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中川隆 koaQ7Jey コメント履歴 No: 100417
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[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
5. 中川隆[-12621] koaQ7Jey 2020年5月23日 14:39:43 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[21]

ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判2020年3月29日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9681

新型コロナ相場の空売りで大儲けした債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏がTwitterで新型コロナウィルス肺炎に対する政府の経済対策を痛烈批判している。彼ならばそう言うだろうと思っていたが、やはりそのようである。

新型コロナで企業救済

アメリカでも日本でも金がないはずの政府が経済対策を行おうとしている。あらゆる業界がここぞとばかりにうちも救済してくれと言っている。ガンドラック氏はこう言っている。


政府による企業救済とヘリコプターマネーを求める声がうるさいほどである。でも政府は文無しだ! まったくの文無しだ。

一番典型的なのは航空会社だろう。新型コロナウィルスの影響で飛行機が飛べなくなっているからである。しかしガンドラック氏はこういう状況に耐えられるよう資金を貯めておかなかった航空会社を批判している。


航空会社が500億ドルの救済を求めている。しかし航空会社はここ10年で455億ドルの自社株買いを行なってきた。実質彼らは自分の買った株を10%利益を足して政府に買ってくれと言っているようなものだ。

以下の記事で分析をしたように、実際に航空会社の財務諸表を見てみると同情の余地のない経営をしていたところもある。それを救済することが正当化できるのかということである。

•新型コロナで株価暴落のアメリカの航空会社たち

また、救済を求める声は航空業界だけに留まらない。ガンドラック氏は次のようにコメントしている。


映画館の運営者たちが政府による救済を求めている?! マジで!?!? 次は株式ETFの保有者たちが2月19日(訳注:米国株下落前)の株価でETFを買ってくれと政府に頼むだろう。

日本でも和牛券を出すという話が政治家から出ている。ばら撒きたい側とばら撒かれたい側の利害が常に一致するのが政治である。ガンドラック氏のようにヘッジファンドマネージャーにこうした姿勢を批判する人々が多いのは、彼らが利権によらずに実力で金を儲けてきた人々だからである。実力で金を儲けられない人々だけが利権にすがる。しかしそういう人だけが政界の周りに行くので、政治とは常にそういうものである。


政府による救済を一切行わないことを強く推奨する。強欲と経営の失敗を助けることになるだけだ。

ヘリコプターマネー

また、経済学的観点からのコメントもある。

アメリカと日本などで国民に対する現金給付が議論されているが、ガンドラック氏はこれにも反対のようだ。彼は次のように述べている。


理論上、借金漬けの消費者にヘリコプターマネーを行なっても借金返済に使うだけだ。返済を猶予するまでは。それも起こりつつある。借金漬けの政府が借金漬けの消費者を救済し、その金が借金漬けの企業を救う瞬間。

2008年のリーマンショックの辺りから世の中は政府による救済措置に遠慮がなくなったように思える。そして政府の借金は魔法の杖ではないということが完全に忘れ去られている。それにはコストが伴うのである。

そのコストは既に表れている。第一に今回株価の下落幅がこれほど大きいものになったのは、元々株価が異常な高さまで持ち上げられていたからである。そして第二に金融政策の効果が完全に薄くなっている。金利がこれ以上下がらないからである。

•新型コロナ株安、長期金利の動向を2018年世界同時株安と比較する
•サマーズ氏: 利下げは新型肺炎相場には効かない、中央銀行は弾切れの危機に

そのためにこれまで万能のように思えた量的緩和が下落相場に効いていない。市場は中央銀行が株価を操作する前の状況に戻っている。市場は市場の行きたい場所に行くということである。

今回の新型コロナ相場では、市場の行きたい場所というのは感染者数の増加(株安)と減少(株高)だろうということを以下の記事で説明した。

•新型コロナ株安動向予想: 流行減速で株式市場は上昇する

ちなみにガンドラック氏もそう予想している。

•ガンドラック氏: 株式市場は当然反発する

今回の株安は市場の行きたいところが底なしの下落ではないために救われるだろう。しかし問題は次の下落相場が下落が下落を呼ぶような不可逆のトレンドであった場合である。その時に金融政策が効かなければ、1980年以来の低金利政策によるバブルのつけが一気に市場と経済に回ってくることになる。以下はアメリカ長期金利のチャートである。

もう一度言うが、借金にはコストがあるのである。人類はそれを遠からず身をもって知ることになるだろう。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9681

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c5

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
6. 中川隆[-12620] koaQ7Jey 2020年5月23日 14:42:02 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[22]

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる2020年5月17日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831


新型コロナウィルスによる景気後退が迫るなか、世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏がCNNへの寄稿記事で共産主義化する社会に懸念を示している。

新型コロナで増大する政府のプレゼンス

新型コロナによるロックダウンで経済活動が停滞し多くの人が失業しているため、日本やアメリカなどの国では政府が国民に現金を給付するヘリコプターマネー政策などの景気刺激策を取っており、またインフラ投資などの公共事業も議論されている。

しかしそれは同時に、これまでは他人の役に立つものを作っていた人が報酬を受け取っていた時代から、政府に選ばれた人が収入を得る時代へのシフトを意味している。ダリオ氏は次のように述べている。


世界中で人々や企業が収入と貯蓄を失っており、中央銀行と政府は資金を注入してそれを補おうとしている。これはつまり自由市場がもはや資本の配分を決定しているのではなく、政府がそれを決めているということを意味する。

その規模はアメリカでは数兆ドルに及んでおり、また日本でもマスクの配布が不要だったのではないかという話や、そもそもマスクの製造会社はどのように選ばれたのかという議論がなされている。これらの企業は政府によって税金の配布先として選ばれたのである。

ダリオ氏は次のように続ける。


政府と中央銀行は何兆ドルもの資金と信用を作り出し、それを受け取りたい人に受け取らせている。この状況が続けばすぐに、これらの資金は誰が出すべきでそれを誰が受け取るべきかという議論を呼ぶか、より悪い場合には争いに発展するだろう。

政府から景気対策として和牛券の発行を提案したときに反対の声が上がったのが典型的だろう。自分の都合で資金を振り分けたい政治家とそれに反対する国民の争いが今後大きくなるとダリオ氏は予想しているのである。

資本主義という名の共産主義

それでなくとも先進国の低成長は政府が債務を膨張させて非効率な事業を生み出し続けたことで生まれてきたのである。公共事業は誰も使わない箱物を生み出し、低金利政策は誰も使わない商品やサービスを作る三流企業を借金で延命させることを許した。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

そもそも人々はデフレということの意味を考えてみる必要があるだろう。作ったものを誰も買っていないということがデフレの意味なのである。デフレとは需要に対して供給が過多であること意味しているからである。無駄なものが作られ続けているのである。

これはまさに共産主義の問題と同じである。政府が誰々はこれを作るようにと指示を出して経済を回そうとしたソビエト連邦と中国の経済は悲惨なことになった。日本やアメリカの人々は新型コロナで経済が窮地にある今をわざわざ選び、かつてのソ連や中国と同じ経済実験をやろうとしているのである。

「利益」とは何か

そうした政策が選ばれる中、ダリオ氏は資本主義の基本を冷静に説明する。


「利益を出す」ということがどういうことかを考えれば、資本主義は特に資源の配分や社会の生産性と生活水準の向上に向いたシステムであると言える。

相変わらず分かりやすいダリオ氏の説明は続く。


話は非常に単純である。製品の価値がそれを生産するために使った資源の価値よりも高いとき、その差が「利益」となり、利益を生む生産活動はより多くの資源を集めることができる。

もし製品の価値がそれを生産するために使った資源の価値よりも低いとき、そうした生産活動は行き詰まり倒産することになる。

このシステムは人々が欲しいと思う製品を作る個人に報酬を与え、その能力のある人はその事業アイデアを評価し資金を出すリスクを負っても良いと判断した投資家から事業のための資金を受け取ることができる。

倒産は必要である。しかしリーマンショック以来、多くの国がそれを拒み続けてきた。その結果が現在の低成長であり、そこにコロナ危機が来て経済は危機に瀕している。にもかかわらず多くの政治家は同じ過ちを繰り返そうとし、それが多くの人々に支持されている。

しかしはっきり言わなければならないが、世界経済は新型コロナのために危機的状況に陥っており、どの国の経済にもそのようなことをしている余裕などないのである。

•新型コロナ、米国経済の景気後退はリーマンショックの倍以上か、第1四半期GDP速報

無駄に資源を浪費するだけのゾンビ企業は潰し、社会は限られた資源を本当に人々が使うものを生産する事業だけに振り分け、ロックダウンで失われた莫大な経済活動を取り戻して行かなければならないのだが、実際には無駄を助長する政策が行われ、経済は票が欲しい政治家とそれを支持する短絡的な人々が支配している。

結論

経済を理解している人々は皆、公共事業や量的緩和で経済は救えないということを理解している。多くの著名投資家が警告を発してきたが、誰も聞かなかった。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判
•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

ダリオ氏は、紙幣を無制限に印刷する量的緩和が経済を救うかどうかについてはシンプルな意見を表明している。


われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

しかし多くの人々にはこのダリオ氏の言葉は難解過ぎるようである。

飢餓者が出るかもしれないが、経済は沈むしかないのだろう。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c6

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
7. 中川隆[-12619] koaQ7Jey 2020年5月23日 16:28:09 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[23]

ドラッケンミラー氏: 量的緩和はコロナから株式市場を救えない、株のリスク・リワード比は過去最悪2020年5月13日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10768

ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを長年率いた著名投資家スタンレー・ドラッケンミラー氏がニューヨーク経済クラブのWebcastでコロナ相場に関する意見を表明している。

株価は割高か

新型コロナウィルスの世界的流行で株価は2月から3月にかけて暴落したが、その後力強く反発している。米国株のチャートは次のようになっている。

3月末以降の上昇相場についてドラッケンミラーはシンプルな相場観を表明している。


株式のリスクとリワードの比率は恐らくわたしのキャリアで見た中で最悪だ。

ドラッケンミラー氏のキャリアは長い。クォンタム・ファンドに移る直前には1987年のブラックマンデーを経験し、その後2001年のドットコムバブル崩壊までクォンタム・ファンドを率いている。勿論彼のキャリアには2008年のリーマンショックも含まれている。その彼の長いキャリアの中で株式相場は今が一番割高になっていると彼は言っている。


わたしの分析が間違っていることを願ってはいるが、端的に言ってV字回復は幻想だ。

薬があるからという理由で人々がウィルスに対する行動を変えるとは思えない。

量的緩和と経済対策は市場を救うか

確かに新型コロナの影響は甚大である。しかしトランプ政権は数兆ドルの経済支援を表明し、Fed(連邦準備制度)は無制限の量的緩和を行なっている。それは株価を支えられないのだろうか? ドラッケンミラー氏は次のように続ける。


市場のコンセンサスは「心配ない、Fedが助けてくれる」というものらしい。この考えには一つだけ問題がある。わたしの計算によればそれは事実ではないということだ。

彼の発言はいつも清々しいほどシンプルである。また、理由については以下のように続けている。


トレーダーたちは市場には膨大な流動性が流れ込んでおり、経済刺激プログラムはアメリカの直面している問題を解決できるほど大規模だと思っているようだが、新型コロナウィルスによる影響は長引きそうであり、その間にたくさんの企業が倒産するだろう。

1人当たり1,200ドルのヘリコプターマネーなどを含むトランプ政権の経済支援についても同じように切り捨てている。


これは基本的に2つのものの組み合わせだ。労働者に仕事に行かないようにさせるための現金給付、そしてゾンビ企業を生きながらえさせるための大量の資金だ。

著名投資家の間で金融緩和とヘリコプターマネーの評判は極めて悪い。レイ・ダリオ氏やジェフリー・ガンドラック氏、クォンタム・ファンドにおけるドラッケンミラー氏の先輩にあたるジム・ロジャーズ氏なども同じ意見を表明している。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判
•ジム・ロジャーズ氏: 政治家は11月の選挙を気にしているが、国民のことは気にしていない

中でもドラッケンミラー氏は昔から量的緩和に批判的である。今回の経済対策が株価を救うかどうかは注入された資金が企業利益の押し上げに繋がるかどうかにかかっている。しかしドラッケンミラー氏の意見では、トランプ政権による大量の資金は利益を生まないゾンビ企業に吸い込まれてゆく。それでこれまでと同じように、注入された資金の量の割には実体経済が成長しない世界が持続してゆくのである。ドラッケンミラー氏の金融緩和への批判は以下の記事で詳しく説明している。
•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

新型コロナウィルスによってその状況が極まったと言うべきなのだろう。経済は助からない。紙幣を刷っても失われた経済活動は返ってこないからである。

•世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10768

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c7

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
8. 中川隆[-12618] koaQ7Jey 2020年5月23日 17:28:04 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[24]

ジム・ロジャーズ氏: 政治家は11月の選挙を気にしているが、国民のことは気にしていない2020年5月11日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10717

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを創業したジム・ロジャーズ氏がET Marketsのインタビューで現在の株式市場とコロナショックにおける政治について語っている。

新型コロナ相場

新型コロナウィルスの世界的流行で世界経済の大部分がストップしたことで株式市場は3月に急落したが、その後急回復している。以下は米国株のチャートである。

ロジャーズ氏は「株式市場が何も起こらなかったかのように振る舞っているのは何故か」と聞かれて次のように答えている。


何も起こっていないだって? 何を言っているんだ? アメリカは財務省が何兆ドルものお金をばら撒いている。何も起こっていないだって? 日銀の彼は通勤する度に輪転機のボタンを押して出来るだけ早く紙幣を印刷している。世界中ですべての中央銀行や政府が際限なく印刷し、ばら撒き、借金している。市場は当然上昇する。

質問者は「では現実と市場が乖離しているということか」と尋ねる。ロジャーズ氏は次のように答えている。


勿論だ。さっき言った通り、ほとんどすべての国が紙幣を印刷してばら撒いており、その資金は何処かには行かなければならない。だから金融市場に資金が行って、起こるべきことが起こった。余剰資金は金融市場に行くものだ。

ロジャーズ氏はこうした経済対策が実体経済を救わないと考えている。それでもこれらの経済対策が行われているのは何故か? ロジャーズ氏は次のように説明する。


アメリカでは半年後の11月には大統領選挙がある。政治家は皆再選されたがっている。彼らはあなたやわたしや子供たちのことは気にしていない。彼らは11月に再選されるかどうかだけを気にしている。だから当面の間は良いことが起こり続け、株式市場は大丈夫だろう。しかし債務は世界中で限界を越えている。世界中で紙幣が印刷されている。いつか付けを払うことになるだろう。

量的緩和はどういう終わりを迎えるか

こうしたことは長らく起こってきた。量的緩和は基本的に資産価格を上げるだけの政策なので、金融資産を持っている人に対して持っていない人を相対的に不利にするだけの政策である。

それでも量的緩和は人々に支持される。レイ・ダリオ氏はその状況をボードゲームに例えて説明した。

•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする


これはある意味モノポリー(訳注:人生ゲームのようなもの)でプレイヤーのほとんどが文無しになって怒り出したので銀行役の人が現金を配り始める瞬間と同じようなものだ。

紙幣を印刷しても増えるのは紙だけである。物やサービスが降ってくるわけではない。金相場が上がっているのは、金は印刷できないからである。

これまではインフレを引き起こさずに金利を下げられてきた。それで多くの人々は付けを払う瞬間が永遠に来ないかのような錯覚に陥っている。しかし遂にダリオ氏のような投資家が付けを払う瞬間に経済がどうなるかについて真剣に考え始めている。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

今後の株価の動きは実体経済にとって重要になるだろう。新型コロナで実体経済は深刻なダメージを受けている。

•新型コロナ、米国経済の景気後退はリーマンショックの倍以上か、第1四半期GDP速報

これだけのダメージにもかかわらず株価が上がるほどの資金が流れ込んでいる場合、恐らくダリオ氏の言う通りインフレになるだろう。インフレとは紙を印刷できても食品やサービスを印刷できないことを人々が理解する瞬間である。そして財布の中にある紙切れは文字通り紙切れになるのである。

今のところその予兆はないように思える。しかしもっと深く考えてみる必要があるだろう。

•市場はインフレによるドル崩壊を予想していない


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10717

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c8

[近代史02] 幻の柴田罫線 中川隆
159. 中川隆[-12617] koaQ7Jey 2020年5月23日 18:04:18 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[25]
>>158
>個々の法則は飽くまで仕掛けるときの目安であるから、法則を鵜呑みにして売買しても儲けることは難しいだろうな。


柴田罫線は機械式売買法だから法則通りに売買するよ。
法則が沢山出たかどうかだけで判断するんだ。
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/429.html#c159

[近代史02] 幻の柴田罫線 中川隆
160. 中川隆[-12616] koaQ7Jey 2020年5月23日 18:11:56 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[26]
柴田罫線の法則は柴田秋豊さんが自分で見つけたものじゃないよ。

当時の罫線の専門家が使っていた法則を纏めて本として体裁を整えただけで、柴田秋豊さん自身は使っていなかった。

元祖商材売買屋さんだよ。
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/429.html#c160

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
9. 中川隆[-12615] koaQ7Jey 2020年5月23日 18:28:20 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[27]
2020.05.17
COVID-19対策によって経済が麻痺する中、富裕層の資産が増加する米国


 レナウンへ民事再生法を適用するように同社の子会社、レナウンエージェンシーが東京地裁に申請し、5月15日に手続開始の決定を受けたという。業績悪化の加え、新型コロナウイルス(COVID-19)対策の政策によって売上高が激減したとされている。

 COVID-19の感染拡大を口実にして社会を収容所化する政策が推進され、経済活動は麻痺して労働環境は悪化、​アメリカでは3月18日から5月14日にかけて3600万人が職を失った​。ところが同じ期間に10億ドル以上の富豪は資産を3688億ドル増やしている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005160002/

 2008年9月にアメリカの大手投資会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングズが連邦倒産法の適用を申請して世界を震撼させたが、破綻していたのは金融システム全体だった。その問題を処理するためにアメリカ政府は法律を無視、「大きすぎた潰せない」ということで金融機関を救済し、「大きすぎて罪に問えない」ということでその責任者を不問に付したのだ。その結果、腐敗は進み、富の集中が加速した。

 支配層、つまり富裕層はCOVID-19をカネ儲けに利用しようと目論んでいるだろう。富裕層の資産増加はそうしたことを示している。政府や有力メディアが危機感を煽ってきた理由のひとつだ。

 危機感を煽る情報の主要な発信元はワシントン大学のIHME(健康指標評価研究所)やイギリスのMRC GIDA(医学研究委員会グローバル感染症分析センター)。そして3月11日にWHOはパンデミックを宣言、世界的な収容所化の流れが決定的になった。この宣言を受け、3月13日にアメリカ政府は国家緊急事態を宣言する。

 3月11日にはNIAID(国立アレルギー感染症研究所)のアンソニー・ファウチ所長が下院の管理改革委員会でCOVID-19の致死性は季節性インフルエンザの10倍だと発言しているが、このファウチを含む3名の研究者は2月28日に​COVID-19の致死率は1%未満かもしれない​とニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンで発表している。つまり季節性インフルエンザ並みということだ。

 ​本ブログですでに書いたこと​だが、収容所化の一環として、感染者の近くにいることをブルートゥースの技術で察知し、その情報をスマートホンを通じて知らせるシステムが考えられている。そうしたシステムを共同で開発すると4月の上旬に​アップルとグーグル​は発表した。マサチューセッツ工科大学が関係した​PACT​や​TCN連合​のシステムも目的は同じだ。

 そのような追跡システムが構築されたなら、どのような「ウイルス」にも対処できる。支配者が危険だ、目障りだと考えるターゲットは「ウイルス」であり、そうした人びとに「濃厚接触」した人も危険人物だと見なされる。情況によってはロックダウン(監禁)されるかもしれない。予防拘束だ。接触者を追跡するというシステムへの反発は弱めることは有力メディアの重要な仕事になる。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005160002/

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c9

[リバイバル3] 3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない 中川隆
37. 中川隆[-12614] koaQ7Jey 2020年5月23日 18:52:25 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[28]

Thomann S-75MK2 開腹 2020-04-19
https://ameblo.jp/nightwish-daisuki/entry-12590680942.html

かのプロケーブルで一躍有名になったパワーアンプ。

Thomann社のS-75MK2です。


私のはもうかなり古いです。古いといっても

音が無いと自動的に電源がOFFになる回路の切り替えスイッチが装着されてから。

裏面に「ERP」というスイッチがあるものです。

でも、10年とは言いませんがいつ購入したか記憶にないくらい古いです。

久しぶりに引っ張り出してみました。

そういえば 100->115V の 昇圧トランスが余っていたので

もしかして昇圧したら音が良くなるのかな?と、邪念が湧いたのです。

聴いてみましたが・・・音はちょっと変わったようだけど良くなったのかどうか微妙。

供給電圧はメーターをみると 119V です。時間帯によって120Vだったりしますが

商用電源は5%くらいは平気で変動するので アンプに 115Vぴったりの電圧を与える必要はありません。

120VでもOK。↓これは内部の巨大なトロイダルトランス。

https://nretransformer.en.ecplaza.net/

電流がどれくらいとれるか分かりませんが、

一次側「120V」供給で2次側「30V - 0 - 30V」でした。

なので一次側「100V」で2次側「30V - 0 - 30V」の

電源トランスに入れ替えしたら、100V供給でも本来の電圧で駆動することが可能になりますね。

こんな薄いトロイダルトランス売ってませんが(笑)

とりえあえず120Vまで昇圧して、音質が激変することがなかったので安心しました。

これで激変されたら薄いトロイダルトランス探しの旅に出ないといけなくなるので「嫌」だったのです。

さて、安心したところで写真を撮っていきます。

大きなコモンモードノイズフィルタが目を引きます。

青いトランスと青い箱のリレーがERP(音が無いと電源切る)回路です。

スピーカーターミナルに錆びを発見!! 注:2020/05/12 錆に見えて、本当は錆止め材が変色したものかも???

あと、その右側はスピコン(スピーカー接続する業務用?の規格)なんですが

黄色い手書きで示したとおり、コネクタ接続なので使わない方がよいですね。

下の写真↓スピコンはコネクタ接続のモジュールになってました。 GND線が1本にまとめられているし。。。

スピーカーターミナルは基板から直出ししてあるので良いです。

ただ、錆がびっくりです。

スピーカーターミナル以外は無事そうです。

基板はコネクタ接続が全てで簡単に取り外すことができました。

出力段はよくある東芝のコンプリメンタリです。 2SC5200/2SA1943。

ドライブ段です。真ん中の可変抵抗でバイアス電流上げたらどうなるかな?

(あんまり変化させられないそうです)

スピーカーターミナルをばらします。

結論からいうと、

錆はスピーカーターミナルの末端から六角ナットを侵しておりましたが

幸いなことに導通部は無事でした。注:2020/05/12 錆に見えて、本当は錆止め材が変色したものかも???

↑ナットを裏返すと・・・↓

腐食は片側でなんとか止まっていたようです。 注:2020/05/12 腐食に見えて本当は錆止め材が変色したものかも???

外見は最悪でしたが導通は保たれていたみたいです。

ナットでサンドイッチされていた導通部↓

↓裏側です

ターミナルは真鍮ブラシで錆を落とし、端子洗浄&保護剤で磨いておきます。

でもいっそのことスピーカーターミナルは交換してしまった方が精神衛生上はよろしいです。

スピーカーターミナルのボディは、差込口が反対方向まで貫通していなくて

差し込むときにちゃんと挿入されているか分かりにくかったので、反対側までドリルで通して貫通させました。

接続するとき、反対側にスピーカーケーブルが飛び出てきたら差し込みできたと分かり易い。

↓発振防止のZobel(手前)と同じく発振防止のアイソレータ(奥)です。

一般に誘導性負荷に対してはZobelフィルタ(CR直列回路)、

容量性負荷に対してはアイソレーター(LR並列回路)を入れるそうです。

左がグラウンドリフト、右がパラレル/通常/ブリッジ接続の切り替えです。

オペアンプには業務器で定番の5532が採用されていました。

左右chの入力部、ここも安定の5532ですね。

スピーカーターミナルを交換しようかどうか悩みます。

回路に関しては定番部品で構成されていますし下手に弄らない方がよさそう。

2020/05/05追記:↑の写真のコネクタも一般的なXHかな?

https://xn--p8jqu4215bemxd.com/archives/397

Thomann S-75mk2 あなたのトマンは第○世代?

https://ameblo.jp/nightwish-daisuki/entry-12592251300.html


https://ameblo.jp/nightwish-daisuki/entry-12590680942.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html#c37

[リバイバル3] 3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない 中川隆
38. 中川隆[-12613] koaQ7Jey 2020年5月23日 18:54:53 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[29]

Thomannアンプ|猫大好きのブログ
https://ameblo.jp/nightwish-daisuki/theme-10112486359.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html#c38
[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
10. 中川隆[-12612] koaQ7Jey 2020年5月23日 20:08:40 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[30]

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする2020年5月8日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInでのブログ投稿で量的緩和についてこれまでより雄弁に語っている。

為替相場の終着点

ダリオ氏は現在の為替相場について次のように述べている。


ドル、ユーロ、円は債務の膨張・破裂サイクルの後期にあり、これらの通貨で債券を保有することの実質リターンは低く、新たに大量の債務が作り上げられマネタイズされてゆく。

そしてマネタイズの問題点について次のように説明する。


多くの人々は通貨を永遠に続くものと考えたり現金がもっとも安全な資産の保管場所だと思ったりするが、すべての通貨はいずれ減価するか消滅するのでそれは正しくない。

そしてそうなるときには現金と債券(それは通貨を受け取るという約束である)は減価されるかなくなるだろう。紙幣印刷と債務の減免は債務負担を減らすためのもっとも都合の良い方法だからである。

先進国はほとんどの国が巨額の債務を抱えている。ダリオ氏は債務を減らすためには以下の方法があると説明する。

•緊縮財政(消費を減らすこと)
•債務の不履行または減額
•資金と信用の移転(増税など)
•紙幣印刷と通貨の減価

最後のものは要するに量的緩和である。

ダリオ氏は次のように続ける。


この中で紙幣印刷はもっとも便利で、もっとも誤解されやすく、もっとも行われやすい債務縮小の方法である。

実際、紙幣印刷は債務の急な縮小を和らげ、この金融上の富を供給する代償として誰が富を取り上げられる被害者になるのかが分かりにくい(しかしそれは実際には通貨と債券の保有者全員である)。しかも大抵の場合資産価格が減価された通貨建てで上昇するので人々はリッチになったような気がする。

リッチになったような気がする。良いことではないか。

しかしダリオ氏は次のように続ける。


主要な準備通貨がこのように減価したり準備通貨としてのステータスを失ったりすることはわれわれが想像出来るなかで一番破滅的な経済的イベントである。

量的緩和の終着点

量的緩和と似たようなことは過去にも行われた。そして大抵の場合まともな終わり方をしなかった。ダリオ氏は次のように説明を続ける。


ほとんどの人は通貨の下落リスクに注意を払わない。ほとんどの人が心配するのは自国通貨建てで資産が増えるか減るかであって、自国通貨自体が上がるか下がるかを心配する人はほとんどいない。

1700年にはおよそ750の通貨が存在したが、今残っているものはたった20%であり、残っている通貨はそのすべてが減価している。

ドイツではグルデンやターラーが使われていた。日本には円がなく、小判や両が使われていた。イタリアでは6つの通貨のうちいくつかを使っていた。

それらの通貨の内いくらかはハイパーインフレになったり、敗戦や巨額の戦費で債務の支払いが不可能になったりして通貨が消滅し、別の通貨で置き換えられた。いくらかは別の通貨に統合された(ユーロのように)。ドルやポンドのようにいくらかは現在も残っているが価値は下落している。

ちなみに日本の両はいわゆる小判だったが、円に変わるまでの間に金の含有量が何度も減らされている。円ももともと金貨だったがついに紙切れになった。そして紙切れになっても誰も文句を言わないのである。アメリカでも同じことが起こっている。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

何故それでも量的緩和か

ダリオ氏が挙げた債務の4つの対処法の中でいつの間にか財布の中身をなかったことにされる紙幣印刷は本質的にはもっとも不公平なのだが、面白いことに人類が負債という問題に直面した時には大抵紙幣印刷が選ばれてきたのである。ダリオ氏は次のように述べている。


こうした通貨と信用の創造に誰も文句を言っていないようだ。それどころか、政府が通貨を印刷しなければ政府は残酷だなどと悲鳴が聞こえてきそうである。政府には送り出す金などなく、しかも政府とは金持ちの誰かではなくわたしたち自身であり、それをわたしたちが支払わなければならないということを誰も理解していない。

しかしそれでも量的緩和が終わるということをダリオ氏は予想しない。彼は次のように述べている。


今の状況で政府が予算とバランスを取るために支出を減らし、国民にも同じようにするように求め、不況でもたくさんの債務の不履行や減免をそのままにしたり、あるいはお金を持っている人から直接税金によってお金を持っていない人に再分配しようとしたりした場合のことを想像してみてほしい。紙幣印刷のほうがよほど政治的に受け入れられやすい。

つまり、ダリオ氏はそれが良いから量的緩和が行われるのではなく、良し悪しにかかわらず起こりやすいことが起きると言っているのである。

良いことは起こらない。それは起こりにくいからである。ダリオ氏はこうした量的緩和の状況を以下のように例えている。


これはある意味モノポリー(訳注:人生ゲームのようなもの)でプレイヤーのほとんどが文無しになって怒り出したので銀行役の人が現金を配り始める瞬間と同じようなものだ。

政治とは子供をあやすようなものなのである。しかし政治家はあやす対象から金を十分にせしめて帰ってゆくという点が子育てとは違っている。

政治家が何の責任も取らずに帰った後にはどうなるのだろうか? どれだけ紙幣を刷っても円は下がらないだろうか? しかし同じ先進国であるヨーロッパにはその運命は近づいてきているのである。

•新型コロナによる世界恐慌でヨーロッパ経済壊滅の可能性

そして米国がそうなる前に日本がそうなるだろう。

結論

ダリオ氏を含め、ほとんどの著名投資家は量的緩和について同じことを言っている。例えばコロナショックを予想したガンドラック氏である。

•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

例えばクォンタム・ファンドでポンド危機の際にポンドの空売りをしたドラッケンミラー氏である。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

筆者には彼らの理屈は当たり前のように聞こえるのだが、不思議と理解者は少ない。量的緩和を何も考えずに支持している人々はきっと彼らより深く経済を理解しているのだろう。

物事を理解できる人間は理解できない人間より大幅に少ないので、民主主義は常に間違え続けるしかない。彼らが間違えるのは勝手だが、巻き添えは遠慮をしたいものである。

幸いにも投資家は相場を使って自衛をすることが出来る。まずはユーロが量的緩和の犠牲になるだろう。

•新型コロナによる世界恐慌でユーロが下落する理由


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c10

[リバイバル3] 接点のクリーニング
2020年05月22日 今年もやりましょう 接点のクリーニング

今年も湿気の多い季節がやってきました。

接点のクリーニング(特にプレイヤ周り)、予想外に端子が汚れています。

ユニバーサル・アームでしたらシェル端子とコネクタ部の接触部分をコンパウンドで磨いたのちベンジンで汚れとアクを拭います。

カートリッヂ差し込み式専用アームでしたら、ピンが差し込まれるアーム側の金属ホルダに歯間ブラシとベンジンで煙突掃除の要領で磨きます。

アームケーブルのRCAプラグのピンと受けも同じく磨きとクリーニング、

意外に忘れているのが、コントロールアンプもしくはフォノイクォライザのPHONO端子。特にピンが入る穴の中の金属部分を念入りに細い綿棒(幼児用)で磨くと綿棒の先が真っ黒になるくらいアクが出ます。

接点磨きには接点復活剤よりコンパウンド(HOLZやピカールなど)をお薦めします。

装置の水準が高ければ高いほど効果はてきめんに出るはず。音から錆が取れて、臨場感とニュアンスが出てくる出てくる。音場は静かになるだけでなく、空気の震えがめっきり増えて肌でダイナミクスの鮮度の違いがわかるほどです。そうして演奏家の伝えたい気持ちがらくらくと音に乗ってきます。

ついでに電源プラグを磨くのも忘れずに。

最近なんとなく調子がもう一つだな、と感じているユーザの方々、こうするだけでアンプをグレードアップするくらいの効果がでるかも。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/cat_50031428.html


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1055.html

[近代史4] 中川隆 _ アンティーク・オーディオ関係投稿リンク 中川隆
9. 中川隆[-12611] koaQ7Jey 2020年5月23日 23:08:19 : 1TQjPqRud2 : UEpOVkFTY2dTYWM=[31]

接点のクリーニング
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1055.html

CDレンズクリーナー お薦め品
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/761.html

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/109.html#c9

[近代史4] 糾弾掲示板 _ 日本の湯治宿 中川隆
1. 中川隆[-12609] koaQ7Jey 2020年5月24日 10:58:43 : 80jXb8GqTo : bllTUC9HYS8xdms=[2]
糾弾掲示板リンク変更


糾弾掲示板 _ 北海道、東北、新潟、栃木、茨城、埼玉、千葉の温泉
http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/read.cgi?no=3307

糾弾掲示板 _ 群馬、長野、富山、山梨、静岡、神奈川の温泉
http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/read.cgi?no=3327

糾弾掲示板 _ 関西、中国、九州の温泉
http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/read.cgi?no=3311

糾弾掲示板 _ 料理が美味しい温泉宿
http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/read.cgi?no=3326

糾弾掲示板 _ 温泉水でコロナ肺炎や難病が治る理由
http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/read.cgi?no=3281

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/880.html#c1

[近代史5] 日本の湯治宿 中川隆
2. 中川隆[-12608] koaQ7Jey 2020年5月24日 10:59:33 : 80jXb8GqTo : bllTUC9HYS8xdms=[3]
糾弾掲示板リンク変更


糾弾掲示板 _ 北海道、東北、新潟、栃木、茨城、埼玉、千葉の温泉
http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/read.cgi?no=3307

糾弾掲示板 _ 群馬、長野、富山、山梨、静岡、神奈川の温泉
http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/read.cgi?no=3327

糾弾掲示板 _ 関西、中国、九州の温泉
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糾弾掲示板 _ 温泉水でコロナ肺炎や難病が治る理由
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http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/102.html#c2

[番外地7] 『プラザ合意』で日本は輸出では稼げなくなったので内需経済に移行しないといけなかった
>円の価値を下げてはいけない理由はなんですか?

>大西つねきさんは「『プラザ合意』のために円高が加速して、輸出企業はコストカットに迫られ、労働者は賃金以上の労働をしなくては元を取れなくなった。

大西つねきさんはそんな事は言っていないですね。 大西つねきさんは『プラザ合意』で日本は輸出では稼げなくなったので内需経済に移行しないといけなかったと言っています。
内需経済なら円高の方が輸入品が安くなって有利なんですね。円高になっても輸出主導経済を続けたから、中国や韓国からの輸出品と対抗する為に日本人の賃金を下げざるを得なくなった、それが日本のデフレの原因だと主張されています。

>円の価値を下げてはいけない理由はなんですか?

そんな理由は無いですね。日本のマネーサプライは日本の総資産と対応していますから、貨幣価値を上げても下げても紙幣の枚数が変わるだけでどうでもいい事です。
貨幣価値が1/10になれば円建ての輸入価格、日本のGDP、政府支出額、日経平均、不動産価格が10倍になるだけです。

問題は貨幣価値が1/10になっても労働者の名目賃金はあまり上らないので、日本人の実質賃金が1/10になる事ですね。日本人が最近は日本で作った農作物や日本製の傘、服や日用品を買えなくなったのは実質賃金が下がったからです。それがデフレの原因なのですね。

日本がいくら金融緩和や公共事業をやっても労働者の実質賃金が上がらないので内需も壊滅したままで、絶対にインフレにはなりません。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/650.html

[近代史3] 人類進化史 中川隆
51. 中川隆[-12607] koaQ7Jey 2020年5月24日 13:20:53 : 80jXb8GqTo : bllTUC9HYS8xdms=[4]
2020年05月24日
ヨーロッパ中央部新石器時代最初期における農耕民と狩猟採集民との関係
https://sicambre.at.webry.info/202005/article_35.html


 取り上げるのが遅れてしまいましたが、ヨーロッパ中央部新石器時代最初期における農耕民と狩猟採集民との関係に関する研究(Nikitin et al., 2019)が公表されました。線形陶器文化(Linear Pottery、Linearbandkeramik、略してLBK)は、ヨーロッパ中央部の新石器時代の始まりにおいて重要な役割を果たしました。文化的・経済的・遺伝的に、LBKは究極的にはアナトリア半島西部に起源がありますが、在来のヨーロッパ中石器時代狩猟採集民社会の明確な特徴も示します。LBKの起源に関しては、いくつかのモデルが長年にわたって提案されてきました。在来モデルでは、LBKはアジア西部の新石器時代一括要素への適応を通じて、在来の中石器時代狩猟採集民集団により、境界での接触および文化的拡散を通じて確立された、と示唆されます。

 統合モデルでは、LBKの形成は植民化・境界移動および接触のようなメカニズムを通じての、中石器時代狩猟採集民の農耕牧畜生活様式への統合として説明されます。このモデルでは、スタルチェヴォ・ケレス・クリシュ(Starčevo-Körös-Criş)文化(SKC)と関連する小集団、おそらくはヨーロッパにおけるLBKの先行者が、祖先の大半がアナトリア半島から早期に到来したバルカンの故地を離れ、北西部へと新たな領域に定着した、と想定されます。在来の中石器時代集団との接触および生産物の交換は、狩猟採集民の農耕民共同体への同化をもたらし、そこでは農耕慣行が採用されました。そうした相互作用の証拠は、明確なSKC関連墓地のあるハンガリー北東部のティスザスゼレス・ドマハザ(Tiszaszőlős-Domaháza)遺跡に存在し、ほぼ狩猟採集民の遺伝的系統の個体群の埋葬を含みます。

 移民モデルでは、中石器時代ヨーロッパ中央部の低人口密度地域が、SKC文化と関連する開拓者の農耕牧畜集団に取って代わられ、しだいに在来の狩猟採集民集団は撤退させられていき、その狩猟採集民は到来してきたスタルチェヴォ移住民に顕著な影響を与えなかった、と想定されます。このモデルでは、在来集団の物質文化特徴の組み込みなしに、新たな到来者たちはその祖先的物質文化を新たに定着した領域で複製した、と想定されます。新たな環境と資源への技術革新と適応に起因して、いくつかの変異的文化が生まれ、石器や土器や建築物質技術において変化が見られます。同時に、装飾的デザインのような象徴的な体系は変化ないままでした。このモデルは1950年代末に出現し、20世紀後半に広く支持されました。

 現在まで、古代DNA研究により、新石器時代ヨーロッパ農耕民集団は、おもにアナトリア半島中央部および西部の新石器時代農耕民(ANF)の遺伝的子孫と示されてきました。それらの遺伝的痕跡は、在来のヨーロッパ中央部の中石器時代狩猟採集民(WHG)とは、ミトコンドリアDNA(mtDNA)やY染色体のような単系統でもゲノム規模でも異なります。それにも関わらず、新たな到来者たちが文化的および遺伝的に在来の狩猟採集民とどの程度相互作用したのか、不明確なままです。つまり、統合主義もしくは移行主義のモデルがどの程度正確なのか、不明です。

 遺伝的に、新石器時代ヨーロッパ中央部農耕民はWHG集団の遺伝的祖先特徴をわずかしか有していませんが、アナトリア半島農耕民のヨーロッパ新石器時代の子孫の遺伝子プールにおけるWHG混合の程度と時期は、ヨーロッパ中央部全域で様々です。ヨーロッパ新石器時代農耕民におけるWHG系統の量は、現在のハンガリーとドイツと他のヨーロッパ地域において、新石器時代を通じて増加する傾向にありますが(関連記事)、その混合の最初の程度は未解決のままです。それは部分的には、新石器時代農耕民移住民の最初の段階と同時代の人類遺骸が少ないためです。

 オーストリアのウィーン南方に位置する、ブルン複合遺跡(the Brunn am Gebirge, Wolfholz archaeological complex)の一部であるブルン2(Brunn 2)遺跡は、オーストリアで最古の新石器時代遺跡で、ヨーロッパ中央部でも最古級となります。ブルン2遺跡はLBKの最初の段階に区分され、形成期と呼ばれています。放射性炭素年代測定法では、ブルン2遺跡の較正年代は紀元前5670〜紀元前5350年前です。ブルン2遺跡形成期のおもな特徴は、洗練された土器の欠如と明確なスタルチェヴォ文化の特徴を有する粗放な土器の使用です。ヨーロッパ最初の農耕民の文化的属性の形成におけるアナトリア半島からの移民の主導的役割は、ブルン2遺跡の人工物の比較類型学的分析で明らかです。

 ブルン2遺跡では、土器や石器といった豊富な人工物とともに人形や笛などいくつかの象徴的遺物が発見されており、儀式活動が行なわれた大規模なLBK共同体の「中央集落」の一部だった、と示唆されています。ブルン2遺跡では4人の埋葬が確認されています。この4人の被葬者は、個体1(I6912)・2(I6913)・3(I6914)・4(I6915)です。4人全員の歯はひじょうに摩耗しており、おもに植物性食料を摂取していた、と示唆されます。放射性炭素年代測定法により、この4人の年代はブルン複合遺跡の最初の段階と確認され、最初のヨーロッパ中央部新石器時代農耕民となります。本論文は、これら4人の遺伝子と同位体を分析し、その起源と食性と移動を調査します。

 ブルン2遺跡の4人のうち、3人(I6912・I6913・I6914)で有用な遺伝的データが得られました。この3人は男性で、mtDNAハプログループ(mtHg)は、I6912がJ1、I6913がU5a1、I6914がK1b1aです。Y染色体ハプログループ(YHg)は、I6912がBT、I6913がCT、I6914がG2a2a1aです。I6912とI6913は、網羅率が低いため、さらに詳細に区分できませんでした。全ゲノム配列からは一塩基多型データが得られました。核DNAの網羅率は、I6912が0.035倍、I6913が0.006倍、I6914が0.497倍です。

 主成分分析では、I6912とI6914がANFおよびそれと密接に関連するヨーロッパ新石器時代農耕民(ENF)と集団化する一方で、I6913はWHGに最も近いものの、ENFとANFにより近づいています。ただ、I6912とI6913、とくに後者の網羅率は低いので、主成分分析における位置づけには注意する必要がある、と本論文は指摘します。また本論文はf統計を使用し、WHG関連系統の割合を、I6912は12±3%、I6913は57±8%、I6914は1%未満と推定しています。さらに、I6912のWHG系統は、ヨーロッパ南東部の狩猟採集民よりもヨーロッパ西部および中央部の狩猟採集民の方に近い、と推定されました。I6913では、この区別が正確にはできませんでした。I6914はANFおよびヨーロッパ南東部のスタルチェヴォ関連個体群とほぼ対称的に関連している一方で、ヨーロッパ中央部の他のLBK集団と過剰にアレル(対立遺伝子)を共有しています。I6914と他のLBK個体群とのI6912およびI6913と比較しての高い遺伝的類似性は、これまでに研究されているアナトリア半島およびヨーロッパ南東部の農耕民とは共有されないわずかな遺伝的浮動を経験した集団出身である、と示唆します。

 安定同位体(炭素13および窒素15)の有用なデータが得られたのはI6914と I6915です。安定同位体分析では、ブルン2遺跡個体群はアナトリア半島およびヨーロッパの新石器時代農耕民の範囲内に収まり、C3植物もしくはそれを食べた草食動物におもに食資源を依存していた、と推定されます。歯のエナメル質のストロンチウム同位体分析では、幼児期の場所が推定されます。ブルン2遺跡個体群では、I6912はブルン2遺跡一帯の出身で、I6913は外部出身と推定されます。同位体分析では、窒素15の値から、より新しい個体で高くなっている、と示されます。これは、ヨーロッパ中央部の初期農耕民ではアナトリア半島の栽培植物が気候の違いから不作となり、農作物よりも動物性タンパク質に依存するようになったことを示しているかもしれません。あるいは、家畜の増加によるものである可能性もあります。

 ヨーロッパ中央部の早期新石器時代の遺骸は比較的豊富ですが、同時期の狩猟採集民の遺骸はほとんど知られていないので、とくにヨーロッパ新石器化の最初期段階における、狩猟採集民の生活様式や拡散してきたアナトリア半島起源の農耕民との統合に関する理解は難しくなっています。上述のように、この時期のヨーロッパにおける拡散してきた農耕民と在来の狩猟採集民との混合は限定的と推測されていますが、農耕民から狩猟採集民への生産物の流通が報告されてきており、両者の交流は少なくとも一定以上存在した、と考えられます。

 ブルン2遺跡個体群の生物考古学的分析は、ヨーロッパ中央部における早期ENFの生活史の推測を可能とし、アナトリア半島起源の移住してきた農耕民と在来の狩猟採集民との間の最初期の相互作用の証拠を提示します。ブルン2遺跡の3人のmtHgのうち2系統(J1とK1b1a)は、近東の新石器時代個体群とヨーロッパにおけるその子孫たちで一般的に見られるものです。一方、I6913のmtHg-U5a1などU5は、ヨーロッパの狩猟採集民に特徴的と考えられてきましたが、最近、アナトリア半島中央部のチャタルヒュユク(Çatalhöyük)遺跡の個体でU5b2の個体が確認されています(関連記事)。I6914はYHg-G2a2a1aで、ANFおよびENF集団に特徴的なG2a系統です。カルパチア盆地とヨーロッパ南東部の早期新石器時代遺跡のLBK関連遺骸の以前の研究では、YHg-G2aは早期ENFで優勢とされています。同時期のmtHgの高い多様性は、早期LBK共同体におけるYHgの減少を示唆します。しかし、LBK集団における性比偏りの証拠は見つかっていません(関連記事)。

 I6914は遺伝的にはほぼANF関連系統となり、LBKやSKCを含むENF関連個体のほぼ全員と一致します。WHG関連系統は、I6914にはほとんど見られませんが、I6912とI6913では確認されます。アナトリア半島起源のANF関連系統の個体群がヨーロッパ南東部を経てヨーロッパ中央部に拡散する過程で、ヨーロッパ在来のWHG関連系統個体群と混合したと考えられますが、その年代は特定できなかったので、それがブルン2遺跡一帯とヨーロッパ中央部到来前のどちらで起きたのか、不明です。あるいは、ブルン2遺跡の移民が、ブルン2遺跡よりも600年ほど早くアナトリア半島からバルカン半島に移住し、WHG関連系統個体群を取り込んだ集団と交流したか、その子孫だった可能性も考えられます。しかし、I6913ではWHG関連系統の割合が高く、それよりは低いものの有意にWHG関連系統を有するI6912では、ヨーロッパ南東部よりもヨーロッパ西部および中央部の狩猟採集民の方に近いWHG関連系統と推定されているので、ヨーロッパ中央部に到達してからの最近の混合である可能性が高そうです。

 ブルン2遺跡の石器群からは、早期ENFと在来の狩猟採集民との間の活発な相互作用が示唆されます。ブルン複合遺跡の15000個におよぶ石器群は、新石器時代農耕民が在来の狩猟採集民との交易のために狩猟用として製作した、と本論文は推測しています。早期LBK地域では暴力の証拠が欠如しており、LBK農耕民と在来の狩猟採集民との間の関係が悪くなかったことを示唆します。上述のようにI6913は外部出身と考えられますが、I6913の墓の石器は形成期LBKの集落が発見されたハンガリーのバラトン湖(Lake Balaton)の石で製作されたので、I6913はバラトン湖周辺地域の出身かもしれません。また本論文は、ブルン2遺跡の石器の製作には狩猟採集民社会出身者が関わっている可能性を指摘しており、そうだとすると、I6913における高い割合のWHG関連系統を説明できるかもしれません。

 ブルン2遺跡は、ヨーロッパ中央部における最初期新石器時代農耕民が、在来の狩猟採集民と文化的・遺伝的にどのような関係を築いたのか、検証するための格好の事例を提供します。ブルン2遺跡の個体群は、ANFとWHGの混合の第一世代だった可能性もあり、ヨーロッパ中央部の最初期新石器時代において、外来の農耕民集団と在来の狩猟採集民との間で、後期新石器時代程ではないとしても、一定以上混合が進んでいたことを示唆します。本論文は、ヨーロッパにおける新石器化に関して、アナトリア半島からの農耕民の移住が関わっており、さまざまな程度で在来集団と混合していった、と指摘します。この在来集団には、狩猟採集民だけではなく、より早期にバルカン半島に進出していた農耕民も含まれるかもしれません。今後の課題は、ヨーロッパにおけるANFと在来の狩猟採集民との関係をより広範に調査することです。


参考文献:
Nikitin AG. et al.(2019): Interactions between earliest Linearbandkeramik farmers and central European hunter gatherers at the dawn of European Neolithization. Scientific Reports, 9, 19544.
https://doi.org/10.1038/s41598-019-56029-2

https://sicambre.at.webry.info/202005/article_35.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/581.html#c51

[近代史4] 日本の借金は欧米の計算ではGDP比90%
日本の借金は欧米の計算ではGDP比90%
2020年05月24日


フランスやドイツの公的債務、対GDP比では日本と同じ


パリの街は中から見るとゴミだらけらしいが、膨大な借金も隠されている

引用:http://wondertrip.jp/wp-content/uploads/2016/04/f357473a8bc98a073c834900f6cbbae4.jpg

ドイツやフランスの借金は少ないか

ドイツやフランスの公的債務は少なく健全、というのはもはや都市伝説のように一人歩きしています。

だが真面目に計算すると日本が借金に含めている項目を、ドイツやフランスは除外しているだけです。

先進各国は日本に限らず財政赤字に苦しんでいて、国際会議でも財政悪化が話題になっていました。

フランスもご多聞に漏れず財政は火の車で、公的債務がGDP比100%を超えそうだと大騒ぎしています。

日本の公的債務はGDP比200%なのでそれよりましだと思うのは誤解で、ただの計算方法の違いに過ぎません。

日米英仏独、それに中露を含めてすべて「公的債務」の計算方法が違い、何を含めるかは各国の自由です。


例えばアメリカは「連邦政府」の借金だけを公的債務と言っていて、その2倍以上の債務を除外しています。

ドイツも同じで、連邦制の国は中国を含めて、中央政府が発行した国債だけを公的債務と言っています。

仏英は中央集権国家なので、一応地方債務などを含んでいて、GDP比で100%近い数字になっています。


日本はさらに大サービスで、道路公団の借金や保険や年金、果ては特殊法人の借金まで政府債務に含めています。

それでも足りないのか、現実には存在しない引当て金や準備金まで借金に加えて、GDP比200%にしています。


ドイツやアメリカの公的債務は80%くらいですが、これも計算方法の違いだと言って良いです。

欧米は「民営化だ」と言って道路や飛行場や水道などを民営化し、国の赤字を民間に付け替えたりもしています。

計算方法の違いがいかに大きいかについて、韓国の例を挙げて説明します。

日本の借金は欧米の計算ではGDP比90%

韓国の公的債務は従来、GDPの30%前後で推移し健全財政を自賛していました。

ところがある日、公的債務は582兆ウォン(約64兆円)から1958兆9000億ウォンに増加しました。

2014年3月にIMFは「韓国が報告している政府債務残高を修正する必要がある」と警告しています。


つまり韓国は計算方法のごまかしによって、政府債務を3分の1に見せかけてIMFに報告していて、いい加減にしろと言われた訳です。

韓国が開き直って訂正しないので、IMFは各国の債務統計から韓国を一時除外しましたが、その後も少なく見せかける行為を続けています

IMFの勧告に従って韓国の経済研究所が計算し直したところ、数字が3倍になったという事です。


韓国の公的債務は一夜にして30%台から130%に増加したが、隠していたのは政府系の民間企業でした。

政府関連(公共部門+軍人・公務員の年金充当+金融公企業)の負債は最大1958兆9000億ウォンでした。

韓国側の言い分では「年金や保険の赤字は将来返済するものなので、現在の借金ではない」という事でした。


この理屈では日本の借金1000兆円の大部分も、今すぐに支払うものではないので、政府の借金では無くなります。

健全財政のドイツや、実際の3分の1しか借金が無いと言い張っているアメリカが、裏で何を隠しているかが想像できます。

日本政府は将来発生する予定の借金を全て現在の借金に含めているので、もしそれを除けば300兆円以下の健全財政になる。


日本の借金はドイツやアメリカの計算方法では460兆円でGDPの90%程度、ドイツの80%とあまり違いません。

http://www.thutmosev.com/archives/60854451.html

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/904.html

[近代史4] 韓国の大卒失業者 新卒で正社員就職は1割だけ 中川隆
1. 中川隆[-12606] koaQ7Jey 2020年5月24日 17:28:05 : 80jXb8GqTo : bllTUC9HYS8xdms=[5]
2020年05月24日
韓国の若者3人に1人以上が失業状態 公務員が勝ち組


韓国は去年の時点でも実態は4割以上が非正規雇用だった

引用:https://blog.goo.ne.jp/haruwayuku/e/7367bc0149543bc66a768b09cce09159


若者の3人に1人以上が失業

韓国で若者の失業率がグングン上昇し、3人に1人以上が実質的な失業状態とされています。

若者にとっての勝ち組は公務員で、次にサムスン、現代グループなどだという。

韓国は輸出依存度が高く新型コロナの影響も受けたので、日本以上の不況に見舞われています。


2010年代には韓国の若者の間で「ヘルコリア」という言葉が流行語になりました。

政府調査による全年齢失業率は3%台だったが、若年層の失業率は9%前後と高かった。

政府調査では15−29歳の失業率が12.5%だったが、就職を諦めた人やパートをしている人は失業者にカウントされない。


聯合ニュースは、韓国政府の失業統計方法は、国際基準の3分の1になるという記事を掲載した。

就職を希望する学生、パートからフルタイムへの転職希望、就職を諦めた高齢者を数えていないという。

この説では韓国全体の失業率は12%で若年失業率はなんと40%近くに達する。


韓国は労働者の権利が低い国として、世界で100番目程度だとも指摘されています。

すぐに解雇され組合活動も保証されていないと指摘されている。

若者の3人に一人が失業中というのは、確かに「ヘルコリア」なのかも知れない。

サムソンか公務員か

韓国の景気がまだ良かった頃でも、韓国の就職活動には「サムスンとサムスン以外」の2つしか無いとされていました。

サムスンと他の企業の給与や待遇の差が、あまりにも圧倒的で貴族と平民くらいの格差があった。

面白い逸話があってサムスンの社員が夜の街に繰り出して「俺はサムスンだぞ!」と言うととてもモテたそうです。


バブル期の日本では会社からタクシーチケットを貰って、週末は会社の経費で豪遊するのが流行ったが、少し前のサムスンがそうだったらしい。

だが今はサムスンのスマホが売れ行き不振で、スマホ以降の新商品がヒットしてない。

まだ黒字経営を続けていますが、稼ぎ頭を失って将来が不安視され、社員のリストラも起きるでしょう。


サムスンに代わって人気職業になったのが「公務員」で、公務員か公務員以外かの2極化になっています。

なにしろ公務員はリストラがないし、安定しているので不況には断然強いのが魅力です。

公務員への就職試験は過熱を極め、人生を決める最大のイベントになっている。


韓国の公務員試験には韓国全土から応募が殺到し、20万人が応募する。

因みに韓国の新生児出生数は約30万8700人なので、どれだけ激戦か分かるだろう。

韓国の公務員試験は1級から9級に別れ、5級以上がキャリア、6級以下が一般の公務員になっている。

人生の勝ち組とは

一番下の9級に合格しても出世は望めないが採用人数が一番多いので、応募者も最も多い。

募集人数は合計で4120人なので平均競争率は約50倍だが、上に行くほど競争率が高いようです。

サムスンの採用試験は平均20倍台なので、圧倒的な公務員人気が分かる。


受験するのは新卒だけではなく、30代や40代になって何度も受験している人が多い。

その為の予備校が繁盛しているが、月5万円ほど払って1畳ほどの部屋に住み込んで勉強に集中する。

受験者が増えたので振るいに掛けるため、筆記試験以外に演説や英語試験を導入している。


名門大学に入って多くの資格を取り、外国語を学んで、日本や米国に短期留学し、予備校に通って受験する。

それでやっと下っ端公務員に採用され、人生の勝ち組とされ、親は安心する。

これが去年までの韓国だったが新型コロナによってさらに厳しくなろうとしている

http://www.thutmosev.com/archives/57943761.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/678.html#c1

[近代史4] 山菜を食べよう _ ワラビ

山菜を食べよう _ ワラビ


簡単アク抜き、ワラビが満開。
http://golgo13zilch.jp/blog-entry-3830.html


裏山の山菜はそろそろ終了かな。
標高が低い里山の植物はすっかり春から夏モードです。

コゴメの森の植物達は、膝から腰くらいまで成長しており、
普通に歩けたとこも突入を躊躇してしまいます。
もちろん場所を移動したり、標高を上げればまだまだ山菜は楽しめます。

標高が低い里山は、ワラビの旬を迎えました。
晩春から初夏にかけて、春の山菜としてはちょっと遅めにやって来るワラビ。

初モノをちょこっと採取してきました。

ワラビのアク抜きは面倒くさいイメージでしたが、
そんなに難しくはありません。

良く洗ったワラビに重曹を付けて、

熱湯をかけて、

一晩置くだけ。
今のところ、この方法で失敗はありません。

失敗例は、
アク抜きが不完全だと、かなり苦い。
ワラビのアクは毒なので食べ過ぎ注意。
逆に重曹が多すぎたりすると、融けちゃうなんて話も聞きます。
融けないまでも、柔らかすぎたり風味が消えたら台無しです。

色々な方法があり、試行錯誤しましたが、
これが一番簡単で失敗がない。
重曹の量もワラビの端に付けるだけなので、量る必要もありません。

アク抜き汁を捨てて、水洗いし、切り分けます。

ワラビの穂先は食べない地方もあるそうで、食感は好みですね。

ワラビのアクは発癌性があるなど毒である事は間違いないと思うのですが、
穂先の方がアクが強いらしい? でも、茎にも毒はあるはずで、
きちんとアク抜きしてあれば問題なく食せるはず。

全国どこでも食べられる山菜の水煮を使った山菜そばとか、
普通に穂先も入っているし、
穂先ばかり食べ過ぎなければ気にするほどでもないのかなと。

調味料と和えて完成。

ワラビのめんつゆ漬け。

ワラビのピクルス。

さいこ〜!!

どの山菜とも似ていない、独特の食感がたまりません。
簡単アク抜きなのに、風味とネバリもしっかり活きています。

もう少し大量採取しようと、別の裏山へ。
木の芽の群生地でしたが、アケビはすでにかなり成長しております。
まだ食べられそうな新芽を摘んできて食しましたが、半分木になっていた(笑)

予想通り、ワラビの群生地でもありました。
採っても採っても採り切れないほどある(笑)

蛇にヤラれないように注意が必要です。

新鮮なうちに下処理をします。
アク抜きしたワラビ汁は綺麗な緑色。
美味しそうだけど、アク抜き汁だから毒だよね(笑)??

半分お裾分けしてもまだこんなにある。

調味料漬けにして冷凍保存します。
これで旬が過ぎても山菜料理が堪能できます。

http://golgo13zilch.jp/blog-entry-3830.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/905.html

[近代史5] 100人以上が魔女として告発された「セイラム魔女裁判」
2020年05月23日
100人以上が魔女として告発された「セイラム魔女裁判」とは一体どんな出来事だったのか?
https://gigazine.net/news/20200523-salem-witch-trials/

魔女狩りというと中世ヨーロッパのイメージが強いものですが、アメリカでも大規模な魔女騒動である「セイラム魔女裁判」が起きたことがあります。アメリカの歴史に暗い影を落とし、司法制度の在り方に絶大な影響を及ぼしたといわれる魔女騒動について、YouTubeの教育ビデオチャンネルTED-Edがアニメーションで分かりやすく解説しています。

What really happened during the Salem Witch Trials - Brian A. Pavlac - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=NVd8kuufBhM&feature=emb_title


犯してもいない罪で裁判にかけられ……


否認すれば罪人として処刑されます。


しかし、うそでも自白をして代わりに誰かをやり玉に挙げれば罪は免れます。


これがマサチューセッツ州にあるセイラムの村で、1692年2月〜1693年5月の間に現実に起きた「セイラムの魔女裁判」です。


この事件で魔女として弾劾された人々は、超常現象に対する被害妄想、誤った方向に進んだ宗教的熱狂、真実よりも悔い改めさせることを重視する司法制度の犠牲者でした。


事件の要因は、セイラムの村の成り立ちに端を発します。セイラムはもともと、イギリスでの弾圧から逃げ延びた清教徒(ピューリタン)が1626年に興した村です。


セイラムでは、ネイティブアメリカンやフランス人入植者との争いは日常茶飯事でした。


そのため人々の生活は厳しく、村人同士ですらぎくしゃくした関係でした。


そんなセイラムの人々を襲ったさらなる悲劇が、1692年の大寒波です。この年の冬はそれまでの記録の中で最も寒い冬でした。


最初に異常をきたしたのは、9歳の少女ベティ・パリスとそのいとこである11歳のアビゲイル・ウィリアムズです。


2人は奇妙な行動を見せましたが、医師は2人に身体的な異常を見つける事ができませんでした。


そこで医師が下した診断が「2人は邪悪な者の手にとらわれている」というもの。


これは、当時のピューリタンたちの「悪魔は自らの代理人、つまり魔女を通じて世界に災いをもたらす」という世界観に基づいています。


村に悪魔にとりつかれた人が出たという知らせが広まると、村人の間に異常な症状も広がりました。


初期の記録では、「病にかかった」とされた12人の少女が体の異常なねじれや発作などの症状を呈し、肌のチクチクした痛みを訴えたと報告されています。


少女12人のうち4人は、3人の村人が自分たちを苦しめていると訴えました。


告発を受けた3人は、何かしらの難癖をつけて「よそ者」とのレッテルを貼られ、次々に投獄されていきました。幼い娘を持つ貧しい妊婦サラ・グッドは、魔女のまじないを行ったとして1692年2月29日に逮捕され……


サラ・オズボーンはしばらく教会に行かなかったかどで逮捕されました。


ベティ・パリスの家にいた女性奴隷ティトゥバは、魔女の話を子どもに聞かせたという理由で裁判にかけられました。


最初に自白をしはじめたのは、ティトゥバです。当初は「子どもを苦しめてなどいない」と否認していたティトゥバですが、その後「悪魔の命令で魔術の練習をした」と告白。また、そうするよう自分に強制したのはグッドとオズボーンだと証言しました。


グッドとオズボーンは身の潔白を訴え続けましたが、ほどなくしてオズボーンは獄死してしまいます。


グッドの夫ウィリアムは妻をかばうどころか、法廷で「彼女は魔女か、すぐに魔女の一員になるだろう」と証言しました。


また、グッドの4歳の娘ドロシー・グッドも母親と一緒に投獄されて尋問を受け、最終的には母親に不利な証言をしました。


グッドは獄中で出産しますが、生まれた子どもはすぐに死んでしまいます。


それから間もなくグッド自身も有罪判決を受け、絞首刑により命を落としました。


一方、2人の女性を告発したティトゥバは5月に釈放されました。


その後も、うその告発の犠牲者は増え続けました。取り調べに関する記録の中には、「罪を告白しなければ絞首刑になり、告白すれば解放される」と明言されたとの記述も残っています。


裁判に携わった人たちは、告発の内容を調査することには少しも興味を示さず、ただ被告人が罪を認めて許しを請い、2度と魔術に手を出さないと約束することだけを求めました。


法廷はどんなに怪しい証拠も受け入れました。その中には、夢や幻影で魔女の犯行を見たと主張する「霊的証拠」も含まれています。


裁判所の機能不全に拍車をかけたのが、陪審員の多くが告発者の親族だったことです。これにより、裁判における客観性はないも同然になりました。


魔女裁判に関与することを嫌って判事を辞めたナサニエル・サルトンストールのような人物もいましたが、ごく一握りでした。


翌1693年の春ごろまでに100人以上が投獄され、14人の女性と6人の男性が処刑されました。このころになると、魔女裁判はセイラムの周囲にあった村や町にも及ぶようになります。


フランシス・デーン牧師のような聖職者でさえ非難の対象となりました。


最終的に、妻が逮捕されたマサチューセッツ湾直轄植民地の初代総督ウィリアム・フィップスが「霊的証拠」の採用をやめるよう裁判所に命じることで、ようやく事態は収束に向かいました。


一体何がセイラムの魔女裁判を引き起こしたのかは判然としていませんが、告発者となった少女らは「菌類による食中毒や脳腫瘍が原因となる幻覚」に苦しんでいたのではないかと指摘する人もいます。


1つはっきりしているのは、子どもによる支離滅裂な告発を大人が確たる証拠として扱っていたということです。


「現代でも、セイラムの魔女裁判は集団心理や誰かをスケープゴートする心理の危険性と、人間の認識をゆがめてしまう恐怖心の力についての教訓となります」とムービーは締めくくられています。

https://gigazine.net/news/20200523-salem-witch-trials/

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/127.html

[近代史5] 100人以上が魔女として告発された「セイラム魔女裁判」 中川隆
1. 中川隆[-12605] koaQ7Jey 2020年5月24日 20:47:41 : 80jXb8GqTo : bllTUC9HYS8xdms=[6]

100人以上が魔女として告発された「セイラム魔女裁判」



http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/127.html#c1
[近代史4] 御用学者列伝 _ 小林慶一郎

御用学者列伝 _ 小林慶一郎


今更「ロゴフ=ラインハート」を持ち出す小林慶一郎(嘲笑)2020-05-25
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12599327910.html


 国民殺しの財政破綻論者が、どれだけバカか頭が弱いかを、改めて小林慶一郎を例に、解説しましょう。


 先日、取り上げた例の記事で、小林は何と、

「ギリシャやアルゼンチンは破綻した〜っ! 日本も〜っ!」

「ロゴフ=ラインハート論文によれば、債務比率がGDPの90%を超えると、経済成長率が1%低下する」

 といった、古臭くしかも間違っているレトリックを今更持ち出し、懸命に財政破綻論を擁護しているのです。

(というか、いい加減に論破されつくした腐臭がするレトリック持ち出すの、やめろよ。同じ人間として恥ずかしいよ)

『日本政府の莫大な借金こそ「失われた30年」の真犯人だ=小林慶一郎(東京財団政策研究所研究主幹)
(前略)

◇財政不安が成長を阻害
 非常に大きな増税や歳出削減ができなければ、債務膨張が続き、債務比率は無限大に向かう。数十年以内には、ギリシャやアルゼンチンのような財政破綻が起きることだろう。

 しかし、高い経済成長を達成できれば、財政再建もできる、という反対意見がある。現在の安倍晋三政権も、それ以前の歴代の政権も、基本的には高い経済成長率の実現を優先し、その後に財政再建に取り組む、という基本哲学を維持してきた。

 将来、ギリシャのような財政破綻が起きるかもしれない、という不安があると、将来の危機に備えるために、消費者は消費を抑え、企業は投資を抑え、結果として「現在の」経済成長が低下する可能性がある。

 これはディザスター(大災害)モデルと呼ばれる経済モデルに基づいて、早稲田大学の上田晃三教授と筆者が理論モデルを作成し、コンピューターシミュレーションで示したことだ。債務比率が上昇すると、将来の財政破綻のインパクトも大きくなり、一層、現在の経済活動が萎縮し、長期的に経済成長が低迷する。シミュレーションでは、バブル期以降の日本の長期的な成長率の低下のうち、4分の1から3分の1を、「財政についての将来不安」という要因で説明できることが示された。

 筆者らの研究は理論的可能性を示すだけだが、ハーバード大学のカルメン・ラインハート教授とケネス・ロゴフ教授は、過去の財政再建の事例などのデータを使って実証的推計を行った。彼らは「債務比率が90%を超えると、その国の経済成長率が1%程度低下する」という傾向があることを報告している。(後略)』

 ギリシャ、アルゼンチン云々は、もういいですね。


 ギリシャが債務不履行(財政破綻)に陥ったのは、政府の「共通通貨ユーロ建て国債」。共通通貨国は、普通にデフォルトする。


 アルゼンチンが債務不履行に陥ったのは、ドル建て国債。先日も、アルゼンチンは、またもや「ドル建て国債」のデフォルト(債務不履行)に陥りました。


 なぜか、報道では、

「アルゼンチンが約5億ドル(約538億円)の国債のデフォルトに陥った」
「アルゼンチンがドル建て内国債のデフォルトに陥った」

 などなど、あいまいな表現が多いのですが、単純に「ドル建て国債のデフォルト」に陥った、で構いません。


 ちなみに、日本国債のデフォルトがあり得ない理由は、これまた単純に「日本が変動為替相場制の独自通貨国」で、日本円建て国債しか発行しておらず、日銀が国債を買い取ると、政府の償還・利払い負担が消滅するためです。


 財務省(及び御用学者の吉川洋など)は、

「日本は内国債だから破綻しないと言っている人がいるが〜、外国人の日本国債保有も増えている〜」

 と、国債所有者が日本国内の経済主体化、外国化をクローズアップし、あたかも「内国債はデフォルトしてない」と、我々が主張しているかのごとく藁人形プロパガンダを展開していました。 

 誰が国債を保有していようが、変動為替相場制の国の自国通貨建て国債はデフォルト「できません」。内国債云々はどうでもいい話です。というか、無関係です。

 また、ロゴフ=ラインハート論文は、有名な「詐欺論文」でございまして、
「債務比率が90%を超えると、経済成長率1%程度低下する」
 という事実は「全くない」ことが、すでに証明されています。


 信じられないことに、ロゴフとラインハートは、エクセルのコーディングを操作する、政府債務比率も経済成長率も共に高かった国を「その期間だけ」データから除く、統計の重みづけを操作し、上記の結論がでるように細工するなど、「学者(一応)」としては絶対に許されない統計詐欺に手を染めたのです。


 ちなみに、ロゴフ=ラインハート論文について、スティグリッツ教授は、

「アメリカが第二次世界大戦直後に90%よりはるかに大きい債務を有しつつも、大戦後に最大の経済成長を達成し繁栄を築いていた。ロゴフ=ラインハートによる90%理論は完全にばかげている」

 と、一蹴し、クルーグマン教授は、因果関係が逆だと指摘し、

「ロゴフ=ラインハート論文では債務超過の帰結としての低成長になっているが、国家が債務を積み上げたから低成長になったのではなくて、国家が低成長を続けた結果として債務対GDP比が大きくなったと見るべき」

 と、恐らくは「正解」を述べています。


 現在の日本の債務対GDP比率が高いのは、低成長の結果です。そして、日本が低成長を続けているのは、お前のようなバカが頭が弱い連中がのさばり、正しい経済政策を打てないためなんだよ、小林慶一郎。

 ちなみに、当の詐欺師のケネス・ロゴフ(一応、経済学者)は、コロナ危機を受け、

「現在は財政出動に限度はない」
「財政出動が5兆ドルでも問題はない」

 と、発言しています。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=49&v=XBCu5DJPzmA&feature=emb_logo


 詐欺師ロゴフですら改心した(かもしれない)にも関わらず、相変わらず日本の財政破綻論者は小林慶一郎のごとしです。
 恥を知れ!


 とはいえ、一般の方は「ギリシャやアルゼンチンは〜」「ロゴフ=ラインハート論文によると〜」といった出鱈目にすぐに騙されます。

 お前たちは、嘘つきだ。と、データや事実に基づき、容赦なく小林に代表される財政破綻論者、国民殺しの連中を糾弾してください。緊急事態宣言が解除されると、途端に、

「コロナ危機が収まりつつあるので、コロナ増税(小林の表現では所得税への上乗せ)」

 と、緊縮財政の議論が始まるのは確実なのです。

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12599327910.html 


小林 慶一郎(1966年 - )は日本の経済学者。専門はマクロ経済学、経済動学、金融論。東京財団政策研究所研究主幹。
シカゴ大学大学院博士課程修了。シカゴ大学での指導教官はロバート・ルーカス。

「オオカミ少年と言われても毎年1冊は財政危機の本を出していくつもりです」と述べている。


学歴
1991年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了(数理工学専攻)
1998年 シカゴ大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学)

職歴
1991年 通商産業省入省(産業政策局)
2001年 - 2007年6月 経済産業研究所研究員
2003年1月 - 2007年6月 朝日新聞客員論説委員
2005年4月 - 中央大学公共政策研究科客員教授
2007年4月 - 2009年3月 京都大学経済研究所非常勤講師
2007年6月 - 2008年3月 国際大学GLOCOM主幹研究員
2007年6月 - 2013年3月 経済産業研究所上席研究員
2009年4月 - キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
2009年4月 - 東京財団上席研究員
2010年4月 - 2010年9月 慶應義塾大学大学院経済学研究科大学特別招聘教授
2010年8月 - 2013年3月 一橋大学経済研究所世代間問題研究機構教授(産学官連携融合事業(経済産業省))[3]
2013年4月 - 2019年3月 慶應義塾大学経済学部教授[4]
2013年4月 - 経済産業研究所ファカルティフェロー
2019年4月 - 東京財団政策研究所研究主幹[4]

主な著作物

『財政と民主主義 ポピュリズムは債務危機への道か』(共著、日本経済新聞出版社)
「バランスシート不況のマクロ経済論」(所収:吉川洋+通商産業研究所編集委員会編『マクロ経済政策の課題と争点』東洋経済新報社)
「問題先送りによる長期経済停滞」(深尾光洋、吉川洋編『ゼロ金利と日本経済』日本経済新聞社所収)
『日本経済の罠 - なぜ日本は長期低迷を抜け出せないのか』(共著、日本経済新聞社)
『バランスシート再建の経済学』(共編)東洋経済新報社
『逃避の代償 ― 物価下落と経済危機の解明』日本経済新聞社
『経済ニュースの読み方』朝日新聞社
The Division of Labor, the Extent of the Market, and Economic Growth (Ph.D. Dissertation, University of Chicago)

受賞歴
2001年 - 日経・経済図書文化賞(「日本経済の罠」)
2002年 - 大佛次郎論壇賞奨励賞(「日本経済の罠」)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E6%85%B6%E4%B8%80%E9%83%8E

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/906.html

[近代史4] 山菜を食べよう _ コシアブラ 中川隆
3. 中川隆[-12604] koaQ7Jey 2020年5月25日 18:26:59 : M7huPOBeCI : Yll0QWFmRTd1YWc=[1]
コシアブラ、セシウム基準値超続出 
魚沼地域 汚染腐葉土から吸収か

 2011年の東京電力福島第1原発事故から9年がたった今春、魚沼地域で採取された山菜のコシアブラから、基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが相次いで検出された。セシウムが付着した落ち葉が長い年月をかけて腐葉土になり、そこに根を張ったコシアブラが土中のセシウムを吸収したためとみられる。山菜シーズンが続いているため、県は注意を呼び掛けている。

 県の調査では、津南町で採れたコシアブラから14年以降、セシウムが基準値を上下する高い水準で検出されている。一方、魚沼市のコシアブラは当初、低い値だったが、17年に基準値を超えて以降は高い値が続いている。近年は南魚沼市、湯沢町のものからも基準値を超える値が検出されている=表参照=。

 事故から長い年月がたっていながらも高い値が検出される理由について、県は「詳細は分かっていない」とする。その上で、セシウムが付着した落ち葉が原因の一つとの見方を示す。

 セシウムが付着した落ち葉は年月とともに腐り、腐葉土になる。コシアブラは斜面の下など、落ち葉がたまりやすい場所に生育する性質があるため、汚染された腐葉土に根を張り、土中のセシウムを吸収した可能性が高いという。

 県林政課は「落ち葉から腐葉土ができ、そこにコシアブラが根を張るまでに時間がかかる。それで今もセシウムの検出量が高いのではないか」と話す。

 国はこの4市町で採れたコシアブラの出荷制限を指示しており、スーパーなどでは販売されていない。ただ、趣味の山菜採りで採取する人もいるため、県食品・流通課は「採取しても食べたり、人に譲ったりすることは控えてほしい」と呼び掛けている。
2020/05/25 13:44
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20200525545484.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/878.html#c3

[近代史4] 正しいコーヒーの入れ方 中川隆
2. 中川隆[-12603] koaQ7Jey 2020年5月25日 18:36:13 : M7huPOBeCI : Yll0QWFmRTd1YWc=[2]

楽しみつつも健康的なコーヒーの淹れ方 コーヒー専門家が語る
2020年05月03日


コーヒー好きの方は、健康に害を及ぼさないコーヒーの淹れ方を考えてみてはいかが?ロシア初のコーヒーブロガー、コーヒー愛好家のための学校の校長を務めるオリガ・イグナチエワさんが、ラジオ・スプートニクのインタビューで健康的なコーヒーの淹れ方、付き合い方を語った。
コーヒーはブラックでもミルクを入れても楽しめる。重要なのは、この香り高い飲み物を作るための対策やコツを知っておくこと。
オリガさんは「医者だった私にとって、健康は喜びとプラスアルファのボーナスをもたらしてくれるものです。最近の研究によると、ペーパーフィルターを通したコーヒーはより健康にいいそうです。アテローム性動脈硬化症などの疾患を発症させる前提条件を作り出す物質をフィルターが取り除いてくれるからです」と健康的にコーヒーと付き合う方法を語った。
「ですから、ブラックコーヒーが好きな方にはペーパードリップ式をお勧めします。ペーパーフィルターはコレステロール値を上げる原因となる物質が濾過されるのを防いでくれるからです」


© CC0 / Pixabay
つい口にいれてしまう隔離生活中の食生活 健康を崩さない方法は?
しかし、この方法をお勧めできないコーヒーのレシピもある。

「エスプレッソは紙のフィルターを使うわけにはいきません。この場合はエスプレッソを楽しみ、体脂肪やコレステロール値をチェックしていくのがいいでしょう」とオリガさんは語る。
トルココーヒーは、あまり健康的な淹れ方ではない。数々の病気にかかりやすい素質がある人にとって、濾過なしのコーヒーは健康に害を及ぼす恐れがある。その素質がない人は問題なく楽しむことができるが、大切なのはその限度を知っておくこと。
ラジオでオリガさんは「一番有害なのはコーヒーの飲み過ぎ。そして、1日に何回かトルココーヒーを飲むこと」などの注意点をあげた。
コーヒーに牛乳を入れる際のポイントは、コーヒーを完全なデザートにしてしまわないこと。また、牛乳の代わりに砂糖やシロップ、脂肪分の多いクリームを入れたいという誘惑もある。週に一度はそんなカロリーのご馳走をしてもいいだろう。でも、この頻度を上げてしまうと、体重が増えてしまったことにそのうち気づくことになる。
https://jp.sputniknews.com/science/202005037413672/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/857.html#c2

[番外地6] 乗鞍高原 ペンション ウインズ 中川隆
2. 中川隆[-12602] koaQ7Jey 2020年5月25日 19:14:19 : M7huPOBeCI : Yll0QWFmRTd1YWc=[3]

乗鞍高原でペンションステイ 2016年5月28日
https://blog.rkbr.jp/sinsyu/2016/05/28/乗鞍高原でペンションステイ/


乗鞍高原エリアには100軒ほどのペンションがあります。
食事、趣味、アクティビティ、オーナーの人柄などなど、ペンションの特徴と自分の好みのマッチングが楽しいわけでございます。

今回泊めていただきたのは「ペンションウインズ」。オーナーの村瀬基行さんは、のりくら観光協会ディレクターでもいらっしゃいます。
夏は涼しさとさわやかさが魅力なわけですが、村瀬さん曰く「乗鞍の平均気温は、真冬を除いてパリと全く同じなんです。

冬はちょっと乗鞍のほうが低くて、パリは海が近くて0℃くらいまでしか下がらないけど。あとの3シーズンは全部同じなんです」と。
おおお。ヨーロッパの気候なわけですな。

その気候を活かして、パン屋さんとペンションの前の畑で小麦の品種改良をなさいました。

パリあたりでできるような背が高くて粒の大きい小麦が育ったそうです。
これで作ったパンが…超絶美味!ディナーにライ麦のごまパンが出てきましたが、これ、“日本一ごま密度が高いごまパンだろう”って村瀬さんが笑ってました。

村瀬さんが作ってくださる食事が、これまた…最高!

