはバルトークの音楽の基本的性格は「エスノ」だと思ってるんですよ。

 19世紀から20世紀初めにかけては、音楽でもいわゆる「民族主義」が多々出てきた時代でしょ。で、民族臭がプンプンしている連中の音楽がこの時期に続々出て来た。

 もちろん、この時期の民族独立運動の気運ともシンクロしてるんですけど、これが異国趣味として中央でもてはやされたことも否定できない。それは逆にいえば、ドイツ・フランスの中央楽壇が西欧クラシックの王道ヅラしていたゆえの歪んだ嗜好ともいえるんですけどね。

ま、その辺の解釈はともかく、にもかかわらずバルトークは残念ながらその流行には遅れてきた世代。しかも彼の祖国ハンガリーは、残念ながら素直に民族の独立を訴え祖国愛を歌い上げられない複雑な政治背景があると言うオマケ付き。
 で、どうなったかと言うと、彼の音楽は「民族主義」じゃなくて「エスノ」になるんです。

  ちなみに「民族主義」と「エスノ」とどう違うかというと、前者が民族の失われた歴史的脈絡の復権を指向するのに対して、後者はもはや素材としてしか民族の記憶の生き残りは不可能だと覚めている点が決定的に違うわけですけどね。
 なにしろ、バルトークは若いころから晩年まで民族音楽や民謡の研究をずっと続けているんですが、それを民族意識をあおるような文学的素材には利用していない。オーケストラ曲で民族舞曲的な響きをちらつかせるにしろ、そこには民族の血を騒がせる熱っぽさはなく、愛してはいてもあくまでも素材としての興味に徹している冷たさがあるんですよ。

 で、その結果として、彼の音楽はそれらを素材とした無国籍な音楽に至る。これって、民族音楽のリズムやメロディあるいは民族楽器の音を素材としてサンプリングしてビートに組み込む現代の「エスノ」の方法論にソックリじゃないですか。
 しかも、バルトークが考えていたエスノが、ハンガリー、ルーマニア、チェコ・スロバキア、ブルガリアあたりの東欧文化圏というのも面白い。つまり、日本でいうと「アジア」みたいな視点なんですから、中央楽壇の作曲家たちは逆立ちしても出来ないわけですしね。
 
  そんな彼の方法論は3つ。1つは民謡のリズムやメロディの原物使用。「ルーマニア民族舞曲」や「ハンガリー農民歌」、教育用の「子供のために」あたりに見られるような、採譜した民謡を編曲した作品なんかがそうです。

 2つめは民謡のリズムやメロディを分解して、その断片をコラージュする方法。旋法だけを抽出することもあります。聞こえるのは断片なのに、独特の色合いは残っているという不思議な音楽になるんですよね。「舞踏組曲」を初めとして「ミクロコスモス」や「弦楽四重奏曲」なんかに顕著です。

 そして3つめは、民謡のリズムやメロディをすべて解体して、それを作っている数学的な要素(旋法とかリズム細胞あるいは楽曲の構造とかですね)として再構築する方法。「弦チェレ」以後のいわゆる後期の作品はこれです。

  ただ、こう言葉で説明すると難しそうですけど、現代では10代の子がサンプリング・マシン使ってやってることなんですよ。音楽の一部分をスッと抜き取って、加工したり変形したりして別の脈絡の中にモザイクみたいにはめ込む。で、その素材が民族的ならエスノ、流行ものならハウス、言語ならラップというわけでしょ。つまり、20世紀末の現代ではもはやエスノとモダンの境界線も曖昧になってしまったわけですけど。

 でも、英知を傾けて行った作業が子供の玩具と化している実態を知ったら、バルトーク先生、草葉の陰で何とおっしゃることでしょうね?

◆Part 4:顔のある時代とない時代

◇第1部「顔のある時代」

◆吉松隆の左脳(記) バルトークの作品をざっと見ていると面白いことに気付く。ハンガリー時代の前半生を見ると、デビュー曲の交響詩「コシュート」にしろ、オペラ「青ひげ公の城」、バレエ「木彫りの王子」、パントマイム「不思議なマンダリン」の舞台三部作にしろ、主人公にはみんな顔があるのだ。

 ところが、中盤からこれが一変する。「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」、「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」、「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」、そしてトドメの「管弦楽のための協奏曲」。いずれも、顔のない無愛想なタイトルになるのである。

 この「顔のある時代」から「顔のない時代」への変化は、バルトークの純粋に音楽的な作風の変化とともに、彼を取り巻く環境の決定的な変化を感じさせ、面白うてやがて悲しき作曲家人生を感じさせてならない。

 バルトークの最初の「顔」は、ピアニストであり、作曲家であり、コダーイの友人であり、最初の妻マルタの夫であり、ブダペストのリスト音楽院の教授、というものだ。

 1901年のリスト生誕90周年で、まだ音楽院の学生だったバルトークはリストの「ロ短調ソナタ」を弾き、作品番号1を付けたピアノ曲「ラプソディ」をリストに捧げて作曲家としてのスタートを切っている。そして続く卒業作品「コシュート交響曲」で、ハンガリー独立運動の英雄コシュートを題材にして民族主義者の顔を垣間見せている。

 しかし、この時期のバルトークはまだ霧の向こうの自分の「顔」を探す旅の途上だ。彼の音楽の理想は終始一貫「東欧文化圏の音楽を西欧近代音楽の語法と融合させたもの」であることは間違いないのだが、リヒャルト=シュトラウスの豪華絢爛趣味やドビュッシーの神秘的曖昧趣味、ストラヴィンスキーの原始的怪奇趣味などへの横目使いも続いているのだから。

  それでも、このころのバルトークはまだ東欧人としての自分のアイデンティティを民族の血の中に捜し求めている。ハンガリーの英雄コシュート、伝説の殺人者青ひげ公、童話の中の木彫りの王子、貧民窟に迷い込んだ不思議なマンダリン、という奇妙な人物たちとの関わりは、そんな彼の魂の遍歴を苦く縁取っている。

 とは言えこの主人公たち、後に行くにしたがってだんだん名前と顔を失って行くのは興味深い。最初はハンガリー土着の名前がはっきりあったもの(コシュート)が、単なる呼び名(青ひげ公)になり、俗称(木彫りの王子)になり、やがてすっかり名前も顔もない異邦人(マンダリン)になってゆくのだ。

 つまりは、この時期バルトークも既に、だんだん国籍を失い希薄になってゆく自分自身の「顔」を、うすうす感じていたということなのだろう。

 そして、ピアノの弟子であり後に彼の死を看取ることになる二番目の妻ディッダと出会い、最初の妻と別れて再婚したころから、彼の「顔」は緩やかに変貌して行く。
 1920年代後半に書かれたピアノ・ソナタ、ピアノ協奏曲第1番、弦楽四重奏曲第3番と第4番、カンタータ・プロファーナという過渡期の作品群を見ると、そこには既に顔(文学的なタイトル)を失いつつあるバルトークの純音楽への指向が伺えるのである。

 このあたりの原因を、当時のハンガリーの政治状況への失望と単純に言いきってしまうのは安易にすぎるが、かといって純粋に音楽的な理由による作風の変化とも言いきれない。しかし、何にしろそれ以後のバルトークは、よく言えば国際的、悪く言えば無国籍な音楽を指向し始めるのである。



◇第2部「顔のない時代」

◆吉松隆の右脳(談)確かにバルトークは1930年代になって聴衆に「顔」を見せなくなりましたね。でも、ここからがバルトークの真骨頂、傑作の森なんですよ。

 まずピアノ協奏曲第2番(1931)でしょ。それから、弦楽四重奏曲第5番(1934)、弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽(1936)、2台のピアノと打楽器のためのソナタ(1937)。ヴァイオリン協奏曲(1938)。それに弦楽のためのディベルティメント(1939)。そうそう、シゲティとベニー・グッドマンのために書いた「コントラスツ」(1938)なんていうのもありましたっけ。

  こう並べてみると、もはやバルトークは聴衆が文学的イマジネーションをかき立てられるような「顔」を拒否し始めているのがタイトルでもう分かります。音楽的にも、東欧の民謡のメロディやリズムを生で使うことはなくなり、分解して組み立て直して使うようになってますんで、その意味でもこういう機能優先のタイトルはダテじゃない。

 中でも凄いのが、なんといっても「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」でしょうね。弦楽器(ストリング・アンサンブル)と打楽器(パーカション)とチェレスタという編成で書かれた作品ですって言うだけで、もう取り付くシマもない。それに、ハープが弦楽器でピアノが打楽器として数えられているんですから。何を考えてるんでしょうね。それならいっそのこと、「弦楽器と打楽器とピアノとハープとチェレスタのための音楽」ってすればよかったのに。え、それじゃいくらなんでもくどすぎる?そうですかね。

  ただ、この種のタイトルの付け方って難解さの証明なわけじゃなくて、逆に皮肉っぽい遊び心がありますよね。なんか、理工科系の教授がニコリともせずに「結局は薬局なんだよ、きみ!」なんて冗談を言うのに似た、倒錯したおかしさというか。私は「管弦楽のための協奏曲」なんて、冗談と真面目を飛び越した凄い名タイトルだと思いますしね。

 でも、その名作を仕上げた最後のアメリカ時代は、バルトークにとってはまさにトドメの「顔のない時代」になってしまったわけです。ハンガリーでは国民的有名人だった彼も、ニューヨークに渡れば十把ヒトカラゲの無名の音楽家。彼は本当に「顔」と自身を失ってしまって、気疲れから病気になっちゃうわけですから。

 もっとも、そのころのアメリカは太平洋戦争で大変だったわけですし、バルトーク本人も不遇で貧乏なうちに4年ほどで早死にしちゃったもんですから、少し割り引いて考えないとまずいかも知れませんけど。だって、「管弦楽のための協奏曲」の成功以後、メニューインの委嘱による「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」だの、妻ディッダに捧げた「ピアノ協奏曲第3番」だの、プリムローズから委嘱された「ヴィオラ協奏曲」だの、成功する余地は充分あったわけなんですから。なにしろ、ほとんど同い年で同じ亡命組のストラヴィンスキーなんか、この後26年も生きて駄作を書き続けながら巨匠扱いされてノウノウ暮らしていたくらいですし。あ、今のところカットね。

 で、彼が64歳で異国の地に歿してから今年でもう50年ですか。自分の没後50周年企画をする雑誌が日本に出来るなんて、太平洋戦争中の敵国アメリカにいたバルトーク先生は想像もしなかったでしょうね。まったく人の世は分からんもんです。私も心して今後の不遇の人生を楽しみたいと思います。

 では最後に一言。
 バルトーク先生、私たちはみんなあなたの音楽を愛していますよ。
 ショスタコーヴィチなんかとんでもありません。
 本当です。ほ、本当ですよ!
http://yoshim.music.coocan.jp/~data/BOOKS/Thesis/bartok01.html

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c1
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
2. 中川隆[-14412] koaQ7Jey 2020年1月17日 17:52:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1326]
バルトーク・ベーラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%A9


バルトーク・ベーラ・ヴィクトル・ヤーノシュ(Bartók Béla Viktor János, 1881年3月25日 - 1945年9月26日)は、ハンガリー王国の バーンシャーグ地方のナジセントミクローシュに生まれ、ニューヨークで没したクラシック音楽の作曲家、ピアニスト、民俗音楽研究家。

作曲以外にも、学問分野としての民俗音楽学の祖の1人として、東ヨーロッパの民俗音楽を収集・分析し、アフリカのアルジェリアまで足を伸ばすなどの精力的な活動を行った。

またフランツ・リストの弟子トマーン・イシュトバーン(英語版)(1862年11月4日 - 1940年9月22日)から教えを受けた、ドイツ・オーストリア音楽の伝統を受け継ぐピアニストでもあり、コンサートピアニストやピアノ教師として活動した。
ドメニコ・スカルラッティ、J・S・バッハらの作品の校訂なども行っている。


年譜

1881年 3月25日、ナジセントミクローシュに生まれる。母によれば、子供のころから音楽への才能を見せていたという。

1885年(4歳) 7月11日に妹、エルザ(- 1955年9月11日)が生まれる。

1888年(7歳) 8月4日に父が死亡。

1894年(13歳) ポジョニへ引っ越し、当地でギムナジウムに通う。

1899年(18歳) ブダペスト王立音楽院に入学。

1902年(21歳) 交響詩《コシュート》を作曲。世論を騒がせる。

1903年(22歳) 4月13日に故郷ナジセントミクローシュで初の公開リサイタルを行う。プログラムはシューマンのピアノソナタ第3番や自作など。12月にベルリンでデビューリサイタルを行い、ブゾーニやゴドフスキーから称賛される。

1904年(23歳) 初めてマジャール民謡に触れる。11月に妹が結婚。

1905年(24歳) 妹夫婦の住んでいたヴェーステーで民謡採集を行う。ルビンシュタイン音楽コンクールにピアノ部門と作曲部門で出場、ピアノ部門2位。秋にコダーイ・ゾルターンと知り合う。

1906年(25歳) コダーイと連名で組織的民謡研究の必要性を説くアピールを発表。夏から彼や他の研究者と共にハンガリー各地の農民音楽を採集し始める。

1907年(26歳) トマーンの後任としてブダペスト音楽院ピアノ科教授に就任。教育者として働く傍ら、長期休暇時に民謡の採集を進める。

1908年(27歳) ピアノ曲『14のバガテル』や弦楽四重奏曲第1番を作曲。前者は自筆譜を見せに行ったブゾーニから高い評価を受ける。

1909年(28歳) ツィーグレル・マールタ(Ziegler Mártá 1893年 - 1967年5月14日)と結婚。

1910年(29歳) 8月22日、長男ベーラJr(- 1994年6月17日)誕生。

1911年(30歳) ハンガリー芸術委員会賞のために《青ひげ公の城》を作曲するも演奏を拒否される。公的な立場から身を引き、民謡の収集と整理に集中。

1913年(32歳)ハンガリー以外に、6月にはアルジェリアにて民謡採集。

1914年(33歳) 第1次世界大戦勃発。作曲活動に戻り、《かかし王子》の作曲にとりかかる。

1917年(36歳)ユニテリアン教会の信徒となる。5月12日にバレエ《かかし王子》がブダペスト歌劇場で初演され大成功。

1918年(37歳)オーストリアのウニヴェルザール出版社と楽譜出版契約を結ぶ。《青ひげ公の城》初演。《中国の不思議な役人》作曲開始。

1919年(38歳)クン・ベーラらによるハンガリー革命に際し音楽監理委員会に参加。その後のホルティ・ミクローシュによる反革命によりハンガリーは混乱する。

1920年(39歳)ハンガリーの混乱から移住を検討、2月から5月まで音楽院から休暇をもらい比較音楽学の盛んだったベルリンに赴くが断念する。アメリカからハンガリー民謡についての論文の依頼を受け執筆し、これを書籍にまとめることを企図する。

1921年-1922年 (40歳-41歳)古い知り合いだったイェリー・ダラーニと再会。彼女と共演するために《ヴァイオリンソナタ第1番》を書きあげ、イギリスやフランスで演奏旅行を行う。

1923年(42歳) 6月にマールタと離婚。遅くとも8月には生徒のパーストリ・ディッタ(Pásztory Ditta 1903年10月31日-1982年11月21日)と結婚。《ヴァイオリンソナタ第2番》《舞踏組曲》。

1924年(43歳) 2月に国際現代音楽協会のチューリヒの音楽祭に審査員として参加。7月31日に次男ペーテル誕生。「ハンガリー民謡」がハンガリーで出版。翌年にドイツ語版出版。10月24日にブカレストでヴァイオリニスト・作曲家のジョルジェ・エネスクと自作の『ヴァイオリンソナタ第2番』で共演。

1925年(44歳) 作曲家としては作品を発表せず、ピアニストとしてイタリアやオランダで演奏会を行う。

1926年(45歳) 夏から作曲活動を再開。ピアノソナタ、ピアノ協奏曲第1番などを手がける。中国の不思議な役人のケルンでの世界初演に立ち会うが、大スキャンダルになる。

1927年(46歳) ピアノ協奏曲第1番をフルトヴェングラーの指揮で初演。弦楽四重奏曲第3番を作曲。

1928年(47歳)前年末から2月末まで演奏旅行で初めてアメリカを訪れる。弦楽四重奏曲第4番、2曲の《ヴァイオリンとピアノのためのラプソディ》作曲。

1929年-1930年(48歳-49歳) ソヴィエトへ演奏旅行。ヨゼフ・シゲティやパブロ・カザルスらと共演。帰国後ピアノ協奏曲第2番を作曲。

1931年(50歳) 1月にスペイン旅行。夏は国際連盟の国際知的協力委員会の委員に選ばれてジュネーブの会議に参加し、モントゼーで行われた夏期講習会でピアノ講師を行うかたわら旧作ピアノ曲のオーケストラ編曲を行う。ヴァイオリン教育家エーリヒ・ドフレインの求めに応じて44のヴァイオリン二重奏曲を作曲。「ハンガリー民謡」英語版出版。

1932年(51歳)パウル・ヒンデミットらと共にカイロで行われたアラビア音楽会議に参加。後に>となるピアノ練習曲集の構想を初めて公に語る。

1933年(52歳)1月23日にピアノ協奏曲第2番の初演をフランクフルトで行う。これがドイツでの最後の公開演奏だった。

1934年(53歳) 4月にストックホルムに演奏旅行。夏に《弦楽四重奏曲第5番》作曲。9月から音楽院を去り、科学アカデミーの民俗音楽研究員就任。

1936年(55歳) 5月2日にヴァイオリニストのザトゥレツキー・エデと共に故郷に近いティミショアラで演奏会を行うが、生前最後の帰郷となった。《弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽》作曲。11月にはトルコへの演奏旅行と講演、民俗音楽採集を行う。

1937年(56歳) 1月に『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』の初演に立ち会うためスイス旅行。

1938年(57歳) オーストリア併合に際し、ウニヴェルザール出版社との契約をあきらめ、同社のロンドン代理店業務を担当していたイギリスのブージー・アンド・ホークスと契約を結ぶ。

1939年(58歳) アフメト・アドナン・サイグンを通してトルコのアンカラへ移住する可能性を探るが、思うような返事は得られず。《弦楽のためのディヴェルティメント》《弦楽四重奏曲第6番》作曲。母没。

1940年(59歳) 5月から6月にかけてアメリカ合衆国で演奏会。10月には夫妻でリスボン経由で同国へ移住。コロンビア大学から民俗音楽研究についての名誉博士号を授与され、客員教授として民俗音楽の研究を開始。

1943年(62歳) ハーバード大学での連続講演期間中に白血病により入院。《管弦楽のための協奏曲》を完成。《無伴奏ヴァイオリンソナタ》にも着手。

1944年(63歳) 《無伴奏ヴァイオリンソナタ》・《管弦楽のための協奏曲》初演。

1945年(64歳) 9月26日、ニューヨークにて没。完成寸前のピアノ協奏曲第3番、スケッチのみのヴィオラ協奏曲を遺す(いずれもシェルイ・ティボールにより補筆完成)

1967年 アメリカまで持ち込んで死の直前に完成させた『ルーマニア民俗音楽』の刊行開始(1975年に完結。全5巻)。

1988年7月7日 ハンガリー国葬。ゲオルク・ショルティにより遺骨が母国へ持ち帰られる。


幼少期

1881年、ナジセントミクローシュ(現在のルーマニア、ティミシュ県のスンニコラウ・マレ(英語版))に農学校校長で同名の父バルトーク・ベーラ(1855年-1888年)とピアノ教師でドイツ系の母パウラ・ヴォイト(1857年 - 1939年。スロヴァキアのマルチン出身)の間に生まれる。父は町に音楽協会を設立するほどの熱心な音楽愛好家でもあり、自身でもピアノやチェロをたしなむ人物であった。母のパウラによれば、バルトークは病弱だったが、きちんと言葉をしゃべる前から母のピアノ演奏のダンスのリズムを区別し、3歳くらいから母のピアノ演奏に合わせて太鼓を叩き、4歳では自己流で40曲のピアノ曲を弾くなど音楽的素養を見せていた。そこで彼女は娘を出産した後の5歳頃から息子に正式なピアノ教育を始める。

7歳の時に父が病気(アジソン病だったと言われている)のため32歳で急死、ピアノ教師として一家を支えることとなった母の仕事の都合でナージセレーシュ(現在のウクライナ、ヴィノフラージウ(英語版))に転居、その後各地を転々とする。9歳前後から習作的なピアノ曲も書き始め、10歳の時にはピアニストとしての初舞台を踏むが、彼女は息子を天才少年ピアニストとして売り出す気はなく、まずは普通に教育を受けることになる。1893年に音楽活動の活発だったポジョニに母と赴いた際、作曲家エルケル・ラスローに指導してもらう機会を得る。翌年、母がポジョニに仕事を得たため同地へ引っ越し、当地のギムナジウムに入学。エルンスト・フォン・ドホナーニと知り合い友人となる。

音楽家への道と民謡との出会い

学内でもピアニストやオルガニストとして活動し、ヨハネス・ブラームスの影響を受けた作曲活動にも取り組んでいたバルトークは、1898年にはウィーン音楽院に入学を許可される。しかし国際色豊かなウィーンよりもハンガリーの作曲家としての自分を意識すべきだというドホナーニの薦めに従い、翌年ブダペシュト王立音楽院(後のリスト音楽院)に入学。作曲をハンス・ケスラー、ピアノをトマーン・イシュトヴァーンに指導を受ける。ここではワグネリアンの学長からリヒャルト・ワーグナーの洗礼を受けるが、既にブラームスの影響を脱して先に進もうとしていた彼に、ワーグナーは答えをくれなかったと回想している。

1902年、21歳の時にリヒャルト・シュトラウスの《ツァラトゥストラはこう語った》に強烈な衝撃を受け、交響詩《コシュート》を作曲。1848年のハンガリー独立運動の英雄コシュート・ラヨシュへの賛歌であった為、当時ハプスブルク帝政の支配下にあったブダペシュトの世論を騒がせた。1904年にはゲルリーツェプスタ(現在スロヴァキア領)で初めてトランシルヴァニア出身者の歌うマジャル民謡に触れる。

1905年、パリのルビンシュタイン音楽コンクールにピアノ部門と作曲部門で出場。作曲部門では入賞せず奨励賞の第2席、ピアノ部門では2位であった(優勝者はヴィルヘルム・バックハウス)。自分の人生をピアニストとして描いていたため、優勝を果たせずかなり落胆したようであるが、それ以上に作曲部門での結果の方がショックだったようである。しかし、ハンガリーでは知られていなかったクロード・ドビュッシーの音楽を知るという収穫を得た。また民謡について科学的アプローチを始めていたコダーイ・ゾルターンと出会い、多大な影響を受ける。

1906年からコダーイやその他の研究者達と共にハンガリー各地の農民音楽の採集を始める。1913年にアルジェリアへ赴いた他は、専ら当時のハンガリー国内で民族音楽を採集していた。

1907年、26歳でブダペシュト音楽院ピアノ科教授となる[1]。ピアニストとして各地を旅するのではなく、ハンガリーに留まったことで、更なる民謡の採集が進み、民謡の編曲なども行う。この時点でも、彼の大規模な管弦楽作品はまだブラームスやリヒャルト・シュトラウス、さらにはドビュッシーの影響を感じさせるものであるが、ピアノ小品や親しかった女性ヴァイオリン奏者シュテフィ・ゲイエルに贈ったヴァイオリン協奏曲第1番(ゲイエルの死後発表)の2楽章などでははっきりと民謡採集の影響が表れている。1908年の弦楽四重奏曲第1番にも民謡風要素が含まれている。またトマーンの紹介で知己を得ていたレオポルド・ゴドフスキー、バルトークの作品を評価したフェルッチョ・ブゾーニの推挙も得て、ピアニストとしてだけではなく作曲家としての名も次第に浸透し始める。

スタイル確立と第一次世界大戦

1909年、ツィーグレル・マールタ(Ziegler Márta)と結婚。翌1910年には長男ベーラ(バルトーク・ジュニア)が生まれる。この年、フレデリック・ディーリアスと知り合い、彼の作品の影響も受ける。

1911年、ただ1つのオペラとなった《青ひげ公の城》を書き、ハンガリー芸術委員会賞のために提出したが、演奏不可能という事で拒絶された。結局この曲は1918年まで演奏されなかった。当時バルトークは、政治的見解から台本の作家バラージュ・ベーラの名を伏せるように政府より圧力をかけられていたが、これを拒否し、同時に自身の作品がなかなか顧みられない現状に疲れてしまい、ピアノ科教授以外の公的な立場から身を引いた。その後の人生でバルトークは民謡への愛着は別として、ハンガリー政府や組織とは深く関わらないようにしている。芸術委員会賞に失望した後2、3年の間、作曲をせず、民謡の収集と整理に集中していた。

1914年、第一次世界大戦の勃発により、民謡の収集活動が難しくなったため作曲活動に戻り、1914年から16年にかけてバレエ音楽《かかし王子》、1915年から17年には《弦楽四重奏曲第2番》を書いている(採集活動自体は1918年まで行っている)。1918年には《かかし王子》の初演が成功し、ある程度国際的な名声を得た。引き続き《青ひげ公の城》が初演される。同年、レンジェル・メニヘールトの台本によるパントマイム《中国の不思議な役人》の作曲を開始する。しかし第1次世界大戦で敗戦国となったハンガリーはトリアノン条約による国土の大幅な縮小とその前後の政治の混乱に巻き込まれ、ピアニストや民俗音楽の研究家としての名声が高まるのとは裏腹に、本人としては不本意な時期が続く。

1921年から22年にかけてヴァイオリンのためのソナタを2つ書き、イェリー・ダラーニのヴァイオリンと自らのピアノで初演。更に彼女に同行してイギリスやフランスで演奏旅行を行う(この際、モーリス・ラヴェルやストラヴィンスキーと会っている)。これはそれまでに作曲した中で和声上、構成上最も複雑な作品である。また民謡的要素を自分の作品の中で生かすということに自信を深めたのか、それまで編曲作品と自作を区別するために付けていた作品番号を、ソナタ第1番の出版譜からは付けなくなった。

様々な活躍と、第二次世界大戦

1923年、ツィーグレル・マールタと離婚し、ピアノの生徒であったパーストリ・ディッタ(Pásztory Ditta)と結婚。翌1924年には次男ペーテル(バルトーク・ペーテル、Bartók Péter)が誕生している(ペーテルは後年アメリカで録音技師として活躍し、父親の作品を中心に優秀な録音を世に出した。また楽譜の校訂にも大きな功績がある。)。

同じ1923年には、政府からの委嘱により、ブダペシュト市政50年祭のために《舞踏組曲》を提出。この後、1926年にピアノ・ソナタやピアノ協奏曲第1番などを発表するまで3年ほど作品を発表せず、民俗音楽の研究や演奏会活動にやや力を入れるが、1927年から翌年にかけて、彼の弦楽四重奏曲としてもっとも高い評価を受けている第3番と第4番を作曲した。またピアノ協奏曲第1番をヴィルヘルム・フルトヴェングラーの指揮と自らのピアノで初演する。その後も演奏家として1929年から30年にはアメリカやソヴィエトへの演奏旅行を行い、ヨゼフ・シゲティやパブロ・カザルスらと共演している。

1934年には音楽院ピアノ科教授の任から離れ、科学アカデミーの民俗音楽研究員となった。彼は長年作曲とピアニストとしての活動以外の時間を、自分や後進の研究者達が収集したコレクションの整理に取り組める環境を求めていたが[注釈 1]、遂にそれを得て研究活動に没頭するようになった。作曲家としても1936年には、バーゼル室内管弦楽団を率いていたパウル・ザッハーの委嘱で彼の代表作として知られる《弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽》を作曲。翌年ザッハーの手で初演が行われた。

注釈 1
息子ペーテルはまだ年端もいかない頃の自身が、父親がピアノ教授としての仕事にうんざりしていることを人前でうっかり明かしてしまい、父親を困らせたエピソードを回想録で語っている。

1939年には《弦楽四重奏曲第6番》を作曲したが、第二次世界大戦が勃発し、民俗音楽の研究を出来る環境を求めており、またその文化政策などからナチス嫌いでもあったバルトークは、同年の母の死を機にヨーロッパを去ることを考え始めていたことをうかがわせる作品となった。この頃、反ユダヤ主義者との対話の中で、自らの祖父ヤーノシュがユダヤ人だったことを示唆しているが、ヤーノシュはマジャル人の父とクロアチア人の母の間に生まれ、ユダヤ人ではなかった(ただし、ディッタ夫人はユダヤ系の血をひいている)。

アメリカ移住と死

母親の死以前から、バルトークは政治的に硬化していくハンガリーを去り、自身のライフワークである民俗音楽の研究に打ち込める環境を求めて他国へ移住することも検討し始めていた。はじめはトルコのアンカラへの移住を検討するが環境が整わないことから断念した。最終的には1940年春にアメリカ合衆国への演奏旅行の際、友人達にアメリカへ移住の可能性を打診、彼らの協力でコロンビア大学の客員研究員として南スラブの民俗音楽の研究に取り組む手はずを整えると一旦帰国。10月8日にブダペストのリスト音楽院の大ホールで告別コンサートを開き、ハンガリー国鉄の技術者になっていた長男、そしてコダーイに後を託し、ザッハーやかつての恋人・ゲイエルなど友人達の助力を受け、妻と膨大な研究資料や自作資料と共にアメリカ合衆国へ移住した。なお、次男ペーテルは全寮制の学校に在学中のためハンガリーに残ったが1年後単身アメリカに渡り、その後アメリカ海軍の招集に応じた。

少々自己中心的でなかなか他人と打ち解けないタイプであったバルトークにとって、アメリカは決して居心地は良くなかったし、研究や講演以外はピアニストとして生計を立てるつもりだったとはいえ、作曲する気にもならなかったようで、演奏会活動を行う以外は、先のコロンビア大学での研究の他、ヨーロッパから持ち込んだ民俗音楽の研究に没頭していた。しかし1940年ごろから右肩周辺に痛みを感じるなどの不調があった健康状態は次第に悪化、1942年になると断続的に発熱を繰り返すようになった。1943年初頭にはついに入院してそれまでの活動を全て中断する。

フリッツ・ライナーなどアメリカ在住のバルトークの友人たちは、戦争で印税収入が滞るなど収入源の無くなってしまった彼を支援するため「作曲者・著作者・出版者の為のアメリカ協会 (the American Society for Composers, Authors, and Publishers) 」に医療費を負担させるよう働きかけ、更に当時ボストン交響楽団を率いていた指揮者セルゲイ・クーセヴィツキーに、彼の財団と夫人の思い出のための作品をバルトークに依頼させる。すると驚異的なスピードで《管弦楽のための協奏曲》を完成。この依頼があって作曲への意欲が引き起こされたようで、ヴァイオリン・ソナタを演奏会で取り上げる際にアドヴァイスを求めに来て親しくなったユーディ・メニューインの依頼で《無伴奏ヴァイオリンソナタ》にも着手し、1944年には両曲の初演にそれぞれ立ち会う。出版社との新しい契約で収入面の不安もやや改善され、健康状態も小康を取り戻して民俗音楽の研究も再開した。しかし、その病は白血病だった。

1945年、《子供のために》や《管弦楽のための協奏曲》の改訂をする傍ら、妻の誕生日プレゼントにしようと軽やかで新古典派的な《ピアノ協奏曲第3番》、ウィリアム・プリムローズから依頼された《ヴィオラ協奏曲》に着手するが、ともに完成させることができずに、9月26日、ニューヨークのブルックリン病院で死去(満64歳没)。前者はほとんどできあがっており(オーケストレーションが17小節残された)、草稿段階にとどまった後者とともに、友人でハンガリー系の作曲家シェルイ・ティボール(Sérly Tibór)によって補筆完成された。

遺体は「ナチスドイツや共産主義ソ連の名前が残っている内は祖国に埋葬しない」との遺言に基づき、ニューヨーク州ハーツデイル(英語版)のファーンクリフ墓地(英語版)に埋葬されたが[1]、ハンガリー社会主義労働者党が一党独裁放棄を決めるなど民主化が進んだことから、バルトークの二人の子息と指揮者ゲオルク・ショルティらの尽力で亡骸が1988年7月7日ハンガリーに移送され、国葬によりブダペシュトのファルカシュレーティ墓地(英語版)に埋葬された[2]。現在ファーンクリフには記念碑が残されている。

作風

本人が「若い頃の私にとって、美の理想はベートーヴェンだった」と回想しているようにドイツ・オーストリア音楽の強い影響から出発したが、ハンガリー民族やハンガリー王国内の少数民族の民謡をはじめとした民俗音楽の収集とそれらについての科学的分析から、その語法を自分のものにしていった(同様の活動を行った先人にチェコのヤナーチェクがいる)側面と、同時期の音楽の影響を受けた側面のバランスの中で作品を生み出す、という独自の道を歩んだ。ただし、彼の楽曲は民俗音楽の旋律やリズムだけではなく構造面も分析したうえで、なおかつソナタ形式など西洋の音楽技法の発展系を同時に取り入れて成立していることや、過去の音楽に目を向けて新しい音楽を生み出そうとした点など、音楽史的には新古典主義の流れの1人と位置付けても間違いではないだろう。

作品の変遷は大まかに以下のように区分できる。

〜1905年 ヨハネス・ブラームスやリヒャルト・シュトラウスの影響が強い、後期ロマン主義的な作風。ハンガリー民族としての意識を曲で表現しようとする作品もあったが、まだ先人達同様にジプシー音楽的な要素を取り入れる形であった。

1906年〜1923年頃 盟友のコダーイ・ゾルターンと共に、当時のハンガリー王国の各地から民謡収集を行い、一方では民謡を編曲したピアノ曲などを作り、他方では民謡の語法を科学的に分析した形で自身の作品に活かし出した時期。また自身の作品には、民謡以外にもクロード・ドビュッシーやイーゴリ・ストラヴィンスキー、新ウィーン楽派など当時の最先端の音楽の影響も強く反映されている。この末期には民謡の語法を消化し、独自のスタイルをほぼ確立する。

1926年〜1930年頃 特に室内楽作品において尖鋭的な和声と荒々しいまでの強烈な推進力を持ちながら、緻密な構造を持つ数々の作品を生み出した。「無調的」ともいわれるが、本人は無調音楽は存在しないとの立場をとっており、この時期の作品でも調的中心は存在している。またバロック音楽や古典派の影響を如実に感じさせるなど、新古典主義の流れに乗っている面も見られる。

1930年〜1940年 その前の時代と同様に緻密な楽曲構造を持ちながら、もう少し和声的にも明快で、より新古典的なスタイルを打ち出した時期。数々の傑作を発表している。

1943年〜1945年 アメリカ時代。傾向としてはその前の時代の末期の延長線上にあり、細かい動機よりも旋律的な要素を重視する傾向がある。より明快、明朗に大衆に受ける方向へ変化したとも言われるが、曲によってはそれ以前の厳しい顔をのぞかせる。

なお彼はアメリカ移住前に手紙で吐露しているように「作曲は教えるものではないし、私には不可能です」という考えの持ち主で、その生涯で作曲を教える立場に立ったことがない(先述のシェルイを「弟子」とする記述も多いが、それは正しくない)。作曲の理論的な面についても自身ではほとんど明らかにしておらず、手紙で自身の音楽語法がハンガリー、ルーマニア、スロヴァキアの民俗音楽に強く影響をされていると書いている程度である。

そのため、彼の理論については様々な音楽学者たちが研究を行っており、ハンガリーの音楽学者レンドヴァイ・エルネーは、バルトークは機能和声の代理和音を拡張することで12半音階を等質に扱う「中心軸システム」(ジャズの「コルトレーン・チェンジズ」と背景の理論はほとんど同じである)や、作品の構成(楽式)から和音の構成に至るまで黄金分割を基礎に置き、そのためにフィボナッチ数列を活用したとの論文を発表している。ただし、前者はともかく後者については当てはまらない作品がかなりあり、この説の妥当性を支持するスケッチの書き込みや計算メモ等が見当たらない[注釈 2]ため、現在ではハンガリー国内・国外いずれにおいても、専門の研究者でこの説を支持する人はあまり多くない。

注釈 2
バルトークは周囲が語るように規則正しく几帳面な人物で、自作曲のスケッチなども破棄せず残していた。

ピアニストとして

身長165センチ程度と体格的には決して大柄ではなかったが、手はかなり大きかった。そしてヴィルトゥオーゾとして自身の未来を思い描くほどの実力を持つリスト直系の弟子であり、晩年までピアニストとしての活動も行った。手紙などでは伴奏家としての腕前も自負していたようで、多くのソリストとの共演歴もある。自作自演やシゲティとの共演などの録音も残しているため、彼の演奏はCDなどで聴くことが出来る。

ドイツ・オーストリア音楽をレパートリーとしていたが、スカルラッティの編纂を行って自ら演奏したり、自らに多大な影響を与えたドビュッシーの作品も多く取り上げていた。自作のピアノ曲も自身が演奏会に取り上げるために書かれたものが少なくない。

また作曲は教えなかったが、ピアノ教育には熱心だった。自作でも教育のための作品は重要な位置を占めており、リスト音楽院ではピアノの教授として多くの弟子を育てた。シャーンドル・ジェルジやリリー・クラウス、ゲザ・アンダなどのピアニストを直接指導したほか、指揮者のアンタル・ドラティや、作曲家でバルトークの民俗音楽研究の助手も務めたヴェレッシュ・シャーンドルなどがピアノの弟子である。また、指揮者ゲオルク・ショルティは直接の弟子ではなかったが、指導教授の代役として一時バルトークのピアノのレッスンを受けたことがあったことを回想している。

作品

バルトークは「作品番号」を習作の時点からつけており、「Op.1」と付記されている作品は3つある。その3つめである1904年の『ピアノのためのラプソディ』以降はオリジナルの作品には作品番号を付け、民謡からの編曲作品には付けないというルール付けを行った。しかし前述のようにヴァイオリン・ソナタ第1番の出版の際からこれを止める。このような事情から後年学者達が習作なども含めて分類した番号が付けられることも多く、少なくとも3種類の体系がある。ここではハンガリーの作曲家セールレーシ・アンドラーシュ が作成した「バルトークの音楽作品と音楽学論文の目録」での付番「Sz.」を付記する。

詳細は「バルトークの楽曲一覧」を参照
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%AE%E6%A5%BD%E6%9B%B2%E4%B8%80%E8%A6%A7


交響曲

交響曲変ホ長調 1902年-1903年 Sz.16 ※未完で楽譜自体紛失。スケルツォ楽章のみ現存(Sz.17)

管弦楽曲

交響詩『コシュート』 (1903年) Sz.21
管弦楽のための組曲第1番 (1905年、1920年改訂) Op.3 Sz.31
小管弦楽のための組曲第2番 (1905年-1907年、1943年改訂) Op.4 Sz.34
管弦楽のための2つの肖像 (1907年-1911年) Op.5 Sz.37 第1曲はヴァイオリン協奏曲第1番の第1楽章を流用。第2曲はピアノ曲『14のバガテル』最終曲の編曲
管弦楽のための2つの映像 (1910年) Op.10 Sz.46
ルーマニア舞曲 (1910年) Sz.47a 『2つのルーマニア舞曲』の第1曲を編曲
4つの小品 (作曲1912年、管弦楽化1921年) Op.12 Sz.51
ルーマニア民俗舞曲 (1917年) Sz.68 ピアノ版(Sz.56)の編曲
舞踏組曲 (1923年) Sz.77
トランシルヴァニア舞曲 (1931年) Sz.96 ピアノ曲『ソナチネ』の編曲
ハンガリーの風景 (1931年) Sz.97 ピアノ曲集の『10のやさしい小品』『3つのブルレスク』『4つの挽歌』『子供のために』より5曲を抜粋して編曲
9つのハンガリーの農民歌 ( 1933年) Sz.100 ピアノ曲『15のハンガリー農民歌』の後半9曲を編曲
弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 (1936年) Sz.106
弦楽のためのディヴェルティメント (1939年) Sz.113
管弦楽のための協奏曲 (1943年) Sz.116

