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[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
28. 中川隆[-13124] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:06:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[408]

エジソン・トライアンフD型 ミュージックマスターホーン付き1910年頃。


エジソンの本格的なシリンダー蓄音器。全ての部分が大きく頑丈、かつ高精度に作られおり、強力な3丁ゼンマイの投入された本格的な大型モデル。


美しく青きドナウ(J.シュトラウス) 1913年
アメリカン・スタンダード・オーケストラ Edison Blue Amberol 1750
http://www.youtube.com/watch?v=uIJN4BSHXQc&feature=related

エジソンの蓄音機


エジソンは、1877年(明治10年)に実際に音を録音し、再生することのできる蓄音機を発明しました。

エジソンは、銅製の円筒(シリンダー)に錫箔を巻き付けたものを手で回転させ、振動板に直結した録音針を錫箔に押し当てて、錫箔の変形としてつくられる溝の深さを音の強さに応じて変化させることにより音を記録しました。そして、この溝を針で再びたどらせることにより、音を再生したのです。エジソンは、この世界最初の録音・再生機をフォノグラフPhonographと名づけて発表しました。最初の公開でフォノグラフから再生された音は、エジソン自身の声による「メリーさんの羊」であったと伝えられています。

エジソンのフォノグラフはその後、電話の発明者であるベルらによって改良され、銅管に錫箔を巻き付けたもののかわりに、円筒形の厚紙の上にワックス(蜜ろう)をかぶせたものをレコードとすることで、音量の増大、寿命の向上が図られるようになりました。ここに展示してあるエジソン・フォノグラフの型式は、トライアンフ「Model C and D」です。

http://atom.dendai.ac.jp/kokai/2007/02/post.html


エジソンの錫箔蓄音機


蓄音機のラフスケッチ(図1)
エジソン第一号蓄音機(図2)


一般的には、円筒レコードを使用した蓄音機をロウ管蓄音機と呼んでいる。

エジソンがこのタイプの蓄音機を発明した時は、円筒に錫箔を巻いたいわゆる錫箔蓄音機と呼ばれる物であった。図1が、1877年にエジソンが描いた有名な蓄音機のラフスケッチで、これを弟子にわたして製造したのが、図2のエジソン第一号蓄音機である。動力源は手動で一定の回転数を保つのは容易ではなかっただろう。再生時間は約30秒であった。

その後エジソンは、この蓄音機をサイエンテフィックアメリカン誌社に持ち込み世界最初の音出しデモンストレーション を行った。1887年12月6日のことである。エジソンはこの蓄音機をフォノグラフと命名した。アンプの入力端子にフォノとあるのはその名残である。

この蓄音機を基に、エジソンは米国に特許を出願し認められている。エジソンはこの特許の目的として“人間の声および他の音を永久的な記号で記録して将来再生し、再び聴くことが出来るようにすること“と述べている。この特許のなかでエジソンは円筒のソフトだけでなく、円盤ソフトや、多量の複製の事も述べている、このようにすでに将来を見据えた項目を基本特許に盛り込んでいた点は注目に値する。

その後、エジソンは蓄音機の開発は休止し白熱電球や他の開発に没頭してしまう。

http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk2-2.html


A)グラフォフォン蓄音機


エジソンが、蓄音機の開発を休止している間に、電話機の発明で有名なグラハム・ベルによって設立された「ボルタ研究所」で、ベルのいとこのチチェスター・A・ベルとチャールズ・S・テインターは蓄音機の改良を進めた。この改良型蓄音機はエジソンの蓄音機のレコード部の錫箔に変え、厚紙にロウをぬった円筒をレコードとし、サファイヤ針を用い、振動系のダイアフラムにはマイカ(雲母)を使用して数段のレベルアップを図った。

ベルはこれをグラフォフォンと名づけた。(グラモフォンの誤植ではない、有名な文献でも間違っている本が有るので注意、グラモフォンについては後出)
その後、このグラフォフォン蓄音機はベルとテインターによって設立された、アメリカングラフォフォン社によって発売された。エジソンが錫箔蓄音機を発明してちょうど10年目の1887年であった。レコードの外径は1インチ(25・4MM)で、その後のエジソンのロウ管タイプの半分以下であった。その後、エジソンのロウ管蓄音機に巻き返され主流にはなりえなかった。


B)エジソンのロウ管蓄音機


ベルなどが開発したグラフォフォン蓄音機は、電球やその他の開発に没頭していたエジソンに非常に大きなショックを与えた。すぐに、エジソンは蓄音機の開発を再開させることを1887年に公表した。急ピッチに開発を進め、1888年には、ベル等と同様のロウ管を素材としたレコードの蓄音機を完成させた。

ロウ管レコードの仕様は、直径2・25インチ(5・72cm)長さ4インチ(10・16cm)で、1インチにつき100本の溝を刻み再生時間は約2分間であった。ロウ管の材質は文字通り主成分がワックスでこれに蜜蝋、樹脂等が加えられていた。振動系は、録音用のカッターと再生用のリプロヂュウサーは交換が可能で、1台の蓄音機で録音、再生が可能となりこの蓄音機の大きな特徴になった。

録音および再生用の針は、主にサファイヤが用いられていた

http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk3.html

A)エジソン・ホームA(スーツケース型)


エジソンが他社の製品に刺激され、蓄音機の開発再開を行ってから11年後の1899年の製品です。この製品以前に発売された“トライアンフ”型の機構を簡略化して、家庭用として売り出したモデルです。

初期のロウ管レコード用で、再生時間は2分間専用モデル。価格は当時40ドルで発売されました。

B)エジソン・アンベローラ1A


初期の蓄音機のホーン(メガホンの様に音を拡声する)は、外部に金属むき出し。
写真は、アンベローラ1Aと呼び、ホーン内臓型のエジソン1号機です。スマートになり、女性にも好まれるようになりました。1909年製。

   

アンベロールレコード用(ロウ管タイプの改良型ソフトで、紙や石膏を芯材とし音溝部をセルロイドで作り、再生時間も初期の2倍の4分になり、音質も改良されました。)として開発されました。その後に発売されたアンベローラシリーズも含めて最も大型で豪華な製品でした。

この蓄音機は他のモデルと大きく異なった点があります。通常の蓄音機のロウ管は回転のみの動きですが、このアンベローラ1Aはリプロデューサー(今風に言うと再生カートリッジです。黒いアナログレコードに、指をかけて針を降ろしますよね?あの部分です。)が固定されており、ロウ管が回転しながら右から左に移動して再生するように出来ていました。

面白いことに現在、CDプレーヤーでこのメカニズムを採用した製品があります。エジソンは先取りしていたんですね。エジソンは、いろいろなメカニズムにトライしていましたが、残念ながらこのメカニズムは短命に終わってしまいました。ちょっと複雑だったからでしょうか?

C)エジソン・アンベローラ30


写真は、アンベローラ30型です。4分間再生できるアンベロールレコード用として1915年に発売されました。アンベローラシリーズは10機種ありますが、この30型は最もコンパクトに出来ていました。

また、このシリーズからダイヤモンド針が使用されました。(意外ですが当初は、サファイアやガラスなどが針として使われたそうです。)

駆動はギヤ式で、ベルト駆動に比べ経年変化は少なかったそうです。クリヤーな音質で音量も予想外に大きいです。

http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk4.html


テープレコーダーの原点 ロウ管蓄音機(録音、再生機の原点。口述筆記用機)


写真は口述筆記用機で、テープレコーダーが実用化されるまで簡易録音再生機として使用されました。映画ファンですと、少し古い映画のスクリーンにこのタイプの機械が使用されていたのを、見覚えの有る人も居るでしょう。(ちょっと古い映画ファンですね笑い)


エジソンは、蓄音機の用途として1878年に以下の10項目をあげています。


1) 速記者を必要としないで、手紙が書けたり、口述筆記に使える。
2) 目の不自由な人のための音の本。
3) 話し方の教育に使える。
4) 音楽の録音、再生。
5) 家族の記録として、家庭の人の話肉声や遺言を録音出来る。
6) オルゴールや玩具になる。
7) 帰宅時間や食事時間を教える事が出来る。
8) 発音を正確に録音するので保存出来る。
9) 教師の講義を録音し、ノート代わりとして単語の記憶用として使える。
10)電話と蓄音機を組み合わせ、通話を永久保存できる。


エジソンは、このように第1番目に口述筆記用を持って来ていますが。第4番目に挙げられている音楽鑑賞用が、人々の要求としては歴史的に圧倒的に第1番だったのは、ご存知のとうりです。

写真の製品は1930年頃の物です。左側は録音用でこれで録音したロウ管を中央の再生機に移動してセットした後に再生し、ヘッドホンの原点と言われる(聴診器のような飛行機内で使用されているイヤホンと同様の物)イヤホンで聞きながらタイプライターで文字に変換します。文字になったロウ管の音溝は必要なくなるので写真右側の消去機でロウ管の溝部分だけを平らにカットし、また使用します。

左から、録音、再生、消去機でこれで一セットです。今では、手の平に乗るような機器(たとえばMDなどですね)で録音、再生を手軽に行なっていますが、当時は、このような大掛かりな機器で行なっていたのです。


http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk5.html


円盤蓄音機(横音溝タイプ)


エジソンは蓄音機を発明(1877年)しました。しかし、開発にいきずまってしまったのと電球の開発に没頭し、蓄音機の改良については中断してしまいました。この間、10年あまりが経過し、シリンダータイプの蓄音機はエジソン以外の人達(主に電話の開発で有名なベル研究所)によって改良されました。

エジソンが蓄音機の開発に復帰することを宣言する直前の1887年9月に、ドイツ人でアメリカに帰化したエミール・ベルリナー(本によってはベルリーナ)が円盤タイプの蓄音機を発明し特許申請をしました。(左図)

書類上は円筒が主体になっていますが円盤についても記載されています。

ベルリナーはレオンスコットのフォノートグラフの方式を利用して特許図面に見られる円筒に紙を巻いてススを塗り、この面に横音溝(蛇が蛇行するように音溝を刻む)で音声を記録しました。


左図<ベルリナーの特許出願図>

ベルリナーは音声の録音方式として縦音溝(海の波と同様の動き)は歪みが多いと判断し、横音溝による記録方式を選びました。左の写真は、ベルリナーが製作した世界最初の円盤レコードの写真です。上段がその現物でエボナイト(硬質ゴム)で作製されています。性能的には、まだロウ管レコードに比べ劣っていました。直径は5イン(12.5cm)で奇しくもCDより5mm大きいだけでした。大きさの点と片面録音と言う事でCDは円盤ソフトの原点に戻った事になります。
 

ベルリナーはこれをグラモフォン(Gramophone)と名づけました。エジソンのフォノグラフ(Phonograph)をもじって命名したようです。このレコードは当初音楽鑑賞用としてでなく、玩具として手回し蓄音機につけて販売されました。写真の下段はその後に開発された7インチ(17.8cm)レコードです。すでに、ベルリナーの好きだったエンジェルがレコードに録音しているマークがはいっています。

レコード誕生初期の段階で、レコード材料を柔らかくして、それをプレスによって(せんべいを作るように)ソフトを作製する技術は確立されました。CDも基本的には同じ方法で作製されているのは偶然ではありません。

http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk6.html


円盤レコードの蓄音機(縦音溝タイプ)

代表的な蓄音機(C-250)

エジソンにも円盤レコードを再生する蓄音機の考えは既にあったのですが、円盤はレコード内周になると線速度(一定時間に再生する音溝の距離)が落ち音質が劣化するとの事で、レコードのどの部分でも等速の円筒蓄音機にこだわって改良を続けていました。 しかし、いよいよ円筒レコードの限界を感じたエジソンは、円盤レコードの開発を開始しました。ただし、音溝振動方向はベルリナーの横方向と異なりロウ 管蓄音機と同じ縦方向にこだわりました。

レコードの材質はフェノール樹脂を使い、平面性を確保するため厚さを6mmと厚くしました。音溝は1インチ(2.5cm)幅に150本で、再生針にダイヤモンドを使用したことによりダイヤモンドデイスクと呼んでいます。(左画像)

この蓄音機は、エジソンC-250といい1915年につくられたエジソンの代表的な高級モデルで“ダイヤモンドディスクチッペンデール”(チッペンデールとは、18世紀イギリスの家具デザイナー、トーマス・チッペンデールに由来する。)と呼ばれました。大きさ、デザイン、再生音など、いずれを取り上げても他を寄せ付けない性能を備えていました。

リニアトラッキング的なリプロデユ―サー(アナログプレーヤーのアームとピックアップカートリッジ部分に相当する。)、メカ的リモコンアームリフター、音量調整機構(トランペットのミュートの様な)が採用されています。振動板には紙が使われ、シェラックという接着剤で数枚を張り合わせています。さらに、コルクでその振動板の不要振動を適度に抑えると言った手の込んだ作りになっています。

 C-250のプレーヤ部


C-250型には、「歌手の声とのすりかえ実験(エジソンの音の試聴演奏会)」という後世に残るエピソードがあります。

始め蓄音機の横で本物の歌手(エジソン会社の専属歌手。マギー・テイト)が歌い、途中でC-250型蓄音機にバトンタッチして終了したが観客はすり替えに殆ど気がつかなかったと言われます。それだけ音質に対して自信が有ったわけです。価格は当時$250で、型名のC-250はここから由来されています。

さて、円盤レコードを再生する蓄音機で音溝が横方向と縦方向の2商品が登場する事になりました。再生時に互換性の無い(ビデオカセットデッキのVHSタイプとベータタイプのような)製品が市場に現れ、消費者は非常に迷惑を被ったわけです。歴史的には横音溝タイプが主流になり、LPレコードも含めて1958年ステレオレコードが発売されるまでその横溝円盤方式は続きました。

http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk7.html

エジソンの蓄音機


1)エジソン・スプリングモーター 1895年製


テクニカギャラリー内で一番古いタイプの蓄音機です。
残念ながら写真でわかるようにリプロデューサーとホーンが欠如してます。1895年製でエジソンが蓄音機を発明して18年後の製品です。(以前にも述べましたが、電球及び発電システムの開発で10年程蓄音機開発の空白期間があります。)

すでに3モデル程製品化した後のモデルで、エジソンとしては初めてゼンマイを使用したモデルです。トライトンと呼ばれる3重のゼンマイがつけられ、2分ロウ管レコード用です。価格は、40ドル。このデザインは後の“コンサート”型の初期タイプにも使用されています。

2)エジソン・ホームA(スーツケース型) 1899年製


トライアンフ型の機構を簡略化して家庭用として売り出したモデルです。
動力源はゼンマイがシングルで、2分ロウ管レコード用です。この“ホーム”シリーズの最終モデルは、Fタイプです。特長はオークのシグネットホーンが付けられたことと、4分ロウ管レコード専用になったことであります。ホーンが本体外部に有るタイプでは、最終の部類です。

3)エジソン・ジェムA 1901年製
4)エジソン・ジェムD 1909年製


テクニカギャラリーに展示しているのは、ジェムの内でも新型の分類です。旧型は1899年に発売されました。当モデルは、前面にGEMの文字が入っており、1901〜1905年の間に販売されました。エジソンの蓄音機中最も安価なモデルで、7.5$で売り出されました。形状は名前が示すようにかわいらしく、家庭用、事務用として広く愛用されました。2分ロウ管レコード専用モデルです。 ボディの色が赤になり、朝顔型のホーンが今までの製品より大きめの物が取り付けられました。

2分、4分レコード共用で、レッドジェムの愛称で親しまれました。1912年まで製造されました。


5)エジソン・スタンダードA 1901年製


エジソンでは初めての家庭用蓄音機で価格は20$でした。2分レコード専用機。
ゼンマイはシングルタイプを使用、角型のケースに入っています。
当モデルはシリーズ化されましたが、テクニカギャラリーではBタイプも保有しています。


6) エジソン・コンサート 1901年製


ロウ管蓄音機が発売されると、少しでも良い音で再生できないか考えられました。ロウ管の外径を大きくし(5インチ、127ミリ)、回転速度がスタンダード品と同じであれば、単位時間当たりの針先走行距離が多くなり、音が良くなる原理に基いています。(後のアナログステレオレコードで、33回転から45回転にしてハイグレードレコードを作製したのと考えは同じです。)

このモデルは、1899年から1901年まで製造されましたが、その間にキャビネットが3回も変わっています。エジソン唯一の5インチ円筒レコード用でありますが、標準円筒レコードも使用出来る様になっています。(標準タイプの外側にコンサート専用ドラムを取り付けます。)


7) エジソン・アイデリアD-2 1909年製


シリンダー型後期の高級モデルで1911年まで製造されました。

ケースはマホガニーでユニット部は模様入りの塗装がほどこされています。ホーンは合板のシグネットホーンが取り付けられています。2分、4分レコード両用です。

このモデルの後継モデルで、最後の外部ホーン付となった傑作機は“オペラ”という名称のモデルです。オペラ以後のモデルはすべてホーン内蔵型となりました。


8) エジゾン・トライアンフE 1910年製


エジソンの蓄音機も新型が出るに従い、デラックスなモデルと変化していったが、シリンダータイプの末期に近いこのモデルも合板シグネットホーン、新型大型リプロデューサー、3重のゼンマイ、2分、4分レコード両用と多彩な機能を持っています。

しかし、市場の大勢は円盤レコードに移行しており、1913年にはエジソンもついにロウ管型蓄音機の生産をすべて中止することになりました。(エジソン・トライアンフAも所有しています)


9) エジソン・ファイアサイドB 1912年製


セルロイド製のブルーアンベロールレコード(4分再生)を演奏するための普及型プレーヤーとして発売されました。

このB型は、改良型ゼンマイを使用し、2分、4分レコード両用になっています。2分、4分の切替えはプレーヤー左側のボタンを押したり、引いたりすることにより行ないます。黒ワンス塗装をした朝顔型シグネットホーン付きで1913年まで製造されました。


10) エジソン・アンベローラ1A 1909年製


当蓄音機は、ホーンを本体内キャビネットに内蔵した、エジソン社の1号機であります。(ホーン内蔵型蓄音機については、既にビクター社より1906年にビクトローラの名において発売されています。)アンベロールレコード用(4分ロウ管再生)として開発されました。アンベローラ蓄音機は4台保有していますが、その後に発売されたアンベローラ・シリーズも含めて最も大型で豪華な造りになっています。M型のリプロデューサー再生P.U付で2分ロウ管、4分ロウ管のレコード両用です。

当蓄音機は、他のモデルと大きく異なる点があります。それは、リプロデューサーが固定されており、その代りにシリンダーが右から左へ移動するようになっています。当発想は現代でも生きており、同じメカニズムを持ったCDプレーヤー(CD-PUを固定しておいて、CDdiskを移動させるメカニズム)が大手オーディオメーカーより発売されています。ただ、当メカニズムは主流にはなり得ませんでした。


11) エジソン・アンベローラ6 1913年製


ホーン内蔵型で一つのシリーズを形作ったモデルです。

アンベロールレコード専用として、このモデル以外にも数機種発売されました。
機能的にはロウ管型蓄音機として、エジソン社の技術が十分注ぎ込まれており、完成度の高いレベルに達しておりました。


12) エジソン・アンベローラ30 1915年製


ホーン内蔵型のアンベローラシリーズは10機種程ありますが、テクニカギャラリーには4モデルが展示されています。

この30型は最も小型に出来ています。このシリーズからリプロデューサーにはダイヤ針が使用されました。駆動系はギア式で、ベルトに比べて経年変化は少なくなっています。小型ながらクリアな音質で音量も十分有しています。4分ロウ管アンベロールレコード用です。


13) エジソン・アンベローラ50 1915年製

駆動はギア式が採用されて、安定した性能を有し当時50$で売られていました。

_______

今回は、エジソンの円盤レコード用蓄音機について述べます。

エジソンは円盤レコード(ディスク)用蓄音機も数多く製作しています。他社では既に円盤レコードに切替えていましたが、エジソンはやっと1912年になって円盤レコードと蓄音機を発表しました。レコードの音溝は、ロウ管レコードと同じで縦振動で刻まれており、ディスクの平面性が要求され厚さ6mmにもなっていました。


16) エジソンA-100 1912年製


標準的なモデルです。円盤再生用蓄音機のシリーズ中の機能は同程度でした。
ユニークな構造のトーンアームとリプロデューサーにダイヤ針を使用しています。(ダイヤモンドディスクの命名の由来です)アームと連動しているホーンなど、他には見られない多くの特長を持っています。A-100は初期のモデルです。

17) エジソンC-150 1915〜20年製


機能的には、円盤再生用エジソン蓄音機の他機種と全く同一です。
ちなみに、エジソンは蓄音機とレコードの製造を1929年まで続け、以後完全に業界から撤退しました。


18) エジソンC-250 1915年製


エジソンの代表的な高級モデルで、ダイヤモンドディスクチッペンデールと呼ばれました。

チッペンデールとは、18世紀イギリスの家具デザイナー、トーマスチッペンデールの名前を取り上げて命名されています。デザイン、大きさ、再生音などいずれを取っても他を寄せ付けぬ性能を持っています。機能的にはリニア、トラッキング的なアームとサウンドボックス、リモコン操作によるアームリフター、トランペットのミュートみたいな音量調節機構が付いています。C-250には有名なオペラ歌手との声のすりかえ実験が何度も行なわれています。C-250の名称の由来は、当時250$で販売されたためです。

19)エジソン エジソニック 1928年製


エジソンが最後に商品化した蓄音機です。

ダイヤモンドディスク(縦溝)再生がメインですが、その他にダイヤモンドディスクの長時間盤と横溝ディスクもかけられるようになっています。 リプロデューサーがアームの先端で交換できる兼用機として仕上げられています。

http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk10.html
http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk11.html
http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk12.html
http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk13.html
http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk15.html
http://www.audio-technica.co.jp/corp/gallery/gallerytalk39.html


1877年アメリカのトーマス・エジソンが蓄音器を発明したことは知られている。しかし彼が考えた針の縦振動方式はベルリナーの横振動方式に敗れ去ったのである。

もともとエジソンは音楽を録音し、それを広めるという考えは第一義ではなかった。10ケ条のメモを残しているが、その第一には、「速記者を必要とせず手紙がかけるほか、口述筆記に使えること」だった。幼い時に耳を悪くした彼にとって当然だったのかもしれない。「盲人でも本が読める」「雄弁術の教育に使える」そしてようやく4番目に「音楽を録音、再生すること」が出てくる。

横振動を唱えたベルリナーは最初から音楽再生に力点を置いた。横振動の平円盤はプレスすることで同じものが大量に作ることが出来るので1枚当たりの単価がやすく出来た。

それに対して、エジソンは縦振動が音質的に良いのだと主張したが、同じものをプレスすることが難しく、大量生産には向かなかった。

さらに縦振動にこだわったため盤が厚くなり、材料費などコストもかかった。蓄音器は針にダイヤモンドを使ったために横振動のビクター製より高かった。いわばハードもソフトも高かったのである。理論的に縦振動は音はいいが、実際には値段が違いすぎたのである。

ベルリナーのビクター社では、ガイズバーグという若い技術者がレコード制作の面でプロデュサーとしての手腕を発揮した。彼は当時のロシア第一の人気を誇っていたシャリアピン、イタリアの大物オペラ歌手カルーソに破格の大金を払って録音した。さらにはメルバ、タマーニョ、パッティなどをくどいた。世界一流の歌手がお茶の間で手軽に聞ける、このことが横振動の平円盤が勝利した決定的な出来事だったわけである。

ガイズバーグは明治36年に日本でも3ケ月にわたり出張録音を行い273面を製作している。

エジソンは技術者としてプロであったが、一流の芸術を理解するソフトの製作者が周りにいなかった。技術のみが先行するのではなく、それに伴うソフトがいかに大切かを、このエピソードは教えてくれる。

__________

「エジソンの音は立っている!」


神戸から来館された山下さんと名乗るかたは、エジソン・ダイアモンド・デイスクL-35の蓄音器の奏でる音を聴いて、そう語った。エジソン・ダイアモンド・デイスクL-35というのは、エジソンが作った平円盤用(いわゆる丸い円盤型レコード)の蓄音器である。

レコードといえば既にエジソンが発明したろう管型でなく、ベルリナーの開発した横振動の平円盤が主流となっていた。時代に残ろうとエジソンも平円盤を開発し、徹底的に音質にこだわった。

針を縦に振動させること、針先を直線的に動かすこと、針は摩耗のもっとも少ない硬いダイアモンドを使ったこと、ノイズを減らすため3ミル(0,075ミリ)の針で毎分80回転、4分間の演奏を可能にしたこと、レコードは反らないように6ミリの厚さを持たせたことなどである。

このエジソン蓄音器と生の演奏を“共演”させるという実験をカーネギーホール始め全米各地で行った。その結果、聴衆が音の違いがわからぬほど完成度が高かったと言われている。

しかしエジソンの蓄音器、レコードともに横振動のものと比べると随分と高くなってしまい売れなかった。
エジソンのカタログを見ると最高級品でなんと6000ドル、横振動のビクター製品なら500ドルくらいだった。

金沢蓄音器館の聴き比べの時間では、エジソンのろう管型、平円盤型の蓄音器はともにその音を聴くことが出来る。

あなたも<音が立っている>体験にぜひどうぞ。

http://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/hitorigoto.html


あくまでも音質にこだわったエジソン


704 : 黒神 めだかψ ◆ZjqBzMECHA : 2011/03/27(日) 06:00:44.91 ID:DzNxUGGJ BE:3073756469-PLT(12203) [1回発言]

縦振動盤は垂直に音波を刻む構造のため、レコード盤が分厚く、主に片面のみの記録だ。

縦振動盤は、現代のレコードプレイヤーで再生する場合は、縦振動に対応する専用のカートリッジに取り替えないと再生できない。


706 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/03/28(月) 19:27:10.85 ID:3dYXC1f2 [1回発言]
)レコード盤が分厚く、主に片面のみの記録だ。

これは正しいとは言えない。

たしかにEdisonのDiamond Discは分厚いが、それは縦振動の溝が深いからではなく、音質の歪みを少なくするためのアイデア。

Pathe系や初期Vocalion, Brunswickの縦振動盤は横振動盤と変わらない厚さだし映画用のトーキーディスクも径は大きいが薄さは普通のSP盤と変わらない。
片面のみの記録というのに至っては、いったいどこからそんな情報が出てきたのかむしろそれを知りたいw 


708 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/03/29(火) 22:13:35.52 ID:SK3jOQpc [1回発言]
EdisonのDiamond Discは持ってないが見たことはある。 あれは確かに厚いな。
あれで何枚もコレクションしたら大変なことになりそうだ。
そこまで厚くしてもこだわったのは何なのかな。
線速度一定のシリンダーにもこだわってるしね。


709 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/03/29(火) 22:30:33.11 ID:hWQfOPzQ [1回発言]
))708
エジソンがこだわったのはとにかく一にも二にも音質なんだ。

ソフトの内容ではなくて音質。そのためには生産性も犠牲にしたw

シリンダーの素材開発、浮遊するリプロデューサーの開発で、アンベロールシリンダーは同時代の横振動レコードよりはるかに明瞭で分離のいい音質だったんだ。

生産性の悪そうなシリンダーだけど、真空プレスを行なうことで、1910年代半ばまでアメリカのレコード業界のシェアを保つことに成功した。

とはいっても1910年頃にはすでに平円盤が世界的なソフトに成長していたので、エジソンも平円盤に進出した。(1914年)


因みに、はじめに平円盤のアイデアを特許登録したのはエジソン。
1885年にテープ方式と平円盤方式の録音再生装置を特許登録している。


710 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/03/30(水) 01:13:11.81 ID:UDmCKnAe [1回発言]
Edisonのシリンダーは復刻のいいやつ?だと確かにいい。

外周と内周の差も存在しないのは確かに合理的だと思う。
ただし、シリンダーも集めたら場所を食いそうだね、、、

あとは円盤も含めてEdisonは演奏家が弱い。確かに名演奏もあるが少なくて、多くはHMV-Victorに取られてる。

精緻で優秀な機械の技術があっても、簡単な機械で再生できる横振動にソフトと営業力で負けたのかな。商売とは難しいのだな。

http://unkar.org/r/pav/1140065288

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c28

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
29. 中川隆[-13123] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:07:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[409]

エジソンと蓄音機 2011/2/11(金)


 今朝のGoogleトップページを見たところ、今日(2月11日)はトーマス・エジソン(Thomas Alva Edison, 1847-1931)の誕生日なんですね。

 エジソンと言えば、電灯(白熱電球)が最も有名ですが、私にとっては蓄音機も重要。そこで今日は、発明者に敬意を表して、エジソンと蓄音機の関係について、過去記事も含めて改めてご紹介します。

音を記録した最初の人物はエジソンではない

 ところで、空気中に伝わる音を初めて記録した人は、実はエジソンではありません。その人はレオン・スコット(Edouard-Leon Scott de Martinville, 1817-1879)、パリの印刷屋兼本屋さんでした。

 レオン・スコットは、1857年3月に音声記録機の特許を取得。その機械(上図)は「フォノトグラフ」(Phonautograph)と名付けられました。その仕組ですが、まず、【A】の円筒にはカーボン紙が巻きつけられています。ラッパの入口【C】から入った音は振動板【a】に取り付けられた針【b】を振動させ、その波形がカーボン紙に刻まれます。

 フォノトグラフは、音を記録することは出来ましたが、再生することができませんでした。しかし、2008年3月27日、残されていたフォノトグラフの記録紙からの再生がファーストサウンズによって実現。世界最古の録音がよみがえりました。この録音は『月の光に』(Au Clair de la Lune)というフランス民謡の一節で、1860年4月9日、レオン・スコット自身によって吹き込まれたものだそうです。(再生にはQuickTimeが必要です)

エジソンは音を記録し再生する機械の発明者

 レオン・スコットの特許から20年後、同じくフランス人のシャルル・クロ(Charles Cros, 1842-1888)が、フォノトグラフで記録された音の波形を写真製版技術を使って復刻し再生する仕組を考案。1877年4月、フランス科学アカデミーに書簡を送りました。しかし、その機械を試作する資金力がなく、彼の考案が陽の目を見ることはありませんでした。

 その数ヵ月後の1877年11月29日、音を記録し再生する初めての機械が、エジソンによって発明されました。彼はその機械に「フォノグラフ」(Phonograph)と名付けて特許を申請。1878年2月19日、特許を取得しました。


蓄音機の実用化と普及に遅れをとったエジソン

 しかし、エジソンは蓄音機の特許をとった後、しばらくの間、その実用化と改良を行いませんでした。その間に、蓄音機は他の人々によって様々な改良が加えられ、実用化されていきました。

 なかでも画期的だったのは、1887年、エミール・ベルリナー(Emil Berliner, 1851-1929)によって開発された平円盤レコードでした。このレコードは「グラモフォン」(Gramophone)と名付けられましたが、横振動(盤面に平行に音溝を刻む)というカッティング方式を採用したことも相まって、大量に複製可能という特徴を持っていました。

 その頃、エジソンも蓄音機の世界に戻っていましたが、それはロウ管(表面にワックスを塗った円筒)、縦振動(円筒の接線に垂直に音溝を刻む)というものでした。しばらくは両者の方式が競争しながら普及していきましたが、やがてロウ管レコードは衰退していきました。

 その後、1912年、エジソンは縦振動ながら平円盤のレコードを開発し、「ダイヤモンドディスク」と名付けて発売しました。このダイヤモンドディスクは、ダイヤチップの針先でトレースするためいちいち針交換する必要がなく、音質的にも当時のグラモフォン方式を上回っていました。しかし、ビクター、コロンビアなどのグラモフォン陣営との競争に負け、1929年、エジソンはレコード市場から撤退したのでした。

 エジソンはなぜ遅れをとったのでしょうか?

 それは、一言で言えば、ハードウエアの問題ではなく、コンテンツの問題だったと言うことができます。

 というのは、当時、ビクターやコロンビアなどのグラモフォン陣営は、蓄音機の用途を音楽再生に的を絞り、はじめの頃は多くの歌手や演奏家が蓄音機に対して懐疑的だったなかで少数の理解者を発掘し、有名な歌手や演奏家との録音契約を熱心に推進しました。そして、音楽といえば劇場やクラブに行って生演奏を聴くしかなかった当時において、いつでも聴きたいときに家庭でお気に入りの演奏を聴くという、全く新しい音楽の楽しみ方を普及させていきました。

 一方、エジソンは、蓄音機の用途を速記機械(今で言えばICレコーダーのようなもの)と考え、音楽再生という用途に対しては冷淡でした。このため、有名で人気のある歌手や演奏家の獲得に大幅に出遅れてしまったのでした。

 こうして、エジソンのレコードは今日ではほとんど忘れられた存在となってしまいましたが、その中の数少ない名歌手の一人、エミー・デスティン(Emmy Destinn, 1878-1930)のレコードを聴いて、エジソンの功績を偲びたいと思います。

 このレコードは、エジソン社が起死回生を期して発売したダイヤモンドディスクのなかの1枚。曲目はプッチーニ作曲『ある晴れた日に』、歌劇『蝶々夫人』の有名なアリアです。

"Un bel di" "One beautiful day" from Madame Butterfly
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=HbmPEZsq3uk

Composer: Giacomo Puccini
Soprano: Emmy Destinn
82527 Edison Diamond-disk (80rpm)

http://blogs.yahoo.co.jp/anonymat_21/folder/271055.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c29

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
30. 中川隆[-13122] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:08:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[410]
蝋管(シリンダー)の再生音はどんな音? 

最近、エジソン社のシリンダー式蓄音機を聴いたのだが、かなり驚嘆したので、ご報告したい。

よく録音の歴史的演奏をまとめたCDでは、1925年前後のSPレコードの音は、かなり聴ける演奏だが、シリンダー(蝋管とも)では、演奏がノイズに埋もれているような録音がほとんどであるようだ。しかし、実際に聴いてみると、生き生きとした音がするのである。確かにノイズは少し多いが、蝋管の状態さえよければ、それほど気にならない。

どうも、よほどいい加減な再生装置の音を録音してCDを作っていたとしか思えないが、そのような悪い印象を一般に植え付けたのは問題だと思う。

再生周波数の特性を測ってみれば、1925年前後に、電気吹込(マイクとアンプを使用した録音)以降、周波数特性が広がったのは確かであるが、人間の声やバイオリンなどは、それほどの帯域は必要ないのであるから、1910年前後でも、特製をきちんと分かって録音すれば、今聴いても感心する音が出るのである。このことは事実として忘れないでいただきたいのである。(7/06/10)
http://www.geocities.jp/soundboxes/topics.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c30

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
31. 中川隆[-13121] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:08:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[411]
1930年代までの家庭用のWEサウンドの代表格は、HMV(米ビクターの犬マーク)の音である。

電気録音方式を特許出願する時期に合わせ、ベル研究所が1925年に開発したクレデンザ蓄音機はその代表格で、蓄音機の女王とさえ云われる。

電気式録音をリリースする以前から開発されていたカーボン方式の1Bマイクは見かけによらず高性能で、10kHzまで伸びる特性を既に備えていた。

トーキー用に開発された555Wドライバーは、クレデンザ蓄音機と同じ取付口が使われており、同じ時期に開発された双子みたいなものである。

実際にはVitaphoneで使用された555Wはトーキーの業務用以外には門外不出であったし、Orthophonicのクレデンザの響きは女性的な柔らか音調で、両者が一緒に使われることはついぞなかった。ただWE社が1920年代まで民生用の音楽再生として好ましいとしたのはクレデンザの音調であり、アメリカはまだヨーロッパと同じようなサウンド嗜好を持っていたと考えられる。
http://quwa.fc2web.com/Audio-102.html

蓄音機の女王とも讃えられるクレデンザ。

その優雅な音ゆえに、誰もが英HMVの印象と結びつけるが、実はこれが大きな勘違いである。これこそがアメリカン・サウンドに君臨するWE社が、1925年に電気録音方式と共に世界に送り出した刺客であり、デザイン、ネーミング共にヴィクトリア趣味に彩られているが、立派なアメリカ製の蓄音機である。

それ以前の蓄音機の周波数特性が中高域のしゃくれ上がったカン高い音なのに対し、クレデンザのそれは低域から中高域までフラットに再生できる音響特性を持っていた。

これは一般的に考えられているヨーロピアン・サウンドと同じ志向であって、むしろ古い英グラモフォンの音がカン高い音で調整されていたことにも気付かされるのである。

ではHMV純正の蓄音機はというと、少しカン高さを残しながら低音の増強を図ったバランスを取っており、両者の仲立ちをする折衷的なスタイルであったことが判る。


Orthophonic Victrolaの取扱説明書(1926)
この時代のアメリカがヴィクトリア趣味の最期だったことが判る


従来型(破線)と新しいOrthophonicシステムの再生特性の比較(1926年)
100〜4000Hzをフラットネスに拡張している


Western Electric 1B ダブルボタンマイクと特性
基本的にフラットな特性をもっている

よくブリティッシュ・サウンドの特徴としてフラットネスが挙げられるが、素直な特性であれば相性が良いというわけではない。

日本製に多いフラットな特性のスピーカー(例えばBTS規格のロクハン)ではあまり良い効果が得られない。かつての東芝盤に多く寄せられる意見と似ていて、プレス時にイコライジングしない素直な特性がアダになって、中高域の凹んだインパクトのない音に仕上がっていまうのだ。ただNHKの録音は今の基準でみると音に癖のない良質なもので、オーディオ的には面白くないものの、むしろ実演の状況を巧く捉えているかもしれない。同じことはBBCにも言えるのだが、EMIのサウンドとは若干違うように思う。

 イコライジングをほとんどせずに放送するBBCモニターの特性をみると、ウーハーの800〜2,000Hzの中高域に5dB程度のアクセントを与えていることが判る。

フラットネスを旨としながらも、料理としてはやや辛めに仕上げてあるのだ。
代わりに高域が大人しく暴れが少ないのである。

これは古くは英グラモフォンの蓄音機から続く伝統的な周波数バランスを拡張した結果であり、中域に独特の質感をもたせる秘訣なのではないだろうか。

BBCモニターの特性の歴史を紐解くと、1930年代を起点としたアメリカのオーディオ技術に結びついていくのである。

LS5/9のユニットの裸特性(1983年)
Parmeko単体の特性(1947年)
GEC製フルレンジスピーカーの特性( 1930〜40年代)
1920年代の蓄音機の特性(破線)


 以下はBBCがParmekoを採用する際に比較試聴したTANNOYとEMIの特性だが、上記のBBCモニターの系譜とは異なり、中高域が大人しい特性である。

違いはTANNOY(Decca)が高域方向を持ち上げるのに対し、EMIの高級電蓄は高域がなだらかに下降する特性(BBCの感想では暗い音)となっている。

このときEMIはKelly製リボンツイーターを採用していたらしく、パワーレンジの必要ない家庭用システムに最適化していたことが判る。

EMIは1931年のアビーロード・スタジオ建設時から第二次世界大戦を通じて、技術の保守性が顕著になり、それを突き抜けようとしたDeccaとのサウンド面の乖離が激しいのではないだろうか。イギリス人の合理的な物の言い方からすると、より忠実度が高いということになるが、実のところ最初の基準となった技術からの積み上げに際し、感性的なものがより大きく働いているとも言える。


TANNOY Black 12"(1947年)
EMI Electrogram 高級電蓄(1947年)

 ちなみに1948年のBBCレポートM008に出てくるEMI製のスピーカーとは、楕円ユニット2本とホーン付リボンツイーター(おそらくKelly製)を使用していると記載され、1946年にHMVが開発した3000型電蓄Electrogram De Luxeと呼ばれた機種で、最初のAbbey Roadでのお披露目式についてはGramophone誌1946年9月号に記事が載っている。

QUADが最初に開発したコーナーリボンというスピーカーと構成が似ており、30Hz〜15kHzまでの再生レンジを誇った。1948年当時の価格で£395とあり、レッグ氏が最高の再生機器の開発を指示したといわれるのは、おそらくこの機種であったと思われる。

この3000型はEMIの技術力を誇示するために、コスト度外視で設計されたせいか、非常に台数が少なかったと思われ、お披露目式の後は1948年にErnest Fisk卿により買い取られ、オーストラリアでレコードコンサートなどに使われた。最初のキャンベラでのコンサートは、シュナーベルとフィルハーモニア管によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番が再生されたと云われ、この時期の録音、リパッティやヌヴーなど1940年代に夭折した音楽家を好む人たちには、ひとつの方向性を示すことになるだろう。この3000型Electrogram De Luxeは1952年のSydney Morning Herald誌で中古販売の広告(£60)が出されたのを最後に、歴史上から姿を消しており幻の高級電蓄といえる。

 実際のところ、EMIでのLorenz製ツイーターの使用は、Kelly製リボンツイーターのコストや保守の関係から妥協したのではないかと思われ、1949年のHMV Radiogram 1609(価格:£103)から搭載された。この時期になるとEMIはドイツ・エレクトローラからテープ録音技術を吸収し、自社にテープ録音機(英BTH社製)を置くようになっていた。カラヤンは戦中からマグネトフォンとノイマン製マイク、Eckmillerモニタースピーカーという組み合わせで、バイノーラル録音の実験に参加していたため、こうした技術に習熟していたし、レッグ氏も優れた録音技術に早くから注目していたと思われる。

 EMIの92390型楕円フルレンジスピーカーは、1960年代のステレオ用スピーカーとして有名だが、1940年代のスタジオ写真からみてもっと早い時期に開発されており、1937年の高級電蓄Autoradiogram 801でほぼ同様のユニット(この時点では励磁型)が搭載されていた。

こうした高級電蓄はギニー金貨での価格表示であることから、貴族かそれに準ずる富裕層の持ち物という考えの強いことが判る。EMIがブルムライン博士を先頭に技術革新に邁進していた時期の所産であり興味深いが、それ以前にも1934年にMarconi社が高級電蓄Marconiphone 292で同様のユニットが搭載されていたため、本来はMarconi社が高級電蓄での使用を目的に開発されたユニットを、EMIがモニターに使用したというのが実際だろう。


その後のHMVブランドの電蓄にはこのスピーカーがよく使われており、プロフェッショナルな現場でありながらホームユースのための技術開発という側面が強いことが判る。1944年にBBCがM004レポートでこの楕円スピーカーを単体で測定した結果では、4.5kHzにピークを持たせたワイドレンジ・スピーカーであったことが判る。そのときのBBCの評価は、EMIのユニットは高音にピークがあると一蹴しており、GEC製ユニットの2.5kHzにピークをもつ特性と峻別している。一方で、楕円スピーカーにリボンツイーターを付けた高級電蓄Electrogramには「暗い音」という評価なので、あるいはBBCの技術者がEMIを毛嫌いしていたことは想像に難くない。

 同じ時期のDeccaの高級電蓄Decolaは、最初はGoodmann社のフルレンジ+ダブルウーハー、1949年にはTANNOY社の12"同軸2way+ダブルウーハーになっている。

おそらくこれらは、アメリカでのLP発売に合わせて製作されており、イギリスの家庭にはほとんど届かなかっただろうと思われる。

Abbey Roadスタジオの5chミキサー(1940年代?)
モニターに楕円スピーカー

EMIの楕円スピーカーの特性(単体:1944年、BBCレポートより)
HMV 801高級電蓄(1937年)
3台の楕円スピーカーを配した大型電蓄
http://quwa.fc2web.com/Audio-107.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c31

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
32. 中川隆[-13120] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:09:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[412]
皆様「CREDENZA」という蓄音機をご存知ですか。
1920年代にアメリカのベル研究所が設計し、ビクトローラ社が製作致しました78回転盤レコード専用の蓄音機です。

この蓄音機は世界で最も再生音の美しい蓄音機と言われており、世界ではじめて逆三角関数の数式に基づいた理論によるホーンの設計がなされた蓄音機、と言われております。

その図体は蓋をあけると背丈よりも大きなものでかの有名なウェスタンエレクトリック社のホーンの設計の原型となったモデルとも言われております。JBL社、ALTEC社などのホーンもこの蓄音機のホーンが原型となっているそうです。

またサウンド・ボックス内のアルミ製の振動板についてもすべての高級ドライバーと言われるものはこの形状を踏襲致しております。

気品のある音色はこの振動板から出てくるのです。
http://www1.odn.ne.jp/~cbz49420/credenza.htm

ウェスタンサウンドを考えるとそれ以前のサウンドは蓄音機のサウンドであり、かの有名なビクトローラ・クレデンザがウェスタンの原点ではなかろうか、

実際クレデンザのホーン構造を見ますとウェスタンの12A、15A、のカールホーンに良く似た構造をしています。

(蓄音機の音等は良い音ではない)と思われがちですが、本当に良い音とは電気臭くない音ではないだろうか、

生の音を良く聴きますと電気の音はしません、(エレキギター、シンセサイザーは別物)

生の音こそ自然な音です。音はすべてに生が基準になります。


 クレデンザのサウンドボックスを外してウェスタンの555ドライバーを実装して試聴した経験から不思議とクレデンザの音に非常に近い音になります。

その時の印象ではアコースティクな響で現代の音とはかけ離れた音に脅威を感じました、これこそ電気臭くない自然な音なのかも知れません。


 アルテック、JBLはウェスタンから分かれた会社ですが、ウェスタンサウンドを聴きますと両者ともあきらかに音の違いが認められます。永い間アルテックやJBLでオーディオを楽しんでこられた方は最終的にはウェスタンに(はまる)方が沢山お見えでそれだけの魅力があるのがウェスタンかも、


過去のビンテージスピーカーでアルテック、JBLに限らずタンノイ、グッドマン、ヴァイタボックス、などの初期型のスピーカーはウェスタンの音色と音作りに一脈通じる気がします。

皆さんもタンノイのスピーカーをお持ちの方が沢山お見えですがこのスピーカーも原点はウェスタンになります。タンノイでもモニターシルバー実装のオートグラフを私の友人宅で聴きますとウェスタンの香りが漂ってきます。このように書きますとウェスタンこそがオーディオの源流かも知れません。


写真の左側がウェスタンのスピーカーシステムになります。

右側のホーン付きのドライバーがかの有名な555Wです。

このドライバーは励磁型と呼ばれています。ホーンは12A,15Aとは違うストレートホーンの25Aです。


555Wのドライバーユニットのアップ写真でウェスタンエレクトリックとシールが貼ってあります。右側のスロートは15個の口がありこの部分へアタッチメントを取り付けて555Wドライバーを実装します。


写真の右側がウェスタンの25Aマルチセラーホーンです。材質は鉄かダイキャストで出来ていると思います。ホーンの長さは約1mでこのスピーカーが劇場で使用されていたと思うと凄い


低音はウェスタンのTA−4181ウーファでサイズは46cmの巨大スピーカーです。クロスオーバーは500Hzで使用しています。右側の写真はこのシステムの所有者でM月氏です。これを見ますとウェスタン25Aのホーンの巨大さが理解できると思います。
http://www.kit-ya.jp/product_info.php?cPath=86_87&products_id=667

555コンプレッション・ドライバーを色々と聴いてみると、その完成度と技術水準の高さを超えたところに、造り手の意図を感じ取ることができるような気がする。このドライバーは、あきらかにホーンと一体で使用することを前提に設計されている。

そしてターゲットにしている音は、蓄音機が表現できる生の音楽のプレゼンスである。

蓄音機は、機械振動から直接音波を作りだしているので同じ系のなかで音を処理している。

これに対し、スピーカーを使用すると機械振動、すなわち機械系から電気系に変換し、これを増幅して機械系に再変換を行っている。

一般に、系の変換を行うと、何らかの情報が失われる可能性がある。

私は、プレゼンスではないかと直感している。このプレゼンスこそ、生の音の肌触りであり、そこに演奏家がいるという佇まい感であり、さらには再生装置が消え、そして演奏家さえ意識させず、ただ音楽のなかに包まれる世界への到達がある。
http://homepage3.nifty.com/western/audio/expr2023/expr2023.htm


オーディオシステムの音を過去から現代まで沢山のマニアの音を聴かせて頂きましたが一つの共通点が見えくる、その共通点とはオーディオを長くやっている人ほど音はけして高音質、大音量ではなく音楽を聴かせる音になっている。しかも真空管を採用したデバィスがほとんどで半導体アンプや今流行のデジアンプで鳴らした音は良かったことは一度もない、

「電気臭い音の代表」半導体アンプは音が平板になりスピーカーの回りでしか音が鳴らない、

音に関して熟成したマニアの音は低域も高域も欲張らずバランスの取れたサウンドを聴かせてくれます。家庭の部屋でコンサートホールと同一の音などは再現することは不可能に近いが真空管アンプを使用すると不思議とコンサートホールの雰囲気感が出てくる、

ウェスタンエレクトリックのサウンドは現代から見れば特性は悪いはずですが真空管アンプで鳴らすと音楽を心地よくリラックスして雰囲気感を大切に聴かせてくれる響きを持っている。確かに(生の音)とは違う音ですが独特なサウンドで中域に密度がありコクのあるサウンド、現代の上も下も伸ばした中域の薄い貧弱なスピーカーとは方向性が違う、

名器と名の付くスピーカーは「音楽を美味しく聴かせてくれる」楽器の要素が秘められている、英国のヴィンテージスピーカーもウェスタンに共通した部分が多少感じ取れる。

オーディオを追求して行くと最終的にはクレデンザ、HMVなどの蓄音機などの電気臭くない音を意識するのではないだろうか
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-009.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c32

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
33. 中川隆[-13119] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:10:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[413]
Western Electric 551 Driver  

マグネチック方式最後のドライバー トーン・ポリシーは555に引き継がれている

551のトーンは、蓄音器のもつ絶妙のプレゼンスを彷彿させる。

この551以降ウエスタンのドライバーは、有名な555に引き継がれるが、555ドライバーの音はこの551のトーン・ポリシーを受け継いでいる。すなわち血脈の音である。


生、原音のプレゼンスを求めた蓄音器、

それを目指した551、

その血を受け継ぐ555ドライバー

と世代が変わってもその求めるところは変わらない。技術革新という意味では、この551と555の間には飛躍的なものがある。そして近代ハイファイの原点であり到達点となるの594Aドライバーに引き継がれる。

555と594Aの世界は全く異なるが、いずれもが到達点であり双璧である。

蓄音器、551、555、594Aと聴いてみると人類の音楽芸術と音響技術の歴史的変遷と融合を理解できる。

  551は、約500オームのインピーダンスとして扱い、真空管式の500オームの二次インピーダンスのトランスがついたアンプで鳴らさなければいけない。低い周波数をカットするために0.1u程度の品質のよいキャパシターを直列につないで使用する。魂に浸透するような音の世界が現出する。


マヘリア・ジャクソンやバッハのパルティータを深夜に静かに鳴らす。

こうなると蓄音器に近い世界で、555も594Aもタジタジである。

もうHMV203を持ち出すしかない。SPの復刻をこのドライバーで架けるとそこらの蓄音器ではとても追いつかないものがある。
http://homepage3.nifty.com/western/audio/551/551.htm

実は、ウエスタンは、555迄の時代と、594A以降の時代で、世界が異なっている。

555は、蓄音器からマグネチックを経た時代の集大成の作品であるのに対し、

594Aは、新しい挑戦の時代の製品なのだ。

594Aは、いわゆるハイファイの原点、開始点、そして実は到達点でもある。

そう。到達点が555と594Aの二つあるのだ。

どちらもがウエスタンの究極であるが、それぞれが時代の分水嶺になっている。

そのようなわけで、ウエスタンを極めるためには、555だけ、594Aだけでは、すまされず、双方のシステムが必要となる。どちらが優れるということはない。歴史上の双璧がここに極まっているのだ。
http://homepage3.nifty.com/western/audio/we555_r1/we555_r1.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c33

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
34. 中川隆[-13118] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:10:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[414]
SP盤の楽しみ


 エジソンが錫箔に録音する方法を発明してから既に約120年が経過しています。
その間に、録音技術は世界の録音芸術に対する欲求に駆られ、飛躍的な発展を遂げ、現在では録音音楽は実生活に入り込んでいます。

確かに音を聞くことに関しては、昔に較べ便利にはなったと思います。

例えば有名なメンゲルベルク指揮のチャイコフスキーの『悲愴』は、1937年版はもちろん、希少な1940年版までSP盤からCDにまで焼直されています。

実際にこれを聞こうとするときには、SP盤ではぜんまいのハンドルを回し、5枚組の10面を掛け替え、レコード盤を痛めないためには10本もの鉄針を替える努力が必要でした。

それが10インチLPの2枚組4面となり、12インチLPで1枚2面、最近のCDではおまけに小曲が付き1枚片面で掛け替えは不要となり、車や電車の中でいつでも気軽に聞くことができるようになりました。

しかし私は音楽の内容を聞こう思うときは、苦労はあっても蓄音機で聞く旧いTelefunkenのSP盤がメンゲルベルクのこころを一番伝えてくれるような気がしています。


 蓄音機とはシェラック(ラック貝殻虫の分泌物)を主成分とする混合物でてきたSP盤( 1890頃〜1960頃)専用の再生装置で、

盤をぜんまいモーターで78〜82回/分で回し、

音溝を鉄や竹でてきた針でトレースして

サウンドボックスとよばれる振動板を振動させ、

ホーン(らっぱ)を用い大きな音を得る機械で、電気は使っていません。


15年程前、偶然聞いた蓄音機の音は、雑音はありましたが思っていたよりずっと良いもので、生き生きとした実在感に感銘をうけ、それまでは音楽ではなく音を聞いていた自分に気が付きました。ちょうどその頃コンサート演奏でも、演奏者の楽曲に対する解釈の違いにふれ、今は亡き古の名人さらには作曲者の自作自演に興味を持つようになり、それが高じて大きな蓄音機を小さな部屋に押し込んで旧い音楽を聞くようになってしまいました。


 実は蓄音機で音楽を聞くまでにはかなり苦労しました。

新しいものでも50年は経っているので、修理は絶対に必要です。

特にアームやぜんまいモーターなどの可動部は磨り減っており、交換部品がないので自分で作り直しました。

また針も良い物は高価で手がでないので、硬質の竹を探し自作したり、タングステンで作り堅すぎて盤を痛めてしまったりしましたが、いろいろ試みた結果現在は主にソーン針(柱サボテンの棘)を自分で削り使っています。 


主役のSP盤の方は、専門的に扱っている店もあるほどで、私が聞きたいと思う有名な名演奏は数多くプレスされており、骨董品や稀覯品としての価値とは縁がないので意外に入手は楽でした。

SP盤も後期はマイクロフォンを使った電気録音になりましたが、私は旧吹込み(空気吹込み)と呼ばれるラッパの口からガラスやマイカの振動板で直接ワックス盤にカットした初期の録音の方が好きです。

旧吹込みでも歌やヴァイオリンソロでは、再生音域やダイナミックレンジの狭さが気にならないどころか、私は電気吹込み以上に実際の肉声に近い親しさや雰囲気を感じます。


 SP盤を聞いているうちに、作曲者が自作自演している録音に興味が出てきました。作者はどのようにその曲を考えたかの一端が見える感じがして楽しい気がします。

サラサーテが途中で何かを呟いていることで有名な自作の『チゴイネルワイゼン』を含む1904年61歳のときの録音、

ラベルが指揮をしている重厚なハーモニーの中にジャズの即興性を感じさせる『ボレロ』、

ヴェルディが彼のために『オテロ』をテノールパートに書いたタマニョの1903年のオテロの録音、

オネゲルが指揮している自作の『パシフィック231』


などを聞いて新鮮な感動がありました。これからも雑音の中に埋もれてはいてもオリジナリティーの高い音楽を聞くことで、音故知新を続けたいと思っています。
http://www1.seaple.icc.ne.jp/mixseeds/p124.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c34

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
35. 中川隆[-13117] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:12:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[415]
オーディオのはじまり
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10143&i=10209


クレデンザー、HMV203、エジソンなどの蓄音機
http://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10209_801.jpg


 「音楽などの音を再生する」という意味でのオーディオは、エジソン(Thomas Alva Edison)が 1877年に蓄音機を発明したときから始まる。

だが、エジソンが発明した蓄音機「フォノグラフ(Phonograph)」は、円筒の側面に音溝を刻む方式のため、録音を数多く複製することが困難であった。

また、再生だけでなく録音もできるので、レコードプレーヤーというよりはテープレコーダーといったほうが適切といえる。

もっとも、そのテープレコーダーすら、すでに蓄音機と同様に過去のものとなってしまい、知らない人が多いのではなかろうか。


なお、オーディオの歴史についての情報の多くが米国中心なので、ここでは、黎明期におけるもう一つのオーディオ大国であるドイツに重きを置くことにする。

 フォノグラフとの比較において、エミール・ベルリナー(Emil Berliner)が1888年に発明した円盤レコード方式の蓄音機「グラモフォン(Gramophone)」は、再生専用で録音ができないものの、プレス装置によってレコード盤を大量に複製できるという点で優れていた。

この発明によって、グーテンベルグの活版印刷で本が飛躍的に普及したように、録音を多数複製して「出版」するという新しい事業が成立し、今日まで続くレコード文化が始まった。オーディオはレコード文化と一体のものであり、ベルリナーのグラモフォンこそが現在のオーディオへと直接連なる祖先である。


エミール・ベルリナー
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 ベルリナーは1887年に蓄音機の特許を出願していて、すでに「グラモフォン」という名称を用いていたので、ベルリナーの円盤レコードの発明が1887年とされていることが多い。

しかし、1887年の時点では溝がエジソンの縦振動に対し、現在のアナログ・レコードと同じ横振動になってはいるが、記録はエジソンと同じ円筒の側面に刻まれる方式であった。

ベルリナーが「円盤方式」の「改良型グラモフォン」を発明したのは1888年である。ベルリナーはドイツのハノーファーで1851年に生まれたドイツ人で、アメリカに渡ってから発明家として活躍した。ハノーファーは後にアナログレコードの故郷となる。


ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ
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 同じくドイツ人のヘルムホルツは、大科学者であるだけでなく、近代的な音響生理学の開祖としてもオーディオ愛好家が敬意を払うべき人物だ。ヘルムホルツは音波をフーリエ級数を用いて周波数成分に分解し、和音や不協和音を科学的に解明した。また、内耳にある蝸牛と呼ばれる感覚器官で音波が周波数別に分解され、それによって人間などが音色を聴き分けるという仕組みも明らかにした。

 ヘルムホルツを擁したドイツは、当時急速に発展した音響科学のメッカであった。ヘルムホルツの著書「自然力の交互作用」は理系のドイツ語テキストとしてメジャーなので、を読まれた方も少なくないだろう。ベルリナーが故国ドイツで1889年に「グラモフォン」の特許取得と公開実験を行った際、ヘルムホルツがベルリナーのホテルを訪れて「グラモフォン」の実力を見聞したという記録が残されている。


グリーグ作曲・自作自演(ピアノ)「ノルウェーの結婚式の行列」(1903年録音)
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 オーディオが形作られてゆく、19世紀末から20世紀初頭にかけての歴史の一端を下表にまとめた。ずらりと並んだ大作曲家らの没年が示すように、この世紀の変わり目はクラシック音楽が偉大であった時代が終わりつつある数十年であった。

この音楽史上で極めて重要な時代にオーディオ装置が辛うじて間に合い、歴史的演奏を録音とレコード盤によって後世に残すことができたということは、なんという幸運だろう。グリーグ、サン=サーンス、ドビュッシー、グラナドスといった大作曲家や、多くの巨匠級の演奏家が歴史的録音を残すことができた。例として1903年にグリーグがパリにあったG&Tのスタジオで録音したレコードを示す。1907年没のグリーグは、録音当時すでに健康状態が悪化していたが、ぎりぎりのタイミングで聴く価値のある録音を残せた。

 オーディオ愛好家はアンプやスピーカーなどの機械に夢中になっている後ろめたさから、音楽愛好家に対して劣等感を抱きがちだが、上記のようにオーディオが音楽に少なからぬ恩恵を与えてきたことも事実だ。

作曲家はオーディオが無くても楽譜などで作品を残せるが、「スウェーデンの夜鴬」と讃えられたジェニー・リンド(Jenny Lind:1887年没)が、文章や写真から歌声を想像するしかないように、もし、オーディオが無ければ、演奏家は自身の芸術を後世に伝えることができなくなってしまう。この「オーディオの歴史」は、そういうオーディオ愛好家の弁明でもある。


【オーディオ】


1877年:エジソンが蓄音機を発明。

1888年:ベルリナーが円盤レコードによる蓄音機「グラモフォン」を発明:
 米国のスミスが磁気録音方式を発明

1891年:オルゴールのポリフォン設立

1898年:デンマークのポールセンが磁気録音装置を発明(針金に録音)

1899〜00年:フーベルマン(Vn)らの巨匠がベルリナーの7インチ盤に録音

1900年:フランスのゴーモンが円盤レコード式トーキー映画を発明

1901年:「G&T」レーベルが登場し大音楽家のレコード録音が格化:ドイ
 ツのルーマーが光学録音装置を発明

1903年:テレフンケン社設立

1906年:ド・フォレストが3極管発明

1908年:パテが縦振動盤を発売

1913年:ベルリンフィルがニキッシュの指揮で「運命」を全曲録音

1914年:ティーゲルシュテットが光学式トーキー映画をベルリンで試験公開

1919年:トライ・エルゴンとド・フォレストがそれぞれトーキーを改良して特許化

1920年:KDKAがラジオ放送開始

1921年ごろ:SPレコードの販売ピーク

1925年:レコードの電気録音本格開始

1927年:世界初の本格的トーキー映画「ジャズ・シンガー」(円盤レコード式)

1928年:クラングフィルム社設立


(2014年3月 小林 正信)
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10143&i=10209

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c35

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
36. 中川隆[-13116] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:14:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[416]
いくつの「いい音」を持っていますか? Der Klang vom Theater (ドイツ〜劇場の音と音楽) 2011/06/01
http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-269.html#comment

今年のGWは沢山の方にお越しいただいたのですが、5月中は他のテーマについて書いており手を付けていませんでした、しかし色々と勉強になることもあったので遅れましたが記事にしたいと思います。


休みも後半(私自身はずーと休みなんですが)になり、ブウウーーっと低いエンジン音が聞こえてくると我が家ではついぞ見たことのないシルバーの「どら焼きの親玉」のような薄い物体が駐車場へ滑り込んできました。


ポルシェの「なんとかー」という2シーターミッドシップのスポーツカーでした。
400kmの遠来のお客様です。仮にAさんとお呼びしましょう。

Aさんは、私の使っていたEurodynを買って頂いたご縁でそれ以降何度か行き来させていただいています。

確か音楽を聞いている部屋は我が家と同じ位の広さでしたが、職住近接の職のスペースにも何台もスピーカーを持ち込んでいて、現状で10セット以上音が出るようになっているはずです。
最近はWE4181を4台買ったので(594は既にある)ツインでやってみるとか、訳の分からんことを言っていた。


さて、今回は一泊の予定だし、我が家だけでは物足りないと思ったのか、同好の士を紹介してとの要望で、一緒にYさん宅へお邪魔した。
僕とYさんはオーディオだけでも30年来のお付き合いで、機材の変遷も聞いている音楽も熟知しているといっていい。

きっちりと育ちの良いYさんは、遠来の客人のためと色々な組み合わせで音を出してくださった。
Yさんの御宅には、3つのスピーカーがある。

1.WE555を中心としたフィールドコイルの3Way

2.Sentorian の7インチフルレンジ

3.最近導入された JBL D130と175DLHの2Wayモノラル (型名は不詳、グレー塗装のフラットバックのやつだ)

各々、ステレオソフト、SP復刻など古い録音、JBLはLPモノラル時代の再生をそれぞれメインに担当させている。


僕自身も過去は似たような経歴を持っていて

SPレコード    蓄音器

SPレコードの電気再生用とSP復刻LP(〜1946年頃)  WE555+カールホーンなど

LPモノラル (1946年〜1957年)  WE728+WE713+WE31 や Klangfilm KL-L305など

LPステレオ (1957年以降)  Eurodyn   ALTEC A-5  Lowther PW-2 など


詰まるところ、あれもこれもと種類の異なる機械を「不本意ながら←ここ強調」揃える必要に迫られる理由は
レコードの形状の違いや周波数帯域が拡大する歴史を追いかけ、それぞれのレコードをまあノーマルな状態で再生するためには、同じく機械側の歴史を追体験するしか他に道が無いからです。


http://blog-imgs-17.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC03275.jpg


準備は出来たのに、グズグズしてちっとも実験の出来ていない、クレデンザ再生用のドライバー。


http://blog-imgs-17.fc2.com/k/a/o/kaorin27/DSC03267.jpg


計画通りならこんな感じに付くはずだ!  これを作ってからもう何年たったのやら・・・・


Yさん宅でたっぷりと音楽を聞かせて頂いた私たちは、夕刻には辞して食事に向かいました。

そこで、AさんはYさん宅の状況について、かなり「怪訝」に感じたという旨の感想を述べられました。
始めのうち、私にはその主旨が掴みきれずにおりました。しかし、或ことに気付いて「Aさんの戸惑い」を理解できたのです。

これはちょっと言葉にはしにくく、誤解を恐れずに言ってしまうと

Aさんが追い求める「良い音」には絶対無二の頂点があって、自身の信じるオーディオの目標は一点ではないか?と感じました。
それならば、常に最新の技術を信じても良さそうだが、古い機械を使っているから余計話がややこしくなるのだ。

対して、Yさんの御宅の3つのスピーカーはそれぞれ別のアプローチで音楽を表現していた。
音の要素のプライオリティがひとつではないという意味だ。


Aさん程のキャリアと使用機材をもってしても、求める音は一つだけ。というのはある意味素晴らしいことかもしれません。
オーディオの持つ本来的な使命、「フォノグラフ=音の記憶」からすると本道だと思います。長らく日本のオーディオ界を覆ってきた「原音再生」の精神ですね。

これに対して、私のように異なる複数のスタンダードを持つのは、130年という長い歴史を刻んだレコードをどうやって再生するか?という意識だろうと思います。
よって、私は人生で一度も自分がオーディオマニアであると考えたこともなく、「これが自分の音だ」という嗜好もありません。
多くの機械と遊んできましたが、それぞれを聞いた友人が「お前の音だなあ」と言ってくれるので、そうなのか。と思うだけなのです。


Aさんからはご帰宅後直ぐに、丁寧な書状と極上の「浜茹しらす」を送って頂きました。
その中には、こう記されていました。

「目指す方向は私とは違いますが、再生音の一つの方向を示していただき、大いに勉強になりました」

いえいえ、こちらこそ普段は「当たり前」と思っていた事を改めて考える機会を頂きました。
Aさんも「何か」を気付かれていたのでしょうね。


いつもの通り、SP、モノLP、ステレオLPと各カテゴリーでスーパーなレコードを聴いていただきました。
ステレオで選んだのが以前にご紹介した、「ファリャの三角帽子」です。

聴き終えたあと頬を赤くしたAさんから思いも寄らない言葉が発せられました。

A 「確かにすごい音だってのは分かるけど、でもこのレコードは例の高いやつでしょ?」

私 「まあ、バブル頃は随分高かったと思いますが、今頃は当時の半額になってますよ。」

A 「・・・ レコードにそんな金額は出せっこない!!!!!!」

私 「はあ?? あんた先日 WE300Aを4本買って ○○○万円払ったって言ってたでしょう!」


あなたは幾つの「良い音」を持っていますか?

コメント

おお! 面白い実験ですねえ

Kaorinさん

こんばんは

JBL D130と175DLHの2Wayモノラルは多分D1050ですね、キャビの色で1004と1005の違いが、でもマルチセルラの方がWesternっぽいですね。


面白い実験ですね。D173246をクレデンザWood Hornで鳴らすんですね。
でもルックスはうーーーん

ところでこのD173246のダイヤフラムはフェノリックでしょうかそれともアルミ合金どちらでしょうか?

BeachMaster等にはフェノリックが使われていたようですが、、、、、

2011/06/03(金) 00:40 | URL | mambo #n9Bk/wZI[ 編集]

Re: おお! 面白い実験ですねえ

mamboさん、こんばんは、

JBLは私が詳しくないので、詳細に紹介できませんが高音ドライバーは
小口径蜂の巣のホーンに付いていました。

エナメル系半艶グレーで端子はハンダです。
箱入りではなくユニットとXOのセットでした。


そして、家のドライバーはそのような立派なのではなく、ALTECの730です。
本当はLagevinとかの720ですと蓄音器に付けたときに帯域がピッタリだったのですが
最近は妙に入手難で諦めています。

720の振動板はフェノリックでした、730も恐らく同じではないかと。
旅客機の機内放送に使われていたヤツがフェノールだそうで、同じくらいの帯域なら
いいなあと思いますが、Music用はさすがに広いですかね。


2011/06/04(土) 00:06 | URL | kaorin27 #-[ 編集]

頂点は一つでも

こんにちは

この記事には考えさせられました。
同じソースを複数の装置で聴くている場合は、目指す方向が
一つに収束していく気がしますが、ソースが複数(SPとか)
になってくるとやはり目指す方向は多様化せざるを得ないので
はないかと思います。
モノラルとステレオを一緒にしている私などは、まだまだ中途
半端なのかも知れません。
それぞれの道を極めるというとカッコいいですが、結局はその
ソフト特有の魅力を引き出す手助けをするだけなのかなって思
いました。


2011/06/04(土) 14:06 | URL | メタボパパ #-[ 編集]

クレデンザの電蓄化

クレデンザのドライバー駆動、非常に興味を持って拝見しています。
ぜひレポートをよろしくお願いいたします。

ボクのHMVでの拙い経験では、普通のスピーカー再生に比べてクセはありますが、
それがソースのツボに嵌るとタマりません(笑)。

2011/06/04(土) 17:02 | URL | ibotarow #iaNYWVsc[ 編集]

最強のWood Horn

Kaorinさん
こんばんは

私はフェのリックのダイヤフラムの音が大好きです。

友人にお勧めしたGaussのHF4000に偶然 オリジナルフェノリック付のものが入手できたのでですが、音の柔らかさときたらアルミと
は比べ物になりませんでした。

>ALTECの730
そうでしたか、わたしはてっきりWEだと、、、、

でもこの時期のこのタイプは殆どフェノリックではないでしょうか?

それにしても最強のWoodHornだと思います。
Horn長は1.5mほどあるのではないでしょうか?
喉のところの真鍮といい、とても柔らかく、人肌が感じられそうですね。
グレデンザ、そろそろポチッちゃおうかしら? でもなあそっちの世界は、さらに泥沼っぽいからなあ、


2011/06/04(土) 23:52 | URL | mambo #L19/bMsE[ 編集]


kaorin27さん こんにちは。
 各ソースにたいして愛情を持ち、敬意をはらい、
律義であればあるほどkaorin27さんのようになら
ざるを得ないでしょうね。私はサーフェイスノイ
ズ恐怖症の重症患者なので、もっぱらCD(このネー
ミングは大嫌いなので、ディジタルレコードとでも
呼びたいのですが)だけですが、そのせいで失った
ものも少なくないと思ってしまいます。


2011/06/05(日) 14:21 | URL | 芳賀 瞬 #-[ 編集]

Re: 頂点は一つでも

メタボパパさん、こんにちは。

パパさんが以前、帯域を広く取ると、真ん中のエネルギーが薄くなる気がするという
記事を書かれていましたね、今回の記事はそれに対するオマージュのようなものです。

EMTの針先を見ても6μ、12μ、15μ、25μ、60μ、80μ・・・と沢山あります。
勿論グルーヴの太さに応じてですが、中音のエネルギーの推移ともピッタリとリンク
していますね。
SPや初期LPを聴いて「高音が伸びていない!」と腹の中で思っている人は沢山いると
思います。(高そうな盤なので口には出さないが、顔色で想像できる)

しかし、それぞれの時代のレコードに入っているものを、現代的Hi-Fi嗜好だけではなく、
各々の特徴を活かして十全に発揮させてあげることはとても大切だろうと考えています。

2011/06/05(日) 14:27 | URL | kaorin27 #-[ 編集]

Re: クレデンザの電蓄化

ibotarowさん、コメントありがとうございます。

本当にご無沙汰してしまい恐縮です。
教えて頂きたいことは沢山あるのですが、その手前のチンマイことで
右往左往しています。

さて、電蓄化計画はアンプまで揃えてみたのですが愚図で進みません。
自戒の念を込めて写真を使ってみました。

多少なりともご報告できるよう頑張ります。
今後ともよろしくお願いします。

2011/06/05(日) 14:31 | URL | kaorin27 #-[ 編集]

Re: 最強のWood Horn

mamboさん、こんにちは。

730をつないで針先掃除の音を聞いてみましたが、こりゃフェノリック
ぽいですね。
サウンドボックスのような「カサカサ」感が丸みがあって独特です。
金属では555でしか聴けないような「カサカサ」感でした。

クレデンザのホーンは昔の勇者が「蜂」だったかな、に糸を括りつけて反対側から
明かりを灯し、中を飛ばして計測したらしいです。何mだったかしら。

蓄音器は流石にご高齢で個体差が激しいと思いますが、乗り切る根性さえあれば
(manboさんなら文句なしでしょう)得られる成果は途方も無いと思います。

2011/06/05(日) 14:40 | URL | kaorin27 #-[ 編集]

Re: タイトルなし

芳賀さんこんにちは、コメントありがとうございます。

そうですか、サーフェイスノイズが苦手ですか。
人により、他の人が想像もつかないような嗜好ってありますね。

どのように表現したら正確なのか難しいのですが・・・

僕は逆にCDの曲の始まる直前のザワザワ感が苦手です。
勿論、CDですから無音なんですが、何となく部屋の空気が落ち着かない
というか、さわさわした感じを感じるのです。
まあ、我が家のCDのラインが皆さんのほど熟成されていない古めかしい
ものだから仕方がないのでしょうが。

対して、レコードはたしかに「サー」とか「プチ」とかいいますが
曲の始まる直前にスピーカーの方へ体を引き込まれるような静けさを
感じるんです。

どう言ったら近いかな、
雪が降る夜は、晴れた夜より耳に静けさが沁みるって言うと(北海道でしたね)
お分かりですね。
シンシンと雪が降るって、そんな感じです。

「シンシン」って言葉にしちゃったから無音ではないけど、無音より静かっていうのかしら。


2011/06/05(日) 15:02 | URL | kaorin27 #-[ 編集]


kaorin27さん こんばんは。
 いやー、面白いです!kaorin27さんは、レコードに雪の夜の
静けさを感じ、(そうです。仰るように、あれは確かに静けさが
聴こえてくるのです。)一方私は、CDの出現によって「これで
ドビュッシーのピアノ曲がやっと聴ける」と安どした。普通は
考えが一致して、そうか俺もなんだ、となって面白いとなる。
でも、自分とこんなにも違う、そしてそれが、こんなにも
面白いなんて、不思議で愉しいです。

2011/06/05(日) 20:06 | URL | 芳賀 瞬 #-[ 編集]

Re: タイトルなし

早速のご意見ありがとうございます。

いやーいいこと言われました。
「静けさが聞こえてくる」ホントそんな感じですね。
南国の方には共感されにくかもしれませんが・・・
「白い色の紙」と「白い絵の具を塗った紙」って質感が違いますね。そんな感じです。

ドビッシーのピアノのお話もその通りですよね。
CDって超高級植物図鑑のべらぼうに細密な花の絵のようです。
レコードは窓から差し込む光が空気の分子すら感じる室内を書いたレンブラントの絵のようです。

非常に興味深いテーマですね。


2011/06/05(日) 21:07 | URL | kaorin27 #-[ 編集]


kaorin27さん 納得です。
 レンブラントです。俗に『光と影の画家』などといわれますが、
実はkaorin27さんが言われるように、彼が描いたのは空気感では
ないかと。その空気も均一ではなく、粗の部分と密の部分があって、
しかもその空気は動いている。それがなんともアナログレコード特有の
生々しさに通ずる感覚なのではないかと。質感の件もしかり。そして
さらに人間の五感は細部まで嗅ぎわける力をもち、絵具を塗っても、
その絵の具がチタニウムホワイトとシルバーホワイトじゃまた違うとなる。
ホルベインとルフランじゃ違うとなる。われわれの感覚がもう少し鈍ければ、
オーディオの泥沼も浅くて済むのになあ…。

2011/06/05(日) 23:18 | URL | 芳賀 瞬 #-[ 編集]

Re: タイトルなし

こんばんは、

> オーディオの泥沼も浅くて済むのになあ…。
泥沼ですか!?
おかげさまというか、ありがたいことにというか泥沼感を一度も
感じずにこれました。
いつも、いい音出してくれてありがとーってやつです。

No天気なのか、仰るところの感覚が鈍いかですね。(笑)


2011/06/07(火) 01:24 | URL | kaorin27 #-[ 編集]


kaorin27さん こんばんは。
 何度も返答して下さって、ありがとうございます。身の周り
に同好の士がいないもので、オーディオにかかわる対話が楽し
いのです…。
 感覚が鈍いなんてとんでもないですね(笑)。あなたから発せ
られる鋭い言葉のひとつひとつに私は「おっ!」「ふーむ!」
「あっ!なるほどなあ…」とひざを叩いたり、腕を組んだり。
泥沼感経験なしとは、凄いなあ。オーディオをコントロールする
手腕が、私などとは格が違うのですね。私はつい最近、DG-48で
やっと出口を見つけ、光がさしてきました。

2011/06/07(火) 15:27 | URL | 芳賀 瞬 #-[ 編集]

Re: タイトルなし

こんにちは、

オーディオをコントロールする手腕が無いばかりか、そもそも
そういった感情が無いと言う方が正しい気がします。

誤解を招きやすいので記事にはしにくいのですが、
多くのスピーカーとかアンプはとても優秀じゃないですか。
そのまま、素直に使うといい音になるはずですよね。

私がいい音だと思っているのは、それを信じているからです。
本当は音は悪いかも知れませんが、要は気の持ち様ってやつです。

2011/06/07(火) 16:48 | URL | kaorin27 #-[ 編集]

http://kaorin27.blog67.fc2.com/blog-entry-269.html#comment

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c36

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
37. 中川隆[-13115] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:16:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[417]

KLANG-KUNST オーディオの歴史 オルゴールとロールピアノ
https://www.klang.jp/index.php?ci=10143


ポリフォン社の大型オルゴール
https://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10218_801.jpg


 ベルリナーが発明した「グラモフォン」やエジソンが発明した「フォノグラフ」が、まだ玩具レベルで音楽鑑賞用には不十分な性能しかなかった19世紀末から20世紀初頭にかけて、「オルゴールの時代」がレコードの本格化よりも一足早く訪れ、主に欧米で大流行した。写真はドイツで1889年に創業したポリフォン社(POLYPHON)の大型オルゴールである。写真の中央に見える大きな金属製のディスクを交換することで好みの曲を再生できるので、音楽の楽しみ方としてはCDやアナログディスクで曲を選ぶオーディオに近いスタイルといえる。

 ディスク式のオルゴールは、櫛歯と呼ばれる金属製の音源を、楽譜を移したディスクの孔で間接的に弾いて音を出す。櫛歯の振動は共鳴箱として巧みに作られた木製ケースで増幅され、黄金色の音の洪水ともいえるほど豊かさになる。機会があったら、ぜひ大型のオルゴールを聴いていただきたい。きっと、最新の高級オーディオ装置でさえ及ばないほどの美音に驚かされるだろう。

 それほどいい音のオルゴールだが、オルゴール以外の音色を出すことは原理的に無理がある。また、オルゴールはジングル・ベルが苦手といわれるように、同じ音の連打があまり早くできないので、編曲もアルペジオを多用した同じようなパターンになりがちだ。このため、たくさんオルゴールを聴く音楽好きは、しばらくすると飽きてしまうという致命的な問題が生じた。20世紀になって蓄音機が改良され、レコードビジネスが本格化してレコードの選択の幅が広がると、オルゴールは急速に衰退してしまった。どんな音色も、人の声さえも出せる蓄音機の魅力には勝てなかったのである。

 ポリフォン社のオルゴール事業も衰退したが、同社は第一次世界大戦中にグラモフォンのドイツ支社を傘下に収めた。グラモフォンの本社がイギリスにあったため、敵国資本としてポリフォン社に売却されたのだ。ドイツのグラモフォン社、すなわち「ドイツグラモフォン」は、その後クラッシック音楽の録音を中心に大いに活躍したのだが、その母体がオルゴール会社であったことはあまり知られていない。


ウェルテ・ミニヨンのロールピアノを録音したCD (TELDEC 8.43931)
https://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10218_802.jpg


 オルゴールのほかにもうひとつ、素晴らしい音楽再生装置が同時代に開発された。それはロールピアノと呼ばれる自動演奏機能付きピアノである。なかでも、1904年ごろから活躍したドイツの「ウェルテ・ミニヨン社(WELTE-MIGNON)」の装置は、ペダル操作も含め、ピアニストの演奏を驚くほど忠実に再現できるという高度なものだ。その仕組みを簡単に解説しよう。

 まず、ピアニストの打鍵とペダル操作を、各キーやベダルに連結された黒鉛の棒で高速に巻き取られていく長いロール紙に記録する。ロール紙に記録された黒鉛の線は、キーを押す力が強ければ濃く、弱ければ薄い。また、キーやペダルを押している時間が長ければ線も長い。このように記録されたピアニストの微妙なタッチを、職人が再生用のロール紙に移すのだが、そのとき、穴の大きさでタッチの強さを、穴の長さで時間の長さを再現する。このロール紙をハーモニカのように空気吸引孔が並んだ読み取り装置を通過させることで、ピアニストの演奏どおりにキーを押したりペダルを踏んだりする動力を空気の流れとして得る。

 スタインウェイのグランドピアノとの組み合わせによるウェルテ・ミニヨンのロールピアノは、当たり前だが生のグランドピアノに等しい超高音質だ。どんなハイエンドのオーディオ装置よりも上に決まっている。写真のCD(独テルデック 8.43931)は、1969〜70年に旧東ドイツのスタジオで録音されたウェルテ・ミニヨンのロールピアノで、ブゾーニ(Feruttio Busoni)やシュターフェンハーゲン(Bernhard Stavenhagen)といった今世紀初頭に活躍した大ピアニストの歴史的演奏が聴ける。


大ピアニスト「フェルッチオ・ブゾーニ」(1866〜1924年)
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 ブゾーニはイタリアに生まれてベルリンを拠点に活躍した作曲家兼ピアニストで、カザルスがバッハの無伴奏チェロ組曲を再発見したように、バッハの鍵盤音楽に対して多大なる貢献をした。バッハのピアノ楽譜には「ブゾーニ編曲」とあるものが少なくない。ブゾーニは性能の悪い蓄音機のための録音を嫌がり、レコード録音の最中に妻へ送った手紙には、「このいまいましい録音機のご機嫌をとるため、強弱もペダルも制限しなければならず、思い切り弾けない」といった不満を書いている。ブゾーニは1922年ごろに英コロンビアで録音し、4枚のSPレコードが発売された。

 たった4枚を集めれば、この大ピアニストのコレクションは完結してしまう。すべて両面盤なので8面あるのだが、なぜか黒鍵のエチュードが2回録音されている。4枚のうち1枚は両面を使って「ハンガリー狂詩曲第13番」が録音されていて、B面には「狂詩曲」という曲名どおりの気違いじみた超絶技巧が吹き込まれているが、当時流行した「表現主義」の自由闊達さなのか、あるいは片面で4分程度しかない録音時間の不足に急き立てられてのヤケクソなのかは分からない。だが、最も少ないとされる両面ショパンの盤では間の取り方が舌を巻くほど絶妙だし、バッハの「平均律クラビーア」では荘厳さに圧倒される。ハ長調のプレリュードとフーガしかないのだが、ブゾーニが弾くとこの音数の少ない曲が不思議とシンフォニックに聴こえる。


ブゾーニが録音したハンガリー狂詩曲第13番(1922年録音)
https://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10218_804.jpg

 では、そのブゾーニが渋々録音したオリジナルのコロンビア盤とロールピアノのCDを比較してみよう。古い80回転のコロンビア盤は、4枚とも濃い青のレーベルで、「ニュープロセス盤」とよばれる表面に良質なシェラックを用いたローノイズ盤だ。これをEMGの卓上型蓄音機で再生する。20世紀末にアナログレコードからCDになって音が悪くなったとオーディオ愛好家が嘆いたように、1930年ごろに機械式蓄音機から電気蓄音機に世代交代して音が悪くなったと嘆く熱心な愛好家に向けて、機械式蓄音機をハンドメイドで作り続けたのがイギリスのEMGだ。いっぽう、CDはプレーヤーこそSONY製の普及品だが、自作のAD1シングルアンプで増幅し、オイロダインというドイツの名スピーカーで再生する。

 録音が優れていることもあって、CDの再生音はすばらしい音質と迫力だ。「ラ・カンパネラ」と「リゴレットのパラフレーズ」というリストお得意の華麗な曲なのだが、早いパッセージで音が少し乱れ、全体に味気ない。このあたりはロールピアノの限界だろうか。対する古いコロンビア盤は、音が貧弱で常にスクラッチノイズを伴う。それでも、聴くにつれノイズは気にならなくなり、しだいに録音当時の薫香を豊かに感じるようになる。かなり独断的だが、古いコロンビア盤+蓄音機の勝利となった。


EMGの卓上型蓄音機(ゼンマイから回転計付きモーターに改造してある)
https://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10218_805.jpg

https://www.klang.jp/index.php?ci=10143

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Busoni 録音集 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Busoni+plays


Liszt Hungarian Rhapsody No 13 Busoni Rec 1922 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=lGEDeH-1UL8

Ferruccio Busoni - Liszt Hungarian Rhapsody No. 13 (1922, 80 rpm) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=aK_RIiGaILE

BUSONI PLAYS Liszt - Hungarian Rhapsody - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=IYHt3k38hNQ


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c37

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
38. 中川隆[-13114] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:18:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[418]
ブリティッシュサウンドとは HMV蓄音機とロンドンウェスタンの音の事


HMV203 Plays Jacques Thibaud - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=ttzTw2OvhXg


ヤフオク! -「蓄音機 hmv」の検索結果
https://auctions.yahoo.co.jp/search/search/%E8%93%84%E9%9F%B3%E6%A9%9F%20hmv/0/
https://auctions.yahoo.co.jp/search/search?ei=UTF-8&p=hmv+%E8%93%84%E9%9F%B3%E6%A9%9F&tab_ex=commerce&o1=a&nockie=1&rkf=1&mode=0&s1=score2&n=50&f=0x2&auccat=0


NHKの「美の壺」というテレビ番組で紹介されていましたからHMVロイヤルという機械式蓄音機を御存知の方も居られるでしょう。


クレデンザなどは下々のものでいわば大衆機、
HMV202や203こそがSP再生の極致である

とは某エンスージャストの言ですがロイヤルは203や202とは全く比較にならない名器だそうです。

英王室に一台、EMIに一台の世界にたった二つの品です。
そのどちらかが20年以上前に銀座某社経由で日本にもたらされ、五十嵐所蔵品になりました。
http://www.audio-maestro.com/luochi_sui_shii.html


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HMV203 Plays Jacques Thibaud - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=ttzTw2OvhXg

株式会社シェルマン アートワークス HMV203
http://www.shellman-aw.co.jp/Site/HMV203.html

英グラモフォン社

サイズ W×D×H : 71×56×127 cm 


価格:お問い合わせください 1年保証*


名器クレデンザの基本設計をベースにさらなる改良を加えた、名実ともに世界最高の蓄音機。ビクターのオルソフォニック・サウンドボックスを英国流に改良したNo.5Aサウンドボックス、クレデンザより開口面積で20%程も大きいリ・エントラント・ホーン、優雅なマホガニー製キャビネット、上品な艶消し金メッキ仕上げの金属部など、一切の妥協を排した最高級モデルの名に恥じない逸品。


まさに「蓄音機のロールスロイス」です。


シェルマン編の取扱説明書、鉄針200本、ストロボスコープが付属します
http://www.shellman-aw.co.jp/Site/HMV203.html

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HMV蓄音機の魅力

アメリカのビクターとイギリスのHMV(正式にはグラモフォン社だが、HMVといくのが一般的)、 この2つがディスク型蓄音機を代表するブランドだ。

両社とも同じトレードマークを用い、ほとんど同じデザインの製品を発売していたこともあり、 また、共通する部品も多い(実際HMVはビクターからパーツを取り寄せていた時期もある)。 しかし出てくる音にははっきりとした違いがある。 今回は電気吹き込み時代のHMVの製品に焦点を当ててその特徴を述べてみたい。


 音の特徴


音の印象は主観的なものだということを承知でHMVの音にはある共通点があると 思っている。それは音に躍動感と新鮮さがあるということだ。 出てくる音の凛とした感じはHMVならではのものだと思う。

あとは大型になるに従って、音に余裕が生まれ、スケール感が増し、気品すら漂ってくる。
http://umeya.bz/miryoku.html


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☆ 私と蓄音器EMGマークZ との出会い その1 ☆
http://emgmark7.com/dish.html

私は昭和23年生まれで今年2013年で65歳になります。大田区、久が原に中学時代までいました。。そこには祖父の卓上蓄音器(ビクトローラVV1−90)が家にあり私が4〜5歳の頃、姉がゼンマイを巻き聴いていました。小さいながらも、黒い盤が回るのを見たり、中を覗き込んだり、後ろに回って誰かが中にいて唄っているのではないかと、その当時は不思議に思ったものでした。

また父は音キチでステレオに凝りマッキントシュのアンプやタンノイのスピーカなどが沢山転がっていました。私が中学時代にどっちのスピーカの音が良いか、よく聴き比べを父に頼まれ、何回も聴き比べをしていくうちに耳が肥えていったように思います。

そんな環境で育ったため私は大学では音響の専門機関である財団法人―小林理学研究所と関連のある大学へ行き物理の中でも音響学の勉強をしました。専門は室内音響で当時のコンサートホールの残響時間や室内の周波数特性の測定でした。

40年位前になりますが、その当時の新宿厚生年金会館のホール音響はひどいものでした、ニニー・ロッソが毎年日本に来てクリスマスコンサートをしていました、トランペットをニニーが吹くと1秒くらい遅れて後ろの壁から反射して聞こえて来ます。壁や天井・床が並行のため反射して戻ってきます。そんなことで小林理研に依頼があり部屋の残響時間や周波数特性の測定に駆り出されたことを今でも思い出します。

もちろん今ではコンサートホールは並行な壁や天井はなく音の良いホールになりましたが、いまだに音の悪いホールは初台のオペラシテイー位になりました。

その後、私は補聴研究室へ配属になり、補聴器のフィッテイングの研究をし、昭和60年に独立、補聴器フィッテイング研究所を設立、当時、補聴器のフィッテイングの技術が世界的に無かったため、外耳道の鼓膜面までの共鳴を考慮した調整法を確立し、現在では、日本全国から補聴器の調整を求めて来所されます。

また趣味としては、父からステレオ装置を譲り受け、CDの音を聞いていましたが、なかなか良い音に巡り合えず、昔聴いた蓄音器の音が懐かしく思っていました。しかし蓄音器には全く知識が無く、踏み込めないでいました。

そんな時、15年位前から、私は茶道を始め、毎年正月には初釜をして楽しんでいました。9年位前に知人から港南台に茶室を造った家があるので見に行かないかと誘われ訪問しましたら、そこの旦那さんが蓄音器を持たれており久しぶりに聴かせていただきました。昔聴いた懐かしい音に感動し、そこで初めて銀座に蓄音器の老舗シェルマンがあることを教えてもらいました。

2003年11月21日、東銀座のシェルマンに行きました。二階に上がり磯貝社長にお目にかかり、言いました。

『ここに並んでいる蓄音器を順番に聴かせて下さい、私が聞いて一番音の良いと思う蓄音器を一台購入します。』

その当時は蓄音器に関する知識が全く無く、1台目は確かアメリカのものだと言っていました、聴いた瞬間、音の抜けが悪く、ボーカルは遠くで唄っている声でした。

二番目はイギリスのもので、一番大型のサイズだと言う2種類でした、アメリカのとは違い音の抜けは良かったです、大きさは同じでしたが、後の方が音の艶がありました。

4番目は上にラッパが出ていてこれもイギリス製と言っていました。大きな音で鳴っていましたが、低音と高音のバランスが悪く低音ばかりが大きく聞こえます。しかも低音が絞まらずボンボンと聞こえます。