ディナーにでてきた…カブとアスパラガスのサラダ〜塩漬けレモンとワインビネガーのドレッシング。
エビとタコのマリネ。

ズッキーニとかぼちゃの裏ごしスープ。タラのラタトゥイユ。
タラがねえ、ぷりぷりふんわりに仕上がってるんですよ〜。そして、ガラムマサラが効いてるラタトゥイユが、激ウマ。

さらに鴨のコンフィ〜ベリーと柑橘のソース。パリッとした表面にふんわりお肉、下味のハーブ類が上品に香ります。

ソースのベリーもラズベリーにチェリー、スグリにカシスとおいしさミックスが半端ない感じ。グラッセにしたにんじんとバルサミコ酢の配置がお皿を絵画にしてくれてます。

で、デザートは「ふじづくし」。上からサンふじのシャーベット。生クリームとヨーグルトが入ってます。

中ほどはコンポート。これがまた、上品で香り高い仕上がりなんですわ。下は皮を煮詰めてジュレにしたもの。
色がピンクでとってもきれい!で、想像以上に濃厚かつレモンの風味がさっぱり、というミラクルなお味。

それぞれ食べてもおいしいですけど、三つ一緒に口に入れると三位一体的な幸せが押し寄せてきます。奥様開発の名デザートです〜。

で、サラダの後に出されたのがこのチーズなんですが、これ、ウイスキーの樽材で5時間くらいスモークされたものなんです。
もちろん村瀬さん作。すんごいいい香りで、おいしくて「はふ〜ん」ってするチーズ。

実は、村瀬さん、スピーカービルダーでもあるんです。

しかも、ウイスキーを熟成する役目を終えた樽材を使って製作なさるんです。
ダイニングには樽スピーカーがあって、これと真空管アンプをつないでレコードを聴いて夜を過ごせるんですよ〜。

とってもやわらかくて深い音で、いつまでも聴いていたいくらい。
「聞きたいレコードやCDがあれば、持ってきてくださいね」と村瀬さん。
おすすめはボーカルものだそう。あとギターの音色もなかなかとか。

また、iphone向けの樽スピーカーも作ってらっしゃる。これが、ちょっとこもったようなレトロな音質がおもしろい逸品なんです〜。

ペンションウインズの朝ごはんもすごいんです。
これ、オムレツ!ふわっふわでもっこもこ!フランスのモンサンミッシェルで提供されているオムレツと同じなんですよ〜。
村瀬さんが現地で研究してきました。ベーコンも村瀬さんがスモーク。めちゃうま、です。

パンももちろん乗鞍高原開発小麦製。


村瀬さんは名シェフで、スピーカー職人で、スモークの達人で、星空案内人で、スキーコーチで、山登りガイドで、ノルディックウォーキングのインストラクターで…。

きっと、まだまだいろんな顔があるに違いない!お部屋もお風呂も気持ちよくて、花マルのペンションです〜。

https://blog.rkbr.jp/sinsyu/2016/05/28/乗鞍高原でペンションステイ/
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/328.html#c2

[近代史3] 呪われたスキー場 _ 妙高 新井スキー場(ロッテアライリゾート) 中川隆
103. 中川隆[-12601] koaQ7Jey 2020年5月25日 22:22:26 : M7huPOBeCI : Yll0QWFmRTd1YWc=[4]
コース外に出たスキー客か、沢に顔が白骨化した遺体…死後1〜2か月経過
2020/5/25(月) 12:53配信

 24日午前11時10分頃、新潟県妙高市の大毛無山(1428・9メートル)の沢で、顔などが白骨化した遺体を、通報を受けて捜索していた警察官が発見した。

 妙高署の発表によると、遺体は性別不明だが成人とみられる。死後1〜2か月以上が経過しており、目立った外傷はないという。スキーウェアと黒色のスキー靴を身につけていて、付近に同市両善寺の「ロッテアライリゾート」スキー場があることから、同署はコース外に出たスキー客とみて遺体の身元や死因を調べている。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/190.html#c103

[近代史3] 日本人は「狂ったアメリカ」を知らなすぎる 中川隆
105. 中川隆[-12600] koaQ7Jey 2020年5月25日 22:42:19 : M7huPOBeCI : Yll0QWFmRTd1YWc=[5]
「強いCIA」復活の一歩か、ベネズエラ政権転覆計画に関与? 
樫山幸夫 (元産經新聞論説委員長) 2020年5月25日
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/19721


 やや旧聞に属するが、コロナ関連ニュースがあふれていた5月8日、南米ベネズエラ、米ワシントン発の記事によると、ベネズエラで政権打倒をめざすアメリカ人を含むグループが摘発された。米CIA(中央情報局)の存在が背後に窺えることもあって、政権側はトランプ大統領らを強く非難してるが、アメリカ側は一切関与を否定、真相はなお藪の中だ。

 CIAはかつて、反米政権の転覆など世界各地で跳梁した最強の情報機関=B最近でこそ、地盤沈下≠ェ指摘されているが、今回の事件は、その全盛期を彷彿とさせた。

大統領拉致を計画

 産経新聞などの報道によると、5月3日未明、ベネズエラ北部の海岸から数百人にものぼる武装集団が密入国を試みたが治安当局が撃退、8人を殺害して17人を拘束、武器などを押収した。逮捕者の中に米国人が2人含まれ、そのうちの1人、34歳の元米海兵隊員が国営テレビの取材に答え、「首都カラカス近くの国際空港を制圧してマドゥロ大統領を米国に連行する計画だった」と証言した。

 米国人2人は米フロリダ州の民間警備会社と契約、1月からコロンビア北部、ベネズエラとの国境地帯で60〜70人のベネズエラ人を訓練していたという。この警備会社は、以前米陸軍特殊部隊グリーンベレーに所属し、アフガニスタンやイラクで戦功をたてた人物が経営している。

 事件直後、トランプ大統領はテレビのインタビューに答え、「何も知らない。もしわれわれがベネズエラに何か行動を起こすとすれば、別な形になる。侵攻だ」と述べて否定しながら、逆に反米のマドゥロ政権を恫喝した。ポンぺオ国務長官も「捕らえられている米国人を帰国させるためにあらゆる手段をとる」と強い姿勢を見せた。

 ベネズエラでは、2019年初め反米のマドゥロ政権に反対するデモが頻発して政情が不安定化した。1月末、親米のクアイド国会議長が大統領就任を宣言し、マドゥロ氏側との対立が続いていた。

 マドゥロ大統領は2020年3月、麻薬密輸、テロなどの罪で米司法省から起訴されている。大統領を米国に連行しようとしたのは、裁判にかけることが目的だった可能性がある。

 前任者でやはり反米左派だったチャベス大統領が2002年に、軍のクーデターで政権を追われかけた時、背後で糸を引いていたのがCIAといわれることもあって、今回も米の情報機関の主導によるーと強く主張している。

 これまでのところ、CIAの関与を示す具体的な証拠はみつかっていないが、米国内でも、体制転覆という企てが、その典型的な行動パターンであることを指摘、関与を強く疑う向きも少なくない。


カストロ暗殺計画

 CIAは、冷戦時代を中心に、成否を問わず、違法行為を含めていかなる手段をも弄して、米国にたてつく政権、勢力の排除に暗躍してきた。CIAがかかわったといわれる暗殺、クーデター、破壊行為は枚挙にいとまがない。
 
 CIAの暗躍で、まっさきに思い出すのは1961年のキューバ・ピッグス湾侵攻事件だろう。失敗に終わったものの、62年のキューバ・ミサイル危機の序曲ともいわれる事件だ。

 1959年のキューバ革命で登場したカストロ左派政権を強く警戒していたアメリカのケネディ政権は61年4月、キューバ国内の反体制活動へのテコ入れ、カストロ暗殺計画支援などCIAによる謀略に承認を与えた。

 CIAは、米国に亡命していた反カストロのキューバ人部隊1500人を首都ハバナ南東のピッグス湾から上陸侵攻させようとしたが、ソ連(当時)の支援を受けたキューバ軍の反撃にあい、100人以上が殺害され、1000人以上が捕虜となって完全な失敗に終わった。

 ケネディ政権は国際的な非難を浴び、キューバはこれを機にソ連への傾斜を強めた。ソ連との秘密軍事協定によって核ミサイルを受け入れ、配備。翌62年10月、これを察知した米軍が核搬入阻止に乗り出し、米ソが対峙、「あわや核戦争か」というキューバ危機に発展した。


民主的に選出された政権も転覆

 国民の選挙による合法政権を崩壊させたとあって、いまなお悪名高いのが、チリ・アジェンデ社会主義政権の打倒クーデターだ。

 1970年11月、人民連合の統一候補、サルバドール・アジェンデを大統領とする社会主義政権がチリに誕生したが、アメリカのニクソン政権は、合法、民主的な手続きによって成立した政権であるにもかかわらず、当初から転覆を目論んでいた。

 米国は輸出入銀行だけでなく、米州開発銀行にも融資を停止させるなど金融封鎖で経済混乱に陥れ、CIAは右派による政権打倒の動きを支援した。典型的なのはCIAがトラック運送業者に資金提供して長期ストを行わせたことだった。

 アジェンデ政権は国民の支持を背景に、圧力を跳ね返して国有化など社会主義的な経済改革を進めたが、右派の野党が軍事クーデターを支持、1973年9月11日、ピノチェト陸軍総司令官らが米の支援を受けてクーデターを決行した。 
 
 ペプシコ、ITT(国際電信電話会社、当時)など米国の多国籍企業が背後でCIAに協力、暗躍したといわれた。 

 軍の多数がクーデターに同調し、支持勢力を失ったアジェンデ大統領は少数の護衛隊とともに最後まで大統領官邸にとどまり、自ら自動小銃をとって勇敢に戦死≠オた。

 後継のピノチェト軍事政権は独裁的な強権政治を続けたが、1989年に退陣、氏は晩年、残虐行為などで起訴されたが健康状態などから訴えが棄却され、2006年に死亡した。

 1976年に日本でも公開された仏・ブルガリア共同制作の映画『サンチャゴに雨が降る』は、9月11日のクーデター前後10数日間の緊迫した動きを描いている。1982年に制作されたジャック・レモン主演の米映画『ミッシング』は、クーデターのさ中に行方を絶った米国人青年をめぐる物語だ。
 
 アメリカが中南米の左派政権を嫌悪するのは、自らの裏庭≠ニ位置付けているこの地域での反米政策は著しく自国の国益を損なうという大国の理論≠ゥらだ。
インドネシア共産党弾圧に協力

 アジアでCIAが暗躍したケースとしては、1965年、インドネシアで起きた9月30日事件がある。

 同日深夜、首都ジャカルタで軍の一部が決起、陸軍の幹部将校らを射殺し、放送局などを占拠した。当時のスカルノ大統領から権限を与えられたスハルト戦略予備軍司令官が鎮圧に乗り出し首都を制覇、あわせて背後にいたといわれる共産党の勢力を一気に駆逐した。

 当時の共産党勢力は強大で、党員数十万を誇り、スカルノ大統領の重要な支持基盤だった。スカルノ大統領は軍と共産党の勢力を均衡させることで政権を維持してきたが、軍がクーデター騒ぎを共産党一掃の機会として利用した格好となった。

 この事件でスカルノ大統領は政治力を失い、スハルト氏に権力移譲(1967年3月、大統領代行、68年3月、大統領)への契機になった。

 CIAの具体的な役割はつまびらかではないが、アメリカはスカルノ大統領が各国の資産を接収したことなどに不快感を持っており、CIAは、反スカルノ派に巨額の資金を提供、共産党員のリストをインドネシアの情報機関に提供していたという。事実とすれば、CIAは悪名高い共産党弾圧に手を貸したことになる。

同時テロ防げず信頼低下

 これらCIAの跳梁は、その活発な活動からみればもちろん、九牛の一毛にすぎない。

 ベトナム戦争初期、南ベトナム(当時)で国民から不人気だったゴ・ジン・ジェム政権を崩壊させたクーデター(1963年)への支援、宿敵<Cランに密かに武器を売却、代金をニカラグアの反政府ゲリラへの援助に流用していたイラン・コントラ事件(1980年代)への関与、日本を含む各国の政党への秘密資金の提供(1950年代)など、国際政治の裏舞台に登場しないことがないといっていいほどだろう。
 
 しかし、そのCIAも最近では、2001年の同時テロ事件を未然に防げなかったこと、イラク戦争にからみ、同国が保有すると米国が主張していた大量破壊兵器の情報が不正確で、結果的にそれらが発見されなかったことなどもあって、風当たりが強まっていた。

 同時テロ事件後の2002年、筆者がワシントン勤務中、当時のテネット長官がそれについて、議会証言で集中砲火を浴び、防戦に追われたことはよく記憶している。

 そういう事情に加え、ブッシュ政権で力を持ったネオコン≠ェCIAを信用しなかったこともあって、2005年にはCIAやFBI(連邦捜査局)など情報機関、捜査機関を指揮監督する国家情報長官のポストが新設された。

 このポストが十分に機能しているのかは不明だが、CIAには、第2次大戦直後の1947年に創設され、冷戦期に、ソ連との情報戦を勝ち抜いてきた輝かしい歴史がある。

 今回のベネズエラでの事件、逆風を跳ね返して「強いCIA」復活への一歩となるかもしれない。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/175.html#c105

[近代史4] 日本の借金は欧米の計算ではGDP比90% 中川隆
1. 中川隆[-12599] koaQ7Jey 2020年5月26日 07:55:54 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[1]
2020年05月26日
欧州GDPはマイナス7.7%、先進国で公的債務急増

画像引用:ユーロ圏GDP 過去最悪の予測 - Cube ニュースhttps://news.cube-soft.jp/archive/3746387.html

ドイツGDPはマイナス6%

5月25日に発表されたドイツ第一四半期GDPは前期比-2.2%・前年比-1.9%で速報値と同じだった。

減少率は2009年以来の大きさで1990年の東西ドイツ統一から2番目の下落率だった。

ドイツ経済を支えていた輸出と消費の2本の柱が落ち込み、ドイツはリセッション(景気後退)に陥った。


ドイツ経済省の予測によるとGDPは今年6.3%縮小する見通しで、4月から6月の第二四半期はさらに落ち込むと予想されている。

ドイツGDPが去年と比べて6.3%縮小するには、第二四半期は前年比3%以上はマイナスになり、第三と第四四半期も1%マイナスにならないといけない。

1950年以来で最悪になるが、一転して2021年は5.2%のプラス成長が予測されている。


ドイツ政府は1兆ユーロ(約115兆円)を上回る経済支援を計画している。

欧州各国も同じような状況で、英仏やイタリア・スペイン等が大幅マイナスを予想している。

欧州委員会によると2020年のユーロ圏実質GDPは、前年比7.7%減と過去最大の落ち込みになる。


各国の物価上昇率はゼロ%に近付き、各国が数十兆円もの経済支援をすることで公的債務は急上昇する。

欧州委員会はユーロ圏合計GDPは20年に7.7%減少するが、21年に6.3%増になり2年間の合計で1.4%増になる。

ユーロ圏の単年度財政赤字は20年にGDP比8.5%になり、19年の0.6%から大幅に拡大する。

先進国のお金ばらまき競争

ユーロ圏の公的債務GDP比は2019年の86%から、2020年は102.7%に上昇する。

なお日本とEUは「公的債務」の概念がまったく違うため、日本の200%とEUの102%を比較しても意味はない。

強いて言えば日本もEUやアメリカの「公的債務」で計算すると、GDP比100%以下に収まっている。


日本は民間企業である道路公団の建設費まで「国の借金」に含めているので、それでアメリカやEUを計算したら恐らくGDP比200%近い数字になる。

フランス政府は年末までに公的債務が115%超に膨らむと予想している。

日本より少ないがこれには道路公団や特殊法人のような「民間団体」の借金が含まれていない。


多くの国は年金や保険も「民間」なので国の借金に含めていないが、逆にこれを国の借金としているのは世界で日本ぐらいです。

日本は1月から3月期は前期比0.9%減、4月から6月期は前期比8.3%減が予想され、20年前半だけでマイナス9%になる

日本のGDPは約550兆円なので半年で55兆円が日本から失われ、このままでは戦後最悪の大恐慌になる。


そこで政府は27兆円の第一次補正予算を成立し、13兆円規模の第二次補正予算を予定している。

合計すると40兆円という事で、政府がお金を使うと民間支出や民間投資も増えるので、計算上は55兆円を補える。

だが阪神大震災でも東日本大震災でも「緊急!緊急!」と言いながらほとんどの予算執行は数年後だった。


40兆円の補正予算が成立してもそのお金が使われるのは3年後かも知れず、それだと平成デフレ、リーマンショックの再現になる。

「悪夢の安倍デフレ」を防げるかどうかは、どれだけ短期間にお金をばら撒くかにかかっている。
http://www.thutmosev.com/archives/83029685.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/904.html#c1

[近代史4] 新型コロナウィルス対策でジャンク債まで買い入れ始めたFRB 
新型コロナウィルス対策でジャンク債まで買い入れ始めたFRB 


2020/5/26
中央銀行のニューノーマル・・・コロナ騒動の目的  
https://green.ap.teacup.com/pekepon/2585.html

■ ジャンク債まで買い入れ始めたFRB ■

FRBは今回のコロナショックを受け220兆円を瞬時に市場に供給しました。これは日本の国家予算の凡そ2倍。日本のGDPの4割。

1) 国債の購入
2) MBS(住宅担保証券)の購入
3) 社債の購入(BB格=ジャンク債まで)
4) 民間銀行の企業融資の債券の買い取り(6000億ドル)

コロナショックが始まった当初、株価が急落し、国債金利が上昇、社債やジャンク債の金利も急上昇しましたが、市場が短期間に正常化したのは、FRBが「最後の貸し手」として大量の資金を供給した為です。

この資金供給が無ければ、資産市場は確実に崩壊していた。その規模はリーマン超級だったハズです。

■ 増大する各国の国債発行 ■

アメリカの借り入れが額(国債発行額)は4−6月期3兆ドル(320兆円)で前年の75倍。リーマンショック時と比べても9倍に達しています。コロナショックで税収が落ち込み、対策費や補助金が増え続けるので、今年度中は「狂った様な国債発行」が続くでしょう。

日本もコロナ対策として39兆円の財政支出を発表していますが、第二段は13兆円のなる様です。景気の落ち込み具合によては第三弾、第四弾もあり得るので最終的には70兆円程度になるのでは無いか。

これらの「狂った様に発行される国債」を中央銀行が「狂った様に買い入れ」て、現在、世界の国債市場は金利を抑え込んでいます。これは日銀の異次元緩和が世界中で始まった事に等しく、かつ規模はそれを上回ります。

■ 100年債など超長期債の発行が検討される ■

これらの大量に発行される国債ですが、10年債、30年債などで発行すると、10年後、30年後に償還時期を迎え、将来的な財政の継続性に大きな圧力が掛かります。そこで60年債とか100年債といった超長期債を発行するのでは無いかと言われています。

日本では建築国債が60年債ですが、実際には10年毎に借り換えられています。借換債は年間160兆円程有りますが、過去の金利よりも現在の金利の方が低いので、借り換えによって金利コストは下がります。異次元緩和以降、日本の国債金利はゼロに押さえ込まれているので国債の借り換えによって政府は国債の金利負担を軽減しています。これは表立っては言われていませんが異次元緩和の大きなメリットです。(実際には銀行の金利が消える事で国民が金利負担を肩代わりしているだけ)

現在の日本の国債金利はゼロなので、100年債を発行しても金利コストは掛かりません。借り換えなどという手間を掛けずに、一気に100年先に財政負担を押し付けても金利負担はゼロです。100年先に日本のインフレがどの程度進んでいるかは分かりませんが、このままマイナス成長やゼロ成長が続かない限り、償還時には負担は普通は相当軽減されているハズです。

各国ともに50年債、100年債という超長期債の発行が本気で検討されるかも知れません。


■ 統合政府では中央銀行の発行する通貨は政府通貨に近い ■

リーマンショックの際には「政府が1兆ドルのプラチナコインを発行してFRBに買い取らせる」という冗談の様な奇策を主張する人も居ましたが、これではFRBのバランスシートに問題が生じます。1兆ドルと刻印されたプラチナコイン1枚には1兆ドルの実質的な価値は無いからです。国債ならば、建前上は「将来的な国民の税金によって支払われる」事になるので、バランスシート時価会計にしない中央銀行の国債は評価損を生む事は有りません。

政府と中央銀行を一体の存在、すなわち「統合政府」と捉えるならば、政府の発行する国債の大部分を中央銀行が市場から買い入れる場合は、中央銀行の発行する通貨は「政府通貨」にほぼ準じた存在となります。特に国債金利がゼロの日本では、ほぼ政府通貨と言っても構わないでしょう。

■ 国債市場は機能するのか ■

コロナショックで狂った様に発行される各国国債ですが、通常ならば国債金利が旧上昇してもおかしく無い状況です。しかし、国債金利は充分に抑え込まれています。

これは異次元緩和と同様に、発行される膨大な国債の多くは、中央銀行が高く買ってくれる事を市場が理解しているからです。そして、国債市場のプレーヤーは「中央銀行には勝てない」事を日銀の異次元緩和で知っています。要は「国策には逆らうな」です。

それにコロナショックで国債暴落を仕掛けたら国にどんな仕返しをされるか分かったものではありません。トランプが激怒したら逮捕さえる可能性も有ります。

こうして、一時的とは言え、コロナショックで世界の中央銀行は全て「日銀化」を信じで果たし異次元緩和(超次元緩和)に突入します。国債市場は日本国債市場同様に金利変動の少ない「ツマラナイ市場」になってしまうのでしょう。

■ 金融抑圧によるインフレ税を私達は払い続ける ■

コロナショックで世界は中央銀行システムが本質的に変化してしまった事に未だ気付いていません。国債市場がツマラナイ市場になってしまった事にも気づきません。

市井の物価は様々な要因で変動し、金利も変動するでしょうが、国債金利はしばらくの間、中央銀行によて低く抑え込まれます。これは国債の再高金利を低く設定する「金融抑圧」という手段
で政府債務をインフレによって解消する時に使われる手法です。「インフレ税」とも言われています。

増税によって政府債務を解消する事は難しいのですが、インフレ税によって国民や投資家が本来受け取るべき金利を政府が掠め取る「インフレ税」は誰にも「通税関」が無く、国会承認も必要無く、国民は自分達が税金相当額を負担している意識も持ちません。

■ コロナ戦争による統制経済 ■

戦時中、各国政府は戦費調達の為に大量の国債を発行しました。日本でも世界大恐慌の後、高橋是清が中央銀行による国債の発行に踏み切りますが、彼が出口戦略を取ろうとしたので226事件で暗殺されます。それ以降は軍は軍備拡張を政府に要求し続け、政府は大量の国債発行でこれに応え、日銀は粛々と国債を買い続けた。

本来ならば軍需産業を通してその資金が市中に流れインフレが進行しますが、物価が統制されていたのでインフレは見掛け上は押さえ込まれていました。これを「統制経済」と呼びます。

今回も大量の資金が市中に流れます。しかし、その多くがコロナショックで消えたGDPの補填に回るので、市中の資金はあまり増えません。むしろ、しばらくは不景気でデフレ傾向に陥るでしょう。

何となく「コロナ戦争による統制経済」の形が出来上がっています。


■ 中央銀行にリスクを押し付ける「ニューノーマル」 ■

一方、インフレが発生するのは資産市場です。FRBや日銀はコロナショック直後に資産買い入れを急拡大させており、市場に大量の資金が流入しています。これは本来はコロナショックで投資家が被る予定の損失でしたが、それを中央銀行が一時的に肩代わりした形となっています。

リーマンショックではFRBも出口を模索しましたがが、はたして今回は出口が存在するのか?例えばFRBがBB格の社債(ジャンク債)を手放すと発表したら、ジャンク債金利はどうなるのか・・・。

FRBはリーマンショックで大量のMBS(住宅担保証券)を購入し、出口戦略でそれらを投資家に売却しましたが、コロナショックで再びMBSの購入に踏み切り、さらにはコマーシャル・ペーパー(社債)やジャンク債まで購入しています。そして、間接的ではありますが、企業に融資までし始めた。出口はどこを見渡しても見つからないでしょう。

日銀も似たり寄ったりで、日本株のETFや、不動産REITの購入を増やし、さらに銀行を通じて企業に資金を供給しています。

これは中央銀行のバランスシートに市場がリスクを押し付けた事と同義です。そして市場の混乱を避ける為に、中央銀行は今後もリスク資産を買い続ける。

■ 「国民にお金を渡せ」と主張させて「漁夫の利」を得る投資家 ■

今回のコロナ危機で一番得をしたのは誰か・・・それは投資家です。

資産市場は昨年半ばから変調が始まっていましたが、FRBが「隠れQE4」でこれをどうにか支えていた。しかし、これは永続的では無く、いつかはバブルが崩壊する事を市場関係者は予感しておいました。

ところが、コロナショックで中央銀行はリスク資産の買い入れを拡大して「HYPER-QE」に突入したので、彼らは暴落するハズだったリスク資産をちゃかり中央銀行に押し付けて、本来手にする事の出来なかったお金を、がっぽり手に入れました。

・・・・これでコロナショックの首謀者がだいたい予想出来るでしょう。

「誰がウイルスを撒いたのか」は問題ではありません。インフルエンザに毛の生えた程度のウイスるを、WHOや感染学の権威や、政府やメディアが「殺人ウイルス」に仕立て上げ、投資家に一儲けさせた・・・・これがコロナショックの本質だと私は妄想しています。


■ 市場の神様がこんなモラルハザードを見逃すハズは無い ■

80年代にマネタリズム経済が始まって以来、市場はバブル崩壊を繰り返して来ましたが、その都度、中央銀行が大量の資金を供給して、次のバブルを生み出し続けて来ました。

リーマンショックでは金融システム崩壊の危機にまで事態は発展しますが、その後の金融緩和で市場はさらに拡大しました。そして、次なるバブル崩壊を、コロナショックで一時的に抑え込んでいるのが現状です。

そして、これからしばらく、コロナ対策という名目で、中央銀行は市場に大量の資金を流し込み続ける。しかし、これは永続的では有りません。実体経済が悲惨な状況になる中で、資産市場のみが値を上げる事に、人々は疑問を抱き、中央銀行のモラルハザードを指摘し始めるハズです。

バブルは中央銀行が金利を上げたり、資金調達を絞ると弾けるのは歴史が証明しています。

市場に神様が居るとして、このモラルハザードを見逃し続けるでしょうか。尤も、市場の神様は角が生えて、尻尾と翅を持つ姿をしていそうですが・・・。


■ 次なるショックで注目される国債市場 ■

次なるショックで注目されるのが国債市場です。米国債の保有者達は、米国債を売るのか?

ここで米国債金利が上がり始めると、FRBは米国債の無制限買い入れを宣言して、世界の国債市場が一気に混乱します。

各国中央銀行が全量買い入れを宣言して(日銀は既に無制限買い入れを宣言していますが)、現在の通貨システムは終焉を迎えます。

暫く混乱が続いた後に、世界は通貨のニューノーマルを構築し始めるでしょう。それが政府通貨様なものになるのか、金兌換制度に戻るのかは誰にも分かりません。

もしかすると、金とリンクした電子マネーかも知れません。通貨のオールドスタンダードとニュースタンダードは案外相性が良いかも知れません。「金幻想」は人類のDNAに刻み込まれていますから。


ドイツやフランスなどはリーマンショック後に米国に預けていた金を取り戻そうと必死です。フランスは軍艦で金を輸送しました。ドイツはなかなかアメリカから金を返してもらえません。日本もフォートノックスの金庫に預けっぱなしです。中国も金の買い入れに余念が有りません。民間も含めて世界から金をかき集めています。

ビットコインはマイイングという「電力消費」によって暗号通貨の価値を保存しようと試みましたが、これには無理が有ります。暗号通貨は現状は「投機の対象」でしか無く、価値は大きく変動しています。

「金」は算出量が限られていると同時に、歴史的に「価値のあるもの」と人々に認識されています。少なくとも「電力消費」よりも有難い物と認識されています。

10年程掛けて、通貨のニューノーマルが達成されると思われますが、同時にポストコロナの混乱によって社会の姿も大きく変わっている事でしょう。2か月に及ぶ自粛生活で「さぼる」事を覚えてしまった世界の人々ですが・・・はたしてポストコロナに楽園は訪れるのか。

最悪は田舎で自給自足の覚悟ぐらいはしておこうかな・・・。

https://green.ap.teacup.com/pekepon/2585.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/907.html

[近代史4] 国民を分断させるショックドクトリン −得をするのはレントシーカーばかりなり
2020年5月26日
【室伏謙一】国民を分断させるショックドクトリン −得をするのはレントシーカーばかりなり

 新型コロナの世界的感染拡大も一つの引き金となって、第二次世界恐慌とも言える状況になりつつあると言われています。それ以前に、長年の緊縮財政という基礎の上に、昨年の消費税増税+新型コロナで、日本経済は危機的状況に至りつつあることは、皆さんは実感しておられると思います。

 それにも関わらず、今国会は会期を延長せずに閉会するようです。緊急事態宣言も25日に終了が決まりましたし、緊急事態ではない=経済も回復するはずだ=第2次補正予算以上に補償や支援はする必要はないという図式で、第2次補正予算を成立させればそれ以上新型コロナショックへの対応について議論する必要はなし、ということなのでしょう。
 新型コロナショックによる経済への影響はこれからさらに大きく出てくるであろうというのに、なんと危機感のないことでしょう。

 その危機感のなさで負けていないのが、新型コロナショックの裏で進められているショック・ドクトリンです。その代表例はスーパーシティー法案や種苗法改正案、9月入学導入論。他にもまだまだありますが、9月入学導入論がショック・ドクトリンの典型であり、いかに根拠が不確かなものを「今しかない」と勢いで押し進めようとしているのかについては、月刊三橋の私と三橋先生との対談動画( https://youtu.be/MuncY4NnwyM )をご覧いただくとして、前二者は、世論を気にする安倍政権が世論の懸念や反発を無視して強引に押し進めています。

 検察庁法改正案が今国会での採決が見送りになって、反対勢力はちょっと安堵でもしてしまったということもあるかもしれませんが、私からするとこれら二つのショック・ドクトリン法案、特に種苗法改正案については別の事情があるように思います。

 種苗法改正案は、国内の優良品種の育成権者意思に反した海外流出を防止するとともに、自家増殖に係る規定を見直し、次期収穫物の生産のために当該登録品種の種苗として用いる自家増殖は、育成者権者の許諾に係らしめること等を柱とするものです。

 この法案を巡って、賛否が分かれています。反対派は、この改正案は自家増殖の制限につながり、許諾に係る費用負担が農家を圧迫するのみならず、種子法の廃止と相まって、グローバルアグリ企業の支配下に日本の農業、つまりは日本の食が置かれることになると主張しています。

 一方賛成派は国内優良品種の海外流出には絶対必要であり、反対する奴らは流出を認めるに等しい、流出させて儲けようとする中国や韓国の不届き者と同じだ、といった主張をしています。更に、国内で優良品種を育成した農業従事者の中からも賛成論が出ています。

 どちらの主張が正しいのかと言えば、勿論反対派の主張が正しいわけですが、賛成派の主張、中国が韓国がといったものは問題外として(大抵この手の主張をしているのはネトウヨの類です。私に「お前は法案を読んでいない」などと匿名で書き込んできた輩もいましたが、残念ながらこの手の輩よりしっかり読んで理解していますので、悪しからず。)、農業従事者からの賛成の意見は理解できるものがあります。

 なんといっても苦労に苦労を重ね、努力に努力を重ねてなんとか優良品種を作ってきたわけですから、それが知らぬ間に海外に流出して、勝手に使われるなんてことを認めるわけにはいきませんよね。

 しかし、優良品種の海外流出を物理的に防ぐのは容易ではありませんし、一旦海外に出てしまえば、いくら種苗法を改正して育成権者の保護を強化しても、国内法である以上、流出先の海外には適用されませんから、絵に描いた餅に終わってしまいます。

 つまり、賛成派の農業従事者が期待するような効果は得られないということなのですが、だからといって彼らの努力を水疱に帰するようなことはしてはいけませんから、適切に保護をすることは必要でしょう。その必要性については誰も異論はないと思います。

 問題は現行の種苗法第21条第2項に規定されていた自家増殖を認める規定等を削除すること。(他にも細かい問題点はありますが、分かりやすいこの点のみを上げておきます。)

 この点が賛成派には理解されていないようで、先に挙げた「絵に描いた餅」ばかりが強調されてしまっているようです。
 ところが、これが本物の「餅」だと頑なに信じて賛成し、反対派をさも売国奴のように非難するといったことが見られるに至っています。
 これって、つまりは国民の分断ですよね。
 しかし、考えてみてください、この法案が通ってしまえば、優良品種の海外流出の防止が出来ないばかりか、日本の農業・食が危機に瀕することになる可能性が高いのですよ。分断されて、両派でいがみ合っている場合ではないはずなのです。
ところが対立がまるで煽られているかのような状況にも至っています。その裏には、「漁夫の利」の諺にもあるとおり、この対立で「利」を得る連中がいるのです。言わずと知れた、グローバルアグリ企業に連なるレントシーカー達です。
 ということで、不可思議な国民間の対立の裏には必ずと言っていいほど、それで利益を得る連中がいるというお話でした。
 皆さん、惑わされないよう注意しましょう。
https://38news.jp/politics/15987
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/908.html

[リバイバル3] CD/SACDプレーヤーからPC・ネットワークオーディオへ 中川隆
59. 中川隆[-12598] koaQ7Jey 2020年5月26日 11:09:04 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[2]


ハードディスク大好き(1)
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975783389


意外と昔のことはすぐ忘れるみたいで、いまメインシステムの再生系は、映像系以外はすべてハードディスクからデータ再生なのだけど、それがどういう経緯なのか完全に忘れていた。

mixiの日記を遡っていろいろ思いだした。

もともと、何かの雑誌の記事で、OPPOのブルーレイプレーヤBDP95にHDDを繋いだものが、超高額トラポとDACよりよくて交換した、というマニアのことを読んだのが始まりだ。
ただし、200Vの電源で、HDDは複数使い、ケーブルは憶えてないがUSBではないというのが条件だったような気がする。
DACが内蔵のESS9018を使っているのだけは解せないが、いろいろやって、ありうる話だと思っている。

影響を受けた私は、OPPOの105JPを購入、HDDを繋いで、それまでVRDSのX01Limitedという定価130万のを筆頭にいろいろトラポを使ってきたが、それより色付けの少ない音の可能性に一驚し、今まで使い続けている。
ソニーの超高級トラポを手がけた「かないまる」氏の、超高級でなければハードディスクのほうがCDトラポより優位、というネット記事にも大きな影響を受けた。
盤を挟み込んで回すときにブレが出るとか、トレイがガタつくとか、そういうのがHDDだとないから。。 確かに! ジッターがどうだとかこうだとか。
かないまる氏は当時はSSDに否定的。

私は若いころ、研究生活と称してニートのような暮らしをしていた時期があり、研究環境整備と称して、当時のクーリングファンでやかましいパソコンにキレて、静音PCづくりに熱中して京都寺町や大阪日本橋のパーツ街を歩いていたことがあるのだ。
なので、ハードディスクには愛憎がある( ´∀` )

最初に出合ったハードディスクは、けっこう遅くて2000年ごろ、SOTECの安価パソコンに内蔵のSAMSUNGのもの。10ギガだったか40ギガだったか、記憶にない。
クーリングファンがやかましいと思っていたが、それらを止めていくと、こいつがキュゥイーーン、ガリガリガリガリ((((;゚Д゚))))と、騒いでいるのだった。
触るとガチに熱くなっている。

それから20年、80、160、320、500ギガ、1テラ、2テラと、倍々ゲームで大きくなるハードディスクをみてきた。
回転しないSSDには、静音マニアとして最初期にとびついたけども。

で、自作のノリでやっていたが、プロケーブル推奨のグリフハードディスクというのを買うことにした。スタジオで使われているという。
RAID0という、ハードディスク2台を使うスタイルで、高速化をはかっているが、故障のリスクは2倍になる。オーディオのバランス伝送のようだ。
プロケーブルは超高音質と謳っているが、オーディオメーカーも一時やっていたようだが、最近はそうでもない。まあ故障は嫌だろう。

調べると、2016年7月使用開始。
クーリングファンとHDD2台で、うるさいが音はよい感じがした。

これを、2018年5月に、SSDに変更しているようで、日記があった。1年11カ月使った感じか。

しかし、2018年12月に、HDDに驚いて、このときは勝手に師匠と思っている御田照久氏(ここ2年ほど記事がない)推奨の、RATOCの3.5インチ用RAIDケースに、東芝の1テラという構成で、あえて1台づかいにした。

いま調べると、東芝のは5000円しないぐらいだったと思うが、2018年8月中国製。
1年半近く使ってきたようだ。音は、上記のグリフと大差ないと思うがコスパが凄く高い。

こいつを、RAID0再挑戦で最新のハードディスクにしてみたいという、無駄な欲望が沸き上がってきたのだった( ´∀` )


コメント


mixiユーザー2020年05月24日 20:10
当方もCDのトランスポートがなくなって早3年半になります。なんせリッピングしない限り絶対に聴くことは不可能ですので、手持ちのCDを少しずつHDに移していますが、まだ終わりません。しかし、9割は移行できた感じです。すべてwav.で現状3.5TBほどです。

mixiユーザー2020年05月24日 21:23
> mixiユーザー 
6テラ買ってしまいました(笑)
これは失敗でしたが、また書きます。
一生聴ききれないでしょう。ステサンの大容量データファイル買いあさるかですね。


mixiユーザー2020年05月25日 07:27
> mixiユーザー 
当方はHAP-Z1ESで内蔵ディスクは1T。外部HDは1基のみ使用可能で、8TのRAID HDです。容量は半分になるので、4T使用可能。まあ、容量的にはこれで充分ですね。ファンの音は気にすれば気になりますが、再生音を出せばOK。技術の進歩ですべてSSDに置き換えられる日が来ることを期待しています。

mixiユーザー2020年05月25日 07:41
私が就職した1984年、オフィスにあったオフコンのHDは20メガでしたよ(笑)それでも在庫管理ソフトを搭載、十分動いていました。1メガのフロッピーディスク(当時は8インチ)をデイスケットと呼んでいたころです。

mixiユーザー2020年05月25日 17:35
> mixiユーザー 
そう考えると、1984年ごろ製造のCDが、リッピングすればいまもハイレゾと遜色ないのは立派すぎますね。

mixiユーザー2020年05月25日 19:22
> mixiユーザー 
同感です。アナデジ・トランスファーは当時からほとんど進歩していませんね。最近のリマスターははっきり・くっきりですが、ハイ上がりなもの、きつくなったものもあり、初期CDのほうがアナログ感があるような感じがします。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975783389

ハードディスク大好き(2)
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975801495

オーディオ用に使うハードディスクは何がいいのか?
そもそも音が変わるわけないやん、というのも検討。

まず入力の端子が、IDEがSATAに変わったが、これは大きな変化だ。
実にガッチリしたぐらつきのない差し込みと、大量の線によるしっかりしたケーブル。
これが、グラグラふらふらの小さい差し込みに変わった。電源部も。

長岡思考というか、最初はこれにこだわって、あえてIDE最後期の320ギガとかを購入。3000円台ぐらいで安かったが、熱くなって回転音もうるさい。ウェルフロート小型の上に置くと、ウェルフロートがぶるぶる震えて振動を下に伝えないでくれた( ´∀` )

そこから、自作っぽすぎるのでもっとスマートにやりたいなと思って、プロケーブル推奨の、アメリカのスタジオで使われているというグリフの2テラバイト(レイド0)に変更。
内部のハードディスクは不明だが、処分した時に、購入者が確か7200回転にこだわっていて、それだった記憶が。
私自身は安全性と静音性から5400回転を好むが。
それが2台と、おそらく止まらないファンで、けっこう動作音はしていたと思う。

かないまる氏は、ウェスタンエレクトリック、じゃなかった、ウエスタンデジタルの「グリーン」というHDDを推奨されていて、理由は、低消費電力設計というところだと思う。
HDDはノイズの問題が大きいと思うので、そこが5〜10年ぐらい前から解消され出したのだろう。

御田照久氏は、逆に、古いハードディスクがよいという考えで、なくならないうちに古い規格のをゲットしておくみたいな考え方。
ウエスタンデジタルとかは、電力が少ない分パワー感が不足するみたいな書き方だった。
ちょうどマランツが、最新のDACチップは電力が少なくてパワーがないので、あえて古めのチップ採用、みたいな話。

かないまる氏も御田氏も、SSDには否定的だったが、SAMSUNGのEVO850の500ギガバージョンをかないまる氏が「奇跡のSSD」と絶賛。
オーディオメーカーでも採用するところがあった。

これは絶対やらなければなるまい( ´∀` )
容量のこともあるので2台購入でレイド0設定。
ケースは、御田氏推奨のRATOC3.5インチのものの2.5インチバージョンを使ってみた。
これに、エルサウンドの実に素晴らしい造りで2万以内の、外部アナログ電源で給電。

音は、グリフを超えたかなと思った。
少なくとも一長一短と感じ、早速グリフは処分。

その後半年ほどで、御田氏が、RATOCの3.5インチ推奨ケースに、変換マウンタを介してSAMSUNGのEVO850を使うという記事を読み、そこまでケースが大事ならと、試しにそのケースと変換マウンタを購入( ´∀` )

これで、変換マウンタが買いにくいので、しばらく遊びで、手元にあったパソコン用の3.5インチハードディスクをそのケースに入れて鳴らしてみた。レイド0とかでもなく、1台で。

すると、ううんっ?、骨格たくましく金属楽器リアルで勢いよく、落ち着いて輪郭の感じられる音ではないか。
変換マウンタを介したSSDもやったのだが、結局HDDがいいなということになった。もともと変換マウンタなんかかましたくはない( ´∀` )
で、新たにHDDを選ぶのだが、静音性と故障を避ける意味で、2台遣いはもういいかと。御田氏は、RAIDができるケースで、しっかりしたコントローラーで、あえて余裕を持たせた1台づかいだ!、と主張していた。
で、かないまる氏推奨のウエスタンデジタルのグリーンは、そのときは廃版になってたりもあり、御田氏推奨のケースだから、御田氏推奨の東芝の1テラにした。5000円しなかったか、安かったのもある。消耗品だし。

1年半ほど、たまにギャップレス再生でフリーズする以外は不満なく使用。
ただ、ウエスタンデジタルへの憧れは残り、特に、最高グレードの「レッド」、こいつはRAID用に設計されていて3年保証。しかも、2019年から2020年にかけてマイナーチェンジしてきている。

これから夏に向かうのに、SSDで省電力方向でなく、HDD2台づかいRAIDゼロに逆戻りするのか〜
まあ昔、エクスクルーシブのガチな純A級パワーアンプ、天板で目玉焼きができたであろうM8を6月に買った私だからやりかねない。

コメント

mixiユーザー2020年05月26日 08:33
下にHDDの振動伝達防止なら、プチプチを切って積み重ねた上にHDDで下の台は励振されないようです。無料ですし。

https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975801495
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/854.html#c59

[近代史4] 地球の過去の気候変動・産業革命以降の地球温暖化 中川隆
2. 中川隆[-12597] koaQ7Jey 2020年5月26日 11:48:23 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[3]
2020年05月26日
40年にわたる衛星のデータから「ハリケーン」が年々どれほど強くなっているのかが判明
by NASA Goddard Space Flight Center
https://gigazine.net/news/20200526-data-confirm-hurricanes-getting-stronger/

地球温暖化は単に地球の生態系に深刻なダメージを与えるだけでなく、交通事故や暴力事件による死亡者数の増加、メンタルヘルスへの悪影響に伴う自殺の増加といったさまざまな影響が及ぶことが示されています。約40年にわたる衛星のデータを分析した研究により、ハリケーンが年々強くなっているとの研究結果が報告されました。

Global increase in major tropical cyclone exceedance probability over the past four decades | PNAS
https://www.pnas.org/content/early/2020/05/12/1920849117

Long-term data show hurricanes are getting stronger -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2020/05/200518154948.htm

40 Years of Data Confirm Hurricanes Are Getting Stronger. Climate Models Were Right
https://www.sciencealert.com/hurricanes-really-are-getting-stronger-and-there-s-a-likely-human-fingerprint



アメリカ海洋大気庁(NOAA)とウィスコンシン大学マディソン校の研究チームは、地球温暖化がハリケーンの威力に与える影響について調査するため、1979年〜2017年にかけて静止衛星が収集した赤外線温度測定のデータを分析しました。

この研究を率いたJames Kossin氏は、28年のデータセットに基づいた2013年の研究の時点で、「ハリケーンは年々強くなる傾向にある」と指摘していました。しかし、2013年の研究はデータセットの期間が比較的短く、決定的なものではなかったため、Kossin氏は統計的に有意な結果を実証するために今回の研究を行ったとのこと。



研究者らは長年にわたって「地球温暖化によって海水温が上昇して大気中の湿度が高くなり、結果的にハリケーンの威力が大きくなる」という仮説を提唱してきました。しかし、ハリケーンは散発的にしか発生しない上に、海上で発生したハリケーンは人間の住む地域に影響を与えない場合は無視されてしまい、詳細なデータをそろえることが困難という問題があるそうです。

また、Kossin氏は「ハリケーンの傾向を見つける上での主なハードルは、データが『その時点で最高のテクノロジー』によって収集されている点です」と指摘。年々ハリケーンなどのデータを収集する機器がアップグレードされているため、観測された年ごとにデータに含まれる内容や精度に違いが出ることが珍しくないそうで、全ての衛星データをパッチワークのようにつなぎ合わせるような作業を要するとのこと。

しかし、近年では衛星からのデータを解析するために役立つコンピューターモデルが発達したため、研究チームは1979年〜2017年にかけて収集された衛星データを基に、ハリケーンの威力がどのように変化したのかを分析することができました。研究の結果、サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールによる分類で、ハリケーンの風速が時速177kmを超える「カテゴリー3」かそれ以上に発達する可能性は、1979年から10年ごとに8%ずつ増加していることが判明。ハリケーンは年々強くなっていることが示されました。



仮説通りにハリケーンが年々強くなっていることが確かめられた一方で、研究チームはハリケーンの強さには、地球温暖化だけではなく、他のさまざまな要因が寄与することを認めています。「今回の研究結果はよい進歩であり、地球温暖化がハリケーンを強くするという私たちの自信を強めます。しかし、私たちの研究結果は、人間の活動が正確にはどれほどハリケーンを強くしたのかや、自然の変化がハリケーンの強さに与えた影響を示しませんでした」と、Kossin氏は述べています。

それでも、1979年〜2017年におけるハリケーンの強化は、地球温暖化シミュレーションの結果と一致しているとのこと。Kossin氏は、「ハリケーンが年々強くなっているという私たちの研究結果は、ハリケーンの地球温暖化に対する反応に関する私たちの予想と一致しています」と主張しました。
https://gigazine.net/news/20200526-data-confirm-hurricanes-getting-stronger/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/611.html#c2

[リバイバル3] 高層マンションには住んではいけない 中川隆
61. 中川隆[-12596] koaQ7Jey 2020年5月26日 11:53:39 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[4]

2020年05月26日
タワーマンションはブーム去り欠点がクローズアップ

タワーマンションの壁を叩くと隣の音が聞こえるという

画像引用:タワーマンション(超高層マンション)のデメリットは?地震や子供の足音など、購入前に知っておくべき注意点|資産価値が下がらない新築マンション選び[2020年]|ダイヤモンド不動産研究所https://diamond-fudosan.jp/articles/-/143919

タワマンブームはどうなった?

タワマンことタワーマンションが一躍ブームになったのは六本木ヒルズからだったと思います。

itブームで成功したit長者が集まり、日本でもっともセレブな場所という事になった。

有名人ではホリエモン、村上ファンド、楽天三木谷、グッドウィル折口、与沢翼などが住んでいた。


その後住人から多くの逮捕者が出て評判が落ちたが、セレブではない人たちにタワマンブームが広がった。

この背景には相続税があり、以前は上層階は実勢価格と固定資産税評価額に大きな差があったため節税になった。

下の階が5000万円、最上階が10億円だったとしても評価額は何階でも同じだったので、上の階ほど価格に対して税金が安い。


その後国税庁はタワマン対策を実施し現在はこうした節税はできなくなったとされている。

2012年ごろからアベノミクスで地価が上昇し、節税にもなり転売すれば利益が出たのでタワマンブームが過熱した。

だが2017年ごろからだったか、節税効果が薄れてマンションの過剰感も出てきてブームは沈静化していった。


2019年にはバブル崩壊以来初めて地方の公示価格が上昇したが、それがアベバブルのピークでした。

タワーマンション自体も山ほど建設されて供給過剰になり、武蔵小杉事件などもあって人気は沈静化している。

そして最後のとどめになったのがコロナ騒動で、期待された外国人需要もなくなった。

タワマンの居住性は良くない

武蔵小杉事件とは2019年10月の台風19号による大雨で、武蔵小杉と二子玉川が浸水し電源や水回りが使えなくなった。

居住区は浸水しなかったが電源などは地下にあったため、近くの川から放水された水が浸入した。

多摩川の水位が周辺部より増水したため、浄水場の下水管を通って駅前の市街地に流れ込んだ。


マンションはやがて復旧されたが「災害に弱いタワマン」というマイナスイメージが付いた。

対照的に周辺の低層マンションやホテル群に被害はなく、タワマン特有の問題も指摘された。

タワマンに限らず販売用マンションは「売れば商売終わり」で売り切った後の事に責任を持たない。


一方賃貸マンションは数十年間入居者を集めなくてはならず、長期に渡るビジネスになる。

ホテルも建ててから数十年かけて建設費を回収するので、立地や構造に非常に気を遣う

意外にもタワマンや高級マンションより、ホテルや賃貸マンションの方が将来を考えて建てているかも知れない。


この違いは居住性にも表れ、意外にもタワマンの壁はペラペラで、隣の話し声が良く聞こえるという。

理由は超高層ビルは上部を軽くしなくてはならないため、壁は悪く言えば「段ボール」より少しマシな程度の材質が使われている。

軽量素材というもので建設会社にとっては軽くて最高だが、入居者にとっては良いものではない。


また移動をエレベーターに頼っているので、故障しなくても常に順番待ちになる。

http://www.thutmosev.com/archives/83033409.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/654.html#c61

[近代史3] 日本はもうすぐ中国小日本省になる 中川隆
13. 中川隆[-12595] koaQ7Jey 2020年5月26日 12:22:00 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[5]

■日本の国土の2%を中国が取得
http://www.news-postseven.com/archives/20180109_640250.html?PAGE=1#container

・2016年 水源地2,411ha買収  登別70ha喜茂別210ha  中国の電力企業が取得・山林削り平地に 
・北海道だけで7万ha買収(JR山手線の内側の11倍以上)
・倶知安・滝川・千歳など基地周辺 数百ha単位で取得
・トマムリゾート 1,000ha超 管轄の占冠村長が知らぬ間に買収 
・帯広市拓成町の農地400〜500ha 北海道平取町の農地123ha etc
・苫小牧勇払油ガス田周辺 中国人大量入植用の建造物
・苫小牧市有地20億円&駒大資産50億円超が中国系学校法人に「無償」譲渡

・与那国駐屯地ちかい外離島で中国への土地売却拒否の夫婦が刺殺
・沖縄民有軍用地の3分の一買収、税金から借地料数百億円が中国に流出 (中田宏衆院議員)
・沖縄軍用地の一割超 中国が取得 (沖縄防衛局2010年調査)
・沖縄無人島128島うち81島 中国系の所有権登記  地元漁民も立ち入り禁止
・「沖縄科学技術大学院大学」 山奥過疎地・殆ど中国人・無償奨学金

・奄美 沖縄 佐渡 離島に中国系リゾート 大量入植 漁業被害も
・基地候補地を中国が購入 → リゾート建設で基地建設妨害
・震災にまぎれ東京一等地5677平方mを60億で購入 一等地も全国的買収
・温泉地を大規模買収 箱根・伊豆・草津・石和・鬼怒川 etc  従業員を中国人に入れ替え  
  
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/186.html#c13

[近代史3] 呪われたスキー場 _ 妙高 新井スキー場(ロッテアライリゾート) 中川隆
104. 中川隆[-12594] koaQ7Jey 2020年5月26日 12:48:59 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[6]


197 :不要不急の名無しさん:2020/05/25(月) 15:30:23 ID:FaQMr5b10.net[2/7]

この人じゃ

妙高市両善寺のスキー場「ロッテアライリゾート」でスキーをしていた女性が2019年3月31日から行方不明になっている。

妙高警察署によると4月1日朝から県警ヘリはじめ、警察、消防、スキー場関係者が女性の捜索を行っているが未だ発見には至っていない。

行方不明となっているのは神奈川県横浜市鶴見区の地方公務員。
同署によると、3月31日午前、同スキー場で夫とスキーをし、途中、別のコースを滑走していた。

夫との待ち合わせ時間の昼過ぎになっても待ち合わせ場所に現れなかったため、夫が同日午後2時過ぎ、スキー場関係者に妻が戻らないことを届け出た。スキー場関係者が夕方まで捜索したが、発見できず、午後5時45分、警察に通報した。

水色のスキーウエア上下、白っぽい帽子、ゴーグル、白色手袋、黒っぽいスキー靴、赤色混じりのスキー板、白色ストックで滑走していた。


276 :不要不急の名無しさん:2020/05/25(月) 18:55:49 ID:7d4fFjkA0.net
>>197
3/31と言ったら気温は高くて雪も溶ける一方でスキー場もクローズ寸前
そんな時期にスキー場外に出たんか
沢の上にも雪はあるが、下は雪解け水が大量に流れていて
雪もどんどん溶けていて空洞ができている状態

そこを滑っていてこんな風に沢に落ちたと推測
https://youtu.be/impEOjC_Gfg


バックカントリーの危険:割れた沢に滑落 





277 :不要不急の名無しさん:2020/05/25(月) 19:08:58 ID:kiASkxJG0.net

沢で見つかったという事は
山中を彷徨った末川沿いに
下山しようとしたのだろう
遭難者によくあるパターン


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/190.html#c104
[近代史3] 呪われたスキー場 _ 妙高 新井スキー場(ロッテアライリゾート) 中川隆
105. 中川隆[-12593] koaQ7Jey 2020年5月26日 12:57:33 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[7]

#458 2020/05/24 15:30

横浜の公務員の女性見つかったか
夫婦げんかでそんなんしたらしいね
なんかため息しか出ないけど
安らかに

#459 2020/05/24 15:46

2年たつかな?
とんでもないエリアまで行ってしまったんだろうなとは思っていたが。
南西に2.5キロも歩いてたとはな。

バックカントリーエリアから不動山行っちゃったらそりゃ助からんし探し行くのも怖い。
というかこれ当時立ち入り禁止のロープや看板がなかったって噂出ていたの事実なのかもな。

#460 2020/05/24 22:22
>>459
注意喚起などは一切ないよ、ここ。

#462 2020/05/25 09:04

捜索してない範囲まで行ってたんだね
教訓になりそうだね

#469 2020/05/26 08:20

遺体隠すの上手だから、ここの連中

https://bakusai.com/thr_res/acode=4/ctgid=104/bid=2114/tid=5853365/tp=1/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/190.html#c105

[近代史4] 新型コロナウィルス対策でジャンク債まで買い入れ始めたFRB  中川隆
1. 中川隆[-12592] koaQ7Jey 2020年5月26日 13:41:27 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[8]
株式市場はコロナショックからコロナバブルへ 実体経済と乖離する過剰流動性相場
https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2020/05/post-93500.php
2020年5月25日(月)17時45分 ニューズウィーク


株価と実体経済のギャップが大きくなった現在の相場を「コロナバブル」と呼ぶ声が増え始めた。東京証券取引所で2018年10月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)


株価と実体経済のギャップが大きくなった現在の相場を「コロナバブル」と呼ぶ声が増え始めた。株価は半年後、1年後を織り込むと言われるが、それだけでは説明がつかないほど、両者のかい離が大きくなっているためだ。今の株高の原動力は金融緩和や財政支出などの経済政策。今後、株価の上昇が続くとしても、それは過剰流動性相場とみる関係者が多い。

緊急事態宣言がようやく全国的に解除される見通しだが、消費などの大きなダメージが残り、経済が元に戻るとの見方は少ない。日本の実質国内総生産(GDP)は1─3月1次速報の年率マイナス3.4%に続き、4─6月期は戦後最悪となるマイナス20%前後の落ち込みになるとの見通しもある。

しかし、日本株は大きく反発。日経平均は3月19日の底値から、25日の高値まで約4354円(26.6%)の上昇。東証マザーズ指数は3月安値から81%上昇し、「コロナ前」の2019年5月の水準に達している。

市場では「GDPは7─9月期に大きく反発する可能性がある。しかし、消費は完全に戻らず、その後は緩やかな回復になりそうだ。景気回復を織り込む今の株高はやや楽観的すぎる」(外資系証券エコノミスト)との見方は少なくない。

企業決算も見通しが立たない。直近の決算発表では、3月期決算企業の6割以上が今期の見通しを未定とした。前週末のPBR(株価純資産倍率)は解散価値の1倍水準だが、企業が今後、利益剰余金の取り崩しに走れば、それも怪しくなる。

■個人投資家の買い

足元で目立つのは、個人投資家の買いだ。東証が発表した5月第2週の投資部門別売買状況で、海外投資家が1296億円の売り越しとなる中で、個人は1882億円と買い越し額が突出している。

岡三オンライン証券・シニアストラテジストの伊藤嘉洋氏は「今の個人投資家の買いは、過去に何度か起きたバブルの時を思い起させる。新規の顧客が増え続けており、それからすれば株価は下がらない」と話す。

1998─2000年にかけて起きたITバブルでは、個人の買いが株価上昇の原動力になった経緯がある。その際、投資マネーに流用されたのが、当時の金融機関の貸し剥がしから中小企業を救うため98年に施行された、中小企業金融安定化特別保証制度だ。無担保で5000万円まで保証をした同制度から株式市場に少なからずの資金が流入したとの見方が市場ではもっぱらだ。

当時、投資顧問会社を経営していた中小企業のオーナーは「困っていないのに借り入れして、自家用車を外車に買い替えたほか、当時急騰していたIT関連株で儲けて返済しようと目論む人が1人や2人ではなかった。今後の経済対策で似たような施策が打ち出されるのであれば、同じことが起きると思う」と証言する。

■ITバブルの再来か

一方、海外勢が今のところ日本株を見送っていることについて「市場にGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの米大手IT4社)がないのが最大の理由」と三菱UFJモルガンスタンレー証券・チーフ投資ストラテジストの藤戸則広氏は分析する。

米国株式市場では既に、ナスダック指数が2月最高値から85%以上の戻りを演じているが、リードしたのは、いわゆるGAFAなどテクノロジー企業だ。

藤戸氏は「日本株も堅調を保てば組み入れざるを得なくなることから、やがて海外のハイパーマネーが流入してくる。それが『おこぼれ』の形であっても株価にインパクトを与えそうだ」とみている。

個人と海外勢の買いが合わされば「かつてITバブルの時のような状況が先行き起きる可能性が十分ある」と、東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏は指摘する。

歴史上、バブルの背景には、必ずと言っていいほど緩和的な経済政策がある。今回も、未曽有の金融緩和と財政支出により、大規模なマネーが生み出されている。「当面は各国の空前規模の施策によって生み出されたジャブジャブの余剰資金が、世界中のマーケットで滞留する可能性がある」(国内証券)との見方は少なくない。

今後も実態からかけ離れる形で株価が上昇するようであれば、「コロナバブル」、「第2ITバブル」、「GAFAバブル」などと呼ばれる可能性が大きい。どの呼称が定着するかはわからないが、いずれにせよ、過剰流動性相場的な様相を強めることは間違いなさそうだ。

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/907.html#c1

[近代史5] オランダ海洋帝国が繁栄した理由 中川隆
1. 中川隆[-12591] koaQ7Jey 2020年5月26日 14:52:41 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[9]

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨2020年5月23日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInにおけるブログでオランダ海洋帝国の繁栄と衰退について語っている。

•世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由

歴史的な部分は前回取り上げたので、今回はオランダ海洋帝国の通貨ギルダーがどのように世界初の基軸通貨となり、そしてどのように暴落していったのかに焦点を当てたい。

海洋帝国オランダ

ダリオ氏のオランダ海洋帝国とギルダーの説明から入ろう。


オランダはアメリカ新大陸からアジアにまで及ぶ帝国を築き上げた。彼らの作った世界初の主要な株式市場によってアムステルダムは世界でもっとも重要な金融センターになったのである。そしてオランダの通貨ギルダーは世界の国際取引の3分の1を担う世界初の国際的な基軸通貨となった。

オランダ人はたった100万か200万の人口でこれをやり遂げたのである。

前回の記事で説明したが、株式市場と優れた船舶という技術革新がどれほど凄かったかということである。

しかし第1次英蘭戦争、北方戦争、第2次英蘭戦争、仏蘭戦争、第3次英蘭戦争などいくつもの戦争を経験するにつれてオランダ海洋帝国の国力は衰退、1780年の第4次英蘭戦争でイギリスの優位が決定的となる。ダリオ氏は第4次英蘭戦争についてこのように説明している。


この戦争はオランダと当時力を増していたイギリスとの戦争で、オランダがアメリカの独立を支援したことへの報復戦争である。結果はオランダの大敗となり、戦費とその後の平和がオランダの通貨ギルダーが基軸通貨としての地位を失うことに繋がった。

ギルダーの衰退についてもう少し詳しくダリオ氏の説明を見てみよう。


18世紀にはオランダの債務負担は大きくなっていたが、ギルダーはまだ基軸通貨として世界中で使われていた。この時点でギルダーを支えていたのは利便性と信用だけだった。(先に説明したように、基軸通貨の地位は覇権国の他の要素よりも遅れて衰退することが多い。)

既に負債だらけとなっていたオランダがギルダーに対して何の保証もできなかったことは明らかである。それでもギルダーは使われていた。これは既に紙切れになっているドルが未だに「信用」だけで人々に使われていることと同じである。

•世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

しかし日本円もそうだが、金本位制を捨てた後の紙幣は誰も何も保証しないただの紙切れである。「信用」とはこの場合、いかに人々が騙されているかを示しているに過ぎない。それは紙幣をゴールドと交換できた時代の余韻によってまだ使われているだけなのである。

世界初の基軸通貨の最期

さて、そのギルダーもとうとう使われなくなる時代がやってくる。ダリオ氏はこう続ける。


オランダが貿易で競争力を失うにつれて増加する債務の支払いがオランダ経済を圧迫し始めた。海外事業からの収益も減り始めた。オランダの富裕層は資金を海外に移し始め、オランダへの投資から成長率と金利のより高いイギリスへの投資にシフトし始めた。

これもアメリカ人やヨーロッパ人が新興国への投資へシフトしていることに似ている。そして新興国経済とはその大半が中国である。

•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる

ギルダーの終わりのきっかけとなったのはオランダ東インド会社の崩壊である。


一番重要なのは、第4次英蘭戦争が東インド会社の収益力とバランスシートにとどめを刺したことである。東インド会社は既に競争力を失っていたが、イギリスがオランダの海岸とオランダ東インドを封鎖したことで貿易が崩壊すると、それは東インド会社にとって破綻の危機となった。

オランダ東インド会社は第4次英蘭戦争で巨額の損失を計上すると、(訳注:公営の)アムステルダム銀行から巨額の借金を借り始めた。東インド会社がオランダ政府にとってあまりに重要だったからである。

これは現在の状況で言えば株式市場が重要すぎて崩壊させられないので量的緩和で支えるというところだろうか。しかしそれを崩壊させなければ単に別のところで破綻が起きるだけである。それは初めから分かっているにもかかわらず、人々は同じ間違いを何度でも繰り返す。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

しかし個別の歴史には個別の道がある。オランダ海洋帝国の場合はこうだった。ダリオ氏は続けて説明する。


アムステルダム銀行の預金者は銀行が新たに印刷したギルダーをオランダ東インド会社に「貸している」ことに気付くと、アムステルダム銀行で取り付け騒ぎが起きた。投資家が資金を引き出し始め、紙幣よりもゴールドが好まれた。現金を持っている者はアムステルダム銀行でそれをゴールドに交換しようとしたが、十分なゴールドがないことが明らかになった。

「新たに印刷したギルダーでゾンビ企業を生きながらえさせる」と言い換えるとここの読者は聞き覚えがあるのではないか。ドラッケンミラー氏による量的緩和デフレ元凶論である。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

まったく同じことが起きているのだが、誰も歴史から学ばない。状況を理解しているのは著名投資家など極一部の人間だけである。ギルダーの場合はどうなったか? ダリオ氏の説明を最後まで聞いてみよう。


銀行からの逃避とギルダーからの逃避が戦争の最中に加速し、オランダの敗戦が濃厚になると銀行は更に紙幣を印刷しギルダーの価値を薄めなければならなくなると予想された。

ギルダーは貴金属の裏付けがあったが、ギルダーの供給が増加すると状況を理解した投資家たちはギルダーの金と銀への交換を要求した。金と銀へ交換要求は結局アムステルダム銀行の貴金属の貯蔵が空になるまで続いたのである。ギルダーの供給は増え続け、需要は減り続けた。

そうして世界初の基軸通貨となったギルダーは暴落した。量的緩和によって暴落したのである。

結論

新型コロナで経済活動が失われたにもかかわらず、それを新たな経済活動で埋め合わせずに印刷した紙幣をばら撒いて埋め合わせようとしているアメリカや日本の政府を見ていると本当に頭が痛くなる。

•世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる

筆者の見方では、現代の量的緩和バブルの最期は道筋はギルダーと異なったものにはなるだろうが、本質的には同じことが起こるだろう。ちなみにドルにも円に貴金属の裏付けはないので、価値が暴落する時にはただ暴落するだけで、誰も何かと交換してくれたりはしない。ただの紙切れをただの紙切れと気付かずに持っている人間の責任ということである。

冷たいようだが、文句は是非政府に言ってもらいたいものである。しかし誰も言わない。だからあなたがたは政治家に騙され続けるのである。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

幸いにも投資家は金融市場を使って自衛をすることができる。損をするのは量的緩和の支持者だけにしてもらいたいものである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/121.html#c1

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
11. 中川隆[-12590] koaQ7Jey 2020年5月26日 14:56:21 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[10]

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨2020年5月23日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInにおけるブログでオランダ海洋帝国の繁栄と衰退について語っている。

•世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由

歴史的な部分は前回取り上げたので、今回はオランダ海洋帝国の通貨ギルダーがどのように世界初の基軸通貨となり、そしてどのように暴落していったのかに焦点を当てたい。

海洋帝国オランダ

ダリオ氏のオランダ海洋帝国とギルダーの説明から入ろう。


オランダはアメリカ新大陸からアジアにまで及ぶ帝国を築き上げた。彼らの作った世界初の主要な株式市場によってアムステルダムは世界でもっとも重要な金融センターになったのである。そしてオランダの通貨ギルダーは世界の国際取引の3分の1を担う世界初の国際的な基軸通貨となった。

オランダ人はたった100万か200万の人口でこれをやり遂げたのである。

前回の記事で説明したが、株式市場と優れた船舶という技術革新がどれほど凄かったかということである。

しかし第1次英蘭戦争、北方戦争、第2次英蘭戦争、仏蘭戦争、第3次英蘭戦争などいくつもの戦争を経験するにつれてオランダ海洋帝国の国力は衰退、1780年の第4次英蘭戦争でイギリスの優位が決定的となる。ダリオ氏は第4次英蘭戦争についてこのように説明している。


この戦争はオランダと当時力を増していたイギリスとの戦争で、オランダがアメリカの独立を支援したことへの報復戦争である。結果はオランダの大敗となり、戦費とその後の平和がオランダの通貨ギルダーが基軸通貨としての地位を失うことに繋がった。

ギルダーの衰退についてもう少し詳しくダリオ氏の説明を見てみよう。


18世紀にはオランダの債務負担は大きくなっていたが、ギルダーはまだ基軸通貨として世界中で使われていた。この時点でギルダーを支えていたのは利便性と信用だけだった。(先に説明したように、基軸通貨の地位は覇権国の他の要素よりも遅れて衰退することが多い。)

既に負債だらけとなっていたオランダがギルダーに対して何の保証もできなかったことは明らかである。それでもギルダーは使われていた。これは既に紙切れになっているドルが未だに「信用」だけで人々に使われていることと同じである。

•世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

しかし日本円もそうだが、金本位制を捨てた後の紙幣は誰も何も保証しないただの紙切れである。「信用」とはこの場合、いかに人々が騙されているかを示しているに過ぎない。それは紙幣をゴールドと交換できた時代の余韻によってまだ使われているだけなのである。

世界初の基軸通貨の最期

さて、そのギルダーもとうとう使われなくなる時代がやってくる。ダリオ氏はこう続ける。


オランダが貿易で競争力を失うにつれて増加する債務の支払いがオランダ経済を圧迫し始めた。海外事業からの収益も減り始めた。オランダの富裕層は資金を海外に移し始め、オランダへの投資から成長率と金利のより高いイギリスへの投資にシフトし始めた。

これもアメリカ人やヨーロッパ人が新興国への投資へシフトしていることに似ている。そして新興国経済とはその大半が中国である。

•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる

ギルダーの終わりのきっかけとなったのはオランダ東インド会社の崩壊である。


一番重要なのは、第4次英蘭戦争が東インド会社の収益力とバランスシートにとどめを刺したことである。東インド会社は既に競争力を失っていたが、イギリスがオランダの海岸とオランダ東インドを封鎖したことで貿易が崩壊すると、それは東インド会社にとって破綻の危機となった。

オランダ東インド会社は第4次英蘭戦争で巨額の損失を計上すると、(訳注:公営の)アムステルダム銀行から巨額の借金を借り始めた。東インド会社がオランダ政府にとってあまりに重要だったからである。

これは現在の状況で言えば株式市場が重要すぎて崩壊させられないので量的緩和で支えるというところだろうか。しかしそれを崩壊させなければ単に別のところで破綻が起きるだけである。それは初めから分かっているにもかかわらず、人々は同じ間違いを何度でも繰り返す。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

しかし個別の歴史には個別の道がある。オランダ海洋帝国の場合はこうだった。ダリオ氏は続けて説明する。


アムステルダム銀行の預金者は銀行が新たに印刷したギルダーをオランダ東インド会社に「貸している」ことに気付くと、アムステルダム銀行で取り付け騒ぎが起きた。投資家が資金を引き出し始め、紙幣よりもゴールドが好まれた。現金を持っている者はアムステルダム銀行でそれをゴールドに交換しようとしたが、十分なゴールドがないことが明らかになった。

「新たに印刷したギルダーでゾンビ企業を生きながらえさせる」と言い換えるとここの読者は聞き覚えがあるのではないか。ドラッケンミラー氏による量的緩和デフレ元凶論である。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

まったく同じことが起きているのだが、誰も歴史から学ばない。状況を理解しているのは著名投資家など極一部の人間だけである。ギルダーの場合はどうなったか? ダリオ氏の説明を最後まで聞いてみよう。


銀行からの逃避とギルダーからの逃避が戦争の最中に加速し、オランダの敗戦が濃厚になると銀行は更に紙幣を印刷しギルダーの価値を薄めなければならなくなると予想された。

ギルダーは貴金属の裏付けがあったが、ギルダーの供給が増加すると状況を理解した投資家たちはギルダーの金と銀への交換を要求した。金と銀へ交換要求は結局アムステルダム銀行の貴金属の貯蔵が空になるまで続いたのである。ギルダーの供給は増え続け、需要は減り続けた。

そうして世界初の基軸通貨となったギルダーは暴落した。量的緩和によって暴落したのである。

結論

新型コロナで経済活動が失われたにもかかわらず、それを新たな経済活動で埋め合わせずに印刷した紙幣をばら撒いて埋め合わせようとしているアメリカや日本の政府を見ていると本当に頭が痛くなる。

•世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる

筆者の見方では、現代の量的緩和バブルの最期は道筋はギルダーと異なったものにはなるだろうが、本質的には同じことが起こるだろう。ちなみにドルにも円に貴金属の裏付けはないので、価値が暴落する時にはただ暴落するだけで、誰も何かと交換してくれたりはしない。ただの紙切れをただの紙切れと気付かずに持っている人間の責任ということである。

冷たいようだが、文句は是非政府に言ってもらいたいものである。しかし誰も言わない。だからあなたがたは政治家に騙され続けるのである。

•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

幸いにも投資家は金融市場を使って自衛をすることができる。損をするのは量的緩和の支持者だけにしてもらいたいものである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c11

[番外地7] 馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。
今起こった事を診て、誰が得をして誰が損をしたのか?
それは資本家が得して労働者が損したに決まってるよ。
マルクスの資本主義批判の通りに世界は動いている。
馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。
馬渕先生は資本主義がどういうものか、共産主義がどういうものか、が全くわかっていないんだ。

資本主義とは何か

資本主義とは公共の債券および株式の市場のことである。もちろん生産活動はそれより前にも存在したが、それは資本主義ではない。

貿易も存在したが、それは資本主義ではない。

個人の所有権も存在したが、それは資本主義ではない。資本主義とは、大勢の人々が共同してお金を貸し、営業活動の所有権を買うことのできる仕組みのことである。

オランダ人は公共の場で株式を取引できる世界初の株式会社、つまりオランダ東インド会社を作り、世界初の株式市場を作り、世界初の効率的に借金のできる金融システムを作ったとき、資本主義を発明したのである。株式会社とは、新しい事業を始めたい起業家に事業を始めるお金がない場合、投資家が出資をして事業を可能にする仕組みのことだが、株式会社が存在する前までは事業アイデアと資金の両方が事業家本人になければ事業は難しかったのである。この革新的なアイデアは当然ながらオランダのGDPを爆発的に増加させた。株式がなければ不可能だった多くの事業が可能になったからである。

▲△▽▼

利子付き国債の発行はこれだけ貧富の差を拡大する
バブル崩壊で勝ったのは国債だけだったという事実

最も「勝ち組」の投資は日本国債だった
現実に1990年台バブル崩壊で「1円も損をせず」「元金が7倍以上になった」のは日本国債を買った人だけだった。バブルの頃は色々な投資がブームで、金銀、土地、ゴルフ会員権、株やピカソの絵、ハワイや湯沢の別荘が人気でした。これらの投資はその後のバブル崩壊で全て損をした筈で、保険や年金商品ですら政府の方針でカットされていました。そんな中で唯一バブル崩壊の影響をまったく受けなかった投資商品が「日本国債」で、日本国債が危ないという定説とは真逆の結果です。

1980年に日本国債を購入した人は、30年後の2010年に7倍に増えていて、もし最初に1000万円なら7000万円、100万円でも700万円に増えていたのです。バブル崩壊も阪神大震災も福島原発もリーマンショックもすべて無関係で、1980年台に買っていさえすれば誰でも7倍になったのです。

では日本国債を買う以外でこの30年間に投資で資産を7倍にした人がどれだけ居たか、聞くまでもなくほとんど居ないはずです。

________

れいわ新選組 大西つねき : 資本主義がダメな理由
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/766.html

れいわ新選組 大西つねき : 資本主義の仕組みは既に破綻している
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/658.html
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/651.html

[番外地7] 馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。 中川隆
1. 中川隆[-12589] koaQ7Jey 2020年5月26日 17:41:01 : MZ7lZTlAXs : U1VqUlg4TFg3c1k=[11]
今起こった事を診て、誰が得をして誰が損をしたのか?
それは資本家が得して労働者が損したに決まってるよ。
マルクスの資本主義批判の通りに世界は動いている。
馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。
馬渕先生は資本主義がどういうものか、共産主義がどういうものか、が全くわかっていないんだ。

資本主義とは何か

資本主義とは公共の債券および株式の市場のことである。もちろん生産活動はそれより前にも存在したが、それは資本主義ではない。

貿易も存在したが、それは資本主義ではない。

個人の所有権も存在したが、それは資本主義ではない。資本主義とは、大勢の人々が共同してお金を貸し、営業活動の所有権を買うことのできる仕組みのことである。

オランダ人は公共の場で株式を取引できる世界初の株式会社、つまりオランダ東インド会社を作り、世界初の株式市場を作り、世界初の効率的に借金のできる金融システムを作ったとき、資本主義を発明したのである。株式会社とは、新しい事業を始めたい起業家に事業を始めるお金がない場合、投資家が出資をして事業を可能にする仕組みのことだが、株式会社が存在する前までは事業アイデアと資金の両方が事業家本人になければ事業は難しかったのである。この革新的なアイデアは当然ながらオランダのGDPを爆発的に増加させた。株式がなければ不可能だった多くの事業が可能になったからである。

▲△▽▼

利子付き国債の発行はこれだけ貧富の差を拡大する
バブル崩壊で勝ったのは国債だけだったという事実

最も「勝ち組」の投資は日本国債だった
現実に1990年台バブル崩壊で「1円も損をせず」「元金が7倍以上になった」のは日本国債を買った人だけだった。バブルの頃は色々な投資がブームで、金銀、土地、ゴルフ会員権、株やピカソの絵、ハワイや湯沢の別荘が人気でした。これらの投資はその後のバブル崩壊で全て損をした筈で、保険や年金商品ですら政府の方針でカットされていました。そんな中で唯一バブル崩壊の影響をまったく受けなかった投資商品が「日本国債」で、日本国債が危ないという定説とは真逆の結果です。

1980年に日本国債を購入した人は、30年後の2010年に7倍に増えていて、もし最初に1000万円なら7000万円、100万円でも700万円に増えていたのです。バブル崩壊も阪神大震災も福島原発もリーマンショックもすべて無関係で、1980年台に買っていさえすれば誰でも7倍になったのです。

では日本国債を買う以外でこの30年間に投資で資産を7倍にした人がどれだけ居たか、聞くまでもなくほとんど居ないはずです。

________

れいわ新選組 大西つねき : 資本主義がダメな理由
https://www.youtube.com/watch?v=iKP_cr7KdwM&feature=emb_title

2018.7.16「資本主義がダメな理由」大西つねきの週刊動画コラムvol.35
https://www.youtube.com/watch?v=iKP_cr7KdwM&feature=emb_title
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/651.html#c1

[番外地7] それで正論やチャンネル桜はデマしか言わないんだね(納得)
それで正論やチャンネル桜はデマしか言わないんだね(納得)
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/652.html
[近代史4] 金日成の正体
金日成の正体


2020年05月26日
今も行っている北朝鮮の拉致 始めたのは戦前の金日成だった


金日成は満州で拉致を繰り返し、ソ連はこのテロリストを「建国の父」に仕立て上げた

引用:http://s00.yaplakal.com/pics/pics_original/1/3/1/3905131.jpg


北朝鮮は小泉訪朝以降も、中朝国境や訪問してくる外国人を拉致しています。

この拉致事業を始めたのは「建国の父」の金日成で、1935年ごろには既に行っていました。


今も中国国境で拉致

北朝鮮による拉致といえば日本の行方不明者が有名ですが、小泉訪朝から公式には(?)やっていない事になっています。

だが北朝鮮は現在も外国人拉致を行っていて、金正日から金正恩に代替わりしても変わっていない。

拉致を最初に始めたのは戦前の1930年代と見られ、金日成は中国に潜伏してテロリストとして活動していました。

2016年になって韓国では、中朝国境付近を訪問した韓国人2人が、北朝鮮に拉致された疑いが強まっています。

韓国外交部は5月17日、元脱北者2人が中国吉林省和龍市で、失踪または拉致されたと発表しました。

脱北者の多くは北に親族を残しており、連絡を取ろうとしたり、送金しようとするケースがあります。


中には再び北に潜入して家族を呼び寄せようとして捕まる人も、居るとみられます。

韓国では北朝鮮に拉致された人は「自分の意思で行ったスパイ」といいう見方を、政府が国民に植え付けようとしています。

家族が拉致された人は、「北のスパイ」のレッテルを貼られ、救済どころかバッシングの対象になっています。


拉致された韓国人の中には、洗脳や教育によってスパイになり、韓国に戻ってスパイ活動をした者も居るとされています。

北朝鮮にとって韓国人拉致は、韓国にスパイを送り込むための効果的な方法であり、辞める気はありません。

韓国側はより一層拉致被害者を疑い、家族ごと社会から排除しようとしています。

北に遊びに来た若者を拘束

2016年2月に、2004年に中国に旅行に出かけたアメリカ人が失踪した事件で、北朝鮮が拉致していたらしいのが判明しました。

中国側は「登山中に崖から落ちた」という説明をしていたが、家族が現地で確かめにところ、そんな事実はなかった。

中国公安は北朝鮮の求めに応じて、脱北者などを引き渡しているが、一緒に引き渡した可能性があります。


中国側には多くの朝鮮族が住んでいるので、北朝鮮の工作員も活動していて、危険地帯とされています。

最近では中国から北に旅行に来た外国人を、そのまま拘束するパターンが確認されています。

日本人の数人も自分の意思で旅行のつもりで訪朝し、そのまま拘束された人が居ると考えられています。


中国から訪問する人を拘束する理由は、北朝鮮に入国した記録が残らないからだと推測できます。

中国と北朝鮮を往復する飛行機は中国と北の航空会社だけなので、両国が黙っていれば訪朝記録は残りません。

北朝鮮入りはパスポートにも記録されず、専用の入国手帳を北が発行しています。


搭乗ゲートも他の路線とは別の専用の乗り場で、北行きの飛行機に乗った記録が残らないようにしています。

北は時おり、拘束した欧米人をテレビカメラの前に引っ張り出して、取り引きの道具に利用しています。

こうした拉致を始めたのは、北朝鮮の最初の書記長の金日成で、建国する前でした。

拉致は建国前からやっていた

金日成は1912年生まれで、父親と祖父はキリスト教徒で反日活動をしていました。

家族は満州に移住し、金日成は小学校を卒業し中学校にも通っていたから、当時としては恵まれていた。

なお戦前の中学校は現在の高校なので、金日成は中学を卒業して高校にも通っていた事になります。


親の影響で反日活動にのめり込み、過激派組織に入ったりして退学になり、抗日武装団というテログループのメンバーになった。

抗日活動とは要するに、日本人を襲って金を奪ったり、拉致して金品を要求する事で、現在のイスラム国と同じです。

金日成は襲撃や拉致がうまく、やがて抗日グループに知れ渡り、ソ連にも知られる存在になりました。


金日成ら抗日集団の規模は200人ほどで、「抗日戦争」を自称しているが、実際には公式や戦闘は一度もしませんでした。

日本軍と公安が取り締まりに本腰を入れると、あっという間に抗日武装団は壊滅し、終戦までソ連に逃げ込みました。

これが北朝鮮建国前史で、アメリカが韓国を建国すると、対抗上ソ連は北朝鮮を建国し、「飼い犬」の金日成を指導者にしました。

http://www.thutmosev.com/archives/60188305.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/909.html

[番外地7] 細菌戦「731部隊」の新資料発見 「ないはず」の戦後公文書 細菌生産を明記
細菌戦「731部隊」の新資料発見 「ないはず」の戦後公文書 細菌生産を明記
京都新聞社 2020/02/07
© 京都新聞社 関東軍防疫給水部行動経過概況図の実寸複写と西山名誉教授
 第2次世界大戦中に細菌戦の準備を進めた旧関東軍防疫給水部(731部隊)について、戦後に日本政府が作成した公文書が6日までに、発見された。京都帝大などから派遣された医師らが人体実験を行ったとされる731部隊について、政府はこれまで国会で政府内に「活動詳細の資料は見当たらない」と答弁をしており、発見した西山勝夫滋賀医大名誉教授は「まだまだ731部隊に関係する資料が埋もれている可能性がある」と話している。
 発見された公文書は戦後5年目の1950年9月に厚生省(現・厚生労働省)復員局留守業務第三課が作成した「資料通報(B)第50号 関東軍防疫給水部」との文書。西山名誉教授が昨年11月、国立公文書館から開示決定を受けた。文書は計4ページあるが、もっと分厚い資料の一部だった可能性がある。戦後中ソに取り残された元731部隊の軍医や軍人らの状況を把握するために作成された資料で、「関東軍防疫給水部の特異性 前職に依る(サ)関係者が多い」と書かれている。

 うち1枚は「関東軍防疫給水部行動経過概況図」と題された縦約90センチ、横約60センチある大きな図面。「防給本部」について「部隊長 石井四郎中将以下約1300人内外 本部は開戦と共に全部を揚げて北鮮方面に移動すべく」などと満州(現・中国東北部)から日本に帰国するまでの経路が図説され、本部第一部が細菌研究、第四部が細菌生産などと部隊構成も記載されている。
 図は大連支部や牡丹江支部、ペスト防疫部隊など、関東軍防疫給水部の各支部がソ連参戦時にどういう部隊構成だったか、武装解除や敗走経路、ソ連に抑留された人数や指揮官の氏名、中国側に残留している人数なども記載している。731部隊はハルビン近郊にあった本部と実験施設を爆破し研究資料も廃棄処分したとされるが、撤退の経路が日本側公文書で裏付けられるのは初。731部隊の本部では日本に帰国し、戦後の医学界や製薬会社で活躍した人物が多いが、今回の資料で各支部は混乱した状況だったことも明らかになった。
 731部隊の生体実験やペスト菌散布などを示す戦時中に作成された文書や論文は国内や中国で発掘が相次ぎ、占領期に米国が石井元731部隊長や解剖した医学者らに尋問した調書も機密開示されているが、戦後に日本政府は731部隊について「調査しない」との見解を繰り返しており、公文書が存在した意義は大きい。

 日本政府は、731部隊のペスト菌散布を裏付ける金子軍医少佐論文(1943年付)が国会図書館関西館(精華町)で発見された際も、2012年の国会答弁で「政府内部に資料が見当たらないのが実態」と答弁している。

http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/653.html

[番外地7] 馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。 中川隆
2. 中川隆[-12588] koaQ7Jey 2020年5月27日 06:35:59 : YqmpzsoafI : VFRRMlhTUnBLZ3M=[1]
今起こった事を診て、誰が得をして誰が損をしたのか?
それは資本家が得して労働者が損したに決まってるよ。
マルクスの資本主義批判の通りに世界は動いている。
馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。
馬渕先生は資本主義がどういうものか、共産主義がどういうものか、が全くわかっていないんだ。