協奏曲

協奏曲に類するものも含む。
ピアノと管弦楽のためのラプソディー (1904年) Op.1 Sz.27 『ピアノのためのラプソディー』の編曲
ピアノと管弦楽のためのスケルツォ(ブルレスク)(1904年) Op.2 Sz.28
ヴァイオリン協奏曲第1番 (1907年-1908年) Sz.36
ピアノ協奏曲第1番 (1926年) Sz.83
ヴァイオリンとオーケストラのためのラプソディー 第1番 (1928年) Sz.87 『ヴァイオリンとピアノのためのラプソディー 第1番』の編曲
ヴァイオリンとオーケストラのためのラプソディー 第2番 (1928年、1944年改訂) Sz.90 『ヴァイオリンとピアノのためのラプソディー 第2番』の編曲
ピアノ協奏曲第2番 (1930年-1931年) Sz.95
ヴァイオリン協奏曲第2番 (1937年-1938年) Sz.112
2台のピアノと打楽器のための協奏曲1940年 Sz.115 『2台のピアノと打楽器のためのソナタ』の編曲
ピアノ協奏曲第3番 (1945年) Sz.119 残り17小節の管弦楽についてのみティボール・シェルイが補筆
ヴィオラ協奏曲 (1945年) Sz.120 未完。ティボール・シェルイによって完成。他にも複数のバージョンがある。


舞台作品

オペラ『青ひげ公の城』 (1911年) Op.11 Sz.48
バレエ『かかし王子』 (1914年-1916年、1931年改訂) Op.13 Sz.60 改訂時に一部を抜粋した演奏会版を作成している
パントマイム『中国の不思議な役人』(1918年-1924年、1931年改訂) Op.19 Sz.73 一部をカットした演奏会版がある。


室内楽曲

弦楽四重奏曲第1番 (1908年-1909年) Op.7 Sz.40
弦楽四重奏曲第2番 (1915年-1917年) Op.17 Sz.67
ヴァイオリン・ソナタ第1番 (Vn.&Pf) (1921年) Sz.75 初演時のプログラムにはOp.21とあったが、出版時に削除。
ヴァイオリン・ソナタ第2番 (Vn.&Pf) (1922年) Sz.76
弦楽四重奏曲第3番 (1927年) Sz.85
ヴァイオリンとピアノのためのラプソディー 第1番 (1928年) Sz.86 ヨゼフ・シゲティに献呈
チェロとピアノのためのラプソディー 第1番 (1928年) Sz.88 演奏会で共演したパブロ・カザルスのためにヴァイオリンからチェロ用に編曲
ヴァイオリンとピアノのためのラプソディー 第2番 (1928年、1944年改訂) Sz.89 ゾルターン・セーケイに献呈
弦楽四重奏曲第4番 (1928年) Sz.91
44のヴァイオリン二重奏曲 1931年 Sz.98
弦楽四重奏曲第5番 (1934年) Sz.102
2台のピアノと打楽器のためのソナタ (1937年) Sz.110
ヴァイオリンとクラリネットとピアノの為のコントラスツ 1938年 Sz.111 シゲティとベニー・グッドマンに献呈
弦楽四重奏曲第6番 1939年 Sz.114
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 1944年 Sz.117 ユーディ・メニューインに献呈

ピアノ曲

ピアニストで教育者でもあったバルトークは、ここに挙げた以外にも多数の作品(教則本含む)がある
ピアノのためのラプソディー (1904年) Op.1 Sz.26
14のバガテル (1908年) Op.6 Sz.38
10のやさしい小品 (1908年) Sz.39
2つのエレジー (1908年) Sz.41
子供のために (1908年-1909年) Sz.42 民謡の影響が濃厚な子供の教育用教本。死の1945年まで何度も改訂している。
2つのルーマニア舞曲 (1910年) Op.8a Sz.43
4つの挽歌 (1910年) Op.9a Sz.45
3つのブルレスク (1911年) Op.8c Sz.47
アレグロ・バルバロ (1911年) Sz.49 題名はフランスの新聞にバルトークとコダーイの作品の演奏会時に「ハンガリーの若き2人の野蛮人」と書かれたことに対する皮肉。
ピアノの初歩 (1913年) Sz.53
ソナチネ (1915年) Sz.55
ルーマニア民俗舞曲 (1914年) Sz.56
ルーマニアのクリスマス・キャロル (1915年) Sz.57
ピアノのための組曲 (1916年) Op.14 Sz.62
15のハンガリーの農民の歌 (1918年) Sz.71
ハンガリー民謡による8つの即興曲 (1920年) Op.20 Sz.74
ピアノ・ソナタ (1926年) Sz.80
組曲『戸外にて』 (1926年) Sz.81
9つのピアノ小品 (1926年) Sz.82 8曲目に「タンバリン」という曲があるが、バルトークがスペインを訪れた際の印象を元にしたものとも言われている。
ミクロコスモス (1926年-1939年) Sz.107

声楽曲

ここに挙げた以外にも多数。
民謡様式による3つの歌 (1904年) Sz.24
ハンガリー民謡 (1906年-1907年) Sz.33
5つの歌曲 (1915年) Sz.61
エンドレ・アディの詞による5つの歌曲 (1915年) Sz.62
8つのハンガリー民謡 (1908年-1916年) Sz.64
村の情景 (1924年) Sz.78
室内管弦楽と女声合唱のための『3つの村の情景』 (1926年) Sz.79 『村の情景』より3曲を抜粋し、伴奏を管弦楽化したもの
4つのハンガリー民謡 (1930年) Sz.93
カンタータ・プロファーナ 1930年 Sz.94
声とオーケストラのための5つのハンガリー民謡 (1933年) Sz.101
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%A9

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c2

[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
3. 中川隆[-14411] koaQ7Jey 2020年1月17日 18:24:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1325]
ショスタコーヴィチの交響曲第7番《レニングラード》がバルトークを激怒させた理由

Bartók Concerto For Orchestra, Sz. 116 - 4.
Intermezzo interrotto (Allegretto)
Chicago Symphony Orchestra · Pierre Boulez






____

Shostakovich Symphony No 7 Yevgeny Mravinsky
1. Allegretto
2. Moderato (poco allegretto)
3. Adagio
4. Allegro non troppo
Leningrad Philharmonic Orchestra
Yevgeny Mravinsky, Conductor




▲△▽▼

バルトーク (1881〜1945) 《管弦楽のための協奏曲》
https://www.chibaphil.jp/archive/program-document/bartok-concerto-for-orchestra/page-3

幸福な時代の記憶として

5楽章形式。それまでのバルトークの音楽と同じく極めて抽象的なもので、直接的には他の何かをイメージさせるものはない。それでも、アメリカ合衆国の聴衆に配慮したのか、それともバルトーク自身の作風自体が変わったのか、聞く者に対して極度の緊張を強いるようなヨーロッパ時代の音楽と比べると、音楽は明るく親しみやすいものとなっている。特に5楽章にはハンガリーの農村でバルトークが耳にした豚飼いの笛の音が再現されており、それはバルトークの幸せだった時代の追憶なのではという指摘がある。

この《管弦楽のための協奏曲》は依頼を受けて一から作曲したものではなく、他の曲の為に準備していた構想などを転用したものも少なくないことが明らかになっている。

また第4楽章の「中断された間奏曲」では、悲しげな歌をショスタコーヴィチの交響曲第7番《レニングラード》の第1楽章で聞こえるメロディがわざとらしく妨害し、歌を中断させている。

バルトークが指揮者ドラティに語ったところによると、これは明確にショスタコーヴィチを引用したものであり、しかも当時、あまりにも盛んに演奏された《レニングラード》を揶揄する意図が込められたものであったという。
(以上、バルトークや東欧の音楽に詳しい音楽学者の伊東信宏氏による。)

ドイツ軍に包囲されたレニングラード市に捧げられたショスタコーヴィチの交響曲第7番は、反ドイツを象徴し連合国の結束を高める為のものとしてアメリカ合衆国でも盛んに演奏されたのだが、自分がここまで周到に避けてきた交響曲という形式をあっさりと使用するショスタコーヴィチに対して、バルトークは相当な苛立ちを持っていたようである。

これは、ショスタコーヴィチにはショスタコーヴィチの事情があったのだが、バルトークにもそんなことを忖度する必要は無かったということか。

そんな背景を持ったちょっとおかしな間奏曲を経ての第5楽章。バルトークにしては珍しく明るい、光の満ちた音楽である。不思議な疾走感と勢いのまま曲は終わる。この終結部は当初はもっと短いあっさりとしたものだったのだが、あまりにも聞き映えがしない為か、初演の後にバルトークによって改訂されている。(この初稿の終結部はクーゼヴィツキーの初演ライブの録音などで聞くことが出来る。)こういったサービス精神溢れる?改訂もバルトークにしては珍しい。

しかしこの音楽に、バルトークの音楽は堕落したとかバルトークが聴衆が媚びたのだとかという声がある。果たしてそうか?難しいものを難しい形のまま提供することと、難しいものを分かりやすく親しみやすい形で提供することのどちらがより高度な技を必要とするか。

無論、後者である。バルトークの創作は人生の最後において、さらにより高い次元に突入したのだと筆者には感じられるのだ。音楽はやはり極めて抽象的であるが、そこにバルトークの見た景色や聞いた音を重ね合わせる想像も、また可能であろう。その向こうにうっすらと見えてくるバルトーク。その顔は和らいだ表情を見せているかもしれない。バルトークの独特な個性と親しみやすさが幸せな一致点をみることが出来た幸せな作品が、この《管弦楽のための協奏曲》である。
https://www.chibaphil.jp/archive/program-document/bartok-concerto-for-orchestra/page-3


▲△▽▼

2006.08.09
ショスタコ第7交響曲を語る——「涼宮ハルヒの憂鬱:射手座の日」上級編
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2006/08/7_2344.html

脳内宇宙艦隊戦シーンに使われているショスタコービッチ「交響曲第7番」第1楽章に存在する宇宙的恐怖にして深淵のような因縁について以下つらつらと述べていこうというわけ。

 ショスタコーヴィチのマニアの間では有名な話であるし、色々突っ込みを入れたいところもあるだろう。そのあたりはコメント欄で指摘してもらえるとうれしい。

 「射手座の日」に使われた第7交響曲(1941〜1942)は通称「レニングラード」とも呼ばれる。作曲年代で分かるように、この曲は第二次世界大戦最大級の激戦地であったレニングラード、現在のサンクトペテルブルグと密接な関連を持っている。
 独ソ戦開始時、作曲者ショスタコーヴィチは、レニングラード音楽院で作曲を教えていた。第7交響曲はドイツ軍が迫るレニングラードで、1941年7月から作曲が始まった。ドイツ軍がレニングラードを完全に包囲する前に、ショスタコーヴィチは、当時モスクワの首都機能が移転していたクイビシェフに避難し、そこで全曲は完成した。作曲者によるスケッチのメモによると、最後の第4楽章が完成したのは1941年12月27日。

 レニングラードは1941年8月末からドイツ軍に完全に包囲されており、作曲が終了したこの時、冬将軍が到来した市内は、物資の不足によりまさに阿鼻叫喚の地獄と化していた。

 作曲者は、この曲を「レニングラード市」に捧げた。
 初演は1942年3月5日、クイビシェフで行われた。ソ連政府は、世界的に有名な作曲家であるショスタコーヴィチが完成させたこの一見壮大な交響曲を戦意高揚に利用する。複製された楽譜は空輸によってレニングラードに運ばれ、1942年8月9日、包囲下のレニングラードにおいて、レニングラード放送管弦楽団により演奏された。

 オケのメンバーはほとんどが、徴兵され最前線で戦っていた。皆、演奏のために市内に戻ることが許され、1日だけ銃を楽器を持ち替えて、演奏に参加し、そしてまた戦場へと戻っていった。

 彼らのほとんどが、そのまま帰ってこなかった。

 ソ連政府の手により、楽譜はマイクロフィルム化され連合国各国へと渡った。アメリカでは、1942年7月19日、トスカニーニの指揮、NBC交響楽団によって初演が行われた。アメリカはその演奏を、全世界にラジオ中継した。戦意高揚と連合国各国の連帯の強化のために、この曲を利用したのである。


————————————————

 と、いうような曲の来歴を頭に入れて、一度ハルヒの「射手座の日」に戻ろう。
 「射手座の日」で使用されるのは第1楽章。まず、コンピ研との戦闘開始にあたってハルヒが演説するシーンで、楽章冒頭の弦とファゴットのユニゾンによる雄大な印象の第一主題が使用される。

 この第1楽章は、非常に変則的なソナタ形式をしている。通常のソナタ形式では中間部は、2つの主題の展開部になる。ところがこの楽章では、展開部の代わりに、そこに全く別のメロディによる「ボレロまがい」が挟まっているのだ。
 この変ホ長調の主題は「戦争の主題」と呼ばれている。

 このメロディが14回ほど繰り返され、繰り返すたびに盛り上がり、最終的に暴力的なまでの音量ですべてを圧倒する。レニングラード市が戦争に巻き込まれる過程というわけだ。

 「射手座の日」では、この繰り返しの部分が使用される
「1600開戦」の部分では、弦楽器が並行和音でメロディを演奏する7回目と8回目の繰り返しが使われる。

 キョンの「どうにもならないんだ」からはオーケストラの全楽器が咆哮する12回目、続いてメロディが大きく変形されて短調で出現する13回目の部分が使われる。いきなり曲調が悲壮な雰囲気に変わる部分に、みくるの「みなさんどこにいっちゃったんですか〜」という悲鳴が重なるあたり、演出効果満点だ。


————————————————

 と、まあここまでは、ショスタコーヴィチが生きていた頃の解釈である。
 ところでここで、メロディを覚えている人は、「戦争の主題」を口ずさんでみて欲しい。

 なんだか間抜けな気はしないだろうか。メロディだけ取り出すと、およそ戦争とは思えないぐらいのどかで間抜けで、しかもどこか茶番じみてもいる。これならば、ジョン・ウィリアムズが「スターウォーズ」で書いた戦闘の音楽のほうが、ずっと戦争と言うには似つかわしい。

 そういえば、このメロディ、かつてCMでシュワルツネッガーが、「ちちんぷいぷい」という歌詞を付けて歌っていたではないか。それぐらい、メロディとしては間抜けなのだ。

 この間抜けなメロディが「戦争の主題」とはどういうことなのだろうか。
 実は間抜けなのは主題だけではない。この「ボレロまがい」は、ボレロのように厳格にオーケストレーションだけを変化させるのではなく、繰り返しごとに異なる装飾的な対旋律を伴っている。早い話が「合いの手」が付いているわけ。その合いの手もまた、どこかサーカスじみた茶番っぽい雰囲気を持っているのである。
 はて?


————————————————

閑話休題

 1942年に全米にラジオ放送された、第7交響曲の演奏を、アメリカに亡命した一人のハンガリー人の作曲家が聴いていた。

 その名は、バルトーク・ベーラ。ハンガリー人は、「姓・名」の順番で書くので、バルトークが姓である。

 彼は母国ではハンガリー民謡の研究で名前を上げ、民謡と近代的作曲技法とを統合した独自の作風を確立した作曲家として尊敬されていた。

 ところが彼の音楽は、アメリカが受け入れるには晦渋に過ぎた。そしてまた彼の性格もまた、アメリカでうまく立ち回るには実直に過ぎた。ナチスから逃れたアメリカに渡ったものの、ハリウッドを手玉に取ったストラヴィンスキーや、カリフォルニアに作曲の教師の職を見つけたシェーンベルグのようにうまくやることができず、この時期彼は貧乏のどん底にいた。

 しかも彼は、亡命による環境の激変によってか体調を崩しており、あまつさえ精神的には作曲すらできなくなっていた。

 何人かの音楽関係者が、彼を援助しようとしたが、援助を受けるにはバルトークは誇りが高すぎた。難儀な人である。

 そのバルトークは、このショスタコーヴィチの第7交響曲を聴いて怒り狂った。「なんという不真面目な曲だ」と。このことは、彼の息子のピーターが記録している。

 さあ、バルトークはこの曲の何を「不真面目だ」と怒ったのだろうか?


————————————————

 この時、指揮者のセルゲイ・クーセヴィツキーが、なんとかしてバルトークに生活費を渡そうとしていた。裕福な女性と結婚していた彼は、妻の財産を使ってクーセヴィツキー財団を設立し、様々な作曲家に新作を依頼し、自ら初演していた。
 誇り高いバルトークが生活費を受け取らないであろうことを知ったクーセヴィツキーは、代わってバルトークに「自分のためにオーケストラのための曲を書いて欲しい」と依頼した。それが、渡米以来萎えていたバルトークの創作意欲に火を付けた。

 かくしてバルトーク晩年の傑作、オーケストラの各楽器が縦横無尽に活躍する「管弦楽のための協奏曲」が生まれた。

 全5楽章からなる「管弦楽のための協奏曲」の第4楽章は「中断された間奏曲」という題名を持つ。ここで、ショスタコーヴィチの第7交響曲第1楽章の、あの「戦争の主題」後半が引用される。上から下へと音符が下がってくる部分だ。

 引用されたメロディの繰り返しが、木管楽器による人間の笑いを模擬したようなフレーズで3回中断される。「中断された間奏曲」という題名の由来だ。
 同時にバルトークのショスタコーヴィチに対する「不真面目だ!」という意思表示でもあるのだろう。


————————————————

 では、ショスタコーヴィチは、何が不真面目だったのか。私の記憶ではこれを指摘したのは日本の作曲家、柴田南雄だった。

 実は、「戦争の主題」の後半には元ネタがあった。ウィーンのオペレッタ作曲家フランツ・レハールの代表作「メリー・ウィドウ」(1905)だ。

 「メリー・ウィドウ」は、「会議は踊れど進まず」で有名な1814年のウィーン会議を舞台にした恋のさやあての物語だ。ご存知、ナポレオン後のヨーロッパの勢力図を確定しようと各国が角突き合いをしたあげく、ナポレオンのエルバ島脱出でお流れになった会議である。

 ショスタコーヴィチが引用したのは、登場人物の一人、ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵が酒場に繰り出すところで歌う歌。そして、ショスタコーヴィチが引用したまさにその部分の歌詞は「彼女ら(松浦注:酒場の女達)は祖国を忘れさせてくれるのさ」というものだったのである!

 おいおい、これはどういうことか。レニングラード市に捧げられた交響曲の「戦争の主題」が、「女で祖国を忘れよう」というのは一体何なのだろうか。バルトークが不真面目と怒った理由も分かろうというものだ。

 皮肉なことに、ショスタコーヴィチが第7交響曲を書き、バルトークがそれに怒って「管弦楽のための協奏曲」を書いたその時期、老いたレハールはナチスの庇護を受けていた。しかもユダヤ人の妻と共に。

 ヒトラーが「メリー・ウィドウ」が大好きだったという理由からだった。それ故、戦争終結後、レハール自体は一切政治的な動きをしていなかったにもかかわらず「戦争協力者」と非難されることになる。


————————————————

 ここで最大の問題は、なぜショスタコーヴィチは、本当に「メリー・ウィドウ」を引用したのか。そして、引用するとしたらその意図は何だったのかということだろう。

 実はショスタコーヴィチには、そのような引用を行う動機が十分にあった。彼は向かうところ敵なしの天才児としてスタートしたが、芸術をも統制しようとするソ連共産党によって1936年、プラウダ紙面で非難されたことがあった。

 スターリンが密告を奨励し、派手に粛正を繰り広げた時期、彼はこともあろうに共産党の機関紙の紙面で批判されたのだ。その恐怖はいかばかりだったろうか。彼は、彼の庇護者でもあった陸軍のトハチェフスキイ元帥に相談したのだが、翌1937年には、そのトハチェフスキイが、スターリンによって粛正されてしまうのである。

 プラウダによる批判以降、ショスタコーヴィチの音楽は変化した。生き延びるために「明るく健全で分かりやすい」という社会主義リアリズム方針に従った。
 彼の巨大な才能を持ってすれば、その路線ですら傑作を書くことが可能だった。そうして有名な第5交響曲が生み出された。

 彼は第二次世界大戦後、もう一度批判されるが、そのときはスターリンへのおべんちゃらに満ちたカンタータ「森の歌」を書いて生き延びた。歌詞はどうしようもないが、音楽は間違いなく傑作だった。

 その一方で、自由に作曲できない環境の中、彼は鬱屈し、屈折していった。彼は自分の音楽に謎めいた仕掛けをするようになる。奇妙に音楽の流れを断ち切るような音名象徴、それとは分からないような引用など。

 音楽は言葉と異なり、それ自身で確定した意味を持たない。いかようにでも解釈できる。有名なロッシーニの「ウィリアムテル」序曲は、アメリカ西部の騎兵隊の映像にもマッチするし、蒸気機関車の疾走にも、あるいは「スターウォーズ」のクライマックスで共和国軍を助けに駆けつけるハン・ソロとミレニアム・ファルコン号の映像にもぴったりだろう。

 その音楽の特質を生かし、ショスタコーヴィチは音楽の中に自分の真意をひそかに埋め込むようになっていった。


————————————————

 そう、ショスタコーヴィチが「戦争の主題」に込めたのは、反祖国的なもの、即ちスターリンによる粛正ではなかったのか。そう考えるとすべてが符合する。どこかおちゃらけた旋律が、サーカスのような対旋律を伴ってどんどん威圧的になっていく過程は、まさにスターリンの治世そのものでないか。

 すなわち、ショスタコーヴィチは、ナチスと戦う祖国の英雄を称える交響曲を書くと見せかけて、実はスターリンに対してあかんべえをかませていたということになるのだ!


————————————————

 ショスタコーヴィチの「音楽の暗号」は、彼の死後の1982年、西側で出版された衝撃的な「ショスタコーヴィチの証言」(ソロモン・ヴォルコフ編)で一躍表に飛び出た。回想録にはそれまで公式発言で形成されたいた西側のショスタコーヴィチ像とは全く異なる、彼があった。公式発言とは異なる、人間的に納得できるショスタコーヴィチがそこにいた。

 これで、めでたしめでたし。謎は解けたぜ、で終わればいいのだが…

 音楽の暗号は、数理的な暗号と異なり読み手がある意図を持っていなければ読み出せない。その意味では、ノストラダムスの予言とよく似ている。

 ということは、常に「それはショスタコーヴィチの真意か。深読みしすぎじゃないか」という問題がつきまとうことになる。戦争の主題が「メリー・ウィドウ」の引用って本当か?他人のそら似で、深読みしすぎじゃないか、というように。

 実際、現在では「証言」は「編者」ヴォルコフが、ショスタコーヴィチ周辺でプライベートに話されていたことや、ショスタコーヴィチが書いた文章を適当につなぎ合わせたものじゃないかという意見が優勢になっている。その証拠に、「証言」には、ショスタコーヴィチが死後に残した最大の爆弾が記載されていない。

 彼はスターリン時代に、スターリンをはじめとしたソ連政治を思い切り皮肉ったカンタータ「反形式主義的ラヨーク」を密かに書いていた。「証言」にはこの曲についての記述が一切ない。「反形式主義的ラヨーク」の存在を、本当に親しい人は皆知っていたが決して口には出さなかった。これが出てこないということは、「証言」は大して親しいわけでもないヴォルコフのでっちあげということだ、というわけである。


————————————————

 だが、私には、そういった混乱すら、実はショスタコーヴィチが意図したものじゃないかという気がする。

 ヴォルコフが西側の出版社に持ち込んだタイプ原稿にはショスタコーヴィチ自身のサインがしてあったという。

 私は想像してしまう。ソ連からの亡命を企てた若きヴォルコフが、西側へのみやげとして、ショスタコーヴィチの回想録をでっちあげるべく取材を開始する。それに気が付いたショスタコーヴィチは、ヴォルコフを呼びつける。おびえるヴォルコフに対して、老いたショスタコーヴィチは何も言わずに、彼の原稿にサインをいれる、というような鬼気迫る光景を。

 さて、長々とした話はこれでおしまい。「涼宮ハルヒの憂鬱」から始まって、ずいぶんと遠いところまで来てしまった。

 まあ、「射手座の日」でなにげなく使われた、そして、かつてシュワルツネッガーがCMで「ちちんぷいぷい」と歌ったメロディには、これだけの因縁がまとわりついていて、暗い暗い深淵が口をぽっかりと開けているのだ、ということで。


————————————————



 バルトークの「管弦楽のための協奏曲」は、色々な録音を聴いたけれど、このライナー指揮シカゴフィルの古い演奏が、やはり一番いい。歴史的名演だ。

 オーケストラの各楽器が、あたかもソリストのように縦横無尽に活躍する、エネルギッシュかつスタイリッシュな曲だ。第1楽章の途中、3本のトランペットと3本のトロンボーンがいきなり6声のカノンを演奏するあたりなど、背筋にぞくっと来るぐらい格好良い。


.

 酸鼻を極めたレニングラード攻防戦の概要を知るには、このソールズベリーによるノンフィクションをお薦めする。長らく入手不可能だったが、最近再刊された。高いとかいわずに、買うべし。

 レニングラードの指導者だったジダーノフは、スターリンにとって目の上のタンコブ的存在だった。スターリンは、ジダーノフを消すために半ば意図的にレニングラードを見捨てたのである。その結果、市民は地獄を見ることになった。

 スターリンの意図に反し、ジダーノフは包囲戦を生き抜き、ナチス・ドイツを打ち破って、ソ連共産党における地位を固める。そして、戦後ジダーノフは、ショスタコーヴィチに対してさらなる個人攻撃を仕掛けることになるのだ。




 偽書だという説が優勢になっているものの、この「証言」が西側に出てきたときのショックは巨大だった。今後ともショスタコーヴィチの受容史を語るには欠かせない文献といえるのではないだろうか。

 最近はかなりショスタコーヴィチの研究も進んでいるようだが、私がフォローできていない。なにか良い本が出ているようならば、是非とも教えてほしい。




 ショスタコーヴィチ趣味の行き着く果て、ということで遺作の「ヴィオラソナタ」をリンクしておく。間違っても素人はこれを買ってはいけない。

 晩年に向かうにつれ、ショスタコーヴィチの音楽は鬱屈し、内省的で暗いものになっていった。その到達点が、死の直前に完成したこのヴィオラソナタだ。

 マーラーの後期交響曲を暗いと感じる人は多いだろうが、これはそれどころじゃない。おそらく、人類が手にした最も暗い、ブラックホールのような音楽である。
 にもかかわらず、この曲は、あたかもホーキング輻射のように光を放っている。恐ろしいまでに高貴で、気高く、そして真っ黒な絶望に彩られている。この曲と比べることができるのは、ゴヤが晩年に描いた一連の「黒の絵画」だけだろう。
 ショスタコ19歳のはつらつとした第1交響曲を考え合わせると、社会主義というのはいったい何だったんだろうかと考えざるを得ない。


Comments
ハルヒでかかってた曲はショスタコビッチだったんですね。ショスタコビッチについてはいろいろいわれていたのは知っていましたが改めて彼が生きていた1984年的世界に思いをはせてしまいました。
Posted by: winter_mute | 2006.08.10 06:10 PM

どうも、松浦さんには申し訳ないですが、ショスタコは、20世紀音楽全体から眺めたとき、大きく視界に入るような作曲家ではないです。この人の音楽、確かに面白い曲もいくつかありますが、音楽の発想が「24のプレリュードとフーガ」のように一見いろいろやってるように見えて、実は内容が貧しかったり、構成より技術に頼っていたり。

バルトークは、ひょっとしてそう言った音楽の本質的な部分から、まず許せなかったのではないか、と思っております。

「ちちんぷいぷい」藤家がアレンジしてたですね。あの子はあれで茶目っ気あるからなぁ(あの子、なんて言っちゃいけないですな)。
Posted by: 大澤徹訓 | 2006.08.11 10:41 PM



 ああ、やっぱり、大澤さんはきびしいなあ。

 あえて書かなかったのですが、「レニングラード」交響曲は、ショスタコーヴィチとしてはあまり良い曲ではないですね。「24のプレリュードとフーガ」もそうです。

 傑作とされる交響曲5番も、どこか「お前、全力を出していないだろ」という部分があります。難しいのはそれがショスタコーヴィチ自身の問題なのか、彼が巻き込まれた政治状況の問題なのか、なかなか判然としないところです。

 交響曲9番とか10番も、曲そのものだけではすべてを語り切っていない。当時のソビエトの状況を考えないと曲が完結しないというところがありますよね。

 逆に言うと異常な状況の中で、作曲家がどう生き延びたかという興味はありますね。音楽を楽しむという点では不純な興味ですけれど。

 私の体験を振り返るなら、まず、交響曲8番があります。指揮活動に乗り出したばかりのロストロポーヴィチが振った演奏を、高校の頃ラジオで聞いたのが始まりでした。

 深い深い1楽章と、続く2つのスケルツォの軽薄さ、そして陰鬱なアダージョと、ちょっと鬱から回復したかという印象の第5楽章、という奇妙さが深く心に残りました。

 それと弦楽四重奏曲、特に7番と12番です。7番ラストの破滅に向けて疾走するような感覚と、悪夢から覚めたという風情のコーダは、夢に見るほど魅せられました。

 そして最後の交響曲15番ですね。もう向こう側に行ってしまったとしか言いようのない曲です。その後に弦楽四重奏曲の15番があって、ヴィオラソナタがあって、このあたりはもう人類が書いた曲とは思えない部分があります。

 若い時に力任せで書いた曲も好きなんですけどね。交響曲2番のポリフォニーとか。あれは多分、教科書的にはやっちゃいけないことのオンパレードじゃないかと思うのですが。

 ああ、多分私は、ショスタコーヴィチの、音楽だけでは語りきれない、絶対音楽として捉えると不完全に見える部分が好きなのかも知れません。

Posted by: 松浦晋也 | 2006.08.12 12:20 AM

 訂正、弦楽四重奏曲は12番ではなく13番です。確かヴィオラのものすごく広い音程にアーチを描く旋律で始まる奴。

 途中で出てくる狭い音程をいったり来たりするフレーズが印象的な曲でした。
 12番は冒頭12音列が出たと思ったら、ドレドレレミレミという単純な全音階のフレーズで受けるという人を食ったやりかたで始まる曲でしたね。

 こんなことを書いていたら、あらためて交響曲と弦楽四重奏曲をひとつずつ聴き直したくなってきました(いやまあ、個人的記憶と色々結びついていたり)。

 それが愛かと問われれば、私はショスタコーヴィチの音楽を愛しているのでしょう。正当なる愛かと言われれば、多分違うのでしょうけれど。
Posted by: 松浦晋也 | 2006.08.12 10:46 PM

ときどきコメントさせていただいている、いしどう です。

えーと、オーケストラ・ダスビダーニャなる、ショスタキスト…じゃなくって(笑)ショスタコーヴィチの音楽が大好きなプレーヤが寄り集まって作ったアマオケでヴィオラを弾かせていただいたりしてます。

「レニングラード」交響曲(というより、単に「7番」といったほうがわたしにはしっくりくるんですが(^^;;)は3年ほど前に演奏しました(去年が1番で今年が8番。次は来年3月4日に池袋の芸術劇場で15番とバイオリン協奏曲第1番を演奏します。もしよろしければお越しください(^^))。とても楽しかったです。

『チチンプイプイ』ですが(笑)、あれはソビエト侵攻したナチスドイツ軍を表現しているもので、それをおちゃらかしているのですから、別段体制にたいしてあっかんべぇをしているわけでもないと考えています。また、「メリー・ウィドウ」が流行った時期のウィーンはナチスドイツ支配下にあったわけで、それも示しているんだということも聞きました。

いずれにしても、われわれにとってはソビエト連邦の存在はまだ近すぎます。どうしても、その社会体制とあわせてショスタコーヴィチの音楽を考えてしまいがちです。

ショスタコービィチの音楽が、20世紀を代表する音楽のひとつになるかどうかは、あと2〜3世紀たって、ソ連の存在が本当に歴史になったときにわかるのかもしれません(まぁ、そのときにまだ人類が存在していて、西洋古典音楽という音楽ジャンルが残っていれば、の話ですが(笑))

…えーと、なんか素人がえらそうなことを書いてしまいました。すみません。

Posted by: いしどう | 2006.08.14 02:13 AM

 あ、15番やりますか。あれは凄い曲ですよねえ。彼岸に渡り切っちゃって、向こう側で石を積んで遊んでいるような印象です。

>別段体制にたいしてあっかんべぇをしているわけでもない

 そういう、あいまいさを残しているところがショスタコーヴィチの立ち位置を象徴しているんだろうと思っています。

 誰が聞いたって第5のフィナーレは空疎です。まして直前の第4ではピアニッシモの主和音引き延ばしをやっていますしね(こっちの演奏効果は素晴らしい)。しかも、同じことを15番のフィナーレでもやっています。

 となると、一体5番のラストに込められたものはなにか、と考えたくなってくる。多分、それこそがショスタコーヴィチが仕組んだことなんでしょう。
Posted by: 松浦晋也 | 2006.08.17 07:42 PM


ハルヒと同じスタッフが、違うアニメで今度はブルックナーを使ったことで、只今話題を呼んでおります。

是非この件についてもそのうち取り上げてみてください。どういうご感想をお持ちになるか、興味があります。

「かんなぎ」という作品の第11話ですが、ブルックナーの交響曲第7番の第一楽章の冒頭を使用しています。

かんなぎはヒロインが神を自称すると言う設定の作品です。
そのヒロインが自らの自己分析を行うシーンで神性を確認するかのように曲は使われいます。そして途中でノイズによって意図的にかき消されると言う演出を行っています。
Posted by: すみのやきとり | 2008.12.15 02:25 AM
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2006/08/7_2344.html

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c3
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
4. 中川隆[-14410] koaQ7Jey 2020年1月17日 18:29:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1324]

石川清隆コラム
Testimony −ショスタコーヴィチの証言−
https://kiyotaka-ishikawa-law.com/column/10.html

『ショスタコーヴィチの証言』(注1)
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81%E3%81%AE%E8%A8%BC%E8%A8%80-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%83%A2%E3%83%B3-%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%95/dp/4122038529

という本があります。

刊行後、33年が経過しますが、スターリンやその取り巻き、その全体主義、プロコフィエフなどの音楽関係者、演出家のメイエルホリドなど様々な有名人に対する率直なコメントが書かれているばかりか、彼自身の曲についてそれまで聞いたこともないような面白い記述に溢れています。それはショスタコーヴィチの曲の解釈に多大な影響を与えただけでなく、その後のショスタコーヴィチ論の隠れたネタ本となってきました。

あまり程度がよいとは思えない"偽書論"については後日述べるとして・・。

本書にある、「ユダヤの民族音楽…それは非常に多様性を帯びていて、一見陽気だが実際は悲劇的なものである。それは殆ど常に泣き笑いにほかならない。ユダヤの民族音楽のこの特性は、音楽がいかにあるべきかという私の観念に近い。音楽には常に2つの層がなければならない。」という記述は、ショスタコーヴィチの曲の中で"勝利"だ"歓喜"だと言われていた楽章の中にある外声部,内声部の不可解な音の響きや基底部にあるリズムの意味を初めて説明していたものです(注2)。

例えば、ソ連体制下での"公式"な見解による「勝利の行進」とされていた有名な交響曲第5番の最終楽章について、「あそこにどんな歓喜があるのだ」「あれはボリスゴドノフの場面同様、強制された歓喜なのだ」と書かれています。

更に、公式には、「第7交響曲を我々のファシズムに対する戦いと我々の宿命的勝利、そして我が故郷レニングラードに捧げる」と作曲者によって表明されたとされる「レニングラード」という通称を持つ交響曲第7番については、この「証言」では「私はダビデの詩篇に深い感銘を受けてあの曲を書き始めた」、「神は血のために報復し、犠牲者の号泣を忘れない、など」とあります。他にも引用したらきりがないほど面白い本です。

この本は、編者ヴォルコフが言うように、「ショスタコ-ヴィチと聴衆を隔てる最後の扉が彼の背後で閉められたら、誰が彼の音楽を聞こうとしただろうか。」(注3)という危惧感の元、「表向きの仮面が彼の顔にぴったり貼り付けられていた。それ故仮面の下から、用心深く、疑り深そうに彼の素顔が覗いた時、私は非常に驚いた」という、そのとおりの構成になっています。

ショスタコーヴィチは、音楽はそれ自体を聴いてその意味を感じるものであるが、ソビエト体制の下で、作品への批判を避けるため「公式」に表明したり、させられたり、勝手に代筆された言葉が、聴衆に彼の作品を理解してもらう為の妨げになっているということを強く感じて、こういう構成になったのでしょう。

その衝撃的な内容はショスタコーヴィチの時代背景や、彼の作品について、何度読んでも飽きない不思議な含蓄ある言葉に満ちたものです。一つの例としてダビデの詩篇との関係で語られた第7交響曲を挙げてみましょう。


交響曲第7番ハ長調作品60「レニングラード」

この曲は、それまで第二次大戦中にナチスドイツがレニングラードを包囲したその最中に作曲され、その後ソ連は反撃に出てその包囲を解きソ連を勝利に導いた様子を曲にした"戦争交響曲"というような解釈がなされてきました。

実際にこの"公式見解"に沿った、第1主題提示 「この曲の主人公であるソヴェト国民の持つ勇気と自信」(「ボレロ的」展開)、「ファシスト侵略の醜鼻の印象を描き出す」「戦争の主題」 第1主題の短縮再現 「われわれの英雄たちのための(中略)この鎮魂曲をきいて我々は泣かない。こぶしを固めるのだ」…というような解説が、真顔で書かれていました(注4)。

『証言』では、「この曲は戦争の始まる前に構想されていた為、ヒトラーの攻撃に対する反応としてみるのは完全に不可能であり、冒頭の楽章で執拗に繰返される「侵略の主題」は実際の侵略とは全く関係がない」とし、「ヒトラーによって殺された人々に対して、私は果てしない心の痛みを覚えるが、スターリンの命令で非業の死を遂げた人々に対しては、それにも増して心の痛みを覚えずにはいられない。」

この交響曲などが、ナチスドイツとの攻防をテーマとする"戦争交響曲"と捉えられていることについて、「(戦後30年もたって彼らは)何故自分の頭で考えようとしないのだろうか…」「私の多くの交響曲は墓碑である」「(これは)第4番に始まり第7番第8番を含む私の全ての交響曲の主題であった…」と記されています。

戦争前には、スターリンは国内では人民の敵だとして粛清で多数の無辜の人々を殺していました。ヒトラーと独ソ不可侵条約を結び、他方では赤軍の機械化近代化を推し進めていたトゥハチェフスキー元帥(注5)を拷問にかけナチスのスパイだとして銃殺し、これに関係していたとして数百人の将校を処刑しています。他にも粛清で殺された人は多数いました。これらの人々に対しても捧げられた曲だというのです。

これでは、「あれは"戦争交響曲"だ」「侵略者の醜鼻を描きソビエト人民の勝利を輝かしく描いているのだ」などと、上から目線で言っていた人たちはナチスと戦ったのだから社会主義は正義だと思っていたのですから、「同類だ」と言われて立場がなくなりますね。

この曲に関し、初演当時からハンガリーの作曲家べラ・バルトークがショスタコーヴィチに対して「不真面目である」と怒りを表し、「管弦楽のための協奏曲」の中にショスタコーヴィチを皮肉っている部分があるという話がありました。