5台目も同じメーカーでフロア型でした。これを聴いた瞬間、鳥肌が立つようでした。高音も良く出ていて、低音もズンズンと絞まっています。高音と低音のバランスがとても良く、ボーカルは音がフォーカスされ、目の前で唄ってくれているようでした。音楽が終わらないうちに、これを下さいと言っていました。

あと2〜3台未だ聴いていない蓄音器はあったのですが、もうこれ以上の蓄音器はないだろうとその時、思いました。蓄音器の知識が全く無い訳ですから、頼りになるのは私の耳だけでした。若い頃から耳は訓練していたため、スピーカからの音楽を聴いて周波数特性がある程度描ける位の耳は持っていました。

この蓄音器マークZの周波数特性はピーク・デップの無い比較的フラットな特性で、しかも今まで聴いた蓄音器の中でも高音から低音まで良く再生している広帯域特性とその時、判断しました。これが、私が初めてEMGマークZに出会った瞬間でした。


☆ 蓄音器 EMGマークZ とは! その2 ☆

それから1週間くらいして、自宅にマークZを設置にシェルマンの磯貝社長が来られました。設置を見ながら社長に聞きました。

『この蓄音器はシェルマンでは何台位扱いましたか?』

かなりの台数が出ているだろうと、予想していたのですが、以外な回答でした。

実はこの蓄音器はシェルマンでは、初めてと言うこと、EMGの蓄音器の中でも大変珍しく幻の蓄音器と言われている事を聞きビックリしました。

では、日本では何台位入って来ていますか?と聞くと、数年前に梅屋さんが初めて入手し、世界の蓄音機の本に掲載されている写真がその実物で、多分これが1台目ではないか、しかしこの蓄音器は回転むらがあったと聴いているとのこと。今日納めたこの蓄音器がおそらく日本で2台目ではないかと思うと言われていました。

そんなに珍しい蓄音器だと言うことを全く知らずに手に入れた事に感銘しました。そして、更にこの蓄音器について知りたいと思い、書物を探しましたがなかなか見当たりませんでした。インターネットでEMG蓄音器で検索すると静岡の林コレクションが見つかり、早速、連絡を取り遊びに静岡の林コレクションへ出向きました。

なんと林静雄さんもEMGの熱烈な愛好者で、EMGの息子さんのジョー・E・ジンと家族ぐるみで交流があり、以前に家族でイギリスの自宅に遊びに行った話をいろいろとお聞きし大変、参考になりました。静岡にお邪魔した時に聴かせて頂いたEMGマーク\もマークZ程ではないが、乗用車に乗るためにコンサートなどの移動用に便利な蓄音器と思い求めました。鎌倉のコンサートで使用していたマーク\はこの時に求めたものです。

林さんにお聞きしましたら、EMGの息子さんの家に殆どんの蓄音器の機種が残っていたが、マークZだけが息子さんの家にはすでに無かったそうです。EMGの蓄音器をあれ程、情熱を持って集められておられる林さんでもマークZには未だ一度も出会ったことが無いと言う話を聞き、益々この蓄音器に興味が出て文献を探すことにしました。

間もなくしてE,M,G,STORYと言う書物が見つかりました。この書物によると、マークZは1928年7月に発売され、1927年に出たHMV202より共鳴管は少し短めだが、マークZの音は繊細で、今まで世に出た蓄音器の中でも、低音から高音まで一番広帯域である。EMGの蓄音器の中でも一番良いモデルである。と書かれており、HMVの蓄音器を意識して造った事が読み取れます。

また、林さんに指摘されて初めて知って調べましたら、マークZは世界の蓄音機ではホーンはパピエ・マーシュ(紙)と書いてありますが、本当はエボナイトだと言うことが本を読んで分かりました。実際にマークZの下から頭を入れて、見えない部分をカッターで削ってみました、紙の上にコーテイングしているのではなく、確かにエボナイトむき出しでした。このことで、低音がズンズンと絞まった音の理由が分かりました。

低音は波長が長いため、材料が軽くて軟らかいと振動で動き音が歪ます。低音を再生するには、重くて硬い材料が良いのですが、HMVのように金属にすると重すぎて移動が困難になります。そこで、金属でなく、紙でない、中間のエボナイトを採用したことが成功した一因と思います。

更に箱に入れてホーンの周りを固定したことで低周波数でもホーンが動かず歪の少ない音になったと思われます。また更に調べていくとEMGは全ての蓄音器がエクスポーネンシャルホーンと言うこと、これは全ての周波数の共鳴がホーンの真ん中に音像が出来、ボーカル等は、点音源になることです。従ってボーカルは声がフォーカスされ、そこで唄っているようにリアルに聞こえます。

また他社の大型蓄音器はリエントラントホーンと言う構造、これは点音源にならず、横に広がった線音源になります。しかも共鳴管の途中で管を二つに分けたため、聴く場所によって、上のスピーカから出た音と、下のスピーカーから出た音で干渉し、ある周波数では位相が反転すると言うとんでもないことが起こっているのです。聴くと音はフォーカスされず、広がってしまいます。カメラで言えばピンボケの状態です。しかし、一長一短があります。エクスポーネンシャルホーンはどの位置で聴いても位相が反転するようなことは起こらず、ボーカルやバイオリンソロなどはとても良いのですが、大編成の交響曲などは、点音源のため、全ての音が真ん中に集中し広がりが無くつまらない音になります。

リエントラントホーンはフォーカスはしないものの、交響曲は広がりがあり聴き易くなります。オールマイテーの蓄音器はリエントラントホーンかもしれません。このように蓄音器の構造を調べて行くと、EMG蓄音器の中でもマークZだけに、エボナイトを使用したこと、またマークZだけが、ホーンを箱に入れて固定したことで、EMGの蓄音器の中でも最高の音を造ることが出来たと思われます。

またEMGがHMVよりも更にハイファイの音を求めたため、エクスポーネンシャルホーンに執着したこともうなずけます。

このように私は、良い音の蓄音器が見つかると、どうして音が良いかを音響的に解明していく事に興味を持っています。また音の良くない蓄音器に出会うと、どうして音が悪いかを音響的に解明しようとします。その点では少し異色の趣味かもしれません。 

   


☆ 蓄音器EMGマークZ その3 ☆

私はこの蓄音器マークZの音がとても気に入り、もう1台、イギリスでマークZが出たら購入することを磯貝社長に伝えましたら、翌年、もう1台出て来ました、残念なことに、すでにモーターは電気に交換されていましたが、音は問題無く繊細な音を聞かせてくれています。

マークZの箱の模様は一台一台、異なっており、箱はデザイン会社 に注文して製作したそうです。2か月前にマック杉崎さんとお会いしましたら、初めのマークZはマックさんが所有されていたそうで、その後手放されて、現在は茨城県石岡の 世界的蓄音器マニアと私が思っている、青柳さんが所有されています。

2004年の雑誌、ステレオサウンドNo153に菅野沖彦さんのレコード演奏家訪問に青柳さんの自宅の写真 が載っておりマークZがあるのにビックリして磯貝さんにすぐ連絡しましたらこの蓄音器が一台目のものと分かりました。この機種はEMG STORYの本の写真に掲載されているものと同一で、模様が放射状になっている蓄音器です。この写真の実物が日本に入って来たことになり、林さんがEMGの息子さんの家に行ったときにはマークZだけは無かった、 つまり、既に日本に来ていた事になりつじつまが合います。

ではEMGの蓄音器はいったい何台位、造られたのでしょうか?
文献によると、マーク]は150台、マーク]aが75台、 マーク]bがオーバーサイズを含めても、たった50台だそうです。マークWが350台、マーク\が350台。

ではマークZはと言うと、これは記録が無く推測でしかないそうですが 数十台のようです。この数を見ると]bが50台と言うことは、もう既に日本にその殆どが入って来てしまったようで、もうイギリスで見つけようとしても難しい状況になっているようです。 しかもマークZは市場に出ることが殆ど無いことからかなり製造した台数は少ないと想像されます。

私は、こんなに良い音の蓄音器を独り占めしてはいけないと思い、8年前から 毎年10月の戸塚のフォーラム祭りの市民持ち込み企画に申し込み、EMG蓄音器クラブとして9時から4時まで約7時間コンサートを開催し、毎年70人くらいの方が聞きにきてくれています。去年は年を召したご婦人の方が一番で来られて最後までおられ、曲をリクエストされていました。毎年2〜3人ですが、EMGのマークZの音を日本ではどこで聴けるのか、検索をかけると私の掲示板に書かれているマークZの記事を読み、連絡が入ります。自宅に来られてマークZを聴いてもらうと、その音にびっくりされて帰られます。今度上京した時には、自分のSPレコード盤を持参するので、また是非聴かせて欲しいと言われます。

そんな方が全国に15人位おられるため、EMG蓄音器クラブなるものを 8年前に立ち上げました。会員は全国に散らばっているため、全員が一同に会する事はありませんが、クラブの年1回の行事として、毎年10月にコンサートを開催している訳です。

蓄音器の老舗シェルマンでは、以前に蓄音器の周波数特性の測定をするため、私が以前、所属していた小林理学研究所に依頼をしたそうですが、見積もりが高額のため実現出来なかったそうです。 そんなことで、私がシェルマンの蓄音器の周波数特性を測定するようになりました。

新しい蓄音器が入荷すると、周波数特性を取り、音を聞き良い音の蓄音器は店に展示する前に 私がゲット出来る特典があります。

平成17年にHMV194の素晴らしい音に巡り合いました。やはり聴いた瞬間にこの蓄音器を下さいと言っていました。

HMVのフロア型蓄音器ですが、もともとリエントラントホーンは音が良くないと言う私の先入観があったのですが、この194を聴いて考えが変わりました。後で周波数特性を測定しましたら、図―1のように200Hzから3000Hzまで周波数がフラットでした。その後も他の194を沢山聞きましたが、これ程の蓄音器に未だ出会っていません。

図―2はマークZの周波数特性です。周波数特性だけで音の良し悪しは勿論分かりませんが、一つの参考データです。

蓄音器の周波数の測定には2種類あり、一つは、周波数特性測定用のSPレコード盤があります。三分の一オクターブバンド毎の純音が録音されており再生しながら、騒音計でレベルを読み取って行きグラフを作成します。

もう一つの方法はクリック音を再生しマイクで受けてその信号をファースト・フーリエ変換(FFT)と言う手法でパソコンで計算し周波数軸に変換します。クリック音はレコード盤に縦に傷を一定間隔で入れ、再生します。

下の図は前者の方法で測定したものです。蓄音器によっては、ある機種の蓄音器は4台位測定しても周波数特性が殆ど不変と言うものもありますし、ある機種では、4台測定すると4台共、周波数が異なると言う機種もあります。蓄音器の周波数特性を図にして発表することも考えましたが、蓄音器の優劣に直結する可能性があり、差し控えております。

以上、私が9年前にEMGに出会い現在までやって来た事です。あまり参考にはならないと思いますが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。なお今年の4月、湘南SPレコード愛好会にEMGマークZを持参しますので、興味のある方は聴きに来て下さい。


☆ 蓄音器による鉄針・ソーン針・竹針の周波数特性の違い ☆
ゲストルーム
一般的に鉄の針は強い音、竹の針は柔らかい音と言うイメージがあるが、一体どのような周波数特性なのか大変興味があるところです。今回は蓄音器シェルマンの2階でHMV203の蓄音器をお借りして、実験を行いました。

図−3の赤線が鉄針ミデイアムを使用したときの周波数特性。青線がソーン針を使用した時、黒線が竹針を使用した時のものです。

まず、黒(竹針)と青(ソーン針)を比較してみると、250Hzでは両者とも同じレベルの90dBSPLであることが分かります。

500Hzでは8dBソーン針の方が音が大きい、1KHz、2KHz、4KHzでは10dBソーン針の方が音が大きいことが読み取れます。

即ち、低音域よりも高音域の方が竹針の減衰が大きいことが分かります。

次に赤(鉄針)と黒(竹針)を比較しますと、250Hz以下の低音部分は4dB位、鉄針の方が音が大きいことが分かります。しかし高音域1KHz,2KHzでは15dB位、4KHzでは約20dB位鉄針の方が音が大きいことが読み取れます。

従って竹針は低音域よりも高音域の減衰が多いため、音が柔らかく感じる訳です。この図を見るとソーン針は鉄針と竹針の略中間の特性と言うことが分かります。何かの参考になれば、幸いです。 


☆ 蓄音器の周波数特性 ☆


初めて銀座のシェルマンに伺い、聴かせていただいた時の蓄音器の特性を後日、測定させていただきました。最初に聴いたのがアメリカ製のビクトローラ・クレデンザでした、その時の蓄音器の特性が図―5の赤線の特性です。

500Hzが80dBSPLと他の蓄音器と比較すると10dBから20dBも弱いことが分かります。500Hzが弱いと音の抜けが悪い事につながります。この蓄音器もシェルマンで中も解体しメンテナンスが済んだ状態でした。

またこの図の黒線はもう1台別のクレデンザの特性です。このようにクレデンザは製造期間が長かったことと、製造台数が多かったため、中の構造に多少の変更などがあり、周波数特性にかなりのバラツキが見られます。

黒線の特性は500Hzが102dBSPLも出ていて、音の抜けはかなり良いです。クレデンザには当たり外れがありますので、音を良く聴いて抜けの良い蓄音器を選ぶことが必要です。

次に聴いたのがイギリスのHMV202とHMV203でした。その時の周波数特性を図―6と図―7に示します。サイズはどちらも同じと言うことですが、

比較すると500Hzで202型は90dBSPL,203型は100dBSPL出ていて、10dBも203型が出ています。従って音の抜けの良いのは203型かもしれません。HMV202と203型は比較的個体によるバラツキは少ないようです。

次に聴いたのが図ー8のEMG ]bオーバーサイズでした。周波数特性を見ても、明らかなように1KHzと500Hzは100dBSPLも出ているのに、3KHzでは80dBと高音域が出ていないことが分かります。エクスポーネンシャル・ホーンの径が大きくなり共鳴管の長さが長くなるほど、高音域の減衰が大きく、低音と高音のバランスが悪い事が分かります。

そして、最後に聴いて、鳥肌が立つようだったのが、EMGマークZアップライト・グランド型でした。その特性が図―2です。フラットに近い特性が読み取れるでしょうか?

このように、私の耳で聞いて感じたことが周波数特性を取って見ると、略特性に出ている事が分かります。私が蓄音器の音を聞いて聴き終わらないうちに、購入を決めたのは、図ー2のマークZと図―1のHMV194の2台だけでした。


☆ 針の太さの違いによる、周波数特性の変化 ☆

鉄針のラウド(太針)とソフト(細針)は、いったい、どのような周波数特性になっているのでしょうか?

一般的にはラウドは大きい音、ソフトは小さい音と言うイメージがあるが本当にそうでしょうか?

私もこのことには、大変興味があり、蓄音器の老舗シェルマンの二階をお借りして実験を行いました。使用の蓄音器はEMG―]bです。図−4の赤線がラウド(太針)の特性であり、黒線がソフト(細針)の特性です。

これを比較すると、1000Hzから低い音は、どちらも同じ大きさの100dBSPL音ですが、2000Hzでは、5dB位太い針の方が音が大きい、また3000Hzでは約8dB.4000Hz以上の高音域では、約10dB位太い針の方が音が大きい事が分かります。

従って、針の太さがラウドとは、全体の音が大きくなるのではなく、高音域が出るのがラウドと言う事になります。針の太さを太くすればするほど、高音域が出てきます。これは、ソーン針でも同じ結果になりますので、高音域を出したい時は太い針を使用した方が良い事になります。

しかし、どちらの針も騒音計で音圧レベルを測定すると略同じレベルになります。何故かと言うと500Hz〜1000Hzの音のレベルが100dBSPLもあり、高音域3000Hz〜4000Hzでは、太い針で90dBSPL、細針で80dBSPL位なので、全体の音のエネルギーはどちらの針も同じ略100dBSPLと言うことになります。
http://emgmark7.com/dish.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c38

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
39. 中川隆[-13113] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:19:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[419]
蓄音機の梅屋 蓄音機 LIVE演奏!!
http://umeya.bz/gramophone.html

HMV蓄音機カタログ
http://umeya.bz/hmvcatalog.html

梅屋 蓄音機(for sale)
http://umeya.bz/php/gramophone/

日本で販売された蓄音器/蓄音機のカタログ
https://chikuonki.jp/

▲△▽▼


〜代表的な蓄音器〜
https://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/gaiyo/index.html

エジソン スタンダードB型

1901年(明治34年)〜U.S.A 蝋管用蓄音器
Model : Edison B Type
Product : Edison Co. of U.S.A


ビクター 木製ラッパ卓上蓄音器

Victor STYLE Vol.II
1902年〜1920年
(明治35年〜大正9年)
$30〜$37.50
Product : U.S.A


E.M.G.EXPRT
イギリス製手巻卓上型蓄音器

1927年(昭和2年)英国
(P.Willson Modern Gramophone)
Product : UK


ビクトローラ クレデンザ

1925年〜1928年
(大正14年〜昭和3年)
$275〜$405 VV8-30型U.S.A
1926年〜1927年
(昭和元年〜昭和2年)
$650
Model : Victrola Credenza


ビクトローラ
手巻式蓄音器 VV-300型

1921年(大正10年)〜1925年(大正14年)
$250〜$315 金メッキ仕上げ
Model : Victrola VV 300
Product : U.S.A


エジソン ダイヤモンドディスク
テーブルグランド

エジソン社製。縦、横兼用蓄音器
Model : Edison Diamond Disk Table Grand


HMV 蓄音器 モデル194型

イギリス
1927年(昭和2年)〜1930年(昭和5年)
金メッキ仕上
Model : HMV Model 194


ビクトローラ 1-90型

日本ビクター蓄音器株式会社製
1929年(昭和4年)10月 国内製作販売150円
米国製作輸入価格295円
Model : Victrola 1-90
Product : Japan


HMV 手巻蓄音器 ルミエール

Model : Lumiere
Product : HMV Co. of Uk

https://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/gaiyo/index.html


金沢蓄音器館
https://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/index.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c39

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
40. 中川隆[-13112] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:22:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[420]

北関東蓄音機倶楽部 Sogaphon _ SP録音の CD復刻盤 は Sogaphon を取り付けた HMV蓄音機で聴こう


北関東蓄音機倶楽部
https://kitakantogramophoneclub.webnode.jp/


佐藤裕一
〒370-1203 群馬県 高崎市矢中町315-23
090-6560-9246


技術部長: 曽我和弘
Sogaphon の開発者
群馬県桐生市:熱処理会社(つまりゼンマイ製造のプロ)社長、真空管アンプビルダーでもあります。


北関東蓄音機倶楽部 佐藤事務局長のYou-tubeです。
EMG Mark Xb、HMV157、HMV102、Decca Portable、Cheney Model 2Pほか、自作アンプによるSPレコードの電気再生を紹介しています。

https://www.youtube.com/user/yuichis3010/videos?view=0


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Sogaphon を取り付けた蓄音機 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Sogaphon++
https://www.youtube.com/results?search_query=Sogaphon++%E8%93%84%E9%9F%B3%E6%A9%9F&sp=mAEB


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北関東蓄音機倶楽部の人(この人の所有の倉庫で、聞きに行かれた WE、エルタスのスピーカーのデモが、開催されているようです。)が、小布施の BUD に来られて、曽我ホーンという、蓄音機のサウンドボックスを外して、小型スピーカーを取り付けられるアタッチメントみたいな機械のことを曽我ホーンと言います。
その小型スピーカーの音で、蓄音機の音道(ホーン)を通って音が出るというものです。

音源(CDウォークマン)とアンプ(1から2W)が、必要です。

SP の復刻 CD などは、とても良く鳴ります。実演してもらいました。

驚きの音が、しました。感激しました。
http://blog.goo.ne.jp/8417chiharu/e/ece199cc3ee61d9a28f075d29d796277


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2016年08月12日
音を聴く〜シンプル イズ ベスト〜
http://bud-jazz.dreamlog.jp/archives/5258832.html


カルーソーが大きな朝顔型の集音器の前に向かってマイクなどなく突っ立って歌っている。
そんないとも殺風景な録音風景の写真を見たことがあります。

このように電気を使わない録音をアコースティック録音とか、ラッパ録音と呼んでいます。

1900年頃から1924年ごろまでですから100年前の録音です。

録音された当時のSPを機械式の蓄音機で聴くと、歌声の生々しさに思わず鳥肌が立つ感動を覚えます。
乾ききった喉に沁みる山の清水のようなものです。

しかし今、このような新鮮極上の生々しい歌声が録音された当時のSPが保存良く残されているのは稀です。

そのため、これらをLPやCDにできるだけ忠実に復刻する努力が続けられています。

そこでです、復刻されたSP原音は、できるだけ忠実に再生したいと思いませんか。
さて、そのための道具ですが・・・


先ず第一に機械式蓄音機。

LPやCDになってもSPの音は蓄音機に回帰しましょう。

これをプレーヤーとしてではなく、ホーンスピーカーとして使います。

LPやCDの音をどうやってそこから出すかですが、蓄音機に付いているサウンドボックスに換え、ソガフォンという小型スピーカーを取り付けます。

あとはプレーヤーとアンプですが、種々試行して音の違いを自分の好みに合わせ完成です。

ちなみに現在は以下の組み合わせを楽しんでいます。


CDプレーヤー:SONY D-2
アンプ:VintageJoin
蓄音機:DECCA 型番不明
http://bud-jazz.dreamlog.jp/archives/5258832.html


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小布施のジャズ喫茶 BUD 音を聴く〜音の芯〜 2016年03月24日
http://bud-jazz.dreamlog.jp/archives/5247260.html


古いものには味がある。
古いものは風格がある。

人も今の人より昔の人の方が中身が濃い。
今の人より昔の人が出す音は一途で集中度が高い。

今に伝わり残る名人の録音は心打たれる演奏が多い。
帯域の狭い音だが心に強く訴える力がある。

音は人なり人は音なりの音は、
しっかりとした芯のある音で聴きたい。

音の栄養分を水で割らない音。
強く引き締まった響き。

1900年代から50年代に録音された音はそう要求する。
そうした音だと演奏家が目の前に現れるからだ。

それにどう再生したらいいか。

SPは盤を蓄音機で聴くのが本来の音だが、
CDに復刻された音をどのように再生したら生々しくなるか。

答えはいくつもあると思うのだが、試した中で一番良かったのは、

蓄音機専用スピーカーのソガフォンをHMV101に取り付けた音です。


それは音の核心と呼ぶにふさわしい再生音です。

あら不思議、アラジンのランプから魔神が立ち現れるごとく、HMVから演奏家の姿が見えてくるではありませんか。


 ソガフォンはドライバー、HMVはホーンスピーカー。
 
 レコードまたはCDプレーヤーからアンプに、そしてソガフォンに接続。
http://bud-jazz.dreamlog.jp/archives/5247260.html

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北関東蓄音機倶楽部 Gramophone Club of North Kanto
http://kitakantogramophoneclub.webnode.jp/


技術部長: 曽我和弘

群馬県桐生市:熱処理会社(つまりゼンマイ製造のプロ)社長、真空管アンプビルダーでもあります。
富士レコード社、梅屋のスプリングは氏の制作によるものです。
またSogaphonの開発者でもあります。
http://kitakantogramophoneclub.webnode.jp/products/%e6%8a%80%e8%a1%93%e9%83%a8%e9%95%b7%ef%bc%9a%e3%80%80%e6%9b%bd%e6%88%91%e5%92%8c%e5%bc%98%e6%b0%8f/

Sogaphonの種明かし - yuihi310のブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/23571576.html

曽我技術部長発案による新たな電気再生システム、Sogaphonを紹介します。
HMV157にSogaphonを装着したところ、HMV203に変身?しました。腰が抜けそうになりました。
http://kitakantogramophoneclub.webnode.jp/you-tube-face-book/


Sogaphon - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Sogaphon


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Sogaphonの種明かし 2012/7/19
http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/23571576.html


今日はSogaphonシステムの解説です


まずは完成形
http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/GALLERY/show_image.html?id=23571576&no=0


チコンキのスロート部のアダプターは積層スプリングで仕上げています。0.3mm厚の熱処理形状記憶スプリング製です。

友人のチコンキスト曽我氏(熱処理会社の社長さん)の手によるものです。
ですから Sogaphon。

もちろんゼンマイのプロですから、どんなゼンマイも作ってしまいます。富士レコードや梅屋さんにも頼まれて製作しています。趣味として。こういう人が仲間にいるとチコンキストは安心ですね。僕のオルゴールのゼンマイも修理してくれました。


Polyphon plays 'Ballsirenen'
https://www.youtube.com/watch?v=PZVJ6yaTBUE&feature=plcp


ドイツポリフォン11インチ、8ベル付きの機械です。1900年頃の銘器復活。


真ん中の円錐形の物体は HMV5B サウンドボックスに模して作ったイコライザーです。これがあるのとないのとでは音が違う。HMV はよく考えています。


http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/GALLERY/show_image.html?id=23571576&no=1


ユニット側です。Peerless 5cmフルレンジユニットです。試行錯誤の結果HMVにはこのユニットが最適であることが判明。ただし現行品は中国からインドに生産拠点が移転したので、音質については不詳です。Tang-Bandでは低音がやや出すぎるようです。できるだけユニット振動板とスロートが近いほうがいいようです(サウンドボックスの振動板と同じ位置)。


http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/GALLERY/show_image.html?id=23571576&no=2


実験段階の Sogaphon。ジャンクチコンキのサウンドボックスの流用です。


http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/GALLERY/show_image.html?id=23571576&no=3

ユニット側。Tang-Band の 5 cmフルレンジ。

最近You-tubeにアップした画像です


Coleman Hawkins; VARIATIONS Part 2
http://www.youtube.com/watch?v=SKJqJ724FFU&feature=plcp

Coleman Hawkins のソロ。かなりのレア盤です。


Artie Shaw-Helen Forrest; I REMEMBER
http://www.youtube.com/watch?v=mqDsofKQH_U&feature=plcp

大好きな Edythe Wright です。


Sogaphon を使うと 45回転EPだって蓄音機で再生できちゃいます。我が青春時代のアイドル、ダニエル・ビダル


HMV 102 plays? 'Pinocchio', Japanese version, Daniele Vidal
http://www.youtube.com/watch?v=dwoNUgO7R5g&feature=plcp


とってもいい音です。78rpm 復刻は出来るだけノイズカットをしていないものが最適で、新さんの Goodiesシリーズはおすすめです。


なんといっても針を削る(切る)手間がかからない。しかも音量調節ができる?

チコンキストには邪道かもしれませんが、こんな楽しみ方があってもいいですよね。
http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/23571576.html

蓄音機のお遊び 2012/7/16
http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/23551439.html


ゆうちゃんです。

本来まっとうな真空管アンプビルダー、蓄音機愛好家兼ジャズマニアでしたが、最近はあらぬ方向の道楽に走っています。


画像は動画にしてYou-tubeにアップしていますのでご覧ください。

yuichis3010 で検索すると出て来ます。


最新情報は銘器HMV157を使った電気再生、HMV102 2台によるステレオ再生の実験です。

http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/GALLERY/show_image.html?id=23551439&no=0
http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/GALLERY/show_image.html?id=23551439&no=2


HMV 102 STEREO Part 1
http://www.youtube.com/watch?v=6iTogiHAZp8&feature=g-upl


HMV 157 Meets Sogaphon Part 1
http://www.youtube.com/watch?v=WDiUzsfqPZU&feature=channel&list=UL

http://blogs.yahoo.co.jp/yuichis3010/GALLERY/show_image.html?id=23551439&no=1


HMV15 7は HMV のフロア型蓄音機では最も小型ですが、ホーンに折り曲げのない’ストレートホーン’型なので、音ばなれの良さは抜群です。


ナマ蓄音機のように、針の交換、レコードの交換をする手間がないのでソファに寝転がりながら蓄音機の音を楽しむことが出来ます。


蓄音機のサウンドボックスのかわりに 5cm のフルレンジスピーカーをマウントするシステムです。友人の曽我氏発案制作によるもので、Sogaphon(ソガフォン)と名付けました。

リアルな音がします。


Sogaphonの解説はこちら

The magic of Sogaphon
http://www.youtube.com/watch?v=NNVliaIqy4s&feature=plcp

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c40

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
41. 中川隆[-13111] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:23:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[421]

「真空管アンプと音の響きについて」のネット記事の紹介
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c
「真空管アンプは、真空管の差し替えで音が変わります。最近私は真空管アンプに注目していますが、それは音源がPC/ネットワークオーディオになると、ますます潤いや音を作る楽しみが小さくなってしまうからです。

たしかに、PC/ネットワークオーディオでもケーブルを変えたり、再生ソフトを変えると音が変わるのですが、カートリッジの交換だけで1枚のレコードがまるで違う歌のように雰囲気までがらりと変わってしまったアナログ時代の音の変化とは、何かが根本的に何か違うように感じています。

デジタル時代の音の変化は、音の細やかさや透明感、立体感など「音質」に関わる部分で、音楽の雰囲気つまり「情緒」に関わる部分での変化が少ないように思います。

また、アナログ時代には「再生時の音作り」で生演奏よりも素晴らしい雰囲気で音楽を楽しめたのに対し、デジタル時代ではどう頑張っても生演奏を超えられないように思うのです。このアナログとデジタルの根本的な違いは、「響きの差」から生まれていると考えています。

音楽は響きの芸術です。音楽は、音の響きが多いか少ないかで情報量が変化します。良い例が「クラシック・コンサート」で、響きの美しいホールでなければ情緒深く美しい演奏が奏でられません。

演奏をより美しくするためには、楽器そのものの響きをさらに「響かせる」ことが必要です。音源がアナログオーディオの場合、再生プロセスではレコード盤そのものの響き、カンチレバーの振動など録音されていない「響き」が盛大に発生します。それを「味方」に付けることで音楽的な情報量を増やしたり、演奏の味わいを深められるのだと私は考えています。

ところが音源がデジタルになると、この「響き」が生み出されなくなります。アップサンプリングやビット伸長を行うことで音の細かさは向上しますが、響きが増えることはありません。

これが再生プロセスの芸術性でデジタルがアナログを超えられないと考える理由です。デジタルの音はアナログよりもあっさりしている、アナログのような暖かさや情緒深さが感じられない、立体感に乏しい、これらはすべて「響きが足りない」からだと考えられます。

このデジタルで不足する「響き」を補えるのが、真空管アンプです。今回のテストから明らかなように、真空管が音楽信号に呼応して響き、音楽の味わいを深めます。プレーヤー(音源)で響きを作るすべを封じられた今こそ、真空管アンプに注目すべきだと私は考えています。」

つまり、CDにしろSACDにしろさほどの変化を感じられなかった原因は「音の響き」がプアなせいだったのか、と思い当たった。

我が家の場合は、いまさらレコードに戻るのも億劫だしデジタルの音を「真空管アンプ+昔の高能率のユニット」で鳴らす方が「音の響き」にとって丁度いい塩梅だと勝手に思っている。

デジタルもアナログもそれぞれ長所もあれば弱点もあるので、長所をいかに伸ばし、弱点をいかにカバーするかが、ありふれたことだがオーディオの王道なのだろう。

そういえばオーディオ誌などを見ているとシステムや機器の「弱点」に触れている記事はまず見かけないのでうかつに信用できない。

たとえば「響きが足りないデジタルの音を響きの少ないTRアンプで鳴らす」風潮などがそうで、オーディオが衰退の一途をたどっている一因もその辺りにあると推察している。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c41

[番外地7] 武漢肺炎の今後 中川隆
34. 中川隆[-13110] koaQ7Jey 2020年3月04日 12:44:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[422]

2020年03月04日
中国GDPマイナス


中国GDPマイナスは89年天安門事件以来

なおこの戦車男は今も刑務所で収監されている

画像引用:https://courrier.jp/media/2018/05/25025626/s_GettyImages-517198274-e1527152282600.jpg


中国GDPは天安門事件以来のマイナス

新型コロナウイルス感染者数は世界で10万人に近づいており、中国以外で鎮静化する様子はみられない。

その中国は8万人で感染者がぴたりと止まったが、これは情報と人の移動を封鎖しただけです。

湖北省や武漢はネコの子1匹出入りできず、インターネットや国際電話も通じないので、中の様子はまったく分からない。



約6000万人を封鎖して移動を禁じ、その中にいる人が全滅しても構わないという対策です。

湖北省はまだましな方で、ウイグルやチベットの少数民族は輸送や補給を断たれたうえ、「人民」ではないので政府の支援がない。

ウイグルやチベットでは100万人単位の人々が飢えていると言われ、中国政府は支援どころか彼らが「減れば良い」と考えている。


中国政府発表の感染者は都合が良すぎるもので、外国研究者の武漢や湖北省での調査を禁止し、ばれた数字だけを発表している。

武漢や湖北省の火葬場が毎日数千人火葬したのは何故なのか、多くの目撃者が回収袋をトラックに積んでいる場面を目撃している。

中国政府は武漢からユーチューブに投稿していた民間人を何人か拘束し、それっきり行方不明になった。


現実的な数字を挙げるなら武漢周辺でなくなった人は1万人、致死率は1%台なので感染者は50万人から100万人と推測できる。

中国の消費や生産、輸送は完全にストップしてしまい、GDPは大幅マイナスの筈だが政府はプラスだと言い張っている。

2020年3月までのGDP予想を、ノムラ・インターナショナル香港はマイナス2.5%、パシフィック・インベストメント・マネジメントはマイナス6%と予想している。


いずれにしても大幅なGDPマイナスは天安門事件以来であり、もし中国政府がプラス発表などしたら、世界の笑いものになる。
http://www.thutmosev.com/archives/82362399.html
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/458.html#c34

[リバイバル3] スイングトレードのやり方 中川隆
5. 中川隆[-13109] koaQ7Jey 2020年3月04日 16:37:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[423]
騰落レシオ

日付 日経平均株価 日経平均(変化) 騰落レシオ(25日) 騰落レシオ(6日)
2020-03-04 21,100.06 +17.33 61.57 39.77
2020-03-03 21,082.73 -261.35 58.35 28.53
2020-03-02 21,344.08 +201.12 60.09 39.48
2020-02-28 21,142.96 -805.27 53.31 24.08
2020-02-27 21,948.23 -477.96 59.36 41.36
2020-02-26 22,426.19 -179.22 64.18 44.26

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1038.html#c5

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
42. 中川隆[-13108] koaQ7Jey 2020年3月04日 16:55:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[424]

「ユニーク?な電気吹き込み」
https://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/kancho/2017_06.html


大正時代末期、アメリカでマイクロフォンを使った電気吹き込みのレコードが発売された。

このレコードは、従来の電気を使わず、ラッパの前で大きく歌ったり演奏したりしたラッパ吹込み方式の録音盤とは比較にならない鮮明な音だった。


電気録音の登場で、従来のものはアコースティック録音方式と呼ばれるようになり「吹込み」から「録音」という言葉に変わっていった。

今までは250〜2500Hzの周波数特性だったが、いっきに50〜6000Hzに拡大された。従来は大きな声でないと綺麗に録音されなかったが、マイクロフォンの登場で小音量の音でもクリアに録音できるようになった。


針音も少ないこの新方式はSPが作られた約60年間のなかで最大の技術革新といっていい。

ビクターが1925(大正14)年4月、コロムビアは翌5月、英国ではグラモフォン社、コロムビア社ともに同年6月から新方式を採用した。ただ、従来の盤の返品や買い控えを恐れた各社は当初熱心にPRしなかったという。


日本では、国内の各レコード会社はこの電気吹き込みを競って取り入れた。
名古屋のツルレコード(アサヒ蓄音器商会)も国産初の電気録音はわが社であるとレコード袋(スリーブ)に大きく宣伝している。


また、「国歌レコード製作所」はスリーブに「ユニック式電気吹き込み機械室」で録音している様子の写真を入れ、さらにマイクに向かって歌っている「演奏室」なる写真まで掲載している。

録音エンジニアと思われるヘッドホンをした紳士が大きなラッパの下にあるダイヤルを廻している。

「ユニック式」とはどんな録音方法なのだろうか。もっとも“ユニーク“(unique)な方法を”ユニック“と呼んでいるのか?

「演奏室」では、グランドピアノが置かれている横でマイクスタンドに向かって録音している様子がわかる。

レコード袋(スリーブ)に写真まで入れ、自社技術が進んでいることを大いにPRしている。

ツル印レコード  マイクの絵があり、
日本初の電気吹込と右下に印刷がある


国歌レコード製作所も電気録音とスリーブに


「ユニック式電気吹込機械室」での録音風景


グランドピアノの横でマイクに向かって録音
「演奏室」の模様

https://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/kancho/2017_06.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c42

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
43. 中川隆[-13107] koaQ7Jey 2020年3月04日 16:58:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[425]
アコースティック録音

アコースティック録音とは、音楽・音響の録音において、音声を電気信号に変換することなく、機械的振動を直接レコード原盤に伝達して刻み込む録音方式のこと。

ラッパ型の集音器を使うため、しばしば「ラッパ録音」と呼ばれることもあり、後に登場した電気録音に対するレトロニムであり、古い録音法の意から「旧吹き込み」などとも呼ばれる。

初期のレコード録音においては、マイクロフォンが発明されていなかったため、蓄音機の逆の方法、すなわちラッパに向かって歌いあるいは楽器を演奏し、その音でダイヤフラムを振動させ、その振動を針に伝達して記録用媒体に溝を記録(カッティングという)しており、これがアコースティック録音である。


この方式では、ある程度の音質で記録可能な音源は独唱曲か小編成の器楽曲程度で、オーケストラの記録はかなり貧弱な音質にしかならなかった。

特にヴァイオリンなどの弦楽器の収録は楽器の広い範囲から音が輻射・拡散するため、集音用のラッパで捕らえることが難しかった。

このため、録音専用の特殊なヴァイオリンとしてシュトローヴァイオリン(Stroh Violin)が使用された。これは、ヴァイオリンの発音機構にサキソフォーンのようなラッパを取り付けて音を拡大するとともに、集音ラッパの方向に音を集中させるものである。

指揮者レオポルド・ストコフスキーはアコースティック録音においてオーケストラの音を効果的に録音するため、オーケストラの楽器編成を大幅に改変した。一例として、弦楽器のパートに木管楽器を重ねて重要な音を増強する、逆に打楽器が他の楽器の音を隠さないように弱めたり省略したりする、などである。

これはいわば原音におけるイコライゼーションと言うべき工夫であり、ストコフスキーとフィラデルフィア管弦楽団が演奏したレコードは当時としてはかなりオーケストラの音らしく聴こえるため売上増に貢献したという。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E9%8C%B2%E9%9F%B3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c43

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
44. 中川隆[-13106] koaQ7Jey 2020年3月04日 16:59:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[426]

電気録音

電気録音とは、音楽録音において現在普通に行われる、楽器や歌手の演奏をマイクロフォンにより電気信号に変換した上で録音する方式であり、それまでの音響・機械的振動のみを用いた記録方式であるアコースティック録音と区別する。

初期には信号の調整後直接レコードの原盤(ラッカー盤)をカッティングしたが、録音機の発明とともにいったん記録したテープなどを介して間接的にカッティングが行われるようになった。

その結果、テープ上で編集を行うことができるようになったため、演奏家は最初から最後までミスの無い演奏を行うことを必須とされなくなったが、それはメリットであると同時に演奏の緊張感を損なう欠点であるという見方も長らくあった。

しかし、アコースティック録音時代の記録媒体はSPレコードであったため、最大でも5分程度しか演奏を続けることは無かった。かつてはオペラの一幕はおろか、交響曲の1楽章すら通して録音することは無かった。

演奏会を行わないことで有名だったピアニストのグレン・グールドは、変奏曲の各変奏を順序も別々に録音して制作したレコードを作ったこともあったし、オペラなどは出演する歌手のスケジュールに合わせるため、楽譜の順番どおり録音されることはめったに無い。そうした録音セッションを通して演奏の質を確保することに力を注ぎ、結果に責任を持つのは、演奏家だけではなくレコーディング・プロデューサーの重要な仕事である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E6%B0%97%E9%8C%B2%E9%9F%B3
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c44

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
45. 中川隆[-13105] koaQ7Jey 2020年3月04日 17:01:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[427]

ダイレクトカッティング

ダイレクトカッティングとは、レコード制作方式の一つで、レコード制作において通常行われる、オリジナルテープへの録音・編集・マスターテープの作成、というプロセスを通さず、収録した音曲等をその場でミックスダウンし、そのままラッカー盤をカッティングマシンでカットする、という制作方式である。


アナログオーディオテープレコーダーがマスタリングに使えるレベルに実用化されたのはLPレコードの時代であるから、それ以前の蝋管や SPレコードはダイレクトカッティングであったわけだが、それらを指してこの語が使われることはあまりない。

LPレコード時代には録音時間が格段に延びたこともあり、テープレコーダーをセッション録音・編集に使用するようになった。しかしアナログテープレコーダーは信号の変化が不可避であるため、これを避けあえてリアルタイムでカッティングマシンに信号を入力して原盤を制作したのがダイレクトカッティングである。

ダイレクトカッティングでは、演奏およびカッティングが一発勝負であるため、許容できない演奏ミスやミキシング、エフェクト、カッティングレベルの調整不足等があるとレコード片面分が全面的にやり直しになってしまうため、ごく一部の高音質を求めるオーディオマニア向け録音として企画されるにとどまった。ダイレクトカッティングにはコンサートに期待される演奏の緊張感が求められるため、あえてこの方法に挑戦するアーティストもあった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c45

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
46. 中川隆[-13104] koaQ7Jey 2020年3月04日 17:12:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[428]
2011年 02月 07日 旧吹き込み盤を愉しむ

いわゆるラッパ吹込み盤或いは機械式吹込み盤の総称で、後年の電気吹込み盤とは区別されている。


楽音をそのまま物理的にラッパ(メガホン)状の集音器で音盤に刻み込んでしまおうという極めて単純ながらも理にかなった=究極のダイレクトカッティングなのだがマイクロフォンを用いた “電気吹込み” と比べるとダイナミックレンジや周波数域でどうしても劣っていた。

だから僕も旧吹込み盤に対しては今まであまり好印象はなかった。


『やっぱり音、良くないしなあ……』


ただ

古典JAZZを愛好する者にとって1924-25年辺りまでと言われるこうした機械式吹込み時代のレコード群は避けては通れないところ・・・。

サッチモを2ndコルネットに擁していた頃のキングオリヴァー楽団やそれを辞して参入~JAZZを根底から変えてしまったF・ヘンダーソンオケの諸作、そして初期の(もしかしたら最高だったかもしれない)ビックス(バイダーベック)を捉えたウォルベリンズ時代の録音etc…。

しかし

このあたりの原盤(オーケーやジェネット)を入手するにはそれはそれでまたそれなりの覚悟が要る。(要するに高価いのです)

青木 研ちゃん(bjo)から貰った竹針。

https://slapper.exblog.jp/iv/detail/?s=15880397&i=201102%2F07%2F01%2Fc0202101_0494766.jpg

これが旧吹込み盤に対する僕の認識を変えた。


確かにダイナミックレンジの大きな電気吹込み盤だと少々しんどいところがあるが、これらの旧吹込み盤に対しては得難い質感をもたらしてくれる事も確かであった。

もちろん
針の削り方や盤をトレースする際のサウンドボックスへの取り付け角度とか諸々の調整ポイントはあるのだが、


それらをきちんとクリアしてやれば極上の再生が出来るのも確か。


試行錯誤の末、ある程度竹針のノウハウが掴めてきたので
いよいよ “本線” とも言える クラシックの旧吹込み盤を試す事にした。

トスカニーニのオケ物やハイフェッツのヴァイオリン、コルトーのピアノ等此の間のレコードバーゲンで何枚か仕入れてきた。

これはそのトスカニーニ、片面盤だ。

得も言われぬ柔らかな音触感・・・・
だがそれだけに前述の “セッティング” もシビアである。

やはり針のトレース角度と方向がキモ、
これ次第で音質がガラリと変わってしまうのだ。

面倒くさいが、これが楽しいんだよなあ。

Commented by 青木 at 2011-02-09 00:55 x

前も同様の事を書きましたが、旧吹き込み、独奏オンマイク(ホーン)気味で状態のいいものの生々しさは凄いものを感じます。竹針も合いますね!

竹針ではないし聴くのは難しいですが、エジソン縦振動円盤のこの時代のものを高級機で聴く、これもすごい音だなあと思います。

あそこのバーゲンは片面赤ビクトローラ等、旧吹込クラシック盤がある程度安く手に入るので僕も買いました。ガリクルチ、ジェラルディン・ファラー、初期ハイフェッツ・・・・


Commented by slapper1107 at 2011-02-09 01:20

そうそう、盤質良の割にはお手頃値段(しかも半額)でした。
いわゆるHi-Fiでは無いのだけど、【そこに奏者が居る=気配感】は確かに凄いです>旧吹き込み盤。

https://slapper.exblog.jp/15880397/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c46

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
47. 中川隆[-13103] koaQ7Jey 2020年3月04日 17:19:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[429]

旧吹込み盤

BACH: Concerto for two Violins / Fritz Kreisler & Efrem Zimbalist / NYC, 1915 restored













BACH:Concerto for two Violins

Fritz Kreisler
Efrem Zimbalist

NYC, recorded 1/4, 1915

England HMV 78s / 2-07920(76028)
on HMV-163 gramophone

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c47
[リバイバル3] 中川隆 _ 経済、ビジネス関係投稿リンク 中川隆
156. 2020年3月04日 17:37:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[430]
金メダルは金で買うもの ゴールドマンサックスが指摘する五輪の現実
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/942.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/813.html#c156
[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
48. 中川隆[-13102] koaQ7Jey 2020年3月04日 17:40:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[431]

旧吹込み盤

Backhaus plays Chopin Fantaisie-Impromptu (1908 rec.)







The young Wilhelm Backhaus (1884-1964) plays Chopin's famous Fantaisie-Impromptu in C sharp minor opus 66 (op. posth.).


Acoustic recording, 1908, originally made for the Gramophone Company, transferred by Pearl.

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c48
[リバイバル3] 高配当銘柄を買うとこういう目に遭う _ JT 日本たばこ産業 (2914) 中川隆
16. 中川隆[-13101] koaQ7Jey 2020年3月04日 20:12:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[432]

【株ちゃんねる】JTは買い‼下がってる理由と、反発する理由【緋水】


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/976.html#c16
[リバイバル3] 株で損した理由教えてあげる 新スレ 中川隆
242. 中川隆[-13100] koaQ7Jey 2020年3月04日 20:51:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[433]

経済ひとりがたり田村秀男#12「2020年米中貿易戦争の行方」後半★米国の景気と株価の読み方★


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/823.html#c242
[リバイバル3] 景気が悪くなるから株価が下がるのではなく、株価が下がるから景気が悪くなる 中川隆
2. 中川隆[-13099] koaQ7Jey 2020年3月04日 20:52:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[434]


経済ひとりがたり田村秀男#12「2020年米中貿易戦争の行方」後半★米国の景気と株価の読み方★


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/996.html#c2
[近代史3] 日本や中国のバブルは簡単に崩壊するけれど、アメリカのバブルだけは絶対に崩壊しない理由 中川隆
52. 中川隆[-13098] koaQ7Jey 2020年3月04日 20:54:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[435]

経済ひとりがたり田村秀男#12「2020年米中貿易戦争の行方」後半★米国の景気と株価の読み方★


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/121.html#c52
[近代史02] 鈴木傾城 _ アメリカ株で儲けるほど簡単な事は無い 中川隆
75. 中川隆[-13097] koaQ7Jey 2020年3月04日 20:55:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[436]

経済ひとりがたり田村秀男#12「2020年米中貿易戦争の行方」後半★米国の景気と株価の読み方★


http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/895.html#c75
[近代史02] 株式投資の神様「ウォーレン・バフェット」の言葉を真に受けると悲惨な結果になる 中川隆
15. 中川隆[-13096] koaQ7Jey 2020年3月04日 20:56:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[437]

経済ひとりがたり田村秀男#12「2020年米中貿易戦争の行方」後半★米国の景気と株価の読み方★


http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/886.html#c15
[近代史3] ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 中川隆
1. 中川隆[-13094] koaQ7Jey 2020年3月04日 22:01:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[439]


ギーゼキング

Rachmaninoff: Piano Concerto No. 3, Gieseking & Mengelberg (1940)






Walter Wilhelm Gieseking (1895-1956), Piano
Joseph Willem Mengelberg (1871-1951), Conductor
Concertgebouw Orchestra Amsterdam (Royal Concertgebouw Orchestra)

Rec. 28 March 1940 (Live Recording)

____________

Great Piano Concertos - Walter Gieseking plays Rachmaninov Concerto No. 3 in D minor Op. 30


Philarmonic Symphony Orchestra
cond. John Barbirolli

live recording, 1939

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/943.html#c1
[番外地7] 幻の映画「Mishima」〜三島由紀夫とは何者だったのか? 中川隆
1. 中川隆[-13093] koaQ7Jey 2020年3月04日 22:49:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[440]

上のリンク

http://opera-ghost.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/mishima-4fc3.html
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/533.html#c1

[近代史4] 三島由紀夫の世界 中川隆
1. 中川隆[-13092] koaQ7Jey 2020年3月04日 22:52:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[441]


幻の映画「Mishima」







ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ
監督 ポール・シュレイダー
原作 三島由紀夫
出演者 緒形拳、坂東八十助、佐藤浩市、沢田研二、永島敏行
音楽 フィリップ・グラス

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/451.html#c1
[近代史3] ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 中川隆
2. 中川隆[-13091] koaQ7Jey 2020年3月04日 23:24:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[442]


ホロヴィッツ

Horowitz-Coates: Rachmaninoff, Concerto No. 3 (1930)


Albert Coates, conductor
London Symphony Orchestra

▲△▽▼

Vladimir Horowitz plays Rachmaninov Concerto N°3 op 30 in New York 15.02.1940 live


February 15, 1940: Carnegie Hall, New York City, New York
Vladimir Horowitz
John Barbirolli
New York Philharmonic Orchestra



▲△▽▼

Concerto No 3, Horowitz:Rodzinski NYPO, live, 1943


This is one of the rarest treasures in recorded history! It's Vladimir Horowitz playing Rachmaninov's Piano Concerto #3 with Rodzinski in 1943.

▲△▽▼

Rachmaninoff: Piano Concerto No. 3, Horowitz & Reiner (1951)





▲△▽▼

Horowitz plays Rachmaninoff Concerto No 3 NYP Ormandy 1978


Vladimir Horowitz
New York Philharmonic Orchestra
Eugene Ormandy

ウラディミール・ホロヴィッツ独奏、オーマンディ指揮フィラデルフィア管(1978年録音/RCA盤) 

これはカーネギーホールで開かれたホロヴィッツのアメリカ・デビュー50周年記念コンサートのライブ演奏です。
奇しくも伴奏を務めるのは40年前にラフマニノフ盤の伴奏をしたオーマンディ/フィラデルフィア管です。それだけでも記念碑的な演奏だと言えます。

ホロヴィッツの演奏は非常に貫禄が有りますし、3楽章の終結部の迫力などは相当に凄まじく圧倒されます。但し残響の少ない会場での録音条件の悪さが全体の印象に少々マイナス影響しているのが残念です。


▲△▽▼

Horowitz Rachmaninoff 3rd Concerto Mehta NYPO 1978




Horowwitz plays the Rachmaninov 3rd Piano Concerto in Avery Fisher Hall, New York, 1978 with Zubin Mehta ( His last recording ever of this concerto and maybe the last time he played it. Horowitz was 75 years old in this recording!!!)


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/943.html#c2
[近代史3] ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 中川隆
3. 中川隆[-13090] koaQ7Jey 2020年3月04日 23:43:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[443]
アルゲリッチ

Argerich - Klee | Rachmaninov: Piano Concerto No.3 (1979 - LIVE)


Rare recording. Argerich performs Rachmaninov's Piano Concerto No.3 with Radio Philharmonie Hannover des NDR, under the battom of Bernhard Klee.


▲△▽▼


Rachmaninoff Piano Concerto No. 3, Argerich HQ COMPLETE 1982








Riccardo Chailly
Martha Argerich
Radio Symphonie Orchester Berlin
live recording December 5th, 1982
Martha Argerich


マルタ・アルゲリッチ独奏、シャイー指揮ベルリン放送響(1982年録音/フィリップス盤) 

ベルリンでのライブ演奏です。
1楽章は遅めにゆったりと開始されます。デリカシーに溢れた歌いまわしに非常に魅了されます。感情の大きな波が徐々に高まってゆく表現が素晴らしいです。一方、フォルテ部分ではロシア人ピアニストにも負けないほどの豪快さで、女性でこれだけ力強く弾ける人は他にはまず居ないでしょう。

シャイーの伴奏指揮もロシア的ともアメリカ的とも違いますが、ロマンティックな情緒に富んでいてとても美しいです。
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/op30-9bce.html

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/943.html#c3
[近代史3] ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 中川隆
4. 中川隆[-13089] koaQ7Jey 2020年3月04日 23:56:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[444]

ガヴリーロフ


Andrei Gavrilov plays Rachmaninoff Piano Concerto 3


____










Orchestra: Philadelphia Orchestra
Piano: Andrei Gavrilov
Conductor: Riccardo Muti


アンドレイ・ガヴリーロフ独奏、ムーティ指揮フィラデルフィア管(1986年録音/EMI盤) 

明るくゴージャスな響きのフィラデルフィア管をムーティが歌わせると、まるでハリウッドの映画音楽みたいです。ここにはロシアの土の香りは全く有りません。

ガヴリーロフは冒頭はゆっくり入ってきますが、徐々に高揚してゆき、中間部の両手で和音を叩きつける部分は驚異的な高速で凄まじい迫力をもって弾き切ります。ここは思わず鳥肌が立ちます。

ですが一転して2楽章のようにデリカシー溢れる部分も実に見事です。そして3楽章のピアノとオケのからみの迫力の凄いこと。ここまで徹底されると脱帽です。

以上の中で一番凄いと思うのは、ガヴリーロフ/ムーティ盤です。ピアノの余りの凄まじさとオーケストラのゴージャスな音と表現力が有無を言わせません。

ピアノのみに関してはデリカシー溢れるニュアンスが抜群のアルゲリッチにも強く惹かれます。
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/op30-9bce.html

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/943.html#c4
[近代史3] ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 中川隆
5. 中川隆[-13088] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:02:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[445]

クラシック音楽 一口感想メモ
セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Vasil'evich Rachmaninov1873 - 1943)
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/ラフマニノフ

メランコリックな曲の大家。独特の感情的な力学に基づいた曲の構成が素晴らしい。
大ピアニストでもあり、ピアノ協奏曲が何より素晴らしい。

しかし、協奏曲とピアノの独奏曲のレベルの差が大きい。長い曲で感情のうねりや浮き沈みを表現するのに長けているので、小品では良さが生きないのだろう。

交響曲

第1番 ニ短調 作品13(1895年)
3.3点
全4楽章。この曲はラフマニノフらしいメランコリーも聴き手を喜ばせるサービス精神も無い。聞き手を突き放すような媚びない難解さがあり、攻略が難しい。特に1楽章から3楽章はラフマニノフ作曲と当てるのに苦労するほど異質である。その代わり、通俗性が低く、芸術的な真剣さや響きの質のよさはかなりのものである。分かりやすいメロディーは無いし、客観的にみて名曲の範疇とは思えないが、しかし19世紀の国民楽派の独自の新しい世界を切り開いていること、ラフマニノフの根っこにある詩魂を生々しく発揮している点、何よりあのラフマニノフがこんな曲を書いたのだという点で重要で興味深い作品である。

第2番 ホ短調 作品27(1907年)
3楽章 5.0点
その他3.8点
雄渾なロシア情緒満載の曲であり、他の2曲の交響曲と違い非常に分かりやすい。メランコリックな感情の力学的な起伏など、ピアノ協奏曲と似たような情緒と構成を持っているためラフマニノフ初心者にも聞きやすい。1時間の大作であり、3楽章以外は冗長だが音楽の流れに身を任せるようにして聴けば良い。他の楽章もなかなか良いのだが、この曲は3楽章が非常に素晴らしい。素晴らしかった思い出を回想する気分をそのまま音にしたような音楽である。中間部の盛り上がりの後に、ひとつずつの楽器が順番にテーマを演奏する場面は、まさに様々な思いが湧いては消えていく様をそのまま楽器で表現している。ヒューマンドラマ系の超上質な映画音楽のようであり、その系統の音楽の元祖の一つなのかもしれない。音だけで楽しめるドラマとも言えよう。

第3番 イ短調 作品44(1936年)
3.0点
アメリカに移住してからのラフマニノフらしい作風。ロシア的なねちっこさが減り、響きが近代的になったが、メロディーの魅力は減った。
1楽章は、第2主題こそ分かりやすい映画音楽のようだが、他は決して分かりやすい曲ではなく名作とも思えない。2楽章はスケルツォと緩徐楽章が合わせられたようで一番面白い楽章。3楽章は2番の4楽章を楽天的すぎず奥ゆかしく表情豊かにした感じで、2番より改善されている。
全体に交響曲としての楽章構成や長時間の大きな流れに身を任せられる楽しみはあるが、晩年の作品群の中では交響的舞曲やパガニーニの主題による狂詩曲ほどの名作ではないと思う。

管弦楽曲

交響的幻想曲「岩」作品7(1893年)
2.0点
基本的に渋い。所々チャイコフスキー的な劇的表現が垣間見れる。若書き感あり。

ジプシー狂詩曲 作品12(1894年)
2.5点
後年の管弦曲の萌芽がおおく感じられるので面白いし。いい曲という程ではないがファンなら聴いて損はない。

交響詩「死の島」作品29(1909年)
3.0点
メロディーがほとんど無い。低音が響き続けて重苦しく、厳然とした自然の厳しさのような雰囲気の音楽が延々と続き、情報量が少ない。客観的に見ると冗長な失敗作のようにも思うが、一方でこの厳しさと雰囲気が心地よくて一種の快感になり、また聴きたくなるという面もある。

交響的舞曲 作品45(1940年)
3.5点
晩年の作品だがところどころ魅せる箇所があるのでそれなりに聴き映えする。つまらない箇所も多いが。


ピアノ協奏曲・協奏的作品

第1番 嬰ヘ短調 作品1(初稿:1891年、改訂稿:1917年)
3.5点
マイナーだが、1917年に改訂されているため、なかなか優れた作品。特に一楽章は正統派であり充実している。ただ、盛期ロマン派のまとまり感が強く、2番以降の後期ロマン派らしい自由さと華やかさが不足しているのが物足りないところ。ちなみに、作曲者本人の演奏が凄い。1楽章のカデンツァの豪快さは見事。

第2番 ハ短調 作品18(1901年)
6.0点
自分がクラシックを聴くきっかけになった曲。全編にわたりメロディーが情熱的で濃密で叙情的であり強く心を動かされる。とにかく圧倒的にメロディーが良い。それに加えてピアノの音の透明な美しさと表情の豊かさと沢山の音数による楽しさ、後期ロマン派らしく肥大化して構成が自由になっていること、深く強く心を動かすロマン的感情、オーケストラの重厚さ、ピアノとオケの絡み方など、多くの点で非常に完成度が高く内容が充実しており19世紀の協奏曲を凌駕している。ラフマニノフの他の作品と比較してこの作品はずば抜けて構成が緊密であり無駄がなく、ほぼ完璧であると思う。ピアノ協奏曲を代表する逸品である。

第3番 ニ短調 作品30(1908年)
4.5点
ピアノがオーケストラを従えて前面に出て大活躍する曲。難曲として有名であり、ピアノの機能と楽器としての「器」の大きさの限界が引き出された曲。

スケールの大きさやレンジの大きさ、音の多さや派手な活躍度など、1台のピアノが活躍できる限界に到達したという点でピアノ音楽の頂点の一つと言える。

そのため、完成度が高くメロディーが秀逸だが綺麗にまとまり過ぎている2番とは違い、3番は何度聴いても受け止めきれないパワーがあって飽きない。1楽章と2楽章は良いのだがやや冗長な部分がある。圧倒的な超絶テクニックを存分に堪能できて冗長な場面がほぼない3楽章がこの曲の聞きどころである。

第4番 ト短調 作品40(初稿:1926年、最終決定稿:1941年)
1.5点
残念ながら他の協奏曲と比較してかなりの駄作である。聴いていて良いと思える部分がかなり少ない。メロディーに冴えがほとんどない。

パガニーニの主題による狂詩曲 作品43(1934年)
第18変奏 5.0点
その他 4.0点
第18変奏に関しては有名なだけあって本当に珠玉のように美しくて輝かしいメロディーである。その他の変奏も全般的にかなりの力作でありピアノ派手に活躍しつつ様々なやり方でオケと絡みバリエーションの豊富さがあるため聞き飽きない。前半も正統派な変奏曲も十分に楽しめるが、18変奏以降の自由で華やかな展開が聞きどころと思う。ピアノ協奏曲として歴代でも上位に入る出来の名作だと思うし、鑑賞して楽しい変奏曲という点では、大変秀逸だと思う。

室内楽曲

チェロとピアノのためのロマンス ヘ短調(1890年)
2.5点
ごく短い曲だが、チェロのもつ渋い悲哀やロシア的情緒の表現力の発揮に既に成功している。ピアノ伴奏の貧弱さに、作曲年代の若さが感じられるが、チェロについてはメロディーセンスが良くて、もっと後の作品でもおかしくないくらいだと思う。

チェロとピアノのための2つの小品 作品2(1892年)
1.5点
1曲目は柔らかい曲だがたいした特徴はない。2曲目は民謡のような民族的な旋法が耳につく。

ヴァイオリンとピアノのための2つの小品 作品6(1893年)
2.5点
唯一のヴァイオリン曲だが、どちらもわりとよくて、特に2曲目がなかなか面白くていい曲。ラフマニノフにヴァイオリンソナタを書いてほしかったと思った。

悲しみの三重奏曲第1番 ト短調(1892年)
2.0
「悲しみの」をつけているだけあり、まさに悲痛を感じる曲なのだが、ピアノ三重奏の良さを生かしている感じでないし、メロディーもさえない。生前未出版なのも当然か。

悲しみの三重奏曲第2番 ニ短調作品9(1893年)
1.0点
1楽章は無駄に長くてひどい駄曲。2楽章は少しましだがいい曲ではないし、やはり無駄に長い。3楽章もダメ。ラフマニノフ最大の駄作だと思う。聴く価値なし。

チェロ・ソナタト短調 作品19(1901年)
3.5点
わかりやすいラフマニノフ節と、管弦楽向け以外の曲ではあまり聴けない雄大なスケールが発揮されており、ラフマニノフらしさが十分に発揮されていて、聴く人の期待に応える作品。


ピアノ連弾、2台のピアノのための作品

組曲第1番「幻想的絵画」作品5(1893年)

舟歌 ト短調
3.0点
二台ピアノが舟の波のような効果を倍にひきたてている。

夜−愛 ニ長調
3.0点
親愛さをはらんだ感動を厚い音に乗せて表現している

涙 ト短調
3.5点
同一動機の繰り返しを二台ピアノが増幅して慟哭を表現し、強い印象を心に残す。

復活祭 ト短調
3.0点
同一動機をひたすら繰り返し神秘的な輝きを放っている。

4手のピアノのための6つの小品作品11(1894年)
舟歌
3.5点
穏やかな波の上を漂う小舟の情景を非常に鮮やかに描写している。

スケルツォ
3.5点
ムソルグスキーを彷彿とさせる、おどけた面白さと土臭い粘っこさを併せ持った曲。

ロシアの歌
3.0点
素朴なロシアの民謡風の曲。シンプルな書法で書かれており、間奏曲のような位置付け。

ワルツ
3.5点
エキゾチックな雰囲気満載のワルツ。音の運動や、ロシア臭とフランスのサロン風の融合が面白い。

ロマンス
2.5点
他の曲が良いのでこの曲も良い気分で聞けてあまり悪く感じないが、単体でみるとラフマニノフによくある哀愁の雰囲気だけの曲。

栄光
3.0点
メロディーの良さはあまりないものの、曲集の締めくくりとして、書法の優秀さで楽しんで聴ける曲。それほど野暮さを感じないのが良い。

組曲第2番作品17(1901年)

序奏 ハ長調
2.5点
ノーマルな曲で、音は分厚いが二台が相乗効果は発揮していない印象

ワルツ ト長調
2.5点
音が多くて充実しているが、曲として魅力は不十分。

ロマンス 変イ長調
2.5点
二曲目と同様で、音は多くて響きは充実しているが曲として魅力が足りない。

タランテラ ハ短調
2.5点
タランテラの魅力や二台の共演の楽しさはあるものの、いい曲だと感じるような曲ではない。

その他の作品

2台のピアノのための「ロシアの主題による狂詩曲」(作品番号なし、1891年)
2.5点
若書きなのが聴いていて分かる。多くのものが詰め込まれた意欲的な作品ではあるが、まとまりがない。

ピアノ独奏曲
4つの小品(1887年?)
3.5点
【ロマンス 嬰ヘ短調、前奏曲 変ホ短調、メロディー ホ長調、ガヴォット ニ長調】
ラフマニノフ初期の作品でスクリャービン初期と同様にショパンの影響を感じるも、ラフマニノフらしい情緒や鐘の響きも出現する。何より未成熟だが力作で聞き応えあって驚いた。自身の手で当初は作品1と番号がつけられていただけのことはある。

幻想的小品集 作品3(1892年、第3曲と第5曲は1940年に改稿)

悲歌 変ホ短調 3.5点
前奏曲 嬰ハ短調 4.0点
メロディ ホ長調 2.5点
道化役者 嬰ヘ短調 2.5点
セレナード 変ロ短調 3.0点

前奏曲はラフマニノフの小品の最高傑作。一曲目の悲歌もいい曲だが、曲集の後半は内容が落ちる。

サロン的小品集 作品10(1894年、第5曲のみ1940年に改稿)

夜想曲 イ短調 2.5点 
やりたい事は分かるがもったりすぎ

円舞曲 イ長調 2.5点
いかにもサロン風の曲。中間の技巧は面白い

舟唄 ト短調 2.5点
最後どんどん技巧的になるのが面白い

メロディ ホ短調 2.0点
雰囲気だけのラフマニノフの典型的ダメ小品

ユーモレスク ト長調 1.5点
おもしろくない

ロマンス ヘ短調 1.5点
いいところが特にない。

マズルカ 変ニ長調 2.0点
ラフマニノフ流大作マズルカだが曲のサイズとタイトルから期待するほどでない

楽興の時 作品16(1896年、第2曲のみ1940年に改稿)

1曲目 2.5点
短いフレーズを即興的につないで感情が連綿と息長く続く曲にした感じ。長いが小品のような内容
2曲目 2.0点
技巧的で聴き映えはする。フレーズは息が長い。
3曲目 2.5点
ラフマニノフらしい悲痛感をたたえた情熱が現れた曲
4曲目 3.0点
技巧と情熱的な旋律の組み合わせがスケールの大きさを持って表現されている
5曲目 2.5点
激情の余韻を表したような曲
6曲目 2.5点
ピアノをスケール大きく鳴らす曲


10の前奏曲集 作品23(1901年 - 1903年)

1 嬰ヘ短調 2.5点
夢の中のような曖昧でもやもやした曲。

2 変ロ長調 3.0点
滝のように轟々と水が流れるような曲

3 ニ短調 1.5点
あまり面白くないのにわざわざ三部形式

4 ニ長調 2.5点
ショパンのノクターン8番のような夢見るような曲。雰囲気はいいが平板。

5 ト短調 4.0点
軍隊的な力強いマーチは非常に印象的。叙情的な中間との対比も鮮やか。

6 変ホ長調 3.0点
ふわふわとした浮遊感のある叙情的な曲。

7 ハ短調 2.0点
よくある暗めの雰囲気で右手が早めのパッセージ。

8 変イ長調 2.0点
右手が早めのパッセージのもやもやした曲。

9 変ホ短調 2.5点
ショパンの練習曲のようなパッセージと雰囲気

10 変ト長調 2.0点
もやもやとしてはっきりしないまま霧の中に消えていくような曲

13の前奏曲集 作品32(1910年)

1 ハ長調 2.5点
力強く開始を告げる技巧的な曲

2 変ロ短調 2.0点
短い動機を執拗に繰り返す曲

3 ホ長調 2.5点
音を畳みかけるように積み重ねて盛り上げる中間が少しよい

4 ホ短調 2.5点
音の絵に含まれていそうな技巧的で映像的な要素のある曲。

5ト長調 3.0点
黄色い夕焼けのような美しい情景が描かれている曲。

6 ヘ短調 2.5点
華々しい技巧を見せてすぐにあっさり終わる

7 ヘ長調 2.5点
遠くの方で事象が起きているかのような儚い曲

8 イ短調 2.5点
憂鬱を基調とするテクニカル曲

9 イ長調 2.5点
最初はもやもやとしているが、それが輪郭をつくりながら大きなスケールに至る。

10 ロ短調 3.0点
荒涼とした岩の世界を思い浮かべる映像的な曲。冗長だがラフマニノフが管弦楽で得意な暗闇のような渋い雰囲気がある。

11 ロ長調 3.0点
何か愛おしさを感じる音の動きが前の曲とのつながりも良くて、耳をひく。

12 嬰ト短調 4.0点
ロシア的な憂鬱さと霧の街のような情景が合わさった情緒が見事に表現された素晴らしい曲。

13 変ニ長調 2.0点
曲集の締めの曲らしい情緒は表現されていて感動的ではあるが冗漫すぎる。

練習曲集『音の絵』作品33(1910年)

1 ヘ短調 3.0点
ゴツゴツした岩のような曲。叙情的に締める。

2 ハ長調 3.5点
憂鬱さを帯びた、夕焼けのあと夜の帳が降りるような曲。

3 ハ短調 3.0点
力強い感動を秘めたレティタティーボから静かで叙情的なメロディーに移行。

4(削除、改作して作品39-6に)

5 ニ短調 3.0点
舞曲的要素を持つ力強い曲。

6 変ホ短調 3.0点
かなり難しそうな練習曲

7 変ホ長調(「市場の情景」) 2.5点
ファンファーレが鳴る賑やかな曲

8 ト短調 2.5点
憂鬱なレティタティーボ。

9 嬰ハ短調 3.0点
轟々と響きわたる音が印象的。左手の低音の使い方が印象的。

練習曲集『音の絵』作品39(1916年 - 1917年)

1 ハ短調 3.0点
多くのパッセージががっつり詰め込まれた意欲的な作品。

2 イ短調(「海とかもめ」) 3.5点
冬の海のような冷たさと重たさを詩情として潜ませている。キラキラとした水面のようなフレーズが印象的。

3 嬰ヘ短調 3.5点
前曲に続き冬の大自然のような厳しさを感じさせる。

4 ロ短調 3.5点
同音連打が印象的。おとぎ話的な雰囲気、エキゾチックさ、厳しさを感じさせる面白くていい曲。

5 変ホ短調 3.5点
荘重な悲劇性を持った主題から展開されるスケールの大きな曲。鐘のような効果も活用されている。

6 イ短調(「赤ずきんちゃんと狼」) 3.0点
ユーモアがあるイントロの後の、テクニカルにたたみかけるところはいい感じで面白い。

7 ハ短調(「葬送の行進」) 2.0点
この曲集で唯一いまいちな曲。重いレティタティーボ。長い。

8 ニ短調 3.0点
美しい冬をまたしても感じさせる曲。

9 ニ長調(「東洋風行進曲」) 2.5点
唯一の長調だが、単純な曲ではなく、展開はめまぐるしい。華々しく終わる所はかっこいい。

大曲

ショパンの主題による変奏曲 作品22(1903年)
3.5点
前半部分4.0点
前奏曲20番の主題。この重々しい曲を主題に選ぶのが彼らしい。大作で内容が濃密で素晴らしく独奏曲の中では最高傑作の一つだと思う。特に最初の7分位はパガニーニ狂詩曲の前半部分のように霊感にあふれているかなりいい曲。何気にラフマニノフは変奏曲の才能が凄い。しかし曲全体はとしては長すぎて内容はいいのだが集中力が続かない。

ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 作品28(1907年)
3.5点
2番と比べてマイナー。長くて音数が多いし退屈な部分もあるので聴くのは大変。しかし外面的効果狙いを感じる2番と比較してファウストを題材にした1番は芸術的な真摯さを感じる充実した力作である。とはいえ、1楽章などはモヤモヤした雰囲気が時間とともに変容していくだけで音楽が進んでいく、良くないラフマニノフ作品の典型例かもしれない。3楽章は交響曲のようなスケールと雄大さとメロディーの充実感においてラフマニノフの大作ピアノ曲の中の最高峰だろう。3楽章の途中に現れる手を交叉させて演奏される神秘的で魔術的なメロディーが大変印象的である。

ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品36(1913年、改訂1931年)
3.5点
この曲は作曲者による2つの版があるが、私はオリジナル版は冗長であり、改訂版は逆に削り過ぎで良さが失われていると考えている。このため間をとったホロヴィッツ版はちょうど良いと思う。基本的には派手な演奏効果を楽しむ曲であり外面的で深さが足りないのだが、所々に十分に美しい箇所はあるため侮れない。

コレルリの主題による変奏曲 作品42(1931年)
3.0点
ショパンの主題の方と比較すると壮大さや傑作感はやや劣ると思うが、変幻自在で分厚い重みもあり聞き応え十分な変奏曲。


その他

前奏曲 ニ短調(作品番号なし、1917年)

オリエンタル・スケッチ(作品番号なし、1917年)
2.5点
前奏曲的なスケッチ作品。


声楽曲

「ヴォカリーズ」作品34の14(1915年)
5.0点
ヴォカリーズとは、歌詞がなく母音のみで歌われる歌曲。非常に分かりやすい旋律美で多く楽器で演奏して親しまれている。美しくて陰影のある小品であり、どの楽器で演奏しても楽しめる曲としてかなり魅力的である。

合唱交響曲『鐘』作品35(1913年)
3.5点
3人の独唱者・合唱・管弦楽のための作品。充実の力作で聴き応えがある。

聖金口イオアン聖体礼儀作品31(1910年)
3.8点
荘重で、キリスト教の儀式の音楽らしい神秘的な超越的雰囲気に満ちている。無伴奏合唱だが、伴奏があるかのように音は充実している。様々なイメージが現れるので、長い曲だが飽きる事はない。
徹夜禱ほどの感動的な衝撃は無かったが、この曲もラフマニノフとは思えないほどの本格性があり、天才的な霊感に満ちていて大変素晴らしい。

徹夜禱作品37(1914年 - 1915年)
4.3点
ラフマニノフの無伴奏合唱の宗教曲。1時間の大作。大半の人にとっては期待を完全に上回る素晴らしさに驚くだろう。ロシアの民族性や、ロマンティックな感情コントロールや、質量の大きい骨太さなど、ラフマニノフの才能が見事に結晶している。全く飽きないし、次々と魅力的な場面が登場してゾクゾクする。ときどき神秘的な輝きと内容の素晴らしさにヴィクトリアを思い出す。ラフマニノフに頻出の安易さが全くない。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/ラフマニノフ
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/943.html#c5

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
49. 中川隆[-13087] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:13:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[446]

「真空管アンプと音の響きについて」のネット記事の紹介
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c


「真空管アンプは、真空管の差し替えで音が変わります。最近私は真空管アンプに注目していますが、それは音源が PC/ネットワークオーディオになると、ますます潤いや音を作る楽しみが小さくなってしまうからです。

たしかに、PC/ネットワークオーディオでもケーブルを変えたり、再生ソフトを変えると音が変わるのですが、カートリッジの交換だけで1枚のレコードがまるで違う歌のように雰囲気までがらりと変わってしまったアナログ時代の音の変化とは、何かが根本的に何か違うように感じています。

デジタル時代の音の変化は、音の細やかさや透明感、立体感など「音質」に関わる部分で、音楽の雰囲気つまり「情緒」に関わる部分での変化が少ないように思います。

また、アナログ時代には「再生時の音作り」で生演奏よりも素晴らしい雰囲気で音楽を楽しめたのに対し、デジタル時代ではどう頑張っても生演奏を超えられないように思うのです。このアナログとデジタルの根本的な違いは、「響きの差」から生まれていると考えています。

音楽は響きの芸術です。音楽は、音の響きが多いか少ないかで情報量が変化します。良い例が「クラシック・コンサート」で、響きの美しいホールでなければ情緒深く美しい演奏が奏でられません。

演奏をより美しくするためには、楽器そのものの響きをさらに「響かせる」ことが必要です。音源がアナログオーディオの場合、再生プロセスではレコード盤そのものの響き、カンチレバーの振動など録音されていない「響き」が盛大に発生します。それを「味方」に付けることで音楽的な情報量を増やしたり、演奏の味わいを深められるのだと私は考えています。

ところが音源がデジタルになると、この「響き」が生み出されなくなります。アップサンプリングやビット伸長を行うことで音の細かさは向上しますが、響きが増えることはありません。

これが再生プロセスの芸術性でデジタルがアナログを超えられないと考える理由です。デジタルの音はアナログよりもあっさりしている、アナログのような暖かさや情緒深さが感じられない、立体感に乏しい、これらはすべて「響きが足りない」からだと考えられます。

このデジタルで不足する「響き」を補えるのが、真空管アンプです。今回のテストから明らかなように、真空管が音楽信号に呼応して響き、音楽の味わいを深めます。プレーヤー(音源)で響きを作るすべを封じられた今こそ、真空管アンプに注目すべきだと私は考えています。」

つまり、CDにしろSACDにしろさほどの変化を感じられなかった原因は「音の響き」がプアなせいだったのか、と思い当たった。

我が家の場合は、いまさらレコードに戻るのも億劫だしデジタルの音を「真空管アンプ+昔の高能率のユニット」で鳴らす方が「音の響き」にとって丁度いい塩梅だと勝手に思っている。

デジタルもアナログもそれぞれ長所もあれば弱点もあるので、長所をいかに伸ばし、弱点をいかにカバーするかが、ありふれたことだがオーディオの王道なのだろう。

そういえばオーディオ誌などを見ているとシステムや機器の「弱点」に触れている記事はまず見かけないのでうかつに信用できない。

たとえば「響きが足りないデジタルの音を響きの少ないTRアンプで鳴らす」風潮などがそうで、オーディオが衰退の一途をたどっている一因もその辺りにあると推察している。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c49

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
50. 中川隆[-13086] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:17:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[447]
真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。


一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。


真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。

そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。


良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。

次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。


また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。


もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。

一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。

そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。

そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c50

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
51. 中川隆[-13085] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:26:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[448]
アナログとデジタルについて

 今のオーディオの世界でデジタルが良いとかアナログが良いとか論議が絶えないようですが、論議をされている方に何か勘違いがあるのではないかと思われます。

オーディオシステム全体は全てアナログです。
デジタルが使用されるのは音を保管する方法の事で、その部分だけがデジタルかアナログかどちらが良いかということでしょう。比較する方法に問題があるのです。

自分自身のシステムの中での比較でしたら論議の意味はないと思います。
好きな方を聞けばよいのです。

本当に問題なのは利益追求の為に急にアナログのLPを生産中止してデジタルのCDだけを生産するメーカーの姿勢です。私には比較され公表される事を恐れたものとしか思えませんでした。

デジタルもアナログも良いところと悪いところを持ち合わせています。確かにデジタルは便利です。低価格のオーディオは全てデジタルに取って替わりました。
 
オーディオを歴史的に考えてみましょう。ここでは少しハイレベルでのお話をしてみます。

再生技術が発表されたのは1800年後期ですが、トーマス・エジソンの蓄音機の発明がきっかけとなります。

1900年初期に78回転のSPレコードの生産がはじまり、1940年代にモノーラルLPレコード、そして1960年になってステレオLPレコードが販売されています。そして1985年頃にCDが発売されたと思います。

これに音楽の歴史を重ねて見ましょう。

歴史に残るモダンジャズやクラシックが最高の時期を迎えたのは1900年頃から1970年頃まででしょう。この時期に歴史的な演奏が数多く行われ録音されてきました。それは殆んどSPやLPレコードに収められています。

そしてオーディオの技術が頂点に達したと思われるのは1950年から1960年代でしょう。
その後、業務用のオーディオ機器の大半が劣化の道をたどっています。

うそ〜 と思われる方が多いと思いますが話を続けます。
古いとか新しいとか関係なく御自分の耳で確かめてください。

ある程度の高価なオーディオ機器を持ち、音楽を良い趣味として楽しんでおられる方はお解かりと思いますが、1950年代のもノーラルレコードや1960年代のステレオレコードは驚くほどの音質で録音されています。

その当時に生産されたLPレコードは、近年に作られたLPの重量盤やハーフカッティングや誰かの推薦盤などとは全く違って本物なのです。

LPレコードの音質をどんどん劣化させた現在、デジタルと比較する事は全く意味がありません。

 アナログのLPレコードの魅力は高級機での再生にあります。
正確に録音された歴史的な演奏はそれなりにしっかり作られた良いシステムを使用しないと正しい音での再生は出来ません。

例えば音質的に上手く組み合わせられた約50万円以上の良いシステムでしたら少しはアナログの良さが多いことを確認できるでしょう。

LPレコードからは非常に繊細な多くの音質の聞分けができますがCDプレーヤーの再生では少しの音の違いしか確認できません。これが非常に良質のシステムの場合アナログでは気合の入った全く違う演奏にも感じさせるのです。

デジタルとアナログの比較をした場合、低価格システムの場合ではデジタルが有利で、こだわりの高級システムの場合はアナログが有利になるでしょう。

 別の方向から説明しますと、アナログ録音は無限の連続ですがデジタル録音は有限の断続です。比較して機械的な測定ではアナログ録音再生の良いところは小信号にあり、デジタル録音再生の良いところは大信号にあります。

要するにアナログは微細な音色を表現する音や緩やかに変化する音が有利であり、音楽が一番必要としている感情を表現する音質が得意なのです。大きな爆発的な瞬間の音、要するに劇的な音で音楽性の上では少々荒れてもかまわない音に弱いのです。このことがジャズやクラシック、ポップス、ロックなどの音楽の表現力として有利になります。

一方デジタルは大きな音や大きな変化に強く、微小な変化を表すのが弱点であり、このことがハードロック音楽などの衝撃的な音に有利に思われますが、これは機械的な測定結果によるものであり、現実はハードロックを聴かれるかたの方がアナログファンが多いのです。

それは、大音量の中に色々な多くの感情を表現する音が含まれて音楽として構成されていますので、大音量こそ感情表現に乏しいデジタル音では、音楽の表現を聞き取る事が難しく耐えることすら困難になります。

全ての音楽家は、音楽の中で自らの表現をなるべく多く正確に伝えるが為に、良い楽器を選び、心を込めて演奏しているのです。そこで聞く側として、演奏家の音楽としての表現をいかに上手にとらえるかを努力したいものです。

 「良いものは永遠に残る」、ということわざがありますが、30年前に日本国内で生産中止された真空管が今では高級品として残るがごとく、15年前に生産中止されたLPレコードがいまだに人気があるのです。

新しいものが古いものを超える場合は、古いものは2〜3年も経たないうちに見放されてしまうのが常識でしょう。

デジタルの音に対する難関は音のアナログ信号をデジタルに変換する事、もっと難しいのはデジタルの信号をアナログに変換する事です。非常にややこしい、スピードの遅い作業です。しかし、デジタルコピーなら何回コピーしてもほとんど同じ物が出来ます。デジタル技術が進んできた現時点で便利なデジタルがアナログのどの程度まで追いついているのかという事が論争になる部分であり、デジタルがアナログを超えているというのは非常に早過ぎる話だと思います。また、デジタルが進化するとしてもアナログも同じように進化しますので、超える事は無いにしろどちらでも良い程度の時代が数十年後には来るかもしれません。


 ここで良質なLPレコードを良質な高級システムで再生した場合の音質について書いておきます。

一般にアナログは聞きやすく柔らかい音だと言われていますが、それでは何かボケた音、ふわーとしたバックグランドミュージックの音のように勘違いします。しかし、本物はそういう単純なものではなく極自然な音なのです。全ての感情を現すために、非常にスピードがあり、繊細で強烈でやさしく激しく、澄み切った空間に奥行きのある音で広がり、癖が無く、1つの楽器の音でも気持ちが現れる色々な音色を出します。それはあたかも演奏家が自分の為に目の前で演奏して何かを伝えようとしているかのごとく楽しむ事ができるのです。

そして、1950年代のモノラルや1960年代のステレオのレコード鑑賞は多くの意味で生演奏を超える事があるのです。

http://www.otono-edison.com/edisonkyo/ade.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c51

[リバイバル3] 「マイ電柱」は効果が有るのか? 中川隆
40. 中川隆[-13084] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:28:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[449]
電源について

電源用のタップはしっかりしたものをご使用ください。一般に販売されている電源タップには、非常に安価な(\1,500前後の)ものやノイズフィルター付きの(1〜2万円)もの、または常識をはるかに超える(10数万円もするもの)など色々あります。

しかし、本当のまじめな製品は少ないものです。価格の安いものは使用されているプラグやコード、コンセント等に安いものが使用され、接合部分にも問題があります。

また、フィルター付きの1〜2万円のものは、コードを除き安物と余り変わらないようです。しかし、フィルターをつけたことで値段が少し高くなっていますが、音質的にはフィルターがついている為に安い物を下回ります。

また、非常に高価な製品も問題があります。良い部品や良いコードは使用していますが、落雷防止やノイズフィルターやフローティング、交流安定化電源アンプなどを採用していますので非常に高価になり、それらを採用する事で性能としては良い面と悪い面が出てきます。相対的にマイナス面が大きいと感じられます。

最高に誠実な(理論的に考えて良い物)電源タップを製品化してみました。この電源タップ部品は日本製のしっかりしたコードやプラグやコンセントを使用し、スイッチ代わりに安全ブレーカーを使用したものです。要するに、良い電源にするためには、接合点がしっかりしたもので耐久性が優れたものが一番良いのです。

フィルターやそれ以外の色々な事を施しているものは高価になり、宣伝文句は立派に感じますが、オーディオ用電源としての品質は低下するようです。しかし、電源のパルスやノイズに弱いコンピューター等に使用する場合には適していると思います。

良い電源とは、一番に電力供給です。二番目に綺麗な電源でしょう。もし、一番目の電力供給能力が低くなったとしたら、音質に大きな影響が出てきます。それは、音に力が無くなり、スピード感が落ち、活力が低下します。二番目の綺麗な電源については現在の商用電源で十分なようです。確かに商用電源はオシロで見るとノイズが見えます。(注:このノイズはフィルターでも少し少なくなる程度です。)この程度のノイズはアンプ内のフィルター(整流回路)で十分に対処できます。少し残ったとしても音に現れるものではないと判断されます。もし、二番目のわずかな事を気にしてノイズフィルターやフローティングなどを使用すると、電源インピーダンスが大きくなり、一番大事な電力供給能力を著しく阻害する事になります。

高価なフィルター付き、又、フローティング電源、落雷防止付き等の電源を使用すると、わずかに音がしなやかで綺麗になったように感じて、ノイズが少なくなったと判断されるかも知れません。実は電気が綺麗になった事よりも、電源インピーダンスが非常に高くなった為に電源供給能力が低下して、音の立ち上がりやスピード感が遅くなり、音の力強さが欠け、細かい音の粒立ちが薄れてしまっている事が大きいのです。改めてフィルターも何も使用していない元のコンセントに戻してみると、音に活力が蘇り、音が劣化していた事に気付かれるでしょう。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/dengen.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/759.html#c40

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
52. 中川隆[-13083] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:30:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[450]
スピーカーについて

スピーカーといえば皆さんはすぐに箱に入った四角いものを想像されると思います。そして、販売されているカタログを見るとすべてのものが素晴らしい考えのもとに設計し製造されているかのように書いてあります。スピーカーの設計は非常に難しく、素晴らしいと言えるようなスピーカーはなかなか存在しないものです。そこで、良いものを探すには知識が必要になってくるのです。

スピーカーシステムには使用されているスピーカーユニットの種類、またはエンクロジャー(箱)の種類などで目的の音質が異なり、本当に良いものが現在生産されているかということまで考えないと見つける事が出来ないかもしれません。

スピーカーユニットの種類には

●フルレンジ
 単体のスピーカーで全ての帯域を受け持つように設計されています。ユニットの中でこれほど簡単なものから高価なものまで数多く作られたものはありません。スピーカーユニットの設計の基本となるもので今でも最高級の低音用として用いられます。また、フルレンジとツィーターを一緒にした同軸2ウェイのユニットもあります。一般的な大きさのものでは同軸方のほうが非常に有利です。このフルレンジユニットがスピーカーの基本になると考えられても良いと思います。


●ウーハ−
 低音を重視して設計されたもので口径が大きくストロークが大きく取れるように設計されています。しかし、低音が伸びているとか大きさだけでは良い音質の判断材料にはなりません。同じ箱の大きさならば設計理由から判断すると口径の小さいウーハーの方が音質的に有利になります。
小さい箱で低音を伸ばすにはコーン紙の質量を重くします。低音の共振周波数が下がり、小さい箱の割には低音がよく出るようになりますが、注意するべき事は音質の低下です。重くなったウーハーはスピードが遅くなります。歯切れの良い低音は出てこなくなりますので音楽的には重ったるい鮮度の低い音質となります。
良質な原音再生を意図したウーハーは大口径でも軽い強いコーン紙で出来ています。そして能率が高く、高価なものは100dB以上もあるのです。


●スコーカ−
 中音用に設計されたユニットですが箱に取り付けた小型のものは今までに良いものはありませんでした。比較的に良いものとしては小型のフルレンジが使用されています。

大型のものではホーン型が使用されていますが、ドライバー単独では良いものかもしれませんが一般的に販売されているものではホーンの設計が設置する都合に合わせてあり、低音や高音との音の位相や定位が上手く取れないのが殆どです。見た感じ凄そうに見えますが家庭用としては不完全でしょう。しかし、低位と位相が合わせられたものは予想を越える素晴らしさがあります。


●ツィーター
 高音を再生するために設計されたもので多くの種類があります。能率の高いホーンタイプは高級品に利用されますが指向性に問題があることがあります。コーンタイプは最もポピュラーなツィーターでウーハートの相性も良く安価です。最近はソフトドーム型が良く使われていますが能率が低いため小型システムに利用されます。指向性は非常に良い。音質重視のシステムにはホーンタイプが多く利用され、バスレフ型にはコーンタイプ、密封型にはドームツィーターが多いようです。

エンクロジャー(箱)の種類は


●平面バッフル型

一番古くから使用されているものでスピーカーの前と後の音を混合させないように広い板で仕切るものです。最近は板の共振を無くすため形が工夫されています。最高の音質が得られますが使用できるユニットは比較的に高価です。バッフルが大きくなるところが欠点ですが、低域の音質は他の方法で勝るものはありません。低音のよさは全体域につながり、原音再生を目的とされる場合は特にお薦め致します。現在のメーカーさんでは作っているところは有りませんが成功すると箱型での音作りは時間の無駄ということが良くわかります。バランスよく広帯域を再生するには非常に経験と技術が必要です。


●バスレフ型

 平面バッフル型をなるべく小さくするために考えられたもので、ユニットの後から出る音を箱で封じ込めながらある程度の背圧を抜き、特性の降下している低音のみを位相反転させ前に開けたポートの共振で持ち上げる設計です。一般的な大きさのシステムでしたらこちらの方が有利でしょう。