資本主義とは何か

資本主義とは公共の債券および株式の市場のことである。もちろん生産活動はそれより前にも存在したが、それは資本主義ではない。

貿易も存在したが、それは資本主義ではない。

個人の所有権も存在したが、それは資本主義ではない。資本主義とは、大勢の人々が共同してお金を貸し、営業活動の所有権を買うことのできる仕組みのことである。

オランダ人は公共の場で株式を取引できる世界初の株式会社、つまりオランダ東インド会社を作り、世界初の株式市場を作り、世界初の効率的に借金のできる金融システムを作ったとき、資本主義を発明したのである。株式会社とは、新しい事業を始めたい起業家に事業を始めるお金がない場合、投資家が出資をして事業を可能にする仕組みのことだが、株式会社が存在する前までは事業アイデアと資金の両方が事業家本人になければ事業は難しかったのである。この革新的なアイデアは当然ながらオランダのGDPを爆発的に増加させた。株式がなければ不可能だった多くの事業が可能になったからである。

▲△▽▼

利子付き国債の発行はこれだけ貧富の差を拡大する
バブル崩壊で勝ったのは国債だけだったという事実

最も「勝ち組」の投資は日本国債だった
現実に1990年台バブル崩壊で「1円も損をせず」「元金が7倍以上になった」のは日本国債を買った人だけだった。バブルの頃は色々な投資がブームで、金銀、土地、ゴルフ会員権、株やピカソの絵、ハワイや湯沢の別荘が人気でした。これらの投資はその後のバブル崩壊で全て損をした筈で、保険や年金商品ですら政府の方針でカットされていました。そんな中で唯一バブル崩壊の影響をまったく受けなかった投資商品が「日本国債」で、日本国債が危ないという定説とは真逆の結果です。

1980年に日本国債を購入した人は、30年後の2010年に7倍に増えていて、もし最初に1000万円なら7000万円、100万円でも700万円に増えていたのです。バブル崩壊も阪神大震災も福島原発もリーマンショックもすべて無関係で、1980年台に買っていさえすれば誰でも7倍になったのです。

では日本国債を買う以外でこの30年間に投資で資産を7倍にした人がどれだけ居たか、聞くまでもなくほとんど居ないはずです。
__________

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw&feature=emb_title

2001年 続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来"
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY&feature=emb_title

2018.7.16「資本主義がダメな理由」大西つねきの週刊動画コラムvol.35
https://www.youtube.com/watch?v=iKP_cr7KdwM&feature=emb_title
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/651.html#c2

[番外地7] 馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。 中川隆
3. 中川隆[-12587] koaQ7Jey 2020年5月27日 06:42:04 : YqmpzsoafI : VFRRMlhTUnBLZ3M=[2]
今起こった事を診て、誰が得をして誰が損をしたのか?
それは資本家が得して労働者が損したに決まってるよ。
マルクスの資本主義批判の通りに世界は動いている。
馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。
馬渕先生は資本主義がどういうものか、共産主義がどういうものか、が全くわかっていないんだ。

資本主義とは何か

資本主義とは公共の債券および株式の市場のことである。もちろん生産活動はそれより前にも存在したが、それは資本主義ではない。

貿易も存在したが、それは資本主義ではない。

個人の所有権も存在したが、それは資本主義ではない。資本主義とは、大勢の人々が共同してお金を貸し、営業活動の所有権を買うことのできる仕組みのことである。

オランダ人は公共の場で株式を取引できる世界初の株式会社、つまりオランダ東インド会社を作り、世界初の株式市場を作り、世界初の効率的に借金のできる金融システムを作ったとき、資本主義を発明したのである。株式会社とは、新しい事業を始めたい起業家に事業を始めるお金がない場合、投資家が出資をして事業を可能にする仕組みのことだが、株式会社が存在する前までは事業アイデアと資金の両方が事業家本人になければ事業は難しかったのである。この革新的なアイデアは当然ながらオランダのGDPを爆発的に増加させた。株式がなければ不可能だった多くの事業が可能になったからである。

▲△▽▼

利子付き国債の発行はこれだけ貧富の差を拡大する
バブル崩壊で勝ったのは国債だけだったという事実

最も「勝ち組」の投資は日本国債だった
現実に1990年台バブル崩壊で「1円も損をせず」「元金が7倍以上になった」のは日本国債を買った人だけだった。バブルの頃は色々な投資がブームで、金銀、土地、ゴルフ会員権、株やピカソの絵、ハワイや湯沢の別荘が人気でした。これらの投資はその後のバブル崩壊で全て損をした筈で、保険や年金商品ですら政府の方針でカットされていました。そんな中で唯一バブル崩壊の影響をまったく受けなかった投資商品が「日本国債」で、日本国債が危ないという定説とは真逆の結果です。

1980年に日本国債を購入した人は、30年後の2010年に7倍に増えていて、もし最初に1000万円なら7000万円、100万円でも700万円に増えていたのです。バブル崩壊も阪神大震災も福島原発もリーマンショックもすべて無関係で、1980年台に買っていさえすれば誰でも7倍になったのです。

では日本国債を買う以外でこの30年間に投資で資産を7倍にした人がどれだけ居たか、聞くまでもなくほとんど居ないはずです。
__________

資本主義経済は、需要が供給より大きく物価が上がり続けるインフレ経済の時代にしか機能しない欠陥経済体制なのです。 現在の様な内需が壊滅した時代に利子や配当で資産家だけが儲けられる時代ではマルクスが預言した階級社会になってしまいます:

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw&feature=emb_title

2001年 続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来"
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY&feature=emb_title

2018.7.16「資本主義がダメな理由」大西つねきの週刊動画コラムvol.35
https://www.youtube.com/watch?v=iKP_cr7KdwM&feature=emb_title
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/651.html#c3

[番外地7] 馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。 中川隆
4. 中川隆[-12586] koaQ7Jey 2020年5月27日 06:57:33 : YqmpzsoafI : VFRRMlhTUnBLZ3M=[3]
今起こった事を診て、誰が得をして誰が損をしたのか?
それは資本家が得して労働者が損したに決まってるよ。
マルクスの資本主義批判の通りに世界は動いている。
馬渕先生が主張している グローバリズム=共産主義 なんか大嘘だよ。
馬渕先生は資本主義がどういうものか、共産主義がどういうものか、が全くわかっていないんだ。

資本主義とは何か

資本主義とは公共の債券および株式の市場のことである。もちろん生産活動はそれより前にも存在したが、それは資本主義ではない。

貿易も存在したが、それは資本主義ではない。

個人の所有権も存在したが、それは資本主義ではない。資本主義とは、大勢の人々が共同してお金を貸し、営業活動の所有権を買うことのできる仕組みのことである。

オランダ人は公共の場で株式を取引できる世界初の株式会社、つまりオランダ東インド会社を作り、世界初の株式市場を作り、世界初の効率的に借金のできる金融システムを作ったとき、資本主義を発明したのである。株式会社とは、新しい事業を始めたい起業家に事業を始めるお金がない場合、投資家が出資をして事業を可能にする仕組みのことだが、株式会社が存在する前までは事業アイデアと資金の両方が事業家本人になければ事業は難しかったのである。この革新的なアイデアは当然ながらオランダのGDPを爆発的に増加させた。株式がなければ不可能だった多くの事業が可能になったからである。

▲△▽▼

利子付き国債の発行はこれだけ貧富の差を拡大する
バブル崩壊で勝ったのは国債だけだったという事実

最も「勝ち組」の投資は日本国債だった
現実に1990年台バブル崩壊で「1円も損をせず」「元金が7倍以上になった」のは日本国債を買った人だけだった。バブルの頃は色々な投資がブームで、金銀、土地、ゴルフ会員権、株やピカソの絵、ハワイや湯沢の別荘が人気でした。これらの投資はその後のバブル崩壊で全て損をした筈で、保険や年金商品ですら政府の方針でカットされていました。そんな中で唯一バブル崩壊の影響をまったく受けなかった投資商品が「日本国債」で、日本国債が危ないという定説とは真逆の結果です。

1980年に日本国債を購入した人は、30年後の2010年に7倍に増えていて、もし最初に1000万円なら7000万円、100万円でも700万円に増えていたのです。バブル崩壊も阪神大震災も福島原発もリーマンショックもすべて無関係で、1980年台に買っていさえすれば誰でも7倍になったのです。
__________

資本主義経済は、需要が供給より大きく物価が上がり続けるインフレ経済の時代にしか機能しない欠陥経済体制なのです。 現在の様な内需が壊滅した時代になっても、利子や配当で資産家だけが儲けられる体制を続けるとマルクスが預言した階級社会になってしまいます:

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw&feature=emb_title

2001年 続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来"
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY&feature=emb_title

2018.7.16「資本主義がダメな理由」大西つねきの週刊動画コラムvol.35
https://www.youtube.com/watch?v=iKP_cr7KdwM&feature=emb_title
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/651.html#c4

[リバイバル3] 川遊び中、流されたサンダルを取りに行き流される
川遊び中、流されたサンダルを取りに行き流される


386底名無し沼さん (ワッチョイ 1751-f9J/ [118.240.228.158])2020/05/26(火) 13:36:59.06ID:Vm2h7R0I0

男性死亡…友人と川遊び中、流されたサンダルを取りに行き男性も流される 水深2・6メートル/長瀞 2020/5/26(火) 8:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/6706fcd6f9bebc336972ad450ea74b2cbe121942


長瀞の荒川で専門学生が死亡

 25日午前8時ごろ、埼玉県長瀞町長瀞の荒川で、桶川市川田谷、専門学校生原幸太郎さん(20)の遺体が見つかった。24日午後、川遊びをしていた男性から「流されたサンダルを取りに行った友人が流された」と119番があり、消防のダイバーらが捜索していた。

川に流された息子…助けようとした母親、溺れ死亡 息子は無事 カヌー男性が助けるも母親の意識なく/寄居

 秩父署によると、原さんは小中学校の同級生などの友人6人と一緒に、「長瀞ラインくだり」の船着き場付近で川遊びをしていて、自分のサンダルを取りにいった。遊んでいた場所の水深は約50センチだったが、発見現場は約2・6メートルだった。同署は死因などを詳しく調べている。


毎年、5−6人は死んでる。
一番多いのが宝登山下山後の、岩畳から滑落で川流れ
低山でも意外と登山後気を緩めてパンパカ多い場所


428底名無し沼さん (ワッチョイ a670-vdj3 [121.86.122.32])2020/05/26(火) 23:55:47.15ID:WuVpDYCr0
>>386
川は浮かないし流れがあるから危険なんよな
深い川で遊ぶのは自殺と一緒だよ
それに水の力って流れが速ければ浅くても強いし

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1056.html

[近代史4] 川で水死
川で水死


川遊び中、流されたサンダルを取りに行き流される
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1056.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/910.html

[リバイバル3] ドイツ OCTAVE社の真空管アンプ 中川隆
5. 中川隆[-12585] koaQ7Jey 2020年5月27日 07:59:28 : YqmpzsoafI : VFRRMlhTUnBLZ3M=[4]

OCTAVE MRE130 真空管モノラルパワーアンプ 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12599766608.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/946.html#c5
[近代史5] ペスト(黒死病)がイギリスの「パブ文化」を育てた
2020年05月26日
ペスト(黒死病)がイギリスの「パブ文化」を育てた
https://gigazine.net/news/20200526-black-death-british-pub-culture/


人類は過去何度も感染症の流行に襲われ、多くの人が亡くなってきていますが、現代まで受け継がれる文化の中には、感染症の流行によって形作られたものもあります。イギリスの文化の1つである「パブ」もまた、ペストの流行をきっかけに作られていきました。

How the Black Death Gave Rise to British Pub Culture - Gastro Obscura
https://www.atlasobscura.com/articles/what-is-the-oldest-pub

イギリス最古のパブの1つといわれる「Ye Olde Fighting Cocks」(イエ・オールド・ファイティング・コックス)は、ハートフォードシャー州のセント・オールバンズという歴史ある町に存在します。イギリスでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を受けて各都市でロックダウンが実施されており、イエ・オールド・ファイティング・コックスも閉鎖を余儀なくされましたが、閉鎖期間中のパブは高齢者に食料品を配達するなど、地域コミュニティの一部として機能しているとのこと。時にはイギリスの伝統的な食事「サンデーロースト」を作って配達するというアイデアは、店主のトファリさんによると、「パブの歴史」からインスピレーションを受けたそうです。


by Matt Brown

イギリスで感染症の大流行が起こったのは、COVID-19が初めてではありません。感染者の皮膚が内出血で黒変することから、「黒死病」と呼ばれるペストが14世紀ヨーロッパを襲った際は、世界人口の20%以上が死亡したといわれています。

ペストは1348年にイギリスの南海岸で感染者が確認され、1349年には多くに人が感染症の流行で亡くなりました。中世の歴史について研究しているNorman Cantor氏によると、ペストの流行に対して人々はなすすべがなく、貴族や富裕層も多くが死亡しました。当時、イギリスとフランスは100年戦争のさなかでしたが、ペストの流行は戦争を一時的に停止させるほどの威力でした。ペストは繰り返しヨーロッパを襲い、少なくとも1世紀中に3回の波があったといわれています。


イギリスに大打撃を与えたペストですが、歴史家のRobert Tombs氏によると、ペストの存在が、イギリス文化の1つである「パブ」を台頭させた側面を持つとのこと。

ペストが流行した1348年当時、イギリスでは既に「ビールを飲む」という行為が根付いていました。しかし、ペスト流行前のイギリスにおいて、ビールは家庭で醸造されたものが主流で、結婚式や教会の集まりなどで、各々が作ったビールの一種エールが振る舞われ、みんなで騒ぐといった飲み方が一般的でした。このため、特にエールの標準などはなかったそうです。


by Michael Fajardo

しかし、ペストによって人口の半分ほどの人が亡くなったため、1370年までに人材の不足が起こりました。このため農家の賃金が上がり、人々は高い生活水準を保てるようになったとのこと。この結果、それまで残り物のエールを売っていた一般家庭が商業化され、ビールや食べ物を販売する恒久施設に変化しました。

ペスト流行を生き抜いた人々は食べ物・着る物・燃料・家庭用品に対する支出を重視するようになり、より質のよいエールや食事にお金を費やし、肉や乳製品を消費するようになりました。また可処分所得が増加したことで余暇に使うお金も増えたとのこと。このような要因により、パブの文化が創り出されていったわけです。

もちろん、全てのパブが現代のパブのような形だったわけではなく、多くは「ビールを醸造する民家の一部」に近い形でした。しかし、時間とお金に余裕ができた農民がよりよい食事やビールを楽しみ、醸造が商業化されていったことで、この時代にビールとゲームを楽しむための「タヴァン」や「エールハウス」、そして宿泊場所とビールを提供する「イン」という「英国パブの精神」が作られたそうです。

イン・タヴァン・エールハウスの3つは、時間の経過と共に「パブリックハウス(公共の家)」として、1つのコミュニティに統合されていき、当局によって規制されるようになります。今日のイギリスで見られるパブはエールハウスが持っていた「コミュニティ」という側面と、「イン」の建築、夜にゆっくりと仲間と過ごす「タヴァン」の文化という、3つの遺産を受け継ぐものとのこと。



イギリスにとってパブはビールを売るだけの場所ではなく、イギリス文化を形作る重要な部分となっています。地域住民への食料配達を続けるイエ・オールド・ファイティング・コックスのトファリさんは、「戦争やパニック、感染症の流行があっても、私たちは何世紀にもわたって酒と食料を提供してきました」「今後も最善を尽くし、正しいことを行います」と語っています。また、ロックダウンによって閉鎖を余儀なくされ、いつお店を再開できるかわからないまま、家賃だけを払い続けているという他のパブでも、「バーチャル・トリビア・ナイト」を開催するなど、別の方法で地域の人々と関わる方法を模索しているそうです。

https://gigazine.net/news/20200526-black-death-british-pub-culture/

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/128.html

[近代史4] 人口減少で景気は良くなる 中川隆
3. 中川隆[-12584] koaQ7Jey 2020年5月27日 08:20:31 : YqmpzsoafI : VFRRMlhTUnBLZ3M=[5]
14世紀のイギリスではペストによって人口の半分ほどの人が亡くなったため、1370年までに人材の不足が起こりました。このため農家の賃金が上がり、人々は高い生活水準を保てるようになったとのこと。


人類は過去何度も感染症の流行に襲われ、多くの人が亡くなってきていますが、現代まで受け継がれる文化の中には、感染症の流行によって形作られたものもあります。イギリスの文化の1つである「パブ」もまた、ペストの流行をきっかけに作られていきました。

イギリスで感染症の大流行が起こったのは、COVID-19が初めてではありません。感染者の皮膚が内出血で黒変することから、「黒死病」と呼ばれるペストが14世紀ヨーロッパを襲った際は、世界人口の20%以上が死亡したといわれています。

ペストは1348年にイギリスの南海岸で感染者が確認され、1349年には多くに人が感染症の流行で亡くなりました。中世の歴史について研究しているNorman Cantor氏によると、ペストの流行に対して人々はなすすべがなく、貴族や富裕層も多くが死亡しました。当時、イギリスとフランスは100年戦争のさなかでしたが、ペストの流行は戦争を一時的に停止させるほどの威力でした。ペストは繰り返しヨーロッパを襲い、少なくとも1世紀中に3回の波があったといわれています。


イギリスに大打撃を与えたペストですが、歴史家のRobert Tombs氏によると、ペストの存在が、イギリス文化の1つである「パブ」を台頭させた側面を持つとのこと。
ペストが流行した1348年当時、イギリスでは既に「ビールを飲む」という行為が根付いていました。しかし、ペスト流行前のイギリスにおいて、ビールは家庭で醸造されたものが主流で、結婚式や教会の集まりなどで、各々が作ったビールの一種エールが振る舞われ、みんなで騒ぐといった飲み方が一般的でした。このため、特にエールの標準などはなかったそうです。


しかし、ペストによって人口の半分ほどの人が亡くなったため、1370年までに人材の不足が起こりました。このため農家の賃金が上がり、人々は高い生活水準を保てるようになったとのこと。この結果、それまで残り物のエールを売っていた一般家庭が商業化され、ビールや食べ物を販売する恒久施設に変化しました。

ペスト流行を生き抜いた人々は食べ物・着る物・燃料・家庭用品に対する支出を重視するようになり、より質のよいエールや食事にお金を費やし、肉や乳製品を消費するようになりました。また可処分所得が増加したことで余暇に使うお金も増えたとのこと。このような要因により、パブの文化が創り出されていったわけです。

もちろん、全てのパブが現代のパブのような形だったわけではなく、多くは「ビールを醸造する民家の一部」に近い形でした。しかし、時間とお金に余裕ができた農民がよりよい食事やビールを楽しみ、醸造が商業化されていったことで、この時代にビールとゲームを楽しむための「タヴァン」や「エールハウス」、そして宿泊場所とビールを提供する「イン」という「英国パブの精神」が作られたそうです。
イン・タヴァン・エールハウスの3つは、時間の経過と共に「パブリックハウス(公共の家)」として、1つのコミュニティに統合されていき、当局によって規制されるようになります。今日のイギリスで見られるパブはエールハウスが持っていた「コミュニティ」という側面と、「イン」の建築、夜にゆっくりと仲間と過ごす「タヴァン」の文化という、3つの遺産を受け継ぐものとのこと。
https://gigazine.net/news/20200526-black-death-british-pub-culture/
 
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/821.html#c3

[近代史4] 御用学者列伝 _ 伊藤隆敏・伊藤元重
御用学者列伝 _ 伊藤隆敏・伊藤元重


2020年05月27日
不幸の倍増を狙う官僚 / 増税をしたい財務省
黒木 頼景
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68811386.html


  日本国民が政府に対し、「デフレ経済からの脱却を!」と叫んでかなり久しい。平成の初めにバブル景気が崩壊すると、政治家の無策で日本経済はずっと低迷したままだ。昭和50年代から60年代にかけて青春を贈った世代と違い、平成の時代に青春を迎えた若者は、“清貧”とか“質素”という雰囲気で育った。ゆえに、親が楽しんだ“豊かさ”とは縁が無い。今更嘆いても仕方がないけど、左巻きのマスコミは当時、日銀の三重野康(みえの・やすし)総裁を「平成の鬼平」と持て囃していた。しかし、実際は「平成の必殺仕事人」なんじゃないか。三味線屋の「勇次(中条きよし)」なら、三味線の糸を悪党の首に巻き付け、ギュッと締め上げれば拍手喝采となるけど、三重野総裁は、善良な庶民に「金融引締」という糸を巻き付け、グイッと釣り上げたから土地成金も真っ青だ。首を絞められた一般人は、声も出せずにもがき苦しむ。この仕置屋家業の総裁は、公定歩合を3.75%から4.25%、そして5.25%に上げると、更に6%へと引き上げた。実際、破産や倒産で首を吊った人もいたから、日銀と大蔵省の役人は、チャールズ・マンソン(Charles Manson)よりも恐ろしい平成の「ハングマン」だ。(1980年代には「ザ・ハングマン」というTVドラマがあって、黒沢年雄や名高達郎が現代版の「必殺仕事人」を演じていた。マンソンは悪名高いカルト指導者で殺人鬼。)

  「官界」という天空に住む高級官僚は、どんなに庶民が苦しもうとも、自分達の方針に揺るぎない自信を持っており、消費税のアップでドンドン入ってくる税収を「自分の富」と思っている。信じられないけど、財務官僚は平民から集めた税金を“摑み銭”と考えているのだ。「公金というのは俺達の裁量で分配する分け前だ!」と豪語する官僚は、各省庁や民間企業に対し、「予算が欲しけりゃ跪け!」と言い放つ。ササン朝ペルシアのシャプール1世(Shaur the Great)じゃあるまいし、「何様のつもりだ?!」と言いたくなるが、財務官僚は笑みを浮かべ、「高等文官試験に合格した“お役人様”だよ! 」と答える。彼らの自慢は学歴で、水戸黄門みたいに「おいテメエら ! この銀時計が目に入らぬか !」と言い渡す。(今は「銀時計組」というのは無いけれど、役人の気持ちは昔のままである。) まぁ、狡猾な官僚から見れば、豪腕幹事長と呼ばれた小沢一郎や江沢民の傭兵だった二階俊博なんて、経済の基礎も解らぬ木偶の坊だ。(対日工作の責任者だった曾慶江なら笑みを浮かべて同意するだろう。それにしても、歴代の自民党幹事長はおぞましい。金丸信を筆頭に加藤紘一、野中広務、古賀誠、中川秀直、山崎拓、森喜朗、谷垣禎一と思い出しただけでも寒気がする。)

  何はともあれ、権力者の「お役人様」に付き従って有名になろうとするのが、曲学阿世のタカリ屋で経済学を生業とする大学教授だ。彼らは“お座敷”に呼ばれる藝者と同じで、旦那衆(高級官僚)から“お呼び”がかかれば、いつでも霞ヶ関に参上する。実質的には権威付けの道具にされるだけ、と判っているが、偉くなったような気分を味わえるので、ちぎれるほど尻尾を振ってしまうのだ。それに、気取った学者ほど権力に憧れてしまうので、評議員という魅力に抵抗できない。リベラル派を自認する学者ほど、「何とか委員会」というのが大好き。今回、武漢肺炎で疲弊した日本経済を再建すべく、政府は有識者会議を作ったが、「基本的対処方針等諮問委員会」のメンバーを見ると愕然とする。なんと、この会議の中には東京財団の研究員を務める“あの”小林慶一郎や大阪大学の大竹文雄教授が含まれているのだ。彼らは東北大震災が起きた後、復興増税を唱える東京大学の伊藤隆敏(いとう・たかとし)教授や伊藤元重(いとう・もとしげ)教授らに賛同した御仁である。両教授は「震災復興にむけての3原則」という提言書を発表し、この中で増税を掲げていた。まともな国民は言葉を失い、「えぇぇぇ〜、多くの人々が不幸のどん底にあるのに、新しい税金を拵えちゃうのぉ〜」と天を仰ぐが、権力に媚びた学者には赤い血が流れていないのだ。そこで、増税に関する彼らの言説を紹介したい。

  消費税は、資本も労働も、生産意欲を減退させにくい税であるから、経済成長に与える影響が軽微である。消費税を5%から10%に引き上げることで、現在の消費税収入を倍増させるとして、毎年約10兆円程度の収入増になる。消費増税は、消費意欲を減退させ、景気後退を招く、という批判がある。しかし、2つの意味で、この批判はあたらない。第一に、復興のための政府投資、民間投資がおこなわれるために、来年度は投資拡大が予想されている。消費が減退しても、投資拡大で、総需要としては相殺されるので景気悪化にはつながらない。第二に、消費税率の引き上げ後には、消費が落ち込むということが知られている。しかし、それは数ヶ月で回復するはずだ。

  この説明を読んだ商店のオバちゃんや工場のオヤジさんは、どう思うのか? おそらく、「えっ、これって本気で言ってるの?」と驚くだろう。渋谷で遊んでいる女子高生ならともかく、自分の店を切り盛りしている経営者は、こんな“セールス・トーク”に騙されない。個人商店のオヤジは、赤字になっても公的補助なんか貰えないから、日々、厳しい競争に曝されながらも絶え間ない努力で乗り切ろうと頑張っている。(財務省や経産省のボンクラ官僚は、岡野工業の岡野雅行社長みたいな苦労人を見習え ! ) ところが、永田町や霞ヶ関には、国民搾取しか思いつかない愚連隊ばかり。日本社会を転覆したい民主党は、大震災を口実に復興増税を実現し、左翼が求める「脱原発」にも応じていた。(というより、共犯者だから仕方がない。) これにより、日本各地の自然が破壊され、無駄な太陽光パネルが設置されると、電気料金に「再エネ発電促進賦課金」が上乗せだ。従うしかない個人や中小企業は、重税に苦しみながらも必死で堪えている。だが、この「悪法」は2040年くらいまで続くというから恐ろしい。「エルム街の悪夢」だって約二年で終了だったのに。(米国では1984年に劇場公開され、日本では1986に公開された。)

  安倍政権は国民搾取の「鞭打ち」と判っていながら、財務省と御用学者の言葉を信じて消費税を二度もアップ。伊藤隆敏や伊藤元重は握手を交わしてガッツポーズだ。今さら呆れてもしょうがないけど、東大の教授って、ホント「碌でなし」が多い。だいたい、消費税を上げたことによる景気低迷が、「数ヶ月」で回復する訳ないじゃないか ! 実際、消費税をアップしたら、見る見るうちに消費が低迷し、日本経済は奈落の底へと急降下。慌てた政府は、あれやこれやと全て武漢肺炎のせいにしているが、1月から3月期のGDPを調べてみれば一目瞭然。前年比で0.9%減、年率換算で3.4%のマイナス成長だった。したがって、消費増税が原因であることは明らか。ところが、もっと恐ろしいのは、4月から6月期に現れるGDP増減率である。只でさえ普段の仕事が止まっているんだから、個人の住宅購入とか企業の設備投資が増えることなど有り得ない。 新車の販売数なんか本当に悲惨だ。4月の国内販売台数(登録車+軽自動車+商用車)を見ると、トヨタが9万4318台(前年度同月比−20%)、ホンダが4万5006台(−19.5%)、ダイハツが3万6539台(−26.8%)となっている。

  そもそも、津波や地震で日本経済が大打撃を受けたのに、復興税を創設して更に国民を苦しめるなんて前代未聞だ。いったい、東大教授は何を考えているのか? 歐米の先進国ではとても考えられない。ところが、我が国には伊藤隆敏教授に賛同する学者がゾロゾロいた。伊藤教授は自分の研究室ホームページで賛同者のリストを載せているから、誰でも彼の「仲間」を知ることができる。ここで、賛同者が寄せたコメントの幾つかを紹介したい。

   清水 順子 (専修大学) 2011年5月25

 日々将来を担う大学生に講義をしている身として、震災国債を乱発して将来世代に 増税のツケを回してはいけないことを痛感しております。今こそが増税の必要性を 誰もが認め、覚悟を持ってそれを受け入れることのできる絶好の機会だとも考えております。また、電力削減手段の一つとして、CO2の排出権取引のように、市場の力を導入して 電力消費権をやり取りするという案も大賛成です。

   川ア 健太郎 (東洋大学) 2011年5月25

 「将来世代にツケを回さない」=「復興財源が増税」という経済学の示す「原則」が、広く国民に受け入れられるため、その説明責任が「政治」にあることは明らかです。現政権には、その責任を十二分に果たすことを切に願います。

  大来 洋一 (政策研究大学院大学) 2011年5月26日

 「増税は不人気」なのですが、最近では国民も復興のためなら受け入れる、という人が 多いように思います。義捐金と同じだ、と説得すれば容易なのに、政治家は何をおそれているのでしょうか。

  もう、スリッパで頭をひっぱたきたくなるが、日本の大学教授なんて、いくら試験秀才でも判断力は小学生以下だから、何を以て叱られているのか解らない。まさしく、蛙のツラに小便だ。ところが、自尊心だけは一丁前だからホント始末に悪い。ただし、彼らよりもっと悪質なのは、役人上がりの大学教授である。例えば、大阪大学教授や東京大学の客員教授、中央大学法科大学院の特任教授を歴任した森信茂樹(もりのぶ・しげき)は、特に酷い。現在、彼は東京財団政策研究所の研究主幹を務めているが、元々は財務省の官僚である。森信氏は武漢肺炎で疲弊した日本経済を分析し、政府がどのような経済対策を実施すべきか、世間に提案していた。しかし、その内容を庶民が読むと「えぇぇっ〜、こんな頭をしているのぉぉ〜」とビックリする。森信氏は言う。

  経済対策として、自民党の若手有志による議員連盟「日本の未来を考える勉強会」などは消費減税を提唱している。しかし、対策の緊急性、消費に与えるインパクト(経済効果)から考えれば、消費税減税より給付金で対応する方が、はるかに効果がある。消費税をひとたび減税すると、引き上げる時期を巡って政局になり、無駄な政治駆け引きやエネルギーが浪費される。消費税率の5%から10%への引き上げが、法律の成立した2012年8月から19年10月まで2度の延期とそのたびの選挙で、合計7年の年月を要したことは記憶に新しい。将来につけを回すような対応ではなく、最大限の経済効果を発揮する対策に限定すべきだ。(森信茂樹 「コロナショックには『消費減税』をしてはいけない4つの理由」 PRESIDENT Online、 2020年4月1日)

  さぁぁ〜すが、元財務官僚 !! 「消費減税、絶対反対 !」とは・・・・。まぁ、せっかく上げた消費税率を下げるなんて、何が何でも赦せないんだろうなぁ〜。森信氏は「無駄な政治的駆け引き」が繰り返され、「エネルギーが浪費される」と懸念しているが、それは国民の利益じゃなく、財務省の“利権”を考えての心配だろう。なるほど、 消費増税を巡っては、二度の延期とその都度の選挙があったから、元役人の考えでは合計7年の歳月を“浪費”したことになる。たぶん、森信氏は「アホな国民が7年も反対したから、俺達は大変な苦労をしたんだ !」と言いたいんだろう。彼は消費税を下げないため、様々な「問題」を列挙し、それとなく屁理屈を捏ねていた。氏曰く、

  第1に、即効性の問題である。消費税を減税するには、経過措置の規定など多くの改正法案作成作業が必要となる。補正予算を組むだけで対応できる給付金と比べて、はるかに時間を要する。また事業者の経理システムの改修、タクシーなどの認可制料金や郵便料金のような公共料金、診療報酬や介護報酬などを再設定する必要があるので、準備に少なくとも3カ月以上を費やすことになるという問題がある。

  第2に、減税までの消費の手控え、元に戻す際の駆け込みなど、余分な経済変動、不安定化が生じる。
 
  第3に、新型コロナ問題が広がる中で、経済的な被害の少ない方がおられる。例えばIT事業などを行っている高所得者、大企業正社員、公務員、年金生活者など、所得に関する限りほとんど打撃がないと思われるが、消費減税をすれば、彼らにも恩恵が及ぶ。一般に消費税は逆進性があり、低所得者には負担がきついといわれるが、それは所得に対する消費税負担の割合のことを言っている。しかし消費税は消費額に対して比例的にかかるので、高所得者が車やマンションなどの高額商品を買えば、金額ベースの負担額は大きい。逆に言えば、今回消費税を5%引き下げるという手段をとった場合には、車やマンションなど高額商品を買う高所得者ほど減税額が大きくなる。つまり消費税減税は、お金持ちほど優遇されるということになる。これは財政資金の使い方としていかにも無駄といえよう。したがって、そのような効果をもたらす消費税減税という選択肢はとるべきではない。後述するような、生活困窮者への助成に集中的に回すことができる対策手段を講じるべきだ。

  もう、読み続けるのが厭になるけど、森信氏が如何に消費減税を反対しているのかだけは解るだろう。彼は消費減税をすると、メルセデス・ベンツを買うような金持ちだけが得をするから、吉野家の牛丼で満足する庶民には「ご利益」が薄いのであぁぁ〜る、と嘯(うそぶ)く。でも、西友やイオンで食料品や衣料品を買う平民は、毎回毎回「余計な消費税」を取られて大変だ。例えば、ボーナスを減らされた家庭の主婦がヤマダ電気に行って、電子レンジと炊飯ジャーを購入し、その合計金額が10万円だったとする。しかし、こうした庶民は勘定を払う時、レジ係の店員から“別個”に1万円を請求されて、思わず「アッ !」と真っ青になってしまうのだ。高級官僚は「当然だ」と言い放つが、庶民にとって1万円札というのは貴重だぞ。クレジット・カードのポイントを貯めて「何を貰おうかなぁ〜」とウキウキしている平民は、給料が上がらないのに「なぜ消費税が1万円もするんだ !!」と激怒している。

  以前、当ブログで述べたけど、消費税を導入した竹下内閣の頃、筆者は馴染みの散髪屋に行って、床屋のオッちゃんに「3%なんて序の口だよぉ〜。大蔵省の役人は将来的に28%くらいを目指しているんだから」と話したことがある。でも、床屋の主人は「そうなんですかぁ〜? そんなに上げられたら困っちゃいますねぇ〜」と笑って答えていた。確かに、消費税が30%なんて信じられないが、高級官僚は庶民の暮らし向きなんかに興味は無い。有るのは省益のみ。事務次官の岡本薫明(おかもと・しげあき)を始めとする財務省のお偉方は、「健全財政」を目指して、ひたすら増税路線にまっしぐら。下界の住民がいくら反対しようかお構いなし。もし、しつこく抵抗するなら、「年々、社会保障費が増大するから、それをカバーするためにも財源の確保が重要です。みなさん、病気になった時や老後の生活が心配でしょう。また、子供に負担を掛けないためにも、今、増税に賛成して国の借金を無くしましょう」、と脅しをかける。恐怖心を煽って大衆を動かすのが役人の手口だ。

  こうした役所の脅迫に、大震災やウイルス騒動が加われば鬼に金棒だ。一般人というのは感情に左右されやすいから、疫病とか不況で動揺すれば理性を失い、仔犬のように何でも言うことを聞く。役人にとったら国家的悲劇は「天佑」と思えるくらい、増税を実現できる絶好のチャンスだ。そして、こうした大増税の下地を均(なら)すのが、役所に飼われた御用学者の務めである。さっそく、東京財団の小林慶一郎や一橋大学教授の佐藤主光(さとう・もとひろ)が発起人となって「緊急提言」を発表した。ここにも、伊藤元重や森信茂樹が賛同している。この緊急提言では「感染拡大の抑止」とか「長期的な産業構造変化の促進」が盛り込まれているが、刮目すべきは「経済的インパクトの軽減」であろう。小林・佐藤の両名は次のように述べていた。

   家計への支援として消費税の減税を主張する向きがある。しかし、緊急時において重視すべきは(不要不急なものを含む)消費への補助ではなく、最低限の生活が確保できるような収入への支援であろう。家計の所得の急減を補償するためには選択的な現金給付が望ましい。(「経済政策についての共同提言 新型コロナウイルス対策をどのように進めるか?」 2020年3月18日)

  伊藤氏と佐藤氏は、国民救済のために特別給付金の配布を提言するが、消費税の引き下げやゼロ%への誘導には反対のようだ。どうして日本経済を苦しめる消費税を撤廃しようとしないのか? 武漢ウイルスの蔓延で世界恐慌になっているんだから、少しでも消費意欲を喚起すべきなのに、給付金を“ちょこっ”と与えて「終わり」なんて、あまりにも酷いじゃないか。普通の日本人は、病気でグッたりした猫ちゃんを元気づけるために、毎日、高価な「チャオチュール」を“ご褒美”にして、「早く良くなってね !」と願うのに、財務官僚や御用学者ときたら、ビーフ・ジャーキー1本で誤魔化そうと謀っている。政府与党の議員も財務省には逆らえないから、地元の有権者に「どうか御理解ください」と頭を下げて、こっそり舌を出す。

  でも、霞ヶ関のお役人様は冷酷無情で、プライマリー・バランスの実現へとひた走る。彼らは財政出動に不満で、所得保障の如き“余計”な支出は大嫌い。国民に甘い餌を与えたら、クルっと表情を変えて、ヤクザ並に脅しをかけ、「この落とし前はつけてもらうぞ ! 必ず武漢増税に賛成してもらうからな !」と凄む。もし、このまま安倍総理が続投となれば、またもや財務省に屈服するかも知れないし、万が一、安倍政権が総崩れとなり、岸田文雄に総理の椅子が禅譲されれば、財務省は万々歳だ。「身内」の岸田が総理大臣になれば、首相官邸と財務省は表裏一体となる。岸田じゃ日本版のトマス・クランマー(Thomas Cranmer)かウィリアム・ロード(William Laud)だ。(クランマーはヘンリー8世治下のカンタベリー大司教で、ロードの方はチャールズ1世に仕えた大司教。) まぁ、菅義偉や石破茂が総理大臣になっても同じだから、日本の未来は非常に暗いと言えよう。

  ちなみに、東京財団の「研究者」リストを覗くと、曰く付きの面々がゾロゾロいる。例えば、日本の政治を分析して米国に報告するジャラルド・カーチス。通産官僚上がりで元外務大臣の川口順子、NHKが贔屓にするアメリカ政治の専門家と称する久保文明、支那人に擦り寄る高原明生、左巻きで有名な政治学者の北岡伸一、復興増税に賛成した土居丈朗など、色々な意味で豪華なメンバーだ。この東京財団は独自の政策を提示するシンクタンクと称しているが、その財政的基盤は日本財団から来ている。日下公人や曾野綾子を「看板」にした日本財団といえば、会長の笹川陽平が直ぐ目に浮かぶ。この笹川氏は慈善活動に取り組む一方で、矢鱈と反日活動にのめり込んでいた。彼は支那人と自衛官の交流を促進したり、日比混血児を支援して日本国籍を取らせたり、と様々な社会活動をしている。慈善家という仮面の下に何か別の顔があるんじゃないか、と疑うのは筆者だけだろうか。(ここでは詳しく述べないが、笹川氏の行動には胡散臭い点が多々ある。)

  話を戻す。昔、ユダヤ人社会学者のジェルジュ・コンラッド(György Konrád)が言っていたが、知識人というのは常に自分と結びついた特殊利害を持っていて、彼らの利益にっとて都合の良い知識を「至高の知識」とか「普遍的価値」にして吹聴するそうだ。おそらく、諮問委員会のメンバーになった小林慶一郎や大竹文雄は、学者としての信念を貫くより、役所への忠誠心を優先したのかも知れない。確かに、財務省を敵にまわして在野の知識人で終わるより、権力の蜜にタカって有名になった方が得である。大学教授というのは「蛹(さなぎ)症候群」という病に冒されており、「早く蝶(長)になりたい」と望んでいる。つまり、どんなに下らない有識者会議でもいから、「委員長」とか「座長」になると殊のほか喜ぶ。何しろ、政府の“お招き”を受ければ、世間から「うわぁぁ〜、すごぉぉ〜い!!」と称讃されるし、テレビ番組に出演すれば両親や親戚から拍手喝采だ。女房や子供だって「お父ちゃん、やったね !」とVサイン。褒められた本人だって気分がいい。これは教授の女房も同じだ。亭主が花形学者になると、教授の奥様は上機嫌。見栄張りが集まる婦人会に行けば、“わざと”「うちの主人は今、政府の仕事で忙しくて・・・」と愚痴をこぼし、皆の前で鼻高々となる。

  大学という「楽園」に暮らす経済学者には「失業」という恐怖は無い。だから、一般国民が消費税の続行や新増税でどれだけ苦しもうが、お構いなし。「努力して乗り越えないさい!」と説教して終わりだ。産経新聞の田村秀夫や政策工房の高橋洋一会長たちは、消費増税に憤慨して財務省や御用学者を批判するが、もしかしたら財務省の中枢には単なるアホじゃなく、日本経済を縮小させようとする「確信犯」がいるのかも知れないぞ。つまり、この確信犯は外国勢力の手先になっており、わざと国益に反する経済政策を宣伝しているということだ。なるほど、財務官僚には省益を第一に考える連中が多い。でも、彼らの中には「善良な役人」を装った裏切者が潜んでいる。過去には、大東亜戦争を仕組んだ近衛文麿や風見章のような極悪人もいたから、外国人に飼われた犬がいてもおかしくはない。日本には防諜組織が無いから、上級のスパイや工作員、あるいは官僚組織に陣取る日本人エージェントの摘発はほぼ不可能だ。日本人は経済分野の問題を経済評論家ばかりに尋ねるが、国家の経済政策は時として軍事・外政の分野に跨がっているから、謀略戦の視点からも検証すべきである。財務省の中には、徴税ばかりに夢中になる「鮫」もいるけど、その一方で金や女で釣られた「鯛」が泳いでいるのかも知れないぞ。

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68811386.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/911.html

[近代史4] 財務省は何故日本を滅ぼそうとしているのか? 中川隆
4. 中川隆[-12583] koaQ7Jey 2020年5月27日 12:24:33 : YqmpzsoafI : VFRRMlhTUnBLZ3M=[6]
2020年05月27日
不幸の倍増を狙う官僚 / 増税をしたい財務省
黒木 頼景
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68811386.html

  日本国民が政府に対し、「デフレ経済からの脱却を!」と叫んでかなり久しい。平成の初めにバブル景気が崩壊すると、政治家の無策で日本経済はずっと低迷したままだ。昭和50年代から60年代にかけて青春を贈った世代と違い、平成の時代に青春を迎えた若者は、“清貧”とか“質素”という雰囲気で育った。ゆえに、親が楽しんだ“豊かさ”とは縁が無い。今更嘆いても仕方がないけど、左巻きのマスコミは当時、日銀の三重野康(みえの・やすし)総裁を「平成の鬼平」と持て囃していた。しかし、実際は「平成の必殺仕事人」なんじゃないか。三味線屋の「勇次(中条きよし)」なら、三味線の糸を悪党の首に巻き付け、ギュッと締め上げれば拍手喝采となるけど、三重野総裁は、善良な庶民に「金融引締」という糸を巻き付け、グイッと釣り上げたから土地成金も真っ青だ。首を絞められた一般人は、声も出せずにもがき苦しむ。この仕置屋家業の総裁は、公定歩合を3.75%から4.25%、そして5.25%に上げると、更に6%へと引き上げた。実際、破産や倒産で首を吊った人もいたから、日銀と大蔵省の役人は、チャールズ・マンソン(Charles Manson)よりも恐ろしい平成の「ハングマン」だ。(1980年代には「ザ・ハングマン」というTVドラマがあって、黒沢年雄や名高達郎が現代版の「必殺仕事人」を演じていた。マンソンは悪名高いカルト指導者で殺人鬼。)
  「官界」という天空に住む高級官僚は、どんなに庶民が苦しもうとも、自分達の方針に揺るぎない自信を持っており、消費税のアップでドンドン入ってくる税収を「自分の富」と思っている。信じられないけど、財務官僚は平民から集めた税金を“摑み銭”と考えているのだ。「公金というのは俺達の裁量で分配する分け前だ!」と豪語する官僚は、各省庁や民間企業に対し、「予算が欲しけりゃ跪け!」と言い放つ。ササン朝ペルシアのシャプール1世(Shaur the Great)じゃあるまいし、「何様のつもりだ?!」と言いたくなるが、財務官僚は笑みを浮かべ、「高等文官試験に合格した“お役人様”だよ! 」と答える。彼らの自慢は学歴で、水戸黄門みたいに「おいテメエら ! この銀時計が目に入らぬか !」と言い渡す。(今は「銀時計組」というのは無いけれど、役人の気持ちは昔のままである。) まぁ、狡猾な官僚から見れば、豪腕幹事長と呼ばれた小沢一郎や江沢民の傭兵だった二階俊博なんて、経済の基礎も解らぬ木偶の坊だ。(対日工作の責任者だった曾慶江なら笑みを浮かべて同意するだろう。それにしても、歴代の自民党幹事長はおぞましい。金丸信を筆頭に加藤紘一、野中広務、古賀誠、中川秀直、山崎拓、森喜朗、谷垣禎一と思い出しただけでも寒気がする。)
  何はともあれ、権力者の「お役人様」に付き従って有名になろうとするのが、曲学阿世のタカリ屋で経済学を生業とする大学教授だ。彼らは“お座敷”に呼ばれる藝者と同じで、旦那衆(高級官僚)から“お呼び”がかかれば、いつでも霞ヶ関に参上する。実質的には権威付けの道具にされるだけ、と判っているが、偉くなったような気分を味わえるので、ちぎれるほど尻尾を振ってしまうのだ。それに、気取った学者ほど権力に憧れてしまうので、評議員という魅力に抵抗できない。リベラル派を自認する学者ほど、「何とか委員会」というのが大好き。今回、武漢肺炎で疲弊した日本経済を再建すべく、政府は有識者会議を作ったが、「基本的対処方針等諮問委員会」のメンバーを見ると愕然とする。なんと、この会議の中には東京財団の研究員を務める“あの”小林慶一郎や大阪大学の大竹文雄教授が含まれているのだ。彼らは東北大震災が起きた後、復興増税を唱える東京大学の伊藤隆敏(いとう・たかとし)教授や伊藤元重(いとう・もとしげ)教授らに賛同した御仁である。両教授は「震災復興にむけての3原則」という提言書を発表し、この中で増税を掲げていた。まともな国民は言葉を失い、「えぇぇぇ〜、多くの人々が不幸のどん底にあるのに、新しい税金を拵えちゃうのぉ〜」と天を仰ぐが、権力に媚びた学者には赤い血が流れていないのだ。そこで、増税に関する彼らの言説を紹介したい。
  消費税は、資本も労働も、生産意欲を減退させにくい税であるから、経済成長に与える影響が軽微である。消費税を5%から10%に引き上げることで、現在の消費税収入を倍増させるとして、毎年約10兆円程度の収入増になる。消費増税は、消費意欲を減退させ、景気後退を招く、という批判がある。しかし、2つの意味で、この批判はあたらない。第一に、復興のための政府投資、民間投資がおこなわれるために、来年度は投資拡大が予想されている。消費が減退しても、投資拡大で、総需要としては相殺されるので景気悪化にはつながらない。第二に、消費税率の引き上げ後には、消費が落ち込むということが知られている。しかし、それは数ヶ月で回復するはずだ。
  この説明を読んだ商店のオバちゃんや工場のオヤジさんは、どう思うのか? おそらく、「えっ、これって本気で言ってるの?」と驚くだろう。渋谷で遊んでいる女子高生ならともかく、自分の店を切り盛りしている経営者は、こんな“セールス・トーク”に騙されない。個人商店のオヤジは、赤字になっても公的補助なんか貰えないから、日々、厳しい競争に曝されながらも絶え間ない努力で乗り切ろうと頑張っている。(財務省や経産省のボンクラ官僚は、岡野工業の岡野雅行社長みたいな苦労人を見習え ! ) ところが、永田町や霞ヶ関には、国民搾取しか思いつかない愚連隊ばかり。日本社会を転覆したい民主党は、大震災を口実に復興増税を実現し、左翼が求める「脱原発」にも応じていた。(というより、共犯者だから仕方がない。) これにより、日本各地の自然が破壊され、無駄な太陽光パネルが設置されると、電気料金に「再エネ発電促進賦課金」が上乗せだ。従うしかない個人や中小企業は、重税に苦しみながらも必死で堪えている。だが、この「悪法」は2040年くらいまで続くというから恐ろしい。「エルム街の悪夢」だって約二年で終了だったのに。(米国では1984年に劇場公開され、日本では1986に公開された。)
  安倍政権は国民搾取の「鞭打ち」と判っていながら、財務省と御用学者の言葉を信じて消費税を二度もアップ。伊藤隆敏や伊藤元重は握手を交わしてガッツポーズだ。今さら呆れてもしょうがないけど、東大の教授って、ホント「碌でなし」が多い。だいたい、消費税を上げたことによる景気低迷が、「数ヶ月」で回復する訳ないじゃないか ! 実際、消費税をアップしたら、見る見るうちに消費が低迷し、日本経済は奈落の底へと急降下。慌てた政府は、あれやこれやと全て武漢肺炎のせいにしているが、1月から3月期のGDPを調べてみれば一目瞭然。前年比で0.9%減、年率換算で3.4%のマイナス成長だった。したがって、消費増税が原因であることは明らか。ところが、もっと恐ろしいのは、4月から6月期に現れるGDP増減率である。只でさえ普段の仕事が止まっているんだから、個人の住宅購入とか企業の設備投資が増えることなど有り得ない。 新車の販売数なんか本当に悲惨だ。4月の国内販売台数(登録車+軽自動車+商用車)を見ると、トヨタが9万4318台(前年度同月比−20%)、ホンダが4万5006台(−19.5%)、ダイハツが3万6539台(−26.8%)となっている。
  そもそも、津波や地震で日本経済が大打撃を受けたのに、復興税を創設して更に国民を苦しめるなんて前代未聞だ。いったい、東大教授は何を考えているのか? 歐米の先進国ではとても考えられない。ところが、我が国には伊藤隆敏教授に賛同する学者がゾロゾロいた。伊藤教授は自分の研究室ホームページで賛同者のリストを載せているから、誰でも彼の「仲間」を知ることができる。ここで、賛同者が寄せたコメントの幾つかを紹介したい。
   清水 順子 (専修大学) 2011年5月25
 日々将来を担う大学生に講義をしている身として、震災国債を乱発して将来世代に 増税のツケを回してはいけないことを痛感しております。今こそが増税の必要性を 誰もが認め、覚悟を持ってそれを受け入れることのできる絶好の機会だとも考えております。また、電力削減手段の一つとして、CO2の排出権取引のように、市場の力を導入して 電力消費権をやり取りするという案も大賛成です。
   川ア 健太郎 (東洋大学) 2011年5月25
 「将来世代にツケを回さない」=「復興財源が増税」という経済学の示す「原則」が、広く国民に受け入れられるため、その説明責任が「政治」にあることは明らかです。現政権には、その責任を十二分に果たすことを切に願います。
  大来 洋一 (政策研究大学院大学) 2011年5月26日
 「増税は不人気」なのですが、最近では国民も復興のためなら受け入れる、という人が 多いように思います。義捐金と同じだ、と説得すれば容易なのに、政治家は何をおそれているのでしょうか。
  もう、スリッパで頭をひっぱたきたくなるが、日本の大学教授なんて、いくら試験秀才でも判断力は小学生以下だから、何を以て叱られているのか解らない。まさしく、蛙のツラに小便だ。ところが、自尊心だけは一丁前だからホント始末に悪い。ただし、彼らよりもっと悪質なのは、役人上がりの大学教授である。例えば、大阪大学教授や東京大学の客員教授、中央大学法科大学院の特任教授を歴任した森信茂樹(もりのぶ・しげき)は、特に酷い。現在、彼は東京財団政策研究所の研究主幹を務めているが、元々は財務省の官僚である。森信氏は武漢肺炎で疲弊した日本経済を分析し、政府がどのような経済対策を実施すべきか、世間に提案していた。しかし、その内容を庶民が読むと「えぇぇっ〜、こんな頭をしているのぉぉ〜」とビックリする。森信氏は言う。
  経済対策として、自民党の若手有志による議員連盟「日本の未来を考える勉強会」などは消費減税を提唱している。しかし、対策の緊急性、消費に与えるインパクト(経済効果)から考えれば、消費税減税より給付金で対応する方が、はるかに効果がある。消費税をひとたび減税すると、引き上げる時期を巡って政局になり、無駄な政治駆け引きやエネルギーが浪費される。消費税率の5%から10%への引き上げが、法律の成立した2012年8月から19年10月まで2度の延期とそのたびの選挙で、合計7年の年月を要したことは記憶に新しい。将来につけを回すような対応ではなく、最大限の経済効果を発揮する対策に限定すべきだ。(森信茂樹 「コロナショックには『消費減税』をしてはいけない4つの理由」 PRESIDENT Online、 2020年4月1日)
  さぁぁ〜すが、元財務官僚 !! 「消費減税、絶対反対 !」とは・・・・。まぁ、せっかく上げた消費税率を下げるなんて、何が何でも赦せないんだろうなぁ〜。森信氏は「無駄な政治的駆け引き」が繰り返され、「エネルギーが浪費される」と懸念しているが、それは国民の利益じゃなく、財務省の“利権”を考えての心配だろう。なるほど、 消費増税を巡っては、二度の延期とその都度の選挙があったから、元役人の考えでは合計7年の歳月を“浪費”したことになる。たぶん、森信氏は「アホな国民が7年も反対したから、俺達は大変な苦労をしたんだ !」と言いたいんだろう。彼は消費税を下げないため、様々な「問題」を列挙し、それとなく屁理屈を捏ねていた。氏曰く、
  第1に、即効性の問題である。消費税を減税するには、経過措置の規定など多くの改正法案作成作業が必要となる。補正予算を組むだけで対応できる給付金と比べて、はるかに時間を要する。また事業者の経理システムの改修、タクシーなどの認可制料金や郵便料金のような公共料金、診療報酬や介護報酬などを再設定する必要があるので、準備に少なくとも3カ月以上を費やすことになるという問題がある。
  第2に、減税までの消費の手控え、元に戻す際の駆け込みなど、余分な経済変動、不安定化が生じる。
 
  第3に、新型コロナ問題が広がる中で、経済的な被害の少ない方がおられる。例えばIT事業などを行っている高所得者、大企業正社員、公務員、年金生活者など、所得に関する限りほとんど打撃がないと思われるが、消費減税をすれば、彼らにも恩恵が及ぶ。一般に消費税は逆進性があり、低所得者には負担がきついといわれるが、それは所得に対する消費税負担の割合のことを言っている。しかし消費税は消費額に対して比例的にかかるので、高所得者が車やマンションなどの高額商品を買えば、金額ベースの負担額は大きい。逆に言えば、今回消費税を5%引き下げるという手段をとった場合には、車やマンションなど高額商品を買う高所得者ほど減税額が大きくなる。つまり消費税減税は、お金持ちほど優遇されるということになる。これは財政資金の使い方としていかにも無駄といえよう。したがって、そのような効果をもたらす消費税減税という選択肢はとるべきではない。後述するような、生活困窮者への助成に集中的に回すことができる対策手段を講じるべきだ。
  もう、読み続けるのが厭になるけど、森信氏が如何に消費減税を反対しているのかだけは解るだろう。彼は消費減税をすると、メルセデス・ベンツを買うような金持ちだけが得をするから、吉野家の牛丼で満足する庶民には「ご利益」が薄いのであぁぁ〜る、と嘯(うそぶ)く。でも、西友やイオンで食料品や衣料品を買う平民は、毎回毎回「余計な消費税」を取られて大変だ。例えば、ボーナスを減らされた家庭の主婦がヤマダ電気に行って、電子レンジと炊飯ジャーを購入し、その合計金額が10万円だったとする。しかし、こうした庶民は勘定を払う時、レジ係の店員から“別個”に1万円を請求されて、思わず「アッ !」と真っ青になってしまうのだ。高級官僚は「当然だ」と言い放つが、庶民にとって1万円札というのは貴重だぞ。クレジット・カードのポイントを貯めて「何を貰おうかなぁ〜」とウキウキしている平民は、給料が上がらないのに「なぜ消費税が1万円もするんだ !!」と激怒している。
  以前、当ブログで述べたけど、消費税を導入した竹下内閣の頃、筆者は馴染みの散髪屋に行って、床屋のオッちゃんに「3%なんて序の口だよぉ〜。大蔵省の役人は将来的に28%くらいを目指しているんだから」と話したことがある。でも、床屋の主人は「そうなんですかぁ〜? そんなに上げられたら困っちゃいますねぇ〜」と笑って答えていた。確かに、消費税が30%なんて信じられないが、高級官僚は庶民の暮らし向きなんかに興味は無い。有るのは省益のみ。事務次官の岡本薫明(おかもと・しげあき)を始めとする財務省のお偉方は、「健全財政」を目指して、ひたすら増税路線にまっしぐら。下界の住民がいくら反対しようかお構いなし。もし、しつこく抵抗するなら、「年々、社会保障費が増大するから、それをカバーするためにも財源の確保が重要です。みなさん、病気になった時や老後の生活が心配でしょう。また、子供に負担を掛けないためにも、今、増税に賛成して国の借金を無くしましょう」、と脅しをかける。恐怖心を煽って大衆を動かすのが役人の手口だ。
  こうした役所の脅迫に、大震災やウイルス騒動が加われば鬼に金棒だ。一般人というのは感情に左右されやすいから、疫病とか不況で動揺すれば理性を失い、仔犬のように何でも言うことを聞く。役人にとったら国家的悲劇は「天佑」と思えるくらい、増税を実現できる絶好のチャンスだ。そして、こうした大増税の下地を均(なら)すのが、役所に飼われた御用学者の務めである。さっそく、東京財団の小林慶一郎や一橋大学教授の佐藤主光(さとう・もとひろ)が発起人となって「緊急提言」を発表した。ここにも、伊藤元重や森信茂樹が賛同している。この緊急提言では「感染拡大の抑止」とか「長期的な産業構造変化の促進」が盛り込まれているが、刮目すべきは「経済的インパクトの軽減」であろう。小林・佐藤の両名は次のように述べていた。
   家計への支援として消費税の減税を主張する向きがある。しかし、緊急時において重視すべきは(不要不急なものを含む)消費への補助ではなく、最低限の生活が確保できるような収入への支援であろう。家計の所得の急減を補償するためには選択的な現金給付が望ましい。(「経済政策についての共同提言 新型コロナウイルス対策をどのように進めるか?」 2020年3月18日)
  伊藤氏と佐藤氏は、国民救済のために特別給付金の配布を提言するが、消費税の引き下げやゼロ%への誘導には反対のようだ。どうして日本経済を苦しめる消費税を撤廃しようとしないのか? 武漢ウイルスの蔓延で世界恐慌になっているんだから、少しでも消費意欲を喚起すべきなのに、給付金を“ちょこっ”と与えて「終わり」なんて、あまりにも酷いじゃないか。普通の日本人は、病気でグッたりした猫ちゃんを元気づけるために、毎日、高価な「チャオチュール」を“ご褒美”にして、「早く良くなってね !」と願うのに、財務官僚や御用学者ときたら、ビーフ・ジャーキー1本で誤魔化そうと謀っている。政府与党の議員も財務省には逆らえないから、地元の有権者に「どうか御理解ください」と頭を下げて、こっそり舌を出す。
  でも、霞ヶ関のお役人様は冷酷無情で、プライマリー・バランスの実現へとひた走る。彼らは財政出動に不満で、所得保障の如き“余計”な支出は大嫌い。国民に甘い餌を与えたら、クルっと表情を変えて、ヤクザ並に脅しをかけ、「この落とし前はつけてもらうぞ ! 必ず武漢増税に賛成してもらうからな !」と凄む。もし、このまま安倍総理が続投となれば、またもや財務省に屈服するかも知れないし、万が一、安倍政権が総崩れとなり、岸田文雄に総理の椅子が禅譲されれば、財務省は万々歳だ。「身内」の岸田が総理大臣になれば、首相官邸と財務省は表裏一体となる。岸田じゃ日本版のトマス・クランマー(Thomas Cranmer)かウィリアム・ロード(William Laud)だ。(クランマーはヘンリー8世治下のカンタベリー大司教で、ロードの方はチャールズ1世に仕えた大司教。) まぁ、菅義偉や石破茂が総理大臣になっても同じだから、日本の未来は非常に暗いと言えよう。
  ちなみに、東京財団の「研究者」リストを覗くと、曰く付きの面々がゾロゾロいる。例えば、日本の政治を分析して米国に報告するジャラルド・カーチス。通産官僚上がりで元外務大臣の川口順子、NHKが贔屓にするアメリカ政治の専門家と称する久保文明、支那人に擦り寄る高原明生、左巻きで有名な政治学者の北岡伸一、復興増税に賛成した土居丈朗など、色々な意味で豪華なメンバーだ。この東京財団は独自の政策を提示するシンクタンクと称しているが、その財政的基盤は日本財団から来ている。日下公人や曾野綾子を「看板」にした日本財団といえば、会長の笹川陽平が直ぐ目に浮かぶ。この笹川氏は慈善活動に取り組む一方で、矢鱈と反日活動にのめり込んでいた。彼は支那人と自衛官の交流を促進したり、日比混血児を支援して日本国籍を取らせたり、と様々な社会活動をしている。慈善家という仮面の下に何か別の顔があるんじゃないか、と疑うのは筆者だけだろうか。(ここでは詳しく述べないが、笹川氏の行動には胡散臭い点が多々ある。)
  話を戻す。昔、ユダヤ人社会学者のジェルジュ・コンラッド(György Konrád)が言っていたが、知識人というのは常に自分と結びついた特殊利害を持っていて、彼らの利益にっとて都合の良い知識を「至高の知識」とか「普遍的価値」にして吹聴するそうだ。おそらく、諮問委員会のメンバーになった小林慶一郎や大竹文雄は、学者としての信念を貫くより、役所への忠誠心を優先したのかも知れない。確かに、財務省を敵にまわして在野の知識人で終わるより、権力の蜜にタカって有名になった方が得である。大学教授というのは「蛹(さなぎ)症候群」という病に冒されており、「早く蝶(長)になりたい」と望んでいる。つまり、どんなに下らない有識者会議でもいから、「委員長」とか「座長」になると殊のほか喜ぶ。何しろ、政府の“お招き”を受ければ、世間から「うわぁぁ〜、すごぉぉ〜い!!」と称讃されるし、テレビ番組に出演すれば両親や親戚から拍手喝采だ。女房や子供だって「お父ちゃん、やったね !」とVサイン。褒められた本人だって気分がいい。これは教授の女房も同じだ。亭主が花形学者になると、教授の奥様は上機嫌。見栄張りが集まる婦人会に行けば、“わざと”「うちの主人は今、政府の仕事で忙しくて・・・」と愚痴をこぼし、皆の前で鼻高々となる。
  大学という「楽園」に暮らす経済学者には「失業」という恐怖は無い。だから、一般国民が消費税の続行や新増税でどれだけ苦しもうが、お構いなし。「努力して乗り越えないさい!」と説教して終わりだ。産経新聞の田村秀夫や政策工房の高橋洋一会長たちは、消費増税に憤慨して財務省や御用学者を批判するが、もしかしたら財務省の中枢には単なるアホじゃなく、日本経済を縮小させようとする「確信犯」がいるのかも知れないぞ。つまり、この確信犯は外国勢力の手先になっており、わざと国益に反する経済政策を宣伝しているということだ。なるほど、財務官僚には省益を第一に考える連中が多い。でも、彼らの中には「善良な役人」を装った裏切者が潜んでいる。過去には、大東亜戦争を仕組んだ近衛文麿や風見章のような極悪人もいたから、外国人に飼われた犬がいてもおかしくはない。日本には防諜組織が無いから、上級のスパイや工作員、あるいは官僚組織に陣取る日本人エージェントの摘発はほぼ不可能だ。日本人は経済分野の問題を経済評論家ばかりに尋ねるが、国家の経済政策は時として軍事・外政の分野に跨がっているから、謀略戦の視点からも検証すべきである。財務省の中には、徴税ばかりに夢中になる「鮫」もいるけど、その一方で金や女で釣られた「鯛」が泳いでいるのかも知れないぞ。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68811386.html  
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/775.html#c4

[近代史3] 財務省は何故日本を滅ぼそうとしているのか? 中川隆
37. 中川隆[-12582] koaQ7Jey 2020年5月27日 12:25:01 : YqmpzsoafI : VFRRMlhTUnBLZ3M=[7]
2020年05月27日
不幸の倍増を狙う官僚 / 増税をしたい財務省
黒木 頼景
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68811386.html

  日本国民が政府に対し、「デフレ経済からの脱却を!」と叫んでかなり久しい。平成の初めにバブル景気が崩壊すると、政治家の無策で日本経済はずっと低迷したままだ。昭和50年代から60年代にかけて青春を贈った世代と違い、平成の時代に青春を迎えた若者は、“清貧”とか“質素”という雰囲気で育った。ゆえに、親が楽しんだ“豊かさ”とは縁が無い。今更嘆いても仕方がないけど、左巻きのマスコミは当時、日銀の三重野康(みえの・やすし)総裁を「平成の鬼平」と持て囃していた。しかし、実際は「平成の必殺仕事人」なんじゃないか。三味線屋の「勇次(中条きよし)」なら、三味線の糸を悪党の首に巻き付け、ギュッと締め上げれば拍手喝采となるけど、三重野総裁は、善良な庶民に「金融引締」という糸を巻き付け、グイッと釣り上げたから土地成金も真っ青だ。首を絞められた一般人は、声も出せずにもがき苦しむ。この仕置屋家業の総裁は、公定歩合を3.75%から4.25%、そして5.25%に上げると、更に6%へと引き上げた。実際、破産や倒産で首を吊った人もいたから、日銀と大蔵省の役人は、チャールズ・マンソン(Charles Manson)よりも恐ろしい平成の「ハングマン」だ。(1980年代には「ザ・ハングマン」というTVドラマがあって、黒沢年雄や名高達郎が現代版の「必殺仕事人」を演じていた。マンソンは悪名高いカルト指導者で殺人鬼。)
  「官界」という天空に住む高級官僚は、どんなに庶民が苦しもうとも、自分達の方針に揺るぎない自信を持っており、消費税のアップでドンドン入ってくる税収を「自分の富」と思っている。信じられないけど、財務官僚は平民から集めた税金を“摑み銭”と考えているのだ。「公金というのは俺達の裁量で分配する分け前だ!」と豪語する官僚は、各省庁や民間企業に対し、「予算が欲しけりゃ跪け!」と言い放つ。ササン朝ペルシアのシャプール1世(Shaur the Great)じゃあるまいし、「何様のつもりだ?!」と言いたくなるが、財務官僚は笑みを浮かべ、「高等文官試験に合格した“お役人様”だよ! 」と答える。彼らの自慢は学歴で、水戸黄門みたいに「おいテメエら ! この銀時計が目に入らぬか !」と言い渡す。(今は「銀時計組」というのは無いけれど、役人の気持ちは昔のままである。) まぁ、狡猾な官僚から見れば、豪腕幹事長と呼ばれた小沢一郎や江沢民の傭兵だった二階俊博なんて、経済の基礎も解らぬ木偶の坊だ。(対日工作の責任者だった曾慶江なら笑みを浮かべて同意するだろう。それにしても、歴代の自民党幹事長はおぞましい。金丸信を筆頭に加藤紘一、野中広務、古賀誠、中川秀直、山崎拓、森喜朗、谷垣禎一と思い出しただけでも寒気がする。)
  何はともあれ、権力者の「お役人様」に付き従って有名になろうとするのが、曲学阿世のタカリ屋で経済学を生業とする大学教授だ。彼らは“お座敷”に呼ばれる藝者と同じで、旦那衆(高級官僚)から“お呼び”がかかれば、いつでも霞ヶ関に参上する。実質的には権威付けの道具にされるだけ、と判っているが、偉くなったような気分を味わえるので、ちぎれるほど尻尾を振ってしまうのだ。それに、気取った学者ほど権力に憧れてしまうので、評議員という魅力に抵抗できない。リベラル派を自認する学者ほど、「何とか委員会」というのが大好き。今回、武漢肺炎で疲弊した日本経済を再建すべく、政府は有識者会議を作ったが、「基本的対処方針等諮問委員会」のメンバーを見ると愕然とする。なんと、この会議の中には東京財団の研究員を務める“あの”小林慶一郎や大阪大学の大竹文雄教授が含まれているのだ。彼らは東北大震災が起きた後、復興増税を唱える東京大学の伊藤隆敏(いとう・たかとし)教授や伊藤元重(いとう・もとしげ)教授らに賛同した御仁である。両教授は「震災復興にむけての3原則」という提言書を発表し、この中で増税を掲げていた。まともな国民は言葉を失い、「えぇぇぇ〜、多くの人々が不幸のどん底にあるのに、新しい税金を拵えちゃうのぉ〜」と天を仰ぐが、権力に媚びた学者には赤い血が流れていないのだ。そこで、増税に関する彼らの言説を紹介したい。
  消費税は、資本も労働も、生産意欲を減退させにくい税であるから、経済成長に与える影響が軽微である。消費税を5%から10%に引き上げることで、現在の消費税収入を倍増させるとして、毎年約10兆円程度の収入増になる。消費増税は、消費意欲を減退させ、景気後退を招く、という批判がある。しかし、2つの意味で、この批判はあたらない。第一に、復興のための政府投資、民間投資がおこなわれるために、来年度は投資拡大が予想されている。消費が減退しても、投資拡大で、総需要としては相殺されるので景気悪化にはつながらない。第二に、消費税率の引き上げ後には、消費が落ち込むということが知られている。しかし、それは数ヶ月で回復するはずだ。
  この説明を読んだ商店のオバちゃんや工場のオヤジさんは、どう思うのか? おそらく、「えっ、これって本気で言ってるの?」と驚くだろう。渋谷で遊んでいる女子高生ならともかく、自分の店を切り盛りしている経営者は、こんな“セールス・トーク”に騙されない。個人商店のオヤジは、赤字になっても公的補助なんか貰えないから、日々、厳しい競争に曝されながらも絶え間ない努力で乗り切ろうと頑張っている。(財務省や経産省のボンクラ官僚は、岡野工業の岡野雅行社長みたいな苦労人を見習え ! ) ところが、永田町や霞ヶ関には、国民搾取しか思いつかない愚連隊ばかり。日本社会を転覆したい民主党は、大震災を口実に復興増税を実現し、左翼が求める「脱原発」にも応じていた。(というより、共犯者だから仕方がない。) これにより、日本各地の自然が破壊され、無駄な太陽光パネルが設置されると、電気料金に「再エネ発電促進賦課金」が上乗せだ。従うしかない個人や中小企業は、重税に苦しみながらも必死で堪えている。だが、この「悪法」は2040年くらいまで続くというから恐ろしい。「エルム街の悪夢」だって約二年で終了だったのに。(米国では1984年に劇場公開され、日本では1986に公開された。)
  安倍政権は国民搾取の「鞭打ち」と判っていながら、財務省と御用学者の言葉を信じて消費税を二度もアップ。伊藤隆敏や伊藤元重は握手を交わしてガッツポーズだ。今さら呆れてもしょうがないけど、東大の教授って、ホント「碌でなし」が多い。だいたい、消費税を上げたことによる景気低迷が、「数ヶ月」で回復する訳ないじゃないか ! 実際、消費税をアップしたら、見る見るうちに消費が低迷し、日本経済は奈落の底へと急降下。慌てた政府は、あれやこれやと全て武漢肺炎のせいにしているが、1月から3月期のGDPを調べてみれば一目瞭然。前年比で0.9%減、年率換算で3.4%のマイナス成長だった。したがって、消費増税が原因であることは明らか。ところが、もっと恐ろしいのは、4月から6月期に現れるGDP増減率である。只でさえ普段の仕事が止まっているんだから、個人の住宅購入とか企業の設備投資が増えることなど有り得ない。 新車の販売数なんか本当に悲惨だ。4月の国内販売台数(登録車+軽自動車+商用車)を見ると、トヨタが9万4318台(前年度同月比−20%)、ホンダが4万5006台(−19.5%)、ダイハツが3万6539台(−26.8%)となっている。
  そもそも、津波や地震で日本経済が大打撃を受けたのに、復興税を創設して更に国民を苦しめるなんて前代未聞だ。いったい、東大教授は何を考えているのか? 歐米の先進国ではとても考えられない。ところが、我が国には伊藤隆敏教授に賛同する学者がゾロゾロいた。伊藤教授は自分の研究室ホームページで賛同者のリストを載せているから、誰でも彼の「仲間」を知ることができる。ここで、賛同者が寄せたコメントの幾つかを紹介したい。
   清水 順子 (専修大学) 2011年5月25
 日々将来を担う大学生に講義をしている身として、震災国債を乱発して将来世代に 増税のツケを回してはいけないことを痛感しております。今こそが増税の必要性を 誰もが認め、覚悟を持ってそれを受け入れることのできる絶好の機会だとも考えております。また、電力削減手段の一つとして、CO2の排出権取引のように、市場の力を導入して 電力消費権をやり取りするという案も大賛成です。
   川ア 健太郎 (東洋大学) 2011年5月25
 「将来世代にツケを回さない」=「復興財源が増税」という経済学の示す「原則」が、広く国民に受け入れられるため、その説明責任が「政治」にあることは明らかです。現政権には、その責任を十二分に果たすことを切に願います。
  大来 洋一 (政策研究大学院大学) 2011年5月26日
 「増税は不人気」なのですが、最近では国民も復興のためなら受け入れる、という人が 多いように思います。義捐金と同じだ、と説得すれば容易なのに、政治家は何をおそれているのでしょうか。
  もう、スリッパで頭をひっぱたきたくなるが、日本の大学教授なんて、いくら試験秀才でも判断力は小学生以下だから、何を以て叱られているのか解らない。まさしく、蛙のツラに小便だ。ところが、自尊心だけは一丁前だからホント始末に悪い。ただし、彼らよりもっと悪質なのは、役人上がりの大学教授である。例えば、大阪大学教授や東京大学の客員教授、中央大学法科大学院の特任教授を歴任した森信茂樹(もりのぶ・しげき)は、特に酷い。現在、彼は東京財団政策研究所の研究主幹を務めているが、元々は財務省の官僚である。森信氏は武漢肺炎で疲弊した日本経済を分析し、政府がどのような経済対策を実施すべきか、世間に提案していた。しかし、その内容を庶民が読むと「えぇぇっ〜、こんな頭をしているのぉぉ〜」とビックリする。森信氏は言う。
  経済対策として、自民党の若手有志による議員連盟「日本の未来を考える勉強会」などは消費減税を提唱している。しかし、対策の緊急性、消費に与えるインパクト(経済効果)から考えれば、消費税減税より給付金で対応する方が、はるかに効果がある。消費税をひとたび減税すると、引き上げる時期を巡って政局になり、無駄な政治駆け引きやエネルギーが浪費される。消費税率の5%から10%への引き上げが、法律の成立した2012年8月から19年10月まで2度の延期とそのたびの選挙で、合計7年の年月を要したことは記憶に新しい。将来につけを回すような対応ではなく、最大限の経済効果を発揮する対策に限定すべきだ。(森信茂樹 「コロナショックには『消費減税』をしてはいけない4つの理由」 PRESIDENT Online、 2020年4月1日)
  さぁぁ〜すが、元財務官僚 !! 「消費減税、絶対反対 !」とは・・・・。まぁ、せっかく上げた消費税率を下げるなんて、何が何でも赦せないんだろうなぁ〜。森信氏は「無駄な政治的駆け引き」が繰り返され、「エネルギーが浪費される」と懸念しているが、それは国民の利益じゃなく、財務省の“利権”を考えての心配だろう。なるほど、 消費増税を巡っては、二度の延期とその都度の選挙があったから、元役人の考えでは合計7年の歳月を“浪費”したことになる。たぶん、森信氏は「アホな国民が7年も反対したから、俺達は大変な苦労をしたんだ !」と言いたいんだろう。彼は消費税を下げないため、様々な「問題」を列挙し、それとなく屁理屈を捏ねていた。氏曰く、
  第1に、即効性の問題である。消費税を減税するには、経過措置の規定など多くの改正法案作成作業が必要となる。補正予算を組むだけで対応できる給付金と比べて、はるかに時間を要する。また事業者の経理システムの改修、タクシーなどの認可制料金や郵便料金のような公共料金、診療報酬や介護報酬などを再設定する必要があるので、準備に少なくとも3カ月以上を費やすことになるという問題がある。
  第2に、減税までの消費の手控え、元に戻す際の駆け込みなど、余分な経済変動、不安定化が生じる。
 
  第3に、新型コロナ問題が広がる中で、経済的な被害の少ない方がおられる。例えばIT事業などを行っている高所得者、大企業正社員、公務員、年金生活者など、所得に関する限りほとんど打撃がないと思われるが、消費減税をすれば、彼らにも恩恵が及ぶ。一般に消費税は逆進性があり、低所得者には負担がきついといわれるが、それは所得に対する消費税負担の割合のことを言っている。しかし消費税は消費額に対して比例的にかかるので、高所得者が車やマンションなどの高額商品を買えば、金額ベースの負担額は大きい。逆に言えば、今回消費税を5%引き下げるという手段をとった場合には、車やマンションなど高額商品を買う高所得者ほど減税額が大きくなる。つまり消費税減税は、お金持ちほど優遇されるということになる。これは財政資金の使い方としていかにも無駄といえよう。したがって、そのような効果をもたらす消費税減税という選択肢はとるべきではない。後述するような、生活困窮者への助成に集中的に回すことができる対策手段を講じるべきだ。
  もう、読み続けるのが厭になるけど、森信氏が如何に消費減税を反対しているのかだけは解るだろう。彼は消費減税をすると、メルセデス・ベンツを買うような金持ちだけが得をするから、吉野家の牛丼で満足する庶民には「ご利益」が薄いのであぁぁ〜る、と嘯(うそぶ)く。でも、西友やイオンで食料品や衣料品を買う平民は、毎回毎回「余計な消費税」を取られて大変だ。例えば、ボーナスを減らされた家庭の主婦がヤマダ電気に行って、電子レンジと炊飯ジャーを購入し、その合計金額が10万円だったとする。しかし、こうした庶民は勘定を払う時、レジ係の店員から“別個”に1万円を請求されて、思わず「アッ !」と真っ青になってしまうのだ。高級官僚は「当然だ」と言い放つが、庶民にとって1万円札というのは貴重だぞ。クレジット・カードのポイントを貯めて「何を貰おうかなぁ〜」とウキウキしている平民は、給料が上がらないのに「なぜ消費税が1万円もするんだ !!」と激怒している。
  以前、当ブログで述べたけど、消費税を導入した竹下内閣の頃、筆者は馴染みの散髪屋に行って、床屋のオッちゃんに「3%なんて序の口だよぉ〜。大蔵省の役人は将来的に28%くらいを目指しているんだから」と話したことがある。でも、床屋の主人は「そうなんですかぁ〜? そんなに上げられたら困っちゃいますねぇ〜」と笑って答えていた。確かに、消費税が30%なんて信じられないが、高級官僚は庶民の暮らし向きなんかに興味は無い。有るのは省益のみ。事務次官の岡本薫明(おかもと・しげあき)を始めとする財務省のお偉方は、「健全財政」を目指して、ひたすら増税路線にまっしぐら。下界の住民がいくら反対しようかお構いなし。もし、しつこく抵抗するなら、「年々、社会保障費が増大するから、それをカバーするためにも財源の確保が重要です。みなさん、病気になった時や老後の生活が心配でしょう。また、子供に負担を掛けないためにも、今、増税に賛成して国の借金を無くしましょう」、と脅しをかける。恐怖心を煽って大衆を動かすのが役人の手口だ。
  こうした役所の脅迫に、大震災やウイルス騒動が加われば鬼に金棒だ。一般人というのは感情に左右されやすいから、疫病とか不況で動揺すれば理性を失い、仔犬のように何でも言うことを聞く。役人にとったら国家的悲劇は「天佑」と思えるくらい、増税を実現できる絶好のチャンスだ。そして、こうした大増税の下地を均(なら)すのが、役所に飼われた御用学者の務めである。さっそく、東京財団の小林慶一郎や一橋大学教授の佐藤主光(さとう・もとひろ)が発起人となって「緊急提言」を発表した。ここにも、伊藤元重や森信茂樹が賛同している。この緊急提言では「感染拡大の抑止」とか「長期的な産業構造変化の促進」が盛り込まれているが、刮目すべきは「経済的インパクトの軽減」であろう。小林・佐藤の両名は次のように述べていた。
   家計への支援として消費税の減税を主張する向きがある。しかし、緊急時において重視すべきは(不要不急なものを含む)消費への補助ではなく、最低限の生活が確保できるような収入への支援であろう。家計の所得の急減を補償するためには選択的な現金給付が望ましい。(「経済政策についての共同提言 新型コロナウイルス対策をどのように進めるか?」 2020年3月18日)
  伊藤氏と佐藤氏は、国民救済のために特別給付金の配布を提言するが、消費税の引き下げやゼロ%への誘導には反対のようだ。どうして日本経済を苦しめる消費税を撤廃しようとしないのか? 武漢ウイルスの蔓延で世界恐慌になっているんだから、少しでも消費意欲を喚起すべきなのに、給付金を“ちょこっ”と与えて「終わり」なんて、あまりにも酷いじゃないか。普通の日本人は、病気でグッたりした猫ちゃんを元気づけるために、毎日、高価な「チャオチュール」を“ご褒美”にして、「早く良くなってね !」と願うのに、財務官僚や御用学者ときたら、ビーフ・ジャーキー1本で誤魔化そうと謀っている。政府与党の議員も財務省には逆らえないから、地元の有権者に「どうか御理解ください」と頭を下げて、こっそり舌を出す。
  でも、霞ヶ関のお役人様は冷酷無情で、プライマリー・バランスの実現へとひた走る。彼らは財政出動に不満で、所得保障の如き“余計”な支出は大嫌い。国民に甘い餌を与えたら、クルっと表情を変えて、ヤクザ並に脅しをかけ、「この落とし前はつけてもらうぞ ! 必ず武漢増税に賛成してもらうからな !」と凄む。もし、このまま安倍総理が続投となれば、またもや財務省に屈服するかも知れないし、万が一、安倍政権が総崩れとなり、岸田文雄に総理の椅子が禅譲されれば、財務省は万々歳だ。「身内」の岸田が総理大臣になれば、首相官邸と財務省は表裏一体となる。岸田じゃ日本版のトマス・クランマー(Thomas Cranmer)かウィリアム・ロード(William Laud)だ。(クランマーはヘンリー8世治下のカンタベリー大司教で、ロードの方はチャールズ1世に仕えた大司教。) まぁ、菅義偉や石破茂が総理大臣になっても同じだから、日本の未来は非常に暗いと言えよう。
  ちなみに、東京財団の「研究者」リストを覗くと、曰く付きの面々がゾロゾロいる。例えば、日本の政治を分析して米国に報告するジャラルド・カーチス。通産官僚上がりで元外務大臣の川口順子、NHKが贔屓にするアメリカ政治の専門家と称する久保文明、支那人に擦り寄る高原明生、左巻きで有名な政治学者の北岡伸一、復興増税に賛成した土居丈朗など、色々な意味で豪華なメンバーだ。この東京財団は独自の政策を提示するシンクタンクと称しているが、その財政的基盤は日本財団から来ている。日下公人や曾野綾子を「看板」にした日本財団といえば、会長の笹川陽平が直ぐ目に浮かぶ。この笹川氏は慈善活動に取り組む一方で、矢鱈と反日活動にのめり込んでいた。彼は支那人と自衛官の交流を促進したり、日比混血児を支援して日本国籍を取らせたり、と様々な社会活動をしている。慈善家という仮面の下に何か別の顔があるんじゃないか、と疑うのは筆者だけだろうか。(ここでは詳しく述べないが、笹川氏の行動には胡散臭い点が多々ある。)
  話を戻す。昔、ユダヤ人社会学者のジェルジュ・コンラッド(György Konrád)が言っていたが、知識人というのは常に自分と結びついた特殊利害を持っていて、彼らの利益にっとて都合の良い知識を「至高の知識」とか「普遍的価値」にして吹聴するそうだ。おそらく、諮問委員会のメンバーになった小林慶一郎や大竹文雄は、学者としての信念を貫くより、役所への忠誠心を優先したのかも知れない。確かに、財務省を敵にまわして在野の知識人で終わるより、権力の蜜にタカって有名になった方が得である。大学教授というのは「蛹(さなぎ)症候群」という病に冒されており、「早く蝶(長)になりたい」と望んでいる。つまり、どんなに下らない有識者会議でもいから、「委員長」とか「座長」になると殊のほか喜ぶ。何しろ、政府の“お招き”を受ければ、世間から「うわぁぁ〜、すごぉぉ〜い!!」と称讃されるし、テレビ番組に出演すれば両親や親戚から拍手喝采だ。女房や子供だって「お父ちゃん、やったね !」とVサイン。褒められた本人だって気分がいい。これは教授の女房も同じだ。亭主が花形学者になると、教授の奥様は上機嫌。見栄張りが集まる婦人会に行けば、“わざと”「うちの主人は今、政府の仕事で忙しくて・・・」と愚痴をこぼし、皆の前で鼻高々となる。
  大学という「楽園」に暮らす経済学者には「失業」という恐怖は無い。だから、一般国民が消費税の続行や新増税でどれだけ苦しもうが、お構いなし。「努力して乗り越えないさい!」と説教して終わりだ。産経新聞の田村秀夫や政策工房の高橋洋一会長たちは、消費増税に憤慨して財務省や御用学者を批判するが、もしかしたら財務省の中枢には単なるアホじゃなく、日本経済を縮小させようとする「確信犯」がいるのかも知れないぞ。つまり、この確信犯は外国勢力の手先になっており、わざと国益に反する経済政策を宣伝しているということだ。なるほど、財務官僚には省益を第一に考える連中が多い。でも、彼らの中には「善良な役人」を装った裏切者が潜んでいる。過去には、大東亜戦争を仕組んだ近衛文麿や風見章のような極悪人もいたから、外国人に飼われた犬がいてもおかしくはない。日本には防諜組織が無いから、上級のスパイや工作員、あるいは官僚組織に陣取る日本人エージェントの摘発はほぼ不可能だ。日本人は経済分野の問題を経済評論家ばかりに尋ねるが、国家の経済政策は時として軍事・外政の分野に跨がっているから、謀略戦の視点からも検証すべきである。財務省の中には、徴税ばかりに夢中になる「鮫」もいるけど、その一方で金や女で釣られた「鯛」が泳いでいるのかも知れないぞ。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68811386.html  
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/151.html#c37