しかし、何にバルトークが怒っていたのかはよく分からないままでした。

これについては、「管弦楽のための協奏曲」の中だけでなく、ショスタコーヴィチの交響曲第一楽章にもまた、レハールの喜歌劇「メリー・ウィドウ」のパロディが含まれていたという事実から、バルトークの意図が分かります。

この第1楽章の「戦争の主題」とレハールの旋律との関係は、『証言』の編者のヴォルコフが、1979年の英語版『概説(未邦訳)』の注釈ではじめて説明しました。それによると「戦争の主題」の後半はウィーンのオペレッタ作曲家フランツ・レハールの有名な「メリー・ウィドウ」の引用であり、その部分の歌詞は「(キャバレー)マキシムへ行こう〜」だったというのです。(注6)

続く歌詞は「そこの女達は祖国を忘れさせてくれるのさ・・」というものです。
指揮者ムラヴィンスキーは、この初演をラジオで聴いて、このマーチはナチスの侵略ではなく「作曲者が既に創作しておいた愚劣さや、甚だしい下品さの普遍的イメージだ」と思ったと追想していたそうです。(注7)

また、上から目線の人たちは、この曲の最終楽章(第4楽章)については、「(「人間の主題」)が全楽器の絶叫によって打ち立てられ、序奏の同音連打が勝利の宣言となる。」とか言っていました。終わりのコーダ部分が何かしら敵に鉄槌をくらわせているように聞こえるのでしょう。

そのように聞こえなくもありません。『証言』が述べているのはこの「敵」はナチスだけでなくスターリンの殺戮マシーンのような体制でもあるということでしょう。するとここでは「勝利」でなく「鉄の杖で彼らを打ち砕き、焼き物の器のように粉々にする」(注8)という「裁き」ないし、「報復」を表現しているのかもしれません。

あえてイメージで語るとすれば・・・、全楽器の絶叫によってそそりたつように打ち立てられるのは、「雷を伴った大きな雲の柱、火の柱」(注9)のようです。
旧約聖書では、「民のため敵に復讐する神は雲の柱の中にいます」、

詩篇では、「雷鳴は車の轟きのよう。・・稲妻は世界を照らし出し地は慄き、震えた。」(注10)

「(主は)、悪者の上に網を張る。火と硫黄。燃える風が彼らへの「裁き」(の杯への分け前)となろう」(注11)

という記述があります。

『証言』で「神は血の為に報復し、犠牲者の号泣を忘れない、などとある」と言及しているのは、言葉で解説するとしたらこのようなことかもしれません。そしてこの「人間性に対する敵」に鉄槌を下すのが、神ではなく、戦争や暴政の中で虐殺されていった人々の無念、かなしみ、慟哭の果ての激しい怒りなのでしょう。

なお、第4楽章の後半は、フレイシュマンのオペラ「ロスチャイルドのヴァイオリン」の終曲の旋律、展開が基調にあるように聴こえるのですが・・・(注12)。

「反形式主義的ラヨーク」(作品番号なし)の登場

『証言』の中で、ジダーノフ批判に触れて「私にはこの主題を描いた作品があり、全てはそこで語られている」と言う記述があります(注13)。

この本の出版後10年たった1989年には、これに符合する、誰も知らない謎の作品が「反形式主義的ラヨーク」として、初演されました。

これは、戦後のジダーノフ批判の時の、スターリンや取り巻きを茶化した声楽曲(世俗カンタータ)で、ヴォルコフの初版『概説』にもこの部分について触れた記述があり、『証言』本文の中でも、この作品の存在を示唆した辺りの記述内容と視点、取り上げ方は一致していました。作風はゴーゴリの原作に基づくオペラ「鼻」を思い出します。

ある偽書説論者は、このソビエト当局を揶揄した「ラヨーク」 が見つかった時に「なぜ『証言』にはラヨークの存在が書かれていないのだろう」 と得意満面に発言したそうです。その後『証言』の翻訳者が、『証言』中にラヨークの存在についての記述があることを指摘しましたが、前言を訂正することはなかったようです(きっとこの論者は邦訳も英語版も読んだことがなかったのでしょうね)。

未だにこの『証言』の内容の中には偽書であることを疑わせる「事実誤認」は確認されていないどころか、この『証言』の内容を裏付ける事実がどんどん出てきました。ソビエト崩壊後、埋葬された場所すらわからない演出家メイエルホリドが拷問され銃殺されたことは、判決文や、取り調べ過程の資料が出てきました(注14)。
まだまだ、おもしろい発見や埋もれている事実があるように思われます。
(つづく)


(注1):『ショスタコーヴィチの証言』(原書:Testimony : The Memorries of Dmitori Shostakovich)1979年10月ソロモーン・ヴォルコフ(ロシア人音楽学者)の編。N.Yにて出版。英訳はAntonia W. Bouisによる。英訳では編者序(Preface)、編者の概説(Introduction)、本文からなる。
邦訳「ショスタコーヴィチの証言」(水野忠夫訳, 中央公論社, 1980)はロシア語タイプ原稿によっているが、編者序、本文のみで編者ヴォルコフの概説(Introduction)は未訳。

(注2):『証言』、出版後25年たって、この「証言」に「ユダヤ音楽の二層」「泣き笑い」というあたりにかかれていたことを、たとえば「二重言語・・ショスタコーヴィチの音楽に含まれた両義性」などと著者の新見解のように書かれている本まで出てきました。総じて、「証言」の結論見方に極めて近い、ないし事実上引用している箇所がかなりあるに出典を明らかにしていません。おもしろいことです。

(注3):邦訳編者(ヴォルコフ)序P.5

(注4):井上頼豊「ショスタコーヴィッチ」(音楽之友社)(P.117以降)
なお、これとは別に、清透な深い悲しみに満ちた第3楽章 Adagioについて「(「祖国の大地」)」とか表題をつけて、「比較的叙情的で明るい内容を持つ。」「陽気で息の長い旋律が現れる。」「祖国愛を表現している。」とか真顔で書いてあるのをどこかで読みましが、これも同類の方なのかもしれません。

(注5):ミハイル・ニコラエヴィチ・トゥハチェフスキー ソ連邦元帥。赤軍の機械化,ロケット兵器開発などを推進。数々の戦術理論を編みだした。スターリンの赤軍大粛清の犠牲者の1人。1937年5月逮捕され、トハチェフスキーは拷問にかけられ、自白を強要させられた。トゥハチェフスキーの調書にはその時の血痕が残されているという。『証言』第三章の後半は、トゥハチェフスキーに関する記述である。

(注6):1979年英語版 概説[Introduction] xxxiv脚注 に明記されている。
この点について我が国では、柴田南雄氏がはじめて指摘したという理解がなされている。しかし、同氏の指摘は、1980年刊の「海」所収のエッセイの中で述べられているので『証言』の邦訳の発刊前であるが、ヴォルコフの指摘はその前年である。
同氏の指摘のみを前提で議論している人は、きっと『証言』の英語版は読んだことがなかったのでしょう。

このマーチとはTVのCMで「シュワちゃん、リエちゃん、チチンプイプイ〜♪」とやっていたあの旋律です。

(注7):概説[Introduction] xxxiii〜xxxiv 原文は"the composer had created universalized image of stupidity and crass tastelessness"

(注8):旧約聖書詩篇第章9節
(注9):同出エジプト記13章
(注10):同詩篇第11章6節

(注11):同77章19節 なお、筆者は特定の宗教への信仰はありません。

(注12):ヴェニアミン・フレイシュマンはソ連邦の夭折したユダヤ系の作曲家。『証言』において、弟子であったフレイシュマンを高く評価する記述がある。チェーホフの短編によるオペラ「ロスチャイルドのヴァイオリン」に着手したが、最前線に志願し、28歳で戦死した。ショスタコーヴィチはフレイシュマンの自筆譜にオーケストレーションを施し、1944年2月完成させた。1968年初演されたが、ソ連体制下では二度と演奏されなかった。

(注13):邦訳初版P.215、上段、英語版初版本文P.147,7〜9行目、同ページ脚注
英語版 概説[Introduction] xxxiv脚注、 に明記されている。

(注14):『証言』第三章の前半は、メイエルホリドに関する記述である。
名越健郎『クレムリン秘密文書は語る』中公新書、1994年などがある。
https://kiyotaka-ishikawa-law.com/column/10.html


▲△▽▼

石川清隆コラム
俗物根性(Пошлость)と芸術に対する「冷笑」
https://kiyotaka-ishikawa-law.com/column/27.html

1.注解のほうが交響曲そのものよりも重要だと考えている人々 (注1)

最近話題の佐村河内という被爆2世で聴覚障害がある人物の作とされていた曲には、実はゴースト・ライターがいたという。

何曲か聞いたことがあるが「広島」と題された曲はマーラーの交響曲第2番第5楽章をベースにした習作的作品かと思っていた。「佐村河内の作品」群は、新垣という人の作品だという。音楽まがいの「音楽」というのは数あるが、これらの作品群は音楽的に優れたものと思う。なんでこのように作者をたがえて「お出まし」にならなければいけなかったのだろうか…。

世の中にはアイドル歌手やタレントが自伝や本を出すとき、ゴースト・ライターに書いてもらうことは良くあるといわれ、ゴースト・ライター「専門家」もいる。
今回のは、質的によいものであっても、被爆二世が作曲した「HIROSHIMA」とか「耳が聞こえないハンディを乗り越えて努力の末に作品を完成させた」、東日本大震災をテーマにした「レクイエム」とかいうふれこみで売ろうとしたのだろう。

音楽作品の内容、完成度でなく、何か話題性、逸話を造り上げて、良い物でも、まがい物でも「売らんかな」の音楽業界の商業主義的体質、話題性を『付加価値』とする芸術とその鑑賞者に対する「冷笑的」な傾向が見え隠れします。

作曲家ショスタコーヴィチが「生活の為なのだとそっと言われるところに、すべての悲劇が発生する。」として知人から聞いた面白い話を紹介している。

「それこそドストエフスキーの小説に出てくるような素晴らしい光景であった。二人の「共作者」が便所で落ち会う。一人は相手に金をつかませ、もう一人は相手に高潔さを主題としたいつもの歌を手渡す。そして陰謀を隠すために、便器に勢いよく水を流す。このように崇高で詩的な状況のもとでいわば国民の道徳水準の向上を訴える価値のある新しい作品が生まれるのである。」

それを咎めると「わたしの相棒はきちんとかなりの金を支払ってくれている。ほかの人たちからの注文も受けなければならないのだ。だがそのおかげで生きてゆけるのだから、彼に感謝している。だからきみを中傷好きな人だと吹聴してやる。」 (注2)
と言われたそうです。

2.「革命」という"勇ましい"副題(交響曲第5番)

このショスタコーヴィチの作品で有名な交響曲第5番 (注3) がありますが、これに「革命」とかいう副題をレコード会社が勝手につけて売り出していたのは我が国だけ。

この曲は、現在では、感情的な諸相がかなり複雑な内容を含んでいる曲であることは広く理解されていますが、初演当時「フィナーレでショスタコーヴィッチは新しい創造的手段を見つけ出し、音の壮大さ、雄大さを生み出している。満場が立ちあがる。満場は喜びと幸福感にとらわれる」 (注4) とか褒められて、社会主義リアリズムを代表する交響曲とされて世界中に喧伝されていました。

この曲の最終部分、速度指定はかなりゆったりとしているのですが、アメリカの指揮者バーンスタインは1959年、ソ連に演奏旅行に行った時、この交響曲第5番の演奏で第4楽章のコーダのテンポ(開始部も早い)を倍以上の4分音符=200ほどの超快速で演奏しました。するとかなり軽い諧謔的なおちょくった演奏になるのですが、当時のソ連共産党関係者は、よく分からずにこれを明るい"勝利の凱歌"のように感じてひどく喜んでいたそうです。またバーンスタインが1979年に来日した時の演奏も第4楽章のコーダのテンポも同じくらい速く (注4) 、この曲LPレコードに「革命」とかいう副題が勝手につけられたのはこの前後でしょうか。

当時、ショスタコーヴィチの曲のレコードを買う人の多くは、この曲の最後に「「勝利の行進」を聴くのだ」とか確信を持った人が多かったのかもしれません。このような人たちを満足させるために「革命」とかいう副題をレコードジャケットの帯に付けて売ろうとしたのだと思います。

まあ聞く方も、今ではどう聞いても軽薄で諧謔的な演奏に対し、「気迫溢れる、逞しく勇ましい「革命」を聴かせてくれた」とか「光り輝く圧倒的な勝利を告げるフィナーレまで熱く激しく聴かせてくれた」とか感激しちゃったり。 一部の音楽評論家などが、「うわっすべり的なから騒ぎ」とか書かないまでも速度指定の問題などを書くと、「これだけ演奏が燃えているのに、この批評からはこの凄い演奏に対する熱が感じられない!」とか非難される始末でした…。 (注5)

どうしてこのような「冷笑的態度」で「革命」とかいう副題 (注6) をつけて付加価値を付けられるのでしょうか。

亡命ロシア人の作家ウラジミール・ナボコフは「俗物は感動させること感動させられることを好み、その結果として欺瞞の世界、騙し合いの世界が彼によって彼の周囲に形成されるのである。」 (注7) という。

ショスタコーヴィチは革命後、困窮して「食うためならどんないまわしい行為でも、わたしはしてみせる」と書いたチニャコフという詩人を例に挙げ、「重要なのは食べることであり生きている間はできるだけ甘い生活を送りたいというのである。これは冷笑的な心理と呼ぶだけでは不十分で刑事犯の心理である。わたしの周囲には無数のチニャコフたちがいた。才能のある者もいればさほど才能のない者もいたが。しかし彼らは協力して仕事に励んでいた。彼らはわが国の芸術を冷笑的なものに変えようと努めその仕事を上首尾に成しとげたのであった。」 (注8) と述べています。
チニャコフは、街に立ち「詩人」と書いたボール箱を首から胸に吊るし、通行人から金を恵んでもらいその金で、高級レストランで飲食し、翌日はまた街角に立っていたという。

3.ゴーゴリ『外套』、冷笑的なまなざしでない「不条理」なもの

「貧しい下級官吏がなんとか外套を新調する。外套は生涯の夢になる。ところが、その外套を最初に着た夜に、暗い街区で外套を剥ぎとられて、悲嘆のあまりに死んでしまう。

夜な夜な街区をうろつく外套を着た幽霊が出る。そして幽霊が高慢ちきな上司の外套を剥ぎとってしまう…。」

この作品を、ゴーゴリが単に精神異常をきたして「冷笑して」いるとか、いや、「虐げられる弱者との主題を設定し、ゴーゴリが読者に「人道的な同情を求めている」と読むべきとかいろいろな議論があります。

ナボコフは「ロシアには気取った俗物根性を指す特殊な名詞ポーシュロスチというのがある。屑であることが誰の目にも明らかな対象を指すだけではなく、むしろ偽りの重要性、偽りの美、偽りの知恵、偽りの魅力を指す。何かにポーシュロスチというのは、美学的判断であるばかりか、道徳的弾劾でもある。真なるもの、善なるものは、決してポーシュロスチにはなり得ない。ポーシュロスチは文明の虚飾を前提とするからである。」という (注9) 。

ナボコフはこの主人公の下級役人は「不条理」な現実の精神を体現している「亡霊」だと指摘し、「何かがひどく間違っていて、すべての人間は軽度の狂人であり、自分たちの目には非常に重要と見える仕事に従事している一方、不条理なほど論理的な一つの力が人間たちを空しい仕事に縛り付けている――これがこの物語の本当の"メッセージ"である」 (注10) と結論付けている。

 このように『外套』の主題をとらえて、「身にそぐわない衣」といえば、ゴーゴリは、シェイクスピアの一節を読んでいたのかもしれませんね。王位を奪い暴君と化したマクベスに対し、シェイクスピアは貴族ケイスネスにこう語らしている。 「いまこそ彼はその王という称号がだぶだぶで身体(み)にそぐわくことを感じているのだ。あたかも巨人の衣を盗んだ侏儒(小人)のこそ泥のように…」 (注11)

4.ゴーゴリの『鼻』は?

では、『鼻』は…。

「正気の沙汰とは思えない奇妙きてれつな出来事、グロテスクな人物、爆発する哄笑、瑣末な細部への執拗なこだわりと幻想的ヴィジョンのごったまぜ」 (注12) という解釈もあるのはゴーゴリの『鼻』です。

ナブコフは小説『鼻』について多くを語りませんが、「ゴーゴリにとってのローマは北国に拒まれた良好な健康状態を暫のあいだは保っていられた場所だった。イタリアの花々(それについて彼は言った「墓の上におのずと咲き出る花々をわたしは尊敬する」)は 一個の「鼻」に変身したいという激しい欲望で彼を満たした。目や腕や足など他のものは一切要らない。ただ一個の巨大な鼻「ありとあらゆる春の香りを吸いこめるような二つの手桶ほどの大きさの鼻孔をもつ」鼻になりたい。イタリアにいた間ゴーゴリは特に鼻意識が強かった。」 (注13) という。しかしそれ以前にロシアでゴーゴリの書いた『鼻』の不条理は怖いほどです。

ショスタコーヴィチは言う。

「『鼻』は滑稽ではなく恐ろしい物語である。」「鼻のイメージにもなんら滑稽なものはない。鼻がなければその人は人間ではないが鼻のほうはその人がいなくとも人間になれるし、権力者にもなれる。これはけっして誇張ではなくて歴史の証明する真実である。もしもゴーゴリが今日まで生き続けていたならそれ以上のものを目撃したことだろう。今日では、このような鼻が幽霊のように徘徊していて、たとえばわが国の共和国で起こっていることもその意味ではまったく滑稽ではないのである。」 (注14) ショスタコーヴィチは、ゴーゴリのこの小説をヒントに弱冠20歳でオペラ『鼻』作品15を作曲しました。この作品は、このオペラの中で『鼻』が大衆に囲まれてボコボコにされるように批判され40年余、1974年までロシアでは上演されませんでした。

この作品への批判は、まさに"気取った下司"によるものです。
ナブコフはいう。

「俗物は順応主義者つまり自分の仲間に順応する人物であり、そのほかにもう一つの特徴をもつ。すなわち、ニセ理想主義者であり、ニセ慈善家であり、ニセ学者である。欺瞞は真の俗物の最も親しい友人なのだ。「美」「愛」「自然」「真実」といった偉大な言葉は気取った下司に用いられるときすべて仮面になり"囮おとり"になる。」 (注15)
どんな批判であったのか、は当時の批評家 (注16) の批評をそのまま引用したロシア・ソヴィエト音楽研究に従事した井上頼豊の『古典的名著』 (注17) があります。どんなことを言っているかというと…。

この研究者は、「彼は…歌劇『鼻』で形式主義的傾向の頂点に達した」と結論付け、「『鼻』の抽象的な奇抜さはソヴェトの音楽劇になんの足跡も残さなかった。同様の原理に基づいた他の諸作品も同時期にあらわれたが、ショスタコーヴィッチの歌劇のような自然主義の極端まではいっていなかった。」と評しています。"形式主義的傾向"か"自然主義の極端"とかどういう意味か未だに分かりません。書いているご本人もわかっていたのでしょうかね。

そして、「西欧音楽の革新の影響は…彼らは…知らず知らずのうちにロシア楽派の健康な基礎から次第に遠く迷い出て行った。」とプロレタリア音楽の理想を踏み外したんだそうですが、その理由として「新しい作品が現代音楽界を喜ばせたいという事実が、ショスタコーヴィッチの発展を形式主義の方向へ押しやったことは疑いない。」という。

そしてこの偉大な作品を「歌劇はエヌ・ゴーゴリの同名の名高い物語によっているが、そのユーモラスなリアリズムを失って小話の領分におちている。」とまで断言してしまうのです。

もう一つ面白いことは、井上頼豊はこの「ショスタコーヴィッチ」(1957年)でこの作品をこのように、ケチョンケチョンに批判しているのですが、この批評がこのオペラの録音を聴いたり、楽譜、台本を見て書かれた形跡が全くないのです。 楽譜がウイーンで出版されたのが1962年(戦前に海外での演奏の権利を譲渡していた)、ロジェストヴェンスキーがボリショイ劇場地下壕で筆耕本スコアを発見したのが1950年代終わり(ショスタコーヴィチの手元にはスコアは全くなかった)、1970年に演出家がボリショイ劇場で学生たちと試演したときは録音すらなかった…。井上頼豊センセは台本も楽譜も録音も聞かないで「形式主義!」とか書いていたようですね。
そしてその分析がまたブラックジョークのように面白いのです。
ア 台本について

「こんなきちがいじみた寄せ集めの台本が'作曲家に本当の劇的な基礎を与えないのは明らかであろう」と断じています。

「性格の異なった様々の作品を結びあわせることを原則とした台本の構成そのものにもあらわれていた。古典を"編集する"という破壊的な方法」で「台本の構成…そのものが形式主義的でテキストはゴーゴリのいろいろな物語から編集され 『鼻』の話の他に『昔気質の地主たち』『死せる魂』『狂人日記』『タラス・ブリーバ』および『結婚』の抜粋を含み、おまけにドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』からとったスメルシャコフの小歌まで入っている。古典文学のこのような扱い方は論外である。」そうです。

『オペラ鼻』のコワリョーフ(注;鼻のなくなる八等官)の下男の歌は、『カラマーゾフの兄弟』のスメルジャコフ(注:カラマーゾフ家の使用人(コック)。私生児で無神論者)の歌「不屈の強さで、・・・私は愛に至った。神は彼女と私を祝福している」から引用したもので原作にはない下男イワンがバラライカを持って歌うシーンのことですね。これをゴーゴリの作品の中にあるドストエフスキー的要素の抽出・演繹で素晴らしいと思うか、つぎはぎと思うかですが…。
イ 音楽については

井上は、「『鼻』を書いているとき、作曲者が歌劇の設計をまるで忘れていたことは明らかである」とし、「彼の注意は、明らかに新しいポリフォニー効果の追求に奪われていたのである。急速な歌と踊りの形は、もっぱら"仮面" だけで仕上げられ、どれもが誇張されて馬鹿らしいものになっている。」

「これは第一にアリアの配列で証明できる。ふつうの意味での旋律の原則はここにはない」「レシタティーフは、時には縮まってふつうの会話になっている。その上ショスタコーヴィッチのレシタティーフは奇妙な、言葉を摸した誇張した抑揚で書かれている。」

「声楽の配置(したがってまた全歌劇の様式)は故意の不自然さと露骨なおどけとがめだっている。」…とか。

ダニール・ジトミルスキーは「不条理な効果は登場人物のまさにイントネーションで表現されている。しかしながら、それらはゴーゴリの実際の音声の原型を風刺的に解釈したものではありません。」「それらはゴーゴリの小説に存在した主要な風刺を排除している。」という。

「ゴーゴリの皮肉を構成するものは、まさに異様な状況とこれに対する普通の対応を並置していることです。小説の語彙は、日常生活で使用される語彙に極めて近い。オペラの語彙については、それがほぼ完全にパロディです。このパロディは特徴として、ゴーゴリが使用したかなり正確な本来の標準(の語彙の意味)とのすべての関係を失うほどラジカルである。不条理な効果は登場人物のまさにイントネーションで表現されている。しかし、それらはゴーゴリの実際の音声の原型を風刺的に解釈したものではありません。多くの場合、これらは作曲家自身によって発明された音楽的「知的障害」だったのではなく、彼の思考の中で、最良の方法で、登場人物の不条理を表現することを意図したものだ。」

「音楽を通じて愚かさ、不条理と下品を表現しようとして、彼はパロディ化した元となる主要な情報源との接続を失うことなく、彼はこれらの心理的な形象の音楽的に同等な表現を発見した…。」 (注18)

というが、こちらの方がゴーゴリの「小説」とオペラ「鼻」との関係を的確に分析しているように思います。

井上の評論は、まさにナブコフの言う「俗物性」そのものです。
「俗物根性は単にありふれた思想の寄せ集めというだけではなくていわゆるクリシェすなわち決り文句、色褪せたせた言葉による凡庸な表現を用いることも特徴の1つである。真の俗物はそのような瑣末な通念以外の何ものも所有しない」 (注19)

そして、「科学的社会主義的唯物論」と称する「疑似科学的全体主義的俗物論」から芸術とその鑑賞者を冷笑していたと思います。


(注1):「ショスタコーヴィチの証言」 邦訳初版p.282
(注2):「ショスタコーヴィチの証言」 邦訳初版p.253

(注3):交響曲第5番 ニ短調 作品47は、ショスタコーヴィチの作品の中でも、特に著名なものの一つ、コーダの楽譜の指定テンポは4分音符=92なのにバーシュタインは4分音符=188〜200ほどのスピードで演奏している。

(注4):アレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイ1883年- 1945年)など。有名なレフ・トルストイとは別人。この交響曲第5番は当時ソ連作家同盟議長アレクセイ・トルストイの論文(ショスタコーヴィチの第5交響曲、1937年、イズべスチァ紙)で絶賛されました。

(注5):日本における西洋音楽受容に関する社会学的分析のための一試論
−− D.Shostakovichの場合−−由谷 裕哉"例えば、『証言』以前の第5交響曲の解説で、典型的な一つに、「プラウダ」に批判(=教育?)されたことによってはじめて、ショスタコーヴィチは第5交響曲のような「真の名作」−−この表現には、もちろん、人民大衆のための、という含意が含まれている−−を作りえた、というレトリックによって、ショスタコーヴィチの創作環境を外的に制約(あるいは抑圧)した党による文化政策が、臆面もなく正統化されていた

(注19)※ちなみに、この頃<1970年代初頭頃>の筆者は、時代的な潮流もあって、新左翼的な運動にある程度のシンパシーを抱いていたが、この議論だけは、その頃からとうてい納得出来ないものであった。
この(注19)はバーンスタイン指揮ニューヨークフィルハーモニックによる一度目のレコード(1959年録音)の日本版ライナーノーツ(CBSソニー)で、執筆者は門馬直美。

(注6):フェイ、邦訳「ある生涯」p.136
「彼は自らの交響曲第五番に'何ら副題をつけたり裏書きしたこともないし'出版された楽譜に副題が記されていたこともない」
「私の創造的回答」(掲載誌不祥)には'作曲家の署名付きで発表され「最終楽章で、最初の3楽章までの悲劇的なまでに緊張した瞬間を人生肯定的で楽観的な構想に溶かし込んでいます」と書かれたりしたが…。

(注7):ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ナボコフ(Владимир Владимирович Набоков Vladimir Vladimirovich Nabokov,(1899年- 1977年)は、帝政ロシアで生まれ、ケンブリッジ大学へ入学、ロシア革命のために帰国を断念フランスやドイツで亡命者として転々とした生活を送り、1940年にアメリカへ渡ります。アメリカではコーネル大学で教職に就き、ロシア文学を教えました。 『ロシア文学講義』"Lectures on Russian Literature" (1981年)

小笠原豊樹訳、TBSブリタニカ 1982年、「俗物と俗物根性」("Philistines and Philistinism"p.376)

(注8):「ショスタコーヴィチの証言」 邦訳初版p.257
(注9):ナボコフ『ロシア文学講義』p.376
(注10):ナボコフ『ロシア文学講義』p.72〜73
(注11):マクベス 第5幕第2場  スコットランドの貴族ケイネスが暴君「マクベス」を指して言う言葉、(訳は拙訳)
(注12): 光文社新訳文庫: 解説
(注13):ナボコフ『ロシア文学講義』p.57
(注14):「ショスタコーヴィチの証言」 邦訳初版p.300
(注15):「ショスタコーヴィチの証言」 邦訳初版p.257
(注16):マルトゥィノフ「ショスタコーヴィチ・人と作品」 (注17):井上頼豊「ショスタコーヴィチ」1957年 音楽之友社p.30〜
(注18):ジトミルスキー「Shostakovich Reconsidered, ed. Ho&Feofanov1998」(p.438〜439) (注19):ナボコフ『ロシア文学講義』p.376
https://kiyotaka-ishikawa-law.com/column/27.html



http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c4

[番外地7] メモ帳 _ アイヌ 中川隆
6. 中川隆[-14409] koaQ7Jey 2020年1月17日 19:45:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1323]
北海道は日本じゃないよ、日本人が勝手に占拠してるだけだ
明治以前は北海道には日本人は住んでいなかった
日本人はアイヌの住んでいた北海道を勝手に日本人に分割したんだ
中国が今ウイグルでやってるのと同じ事を日本政府は100年前にアイヌに対して行った
アイヌ人が仇敵の和人の勝手に作った法律に従う必要はない
明治以降、アイヌ人がどれ位迫害されてきたかを思い出せ:
千島アイヌは日本政府の民族ジョウカ政策で絶滅した

日本政府は千島アイヌを集めてシコタン島に強制移住させて、強制労働させてほぼ絶滅させた更に沖縄戦の最前線に残った千島アイヌを送り込んで玉砕させた
それで千島アイヌは絶滅して、民族浄化完了だ中国が今ウイグルでやってるのと同じ事を100年前にやっていたんだ

千島アイヌの強制移住による民族絶滅 移住後、生活の急変に加え風土の変化の為に、彼らの着島後、僅か20日も経たぬうち、3人の死者があり、更にその後も死亡者が続出し、これには彼らも愕然たらざるを得なかった。

17年には6名、18年には11名、19年・2名、20年・17名、21年・10名の死亡者があり、出生11人を差し引くも33名の減少をきたし、ついに64名を数えるに過ぎなくなった。

それは生活環境の急激な変化、ことに内地風に束縛された生活、肉食より穀食を主とした食物の急変等によるものであるとみられるが、移島当時は動物性食料の欠乏を補充する食物の貯蔵が少なく、冬期野菜類が切れて壊血病にかかり死亡したものとも言われている。事実そうであるとするならば、政府の不用意な強制移住がこの結果を招いたとも言えるであろう。 明治18年2月22日付色丹戸長役場の日記を見ると、「此の日土人等具情云、当島は如何にして斯く悪しき地なる哉。占守より当島へ着するや病症に罹る者陸続、加之(これにくわえ)死去する者実に多し。今暫く斯くの如き形勢続かば、アイヌの種尽きること年を越えず。畢竟(ひっきょう)是等の根元は、占守において極寒に至れば氷下に種々の魚類を捕らえ食す。故に死者の無きのみならず、患者も亦年中に幾度と屈指する位なり。然るに当島には患者皆々重く、軽症の者と言えば小児に至るまでなり。見よ一ヶ月に不相成(あいならざる)に死する者3名、実に不幸の極みとす−云々」故に故郷占守島に帰還したいが、もしそれが不可能ならば得撫島にでも移りたいと嘆願している。 根室から指呼の間にあるこの島に閉じ込められた彼らクリル人にとって、人口の減少は、この後も重い十字架として背負い続けなければならなかった。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/340.html#c6

[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
5. 中川隆[-14408] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:20:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1322]
エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
Bartók - Music for strings, percussion & celesta - Mravinsky Leningrad 1965


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c5
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
6. 中川隆[-14407] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:23:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1321]

チョン・キョンファ
Kyung-Wha Chung plays Bartók "Violin Concerto #2" - (Boston, 1975)


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c6
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
7. 中川隆[-14406] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:25:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1320]
アルゲリッチ
Béla Bartók - Concerto for Two Pianos, Percussion, Orchestra


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c7
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
8. 中川隆[-14405] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:31:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1319]
ゲザ・アンダ
Bartók: Piano Concerto No.3, BB 127, Sz. 119 - 1
https://www.youtube.com/watch?v=hdV3Cl_6wLg
https://www.youtube.com/watch?v=KrU4nyGac2U
https://www.youtube.com/watch?v=kZKR4AGSUCg

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c8
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
9. 中川隆[-14404] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:33:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1318]
バシュメット
Yuri Bashmet plays Bartok Viola Concerto - video 1985


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c9
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
10. 中川隆[-14403] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:36:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1317]
バルトーク・シゲティ・グッドマン
Bartok:Contrasts For Violin,Clarinet&Piano-Szigeti,Goodman&Bartok


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c10
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
11. 中川隆[-14402] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:41:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1316]
タカーチ四重奏団
Bartók: String Quartet No.3, BB 93 (Sz.85)
https://www.youtube.com/watch?v=QhPv_2-VG1Y
https://www.youtube.com/watch?v=KY_OAfN0Y7k
https://www.youtube.com/watch?v=AjZNLUeGoOw

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c11
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
12. 中川隆[-14401] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:45:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1315]
タカーチ四重奏団
Bartók: String Quartet No.4, BB 95 (Sz.91)
https://www.youtube.com/watch?v=F_hoMKGbalY
https://www.youtube.com/watch?v=0Ga15wRGYGk
https://www.youtube.com/watch?v=TP74FhypOB0
https://www.youtube.com/watch?v=InwUCs3htBg
https://www.youtube.com/watch?v=NcJxDfrPDns
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c12
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
13. 中川隆[-14400] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:49:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1314]

タカーチ四重奏団
Bartók: String Quartet No.5, BB 110 (Sz.102)
https://www.youtube.com/watch?v=7f29-B2XVDA
https://www.youtube.com/watch?v=jdJfpkcZgoU
https://www.youtube.com/watch?v=sS2x98GyxlA
https://www.youtube.com/watch?v=juHYWX28_jw
https://www.youtube.com/watch?v=7f29-B2XVDA
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c13
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
14. 中川隆[-14399] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:52:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1313]
タカーチ四重奏団
Bartók: String Quartet No.6, BB 119 (Sz.114)
https://www.youtube.com/watch?v=Vtz7S5FTDaE
https://www.youtube.com/watch?v=Y9WEc_HtrxM
https://www.youtube.com/watch?v=sY6TYlwSeQo
https://www.youtube.com/watch?v=09efiLibS88
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c14
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
15. 中川隆[-14398] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:54:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1312]
バルトーク自作自演
Allegro Barbaro by Bela Bartok


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c15
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
16. 中川隆[-14397] koaQ7Jey 2020年1月17日 21:58:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1311]

バルトーク自作自演
Béla Bartók at the piano Allegro Barbaro




http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c16
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
17. 中川隆[-14396] koaQ7Jey 2020年1月17日 22:01:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1310]
バルトーク・シゲティ
Bela Bartok and Joseph Szigeti play Beethoven Kreutzer Sonata


https://www.youtube.com/watch?v=AZG2iKESTLk
https://www.youtube.com/watch?v=QSflm15fKPs
https://www.youtube.com/watch?v=u3adLvwIm8Y
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c17

[近代史3] 新しいチンパンジー学 わたしたちはいま「隣人」をどこまで知っているのか? 中川隆
5. 中川隆[-14395] koaQ7Jey 2020年1月18日 09:39:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1309]
2020年01月18日
ボノボとチンパンジーの集団内および集団間の雄同士の血縁度の比較
https://sicambre.at.webry.info/202001/article_28.html

 互いに最近縁の現生種である、ボノボ(Pan paniscus)とチンパンジー(Pan troglodytes)の集団内および集団間の雄同士の血縁度の比較に関する研究(Ishizuka et al., 2020)が公表されました。血縁関係は動物の理解にたいへん重要ですが、異なる集団における個体間の血縁パターンは、とくに大型哺乳類ではほとんど調査されておらず、それは野生での調査が困難だからです。ボノボとチンパンジーは、父系で複雄複雌集団を構成し、集団は分裂と融合を繰り返すといった点で、共通の社会システムを有しており、集団間の相互作用と異なる集団の個体間の血縁度を調査するのに効果的です。なお、最近の研究では、ボノボの雌はしばしば近隣集団に移動する、と示されています。

 しかし、集団間の関係は、チンパンジーでは基本的に敵対的で、雄がしばしば群れで攻撃し、異なる集団の雄を殺すこともあるのに対して、ボノボではより穏やかな集団間関係が見られます。ボノボでも集団間の雄同士の関係は敵対的ですが、雄のボノボは異なる集団の雄を攻撃して殺すようなことは滅多にありません。またボノボでは、雌が主導しての集団間の非敵対的な遭遇も起きることがあり、集団間の交尾さえしばしば観察されます。したがって、隣接集団間の繁殖は、チンパンジーよりもボノボの方が高頻度と予想されます。これは遺伝的研究でも示唆されており、集団外の雄の子かもしれない個体が、チンパンジーでは4ヶ所の生息地のうち1ヶ所でしか見つかっていないのに、ボノボでは3ヶ所全てで見つかっています。

 さらに、集団間の雄の移動は、チンパンジーよりもボノボの方で多く観察されています。これらの違いから、集団間での雄の遺伝子流動はチンパンジーよりもボノボの方が高頻度であり、チンパンジーよりもボノボの方が雄の血縁関係では集団間の差異は小さい、と予想されます。以前のいくつかの研究では、集団内の雄間の血縁度は、ボノボとチンパンジーでは近隣集団の雄間よりも高い傾向にある、と部分的に示されています。しかし本論文は、まだデータが不足している、と指摘します。本論文は、常染色体とY染色体のデータを用いて、ボノボとチンパンジーの雄の、集団内と集団間の血縁度の違いを検証しました。

 チンパンジーでは調査対象の5集団のうち3集団で、ボノボでは3集団すべてで、雄の平均血縁度は近隣集団間よりも集団内部の方が高い、と示されました。これは、両種が父系社会であることからの予想と矛盾しません。また、ボノボの方がチンパンジーよりも集団内の雄の平均血縁度が高いことも明らかになりました。しかし、全集団を対象とすると、集団内の雄と集団間の雄との平均的血縁度の違いは、ボノボのみで有意な差が示されました。チンパンジーで有意な差が見られないのは、5集団のうち2集団の特異な理由に起因するかもしれません。この2集団のうちの一方では雄は2頭のみで、血縁関係にない可能性があります。この集団は1982〜1996年にかけて規模が劇的に減少しました。もう一方の集団には15頭の雄がいました。以前の研究では、集団内の雄の数が少ない場合のみ、雄の平均的血縁度が高いと予想されています。一方の集団は雄が15頭と比較的多いため、平均血縁度は、集団内の雄間で低く、近隣集団とさほど変わらない可能性があります。そのため、集団内の雄と集団間の雄との平均的血縁度が、チンパンジーでは有意な差として示されなかったかもしれません。

 これまでの研究では、雄の繁殖の偏りはチンパンジーよりもボノボの方で高い、と示唆されてきました。これは、ボノボでは雄の繁殖成功がその母親の影響を大きく受けるのに対して、チンパンジーではそうではないからです(関連記事)。そのため、ボノボの集団内においてはチンパンジーの集団内よりも雄間の血縁度は増加する、と予想されます。一方、ボノボの方が頻繁に発生するかもしれませんが、ボノボでもチンパンジーでも、集団間の雄の遺伝子流動は稀です。ボノボやチンパンジーのような父系的社会の種で集団間の雄の遺伝子流動が稀である場合、異なる集団の雄間の平均血縁度は低いと予想されます。じっさい、ボノボとチンパンジーの両種で、隣接集団の雄間の平均血縁度は集団内の雄間の平均血縁度よりも低い、と示されています。したがって、集団内の雄間の血縁度はチンパンジーよりもボノボの方で高くなり、近隣集団の雄間の血縁度は両種ともに集団内よりも低くなります。そのため、集団内でも近隣集団間でも、雄間の平均血縁度はチンパンジーよりもボノボの方で顕著に大きい、と予想されました。

 ボノボとチンパンジーとの比較では、集団間の雄の遺伝的距離は、常染色体でもY染色体でも有意な違いがありませんでした。そのため、雄の血縁度における集団間の違いがボノボとチンパンジーのどちらでより大きいのか、不明なままです。ただ、集団間の雄の遺伝的距離では、ボノボの方がチンパンジーよりも平均値は高く、ボノボにおいて集団内の雄間の平均血縁度と近隣集団の雄間の平均血縁度とで大きな違いがある、という観察結果と矛盾しません。また、ボノボの1集団では雄間のY染色体の遺伝的距離の値がひじょうに低く、これは集団の雄の低い遺伝的多様性の影響を受けているかもしれません。