●密封型

 スピーカーの後から出る音を箱で封じ込め、その音を箱に詰められた多量の吸音材で消去しようと考えて設計されたものです。当然スピーカーは空気の圧力を受けますので動きにくくなり能率が低下します。この空気の背圧を利用しウーハーの振動系に重りを付け、または重くして共振値を下げて低音を再現する方法です。また、ボイスコイルを大きくしてもかまわない設計であり100W以上の入力に耐えます。しかし全体的に背圧を受けながら振動しているために楽器のように開放感のある音は望めません。箱の内部を調整する事により自然な感じの音ではありませんが綺麗な音の感覚の音作りにしたり、音質重視でなく音圧で圧倒するような音楽として聴かれたい方には向いているかも知れません。

大きく分けて分類しましたがお解かりの方も多いと思います。上記を基本にして説明を書いていきます。

大まかな音質の良いスピーカーの選び方

スピーカーを判別するに特性表が表示されていると思いますが、この表がメーカーや国や用途によりまちまちになっています。プロ用は(−3dB)を基準に、アマチュア用は(−10dB)を基準に測定するなど、全てを信じて評価すると大きな失敗に結びつきます。特性表の中で信用できて音質的な参考に出来るものがスピーカーの能率です。この能率は電気信号をどれほどの効率で音に変換できるかを表しています。車で言えば1000ccのエンジンで何馬力出せるかの表示と同じものです。これを音圧として表示されています。平均的には約90〜93dB(デシベル)位でしょう。これが3dB変化すると半分かまたは倍の効率になります。悪い数値のものは表示されてないものもあり、だいたい85dB前後でしょう。良いものは100dB以上にもなります。この数値はアンプの出力を1W入力した時、スピーカーから1m離れたところの音の大きさを表します。数値が100dBのスピーカーの場合は1Wの入力で録音された原音の音量が出ます。そして変換効率は5%です。90dBの場合は0.5%ということになります。

良いスピーカーを作るには構造や理論が自然でなくてはなりません。音質の良いものは小さな信号までも効率的に音に変換できるようにする為に、振動系は軽くて強いものを選びます。その為に自然と能率が良くなり100dBを越えるか近いものになります。このように音質重視で設計されたスピーカーユニットは背圧のかからないバッフル型またはバスレフ型に取り付け使用します。しかし、最近では平面バッフル型は大きさが敬遠されて小型のバスレフ型や密封型が多くなりました。しかしこのことは背圧が加わるために低音を出そうとして設計すると振動系の部分を重くする必要があります。こうして箱内の空気圧と振動系の重さにより原音再生の考え方から離れていったのです。バスレフの場合は90〜93dB程度のユニットを使用するためまだ良い方ですが、密封型の箱では振動系に重りを付けた物が多く良質な再生音は得られないでしょう。最近では、更に小型で重低音をうたい文句に別のスピーカーユニットを箱の中に取り付け共振を利用して低音を増強しようとしたスピーカーシステムがあるようですが原音再生には全く無縁のものと思います。

ここで上手くいった一例として当店の409システムをご紹介いたします。このシステムは一見バスレフにも見えますが、バスレフポートを縦長にすることで共振を少なくしてボックス内の背圧を抜いています。ユニットは能率が20センチでは世界一の97.8dBもあります。上手に鳴らすことで平面バッフル型に近い良い音質が得られるのです。

ここで誤解の無いように「良い音質とは」の説明をしておきます

 良い音質とは録音される前の音のように感情の入った色々な微細な音を正確に再現するもので、綺麗な音や汚い音、太い音、細い音、激しい音、やさしい音、明るい音、暗い音などを表現する事が出来ます。演奏家が楽器などによって音で表現しようとしている意味が聞き取れるものであり、何でもきれいな音で表現するものではありません。最近は音楽としての音質を忘れてオーディオとしての勝手な音作りが先行している製品の方が多くなっています。少し視野を広げる事で素晴らしいオーディオの世界があることに気付いて頂けると思います。

スピーカーシステムの形から見た性質

 平均的な小型のスピーカーシステムには2ウエイや3ウエイが多く見かけられます。どちらが音質的に有利かといえば2ウエイの方です。帯域的には3ウエイの方が有利でしょう。しかし、予算を同額にすると2ウエイが非常に良い結果になります。その理由は2ウエイのウーハーとツイーターに3ウエイにするため中音のスコーカ−を入れますがスコーカ−の能率は非常に悪く、ウーハーの効率を揃えるためにウーハーの振動系を重くして共振点を下げて低音を伸ばすのが一般的です。こうする事で3ウエイの帯域は広くなります。しかし能率が悪くなり音質が劣化し2ウエイに劣るのです。そのほかにもネットワークという音を分ける部分も3ウエイの方は部品数が多くなり高価になりますので、2ウエイのままで予算をかけたシステムの方が音質は非常に有利になるのは明白です。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/speaker.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c52

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
53. 中川隆[-13082] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:37:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[451]
「スピーカーは買い換えを考える必要のない素晴らしい物を」
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm

当店は営業25年目になります。当初は他のお店と変わりはなく、有名な海外のスピーカーを並べていました。そして良いスピーカーを選ぶ為に、展示している中から色々なスピーカーを自宅に持ち帰り、試聴していました。

当時はさすがにどのスピーカーも良いところがある等と楽しんでいましたが、自分専用のスピーカーが決まりません。そこで、生産が完了している古いスピーカー(昔の名器)といわれるものを次々と取扱い、試聴すると新しいものに勝るものばかりでした。

しかし、決定的なものはありませんでした。そしてスピーカーの歴史を調べ、行き着いたところが60年以上前の最高級フルレンジスピーカーです。

ウエスタンやジェンセン、RCA等、これらのスピーカーは現代のスピーカーとは大違いです。見かけは気にせずに本格的に考え抜かれた部分が多く、素晴らしい部分を沢山持っています。

簡単に言うと励磁型、フィクスド、ベークダンパーで、正当な考え方として最高のものです。現代のスピーカーユニットでは足元にも及びません。

コーン紙の作りでも非常にこだわりが有り、鉄の素材や紙の材料や糊の量や形成方法が全く違ったのです。現代の技術と大きな能力の違いを感じさせられました。

調べるうちにスピーカーは60年も前から衰退している事を実感したものです。

当時、このような高級フルレンジスピーカーは一般的に販売されていなかったようです。(販売されていたとしても購入できる金額ではなかったと思われます。)素晴らしい物を発見してしまいました。後にも先にももう探すところはありません。「これらのユニットを使わないで何を使う」と考えて作り始めたのです。

そして、当時の多くのスピーカーシステムを調べてみて、箱型では頂点を目指すことは出来ないことも分かりました。このように、これらのユニットに大きな可能性を感じたのですが、

現代の無難な考え方のスピーカーとは全く異なり、低音の量感は少なく、じゃじゃ馬で、そのままではスピード感や実在感はあるものの雰囲気や繊細さはありません。音質は良いのですが周波数特性上の暴れや、インピーダンスの暴れ、大きな共振には悩みました。

そして、色々な方法を考えました。最初はツイーターを組み合わせバッフルの形やネットワークで調整する事で何とか目的を果たす事が出来ました。その頃はこれらのユニットに見合うようなツイーターもなかったのです。

その後、発売されたエレクトロボイスの新製品(最も高価なドライバー+ホーン)DH-3を当店の大型システム(ホーン型)に使用しテストして決定しました。しかし、このツイーターをこのシステムに利用してみると前よりは良くなっていますが、完全に納得がいきません。

他の名器といわれるスピーカーと似たように原音に近いものでなく、オーディオの再生音に感じます。

試行錯誤すること5〜6年、やっと原因を突き止めたのです。その原因はアッテネーターであり、音量を絞ることで音質が劣化する事を発見したのです。

そして劣化のない新型のアッテネーターを考案する事が出来て、やっと思い続けていた音を出すスピーカーシステムが出来上がりました。
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c53

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
54. 中川隆[-13081] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:45:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[452]

なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)



2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。
例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。


一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。
(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c54

[リバイバル3] 真空管アンプについての よく有る誤解 中川隆
12. 中川隆[-13080] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:49:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[453]

真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/923.html#c12

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
134. 中川隆[-13079] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:50:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[454]

真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c134

[リバイバル3] 最高の音を一番安く手に入れる方法 _ パソコンの iTunes ファイル + プリ機能付き DAC + フルレンジスピーカー 中川隆
101. 中川隆[-13078] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:51:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[455]

真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1002.html#c101

[リバイバル3] 3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない 中川隆
30. 中川隆[-13077] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:52:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[456]

真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html#c30

[リバイバル3] ハイエンド・スピーカーの世界 中川隆
139. 中川隆[-13076] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:53:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[457]

真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/697.html#c139

[リバイバル3] ハイエンド・スピーカーの世界 中川隆
140. 中川隆[-13075] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:55:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[458]

「スピーカーは買い換えを考える必要のない素晴らしい物を」
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm

当店は営業25年目になります。当初は他のお店と変わりはなく、有名な海外のスピーカーを並べていました。そして良いスピーカーを選ぶ為に、展示している中から色々なスピーカーを自宅に持ち帰り、試聴していました。

当時はさすがにどのスピーカーも良いところがある等と楽しんでいましたが、自分専用のスピーカーが決まりません。そこで、生産が完了している古いスピーカー(昔の名器)といわれるものを次々と取扱い、試聴すると新しいものに勝るものばかりでした。

しかし、決定的なものはありませんでした。そしてスピーカーの歴史を調べ、行き着いたところが60年以上前の最高級フルレンジスピーカーです。

ウエスタンやジェンセン、RCA等、これらのスピーカーは現代のスピーカーとは大違いです。見かけは気にせずに本格的に考え抜かれた部分が多く、素晴らしい部分を沢山持っています。

簡単に言うと励磁型、フィクスド、ベークダンパーで、正当な考え方として最高のものです。現代のスピーカーユニットでは足元にも及びません。

コーン紙の作りでも非常にこだわりが有り、鉄の素材や紙の材料や糊の量や形成方法が全く違ったのです。現代の技術と大きな能力の違いを感じさせられました。

調べるうちにスピーカーは60年も前から衰退している事を実感したものです。

当時、このような高級フルレンジスピーカーは一般的に販売されていなかったようです。(販売されていたとしても購入できる金額ではなかったと思われます。)素晴らしい物を発見してしまいました。後にも先にももう探すところはありません。「これらのユニットを使わないで何を使う」と考えて作り始めたのです。

そして、当時の多くのスピーカーシステムを調べてみて、箱型では頂点を目指すことは出来ないことも分かりました。このように、これらのユニットに大きな可能性を感じたのですが、

現代の無難な考え方のスピーカーとは全く異なり、低音の量感は少なく、じゃじゃ馬で、そのままではスピード感や実在感はあるものの雰囲気や繊細さはありません。音質は良いのですが周波数特性上の暴れや、インピーダンスの暴れ、大きな共振には悩みました。

そして、色々な方法を考えました。最初はツイーターを組み合わせバッフルの形やネットワークで調整する事で何とか目的を果たす事が出来ました。その頃はこれらのユニットに見合うようなツイーターもなかったのです。

その後、発売されたエレクトロボイスの新製品(最も高価なドライバー+ホーン)DH-3を当店の大型システム(ホーン型)に使用しテストして決定しました。しかし、このツイーターをこのシステムに利用してみると前よりは良くなっていますが、完全に納得がいきません。

他の名器といわれるスピーカーと似たように原音に近いものでなく、オーディオの再生音に感じます。

試行錯誤すること5〜6年、やっと原因を突き止めたのです。その原因はアッテネーターであり、音量を絞ることで音質が劣化する事を発見したのです。

そして劣化のない新型のアッテネーターを考案する事が出来て、やっと思い続けていた音を出すスピーカーシステムが出来上がりました。
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm

スピーカーについて
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/speaker.htm

スピーカーといえば皆さんはすぐに箱に入った四角いものを想像されると思います。そして、販売されているカタログを見るとすべてのものが素晴らしい考えのもとに設計し製造されているかのように書いてあります。スピーカーの設計は非常に難しく、素晴らしいと言えるようなスピーカーはなかなか存在しないものです。そこで、良いものを探すには知識が必要になってくるのです。
スピーカーシステムには使用されているスピーカーユニットの種類、またはエンクロジャー(箱)の種類などで目的の音質が異なり、本当に良いものが現在生産されているかということまで考えないと見つける事が出来ないかもしれません。


スピーカーユニットの種類には

●フルレンジ
 単体のスピーカーで全ての帯域を受け持つように設計されています。ユニットの中でこれほど簡単なものから高価なものまで数多く作られたものはありません。スピーカーユニットの設計の基本となるもので今でも最高級の低音用として用いられます。また、フルレンジとツィーターを一緒にした同軸2ウェイのユニットもあります。一般的な大きさのものでは同軸方のほうが非常に有利です。このフルレンジユニットがスピーカーの基本になると考えられても良いと思います。


●ウーハ−
 低音を重視して設計されたもので口径が大きくストロークが大きく取れるように設計されています。しかし、低音が伸びているとか大きさだけでは良い音質の判断材料にはなりません。同じ箱の大きさならば設計理由から判断すると口径の小さいウーハーの方が音質的に有利になります。
小さい箱で低音を伸ばすにはコーン紙の質量を重くします。低音の共振周波数が下がり、小さい箱の割には低音がよく出るようになりますが、注意するべき事は音質の低下です。重くなったウーハーはスピードが遅くなります。歯切れの良い低音は出てこなくなりますので音楽的には重ったるい鮮度の低い音質となります。
良質な原音再生を意図したウーハーは大口径でも軽い強いコーン紙で出来ています。そして能率が高く、高価なものは100dB以上もあるのです。


●スコーカ−
 中音用に設計されたユニットですが箱に取り付けた小型のものは今までに良いものはありませんでした。比較的に良いものとしては小型のフルレンジが使用されています。

大型のものではホーン型が使用されていますが、ドライバー単独では良いものかもしれませんが一般的に販売されているものではホーンの設計が設置する都合に合わせてあり、低音や高音との音の位相や定位が上手く取れないのが殆どです。見た感じ凄そうに見えますが家庭用としては不完全でしょう。しかし、低位と位相が合わせられたものは予想を越える素晴らしさがあります。


●ツィーター
 高音を再生するために設計されたもので多くの種類があります。能率の高いホーンタイプは高級品に利用されますが指向性に問題があることがあります。コーンタイプは最もポピュラーなツィーターでウーハートの相性も良く安価です。最近はソフトドーム型が良く使われていますが能率が低いため小型システムに利用されます。指向性は非常に良い。音質重視のシステムにはホーンタイプが多く利用され、バスレフ型にはコーンタイプ、密封型にはドームツィーターが多いようです。


エンクロジャー(箱)の種類は


●平面バッフル型

一番古くから使用されているものでスピーカーの前と後の音を混合させないように広い板で仕切るものです。最近は板の共振を無くすため形が工夫されています。最高の音質が得られますが使用できるユニットは比較的に高価です。バッフルが大きくなるところが欠点ですが、低域の音質は他の方法で勝るものはありません。低音のよさは全体域につながり、原音再生を目的とされる場合は特にお薦め致します。現在のメーカーさんでは作っているところは有りませんが成功すると箱型での音作りは時間の無駄ということが良くわかります。バランスよく広帯域を再生するには非常に経験と技術が必要です。


●バスレフ型

 平面バッフル型をなるべく小さくするために考えられたもので、ユニットの後から出る音を箱で封じ込めながらある程度の背圧を抜き、特性の降下している低音のみを位相反転させ前に開けたポートの共振で持ち上げる設計です。一般的な大きさのシステムでしたらこちらの方が有利でしょう。


●密封型

 スピーカーの後から出る音を箱で封じ込め、その音を箱に詰められた多量の吸音材で消去しようと考えて設計されたものです。当然スピーカーは空気の圧力を受けますので動きにくくなり能率が低下します。この空気の背圧を利用しウーハーの振動系に重りを付け、または重くして共振値を下げて低音を再現する方法です。また、ボイスコイルを大きくしてもかまわない設計であり100W以上の入力に耐えます。しかし全体的に背圧を受けながら振動しているために楽器のように開放感のある音は望めません。箱の内部を調整する事により自然な感じの音ではありませんが綺麗な音の感覚の音作りにしたり、音質重視でなく音圧で圧倒するような音楽として聴かれたい方には向いているかも知れません。


大きく分けて分類しましたがお解かりの方も多いと思います。上記を基本にして説明を書いていきます。


大まかな音質の良いスピーカーの選び方

スピーカーを判別するに特性表が表示されていると思いますが、この表がメーカーや国や用途によりまちまちになっています。プロ用は(−3dB)を基準に、アマチュア用は(−10dB)を基準に測定するなど、全てを信じて評価すると大きな失敗に結びつきます。特性表の中で信用できて音質的な参考に出来るものがスピーカーの能率です。この能率は電気信号をどれほどの効率で音に変換できるかを表しています。車で言えば1000ccのエンジンで何馬力出せるかの表示と同じものです。これを音圧として表示されています。平均的には約90〜93dB(デシベル)位でしょう。これが3dB変化すると半分かまたは倍の効率になります。悪い数値のものは表示されてないものもあり、だいたい85dB前後でしょう。良いものは100dB以上にもなります。この数値はアンプの出力を1W入力した時、スピーカーから1m離れたところの音の大きさを表します。数値が100dBのスピーカーの場合は1Wの入力で録音された原音の音量が出ます。そして変換効率は5%です。90dBの場合は0.5%ということになります。

良いスピーカーを作るには構造や理論が自然でなくてはなりません。音質の良いものは小さな信号までも効率的に音に変換できるようにする為に、振動系は軽くて強いものを選びます。その為に自然と能率が良くなり100dBを越えるか近いものになります。このように音質重視で設計されたスピーカーユニットは背圧のかからないバッフル型またはバスレフ型に取り付け使用します。しかし、最近では平面バッフル型は大きさが敬遠されて小型のバスレフ型や密封型が多くなりました。しかしこのことは背圧が加わるために低音を出そうとして設計すると振動系の部分を重くする必要があります。こうして箱内の空気圧と振動系の重さにより原音再生の考え方から離れていったのです。バスレフの場合は90〜93dB程度のユニットを使用するためまだ良い方ですが、密封型の箱では振動系に重りを付けた物が多く良質な再生音は得られないでしょう。最近では、更に小型で重低音をうたい文句に別のスピーカーユニットを箱の中に取り付け共振を利用して低音を増強しようとしたスピーカーシステムがあるようですが原音再生には全く無縁のものと思います。

ここで上手くいった一例として当店の409システムをご紹介いたします。このシステムは一見バスレフにも見えますが、バスレフポートを縦長にすることで共振を少なくしてボックス内の背圧を抜いています。ユニットは能率が20センチでは世界一の97.8dBもあります。上手に鳴らすことで平面バッフル型に近い良い音質が得られるのです。


ここで誤解の無いように「良い音質とは」の説明をしておきます

 良い音質とは録音される前の音のように感情の入った色々な微細な音を正確に再現するもので、綺麗な音や汚い音、太い音、細い音、激しい音、やさしい音、明るい音、暗い音などを表現する事が出来ます。演奏家が楽器などによって音で表現しようとしている意味が聞き取れるものであり、何でもきれいな音で表現するものではありません。最近は音楽としての音質を忘れてオーディオとしての勝手な音作りが先行している製品の方が多くなっています。少し視野を広げる事で素晴らしいオーディオの世界があることに気付いて頂けると思います。


スピーカーシステムの形から見た性質

 平均的な小型のスピーカーシステムには2ウエイや3ウエイが多く見かけられます。どちらが音質的に有利かといえば2ウエイの方です。帯域的には3ウエイの方が有利でしょう。しかし、予算を同額にすると2ウエイが非常に良い結果になります。その理由は2ウエイのウーハーとツイーターに3ウエイにするため中音のスコーカ−を入れますがスコーカ−の能率は非常に悪く、ウーハーの効率を揃えるためにウーハーの振動系を重くして共振点を下げて低音を伸ばすのが一般的です。こうする事で3ウエイの帯域は広くなります。しかし能率が悪くなり音質が劣化し2ウエイに劣るのです。そのほかにもネットワークという音を分ける部分も3ウエイの方は部品数が多くなり高価になりますので、2ウエイのままで予算をかけたシステムの方が音質は非常に有利になるのは明白です。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/speaker.htm


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/697.html#c140

[リバイバル3] 最高の音を一番安く手に入れる方法 _ パソコンの iTunes ファイル + プリ機能付き DAC + フルレンジスピーカー 中川隆
102. 中川隆[-13074] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:56:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[459]

「スピーカーは買い換えを考える必要のない素晴らしい物を」
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm

当店は営業25年目になります。当初は他のお店と変わりはなく、有名な海外のスピーカーを並べていました。そして良いスピーカーを選ぶ為に、展示している中から色々なスピーカーを自宅に持ち帰り、試聴していました。

当時はさすがにどのスピーカーも良いところがある等と楽しんでいましたが、自分専用のスピーカーが決まりません。そこで、生産が完了している古いスピーカー(昔の名器)といわれるものを次々と取扱い、試聴すると新しいものに勝るものばかりでした。

しかし、決定的なものはありませんでした。そしてスピーカーの歴史を調べ、行き着いたところが60年以上前の最高級フルレンジスピーカーです。

ウエスタンやジェンセン、RCA等、これらのスピーカーは現代のスピーカーとは大違いです。見かけは気にせずに本格的に考え抜かれた部分が多く、素晴らしい部分を沢山持っています。

簡単に言うと励磁型、フィクスド、ベークダンパーで、正当な考え方として最高のものです。現代のスピーカーユニットでは足元にも及びません。

コーン紙の作りでも非常にこだわりが有り、鉄の素材や紙の材料や糊の量や形成方法が全く違ったのです。現代の技術と大きな能力の違いを感じさせられました。

調べるうちにスピーカーは60年も前から衰退している事を実感したものです。

当時、このような高級フルレンジスピーカーは一般的に販売されていなかったようです。(販売されていたとしても購入できる金額ではなかったと思われます。)素晴らしい物を発見してしまいました。後にも先にももう探すところはありません。「これらのユニットを使わないで何を使う」と考えて作り始めたのです。

そして、当時の多くのスピーカーシステムを調べてみて、箱型では頂点を目指すことは出来ないことも分かりました。このように、これらのユニットに大きな可能性を感じたのですが、

現代の無難な考え方のスピーカーとは全く異なり、低音の量感は少なく、じゃじゃ馬で、そのままではスピード感や実在感はあるものの雰囲気や繊細さはありません。音質は良いのですが周波数特性上の暴れや、インピーダンスの暴れ、大きな共振には悩みました。

そして、色々な方法を考えました。最初はツイーターを組み合わせバッフルの形やネットワークで調整する事で何とか目的を果たす事が出来ました。その頃はこれらのユニットに見合うようなツイーターもなかったのです。

その後、発売されたエレクトロボイスの新製品(最も高価なドライバー+ホーン)DH-3を当店の大型システム(ホーン型)に使用しテストして決定しました。しかし、このツイーターをこのシステムに利用してみると前よりは良くなっていますが、完全に納得がいきません。

他の名器といわれるスピーカーと似たように原音に近いものでなく、オーディオの再生音に感じます。

試行錯誤すること5〜6年、やっと原因を突き止めたのです。その原因はアッテネーターであり、音量を絞ることで音質が劣化する事を発見したのです。

そして劣化のない新型のアッテネーターを考案する事が出来て、やっと思い続けていた音を出すスピーカーシステムが出来上がりました。
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm

スピーカーについて
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/speaker.htm

スピーカーといえば皆さんはすぐに箱に入った四角いものを想像されると思います。そして、販売されているカタログを見るとすべてのものが素晴らしい考えのもとに設計し製造されているかのように書いてあります。スピーカーの設計は非常に難しく、素晴らしいと言えるようなスピーカーはなかなか存在しないものです。そこで、良いものを探すには知識が必要になってくるのです。
スピーカーシステムには使用されているスピーカーユニットの種類、またはエンクロジャー(箱)の種類などで目的の音質が異なり、本当に良いものが現在生産されているかということまで考えないと見つける事が出来ないかもしれません。


スピーカーユニットの種類には

●フルレンジ
 単体のスピーカーで全ての帯域を受け持つように設計されています。ユニットの中でこれほど簡単なものから高価なものまで数多く作られたものはありません。スピーカーユニットの設計の基本となるもので今でも最高級の低音用として用いられます。また、フルレンジとツィーターを一緒にした同軸2ウェイのユニットもあります。一般的な大きさのものでは同軸方のほうが非常に有利です。このフルレンジユニットがスピーカーの基本になると考えられても良いと思います。


●ウーハ−
 低音を重視して設計されたもので口径が大きくストロークが大きく取れるように設計されています。しかし、低音が伸びているとか大きさだけでは良い音質の判断材料にはなりません。同じ箱の大きさならば設計理由から判断すると口径の小さいウーハーの方が音質的に有利になります。
小さい箱で低音を伸ばすにはコーン紙の質量を重くします。低音の共振周波数が下がり、小さい箱の割には低音がよく出るようになりますが、注意するべき事は音質の低下です。重くなったウーハーはスピードが遅くなります。歯切れの良い低音は出てこなくなりますので音楽的には重ったるい鮮度の低い音質となります。
良質な原音再生を意図したウーハーは大口径でも軽い強いコーン紙で出来ています。そして能率が高く、高価なものは100dB以上もあるのです。


●スコーカ−
 中音用に設計されたユニットですが箱に取り付けた小型のものは今までに良いものはありませんでした。比較的に良いものとしては小型のフルレンジが使用されています。

大型のものではホーン型が使用されていますが、ドライバー単独では良いものかもしれませんが一般的に販売されているものではホーンの設計が設置する都合に合わせてあり、低音や高音との音の位相や定位が上手く取れないのが殆どです。見た感じ凄そうに見えますが家庭用としては不完全でしょう。しかし、低位と位相が合わせられたものは予想を越える素晴らしさがあります。


●ツィーター
 高音を再生するために設計されたもので多くの種類があります。能率の高いホーンタイプは高級品に利用されますが指向性に問題があることがあります。コーンタイプは最もポピュラーなツィーターでウーハートの相性も良く安価です。最近はソフトドーム型が良く使われていますが能率が低いため小型システムに利用されます。指向性は非常に良い。音質重視のシステムにはホーンタイプが多く利用され、バスレフ型にはコーンタイプ、密封型にはドームツィーターが多いようです。


エンクロジャー(箱)の種類は


●平面バッフル型

一番古くから使用されているものでスピーカーの前と後の音を混合させないように広い板で仕切るものです。最近は板の共振を無くすため形が工夫されています。最高の音質が得られますが使用できるユニットは比較的に高価です。バッフルが大きくなるところが欠点ですが、低域の音質は他の方法で勝るものはありません。低音のよさは全体域につながり、原音再生を目的とされる場合は特にお薦め致します。現在のメーカーさんでは作っているところは有りませんが成功すると箱型での音作りは時間の無駄ということが良くわかります。バランスよく広帯域を再生するには非常に経験と技術が必要です。


●バスレフ型

 平面バッフル型をなるべく小さくするために考えられたもので、ユニットの後から出る音を箱で封じ込めながらある程度の背圧を抜き、特性の降下している低音のみを位相反転させ前に開けたポートの共振で持ち上げる設計です。一般的な大きさのシステムでしたらこちらの方が有利でしょう。


●密封型

 スピーカーの後から出る音を箱で封じ込め、その音を箱に詰められた多量の吸音材で消去しようと考えて設計されたものです。当然スピーカーは空気の圧力を受けますので動きにくくなり能率が低下します。この空気の背圧を利用しウーハーの振動系に重りを付け、または重くして共振値を下げて低音を再現する方法です。また、ボイスコイルを大きくしてもかまわない設計であり100W以上の入力に耐えます。しかし全体的に背圧を受けながら振動しているために楽器のように開放感のある音は望めません。箱の内部を調整する事により自然な感じの音ではありませんが綺麗な音の感覚の音作りにしたり、音質重視でなく音圧で圧倒するような音楽として聴かれたい方には向いているかも知れません。


大きく分けて分類しましたがお解かりの方も多いと思います。上記を基本にして説明を書いていきます。


大まかな音質の良いスピーカーの選び方

スピーカーを判別するに特性表が表示されていると思いますが、この表がメーカーや国や用途によりまちまちになっています。プロ用は(−3dB)を基準に、アマチュア用は(−10dB)を基準に測定するなど、全てを信じて評価すると大きな失敗に結びつきます。特性表の中で信用できて音質的な参考に出来るものがスピーカーの能率です。この能率は電気信号をどれほどの効率で音に変換できるかを表しています。車で言えば1000ccのエンジンで何馬力出せるかの表示と同じものです。これを音圧として表示されています。平均的には約90〜93dB(デシベル)位でしょう。これが3dB変化すると半分かまたは倍の効率になります。悪い数値のものは表示されてないものもあり、だいたい85dB前後でしょう。良いものは100dB以上にもなります。この数値はアンプの出力を1W入力した時、スピーカーから1m離れたところの音の大きさを表します。数値が100dBのスピーカーの場合は1Wの入力で録音された原音の音量が出ます。そして変換効率は5%です。90dBの場合は0.5%ということになります。

良いスピーカーを作るには構造や理論が自然でなくてはなりません。音質の良いものは小さな信号までも効率的に音に変換できるようにする為に、振動系は軽くて強いものを選びます。その為に自然と能率が良くなり100dBを越えるか近いものになります。このように音質重視で設計されたスピーカーユニットは背圧のかからないバッフル型またはバスレフ型に取り付け使用します。しかし、最近では平面バッフル型は大きさが敬遠されて小型のバスレフ型や密封型が多くなりました。しかしこのことは背圧が加わるために低音を出そうとして設計すると振動系の部分を重くする必要があります。こうして箱内の空気圧と振動系の重さにより原音再生の考え方から離れていったのです。バスレフの場合は90〜93dB程度のユニットを使用するためまだ良い方ですが、密封型の箱では振動系に重りを付けた物が多く良質な再生音は得られないでしょう。最近では、更に小型で重低音をうたい文句に別のスピーカーユニットを箱の中に取り付け共振を利用して低音を増強しようとしたスピーカーシステムがあるようですが原音再生には全く無縁のものと思います。

ここで上手くいった一例として当店の409システムをご紹介いたします。このシステムは一見バスレフにも見えますが、バスレフポートを縦長にすることで共振を少なくしてボックス内の背圧を抜いています。ユニットは能率が20センチでは世界一の97.8dBもあります。上手に鳴らすことで平面バッフル型に近い良い音質が得られるのです。


ここで誤解の無いように「良い音質とは」の説明をしておきます

 良い音質とは録音される前の音のように感情の入った色々な微細な音を正確に再現するもので、綺麗な音や汚い音、太い音、細い音、激しい音、やさしい音、明るい音、暗い音などを表現する事が出来ます。演奏家が楽器などによって音で表現しようとしている意味が聞き取れるものであり、何でもきれいな音で表現するものではありません。最近は音楽としての音質を忘れてオーディオとしての勝手な音作りが先行している製品の方が多くなっています。少し視野を広げる事で素晴らしいオーディオの世界があることに気付いて頂けると思います。


スピーカーシステムの形から見た性質

 平均的な小型のスピーカーシステムには2ウエイや3ウエイが多く見かけられます。どちらが音質的に有利かといえば2ウエイの方です。帯域的には3ウエイの方が有利でしょう。しかし、予算を同額にすると2ウエイが非常に良い結果になります。その理由は2ウエイのウーハーとツイーターに3ウエイにするため中音のスコーカ−を入れますがスコーカ−の能率は非常に悪く、ウーハーの効率を揃えるためにウーハーの振動系を重くして共振点を下げて低音を伸ばすのが一般的です。こうする事で3ウエイの帯域は広くなります。しかし能率が悪くなり音質が劣化し2ウエイに劣るのです。そのほかにもネットワークという音を分ける部分も3ウエイの方は部品数が多くなり高価になりますので、2ウエイのままで予算をかけたシステムの方が音質は非常に有利になるのは明白です。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/speaker.htm


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1002.html#c102

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
135. 中川隆[-13073] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:57:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[460]

アナログとデジタルについて

 今のオーディオの世界でデジタルが良いとかアナログが良いとか論議が絶えないようですが、論議をされている方に何か勘違いがあるのではないかと思われます。
オーディオシステム全体は全てアナログです。
デジタルが使用されるのは音を保管する方法の事で、その部分だけがデジタルかアナログかどちらが良いかということでしょう。比較する方法に問題があるのです。

自分自身のシステムの中での比較でしたら論議の意味はないと思います。
好きな方を聞けばよいのです。

本当に問題なのは利益追求の為に急にアナログのLPを生産中止してデジタルのCDだけを生産するメーカーの姿勢です。私には比較され公表される事を恐れたものとしか思えませんでした。

デジタルもアナログも良いところと悪いところを持ち合わせています。確かにデジタルは便利です。低価格のオーディオは全てデジタルに取って替わりました。
 
オーディオを歴史的に考えてみましょう。ここでは少しハイレベルでのお話をしてみます。

再生技術が発表されたのは1800年後期ですが、トーマス・エジソンの蓄音機の発明がきっかけとなります。

1900年初期に78回転のSPレコードの生産がはじまり、1940年代にモノーラルLPレコード、そして1960年になってステレオLPレコードが販売されています。そして1985年頃にCDが発売されたと思います。

これに音楽の歴史を重ねて見ましょう。

歴史に残るモダンジャズやクラシックが最高の時期を迎えたのは1900年頃から1970年頃まででしょう。この時期に歴史的な演奏が数多く行われ録音されてきました。それは殆んどSPやLPレコードに収められています。

そしてオーディオの技術が頂点に達したと思われるのは1950年から1960年代でしょう。
その後、業務用のオーディオ機器の大半が劣化の道をたどっています。

うそ〜 と思われる方が多いと思いますが話を続けます。
古いとか新しいとか関係なく御自分の耳で確かめてください。

ある程度の高価なオーディオ機器を持ち、音楽を良い趣味として楽しんでおられる方はお解かりと思いますが、1950年代のもノーラルレコードや1960年代のステレオレコードは驚くほどの音質で録音されています。

その当時に生産されたLPレコードは、近年に作られたLPの重量盤やハーフカッティングや誰かの推薦盤などとは全く違って本物なのです。

LPレコードの音質をどんどん劣化させた現在、デジタルと比較する事は全く意味がありません。

 アナログのLPレコードの魅力は高級機での再生にあります。
正確に録音された歴史的な演奏はそれなりにしっかり作られた良いシステムを使用しないと正しい音での再生は出来ません。

例えば音質的に上手く組み合わせられた約50万円以上の良いシステムでしたら少しはアナログの良さが多いことを確認できるでしょう。

LPレコードからは非常に繊細な多くの音質の聞分けができますがCDプレーヤーの再生では少しの音の違いしか確認できません。これが非常に良質のシステムの場合アナログでは気合の入った全く違う演奏にも感じさせるのです。

デジタルとアナログの比較をした場合、低価格システムの場合ではデジタルが有利で、こだわりの高級システムの場合はアナログが有利になるでしょう。

 別の方向から説明しますと、アナログ録音は無限の連続ですがデジタル録音は有限の断続です。比較して機械的な測定ではアナログ録音再生の良いところは小信号にあり、デジタル録音再生の良いところは大信号にあります。

要するにアナログは微細な音色を表現する音や緩やかに変化する音が有利であり、音楽が一番必要としている感情を表現する音質が得意なのです。大きな爆発的な瞬間の音、要するに劇的な音で音楽性の上では少々荒れてもかまわない音に弱いのです。このことがジャズやクラシック、ポップス、ロックなどの音楽の表現力として有利になります。

一方デジタルは大きな音や大きな変化に強く、微小な変化を表すのが弱点であり、このことがハードロック音楽などの衝撃的な音に有利に思われますが、これは機械的な測定結果によるものであり、現実はハードロックを聴かれるかたの方がアナログファンが多いのです。

それは、大音量の中に色々な多くの感情を表現する音が含まれて音楽として構成されていますので、大音量こそ感情表現に乏しいデジタル音では、音楽の表現を聞き取る事が難しく耐えることすら困難になります。

全ての音楽家は、音楽の中で自らの表現をなるべく多く正確に伝えるが為に、良い楽器を選び、心を込めて演奏しているのです。そこで聞く側として、演奏家の音楽としての表現をいかに上手にとらえるかを努力したいものです。

 「良いものは永遠に残る」、ということわざがありますが、30年前に日本国内で生産中止された真空管が今では高級品として残るがごとく、15年前に生産中止されたLPレコードがいまだに人気があるのです。

新しいものが古いものを超える場合は、古いものは2〜3年も経たないうちに見放されてしまうのが常識でしょう。

デジタルの音に対する難関は音のアナログ信号をデジタルに変換する事、もっと難しいのはデジタルの信号をアナログに変換する事です。非常にややこしい、スピードの遅い作業です。しかし、デジタルコピーなら何回コピーしてもほとんど同じ物が出来ます。デジタル技術が進んできた現時点で便利なデジタルがアナログのどの程度まで追いついているのかという事が論争になる部分であり、デジタルがアナログを超えているというのは非常に早過ぎる話だと思います。また、デジタルが進化するとしてもアナログも同じように進化しますので、超える事は無いにしろどちらでも良い程度の時代が数十年後には来るかもしれません。


 ここで良質なLPレコードを良質な高級システムで再生した場合の音質について書いておきます。

一般にアナログは聞きやすく柔らかい音だと言われていますが、それでは何かボケた音、ふわーとしたバックグランドミュージックの音のように勘違いします。しかし、本物はそういう単純なものではなく極自然な音なのです。全ての感情を現すために、非常にスピードがあり、繊細で強烈でやさしく激しく、澄み切った空間に奥行きのある音で広がり、癖が無く、1つの楽器の音でも気持ちが現れる色々な音色を出します。それはあたかも演奏家が自分の為に目の前で演奏して何かを伝えようとしているかのごとく楽しむ事ができるのです。

そして、1950年代のモノラルや1960年代のステレオのレコード鑑賞は多くの意味で生演奏を超える事があるのです。

http://www.otono-edison.com/edisonkyo/ade.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c135

[リバイバル3] CD プレーヤーは進歩しているのか?  中川隆
118. 中川隆[-13072] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:58:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[461]

アナログとデジタルについて

 今のオーディオの世界でデジタルが良いとかアナログが良いとか論議が絶えないようですが、論議をされている方に何か勘違いがあるのではないかと思われます。
オーディオシステム全体は全てアナログです。
デジタルが使用されるのは音を保管する方法の事で、その部分だけがデジタルかアナログかどちらが良いかということでしょう。比較する方法に問題があるのです。

自分自身のシステムの中での比較でしたら論議の意味はないと思います。
好きな方を聞けばよいのです。

本当に問題なのは利益追求の為に急にアナログのLPを生産中止してデジタルのCDだけを生産するメーカーの姿勢です。私には比較され公表される事を恐れたものとしか思えませんでした。

デジタルもアナログも良いところと悪いところを持ち合わせています。確かにデジタルは便利です。低価格のオーディオは全てデジタルに取って替わりました。
 
オーディオを歴史的に考えてみましょう。ここでは少しハイレベルでのお話をしてみます。

再生技術が発表されたのは1800年後期ですが、トーマス・エジソンの蓄音機の発明がきっかけとなります。

1900年初期に78回転のSPレコードの生産がはじまり、1940年代にモノーラルLPレコード、そして1960年になってステレオLPレコードが販売されています。そして1985年頃にCDが発売されたと思います。

これに音楽の歴史を重ねて見ましょう。

歴史に残るモダンジャズやクラシックが最高の時期を迎えたのは1900年頃から1970年頃まででしょう。この時期に歴史的な演奏が数多く行われ録音されてきました。それは殆んどSPやLPレコードに収められています。

そしてオーディオの技術が頂点に達したと思われるのは1950年から1960年代でしょう。
その後、業務用のオーディオ機器の大半が劣化の道をたどっています。

うそ〜 と思われる方が多いと思いますが話を続けます。
古いとか新しいとか関係なく御自分の耳で確かめてください。

ある程度の高価なオーディオ機器を持ち、音楽を良い趣味として楽しんでおられる方はお解かりと思いますが、1950年代のもノーラルレコードや1960年代のステレオレコードは驚くほどの音質で録音されています。

その当時に生産されたLPレコードは、近年に作られたLPの重量盤やハーフカッティングや誰かの推薦盤などとは全く違って本物なのです。

LPレコードの音質をどんどん劣化させた現在、デジタルと比較する事は全く意味がありません。

 アナログのLPレコードの魅力は高級機での再生にあります。
正確に録音された歴史的な演奏はそれなりにしっかり作られた良いシステムを使用しないと正しい音での再生は出来ません。

例えば音質的に上手く組み合わせられた約50万円以上の良いシステムでしたら少しはアナログの良さが多いことを確認できるでしょう。

LPレコードからは非常に繊細な多くの音質の聞分けができますがCDプレーヤーの再生では少しの音の違いしか確認できません。これが非常に良質のシステムの場合アナログでは気合の入った全く違う演奏にも感じさせるのです。

デジタルとアナログの比較をした場合、低価格システムの場合ではデジタルが有利で、こだわりの高級システムの場合はアナログが有利になるでしょう。

 別の方向から説明しますと、アナログ録音は無限の連続ですがデジタル録音は有限の断続です。比較して機械的な測定ではアナログ録音再生の良いところは小信号にあり、デジタル録音再生の良いところは大信号にあります。

要するにアナログは微細な音色を表現する音や緩やかに変化する音が有利であり、音楽が一番必要としている感情を表現する音質が得意なのです。大きな爆発的な瞬間の音、要するに劇的な音で音楽性の上では少々荒れてもかまわない音に弱いのです。このことがジャズやクラシック、ポップス、ロックなどの音楽の表現力として有利になります。

一方デジタルは大きな音や大きな変化に強く、微小な変化を表すのが弱点であり、このことがハードロック音楽などの衝撃的な音に有利に思われますが、これは機械的な測定結果によるものであり、現実はハードロックを聴かれるかたの方がアナログファンが多いのです。

それは、大音量の中に色々な多くの感情を表現する音が含まれて音楽として構成されていますので、大音量こそ感情表現に乏しいデジタル音では、音楽の表現を聞き取る事が難しく耐えることすら困難になります。

全ての音楽家は、音楽の中で自らの表現をなるべく多く正確に伝えるが為に、良い楽器を選び、心を込めて演奏しているのです。そこで聞く側として、演奏家の音楽としての表現をいかに上手にとらえるかを努力したいものです。

 「良いものは永遠に残る」、ということわざがありますが、30年前に日本国内で生産中止された真空管が今では高級品として残るがごとく、15年前に生産中止されたLPレコードがいまだに人気があるのです。

新しいものが古いものを超える場合は、古いものは2〜3年も経たないうちに見放されてしまうのが常識でしょう。

デジタルの音に対する難関は音のアナログ信号をデジタルに変換する事、もっと難しいのはデジタルの信号をアナログに変換する事です。非常にややこしい、スピードの遅い作業です。しかし、デジタルコピーなら何回コピーしてもほとんど同じ物が出来ます。デジタル技術が進んできた現時点で便利なデジタルがアナログのどの程度まで追いついているのかという事が論争になる部分であり、デジタルがアナログを超えているというのは非常に早過ぎる話だと思います。また、デジタルが進化するとしてもアナログも同じように進化しますので、超える事は無いにしろどちらでも良い程度の時代が数十年後には来るかもしれません。


 ここで良質なLPレコードを良質な高級システムで再生した場合の音質について書いておきます。

一般にアナログは聞きやすく柔らかい音だと言われていますが、それでは何かボケた音、ふわーとしたバックグランドミュージックの音のように勘違いします。しかし、本物はそういう単純なものではなく極自然な音なのです。全ての感情を現すために、非常にスピードがあり、繊細で強烈でやさしく激しく、澄み切った空間に奥行きのある音で広がり、癖が無く、1つの楽器の音でも気持ちが現れる色々な音色を出します。それはあたかも演奏家が自分の為に目の前で演奏して何かを伝えようとしているかのごとく楽しむ事ができるのです。

そして、1950年代のモノラルや1960年代のステレオのレコード鑑賞は多くの意味で生演奏を超える事があるのです。

http://www.otono-edison.com/edisonkyo/ade.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/842.html#c118

[リバイバル3] CD 専用プレーヤー EAR Acute Classic _ ティム・デ・パラヴィチーニの世界 中川隆
62. 中川隆[-13071] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:58:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[462]

アナログとデジタルについて

 今のオーディオの世界でデジタルが良いとかアナログが良いとか論議が絶えないようですが、論議をされている方に何か勘違いがあるのではないかと思われます。
オーディオシステム全体は全てアナログです。
デジタルが使用されるのは音を保管する方法の事で、その部分だけがデジタルかアナログかどちらが良いかということでしょう。比較する方法に問題があるのです。

自分自身のシステムの中での比較でしたら論議の意味はないと思います。
好きな方を聞けばよいのです。

本当に問題なのは利益追求の為に急にアナログのLPを生産中止してデジタルのCDだけを生産するメーカーの姿勢です。私には比較され公表される事を恐れたものとしか思えませんでした。

デジタルもアナログも良いところと悪いところを持ち合わせています。確かにデジタルは便利です。低価格のオーディオは全てデジタルに取って替わりました。
 
オーディオを歴史的に考えてみましょう。ここでは少しハイレベルでのお話をしてみます。

再生技術が発表されたのは1800年後期ですが、トーマス・エジソンの蓄音機の発明がきっかけとなります。

1900年初期に78回転のSPレコードの生産がはじまり、1940年代にモノーラルLPレコード、そして1960年になってステレオLPレコードが販売されています。そして1985年頃にCDが発売されたと思います。

これに音楽の歴史を重ねて見ましょう。

歴史に残るモダンジャズやクラシックが最高の時期を迎えたのは1900年頃から1970年頃まででしょう。この時期に歴史的な演奏が数多く行われ録音されてきました。それは殆んどSPやLPレコードに収められています。

そしてオーディオの技術が頂点に達したと思われるのは1950年から1960年代でしょう。
その後、業務用のオーディオ機器の大半が劣化の道をたどっています。

うそ〜 と思われる方が多いと思いますが話を続けます。
古いとか新しいとか関係なく御自分の耳で確かめてください。

ある程度の高価なオーディオ機器を持ち、音楽を良い趣味として楽しんでおられる方はお解かりと思いますが、1950年代のもノーラルレコードや1960年代のステレオレコードは驚くほどの音質で録音されています。

その当時に生産されたLPレコードは、近年に作られたLPの重量盤やハーフカッティングや誰かの推薦盤などとは全く違って本物なのです。

LPレコードの音質をどんどん劣化させた現在、デジタルと比較する事は全く意味がありません。

 アナログのLPレコードの魅力は高級機での再生にあります。
正確に録音された歴史的な演奏はそれなりにしっかり作られた良いシステムを使用しないと正しい音での再生は出来ません。

例えば音質的に上手く組み合わせられた約50万円以上の良いシステムでしたら少しはアナログの良さが多いことを確認できるでしょう。

LPレコードからは非常に繊細な多くの音質の聞分けができますがCDプレーヤーの再生では少しの音の違いしか確認できません。これが非常に良質のシステムの場合アナログでは気合の入った全く違う演奏にも感じさせるのです。

デジタルとアナログの比較をした場合、低価格システムの場合ではデジタルが有利で、こだわりの高級システムの場合はアナログが有利になるでしょう。

 別の方向から説明しますと、アナログ録音は無限の連続ですがデジタル録音は有限の断続です。比較して機械的な測定ではアナログ録音再生の良いところは小信号にあり、デジタル録音再生の良いところは大信号にあります。

要するにアナログは微細な音色を表現する音や緩やかに変化する音が有利であり、音楽が一番必要としている感情を表現する音質が得意なのです。大きな爆発的な瞬間の音、要するに劇的な音で音楽性の上では少々荒れてもかまわない音に弱いのです。このことがジャズやクラシック、ポップス、ロックなどの音楽の表現力として有利になります。

一方デジタルは大きな音や大きな変化に強く、微小な変化を表すのが弱点であり、このことがハードロック音楽などの衝撃的な音に有利に思われますが、これは機械的な測定結果によるものであり、現実はハードロックを聴かれるかたの方がアナログファンが多いのです。

それは、大音量の中に色々な多くの感情を表現する音が含まれて音楽として構成されていますので、大音量こそ感情表現に乏しいデジタル音では、音楽の表現を聞き取る事が難しく耐えることすら困難になります。

全ての音楽家は、音楽の中で自らの表現をなるべく多く正確に伝えるが為に、良い楽器を選び、心を込めて演奏しているのです。そこで聞く側として、演奏家の音楽としての表現をいかに上手にとらえるかを努力したいものです。

 「良いものは永遠に残る」、ということわざがありますが、30年前に日本国内で生産中止された真空管が今では高級品として残るがごとく、15年前に生産中止されたLPレコードがいまだに人気があるのです。

新しいものが古いものを超える場合は、古いものは2〜3年も経たないうちに見放されてしまうのが常識でしょう。

デジタルの音に対する難関は音のアナログ信号をデジタルに変換する事、もっと難しいのはデジタルの信号をアナログに変換する事です。非常にややこしい、スピードの遅い作業です。しかし、デジタルコピーなら何回コピーしてもほとんど同じ物が出来ます。デジタル技術が進んできた現時点で便利なデジタルがアナログのどの程度まで追いついているのかという事が論争になる部分であり、デジタルがアナログを超えているというのは非常に早過ぎる話だと思います。また、デジタルが進化するとしてもアナログも同じように進化しますので、超える事は無いにしろどちらでも良い程度の時代が数十年後には来るかもしれません。


 ここで良質なLPレコードを良質な高級システムで再生した場合の音質について書いておきます。

一般にアナログは聞きやすく柔らかい音だと言われていますが、それでは何かボケた音、ふわーとしたバックグランドミュージックの音のように勘違いします。しかし、本物はそういう単純なものではなく極自然な音なのです。全ての感情を現すために、非常にスピードがあり、繊細で強烈でやさしく激しく、澄み切った空間に奥行きのある音で広がり、癖が無く、1つの楽器の音でも気持ちが現れる色々な音色を出します。それはあたかも演奏家が自分の為に目の前で演奏して何かを伝えようとしているかのごとく楽しむ事ができるのです。

そして、1950年代のモノラルや1960年代のステレオのレコード鑑賞は多くの意味で生演奏を超える事があるのです。

http://www.otono-edison.com/edisonkyo/ade.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/853.html#c62

[リバイバル3] CD/SACDプレーヤーからPC・ネットワークオーディオへ 中川隆
53. 中川隆[-13070] koaQ7Jey 2020年3月05日 00:59:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[463]
アナログとデジタルについて

 今のオーディオの世界でデジタルが良いとかアナログが良いとか論議が絶えないようですが、論議をされている方に何か勘違いがあるのではないかと思われます。
オーディオシステム全体は全てアナログです。
デジタルが使用されるのは音を保管する方法の事で、その部分だけがデジタルかアナログかどちらが良いかということでしょう。比較する方法に問題があるのです。

自分自身のシステムの中での比較でしたら論議の意味はないと思います。
好きな方を聞けばよいのです。

本当に問題なのは利益追求の為に急にアナログのLPを生産中止してデジタルのCDだけを生産するメーカーの姿勢です。私には比較され公表される事を恐れたものとしか思えませんでした。

デジタルもアナログも良いところと悪いところを持ち合わせています。確かにデジタルは便利です。低価格のオーディオは全てデジタルに取って替わりました。
 
オーディオを歴史的に考えてみましょう。ここでは少しハイレベルでのお話をしてみます。

再生技術が発表されたのは1800年後期ですが、トーマス・エジソンの蓄音機の発明がきっかけとなります。

1900年初期に78回転のSPレコードの生産がはじまり、1940年代にモノーラルLPレコード、そして1960年になってステレオLPレコードが販売されています。そして1985年頃にCDが発売されたと思います。

これに音楽の歴史を重ねて見ましょう。

歴史に残るモダンジャズやクラシックが最高の時期を迎えたのは1900年頃から1970年頃まででしょう。この時期に歴史的な演奏が数多く行われ録音されてきました。それは殆んどSPやLPレコードに収められています。

そしてオーディオの技術が頂点に達したと思われるのは1950年から1960年代でしょう。
その後、業務用のオーディオ機器の大半が劣化の道をたどっています。

うそ〜 と思われる方が多いと思いますが話を続けます。
古いとか新しいとか関係なく御自分の耳で確かめてください。

ある程度の高価なオーディオ機器を持ち、音楽を良い趣味として楽しんでおられる方はお解かりと思いますが、1950年代のもノーラルレコードや1960年代のステレオレコードは驚くほどの音質で録音されています。

その当時に生産されたLPレコードは、近年に作られたLPの重量盤やハーフカッティングや誰かの推薦盤などとは全く違って本物なのです。

LPレコードの音質をどんどん劣化させた現在、デジタルと比較する事は全く意味がありません。

 アナログのLPレコードの魅力は高級機での再生にあります。
正確に録音された歴史的な演奏はそれなりにしっかり作られた良いシステムを使用しないと正しい音での再生は出来ません。

例えば音質的に上手く組み合わせられた約50万円以上の良いシステムでしたら少しはアナログの良さが多いことを確認できるでしょう。

LPレコードからは非常に繊細な多くの音質の聞分けができますがCDプレーヤーの再生では少しの音の違いしか確認できません。これが非常に良質のシステムの場合アナログでは気合の入った全く違う演奏にも感じさせるのです。

デジタルとアナログの比較をした場合、低価格システムの場合ではデジタルが有利で、こだわりの高級システムの場合はアナログが有利になるでしょう。

 別の方向から説明しますと、アナログ録音は無限の連続ですがデジタル録音は有限の断続です。比較して機械的な測定ではアナログ録音再生の良いところは小信号にあり、デジタル録音再生の良いところは大信号にあります。

要するにアナログは微細な音色を表現する音や緩やかに変化する音が有利であり、音楽が一番必要としている感情を表現する音質が得意なのです。大きな爆発的な瞬間の音、要するに劇的な音で音楽性の上では少々荒れてもかまわない音に弱いのです。このことがジャズやクラシック、ポップス、ロックなどの音楽の表現力として有利になります。

一方デジタルは大きな音や大きな変化に強く、微小な変化を表すのが弱点であり、このことがハードロック音楽などの衝撃的な音に有利に思われますが、これは機械的な測定結果によるものであり、現実はハードロックを聴かれるかたの方がアナログファンが多いのです。

それは、大音量の中に色々な多くの感情を表現する音が含まれて音楽として構成されていますので、大音量こそ感情表現に乏しいデジタル音では、音楽の表現を聞き取る事が難しく耐えることすら困難になります。

全ての音楽家は、音楽の中で自らの表現をなるべく多く正確に伝えるが為に、良い楽器を選び、心を込めて演奏しているのです。そこで聞く側として、演奏家の音楽としての表現をいかに上手にとらえるかを努力したいものです。

 「良いものは永遠に残る」、ということわざがありますが、30年前に日本国内で生産中止された真空管が今では高級品として残るがごとく、15年前に生産中止されたLPレコードがいまだに人気があるのです。

新しいものが古いものを超える場合は、古いものは2〜3年も経たないうちに見放されてしまうのが常識でしょう。

デジタルの音に対する難関は音のアナログ信号をデジタルに変換する事、もっと難しいのはデジタルの信号をアナログに変換する事です。非常にややこしい、スピードの遅い作業です。しかし、デジタルコピーなら何回コピーしてもほとんど同じ物が出来ます。デジタル技術が進んできた現時点で便利なデジタルがアナログのどの程度まで追いついているのかという事が論争になる部分であり、デジタルがアナログを超えているというのは非常に早過ぎる話だと思います。また、デジタルが進化するとしてもアナログも同じように進化しますので、超える事は無いにしろどちらでも良い程度の時代が数十年後には来るかもしれません。


 ここで良質なLPレコードを良質な高級システムで再生した場合の音質について書いておきます。

一般にアナログは聞きやすく柔らかい音だと言われていますが、それでは何かボケた音、ふわーとしたバックグランドミュージックの音のように勘違いします。しかし、本物はそういう単純なものではなく極自然な音なのです。全ての感情を現すために、非常にスピードがあり、繊細で強烈でやさしく激しく、澄み切った空間に奥行きのある音で広がり、癖が無く、1つの楽器の音でも気持ちが現れる色々な音色を出します。それはあたかも演奏家が自分の為に目の前で演奏して何かを伝えようとしているかのごとく楽しむ事ができるのです。

そして、1950年代のモノラルや1960年代のステレオのレコード鑑賞は多くの意味で生演奏を超える事があるのです。

http://www.otono-edison.com/edisonkyo/ade.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/854.html#c53

[リバイバル3] 滅びゆくSACD 中川隆
1. 中川隆[-13069] koaQ7Jey 2020年3月05日 01:00:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[464]
アナログとデジタルについて

 今のオーディオの世界でデジタルが良いとかアナログが良いとか論議が絶えないようですが、論議をされている方に何か勘違いがあるのではないかと思われます。
オーディオシステム全体は全てアナログです。
デジタルが使用されるのは音を保管する方法の事で、その部分だけがデジタルかアナログかどちらが良いかということでしょう。比較する方法に問題があるのです。

自分自身のシステムの中での比較でしたら論議の意味はないと思います。
好きな方を聞けばよいのです。

本当に問題なのは利益追求の為に急にアナログのLPを生産中止してデジタルのCDだけを生産するメーカーの姿勢です。私には比較され公表される事を恐れたものとしか思えませんでした。

デジタルもアナログも良いところと悪いところを持ち合わせています。確かにデジタルは便利です。低価格のオーディオは全てデジタルに取って替わりました。
 
オーディオを歴史的に考えてみましょう。ここでは少しハイレベルでのお話をしてみます。

再生技術が発表されたのは1800年後期ですが、トーマス・エジソンの蓄音機の発明がきっかけとなります。

1900年初期に78回転のSPレコードの生産がはじまり、1940年代にモノーラルLPレコード、そして1960年になってステレオLPレコードが販売されています。そして1985年頃にCDが発売されたと思います。

これに音楽の歴史を重ねて見ましょう。

歴史に残るモダンジャズやクラシックが最高の時期を迎えたのは1900年頃から1970年頃まででしょう。この時期に歴史的な演奏が数多く行われ録音されてきました。それは殆んどSPやLPレコードに収められています。

そしてオーディオの技術が頂点に達したと思われるのは1950年から1960年代でしょう。
その後、業務用のオーディオ機器の大半が劣化の道をたどっています。

うそ〜 と思われる方が多いと思いますが話を続けます。
古いとか新しいとか関係なく御自分の耳で確かめてください。

ある程度の高価なオーディオ機器を持ち、音楽を良い趣味として楽しんでおられる方はお解かりと思いますが、1950年代のもノーラルレコードや1960年代のステレオレコードは驚くほどの音質で録音されています。

その当時に生産されたLPレコードは、近年に作られたLPの重量盤やハーフカッティングや誰かの推薦盤などとは全く違って本物なのです。

LPレコードの音質をどんどん劣化させた現在、デジタルと比較する事は全く意味がありません。

 アナログのLPレコードの魅力は高級機での再生にあります。
正確に録音された歴史的な演奏はそれなりにしっかり作られた良いシステムを使用しないと正しい音での再生は出来ません。

例えば音質的に上手く組み合わせられた約50万円以上の良いシステムでしたら少しはアナログの良さが多いことを確認できるでしょう。

LPレコードからは非常に繊細な多くの音質の聞分けができますがCDプレーヤーの再生では少しの音の違いしか確認できません。これが非常に良質のシステムの場合アナログでは気合の入った全く違う演奏にも感じさせるのです。

デジタルとアナログの比較をした場合、低価格システムの場合ではデジタルが有利で、こだわりの高級システムの場合はアナログが有利になるでしょう。

 別の方向から説明しますと、アナログ録音は無限の連続ですがデジタル録音は有限の断続です。比較して機械的な測定ではアナログ録音再生の良いところは小信号にあり、デジタル録音再生の良いところは大信号にあります。

要するにアナログは微細な音色を表現する音や緩やかに変化する音が有利であり、音楽が一番必要としている感情を表現する音質が得意なのです。大きな爆発的な瞬間の音、要するに劇的な音で音楽性の上では少々荒れてもかまわない音に弱いのです。このことがジャズやクラシック、ポップス、ロックなどの音楽の表現力として有利になります。

一方デジタルは大きな音や大きな変化に強く、微小な変化を表すのが弱点であり、このことがハードロック音楽などの衝撃的な音に有利に思われますが、これは機械的な測定結果によるものであり、現実はハードロックを聴かれるかたの方がアナログファンが多いのです。

それは、大音量の中に色々な多くの感情を表現する音が含まれて音楽として構成されていますので、大音量こそ感情表現に乏しいデジタル音では、音楽の表現を聞き取る事が難しく耐えることすら困難になります。

全ての音楽家は、音楽の中で自らの表現をなるべく多く正確に伝えるが為に、良い楽器を選び、心を込めて演奏しているのです。そこで聞く側として、演奏家の音楽としての表現をいかに上手にとらえるかを努力したいものです。

 「良いものは永遠に残る」、ということわざがありますが、30年前に日本国内で生産中止された真空管が今では高級品として残るがごとく、15年前に生産中止されたLPレコードがいまだに人気があるのです。

新しいものが古いものを超える場合は、古いものは2〜3年も経たないうちに見放されてしまうのが常識でしょう。

デジタルの音に対する難関は音のアナログ信号をデジタルに変換する事、もっと難しいのはデジタルの信号をアナログに変換する事です。非常にややこしい、スピードの遅い作業です。しかし、デジタルコピーなら何回コピーしてもほとんど同じ物が出来ます。デジタル技術が進んできた現時点で便利なデジタルがアナログのどの程度まで追いついているのかという事が論争になる部分であり、デジタルがアナログを超えているというのは非常に早過ぎる話だと思います。また、デジタルが進化するとしてもアナログも同じように進化しますので、超える事は無いにしろどちらでも良い程度の時代が数十年後には来るかもしれません。


 ここで良質なLPレコードを良質な高級システムで再生した場合の音質について書いておきます。

一般にアナログは聞きやすく柔らかい音だと言われていますが、それでは何かボケた音、ふわーとしたバックグランドミュージックの音のように勘違いします。しかし、本物はそういう単純なものではなく極自然な音なのです。全ての感情を現すために、非常にスピードがあり、繊細で強烈でやさしく激しく、澄み切った空間に奥行きのある音で広がり、癖が無く、1つの楽器の音でも気持ちが現れる色々な音色を出します。それはあたかも演奏家が自分の為に目の前で演奏して何かを伝えようとしているかのごとく楽しむ事ができるのです。

そして、1950年代のモノラルや1960年代のステレオのレコード鑑賞は多くの意味で生演奏を超える事があるのです。

http://www.otono-edison.com/edisonkyo/ade.htm

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1030.html#c1

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
55. 中川隆[-13068] koaQ7Jey 2020年3月05日 01:09:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[465]
「バッフルシステムは何故バッフルにしたの?」

スピーカーを他の形にしたのは人の都合によるもので音の為ではない。歴史を見ると、最初スピーカーが発明された時、取り付けられたものは大きなバッフルであった。

スピーカーは前後に動く空気の気圧の山谷を発生させることにより、音を作る。しかし、小さな面積のユニットだけでは後に作った気圧と前に作った気圧は打ち消され、波長の長い音(低音)は聴こえてこない。そこで、スピーカーユニットの作った前の音が後の音で打ち消される事が無いように広い板に付けられたのがスピーカーの始まりなのだ。

この時この広い板は頑丈に作る必要があった。音によって板が振動し、板の固有の音を発生させる事を防ぐ為です。これを完全にすることで、そのユニットのもつ最大限の音質と帯域を実現出来るのだ。

バッフルは劇場のようなところで使用しない限り持ち運びには非常に不便です。そこで考えられたのは、当初は後の板が無い箱で後面開放型BOXと呼ばれていたものです。

こうすることである程度の低音まで維持できますが、箱の中の共鳴が起こります。これは頑丈に作っても同じ事です。

次の時代はバスレフが作られました。これは箱の中にスピーカーを入れると低音が出難くなるので、前面にダクトをつくり出難くなった低音部分をダクトによって強調するスピーカーBOXです。

そして近年は、密封された箱の中に吸音材を沢山詰めて後ろの音を消そうとしているが、そう上手くいかないのでウーハ−の振動板を重くして共振を下げて低音を強調している。

音質にとっては良くない方法に段々変わってきたのです。

スピーカーユニットはコーン紙を振動させ空気の密度を変えることで音を作ります。その時コーン紙には空気の密度を変化させるための圧力が加わりますが、バッフル以外のBOX型ではその他に、箱の中でユニットから出た後ろの音が跳ね返り連続的にユニットに悪影響を与えます。

又、箱の中では共振が起こり非常に複雑な問題も発生するのです。

音のエジソンの中型のスピーカー(プロミネント)は、大きなバッフルではないが箱状でもない。試聴の結果こういう形になり、板の音も消え低音も出てきた。

原音追求の為、正しく再生するには平面バッフルの形式を取り、人の都合を最大に譲歩して理論的な音の都合に合わせることにした結果なのです。
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c55

[リバイバル3] 最高の音を一番安く手に入れる方法 _ パソコンの iTunes ファイル + プリ機能付き DAC + フルレンジスピーカー 中川隆
103. 中川隆[-13067] koaQ7Jey 2020年3月05日 01:09:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[466]

「バッフルシステムは何故バッフルにしたの?」

スピーカーを他の形にしたのは人の都合によるもので音の為ではない。歴史を見ると、最初スピーカーが発明された時、取り付けられたものは大きなバッフルであった。

スピーカーは前後に動く空気の気圧の山谷を発生させることにより、音を作る。しかし、小さな面積のユニットだけでは後に作った気圧と前に作った気圧は打ち消され、波長の長い音(低音)は聴こえてこない。そこで、スピーカーユニットの作った前の音が後の音で打ち消される事が無いように広い板に付けられたのがスピーカーの始まりなのだ。

この時この広い板は頑丈に作る必要があった。音によって板が振動し、板の固有の音を発生させる事を防ぐ為です。これを完全にすることで、そのユニットのもつ最大限の音質と帯域を実現出来るのだ。

バッフルは劇場のようなところで使用しない限り持ち運びには非常に不便です。そこで考えられたのは、当初は後の板が無い箱で後面開放型BOXと呼ばれていたものです。

こうすることである程度の低音まで維持できますが、箱の中の共鳴が起こります。これは頑丈に作っても同じ事です。

次の時代はバスレフが作られました。これは箱の中にスピーカーを入れると低音が出難くなるので、前面にダクトをつくり出難くなった低音部分をダクトによって強調するスピーカーBOXです。

そして近年は、密封された箱の中に吸音材を沢山詰めて後ろの音を消そうとしているが、そう上手くいかないのでウーハ−の振動板を重くして共振を下げて低音を強調している。

音質にとっては良くない方法に段々変わってきたのです。

スピーカーユニットはコーン紙を振動させ空気の密度を変えることで音を作ります。その時コーン紙には空気の密度を変化させるための圧力が加わりますが、バッフル以外のBOX型ではその他に、箱の中でユニットから出た後ろの音が跳ね返り連続的にユニットに悪影響を与えます。

又、箱の中では共振が起こり非常に複雑な問題も発生するのです。

音のエジソンの中型のスピーカー(プロミネント)は、大きなバッフルではないが箱状でもない。試聴の結果こういう形になり、板の音も消え低音も出てきた。

原音追求の為、正しく再生するには平面バッフルの形式を取り、人の都合を最大に譲歩して理論的な音の都合に合わせることにした結果なのです。
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1002.html#c103

[リバイバル3] ハイエンド・スピーカーの世界 中川隆
141. 中川隆[-13066] koaQ7Jey 2020年3月05日 01:10:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[467]

「バッフルシステムは何故バッフルにしたの?」

スピーカーを他の形にしたのは人の都合によるもので音の為ではない。歴史を見ると、最初スピーカーが発明された時、取り付けられたものは大きなバッフルであった。

スピーカーは前後に動く空気の気圧の山谷を発生させることにより、音を作る。しかし、小さな面積のユニットだけでは後に作った気圧と前に作った気圧は打ち消され、波長の長い音(低音)は聴こえてこない。そこで、スピーカーユニットの作った前の音が後の音で打ち消される事が無いように広い板に付けられたのがスピーカーの始まりなのだ。

この時この広い板は頑丈に作る必要があった。音によって板が振動し、板の固有の音を発生させる事を防ぐ為です。これを完全にすることで、そのユニットのもつ最大限の音質と帯域を実現出来るのだ。

バッフルは劇場のようなところで使用しない限り持ち運びには非常に不便です。そこで考えられたのは、当初は後の板が無い箱で後面開放型BOXと呼ばれていたものです。

こうすることである程度の低音まで維持できますが、箱の中の共鳴が起こります。これは頑丈に作っても同じ事です。

次の時代はバスレフが作られました。これは箱の中にスピーカーを入れると低音が出難くなるので、前面にダクトをつくり出難くなった低音部分をダクトによって強調するスピーカーBOXです。

そして近年は、密封された箱の中に吸音材を沢山詰めて後ろの音を消そうとしているが、そう上手くいかないのでウーハ−の振動板を重くして共振を下げて低音を強調している。

音質にとっては良くない方法に段々変わってきたのです。

スピーカーユニットはコーン紙を振動させ空気の密度を変えることで音を作ります。その時コーン紙には空気の密度を変化させるための圧力が加わりますが、バッフル以外のBOX型ではその他に、箱の中でユニットから出た後ろの音が跳ね返り連続的にユニットに悪影響を与えます。

又、箱の中では共振が起こり非常に複雑な問題も発生するのです。

音のエジソンの中型のスピーカー(プロミネント)は、大きなバッフルではないが箱状でもない。試聴の結果こういう形になり、板の音も消え低音も出てきた。

原音追求の為、正しく再生するには平面バッフルの形式を取り、人の都合を最大に譲歩して理論的な音の都合に合わせることにした結果なのです。
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/697.html#c141

[リバイバル3] プリアンプに金をかけなさい 中川隆
136. 中川隆[-13065] koaQ7Jey 2020年3月05日 01:14:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[468]
G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」


店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」

G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」

M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html#c136

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
56. 中川隆[-13064] koaQ7Jey 2020年3月05日 01:15:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[469]

G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」


店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」

G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」

M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12
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[リバイバル3] 3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない 中川隆
31. 中川隆[-13063] koaQ7Jey 2020年3月05日 01:16:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[470]

G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」


店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」

G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」

M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html#c31

[リバイバル3] 最高の音を一番安く手に入れる方法 _ パソコンの iTunes ファイル + プリ機能付き DAC + フルレンジスピーカー 中川隆
104. 中川隆[-13062] koaQ7Jey 2020年3月05日 01:16:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[471]

G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」


店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」

G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」

M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12
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[リバイバル3] 真空管アンプについての よく有る誤解 中川隆
13. 中川隆[-13061] koaQ7Jey 2020年3月05日 01:17:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[472]
G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」


店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」

G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」

M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/923.html#c13

[リバイバル3] 株で儲ける方法教えてあげる(こっそり) 新スレ 中川隆
273. 中川隆[-13060] koaQ7Jey 2020年3月05日 07:56:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[473]

平野憲一の株のお話
http://kasset.blog.fc2.com/


2020.03.04 世界で高まる期待と不安。
 3日のNY株。
 ダウは785.91ドル安の2万5917.41ドル、ナスダックも268.08ポイント安の8684.09ポイントと大幅反落。

 FRBは緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を0.50%引き下げると発表しました。発表直後のダウは381ドル高となる場面もありましたが、その後材料出尽くしの売りが強まり、逆に下げ幅が997ドルに及ぶ場面もありました。日中値幅は1378ドルで、VIXショックの2018年2月5日以来の大きさでした。

 イングランド銀行のカーニー総裁もイギリス議会委員会で、イギリスの経済と金融システムを支えるため必要なあらゆる措置を講じる事を明らかにしました。IMF(国際通貨基金)と世界銀行も共同で声明を発表し、必要に応じて緊急の措置に乗り出す姿勢を強調しました。これで世界の主要な中央銀行が景気の下支えに向けて足並みをそろえたことになりました。それだけ厳しいと言う事でもあり、世界中で不安と期待が高まっています。

2020.03.05 ひとまず落ち着く。
 4日のNY株。
 ダウは1173.45ドル高の2万7090.86ドル、ナスダックも334.00ポイント高の9018.09ポイントと大幅反発。

大統領選の民主党候補指名の天王山スーパーチューズデーでの穏健派のバイデン前副大統領の勝利を歓迎して一斉の買い戻しとなりました。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c273

[リバイバル3] 株で儲ける方法教えてあげる(こっそり) 新スレ 中川隆
274. 中川隆[-13059] koaQ7Jey 2020年3月05日 07:58:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[474]
暴落する時はあくまで”暴落”であって、それは一気に急落する、信用売りも仕掛けられないほどの暴落なんです。

言ってみれば、急勾配の坂を下る様な個人が信用売りでコントロール出来る様な代物ではなく、足元に突然大きな深い穴が開いて、真下に真っ逆さまに穴の中に落下する様な”暴落”なんです。

だから、暴落時に信用売りを仕掛けても、何しろ値が全然付かないのですから信用売りも約定する事はあり得ません。それほどの恐ろしいものなんです。

暴落の怖いところは、下がるだけではなく、その翌日は逆に値ごろ感を持った投資家が一挙に買いに殺到して反転暴騰して、今度は買いを入れても値が付かず、買い約定も出来ない・・・

そんな状況を総じて”暴落”というのです。

仮に暴落時に信用売りを仕掛けて”運良く”約定しても、その翌日は、逆に一気に全株全面暴騰し、日経平均で何千円も踏み上げられるのです。
そんな状況でも信用売りを仕掛けるのは、余程の”勇者”か余程の”資産家”か余程の”素人”なんでしょう。

ブラックマンデーの様な、又日経39000円からのバブル崩壊の様な ”暴落”はいわば一方方向の暴落なんていう代物ではなく、暴落と暴騰を日替わりで繰り返しながら株価が急落して行く、”ダッチロール”の墜落の様な”暴落”である事を是非理解しておいて下さい。

ネット系の個人投資家は 逆に行け行けドンドンの 横並び体質がありますので、一転暴落が起こったら、過去の暴落以上に売りが売りを呼んで、サーバーダウン等も相まって、過去の暴悪以上の凄まじい想像以上の暴落になると私は思ってます。

_________________

暴落時に空売れると思っている人間が多いよね。
S安貼り付きに売りで並ぶつもりなのだろうか。

本格的な下げか、押し目か判断してから参加するとか言っている人間は一番ダメだな。 暴落の一番オイシイ所を逃すばかりか、押し目だった場合、大底で空売るハメになる。

または「まだ早い、ただの押し目だ」と言い続けて売り遅れ涙目になるのがオチ。
暴落始まったら損切りしたくてもできない。 売れないから。
今現在、株トレードにおいて自分が勝ち組だと思ってるやつも大半はやがて自分も負け組であることを実感する時が来る。 有名なアナリストも株相場はトランプのババ抜きみたいなものといっているくらいだから利益確定してさっさと勝ち逃げするのが賢明

___________________

ビルに飛行機がつっこんだ。
東証は臨時に値幅制限を半分に。当然のようにS安連発。

自分の持ち株はマーケットメークだったので、1日で確か20%ぐらい下げた。
当時はまだ優良企業であると信じられていた某ソニー。
自分も期待しながらわずか200株だけだけど買ってました。

糞決算発表。確かその翌日は比例配分すらできないような大幅な売りを浴びてS安。その次の日も比例配分のS安。 一応国際優良株と言われ馬鹿でかい規模、こんな株が2日連続でS安っていう衝撃はあまりにもでかかった。

一番すごかったのはメガバンの売られっぷりだけどね。 100万ぐらいしてたのが1年もたたないうちに5万台まで売られた。

そのとき買っとけばよかったじゃんと言うかもしれないけど、とてもじゃないけど買える雰囲気じゃなかった。 某ドイツ証券の人が「東証を閉鎖せよ」っとまじで言ってるのw

自分はみずほ5万台で買ったのが自慢。だけど1株だけな。あのとき100株とか買えるような人がいたら天才か大ばか者のどっちかだな。

_____________________

90年バブルの方はブラックマンデー以降も2年くらいは好景気で株式相場も活況だった。逃げる気になれば逃げられた。もつとも当時は株と土地は長期的に下がることはないと思われていたから「逃げる」と言う感覚がなかった。

ITバブルの方は本当にバブル。一気にはじけた。あれは逃げるのが難しかった。
それでも全銘柄が急落したわけではない。逆張りでオールドエコノミーといわれたセクターに投資した人(バフェットもその一人)はむしろ儲けた。

87年に起こった、ブラックマンデー・ショック直前に、持ち株全部処分してノーポジを自慢してた香具師もいたが、その後の相場にはしっかり乗り遅れた。
現在のような、13年の長きにわたる下げ相場だと、弱気になるのも無理からぬことではある。

弱気筋も、売った持ち株が更に上伸していくさまを何度も見せ付けられて徐々に強気に変わっていくのさ。

そして、誰もが強気を唱えるようになるとき・・・
「桐一葉 落ちて天下の 秋を知る」 ようになる。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c274

[リバイバル3] 酷い音のインチキ・レプリカを量産して伝説の評価を落とした Goodmans Axiom80 中川隆
64. 中川隆[-13058] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:12:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[475]
「スピーカーは買い換えを考える必要のない素晴らしい物を」
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm


当店は営業25年目になります。当初は他のお店と変わりはなく、有名な海外のスピーカーを並べていました。そして良いスピーカーを選ぶ為に、展示している中から色々なスピーカーを自宅に持ち帰り、試聴していました。

当時はさすがにどのスピーカーも良いところがある等と楽しんでいましたが、自分専用のスピーカーが決まりません。そこで、生産が完了している古いスピーカー(昔の名器)といわれるものを次々と取扱い、試聴すると新しいものに勝るものばかりでした。

しかし、決定的なものはありませんでした。そしてスピーカーの歴史を調べ、行き着いたところが60年以上前の最高級フルレンジスピーカーです。

ウエスタンやジェンセン、RCA等、これらのスピーカーは現代のスピーカーとは大違いです。見かけは気にせずに本格的に考え抜かれた部分が多く、素晴らしい部分を沢山持っています。

簡単に言うと励磁型、フィクスド、ベークダンパーで、正当な考え方として最高のものです。現代のスピーカーユニットでは足元にも及びません。

コーン紙の作りでも非常にこだわりが有り、鉄の素材や紙の材料や糊の量や形成方法が全く違ったのです。現代の技術と大きな能力の違いを感じさせられました。

調べるうちにスピーカーは60年も前から衰退している事を実感したものです。

当時、このような高級フルレンジスピーカーは一般的に販売されていなかったようです。(販売されていたとしても購入できる金額ではなかったと思われます。)素晴らしい物を発見してしまいました。後にも先にももう探すところはありません。「これらのユニットを使わないで何を使う」と考えて作り始めたのです。

そして、当時の多くのスピーカーシステムを調べてみて、箱型では頂点を目指すことは出来ないことも分かりました。このように、これらのユニットに大きな可能性を感じたのですが、

現代の無難な考え方のスピーカーとは全く異なり、低音の量感は少なく、じゃじゃ馬で、そのままではスピード感や実在感はあるものの雰囲気や繊細さはありません。音質は良いのですが周波数特性上の暴れや、インピーダンスの暴れ、大きな共振には悩みました。

そして、色々な方法を考えました。最初はツイーターを組み合わせバッフルの形やネットワークで調整する事で何とか目的を果たす事が出来ました。その頃はこれらのユニットに見合うようなツイーターもなかったのです。

その後、発売されたエレクトロボイスの新製品(最も高価なドライバー+ホーン)DH-3を当店の大型システム(ホーン型)に使用しテストして決定しました。しかし、このツイーターをこのシステムに利用してみると前よりは良くなっていますが、完全に納得がいきません。

他の名器といわれるスピーカーと似たように原音に近いものでなく、オーディオの再生音に感じます。

試行錯誤すること5〜6年、やっと原因を突き止めたのです。その原因はアッテネーターであり、音量を絞ることで音質が劣化する事を発見したのです。

そして劣化のない新型のアッテネーターを考案する事が出来て、やっと思い続けていた音を出すスピーカーシステムが出来上がりました。
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm


▲△▽▼


スピーカーについて
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/speaker.htm

スピーカーといえば皆さんはすぐに箱に入った四角いものを想像されると思います。そして、販売されているカタログを見るとすべてのものが素晴らしい考えのもとに設計し製造されているかのように書いてあります。スピーカーの設計は非常に難しく、素晴らしいと言えるようなスピーカーはなかなか存在しないものです。そこで、良いものを探すには知識が必要になってくるのです。
スピーカーシステムには使用されているスピーカーユニットの種類、またはエンクロジャー(箱)の種類などで目的の音質が異なり、本当に良いものが現在生産されているかということまで考えないと見つける事が出来ないかもしれません。


スピーカーユニットの種類には

●フルレンジ
 単体のスピーカーで全ての帯域を受け持つように設計されています。ユニットの中でこれほど簡単なものから高価なものまで数多く作られたものはありません。スピーカーユニットの設計の基本となるもので今でも最高級の低音用として用いられます。また、フルレンジとツィーターを一緒にした同軸2ウェイのユニットもあります。一般的な大きさのものでは同軸方のほうが非常に有利です。このフルレンジユニットがスピーカーの基本になると考えられても良いと思います。


●ウーハ−
 低音を重視して設計されたもので口径が大きくストロークが大きく取れるように設計されています。しかし、低音が伸びているとか大きさだけでは良い音質の判断材料にはなりません。同じ箱の大きさならば設計理由から判断すると口径の小さいウーハーの方が音質的に有利になります。
小さい箱で低音を伸ばすにはコーン紙の質量を重くします。低音の共振周波数が下がり、小さい箱の割には低音がよく出るようになりますが、注意するべき事は音質の低下です。重くなったウーハーはスピードが遅くなります。歯切れの良い低音は出てこなくなりますので音楽的には重ったるい鮮度の低い音質となります。
良質な原音再生を意図したウーハーは大口径でも軽い強いコーン紙で出来ています。そして能率が高く、高価なものは100dB以上もあるのです。


●スコーカ−
 中音用に設計されたユニットですが箱に取り付けた小型のものは今までに良いものはありませんでした。比較的に良いものとしては小型のフルレンジが使用されています。

大型のものではホーン型が使用されていますが、ドライバー単独では良いものかもしれませんが一般的に販売されているものではホーンの設計が設置する都合に合わせてあり、低音や高音との音の位相や定位が上手く取れないのが殆どです。見た感じ凄そうに見えますが家庭用としては不完全でしょう。しかし、低位と位相が合わせられたものは予想を越える素晴らしさがあります。


●ツィーター
 高音を再生するために設計されたもので多くの種類があります。能率の高いホーンタイプは高級品に利用されますが指向性に問題があることがあります。コーンタイプは最もポピュラーなツィーターでウーハートの相性も良く安価です。最近はソフトドーム型が良く使われていますが能率が低いため小型システムに利用されます。指向性は非常に良い。音質重視のシステムにはホーンタイプが多く利用され、バスレフ型にはコーンタイプ、密封型にはドームツィーターが多いようです。


エンクロジャー(箱)の種類は


●平面バッフル型

一番古くから使用されているものでスピーカーの前と後の音を混合させないように広い板で仕切るものです。最近は板の共振を無くすため形が工夫されています。最高の音質が得られますが使用できるユニットは比較的に高価です。バッフルが大きくなるところが欠点ですが、低域の音質は他の方法で勝るものはありません。低音のよさは全体域につながり、原音再生を目的とされる場合は特にお薦め致します。現在のメーカーさんでは作っているところは有りませんが成功すると箱型での音作りは時間の無駄ということが良くわかります。バランスよく広帯域を再生するには非常に経験と技術が必要です。


●バスレフ型

 平面バッフル型をなるべく小さくするために考えられたもので、ユニットの後から出る音を箱で封じ込めながらある程度の背圧を抜き、特性の降下している低音のみを位相反転させ前に開けたポートの共振で持ち上げる設計です。一般的な大きさのシステムでしたらこちらの方が有利でしょう。


●密封型

 スピーカーの後から出る音を箱で封じ込め、その音を箱に詰められた多量の吸音材で消去しようと考えて設計されたものです。当然スピーカーは空気の圧力を受けますので動きにくくなり能率が低下します。この空気の背圧を利用しウーハーの振動系に重りを付け、または重くして共振値を下げて低音を再現する方法です。また、ボイスコイルを大きくしてもかまわない設計であり100W以上の入力に耐えます。しかし全体的に背圧を受けながら振動しているために楽器のように開放感のある音は望めません。箱の内部を調整する事により自然な感じの音ではありませんが綺麗な音の感覚の音作りにしたり、音質重視でなく音圧で圧倒するような音楽として聴かれたい方には向いているかも知れません。


大きく分けて分類しましたがお解かりの方も多いと思います。上記を基本にして説明を書いていきます。


大まかな音質の良いスピーカーの選び方

スピーカーを判別するに特性表が表示されていると思いますが、この表がメーカーや国や用途によりまちまちになっています。プロ用は(−3dB)を基準に、アマチュア用は(−10dB)を基準に測定するなど、全てを信じて評価すると大きな失敗に結びつきます。特性表の中で信用できて音質的な参考に出来るものがスピーカーの能率です。この能率は電気信号をどれほどの効率で音に変換できるかを表しています。車で言えば1000ccのエンジンで何馬力出せるかの表示と同じものです。これを音圧として表示されています。平均的には約90〜93dB(デシベル)位でしょう。これが3dB変化すると半分かまたは倍の効率になります。悪い数値のものは表示されてないものもあり、だいたい85dB前後でしょう。良いものは100dB以上にもなります。この数値はアンプの出力を1W入力した時、スピーカーから1m離れたところの音の大きさを表します。数値が100dBのスピーカーの場合は1Wの入力で録音された原音の音量が出ます。そして変換効率は5%です。90dBの場合は0.5%ということになります。

良いスピーカーを作るには構造や理論が自然でなくてはなりません。音質の良いものは小さな信号までも効率的に音に変換できるようにする為に、振動系は軽くて強いものを選びます。その為に自然と能率が良くなり100dBを越えるか近いものになります。このように音質重視で設計されたスピーカーユニットは背圧のかからないバッフル型またはバスレフ型に取り付け使用します。しかし、最近では平面バッフル型は大きさが敬遠されて小型のバスレフ型や密封型が多くなりました。しかしこのことは背圧が加わるために低音を出そうとして設計すると振動系の部分を重くする必要があります。こうして箱内の空気圧と振動系の重さにより原音再生の考え方から離れていったのです。バスレフの場合は90〜93dB程度のユニットを使用するためまだ良い方ですが、密封型の箱では振動系に重りを付けた物が多く良質な再生音は得られないでしょう。最近では、更に小型で重低音をうたい文句に別のスピーカーユニットを箱の中に取り付け共振を利用して低音を増強しようとしたスピーカーシステムがあるようですが原音再生には全く無縁のものと思います。

ここで上手くいった一例として当店の409システムをご紹介いたします。このシステムは一見バスレフにも見えますが、バスレフポートを縦長にすることで共振を少なくしてボックス内の背圧を抜いています。ユニットは能率が20センチでは世界一の97.8dBもあります。上手に鳴らすことで平面バッフル型に近い良い音質が得られるのです。


ここで誤解の無いように「良い音質とは」の説明をしておきます

 良い音質とは録音される前の音のように感情の入った色々な微細な音を正確に再現するもので、綺麗な音や汚い音、太い音、細い音、激しい音、やさしい音、明るい音、暗い音などを表現する事が出来ます。演奏家が楽器などによって音で表現しようとしている意味が聞き取れるものであり、何でもきれいな音で表現するものではありません。最近は音楽としての音質を忘れてオーディオとしての勝手な音作りが先行している製品の方が多くなっています。少し視野を広げる事で素晴らしいオーディオの世界があることに気付いて頂けると思います。


スピーカーシステムの形から見た性質

 平均的な小型のスピーカーシステムには2ウエイや3ウエイが多く見かけられます。どちらが音質的に有利かといえば2ウエイの方です。帯域的には3ウエイの方が有利でしょう。しかし、予算を同額にすると2ウエイが非常に良い結果になります。その理由は2ウエイのウーハーとツイーターに3ウエイにするため中音のスコーカ−を入れますがスコーカ−の能率は非常に悪く、ウーハーの効率を揃えるためにウーハーの振動系を重くして共振点を下げて低音を伸ばすのが一般的です。こうする事で3ウエイの帯域は広くなります。しかし能率が悪くなり音質が劣化し2ウエイに劣るのです。そのほかにもネットワークという音を分ける部分も3ウエイの方は部品数が多くなり高価になりますので、2ウエイのままで予算をかけたシステムの方が音質は非常に有利になるのは明白です。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/speaker.htm


▲△▽▼

「バッフルシステムは何故バッフルにしたの?」
スピーカーを他の形にしたのは人の都合によるもので音の為ではない。歴史を見ると、最初スピーカーが発明された時、取り付けられたものは大きなバッフルであった。

スピーカーは前後に動く空気の気圧の山谷を発生させることにより、音を作る。しかし、小さな面積のユニットだけでは後に作った気圧と前に作った気圧は打ち消され、波長の長い音(低音)は聴こえてこない。そこで、スピーカーユニットの作った前の音が後の音で打ち消される事が無いように広い板に付けられたのがスピーカーの始まりなのだ。

この時この広い板は頑丈に作る必要があった。音によって板が振動し、板の固有の音を発生させる事を防ぐ為です。これを完全にすることで、そのユニットのもつ最大限の音質と帯域を実現出来るのだ。

バッフルは劇場のようなところで使用しない限り持ち運びには非常に不便です。そこで考えられたのは、当初は後の板が無い箱で後面開放型BOXと呼ばれていたものです。

こうすることである程度の低音まで維持できますが、箱の中の共鳴が起こります。これは頑丈に作っても同じ事です。

次の時代はバスレフが作られました。これは箱の中にスピーカーを入れると低音が出難くなるので、前面にダクトをつくり出難くなった低音部分をダクトによって強調するスピーカーBOXです。

そして近年は、密封された箱の中に吸音材を沢山詰めて後ろの音を消そうとしているが、そう上手くいかないのでウーハ−の振動板を重くして共振を下げて低音を強調している。

音質にとっては良くない方法に段々変わってきたのです。

スピーカーユニットはコーン紙を振動させ空気の密度を変えることで音を作ります。その時コーン紙には空気の密度を変化させるための圧力が加わりますが、バッフル以外のBOX型ではその他に、箱の中でユニットから出た後ろの音が跳ね返り連続的にユニットに悪影響を与えます。

又、箱の中では共振が起こり非常に複雑な問題も発生するのです。

音のエジソンの中型のスピーカー(プロミネント)は、大きなバッフルではないが箱状でもない。試聴の結果こういう形になり、板の音も消え低音も出てきた。

原音追求の為、正しく再生するには平面バッフルの形式を取り、人の都合を最大に譲歩して理論的な音の都合に合わせることにした結果なのです。
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/686.html#c64

[リバイバル3] スピーカー自作は時間と金の無駄 _ 自作ではまともな音にならない 中川隆
6. 中川隆[-13057] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:12:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[476]

「スピーカーは買い換えを考える必要のない素晴らしい物を」
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm


当店は営業25年目になります。当初は他のお店と変わりはなく、有名な海外のスピーカーを並べていました。そして良いスピーカーを選ぶ為に、展示している中から色々なスピーカーを自宅に持ち帰り、試聴していました。

当時はさすがにどのスピーカーも良いところがある等と楽しんでいましたが、自分専用のスピーカーが決まりません。そこで、生産が完了している古いスピーカー(昔の名器)といわれるものを次々と取扱い、試聴すると新しいものに勝るものばかりでした。