[近代史5] 『レ・ミゼラブル』が描いた19世紀のパリ 王政が放置した下水道の探索 今日につながる公衆衛生の営み
『レ・ミゼラブル』が描いた19世紀のパリ 王政が放置した下水道の探索 今日につながる公衆衛生の営み
2020年5月27日


 コロナ禍に立ち向かい外出自粛による閉塞感をうち破ろうと、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の歌曲「民衆の歌」を、俳優や歌手あるいは家族や若い仲間同士で、自宅やスタジオをつないで合唱し動画で配信する活動が広がっている。その勇壮な歌声が共感を広げている。

 〈闘う者の歌が聞こえるか/鼓動があのドラムと響き合えば/新たにあつい命が始まる/明日が来た時/そうさ 明日が〉
 〈列に入れよ 我等の味方に/砦の向こうに 世界がある/闘え それが自由への道〉

ビクトル・ユーゴー
 フランス大革命後の7月王政を打倒するためにパリ市民が蜂起した1832年6月、政府軍との衝突場面で、青年アンジョルラスを中心とする男女の群像が鋭い眼光で前方を見つめてうたいあげる劇中歌である。

 『レ・ミゼラブル(惨めなる人々)』といえば、文豪ビクトル・ユーゴーの世界を震撼させた大河小説である。日本では「ああ無情」の題名で児童文学にもなり、主人公ジャン・バルジャンが絶望的な境遇のもとで強靱に生きる姿が世代を超えて人々の心に焼き付いている。

 フランスの片田舎に生まれ育った青年ジャン・バルジャンが一片のパンを盗んだために、19年間もの獄中で屈辱と労役を強いられる。そのことが、永劫に容赦されない罰として、彼の数奇な生涯を容赦なく決定づけることになる。彼は贖罪や善行によって社会的経済的な地位を得る。しかし、良心の呵責にさいなまれるいく度かの局面で、強い正義感と虐げられた者への同情を貫く。しかし、そのことによって奈落の底に突き落とされるのだ。

 この長編から当時のパリにおける最下層の民衆の抑圧された生活や、気分感情の複雑な動きが、またそれがどのようにして生み出されたのかまで、躍動的に伝わってくる。それはユーゴーが、ナポレオンのワーテルローの戦いから王政復古、1832年のパリ市民の蜂起について記録的に叙述した部分と重なって浮かび上がり、時代のすう勢と社会の欠陥をも直視するように迫るのである。

 ところで、ジャン・バルジャンが生涯警察に追われる身でありながら、孤児コゼットを宿主夫婦の虐待から救い出して育て、その恋人マリウス(共和派の青年)が市街戦で瀕死の状態にあったのを背負って下水道から脱出を図る描写は、読者が手に汗を握る場面である。ユーゴーは、ここでもパリ市街の下水道について歴史的に詳細に記述しており、感染症とのたたかいに直面する今日、興味深い部分となっている。

 19世紀のパリは人口が急増したため排水・排泥がおよばず、下水道がいくたびか反乱し「泥の都」と呼ばれていた。セーヌ川の水は汚れ、不衛生極まりなかった。フランス革命以後、パリの下水道改革が疫病対策の面からも緊急の課題となった。

 パリの下水道は、中世においてはまったく放置され長い間その全体像はわからないままであった。為政者は「精神的にもまたは物質的にも自分の仕事を処理する道を知らず、弊害を除去することができないとともに汚物を除去することもできなかった。……たとえば、下水道はまったく探査することができなかった」のである。

 ユーゴーは続けて、「ファゴンの説によると、1685年の恐ろしい熱病は、マレーの下水道にできた大きな割れ目から起こったものとのことである。その割れ目は、1833年まで、サン・ルイ街の風流馬車の看板が出ている前の方に、大きく口を開いたままであった。またモルテルリー街の下水道の口は、疫病の出口として有名だった。……その恐ろしい腐爛の地域を探険しようという考えは、警察の人々にも起こらなかった」と書いている。

 フランス革命はそれを大胆にやり遂げる人物、ブリュヌゾーを生み出した。彼の指揮のもと「その探険はやがて行なわれた。恐るべき戦陣だった、疫病と毒ガスとに対する暗黒中の戦いだった。同時にまた発見の航海だった」「当時の消毒方法はきわめて初歩の程度だった。前進は遅々として困難だった。……角灯はガスのためによく燃えなかった。気絶した者を時々運び出さなければならなかった。ある所は絶壁のようになっていた。地面はくずれ、石畳は落ち、下水道はすたれ井戸のようになっていた。堅い足場は得られなかった。ひとりの者が突然沈み込み、それを引き上げるのも辛うじてだった」。

 ユーゴーはこうした極度の困難を乗り越えて実施された検分によって地質学、考古学、化学、さらには歴史学上の新たな発見がもたらされたことをも記述している。下水道は放置されていたから、為政者の墓場、政治上宗教上の公衆虐殺による死骸の放棄など、パリの歴史をそのまま刻み込んでいた。それらの洞穴のなかでは、「社会の災害の大なる悪臭が呼吸される。片すみには赤い反映が見える。そこには血のしたたる手が洗われた恐ろしい水が流れている」と。

 さらに続けて、「下水道は都市の本心である。すべてがそこに集中し互いに面を合わせる。その青ざめたる場所には、暗闇はあるが、もはや秘密は存しない」「不潔の堆積なるがゆえに、その長所として決して他を欺かない。率直がそこに逃げ込んでいるのである」と、そこに潜むありのままの真実を哲学的に追究していく。そして、「国家至上の道理、宣誓、政略、人間の裁判、職務上の清廉、地位の威厳、絶対に清い法服、などが装ういかめしい様子を、地上において絶えず見続けてきた後、下水道にはいってそれらのものにふさわしい汚泥を見るのは、いささか心を慰むるに足ることである」と、上品さを装うベールを引きはがし真実を探究することに、心を躍らせるのである。

 ユーゴーはここで、「社会観察者はそれらの影の中にはいらなければいけない。それらの影も社会実験室の一部をなす。哲学は思想の顕微鏡である。すべてはそれから逃げようと欲するが、何物もそれから脱することはできない」と断じている。

 実際に、一大叙事詩ともいえる『レ・ミゼラブル』には、ユーゴーが詩人・小説家としてそのような現実に迫る態度を貫いた証として、今もなお輝きを放っているのだといえる。

https://www.chosyu-journal.jp/review/17370
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/129.html

[近代史4] 中国の生きたまま摘出した臓器に群がる世界の臓器ビジネス
中国の生きたまま摘出した臓器に群がる世界の臓器ビジネス


中国の法輪功参加者の生きた臓器に群がる世界の臓器ビジネス 2020年05月26日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1134.html


 
 中国共産党が、自分たちを批判する法輪功(気功修練グループ)の加盟者を、令状もなく不法に長期間拘束し、生きたまま臓器を摘出して殺害し、その臓器移植で莫大な利益を上げていることは、すでに世界に大きく知られている。
 https://www.epochtimes.jp/jp/2009/12/html/d72072.html

 このナチズムを上回るほどの非人道的行為に対し、アメリカ・カナダなどから激しい批判、糾弾が続いているが、一方で、中国共産党の臓器ビジネスの利権に群がる国や企業、個人が存在している。

 今回、唐人テレビが、フランスにおける臓器ビジネスと中国との密接な関係を告発した。
 
  フランスと中共の密接な関係 見え隠れする臓器移植の闇
 https://www.ntdtv.jp/2020/05/43594/

 以下一部引用

 フランスのラファリン前首相は2009年に中国を訪問し、中南医院の周雲峰院長にフランス最高の名誉勲章、レジオン・ドヌール勲章を授与しました。

 しかし「法輪功迫害を追及する国際組織」の調査によって、中共が長期にわたり生きている法輪功学習者から臓器を摘出していたことが明らかになりました。武漢大学中南医院は強制臓器摘出を行っている疑いのある病院の一つに挙げられています。

 強制臓器摘出に関わっているとされる医師の大部分は、武漢大学肝臓・胆のう疾病研究院の出身です。病院主任の彭貴主医師だけでも、2002年から2012年の10年間で少なくとも407人もの肝臓移植と多臓器摘出手術を行っています。

 フランス医学界は長年、中国に医療研修や技術支援を行っています。
 また、フランスは2004年に中共政府と全面的戦略パートナーシップ関係を結んだ初めての西側先進国となりました。

 フィリップ首相、憲法評議会会長のファビウス元総理、ラファラン元総理、ヴェドリーヌ元外務大臣らも、この戦略委員会に名を連ねています。ラファラン元総理はかつて武漢P4実験室の建設をサポートして中共の「友誼勲章」を授与されており、今回の感染拡大時には中共メディアの「環球時報」に中共を支持する動画を送っています。

 武漢P4実験室の建設を支持したフランス人ビジネスマンのアラン・メリューも、仏中財団戦略委員会のメンバーです。彼はメリュー財団のトップで、メリュー財団はフランスのリヨンのP4実験室の出資者でもあります。

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中国共産党の罪なき人々から生きたまま臓器を摘出して殺害する「臓器ビジネス」に群がる人々の顔ぶれを調べてゆくと、なんと、日本人が最大の顧客になっているとの報告がある。

  2017.7.28 【ニュースの深層】チャイナ“臓器狩り” 日本は最大の顧客か
  https://www.sankei.com/premium/news/170728/prm1707280005-n1.html

 以下引用

 中国の“政治犯”の臓器が売買され、日本人を始めとした患者に移植されている−。そんな中国の“臓器狩り”の実態に詳しいジャーナリストらが今秋、中国で臓器移植を受けることを禁止する法律の制定などを目指して活動する「中国における臓器移植を考える会」を設立する。

 法輪功信者の臓器を強奪?

 「健康な囚人、囚人といっても反体制派や政治犯の臓器を取り出して、臓器移植をしている。これが中国の共産党の大きな収入になっているそうだ」
 21日、参議院議員会館で開かれた同会の設立発起人会。外交評論家の加瀬英明氏は冒頭、中国の臓器移植についてこのように述べ、日本政府がこうした問題に真剣に取り組むよう求めた。

 発起人会では中国の臓器売買の実態に詳しいジャーナリストの野村旗守氏が「中国が公式にアナウンスしている年間の移植手術数は約1万件だが、カナダ人弁護士らが病床数や稼働率などから割り出した数字は年間6万件から10万件だった」と紹介。中国は移植臓器の供給源は死刑囚だと説明しているが、年間数千人とされる死刑囚の数と乖離があると指摘した。

  そして、ドナー(臓器提供者)として、中国で弾圧されている「法輪功」の信者や、政治犯として捕らえられたウイグル、チベットなどの少数民族をあげた。彼ら、彼女らの臓器が強制的に売られている可能性が高いという。

 海外で臓器を“買う”

 加瀬氏らは、こうした臓器売買に日本も無関係ではないと話す。

 日本臓器移植ネットワークによると、今年6月末時点で、腎臓や肝臓などの臓器提供を待っている国内の患者は1万3450人。多くの患者は待機リストに名前を連ねて移植を待つが、中には高額な費用を出し海外に渡航して移植を受ける患者もいる。中国の病院の中には、日本人や韓国人を主な“顧客”と想定している病院もあるとされる。

 海外に移植のため渡航することを禁止する法律を持つ国もある中、日本は臓器売買を禁止する法律は持つが、渡航を禁止してはいない。加瀬氏は「中国で臓器移植を受けている患者は日本が一番多いとも言われている。中国で臓器移植を受けることを禁ずる法制化まで持っていきたい」と活動の狙いを明らかにした。

 日本人の実態解明を

 ただ、実際にどの程度の患者が海外で移植を受けているかは分からない。渡航移植をめぐっては、反社会的勢力がビジネスとして国際的に暗躍しているとの指摘もある。

 2008年に国際移植学会が採択した「イスタンブール宣言」では、臓器売買や移植ツーリズムの禁止のほか、自国での臓器移植の推進がうたわれている。国連なども、「臓器摘出を目的とした臓器売買、人身売買は人類に対する真の犯罪」と位置づけ、今年2月に開かれたローマ教皇科学アカデミー主催の国際サミットでも、臓器売買の根絶に向けて一致団結することが国際的に宣言された。

 「数百人の日本人が中国で移植を受けたといわれているが、うまくいった例だけではないはずだ」と加瀬氏。考える会は今後、こうした日本の患者の情報などを集め、実態解明につなげるという。
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 引用以上

 以上は産経新聞の2917年度の記事なので、やや古いが、反共プロパガンダのために設立された産経新聞(フジ・サンケイグループ)の政治的立場を考えれば、鵜呑みにはしたくないが、しかし、この記事に関して、事実を捏造したような形跡は見られない。

 他にも関連ニュースがないか調べてみると……。

 中国の「臓器狩り」に日本人と厚労省も加担している!? 2019.03.25
 https://the-liberty.com/article.php?item_id=15578

 実は、私も、最悪、肺移植の可能性もあるのだが、こうした中国人の臓器をもらうくらいなら、死んだ方がマシだ。もっともカネがないから相手にしてもらえないが。

 そもそも、臓器移植の需要と供給の実態は、以下の通りだ。
 https://www.jotnw.or.jp/learn/about/

 【臓器移植とは、重い病気や事故などにより臓器の機能が低下した人に、他者の健康な臓器と取り替えて機能を回復させる医療です。第三者の善意による臓器の提供がなければ成り立ちません。日本で臓器の移植を希望して待機している方は、およそ14,000人です。それに対して移植を受けられる方は、年間およそ400人です】 

 年間14000名が臓器移植をしなければ生きられない状態だが、実際に移植できたのは400名だから、2.8%しか希望が叶えられない。
 だが、中国では、「カネさえ払えば」、日本や欧米なら数年待ちの臓器が、わずか数日で入手可能だという。
 それも、新鮮な死にたての臓器、健康な若者や子供の臓器まで簡単に手に入るが、日本の場合は、癌で亡くなった人の腎臓を移植したりしなければならないこともある。

 中共軍医が法輪功学習者からの臓器狩りを認める【禁聞】
 https://www.ntdtv.jp/2020/05/43433/

 中国へ、臓器移植を求める金持ちの日本人が急増 2006年04月09日
 https://www.epochtimes.jp/jp/2006/04/html/d19932.html

 少し古い記事だが、現状が変わっていないので引用する

 日本が1997年に臓器移植法案を改定してからも、日本での臓器提供の回数が50回に留まっており、腎臓移植は998回のみが行われた。臓器提供者が少ないため、1万2000人もの臓器移植を待機する者の多くは、中国へ臓器移植を求めた。しかし、それらの多くの臓器の出所は未だに不明である。

 ウェブサイト「ジャパン・フォーカス」は4月2日、中国で腎臓移植に掛かる費用は6万6500米ドル(約778万円)で、肝臓移植に掛かる費用は15万7000米ドル(約1835万円)であると報道した。少し前に、台湾の「イエーソン・ヘルスケア・サービス・センター」のネット仲介者は、「ジャパン・タイムス」に対して、上海の中山医院での心臓移植手術は、わずか11万9000米ドル(約1392万円)でできることを示したという。ちなみに、米国で同様な手術を行う場合は、86万米ドル(約1兆円)がかかるという。

 最近の実例

 日本で腎臓移植の手術は年間10回にも満たない中で、4年間腎臓を待ち続けた建築関係の会社経営者・平野ケンイチロウ(62)は、インターネットで噂の中国臓器を探し当てた。

 平野氏は、ウェブサイトの「中国国際臓器移植センター」で連絡先を求めた。同サイトhttp://en.zoukiishoku.com/list/link.htm(2006年4月2日版)は、英語、日本語、韓国語およびロシア語による詳細な説明が行われており、「患者様の検査データを当センターへメールにて送付し、またはファックスにて送付し、当地担当病院において、移植に際しての禁忌等確認および診断等を行う。

 診断後移植可能と診断された場合、移植手続きの申し込みをいただく。もっとも早いケースでは1週間程度でドナーが現れる可能性がある。肝臓のドナーは1ヶ月、長くても2ヶ月で現れる」と掲載している。しかし、臓器の出所は一切説明していない。

 平野氏は、中国瀋陽市にいる日本人仲介者と連絡を取ってから10日後に、自分が上海の病院で腎臓移植を行っていることに驚いたという。

 腎臓提供者は若い死刑囚と言われ、腎臓の価格は680万円だった。同氏にとって、安価な買い物だった。同氏は、最近中国で腎臓、肝臓または心臓移植を行った数百人の金持ち日本人の中の一人に過ぎないのだ。

 中国闇市場での臓器売買、臓器の出所が謎

 中国東部海岸は「臓器移植の旅」と称される貿易はますます盛んになっている。韓国人、米国人および各国の人々は安価で健康な臓器に注目している。地元の仲介者にさえ支払いをすれば、金持ちの患者は上海やその他の都市にある一流病院での臓器移植ができる。術後のアフターフォローが行われない状態で、多くの患者は、帰国後2,3年で死亡する現状である。しかし、それても、中国へ臓器移植を求める人々を止めることはできないのだ。

 移植用の臓器売買は中国では違法であるが、闇の市場ではますます盛んになっていることを裏付けるが、移植される大量な臓器の出所に関する情報は非常に少ない。また、医療関係者によると、より完全無欠な臓器を保つために、現在は、銃による処刑より、注射による安楽死の方法が増えたという。

 アムネスティ・インターナショナルの調査によると、2004年の中国での処刑者数は世界でもっとも高い3400人であり、一部のアナリストはさらに上回り8000人が処刑されていると分析している。

 また、中共側はこのころ、死刑囚の臓器は移植用として、外国人向けに販売されていることを明かし、臓器提供者全員が自ら同意したとし、家族にも販売された一部の金額が与えられることを示した。しかし、一部の死刑囚の家族は当局に対して、家族の同意なしで臓器摘出したことを訴えたという。一部の人権団体も、中共当局に対して、処刑時間を臓器移植の時間に合わせたことを譴責した。1980年の中共政権では、臓器摘出する際、本人または家族の同意が必要と定めている。

 今年、一部の外国新聞メディアは、少なくても8人の日本人患者が中国で臓器移植を行ってから死亡したことについて、北京当局に対して譴責した。また、マレーシア、カナダおよび米国の患者が中国で、臓器移植を行ってから死亡した報道もあった。

 中国で臓器のドナーを待っている患者は200万人を超えていると言われる。しかし、外国の患者がいきなりに彼らを飛び越え、最優先的に臓器移植が行われることから、刑務所から病院までのルートに金銭が作用されたと考えられる。それ故に、調査もなお難しくなるのであろう。
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 引用以上

 上の記事では、中国に配慮して、臓器提供者が死刑囚だけであるかのようなウソを書いているが、実際には、江沢民の命令により法輪功参加者の無条件不法逮捕が始まったのは1998年頃で、今世紀に入ってからは、年間数百名の罪もない法輪功参会者が生きたまま臓器を抜かれて殺害されている。
 また、2016年以降は、何の罪もないウイグル人が強制収容所に投獄され、生きたまま連れ出されて、二度と姿を現さない事例が、やはり年間数百名に及ぶという。

  麻酔なしで臓器を強制摘出、女性器に電気棒を突っ込み…! 中国共産党による臓器売買と拷問の実態を「日本ウイグル連盟」会長が暴露! Posted on January 29, 2019
 https://www.uyghurcongress.org/jp/%E9%BA%BB%E9%85%94%E3%81%AA%E3%81%97%E3%81%A7%E8%87%93%E5%99%A8%E3%82%92%E5%BC%B7%E5%88%B6%E6%91%98%E5%87%BA%E3%80%81%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%99%A8%E3%81%AB%E9%9B%BB%E6%B0%97%E6%A3%92%E3%82%92%E7%AA%81/

 【中国共産党の臓器狩り】100万人を超えるウイグル人を収容所へ
 https://netlabo.biz/uyghur-100

 こんな中国共産党による、ナチスのユダヤ人大虐殺をも超えるような凄まじい非人道殺戮によって売り飛ばされる、被害者の臓器を誰が、一番たくさん買っているのか?
 日本人である。

 冒頭にリンクしたのは、フランス政府が、こうした臓器売買に関与し、今回の新型コロナウイルス・パンデミックの原因であろう武漢P4b微生物兵器研究施設を設計し中国に与えたのもフランス政府であるという。
 フランス政府は、イタリア政府やドイツ政府と同じく、中国共産党とズブズブの泥沼に入り込んでいて、利権を共有しているのである。
 だから、これほどの歴史的残酷犯罪が、世に明らかになって、すでに20年以上経ているのに、まったくなくなっていないのである。

 また、日本人による法輪功修練者の臓器購入も続いているといわれる。中国で、安く新鮮な臓器が手に入り、待ち時間もなく移植手術が受けられるのは、それが罪なき人々を殺害して臓器を抜き取るからなのだ。
 いくら、自分が臓器移植を必要とするといっても、そんな臓器を買うことは、恐ろしいカルマというしかなく、いずれ、とんでもない因果応報が還ってくるに違いない。

 私は傲慢な利己主義者のトランプが大嫌いで、安倍晋三と同じく顔も見たくないが、しかし、トランプが、中国の臓器移植に真正面から反対し、それをやめさせる力になるとすれば、トランプを支持するしかない。
 現実には、トランプは駆け引きや、取引が死ぬほど好きなので、たぶん何かと取引すると予想しているが……。

 ただ、オバマ時代の民主党政権や、クリントンは、中国共産党から多額の資金を提供されていて、これがために、20年前からの法輪功殺人に頬被りを続けてきた。
 安倍晋三が、臓器殺人の最高責任者である習近平を日本に国賓として招こうとして、コロナ禍に阻止されているが、これも、自民党安倍一味(あるいは二階ら)に対して、中国が莫大な資金提供を行って大量臓器殺人を隠蔽させた疑いがある。

 これは、人間界最悪の犯罪であり、カルマである。
 カルマがカルマとして作用する条件は、本人が、それを悪事と認識するところからである。安倍らが、臓器殺人隠蔽の罪を自覚すれば、これまでのあらゆるカルマが一斉に安倍自民党を押しつぶすだろう。
 臓器被移植者も、それが罪なき人から生きたまま抜き取って殺した臓器であることを知った段階で、凄まじいカルマが始まるのだ。


http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1134.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/912.html

[近代史5] 感染症と格闘した人類の歴史
感染症と格闘した人類の歴史 研究者らの著作から学ぶ
書評・テレビ評2020年5月26日
https://www.chosyu-journal.jp/review/17354

 新型コロナウイルスの感染拡大が世界を覆い、日本では緊急事態宣言の解除へ進んでいるものの、秋には第二波も予測されるなど不安な日々が続いている。こうしたとき、歴史の教訓をひもといて先人たちの経験を学び、将来に役立てることは意義のあることだ。人類と感染症との出会いは文明の発祥にさかのぼるが、感染症とはなにか、人類は長い歴史のなかで感染症とどのように格闘してきたか、そこから今どのような教訓を引き出すべきかについて、感染症の研究者や歴史学者が著した著作をつうじて考えてみた。

 文明の誕生が人類に感染症をもたらした。長崎大学熱帯医学研究所教授の山本太郎氏は、

『感染症と文明』(岩波新書)
https://www.amazon.co.jp/感染症と文明――共生への道-岩波新書-山本-太郎/dp/4004313147


のなかで次のようにのべている。

 狩猟と採集を中心とする移動生活から、農耕を中心とする定住生活に移ったことは、人類にとって大きな進歩だった。食料の増産と定住は人口増加をもたらし、文明を育んだ。だがそれは、人類に多くの試練ももたらした。感染症もその一つである。

 紀元前3000年頃、チグリス川とユーフラテス川にはさまれたメソポタミアで流行したのは麻疹(はしか)で、イヌあるいはウシに起源を持つウイルスが種をこえて伝染した結果、ヒトの病気となった。それは、メソポタミア文明が人類史上はじめて、感染症の持続的流行を維持するために充分な人口を持っていたからだ。麻疹が社会に定着するためには、最低でも数十万人規模の人口が必要だという。それ以下の人口集団では、感染は単発的なものにとどまり、恒常的に流行することはない。

 そして、農耕定住社会への移行によって次のような変化が起こったことを見逃すことはできない。まず、人々が排泄する糞便が肥料として再利用されるようになり、寄生虫疾患を増加させた。次に、貯蔵された作物はネズミなどの餌となり、ネズミはノミやダニを通じてペストなどの感染症を人間社会に持ち込んだ。そして野生動物の家畜化は、動物起源のウイルス感染症−−天然痘はウシ、麻疹はイヌ、インフルエンザは水禽(アヒル)、百日咳はブタあるいはイヌに起源を持つ−−を人間社会に持ち込んだ。

 46億年といわれる地球の歴史のなかで、微生物(ウイルス、細菌など)は30億年の歴史を持つが、それまで野生動物を宿主としていた病原体が、文明の誕生によってヒトという新たな宿主を得たことになる。それによってヒトの感染症の種類は一気に増加した。

 しかし、感染症が文明を完全に破壊することはなかった。感染症を保有する社会は、その感染症の流行によって一定程度の人口が恒常的に失われるが、生き残った人々は免疫を獲得し、免疫によってそれ以後の感染を免れるということをくり返してきた。流行が進展すると免疫を持たない人の割合が低下し、そして流行は終息する。最後まで感染しなかった人は、すでに感染した人々によって守られたといえる。これを集団免疫と呼ぶ。

 一方、感染症を保有しない社会(恒常的流行のない社会)では、感染症が日常的に被害をもたらすことはない。だがいったん感染症がその社会に持ち込まれると、その被害は、感染症を保有する社会とは比較できないほど大きなものになる。

ペスト 欧州の3分の1が死亡

 それぞれの文明は、風土や歴史に応じた固有の伝染病を持っていた。ペスト菌は中国起源で、紀元1〜2世紀頃に成立したシルクロードを通じてユーラシア大陸の両側に広がった可能性があるという。

 ウィリアム・H・マクニールの『疫病と世界史』(上・下、中公文庫)
https://www.amazon.co.jp/疫病と世界史-上-中公文庫-マ-10-1/dp/4122049547

は、このペストと人類との攻防を描いている。ペストの流行は7世紀の随の崩壊や、8世紀の東ローマ帝国の衰退の一因となったが、その後の300年間は歴史から姿を消していた。

 13世紀になると、ジンギスカンのモンゴル帝国がアジアを横断する陸上の隊商交通をさらに発展させ、シルクロードよりもっと北方の大草原地帯にまで広げた。モンゴル帝国は今の中国とロシアのほぼ全土と、中央アジア、イラン、イラクを包含しており、1日100マイルも走り続ける騎馬飛脚や遠距離を行き来する隊商や軍隊の織りなす一大交通網をつくりあげた。

 それを契機にヒマラヤ山麓に根付いていたペスト菌が、広大な大草原の野生の齧歯類(げっしるい。とくにクマネズミ)と接触し、クマネズミを宿主にして広がった。ペスト菌を保有するネズミの血を吸ったノミがヒトを吸血すると感染が成立する。隊商がペスト菌に感染したネズミとノミを運び、ペストは中国やインドへ、そしてヨーロッパと中東のほとんどすべての地域へと、隊商基地網や船舶航路網を通じて広がった。

14世紀にヨーロッパで大流行したペスト。犠牲者の棺を運ぶ村人を描いた絵画
 ヨーロッパでは1347年からの4年間で、当時の全人口の約3分の1、約3000万人がペストで死んだといわれ、黒死病といって怖れられた【地図参照】。同時期には中国でも人口が半減するほどのペストの流行が起こっている。ペストは17世紀まで随時突発し、1年間で、ある市の人口の3分の1から半分もの多数の生命を奪い去る事態は普通のことだった。一方、それによってハンセン病は急減したという。

 14世紀当時の様子をジョバンニ・ボッカチオの『デカメロン』が次のように伝えている。

 「1日千人以上も罹患しました。看病してくれる人もなく、何ら手当を加えることもないので、皆果敢なく死んで行きました。また街路で死ぬ人も夜昼とも数多くありました。また多くの人は、家の中で死んでも、死体が腐敗して悪臭を発するまでは、隣人にはわからないという有様でした」

 「墓地だけでは埋葬しきれなくなりまして、どこも墓場が満員になると、非常に大きな壕を掘って、その中に一度に何百と新しく到着した死体を入れ、船の貨物のように幾段にも積み重ねて、一段ごとに僅かな土をその上からかぶせましたが、仕舞には壕も一ぱいに詰まってしまいました」

 ペストはペスト菌によって引き起こされる感染症である。腫脹したリンパ腺がこぶし大にふくれあがる腺ペストは、全身の皮膚に出血性の紫斑があらわれるため、黒死病と呼ばれた。抗生物質がない時代、致死率は50%をこえた。一方、飛沫感染する肺ペストは、血痰や喀血といった肺症状が見られ、無治療下での致死率はほぼ100%だった。そうした状態は1894年に北里柴三郎とアレクサンドル・イェルサンがペスト菌を発見し、1943年に抗生物質ストレプトマイシンが発見されて改善された。現在では抗菌剤で適切に治療すれば治癒する。

天然痘 先住民を征服する武器として使われた歴史

 先の2冊の書籍を読むと、感染症は他の民族を侵略し支配する武器としても機能したことがわかる。大航海時代の15世紀、アメリカ大陸に侵攻したスペインがヨーロッパの多種多様な感染症を持ち込み、免疫のない先住民のインディオをさんざんな目にあわせたという記録が残っている。アメリカ大陸の先住民は、ヨーロッパ人が四〇〇〇年もの長い文明の歴史を通じて少しずつ遭遇を重ねてきた多種多様な感染症にいきなりさらされたとき、なすすべを持たなかった。

 なぜ、スペインのエルナン・コルテスが600人に足りぬ軍隊で、数百万人の民を擁するアステカ帝国(現在のメキシコ)を征服できたのか。それは天然痘を持ち込んだからだ。アステカ人がコルテスとその部下を最初に首都から追い払った4カ月後、天然痘が突発し、抵抗力を持たない先住民の3分の1が死んだという。

 ピサロがインカ帝国(現在のペルー)を侵略したときも、彼らは天然痘を持ち込んだ。インカの王は軍隊の指揮をとっていたときにこの感染症で死に、王位継承者も死に、正式の後継者がいなくなった。

 一方、スペイン人は子どもの頃感染して免疫を持っていたので、何の影響も受けなかった。それを目の当たりにした先住民にとって、土着の神々の権威は崩壊し、相手の人数がどれほど少なく、その行為がどれほど卑劣であっても、その白い皮膚の人間の命令に従って改宗せざるをえなかったのだとマクニールは見ている。

 侵略直前、アメリカ大陸の先住民の総人口は約1億人で、うち3000万人がメキシコの文明中心地に、アンデスの諸文明圏にも同数が住んでいたという。それが侵略後の120年(人間の5〜6世代)の間に10分の1になったというのだからすさまじい。

 また、大航海時代のハイチでは、先住民であるタイノ・アラクワ族約50万人が暮らしていた。そこへヨーロッパ人が天然痘を持ち込んだ。そしてタイノ・アラクワ族の絶滅が奴隷貿易の始まりにつながった。フランスはアフリカから黒人奴隷をハイチに運び、ハイチから砂糖をヨーロッパに運んで、フランスの資本家が莫大な利益を得るとともに、ハイチを貧しい状態に固定化した。このハイチの貧困は現在まで続き、エイズや結核という感染症の土壌を提供し続けている。「貧困の病」といわれるゆえんである。

結核やコレラ 重要な公衆衛生の改善

 産業革命をへて工業都市が成立すると、結核が19世紀ヨーロッパの最大の感染症となった。結核菌は地上でもっとも古く、またもっとも広く遍在している細菌で、石器時代やエジプト古王朝時代の人骨から結核に冒された痕跡が発見されている。そして19世紀になり、汚れた大気、密集した都市での暮らし、換気の悪い工場での長時間労働が、結核菌の感染拡大の土壌をつくった。

 しかしこの150年間、結核死亡者数は一貫して減少してきた。それは、ロベルト・コッホが結核菌を発見したこと(1882年)、BCGワクチンが開発されたこと(初めての人体投与は1921年)、抗生物質が発見され導入されたこと(1943年)などが貢献したことは疑いない。

 ただ、こうした近代医学導入以前に結核の死亡率は減少し始めている。なぜか? その原因として、栄養状態の改善、居住環境の改善、労働環境の改善、あるいはその複合効果が指摘されている。

 東京都立大学教授の詫摩佳代氏は

『人類と病』(中公新書)
https://www.amazon.co.jp/人類と病-国際政治から見る感染症と健康格差-中公新書-2590-詫摩-佳代/dp/4121025903


のなかで、公衆衛生の重要性を次のように指摘している。

 激しい嘔吐と下痢をともなって著しい脱水症状に至るコレラは、もともとインドとバングラデシュの間のベンガルのデルタ地域に古くからあった風土病だが、19世紀になって世界に感染拡大した。そしてヨーロッパで猛威を振るい、致死率は50〜70%に達した。それも産業革命をへた人口の急増と都市への集中が背景にあった。

 当時、感染のメカニズムは解明されていなかったが、不衛生な環境がコレラの感染拡大と何らかの関係があり、それを改善する必要性は認識されていた。

 19世紀半ばのパリでは、下水道はあったが各家庭のトイレはすぐに詰まってしまい、糞便が円柱状に堆積して便座の近くまで迫り、汚物と臭気が家中にあふれていた。また下水道はしばしば氾濫した。そうした不衛生な状態はコレラやペストの流行にはもってこいだった。パリではコレラの三度の流行を経験して、上下水道の整備に本格的にとりくむことが決定され、コンクリートに覆われた地下暗渠(きょ)網が完成した。

 さらに感染症は国境をこえる。スエズ運河の開通後、マルセイユで流行していたコレラがインドやエジプトで流行していたコレラと同一の菌であること、イギリスの船舶がインドからコレラ菌を運んでいることがわかり、それがきっかけとなって初の国際衛生協定(1903年)ができた。それは国際機関・国際公衆衛生局をパリに設立することに発展し、ペスト、コレラ、発疹チフス、黄熱病の発生を監視し、ヨーロッパ共通の衛生規定や隔離検疫制度をもうけるようになった。それがWHOに引き継がれて今日に至る。

 詫摩氏は、コレラとペストを通じて人類は、科学技術(医学)と公衆衛生インフラの重要性、国際的な衛生管理の枠組みの必要性を認識したとのべている。

「スペイン風邪」 致死率高かった第二波

 第一次世界大戦末期の1918年から20年にかけて、三度にわたって流行した「スペイン風邪」は、世界全体で5000万人とも1億人ともいわれる死者をもたらし、記録のあるかぎり人類の体験した最大のパンデミックとなった【表参照】。それは第一次大戦の死者の数倍だが、しかし日本の歴史教科書にはまったくとりあげられず、その記録もほとんど残っていない。そのなかで貴重な史料を提供しているのが慶應大学名誉教授の故・速水融氏による

『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』(藤原書店)
https://www.amazon.co.jp/日本を襲ったスペイン・インフルエンザ―人類とウイルスの第一次世界戦争-速水-融/dp/4894345021


である。

 「スペイン風邪」と呼ばれる新型インフルエンザは、1918年初頭、米国カンザス州ハスケル郡で発生し、陸軍駐屯地で感染を広げた。数千人の新兵が感染し、そのうち数十人が死亡していたが、そのことは覆い隠され、ドイツに宣戦布告した米大統領の命令で、兵士たちは換気の悪い密な輸送船に詰め込まれてフランスに送られた。そこからヨーロッパ全体に感染が拡大し、以後世界中に広がった。交戦各国は士気の低下を怖れて情報統制していたが、スペインは中立国であるがゆえにその流行が世界に知れわたり、そこから「スペイン風邪」という汚名を着せられることになった。

 インフルエンザ・ウイルスは世界一周のあと、同年8月に変異し、非常に高い感染力を持つとともに、致死率の高いものへと凶暴化して再度人類に襲いかかった。ここでもウイルスの「運び屋」になったのは米軍で、9月にはボストン近郊の陸軍基地で1日に100人が死ぬほどの爆発的流行となったが、封じ込めはされず、兵士たちの移動にともなって全米に広がり、またイギリスやフランスに広がった。第一次大戦の米軍の戦没者は約10万人だが、その8割が「スペイン風邪」による死者だといわれる。

 サハラ以南のアフリカの死者は約238万人と推測されるが、それはアフリカにおける列強の代理戦争にアフリカ人が駆り出され、植民地経営の屋台骨を支えた鉄道がウイルスを運んだからだった。世界大戦によるヒトの移動が、それまでにない速さで感染症を広めた。

 日本には1918年秋に変異したウイルスが襲来し(前流行)、1919年末からの後流行とあわせて、約2358万人の感染者と約39万人の死者をもたらした。だが速水氏は、この政府統計には肺炎や気管支炎を併発して死亡した者が含まれていないこと、都道府県の統計自体が不備であることから、実際はそれよりはるかに多いとしている。

 当時の医学技術では、病原体を見つけることはできなかった。細菌よりもっと小さいウイルスが原因だったからだ。電子顕微鏡の発明とウイルス学の発展の後、古い人体の組織片からスペイン・インフルエンザ・ウイルスが分離できたのは1990年代のことだという。つまりそれまでの長期間、欧米では病原体の研究が続けられていたわけだ。ところが日本はそこからなにも学ばなかった。だからその反省に立ち、歴史に学ぶことから始めなければならないと速水氏は強調している。

 新型コロナに直面する今、この「スペイン風邪」を教訓にすべきだという研究者は少なくない。そこで語られているのは、感染症の流行が一回で終わらず三度の波があり、一回目より二回目の方が致死率が高かったという点だ。もう一つが、当時の米国で、敵国ドイツに対する敵がい心から「ドイツの潜水艦が病原菌を運んできた」「ドイツがアスピリン錠(バイエル社製)のなかに毒を入れた」というデマが広まり、医療現場を混乱させたという点だ。今でも自国ファーストで反中国を煽ることによって、パンデミック沈静化に不可欠な国際協力を妨害していると警鐘を鳴らしている。

「疫病根絶宣言」の後 森林伐採から新感染症

 ところで、1969年になると「感染症の教科書を閉じ、疫病に対する戦いに勝利したと宣言するときがきた」といった者がいる。当時のアメリカ公衆衛生局長官で、連邦議会公聴会でのことだ。当時、ペニシリンをはじめとした抗生物質が開発され、ポリオに対するワクチンの開発が成功していた。WHOは1980年に天然痘の根絶を宣言した。

 しかしここ数十年、エイズ、エボラ出血熱、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)などウイルスによる新しい感染症が増加している。

 アフリカのスーダンで1976年、原因不明の病気で多くの住民が死亡し、調査の結果エボラ出血熱という新しい感染症であることがわかった。発熱をともなう倦怠感や頭痛に続き、嘔吐、下痢、内・外出血が起こり、致死率は50%にものぼる。2000年以降は毎年のようにアフリカで流行し、2014年にはアメリカとヨーロッパでも患者が見つかった。

 ゴリラの研究で知られる京都大学長の山極壽一氏によると、自身がゴリラの調査をしているコンゴ共和国やガボンでも、エボラ出血熱がたびたび起こり、ゴリラやチンパンジーが大量に死んだ。だが感染範囲はゴリラの移動できる範囲に限られ、感染個体の死滅で感染はストップしていた。また現地では昔から未知の感染症が知られていたが、感染症が発覚すると村人は村全体を焼き払っていた。

 ところが近年、グローバル企業が森林伐採を進め、森の中に縦横無尽に大型トラックが走る道路をつくり、人々が奥地に入り込み、伐採地周辺には市場ができ、野生動物が売りさばかれるようになった。その結果、これまでめったに接触しなかった類人猿とウイルスの宿主であるコウモリが出会う機会が増えた。またウイルスに感染した野生動物が都市に出荷され、感染した村人たちも発症する前に都市との間を行き来し、こうしてアフリカの熱帯雨林に限られていたエボラ出血熱が米国にあらわれた。新しいウイルス感染症誕生の原因の一つは、自然破壊によって野生動物との接触を加速したことだと山極氏はのべている。

 また、米国の巨大化した工業式農業は、牛や豚、鶏を過剰な密度で詰め込んで大量生産する家畜革命を進めたが、その家畜工場では成長促進や感染防止のために大量に抗生物質を注射したり、餌や水に混ぜて食べさせている。全米薬剤耐性監視システムが2013年に発表した報告では、牛ひき肉の55%、豚骨付きロース肉の69%、鶏肉の39%から抗生物質に耐性を持つ細菌が検出された。工業式農業が人間のなかに、抗生物質耐性菌による新たな感染症を増やしている。

 さらにもう一つの側面として、大企業のもうけと株主利益を第一にする新自由主義が医療体制と公衆衛生インフラを破壊してきたことがあげられる。

 新型コロナの感染者数も死亡者数も世界最多の米国では、1981年から1999年までの間に、全米の入院患者用の病床数が39%も減った。病床の稼働率を90%にして利益を上げるためだったが、結果、パンデミックのさいに患者を受け入れることが不可能になっている。また、高齢者の介護は営利目的の老人ホーム産業に丸投げされ、そこでは低賃金と人員不足、施設が感染防止の手順を怠るなどで、これまでも毎年数万人の高齢者が死亡していた。そこが今回、新型コロナの最初の集団感染の震源地になっている。

 そのうえ水道民営化によって、米国では水道料金が払えず水道が止められた家庭が1500万世帯にのぼり、感染予防のために手洗いをすることすらままならない。グローバル企業のもうけのために、歴史を100年以上も巻き戻すような愚行がやられている。日本も他人事ではすまない。

歴史が示す教訓 共生以外にない感染症

 人類と感染症との歴史が教えることは、人類と感染症とは共生する以外にないということだ。病原菌の根絶は根本的な解決策とはなりえないどころか、病原菌がそれに耐えうるよう変異の速度を速めることでより大きな悲劇をもたらす可能性もある。また、もしも潔癖主義にとりつかれるなら、人間にとって有用な細菌やウイルスまで絶滅の危機に瀕するし、それによって体内微生物相が弱体化し、免疫系統への悪影響にさらされてしまう。

 一方、グローバル化によるヒトの行き来の飛躍的拡大や、大量生産・大量消費の経済システムによる生態系の破壊が、新たな感染症の流行をもたらしていることも事実である。この経済システムの見直しが待ったなしとなっている。また、感染症に備えて検査、医療、研究へ資金を投入して人的物的体制整備を万全にし、公衆衛生インフラを整備し、治療薬やワクチンの開発を国際協力のもとで進めることが必要だ。それを目先の短期的利益第一の市場原理に委ねるなら、先人たちの長年月にわたる努力を葬り去ってしまい、国民の命と健康を守ることなど決してできないことを教えている。

 長崎大学教授の山本太郎氏は、14世紀ヨーロッパのペストの流行は、その後のヨーロッパ社会を根底から変えたとのべている。ペストを防ぐことができなかった教会の権威は失墜し、人材の払底が、これまで登用されえなかった人材の登用をもたらし、それが社会や思想の枠組みを変える原動力となり、封建的身分制度は解体に向かい、新しい価値観の創造につながった、と。それも歴史が示す一つの教訓だとのべている。

https://www.chosyu-journal.jp/review/17354
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/130.html

[近代史3] 内田樹 パンデミックをめぐるインタビュー
パンデミックをめぐるインタビュー - 内田樹の研究室 2020-05-27
http://blog.tatsuru.com/2020/05/27_0952.html


 プレジデントオンラインという媒体からメールで質問状が送られてきた。それに回答した。プレジデントオンラインでは写真付きで見ることができる。https://president.jp/articles/-/35721こちらは加筆したロング・ヴァージョン。
質問1  コロナ禍のなか「自粛警察」が横行し、いま社会全体が非常に刺々しい雰囲気になっている現状をどうご覧になっていますか。
 
 どういう社会状況でも、「ある大義名分を振りかざすと、ふだんなら許されないような非道なふるまいが許される」という気配を感知すると、他人に対していきなり攻撃的になる人たちがいます。ふだんは法律や、道徳や、常識の「しばり」によって、暴力性を抑止していますが、きっかけが与えられると、攻撃性を解き放つ。そういうことができる人たちを、われわれの集団は一定の比率で含んでいます。そのことのリスクをよく自覚した方がよいと思います。

 今回はたまたま「自粛警察」というかたちで現れましたが、別にどんな名分でもいいのです。それを口実にすれば、他人を罵倒したり、傷つけたり、屈辱感を与えたりできると知ると彼らは動き出します。そういうことをさせない一番いい方法は、法律や規範意識や常識や「お天道様」や「世間の目」を活性化しておいて、そういう人たちに「今なら非道なふるまいをしても処罰されない」と思わせないことです。


2 "正義マン"たちの特徴に、問題の背景にあるシステムへの提言や改善ではなく、個人を叩く傾向が強いのはなぜだと思われますか。

 気質的に攻撃的な人たちは、その攻撃性を解発することが目的で「正義」を掲げているのに過ぎませんから、システムの改善には関心がありません。だから、最も叩きやすい個人、最も弱い個人を探し出して、そこに暴力を集中する。「自粛警察」も公衆衛生には何の関心もありません。感染者をスティグマ化すれば、感染経路不明患者が増えるだけですから、自粛警察というのは存在自体が有害無益なのです。


3 「空気」ひとつでムラ社会的な相互監視が行き渡るのは、日本人に固有な民族誌的奇習なのでしょうか。

 場の空気に流されて思考停止するのは日本人の「特技」です。それがうまく働くと「一億火の玉」となったり「一億総中流」になったり、他国ではなかなか実現できないような斉一的な行動が実現できます。でも、悪く働くと、異論に対する非寛容として現れ、マジョリティへの異議や反論が暴力的に弾圧される。

 今の日本社会の全面的停滞は、マイノリティに対する非寛容がもたらしたものです。その点では、戦時中の日本によく似ています。

4 現政権のコロナ対応は後手後手ですが、なぜこれほどまでに危機管理能力が欠如しているのでしょうか

 感染症は何年かに一度流行すると大きな被害をもたらしますが、それ以外の時期、感染症のための医療資源はすべては「無駄」に見えます。日本では久しく、必要なものは、必要な時に、必要なだけの量を供給して、在庫をゼロにする「ジャストインタイム生産方式」が工程管理の要諦とされていました。そんな風土では「医療資源の余裕(スラック)」の重要性についての理解は広がりません。

5 今回のコロナ禍で露呈したのが、日本の医療システムのスラックの少なさでした。1996年に845カ所にあった保健所は現在469カ所に、同年に9716床あった感染病床は、1869床まで減らされていたことについて、どう思われますか。
 
 日本の医療政策の基本は久しく「医療費を減らすこと」でした。それが最優先だった。一方、感染症対策というのは「いつ来るかわからない危機に備えて、医療資源を十分に備蓄しておく」ことです。できるだけたっぷり「余裕」を見ることです。それが「どうやって医療費を減らすか」という医療政策と整合するはずがない。

 今回の失敗に懲りて人々はしばらくは備蓄の必要を気にするでしょう。けれどもそれも一時的なことだと思います。このあと政府は「今回の感染対策に日本政府は成功を収めた」と総括するはずです。成功した以上、反省すべき点も、改善すべき点もない。そうやってそのうちそっと再び医療費削減路線に戻って、「無駄」を削り始めるはずです。

 ですから、このあと、今の与党が政権を取っている限り、日本ではCDCもできないし、保健所も増えないし、感染症病床も増えないし、医療器具の備蓄も増えません。そして、いずれ次の感染症のときにまた医療崩壊に直面することになる。

6 カミュの『ペスト』には、医師リウ―が「ペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」と語る場面が出てきます。「僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」と。私たちの社会が医療の現場を守り、コロナを乗り越えるのに一番必要なこととは何でしょうか。

 医療を守るために必要なのは、医療資源は有限であるということをつねに念頭に置くことです。医療崩壊というのは、言葉はおどろおどろしいですけれど、要するに収容できる患者数が医療機関のキャパシティーを超えるという数量的で散文的な事態です。今回はぎりぎり医療崩壊の寸前で食い止めましたけれど、これはほとんど医療従事者のパーソナルな献身的な努力によるものであって、制度の強みではありません。ですから、第二波に備えるためにも、そのような過労死寸前の働き方を医療従事者に要求するシステムは改善しなければならない。最も重要な医療資源は医療に携わる生身の人間なんですから。

7 コロナ後の世界で、超高齢化社会における限られた医療資源をどのように守っていったらよいのでしょうか。
 
 これまでは医療を商品とみなして、それを買えるだけの経済力の人間だけが医療資源を享受できるという市場原理主義的な解が最もフェアな解だと人々は信じてきました。しかし、このやり方では感染症には対応できないことがアメリカでの大規模な感染拡大と10万人に及ぶ死者数が示した。

 アメリカには2750万人の無保険者がいます。彼らは発症しても適切な治療を受けることができずに重症化します。ふつうの疾病でしたら、「金がないで死ぬのは自己責任だ」で済まされるかもしれませんが、感染症ではそうはゆかない。彼らが感染源となれば、感染のリスクが社会を脅かし続けるからです。感染症は全住民が等しく良質な医療を受けない限り対処できない疾病です。ここには市場原理主義は適用できない。

 医療資源が有限である以上、どこかで「線引き」は必要ですが、古来、医療者は「患者の貧富や身分によって医療の内容を変えてはならない」というヒポクラテスの誓いを守っています。今でもアメリカの医学部では卒業式にこの誓言を唱和しているはずです。「線引きをしろ」と命じる現実と「線引きをしてはならない」という誓言の間に齟齬がある。医療者とはこの葛藤に苦しむことをその職務の一部とする人たちです。そのことを患者であるわれわれも理解しなければなりません。

 そんな面倒な話には付き合いたくない、話を簡単にしてくれという人間は医療について口を出す資格はありません。ヒポクラテスがそういう誓いの言葉を医療従事者に言わせたのは、もちろん古代ギリシャにおいても患者の貧富の違いによって診療内容を変える医師がいたからです。その「現実」に対して「誓言」を対置することで、つまり医療者たちを葛藤のうちに巻き込むことによって医療の歴史は始まった。この葛藤に苦しむことを動力として医療は進化した。

 もし、古代ギリシャで「金のある人間だけが医療を受ける。貧乏人には治療を受けない」というシンプルなルールを採用していたら、医療者を養成するための医学教育にも、効果的な治療法の開発にも、保険制度の設計にも、それを実行するインセンティヴがありません。人間は葛藤を通じて、シンプルな解決法がないという苦しい条件の下ではじめて「そんな手があるとは思わなかった新しい解」を見つけて来たのです。有限な医療資源をどう分配するか「わからない」というのは、今に始まった話ではありません。

8 世界の状況を見ていると、ウィルス感染にたいするグローバル社会の脆弱性が浮き彫りになりました。高密度な都市生活、大量な人とモノの行き交いといった現代文明の達成は、今後大きく変容していくのでしょうか。

 今回のパンデミックで、アメリカは重要医療器具や薬品の戦略的備蓄が大幅に不足していることを露呈しました(必要なマスクと呼吸器の1%しか政府は備蓄していませんでした)。台湾と韓国は過去の失敗を教訓として医療器具の備蓄を進めていたために、感染抑制に成功しました。これらの事例から、先進国はどこも医療資源の自給自足の必要を実感しました。アメリカはすでに必要な医療器具医薬品の国産化に舵を切りました。

 同じことはエネルギーや食料などの基幹的な物資すべてについても起こると予測されます。

 国民の生き死ににかかわる物資は金を出しても買えないことがあるという当たり前のことを世界中が改めて確信したわけです。グローバル資本主義はここで一時停止することになると思います。

 都市一極集中というライフスタイルが感染症リスクにきわめて弱いということも今回わかりました。今回リモートワークを実践した多くの人は、自分の仕事のためには別に毎日通勤する必要はなく、そうである以上、わざわざ高い家賃を出して都市に住んでいる必要がないということに気づいたはずです。

 3・11の後に東京から地方への移住者が激増しましたけれど、同じことがポストコロナ期にも起きるものと予測されます。宇沢弘文は日本の場合、総人口の20〜25%が農村人口であることが、社会の安定のために必要だと試算していますけれど、あるいはその数値に近づくのかも知れません。

9 各国が深刻な経済的ダメージを受けることは間違いありませんが、アフターコロナの国際秩序のなかで、資本主義のあり方も変わっていくと思われますか。  
 
 トランプのアメリカは国際社会でリーダーシップをとる意欲がありません。この政策を続けるなら、アメリカに代わって中国がポストコロナ期のキープレイヤーになるでしょう。中国は一帯一路圏を中心に医療支援を通じて友好国作りを進める。中国の超覇権国家化を望まない国々それを妨害しようとする。でも、決定打はどちらにもありません。ですからしばらくは「地政学的な膠着状態」が続くと思います。

 クロスボーダーな人間と商品の行き来が止まるわけですから、グローバル資本主義も長期にわたる低迷を余儀なくされるでしょう。この期間に「プランB」にいち早く切り替えることのできた国が生き残り、旧い成功モデルにしがみついている国は脱落する。
10 もしコロナが資本主義の分岐点だとしたら、経済的不況下でも国民の食や医療を守るうえでどんな社会モデルが考えられるでしょうか。先生のビジョンをお聞かせください。
 
 わかっていることは、人口動態学的事実です。これから日本は超高齢化・超少子化社会に向けて進み続けます。2100年の人口予測は中位推計で4950万人。現在の1億2700万人から7750万人減ります。年間90万人ペースでの人口減です。これで経済成長などということはあり得ません。与えられた条件下で、人々が気分よく暮らせる「小国寡民」の新しい国家モデルを構想するしかない。

 さいわい日本列島は温帯モンスーンの温順な気候にめぐまれ、森が深く、きれいな水が大量に流れ、大気も清浄で、植物相も動物相も多様という自然条件に恵まれています。この自然条件を生かした農林水産業、同じく豊かな自然資源と伝統文化を生かした観光・芸術・エンターテインメント、そして少し前まではアジアトップであった教育と医療、それらを柱とした国造りがこれからの日本の向かう道だ思います。

11 アフターコロナを生きるうえで一番必要な道徳観・倫理観とは何でしょうか。
 未知の状況に投じられたときには、自由度が最大化する・選択肢が最大化するように動くのが基本です。何が正解であるかわからないときには、何が正解であっても自分の選択肢のうちにそれが含まれているように動く。それほどむずかしいことではありません。
 ただ、そのためには、自由である方が/選択肢が多い方が気持ちがいいと感じる身体感覚を具えていなければならない。

 日常的に「不愉快なことに耐えている」「やりたくないことをしている」人が、もしそういう自分を正当化するために「これが人間として当然なのだ・人間のあるべき姿なのだ」と言い聞かせていれば、いずれ致命的なことになるかも知れません。そういう人は危機的な状況に遭遇したときに、「より自由度の低い方、より選択肢の少ない方」に自分から進んで嵌り込んでしまう可能性があるからです。

http://blog.tatsuru.com/2020/05/27_0952.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/982.html

[近代史3] 内田樹 パンデミックをめぐるインタビュー 中川隆
1. 中川隆[-12581] koaQ7Jey 2020年5月27日 17:04:24 : YqmpzsoafI : VFRRMlhTUnBLZ3M=[8]

安倍政権の「日本の感染症対策は成功した」を信じてはいけない
空気に流されて思考停止する日本人
内田 樹神戸女学院大学名誉教授、思想家
https://president.jp/articles/-/35721


ついに緊急事態宣言が解除された。日本政府の対応は「成功」といえるのだろうか。新著『サル化する世界』(文藝春秋)を出した思想家の内田樹氏は「日本政府は『成功した』といって、考え方を変えないだろう。だがそれには無理がある。たとえば2100年には日本の人口は4950万人になる。日本人はどこかで考え方を変えなければいけない」という――。

法律や道徳、常識のしばりから解き放たれた人間の攻撃性

——コロナ禍のなか「自粛警察」が横行し、いま社会全体が非常に刺々しい雰囲気になっている現状をどうご覧になっていますか。

思想家の内田樹氏


どういう社会状況でも、「ある大義名分を振りかざすと、ふだんなら許されないような非道なふるまいが許される」という気配を感知すると、他人に対していきなり攻撃的になる人たちがいます。

ふだんは法律や、道徳や、常識の「しばり」によって、暴力性を抑止していますが、きっかけが与えられると、攻撃性を解き放つ。そういうことができる人たちを、われわれの集団は一定の比率で含んでいます。そのことのリスクをよく自覚した方がよいと思います。

今回はたまたま「自粛警察」というかたちで現れました。別にどんな名分でもいいのです。それを口実にすれば、他人を罵倒したり、傷つけたり、屈辱感を与えたりできると知ると彼らは動き出します。

そういうことをさせない一番いい方法は、法律や規範意識や常識や「お天道様」や「世間の目」を活性化しておいて、そういう人たちに「今なら非道なふるまいをしても処罰されない」と思わせないことです。

——“正義マン”たちの特徴に、問題の背景にあるシステムへの提言や改善ではなく、個人を叩く傾向が強いのはなぜでしょう。

気質的に攻撃的な人たちは、その攻撃性を解発することが目的で大義名分を掲げているのに過ぎません。だから、最も叩きやすい個人、最も弱い個人を探し出して、そこに暴力を集中する。

現に、「自粛警察」は感染者をスティグマ化することで、感染者を潜在化させ、感染経路不明患者を増やすだけですから、公衆衛生的に有害無益です。


日本で軽視され続けた「医療資源の余裕」の重要性

——「空気」ひとつでムラ社会的な相互監視が行き渡るのは、日本人に固有な民族誌的奇習なのでしょうか。

場の空気に流されて思考停止するのは日本人の「特技」です。それがうまく働くと「一億火の玉」となったり「一億総中流」になったり、他国ではなかなか実現できないような斉一的な行動が実現できます。

でも、悪く働くと、異論に対する非寛容として現れ、マジョリティへの異議や反論が暴力的に弾圧される。今の日本社会の全面的停滞は、マイノリティに対する非寛容がもたらしたものです。その点では、戦時中の日本によく似ています。

——現政権のコロナ対応は後手後手ですが、なぜこれほどまでに危機管理能力が欠如しているのでしょうか。

感染症は何年かに一度流行すると大きな被害をもたらしますが、それ以外の時期、感染症のための医療資源はすべては「無駄」に見えます。

日本では久しく、必要なものは、必要な時に、必要なだけの量を供給して、在庫をゼロにする「ジャストインタイム生産方式」が工程管理の要諦とされていました。そんな風土で「医療資源の余裕(スラック)」の重要性についての理解が深まるはずがない。

政府は「日本の感染症対策は成功した」と総括する

——今回のコロナ危機で露呈したのが、日本の医療システムのスラックの少なさでした。1996年に845カ所にあった保健所は現在469カ所に、同年に9716床あった感染症病床は、1884床(2020年1月時点)まで減らされていたことについて、どう思われますか。

思想家の内田樹氏


思想家の内田樹氏

日本の医療政策では久しく「医療費を減らすこと」が最優先課題でした。感染症対策というのは「いつ来るかわからない危機に備えて、医療資源を十分に備蓄しておく」ことです。感染症への適切な対策をとることは、「どうやって医療費を減らすか」という医療政策とは原理的に整合しません。

今回の失敗に懲りて人々が医療資源の備蓄を気にするのも一時的なことだと思います。このあと政府は「今回の感染対策に日本政府は成功を収めた」と総括するでしょう。成功した以上、改善すべき点はない。だから、再び医療費削減路線に戻る。

ですから、このあと日本ではCDC(疾病予防管理センター)もできないし、保健所も増えないし、感染症病床も増えないし、医療器具の備蓄も増えません。そして、いずれ次の感染症のときにまた医療崩壊に直面することになる。

医療従事者のパーソナルな努力で持ちこたえた医療現場

——カミュの『ペスト』には、医師リウーが「ペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」と語る場面が出てきます。「僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」と。私たちの社会が医療の現場を守り、コロナを乗り越えるのに一番必要なこととは何でしょうか。

医療を守るために必要なのは、医療資源は有限であるということをつねに念頭に置くことです。医療崩壊というのは患者数が医療機関のキャパシティーを超えるという数量的なことです。

今回はぎりぎり医療崩壊の寸前で食い止めましたけれど、これは医療従事者のパーソナルな献身的な努力によるものです。でも、そのような過労死寸前の働き方を彼らに恒常的に要求すべきではありません。

——コロナ後の世界で、超高齢化社会における限られた医療資源をどのように守っていったらよいのでしょうか。

4万部突破の話題作、内田樹『サル化する世界』(文藝春秋)


4万部突破の話題作、内田樹『サル化する世界』(文藝春秋)

これまでは医療を商品とみなして、それを買えるだけの経済力を持つ人間だけが医療を受けられるという市場原理主義が最もフェアなソリューションだと人々は思ってきました。しかし、このやり方では感染症には対応できないことがアメリカでの大規模な感染拡大で分かりました。

アメリカには2750万人の無保険者がいます。彼らは発症しても適切な治療を受けることができずに重症化します。ふつうの疾病でしたら、「金がないで死ぬのは自己責任だ」で済まされるかもしれませんが、感染症ではそうはゆかない。

彼らが感染源となって、社会を脅かし続けるからです。感染症は全住民が等しく良質な医療を受けない限り対処できない疾病です。ここには市場原理主義が適用できない。

市場原理主義では感染症には対応できない

医療資源が有限である以上、どこかで「線引き」は必要ですが、古来、医療者は「患者の貧富や身分によって医療の内容を変えてはならない」というヒポクラテスの誓いを守ってきました。

今でもアメリカの医学部では卒業式にこの誓言を唱和しています。「線引きをしろ」と命じる現実と「線引きをしてはならない」という誓言の間には本質的な矛盾があります。医療者にとってこの葛藤に苦しむこともその職務の一部なのです。

その矛盾を今回は感染症が前景化した。われわれも、これからは医療者たちとともに、この葛藤に苦しむことになります。葛藤なんかしたくないから早く単一の解を決めてくれという人間には問題の深さがわかっていないということです。

——世界の状況を見ていると、ウイルス感染にたいするグローバル社会の脆弱性が浮き彫りになりました。高密度な都市生活、大量な人とモノの行き交いといった現代文明の達成は、今後大きく変容していくのでしょうか。

今回のパンデミックで、アメリカは重要医療器具や薬品の戦略的備蓄がまったく不足していることを露呈しました(必要なマスクと呼吸器の1%しか政府は備蓄していませんでした)。台湾と韓国は過去の失敗を教訓として医療器具の備蓄を進めていたために、感染抑制に成功しました。

思想家の内田樹氏


思想家の内田樹氏

これらの事例から、先進国はどこも医療資源の自給自足の必要を実感したと思います。同じことはエネルギーや食料などの基幹的な物資すべてについても起こると予測されます。

「グローバル資本主義はここで一時停止することになる」

国民の生き死ににかかわる物資は金を出しても買えないことがあるという当たり前のことを世界中が改めて確信したわけです。グローバル資本主義はここで一時停止することになると思います。

都市一極集中というライフスタイルが感染症リスクにきわめて弱いということも今回わかりました。今回リモートワークを実践した多くの人は、自分の仕事のためには別に毎日通勤する必要はなく、そうである以上、わざわざ高い家賃を出して都市に住んでいる必要がないということに気づいたはずです。

3.11の後に東京から地方への移住者が激増しましたけれど、同じことがポストコロナ期にも起きるものと予測されます。宇沢弘文は日本の場合、総人口の20〜25%が農村人口であることが、社会の安定のために必要だと試算していますけれど、あるいはその数値に近づくのかも知れません。

——各国が深刻な経済的ダメージを受けることは間違いありませんが、アフターコロナの国際秩序のなかで、資本主義のあり方も変わっていくと思われますか。

アメリカが国際社会でリーダーシップをとる意欲を失ったので、代わって中国がポストコロナ期のキープレイヤーになるでしょう。一帯一路圏を中心に医療支援を通じて友好国作りを進める。中国の超覇権国家化を望まない国々それを妨害しようとする。でも、決定打はどちらにもありません。ですからしばらくは「地政学的な膠着状態」が続くと思います。

クロスボーダーな人間と商品の行き来が止まるわけですから、グローバル資本主義も長期にわたる低迷を余儀なくされるでしょう。この期間に「プランB」にいち早く切り替えることのできた国が生き残り、旧い成功モデルにしがみついている国は脱落する。

「小国寡民」の新しい国家モデルを構想するしかない

——もしコロナ禍が資本主義の分岐点だとしたら、経済的不況下でも国民の食や医療を守るうえでどんな社会モデルが考えられるでしょうか。

わかっていることは、人口動態学的事実です。これから日本は超高齢化・超少子化社会に向けて進み続けます。2100年の人口予測は中位推計で4950万人。現在の1億2700万人から7750万人減ります。年間90万人ペースでの人口減です。これで経済成長などということはあり得ません。与えられた条件下で、人々が気分よく暮らせる「小国寡民」の新しい国家モデルを構想するしかない。

思想家の内田樹氏


思想家の内田樹氏

さいわい日本列島は温帯モンスーンの温順な気候にめぐまれ、森が深く、きれいな水が大量に流れ、大気も清浄で、植物相も動物相も多様という自然条件に恵まれています。この自然条件を生かした農林水産業、同じく豊かな自然資源と伝統文化を生かした観光・芸術・エンターテインメント、そして少し前まではアジアトップであった教育と医療、それらを柱とした国造りがこれからの日本の向かう道だと思います。

——アフターコロナを生きるうえで一番必要な道徳観・倫理観とは何でしょうか。

未知の状況に投じられたときには、自由度が最大化する・選択肢が最大化するように動くのが基本です。何が正解であるかわからないときには、何が正解であっても自分の選択肢のうちにそれが含まれているように動く。それほどむずかしいことではありません。

ただ、そのためには、「自由である方が/選択肢が多い方が気持ちがいい」と感じる身体感覚を具えていなければならない。日常的に「不愉快なことに耐えている」「やりたくないことをしている」人が、もしそういう自分を正当化するために「これが人間としてふつうなのだ」と言い聞かせていれば、危機的な状況で「より自由度の低い方、より選択肢の少ない方」に自分から進んで嵌り込んでしまうリスクがあります。


http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/982.html#c1

[番外地7] ここのコメントを読んでいても、チャンネル桜のアホ評論家の嘘に騙されている人ばかりですね。
ここのコメントを読んでいても、チャンネル桜のアホ評論家の嘘に騙されている人ばかりですね。

大西さんがチャンネル桜のアホ評論家の間違いを正確に指摘していますね:

いま220兆円を配らなければいけない理由:大西つねきからの緊急告知と拡散のお願い
https://www.youtube.com/watch?v=dawE3Kjgmbg

大西さんの話はエンデの話を敷衍しただけですけどね

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw&feature=emb_title

2001年 続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来"
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY&feature=emb_title

http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/654.html

[近代史5] パソコンもスマホも、世界を変える新技術はすべて米軍が開発した
2020年05月27日
パソコンVSスマホの攻防 小中学生に配布でパソコンが再逆転


子供にパソコン学習をさせるのが世界的な流れになっている

画像引用:小中学校で「1人1台」パソコン配備 26兆円の新・経済対策の“目玉”で教育現場はどう変わる?https://www.fnn.jp/articles/-/16493

パソコンもスマホも米軍が開発した

最近10年間のitデバイス主流はスマホvsパソコンで争われ、常にパソコンが負けてスマホが勝っていました。

思い起こすとスマホが初めて登場したのは1990年湾岸戦争で、米軍兵士がネット端末を持っていた。

米軍は兵士が全体を把握したりリアルタイムで情報を得ることが重要と気づき、個人個人にGPSつき端末を持たせた。


それを民間向けに市販したのがスマートフォンで、軍事目的から一般向けに変化した典型例でした。

パソコンのスタートも第二次大戦中で、米軍とドイツ軍が同時期にコンピュータを開発していた。

1960年代のアポロ計画でOSつまりウィンドウズに発展するオペレーションソフトが誕生した。


それまでコンピュータは技師が16進数などでプログラミングを入力して動作させていた。

世界初のパソコンは1976年にアップルが発売したマッキントッシュで、この時初めて個人所有物になった。

コンピュータを一気に身近な存在にしたのは1983年に任天堂が発売したファミコンで、それまでの個人用コンピュータに匹敵する能力を持っていた。


ファミコンは入手が簡単だったのでソ連が購入して宇宙開発などに使っていたという話もあった。

1995年にウィンドウズ95が発売されて世界的ブームになり、2000年代までパソコンは最先端ハイテク商品でした。

2007年にiPhoneが発売されるとスマホが最先端になり、パソコンは遅れた物という位置づけになった。

スマホで『できない事』が増えパソコン回帰

パソコンもスマホも米軍が戦争に勝つために開発した兵器だが、高性能なハイテク商品の多くはこうした出自を持っている。

例えば米軍は第二次大戦中に電気毛布を開発し、日本軍は電気炊飯器を開発している。

パソコンとスマホ、そして腕時計型端末の最大の違いは画面の大きさで、これだけは将来もどうしようもない。


スマートウォッチがどんなに高性能なチップを搭載しても、32インチモニターを搭載するのは不可能です。

キーボードやマウスのような入力機器が使えないのも大きな問題で、スマホ入力で論文を書く科学者はいません。

パソコンとスマホや腕時計では入力と出力に大きな差があり、性能面でも大差がある。


今まではせいぜい動画を見る程度だったのでスマホでもできたが、テレワークやネット会議、リモートワークをこなすにはパソコンが必要になる。

スマホでも会議できるが、自分が相手からどう映っているのかを同時に確認し、同時に資料を表示させるのはできないでしょう。

こうしてスマホではこなせない作業ができたことでパソコンが見直され、人々は再びパソコンショップのサイトを見ている。


先進国のパソコン普及率は約80%、日本でも80%近いのだが内容には大きな差がある。

欧米特にアメリカは住宅環境の良さもあり、子供が個人用のデスクトップPCを所有している。

デスクトップの方が高性能で値段が安く寿命が長いからで、親からするとノートPCより支出が少ない。

日本でも子供がパソコン所有へ

日本でも世帯所有率は80%近いが小学生の個人所有はゼロ、20代でやっと2/3が所有、30代から50代では8割が所有している。

日本の家庭にあるほとんどはノート型PCで、各部屋に移動したり持ち歩けるのが好まれている。

純粋な性能では処理速度はともかく、「画面の大きさ」でノート型はデスクトップに絶対に叶わない。


なぜ再三画面の大きさを強調するかと言うと、パソコン作業は結局同時に表示できる情報量で効率が決まるからです。

例えばあなたがこのブログを閉じて別なサイトを見ても、どこが違うかすぐには分かりません。

だが2つのサイトを並べて表示させると、「ここが間違っている」というのが瞬時にわかります。


外で持ち歩くには小さく薄く軽いタイプが良いが、家で使うには逆に「大きくて重いほど良い」のです。

妥協点として家ではノートPCを大型モニターにつなぐ事で、大画面の恩恵を受けられます。

日本の小学生がネット接続しているIT端末トップはなんとゲーム機で、任天堂やプレステでネットを見ています。


文部省は小中学校で1人1台パソコンを配る計画で、やっと日本も「パソコン元年」を迎える。

日本では子供にスマホやパソコンを持たせない傾向が強かったが、欧米では子供がプログラミングを学んでいる。
http://www.thutmosev.com/archives/83041488.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/131.html

[近代史5] 中国の財政出動は凄い
中国の財政出動は凄い

2020年05月27日
中国鉄路の負債85兆円 鉄道建設債務は数百兆円


毎年6000kmの鉄道建設を行い、工事そのものによって経済成長を維持している。

引用:http://7sblr6.com1.z0.glb.clouddn.com/wuliu5.jpg

中国鉄路の債務は建設費なし

中国国鉄の中国鉄路の負債が68兆円に急増したという記事を書いたのが数年前だったが、20兆円ほど増えている。

中国メディアは国営中国鉄路総公司が抱える債務規模が5兆2,800億元(約85兆5,360億円)と報じています。

中国国内経済情報サイト「財新網」によると2019年時点で国鉄債務は85兆円、しかも急速に増え続けている。


ところがこれでも少なすぎ、実際は鉄道だけで数百兆円の借金がある。

85兆円は鉄道会社の負債だけで、鉄道建設費は国が別に出しています。

建設費を除く日常の費用だけで85兆円であり、建設費を入れたら途方も無い金額になります。


ここで国鉄債務がまだ65兆円だった頃の数字を見ると、発表のばかばかしさが一目瞭然になる。

2016年第1四半期の負債額は87億2700万元(約1438億円)で単純に4倍すると年間約5700億円になります。

資産総額は6兆3500億元(約104兆円)あるので、負債比率は66%で債務超過ではありません。


中国メディアは債務が増えた原因を金利の上昇だとしていて、利息は779億1600万元(約1兆2847億円)となっています。

2014年のニュースでは中国鉄路の負債は3兆4000億元(約58兆円)だったと書かれていて、2年で10兆円増えています。

ところがこれらの負債には、最も大きな支出である鉄道建設費が含まれておらず、既存路線の運営費だけなのです。


例えば中国の京滬(北京―上海)高速鉄道は黒字経営ですが、中国鉄路は建設費を負担していません。

それどころか中国鉄路というおかしな会社は、国が建設した線路の上で、鉄道を走らせているだけの会社です。

高速鉄道路線は3万キロを突破したが、黒字路線は1300kmだけで、それも建設費なしで計算した数字です。


鉄道総営業距離は13万km超だが、ほとんどの路線が赤字経営で、建設費の減価償却込みだと全路線で赤字です。

つまり中国の鉄道は建設費込みだと、全路線で赤字という事です。

今も毎年50兆円の鉄道建設費

中国では毎年日本の新幹線総距離に匹敵する高速鉄道を建設し、日本の全地下鉄より長い地下鉄を建設しています。

そして負債は85兆円で年間5兆円ペースで赤字を増やしています。

中国鉄路の運賃売上は2014年の数字で約12兆円で、鉄道建設費だけで毎年10兆円以上を使っています。


つまり中国の鉄道事業は本当は、毎年10兆円以上のペースで負債額を増やしているのでした。

中国鉄道省が存在した頃、鉄道建設費は毎年50兆円以上が計上されていました。

だが鉄道省は「民営化」されて中国鉄路になり、鉄道建設費は隠されてしまいました。


今でも毎年6000kmの鉄道建設を進めているところから、本当は年間50兆円程度を掛けていると考えられます。

もし鉄道建設費を5分の1に減らしたなら、建設ペースも5分の1に落ちる筈だからです。

5ヵ年計画では30,000kmを5年で建設すると書いてあり、年間6000kmになります。


建設ペースは落ちるどころか増えているので、今も年間50兆円以上で鉄道建設し、丸ごと負債になっている筈です。

すると50兆円の半分くらいを回収したとしても、10年間で250兆円というとんでもない金額になります。

こうした巨額の公共事業を行う事でGDPが増え、GDPが増えれば税収が増え、足りなければ印刷すれば良いという考えです。

http://www.thutmosev.com/archives/60152720.html


詳細は

社会主義マジック _ 中共が GDP 世界第二位の超大国になれた理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/203.html

中国人は頭がおかしい
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/555.html

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/132.html

[近代史3] 平和主義者だったトランプがイラン革命防衛隊の精鋭組織コッズ部隊の司令官を殺害した理由 中川隆
57. 中川隆[-12580] koaQ7Jey 2020年5月28日 02:39:21 : i6qxf5V3ck : b1Z1VnBtbTl0eHM=[1]
2020.05.28
米国はベネズエラでの政権転覆に失敗、ベネズエラはイランとの関係を強化


 ガソリンとアルキレートを積んだ5隻のタンカーがアデン湾からスエズ運河を通過、ジブラルタル海峡を経てカリブ海へ航行、最初の船が5月23日にベネズエラの領海へ入った。アメリカ政府は輸送を阻止すると警告していたが、それに対してイラン政府は航行を妨害する行為があれば報復するとしていた。

 アメリカは1月3日、イスラエルの協力を得てコッズ軍を指揮してきたガーセム・ソレイマーニーとPMU(人民動員軍)のアブ・マフディ・ムハンディ副司令官をバグダッド国際空港で暗殺した。サウジアラビアとイランとの間で進められていた関係修復を目指す交渉のメッセンジャーとしてバグダッドに着いたところをソレイマーニー殺されたのだ。

 コッズ軍はイスラム革命防衛隊の特殊部隊と言われ、アメリカなどが傭兵として使ってきたダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)のイラクにおける部隊を殲滅した主力軍と言われている。

 その月の27日、アメリカ空軍のBACN(戦域通信中継機)、E-11Aがアフガニスタンの東部で墜落した。タリバーンが撃墜声明を出したが、イランが実行したと見られている。

 ロシアの情報機関から流れてきた情報によると、墜落した航空機にはマイケル・ダンドレアというCIAのオフィサーが乗っていたというが、この人物はイラン工作の責任者で、ドローンを使い、テロリストを疑わせる動きをしている人びとを殺す工作でも中心的な役割を演じてきた。ソレイマーニー暗殺を指揮していたのもダンドレアだと言われている。

 イランにはアメリカへ報復する能力があるということ。イランのタンカーに対して何らかの妨害行為に出た場合、ホルムズ海峡やオマーン湾などでアメリカに報復する可能性は高い。

 ベネズエラはロシア政府に支援を要請したが、ロシア側はアメリカの近くに艦船などを派遣するとアメリカ政府に「イランやロシアの脅威」という宣伝材料を与えることになるとして断ったようだ。今回は見える行動に出ないということである。

 しかし、ロシアは見えないところでベネズエラを支援している。例えば、5月3日の出来事。コロンビアからベネズエラへ高速艇を利用して侵入しようとした部隊がベネズエラ軍と銃撃戦になり、アメリカ陸軍の特殊部隊グリーベレーの元隊員ふたりが拘束されたが、その後、少なくとも8名のロシア軍特殊部隊員が掃討作戦に参加したと言われている。拘束されたルーク・デンマンとエアラン・ベリーはフロリダを拠点とする傭兵会社シルバーコープの傭兵だ。

 アメリカ政府はニコラス・マドゥロ政権を倒し、傀儡のフアン・グアイドを大統領に据えようとしている。今回の作戦ではグアイドの顧問を務めているファン・レンドンとシルバーコープを経営するジョーダン・グードロー。レンドンとグードローがマドゥロ政権の転覆について話し合っていたことが明らかになり、レンドンは顧問を辞任した。

 イランはアメリカの恫喝に屈せず、ロシアはアメリカの挑発に乗らず、アメリカはベネズエラの政権転覆に失敗した。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005280000/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/786.html#c57

[近代史5] トランプはユダヤのエージェントでキリスト教原理主義のネオコンだった
トランプはユダヤのエージェントでキリスト教原理主義のネオコンだった


平和主義者だったトランプがイラン革命防衛隊の精鋭組織コッズ部隊の司令官を殺害した理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/786.html

トランプは反グローバリズムの旗手なのか? それとも自分の支持率や人気を上げる事しか考えていない無知蒙昧なアホなのか?
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/493.html

トランプ米大統領はCOVID19治療薬として抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンを服用
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/895.html



http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/133.html

[近代史4] ミヒャエル・エンデの世界 中川隆
10. 中川隆[-12579] koaQ7Jey 2020年5月28日 08:04:17 : TmfHkY98iU : ejdTbEYxMllJTzI=[1]
2020/5/27 18:33
投稿者:777

ここのコメントを読んでいても、チャンネル桜のアホ評論家の嘘に騙されている人ばかりですね。

大西さんがャンネル桜のアホ評論家の間違いを正確に指摘していますね:

いま220兆円を配らなければいけない理由:大西つねきからの緊急告知と拡散のお願い
https://www.youtube.com/watch?v=dawE3Kjgmbg

大西さんの話はエンデの話を敷衍しただけですけどね

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw&feature=emb_title

2001年 続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来"
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY&feature=emb_title


2020/5/27 18:42
投稿者:人力
777さん

エンデって「ネバーエンディングストーリー」のミヒャエル.エンデですが?そこまで行くか。ウィーン学派周辺はケインズ主義と仲が悪かった。新自由主義はウィーン学派の振りをしたハイパー.ケイジアンという事で良いのでしょうか。「最後は政府がお金を出して賭博のツケまで支払ってくれる」

2020/5/27 21:03
投稿者:777
日本女性と結婚したミヒャエル・エンデですよ

ミヒャエル・エンデ 『モモ』(Momo)

Momo (1986) - english audio
https://www.youtube.com/watch?v=8Q_JYYcBP2Q&feature=emb_title


モモ
1986年 西ドイツ・イタリア
監督:ヨハネス・シャーフ
主演:ラドスト・ボーケル

▲△▽▼

FMシアター秀作シリーズ「モモ」
https://www.youtube.com/watch?v=0gd0zMfwZTI&feature=emb_title

モモ:宮城まり子、
マイスター・ホラー:森繁久彌、
観光ガイドジジ:橋爪功

『モモ』(Momo)は、ドイツの作家ミヒャエル・エンデによる児童文学作品。1973年刊。1974年にドイツ児童文学賞を受賞した。各国で翻訳されている。特に日本では根強い人気があり、日本での発行部数は本国ドイツに次ぐ。

1986年に西ドイツ・イタリア制作により映画化された。映画にはエンデ自身が本人役で出演した。

2020/5/28 4:16
投稿者:人力
777さん

「終わりなき物語」のミハエル・エンデですね。

実は「モモ」は単行本で買った事が在るのですが10ページ読まずして、図書館に寄付してしまいました。ラノベに慣れた私には、かつての児童文学の名著は「サービス」が足りなかった・・・。バッツン・バッツンのお姉さんとか出てこないし・・。

ウィーン学派は徹底して政府の介入を嫌い、「神の見えざる手」ではありませんが、経済の自然な成長を重んじる事でケインズ学派と逆だと思われていますが、その代表格がハイエクですね。シカゴ学派は1970年代の石油危機で後のスタグフレーションで財政出動の限界によって台頭しましたが、ウィーン学派の理論を掠め取ってマネタリズムという新たな経済宗教を生み出した。

エンデはウィーン学派と同時代の「児童文学作家」ですが、児童文学者としての顔と、経済思想家としての顔を持っていた。「パン屋でパンを買うお金と、市場で投機に使われるお金は別物」という非常に現代的な通貨論の持主だった。

動画は観ていないので、私の認識の範囲でコメント欄をお読みになる方に解説してみました。

実は日本のラノベって「経済小説」って結構多いんですよ。そういった意味ではエンデのDNAはラノベの中に引き継がれています。ただ、新自由主義的なのですけどね。読み応えがあるのは『狼と香辛料』ですね。これは中世ヨーロッパのギルド制が良く分かると同時に、バブルなどの現代的な経済現象も扱っています。

https://green.ap.teacup.com/pekepon/2585.html#comment32744
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html#c10

[近代史4] ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界


【マネタリズムとは】フリードマンの思想から日銀の実践までわかりやすく解説 2020年3月25日
https://liberal-arts-guide.com/monetarism/


マネタリズム(monetarism)とは、経済現象における「貨幣(マネー)」の役割を重視し、貨幣の量によってその他の経済上の変数も変化すると考える、経済学上の考え方のことです。

簡単に言えば、貨幣の量を増減させることで物価や失業率にも変化を与えることができる、と考える経済学の立場のことです。

現代の日本でも、景気刺激のために、中央銀行(日銀)によって大量のお金が市中に投入される「量的緩和政策」が行われています。

この政策こそ「マネタリズム」の立場から考えられたものですが、その効果に対しては疑問が持たれています。

1章:マネタリズムとは

もう一度確認しますが、マネタリズムとは貨幣の供給量によって物価や失業率などのそのほかの経済上の値も変化すると考える、経済学上の立場のことです。

文字通り「マネー(貨幣)」の役割を重視する立場と考えると良いと思います。

マネタリズムを創出したのは、フリードリヒ・ハイエク(Friedrich August von Hayek)やミルトン・フリードマン(Milton Friedman)といった「新古典派」と呼ばれた経済学者たちです。

これから、なぜ彼らがマネタリズムを創出するに至ったのか詳しく説明します。

マネタリズムの具体的な政策について知りたい場合は、2章からお読みください。

マネタリズムが登場したのは、20世紀半ばごろから、それまで主流だったケインズ経済学が現実の経済現象を説明できなくなってきたためです。

1-1:マネタリズムとケインズ経済学

そもそも、ケインズ主義とはケインズ(John Maynard Keynes)が提唱した経済学の体系であり、非常に簡略化して言えば、
不況時は、企業が投資しないため、国家が金融政策や財政政策(大規模な工事など公共支出を増大させる)を行い、需要を作り出す
国家が需要を作ることで失業率が改善し、完全雇用に近づく

というものです。

第二次世界大戦後の多くの西側先進国は、ケインズ経済学に基づき、国家が積極的に経済活動に介入する「大きな政府」的な政策を行ったのです。

参考
「大きな政府」的な政策について、以下の記事でも説明しています。

【社会自由主義とは】定義・政治的立場から批判までわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/social-liberalism/

【福祉国家とは】3つの分類と誕生〜現代までをわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/welfare-state/


しかし、1960年代〜70年代に入ると、多くの国でケインズ主義的な政策が行き詰まりました。それが「スタグフレーション」という現象です。


スタグフレーションとは、物価は上昇するのに失業率は上がる(つまり、人々は貧しくなるのに物価が上がってモノが買えない)という現象のことです。

ケインズ経済学は、スタグフレーションを想定していませんでした。そこで、フリードマンらの経済学者たちは、ケインズ以降の経済学(マクロ経済学)を再検討しました。

1-2:マネタリズムのケインズ派批判

フリードマンらはケインズ派の理論が、スタグフレーションを説明できないとして批判し、新たに生み出したのがマネタリズム的な経済思想でした。

まず、ケインズ派のマクロ経済学における物価と失業率の関係について説明します。

ケインズ派の経済学は、「物価が上がると失業率が下がる」という「フィリップス曲線」を前提に理論を構築していました。

メモ
フィリップス曲線とは下記のように説明される曲線のことです。
失業率が上がる(労働需要が下がる)と賃金(労働サービスの価格)は下がる
逆に、失業率が下がる(労働需要が上がる)と賃金にも下落圧力がかかるが、労働者の抵抗があるため下がりにくい

賃金が上がることは物価が下がることであると言えるため、物価と失業率の関係をあらわす図として有名になった

イギリスの経済学者フィリップスによって、1861年から1957年までのイギリスのデータを用いて明らかにされたものです。ただし、後に曲線の正確性が批判されました。

しかし、繰り返しになりますが現実の経済現象として、物価が上がり失業率が下がらない「スタグフレーション」が起こったため、ケインズ派の理論の修正が求められました。

実際、マネタリズムの立場から考えると、
人々が物価上昇を期待し、その通りに物価が上がった場合は、賃金を上げることを求める→賃金が上がる

生産者は物価が上がったことで「生産物への需要が増えた!」と勘違いする(貨幣錯覚)が、しばらくたつと自分の勘違いに気づき、生産量を元に戻す

つまり、結果的に生産者は生産量を変えることはないため、労働需要は増えない(失業率は下がらない)

ということになります。

この説明だと、「物価が上昇するのに失業率が下がらない」というスタグフレーションの状況が説明可能です。

1-3:マネタリズムの金融政策への考え方

上記の考え方から、マネタリズムの立場の金融政策への考え方も導き出されます。

まず、ケインズ派の経済学は、以下の2つの経済政策を行ってきました。

財政出動:公共事業によって国家が需要を作り出し、不況時にもお金を回す1
金融政策:金利政策によって金利を下げ、企業がお金を借りやすくする2

これに対して、フリードマンらのマネタリストはどちらも不況を改善する効果はないと、下記のように批判しました。

財政出動:政府の支出は増えても、支出の財源として高い税金を支払った人の支出や、国債などの公債を購入した人の支出はその分減る(クラウディングアウト)。
金融政策:金利を下げても、「貨幣錯覚」が解消されると生産者が生産を増やすことはないため、投資も増えない。そのため、失業率も改善されない。
したがって、金融政策は貨幣の供給量を一定の割合で増加させ続ける方法を採用すべき(k%ルール)。

こうしてフリードマンらマネタリストとケインズ派は、経済政策をめぐって激しく論争しました。

特に重要なのが、フリードマンが中央銀行による金融政策について、利子率を操作するのではなく貨幣の供給量を一定の割合で増加させ続けることが大事である、と主張した点です。

このマネタリズムの思想は、現代の日本の金融政策にも影響を与えているからです。

そこで2章では、マネタリズムの立場で行われている金融政策とその妥当性について、詳しく説明します。

まずはここまでをまとめます。


1章のまとめ
マネタリズムは、ケインズ経済学をベースにした経済政策がスタグフレーションに対処できないことから、フリードマンらによって生み出された経済学の立場
マネタリズムは、貨幣の供給量が他の変数に影響を与えると説明する

2章:マネタリズム的な金融政策の考え方

それではこれから、マネタリズムの立場から考え出された金融政策の具体的な内容を説明します。

端的に言えば、マネタリズムの金融政策とは、「景気を刺激し失業率を改善するために、中央銀行の働きによって貨幣の供給量を増大させよう」という考えのことです。

では、「貨幣の供給量を増やす」とはどういうことでしょうか?そもそも、中央銀行に「貨幣の供給量を増やす」ことがなぜできるのでしょうか?基本的な点から説明します。

2-1:貨幣の供給量を増やす仕組み

これから解説することについて、先に結論を述べると、
「貨幣」はマネーストックとベースマネーの2種類に分けられる
中央銀行が貨幣の供給量を増やしたところで、投資を刺激し失業率を改善することは難しい

ということになります。

しかし、これだけでは難しいかもしれませんので、まずは貨幣の2つの種類から説明していきます。

2-1-1:マネーストックとは

あなたは、「お金」と言うと何を想像しますか?