 本論文の結果は、ボノボではチンパンジーよりも集団間の雄の攻撃が少ない、という観察からの、ボノボでは集団間の雄の血縁度がチンパンジーよりも有意に高い、という予想とは一致していません。これまでの研究では、雄間の同盟形成や協調的相互作用のパターンは、父系社会の種の集団における血縁度では説明されない、と提案されていました。父系社会の種では、血縁度は基本的に、同じ集団でも異なる集団でも、雄間の社会的相互作用のパターンを説明しないかもしれません。

 ボノボとチンパンジーで異なる集団の雄への攻撃性の説明としては、ボノボにおける発情期間の延長があります。チンパンジーが隣接集団から交尾相手の雌を略奪するために攻撃するのに対して、ボノボの雄にはそうした必要性が低いのではないか、というわけです。また、ボノボが異なる集団の雄とも採集できる、という事実との関連も指摘されています。ボノボはチンパンジーよりも地上の草本に依存しており、果実への依存度が低いと考えられることから、縄張りを守る必要性がチンパンジーよりも低いのではないか、というわけです。また、チンパンジーはボノボよりも採集に出かける構成員の数のバラツキが大きく、遭遇した集団同士の数が大きく違っている可能性を高めるので、激しい攻撃を誘発しているかもしれない、とも指摘されています。

 本論文は、大型哺乳類の精細な遺伝的構造がほとんど明かされていない中で、これらのデータは貴重である、とその意義を指摘します。本論文は、集団間の雄の血縁関係に関して、ボノボはチンパンジーと同等か、あるいはもっと異なっている、と示しました。上述のように、これは両種の行動からの予想とは異なります。ボノボとチンパンジーにおける、集団間の相互作用と集団間の雄の血縁度のパターンとの関連に関しては、さらなる研究が必要になる、と本論文は指摘します。


参考文献:
Ishizuka S. et al.(2020): Comparisons of between-group differentiation in male kinship between bonobos and chimpanzees. Scientific Reports, 10, 177.
https://doi.org/10.1038/s41598-019-57133-z

https://sicambre.at.webry.info/202001/article_28.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/635.html#c5

[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
18. 中川隆[-14394] koaQ7Jey 2020年1月18日 09:46:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1308]

バルトークはベーゼンドルファーを弾いていた

スタインウェイとベーゼンドルファーの弾き比べ



久元祐子ピアノリサイタル『ベーゼンドルファー いま 昔』



★ベーゼンドルファーにつきましては、意外に思われるかもしれませんが、私は、バルトークをベーゼンドルファーで弾くことで、理解することができました。

現在は、もうそのようなことはございませんが、一昔前は、バルトークのピアノ作品は、ピアノを打楽器のように扱い、“荒々しい民俗音楽風の作品だ”と思っている頭の固い先生方が、結構いらっしゃいました。

私は、高校生の時、バルトークのオーケストラ作品を聴き、彼を大好きになり、ピアノ曲も8分の7拍子などの変拍子をつかった、踊りだしたくなるような曲が大好きでした。



★バルトークは、ベーゼンドルファーのグランドピアノを持っていました。

ベーゼンドルファーで、彼の曲を弾きますと、ベーゼンのもっている豊かな倍音、意識的に聴くことはできなくても、確かに鳴っているその倍音が、限りなく音の広がりを感じさせ、安らぎを与えるのです。

まるで、ベッチャー先生のチェロのような音の響きです。

バルトークが求めていた音は、ぶっきらぼうで、乾燥した非人間的な音ではなく、このような音だった、と実感できました。



★「ミクロコスモス」を弾いても、なんて優しい愛情に満ちた曲なのだろう、と感動します。

同じことは、シューマンの作品をベーゼンで弾いてもよく分かります。

シューマンの天才的な耳は、ピアノ作品の和音の中に、倍音による限りない広がりを求め、また、聴いていたのです。

「謝肉祭」の冒頭の和音は、ルービンシュタインが弾くスタインウェイの剛毅で豊かな響きも素敵ですが、ベーゼンで弾きますと、もしやシューマンは、この豪華で、そして、どこか夢の中の世界のような、現実を超越したプラトンの言うところの「イデアの世界」を聴いていたのかもしれません。



★間違っても、現代の電子楽器では、決して聴くことのできない、体験することのできない「芸術としての音の世界」です。

この音の世界を作り出せるピアノ「ベーゼンドルファー」が、商業主義の犠牲にされず、人類の美しい英知の一つの結晶として、設計変更されることなく、同じ質を保ちつつ、作り続けられることを、心より願ってやみません。
http://blogs.yahoo.co.jp/nybach321/53495740.html

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c18
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
19. 中川隆[-14393] koaQ7Jey 2020年1月18日 09:48:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1307]

バルトークの家(ブダペスト旅行記1) 2012-09-11


先週、ブダペストに4泊5日、賞味、丸3日の、小旅行に行ってきました。

電車だったので、片道、1日、かかったのでありました。。。。

もちろん、飛行機も考えたけど、乗り換え、待ち時間などいれると、結局1日かかるだろうし、窓から見える景色も楽しいかな、と期待したのでした。。。。

ドレスデンから、プラハに行き、スロバキアを通って、ハンガリーに到着、
その間、全くパスポート検査なし、
シェンゲン条約により、一度、EUに入ってしまえば、中は自由に行き来できるのですね。

そして、電車の切符の安かったこと、
ユーロ・スペシャル・ハンガリーという切符があって、往復で約1万円、、バスより安かった


私は、バルトークを、まだ深く勉強したことがないのですが、そのうち、夢中になるだろうな、と思っていたので、まず、家を見ておこう、という気持ちで行ったのですが、

バルトーク、、、

好きになった、、、ドキドキ

なぜかというと、家の近所が、私の実家の近所と、そっくりだったからです。
これが、ハンガリーだという気がしなかったなー、、、、、、

実家に帰ったような気がした

バルトークの家は、ブダペストの中心、ドナウ川から、ちょっと離れた、住宅街の、丘の上にあります。
まず、バスで丘のふもとまで行きます。

左の教会が、ふもとの目印

そして、丘を上がります、それでは

ここで、右の道を行っても着くけど、左の方が近い^^
(ykは、カンが当たって、間違えなかったのだ!!!)


途中、こんなにモダンな家が一戸ありました。

ココです、この車庫が、バルトークのお家


ドアが開いているのは、私が、ベルを鳴らしたからですが、、

このドア、実は、自動でしか開かず、ものすごくゆっくり開くのです。
私がどんなに力を込めて押しても、ゆっくり、じわりじわりとしか、動かなかった。。。。。

(少し、待ってください、なーんて、アナウンスが、かかっているし。。。。)


これ、恨みのドア

ドアを開けて、すぐ、またちっちゃい階段を上がって、家はさらに丘の上に


バルトークがいるよ

こんなお家

バルトークが、アメリカに行くまで住んでいたお家です。

一階は、受付と、おトイレ

2階は、サロンホール


今は新しい大きなスタインウェイが置いてありますが、バルトークは、ベーゼンドルファーを3台所有していました。

3階が、バルトークの部屋

この椅子が、ものすごく大きいのだ
お相撲さんのお尻でも、余裕で座れるよ

普通の大きさの椅子もあるけど

ハンガリーの白地に赤の模様のカーテン、すてきです

これが、バルトークのベーゼンドルファー、ですが、なんと、数年前に、このピアノの中から、バルトークの煙草の吸殻、がでて来たのです、
(4階に展示があります、のちほど)

ベーゼンドルファーに、煙草を落とすなんて、あー、信じられない
バルトークの性格が、思いやられます

奥にある机は、コダーイの家の書斎にある、コダーイの仕事机を作った家具職人と同じ人が、作ったもの。
(コダーイの書斎が、また、立派だった、、、、バルトークは、羨ましかったのかな)

このピアノの部屋は、小さいです。こんな風だったら、日本でも可能。
私の将来の日本のピアノの部屋、こんなふうにしたいなー、、、と思った、、、
ひひひニコニコ

そして、さらに屋根裏部屋があって、そこには、バルトークの収集品が展示されています。

綺麗な階段を上がると


バルトークのサンダル

バルトークがピアノの中に落とした、煙草

ハンガリーの服と陶器

バルトークが集めた、貝殻

お金

生涯にわたって、いろんな場所で集めた昆虫

針にブスッと刺さって、かわいそうな、虫の死骸でした、、
そして、葉っぱ

そして、眼鏡、
右端のサングラスと、左端の老眼鏡が一番最後に使われていたものですが、相当、レンズの度は、きつい

真ん中の眼鏡は、耳にかける部分がない、
どうやって、鼻の上にのっていたのだろうか

そして、この鉛筆の中にフォークが混じっている、、、と思ったら、フォークではなく、インクをつけて五線を書くためのものだったらしい。。。。
良いアイディアですね^^

旅行に持ち歩いたメトロノーム、、
私は、時計かと思ったんだけどナー


椅子と箪笥

民謡のための楽器

お風呂用のタオルなどを入れて置く、箱らしい、、
そして、スキー用の靴下、

この辺り、そんなに雪は積もらないと、説明して下さったお姉さん、おっしゃっていたけどナ、、

窓から見える、山の景色

というわけで、

私の実家の近所と、大して、違いが分からなかったので、親近感が非常に湧いてきて、バルトークが好きになってしまったのでした。

世界は遠かれど近しですね。

マゼッパが一段落ついたら、今度は、バルトーク、始めようかな、
何の曲、やろうかな

ドキドキ

コメント


バルトークの住い、見せて頂いてありがとうございました。彼の秘密のいくばくかがチラッと分かるような気もします−−

たとえばあの収集品ですけど、民謡を収集しただけでなく何でも収集する癖があったかのようで、そういう性格だったんですね、なるほど。

それにその住いはとても快適で心なごむ感じがします。彼がアメリカで不適応を起したのも当然、という気がします。アメリカの環境はとてもガサガサした生きつらいものだったこと、感覚的によく理解できました。(ちなみにその五線を描くペン、バッハもそんなの使っていませんでした?)

その環境がykさんの日本のお宅の辺りに似てるとは、横浜近くでそんなとこと言えば・・・ 山手? それとも子供の国? どこでしょう? もしかしたら偶然ではないのかもしれませんね。
tomato-pia 2012-09-13 19:08:34

10. Re:無題

ハンガリー人って、身体が太短くて、丸顔でブス、(アジア系のせい?)、ヨーロッパ人の顔ですが、、、、、

長距離国際電車に乗っていて、おもしろかったのは、プラハに着いてから、急に色白、長身で、顔もビーナスやダビデ像みたいな美男美女がドタドタっといっぱい乗ってきて、ブラスチラバ(スロバキアですね)で、みんな降りて、かわりに、ものすごいブス族(お腹出てるし、日焼けして褐色)が、ドタドタっと、いっぱい乗ってきて、ブダペストで降りた。。。。
(^@@^)


ヨーロッパ内、言葉も違うけど、人種もちょっと違うんだなーと思いました。

ブダペストでは、英語とドイツ語が同じくらい重要視されていて、どちらかといえば、ドイツ語の方が、みんな得意だよ。。。。そんな歴史だったっけ、、、、
?、、でした^^

ドナウ川近辺の中央は、重厚で規模の大きなヨーロッパ建築、まさにドナウの真珠でしたが、バルトークの家の辺りは、日本と同じような、、、、
この辺に、日本大使館もあるよう^^、、

ykは、京都の伏見で生まれて、今も、亡き祖父母の古い家が伏見にありますが、両親は横浜に住んでいるんです。さすがに、バルトークの家の近所に、5重の塔はなかったけど、山の形とか、道路や木の感じが、日本と全く同じ。空気が、ぬる〜っと温かいし(暑い)、、日本にも、洋風の家はポツリポツリと建ってるのだからネ、、、、ここにお寺建てても良さそうです^^、お坊さん、いるかな(0?0)
yk 2012-09-13 19:47:44

http://ameblo.jp/727yk/entry-11352039575.html

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c19

[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
20. 中川隆[-14392] koaQ7Jey 2020年1月18日 09:50:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1306]
Bartók - Piano Concerto No.2 - Géza Anda
Radio-Symphonie-Orchester Berlin Ferenc Fricsay 1959
http://www.youtube.com/watch?v=cJeAv-CWOzo
http://www.youtube.com/watch?v=fkfXJzFciNk
http://www.youtube.com/watch?v=4Tjy6deUDSI


Great Piano Concertos - Geza Anda plays Bartók Concerto 2
Recorded: Royal Festival Hall, London, 5 December 1973
BBC Symphony Orchestra, Pierre Boulez



 演奏家には、作曲家のスコアを再現する義務がある。もちろん、音楽の内容をより高めるためのスコアの改変は禁忌というわけではなく、伝統的になされたきた経緯がある。しかし、作曲家が「この楽器で演奏しなさい」という指定がある場合は、もし可能であればそれに従うのが筋であろう。

 しかし、さまざまな事情でそれができない場合がある。今回取り上げるのは、1931年に完成したバルトークによるピアノ協奏曲第二番である。第一次大戦の後に作曲され、フルトベングラーと作曲者本人のソロによって初演された本作品の再現が、なぜ不可能なのか。

 本作品の録音はいくつかある。筆者は入手可能な演奏はほとんど聴いたが、唯一合格点を与えられる演奏は、古典となったゲザ・アンダ&フレンツ・フリッチャイのものくらいで、あとは感心しない演奏ばかりだ。なぜこのようなことが起きるのか考えてみよう。

 本作品のスコア上いわれていることは、この作品はベーゼンドルファー・インペリアルのために書かれている、ということである。スタインウェイでは弾けない音符が存在する。ほとんどのピアニストはスタインウェイで本作を弾くため、オクターブ移調されるのがふつうである。しかし、それでいいのだろうか。

 バルトーク本人による自作の録音はこんにちでも聴くことができる。彼はルービンシュタイン・コンクールでウィルヘルム・バックハウスに次ぐ二位入賞を果たしたほどのピアニストであったから、彼のピアノ独奏作品は自分の演奏能力の枠内で書かれているはずである。そして、録音の技術的なもののせいもあるかもしれないが、たとえば有名な「アレグロ・バルバロ」の演奏にしても、バーバリズムと縁遠い、優雅なタッチで弾かれていることがわかる。

 すると、この協奏曲の演奏がことごとく失敗している(ように筆者には思われる)のは、根本的にピアニストが弾き方を間違えていることが一因なのではないかと考えられるのだ。実は、この曲に、唯一ベーゼンドルファーで弾かれた録音がある。ゾルタン・コチシュ/イヴァン・フィッシャーによるフィリップスの全集の中の録音である。しかしこの演奏は失敗だ。なぜなら、コチシュはベーゼンドルファーをあたかもスタインウェイのように弾いているからである。まったくベーゼンドルファーの楽器としての性格を活かしていない。

 もうひとつの理由は、この曲の舞曲としての性格を指揮者が掴みきれていないところにある。アンダ/フリッチャイが成功しているのは、ピアニストが打楽器的な奏法に徹していないこと、指揮者がリズムを的確に把握していることによる。

 この曲の理想的な再現は、おもうに、「ベーゼンドルファーの特質を活かした柔らかい演奏」だと筆者は思っているが、もはやそれは現代では不可能になってしまった。なぜなら、ベーゼンドルファー社から指輪を贈られたバックハウスが理想的な弾き手であったはずだが、彼はすでに亡く、バックハウスの次にベーゼンドルファーを弾きこなせたフリードリヒ・グルダも鬼籍に入り、現存のピアニストで彼らに匹敵するベーゼンドルファー弾きはいなくなってしまったからである。

 おそらく、この曲は、これからも筆者的には「間違って」演奏されつづけてゆくことであろう。コチシュの試みが失敗に終わった今、誰もこの曲をバルトーク本人のタッチで弾いてみようとは思わないからだ。こうして、作曲家の意図は失われてゆく。「オリジナル楽器による演奏」など、所詮は幻想なのではないだろうか。


バロック・チェロの鈴木秀美氏に「バルトークにとっては(バイオリンの)スチール弦の響きはオリジナルでない」という一文があるのを知った。戦前のオーケストラではガット(羊腸)弦が一般的であったらしい。「ガット弦のオーケストラ+ベーゼンドルファーのピアノ+本曲の舞曲としての性格を把握した指揮者」というのが、この曲の筆者が考える理想的な再現、ということになる。
http://out-of-date.info/blog/archives/entry/2011/001523.html

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c20
[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
21. 中川隆[-14391] koaQ7Jey 2020年1月18日 09:51:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1305]

私の好きなベーゼンドルファーについて書きます。


Model 290 インペリアル 

170年以上に及ぶ歳月の中で数々の名器を作りつづけてきたベーゼンドルファー、そのステイタスモデルとして誰もが思い浮かべるのが゛290Imperial"ではないでしょうか。このピアノを中心に歴史の紐を解くとともに、現在のベーゼンドルファーの魅力を探ってみたいと思います。

この“インペリアル”と言う称号がピアノに与えられたのは1880年に遡ります。当時,オーストリアは国交の際、相手国の国王に対する贈物のひとつとして、ベーゼンドルファーピアノを献上していました。

現在、ウィーン本社に残されているデッサンを見ますと、ドイツ、フランス、イギリス,スペイン,ベルギー,ロシア等々、それぞれ一台一台が全て異なったデザインで彫刻,装飾の贅が尽くされた逸品です。日本にも1869年に日墺両国の国交が開かれた折に,1台のベーゼンドルファーが皇室に納められています。

つまり、そのような経緯からオーストリア皇室御用達の製作会社であったベーゼンドルファーの最上級モデルが,皇帝(Imperial)と呼ばれるようになったのです。


モデル290は、長さが290cm、鍵盤数が,97鍵と大きく、その堂々たる風格は正にピアノの皇帝と呼ぶにふさわしいものですが,御覧になればそれと同時に、まるで美術工芸品のような細部に至る仕上げの美しさと、全体を包む気品と優雅さに気づかれる事と思います。例えば,250本に及ぶ弦の一端は全て、手間暇を惜しまぬ熟練工によって小さなループ状に巻かれ、1本ずつ独立してフレームのヒッチピンに掛けられます。

そのフレームは,他に類を見ない独特な深みを持つ金銅色に光り(これは例えば、ピアノコンチェルトの際に、弦楽器群のニスの色とマッチするようにも考えられています)、また、漆黒のボディーの横に埋め込まれたBosendorferの花文字も、ただ社名を誇示するのではなく、見事なバランスとコントラストに支えられています。

これらは、ほんの一例ですが、現代のピアノがその機能を追及するあまりに忘れかけている、楽器本来の美しさと趣味性を保ちつづけているベーゼンドルファーのポリシーのひとつの現れだと思います。


鉄骨(フレーム)の組み込み作業

ベーゼンドルファーの持つ低音は、そのボリューム、深々とした音色,オルガンのような響き、どれをとっても他のピアノでは得られない充実感が有ります。

これは西洋音楽の土台である通奏低音と言う概念を、我々に認識させてくれます。

特に、290,275のサイズになると、そのエクストラ・ベースの共鳴効果、響板とフレームの余裕から圧倒的なものとなります。

では、いったいいつ頃からこの8オクターブのピアノが存在したのか調べてみますと、歴史は古く、既に1907年にはその1台が作られています。これは、当時活躍していたイタリアのピアニスト兼作曲家であるブゾーニの要望が取り入れられたとのことです。かれは、J.S.バッハのc-mollのパッサカリアをピアノ版に編曲しましたが、以前は果たせなかったパイプオルガンの16フィートのCを、このピアノがかのうにしたわけです。

この他にも,バルトーク,ラヴェル等の曲の中にも何曲か有りますが、1965年までの間、年に2〜3台の割でしか作られなかったことから考えても、実際にベーゼンドルファーの97鍵をフルに使った演奏は少なかったことと思います。

むしろ、現在の演奏家や作曲家の方々にその可能性を探ってほしいと思います。


インナー・リム(外装内部・・スプルース材です)

大きな体格ににあわず、薄いボディー(親板)をしています。これは,親板にも響板と同じドイツ唐桧(とうひ)をムク材のまま使用するという贅沢の現われなのです。

ピアノ全体を鳴らすという設計思想は、ベーゼンドルファーの特徴である減衰の長い歌うような音゛シンギング・トーン"をもたらしますが、チェンバロやハンマーフリュ−ゲルの時代から、作曲家達の要望とともに歩んできた考え方であり、打楽器的な奏法や効果のみ強調されがちな他の現代のピアノとは、一線を画するものです。

といって、ベーゼンドルファーは、決して保守的では有りません。常に一流のアーティストとの交流からその意見を積極的に取り入れ、より明解なレスポンスが得られるアクションを開発するなど、伝統的な手法を重んじながらも、随所に革新的な改良を積み重ねています。

また、小さな調整ネジ1本に至るまでその機能と使い易さを考え,アフターケア−する技術者に対する心配りも忘れていません。


スタインウェイ物語よりの抜粋ですが・・

高城 氏曰く・・

「属啓成さんのヨーロッパの楽壇(音友)という本を読んだことがある。その中にベーゼンドルファーにまつわる忘れ難いエピソードが載っていた。・・

彼が、ハンブルグのスタインウェイ社を訪れた後、ウィーンのベーゼンドルファー社の工場を参観した。

古色蒼然とした工場に入り、写真をとらせてもらおうとしたら、どうしても承知してくれない。そこで、スタインウェイは写真をとらせてくれた、日本に帰って本を書くとき、スタインウェイの写真がでて、ベーゼンドルファーの写真が出なかったら、スタインウェイの宣伝しかならないではないか、と再び頼んだら、その返事が面白い。

そのほうが良い、わが社はいくら宣伝されても一ヶ月に12台(当時)しかできないのだから、と答えたそうである。 

名ピアニストの演奏旅行に無料サービスの調律師まで同行させて、宣伝につとめている会社とはわけが違うのだ。

また、属さんがピアニストのエリ・ナイに会った時、彼女の家には、三つの部屋にそれぞれ1台づつグランドピアノを置いてあったそうだが・・

それは、スタインウェイ、ベッヒシュタイン、ブリュートナーだった。

どのピアノが一番好きですか、との問いに対し、一番好きなのはスタインウェイだけれど、一番優秀なピアノはベーゼンドルファーで、高音部はメロディーを弾くように、低音部は伴奏を弾くようにできている、スタインウェイは微妙さに欠けていて、伴奏を弾くのに苦労する、と答えたそうです。

彼女は残念ながらベーゼンドルファーが買えなかったのであろう。」

ベーゼンドルファーがいかに貴重視されているかは、私(高城氏)が最近ヨーロッパ旅行をした時にも見せつけられた。

ミュンヘンのヘラクレスザールを訪れたとき、案内してくれた係りの人が、このホール用に備えたスタインウェイ、ベッヒシュタイン、ベーゼンドルファーの3台の中、特にベーゼンドルファーを指して、これはドイツにたった3台しかない(当時)、と誇らしげに説明した。それは、ベーゼンドルファーの最大型97鍵をもつインペリアルだった。

やはり、彼らもベーゼンドルファーは他のピアノとは格が違うと考えているように見えた。
http://www5.ocn.ne.jp/~ss-piano/C13_1.htm

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c21

[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
22. 中川隆[-14390] koaQ7Jey 2020年1月18日 09:53:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1304]
スタインウェイとベーゼンドルファー 2013年03月08日


たとえば、ワルター・クリーンとかイェルク・デームスとかヴィルヘルム・バックハウスとか、ベーゼンドルファーをメインに弾いているピアニストがいる。

そういう人たちの録音はよく「音質がいまいち」「紙臭い」やら散々な表現でケナされることがよくある。いやいや、それはベーゼンドルファーの音なんですが…と思うんですが。

こうどうして、「音が悪い」と判断されるのだろう。どうして、元の音が違うという発想まで至らないのだろう。考察してみた。

録音、というものが発明されて、100年近くたとうとしている。その技術を発展させるために、いろんな音が基準となっただろう。ピアノの録音も、何のピアノを基準にしたかが結構大事になってくる。

そこで、スタインウェイのピアノが一つの基準とされたのではないかと思った。

スタインウェイのピアノがきれいに録れている、つまり高音部がキラキラしてるような音、それが「いい音」という価値観の刷り込みを私たちは無意識のうちにされてしまっているのかもしれない。「Hi-Fi」という言葉自体「High」という言葉が入り「高音域」が強調されているではないか。その反対の低音質が「Low-Fi」というのも解せない。

そういう録音法でベーゼンドルファーを録ったり編集されていたら、やはり歪曲した音になるだろうし、きれいにとても、「Hi-Fi」に慣らされている私たちは「音が悪い」と判断されてしまう。

こうして、文化というのは淘汰されて行ってしまう。何かでっかいものが「反対」を表明しない限り。
http://ryotaito.doorblog.jp/archives/51992150.html

うわ!ちがう。

 これが私たちの店で、ピアノを弾き比べた方のほとんどの方が発する第一声です。国産から輸入品までいろんなメーカーの商品が並ぶ店内では、同じメーカーのものだけを並べた店と比べると、音やタッチのよしあしよりも1台1台の違いがまづ強烈に印象づけらるようです。それでは、なぜそんなに違うのでしょうか、というよりもどのようにしてピアノの音色は決められるのでしょうか。
 
政治的な概念としての国家とは別に、世界は多様な民族、またはそれによって育まれてきた文化圏によって彩られており、それぞれが永い歴史によって培われてきた文化や価値観によって特徴付けられます。
 
私は、食いしん坊なので、ものを考えるときにいつも食べ物に置き換えて考える癖があります。食べ物も同じで、自然によって条件付けられながらも、1つ1つの民族が互いに影響されながらも、長い歴史の中で培って、引き継いできた食べ物は、それぞれに代えがたい味わいがあります。したがって、それらに甲乙をつけることはできず、それぞれが真実そのものなのです。

フランス料理も中国料理も美味いし、イタリア料理もロシア料理も美味いのです。もちろん日本料理が美味いのはご存知の通りです。ただ、アメリカ料理というものがあるのかどうか、それが美味いかどうかは私にはわかりませんが、これはまた、別に論じなければならない問題です。
 
音や音楽に対する感覚もまた同じで、それぞれの民族の美意識は、互いに影響されながらも独特のものが形成され引き継がれてゆきます。

 ピアニストがピアノを選ぶ場合、自分の音楽性にあった、もっと砕いていうと自分が表現したいものを、確実に表現してくれるピアノを選ぶのです。その選択の根幹にあるのは、やはりそのピアニストの美意識です。

その美意識は、根底において自分を育て培ってきた民族や文化圏に深く根ざしており、他からの文化的影響を受けながらその人独特のものとなってゆくのです。その美意識が演奏を聞く聴衆の持つ美意識と共鳴しあうとき最大の賛辞がおくられるのだと思います。そこにまさに大地にしっかりと根をおろした大樹のような文化的な真実があるからではないでしょうか。

その真実が、また違う文化圏の聴衆をも感動させ、魅了するのではないでしょうか。

 ピアノメーカーは、どんな世界的名器であろうと、自らを育んできた文化的なエリアを一番主要なマーケットと考えているはずです。したがって、そこの聴衆、ピアノ愛好家しいては個々のピアニストや作曲家の美意識にかなうピアノづくり、音づくりに励むのです。STEINWAYのピアノが、ニューヨークとハンブルグであれだけ違うのはそのためではないでしょうか。同じヨーロッパでも、フランスのピアノとドイツのピアノも明らかに違います。ドイツのピアノでもメーカーやその製作された時代によってかなり違います。
 
結論を言えば、美しさとか、真実は一つではなく、その文化圏やまた時代によって変化し、多様なものだということでしょうか。この世に、ピアノメーカーが一つしかなく、世界中のピアノが全部同じ音がしていたのでは、多様な美を奏でることはできず、音楽は成り立ちません。

確かめてください。1台1台違うことを。見つけ出して下さい、あなたと一番響き合えるピアノを。
http://www.imported-piano.com/?gclid=CIPrzYHr8rcCFQxepQodpxwArg


輸入ピアノ.com
♪スタインウェイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー,グロトリアン、ペトロフ等のあこがれの輸入ピアノに出会えるサイトです。
http://www.imported-piano.com/column.html

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c22

[近代史3] バルトークの家系と出自 _ バルトークは作品ごとにマジャール人、スラヴ人、ルーマニア人、ジプシーが顔を出す 中川隆
23. 中川隆[-14389] koaQ7Jey 2020年1月18日 09:55:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1303]

タンノイはいぶし銀か(その4)

なぜだか、タンノイの音こそがいぶし銀のように語られる。

それに、タンノイといえば、ある年代以上のオーディオマニアにとって、
五味先生と強く結びつくわけだが、
その五味先生はどういう音をいぶし銀と表現されているのかというと、
タンノイの音のことではなく、ベーゼンドルファーのピアノの音である。

ステレオサウンド 52号のオーディオ巡礼で
《拙宅のベーゼンドルファーは購入して二十年になる。今以ていぶし銀の美音を響かせてくれている》
と書かれている。

ベーゼンドルファーはいうまでもなくスピーカーではなく、ピアノのこと。
スピーカーだったら、わかりにくい。

A社の○○というスピーカーがいぶし銀の美音を響かせてくれる──、
そんなふうに書いてあっても、スピーカーはどんな部屋で聴くのか、
どんなセッティングがなされているのか、組み合わされるアンプやその他の機器は……、
そういった諸々のことで、音は大きく変ってくるのだから、
スピーカーの型番を持ち出されても、何の参考にもならないが、
ピアノであれば、そうではない。

スタインウェイほど聴く機会は多くはないかもしれないが、
ベーゼンドルファーは名の通ったピアノであるから、聴く機会は少なくないはずだ。

ただベーゼンドルファーのピアノであっても、必ずしもいぶし銀の美音を響かせてくれるわけでもない。
そのことも52号には書かれている。

五味先生はベーゼンドルファーのピアノを、
ベーゼンドルファーの調律師ではない人に調律してもらわれている。
そのことを書かれている。

同じことを「西方の音」におさめられている「大阪のバイロイト祭り」でも書かれている。

     *

 大阪のバイロイト・フェスティバルを聴きに行く十日ほど前、朝日のY君に頼んであった調律師が拙宅のベーゼンドルファーを調律に来てくれた。この人は日本でも有数の調律師で、来日するピアニストのリサイタルには、しばしば各地の演奏会場に同行を命ぜられている人である。K氏という。

 K氏はよもやま話のあと、調律にかかる前にうちのピアノをポン、ポンと単音で三度ばかり敲いて、いけませんね、と言う。どういけないのか、音程が狂っているんですかと聞いたら、そうではなく、大へん失礼な言い方だが「ヤマハの人に調律させられてますね」と言われた。

 その通りだ。しかし、我が家のはベーゼンドルファーであってヤマハ・ピアノではない。紛れもなくベーゼンドルファーの音で鳴っている。それでもヤマハの音がするのか、それがお分りになるのか? 私は驚いて問い返した。一体どう違うのかと。

 K氏は、私のようにズケズケものを言う人ではないから、あいまいに笑って答えられなかったが、とにかく、うちのピアノがヤマハの調律師に一度いじられているのだけは、ポンと敲いて看破された。音とはそういうものらしい。

(中略)

 ピアノの調律がおわってK氏が帰ったあと(念のため言っておくと、調律というのは一日で済むものかと思ったらK氏は四日間通われた。ベーゼンドルファーの音にもどすのに、この努力は当然のように思う。くるった音色を──音程ではない──元へ戻すには新しい音をつくり出すほどの苦心がいるだろう)私は大へん満足して、やっぱり違うものだと女房に言ったら、あなたと同じですね、と言う。以前、ヤマハが調律して帰ったあとに、私は十歳の娘がひいている音を聞いて、きたなくなったと言ったそうである。「ヤマハの音にしよった」と。自分で忘れているから世話はないが、そう言われて思い出した。四度の不協和音を敲いたときに、音がちがう。ヤマハに限るまい、日本の音は──その調律は──不協和音に、どこやら馴染み合う響きがある。腰が弱く、やさしすぎる。

 ベーゼンドルファーはそうではなかった。和音は余韻の消え残るまで実に美しいが、不協和音では、ぜったい音と音は妥協しない。その反撥のつよさには一本一本、芯がとおっていた。不協和音とは本来そうあるべきものだろう。さもなくて不協が──つまりは和音が──われわれに感動を与えるわけがない。そういう不協和音の聴きわけ方を私はバルトークに教えられたが、音を人間にかえてもさして違いはあるまいと思う。

     *

そういうベーゼンドルファーの音を、いぶし銀の美音と表現されている。
http://audiosharing.com/blog/?p=26956

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/807.html#c23

[お知らせ・管理21] 2020年01月 削除依頼・投稿制限・等管理スレ。突然投稿できなくなった方も見てください。 管理人さん
55. 中川隆[-14388] koaQ7Jey 2020年1月18日 10:13:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1302]
中川隆です
お世話になります

最近、阿修羅掲示板を見ていると

Internet Explorer に致命的な欠陥が見つかりました

とか

使われているウイルス防御用ソフトに問題があります

というフィッシングのポップアップが出る様になりました。

何とかならないでしょうか。


http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/579.html#c55

[近代史3] 5G電波の危険性 _ 5G導入をベルギーが見送り決定! 中川隆
2. 中川隆[-14387] koaQ7Jey 2020年1月18日 10:22:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1301]
2019年08月13日
次世代通信技術5Gのもつ危険性に目をつむる日本政府
国際政治経済学者 浜田 和幸 氏


次世代通信規格「5G」を日本でも導入するというが、心配の種が尽きない。2020年春からの本格導入を目指し、総務省はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天モバイルへ電波(周波数帯)を割り当てた。去る4月10日のことだった。


日本も他人事ではない

 メディアでの報道も加熱しており、現行の4Gと比べ、「通信速度や容量が100倍以上になる」といったメリットが強調されている。たとえば、「スマートフォンに2時間の映画をたった3秒でダウンロードできるようになる」といった具合だ。

 はたまた、将来的には自動車の自動運転や医師による遠隔診断や手術にも応用できるとのこと。とはいえ、現行モデルのスマホでは5Gサービスは利用できない。新たな端末を購入する必要もあるし、データ量が増えるので通信料金も上がるだろう。通信機器メーカーや通信業者にとってはおいしい話に違いない。

 しかし、日本では5Gが人体におよぼす健康被害の危険性が無視されているのが気がかりだ。なぜなら、本年4月2日、ベルギーの首都ブリュッセルでは5Gの導入を禁止する措置が発表されたからだ。ほかの欧州諸国でも追随する動きが出始めており、イタリア政府はすでに5Gの使用を制限する裁判所の決定を告知しているほどである。

 実は、これらの国でも欧米諸国では5Gに対する規制を強化する動きが加速している。不思議なのは、こういった動きが日本ではまったくと言っていいほど報道されないということだ。海外では、前述のベルギーやイタリア以外の、スイスのボード市やアメリカのサンフランシスコ市でも同様の決定が相次いでなされている。日本だけが能天気に構えていて大丈夫なのか。そもそも欧米諸国が5Gを警戒しているのはなぜなのか。その理由を検証する必要があるだろう。

 答えは簡単で、5Gの基地局がスマホに送信する電磁波が人体に悪影響を与えることが各国の医療関係者の研究によって次々と明らかになってきたからだ。5Gにともなって発生する電磁波は「新たな環境と人体に対する汚染」との受け止め方が広がりつつあることは、日本にとっても他人事ではないはずだ。

欧米各国は危険視

 2019年から2020年にかけて、5G用の衛星がアメリカと中国を中心に2万機以上も打ち上げられる予定である。現在軌道上を周回する通信衛星の数が10倍以上に増えることになる。そして地上には200mおきに基地局が設置される。そうした膨大な数の基地局から出される電磁波がスマホを通じて利用者の肉体に接触、侵入し、健康被害をもたらす可能性が指摘されているのである。

 欧州各国では遺伝子組み換え作物(GMO)の人体への悪影響に鑑み、その使用を厳しく制限してきたが、新たに5Gに関しても人体への悪影響を防ぐために使用禁止や制限措置を取り始めたわけだ。

 その根拠に挙げられているのは、2005年から始まった欧米各地の医療・研究機関での「マウスを使った電磁波の人体への影響」に関する研究結果だ。

 この研究結果により人の皮膚や目、そして生殖能力への悪影響が懸念されている。実際に、すでに5Gの基地局が設置された周辺では相次いで住民の健康被害が報告されている。

 最もよく聞かれる問題は不眠症や偏頭痛である。たとえば、スイスのジュネーブで暮らすヨハン氏は11年間ニューヨークで芸術活動を続けた後、故郷のジュネーブに帰ってきた。そして半年後に住居のそばに5Gのアンテナが設置され、それ以来、夜眠れなくなったという。曰く「生まれてこの方、電子機器に囲まれてきたが、眠れないということはなかった。ところが、今では自宅にいるとオーブンのなかに閉じ込められたような気持ちになる。安心できず、幽霊に囲まれているような気分に襲われる」。

 そうした体験をフェイスブックで紹介すると、近隣の住民からも「最近、この近所に5G用のアンテナが3本立てられた。それ以来、頭痛や疲労感がひどい」といった悩みが殺到するようになったという。ヨハン氏自身も静脈洞炎に苦しむ毎日だ。その原因が5Gの電磁波との診断は出されていないが、何らかの関連があることは疑いようがない。

 そこで彼らは市役所や電磁波被害者の救済活動を行うNGOに連絡を取り、改善に向けての問題提起を行うようになった。こうした人的被害を受け、ヨーロッパでは「緑の党」や「人間の絶滅に対抗する市民」と銘打った環境保護団体などが、5Gの実態調査や被害救済活動を始めている。

 すでに紹介したが、ベルギーのブリュッセルでは5Gの実験、導入が全面的に禁止されることになった。また、同じ時期、スイスでは放射線のもたらす健康被害を調査するシステムが完成するまで、新たな5Gの設置は延期する方針が決定された。

2019年08月14日 07:15

https://www.data-max.co.jp/article/30923
無視できない5Gの影響

 アメリカでも同様の動きが見られるようになった。ハーバード大学を退官した応用物理学のロナルド・パウエル博士は「環境保全トラスト」のウェブサイト上に論文を発表し、「5Gの人体への悪影響を防ぐには地域コミュニティから5Gを排除するしかない。被害を軽減する方法はない。5Gの導入を中止するのがベストの選択だ」と主張する。

 米「フォーブス」誌の報道によると、「ニューハンプシャー州では州議会において5Gの健康への影響を調査する委員会の設置が決まった。また、カルフォルニア州のサンフランシスコ市近郊のミル・バレーでは昨年、新たな5G基地局の設置が禁止された」。ニューヨーク州のシラキュース市では住民の訴えに応じて、5Gアンテナの安全性を検証するため、現場での立ち合い検査の実施が認められた。

 もちろん、5Gを推進する側のAT&Tやベライゾン・コミュニケーションズなど通信事業者は連邦通信委員会(FCC)に働きかけ、5Gの安全性を盛んにアピールしている。通信事業者団体のCTIAの運営する「携帯電話に関する健康相談」サイトでは「5Gには健康上のリスクはない」と断言。とはいえ、その根拠に挙げられているデータは1996年の実験結果に基づくもの。しかも、人体への影響を試験すると称して使われたのは、大人サイズのプラスティック製のマネキンであった。

 さらにいえば、1996年当時の通信アンテナや携帯から出る放射性電波であれば、現在導入が進む5Gとは比較にならないほどの低周波である。4Gの場合、周波数は6GHzであるが、5Gとなれば30〜100GHzになる。一般の市民がこれほど高い周波数に晒されるのは前代未聞のこと。

 また、5Gが発するミリメーター波(MMW)も懸念材料になっている。なぜなら、この種のMMWはアメリカの国防総省が開発したもので、空港での危険物監視モニターに使われているのみならず、暴徒の鎮圧に際しても警察が使っている電子銃(ADS)そのものであるからだ。要は、もともと5Gは武器として開発が始まった技術なのである。実は、WiFiも同様で、その起源は1950年代に遡る。秘密裡に開発が始まった電磁波兵器に欠かせないのがWiFiであった。

 そうした背景もあるせいか、通信機器や電波がもたらす危険性について、ヨーロッパでもアメリカでもさまざまな検証や研究が繰り返されている。当たり前といえば、当たり前のことである。現実に、5Gが原因と思われる健康被害が発生しており、医学関係者の間でも「無視できない」との見方が広がっていることは承知の事実にほかならない。

ロシアも健康被害に理解を示す

 しかも、興味深いことにロシアでも似たような動きが出てきている。旧ソ連時代からアメリカとの間で冷戦を通じて電磁波兵器の開発ではしのぎを削ってきたロシアである。プーチン大統領の出身母体であるkgBでも、狙った相手をピンポイントで殺傷する強力な電磁波兵器開発はお手のもの。そうした技術的蓄積があるためか、5Gに至らなくとも通信機器を介した電磁波のもたらす健康被害については十分な理解を示している。

 そのせいか、2011年の時点でロシア政府の放射線防御委員会は「18歳以下は携帯電話の使用を禁止する」との勧告を発布したほどだ。もちろん、大半の若者たちは政府のお達しなど馬耳東風であろう。しかし、表向きは、電磁波のもたらす健康被害に対してロシア政府も関心を寄せていることを明らかにしているのである。

https://www.data-max.co.jp/article/30924
人体におよぼす影響

 残念ながら、日本ではこうした視点からの研究も対策もまったくと言っていいほど講じられていない。「後の祭り」にならないことを祈るばかりだ。便利さだけを売り込むのではなく、それにともなうリスクをきちんと開示することが求められる。

 そこで、欧米の研究者の間で進められている5Gの健康への影響に関する調査の一部を紹介してみたい。日本での議論の呼び水になれば幸いである。

 まずはイスラエルのアリエル大学で物理学を教えるベン・イシャイ博士による5Gが人体の発汗作用におよぼす影響に関する実験である。それによれば、「5Gネットワークが使用する周波数は人体内の汗が流れる管に徐々にではあるが破壊的な影響を与える」とのこと。ということは、人間の皮膚や臓器にも悪影響をおよぼすことは避けられないだろう。汗が皮膚を通じて流れ出る管はらせん状になっているが、5Gの発する30〜100GHzの周波数はこうした管に影響をもたらすため、発汗作用が異常をきたし、体温調整のための発汗作用が機能しなくなる恐れが出てくるというわけだ。

 より注目すべき研究はワシントン州立大学の名誉教授で生化学の専門家マーティン・パル博士による「5Gのもたらす電磁波が人体におよぼす影響」である。無線放射線や電磁波の専門家でもある同博士によれば、「5Gの電磁波は人間の生殖能力、脳、心臓機能に影響をもたらし、最終的には遺伝子(DNA)にも作用を与える」とのこと。

 同博士の実験によると、妊娠中の牛が電磁波を発する基地局の近くにいると、生まれた子牛が白内障に罹る可能性が高くなることが判明した。253頭の子牛のうち、32%に当たる79頭が白内障に罹患。基地局からの距離にも影響はあるのだが、100mから199mの範囲内にいたメス牛から生まれた子牛にはそれ以上の距離にいた場合よりも高い確率で重度の白内障が見つかったという。

 もともと5Gはアメリカの国防総省が冷戦時代に旧ソ連との電子戦争を想定して開発した。いわば、「誘導性の電磁波兵器」なのである。自立型の装甲車を走らせる際に必要とされる電磁波用のレンズとして開発が進められたもの。その意味では通信用ではなく、あくまで兵器としての使用を前提としたものであった。

 当然、非殺傷兵器としても応用が期待されていた。警察が暴徒化したデモ参加者や群衆を排除する目的で開発されたもので、ミリ単位の電磁波を発する。照射されても死に至ることはないが、照射された瞬間には火炎に包まれたような衝撃を受けることになる。

 もちろん、こうした電磁波を恒常的に浴びていると、人体は突然変異を起こす可能性が高まる。すぐには変化が起きないにしても、次世代になってから細胞内に異常が見られるようになり、最終的に突然変異に見舞われることになるとの指摘もあるほどだ。

 加えて、発がん性の恐れも指摘されている。世界保健機関(WHO)では携帯電話用の電波塔の発する電波は発がん性のレベルは「2b」としている。しかし、研究者のなかには5Gの電磁波は発がん性のレベルは「1」と、最も高いリスクがあると判定している。問題は、現在広く普及している2G、3G、4Gの使用している電磁波でも脳への悪影響は確認されているわけで、今後5Gがどのような健康被害をもたらすものか。早急な調査と研究が必要とされるということは論を待たないはずだ。

 従来の4Gと比較すれば、5Gの電波の浸透力は格段に強化されることになる。その結果、外部から発せられる電磁波は簡単に住居やビルの壁をすり抜けるため、頑丈な防御壁でもないかぎり、我々は知らない間に1日24時間、人体をむしばむ電磁波を被爆することになりかねない。レンガやコンクリートの壁などは防御の役目を果たさないといわれる。

5Gは本当に必要か?