しかし、決定的なものはありませんでした。そしてスピーカーの歴史を調べ、行き着いたところが60年以上前の最高級フルレンジスピーカーです。

ウエスタンやジェンセン、RCA等、これらのスピーカーは現代のスピーカーとは大違いです。見かけは気にせずに本格的に考え抜かれた部分が多く、素晴らしい部分を沢山持っています。

簡単に言うと励磁型、フィクスド、ベークダンパーで、正当な考え方として最高のものです。現代のスピーカーユニットでは足元にも及びません。

コーン紙の作りでも非常にこだわりが有り、鉄の素材や紙の材料や糊の量や形成方法が全く違ったのです。現代の技術と大きな能力の違いを感じさせられました。

調べるうちにスピーカーは60年も前から衰退している事を実感したものです。

当時、このような高級フルレンジスピーカーは一般的に販売されていなかったようです。(販売されていたとしても購入できる金額ではなかったと思われます。)素晴らしい物を発見してしまいました。後にも先にももう探すところはありません。「これらのユニットを使わないで何を使う」と考えて作り始めたのです。

そして、当時の多くのスピーカーシステムを調べてみて、箱型では頂点を目指すことは出来ないことも分かりました。このように、これらのユニットに大きな可能性を感じたのですが、

現代の無難な考え方のスピーカーとは全く異なり、低音の量感は少なく、じゃじゃ馬で、そのままではスピード感や実在感はあるものの雰囲気や繊細さはありません。音質は良いのですが周波数特性上の暴れや、インピーダンスの暴れ、大きな共振には悩みました。

そして、色々な方法を考えました。最初はツイーターを組み合わせバッフルの形やネットワークで調整する事で何とか目的を果たす事が出来ました。その頃はこれらのユニットに見合うようなツイーターもなかったのです。

その後、発売されたエレクトロボイスの新製品(最も高価なドライバー+ホーン)DH-3を当店の大型システム(ホーン型)に使用しテストして決定しました。しかし、このツイーターをこのシステムに利用してみると前よりは良くなっていますが、完全に納得がいきません。

他の名器といわれるスピーカーと似たように原音に近いものでなく、オーディオの再生音に感じます。

試行錯誤すること5〜6年、やっと原因を突き止めたのです。その原因はアッテネーターであり、音量を絞ることで音質が劣化する事を発見したのです。

そして劣化のない新型のアッテネーターを考案する事が出来て、やっと思い続けていた音を出すスピーカーシステムが出来上がりました。
https://www.otono-edison.com/original/speaker/prominent.htm


▲△▽▼


スピーカーについて
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/speaker.htm

スピーカーといえば皆さんはすぐに箱に入った四角いものを想像されると思います。そして、販売されているカタログを見るとすべてのものが素晴らしい考えのもとに設計し製造されているかのように書いてあります。スピーカーの設計は非常に難しく、素晴らしいと言えるようなスピーカーはなかなか存在しないものです。そこで、良いものを探すには知識が必要になってくるのです。
スピーカーシステムには使用されているスピーカーユニットの種類、またはエンクロジャー(箱)の種類などで目的の音質が異なり、本当に良いものが現在生産されているかということまで考えないと見つける事が出来ないかもしれません。


スピーカーユニットの種類には

●フルレンジ
 単体のスピーカーで全ての帯域を受け持つように設計されています。ユニットの中でこれほど簡単なものから高価なものまで数多く作られたものはありません。スピーカーユニットの設計の基本となるもので今でも最高級の低音用として用いられます。また、フルレンジとツィーターを一緒にした同軸2ウェイのユニットもあります。一般的な大きさのものでは同軸方のほうが非常に有利です。このフルレンジユニットがスピーカーの基本になると考えられても良いと思います。


●ウーハ−
 低音を重視して設計されたもので口径が大きくストロークが大きく取れるように設計されています。しかし、低音が伸びているとか大きさだけでは良い音質の判断材料にはなりません。同じ箱の大きさならば設計理由から判断すると口径の小さいウーハーの方が音質的に有利になります。
小さい箱で低音を伸ばすにはコーン紙の質量を重くします。低音の共振周波数が下がり、小さい箱の割には低音がよく出るようになりますが、注意するべき事は音質の低下です。重くなったウーハーはスピードが遅くなります。歯切れの良い低音は出てこなくなりますので音楽的には重ったるい鮮度の低い音質となります。
良質な原音再生を意図したウーハーは大口径でも軽い強いコーン紙で出来ています。そして能率が高く、高価なものは100dB以上もあるのです。


●スコーカ−
 中音用に設計されたユニットですが箱に取り付けた小型のものは今までに良いものはありませんでした。比較的に良いものとしては小型のフルレンジが使用されています。

大型のものではホーン型が使用されていますが、ドライバー単独では良いものかもしれませんが一般的に販売されているものではホーンの設計が設置する都合に合わせてあり、低音や高音との音の位相や定位が上手く取れないのが殆どです。見た感じ凄そうに見えますが家庭用としては不完全でしょう。しかし、低位と位相が合わせられたものは予想を越える素晴らしさがあります。


●ツィーター
 高音を再生するために設計されたもので多くの種類があります。能率の高いホーンタイプは高級品に利用されますが指向性に問題があることがあります。コーンタイプは最もポピュラーなツィーターでウーハートの相性も良く安価です。最近はソフトドーム型が良く使われていますが能率が低いため小型システムに利用されます。指向性は非常に良い。音質重視のシステムにはホーンタイプが多く利用され、バスレフ型にはコーンタイプ、密封型にはドームツィーターが多いようです。


エンクロジャー(箱)の種類は


●平面バッフル型

一番古くから使用されているものでスピーカーの前と後の音を混合させないように広い板で仕切るものです。最近は板の共振を無くすため形が工夫されています。最高の音質が得られますが使用できるユニットは比較的に高価です。バッフルが大きくなるところが欠点ですが、低域の音質は他の方法で勝るものはありません。低音のよさは全体域につながり、原音再生を目的とされる場合は特にお薦め致します。現在のメーカーさんでは作っているところは有りませんが成功すると箱型での音作りは時間の無駄ということが良くわかります。バランスよく広帯域を再生するには非常に経験と技術が必要です。


●バスレフ型

 平面バッフル型をなるべく小さくするために考えられたもので、ユニットの後から出る音を箱で封じ込めながらある程度の背圧を抜き、特性の降下している低音のみを位相反転させ前に開けたポートの共振で持ち上げる設計です。一般的な大きさのシステムでしたらこちらの方が有利でしょう。


●密封型

 スピーカーの後から出る音を箱で封じ込め、その音を箱に詰められた多量の吸音材で消去しようと考えて設計されたものです。当然スピーカーは空気の圧力を受けますので動きにくくなり能率が低下します。この空気の背圧を利用しウーハーの振動系に重りを付け、または重くして共振値を下げて低音を再現する方法です。また、ボイスコイルを大きくしてもかまわない設計であり100W以上の入力に耐えます。しかし全体的に背圧を受けながら振動しているために楽器のように開放感のある音は望めません。箱の内部を調整する事により自然な感じの音ではありませんが綺麗な音の感覚の音作りにしたり、音質重視でなく音圧で圧倒するような音楽として聴かれたい方には向いているかも知れません。


大きく分けて分類しましたがお解かりの方も多いと思います。上記を基本にして説明を書いていきます。


大まかな音質の良いスピーカーの選び方

スピーカーを判別するに特性表が表示されていると思いますが、この表がメーカーや国や用途によりまちまちになっています。プロ用は(−3dB)を基準に、アマチュア用は(−10dB)を基準に測定するなど、全てを信じて評価すると大きな失敗に結びつきます。特性表の中で信用できて音質的な参考に出来るものがスピーカーの能率です。この能率は電気信号をどれほどの効率で音に変換できるかを表しています。車で言えば1000ccのエンジンで何馬力出せるかの表示と同じものです。これを音圧として表示されています。平均的には約90〜93dB(デシベル)位でしょう。これが3dB変化すると半分かまたは倍の効率になります。悪い数値のものは表示されてないものもあり、だいたい85dB前後でしょう。良いものは100dB以上にもなります。この数値はアンプの出力を1W入力した時、スピーカーから1m離れたところの音の大きさを表します。数値が100dBのスピーカーの場合は1Wの入力で録音された原音の音量が出ます。そして変換効率は5%です。90dBの場合は0.5%ということになります。

良いスピーカーを作るには構造や理論が自然でなくてはなりません。音質の良いものは小さな信号までも効率的に音に変換できるようにする為に、振動系は軽くて強いものを選びます。その為に自然と能率が良くなり100dBを越えるか近いものになります。このように音質重視で設計されたスピーカーユニットは背圧のかからないバッフル型またはバスレフ型に取り付け使用します。しかし、最近では平面バッフル型は大きさが敬遠されて小型のバスレフ型や密封型が多くなりました。しかしこのことは背圧が加わるために低音を出そうとして設計すると振動系の部分を重くする必要があります。こうして箱内の空気圧と振動系の重さにより原音再生の考え方から離れていったのです。バスレフの場合は90〜93dB程度のユニットを使用するためまだ良い方ですが、密封型の箱では振動系に重りを付けた物が多く良質な再生音は得られないでしょう。最近では、更に小型で重低音をうたい文句に別のスピーカーユニットを箱の中に取り付け共振を利用して低音を増強しようとしたスピーカーシステムがあるようですが原音再生には全く無縁のものと思います。

ここで上手くいった一例として当店の409システムをご紹介いたします。このシステムは一見バスレフにも見えますが、バスレフポートを縦長にすることで共振を少なくしてボックス内の背圧を抜いています。ユニットは能率が20センチでは世界一の97.8dBもあります。上手に鳴らすことで平面バッフル型に近い良い音質が得られるのです。


ここで誤解の無いように「良い音質とは」の説明をしておきます

 良い音質とは録音される前の音のように感情の入った色々な微細な音を正確に再現するもので、綺麗な音や汚い音、太い音、細い音、激しい音、やさしい音、明るい音、暗い音などを表現する事が出来ます。演奏家が楽器などによって音で表現しようとしている意味が聞き取れるものであり、何でもきれいな音で表現するものではありません。最近は音楽としての音質を忘れてオーディオとしての勝手な音作りが先行している製品の方が多くなっています。少し視野を広げる事で素晴らしいオーディオの世界があることに気付いて頂けると思います。


スピーカーシステムの形から見た性質

 平均的な小型のスピーカーシステムには2ウエイや3ウエイが多く見かけられます。どちらが音質的に有利かといえば2ウエイの方です。帯域的には3ウエイの方が有利でしょう。しかし、予算を同額にすると2ウエイが非常に良い結果になります。その理由は2ウエイのウーハーとツイーターに3ウエイにするため中音のスコーカ−を入れますがスコーカ−の能率は非常に悪く、ウーハーの効率を揃えるためにウーハーの振動系を重くして共振点を下げて低音を伸ばすのが一般的です。こうする事で3ウエイの帯域は広くなります。しかし能率が悪くなり音質が劣化し2ウエイに劣るのです。そのほかにもネットワークという音を分ける部分も3ウエイの方は部品数が多くなり高価になりますので、2ウエイのままで予算をかけたシステムの方が音質は非常に有利になるのは明白です。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/speaker.htm


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「バッフルシステムは何故バッフルにしたの?」
スピーカーを他の形にしたのは人の都合によるもので音の為ではない。歴史を見ると、最初スピーカーが発明された時、取り付けられたものは大きなバッフルであった。

スピーカーは前後に動く空気の気圧の山谷を発生させることにより、音を作る。しかし、小さな面積のユニットだけでは後に作った気圧と前に作った気圧は打ち消され、波長の長い音(低音)は聴こえてこない。そこで、スピーカーユニットの作った前の音が後の音で打ち消される事が無いように広い板に付けられたのがスピーカーの始まりなのだ。

この時この広い板は頑丈に作る必要があった。音によって板が振動し、板の固有の音を発生させる事を防ぐ為です。これを完全にすることで、そのユニットのもつ最大限の音質と帯域を実現出来るのだ。

バッフルは劇場のようなところで使用しない限り持ち運びには非常に不便です。そこで考えられたのは、当初は後の板が無い箱で後面開放型BOXと呼ばれていたものです。

こうすることである程度の低音まで維持できますが、箱の中の共鳴が起こります。これは頑丈に作っても同じ事です。

次の時代はバスレフが作られました。これは箱の中にスピーカーを入れると低音が出難くなるので、前面にダクトをつくり出難くなった低音部分をダクトによって強調するスピーカーBOXです。

そして近年は、密封された箱の中に吸音材を沢山詰めて後ろの音を消そうとしているが、そう上手くいかないのでウーハ−の振動板を重くして共振を下げて低音を強調している。

音質にとっては良くない方法に段々変わってきたのです。

スピーカーユニットはコーン紙を振動させ空気の密度を変えることで音を作ります。その時コーン紙には空気の密度を変化させるための圧力が加わりますが、バッフル以外のBOX型ではその他に、箱の中でユニットから出た後ろの音が跳ね返り連続的にユニットに悪影響を与えます。

又、箱の中では共振が起こり非常に複雑な問題も発生するのです。

音のエジソンの中型のスピーカー(プロミネント)は、大きなバッフルではないが箱状でもない。試聴の結果こういう形になり、板の音も消え低音も出てきた。

原音追求の為、正しく再生するには平面バッフルの形式を取り、人の都合を最大に譲歩して理論的な音の都合に合わせることにした結果なのです。
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1005.html#c6

[リバイバル4] 買ってはいけない 300B ダメ・アンプ _ SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋) SV-91B 中川隆
16. 中川隆[-13056] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:18:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[477]
安物のトランスを使った真空管アンプより 3万円のトランジスタ・アンプの方が音がいい

3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html


真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


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なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm


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G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」

店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」


G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」


M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12


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「真空管アンプと音の響きについて」のネット記事の紹介
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c


「真空管アンプは、真空管の差し替えで音が変わります。最近私は真空管アンプに注目していますが、それは音源がPC/ネットワークオーディオになると、ますます潤いや音を作る楽しみが小さくなってしまうからです。

たしかに、PC/ネットワークオーディオでもケーブルを変えたり、再生ソフトを変えると音が変わるのですが、カートリッジの交換だけで1枚のレコードがまるで違う歌のように雰囲気までがらりと変わってしまったアナログ時代の音の変化とは、何かが根本的に何か違うように感じています。

デジタル時代の音の変化は、音の細やかさや透明感、立体感など「音質」に関わる部分で、音楽の雰囲気つまり「情緒」に関わる部分での変化が少ないように思います。

また、アナログ時代には「再生時の音作り」で生演奏よりも素晴らしい雰囲気で音楽を楽しめたのに対し、デジタル時代ではどう頑張っても生演奏を超えられないように思うのです。このアナログとデジタルの根本的な違いは、「響きの差」から生まれていると考えています。

音楽は響きの芸術です。音楽は、音の響きが多いか少ないかで情報量が変化します。良い例が「クラシック・コンサート」で、響きの美しいホールでなければ情緒深く美しい演奏が奏でられません。

演奏をより美しくするためには、楽器そのものの響きをさらに「響かせる」ことが必要です。音源がアナログオーディオの場合、再生プロセスではレコード盤そのものの響き、カンチレバーの振動など録音されていない「響き」が盛大に発生します。それを「味方」に付けることで音楽的な情報量を増やしたり、演奏の味わいを深められるのだと私は考えています。

ところが音源がデジタルになると、この「響き」が生み出されなくなります。アップサンプリングやビット伸長を行うことで音の細かさは向上しますが、響きが増えることはありません。

これが再生プロセスの芸術性でデジタルがアナログを超えられないと考える理由です。デジタルの音はアナログよりもあっさりしている、アナログのような暖かさや情緒深さが感じられない、立体感に乏しい、これらはすべて「響きが足りない」からだと考えられます。

このデジタルで不足する「響き」を補えるのが、真空管アンプです。今回のテストから明らかなように、真空管が音楽信号に呼応して響き、音楽の味わいを深めます。プレーヤー(音源)で響きを作るすべを封じられた今こそ、真空管アンプに注目すべきだと私は考えています。」

つまり、CDにしろSACDにしろさほどの変化を感じられなかった原因は「音の響き」がプアなせいだったのか、と思い当たった。

我が家の場合は、いまさらレコードに戻るのも億劫だしデジタルの音を「真空管アンプ+昔の高能率のユニット」で鳴らす方が「音の響き」にとって丁度いい塩梅だと勝手に思っている。

デジタルもアナログもそれぞれ長所もあれば弱点もあるので、長所をいかに伸ばし、弱点をいかにカバーするかが、ありふれたことだがオーディオの王道なのだろう。

そういえばオーディオ誌などを見ているとシステムや機器の「弱点」に触れている記事はまず見かけないのでうかつに信用できない。

たとえば「響きが足りないデジタルの音を響きの少ないTRアンプで鳴らす」風潮などがそうで、オーディオが衰退の一途をたどっている一因もその辺りにあると推察している。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c





http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/124.html#c16

[リバイバル3] 買ってはいけない SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋) の真空管アンプキット 中川隆
23. 中川隆[-13055] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:19:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[478]

安物のトランスを使った真空管アンプより 3万円のトランジスタ・アンプの方が音がいい

3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html


真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


▲△▽▼


なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm


▲△▽▼

G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」

店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」


G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」


M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12


▲△▽▼


「真空管アンプと音の響きについて」のネット記事の紹介
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c


「真空管アンプは、真空管の差し替えで音が変わります。最近私は真空管アンプに注目していますが、それは音源がPC/ネットワークオーディオになると、ますます潤いや音を作る楽しみが小さくなってしまうからです。

たしかに、PC/ネットワークオーディオでもケーブルを変えたり、再生ソフトを変えると音が変わるのですが、カートリッジの交換だけで1枚のレコードがまるで違う歌のように雰囲気までがらりと変わってしまったアナログ時代の音の変化とは、何かが根本的に何か違うように感じています。

デジタル時代の音の変化は、音の細やかさや透明感、立体感など「音質」に関わる部分で、音楽の雰囲気つまり「情緒」に関わる部分での変化が少ないように思います。

また、アナログ時代には「再生時の音作り」で生演奏よりも素晴らしい雰囲気で音楽を楽しめたのに対し、デジタル時代ではどう頑張っても生演奏を超えられないように思うのです。このアナログとデジタルの根本的な違いは、「響きの差」から生まれていると考えています。

音楽は響きの芸術です。音楽は、音の響きが多いか少ないかで情報量が変化します。良い例が「クラシック・コンサート」で、響きの美しいホールでなければ情緒深く美しい演奏が奏でられません。

演奏をより美しくするためには、楽器そのものの響きをさらに「響かせる」ことが必要です。音源がアナログオーディオの場合、再生プロセスではレコード盤そのものの響き、カンチレバーの振動など録音されていない「響き」が盛大に発生します。それを「味方」に付けることで音楽的な情報量を増やしたり、演奏の味わいを深められるのだと私は考えています。

ところが音源がデジタルになると、この「響き」が生み出されなくなります。アップサンプリングやビット伸長を行うことで音の細かさは向上しますが、響きが増えることはありません。

これが再生プロセスの芸術性でデジタルがアナログを超えられないと考える理由です。デジタルの音はアナログよりもあっさりしている、アナログのような暖かさや情緒深さが感じられない、立体感に乏しい、これらはすべて「響きが足りない」からだと考えられます。

このデジタルで不足する「響き」を補えるのが、真空管アンプです。今回のテストから明らかなように、真空管が音楽信号に呼応して響き、音楽の味わいを深めます。プレーヤー(音源)で響きを作るすべを封じられた今こそ、真空管アンプに注目すべきだと私は考えています。」

つまり、CDにしろSACDにしろさほどの変化を感じられなかった原因は「音の響き」がプアなせいだったのか、と思い当たった。

我が家の場合は、いまさらレコードに戻るのも億劫だしデジタルの音を「真空管アンプ+昔の高能率のユニット」で鳴らす方が「音の響き」にとって丁度いい塩梅だと勝手に思っている。

デジタルもアナログもそれぞれ長所もあれば弱点もあるので、長所をいかに伸ばし、弱点をいかにカバーするかが、ありふれたことだがオーディオの王道なのだろう。

そういえばオーディオ誌などを見ているとシステムや機器の「弱点」に触れている記事はまず見かけないのでうかつに信用できない。

たとえば「響きが足りないデジタルの音を響きの少ないTRアンプで鳴らす」風潮などがそうで、オーディオが衰退の一途をたどっている一因もその辺りにあると推察している。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c





http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1008.html#c23

[リバイバル3] 真空管アンプ自作は時間と金の無駄 _ 自作では まともな音にならない 中川隆
10. 中川隆[-13054] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:19:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[479]

安物のトランスを使った真空管アンプより 3万円のトランジスタ・アンプの方が音がいい


3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html


真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


▲△▽▼


なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm


▲△▽▼

G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」

店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」


G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」


M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12


▲△▽▼


「真空管アンプと音の響きについて」のネット記事の紹介
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c


「真空管アンプは、真空管の差し替えで音が変わります。最近私は真空管アンプに注目していますが、それは音源がPC/ネットワークオーディオになると、ますます潤いや音を作る楽しみが小さくなってしまうからです。

たしかに、PC/ネットワークオーディオでもケーブルを変えたり、再生ソフトを変えると音が変わるのですが、カートリッジの交換だけで1枚のレコードがまるで違う歌のように雰囲気までがらりと変わってしまったアナログ時代の音の変化とは、何かが根本的に何か違うように感じています。

デジタル時代の音の変化は、音の細やかさや透明感、立体感など「音質」に関わる部分で、音楽の雰囲気つまり「情緒」に関わる部分での変化が少ないように思います。

また、アナログ時代には「再生時の音作り」で生演奏よりも素晴らしい雰囲気で音楽を楽しめたのに対し、デジタル時代ではどう頑張っても生演奏を超えられないように思うのです。このアナログとデジタルの根本的な違いは、「響きの差」から生まれていると考えています。

音楽は響きの芸術です。音楽は、音の響きが多いか少ないかで情報量が変化します。良い例が「クラシック・コンサート」で、響きの美しいホールでなければ情緒深く美しい演奏が奏でられません。

演奏をより美しくするためには、楽器そのものの響きをさらに「響かせる」ことが必要です。音源がアナログオーディオの場合、再生プロセスではレコード盤そのものの響き、カンチレバーの振動など録音されていない「響き」が盛大に発生します。それを「味方」に付けることで音楽的な情報量を増やしたり、演奏の味わいを深められるのだと私は考えています。

ところが音源がデジタルになると、この「響き」が生み出されなくなります。アップサンプリングやビット伸長を行うことで音の細かさは向上しますが、響きが増えることはありません。

これが再生プロセスの芸術性でデジタルがアナログを超えられないと考える理由です。デジタルの音はアナログよりもあっさりしている、アナログのような暖かさや情緒深さが感じられない、立体感に乏しい、これらはすべて「響きが足りない」からだと考えられます。

このデジタルで不足する「響き」を補えるのが、真空管アンプです。今回のテストから明らかなように、真空管が音楽信号に呼応して響き、音楽の味わいを深めます。プレーヤー(音源)で響きを作るすべを封じられた今こそ、真空管アンプに注目すべきだと私は考えています。」

つまり、CDにしろSACDにしろさほどの変化を感じられなかった原因は「音の響き」がプアなせいだったのか、と思い当たった。

我が家の場合は、いまさらレコードに戻るのも億劫だしデジタルの音を「真空管アンプ+昔の高能率のユニット」で鳴らす方が「音の響き」にとって丁度いい塩梅だと勝手に思っている。

デジタルもアナログもそれぞれ長所もあれば弱点もあるので、長所をいかに伸ばし、弱点をいかにカバーするかが、ありふれたことだがオーディオの王道なのだろう。

そういえばオーディオ誌などを見ているとシステムや機器の「弱点」に触れている記事はまず見かけないのでうかつに信用できない。

たとえば「響きが足りないデジタルの音を響きの少ないTRアンプで鳴らす」風潮などがそうで、オーディオが衰退の一途をたどっている一因もその辺りにあると推察している。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c





http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1006.html#c10

[リバイバル4] ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプ 中川隆
31. 中川隆[-13053] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:21:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[480]

安物のトランスを使った 300Bアンプより 3万円のトランジスタ・アンプの方が音がいい

3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html


真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


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なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm


▲△▽▼

G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」

店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」


G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」


M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12


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「真空管アンプと音の響きについて」のネット記事の紹介
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c


「真空管アンプは、真空管の差し替えで音が変わります。最近私は真空管アンプに注目していますが、それは音源がPC/ネットワークオーディオになると、ますます潤いや音を作る楽しみが小さくなってしまうからです。

たしかに、PC/ネットワークオーディオでもケーブルを変えたり、再生ソフトを変えると音が変わるのですが、カートリッジの交換だけで1枚のレコードがまるで違う歌のように雰囲気までがらりと変わってしまったアナログ時代の音の変化とは、何かが根本的に何か違うように感じています。

デジタル時代の音の変化は、音の細やかさや透明感、立体感など「音質」に関わる部分で、音楽の雰囲気つまり「情緒」に関わる部分での変化が少ないように思います。

また、アナログ時代には「再生時の音作り」で生演奏よりも素晴らしい雰囲気で音楽を楽しめたのに対し、デジタル時代ではどう頑張っても生演奏を超えられないように思うのです。このアナログとデジタルの根本的な違いは、「響きの差」から生まれていると考えています。

音楽は響きの芸術です。音楽は、音の響きが多いか少ないかで情報量が変化します。良い例が「クラシック・コンサート」で、響きの美しいホールでなければ情緒深く美しい演奏が奏でられません。

演奏をより美しくするためには、楽器そのものの響きをさらに「響かせる」ことが必要です。音源がアナログオーディオの場合、再生プロセスではレコード盤そのものの響き、カンチレバーの振動など録音されていない「響き」が盛大に発生します。それを「味方」に付けることで音楽的な情報量を増やしたり、演奏の味わいを深められるのだと私は考えています。

ところが音源がデジタルになると、この「響き」が生み出されなくなります。アップサンプリングやビット伸長を行うことで音の細かさは向上しますが、響きが増えることはありません。

これが再生プロセスの芸術性でデジタルがアナログを超えられないと考える理由です。デジタルの音はアナログよりもあっさりしている、アナログのような暖かさや情緒深さが感じられない、立体感に乏しい、これらはすべて「響きが足りない」からだと考えられます。

このデジタルで不足する「響き」を補えるのが、真空管アンプです。今回のテストから明らかなように、真空管が音楽信号に呼応して響き、音楽の味わいを深めます。プレーヤー(音源)で響きを作るすべを封じられた今こそ、真空管アンプに注目すべきだと私は考えています。」

つまり、CDにしろSACDにしろさほどの変化を感じられなかった原因は「音の響き」がプアなせいだったのか、と思い当たった。

我が家の場合は、いまさらレコードに戻るのも億劫だしデジタルの音を「真空管アンプ+昔の高能率のユニット」で鳴らす方が「音の響き」にとって丁度いい塩梅だと勝手に思っている。

デジタルもアナログもそれぞれ長所もあれば弱点もあるので、長所をいかに伸ばし、弱点をいかにカバーするかが、ありふれたことだがオーディオの王道なのだろう。

そういえばオーディオ誌などを見ているとシステムや機器の「弱点」に触れている記事はまず見かけないのでうかつに信用できない。

たとえば「響きが足りないデジタルの音を響きの少ないTRアンプで鳴らす」風潮などがそうで、オーディオが衰退の一途をたどっている一因もその辺りにあると推察している。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c





http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/107.html#c31

[番外地7] 日本人の「おもてなし」の精神の起源 中川隆
1. 中川隆[-13052] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:46:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[481]

日本女性のホスピタリティーは世界一
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/133.html
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/534.html#c1
[近代史4] 日本人の「おもてなし」の精神の起源 中川隆
1. 中川隆[-13051] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:48:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[482]

フィリピン女性が男を狂わせる理由
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/143.html

フィリピン女性が男をメロメロにする理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/170.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/453.html#c1

[番外地7] 日本人の「おもてなし」の精神の起源 中川隆
2. 中川隆[-13050] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:48:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[483]

フィリピン女性が男を狂わせる理由
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/143.html

フィリピン女性が男をメロメロにする理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/170.html
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/534.html#c2

[番外地7] 日本人の「おもてなし」の精神の起源 中川隆
3. 中川隆[-13049] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:51:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[484]

サルはなぜサルか 2 _ タイ人が微笑む理由
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/398.html

タイは天国に二番目に近い国 3 _ 鴨ネギにされる日本人
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/379.html

タイは天国に二番目に近い国 1
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/377.html

タイは天国に二番目に近い国 2 _ 誰が私をこんな女にした
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/378.html

サルはなぜサルか 1 _ 白人崇拝がタイ人を猿にした
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/396.html


http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/534.html#c3

[近代史4] 日本人の「おもてなし」の精神の起源 中川隆
2. 中川隆[-13048] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:52:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[485]

サルはなぜサルか 2 _ タイ人が微笑む理由
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/398.html

タイは天国に二番目に近い国 3 _ 鴨ネギにされる日本人
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/379.html

タイは天国に二番目に近い国 1
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/377.html

タイは天国に二番目に近い国 2 _ 誰が私をこんな女にした
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/378.html

サルはなぜサルか 1 _ 白人崇拝がタイ人を猿にした
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/396.html


http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/453.html#c2

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
57. 中川隆[-13047] koaQ7Jey 2020年3月05日 09:11:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[486]
ドイツの小型の家庭用安物スピーカーは何故あんなに音がいいのか?

ドイツ SABA のフルレンジ SPユニット
https://vintage-audio.jp/?p=390

メーカー:SABA
モデル名:Permadyn 5298U8
生産国:ドイツ
生産時期:1952〜1958年
型式:シングルコーン
口径:8inインピーダンス:5Ω
マグネット:アルニコV


鮮やかなグリーン色のコーン紙が特徴のドイツ名門SABAのフルレンジSPユニットです。

超軽量コーン紙に小型の磁気回路、ペラペラのプレスフレーム・・・

1950年代の家庭用ドイツ製ユニットの特徴なのですが、これを上手に鳴らすと、英国やアメリカのユニットでは出すことの出来ない、ナチュラルで透明度の高く、繊細で分解能が高いサウンドを奏でるので、見た目じゃ判断できないのです。

そして、これらドイツのユニットを研究すると非常に合理的に作られている事に気が付きます。

超軽量なコーン紙を使用している為に、それを駆動する磁気回路は小さくでき、よってフレームもダイキャスト等大掛かりでなくプレスフレームで十分な強度が取れる訳です。

実に合理的でしょ!

しかも、超軽量コーンはユニットの設計だけでなく、サウンドにも大きなメリットがあります。

軽量だから信号に対しての反応が圧倒的に速いのです。

これにより、全帯域で分解能が高く、小音量時に音が潰れないのです。

小口径・軽量コーンのユニットは、家庭用(家庭用HiFi)ユニットに分類されますので、ドイツ業務用と混同して考えては駄目です。

また、構造上ハイパワーユニットではありませんから、駆動するパワーアンプも、2〜3Wのシングル(またはP-P)管球アンプが適当です。音量が足りないからといって、ハイパワーなアンプを繋いだりしてはいけません、音量を稼ぐ場合は、ユニットを複数個使用します。そして、適度な音量で鳴らすことで、超軽量コーンユニットのメリットが最大限発揮できます。

この事を踏まえてシステムを構築します。

まず、特徴である軽量コーンにあまりプレッシャーを掛けずに使用したい為、平面バッフルか後面開放型が適当だと思います。

密閉型、バスレフ型になるとバックプレッシャーのコントロールが難しくなる事とエンクロージャーの影響を受けやすくなりますので、今回は1940年代の米PHLCO社のAMラジオのキャビネットを利用することにしました。

後面開放型になります。

バッフル板をキャビネットに合わせて製作します。適度な鳴りを考え、9mm厚のフィンランドバーチ合板を使用しました。ユニットのインピーダンスは5Ωなので、2本をシリーズに接続し、トータルインピーダンス10Ωで使用します。それを組み込んで完成です。

そのサウンドですが・・・ユニットの特徴を上手く活かせたシステムになったと思います。決してワイドレンジではありませんが、全帯域に渡って癖がなく明瞭度が高いサウンドです。長時間聴いても聴き疲れすることもなく、部屋の中に音楽が自然に広がっていきます。これ1本で十分か?と言われると、私の場合はそうはいきませんがサブシステムとして、または音楽鑑賞用としてなら十分な能力があります。

ドイツ家庭用シングルユニットは、見た目ではなく実質的な能力の高さを、国内の皆さんも評価して欲しいと思います。

このユニットは、ドイツ(ライプチッヒ)のコレクターからの出物で大変状態の良いユニットでした。同等ユニットも多数ありますので、これらSPユニットをお探しの方は下記までお問い合せ下さい。
https://vintage-audio.jp/?p=390

ドイツ古典フルレンジユニット
http://www.soundstage.jp/Full_Range.html

1950年代のドイツ製フルレンジは、超軽量コーンを強力アルニコマグネットでドライブ。
96〜97dB/W/mの高能率を得ています。

コーンの実効質量は、何と5〜6g!
(fostex FE203等の代表的な軽量ユニットに比べても半分以下です)


*この時代のユニットは同一モデルでもロットの違いによるバリエーションがございます。磁石、フレーム形状等が写真の物と一致しない場合がございますが予めご了承ください。同一品質基準、同一工場で生産されたコーン紙の優秀性は、全てのユニットに共通です。


声、木管がリアルなことは、ドイツヴィンテージユニットに共通の特徴と思いますので、以下の個別ユニットの説明では省略させて頂きました。


____


Telefunken 20cmフルレンジユニット


同社Opusシリーズの大型ラジオ、コンソールに多用されたユニットで、この時代のドイツの情感を伝えてくれる代表的ユニットと言えばこれでしょう。


弾むような低音にクリアな中域と少し華やかな高域を乗せ、


どこまでも楽しく音楽を聴かせてくれます。


特性の暴れが上手く高域のレンジ感に結びついている一面がありますため、


単体で十分楽しめるユニットである反面、ツィータの追加で大幅にグレードアップいたします。特に弦楽の倍音の豊かさ、艶等が顕著に改善され、どなたにも安心してお勧めできるシステムになります。


____


Telefunken 楕円フルレンジユニット


背面放射音が華やかな傾向がありますので、後面開放キャビネットに用いるにはデッドニング等のチューニングが必要ですが、


コーンの材質、面積が同じなので最終的には円形20cmユニットと同じ音色傾向にまとめることが可能です。


ツィータの追加で本領発揮となるのも同じです。


円形20cmユニットより新しい時代のものなので全般に保存状態がよいのも利点かと思います。


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SABA 22cmフルレンジユニット Permadyn25


ほぼ20cm口径ながら一回り大きいSABA製のユニットです。


帯域バランスが実に巧みで、 造り手のセンスと技術の高さをうかがい知ることができる HiFi指向の正統派ユニットです。


ハッタリの無い落ち着いた雰囲気の再生音は、


小編成のジャズや男性ボーカルにマッチするかと思いますが、


クラシックでしたらピアノソロもありだと思います。


SABA(Schwarzwälder Apparate-Bau-Anstalt)社は現存しませんが、


Telefunkenの対向メーカーとして一時代を画した総合電機メーカーです。


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ラーヴェオプタ(LoeweOpta) 20cmフルレンジユニット


ややプレスの効いたコーン紙による張りのある明晰な鳴りっぷりが特徴です。中域を基軸とする表現のためレンジ感は今ひとつですが、その分、弦楽の切れ込み感や、金管の輝き、ピアノのアタック感等が小気味よく出るユニットかと思います。


勿論レンジ感についてはツィータの追加で改善されますので、


最終的なシステムの完成度は他の兄弟銘柄(Graetz、 Telefunken 、 Grundig、 等々)に全く引けを取りません。


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ローレンツ(Lorenz) 20cmフルレンジユニット


下手なツィータなら付けない方が良いくらいよく伸びて歪の少ない高域を持ち、それが躍動感溢れる中低域と見事に一体化しています。


ヴィンテージの味わいは薄いかも知れませんが、


音源を選ばないオールマイティなユニットで、


この時代のフルレンジユニットの最高傑作の一つでしょう。


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グルンディヒ(Grundig) 20cmフルレンジユニット


ベークダンパならではの硬質でハイスピードな音のユニットです。


帯域は上下に若干狭い傾向がありますので、これをセッテイングで補う工夫が求められます。具体的には、高音をよく反射する硬質の壁面(窓ガラス等)を背にすることや、 部屋のコーナー近くに配置して低音を増強すること、等の工夫になります。


鳴らすのが難しいユニットではありますが、


セッテイングが決まった時には背面音を最大限に利用した後面開放キャビネットの理想形が完成しています。


特にピアノ曲などでは、他のシステムでは得られない生々しい説得力や典雅な余韻表現が可能です。


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グレーツ(Graetz) 20cmフルレンジユニット


コルゲーション補強されたコーン紙にNT4クラスの大型マグネットを組み合わせた強力ユニットです。


中域以下に厚みがありチェロのゴリッとしたところの表現などは秀逸です。


高域は出ませんが元々低域がよく伸びていますので、アドオンツィータとの組み合わせで最もワイドレンジなシステムが完成します。


フルオケ再生も迫力十分です。
http://www.soundstage.jp/Full_Range.html


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粋音舎 ドイツ古典フルレンジユニット用の後面開放型エンクロージャー
http://www.soundstage.jp/OpenBack.html

ヴィンテージの味わい


この時代のドイツ製ユニットを鳴らすということは、単に昔の音を甦らせるということではありません。

その枯れて乾いた音色は、約60年の歳月をかけた熟成の結果でもあるからです。


歳月という試練に耐える素材、構造、
それを現実の姿にする優れた製造技術、
そして熟成という時間の魔法・・・


全てが結集された再生音は、60年貯蔵の美酒を開封するが如く、今この時のために流れ出すのです。


現代の代表的な軽量ユニットに比べても半分以下という超軽量のコーン紙は空気との親和性が極めて高く、録音マイクがスタジオやステージの空気と交わした会話を
まるでリスニングルームの空気に口移しするように、優しく、熱く、伝えてくれます。


裏板のない開放型キャビネットとの組み合わせは、超軽量振動板の軽快な動きを妨げないための工夫。


最新のハイレゾ音源をも活かす音楽再生の完成形が、60年前のドイツで既に極められていたのです。


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粋音舎 ドイツ古典フルレンジシステム(受注生産品)


ユニット

口径 20センチ
搭載数 1個

形式 コーン型フルレンジユニット

能率 96dB/W・m

耐入力 5ワット

製造国 ドイツ


キャビネット

寸法 幅38cm×高さ58cm×奥行30cm

形式 後面開放型

材質 フィンランドバーチ材

( 前面グリルは別売となります。)


※ユニット製造元は、テレフンケン、グルンディッヒ、ローレンツ等々の銘柄を取り揃えています。


※ステレオの片側に2個または4個のユニットを用いたタンデム仕様の大型システムも特注製作承ります。


(注記)

 本製品は、背後の壁による反射を利用いたします。このため壁との間に50センチ以上の距離が必要です。

壁の材質も反射音の音質に大きく影響しますが、一般的な木質の建築内装材であれば良好な結果が得られます。背後が石膏ボードやガラス板などの場合には、薄手(6ミリ前後)の合板を壁に立て掛けて設置することをお薦めいたします。


 本製品に搭載のユニットは、1950年前後にドイツで製造された家庭用ラジオから取り出した使用済みのヴィンテージユニットです。動作良好なユニットを検査厳選の上、 極力外見を揃えてステレオ左右のペアを組んで おりますが、モノラル再生が主流だった当時のラジオ1台からは1つのユニットしか取り出せないため、製造年や保存環境の違いにより細部の形状や色合いが微妙に不揃いな場合があります。


 本製品は極めて高能率なため、数ワット程度の小出力真空管アンプとの組み合わせを推奨いたします。 大出力アンプとの組み合わせでは、誤入力等により破損する場合があります。
http://www.soundstage.jp/OpenBack.html


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合同会社 粋音舎(すいおんしゃ)

E-mail suion@soundstage.jp

Web http://www.soundstage.jp

TEL   03- 6271- 5760

所在地 東京都練馬区


事業内容 音響機器の企画、製造および販売


製造委託先 株式会社 サカエ工芸


株式会社 サカエ工芸
http://www012.upp.so-net.ne.jp/strata/SAKAE.html

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4、5年前、捨てられていたラジオから外したような、ボロボロのドイツスピーカーがネットオークションなどで出回ったが、こうした事を積み重ねた結果がドイツスピーカーの評判を落としてしまったのではあるまいか。
あの手の8pほどのスピーカーはおそらくラジオから外したものと推察され、もしそうなら所詮人の声さえ満足に聴く事が出来れば事足りるので、其れなりの性能にしか造られていないだろう。それを50円か100円か或いは1000円か知らないが塵の山から安く拾って来て、オーケストラを鳴らし「フィールドスピーカーで御座い。付いては20万円頂きます。此方は上等のテレフンケンなので100万円頂きます」、これでは評判が落ちるのも無理はない。

スピーカーで一番難しいのは箱だという事は今更めく話で、とうに皆様御承知の通りである。

ただ造るだけなら大工仕事でも出来るが、ユニットの実力を実力通りに鳴らす事はそう簡単に出来ることではない。

指定の寸法で造ったから音になるかといっても、まずまともな音になった例を僕は知らない。無論素人仕事でも偶然の大当たりが無いとは言えないが、エンクロージャーの自作ばかりは決してお勧めできるものではない。

尤も、どう造ったって、音は出るに決まっているので、願望から僕らはつい錯覚する、出来たてのほやほやの時は「なんて良い音だ」と思いたいのである。

そして、JBLやアルテックのユニットを使っているんだから良い音に決まっているというブランドに対する先入観がまた僕らの耳を錯覚させる。

回路図通りに組み上げれば一応回路図通りの音が出るアンプなどとはわけが違って(これだって部品配置や配線方法等で俄然音は違ってくるが)目に見えない空気の振動に関する計算と現実の音の間には大きなギャップがあるようだ。

だが逆の事もあるだろう、コーラルのスピーカーユニットだって、箱を旨く造れば素晴らしい音に仕上がるかもしれない。今も云った通り偶然の産物が成功をおさめないとは云えないから、つい期待するし箱造りに嵌るのである。

この事は自作エンクロージャーに限った事ではなく、他社製造の箱つまり指定寸法に依る本職の仕事だってユニットがまともな音を出した例を聴いた事が無い。
まして、他社独自の設計によるエンクロージャーをや、である。

タンノイ然り、JBL,アルテック然りオリジナルとの音質の差は歴然としている。

古くはヴァイタボックスのコーナーホーンに物凄い奴があった。大メーカーともあろうものがよくぞここまでやってくれたものだとほとほと愛想が尽きて、以来このメーカーの物は何によらず買った事が無い。こういう音造りを平気でやる音響メーカーを信用出来ないのである。指定寸法という触れ込みながら、どう造ったってここまで酷い音にはなるまいと思うが、それがちゃんとそうなっているのだから驚く。

件のラジオ用スピーカーも当然箱を作らねばならないが、素人仕事も本職仕事も含めてちゃんと音になった例があるんだろうか、甚だ疑わしい。

僕の知っている限りでは、自称スピーカーの専門家の造ったへんてこりんなバッフルなど随分杜撰でいい加減なものだった。言うまでもなく音は出ていたが音にはなっていなかった。

会社の大小を問わず、どういうものを造るかというメーカーのコンセプトは、要は経営の先見性に加えて教養とセンスとモラルを根本とする筈だから、これが無いメーカーは気楽なものである。何でも有りなのだ。要は「だからこのスピーカーは良いのですよ」という話を造ってしまえば良い。

僕らはだから自分の耳をしっかり信じて、良い悪いもさることながら、好きか嫌いかをしっかり耳で判断したら良いのだろう。JBLだから好きなのではなくて、眼をつぶって聞けば自分の好き嫌いは誰に教えてもらわずとも基よりはっきりしている筈だ。

その耳で是非ともちゃんと整備されたドイツスピーカーの音を聞いてみては如何だろう。

ただし、どうしてもオイロダインをというなら、閉館した映画館を買ってしまうのが早道だろうから相当の費用も必要になるに決まっている。だが、価値はあると思う。勇者の出現を期待して、是非とも聴かせて頂きたいものだ。
http://audio-file.jugem.jp/?eid=34

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c57

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
58. 中川隆[-13046] koaQ7Jey 2020年3月05日 09:13:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[487]

ドイツの小型の家庭用安物スピーカーは何故あんなに音がいいのか? _ 2

VINTAGE AUDIO
ドイツ製のAUDIOを中心に紹介及び販売を致します。
https://vintage-audio.jp/?cat=8

Q&A

Q1: ドイツのヴィンテージスピーカーの特長は何ですか?

音の違いから言いますと、まず聴きやすい、聴き疲れしにくい音だと思います。
決してつまらない音では有りません。多くのスピーカーはかまぼこ型の特性になっており高域と低域を欲張っておりません。音楽や人の声などの核となる中域重視となっております。

構造の違いから言いますと、まず軽いコーン紙にて能率が高いユニットがほとんどです。

レスポンスが大変良く、真空管アンプとの相性も抜群です。またコーンの素材であります紙の質がダントツ的にすばらしいという事でしょう。タンノイなども古いユニットはドイツのコーン紙を使用しております。このコーン紙が最大の特徴です。 


Q2: 古いスピーカー達のコンディション、また使用していて壊れないですか?

エッジに関しましては年間にして100ペア以上のユニットを見て来ておりますが、アメリカや日本のユニットのようにエッジがボロボロという物は見たことが有りません。約40〜50年以上前の物ですが有っても故意によるものや縦方向の切れが殆どです。一部のユニットにはガスケットと一緒に外れて切れてしまった物、
Grundigなどはガスケットにスポンジが使われている物がありスポンジを貼り付けていた

接着剤と一緒に硬化してボロボロになっている物も見られます。いずれにしろ
エッジ素材そのものによる劣化ではりません。ウーハーの一部には布エッジも見られますがほとんがフィックスドエッジであり問題なく使用出来ており、よほどの事がなければこれからも問題ないでしょう。                                 
ボイスコイルの擦れに関しましては、やはり物によっては見られます。
保存状態が悪く、錆による物、ゴミが入ってしまった物などです。

ドイツのユニットはボイスコイルとマグネットとの隙間が非常に狭く出来ております。よってレスポンスの良いサウンドを奏でます。日本やアメリカのユニット達はアロワンスをみて広めにとっております。当時のドイツの基本的な技術力、精度の確実さを裏つけております。

Grundigに多く見られるセンターキャップにスポンジを使っている物はスポンジがボロボロになっている物がほとんで要注意でも有ります。ボロボロになっていたら取ってしまった方が安心です。                                         
また蝶ダンパーの物はボイスコイル擦れの物も布ダンパーに比べると多いようです。

音の良いとされている蝶ダンパーから布に変わった点からも布の方が長期間の安定
が望めるからだと思われます。一部の蝶ダンパーはネジの調整によりセンター位置を変える事が可能になっておりますので、簡単に直す事も出来ます。 
   
使用に関しましては、よほどの事がなければまず壊れないでしょう。
これからもずっと使えるスピーカーだと理解しております。        


Q3: 最近のAMPに繋げることは可能ですか?

まず,入力インピーダンスになりますが、ドイツのユニットは殆どが4〜6Ωとなっております。

最近のAMPには4Ω端子も付くようになって来ましたが、殆どのトランジスタアンプは4Ω以上であれば問題なく繋げる事が可能です。真空管AMPの場合も出力端子がついていれば問題ありませんが8Ωに繋げても大きな問題はなく、普通に聴く事が可能です。厳密に言うと動作位置が多少狂い、定格より多少パワーが入ります。                                        
スピーカーの最大入力パワーですが、ヴィンテージの物はユニット本体にて10W以下、システムにて25W以下の物が殆どでしょう。50W,100Wのアンプにて聴いていてユニットが壊れるかというと普通に使用している限りでは問題なく使用出来ます。通常、オーディオショップでの音量にて5W程のパワーを使用していると言われますので、自宅でしたら5Wも出せないでしょう。


Q4: どのようなAMPと相性が良いのですか?

真空管AMPかトランジスタなど使用するAMPにてサウンドは変わります。

基本的にはどのAMPでも十分な表現力にて楽しめるかと思いますが当方のシステムでの比較にて参照下さい。

真空管AMPはドイツのBraun EL84PP,2A3シングルを試聴室では使用しておりますが
やはり年代的にも実際に当時も真空管にて鳴らしていたことでしょうから相性は良いと思います。能率が良いので1WクラスのシングルECL82でも十分に鳴ってくれます。 
         
トランジスタはテクにクスのSU-V7を使用しておりますが、低域特性がやはり真空管AMPよりは良いので低音の出方がかなり違います。サイズの割には低域が出ますので
驚ろかれる事でしょう。サウンドも古臭くはあまり感じないでしょう。
https://vintage-audio.jp/?cat=8

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c58

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
59. 中川隆[-13045] koaQ7Jey 2020年3月05日 09:14:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[488]

ドイツの小型の家庭用安物スピーカーは何故あんなに音がいいのか? _ 3


1950年代のドイツ製音響機器


 1950年代のドイツのオーディオ機器に目を向けると、意外にシンプルなシステム構成であることに気付く

そもそも100dB/W/m の高能率スピーカーを鳴らすことを前提としているので、家庭用はおろか、小規模PA装置でさえも5W〜10Wで十分な音圧が得られた

そしてスピーカーはフィックスド・エッジでベークライト製のスパイラル・ダンパーを用いているため、小音量でも反応スピードが早く、EL84やEL82(6BM8)のシングルで十分に鳴るし、そもそも大入力を入れることはできない。

当時のほとんどの人は、AM放送規格に適合した8kHzまでが限界のフルレンジ・スピーカーで十分だと感じていただろうし、実際にドイツ製フルレンジは、ドイツ語の発音の特性から4〜8kHzが強く出るように調整されているので、高域の不足はほとんど感じないだろう。

以下は戦前のスピーカーの特性であるが、最初の2way化によるワイドレンジ化からはじまり、1930年代にはシングルコーンのフルレンジで十分な高域特性が得られている。

Siemens&Halske社の2way特性(1928年)
Isophon P25の周波数特性

 これを普通のフラットな特性で聞く場合は、ヴァイオリンとピアノの音色の違いが気になるだろう。

ヴァイオリンは中高域が強いのに、ピアノは高域の落ちたカマボコ型である。

このことの原因も、ドイツ製スーピカーの 2kHzの落ち込みと 4〜8kHzの盛り上がりで説明できる。この強く出るのは単純に音圧が強いだけでなく、反応も早い特徴がある。なのでイコライザーで上げて調整してもどこか不自然なところが残るため、あくまでもスピーカーの機能で補うべきものである。

これにEL84やEL34などのビーム管を合わせることで、帯域が狭くても切れ込みの強いサウンドが得られる。

 また当時に良く行われたレコード鑑賞会というのも注目して良いと思っている。ようするに公民館の映画鑑賞会の延長のようなもので、そのときに使われたのはオイロダインのような立派な劇場用スピーカーではなく、スーツケースに入れた25cm程度のフルレンジスピーカーで、アンプもEL84プッシュプルで十分な音量が得られた。

フルレンジでも10kHzまでの再生周波数でサービスエリアが約50度得られることから、ちょっとしたホールでも十分に鳴り渡る。必要な機能を絞った現実主義から学ぶべき点は多いように思う。


Klangfilm社の移動式映画館
Siemens社 スーツケース・スピーカー
2000型映写機用


 当時のドイツでは、小学校などを巡回する移動映画館やレコードコンサートがよく行われ、LPレコードはそうしたところで使われる教育的な用途もあったと思われる。

そもそもドイツ・グラモフォンはジーメンス社の傘下にあり、レコード・コンサートは当然ジーメンス社のPAシステムで行われたと考えられる。もちろんKlangfilmも擁する大企業であるため、高級オーディオ機器の製造もあるにはあったが、戦後霹靂としたドイツ人が新たにオーディオを購入できるわけもなく、こうしたサービスを通じて新しいHi-Fi機器を知ってもらおうという意図も感じられる。

巡回用の簡易PAは、25cm程度のフルレンジスピーカーをスーツケースに治めたものを、10W程度のEL84アンプで鳴らしていた。50名強の人数なら、これで十分な音響が得られた。


 注意したいのは、ドイツ・グラモフォンのLP発売は1952年からで、それ以前はVARIABLE GRADE という78rpmのシェラック盤だったことである。

1941年からテープ録音を実用化していたドイツにおいて、意外に思えるかもしれないが、

テープ録音 → ラッカー盤

という工程を終えるとテープが破棄されることもしばしばあった。その後、LP用にテープにダビングされ保存されたものもある。例えば、フルトヴェングラーの1951年セッション録音、ケンプのベートーヴェン ピアノ・ソナタ全集のうち1951年録音は本来ラッカー原盤だとされる。

逆に戦中からテープ録音での放送を楽しんでいたドイツ家庭において、Hi-Fiという文字はあまり意味がなかったらしく、LPの表示は「LANGSPIELPALTTE 33」という規格を示すのみである。このことからも、ドイツの放送規格とのグレーゾーンを辿っていたことも十分に考えられる。

このラジオ音源も曲者で、最近オリジナル・テープからリマスターされた、ベルリンのRIASやウィーンのRot-Weiss-Rotの録音は、1940年代でも驚くほど鮮明である。マイクの生音に近いので、人によっては高域がうるさいと感じるだろう。要は一般に流布する媒体に、これまで該当するものがなかっただけなのである。


15. 2013年9月05日 11:24:58 : W18zBTaIM6


家庭用オーディオについては、当時のドイツの状況からすると、以下の3タイプに分かれよう。


1.ほとんどの庶民はラジオで試聴し、LPを聴く機会はレコード鑑賞会も多かったと思われる。また一体型コンソール(Kombination:コンポ)も多数あった。これらの場合、ほとんどの場合フルレンジのみが基本である。

2.海外向けの高級オーディオ機器では、高域拡散用にコーン・ツイーターが幾つも付いているタイプが多い。これは1950年代のドイツにしかみられない様式である。

3.スタジオモニターで有名なLorenz社のポリエチレン製ツイーターは、英米のスタジオ機器で持て囃されたことから一目置かれているが、強烈な高域特性で、いわばF1レーシングカーのようなものである。


 このように当時のどのような立場で試聴するのかでも、録音に対する印象が違うと思う。それほどに、1950年代のドイツ・グラモフォンの録音は評価が定まりにくいのである。


はっきり言えることは、高能率だからと1970年代以降の重たいウーハーをEL156で鳴らすことはあり得ないと思うし、高域が足らないからと10kHz以上の再生周波数を無闇に伸ばす必要もない。

モノラル期のドイツ・グラモフォンは、もっと広い階層のユーザーに開かれた再生方法があるのだと思う。 ここでは個人的なプランで組んだ低予算システムを以下に示す。


1.95dB/W/m以上の高能率で、高域の4〜8kHzが落ちないフルレンジ・スピーカー1本

2.EL84(6BQ8)、EL82(6BM8)などの小型ビーム管のシングルアンプ

3.録音品質のばらつきが大きいためイコライザーは必須

4.CD再生の場合は古いライントランスで微妙な味付け


 フルレンジスピーカーでは、私の所有しているのは米Electro Voice社のSP8Bという20cmユニットをBaronetというコーナー型バックロードホーンに納めている。

当時のエレクトロボイス社はPatricianという4wayシステムを筆頭にHi-Fi再生の先端を行っており、アメリカ製でクラシック再生ではトップを行くメーカーと考えていいと思う。

一方で、Baronetのような小型システムでは、小音量で快適に聴けるように高域の扱いを変えていて、SP8Bはアメリカ製では珍しくダブルコーンを使い4〜8kHzを持ち上げている。

これはテープ録音がドイツから移入された初期の、Hi-Fiらしさを演出する工夫であり、このことが1950年代の家庭用システムを知る鍵であるように思われる。

これと同じ傾向の音では、サブコーンが付いたイギリスのLowther PM6、最近の製品ではイタリアのSICA社のPA用フルレンジも同様の特性を持っていて有用だと思う。


 1950年代のエレクトロボイス社がドイツ的なサウンドポリシーを持っていたと言える理由のもうひとつは、同時代のIsophon社のカタログとの比較でも明らかになる。

当時はモニタースピーカーとして開発され、テレフンケンのスタジオ等で用いられたOrchesterスピーカーには、姉妹品のPH2132/25/11があり、2つのユニットの特性の違いは、エレクトロボイス社の説明と同じとみられる。また小型スピーカー"Cabinet"のインストール方法にも類似性が指摘できよう。SP8Bも1960年代初頭の第3世代となると、フラット志向に集約されるので、Hi-Fiの過度期におけるビンテージ・オーディオの一断面である。

アンプはあえてキット製品で使われるようなEL84シングルアンプを使ってみた。実際、高能率スピーカーをつないだ場合、普通の家庭用であれば1Wもあれば十分である。小型ビーム管のほうが、低音は弾むように鳴るし、中高域のほのかなツヤが美音を演出する。

ただし、録音品質にばらつきが大きいためイコライザーは必須である。グラフィック・イコライザーのように仰々しいものではなく、3バンドあれば十分で、BEHRINGER社の製品が安くてカッチリした音で相性も良い。

 古いライントランスでは、10kHz以上を落としてあげたほうが響きが澄んで聞こえるという逆転現象もみられる。多分、トランスの磁気ヒステリシスで中域にコクと粘りが出るのと、ビーム管特有の高域のツヤ(小さいリンギング)が純粋に乗るからだと思う。

ちなみに私の所有しているのは、1950年代の米UTC社の軍用マイク・トランスで、50Hz〜10kHzがフラットというナロウレンジであるが、レンジ感はピタリと納まってビロードのような肌触りがでてくる。

裏技として1920年代の英国製ラジオ用インターステージ・トランスを使ってみると、5kHz以上が丸まって上品なHMVの音に変わる

これもイコライザーでハイ・カットした音とは違う伸びやかさが出るので不思議だ。こうしたアナログ時代には存在した電気的なトラップを重ねていくことで音の熟成度が増すと思われる
http://quwa.fc2web.com/Audio-105.html#deutche

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c59

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
60. 中川隆[-13044] koaQ7Jey 2020年3月05日 09:21:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[489]

世界のあらゆるスピーカー・ユニットの中で日本のアシダボックスが一番音が良い?

i氏山荘オーディオ訪遊記
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/archive/c2304761631-1


i氏山荘のオーディオ部屋の出来事を中心に綴ります。16cmや20cmのSPユニットを取り付けた平面バッフルの音場感、自然な広がり感、臨場感、目の前で演(や)ってる感など、再現される音響空間が感動的です。

頼りない感じの16cmから、耳を圧する大音量が飛び出すことに驚き、それでも破綻しない再生音の品位に感激です。平面バッフルのすばらしさを、さらに追求していきます。


(1)i氏山荘オーディオ訪遊記(第1話) http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14
   **激安ダイドーボイス16cmSPのよさを発見**

(2)i氏山荘オーディオ訪遊記(第2話) http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1
   **箱型では得難い平面バッフルの感動的な音場**。

(3)i氏山荘(第3話)改造! 背面開放型ウーハー http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19
   **密閉型ウーハーの大胆改造**

(4)i氏山荘(4)755E、Golden8T新設、訪問雪解け待ち編 http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-03-28  **往年の20cmSP、755E・New Golden 8T・8P-HF1が加わり、高まる期待**

(5)i氏山荘(5)圧巻ASHIDAVOX、755E GOLDEN8 CD408 403A 他を圧倒 http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-26 **「美濃和紙」の超軽量コーンASHIDAVOX 20cmが往年の内外著名SPを圧倒**

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/archive/c2304761631-1


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20cmコーン型フルレンジユニット ASHIDAVOX(アシダボックス)8P-HF1。

「ダイナミック型フルレンジスピーカーの世界的傑作」程度の賞賛では、とても足りない。

まさに「超」を付けるべき傑作と見た(いや、この耳で確かに聴いた)。

今回の試聴において、ASHIDAVOXの前に、各種著名ビンテージ・スピーカーは色を失った。

それぞれのユニットの、いい点・悪い点などを比較して・・、などと比べている状況ではなかった。

今日の日記の冒頭に、品の悪い言葉ではあるが、と断った「ぶっちぎり」であり、その他のユニットの評価や比較など意味がないほどの圧巻であった。

冒頭の繰り返しになるが、なぜこれほどのユニットが埋もれているのか。

まちがいなく、この手の20cm前後のビンテージスピーカーでは、世界の超一級品であり、真のオーディオファンには、きっと高く評価されるに違いないユニットである。


なぜこのASHIDAVOXが「マイナーな傑作」で終わったのか。
高く評価したオーディオ評論家はいた。

しかしそれがなぜ、「幻の傑作」などと言われる経過を辿ったのか。
数量が出なかったのか、生産が間に合わなかったのか?

発売は1957年、その頃はまだ日本のオーディオ環境は貧しく未成熟であった。
早く生まれすぎたのかもしれない。

しかし、かなりの長期間、市場にあったはずである。

当時のオーディオ・ジャーナリズムは、どのような反応をしたのだろうか。

ダイナミック型フルレンジの「音質世界一」のユニットがどこかにあるとしよう。
ASHIDAVOX 8P-HF1は、それに勝るとも劣ることは決してないだろう。

Made in Japan。

使われているのは、コーンの最適素材を追い求めて辿り着いた日本古来の美濃紙。
この純日本madeの「世界に冠たる」はずであったスピーカーユニットが、なぜ埋もれたのか。

なぜ埋もれさせたのか。
まったく残念であり不可解である。

しかしASHIDAVOX 20cmフルレンジが、山荘に用意されたいくつかの錚々たる「世界の名器」を、下品な表現ではあるが「ぶっちぎり」の差で圧倒した事実。
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-26


▲△▽▼


ASHIDAVOX 8P-HF1

フルレンジスピーカーのお手本のようなアシダボックスの20cmユニットです。コアキシャルや巨大マグネットのユニットに隠れて発売当時はあまり人気がなかったようです。今では、高能率で真空管アンプにぴったりのユニットですが、中古品でもめったにお目にかかれません。軽量コーンでフィックスドエッジです。


型式 20cmコーン型フルレンジユニット

インピーダンス 8Ω

最低共振周波数 50Hz
再生周波数特性 fo〜14000Hz

出力レベル 96dB
最大入力 8W

マグネット アルニコ
重量 1.5kg
http://www5b.biglobe.ne.jp/~tritium/8phf1.htm


▲△▽▼


i氏山荘オーディオ訪遊記(第1話) [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14


恐るべし平面バッフルとP-610

■序

場所はi氏山荘のオーディオルーム
夜も更けて日付が変わった午前1時すぎ。

二人の大人がもう何時間も、ああだこうだとやっている。
ガタガタ、ゴトゴト、それにキュルキュルと電動ドリルの音もする。
期待と予想を遥かに超えるいい感じになってきたのでやめられない。

16cmSPユニット平面バッフルの音場感、その自然な広がり感、臨場感、目の前で演(や)ってる感など、音響空間がすばらしく感動的である。

16cmのこんな柔なもので、耳を圧する大音量が飛び出すことに驚き、それでも破綻しない再生音の品位に感激する。

三菱ダイヤトーンP-610DB。
竹集成材平面バッフル。

ただしこのスピーカーシステムは構築途上であり、まだ数段は向上するだろう。
今回ようやく「基本形はこれでいける」と確信が得られた状況にある。

取りあえずのバラック設置であるが、それでも音源をとっかえひっかえ聴きまくるほど音楽が楽しい。
オーナーも私も、聴くのが嬉しくてしょうがない状態であった。
おそらくこの時、氏の脳裏には次のステップがイメージされ、耳にはその音が響いていたに違いない。

簡単に工作できるなら、今すぐ試みたい改造箇所もあったが、さすがにそれは明日やろう、ということになった。


深夜

静寂が支配する深い雑木林。
木の精の眠りを妨げる不逞な輩の、やかましい騒ぎもようやく収まる。
灯りを消した山荘の天窓から、黒々とした枝葉を縫って、ちらちらと星が見えていた。

「i氏山荘オーディオ訪遊記」は、この山荘の音空間の出来事を中心に綴ろうと思う。
山荘が舞台なので、たまにしか更新できないがお許し願いたい。

私がブログを開設するのはこれが最初であり、そのファーストライト (first light)の対象をi氏山荘に向けさせていただいた。

氏の勧めと、ブログや各種の発信・コミュニケーションツールの薀蓄(うんちく)を聞かせてもらい、ようやく決心した次第である。

ちなみにfirst lightとは、氏の第一の道楽(天文と望遠鏡)に敬意を払ったもので、天文台などで新望遠鏡が完成したときの、最初の試験観測のことである。


■山荘の音空間

広葉樹に囲まれた山荘のベランダに出て、梢を渡る風の囁きに耳を澄ます。
コンコンコンと遠くに啄木鳥(きつつき)の木を打つ音が、僅かなエコーを伴って聞こえる。
他に音はない。

時折、あちらこちらから、ポトッとか、カサッとか、突発的な単発音が届く。
落ち葉の上には沢山の団栗(どんぐり)が撒かれている。
自然に落ちた茶色玉の中に、先日の台風で吹き飛ばされたのか、青い玉が新鮮な色合いを添える。

もう9月も下旬。
「今まで経験したことのない」豪雨や猛暑の夏も、ようやく衰えた2013年の初秋である。

余談であるが、屋根のひさしの裏側の板に啄木鳥が穴を開け、その中に大きな蜂が巣を作ったとのこと。
穴は2階屋根の非常に高い位置にあり、それをいかなる方法で塞いだか、氏の苦労話がおかしかった。


こういった雰囲気の山荘の2階、間仕切りを開け放った40畳ほどのフロアの半分をオーディオルームが占めている。

この空間なら、音も好き勝手に飛び回ることができるだろう。


今回の訪問の目的は、氏が数年前から構築中のスピーカーシステムの試聴である。


i氏山荘SP全景
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14

<写真1:山荘のスピーカーシステム>

**今回山荘に到着した時点の、あれこれ変更する前のbefore状態。
今回この配置等を少し変更し「これでいける」感を共有**


■進化の原点

もう1年以上にもなるが、前回訪問した時の話を少しさせていただきたい。

この部屋で、ああだこうだ言いながら、大小何種類かの箱型スピーカーを聴いた。
密閉、バスレフ、大小、いろいろある。

箱型以外にも、氏は以前から平面バッフル型のよさを語っており、いくつかの試作品があちこちに置かれている。

その中で「なにこれ」と、思わず口を衝いて出るようなものが大容量密閉箱30cmウーハーの天板の上に乗っていた。

ちょとした悪戯で作ってみたような「板切れバッフル16cm4連スピーカ」である(写真1のウーハーの箱の上に片側だけ見える)。

幅30cmもない板に、スピーカ穴を4つ一列に開けただけのもの。

ユニットは16cmダブルコーン、作りはシンプルの極みであり、コーン紙を指先て触れると、いかにも薄く軽量であることが分かる。

DS-16F(写真2)。

ユニットにメーカー名は記されていないが「ダイドーボイス」らしい。

単価はえらく安い。
普通に考えれば、オーディオファイルが相手にするようなものではない。
どんな音が出るのかお楽しみ、の感覚で音を出してみる。

「板切れ」の置き方などあれこれ試みながら、大容量密閉箱30cmウーハーとの2Wayとして聴く。

自身の不覚と反省をこめて、「オーディオを探求する者、形や価格、風評など、あらゆる偏見に囚われてはならない」。

なんとその板切れからは、実に新鮮、活き生きとして明瞭自然な音場がワッと広がった。

音楽を楽しむ装置として、ここにあるスピーカーシステムの中では、この板切れ平面バッフルが「No.1」である。

多少耳につく音域はあるが、いっぱいに広がる音場間は何にも勝る。

先に聴いた箱型には、大汗をかいた労作や、少なからず散財したもの、定評のユニットを装着したものなど、氏のいろいろな思い入れがあるに違いない。
でもやはり「激安16cmユニットの板切れ」がベストである。

氏が平面バッフルを基本形にしよう、と決めたのはこの時らしく、それが今回の訪問で聴く竹集成材平面バッフル実現のきっかけとなっている。


ダイドーボイス16cmと団栗

<写真2:ダイドーボイス16cmダブルコーンSPユニット>
**i氏山荘のスピーカーシステムの基本形を決めるきっかけとなったSPユニット**

(第1話 おわり)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14

▲△▽▼


i氏山荘オーディオ訪遊記(第2話) [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

平面バッフルの音空間とSTAX ELS-8Xの音空間


■竹集成材平面バッフル

i氏山荘の現状のスピーカーシステムの基本構成は「竹集成材の平面バッフル3Way+大容量密閉箱ウーハー」である。

氏の描く基本形は、この平面バッフルを主放射源とするものである。
低域を補完するウーハーの最終形態は今後の課題としている。


これらは氏のオリジナルな自作であり、特に平面バッフルに竹集成材を採用したことや、その工作の巧みさは、今まで他に製作例がないと思われる。

またそのセッティングには、日常の家庭生活を考慮する必要のない山荘の「自分だけスペース」ならではの豪快さがある。

スピーカーの背壁は、急勾配の2階屋根に沿って傾斜した板張り。

その最奥に大容量密閉箱型ウーハが置かれ、その1mほど手前に平面バッフル型3Wayスピーカーシステムが、床と天井の梁との間に設けた強固な支柱に取り付けられている(第1話の写真1)。

i氏山荘SP全景
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14


この「1mほど手前」の間隔が問題を起こしているのであるが、その解決はのちほど。

上下が固定された丈夫な太い支柱に、バッフルをがっちりと取り付けた構造が、このスピーカーシステム全体の音響を左右する大きな要素の一つになっているのだろう。

いずれにしてもこのスピーカーシステムが感動的な音場を形成する要因は、音の主放射源の平面バッフル方式にあると思われる。

平面バッフル方式のよさを評価する先達は大勢おられるが、ここの場合はそれが顕著に現れた好例だろう。


この平面バッフルスピーカーにはつぎの特徴がある。

・バッフルの材料に竹の集成材を採用した3Way方式。
構成はツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。

・スピーカー開口部のエッジに滑らかな R付け加工。

・表側全面のニス塗装。


穴あけ加工等、すべて自作である。
木工の腕は本職跣(はだし)であり、プロの指物師(さしものし)や大工の見習いとして即決採用かもしれない。
オーディオ道楽だけでなく、年中次々と発生する山荘の補修等の大工仕事を、各種の電動工具を揃えてやっているらしい。


i氏山荘SP平面バッフルのアップ
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

<写真1:竹集成材平面バッフル3Wayシステム>

**構成は上からツイーター1、16cmフルレンジ1、16cmウーハー2。
この写真の16cmフルレンジは DS-16F が付いている。SPの穴の周囲のみごとなR加工**


■「箱」では得難いこの感動はなにか


山荘訪問初日、ああだのこうだの、CDをとっかえひっかえしながら配置を工夫した。

どうも位相的な微妙な違和感が付きまとうように聞こえる。

ウーハーと平面バッフルとの前後の間隔が1m強ある。
どうやらウーハーの直接音が、平面バッフルの背面放射と干渉しているのではないかと見当をつけ、とりあえずの荒仕事で位置を変える。

平面バッフルを上下逆さまにして、ウーハーの箱の天板の高さに持ち上げる。
そしてウーハーを平面バッフルと同じ面まで前に出す。

フルレンジユニットはDS-16Fから三菱ダイヤトーンP-610DBに取り替えた。

さて、この取って付けの仮配置で音を出す。

この時の感激は、当訪遊記(第1話)の冒頭「序」のとおりである。
このような音の空間に入った時が、音楽好きオーディオファイルの至福の瞬間である。

聴き慣れた音源から発見される新たな音響的感動、それによって初めて感じ取ることができた音楽的感動が次々と出現し、涙腺を刺激する。

ああ、このステージはこうだったのか。
この演奏はこういう響きだったのか。
この楽器はそこで鳴っていたのか。
この歌手は、この演奏家は、ここまで微妙・精妙な表現をしていたのか。

その時、氏もこの境地にいたと思う。
あれはどうか、これはどうだろうと、次々とCDを取り替えては聴いている。

いやー、すばらしい。
これほどの音場感が出るシステムは本当に稀である。
お金を掛ければ実現できるものでもない。

この音響はどこから、どういう理屈で出てくるのだろう。
やはり平面バッフルに何らかの要因があるのだろう。


i氏山荘SP全景 after
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<写真2:第1話の写真1の配置では微妙な違和感があったので、このような応急処置をして音を出してみる>

**さてbefore→after の結果は・・。

竹集成材平面バッフルのフルレンジユニットは、三菱ダイヤトーン P-610DB に取り替えてある**


■STAX ELS-8Xとの共通点

今回の山荘訪問は、都合で氏に送り迎えしてもらった。

山荘に向かう前に、拙宅の修復成ったSTAXの大型コンデンサースピーカーELS-8Xの試聴をしてもらう目的もあった。

20数年ほど前から、氏はこの8Xを何度か聴いているのであるが、オーディオ道楽に染まってからは聴いていない。
8Xは片側に8個の発音ユニットがあるが(写真2)、ここ10年来、その半数近くの能率が下がり、使用できなくなった。
いつの日にか、なんとかしようと、納戸の小部屋に押し込めてあった。


8Xの代替機はALTECのMODEL 19を選んだ。
大型であるが、家庭に設置するタイプとして音響的に最高の器の一つだろう。
8Xとの音の質感の違いは当然ながら大きいが、これはこれで「大したものだ」と思う。

8Xを製造したSTAX工業株式会社はその後会社の形態が変わり、今後とも8Xが修理を受けられる可能性は完全に断たれている。
でもいつの日か、耳の聞こえるうちに、目がなんとか利くうちに、手先が自由に動くうちに、そして気力があるうちに修復したいと思っていた。
そうこうしているうちに自適生活に入り、怠惰な日々を2年も送っていたが、今年になってあるスピーカーを聴くにおよび、8X修復への「緊急決起ボタン」が押された。

この話は当ブログの別テーマ、「甦れSTAX ELS-8X」で綴ろうと思うが、かなりオーバーに言えば4・5ヶ月の寝食を忘れた苦楽の結果、3ミクロン厚のポリエステルフィルムを使った振動膜の張り替えに成功した。

オリジナル8Xは、ツイータ4ミクロン厚、フルレンジとウーハーは6ミクロン厚である。
それをすべて3ミクロン厚で張替えた。

その3ミクロン厚の超軽量振動膜の威力だと思うが、長年の8Xオーナーである自分が腰を抜かすほどの音響空間が再現されるようになった。
これを氏に聴いてもらった。


さて、氏は8Xの前に立つや、「これ平面バッフルですよね」、と一言。

「あっ!」。
迂闊であった。

発音原理や形がまったく異なるため、コーン型SPユニットを取り付けた平面バッフルと同一であることの意識が希薄であった。
氏の言うとおりである。

8Xは畳1畳ほどの木材の分厚いバッフルに、8個のSPを取り付けた平面バッフル型スピーカーそのものだ。

私は修復成った8Xから、今まで体験したことがないすばらしい音場の広がりと明確な定位が再現されることを知ったが、氏の山荘の音場も、これと類似の効果なのだと思っている。


「逆相になるが背面からも前面と同じ音が放射される」。

「背圧がかからないため、ダイアフラム(振動板)がもっとも自由に動く形態」。


事実としてこの平面バッフルの効果を、どのように理論づければいいのか分からないが、音場の再現や音響の品質に極めて有効に働いているに違いない。

余談であるが修復成った8Xを聴いた「蛙の子」の息子が、その音に驚いて、すぐさま同じ8Xを手に入れた。
ちょうどその時期、奇跡的タイミングで売りに出たらしく、二度とない幸運にめぐり合ったといえる。

片側の音が小さいという不具合がある出物だったが、私の8Xと比べられないほどの美品であり、不具合の原因だった高電圧発生部を修理して完動している。
よほど環境のよい部屋で、大切に使われていたのであろう。


この8Xも氏に聴いてもらった。

すべての発音ユニットが、これもまた奇跡的に健全な状態を保っており、オリジナル8Xの音が聴ける。

氏は一言、「これはこれでアリですね。少し力強いかな」。

部屋も置き方もアンプも異なるが、確かに3ミクロン厚の音と少し違う。


新旧2組の8XDSC_6847
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

<写真3:修復作業がほぼ終わった8Xの裏側と(左寄り)、息子が入手した同じ8X(右寄り)>

**左右それぞれ8個の発音ユニットから成る平面バッフル型であることが分かる。

上下シンメトリー。
内側から外側に向かって高域ユニット×2、全域ユニット×2、低域ユニット×4の3Way構成**


8X振動膜張り

<写真4:8Xの発音ユニットの振動膜の張替え作業>

**3ミクロン厚のポリエステルフィルムを、かなり強い張力をかけた状態で、ユニットのフレームに貼り付ける工程**


■山荘SPシステムの次のステ―ジ余談が長くなったが、山荘2日目の朝は早起きし、朝食も早々に音を出した。
昨日と同じく、本当にすばらしい音響と音場感である。
音楽に深く入り込める至福の再生音だと思う。

しかし少し気になる。
ウーハーの箱の天板が音を反射し、どうもその悪影響があるような感じがする。

天板の上に布団などを重ねて置くと、かなり改善されるので多分そうだろう。
ほんの僅かな違和感であるが、これがなくなれば良い方向の相乗効果で、格段の向上があるかもしれない。

とりあえずの実験としてウーハーの箱を分解し、前面パネルだけの平面バッフルの形で音を出してみよう、ということになった。

電動ドライバーを片手に、氏は箱と格闘を始めた。

しかし「大工見習いもどき」の氏の手に成る箱は、頑丈に作りすぎて簡単には分解できないことが分かった。

薄手の長袖の上着が必要な山荘の朝であるが、30分ほど汗をかいて、とりあえずの実験は諦めた。

さてこの課題を氏はどう解決するだろうか。
来年の春頃かな。

冬の氷点下で冷凍庫と化した山荘でも厭わない。
そのときは次のステージにグレードアップされた、さらにすばらしい音響空間に浸ることができるだろう。

(第2話 おわり)
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

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i氏山荘(第3話)改造! 背面開放型ウーハー [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19


■密閉箱を背面開放型ウーハーに大胆改造

豪快というか、大胆というか、ウーハーの大容量密閉箱を、水平に切断し、上半分・下半分に分けてしまった。

「大工見習いもどき」のi氏に電動工具を持たせたら、何をやらかすか分からない。

私の提案は、ウーハーの大容量密閉箱の前面パネルを取り外し、平面バッフルのウーハーとして、どんな音が出るか聴いてみよう、ということだった。

ところが氏は、「前面パネルをどうしても外すことができなかった」、「だから考えたあげく、水平に半分に切断した」、という。

もちろんウーハー本体は取り外しての工作であるが、内部の補強材や吸音材に阻まれて、大変な作業だったらしい。。

私はこの衝撃的な方法を発想することができなかった。
なんと乱暴な、いやいや実にみごとな発想の転換。
このアイデアごっこは、完全に私が負けた。


2つに分けられた長細い箱。

その2つを左右に分けて立て、背面開放箱とする。
その後の余計な工作の手間がかからない、一石二鳥の方法である。

つまり片側は以前の天板が前面パネル、反対側は底板が前面パネルになるわけだ。
なんと合理的な方法だろうか。
平面バッフルとは少し異なるが、まあ試してみる価値は大いにある。


10月の3連休、i氏は山荘に篭った。
最終日に写真付きのメールが来た。

「結論から先に言うと、やって大成功でした!」から始まる文面から、氏の喜びと興奮が直に伝わってくる。
全文を公開したいほどであるが、氏の体面とイメージが損なわれそうなのでやめます。

低音の量感が見違えるように増し、深みも加わって分解能も大きく向上した、とのこと。
CDにこんな低音が入っていたのかと驚いた、ともある。

どんな音場が展開されたのか、だいたい見当がつくが、そうこなくてはいけない。
次のステージに上る階段がしっかり出来上がったようだ。
本当によかった。


i氏山荘SP全景
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14

**第1話の写真1の転載。

前回、氏の山荘を訪問した際の最初の状態。平面バッフルから1mほど後方の密閉箱ウーハー。その「1mほど後方」が音響的問題の発生源であった**


i氏山荘SP全景 after
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-14-1

**第2話の写真2の転載。

山荘に滞在中に配置を変更した。ウーハーの箱を平面バッフルの面まで前に出す。問題点が大きく改善された。しかしまだウーハーの天板による反射(?)が少し気になる**


I氏山荘3ステップ目の全景写真
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19

<写真1:10月の3連休に作業したという、氏のアイデアによるウーハー密閉箱の大胆改造>

**大変な喜びと興奮。大成功だったらしい**

(第3話 おわり)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19

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i氏山荘(4)755E、Golden8T新設、訪問雪解け待ち編 [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-03-28


前回、i氏山荘を訪ねたのは昨年の秋であった。
冬に向かう山は、季節の訪れが都会にくらべてかなり早い。
あたり一面に敷き詰められた枯葉が、そこ、ここ、と、落ちてくる団栗(どんぐり)をやさしく受け止める。

梢の高みには、そよぐ風があるのだろう。
その団栗の音がポツン、コソッ、カサッっと微かに聞こえ、遠くから啄木鳥(きつつき)のコンコンコンコンという連打が、残響を伴って落葉樹の林の中を響きわたる。

10月2日の山荘は、そのような風景であった。


豪雪

今年の冬は、全国の広い範囲で過去に記録が無いほどの豪雪となり、大きな被害が出た。
特に2月の大雪は、i氏山荘方面も地元の人が経験したことがない積雪となり、山荘付近の山あいでは2mに迫るほどであったという。

山荘に通じる山道は除雪もできず、人が踏み入ることが不可能となり、長期にわたり完全に遮断されていた。


屋根は、オーディオルームは、大丈夫か

お気の毒ではあるが、i氏はたぶん、2mの雪が屋根を押し潰し、2階のオーディオルームをペシャンコにしている悪夢を見たかもしれない。
私なら夢どころではなく、胃がおかしくなっていたと思う。

あの不思議なほどに、音場や響きの具合がいいオーディオ部屋を失うのは、いかにももったいない。
豪雪以来、私も気になっていたが、確認する方法がないという。


雪に埋もれた山荘へのアタック決行

心配していても始まらない。
3月後半の連休の前に、「何とか登れるかもしれない」、という情報を得て、i氏夫妻はついに山荘へのアタックを決行するに至った。

車高が高く悪路に強い4WDも出番はなく、数100m下のベースキャンプに置き、足元はアイゼン、いや「かんじき」で固めた出で(いで)立ちで、山腹を目指して登攀を開始した。


「かんじき」の効果は抜群

どこで調達したのか聞きそびれたが、わりあい小さな「かんじき」が、未踏の雪中を歩くのに、抜群の威力を発揮するらしい。

夫妻揃って「かんじき」の効能に、感激しきりであったという。


山荘は目立った被害なし

とのことで、そのときの写真を数枚いただいた。

この雪が融けて車で登れるようになるのは、いつ頃になるだろう。
この写真からも、日に日に力を増してきた太陽の光を感じる。

草も木も、あらゆるものがいっせいに芽吹き、山全体が萌黄色(もえぎいろ)に染まるのも間近だろう。


*雪山荘初アタック

<写真1:大雪もだいぶ融け、ようやく辿り着いた山荘の無事を確認>


あれれ! ビンテージもののスピーカーが付いている
いただいた写真から、i氏山荘の現時点のスピーカーシステムは写真2のようになっている。

ご無沙汰している間に、いろいろやっていたようである。

「i氏山荘(第3回)」からの変更個所は、中央寄り上部に取り付けられた新設の平面バッフル3連の20cmSPである(作りはバラックとのこと)。

また、両脇のウーハーが、以前のテスト用バラックの背面開放型から、きちんと作ったパイン集成材の平面バッフルに取り替えられている。


*14年3月時点SP 2014-03-23
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8A14E5B9B4EFBC93E69C88E69982E782B9SP202014-03-23201020212036.jpg


<写真2:現時点のi氏山荘スピーカーシステムの様子>


新設の20cm3連の平面バッフルは「テスト用のバラック」であり、穴の細工も「いいかげん」ということです。

そのことでオーナーは、この写真をお見せするのをイヤがっていたことを、読者の方々にお伝えしておきたいと思います。 (^ ^;


新しく加わった20cmスピーカーは、上から順に、

・CD408-8B Altec (同軸2Way)
・New Golden 8T  Richard Allan (ダブルコーン)
・755E Altec (パンケーキ型)

その下段は、前回の日記で紹介した竹集成材の平面バッフル16cmスピーカーであり、上から順に

・P-610DB ダイヤトーン
・DS-16F ダイドーボイス
・FE166 フォステックス

である。


ビンテージSPがこの場所でどのように鳴るか

新規参入の CD408-8B と 755E は、本来、館内・構内におけるアナウンス放送が目的のスピーカーであり、人の声の明瞭度に重きを置いて設計されているはずである。

一方のNew Golden 8T はオーディオ用のハイファイ目的のスピーカーである。
これらの実際の音の対比はとても興味がある。

さて、新規参入組のスピーカーは、いずれも古い時代のものであるが、i氏山荘のオーディオルームの平面バッフルから、i氏の耳に、そして私に、どのように響くのだろうか。
これはかなり面白い試聴になると思う。


昨年10月からのi氏山荘スピーカーシステムの変遷

参考までに「i氏山荘」(1)〜(3)で紹介したスピーカーシステムの変遷を、写真でざっと追ってみたいと思う。


*SP変遷1
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8ASPE5A489E981B7EFBC91_12-08-18201520202054.jpg

*SP変遷2
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8ASPE5A489E981B7EFBC93_PA142159.jpg

                       
<写真3:Ver.0 と Ver.1>

一番最初のVer.0では、平面バッフルとウーハーの音の放射面の距離が離れており、再生音も位相的に問題があると思われるため、Ver.1のように配置換えを行った。


*SP変遷3
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8A14E5B9B4EFBC93E69C88E69982E782B9SP202014-03-23201020212036.jpg
                      
<写真4:Ver.2 と 現時点Ver.3>

Ver.1のウーハーBoxの天板が、音を反射して悪影響があるように思われ、大胆にもウーハーBoxを水平真半分に「ぶった切り」、両サイドに立てた。
Ver.1の天板と底板が正面になる背面開放型の箱としてテスト的に使用。
写真右は先の写真2と同じ現時点の状態。


さてさて、改めてこれらの変遷写真を見ると、このステージ上の大勢のスピーカーたちを、どのように整理し、うまくまとめていくか、いろいろと「楽しみが多すぎる」状況になっている様子である。

さて何から、と言っても、まずは聴かなければ。


往年のRichard Allanやパンケーキが待っている。
古い時代の傑作スピーカーが、現代に、どんな音を響かせるか。

さあ、雪が融け、i氏山荘を訪問できる「山の春」はいつ訪れるのだろう。


(「i氏山荘(4)755E、Golden 8T新SP増設、雪解け訪遊予告編」 おわり)

コメント 8


I氏山荘無事で良かったです!
ガーデンテーブルが埋まっている写真には驚きました
この先どう進化されるのか目が離せませんね。
自分はビンテージと真逆の方向ですが(^^;;;
by いちあい (2014-03-29 11:48)


i氏山荘の音を聴くと、SPユニットやアンプなどの個々の音の違い以前に、部屋そのものが勝手に作り出してくれる音響が、いい方向に作用しているように感じます。

アハハ、確かにRichard Allanとは真逆ですね。でも、超最新鋭JOB225(255?)で、けっこう曲者のRichard Allanを鳴らしてみたいですね。
by AudioSpatial (2014-03-29 17:42)


実はつい最近、アシダボックスの 8P-HF1 という日本のビンテージSPを1本だけ手に入れました。

自宅の簡易バッフルでの視聴ですが、とにかくやさしく澄んだ音にびっくりです。
コーンSPに関しては、時代は進化ではなく退化してきたんだと思えます。
こうご期待。
by I氏 (2014-03-30 13:01)


I氏さん、ASHIDAVOX の 20cmを入手されたとのこと。
「とにかくやさしく澄んだ音」との感想は、「やはりそうか」、と思いました。

あのユニットの第一の特徴は、コーン紙が軽いことですよね。
その軽さの効能ですね。
「ダイヤフラムは極力軽くあるべし」が、いいスピーカーの「お約束」だと思います。

いやいや、試聴の楽しみがさらに増えましたよ。
by AudioSpatial (2014-03-30 17:32)


コーン紙は美濃紙で作られていて、質量は1.3gしかないそうです。
by I氏 (2014-03-30 20:30)

I氏さん、美濃紙で1.3g。これも「やっぱり」ですね。

軽いことは覚えていたのですが、美濃紙で1.3gは知りませんでした。
SPのコーン用に、現地で特別に作らせたんでしょうね。
そうなると、コーン紙の張替えは、おそらく絶望ですね。

ASHIDAVOX のヘッドフォンは、昔、現場で使ってたんですよ。今もそうかも、です。
by AudioSpatial (2014-03-30 22:18)


1.3gは16cm(6P-HF1)のほうで、8P-HF1(20cm)は2.7gでした。
それでもすごく軽いですが。
by I氏 (2014-04-01 05:52)


往年の20cmSPで、「超軽量」と言われているコーンが 5g程度。
現代SPの軽量クラスが10g程度らしいので、ダントツに軽いですね。
さて、その音は・・・期待が高まる。
by AudioSpatial (2014-04-01 12:57)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-03-28

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i氏山荘(5)圧巻 ASHIDAVOX、755E GOLDEN8 CD408 403A 他を圧倒 [i氏山荘オーディオ訪遊記]
https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-26

ASHIDAVOX(アシダボックス)8P-HF1。

「ダイナミック型フルレンジスピーカーの世界的傑作」程度の賞賛では、とても足りない。
まさに「超」を付けるべき傑作と見た(いや、この耳で確かに聴いた)。

i氏山荘のオーディオ部屋の、平面バッフルに取り付けたいくつかの著名ビンテージ・スピーカー。

この試聴環境において、ASHIDAVOX 8P-HF1は圧巻であり、他のすべてを圧倒した。

なぜこのASHIDAVOXが「マイナーな傑作」で終わったのか。


高く評価したオーディオ評論家はいた。
しかしそれがなぜ、「幻の傑作」などと言われる経過を辿ったのか。
数量が出なかったのか、生産が間に合わなかったのか?