100円玉、1円玉などの硬貨や1000円札、1万円札などの紙幣を想像すると思います。その「お金」に銀行の預金口座の残高を足したものが、「貨幣」と定義されるものです。


■貨幣とは
紙幣(不換紙幣)
硬貨(補助貨幣)
預金の残高

また、紙幣や硬貨も銀行の口座に貯めたり、そこから引き出したりして使っているという意味で、「貨幣」はすべて「預金」であると言っても良いでしょう。

そして、一国における「預金」の残高の総額のことを「マネーストック」と言います。

「わざわざ難しい言い方をする必要はないのでは?」と思われるかもしれませんが、金融政策について理解する上では、マネーストックとこれから説明するベースマネーについて区別することが大事です。そのため、まずは違うものとして覚えておいてください。

2-1-2:ベースマネーとは

預金口座にある残高の総額がマネーストックですが、それに対して、市中(つまり民間の)銀行が中央銀行(日本なら日銀)に持っている口座にある残高の総額を、「ベースマネー」と言います。

順を追って説明します。

@日常的な取引は銀行のシステム上で完了する

そもそも、あなたは誰かとお金のやり取りをするときに、どのように「貨幣」を使っていますか?

少額の買い物なら紙幣や硬貨を使って取引すると思います。しかし、高い買い物や企業間の取引においては、自分の口座から相手の口座への振り込みで行うことが多いのではないでしょうか?

つまり、現代の世界においては、実際のお金のやり取りはリアルな実体のあるお金ではなく、銀行のシステム上の電子的なやりとりだけで行われることがほとんどなのです。


たとえばあなたと、あなたとお金を取引する企業(A社)がいたとして、ともに「ゆうちょ」に口座を持っていたとしましょう。

その場合、あなたとA社はゆうちょの電子システム上でお金をやりとりし、通帳に印字されるだけで「お金のやり取りを完了した」ということになります。

A銀行間の取引のために中央銀行に口座が作られる

このように、日常的なお金のやり取りのほとんどは銀行のシステム上で完結するのですが、多くのケースで上記の例とは違い、あなたと取引先の口座が別の銀行にあることの方が多いはずです。

その場合、

あなたの銀行Aと取引先の銀行Bが、それぞれ銀行Cに口座を作っておく
銀行AとBが、銀行Cの口座に一定のお金を預金しておく
そして、取引があるたびに、Cの口座からお互いに取引した金額を差し引きする

ということを行えば、複数の銀行間での取引が、同じ1つの銀行の口座間での差し引きだけで完了することができます。

このように、市中(つまり民間の)銀行が銀行間の取引のために口座を作るのが、中央銀行(日本なら日銀)なのです。

B銀行は中央銀行の口座に一定のお金を置いておかなければならない

市中の銀行はこのような目的から、中央銀行に作った取引用の口座(当座預金)に一定の預金を置いておかなければなりません。

なぜなら、一度の企業間取引で巨額の金額が動く場合もあるため、当座預金に少額しか残っていなければ、支払う側の銀行の預金が足りなくなる可能性があるからです。

そのため、中央銀行の当座預金には一定の「準備率」に従って、「準備預金」を置いておくことが定められています。

この、市中の銀行が中央銀行に持つ当座預金の残高のことを、「基礎」という意味で「ベースマネー」と言うのです。

整理すると下記のようになります。

マネーストック
市中の銀行の口座にある預金の残高で、企業や個人によって預金されており、企業や個人によって日常的に決済等に利用される

ベースマネー
銀行が銀行同士の取引のために、中央銀行に置いておく預金の残高で、金融政策によって利用される(後述)

さて、ここまでのお金(貨幣)の2つの種類を区別できれば、マネタリズムの立場による金融政策を理解することも難しくありません。

2-2:マネタリズムの金融政策

繰り返しになりますが、マネタリズムの立場から考えると、貨幣の供給量を中央銀行が操作することで金利を下げ、企業に投資を促し、景気を刺激することができるということになります。

そして、マネタリストが考える、操作できる「貨幣」とはベースマネーのことです。マネタリズム的な金融政策によって、市中の銀行が日銀に持つベースマネーの金額はものすごい金額になっています。

まずは、中央銀行がベースマネーを増やす仕組みと、ベースマネーを増やすことで金利が下がるメカニズムを説明します。

2-2-1:金利政策と量的政策

中央銀行(日銀)は、お金を供給したり銀行間取引のための口座を作っておくことだけが仕事ではありません。金融政策によって、国内の景気を刺激したり、過熱した景気を抑制したりする役割も持っています。

金融政策には、以下の2つがあります。

金利政策
市中の銀行にお金を貸す時の金利を操作すること
(金利が下がれば企業はお金を借りやすくなり、投資を増やせる、つまり景気を刺激できると考えられる)

量的政策
市中の銀行が持っている国債や手形を中央銀行が売買することで、供給するお金の量を操作すること
(たとえば日銀が市中の銀行から国債を買い上げ、市中の銀行の口座にお金を支払うことで、お金の供給量を増やし、景気を刺激できると考えられる)

特にマネタリストが重視する政策が、量的政策です。

中央銀行が市中の銀行から国債を買い上げると、中央銀行にある市中銀行の口座(当座預金)に国債代としてお金が振り込まれます。つまり市中の銀行が持つお金が増える=ベースマネーが増えるというわけです。

「それがなんで金融政策になるの?」

と疑問かもしれませんが、結論を言えばベースマネーを増減させることが金利を上げ下げすることになるからです。

市中の銀行は、毎日膨大な数のお金のやり取りを銀行間で行っています。そのため、時には当座預金の残高が足りず「短期金融市場」からお金を借りなければならない場合もあります。

メモ
短期金融市場とは、1年以内に返済する短期のお金の貸し借りを行う市場のことです。

各銀行が中央銀行に持つ口座の残高が増えれば、短期金融市場に出回るお金も増えるため金利が下がります。一方、中央銀行に持つ口座の残高が減れば、短期金融市場に出回るお金が減るため金利が上がります。

(言うまでもないことですが、お金を貸せる人が増えれば誰からでも借りられるため、金利が高い人からお金を借りようと思いませんよね。その結果、お金を貸せる人は自分から借りてもらうために金利を引き下げます。短期金融市場もこれと同じ原理です。)

このように、中央銀行は量的政策において、市中銀行が持つ国債や手形などを買い上げたり逆に売ったりすることで金利を操作し、景気に刺激を与えようとするのです。

覚える必要はありませんが、量的政策における中央銀行の仕事に以下の2つがあります。

買いオペ・・・市中の銀行から中央銀行が国債などを買い上げること(金利を下げる)

売りオペ・・・中央銀行が持つ国債などを売り、市中の銀行に買ってもらうこと(金利を上げる)

2-2-2:量的政策の欠点

ここまで説明してきたように、マネタリズムの立場では、主に量的政策を行うことでベースマネーを増やし、金利を操作することで景気に影響を与えようとします。

しかし、ベースマネーを増やす、つまり市中の銀行が中央銀行に持つ口座にお金を積み上げることで、本当に景気は刺激されるのでしょうか?

もう一度整理すると、マネタリズムの考えでは以下のようになっています。

量的政策でベースマネーを増やし、金利を下げる
金利を下げることで企業がお金を借りやすくなる
企業が投資を拡大し、雇用が増え、失業率が改善される

しかし、景気が刺激されるためには、金利が下がってお金が借りやすくなるだけでなく、企業がお金を借りたい、お金を借りて投資したいと思えなければなりません。そのため、量的政策は必ずしも景気を刺激するとは考えられないのです。

実際、現在の日本でも量的政策が積極的に行われていますが、私たちにはあまり景気が良くなった実感がないのではないでしょうか?


2-3:日本で行われているマネタリズム

日本では、第二次安倍政権で行われている一連の経済政策が、「アベノミクス」と言われています。

アベノミクスには当初3本の柱があると言われていました。

大胆な金融政策1
機動的な財政政策2
民間投資を喚起する成長戦略3

現在の首相官邸HPを見るとBの成長戦略しか目立ちません(※)が、もともとはこの3本柱の経済政策が主張されていました。

※首相官邸「アベノミクス」2020年1月3日時点

アベノミクスの3本の矢

そして、@の大胆な金融政策として行われたのが、日銀による「買いオペ」です。

安倍政権下では黒田日銀総裁によって、巨額の量的政策が実践され、日銀当座預金の残高は下記のように急速に増大しています。

日銀当座預金の残高の推移
https://liberal-arts-guide.com/monetarism/


2019年11月の月末時点で404兆6556億円のお金が、日銀当座預金に積み上げられていることになります(ベースマネーはこれに流通している日銀券残高を加えた額になります)。

(データ引用元:日本銀行時系列統計データ検索サイト)
https://www.stat-search.boj.or.jp/index.html

マネタリストの立場から考えると、これだけの当座預金が積み上げられているということは、その分、市中の銀行から企業への貸し出しも増えているはずです。

第二次安倍政権が発足したのが2012年末ですが、その頃の当座預金残高は「47兆2438億円」で、2019年11月の当座預金残高は「404兆6556億円」ですので、当座預金の残高は約8.5倍になったことになります。

それに対して、実際に銀行が行った「貸出」や市中の銀行における「預金量」がどのくらい増えたか見てみましょう。

2012年末の「貸出」は「463兆1183億円」、「預金」は「574兆1542億円」です。

それに対して2019年11月の「貸出」は「540兆3187億円」、「預金」は「733兆6569億円」です。

つまり、第二次安倍政権下においては、

量的政策によって、日銀当座預金の残高が約8.5倍になった
銀行から企業等への貸出は約1.17倍、預金は約1.28倍になった

ということが言えます。

(データ引用元:日本銀行時系列統計データ検索サイト)
https://www.stat-search.boj.or.jp/index.html


ベースマネーが急増したのに対して、実際の銀行からの貸出が増えておらず、結果として企業や個人の持つ銀行口座の預金も大して増えていないことが分かると思います。つまり、量的政策には限界があると言えるのではないでしょうか。

参考
マネタリズムと新自由主義は親和的です。新自由主義について、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

【新自由主義とは】定義・問題点・生まれた背景をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/neoliberalism/

【サッチャリズムとは】具体的な政策や社会への影響をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/thatcherism/

マネタリズムはリカードの「貨幣数量説」への回帰でもあります。リカードについて詳しくは以下の記事で説明しています。

【リカードの思想とは】『経済学および課税の原理』から徹底解説
https://liberal-arts-guide.com/david-ricardo/

2章のまとめ

ベースマネーとは銀行間取引のために、日銀の口座に置かれる預金の残高のことで、金融政策の対象となるもの

マネーストックとは、企業や個人が持つ銀行の預金の総額のこと
マネタリズム的な金融政策では、貨幣の供給量を操作する量的政策が行われる


最後に今回の内容をまとめます。


この記事のまとめ

マネタリズムとは、貨幣の供給量の役割を重視し、貨幣供給量を増やすことで景気が刺激されると考える立場

日本のマネタリズムは、量的緩和政策として実施されたものの、それほど効果を上げていないと考えられる

https://liberal-arts-guide.com/monetarism/

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

[リバイバル3] 「住宅は資産」という幻想で誰があなたをカモにするのか? 中川隆
279. 中川隆[-12578] koaQ7Jey 2020年5月28日 09:03:50 : TmfHkY98iU : ejdTbEYxMllJTzI=[2]
2020年05月28日
深刻なマンション空き室と高齢化 「限界マンション」増加

一見おしゃれだが、バブル期に建てられた湯沢のリゾートマンション

引用:http://tsunoken.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2013/08/22/2013...

限界マンションが増加

都会を中心にマンションの空室増加と老朽化、住民の高齢化が同時に起こっています。

人が住める限界が近づいた物件を「限界マンション」と呼び、遠からずスラム化します。

限界**ならぬ「限界マンション」が増加しているが、一体なんの事でしょうか。

限界**は人口の50%以上が高齢者で、若者が出て行き過疎化が進んでしまった**で、全国で1万以上存在します。

一旦こうなると商店や銀行サービスなど生活基盤がなくなり、就職先も役場も郵便局もなくなります。

分譲マンションは全国で650万戸以上存在するが、昭和期に立てられたマンションが続々と「高齢化」します。

現在築40年以上のマンションは85万戸ですが、10年後に151万戸、20年後に300万戸に増加します。

老朽化したマンションには高齢者が住んでいて、40年前に30歳で購入した人は70歳になっています。

築40年以上経過したマンションでは50%のマンションで、住人が60歳以上の高齢者だけになっています。


高齢マンションは空室率も高く、10%前後が空室になっていて、限界化の原因になっています。

空室の部屋は家賃収入はともかく、管理費や修繕費を支払わないので、修繕や建て替え費用も出ない事になります。

例え空室が無かったとしても、自分が60歳を過ぎているのにお金を払って建て替えたい人は居ないでしょう。


子供はそれぞれ住居を構えて別な家族を形成しているので、戻って来る事はありません。

高齢の住人達が望んでいるのは、自分の残り人生をこのマンションで暮らす事で、変化を望んでいない。

限界マンションを掴まない為には

居住者の多くは働いていないので収入がなく、預金や生活保護、子供からの支援で暮らしています。

業者などがマンションを建て替える可能性もあるが、全世帯から買い取る必要があり、まず不可能でしょう。

このまま老朽化が進んで、崩壊の恐れが出てくると、自治体が強制的に解体する必要が生じる。


古くなったマンションは築年数に応じて売買価格が下がっていき、最後は値段がつかなくなってスラムになります。

給水設備が錆びるので赤い水が出る、安く改修するために、建物外側に水道管を取り付けます。

水道修繕費は一戸100万円にも達し、そういえば古い建物では、変な所に菅が伸びていたりします。


外壁はひび割れるが安く修理する為に、まるで壁に模様を描いたように、ヒビにそって補修の跡が残っています。

ベランダはサビだらけで窓枠などが数十年古い構造になっていて、エレベータは動けば良いほうです。

建て替えは駐車場や駐輪場、植木などがスペースを取っている場合は可能かも知れません。


余った敷地が多ければ、余り部分に建物を広げる事で、売り出せば収入になり、負担が減るからです。

逆に余分の敷地が無く、背の高いマンションは部屋数を増やせないので、高額負担になり建て替えは困難です。

最近増えているマンション投資も限界化を促進しているとされています。


投資のために中古マンションを購入した人は、住む気がないので組合に加盟せず、修繕積立金も支払いません。

それを賃貸住宅として借りた人も、やはり組合に加盟しないので滞納率が上昇します。

全国のマンションの4割では管理費滞納者を抱えていて、築年数が古いマンションほど滞納者が多い。


もし中古マンションを購入するなら、修繕をきちんとやっている事や、管理組合がしっかりしている事が必要でしょう。

最近多いゼロゼロ物件(管理費ゼロ、積立金ゼロ)は裏を返すと何もしない物件なので、既に限界化が始まっているかも知れません。
http://www.thutmosev.com/archives/61900708.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/615.html#c279

[リバイバル3] 苗場スキー場の元高級リゾートマンションが遂に10万円になった 中川隆
575. 中川隆[-12577] koaQ7Jey 2020年5月28日 09:04:52 : TmfHkY98iU : ejdTbEYxMllJTzI=[3]
2020年05月28日
深刻なマンション空き室と高齢化 「限界マンション」増加

一見おしゃれだが、バブル期に建てられた湯沢のリゾートマンション

引用:http://tsunoken.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2013/08/22/2013...

限界マンションが増加

都会を中心にマンションの空室増加と老朽化、住民の高齢化が同時に起こっています。

人が住める限界が近づいた物件を「限界マンション」と呼び、遠からずスラム化します。

限界**ならぬ「限界マンション」が増加しているが、一体なんの事でしょうか。

限界**は人口の50%以上が高齢者で、若者が出て行き過疎化が進んでしまった**で、全国で1万以上存在します。

一旦こうなると商店や銀行サービスなど生活基盤がなくなり、就職先も役場も郵便局もなくなります。

分譲マンションは全国で650万戸以上存在するが、昭和期に立てられたマンションが続々と「高齢化」します。

現在築40年以上のマンションは85万戸ですが、10年後に151万戸、20年後に300万戸に増加します。

老朽化したマンションには高齢者が住んでいて、40年前に30歳で購入した人は70歳になっています。

築40年以上経過したマンションでは50%のマンションで、住人が60歳以上の高齢者だけになっています。


高齢マンションは空室率も高く、10%前後が空室になっていて、限界化の原因になっています。

空室の部屋は家賃収入はともかく、管理費や修繕費を支払わないので、修繕や建て替え費用も出ない事になります。

例え空室が無かったとしても、自分が60歳を過ぎているのにお金を払って建て替えたい人は居ないでしょう。


子供はそれぞれ住居を構えて別な家族を形成しているので、戻って来る事はありません。

高齢の住人達が望んでいるのは、自分の残り人生をこのマンションで暮らす事で、変化を望んでいない。

限界マンションを掴まない為には

居住者の多くは働いていないので収入がなく、預金や生活保護、子供からの支援で暮らしています。

業者などがマンションを建て替える可能性もあるが、全世帯から買い取る必要があり、まず不可能でしょう。

このまま老朽化が進んで、崩壊の恐れが出てくると、自治体が強制的に解体する必要が生じる。


古くなったマンションは築年数に応じて売買価格が下がっていき、最後は値段がつかなくなってスラムになります。

給水設備が錆びるので赤い水が出る、安く改修するために、建物外側に水道管を取り付けます。

水道修繕費は一戸100万円にも達し、そういえば古い建物では、変な所に菅が伸びていたりします。


外壁はひび割れるが安く修理する為に、まるで壁に模様を描いたように、ヒビにそって補修の跡が残っています。

ベランダはサビだらけで窓枠などが数十年古い構造になっていて、エレベータは動けば良いほうです。

建て替えは駐車場や駐輪場、植木などがスペースを取っている場合は可能かも知れません。


余った敷地が多ければ、余り部分に建物を広げる事で、売り出せば収入になり、負担が減るからです。

逆に余分の敷地が無く、背の高いマンションは部屋数を増やせないので、高額負担になり建て替えは困難です。

最近増えているマンション投資も限界化を促進しているとされています。


投資のために中古マンションを購入した人は、住む気がないので組合に加盟せず、修繕積立金も支払いません。

それを賃貸住宅として借りた人も、やはり組合に加盟しないので滞納率が上昇します。

全国のマンションの4割では管理費滞納者を抱えていて、築年数が古いマンションほど滞納者が多い。


もし中古マンションを購入するなら、修繕をきちんとやっている事や、管理組合がしっかりしている事が必要でしょう。

最近多いゼロゼロ物件(管理費ゼロ、積立金ゼロ)は裏を返すと何もしない物件なので、既に限界化が始まっているかも知れません。
http://www.thutmosev.com/archives/61900708.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/565.html#c575

[近代史5] 「デジタル人民元」は何を目指すのか

2020年5月26日
ついに実験開始「デジタル人民元」は何を目指すのか
岡田仁志 (国立情報学研究所情報社会相関研究系准教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/19714

 2020年4月14日、中国のネットニュースに真偽不明の写真が出回った。スマートフォンのアプリを撮影した画像には「銭包」の文字があり、それが電子財布であることを示している。なにより目を引いたのは、画面の上部を占める横長の長方形のデザインであった(画像はこちら『Suzhou to be pilot city for central bank digital cash』ASIA TIMES FINANCIAL)。

 青緑色の長方形に描かれていたのは、毛沢東の肖像であった。人民元の紙幣を思わせるようなデザインである。左上には中華人民共和国の国章が飾られ、中国人民銀行の筆文字のロゴも見える。そして左側には「¥1.00」の表示がある。これが本物であれば、青緑色の長方形はデジタル人民元の「紙幣」を意味するのだ。

 数日後、中国人民銀行はデジタル人民元のパイロットテストを実施する計画を明らかにした。実験の地に選ばれたのは、深セン、蘇州、成都、および北京南東の副都心「雄安新区」の4都市である。一部報道では、米スターバックスやマクドナルドも参加するという。果たして、デジタル人民元は何を目指すのであろうか。その背景を考察する。

中国農業銀行のロゴマーク

 中国がデジタル人民元を発行する目的は必ずしも明らかではない。一つの仮説として唱えられているのが、元の国際化のための手段である。ブレトンウッズ体制以降、基軸通貨の役割を担ってきたのは米ドルであった。いま国際決済に占める人民元の割合は2%程度に過ぎない。だが、中国が推し進める「一帯一路」構想では、周辺諸国と経済を一体化することが計画されている。

 仮に、中国国内の銀行に口座を持たなくてもデジタル人民元を利用できるように設計されると、中国国外でも容易に人民元にアクセスできるようになる。モバイルアプリとしてデジタル人民元の利用が拡大すれば、5G携帯の普及とともにアジアやアフリカの国々にまで人民元の決済圏が広がるかもしれない。

 独自の決済圏を持つことは、既存の基軸通貨からの自由をもたらす。米ドルの決済圏に属していると、経済封鎖を受けて米ドルの口座を凍結される可能性もある。だが、独自の決済圏を構築すれば、そこでの主導権は自らの手にある。そのために必要とされるのがバーチャルな経済圏の創設であり、そこで流通する新しい基軸通貨である。ゆえにデジタル人民元の登場は必然であった。そのような仮説である。

 冒頭の、デジタル人民元のアプリとされる画像をよく見ると、左下に中国農業銀行の文字が記されている。中央銀行としての中国人民銀行が紙幣を発行するのに、なぜ中国農業銀行が関与するのであろうか。そこには、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行形態にまつわる、二つの方式が関わってくる。

 およそCBDCの発行形態には直接型と間接型がある。国民が中央銀行に口座を持ち、直接にCBDCを受け取るのが直接型である。日本人であれば日本銀行に預金口座を持つことになるが、現行の制度を変更することになる。これを避けるため、多くのCBDCは間接型で発行される。中央銀行から市中銀行の口座を経て、国民に届く仕組みである。

 画像を見る限り、デジタル人民元は間接型を採用しているようだ。中国人民銀行が発行したデジタル人民元は、中国農業銀行などの商業銀行を経て利用者の手元に届く。銀行に口座を持つ人であれば、デジタル人民元を手軽に入手できるようになる。


今回のパイロットテストには、中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行という四つの主要銀行が参加するほか、チャイナモバイル、チャイナテレコム、チャイナユニコムの携帯キャリア3社も協力する。

 中国ではデジタル人民元のことをDC/EPと呼ぶ。これは、DC(デジタル通貨)とEP(電子ペイメント)の合成語である。国内ではすでに、アリババグループの支付宝(アリペイ)や騰訊控股(テンセント)の微信支付(ウィーチャットペイ)が普及しており、現金を利用する場面は消滅しつつある。だが、これらは電子ペイメントを便利にする民間の創意工夫であって、法定のデジタル通貨ではなかった。

 今回、満を持して登場するのは、本命となるデジタル通貨である。人民元の紙幣がデジタルに置き換えられ、モバイル端末に搭載される。お財布アプリ「銭包」に入っている長方形の画像は、紙幣を模した何かではなく、本物のお金である。ただ一つ、紙幣との違いは、券面額を自由に変えられるデジタルのお金であることだ。これを支えるのが金融と通信のインフラ企業であり、統制された国家プロジェクトとして開発が進められる。

その強みは「どんな場面でも利用できること」

 古来より、お金は天下の回り物である。人から人へと移転してこそ意味がある。この性質のことを、転々流通性という。それは通貨を構成する要素の一つであり、どんな状況でも転々流通性が確保されていなければお金とはいえない。

 デジタル人民元は紙幣に置き換わる新しい現金であるから、たとえ携帯が圏外であっても使えなくてはいけない。デジタル人民元のアプリとされる画像には、スマホとスマホを近づけるような絵柄のコマンドがある。それは、NFCと呼ばれる近距離通信技術に対応していることを示唆し、一定の周波数を用いて機器間での相互通信が可能となることを意味する。

 デジタルの金銭的価値というのは、端末間のローカル通信によって移転するように設計することができる。ただし、リスクを抑えるために上限を設定し、圏内に戻ったときに履歴を検証する必要がある。ある程度のリスクとコストを許容して、どんな場面でも利用できることを優先する。それこそが民間のペイメントサービスとデジタル人民元の役割の違いである。

 2019年秋、中国政府はブロックチェーン技術の応用可能性について公式に言及した。この構想を支えて、あらゆる分野における開発を支援するのが、BSN(ブロックチェーン・サービス・ネットワーク)という組織である。

 BSNに参加するのは、日本でも銀聯カードでおなじみの中国銀聯と、携帯キャリアの中国移動通信グループである。これらの巨大インフラ企業と肩を並べて、北京市朝陽区のサイエンスパークに入居する北京紅棗科技というスタートアップも参加しており、北京大学をはじめとするアカデミックの知識も投入される。


現時点では、デジタル人民元の設計にブロックチェーンを利用する計画はないと中国では伝えられる。中国人民銀行の数字貨幣研究所長の発言や、中国人民銀行の元・副頭取の寄稿記事によれば、ブロックチェーンの要素技術の一部を援用することは否定しないが、ブロックチェーンを基盤とする計画のないことが強調されているのだ。この点について確たる情報はない。

 ただ、ブロックチェーン技術を利用するということは、リブラのようなグローバル・ステーブル・コイン(ビットコインやイーサリアムとは異なり、法定通貨に対する交換レートが安定しており、国際的に流通する民間デジタル通貨)と同じ領域において対峙することを意味する。ブロックチェーンを基盤とした経済圏というのは、デジタル通貨とアプリの2層構造になっている。

青か赤か 
リブラと対峙するデジタル人民元

 第一層のデジタル通貨はグローバルで共通化するが、第二層で動くシェアリングエコノミーなどのサービスは、国や地域ごとにローカライズして載せることができる。すなわち、世界の誰かが作ったサービスが優れていれば、それを他の地域でも応用することが可能であり、作者の知らないうちに世界に広がっていくかもしれない。このとき、一つのブロックチェーン技術を基盤としていれば、そこを流れるデジタル通貨は世界共通で揺らがない。

 このように、ブロックチェーン経済においてデジタル通貨は経済の土台を形作る。リブラを基礎としたブロックチェーンが世界で使われるようになれば、「青いカーペット」で世界が埋め尽くされる。デジタル人民元を基礎としたブロックチェーンが世界で使われるようになれば、「赤いカーペット」で世界が埋め尽くされる。

 いま北京には、従来型の技術とブロックチェーンの理想的な協力関係がある。デジタル人民元に適用されるのは中央集権型のモデルであって、分散型のブロックチェーンではない。その一方で、ブロックチェーン関連の特許取得数において中国は世界のトップを走る。果たして集権型と分散型のいずれを目指すのだろうか。

 中国の研究者が好んで引用するのが、三国志演義序文の一節である。それは、「およそ天下は分かれて久しければ合し、合して久しければ分かれる」という理を著す。大きな変革が起ころうとするときには、中央に集まろうとするエネルギーと、外側に分散しようとするエネルギーが同時に生じる。それらを巧みに操った者こそが天下の覇者となる機会を得る。

 おそらく通貨の覇権にも、この理があてはまる。国内の通貨体制を中央集権型で統治しながら、国際通貨としての拡張性にはブロックチェーンも活用する。一見すると相矛盾するように見える二つの手綱を操りながら、国内経済と国際社会の両方を視野に入れて戦略を練る。その意味では、中国の策は巧みであり、老練さを備えている。
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/134.html

[近代史4] ミヒャエル・エンデの世界 中川隆
11. 中川隆[-12576] koaQ7Jey 2020年5月28日 10:23:06 : TmfHkY98iU : ejdTbEYxMllJTzI=[4]

投稿者:名無しの一読者

1999年5月4日 「エンデの遺言 金融資本主義の問答」は、一見の価値がありますね!

ミヒャエル・エンデは貨幣の持つ2面性について以下の鋭い指摘をしています。

貨幣には交換手段としての貨幣と、財産や資産としての
貨幣という2面性を合わせ持っている。
このうち財産や資産としての貨幣は世の中に流通しない
お金です。そしてこれが資本・投機の手段として使用さ
れ、実体のない数字のまま世界を駆け巡ります。現代通
貨は全く違う機能も同時に持っているのです。そしてそ
れが実体経済における生活や生産の場を混乱させている
のです。

それから資本主義は、放っておくと資産を持つ者と持た
ない者の格差がとんでもなく大きくなってしまいます。
それを是正し富の再分配を行う方法の一つとして税制に
おける累進課税制度があるのですが、実体経済とは関係
のない金融市場で大儲けした金融機関や企業、そして個
人から適切に徴税されていないのが現実です。

私は以前に民主主義がもっと進化して信頼できる政府を
作ることが出来れば、サイバー空間上に国民一人一人の
マイ金庫(企業は法人金庫)を作り、あとは政府系の金融
機関があれば民間銀行はいらないと書き込みました。
一介の金貸し業から利子を取るという手法を生み出し、
銀行や証券会社などの金融組織を構成してきた民間金融
機関の是非をそろそろ本気で考えなくてはならないと考
えていますが、どう思いますか?

投稿者:人力

銀行は預金金利がゼロになった時点で金融の主役の座から引きずり降ろされて、今となっては「安全な財布」や「金融商品の販売窓口」程度の存在となっています。

フィンテックが進化して、誰もが気軽にネットでポッチとなするだけで「金利ハント」をする時代になれば、銀行の業務は過去の経験による「信用審査」の様なものに変わって行くかも知れません。ただ、それとてビックデータとAIによる解析で代替えされようとしています。

金利が消えた先進国の国内だけ見れば、経済は金利という血圧が消えた「多臓器不全」の状態ですが、お金が海外の金融商品に投資される形で、新興国や途上国に資金が流入して、そこで得られた金利によって先進国は延命しています。これは、植民地時代とたいして変わらない状態です。

問題は先進国無いで成長産業があった時代は投資先が国内、成長力が下がった現在は投資先が海外という根本的違いが生じた事によって発生します。資金が国内で運用されないので、国内の労働者がどんどん貧しくなるのです。

これを是正する為には、成長している国への輸出を増やして流出した生長分の資金を取り戻すしか有りません。金融資本家達は「詐欺金融」によってこれを行っており、日本やドイツなどは製品輸出でこれを行っている。

私は金融市場を悪者の様に書いていますが、新興国の国民から見れば投資の資金を生み出す魔法の装置に見えるでしょう。左巻きの人達は日本政府が輸出企業に税的優遇を与え過ぎると非難しますが、輸出企業が日本の失われた利益を取り返す役割を負うならば、その産業を保護する事は政府として当然と言えます。

この様に、資産市場は世界経済を円滑に回し成長を維持する為には不可欠な存在ですが、肥大化して巨大なバブルの崩壊を繰り返す事で経済に甚大な被害を繰り返し与えています。

ただ、バブル崩壊も、「年老いて非効率になったビジネス」から「これから成長する企業」への資金と人材の移転だと考えると、安直に非難も出来ません。

結局は立ち位置によって「善にも悪にもなる」のは世の中の常で、中央銀行の金融緩和にも良い面と悪い面が存在します。

ただ、実体経済が資産市場の従属物に様にな、資産市場の「おこぼれ」で実体経済が回る現代の状況は、根本的に何かが間違っている様に私には見えます。
2020/5/28 5:05

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html#c11

[番外地7] 水島社長は日本軍が徹底した報道規制してたのも知らないんだね。
水島社長は日本軍が徹底した報道規制してたのも知らないんだね。
まずこれを否定して欲しいね、できる訳無いけど(嘲笑い)

南京大虐殺の証拠〜当時の記録映像と生存者の確実な証言 - YouTube
貴重資料『南京事件U』 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yrLPTGCXPr0

南京事件資料集
http://kk-nanking.main.jp/

南京事件(南京大虐殺)の真実
「否定派の解釈の誤りと、捏造のすべてを明るみにだします」 by タラリ
http://www.nextftp.com/tarari/index.htm

それから、南京大虐殺は昭和天皇直々の命令で行われたというのが定説だよ。

天皇の陰謀 天皇裕仁はかく日本を対西洋戦争に導いた
ディビット・バーガミニ著 松崎元訳
https://retirementaustralia.net/old/rk_tr_emperor_02_contents.htm

天皇が虐殺を命令したという事実を隠したいから、右翼は必死に虐殺を否定したがるんだよ。

http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/655.html

[近代史4] リカード、マルサスの古典派経済学の世界
リカード、マルサスの古典派経済学の世界

【リカードの思想とは】『経済学および課税の原理』から徹底解説 2020年3月3日
https://liberal-arts-guide.com/david-ricardo/


デヴィッド・リカード(David Ricardo)の経済学とは、


アダムスミスの思想を精緻化し、「差額地代論」「収穫逓減の法則」「比較生産費説(比較優位説)」など、その後の経済学の原型となるさまざまな理論を提唱したものです。

リカードの経済学は、古典派経済学と言われる一分野を形成し、その後のマルクス経済学や新古典派経済学が発展する基礎となりました。

リカードの経済学は、経済学の歴史を学ぶ上でも、現在の国際貿易論のなどの理論を学ぶ上でも、避けては通れない重要なものです。

そこでこの記事では、

リカードの経済学における論争や理論の特徴について
投下労働価値説、差額地代論、賃金生存費説、収穫逓減の法則、比較生産費説などの各理論について

を詳しく解説します。

リカードの理論は、個別に独立しているものではなく、精緻に体系化され繋がっているものです。


1章:リカードの経済学とは

まずは簡単にリカードの人物、思想や関わった論争について紹介します。

『経済学および課税の原理』で示された経済学の体系について知りたい場合は、2章からお読みください。

1-1:リカードとは

デヴィッド・リカード(David Ricardo/1772-1823)とは、産業革命期を生きたイギリス経済学者で、自由貿易を重視する主張、国内の資本家階級の立場の擁護、などの特徴を持つ理論を提唱しました。


アダムスミスが『国富論』で示した経済学をさらに精緻化、理論化したことで知られています。

参考
アダムスミスの国富論について、以下の記事で詳しく解説しています。

【アダムスミスの『国富論』とは】重要概念のすべてを徹底解説
https://liberal-arts-guide.com/an-inquiry-into-the-nature-and-causes-of-the-wealth-of-nations/


スミスの経済学が道徳哲学などと切り離せない、哲学的側面を持った総合知であったのに対し、リカードはスミスの思想を科学的法則として理論化し、専門的科学としての経済学の礎を作ったと言えます。


とはいえ、古典派経済学の礎はリカード一人で作ったのではなく、『人口論』が代表作でありリカードの親友であったマルサス(Thomas Robert Malthus/1766-1834)との論争の中で作られていったものです。

1-2:リカードと「金地金論争」

リカードは「金地金論争」と言われる論争に関わり、経済論壇にデビューしました。

「金地金論争」とは、

イングランド銀行が銀行券と金の兌換(交換すること)を停止(1797年)
ナポレオン戦争後、インフレ(物価上昇)が発生
インフレにプラスして金価格が高騰し、ポンドの相場が下落(1809年)

という一連の出来事から起こった論争です。

この出来事に対して、リカードは、イングランド銀行が金兌換を停止したのに、通貨の供給を拡大したことがインフレを起こしたのだとイングランド銀行を批判しました。

1-3:リカードとマルサスの論争

さらに、リカードはその後のイギリス議会の「穀物法改正(1815年)」を批判したことから、マルサスと真っ向から対立しました。

穀物法改正とは、

ナポレオンが大陸封鎖(1806)したことや穀物の不作から穀物価格が高騰したが、戦争後に穀物価格が急落
地主階級は、自分たちの利益を守るために、安価な穀物の輸入の禁止によって穀物価格を高値に維持することを議会で主張

という背景から起こったものです。

マルサスは穀物法改正を擁護し、

穀物を輸入に依存すると、安全保障上のリスクがある。

穀物輸入を自由化すると、イギリス国内の農業が衰退、工業が発展しすぎる。工業は雇用や賃金が安定しないため、労働者階級を中心に社会の不安定を招く。

と主張しました(『穀物法および穀物価格の騰落が我が国の農業および一般的富に及ぼす効果に関する考察』)。

これに対しリカードは、穀物の輸入の禁止は経済停滞を招くと批判し、資本家の立場を擁護しました。

リカードの主張は以下の通りです。

国家の権力をもってしても、輸入を完全に規制することはできないため、輸入に依存しすぎることにはならない。

穀物輸入で穀物が安価になれば、労働者の生活費を引き下げ賃金を減らせるため、資本家の利潤を拡大し資本蓄積を可能にし、経済成長の原動力となる。

マルサスは地主階級を擁護し、リカードは資本家階級を擁護したことから、このような対立が生まれたのです。

しかし、リカードとマルサスは論争の中で自らの理論を鍛え上げていき、それが古典派経済学の基礎を作ることになりました。


メモ
ちなみに、マルサスとリカードは論争していた一方で、プライベートでは非常に親密な親友同士だったことが分かっています。

「結局、リカードの経済学の理論はどのような内容だったの?」

と疑問だと思いますので、2章で詳しく解説します。

まずはここまでをいったんまとめます。


1章のまとめ

リカードはアダムスミスの経済学をより精緻化・専門科学科し、近代経済学の礎を築いた
リカードは「金地金」論争の中で、イングランド銀行の通貨供給拡大がインフレの原因だと批判したことから論壇デビューした

リカードは、穀物法改正を批判して資本家階級の立場を擁護し、地主階級を擁護したマルサスと論争し、その中で理論を発展させた

2章:『経済学および課税の原理』から見るリカードの経済学

それでは次に、リカードの代表作である『経済学および課税の原理』からリカードの経済学を詳しく解説していきます。

『経済学および課税の原理』を先に要約します。


『経済学および課税の原理』の要約

投下労働価値説…生産物の価値は投下される労働力の量によってのみ決まる

賃金生存費説…労働者の賃金は、労働者が生存できる消費財の量(生存費)によって決まる

差額地代論…同じ投下労働量でも、土地によって収穫量が異なるため、最も生産力が低い土地との差額が地代になる

収穫逓減の法則…需要に応じて生産力が低い土地を耕作するようにすると、拡大するだけ生産力が減る(拡大の法則)。また、同じ土地にさらに労働力を投下しても、獲得できる収穫量は減っていく(集約の法則)

比較生産費(比較優位)説…どのような国家も、生産物ごとに生産性の高さが異なるため、貿易して生産物を交換し合った方が利益が大きくなる


重要なのは、リカードはただの抽象的な理論化を目的としていたわけではなく、これらの理論を通じてイギリス社会の行く末を論じているということです。

これらの理論から考えると、貿易を規制したままではイギリスの経済力は成長しない。そのため、自由貿易を実現して経済成長できるようにしていこう、というのがリカードが『経済学および課税の原理』で主張したことです。

2-1:投下労働価値説

スミスが「投下労働価値説」と「支配労働価値説」を両方論じたのに対し、リカードは「投下労働価値説」のみを支持しました。

難しく考える必要はありません。投下労働価値説とは、生産物の価値は投下された労働量のみによって決まるという説のことです。

スミスが例示したように、ビーバー2頭を獲得するのにかかった労働量と鹿1頭を獲得するのにかかった労働量が同じなら、ビーバー2頭と鹿1頭が同じ価値を持つということになります。

国富論における投下労働価値説

ただし、リカードの投下労働価値説は、「自然価格」と「生産物が持つ価値」を混同していると後に批判されました。

自然価格とは、その商品を作る過程でかかった、土地の地代や労働者の賃金、資本家が獲得する利潤などのすべての「自然率(平均率)」で決まるという考え方です。


自然価格=地代の自然率+賃金の自然率+利潤の自然率

ということになります。

リカードは、賃金率が上昇すると「生産物の価値」が上昇するため、投下労働価値説は一部修正する必要があると考えました。

しかし、実際には賃金率の上昇で影響を受けるのは「自然価格」のみで、「生産物の価値」ではありません。そのため、生産物の価値は賃金率の上昇によって増減することはありません。

このように自然価格と生産物の価値を混同していたことは、その後多く批判されました。

とはいえ、リカードは賃金の変動が価値に与える影響は小さなものであるため、あくまで生産物の価値は「投下された労働量」を主な要素として決まると主張しています。

2-2:賃金生存費説

リカードは、賃金を「生存費」、つまり労働者が生存するために必要な最低限の消費財の量によって決まると考えました。

これはマルサスの『人口論』から影響を受けた考えで、「賃金生存費説」と言います。


実際の賃金は、もちろん生存費とまったくイコールになるとは限りません。

しかし、実際の賃金が生存費を超える状態が続くと、家計に余裕が生まれ、子供を増やすため労働力が増え、労働市場において労働供給が過剰になります。

労働人口が多すぎれば、資本家は賃金を安くしても簡単に労働力を増やすことができるため、賃金を下げることができます。

逆に賃金率が生存費以下になれば、労働者は子供を作れず労働人口が減少するため、資本家は労働力を得るために賃金を上げざるを得ません。

そのため、長期では生存費によって実質賃金が決まるとリカードは主張しました。

賃金生存費説にのっとって考えると、


穀物価格上昇→労働者の生存費が上昇→賃金上昇→資本家の利潤減少

ということになります。これが穀物法改正に反対した1つの理由です。

2-3:差額地代論と収穫逓減の法則

「差額地代論」と、そこから導き出される「収穫逓減の法則」は、リカードの理論の中でも多く知られているものです。

2-3-1:差額地代論

「差額地代論」について簡単に要約すると、

(前提@)生産物の価値は投下された労働力の量によって決まる

(前提A)耕作できる土地の質には、場所によって優劣がある(よく育つ土地とそうでない土地がある)

生産性が高い土地から耕作すると、徐々に生産性が低い土地を耕作せざるを得なくなっていく

そのため、穀物価格は最も生産性が低い土地(限界地)での生産費と同じ価格になる
その結果、「地代」は生産力が最も低い土地(限界地)ではゼロになり、それ以外の土地では肥沃な土地との差額が地代になる

というものです。

もう少し詳しく解説しましょう。

■地代が発生するメカニズム

まず、生産力が高い順に土地がA、B、Cとあるとしましょう。Aでは100トンのお米が生産できますが、同じ労働力でもBでは80トン、Cでは60トンしかお米が作れません。

リカードの経済学1
土地Aだけの耕作でお米の需要にこたえられる社会では、Aで耕作している資本家に地主が地代を要求しても、資本家は地代がかからない土地に移動してしまいます。

リカードの経済学2
そのため、Aの地代はゼロ円であり、お米の価格はAに投下される労働量と等しくなります。

しかし、人口が増加している社会では、食料を得るために生産性が低い土地も耕作していかなければなりませんので、資本家はBやCの土地も借りて耕作しなければならなくなります。

地代が発生するのは、社会がこのような状況になった場合です。

なぜなら、仮に土地Aを持つ地主が資本家にお米10トン分の地代を要求したとしましょう。

Aにいた資本家は「地代を払うくらいなら土地Bに移動してやる」と思うかもしれませんが、土地Bは同じ労働力でも80トンのお米しか得られません。

Aにいれば地代を支払っても、


生産量100トン-地代10トン分=利潤90トン分

となって、Bで耕作する場合の「生産量80」を超えるため利潤が最高になります。そのため、資本家は土地Aに残って耕作を続ける選択をします。Aの資本家は、土地Aから得られる利潤が、Bから得られる生産量を超えるまでAから移動しません。

地主も「できるだけたくさんの地代をもらいたい」と考えるため、Aの地代はBから得られる生産量との差額まで最大化していきます。この場合は、Bの生産量が80であるため、地代は20まで膨らむことになります。


リカードの経済学3
さらにBの耕作地がなくなりCの土地まで耕作しなければならなくなると、同じことが起こってBの土地でも地代が発生します。

このようにして、人口が増加する社会では

地代は限界地では発生しないが、それ以外の土地では限界地と土地の肥沃度に応じて地代が発生する
地代によって価格が決まるのではなく、地代は穀物が高価であるために発生する

ということになるのです。

スミスは価格の決定が「地代」「賃金」「利潤」から決まると考えたのですが、リカードは上記の理論でこれを批判したのです。

2-3-2:収穫逓減の法則

「収穫逓減の法則」は経済学の非常に基本的な理論ですので、経済学を学んだことがある方は記憶にあると思います。

※「逓減」とはだんだん量が減っていくという意味です。

リカードの収穫逓減の法則には、以下の2つのものがあります。

拡大の限界…生産性が低い土地にまで耕作を広げると、同じ量の労働力から得られる収穫が減っていく1
集約の限界…同じ土地に同じ量の労働力を投下し続けると、余剰の収穫が逓減していく2

(少しややこしいかもしれませんので、まずは上記の法則を覚えておくだけでも問題ありません。)

@は、2-2-1で説明した「差額地代論」のことです。

つまり、需要に応じて生産力の低い土地を耕作していくと、同じ労働力の投下量でも、収穫できる生産物(たとえばお米)の量は減っていく、というものです。

リカードは「拡大の限界」によって地代が発生すること。地代は穀物価格の決定には影響しないことを主張しました。

A「集約の限界」とは、同じ土地にさらに多くの労働量を投下したときに得られる生産物の量は、逓減していく(徐々に減っていく)という法則です。

たとえば、2-2-1の例でAの土地で生まれる収穫量は「100トン」としましたが、そこに追加で同じだけの労働量(つまり労働量が2倍になる)と、追加で得られる収穫量が「65トン」だとしましょう。

追加で同じだけ労働力を投下しても、得られる収穫量は減少していく。これが「集約の限界」です。

問題なのは「その結果どうなるのか?」ということです。

Aの土地に同じだけ労働力を追加で投下することで、追加で得られるお米の収穫量が「65トン」になる

この社会での「限界地」である土地Cでは、Aで収穫量100トンが得られるときに60トンしか得られないため、Aの地代はCとの差である「お米40トン分」になる
この場合、土地Cの資本家は土地Cを耕作する収穫量「60トン」より、土地Aで追加で得られる「65トン」の方が多いため、5トン分の地代を支払うからAの土地を貸してほしいと交渉する

その結果、地代は「45トン分」になる

このようにリカードは説明しています。

結局、「集約の限界」によっても土地の肥沃度に応じて地代が決まることが分かります。


2-4:資本蓄積論

リカードは、ここまで説明した「賃金生存費説」や「収穫逓減の法則」を理論化したのは、イギリスの将来を予測するためでした(資本蓄積論)。

2-4-1:輸入がなければ経済成長がない

人口が増加し穀物需要が増大する限り、徐々に生産力が低い土地を耕作するようにしていかなければなりません。

その結果「拡大の限界」と「集約の限界」によって、同じ労働力でも得られる穀物量は徐々に減少していきます。

すると、地代と賃金の支払いによって資本家が得られる利潤は徐々に減少していきます。

経済成長は、資本家が資本(余剰のお金)を新たな事業に投下することによって生まれます。しかし、その資本蓄積が徐々にできなくなっていくのですから、その結果イギリス経済の成長力は減衰してしまいます。

しかも、地主は地代の獲得によってより金持ちになり、労働者はぎりぎりの生存費で生活する状況が変わりません。


2-4-2:貿易自由化が成長を生む

リカードは以上の理由から、穀物法改正を批判しました。

穀物法があることから国内の穀物価格が高値に維持されるため、結果的に生存費が高くなり、賃金が上がり、資本家の利潤が減少し、資本家の新たな投資の障害になります。

しかし、穀物を輸入できれば穀物価格が下がり、生存費・賃金が下がり、その結果資本家の利潤が増大し資本蓄積が可能になる。

リカードはこのような考えがあったため、穀物法改正を批判したのです。

この主張の背景には、「供給は自らの需要を作り出す」という「セーの法則」と同じ考えを持っていたからです。つまり、生産されたもとは必ず消費されるため、資本蓄積さえ進めば経済が成長するという考えです。

■マルサスによる批判

しかし、このリカードの主張はマルサスから批判されました。

マルサスは、

資本蓄積が進み、資本家が新たな事業によって生産物の供給を増やしても、それを消費する側の需要が増えていなければ、経済成長にはならない
労働者の消費(主に消費財)は通常増大しないし、資本家は資本蓄積のために節約するため、消費を拡大しない

そのため、奢侈品(ぜいたく品)を消費する地主の利益を守る必要があり、そのため穀物法改正による穀物価格の高値での維持は必要である

と主張しました。

ここに、リカードとマルサスが資本家と地主のそれぞれの階級を擁護した根拠が分かります。

2-5:比較生産費(比較優位)説

リカードはさらに、自由貿易がどこの国にとっても利益になることを主張しました。それが「比較生産費説(比較優位説)」です。

比較生産費説(比較優位説)」を要約すると、以下のようになります。

「収穫逓減の法則」のように、国内では高い利潤率を求めて資本が移動する(つまり高い利潤を求めて資本家は投資する土地を変えていく)

自由な貿易が可能な世界では、上記と同じように高い利潤率を求めて国際分業する
そのため、国家は労働や資本を自国がもっとも高い利潤が得られるように活用する

実際には完全な自由な貿易はできないのですが、それでもすべての国家にとって自由な貿易は利益になります。

詳しく解説します。

たとえば、二国間で同じ労働量を投下したときに、生産費に以下のように違いがあるとしましょう。

イギリス ポルトガル
ぶどう酒 120 80
毛織物 100 90

※根井雅弘(2005)より引用

どちらも労働の投下量は同じです(つまり1年間に働く労働者の数が同じ)。

この場合、イギリスはどちらの生産物でも生産力が高いため、これだけ見るとイギリスに貿易の必要はないように思われます(絶対優位)。

リカードは、それでも二国間は貿易をした方が良いと主張します。なぜなら生産費が二国間で異なるからです。

貿易前…イギリス国内ではぶどう酒1に対して、約0.8の毛織物が交換できる
貿易後…イギリスの毛織物は、ポルトガルとの貿易によって約1.1の毛織物と交換できる


リカードの経済学4 リカードの経済学5
同じように、ポルトガルもぶどう酒の輸出によって、より多くの毛織物を得ることができます。

二国間で、それぞれの生産物に対する生産費が異なるため、このようなことが可能になるのです。

これが比較生産費説(比較優位説)です。

こうした理論から、リカードは自由貿易の必要性を主張したわけです。


2章のまとめ

投下労働価値説…生産物の価値は投下される労働力の量によってのみ決まる

賃金生存費説…労働者の賃金は、労働者が生存できる消費財の量(生存費)によって決まる

差額地代論…同じ投下労働量でも、土地によって収穫量が異なるため、最も生産力が低い土地との差額が地代になる

収穫逓減の法則…需要に応じて生産力が低い土地を耕作するようにすると、拡大するだけ生産力が減る(拡大の法則)。また、同じ土地にさらに労働力を投下しても、獲得できる収穫量は減っていく(集約の法則)

比較生産費(比較優位)説…どのような国家も、生産物ごとに生産性の高さが異なるため、貿易して生産物を交換し合った方が利益が大きくなる


3章:リカードの経済学の学び方

『経済学および課税の原理』で示されたリカードの経済学について、理解を深めることはできましたか?

繰り返しになりますが、リカードの経済学は近代経済学の礎となり、その後の経済学の発展に大きな貢献をしました。そのため、これから経済学や経済思想を学ぶ上でリカードを深く理解しておくことには意義があります。

ただし、リカードは一人で古典派経済学を作ったわけではないので、リカード一人を深く学ぶのと合わせて、古典派経済学の経済思想をまとめて学ぶことも大事です。

この記事のまとめ

リカードは経済学を専門科学化し、近代経済学の礎を築いた。また、マルサスとの論争の中でともに経済学の体系を作り上げていった。

リカードの経済学は、純粋に理論化を目的にしたというよりも、現実の「穀物法改正」などのイギリス政府の政策を批判し、資本家階級の利益を代弁するものだった。
マルサスが地主階級の立場を擁護したのに対し、リカードは資本家階級の立場を擁護した。

https://liberal-arts-guide.com/david-ricardo/

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/914.html

[近代史4] マルクス経済学の世界

マルクス経済学の世界


【マルクス経済学とは】史的唯物論から『資本論』の世界まで解説 2020年3月3日
https://liberal-arts-guide.com/marxian-economics/


マルクス経済学(Marxian economics)とは、


経済学者のカール・マルクスが、古典派経済学を批判的に継承して「剰余価値説」「資本蓄積」などの理論から、資本主義体制はプロレタリア革命によって崩壊し、社会主義が到来すると論じた経済学です。

「マルクスや社会主義なんて古くて学ぶ必要ないものでは?」

と思われるかもしれませんが、マルクスの思想は今でも社会科学に広く影響していますし、マルクス経済学が行った資本主義の批判は今でも学ぶべきところがあります。

言い換えると、マルクス経済学は近代社会=資本主義社会論として読むことができます。そのため、マルクス経済学を理解しなければ、さまざまな学説はわかりにくいものになってしまします。

そこで、この記事では、

マルクス経済学の歴史や特徴
『資本論』などから分かるマルクス経済学の詳しい理論

について分かりやすく解説します

マルクス経済学は難解だと思われていますが、できるだけ簡単に説明するので関心のある所から読んでみてください。

1章:マルクス経済学とは

マルクス経済学は、ドイツ出身の経済学者カール・マルクス(Karl Marx)が『資本論』などの著書で明らかにした独自の経済学です。


マルクス以前の主流派の経済学は、アダムスミスやデヴィットリカード、マルサスなどによる古典派経済学でしたが、古典派経済学から思想を継承しつつも、それを独自の立場で体系化したのがマルクス経済学です。

1章では、まずはマルクス経済学の概要について説明します。

『資本論』などを通して明らかな、マルクス経済学の具体的な理論については2章から解説します。

1-1:マルクス経済学が生まれた背景

カール・マルクス(Karl Marx/1818-1883)が生きた時代、イギリスでは産業革命の真っただ中であり、

産業資本家の力が強くなる
労働者の立場が弱く、1日16時間を超えるような長時間労働、児童労働、恐慌による失業

といったことが社会問題になっていました。

そんな社会の中でマルクスは自身も実践的に革命運動に参加し、1850年代以降に入ってから経済学の本格的な研究をはじめました。

マルクスは大学に所属する研究者ではなく、今でいう在野の研究者で、大英博物館の図書館で研究を進め『資本論』という大著を書き上げたのです。

マルクスは『資本論』の第1部のみを書き上げ、彼の死後に共同研究者だったフリードリヒ・エンゲルス(Friedrich Engels)がマルクスから預かった草稿をもとに、『資本論』の第2部、第3部を発表しました。

1-2: マルクス経済学の世界観(史的唯物論)

マルクス経済学について知るためには、マルクスが立脚している世界観(※)である史的唯物論について知っておく必要があります。

※世界観とは、一般的に使われるような「世界の雰囲気、イメージ」というものではなく、「世界をどのようなものとして見るか」という立場のことです。

マルクスの世界観である「史的唯物論」とは、

社会には歴史的段階があり発展していくもの
世界は物質によって統一されており観念は物質のいち働きでしかない

という立場から世界を見ることです。

メモ

逆に、唯物論と対立するのが観念論であり、これは物質に観念が先行する、つまり物質より先に観念があったとする世界観です。観念論は、物質世界は観念によって生み出されると考える(つまり宗教的立場)ものとして、マルクスは批判します。

史的唯物論の立場からマルクスは考えるため、

資本主義社会では、労働が「疎外」されるが、この疎外の在り方は歴史的な一形態にすぎない

また、歴史の原動力は観念的なものではなく、社会の物質的側面が持つ矛盾である
社会の物質的側面が持つ矛盾がある段階に達すると、次の歴史的段階に進むための階級闘争が生まれ、社会主義が誕生する

社会主義社会では、人間は「疎外」されない

という議論をしています。

これだけではよくわからないと思うので、簡単に説明します。

1-3-1:労働の疎外

そもそも、資本主義社会は財産の私的所有(私有財産制)を前提にしています。

なぜなら、近代以前の中世的世界では、財産の私的所有の自由がなく大衆は権力者に支配されていたからです。そのため、資本主義社会の私的所有とは、封建制社会からすると進歩です。

この私有財産の本質について、マルクスは「疎外された労働」にあると言います。

マルクスによると、私有財産制の社会では以下のように「人間の人間からの疎外」が生まれるとしています。

労働によって生み出された生産物は、それを生み出した労働者に属さない疎遠なものとなり、労働者と対立する存在である(労働生産物からの疎外)1

労働者の「労働」そのものも、強制されたものであるため、労働者自身は自己実現の喜びを得られないものである(労働からの疎外)2

労働は本来、人間が他人とともに生きる社会的存在(類的存在)であることを認識し、喜びを得るものだったはずだが、疎外された労働は生存手段でしかない(類的存在からの疎外)3

上記の疎外の結果、人間の人間からの疎外が生まれる4

この「疎外」が私有財産制の本質であるとマルクスは考えたのです。

こうした考えから、労働者を疎外から解放するために、私的所有をやめること、つまり資本主義から脱することが必要であるという結論に至ります。


1-3-2:社会の物質的側面の矛盾(生産諸力と交通形態の矛盾)

また、マルクスはこうした労働疎外の在り方は、歴史の一形態に過ぎず普遍的なものではない。つまり、資本主義社会に特有のものだと考えました。

ここでも史的唯物論的な立場から論じられます。

まず、マルクスは社会構造を大きく二段階のものと考えています。これを「上部構造」と「下部構造」と言います。

少し長いですが、『経済学批判』からマルクスの説明を引用します。


「この生産諸関係の相対は社会の経済的機構を形づくっており、これが現実の土台となって、そのうえに、法律的、政治的上部構造がそびえたち、また一定の意識諸形態は、この現実の土台に対応している。物質的生活の生産様式は、社会的、政治的、精神的生活諸過程一般を制約する。人間の意識がその存在を規定するのではなくて、逆に、人間の社会的存在がその意識を規定するのである。」

『経済学批判』

これを整理すると、

社会には「労働」「生産」といった生産に関する構造(物質的生産諸力)が土台として存在する

その生産に関する構造(土台)の上に、法律や政治、社会的意識などの観念的な上部構造が存在する

そして、観念(上部構造)が物質的生産関係(下部構造)を規定するのではなく、物質的生産関係が観念を規定する

ということです。


上部構造・下部構造とはなにか

つまり人間の精神的活動は、その生活の実態から規定されているのであり、その逆ではないということです。

物質的世界が観念的世界に先行するという唯物論的立場から社会構造を明らかにしていることが分かります。


参考
「上部構造・下部構造」という概念について、詳しくは以下の記事で解説しています。

【上部構造・下部構造とはなにか】マルクスの議論をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/base-and-superstructure/


1-3-3:経済的社会構成の発展

そして、社会の物質的な面である生産過程(物質的生産諸力)は、ある一定の所まで発展し続けるが、ある段階を超えると崩壊し、次の社会構造を作るようになると考えました。

マルクスは、世界の歴史を物質的生産諸力の面から整理すると、以下のようになると考えました。

アジア的生産様式
古代的生産様式
封建的生産様式
近代ブルジョア的生産様式(資本主義社会)
社会主義的生産様式

それぞれの段階で、その時代の生産様式が限界まで発達すると構造が崩壊し、次の社会構造が形成され、また限界まで発展していったのだ。これがマルクスの史的唯物論の要点です。

これを見て分かるように、マルクスは自身が生きた資本主義社会の「生産諸力」も発展の余地がないほどまで発展しており、いずれプロレタリア革命(労働者による革命)によって崩壊すると考えたのです。

では、資本主義社会は、具体的にはどのように崩壊することになるのか。それに答えたのが『資本論』です。

2章では『資本論』を解説しますので、まずはここまでをまとめます。


1章のまとめ

マルクスは失業、不況といった現実の社会問題を解決するため、各命運動に身を投じ、その後マルクス経済学を体系化した

マルクス経済学は、「史的唯物論」の立場に立っており、社会構造の持つ矛盾が限界に達すると次の社会構造が現れると考えた

2章:『資本論』から見るマルクス経済学のポイント

それではこれから、マルクス経済学の各理論を『資本論』から解説していきます。

『資本論』を要約すると、以下のようになります。


『資本論』の要約

商品の価値…具体的な使用時の価値である「使用価値」、交換できること自体の価値「交換価値」、そして抽象的な「価値」が区別される。使用価値は「具体的有用労働」が作り、「価値」は抽象的人間労働が作る。

貨幣の物神性…商品の価値形態は最終的に貨幣になる。資本主義社会では商品・貨幣に支配される(物神性)。

剰余価値説…資本家は労働者の労働力に賃金を払うが、支払った価値以上に労働させることで剰余価値を得ることができる。

資本蓄積…剰余価値を高めるために、労働時間の延長か労働生産性を高めるという選択肢があるが、長期には機械設備の導入が進められる(資本の有機的構成の高度)

産業予備軍…長期には労働に代わって機械設備化が進むため、労働者は景気の波で雇用・解雇される「産業予備軍」になり、立場が弱体化

革命…機械設備化を進めると資本家の利潤は減り、巨大企業しか生き残らないため、資本主義社会が崩壊し社会主義社会に移行する


それでは簡単に解説していきます。

2-1:商品・労働の価値と貨幣

マルクス経済学を理解する上では、まずは「商品はいかにして、どのような価値を持つようになるのか」という問いと答えを理解する必要があります。

2-1-1:商品の使用価値と交換価値

マルクス経済学では、商品は以下の2つの価値を持っていると考えます。

使用価値:その商品を使うことによって欲望を満たす(つまり商品が役に立つ)という面の価値1

交換価値:他のものと交換できるという面の価値2

そして、商品は労働者が労働力を注ぎ込んで作ったもの(労働生産物)であるため、それは労働力が結集されたものだと考えることができます。

さらに、ややこしいかもしれませんが、マルクスはこれらとは異なる単なる「価値」も区別しています。

交換価値によって、例えば1表のお米と1台の自転車が交換される場合、この2つの商品の交換価値は等しいです。しかし、本来この2つはまったく異なる性質を持つもので、価値を比較することはできないはずです。

そのため、この2つの商品には根源的な「価値」があると考えられ、それは「使用価値」とも「交換価値」とも区別されるのです。

2-1-2:具体的有用労働と抽象的人間労働

では、商品にはどのような労働力が投下されているのでしょうか?

マルクスは、これも2つの面から考え、「具体的有用労働」と「抽象的人間労働」によって商品の価値が作られていると考えました。

具体的有用労働:「お米」「自転車」などの商品の具体的な使用価値を作る労働のこと1

抽象的人間労働:その商品の「価値」を作る労働のこと2

この商品の価値は、「具体的有用労働」と「抽象的人間労働」の2つの統一物である、とマルクスは把握したのです。

マルクスの議論はややこしいかもしれませんが、まずは大まかにでもイメージしておくとその後の議論が分かりやすくなります。

2-1-3:貨幣と物神性

マルクスは、商品の価値の形態は最終的には貨幣になり、資本主義社会では商品や貨幣が社会を支配するのだ、と論じました。

まず、様々な商品は他の商品との比較の中でさまざまな「価値形態」をとります。

たとえば、「10表のお米」と「10台の自転車」が同じ価値を持つ場合、「10台の自転車」が「10キロのお米」の「価値形態」です。

さらに、「10台の自転車」と「50キロのトマト」が同じ価値を持つ場合、「50キロのトマト」は「10台の自転車」の価値形態です。

これを繰り返していくと、最終的には以下のようになり、これが貨幣形態です。

マルクス経済学の貨幣の物神性

「では、なぜ商品や貨幣が社会を支配するという結論になるの?」

と思われるかもしれませんが、それは、資本主義社会が「私有財産制」であるからです。

私有財産制の社会では、商品は特定の誰かの所有物ですので、商品を交換しあわなければ社会的な結びつきが生まれません。

そのため、商品・貨幣の交換が社会の前提になるため、人間は商品・貨幣から支配される。これをマルクスは「物神性」と呼んでいます。

したがって、社会から物神性を取り除こう。そのために革命を起こそう、とマルクスの革命思想に繋がっていくことになります。

さらに、資本主義社会では「労働」それ自体も商品化されているとマルクスは考えましたが、この思想からマルクス経済学の本質的な理論である「剰余価値説」に繋がっていきます。

2-2:剰余価値説

そもそも、資本主義社会では労働者は「労働」を売らなければ生きていけません。

それは、以下の意味で、労働者が二重の意味で「自由」であるからです。

労働者は人格的に自由であること1
生産手段の所有から自由であること2

このAについては、自由というとポジティブな気がしますが、労働者は他に何も売るものがないため、自らの労働を売るしかなくなるという意味になります。

この「労働を売るしかない」という労働者の立場を利用して、資本家は自らの利潤を拡大していくことができます。

2-2-1:支出としての労働と労働力の再生産のための労働

これを、マルクスは支出としての労働と、労働者が自らの生産量を創出するための労働とに区別して説明します。

まず、資本家は賃金を支払って労働者を雇用するとき、労働者の「労働」という商品を買ったことになります。その労働者を働かせれば、例えば1日12時間働かせることで何らかの商品を作らせることができます。

さらに、マルクス経済学では、労働者が自らの労働力を再生産(取り戻す)するためにも「労働」が必要であると考えます。

つまりは、労働者は食事をしたり休養を取ったりするのにかかる時間が、労働力の再生産のための労働です。

具体的には、

資本家が使う労働者の労働:1日12時間
労働者が自らの労働力を再生産するのに必要な労働:1日8時間

というように考えることができます。

2-2-2:剰余価値が生まれる仕組み

ここで考えるべきなのが、資本家は労働者に「8時間分」の賃金を支払うだけで、「12時間分」の労働をさせることができるということです。

なぜなら、資本家は労働者の「労働」を買っているため、後はどのようにその労働力を使っても構わないからです。

したがって、労働者に支払う賃金と実際に労働によって生み出される価値との差額が生まれます。

この差のことを「剰余価値」と言うのです。


マルクス経済学の剰余価値説

もちろん、商品を生産するのに必要なのは労働力だけではなく、工場などの生産設備も必要です。

したがって、マルクス経済学では商品の価値は以下のようにあらわされます。


商品が持つ価値=生産手段の価値が転換したもの+労働力+剰余価値


マルクス経済学の商品価値

さて、もしあなたが資本家なら、労働者を自由に雇用し働かせることができる場合、どのように考えますか?

「何とかしてもっと儲けたい」と思うのではないでしょうか。

マルクスはこのような資本家の性質から、資本蓄積によって労働者はさらに弱い立場に追い込まれてしまうと論じています。

2-3:資本蓄積

資本家が「もっと利潤を増やしたい」と考えた場合、やるべきなのは「剰余価値を増やすこと」です。

では、どうしたら剰余価値が増えるでしょうか?

マルクスは剰余価値を増やす方法について、以下の2つを指摘しています。

@絶対的剰余価値の生産

労働時間の延長によって、剰余労働時間を増やし剰余価値を増やすこと。たとえば労働時間を12時間から13時間に増やし、剰余労働時間を5時間から6時間に増やすなど。

絶対的剰余価値の生産


A相対的剰余価値の生産

労働生産性を高めることで労働時間を減らし、支払う賃金を減らし剰余価値を増大させる。労働時間を12時間から10時間にし、剰余労働時間をそのままに支払う賃金を減らすなど。

相対的剰余価値の生産

労働者が働ける時間には限界がありますので、多くの資本家はAの経営努力をすることになります。

もっと具体的に言えば、資本家は得た剰余価値をより良い生産設備などの機械に投資することで、生産性を向上させるようになります。

この剰余価値の新たな資本への投資のことを、「資本の蓄積」と言います。

生産設備などの資本が増大していくということです。

こうして資本はさらなる資本の増大を求めていくことになります。

そしてマルクスは、こうした資本蓄積が結果として不況を生み、恐慌を生み、多くの失業者を生み出すことになるのだ。それが資本主義社会が抱える問題なのだと主張します。

2-4:恐慌の発生

現代でも問題になる「不況」ですが、マルクスも当時の社会を見て不況のメカニズムを考え、その原因が「資本蓄積」にあると論じました。

2-4-1:不況のメカニズム

なぜ不況が発生するのか。マルクスは、それを貨幣の存在から説明します。

資本主義社会では、資本家は最大限の利潤を得るためにできるだけ売れ残りを作りたくないと考えます。

その場合、得た利潤のすべてを次の商品の生産に充てるわけにはいきません。

そこで、富を貯蔵する手段として貨幣を使うことになります。生産物は劣化の恐れがありますが、貨幣は劣化の心配なく手元に置いておき、好きな時に使うことができるからです。

将来に不安が大きいほど、資本家は富を貨幣という形で貯蔵します。

その場合、投資の需要は小さくなり世の中で購入される生産物の量が減少します。これが「不況」です。

2-4-2:恐慌発生のメカニズム

逆に、将来に対する予測がポジティブなら、資本家は多くの資本を投資して新しい商品を作ります。

その場合は世の中で購買される商品の数が増えて「好況」になりますが、多くの商品を生産しようとすれば多くの労働力が必要になります。

社会が持つ労働力には上限があるため、労働者の賃金は上昇し、資本家が得られる利潤は減少し、やがて「不況」に転換します。

この「不況」のより激しい状態が「恐慌」です。

2-4-3:資本の有機的構成の高度化

繰り返しになりますが、商品の価値は生産手段からの価値の転換と、労働による価値の転換によって生まれます。

2-3の「資本蓄積」で説明したように、より多くの剰余価値を得ようと考える(つまり儲けようとする)と、「労働時間を増やす」か「労働生産性を高める」かのどちらかしかありません。

そして、労働時間には限界があるため、資本家は、いつかは必ず労働生産性を高める努力をしなければならなくなります。つまり、新しい技術に投資して労働生産性を高め、逆に投下する労働時間の数を減らしていこうとするのです。

こうして競合他社よりも高い剰余価値を得られるようにしていきます。この他社と比較した際の剰余価値を「特別剰余価値」と言います。

マルクスは上記の説明を「不変資本」と「可変資本」という言葉で説明しています。

不変資本(c):商品の生産の際に、機械設備などの生産手段から転化される部分
可変資本(v):商品の生産の際に、労働から投下される部分

つまり、資本家はより高い特別剰余価値を得るために、商品に対する「可変資本(v)」の割合を少なく、「不変資本(c)」の割合を多くしていこうとするわけです。

商品の持つ価値に対する、上記の割合は「c/v」という数式で表されますが、分母である「v」が大きくなると資本家の得る剰余価値が大きくなるということです。

このことを、マルクスは「資本の有機的構成の高度化」と言っています。
資本の有機的構成の高度化

そして、資本の有機的構成が高度化、つまり不変資本の割合が高まると、資本家が得る利潤の割合は減少していきます。

2-4-4:労働者の失業と産業予備軍化

ここまで理解できれば、資本主義社会ではなぜ労働者の立場が弱くなり、失業者が増えていくのか分かると思います。

資本家はより高い剰余価値を得て競合他社に勝ち、生き残っていくために、労働者の雇用を減らして機械設備に投資し生産性を高めていかなければなりません(資本の有機的構成の高度化)。

その結果、労働者は失業していきます。

また、資本主義社会では景気循環があり「不況」と「好況」を行ったり来たりするため、労働者は不況時には解雇され、好況時には雇用されます。

そのため、労働者は「産業予備軍」として資本家が経営を最適化するための役割として、ストックされることになります。

しかし、長期で見ると資本主義社会では、資本の有機的構成が高まり続けるため、産業予備軍は巨大化していきます。つまり、雇用が不安定な労働者の層が増大していくのです。

こうした趨勢によって資本主義社会では、恐慌が頻発し不安定な労働者が大量に発生するようになるのです。

さらに、企業は特別剰余価値を生み出すために競い合いますので、新しい技術の投資に失敗した会社は、成功した会社に取り入れられて生産性の高い巨大企業・大資本家が生まれていきます。

大資本家の成長に伴って大衆への抑圧は高まり続けていくため、ある時点で限界が来るだろう。そこで労働者がプロレタリア革命を起こし、資本主義社会は崩壊し、社会主義の時代が来るのだ。と、このようにマルクスは論じています。

参考

この「産業予備軍」の増大は、現代の日本に目を向けても明らかです。特に日本では90年代以降に労働者派遣法が改正され、それ以降非正規雇用が増大しました。派遣労働者は正社員に比べて、人員の補充・削減の調整がしやすいため、「産業予備軍」として企業に活用されている現状があります。

以上が『資本論』第一部の内容です。これに続いて第二部、第三部もありますが、マルクスが生前に自分で完成させたのは第一部だけで、二部、三部はエンゲルスが手を加えています。

そのため、これ以降について知りたい場合は原著を読んでみることをおすすめします。

『資本論』第一部の内容をまとめます。


『資本論』の要約

商品の価値…具体的な使用時の価値である「使用価値」、交換できること自体の価値「交換価値」、そして抽象的な「価値」が区別される。使用価値は「具体的有用労働」が作り、「価値」は抽象的人間労働が作る。

貨幣の物神性…商品の価値形態は最終的に貨幣になる。資本主義社会では商品・貨幣に支配される(物神性)。

剰余価値説…資本家は労働者の労働力に賃金を払うが、支払った価値以上に労働させることで剰余価値を得ることができる。

資本蓄積…剰余価値を高めるために、労働時間の延長か労働生産性を高めるという選択肢があるが、長期には機械設備の導入が進められる(資本の有機的構成の高度)

産業予備軍…長期には労働に代わって機械設備化が進むため、労働者は景気の波で雇用・解雇される「産業予備軍」になり、立場が弱体化

革命…機械設備化を進めると資本家の利潤は減り、巨大企業しか生き残らないため、資本主義社会が崩壊し社会主義社会に移行する

この記事のまとめ

マルクス経済学は、史的唯物論に立脚しているため、資本主義社会の物質的な生産過程(生産諸力)が限界まで発展すると、社会構造が崩壊して社会主義が到来すると考えた
マルクス経済学では、労働者が機械設備(不変資本)に代替されていき、産業予備軍として不安定な立場になり、いずれはプロレタリア革命が起こると考えられた
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[近代史4] 新自由主義の世界
新自由主義の世界


【新自由主義とは】定義・問題点・生まれた背景をわかりやすく解説 2020年4月22日
https://liberal-arts-guide.com/neoliberalism/


新自由主義(neoliberalism/ネオリベラリズム)とは、


市場(経済活動)への国家の介入を最小限にするべきと考える思想で、小さな政府、民営化、規制緩和といった政策を目指す経済思想

のことです。

「新自由主義のせいで労働者に厳しい世界になった」「民営化や構造改革は新自由主義の影響」などと言われることがあります。

日本で言うと、小泉政権は明らかに新自由主義的な政策を実践しました。

これを読むあなたもすでにご存知かもしれませんが、実は新自由主義及び新自由主義に基づいた政策に対しては、さまざまな批判があります。

「新自由主義の何が問題点なの?」

と疑問に思っている方も多いかもしれませんので、この記事では、

新自由主義とはそもそも何なのか?
新自由主義にはどんな問題があるのか?
新自由主義という思想はどうやって生まれたのか?
日本の新自由主義にはどんなものがあるのか?