 国際機関でも5Gの危険性については対策を求める声が出始めている。国連職員であったクレア・エドワーズさんによれば、「過去20年間で地球上から昆虫の80%が死滅した。もし5Gが本格稼働すれば100%が死に絶えるだろう。昆虫の次は動物、そして人間も同じ運命をたどる」。彼女は在職中に国連のアントニオ・グレーテス事務総長に繰り返し進言をしたという。しかし、巨大な組織は簡単には動かない。そのため、彼女は職を辞し、民間の立場で5Gのリスクについて講演をし、一般市民に警鐘を鳴らす道を選び、各地で啓蒙活動に取り組んでいる。

 すでに述べたが、アメリカも中国も5Gの普及と覇権を賭けて通信衛星の打ち上げに余念がない。計画されているだけで、2万機を超える衛星が打ち上げられる。500万Wの電磁波が地上の基地局目がけて降り注ぐ。しかも、基地局だけに限らず、地上の動物や人間にも容赦なく降り注ぐことにもなるだろう。

 そのような宇宙空間から大量に降り注ぐ電磁波が人体に影響をもたらさないわけがない。ここで思い起こされるのはアスベストやヒ素公害である。今でこそ、アスベスト訴訟を通じて人体への発がん作用など悪影響が認知されるようになったが、当初、建築に使われ始めたころには「人体には無害」と説明されていた。

 その点、2010年、英国の保険会社ロイズ社が驚くべき報告書をまとめた。それは無線通信技術とアスベストを比較したもの。今から9年も前に出されたものだが、さすが世界最大の保険会社である。同社のリスク分析チームは5Gのもたらす危険性について当時から注目していたというわけだ。

 その結果、ロイズは大手の通信事業会社から5G導入に関連する保険の引き受けを要請されたのだが、すべて拒否したのである。5Gのもたらす健康被害額が膨大になり、とても保険事業としては採算が合わないとの判断を下している。実に冷静な対応であったと思われる。

 とはいえ、日本でも世界各地でも5Gの普及に向けての基地局の整備は着々と進んでいる。また来年になれば、スマホの買い替えも一気に進むに違いない。しかし、5Gの電磁波が人体や自然環境におよぼす影響については、残念ながら日本においてはまったく問題視されていない。

 今では、子どもから大人までスマホ中毒症に陥っている日本人。健康や命を犠牲にしてまで大容量、超高速の通信サービスが必要かどうか、改めて立ち止まって熟考する時ではないだろうか。
https://www.data-max.co.jp/article/30922
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/340.html#c2

[リバイバル3] フランスの音を聴く 中川隆
10. 中川隆[-14386] koaQ7Jey 2020年1月18日 12:00:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1300]
8 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/09/14(木) 01:12

ハーベス HL-Compact の初代は、フランスのAUDAXのユニットだった。

AUDAX がHarmanの傘下にはいって、Harbeth用のユニットを供給してくれなくなってから、ユニットの選択がかわったね。

100 名前: ちさと 投稿日: 2001/08/16(木) 17:27

ハ-べスはHLモニターが一番いいのさ。
2代目より初代設計者のが一番色艶があった。2代目も最初のころの製品は頑張ってるが、最近は魅力半減です。設計者として、独り立ちできなかったのだなあ。残念。

ショウの作品とハーウッドのとを聞き比べればよくわかるはずだが。

128 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 01/09/15 23:17

HL-Compactが生産中止になったのはツィーターが生産中止になったため
作りたくても作れなくなったから、

後継機のCompact7ではあの魅力的な中高域が変わってしまっていた、そのあたりからあの会社の名前は聞かなくなったな

子供のころ店で聞いた、ハーベスの異彩を放った美音に感激したときから、いつかは買ってやろうと思って、高校生でバイト代をためて買ったのが、HL−4でした。ですから、はじめに聞いたのは、Mk3以前のモデルだと思います。

私が特異体質なせいか、素晴らしい音からは、本当ににおいが感じられるんです。いや素晴らしくなくても、感じることがあるのですが、ハーベスを聞いて、初めてそのことに気づいたのでした。素晴らしく良い花の香り、それもちょっときつめのゆり系の花粉のにおいも混じった、薫風が、このスピーカーの音から初めて感じられた時は、正直びっくりしました。

ただ、他では全く感じられなかった経験だったので、感激するとともに、「これだ!」と、文句なく、心に決めていました。
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/pav/1185054185/  

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 07:16:24 ID:gbNp/kwW

初代の HLコンパクトをショップできいたことがあります。

ほんとにいいセッティングでじっくりと。もう15年くらい前なのかな・・・
お金もないのにアポジー、K2、タンノイ、トーレンス、レビンソン、クレル、球アンプ、スチューダー・・・

雑誌でしか見たことがないものを半日かけて聞かせてもらった良い思い出があります。

100万とかのSPも聞きましたが、なぜか一番気に入ったのはHLコンパクトでした。
50年代のジャズボーカルもののレコードを聞きました。トーレンスのプレーヤーとアンプは・・・なんだったんだろう?

目の前に3Dのようにステージが出来上がり感動しました。 私の安システム PM-80、DP-7010、自作スワンでこんなホログラムのような立体感は聞いたことがなく・・・・

買うならこれが良いなと思いながらも、学生の私に手は出ませんでした。
現在生産品で当時のHLコンパクトに近い雰囲気のSP(ハーベスに限らず)ないでしょうか?

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 16:41:11 ID:C/CNK8uI

ハーベスにはないね残念ながら...。

126 :123:2007/09/30(日) 06:33:49 ID:jovtb4bj
>124
そうですか・・・ 現行品は初代とは別物って言うのは本当なんですね。

オーディオは一切やめていました。初代HLコンパクトで聞いた音が再現できず、中途半端な音を聞くとひどくガッカリしてしまったからです。 当時、ショップで聞いたシステムがあまりに高額だったため(SP以外で100万を軽く越えていました。)

とてもこんなシステムは組めないと諦めたのです。 部屋も6畳一間のアパートなんかではとてもあの豊かな音場は鳴らせないと・・・
ここにいる皆さんなら気持ちがわかっていただけるのではないかと思いますが、一度、すばらしい音を聞いてしまうと、もうそれ以下では満足できないんですよね。

だから中途半端なものを持つのはやめて、スッパリ、オーディオを忘れていました。 それから時は流れて、自分も家を持つ余裕ができ、HLコンパクトのことを思い出したというわけです。

でもそれはもう手に入らないようですね。綺麗な思い出としてとっておきます。


________

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/24(火) 11:57:53 ID:MzZVE+sQ

厳選木材を十分枯れさせた板を使えば、綺麗に箱を鳴らすことができると思いますがそれも簡単な事ではないでしょう。コストもかかります。 また温度湿度や個体差等のクオリティー・コントロール上も問題がのこります。

それが、箱を鳴らすスピーカーが昔に比べ減ってきた原因だと思います。 宣伝文句も都合に合わせ「忠実なトランスデューサー」を前面に「正確な音」を売り物に今までの「楽器のようなSP」はソースにない音が出ますが、それを「ノイズ」扱いしたり

初期のハーベスは薄い合板を使用し箱を鳴らしていますが適度にダンプしています。

この「適度のダンプ」がハーベスの命。私はHL-Compact、HL-5が傑作だと思っています。(多くの人に受け入れられるの意)
それ以前は鳴らしすぎで古いジャズ位は聞けたがロックやフュージョンは無理。
構造も前面バッフルがネジ止めに変更されTWもハードドームに。(アランの提案でしょうか?)

でも「適度のダンプ」は伝統の延長でした。
それ以降はアラン独自の「適度のダンプ」で低迷期を迎えた。

音だけに限ると、HL-Compact と HL-Compact7 は全く共通点のない別物にしか聞こえません。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 16:39:52 ID:aYjXzOHm

HL-Compact7が悪いと言ってるわけじゃないよ。 普通のスピーカーだよ

皆が期待していた音と大きく違った。

何の理由で路線変更???
案の定売れなかった 初代の10分の1も売れてないだろう

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 17:24:49 ID:yKnU0z8N

無印から7と使ってるけど、7もいいよ。
無印の方が味わい深く何にも変えられない魅力があるけど(癖強い)、聞けるジャンル結構限定されません?
7だとより幅広いジャンル聞けるようになるよ。

どっちがいいって言われてたら、個性豊かな無印、味わい弱まったけど幅広く聞ける7。


どっちもどっちで箱を鳴らして心地いいの両方変わらない。

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 17:45:11 ID:aYjXzOHm

HL-Compact はある意味麻薬みたいなもの、長年こればっかり聴いてると他のスピーカーの音が味気なく感じてしまう恐れがある。

HL-Compact7 よりもHL-K6のほうが HL-Compact との共通点を感じられると思う。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 19:13:43 ID:V5EJC0ER

どこのメーカーも、新型になるほど味が薄くなる。
変換器としては、それでよいけど、、。

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 19:35:46 ID:D6QoF4jN

初代以外も良いとは思うんだが
いかんせん。 俺は初代コンパクトが好きだ。 この「好き」というのは 説明しにくいし どうしようもない。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:50:04 ID:qZCPxzGj

現行品のES3 ってそんなにひどいの?

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:53:23 ID:4aa8xlwQ

初代のイメージとはかけ離れているだけ
「悪い」とか「ひどい」ではなく、確実に性能的には優れているが...。

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:28:04 ID:2LL6Zllr

古えのブリティッシュサウンドを期待すると裏切られるという意味でしょ。
ダドリー・ハーウッド引退後のHLコンパクトES以降レスポンスのよさという点では格段に進歩してきている。

そのぶんある種のノスタルジックな味わいは失われた。

267 名前: MONMON 投稿日: 01/11/04 01:12

私はそれなりに調整されたHLコンパクトとHL5、同時試聴したことがありますが、その時は「勝負あった」という感じでした。今考えれば、HL5の方が調整に面倒があるので その分の差が出たということもあるのでしょうが、HLコンパクトの方がずっと「濃い」音色でなっていました。

調整云々という問題を抜きにして今までに耳にした両者の音の体験だけを比較すればHLコンパクトの方が強烈でした。

8 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/09/14(木) 01:12

昔は、フランスのAUDAXのユニットだった。

AUDAXがHarmanの傘下にはいって、Harbeth用のユニットを供給してくれなくなってから、ユニットの選択がかわったね。


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/863.html#c10

[リバイバル3] フランスの音を聴く 中川隆
11. 中川隆[-14385] koaQ7Jey 2020年1月18日 12:02:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1299]
550 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/02 20:04
雲丹音のページ見たら、5やコムパクトはケフのユニット採用って
書いて歩けど、ホント?


552 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/02 20:15

HLコンパクトのツイーターはオーダックス製だったのでは?

ステサンの工場訪問でアラン・ショーが「バラツキが多いけど音はイイ」と書いてあったと記憶しています。
ハーベスでツイーターを測定して、特性の揃ったユニットをペアにして出荷している。


553 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/02 20:58

じゃあ、下がケフ製という事かな?
それにしても、わざわざケフ製と注記するという事は、ケフにステータスを認めているのか?>雲丹音


560 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/07 11:39

以前、Harbeth用のユニットを供給していたAUDAXが、Harman傘下にはいり、Harbeth用の特注ユニットの供給がストップになった。

それ以後、あのメーカーの迷走が始まったような気がする…

最近の3WAYモニターなんて、代理店のノアの人すら、顔をしかめていたからな。
素性が良かっただけに残念。


572 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/17 19:58

>Harbeth用の特注ユニットの
>供給がストップになった。

ということは、今出ている、HL-COMPACT7SE2は、以前のHL-COMPACT7とは、別の音がするのでしょうか?


573 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/17 20:30

オーダックスが作っていたのはコンパクト用のユニット
コンパクト7用ではないよ
http://hifi.denpark.net/967994722.html

逸品館は日本国内で、Herbeth HL-Compact と HL-5 を最も多く販売した販売店の一つです。

価格で上回る他メーカーの上級モデルを圧倒するほどの HARBETH の開放的で楽しい鳴り方をとても魅力的に感じたからです。

当時の国産代表 HiFi スピーカー DIATONE では「静的に躍動しない音」が特徴の HiFi 的なテイストでした。それと対照的な HARBETH HL-5 と HL-Compact の動的で明るいテイストで音楽を聞くと「心がワクワクしたこと」を今もハッキリ覚えています。

「オーディオは価格じゃない」と気づかせてくれたスピーカー、そして当時まだ本格的にオーディオの良さに目覚めていなかった私の目を開き、逸品館を「セレクト・オーディオショップ」としてスタートさせる決心をさせてくれたのが HARABETH なのです。

しかし、HARBETH の創設者であり初代からの設計者であった「ハーウッド氏」がお亡くなりになり、設計が後継者の「アラン・ショウ」に完全に移行して発売された HL-Compact の後継機、HL-Compact7 の音を聞いたとき私は愕然としました。

あの明るく楽しい HARABETH が全く違うテイストの暗く重い音に変わっていたからです。

明るい音から暗い音へ180度の変身を遂げた HL-Compact7 を前にして、私は途方に暮れました。

逸品館が大セールスを記録した HL-Compact の後継として当然注目が集まり、当然注文も殺到する HL-Compact7 ですが、私はそれを HL-Compact の後継モデルに相応しいテイストと認めたくなかったからです。

その判断が正しいのかどうかは今も分かりませんが、カラリと明るく元気な音が HARBETH のテイストだと決めていた私はビジネスチャンスを捨てても HARBETH HL Compact7 とそれ以降の HARBETH 製品を販売することはありませんでした。

それから 20年近くの年月が流れ、久しぶりに試聴した HARBETH の最新モデル「Monitor20.1」を聞いた時、私は再び大きな驚きを感じました。20.1から出た音は、私が切望していたHARBETHの音だったからです。

しかし、同時に聞いた Monitor30.1(チェリー仕上げ)は、私が受け入れられない暗いテイストの音だったのです。どっちが本当の HARBETH なのか?

あるいは、HARBETH は 2重人格なのか?

未だに途方に暮れています。ジキルとハイドと言っても言い過ぎではないほど、モデルによってまったく異なるテイストを持つのが今の HARBETH です。

テイストの異なるモデルをお聞きになると戸惑いを感じられるかも知れません。同じ音楽を表と裏のように描き分ける HARABETH をお選びになるときは必ず、ご自身の耳でそのテイストをしっかりと確認して欲しいと願います。
http://www.ippinkan.com/SP/herbath_page1.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/863.html#c11

[リバイバル3] フランスの音を聴く 中川隆
12. 中川隆[-14384] koaQ7Jey 2020年1月18日 12:05:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1298]

ハーベス (Harbeth)
http://home.att.ne.jp/delta/myrobalan/harbeth.html

Harbeth Monitor HL 1980
Audax HD12D25-8 tweeter

 ツイーターがまた素晴らしく、色々な1インチドーム型を聞いたなか、適度な湿り気と透明さがあったメリネックス製のKEF−T27(LS3/5aに使われたもの)も良かったですが、倍音が繊細で自然な艶が美しいHD12は今もって最高のユニットだと思いま す。


 BBC Monitor LS3/7 オーダックスの優れたツイータ、HD12が用いられた BBC のスタジオ・モニター。ハーベス・モニターHLは一般市場に 売り出されたものだが、BBC に納入されたものとして、モニターHLのルーツの一つだと言えるかもしれない。

1977年、BBCモニタースピーカーの開発技術者だったダッドリー・ハーウッドが引退後に立ち上げたブランドで、日本には モニターHLがタイプV以降のモデルになって入ってきました。

タイプW はウィーン・アコース ティックにも使われた透明のXPPと同じ系統の材料TPX材を着色した黒いコーンのウーファーで、ポリプロピレ ンに材料が移行したときの仕掛け人であるダッドリーがやはり開発に関わっていたものです。私が持っているのは最初に入ってきたタイプVの方で、 これはBBCモニターのLS5/8や5/9と同じく、ベクストレンに代わって導入された乳白色のポリプロピレン です。

エッジはゴム製のものが使われています。ツイーターはフランスのオーダックス HD12D25−8(手元の個体はHD12×9D25と印字)という1インチのシルクドームでした。他にも ハーベスはより小型のモニターである MLも出していました が、日本には恐らく入ってないのではないでしょうか。

 ハーベスモニターHLは私が聞いたイギリスのダイナミック型スピーカーシステムの中では最も気に入ったものです。

BBCの似たような構造のモニタースピーカー とは違い、のびのびした躍動感がありながらナチュラルな響きで、高域も繊細に伸びています。やや中域の張った独 特のバランスで明るく感じますが、特定周波数に音圧の凹凸があるわけではなさそうです。

一方で耳に痛いキンキンした帯域とその上のチンチラしたところ(4KHz以上7KHz以下)はフラットで嫌な癖がなく、さらにその上の 倍音成分を再現する帯域、細かな音の輪郭に影響する帯域はしっかりと出ています。BBCは伝統的に男性アナウンサーの声で音合わ せをしてきたのだそうですが、このスピーカーの音は生の弦楽器やその合奏の音色を知っている人の微妙な調節 によるのだと思えてきます。色づけを感じさせないながら、これほど音色の整えられたものはあまり聞いたことがあ りません。


BBC Monitor LS5/5

ハーベス社のダットリー・ ハーウッドが BBC 在籍時代に完成させたスタジオ・モニタースピーカー。紙に代わって樹脂のベ クストレンが振動板材料として用いられた。ツイーターは初代のモ ニタースピーカーである LS5/1と同じで、セレッションの HF1300。

 音色の善し悪しは各部の材質よりも作 り方に起因するのだと思いますが、とり あえずウーファーのコーン材料であるポリプロピレンは良いもののようです。

ポリプロピレンはダッドリー・ハーウッドと、彼 の下で働いていて後にチャートウェル社を興したデイヴィッド・ステッビングスがベクストレンに代わって着目した材料です。

同じマグネットで同じフレーム・バスケットに入ったベクストレンと比べてみたこともあるのですが、紙やベクストレンのコーンに比べて適度に歯切れがよくて透明な明るさを感じさせます。

LF8MKVというこのユニットのフレームはアル ミダイキャスト製で、 メイド・イン・イングランドながらロジャースの制作メーカーであるスイストーンのロゴが見えます。

ここではその 20センチのウーファーが十分な大きさのバスレフの箱に入れられていますが、実際、20セ ンチ・ウーファーに1インチ・ドームという組合せは2ウェイのシステムで最もバランスが良いのではないでしょうか。

重低音とは行きませんが、50ヘルツまでは フラットに出ているようで、スケール感も十分です。ポリプロピレンはその後チャート ウェルがパテントを譲り渡し、ロジャースを経て日本のメーカーが買ったらしいという話を聞いた後、スピーカー材 料としてはあまり見かけなくなってしまいました。残念なことです。

 
Audax HD12D25-8 tweeter


 ツイーターがまた素晴らしく、色々な1インチドーム型を聞いたなか、適度な湿り気と透明さがあったメリネックス製のKEF−T27(LS3/5aに使われたもの)も良かったですが、倍音が繊細で自然な艶が美しいHD12は今もって最高のユニットだと思いま す。


 BBC Monitor LS3/7 オーダックスの優れたツイータ、HD12が用いられた BBC のスタジオ・モニター。ハーベス・モニターHLは一般市場に 売り出されたものだが、BBC に納入されたものとして、モニターHLのルーツの一つだと言えるかもしれない。

Harbeth monitor HL crossover network


ネットワークもまた良くできてい るようで、調べた人によると、ツイーター側のコイルのコア剤にテープレコーダーのヘッドなどにも使われる大変 お金のかかった材料が用いられているのだそうで、 材料試験に出してそれがわかったという話です。私は確認してないので材料名は伏せておきます が、バラして見るとフェライトのように黒くはないメ タリック・シルバーの薄板をラ ミネートしたコアであり、目に見えないところに色々とこだわりがあるスピーカーのようです。

             schematic diagram

 回路はツイーター側18dB/oct、ウーファ側12dB/oct の組み合わせスロープ逆相接続で、ツイーター側にはレベル調整の抵抗が入っておらず、ウーファ側は極細の線で巻かれた鉄芯入りコイル(写真右上の青いもの ですが、私の測定器ではインダクタンス値が計れませんでした。)を加えた変則のインピーダ ンス上昇補正回路が用いられています。同時期のBBCモニターに用いられたネットワークよりも若干シンプルな回路に見えますが、面白いのはBBC系統には比較的珍しくウーファー側のコイルが空芯であること、また、ツ イーター側の フィルターを構成するコンデンサー3個にそれぞれ別の銘柄が使われていることです。とくに4.4uFの部分は 2.2uFのものが二つ、緑とベージュのITT製フィルムコンデンサーがパラッてあります。こういうことは新生 ハーベスの回路がメタライズド・ポリエステル・タイプによく見かける茶色いキャンディーのようなコンデンサーに すべて統一してあったりするのからすると、なんとも不思議な光景です。音色合わせのためにこうしたのでしょうか。

 キャビネットは薄めの合板で一見安物 に見えるながら、内部に黒いダンプ材が貼付けてあります。東急ハンズなどで売っているオトナシー トに似た外見のベタッとした薄いものです。吸音材はスポンジで、ユニットと端子はハンダ付けされています。音を 聞いて作ったと思われる職人の技が随所に見て取れ ます。

   
  HARBETH HLCompact 7ES-3 2006

 さて、このハーベスですが、HLで言 えばタイプWまで出たところでハーウッド氏は辞めてしまい、弟子のアラン・ショーに引き継がれました。それが現在商売的に成功している新生ハーベスです。その交代直後 のHLコンパクトはツイーターがアルミ系のハードドームに変わったものの、今でも人気があるようです。

ただ、私はこのハードドームに変わって以降のものは音色が好みではなくなってしまいました。

振動板を硬い金属で作ることのメリットは、周波数が高くなったときに分割振動が出ることが防げるということです。不規則 に振動板がたわんで部分的に違う周波数を再生するとな ると、歪みが生じて特定の音色を生み出しやすいですし、球面波の形も崩れてしまいます。

ただ、理論的にはそうであっても、うまく作らないと 金属の振動板は特定の金属的な鳴きの音を混じらせる場合が多いと思います。それを積極的に音として利用する場合と理論通りに排除する場合とがあると思いますが、 布を成形して弾性剤などを塗ったり靱性のあるプラスチックで作ったりするソフトドームは初めから分割振動を利用しつつも鳴きが耳につきにくい性質があり、耳で聞いてナチュラルな音を追求する場合はソフトドームの方 が作りやすいのかもしれません。

振動させないためにアルミ以外にもチタンやベリリウムなどの軽くて強い材料も ハードドームとして作られてきましたが、生楽器の 音を自然にやわらかく伝えるものは少なかった ように思います。それでも現在のモニター 7ES3 はなかなか艶めかしい音を出しているようで、モニター HLと並べて聞いてはいないですが、分割振動を可聴帯域外の高い周波数まで追いやった B&W805S と聞き比べてもよりしっとりしていながら色付けは同様に少なく、評価が高いわけがわかるような気がしました。
http://home.att.ne.jp/delta/myrobalan/harbeth.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/863.html#c12

[リバイバル3] フランスの音を聴く 中川隆
13. 中川隆[-14383] koaQ7Jey 2020年1月18日 12:06:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1297]
My vintage audio 2015年 Audio miniature garden
http://my-vintage.music.coocan.jp/2015.html


今年の抱負は「音の雰囲気を良くすること」にでも置いておくことにしよう。

TANNOY IIILZ のクラシックシステムは、シングルアンプ SV-501SE のコンデンサー交換によって不満のない音色を提供してくれるようになった。今年度は組み合せるトランスと USB-DAC などを吟味して、音のニュアンスを改善させて行きたい。

Harbeth HL-4 は断線したトゥイーターを新品に交換することによって今後の使用に対する不安が払拭されたが、これまでと同等の美音を聴かせてくれるかが問題である。

システムの要となる Marantz7R は既に大半のカップリングを SPRAGUE-BB に交換済みで、バイアス用整流器もセレンに換装している。交換後はまったく音質に不満はなくなったが、残すところはヒーター用セレンの交換ぐらいであろうか。忘れた頃に現れるポップノイズは真空管とソケットの接触あたりが怪しいが、はっきりとした原因がつかめていない。

Harbeth HL-4 の故障によって生き返ったのが HL-COMPACT である。

フットワークの良いキレのある音質はヴォーカルや室内楽などの曲種に良くマッチしているので、以前のオーディオルームで使わなくなった ELEKIT の 300B シングルアンプと組み合せて、新たなシステムを構築しようかとも考えている。そんなこんなで音楽を楽しむために改善する余地が、まだまだ残されているのである。    1/1

■ カムバック


やっと Harbeth HL-4 のトゥイーターが手元に届いた。

フランスのオーダックス社製シルクドームトゥイーターは、なぜかアメリカから海を渡ってやって来た。どちらにしろ注文してから僅か10日ほどでマエストロ・オーディオに着荷するという早業であるが、年末年始の休みの関係で本日やっと取りに行くことが出来た。


左は AUDAX の箱に入ったトゥイーターの画像。

真ん中と右側の画像の左側が元々付いていたオリジナルのトゥイーターで、右側が今回購入した新品である。前面から見るとほとんど違いはないが、背面を見ると接続端子の位置が異なっている。

付け替え作業に入って気が付いたが、この接続端子が異なるせいでうまく装着できないのである。オリジナルのトゥイーターは左右に端子がありバッフルにはこの位置にざぐりが入れてあるが、新品を装着する為には片方のざぐりをノコギリで大きくする必要があった。そんな訳で少し手こずったが、2時間ほどで装着も完了し楽しみにしていた試聴に入る。


見た目は少し塗料の色目が違うようだが、オリジナルと同じ寸法だから違和感なく収まった。なぜか片方の個体のつらがあわずほんの僅かに出っ張りがあるが、細かいことはあまり気にしないことにしよう。

さて肝心の音質の方は当然のことながら聴き始めは新品の硬さが感じられるが、しばらく鳴らしているうちに明るさと美しい輝きが加味されまったく素晴らしい美音に生まれ変わったようである。

交換前はきめ細かく繊細で落ち着いた音質であったが、交換後はその持ち味にフレッシュで生き生きとした生命力が加わったようである。

この音楽性豊かな響きに耳を傾けると、1990年代にベストバイの評価を得て人気を博したアラン・ショーの HL-COMPACT も敵わないのではと感じられる。

ハーウッドが改良に改良を重ねた HL-Mk4 から生み出される音楽性の高さを忘れられずに、発売以来永年に渡って使用されている音楽ファンが日本にどれぐらいいるかは見当もつかないが、トゥイーターが断線故障しても諦めずにオーダックスの新品に交換すれば僅かな出費で再びフレッシュに生き返りますよ。そんな訳で今年の出だしは順風満帆なものとなった。      1/7


オリジナルのオーダックス・シルクドーム・トゥイーターのボイスコイルである。

両側の接続端子から中央のボイスコイルまでリード線が伸びているが、このコイルの根元のところで断線するパターンが多いようである。しかしこのトィーターに関しては根元の部分に問題はなく、結局どこが断線しているのかは分からなかった。また外してみてから疑問に思ったのが接続コードの極性である。ユニットの赤の塗料が縫ってある端子側が+の筈だが、コードは赤ではなくブルーが接続してあったので、逆相接続かもしれない。また画像には残していないがボイスコイル中央ドーム部分の内側にウレタンが挟んであったが、サランネット同様経年変化でボロボロになってどんどん小さくなっていた。

最近鼻づまりが頻繁に起きるようになって、その影響か難聴気味で耳の調子があまりよろしくない。

アナログのリード線の試聴をしていても、以前のように音質の違いがはっきり把握できなくなっている。SPU GOLD と MEISTER の違いがはっきり分からないのはまだましなほうで、古い SPU-GE まで同じように聴こえるのは困りものである。最近音質に不満を感じることが少なくなって来たのはこういったことも影響しているのかもしれない。まあ良い音に聴こえる分にはよろしいのではないでしょうか。  1/10

■ お年玉の真空管

 6BM8/ECL82

今年のお年玉は SV-501SE の初段管である。

オリジナルはロシア製 Svetlana であったが、やはり高域にヒリつきがあったので昨年9月にハンガリー製 TUNGSRAM を調達して聴いていた。その後もオークションなどで音質の良いと言われている MULLARD/TELEFUNKEN などの出品がないかウォッチしていたが、待った甲斐があってやっと年始に待望の英 MULLARD を落札することができた。

オークションでは珍しく競合することもなく出品価格で落札できたので品質に不安があったが、出品者の説明通りともにエッチングコードはブラックバーン工場製造のオリジナルであった。


落ち着いた音質のタングスラムでも特に不満があるわけではなかったが、差し替えるとまさしくムラードならではのふくよかな低音と繊細な高域に満足させられる。プリントは黄色と白で印字内容も若干異なるが、内部構造もッじでまったくお値打ち品を落札することが出来たと満足している。このアンプもコンデンサー交換後50時間超が経過し、増々音質に磨きがかかっている。

Harbeth HL-4 は交換したトゥイーターのエージングも進み、高域がキラリと輝くいぶし銀的な美しい音色に変身している。

交換前のくすんだような音質を考えると、やはり長年の使用で品質が劣化していたのかもしれない。

PCTオーディオのトランスは Kanno に替わり DUKANE/3A55 で落ち着きを見せている。Kanno のナチュラルな抜けの良さも美しいが、中低域重視の厚みと馬力のある DUKANE の音色が気に入ってる。

そんな PCTオーディオの音色は、それぞれのパーツが馴染んで来た効果により無機質なデジタル臭が抜けて、温度感の高い温もりを持った音色に変わって来たように思う。これまでは味気のない理性的に力強く迫力のある音質であったが、その説得力のある音色に感性的な色気が加わって「良い音だなぁ」と感じることも多く、アナログとの差異が更に縮まったような気がする。   1/14

 圧着端子

Harbeth HL-4 のトゥイーターへの接続は、マエストロ・オーディオの谷口さんが揃えてくれた高品位金メッキタイプのファストン端子を使用している。

ファストン端子とは聞いたこともなかったが、主にカー用品などで使用する圧着金具のことである。新規に調達したトゥイーターの+とーの接続端子の大きさが異なるため、今回は中と小の金具を使用している。元々のオリジナルでも金メッキではないが同じような圧着端子を使用しており、今回の端子交換でも特に音色に問題がなかったので、念のためにハンダ付けで仕上げることにした。

もともとハーベスはあらゆる接点をハンダ処理することによって音質の向上を目指しているようだが、実際にこんな端子のハンダ付け一つで音色が変わって来たので、まったく音質を改善するのはこういうことかと納得させられた。

圧着端子を使用しないで直接ハンダ付けを行っても音質が変わりそうだが、今回はオリジナル通りの圧着端子とハンダの使用で万全を期すことにした。    1/21

■ トランス

PCT(パソコン・トランス)オーディオのトランスを Kanno に戻し、ケーブルも QUAD22 用の特注品に交換することにした。

Harbeth HL-4 のトゥイーターを新品に交換してまだまだエージングが足りないのか、少し中高域の音質がもたついて嫌らしい響きを感じ始めた。

トゥイーターが断線する前から新たに調達した DUKANE のトランスに古い SME アーム用ケーブルを使用していたが、理由は分からないが数日前にトゥイーターの圧着端子にハンダ処理を行ってから更にこの傾向が強まったように感じる。

そんな訳でいろいろと組み合せ試聴を行った結果、トランスを以前の Kanno に戻してケーブルも細めのケーブルに交換することにした。

このケーブルは 20年ほど前に RCA端子の短い QUAD22用にオーディオ専門店で特注で作ってもらったものだが、こちらの組み合わせの方が中高域がクリアに広がっていやらしさのない聴きやすいものとなった。DUKANE は帯域を変に欲張らずに中域重視の密度の高い迫力のある音質が利点となるが、今回は高域方向に自然な伸びを見せる Kanno のナチュラルな音質で違和感を払拭することが出来た。   1/23

■ サブシステム

Harbeth HL-COMPACT を使わずに眠らしておくのはもったいないので、以前使っていた6畳間にサブシステムを構築した。

ソースはアナログの EMPIRE598 と光学系固定方式メカの SONY CDP-XA5ES、アンプはELEKIT TU-875 と TU-873LE を組み合わせることにした。

また CDP には DUKANE のトランスをかませて音質の改善を図っている。

最初にCDを掛けて慣らし運転を行いながら音質を確認するが、プリアンプの TU-875の調子が悪くしばらくするとまともに音が鳴らなくなった。これまでEMPIRE598のフォノイコとして使っていた時にもフォノ段の真空管が点いたり消えたりするという同じ症状で、昨年ハンダ修正などの修理を行ったがやはり完全に直った訳ではなかったようだ。

再度分解してハンダなどの点検を行うが、今度は真空管の明滅はなくなったが音が出なくなった。そんな訳で少し音質には潤いに欠けるが、CDP から直接 TU-873LE に接続してCDだけを楽しむことにしている。


メインのシステムには約40年前の学生時代に購入した Pioneerのチューナーを復活させた。

各部屋に分配されているケーブルTVの信号にはFM放送の信号も一緒に流れているのでそちらを活用することにしたが、直づけでは受信状態が悪くノイズが混じるのでTV用のブースターをかませて信号を増幅している。久しぶりに聴くFM放送の音質は、チューナーが何十年も使用されていなかったせいなのか元々の性能なのかは判断できないが、やはり潤いがなく少し痩せ気味の音質である。焦らないでしばらく通電しながら気長に使ってみることにしよう。   2/6


■ 早春の候

以前のように音楽を聴いていてしっくり来ない違和感を感じ、真空管やケーブルの組み合わせをあれやこれや変更してバランスを取り直すなどと言うことはとんと少なくなった。

そんな中でも年始にトゥイーターを交換した Harbeth HL-4 のシステムは、エージングが進んだ最近になってアナログ・プレーヤーのカートリッジを SPU GOLD から Keis さんお手製のハイブリッド・リード線を装着した MEISTER に交換後、アーム・ケーブルをテクニカ AT-1503 の純正タイプからノイマンのケーブルに変更している。

昨年末にカップリング・コンデンサーを交換して年始に初段管をムラードに入れ替えた SV-501SEは、エージングが進んで落ち着いた音色を提供してくれているが、僅かに高域のヒリつきが感じられるので初段管をタングスラムに戻すか思案している。

どちらにしろ学生時代に聴いたあこがれの音色を再現するまで散々に苦労した TANNOY III LZ を、これほどまでに生き生きと駆動してくれるアンプはお目に掛かれるものではないとその音質には満足している。