発売は1957年、その頃はまだ日本のオーディオ環境は貧しく未成熟であった。
早く生まれすぎたのかもしれない。
しかし、かなりの長期間、市場にあったはずである。
当時のオーディオ・ジャーナリズムは、どのような反応をしたのだろうか。

ダイナミック型フルレンジの「音質世界一」のユニットがどこかにあるとしよう。
ASHIDAVOX 8P-HF1 は、それに勝るとも劣ることは決してないだろう。


Made in Japan。

使われているのは、コーンの最適素材を追い求めて辿り着いた日本古来の美濃紙。

この純日本 made の「世界に冠たる」はずであったスピーカーユニットが、なぜ埋もれたのか。
なぜ埋もれさせたのか。
まったく残念であり不可解である。


しかし ASHIDAVOX 20cmフルレンジが、山荘に用意されたいくつかの錚々たる「世界の名器」を、下品な表現ではあるが「ぶっちぎり」の差で圧倒した事実。

そして、このスピーカーの素晴らしさをよく知っている方々が、現在、少数ながらも厳として存在すること知り、多少は溜飲を下げた次第である。

いまだからこそ、オーディオ環境が整った現代であるからこそ、聴く人にこのスピーカーユニットの秀逸さが分かるのかもしれない。


感動の幕開けは満天の星

ゴールデンウイークに入った4月の末、夜9時前。
道は思ったより順調で、予定より早く山荘到着。
助手席から枯れた芝に降り立ち、反って背を伸ばす。

おお!すごい。
視界には、思わず息を呑む光景が私たちを出迎えてくれた。

満天の星ぼし。
林に囲まれ、頭上の一角だけが開けた天空は、白い微細な粒子を撒き散らしたような星屑で埋め尽くされていた。
無数の星というより、もはや白い粉が薄く撒かれているように見える。
このような光景を見たのは何十年ぶりであろうか。

そして天頂を少し下ったあたりに、驚くほど赤く輝く火星があった。
赤い!
火星って、こんなにも赤いのか。
都心を離れた郊外でも、火星の赤みは誰にもよく分かる。
しかし、このような赤い色に見えることはない。

標高1,100mほどのi氏山荘の空。
無窮をゆびさす北斗の針が天高く舞い上がり、感動の天体ショーが今回の訪問の幕開けであった。


前回訪問時の興奮、まず三菱ダイヤトーンP-610DBを聴く

コーヒーとお菓子でドライブ疲れを癒すのもそこそこに、2階のオーディオ部屋に上がった。

今回の2階は、写真のように、前回の日記「i氏山荘(4)」の状況よりもバッフルが増えて、取り付けられているスピーカーユニットの数も増えている。

どうやらi氏は、近頃、内外のビンテージの20cmをいくつか集め、なにやら思案している様子である。


              
<写真1:今回の各ユニット試聴用の平面バッフルの配置>

https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC91DSC_9970EFBC88E69687E5AD97EFBC89.jpg
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC91DSC_9967EFBC88E69687E5AD97EFBC89.jpg
              

**TANNOYの口径の謎については後段で説明あり**


前回の訪問では、竹集成材バッフルに取り付けた三菱ダイヤトーンP-610DBの鳴りっぷりに驚嘆した。
このユニットから出るはずがないほどの大音量と、それでも破綻しないすばらしく素直な音質、それに雄大な音場と明確な定位に夢中になり、CDをとっ替えひっ替え聴きまくったものであった。


スピーカーは、鳴らし方により、発揮できる性能に大きな違いが生じる

50年ほど昔のことであるが、P-610は、私が最初に手に入れたスピーカーユニットであり、学生時代はそれを薄型の「標準箱もどき」に入れて聴いていた(「甦れSTAX ELS-8X(第2回)」の写真1に、その箱の一部が写っている)。

P-610はかなり長く聴いていたので、素性はそこそこ分かっているつもりであったが、ここでの体験は、結局、P-610について、何も分かっていなかったことを思い知らされることになった。

私の反省であるが、上記の太字のことは肝に銘じておく必要がある。

もちろんこのようなことはスピーカーの初歩であり、誰もが知っている常識である。

しかし、ここで鳴っているP-610と、私の鳴らしてきたP-610と、同じP-610のユニットの音であるとは誰も信じない。
かなりの「耳」の持ち主でも、信じられないだろう。
それほどの違いが出る、ということである。


メインスピーカー選びのためのバッフル仮配置

この配置には問題があるかも・・。

2階のオーディオ部屋に入ったときの第一印象。

写真1のように取り付けられたスピーカーの全体配置を見て、左右の両端が白木のバッフルで塞がれていることに、何となく「閉塞感」があった。

というのは、前回、P-610DBやその他のスピーカーの音場の広がりや定位の素晴らしさに驚いたときの配置は、下の写真2の状況である。

バッフルの配置の変遷写真は、前回の「i氏山荘(4)」に載せたが、その前回の写真3Ver.1が、下の写真である。

前回の訪問時に、竹集成材バッフルを、ああだこうだと配置がえをして、「とりあえずのベスト」とした位置がこれである。

両脇が新しいバッフルで塞がれている前回の日記の写真3Ver.2とVer.3は、写真を送ってもらっただけで、私はまだ聴いていない。


*SP変遷2
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8ASPE5A489E981B7EFBC92_image.jpg


<写真2:前回の訪問時、「とりあえずのベスト」としたバッフルの位置>
**平面バッフルの左右にも広く空間があることに注目**


前回の訪問時、この配置の平面バッフルの、あまりにも素晴らしい音の広がりと定位の「謎」は、バッフルの背面放射の音が、後ろの壁や床・天井に反射して、それが抵抗なくリスナーの耳に届いているからだろう、と推察していた。

それが今回の配置では、両側が塞がれている。
中央のリスニングポイントの椅子に沈むと、音を出す前から、一種の圧迫感のようなものが感じられた。

さあ、P-610DBから音が出た。


広がった音場と甘くなった定位

私が持ち込んだ聞き慣れたCDの音が、オーディオ部屋いっぱいに広がった。
「満ち満ちる」という感じであり、あそこのスピーカーから音が出ている、という感覚がまるでない。

このような「広がり感」は想像していなかったが、定位は思ったとおり曖昧になり、ピンポイントにならない。

やはり推測していたとおり、「定位」には、背面の音の反射が重要な要素になっているのだろう。

ただし、いまここで話していることは、スピーカーの再生音のかなり高度なレベルのことであり、先の「Ver.1」の状態のときの定位感を知っていて、それを基準にしての評価である。

オーディオファンが初めてこの席に座れば、このままでもおそらく驚きの再生音であり、音場であろう。

いずれにしろ、スピーカーユニット単体の評価に支障がある問題ではない。


いよいよ全ユニットの試聴開始

さて、前回の訪問で素晴らしい音響を聴かせたP-610DBをしばらく鳴らし、これをレファレンスにして耳慣らしと感覚の較正を行った。

フルレンジ・ユニットの20cmが7本、25cmが1本、16cmが3本、いよいよ試聴開始である。


            
<写真3:今回試聴した各ユニットが取り付けられたバッフルの表・裏>

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25cmの1本は、TANNOY Monitor HPD/315/8と銘板に印刷されているが、奇妙なことに25cmである。

バッフルの表側と裏側の様子は、下の写真3であり、そのTANNOYのユニットの最後部の銘板は紛れもなく正規のもので、デザインも正規「TANNOY Monitor HPD/315/8」とあった。

このユニットは、TANNOYの小型スピーカーシステム「EATON」から、i氏が自ら取り外したものであり、何も手は加えていないという。
製造工程の何らかの間違いなのか、何なのか、まったくの謎である。


試聴で分かったこと 世間の「評判」どおりではない

これらの内外の著名ユニットの試聴は実に楽しく、二人でi氏のCD、私のCD、様々なジャンルを聴きまくった。
私は今回、「ここぞ」とばかり、試聴の際のレファレンスにしているCDをたくさん持ち込んだ。


そこで分かったこと。

「定評」は当てにできない。

ALTEC 755Eはこのように素晴らしい。

TANNOY同軸25cmはこの音色が他にはない良さ。

Richard Allan NEW GOLDEN EIGHTはこの鳴り方が絶品。

それぞれの著名ユニットには、古くから「このユニットの音はこうだ」のように、「定評」のようなものがある。
そして音色は違えど、どれも魅力ある素晴らしい音のユニットだと言われてきた。
私も、「そういうものだろう」と思っていた。


スピーカーユニットの真の性能を聴く唯一の方法は

あくまでi氏山荘の写真1の平面バッフルでの試聴であるが、各ユニットの音は、昔から言われていた「定評」、そしてその評判から、私が想像していた音とはかなり違っていた。

各種のユニットの中には、ある容量の密閉箱に入れたり、指定されたバックロードをかけたりすることを前提に設計されたユニットがあるかもしれない。
そのようなユニットは、平面バッフルでは本領を発揮できない可能性もあるだろう。

しかし平面バッフルには、箱に入れるよりも、はるかに平等な試聴ができるメリットがある。
それぞれの「箱」固有の様々な「クセ」(音響的パラメーター)にくらべ、平面バッフルの「クセ」は圧倒的に少ないと思われる。

なお、平面バッフルの取り付け位置による差異も心配であったが、実験の結果、その違いによる再生音への影響は問題になるレベルではなかった。


試聴の音量は大き目で

そしてここでの試聴は、かなり大きな音である。

ある程度の大きな音を出さなければ、「音」の機微を聞き取ることはできないし、ユニットの真の能力を知ることはできない。

音量を上げていくと、耳につく付帯音が出てくるとか、明らかに歪っぽくなるユニットがいくつかあった。

もちろんユニットのビビリなどの不良ユニットの話ではなく、オーディオに興味がない人には、おそらくわからないほどの違いのことを言っている。


i氏山荘の体験から、「広い部屋」、「平面バッフル」、「大き目の音量」。

この3つの要素が、ダイナミック型スピーカーの試聴に最適な条件ではないかと思える。

この試聴環境下で各ユニットは、逃げも隠れもできない誤魔化しようのない状況に置かれる。
これがそれぞれの「裸のユニット」の、真の性能を聴く唯一の方法ではないかとさえ思える。


「評判」とちがうじゃない

今回のバッフル配置での試聴は、私は始めてであるが、当然ながら、この試聴用バッフルを自力で作り上げたi氏は、すでに十分聴きこんでおり、各ユニットの評価は済んでいる。
しかしそれは口にしない。


夜も更けて、01時を回った。
標高1100mの山中、4月末でもまだまだ肌寒い。

一通りも二通りも十分に聴き、試聴の結論はとっくに出ている。

「定評」があり、オークションでも高値がつくユニットが、まったくの期待外れであったりすることに、いちいち驚いてはいられない。
先の段の小タイトル「試聴で分かったこと 世間の「評判」どおりではない」の意味がこれである。


松下電器Technicsの「げんこつ」が意外

今回試聴した各ユニットの「特別な一つ」を除き、今後自分が使うスピーカーとして、どれか1つを選ぶ。

とすれば、私はTechnicsの「げんこつ」を手許に置きたい。
たいへん素直でありバランスもいい。

大音量では、少し何か限界のようなものを感じるが、今回の各ユニットの中では「迷うことなく」この松下電器 20PW49Sを選ぶ。

<写真4:とてもいい感じで印象に残った「松下20PW49S」ゲンコツ>

https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC94DSC_9983.jpg


さて、今回試聴した海外の著名ユニットが、意外にも評判どおりではなかった。

ただし、先にお断りしたように、あくまでここの環境における平面バッフルでの試聴である。
何らかの箱に入れ、別の環境で鳴らせば、また別の話になるだろう。


圧巻、圧倒、圧勝、ASHIDAVOX

今回の試聴において、ASHIDAVOX の前に、各種著名ビンテージ・スピーカーは色を失った。

それぞれのユニットの、いい点・悪い点などを比較して・・、などと比べている状況ではなかった。

今日の日記の冒頭に、品の悪い言葉ではあるが、と断った「ぶっちぎり」であり、その他のユニットの評価や比較など意味がないほどの圧巻であった。


冒頭の繰り返しになるが、なぜこれほどのユニットが埋もれているのか。

まちがいなく、この手の20cm前後のビンテージスピーカーでは、世界の超一級品であり、真のオーディオファンには、きっと高く評価されるに違いないユニットである。

                      
<写真5:ASHIDAVOX 8P-HF1>

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**背面の写真のコーンをよく見ると、紙の表面の状態が少し観察できる。
エッジ部(フィックスド・エッジ)は繊維が粗になっており、向こうの光が透けて見えている**


この8P-HF1は、とにかく音が際立って明瞭である。
自然で、素直で、バランスがいい。

そして絶え入る微弱音から、鼓膜を圧し、窓ガラスをビリつかせる最強音まで、何の苦もなく簡単に出る。

弦楽器の微妙なニュアンス、ボーカルのリアル感、アタックの弾ける反応、大オーケストラの重厚な響き、20cmでは出るはずのない深くて厚い低音。

高域も、不足というほどの不満は感じない。
私ならツイーターはいらない。


ASHIDAVOX 8P-HF1 から、本当に信じがたい音が再現された。
実体験の私でさえ、信じがたいユニットであり音である。

まして、この話をブログで見ただけで、にわかに信じられる話ではないだろう。
しかし真実であり、実話である。


ASHIDAVOX 20cmフルレンジスピーカーの秘密

ASHIDAVOXのHF1シリーズには、ここでの20cm(8P-HF1)と16cm(6P-HF1)の2種類があった。

国の内外を問わず、他のどのユニットにもない顕著な特徴は、「コーン紙」が圧倒的に軽いことである。

16cmの6P-HF1ではコーン質量1.3g、振動系実効質量2.9g。
20cmの8P-HF1ではコーン質量2.7g、振動系実効質量5.3g。


とある。

ビンテージものの20cmSPの中で、「超軽量」と言われているコーン質量が 5g程度。
現代SPの軽量クラスが10g程度なので、ダントツの軽さである。


奈良時代から伝統の軽くて強い美濃和紙を採用

この常識を覆した軽量コーンが実現できたのは、その素材にある。

ASHIDAVOX 6P-HF1、8P-HF1のコーン紙は「美濃紙」である。

美濃和紙。
美濃の国、現在の岐阜県において、奈良・平安の時代から生産されていた、古来より最高級と珍重されてきた和紙である。

漉(す)き方に特徴があり、一般的な縦揺りに、横揺りを加えた独特の複雑な漉き方により、繊維がむらなく整然と絡み合い、「柔らかくて強い」紙になるという。

軽い、柔らかい、強い。

この特徴を持つ紙を、スピーカーのコーンに漉き上げ、最適な磁気回路を与えたのが6P-HF1、8P-HF1である。

コーンは、エッジを含めて一体成形(フィックスド・エッジ)であり、エッジ部は光が透けて見えるほど繊維の密度が粗に漉かれている。

もちろん、コーンが軽ければいい音が出るわけではない。

しかし私は、いいスピーカーの条件として、「コーン紙の質量」と「振動系実効質量」がともに極力小さいこと、が最大の要素ではないかと思っている。

その上で、最適な磁気回路を設計する。

いずれにせよ、美濃紙コーンを採用することにより、世界の超一級の20cmフルレンジ・スピーカーユニットが誕生したことは事実である。


取説に「低音再生能力は30センチを上廻る性能です。」とある

写真6は、今回試聴した8P-HF1に同梱されていた「取扱い説明書」を写真撮影したものであり、不鮮明であるが、参考までにお見せしたい。

その「周波数特性について」の項目に、「低音再生能力は30センチを上廻る性能です。」と書かれている。

このような「タワゴト」は、誰もが誇大広告ならぬ「誇大説明文」と思って読み飛ばす。

『8P-HF1のエフゼロ(最低共振周波数)は45Hz、その点のQが0.56であり、25Hzからの低音再生ができ、他のウーハーの及ぶところではない』云々。

確かにエフゼロやそのQ値は、20cmでは驚異的である。
しかし30cmや他のウーハーに勝つ、と言ってしまうと、これはもはや「大ボラ」と言われてもしかたがない。

ところが・・。


*アシダボックス説明書
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AE382A2E382B7E38380E3839CE38383E382AFE382B9E8AAACE6988EE69BB8EFBC91EFBC88E38388EFBC89.jpg
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AE382A2E382B7E38380E3839CE38383E382AFE382B9E8AAACE6988EE69BB8EFBC93EFBC88E38388EFBC89.jpg
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AE382A2E382B7E38380E3839CE38383E382AFE382B9E8AAACE6988EE69BB8EFBC94EFBC88E38388EFBC89.jpg
https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AE382A2E382B7E38380E3839CE38383E382AFE382B9E8AAACE6988EE69BB8EFBC95EFBC88E38388EFBC89.jpg

            
<写真6:ASHIDAVOX 8P-HF1に添付されていた取扱い説明書>


説明文は真実を語っていた

しかし、この説明文は真実を語っていた。

「他のウーハーの及ぶところではない」などは言葉の綾として、まったく信じがたい低音が、この20cmから湧き出てきた。
この不思議な現象を、私は初めて体験した。
30cmのウーハーから出る低音に、勝るとも劣らない音量の、深い低音が本当に出る。


ダイナミック型スピーカーファン必読の「JBLが書いた解説書」

この不思議な事実は、あり得る話であることを解説した興味深い資料がネットにある。

JBLのサイトであるが、ダイナミック型コーンスピーカーについて、原理や構造、使いこなし方まで網羅した、非常に分かり易くて丁寧な解説が、図解で載っている。
ダイナミック型スピーカー・ファンには「必読」と言っていいだろう。

JBLのホームページの下にある「JBLテクノロジー解説|JBL by HARMAN」の項目には、「JBLコーンユニットの基本構造」から「インピーダンスとアンプとの組み合わせ」までの5項目がある。

その「低音再生能力」の項目(下記URL)に目を通していただきたい。

http://jbl.harman-japan.co.jp/about/tech.php?id=4

「[4] スピーカーシステムの低音再生能力について」の下の「■大口径システムへのこだわり」という小タイトルの部分である。

そこには、

(上記URLから一部引用)

『小口径システムには小口径システムなりの低音の表現があり、設計やチューニングの巧みさから、大きさ(小ささ)を感じさせない豊かな低音を再生するシステムもあります。』

というくだりがある。

「低音再生には大口径システムが有利であることは物理的事実であり、JBLは大口径スピーカーにこだわっているが、小口径でも、豊かな低音を再生できるシステムもある」と言っている。

その豊かな低音を再生できる小口径スピーカーの極め付けが、まさに ASHIDAVOX 8P-HF1である。

i氏は、今後のバッフルの「本設置」の計画に、低音はどうやらウーハーを使わずに8P-HF1だけで行こうとしている気配がある。

「これだけ(低音が)出るんだからいらないでしょう」などと言っている。

まあ、8P-HF1を本番用の平面バッフルに取り付け、そのバッフルのみを最良の位置に配置してから、低音・高音を補足する必要があるかないか、ゆっくり聴きくらべればいいだろう。


翌朝
いろいろな小鳥の鳴き声が、微かに聞こえてくる。
少し曇っているようであるが、空は明るい。


https://801a-4242a.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_dda/801a-4242a/EFBC8AEFBC97DSC_9923.jpg
            
<写真7:オーディオ部屋の天窓から。ようやく芽吹いた木々の梢>


昨夜は02時頃まで 8P-HF1に夢中であった。

i氏から「凄いです」とは聞いていたが、聴いた音は想像を超えていた。

せっかく苦労して集めた銘ユニットの聞き比べもそこそこに、関心は 8P-HF1 の一点のみ。

メインにするスピーカーユニットが、あれこれ迷うことなく決まってしまったのは楽でよかったが、どうも「不条理感」が残る。

繰り返しになるが、なぜこの超傑作スピーカーユニットが、「知る人ぞ知る」などの属性を付けて語られるのか。

性能のよいものが、必ずしも商売上の勝者にはならないことは世の常である。
私もよく知らない古い時代のことであるが、まことに残念な話である。

そんなことをボンヤリ考えながら起き出し、まず機器の電源を入れる。
コーヒーを一杯、そしてすぐさま、各ユニットを鳴らしてみる。

やはり 8P-HF1 は「圧巻」である。

その後の会話は、各ユニットの試聴話しではなく、8P-HF1で聴く自分の好きな曲やアーティストの「押し売り」になってしまった。

なにを聴いても楽しい、素晴らしい。

クラシックがどうの、ジャズがどうの、ボーカルがどうのといった、合う合わないなど、まったく意味はない。
8P-HF1はそういう鳴りっぷりであった。


後日談

20cmユニット取り付け本番用の、竹集成材バッフルを発注したとのこと。
もうそろそろ出来上がる頃かもしれない。

今回訪問時の、各種スピーカーユニット試聴のためのバッフル配置については、両脇が塞がれていることに、何となく閉塞感があったことを、先のどこかの段で書いた。
この件について先日、i氏からうれしいメールが来た。

ところで、ご指摘のことをやってみました。

両脇のバッフルを取り去り、アシダが付いているバッフル1枚だけにし、さらに床上げをしました(つまり、元の位置です)。

何と、前回より圧倒的にクリアーで臨場感が出ました。
ご推察通り、後ろからの音が大きく影響していたのですね。

ありがとうございました。
というわけで、また聴いてもらわなければなりません(笑)。

次の訪問時には、晴れて20cmユニット本番用の、新たな竹集成材平面バッフルを聴くことができるだろう。

とても楽しみである、が、ウーハーとツイーターをどうするか、それをどのように検証するか、まだいい案が浮かばない。


(「i氏山荘(5)圧巻ASHIDAVOX、755E GOLDEN8 CD408 403A 他を圧倒 」 おわり)


コメント 8


JOB225使い
by いちあい (2014-05-26 20:46)


でもこの「美濃紙SP」には驚きましたよ。
私の「最終アンプ」ならぬ、この手の「最終スピーカー」ですね(笑)。
そのうちJOB225で鳴らしてみたいです。
by AudioSpatial (2014-05-27 03:43)


アシダボックス試してみたいです。
先日オークションで8P-HF2を落札しましたが、ジャンク品でエッジの破れがあるのですが、何とか音出しが出来ればと思っています。

商品はまだ届いていないのですがエッジの補修を参考にしたいと思います。
8P-HF2については、ネットで調べても殆んど情報が無くどなたかご存知の方あれば教えてください。
by 七村 (2016-10-22 12:17)

茨城県に住んでいるものです。アシボックスのユニットでジャズを聞いています。

6P−HF1は自作のダブルバスレフの箱に入れて、
又、8P-HF1は1975年にビクターから販売したFB-5というバックロードホンに入れて

両方ともフルレンジで300Bに真空管アンプで鳴らしています。

特に8P-HF1とバックロードホンとの組み合わせもとても良いと思われました。
by オカダ (2016-10-23 11:42)

七村さん、8P-HF2はダブルコーンですよね。
私は聴いたことがないのですが、きっとHF1の高音を補うために開発されたのでしょうね。よかったら、音の傾向を教えてください。
by I氏 (2017-03-31 07:15)


オカダさん、バックロードホーンだと、さらに低音が強化されますね。
私もハセヒロのエンクロージャを持っているので、いつかやってみます。
by I氏 (2017-03-31 07:18)


HPD315A愛用

アシダボックスはぜひ入手して、じっくり聴いてみたくてウズウズしてきました。
が、近頃はオークションにも出てこないので、手に入りませんね。
アシダ音響でも復活させる気はないようでして、残念。

ところで、HPD295A に HPD315A と銘打ってしまったメーカー側の珍しいミスの件ですが、次のような事例がありましたので、魚拓に取りました。
https://megalodon.jp/2017-0707-2328-40/https://page.auctions.yahoo.co.jp:443/jp/auction/j440969465


これを見ますと、DEVONのHPD315A付属のスピーカー端子プレートに HPD295A とプリントされています。

これを見ますと

@組み立てている職人がいい加減で検品体制も甘い
A余った部品を流用したり欠品部品を他の部品で代用したりしていた・・

ことが推察できます。

Aに似た話ですが、モニターゴールドからモニターレッドに移行するときなど、
両者の過渡的な個体もあったようです。

HPD時代は創業者が心臓発作で3回も倒れたそうで、@の原因も捨てきれません。
今となっては謎ですね。
by HPD315A愛用 (2017-07-07 23:52)

https://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-26

詳細は


超軽量の美濃漉き和紙コーンを使った芸術品、世界最高峰のロクハン アシダボックス 6P-HF1
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/956.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c60

[近代史4] 日本のスピーカー 中川隆
1. 中川隆[-13043] koaQ7Jey 2020年3月05日 09:35:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[490]

北関東蓄音機倶楽部 Sogaphon _ SP録音の CD復刻盤 は Sogaphon を取り付けた蓄音機で聴こう
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/473.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/114.html#c1
[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
61. 中川隆[-13042] koaQ7Jey 2020年3月05日 09:43:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[491]

色々調べたのですが、結局オーディオ史上で一番音が良いスピーカーは


北関東蓄音機倶楽部 Sogaphon _ SP録音の CD復刻盤 は Sogaphon を取り付けた蓄音機で聴こう
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/473.html

超軽量の美濃漉き和紙コーンを使った芸術品、世界最高峰のロクハン アシダボックス 6P-HF1
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/956.html

まるで細密画を思わせる奇跡の描写力 _ スタックスの静電型スピーカー ELS-8X
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/954.html

伝説の ソナス ファベール ガルネリ・オマージュ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/684.html

酷い音のインチキ・レプリカを量産して伝説の評価を落とした Goodmans Axiom80
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/686.html

伝説の静電型スピーカー QUAD ESL57・ESL63
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/682.html


でしょうか。

現在でも手に入るのは QUAD ESL57・ESL63 の復刻版だけです:


Q: 最高に音の良いスピーカー教えて下さい。 2012/2/15 rollingcyukunさん
最高に音の良いスピーカー教えて下さい。
音の良し悪しは個人差があると思いますがあなた様が良いと思うスピーカーを教えて下さい


A: papageno_eulenspiegelさん

クラシックを聴く場合に限定すれば、QUADのコンデンサー型を超えるものはまだ存在しないと思っています。

数ミクロンという極薄の振動膜に数千ボルトの高電圧をかけたうえ、それを挟む形の電極板に+と―の音楽信号を与えて振動膜を震わせ音を発生させる仕組みで、一般的な、ラッパを箱に取り付ける形式と違って、音楽信号に固有音の色付けがされる要素を極限まで排除したスピーカーです。

拙宅では現在、旧いタンノイのGRF(モニターゴールド)、最近導入したハーベスのHL-P3ESRを含めて3種類をおいていますが、結局、ほとんどQUADのESL57しか使わなくなってしまいました。

ESL57 は1957年頃に発売され、’80年代半ばごろに生産終了となったいわば骨董品ですが、世界中に根強いファンがいて、リストアして使い続けている人たちが大勢います。

ドイツの QUAD代理店では、振動膜を枠に張る機械を英国のQUADから買取って、「新品」を供給しているので(金属製のグリルだけは中古品を塗りなおしたものですが)、ドイツに住んでいたころにわざわざコブレンツに近いQUAD代理店まで行って買ってきました。外観のデザインも大変気が利いていますので、グリルをくすんだ緑色に塗装してもらった我が家のセットは私の最も愛するオーディオ・コンポーネントです。

ドイツQUADでは、ESL57 の改良型である ESL63 の新品も、さらに現在も QUAD本社が量産している ESL2805/2905 も販売していましたが、じっくり聴き比べたところ、音そのものの魅力ではやはり原点である ESL57を超えられていないと思います。改良型では音像の定位や空間表現を改善する措置が加えられているのですが、やはりそのために音質への影響が避けられなかったのでしょう。

QUAD のコンデンサー・スピーカーの唯一の問題点は、その発音方式に必然的に起因する低音の不足と言われてきました(私自身は、主に聴く音楽の種類からあまりそう感じていませんでしたが)。ところがドイツ QUAD では最近、ESL63、ESL57 向けにそれぞれ専用のサブウーファーを独自に開発したとのこと。従来は、既存のサブウーファーをQUADのコンデンサー・スピーカーとうまくマッチさせる事は不可能と言われてきましたが、このESL57専用サブウーファーをドイツに注文してみようかと、近頃悩ましい日々を送っております(きっと近々注文しちゃうんだろうなァ〜〜)。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1181575751

サウンドボックス

ドイツQUAD Musikviedergab GmbH 社QUAD ESL57 復刻新品(受注生産品)
* QUAD ESL57QA ¥1,300,000 ペア(税別)
2 つの違ったスタイル、前面メタル・グリル色は3色から選択してください。
https://www.soundbox.co.jp/QUAD_ESL57QA_Cata_a.pdf

ドイツQUAD Musikviedergab GmbH 社QUAD ESL63 復刻新品(受注生産品)
* QUAD ESL63QA ¥1,600,000 ペア(税別)
フレーム木の材質、色を指定してください
https://www.soundbox.co.jp/QUAD_ESL63QA_Cata_a.pdf


復刻品 QUAD-II 真空管モノラル・アンプ 
(ドイツ QUAD MusikWiedergabe GmbH) 製 ¥500.000/ペア
オプション KT66/GEC、EF86/Mullard、GZ32/Mulalrd +\120,000より
https://www.soundbox.co.jp/QUAD/QD-II.htm


復刻品 QUAD 33/2プリアンプ  QUAD 303QR パワーアンプ 
(オランダ QUADREVISIE社製)
https://www.soundbox.co.jp/QUAD/QD_33_2_303QR.htm
https://www.soundbox.co.jp/QUAD/Quad%20Revisie_JP_left.pdf


QUAD ESL57,ESL63 ESL63Pro 修理受付中 
https://www.soundbox.co.jp/quad63repair.html

サウンドボックス
https://www.soundbox.co.jp/


東京都調布市仙川町2−13−32
Tel: (03) 5577-5227 

サウンドボックスへの地図
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=10SwyUNIYBG0FdAFxBfQZSf_iNdw&ie=UTF8&hl=ja&msa=0&ll=35.66216900000003%2C139.58260799999994&spn=0.004184%2C0.006866&z=17&source=embed


営業時間:月曜日−土曜日11:00−19:00/日曜・祝日休み
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c61

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
62. 中川隆[-13041] koaQ7Jey 2020年3月05日 09:56:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[492]

一番音が良いパワーアンプは


Western electric 124 amplifier _ すべてのアンプの中で最も艶やかな音の WE350B プッシュプルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/133.html

WE350B _ ウエスタン・エレクトリックの真空管の中でも特に濃厚な音がするビーム管の最高傑作
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/132.html

一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html

英国の気品 PX4 シングルアンプ 
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/443.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c62

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
63. 中川隆[-13040] koaQ7Jey 2020年3月05日 10:03:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[493]

一番音が良いプリアンプは


真空管プリアンプ

オールド マランツ _ マランツ#7
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/635.html

EAR の真空管アンプ _ 真空管プリアンプ EAR 912
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/947.html


___


トランジスタ プリアンプ

Burmester _ プレーヤー、アンプ、スピーカーはもちろん、、オーディオラックまで作ってしまう超高級セット・コンポーネント
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1028.html

チェロ AUDIO SUITE + Performance
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1032.html

ゴールドムンド _ その奇跡の音色の秘密 _ Mimesis 2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/948.html

ボッタクリ アンプ _ FM Acoustics の世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/754.html

_____


プリアンプに金をかけなさい
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c63

[リバイバル3] スピーカーの歴史 _ 何故、過去に遡る程 スピーカーもアンプも音が良くなるのか? 中川隆
64. 中川隆[-13039] koaQ7Jey 2020年3月05日 10:31:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[494]

一番音が良い DAC は


(公示)最も優れたCDプレーヤーは、iPod/iPhoneです。歴代史上最強CDプレーヤー

iPodを越えるCDプレーヤーは、永久に出て来ないと思われます。
おそらく、パソコンの世界、音楽はそちらに移行していくのでしょう。
https://procable.jp/setting/25.html


CDプレーヤーの音を遥かに超える、iPod/パソコン用ケーブル/超高性能!- プロケーブル
https://procable.jp/ipod

▲△▽▼


Yoshii9 へのiPodの接続…iPodは高音質か?
posted by Yoshii9 ユーザー 小提琴奏者 at 2007年10月
https://web.archive.org/web/20130312141851/http://shyouteikin.seesaa.net/article/63516831.html

Yoshii9 へのiPodの接続
 これについては私も
 色々と探求したこともありました。

iPodは高音質か?

 これについては私は
 一定の条件下では高音質だと思います。

その条件とは
 こちらのページの前半部分にも書きました様に
 http://shyouteikin.seesaa.net/article/126358939.html

 CD→iTunes→iPod

 ただしiTunesの画面で、編集→設定→詳細→インポートと選び
 (なおiTunesの最新版は編集→設定→一般→インポート設定と選びます)
 インポート方法において、WAVエンコーダを選び
 設定において、カスタム サンプルレート44.100kHzと選択し
 http://shyouteikin.seesaa.net/article/324088346.html

 その画面上で
 オーディオCDの読み込み時にエラー訂正を使用するにチェックを入れる
 そして
 iPod のヘッドフォン・ジャックからLineを取るのではなく
 UniversalDockのLineOutから音を採り
 UniversalDock.JPG UniversalDockLineOut.PNG

 (もっとも最近では
  何やら余計なリモコンがセット販売になってしまいましたが)
 http://store.apple.com/jp/product/MB125
 SONY RK-G129を使って接続する…というものです。
 http://www.ecat.sony.co.jp/avacc/cord/acc/index.cfm?PD=1749

(なお
 高音質でAV機器へ接続するには、iPod のヘッドフォン・ジャックからではなく
 UniversalDockのLineOutからSONY RK-G129を使って接続しますが
 UniversalDockよりも
 フォーカルポイントコンピュータのdin SIK-IP-000002から
 SONY RK-G129に繋ぐとさらに高音質ですが
 SIK din for iPod.jpg
 http://www.focal.co.jp/product/detail.html?id_product=92

 ただし
 UniversalDockの際の様にUSB電源アダプタで給電しながらの再生は出来ません)

そもそも私は
 Yoshii9 に出会う前から
 秋葉原を何十年も徘徊し続けるオーディオマニアでしたので(笑)
 CDプレーヤーについても
 やれ、トランスポーターは、どうするか…
 やれ、D/Aコンバータは、どうするか…
 やれ、クロックジェネレーターは、どうするか…などと
 本業のヴァイオリンと楽弓の価格を超えることはないものの
 本業のヴァイオリンと楽弓の価格の1/10程度の金額にはなる装置にまで
 探求の範囲を広げていましたが
(とはいえ考えてみれば
 それでも、マンションくらいは簡単に買えてしまえる計算になりますが(笑))

それほど高額なCDプレーヤー群…といいますよりも
それほど本格的なCDプレーヤーとて、上述の方法で聴くiPod の前には惨敗で

私が行きつけのヴァイオリン店でも

 私が上述の方法でiPodの音を店内スピーカで再生すると
 そのお店の社長さん以下全店員さん方が驚き
 その場で購入が決まり

私が行きつけのヴァイオリン工房の職工の方も
 私が上述の方法でiPodを再生すると
 驚きのあまり「それを買います」と仰られ
 翌日には買いに出かけられたほどです。

などと書きますと
「あんなオモチャみたいな装置の再生音に驚くほど
 ヴァイオリン弾きや
 ヴァイオリン店の社長や店員や
 ヴァイオリンの職工は、耳が悪いのか?」と思われる方も居るかもしれませんが
 それは大きな誤りです。

そもそも
 長年に渡り海外から楽器を買い付け販売して信用を築いて来た店の
 社長や従業員が、良い音が判らないはずがなく
さらには
 日本を代表する名奏者が集う名工であるとともに
 自ら大変なオーディオマニアとして
 オーディオマニアならば誰もが知る垂涎の的である一流機器を取り揃えている
 ヴァイオリンの職工が、耳が悪いはずがありません。

これは
ひとつには
 iPodに付属しているイヤフォンは
 かつての製品よりは改良が加えられ
 数千円程度のイヤフォンよりは高音質とはいえ
 必ずしも最良の音とはいえないのに対して
 上記の再生の場では、いずれも相当本格的な再生機器に接続していたこと以上に
ひつには
 CDのデータを取り込むiTunesの設定が
 各種圧縮ファイルではなく
 WAV44.1kHzエラー訂正ありで取り込んだデータをiPodに入れ
 http://shyouteikin.seesaa.net/article/324088346.html

 (iTunesの画面で、編集→設定→詳細→インポートと選び
  iTunesの最新版は編集→設定→一般→インポート設定と選び
  インポート方法において、WAVエンコーダを選び
  設定において、カスタム サンプルレート44.100kHzと選択し
  その画面上で
  オーディオCDの読み込み時にエラー訂正を使用するにチェックを入れる
  という設定のことです)

そしてさらにiPodとAV機器の接続に際しては
 iPod のヘッドフォン・ジャックから接続するのではなく
 UniversalDockや既出のdin SIK-IP-000002を使いLineOutから接続し
接続ケーブルとしては
 各種ケーブルや高級ケーブルなどではなく
 むしろ
 こちらのページでも書いています様に
 http://shyouteikin.seesaa.net/article/129742623.html

 こちらの
 SONY RK-G129でつなぐと波形の乱れが少ない良い音がします。
 http://www.ecat.sony.co.jp/avacc/cord/acc/index.cfm?PD=1749

この様な設定・接続にすることで
CDプレーヤーの場合は
 CD盤面の情報の一発撮りであるために
 CD盤面の情報の読み落としが発生した分は、読み返しがかけられず
 CDプレーヤー側が補完するのに対して
iTunesの上記の設定であれば
 CD盤面の情報に対して、直接再生してしまうのではなく
 まず一旦PCのHDD上に読み込むリッピング動作において
 より正確にCD盤面の情報が読み込める様で
 それをiPodに移行した音は
 CDプレーヤーよりも高音質で聴ける…等々

色々な説明を見聞きし
この様な原理説明に対しては

 やれ、CDプレーヤーはレッドブックという規格なので、その通り…ですとか
 やれ、CD盤面情報の読み落としなど、ごく僅か…ですとか
 やれ、CDのトランスポーターからの読み出し音も差が無い…ですとか
 やれ、iTunesのエラー訂正は、本当にCD盤へ読み返をしているか?…ですとか
 やれ、その様な設定でiPodを実際に聞いてみたものの、音が良くなかった…等の
色々な意見も見聞きしましたが
そうした感想の一部については
 iPod のヘッドフォン・ジャックからLineを取ってしまっていて
 UniversalDockやその他の接続ケーブルを使った
 LineOutからの再生であれば解決する場合もあることを
 ご存知ないが故の誤解によるものでありそうなケースもあるのですが

基本的には
 そうお書きになられていらっしゃる方が
 ほんとうにその様に設定されてみて、なお
 ほんとうにその様に「iPodの音は良くない」と感じていらっしゃるらしいことに
 私もいまだに「どうして、その様にお感じになるのだろう?」と判らないほど
 既述の様に

 iPod←iTunesWAV44.1kHzエラー訂正あり←CD

 それを
 UniversalDockやその他の接続ケーブルを使ったLineOutから
 SONY RK-G129で接続して聴く音のほうが
 いかに安価・シンプルなポータブルのCDやDVDプレーヤーでの再生は勿論 
 いかに高額・高度なCDプレーヤーでの再生音よりも
 はるかに高音質であることは
 べつにYoshii9 につなぐ…ということではなくとも
 私において可能な限りの再生機器での比較・試聴において
 聴感上、紛れも無い事実であると私は感じています。

(なお「エラー訂正」といいましても

  PCであれCDプレーヤーであれ、ドライブが有するエラー訂正の機能と
  iTunesがソフトとして有するエラー訂正の機能は、全く異なるものであり
  iTunesがソフトとして有するエラー訂正の機能は
  CD-DAを読み込む際に、少しずつ重複して読み込むことでズレが無い様に
  チェックする機能であるので
 CDプレーヤーでの読み込みデータも
 iTunesでの「エラー訂正」ありの読み込みデータも
  データの違いは生じることがなく
  データの違いとは別の聴感上の問題として、事実音質が異なるため
 私はiTunesで

 「エラー訂正」=「オーディオ CD の読み込み時にエラー訂正を使用する」
  の機能にチェックを入れ、その機能を使っています)

そして
既述の様な
 今にして思えば詐欺商法にひっかかっていた…とまでは言いませんが(笑)
 お金の無駄使いであった
 各種CDプレーヤー関連機器への浪費から解放されただけではなく
 CDプレーヤーなどでCDを聴いていると

 ひとつには、細かいニュアンスが再生されないために、音楽的センスが鈍感になり
 ひとつには
 主音としての音程は合ってはいるものの
 倍音としての成分が乱れているために、器楽演奏上においては有害なレベルで
 音程感覚が悪化するといった
 音楽学習上有害な、悪魔の機械と縁を切るべく
 iPodのその様な素晴らしさ
 iPodをその様な素晴らしい音で聴ける方法を示唆いただけた由井社長には
 今でも深く感謝しています。
(私が「示唆」と書きましたのは
 当時は東京・南青山にタイムドメイン社の試聴室があり
 そこで由井社長に初めてお会いした際に
 由井社長は、私との会話の中で、私が一定のオーディオマニア(笑)と判断されると
 iPodのその様な設定や原理については一言もお話しになられず
 (きっと、その様な言葉の説明では、にわかには信じないと
  お考えになられたのだと思います)
 ただ単にiPodをYoshii9 につなぎ
 そこから流れる圧倒的な高音質ぶりに私が驚く様を見て
 笑っていらっしゃるだけでいらしたからですが
 その様な試聴の機会を与えていただけた日のことは
 今でも昨日のことの様に鮮明に覚えています)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

けれども私は
もはや
 iPodは、移動中の車中で
 BOSEのノイズキャンセリング・ヘッドフォンQuietComfort2で聴くことはあっても
 iPodを、Yoshii9 に繋いで聴くことは、今は全くありません。
(ノイズキャンセリングとは
 音楽以外の周囲の雑踏の喧騒などをヘッドフォンに内蔵されたマイクが拾い
 それを逆の波形に生成し音楽信号と交ぜて流すことで
 結果的に
 音楽以外の周囲の騒音だけが打ち消されて聞こえる仕組みです)
 BOSE QuietComfort2.JPG
(ちなみに
  数あるノイズキャンセリング・ヘッドフォンの中でも標記の製品は
  ノイズキャンセリングの性能としては他に優れた製品もあるものの
  総合的な音質の観点では、その様な移動中の車中で聴くには最良の製品で
  同じBOSEの
  QuietComfort3が、いかにもBOSE的な誇張に満ちた音であるのに対して  
  QuietComfort2であれば、そうした傾向も幾分かは少ないことも
  私が移動中にそのヘッドフォンで聴いている理由のひとつです
 また

  BOSEのノイズキャンセリング・ヘッドフォンQuietComfort2に使用する乾電池は
  こちらのFUJIFILM単4リチウム電池で聴く音がもっとも高音質でしたし
  FUJIFILM LithiumFR03 4B.JPG
  http://fujifilm.jp/personal/supply/battery/lithium002.html
  http://shyouteikin.seesaa.net/article/96937294.html 
 
 さらに
  下記にも書きました様に
  http://shyouteikin.seesaa.net/article/63501104.html

  AV機器自体の電源ケーブルや各種ケーブルにフェライトコア・クランプをつけると
  音質が変化してしまいますが
 (具体的には力感が減少してしまいますし
  何より
  Yoshii9 での聴取に際しては
  Yoshii9 一流の克明でありながら自然な音場感という再生が損なわれます)
  QuietComfort2の接続ケーブルについてのみは
  フェライトコア・クランプのやや大きめのサイズのものを選び(NF-59S)
  http://www2.elecom.co.jp/cable/accessory/nf-s/index.asp

  フェライトコア・クランプにケーブルを8重にも巻きつけることで
  更に明瞭な音で聴くことが出来ていましたが
 (フェライトコア・クランプを開いた状態で左右夫々に4重に巻き
  閉じ合わせることで8重に巻きつけることが出来ます))
  FerriteCore.JPG

 ただし現在は
  下記ページにも書きました様に
  http://shyouteikin.seesaa.net/article/102259371.html
  より圧倒的なノイズキャンセリング効果のある
 SONY MDR-NC500D で聞いていますが
  既述の様に
  フェライトコア・クランプのAV機器自体のケーブルへの装着は避けるべきですが
  こちらもYoshii9 ではないので
  フェライトコアクランプ装着による音質の変化・音場感の喪失感は極めて軽微ゆえ
  むしろiPodからのノイズの遮断の有効性に鑑みて
  こちらの接続ケーブルのみはフェライトコア・クランプに8重巻きにしています)
 MDR-NC500D.jpg
 http://www.sony.jp/products/headphone/special/mdr-nc500d_report/index.html

いえ
既述の様に

 CD→iTunes→iPod

 ただしiTunesの画面で、編集→設定→詳細→インポートと選び
 インポート方法において、WAVエンコーダを選び
 設定において、カスタム サンプルレート44.100kHzと選択し
 その画面上で
 オーディオCDの読み込み時にエラー訂正を使用するにチェックを入れる
 そして
 iPod のヘッドフォン・ジャックからLineを取るのではなく
 UniversalDockやその他の接続ケーブルを使いLineOutから音を採り
 SONY RK-G129を使って接続する…という方法で聴けば
 どれほど本格的なCDプレーヤーとて、iPod の前には惨敗です。
ですから
通常の音楽鑑賞ということであれば、それで十分だとは思います。

しかしながら
 更なる高音質を追求してしまう私としては
 iPodを、Yoshii9 に繋いで聴くことは、今は全くありません。
何故ならば
 iPodとYoshii9 の接続方法を、いかに工夫してみたところで
 iPodの設定自体についても、 いかに新しい方法を導入してみたところで
 構造上は勿論のこと
 聴感上も、決して超えることの出来ない「壁」としての限界が存在することに
 気付いてしまったからなのです。

それは決して
上掲の写真にある
 2006年9月に発売された
 iPodの80GBモデルの製品が
 今から思えば、近年のモデルとしては最高峰の音質であったのに比べ
 2007年9月に発売された
 iPod classicの音質が
 明らかに精彩を欠く音質になってしまった…ですとか
あるいは
 2007年9月に発売された
 iPod touchならば
 それに比べて高音質
 などという問題ではありません。
iPodには
その構造上、音質面で限界があることに気付いてしまったのです。

では
iPodの、その様な音質面での限界とは?
 それについては
 次項で詳しく書いています。
 http://shyouteikin.seesaa.net/article/129279700.html

そして
それでは私は
 何で…といいますよりも
 どうやって
 CDを聴いているのか?
これについて順次書いていこうと思っていますが
 これについては複数の項目になるので、少しずつ掲載していくつもりですが
 これについて掲出することで
 このブログの2つめの項目で書いた様に
 http://shyouteikin.seesaa.net/article/106520852.html

ひとつには
 「CD<LP」(LPのほうが音が良い)と言われていたのが
 実は
 ある方法で再生すると

 「CD>LP」(CDのほうが音が良い)となることや

ひとつには
 「Win<Mac」(マッキントッシュのほうが音が良い)といわれていたのが
 
実はある方法で再生すると

 「Win>Mac」(ウインドウズのほうが音が良い)となる再生方法ついてなども
 お判りいただけると思っています。

 (なお
  Macでの試聴感については、こちらに詳しく記述しました
  http://shyouteikin.seesaa.net/article/65905723.html

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

なお       
 Yoshii9 は、本格的なオーディオ機器での電源ケーブル数本分程度の価格ながら
 Yoshii9 は、買って来て、ポン!と置くだけで相当素晴らしい音がしますし
 Yoshii9 は、何につないでも良い音を聴かせてはくれますが
 http://shyouteikin.seesaa.net/article/137025338.html
 http://www.timedomain.co.jp/product/yoshii9.html
 http://www.timedomain.co.jp/craft/craft_tuneup.html
 http://www.timedomain.co.jp/listen_room/td_keihanna.html
 Yoshii9.jpg

まずは
 Yoshii9 自体を
 01/58 〜 10/58 で更に高音質化しつつ
さらにPC関連では
 11/58 〜 24/58 で
 「Win<Mac」(マッキントッシュのほうが音が良い)と言われていたのを
 「Win>Mac」(ウインドウズのほうが音が良い)と出来たこと以上に
 (なお
  Macでの試聴感については、こちらに詳しく記述しました
  http://shyouteikin.seesaa.net/article/65905723.html

何よりPCオーディオにおいて遂に
 25/58 〜 35/58 で

 「CD < LP」(LPのほうが音が良い)と言われていたのを
 「CD > LP」(CDのほうが音が良い)という状況に至ることのできた

全体のまとめは
こちらのページに一覧として掲げてあります。
http://shyouteikin.seesaa.net/article/242159169.html

https://web.archive.org/web/20130312141851/http://shyouteikin.seesaa.net/article/63516831.html

▲△▽▼


2008/12/6
最強のオーディオ・・・iTunes  
https://green.ap.teacup.com/applet/pekepon/msgcate11/archive

■プロケーブルの音

「プロケーブル」というネットショップをご存知でしょうか?
従来のオーディオ理論を覆す方法論で、
一昨年あたりからネットを賑わすオーディオショップです。

実は私もオーディオにずいぶんと散財した挙句に
プロケーブル仕様に落ち着いた一人です。

詳細はプロケーブルさんのサイトに譲るとして、
プロケーブルの面白かった所は、
2チャンネルや個人のブログを巻き込んだ賛否両論の一大実験が、
驚異的なスピードでのトライ&エラーを繰り返して、
プロケーブル・システムを進化させた点です。

サイトの記述内容に技術的な誤謬も多く、
詳しいオーディオマニアの方は、音を聞く前に
その誤りを指摘して、駄システムであると決め付けてしまいますが、
我が家のプロケーブル・システムは総額35万程度で、
以前使用していたカミサンには言えない金額のシステムを軽々と凌駕しています。

この秋、大阪の日本橋にプロケーブルのショップもオープンして、
ようやく実音も聴けるようになり、
プロケーブル論議も、ある結論に至ると思われました・・・。

先日、私も大阪に出かけた折にその音を聴いてきました。
ある程度、予測された事ですが、ジャズ喫茶の音がしていました。
高域のレンジが狭く、ダンゴ状態の音。

私があえてブログでプロケーブルを取り上げたのは、
プロケーブルの機材や方法論がもたらす音が、
あの程度だと認識されたく無いからです。

■オーディオの最大の問題点は録音にある

プロケーブルさんが世の中に知らしめた事の中で、最も重要な事は、
録音される国によってスタンダードなケーブルが異なり、
当然録音バランスが違う・・・という事です。

オーディオマニアは良く原音・原音と言いますが
実は原音なんて、どこにも無いんです。

クラシックを除けば、ポピュラー系のソースは
その時代の最も一般的なシステムで最も良く聞こえるバランスで録音されています。

60年代ジャズは、フルレンジや2ウエイのナローレンジ向け。
70年代、80年代ロックは大型システムが普及しただけに、比較的良いバランス。
90年代以降のはラジカセやミニコンポ向けの音。(ドンシャリ)

これを、なまじ広帯域でフラットバランスのシステムで再生すると、
単なる録音バランスのチェックになってしまいます。
優秀録音以外、まともに聴ける訳がありません。
それをシステムが悪いと思って、調整するから
ますます泥沼にはり、どんどん高価なシステムやケーブルを購入してしまいます。

例えば、アメリカ録音とイギリス録音のロックは
年代が同じでも大分違います。
ベルデンとカナレの違いが音に出てしまうのです。

LPの時代は、カートリッジを交換すれば、
こういった録音の違いを相殺する事が出来ました。

しかし、CDの時代がもたらした、再生環境の均質化が
むしろ、録音の違いを顕にし、
オーディオマニアを無間地獄に突き落としたのです。

■iTunesのイコライザーで全ては解決

本家、プロケーブルはこの問題をケーブルの選択と
マルチ駆動によるドライバーとウーファーの独立した
音量調節で解決しようとしています。

しかし、それはなかなか面倒ですし、システムも複雑になります。
さらに、ユニットの帯域内での微調整が出来ません。
結果的に、過剰気味の高域を抑えようとしてドライバー全体の音量を絞ってしまうので
12KHz辺りから上の倍音成分が不足して、
ジャズ喫茶の音になてしまうのでしょう。
中域が厚いので、一聴するとリアルで迫力がありますが、
音はダンゴ状になて、繊細さや軽やかさを失います。

しかし、iTunesのプリセットイコライザーを活用すれば
録音バランスの問題を簡単に解決する事ができます。

iTunesのプリセットイコライザーをは、
いくつかのイコライジングカーブを自作して名前を付けて記憶する事ができます。
さらに、曲毎、アルバム毎に、プリセットを関連付ける事が出来ます。
この機能を活用すれば、アルバム毎の録音バランスの問題を
簡単にキャンセルする事が出来ます。

さらに、再生システム自身やルームアコースティックの影響も低減できます。

アナログのグラフィックイコライザーは位相の乱れを生じますが、
デジタルでは位相の問題は発生しません。
ビット落ちの懸念もありますが、それも極く高い帯域の問題ではないでしょうか。

例えば、古い録音時代のJAZZをは当時の中域主体のシステム用に録音されています。、
それを、現在のワイドレンジシステムで再生すると逆に中域が薄くなって
迫力が無くなってしまうのです。
又、高域も低域も延びきっていないので、無理に再生すると、
レンジの狭さが強調されて、詰った音に聞こえてしまいます。
そこで、中域を盛り上げ、低域と高域にちょっとスパイスを効かせて
イコライザーカーブを作ります。
すると、あら不思議。
JBLやALTECの世界が現れます。暑く、迸るようなJAZZが再生されます。


TIME盤のソニー・クラーク・トリオは
ブルーノート盤に比べてナローで詰った録音ですが、
上手にイコライジングしてあげると、
途端に生き生きとした迫力ある演奏に豹変します。

「鬼才トリスターノ」は1オクターブ低く録音して、早く再生して録音という
とんでもなくトリッキーな録音で、無機質な音を作り出していますが、
これも、問題無く再生できます。

ビートルズを始めとするブリテッュロックの録音は、
通常胸焼けのするような、まったりとした再生音が特徴ですが、
(LPはクラシック用の高域が伸張したカートリッジでスカ!と決まります)
これもブリティッシュロック用のイコライジングカーブで
切れのある迫力の再生音を実現できます。
ドラムもスカ!!、ドスッ!!と決まりいますし、
ギターもカリ!!とした音を出してくれます。
正に、ライブの音です。

クラシックに関しては、大体良い録音ですが、
38cmの小型のPAスピーカーでは不足する125Hz以下の低音を増強すれば
オーケストラはコンサート会場の迫力で迫ってきます。


■位相制御にも活用

私はiTunesのイコライザーは位相制御にも使えると思っています。
ALLEN & HEATH のDJミキサーには3バンドか4バンドのイコライザーが付属します。
このイコライザーの位置によって、音楽が生き生き聞こえるポイントがあります。
低域をやや絞り、中、高域やや上げてあげます。

これは、スピーカーであるForce-iの各ユニットの
クロス付近の位相特性を整えているのでは無いかと思っております。

当然、再生バランスに影響を与えますので、
この分のバランスの変異も予めiTunesのイコライザーでキャンセルします。

■ラウドネス効果を無視して何が原音か?

さらに我が家はマンションですから、再生音量は小さめです。
当然、耳の生理的特性で低音と高音が低下して聞こえます。

原音再生を目指すオーディオマニアは、イコライザーを嫌いますが、
実用的な音量ではむしろ耳自体にフィルターが掛かっている訳ですから、
むしろイコライザーなりラウドネスを通した音の方が遥かに原音に近い訳です。

iTunesのイコライザーはラウドネスを兼ねる事も当然可能です。

■高価な外付けイコライザーはいらない

AD変換→デジタルでイコライジング→DA変化といった手順を踏む
高価な外付けイコライザーもありますが、
不要なAD変換、DA変換を経由するよりも
デジタル演算だけでイコライジングする方が
音に関する悪影響は少ないはずです。

又、ituneseのイコライザーは曲やアルバム毎に最適にプリセット出来るので、
単なるルームアコースティックの調整だけでは無く、
録音状態による影響もキャンセルできる点だけでも数段優れています。


■プロケーブル・システムの真価

プロケーブル・システムの真価は次の点です

@大口径で高効率のスピーカー
 高効率なスピーカーは微細な音を漏らさず再生します。
 又、音離れが良く、軽やかな音も良く表現します。
 
 38cmウーファーは、イコライザーに良く反応してローエンドが伸びて行きます。
 バスレスポートで無理に作った低音で無いので、
 イコライザーの懸かり方も自然でクセがありません。

A高ダンピングファクターのアンプ
 高いダンピングファクターのアンプは音が窮屈になるとも言われていますが、
 高能率スピーカーとの組み合わせでは生き生きした音を聞かせます

Bスピーカーケーブルは短くして高いダンピングファクターを維持
 結局、ダンピングファクターの高いアンプを使っても、
 スピーカーケーブルを何十mも伸ばしたら、ダンピングファクターは真空管アンプ並み。
 聴きやすくはなりますが、ハイスピードなドラムの音は絶対に聴けません。

 高域の上昇を抑える為には、錫メッキの太いより線が有効。
 私はウエスタン・エレクトリックの14Gを2.5mで使用。
 ウエスタンのケーブルは高域がしなやかで、なんとも言えない音の微粒子感があります

Cパワーアンプに入力ボリューム装備
 ミキサー(プリアンプ)を最適ゲインで使用出来、
 伝送経路での信号ロスを最小限に抑える事が出来ます。
 結局、微弱信号はなるべくレベルを落とさないでパワーアンプ直前の
 ボリュームまで到達させる事がどんなに大事か再認識します。
 (ピュアーネスを追求してプリアンプの代わりにパッシブアッテネーターを用いると
  悲惨な音になるのはこの為)

DALENN & HEATH のDJミキサーをプリアンプとして活用
 プリアンプの名機は数える程しかありません。
 ALLEN &HEATH の音は、フォノイコライザーも含め、
 プリアンプの名機と肩を並べるものがあります。
 ALLEN無くして、プロケーブルシステムは有らず。

EiTunesは是非プリセットイコライザーを活用して
 一度コツを掴んでしまえば、もう手放せません。
 イコライザー無くして音楽再生は有らず。

F200Vとダウントランス
 アース管理された200V電源の安定感は格別です。
 トランスですから、電源のアイソレーション効果があるのでは?

以上が私が考えるプロケーブルシステムのコアです。

さらに、iTunesのバージョンによても、
Windowsのバージョンによっても音はガラリと代わります。

私はiTunesはバージョン7.6.0.29が音がしっかりしていて好きです。
WindowsXPはSP2はまともですが、SP3は悲惨でした。
ここら辺、何が原因か分かりませんが、
安易なバージョンアップは音のバランスを崩します。

さらに、PAスピーカー(EVのFoce-i)のスピコン・プラグは百害あって一利無し。
多分、電力伝達能力が低いのでしょう。
低音が無くなってしまいます。
ネットワークにスピーカーコードを直接半田付けで
全く別のスピーカーに生まれ変わります。

ついでに、ドライバーの保護用ランプは百害あって一利無し。
低い抵抗値のランプが直列でドライバーの直前に入っています。
端子式なので簡単にパスできます。

以上、長々と書いてしまいましたが、
興味の無い方には、何が何だかチンプンカンプン。
それで良いのです。
オーディオの世界は底無沼です。
これを読んで分かってしまう方は、沼に落ちないようにお気をつけ下さい。
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2009/6/6
iPodを侮るなかれ
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最近は秋葉原はアニメオタクの街になってしまいましたが、
私が学生の頃は、オーディオの専門店が沢山ありました。
大学生になるとオーディオセットを揃えるのが夢でした。

そんな青春時代を過ごしたオヤジの現在のオーディオがこれ。
サブシステムですが、PC用としては結構良い音がします。

■iPodを侮るなかれ■

ソースは何とiPodです。
iPodって実は侮れないんです。
同じ音をCDプレーヤーで再生しようとすると、
もしかすると100万円を越えてしまうかも知れません。

ウッソーとお思いかも知れませんが、
私はWADIAのDAコンバーターを使用していましたが、
iPodをオーディオに繋いだ瞬間売り払いました。

バッファーから読み出される信号を、最短距離でDAコンバーターに送り込み、
それぞれが同じクロックで作動するメリットは絶大です。

デジタル信号の最大の敵はジッターという時間的揺らぎです。
高価なCDプレーヤーやDAコンバーターはジッターをいかに抑えるかが技術の鍵です。

ところが、iPodはモーターの様な駆動部がありません。
ハードディスクモデルも殆どメモリーから再生していて、
モーターが回転している時間は一瞬です。
電力消費を低減させるアイデアがジッターの低減に寄与しています。

さらに、ピックアップやモーターの回転をサーボで制御する必要もありません。
これも電源を揺さぶる要因から開放されています。

そして、最大のメリットはバッテリー駆動である事。
オーディオの電源は電源の揺らぎの無いバッテリー駆動が理想です。
バッテリー駆動は、電源からのノイズの混入とも無縁です。

高級CDプレーヤーが100万以上を費す対策を、
iPodは1万円くらいで出来てしまっています。

■WADIAが認めたiPodの高性能■

日本のオーディオ屋さんは、「iPodなんてオモチャですよ」って切り捨てていましたが、
アメリカ人は合理的で、良いものは良いと認めるようです。
高級CDPの専門メーカーのWADIAがiPodをトランスポートとするシステムを発売してしまいました。

DACはWADIA製で高価ですが、
従来50万以上していたトランスポートをiPodで代用してしまいました・・・。
WADIAの魅力は、輪郭の明確な揺ぎ無い低音ですが、
CDトランスポートよりもiPodの方がジッターが無いのでWADIAの理想とする音になるのでしょう。

これには、専業オーディオメーカーは参ってしまいます。
しかし、将来的に音楽ソースがネット配信に置き換わって行く事を考えると、
CDというフォーマットがかつてのアナログレコードのような立場になります。
WADIAの選択は、実は将来を考えれば、正しい判断です。

■非圧縮ファイルの実力■

iPodに音楽を転送する時、あるいはiTunesに音楽を取り込む時、
ファイルサイズを節約する為にMP3など圧縮ファイルを選択する事が一般的です。

しかし、iPodの実力を発揮する為には、
ファイル形式は非圧縮のWAVファイルが必須条件です。
CD一枚で1Mくらいのファイルサイズになってしまうので、
ハードディスクの容量を浪費しますが、現在の大容量のハードディスクなら、
1000枚程度のCDも入ってしまいます。

非圧縮ファイルで、質の良いヘッドホンでクラシックを聞いてみて下さい。
iPodの高性能に驚愕する事必至です。


■高音質の為のケーブル■


さて、こうして高音質の再生環境が簡単に手に入りました。
ネットでは、「iPod内蔵のアンプは低音質だから、
音楽信号はiPodのヘッドホン端子からオーディオに繋いでも低音質」という人も居ます。

騙されたと思って、BELDENの88760というマイクケーブル使用してみて下さい。
密度の高い、素晴らしい音がします。
私は秋葉原でケーブルを購入して、ノイトリックの端子で自作しましたが、
ネットで評判(賛否両論ですが)の、プロケーブルのネット通販で、
5000円くらいで手に入ります。
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2011/10/16
日曜の午後は優雅にJAZZなど聞きながら・・・最新技術でレトロを再現する  オーディオ
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■ デジタルオーディオの薦め ■

80年代、90年代に青春時代を過ごした男子ならば、
オーディオセットに大枚を叩いた経験があるでしょう。
かつて日本のオーディオ機器は、世界を席捲しました。

AKAI
AIWA
Aurex(東芝)
DENON
DIATONE(三菱)
KENWOOD
Lo−D(日立)
MARANTZ
Nakamichi
ONKYO
PIONEER
SANSUI
SONY
TEAC
Technics(松下)
YAMAHA
Victor

さらに
OTTO(サンヨー)
OPTONICA(シャープ)


こんな小さな国に、結構規模の大きなオーディオ・ブランドが
ひしめいていたのです。

■ プラザ合意と日本製品 ■

日本のオーディオーメーカーが世界ブランドになったのは
1970年代後半からではないかと思いますが、
これは、日本車が世界市場に受け入れられていく時期と重なるかと思います。

かつて1ドル360円だった為替レートは、
1971年のニクソンショック以来円高になり、
1985年プラザ合意で、240円から一気に120円となりました。
そして、現在は1ドル80円代が当たり前の時代となりました。

1) 360円時代・・・戦後、繊維産業が輸出産業として外貨を稼ぐ
2) 240円時代・・・1970年代前半までは、鉄鋼・造船・化学が輸出産業として成長
3) 120円時代・・・自動車、電機産業が輸出を延ばす
4)  80円時代・・・材料・部品 (円建て輸出も多い)

これはイギリスやアメリカの経済成長の歴史ともリンクしますし、
現在のアジアの経済成長の姿とも被ります。

■ 戦後は米英、その後は日本、そしてアジアへ・・ ■

プラザ合意後で日本のオーディオと自動車は明暗を分けます。
自動車は実用品的価値を持つので、ある意味、
コストバリューが適当であれば、売れます。

アメリカではプラザ合意後の日本車は、決して安い車ではありませんでした。
サニーやカローラーだって、アメリカでは外車です。
それでも故障の少ない日本車は、アメリカで人気がありました。

大柄のアメリカ人が、体を畳む様にして、
ちょっと年代物の日本車に乗っている光景を良く目にしました。


一方、オーディオは嗜好品でありステータスシンボルです。
ライフスタイルの変化と共に、オーディオの需要は変化をします。
かつては大型のオーディオセットを所有する事は男のロマンでしたが、
現在はiPodやiPhonにその座を奪われてしまいました。
或いは、大型TVとホームシアターに変化したとも言えます。

戦後の経済成長で、最初にオーディオを楽しむ余裕が生まれたのは米欧でした。
アメリカにもヨーロッパにも色々なオーディオメーカーが誕生しましたが、
ガレージメーカーが多いので、新旧のメーカーが目まぐるしく入れ替わりながら、
全体のパイとしては、どんどん縮小しています。

日本はさらに衰退が激しく、80年代に全盛を極めた大手メーカーは、
今ではラジカセかホームシアターシステムをメインに生産しています。
(一部高級オーディオも残っていますが、趣味みたいな規模です)

一方、新興国では、ちょっとしたオーディオブームが発生している様です。
シンガポールでちょっとオーディオ店を覗いてみましたが、
BOSEと並んで、アジアの名前は知らないけれども、
デザインも造りも悪く無いシステムが販売されていました。
(もしかすると、欧米でデザインしてアジアで生産かも知れません)

■ 「質より量」が生きている新興国市場 ■

SONYはアフリカやインドなどの市場に力を入れている様で、
それらの国では圧倒的なブランド力を維持しています。

それらの国では未だに「質より量」の文化レベルなので、
スピーカーユニットが沢山付いていて、低音がガンガン出るシステムが売れる様です。
ちょっと大型のミニコンポを想像すると良いかも知れません。

■ オーディオ機器からPCへ ■

一昔前なら、コンピューターのデータを再生するデジタルオーディオは
オーディオファンからは冷たい目で見られていました。
デジタルノイズだらけのPCからは、良い音は得られないと思われていたのです。

ところが、1千万円もする高級オーディオに
iPodを繋いでみた人が現れました(外人)
マークレビンソンというメーカーの数百万円するCDシステムと聞き比べると・・・
何と、iPodの方が音が良いように感じてしまったのです。

このオーディオ記者のレポートがサイトに載ってから、
ジワリ、ジワリと、PCを音源にするデジタルオーディオが浸透し始めました。

■ 高音質を再現できなかったCDプレーヤー ■

CDは1980年代のオーディオ全盛期に、
高音質を売り物に、華々しくデビューします。

それまでレコードしか聞いた事が無かった人々は、
針音のしない「無音の曲間」や、「クッキリした音」にビックリしました。
「これがデジタルの音なんだ・・・」と。

ところが、アナログレコードのマニアは根強く残りました。
彼らは「CDの音は何か変だ」と主張します。
「サンプリングレートが44KHzなので、
20KHz以上の可聴域以上の音が再生出来ないのが原因だろう」
そうオーディオメーカーの開発者も考えました。

ところが、サンプリングレートを高くした高音質CDも
やはり「何かが違った」のです。

アナログレコードの音を追い求めて、
CDの読み取り部分ーとDAコンバータ部分を別々の機材に分けたり、
CD読み取り部を鉄の塊で固めて防振を徹底するなど、
だんだんとアナロぐレコードの様なアプローチが試みられるようになり、
最後には100万を軽々と越える鉄の塊の様なCDプレーヤーまで出現しました。

■ ジッターというデジタル揺らぎ ■

一方で「ジッターと呼ばれるデジタル特有の時間的な揺らぎが音を濁す」と主張する人も居ました。

CDプレーヤーのピックアップ(光学読み取り部)は、
振動などの外乱に抗してサーボ(調整)を掛けながら、
微細な音楽信号(ピット)を読み取るっていきます。
この時、サーボによる電圧変動がCDのクロック信号を乱す為に、
クロックのタイミングに微細な時間変動が生じる事が確認されています。
クロックのタイミングの揺らぎは、ジッターと呼ばれ、
音質に影響を与えると考えられています。

現在でも、測定すらも難しい微細なデジタルの時間変動が、
どうして音質に影響するのかは、正確には解明されていません。

■ ローテクでジッターを減らしていたフィリップス ■

CDの開発者はフィリップスとソニーです。

直系12cmのCDを東京ドームのグラウンドの大きさにすると、
CDのピックアップがデジタル信号の溝(ピット)をトレースするスピードは、
マッハ4の速度で砂粒を数え上げる事に等しいと言われています。

ちょっとの揺れでも、ピックアップは砂粒の列を見失ってしまいます。
その為にCDプレーヤーは絶えず溝の真ん中にピックアップが来る様に、
ピックアップを制御し続けています。

SONYなど日本のメーカーは技術力が高かったので、
ピットの真ん中と左右をトレースする3本のレーザービームの反射光の出力差を
サーボ回路に瞬時にフィードバックしてモターを駆動し、
ピックアップが絶えずピットの中心をトレースするという技術を生み出しました。

一方、フィリップスは3ビームの技術が開発出来なかったので、
何とレコードプレーヤーのアームの様なスイングする機構の先端に、
ちょっと「おもり」を付けたピックアップを搭載しました。
何と、外的振動を重さで吸収してしまおうというローテク作戦だったのです。

さらに初期のフィリップスのDAコンバーターは、
CDの16Bitのうち14Bitしか処理で出来ませんでした。

ところが明らかに技術的に劣るフィリップスのCDプレーヤーは音が良かったのです。
日本のメーカーがデンドン、シャリシャリと今思えば拷問の様な音を出していたのに対して、
フィリップスのCDプレーヤーの音は「まろやか」で「弾力に富み」
それでいて「絹の様な肌合い」の音を出していました。

永年アナログレコードに慣れ親しんだ、耳の肥えたファン達は、
フィリップスのメカニズムが搭載されたCDを買いました。

日本のメーカーはスペック重視ですから、
エラーの発生率をピックアップの優劣と考えていました。
ですから強力にサーボを効かせてトレース精度を高めていましたが、
その結果、サーボによる電圧変化が電源からクロック信号に周り込んで、
悲惨な音を作り出していたのです。

一方フリップスはレコードメーカーでもあったので、
徹底した視聴でCDプレーヤーを作り上げたのでしょう。
その結果、トレース制度が落ちてもサーボが弱い方が音が良い事に気付いたのでしょう。
そこで彼らは「重り」という慣性重量をサーボの変わりに用いたのでしょう。

■ iPodは音が良かった ■

CDの音を汚すのは「ジッター」の存在では無いかと気付いた海外の技術者達は、
実にスマートな方法でジッタを解決していきました。

元々、レコーディングスタジオでは、デジタル機器間のクロックの同期を取る為に
精度の高い外部クロックを使用していました。
正確なクロックが機器の誤動作を防ぎ、音質向上に繋がる事は常識でした。

これらの事実を知る技術者達が、クロックとバッファーメモリーを搭載した
小さなDAコンバーターを開発し始めました。

CDからのデジタル信号を、一旦バッファーメモリーに貯め、
メモリーの読みだ出しと、DACのチップを同じクロックで動作させたのです。

2000年頃、日本の若いオーディオファンは住宅事情もあって、
高級ヘッドホンで音楽を楽しんでいました。
DAコンバーターとヘッドホンアンプを合体させたヘッドホンアンプは、
「音が良い」と評判になり、若者達に浸透して行きます。


■ 光ケーブルこそが音質を損なっていた ■

ところが、私はどうもこれらの製品の音も馴染めませんでした。
なんだか、音がクッキリし過ぎてウソクサイ・・・。

これらの機器の音楽信号はPCから取り出す場合が多かったので、
多くの機器では同軸ケーブルか、光ケーブルでDACとPCを繋いでいました。

光ゲーブルは、PCとオーディオ機器との間のアースを切り離せるので、
PCのデジタルノイズがアース経由でオーディオに混入する事を防げる為、
オーディオ的には最適と考えられていました。
・・・しかし、「光ケーブルは音が悪い」と言うオーディオマニアは沢山いました。

これは光ケーブルの内部の乱反射によって、クロックのタイミングがズレル事が原因とも、
「電気 - 光」、「光 - 電気」という複雑な変換が原因とも言われています。
「電気 - 光」、「光 - 電気」でデータにエーラーが生じては、光通信は成り立ちませんので、
私は原因は前者のクロックの揺らぎにあると思っています。
光ファイバーの内部反射で、デジタル信号のエッジが鈍るので
ちょっとした電圧の変動でも、時間的揺らぎは大きくなってしまうのでしょう。
要は、光ケーブル接続は「ジッター」が大量に発生するのです。

■ さらにUSBケーブルでも音質は劣化していた ■

最近のデジタルオーディオ機器にはUSBケーブルを用いる物が多いのですが、
実は最近になってUSBケーブルは70cmを超える長さになるとエラーが増える事が分かって来ました。
ハードディスクやプリンターの接続に便利なUSBケーブルですが、
コンピューターの接続では、エラーチェックを常時しながら、
信号がやり取りされますので、
ケーブルの長さによるエラーの増大は、通信時間の差となって表れますが、
データーに損傷は起こりません。

ところが、オーディオフォーマットのUSBケーブル転送では、
PCはデータを送りっぱなしという方式を取られています。
USBケーブルは70cm程度まではエラーが少ないそうですが、
それを過ぎると、エラーの発生率が増大します。

CDの書き込みデータは、非常にエラーに強い変換方法が採用されていますが、
PCから出力される音楽データは時系列のデータですから、
エラーには弱くなっています。
当然、補完によるエラー訂正が頻発する事が予想されます。

■ ジッター解決の最適解であった、iPod ■

ここで先に紹介した「iPodは数百万のCDプレーヤーよりも音が良かった」に戻ります。

iPodはPCからデータ通信で、内臓HDか内蔵メモリーにデータを転送します。
この転送は当然コンピューター間のデータ転送ですからエラー訂正され、
iPodには正確なデジタルデータが転送されます。

次にiPodは携帯プレーヤーですからHDのデータは随時メモリーに記憶され、
そこから再生する事で、振動などによるHDの読み込みエラーを防止します。

バッファーメモリーの吸い上げられたデータは、DAコンバーターに送られますが、
メモリー駆動用のクロックと、DAコンバーター動作用のクロックは同一です。
さらに、iPodは小さいので、クロックとメモリーやDAC間の配線は最短の長さです。
ですから、外的要因による時間揺らぎは、ほぼ発生しません。

この様な理由から、何とiPodは理想的なCDPの要件を満たしていたので音が良かったのです。

■ 昔のAppleには音の分かるエンジニアが居た ■

しかしiPodの素晴らしいのはそれだけではありません。

ヘッドホン出力用のアナログ回路の音が良いのです。

国産のMP3プレーヤーはドンドン・シャリシャリという音がしていましたが、
iPodの音は「ふくよか」で「弾力に富」、「なめらか」な音でした。
専用イヤホンも、帯域を欲張らずに、中域を厚く再生します。

これは生演奏の音を良く知っている技術者が開発に携わっていたからだと言われています。

■ iTunesこそが最高のプレーヤーだった ■

iPodは音が良くないと言われる方の多くは、
iTunesにCDなどの音源を録音する際に、データを圧縮して取り込んでいます。
その方が、iPodに大量の音楽が入るからです。

ところが、iPodに取り込む時、非圧縮のWAVデータやACCデータで取り込むと、
iPodから聞こえる音は激変します。
特にクラシックなどでは情報量が圧倒的に増えて、弦が滑らかに再生されます。
(ロックやポップスでは圧縮音源の方が、低音の輪郭がはっきりしてノリが良いです)

しかし非圧縮データはデータサイズが大きいので、
iPodに大量のデータを格納する事が出来ません。

そこで、PCのiTunesから、直接音楽信号を取り出そうとする試みが為されました。
PCのサウンドボードかUSB音楽プレーヤーを使用するのが一般的です。

Appleから「Airmac exples」という小型の無線LANのターミナルが発売されています。
何と、このAirmacにはDAコンバーターが内臓されるのです。
PCから無線LANで音楽信号を飛ばし、Airmacで受信した部屋で好きなように音楽が聴ける
そんな目的で造られた商品ですが、これが思いの他、便利だったのです。

AirmacにはUSB入力とLANケーブルの入力もあります。
さらに、ヘッドホンジャック(ミニピンジャック)と光デジタル出力まで付いています。

始めにAirmacに注目した人達は、無線LANと光出力で、
PCとオーディオの間のアース回路を完全に分離出来る事に着目しました。
PCからのデジタルノイズを、オーディオ機器と分離する手段としたのです。
彼らはAirmacの光出力を、高額なDACのデジタル入力として活用しました。

ところが、Airmacのミニピンジャックの出力を、直接オーディオに繋いで見ると、
iPodよりも、厚い音がして、アナログファンを唸らせてしまった。

さらに、無線LNAでは無く、LANケーブルでPCと繋いで、
接続の設定をちょっと細工してあげると、
データ転送エラーは発生しない事が分かってきました。

(Airmacの表示LEDを緑色点灯さる事がミソ。

 1) AirmacとPCをLANケーブルd接続する
 2) Airmacの管理ソフトを立ち上げる
 3) 無線LNAをオフにする
 4) AirmacのIPアドレスを手動で入力する
    IPアドレスは、管理ソフト立ち上げ時に表示しあれたアドレス。
 5) IPアドレスの自動取得をオフにする。 
 この手順で、Airmacの「緑色点灯」が確立出来ます。)


■ Airmac Expres は高音質なのでは無く、低音質だから良い ■

ここまで読むと、Airmac Expres は高音質だと思われるでしょう。

実は逆です。
Airmac Expresは実は音質が悪いのです。
先ず、上限のレンジが狭い。
さらに、左右のチャンネルのクロストーク(音の混入)が多いのです。

「なんだ、全然ダメダメじゃん」とお思いでしょう・・・。

いえいえ、これこそがアナログの音なのです。
アナログレコードは1本の溝に左右の信号を刻んでいます。
当然、左右のチャンルは音が混ざり合います。(これをクロストークと呼びます)

さらに、レコード針が樹脂のレコードに溝を引っかきながら音を再生するので、
歪みを低減する事は、根本的に困難です。
ところが、レコードの音は、人の耳には自然に聞こえます。
これは「生音」と同じ肌合いの音・・・そう言い変える事も出来ます。
ですから生のコンサートに足を運ぶ人程、レコードファンが多いのです。
(1/f揺らぎが自然な歪みだとか、
 偶数次の歪みは、人間を心地よくさせるという説があります)

私も経験的に、イギリスの小型アンプなど、クロストークの多いアンプは、
充実した音がする事を知っています。
さらに、左右のスピーカーを重ねて設置すると、
ステレオの音場こそ消失しますが、
生の演奏会に近い音の勢いが得られる事も経験していました。

ですから、Airmac Expresの音の良さは、
アナログ的な歪みの多さと、クロストークによるものでは無いかと思っています。

さらにはジッターという、人間の聴覚ではどうしても不自然に感じる
ノイズ元が無い事も大きいでしょう。

■ 崩壊する録音環境 ■

オーディオマニアはイコライザーの使用を嫌います。

「レコードやCDには生の音源が入っているのだから、手を加えるのは言語同断」という
原音至上主義の方達が多くいらっしゃいます。
最高の録音であれば、良い音源は優れた再生音を生み出してくれます。

ところが実際には「録音」は千差万別です。
クラシックでも酷い録音は存在しますが、それでもバランスは取れています。

これが、80年代以降のロックやポップスやJ-POPSでは悲惨な録音状態です。
CDの登場によってオーディオ機器は小型化し、ラジカセ全盛の時代になりました。

CDを購入する多くの人々が、ラジカセで音楽を聴くので、
当然、録音スタジオではラジカセで格好良く聞こえる様な録音をする様になります。

ミキシングスタジオから大型スピーカーが消え、
YAMAHAの10Mという、白いウーファーの小型スピーカーが大増殖して行きました。
ラジカセは大型スピーカーの様には低音が出ませんので、
ミキシング時に低音を思い切り持ち上げて録音される様になりました。
さらには、小型スピーカーではあまり聞こえない重低音は、
管理されていないような録音も現れ始めました。

80年代前半のアナログレコードに時代までは、
それでも多くの人が大型のオーディオスピーカーを使用していたので、
録音はそれを考慮して、まともなバランスを保っています。

しかし、90年代以降はPOPSやROCKはそれこそ「悲惨」な状況です。

■ 曲毎、アルバム毎にイコライザーカーブをプリセットできるiTunse ■

イコライザーを使用すれば、部屋の音響特性と録音バランスを補正できるのですが、
録音バランスの違うCDにあわせてその都度イコライザーを操作するのは面倒です。

しかし、iTunseには、曲毎にイコライザーを設定する機能が付いています。
iTunesにプリセットされているイコライザーは、派手な演出でクソですが、
iTunseはバンド数が少ないながらも、自分で複数のイコライザーカーブを作って登録できます。

もう、これを使ってしまったら、病み付きになります。
古いジャズも、最新のロックも、最適なバランスに調整する事が出来ます。

■ ルームアコースティックを機材で調整する愚 ■

私は先日、コンクリートにクロス直貼りのマンションから、
ボード貼りのマンションに引越しました。

コンクリートにクロス直貼りの部屋では、低音がだぶ付いて始末に負えませんでした。
iTunseのイコライザーが無ければ、大型スピーカーは絶対に使えません。
ところが、ボード貼りの部屋では、ボードが丁度良いアンバイに低音を吸収してくれます。

これが、木造の和室では、今度は低音が不足するかも知れません。

このようなルーム・アコースティックの違いを機材で調整する事は至難の業ですが、
イコライザーでは比較的容易に調整できます。

■ 大型スピーカーの衰退 ■

AMラジオの様なフルレンジの小型スピーカーは
高音も低音も出ませんが、ストレスの無い聞きやすい音がします。

今な無き長岡鉄夫というオーディオ評論家は、
小さなフルレンジユニットを使って、高効率の自作スピーカーを発表し続け、
一部のオーディオマニアから神的な扱いを受けていました。

長岡鉄夫のファンはらはオーディオマニアと言うよりは、音楽マニアが多く、
高効率のスピーカーからは、生きた音楽が聞こえる来る事を知っていました。

一方、所謂オーディオマニアはJBLのマルチユニットのモニタースピーカーなどに嵌りますが、
これは上手く鳴らす事が非常に難しいシステムで、まともに鳴らした人は少ないでしょう。

大型のマルチユニットではユニット間の繋がりで、周波数特性が乱れ、
さらには日本人はタンスの様な巨大スピーカーを6畳間に押し込んだりしていましたから、
ユニット間の音が混じる事も無く、音場再生などという概念もハナから無視していました。

一時期、録音のワイドレンジ化に伴って導入されたJBLのマルチモニターは、
その後、UREIの同軸2ウェイユニットにその座を奪われます。
ホーン先端の青色のスポンジも鮮やかなUREIのモニターは、
同軸2ウェイ故に、音の繋がりも良く、大型ながら音場再現にも優れていました。

JBLはその後、2ウェイのモニターシステムに移行すると同時に、
UREIを買収して、UREIモニターを市場から消し去りました。(アメリカ人の発想ですね)

ところが、時代はラジカセの時代になり、
大型モニターは少なくなり(当然、楽器個々の録音確認には使用されますが)、
YAMAHAの10Mが大増殖し行きます。

■ 小型スピーカーブーム ■

1985年頃だと思いますが、イギリスのセレッションというメーカーが
SL600という小型密閉方スピーカーを発売します。
(マーシャルのギーターアンプのスピーカはセレッション製です)

SL6という、中級スピーカーのユニットはそのままに、
箱の共振を抑える為に、航空機に用いられていたアルミのハニカム材を
エンクロージャーに用い、レーザー解析で振動を最適化するという
現代的スピーカー設計の原型とも言える製品でした。

SL600は鳴らし難いスピーカーとして名を馳せました。
非力なアンプでは全く鳴らないのです。
ところが、マークレビンソンなどアメリカの純A級のパワーのあるアンプで鳴らすと豹変しました。

スピーカーの存在が消え、そこであたかも演奏していうかの様な空間が生まれたのです。

■ 地獄の一丁目、小型低能率ワイドレンジ・スピーカー ■

SL600の登場までは、スピーカーの効率は90dB以上はありました。
ところがSL600以降は、80dB程度の効率しか無いスピーカーが続々と登場します。

低音が出難い小型のスピーカーなので、
低音の効率に、システムの効率を揃える事で、帯域のバランスを確保したのです。

さらに小型スピーカーで低音を得る為に、ウーファーのユニットは重くなり、
さらに強力な磁気回路の中に設置されました。

これでは、非力なアンプでは、ウーファーから逆流する電流に押されて
まともな再生が出来ません。

さらに、ハイパワーでウーァーを叩き出さなければ、音に勢いが生まれません。

NFBを最小に抑えながらも、出力インピーダンスを小さくして駆動力を稼ぐ為に、
現代の高級アンプは、出力段のトランシスターを多数並列にして、
スピーカーの駆動力を確保しながら、低インピーダンスに対応しました。

小型低能率スピーカーの登場は、アンプの巨大化と高価格化をもたらしましたが、
住宅事情から、大音量の出せない日本のオーディオマニアの多くは、
結局、スピーカーとアンプの実力を出す事なく、買い替えを繰り返していきました。

(この時代のパワーアンプの最高傑作が、初期型KRELLのKSA50やKSA100でしょう。
 2Ωまでを楽々と駆動しながら、繊細で力強く、さらにマッタリとクリーミーな味わい。
 しかしながら、陽炎が立つ程の発熱と、月の電気代が3000円アップに耐えなければなりません。
 エコを目指し、クラーの無い我が家では、半年で売りに出されました。

 でも、人生で最後に聞きたい音を挙げろと言われたら、
 私は間違い無く「初期型のKSA50の音を聞きたい」と答えます。
 スピーカーは・・・SL600・・・いや、APOGEEのフルリボンか・・・)

■ 小型スピーカーが悪いわけでは無い ■

小型スピーカーの先鞭を付けたセレッションですが、
SL3という非常に鳴らしやすい小型スピーカーを発売していました。
今でも実家で使っていますが、FMラジオを聞き流すには最適なスピーカーです。

SL3の上位機種の、SL600の原型であるSL6も素晴らしいスピーカーでした。
小型密閉型のスピーカーですが、低音も結構出たので、
これをどう料理するかが、鳴らす人の腕の見せ所でもありあました。
LINNの黒箱に繋いで鳴らすと、弦楽器は張りがあって、艶やか、躍動感一杯に鳴ります。
又、この組み合わせの、ビートルズは絶品でした。
アメリカのスピーカーでは鳴らし難いビートルズですが、
イギリスのスピーカーとアンプの組み合わせでは、生き生きと鳴ります。

最近ではKEFFのiQ3などは、とても良く出来たスピーカーです。
DALLIのロイヤル・メヌエットも、音楽がとても楽しく聞こえるスピーカーです。

これらの小型スピーカーを使っている内は、オーディオマニアも幸せで居られます。
高音がどうの、低音がどうのと、細かい事も気になりません。

■ 38cm小型2ウェイという選択肢 ■

ご存知の方も多いと思いますが、名古屋のProcableという通販ショップが、
iPodやiTuneのオーディオ活用に一役買いました。

ホームページが強烈なので、アンチ・プロケーブルを量産しましたが、
そこに書かれている事は、技術的には間違いも多いのですが、
結構、従来の常識を外れると、楽しいオーディオライフが返って来る事を証明しています。

先ず、高効率スピーカーを使う事。
問題はほとんどコレで解決します。
生き生きとした音楽が聞こえてきます。

38cmのPAスピーカーを推奨しているので、
私もエレクトロボイスの「Foce i」という比較的小さなPAスピーカーと、
クラウンの25Wの小型アンプD45を購入してみました。

これが意外と素性が良いのですが、
38cmと言えども箱が小さいので低音が出ない。
小型スピーカーよりも低音は少ないのでは無いでしょうか?