詳しく解説していきます。

1章:新自由主義とは何か?

それではさっそく、新自由主義の定義や特徴、その問題点から解説していきます。

1-1:新自由主義の定義

冒頭の繰り返しになりますが、


新自由主義とは、市場(経済活動)への国家の介入を最小限にするべきと考える思想で、小さな政府、民営化、規制緩和といった政策を目指す経済思想

のことです。

1980年代以降に世界で大きな影響力を持つようになった思想で、イギリスのマーガレット・サッチャー、アメリカのロナルド・レーガン、日本の中曽根康弘政権などが行った政策に、新自由主義の影響が見られます。

2000年代以降では、小泉純一郎政権で行われた郵政民営化などの一連の政策が、新自由主義的政策として知られています。

参考

新自由主義は、リバタリアニズムという政治思想とも強く結びついています。特に現代の若者を中心に広がっていると言われるリバタリアニズムについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【リバタリアニズムとは】自由主義との違いと批判・役割をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/libertarianism/


■新自由主義にはもう一つ意味がある

ただし、注意して欲しいのが、実は新自由主義にはもう一つの意味があるということです。

上記の新自由主義が一般的なものですが、下記の意味でも使われることがあります。


【新自由主義(New Liberalism)】

経済活動に国家が介入し、国民の最低限の生活や失業、健康、教育などに対する国家の役割を認める思想。「大きな政府」を認める。社会自由主義とも言われる。

一般的には、新自由主義(ネオリベラリズム)の意味で使われることが多いですが、政治学や経済学を学ぶと、ニューリベラリズムの意味も出てくることあります。

しかも意味的にはほぼ正反対のことを指すので、混同しないように気をつけてください。

参考

新しい自由主義について、詳しくは以下の記事で解説しています。

【社会自由主義とは】定義・政治的立場から批判までわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/libertarianism/

また、新しい自由主義や社会民主主義が行った「福祉国家」的政策について、詳しくは以下の記事で説明しています。

【福祉国家とは】3つの分類と誕生〜現代までをわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/welfare-state/


1-2:新自由主義の特徴

新自由主義には、以下のような特徴があります。

市場への国家の介入を最小限にする
民営化を目指す
個人の責任を重視する

簡単に解説します。

1-2-1:市場への国家の介入を最小限にする

新自由主義は厳密に学術的に定義された言葉ではないため、いろいろな意味で使われることがあります。

しかし、一貫しているのが市場への国家の介入を最小限にする思想であるということです。

市場とは、簡単に言えば経済活動のことです。

新自由主義は、「国家が市場に介入せず、市場の取引に任せることが、もっとも効率的である」という考え方をベースにしています。

しかし、実際の社会では、様々な形で国家が市場に介入しています。

そのため、そのような国家の役割を「非効率だ!」「国家の介入は最小限にすべきだ」と批判するのが新自由主義の特徴です。

1-2-2:旧来の政策を批判する(民営化・規制緩和を主張する)

繰り返しになりますが、実際の社会では様々な形で国家が市場に介入しています。

たとえば、

道路やダムなどのインフラ作りや整備
健康保険制度や年金制度、生活保護などの社会保障制度
義務教育
図書館、美術館、博物館などの文化的事業
安全保障
警察

などです。

これらは、旧来の経済学の考え方では「公共財(市場に任せていたら供給されない財)」だと考えられたため、国家によって供給されてきたのですが、新自由主義の立場からすると「市場に任せた方が効率的に供給されるはず」と考えられます。

したがって、新自由主義的な立場の人は、旧来の政策や国家の役割を批判し、民営化や規制緩和を主張することが多いのです。

1-2-3:自己責任論と結びつきやすい

新自由主義は一般的に、「自己責任論」と結びつきやすいです。

自己責任論とは、「現在の境遇は自分これまでの行動の結果なのだから、自分の責任である。だから、そこから救われることを政府に求めるべきではない。」という思想のことです。

新自由主義は、市場への国家の介入を認めないため、

生活保護などの社会でセーフティネットとして機能するもの
年金制度
各種補助金

などの国家による個人の救済や生活の保障に厳しい姿勢を取ることが多いです。

1-3:新自由主義の問題点

新自由主義の特徴について、何となく理解できましたか?

「で、結局新自由主義は良い思想なの?悪い思想なの?」と思われている人も多いかも知れません。現代人は、少なからず新自由主義的思想の影響を受けていることも考えられるので、

「政府は小さい方が良い」

「公務員は減らすべき」

「公共事業は民営化した方が絶対社会のためになる」

と、新自由主義的発想をする人も少なくないと思います。

しかし、実は新自由主義には、以下のような問題点が指摘されています。

格差の拡大
社会からのセーフティネットの喪失
企業の活動への影響
労働者の立場の弱体化

そのため、あなたも自分の考え方を振り返ってみて、新自由主義の良い面、悪い面を再検討してみることも大事です。

それぞれ簡単に説明します。

1-3-1:格差の拡大

国家が持つ大きな役割の一つが、「富の再分配」です。

つまり、裕福な人から多く税金をもらい、それを貧しい人、働けない人、病気や障害を持つ人のために使いましょう、ということです。

しかし、新自由主義の考えでは「小さな政府」を目指すため、富の再分配も最小限に、社会保障も最小限に、という方向に向かってしまいがちです。

すると、裕福な人はより裕福に、社会的弱者は弱い立場のまま、ということになってしまうのです。

現代社会の格差の拡大の原因のすべてが新自由主義のせいではありません。

しかし、新自由主義が一定の影響力を持つ限り、「格差を是正しよう」という思想が広まる障害となってしまう可能性はあるのです。

1-3-2:社会からのセーフティネットの喪失

新自由主義が影響力を持つと、実際に政策として社会のセーフティネットが厳しくなることもあり得ますし、「自己責任論」がはびこるという意味でも、貧しい人、社会的立場が低い人、失敗した人などに対する風当たりが強くなりがちです。

その結果、一度の失敗で転落して救われない。這い上がることが難しい社会になり、失敗を恐れてリスクを取った行動ができなくなっていく可能性があります。

1-3-3:企業の活動への影響

新自由主義は「民営化」「規制緩和」を主張するため、企業活動がより自由になっていくようになります。

これは一見メリットですが、逆に企業の活動のコントロールが効かなくなった結果、社会に大きなダメージを与える出来事を起こしてしまうことがあります。

代表的なのが、2008年のリーマンショックです。

リーマンショックは、アメリカの金融機関が過度に利益を追求した結果、世界レベルの金融危機の引き金を引いてしまった事件です。

このように、規制緩和にはデメリットもあるのです。

1-3-4:労働者の立場の弱体化

労働者は「雇われている」という立場上、経営者・企業のオーナーと比べて弱い立場に置かれがちです。

そのため、先進国では労働者の立場を守るためにさまざまな法律が作られたのですが、イギリスではサッチャー政権によって労働組合が弱体化させられ、企業と対等に渡り合う力を持たなくなりました。

また、日本でも小泉政権時代に行われた労働者派遣法の改正によって、非正規雇用者が増加し、ワーキングプアを増加させることになりました。

つまり、新自由主義的政策が行われると、労働者の立場が弱くなり「会社から使い倒される」という状況が生まれやすいのです。

新自由主義は、古典的自由主義が現代に復活した思想であると言われることがあります。古典的自由主義について詳しくは以下の記事で解説しています。

【古典的自由主義とは】2つの意味と変遷をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/classical-liberalism/


ここまでをまとめます。


1章のまとめ

新自由主義は、市場への国家の介入を最小限に考えるため、自己責任論、企業の過度な利益追求、格差拡大などに結びつきやすい
新自由主義は、社会的弱者や敗者に厳しい社会を作ることに繋がり得る


ここまで新自由主義の定義や特徴について詳しく解説しましたが、理解できたでしょうか?

「このような思想が影響力を持つようになったのは何で?」

と思っている方も少なくないと思いますので、2章では新自由主義が生まれ、世界に広まった背景を解説します。

2章:新自由主義はなぜ生まれたのか?

新自由主義は、大きく、

経済学における思想として形成→1980年代以降政策として導入

という流れで影響力を持つようになり、現代に至ります。

時系列で説明します。

2-1:全体主義批判として登場(ハイエク)

そもそも、新自由主義の起源は1930年代の社会的背景にありました。

当時の社会は、社会主義やファシズムなど、「強力な権力を持つ」「単一のイデオロギーで支配する」「国民の自由を制限する」という特徴を持つ全体主義国家が登場していました。

経済学者のフリードリヒ・ハイエク(Friedrich August von Hayek)は、このような全体主義に対抗し自由主義を守るために、

国家が経済活動や理想的な社会秩序を計画する「計画主義」は、全体主義に至る道である
市場は単なる交換や利益追求を行う場ではなく、市場での活動を通じて自由の精神を鍛える場である

という主張をし、市場への国家の介入を批判しました。

ハイエクの思想や次に紹介するフリードマンの思想が注目されて、新自由主義という思想が形成されていきました。

2-2:新自由主義の元祖(フリードマン)

一般的に、新自由主義の元祖と言われるのが経済学者のミルトン・フリードマン(Milton Friedman)です。

フリードマンは、

社会課題は国家ではなく「市場の自動調整機能」によって解決されるべき
1930年代のアメリカでの、国家が積極的に市場に介入する政策(ニューディール政策)を批判

国家はルール作りや監視などのみの役割であるべき

と主張しました。

フリードマンも実は国家の役割を部分的に認めていたのですが、当時の「大きな政府」的な政策を批判し、現在に至る新自由主義の思想を形作ったのでした。

2-3:1980年代の新自由主義的政策の登場

新自由主義が思想として生まれたのは1930年代でしたが、それからしばらく、世界では福祉国家的な政策(政府が市場に積極的に介入する政策)がメジャーであり、新自由主義的な政策が行われることはありませんでした。

しかし、1970年代、先進国ではスタグフレーション(景気が後退しているのに物価が上昇する=国民の消費が苦しくなる)が起こり、福祉国家路線の政策が批判されるようになり、かわりに新自由主義的政策が行われるようになったのです。

具体的には、

イギリス:サッチャー政権(1979年-1990年)による幅広い構造改革、労働組合の弱体化、競争的社会構築を目指す政策

アメリカ:レーガン政権(1981年-1987年)による規制緩和、減税などの一連の政策(レーガノミックス)

中曽根康弘政権(1982年-1987年)による日本専売公社、日本国有鉄道、日本電信電話公社の民営化などの政策

ワシントン・コンセンサス:国際通貨基金(IMF)や世界銀行、各地域の開発銀行などが、途上国の開発・支援を行う上で導入した基準で、新自由主義的な政策を途上国に押しつけるもの

などがこの時期行われました。

参考
レーガンの政策(レーガノミクス)やサッチャーの政策(サッチャリズム)について、詳しくは下記の記事でも解説しています。

【レーガノミクスとは】その意味・背景・結果をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/reaganomics/

【サッチャリズムとは】具体的な政策や社会への影響をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/thatcherism/


2-4:1980年代以降の新自由主義

1980年代以降、新自由主義的政策は先進国の間で受け入れられました。

日本では小泉政権(2001年-2006年)が行った政策が、新自由主義的政策だったとして代表的です。

具体的には、

郵政民営化
道路公団民営化
独立行政法人の再編&民営化
公共事業の削減
社会保障の削減
年金制度の改革(老齢者控除の廃止など)
医療保険の改革(自己負担の引き上げなど)

などの様々な政策が行われました。

これが「小さな政府」「公共事業や社会保障削減」「自己責任化」「民営化」を目指す新自由主義的政策であることは、何となく分かると思います。

参考
小泉政権の「改革」は、55年体制の崩壊からの長い政治の「右傾化」の中で行われました。政治の右傾化について詳しくは以下の記事をご覧ください。

【右傾化とは】55年体制から安倍政権までの変化をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/conservatism-swing/


その後、日本では新自由主義的政策が一定の影響力を持つようになり、それに対する批判もなされていますが、財政赤字が常態化し、「小さな政府」的な政策を行わざるを得ないという事情もあります。

財政赤字の常態化や少子高齢化の進行(財政支出が多くなり、財政収入が少なくなる)、景気の停滞などが続けば、「小さな政府」的な政策を行わざるを得ないため、これからも新自由主義的思想が一定程度の影響力を持っていくことでしょう。


2章のまとめ

新自由主義は、フリードマンやハイエクなどの経済学者の思想から生まれた
新自由主義は1980年代に政策として実施され、それ以降強い影響力を持つ思想になった

この記事のまとめ

新自由主義は、小さな政府、自己責任論、民営化・規制緩和、貧者・敗者に厳しい社会と関連する

新自由主義が形成されたのは1930年代の経済学の世界だが、1980年代以降世界で政策としてメジャーになった

日本のように財政的に苦しい国家の場合、新自由主義的政策が今後も行われる可能性は高い

https://liberal-arts-guide.com/neoliberalism/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/916.html

[近代史4] アダムスミス『国富論』の世界

【アダムスミスの『国富論』とは】重要概念のすべてを徹底解説 2020年3月3日
https://liberal-arts-guide.com/an-inquiry-into-the-nature-and-causes-of-the-wealth-of-nations/


『国富論』(An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations)とは、


18世紀のイギリスの経済学者、哲学者であるアダム・スミス(Adam Smith)が、1776年に出版した経済学の書籍であり、市場のメカニズムや労働価値説、自由貿易など後の経済学を形成する重要な概念・理論を提唱したことで知られています。

スミスが『国富論』で明らかにした経済学は、「自由放任の思想」と誤解されていることも多いのですが、実は単純に国家の役割を軽視し、自由を追求しただけの思想ではありません。

スミスは、後の古典派経済学とも異なる独特の思想を持っているのです。

そのため、スミスの経済学を学ぶことは、現代の「自由放任」にやや傾きすぎな経済思想(新自由主義など)を再検討する上でも、とても重要な意義を持ちます。

そこでこの記事では、

アダムスミスの経済学のポイントや成立した背景
『国富論』の内容

について詳しく解説します。

1章:アダムスミスの『国富論』における経済学とは

1章では、まずはスミスの人物やスミスの経済学の要点、成立した背景などを紹介します。

『国富論』の具体的な内容を先に知りたい場合は、2章からお読みください。

1-1:アダムスミスの思想的背景

アダムスミス(Adam Smith/1723年-1790年)は、啓蒙主義思想が隆盛していたスコットランドで生まれました。


メモ

啓蒙主義とは、18世紀のヨーロッパで起こった、中世的な思想、慣習を打ち破り近代的・合理的な知識体系を打ち立てようとした運動のこと。カトリック教会の教義に縛られず、理性・科学の力で社会を変えていこうとした。

スミスはグラスゴー大学で、啓蒙思想家であり、自然法思想を受け継いでいたたハッチソン(Francis Hutcheson)から道徳哲学を学びました。


その後エディンバラ大学やグラスゴー大学で教鞭をとり、代表的な経験論哲学者で経済思想家でもあったヒューム(David Hume)とも親交を持ち、ヒュームの思想から強く影響を受けています。

その他にも、フランス重農主義の代表的論者であったケネー(François Quesnay)、テュルゴー(Anne-Robert-Jacques Turgot)、百科全書派の啓蒙思想家であるヴォルテール(Voltaire)とも親交がありました。

メモ

重農主義とは、国内農業の振興や自由貿易の重視などを柱とする経済思想で、ケネーやテュルゴーが代表的な論者。

つまり、スミスは啓蒙主義や自然法思想、重農主義思想の影響を受けて自らの経済思想を形成していったのです。

スミスが影響を受けた重農主義について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【重農主義とは】重商主義との違いや自由貿易の思想をわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/physiocracy/


1-2:アダムスミスの時代的背景

スミスの経済学には、もちろん彼が生きた時代の背景も影響しています。

スミスが活躍した18世紀後半のイギリスは、新興産業家たちによって、

機械工業の発達
鉄鋼業などの近代的な工業の誕生
蒸気機関の動力の誕生

などが起こり始めた時代でした。

いわゆる第一次産業革命です。

これと合わせて、農業でも大規模農業が発達し「農業革命」が起こり、職人や農民の一部が都市に追いやられ貧困になっていきました。

一方で、イギリス国内では、

海外との貿易振興のための国家による貿易規制
アメリカやインドなどの植民地との管理貿易

などの重商主義的政策が行われ、産業の発達による自由な経済活動への要請と、国家による経済の管理という矛盾が、新たな思想を必要としつつあった時代でした。

1-3:『国富論』の要約

こうした背景から1776年に出版されたのが『国富論』です。英語では「An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations」で、直訳すると「諸国民の富の性質と諸原因についての一研究」のようになります。

「アダムスミスの『国富論』って結局どういうものなの?」

と疑問だと思います。2章で詳しく解説しますが、先にその要点を整理します。

1-3-1:重商主義を批判し自由貿易を主張した

スミスの経済学は、何より「重商主義批判」として生まれた点が重要です。

重商主義とは、

国家の富(国富)とは、貴金属の量のことである
貴金属を獲得するためには、輸入を減らして輸出を増やし貿易差額を増大させる必要がある

という16~18世紀にヨーロッパで支配的であった経済思想で、実際にそのような政策が実践されていました。

それに対してスミスは、「国富とは貴金属や貨幣の量ではなく、労働によって年々生み出される価値のことである」「重商主義では国家は発展しない」と批判したのです。

参考
スミスが批判した重商主義について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【重商主義とは】重農主義との違いやヒュームからの批判を詳しく解説
https://liberal-arts-guide.com/merchantism/


1-3-2:労働価値説的主張をした

スミスは、「生産物の価値がどこにあるのか?」という問題について、「労働」によって生み出される価値を中心に論じました。

スミスの労働価値説には諸説があるのですが、労働価値説は後の経済学にもたびたび登場する思想であり、その原点となったのがスミスの『国富論』での主張にあったのです。

1-3-3:分業の重要性を明らかにした

スミスは、「分業」の重要性を明らかにしたことでも知られています。

製造工程を、工程別に担当者が分かれて熟練させていくことで分業し、より生産が効率的になっていくのだという主張です(技術的分業)。

また、生産物の余剰部分を人の余剰と交換するという、「社会的分業」についても指摘しています。

今では当たり前の考え方ですが、分業の効率性を明らかにしたのはスミスの功績です。

1-3-4:市場のメカニズムを明らかにした

アダムスミスの最大の功績は、市場のメカニズムを明らかに(しようと)したという点にあります。

要点だけまとめると、

すべての商品には、それぞれ「自然価格」がある
それに対して、市場では「市場価格」があり、自然価格と市場価格は長期には一致していく

というものです。

これは、需要と供給によって価格が決まるという後の経済学の根本思想の源流となりました。

スミスの市場の思想は「供給側」の視点が強く、後の古典派経済学で発展していくような「需要側」に着目した「効用」の概念はありませんが、市場メカニズムを明らかにしようとした点で、過去の経済思想とは一線を画するものでした。

2章では、『国富論』や『道徳感情論』を通じて、スミスの経済学や倫理学の具体的な思想を解説していきます。

まずはここまでをまとめます。


1章のまとめ

アダムスミスは、スコットランド啓蒙思想や自然法思想、重農主義思想などから影響を受けて経済学の体系を打ち立てた

スミスの経済学は、重商主義批判、労働価値説的観点、分業の重要性、市場メカニズムの説明など、その後の経済学に多くの影響を与えた

2章:アダムスミスの『国富論』を解説

それではこれから、『国富論』を通じてアダムスミスの経済学の体系を解説していきます。

スミスの経済学について学ぶ上で押さえておくべきポイントは以下の点です。


『国富論』の要点

富について→富とは消費財の量のことである

商品の価値について→商品の価値は労働を基準に決まる

価格について→価格は自然価格によって決まっているが、現実には市場価格が存在し、長期的には自然価格に市場価格が一致する

分業→技術的分業によって生産力が増大し、さらに社会的分業によって商品が好感され商業的社会を発展させる

資本の投資の順序→蓄積された資本は農業→製造業→外国貿易の順番で投資されるのが自然

国家の役割→重商主義的政策は批判するが、司法、安全保障、公共事業は認める

多く見えるかもしれませんが、一つずつ理解していけばスミスが『国富論』で提示した経済学の体系が理解できるはずです。


2-1:『国富論』における「富」の定義

1章でも説明したように、スミスは重商主義批判として『国富論』を書いた側面があるため、『国富論』について理解する上で、まずは「スミスは『富』をどのように定義したのか?」を理解する必要があります。

2-1-1:富とは消費財

スミスは、『国富論』の序言で以下のように富について説明しています。


国民の年々の労働は、その国民が年々消費する生活の必需品と便益品のすべてを本来的に供給する源であって、この必需品と便益品は、つねに、労働の直接の産物であるか、またはその生産物によって他の国民から購入したものである。

『国富論』

つまり、スミスは『国富論』の序言で、「富とは労働によって年々生み出される消費財(必需品、便益品)のことである」と定義しているのです。

国富論における富の定義

重商主義が、富を「貴金属や貨幣の量」と定義していたのと比べると対照的です。

2-1-2:サービス業の否定

さらにスミスは、労働者を「生産的労働者」と「不生産的労働者」に分けました。

生産的労働者…資本家に雇用されて、消費財(必需品、便益品)=富を生み出す労働者
不生産的労働者…法律家、医師、俳優、家事労働者などのサービス業

つまり、スミスはサービス業について「富を生み出さない労働である」と考えていたようです。

スミスの思想は、重農主義が「新たな価値を生み出すのは農業のみである」と考えたのに対し、「工業製品も新たな価値を生み出すのだ」と考えた点で進んでいたのですが、サービス業を認めない点にまだ未熟な思想だったのです。

2-1-3:貨幣の尺度としての役割の否定

また、スミスは貴金属や貨幣について、価値を測る尺度にならないとも指摘しています。なぜなら、貴金属や貨幣は供給量が増えると価値が下がり、商品の価値を安定して測ることができないからです。

「では、商品の価値はどのように測られるの?」と疑問になりますよね。

スミスは、商品の価値を「労働」を尺度に考えました。

2-2:労働価値説:商品の価値はどこから生まれるか

まず、スミスは未開社会とスミスが生きた当時の社会を区別し、それぞれ別の考え方を示しています。

2-2-1:未開社会:投下労働価値説

未開社会においては、労働によって生み出されたすべての生産物がすべてその労働者の賃金となるため、その生産物の価値は「投下された労働量」によって決まります。

スミスはここで、ビーバーと鹿の交換から説明しています。

例えば、1頭の鹿をしとめるのにビーバー2頭分の労働が必要である場合、ビーバー2頭と鹿1頭が等しく交換されるべき、ということはイメージできますよね。

国富論における投下労働価値説

これは、投下された労働量によってシンプルに価値が決まっているのだ、という「投下労働価値説」の考え方なのです。


2-2-2:文明社会:支配労働価値説

しかし、現実の社会はもっと複雑なので、投下労働価値説的な考え方では生産物の価値を決めることができません。

文明社会では、資本家(会社のオーナー)が確保する「利潤」が必要になり、さらに土地が地主によって占有されているため、地主に支払う「地代」も必要になります。

そのため、生産物の価値は、労働者が投下した労働の量だけでは決まらないのです。

したがって、スミスは、文明社会ではその商品で購買、もしくは支配できる他人の労働の量によって商品の価値が決まると考えました。

これが、「支配労働価値説」です。

スミスは当時の社会状況から、社会を「労働者」「資本家」「地主」の階級社会として考えたため、それぞれが「賃金」「利潤」「地代」を受け取らなければならない。そのため、商品の価格は賃金、利潤、地代によって構成されると考えたのです。

この労働価値説的な考え方は、スミスの市場観にも反映されています。

2-3:価格はどうやって決まるのか

スミスは「商品の価格がどのように決まるのか?」という問題について、「自然価格」と「市場価格」から答えています。

2-3-1:自然価格

自然価格とは、その商品を作る過程でかかった、土地の地代や労働者の賃金、資本家が獲得する利潤などのすべての「自然率(平均率)」で決まるという考え方の価格です。

つまり、


自然価格=地代の自然率+賃金の自然率+利潤の自然率

であるということです。

難しく見えるかもしれませんが、先ほどの労働価値説と繋がっている考え方です。

つまり、地代、賃金、利潤の3つにかかった費用をすべて足したものが自然価格であるということです。

2-3-2:市場価格

しかし、現実の商品の価格は必ずしも自然価格になるとは限りません。

現実の市場において決まる価格のことを、スミスは「市場価格」と呼んでいます。

そして市場価格は、

商品が市場にもたされる供給量
その商品の生産にかかる地代、賃金、利潤の合計(自然価格)

の均衡によって決まると考えました。

つまり、市場価格は商品の供給量と自然価格から決まり、需要と供給のバランスによって自然価格を市場価格が上回ったり、下回ったりするということです。

2-3-3:長期的には市場価格は自然価格に一致する

スミスは、短期的には自然価格と市場価格は乖離する可能性があるが、長期には一致していくと考えました。

なぜなら、たとえば供給量が超過して自然価格を市場価格が下回った場合、商品は売れ残ります。

その場合、

地主→売れない事業に土地を貸すのはやめて、もっと売れる事業に土地を貸して地代を得よう
資本家→もっと利潤が獲得できる事業をはじめよう

と考えて、供給量が超過する(売れ残りが発生する)事業から地主・資本家が事業を引き上げ、供給量が調整され、その結果市場価格が上昇し、自然価格に近付くからです。

これの市場均衡のメカニズムを、スミスは「見えざる手」と表現しました。

参考
「見えざる手」という表現はスミスの名言として独り歩きしていますが、『国富論』で実際に登場するのは数回程度で、そこまで重要視した概念というわけではありませんでした。

とはいえ、自然価格と市場価格が一致するメカニズムが正しく機能するためには条件があります。

それは、土地、労働、資本の移動が規制されておらず自由であるということです。

これらの移動に障害があれば、移動が円滑に進まず自然価格と市場価格が一致しません。

その結果、最適な量の生産がなされず、富が(消費財)が増大しないのです。

したがってスミスは、国家による土地、労働、資本の移動の規制や、同業組合による特権や市場の独占など、市場をゆがめる行為を否定しています。

2-4:分業による市場の発展

さて、繰り返しになりますがスミスは富を「消費財の量」であることとしました。単純に考えて、国民一人あたりが消費できる消費財の量が多いほど、豊かであると考えられたのです。

では、どうしたら富(=消費財)を増大させることができるのでしょうか?

スミスは、「分業」によって効率的に商品が生産されるようになり、富が増大すると考えました。

これが、有名なスミスによる分業論です。

2-4-1:技術的分業

スミスの分業論には、「技術的分業」と「社会的分業」の2種類があります。

技術的分業とは、工場内で製造工程を分割し、工程ごとに職人が熟練していくことで、成立する分業です。

国富論における分業

スミスはこれを「ピンの製造」という具体例から説明しています。

メモ

「ピンの製造」の例とは、1人の職人が1本のピンを最初から最後まで作るのと、ピンの製造を工程ごとに分割して、1人の職人が1つの工程のみを担当すると、はるかに多くのピンを作ることができるというものです。

スミスは、1人で作る場合は1人で1日1本も作れないが、10人で分業すれば1人あたり1日に4800本製造できると言っています。

2-4-2:社会的分業

「技術的分業」は一つの工場、会社内での分業のことで、現代社会では常識のものとなりました。

これに対して、「社会的分業」は生産されたものが、企業や産業の間で市場を通じて交換されることです。

「当たり前のことでは?」

と思われるかもしれませんが、例えば中世的な社会では、生活必需品・便益品(消費財)は共同体の中で作られ、その余剰物が市場を通じて交換されるのが一般的です。

それに対して、様々な生産物が、特定の企業や産業によって生産され、それがダイナミックに交換されるのが「社会的分業」であり、当時はまさにそのような社会に変化しようとしていたのです。

2-4-3:交換を可能にする利己心

では、なぜ人々は社会的分業のように生産物を交換しようとするのでしょうか?

それは、人間の本性に「交換性向」という性質があり、この性質があるから社会的分業が要請され、企業・工場内では技術的分業がなされるようになり、社会全体の生産性が増大していくのです。

こうした交換は、人間が持つ「利己心」の働きで成立します。

利己心とは、「これが欲しい」という欲求のことで、人間は他人にも利己心があることを予測できるため、効率的な交換をしようと考えます。

「この人を助けよう」「これが相手のためになるはずだ」という博愛精神ではなく、それぞれが持つ利己心によって交換されるということです。

こうした分業が社会の中で発展すると、人々が自らの生産によって生み出された余剰物を、他人と交換することで欲求を満たそうとする「商業的社会」が成立します。

参考

こうしたスミスの思想は、後に「利己心による交換だけが社会を成立させているわけではない」「交換の意味は共同体によって多様である」などの批判がなされることになりました。

しかし、スミスが生きた産業革命前夜のイギリス社会や、資本主義が浸透した現代社会の大部分においては、スミスの素朴な市場観による説明にも意義があるのではないでしょうか。

スミス以来の経済学の「交換」を批判した有名な研究に、文化人類学における「クラ交易」があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

【クラ交易とは】交換の意味から互酬性の概念までわかりやすく解説
https://liberal-arts-guide.com/kula/


2-5:資本蓄積と投下による国家の経済の発展

スミスは、富(=消費財)の国民一人あたりの消費量を増大させることが、経済の発展だと考えました。そのため、分業によって国民一人あたりの生産力を増大させることが、富の増大になるということになります。

しかし、富を増大させる手段はそれだけではありません。

国家の労働力全体に占める「生産的労働力(※)」を増大させることでも、国家の富は増大します。

※生産的労働とは消費財を生産する労働者のことです。

2-5-1:生産的労働力の増大による富の増大

スミスは、生産的労働力を増大させるためには、「節約によって資本を蓄積すべき」と主張しました。

生産活動によって生み出された利潤は、浪費すれば簡単に消滅しますが、節約し蓄積することで、その分を新たに投資してさらに大きな利潤獲得を目指すことができます。

そして、スミスの主張の独特な点は、蓄積された資本は、


農業→製造業→外国貿易

の順番に投資されると考えたことです。


国富論における資本蓄積と投資

この順番で投資されると考えたのは、農業が最も身近で管理しやすく、低リスクで事業が行えるためであり、外国貿易が最も管理しにくくリスクが高いと考えたためです。

しかも、同じ量の資本が投資されるとしても、


農業>製造業>外国貿易

の順番で雇用される生産的労働力は大きくなります。

そのため、

節約による資本蓄積

蓄積した資本の、農業→製造業→外国貿易という優先順位での投資
その結果としての生産的労働力の割合の増大

という過程を経て、より国内の富(=消費財)が増大されると考えたのです。

2-5-2:国家の経済活動への介入が投資の順序をゆがめる

しかし、この「農業→製造業→外国貿易」という自然の投資の順序は、「輸出奨励金」などの国家のさまざまな規制によってゆがめられているとスミスは批判します。

これは、当時のイギリスで国家による貿易の管理など重商主義的政策が行われていたことを批判したものです。

国家が経済活動に介入しないことが、正しい順序での資本の投下に繋がり、それが生産的労働力を増大させ、ひいては国家の富を増大させるのだ。これがスミスの主張です。

このようなところから、スミスの国家の役割に対する思想も明らかになります。

2-6:国家の役割はどこまで認められるのか

アダムスミスについて、「スミスは国家の役割を認めなかった」「国家による統治ではなく自由放任の秩序こそ、スミスの思想である」と勘違いしている人もいるようですが、実はそうではありません。

確かにスミスは国家の役割を一部批判しましたが、一方で国家の役割を認めている部分もあります。

まずは、スミスの重商主義的政策への批判から説明します。

2-6-1:スミスの重商主義批判

1章でも触れましたが、スミスは重商主義を批判しました。

重商主義とは、

国家の富(国富)とは、貴金属の多さのことである
貴金属を獲得するためには、輸入を減らして輸出を増やし貿易差額を増大させる必要がある

という経済思想のことで、イギリスも国家が貿易を管理し保護主義的政策を行っていました。

こうした重商主義に対してスミスは、

重商主義的政策では、利益の少ない産業に資本を投下してしまう
資本の投下の自然の順序をゆがめ、生産的労働力を増大させない
貿易差額を増大させても、貨幣量の増大で物価が上昇し貨幣の価値が下落するだけである

と批判しています。

したがって、輸出規制を中心とした国家による経済活動への介入は障害であるため、規制を撤廃し市場の自由な働きを重視すべき、というのがスミスは考えたのです。

2-6-2:スミスの自由主義

しかし、スミスは国家の役割を一切認めていないわけではありません。

スミスは、以下の点については国家の役割を認めていました。

国民を国家その他の暴力から守る「安全保障」
国民を他者の不正、抑圧などから守る「司法」
土木事業、公共施設などの公共財を供給する「公共事業」

これらは、市場の力では供給されないため国家が供給するべきものであると『国富論』で主張しています。

スミスは、自由放任的な、現代の新自由主義者が主張するような存在感のない国家を想定しているのではいないのです。

スミスは、市場をゆがめる国家の規制こそ批判したものの、国家の役割を否定してはいないことは覚えておくべきです。


2章のまとめ

富について→富とは消費財の量のことである

商品の価値について→商品の価値は労働を基準に決まる

価格について→価格は自然価格によって決まっているが、現実には市場価格が存在し、長期的には自然価格に市場価格が一致する

分業→技術的分業によって生産力が増大し、さらに社会的分業によって商品が好感され商業的社会を発展させる

資本の投資の順序→蓄積された資本は農業→製造業→外国貿易の順番で投資されるのが自然

国家の役割→重商主義的政策は批判するが、司法、安全保障、公共事業は認める



3章:『国富論』とアダムスミスの思想の学び方

『国富論』で語られた、アダムスミスの経済思想について理解することはできましたか?

『国富論』は、経済学の原点となったとても重要な思想です。良くも悪くも、『国富論』で提唱された思想を起点に、その後さまざまな経済学が生まれていくことになったのです。

スミスの経済学は古典的経済学の一部ですので、古典的経済学を含めた経済思想の流れとまとめて学ぶことも大事です。

この記事のまとめ

『国富論』は1776年に発行された、アダムスミスによる経済学書で、その後の経済学の発展に大きな貢献をした

『国富論』は重商主義を批判し、輸出奨励金などの国家による貿易の管理をやめて、自由な貿易を主張

人々は「利己心」を持つため、生産の余剰を交換し、それが商業的社会を作っていく
利潤は蓄積されることで、農業から投資され、その結果生産的労働力が増大し、国民の富が増える


https://liberal-arts-guide.com/an-inquiry-into-the-nature-and-causes-of-the-wealth-of-nations/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/917.html

[近代史4] マルクス経済学の世界 中川隆
1. 中川隆[-12575] koaQ7Jey 2020年5月28日 18:50:23 : TmfHkY98iU : ejdTbEYxMllJTzI=[5]

【上部構造・下部構造とはなにか】マルクスの議論をわかりやすく解説 2020年4月20日
https://liberal-arts-guide.com/base-and-superstructure/


あなたは、「上部構造・下部構造(base and superstructure)」をどこまで理解していますか?


「上部構造・下部構造」とは、


下部構造(経済)という社会全体の土台が上部構造(法律的・政治的/イデオロギー的)を因果的に決定するという建築の比喩

です。

定義だけではわかりにくいと思いますが、理解する価値のある大変重要な議論です。

なぜならば、マルクスの経済学や1970年代以降に登場したネオ・マルクス主義、カルチュラル・スタディーズ、ポストコロニアリズム、サバルタン研究など「上部構造・下部構造」の議論をスタート地点としているからです。

たしかに、ソ連の解体に代表される社会主義への信頼の喪失は、マルクス不信を生み出しました。その結果、今ではあたかもマルクスは悪の根源のように描かれるようになっています。

しかし、20世紀もっとも影響力をもった思想家の一人であるマルクスによる、ある時代のある社会構造を分析しようとする理論的・批判的な精神はいまだに大事です。

そこで、この記事では、

上部構造・下部構造の定義・意味
上部構造・下部構造への批判
マルクスの議論とその後の展開

などをそれぞれ解説します。

読みたい箇所から、読み進めてください。

1章:上部構造・下部構造とはなにか?

冒頭の定義を再度確認しましょう。


「上部構造・下部構造」とは、


下部構造(経済)という社会全体の土台が上部構造(法律的・政治的/イデオロギー的)を因果的に決定するという建築の比喩

です。

一般的に、マルクスの著作である『ドイツ・イデオロギー』(1845-46)や『経済学批判』(1859)で提示された概念と考えられています。

そして「上部構造・下部構造」という言葉は英語で、

「base」=下部構造
「superstructure」=上部構造

と表記されます。

そのため、「下部構造」を日本語に翻訳したとき、しばしば「土台」と訳さます。

1-1: 上部構造と下部構造の意味

まず、上部構造と下部構造を理解するためには『ドイツ・イデオロギー』で議論された内容を理解することが重要です。

1-1-1: 下部構造(経済)とは?

『ドイツ・イデオロギー』は1845-46年にかけて、旧友のエンゲルスとマルクスによって書かれた本です。この本では「人間と動物の違い」を議論することから初めています。


マルクスによると、人間と動物の違いは、

人間は自分の生活手段を自分で生産すること

だと考えました。

そして、マルクスは人間が自分の生活手段を生産する様式のことを「生産様式(mode of production)」と呼びました。

当たり前だと思いますが、人間は一人では生活できません。人間は他の人間と相互に関係を築きながら活動する必要があります。マルクスはこの人間の相互活動を「交通」と呼びます。

マルクスは「交通」をとおした「生産様式」が、人間生活のベースとなる物質的側面、つまり「経済」だと考えました。

参考

マルクスの用語で説明すると、

「生産力」+「生産関係」=「生産様式」

「生産関係」とは階級を意味する

1-1-2: 上部構造(法律的・政治的/イデオロギー的)とは?

これまでは経済、つまり下部構造の解説でした。では一体、上部構造とはなんでしょうか?

定義では法律的・政治的/イデオロギー的なものと説明しましたが、抽象的でわかりにくかったと思います。ここではもっとシンプルにしてみましょう。


シンプルにいうと、上部構造とは、

人間の精神的な活動(観念、思想、理念等々)

を指します。

つまり、物資的で経済的なものが下部構造であるならば、上部構造は人間の精神的な活動を意味します。

そして、マルクスは人間生活のベースにある「物質」と、人間の「精神」との関係を『経済学批判』で考察しました。そこで提示された比喩が「上部構造と下部構造」でした。

1-1-3: 建築の比喩としての上部構造と下部構造

上部構造・下部構造とはなにか(上部構造・下部構造の建築の比喩)

まず、マルクスは一軒家の建築物のような社会全体を想定します。


建築物をつくるためには、

最初に、もっとも重要な土台という基礎をまずつくる1
その次に、構築物をつくる2
最後に建築物の外部と内部の装飾物をつくる3

といった過程がありますね。

マルクスは、この建築の過程に社会を当てはめて説明します。

社会は物質的土台である経済がある(経済=「生産様式」=「生産力」+「生産様式」)1

経済の上に、政治と法律という「一階」がある2

その上に、イデオロギーという「二階」がある3

といった社会全体を想定します。

ここで重要なのが、マルクスは経済的な土台が因果的に上部構造の実践を決定すると考えた点です。

つまり、マルクスは土台である経済がまずあり、それに規定されて権力構造が決定されたり、人間の精神活動が決まる、と考えました。これが「上部構造・下部構造の比喩」の考えです。

このなかで注目してほしいのが、「イデオロギー」という言葉です。

「イデオロギー」はデステュット・ド・トラシーという人物によって初めて使われました。その意味は「観念学」というものでした。

しかしマルクスは「イデオロギー」を人間精神活動の一般をまとめて説明するために使用します。思想、学問、芸術、それはすべてイデオロギーと呼ばれました。

ポイント

「上部構造・下部構造」を理解するためのポイント

物質的生活の生産様式が社会的、政治的、精神的な生活を制約する
ある社会の成り立ちは当該社会の経済的なあり方に規定される


1-2: 上部構造と下部構造が誕生する歴史的文脈

さて、そもそもマルクスはなぜ「上部構造・下部構造の比喩」を必要としたのでしょうか?

結論からいうと、マルクスは資本主義社会を説明するために上部構造・下部構造を必要としました。

哲学者の今村仁司によると、マルクスが上部構造・下部構造の比喩を用いた理由は次のようなものでした。


こうした命題を登場させるには現実的経験が確かにあった。それが圧倒的貧困をともないつつ巨歩を進める経済的現実すなわち資本主義であった。一九世紀の人々にとって後に資本主義と命名される経済は全く新しい現象であり、知識人と民衆とを問わず、困惑と驚嘆をよび起こす何ものかであった。


社会で起きる出来事を分析するには、新たな分析のわかりやい言葉が必要です。マルクスは「上部構造・下部構造の比喩」を用いて、経済という物質生活の再生産に迫ることで資本主義を分析しようとしました。


1-2-1: 上部構造・下部構造の論争的な性格

マルクスが経済に着目した理由は、当時広く共有されていた経済無視の観念論的な考え方に反対するためでもありました。

観念論は歴史的発展に対する人間の精神を強調しますが、マルクスは実際の物質的状況や実践から説明する試みをします。

ここでは深く立ち入りませんが、マルクスの上部構造・下部構造は「観念論 vs 唯物論」といった学問的な論争的性格をもっていたことを心の隅に置いておいてください。

1-3: 上部構造と下部構造に対する批判

さて、マルクスの上部構造・下部構造は激しい批判をうけてきました。その主なものは「上部構造・下部構造は経済決定論である」という批判です。


経済決定論とは、

人間の意思や行為が経済によって決定されている

という考えです。

たしかに、マルクスの「上部構造・下部構造」によると、政治、文化、イデオロギーは経済変化の従属変数にすぎない、と考えることができます。

経済的土台が最重要であり、上部構造は付随的な反映にすぎないといえるでしょう。

しかし、本当にそうでしょうか?マルクスの「上部構造・下部構造」をよくよく考えると、そこには大きな矛盾が存在することがわかります。

経済決定論にある矛盾は次のように説明できます。


一方で経済決定論に従えば、
個人や集団の行動は経済に決定される

個人の自発的な意思はなく、社会構造が経済構造によって何もかも決定されている
同様に、社会の発展や崩壊も経済に決定されている。個人の意思が介入する余地はない


他方で経済決定論を信じる社会主義者たちは、
自らの行動によって社会革命を自発的・意識的に引き起こそうとする

つまり、自らの原理では不可能な行動を可能であるかのように主張する

ここに経済決定論の決定的な矛盾があります。

つまり、経済決定論の矛盾とは、

経済が政治、法律、文化、個人の意識を決定していると主張するならば、個人的または集団的な実践的行動は不必要

「革命」は経済が引き起こすものであり、人間主体という役割はない

といったものです。

言い換えると、皮肉なことに革命という自発的な社会変革は経済決定論を否定することになるのです。それが経済中心主義のマルクスが抱えた問題でした。

いったんここまでの内容をまとめます。


1章のまとめ

「上部構造・下部構造」とは、下部構造(経済)という社会全体の土台が上部構造(法律的・政治的/イデオロギー的)を因果的に決定するという建築の比喩

経済とは「交通」をとおした「生産様式」で、上部構造とは人間の精神的な活動を意味する

マルクスの経済決定論は、革命という自発的な社会変革によって否定されることになる


2章:上部構造・下部構造のその後の展開

「上部構造・下部構造」の概要は1章で解説したとおりですが、ここで終わると「マルクス主義はやっぱり忘れるべきもの」といった結論に陥ります。

しかしそれでは非常にもったいないです。20世紀後半以降、マルクスの再解釈は社会分析の新たな視点を提供してきただけでなく、日本の社会科学の発展に大きな影響を与えてきたからです。

ですから、2章では20世紀後半以降における「上部構造・下部構造」という課題の解決の試みを簡単に紹介します。

2-1: 上部構造・下部構造とアルチュセール

ここでは経済決定論と批判された「上部構造・下部構造の比喩」の解決策を、フランスの構造主義的マルクス主義のルイ・アルチュセールから紹介します。

アルチュセールが考えたのは「重層的決定(overdetermination)」と「相対的自律(relative autonomy)」という概念です。


重層的決定とは、

「生産様式」という抽象的な社会関係でさえ、経済的なものだけから決定される関係ではない

その代わり、「生産様式」という社会関係には政治的、イデオロギー的なものを含めて構成されている

そのため、経済、政治、イデオロギーという要素が重層的に社会のあり方と「革命」の可能性を決定している

と考えたものです。


そして、相対的自律とは、

それぞれのレベルにおける実践の内容は単に経済的土台から由来するのではなく、相対的に自立して存在する

たとえば、資本主義国家は資本家階級の利害からある程度自律してる。しかしその自律の程度は相対的なものにすぎない

と考えたものです。

すこしわかりにくかもしれませんが、アルチュセールが目標としてるのは経済の「決定性」を揺るがすことです。

そのため、マルクスは経済に最終的な決定性を与えていましたが、アルチュセールは経済に優位性があるものの、社会編成は重層的に決定されることを指摘しました。

言い換えると、経済に優位性は常にあるものの、状況によっては文化、政治、イデオロギーが社会変革を導く可能性があるといった「経済に還元できない非決定性」を提示します。

だからこそ、それぞれの要素(経済、政治、法律、イデオロギー、文化等々)は相対的に自律しており、経済がすべての社会変化を説明するわけではない、といった考えが必要だったのです。

非常に簡単なまとめですが、これがアルチュセールの主張です。1章の説明と合わせて読むと、内容が何となく理解できると思います

メモ

アルチュセールのような議論を土台として、上部構造による社会変革の可能性を、

ネオ・マルクス主義
レギュラシオン理論
カルチュラル・スタディーズ
ポストコロニアリズム
サバルタン研究
アントニオ・グラムシの議論

がしています。

冒頭で説明したように、「上部構造・下部構造」はこれらの議論を理解するスタート地点ですから、今でも非常に大事です。


2-2: 上部構造・下部構造と日本での展開

これまで西欧諸国における議論の展開を解説しましたが、日本社会に与えた影響はどうだったのでしょうか?後発的な資本主義社会である日本での展開と日本の社会科学へ与えた影響を簡単に解説します。


第二次世界大戦以前の日本社会においてマルクスが大きな論争になったのは、

日本の資本主義において異なる「生産様式」が共存していたことをどうように評価し、それを踏まえてどのように運動を展開するのか

といった問題が存在したからでした。

論争のなかで「封建遺制」といった言葉が使われたように、当時の日本社会では資本主義の「生産様式」とは異なった社会関係が存在していました。

そのような社会関係から社会運動がどう展開されるべきか、といった議論がされました。

重要なのは論争の内容ではなく、その後の展開です。なぜならば、戦後日本の社会科学はこの論争を「土台」にしていると一般的に考えられているからです。

たとえば、

大塚久雄の経済学史
宇野弘蔵の経済学
川島武宜の法社会学
有賀喜左衛門の農村社会学

などは「封建遺制」の論争から発展しています。

非常に簡単ですが、マルクスの議論は日本の社会科学に影響を与えていることがわかると思います。

これまでの内容をまとめます。


2章のまとめ

アルチュセールの「重層的決定(overdetermination)」と「相対的自律(relative autonomy)」は、経済的な決定性を揺るがすもの

マルクスの議論は日本の社会科学に影響を与えている



この記事のまとめ

「上部構造・下部構造」とは、下部構造(経済)という社会全体の土台が上部構造(法律的・政治的/イデオロギー的)を因果的に決定するという建築の比喩

経済とは「交通」をとおした「生産様式」で、上部構造とは人間の精神的な活動を意味する

マルクスの経済決定論は、革命という自発的な社会変革によって否定されることになる

アルチュセールの「重層的決定(overdetermination)」と「相対的自律(relative autonomy)」は、マルクスの経済的な決定性を揺るがすもの

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[近代史5] 超管理社会法案=スーパーシティ法案
2020.05.28
コロナを流行らせた意味 超管理社会法案=スーパーシティ法案
https://golden-tamatama.com/blog-entry-super-city-law-start.html

すっかり騙されたぁぁ。
コロナ流行らせた目的はこれだったのか。

スマホ個人情報収集も
コロナ対応 政府想定、本人同意なく
新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に政府は3月31日、携帯電話会社やIT(情報技術)企業に対し、携帯電話の位置情報や検索履歴などの統計データを提供するよう要請しました。

さらに、必要となった場合に個人情報保護法第23条の例外規定を適用し、本人の同意を得ずに個人データの提供を要請することも想定しています。

政府は楽天、ヤフー、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの大手IT企業やNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話会社に提供を要請。
各社が保有するスマートフォンの位置情報や検索履歴を、個人が特定されない統計情報として提出するよう求めています。外出自粛要請の実効性の検証や、今後の対策に活用するとしています。

政府は個人の特定につながる情報の提供は求めないとしています。
しかし、政府の要請文には「今後必要となった場合」に、個人情報保護法第23条が定める例外規定の適用を「想定している」と明記し、個人情報の提供を求める可能性があると表明しました。

個人データは原則的に本人の同意を得なければ第三者に提供できませんが、同法は

▽人の生命、身体または財産の保護
▽公衆衛生の向上、児童の健全な育成
▽国等への協力―などの場合には、本人の同意を得ずに個人データを第三者に提供できる

としています。

新型コロナ対応で海外では、通信会社と政府が顧客のスマートフォンの位置情報を共有・追跡する動きが広がっています。

ロイター(3月18日付)によると、中国や韓国、台湾ではスマートフォンの位置情報から陽性と診断された人が誰と接触したのかを追跡。

ドイツやイタリア、オーストリアなどの欧州では市民が移動制限に従っているか監視するために携帯電話会社から位置情報の提供を受けています。

提供されるデータは匿名に加工してありますが、プライバシーが侵害される恐れがあると懸念の声も広がっています。

で、これに続いて昨日、スーパーシティ法案が通っちゃいますたよね。

緊急事態宣言が解除されると同時に可決ってタイミング良すぎだろう。
個人情報掌握の危険 共産党など反対 スーパーシティ法案可決

人工知能(AI)やビッグデータなど最先端技術を用いた事業を特例的規制緩和で導入するスーパーシティ法案(国家戦略特区法改定案)が22日の参院地方創生・消費者問題特別委員会で、自民、公明、維新などの賛成多数で可決されました。

日本共産党と、立憲民主党などの共同会派は反対しました。

スーパーシティでは、先端サービスの実現を理由に、商品購入履歴や健康などの個人情報が集積され、全人格まで掌握される危険があります。

また事業計画立案に伴う住民合意の方法が定められておらず、住民合意のあり方はあいまいです。

日本共産党の大門実紀史議員は討論で「個人情報をまるごと管理してサービスを提供する社会は、一方で監視社会という側面を持つために日本の未来社会のあり方を問う大きな問題だ」と指摘。

「そうした問題意識も分析もなく法案を提案したことに厳しく反省を求める」と述べました。

そのうえで、最先端技術に対して個人情報を保護する仕組みが確立されていないのに、個人データを管理する都市構想など危険すぎるとして、法案撤回を求めました。

大門氏は採決に先立つ質疑で、プライバシー保護と両立する技術の活用こそ考えるべきだと指摘。

スペイン・バルセロナの街づくりは長い時間をかけて住民と話し合い、最先端技術の活用を交通などに限ったことで反発が起きていないと紹介し、住民合意の確保が担保されていない同法案は「欠陥法案だ」と批判しました。

スーパーシティ法案とは、元々は2019年に廃案になったもので、
それが修正されて2020年1月に国会に提出されたものでした。

個人情報まるごと管理法案=スーパーシティ法案。

誰も気づかない間に、こんな重要な法案が通ってしまったぁ。
何たる不覚。

そういえば最近、検察がどうのこうの。
騒がしかったですよね。
こっちは目くらましだったのかぁ。

ヒャッハーー!
家族全員で70万ゲットぉ。
以下は喜ぶ磯野家の皆様です。

給付金10万はマイナンバーカードと銀行口座の紐づけしないと貰えないですよね。
これでスマホの位置情報から銀行口座情報まで。
全部紐づいてしまいますた。

我々は10万を餌にすっかりヤラレてしまったのではないでしょうか。
ワタスはこのコロナ騒動が壮大なやらせだとしたら。
なぜこんなことをやるのか不思議だったのですが。

これが目的だったのか。
これからやってくる完全人間のロボット化社会の準備だったのですた。
以下は、前から載せてるヒットラーさんの予言です。

残りの大部分は、これも進化なのか退化というべきかわからないが、一種の機械になっている。ただ操られて働いたり楽しんだりするだけの、完全に受動的な、機械的な反応しか示さない『ロボット人間』になっているのだ。

それまでの気候異変と環境異変、政治と娯楽と食物、それから起こる突然変異が、そのようなロボットのような人間を大量に生み出す。
・・

ロボット人間たちのほうは、それに従って生きるだけだ。

これはある意味では気楽な身分だ。戦争も気候も経済も、神人たちによって制御されてしまうので、ロボット人間たちは神人たちの認める限度で、多くのものを与えられる。

食物と住居も、職業も娯楽も恋愛も教育も、時には思想さえも与えられる。

ただロボット人間たちは、与えられ、操られていることを意識できないようになる。
自分たちの意識では、何もかも自分で選択して勝手に生きているのだと思う。しかし、じつは神人たちがすべてを見通して、管理工場の『家畜』のように彼らを育て飼うことになるのだ。

こうして人類は、完全に2つに分かれる。

天と地のように、2つに分かれた進化の方向を、それぞれ進みはじめる。一方は限りなく神に近いものへ、他方は限りなく機械的生物に近いものへ。

これが2039年の人類だ。その先もずっと人類はこの状態を続ける。

トヨタさんも何故か富士山の裾野でスマートシティ構想やってます。

【トヨタが街をつくる】なぜ富士山麓に未来の街「WovenCity」2021年着工を決断した?

トヨタは未来型都市「WovenCity(ウーブン・シティ)」を2021年に着工すると発表。いわゆる「スマートシティ」です。人とクルマ、そして人と社会(コミュニティ)が通信でつながることになっています。

トヨタはアメリカ現地時間の1月6日、世界最大級のIT・家電見本市CES(ネバダ州ラスベガス)で未来型都市「WovenCity(ウーブン・シティ)」を2021年に着工すると発表した。

場所は、トヨタの先進開発拠点である東富士研究所(静岡県裾野市)に隣接する広大な土地。設計はデンマークの著名建築家であるビャルケ・インゲルスが担う。
総工費については未公開だが、ラスベガスでの発表内容を見ると、数千億円規模の巨大プロジェクトという印象だ。

今後、5Gで位置情報が完膚なきまでに把握されてしまう。
そして紙幣も電子通貨化する。

今後、あなたが何かを買ったか、個人の位置情報、購買情報、趣味趣向などなど。
全てがAIによって紐づけられ把握される。

政府に逆らうと売ったり買ったりできなくなる。
超絶管理社会=完全ロボット化社会。

コロナはそのためだった。
ちゃんちゃん。
もうこれで、完全そっちに動いてるのが分かった。
これは妄想でなかった。

https://golden-tamatama.com/blog-entry-super-city-law-start.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/135.html

[近代史4] 酒は飲んではいけない 中川隆
2. 中川隆[-12574] koaQ7Jey 2020年5月28日 19:29:54 : TmfHkY98iU : ejdTbEYxMllJTzI=[6]
お酒を飲む段になって相手がいないのに気がつきます。一人で手酌酒をしても、お酒はすすみません。気の置けない仲間と呑むからお酒は美味しいし、杯もすすむのです。それと、ワインや日本酒ぐらいのアルコール濃度なら大丈夫なのですが、ジンやウォッカなどの、アルコール濃度が高い酒を飲むと、最近は頭痛がするようになりました。

先日も、仕事の区切りをつけるために六時になったので、ジントニックを作ってみました。冷凍庫からブルーサファイアを取り出し、ブルーサファイアのキャンペーンの大きめのジントニック用のグラスに氷を入れて、そこにダブルのジンを注ぎ、トニックウォーターもほぼ使い切り、ダブルにして飲み干しました。夏が来たという感じです。

ところが、その夜遅く、あたまの上の一部がキリキリと痛くなり、それがだんだんと広がっていきました。結局、次の日まであたまが痛く、冷えすぎたジンと、大量のトニックウォーターは身体に悪いと思いました。


その反省もあり、どこが? 今度は、日本酒にしました。それもすっきり系の純米酒です。高知の土佐鶴は甘さが抑えめで、媚びません。口当たりも良く料理にも合います。何しろ、この普通の純米はお手頃な価格です。一緒に取った大吟醸の半額です。まだ、大吟醸は開けていませんが、その差はあるのでしょうか?

以前なら、ウイスキーやジン、ラム、ウォッカなども呑んでいたのですが、最近は肝臓の負担がまして免疫を弱めるから控えています。特に、夜遅くの飲酒は身体に応えますから、ほとんど呑んでいません。するとやはりアルコールに弱くなりますね(苦笑)。それに一人で飲むには、呑むという理由も必要です。一人では、そのモチベーションがないので、お酒がすすまないのでしょう。
https://tannoy.exblog.jp/31203604/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/330.html#c2

[近代史4] 山菜を食べよう _ シオデ
山菜を食べよう _ シオデ


幻の山菜シオデなのか。
http://golgo13zilch.jp/blog-entry-3835.html


先日、みつまたでのお散歩でついに見つけました!

幻の山菜“シオデ”…なのか!?

以前地元の方からお裾分けでいただき、とても美味しかったシオデ。
しかし、
幻の山菜と呼ばれるだけあって、わたくしめのような初心者が通る山ではお目にかかる事は無く…。

今回初めて出会いましたが、噂どおり群生はしておらず、僅かですが嬉しい初収穫です。

ネットの画像検索で何度も確かめましたが(笑)
間違いない。

軽く茹でて、

胡麻マヨ醤油でいただきます!

さいこ〜!!

山のアスパラガスとも呼ばれていますが、
正にそのまま。
ならお店でアスパラガスを買えばいいじゃん、と言われてしまえばそれまでですが(笑)
山菜って、
地元のお店で食べて、ベテランに聞いて、自分で調べて、
探して、そして自分で採って食べる。 そこに魅力があるのです。

知る→食べる→聞く→調べる→探す→採る→食べる→
(聞く→調べる→探す→採る→食べる)←この辺は何度もループする場合もあり。
食べただけや、見ただけ、調べただけなど、単体だと中々見分けがつかないのですが、
この過程を繰り返す事で理解が深まり、いつのまにか目の山菜判別モードがスキルアップしていくのです。

この繰り返しの過程まで楽しんで、最終的に美味しくいただくのが山菜の魅力。

山菜って無駄の美学だと思います。
美味しくて楽な道を選ぶなら、スーパーで野菜を買えばいい。
山菜だって今は道の駅やネットでも買える時代。
山遊び全般も興味無い方からすれば無駄ばかりかもしれませんが、
その無駄の中に楽しさがギッシリ詰まっているのかなと。

みつまた産ウコギ科トリオ。

山菜と出会うまで、天ぷらって面倒で難しいイメージでした。
もちろんそれまで自分で調理した事は無し。
でもいざ調理してみると、そんなに難しくもない。

至福の山菜御膳。
無駄の美学の結晶です(笑)

http://golgo13zilch.jp/blog-entry-3835.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/918.html

[近代史3] 飯島愛が殺された理由 _ ジャニーズ・プチエンジェル事件との関係 中川隆
21. 中川隆[-12573] koaQ7Jey 2020年5月29日 06:46:16 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[1]
2020.05.29
優生学が結びつけるビル・ゲイツとジェフリー・エプスタインの不気味な背景

 昨年7月6日、未成年の女性を世界の有力者に提供していたとしてジェフリー・エプスタインなる人物が逮捕された。エプスタインは少女と顧客との行為を盗撮し、それを利用して後に有力者たちをコントロールしていたと言われている。そのエプスタインは2011年からビル・ゲイツと親しくしていたと​ニューヨーク・タイムズ紙​が伝えたのは昨年10月12日のことだった。

 エプスタインはイスラエルの情報機関に雇われていた可能性が高い人物。彼の妻だったのはギスレイン・マクスウェルであり、その父親はイギリスのミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルだが、ロバートは1960年代からイスラエルの情報機関モサドのエージェントだったとも言われている。このロバートは1991年11月、カナリア諸島沖で死体となって発見された。イスラエル軍の情報機関ERDに所属、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、3名ともイスラエル軍の情報機関(AMAM)に所属していた。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019)

 ドナルド・トランプ政権で昨年7月まで労働長官を務めていたアレキサンダー・アコスタもエプスタインが情報機関の人間だとする話をしている。アコスタは2005年6月から09年6月までフロリダ南地区の地方検事を務めていた。

 ​2005年3月にフロリダの警察を訪れた女性が14歳になる義理の娘のエプスタインによる猥褻な行為について訴え、13カ月にわたって捜査、家宅捜索も行われた​。警察は起訴すべきだと主張したが、その時に担当した地方検事がアコスタである。アコスタによると、その時にエプスタインは「情報機関に所属している」ので放っておけと言われたという。結局、エプシュタインは有罪を認め、懲役18カ月の判決を受けるのだが、刑務所へは入っていない。寛大な処置だ。

 2009年にはエプシュタインの自宅から少なからぬ有名人(顧客)の連絡先が書かれた「黒い手帳」を持ち出された。持ち出した人物は手帳を5万ドルで売ろうとしてエプスタインが行っていた「ビジネス」に関する情報の一部が漏れている。ビル・ゲイツがエプスタインと親しくなるのはその2年後だ。

 エプスタインが逮捕されて間もない7月31日、​ニューヨーク・タイムズ紙​は彼がニューメキシコの牧場で自分のDNAによって複数の女性を妊娠させる計画を持っていたと伝えたが、ノーベル賞を受賞したような著名な科学者をエプスタインが招待していることから優生学的な実験を行おうとしていたのではないかとも言われている。

 そこで注目され始めたのが​ビル・ゲイツ​の父親。優生学にのめり込んでいたと言われているのだ。マイクロソフトを作り上げるうえで母親のIBM人脈が必要だったことは少なからぬ人が指摘しているが、ワクチンの問題では父親の影響を無視できない。ビル・ゲイツが新型コロナウイルスで人びとの危機感を煽り、社会を収容所化、ワクチン接種を強制しようとしていることに不気味なものを感じる人もいる。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005280000/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/720.html#c21

[近代史3] プチエンジェル事件の深すぎる闇 中川隆
73. 中川隆[-12572] koaQ7Jey 2020年5月29日 06:47:04 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[2]
2020.05.29
優生学が結びつけるビル・ゲイツとジェフリー・エプスタインの不気味な背景

 昨年7月6日、未成年の女性を世界の有力者に提供していたとしてジェフリー・エプスタインなる人物が逮捕された。エプスタインは少女と顧客との行為を盗撮し、それを利用して後に有力者たちをコントロールしていたと言われている。そのエプスタインは2011年からビル・ゲイツと親しくしていたと​ニューヨーク・タイムズ紙​が伝えたのは昨年10月12日のことだった。

 エプスタインはイスラエルの情報機関に雇われていた可能性が高い人物。彼の妻だったのはギスレイン・マクスウェルであり、その父親はイギリスのミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルだが、ロバートは1960年代からイスラエルの情報機関モサドのエージェントだったとも言われている。このロバートは1991年11月、カナリア諸島沖で死体となって発見された。イスラエル軍の情報機関ERDに所属、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、3名ともイスラエル軍の情報機関(AMAM)に所属していた。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019)

 ドナルド・トランプ政権で昨年7月まで労働長官を務めていたアレキサンダー・アコスタもエプスタインが情報機関の人間だとする話をしている。アコスタは2005年6月から09年6月までフロリダ南地区の地方検事を務めていた。

 ​2005年3月にフロリダの警察を訪れた女性が14歳になる義理の娘のエプスタインによる猥褻な行為について訴え、13カ月にわたって捜査、家宅捜索も行われた​。警察は起訴すべきだと主張したが、その時に担当した地方検事がアコスタである。アコスタによると、その時にエプスタインは「情報機関に所属している」ので放っておけと言われたという。結局、エプシュタインは有罪を認め、懲役18カ月の判決を受けるのだが、刑務所へは入っていない。寛大な処置だ。

 2009年にはエプシュタインの自宅から少なからぬ有名人(顧客)の連絡先が書かれた「黒い手帳」を持ち出された。持ち出した人物は手帳を5万ドルで売ろうとしてエプスタインが行っていた「ビジネス」に関する情報の一部が漏れている。ビル・ゲイツがエプスタインと親しくなるのはその2年後だ。

 エプスタインが逮捕されて間もない7月31日、​ニューヨーク・タイムズ紙​は彼がニューメキシコの牧場で自分のDNAによって複数の女性を妊娠させる計画を持っていたと伝えたが、ノーベル賞を受賞したような著名な科学者をエプスタインが招待していることから優生学的な実験を行おうとしていたのではないかとも言われている。

 そこで注目され始めたのが​ビル・ゲイツ​の父親。優生学にのめり込んでいたと言われているのだ。マイクロソフトを作り上げるうえで母親のIBM人脈が必要だったことは少なからぬ人が指摘しているが、ワクチンの問題では父親の影響を無視できない。ビル・ゲイツが新型コロナウイルスで人びとの危機感を煽り、社会を収容所化、ワクチン接種を強制しようとしていることに不気味なものを感じる人もいる。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005280000/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/358.html#c73

[近代史3] プチエンジェル事件の顧客と噂されている秋篠宮・高円宮はロリコンなのか? 中川隆
58. 中川隆[-12571] koaQ7Jey 2020年5月29日 06:48:10 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[3]
2020.05.29
優生学が結びつけるビル・ゲイツとジェフリー・エプスタインの不気味な背景

 昨年7月6日、未成年の女性を世界の有力者に提供していたとしてジェフリー・エプスタインなる人物が逮捕された。エプスタインは少女と顧客との行為を盗撮し、それを利用して後に有力者たちをコントロールしていたと言われている。そのエプスタインは2011年からビル・ゲイツと親しくしていたと​ニューヨーク・タイムズ紙​が伝えたのは昨年10月12日のことだった。

 エプスタインはイスラエルの情報機関に雇われていた可能性が高い人物。彼の妻だったのはギスレイン・マクスウェルであり、その父親はイギリスのミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルだが、ロバートは1960年代からイスラエルの情報機関モサドのエージェントだったとも言われている。このロバートは1991年11月、カナリア諸島沖で死体となって発見された。イスラエル軍の情報機関ERDに所属、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、3名ともイスラエル軍の情報機関(AMAM)に所属していた。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019)

 ドナルド・トランプ政権で昨年7月まで労働長官を務めていたアレキサンダー・アコスタもエプスタインが情報機関の人間だとする話をしている。アコスタは2005年6月から09年6月までフロリダ南地区の地方検事を務めていた。

 ​2005年3月にフロリダの警察を訪れた女性が14歳になる義理の娘のエプスタインによる猥褻な行為について訴え、13カ月にわたって捜査、家宅捜索も行われた​。警察は起訴すべきだと主張したが、その時に担当した地方検事がアコスタである。アコスタによると、その時にエプスタインは「情報機関に所属している」ので放っておけと言われたという。結局、エプシュタインは有罪を認め、懲役18カ月の判決を受けるのだが、刑務所へは入っていない。寛大な処置だ。

 2009年にはエプシュタインの自宅から少なからぬ有名人(顧客)の連絡先が書かれた「黒い手帳」を持ち出された。持ち出した人物は手帳を5万ドルで売ろうとしてエプスタインが行っていた「ビジネス」に関する情報の一部が漏れている。ビル・ゲイツがエプスタインと親しくなるのはその2年後だ。

 エプスタインが逮捕されて間もない7月31日、​ニューヨーク・タイムズ紙​は彼がニューメキシコの牧場で自分のDNAによって複数の女性を妊娠させる計画を持っていたと伝えたが、ノーベル賞を受賞したような著名な科学者をエプスタインが招待していることから優生学的な実験を行おうとしていたのではないかとも言われている。

 そこで注目され始めたのが​ビル・ゲイツ​の父親。優生学にのめり込んでいたと言われているのだ。マイクロソフトを作り上げるうえで母親のIBM人脈が必要だったことは少なからぬ人が指摘しているが、ワクチンの問題では父親の影響を無視できない。ビル・ゲイツが新型コロナウイルスで人びとの危機感を煽り、社会を収容所化、ワクチン接種を強制しようとしていることに不気味なものを感じる人もいる。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005280000/
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/362.html#c58

[リバイバル3] アホの考えを変えようとしたり、反論したり、話し合おうとしたりするのはすべて無意味で無駄 中川隆
11. 中川隆[-12570] koaQ7Jey 2020年5月29日 07:00:14 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[4]

相手を変えるより、自分を歓迎してくれるところに行く方がずっと早いし合理的
2020.05.29
https://blackasia.net/?p=833

「価値感」は外国と日本の文化的な違いだけでなく、日本人同士でも違いがいくらでもある。自分や相手が育ってきた時代や、育った場所や、育った環境や、親の性格で、ライフスタイルも考え方も、まるっきり違ってしまう。だから、同じ日本人でも年配の人と若者とは話す言葉も違えば、考え方も違う。(鈴木傾城)

価値観の相違は話し合っても直らない

日本人は最近になってやっと「価値感の相違」は埋められないことがあると理解するようになった。文化の違いや性格の違いは時には克服できないこともある。

たとえば、誰かが詐欺で騙された場合、日本人は「騙す方が悪い」と思うが、中には「騙される方が悪い」と被害に遭った側を嘲笑する民族や性格の人がいる。

日本人は「宗教を盲信して殺し合うのは無意味だ」と思うが、中には「自分の神が冒涜されたら死ぬまで戦う」と毅然と宣言する民族や性格の人がいる。

同じ日本人の中にも「日本が培ってきた伝統や文化が何よりも大切」と思う人もいれば「日本の伝統や文化は捨ててグローバル化を受け入れる方が大切」と思う人もいる。

経済的にも、「したいことを何もしないで金を貯めるより今を楽しむ方が大切」と思う人もいれば「したいことを何でもするよりもきちんと貯金する方が大切」と思う人もいる。

こうした「価値感の相違」で対立した場合、どんなに時間をかけて話し合っても無駄なことが多い。価値感はすでにその人の無意識のレベルにまで落とし込まれており、話し合ったくらいで変えられないのが普通だからだ。

まして相手に「変えろ」と言われたら、よけいに変えられない。反発や怒りが先にくる。

人間は自分が培った価値観を容易に変えられないし、それがアイデンティティに関わってくるものであれば、変えろと言った相手を暴力で封じ込めるというようなことすらも起きるのだ。

民族レベルで価値観の相違が深刻化すると、やがてそれは国家と国家・民族と民族の対立と衝突となって、何らかのきっかけで火が付いた瞬間に戦争という形になって暴力が吹き荒れる。

「それが駄目だ」という文化では育っていない

少しでも海外に出たことがある人は、その短い体験だけでも身に染みて学ぶのは、価値感が違うと「いくら話しても溝が埋まらない」ということだ。

言葉が通じていなかったとか、誤解されて納得されたというのではなく、しっかりと事実確認をしたにも関わらず、分かってくれない。

たとえば、カンボジアで現地の女性とホテルにいたとき、彼女は果物のゴミを平気で床に投げ捨てた。あるいは、バラック小屋に住んでいる貧しいカンボジア女性と一緒にいたとき、彼女たちは平気で床にツバを吐き捨てた。

インドでもゴミはどこでも捨てるのが普通だし、駅のホームで列車が来るのを待っている女性が、線路に向かってツバを吐く姿も珍しくない。

私が好きだったスリランカの女性リーパは、煙草を吸い終わると、それを浴槽に投げ捨てていた。シャワーを浴びるときは、もちろん吸い殻を捨てた浴槽を使う。(ブラックアジア:リーパ。ゲイランの街に立つ女の凶悪な目付きに惹かれた)

彼女たちにとってゴミは床に捨て、煙草は浴槽に捨て、ツバはどこでも好きに吐けるものだったのである。

煙草をところ構わず捨てるインドネシアの男も、食事中に口に入った骨の欠片をテーブルの下に吐き捨てる中国人も、ビニール袋を道路にポイ捨てするインド人も珍しくない。

それが良くないと言えば、私に配慮して恐らくその場では止めるだろうが、翌日には何事もなく煙草の吸い殻を捨て、口の中のものをテーブル脇に吐き捨てるだろう。

なぜなら、彼らは「それが駄目だという文化では育っていない」からだ。価値感が違っていて、彼らにとっては煙草の吸い殻を気軽に捨てられないことが変なのだ。

逆に日本人に、「ゴミをところ構わず捨ててもいい」「煙草の吸い殻も好きに捨てていい」「口の中のものも吐き捨てていい」と言っても、やらない人のほうが多いと思う。

なぜなら「それが駄目だという文化で育った」からだ。ゴミをところ構わず捨てる彼らの前では、それをしない私が異常なのである。

価値感の相違は、ありとあらゆる部分に存在する

ゴミに対する感覚は、無限の「違い」のうちのひとつである。「価値感」というのは、こうした細かいところでひとつひとつ違っている。

「価値感」は外国と日本の文化的な違いだけでなく、日本人同士でも違いがいくらでもある。

自分や相手が育ってきた時代や、育った場所や、育った環境や、親の性格で、ライフスタイルも考え方も、まるっきり違ってしまう。だから、同じ日本人でも年配の人と若者とは話す言葉も違えば、考え方も違う。

若者がいくら「今はこうだ」と言っても年配者は理解できないかもしれないし、逆に年配者がいくら「そんなことをしては駄目だ」と言っても若者には理解できない。

世代間の価値感のギャップは、年が10歳違えばまったく違うと言われている。好む音楽も、好むファッションも、別人種のように違ってしまっている。

タトゥーやマリファナに関しても、ある人がどれだけ嫌悪しようと、ある人は「それがクールだ」と真逆の価値感であるかもしれない。今後は、コロナ以前とコロナ以後で世代ギャップの常識が違ってしまうこともあるだろう。

こうした価値感の相違は、どれだけ話しても溝が埋まらない。理解どころか、お互いに相手への拒絶感の方が先に立って歩み寄れない。

スポーツが好きな人は、晴れた日に勉強している同級生が理解できない。目的があって勉強している人は、晴れているからと遊び呆けている同級生が理解できない。

自営業の人間は、人に使われて暮らしているサラリーマンが理解できないし、サラリーマンは生活が不安定な自営業の人間が理解できない。

男は女性が細かいことを気にするのが理解できないし、女性は男がすべてに大雑把なのが理解できない。価値感の相違は、ありとあらゆる部分に存在する。

もし自分の人生の重要な部分で相手と価値感が違えば、自分も相手もそれが譲れないのであれば、いくら時間をかけてもうまくいかない可能性の方が高い。

地獄のようなインド売春地帯を描写した小説『コルカタ売春地帯』はこちらから

自分の好きにやって理解されないほうが精神的に楽

価値感の違う相手を変えようと思っても変えられないことの方が多いし、無理に変えさせようとすると激しい対立や衝突を生む可能性もある。

それが相手によって大切な価値感である場合、それを変えさせるというのは相手のアイデンティティを崩壊させるも同然だからである。

だから、現実問題としては、「どうしても、価値感の違う人がいる」ことを受け入れるしかない。そうした人を変えられるとは思わないほうがいい。

イスラム原理主義の男に「女性の自由」をいくら説いても絶対に理解しないはずだ。逆に欧米の女性に「男尊女卑」を説いても絶対に理解しないはずだ。互いに「そんなものを理解するくらいなら死ぬ」と言い出すはずだ。

価値感の相違というのは、そういうものなのだ。だから、世の中のすべての人の価値感が理解できると思ってはいけないし、逆に自分の価値感がすべての人に受け入れてもらえると思ってもいけない。

絶対に受け入れられない価値感を持つ人が世の中にはいるし、逆に自分の価値感を絶対に受け入れてくれない人もいる。それが現実だ。

しかし、別に悩む必要はまったくない。今の価値感で特に日常生活に支障がない限りは、自分自身を変える必要はない。自分のやりたいようにすればいいし、自分が心地良いと思う考え方をすればいい。

相手がそれを受け入れてくれれば嬉しいことだし、受け入れてくれなければ、それはそれでいいと思うべきだ。

相手の価値感が納得できなければ去ればいいし、相手が自分の価値感を受け入れてくれなければ、受け入れてくれるところにいけばいい。そこに固執する理由はない。

自分の価値感が日常の社会的規範から逸脱していないのであれば、その範囲で自分が何をして、何を考えて、何を信じて、何を好きになってもいい。理解してくれない人に理解してもらう必要はない。

相互理解に向かって努力するのは、徒労に終わる確率が高いし、難関度が高い。相手を変えるのも自分を変えるのも難しいのだから、自分を歓迎してくれるところに行く方がずっと早いし合理的でもある。

自分の居場所を見つけて好きにやればいい。つまり、フランク・シナトラの如く、我が道(マイ・ウェイ)を行けばいいということだ。他人の価値感に合わせても無駄なのだから……。

最後にひとこと。

リーパはタバコ中毒で、浴槽にタバコの吸い殻を投げ入れて捨てていたが、私はやれやれと思いながら今でもリーパが懐かしいし、彼女に好感情を持ち続けている。彼女がとても好きだったし、今でも好きだ。価値感が違っても好きだという感情が価値感の違いを自然に克服していた。そういうこともある。

https://blackasia.net/?p=833
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/805.html#c11

[リバイバル3] 株で儲ける方法教えてあげる(こっそり) 新スレ 中川隆
326. 中川隆[-12569] koaQ7Jey 2020年5月29日 07:22:52 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[5]

2020年05月29日
経済ショックで大衆は必ず負け、勝者は暴落で静かに買う


ソロスのような投資家は、皆が好景気で浮かれている時に売り払い、暴落で買っている。

引用:http://www.newsweekjapan.jp/headlines/images/biz/2016/01/28/2016-01-28T044716Z_1_LYNXNPEC0R06H_RTROPTP_3_USA-CLINTON-GLOBAL-INITIATIVE.jpg

暴落や恐慌時の投資


マスコミはコロナで世界恐慌が起こると騒いだが、『あらかじめ予想された危機は起きない』というパラドックスの状態になっている。


危機は911やバブル崩壊のような予想していなかったきっかけで起き、事前に予想していた危機では起きない事が多い。


もし東日本大震災があの日に発生するのが分かっていたら、全員避難して軽微な損害で済むような理由です。



もし本当に危機で相場が暴落したら多くの人は安値で売って損失を被り、一部の人は暴落を利用し安値で買う。

評論家や専門家は「大暴落が起きる」と煽るのが商売で、危機が起きなければ「やっぱり危機は起きなかった」としたり顔で言います。


個人投資家を炊き付けて不利なところで買わせ、捨て値で売らせて損をさせるのが経済専門家の本当の仕事です。


こんな風に彼らが危機を煽るときには99%何も起きていないのだが、それでも1%は当たるかも知れません。

万が一世界市場が大混乱したら、個人投資家はどうすれば良いのでしょうか。

まず不変の法則として「大衆は大相場で必ず負ける」という投資の大原則があります。


平時に好景気の時は大衆は皆で仲良く儲けますが、下げ相場や恐慌では必ず負けています。

大衆の行動パターンは「高値で買い、暴落したら売る」ので勝つのは不可能です。


すると大相場で勝つためには大衆の逆をやらなければならず、「安値で買い、高値で売る」必要があります。


言うのは簡単ですが人間の心理は「高値で買い、安値で売る」ようになっているので、苦痛との戦いになります。

大衆の逆の行動をする

「上げ相場なのだから買えば良いではないか」と思う人が大半で、そういう人は日経平均が上がるにつれて買い進めます。

当然いつかは下がる日が来る訳で、その日は2007年の8月のお盆頃、サブプライムショックという形でやってきました。

1ドル124円だった為替相場はあっという間に110円を割り込み、2008年には100円も割り込んで、2011年には76円になった。


日経平均も2006年に1万7千円だったのが2011年には8900円と半値近くに暴落しました。

上げ相場で買い進めた人は例外なく下げ相場で損失を被った筈で、高値で売り抜けた人は僅かだったでしょう。

下げ相場ではどこが大底なのか分からず、日経平均が9000円を割ったら、5000円まで下がる気がしてきます。


ドル円が76円を付けたときには「1ドル50円、いや30円は確実」と皆が言っていました。

耐えられるまで損失に耐えていた人たちも、1ドル30円が見えたら、もう持っていられずに手放しました。

これが大衆の行動なのですが、大投資家と呼ばれる勝ち組は逆の事をしています。


バフェットやソロスは上昇期に株を売り払ってしまい、暴落で皆が騒いでいる時に、買い進めていました。

ソロスやバフェットも神様ではないので、大底がどこか分かる訳ではなく、様子を見ながら買って行ったと思われます。

暴落時に買った株は例え思ったほど優良株ではなくても、上昇期には上がるのでリスクが小さい。


投資の勝ち組と負け組みの差は、能力ではなくこういう行動パターンの違いに思えます。

大衆心理の呪縛から離れている投資家は、上昇相場で保有株を手放した筈なので、暴落しても打撃を受けません。


という訳でもし今後世界恐慌や大暴落が起きるとすれば、少しずつ買い進めれば良いだけです。

http://www.thutmosev.com/archives/62137266.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c326

[近代史02] 株式投資の神様「ウォーレン・バフェット」の言葉を真に受けると悲惨な結果になる 中川隆
25. 中川隆[-12568] koaQ7Jey 2020年5月29日 07:24:22 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[6]

2020年05月29日
経済ショックで大衆は必ず負け、勝者は暴落で静かに買う


ソロスのような投資家は、皆が好景気で浮かれている時に売り払い、暴落で買っている。

引用:http://www.newsweekjapan.jp/headlines/images/biz/2016/01/28/2016-01-28T044716Z_1_LYNXNPEC0R06H_RTROPTP_3_USA-CLINTON-GLOBAL-INITIATIVE.jpg