アナログは増々熟成を深めるが、PCTオーディオの方は DACとトランスの質の改善を検討中である。トランスを組み合せることによって、煮詰め過ぎたような濃い音質をもう少し伸びやかなものに改善して行きたいと考えている。DAC はサンバレーなどの真空管式可変サンプリングタイプが良さそうだが、トランスの方は手頃な価格のものをもう少し試してみたいと思っている。    3/6

■ ライントランス  


今度はPCTオーディオ用に ALTEC のライントランスを調達した。
昨年購入した DUKANE のインプットトランスと同じく、US8Pソケットを用いたプラグイン式トランスなのでこのケースを流用することにする。回路には疎く内部配線で少し悩んだが、配線用のウエスタン単線を購入してなんとか音が出るようになった。


このライントランス 15335A は 15K:15K のリピートトランスで、これまで使用していたカートリッジ昇圧用のインプットトランスと違ってボリュームを絞る必要がない。僅かばかりの試聴をしただけだが、これまでの低域の圧倒的な迫力を持ったインプットトランスと違って、高域方向に良く伸びてフラットな音質に聴こえる。その分低域が薄くなったような気もするが、こちらの方が元の自然なバランスなのであろう。もう少しじっくり試聴を続けて見ることにしよう。

ALTEC PEERLESS 4722 は MCH-II の昇圧トランスとして定着しているが、DUKANE の方は最近出番が少なくなっている。アメリカものはこれぐらいにして、今度はゼンハイザーやHaufeなどドイツのトランスを試してみたいと考えている。   3/18


アナログの方はどちらのシステムもほとんど不満なく音楽を楽しむことが出来ている。

TANNOY IIILZのクラシックシステムは、昨年カップリングを換装した SV-501SE が100時間ほどのエージングも終えて落ち着いた音色となって来た。年始に初段管をムラードに交換した後、少しレーベルによっては高域のヒリつきが感じられたが最近はそれほど気にならなくなった。トゥイーターを交換した HARBETH HL-4 の方も、高域が適度に落ち着いて来たように感じる。

PCTオーディオの方は新たに入手したHIインピーダンスのライントランス ALTEC 15335A を試しているが、これまでの昇圧トランスに比べて使い勝手は良いのだが、音色が落ち着き過ぎて今一歩のような気がしている。MCカートリッジ用 LOWインピーダンスのステップアップトランスは昇圧比も高いため、再生ソフトの AudioGate のマスターボリュームを75%に絞ってもプリアンプの Marantz7 のボリュームの位置は時計の短針の9時あたりに絞らないといけない。これがライントランスだとAudioGateのマスターボリューム100%でプリアンプのボリューム位置は1時あたりまで上げることができるのである。

Kanno などのステップアップトランスを使用すると低域の量感が大幅に増加し、迫力ある音質がロックなどの曲種ではスピーカーを大型化したような利点となるが、音の密度が濃過ぎて伸びやかな音場の広がりを感じることができない。これがライントランスだと低域から高域まで自然なバランスの伸びやかな音色を得られるのだが迫力の方が後退するのである。インピーダンスと昇圧比が程よいバランスの物を探せば良いのかもしれないが、高インピーダンスで昇圧比を高める方が良いのか、低インピーダンスで昇圧比が低い物が良いのかは想像がつかない。もう少しいろいろなトランスを試して見ることにしよう。   3/25

トランスを付け替えてPCTオーディオの試聴を続けている。

趣向を変えて旧型スイングアームの Marantz CD-16 にライントランスを用いると、当時良く言われていたデジタル臭が抜けて聴きやすくなると言った評判を実感することができるのだが、アップコンバートされた USB-DAC のPCTオーディオの音質には敵わないようである。

LOWインピーダンスの KannoステップアップトランスもHIインピーダンスのライントランス ALTEC 15335A も基本的な音質は似通っていて、端的に言うと中低域に重心を置いた Kannoと上下に音域の広い ALTECという感じである。音質を聴いていると中域には迫力もあるし低域もどっしりとした重心で特に不満なく聴こえるが、音楽を聴いているとなんとなく・・・・・なのである。

アナログで音楽を聴いていると、所々で「良い音だな〜」と思わせる箇所があるが、PCTオーディオではその感動が少ないような気がする。どうやらこの辺の響きの薄さ、余韻の少ないすっきりとした音質傾向は、トランスにあるのではなく簡素なUSB-DACにあるのではないだろうか? やはりもう少し質の高い真空管式DACを加えないと、アナログと同等の音楽の味わいを得るのは難しいのかもと思うようになってきた。アナログへの投資額に比べれば一桁違う金額でこれほどの音質を得られるのだから、特に不満のある理由はないのだが、もう少し音質の良いDACを聴いてみたいと考えている。    3/31

■ 音の雰囲気

アナログの方は HARBETH HL-4 のシステムでもクラシックが美しく聴けるようになってきた。

カートリッジをKeisさん製作のウエスタン・リード線を装着した SPU Gold-GE から、これもまた Keisさんお手製のハイブリッド・リード線に付け替えて生き返ったSPU MEISTER-GE に交換したのが良かったのかもしれない。

ひょっとして QUADII の音質に円熟味が増して来たのかと思って、300Bシングルと交換して TANNOY IIILZ を聴いてみたがこちらはこれまで通りやはり今一歩の音質だった。

HARBETH HL-4 の方に 300Bの SV-501SEを組み合せると、少し音質傾向が細身となるがこちらはそれなりに楽しむことができる音色となる。

PCTオーディオの方は結局ライントランスの ALTEC 15335A が定着している。

しばらく聴いて行くうちに、抜けの良さに加えて中低域の馬力も加わって来た。また USB-DACを192kHzまでアップコンバートすることによって、響きが豊かになって魅力的な美しい音色となることが分かった。

「音質を左右するのは低域である」とは故五味康祐氏の名言であるが、美しい音色の決めては余韻と響きではないだろうか?   4/12


最近は以前のようにあれやこれや真空管やケーブルを替えたりして音質調整することがめっきり少なくなった。

もちろん音質を気にすることなく音楽を楽しめるところまでシステムのレベルが向上したことも要因だろうが、老化により聴覚が衰えてまともに音質を捉えることができなくなってきたためかとやや悲観的に考えることもある。しかしTANNOY IIILZに QUADII を組み合せた時などは、これまでと同様に音質の違和感を感じる訳だから、ボケた耳もどうしようもないというほどでもなさそうだ。

昨日の休日も最近不満の少なくなったアナログシステムでビートルズのアルバムを数枚じっくり聴いていると、中には音質に引っかかる部分を感じるアルバムがあって、久しぶりにカートリッジを色々付け替えてみて試聴を繰り返している。   4/21

■ スラストパッド


Garrard401 のスラストパッドを調達した。(画像左、右はこれまで使用して来たもの)

出品者によると1970年代英国 Garrard社の純正品で、オイルレスメタル製とのことである。オーディオ専門店などで販売されている最近の純正パーツと比較すると、メタル部分の盛り上がりがほんの僅かに違うようで素材も異なるとのことである。外見からはもともと付いていたパーツ(右)とほぼ同じもののようである。

このプレーヤーを購入後8年ほど使用して来たが、最近レコードに針を落とすと少しゴロを感じるようになって来た。スラストパッドがそろそろ寿命かと思って購入したが、これまでのものがまだ使えそうな感じなので取りあえずそのまま交換せずに、半年振りに軸受けクリーニングを行い再度 EMTオイルを使って仕上げたところ、ゴロは気にならない程度に改善され音質も明瞭度がアップしたように感じられた。どの程度まで摩耗すると寿命となるのか、Garrard に詳しい方がいらっしゃったらご教授いただきたいものである。
  
アナログは音質の良い好みのレコードを聴くことが多いので安心して音楽を楽しむことが出来るが、ALTECのライントランスを使用したPCTオーディオの方も、トランスのエージングが進んで来たのか低音の量感が増加して響きの良い音質を楽しませてくれるようになって来た。

引き続きドイツのトランスを探しているが、プリアンプの故障によりせっかく別室に設置したサブシステムがほとんど楽しめないので、適当なプリアンプまたはフォノイコがないものかとオークションを中心にウォッチしている。   4/29


■ Northern Electric


アメリカからヨーロッパに移ってドイツのトランスを調達するつもりが、カナダで途中下車してオまった。

名古屋のY下さんは泣く子も黙る WE618B で美音を楽しんでおられるようだが、我が家では到底手に入らない高嶺の花である。そんな時オークションをウォッチしていると、WE のカナダの子会社である Northern Electric(NE)の MCトランスが出品されていたので調達することにした。

出品者によると1990年代後半に大阪日本橋で真空管オーディオを中心に品揃えしている専門店で購入したとのことである。これも出品者に頂いた STEREO SOUND誌に掲載されているこの商品広告のコピーによると、SPUの音楽性を更に高次元で再現することを目指してNEの業務用トランスをケーシングしたと言うこだわりを感じさせるMCトランスである。最近は人気のあるトランスの価格が増々高くなって来ているが、手持ちの英パートリッジなどの最近の取引価格と比較すると、比較的安価に調達することができた。


現在Garrard401とともにSPUシリーズで愛用しているトランスは、左側の1980年代のPARTRIDGE TK-2220である。

このトランスを一世代前のTH-7559(右側)と比較試聴すると、新しいためかレンジも広くなって分解能も向上したように感じ轤黷驕Bさらに今回購入したNEを続けて試聴すると、弾力感のある低域の臨場感やふところの深いプレゼンスが素晴らしく感じられた。パートリッジの2機種と比較するとゲインは少し低いが、音場も広くパートリッジの硬質感の美しい響きとは好みの別れるところであろう。今後はしばらくアナログを中心に試聴を続け、PCTオーディオにも組み合せてみようと考えている。


NE のトランスはケースが小型で可愛らしいサイズだが、ALTEC PEERLESS 4722と似通った浮遊感のある音場を形成するのが特徴だ。高域の解像度もパートリッジより優れているようで、まだワだじっくり聴き込んでいる訳ではないが、音質的な魅力を感じさせるトランスのようである。

右側は我が家のトランス群であるが、これにあと DENON DL-103C1用の純正トランスがある。これからも音質の要となるインプットやライントランスなどを、更に拡充させていきたいと考えている。       5/3


試聴の末、Northern Electricはまたまた残念な結果となった。

聴き始めは音の出方が PARTRIDGE とまったく異なるため、「色気のある高域だな〜」「低域の量感も十分で問題ない」などと喜んでいたが、いろいろなアルバムを聴き込むうちに、中域に張りのないバランス感や透明度の薄いエコーでかぶったような音場が耳につき始めた。それに比べると聴き馴染んだパートリッジは、持ち味の硬質感が音の鮮度を際立たせたような見通しの良い奥行きのある音質である。たとえて言うとNEの方は鮮度の薄れた食材を調味料で味付けしたような音質に聴こえて来る。

アナログでは期待通りの結果を得られなかったNEだが、PCTオーディオでは如何であろうか。

現在PCTオーディオはALTECのライントランスで大きな不満もなく落ち着いている。KannoのMCトランスを使用すると、低域の量感は圧倒的なのだが目に見えないダークマターで満たされたように音場がだんご状態となり、響きの良さを打ち消したような重苦しい音質となってしまう。その点アルテック/HIインピーダンスのライントランスは、低域の量感もそこそこに奥行き感のある抜けの良い音場を形成している。
さてNE/ミドルインピーダンスのインプットトランスをそのライントランスと交換すると、Kannoと同様に低域の量感は増すのだが抜けの悪い糞詰まり感が顕著となってこちらもNG。そんな訳でWE-618Bに迫るどころか所詮は子会社のNEインプットトランスは、残念ながらパートリッジやカンノの優秀性を再認識させてくれただけで、当分は日の目を見ることのない結果に終わってしまった。      5/8


■ オーディオ熟成


現在もポップス&ロック用のシステムで稼働を続けている QUADIIを、QUAD22 とセットで購入したのが1989年だった。

その時に一緒に購入した EMPIRE598 は現在サブシステム用に別室に移しているが、フォノイコが故障中なので残念ながら休眠状態である。クラシック用の TANNOY IIILZ は2001年に購入し、Thorens TD126 Centennialや Marantz7R も同じ年に我が家にやって来た。

HARBETH HL-4 が2005年で Garrard401 が2008年だから経年による老朽化が進んでいるように思われるが、メンテナンスによってそれぞれの機器の熟成が進んでいるのが名器と呼ばれるヴィンテージ機器の強みである。

これまでのメンテナンス内容をご覧になっていただければお分かりいただけるように、それぞれの愛機が中古購入時よりオリジナルを意識したメンテナンスによって高音質化を実現している。最も顕著なのが Marantz7 のレプリカで、カップリングコンデンサーの交換などによってオリジナル販売当時の音質に近づいたのではないだろうか。TANNOY IIILZもネットワークコンデンサの交換によって、それまでにはョくことの出来なかった美音を提供してくれるようになった。

老いによる聴力の衰えも手伝って、最近は神経質に音の出方に拘らずに音楽を楽しむことができている。

定年も近づいて今後はオーディオ環境の変化も少ないだろうから、大型のSPなどを購入して方向性の転換を計ることもないだろう。音質に大きく影響するトランスやコンデンサーなどの修正は続けるだろうが、我が家の「箱庭的オーディオ」ライフは到達点にかなり近づいて来ているようだ。

その着地点を更に改善してくれるのは、挑戦し始めたばかりのPCTオーディオなのかもしれない。こちらの方はまだまだ熟成感もなく、ややもすると若々しくアクの強い音質を醸し出しているのが現状だが、新たな音楽的感動の獲得を目指して頑張って行きたいと思っている。  5/12

■ オーディオ巡礼「Y下さん邸訪問記」


名古屋のY下さん宅を2年振りに訪問させて頂いた。

今回の主たる目的は、英国が誇るヴァイタボックス DU-120 コアキシャル SPを、WE VT-52(刻印)とWE-300B(復刻)を差し替えて使えると言うY下さんお手製の夢のようなアンプで聴かせて頂くことである。

初めて現物を間近に見たDU-120は、このユニット用に特注で製作されたフィンランドバーチ製コーナー型エンクロージャーに収められている。

これまで VITAVOX のユニットをじっくり聴かせてもらう経験は無かったが、アルミのパンチングで保護されているツィーター部は TANNOY のようなホーンではなく、特殊なポリエステルフィルムの振動板を使っているとのことである。

音を聴く前にまずじっくり今回の主役となる自作アンプやPCTオーディオ用にケーシングされたトランス類を眺めさせて頂く。

回路などについては説明いただいてもまったくその良さが理解できないが、音質と同様にオーディオ機器の重要なファクターとなる大手メーカー顔負けの視覚的な佇まいが、一目見ただけで高い完成度を伺わせてくれている。


今回の主役の真空管がこちら。出力管の WE VT-52(刻印)/WE-300B(復刻)と整流管の WE-274(刻印)のお宝シリーズ。

前段の方もこれ以上の選択肢が無いと思われるテレフンケン 802S(金足)を組み合せておられるので、まったくもって最強のアンプとなっているのではないだろうか。たぶん内部配線も音質の良いオイルコンデンサーなどを惜しげも無くお使いのことだろうと想像できるが、数々の高音質アンプを製作されているY下さんは「もうアンプ作りも最後にしたい」とおっしゃっていた。それだけこのアンプに対する思い入れが強いものだとも想像できる。


今回お聴かせいただいたソースは大半がデジタル音源である。

PC音楽再生プレーヤーは音質評価の高いfoobar2000、DAコンバーターには今は亡きラステームのUSB-DACをお使いである。CDの再生は CECの CDPが故障中とのことで、アンプの横にあるポータブルなCDトランスポートを利用されていた。


こちらはPCT(トランス)オーディオ用のトランス。WE-618B は○ッ○屋さんに貸し出し中とのことで、最近ネットを通じて調達されたトランスの2機種を聴かせて頂いた。右側の AWA(オーストラリア)のトランスは WE-618B と比較しても遜色の無い高音質のトランスとのことであるが、これらのケーシングも自作で済ませておられるということで、見た目の完成度もまったくもって申し分のないものである。

さて肝心の音質の方はと言うと、ヴァイタボックス DU-120 コアキシャルSPは前回訪問時に聴かせて頂いたロンドンウェスタン直系の3WAYシステムが醸し出していた美音より、TANNOY と構造的に等しい同軸ユニットのメリットを発揮しているためか音質的には当方の耳にはより好ましく聴こえるものであった。

アンプの出力管も最初は背面に設置されているスウィッチを切り替えて VT-52 で聴かせて頂いたが、帯域バランス上高域と低域が中域に集まったややナローな音質傾向ながら、弦楽器が刺激的な音質に一切落ち入らない優しくて渋い音色であった。最初はこれがこのアンプとこのSPの音色傾向なのかと思ったが、整流管をWE-274Bからナショナルユニオンに交換するとその高域の表情が一変してやや刺々しさが現れたことを考えると、ウエスタンの真空管が音質に与える影響度の高さを物語っているよ、である。

さらに出力管を WE-300B に交換すると、帯域バランスが上下に広がると同時に音に艶感や躍動感を感じさせるハイファイ的な音質に一変した。

オケのようなダイナミックな表現を要求される曲種などには、真空管の王者と呼ばれる WE-300B がその実力を遺憾なく発揮しそうな音色であったが、ソナタや小編成などの楽曲では VT-52 の水墨画のような色の付かない高貴な美しさが生きるような気もする。

PCTオーディオのトランスもスタンコアのトランスはこの組み合わせでは音場が狭まり、やや不自然な響きが楽器に乗るようで実力を発揮できていない感じがする。一方AWAの方はインピーダンスの低いインプットトランスを組み合せた時に感じるような詰め込み過ぎた圧縮感がなく、伸び伸びと音場が広がってとても好感の持てる美音であった。

とにかくY下さんのお話からも伺えるように、WE-300Bより希少価値の高い VT-52 をこのような完成度の高いオーディオシステムで聴かせて頂いたのは、大変貴重な経験をさせていただいたのは間違いないニ感じた。


今回は聴かせていただけなかった、スタンコアのトランスを使用した KT-66 アンプと交流点火に改造された SV-91B アンプ。

トランスが大きいのか GECの KT-66がスリムに見える。また別の機会にこのアンプでヴァイタボックスを聴いてみたい。

初期型のGOODMANS AXIOM 80ユニット。こちらも貴重品。

裸のユニットのままでSPコードを接続して聴かせてもらったが、箱もないのに高域のバランスが自然で美しい音色なのは驚きだった。

こちらは新たなキャビネットの製作を予定されているプレーヤーシステム。右側のカートリッジはスプリング配線の Ortofon SL-15。

少しだけ奥のグレースアームとMMカートリッジでケルンコンサートを聴かせてもらったが、CDとは別世界のアナログ独特の芯のある音質はとても魅力的なもので好感を持った。

久しぶりの訪問記であったが、今回もとても良い体験をさせていただいた。自閉気味に閉じこもってばかりいないで、たまには素晴らしいオーディオ愛好家の音を聴かせてもらうのはとても良い刺激となる。

今回特に我が家では一生縁のなさそうな、ウエスタン製刻印真空管の実力を肌で(耳で)感じることが出来たのは収穫であった。また日本では愛好家の多いTANNOYより、希少価値の高いヴァイタボックスのSPをじっくり聴かせて頂けたのはとても良い経験となった。   5/18


■ 私も買ってしまいました


このStereo Sound 保存版を早速本屋で購入した。

90年代中頃まではステサンの発刊を待ちこがれて毎季購入していたが、ヴィンテージ指向がはっきりして来るとその行事もピタリと止んだ。その後は管球王国やanalogなどで内容の気に入ったものや、ステサンの特集号の一部だけを購入している。
今回の「MCカートリッジ徹底研究」はオーディオ全盛時より永らく頑張っておられる評論家柳沢功力氏の「最新MC型カートリッジ25モデルの試聴リポート」と、故長島達夫氏著『図説・MCカートリッジの研究』(1978)が掲載されている。まったく最近のオーディオ機器はとんでもない値段だなあと感じているのは私だけであろうか? 

「最新MC型カートリッジリポート」ではデンオンDL-103がお付き合い程度に載っているが、蜚シが30〜50万もする高級品?ばかりで、いくら音質評価で美辞麗句を並べられても新品で購入する気持ちは更々湧いて来ないものばかりである。


我が家も最近まではアナログ主体で音楽を楽しんでおり、未だにお気に入りのカートリッジがMC型を中心に10個ほど生き残っているが、全部足しても現在の高級品の価格には及ばないのではないだろうか。昨年 Thorens MCH-II の修理を荻窪のマエストロ・ガレージにお願いした時に、35万ほどするマイソニックラボのカートリッジを聴かせて頂いたが、しばらく聴いていてレコード盤のノイズを拾わない静寂性の高い音質には驚いた。しかし我が家にある旧世代のものと比べて、まったく別世界の美音と言う訳でもない。オーディオは値段でもないのである。

最近になってPCTオーディオのトランスは PARTRIDGE TH-7559 を使うようになった。
Y下さん邸にお邪魔した後、我が家に帰ってからいろいろ試聴を続けている。最近定着していた ALTEC 15335A のライントランスはロックなどの曲種では問題はないが、クラシックの弦楽器がいやに刺ンIで自然に響かないことが分かった。それで昇圧トランスのパートリッジに交換したところ、Kannoを使用した時よりも高域もナチュラルで特に違和感もなく、低域の方も床を振動させるほどの重低音が圧倒的でなかなかに好ましい。しばらくこの組み合わせで楽しむことにしよう。   5/30


■ アナログ通信


北海道のKeisさんから新作のリード線が届いた。

今回の素材はCreationと言うメーカーが販売しているPC-Triple Cと呼ばれる新しい線材とのことである。ラインケーブルやSPケーブルに加工して製品化しているメーカーならなんとなく分かるが、素材の詳細となると Keisさんの詳しい説明を読んでもまったくぴんと来ない。

昨年の年末にはTUNAMI TERZO V2ケーブルの102-SSC線材から作成したリード線を送って頂いたが、これがとても我が家の機榿は相性の良いもので、このリード線と組み合せたSPU MEISTER-GEを常用カートリッジに復活させてくれた。今回の線材の試聴結果は前回の素材ほどの可能性を見いだすことができなかったが、線材の本数、組み合わせやその方向性だけでなく撚り方の強さまで独自に考慮して製作されているのはまったく驚嘆すべき技術である。アンプ作りのY下さんやKeisさんなど技術者としての能力をお持ちのオーディオ愛好家が、自分の力で音を変えられると言うのは本当に素晴らしいことだと感心させられる。         6/3


■ サブシステム

Harbeth HL-COMPACT のサブシステムを最近良く聴いている。

プリアンプが故障中なので音源は旧世代 CDPの2台となるが、なかなかフレッシュな音色でヴォーカルなどの肉声がとても自然に響く。CDPからライントランスを介してダイレクトにパワーアンプ(TU-873LE)へ繋いでいるのだが、エレクトロハーモニクス300Bとの相性もまずまず良いようだ。

しかしヴォーカルや小編成の曲種には相性が良いが、もう少し音質にコクと音数の増加が欲しいような気がする。

やはりこの辺はプリアンプの必要性を感じるところなので、手頃なフォノイコ付プリアンプを物色中である。

以前使用していたラックス CL-32クラスのアンプがあれば丁度よいが、調達できても発売後40年近くが経過しており流石にコンデンサーなどの耐久年数が切れているのが不安要素である。こんな時に自分でメンテできれば問題はないのだが、まだまだ技量が追いつかないのが悩ましい。

90年代に発売された中堅 CDPの音質も、ALTEC のライントランスを使用することでバランス良く音楽を楽しませてくれている。

当初はスイングアームを使用した Marantz CD-16 の音楽性の高さが予想されたが、独自の光学系固定方式メカニズムを採用したSONY CDP-XA5ESのパワフルな音質も、POPSなどではマランツに遜色の無い音色を聴かせてくれている。EMPIRE598を久しく聴いていないが、そろそろかまってやらないと使い物にならなくならないかが心配である。   6/10


やはりゴロが気になるのでスラストパッドを交換することにした。

裏側から良く眺めてみるとモーターを固定するプレートに少しサビが出ているが、これは購入当初よりあったのかはっきり覚えていない。まあスラストパッド同様に純正のサービスパーツが手に入るから問題はないだろう。さていつも通り軸受け部を本体より取り外して分解するが、軸側中心のパッド接触部分にも円形の摩耗の後が残っているので、サンドペーパーで磨いて元に戻すことにした。400番から1200番目までのサンドペーパーを使って磨くのだが、手作業の為に平面が出ているのかが心配だった。まあパッドの平面ではなく円の接点で接触する訳だから大丈夫だろうと素人判断でメンテナンスを行う。

ところが新しいパッドに取り替えオイルを補充して元に戻すが、スイッチをオンにして駆動するとゴーッと軸がパットに擦り合わされる音が盛大に聞こえて来る。「ありゃー!またやってしもうた。」と動揺するが、馴染むのに時間が掛かるのかもしれないと廻しっぱなしでしばらく放置することにした。幸いにも1時間ほどすると異音も治まり、レコードを聴いてもゴロもなく一件落着となった。

ここのところ常用カートリッジの地位を維持してきた SPU MEISTER-GEの調子が少し悪い。

実は半年くらい前のことだが、いつも通りレコードを聴こうと思ってプレーヤーに被せている布を取ろうとして、うっかりカートリッジのカンチレバーに引っ掛けて大きく曲げてしまった 。なんとかペンチを使って自力で修復する(したつもり?)が、そのころからなんとなく右chの音が小さくなったような気がしていた。最近その傾向が顕著になって来ておりMCH-IIの時のようなラインコンタクト針の摩耗も考えられるので、マエストロ・オーディオさんから専門業者の方に送って診断をお願いすることにした。はてさてどれくらいの見積もり額となるかが心配の種である。
そんな訳で再びGold-GEに出番が廻って来たが、付け替えた当初はヘソを曲げたのか低域がまともに出て来ない。LPを2枚ほど掛けて愛情を注いでやるとやっと音場も広がって本領を発揮し始めるが、この辺が Vintage の難しいところなのであろう。    6/17


■ マエストロ・ガレージ訪問


年始に Harbeth のトゥイーターを受け取りに言って以来、半年振りにお邪魔させていただいた。

今回の目的は調子の悪くなった SPU MEISTER-GE の修理依頼だったのだが、土曜日の午後一番といった時間帯のせいか既に先客が2組も来店されており、フェーズテックのカートリッジとトランスの試聴会開催されていた。


しばらくご一緒させていただいてベートーベンのチェロソナタに耳を傾けるが、奥行き感を伴った豊潤な音質で刺激的な響きをまったく感じさせない心地良さが印象的であった。

初めて聴いたこのスペンドールの現行スピーカーは、我が家の Harbeth とはエンクロージャーのサイズもほぼ同じでウーハーのサイズは 20cmと小振りながら、中高域に2種類のソフトドームを使用した分だけ中域の響きが充実しているように感じた。

流石に同じ英国 BBC の血統を受け継ぐスピーカーではあるが、明るく抜けの良い Harbeth と比較すると昔の BC-II の血筋を感じさせる渋い趣である。

昨年聴かせて頂いたスペンドールのトールボーイシリーズはやや淡白な音質で少し違和感を覚えたが、こちらのタイプがより BBC の音色を色濃く受け継いでいる音楽性の高い気品のある響きではないだろうか。


カートリッジはフェーズテックのP-1Gという、最近まで製造されていた価格30万ほどのモデルである。

昨年聴かせて頂いたマイソニック・ラボの時も感じたことだが、開発年代の新しい新世代カートリッジ群はノイズの少なさが共通した利点なのであろうか。このカートリッジを使用して現行2種類のトランスを聴き比べると、4万ほどの低価格のタイプでも十分とも言える音楽性の高さで楽しませてくれたのは驚きであった。
今回お邪魔した折にも30年以上昔のオラクルのプレーヤーの修理品が持ち込まれており、店主の谷口さんのお話ではまだまだVintage機種を大切に使用されているオーディオ愛好家が多いとのことであった。

1週間ほどで修理の見積もりが上がるとのことであったが、果たして結果はいかばかりであろうか。    6/20


SPU MEISTER-GEの針の状態は予想通り芳しくなかった。

針先は最も摩耗した状態らしく、カンチレバーの曲がりも新規取り付け(外径接合)が必要だとのことであった。結局10年ほど前に今はなき○○オンの展示品を購入した時と同じくらいの投資となったが、またこれでしばらくは完全な状態でレコードを楽しめると思えば納得せざるを得ない。

しかし前回のMCH-IIの時も疑問に思ったのはラインコンタクト針の摩耗が早いとのことだが、昔は針の寿命(ダイヤモンド針)は半永久的であると言われていたものとは別物なのであろうか。そんな風に少々せこく考えてしまうのだが、GoldやClassicなどでは得られない豊かな表情が持ち味のこのカートリッジの音質はPOPSやROCKにはやはり必要なものなので、しっかり直していただくことにした。

そんなことを言われると、2010年に針交換後使用時間の少ない状態で購入したGoldや2000年頃に針交換で戻って来てからほとんど使用していないClassicはまだまだ使えるような気がするが、1990年頃に購入したSPU-GEの中古品はとうに寿命を迎えているのかもしれない。

MEISTERやGoldを導入後はとんと活用する機会が少なくなったオリジナルのSPU-GEではあるが、やはりこの機種は今後も手放すことはせず、カートリッジのベクトルとして完全な状態で所有していきたいと考えている。またしばらくして余裕ができたら修理に出すことにしよう。 6/28


■ スピーカーのセッティング

最近は「ウーファーとツィーターの間がほぼ耳の高さになるように設置する」というのがセッティングの基本らしい。

昔は「ツィーターが耳の高さの少し下あたり」が基本で、Harbethの純正スタンドも少し高さが低くなっている。TANNOY は同軸コアキシャル構造だからツィーターの位置が少し低過ぎるのかもしれないと思い、アイアン・ウッドと呼ばれる素材でできたキューブを挿んで7cmほど高さを上げてみた。

Harbeth 同様、3点支持でテクニカ製ハイブリッド・インシュレーターの上にセッティングするが、ツィーターが耳の高さに近づいた影響で、以前より音域バランスが高域に寄ってくっきりと聴こえる。

低音の広がりが薄くなるのは不満だが弦楽器が特に刺激的に響く訳でもないので、しばらくインシュレーターの組み合わせを替えながら試聴を続けて行くつもりである。     7/1


■ Thorens TD126mkIII Centennialのメンテナンス


スピーカーのセッティングを変えてから、音場がはっきりと見渡せるようになった。

その反面、低音の広がりが少し薄くなったように感じるので、Marantz7R のトーン・コントロールのBassを+1補正してョいている。しかしなんとなく高域が混濁していて透明度も低く感じるようになったので、300Bシングルアンプの初段管を再び重心の低いタングスラムに交換してみる。

しばらく聴いているとピアノのピアニッシモで微妙にワウフラッターを感じ、ひょっとすると高域の濁りの原因はプレーヤーにあるのかもと思ってThorensのメンテナンスに着手することにした。同様の症状は昨年末に伸びたベルトを交換するまでは顕著であったが、ベルト交換後はあまり気にならなくなっていた。ベルト交換直後はストロボスコープに前後の軽い揺れがあるのが気になっていてベルトが馴染んだら安定するだろうと楽観視していたが、このあたりが音質に影響しているのかもしれない。

このプレーヤーはスイスのトーレンス社100周年を記念して開発されたリミテッドモデルで、当時の輸入元だったノアとSME輸入元のハーマンが共同企画した日本特別バージョンである。1985年に発売されたものを2000年頃に中古で購入したものであるが、当時の売価が38万円だから現在作ろうとすると倍くらいの価格になっているのではないか。クラシックなどの曲種に向いたゆったりした音質が気に入っているので、今後も末永く活躍して欲しい機種の一つである。まず左の画像のようにインナープラッターのベルト接触面に付着している汚れをサンドペーパーで磨き上げ、スピンドルも古いオイルを拭き取って純正オイルを補充する。念のためにカートリッジのオーバーハングや針圧バランスなどを再調整してメンテナンス終了。メンテナンス後はストロボのふらつきも治まり、高域のワウフラッターも感じなくなった。   7/4

■ ノスタルジー

Y下先輩と学生時代のオーディオへの憧れのお話をしていて、昔のオーディオ雑誌を引っ張り出して来た。

1981年 FMfan臨時増刊号のアナログ専門誌「'82カートリッジとレコードとプレーヤーの本」である。学生時代はFMレコパルやFMfanなどの雑誌を購読して夢を膨らませ、小遣いのゆとりのあるときだけSTEREO SOUNDや月刊STEREOなどの専門誌を購入していた。

我が家にあるステサンで一番古いのが、1973年28号「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(上)」である。この特集で我が愛機TANNOY IIILZを始め、学生時代に使用経験のあるKLH-Model32やDYNACO A-25XSなどが準特選/特選の評価を受けている。

このアナログ特集号を眺めていたのは大学生時代で、既に自分のコンポーネントステレオを所有していた頃である。

高校の入学祝いに購入した初めてのコンポーネントは1970'sに記されているが、大学時代になって初めてスピーカーを TANNOYの HPD295にグレードアップするとともにアンプも真空管の Dynacoに移り変わっている。カートリッジは高校時代から変わらず、シュアー M75EDだったと記憶している。


このアナログ特集を眺め倒して Ortofon SPU-G や ELAC 555E/DECCA MarkV-EE/EMPIRE 4000DIII/TSD-15 などを購入することになる訳だが、この頃には嗜好が海外製品に移っているようだ。


高校生時代に購入した1975年「評論家・読者の選ぶ'75ベストバイ・コンポーネント」の頃には海外製品に憧れを持ちつつも、国産のグレースなどのお手頃価格のカートリッジをターゲットとしていたが、最終的には国産品は音楽性が低いといった理由でアメリカのシュアーを選んだ記憶がある。

こうやっていろいろ昔憧れていた Vintage アイテムを眺めていると、いまだに使用してみたいという願望を抱かせるような完成度の高い機種も多いような気がする。       7/11 


■ 最近のオーディオあれこれ


この前仕事の関係で東京駅に行ったので、百貨店に出店したという中古オーディオショップに立ち寄ってみた。

4セットほどアナログからスピーカーまでの組み合わせがセッティングされており、その中央にどんと構える超弩級の組み合わせから音楽が流れていた。

JBL のエベレストとマークレビンソンを組み合せた中古でもそれぞれが数百万もするようなシステムだが、その女性ヴォーカルはなんとなく寝ぼけたような冴えの無い音質で、これがジャズなどでは最高にキレの良かった JBL の最近の音質かと耳を疑った。

見た目の迫力だけならお金持ち愛好家の所蔵するターゲットにはなり得るかもしれないが、果たして音楽愛好家がこの味気ない音色を聴いて高い(?)購入金額を支払うだけの魅力があると感じるのだろうか。

そうは言っても他に古いケンウッドやパイオニアのプレーヤーに加え、美しいデザインに昔憧れていたヤマハのアナログプレーヤーまで品揃えされていて、今後も頑張っていただきたいショップではあると感じた。

上の2枚のアルバムは同じ音源を使った、大好きなクレンペラーのEMIワーグナーアルバムである。

左が仏マルコーニの1963年オリジナルアルバムで、右は1985年頃に再発された独EMIデジタルリマスター盤である。カッティングされた国(エンジニア)の違いとデジタル処理されたリマスター盤の音質の違いが体験できる訳だが、ともに美しい音色で我が家の宝物となっている。右側の独でカッティングされたDmm(デジタル・メタル・マスター)盤は昨年近所のハードオフで未開封の新品を安く手に入れたものだが、ドイツ盤特有の低音の豊かな響きとデジタル処理されノイズ感が少なくなった音場がとても美しい。

オリジナルのフランス盤は気品のある高域の瑞々しさが特徴ながら、決して刺激的な響きにならないのがこちらもとても好ましい。こんなプレスされた国(音質)の違いに拘るのは、レコードの古き良き時代を経験したことのある物好きなアナログマニアだけだろうが、確かに音質に違いがあるのだから享受される演奏家の感動は同じかも知れないが、そのレベルが違って来るというものだ。

最近は我が家のオーディオ機器も熟成を重ね、音の良いと言われる輸入盤だけでなく国内盤でも違和感無く音楽を楽しめるよ、になってきたが、やはり国内盤と輸入盤の音質の差は確かにある。若気フ至りで学生時代に「輸入盤は音が良い」という言葉を鵜呑みにして結構な数の韓国プレス輸入盤を購入していたが、物を知らないと言うのは本当に恐ろしいことである。最近になってやっとその名演と言われるアルバムの英国やドイツの本国盤を手に入れるようになり、やっぱり音が、音楽が違うと再確認している。      7/18

■ DENONさんもなかなかのモノですね

我が家は昔からオルトフォン党である。

クラシックにはMCH-IIを愛用しているが、それ以外の曲種では4種類のSPUとMC-30の2種類を使うことが多い。その中で一番のお気に入りだった MEISTER-GEが修理中なので、SPU GOLDを中心にいろいろなカートリッジの音色を楽しんでいる。

オルトフォン以外では EMPIRE598プレーヤー純正の4000DIIIとDECCA Mark-V EE、それにDENON DL103C1がある。オルトフォン党と同様にデンオン党を支持するオーディオ愛好家が多いことも良く知っているが、なぜかオーディオ初心者の時に馴染んだのがSPUシリーズだったので、その伝説的なDL-103を購入する機会を逸していた。我が家の派生モデルDL103C1はSTEREO SOUNDの91年度ベストバイで1位に選ばれたから購入したものと記憶しているが、音がこじんまりとまとまり過ぎていてこれまではあまり聴く機会はなかった。前回聴いたのは2年ほど前にKeisさんが製作したオーグライン+プラチナリード線の試聴をした頃であろうか。

今回久しぶりにそのDENONさんを引っ張り出して聴いてみたのだが、ROCK系との相性がバッチリで特に低音のドラムの音が最も迫力を持って聴こえるのでまったく驚いた。ゆったり感があり響きの豊かなSPUシリーズと比較して、全体的に音が良く締まっていて中域の密度感が非常に濃く聴こえるのである。

あまりにも音が良いのでメタル教の嫁殿を呼んで聴かせたが、中低域の音色は当方の耳と同じでスピード感のある音色がとても良いとの評価である。しかし高域が少しキンキン響く傾向があり、ZEPPのロバート・プラントの声がもう少し潤いを持って響く方が良いとのご指摘であった。なるほど〜、この辺はプラチナ素材リード線の音質傾向が出ているかもしれないのでリード線の交換で音質向上が計れるかもしれないなと考えていたところに、タイミング良く北海道のKeisさんから新作リード線が届いた。時を同じくしてMEISTER-GEの修理が上がって来たので、ここのところアナログ三昧で試聴を繰り返している。     7/29


■ 修理完了

やっとGarrardの主が帰って来た。

昔からオーディオ雑誌などに広告を載せている専門業者の方に、昨年のMCH-IIに続いて修理をお願いすることにした。

修理内容は 針入れ: ラインコンタクト針 カンチレバー: 新規取り付け(外径接合) ダンパー: 交換、または調整 ゴムシートカバー交換 端子ピン: 調整、接着補強との見積もり時の内容だったが、修理結果についてはマエストロ・オーディオの金額領収証のみでまったくあっさりした物である。前回のMCH-IIの針先交換と断線修理では、オリジナル時の華やかさが薄れて若干大人びた音質に変貌を遂げたが今回はどうだろう。

持ち帰って早速アームに装着してレコードに針を落とす。最低針圧の3gでいつも通り慎重に針を落としたつもりだったが、いきなり2cmほど針滑りを起こしてしまう。もう一度針圧を確認して少し針圧を重くするが、少しの振動で盤面を滑ってしまう。針先をルーペなどで確認してみると、少し片方にねじれが起きていて真下に向いていなかったので、慎重にピンセットなどで修復を図ってみた。カンチレバーの新規取り付けは難易度が高いのかトラッカビリティーに大きな問題が発生しているが、肝心の音質の方は修理前のバランスの崩れも修正されて音場も左右一杯に広く取られている。しかしなんとなくこのカートリッジ持ち前の馬力の良さと鮮烈とも言える切れ込みの良さが影を潜めてしまったようなのだが、エージングによって改善されて行くものなのかまったく判断が付かない。