ただ、103dBという高効率スピーカーなので、
25Wのアンプで軽快に鳴ります。
とにかく、ドラムなどの音の立下りは早い。
ロックのドラムが、パッシっと決まるのは快感です。

低音を出す秘訣は・・・
私はスピーカーケーブルをステージ用の端子を用いずに
スピーカーのネットワークに直接半田付けしたら、低音のバランスが取れました。

ネットワークとユニットの間も、スピーカーケーブルと同じケーブルで半田付け。
多分、半田の適度な抵抗が、スピーカーに丁度良い負荷になったのではと考えています。
(某サイトでは、電線(Fケーブル)を何百メートルも使ってバランスを取る人も居ましたが、
 単に、それって抵抗じゃなイカ?)
昔からJBLなどの大型SPに抵抗を繋ぐと鳴らしやすいというウワサは聞きます。

因みにスピーカーケーブルはウェスタンエレクトリック社の14Gという錫メッキ線です。
高域が適度にシャラシャラして、ホーンのキツサを抑えてくれます。
クラシックまで聞こうとするならば、錫メッキ線は便利です。

ALLEN&HEATHというイギリスのDJミキサーをプリアンプ変わりに使うと、
帯域を程よく真ん中に集めてくれて、さらにALLENマジックとも言える
独特の艶と響きが加わって、ちょっと手放せなくなります。

使いこなしのミソは、とにかくミキサーで音を絞らずに、
パワーアンプのボリュームで絞る事。
ミキサーのLEDインジケーターはオレンジがチョコチョコ点滅するくらいが、
音が生き生きします。

結局、一般のオーディオでは、パワーアンプに入力する前で
音楽信号を絞ってしまうので、SN比も落ちてしまいますし、
微小信号を扱うプリアンプが、理想的な動作範囲で再生出来ていない事が良く分かります。

■ iTunseはVer7.6 , Windows Xp はSp2 がベスト ■

さて、なんでオーディオの話を長々と書いたかと言うと、
一昨日、出来心で、iTunseのバーションを10.3に上げてしまったのです。

色々なバージョンを試した結果、Ver7.6以降は、中域が薄く、
CDプレーヤーの様なすっきりした音になるのは分かっていましたが、
Appleがあまりに執拗にバージョンアップを薦め、
とうとうiTunseストアーにも入れななくなり、
iTunseの操作画面の下半分もバージョンアップの広告に占拠されるという
Appleのイヤガラセに、とうとう根負けしてのバージョンアップでした。

ところが、何と今度はXPのサービスパック2ではiTunesの10.3は外部スピーカーに音だし出来ない。
XPのサービスパック3は、やはりスカスカの音になるので、
オーディオ用のPCは、苦労してSP3をSP2に戻していました。

結局、HDを一台買い足して、オーディオ用にXPのSP2環境とiTunseのver7.6を再構築する事に。
これが、バックアップファイルを流すだけでは上手く行かず、
結局一晩かけて、ようやく先程、アナログの様なふくよかな音が戻って来ました。

その感動が、ここまで長文を書かせる原動力でしたが・・・そろそろ指が痛いです。
では、秋の夜長を、ビルエバンスの枯葉でも聞きながら・・・。
https://green.ap.teacup.com/pekepon/551.html#comment


▲△▽▼

最高の音を一番安く手に入れる方法 _ パソコンの iTunes ファイル + プリ機能付き DAC + フルレンジスピーカー
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1002.html

プロケーブル社長は音楽も音も全くわからないパラノイアのカルト教祖
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/987.html

プリアンプに金をかけなさい
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1027.html


▲△▽▼


CD プレーヤーは進歩しているのか? 
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/842.html

CD/SACDプレーヤーからPC・ネットワークオーディオへ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/854.html

滅びゆくSACD
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1030.html

CD 専用プレーヤー EAR Acute Classic _ ティム・デ・パラヴィチーニの世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/853.html


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c64

[近代史4] 国民楽派の音楽 中川隆
4. 2020年3月05日 11:59:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[495]

シベリウス 『ペレアスとメリザンド』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/944.html

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/162.html#c4
[近代史3] シベリウス 『ペレアスとメリザンド』 中川隆
1. 中川隆[-13038] koaQ7Jey 2020年3月05日 12:04:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[496]

クラシック音楽 一口感想メモ
ジャン・シベリウス(Jean Sibelius, 1865 - 1957)
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/シベリウス


20世紀を代表する作曲家の一人。冷たく厳しい冬を連想させるような曲が多い。
交響曲作家のイメージが強いが、交響詩の方が分かくて印象的な曲が多いのでお勧めである。

交響曲

クレルヴォ交響曲 ホ短調 op.7
3.8点
5楽章80分近い長大さで独唱と合唱付きという初期の大作。長いが、初期らしい輪郭が明確で力強い骨太の音楽であり、流れに身を任せて楽しく聴ける非常に魅力的な作品。緊密ではない代わりに、広大な大地を旅するような開放的な大きな音楽に胸が膨らむ。伝説的叙事詩の物語の中に一緒に入って体験出来るような感覚になれる。そんな独自な曲だが、シベリウスらしさはバッチリ。

交響曲第1番 ホ短調 op.39
4.0点
既に重要な交響詩を完成してからの作品なので、1番にしてなかなかの完成度と魅力である。1楽章の熱血、2楽章の厳冬期のような壮大な氷の世界、3楽章は動物達が大地で活動しているような野性味、4楽章はさらに壮大。いずれも印象的で素晴らしい。

交響曲第2番 ニ長調 op.43
3.5点
1番より晦渋。野太くて熱い血潮を感じるが、茫洋とした感じも強い。成熟に向かう過渡期的な作品であり、4楽章は確かに分かりやすいが、この曲がシベリウスの交響曲の中で一般的に一番メジャーなのはあまり納得できない。もちろんいい曲ではあるが。

交響曲第3番 ハ長調 op.52
3.5点
2番と似たような感じだが、純度の高い後期に移行し始めていて、2番の熱血が控えめになり後期の純美の世界がたまに顔を覗かせる。2楽章が聴きやすい。全体には茫洋としていて分かりやすくないが、交響詩のような描写的な場面も時々あるので、ずっとよく分からないまま曲が続くことにはならない。

交響曲第4番 イ短調 op.63
3.5点
描写的な場面がほぼ無い。晦渋な心理的描写が続く。従って親しみやすさは全然無いのだが、荘厳さや大自然の厳しさなどのシベリウス音楽の特質の上に立った心理描写なので、音の世界に浸る楽しみがある。雰囲気は暗いのだが、陰鬱ではなく、薄い光の中をさ迷う感じ。

交響曲第5番 変ホ長調 op.82
4.0点
明るく平明な雰囲気は前作とは大きく異なる。50歳記念の祝典の為の曲であり祝典的だが、シベリウスの曲はそれ程明るくは無いが。1楽章は溜めに溜めて爆発的明るさ持っていくような曲。3楽章は眩しい陽光を浴びて、草木も育っていき、心が晴れ晴れとするような感じ。

交響曲第6番 ニ短調 op.104
4.0点
宗教的な奥深い精神性や教会的な響きとそれまでのシベリウスが培った大自然の描写力や骨太さが合わさった曲。前半は分かりやすくないが聴きごたえがすごい。後半は耳につくフレーズが増えて分かりやすくなるし、充実感は前半同様にある。

交響曲第7番 ハ長調 op.105
4.0点
長尺の1楽章制ならではの陶酔や儀式的な雰囲気はこの曲ならでは。純粋さや宗教的な雰囲気が推し進められている。素敵な体験を提供する曲だが、ただし、曲が終わった後に曲のメロディーを思い出そうとしても何も思い出せない不思議な曲でもある。


交響詩

レンミンカイネン組曲(4つの伝説曲) op.22
交響詩『レンミンカイネンとサーリの乙女たち』 op.22-1
3.3点
伝説の雰囲気がカッコいい。曲が18分と長すぎて冗長であり段々飽きてくる。とはいえ、素敵な格好良さに浸りながら聴けるので、聴いた後の印象は良い。

交響詩『トゥオネラのレンミンカイネン』 op.22-2
3.0点
非常にカッコ良くて長めであるにも関わらず飽きないが、メロディーに主張がなく雰囲気だけで曲が成り立っており、まるで映画音楽のようである。

交響詩『トゥオネラの白鳥』 op.22-3
4.0点
川を渡る白鳥を表した曲。イングリッシュホルンのメロディーは透明感がすごい。命の儚さと輝きに満ちておりあまりにも美しい。ロマンティックの極みであり、心を虜にされてしまう。

交響詩『レンミンカイネンの帰郷』 op.22-4
3.0点
躍動感があって格好良いが、曲の展開は平板に感じた。とはいえ、短く引き締まった曲なので締めの曲としては聞きやすい。


その他

交響詩『エン・サガ』 op.9
3.8点
18分程度という長さながら、充実した低音域の演出するゾクゾク感と、古代の伝説に想いを馳せるようなロマンティックなメロディーにうっとりとしているとあっという間である。かなり楽しめる。

交響詩『森の精』 op.15
3.3点
初期らしい骨太さと描写力が魅力の交響詩。中間部から終わりまでの展開は、SF映画のように不思議な世界を冒険しているような感覚で聴けてゾクゾクする。やや洗練度が低い感じはあるものの、マイナー曲にしては魅力的な力作。

交響詩『春の歌』 op.16
3.0点
喜ばしい春が訪れた大自然の壮大さが現されている。しかし音楽に洗練度が足りず発展途上の印象。メロディーの魅力がそこそこであり、管弦楽にも関わらずあまりにも多声的でなくずっと伸ばした音で伴奏をしているのが気になった。

交響詩『フィンランディア』 op.26
3.5点
シベリウスで一番有名な曲との事だが、シベリウスっぽくない。愛国心を鼓舞する熱気につつまれた音楽であり、高揚感と愛国心が見事に表現されたフィンランディア讃歌のメロディーもあり、聴き映えはするものの、極寒の厳しさなどの特色は出ていない。

交響詩『森の精』 op.45-1
3.0点
前半は断片的なフレーズで神秘的な情景を描いた曲。それが段々とリズムを持ってきて、独特の神秘的な舞踏性を帯びて、また元に戻る曲。複数部分のつなぎ方が面白い。

舞踏的間奏曲 op.45-2
2.8点
間奏曲として、コンパクトにまとめられている。シベリウス独特の、奥ゆかしさのある舞踏曲の愉しみがあるものの、やや平凡だと思う。

交響幻想曲『ポホヨラの娘』 op.49
3.0点
伝説をテーマにしておりストーリーがある力作ではあるが、起伏が激しく無骨な感じで甘さに浸れないため、音楽についていくのが大変である。

交響詩『夜の騎行と日の出』 op.55
3.0点
前半の執拗な動機の繰り返しはあまり面白くない。後半のメロディーは魅力があるが、他の交響詩のように伝説をテーマにしなかった代替となるほどの何かを感じない。

交響詩『吟遊詩人』 op.64
3.8点
前半はずっと静謐であり、ハープの悲しい調べが素敵。後半にぱっと世界が広がるが、やはり前半の雰囲気を引きずっており、元に戻って終わる。ロマンティックで甘美の情念の世界に浸れる。

交響詩『ルオンノタル』 op.70 ※ソプラノ独唱付き
3.3点
女声の独唱が入った交響詩。伴奏はいかにも交響詩であるため、歌が入っていても分類として違和感はない。力強い独特の歌のメロディーは面白いし、伴奏は伝説的な雰囲気で他の交響詩と同様の魅力がある。

交響詩『大洋の女神(波の娘)』 op.73
3.5点
古代ギリシャを想起させること、音によるイメージの詩的表現でありパンチが効いた場面はなく柔らかい表現が続く点で、ドビュッシーを連想する。海と女神のイメージが美しく見事に表現されている。

交響詩『タピオラ』 op.112
3.5点
緻密な構成の最後の交響詩で、交響曲の最高傑作ともいわれる。しかし、深い神秘的なもやのかかったような曲であり、かなり難解に感じる。交響曲7番とよく並べて語られるが実際印象は似ている。自分が深く理解力できるのはまだ先になりそうだ。

劇音楽

『カレリア』序曲 op.10

『カレリア』組曲 op.11
3.5点
劇音楽からの抜粋。ワーグナーの影響を感じる。普通に良い曲だが、独創的という感じはしない。3曲目は行進曲風の楽しい気分になれる小品でなかなか良い。

組曲『歴史的情景』第1番 op.25
3.5点
3曲あるが、どれも英雄的な勢いがあり気持ちよいし、表情の明確さと、シベリウス独特の伝説的な響きがあり、楽しめるものになっている。名曲というほどではないにしても、構成は充実しており一本調子ではなく、聴いてよかった、楽しかったという満足感や充実感がキッチリとある。

『悲しきワルツ』 op.44-1
4.0点
劇音楽《クオレマ》の中の1曲。死の病床の場面で夢の中の踊り子と踊る曲だそうだが、上品で複雑な和声を使った陰影や静と動のバランスが絶妙である。短調で悲しみ一辺倒の曲ではない。非常にセンスの良い小品。

『鶴のいる情景』 op.44-2
3.0点
大自然の厳しさを感じさせるワンシーンという感じの短い曲。中間の何度も繰り返される複雑な和音が印象的。

『カンツォネッタ』 op.62a
3.8点
伝説的物語のような響きによる、物悲しい哀愁がたまらない。似たメロディーが例えばチャイコフスキーなら甘くなってしまい、ドボルザークならボヘミア的田舎臭を発するところ、シベリウスが書くと極寒により厳しい環境のなかに生命の息吹を宿すことで洗練されて、ロマンティックで素敵になるから面白い。

『ロマンティックなワルツ』 op.62b
3.3点
シベリウスのワルツには独特の味がある。決して分かりやすく明るくパッと心が開放されないまま、心の中にそっと楽しさを残しておくようなワルツ。雰囲気は良い。

その他管弦楽曲

組曲『歴史的情景』第2番 op.66
3.0点
素晴らしい描写的な作品群の中にあって、この曲はやや地味で描写力や主張が弱いと感じる。あまり感動的ではなかった。しかし、彼の管弦楽曲のファンならば聴いて損がない程度には楽しめると思う。

協奏曲

ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
4.5点
1楽章が素晴らしい。厳しくカッコいいヴァイオリン独奏が自由奔放に暴れまわるような趣でありながら、緊密で交響的であるという困難な事を実現している独創的な楽章。壮大で極寒の世界を想像させる音楽も凄い。曲の真ん中にあるカデンツァも効果的。

2楽章は柔らかくいメロディーが美しくて感動する。
3楽章は雪の中で行われる宴のよう。ノリが良くて楽しい。

ピアノ曲

6つの即興曲 op.5

ピアノ・ソナタ ヘ長調 op.12
3.0点
初期シベリウスの骨太で民族的な魅力、シベリウスの多楽章の曲の魅力を十分に持っていて案外楽しめる。聞いた感じではピアノ書法は確かにあまり洗練されていないようだが、聴きにくい訳ではないため、メロディーや和声の雰囲気を楽しむ分にはあまり問題ない。

3つのソナチネ op.67
2.3点
最初は全く理解出来なかったが、ロマンティックなシベリウスの管弦楽の響きを頭で補完しながら聴いてみたら少し良さが分かった気がした。とはいえ、正直なところ管弦楽曲のような素晴らしさはあまり感じない。独特の音楽世界の片鱗を楽しめるのみである。

10の小品 op.58
3.0点
シベリウスらしい、交響詩で存分に見せているロマンティックな伝説的な雰囲気を、ここでもピアノに翻訳して見せている。名曲というほどの作品はないが、瞬間的な美しさや素敵さはどの曲にもある。ただし、他の作品集にも共通するが、ピアノ書法がぎこちないので10曲も聴くと疲れてしまう。

5つの小品 op.85
3.0点
花の組曲と呼ばれていて、花の題名が各曲についている。1から2分の短い曲ばかり。聞きやすく可愛らしさのなかに小さな命の美しさを表していて詩的であり、シベリウスならではの儚い美しさでなかなか感動できる。

5の小品 op.101
3.0点
ロマンティックで明快ではあるが、壮年らしい鎮静の世界で懐の深さを持った小品が並んでいる。懐かしい気分になる場面が多いが、それだけでなく新しい事にチャレンジする精神を併せ持っている気がする。

5の小品 op.114
3.3点
シベリウス最後のピアノ作品集。独特の茫洋とした音の塊が生み出す美の世界は、分かりやすいロマンティックさとは違うが、心を掴む他にはない独特の魅力がある。北欧の極寒が心を鍛えるとこうなるのだろうか。ピアノ書法は最後まで十分な洗練には至らなかったが、この独自世界に到達したことは充分な業績だと思う。

室内楽曲

弦楽四重奏曲 変ロ長調 op.4(1890年)

弦楽四重奏曲 ニ短調「親しき声」 op.56(1909年)
3.3点
シベリウスらしい晦渋な難解さである。分かりやすいメロディーはほとんど登場しない。あまり室内楽っぽくなくて、交響的な響きの充実が志向されていると感じる。内容は盛りだくさんであり、切れ目なしに演奏される5つの楽章で扱われる楽想はダイナミックに展開し、聞き所を多く提供している。晦渋すぎて十分に理解できないと思いつつも、なんとなく心を惹かれるものがあるから、やはり魅力的な曲だと思う。交響曲に準じる大作と言っていいだろう。木管の柔らかい色彩がないため、骨太でモノクロの原石からシベリウスの魅力を削りだしたような音楽である。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/シベリウス
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/944.html#c1

[リバイバル3] ハイエンド・スピーカーの世界 中川隆
142. 中川隆[-13037] koaQ7Jey 2020年3月05日 12:22:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[497]

スピーカーの歴史


1) 蓄音機・電蓄と劇場用 PAスピーカー

@ 蓄音機

・ Victor Talking Machine Company Victrola Credenza (1925)
・ HMV HMV203 (1930)

▲△▽▼

A 電蓄(All Electric Phonograph)

・ アメリカ ジェネラル・エレクトリック(GE)の Chester W. Rice と Edward W. Kellogg が紙を振動板にしたコーン型スピーカーを考案 (1925)
・ Brunswick Panatrope with Radiola PR-6 (1926-27)
(Rice & Kellogg が世界で最初に考案した6インチ コーン型スピーカーを搭載)
・Decca Decola (1947) : モノラル仕様, スピーカー Goodmans×3, 出力管 PX25(Osram)×2
・Decca Decola (1953) : モノラル仕様, スピーカー Tannoy 同軸型ユニット, 出力管 PX25(Osram)×2
・Decca stereo Decola (1959) : ステレオ仕様, スピーカー EMI, 出力管 EL34(MULLARD)×2

▲△▽▼


⓷ 蓄音機の系統の劇場用 PAスピーカー

・ Western Electric WE551 Driver
http://mikami.a.la9.jp/audio/551/551.htm

・ Western Electric WE555 Driver (1926)
http://mikami.a.la9.jp/audio/starplayer/starplayer.htm
http://mikami.a.la9.jp/audio/we555_r1/we555_r1.htm
http://mikami.a.la9.jp/audio/we555_r2/we555_R2.htm
http://mikami.a.la9.jp/audio/expr2023/expr2023.htm


・ G.I.P.Laboratory GIP-555 - 555W : WE555 ドライバーのレプリカ
http://www.gip-laboratory.com/seihin555.html

G.I.P.Laboratory Western Electric WE555 のレプリカ・ドライバーを使ったスピーカーシステム

@) G.I.P.Laboratory GIP-12A horn system : Western Electric WE555 のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法: W:1143 × H:1715 × D:1194, 片チャンネル重量 92kg
http://www.gip-laboratory.com/seihin12system.html

A) G.I.P.Laboratory GIP-30154 horn system : Western Electric WE555W のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法: W:1735 × H:1336 × D:660, 片チャンネル重量 280kg
http://www.gip-laboratory.com/seihin30154hornsystem.html

▲△▽▼

C 劇場用 PAスピーカー

・ Western Electric 594A Driver (1933)
http://mikami.a.la9.jp/audio/we594a/we594a.htm?.tok=bcwjY6SBu.hmxIxe&.dir=/594A&.src=ph
http://mikami.a.la9.jp/audio/24a594a/24a594a.htm
http://mikami.a.la9.jp/audio/freqadjust/freqadjust.htm

・ G.I.P.Laboratory GIP-594A : WE594A ドライバーのレプリカ
http://www.gip-laboratory.com/seihin594.html


G.I.P.Laboratory Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバーを使ったスピーカーシステム

@) G.I.P.Laboratory GIP 7396 system : Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法: W:1735 × H:1336 × D:660 , 片チャンネル重量 280kg
http://www.gip-laboratory.com/seihin7396system.html


A)G.I.P.Laboratory GIP-7331 system : Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法 : W660 × H1130 ×D950, 片チャンネル重量 100kg
http://www.gip-laboratory.com/seihin7331system.html


B) G.I.P.Laboratory GIP-7003 system : Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法 : W1410 ×H1150 ×D1097
http://www.gip-laboratory.com/seihin7003system.html


C) G.I.P.Laboratory GIP-5003 system : Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバー使用
6〜10畳のリスニングルーム用
http://www.gip-laboratory.com/seihin5003system.html

・ ALTEC LANSING The Voice of the Theater A5system (1945)
・ ALTEC LANSING The Voice of the Theater A7system (1954)
・ ALTEC LANSING 615B (1968)
・ Western Electric LONDON 2080-A、2090-A
・ VITAVOX BASS BIN (1980年)

・ KLANGFILM Early systems (1928 - 1931)
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10392&i=10505

・ Klangfilm Europa (early version, 1932) 
https://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10392

・ Klangfilm Eurodyn (1945)
https://www.klang.jp/index.php?ci=10392&i=10396

・ Siemens Wide Angle
http://audio-heritage.jp/SIEMENS/speaker/c70233-b5016-a11.html
https://www.hifido.co.jp/sold/?KW=&G=0201&LNG=J&O=0&L=10&C=08-38901-24205-00


適合アンプは Western Electric, Westrex, Klangfilm, Telefunken の真空管アンプ

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2) 劇場用 PAスピーカーを家庭で使える様に変更したスピーカー

@ Western Electric の系統

・Western Electric 755A (1947) : インピーダンス 4Ω, フィックスドエッジ, 列車の車内放送用として開発, 建物の壁や天井に埋め込んで使用する
http://mikami.a.la9.jp/audio/we755a/we755a.htm

・Western Electric KS-14703 (1950) : インピーダンス 4Ω, フィックスドエッジ, ALTEC でアッセンブルした 755A 同等品
http://www.jupiteraudio.com/2145/2145.html

・ALTEC LANSING 755A (1954) : KS-14703 でインピーダンス を 4Ω から 8Ωに変更

・ALTEC LANSING 755B (1954) :インピーダンス 8Ω, 755A のフィックスドエッジからフリーエッジに変更

・ALTEC LANSING 755C (1963) : インピーダンス 8Ω, 755B のアルニコマグネットをフェライトマグネットに変更

・ALTEC LANSING 755E (1968) : インピーダンス 8Ω, フリーエッジ, フェライトマグネット
通称”パンケーキ”
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/c003aa45613620602ef65da5e4ed65f5

・ SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋) LM 755A (2012) : Western Electric 755A の粗悪なレプリカ, 12万円・ペア/税抜
中国 Line Magnetic社製
(WE755A が KSランドセル(KS12046)ボックスと組み合わされた事は過去には無い)
https://www.kit-ya.jp/products/detail/723

・JENSEN G-610B Triaxial (1950年代頃)
・Electro-Voice Patrician 800 (1950)
・Electro-Voice Georgian (1950年頃)
・Electro-Voice Baronet (1952)
・JBL D130(1948)
・JBL LE15A (1962)
・JBL LE8T (1962)

・ JBL Hartsfield D30085 初期型 (1954) : 2 wayシステム, ドライバー 375SIG + ウーファー 150-4C
・ JBL Hartsfield D30085 中期型 (1959〜1963) ; 3 wayシステム, ドライバー 375SIG + ウーファー LE15A + トィーター 075
・ JBL Hartsfield D30085 replica 1 (1970年頃) : 外見だけ同じで中身は別物
http://island.geocities.jp/umanose8818/harts/hartsfield.html

・ JBL Hartsfield D30085 replica 2 (2017) ケンリックサウンド復刻版 : 630万円・ペア/税抜
http://jbl43.com/?pid=57641713

・JBL Paragon D44000 (1957)
http://audio-heritage.jp/JBL/speaker/paragon.html
http://fukuroo3.com/paragon1.html
http://fukuroo3.com/paragoninfo.html
http://fukuroo3.com/paragon55.html

・ JBL Paragon D44000 replica (2013) ケンリックサウンド復刻版 : 548万円・税抜
http://jbl43.com/?pid=49469572

・JBL Olympus (1960年)
・BOZAK B-410 Moorish The Concert Grand (1951)
・BOZAK B-4000 Symphony No1 (1966)

適合アンプは Marantz, Machintosh の真空管アンプ

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A Western Electric LONDON の系統

・Goodmans Axiom80 prototype (1934) : 軍事施設内での PA用スピーカーユニット
・Goodmans Axiom80 origina (1948) : E.J.Jordan が Axiom80 をオーディオ用に転用する為に ARU付エンクロージャーを開発し、再生産
・Goodmans Axiom80 replica 1 (1970年代) : 補修部品で復刻。オリジナルと同等のコーン紙を使用している。
・Goodmans Axiom80 replica 2 (1984) : オーディオ・ニックスで復刻(約1000本)。 カンチレバーの材質(ベークライト)を変更、コーン紙はオリジナルより厚くしている。

・VITAVOX CN-191 Corner Horn (1947)
http://audio-heritage.jp/VITAVOX/speaker/cn-191.html

・VITAVOX CN-191 Corner Horn 復刻版(2012) : 400万円・ペア/税抜
http://www.imaico.co.jp/vitavox/
https://audiodripper.jp/vitavox-cn191-used


・PARMEKO LS/1
・Tannoy Monitor Black (1947〜53)
・Tannoy Monitor Silver (1953〜57)
・Tannoy Monitor Red (1957〜67)
・Tannoy Monitor Gold (1967〜74)
・Tannoy HPD385 (1974〜76)
・Tannoy HPD385A (1976〜79) :タンノイ最後のアルニコ仕様
・Tannoy HPD315 (1974〜79) :タンノイ最後のアルニコ仕様
・Tannoy DC386 (1979〜 : この時期からアルニコからフェライトへ変更になる
・Tannoy K3808 (1979〜 : この時期からアルニコからフェライトへ変更になる
・Tannoy Corner York 15in (1950)
・Tannoy Corner York 12in (1950年代後半)
・Tannoy Autograph (1953) : 15in
・Tannoy Autograph Millennium (2001) : 500万円・ペア/税抜
・Tannoy Landsdown (1954) : 12in
・Tannoy GRF (1955) : 15in
・Tannoy Canterbury (1950年代後半): 12in
・Tannoy Chatsworth U (1950年代後半) : 12in
・Tannoy V-LZ in Cabinet (1961) : 10in
・Tannoy Rectangular York (1967) : 15in
・Tannoy Rectangular GRF (1968) : 15in
・Tannoy Arden (1976) : 15in
・Lowther TP-1 typeA (1954) : 16cmコーン型(PM3)
・Lowther TP-1 typeD (1968) : 16cmコーン型(PM3)
・Lowther Acousta (1957) : 16cmコーン型(PM6)
・Lowther Audiovector (1958) : 16cmコーン型(PM2mk1、PM4)
・Lowther Dual-position Acousta (1966) : 16cmコーン型(PM6)
・Lowther Mini Acousta (1967) : 16cmコーン型(PM6mk1)
・Lowther Auditorium Acousta (1972) : (前面)16cmコーン型(PM6mk1), (背面)16cmコーン型(PM6)

・Lowther Super Acousta (1972) : 16cmコーン型ラ2 (PM6、PM6mk1)

・Wharfedale Super 15, Super 12, Super 8, Super 3 (1950年代)

・Wharfedale Airedale (1950年代中頃)

・Wharfedale W70 (1950年代後期)

・Wharfedale SFB/3 Deluxe (1960年代)

・Hartley Concert Master VI

適合アンプは Lowther, Leak, Tannoy, QUAD の真空管アンプ

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3) モニター・スピーカー

@ アメリカ

・Western Electric TA7388 (1930年代) :  映写室用モニタースピーカーシステム , フルレンジスピーカーユニット TA4189 + TA7355メタルキャビネット + WE95A アンプ
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/660c449fabb8b587763c63e6ac6199f9
http://www43.tok2.com/home/temasumo/article/2006/r-tec0601_(03)WE398A-single-monitor-power-amp_AtarashiT.pdf

・G.I.P.Laboratory GIP-225 system : フルレンジスピーカーユニット TA-4189A のレプリカを使った2ウェイ 2スピーカー・フロントロードホーンシステム
片チャンネル寸法 : W:480 × H:940 × D:460
http://www.gip-laboratory.com/seihin225system.html


・ALTEC LANSING 601 (1943)

・ALTEC LANSING 604 (1945)

・ALTEC LANSING 604E (1967)

・ALTEC LANSING 605B (1967)

・ALTEC LANSING 601-8D (1970)

・JBL 4320 (1971)

・JBL 4350 (1973)

・JBL 4343/4343WX (1976)

・JBL 4344 (1982)

・JBL 4348 (2002)

・JBL 4311B/4311BWX (1979)

・JBL 4312 (1982)

・UREI 811B (1984)

・UREI 813 (1984)
・Westlake Audio TM-1 (1971)

・Westlake Audio TM-2 (1974)

・Westlake Audio HR-1/HR-2/HRV-2 (1979)

・Westlake Audio TM-3/TMV-3/TM-4 (1981)

・Westlake Audio TM-1/TM-2mkII/TMV-2mkII (1982)

・Westlake Audio TM-6 (1982)

・Westlake Audio HR-7F (1982)

・Westlake Audio BBSM-6 (1982)

・Westlake Audio BBSM-10 (1984)

・Westlake Audio BBSM-15 (1990)

・Westlake Audio Referenceシリーズ Tower SM-1 : 4100万円・ペア/税抜

・Westlake Audio Referenceシリーズ SM-1F

・Westlake Audio Referenceシリーズ TM-3
http://www.avseartron.com/Referencer_series.html

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A イギリス

・QUAD ESL57 (1953) : BBC でモニター・スピーカーとして使用

・QUAD ESL63pro (1986) : Philips でモニター・スピーカーとして使用

・BBC Monitor LSU/10 (1950年代): Parmeko 15in 同軸2ウェイユニット + Lorentz LPH65ツィーター + LEAKアンプ

・BBC Monitor LS3/1 (1958) : Plessey 又は Parmeco の15in ペーパーコーンウーファー, ツィーター Celestion HF1300

・BBC Monitor LS3/1A :ウーファー Goodmans OODMAN C129/15pr, ツィーター Celestion HF1300

・BBC Monitor LS5/1 (1958) : ウーファー Goodmans OODMAN C129/15pr, ツィーター Celestion HF1300

・BBC Monitor LS5/1A (1960) : ユニットを KEF製に変更

・BBC Monitor LS5/1AC (1960) : ユニットを KEF製に変更、アンプ内蔵

・BBC Monitor LS5/5 (1965) : ベクストレーンコーンの (12in ウーファー + 8in ミッドレンジ) + ツイーター Celestion HF1400

・BBC Monitor LS3/M (1967) : Goodmans社製 MAXIMスピーカーシステムをモニターシステムとして使用

・BBC Monitor LS3/6 (1969): Celestion製, スーパー・ツイーターは Celestion HF2000

・Rogers ExportMonitor (1976) : LS3/6 をベースにコンシューマー用として開発されたスピーカーシステム

・Stirling Broadcast LS-3/6 (2011) : 70万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=3748
https://www.ippinkan.com/quad_11l_signatuer.htm

・BBC Monitor LS3/5 (1974) : ウーファー KEF B110, ツィーター KEF T27, デバイディングネットワーク BBC製 FL6/16

・BBC Monitor LS3/5A (1975) : 製造は Rogers, デバイディングネットワークを FL6/23 に変更

・Rogers LS3/5A (1980)

・Spendor LS3/5A pro (1980年代後半頃)

・HARBETH LS3/5A (1987)

・Harbeth Mastering Monitor20 (2006):BBC のグレード2音声モニター用(ナレーションなどのチェック用モニター)に開発された LS3/5A のリプレイス・モニタースピーカー

・KEF LS3/5A Signature Model (1994)

・KEF LS50 standard (2012) : LS3/5Aのモダンバージョンとして作られたモデル, 14.5万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000604179/


・Stirling Broadcast LS-3/5A V2 (2011) : 28万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=3748
https://www.ippinkan.com/quad_11l_signatuer.htm
https://www.ippinkan.com/LS35_59_58.htm


・AIRPULSE A200 (2017) : アクティブスピーカー, Acoustic Energy AE1 と同じ設計者、9.2万円・ペア/税抜
https://airpulseaudio.jp/


・Rogers LS3/5A BBC モニタースピーカー : ウーファーのサイズ、コーン紙の材質などが新しくなり音質はオリジナルと変わっています。 28.8万円・ペア/税抜
http://ippinkan.jp/shopdetail/000000003426/BC013500/page1/order/
http://www.rogers-japan.com/1_1.html

・Rogers LS3/5A XLR BBCモニタースピーカー: ウーファーのサイズ、コーン紙の材質などが新しくなり音質はオリジナルと変わっています。28.8万円・ペア/税抜
http://ippinkan.jp/shopdetail/000000003426/BC013500/page1/order/
http://www.rogers-japan.com/1_4.html

・Rogers LS3/5A (65th Anniversary Edition) (2011) : 16.2515万円・ペア/税抜
http://www.rogers-japan.com/1_5.html
https://www.ippinkan.com/quad_11l_signatuer.htm

・Rogers LS3/5A (70th Anniversary Edition) (2016): 42.984万円・ペア/税抜
http://www.rogers-japan.com/1_250.html

・BBC Monitor LS3/7 : Audax製ドームトゥイーター HD12

・BBC Monitor LS5/8 (1976) : Chartwell社製 12in ポリプロピレンコーンウーファー + Audax製ドームトゥイーター + QUAD405アンプ

・Rogers LS5/8(AM8/16) (1988)

・Rogers PM510 (1988) :LS5/8 からパワーアンプを除きネットワーク経由で駆動する民生用


・Graham Audio LS5/8 (2015) : 170万円・ペア/税抜
http://ippinkan.jp/shopdetail/000000001826/

・BBC Monitor LS5/9 (1985) 

・Rogers LS5/9 (1985)


・Rogers LS5/9 (65th Anniversary Edition) (2011) : 43.2万円・ペア/税抜
http://www.rogers-japan.com/1_7.html

・Graham Audio LS5/9 (2014) : 65万円・ペア/税抜
http://ippinkan.jp/shopdetail/000000001830/


・Harbeth Mastering Monitor30 (2003) : BBC の LS5/9 のリプレイス・モニターとして開発されたスピーカーシステム。

・BBC Monitor LS5/12A (1995) : BBCモニターの最終モデル, Harbeth社製, ユニットは Dynaudio

・Spendor BC1 (1969) : スーパー・ツイーターは Coles STC 4001

・Harbeth Monitor HL (1980)

・Harbeth HL TypeIV

・Harbeth HL5 (1988)

・Tannoy Windsor (1980)

・Tannoy Buckingham Monitor (1980)

・Tannoy Super Red Monitor (1980)

・B&W 801 (1979)

・B&W 801F (1982)

・B&W 808 (1984)

・B&W Nautilus (1995)

・B&W Nautilus 801 (1998)


・B&W 800 D3 (2016) : 425万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000910821/


・Acoustic Energy AE1 (1990)
・Acoustic Energy AE1 Signature (1996)
・Acoustic Energy AE1 mk3 (2004)
・Acoustic Energy AE1 Classic (2006) : AE1の復刻モデル, 35万円・ペア/税抜
http://www.yoshidaen.com/AE.html
http://www.acoustic-energy.co.uk/

・Acoustic Energy AE2 (1990)
・Acoustic Energy AE2 Signature (1996)


・Acoustic Energy Reference 1 (2013) : 40万円・ペア/税抜
http://www.yoshidaen.com/AE.html
http://www.acoustic-energy.co.uk/

・AIRPULSE A200 (2017) : アクティブスピーカー, Acoustic Energy AE1 と同じ設計者、9.2万円・ペア/税抜
https://airpulseaudio.jp/


・ATC SCM100 (1991)
・ATC SCM100A (1990) : 3チャンネルパワーアンプをビルトインしたアクティブ・スピーカーシステム
・ATC SCM100P
・ATC SCM200 (1991)

・ATC SCM100Tsl (2005): 270万円・ペア/税抜

・ATC SCM100SL PT : 230万円・ペア/税抜
http://www.homeshokai.jp/product/atc.html


・ATC SCM150SL PT: 350万円・ペア/税抜
http://www.homeshokai.jp/product/atc.html


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⓷ ヨーロッパのモニター・スピーカー

・ Schulz O18

・ Siemens Coaxial

・ Isophon Orchester

・ PHILIPS RH545 (1979)

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C 日本
・YAMAHA NS-1000M (1974)

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4) ソースには入っていない低音、倍音成分や残響音で色付けされた民生用スピーカー

@ アメリカ

・AR(Acoustic Research) AR-3a (1966)

・AR(Acoustic Research) AR-4x (1967)

・BOSE 901 (1967)

・BOSE 901 WestBorough (2004)

・BOSE 101 (1982)

・BOZAK B-4000A Moorish Symphony (1977)

・BOZAK B-302A Moorish Concerto V (1977)

・McIntosh XRT20 (1979) : 197.6万円・ペア/税抜

・McIntosh XRT22s (1986) : 180万円・ペア/税抜

・McIntosh XRT26 (1995) : 220万円・ペア/税抜

・McIntosh XRT2K (2012) : 1100万円・ペア/税抜

・INFINITY IRS (1980) : 1000万円・ペア/税抜

・INFINITY IRS-V (1988) : 1200万円・ペア/税抜

・UREI 813Bx (1985)

・JBL L110 (1978)

・JBL EVEREST DD55000 (1986)

・JBL Project K2 S9500 (1989)

・JBL Project K2 S5500 (1993)

・JBL Pjoject K2 S9800 (2001)

・JBL Project K2 S9900 (2009) : 370万円・ペア/税抜

・JBL Project EVEREST DD66000 (2006) : 560万円・ペア/税抜

・JBL Project EVEREST DD67000 (2012) : 600万円・ペア/税抜

・Wilson Audio System5 (1994) : WATT/PUPPY と同じ形態・サイズ

・Wilson Audio Sophia (2001)

・Wilson Audio Sophia 3 (2010): 220万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=3297

・Wilson Audio Sasha Series-2 (2014): 440万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=3297


▲△▽▼

A イギリス

・KEF Cantata (1965)

・KEF Model 104aB(SP1038) (1976)

・Jordan Watts STEREOLA DSP-100 (1967)

・Jordan Watts FLAGON (1974)

・VITAVOX Bitone Major (1970年代前半頃)

・VITAVOX DU-121 (1970年代前半頃)

・Spendor BC-V (1970)
・Spendor BC-II (1973)

・spendor Classic 100 (2017) : 120万円・ペア/税抜
・spendor Classic 1/2 (2017) : 75万円・ペア/税抜
・spendor Classic 2/3 (2017) : 50万円・ペア/税抜
・spendor Classic 3/1 (2017) : 34万円・ペア/税抜
・spendor Classic 3/5 (2017) : 25万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=2685
http://www.triode.co.jp/spe/introduction.html

・Celestion Ditton25 (1975)
・Celestion Ditton66 (1975)

・Harbeth Monitor HL (1980) : 27.6万円・ペア/税抜

・Harbeth HL-Compact (1987) : 23.6万円・ペア/税抜

・Harbeth HL-Compact 7ES-3 (2006) : 最安価格:32万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000221461/

・Tannoy Westminster (1982) : 190万円・ペア/税抜

・Tannoy Westminster Royal-GR (2013) : 600万円・ペア/税抜

・Tannoy Stirling (1983) : 39.6万円・ペア/税抜

・Tannoy Stirling-GR (2013) : 76万円・ペア/税抜

・Tannoy Autograph Millennium (2001) : 500万円・ペア/税抜

・B&W Silver Signature 25 (1993) : 116万円・ペア/税抜

・B&W Signature Diamond (2007) : 260万円・ペア/税抜

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⓷ ヨーロッパ
・Sonus Faber Electa Amator (1988) : 66万円・ペア/税抜

・Sonus faber Minima (1990) : 24万円・ペア/税抜

・Sonus faber Minima Vintage (2008) : 45万円・ペア/税抜

・Sonus Faber Guarneri Homage (1993) : 155万円・ペア/税抜

・Sonus Faber Guarneri Memento (2006) : 175万円・ペア/税抜

・Sonus Faber Stradivari Homage (2003) : 560万円・ペア/税抜

・Studio Franco Serblin Accordo (2011) : 123万円・ペア/税抜

・ELAC 213-4π (1990)

・Acustik-Lab SYSTEM 1.2 (1990) : 9.8万円・ペア/税抜

・Acustik-Lab Stella Elegans (1996) : 268万円・ペア/税抜

・Acustik-Lab Stella Opus (1999) : 86万円・ペア/税抜

・Acustik-Lab Stella Harmony (1999) : 24.8万円・ペア/税抜

・Acustik-Lab Bolero Nuvo (2007) : 12.4万円・ペア/税抜, Acustik-Lab の最終製品


適合アンプは
・Mark Levinson, CELLO, Mcintosh, Krell, Goldmund, Viola, First Watt, Burmester, FM Acoustics のトランジスタ・アンプ
・Counterpoint, Conrad-Johnson, EAR, Unison-Research, OCTAVE の真空管アンプ

▲△▽▼

5) プレーナー型スピーカー

@アメリカ
・ACOUSTAT Model 2M (1980)
・ACOUSTAT Model 3M (1980)
・Apogee SCINTILLA (1984): 176万円・ペア/税抜
・Apogee APOGEE (1987) : 335万円・ペア/税抜
・Apogee DIVA (1987) : 198万円・ペア/税抜
・Apogee DUETTA (1987) : 98.5万円・ペア/税抜
・Apogee Caliper Signature (1987) : 53万円・ペア/税抜
・Martin Logan CLSII (1990) : 78万円・ペア/税抜
・Martin Logan CLS IIz (1996)
・Martin Logan Statement Evolution II (2001) : 1480万円・ペア/税抜

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A イギリス
・QUAD ESL57 (1953)
・QUAD ESL63 (1981) : 72万円・ペア/税抜
・QUAD ESL63pro (1986) : 86万円・ペア/税抜
http://www.geocities.jp/soundpoint55/index.html

・QUAD ESL989 (2000) : 150万円・ペア/税抜
・QUAD ESL988 (2000) : 136万円・ペア/税抜
・QUAD ESL2905 (2006) : 180万円・ペア/税抜
・QUAD ESL2805 (2006) : 140万円・ペア/税抜
・QUAD ESL2912 (2013) : 260万円・ペア/税抜
・QUAD ESL2812 (2013) : 210万円・ペア/税抜
http://www.rocky-international.co.jp/quad/esl/esl28122912.html

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⓷ ドイツ
・QUAD Musikviedergab GmbH ESL57QA (2017) : 130万円・ペア/税抜
・QUAD Musikviedergab GmbH ESL63QA (2017) : 160万円・ペア/税抜
・QUAD Musikviedergab GmbH ESL63 QA Desk Top (2017)
・QUAD Musikviedergab GmbH Braun LE1 (2017)
http://www.soundbox.co.jp/
http://www.quad-musik-shop.com/epages/62919310.sf/en_GB/?ObjectPath=/Shops/62919310/Categories/Elektrostaten

▲△▽▼

C 日本
・STAX ELS-F83 (1983) : 96万円・ペア/税抜

・STAX ELS-8X (1985) : 100万円・ペア/税抜

・STAX ELS-F83X (1989) : 100万円・ペア/税抜

・STAX ELS-8X・BB (1990) : 170万円・ペア/税抜

・SONY SS-R10 (1996) : 300万円・ペア/税抜

▲△▽▼

6) 現行の人気スピーカー

@ アメリカ
・JBL Project K2 S9900 (2009) : 370万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000021389/spec/

・JBL Project EVEREST DD67000 (2012) : 600万円・ペア/税抜
https://www.ippinkan.com/SP/jbl_page1.htm

・McIntosh XRT2K (2012) : 1100万円・ペア/税抜
http://www.ippinkan.com/mcintosh/mcintosh_page1.htm

・Westlake Audio Towerシリーズ TOWER HR-7 : 1800万円・ペア/税抜

・Westlake Audio Towerシリーズ TOWER-12 : 1100万円・ペア/税抜
http://www.avseartron.com/Tower_series.html

・Westlake Audio BBSMシリーズ BBSM-15SWP:1200 万円・ペア/税抜

・Westlake Audio BBSMシリーズ BBSM-15F :1100万円・ペア/税抜

・Westlake Audio BBSMシリーズ BB10VF : 496万円・ペア/税抜

・Westlake Audio BBSMシリーズ BBSM-6F : 216万円・ペア/税抜

・Westlake Audio BBSMシリーズ BBSM-4F : 98万円・ペア/税抜
http://www.avseartron.com/BBSM_series.html


・Westlake Audio Lcシリーズ Lc3W12VF

・Westlake Audio Lcシリーズ Lc3W10VF

・Westlake Audio Lcシリーズ Lc24.75F

・Westlake Audio Lcシリーズ Lc8.1F : 98 万円・ペア/税抜

・Westlake Audio Lcシリーズ Lc6.75F : 84万円・ペア/税抜

・Westlake Audio Lcシリーズ Lc5.75F : 77.8万円・ペア/税抜

・Westlake Audio Lcシリーズ Lc4.75F : 69.8万円・ペア/税抜
http://www.avseartron.com/Lc_series.html

・Wilson Audio WATT3 + PUPPY2 (1991): 255万円・ペア/税抜

・Wilson Audio Sophia 3 (2010): 220万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=3297

・Wilson Audio Sasha Series-2 (2014): 440万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=3297


・Magico Ultimate III (2014) : 1億円・ペア/税抜
https://www.phileweb.com/review/article/201407/10/1259.html

・Magico M3 : 1048万円・ペア/税抜

・Magico Q1 (2011) : 400万円・ペア/税抜 生産完了
https://www.ippinkan.com/magico_q1.htm
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=7461


・MAGICO Q7 MKII (2015) : 3600万円・ペア/税抜
http://ippinkan.jp/shopbrand/BC009100/
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=7461


・MAGICO S3 (2014) : 320万円・ペア/税抜
・Magico S3 Mk2 (2017) : 400万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=7461
https://www.ippinkan.com/event_news/3goukan/2017-12-3_magico/20171203_magico.htm

・YG Acoustics Sonja XV jr (2017) : 2700万円・ペア/税抜
http://e.ippinkan.com/shopbrand/BC018000/


▲△▽▼


A イギリス

・Harbeth HL-Compact 7ES-3 (2006) : 最安価格:32万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000221461/

・Acoustic Energy AE1 Classic (2006) : AE1 の復刻モデル, 35万円・ペア/税抜
http://www.yoshidaen.com/AE.html
http://www.acoustic-energy.co.uk/

・Acoustic Energy Reference 1 (2013) : 40万円・ペア/税抜
http://www.yoshidaen.com/AE.html
http://www.acoustic-energy.co.uk/

・AIRPULSE A200 (2017) : アクティブスピーカー, Acoustic Energy AE1 と同じ設計者、9.2万円・ペア/税抜
https://airpulseaudio.jp/


・Rogers LS3/5A BBC モニタースピーカー : ウーファーのサイズ、コーン紙の材質などが新しくなり音質はオリジナルと変わっています。 28.8万円・ペア/税抜
http://ippinkan.jp/shopdetail/000000003426/BC013500/page1/order/
http://www.rogers-japan.com/1_1.html

・Rogers LS3/5A XLR BBCモニタースピーカー: ウーファーのサイズ、コーン紙の材質などが新しくなり音質はオリジナルと変わっています。28.8万円・ペア/税抜
http://ippinkan.jp/shopdetail/000000003426/BC013500/page1/order/
http://www.rogers-japan.com/1_4.html


・Rogers LS3/5A (65th Anniversary Edition) (2011) : 16.2515万円・ペア/税抜
http://www.rogers-japan.com/1_5.html
https://www.ippinkan.com/quad_11l_signatuer.htm

・Rogers LS3/5A (70th Anniversary Edition) (2016): 42.984万円・ペア/税抜
http://www.rogers-japan.com/1_250.html


・ATC SCM100SL PT : 230万円・ペア/税抜
http://www.homeshokai.jp/product/atc.html


・ATC SCM150SL PT: 350万円・ペア/税抜
http://www.homeshokai.jp/product/atc.html

・Stirling Broadcast LS-3/5A V2 (2011) : 28万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=3748
https://www.ippinkan.com/quad_11l_signatuer.htm
https://www.ippinkan.com/LS35_59_58.htm

・Stirling Broadcast LS-3/6 (2011) : 70万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=3748
https://www.ippinkan.com/stirling_broadcast_36.htm


・KEF LS50 standard (2012) : LS3/5Aのモダンバージョンとして作られたモデル, 14.5万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000604179/

・Graham Audio LS5/9 (2014) : 65万円・ペア/税抜
http://ippinkan.jp/shopdetail/000000001830/

・Graham Audio LS5/8 (2015) : 170万円・ペア/税抜
http://ippinkan.jp/shopdetail/000000001826/

・Tannoy Kingdom Royal-GR (2013) : 960万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000608077/

・Tannoy Westminster Royal-GR (2013) : 600万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000584701/

・Tannoy Stirling-GR (2013) : 76万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000584705/

・QUAD ESL2912 (2013) : 260万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000453876/

・QUAD ESL2812 (2013) : 210万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000453875/

・QUAD Musikviedergab GmbH ESL57QA (2017) : 130万円・ペア/税抜

・QUAD Musikviedergab GmbH ESL63QA (2017) : 160万円・ペア/税抜

・QUAD Musikviedergab GmbH ESL63 QA Desk Top (2017)

・QUAD Musikviedergab GmbH Braun LE1 (2017)
http://www.soundbox.co.jp/
http://www.quad-musik-shop.com/epages/62919310.sf/en_GB/?ObjectPath=/Shops/62919310/Categories/Elektrostaten

・B&W 800 D3 (2016) : 425万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/item/K0000910821/


・B&W 802D3 (2016) : 340万円・ペア/税抜
http://www.bowers-wilkins.jp/Speakers/Home_Audio/800_Series_Diamond/802-D3.html#close


・B&W 805 D3 (2016) : 88万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/search_results/805d3/?category=0002_0019

・VIVID audio GIYA G1 SPIRIT (2016) : 900万円・ペア/税抜
http://www.stella-inc.com/02vividaudio/lineup.html

・Monitor Audio  Platinum Series II PL500II (2016) : 320万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=722&pdf_so=p2

・Monitor Audio  Platinum Series II PL300II (2016) : 160万円・ペア/税抜
http://kakaku.com/kaden/speaker/itemlist.aspx?pdf_ma=722&pdf_so=p2


▲△▽▼


⓷ ヨーロッパ


・German Physiks Gaudi MKII front(2002) : 60畳以上の部屋でないと上手く鳴らない, 2800万円・ペア/税抜

・German Physiks PQS 402 (2006) : 980万円・ペア/税抜

・German Physiks Troubadour 80 (2006) : 290万円・ペア/税抜

・German Physiks Unicorn MK II (2006) : 250万円・ペア/税抜
https://tannoy.exblog.jp/26699188/
http://www.german-physiks.com/

・Studio Franco Serblin Accordo (2011) : 123万円・ペア/税抜
http://www.arkgioia.com/index.html

・Goldmund Apologue Anniversary (2013) : 9500万円・ペア/税抜
・FM Acoustics XS-1 (2014) : 3000万円・ペア/税抜

・KHARMA Exquisite シリーズ Grand Grand Exquisite : 現地価格33万ユーロ・ペア/税抜
・KHARMA Ceramique シリーズ Grand Ceramiqe Midi 1.0 (2008) : 580万円・ペア/税抜
・KHARMA Ceramique シリーズ Ceramique 2.3 (2008) : 250万円・ペア/税抜
・KHARMA Ceramique シリーズ Kharma3.2 (2002) : 170万円・ペア/税抜
・KHARMA Ceramique シリーズ Kharma3.2.2 (2008) : 375万円・ペア/税抜
http://www.soundimport.co.jp/kharma.html
http://www.u-audio.com/html/page26.html
https://www.phileweb.com/news/audio/200808/07/8234.html

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C 日本

a) G.I.P.Laboratory Western Electric WE555 のレプリカ・ドライバーを使ったスピーカーシステム

・ G.I.P.Laboratory GIP-555 - 555W : WE555 ドライバーのレプリカ
http://www.gip-laboratory.com/seihin555.html

@) G.I.P.Laboratory GIP-12A horn system : Western Electric WE555 のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法: W:1143 × H:1715 × D:1194, 片チャンネル重量 92kg
http://www.gip-laboratory.com/seihin12system.html

A) G.I.P.Laboratory GIP-30154 horn system : Western Electric WE555W のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法: W:1735 × H:1336 × D:660, 片チャンネル重量 280kg
http://www.gip-laboratory.com/seihin30154hornsystem.html

____

b)G.I.P.Laboratory Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバーを使ったスピーカーシステム

・ G.I.P.Laboratory GIP-594A : WE594A のドライバーのレプリカ
http://www.gip-laboratory.com/seihin594.html

@) G.I.P.Laboratory GIP 7396 system : Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法: W:1735 × H:1336 × D:660 , 片チャンネル重量 280kg
http://www.gip-laboratory.com/seihin7396system.html


A)G.I.P.Laboratory GIP-7331 system : Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法 : W660 × H1130 ×D950, 片チャンネル重量 100kg
http://www.gip-laboratory.com/seihin7331system.html


B) G.I.P.Laboratory GIP-7003 system : Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバー使用
片チャンネル寸法 : W1410 ×H1150 ×D1097
http://www.gip-laboratory.com/seihin7003system.html


C) G.I.P.Laboratory GIP-5003 system : Western Electric WE594A のレプリカ・ドライバー使用
6〜10畳のリスニングルーム用
http://www.gip-laboratory.com/seihin5003system.html

_____


c) G.I.P.Laboratory Western Electric の映写室用モニタースピーカーシステム TA7388 のレプリカ

・G.I.P.Laboratory GIP-225 system : Western Electric のフルレンジスピーカーユニット TA-4189A のレプリカを使った2ウェイ 2スピーカー・フロントロードホーンシステム
片チャンネル寸法 : W:480 × H:940 × D:460
http://www.gip-laboratory.com/seihin225system.html

______

d) G.I.P.Laboratory オリジナル・スピーカーシステム

・G.I.P.Laboratory GIP-9700A system : GIP flagship model, GIP-9101ドライバー使用
片チャンネル寸法: W:1240 × H:1800 × D:1210, 片チャンネル重量 260kg
http://www.gip-laboratory.com/seihin9700system.html

・G.I.P.Laboratory GIP-5005 system : GIP-5015ドライバー使用
片チャンネル寸法: W:1200 × H:1600 × D:995
http://www.gip-laboratory.com/seihin5005system.html


・G.I.P.Laboratory GIP-5006 system : GIP-5015ドライバー使用
片チャンネル寸法 : W:900 × H:1600 × D:1055
http://www.gip-laboratory.com/seihin5006system.html


・G.I.P.Laboratory GIP-FS300 system : 4インチ振動板 コンプレッション・ドライバー使用
片チャンネル寸法: W:780 × H1455 × D665, 片チャンネル重量 85kg
http://www.gip-laboratory.com/seihinfs300.html

・G.I.P.Laboratory GIP-Monitor1 system : GIP-D5016 ドライバー使用
片チャンネル寸法 : W:570 × H:1350 × D:630, 片チャンネル重量 70kg
http://www.gip-laboratory.com/seihinmonitor1.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/697.html#c142

[リバイバル3] ハイエンド・スピーカーの世界 中川隆
143. 中川隆[-13036] koaQ7Jey 2020年3月05日 12:55:14 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[498]

色々調べたのですが、結局オーディオ史上で一番音が良いスピーカーは

北関東蓄音機倶楽部 Sogaphon _ SP録音の CD復刻盤 は Sogaphon を取り付けた蓄音機で聴こう
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/473.html

超軽量の美濃漉き和紙コーンを使った芸術品、世界最高峰のロクハン アシダボックス 6P-HF1
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/956.html

まるで細密画を思わせる奇跡の描写力 _ スタックスの静電型スピーカー ELS-8X
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/954.html

伝説の ソナス ファベール ガルネリ・オマージュ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/684.html

酷い音のインチキ・レプリカを量産して伝説の評価を落とした Goodmans Axiom80
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/686.html

伝説の静電型スピーカー QUAD ESL57・ESL63
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/682.html


でしょうか。

現在でも手に入るのは 北関東蓄音機倶楽部 Sogaphon と QUAD ESL57・ESL63 の復刻版だけです:


Q: 最高に音の良いスピーカー教えて下さい。 2012/2/15 rollingcyukunさん
最高に音の良いスピーカー教えて下さい。
音の良し悪しは個人差があると思いますがあなた様が良いと思うスピーカーを教えて下さい


A: papageno_eulenspiegelさん

クラシックを聴く場合に限定すれば、QUADのコンデンサー型を超えるものはまだ存在しないと思っています。

数ミクロンという極薄の振動膜に数千ボルトの高電圧をかけたうえ、それを挟む形の電極板に+と―の音楽信号を与えて振動膜を震わせ音を発生させる仕組みで、一般的な、ラッパを箱に取り付ける形式と違って、音楽信号に固有音の色付けがされる要素を極限まで排除したスピーカーです。

拙宅では現在、旧いタンノイのGRF(モニターゴールド)、最近導入したハーベスのHL-P3ESRを含めて3種類をおいていますが、結局、ほとんどQUADのESL57しか使わなくなってしまいました。

ESL57 は1957年頃に発売され、’80年代半ばごろに生産終了となったいわば骨董品ですが、世界中に根強いファンがいて、リストアして使い続けている人たちが大勢います。

ドイツの QUAD代理店では、振動膜を枠に張る機械を英国のQUADから買取って、「新品」を供給しているので(金属製のグリルだけは中古品を塗りなおしたものですが)、ドイツに住んでいたころにわざわざコブレンツに近いQUAD代理店まで行って買ってきました。外観のデザインも大変気が利いていますので、グリルをくすんだ緑色に塗装してもらった我が家のセットは私の最も愛するオーディオ・コンポーネントです。

ドイツQUADでは、ESL57 の改良型である ESL63 の新品も、さらに現在も QUAD本社が量産している ESL2805/2905 も販売していましたが、じっくり聴き比べたところ、音そのものの魅力ではやはり原点である ESL57を超えられていないと思います。改良型では音像の定位や空間表現を改善する措置が加えられているのですが、やはりそのために音質への影響が避けられなかったのでしょう。

QUAD のコンデンサー・スピーカーの唯一の問題点は、その発音方式に必然的に起因する低音の不足と言われてきました(私自身は、主に聴く音楽の種類からあまりそう感じていませんでしたが)。ところがドイツ QUAD では最近、ESL63、ESL57 向けにそれぞれ専用のサブウーファーを独自に開発したとのこと。従来は、既存のサブウーファーをQUADのコンデンサー・スピーカーとうまくマッチさせる事は不可能と言われてきましたが、このESL57専用サブウーファーをドイツに注文してみようかと、近頃悩ましい日々を送っております(きっと近々注文しちゃうんだろうなァ〜〜)。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1181575751


サウンドボックス

ドイツQUAD Musikviedergab GmbH 社QUAD ESL57 復刻新品(受注生産品)
* QUAD ESL57QA ¥1,300,000 ペア(税別)
2 つの違ったスタイル、前面メタル・グリル色は3色から選択してください。
https://www.soundbox.co.jp/QUAD_ESL57QA_Cata_a.pdf

ドイツQUAD Musikviedergab GmbH 社QUAD ESL63 復刻新品(受注生産品)
* QUAD ESL63QA ¥1,600,000 ペア(税別)
フレーム木の材質、色を指定してください
https://www.soundbox.co.jp/QUAD_ESL63QA_Cata_a.pdf


復刻品 QUAD-II 真空管モノラル・アンプ 
(ドイツ QUAD MusikWiedergabe GmbH) 製 ¥500.000/ペア
オプション KT66/GEC、EF86/Mullard、GZ32/Mulalrd +\120,000より
https://www.soundbox.co.jp/QUAD/QD-II.htm


復刻品 QUAD 33/2プリアンプ  QUAD 303QR パワーアンプ 
(オランダ QUADREVISIE社製)
https://www.soundbox.co.jp/QUAD/QD_33_2_303QR.htm
https://www.soundbox.co.jp/QUAD/Quad%20Revisie_JP_left.pdf


QUAD ESL57,ESL63 ESL63Pro 修理受付中 
https://www.soundbox.co.jp/quad63repair.html

サウンドボックス
https://www.soundbox.co.jp/


東京都調布市仙川町2−13−32
Tel: (03) 5577-5227 

サウンドボックスへの地図
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=10SwyUNIYBG0FdAFxBfQZSf_iNdw&ie=UTF8&hl=ja&msa=0&ll=35.66216900000003%2C139.58260799999994&spn=0.004184%2C0.006866&z=17&source=embed

営業時間:月曜日−土曜日11:00−19:00/日曜・祝日休み

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/697.html#c143

[近代史3] エルガー チェロ協奏曲 中川隆
1. 中川隆[-13034] koaQ7Jey 2020年3月05日 13:50:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[500]

イギリス - クラシック音楽 一口感想メモ
エドワード・エルガー(Sir Edward William Elgar、1857 - 1934)
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/イギリス


交響曲

交響曲第1番 変イ長調 作品55
4.0点
イギリスを代表する交響曲。最後に第一主題が戻ってくるところは感動してしまう。

交響曲第2番 変ホ長調 作品63

交響曲第3番 ハ短調 作品88(未完成。A.ペインによる完成稿あり。)


管弦楽曲

独創主題による変奏曲(「エニグマ(謎)」変奏曲)(Variations on an Original Theme("Enigma")) 作品36

行進曲「威風堂々」第1 - 6番(Military Marches "Pomp and Circumstance") 作品39-1 - 6(第6番は未完成。A.ペインによる完成稿あり。)

協奏曲

ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 作品61
2点
雰囲気はいいのだが、メロディーがぜんぜん印象に残らず、大曲なのになんとなく聴き流していたら終わってしまった。

チェロ協奏曲 ホ短調 作品85

室内楽曲

「愛の挨拶」("Salut d'Amour" ("Liebesgruss")) 作品12
5点
愛らしくていい小品。個人的な思い入れもあり5点。

ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 作品82

弦楽四重奏曲 ホ短調 作品83

ピアノ五重奏曲 イ短調 作品84

声楽曲

オラトリオ「ゲロンティアスの夢」("The Dream of Gerontius") 作品38


https://classic.wiki.fc2.com/wiki/イギリス
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/945.html#c1

[近代史3] ディーリアス ブリッグの定期市 中川隆
1. 中川隆[-13032] koaQ7Jey 2020年3月05日 14:32:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[502]

イギリス - クラシック音楽 一口感想メモ
フレデリック・ディーリアス(Frederick Theodore Albert Delius CH 1862 - 1934)
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/イギリス

交響曲・協奏的作品

チェロ協奏曲(1921年)

管弦楽曲

管弦楽組曲『フロリダ』(Suite "Florida", 1886年 - 1887年)

夜想曲『パリ』(管弦楽曲)(Paris: The Song of a Great City, 1898年)

古い黒人奴隷の歌による変奏曲『アパラチア』(合唱つき)(Appalachia: Variations on an old slave song, 1902年)

イギリス狂詩曲『ブリッグの定期市』(Brigg Fair, 1907年)
3.3点
凡庸でない独特の美しさのある田園的な序奏と主題の変奏。息の長い変容と、少しの違和感をうまく使いこなす音使いと、しなやかで流麗なオーケストレーションのディーリアスの特長が端的に楽しめる。民謡的でありながら浮遊感と密かな陰影を持つ主題がよく作風とマッチしているし、変奏曲の聴きやすさもあって楽しめる。

幻想曲『夏の庭で』(In a summer garden, 1908年)

高い丘の歌(ヴォカリーズの合唱つき)(The Song of the High Hills, 1911年)
3.0点
大作であるがゆえに密度がうすくなり、スケールの大きさがプラスに働いていないと感じた。時間の流れの悠然としたのが物足りなく感じる。時間の流れは違うものの、小品を引き伸ばしたようなイメージである。ただし聴き込めばもっとよい曲と感じられる予感はある。

小オーケストラのための2つの小品 (2 Pieces for small orchestra)

春初めてのカッコウの声を聴いて (On hearing the first cuckoo in spring, 1911年 - 1912年)
3.5点
カッコーの鳴き声が何度も出てくるところが聴きやすい。4分の小品で独特の息の長い音楽を紡ぎ出す明るい光に包まれたような流麗さと自然の美しさの表現や音の使い方を堪能できる。ディーリアス入門にちょうど良い。なかなかの名品だと思う。

楽園への道 (The walk to the paradise garden, 1911年 - 1912年)(歌劇『村のロメオとジュリエット』 の中の間奏曲)
3.0点
美しいが、重さがなくて軽いバックミュージックの映画音楽のようである。クラシック音楽としてはあまり楽しめなかった。

(管弦楽組曲)『北国のスケッチ』(North Country Sketches, 1913年 - 1914年)

夏の歌(A Song of Summer, 1931年)
3.5点
かなり美しい交響詩。独特の幻想的な風景が、空気感と光彩と匂いを伴って、ヒースの生い茂る崖に腰掛けて海を見渡している場に本当にいるかのように感じさせるほど見事に表現している。没入感を感じさせる管弦楽の音色と使い方のうまさに感心する。音の流れを重ねていきながら積み重ねて息の長い大きな時間の流れを作るのに身を委ねるのが楽しい。


https://classic.wiki.fc2.com/wiki/イギリス
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/946.html#c1

[近代史3] ヴォーン・ウィリアムズ トマス・タリスの主題による幻想曲 中川隆
1. 中川隆[-13031] koaQ7Jey 2020年3月05日 15:01:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[503]

クラシック音楽 一口感想メモ
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams, 1872-1958)
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/ヴォーン・ウィリアムズ


交響曲

海の交響曲(A Sea Symphony、交響曲第1番) 管弦楽、ソプラノ、バリトン、合唱
3.5点
交響曲というよりは完全にオラトリオである。交響曲と称されているのは4楽章構成であるからというだけに聞こえる。華やかで立派だし初期らしいネチッこさのない純朴な爽やかさが心地いい。大規模さも音楽にうまく生かして非常に壮大になっており、音楽てんこ盛りのゴージャス感が楽しい気分になる。逆にいえばRVWらしさには欠けるとも言える。近代イギリスのオラトリオは素晴らしい。

ロンドン交響曲(A London Symphony、交響曲第2番)
2.5点
幻想的な音の雰囲気は好きだ。しかしながら、曲の長さと比較して、どう考えても密度も内容も薄い。ロンドンという題名であるが、都会を感じられない音楽で昔旅行したあの街と全くイメージが重ならない。現代の映画音楽らしい雰囲気だが、密度さえも映画音楽レベルになってしまい、BGM的だと思う。

田園交響曲(A Pastral Symphony、交響曲第3番) ソプラノ
3.0点
田園をあまり連想しない。神秘的な深い森といったところか。5音階や低音の持続音が印象的。後半の一部を除いて、静けさに包まれて瞑想的。聴きやすいし、この雰囲気に浸るのは楽しいが、前半はドラマが少なく交響曲としては物足りない。しかし後半になり鎮魂の雰囲気から大いなる感情の高まりのドラマが展開されて満足できる。とはいえ、いい音楽なのに何かが物足りない、名曲になりきれない曲というのが全体の印象。

交響曲第4番ヘ短調(Symphony No.4 in F minor)
2.5点
この曲だけ聴いてしまうと、とても20世紀を代表する作曲家とは感じられないレベルの曲と感じた。不協和音を使った刺激的な短調の1楽章なのだが、かなり不自然さを感じる。2楽章以降は何をしたいのかよく分からない、何を感じてほしいのか伝わらない曲だと思った。それでいて、心地よさや幻想性といった美点はスポイルされてしまっている。失敗作だと思う。

交響曲第5番ニ長調(Symphony No.5 in D major)
3.8点
全4楽章。冬の薄明のような透き通った空気と幻想的な世界の美しさを堪能出来る。近代管弦楽の壮麗さとRVW一流の流麗さや作曲技術が合わさり、どっぷりと世界観に浸れる音楽になっている。踊りの要素が殆どなく、生身の感覚が非常に少ない代わりに、超越的で大自然と宇宙を音にしたようである。この曲は9曲の交響曲の中で、バランスが良くて表題に縛られず本格的で充実しており楽しみやすい。

交響曲第6番ホ短調(Symphony No.6 in E minor)
2.5点
戦争交響曲とも呼ばれる、不協和音が使われた激しい作品とされているようだが、それはあくまで本人の曲の中での比較。現代の耳で聞くと激しい曲と感想を持つ人は少ないだろう。まさにSF系の映画音楽そのもののような曲であり、現代の耳で聴くと、音の目新しさに欠けており、構成も弱いように感じてあまり面白くない。ただ、映画の中では動きの多い場面に合いそうだとはいえる。

南極交響曲(Sinfonia Antartica、交響曲第7番) ソプラノ、合唱
3.3点
映画音楽を再構成して作った交響曲。映画音楽としての純粋な楽しさがある。かなり古い曲にも関わらずやや古い映画音楽にそっくりで現代的とすら感じるのは、むしろ現代が彼の音楽の真似をしているのだろうか。自分の耳には目新しくは感じない。随所に工夫が見られる幻想的で冒険的な雰囲気に、未知の世界への好奇心をかき立てられながら聴ける。

交響曲第8番ニ短調(Symphony No.8 in D minor)
2.8点
小規模な交響曲。編成も小さくて、軽快さが目立つ。その中にも、卓越した技術を生かした詩情が込められている。はっとするような美しさとか、強い印象みたいなものはないのだが、マイナー交響曲としてのそれなりの魅力はある。でも、何度も聴きたいほどではない。

交響曲第9番ホ短調(Symphony No.9 in E minor)
3.3点
最後の交響曲ということで、作曲者もそれに少し気付いていたかのような切ない場面が多い。一方で大衆音楽の影響を受けたかのような軽快な場面もある。8番同様にコンパクトな作品だが、聴き応えはこちらの方がずっとある。名作とまではいかないが、交響曲では超然としていた作風の作曲者が最後に作曲者がたどり着いた境地として、私的な感情を盛り込んだ曲として感慨深い。

管弦楽曲

グリーンスリーヴスによる幻想曲(Fantasia on Greensleeves)
3.5点
美しいオーケストレーションによるグリーンスリーブスの編曲。RVW一流の美点が最大級に活かされている。中間のオリジナル部分も雰囲気を壊さず悪くない。

合奏協奏曲(Concerto Grosso)
3.0点
弦楽器だけなので、協奏曲らしい華やかさとは違うものがあり、想像していたもの違ってがっかりした。しかし、彼の独特の音像を弦楽器をたくさん重ねて音を動かして表現するさまは、案外と独創性が高いものであり、刺激も強い。それが理解できたら楽しめた。一級品の作品ではないと思うが。

イギリス民謡組曲(English Folk Song Suite)
3.0点
小さな曲集。現代ではNHKスペシャルなどのバックミュージックに聞こえてしまう。規模が小さすぎるし、旋律が特段優れているわけでもない。だが、軽快で楽しく聞くことはできる。

弦楽合奏曲
トマス・タリスの主題による幻想曲(Fantasia on a Theme by Thomas Tallis)
3.3点
3つの事なる規模の弦楽の組み合わせの響きは神秘的で教会的でもあるとともに、近代的でイギリス的な端正かつ端麗な弦楽の使い方を楽しめる曲。

協奏曲
ピアノ協奏曲ハ長調(Piano concerto in C)
3.0点
彼らしい音響空間と音像でピアノ協奏曲を書いたらどうなるかという予想の範疇にはある。ただ、ピアノは重音が多くて重おもしく、野蛮さも感じさせるところは驚いた。現代的なピアノ協奏曲の一つの解としての聴く楽しみはある。ただ、やや平板でリズムやフレーズのダイナミックさに欠ける欠点はここにもあり、協奏曲の華やかさを活用しても交響曲と同様という結果になってしまっている。凄いというほどではないが、楽しめる曲だと思う。

2台のピアノのための協奏曲 ハ長調(Concerto for Two Pianos and Orchestra)
3.3点
1台のピアノ協奏曲からの改作。楽器の使われ方としてはこの方が適切な感じがする。ピアノの音の厚さと管弦楽とのバランスが良くなっている。ピアノの音数もより増えて、迫力が増しているし、無理に酷使されず、表情も増えている。そうなると、曲としてより魅力的に聞こえてくる。2楽章なんてなかなか素敵に聴こえる。

揚げひばり(The Lark Ascending)
4.5点
前半部分の5音階に近い音階による夕映えの中の大空を飛ぶひばりのような雰囲気は大変に美しい。中間部分の活気のある部分もまた美しい。強烈な郷愁を誘い、幼い時に感じていた大自然の美しさを呼び起こしてくれる。大変に美しく感動的であり、通俗性は気になるのだが、それを吹き飛ばす圧倒的に強烈な印象を残してくれる。

バス・テューバと管弦楽のための協奏曲(Concerto for bass tuba and orchestra、テューバ協奏曲)
3.3点
まあ普通の曲ではあり個性的という感じではないが、チューバの楽しさを満喫できる。とくに前半は素直な音楽であり、チャーミングでもあり、とても楽しくチューバの魅力に酔える。作曲者の音楽性ととてもマッチしている。コンパクトで聴きやすいのも良い。後半すこしひねりが入って魅力が落ちてくると思った。

オーボエと弦楽合奏のための協奏曲イ短調(Concerto in A Minor for Oboe and Strings)
2.5点
オーボエらしい魅力も協奏曲の魅力も足りない。なんというか、ずっとオーボエが鳴っている管弦楽という印象しかない。これは期待はずれである。


室内楽曲

幻想五重奏曲 (Phantasy Quintet)
3.0点
前半はあまり創意を感じなかった。彼としてはありきたりの音楽と思う。後半の郷愁の強い念を音にしたような音楽は心をぐいっと掴むものがある。この場面ではが無ければかなりつまらない曲になっていたところ。しかしすぐ終わってしまう。展開としめくくりは予想の範疇を大きく出ない。

弦楽四重奏曲第1番ト短調 (String Quartet No.1 in G minor)
3.8点
1楽章は浮遊感や抽象画のような曖昧な色使いと形状の分かりにくさのなかに身をまかせるのが心地よい。室内楽の響きに適合していて素晴らしい出来だと思う。2楽章のエキゾチックな音形はメヌエットと言われると不思議だが、印象派を受け継いだような響きと思うとスッキリした。面白くてかなり楽しめる楽章。3楽章は感動した。灰色の孤独さの中で、不安な妄想が広がっていき、それが自由空間をあてもなく動いて旅をするような、パーソナルな精神世界の曲。4楽章もこれまでの流れと同じでよいし、最後の終わり方は鳥肌が立った。

弦楽四重奏曲第2番イ短調「ジーンの誕生日に」 (String Quartet No.2 in A minor "For Jean on her birthday")
4.0点
1楽章は強烈なパンチを喰らわせられる。前衛的なぐしゃぐしゃとした音楽で打ちのめされる。

2楽章は、雨の中の孤独とでも呼びたい。人間が生活していて、人は周りにいても、心が繋がらないまま、傘をさして歩くような気分を連想した。これは音が動くようになっていくにつれ、雨は止むが環境音も消える。そこでは違和感と疎外の音楽になる。

3楽章はエキゾチックな音楽で、心を疎外から動かして展開させる。

4楽章は未来への希望が見えた感動的なアンダンテで始まる。ジワジワと押し引きを繰り返し、感動を強く呼ぶ。弦楽四重奏は1番もよかったが2番はさらに芸術性が高く驚異的な作品である。交響曲より好きだ。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/ヴォーン・ウィリアムズ
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/947.html#c1

[近代史4] 国民楽派の音楽 中川隆
7. 中川隆[-13030] koaQ7Jey 2020年3月05日 15:25:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[504]

ヴォーン・ウィリアムズ トマス・タリスの主題による幻想曲
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/947.html

ヴォーン・ウィリアムズ 『グリーンスリーヴスによる幻想曲』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/949.html

ヴォーン・ウィリアムズ 『揚げひばり』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/948.html

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/162.html#c7

[近代史3] ヴォーン・ウィリアムズ 『グリーンスリーヴスによる幻想曲』 中川隆
1. 中川隆[-13029] koaQ7Jey 2020年3月05日 15:38:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[505]
グリーンスリーブス Greensleeves
イングランド民謡/もう一度ここに来て 私を愛してください
http://www.worldfolksong.com/songbook/england/greensleeves.html


『グリーンスリーブス(グリーンスリーヴス/Greensleeves)』は、エリザベス朝時代(16世紀後半頃)によく歌われてたイングランドの最も古い民謡。

シェイクスピアの劇中でも言及され、1962年のアメリカ映画「西部開拓史」の挿入歌となったほか、ビートルズ『愛こそはすべて』のエンディングでも一部引用されている。


ヘンリ8世を揶揄していた?!

「グリーンスリーブス」とは、ある女性の名前として用いられているようだ。

中世・ルネッサンス期では、「緑」には「不倫」の意味があり、当時のヘンリ8世による女性遍歴を揶揄(やゆ)した曲であるとの解釈もなされている。

【参考】 王妃の闘い―ヘンリー八世と六人の妻たち
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896420330/asyuracom-22


クリスマスソングとしてもおなじみ

クリスマスキャロル『What Child Is This/ 御使いうたいて』
http://www.xmas-carol.com/song/whatchild.htm

は、グリーンスリーブスのメロディーで歌われるクリスマスソング。

このクリスマスキャロルの歌詞は、1865年頃にイギリスの詩人ウィリアム・チャタトンディックス(William Chatterton Dix/1837-1898)が発表した詩集『The Manger Throne』の中の詩があてられている。

なぜイングランド民謡『グリーンスリーブス』のメロディーで歌われ始めたのか明らかではないが、一説によると、編曲者のJohn Stainer (1840-1901)ではないかと推測されているようだ。


『グリーンスリーブス幻想曲』としてオーケストラに

イギリスの作曲家ヴォーン・ウィリアムズは、イングランド民謡『グリーンスリーヴス』に基づく小管弦楽のための小品『グリーンスリーブス幻想曲』を作曲した。
『グリーンスリーブス幻想曲』は、当初はヴォーン・ウィリアムズによる1928年のオペラ『恋するサー・ジョン(Sir John in Love)』の第3幕の間奏曲として用いられた。

その後、この間奏曲をラルフ・グリーヴズ(Ralph Greaves)が編曲し、独立させた作品が『グリーンスリーヴスによる幻想曲』である。1934年9月にロンドンで初演され、ヴォーン・ウィリアムズ自身の指揮で行われた。


グリーン・スリーブス  歌詞・日本語訳(意訳)

Alas, my love, you do me wrong
To cast me off discourteously
For I have loved you well and long
Delighting in your company.

ああ愛する人よ、残酷な人
あなたはつれなく私を捨てた
私は心からあなたを慕い
そばにいるだけで幸せでした

Greensleeves was all my joy
Greensleeves was my delight
Greensleeves was my heart of gold
And who but my lady greensleeves.

グリーンスリーブスは私の喜び
グリーンスリーブスは私の楽しみ
グリーンスリーブスは私の魂そのもの
私のグリーンスリーブス、貴方以外に誰がいようか

Your vows you've broken, like my heart
Oh, why did you so enrapture me?
Now I remain in a world apart
But my heart remains in captivity.

貴方は誓いを破った、私の心のように
ああ、なぜ貴方は私をこれほど狂喜させるのか?
離れた場所に居る今でさえも
私の心は彼女の虜だ


I have been ready at your hand
To grant whatever you would crave
I have both wagered life and land
Your love and good-will for to have.

貴方が望むものすべてを差し出そう
貴方の愛が得られるなら
この命も土地のすべても差し出そう

If you intend thus to disdain
It does the more enrapture me
And even so, I still remain
A lover in captivity.

貴方が私を軽蔑しても
私の心は変わらず貴方の虜のまま

My men were clothed all in green
And they did ever wait on thee
All this was gallant to be seen
And yet thou wouldst not love me.

私の家来はすべて緑に身を包み
彼らはこれまで貴方に仕えてきた
それらはすべて紳士的で親切だったが
それでも貴方は私を愛してはくれない

Thou couldst desire no earthly thing
but still thou hadst it readily.
Thy music still to play and sing
And yet thou wouldst not love me.

貴方は世俗的な物を望むことはできない
しかし貴方は今もなおそれを進んで得ようとしている
貴方の美しい調べは今もただよい続ける
でも貴方は私を愛してはくれない

Well, I will pray to God on high
that thou my constancy mayst see
And that yet once before I die
Thou wilt vouchsafe to love me.

私は天高い神に祈ろう
彼女が私の忠誠に気付き
死ぬ前に一度でいいから
彼女が私を愛してくれることを

Ah, Greensleeves, now farewell, adieu
To God I pray to prosper thee
For I am still thy lover true
Come once again and love me.

ああ、グリーンスリーブスよ、さようなら
貴方の繁栄を神に祈ります
私は貴方の真の恋人
もう一度ここに来て、私を愛してください

http://www.worldfolksong.com/songbook/england/greensleeves.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/949.html#c1

[リバイバル3] ジャズ喫茶「ベイシー」の選択 _ JBLの本当の音とは 富山誠
166. 中川隆[-13028] koaQ7Jey 2020年3月05日 16:03:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[506]

JBLのツィーター比較 - Mr.トレイルのオーディオ回り道 2020年03月05日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/4e3395a39ee04658b5b7a6afbae96369


昨日は近所の常連さんがお持ちのJBLの2種のツィーターの比較試聴をしていました。ご本人曰く「どちらが良いか?良く分からない」との事で、サブシステムのJBL#4425の上に追加して試聴をしました。

1956年発売のJBL#075ツイーター。現品は8Ω品です。このツイーターは良くも悪くもアルミのホーンの音が負荷音として付いてきます。(アルミホーンが振動してシンバルの質感を出してきます) JAZZの演奏ではこのエネルギッシュなサウンドが好まれる事でしょう。JAZZには良く合います。

もう一方は同じJBLの#077ツイーター。(1974年発売) このツイーターはプロ用の#2405のコンシュマーバージョンとしてL300などに使われています。個人的に#2405を50年近く使っています。この#077は#2405と殆ど変わらない「スキっとして高域が良く伸びています」ね。変な癖が無い分、どんな曲にも合いますね。

比較試聴している時の写真を撮り忘れたので、実際にどうやってやっていたのかをお見せ出来ませんが、評価は変わらないと思います。

1971年に発売されたばかりの#2405と#075の比較試聴を名古屋のオーディオショップで体験しました。#075は独特の「響き」の世界を持っています。それに対して#2405は癖の少なくスッと伸びた高域が印象的です。私の好みは#2405の方です。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/4e3395a39ee04658b5b7a6afbae96369
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/402.html#c166

[リバイバル3] 中川隆 _ 欧米文化関係投稿リンク 中川隆
139. 中川隆[-13027] koaQ7Jey 2020年3月05日 16:59:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[507]

アメリカの支配層はサンダースを嫌っている
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/950.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/464.html#c139
[近代史4] 国民楽派の音楽 中川隆
8. 中川隆[-13026] koaQ7Jey 2020年3月05日 19:08:20 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[508]

ジュール・マスネ 『タイスの瞑想曲』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/951.html

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/162.html#c8
[リバイバル4] AI には客観的で公正な判断はできない 中川隆
7. 中川隆[-13025] koaQ7Jey 2020年3月05日 19:28:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[509]
2020年03月05日
ツイッター凍結とAi社会の危うさ


政府の仕事がAI化されて、ある日このように免許証や資格が剥奪されるかも知れない。

引用:http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/41/0000162941/69/img4c912df1zikdzj.jpeg


10年以内に多くの職業が人間からAIに変わると言われているが、AIは言われるほど良い物だろうか。


Twitterの自動凍結システム

2016年にTwitterの人気スポーツライター、ジム・ウェーバーがアカウントを凍結され削除されていました。

数年前からTwitterはテロリストやヘイト行為、ネットストーカー、ネット上の虐めなどで大量のアカウント凍結をしている。

凍結されると停止とは違い、2度と復活することはないとされている。


ジム・ウェーバーは2012年から6万9000件ツイートし、100万人以上のフォロワーが居た。

2016年8月5日から8月21日までブラジルでオリンピックが開催されていて、彼はその写真と動画を何度も投稿していた。

8月20日の午後7時55分に動画一件を削除した通知があり、「受信後10分以内に他の違反動画も削除せよ」と書かれていた。


だが受信した3分後にはアカウントが停止され、数日後にアカウント凍結になり、完全に削除された。

この間の数日、ジム・ウェーバーはメールで何度もTwitterと連絡を取ろうとしたが「人間からの」応答は一回もなかった。

Twitterからの返信はすべてAIやボットと呼ばれる自動返信システムで、凍結を防止するのに役立たなかった。


Twitterはそれまでの半年間で、テロやイタズラなど23万5000件の不正アカウントを「自動的に」凍結したと発表している。

それだけではなく、自動化によって不正ツイートを高速に、短時間に削除し凍結できるようになったと、自画自賛していた。

ジム・ウェーバーもこうした自動化されたAIの犠牲になったのだった。

AIで人間が消される日

ベネズエラ人の人気活動家Luigino Bracciも、同じようにオリンピックの動画を投稿して凍結された。

Luigino Bracciは4万3000人のフォロワーを持ち、やはりオリンピック期間中に競技の動画を投稿した。

Twitterで投稿できる動画は数十秒の短い物だが、国際オリンピック委員会(IOC)からクレームを受けた。


彼は法律上合法であると反論して動画の削除をしなかったところ、ジム・ウェーバーと同じように凍結された。

ジム・ウェーバーの例からは、例え指示に従って全ての動画を削除しても、やはり凍結されただろうと想像できる。

このようにAIや自動プログラムによる判断は、人間の言い分や抗議を受け付けず、自分の判断で処分する。


Twitterだから大した事ではなく思えるが、これが運転免許の処分だったらどうだろうか。

ある日自分が速度探知機などに引っ掛かり、警察のAIから「あなたの処分を数日後に決定します」という電話やハガキが届く。

電話は自動音声でこちらが何を言っても反応せず、数日後に罰金の納付通知書と免許停止のお知らせが届く。


AIは人間の判断が介入しないので公平だと言われているが、逆に言うと人間の言い分を聞いてはくれない。

速度探知機のような機械はごくたまにエラーを起こし「制限速度200キロ超過」となっているかも知れない。

そんな時でもAIは抗議を受け付けず、警察の窓口で訴えても「担当が違うから分かりません」などと追い返されるでしょう。


役所や銀行、郵便局やコンビニなど、今まで当たり前のように人間がやっていた仕事が、今後10年くらいでAIに変わると言われています。

Twitterとかネット上のAIを見ていると、言われているほどAIは利口ではないし、無害でもない気がします。

将来は裁判もAIで自動化され、人間による不公平がなくなると言われているが、AIの不公平は誰が裁くのだろうか。


中國では既に多くの権利がAIで管理され、人間生活すべてがスコア管理されています。

交通違反は違反の重要度に応じてマイナススコアが付き、ネット上の政府批判も同様に減点される。

家賃不払いや債務状況もスコア化され、減点が一定以上になると「バスに乗れない」「就職できない」「ネット利用禁止」などペナルティを受けます

冗談ではなく現実に、ネットで習近平の悪口を書いたら交通機関利用停止や免許没収、ネット接続禁止で公的企業(9割の大企業)に就職禁止になっています。


http://www.thutmosev.com/archives/65383670.html#more
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/122.html#c7

[近代史3] 監視国家 中国 中川隆
4. 中川隆[-13024] koaQ7Jey 2020年3月05日 19:29:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[510]
2020年03月05日
ツイッター凍結とAi社会の危うさ


政府の仕事がAI化されて、ある日このように免許証や資格が剥奪されるかも知れない。

引用:http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/41/0000162941/69/img4c912df1zikdzj.jpeg


10年以内に多くの職業が人間からAIに変わると言われているが、AIは言われるほど良い物だろうか。


Twitterの自動凍結システム

2016年にTwitterの人気スポーツライター、ジム・ウェーバーがアカウントを凍結され削除されていました。

数年前からTwitterはテロリストやヘイト行為、ネットストーカー、ネット上の虐めなどで大量のアカウント凍結をしている。

凍結されると停止とは違い、2度と復活することはないとされている。


ジム・ウェーバーは2012年から6万9000件ツイートし、100万人以上のフォロワーが居た。

2016年8月5日から8月21日までブラジルでオリンピックが開催されていて、彼はその写真と動画を何度も投稿していた。

8月20日の午後7時55分に動画一件を削除した通知があり、「受信後10分以内に他の違反動画も削除せよ」と書かれていた。


だが受信した3分後にはアカウントが停止され、数日後にアカウント凍結になり、完全に削除された。

この間の数日、ジム・ウェーバーはメールで何度もTwitterと連絡を取ろうとしたが「人間からの」応答は一回もなかった。

Twitterからの返信はすべてAIやボットと呼ばれる自動返信システムで、凍結を防止するのに役立たなかった。


Twitterはそれまでの半年間で、テロやイタズラなど23万5000件の不正アカウントを「自動的に」凍結したと発表している。

それだけではなく、自動化によって不正ツイートを高速に、短時間に削除し凍結できるようになったと、自画自賛していた。

ジム・ウェーバーもこうした自動化されたAIの犠牲になったのだった。

AIで人間が消される日

ベネズエラ人の人気活動家Luigino Bracciも、同じようにオリンピックの動画を投稿して凍結された。

Luigino Bracciは4万3000人のフォロワーを持ち、やはりオリンピック期間中に競技の動画を投稿した。

Twitterで投稿できる動画は数十秒の短い物だが、国際オリンピック委員会(IOC)からクレームを受けた。


彼は法律上合法であると反論して動画の削除をしなかったところ、ジム・ウェーバーと同じように凍結された。

ジム・ウェーバーの例からは、例え指示に従って全ての動画を削除しても、やはり凍結されただろうと想像できる。

このようにAIや自動プログラムによる判断は、人間の言い分や抗議を受け付けず、自分の判断で処分する。


Twitterだから大した事ではなく思えるが、これが運転免許の処分だったらどうだろうか。

ある日自分が速度探知機などに引っ掛かり、警察のAIから「あなたの処分を数日後に決定します」という電話やハガキが届く。

電話は自動音声でこちらが何を言っても反応せず、数日後に罰金の納付通知書と免許停止のお知らせが届く。


AIは人間の判断が介入しないので公平だと言われているが、逆に言うと人間の言い分を聞いてはくれない。

速度探知機のような機械はごくたまにエラーを起こし「制限速度200キロ超過」となっているかも知れない。

そんな時でもAIは抗議を受け付けず、警察の窓口で訴えても「担当が違うから分かりません」などと追い返されるでしょう。


役所や銀行、郵便局やコンビニなど、今まで当たり前のように人間がやっていた仕事が、今後10年くらいでAIに変わると言われています。

Twitterとかネット上のAIを見ていると、言われているほどAIは利口ではないし、無害でもない気がします。

将来は裁判もAIで自動化され、人間による不公平がなくなると言われているが、AIの不公平は誰が裁くのだろうか。


中國では既に多くの権利がAIで管理され、人間生活すべてがスコア管理されています。

交通違反は違反の重要度に応じてマイナススコアが付き、ネット上の政府批判も同様に減点される。

家賃不払いや債務状況もスコア化され、減点が一定以上になると「バスに乗れない」「就職できない」「ネット利用禁止」などペナルティを受けます

冗談ではなく現実に、ネットで習近平の悪口を書いたら交通機関利用停止や免許没収、ネット接続禁止で公的企業(9割の大企業)に就職禁止になっています。


http://www.thutmosev.com/archives/65383670.html#more
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/888.html#c4

[近代史4] 中川隆 _ 映画史関係投稿リンク 中川隆
4. 中川隆[-13023] koaQ7Jey 2020年3月05日 20:44:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[511]

アイドルの起源は軍隊だった? 戦意高揚で女優を偶像化
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/136.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/191.html#c4
[近代史4] 中川隆 _ テレビ・ドラマ関係投稿リンク 中川隆
1. 中川隆[-13022] koaQ7Jey 2020年3月05日 20:44:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[512]

アイドルの起源は軍隊だった? 戦意高揚で女優を偶像化
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/136.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/195.html#c1
[近代史4] 日本人の「おもてなし」の精神の起源 中川隆
3. 中川隆[-13021] koaQ7Jey 2020年3月05日 20:47:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[513]

アイドルの起源は軍隊だった? 戦意高揚で女優を偶像化
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/136.html


昭和天皇は、なんと東京裁判のキーナン検事に宮廷筋から上流階級の女性たちを提供し、自分が戦犯に指名されないよう工作した。キーナンはいい気になって、しきりに良い女を所望したと鬼塚氏は書いている。

キーナンに戦争の責任は全部東条ら陸軍軍人におっかぶせるからよろしく、との意向を女を抱かせることで狙った。

女優・原節子がマッカーサーに提供されたという噂は、噂ではあるが、当時から根強くあったのは有名である。おそらくそういう悲劇が多数あったのだろう。
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/312.html

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/453.html#c3

[リバイバル4] アイドルの起源は軍隊だった? 戦意高揚で女優を偶像化 中川隆
1. 中川隆[-13020] koaQ7Jey 2020年3月05日 20:48:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[514]

昭和天皇は、なんと東京裁判のキーナン検事に宮廷筋から上流階級の女性たちを提供し、自分が戦犯に指名されないよう工作した。キーナンはいい気になって、しきりに良い女を所望したと鬼塚氏は書いている。

キーナンに戦争の責任は全部東条ら陸軍軍人におっかぶせるからよろしく、との意向を女を抱かせることで狙った。

女優・原節子がマッカーサーに提供されたという噂は、噂ではあるが、当時から根強くあったのは有名である。おそらくそういう悲劇が多数あったのだろう。
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/312.html

http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/136.html#c1

[近代史4] 日本人の「おもてなし」の精神の起源 中川隆
4. 中川隆[-13019] koaQ7Jey 2020年3月05日 20:50:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[515]

こんな女に誰がした_1 (天皇陛下を恨んでね)
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/332.html

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/453.html#c4
[リバイバル4] アイドルの起源は軍隊だった? 戦意高揚で女優を偶像化 中川隆
2. 中川隆[-13018] koaQ7Jey 2020年3月05日 20:58:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[516]

こんな女に誰がした(パンパン編)__天皇陛下を恨んでね


日本女性への忠告  一米軍将校からの手紙

 1952年4月7日 読売 軽すぎる貞操観念 清浄な本来の姿に還れ

 私は日本占領軍としてこの国に駐屯している一米軍将校です。近く帰米するに当りどうしても日本の人々、ことに一部の助成にお話したいことがあります。

 私は日本に赴任以前はこの国のもつ伝統文化などに深いあこがれをもっていました。しかし占領軍の一員としてこの国に来たとたん日本女性の生き方と考え方について強い幻滅を感じました。この手紙に私が取り上げたいのは日本女性のモラルのことなのです。

日本は戦争に負けました。戦いをのろう日本人の心はよく理解出来ます。しかし日本の女性のみなさん、戦争中誤った指導によるとはいえ国を愛するがために戦った兵隊たちは皆あなたたちの父であり夫、兄弟、息子、そして恋人だったのではないでしょうか。戦闘を日本本土に近づけまい。妻、母、姉妹、そして恋人を戦いの中にまきこまぬよう必死に戦ったこの日本の兵隊は、南太平洋の孤島で、あるいはシャングルの中で傷つき、飢え、身を腐敗させて死んで行ったのではないでしょうか。

だがいま日本女性の多くはこの犠牲と言うべき男性に対して感謝の念を一片でも持っているのでしょうか。数千、数万の日本女性か終戦直後から現在まで、むしろ自分から進んで、喜んで外国兵の腕に抱かれ、戦いに勝ったために使えるわずかの品物、虚栄心の強い彼女たちには何物にもかえがたい品物なのでしょうか、そのために易々と肉体を売っているのです。私は職業的な特殊婦人のことよりもむしろ良家に育ち教養の日本女性がどんなに簡単に外国人に近よって行くかをこの眼で見てあえて苦言を呈するのです。

 彼女たちは羞恥の観念持っていません。戦後の欧州にももちろん同様な道徳的頽廃は起こりました。しかし“貞節”といわれた日本女性古来の美徳が忘れられてよいのでしょうか。もし戦死した日本兵たちがこのこと事を知ったなら“こんなことのために死んだのではない”と地下で泣き悲しむことでしょう。こういう彼女たちの態度は外国人に、“日本の女性はほとんど不義な肉体的快楽の対象物だ”と認識されているのです。そして数万の国連軍将兵は世界のすみずみにまでこういう日本女性の印象を持ち帰るのです。日本という国は品性も道徳もわきまえぬ動物的な女性ばかりの国だと。

 本当の日本の姿はそんなものではないことを私自身よく知っています。もはや独立国として面目を一新する日も近いのです。どうぞ日本の女性よ、一日も早く本来の姿に立ちかえり、富士山のような清浄な美しさを示して下さい。

東京にて一米軍将校 
http://www004.upp.so-net.ne.jp/imaginenosekai/yokota-letter.html


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1.こんな女に誰がした(パンパン編)__天皇陛下を恨んでね

 『新日本女性に告ぐ!
 戦後処理の国家的緊急施設の一端として、駐屯軍慰安の大事業に参加する新日本女性の率先協力を求む。女事務員募集。年齢十八歳以上二十五歳まで。宿舎、被服、食糧当方支給。』


 敗戦直後の昭和20年8月22日、この広告が新聞などに張り出される。「新日本女性に告ぐ!」などと勇ましいことを書いているが、これは単なる事務員の募集の求人広告ではない。

 この前日、近衛文麿国務相が「婦女子を性に飢えた占領軍兵士から守る」という狙いのもと「特殊慰安施設協会(RAA)」の設置を決めた。上の広告はこの施設で占領軍相手の売春をする女性を集めるものであった。大抵の女性は、はじめからこれがただの事務の仕事ではないことは気付いていたようだが、中にはやはり単なる事務の仕事だと思って応募してくるものや、慰安とは「歌でも歌えばいい」と思って応募してきた良家の子女もいたと言う。

 この売春施設の目的は性のハケ口を設けることによって、占領軍がレイプ事件などを起こさないためにという「性の防波堤」とも言うべきものであった。が、実際は占領軍によるレイプ事件は日常茶飯事であった。

 さてRAAであるが、東京の大森を皮切りに各地に作られ全盛期にはそこで働く「パンパン」と呼ばれた女性は7万人を数えるようになった。しかしその後占領軍兵士が持ち込んだ性病が蔓延し、GHQは21年3月10日慰安所への兵士の立ち入りを禁止し、RAAは崩壊する。パンパンの彼女たちの多くは私娼となって街で客を求めるようになる。

 そのころ吉原はというと、戦時中に東京大空襲で焼け野原になるも政府の援助によってすぐに復興。そして終戦を迎えると、前述のRAAの慰安施設となる。

 GHQは占領軍のRAAの立ち入りを禁止すると同時に、日本政府に対して公娼廃止を求める。日本政府はこれを受けて公娼を廃止するが、実際は特殊飲食街を指定しその地域内での売春行為は取り締まらないようになった。これが「赤線」の始まりである。

 赤線地帯は吉原や新宿二丁目など戦前は貸座敷があったところが指定され、風俗営業取締法(以下風営法)によって「カフェー喫茶」などが営業されていた。この「カフェー喫茶」であるが、もちろん「喫茶」といってもただ単にお茶を飲むのではない。かつて花魁として働いていた女性が今度は女給という呼称で売春をしていたのである。その後赤線は朝鮮戦争の特需景気により営業する店が急増した。そのころの泊まりの料金は1000〜3000円。

 赤線が一応風営法というかたちで許可をとっていたのに対し、その許可を取らないで売春行為をしていたのが青線である。青線は表向き料理屋の形をとっているが客と交渉が成立したときは店を閉め売春をする。青線のほうが基本的に価格は安く、比較的所得・階層の低い人が利用していたと言う。

 しかし、赤線・青線地帯もやがて崩壊する。昭和33年4月1日売春防止法(以下売防法)が施行される。これはこれまで黙認してきた売春行為を禁止するものであった。なぜこの次期に売防法が公布・施行されたのか。それは日本が国連に加盟するためである。国連は昭和24年「人身売買及び売春行為の搾取禁止のための条約」を決議しており、国連に加盟するためには娼婦をなくすことが必要であったからである。

 売防法について、赤線で働いていた女性は猛反対していた。もし赤線がなくなれば彼女達は生きる術を失うことになる。政府は何も生活の保障や仕事の斡旋などはしてくれない。東京では「東京都女子従業員組合連合会」を結成し、売防法に反対するビラまきなどを行った。

 しかしながら売防法は施行され、そして吉原をはじめとする赤線地帯は消えていったのである。職を失った女性たちは、厚生施設に通い手に職をつけようとした者もいたが、白線・黒線と呼ばれる結婚相談所の形をとった売春組織で働く者もいたし、それ以外の性風俗で働く者もいた。 
http://www.hit-press.jp/column/shakai/shakai26.html


赤線地帯 溝口健二監督 撮影・宮川一夫

出演者 若尾文子
三益愛子
町田博子
京マチ子
木暮実千代

動画
https://www.youtube.com/watch?v=l_I23VwgKkY

「戦争が終わってアメリカさんが来たら、素人さんを守ってくれ、防波堤になってくれなんて、いーい調子でおだてられちまってね」というセリフ!