暴落や恐慌時の投資


マスコミはコロナで世界恐慌が起こると騒いだが、『あらかじめ予想された危機は起きない』というパラドックスの状態になっている。


危機は911やバブル崩壊のような予想していなかったきっかけで起き、事前に予想していた危機では起きない事が多い。


もし東日本大震災があの日に発生するのが分かっていたら、全員避難して軽微な損害で済むような理由です。



もし本当に危機で相場が暴落したら多くの人は安値で売って損失を被り、一部の人は暴落を利用し安値で買う。

評論家や専門家は「大暴落が起きる」と煽るのが商売で、危機が起きなければ「やっぱり危機は起きなかった」としたり顔で言います。


個人投資家を炊き付けて不利なところで買わせ、捨て値で売らせて損をさせるのが経済専門家の本当の仕事です。


こんな風に彼らが危機を煽るときには99%何も起きていないのだが、それでも1%は当たるかも知れません。

万が一世界市場が大混乱したら、個人投資家はどうすれば良いのでしょうか。

まず不変の法則として「大衆は大相場で必ず負ける」という投資の大原則があります。


平時に好景気の時は大衆は皆で仲良く儲けますが、下げ相場や恐慌では必ず負けています。

大衆の行動パターンは「高値で買い、暴落したら売る」ので勝つのは不可能です。


すると大相場で勝つためには大衆の逆をやらなければならず、「安値で買い、高値で売る」必要があります。


言うのは簡単ですが人間の心理は「高値で買い、安値で売る」ようになっているので、苦痛との戦いになります。

大衆の逆の行動をする

「上げ相場なのだから買えば良いではないか」と思う人が大半で、そういう人は日経平均が上がるにつれて買い進めます。

当然いつかは下がる日が来る訳で、その日は2007年の8月のお盆頃、サブプライムショックという形でやってきました。

1ドル124円だった為替相場はあっという間に110円を割り込み、2008年には100円も割り込んで、2011年には76円になった。


日経平均も2006年に1万7千円だったのが2011年には8900円と半値近くに暴落しました。

上げ相場で買い進めた人は例外なく下げ相場で損失を被った筈で、高値で売り抜けた人は僅かだったでしょう。

下げ相場ではどこが大底なのか分からず、日経平均が9000円を割ったら、5000円まで下がる気がしてきます。


ドル円が76円を付けたときには「1ドル50円、いや30円は確実」と皆が言っていました。

耐えられるまで損失に耐えていた人たちも、1ドル30円が見えたら、もう持っていられずに手放しました。

これが大衆の行動なのですが、大投資家と呼ばれる勝ち組は逆の事をしています。


バフェットやソロスは上昇期に株を売り払ってしまい、暴落で皆が騒いでいる時に、買い進めていました。

ソロスやバフェットも神様ではないので、大底がどこか分かる訳ではなく、様子を見ながら買って行ったと思われます。

暴落時に買った株は例え思ったほど優良株ではなくても、上昇期には上がるのでリスクが小さい。


投資の勝ち組と負け組みの差は、能力ではなくこういう行動パターンの違いに思えます。

大衆心理の呪縛から離れている投資家は、上昇相場で保有株を手放した筈なので、暴落しても打撃を受けません。


という訳でもし今後世界恐慌や大暴落が起きるとすれば、少しずつ買い進めれば良いだけです。

http://www.thutmosev.com/archives/62137266.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/886.html#c25

[近代史4] マスコミと経済評論家の相場情報の 99% は嘘 中川隆
4. 中川隆[-12567] koaQ7Jey 2020年5月29日 07:26:31 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[7]

2020年05月29日
経済ショックで大衆は必ず負け、勝者は暴落で静かに買う


ソロスのような投資家は、皆が好景気で浮かれている時に売り払い、暴落で買っている。

引用:http://www.newsweekjapan.jp/headlines/images/biz/2016/01/28/2016-01-28T044716Z_1_LYNXNPEC0R06H_RTROPTP_3_USA-CLINTON-GLOBAL-INITIATIVE.jpg

暴落や恐慌時の投資


マスコミはコロナで世界恐慌が起こると騒いだが、『あらかじめ予想された危機は起きない』というパラドックスの状態になっている。


危機は911やバブル崩壊のような予想していなかったきっかけで起き、事前に予想していた危機では起きない事が多い。


もし東日本大震災があの日に発生するのが分かっていたら、全員避難して軽微な損害で済むような理由です。



もし本当に危機で相場が暴落したら多くの人は安値で売って損失を被り、一部の人は暴落を利用し安値で買う。

評論家や専門家は「大暴落が起きる」と煽るのが商売で、危機が起きなければ「やっぱり危機は起きなかった」としたり顔で言います。


個人投資家を炊き付けて不利なところで買わせ、捨て値で売らせて損をさせるのが経済専門家の本当の仕事です。


こんな風に彼らが危機を煽るときには99%何も起きていないのだが、それでも1%は当たるかも知れません。

万が一世界市場が大混乱したら、個人投資家はどうすれば良いのでしょうか。

まず不変の法則として「大衆は大相場で必ず負ける」という投資の大原則があります。


平時に好景気の時は大衆は皆で仲良く儲けますが、下げ相場や恐慌では必ず負けています。

大衆の行動パターンは「高値で買い、暴落したら売る」ので勝つのは不可能です。


すると大相場で勝つためには大衆の逆をやらなければならず、「安値で買い、高値で売る」必要があります。


言うのは簡単ですが人間の心理は「高値で買い、安値で売る」ようになっているので、苦痛との戦いになります。

大衆の逆の行動をする

「上げ相場なのだから買えば良いではないか」と思う人が大半で、そういう人は日経平均が上がるにつれて買い進めます。

当然いつかは下がる日が来る訳で、その日は2007年の8月のお盆頃、サブプライムショックという形でやってきました。

1ドル124円だった為替相場はあっという間に110円を割り込み、2008年には100円も割り込んで、2011年には76円になった。


日経平均も2006年に1万7千円だったのが2011年には8900円と半値近くに暴落しました。

上げ相場で買い進めた人は例外なく下げ相場で損失を被った筈で、高値で売り抜けた人は僅かだったでしょう。

下げ相場ではどこが大底なのか分からず、日経平均が9000円を割ったら、5000円まで下がる気がしてきます。


ドル円が76円を付けたときには「1ドル50円、いや30円は確実」と皆が言っていました。

耐えられるまで損失に耐えていた人たちも、1ドル30円が見えたら、もう持っていられずに手放しました。

これが大衆の行動なのですが、大投資家と呼ばれる勝ち組は逆の事をしています。


バフェットやソロスは上昇期に株を売り払ってしまい、暴落で皆が騒いでいる時に、買い進めていました。

ソロスやバフェットも神様ではないので、大底がどこか分かる訳ではなく、様子を見ながら買って行ったと思われます。

暴落時に買った株は例え思ったほど優良株ではなくても、上昇期には上がるのでリスクが小さい。


投資の勝ち組と負け組みの差は、能力ではなくこういう行動パターンの違いに思えます。

大衆心理の呪縛から離れている投資家は、上昇相場で保有株を手放した筈なので、暴落しても打撃を受けません。


という訳でもし今後世界恐慌や大暴落が起きるとすれば、少しずつ買い進めれば良いだけです。

http://www.thutmosev.com/archives/62137266.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/129.html#c4

[近代史4] 信用貨幣論に基づく信用創造

信用貨幣論に基づく信用創造


MMT(現代貨幣理論):その読解と批判 2019年7月1日
https://www.fujitsu.com/jp/group/fri/knowledge/opinion/er/2019/2019-7-1.html


最近、MMT(現代貨幣理論)が内外で注目を集めている。MMTの信用創造に関する理解は通説より説得的であるなど、その見解には見るべき部分もあるが、「インフレにならない限り、財政赤字に悪影響はない」といった主張は受け容れられない。MMTは会計論に終始し、価格や均衡の概念を欠くところに本質的な弱点がある。なお本稿では、米国主流派経済学者の間で高まっている財政政策重視論についても検討を加える。


はじめに

MMT(現代貨幣理論)が内外で注目を集めている。もともとは、地球温暖化阻止を目指したグリーン・ニューディールや、多額の学生ローンを背負った若者の救済を訴える、米国民主党左派のアンドレア・オカシオ・コルテス下院議員(通称AOC)らが、その財源に関して「財政赤字を心配する必要はない」とするMMTを支持したことから、これまで殆ど無名だったMMTを巡って米国内で論争が捲き起こったものだ。その過程で、インフレや金利上昇を懸念する主流派経済学者に対して、MMTの主唱者の一人であるステファニー・ケルトン教授が「巨額の財政赤字でもインフレも金利上昇も起こっていない日本はMMTの成功例」などと主張したことから、日本にも論争が飛び火した経緯がある。

本稿は、このMMTについての評価を試みようとするものだが、問題はクルーグマンも指摘するように(注1)、MMTの議論の仕方自体が伝統的な経済学と大きく異なるため、何が言いたいのかよく分からない面があることだ。実際、現時点でMMTの代表的著作とされるL. Randall Wray, Modern Money Theory : A Primer on Macroeconomics for Sovereign Monetary System 2nd ed, Palgrave-Macmillan, 2015(注2)を読んでみても、その論理展開は決して明晰とは言えない。

しかし、日本では幸いなことに中野剛志氏の手になる解説書(『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】』、KKベストセラーズ、2019年)が出版されており、こちらの方が遥かに分かりやすい。そこで以下では、主にこの2著を参照しつつMMTの読解と批判を進めて行く。

予め趣旨を述べておくと、筆者も「インフレにならない限り、財政赤字には問題がない」、「インフレになったら、税金を増やせば良い」といったMMTの主張に賛成することはできない。後述するように、MMTの最大の弱点は会計論に終始していて、価格(金利)とか均衡といった経済学の基本的な道具立てを欠く点にある(だから、クルーグマンにも理解できないのだろう)。しかし、MMTの主張の中には主流派経済学の弱点を突く議論が含まれており、単純に「意味不明」とか「全くの誤り」などと切り捨てるべきではないというものである。なお、本稿の補論では、米国主流派経済学者による最近の財政政策重視論(サマーズ、クルーグマン、ブランシャールらはMMTを批判しつつ、財政政策の重要性を訴える主張を展開している)に対して批判的な見解を述べる。

信用貨幣論に基づく信用創造の理解

筆者の見るところ、MMTは

@信用貨幣論(credit theory of money)に基づく信用創造の理解、
Aラーナー流の機能的財政論(functional finance)による財政の理解、
B表券主義(chartalism)に基づく現金通貨の理解、

という3本の柱からなるものと考えられる。以下では、これらを順に説明しながら、必要な批判を加えていくこととしよう。

信用貨幣論は、さらに遡れば19世紀英国における通貨主義(currency school)vs 銀行主義(banking school)の対立のうち、銀行主義の流れを汲むものだが、最大の特徴は信用創造をどう理解するかに求められる。

普通は、預金を元手に銀行が貸出を行うことから信用創造がスタートすると考えられている。しかし、MMT=信用貨幣論では「銀行が貸出を実行すると、直ちに同額の預金が生まれる」と考える。

一般の人には不思議に思われるかも知れないが、これは金融界に属する人間には常識だと思う。実際、貸出を行うということは(貸出に関する契約書等を別にすれば)、「貸出先の預金口座に貸出額に等しい預金を書き込む」ことに他ならないからだ。

貸出の原資としての預金を事前に必要とはしない。原資が必要になるのは、貸出先の企業が支出をすると預金が自行から他行に流出するからであり、その場合の不足資金は預金でなく市場(日本ではコール市場、米国ではFF市場など)で調達してもよい。

中野氏の書物によれば、こうした信用貨幣論は近年のイングランド銀行の四季報でも紹介されているとのことだが、筆者にしてみれば40年以上前に日銀に入行した時、最初に習ったことの一つである(注3)。

もちろん、通常の貨幣乗数の公式は、マネーストックとマネタリーベースの定義式を変形しただけだから、MMTにおいても成り立つ。だが、

マネーストック=貨幣乗数×マネタリーベース
貨幣乗数=(1+現金/預金)÷(準備預金/預金+現金/預金)

と書くと、どうしても本源的な預金=マネタリーベースを供給する中央銀行が主体であり、それを乗数倍増やす銀行は受動的な存在という描像が生まれやすい。しかし、MMTでは貸出が出発点だから、「中央銀行がマネタリーベースを増やしても、資金需要がなければ貸出は増えないので、マネーストックも増えない」ということになる。事実、2000年代の量的緩和でも今回の「異次元緩和」でも、金融界からは「日銀当座預金を増やしても、資金需要がないのでブタ積みになるだけだ」という声が聞かれたのは周知の通りである。そして実際に、量的緩和や「異次元緩和」の結果、マネーストックが大きく増えることはなかった。信用創造の実態を知る実務家の見方が正しかったということになる。

確かに、正統派の経済理論でも金利のゼロ制約の下では上記の式が成り立たない(または貨幣乗数が著しく不安定化する)ことは説明できる。しかし、中央銀行を主体とする信用創造に関する描像が、ゼロ金利でも「マネタリーベースが増えればポートフォリオ・リバランス効果が生まれる」、「インフレ期待が高まる」といった議論(いずれも理論的には間違いである)につながったのではないか。そういう意味で、「金融実務家の常識」を理論の1つの柱として打ち出したのはMMTの功績であり、MMTの信用創造の理解は主流派経済学の弱点を突くものとなっていると思う(注4)。

とは言え、MMTの説明では貸出がどれだけ行われ、貸出金利がどう決まるかは全く分からない。そのためには、貸出市場の均衡条件、例えば

貸出金利=市場金利+(金利以外の)貸出の限界費用

が必要になる。貸出の限界費用とは審査費用などであり、これが貸出量に関して逓増し、一方で貸出金利が貸出量の減少関数となるとすれば、この式から貸出量と貸出金利が決まることになる(因みに、貸出市場の均衡に影響を与えるのは、限界的な資金調達コストだから、預金金利ではなく市場金利である)。日本では、当時日銀のエコノミストだった鈴木淑夫氏(後に日銀理事)が半世紀以上前に定式化したものであり、先の信用貨幣論とこの銀行行動の理論を2つの柱とするものが世に言う「日銀理論」だと筆者は理解している(注5)。

問題は、この考え方が財政に適用された場合だ。Wrayの説明は分かり難いが、中野前掲書(第6章)は銀行が国債を購入し、政府が国債発行で得た資金を使えば国債発行額と同額の預金が創出されるため、国債発行に制約はないと言う。しかし、銀行システム全体としては国債発行と同額の預金が生まれるとしても、個々の銀行が国債を買う際には当然採算を考えなくてはならないし、長期国債の場合は資金を固定するリスクも考慮する必要がある。結局、貸出市場の場合と同様に、銀行がどれだけ国債を購入するかは、市場の条件、すなわち現在から将来に掛けての短期市場金利の予想などによって決まることになる。銀行により多くの国債を買ってもらうためには金利が上がる必要があるから、国債発行額が増えれば国債の金利は上がる。国債発行に限界がないのではなく、金利という価格の制約が厳に存在するのである。

機能的財政論による財政の理解

MMTのもう一つの柱は、ラーナー流の機能的財政論による財政の理解である。ラーナーの機能的財政論(注6)とは、「財政が健全か否か」などといった基準ではなく、「完全雇用に寄与しているか」、「インフレを招いてはいないか」といった実際に財政がマクロ経済で果たしている役割(function)に即して財政を評価すべきという、ある意味で極めて常識的な主張である。一方、マクロ経済学の教科書を開いてみると、通常は政府の異時点間の予算制約式として、

現時点の国債残高=将来のプライマリーバランスの現在割引価値

と書かれている。これを文字通りに理解すれば、長期的には国債を全て償還することになる。経済学では、(最も単純な場合)個人も遺産を遺すことなく、所得を全て使い切って死ぬことになっているので、両者は一応整合的ではあるが、普通に考えればどちらも非常識だろう(企業も金融資産を貯め込んでいる)。実際、1990年代のクリントン政権下の米国では、財政が黒字化して国債が償還超となると、国債のストックは十分あったにもかかわらず、金融市場では「国債不足」が大きな問題となった。そう考えると、財政赤字を過度に心配する必要はないというラーナーの主張にも一理あると言えよう(注7)。

なおMMT論者は、自国通貨建てで国債を発行している限り、自国の現金を渡せば国債償還が可能だから、債務不履行はあり得ないことをしきりに強調するが、これは当たり前の話であって誰も反対しない。しかし、債務が償還されたとしても、ハイパーインフレになったり金融危機が起こったりすれば、経済は大混乱に陥るため、ラインハート=ロゴフ(注8)は、これらのケースもデフォルトに含めて考えている。さらに、財政がマクロ経済に与える影響として雇用と物価だけを考えるのは、明らかに視野が狭すぎるだろう。先に述べたように、国債発行額が大きくなれば金利上昇を招くから、民間需要のcrowding-outにつながる。しかも、国債金利(r)と名目成長率(g)の関係がr>gとなった場合、十分なプライマリーバランスの黒字が無ければ、債務が雪ダルマ式に膨らみ、国債残高/名目GDP比率が発散してしまう。今の日本では、日銀が国債の大量買入れを続け、10年債の金利もマイナスのため、低成長の下でもr<gとなっているが、将来2%の物価目標が達成されて日銀が国債買入れを止めればr>gとなる可能性は十分にある(しかも、日本の政府債務残高/名目GDP比率は2倍を超え、プライマリーバランスは赤字だ)。「日本がMMTの成功例」だとするMMT論者は、極めて非常識と言わざるを得ない(注9)。

MMT論者はあまり強調していないようだが、ラーナーはかつて「国債の負担」を巡る論争をも惹起していたので、その点についても、ここで触れておくのが適当だろう。ラーナーは1948年の論文(注10)で、「国債が内国債である限り、償還時に起こるのは一部の国民が課税され、一部の国民が償還金を受け取る、つまり国民の間の資金の移転に過ぎないから、国全体で考えれば国債の負担は発生しない」と主張した。これに対しては、モディリアニが後年「複数世代を考えた場合、国債発行時点の国民が過大に消費すれば、将来世代が利用できる資産が減ってしまうため、将来世代は国債の負担を負う」と批判して(注11)、現在の経済学ではこちらが主流派の見解となっている。しかし、筆者自身はラーナーにやや同情的である。確かに完全雇用の場合はモディリアニの言う通りだが、例えばリーマン・ショックのような時は、財政出動で経済を支えないと、設備投資や住宅投資も大きく落ち込んで、将来世代に残る実物資産もかえって減ってしまう。このため、必ずしも財政赤字=将来世代の負担とは限らないというのが筆者の見方だ。とは言え、これはあくまで経済を大きなショックが襲った場合の話であり、まして現在の日本のように財政赤字の主因が社会保障支出の増大である場合は、モディリアニの見方の方が妥当すると考えるべきだろう。

表券主義に基づく現金通貨の理解

MMTの第3の柱は、表券主義に基づく現金通貨の理解であるが、実はここがMMTの主張のうち最も理解に苦しむ部分である。まず表券主義とは、例えば「日本国の通貨は円である」というように、国家が現金通貨を指定することを意味する。これに対立する概念は、貴金属などが通貨だとする金属主義(metallism)だが、殆どの現金通貨が不換紙幣となった今時、こんな主張をする者は(ごく少数の金本位制復活論者を除き)いない。したがって、「現金通貨は国家が決める」と言うだけでは、「自国通貨建てで国債を発行している限り、債務不履行には陥らない」という主張以上に無意味な命題になってしまう。だから、MMTの主張を意味あるものとして理解しようとすれば「現金通貨は納税手段となることで、価値が与えられる」と考えるほかはないと思う。この点、「税金は銀行預金を使って払っている」と思う人がいるかも知れないので、念のため言っておくと、政府が税として受け取るのは現金通貨だけである。銀行の口座から納税する場合も、中央銀行にあるその銀行の当座預金(日本では日銀当座預金)から政府当座預金に振替が行われることで、納税が完了するからである。日銀当座預金は現金である。

しかし、現金が納税に使えるからと言って、それで価値が保証されるというのは、単純に誤りである。最近で言えばアルゼンチンでもベネズエラでも、歴史を遡れば第一次大戦後のドイツやハンガリーでも、現金を納税に使うことは可能だったが、ハイパーインフレに陥ってしまった。納税に使えたとしても、政府財政に対する信用がなければ、現金通貨の価値は保証されないのである(注12)。実を言うと、経済理論にはもっと明示的に「国家の徴税権が現金通貨の価値を担保する」という理論があり、それがFTPL(物価水準の財政理論、fiscal theory of price levels)(注13)に他ならない。FTPLにおいては、政府の予算制約式は通常の場合と違って、

国債残高+現金通貨残高
=プライマリーバランスの現在価値+通貨発行益の現在価値

と書かれる。これは、ネット税収と通貨発行益(seigniorage)によって、最終的には国債だけでなく現金通貨も償還できるということを意味する。この場合、確かに「国家の徴税権が現金通貨の価値を担保する」ことになるが、通貨発行益の部分を無視すると、FTPLは主流派経済学以上の健全財政を要求することになるため、「財政赤字は心配しなくて良い」というMMTとは正反対の結論になってしまうのである。

なお、MMT論者は財政赤字にとって制約はインフレだけだが、「インフレになったら増税をすれば良い」と簡単に答える。このことと「現金は納税のため」という彼らの認識が関連しているのか否かは定かでないが、現金が納税に使えるからと言って簡単に増税できる訳ではない。日本政府が消費増税にどれだけ苦労しているかを考えれば明らかだと思うが、政府に増税の必要を国民に納得させる力、または国民に増税を強要する力がない限り、増税でインフレを止められる保証はない。だとすれば、「財政赤字は心配しなくても良い」というMMT論者の主張を簡単に信じることはできないというのが、筆者自身を含めたMMT批判論者の一致した意見である。

以上、本稿でMMTについて述べてきたことをまとめてみると、次のようになろう。まず信用貨幣論に基づく信用創造の理解は、中央銀行の力を強く見る通説よりも実態に即したものである可能性が高く、金融政策を考える上でも有用であり得る。また、主流派経済学が要求する政府の予算制約は、やや過度に健全財政に偏していると思われる。金利への影響や世代間の所得分配といった問題まできちんと考慮に入れるなら、財政が実物経済に与える効果に注目すべきだという機能的財政論は、基本的に正しいだろう。だから、MMTを「意味不明」などと簡単に切り捨てるべきではない。しかし、「財政赤字は心配しなくて良い」というMMTの主張を受け入れることもできない。国債発行が増えれば金利は上がるし、その結果crowding-outも発生する。将来世代が国債の負担を負うことになる可能性も高い。また、インフレになっても政治的に財政赤字を圧縮することが難しいのであれば、ハイパーインフレと言わないまでも高率のインフレを許すことになってしまう、ということである。MMTの意義と限界のうち、やや限界の方が勝る感はあるが、公平に評価するならば、こういう結論になるのではないかと筆者は考える。

補論:米国主流派経済学者による財政政策重視論について

MMTを巡る論争の陰に隠れてやや目立たない印象はあるが、米国では最近になってサマーズ、クルーグマン、ブランシャールといった大物の主流派経済学者たちが(MMTは批判しながら)財政政策の重要性を訴えるようになっている。基本的には、数年前からのサマーズらによる「長期停滞論」(注14)を背景としつつ、自然利子率が低下して金融政策が有効性を失っている状況では、マクロ安定化政策として財政政策がより重要になっているとするものだ。米国経済は相対的に好調ではあるが、既に減速過程にある中で、今後景気後退局面を迎えても、従来に比べて金利引き下げ余地が乏しいという困難にどう対応するか、という政策的問題意識もあるのだろう。とくに、元MIT教授でIMFのチーフエコノミストをも務めたブランシャール氏が今年1月の全米経済学会の会長講演(注15)において、低金利環境下では財政政策を積極的に活用すべきだと訴えたことは多くの人々の注目を集めた。

こうした米国主流派経済学者による財政重視論に対する筆者の率直な印象は、驚きと落胆であった。と言うのも、金融政策がゼロ金利制約に直面している(近づいている)時に、マクロ経済政策として財政政策が重要になるというのは、当たり前過ぎるからである(「流動性の罠」について学んだ後なら、学部1年生でもそう答えるだろう)。にもかかわらず20年前、彼らは日本に対して「ゼロ金利でも、量的緩和やインフレ目標でデフレを克服できる」と主張していたのだ(注16)。その後、彼らが意見を180度変えた背景に大きな理論的イノベーションがあった様子はない。要は、20年前の米国はグリーンスパン元FRB議長が「マエストロ」と呼ばれた時代で、金融政策の効果への過信(景気循環は終わったというgreat moderation論さえ拡がっていた)があった一方、現在はリーマン・ショック後の非伝統的金融緩和の効果が限定的だったという事実に学んだということだろう。現に、ブランシャール講演も大部分が「今後暫くは金利水準(r)が名目成長率(g)を下回る」という氏の予想、つまり環境変化の説明に当てられている。日本人エコノミストとしては、「彼らはいつも自国の環境だけを考えていて、日本の実情など眼中にない割に、政策提言だけは安易に打ち出してくる」という印象を持たざるを得ないだろう。もちろん、日本が直面する課題を適切に理論化し、海外に発信することのできない日本の経済学者や、米国の著名経済学者が政策提言を出すと、あり難そうに報道合戦を繰り広げる日本のメディアの方がもっと情けないのだが・・・。

この点は、20年前にリチャード・クー氏が展開していた議論を視野に収めることで、より明確にすることができる(注17)。当時、クー氏は「バブル崩壊後のバランスシート不況では資金需要が無くなってしまうので、金融緩和をしても効果はない。財政出動が必要だ」と主張していた。この「資金需要が無い」という部分を「自然利子率が低い」と置き換えれば、現在の米国主流派の議論と同じであり、かつ「自然利子率が低い」のは「低金利でも投資不足」という意味だから、「低金利でも資金需要が無い」のと全く同じことである。しかも、クー氏はMMT論者のように「財政赤字の制約はインフレだけ」と主張していたのではない。「金利が上がって来れば金融政策が復活するので、財政は引っ込んで良い」と述べていた訳で、金利を軸に財政政策の有効性を判断する点でも、米国主流派と同じである。つまり、現在の米国主流派は20年前のリチャード・クー氏の立場から一歩も前進していないということだ。

それどころか、彼らが20年前にバブル崩壊後の不況の深刻さというクー氏の警告をしっかり受け止めてさえいれば、住宅バブル崩壊→金融危機という展開も防げていた可能性がある。当時の米国経済学界は「バブルが崩壊しても、その後に強力な金融緩和を行えば深刻な悪影響は防げる」というFed viewを受け容れていたが、それがバブル崩壊のコストを過少評価するものだったことは今では明らかだ。もし彼らが日本の状況にしっかり眼を見開いていれば、住宅バブルや金融証券化の過熱に対してもっと強く警告を促すことができたのではないかと思う(注18)。

しかし、クー氏の財政出動論は、1997〜98年の金融危機直後の深刻な不況期を除くと、日本の経済学者・エコノミストの多くから支持を得られなかったことも述べておかなくてはならない(実際、その後の小泉政権では公共事業の大幅な削減が行われた)。それは、1990年代に何度も行われた景気対策に伴う公共事業(その背後には、米国政府による公共投資拡大圧力もあった)には、いつも空席ばかりの市民ホールや飛行機が着陸できる農道など、あまりに無駄が多かったからだ。確かに、そうした財政政策では短期的な景気浮揚効果はあっても潜在成長率はむしろ低下し、今風に言えば自然利子率が低下する。つまり日本経済の長期低迷という元々の問題解決につながらないと考えられたからである。

現在の米国経済学界は、この日本の経験からも学ぶ必要があるのではないか。財政政策が長期停滞を克服できるか否かは、結局、潜在成長率を高めるようなwise spendingができるかどうかに掛かっているということだ。この点、米国では劣化の著しい公共インフラの修復はwise spendingであり得るし、(MMT派の学生ローン帳消しはともかく)低所得層の高等教育進学を支援することもwise spendingになり得るだろう。しかし、政治プロセスを経た後でも本当にwise spendingを実行できるかは極めて疑わしい。米国の経済学者には、他国の政策に口出しをする前に、財政支出を効率化するメカニズムの研究に注力してもらいたいものである(注19)。


注釈

(注1)

Paul Krugman,“What’s Wrong With Functional Finance?(Wonkish)”, New York Times, March 22, 2019。このクルーグマンのコラムは、後述するラーナー流の機能的財政論をMMTの本質と考えるものである。


(注2)

Amazonの出版予告によると、注目度の高いステファニー・ケルトン女史の本(The Deficit Myth : Modern Monetary Theory and the Birth of People’s Economy)は来年出版とのことである。


(注3)

実際、こうした考え方は日銀で考査局長などを務めた横山昭雄氏の著書『真説:経済・金融の仕組み』、日本評論社、2015年で説明されている。もちろん、筆者が読んだのは同氏の旧著『現代の金融構造』、日本経済新聞社、1977年である。
因みに筆者は、日銀支店勤務の時期に、まだ紙ベースだった地方銀行の預金帳簿に、「貸出代わり金」の名目で日銀貸出に等しい金額を書き込んだ経験がある。この瞬間、当該銀行の日銀当座預金は同額増加したのだ。


(注4)

野口悠紀雄氏は、近著『マネーの魔術史』、新潮選書、2019年の中で信用貨幣論に基づく信用創造の理解に触れて、「これまで広く信じられてきた説明が間違いだったとは、驚きだ。この誤りは、金融政策等に関する様々な誤解の原因にもなっている」と述べ、通説的信用創造論を批判している。


(注5)

鈴木淑夫『金融政策の効果:銀行行動の理論と計測』、東洋経済新報社、1966年。かつて「窓口指導」などを担当していた旧営業局の実務家も、こうした「日銀理論」を理解していて、「市場金利が上がらないと、窓口指導も効かない」と考えていたという。なお、岩田・翁論争に代表されるような経済学界と日銀のすれ違いも、主に信用創造(と日銀券需要の短期的な外生性)に関する理解の違いに起因するものだったと思う。


(注6)

Abba Lerner,“Functional Finance and the Federal Debt”, Social Research, 1943


(注7)

この点、伊藤隆敏『日本財政「最後の選択」』、日本経済新聞出版社、2015年は、日本財政の持続可能性について、政府の予算制約式ではなく、「日本国債が日本国内の貯蓄で賄われる」ことを条件として課している。伊藤教授は教科書の説明ではなく、現実の政策論として政府の予算制約式を使うのは不適切と考えたのだろう。同書が必要な消費税率として15%程度と、経済学者・エコノミストの「相場観」とされる20〜25%(トニー・ブラウン教授や北尾早霧教授らによる厳密な動学的一般均衡分析によれば、さらに高い税率が必要とされている)より低い数字を挙げているのは、財政の持続可能性に関してより現実的な見方を採っているためである。


(注8)

カルメン・ラインハート、ケネス・ロゴフ『国家は破綻する』、日経BP社、2011年。


(注9)

MMT論者はともかく、明敏な経済学者であったラーナーがこうした金利の問題を真剣に受け止めなかったのは、はっきり言って不思議である。この論文が書かれた1943年という時期を考えると、大恐慌で物価も金利も上がる環境になかった1930年代と、物価も金利も統制された第二次世界大戦中という時代背景の下、金利に関する感覚が麻痺していたのだろうか。これは、現在の日本人の多くが「物価上昇率が2%に達することは当分なく、暫くの間金利が目立って上昇することもあり得ない」と思い込んでいるのと同じことかも知れない。


(注10)

Abba Lerner,“The Burden of National Debt”, in L. A. Metzler et al.(eds), Income, Employment and Public Policy, Essays in Honor of Alvin Hansen, Norton, 1948


(注11)

Franco Modigliani,“Long-run Implication of Alternative Fiscal Policies and the Burden of the National Debt”, Economic Journal, 1961


(注12)

貨幣の一般均衡理論においては、「貨幣は○○の役に立つから価値がある」という説明は貨幣が価値を持つ均衡の存在を証明する上で役に立たないことが知られている。例えば、貨幣的交換は物々交換より効率的でPareto improvingであっても(そのことを説明するモデルは多数ある)、有限期間のモデルであれば、翌期に持ち越せない最終期の貨幣の価値はゼロになるから、その1期前の価値もゼロ・・・となって、貨幣の価値は常にゼロになってしまう。一方、無限期間のモデルを考えると、何の役にも立たなくても「皆が価値があると信じるから価値がある」といった岩井克人教授の『貨幣論』、ちくま学芸文庫、1998年のような貨幣(純粋バブル)も存在し得ることになる。


(注13)

FTPLは、もともと30年近い(Sargent-Wallaceのunpleasant monetarist arithmeticまで遡れば40年近い)歴史を持つ古くからの理論だが、日本で注目を集めたのは、シムズ教授が2016年夏のジャクソンホール・コンファレンスで発表した“Fiscal Policy, Monetary Policy and Central Bank Independence”という論文に対し、アベノミクスの理論的指導者とされる浜田宏一内閣官房参与が「目からウロコが落ちた」として賞賛したためだろう(このため、日本ではFTPLを「シムズ理論」などと呼ぶことが多い)。「財政金融政策の協調でデフレ脱却の策を授けた」などと言われることもあるが、FTPLはもともと主流派以上の健全財政を前提にした理論なのだから、日本での理解のされ方は相当に捩れたものだったということになる。


(注14)

サマーズの長期停滞論に関しては、初期のLawrence Summers,“U.S. Economic Prospects : Secular Stagnation, Hysteresis, and the Zero Lower Bound”, Business Economics 2014を挙げておく。その後の展開については、翁邦雄『金利と経済』、ダイヤモンド社、2017年、福田慎一『21世紀の長期停滞論』、平凡社新書、2018年を参照。なお、サマーズのMMT批判には、“The left’s embrace of modern monetary theory is a recipe for a disaster”, The Washington Post, March 4, 2019がある。


(注15)

Olivier Blanchard,“Public Debt and Low Interest Rates”, American Economic Review, 2019


(注16)

最も影響力が大きかったのは、Paul Krugman,“It’s Baaack : Japan’s Slump and the Return of Liquidity Trap”, Brookings Paper on Economic Activity, 1998である。ただし、クルーグマンは2015年10月のNYタイムズのコラム“Rethinking Japan”で自らの誤りをはっきり認めており、米国主流派経済学者の中では最も潔いと筆者は感じている。後述のクー氏の名前も、クルーグマンの論文の中では頻繁に引用されている。


(注17)

当時のクー氏の議論については、『デフレとバランスシート不況の経済学』、徳間書店、2003年。 また、クー氏の新著『「追われる国」の経済学』、東洋経済新報社、2019年をも参照。


(注18)

2005年、グリーンスパン議長退任前最後のジャクソンホール・コンファレンスがグリーンスパン礼賛に包まれる中、シカゴ大学のラジャン教授(その後IMFチーフエコノミスト、インド連銀総裁などを務めた)は“Has Financial Development Made the World Riskier?”という論文を公表して、金融危機のリスクに警鐘を鳴らした。その結果、日本式に言えば「空気を読めないヒト」として扱われたのは有名な逸話である。


(注19)

にもかかわらず、ブランシャールは日本に消費増税延期を提言してきた。オリヴィエ・ブランシャール、田代毅「日本の財政政策の選択肢」、Peterson Institute for International Economics、2019年5月。しかし今回は、MMT騒動と衆参同日選の有無にメディアの関心が集中していたため、大きな注目を集めることなく、消費増税の実施が決定されることとなった。


本記事の執筆者

経済研究所 エグゼクティブ・フェロー 早川 英男(はやかわ ひでお)
1954年愛知県生まれ。1977年東京大学経済学部卒、日本銀行入行。
1983〜1985年米国プリンストン大学大学院(経済学専攻)留学(MA取得)。
調査統計局長、名古屋支店長などを経て2009年日本銀行理事。
日本銀行在職期間の大部分をリサーチ部門で過ごした後、2013年4月より現職。

https://www.fujitsu.com/jp/group/fri/knowledge/opinion/er/2019/2019-7-1.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

[リバイバル3] 「住宅は資産」という幻想で誰があなたをカモにするのか? 中川隆
280. 中川隆[-12566] koaQ7Jey 2020年5月29日 11:05:20 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[8]
住宅ローンが払えなくなる人が急増…借金地獄にハマる「キャッシングで返済」は絶対NG
https://biz-journal.jp/2020/05/post_159601.html
2020.05.27 13:10 文=荻原博子/経済ジャーナリスト Business Journal

 オンライン住宅ローンサービスを運営するMFS(東京・千代田区)によれば、新型コロナウイルスの影響で、すでに住宅ローンの返済が苦しくなっている人は約4割、今後、苦しくなっていくだろうと予想している人まで含めると、約7割の人が住宅ローンの返済に不安を抱いているようです。

 住宅金融支援機構の住宅ローンの支払いに関する相談件数も急激に伸びていて、今年2月にはおよそ20件だった相談件数が3月は200件になり、4月は1200件となって、現状では電話がつながりにくくなっています。

 相談で多いのは、「今月分の支払いができない」という切実なものから、「収入が減りそうなので、ボーナス払いをやめたい」などという今後を案じてのものまで、さまざまなようです。こうした中で、金融機関も住宅ローンの返済相談に積極的に乗り出しています。

 住宅ローンは、借りている側にとっては「返せなくなる」というリスクがあります。一方、貸している銀行などにとっては「貸したお金が回収できなくなる」というリスクがあります。リーマン・ショックのときもそうでしたが、最終的に返済できずに自己破産されてしまうと、金融機関は貸したお金を回収できなくなってしまいます。

 お金を借りているほうが弱いわけではなく、金融機関にとっても「返済されない」ということは弱みになります。だからこそ、「とにかく相談してください。悪いようにはしません」と大々的に呼びかけているのです。

 住宅ローンについて、政府はローン負担の軽減そのものにはほとんどなんの対策も出さず、「自己責任」で押し進めています。ただ、税金面については「住宅ローン控除」の要件の緩和ということで、減税によって、多少でも家計を後押しする政策を取っています。

 そこで、こうした政府の動きや各金融機関が打ち出している対策を見ながら、住宅ローンが家計に負担を与えそうな人がどのような対策を取っていけばいいのかを見てみましょう。

絶対にやってはいけない「キャッシングで返済」

 給料や収入が減ってしまって、住宅ローンが払えないという人も出てきています。住宅ローンは、返済が1日遅れただけでも、借りている銀行から催促の電話がきます。しかも、そのまま支払わないでいると、大変なことになります。

 普通、銀行では2カ月間支払いがないと、事故物件ということでブラックリスト入りしますが、中には1カ月支払いがなかっただけで事故物件扱いになるケースもあります。そうなると、「なんとかしなくては」と思い、自力でお金を工面しようとする人がいます。特に、年配の会社員の場合、体裁もあるので「返せなくなりました」と銀行にはなかなか言えず、手軽に借りられるキャッシングなどでお金を都合して返すケースもあります。

 ただ、「住宅ローンが返せない」からとキャッシングに走ることは、絶対にやってはいけません。なぜなら、今月はなんとかそれで無事返済できるかもしれないけれど、来月、再来月と新型コロナ禍が長引けば、そのたびにキャッシングの残高も増えていくことになるからです。

 いったん下がった給料や収入は、よほどのことがない限り、すぐに元に戻るということはないと思ったほうがいいでしょう。給料を下げるに至るまでには、会社もかなりのダメージを受けているはず。また、取引先も、いったん取引を減らすとコストカット意識も高くなっているので、すぐに従来通りの仕事の発注はできない状況にあるケースがほとんどだからです。

 そうした中で、住宅ローンが返せないからと安易にキャッシングに手を出すと、借金地獄にはまっていく可能性があります。特に、キャッシングの金利は現在のような低金利下でも14%前後。これが雪だるま式に膨れ上がっていくと、最終的には破産して、すべてを失うことになりかねません。

 ちなみに、金融機関にとって「住宅ローンが返せないから、ほかからお金を借りて返済する」というのは、もっともしてほしくないことです。借りる相手が両親や親戚縁者ならいいのですが、業者の場合、お金を貸すときに、住宅ローンの残っている家に二番抵当、三番抵当を付ける可能性もあり(一番抵当は借りている金融機関が付けます)、そうなるとトラブルが起きる可能性があり、対処が難しくなるケースもあります。

 余計なトラブルに巻き込まれないためにも、困ったら、すぐにお金を借りている金融機関に相談する。今は、それがベストな方法です。

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/615.html#c280

[番外地7] 「支那 China」は中国の正式名称
「支那 China」は中国の正式名称だよ
昔は唐とか清とか国名で読んでいたけど、近世からは「支那 China」を使う様になった。

http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/656.html
[リバイバル3] 「マイ電柱」は効果が有るのか? 中川隆
45. 中川隆[-12565] koaQ7Jey 2020年5月29日 12:01:06 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[10]
>>39に追記

不思議な現象 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年05月29日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/afdaf7a46e3fc4fdb83fb17d51340fc5

これが我が家の「仮想アース」。

長崎在住のオーディオ愛好家のご厚意で作っていただいたものだが、「仮想アースっていったい何?」という方がおられるだろうから、簡にして要を得た当方宛のメールを紹介しておこう(再掲)。

「仮想アースの件でメールさせていただきました。アースラインノイズの吸収効果等があるそうです。オカルトかと思いましたが、廉価で手軽に試せることから、ステンレスタワシ数個で試作したところ、思いのほかの効果がありました。

ガラスケース等にステンレスタワシと銅板の電極を詰め込み、アース線などで機器のシャーシやアース端子に接続するだけです。

現在、DACのUSBアースとパワーアンプのSP端子(マイナス)に接続しています。

ウッドベースが「ボン・ボン」から「グオン・グオン」に、シンバルが「チン・チン」から「シャン・シャン」に化けました。稚拙な表現ですみません。

数千円程度でできますので、チャンデバのGND等に試されてはいかがでしょうか。また、真空管アンプで効果が確認できれば仮想アースの理解が進みます。

これらの一連の仮想アースは、安全アース(地球の地中)作用の代用ではございません。ただ、音質アップを狙った試行錯誤によるアイデア品です。

測定値、理論などには全く行き届いておりません。純粋に、なぜか音が良くなる的な ”ユニーク発想品” です(それもお使い機材や環境により、必ずのお約束は出来ません)。

以上のとおりだが、最後の「(効果が)必ずのお約束は出来ません」に、むしろ信憑性が漂ってますね。この表現大いに気に入りました(笑)。


さて、仕上がり具合は満足の一言だったが、当時は3ウェイのチャンデバを使っており筐体にアース端子が出ていたのでこれ幸いとばかり繋いでいたが、現在はチャンデバ方式は一時休憩中。

そこで、こんな優れものを遊ばせておくのはもったいないので現在は真空管式のプリアンプに繋いでいる。

「どうやって繋げばいいんでしょうかね」と、オーディオ仲間に相談したところ、「ああ簡単ですよ」と教えてもらったのがこれ。

まず不要になったRCAプラグのコードをばらして外側の線を剥き、「仮想アース」から出したコードと結ぶ。

そのプラグをプリアンプの空いた入力端子に差し込む。

実に簡単で、現在プリアンプを2台常用しているので、片方のプリアンプにも同様に接続している。

さて、その効果だが仲間によると「あまり変わりませんねえ。他家では凄い効果だったのに・・」(笑)。

これは推測だが、我が家のオーディオ機器はすべて電源対策を施しており降圧トランスを利用した「200V → 100V」電源と「リチウムイオン電池」を利用しているが前者にはしっかりとアース対策を施している。

その効果だと思いたいところだが、断定はできない。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/afdaf7a46e3fc4fdb83fb17d51340fc5
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/759.html#c45

[番外地7] IQが低い糾弾者に何を言っても理解されない理由
IQが低い糾弾者に何を言っても理解されない理由


「価値感」は外国と日本の文化的な違いだけでなく、日本人同士でも違いがいくらでもある。自分や相手が育ってきた時代や、育った場所や、育った環境や、親の性格で、ライフスタイルも考え方も、まるっきり違ってしまう。だから、同じ日本人でも年配の人と若者とは話す言葉も違えば、考え方も違う。

価値観の相違は話し合っても直らない

日本人は最近になってやっと「価値感の相違」は埋められないことがあると理解するようになった。文化の違いや性格の違いは時には克服できないこともある。

たとえば、誰かが詐欺で騙された場合、日本人は「騙す方が悪い」と思うが、中には「騙される方が悪い」と被害に遭った側を嘲笑する民族や性格の人がいる。

日本人は「宗教を盲信して殺し合うのは無意味だ」と思うが、中には「自分の神が冒涜されたら死ぬまで戦う」と毅然と宣言する民族や性格の人がいる。

同じ日本人の中にも「日本が培ってきた伝統や文化が何よりも大切」と思う人もいれば「日本の伝統や文化は捨ててグローバル化を受け入れる方が大切」と思う人もいる。

経済的にも、「したいことを何もしないで金を貯めるより今を楽しむ方が大切」と思う人もいれば「したいことを何でもするよりもきちんと貯金する方が大切」と思う人もいる。

こうした「価値感の相違」で対立した場合、どんなに時間をかけて話し合っても無駄なことが多い。価値感はすでにその人の無意識のレベルにまで落とし込まれており、話し合ったくらいで変えられないのが普通だからだ。

まして相手に「変えろ」と言われたら、よけいに変えられない。反発や怒りが先にくる。

人間は自分が培った価値観を容易に変えられないし、それがアイデンティティに関わってくるものであれば、変えろと言った相手を暴力で封じ込めるというようなことすらも起きるのだ。

民族レベルで価値観の相違が深刻化すると、やがてそれは国家と国家・民族と民族の対立と衝突となって、何らかのきっかけで火が付いた瞬間に戦争という形になって暴力が吹き荒れる。

「それが駄目だ」という文化では育っていない

少しでも海外に出たことがある人は、その短い体験だけでも身に染みて学ぶのは、価値感が違うと「いくら話しても溝が埋まらない」ということだ。

言葉が通じていなかったとか、誤解されて納得されたというのではなく、しっかりと事実確認をしたにも関わらず、分かってくれない。

たとえば、カンボジアで現地の女性とホテルにいたとき、彼女は果物のゴミを平気で床に投げ捨てた。あるいは、バラック小屋に住んでいる貧しいカンボジア女性と一緒にいたとき、彼女たちは平気で床にツバを吐き捨てた。

インドでもゴミはどこでも捨てるのが普通だし、駅のホームで列車が来るのを待っている女性が、線路に向かってツバを吐く姿も珍しくない。

私が好きだったスリランカの女性リーパは、煙草を吸い終わると、それを浴槽に投げ捨てていた。シャワーを浴びるときは、もちろん吸い殻を捨てた浴槽を使う。(ブラックアジア:リーパ。ゲイランの街に立つ女の凶悪な目付きに惹かれた)

彼女たちにとってゴミは床に捨て、煙草は浴槽に捨て、ツバはどこでも好きに吐けるものだったのである。

煙草をところ構わず捨てるインドネシアの男も、食事中に口に入った骨の欠片をテーブルの下に吐き捨てる中国人も、ビニール袋を道路にポイ捨てするインド人も珍しくない。

それが良くないと言えば、私に配慮して恐らくその場では止めるだろうが、翌日には何事もなく煙草の吸い殻を捨て、口の中のものをテーブル脇に吐き捨てるだろう。

なぜなら、彼らは「それが駄目だという文化では育っていない」からだ。価値感が違っていて、彼らにとっては煙草の吸い殻を気軽に捨てられないことが変なのだ。

逆に日本人に、「ゴミをところ構わず捨ててもいい」「煙草の吸い殻も好きに捨てていい」「口の中のものも吐き捨てていい」と言っても、やらない人のほうが多いと思う。

なぜなら「それが駄目だという文化で育った」からだ。ゴミをところ構わず捨てる彼らの前では、それをしない私が異常なのである。

価値感の相違は、ありとあらゆる部分に存在する

ゴミに対する感覚は、無限の「違い」のうちのひとつである。「価値感」というのは、こうした細かいところでひとつひとつ違っている。

「価値感」は外国と日本の文化的な違いだけでなく、日本人同士でも違いがいくらでもある。

自分や相手が育ってきた時代や、育った場所や、育った環境や、親の性格で、ライフスタイルも考え方も、まるっきり違ってしまう。だから、同じ日本人でも年配の人と若者とは話す言葉も違えば、考え方も違う。

若者がいくら「今はこうだ」と言っても年配者は理解できないかもしれないし、逆に年配者がいくら「そんなことをしては駄目だ」と言っても若者には理解できない。

世代間の価値感のギャップは、年が10歳違えばまったく違うと言われている。好む音楽も、好むファッションも、別人種のように違ってしまっている。

タトゥーやマリファナに関しても、ある人がどれだけ嫌悪しようと、ある人は「それがクールだ」と真逆の価値感であるかもしれない。今後は、コロナ以前とコロナ以後で世代ギャップの常識が違ってしまうこともあるだろう。

こうした価値感の相違は、どれだけ話しても溝が埋まらない。理解どころか、お互いに相手への拒絶感の方が先に立って歩み寄れない。

スポーツが好きな人は、晴れた日に勉強している同級生が理解できない。目的があって勉強している人は、晴れているからと遊び呆けている同級生が理解できない。

自営業の人間は、人に使われて暮らしているサラリーマンが理解できないし、サラリーマンは生活が不安定な自営業の人間が理解できない。

男は女性が細かいことを気にするのが理解できないし、女性は男がすべてに大雑把なのが理解できない。価値感の相違は、ありとあらゆる部分に存在する。

もし自分の人生の重要な部分で相手と価値感が違えば、自分も相手もそれが譲れないのであれば、いくら時間をかけてもうまくいかない可能性の方が高い。

自分の好きにやって理解されないほうが精神的に楽

価値感の違う相手を変えようと思っても変えられないことの方が多いし、無理に変えさせようとすると激しい対立や衝突を生む可能性もある。

それが相手によって大切な価値感である場合、それを変えさせるというのは相手のアイデンティティを崩壊させるも同然だからである。

だから、現実問題としては、「どうしても、価値感の違う人がいる」ことを受け入れるしかない。そうした人を変えられるとは思わないほうがいい。

イスラム原理主義の男に「女性の自由」をいくら説いても絶対に理解しないはずだ。逆に欧米の女性に「男尊女卑」を説いても絶対に理解しないはずだ。互いに「そんなものを理解するくらいなら死ぬ」と言い出すはずだ。

価値感の相違というのは、そういうものなのだ。だから、世の中のすべての人の価値感が理解できると思ってはいけないし、逆に自分の価値感がすべての人に受け入れてもらえると思ってもいけない。

絶対に受け入れられない価値感を持つ人が世の中にはいるし、逆に自分の価値感を絶対に受け入れてくれない人もいる。それが現実だ。

しかし、別に悩む必要はまったくない。今の価値感で特に日常生活に支障がない限りは、自分自身を変える必要はない。自分のやりたいようにすればいいし、自分が心地良いと思う考え方をすればいい。

相手がそれを受け入れてくれれば嬉しいことだし、受け入れてくれなければ、それはそれでいいと思うべきだ。

相手の価値感が納得できなければ去ればいいし、相手が自分の価値感を受け入れてくれなければ、受け入れてくれるところにいけばいい。そこに固執する理由はない。

自分の価値感が日常の社会的規範から逸脱していないのであれば、その範囲で自分が何をして、何を考えて、何を信じて、何を好きになってもいい。理解してくれない人に理解してもらう必要はない。

相互理解に向かって努力するのは、徒労に終わる確率が高いし、難関度が高い。相手を変えるのも自分を変えるのも難しいのだから、自分を歓迎してくれるところに行く方がずっと早いし合理的でもある。

自分の居場所を見つけて好きにやればいい。つまり、フランク・シナトラの如く、我が道(マイ・ウェイ)を行けばいいということだ。他人の価値感に合わせても無駄なのだから……。

最後にひとこと。

リーパはタバコ中毒で、浴槽にタバコの吸い殻を投げ入れて捨てていたが、私はやれやれと思いながら今でもリーパが懐かしいし、彼女に好感情を持ち続けている。彼女がとても好きだったし、今でも好きだ。価値感が違っても好きだという感情が価値感の違いを自然に克服していた。そういうこともある。
https://blackasia.net/?p=833

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世の中では何をしても嫌われる、世の中の人間の 9割 はどうしようもないアホ

「誰にも嫌われないこと」を重視して生きるのは危険なこと


アメリカ人はイスラム教徒に嫌われる。イスラム教徒はキリスト教徒に嫌われる。キリスト教徒は共産主義者に嫌われる。共産主義者は資本主義者に嫌われる。富裕層は貧困層に嫌われる。貧困層は富裕層に嫌われる。

テロリストは全世界に嫌われる。しかし、助けに来たアメリカ軍は、他国に介入したとして嫌われる。

軍人は平和主義者に殺人鬼と罵られて嫌われる。平和主義者は夢想家だと言われて現実主義者に嫌われる。現実主義者は宗教心がないと宗教家から嫌われる。保守派は左翼に嫌われる。愛国者はグローバリストに嫌われる。

ありとあらゆる国で、国民は隣の国の人間を嫌う。国民は国民で、何重にも割れて互いに相手を嫌い合う。考えてみれば、なかなか悲惨な世界だが、これが人間社会の実態でもある。

つまり、私たちは何をどうしても、他人に嫌われる運命にある。ただ道ばたに立っているだけでも嫌われてしまう。どんな生き方をしても、何を言っても言わなくても、他人に嫌われない生き方はない。

私たちは存在してるだけで誰かに一方的に嫌われる。どんなに品行方正であっても、どんなに愛すべき存在であっても無駄だ。この世で嫌われない人間はどこにもいない。


この世の中は、何もしても嫌われるのが現実だ

嫌われないことを考えて生きるのは立派に見える。しかし、それは基本的に報われることはない。誰にも嫌われないで生きるのは不可能だからだ。

別に無理して嫌われる必要はないが、何をしても嫌われるのが現実なのだから、そんなものを重視して生きると100%失敗してしまう。

他人に媚びても、結果的には何も得られない。媚びることが嫌われるからだ。他人に同調しても、それが自分の本意でないのであれば自分で自分を壊してしまう。

嫌われたくないために他人に謝罪なんかしてしまうと、足元を見られて「もっと謝罪しろ、賠償しろ、誠意を見せろ」と恐喝されることもある。

誰でも人間関係を円滑にしたいと思う。しかし、嫌われたくないと思うが故に自分が折れると、自分の立場を悪くするだけである。自分で自分の首を絞めることになる。

何らかの意見を言えば必ず嫌われる。どんな意見でも、その意見と対立する意見が必ずあるからだ。逆に意見を持たなければ持たないで嫌われる。意見を持たない人間は愚かだと思われ、愚かな人間は本能的に嫌われるからだ。

立場を築くと必ず嫌われる。どんな立場でも、その立場を嫌っている人が必ずいるからだ。立場を築かない人も嫌われる。立場も築けないほど実力のない人間だと思われるからだ。

若いと若いがゆえに嫌われる。歳を取れば歳であるがゆえに嫌われる。男であれば男だから嫌われる。女であれば女だから嫌われる。

目立つと目立つというだけで嫌われる。嫌われないように目立たない生き方をしても、その生き方自体が姑息だと言われて嫌われる。

何をしても嫌われるのだ。そんな社会で私たちが生きるためには、誰もが最後に同じところへ落ち着いていく。

それは「嫌われることを恐れない」ということだ。


何をどう言っても、他人に理解されないのが現実

「嫌われることを恐れない」と言っても、誰かの悪口や罵詈雑言を恐れずに言い回ってもいいというわけではない。わざわざ他人に嫌われることを進んでする必要はない。

私たちは自分が心地良く生きるために、ある程度の常識や良識を持って生きなければならない。

しかし常識や良識を持って生きたとしても、嫌われることは最初から受け入れておく必要がある。どんなに常識や良識を持っても、それを持っているが故に嫌われるのだ。

分かってもらおうと思ってはいけない。徒労に終わる。相手は説得されることを望んでいないからだ。理解してくれる人もいるかもしれないが、理解してくれない人もいる。

理解してくれない人は、それがいかに理路整然とした正論であっても絶対に耳を傾けない。

なぜ分かってくれないのかと、隔靴掻痒の気持ちになることもあるかもしれない。しかし、世の中は何をどうやっても交われない人間が存在するのは誰も否定できない事実だ。

自分とはまったく逆の世界観を持つ人も多い。同じ人間であっても、同じ言葉を話していても、そこに横たわる溝は限りなく深い。

だから、自分を嫌い、何を言っても理解してくれない人がいるからと言って、落ち込む必要もなければ激怒する必要もない。

また、そういった人たちにひどく嫌われているからと言って、それを気に病む必要もない。媚びる必要もなければ、理解してもらう必要もない。

大人になればなるほど、意見を持てば持つほど、地位が上がれば上がるほど、有名になればなるほど、反対するために反対している人たちと山ほど遭遇することになる。

つまり、私たちは何をやっても批判され、何を言っても反対され、行いや生き方や主張が正しくても必ず反対者に嫌われるということだ。


嫌われるということ自体は、誰もが経験すること

「誰にも嫌われないこと」を重視して生きるのが危険なのは、それが確実に失敗するのが分かっているからだ。

嫌われる度合いは発言内容な信条や性格によって違う。しかし、どんな性格でも、どんな発言でも、誰かに嫌われることだけは間違いない。

だから、嫌われること自体は別に気にする必要はない。

職場でも、家庭でも、友人関係の中でも、世間の中でも、自分を嫌う人は必ず生まれ、自分の敵が必ず生まれる。私たちはそれに慣れなければならないのだ。

現代のような高度情報化時代になると、多くの人がインターネットで自分を嫌う人を発見することも多い。自分が「受け付けない」と思う人を発見すると同じく、相手もこちらを「受け付けない」と考える。

しかし、それほど気に病む必要はない。それは個人的な問題のように見えるが、本当のことを言えば誰もが経験する普遍的な問題であるからだ。

嫌われるということ自体は誰もが経験することであり、個人的な経験ではないのだ。

気持ちが収まらないかもしれない。潔癖な人であればあるほど、自分が誤解されたり、嫌われたりすることに苦悩する。人間関係の悩みで自殺する人もいれば鬱病になる人もいる。それほど苦しみ抜いたということなのだ。

しかし、マザー・テレサのような聖女さえも批判の対象になるのだから、聖人でも何でもない私たちが、誰かの怒りを買わない方がむしろどうかしている。

だから、誰かに嫌われて気に病むのは無駄だ。私たちが生きている世界は、誰かが誰かを嫌い、批判し、嫌悪し、恨み、排斥し、衝突する世界なのだ。それが現実だ。

そうであれば、逆にこうした世界に早く慣れておく必要がある。特に日本人であれば尚更だ。なぜなら、日本人は日本人であるというだけで、中国・韓国・北朝鮮のような反日国家の人間に嫌われるからである。

嫌われて何か問題でもあるのだろうか。何もない。相手を嫌うことに問題はあるのだろうか。何もない。相手と断絶することに問題はあるのだろうか。もちろん、何もない。

全般的に、蛇は嫌われる。中には蛇を愛する人がいて、この生き物がいかに愛すべき存在なのかを主張したとしても、やはり多くの人は蛇を嫌う。
https://darkness-tiga.blogspot.jp/2018/01/20180115T1809470900.html  


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ギリシャ人が糾弾が好きな理由


旅芸人の記録 : 1975
https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%97%85%E8%8A%B8%E4%BA%BA%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2

監督 テオ・アンゲロプロス
音楽 ルキアノス・キライドニス
出演 エヴァ・コタマニドゥ


ギリシャの芸術家の名前って、皆様は、どれくらいご存知ですか?

「まあ、彫刻家や音楽家は名前が伝わっていないけど、文学関係なら、有名なホメロス、それに3大悲劇詩人のエウリピデス,ソフォクレス,アイスキュロス、喜劇のアリストファネス。別の方面?でも有名なレスボス島の女流詩人のサッフォーとか・・・」

まあ、出て来る名前って、こんなところでしょ?
これらの名前は全員古代の人ですよね?それ以降のギリシャの芸術家の名前は?

こうなると途端に出てきませんよね?
アレキサンダー大王以降のギリシャの芸術界は一体何やっていたの?
2千年以上もサボっていたの?

ギリシャ人も、かつては、すばらしい芸術家を輩出したのに・・・遺伝子的にレヴェルが低いわけではないでしょう?
だって、かつては立派だったんだし・・・

それに、16世紀のスペインの画家に、その名も「ギリシャ人」という名前のエル・グレコというギリシャ系の人もいます。ギリシャ人もギリシャ以外の国では活躍しているわけ。

どうして、ギリシャ国内では芸術家を生み出さなくなってしまったのでしょうか?

このように芸術家を産まない国や地域ってありますよね?
日本のお隣の朝鮮半島の芸術家の名前って、ご存知ですか?
中国の芸術家の名前なら、世界史でいやというほど覚えさせられましたよね?
詩人だけでも李白、杜甫、白楽天、孟浩然・・・ああ!!思い出したくも無い、勉強ばかりのあの日々!?

しかし、朝鮮半島の芸術家の名前って、出てきませんでしたよね?

あるいは、イスラム圏の芸術家の名前って、出てきますか?
イスラムでは歌舞音曲を禁じているはず。絵画もダメなの?文学だって禁じているのかな?

「テメエらは、コーラン読んでりゃ、ええんや!」なの?

しかし、ペルシャにはイスラムとは異質なキャラクターの詩人のオマル・ハイヤームという人もいました。別に遺伝子的に芸術とは無縁の人というわけではないんですね。どうしてイスラムの下では、芸術家が出なくなってしまったのでしょうか?

これらの国や地域の経済的な問題なの?
しかし、どのみち、創造的な芸術家がその作品でお金儲けをできるわけもないことは歴史的な現実。芸術家というものは死んでから認められるものでしょ?
芸術作品を制作すると言っても、文章を書くのは費用がかかるわけでもないので、「その気」になりさえすれば、できることでしょ?

芸術家の絶対数が少なく、多くの人が芸術家との接触することが少なかったから、芸術作品を作る意欲や発想が起こらなかったの?
しかし、例えばギリシャなどは様々な芸術家が訪れていますよね?
それにギリシャ人も外国に出てみればいいじゃないの?
韓国人だってそう。中国に行けばいいだけ。その気になれば、様々な芸術家との接触は可能なんですね。

では、これらの国や地域が何故に、芸術家を生み出さなかったのでしょうか?

それはそれらの人々がダメダメだからですね。

「悪いのは全部アイツのせいだ!」

そのような発想なので、自分自身を厳しく見つめることをしないわけ。自分自身から目をそらしているような人間が、芸術家になれるわけがありませんよ。

職業としての音楽家や物書きや絵描きにはなれるかもしれません。しかし、そんな自分自身から目をそらすような人間は、永遠に届くような作品を生みだす「芸術家」になれないわけです。

別の言い方をすると、自分から逃避してしまっているので、仕事にはなっても、使命にはなっていないわけ。

今回の文章で取り上げる映画はギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロス監督の75年の作品である「旅芸人の記録」という映画です。テオ・アンゲロプロス監督は現在における最も厳しい精神の「芸術作品」を作る監督です。まあ、映画の分野において、芸術性では3本指には確実に入るような大芸術家。

しかし、ギリシャという芸術不毛の地で、どうしてアンゲロプロスのような芸術的な映画監督が出現したの?

また、彼は、どのようにして、芸術家不毛の地から芸術作品を生み出すような芸術家になったの?

アンゲロプロスは自分自身の「内なるギリシャ」、つまり自分の中の「内なるダメダメ」を厳しく見つめ、それを克服していったわけです。今回取り上げる「旅芸人の記録」という作品は、ダメダメなギリシャ人の一員であるアンゲロプロスの心の中に巣食う「ダメダメな部分」を白日なところにさらしているわけ。その過程があったがゆえに、近年のアンゲロプロス監督作品の「人間と人間のコミュニケーション」「人間の再生への希望」を語る豊穣な作品群が生み出されることになったわけです。

では、彼の作品「旅芸人の記録」の導きに従って、ギリシャ人のダメダメな面・・・これは呆れるほど韓国やイスラムにおけるダメダメな面と共通しています・・・を見てみることにいたしましょう。

ちなみに、この「旅芸人の記録」という作品は1939年から1952年のギリシャを舞台に、「羊飼いの少女ゴルフォ」というお芝居を上演している旅芸人の一座を描いた映画です。事件を時系列的に追った映画ではありません。

一座がそのお芝居を上演しようとすると、当時のギリシャの様々な情勢によって、途中で上演がストップしてしまう・・・そんな映画です。

つまり「羊飼いの少女ゴルフォ」の上演という「まがりなりにも」芸術活動と言える活動がジャマされていくことについての映画といえるわけです。
「ギリシャにおいて何故に芸術が育たないのか?」そのような問題意識が反映しているわけですね。

この映画について、日本の3文映画ライターが「激動のギリシャ現代史を語る映画」などと解説したりしていますが、現代史ではないんですね。もし、現代史を語るつもりなら、登場人物の名前をもっと現代的にするでしょう。

この「旅芸人の記録」という作品での登場人物の名前はエレクトラとかアガメムノンなど、昔のギリシャ人の名前です。そして起こっている事件も、昔から何回も繰り返されているような事件。つまりそれだけアンゲロプロス監督は「いつまで経っても変わらない」ギリシャを描きたいわけです。

それに現代史を描くつもりなら、事件の配置を時系列的にしますよ。歴史を描くつもりが無いから、事件の時系列を無視しているわけです。まあ、それがわからないからこそ、「映画ライター」なんでしょうが・・・

さて、この映画に従って、ギリシャのダメダメやダメダメ家庭の問題というより、もっと一般的な意味でのダメダメ精神の事例を以下に列挙いたします。


1. 働かない・・・ギリシャ人は働かない。この4時間の映画で、働いている人はレストランのウェイターくらい。労働者が「資本家打倒!」と言うのはいいとして工場で働いているシーンはない。「労動者ならまずは労働しろよ!」と言いたいところ。

また、資本家も工場を経営したり、外国と貿易を行うというそぶりもない。とにかく働かない連中なんですね。さすがに韓国では働いているシーンは出てきますが、イスラム圏でも働いているシーンって出てこないでしょ?商店で働いている人は多少出てきますが・・・イスラム圏の工場って見たことありませんよね?やっぱり働かない連中なんですね。


2. 政治好き・・・経済的な面では意欲がない連中ですが、政治には熱心です。「悪いのは全部政治が悪いせいだ!」などと思っていたりするので、やたら政治には熱心なんですね。この映画でもデモ行進のシーンが多い。あるいは政治議論も活発です。

個々の人間が政治について確かな見解を持つことは必要でしょう。しかし、問題の全部を政治のせいにしてもねぇ・・・しかし、デモのシーンはイスラムでも韓国でもおなじみですよね?そして、この手の人は、政治論議が好きでも、実際に政治に携わって、現状を改善しようとはしないもの。ただ、「ダメな政治のせいで、うまく行かない。」という理屈がほしいだけ。


3. 会話がない・・・登場人物の皆さんは、とにかく人の話を聞かない。4時間にもわたる映画なのに、会話のシーンがない。どちらかが一方的に言っているだけ。人の話を聞くという習慣がなさそう。


4. 被害者意識・・・何かと被害者意識が出て来る。『イギリスには裏切られた!』『国王には裏切られた!』とか・・・「ああ、オレ達って、何てかわいそうなんだ?!」そして相手を恨むわけ。


5. 当事者意識がない・・・被害者意識があるのに、当事者意識がない。「じゃあ、アンタはギリシャという国をどうしたいの?」と言われても答えられない状態。ただ、相手を恨んでいるだけなんですね。イスラムや韓国でもこんな感じですよね?


6. 内部分裂・・・ギリシャ人の内輪もめは、それこそ紀元前のアテネとスパルタの戦争など、いつもやっているようです。「イギリス人はギリシャから出て行け!」と本気で思っているのなら、ギリシャ人が結集して、イギリス人を追い出せばいいじゃないの?

ところがこの映画では内輪もめのシーンばかり。ギリシャ正規軍とイギリス軍が戦うシーンなどは全然なくて、いつもギリシャ人同士で戦っているんですね。同じようにイスラムだと宗派対立などが出てきますよね?
韓国だと地域対立とか・・・彼らがまとまるのは「○○大嫌い!」それだけなんですね。


7. こびへつらい・・・この映画で出て来るギリシャ人は、強きにこびへつらい、弱い人には威張っている。そのような権威主義なのもダメダメの特色の一つですね。落ちたイヌだけを叩こうとするのがギリシャ人の特色のようです。まあ、これはイスラムや韓国も同じですが・・・


8. ユーモアがない・・・4時間にわたる映画なのに、笑えるシーンがない。まあ、それは監督のアンゲロプロスの個人的キャラクターの面も大きいでしょう。しかし、ダメダメな人間は「自分自身を笑う」心のゆとりって無いものなんですね。「オレってバカだなぁ・・・」なんて自分を笑わないのに、自分以外の人のことは高笑いするわけ。

ユーモアって、いつもとは別の見方で物事を見たりすると、出てきたりするものでしょ?
ユーモアがないってことは、それだけ、ものの見方が画一的ということなんですね。


9. ホスピタリティーがない・・・この面は、むしろアンゲロプロス監督の別の作品で強調されています。どうもギリシャ人は外の世界から来た人を歓迎するという発想がない様子。外来者を、ヘタをすれば政治的な人質として利用したりするくらいの扱い。外の世界から来た人と会話して自分の知識を広め、相手に自分のことを知ってもらおうなんてこれっぽちも考えていない。

自分自身が被害者意識に凝り固まっているので、人をもてなす心の余裕がないわけ。このような面は韓国もイスラムの全く同じですよね。スポーツ大会などヒドイものでしょ?これでは味方ができませんよね?


10. 歴史自慢・・・この「旅芸人の記録」という作品では強調されていませんが、ギリシャは偉大な歴史がありますね。それはそれで結構なこと。しかし、ちょっと考えて見てください。「オレは小学校の時は優秀で、学級委員をやっていたんだ!」・・・そんなことを言う人間ってショボイオヤジでしょ?
ちゃんとした人間はそんな昔の自慢話などはしないものでしょ?

歴史自慢しかするものがない連中って、それだけ今現在がダメダメということですよね?
しかし、ダメダメな人間は歴史しか自慢するものがないので、歴史自慢をしたがる。
そして「こんなに偉大な歴史を持つ我々なのに、今うまく行かないのはアイツのせいだ・・・」と被害者意識をますます膨らませるわけ。


このように、「悪いのは全部アイツのせいだ!」と思っていると、自分の気持ちとしてはラクですよね?だって、自分自身では何もしなくてもいいんですからね。ただ相手を恨んでいるだけでいい。
まあ、一般の人はそれでいいのかもしれませんが、そんな貧しい精神では芸術家は育たないでしょ?

真の芸術家になるためには、自分の内面にあるそのようなダメダメな面を自覚していく必要があるわけです。
ギリシャ人のアンゲロプロスは、このような自分に厳しい映画作品を作ることによって、自分自身を一歩前に進めたわけです。

ちなみに、この「旅芸人の記録」という映画はギリシャ映画ですので、セリフはギリシャ語です。ということで字幕担当の人も「とある芥川賞受賞作家さん」がやっています。その作家さんはギリシャ語が出来るので、アンゲロプロス監督作品の字幕だといつもこの人です。この作家さんは、ギリシャに住んだり、最近ではイラクに行って「フセイン政権下ではイラク人はすべて幸せだった!アメリカ人は出て行け!」とかおっしゃっておられます。メールマガジンも発行されていて、私も読む時がありますが、実に「お・も・し・ろ・い」わけ。

自分自身の問題から目をそらし、グチばかり言う人間は、やっぱりそんな類の人間が多いところに行きたがるものなんですね。そうして、グチで盛り上がることになる。
「アンタたちは全然悪くないのよ!悪いのは全部アメリカなんだ!」
そう言われれば言われた方もラクでしょ?
確かに同情してもらったイラクの人も幸福かもしれません。だって「自分自身は全然悪くない!」と思っていられるわけですからね。「悪くはない」んだから、自分自身では何もしなくてもいいわけ。

そのような精神的に怠惰な状況に、外国からのダメダメ人間が、まるで腐臭にハエやゴキブリが吸い寄せられるように喜んで出かけ、集まり、そしてグチで盛り上がる。

職業としての物書きや絵描きや音楽家は、そこそこのスキルがあればなれるものです。しかし、芸術家になって未来に残る作品を生み出すには「自分自身を厳しく見つめる」ことが必要不可欠なんですね。

ダメダメなギリシャの映画監督のアンゲロプロスが「旅芸人の記録」という、何より自分に厳しい作品を作って、自分自身を見つめ大芸術家になっていったのに対し、グチばかり言っていて、世界中のグチ人間を求めて自分から逃げ回っている人間が、芥川賞という新人賞止まりなのは、芸術的にみて必然なんですね。

この映画で描かれたギリシャの人々は、誰かを犯人認定して、対抗心ばかりを膨らませ、自分では何もする気もなく、しょーもない議論ばかりという、典型的なダメダメ人間の姿といえるでしょう。これは何もギリシャの問題だけでなく、たとえば、インターネットの掲示板が、まさに絵に描いたようにこんな様相でしょ?