その後リード線もオリジナルに戻してしばらく試聴を続けているが、果たして控えのSPU GoldやDENONさんを超えて再び主役の座に戻ることがかなうのであろうか。       8/2


■ シングルアンプの初段管

 SIEMENS 6BM8

300Bシングルアンプ(SV-501)の初段管を購入した。

TANNOY IIILZ のセッティングを変更したところ、ムラードでは少し高域に違和感を覚えたので現在はタングスラムに戻して聴いている。継続してテレフンケンなどの出物を探していたが、同じドイツのシーメンスを見つけたので調達することにした。ドイツ製オリジナルかどうかははっきりしないが、肝心の音質は落ち着きがあってまずまず楽しめそうなのである。

SPU-MEISTERはリード線にウエスタン線を加えてマルチブリッドにしたところ筋肉質でパワフルな音質に復活したが、トラッカビリティーが最悪でカッティングの良いレコードや少しソリのあるレコードですぐに針飛びを起こすのがまったく困りものである。針先をルーペなどで良く観察してみたところ、オリジナルの物よりかなり小さめのラインコンタクト針が付いているが、この辺に問題があるのだろうか。    8/7


このHPを見たマエストロ・オーディオの谷口さんが、SPUカートリッジ修理の件で助け舟を出してくれた。

修理元に症状を説明して実際の修理内容を確認してもらったのだが、針先チップのラインコンタクト針は元々着いていた純正と同じ大きさで、実際にortofon に針先チップを供給している製造会社から仕入れたものを使っているとのことであった。手持ちのGoldやClassicなどと比較すると明らかに小さめなのだが、専門の方がおっしゃるのだから間違いはないのであろう。原因として考えられるのは、ダンパーを交換したため馴染むのに若干時間を要するとのことなので、エージングが必要なだけなら少し不安な気持ちが払拭されたような感じである。

我が家にあるような少し古くなった機器は、愛情を持ってじっくり良い音楽を聴いてあげないと、機嫌の良い状態にならないのかもしれません。あせらずにじっくりと取り組まないといけませんね。谷口さま、アフターサービス有り難うございました。      8/11


■ 新規チューナー購入

 SONY ST-SA50ES

還暦定年まであと数年を残すのみとなった今月の初旬に、急遽配置転換となった。
入社から既に30年以上が過ぎ、これまで北陸から北海道まで度重なる転勤を重ねて来たが、今度は別会社への出向でこれまでの異動とは職務内容もちょっと違って来ている。勤務形態もこれまでの平日主体の休みから、一般サラリーマンのように土日に替わっている。転勤を伴わなかったのは喜ばしいことだが、職務内容がまったく異なったものなので、心身ともにボロボロの日々を耐え忍んでいる。残業を含め連日12時間を超える労働時間は辛いが、なんとか週休2日は維持しているので、体力的な問題よりも精神的な問題の方が大きい。そんな訳で、これまでは毎日大好きな音楽と向き合う時間が少なからず取れていたが、最近はその楽しい一時を土日でしか取ることができなくなってしまった。

修理後調子の悪かったオルトフォンのSPU MEISTERは、マエストロ・オーディオのプレーヤーで試してみても針滑りが起きることが判明して、修理もとに再度点検をお願いすることにした。

さて、この土日にリフレッシュを兼ねて近所のハードオフに偵察に出かけた時、このSONY製チューナーをゲットした。最近になって倉庫から引っ張り出して来たパイオニア製のチューナーは、しばらく使っているうちに音が出なくなって故障してしまった。メンテナンス情報をいろいろ調べてみたところではトランジスタの劣化と推測されるが、修理をするには難易度が高いので少し前から手頃なものを探していた。

このチューナーは1997年に発売されたESシリーズのFM/AMステレオチューナーで、当時の定価はそれなりの40,000円。前機種のST-SA5ESなどと性能を比べると、コストダウンされた分だけ中身もスカスカのようである。しかし流石に音質に定評のあったソニーのDNAは受け継がれているのか、故障前のパイオニアと比較すると受信性能も高く、数段ハイレベルの音質に仕上がっているようである。お安い分、取説もAMアンテナのどの付属品もなかったので使用方法をネットなどで検索中だが、AMステレオ放送なるものを聴いてみたいと思っている。    8/23


■ SPU MEISTER


再修理をお願いしていたMEISTERが戻って来た。

針飛び+横滑りを起こすレコードと一緒に修理元に送ったところ、原因については交換した部分(針先,カンチレバー、ダンパー等)と既存の振動系との微妙なバランスで、このような症状が出ているのではないかとのことであった。特にカンチレバーを後ろから引っ張って支えるテンションワイヤーに原因があるとも考えられ、このワイヤーを含めた振動系一式の交換を予定しているとの報告を受けていた。
昨日、マエストロ・オーディオの谷口さんから再修理が完了して症状が改善したようだとの連絡が入り、早速取りに伺った。谷口さんのお話では、振動系を交換した結果、マエストロ・オーディオの機器でも以前のような針飛び+横滑りが起きなくなったとのことであった。

しかしテストしたようなソリのあるレコードでは、ボディが盤面に擦れることによって針飛びを起こすので、軽めの針圧(3g強)での使用が無難とのことであった。確かにお伺いして YAMAHA GT-2000で聴かせて頂いたところ、症状は改善されており音質も特に気になるところはなかった。

家に持ち帰って我が家の機器で試聴したところ、修理前と比べてボディと盤面の間隔がとても狭くなっている(1mm弱)のが分かった。これでは当然振幅の大きいレコードではボディが盤面に擦れる危険性があるようだ。右側の画像は手持ちのSPU Goldとの針先部分の比較画像だが、カンチレバーがかなり短くなったような気がする。当然のことながらこのカンチレバーの長さと取り付け角度によって、最低針圧での使用でもレコードとボディの接触を引き起こすのではないだろうか。

また音質についても修理前から少し気になっていた、導入口などの無音部分で「カリカリ、カリカリ」とスプリングが擦れるような音がするのが少し気になっているが、こちらもエージングで緩和される症状なのであろうか? などなど若干辛口の修理感想となったが、難易度の高いと思われる修理にも関わらず無償で再修理を行った修理元の対応や、窓口となった谷口さんのアフターサービス体制は、同じサービス業を生業とする当方にも感心させられる部分が多かった。谷口さん、お世話になりました。

修理品を取りに行った時に、愛聴盤のレスピーギのローマ三部作(小澤/ボストン)を持ち込んで聴かせて頂いた。フォノイコがEARの真空管タイプからPhasemation製のコンパクトタイプに替わっていたが、パワーアンプが馬力を優先したトライオード製6L6のプッシュプルにも関わらず、弦楽器に刺激的な音色が伴わない響きなのが驚きであった。

我が家に帰ってまずマエストロ・オーディオの組み合わせと共通性の多い、Harbeth HL-4 を使ったシステムで同じレコードを聴き、次に TANNOY IIILZ のクラシックシステムに針を落とすが、流石にクラシックに関して言えばこの組み合わせが聴かせてくれる極めて自然な音色と音場は、別格の感動を提供してくれることを再確認させてくれた。

最近は仕事の関係でオーディオに接する時間が週末しか取れず、そのせいか音楽を聴いたときの喜びがとても大きく感じている。これからも疲れ果てた心身を癒してくれる、良質な音楽と向かい合って行きたい。    9/5


※追記 色々な資料で調べた結果、MEISTER のカンチレバーの長さはオリジナルから短めで、我が家の個体も特に短くないことは確認できたが、取り付け角度が浅過ぎることが判明した。修理が上がったばかりであまり手荒なことはしたくなかったが、カンチレバーに少し角度を持たせることによってボディの接触は改善の見込みがありそうだ。あとは「カリカリ、カリカリ」の異音だけが問題となる。


週末の今日はじっくり音楽を楽しんだ。

昨日は修理から上がって来たMEISTERが、浅いカンチレバーの取り付け角度を少し起こしたりして、針飛びなど起こさないか不安を持ちながら聴いていたが、何枚かアルバムを聴き続けているうちに今日になってやっと音の輝きが戻って来たようだ。カートリッジに不安を持ちながら聴いていたのが、安心して音楽を楽しむ精神状態に戻って来て、やっと心地よい時間を過ごすことができるようになった。

しかしこの SPU MEISTER-GE の音は心に沁み入るような説得力のある音色である。
最近まで聴いていた DENON DL-103C1 も中々の物だと思ったが、やはり音の潤いを持った質感がまったく違うのが良く分かる。ジャズなどにはタイトに引き締まったDL-103C1の方が相性の良さを見せるのかも知れないが、乾燥したマットな音色はプレーヤーの色気や円熟味が伝わって来ない恨みがあるようだ。まあ1992年当時の定価が5倍ほどの開きがあるのだから、差があって当然の事とも思えるが・・・・。

音質はほとんど問題の無い状態まで戻ったが、昨日よりは緩和したもののやはり僅かに昔のゼンマイ式目覚まし時計のネジを巻いた時のような「カリカリ」といった異音が聴こえることがある。この辺りがエージングによって緩和すればまったく嬉しい限りである。   9/6


■ アクセスカウンター


この大した事も無いHP「Comfortable Space」も来訪者件数が5万件を超えた。
もう作り始めて10年を超えているから特に人気のあるものでもないだろうが、なんと言っても長年お付き合いいただいて、関西から北海道までオーディオ仲間が増えたのはとても心強いものである。ありがとうございました。

さて、相変わらず音楽を楽しむ時間は少なくなっているが、修理したアナログのSPU MEISTERもなんとか本領を発揮し始めたのが嬉しい。針圧を低めの3gに設定することによってほとんど針飛びも起こらなくなったし、購入当初に聴いた迫力のある音質が蘇って来た。修理前はSPU-Goldと聴き比べてみても音質の差があまりなかったが、現在はまったくの別物となっている。特に1970年代の古いレコードでも、高音質で楽しませてくれるのが有り難い。テンションワイヤーあたりからの「カリカリ」音は依然として発生しているが、まあそれほど気にならなくなって来た。
さて、最近は別室のHL-Compactを使ったサブシステムのプリアンプを物色中である。昔使っていたフォノイコを搭載したラックスのCL-32あたりが値段も手頃なのではないだろうか。      9/26


■ トライオードのプリアンプ

猛烈に忙しい1ヶ月だった。
このHPの更新もままならず音楽を楽しむ時間もほとんどなかったが、少し落ち着いたここ2〜3日でこちらのプリアンプを速攻で調達した。初めてのトライオードのアンプなのだが、今月の初旬まで発売されていた我が家では珍しい現行品である。TRIODE のアンプはマエストロ・ガレージでも度々聴かせていただいているが、国産で真空管アンプを製造しているメーカーではサンバレーとともにリーズナブルな価格ながらユーザーの熱い支持を得ている会社である。使用している真空管はフォノ段に12AX7×2本(右側のシールドキャップの2本)、ライン段に同じく12AX7×4本と整流管が5AR4×2本と言った構成で生産国はすべて中国モノのようである。

最初は昔使用していたLuxman CL-32あたりを狙っていたが、製造年代が古過ぎてしっかりメンテナンスされた個体に出会う事が叶わなかったため、思い切って現行品を試してみることにした。使用している整流管などの真空管を差し替える事によって、音質の変化を楽しむ事ができると考えたのである。ヤフーオークションで2年ほど前に購入された完動品を定価の6割ぐらいで落札したが、綺麗な元箱も揃っており新品同様といってもおかしくないほど程度の良いものだった。これでやっとサブシステムでアナログを楽しむことができる。おっと、型番はTRV-4SEである。


組み合せるパワーアンプは300Bシングルの ELEKIT TU-873LE である。出力管はいろいろあるが、エレハモやGD4300などが第一候補となっている。プリの初段管はさまざまなヴィンテージ管があるし、整流管もQUAD用GZ-32が数種類あるのでいろいろと試して行くのが楽しみだ。


■ THE EMPIRE STRIKES BACK


4ヶ月ほどほったらかしにしておいたEMPIRE598は、逆襲を遂げられるのであろうか?

まずは純正のMI型4000DIIIをセッティング。さすがに接触不良が頻繁に起こり、しっかりベースの接点やリード線のクリーニングなどのメンテナンス行って、ご機嫌を取らないと本調子とまでは行かないようだ。新しいプリアンプを加えて聴くこのサブシステムの音色は、低域の量感は豊かながら中高域のキレがまったくなく、かなり寝ぼけた音質である。1970年代に人気を博したこのカートリッジは、高域も繊細で良く伸びている筈だからまだまだ本領を発揮していないのだろう。

「モスキート音とは・・・・・」

通常、人間が聴くことができる音の周波数は20Hzから20KHzといわれている。
この音を聴き分ける能力は年齢と共に変化し、30代になると17KHz程度の音は聴こえなくなるといわれており、モスキート音はこの17KHzの周波数を持つ音のことである。

だいたい13歳〜17歳で19kHz、 18歳〜24歳で17kHz、25歳〜30歳で15kHz、31歳〜40歳で13kHzといったように、加齢とともに耳の性能も劣化して聴こえる周波数が低くなって行くのが通常のようだ。20歳代でうるさく感じた高域のきつさを最近は感じなくなったのは、オーディオの音質が良くなったのではなく、ただ単に歳をくったためかもしれないのである。まあ気持ち良く大好きな音楽を楽しめるようになったのだから、当然文句がある訳ではない。    10/22

久しぶりに真空管の交換試聴を行う。

整流管の5AR4を英 BRIMAR-GZ34に替えて、フォノ段の12AX7×2本をLUXMANロゴの松下製に交換してみる。

CDPからダイレクトにパワーアンプに繋いでいたときはとてもスッキリとした高域よりの音質だったが、プリアンプを使用する事によって中低域にバランスされた音質に打って変わった。また整流管を交換することによって滲み気味だった音質が少し締まった感じになる。オリジナルの真空管は中国曙光電子製と思われるが、12AX7の方はMarantz7Rに使用されている物とまったく同じであった。やはり現行の中国管からヴィンテージの優良管に交換すると、ガラッと音質描写が変わって来て好みの音質に近づけて行くのがとても楽しい。Mullardなんかを使ってみるのも少し高域の繊細感が出て面白いかもしれないが、ちょっともったいない気もする。まあ気長にいろいろ試してみる事にしましょう。

プレーヤーの方はカートリッジのEMPIRE 4000DIIIのピンの腐食がひどく、まともに鳴らないので早くも主役のOrtofon MC-30Sに変更している。ステップアップ・トランスはNorthern Electricを使用しているが、アナログの音質は響きはそれほどでもないが低域の量感が大変豊かである。

HARBETH HL-Compact はエンクロージャーのサイズが小さいので、箱鳴りで低域もある程度は出て来るが響きは少しタイトになるのはしょうがない。

今回のこの組み合わせでも、ライブハウスの前席で聴くようなリアル感で楽しめる。そんな訳で当初の予想通り、アコースティックやヴォーカルなどの曲種と相性が良さそうだと感じている。

EMPIRE598とTRIODE TRV-4SEのフォノイコの組み合わせはかなり音質に厚みが出て来るので、ネかなか説得力のある音色を楽しむことができそうだ。     10/24

昨日に続いて真空管の交換試聴を継続。久しぶりの週末連休はとても嬉しい。

整流管と出力管(300B)の交換試聴を、今日は嫁殿と一緒に進めて行く。ソフトは嫁殿好みのメタル・ロックを使用するが、嫁殿の音質評価はまずまずよろしいようである。ベースは弱いがドラムにキレがあり、高域が少しおとなしい分だけギターが弱いといった評価である。

さて、整流管をオリジナルの5AR4(中国製)からGZ34(BRIMAR)に変更し、更にGZ32(Mullard?)に取り替えるが、最も音に勢いが出て好ましかったのがGZ34であった。一番期待したのはGZ32であったが、低域の量感も減少して少し淡白になり過ぎて、クラシックなどには良い相性をみせるのかもしれないが、POPS&ROCKには物足りない結果となる。音質に最も影響を与える出力管の方は、エレハモ→GD4300B→桂光→曙光と短時間での切り替え試聴を行うが、最も評価の高かったのが以外にもロシア・エレハモブランドであった。低域の量感も十分で音に厚みもあり、中高域のキレも良くてなかなかのバランスで響く。

アナログはEMPIREの軸受けクリーニングを実施し、モーターにオイルを補充するなどしてボケた音色にやっと抜けの良さが出て来た。CDPの方は光学系固定方式メカを採用したSONY CDP-XA5ESにピアレスのライントランスをかませているが、嫁殿の評価でも定位の良さでCDPはアナログに敵わず、音が少し団子状態になってプレーヤーの存在感が分かりにくいとのことであった。厳しい〜。
大分煮詰まって来たが、来週の休みにはライン段とフォノ段の12AX7をいろいろと試してみようと考えている。    10/25


■ 米 UTC-2080


メインのPOPS&ROCKシステムの方はOrtofon MEISTER-GEが修理の紆余曲折後に復調したことから、最近はまたアナログ三昧である。

ドイツ製トランスで思い通りのものが手に入らない中、米UTCのトランスを調達した。WEやTRIADとともに米製トランスの御三家のひとつで人気のある機種なのだが、PARTRIDGEのトランスなどと比べて比較的安価に手に入れることが出来た。

早速、これまで長期に渡りメイントランスとして愛用して来たPARTRIDGE TK2220との比較試聴を実施する。

結論から申し上げると、POPS&ROCKのような曲種では僅差でUTC-2080の音質が上回ったと言うかより好みにあった結果となった。そんな訳で長年SPUとの組み合わせをサポートして来たPARTRIDGEが、いよいよお役御免となってしまった。中低域の重量感はゆったり響くPARTRIDGEが勝っているのだが、高域に独自のクセというかキラキラ感がありこれがこのトランスの美点でもあるが、ややもするとキンキンとした響きに聴こえることがある。

UTCの音質傾向は全体的にシャープで締まりがあり、プレーヤーの実在感をはっきりさせる音場形成が一番の利点となっていると感じた。前に迫ってくる音質が奥行き感の醸成にも結びついており、音楽性といった点でも評判通りの高音質である。そんな訳でPARTRIDGEは今後サブシステムのOrtofon MC-30Sと組み合せることにした。


さて、サブ・システムのTRIODEプリアンプ真空管の続・交換試聴である。

今度はいよいよライン段とフォノ段の12AX7編である。オリジナルは中国の曙光電子製であるが、何か風呂場で聴いているような独自の低音の膨らみと湿気を帯びたような音色で、カビが生えているような感じである。(そんなひどい訳ありません)
ライン段は4本使用されており、どれがどれだか判断できないので、4本の同一ブランド管(GE高信頼管5751/LUXロゴ松下12AX7)で試聴してみる。全盛期のヴィンテージ管に交換してやっと湿気が抜け、見晴らしの良いはっきりとしたバランスに戻ってほっと一息つかせていただく。GE高信頼感の方は今一歩キレが無いので、こちらは古いLUX選別管で落ち着きを見せる。

さてフォノ段の2本だが、こちらは選択肢がかなり多い。12AX7では英BRIMAR/Mullard/米GEなどに加え、MullardCV4004/CV492などが候補となる。ドイツ管(TELEFUNKEN/SIEMENS)がないのは少し寂しいが、結果として少しもったいない気もするがCV4004で着地した。


プリアンプを導入して真空管も各種取り替えた結果、こちらのサブシステムもかなり図太くて暖かみのある音質を聴かせるようになった。

今後、整流管(5AR4/GZ34)などはまだまだ選択肢があるようだから、機会があったら増やして行こうと考えている。

さて、今度はGarrard401のロングアーム増設にいよいよ取りかかろうと考えてる。SPUと相性の良いロングアームを組み合せるつもりだが、アームブラケットを装着して増設するとなると、アームが限られて来るような感じである。さてさて決着は如何に!   10/30


■ 放送局仕様トーンアーム

いよいよダブルアーム計画を実行に移す時期を迎えた。

もともとこのGarrard401プレーヤーシステムには audio-technica AT1503IIがセットアップされていたが、このキャビネットにもう一本アームを増設しようというものである。一度はロングアームを使ってみたいと思っていたが、オルトフォンやSMEは予算的に手が届かない。そんな訳で放送局仕様として開発されたこのテクニカのロングタイプAT1501IIを使ってみることにした。それほどお高い物ではなかったので、この機会にショートアームの方もAT1503IIIにバージョンアップすることにした。


このショートアームはAT1503IIIになって、インサイドフォースキャンセラーの設置や内部配線を純銀線に変更するなどの仕様変更が計られている。ロングアームは別注のアームブラケットによって後方に取り付ける予定であるが、このロングアームを主にSPU用として使い、ショートアームの方はDENONやOrtofon MC30シリーズなどを使用する予定である。

ロングアーム用のブラケットが完成するのは12月になりそうだが、それまでにフォノイコライザーを調達することにしよう。EARのフォノイコを一度は使用してみたいと思っているのだが、今回は予算的に難し「かもしれない。

サブシステムの方はSPコードをBELDENからORTOFONのバイワイヤータイプに交換したりしているが、依然音に広がりが出ず少し重苦しい音質となっている。やらかくフワッと浮かぶような音質が好みなのだが、音場がどちらかというと低く中央に集まりがちである。アナログでもCDPでも基本的には変わらないから、やはりアンプの音質傾向なのであろうか。CDPを300Bパワーアンプにダイレクトに繋いで聴いていた時はそれほど気にならなかったので、これはTRIODEプリアンプの影響が強いのではないだろうか。どう料理いたしましょうか・・・・。    11/11


 audio-technica AT1503III

3型に進化して軸受けも大型化されているが、音質は今一歩気に入らない。
内部配線を純銀線に変更した影響により音場が豊かにひろがるのは良いが、高域がシャリ付いて低域の密度が薄くなる傾向にあるのが面白くない。どちらかと言うと内部配線が銅線と思われる2型の方が重心も低くて良いのかもしれない。こちらのショートアームではDENONやMC-30シリーズを使用する予定なので、トランスの組み合わせを替えながら好みの音質に持って行こうと考えている。上手くいかないようなら残念だが古い2型に戻すことにしましょう。より新しい方が良いとは限らないのがヴィンテージの世界の通例なのである。   11/14


■ フォノイコライザー


メインシステムの中核を成すプリアンプ Marantz#7 のフォノイコライザーは、2系統の接続が可能である。

これまではクラシックシステムの Thorensと POPS&ROCKシステムの Garrard に1系統ずつ使用していたが、アームを増設した為に新たなフォノイコライザーが必要となった。一度はEARのフォノイコを使ってみたいと常々考えていたが、今回は予算が足りないためお手頃な物がないか探していた。当然真空管式からの選択となる訳だが、プリアンプに続きTRIODEが最近まで販売していた現行品を選択する。

現在アームブラケットを製作中でまだロングアームが使用できないが、事前プランでは Marantz#7のフォノイコにロングアーム+SPU、TRIODEのフォノイコにショートアーム+その他カートリッジを組み合わせようと思いを馳せている。

3本の使用真空管はプリアンプと同じく曙光電子製の12AX7なので、当然ヴィンテージ高音質管に交換予定である。

 TRIODE TRV-EQ4SE

先日購入したサブシステムのプリアンプ同様、Marantz#7と比較するのは可哀想な話だが、このフォノイコに見合うカートリッジの組み合わせなどを探り出すのに年内一杯は掛かりそうだ。まずはじっくりと試聴を繰り返そうと考えている。

サブシステムの方は、TRIODEプリアンプの真空管やSPケーブルを交換したりして少しずつ音質が改善して来たが、今一歩これだと思える音質に到っていなかった。そんな時、電源ケーブルを少し古いS/A Labのケーブルに交換してみたところ、やっと満足の行く音質に近づいたようだ。低音が依然湿気を帯びているなどの不満はあるが、音楽を聴いていて楽しく気持ち良い気分になれるようになったのがとても嬉しい。オリジナルのケーブルはノンブランド(韓国製?)のものだが、このケーブルが良くも悪くも音質に大きな影響を与えているようだ。新たに調達したフォノイコにも同じケーブルが付属しているので、こちらも当然交換が必要となるだろう。      11/18


■ DECCA MarkV-EE


新しいショートアームのAT1503IIIは、ワイドレンジで落ち着いたクラシック向きの音質である。

これまで大切に保管していたDECCAのカートリッジがひょっとしたら生き返るかも知れないと思って、北海道のKeisさんにお願いして新たなリード線を製作してもらった。40年前のオーディオ雑誌で良く眺めていたSMEヘッドシャルとの組み合せを再現して試聴してみるが、残念ながらビビリ音が出てまともに鳴らない。同じ頃のEMPIRE 4000DIIIの方はこれまたKeisさん新作のリード線でなかなかふくよかな音質を提供してくれているが、VL型のDECCAは寿命となってしまったのだろうか。今度またマエストロ・ガレージの谷口さんに相談してみようかな〜。

DECCA/EMPIREの試聴で初めてTRIODEのフォノイコTRV-EQ4SEを使用してみたが、最初はなぜか右chからノイズが出る。いろいろ原因を探ってみたが判明せず、3本の真空管の位置を差し替えたら治まった。このフォノイコの真空管は右側が初段入力の左右chA中央が2段目の左右ch、左が出力の左右chを受け持っているとのことなので、片chだけノイズが出ることは無い筈だがどこか接触不良が起こっていたのであろうか。まあ結局はヴィンテージ管に交換するのだから、音質などについてはこれからじっくり検証していこうと思っている。    11/25

いよいよフォノイコの本格的な試聴に入る。

まず真空管をオリジナルの曙光電子製から、初段(テレフンケン/_マーク)、2段目(ムラード/ロングプレート)、出力(ムラード/ロングプレート)に交換する。デッカやエンパイヤなどMC型以外の古いカートリッジを試してみたが、さすがにまともな音が出て来ないのでDENONを使用することにする。このフォノイコは昇圧用にヘッドアンプを内蔵していてLOWインピーダンス用とHighインピーダンス用を切り替えて使用できるが、やはり音質の良いトランスを組み合せたいと考えていた。

カンノ/ノーザンエレクトリック/Js/パートリッジなど手持ちのトランスを次々と組み合せてみるが、ノーザンとJsは低音がまったく出ずに即アウト。期待していたパートリッジは、ハム音が出てこちらも相性が悪いようだ。カンノでは一番まともな音質を得られたが、低音がブーミーに膨らみ過ぎてこちらも理想の音にはほど遠い状態である。しかたなくトランスではなくヘッドアンプを使用すると、全体バランスは改善されて聴きやすくなるが、今一歩迫力の足りない音質となってしまう。


そんな訳でショートアームを元のAT-1503IIに戻すことにした。

3型に比べ音場は狭まるが、低域が締まって密度の高い音質に変わるので、POPS&ROCKなどではこちらの旧型の方が良いようだ。

いろいろ組み合わせを替えて試聴を続けるが、ここで初歩的な疑問にぶつかってしまう。これまでフォノイコだけを組み合せた接続経路は、ガラード→フォノイコ→マランツ7ライン段で問題はないと思われるが、MCトランスを使用する時にフォノイコの前後のどちらに入れるのかが分からなくなって来た。試聴した時はフォノイコとプリの間にMCトランスを挿入したが、フォノイコの前で使用することによってまともな音に変わるのではないだろうか。もう一度試してみることノしよう。   

まったくお恥ずかしい話で、フォノイコの前にトランスを挿入すると打って変わって潤いのある音が出て来た。予想通り内蔵のヘッドアンプと比べても、音の品位や生々しさなどが一歩も二歩も改善される。特にSPUとの組み合わせでは演出過剰気味だったノーザンエレクトリックが、少し色付けの薄いDL-103シリーズとの相性も良いのか、Marantz7のフォノイコと比較しても大きな音質の差を感じさせることもないようだ。しばらくこの組み合わせで楽しむことにしよう。 そろそろアームブラケットが完成する頃合いだな〜。      11/28  


■ 新たな美音体験


あれこれ試していたら、体験したことの無い美音に巡り合えた。

これまでクラシックについては Thorens126+MCH-II が最も安心して楽しめるものだった。今回、Garrard に搭載するショートアームの試聴を繰り返しているうちに、新たに導入したAT-1503IIIとDENON DL-103C1+ノーザンエレクトリックの組み合わせが、クラシックでも大変魅力的な音質で響くのを発見することができた。オルトフォン同様、ゆったりと響くMCH-IIに比べ、DENONは奥行きを伴ったよりリアルな響きが眼前に展開される。特に入力段にテレフンケン/_マークを使用した時に味わえる、ざっくりとした質感はこれまで体験したことの無い音質である。

このTRIODEのフォノイコは、初段、2段目、出力とそれぞれの真空管が左右chに対応しているため、3本とも別々の真空管を使用することが可能である。贅沢にも_マークに加え、ムラードCV4004やECC83ロングプレートなどの我が家にあるVintage高音質管を組み合せることによって、新たな世界を楽しむことが出来そうである。現在電源ケーブルについては適当なものがないため、shima2372さんにリーズナブルで使いやすいオリジナルケーブルを注文したところである。


昨今のウン十万もするような高額なカートリッジと比較して恐ろしく安価なのだが、それでもオリジナルDENON DL-103を購入しようか以前から悩んでいる。音質の良い派生モデルのC1で十分に楽しむことが出来る訳だが、やはりチャンスがあったら購入したい。   12/2

サブシステムの構築などもあってケーブル類が足りなくなって来たので、BELDENの8412と電源ケーブルを調達した。

最近新たに購入したサブシステムのプリアンプや、こちらのフォノイコ用真空管の取り替え試聴をする機会が増えて、とても楽しい時間を過ごしている。このフォノイコも電源ケーブルを交換した影響が大きいのか、全体的な音質のクオリティが向上したような感じである。いよいよ本格的な試聴を始めるが、音がクリアなジャーマントリオで統一することにした。初段は3枚マイカSIEMENS E83CC、2段目がSIEMENS ECC83(中身はテレフンケン◇マーク/スムースプレート)、出力段にTELEFUNKEN(◇マーク/スムースプレート)に決定した。

シーメンスは学生時代に秋葉原の太平洋で購入して以来一度も活用する機会がなかったが、今回の試聴では3枚マイカの音質の透明度が際立っていた。この組み合わせで聴く声楽やヴォーカルは、これまで経験の無い立体的な定位感で響き、思わず笑みが漏れて来るような幸せな気分にさせてくれる。

ロングアーム用ブラケットが未だ到着しない。

注文した製作会社は納期に3週間ほどかかるとのことだったが、前回アームウエイトを注文した時も1ヶ月を過ぎても送って来なかったので、文句をいった覚えがある。今年も早いもので残すところ1ヶ月を切ったが、最善な状態で年末を迎えたいものである。       12/5


■ ダブルアーム仕様


やっとアームブラケットが到着して念願のダブルアームが完成した。

ロングのaudio-technica AT1501IIとショートのAT1503IIIを組み合せて、シンプルな放送局仕様で仕上げることができた。久しぶりに聴くSPU MEISTER-GEは、重量感のある低音が豊かに響き渡ってまったく安心できる音質である。アームの違いのせいかAT1503IIIと比較すると音場が狭いように感じるが、以前使っていたショートのAT1503IIと同様中低域に重心を置いた聴き馴染んだ音質である。少し離れた位置から油絵の全景を眺めるようなSPUと、視線を近づけて精緻な水墨画を眺めているようなDENONの音質を曲種によって楽しむことが出来るようになった。


奥のロングアームではSPUのバリエーションを、手前のショートアームではDENONやMC-30シリーズをじっくり楽しんで行こうと考えている。お次は原器DL-103の調達を目指すことにしよう。

DENON DL-103C1用に、北海道のKeisさんから送られて来た新作のリード線を試している。

Ortofonの線材を使用したリード線を組み合せると、このカートリッジ特有のタイトな音質が更にパワフルに変身するが、少し緊張感を強いる音色となるのはエージングが足りないのかもしれない。理想から言えばリアルな音質を生かしながらもう一歩豊かな低域バランスとなるように、年末に向けていろいろなリード線を試して行こうと考えている。    12/9


■ 師走のメンテナンス

フォノイコの試聴などを繰り返していると、真空管アンプ特有のゴソゴソノイズや音が途切れるなどの症状が出始めた。

年末に差し掛かって丁度メンテナンスの時期でもあるので、アンプを中心に真空管のピンやソケットなどのクリーニングを念入りに実施する。左前にあるのはオヤイデのスパイクとインシュレーターだ。Garrard401を使って音楽を聴いていると、前を静かに歩いただけで振動を拾うために購入してみた。こんなに小さいもので効果があるのか疑問だったが、設置してみると以外としっかりしていた。

今年もいよいよあと半月ほどを残すのみとなったが、来週あたりには年末恒例の第九演奏会を独り寂しく開く予定である。昨年はベーム盤だったが、今年はシューリヒトの国内盤を既に購入済みである。 なんとなくあっと言う間の一年だったような気がする。    12/12


久しぶりに取得した週末の連休は、どっぷりオーディオ三昧で過ごした。
Garrard401で使うようになった新たなショートアームAT1503-IIIにDENON DL-103C1を組み合わせると、これまで弦楽器の質感が好みに合わずにあまり聴くことが無かった Harbeth HL-4 でも、クラシックをまずまずの音質で楽しむことができるようになった。

しかしやはり TANNOY IIILZ と MCH-IIの組み合わせを聴くと、クラシックに関してはやはりこの音質が我が家では最上のものと納得させられる。ロングアームを加えたダブルアーム仕様にして2種類のカートリッジを瞬時に聴き比べられるというのは便利だが、今のところショートアームとロングアームの音質の違いはそれほど感じられない。同じテクニカ製で長さが違うだけだから、そんなものなのかもしれない。

サブシステムの方はCDを中心にPOPSやヴォーカルなどを楽しんでいるが、ケーブルや真空管の交換などによってかなり満足の行く音質になって来たようだ。しかし依然として低域のこもったような音質の原因が特定できず、じっくり聴いているとドラムやベースなどの音質に不満が出て来る。CDPでもアナログを聴いてもこの音質傾向は変わらないから、パワーアンプ300Bシングルの限界なのかTRIODEのプリアンプの音質影響なのかがはっきりしない。

やはり細かいところは気にせずに、雰囲気で聴かせるような音質傾向のELEKITパワーアンプが原因ではないだろうか。来週はもう一度、現在使用しているエレハモの出力管を他の物と入れ替えて試してみようとも思うが、それほど大きな音質の変化は期待できずこれで駄目ならお手上げとなる。流石にメインシステムと同様の質感を求めるフは無理があるのかもしれない。    12/13

サブシステムの音質が今一歩の件だが、まったくお馬鹿な話である。

Harbeth HL-Compact のリアバッフルは、ご覧のようにバイワイヤリング端子となっている。こちらの画像ではシングルワイヤ接続となっているが、低域の音質が不自然だと感じたのは、なんのことはないバイワイヤリング接続をしていて高域側の端子のひとつが外れていたのである。

まったく我ながらお恥ずかしい話で、なんでこんなに注意力がなくなってしまったのだろうか。 エレキットよ疑って悪かった!!  安価な国産キットでありながらも、直熱3極管 300Bの音質の良さを気付かせてくれたのに本当にごめんなさい。頭に来たのでシングルワイヤの BELDENケーブルに交換したところ、嘘のように見通しの良い音色に生まれ変わったのである。(当たり前か!)

ちなみにこのジャンパーケーブルは Harbeth HL-4純正のものだが、HL-Compact に付いていたのはチープな金属の線材だったので、使わずに仕舞って置いたらどこかにいってしまった。

気を取り直して聴いてみたこのサブシステムの音質は音離れが良くキビキビとしたもので、メインシステムと比較すると流石にスケール感には乏しい恨みはあるが、これはこれで楽しく音楽を楽しめるシステムに仕上がったと喜んでいる。   12/15


■ アナログ復興


先日見たTVのニュース番組で、最近再ブームを迎えているアナログレコードについての話題があった。

国内で唯一レコード生産を続けていた会社もここ数年フル稼働を続けているとのことで、まことに喜ばしいことである。番組の中でこれまでレコードに縁がなかったCD世代の方々も、店員がレコードに針を落とす儀式を興味津々に眺めながら、流れて来る音楽に耳を傾けていた。

そんな内容に背中を押された訳でもないが、アナログ盤を調達するために初めて嫁殿と連れ立って神保町まで出かけることにした。有名どころの3軒の中古レコード店をハシゴして、久しぶりに10数枚のアナログ盤を購入する。中には発売されたばかりのビートルズのアルバム「ザ・ビートルズ1」も調達できたし、調子の上がって来たオーディオシステムで楽しみな年末を迎えられそうである。     12/19


いよいよ2015年の年末も押し迫って来たが、今年も何のことは無いアナログ三昧で終わろうとしている。

ロングアームに MC-30 SuperIIを装着して聴いてみるが、SPUと比較して腰高の音質が今一歩しっくり来ない。

昇圧トランスの方もいよいよこの年末に悪魔の囁きY下さんから WE-618B をお借りすることになっているので、事前に手持ちのパートリッジやカンノなどをいろいろ試してみている。やはり POPS&ROCK などの曲種では、奥行き感があり押し出しの強い音場を形成する UTC-2080が一番好みに合うことを確認した。高いから嫌いだが、圧倒的な評価の WE-618B とは一体どんな音なのだろうか。    12/25

■ 例のブツが・・・・!