映画のラスト。初めて吉原の店に出る生娘の少女が、ようやくのことで男を誘う呼び声を出すが、すぐに柱の陰に隠れてしまう。

彼女は、これから男に体を売って生きていかなければならない。その未来の始まりが映画の終わりだ。何という終わり方!

また、それが溝口監督の映画の最後のシーンになった
http://bojingles.blog3.fc2.com/blog-entry-682.html


記録映画「赤線」  官許遊郭の実態
http://www.youtube.com/watch?v=WOZEV7sh_TU&feature=related

赤線
http://www.youtube.com/watch?v=Czjvt2wB3Z8

記録映画『赤線』・ネオンきらめく吉原 1958
http://www.youtube.com/watch?v=w3b6A9fxSE0&feature=related

記録映画『赤線』・東京パレス(小岩) 1958
http://www.youtube.com/watch?v=tM45aDtaU-4&feature=related

記録映画『赤線』・洲崎パラダイス 1958
http://www.youtube.com/watch?v=I9iF39c-Hdk&feature=related


怒れる占領軍を親日家に変えたこの手腕__昭和天皇は偉大だった


昭和天皇は主席検事キーナンに戦争の責任は全部東条ら陸軍軍人におっかぶせるからよろしく、との意向を女を抱かせることで狙った(?)。女優・原節子がマッカーサーに提供されたという噂は、噂ではあるが、当時から根強くあったのは有名である。おそらくそういう悲劇が多数あったのだろう。http://blog.goo.ne.jp/hienkouhou/e/bd61d9d5c3085df3fddc6adf68c4c7d2


田中隆吉は、すぐに、主席検事キーナンに親しいボディーガードとなった。二人は、両者に共通するフランス語を使い、田中はバーボンをあたかも「特級酒」ように楽しむことを覚えた。田中が出版した回顧録によれば、キーナンは田中を日本暮らしのガイドのように使った。

もし、キーナンが女性関係を望んだ時は、彼はただ会話に「Je suis fort. (私は強い)」 とだけ言えば、田中は電話をかけてその段取りをととのえた。

実際、田中は何事にも明るく、靴を脱ぐのを嫌うキーナンが、靴のまま畳の間に入り込んでも問題を起こさないような、そんなくつろぎの場をも手配した。キーナンは、アメリカ人将校と日本の上流婦人との間の関係を良しとしていなかった。彼はよく言った。

「私もちょっとしたあそびは好きだが、素人に手を出したりはしない。それはよくない。」
http://www.retirementaustralia.net/rk_tr_emperor_13_3_4.htm


マッカーサーの部下職員の宿泊所として徴用された旧東京記者クラブでは、22人のメイドと電話交換手が、夜、そうした職員の部屋で過ごしているところを発見された。占領後半年までに、少なく見積もっても、半分以上のアメリカ軍将校たちが日本人の愛人を持つと見られていた。

 10月、幣原内閣が発足しようとする頃、特殊慰安協会はその供給について、下士官と将校を分離し、50万人の占領軍全体がすべて同じように魅力的なサービスが受けるのは難しいと強調し始めた。そしてその日より、下士官には下級のホステスバーが、兵卒には「ウィロウ・ラン」となり、上等な老舗旅館は将校向けとなった。つまり、もはやだれもが十分に満足しえるものではなくなっていた。

みごとな庭園を持つ豪奢な別荘の幾つかにはアメリカ式浴室が設けられ、そして人々の視界からは消えた。米軍士官にもっとも人気のあったのは、東京中心部のネオン街にある、招待客のみを受け入れる、プライベートクラブだった。

 そうしたクラブの筆頭が「大安」で、裕仁の弟、海軍大佐の高松宮の親友、安藤明が経営しており、戦時に便乗して暴利を稼いできていた。

トラック運送あるいは建設業界のボスとして、最初の占領軍の着陸に際し、厚木基地のまたたくうちの修復工事を成し遂げて名を売っていたのが安藤だった。

そのクラブ「大安」では、米軍の高級将校に、活発で英語の話せる貴婦人を紹介し、夜ごと、その記念にと、御木本の真珠のネックレスが贈呈されていた。

彼の気前の良い商風は、幾度も彼を倒産の崖淵に追い込んでいたが、地下商売で大当たりを上げては再起していた。そして最後に短期の刑務所暮らしをした後は、引退して安楽な生活を楽しんだ。

 そうしたクラブとは別に、内閣官房楢橋渡や東久邇元首相の別荘では、極めて興味深い享楽が繰り広げられていた。東久邇のパーティーの様は余り記録に残されていないが、楢橋のそれは、見るからに露骨な誘惑そのもので、今日。老いたアメリカ人将軍たちが当時を思い出して顔を赤らめるものとなっている。

楢橋は熱海に別荘をもっていた。熱海の入江や山々、そして名高い温泉やホステスたちと、当地はその持ち味をあえて強調する必要もなく、かつ、楢橋は名うてのもてなし上手だった。その裕福な弁護士は、戦争中、北京で最大かつ最も儲けの良い情報収集源ホテル〔北京飯店〕を経営していた。

その彼の部下の鳥尾〔鶴代〕子爵夫人が、コトニー・ウィットニー准将に仕える将官〔民政局次長チャールス・ケーディス〕の愛人となった。ウィットニーは、連合軍最高司令部民政局を動かし、日本の法制改革の草案作りをしていた。その元ホテル経営者の楢橋は、自分と自分の「貴婦人」たちが、最後にはウィットニーの部下たちすべてを「とりこ」にするだろうと豪語していた。

 性的わいろに加えて、さらに特異な投資機会も存在していた。

マッカーサーの会計担当ハロルド・R・・ルース大佐は、占領軍将兵たちは、毎月、支払われる給料より800万ドルも余計に故国に送金をしているとの報告を行った。

日本人が中国から略奪してきた数々の骨董品は、日本産の秘蔵品とともに、米国へ送られる雑のうの中に入れられていた。

天皇の叔父、東久邇宮自身も骨董業を手がけ、後になって、要職にあるアメリカ軍士官たちに安売りし過ぎて破産したと、よく語っていた。http://www.retirementaustralia.net/rk_tr_emperor_13_3_1.htm


8月15日の降伏の日、近衛宮は警視庁長官、伴信也を呼んで言った。「我々は日本の娘たちを守らなければならない。特に君にはそれを理解してもらいたい」。用意周到な中産階級の人々は、女たちを山中に隠れさせ、いざという時のために青酸カリ剤を持たせていた。

スラム街には、貞淑であろうとする権利も、国を思って自ら愛国者であろうと考える暇すらも与えられたことのない数千人の女たちが残されていた。今や、そうした女たちの出番であった。

伴長官は、東京の主要な娯楽業界――旅館、レストラン、麻雀荘、お茶屋、バー、売春宿など――の代表を招集した。

8月23日、こうしたお歴々によって、連合軍下士官のための「特殊慰安施設協会」が設立された。この団体は、勧業銀行による二百万ドル相当の株発行を資本とし、その株券は天皇の友人たちに販売された。数週間のうちに、同協会は、東京で33個所、地方で5個所、そして二つの婦人専門病院での事業を始めた。 

また同協会の別事業として、東京下町にあった軍需品工場がホテルに改造された。刀を鍬に作り直す事業などより、はるかに儲かるビジネスだった。

後にこの施設が最終的に廃止されるまでに、 「ウイロー・ラン」 と呼ばれたその工場は、250人の女たちによる生産ラインを持ち、一日に平均3,750人の兵士たちを受け入れるという生産高をあげた。

 特殊慰安施設協会とその付属組織は、 「一年一円」衆と称して天皇に仕える工業界人団体によって支援され成長した。

この団体は、化学、海運業界の重鎮であり、過去十ヶ月、和平派に属し、木戸内大臣と幾度も会談を重ねてきた、山下太郎によって組織、統率されていた。山下とその賛同者は、二億円、およそ1,400万ドルの基金を集め、天皇に献上した。

この贈呈が、その受け入れに木戸内大臣が二日を要したところからみて、何らかの見返りが要求されていたことが伺える。


 山下と 「一年一円」衆が引き受けた仕事のうち、最も難しかったものは、マッカーサー及びその側近との間の連絡業務であった。

宮中のご婦人たちの助言によれば、無能な国内警察による通訳用務が放棄され、外国語に通じたそうした国際経験ある婦人たちがそれを代行するようになれば、連合軍司令部との関係ははるかに円滑になる、というものであった。そこで、パリやロンドンに暮らしたことのある王妃や侯爵夫人たちの一団は、米国での良好なコネを持つビジネスマンの一団と協力し合うことに同意した。折角の貯蓄も目減りして見る影もない戦争未亡人には、新しい着物を買うための資金も用意された。名家の別荘は、その品格と遊興施設の程度によってランク付けされた。西洋の首都で見られるようなものをまねて、会員制のクラブが作られた。

裕福な才女たちのグループは名うての芸者を招き、男たちをもてなす芸に取り組んだ。

 日本は、マッカーサーが自分の兵隊たちに予測していた気の緩みにつけ込むための準備を万全に整えていた。和平派の特殊慰安施設協会は、まさしくその目的のために、国をあげての娼婦力を動員していた。

最初に米軍の機動部隊が東京に到着し、所定の兵営や工場に収まり、そこに検問所を設置した時より、兵員たちは、幾台ものトラックに満載されてきた女たちが検問所前で下車して準備が整い、通訳から「特殊慰安施設協会からの御挨拶です」と説明されてびっくり仰天した。

この最初の進呈は受け取りを拒絶され、そのトラック満載の贈り物は未開封のまま返品された。だが数週間のうちに、それが日本側の騙し打ちではないと判ると、アメリカ人たちはそれに打ち解け始めた。そしてすぐににマッカーサーは、「広がっていると報じられる占領軍メンバーと不品行な日本女性との間の乱れた関係に大きな懸念と深い困惑」を表すこととなった。

 戦前、日本の売春婦は、その小柄さ、その恥じない快楽主義、そして彼女たちの自尊と誠実さを込めた甘美なサービスで、国際的な評判を得ていた。

彼女たちは、主要都市の街外れにある、壁で囲まれ、飾り立てられた街区に住み、働いていた。その最も著名なものは、東京の吉原で、きらめく提灯とごった返す小路を持つ40エーカー〔16万m2〕ほどの治安の良い一画を形成し、金張りの龍と朱塗りの門、着飾った客引きや曲芸師と砂糖菓子売り、格子を通して垣間見える池や庭と縁側や格子窓の向こうの女たちといった、集積された東洋の魅惑と悪徳の場であった。

 空襲を生き延びたそうした女たちは、首都圏全体に霧散していた。少しでも英語が話せるものは、特殊慰安施設協会に雇われ、郊外の古びた宿屋や、同協会が下町に作ったキャバレーや売春宿で、そのサービスを提供するのを待ち構えていた。

アメリカ人による需要は、ついには、横浜の「ビック・ティッツ〔「大きなおっぱい」の意〕・バー」や。東京の「ハード・オン〔「勃起した」の意〕・カフェ」のような目立った歓楽場所を生みだし、占領が始まって1ヶ月も経たない時点で、歓迎されるとみられる所では、目立たないようにながら、あたかも偶然を装い、そうした女たちが商売を始めていた。

 米兵のうちには、まるで麻薬の幻覚であるかのような、そうした初期の出来事を経験したものがいる。日本の地方で、武器の隠し場所を捜索していた元第8軍団の軍曹が、1945年10月末のある日の経験を述べている。


 彼と同僚は、その日、東京の東方にある小さな海辺の町のほこりっぽい広場に、彼らの乗るジープを止めた。そこで彼らが、昼食のためにK号携帯糧食を開こうとしていた時、シルクハットを被り、黒く盛装した一人の紳士がやってきて、たどたどしい英語で、粗末な場所だがその屋根の下で、食事を摂ったらいかがかと申し出てきた。彼は、ジープの後方バンパーに立ち、海を見下ろす崖の上へと、砂利道を案内した。竹藪の前で車を止めさせ、崖の淵にある、古い宿屋へと小道を下った。

その玄関では、着物を着た四人の麗しい娘が、彼らの靴を脱がせ、二階の、漆塗りの食卓の置かれた畳敷きの部屋へと通した。座布団が差しだされ、ふすまが開けられると、素晴らしい景色がそこに広がり、眼下では波が磯に砕け散っていた。女中が、K号携帯糧食に加えるべく、ビール、おひつに入ったほかほかのご飯、数々の前菜を持って入ってきた。娘たちは、間違った英語をにぎやかにしゃべり、はしを使って米兵たちにそれを食べさせた。そして、指やマッチ棒やビール瓶をもちいた接客ゲーム――言葉を超越した遊び――を彼らに教えた。とっくり入りの燗のついた酒も出され、それを杯で飲んだ。

やがて、食事と歓談に満腹したところで、娘たちが言った。「お風呂に入りましょう」。

 折り返した階段を下りて、崖下のほら穴状の部屋へと案内された。その岩の床はおだやかに傾斜し、一方の壁は海に向かった開口部だった。その床の中央に、タイル張りの湯気をあげる浴槽があった。

娘たちは着物を取り、男たちの服を脱がせ始めた。娘たちは、手おけで火傷しそうなその熱いお湯を自らあびた。その行為は繰り返され、兵士たちは大喜びしてそれをまねた。皆がそうして洗い終わった時、娘たちは浴槽の中に身を沈めた。男たちは、それに従い、その40度を越える熱いお湯に体を入れ、ゆっくりと首までつかったが、火傷はしないようだった。彼女たちは、兵士たちの顔を手ぬぐいでふいて、女中が運んできたビールを小さなグラスで飲ませた。遠くでは、崖の影が、海面の上に長く延びていた。

 皆がよく浸かった頃、女中が清潔な木綿の浴衣を持ってきて、男たちはそれを着て、その帯を前で結び、その結び目を背に回すことを教わった。そして娘たちは、彼らを、二階の個室へと案内した。そこでは、畳の床の上に厚い布団が敷かれ、またしても、ビールが幾本か、食膳の上に並べられていた。

一人の娘が、「アメリカ風の愛し方をして」と、軍曹に手を巻きつけながら言った。軍曹は、一瞬息をのみ、圧倒され、夢中となって、そして、それを拒むには自分が余りに誇らしくなっているのを感じていた。

翌朝、彼は一人で眼を覚ました。隣の部屋の仲間を起こし、そのぜいたくな遊びの代金を請求された場合を心配して、彼らの手持ちの金をかき集めた。

女中がお茶とご飯をもってきた。朝食の後、彼らは、その黒の盛装の男にそれでよいかを尋ねた。その男は、その代金は、一人につき、煙草二箱で結構と言った。玄関では、昨夜の相手をしてくれた娘たちが、靴べらを手にして待っており、満面の笑みをうかべて礼をして、彼らが帰途につくのを見送った。


 そのような、初期の接触がもたらした体験や物語は、親密関係無しといった公式占領政策をアメリカのMPによって徹底させることを不可能にした。ジャングルで闘ってきた精鋭部隊が、すべて「米国内」に帰還し終わるまでに、そうした女たちは、米国人宿泊所や定期的な一掃取締についてのあらましを知っていた。

連合軍隊員によって占められたかつての日本軍兵舎や武器改造工場は、消灯時ともなると、ヒールの音や漂う香水の香り、溜息や何かのきしみ音などが響く、不可思議な時間帯となった。http://www.retirementaustralia.net/rk_tr_emperor_13_3_1.htm


「米軍の本隊がまもなく到着する。宿舎は内村旅館である。

どのくらいの期間滞在するかわからないが、
署長は米軍から知覧の町民を守るようにとの中央の命令を受けている。

一番怖いのは婦女暴行であるが、これについては各方面の協力を得て、
彼らに当てがう女たちを確保した。

その女たちは、いわゆる慰安婦である。
 (赤羽礼子 石井宏著「ホタル帰る」草思社p188)

      ..,,,,,ll,,,,,,,|||Illllla,,_
    : .,,,illlllll゙゙¬゙|ll|l》゙|ト砲,、
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 广'i、ァ   ゙゙‐'‐'" : :::  ゚"ー'″ .|i
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 .'fi,;゙l;ヒ  : : ;:  :":・lll゙l,.'l・!°   |
   ゙'!,,,い:    ,‐ .,!.gl,,|i,,j,,\  .,l 私のせいで多くの女性が犠牲になった?
    .”゙l   /゜,,,,,lwew-ii,, ゝ ,l゙
     ll,  ゜,,l゙`:;,,,,l,ll,,、.゚ト.,,i   あ、そう! だから何?
    ,,,i'llr゚''ri,,,,,_ : :   : : _,r°
  ,,,iilllli,゙h,、`゚゙゙゙lllllllllilllllll"】 

米兵は日本の「慰安婦」を常用していた

エリック・タルマッジ
AP通信 2007年4月25日18時44分

http://c.fc2.com/imgsa/http%3A%2F%2Fblog-imgs-13.fc2.com%2Fr%2Fe%2Fd%2Fredfox2667%2F51064_640x480.jpg/

この日付のない写真は横須賀市によって公開された。東京の南に位置する横須賀の安浦遊郭前に集まる米水兵。日本の降伏後米兵に売春を提供するために日本側によって設置された多くの慰安所の一つ(提供:AP通信/横須賀市)

【AP通信:東京】 第二次大戦中、軍のために女性を奴隷化した日本の忌まわしい行いには、余り知られていない続編がある。降伏後日本は米兵に対しての同様な「慰安婦」を提供したのである。米占領当局の黙認の下に。

 これまで英訳されてなかったものを含むAP通信の史料再調査は、女性が売春を強要されていると言う内部報告に関わらず、米当局が公的な売春システムを許可していたことを明らかにした。またアメリカ側は、日本が戦時中に占領したアジア諸国で女性に残忍な扱いをしていた事も熟知していた。

 1946年春にダグラス・マッカーサー司令官が売春宿を閉鎖させたが、それまでに何万人もの女性が安値で米軍相手の売春婦として雇われていた。1945年8月に米軍の日本進駐を期に多くの売春宿が営業を開始した事が記録には書かれている。

 東京の東北に位置する茨城県警の公式記録には「遺憾ながら、我々警察は占領軍のために慰安所を設けなければならなかった。それが経験豊富な女性の特別任務であったのは、一般の女性や少女を守るための防波堤とする目的であった」とある。

 日本の降伏と占領に関して協議するため日本の代表団がフィリピンに発つ前日の1945年8月18日に、内務省の指令があった。茨城県警は直ちに準備に取りかかったが、丁度良い施設は独身警察官の寮であり、それはすぐに売春慰安所に模様替えされた。20人の慰安婦と共に海軍施設から寝具が運び込まれた。慰安所は9月20日に営業を開始した。


売春宿は大繁盛
http://c.fc2.com/imgsa/http%3A%2F%2Fblog-imgs-13.fc2.com%2Fr%2Fe%2Fd%2Fredfox2667%2F2007050102564097_1.jpg/


記録には「慰安所が開設されて以降予想通りに大繁盛だった。慰安婦たちは...昨日の敵に自らを売ることに抵抗があり、言語や人種の違いなど彼女達にも最初は大きな戸惑いがあった。しかし彼女達は高額の賃金を受け取り、徐々にその仕事を受け入れるようになった」と書かれている。

 政府の財源で運営された「保養慰安協会」(RAA) の援助の下に、警察と東京の業者は売春宿のネットワークを設立した。1945年8月28日、東京の南隣の厚木へ進駐軍の先行隊が到着、その日の夕暮れまでに軍は最初の売春宿を見つけることになる。

 RAAの情報課長だった鏑木清一氏は「私はRAA幹部と共にそこに急いで向かったが、路上に500-600人の米兵が列を作っているのを見て驚いた。アメリカの自治警察が兵達をコントロール出来ない状態だった」と1972年の回想録でそう書いている。

 警察と民間によって運営されていたとしても、このシステムは戦時中の海外の日本軍によって設立された慰安所を手本にしている。

 鏑木氏はまた「進駐軍の兵は前払いでチケットとコンドームを与えられた」と書いている。最初のRAAの売春宿「小町園 - The Babe Garden」は当初38人の売春婦だったが、必要に迫られててすぐさま100人に増員した。女性一人当たりが一日に15-60人を相手にした。

 アメリカ人の歴史学者ジョン・ダウアー氏の著書『敗北を抱きしめて 第二次大戦後の日本』によると、売春婦との一回が15円で、タバコ一箱の半額であり、「突然の高需要のために売春宿の運営者は、認可された売春婦でない女性をやむなく公募した」とある。

 戦争で身内を失った小町園の滝田ナツエさん (当時19) は、事務職募集広告で応募したが、空いてる唯一の職が慰安婦であると言われ、仕事につくように説得された。1952年の占領終了後に出版された鏑木氏の回想録によると、滝田さんは売春宿開業の数日後に列車に身を投げたとのことだ。「最悪の犠牲者は...『新日本女性』の広告に応募して来た、未経験の女性であった」とダウアー氏は書いている。

 鏑木氏によると、1945年の末までに35万人の米軍が日本に駐留し、米兵のためにRAAは最高時7万人の売春婦を雇っていたとある。そのためにそこに日本人以外の慰安婦が海外から来たと言う説があるが、それに関する明確な証拠はない。

 広島歴史研究所の田中利幸教授は、鏑木氏の提示した数字は根拠に乏しいとしているが、RAAはそのごく一部であり、公式記録に載っていない民間売春業者の数は更に多いであろうとしている。田中氏が発見した記録によると、米駐留軍幹部は、進駐軍の相手をする慰安婦のためにペニシリンを日本政府に提供し、RAAの売春宿のそばに予防施設を作り、兵隊達に使用を許可したとある。

 旧日本軍のための慰安婦と、進駐軍のために募集された慰安婦の類似性を駐留軍幹部は見過ごさなかった。GHQ衛生福祉厚生部のヒュー・マクドナルド上級士官の1945年12月6日の回想録によると、日本の慰安婦はしばしば強要されていたことを米進駐軍は把握していたと言う。「貧困の極致の両親に促され少女は契約を無理強いされた。時には自ら進んで家族のために犠牲になったとあるが、しかしながらそれは情報提供者の主観であり、かつてよりは一般的ではなくなったにせよ、都市部では少女の奴隷化の習慣はまだ存在している」と書いている。


RAAの崩壊

 従軍牧師達の苦情と、売春宿の発覚が米国に帰国後の進駐軍に不名誉となる懸念から、1946年3月25日、マッカーサーは全ての売春宿や慰安所その他の売春所への立ち入り禁止を指令し、間もなくRAAは解散した。

 マッカーサーの主な心配事はモラルの問題ではなかった。田中氏によると、進駐軍の米兵の1/4以上がその時点までに性病に感染していたとのことだ。「全国規模の立ち入り禁止令は、15万人以上の日本人女性を突然失職させた」と田中氏は2002年の性奴隷に関する著書でそのように書いている。元慰安婦の大半が兵士相手の違法ビジネスを続けたが、その多くが性病を持ち貧困であったとある。
http://redfox2667.blog111.fc2.com/?mode=m&no=2


 アメリカの朝鮮戦争時における慰安婦施設について

 朝鮮戦争が始まると横浜、大阪(のち奈良)、小倉の三カ所に日本人女性の売春婦(慰安婦)を集めた米軍管理の「センター」を設置した。

朝鮮の戦場から一定期間毎に交代で米軍の兵隊が送られてきた。
 (中川八洋「歴史を偽造する朝鮮」徳間書店p225) 
http://www.tamanegiya.com/iannfudoitu18.5.302.html


「国体護持」へ国策売春

『新日本女性に告ぐ!
 戦後処理の国家的緊急施設の一端として、駐屯軍慰安の大事業に参加する新日本女性の率先協力を求む。女事務員募集。年齢十八歳以上二十五歳まで。宿舎、被服、食糧当方支給。』


 敗戦直後の昭和20年8月22日、この広告が新聞などに張り出される。「新日本女性に告ぐ!」などと勇ましいことを書いているが、これは単なる事務員の募集の求人広告ではない。


 この前日、近衛文麿国務相が「婦女子を性に飢えた占領軍兵士から守る」という狙いのもと「特殊慰安施設協会(RAA)」の設置を決めた。上の広告はこの施設で占領軍相手の売春をする女性を集めるものであった。大抵の女性は、はじめからこれがただの事務の仕事ではないことは気付いていたようだが、中にはやはり単なる事務の仕事だと思って応募してくるものや、慰安とは「歌でも歌えばいい」と思って応募してきた良家の子女もいたと言う。
 http://www.hit-press.jp/column/shakai/shakai26.html


 1945年8月18日、俗に言う終戦の日の三日後、内務省警保局長は進駐軍用に慰安施設を整備するように全国に無電を発した。9月4日には内務省保安課長も同様の命令を出している。内務省警保局というのは今日で言う警察庁のような物であり、全国の警察の元締めである。

「これを受けて各警察は慰安所の設置や慰安婦確保に奔走する。その模様を詳述しているのが『神奈川県警察史』だ。それによると空襲で焼けた花街に女性は残っておらず、警察が業者に公務乗車証明書を発給し、疎開先を回って勧誘させた。また、慰安所の布団や衣類、化粧品、消毒薬などの手配や運搬には、直接警察官が携わったという。」
とある。

 東京では警視総監坂信弥が指示して売春業者と飲食店経営者に「特殊慰安施設協会」を作らせ対応したという。この特殊慰安施設協会には、後に吉原などのソープランド経営者に連なる者達が沢山いたという。更に当時の大蔵省主計局長池田勇人(後の総理大臣)が日本勧業銀行に指示を出して資金を提供した。

「警察と大蔵省がバックの国策事業ゆえ、協会は堂々と新聞広告まで出して慰安婦を募っている。」

「進駐軍売春作戦の発案者とされる坂は、国務大臣近衛文麿から国体護持のために婦女子対策をと指示され、慰安所設置を決めたと生前語っている」
のである。占領下では米兵による強姦事件なども多かったために、反米感情が爆発して折角天皇制を存続させることに成功したのにそれが元の木阿弥となることを未然に防ぐためである。花街の女性を強姦に対する防波堤とした訳だ。

 で、特殊慰安施設協会に参加した売春業者達が戦時中に何をしていたかというと、当然の話であるが大日本帝国陸海軍の将兵相手に商売をしていた訳である。つまり従軍慰安婦=戦時性奴隷の手配に手を染めていたものも多数いた。

米軍相手に政府機関が売春婦を斡旋するという政策を取った背景には、日本軍将兵の間に強姦事件によって性病が蔓延したり占領地での人心掌握に支障が出ないように配慮した経験が生かされていた。

実際には日本軍の士気やモラルは非常に劣悪で、強姦殺人は日常茶飯事であった。毎日のこの記事だけでは従軍慰安婦=戦時性奴隷に日本政府や軍部が関わっていたことに対する状況証拠でしかないが、軍人に女性をあてがうという発想が、当時の日本人の感覚として極々普通の物であったことが分かるだろう。 
http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2007/08/post_cfe5.html


「江東区女性軍」強制連行……。
「本土決戦が叫ばれた昭和二十年(一九四五年)に、国土防衛軍である「江東区女性軍」の編成にくりこまれた女性青年団埼玉第一中隊の百三人は、終戦の日に帰してもらえなかった。

「耐えがたきを耐えて、全日本婦人の楯となるべき……」

 と、お上が手早くつくった「国際親善協会RAA」(占領軍慰安婦)のうち、都内の四カ所に強制連行され、やみくもに米軍との交接を強いられた。
 そのことは埼玉らず、広島の女子青年団、そして川崎のM軍軍需工場など、他地区にも多くみられた。
 当時−−天皇のために捧げてたてまつると、血の宣紙を捧げてあった娘たちは、

「血書を捧げた君たちの忠誠を、天はみそなわしたもうたものであろう。君たちでなければ、日本人の操を、進駐軍の手から守り通すことはできない」

 占領軍慰安婦の持ちかけがお上からだされたのは敗戦直後の八月二十一日、RAAの誕生とともに二十六日には慰安婦の徴募がなされ、二十八日はRAAが宮城前で誓詞をなし、同日は厚木進駐の米兵に横浜の小町園が開所した。
 RAA発表による占領軍慰安婦は、昭和二十年十一月まで二万人、最盛期七万、閉鎖時の昭和二十一年(一九四六年)三月二十七日、五万五千であり、閉鎖は性病兵が増えたという米軍側の主張によった。」


横須賀……。

「横須賀に上陸した兵は、バイラーと呼ばれる客引きに案内された。−略−
 街は建物のかげ、ボートの中、神社、学校、いたるところで性行為が見られた。
「外人が船に乗ってくるから、パンパンがよってくる。横須賀へ来た船の着くところをこわした方がいい」(『日本の売春問題』神崎清)」

子どもたちが目撃して、作文にしている……。
−−小泉はこんな環境で育ったのだろうか?

自己責任は小泉政権のスローガンでしたね。直接は関係ですが……。

「閉鎖までの慰安所料金は、ショートで百円、オールナイトで三百円であり、RAAは充分にもうかっていた。政府融資の国策事業なのに、慰安婦たちからは部屋代、食費、衣裳、雑品、化粧品などと、昔からの廓のしきたりをむしろ越えるほど取り上げ、揚句の果てに、病気や怪我も、慰安婦の自己払いであった。」


閣議より前に、業者たちを集めたという。
「前述の慰安婦指令は、閣議よりも四日も早く、広尾小学校の警視庁保安課より出されてたのだ。高橋保安課長と大竹風紀係長らが、さっそく業者を集めてかたりかけた。」


調布、三鷹……。
「RAAの仕事では、立石は黒人用慰安所とされた。
 調布の日本楽器の建物は「調布園」として、九月十日に慰安婦三十人で開店し、三鷹はキャバレー慰安所として、ニューキャッスルが開所した。」

「娘を売る光景」
「人売は昭和二十三、四、五年と、売春婦に売られたが一番多いとされている(労働省婦人少年局の調査による)。」

http://blog.goo.ne.jp/ryuzou42/e/0b9d55f0b563f7420ee0432b3a409d22


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三ミ| |:::|        /⌒ / ̄ ̄ | : ::::::::::|  
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確かに売春婦ですが一般の女性を米兵によるレイプから守るためでもありました。
進駐軍がモラルがあったから日本は幸せだったというのはGHQの報道管制のたまもの
白人は昔から現地の女性をレイプし生まれた混血児をその植民地の支配層にするという政策を取り続けていました
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1430857764


進駐軍犯罪史

 読売新聞の調べによる昭和32年の国内10大ニュースのトップはジラード事件。これはちゃんとした世論調査に基くものなので、当時の国民が最も関心を示したニュースが直接、反映されるものだ。ジラードとは進駐軍の兵士の名前である。ジラード事件とは進駐軍の兵士が村議夫人を射殺したという事件であった。
 
 進駐軍犯罪といえば大規模なものでは松本清張が「黒地の絵」で描いた、小倉の黒人兵大量脱走劇に伴う地域住民への大規模なレイプ、暴力沙汰がある。昭和25年7/11、およそ160人の黒人兵による祗園祭の日の犯罪事件は進駐軍によって厳重な報道規制が行われ、事件をうかがわせるような記事は当時の在京各紙にはまるで見えない。結局、この事件は7/15に進駐軍による鎮圧で市街戦となるまで続いた。この市街戦についても徹底した報道規制が行われた。
 
 昭和20年8/15から昭和27年4/28の平和条約発効までの間、日本はアメリカ進駐軍の支配下にあった。この間、都内での進駐軍犯罪被害の届出は318件、全国では2万5500件であったが、この数字は「氷山の一角」とされていた。なぜなら進駐軍犯罪被害の届出は非常に困難だったので、実際の犯罪被害は届出件数の数倍はあったのではないかと当時の人の生活感覚では感じられていたのである。
 
 進駐軍犯罪被害で役所に届出を出すと、まず加害者が本当に進駐軍という証明書を要求される。さらに市町村長の証明書、警察の証明書正副5通を要求され、少しでも不備があれば受理されない。これをようやく揃えて、やっと届出が受理される。その数字が全国で2万5500件であった。つまり届け出なかった、書類に不備がありつき返された、揉み消されたなどの犯罪被害の件数は2万5500件の中には入っていないのである。
 
 届出が受理されても、その審理は粗末なものだった。子供が酔っ払いのアメリカ兵のジープに轢殺された母は被害届をようやくCID(陸軍犯罪調査部)に受理されるも、何の連絡もなく放置され、呼び出されて「裁判でお前が負けた」と言い渡されて終わり。裁判があったのかなかったのか、あったとしたらどんな審理がされたのか何も伝えられないというシロモノだった。さらには仕事帰りにアメリカ兵にジープに拉致されて走行中に道に飛び降りて死んだ娘は「身元不明の売春婦」として処理され、家族が訴え出てもまともにとりあってもらえぬという酷さ。他にも道路を横断しているのが誰の目にも明らかなのに、アメリカ兵の運転するトラックがスピードを落さずにそのままその歩いて道を渡っている日本人をひき殺すという事もあった。あるいは突然、理由なくアメリカ兵に射殺されたり、道を歩いていて殴り殺されたり、強姦されたりなどの犯罪被害は総計3万4000件と言われたが、うち2万件は泣き寝入りしたとされている。
 
 終戦直後、進駐軍の到着に備えて政府は婦女子に警戒を呼びかけてはいた。「婦女子は淫らな服装をせぬこと、また人前で胸をあらはにしたりすることは禁物である。外國軍人が『ハロー』とか『ヘイ』とかあるいは片言まじりの日本語で呼びかけても、婦女子は相手にならず避くること」。
 
 しかしアメリカ兵によるレイプ事件は昭和20年8/30、占領部隊の日本上陸第1日目にすでに発生している。これはワシントンの米政府機関が保管していた当時の日本の内務省警保局「米兵の不法行為」に記載されており、8/30午後1時30分には神奈川の横須賀市旭町で車運転手の家にアメリカ兵2人が押し入り、留守番をしていた運転手の妻(36)と長女(17)をピストルを手にレイプした事件が起きている。このアメリカ兵2人は午前11時30分に件の家を下見しており、中に女性しかいないのを確認して犯行に及んだのだった。また同日午後6時には横須賀市の鎮守府正門にあったガラス商の家で、女中(34)が1人で留守番をしていたところをアメリカ兵2人にレイプされている。アメリカ兵は交互に見張りに立ってレイプしたという。
 
 アメリカ兵の上陸したところにレイプ事件あり。9/1にはアメリカ兵による日本人女性レイプは房総に飛び火した。千葉の安房郡の漁村の漁師の家に3人のアメリカ兵が押し入って、出征中に戦死した漁師の息子の妻(28)が留守番中に輪姦されたのをはじめ、同じ村では押し入ったアメリカ兵4人のうちの1人が別の漁師の妻(36)をレイプする事件が起きた。同日午後6時には横浜市中区でアメリカ兵2人と日本人2人に連れ出された女中(24)が野毛山自然園の中の米軍宿舎でアメリカ兵27人に輪姦される事件が起きている。この女中は翌日、意識不明となっているのを元の家へと送り返されている。
 
 アメリカ兵の理不尽な暴力の被害に遭ったのは女性ばかりではない。9/15午後10時30分には川崎市木月の国民酒場で、店主の田中(47)と長男(16)が酔ったアメリカ兵3人によって射殺される事件が起きている。特に深い理由もなくアメリカ兵に突然、射殺されて泣き寝入りという実例となる事件であるが、こうした事件はほとんどが表沙汰となる事はなかったのである。
 
 アメリカ兵による犯罪が公に報じられたのは、9/9に事もあろうに葉山の御用邸に乱入して略奪の限りを尽くしたというニュースが最後であった。9/10よりGHQの報道管制が始まったため、それ以降は進駐軍のレイプ、強盗、暴行殺人などの犯罪は全く報じられず、こうした犯罪に対しては日本警察も手が出せないという状態が続いた。政府は性の防波堤としてRAA(特殊慰安施設協会=進駐軍相手の売春公社)を設置したが、当の進駐軍から廃止にされて街頭には米兵相手のパンパン(売春婦)が溢れるようになった。こうしたパンパンは蔑視の対象にされたが、米兵の一般婦女子への際限ないレイプへ歯止めをかけた功績は大きい。
 
 このようにしてアメリカ兵による犯罪はどんな些細な事件でも新聞での報道は厳禁とされたので、総じて日本人のアメリカ進駐軍への感情は悪くはなっていない。占領中のアメリカ進駐軍犯罪には損害賠償法令がなかったため、日本独立後の昭和31年5/22、進駐軍被害者連盟が結成されて政府に補償とそれまで報道が控えられていたアメリカ兵の犯罪事実の公表へ向けて活動するなどとした。
 
 ジラード事件は昭和32年であるから進駐軍犯罪への報道はタブーではなくなっていたものの、日本の裁判管轄権が進駐軍には通用しないという構図が日本国民の前にさらされてこうした事が反米感情などに火をつける事となっていく。
 
 1/30の事であった。アメリカ軍の群馬県相馬ヶ原演習場はアメリカ軍が演習中には立ち入り禁止区域となっていて、それを破った者には刑事特別法による懲役1年以下、罰金2000円以下という罰則規定まであった。しかしこの相馬ヶ原は地元住民らが地べたに落ちている銃弾の薬莢を拾って生計の足しとするのが慣わしで、この日も相馬村議の妻、坂井なか(46)が仲間らと薬莢拾いのために相馬ヶ原に立ち入っていた。
 
 なかと一緒にいた男性(30)ら5人の証言によれば、なかは米兵に追われて逃げる最中に突然、撃たれてそのまま絶命した。この事件は当初、伏せられていたものの、2/2に5人の目撃者の中から社会党の茜ヶ久保重光衆院議員に相談を持ちかけた者があり、一気に政治問題化していく。一般の国民が事件の概要を知ったのは2/3の新聞報道によってであった。
 
 なかを撃った米兵は第1騎兵師団第8連隊第2大隊のウィリアム・S・ジラード特務三等兵(21)で、なかには2発銃弾を浴びせていた事も判明。1発目が外れて2発目を発射したというから、事故などではなく完全な確信犯である事は明らかであった。
 
 事件が表に出されて慌てたアメリカ進駐軍は2/4、熊谷の籠原キャンプの憲兵隊から群馬県警へジラードが事件を自供したと報告、その後、ジラードは地裁に告発されたものの、日米行政協定がネックとなってジラードは公務中なので裁判権はアメリカにあるというアメリカ軍の主張に押し切られそうになる。日本の反米感情の激化を恐れたアメリカが結局は裁判権不行使という裏技で、ようやく日本側の手でジラードは起訴された。これが5/18である。アメリカではジラードの日本への身柄引き渡しを認めないよう訴訟が起こされ、7/11にアメリカ最高裁によってようやく日本での裁判権が認定された。11/19に前橋地裁は傷害致死で懲役3年、執行猶予4年の判決を下し、控訴されずに12/6、ジラードはアメリカへ帰国して事件は日本国民に割り切れない感情を残したまま幕を下ろした。
 
 ジラードがなかを撃つ前にも別の弾拾いの住民に向けて発砲していた事や、なかと小野関英治に「パパサン大丈夫、ママサン大丈夫」と話しかけて近くの壕を指して「ママサン、タクサンネ」と言っていた事が明らかになったのは公判によってであった。ジラードは発砲時にはビクター・ニール・ニクル特務三等兵と一緒におり、最初は小野関に向けて空砲を発砲、続けて「ゲラルヒヤ」となかを誘い、逃げたところを背中から撃っていた。さらになかが倒れた後、ジラードはなかに近寄って触っており、なかを殺害した事は認識していたものと思われた。
 
 ジラードは7/5に日本人女性と結婚、帰国の際には同伴しており、味噌樽を土産にアメリカに持ち帰った。昭和33年4月にオタワのジラード邸を訪問した松田ふみ子によれば、ジラード邸はペンキが剥げ落ちて板は腐って2間きりの狭い家だったが、当時、日本では珍しいテレビ、電気冷蔵庫、ガスレンジが完備していた。ジラードは帰国後、工場で荷物運びをしていたが失業し、妻のハルは英語が下手なのでジラードと意思疎通が出来ず、さらに5ヶ月でわずか5ドル(1800円)しか貯金がたまらない事もあり日本に手紙も出せない状態だったという。
 
 相馬ヶ原は榛名山の南側に広がる原野で大正9年に陸軍の演習場となり、周辺住民の薬莢拾いはその頃から軍に黙認された「権利」であった。周辺住民の土地を一部強制収容して演習場にしたため、周辺住民の生計の足しのための薬莢拾いについて陸軍でもとやかく言えなかったのである。演習場は戦後はアメリカ進駐軍に接収されたが、旧日本陸軍時代と違って実弾射撃で農家の萱などに被害が出るようになり、戦前よりかえって周辺住民の生活は圧迫されてしまう。
 
 相馬村の上新田地区では地域住民全員が薬莢拾いを主な収入源としており、桃井村住民と合わせ3、400人が薬莢拾いを行っていた。1日に2、3貫(7.5キロから11キロ)を拾い、週に1度来る鉄くず屋に1貫(3.75キロ)を7、800円で売り、いい稼ぎとなっていた。月平均で1人あたま2万円の収入となったという。勢い、薬莢拾いにも熱が入り、演習の最中に演習場の中に立ち入ったり、演習場の中に穴を掘って潜み、演習中の砲弾の爆発を待つ者までいた。こんな事をすれば生命の危険にさらされるのは無理もなく、1月には砲弾の破片で薬莢拾いの住民に死者が出ている。アメリカ軍側では再三にわたって危険だからと地域住民の演習場立ち入り規制を日本側に求めていたが、地域住民は送検されても過去に起訴された事はなかった。
 
 薬莢拾いは相馬ヶ原だけの風習ではなく、演習場のある地域ではどこでも行われていた普通の事であった。静岡の御殿場にあるアメリカ軍の東富士演習場の狐塚でも昭和31年9/7午前7時30分に地元の農婦(31)が演習中のアメリカ兵に撃たれて重傷を負っている。農婦が立ち入り禁止区域にいた事から農婦側の過失として事件は処理されていたが、ジラード事件では被害者女性が死んでしまった事や社会党が政治問題化した事から一気に国民の反米感情に火をつける事となったのである。ところが相馬村ではジラード事件調査に訪れた社会党県議団には非協力的な姿勢で、今回の騒動で薬莢拾いの「特権」が奪われる事を村民らは恐れていた事も当時の報道には記されている。事件後も相馬ヶ原では地域住民ら100人が毎日、薬莢拾いを続けていた。
 
 ジラードがなぜ薬莢拾いの村議夫人を撃ったのかは、演習の最中に手袋をはめてまだ熱い薬莢を拾ったりする地元住民らの姿をジラードの所属する部隊の中でどのように感じてどういう話題にしていたかがわかれば、その理由のいくばくかが見えてきそうな気はする。禁止された区域に立ち入ってくるのだから非は向こうにあるという意識がジラードの中にはなかったか。或いは薬莢拾いの地元住民だって家に戻れば人並みの暮らしをする普通の人間であるというところまでジラードの意識が思い及ばなかったか。
 
 このジラード事件で日本の対米世論が硬化する最中の昭和32年8/2午後3時、茨城の那珂湊市前浜の県道で工員の北条清(24)が母親のはる(63)を自転車に乗せて走行中、突然、低空飛行の飛行機が2人に接触してはるは胴体を真っ二つにされ即死、清は重傷を負った。この飛行機の正体はアメリカ軍水戸補助飛行場から飛来したL22型連絡機で、2人は尾翼に引っかけられたのだった。
 
 目撃者の男性(35)の証言によれば、アメリカ軍機は機首を落として畑すれすれに飛んできてそこで曲がりかけた後、再び地面すれすれを超低空飛行、尾翼を芋畑でバウンドさせて上昇する最中に2人を引っかけたのだという。2人は阿字ヶ浦に向かう途中であった。
 
 このアメリカ軍機を操縦していたのはジョン・L・ゴードン中尉(27)、ほかに下士官も同乗していたとされる。現場に飛来する直前にこのアメリカ軍機は近くの海水浴場でも低空飛行をして海水浴客が驚くさまを楽しんでいるかのようだったというから、故意に危険な飛行をしていたのは明らかであった。しかしアメリカ軍側は異常気流で操縦不能になったための事故と主張、茨城県警ではこのアメリカ軍側の主張を斥けて8/8、ゴードンを書類送検としたが8/21には不起訴となっている。
 
 ゴードンはなぜ危険な低空飛行をしたのか?実は類似の事件は戦前にもあった。操縦士が無意味な低空飛行を地上に人がいる場所で試みて、飛行機に人を引っかけて死なせてしまう事件である。昭和2年10/21、東京の芝区愛宕小学校で運動会が行われている最中、下志津飛行学校生徒の操縦する飛行機が低空飛行をして校庭の小学生のうち3人が引っかけられて1人が死亡した。この件では操縦士は後に不時着を試みたなどと弁明している。ゴードンの例も、この飛行学校生徒の例も、自らの操縦の腕を得意がっていたのではないか。衆人環視の場所で低空飛行を繰り返して地上の人たちが騒いだり驚くのを面白がる、そういう心理から危険極まりない行為に及んだのではないか。
 
 ジラード事件、低空飛行殺傷のゴードンの事件の記憶さめやらぬ昭和33年9/7午後2時、西武線下りの飯能行き列車が埼玉の狭山市入間川ジョンソン基地内の武蔵藤沢−稲荷山公園間を走行中、1両目に銃弾が飛び込み、乗客の武蔵野音大絃楽科1年の宮村祥之(21)の背中に命中、午後3時に運ばれた基地内の病院で死亡した。列車を撃ったのはジョンソン基地憲兵隊臨時勤務のピーター・E・ロングブリー三等航空兵(19)で、「空射ちの練習をしていたところ実弾が入っているのを忘れて撃った」としたがすぐさまアメリカ軍に逮捕された。
 
 宮村は母子家庭で、母は郷里の熊本の荒尾で日雇人夫をしながら女手一つで宮村を育て、音楽家を夢見ていた息子を東京の大学へと進ませていた。宮村は昭和30年に上京、初めは東洋音楽短大に通っていた。事件の直前にはコントラバスのバイトが見つかり、母に仕送りをもう受けなくても大丈夫と連絡があったばかりであったという。
 
 アメリカ軍では当初、公務中の出来事で事故だとしたものの、いくら空射ちのつもりだったと主張しても列車に向けて発砲したのでは言い逃れのしようがなく、公務時間中の出来事ではあるが列車を撃ったのは公務とは到底認められないという見解を出した。早速埼玉県警はロングブリーを書類送検、昭和34年5/11に地裁で禁固10ヶ月の判決が出ている。
 
 アメリカ進駐軍がらみの事件ではこうして全国的な話題になった事件以外にも無数の犯罪が起きているが、それらは公にされる事は稀であった。昭和34年4月には青森の上北郡六ヶ所村で三沢基地の米軍機が訓練に際して爆弾を誤って落としていく事が頻繁となり、東京でも報道されている。六ヶ所村は米軍三沢基地の天ヶ森演習場と高瀬川を隔てた場所にあり、以前より米軍機が爆弾を誤って落としていたが、およそ3ヶ月に1発の割合だったので特に問題化していなかった。3ヶ月に1発のレベルでは報道すらされていなかったという事で当時はこの手の米軍の無法ぶりが基地の近くでは日常的だった事がわかる。
 
 しかし昭和33年9月より米軍ジェット機の練習用爆弾が昭和34年4月までに六ヶ所村に30発落下しており、うち10発は民家から2、30メートル以内の場所で爆発していた。米軍機の速度が向上して爆弾を標的に当てにくくなり誤爆しやすくなったらしい。昭和33年12月には125キロ爆弾が六ヶ所村倉内の農家の近くに落下し馬小屋に穴が開いて山火事となったほか、昭和34年3月下旬には農作業中の男性の3、4メートルの場所に爆弾が落ちて男性は気絶、さらに3/20、同じ男性の水田に爆弾が落下し爆発して5、6メートル四方の穴が開く出来事があった。米軍は模擬爆弾なので大丈夫だなどと説明していたが、死傷者が出ないのが不思議なほどであった。六ヶ所村では米軍機が爆弾を落とす標識を海上にするように陳情していた。
 
 昭和35年3/10午前10時、沖縄の伊江島の伊江村の米軍演習場の立ち入り禁止区域で弾拾いをしていた農業の島袋武盛(20)と大城敏一(19)が、米空軍ジェット機から機関砲で砲撃されて島袋は右足を銃創貫通、大城は右腕切断という重傷を負った。米軍演習場での弾拾いは沖縄に限らず内地でも付近の農民の「特権」として暗黙の了解事項になっており、伊江島ではそのための信号旗を持って農民は弾拾いをしていたが砲撃されたのだった。
 
 昭和36年11/20午後3時30分には茨城の那珂湊市釈迦町の旅館など民家8軒が、アメリカ軍水戸射撃場からの機関砲弾13発を浴びた。米軍機の誤射によるもので、旅館では窓ガラスが撃ちぬかれて座布団に直径20センチ、長さ75センチの砲弾が突き刺さっていた。ほかにも家の中や庭先などに被弾しており、旅館の女将は寝ていたら音がして、座布団や畳から煙が出ていたという。過去にも被弾事件は200件起きていた。
 
 昭和37年5/5午前3時30分、神奈川の横須賀市汐入町巡査派出所に私服の米兵5人が酔って市民を暴行していると通報があり巡査2人が駆けつけたが、うち遠藤寛巡査(37)が米兵1人に蹴られ倒れそうになったので警棒で押し返したところ、警棒を奪われたのでピストルで威嚇しながら交番へと連れて行こうとした。しかし50メートルの途中で遠藤巡査は5人の米兵に組み伏せられ、奪われたピストルで頭と右腕を撃ち抜かれて死亡、犯人の米兵はそのまま逃走した。午後7時30分、在日米海軍は20歳4人、19歳1人の二等水兵が遠藤巡査殺害の際の5人であったと発表、いずれも横須賀港に入港していたLST(戦車揚陸艦)トモグリー号の乗員で、裁判は日本で行われるとされた。
 
 昭和39年7/20午前1時30分には静岡の御殿場市中畑の米海兵隊キャンプ・フジで近所の農家の妹、勝又(45)が立ち番中の米兵に小銃で下腹部を撃たれ死亡する事件があった。この女性は酔っており、うずくまっていて米兵の日本語、英語の呼びかけに答えなかった。3回呼んでも返事がない時は撃ってもいいという管理規則だった。この女性は独身で知恵遅れ、酔うと放浪癖があったという。アメリカ軍は撃った兵士は不明であるとし、また公務中なので裁判管轄権はアメリカにあるとした。この事件については報道はなされたものの、ジラード事件と違って社会問題化せず、実際に事件自体について知らない人がほとんどである。
 
 昭和47年9/20午後には沖縄の米海兵隊基地キャンプハンセンで、米海兵隊第4師団第3大隊のジェームス・S・ベンジャミン上等兵(25)の部屋で靴を磨いていた基地従業員の栄野川盛勇(37)にベンジャミンが10ドル紙幣が消えたと難癖を付けて口論となり、ベンジャミンがライフル銃で栄野川を射殺した事件があった。9/21に警察庁がベンジャミンは公務中ではないと見解を出してアメリカ軍に犯人引き渡しを要求したが、アメリカ軍は公務中として応じなかった。9/22、インガソル米駐日大使は1次裁判権は日本にあるとし、在沖縄米海兵隊基地司令部もベンジャミンは公務中ではなかったと認め、9/23午後11時50分、沖縄県警はベンジャミンを書類送検した。10/3、ようやくベンジャミンの身柄は日本に渡されて殺人罪での起訴となった。しかしその後、ベンジャミンには心神喪失で無罪の判決が出ている。

http://www.geocities.jp/showahistory/history04/32c.html


占領時、米軍も「慰安婦」調達を許可 

【ワシントン=古森義久】終戦直後の日本国内で占領米軍の許可により売春施設が多数、開かれ、日本人「慰安婦」数万人が米軍に性の奉仕をして、その中には強制された女性もいたことが米側にいまになって伝えられ、米議会下院に慰安婦問題で日本を糾弾する決議案を出したマイク・ホンダ議員は4日、議会調査局に調査を依頼した。しかし同議員は戦争中の日本の慰安婦は旧日本軍が政策として一様に拘束し、強制した女性ばかりだった点が米軍用慰安婦とは異なると述べた。

 AP通信の4日の報道によると、終戦直後の1945年9月、日本当局が占領米軍からの許可で東京都内などに多数の米軍用の売春施設を開き、合計数万人の日本人「慰安婦」が雇用、あるいは徴用されたことを証する日本側書類が明るみに出て、ホンダ議員は米軍用慰安婦に関して米軍自体がどんな役割を果たしたかなどの調査を議会調査局に依頼したという。

 AP通信は4月26日、東京発で米占領軍が進駐直後、日本の政府や旧軍当局に売春婦の調達や売春施設の開設を許可した一連の日本語書類が発見されたと報じ、その内容として(1)1945年8月末から9月にかけ、米軍の命令を受けて日本政府の内務省などが東京はじめ茨城県などの地方自治体に「慰安婦」集めを指示し、合計7万人以上の女性が売春に従事した(2)米軍当局はそれら女性の一部は強制徴用されたという報告があることを知りながら、慰安所開設を認め、連日連夜、米軍将兵が詰めかけることを許した−と報道した。同報道はこの米軍慰安所にかかわって当時の日本側関係者数人を実名で紹介し、その談話をも引用した。しかしこれら日本の米軍用慰安所は連合軍最高司令官のマッカーサー元帥の命令で1946年3月末には閉鎖されたという。

 日本側でも終戦直後に米軍から売春施設開設を許可されたことについては旧日本軍が米軍進駐受け入れの準備組織として結成した「有末機関」のメンバーたちの証言が残っている。
(19/05/06 03:21)
http://tamezou.at.webry.info/200705/article_1.html


1945年9月28日、進駐軍は都衛生課に慰安施設の開設を要求した
『占領秘録』 中公文庫 住本利男著

坂信弥氏の話

それから婦女子の問題は内閣でも非常に心配した。私は内閣に呼ばれ近衛公から

『日本の娘を守ってくれ、この問題は一部長に任せず君が先になってやるように』

と言われた。一般の婦女子を守るために防波堤を築くことも考えました。慰安施設を作り、そうしたところで働く女性を集める。こう言う矢面に立とうという人があったればこそ、あとの若い人たちが救われたのだと思う。

なにしろ、米軍が進駐したその晩に、早くも左官級の人々がジープを飛ばして東京にきた。そして丸の内警察署を警視庁と間違えてか、入ってきて、女を世話しろという。そういうものはないと答えると、あの辺に大勢いるではないかといって、日比谷辺りを歩いている女の人たちを指さした。あれは良家の子女だといって納得させるのに骨が折れたようだった。

良家の子女が間違われる心配は多かったのです。

とにかく警視庁で、この際国民のためになるならという人を集め、向島や大森などに設備をした。それからすぐに特殊慰安施設協会(RAA)というものが料亭SやYの主人達によって作られ、資金は三百万円を勧銀から借り出して経営したわけです。


ペニシリン 東京へ

都衛生課が一番はじめに受けた命令は、「女」の問題だった。

九月二十八日に総司令部に来い、というので、与謝野博士がでかけてゆくと、軍医総監のところへつれてゆかれた。総監は、大きな東京の地図を前にしていて、女の問題を持ち出したのだった。その時に公衆福祉局長のサムス准将(当時は大佐)に紹介され、それから同氏との交渉がはじまった。

赤坂は焼けてしまい、新橋は休業、柳橋はない、という有様で、都内の花柳界で残っていたのは五ヶ所きりだった。それに特飲街が十七ヶ所あったが、博士は先方の要求で進駐軍用としての割ふりをやった。

葭町は将校用とか、向島はなに、というふうに決めたのだが一番困ったのは黒人兵の割当てであった。与謝野博士は、業者からやみ打ちをうける覚悟で、五、六ヶ所を考えて相談した。初めは女たちも泣いて嫌がったようだが、黒人兵のほうからすれば、日本人は「白人」の部類に入る。だから女に対しては親切をきわめ、サーヴィスにつとめたものだった。それでニ、三日すると、黒人兵大歓迎ということになり、博士も心配していただけにホッとしたものである。
その時の命令は、

「都知事の責任において進駐軍の兵隊を性病にかからせてはならない。だから都の責任で検診を厳重にやるように・・・」

ということだった。週一回の検診では不足だという。「花柳病予防法」というものがあったが、それではやれないので、すぐに「性病予防規則」を作り、花柳界、特飲街、それから「特殊慰安施設協会」(RAA)などに検診や治療をやったのである。もっとも都側は、日本には治療するにも薬がない、完全に命令を履行するため薬をもらいたい、と申し出た。その結果、ダイヤジンやペニシリン、梅毒のマハルゾールの三種の薬品が大量に与えられたのであった。ただその代償として女から治療費などをとってはならぬ、無料でやれ、ということだった。

こうして、進駐軍用に、焼け残った都内の花柳界、特飲街が割りあてられてしまい、日本人用はたった一つ特飲街の千住があるだけだった。

引揚者や家族を疎開させた単身者が多かったので、風紀上何か問題が起きはしないかと心配されたのだが、事故も起こらなかった。ニ、三ヶ月後には千住だけでなく、ニ、三の場所もよいことになったが、こんどは、日本人の客があまり歓迎されない、という妙な現象が起こった。

翌年の四月ごろになると、進駐軍兵士で性病にかかるものが多くなってきた。これが理由で、総司令部は全部の花柳界を「立ち入り禁止」(オフ・リミット)にしてしまった。

病気のことも原因だが、花柳界のことが米国の新聞特派員によって本国に報道されたため、兵士の母親や家族では大問題となったからであった。我々の師弟が、そういういかがわしい特飲街に行っているのは怪しからん、という非難がサムス准将のところへ殺到したものだった。花柳病は実際はそんなに多くはなく、むしろ減っていたのだが、これを口実にして、サムス准将は政策の切りかえをやったのである。


「パンパン」の発生

占領下にできた新しい社会現象は「パンパン」であろう。軍隊の後には女が行進する、ということは歴史が語る事実である。進駐してから形もかわり、場所も移ったが、いつも軍隊の後を追っていた。
米国の軍人や軍属などが日本に落とす金は一億八千五百万ドルといわれるが、「パンパン」のかせぐドルは、その半ばに達するだろうという。

パンパンの発生は二十一年の夏頃であった。最初は立川、東京市内の日本劇場の周り、有楽町などで、数も五百人ぐらいだったが、そえがまたたく間に二千人、三千人になろうという有様だった。「パンパン・ガール」は健康診断を受けないから性病の罹患率が高くなってきた、と言うので、進駐軍の方が困ってしまった。

東京都が性病予防規則をつくった時、厚生省は、自治体だけでああいう規則をつくるのはけしからん、というので叱ったことがあった。しかし、都側は進駐軍から命ぜられたから仕方がない、という立場をとっていた。与謝野課長はハーグの陸戦法規に、「出先官憲は占領軍の命令を守らなければならない」と書いてあるのを見て、厚生省に説明し、そこで初めて厚生省は、花柳行予防特例によって、全国府県知事の責任で検診をやることにした。占領軍当局は、進駐軍を相手とするダンスホールのダンサー、ビャホールの従業員まで検診をやれ、といいだした。ダンサーも気の毒だったが、ビヤホールの従業婦などは、年少の人たちが多くて、ひどい飛ばっちりを受けたものだと、関係者は言っている。

特例の規定にしたがって、検診をしたものは、写真入のカードを持たせたが、これを思っていれば安全、というわけで、ヤミ屋がカードを売り出すような始末となった。そこで進駐軍はカード制はだめだといいだし、特例はすぐに廃止するわけにも行かないので、「申合せ」で発行を中止してしまった。

「パンパン」に対しては無検診だからというので進駐軍は一斉検挙を日本側に申し入れた。日比谷にあった憲兵司令官とか軍医関係のものがやればよかったのだが、東京には十一の憲兵分隊があり、分隊では下士官が命令し、警察官が協力して逮捕したものだから、場合によっては行きすぎもあった。とうのは何人捕まえたという報告を出さなくてはならなかったので、数をあげようとする傾向があった。

社会的な問題となったのは、東上線大山駅で、電車をとめて、乗っていた若い女たちを全部引っ張った事件だった。日本の警察官がついていたのだから、これはそうじゃない、といえばよかったのだし、またその意見もきけばよかったのだが、先方は日本の警察はヤミ取引があるのではないかと疑う。それで商売女でないことが判っていながら、みすみす吉原病院に送るというようなことがあった。病院のほうは、きたものは検査する義務を持っていたから、送られて来たものはすべて検査した。普通のお嬢さんがそうした目にあうことはしばしばだった。警視庁に、負けたとはいえ日本は法治国家ではないか、という抗議がいくたびかきた。


与謝野光氏の話

「我々のほうは進駐軍の命令にしたがった、国際公法によってやったのだとい理屈はある。しかし、これはやり方の問題で、やはり警官が弱かった。私は、なるべく前によく聞きただせ、といっておいたし、幾人かは帰しもしたけれど、ひどい目にあった人が相当あったと思う。米軍は自分の国の兵隊を守ることに急なため、日本の女性に迷惑をかけることになった。

進駐軍が性病を持ち込んだこともあったろう。しかし特に悪性のものもでなかった。むしろ米兵から、どこで遊んだら病気になったというような報告が多かったので、日本側は信用されず、米軍の軍医が直接検診に乗り出したこともある。

たとえば日本橋のどこで、目が黒いとか、背丈がどのくらいだが、というだけで名前も判らない。これを探すのは容易ではなかった。

 『パンパン狩り』は、狩り込みを先方がやってこちらが検診するというやり方だったが、後に、二十六年の九月からは、先方が検挙するのはやめて、日本側でやることになった。総司令部の公安課から、日本の法務府検務局長に対して、今後は日本でやること、ただし今までの成績を落とすようなことがあったら、責任者を即刻クビにする、という強い命令がでた。検務局長と警視庁、それに私が総司令部によばれて、依頼をうけた。しかしどうして検挙するかが問題だった。私のほうでやるには性病予防法の第十一条でやるほかない。

第十一条というのは、常習売淫の疑いあるものは、地方長官が検診の命令を出すことができる、というものでした。私は検務局長に対し、私のほうでやれといっても、第十一条は検診の命令で、検挙してもよいとは書いていないがいいのか、と聞いたものです。いいからやってくれ、というので警視庁は暴力で妨害するものを防ぐために『売春班』をつくった。ところで警察のほうは、検挙すると調書をとらなくてはならない。事務手続きが厄介で、そうしないと人権蹂躙になる。とにかく、今でも周一回、警視庁、私のほう、それから混成の三種類でやっていますが、私たちのほうはやめたいのです。

おかしなことに総司令部も二つに意見が分かれていた。公衆衛生局と憲兵司令官は病気をなくしたいといって我々に強く要求してくるが、法務局のアップルトン検務局長は、私をよびつけて、

『怪しからん、人権蹂躙ではないか。君は連れて行く権限は無い。第十一条は禁止命令で、lつれていく権限は書いていない。文化国家のやるべきことではない。また常習淫売というのは、一回だけではだめで、二回以上行わなければなりたたない。しかも現行犯だけをつかまえること、また検診命令も即刻出頭なんていう命令ではいけない。四十八時間のうちに出頭するように命じ、納得ずくでやれ』というのだが、四十八時間内に出頭しろといっても、来るものではないのです。

検務局長の意見に従っていても、たとえば立川基地などの現地の司令官は軍人なのだから、こちらのいうことなどはききはしません。週一回やらない限り、『立入禁止』(オフ・リミット)にするという。業者などは、これをやられると困るので、我々のほうになんとかやってくれ、といってくる。占領下では先方の命令でやられたのだが、独立したこれからは、法律的な根拠がなければやれないのであって、法の改正を厚生省などに要望してもなかなか実現しないのです。

性病が増えたように思う人が多いが、戦前に比べるとぐんと減っています。性病についての統計は今までは発表してはいけないというので公にされていないが、減少しています。東京だけをみても終戦当時に比べて四分の一位に減っている。これからもますます減ると思います。パンパンのよな野放しのものも減っているのです。初め彼女らの罹病率は60パーセントくらいだったが、今は10−15パーセントくらい。まして花柳界は減っている。いずれにしろ、占領行政のうちで、我々公衆衛生に関係した部門は一番めぐまれていたといえましょう。積極的に援助を受け、総司令部が先にたってやってくれたので、業績は大いにあがったのでした。」
http://urara225.iza.ne.jp/blog/entry/203155/


堕ちた大和撫子たち

 パンパンが街を闊歩する

 アメリカ軍が進駐して来て、大方の兵隊は市民には危害を加えないということが分かってくると、ようやく街も落ち着きを取り戻し、市民の表情にも安心感が現れ始めた。

 この頃、パンパンという言葉が流行った。パンパンというのは、進駐軍の兵士を相手にして、春を売る日本女性のことである。これには、オンリーというのがあって、兵隊の中でも上級階級専属で、このクラスになると住居も与えられ、いわゆるダンナから手当てをもらい、アメリカの、当時の一般の日本人がとても手にすることの出来ない衣食物を供与されて、贅沢な生活をしていた。

そうでない、不特定多数の下級の兵士を相手にするクラスの彼女らは、街角に立ってアメリカ兵の袖を引いていた。当時は、小倉には米軍の24師団が駐屯していたので、街にはアメリカ兵が多く、商売相手には事欠かなかったらしい。小倉の真ん中を流れる紫川にかかる常盤橋(当時)のたもとには、夜になると彼女たちがズラリと並んでいたものである。

 彼女たちの化粧や服装は、完全にアメリカナイズされていた。今なら普通と言えるかも知れないが、当時、人々は目をみはった。茶色に染めた髪、真赤な口紅、ピンクや紫などの手足の爪、肩をあらわにしたドレス、踵の高いカラフルなハイヒール、どれをとっても昨日まで、「撃ちてし止まむ」と化粧気もなく、耐乏生活に耐えていたモンペ姿の日本女性だとは思えなかった。

 人々は「大和撫子も堕ちたもんよ」と眉をひそめた。しかし、中には「あれらのおかげで、普通の家庭の娘が、アメ公(アメリカ兵の蔑称)どもに悪さをされなくて済んでるんだから」とそれなりの評価をする大人もいたが、ほとんどは陰で「パン助」と言って白い目でみていた。

 しかし、彼女たちは、そんな視線を尻目に、ハイヒールの音を響かせて、アメリカ兵の片腕にすがって街を闊歩した。それは夜だけでなかった。昼間も堂々としていた。敗戦という現実に心身ともに打ちひしがれた市民のなかにあって、彼女たちだけが生き生きとしていた。

 パンパンの語源は定かでないそうである。英語のpompom(これは性交という意味があるそうだが)が基になったという説もあるし、単純にペンペンという三味線の音、つまり芸者を意味しているというのもあったりする。しかし、広辞苑には原語不詳とあるが、「第二次大戦後の日本で、街娼、売春婦のことを指した」とある。

 私は、最初に彼女たちを目の当たりに見た時にはとても驚いた。それまで接してきた女性と言えば、母であり、姉、近所のおばさんたち、学校の教師などの通常の女性であったから、まるで異国人を見る思いがしたものである。しかし、それにはすぐに慣れた。彼女たちは、戦後の風俗となって、一時期世間に定着していた。

 確かに売春というのは、道徳的ではない。しかし、終戦を境に、彼女たちは自分の女体を武器にして、それまで鬼畜と喧伝されてきたアメリカの兵士といち早く関わり、その持てる金やモノを吸い取って、人々が一夜にして変わった混乱の中で、空腹を抱えて打ちひしがれている時に、図太く生きていた。大人たちは、彼女たちを口では軽蔑していながら、心のどこかで羨望していた。一見しただけで、その服装や持ち物が違っていた。物資の豊富なアメリカがそこにあったのである。

 常盤橋の両側には、靴磨きが多く並んで客待ちをしていた。中には、戦災孤児と言われた少年もいたが、戦闘帽を目深に被った白衣の傷痍軍人も多くいた。その中には義手を着けた人もいて、椅子に座って客が片方づつ履いたまま磨き台に載せる靴をかがみ込んで器用に磨いている。客のほとんどは、アメリカ兵や彼らと手を組んで歩くパンパンたちであった。日本の大人たちには、金を払って靴を磨かせる余裕などなかったということだ。

 あの白衣の傷痍軍人たちは、昨日まで誇り高き天皇陛下の軍隊として、日の丸の下で、聖戦完遂に命を賭けて鬼畜アメリカ兵と戦っていたに違いない。それが今日はその元敵兵の足元に膝を屈して靴磨きをせねばならないように、一夜にして世の中が変貌してしまった、ということだ。同時に私は、少年の幼い心情ではあったかも知れないが、そのアメリカ兵が磨き終わり、交替して椅子に座ったパンパンが、その元軍人の鼻先に足に履いたままの真っ赤なハイヒールを突き出して磨かせる光景に、何かしら義憤めいたものを覚えたものである。

 彼女は、普通では手に入らない洋モク(当時、憧憬を込めて外国のタバコをこう呼んだ)を、チュウインガムを噛みながら紅い唇に咥えてくゆらし、隣のアメリカ兵と何やら片言の英語を交わしながら、時にキャッ、キャッと甲高い笑い声を発している。その靴磨きは、下を向いたまま、黙々と彼女の靴を磨いている。私は、こんな光景に出くわす度に、なんだかこのような元軍人が可哀想で、同国人にいささかの遠慮もなく、思いやりを示さないそのパンパンが心から嫌いになった。
http://enjoynaming.cocolog-nifty.com/sudou34/2008/11/post-f3d2.html


パンパン狩り

性病が蔓延したため、強制検査のために街娼の狩込みを強化する警察やMP。有病者は強制入院させられる。池袋でもよく行われた西口闇市での取締りの光景。

RAA慰安所(米兵相手の慰安施設)や花柳街・特殊飲食街では GHQの要請で米兵を性病から保護するため 公娼や私娼に強制検診が行われていた 公娼制度廃止でRAAの慰安婦たちが何の補償もなく解雇されると 街娼(戦後自然発生)が急増 性病罹患数も増え
 強制検査のために「パンパン(米兵相手の街娼)狩り」が行われるようになる
http://com-support.co.jp/war_and_peace/after_johoku-daikusyu/index7.html


パンパンの狩り込みは、昭和二十一年(一九四六年)一月二十八日から東京ではじまった。GHQの要請でだが、占領軍の性病防止のためといえた。

京都は昭和二十三年の検挙者は二千四百二十二名であった。年齢は大正生まれが七十八名、昭和生まれがほとんどで、彼女のように十九歳から二十四歳ぐらいまでが百三十六名と一番多かった。(国家地方警察本部防犯課の資料による)


昭和21年、パンパンの一斉手入れ。こんな女に誰がした?

昭和21年の朝日新聞に、品川駅付近のホテルに出没する売春婦、いわゆるパンパンの一斉取り締りが報じられているそうです。

全部で300人が検挙されたが年齢は16歳から38歳までいた。けっこう若いじゃんと思われるかもしれません。暮らしに困って売春をなさる方の中には、恐ろしいほどの年配の方もいます。 専業は少なく、官庁や会社の事務職の者も混ざっていた。 参考資料によれば、「ダンサー、女給」など、売春業に手を染めやすい方々もおいでですが、「女工や会社の事務職、公務員」など、いわゆる堅気の女性もいたらしい。

300人のうち、性病にかかっていた者が60人いた。2割ほどの確率で病気をもらって帰るのでしょうか。当時、一番恐れられていたのは梅毒です。HIVと比べれば可愛い病気かもしれません。

「どうせ日本は負けたのだから、私たちが好きなことをするのは勝手だ」と取調べで煙草を吸う女もいた。
http://blog.q-q.jp/200702/article_17.html

http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/136.html#c2

[近代史3] 昔の日本映画は熱かった _ 溝口健二 赤線地帯 (大映 1956年) 中川隆
2. 中川隆[-13017] koaQ7Jey 2020年3月05日 21:01:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[517]
溝口健二 赤線地帯 (大映 1956年)

動画
A Rua da Vergonha (1956), de Kenji Mizoguchi, filme completo - ative as legendas em português
https://www.youtube.com/watch?v=l_I23VwgKkY
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/155.html#c2

[リバイバル3] 株で儲ける方法教えてあげる(こっそり) 新スレ 中川隆
275. 中川隆[-13015] koaQ7Jey 2020年3月06日 07:48:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[519]
平野憲一の株のお話 2020.03.06 厳しい週末か。

5日のNY株。
 ダウは969.58ドル安の2万6121.28ドル、ナスダックも279.49ポイント安の8738.60ポイントと大幅反落。

前日とは反対に反落して始まり、次第に下げ幅を拡大しました。
新型コロナウイルスのまん延が米景気の停滞を招くとの懸念が強くなっています。

前日のダウ1173ドル高と過去2番目の上げ幅となった反動安となりました。

 米国での新型コロナの感染拡大に歯止めがかからず、4日にはカリフォルニア州が州全域に非常事態宣言を出し、人やモノの移動を制限する動きが広がっています。1〜3月期決算への影響は避けられず、VIX指数は40前後に上昇しています。

10年債利回りは前日比0.14%低い(価格は高い)0.91%。
一時は0.89%と過去最低を更新しました。

結果、ドル円は106円13銭と円高が進み、CME日経平均先物は再び2万1000円割れ。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c275

[リバイバル3] 株で儲ける方法教えてあげる(こっそり) 新スレ 中川隆
276. 中川隆[-13014] koaQ7Jey 2020年3月06日 07:53:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[520]

2020年03月06日
乱高下の時ほど積み立て投資で儲かる


分散積立投資ならリーマンショックも大した出来事ではない

画像引用:https://frogkablog.com/wp-content/uploads/2017/02/1-15.png


新型コロナウイルスで投資チャンス

新型コロナウイルスが世界中に感染拡大し、世界の株式市場や金融市場が乱高下しています。

多くの個人投資家は暴落してはうろたえて損切り決済し、上昇を見て買っていると思います。

これが人間の本能として自然な投資行動ですが、これをやると100%損失をこうむります。



人間は高いところから落ちると「危ない」と思って着地に備え、高いところにははより高く登ろうとします。

この本能に忠実だと高値で買って安値で売る典型的な損切り貧乏投資家になります。

反対に「安値で買って高値で売る」のが最上ですが、これが出来たら簡単にビルゲイツやバフェットになれる。


そんな事が出来るのは人類数十億人のなかで数人しかおらず、出来ないので多くの人は投資で負けています。

凡人が投資で勝つには勝つシステムが必要で、才能や技術や幸運に頼ってはお金を失うことになります。

凡人には猿がやっても必ず勝つシステムが必要で、現在最も確実とされているのが積み立て投資です。


積立投資の考え方は世界経済に分散して毎月積み立てて投資する事で、相場変動の影響を受けません。

考え方としては年金運用のGPIFと同じだが、GPIFは規模も大きくより優れたシステムで行っています。

GPIFは運用資産が約170兆円で、20年間で約70兆円、年間約3%の利益をあげています。

「暴落は買い」を実行できる積み立て投資

世界経済の平均成長率は3%以上なのでGPIFの年間利益3%は、ほぼ世界全体の成長率に近い。

高成長株を買えば5%や10%の利益を上げることが出来るが、その代わりマイナスになるリスクが高まる。

GPIFのシステムでは世界経済が成長する限り、世界全体よりやや低い利益を得ることが出来ます。


これを個人で真似することは出来ないが、同じような考え方で世界全体の成長率を得るには積み立て投資が良い。

毎月同じ金額を積み立てる事で買値は必ず過去の平均価格になり、世界経済が成長すればその分の利益を得られる。

リーマンショックのような大暴落では一時的な含み損が出るが、株価が回復すれば利益も回復する。


株価が暴落している時は安く買えるので、暴落すればするほど安く購入でき、積み立て投資では儲かる。

ただし暴落の途中では含み損が出るので「やっぱり積立なんかダメだ」と解約したら本当の損失になる。

積立投資は株式だけではなく、国債などの債券投資に分散し、さらに国内と外国に分散します。


株式が暴落すると国債が値上がりするので、下落時に含み損を抑える効果があります。

日本は為替変動を受けるので、国内投資だけではダメで、外国の株式や債券投資と分散する必要があります。

新型コロナウイルスで世界経済が打撃を受け、株式市場が暴落するほどこの積み立て投資法が有利になります。


暴落すればするほど安く購入でき将来の利益になるので、暴落大歓迎といったところです。

「大投資家は暴落で買う」という格言があり、一代で巨万の富を築いた人は必ず大恐慌で買っています。

普通の人は大投資家になれないが、堅実に積み立てをすればいくらかの利益を手に出来る。
http://www.thutmosev.com/archives/82366291.html#more
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c276

[リバイバル3] 優良株の長期投資以外はすべてギャンブル 中川隆
19. 中川隆[-13013] koaQ7Jey 2020年3月06日 07:54:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[521]

2020年03月06日
乱高下の時ほど積み立て投資で儲かる


分散積立投資ならリーマンショックも大した出来事ではない

画像引用:https://frogkablog.com/wp-content/uploads/2017/02/1-15.png


新型コロナウイルスで投資チャンス

新型コロナウイルスが世界中に感染拡大し、世界の株式市場や金融市場が乱高下しています。

多くの個人投資家は暴落してはうろたえて損切り決済し、上昇を見て買っていると思います。

これが人間の本能として自然な投資行動ですが、これをやると100%損失をこうむります。



人間は高いところから落ちると「危ない」と思って着地に備え、高いところにははより高く登ろうとします。

この本能に忠実だと高値で買って安値で売る典型的な損切り貧乏投資家になります。

反対に「安値で買って高値で売る」のが最上ですが、これが出来たら簡単にビルゲイツやバフェットになれる。


そんな事が出来るのは人類数十億人のなかで数人しかおらず、出来ないので多くの人は投資で負けています。

凡人が投資で勝つには勝つシステムが必要で、才能や技術や幸運に頼ってはお金を失うことになります。

凡人には猿がやっても必ず勝つシステムが必要で、現在最も確実とされているのが積み立て投資です。


積立投資の考え方は世界経済に分散して毎月積み立てて投資する事で、相場変動の影響を受けません。

考え方としては年金運用のGPIFと同じだが、GPIFは規模も大きくより優れたシステムで行っています。

GPIFは運用資産が約170兆円で、20年間で約70兆円、年間約3%の利益をあげています。

「暴落は買い」を実行できる積み立て投資

世界経済の平均成長率は3%以上なのでGPIFの年間利益3%は、ほぼ世界全体の成長率に近い。

高成長株を買えば5%や10%の利益を上げることが出来るが、その代わりマイナスになるリスクが高まる。

GPIFのシステムでは世界経済が成長する限り、世界全体よりやや低い利益を得ることが出来ます。


これを個人で真似することは出来ないが、同じような考え方で世界全体の成長率を得るには積み立て投資が良い。

毎月同じ金額を積み立てる事で買値は必ず過去の平均価格になり、世界経済が成長すればその分の利益を得られる。

リーマンショックのような大暴落では一時的な含み損が出るが、株価が回復すれば利益も回復する。


株価が暴落している時は安く買えるので、暴落すればするほど安く購入でき、積み立て投資では儲かる。

ただし暴落の途中では含み損が出るので「やっぱり積立なんかダメだ」と解約したら本当の損失になる。

積立投資は株式だけではなく、国債などの債券投資に分散し、さらに国内と外国に分散します。


株式が暴落すると国債が値上がりするので、下落時に含み損を抑える効果があります。

日本は為替変動を受けるので、国内投資だけではダメで、外国の株式や債券投資と分散する必要があります。

新型コロナウイルスで世界経済が打撃を受け、株式市場が暴落するほどこの積み立て投資法が有利になります。


暴落すればするほど安く購入でき将来の利益になるので、暴落大歓迎といったところです。

「大投資家は暴落で買う」という格言があり、一代で巨万の富を築いた人は必ず大恐慌で買っています。

普通の人は大投資家になれないが、堅実に積み立てをすればいくらかの利益を手に出来る。
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http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/907.html#c19

[リバイバル3] 資産を増やすには ほったらかし投資法が断然優れている 中川隆
33. 中川隆[-13012] koaQ7Jey 2020年3月06日 07:55:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[522]

2020年03月06日
乱高下の時ほど積み立て投資で儲かる


分散積立投資ならリーマンショックも大した出来事ではない

画像引用:https://frogkablog.com/wp-content/uploads/2017/02/1-15.png


新型コロナウイルスで投資チャンス

新型コロナウイルスが世界中に感染拡大し、世界の株式市場や金融市場が乱高下しています。

多くの個人投資家は暴落してはうろたえて損切り決済し、上昇を見て買っていると思います。

これが人間の本能として自然な投資行動ですが、これをやると100%損失をこうむります。



人間は高いところから落ちると「危ない」と思って着地に備え、高いところにははより高く登ろうとします。

この本能に忠実だと高値で買って安値で売る典型的な損切り貧乏投資家になります。

反対に「安値で買って高値で売る」のが最上ですが、これが出来たら簡単にビルゲイツやバフェットになれる。


そんな事が出来るのは人類数十億人のなかで数人しかおらず、出来ないので多くの人は投資で負けています。

凡人が投資で勝つには勝つシステムが必要で、才能や技術や幸運に頼ってはお金を失うことになります。

凡人には猿がやっても必ず勝つシステムが必要で、現在最も確実とされているのが積み立て投資です。


積立投資の考え方は世界経済に分散して毎月積み立てて投資する事で、相場変動の影響を受けません。

考え方としては年金運用のGPIFと同じだが、GPIFは規模も大きくより優れたシステムで行っています。

GPIFは運用資産が約170兆円で、20年間で約70兆円、年間約3%の利益をあげています。

「暴落は買い」を実行できる積み立て投資

世界経済の平均成長率は3%以上なのでGPIFの年間利益3%は、ほぼ世界全体の成長率に近い。

高成長株を買えば5%や10%の利益を上げることが出来るが、その代わりマイナスになるリスクが高まる。

GPIFのシステムでは世界経済が成長する限り、世界全体よりやや低い利益を得ることが出来ます。


これを個人で真似することは出来ないが、同じような考え方で世界全体の成長率を得るには積み立て投資が良い。

毎月同じ金額を積み立てる事で買値は必ず過去の平均価格になり、世界経済が成長すればその分の利益を得られる。

リーマンショックのような大暴落では一時的な含み損が出るが、株価が回復すれば利益も回復する。


株価が暴落している時は安く買えるので、暴落すればするほど安く購入でき、積み立て投資では儲かる。

ただし暴落の途中では含み損が出るので「やっぱり積立なんかダメだ」と解約したら本当の損失になる。

積立投資は株式だけではなく、国債などの債券投資に分散し、さらに国内と外国に分散します。


株式が暴落すると国債が値上がりするので、下落時に含み損を抑える効果があります。

日本は為替変動を受けるので、国内投資だけではダメで、外国の株式や債券投資と分散する必要があります。

新型コロナウイルスで世界経済が打撃を受け、株式市場が暴落するほどこの積み立て投資法が有利になります。


暴落すればするほど安く購入でき将来の利益になるので、暴落大歓迎といったところです。

「大投資家は暴落で買う」という格言があり、一代で巨万の富を築いた人は必ず大恐慌で買っています。

普通の人は大投資家になれないが、堅実に積み立てをすればいくらかの利益を手に出来る。
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http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/975.html#c33

[近代史02] 鈴木傾城 _ アメリカ株で儲けるほど簡単な事は無い 中川隆
76. 中川隆[-13011] koaQ7Jey 2020年3月06日 07:56:32 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[523]

2020年03月06日
乱高下の時ほど積み立て投資で儲かる


分散積立投資ならリーマンショックも大した出来事ではない

画像引用:https://frogkablog.com/wp-content/uploads/2017/02/1-15.png


新型コロナウイルスで投資チャンス

新型コロナウイルスが世界中に感染拡大し、世界の株式市場や金融市場が乱高下しています。

多くの個人投資家は暴落してはうろたえて損切り決済し、上昇を見て買っていると思います。

これが人間の本能として自然な投資行動ですが、これをやると100%損失をこうむります。



人間は高いところから落ちると「危ない」と思って着地に備え、高いところにははより高く登ろうとします。

この本能に忠実だと高値で買って安値で売る典型的な損切り貧乏投資家になります。

反対に「安値で買って高値で売る」のが最上ですが、これが出来たら簡単にビルゲイツやバフェットになれる。


そんな事が出来るのは人類数十億人のなかで数人しかおらず、出来ないので多くの人は投資で負けています。

凡人が投資で勝つには勝つシステムが必要で、才能や技術や幸運に頼ってはお金を失うことになります。

凡人には猿がやっても必ず勝つシステムが必要で、現在最も確実とされているのが積み立て投資です。


積立投資の考え方は世界経済に分散して毎月積み立てて投資する事で、相場変動の影響を受けません。

考え方としては年金運用のGPIFと同じだが、GPIFは規模も大きくより優れたシステムで行っています。

GPIFは運用資産が約170兆円で、20年間で約70兆円、年間約3%の利益をあげています。

「暴落は買い」を実行できる積み立て投資

世界経済の平均成長率は3%以上なのでGPIFの年間利益3%は、ほぼ世界全体の成長率に近い。

高成長株を買えば5%や10%の利益を上げることが出来るが、その代わりマイナスになるリスクが高まる。

GPIFのシステムでは世界経済が成長する限り、世界全体よりやや低い利益を得ることが出来ます。


これを個人で真似することは出来ないが、同じような考え方で世界全体の成長率を得るには積み立て投資が良い。

毎月同じ金額を積み立てる事で買値は必ず過去の平均価格になり、世界経済が成長すればその分の利益を得られる。

リーマンショックのような大暴落では一時的な含み損が出るが、株価が回復すれば利益も回復する。


株価が暴落している時は安く買えるので、暴落すればするほど安く購入でき、積み立て投資では儲かる。

ただし暴落の途中では含み損が出るので「やっぱり積立なんかダメだ」と解約したら本当の損失になる。

積立投資は株式だけではなく、国債などの債券投資に分散し、さらに国内と外国に分散します。


株式が暴落すると国債が値上がりするので、下落時に含み損を抑える効果があります。

日本は為替変動を受けるので、国内投資だけではダメで、外国の株式や債券投資と分散する必要があります。

新型コロナウイルスで世界経済が打撃を受け、株式市場が暴落するほどこの積み立て投資法が有利になります。


暴落すればするほど安く購入でき将来の利益になるので、暴落大歓迎といったところです。

「大投資家は暴落で買う」という格言があり、一代で巨万の富を築いた人は必ず大恐慌で買っています。

普通の人は大投資家になれないが、堅実に積み立てをすればいくらかの利益を手に出来る。
http://www.thutmosev.com/archives/82366291.html#more
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/895.html#c76