年末、Y下さんから恐ろしい音楽の媚薬が届いた。

一度手にするとコカイン、ヘロイン、覚醒剤などの薬物と同様に依存症に陥りやすく、また依存症状が深刻になりやすい機器と言われている。そんな危ないブツに手を出すとは、オーディオ人生を滅ぼすことにならないであろうか。
http://my-vintage.music.coocan.jp/2015.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/863.html#c13

[近代史3] 平和主義者だったトランプがイラン革命防衛隊の精鋭組織コッズ部隊の司令官を殺害した理由 中川隆
45. 中川隆[-14382] koaQ7Jey 2020年1月18日 12:58:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1296]
2020年01月18日11:30
ソレイマニ司令官攻撃に使われたMQ−9リーパーはF-35よりずっと安い

画像引用:https://s.aolcdn.com/hss/storage/midas/259905e5b4d02debcb457f05a88e000a/206521082/reaper.jpg

世界史が一変した日

2020年1月3日に米軍の無人機がバグダッド国際空港を攻撃し、ソレイマニ司令官がなくなりました。

攻撃に使用されたのは無人航空機・MQ−9リーパーで、ヘルファイヤR9Xを2発発射し正確に命中させた。

米軍とCIAは攻撃に至るまで古典的工作員やネットや電話網の監視、偵察衛星や電子航空機などで司令官の位置を追跡した。


例えばアメリカが協力した南米マフィアの逮捕では、携帯電話の通話内容や位置から特定した様子がテレビ放送されている。

米軍はもっと高度な探知システムを持っている筈で、ある国の電話で特定のキーワードを通話した人物の所在地を特定することも出来るとされている。

アルカイダのオサマビンラディンやIS討伐作戦の多くで、このように狙った人物の所在地を特定し攻撃した。


もっと専門家を驚かせたのは攻撃に用いられたのがドローンから発射された小型ミサイルだった点でした。

全長約160cmで周辺への被害がほとんどなく、特定の人物だけを目標にし、同乗者や隣にいる人物の巻き添えを避ける事も可能だという。

実際には車両に命中した場合は同乗者の被害は避けられないが、爆発するのではなく1mほどの狭い範囲に破片が留まる。


これに遡ること3か月半の2019年9月14日、サウジアラビアの石油施設が謎のドローン空軍に攻撃されました。

実際の主力は巡航ミサイルやロケット弾だったようですが、「史上初のドローン空爆」は大きなインパクトを与えた。

犯人は謎とされているが実際にはイラン革命防衛隊で、指揮したのは1月3日になくなったソレイマニ司令官でした。
http://www.thutmosev.com/archives/81972830.html

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/786.html#c45

[近代史3] 平和主義者だったトランプがイラン革命防衛隊の精鋭組織コッズ部隊の司令官を殺害した理由 中川隆
46. 中川隆[-14381] koaQ7Jey 2020年1月18日 13:03:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1295]
野蛮人連中に運営されている欧米
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/post-584f45.html
2020年1月17日 マスコミに載らない海外記事


2020年1月11日
ピーター・ケーニッヒ
New Eastern Outlook

 我々は一体いつまで、アメリカ支配者連中の暴君的命令を受け入れるのだろう? 状況は日ごとに益々悪化しているが、欧米世界の「指導者連中」(病んでいる、実に病んでいる!)が、益々、アメリカ殺害機構に屈服しており、欧州連合の全加盟諸国の指導者や、全てのシオニスト-アングロサクソンと日本の誰も立ち上がって「いいえ!」あなた方の覇権的残虐行為はもう沢山だ!と大声で言う勇気がないのだ。彼ら全員、野蛮人連中のように運営する犯罪帝国に、全力で屈している。

 想像願いたい。いわゆる世界的指導者が、異なる派閥間の調停を支援するため、あなたを外国に招待し、あなたは受け入れ、あなたが空港に到着すると、彼があなたを殺すのだ。それから彼は微笑み、大満足で、自分がリモコンで、無人機で殺害し、死なせる命令を出したと自慢するのだ。ウソ以外、あなたに対して、いかなる告発も決して何もなかったのだから、超法規的殺人より遥かに悪質だ。

 それが、愛され、才知に長けたカリスマ的なイランのガーセム・ソレイマーニー司令官に、まさに起きたことだ。マイク・ポンペオ国務長官とマーク・エスパー戦争長官のようなトランプの惨めな手先が、恥知らずに拒否しているものだ。ホワイトハウス報道関係者に対するブリーフィングの前に、ポンペオは皮肉っぽく笑い、ジャーナリストに尋ねた。「君たちはこのようなたわごとを信じるのか?」そしてもちろん主流マスコミ・ジャーナリストの誰も、たとえ彼らがそれを信じているにせよ、あえて「はい」とは言うまい。その代わり、彼らは目の前の、ぞっとするような「殺人共犯者」野蛮人国家最高外交官への彼らの同意を表明するため愛想よく笑ったのだ。主流マスコミのジャーナリストは、連中の仕事やホワイトハウスの記者会見場への出入りを危うくする覚悟がない臆病者だ。

 だがそれはまさにイラクのアーディル・アブドゥルマフディー首相が不信感と畏怖をこめて語ったことだ。「トランプは私にイランと調停するよう依頼した。彼は私の招待客を殺したのだ。」アーディル・アブドゥルマフディー首相は、トランプや彼の取り巻き連中の誰よりも、特に少し前にRTにこう語ったマイク・ポンペオ国務長官よりも確実に高い信頼性がある:

「私がCIA長官だった頃、我々はウソをつき、だまし、盗みをはたらいた。我々にはあらゆる研修コースがあった。それは人にアメリカの実験の栄光を思い出させる。」

* **

 ソレイマーニー司令官はバグダッド空港で、イラク軍人民動員隊副司令官アブ・マハディ・アル・ムハンディスに車で迎えられた。彼らがSUVを運転して去った際、アメリカ-無人機ミサイルが、両国の10人の他の高位軍人たちに命中し、粉砕した。

 ソレイマーニーは外交特権を持っていた。アメリカはそれを承知していた。だが規則や法律や倫理基準をワシントンは尊重しない。野蛮人と非常によく似た行動だ。ソレイマーニー司令官は将官を超える人物で、素晴らしい外交官でもあり、トランプがアブドゥル-マハディ首相に先導するよう依頼した調停プロセスの一環として、アメリカとイラン間同様、イランとサウジアラビア間の緊張を緩和するため、トランプのため、アブドゥル-マハディ首相により、バグダッド訪問を依頼されていた。これはガーセム・ソレイマーニーを暗殺する、卑屈で臆病な策略だった。人はどこまで酷く落ちることができるのだろう?この恐ろしい罪を表現する言葉もない。

 ウソで身を飾るポンペオは、直ぐさま、ソレイマーニーはテロリストで(アメリカ)の国家的安全保障の脅威だったというワシントンで、うんざりするほど使われる万能の文句を考え出した。読者の皆様はご承知だろう。イラン人の誰も、ソレイマーニー司令官も他の誰も、今まで武器であれ、言葉であれ、アメリカを脅迫したことなどないのだ。

 それから「野蛮人最高司令官」は、イランがあえて報復した場合に備え、52箇所の(彼らの文化遺産を攻撃すると、イランを恫喝する厚顔さを持っていた。だが報復するイランは、昨夜、約22発のミサイルを二つのアメリカ-イラク軍事基地に打ち込んでそうした。犠牲者はいたが、明確な数字は不明だ。トランプは「全て順調」とTwitterでつぶやいた。彼が約束した報復について質問されると、トランプは史跡を破壊するのは法律違反だと言われたので、法律に従いたいと言って撤回した。あなたは想像できるたろうか?

 すぐ次の法律違反行動で、トランプはイランのモハンマド・ジャバード・ザリーフ外務大臣へのアメリカ入国ビザを拒否して、週末、安全保障理事会で演説するため、ニューヨークの国連に来るのを禁じた。これは、1947年に、アメリカが署名した外国の代表者は、常にニューヨークの国連領域への出入りを認められるという(ジュネーブの国連にも同じことが適用される)国連憲章違反だ。

 我々が彼を必要とする時、アントニオ・グテーレス国連事務総長はどこにいるのだろう? 彼は何を言わねばならないのだろう。巨大なつまらない人間。彼はソレイマーニー司令官殺害を非難さえしなかった。国連はそういう代物になったのだ。野蛮人帝国の命令を実行する無価値な骨を抜かれた組織。なんと悲しい遺産だろう。

 大多数の国連加盟諸国が、国際連合から、アメリカを追放する投票を要求し、ゼロからやり直し、新たに改革された、ぜい肉を落とした、より能率的な、世界中の平和のために調停する国連の元々の憲章に従って行動する瞬間は来ないのだろうか? ベネズエラや、キューバ、イラン、アフガニスタン、シリアや朝鮮民主主義人民共和国のように、アメリカにいやがらせされ、弾圧され、制裁されている国々を支持する120カ国以上の非同盟諸国がある。なぜ一斉に立ち上がって、憲章が国連はそうあるべきだとが言っているものにしないのだろう。野蛮な専制君主がいないものに。

 ドローンと高度な目標精度技術を持つ多数の国があり、全てが野蛮国の友人というわけではない。想像願いたい。誰かが、どこかの国が、ポンペオを抹殺するため無人機を飛ばすのを。あるいは、とんでもないことだが、野蛮人の親玉自身を。それで極端な騒動になり、核によるホロコーストになるかも知れず、我々が知っている世界の壊滅だ。文明の終わり。おそらく、良い厄介払い。

 我々はそれに値するのかもしれない。一部の人々がまさに「大魔王」と呼ぶもの、あるいは簡単に、より現実的に「野蛮人連中」に我々は影響力を及ぼすことができないように思われるので。我々は数百年もの間彼らを見なかった。だが彼ら、破廉恥で、無情で、非合法な野蛮人連中は、アメリカという姿で戻って来たのだ。連中の出血し、弱まりつつある触手で文明を締め付ける最後の試みで。

 この世界で、一体に誰が、まだ野蛮人帝国と関係を持ちたいと望むだろう。アメリカとの(儲かる)商売などどうでも良い。そういう商売は止めても、新しい関係、ロシアと中国を含むユーラシア大陸との自然な関係を再構築することで置き換えることが可能だ。それは当然、遅かれ早かれ起きるだろう。野蛮人連中を孤立させ、連中を自身の腐敗した沼で朽ち果てさせるのだ。彼らは回復し、再びまともな国になるかも知れない。パートナーになり、尊敬され得る国に。それは明日には起きないかもしれないが、近い将来には、そうなるかもしれない。たとえ大半の西洋文化では、ごく小さな炎や、わずかにちらつくおきになっていても、誰にも良心はある。それは目覚めさせることは可能だ。

 野蛮な帝国の行動に関する手短な更新

 イラクは、全ての外国軍隊に国を去るように求めて、国家主権の再確立を望んでいる。イラク議会は過半数で、イラク主権を取り戻すことに決めており、アメリカや外国軍隊は国から撤退しなければならない。結果的に、1月6日、イラク国防省のイラク合同作戦司令官アブドゥル-アミール氏宛に、アメリカが軍撤退の準備ができていると言う、対ISISアメリカ連合(原文のまま)を指揮する海兵隊士官ウィリアム・シーリ陸軍准将の、どうやら無署名の書簡が送られた。これは即座に、ホワイトハウスも国防総省も混乱、ミスと呼び否定し、アメリカは軍隊を撤退する意志はないと述べた。「我々は駐留する」。

 アメリカは現在イラクに約5,200人の兵隊を配備している。イギリスは約400人。それが同盟国の国家主権回復の願望が、どれだけを重んじられているかの目安だ。野蛮人連中は敬意、倫理、法律を知らない。野蛮人連中は残酷なのだ。

 いくつかのヨーロッパ諸国が、イラクの決定を尊重し、彼らの軍隊を撤退させ、イラクと地域から去ると決めた。最も親密な野蛮人同盟国イギリスだけがまだ決定しておらず、アメリカ部隊と共に、イラクに400人の部隊を残すのだ。なんと典型的なことか!

 東京の夏季オリンピックで、もう一つの蛮行として、アメリカは、ロシアは今年東京での夏季オリンピックに参加できないと決定した。世界の他の国々は、アメリカをボイコットし、ロシアに参加させる代わりに、沈黙している。臆病者! 惨めな臆病者。

 2020年2月のプエルトリコでのカリビアン・シリーズで、野球プロ選手同盟のカリビアンシリーズへのキューバ参加阻止を、野蛮人連中は試みてのり、おそらく成功しつつある。何の理由説明も無し。ただビザの複雑な問題だけ。

 再び世界は黙って傍観している。この欧米世界は崩壊すべきだ。人類を救いたいのならば、既にファシズムに向かいつつある新自由主義は迅速に絶滅せねばならない。

 Peter Koenigは経済学者で、地政学専門家。彼は世界銀行で30年間働いた経験に基づいた経済スリラー「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/786.html#c46

[近代史3] 平和主義者だったトランプがイラン革命防衛隊の精鋭組織コッズ部隊の司令官を殺害した理由 中川隆
47. 中川隆[-14380] koaQ7Jey 2020年1月18日 13:04:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1294]
ソレイマニ司令官は米国の軍事ビジネスのために殺された トランプvsイラン 狂気の泥仕合
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267597
2020/01/16 日刊ゲンダイ


ソレイマニ司令官は国民的英雄だった(C)ロイター/WANA (West Asia News Agency) 

 イランの国民的英雄・ソレイマニ司令官は1957年3月11日生まれ。貧しい農家の出身である。父親は借金を重ね農業を営んでいたが、借金の返済が追い付かず、破綻。ソレイマニ氏は家計を助けるため13歳から建設現場で働いた。

 彼が生まれる4年前の1953年、アメリカはCIAの工作で当時のイラン政府を転覆させ傀儡政権を樹立している。反米活動家や労働者、知識人の多くが投獄された。

 当時のアメリカの中東政策はイスラエルとサウジアラビアを軸にイランもコントロールするという「ニクソン・ドクトリン」。そのため、イランとサウジには膨大な武器が輸出された。1977年、カーター大統領は「世界で混乱が広まる中、イランは最も安定した国」と宣言している。ソレイマニ少年はそうした情勢下で育った。

 しかし1978年、アメリカの傀儡であったパーレビ政権の圧制に国民がついに怒りののろしを上げた。労働者のストライキが大規模化し、イラン経済の屋台骨の原油施設も稼働しなくなった。大混乱の末、ホメイニ師が革命政権を樹立したのが1979年2月11日のこと。

 当時、21歳のソレイマニ青年は革命防衛隊に加わり、最前線で戦った。ソレイマニ司令官は、8年間つづいたイラン・イラク戦でも大きな役割を果たしている。

 トランプ大統領はソレイマニ司令官をテロリストと断罪するが、正規軍の最高幹部である。貧しい生い立ちから政治の腐敗やアメリカの横暴を目の当たりにし、祖国の再建に邁進する宗教心のあつい指導者であった。

 彼の葬儀に際し、最高指導者のハメネイ師が涙を流したのも当然であろう。

 ではソレイマニ司令官がイラクのバグダッドの飛行場でアメリカのドローン攻撃で殺害されたのはなぜなのか? バグダッドを訪問した目的は何だったのか?

 実はイラク政府がイランとサウジとの対立を解消するための仲介役を担っていたのである。長年、対立をつづけてきたイランとサウジが和解すれば、中東の地図は大きく変わる。

 ソレイマニ司令官は、イラン政府としての調停案への回答文書を携えていた。イラクのアブドルマハディ首相に手渡すためだった。水面下でサウジとイランの交渉が始まっていたと推察される。

 残念ながら、こうした動きはアメリカの望むものではなかった。なぜなら、イランとの対立があるからこそ、サウジはアメリカの武器を大量に買ってくれるからだ。イランとサウジの間で和解が成立すれば、トランプ大統領を支えるアメリカの軍需産業は大きなビジネスを失うことになる。アメリカのモットーは「戦争ほど儲かるビジネスはない」というわけだ。(つづく)

(国際政治経済学者・浜田和幸)

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/786.html#c47

[近代史3] イランの歴史 中川隆
2. 中川隆[-14379] koaQ7Jey 2020年1月18日 13:11:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1293]
白色革命


右のサングラスの人物が国王パフラヴィー2世(日本での通称・パーレビ国王)

白色革命(はくしょくかくめい、英: White Revolution、波: انقلاب سفید‎)は、イランの第2代国王(シャーハンシャー)モハンマド・レザー・パフラヴィー(パフラヴィー2世)が、1963年にイランの近代化、西欧化を提唱して発動した広範囲にわたる改革の総称である。白色革命は上(つまり王の命令)からの革命を意味するが、その強引な手法は、旧来の伝統を色濃く残していた当時のイラン社会に大混乱をもたらした。


概要

国王モハンマド・レザーは、米国民主党ケネディー政権による継続的なイランに対する改革要求により、上からの近代化による経済成長を計画。アメリカの支援のもと、農地改革を実施して農民の不満解消に努めると共に、工業化、労働者の待遇改善、女性参政権、教育の向上などの西欧化を推進した。また、イラン国内の資本と支持基盤を地方の地主層から中央のブルジョワジーに移し、近代的な産業社会の現出を試みた。

また、国家の西欧化や、イスラームといった宗教よりもアーリア人に起源をもとめる西洋的ナショナリズムを改革の柱とするなど、世俗的な政策を実施する一方、石油歳入にからんだ利益供与や協調組合制度の導入にも尽力、自らの権力を確固たるものにしようとした。それら1974年に起きたオイルショック後の急速な原油価格の値上げで得た収入をこれらの政策に注ぎ込んだ。

しかし産業基盤の実情を計算に入れず工業化などの近代化政策ばかり先行したため外国から商品を輸入したはいいが港の荷揚げ設備が不備なため船は長い間待機させられた。インフレも急ピッチで進み庶民を苦しめ失業者が増大し貧富の格差が増大した。大規模な汚職も横行しオイルダラーを狙った商社から王室周辺や政府高官へ賄賂攻勢がおこなわれた。文盲率の高かった当時のイランはそもそも近代化の基礎構造を欠いていて改革の恩恵は一部の市民がこうむるにとどまった。石油価格の暴騰で政府には金が有り余り、投資ばかりが先行した。こうした状況で国王はイラン軍の整備を進めアメリカから大量の兵器を購入する。

そしてオイルショック後の急速な原油価格の安定化もあり、1970年代後半に入ると白色革命は破綻した。それに伴い国民の間での経済格差が急速に拡大し、政治への不満も高まりを見せ、皇帝の求心力も急激に低下した。貧富の差が増大し革命の影響は上流中産階級と下層階級との対立、特にリベラルなテクノクラートと厳格で保守的なシーア派宗教指導者との対立を激化させ、これが後に起こるイラン革命の下地となった。

なお、シーア派の宗教学者でありイラン革命の指導者となるホメイニーは、これら一連の諸改革自体には直接反対しなかったものの、これら諸改革に潜むその国王独裁的な性格を熾烈に非難し、結果逮捕され、その後国外追放を余儀なくされている。

改革の成果

国民の識字率の向上 - モハンマド・レザーの即位前は国民の文盲率は95%だったが退位後は50%まで減少した。

農地改革 - 国土の60%を埋める荒野を外国から技師を招いて緑化しようとした。また大地主の土地を買い上げて農民に分け与えたが農民たちは灌漑に必要な資力を持っていなかったため有効に活用できずやむなく都市部に流れ込みスラムを形成した。そのため農業生産高はかえって減少し食糧は輸入するようになった。
教育の振興 - 富裕層の子弟に海外留学を勧めたが、その一部は留学先で反王制派になった。

世俗化 - 女性に選挙権、被選挙権を認めヒジャーブ着用の禁止し一夫一妻制を導入したことから、宗教学者層を中心に非難された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E8%89%B2%E9%9D%A9%E5%91%BD
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/798.html#c2

[リバイバル3] 中川隆 _ 欧米文化関係投稿リンク 中川隆
131. 2020年1月18日 13:32:44 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1292]
ほとんど禁酒に成功しなかった「禁酒法」が残した教訓とは?
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/808.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/464.html#c131
[リバイバル3] フランスの音を聴く 中川隆
14. 中川隆[-14378] koaQ7Jey 2020年1月18日 14:57:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1291]
・AUDAX 13LB25AL(13センチ)・・・ここからスタート。フランスの伝説のブランド。黒ペーパーコーンで、音色はまさに古色蒼然、カラヤンのフィルハーモニア時代、モノラル録音のよさがはじめてわかった。能率も極めて高く、真空管があればもっとよかった。一方で、新しい録音への対応はやや違和感が。
ある段階から、妙に違和感が出たので、下記のE100HDに取り換えることを繰り返した。
ユニット取り付け穴の都合で、キャビへの取付を2つのネジでやる等、試行錯誤していたので、かわいそうな条件だった。108Solからまったく音が変わってオオと思った、コスパはすごく高いユニット。

コメント

mixiユーザー2019年09月15日 22:04
思い出しました確かに退院直後に読ませて頂きました。面白そう!古風というのが気に入りました! 17cmと合わせて手に入れたいです!!(笑)。

mixiユーザー2019年09月16日 00:26
> mixiユーザー 
AUDAXはおもしろいです。キャラがあります。年がら年中フルトヴェングラーとかワルターとかオールドジャズを聴いている人には至福じゃないか。ハイ落ちなのでツィーターもコンデンサーのみでつながります。ここまできたら真空管使うしかないという音です。やっぱり時代ですね。

mixiユーザー2019年09月16日 00:5295dB
以下はスピーカーユニットじゃねえ!!みたいな(笑)。こう言うの好きです!!。今時96dBでぶちのめす!!いいんじゃない的な(笑)。割り切ってるところがすごい!!。ハイ落ちでますます今風じゃないなんて!!。本当時代が来てますね!!(笑)。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1972716104


AUDAXが復活。デジタルプリのイコライザー調整で、サブウーファーとも-24デシベル/octの80Hzクロス設定でも、まあまともになることが判明。意外なことに、低音足りな過ぎ問題は深刻ではなくなった。

中低域の量は谷になって少ないはずなのだが、音色としてはそこにアクセントがあり、ペーパーのあいまいさ、あたたかみというか、古風な艶消しの美音を聴かせる。タンノイに似ている。

3万円台のAUDAXが刺客になったが、クールなジャズとポップ系、弦独奏中心ならメタルコーン系だろう。現代ハイエンド調の音色で追い込むならEikona。今回は、フルトヴェングラー以降の古典クラシック再生を好み、LP時代の雰囲気を疑似的に再現したい、黒大好きという、個人的な嗜好が強い。

値段ではなく、いろいろ鳴らしてみてよかった。
古風で高能率で黒いコーンの方向に進めばいいとわかった。
パワーアンプもファーストワット(疑似真空管?)だし。

重量路線でAudioNirvanaのClassic5と、高級路線でEMS社のLB5とLB6を試す。
その前にユニット処分しないと・・・ FE108solは大人気なので心配ないのだが、日本にほとんど存在しないユニットは、価値がわかる人がいるかどうか。。
新鮮味に欠けるので、今日また、E100HDにつけかえて、売れるまではそれで行こうかなと思いたった。それだけ思い入れのあるユニットなのだ。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971417544?org_id=1971402262
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/863.html#c14

[お知らせ・管理21] 2020年01月 削除依頼・投稿制限・等管理スレ。突然投稿できなくなった方も見てください。 管理人さん
57. 2020年1月18日 15:01:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1290]
>>56
阿修羅は普通に話ができない人ばかりだね
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/579.html#c57
[リバイバル3] フランスの音を聴く 中川隆
15. 中川隆[-14377] koaQ7Jey 2020年1月18日 15:08:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1289]
EMSの LB6 は AUDAX みたいに1940から1970年代みたいな感じでもなく、ハイエンド、ハイレゾの鮮明カラフルというのでもない。

メーカーは、リッチで分析的と謳っているが、確かにタンノイや AUDAX のようにリッチではあるが、溺れる感じではなく現代的な性能も感じる。

静かというのは、余計な音が出ていないというか、スピーカー周りのドロドロ感がなくて、空間にスッと音像ができている感じで、これはトランジェントのよさだろう。

性別でいうと、108Solは、長岡先生と連携してつくってきた「やんちゃな男の子」という感じ。Solは大人になったが、昔やんちゃだった男性。

AUDAX は野人の男性という感じ。昔ベルリンフィルやウィーンフィルに女性楽員がいなかったような。

E100HDはどちらともいえる。

LB5は気品があるが、機敏なので、育ちのいい少年少女か。

LB6は、高貴な女性を思わせる。いざとなれば芯の強さを見せるが、やたら主張してくる音ではない。やはりヴァイオリンソナタが綺麗。静かに花開くよう。

ただ、LB5の印象と違い、振動板のドライな感触が、FEほどではないが残るようだ。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1972720173?org_id=1972716661
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/863.html#c15

[リバイバル3] フランスの音を聴く 中川隆
16. 中川隆[-14379] koaQ7Jey 2020年1月18日 15:17:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1291]

そして宴の後 2019年05月06日
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971422117?org_id=1971417544

AUDAX しっかり調整して、悪くないが、もうわかってしまった音で、ワクワクしない。これからフルトヴェングラーばかり聴くならこれでいいが。
E100HDmk2を再登場させた。

以前は、ユニット交換・調整なんか1か月がかりのイメージだったが、繰り返しなので、1時間でできる。
ファストン端子は、金メッキのは抜き差しはそんなに手間ではないが、ケーブルとの圧着がけっこう大変で、抜けてしまったのを再装着で手間取る。
イコライザーは、部屋の特性として、50Hzをとにかく落とす、左チャンネルの315Hzを落とす、というのが絶対で、あとは微調整なので暇なときにやればよい。
今回、サブウーファーのみで50Hzを落とす方法を初めて発見した。何をやってたんだというところだが、まあ、実際は聴感的に愕然とするほどの差はなく、精神衛生上の感じだが。

CLASSEのデジタルプリCP800の機能に頼りきりで、CLASSEはB&W社と関係切られた?とか社長が亡くなった?とか、読んだ気がして、気が気ではない。

音は、やはりたちまち金属の感じになる。
それが潔いというか、楽しい。ずっと聴かねばならないなら改善策を必死で考えるが、個性を楽しむ状況にあるのだ。
オークションは取り下げで、最低2週間ぐらいは聴いてみよう。これがGWの結論の音。
ツィーターの調整やリアがやや大きいなどもあるが、オーディオはやや未完成ぐらいのときがいちばん楽しい。

それにしても、工作と調整で疲れた。
GWを楽しみにして、いろんな工具を買っていた。モノタロウという業者さん向けのネットショップに目を付けられ、分厚いカタログが2冊オマケでついてきたりした。

頭を悩ませたのが、画像のリング裏部分のところで、もともと木工業者さんがつけてくれていた鬼目ナットのサポートみたいなやつが3か所壊れたため(AUDAXの無理な仮留めのせいか)、精神衛生的にも裏側から締め付ける方法を考えた。
しかし、窪みにあるので難しい。
で、六角レンチと長ナットを組み合わせ、歯付き座金ワッシャをかませて対応。
まあまあうまくいったが、ユニットをつけてしまうと、当然裏からの締め付けは不可。AUDAXは結局リングに2か所留めとなっていてよくはない。また送り返して穴のない位置に開けてもらうか・・・
他人にはどうでもいい話だが、1週間ぐらい通勤電車のスマホで案を練り続けた。

使わなかった材料もたくさん。数百円だが、重なるとそこそこ。
そもそもユニット自体が、すぐに処分なのだから無駄が多い。
でもまあ、いちどこういうのをやってみたかったし、こういう無駄が豊かさなのだと思う。
コスパのために生きているのではない。
今回、思いがけないネジやコンデンサーを採用する結果になることが本当に多かった。
Yラグ(1個10円以下)工作がうまくハマると楽しい。マトリックスサラウンドのつけ外しが実に気軽になった。

よくないパターンとしては、いちばん高いEikonaだけ買う、それに合わせて自分を変える、みたいな。
いくつか候補を試して、合うものを残すのが合理的でもある。

旅行も、計画を立てているときがいちばん楽しい。
最中は必死で落ち着かず、無限と思っていたら、あれもう終わりかと。
GWは、やりたいことの3分の1もした感じがない。

しばらくは、ボルトもナットもレンチもファストン端子もみたくはない。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971422117?org_id=1971417544


2019年04月23日 JX92Sの亡霊
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971235422?org_id=1971150041

アルミリングが届いた。

AUDAXが再調整で見違える音と測定結果になったが、黄金のバランスは一日でさようなら。メタルコーン系が使えるのだかどうだか、GWを前に、どうにも気になる。

E.J.Jordanの伝説フルレンジJX92Sを、スウェーデンのメーカーとScanSpeakが共同で再設計した、2017年あたり発売の最新ハイエンドフルレンジ。
とはいえ、MG130HRはもちろん、FE138ESRより安い。。

とりあえず鳴らして測定したらこの結果。
FOSTEXのFE限定フルレンジや、AUDAXでは考えられない結果。
とはいえ、低音の質には期待できないため、デジタルプリで潔くカットしてサブウーファーとつなげてしまう。

工作と設定で疲れた。
感想はおいおい。

コメント

mixiユーザー2019年04月24日 02:09

このユニットはポチの夢さん宅で聴いたことがありますが、エンクロージャーが違うので全く鳴り方は違うのだろうと思います。それにしてもフルレンジ1発でこのF特は驚異的ですね。
低域カットしてサブウーファにつなぐのも良いですが、フルレンジのまま置き場所を変えることで低域のクセを解消させるという方向も面白いと思います。

mixiユーザー2019年04月25日 01:44

> mixiユーザー 
AUDAXのカマボコ型とまったく違うのでビックリしました。
音場の追求だけでいうと、フルレンジだけでメリットのあるユニットですね。
ヤンセンのブリテン、デッカの新しい録音で、フルレンジ+サブウーファーのみで、サラウンドとツィーターなしで新鮮な感覚がありました。
とはいえ、寂しくなっていろいろ追加注文してしまいます。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971235422?org_id=1971150041
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/863.html#c16

[番外地7] サブウーファー考 中川隆
1. 中川隆[-14378] koaQ7Jey 2020年1月18日 15:43:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1290]



2017年04月24日 私の新システム
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1960001059?org_id=1960216869

先日、パワーアンプのマークレヴィンソン334Lを測定すると、左右チャンネルに音量差あり。これをきっかけに、パワーアンプだけでなくシステム全部入れ替えることになった。

プリのマランツSC-7S1は、10年ぐらい使ってると思う。安定したクセのないアンプだが、逆に言えばキャラクターに魅了されているわけでもなく、飽きている。
換えたいなとは常々思っていた。ただ、なぜかあったはずの純正箱が見当たらないため、処分がむつかしい。

達人の方々含め、買い換え候補をご提案いただいたのは、ここまでくると、システム変更はここまでとこれからの、自分の価値観を問うようなものになるなと感じたからだ。
大げさではない。
日本がいいのか海外か、オールド真空管か省エネデジタルパワーか、などなど。

で、どうなったかというと、
デジタルプリ:クラッセCP−800
パワー:ソウルノートA1

この組み合わせ。

今までは、
DAC:エソテリック D70VU
プリ:SC−7S1
パワー:マークレヴィンソン 334L
リア用パワー:DENON PMA390RE

4台が2台になった。
サラウンドはA1一台でいけるし、リアの音質だけで聴くとずっとよい。
100kgが20kgになった。

いろいろないきさつがあるのだが、アキュフェーズのDG58を貸してくれたオーディオ店の店員さんに、引き続きよくしていただきA1がおすすめ、グライコ内蔵のCP−800を中古で発見し、こうなった。
ほんとは、大金投入してもと思っていたのだが、処分額で儲けが出た。最近はCPとか言わんのだが・・・

特徴は、CP-800のイコライザー機能。
測定器のPAA3を買ったので、調べて、ピークの160ヘルツや1.6キロヘルツあたりを叩く。1ヘルツ単位で調整でき、狭く落とすか広く落とすかも選べる。すごい。
細かくいうと、左の155を6デシベル落とし(Qは1)、1550の左右も6落としている(Qは10)。

これ以上に有用なのが、サブウーファーとのクロスを設定できるバスマネジメント。−6・12・24とフィルターを選べるが、うちではあきらかに−6が谷が浅くなる。
50Hzまでが出すぎ、60〜125Hzが落ちていたが、このあたりがだいぶマシになった。
そのことより、スワンのローカットがありがたい。
大音量で低域が豊富なソースだと、コーンが露骨にフラフラするが、これが抑えられる。悪いはずはない。
床鳴り等部屋の破たんもへったようだ。

ツィーターとウーファーの位相は、切り替えて測定すると、明らかに数値の良いほうがある。これも耳では私にはできないので、目安となり有難い。

音作りはしてないし、フラットでもないが、今までひどかったので、悪くない測定値になったと思う。

長岡先生の影響で、イコライザーを使っていなかった。
また、御影石をウェルフロートにしたりで、重量の呪縛から解かれたと思っていたが、さらに5分の1にできた。
箱も処分できるので、家が広くなった。
気持ちもすっきりする。

脱長岡、やたらと重く高価で故障すると処分や移動が厄介なものはもういらん。一般家庭に持ち込むべきじゃなかった。
これが私の新しい価値観。

しかし、測定器は長岡的であり、デジタルプリ絶賛はDC300やC-AX10などがあり、ソウルノートでハイCPは鈴木哲系で長岡派っぽい。LHH-A200やA700は最初期に使っていた。

15年かけて同じ箱からまともな音が出る。
グレて異様にツッパッた音だったのが、バランスに気を遣うようになった。
成長したともいえるが、測定器は、前身のPAA2の存在を知った時点で入手すべきだった。遅すぎる。
客観的とかいうことは、難しいのだなとかみしめる。

自作系は、環境と好みに合わせて変えられるポイントが多いのがメリット。それ以外のメリットは思い入れぐらい。処分と良質な塗装を考えると高価な趣味だ。

得心がいったので、また違うシステムをつくりたくなった(笑)

コメント


mixiユーザー2017年04月24日 22:09
30Hz以下が中高域と同レベル以上で伸びているのはすごいですね。もし可能なら200Hzあたりを少し落として300から400Hzあたりを少し上げ、2から3kHzあたりを抑え気味にすると良いバランスになりそうです。まあこれは好みの範疇になりますから逆にした方が良いという意見があっても不思議ではないのですが・・・。

mixiユーザー2017年04月26日 02:25
> mixiユーザー 

うちは測定上、50ヘルツ以下は軽く出る感じです。柳沢先生のグライコ使用値が手元にありますが、やはり200ヘルツと3キロヘルツを抑えています。またやってみます。

以前のMG130HRのネッシーとサブウーファーの測定値をあらためてみると、完璧に近いワイドでフラットですが、音はいまのスワンに比べてよいとはいえませんでした。それもおもしろいですね。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1960001059?org_id=1960216869


2019年04月30日 赤兵衛との再会
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971322549?org_id=1971235422


ポチの夢宅フルレンジ鑑賞会、今回は、ホストは忙しく、こちらで、新しく届いたマランツのM−CR612を勝手に調整したり、103Solと赤兵衛(MG130HRを搭載したFOSTEXの赤塗装スピーカー)を切り替えて論評したりしていた。

私はといえば、このフォスの限定品ユニット、純マグネシウム振動板に巨大アルニコマグネットのMG130HRを3年か3年半ぐらいは使ったものだ。
そのあとで、FE108Solの軽快さに一驚し、また3年か3年半ぐらい使って、いまはAUDAXやTED JORDAN由来のメタルコーン13センチフルレンジを、MG130HRをつけていた共鳴管キャビネットに付け替えて調整中だ。

そんなわけで、今回の2ユニットは、構成は違うが知り尽くしているといってよい。
違う環境だとこうなるのか、という関心で聴いていた。

勝ち負けみたいな話があるが、別に赤兵衛の勝ちでもよいのではないか。
品位もあるし、パワーを入れて大音量にするとスッキリしてくる。
長岡先生ならどういうだろうか。
最新技術を詰め込み、嫌な音を出さない高性能フルレンジだが、CPは低い。
とかいいそうな。

私自身は、マークレヴィンソンのパワーアンプ334Lでドライブ。左右のレベル差があって壊れてた可能性もあるが、恐ろしい重量でハイパワー。
また、ネッシーMIDで空気たっぷり。
高音の抜けが悪いが、同じ純マグネシウムのホーンツィーターがうまくつながっている。
大音量で吠えさせていた。
合っていたと思う。
しかし、それでもFE108SOLをつけたスワンを一聴して、軽やかさが新鮮で、退場を即断した。

いまなら、デジタルプリで超低音をカットしてサブウーファーに任せ、もっと軽やかさを演出できるだろう。
それでも・・・

いま聴いている13センチ前後、JORDANのJX92Sを改良し続けた最新型メタルコーン、こいつは、セールで4万台、重量1キロちょっと、たぶんフェライトマグネット。
MG130HRはアルニコマグネット1.5キロ、総重量3キロで、価格は10万越えだ。
(AUDAXにいたっては、セールで買値3万強)。
メインスピーカーにこの程度ケチることはないが、2倍の働きを期待するのが人情。

音色はというと、どちらも金属の癖は抑えてあるが、アルミ?のJORDANのほうが魅力はあるように感じるのだ。
MG130HRは、純マグネうんぬんというより、コーティングフィルムとか、形状に由来するのかな?、というような、あまいというか、能面のような無機的な感じ。
私はヤマハの7センチマグネシウム振動板も持っていたが、艶やか華やかだった。

私の歴史では、FE108ES2がガサガサの紙の音で、高音の張り出しもきつく、アルニコ等重装備のFE138ESRにした当初は、おお高品位だ、と思った。
しかし、これも4キロヘルツがキーンと張り出しており、中低音は共鳴管で出ず、サブウーファーで超低音のみ盛り上げる、というようなことをやっていた。今思えば。
ここでMG130HRは、品位は保って紙の粗さは当然消え去り、帯域バランスがまともになった。
しかし、気づけばずいぶん重くなっていて、小音量でも音場が空間に浮かび上がるみたいなことでいうと、高能率スワンのほうが驚くほど差をつけていて、108Solで10センチに回帰。

FOSTEXの2000年から15年以上の歴史は、私のスピーカー格闘史で、徐々によくなってきたのだ。
solの時代あたりからは、方向性が定まり完成度が高いと思うのだが、長岡先生最晩年からの限定ユニットは、迷走期だった気がしていて、私も迷走していた。
赤兵衛と出会って、苦しい時代の友人と再会したような、なんともいえない気分になったのだ。

盟友ポチの夢さんには、『不毛地帯』最終話で大門社長が言った?「壱岐君、撤退や」という言葉をかけたい。

今回は、sol系も3年以上聴いていまは関心を失っているので、マランツ最新のCR612のCPに驚愕した。買値5万ほどのようだ。
前回は、これだけオーディオに熱を入れている人が、この重要部になぜこのコスト配分だ、と思ったが、これはなかなかに痛快な機械なのである。

長岡先生なら、ダイナミック大賞特別賞で「オーディオ入門者や関心のある人に絶対の自信をもって薦める。ウルトラハイCPだ。しかし、これでオーディオは十分となりそうで心配になった」とか書きそうだ。
清く精緻でやや明るい、まったくのマランツサウンド。

今回の目玉は、パラレルBTL接続機能。
これは初期状態では設定されておらず、4つのパワーアンプのうち2つしか使わず壊れるまで使う人が続出しそうだ。
驚いたのはSA12のクロックを使用。ということは、SA7S1やSA10といった60〜70万のトップ機種を超える。

見逃せないのが、サブウーファー出力があり、メインスピーカーの超低音カット機能があるということだ。
100Hzからのカットから始まり、10Hzごとに設定できる。
これは、私がクラッセのデジタルプリで最高に重宝している超マニア機能である。壊れたらどうしようかと悩んでいるほど。

小口径フルレンジと、プアな一般家庭の泣き所は、低音が出すぎたり出なかったりで、大音量時はコーンが盛大に揺れて中高域に影響し、キャビネットは余計な音を出し、床や壁が鳴く。
これが、100Hz以下はサブウーファーで部屋に必要な分だけ出し、そこはメインスピーカーはカットする前提だと、アンプ・ケーブル含めずいぶん楽になる。
メインスピーカーから低音が出たところで、サブウーファーと干渉して打ち消しあったりするのだ。

こんな機能までついているとは!
ポチの夢さんには是非、たとえば栗スピーカーと余っているサブウーファーを組み合わせ、超コンパクトシステム、大音量で痛快な音を出してほしいものだ。
最近はスマホで測定もできるらしいし・・・


コメント


mixiユーザー2019年04月30日 09:05
赤兵衛は突き抜けたクォリティで鳴らそうとすると、とんでもないコストがかかりそうで、ポチの夢さんにはきついと判断して早期の撤退を勧めました。
確かにMarantzの超複合アンプのBTLには驚かされました。20万円の単体プリメインを凌駕していましたね。刺客になり損ねました。


mixiユーザー2019年05月02日 18:48

C612調べてみたら面白そうな機械ですね。何処か使えそうな場所を見つけて使ってみたいですw


mixiユーザー2019年05月03日 01:11
> mixiユーザー 

限定品はロマンを感じますが、逆に言えば実験ということですね。環境や好みに合わなければ撤退というのを覚えました。


mixiユーザー2019年05月03日 01:15
> mixiユーザー 

超高級ラジカセみたいな使い方もありでしょうね。いつも高級な大型システムというのも疲れますよ。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971322549?org_id=1971235422
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/431.html#c1

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
130. 中川隆[-14377] koaQ7Jey 2020年1月18日 15:47:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1289]

最高の音を一番安く手に入れる方法 _ パソコンの iTunes ファイル + プリ機能付き DAC + フルレンジスピーカー
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1002.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c130

   前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > dGhQLjRSQk5RSlE= > 100112  g検索 dGhQLjRSQk5RSlE=

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。