[近代史02] 幻の柴田罫線 中川隆
138. 中川隆[-13010] koaQ7Jey 2020年3月06日 07:58:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[524]

2020年03月06日
乱高下の時ほど積み立て投資で儲かる


分散積立投資ならリーマンショックも大した出来事ではない

画像引用:https://frogkablog.com/wp-content/uploads/2017/02/1-15.png


新型コロナウイルスで投資チャンス

新型コロナウイルスが世界中に感染拡大し、世界の株式市場や金融市場が乱高下しています。

多くの個人投資家は暴落してはうろたえて損切り決済し、上昇を見て買っていると思います。

これが人間の本能として自然な投資行動ですが、これをやると100%損失をこうむります。



人間は高いところから落ちると「危ない」と思って着地に備え、高いところにははより高く登ろうとします。

この本能に忠実だと高値で買って安値で売る典型的な損切り貧乏投資家になります。

反対に「安値で買って高値で売る」のが最上ですが、これが出来たら簡単にビルゲイツやバフェットになれる。


そんな事が出来るのは人類数十億人のなかで数人しかおらず、出来ないので多くの人は投資で負けています。

凡人が投資で勝つには勝つシステムが必要で、才能や技術や幸運に頼ってはお金を失うことになります。

凡人には猿がやっても必ず勝つシステムが必要で、現在最も確実とされているのが積み立て投資です。


積立投資の考え方は世界経済に分散して毎月積み立てて投資する事で、相場変動の影響を受けません。

考え方としては年金運用のGPIFと同じだが、GPIFは規模も大きくより優れたシステムで行っています。

GPIFは運用資産が約170兆円で、20年間で約70兆円、年間約3%の利益をあげています。

「暴落は買い」を実行できる積み立て投資

世界経済の平均成長率は3%以上なのでGPIFの年間利益3%は、ほぼ世界全体の成長率に近い。

高成長株を買えば5%や10%の利益を上げることが出来るが、その代わりマイナスになるリスクが高まる。

GPIFのシステムでは世界経済が成長する限り、世界全体よりやや低い利益を得ることが出来ます。


これを個人で真似することは出来ないが、同じような考え方で世界全体の成長率を得るには積み立て投資が良い。

毎月同じ金額を積み立てる事で買値は必ず過去の平均価格になり、世界経済が成長すればその分の利益を得られる。

リーマンショックのような大暴落では一時的な含み損が出るが、株価が回復すれば利益も回復する。


株価が暴落している時は安く買えるので、暴落すればするほど安く購入でき、積み立て投資では儲かる。

ただし暴落の途中では含み損が出るので「やっぱり積立なんかダメだ」と解約したら本当の損失になる。

積立投資は株式だけではなく、国債などの債券投資に分散し、さらに国内と外国に分散します。


株式が暴落すると国債が値上がりするので、下落時に含み損を抑える効果があります。

日本は為替変動を受けるので、国内投資だけではダメで、外国の株式や債券投資と分散する必要があります。

新型コロナウイルスで世界経済が打撃を受け、株式市場が暴落するほどこの積み立て投資法が有利になります。


暴落すればするほど安く購入でき将来の利益になるので、暴落大歓迎といったところです。

「大投資家は暴落で買う」という格言があり、一代で巨万の富を築いた人は必ず大恐慌で買っています。

普通の人は大投資家になれないが、堅実に積み立てをすればいくらかの利益を手に出来る。
http://www.thutmosev.com/archives/82366291.html#more
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/429.html#c138

[近代史02] 幻の柴田罫線 中川隆
139. 中川隆[-13009] koaQ7Jey 2020年3月06日 08:07:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[525]
>>126
今回の暴落で損しなかったのはバフェット指数を投資基準にしているバフェットだけ

>相場の予測はこういう様にやるもの:
>平野憲一の株のお話 2020.01.14 壁を抜けるか。

 週明け13日のNY株。
ダウは83.28ドル高の2万8907.05ドル、ナスダックも95.07ポイント高の9273.93ポイントと反発。ナスダックは先週末の下げを取り返し、再び史上最高値を更新しました。 

昨日機関投資家の強気観が高まっていると言う話をしましたが、
名目GDPに対する米国株の時価総額の倍率(バフェット指数)が、過去最高を超えました。

それに合わせてバフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの資産の現金比率が過去最高になり、株安に備えていると言われています。


平野憲一の株のお話 2020.01.15 ゆっくり見守りましょう。
http://kasset.blog.fc2.com/

 14日のNY株。
 ダウは32.62ドル高の2万8939.67ドル、ナスダックは22.60ポイント安の9251.33ポイントとマチマチの動き。NYSE出来高は9億5835万株。
ダウ、ナスダックとも一時取引時間中の史上最高値を更新しました。

昨日話したバフェット指数は米国1.6倍に対し日本は1.23倍(東証1部661兆円、2部8兆円、JQ10兆円、マザーズ6兆円、名目GDP 557兆円)で、割安です。
ここにも、2020年相場は「米国株より日本株」が見えます。

http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/429.html#c139

[近代史02] 幻の柴田罫線 中川隆
140. 中川隆[-13008] koaQ7Jey 2020年3月06日 08:14:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[526]
柴田罫線の様なドテン売買法では今回の様な暴落には対応できない:


平野憲一の株のお話 2020.02.26
続落ダウの下げ率は史上最高値からマイナス8.35%。
http://kasset.blog.fc2.com/

 25日のNY株。

 ダウは879.44ドル安の2万7081.36ドル、ナスダックも255.67ポイント安の8965.61ポイントと大幅続落。

新型コロナウイルスの不安は、経済渋滞を引き起こし世界株安が続いています。
ダウは昨年10月31日以来約4カ月ぶりの安値。

 ダウが史上最高値から現在−8.35%ですが、昔からのダウの習性で12%下がるとトレンドが変わると言われます。

ダウが12%下がったら上昇トレンドが終わった事を意味しますがまだまだ余裕があります。

 投資会社バークシャー・ハザウェイCEOウォーレン・バフェット氏はダウ1000ドル下げの中で、新型コロナウイルスの感染拡大に懸念を示しながらも、株式を売る時ではないとの見方を示しました。CNBCのインタビューでバフェット氏は、新型ウイルスは「恐ろしいものだ」と述べた上で、「株式の取引に影響することではないと思う」と語りました。

2020.02.28 ダウ、弱気相場突入
 27日のNY株。
ダウは1190.95ドル安の2万5766.64ドル、ナスダックも414.29ポイント安の8566.48ポイントとクラッシュ的下げ。

ダウは6営業日連続で、下げ幅としては2018年2月の1175ドルを上回り、過去最大。今まで世界一の強さを示していたNY株は下げが止まりません。

つい2週間前の史上最高値2万9551.42ドルからの下げ率は12.8%となり、NY市場で、上昇相場の終わりを意味すると言われる12%の下げを超えました。

2020.03.01 いよいよ急所を迎えました。

 欧米の投資家は、国境封鎖まで検討されたイタリアでの新型コロナウイルス感染拡大の事態になって、今まで無視していた態度を一変させパニック的売りを出しました。その前から不安感に陥っていた日本市場は一方的な売り方市場になり、なすすべも無い1週間でした。

前の週末の終値が2万3386.74円、先週末の終値が2万1142.92円でその差2243.82円。100年に一度と言われるリーマンショックに匹敵する下げでした。

 ファンドのリスクパリティ(年金マネーなど海外機関投資家が使っている方法で、ポートフォリオに占める各資産のリスク割合が均等になるように分散してリスク低減を図る運用手法)の調整売りにAIの短期ファンドの売りが重なったと思われます。

 年金筋の手口が現れる信託銀行が11週連続売り越しになっていますが、この間株価上昇と共に上がった組み入れ比率を落としていた事が窺えますが、この下げで予定以上に比率が下がってしまったと思います。今後は組み入れ比率を下げ過ぎた年金筋の買いが予想されます。

 さて昨日中国国家統計局から2月の製造業PMIが発表されました。前月比14.3ポイント減の35.7ポイントと、100年に1度のリーマンショックの08年11月の38.8を下回るとんでもない数字でした。あの時日本の中小企業の社長さんの言葉が思い出されます。「注文が減ったんじゃない、注文が消えたんだ」と。

 今回の数字をどう取るか。100年に1度を超える1000年に1度のショックと取るのか、「リーマンショックの時のような受注消滅ではなく、春節からずっと工場がまともに動いていないのだから当然の数字。動き出せば一気にV字回復」と取るのか。

 FRBやECBは支援策発動を示唆し、日本政府も支援追加策に動き出し、そして突然飛び出した「米国とアフガニスタンの和平合意」。ボラティリティの高い相場ですが、いよいよ急所を迎えたと思います。引き続き気持ちをしっかり持って対応しましょう。

2020.03.03 日銀動く!ETF買い1002億円。
 週明け2日のNY株。
 
ダウは1293.96ドル(5.09%)高の2万6703.32ドル、
ナスダックも384.80ポイント(4.49%)高の8952.17ポイントと大幅反発。
ダウは1日の上げ幅としては過去最大となりました。

 OECD(経済協力開発機構)は、世界全体の実質経済成長率が2.4%になり、2.9%だった去年から0.5%ポイント減速するという予測を発表した為、新型コロナウイルスの感染拡大に対して、世界各国の中央銀行が協調利下げに踏み切るとの期待で、一斉に短期筋が買い戻しに走りました。

 ダウ構成銘柄すべてが上昇し、S&P500種株価指数も業種別全11種がプラスでした。VIX指数も18%安の32台となりましたが、まだ不安心理の境界線の20は上回っています。

 日本株。

 2日の日経平均は一時300円超に下げましたが、その後、中国2月財新製造業PMIや日銀の黒田総裁の緊急談話で逆に400円高になるなど、上げ下げの激しい1日でした。

結局日銀はこの日、今までの703億円から299憶円(なぜ300憶円でないのか分かりませんが)多い1002憶円を買って、ようやく日銀が動いてくれました。
今後この1002憶円が日銀ETY買い一回の定額になれば、かなりの下支えになります。

 2月28日のFRBに続き、この日は日銀の追加金融緩和で、新型コロナウイルスとの闘いは中央銀行を巻き込んで総力戦の様相(日経)を呈してきました。また、フランスのルメール経済相は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への影響と対策を話し合うため、G7主要7か国の財務相による電話会談が今週、開催されることを明らかにしました。

 ただ、北海道全域で先月25日の時点で感染した人はおよそ940人に上る可能性がある(北海道大学の西浦博教授)事や、鎌倉市職員の内300人(感染者が出たホットヨガの利用者を含め)が出勤できなくなるなど、全国の混乱は続いています。終息への道にまだまだ不安はありますが、PBR 一倍にワンタッチで日経平均はひとまず一番底を付けたと思います。


平野憲一の株のお話 2020.03.04 世界で高まる期待と不安。

 3日のNY株。
 ダウは785.91ドル安の2万5917.41ドル、ナスダックも268.08ポイント安の8684.09ポイントと大幅反落。

 FRBは緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を0.50%引き下げると発表しました。発表直後のダウは381ドル高となる場面もありましたが、その後材料出尽くしの売りが強まり、逆に下げ幅が997ドルに及ぶ場面もありました。日中値幅は1378ドルで、VIXショックの2018年2月5日以来の大きさでした。

 イングランド銀行のカーニー総裁もイギリス議会委員会で、イギリスの経済と金融システムを支えるため必要なあらゆる措置を講じる事を明らかにしました。IMF(国際通貨基金)と世界銀行も共同で声明を発表し、必要に応じて緊急の措置に乗り出す姿勢を強調しました。これで世界の主要な中央銀行が景気の下支えに向けて足並みをそろえたことになりました。それだけ厳しいと言う事でもあり、世界中で不安と期待が高まっています。


2020.03.05 ひとまず落ち着く。
 4日のNY株。
 ダウは1173.45ドル高の2万7090.86ドル、ナスダックも334.00ポイント高の9018.09ポイントと大幅反発。

大統領選の民主党候補指名の天王山スーパーチューズデーでの穏健派のバイデン前副大統領の勝利を歓迎して一斉の買い戻しとなりました。

2020.03.06 厳しい週末か。

5日のNY株。
 ダウは969.58ドル安の2万6121.28ドル、ナスダックも279.49ポイント安の8738.60ポイントと大幅反落。

前日とは反対に反落して始まり、次第に下げ幅を拡大しました。
新型コロナウイルスのまん延が米景気の停滞を招くとの懸念が強くなっています。

前日のダウ1173ドル高と過去2番目の上げ幅となった反動安となりました。

 米国での新型コロナの感染拡大に歯止めがかからず、4日にはカリフォルニア州が州全域に非常事態宣言を出し、人やモノの移動を制限する動きが広がっています。1〜3月期決算への影響は避けられず、VIX指数は40前後に上昇しています。

10年債利回りは前日比0.14%低い(価格は高い)0.91%。
一時は0.89%と過去最低を更新しました。

結果、ドル円は106円13銭と円高が進み、CME日経平均先物は再び2万1000円割れ。


http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/429.html#c140

[近代史02] 幻の柴田罫線 中川隆
141. 中川隆[-13007] koaQ7Jey 2020年3月06日 08:15:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[527]

柴田罫線の様なドテン売買法では今回の様な暴落には対応できない _ 2


暴落する時はあくまで”暴落”であって、それは一気に急落する、信用売りも仕掛けられないほどの暴落なんです。

言ってみれば、急勾配の坂を下る様な個人が信用売りでコントロール出来る様な代物ではなく、足元に突然大きな深い穴が開いて、真下に真っ逆さまに穴の中に落下する様な”暴落”なんです。

だから、暴落時に信用売りを仕掛けても、何しろ値が全然付かないのですから信用売りも約定する事はあり得ません。それほどの恐ろしいものなんです。

暴落の怖いところは、下がるだけではなく、その翌日は逆に値ごろ感を持った投資家が一挙に買いに殺到して反転暴騰して、今度は買いを入れても値が付かず、買い約定も出来ない・・・

そんな状況を総じて”暴落”というのです。

仮に暴落時に信用売りを仕掛けて”運良く”約定しても、その翌日は、逆に一気に全株全面暴騰し、日経平均で何千円も踏み上げられるのです。
そんな状況でも信用売りを仕掛けるのは、余程の”勇者”か余程の”資産家”か余程の”素人”なんでしょう。

ブラックマンデーの様な、又日経39000円からのバブル崩壊の様な ”暴落”はいわば一方方向の暴落なんていう代物ではなく、暴落と暴騰を日替わりで繰り返しながら株価が急落して行く、”ダッチロール”の墜落の様な”暴落”である事を是非理解しておいて下さい。

ネット系の個人投資家は 逆に行け行けドンドンの 横並び体質がありますので、一転暴落が起こったら、過去の暴落以上に売りが売りを呼んで、サーバーダウン等も相まって、過去の暴悪以上の凄まじい想像以上の暴落になると私は思ってます。

_________________

暴落時に空売れると思っている人間が多いよね。
S安貼り付きに売りで並ぶつもりなのだろうか。

本格的な下げか、押し目か判断してから参加するとか言っている人間は一番ダメだな。 暴落の一番オイシイ所を逃すばかりか、押し目だった場合、大底で空売るハメになる。

または「まだ早い、ただの押し目だ」と言い続けて売り遅れ涙目になるのがオチ。
暴落始まったら損切りしたくてもできない。 売れないから。
今現在、株トレードにおいて自分が勝ち組だと思ってるやつも大半はやがて自分も負け組であることを実感する時が来る。 有名なアナリストも株相場はトランプのババ抜きみたいなものといっているくらいだから利益確定してさっさと勝ち逃げするのが賢明

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ビルに飛行機がつっこんだ。
東証は臨時に値幅制限を半分に。当然のようにS安連発。

自分の持ち株はマーケットメークだったので、1日で確か20%ぐらい下げた。
当時はまだ優良企業であると信じられていた某ソニー。
自分も期待しながらわずか200株だけだけど買ってました。

糞決算発表。確かその翌日は比例配分すらできないような大幅な売りを浴びてS安。その次の日も比例配分のS安。 一応国際優良株と言われ馬鹿でかい規模、こんな株が2日連続でS安っていう衝撃はあまりにもでかかった。

一番すごかったのはメガバンの売られっぷりだけどね。 100万ぐらいしてたのが1年もたたないうちに5万台まで売られた。

そのとき買っとけばよかったじゃんと言うかもしれないけど、とてもじゃないけど買える雰囲気じゃなかった。 某ドイツ証券の人が「東証を閉鎖せよ」っとまじで言ってるのw

自分はみずほ5万台で買ったのが自慢。だけど1株だけな。あのとき100株とか買えるような人がいたら天才か大ばか者のどっちかだな。

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90年バブルの方はブラックマンデー以降も2年くらいは好景気で株式相場も活況だった。逃げる気になれば逃げられた。もつとも当時は株と土地は長期的に下がることはないと思われていたから「逃げる」と言う感覚がなかった。

ITバブルの方は本当にバブル。一気にはじけた。あれは逃げるのが難しかった。
それでも全銘柄が急落したわけではない。逆張りでオールドエコノミーといわれたセクターに投資した人(バフェットもその一人)はむしろ儲けた。

87年に起こった、ブラックマンデー・ショック直前に、持ち株全部処分してノーポジを自慢してた香具師もいたが、その後の相場にはしっかり乗り遅れた。
現在のような、13年の長きにわたる下げ相場だと、弱気になるのも無理からぬことではある。

弱気筋も、売った持ち株が更に上伸していくさまを何度も見せ付けられて徐々に強気に変わっていくのさ。

そして、誰もが強気を唱えるようになるとき・・・
「桐一葉 落ちて天下の 秋を知る」 ようになる。

http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/429.html#c141

[番外地7] チュチェ思想は共産思想ではなく典型的な儒教思想 中川隆
2. 中川隆[-13006] koaQ7Jey 2020年3月06日 08:41:07 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[528]
そもそもこの現代に左翼なんか存在しないよ
日本共産党は典型的な保守反動政党だし、現在の中国・北朝鮮・韓国は古来の儒教思想が現在まで続いている国だよ。 習近平も毛沢東も昔ながらの中国皇帝だしね。
チュチェ思想が共産主義だと言っているアホがいるけど、チュチェ思想というのは天命を受けた支配者をみんなで支えなければいけないという儒教思想だよ
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/502.html#c2
[近代史3] グリーグ 『ペール・ギュント』 中川隆
3. 中川隆[-13005] koaQ7Jey 2020年3月06日 08:50:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[529]

メンゲルベルク

Grieg “Peer Gynt Suite No 1” Willem Mengelberg, 1943






http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/933.html#c3
[番外地7] チュチェ思想は共産思想ではなく典型的な儒教思想 中川隆
3. 中川隆[-13003] koaQ7Jey 2020年3月06日 09:29:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[531]
そもそもこの現代に左翼なんか存在しないよ
日本共産党は典型的な保守反動政党だし、現在の中国・北朝鮮・韓国は古来の儒教思想が現在まで続いている国だよ。 習近平も毛沢東も昔ながらの中国皇帝だしね。
グローバリズムは左翼思想だとか、チュチェ思想が共産主義だと言っているアホがいるけど、

・グローバリズムは20世紀型の帝国主義で典型的な資本主義思想

・チュチェ思想は天命を受けて統治している天子をみんなで支えなければいけないという儒教思想
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/502.html#c3

[近代史4] ミラン・クンデラの世界 中川隆
1. 中川隆[-13001] koaQ7Jey 2020年3月06日 10:39:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[533]

フィリップ・カウフマン 存在の耐えられない軽さ
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/140.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/452.html#c1
[近代史4] エレニ・カラインドルー (Ελένη Καραΐνδρου、1941年11月25日 - ) 中川隆
1. 中川隆[-13000] koaQ7Jey 2020年3月06日 10:45:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[534]

エレニ・カラインドルー
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/121.html

テオ・アンゲロプロス 『ユリシーズの瞳』
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/145.html

テオ・アンゲロプロス 『シテール島への船出』
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/128.html

テオ・アンゲロプロス 『蜂の旅人』
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/127.html

テオ・アンゲロプロス 『こうのとり、たちずさんで』
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/126.html

テオ・アンゲロプロス 『エレニの旅』
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/125.html

テオ・アンゲロプロス 『永遠と一日』
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/124.html




http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/188.html#c1

[近代史3] 5G電波の危険性 _ 5G導入をベルギーが見送り決定! 中川隆
3. 中川隆[-12999] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:10:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[535]
電磁放射線公害について  古庄弘枝氏が下関のお話会で講演
2020年3月5日

 電磁放射線公害問題にとりくみ、「5G問題を考える会」の共同代表を務めるノンフィクションライターの古庄弘枝氏を囲んだ「お話会」が1日、下関市のしものせき環境みらい館でおこなわれた。主催は宇部市の豊かな暮らしを考える会(村川博司代表)。古庄氏は電磁放射線や芳香柔軟剤の害や5Gの危険性について最新の知見やデータを示しながら一人でも多くの人々がまず知り、行動を起こす必要があることを訴え、警鐘を鳴らした。小さな子どもを連れた女性をはじめ約30人が集まり、熱心に耳を傾け、率直に疑問点を出しあった。

 村川氏は「これから5Gが全国で始まりつつある。古庄氏はどういうことが起こる可能性があるか、身体への影響などいろいろな方に取材されている。私の子どもも小学校1年生。全員タブレットを持たされ、電子黒板で授業するというのがどんどん進んでいる。まず第一に考えるのは子どもたちの健康で、電磁波は危険なことがあるのではと先生や保護者に話している。この社会はお金を中心に回っていて、学校などもいろんな利権がある。誰かが被害を受けるとか誰かが悲しい思いをするならやめていける大人でありたい。そういう大人が増えれば社会が変わっていくのではと思う」と挨拶した。

 続いて古庄氏が電磁放射線、芳香柔軟剤、5Gについて具体的な実例やデータにもとづいてくわしく報告した。今回は電磁放射線の被害について紹介する(5Gについては本紙で今年1月20日付8451号の古庄氏の「5G推進にストップを」と題する投稿を参照していただきたい)。

女性の参加が目立ったお話会(3月1日、下関市)

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古庄弘枝氏
 電磁波は英語でラジエーションといい、放射線ということだ。携帯電話やスマホから出ている電磁放射線は、福島原発から放出され続けている放射線(電離放射線)と同じ仲間だ。違いは物質の電子を電離させるほど強いエネルギーを持っているか、そうでないか(非電離)だけだ。

 「電離放射線」にはγ(ガンマ)線、X(エックス)線、紫外線の一部が含まれる。「非電離放射線」には「光の仲間」と「3T(テラ)ヘルツ以下の電磁放射線」(電波)にわけられる(3Tとは3兆のこと)。

 電磁放射線は「電界(場)」と「磁界(場)」が交互にからみあって進むエネルギーで、その速さは光と同じ「秒速30万`b」だ。電磁放射線はその周波数(1秒間に振動する回数・単位はヘルツ)によって「高周波」「中間周波数」「低周波」にわけられる。

胎児や幼児への影響大

 電磁放射線の生体への影響には、強力な電磁放射線が引き起こす「熱作用」と、微弱な電磁放射線が引き起こす「非熱作用」がある。近年になるほど「非熱作用」が重要視されており、とくに胎児や赤ちゃんに与える影響が大きいことがわかっている。

 「イライラ」「不眠」「頭痛」「耳鳴り・頭鳴」「筋肉痛」「記憶力減退」などは、電磁放射線の非熱作用によるものだ。電離放射線以上に日常的に浴びているスマホや基地局からの電磁放射線にもっと注意を向ける必要がある。

 携帯電話の電磁放射線が人間の脳に与える影響についての実験では、携帯電話を耳にあてた場合、大人の脳よりも10歳の子どもの脳、さらに五歳児の脳の方が深部まで貫かれている。5歳児では脳の8割以上を貫く。5歳児よりも1歳児、それより胎児のやわらかい脳の方が危険だ。

 もし赤ちゃんや小さな子どもが1日を過ごす部屋に無線LANがある場合、とり外すことをすすめる。無線LANには電子レンジに使われているものと同じ電磁放射線が使われている。電子レンジは、食べ物に含まれている水分を1秒間に24億5000万回振動させることでモノを温める。この電磁放射線が充満する室内にいれば、電磁放射線にあたった細胞は、1秒間に24億5000万回振動させられ、さまざまな「異変」を起こす。細胞分裂が活発な組織ほど、遺伝子配列が正常でなくなるなど、深刻な影響を受ける。

 どうしても無線LANが必要でとり外せない場合には、せめて夜寝るあいだだけでも一時的に切ることをすすめる。人間は起きているあいだよりも、寝ているあいだの方が電磁放射線に無防備になり、より悪影響を受ける。寝ているあいだ頭の近くに携帯電話やスマホを置いて寝るのも危険だ。端末機器からはつねに電磁放射線が出続けている。

人工的電磁波全て有害

 アメリカの医師ロバート・ベッカーは著書のなかで「すべての異常な人工的な電磁波は、周波数に関係なく、同様の生理的影響をもたらす。これらの影響は正常な機能を逸脱させ、明らかにあるいは潜在的に有害である」と指摘している。

 彼が指摘する「有害性」とは、@成長中の細胞への影響(がん細胞の成長促進など)、Aある種のがん発生のひきがね、B胎児(胚)の異常発育、C神経化学物質の変化(自殺のように異常行動を引き起こす)、D生理的周期の変容、Eストレス反応(継続すると免疫システム機能の低下を招く)、F学習能力の低下、などだ。

 電磁放射線によって引き起こされる人体の異常はすべての臓器、神経系に及んでいる。

 仙台市で「丸山アレルギークリニック」を開き、毎日150人以上の患者を診察していた丸山医師は「電磁波が原因で何らかの病気になっている人や電磁波のせいで治りにくくなっている人は、病気全体の9割におよぶ」(2014年)と発言している。また、「電磁波が、がん、アトピー性皮膚炎、うつ病、不眠病、関節リウマチなどの原因だ」「病気を治すには、電磁波の害をなくすことが絶対不可欠だ」と断言している。

生命の誕生を脅かす

 携帯電話やスマホに使われる電磁放射線は、「生命の誕生」そのものを阻害し、死に至らしめる可能性をもっている。1998年にフランスのユービシエール・シモ博士らがおこなった実験が証明している。孵卵器に60個の鶏の卵を並べたものを2セット用意し、一つは中央部の卵から上部1aの位置に携帯電話を「オン」の状態で置くと、卵の平均死亡率が約72%になった。携帯電話を置いていない方の死亡率は約12%であり、携帯電話の電磁放射線を浴び続けたことで卵の死亡率が6倍になった。

 この実験はお腹にいる胎児に携帯電話やスマホの電磁放射線を浴びせ続けたら、妊娠初期に胎児が死んでしまう(流産する)可能性が高いことを意味しているのではないか。携帯電話やスマホはスイッチを「オン」にしているかぎり、つねに近くの基地局や無線LANアクセスポイントなどと通信するために電磁放射線を出し続けている。

 2008年のアメリカ・カリフォルニア大学での調査では、「出産の前にも後にも携帯電話を使っていた母親から生まれた子どもは、携帯電話をまったく使わなかった母親から産まれた子どもより“集中できない”“多動性”“衝動性”などの行動障害を1・8倍引き起こす」との結果が出ている。また、2012年のアメリカ・イエール大学でのマウスを使った実験結果では、「母体内の胎児を携帯電話の電磁放射線にさらすと、胎児の脳の発達に影響をおよぼし、“多動性”“記憶力のわずかな劣り”をうむ可能性がある」としている。

 携帯電話やスマホの電磁放射線が男性の精子に悪影響を及ぼすこともわかっている。2004年のハンガリー・セゲド大学の研究では、「ほぼ1日中携帯電話を身の回りに持つヘビーユーザーは、13カ月で精子が約30%減少する」との結果が出ている。また2006年のアメリカでの報告では、「携帯電話を使う時間が長くなればなるほど“精子の数”“運動している割合”“正常な形”が少なくなる」「携帯電話を1日4時間以上使う人の精子は、まったく使わない人の3分の2以下になる」としている。

世界一緩い日本の規制

 2013年に世界の10カ国29人の科学者が、2006年から2011年にわたって発表された「無線技術や電磁放射線がもたらすリスク」に関する1800以上の最新研究論文を検証しまとめた「バイオイニシアティブ報告書2012」を公表した。「環境中の電磁放射線発信源が著しく増加し、低レベルで恒常的な曝露の度合いがますます高まっている」とし、高周波の基準値を「0・0003〜0・0006μW/平方ab」にすべきだとしている。さらに「将来はさらに低くする必要があるだろう」とものべている。それは「胎児や乳幼児をはじめとする感受性の高い人々への影響を示す証拠を含めて、その要求を裏付ける科学的証拠が以前よりも増大し、確かなものになってきている」からだとしている。

 これに対して日本の高周波の規制値は「1000μW/平方ab」で、これはアメリカと並んで世界一高い。もっとも厳しいオーストリア・ザルツブルク州の規制値は「0・0001μW/平方ab」であり、日本はこれの1000万倍だ。しかし、「0・0001μW/平方ab」でも安全ではない。2005年にドイツの医師グループが、当時のドイツ首相に「0・0001μW/平方abでさえ30%の人は病気になっている。0・01μW/平方ab以上であれば約95%の人が悪影響を受けている」との報告書を送っている。日本の規制値は早急に「0・0001μW/平方ab」に変更すべきだ。

世界の医師が妊婦に警告

 2014年6月、「電磁放射線が胎児の脳の発達に悪影響を及ぼす」ことを深く認識し、憂慮した世界の医師・科学者たちが妊婦に警告を発した。「自分自身とお腹の子どもを守るために携帯電話やワイヤレス機器からの電磁放射線被曝を避けること、制限すること」と警鐘を鳴らした。

 中心となった医師の一人は『携帯電話 隠された真実』の著者のアメリカのデヴラ・デイヴィス博士で、彼女らは「ベビーセーフ・プロジェクト」という公共キャンペーンを立ち上げ、妊婦が電磁放射線被曝を制限するためにできる簡単な方法を以下のように提唱している。

 @身体に携帯電話などの端末を密着させるのを避ける、A端末を身体に密着させなければならないときは、背面を密着させない、B端末で話すときは、スピーカーかイヤホンマイクを使う、C車、電車、エレベーターのなかで携帯電話などを使わない、Dコードレスの電話子機は遠ざける。とくに睡眠時、Eインターネットは有線でつなぐ、FWi―Fiを使うなら、ダウンロードのときだけにする、G長時間の電磁放射線被曝、Wi―Fiルーター近くでの被曝は避ける。とくに睡眠時、H使わないときは家庭用Wi―Fiのプラグを抜く、I寝るときはスマートメーターなどのワイヤレスのメーターからできるだけ離れる。

汚染される日本の学校

 日本の学校は電磁放射線でどんどん汚染されている。文部科学省の調査によると、2014年3月現在、全国の公立学校の約86%が普通教室に校内LANを整備し、そのうち約25%が無線LANを選んでいる。学校の無線化は国が進める「教育のICT(情報通信技術)化」にもとづいたもので、総務省は2010年から「フューチャースクール推進事業」を、文科省は2011年から「学びのイノベーション事業」を推進してきた。

 文科省は「教育の情報化ビジョン」(2011年)のなかで、2020年までに「全学校で1人1台の情報端末による学習を可能にするため、超高速の校内無線LAN環境を構築する必要がある」としている。

 一方欧州では、学校敷地内の無線LANは禁止する方向だ。オーストリアのザルツブルク州では2005年から「州内すべての学校・保育園・幼稚園で無線LANとコードレス電話の使用を禁止」している。

 2011年には欧州評議会議員会議が加盟47カ国に対して、「学校の敷地内では無線LANを有線にすること」と指摘し、2015年にはフランスが法律で「3歳以下の子どもが過ごす空間でのWi―Fiの禁止」「小学校では、Wi―Fiを授業の使用に限定し、それ以外のときは電源を切る」ことを決めている。

 電磁放射線被曝に苦しむ子どもを出さないために、校内のLANは有線にするべきだ。

 福岡県太宰府市の太宰府東小学校では、校舎から100bのところにNTTドコモの基地局がある。2012年、保護者が調査すると基地局と同じ高さにある3階の教室の子どもたちがたくさんの症状を出していた。そこで保護者たちは、基地局の撤去に向けて行政に働きかけるとともに、基地局に面した窓に電磁放射線を防ぐシールドフィルムをはることで、子どもの症状を改善させた。

 宮崎県のある保育園では、近くに2つの基地局(約60bにKDDI、約120bにNTTドコモ)があることで、園児たちが頻繁に鼻血をだしていた。原因が近くの基地局からの電磁放射線だと気づいた経営者は、2013年にまず園舎の窓ガラスをシールドフィルムで覆うことで園児を守った。同時にKDDIとNTTドコモに対しては基地局の撤去・移転を、行政に対しては条例の制定などを求めて運動をしてきた。幼い子どもたちを守るには大人たちが電磁放射線に対する知識を持つことが不可欠だ。

発達障がい児が増加

 「携帯電話普及率」が増えるにしたがって、比例するかのように「特別支援学級在籍者数」が増えている。携帯電話は1995年から急カーブを描いて上昇している。特別支援学級在籍者のうち「知的障がい」「情緒障がい」も1995年から上昇を続けている。とくに「情緒障がい」のカーブは上昇率が大きい。また、携帯電話の普及率と比例して「自閉症」「学習障がい」「注意欠陥多動性障がい」の児童が増えている。

 これらの「発達障がい」児の増加は、携帯電話の普及率が高まり、それにともなって基地局の数が増え、大気中の電磁放射線が増え続けていることと深い関係がありそうだ。電磁放射線は子どもの柔らかい脳に深く浸透し、学習や情緒にかかわる海馬や扁桃体などに「小さな異常」を引き起こす。

基地局のない所に住む

 沖縄県那覇市では、2000年に屋上に基地局のあるマンションに住んでいたSさん一家が、3階から10階に移ったときに、健康被害が増えた。「意識喪失」や「精神錯乱」、子どもは「視力低下」「鼻血」「不整脈」などに苦しみ、マンションを出ることで症状はなくなった。その後住民の働きかけで基地局も撤去できた。

 妊娠中か赤ちゃんのいる人で、屋上に基地局があるマンションに住んでいるか、近距離に基地局がある場所に住んでいる場合、すぐに転居することをすすめる。どうしても引っ越せない場合は、電磁放射線を測定し、シールドクロスなどで外からの電磁放射線を防ぐと同時に、基地局の撤去に向けて、近隣住民の方と行動を起こそう。さらに将来的にその地域を安全に保つためには、広く電磁放射線公害の事実を知らせ、電磁放射線公害防止条例などをつくることが必要だ。

幼児には使わせない

 スマホは、さまざまな種類の電磁放射線を使って、基地局、無線LANアクセスポイント、GPS衛星などとつねに交信している。そのため幼い子どもにスマホを持たせたり、身体の近くで操作したりすると、子どもを被曝させてしまうことになり、とても危険だ。

 スマホから出ている電磁放射線はWHO(世界保健機関)の専門組織であるIARC(国際がん研究機関)が「発がんの可能性がある」と認めた発がん性物質で、脳の「学習・記憶」にかかわる海馬を傷つけることもわかっている。

 幼い子どもの頭は小さく柔らかいため、大人より何倍もたくさんの電磁放射線を吸収する。世界各国では、子どもたちを携帯電話やスマホの電磁放射線から守るためにさまざまな規制・勧告・要請をおこなっている。

 ロシアやアイルランド、インドなどでは、16歳以下の子どもが携帯電話を使うことを禁止したり、子どもへの販売を禁止したりしている。フランスでは6歳以下の子ども用携帯電話の販売を政府が禁止した。ベルギーでも政府が7歳以下の子どもへの販売は店頭でもインターネットでも禁止した。

https://www.chosyu-journal.jp/shakai/16041
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/340.html#c3

[近代史3] ベートーベン ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 作品31−3 _ 何故この曲だけこんなに人気が有るのか? 中川隆
20. 中川隆[-12998] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:40:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[536]
ベートーヴェン論

ベートーヴェンはクラシック音楽の金字塔となる大傑作を数多く作曲した。

彼によって生み出されたクラシック史上の最高峰となる作品群は、後年の多くの作曲家の目標になり、道しるべとなった。

作曲者の生涯の全作品を総合的に比較すると、後の作曲家は誰一人として太刀打ちできていないと思う。

他の作曲家と比較して、ベートーヴェンは何が違ったのだろうか?


まずは、彼にはずば抜けた才能に加えて、厳しい英才教育を施されたおかげで強固に固められた基礎があったことが挙げられる。

若いときの作品は地味で面白くないと感じるところがあるが、よく聞けば既に同時代のトップレベルであると思う。


そして、音楽と芸術に対する徹底的な妥協のない真摯さがあったからこそ、成熟してからさらに異次元の飛躍を遂げることができたのである。

飽くなき高い理想の追求をし続けることができたのは、彼の真摯さと空気を読まない性格の強さゆえだろう。


とはいえ、理想の高さの魅力以上に、ベートーヴェンの音楽は根底的な音の響きや使い方それ自体に尽きない魅力があり、それこそが重要であると私は考えている。

彼の音楽は、シンプルでいくら聴いても飽きない魅力的な要素を多くもっていて、それが強固な骨格と筋肉になっている。

だからこそ、何か画期的な世界を目指したて冒険をしたときにも土台が崩れず、聴いていて楽しめるような音楽としての魅力を保ち続けることができたのである。

•音楽の魅力

彼の音楽の魅力を簡潔に書くというのは無理難題だと思うが、あえて挙げてみよう。


まず、音楽的な品格の高さが重要な要素として挙げられる。

ベートーヴェンの音楽は高貴な精神を宿しており、純度の高い高潔さがある。


伸びやかに音を鳴らして音それ自体の生の魅力が活かされていることも特長である。

特に若い時の音楽は伸びがあり、聞いていて気持ちよくなる。

ベートーヴェンはシンプルな音形を使って、音そのものを高らかに響かせて存分に歌わせ、それにより素敵さを演出することに長けていた。


たとえば、「皇帝」協奏曲の1楽章の伸びの良さと品のよさはどうだろう。

ロマン派の音楽は、何かしらの気分を音楽に含ませており、「感情の支配下」にある。

それが音楽の表現の幅と、聞き手にとっての気分の幅を狭めている。

それと比較して、ベートーヴェンの音楽の音自体のシンプルさの中に魅力をこめて、聞く人を楽器が奏でる音それ自体に魅了させる。

とにかく、聞いている人の気分をよくさせることが得意である。


他にも手もちの芸風は多く持っており、例えば長調の曲でよく見せる竹を割ったようなすっきりとした割り切りの明快さの魅力もある。

胸が膨らむような広がりを持った壮大さもある。


一方で激情性もまた、ベートーヴェンの一面としてやはり重要である。

ベートーヴェンは冷静さを保ったまま、様々な種類の激情を表現し、それをコントロールしながら楽曲の構築を行うことが出来た。

後世のクラシック作曲家はベートーヴェンとしう先例を知っていながら激情を完全にコントロールして表現する音楽を作れなかった。

対抗馬となるのはショパンくらいだろうか。


晩年に至って、ずっしりと精神的な重みや手ごたえのある音楽を書けるように成長したことは、さらに驚異的なことである。

これは、ベートーヴェンの音楽がもともと持っていた親密性の魅力を発展的に肥大化させたものと考える。

中期の傑作の森では外面的な巨大な構築性を見せているが、もともとかなりパーソナルな精神をも表現できる人だった。


また、彼はエンターテイナーでもある。

音楽において、観客を楽しませて気持ちよくさせることに配慮が行き届いている。

盛り上がってほしい時にはちゃんと盛り上げる。聞き手の気持ちをちゃんと汲んで、演奏会というショーが成り立つように曲を書いている。

だから、非常に激情的だったと言われるベートーヴェンだが、決して独りよがりの人ではなかったのだろうなと想像させられる。

激情性すらも、彼の中ではエンターテイメントとしてうまくコントロールされている。


晩年の作品はその色が薄くなった。そのおかげで作り物っぽさが希薄になり、人間精神の中で一人一人の個人が心の奥の方で本当に大事に持っているパーソナル領域を生々しく表現できた。

その代償としてとっつきにくく、曲を理解できるまでに時間がかかるようになってしまったのだが。

•形式性


ベートーヴェンの音楽は古典派の形式性を保っていることも重要である。

ロマン派に入り、時代が下るほど崩れて迷走していった形式性は、ベートーヴェンにおいてはまだ十分に機能していた。

精神的な内面性の表現に音楽の比重が逆転してしまった時代においては存在しえない、音楽の構造性それ自体の価値が楽しさを持っている時代であった。

個別の曲が、自立した個別的に精神的内面とそれに適合する形式の両方を創造しなければならない時代になると、相対的に形式の力が弱まった。


創造性はえてして、まず形式に束縛されて表現の範囲に制約があり、その中での自由を追求する時代にもっとも発揮される。

表現の幅の制約は、創作性の妨げにはならないのである。

テレビゲームにおいてゲーム製作者は、ファミコン時代はまったく貧弱な表現力しか持たなかった。

しかし、その枠内でもプレーヤーを熱狂させる自由さがあり、充実感があった。

時代が下って表現力が高くなると、むしろ無茶な設定が出来なくなり、表現が目的になり、束縛物となってしまった。


また、現代の日本のポピュラー音楽は、Aメロ、Bメロ、サビというワンパターンの形式に枠内にすっぽり収まった曲が多い。

しかし、その制約の中で生み出されたメロディーや楽曲の表現力は、90年代にすばらしい黄金時代を築いた。

それと同じようなことが発生していたのが、ハイドンやモーツァルトからベートーヴェンの時代であると思う。


彼はいろいろな事が出来る器用さがあったが、それを実現する音楽のフォーマットとしての応用性の高さも才能の発揮を後押しした。

その自由度におぼれすぎず、一つひとつの曲を作りこんで、形式的にも技法的にも内面的にも完成度の高い際立った個性のある作品を作成した。

晩年は、やや自由度におぼれてしまい破綻しかけているが、その分の精神性の高みが魅力を高めている。


総合力は、さまざまな事を高いレベルで実施できることから生まれる。

出来ることの幅広さは、天才性の大きな要素である。

ベートーヴェンと比較してしまうと、後世の作曲家は全員、狭い範囲のことしか表現できなかった。

一部の能力では上回っていても、それ以上に多くの点で劣っていた。

だから総合的にはベートーヴェンに勝てなかったのである。


なお、ベートーヴェンの音楽の素晴らしさは、フルトヴェングラーの「音と言葉」に素晴らしい文章で詳細に語られている。

さすがベートーヴェンを振らせたらナンバーワンなだけある。きわめて説得力があり、深いレベルで納得感の高い説明である。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6%E8%AB%96
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/680.html#c20

[近代史3] モーツァルトで本当にいいのは 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」だけ 中川隆
4. 中川隆[-12997] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:42:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[537]
モーツァルト論

神がかり的なバランス感覚、天真爛漫さ、悪魔的な魅力、メロディーメーカーとしての才能、ロマンチックさなど、天才的な愛される要素を多くもっていた、古今のクラック音楽家の中でもっとも素晴らしい作曲家の一人。

オペラのように自由に楽器を活躍させて、歌わせる事にも長けていた。


現代楽器との相性がよいのも、現代における人気の源泉のひとつだと思う。


モーツァルトの得意分野はオペラと協奏曲とよく言われる。

18世紀後半のオペラと協奏曲で現代でもメジャーなレパートリーになっているのはモーツァルトの作品だけである。

ハイドンとの差がもっとも大きな分野といってもよい。

結局、ベートーヴェンが1800年以降に主要な曲を書き、一方でバロックの大作曲家達は1750年ごろまでに主要な曲を書いている。

ある意味で1750年〜1800年は谷間の世代である。

ただし、モーツァルトとハイドンという大巨匠がいるために、音楽的遺産は決してものたりないものではないのだが。


モーツァルトは多くの音楽をよく勉強し、自分の音楽の中に取り込んでいた。


モーツァルトは形式的な厳格さ、単純な和声という古典派時代における制約の厳しさをむしろ逆用し、シンプルな中であるからこその豊かさを実現した。


形式的な整備の完璧さ、バランスの良さと外面的な手持ちの表現手段の豊富さ故に、モーツァルトは最も芸術的に純度の高い結晶として、深い段階に到達した作品を書いた作曲家といえる。

音楽に限らず、相対的な評価は、同じような高いレベル同士で比較するからこそ可能である。モーツァルトは基礎的なレベルが高く、その中でさらに厳選されたさらに高いレベルに到達する音楽を作り上げることが出来た。


モーツァルトの軽やかさと気軽さは、モーツァルトの人気の高さの大きなウェイトを占めている。

モーツァルトの音楽は、本当に聴きやすい。

次の世紀に入ると気軽さが薄れて芸術音楽としての側面が強くなっていく。

バランスにおける絶妙な天才性があるため、軽さだけで終わっていない。これてあわせて軽さが成り立っているところはある。


モーツァルトの音楽におけるフットワークの軽さと、人間の生理的感覚との一体感は、非常に優れた面のひとつである。

息継ぎするように一瞬の休憩を入れたり、気分転換したり。ちょっと急いでみたり、立ち止まってみたりというような当意即妙な身体感覚と適合する音楽は、楽しさの大きな理由となっている。

一方で、ロマンチックさや芸術性ももっている。彼の音楽は同時代の多くの音楽と比較して複雑であり、次の時代に近いものがある。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6%E8%AB%96
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[近代史3] フランツ・ヨーゼフ・ハイドン 交響曲 第100番ト長調「軍隊」 中川隆
4. 中川隆[-12996] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:43:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[538]
ハイドン論

ハイドンの曲は非常に沢山ある。

いくら現役が長かったからとはいえ、この曲数を書いたのであるから、サクサクと新曲を量産していたわけである。

それにも関わらず、明白な駄作や手抜きが少ないのはすごい。


簡単には聞き終わることが出来ない大量の作品はさながら宝の山のようである。順番に聴いていくと、次の曲を聴くたびに新しい魅力に出会えること、曲に仕込まれた機知に富んだ仕掛けを楽しめること、これがハイドンを聞く楽しみの中の最大の点だと思っている。


単独の曲を、腰を据えて何度何度も繰り返し聞き込むための曲としては、同時代においてもモーツァルトに劣る。

ハイドンは、歌うような忘れがたいメロディーを曲の中心にもってきておらず、機知とか雰囲気的な温かみが主な魅力であるため、中毒のように同じ曲を聞き込み口ずさむようなことにはあまりならない。


しかし、沢山の曲を順番に聴くような聴き方をする場合においてハイドンはモーツァルトに負けない。

CDというフォーマットによりマーラーやブルックナーのよう長い曲を中断なしで聴けるようにしてくれた点で時代にマッチした。

ハイドンは現代のMP3プレーヤーのように超大量の音楽を好きなだけ聴けるデバイスに向いており、まさに今の時代に新しい真価を見せるようになった作曲家と思っている。


ハイドンの作品の中では、やはり交響曲が入門として最適である。管弦楽であるから華やかであり、分かりやすく聴きやすい。

聴き手を意識した華やかな曲が多い。特にザロモン交響曲はエンターテイメント性が高い。爽快で心地よくて、気持ちよく聞ける。


しかし、心の宝物になりそうな感動的な名品が数多くあるという点で、弦楽四重奏曲こそがもっとも驚異的な作品群であるだろう。

交響曲作曲家としてのハイドンと弦楽四重奏曲作家としてのハイドンは全く別の作曲家であると言っても過言ではないと思う。

私は弦楽器のみの室内楽は何重が最適であるかが作曲家によって異なると考えているが、ハイドンの場合は四重奏にピッタリはまっている。

簡潔でキレが良いハイドンの音楽は、音が厚すぎない方が良いのである。

バランスが完璧であるし、さばさばとして、はっきり言い切る音楽性も相性が抜群である。特に晩年は、練達の驚異的な作曲技術の高さをじかに感じることが出来る。

弦楽四重奏曲は一つ一つの作品のクオリティーの高さが抜群に高く、心の宝物になりうるような素敵さを備えているうえに、そのような作品が大量に書かれていている。

1曲書けただけでも凄いと思えるレベルの曲が数10曲もあるのだから、畏敬の念を感じる。

(このWikiでは、あまり高い点ばかり付けるのもいかがなものか、と考えて点数を控え目にし過ぎてしまったと反省している。いつか時間が出来たら一通り聴きなおして点数を上げるつもりである)

そして、作品を追うごとに品質が少しずつ確実に上がっていくのである。数十年かけて書いた作品群がだんだん品質が上がって最後のあたりが一番すばらしい作品になるとは、なんともすばらしい話である。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6%E8%AB%96
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/877.html#c4

[近代史3] フレデリック・ショパン 『幻想即興曲』 中川隆
2. 中川隆[-12995] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:44:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[539]
ショパン論

ショパンのピアノ作品における質と量の掛け算としての成果の巨大さは、他の作曲家を完全に圧倒している。

他の作曲家は傑作から駄作までいろいろだが、ショパンは初期の曲を除いてほぼすべてが素晴らしい傑作である。 


過大評価もしれないが、クラシックの全ピアノ曲の現代の音楽鑑賞のにおける価値の観点での質と量の掛け算をした場合に、ショパン一人の作品が、その中の1割以上を占めているのではと思われるほどである。

それだけの価値のある音楽を書いたということは、ピアノという楽器自体を演奏すること自体の魅力に対しても、何%かの影響を与えているかもしれない。


そのような圧倒的な成果を出せたのは、他の作曲家と比較してそもそもピアノ音楽作曲家としての才能があるうえに、その才能を浮気せずにほぼピアノのみに注ぎ込んだ結果であろう。

フルトヴェングラーがピアニストにはショパンが居るからうらやましい、というような意味のことを書いていた記憶があるが、まったくそのとおりである。


ショパンのピアノ作品は、一般的な楽曲としての素晴らしさと、ピアノ書法の素晴らしさの両方を兼ね備えている。

それらは、お互いに関連しており、一体となって高い価値のある結晶体としての作品に結実している。

ピアノの楽器の機構が出す音自体と、精神的な表現芸術である音楽の内容が一致しており、無駄がない。鳴らすべき音がそのまま表現と一体になっている。それが他の作曲家には欠けており、表現したいこととピアノという楽器が出す音に乖離があるのである。この点において、ショパンの音楽は完璧な理想系のひとつである。


天才的な書法の素晴らしさとともに、丹念な作り込みを音楽的にも、ピアノの響きをつくり上げる点でも実によく磨きをかけているのが素晴らしい。

細かなニュアンスを繊細に織り交ぜており、一つ一つの音に高い価値が与えられている。


ただし、ショパンの音楽は病的な陰鬱さの深い影を常に帯びている音楽である。

それが、曲にはずれがない理由のひとつになっている。

生々しいマズルカは、大変根暗な音楽となっている。これがショパンの本質なのであろう。

外面的な聴き手を重視した曲や、形式的な作りこみをした曲ではある程度隠されているが。

このため、健康的な精神に基づく古典派の巨匠の音楽には、総合的に見て芸術的な普遍的な文化遺産としての価値がどうしても一歩及ばなかった感はある。

これはショパンの音楽の構造的な限界になっている。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6%E8%AB%96
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/861.html#c2

[近代史3] ドイツ人にしか理解できないブラームスが何故日本でこんなに人気が有るのか? 中川隆
95. 中川隆[-12994] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:45:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[540]

ブラームス論

ジャンルとしてはオペラを除く多くの分野で傑作を残しているのは確かである。

ロマン派を代表する大作曲家であることも異論はない。

しかしながら、ドイツ3Bの一人に挙げられていること、演奏頻度が非常に高いことのせいで、どうしても過大評価の作曲家という印象を持ってしまっている。


ドイツ3Bの一人というのは、ブラームスに対する誉め言葉であるという以上に真剣にとらえない方がよいと思っている。

バッハやベートーヴェンと比較してしまうと、さすがにブラームスがワンランク落ちるのは否めないだろう。

しかし、生涯の創作活動において何度か到達した頂点の頂の高さにおいては、ブラームスも2人とかなり近いレベルにある。

その点では、ドイツ3Bというのも伊達ではない。


チャイコフスキー、ドヴォルザークとともに、後期ロマン派の中では音楽的なバランスを保って総合性を発揮し、ほとんどのジャンルで傑作を残した代表的な作曲家の一人ではある。


過大と感じる最大の理由は、彼の創造した音楽の、芸としての範囲の狭さである。

厚ぼったい音空間がずっと継続する中で、ターーラララのような手癖フレーズを連発するつなぎ部分を織り交ぜながら、強奏の爆発と沈静を繰り返すような基本的枠組みをベースに、ひとつの作品をまとめられたような作品が多い。

はっきり言いたいことを言えずに、自分の感情を十分に表現しないまま、ふさぎこんでしまっているような印象をも持ってしまう。


そのような多くの作品は、そこそこの長さの多楽章の曲であるにも関わらず、期待値を上回ることなく、予想範囲をはみ出すことなく、終わってしまう。

テクニックを駆使して細かい部分の複雑度を上げているので、どの作品もある程度の水準には達しているが、それだけである。


格別の思い入れをもってロマンチックな感情や多くのアイデア注ぎ込んでを完成度を高めた曲に関しては、大変素晴らしい出来である。


ベートーヴェンとの比較

ブラームスと、彼が尊敬し模範としたベートーヴェンを器楽曲で比較してみる。


交響曲  ベートーヴェン>ブラームス

協奏曲  ベートーヴェン<ブラームス

室内楽  ベートーヴェン>ブラームス

ピアノ曲 ベートーヴェン>>ブラームス

•交響曲

交響曲に関しては、ベートーヴェンの5番、6番、9番はあまりにも究極的に優れていて、ブラームスは太刀打ちできていないと個人的には考えている。

その3曲を除いたベートーヴェンの3番、7番とブラームスの1番、4番を比較するなら、これはブラームス優位。

さらに、ベートーヴェンの4番、8番とブラームスの2番、3番の比較なら、いい勝負だと思う。

しかしベートーヴェンは2番も魅力的だ。

•協奏曲

協奏曲に関しては、ブラームスのピアノ協奏曲1番、2番、ヴァイオリン協奏曲の方が、ベートーヴェンのピアノ協奏曲1番〜5番曲、ヴァイオリン協奏曲よりも優れていると思う。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲5番とブラームスのヴァインリン協奏曲の魅力はそれぞれの構成で古今の協奏曲でも屈指のすばらしさ。

それ以外で比較した場合にブラームスは2曲はどちらも力の入った力作揃いで素晴らしい。ベートーヴェンはそのレベルではない。

ブラームスのダブルコンチェルトとベートーヴェンのトリプルコンチェルトの比較も、ブラームスが上だろう。

こうして比較しても分かるが、ブラームスはロマン派でもおそらく最大の協奏曲作曲家である。

一方でベートーヴェンは他の分野と比較して協奏曲は弱いと思う。

•室内楽

室内楽に関しては、ヴァイオリンソナタやチェロソナタは両者いい勝負だと思うが、ベートーヴェンのほうがやはり魅力がやや上か。3重奏曲以上で見るとブラームスもクラリネット五重奏曲は大変優れているし、弦楽六重奏曲などいい曲はいくつかあるが、ベートーヴェンの大公トリオと弦楽四重奏の傑作の量や孤高の世界と比較すると、やはり分が悪い。

•ピアノ曲

ピアノ曲に関して、ブラームスも決して悪い作曲家ではないが、創作活動の中の大きな割合はないので、名作を多く残しているベートーヴェンとは比較にならないだろう。


ブラームスの協奏曲について

ブラームスの協奏曲は、形式的な自由さ、楽曲の外面的な華やかさ、ロマンチックな感情表現の容易さと気兼ねなくたっぷりと感情表現できる気楽さ、オーケストレーションの問題点の隠蔽など、ブラームスの不得意な範囲を補うことが出来ていた。

それでありながらどの作品も、交響的な充実感と重厚さを持ち、個人的な強い思い入れを感じされた大作となっている。

このため、交響曲以上に充実しているといっても過言ではないロマン派を代表する作品群となっている。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/681.html#c95

[近代史3] バッハ 『マタイ受難曲』 中川隆
4. 中川隆[-12993] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:46:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[541]

バッハ論

バッハは非常に人気がある作曲家である。

多くの作曲家の曲が発掘された現在は、昔ほどバロック時代の中で人気の差はなくなってきていると思うが、それでも今でもずば抜けて人気がある。


その理由は挙げてみると多くある。

音楽に父性と豊饒さと複雑さと温かみがあること、音感が優れていること、メロディーに分かりやすく耳を捉えるキャッチーさがあること、雰囲気がバラエティーに富んでいること、器楽曲が多いこと、古今のさまざまな音楽を取り込んでおりバラエティ豊かであること、出来が良い曲においてみせる完成度の高さと凄み、このあたりであろう。


一方でルネッサンスからバロックの大きな流れがバッハのにおいて集大成として最高峰の音楽として結実した、バッハを聞けば全てが分かる、のような評価は過大評価であろう。

バッハがバロック作曲家の中でも非常な芸術的高みに長い時間と努力の末に到達したのは確かである。

しかし、バッハが集大成だというような評価に基づく音楽の聴き方は、バロック時代の多様性をスポイルしてしまう。


例えば、今後ロック、ソウル、ポップス、ヒップホップ、ヘヴィーメタルの要素を持つ素晴らしいアーチストが仮に現れたとする。それが20世紀半ばからのロック・ポップスの流れ全てを総合したような偉大な音楽家であり、その音楽家を聞けばすべてが分かるなどということがあり得るだろうか。20世紀の音楽は、たとえどんなに偉大な音楽家であっても、一人ですべてを代表できるようなことはあり得ないというのは誰もが納得だろう。


ごく普通の仕事のためにさらっと書いたような大量の曲もある。

まあ、全曲が最高という作曲家はいないのはバッハも同様であり、それらの曲は同じバッハであるだけにとっつきやすいのだが、魅力はそれほどたいしたことがないと思う。

出来れば、それらを聴く時間を省略して、他の多くの多彩なバロック作曲家の曲を聴いたほうがよいと思う。


他のバロック作曲家より人気がある理由

バッハが他のバロック時代の作曲家と比較して人気がある理由は複合的である。もう少し詳しく書いてみる。

•音楽が複雑である


バロック時代の通奏低音による音楽は、現代からみて単純すぎるものが多く、飽きたり物足りなかったりする。しかしバッハは当時としては極めて複雑な音楽であり、また現在でも有効な複雑さであるために、飽きずに聴ける。

•音楽性自体に分かりやすい特徴がある。(例えば、豊饒さ、温かみ、父性など)


音楽自体の明確な個性の魅力があり、一般的な鑑賞者に訴求するものがある。

例えばヴィヴァルディの活力やヘンデルのようなキラキラとした輝かしさのように、個性は人それぞれであるが、バッハの魅力は単純に「いいなあ」と大抵の人に思わせるものがある。

•曲に明確な個性を持たせている


個別の曲に対して、それぞれに明確な個性を意図的に与えており、順番に聴く場合に刺激が多い。バロックの作曲家にありがちな、同工異曲で似たような曲ばかりの、曲に強い個性を与える意思を感じない作曲家よりも、鑑賞していて楽しい。

•メロディーに分かりやすく耳を捉えるキャッチーさがある


曲の個性と同様であるが、バッハの音楽は、分かりやすく印象に残りやすいメロディーを配置した曲が多い。

美メロディーを量産するようなタイプではないのだが、他のバロックの音楽家と比較して、聴き手の印象に残るようなインパクトのあるメロディーを選択する傾向がある。まるで現代のヒットメーカーのようだ。

•雰囲気がバラエティーに富んでいること


これも、現代のヒットメーカーのようだ。

他のバロックの音楽家と比較して、様々な雰囲気を作り出す。そのため、いろいろ聴いた時に飽きないのである。

いい曲ではあるが同じような曲ばかりという多くの作曲家よりも、現代においては価値が高いのである。

•器楽曲が多いこと


バロック音楽は声楽が重要であるが、声楽は歌詞が分からないことと、現代のポピュラー音楽がライバルになるために一般性を持ちにくいところがある。

ヘンデルはバロックを代表する素晴らしい作曲家だが、声楽が中心であるために人気の点で不利になっている。

その点、声楽の教会音楽が一番重要であるものの、器楽曲でも重要作を多く書いたバッハは有利である。

•古今のさまざまな音楽を取り込んでおりバラエティ豊かであること


同じような形式の音楽ばかり聴いていては、同じ作曲家ばかり聞いているとしまいには飽きてしまう。

バッハは古今の音楽を取り込んだので、形式的に豊富で刺激が多い。

•出来が良い曲においてみせる完成度の高さと凄み


例えば無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌなどが挙げられる。

通常作品とは隔絶した世界遺産級の文化遺産となる完成度の高さをもった作品だと思うのだが、バッハの時代は、まだ完成度の極めて高い作品を作ろうという発想自体がほとんど無かったと思う。

明らかに本人が意識して特別に高いレベルの作品を作成しようとしたのは、文献が残っていなくても作品自体を見れば明らかだ。

そして、そのような作品を本当に作ることが出来たことが、多くの音楽家から特別な尊敬を受けることとなった。

•音感が優れていること


優れた作曲家はそれなりに音感が優れているものだが、最も優れた人が必ずしも最も優れた作曲家になるわけではない。

バッハは、そこに音が欲しいという箇所に確実に音を配置したり、単純な中にちょうどよい複雑さや刺激を配置できるような、優れた音感を持っていた。

それが、普通の鑑賞者にも音楽的に優れているとなんとなく感じさせるものになっている。

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/827.html#c4

[近代史3] ブルックナーの作品は日本の男のためにある _ 日本でのブルックナー人気は宇野功芳のカリスマ評論が唯一の原因 中川隆
15. 中川隆[-12992] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:47:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[542]
ブルックナー論

ブルックナーの音楽は、精神的に禁欲的でありながら、一方で楽しみ方としては快楽主義的な音楽であり、その点で矛盾を内包している音楽である考えている。


ブルックナーの音楽は直接的な肌感覚や華やかさや直接的な感動に欠ける音楽である。まったく女性に受けそうにない。


しかしながら、若い時に書かれた曲を聴くと、晩年の作品ほど地味で超然とした世界ではなく、もっとずっと人間的である。

確かに考えみれば、あまりに特殊な音楽感覚しか持っていなかったら、オルガニストとして高名になることは出来なかったであろう。

直接的な感覚的刺激にあふれたワーグナーの楽劇の熱烈な信者であったわけだから、音楽鑑賞者としては超然としたものを極端に好むわけではなかったと推測できる。


やはり、長年の積み重ねの中で特異な方向性をガラパゴス的に伸ばしていき、個別的な特殊進化をしたことでたどり着いた音楽世界なのだろう。


ブルックナーの音楽は、豊富で繊細な色とりどりのニュアンスを聞かせる音楽ではないため、一見するとシンプルで素朴な音楽に聞こえる場合が多い。

しかし、実は内部的にはかなり複雑な和声の動きを見せている。


後期ロマン派らしい、落ち着かない複雑な転調が、漂う霧のようなあいまいな雰囲気を作っているともいえる。

逆に霧の深さが転調の複雑さを見えにくくしている面もあると思う。

ブルックナーの音楽は、細かいことを気にしないおおらかさで聴くものであるため、内部構造の複雑さに着目する必要はないのである。


ブルックナーの音楽は、超越的で宇宙的な感覚によるものである。

なにより、ゆったりとして、人間的な肌感覚に訴えるものが希薄なフレーズを積み重ねて構成されている。

その最たる例が、ブルックナー・リズムによる5つの音の繰り返しである。

たいていの場合、繰り返される5つの音に精神に訴える明確な意味が感じられない。

次のメロディー演奏に向かうためのつなぎである場合が多い。


しかし、同じ音形を執拗に積み重ねながら、次にどの方向に音楽が向かおうとしているかが重要なのである。

エネルギーを溜め込んで爆発に向かっているのか、エネルギーを吐き出して力を緩めているのかといったことである。


変容と積み重ねにより、通常の音楽の数倍に引き伸ばされて希薄化された時間間隔の中で音楽は書かれている。

大曲であることはその必然的帰結となっている。

ラフマニノフの音楽が感情の力学に基づいているとするなら、ブルックナーの音楽はエネルギーの蓄積や放出といった力学に基づいてかかれている。

その結果生み出される巨大エネルギーのダイナミクスこそが最大の魅力だ。

特に、圧倒的な大管弦楽のユニゾンや、ブルックナー休止は、かっこいい。

音形が優れたセンスであるとは限らないが、聞き手を激しく翻弄するには効果的なものである場合がほとんどだ。

長い時間をかけてエネルギーを溜め込み、圧倒的な迫力でもって爆発的に放出することである。


普通の作曲家がサッカーボールがポンポン動くような音楽とするなら、ブルックナーはボーリング玉のようである。

質量が大きいゆえに慣性が働くため、動き出すのに時間がかかるが、動き始めると強いエネルギーを保持し、何かにぶつかれば激しい衝突を起こすのである。

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[近代史3] グスタフ・マーラー 『アダージェット』 中川隆
4. 中川隆[-12991] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:48:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[543]

マーラー論

マーラーは確かに後期ロマン派屈指の交響曲作曲家である。そして、クラシック史上の大作曲家の一人である。

しかし、世の中の多くのマーラーファンが、マーラーのどこに強烈な魅力を感じて熱心なファンになっているのか、自分には掴みきれていないところがある。

ファンの書いている評論を読んでも、自分の心に十分に響いてこないのである。

それどころか、ファンが本当に心の奥深いところで共感しているようにすら、文章から感じ取れないのである。

そもそも、深い共感を得ることを求めること自体が、マーラーの聴き方として的外れなのかもしれない。


マーラーの交響曲には、お下品なところがある。

ヒステリックな高音の多用、金管の多用、激しさと静けさの強烈すぎでかつ突発的すぎる対比などである。

構築性の脱却によるカオスのような統制の無さも、その印象を強くしている。

ベートーヴェンやシューマンに感じられる音楽的品格には、マーラーはほとんど興味が無かったのだろうと思われる。


とはいえ、一方で特に緩徐楽章では、純化し昇華した精神の独特の高貴さが感じられる瞬間も多い。

したがってお下品なだけではないし、そのような多様性が魅力なのであろう。


どんちゃん騒ぎで騒々しく、底の浅さや無駄さが散見される。

統一感がなく、構成において突発的なものや、癇癪をおこしたかのような不安定さがある。

聞く側には、多様性を清濁併せ呑むような寛容さが必要であり、すべてを受け入れるのは相当な精神的な強靭さを要求されると思う。

マーラーファンは、どうやら強靭な精神を発揮しているわけではなく、多様性や多面性をそのまま楽しんでいるようだ。


マーラーの作品は、ほぼ交響曲と管弦楽伴奏の歌曲であるが、歌曲作曲家として、ロマン派を代表する作曲家である。

自分以外も多くの人が認めるところと思うが、トップレベルの作曲家ということに文句はない。

これは、旋律美の才能、独特の節回しが管弦楽伴奏にマッチしていること、管弦楽の表現の巧みさや表現の幅広さとの融合が理由である。

それに加えて、交響曲に見られるお下品さが、歌曲ではあまり発揮されないことがかなり重要である。

また冗長さもかなり少ない。

余計なものがなく、否定的要素が少ないからこそ、素直に才能あふれる音楽として楽しめる。


マーラーの音楽で面白いなといつも思うのは、時間感覚がそれまでの他の作曲家と違う点である。

音楽には永遠の世界に近いようなゆったりとした時間が流れている。

ときとして時間は止まりそうになることすらある。


音楽表現におけるマーラーの開拓精神は素晴らしい。

新しい音楽表現を追及し、それまでには存在していなかった新しい音楽を作り上げた功績自体は否定できない。

20世紀にも、その遺産はある程度受け継がれている。


交響曲のバラエティーの豊かさは、素晴らしい。新しいことにチャレンジし続けたマーラーは、初期と中期と後期ではそれぞれかなり違う作風となっている。また、個別の作品に与える個性も非常に強いものとなっている。

このため、初期の2番から4番には若干似た雰囲気はあるももの、基本的にすべての交響曲が別世界であることで、全曲聴くことのモチベーションや、語ることの多さにつながっている。


マーラーのメロディーメーカーとしての才能はかなりのものだ。特に、夢の中の世界のような童話的な世界においては他に類をみないような個性をもっている。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6%E8%AB%96
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/882.html#c4

[近代史3] メンデルスゾーン 交響曲 『スコットランド』 中川隆
8. 中川隆[-12990] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:50:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[544]

メンデルスゾーン論

天才的な神童としては歴代最高というのは自分も同感である。

モーツァルトも凄いのだが、10代前半にして既に一流作曲家といえる完成度に達していたのは、メンデルスゾーンだけである。


ロマン派の一理由作曲家としてはやや地味で軽く見られている感がある。

しかし、よく聞くとロマン派の作曲家の中でも正統派感は実は一番かもしれない。

少なくとも室内楽においてはブラームスよりも正統的と感じる。

音の絡ませ方、音感とセンスの良さと構成の品の良さやバランスの良さが、実に良い。

ブラームスは手癖をすぐに繰り出す。音の重厚さに逃げる。そういう欠点がない。

そして大半の分野で成功作を作った作曲家の一人でもある。


ただし、残念ながら交響曲が軽い内容であるのが痛い。ベートーヴェンのような渾身の交響曲を残さなかったのだから。

その辺りは、指揮者としての活動が中心だったためなのだろう。もったいないことだと思う。

協奏曲も、ヴァイオリン協奏曲の完成度はものすごいが、どっしりとした大作というよりも端正ながらも線の細い感じである。

彼の細身の体型を思い出してしまうような音楽である。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6%E8%AB%96
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/894.html#c8

[近代史3] ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 中川隆
6. 中川隆[-12989] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:52:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[545]

ラフマニノフ論

自分が生まれて初めて強く心を揺さぶられるような感動を体験したクラシック音楽は、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番である。

したがって、今でも彼の音楽には自分の音楽鑑賞の原点という想いを持っている。


メランコリックなメロディーの魅力と、感情の力学という他に類を見ない独特の音楽構成において、彼の音楽は高い価値がある。

大衆迎合的ということで生前は高く評価されなかったラフマニノフであるが、完成度が傑出して高い作品もあるし、表現力の高さはやはり特筆するべきものがある。

同時代には古くさいとされたロマンティシズムを保ち続けて、時代を超えた本質的品質の高い音楽を作ったことは、特筆するべきことであろう。


しかし一方で、いかにも感覚が鈍く野暮であり、なんとなく作ったようなぼんやりとした雰囲気をだらだらと続けたりするなど、芸術を鑑賞する際に刺激してほしい感性を刺激しない、つまらない音楽である作品が多いことは、認めざるをえない事実だと思う。

したがって、生前に大衆的人気はあったが専門家からはあまり高く評価されなかったのは、当然であるといえよう。

自分はラフマニノフの音楽は基本的に好きだが、そのような欠点は目をつむって聴いているのは認める。その欠点がほとんど無いと言っていいのは、ピアノ協奏曲2番くらいのものだ。


とはいえ、ラフマニノフ独特の感情力学やメランコリーが、ラフマニノフにより発見され前人未踏で後継者もいないほどの孤高のレベルに到達したことの価値が、その欠点よりもはるかに重要である故に、現在においても高い人気と評価を得られていると考えられる。


もうひとつの重要点は、ピアノに楽器としてのスケールの大きさを最大限に生かす音楽を書いたことだ。

ピアノ協奏曲3番における、オーケストラと対峙し、極端な音数による圧倒的なピアノの潜在的な器の大きさ開拓したことは、特別な成果である。

ピアノはさまざまな面がある楽器である。作曲家によって使い方が大きく異なってくる楽器であり、多くの作曲家が新しい楽器の可能性を開拓してきた。

ラフマニノフの場合は、たとえば重音による鐘のような効果や、音数によるテクニカルな圧倒性による巨大さを開拓した。


この2点を追求しなければ、ラフマニノフの評論にはならないだろう。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6%E8%AB%96
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/943.html#c6

[近代史3] 誰にも理解されなかった超天才ショスタコーヴィチの人格の歪とは 中川隆
43. 中川隆[-12988] koaQ7Jey 2020年3月06日 11:53:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[546]

ショスタコーヴィチ論

自分は、この人はやはり交響曲を高く評価できる人だと思う。

室内楽は、いい曲が少しあるが、メインとなる弦楽四重奏が交響曲と比較すると高く評価していない。


交響曲において、ショスタコーヴィチは社会性、大河性という新しいものを音楽に持ち込んだ。

20世紀の歴史書としての音楽という点では非常に高く評価したい。

20世紀の交響曲作曲家はいろいろいるが、テーマの分かりやすさ、深刻さと壮大さ、投入された精神力の強靭さの総体において、やはり最大の交響曲作曲家であろう。

歴史書的な音楽としての素晴らしさは見事だ。

ロシアが実践した共産主義社会という人類史的な実験の時代に生きたことや、狂気の独裁者スターリンによる悲劇と恐怖の時代に生きたことが、ものの見事に音楽化されている。

狂騒、錯乱や根暗さ、闇黒、悲劇、国家、群像を、これほどまでに表象している音楽というのは、ショスタコーヴィチ以前には思い当たらない。


ショスタコーヴィチの音楽は諧謔、皮肉、深刻さとユーモアなど、音楽の中に強烈な対比を内包している。構成上もそうだし、内容的に幅広い強烈さを対比させて、お互いを強調している。

その振幅の広さや、幅広さを表現できること自体が人気の秘密であろう。


しかし一方で、自分はショスタコーヴィチの音楽は機械的な書法が気になる。わざとらしく、印象を残そうとして作ったように聞こえてしまうオスティナートや、不自然なほどの鋭い対比などはその例である。

楽譜上の音の列を組み合わせただけであり、音楽におけるちょっとしたフレージングや、楽器が出す音以外のノイズや倍音、演奏しにくいことによるゆがみなどの、楽譜には現れない音楽演奏の生々しい音への配慮が感じられない時があるのも気になる。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E4%BD%9C%E6%9B%B2%E5%AE%B6%E8%AB%96
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/716.html#c43

[近代史3] 監視国家 中国 中川隆
5. 中川隆[-12987] koaQ7Jey 2020年3月06日 12:56:18 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[547]
2020年03月06日
武漢はどうなっているか 外出禁止でグループ購入、ユーチューバーは拘束


伯曼児は美人女子大生として動画サイトで人気者だった
動画で政府批判したため治療を拒否され、最期は「党に感謝する」と言わされてなくなった

画像引用:https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/news.guo.offload.media/wp-content/uploads/2020/02/18011354/image0-198.jpg

武漢はどうなっているか

2020年1月23日に封鎖された武漢は外部と遮断され情報が途絶えたが、現在はどうなっているのでしょうか。

インターネットの書き込みや投稿は監視され、不用意に不満を書き込むと当局に拘束される。

マンションごとや区画ごとに封鎖され、公安や警察、兵士が立っていて外出すると逮捕される。

以前は2日に一度家族の1人だけ買い物に外出できたが、現在は商店が閉まっているので買い物はできない。

それではどうしているのかというと、武漢や湖北省では「グループ購入」によって食料や生活品を得ている。

2月25日から買い物は週1回のみ、グループ購入が義務化され、区画ごとにグループで通販購入しています。


先日ネットに投稿された動画ではグループ購入した肉に虫が湧いていて、売り手市場であることから品質が低下している。

共産党は住人が買い物に行くことが感染機会を増やしているとして買い物の外出を禁止した。

生鮮食品や薬、ベビー用品など週1回グループ購入を行い、購入した商品はグループで分配する。


グループに加入していない人は買い物できず、そもそも商店が開いていないし、開いていても購入できるのはグループだけです。

感染者が出た汚染区域でなければ外出は可能だが、ほとんどの店は閉まっていて工場も操業していない。

こんな中でも動画を見ると自動車が走っていて、推測では共産党や地方幹部がこの状況下でも車を乗り回している。

中国でユーチューブするとこうなる

1月から武漢市内の病院などに潜入しユーチューブに投稿していた市民が相次いで当局に拘束された。

弁護士の陳秋実は2月4日の投稿を最後に行方不明になり、2月7日には医師の李文亮が亡くなり、呉服商の方斌は2月10日に拘束された。

伯曼児は中国の動画サイトウェイボーで人気の女子大生だったが新型コロナに感染し、「入院したのに治療を受けられない」など政府批判動画を投稿した。


伯曼児の投稿は2月2日に途絶えたが、2月12日に瀕死の状態で「党に感謝する」という不自然な動画を投稿した。

伯曼児は2月17日にも投稿したが文字だけで、やはり党や国家への感謝の言葉を書いている。

噂では伯曼児は政府批判動画を投稿したため治療を拒否され、ひん死の状態になって当局から脅されて「党への感謝」を表明させられた。


そして12日から17日までなくなり、アカウントは共産党に乗っ取られて感謝の文字だけを投稿したという。

2月12日の伯曼児は自撮りできる状態ではなく、誰かが撮影した動画を投稿しているが、誰が撮影したのかは分からない。

コロナ患者の隔離施設では親族や付き添いは入れないので、友人や家族が撮影するのはあり得ない。


2月7日に亡くなった医師の李文亮は19年12月に動画サイトで最初に新型ウイルスを告発し、一度当局に逮捕されていました。

新型コロナウイルスを当局が認めて釈放されたが、目を付けられており公安が監視していたと思われる。

李文亮自身がコロナウイルスに感染し、2月6日夜に亡くなったという情報がSNSで流れた。


当局は一度これを否定したのに翌7日になって亡くなったと発表し、その不自然さから「当局に始末された」という噂が流れた。

中国では政治的意見やニュースを投稿するのは違法であり、動画サイトで政府批判をするのも違法です。

ユーチューブなど外国サイト見るのも違法だし、ユーチューブに投稿すること自体も違法です。


中国人がユーチューブで政府批判するのは国内動画サイトが監視されているからで、外国サイトにしか投稿できない。

しかし投稿したのがばれると逮捕されるのは時間の問題で、逮捕されたら「行方不明者」にされ裁判を受ける権利はない。

中国で裁判を開くのは有名な事件だけで、9割以上の逮捕者は裁判を受けられず、どのような刑なのか発表すらされない。
http://www.thutmosev.com/archives/82373953.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/888.html#c5

[近代史4] チャイコフスキー 中川隆
1. 中川隆[-12986] koaQ7Jey 2020年3月06日 13:24:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[548]

チャイコフスキー バレエ音楽 『くるみ割り人形』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/955.html
 

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/448.html#c1
[近代史3] 浜崎洋介 _ 安倍「器」論 中川隆
12. 中川隆[-12985] koaQ7Jey 2020年3月06日 13:55:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[549]
安倍首相が意図的にどんな質問にもまともに答えない、平然と嘘をつく理由


「打って一丸」の危うさ - 内田樹の研究室 2020-03-06
http://blog.tatsuru.com/2020/03/06_1314.html


 ある媒体のロングインタビューの中で「打って一丸となる」ことの危うさについて語った。日本人が「打って一丸」となるとだいたいろくなことはないのである。では、国難的状況でわれわれはどうしたらいいのか。

──内田さんの『生きづらさについて考える』を読んでいて目から鱗だったのは、政権与党側が、わざとまともに質問に答えなかったり、ヤジを飛ばしたり強行採決したりして、もはや議会制民主主義が機能していないという印象を与えることで、計画的に投票率を下げている、という分析でした。

 立法府に対する信頼を掘り崩してゆくことが自民党の長期的な狙いで、それは成功しています。国会審議は無意味な政治ショーに過ぎない、国会議員というのは知性においても徳性においても優れた人間ではないというイメージを広めてゆけば、有権者は選挙に関心を失います。投票率が下がれば、今の選挙制度では、組織票を持っている政党が勝ち続ける。

 安倍政権はその計画的な国会審議の空洞化にはみごとに成功したと思います。どんな質問にもまともに答えない、平然と嘘をつく、前言と矛盾してもまったく気にしない、与党が出す法律はどれほど野党が反対しても最後は強行採決される・・・そういうことを7年繰り返していれば、国民も「国会には存在理由がない」と思うようになります。結果的に、閣議決定や内閣の恣意的な法解釈が国会での審議や立法を代行するようになりつつある。「法の制定機関」と「法の執行機関」が同一である政体を独裁制と呼びますから、その定義を適用すると、安倍政権はすでになかば事実上の独裁制になっています。

 これまでの憲政の常識を当てはめればもう10回くらいは内閣総辞職していないとおかしいくらいに失政・不祥事が続いているにもかかわらず、安倍政権は何ごともないように延命して、憲政史上最長記録を日々更新しています。

 ふつうは内閣支持率が6割近くないと円滑な政権運営はできないので、どんな内閣も国民のマジョリティの同意をめざして政策を立案するものですけれど、安倍内閣は違います。30%ほどいる自分のコアな支持層だけに受ける政策を採り続けている。そして、確かにそれで十分なのです。というのは、残り70%の有権者は自分たちの意志はしょせん国政には反映しないという無力感に蝕まれているので、投票のインセンティブを失っているからです。「自分たちの意志が国政に反映されている」と感じる30%と「何を訴えても国政には反映されない」と感じる70%に有権者を二分すれば、30%が選挙では勝ち続ける。そういう仕掛けです。

──それにより安倍政権は歴代最長の政体になりましたが、いまの政権や自民党の状況は、これまでの日本の政治のなかでどのように位置づけられるでしょう?

 末期です。安倍政権が終わった時に同時に自民党という政党も終るでしょう。自民党がかつてのような国民政党としてもう一度党勢を回復するということはないと思います。

 70%が反対する政策であっても、30%が支持すれば実施できるという成功体験に自民党は慣れ過ぎました。国民を分断して敵味方に分けて、味方を優遇して敵を冷遇するというネポティズム政治しか彼らは知らない。立場の違う人たちと対話して、譲るところは譲って、「落としどころ」を探るというような高度な交渉技術を持っている政治家はもう自民党内にはいません。かといって野党政治家にそれだけの力量があるかと言えば、これも心もとない。でも、ポスト安倍期に必要なのは、60年安保闘争で岸信介が国民を二分してしまった後に登場してきた池田勇人が「寛容と忍耐」を掲げましたけれど、あれと同じような「国民の再統合」だと思います。

──そのような状況が変わる可能性はあると思いますか?

 分断された国民の再統合が果たさなければ日本に未来はないですから。でも、「打って一丸となる」ということを勘違いしないで欲しいんです。高度経済成長期もバブルの時もそうでしたが、どちらの時期も、日本人は金儲けに夢中でしたが、国民的な分断はなかった。僕のような反時代的な、生産性も社会的有用性のまるでない人間のことも構わず放っておいてくれた。「なんで金儲けをしないんだ。バカじゃないか」と冷笑はされましたけれど、していることを「やめろ」と言われることはなかった。みんな自分の仕事に忙し過ぎて、隣の人がやっていることに口を出す暇がない。それが僕の考えるとりあえず現実的な国民再統合のイメージです。

 今日本は分断されていますけれど、それは隣の人間のやっていることをうるさく詮索して査定して、気に入らないと「非国民」とか「反日」とかレッテル貼りをするバカが湧いて出ているからです。「日本人は一つにまとまるべきだ」と言い立てながら、国民的分断を進めている。そのせいで日本はここまで国力を失った。

「自分がほんとうにやりたいことに専念する」というのが一番生産性を高めるふるまいであることはどなたでも同意して頂けると思いますけれど、ただし「専念する」には「他人のことに構ってる暇がないほど」という条件がつくんです。

 隣の人間が何しようとどうだっていいんです。自分が何をするかだけが問題なんだから。幕末のころには「志士」というのが大挙して登場しましたけれど、あの人たちは「オレが頑張らないとこの国はダメになる」と思っていた。個人の努力が国の運命を左右する、と。そういう一種の関係妄想を病んでいる人間の人口比率が一定の値を超えると、国力は増大し、国運が向上する。逆に、その比率が少ないと(つまり「オレが何をしようと、国の運命には影響がない」と思っている人ばかりだと)、国運は衰える。明治の日本が東アジアで例外的に短期間に近代化に成功したのは、その比率が例外的に高かったからだと思います。

 でも、安倍政権は70%の国民に対して、「自分が何をしても世界は変わらない」という無力感を刷り込み続けて、ついにそれに「成功」してしまった。残り30%は「オレが別に頑張らなくても、あっちの方からぜんぶお膳立てしてくれる」という居心地のよいネポティズム政治に居着いてしまった。「オレが頑張らないとこの国はダメになる」という使命感に身を焦がす・・・というタイプの人間を減らすことを制度的に推進したのです。それでは国力も低下します。

 安部政権は個人の努力が国運向上にリンクするという幻想をみごとに粉砕しました。そうすることで、無気力な、権威に尻尾を振るだけのイエスマンの大量育成には成功しましたけれど、そんな人間をどれほど頭数揃えても、国は衰えるばかりです。
http://blog.tatsuru.com/2020/03/06_1314.html  

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/688.html#c12

[近代史3] 安倍晋三は会う人ごとに「相手が望むこと」を言っている 中川隆
19. 中川隆[-12984] koaQ7Jey 2020年3月06日 13:55:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[550]

安倍首相が意図的にどんな質問にもまともに答えない、平然と嘘をつく理由


「打って一丸」の危うさ - 内田樹の研究室 2020-03-06
http://blog.tatsuru.com/2020/03/06_1314.html


 ある媒体のロングインタビューの中で「打って一丸となる」ことの危うさについて語った。日本人が「打って一丸」となるとだいたいろくなことはないのである。では、国難的状況でわれわれはどうしたらいいのか。

──内田さんの『生きづらさについて考える』を読んでいて目から鱗だったのは、政権与党側が、わざとまともに質問に答えなかったり、ヤジを飛ばしたり強行採決したりして、もはや議会制民主主義が機能していないという印象を与えることで、計画的に投票率を下げている、という分析でした。

 立法府に対する信頼を掘り崩してゆくことが自民党の長期的な狙いで、それは成功しています。国会審議は無意味な政治ショーに過ぎない、国会議員というのは知性においても徳性においても優れた人間ではないというイメージを広めてゆけば、有権者は選挙に関心を失います。投票率が下がれば、今の選挙制度では、組織票を持っている政党が勝ち続ける。

 安倍政権はその計画的な国会審議の空洞化にはみごとに成功したと思います。どんな質問にもまともに答えない、平然と嘘をつく、前言と矛盾してもまったく気にしない、与党が出す法律はどれほど野党が反対しても最後は強行採決される・・・そういうことを7年繰り返していれば、国民も「国会には存在理由がない」と思うようになります。結果的に、閣議決定や内閣の恣意的な法解釈が国会での審議や立法を代行するようになりつつある。「法の制定機関」と「法の執行機関」が同一である政体を独裁制と呼びますから、その定義を適用すると、安倍政権はすでになかば事実上の独裁制になっています。

 これまでの憲政の常識を当てはめればもう10回くらいは内閣総辞職していないとおかしいくらいに失政・不祥事が続いているにもかかわらず、安倍政権は何ごともないように延命して、憲政史上最長記録を日々更新しています。

 ふつうは内閣支持率が6割近くないと円滑な政権運営はできないので、どんな内閣も国民のマジョリティの同意をめざして政策を立案するものですけれど、安倍内閣は違います。30%ほどいる自分のコアな支持層だけに受ける政策を採り続けている。そして、確かにそれで十分なのです。というのは、残り70%の有権者は自分たちの意志はしょせん国政には反映しないという無力感に蝕まれているので、投票のインセンティブを失っているからです。「自分たちの意志が国政に反映されている」と感じる30%と「何を訴えても国政には反映されない」と感じる70%に有権者を二分すれば、30%が選挙では勝ち続ける。そういう仕掛けです。

──それにより安倍政権は歴代最長の政体になりましたが、いまの政権や自民党の状況は、これまでの日本の政治のなかでどのように位置づけられるでしょう?

 末期です。安倍政権が終わった時に同時に自民党という政党も終るでしょう。自民党がかつてのような国民政党としてもう一度党勢を回復するということはないと思います。

 70%が反対する政策であっても、30%が支持すれば実施できるという成功体験に自民党は慣れ過ぎました。国民を分断して敵味方に分けて、味方を優遇して敵を冷遇するというネポティズム政治しか彼らは知らない。立場の違う人たちと対話して、譲るところは譲って、「落としどころ」を探るというような高度な交渉技術を持っている政治家はもう自民党内にはいません。かといって野党政治家にそれだけの力量があるかと言えば、これも心もとない。でも、ポスト安倍期に必要なのは、60年安保闘争で岸信介が国民を二分してしまった後に登場してきた池田勇人が「寛容と忍耐」を掲げましたけれど、あれと同じような「国民の再統合」だと思います。

──そのような状況が変わる可能性はあると思いますか?

 分断された国民の再統合が果たさなければ日本に未来はないですから。でも、「打って一丸となる」ということを勘違いしないで欲しいんです。高度経済成長期もバブルの時もそうでしたが、どちらの時期も、日本人は金儲けに夢中でしたが、国民的な分断はなかった。僕のような反時代的な、生産性も社会的有用性のまるでない人間のことも構わず放っておいてくれた。「なんで金儲けをしないんだ。バカじゃないか」と冷笑はされましたけれど、していることを「やめろ」と言われることはなかった。みんな自分の仕事に忙し過ぎて、隣の人がやっていることに口を出す暇がない。それが僕の考えるとりあえず現実的な国民再統合のイメージです。

 今日本は分断されていますけれど、それは隣の人間のやっていることをうるさく詮索して査定して、気に入らないと「非国民」とか「反日」とかレッテル貼りをするバカが湧いて出ているからです。「日本人は一つにまとまるべきだ」と言い立てながら、国民的分断を進めている。そのせいで日本はここまで国力を失った。

「自分がほんとうにやりたいことに専念する」というのが一番生産性を高めるふるまいであることはどなたでも同意して頂けると思いますけれど、ただし「専念する」には「他人のことに構ってる暇がないほど」という条件がつくんです。

 隣の人間が何しようとどうだっていいんです。自分が何をするかだけが問題なんだから。幕末のころには「志士」というのが大挙して登場しましたけれど、あの人たちは「オレが頑張らないとこの国はダメになる」と思っていた。個人の努力が国の運命を左右する、と。そういう一種の関係妄想を病んでいる人間の人口比率が一定の値を超えると、国力は増大し、国運が向上する。逆に、その比率が少ないと(つまり「オレが何をしようと、国の運命には影響がない」と思っている人ばかりだと)、国運は衰える。明治の日本が東アジアで例外的に短期間に近代化に成功したのは、その比率が例外的に高かったからだと思います。

 でも、安倍政権は70%の国民に対して、「自分が何をしても世界は変わらない」という無力感を刷り込み続けて、ついにそれに「成功」してしまった。残り30%は「オレが別に頑張らなくても、あっちの方からぜんぶお膳立てしてくれる」という居心地のよいネポティズム政治に居着いてしまった。「オレが頑張らないとこの国はダメになる」という使命感に身を焦がす・・・というタイプの人間を減らすことを制度的に推進したのです。それでは国力も低下します。

 安部政権は個人の努力が国運向上にリンクするという幻想をみごとに粉砕しました。そうすることで、無気力な、権威に尻尾を振るだけのイエスマンの大量育成には成功しましたけれど、そんな人間をどれほど頭数揃えても、国は衰えるばかりです。
http://blog.tatsuru.com/2020/03/06_1314.html  

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