作り手のアンゲロプロスとしては、「激動のギリシャの歴史」を描いているのではなく、バカばかりやっているダメダメ人間の姿を描いているわけ。彼は歴史学者ではなく、芸術家なんだから、普遍的な人間心理を描きますよ。

ダメダメというのは、時とか場所とかのテンポラリーな問題ではなく、人間の普遍的な心理の問題なんですね。だから、ちょっと見方を変えると、21世紀の日本での様相を理解するのにも役に立つわけ。

ちなみに、ギリシャもイスラム圏も韓国も、独裁政権が多い。民主的政体は育たない。

それは民主主義というものは、個々の責任という面が要求されるからですね。自分自身が主体的に政治に参加する。そしてみんなの選択に共同責任を持つわけ。しかし、責任を取りたくないダメダメ人間は、独裁政治の方がラクなんです。だって独裁だったら上手くいかなかったら、その原因の全部を独裁者のせいにできるでしょ?そして「オレたちは独裁政治の被害者だ!」と言うだけ。

だから、これらの国の政権担当者は、政権を降りた後は大変な目にあいますよね?
それは「うまく行かない原因」を一手に引き受けされられるからです。「自分たちは被害者だ!」と思いたいダメダメ人間は、とにもかくにも加害者というレッテルを何かに貼りたがるわけ。民主的政体だと、自分自身にも責任を取らないといけないので、精神的にラクができない。だから、このようなダメダメな連中は無意識的に独裁政治を望んでいるわけです。

ダメダメというのは、経済的な問題というより、まずもって心が貧しいわけなんです。


▲△▽▼

特に IQ が低いアホはルサンチマンが強いので IQ が高い人間を憎んで糾弾したくなるんですね。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/657.html

[番外地7] 「支那 China」は中国の正式名称 中川隆
1. 中川隆[-12564] koaQ7Jey 2020年5月29日 15:18:34 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[12]
言語学では「シナ・チベット語族」の学術用語が、標準表記として使われている。また、地理においても「東シナ海」(East China Sea)・「南シナ海」(South China Sea)・「インドシナ半島」(Indochina)が使われている。
そして、「中国」という呼称は、「シナとその周辺の諸地域からなる多民族国家の呼称」であって、漢民族だけの固有の土地、言語等に冠することはできない、英語の「チャイナ」、フランス語の「シーヌ」、ドイツ語の「ヒーナ」、ラテン語の「シナエ」、ポルトガル語の「シナ」に対応する日本語の呼称は「支那(シナ)」であるという立場から、いわゆる中国語に対して「支那語」「シナ語」と呼称する研究者もいる。

日本の歴史学会では明治時代から、「支那」は東アジア地区の、黄河、長江流域を主たる国土を実効的に支配する部族、王朝や政権の変遷を超えた、通時的な地域名称、国号として使用された。

東京大学や京都大学に設けられた支那史専攻は、この地域国家の歴史を研究対象とする専攻である。日本の東洋史学界では、北アジアの遊牧民や、チベット、東トルキスタン、中央アジア、西アジアは「塞外」というカテゴリーに括られ、支那史とは別範疇に属していた。

http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/656.html#c1

[お知らせ・管理21] 2020年05月 困った時、意見、提案、相談などなんでも。管理人が24時間以内に必ず見るスレ 管理人さん
165. 中川隆[-12563] koaQ7Jey 2020年5月29日 15:23:26 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[14]
19世紀末まで、中国大陸は清朝(満洲族)の統治下にあり、明治の日本以来は中国を清国と称し、その国民を清国人と呼んだ。清朝末期に共和主義運動が広まるにつれ、中国人共和主義者たちの間で、清国、清国人という呼称は「満清の臣下」を意味するという理解の人たちから、清朝を共和制にかわる、未来建てる共和国の呼称についての模索が開始された。また中国では、世界の中に中国を客観的に位置づける場合に「支那」の呼称が主に仏教文献で広く使われてきた。

清の末期(19世紀末 - 1911年(明治44年))の中で、漢人共和主義革命家たちが、自分たちの樹立する共和国の国号や、自分たちの国家に対する王朝や政権の変遷を超えた通時的な呼称を模索した際に、自称の一つとして用いられた一時期がある。

王朝や政権の変遷を超えた、国号としても使用可能な固有名詞の呼称のひとつとして古来の「支那」という呼称を選び取り、満洲族による清朝支配体制からの脱却を目指す革命家などの手で一時期広く使用された。

中華民国建国の父とされる孫文は1902年(明治35年)に発行された宮崎滔天の『三十三年之夢』に寄せた言葉の中で「支那」の語を使用し[注釈 7]、1910年(明治43年)に「支那暗殺團」を設立し[12]、また中華民国成立後の1914年に、孫が首相の大隈重信に宛てた書簡の中では、支那29回、支那革命1回、支那国民2回、支那人1回、合計34回の「支那」表記を使用している[13]。また孫文(孫中山)の協力者であった日本人の梅屋庄吉が辛亥革命成功後に「支那共和国公認期成同盟会」を結成している。この時の額は広州にある孫中山記念館で保存されている。1902年には、日本に亡命していた中国人共和主義者たちが、上野精養軒で「支那亡国二百四十二年記念会」を企画した。

日本の東京に留学していた宋教仁も機関誌の題目を『二十世紀之支那』としていた[13]。

1911年の新国家の国号候補にもあがっている(最終的には「中華民国」が採用された)[14]。

http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/600.html#c165

[番外地7] 「支那 China」は中国の正式名称 中川隆
2. 中川隆[-12562] koaQ7Jey 2020年5月29日 15:24:46 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[15]
19世紀末まで、中国大陸は清朝(満洲族)の統治下にあり、明治の日本以来は中国を清国と称し、その国民を清国人と呼んだ。清朝末期に共和主義運動が広まるにつれ、中国人共和主義者たちの間で、清国、清国人という呼称は「満清の臣下」を意味するという理解の人たちから、清朝を共和制にかわる、未来建てる共和国の呼称についての模索が開始された。また中国では、世界の中に中国を客観的に位置づける場合に「支那」の呼称が主に仏教文献で広く使われてきた。
清の末期(19世紀末 - 1911年(明治44年))の中で、漢人共和主義革命家たちが、自分たちの樹立する共和国の国号や、自分たちの国家に対する王朝や政権の変遷を超えた通時的な呼称を模索した際に、自称の一つとして用いられた一時期がある。

王朝や政権の変遷を超えた、国号としても使用可能な固有名詞の呼称のひとつとして古来の「支那」という呼称を選び取り、満洲族による清朝支配体制からの脱却を目指す革命家などの手で一時期広く使用された。

中華民国建国の父とされる孫文は1902年(明治35年)に発行された宮崎滔天の『三十三年之夢』に寄せた言葉の中で「支那」の語を使用し[注釈 7]、1910年(明治43年)に「支那暗殺團」を設立し[12]、また中華民国成立後の1914年に、孫が首相の大隈重信に宛てた書簡の中では、支那29回、支那革命1回、支那国民2回、支那人1回、合計34回の「支那」表記を使用している[13]。

また孫文(孫中山)の協力者であった日本人の梅屋庄吉が辛亥革命成功後に「支那共和国公認期成同盟会」を結成している。この時の額は広州にある孫中山記念館で保存されている。1902年には、日本に亡命していた中国人共和主義者たちが、上野精養軒で「支那亡国二百四十二年記念会」を企画した。

日本の東京に留学していた宋教仁も機関誌の題目を『二十世紀之支那』としていた[13]。

1911年の新国家の国号候補にもあがっている(最終的には「中華民国」が採用された)[14]。
____

中国というのは中華民国の略語なので、それ以前には存在しない名前なんですね。

http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/656.html#c2

[近代史4] 凶暴なヴァイキング 戦闘で頼ったのは幻覚キノコではなく、幻覚茶

凶暴なヴァイキング 戦闘で頼ったのは幻覚キノコではなく、幻覚茶 2020年02月20日
https://jp.sputniknews.com/science/202002207132429/


9世紀、スカンディナヴィア半島を本拠地に欧州沿岸部を荒らしまわったヴァイキングは、戦闘中に幻覚作用のある植物をお茶にして飲んでいた。ヴァイキングが利用していたのは幻覚キノコと今まで考えられていたが、キノコではなくお茶との説が今回発表された。

この説を発表したリュブリャナ大学(スロベニア)の民族植物学者、カーステン・ファトゥール氏は、ヴァイキングの中でも非常に凶暴な戦士で知られていたバーサーカー(狂戦士)は、強力な幻覚作用を持つ植物のお茶を飲むと、痛みが感じなくなり、我を失い、トランス状態で戦っていたと考えている。

ファトゥール氏によると、バーサーカーは幻覚を引き起こす植物、ヒヨスをアルコール、お茶、軟膏に混ぜていた。

ヒヨスは痛みの感覚を和らげ、バーサーカーを非常に野性的で、攻撃的にさせたと推測されている。またファトゥール氏は、幻覚状態に陥ることで、不安を抱かずに無差別に敵を殺すことができたのかもしれないと説明している。

従来の説ではヴァイキングたちはベニテングタケを使用していたと考えられていたが、ファトゥール氏は、キノコによる幻覚効果は穏やかすぎるとして、これを支持していない。
https://jp.sputniknews.com/science/202002207132429/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/920.html

[お知らせ・管理21] 2020年05月 困った時、意見、提案、相談などなんでも。管理人が24時間以内に必ず見るスレ 管理人さん
177. 中川隆[-12561] koaQ7Jey 2020年5月29日 17:19:58 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[16]
支那人が嫌がる事をやるのが一番いい

在日中国人はスパイだから、嫌な思いをさせて日本から出て行かせる様にするのが一番いい

中国人とは共存できないんだ
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/600.html#c177

[近代史5] イギリスが貧しさから抜け出すために思いついたのが『海賊立国』になることだった 中川隆
1. 中川隆[-12563] koaQ7Jey 2020年5月29日 17:41:48 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[14]
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退 2020年5月25日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで基軸通貨の繁栄と衰退について語っている。前回はオランダ海洋帝国とその通貨ギルダーの崩壊が現在の状況に非常に似ていることを紹介した。

・世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

そして今度はオランダの次に覇権国家となった大英帝国の物語である。

大英帝国の始まり

話はイギリスが第4次英蘭戦争で以前の覇権国家オランダに勝利したところから始まる。ダリオ氏はこのように書いている。

イギリスがオランダに勝利した後、イギリスとその同盟国(オーストリア、プロイセン、ロシア)は引き続きナポレオン戦争でナポレオン率いるフランスと戦っていた。

そしてイギリスは勝った。オランダ海洋帝国に続いてナポレオンが敗北したことでイギリスの天下が確定したのである。

戦後にはよくあるように、戦勝国(主にイギリス、ロシア、オーストリア、プロイセン)は新たな世界秩序を作るために会議を行なった。これはウィーン会議と呼ばれている。

これが、イギリスが唯一の覇権国となり、イギリスの通貨ポンドが基軸通貨となる大英帝国の100年の始まりとなった。そして世界は繁栄した。

大英帝国の時代の始まりである。

ダリオ氏によれば、戦争の後には長期の平和の期間が続くことが多いという。ダリオ氏は次のように続けている。

これもよくあるように、戦争の時代の後には平和と繁栄の期間(この場合は100年間)が続いた。どの国も覇権国に挑戦したり、上手く機能している世界秩序を壊したりしようとはしなかった。

現代でもアメリカが世界中で戦争行為を行なっても被害者以外は誰も文句を言わない。しかしアメリカが弱ってきた場合、文句を言い始める国が出てくるだろう。ダリオ氏が懸念しているのはそういう戦争の時代なのかもしれない。

大英帝国繁栄の理由

大英帝国に話を戻そう。オランダの記事ではオランダが株式市場と優れた船舶を持っていたことが覇権に繋がったことが説明されていた。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

イギリスも最初はオランダの真似から入ったようである。ダリオ氏はこう説明している。

イギリスはグローバルな機会を逃さず非常に裕福で強力になるために、商業活動と軍事力を組み合わせた。例えばイギリス東インド会社はオランダ東インド会社に代わって世界経済でもっとも支配的な商社となり、イギリス東インド会社の軍隊はイギリス政府の常備軍の2倍の規模となった。

ダリオ氏はあっさり書いているが、西洋人以外の人種には何故商社に軍事力が必要なのかまったく分からないだろう。彼らは非常に愉快な人種である。

いずれにしても大英帝国はオランダのやり方をより強力に行うことによって繁栄していった。そして勿論、イギリスがそこまで強力になれたのは単にオランダの真似をしたからではない。

1760年頃、イギリスは製品を生産して豊かになり、生活水準を改善するためのまったく新しい方法を発明した。それは産業革命と呼ばれた。

イギリスで始まった産業革命については説明は不要だろう。機械を使って工場で大量生産をしたり、蒸気機関を使って大規模で効率的な輸送を実現したりしたわけである。「機械ができて仕事がなくなる」などと言われていたことは、「AIができて仕事がなくなる」と言われている今と似ているかもしれない。人は決して学ばないものである。

IT革命がアメリカで生まれたように、ある国が覇権国となるためにはそれなりの理由がある。オランダの場合には株式市場の発明と優れた船舶、イギリスの場合には産業革命だったということである。ダリオ氏はこう結んでいる。

つまり良い教育を受けた人々の集まるこの比較的小さい国は発明と資本主義と優れた船舶とグローバル化を助けるその他の技術、そして優れた軍隊によって大英帝国を作り上げ、その後100年を支配し続けたのである。

イギリスはオランダのやり方をまね、そこに独自の技術革新を付け加えることで覇権国となった。当然ながらロンドンはアムステルダムに変わる金融センターとなった。

それが大英帝国の黄金時代である。しかしオランダの時と同じように、その時代にも終わりは来る。

まず、イギリス発の産業革命に続いて起こったのが第2次産業革命だが、こちらはアメリカのトマス・エジソンに代表されるようにイギリスだけで起こったものではなかった。他国、特にアメリカの国力がイギリスに追いついてきたのである。また、この頃にはイギリスで発明された蒸気機関も多くの国で使われていた。イギリスがオランダを真似たように、イギリスも真似られたのである。

第1次および第2次世界大戦

そして最終的には大英帝国の覇権は2度の世界大戦で崩壊することとなった。イギリスはこの世界大戦を2度とも勝利しているが、戦費と被害が馬鹿にならなかったのである。

ダリオ氏が匂わせているところによると、元々植民地における軍事行動によって金儲けをしたイギリスが世界大戦では儲けられなくなっていたことと、「世界の警察」を自称していたアメリカが海外における軍事行動から手を引き始めていることがパラレルなのだろう。

またアメリカだけではなく、ドイツや日本などの国々もイギリスに追いつきつつあった。第1次世界大戦ではイギリスは勝利したものの、その後のパリ講和会議を主導したのはイギリスではなくアメリカだった。このあたりからイギリスは植民地を完全に押さえつける力を失いつつあり、国力では既にアメリカの後塵を拝していたが、ポンドは基軸通貨として使われたままだった。オランダのケースと同じように、基軸通貨の衰退は国家そのものの衰退よりも遅れるのである。

そして第2次世界大戦を経てアメリカの覇権が公的にも確立されたものとなる。1945年に発効したブレトン・ウッズ協定ではドルを基軸通貨とした固定相場制が採択され、ポンドに代わって公式に世界の基軸通貨となったドルはゴールドとの兌換を維持することとなった。この金本位制はダリオ氏自身も経験したニクソンショックによって1971年に崩壊するのだが、それはまた別の話である。

・レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る


結論

これがアメリカが覇権国となる前に栄えた大英帝国の繁栄と衰退である。ダリオ氏は言及していなかったが、個人的な感想では世界がグローバル化したことによって世界的に均一な教育が施されるようになった結果、徐々に人口の多い国が優勢になっていったようにも思える。皆が同じような教育を受けているならば、数が多い方が勝つということである。

また、オランダの通貨ギルダーの時と同じように、ポンドの衰退はイギリスの衰退よりも遅れ、第二次世界大戦の後もポンドはある程度使われ続けたのだが、グローバル化した世界における基軸通貨の崩壊はギルダーの時のようにシンプルな取り付け騒ぎとは行かず、もっと複雑で深刻な結果を残すこととなるのである。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

オランダ海洋帝国の時と同じように、ダリオ氏の記事のポンドにフォーカスした部分については新しい記事で紹介することとしたい。しかし恐ろしいのは、ポンドの時でさえ世界中の人がポンドを持っていたためにその崩壊が世界的な混乱を生んだとすれば、ドルの時にはどうなってしまうのだろうか。ドルを持っていることがなかなか恐ろしくなる記事である。

・世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/126.html#c1

[番外地7] 伝説の名演奏家 _ 指揮者
伝説の名演奏家 _ 指揮者 ( No.16 )
日時: 2020/04/06 10:23
名前: 777 ID:w1gLHe5A


巨匠神話 だれがカラヤンを帝王にしたのか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/645.html

隠された履歴:第三帝国のカール・ベーム
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/641.html

ナチス時代のフルトヴェングラーは一体何を考えていたのか?
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/639.html

ユダヤ人は性格が悪い _ 大指揮者ブルーノ・ワルターの場合
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/640.html

トスカニーニ(1867年3月25日 - 1957年1月16日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/686.html


 

伝説の名演奏家 _ 指揮者 2 ( No.17 )
日時: 2020/04/06 10:30
名前: 777 ID:w1gLHe5A


クレンペラー(1885年5月14日 - 1973年7月6日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/691.html

シューリヒト(1880年7月3日 - 1967年1月7日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/690.html

ハンス・クナッパーツブッシュ研究
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/644.html

ストコフスキー(1882年4月18日 - 1977年9月13日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/694.html

メンゲルベルク(1871年3月28日 - 1951年3月22日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/687.html


伝説の名演奏家 _ 指揮者 3 ( No.18 )
日時: 2020/04/06 10:37
名前: 777 ID:w1gLHe5A


シャルル・ミュンシュ(1891年9月26日 - 1968年11月6日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/697.html

ピエール・モントゥー(1875年4月4日 - 1964年7月1日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/693.html

アンゲルブレシュト(1880年9月17日 - 1965年2月14日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/695.html

クレメンス・クラウス(1893年3月31日 - 1954年5月16日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/692.html

アドルフ・ブッシュ ブッシュ室内管弦楽団
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/679.html


伝説の名演奏家 _ 指揮者 4 ( No.19 )
日時: 2020/04/06 10:45
名前: 777 ID:w1gLHe5A


ワインガルトナー(1863年6月2日 - 1942年5月7日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/685.html

エフゲニー・ムラヴィンスキー 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/176.html

アンセルメ(1883年11月11日 - 1969年2月20日)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/696.html

デュトワ 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/192.html

ヴァレリー・ゲルギエフ 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/195.html

伝説の名演奏家 _ 指揮者 5 ( No.20 )
日時: 2020/04/06 10:51
名前: 777 ID:w1gLHe5A


カール・リヒター 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/178.html

カール・ミュンヒンガー 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/179.html

カルロス・クライバー 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/234.html

レナード・バーンスタイン 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/199.html

パーヴォ・ベルグルンド 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/221.html

伝説の名演奏家 _ 指揮者 6 ( No.21 )
日時: 2020/04/06 10:59
名前: 777 ID:w1gLHe5A


ルネ・ヤーコプス 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/182.html

ジョン・エリオット・ガーディナー 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/181.html

トン・コープマン 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/239.html

ミシェル・コルボ 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/238.html

ジャン=フランソワ・パイヤール 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/226.html

伝説の演奏家 _ ピアニスト 1 ( No.22 )
日時: 2020/04/06 11:10
名前: 777 ID:w1gLHe5A


19世紀のピアノの音色は今より美しかった、ピアノは大きな音が出せればいいという物じゃない
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/683.html

アルフレッド・コルトー 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/183.html

ベーゼンドルファーを弾くバックハウス
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/706.html

ニューヨーク・スタインウェイを弾くホロヴィッツ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/705.html

ニューヨーク・スタインウェイを弾くホロヴィッツ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/705.html

伝説の名演奏家 _ ピアニスト 2 ( No.23 )
日時: 2020/04/14 15:13
名前: 777 ID:CpYS37gE


ベーゼンドルファーを弾くスヴャトスラフ・リヒテル
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/774.html

グレン・グールド 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/186.html

アナトリー・ヴェデルニコフ 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/222.html

アンダ・ゲーザ 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/152.html

マルタ・アルゲリッチ 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/185.html


伝説の名演奏家 _ ピアニスト 3 ( No.24 )
日時: 2020/04/06 11:21
名前: 777 ID:w1gLHe5A


ミケランジェリ 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/244.html

エリック・ハイドシェック 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/154.html

内田光子 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/153.html

エレーヌ・グリモー 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/150.html

オッリ・ムストネン 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/149.html

クラシック音楽 演奏家別 (指揮者、ピアニスト、オルガニスト) ( No.25 )
日時: 2020/04/29 10:30
名前: 777 ID:p5uh1gGA

伝説の名演奏家 _ オルガン、チェンバロ


ヘルムート・ヴァルヒャ 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/180.html

カール・リヒター(オルガン・チェンバロ) 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/237.html

グスタフ・レオンハルト 名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/235.html


http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/658.html

[番外地7] 最高の音を一番安く手に入れる方法
最高の音を一番安く手に入れる方法 ( No.7 )
日時: 2020/05/05 09:59
名前: 777 ID:UqrgCM4E


最高の音を一番安く手に入れる方法
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/510.html

中国 Topping 社の超格安・超高音質 DAC
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/489.html

アンティーク・オーディオ取扱い店
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/122.html

▲△▽▼

『PRO CABLE』

 こちらは数年前、ネットを賑わせたサイトですね。オーディオ機材の販売店です。

何と申しましょうか、表現の仕方が煽情的で、かつ独善的。名前通り、プロ用が一番、それ以外は粗悪品という言い方がピュアオーディオファンの気持ちを逆なでにし、非常な怒りを買っておりますね。事象の解釈が独りよがりで、お客様の声も自身のサイトを絶賛する物だけを掲載していますので(当り前ではありますが)、読んでいて辛いものがあります。

 ところが書かれている内容の7〜8割は本当に当っていて、今まで全く気付かなかった事を色々教えてくれた、私にとっては出会えてホントに良かったという貴重なサイトであります。

目から鱗という話が満載ですので、一度は目を通して見る事をお勧めします。

『PRO CABLE』で、「音の焦点」として語られている事
https://procable.jp/setting/28.html

で、今まで誰からも聴いた事がない事でした。

しかし、私はスピーカーの自作をし始めた段階で、ダンピングファクターと周波数特性の変化については知っており、上のグラフも当時から見ていた物ですので、『ナ〜ルほど〜』と、まさしく目から鱗状態で、さっそく試してみたのです。

 よく言われる、「スピーカーケーブルは太い物をアンプと最短に繋ぐのが良い」という事が全くの間違いだという事をお分かり頂けるでしょうか。

これは真空管アンプ時代に、悪いダンピングファクターをさらに悪化させない為に言われていた事で、こんな言葉は過去の遺物でしかありません。

しかし、同じくCで紹介しました、科学的に考察しているサイト『オーディオの科学』でもこのように書かれているんですよねぇ〜。

 今のダンピングファクターの非常に大きいアンプに太いケーブルを短い距離でつないだ場合、過制動を起こし、躍動感のない、暗く沈んだつまらない音しか出てこないでしょう。

大多数のオーディオファンは、こういう場合、原因を機材に求めてしまいます。
アンプを変え、スピーカーを変え、そして、更に太く、有名で高額なスピーカーケーブルを購入するのでしょう。

全ては無知のなせる技。

オーディオ雑誌やオーディオ評論家の言う事、書く事を鵜呑みにしてはいけません。

彼らは無知なのか? あるいはお金の為に真実を語らないのか?

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プロケーブル社について詳細は

プロケーブル社長はパラノイアのカルト教祖なのか?
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/490.html

一番音が良いスピーカーは QUAD ESL57 ( No.8 )
日時: 2020/05/05 07:55
名前: 777 ID:UqrgCM4E

一番音が良いスピーカーは QUAD ESL57


Q: 最高に音の良いスピーカー教えて下さい。 2012/2/15 rollingcyukunさん

最高に音の良いスピーカー教えて下さい。
音の良し悪しは個人差があると思いますがあなた様が良いと思うスピーカーを教えて下さい

A: papageno_eulenspiegelさん

クラシックを聴く場合に限定すれば、QUADのコンデンサー型を超えるものはまだ存在しないと思っています。
数ミクロンという極薄の振動膜に数千ボルトの高電圧をかけたうえ、それを挟む形の電極板に+と―の音楽信号を与えて振動膜を震わせ音を発生させる仕組みで、一般的な、ラッパを箱に取り付ける形式と違って、音楽信号に固有音の色付けがされる要素を極限まで排除したスピーカーです。

拙宅では現在、旧いタンノイのGRF(モニターゴールド)、最近導入したハーベスのHL-P3ESRを含めて3種類をおいていますが、結局、ほとんどQUADのESL57しか使わなくなってしまいました。
ESL57は1957年頃に発売され、’80年代半ばごろに生産終了となったいわば骨董品ですが、世界中に根強いファンがいて、リストアして使い続けている人たちが大勢います。

ドイツの QUAD代理店では、振動膜を枠に張る機械を英国のQUADから買取って、「新品」を供給しているので(金属製のグリルだけは中古品を塗りなおしたものですが)、ドイツに住んでいたころにわざわざコブレンツに近いQUAD代理店まで行って買ってきました。外観のデザインも大変気が利いていますので、グリルをくすんだ緑色に塗装してもらった我が家のセットは私の最も愛するオーディオ・コンポーネントです。

ドイツQUADでは、ESL57 の改良型である ESL63 の新品も、さらに現在も QUAD本社が量産している ESL2805/2905 も販売していましたが、じっくり聴き比べたところ、音そのものの魅力ではやはり原点である ESL57を超えられていないと思います。改良型では音像の定位や空間表現を改善する措置が加えられているのですが、やはりそのために音質への影響が避けられなかったのでしょう。
QUAD のコンデンサー・スピーカーの唯一の問題点は、その発音方式に必然的に起因する低音の不足と言われてきました(私自身は、主に聴く音楽の種類からあまりそう感じていませんでしたが)。ところがドイツ QUAD では最近、ESL63、ESL57 向けにそれぞれ専用のサブウーファーを独自に開発したとのこと。従来は、既存のサブウーファーをQUADのコンデンサー・スピーカーとうまくマッチさせる事は不可能と言われてきましたが、このESL57専用サブウーファーをドイツに注文してみようかと、近頃悩ましい日々を送っております(きっと近々注文しちゃうんだろうなァ〜〜)。

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新品 QUAD クォード静電(コンデンサ)型スピーカー
http://www.soundbox.co.jp/QUAD/japanese_1.htm

ESL63およびESL63Proの修理・サービス
https://soundbox.co.jp/quad63repair.html


ドイツQUAD Musikviedergab GmbH 社QUAD ESL57 復刻新品(受注生産品)
* QUAD ESL57QA ¥1,300,000 ペア(税別)
2 つの違ったスタイル、前面メタル・グリル色は3色から選択してください。
https://www.soundbox.co.jp/QUAD_ESL57QA_Cata_a.pdf

ドイツQUAD Musikviedergab GmbH 社QUAD ESL63 復刻新品(受注生産品)
* QUAD ESL63QA ¥1,600,000 ペア(税別)
フレーム木の材質、色を指定してください
https://www.soundbox.co.jp/QUAD_ESL63QA_Cata_a.pdf

詳細は

伝説の静電型スピーカー QUAD ESL57・ESL63
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/682.html

二番目に音が良いスピーカーは LOWTHER ( No.9 )
日時: 2020/05/05 16:24
名前: 777 ID:UqrgCM4E

二番目に音が良いスピーカーは LOWTHER

Lowther ユートピア輸入製品一覧 
http://www.utopianet.co.jp/product/import.html

チューブオーディオラボ スピーカーコーナー No.5 ☆2013/12/27
今回ご紹介するスピーカーは 《LOWTHER_》
歌姫・・・ローサーから2タイプご紹介いたします
http://shinkuukan2.web.fc2.com/Speaker/05/Speaker05.html

LOWTHERの商品一覧 - 中古オーディオ 高価買取・販売 ハイファイ堂
http://www.hifido.co.jp/sold/?KW=LOWTHER&G=2&LNG=J&OD=0&L=50

Lowther Audio Vector 解説
http://www.hi-ho.ne.jp/ita2-yas/Audio_Vector/AV_kaisetu.html


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歌姫 Lowther の思い出

フルレンジユニットは、随分とたくさんのスピーカーを使用したが、WE755Aを使用する前のフルレンジの主役の座には、この Lowther があった。このスピーカーは、WE755A同様スピーカー作りの要諦を見事に押さえてあり、非常に良く造られている。しかしその最大の特徴は独特のデュアル・コーンにある。
ボーカルやバイオリンのソースなどで、驚くほどに美しい音色を創出する。他のどのような装置でいくら聴いても、このような音が入っているはずがないという音を奏でる。この美しさは、魔性めいている。ひとたびその魅力にとりつかるれば、その虜になってしまう。このスピーカーは十年近くフルレンジ部門のメイン・スピーカーとして使用したが、歌姫という言葉がふさわしいと思うのは私だけであろうか?

WE755A との鳴き合わせ
 
  Lowtherの持つ魅力に比肩できるフルレンジは、私の所蔵ではWE755Aしかない。あきらかにLawtherは、実際のソースにはない音を精妙に付加している。しかしその音は、魔法的な美しさがある。原音では存在したかも知れないが再生の過程あるいは録音の過程で失われた輝きを精妙に付加しているという感がある。
WE755A は、これに対して、あるがままの音を忠実に繊細に引き出し、媚びずに明るく歌い上げる。ウエスタンのサウンド・ポリシーは貫かれているが、過度の色づけは断固として廃している。両者に共通する点は、低音を出すのが苦手であるというところか。
 
  手許におきたいスピーカーではあったが、倉庫や部屋の都合上、残念ながらこの歌姫は嫁入りとなった。爾来フルレンジの主役の座には、WE755Aが鎮座する。WE755Aはやはり品格が一枚上と思うのは私だけであろうか。されどこの歌姫には、今でも初恋の人のようないとおしさがあり、忘れ得ない思いがある。


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1930年代に企画され、1950年来より継続生産されている唯一のスピーカーユニットでマグネットの磁束密度が強力でダイヤフラム挿入溝のクリアランスが細いため3ウェイスピーカ以上に低、中、高音をリアルに再生します。

コーンペーパは長年の研究により音色の変化のない特殊コーン紙で中音の密度を最高に再生します。又、デザインもバックロード仕様として開発され、コーン紙後部の音圧抵抗を最小限に留めるためマグネットと口径フレームを細い2本棧で接続設計されています。

Lowther PM6A

英国が誇る銘スピーカ。ぬけの良さ、まるで死人に魂を吹き込んだような生々しい高域の艶が魅力。低音とのバランスをとった再生が難しい。
伊藤喜多男氏が自書で801Aアンプを評して、”別れた恋人のように美点だけしか残らないのは結構なことである”、書いているのを読むとき、Lowtherのことを思い出す。


詳細は

魔性の歌姫 Lowther
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/685.html

三番目に音が良いスピーカーは EJ jordan 15cm フルレンジ Eikona2 ( No.10 )
日時: 2020/05/05 08:38
名前: 777 ID:UqrgCM4E


三番目に音が良いスピーカーは EJ jordan 15cm フルレンジ Eikona2


EJ jordan 15cmフルレンジ Eikona2
https://dp00000116.shop-pro.jp/?pid=139506155

こちらの商品はペア梱包になりますので2個単位でのご注文になります
有名なJordan JX92Sなどの成功を基に、優れた性能を発揮する世界クラスのスピーカーユニット。
英国の伝説的なスピーカー設計者のTed Jordanにより設計され、デンマークのScan-Speak A/Sが英国で作られた主要部品を基にデンマークで製造しています。


【15cmメタルコーンフルレンジ】
ー特徴ー
・バランスが良く洗練されたパフォーマンスパラメーター
・小型エンクロージャーでの広帯域再生
・ツイーターやクロスオーバーのいらない設計
・自然な高域再生
・優れた低域
・信頼できる高品質な部品と製造

インピーダンス:8Ω
出力音圧レベル:85.2dB
入力:50W/100W
重量:1.035kg

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mixiユーザー(id:5343821)の日記
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary


Eikona2で聴くシベリウス

2019年は、思い立って、手持ちの無駄にゴージャスなスピーカーキャビネット2つを使って、フォステクスを超えていろんなユニットに挑戦した年だった。

イクリプスのサブウーファーと、クラッセのデジタル多機能プリ(簡易チャンデバ)、測定器のおかげで、いろいろ音作りができた。
このたび、ほぼ結論といえるシステムに絞ってこられたが、そうするとまた、新しいシステムを夢想してしまうのが欲張りな人間の性である。

とはいえ、キャビネットの処分は難しいので、手持ちのまだ処分できていないユニットを再度登場させたりする。
Eikona2、ジョーダンのメタルユニット直系で、イギリス発案ScanSpeak製の実に凝ったもの。
ペアで8〜9万もする。手持ちでは最高価格で、もともとは昨年の挑戦の本命だった。
これは、今回落ち着いて鳴らすと、さすがというパフォーマンスであった。

うちの使用法では、やや小さめで能率も低いので、他ユニットより不利なところがある。

ルックスもカッコイイが、遠目からだとシンプルなE100HDmk2が映える。もう少しアットホームに使う人向けのユニットだ。
最初使ったときの違和感は、ツィーターとリアスピーカーの能率が高すぎてバランスしていなかったのだろうと感じた。
絶賛ヤフオク中なので、誰か生かしていただけたら。

ところで、このユニットを使っていて、不思議なことがあった。

コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団、シベリウスのハイレゾ。
こういうと、わかる人にはわかる、ある種の「本場もの」「専門家」の期待がある。
しかし、これがどうも、良い音で鳴らないのである。

ロンドン響自体が、ショルティ・アバド・ラトルと、最強の指揮者たちとたくさんレコーディングしている名門なのだが、よさはわかりにくい。
しかし、Eikona2でだけは、「ああなるほど」という感じで鳴ったのだ。
AUDAXでは、カスだと思っていたカラヤンとフィルハーモニア管のベートーヴェンがうまく鳴った。
これに近い体験で、不思議である。

冬になって毎日朝はシベリウスばかり聴いているのだけど、E100HDmk2もスウェーデンなので適性があるはずなのだが、Eikona2のブリティッシュなシベリウスはなんとも印象的であった。

表現が難しいが、楷書の良さ、格調の高い、硬質な鉛筆でしっかり描き上げたような表現というか。
いろいろなユニットを使っていると、「この音楽のときだけはこのユニットで」みたいなことはある。
実際はそんなことは難しいのだが、ユニットを並べているYoshiさんの気持ちが少しわかる。


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Eikona2の逆襲(1)mixiユーザー(id5343821)の日記

FE103Aはエージング中だが、その前に、この一年のスピーカーユニット遍歴をまとめておきたい。
昨年の3月ごろから、大量のユニットと工具を購入して、いろいろやってみた。
これは大変よかった。いろんなことがわかった。

逆に言えば、最初の想定はどれも外れた。

最初の想定では、そもそも、

・スワンキャビ(バックロードホーン) 10センチユニット
・ネッシーキャビ(共鳴管) 13センチだが真鍮リングで10センチ装着可

このうち、スワンがゴールでネッシーはサラウンドと思っていた。
しかし、それ用にEMSのLB5を2ペア買ったものの、あっさり無駄になった。
スワンは確かに音場感などに優位性はあるが、私の環境は奥行きが取りにくいのでイマイチなのと、測定値だとネッシーが優秀なのに対し
、スワンは800Hzの落ち込みと右チャンネル160Hzに盛り上がりが出て、1.25キロから3キロあたりが盛り上がる特性になりやすい。
広い部屋ならスワンが面白いだろうが、こちらでローカットしてサブウーファーと組合わす分には、ネッシーを後面開放箱のように使うのが無難だった。
あとは、スーパーツィーターT90A-EXはなかなかよいのだが、10センチフルレンジだと高音が喧嘩するのに対し、13センチぐらいだとナチュラルに最高域が落ち込むので、つながりが良い。

・AUDAX
・EMS LB5
・EMS LB6
・EJ/JORDAN Eikona2
・EAD E100HDmk2

このあたりの比較になる。LB5以外はフォスでいう13センチ。

AUDAXは、古典的な高能率ユニットで、高域も低域も出ない。中音がしっかりしていて、今回の用途にはとてもよい。サブウーファーとスーパーツィーターは前提だからだ。
1940〜60年代クラシックがそれらしく鳴るのでは随一。セールで買って近い値で処分できたが、これだけキャラがハッキリしているなら、LB6処分でAUDAXのみ残すほうが良かった。

EMSは、セルロース振動板で、もとは励磁型の超高額ユニットを扱っている。スペックは過激なQ0の小ささでフォスそっくりなのだが、キャラはフランス的というか優雅だ。

上品で、AUDAXほど古すぎる音でもなく、もうこれで結論でよいかと思えた。高能率だから真空管に向く。
EADは、有名なジョーダンのJX92のライセンスを買い取っている?スウェーデンのメーカー。
最初はメタルコーンのクセをどのソフトでも感じて、これが結論にはならないだろうと思って一時ヤフオクにも出していた。しかし、なんだかんだ飽きたりして、交換を繰り返すうちに、いつも最後に鳴っているのはこいつなのだった。
いまではメタルコーンのクセというのもあまり感じず、LB6の少しモワっと雰囲気を出してくる感じと比較してニュートラルとも思う。輸入代理店によると、PPとのサンドイッチコーンだという。

日本では知られていないが、これは素晴らしいユニットだ。ScanSpeakの製造でもあるし。現代ハイエンドの品位がある。後述のEikona2と、コーンの工夫以外は同じ造りか、銅メッキがマグネット部にある分上回っているが、買値は私は5万以内で買えた。
能率86デシベル程度とあるが、Eikona2の85.2表示より3デシベル以上高く、92.1表示のLB6よりそんなに低くない。真空管でも大丈夫だ。

この中で、もっとも高価、いまは9万近くで売っていて、そもそもこの遍歴のきっかけになったのがEikona2の限定輸入販売をみたことだ。

だから、13センチ組ではこいつが本命だった。(画像)
が、装着して鳴らして、翌日には外して転売に出していた。

その後何度か再試して、よさもあるかなというとこだったが、新品同様での処分にはこだわっていた。が、57500円まで下げても、1年近く売れない( ´∀` )
もう新品同様もくそもないなと思って、ある程度結論となっていたE100HDmk2を外し、5分ぐらいで交換。遊びであったが、まさかの逆襲が・・・(続く)


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Eikona2の逆襲(2)mixiユーザー(id5343821)の日記

Eikona2は、Jordan氏直系の会社の扱いだが、ここはこの一つのユニットのみで経営している。

フルレンジの口径の理想が何かという議論があって、BOSEは11.5センチ、フォスは一時(笑)13センチと言っていた(FE138ESR発売時)。

Eikona2は、フォスでいう10センチと13センチの中間よりは13センチよりの、12センチぐらいの振動板で、エッジが大きい。
聴く距離とか、低音重視とか高音重視とかで変わると思うが、フルレンジの基本はこのあたりだろう。
ツィーターを拒否するなら10センチがよく、ツィータープラス前提なら13センチのほうがスケールに余裕が出ると思う。
Eikona2だが、最初は音色は抜群で、ムターの四季など素晴らしかったが、近づいて聞くと音像とか音場が異様な感じ。
懲りに凝った構成のせいではないかと感じた。振動板もなぜか10.7gもある。何かの間違いではと思うほど。
ルックスは、普通の振動板のデザインであるEADのほうが、スッキリして、うちのキャビネットや部屋には合っている。
・・・と思ったのだが、Eikona2の能率が、思ったより低いことと、単体で鳴らすと思ったよりツィーターやウーファー、サラウンドが大きく鳴っていることに着目し、最後に、Eikona2以外の要素を下げてみた。

ツィーターのコンデンサーは0.33から0.1にする。イコライザーでも下げられるが、コンデンサーから小さくする。
サブウーファーはだいぶ下げたので10目盛りのうちついに1台に突入。リアは、トマンのパワーアンプでボリューム付きなので、目立たない程度に落とす。

これで、真空管でドライブしたEikona2は、日ごとによい感じで、やはりヴァイオリンの音色が素晴らしく、ムターの四季は合う。
オーケストラの音色表現が、全体に素晴らしい。

ルックスも、もともと細部がかなりおしゃれなデザインで、見慣れると悪くない。

EADのほうがルックスは好きだが、オーケストラの音色表現だとEikona2では。
EADのほうが能率が高いので、真空管のQUAD2で鳴らすには伸び伸びして有利だ。
ハイパワーアンプ所有者でルックスが気にならなければEikona2の勝ちではないか。

辰吉が薬師寺に敗れたコメントではないが、「強かったよ。いろいろ言って悪かった。詫びを入れたい」という感じだ。
なにせEADとかEikona2とかになると、日本で使っているのは1桁かもしれない( ´∀` )
私などのコメントが、ネット検索すると出てきたり、輸入代理店みたいなとこにも引用されたりしている。日本代表の見解だ。これは失礼だと思う。

オーディオでは、使いこなせず悪口を言うなんて日常茶飯事だ。すべてにおいてそういうことはあるものだが、反省しきりである。
Eikona2は、能率と振動板の重さ(たぶん、ダンプ材が駆使されてるのでその重さ)が問題なので、逆に、置いておいて夏用に中華デジアンを買ってドライブしてもおもしろそう。Toppingの2万のものは気に入った。
FE103Aは、この絶頂時に交代なので、たいへんに不利だ。

写真は、真鍮リングにつけたもの。

真鍮リングは、ペーパーで磨いたがかえってくすんでしまうなど。油で磨くと鏡面ぽくなると気づいたのが、装着後だ。プロは凄いなといつも思う。

振動板中央に黒い点があって、シールでも貼ってあるのかと思うが、角度によって内部のボイスコイルが透けて見えているようだ。こんなのは初めてだ。異形のスピーカーユニットである。

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FE103アニヴァーサリー(4) mixiユーザー(id5343821)の日記 2020年05月03日14:12


写真は、サブウーファーをつけて、ツィーターのコンデンサーを0.15μにして、まあいいかなと思った時点でのもの。低音の特性は単体時より悪い。

これは、最近は欅坂の東京ドームBD大音量を基準にしているので、低音・超低音が多いと部屋が破綻してしまうのだ。綺麗な測定値を求めるあまりの無理をしないことにしている。

Eikona2に学んだのが、やはり中音とサラウンド以外の部分が大事だ。
スワンと108solは、音はよい感じだったが、特性はよくなかった。800Hzが落ち込んで、1キロから3キロあたりにピークがある。この展開はうるさくなりがち。

キャビもユニットも、ヘッドが独立しているよさはないけど、今回のほうが無難。
音はどうか。

おもしろいのは、ユニットごとに、おはこのソフトがあるようなこと。

AUDAXではカラヤンとフィルハーモニア管のモノラルベートーヴェン。古色蒼然だがフレッシュ。LP時代の佐野元春もよかった。
Eikona2はムターの四季。艶やかなヴァイオリンと濃い音色。あとデイヴィスのシベリウスのイギリス調。
E100HDmk2では、ヤンセンのブリテン・ヴァイオリンコンチェルト。現代ハイエンドの豊かさ。
LB6は、1970年代録音ぐらいのフィーリングがある。

103Aは、直感的にかけたのはショルティとシカゴ響のベートーヴェン交響曲1・2番。
これはデジタル再録のほうだが、隠れた名盤で、重々しいベートーヴェン像から、小編成オリジナル楽器・奏法で軽く速く演奏する時代への先駆けという感じ。

シカゴ響の明るい輝かしい響きで、スリリングに駆け抜けていく。
これは音色含め非常にキャラが合っていて、音の刻みの連続にワクワクする。
この流れで、似たアプローチのラトルとベルリンフィルの最近のベートーヴェンだが、やはり素晴らしい。エロイカの革命的な躍動が伝わる。

スケールは13センチに劣るが、音場感自体はむしろ広々とする印象もある。

中低音の実体感みたいなものは落ちる。重みと厚みのある振動板からの直接的な低音だろう。

音色は最初無機質というかのっぺらぼうのツルツルな明るさがあり、ポチの夢さん宅でも気になり、デジアンと相性悪い感じもした。コーティング剤とか何かのクセかもしれないが、エージングで落ちそうな部分ではある。
大音響では、ホワホワした芯のない感じもある。メタルコーンを聴き慣れたからもあるだろう。Eikona2の濃いヨーロピアンな音色は失われた。

このあたりは予想もしていたのだ。Eikona2の最近のバランスは絶妙だった。まだ飽きてもいないし、とても勝てるとは思えない。1か月我慢して使って退場の覚悟はできていた。
ただ、そこまで悪くもないのは、スーパーツィーターやサブウーファーに助けてもらったり、音色面はQUAD2の真空管のサポートがある。アルニコユニットの、私のイメージするビクタートーンみたいなのはあまりないけど、アルニコ以外よりは気品がある気もする。
FEの絶叫感がほぼ気にならないのは、上記の特性のおかげもあるし、超低音はほぼカットされてコーンが目に見えて振幅しないのもある。

詳細は


BGM用にしか使えなかった高額なジョーダンワッツのスピーカー _ 天才 E.J.Jodan は結局何がやりたかったのか
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/859.html

天才 E.J.JORDAN のメタルコーン ユニットを引き継いだスウェーデン EAD社のドライバー
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1000.html

お薦めの真空管アンプメーカー _ ペンションすももの木 「カトレア」の交流点火の真空管アンプ ( No.11 )
日時: 2020/05/05 09:01
名前: 777 ID:UqrgCM4E


お薦めの真空管アンプメーカー _ ペンションすももの木 「カトレア」の交流点火の真空管アンプ


真空管アンプ「カトレア」
http://www.cattlea.jp/

〒401-0501 山梨県南都留郡山中湖村山中990-6
電話 0555-62-3411


▲△▽▼


かけがえのない「音の記憶遺産」 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2016年07月09日


東海地方にお住いのメル友「I」さんから、このほど「ペンションすももの木の音は素晴らしかった!」というメールが届いた。


拝読させていただくと、明らかにじぶんのオーディオ記事よりもずっと上質だし、システム自体の新鮮さもあるのでご同意をいただいたうえで広くオープンにさせていただくことにした。

ちなみに「ペンションすももの木」といえば山梨県の山中湖畔にあって老舗の真空管アンプ工房としてもつとに有名。

    

「ペンションすももの木」に行ってきました。お客さんの少なそうな曜日を狙って行ったため、私達の他は家族4人連れの一組だけでしたので、チェックイン後に音を聴かせていただくことができました。

装置の写真がうまく映っていませんが、部屋は24畳のダイニングルームです。

アルテックのヴォイスオブシアターより少し大きな小池さん設計のフロントロードホーンに、

ドイツ製でオイロダインの元になったという励磁型の40pウーファー、
ドライバーはヴァイタボックスのS−3、
これにヴァイタボックスのホーン(クロス450HZ)
ツイーターは、なんとヤマハのJA0506・・・当方の愛好品(クロス4000HZ・・記憶が曖昧です)以上LCネットワークです。


アンプは300Bの交流点火(よくわからないのですが、全国で小池さんのアンプだけだそうです)。

初めにジャズで、カインド・オブ・ブルーとアートペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクションを掛けていただきました。とにかく、シームレスのスムースさです。特上の大型フルレンジを聴いているようです。


Fレンジも、拙宅のを比較に持ち出すのもおこがましいのですが、当家のシステムが、低域が100HZくらいからダラ下がりの限界が60HZくらいとすると、すももの木システムは、50HZまでフラットという感じです。


音色ももちろん素晴らしく、キャノンボール、ペッパーのアルトがなまめかしく響きます。リズムセクションも文句なし! 


クラシックに移り、モーツアルトのヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲(五嶋みどり盤)、弦楽五重奏曲(スーク+スメタナ四重奏団)がほんとにいい音で再生されます。音場もナチュラルで心地いい。


次の展開が驚きでした。ムターの弾くツゴイネルワイゼンの時に、小池さんが「アンプを換えますね」といった後のヴァイオリンの音が絶品でした。


きめが細かく、柔らかく、澄んでいて、伸びやかで、音像の定位もきまっている!! こんなヴァイオリンは初めて聴きました。B&Wの802Dなら出るのかも・・・。


換えたアンプはKRのPX25、交流点火。

アンプによる変化にはびっくりしました。ブログで拝見している、〇〇様が楽しんでいる中身が、少し覗けたような気がしました。

300Bも素晴らしいと思って聴いていましたが、このPX25のヴァイオリンには思わず拍手でした。


小池さんのお話では、LCネットワークのSPシステムを練り上げて、ジャズには300B、クラシックにはPX25、それと大編成用に大型真空管のアンプと、計三種類のアンプで音楽をカバーするのが楽しいとのことでした。


夕食後、一杯やりながらオーディオの話をしましょうと誘っていただき、ゴロゴロしているドライバーやフルレンジユニットをいろいろ見せていただきました。これも楽しかったです。


今回はいい音が聴けて、本当に良かったです。あの音に、ヤマハのJA0506が一枚かんでいるとは愉快でした。」


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詳細は


真空管アンプ「カトレア」 _ 交流点火の 300B ・ PP5-400 コンパチブル モノラルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/113.html  

英国の気品 PX4 シングルアンプ 
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/443.html

一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html
 

お薦めの真空管アンプメーカー _ チューブ オーディオラボ のマイナー出力管を使った格安真空管アンプ ( No.12 )
日時: 2020/05/05 16:36
名前: 777 ID:UqrgCM4E

お薦めの真空管アンプメーカー _ チューブ オーディオラボ のマイナー出力管を使った格安真空管アンプ


チューブ・オーディオ・ラボ
http://shinkuukan2.web.fc2.com/index.html


チューブオーディオラボ  
〒949-6680   新潟県 南魚沼市 六日町1857-3 
TEL/FAX 025-775-7383


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「音楽&オーディオ」の小部屋 2019年05月21日

チューブ・オーディオ・ラボさんが新しいアンプを作られたそうですよ。出力管は6AR6です。

〇〇さんにはなじみの薄い球でしょうが、3極管接続にすると「PP3/250=PX4」そっくりの特性になります。あなたが大好きなブリティッシュサウンドに変身しますよ。」

「ほう、それはぜひ試聴してみたいですね!」「それなら連絡をとってみましょう」

そして、すぐに博士から出力管「6AR6」についてメールが届いた。

「6AR6は1945年にベル研究所(WE)によってWE350Bの後継管として開発されたようです。 当時WE350Bはその信頼性の高さからレーダーの掃引用として使われていました。

しかしWE350Bは大型のため機器の小型化には問題が有りバルブを小型化した特殊なWE350B互換球を使用していたようです。
そこでレーダーに最適なコンパクトかつ信頼性の高い球として6AR6が開発されたわけです。 6AR6は極初期にWEが少量生産したのみでその後はTungsolに引き継がれました。
数社が製造したようですが圧倒的にTungsol製が多いです。 ビーム管として極めて優秀な6AR6ですが、私が検証したところ三極管接続にすると英国を代表する古典管の銘管PP3/250とほぼ同じ動作をするのです。

今回のチューブ・オーディオ・ラボさんによる6AR6シングルアンプは6FD7アンプ同様極力シンプルな構成として6AR6の素顔を存分に堪能できる内容となっています。

良質なインターステージトランスを使用して古典に倣った回路構成とすれば米系出力管でありながらブリティッシュ・サウンドが聴けるかもしれませんので今後の発展が楽しみです。」
とのことだった。

文中の「PP3/250」(英国マツダ)だが、めったにオークションに出てくることも無く古典管マニア垂涎の球としてつとに知られている希少管である。
我が家では英国系の出力管として「PX25=PP5/400」を愛用しているが、人によっては「PP3/250=PX4」の方が好きという方もいるほどで実力伯仲といったところだろう。

古典管の泰山北斗「博士」折り紙付きの「6AR6」アンプなので期待に胸を膨らませていたところ、昨日(20日)になって新アンプが我が家に到着した。

   

構成は初段管が「6SL7」、出力管が「6AR6」、整流管が「6BY5GA」。出力トランスは今どき珍しい「手巻き」で知られる「TSM Products」製。

さっそくスピーカーをJBLの「D123+075」で聴いてみたところ、ウ〜ン、これは素晴らしい!(笑)

パワー感、情報量、透明感、分解能など何ら不足を感じない。欠点のないアンプとはこういうアンプを指すのだろうか。

取り分け「PP3/250」と同じ動作をするという「6AR6」の中高音域の艶は流石で、アメリカ球なのにイギリス系のほのかな色香を感じさせるのが不思議。

これまで「PP3/250」アンプを聴いたことがないが、おそらく同等か、いやもしかしてそれ以上ではなかろうかと思わず夢が膨らんだ。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/43b58b64fb161c8ef7ffab7309a31641


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詳細は


超お買い得パワーアンプ : チューブ オーディオ ラボ 6FD7 シングルアンプ 1.8W×2
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html

新潟県 南魚沼市 チューブ・オーディオ・ラボ _ マイナー出力管を使った廉価な真空管アンプ製作
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/459.html
 

お薦めの真空管アンプメーカー _ プリアンプの評価が高いサウンドパーツ ( No.13 )
日時: 2020/05/05 14:39
名前: 777 ID:UqrgCM4E

お薦めの真空管アンプメーカー _ プリアンプの評価が高いサウンドパーツ


サウンドパーツ HP
http://www.soundparts.server-shared.com/index.html


サウンドパーツ/SOUND & PARTS
390-1702 長野県松本市梓川梓856-7
TEL 0263(78)5206


▲△▽▼

私は、プリアンプもパワーアンプも真空管アンプを使用している。

大手メーカー製ではなく、サウンドパーツというガレージメーカーのものだ。
簡単にいえば腕のある職人が一つ一つ手作りしたものである。
トランスも、特注の完全手巻きによるもの。

配線は見事な手配線によるもので、回路も完全オリジナルである。
本当に良いモノは大量生産できないのである。

現在使用している真空管はプリアンプが6本(4本がフォノイコライザー部で、2本がプリ部)、パワーアンプが4本(2本が電圧増幅管、2本が出力管)である。

パワーアンプの真空管の少なさは驚きだろう。これ以上シンプルに出来ない2段構成なのである。
しかも完全プッシュプルで完全バランス回路である。
出力25wのアンプに100wクラスのアモルファス出力トランスを使用した大変贅沢なものである。
しかも、このトランスが完全手巻きによるものだ。
https://omsound.exblog.jp/15803511/

私の使用しているサウンドパーツ製プリアンプ LIVE5 に内蔵されているフォノイコライザーはプリアンプ部と含めて40万円である。
私はFMアコースティックの「FM222MKII」400万円弱のものと比較したが、気配の再現性でこのLIVE5に軍配を上げた。
これは衝撃としか言いようが無い。しかしこれが、会社と屋号の違いである。
http://omsound.exblog.jp/17980826/

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詳細は

サウンドパーツ 300B プッシュプル・アンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/114.html

超お買い得 Audio Nirvana トランス結合 300B シングルアンプ (アメリカ) ( No.14 )
日時: 2020/05/05 16:42
名前: 777 ID:UqrgCM4E

超お買い得 Audio Nirvana トランス結合 300B シングルアンプ (アメリカ)


[AN300] Audio Nirvana 300B シングルアンプ
商品コード 4573152461648
メーカー名 Commonsense Audio
セール 10%OFFセール+キャッシュレス5%還元!
通常価格 265,000円

価格238,500円(税込 262,350円)


Audio Nirvanaから300B真空管アンプ登場!

フルレンジスピーカーで有名なアメリカの「Commonsense Audio」社から、同社のフルレンジスピーカー『Audio Nirvana』用に設計された300Bシングルアンプが発売されました。
 「Commonsense Audio」社のオーナーであるデビッド ディックス氏の、このアンプに対する思い入れたっぷりのコメントをご紹介します。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 私たちは、唯一の最高級品質の「ニュートラル・サウンド」アンプを販売します。私たちは、特異なサウンドの「ブティック」アンプは販売していません。
 ほとんどのアンプメーカーは、こうしたアンプを販売しているので、彼らは、あなたに、数ヶ月ごとに別の新しいアンプを販売することが出来ます。
 私たちは、ただ一つのアンプ、あなたが生涯に渡って使い続けることの出来るアンプを販売したいと思っています。

 私たちは、これまで、本当に良い音のアンプを聴いたことが有りません、どんな場所でも、どんな価格帯のものでも。

 私たちの真空管アンプは、『Audio Nirvana』フルレンジスピーカーや高効率スピーカーのためにデザインされた、そして、そのために最適化された唯一無二のアンプです。

『Audio Nirvana』のスピーカーを、通常のリスニング・レベルで聴くのに必要な出力は、1/10ワット程度です。
それゆえ、私たちの8W 300B シングルアンプは、必要なアンプ出力の80倍ほどのパワーを持っていると言えます。

 ついに、ディープで、パワフルで、力強いベース、そして、人間の聴覚の限界まで拡張された高域を持つ、シングルエンド三極管アンプが完成しました。

 伝統的な滑らかさと、詳細表現力を兼ね備えた中級グレードのシングルエンド三極管アンプの中で、今までに聴いたことの無い最高のサウンドアンプです。

 『Audio Nirvana』300B シングルアンプは、強固なカバーで保護された、飛び切り強力なトロイダル電源を使用しています。(多くのメーカーが使用しているような、ダミーのカバーではなく。)このトランスは、巨大で、私たち自身の工場で、職人の手で巻かれています。
 アンプ本体は、52ポンド(24キロ)と超重量級アンプとなっています。その構成部品は、可能な限り最高の音質を可能とするために選択されています−私たちは「ブティック」の名前であなたを感動させる必要はないので。
 各々のアンプは、職人の手によって、見た目にも美しく組み立てられ、テストされています。
 この素晴らしいサウンドを維持するための面倒な調整は一切ありません。それは、このアンプが、自己バイアス方式を採用しているためで、ACまたはDCバランスの調整は必要ありません。
 そして、このアンプは、可能な限り最少の部品構成で、最高の音質の真空管で作られました。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【Audio Nirvana 300B シングルアンプの特徴】

■300B三極管シングルアンプ:使用真空管、300B、6SN7、6SL7、および5AR4
■操作可能な最も単純で純粋な「シングルエンド三極管」回路(インターステージ・トランス)
■定格出力8ワット/ch(『Audio Nirvana』のフルレンジスピーカーの平均リスニングレベルは1/10W)
■内部配線は、職人による手配線(ディスクリート構成)プリント基板不採用
■カバー付きの大型トランスは自社工場で手巻き生産
■特大のトロイダル電源トランスは容量に十分な余裕を持たせている
■各真空管周りの冷却孔は、クールランニング温度を維持
■優れた組み立ての品質は、長年に渡って、信頼性の高い動作を保証
■美しいポリッシュ仕上げのステンレススチール・シャーシの採用
■ブラッシュアルミ製のフロントパネルとリアープレート
■『AN』のロゴによるボリューム・ノブのポインター

【Audio Nirvana 300B シングルアンプの仕様】

■アンプ構成:3極管シングルアンプ(A級)
■入力インピーダンス:100kΩ
■出力インピーダンス:4Ω〜8Ω
■定格出力:8W/ch@8Ω
■ダンピング・ファクター:>3
■周波数特性:20Hz〜20kHz(-1dB)
■THD:<1%
■ゲイン:32dB
■入力感度:300mV〜600mV
■S/N比:>90dB(ハムノイズ:<1.5mV)
■チャンネル・バランス:<1dB(@Max Volume)
■チャンネル・セパレーション:>65dB
■真空管構成:6N9P(6SL7)x1
          6N8P(6SN7)x1
          300Bx2【Psvane】
          5AR4x1
■電源:115V−220V(50/60Hz)
■寸法:255mm(W)x190mm(H)x450mm(D)
■重量:24kg(本体)/26kg(梱包)
■付属品:電源コード、インストラクション(英語版)
https://www.baysidenet.jp/c-item-detail?ic=4573152461648


詳細は

Audio Nirvana 300B トランス結合、真空管整流 シングルアンプ (アメリカ)
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/120.html


300Bアンプについては

ウェスタン・エレクトリックの出力管 300B を使ったパワーアンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/118.html

 

お薦めのアナログ ラインケーブル、youtube を USB-DAコンバーター無しで聴くならこのケーブル ( No.15 )
日時: 2020/05/06 07:46
名前: 777 ID:t6ePeEQk

お薦めのアナログ ラインケーブル(インターコネクトケーブル)


アナログ ラインケーブル(インターコネクトケーブル) BELDEN 8412 
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/878.html

アナログ ラインケーブル(インターコネクトケーブル) neumann ケーブル
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/880.html


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youtube を USB-DAコンバーター無しで聴くならこのケーブル

PCオーディオはオンボードで十分 USB DACは不要
アンプとはこんなケーブルでつなぐだけ

iPhone/パソコン用ベルデン88760 ラインケーブルの王者 BELDEN(8412の現代バージョン)
https://procable.jp/ipod/ipod_88760.html


お薦めのオーディオ機器紹介 ( No.16 )
日時: 2020/05/06 07:48
名前: 777 ID:t6ePeEQk

お薦めのスピーカケーブル

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 24GA (非メッキ, ブラックエナメル, 単線, 0.205 mm2, 高能率スピーカー用) 
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/892.htmll

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 18GA (撚線、 0.823mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/882.html


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スピーカケーブル BELDEN 8460 (撚線, 18GA, 0.823mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/885.html

スピーカケーブル BELDEN 8470 (撚線, 16GA, 1.309mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/886.html

詳細は

ケーブル(電線)の世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/757.html
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/659.html

[近代史3] 自称共産国家の中華人民共和国が世界史上最悪の階級社会になった理由 中川隆
30. 中川隆[-12562] koaQ7Jey 2020年5月29日 19:32:47 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[16]

2020年05月29日
中国、都市化の終わり 出稼ぎで稼げなくなった 


輸出が減って工場は閉鎖され、出稼ぎ労働者は要らなくなった

引用:https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MI370_china_P_20160128152000.jpg

貧富の差が地域で100倍の国

中国で農村からの出稼ぎや都市への移住が急速に減少し、都市化が終わりつつあります。

都市化はより生産性の高い職業に転換する事なので、都市化の終わりは成長の終わりを意味します。

中国では30年間に渡って地方の農村から都市への出稼ぎが増え続け、いつか先進国並みに都市化すると見られていました。



だが2014年ごろから明確に、地方から都市への流入ペースが落ち始め、出稼ぎも減り始めました。

35年前中国の農村では年収1万円にも満たず、都市部でも10万円には届かなかった。

今では中国全体で平均年収70万円以上、北京や上海の上級公務員や一流企業は年収200万から400万円も得ています。

もっともこれは中国統計局の発表が正しければの話で、実際はこの半分かも知れません。

中国の農村では農民の平均所得が現在も10万円に過ぎず、僻地では今も年収1万円です。


僻地とはウイグル族など「テロリスト」とされている民族で、出稼ぎや移住、職業の選択は禁止されています。

農民の子は一生農民、生まれた場所で一生暮らすのが義務付けられ、勝手に移住すればテロリストとして拘束されます。

という事は同じ中国でありながら北京や上海中心部では100万円以上、他民族の居住地は年収1万円なのです。


これだけ地域によって収入に差が在るなら、都市への移住が殺到する筈ですが、現在でも移住は禁止されています。

移住が認められるのは共産党有力者にコネがあったり、賄賂を払える人だけで、大多数の出稼ぎは非合法住民になります。

出稼ぎは犯罪なので都市で生まれた人より低賃金になり、給料はおよそ半分ほどと言われています。

中国出稼ぎ労働者の実態

中国経済の成長率が落ち、特に製造業や輸出企業が不振で、バタバタと倒産しています。

毎年数百万人が新たに出稼ぎし、工場で働いて、安い商品を世界に輸出してきました。

中国製造業は現在マイナス成長になっていて、代わりにインターネットが発達しているという人も居るが、インターネットは労働者を雇わない。


インターネット事業で工場と同じ売上が有ったとしても、雇用する労働者は10%か1%に過ぎないでしょう。

中国全土の失業率の統計はないが、高度成長していた頃でも10%近くあったと推測されるので、現在は15%はあるでしょう。

低成長になると真っ先に切られるのは、都会に出稼ぎに来ている非合法労働者で、どんどん田舎に帰っています。


出稼ぎ労働者は2015年にゼロ成長で伸びが止まり、他の省まで出稼ぎに行く人はマイナスになりました。

中国の都市人口は56%で、60%に上げる目標を建てているが、計算上は不可能です。

先進国の都市化比率は90%で、中国はかなり少ないが、なぜ都市化を進めたいのでしょうか。


農業は近代化されると人手が不要になり、1割ほどの人数で昔と同じ生産が可能になり、従って失業者が農村に溢れます。

また農業の経済性は工業やサービス業より低いので、都市化を進めないとこれ以上経済成長しません。

都市化が進まないと中国が建設した住宅が売れ残り、不動産業は低迷するでしょう。


「戸口」制度では移住しても都市戸籍ではなく農村戸籍のままなので、住民サービスが受けれません。

保険もないし学費の補助や福祉サービスもなく、その子供もまた不法労働者のままなのです。

すると一時的に都会で労働したとしても、金を稼いだら生まれた土地にもどった方が賢明です。


農村戸籍だと銀行口座を開設出来ないし、居住地の役所に結婚を届け出る事も、子供の出生届すら出せません。

都市住人のうち都市戸籍を持っているのは3分の1にすぎず、北京や上海の3分の2は違法な住人です。


「戸口」制度は共産主義や治安を維持するために必要とされていて、自由化される事はありません。

http://www.thutmosev.com/archives/61894193.html
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/354.html#c30

[近代史5] イギリスが貧しさから抜け出すために思いついたのが『海賊立国』になることだった 中川隆
2. 中川隆[-12561] koaQ7Jey 2020年5月29日 20:24:18 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[18]

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか2020年5月26日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで歴史上の覇権国の繁栄と衰退の検証を続けている。ダリオ氏は中国がアメリカに代わって覇権国となると予想しているからである。

•世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退

前回は大英帝国の歴史について説明した部分を紹介したが、今回の投稿ではその通貨ポンドがどのように基軸通貨の地位を失ったかを説明している。ダリオ氏によれば、それがドルの運命だからである。

大英帝国とポンド

前回の記事で説明したように、19世紀に栄えた大英帝国の衰退は第1次世界大戦時には既に始まっており、第2次世界大戦後のブレトン・ウッズ協定で公的にも米ドルが英ポンドに代わって世界の基軸通貨となることが決定されたが、それでも世界的にポンドは使われ続けていた。

ダリオ氏によれば基軸通貨の衰退は覇権国の衰退よりも遅れる傾向があるからである。彼はこれを次のように説明している。


一度世界的に広く使われた基軸通貨が一定の期間使われ続けるのは、世界でもっともよく話されている言語(訳注:英語)が国際取引の布地に深く織り込まれて取り除き難いことと同じである。

分かりやすい。それでも戦後75年を経てポンドは既にヨーロッパのローカルな通貨になっているが、今でも世界中の人々が大英帝国の英語を使っている。通貨も言語も、「皆が使っているから使う」という法則の成り立つものはすべて生き残りやすいようである。

ポンドの衰退

それでも戦後にはポンドの凋落は始まっていた。英語はまだ残っているが、ポンドは残らなかった。ダリオ氏はこう語っている。


一部の賢明な人々はイギリスの増大する債務負担と少ない純資産、そしてアメリカとの経済状況の大きな格差を知っていたため、ポンドは戦後には基軸通貨の地位を失い始めていた。

「一部の賢明な人々」は状況が見えていたのでポンドを売り始めたのである。そしてそれは「その他の賢明でない人々」は凋落する通貨を持ち続けたことを意味する。現在の話に適用すると、誰も何の保証もしてくれないドルや円を持っている人々はどちらの側になるだろうか?

•世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

話を大英帝国のポンドに戻そう。戦後、ドルを金本位制にしてそのドルに先進国通貨の為替レートを固定するブレトン・ウッズ協定によってポンドはドルに固定されていたが、戦争によって債務が増大したイギリスの経済は凋落を続け、ポンドの価値を維持することが難しくなっていた。ダリオ氏はこう語っている。


ポンドが戦後も国際的な準備通貨として機能し、世界経済がブレトン・ウッズ体制に移行するためにはドルへの固定が維持されることが要求された。

イギリスは自国通貨の暴落を避けようとしていた。


イギリスはまず厳格な為替規制を行なった。イングランド銀行の許可なしにはアメリカの商品や資産を買うためにポンドをドルに替えることは出来なかった。

しかしドルが世界的には基軸通貨として選ばれていたために、世界経済は深刻なドル不足に直面していた。一方でほとんどすべてのポンド圏(イギリスおよびイギリス連邦)の国々が輸出と魅力的なドル建て資産への投資に依存していたが、ポンド建ての債券を保有することを強制されていた。

現代人は強制されずともドルや円を保有するので、政府としてはやりやすいことである。しかしそれも変わる。恐ろしいのはそれが変わるタイミングが来る時である。

そういう瞬間には政府は無理矢理穴を塞ごうとする。それでも1つの穴を無理矢理塞げば別の場所に穴が開く。新型コロナウィルスの問題をヘリコプターマネーで解決しようとしている人々は決して理解しないが、経済とはそういうものである。

•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

そして何処に穴が開くかをこのように政府が決定する仕組みのことを共産主義という。ヘリコプターマネーを支持している一部の人々はそれが分かっているのだろうか。

•世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる

共産主義化による経済の破綻が日本やアメリカの穴の空き方のようである。一方で大英帝国の場合はこうなった。


イギリスは対外的な競争力の低下や国内の燃料危機のために深刻な支払いの問題に直面し、巨額の戦争債務はポンドの信認を脅かしていた。

戦争債務はポンド建てだったので、ポンドが高いと支払いが多くなる。一方でポンドが安くなると国際市場でものが買えなくなるので燃料危機がより一層深刻になる。どちらに転んでも窮地なのである。

怒涛のポンド切り下げ

しかし結局のところ通貨を無理矢理支える試みは長期的には機能しない。現代ではユーロとスイスフランの関係が似たようなものだろうか。

•スイス国立銀行、為替介入で窮地 スイスフランショック再来の危機か

イギリスは1949年にポンドをドルに対して30%切り下げることを余儀なくされる。ブレトン・ウッズ協定の発効からたった4年後のことである。

30%の切り下げとは相当である。自分の持っている通貨の価値がいきなり30%下がるわけである。しかもこれはブレトン・ウッズ協定が発効してからたった4年のことなのだから先が思いやられる。

当時、「一部の賢明な人々」は既にゴールドやドルを持っていたのだろう。賢明かどうかで資産の30%をやられるかどうかが決まるわけである。

終わりではなく始まり

しかしこれで終わりではなかった。ダリオ氏はこう語っている。


英ポンドの下落は何年もの間に何度も切り下げを続けて起こった慢性的な病だった

イギリスは必死に固定レートを維持しようとしていたが、出来なかった。一方で各国からはポンドの価値を維持するよう多大なプレッシャーがかかっていた。イギリス国民がポンドをドルに自由に変えられないことはアメリカの輸出業に損失を与えていた。

またスウェーデンやスイス、ベルギーなどイギリスにポンドを貸していた債権者は当然ポンドの信認維持を要求していた。ベルギーなどは国際的介入が起こらなければポンドの使用を止めると警告した。

それが満たされなければポンドからの逃避が起こることは明らかだった。しかし投資家の観点から見れば、この時点でポンドの下落は避けられない。ベルギーには悪いが、紙切れを持ち続けた人間が悪いということなのである。米国債を大量に抱えている日本政府はどうなるだろうか?

そしてイギリスは準備資産を売りながらもポンドの信任を維持しようと努力することになる。しかし貿易でも競争力がない、資産は減ってゆく、通貨が下がればものの値段が高くなる、完全な窮地である。もはやイギリス連邦の国々もポンドで準備資産を持つことを嫌がっていた。

そして1949年の切り下げから20年ほど経った1967年、イギリス政府は2度目の切り下げを決断する。今度は14%の切り下げとなった。

この2度目の切り下げ以降、ポンド建てで多額の準備資産を維持する国はオーストラリアやニュージーランドなどイギリス政府によってドルの裏付けを保証された国々だけとなった。大幅な価格の下落、そしてどの国もポンドを自発的には持たなくなったことによって、第2次世界大戦より22年後、かつての大英帝国の通貨ポンドは基軸通貨としての地位を完全に失ったのである。

結論

これでダリオ氏の「過去の覇権国シリーズ」は終わりである。オランダ海洋帝国の話は量的緩和によるバブル崩壊など現代との共通点もあったが、イギリスのポンドが国際的な騒乱を引き起こしたことは現在では想像しにくい。それは恐らく、ドルの崩壊がこれからの話だからだろう。

•世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
•世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退

それでもトランプ政権が中国の保有する米国債の債務返済を拒否する考えを見せるなど、似たことは既に起こっている。今後の進展が楽しみである。

ちなみにダリオ氏の怒涛のブログ投稿は遂にアメリカと中国の覇権争いの詳細に立ち入ってゆくようである。そちらも楽しみに待ちたい。

•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/126.html#c2

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
12. 中川隆[-12560] koaQ7Jey 2020年5月29日 20:26:15 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[19]
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退 2020年5月25日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで基軸通貨の繁栄と衰退について語っている。前回はオランダ海洋帝国とその通貨ギルダーの崩壊が現在の状況に非常に似ていることを紹介した。

・世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

そして今度はオランダの次に覇権国家となった大英帝国の物語である。

大英帝国の始まり

話はイギリスが第4次英蘭戦争で以前の覇権国家オランダに勝利したところから始まる。ダリオ氏はこのように書いている。

イギリスがオランダに勝利した後、イギリスとその同盟国(オーストリア、プロイセン、ロシア)は引き続きナポレオン戦争でナポレオン率いるフランスと戦っていた。

そしてイギリスは勝った。オランダ海洋帝国に続いてナポレオンが敗北したことでイギリスの天下が確定したのである。

戦後にはよくあるように、戦勝国(主にイギリス、ロシア、オーストリア、プロイセン)は新たな世界秩序を作るために会議を行なった。これはウィーン会議と呼ばれている。

これが、イギリスが唯一の覇権国となり、イギリスの通貨ポンドが基軸通貨となる大英帝国の100年の始まりとなった。そして世界は繁栄した。

大英帝国の時代の始まりである。

ダリオ氏によれば、戦争の後には長期の平和の期間が続くことが多いという。ダリオ氏は次のように続けている。

これもよくあるように、戦争の時代の後には平和と繁栄の期間(この場合は100年間)が続いた。どの国も覇権国に挑戦したり、上手く機能している世界秩序を壊したりしようとはしなかった。

現代でもアメリカが世界中で戦争行為を行なっても被害者以外は誰も文句を言わない。しかしアメリカが弱ってきた場合、文句を言い始める国が出てくるだろう。ダリオ氏が懸念しているのはそういう戦争の時代なのかもしれない。

大英帝国繁栄の理由

大英帝国に話を戻そう。オランダの記事ではオランダが株式市場と優れた船舶を持っていたことが覇権に繋がったことが説明されていた。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

イギリスも最初はオランダの真似から入ったようである。ダリオ氏はこう説明している。

イギリスはグローバルな機会を逃さず非常に裕福で強力になるために、商業活動と軍事力を組み合わせた。例えばイギリス東インド会社はオランダ東インド会社に代わって世界経済でもっとも支配的な商社となり、イギリス東インド会社の軍隊はイギリス政府の常備軍の2倍の規模となった。

ダリオ氏はあっさり書いているが、西洋人以外の人種には何故商社に軍事力が必要なのかまったく分からないだろう。彼らは非常に愉快な人種である。

いずれにしても大英帝国はオランダのやり方をより強力に行うことによって繁栄していった。そして勿論、イギリスがそこまで強力になれたのは単にオランダの真似をしたからではない。

1760年頃、イギリスは製品を生産して豊かになり、生活水準を改善するためのまったく新しい方法を発明した。それは産業革命と呼ばれた。

イギリスで始まった産業革命については説明は不要だろう。機械を使って工場で大量生産をしたり、蒸気機関を使って大規模で効率的な輸送を実現したりしたわけである。「機械ができて仕事がなくなる」などと言われていたことは、「AIができて仕事がなくなる」と言われている今と似ているかもしれない。人は決して学ばないものである。

IT革命がアメリカで生まれたように、ある国が覇権国となるためにはそれなりの理由がある。オランダの場合には株式市場の発明と優れた船舶、イギリスの場合には産業革命だったということである。ダリオ氏はこう結んでいる。

つまり良い教育を受けた人々の集まるこの比較的小さい国は発明と資本主義と優れた船舶とグローバル化を助けるその他の技術、そして優れた軍隊によって大英帝国を作り上げ、その後100年を支配し続けたのである。

イギリスはオランダのやり方をまね、そこに独自の技術革新を付け加えることで覇権国となった。当然ながらロンドンはアムステルダムに変わる金融センターとなった。

それが大英帝国の黄金時代である。しかしオランダの時と同じように、その時代にも終わりは来る。

まず、イギリス発の産業革命に続いて起こったのが第2次産業革命だが、こちらはアメリカのトマス・エジソンに代表されるようにイギリスだけで起こったものではなかった。他国、特にアメリカの国力がイギリスに追いついてきたのである。また、この頃にはイギリスで発明された蒸気機関も多くの国で使われていた。イギリスがオランダを真似たように、イギリスも真似られたのである。

第1次および第2次世界大戦

そして最終的には大英帝国の覇権は2度の世界大戦で崩壊することとなった。イギリスはこの世界大戦を2度とも勝利しているが、戦費と被害が馬鹿にならなかったのである。

ダリオ氏が匂わせているところによると、元々植民地における軍事行動によって金儲けをしたイギリスが世界大戦では儲けられなくなっていたことと、「世界の警察」を自称していたアメリカが海外における軍事行動から手を引き始めていることがパラレルなのだろう。

またアメリカだけではなく、ドイツや日本などの国々もイギリスに追いつきつつあった。第1次世界大戦ではイギリスは勝利したものの、その後のパリ講和会議を主導したのはイギリスではなくアメリカだった。このあたりからイギリスは植民地を完全に押さえつける力を失いつつあり、国力では既にアメリカの後塵を拝していたが、ポンドは基軸通貨として使われたままだった。オランダのケースと同じように、基軸通貨の衰退は国家そのものの衰退よりも遅れるのである。

そして第2次世界大戦を経てアメリカの覇権が公的にも確立されたものとなる。1945年に発効したブレトン・ウッズ協定ではドルを基軸通貨とした固定相場制が採択され、ポンドに代わって公式に世界の基軸通貨となったドルはゴールドとの兌換を維持することとなった。この金本位制はダリオ氏自身も経験したニクソンショックによって1971年に崩壊するのだが、それはまた別の話である。

・レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る


結論

これがアメリカが覇権国となる前に栄えた大英帝国の繁栄と衰退である。ダリオ氏は言及していなかったが、個人的な感想では世界がグローバル化したことによって世界的に均一な教育が施されるようになった結果、徐々に人口の多い国が優勢になっていったようにも思える。皆が同じような教育を受けているならば、数が多い方が勝つということである。

また、オランダの通貨ギルダーの時と同じように、ポンドの衰退はイギリスの衰退よりも遅れ、第二次世界大戦の後もポンドはある程度使われ続けたのだが、グローバル化した世界における基軸通貨の崩壊はギルダーの時のようにシンプルな取り付け騒ぎとは行かず、もっと複雑で深刻な結果を残すこととなるのである。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

オランダ海洋帝国の時と同じように、ダリオ氏の記事のポンドにフォーカスした部分については新しい記事で紹介することとしたい。しかし恐ろしいのは、ポンドの時でさえ世界中の人がポンドを持っていたためにその崩壊が世界的な混乱を生んだとすれば、ドルの時にはどうなってしまうのだろうか。ドルを持っていることがなかなか恐ろしくなる記事である。

・世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

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世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか2020年5月26日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで歴史上の覇権国の繁栄と衰退の検証を続けている。ダリオ氏は中国がアメリカに代わって覇権国となると予想しているからである。

•世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退

前回は大英帝国の歴史について説明した部分を紹介したが、今回の投稿ではその通貨ポンドがどのように基軸通貨の地位を失ったかを説明している。ダリオ氏によれば、それがドルの運命だからである。

大英帝国とポンド

前回の記事で説明したように、19世紀に栄えた大英帝国の衰退は第1次世界大戦時には既に始まっており、第2次世界大戦後のブレトン・ウッズ協定で公的にも米ドルが英ポンドに代わって世界の基軸通貨となることが決定されたが、それでも世界的にポンドは使われ続けていた。

ダリオ氏によれば基軸通貨の衰退は覇権国の衰退よりも遅れる傾向があるからである。彼はこれを次のように説明している。


一度世界的に広く使われた基軸通貨が一定の期間使われ続けるのは、世界でもっともよく話されている言語(訳注:英語)が国際取引の布地に深く織り込まれて取り除き難いことと同じである。

分かりやすい。それでも戦後75年を経てポンドは既にヨーロッパのローカルな通貨になっているが、今でも世界中の人々が大英帝国の英語を使っている。通貨も言語も、「皆が使っているから使う」という法則の成り立つものはすべて生き残りやすいようである。

ポンドの衰退

それでも戦後にはポンドの凋落は始まっていた。英語はまだ残っているが、ポンドは残らなかった。ダリオ氏はこう語っている。


一部の賢明な人々はイギリスの増大する債務負担と少ない純資産、そしてアメリカとの経済状況の大きな格差を知っていたため、ポンドは戦後には基軸通貨の地位を失い始めていた。

「一部の賢明な人々」は状況が見えていたのでポンドを売り始めたのである。そしてそれは「その他の賢明でない人々」は凋落する通貨を持ち続けたことを意味する。現在の話に適用すると、誰も何の保証もしてくれないドルや円を持っている人々はどちらの側になるだろうか?

•世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

話を大英帝国のポンドに戻そう。戦後、ドルを金本位制にしてそのドルに先進国通貨の為替レートを固定するブレトン・ウッズ協定によってポンドはドルに固定されていたが、戦争によって債務が増大したイギリスの経済は凋落を続け、ポンドの価値を維持することが難しくなっていた。ダリオ氏はこう語っている。


ポンドが戦後も国際的な準備通貨として機能し、世界経済がブレトン・ウッズ体制に移行するためにはドルへの固定が維持されることが要求された。

イギリスは自国通貨の暴落を避けようとしていた。


イギリスはまず厳格な為替規制を行なった。イングランド銀行の許可なしにはアメリカの商品や資産を買うためにポンドをドルに替えることは出来なかった。

しかしドルが世界的には基軸通貨として選ばれていたために、世界経済は深刻なドル不足に直面していた。一方でほとんどすべてのポンド圏(イギリスおよびイギリス連邦)の国々が輸出と魅力的なドル建て資産への投資に依存していたが、ポンド建ての債券を保有することを強制されていた。

現代人は強制されずともドルや円を保有するので、政府としてはやりやすいことである。しかしそれも変わる。恐ろしいのはそれが変わるタイミングが来る時である。

そういう瞬間には政府は無理矢理穴を塞ごうとする。それでも1つの穴を無理矢理塞げば別の場所に穴が開く。新型コロナウィルスの問題をヘリコプターマネーで解決しようとしている人々は決して理解しないが、経済とはそういうものである。

•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

そして何処に穴が開くかをこのように政府が決定する仕組みのことを共産主義という。ヘリコプターマネーを支持している一部の人々はそれが分かっているのだろうか。

•世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる

共産主義化による経済の破綻が日本やアメリカの穴の空き方のようである。一方で大英帝国の場合はこうなった。


イギリスは対外的な競争力の低下や国内の燃料危機のために深刻な支払いの問題に直面し、巨額の戦争債務はポンドの信認を脅かしていた。

戦争債務はポンド建てだったので、ポンドが高いと支払いが多くなる。一方でポンドが安くなると国際市場でものが買えなくなるので燃料危機がより一層深刻になる。どちらに転んでも窮地なのである。

怒涛のポンド切り下げ

しかし結局のところ通貨を無理矢理支える試みは長期的には機能しない。現代ではユーロとスイスフランの関係が似たようなものだろうか。

•スイス国立銀行、為替介入で窮地 スイスフランショック再来の危機か

イギリスは1949年にポンドをドルに対して30%切り下げることを余儀なくされる。ブレトン・ウッズ協定の発効からたった4年後のことである。

30%の切り下げとは相当である。自分の持っている通貨の価値がいきなり30%下がるわけである。しかもこれはブレトン・ウッズ協定が発効してからたった4年のことなのだから先が思いやられる。

当時、「一部の賢明な人々」は既にゴールドやドルを持っていたのだろう。賢明かどうかで資産の30%をやられるかどうかが決まるわけである。

終わりではなく始まり

しかしこれで終わりではなかった。ダリオ氏はこう語っている。


英ポンドの下落は何年もの間に何度も切り下げを続けて起こった慢性的な病だった

イギリスは必死に固定レートを維持しようとしていたが、出来なかった。一方で各国からはポンドの価値を維持するよう多大なプレッシャーがかかっていた。イギリス国民がポンドをドルに自由に変えられないことはアメリカの輸出業に損失を与えていた。

またスウェーデンやスイス、ベルギーなどイギリスにポンドを貸していた債権者は当然ポンドの信認維持を要求していた。ベルギーなどは国際的介入が起こらなければポンドの使用を止めると警告した。

それが満たされなければポンドからの逃避が起こることは明らかだった。しかし投資家の観点から見れば、この時点でポンドの下落は避けられない。ベルギーには悪いが、紙切れを持ち続けた人間が悪いということなのである。米国債を大量に抱えている日本政府はどうなるだろうか?

そしてイギリスは準備資産を売りながらもポンドの信任を維持しようと努力することになる。しかし貿易でも競争力がない、資産は減ってゆく、通貨が下がればものの値段が高くなる、完全な窮地である。もはやイギリス連邦の国々もポンドで準備資産を持つことを嫌がっていた。

そして1949年の切り下げから20年ほど経った1967年、イギリス政府は2度目の切り下げを決断する。今度は14%の切り下げとなった。

この2度目の切り下げ以降、ポンド建てで多額の準備資産を維持する国はオーストラリアやニュージーランドなどイギリス政府によってドルの裏付けを保証された国々だけとなった。大幅な価格の下落、そしてどの国もポンドを自発的には持たなくなったことによって、第2次世界大戦より22年後、かつての大英帝国の通貨ポンドは基軸通貨としての地位を完全に失ったのである。

結論

これでダリオ氏の「過去の覇権国シリーズ」は終わりである。オランダ海洋帝国の話は量的緩和によるバブル崩壊など現代との共通点もあったが、イギリスのポンドが国際的な騒乱を引き起こしたことは現在では想像しにくい。それは恐らく、ドルの崩壊がこれからの話だからだろう。

•世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
•世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退

それでもトランプ政権が中国の保有する米国債の債務返済を拒否する考えを見せるなど、似たことは既に起こっている。今後の進展が楽しみである。

ちなみにダリオ氏の怒涛のブログ投稿は遂にアメリカと中国の覇権争いの詳細に立ち入ってゆくようである。そちらも楽しみに待ちたい。

•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953


http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c12

[番外地7] 「支那 China」は中国の正式名称 中川隆
3. 中川隆[-12559] koaQ7Jey 2020年5月29日 20:57:42 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[21]
差別用語と言えば、「シナ」より「中国」の方がはるかに問題だ。
日本では「中華人民共和国」を「中国」、「シナ人」を「中国人」という。
しかし典型的な多民族国家の中国には、シナ人以外の人々が多数存在する。日本で使う呼称は、非シナ人の存在をまったく無視したものになってしまう。
 中国では、何百万人もいる民族集団を「少数民族」と言い、「〜族」と民族より下位の部族のように表現する。理由は、すべての民族は「中華民族」として統一されているとし、個々の民族の独立を許さないためだ。極めて政治的かつ差別的な呼称なのだ。
 日本のマスコミは、中国が日本と同じく漢字を使っているからと言って、「少数民族」「チベット族」「ウイグル族」といった明確な差別用語を無批判にそのまま流用している。本当は「チベット人」「ウイグル人」というべきである。日本のマスコミは中国政府の側に立って不当な支配に協力しているのだ。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/656.html#c3
[お知らせ・管理21] 2020年05月 困った時、意見、提案、相談などなんでも。管理人が24時間以内に必ず見るスレ 管理人さん
195. 中川隆[-12558] koaQ7Jey 2020年5月29日 21:02:11 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[22]
>>194

日本の国土の2%を中国が取得
http://www.news-postseven.com/archives/20180109_640250.html?PAGE=1#container

・2016年 水源地2,411ha買収  登別70ha喜茂別210ha  中国の電力企業が取得・山林削り平地に 
・北海道だけで7万ha買収(JR山手線の内側の11倍以上)
・倶知安・滝川・千歳など基地周辺 数百ha単位で取得
・トマムリゾート 1,000ha超 管轄の占冠村長が知らぬ間に買収 
・帯広市拓成町の農地400〜500ha 北海道平取町の農地123ha etc
・苫小牧勇払油ガス田周辺 中国人大量入植用の建造物
・苫小牧市有地20億円&駒大資産50億円超が中国系学校法人に「無償」譲渡

・与那国駐屯地ちかい外離島で中国への土地売却拒否の夫婦が刺殺
・沖縄民有軍用地の3分の一買収、税金から借地料数百億円が中国に流出 (中田宏衆院議員)
・沖縄軍用地の一割超 中国が取得 (沖縄防衛局2010年調査)
・沖縄無人島128島うち81島 中国系の所有権登記  地元漁民も立ち入り禁止
・「沖縄科学技術大学院大学」 山奥過疎地・殆ど中国人・無償奨学金

・奄美 沖縄 佐渡 離島に中国系リゾート 大量入植 漁業被害も
・基地候補地を中国が購入 → リゾート建設で基地建設妨害
・震災にまぎれ東京一等地5677平方mを60億で購入 一等地も全国的買収
・温泉地を大規模買収 箱根・伊豆・草津・石和・鬼怒川 etc  従業員を中国人に入れ替え  

http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/600.html#c195

[番外地7] 「支那 China」は中国の正式名称 中川隆
4. 中川隆[-12560] koaQ7Jey 2020年5月29日 21:23:32 : PjE4U0HMCU : U1JSZVJ4QUd4ZDY=[22]
だから中国とかいう国はそもそも最初から存在しないんだよ:

そもそも「中国人」は外国人がつくった概念
運営者  田代さんに伺いたいのは、そういう存在である中国の民、中国人と言い切れるほどひとつのまとまりはないと思うのですが、それはどういう人たちだとわれわれは考えるべきなのか、その辺のことからお話していただきたいんです。
田代  まず中国というのは、本当に、多様というよりも混沌・カオスなんです。だから一口には何も言えません。中国に関するお話は、とめどもなく、まとまりがありません。
運営者 中国自体が、まとまりのない国だからですね。
田代  だから中国に関する話で、まとまりがよかったり、日本人が聞いて分かりやすかったりしたら、それは疑ってかかるべきなんです(笑)。
 よく言われることですが、中国の統計がよくまとまっていたら、それは嘘だということです。
運営者 統計的にすら、把握ができない国ということですね。
田代  そもそも、中国人という概念は、外国産なんです。中国人同士にとっての、「あなた何国人?」というのは、国籍を聞いているのではなくて、北京人か、上海人か、広東人かを聞いているのです。ちょうどアメリカで、What is your religion? と聞いたら、プロテスタントの宗派を聞いているのと同じようなものです。
 北京と上海では、言葉語も、食事料理も、文化も全然違うわけですから。だから彼らは、「同じグループに属している」という意識はあまりないんです。
運営者 日本では新任大臣が「日本は単一民族」と食言したらクビになりますが、中国では「中国は単一民族」と発言してもクビになることはないということですね。
田代  そういうことです。そんなことを言っても、まったく意味がわからないわけですから。中華人民共和国は国民国家ではないので、「国民」という言葉は避け、「人民」とか「老百姓」とか「中華民族」という言葉が使われます。「老百姓」は「昔からいるいろいろな姓」という意味で、「中華民族」は「漢族と55の少数民族との共同体」という意味です。ちなみに「漢民族」は日本語で、中国では「漢族」です。

 ではどうして「支邦人」、「中国人」、「チャイニーズ」という言葉ができたかというと、清国の終わりに留学生がアメリカや日本に行ってからのことです留学生が学校で、「チャイニーズ集まれ」と言われても、みんなが誰のことかわからないわけです。「チャイニーズって誰なんだよ?」と聞き返したら、「お前とお前のことだよ」と言われて、「びっくりした〜。上海出身の俺と、福建出身のアイツが同じカテゴリに属しているのか!」と驚いて書き残した留学生の日記が見つかっています。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/656.html#c4

[お知らせ・管理21] 2020年05月 困った時、意見、提案、相談などなんでも。管理人が24時間以内に必ず見るスレ 管理人さん
215. 中川隆[-12562] koaQ7Jey 2020年5月30日 05:47:18 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[2]
中国は悪質な差別国家だから中国を差別するのは当然だ:

中国の農村では農民の平均所得が現在も10万円に過ぎず、僻地では今も年収1万円です。


僻地とはウイグル族など「テロリスト」とされている民族で、出稼ぎや移住、職業の選択は禁止されています。

農民の子は一生農民、生まれた場所で一生暮らすのが義務付けられ、勝手に移住すればテロリストとして拘束されます。

という事は同じ中国でありながら北京や上海中心部では100万円以上、他民族の居住地は年収1万円なのです。


これだけ地域によって収入に差が在るなら、都市への移住が殺到する筈ですが、現在でも移住は禁止されています。

移住が認められるのは共産党有力者にコネがあったり、賄賂を払える人だけで、大多数の出稼ぎは非合法住民になります。

出稼ぎは犯罪なので都市で生まれた人より低賃金になり、給料はおよそ半分ほどと言われています。

中国出稼ぎ労働者の実態

中国経済の成長率が落ち、特に製造業や輸出企業が不振で、バタバタと倒産しています。

毎年数百万人が新たに出稼ぎし、工場で働いて、安い商品を世界に輸出してきました。

中国製造業は現在マイナス成長になっていて、代わりにインターネットが発達しているという人も居るが、インターネットは労働者を雇わない。


インターネット事業で工場と同じ売上が有ったとしても、雇用する労働者は10%か1%に過ぎないでしょう。

中国全土の失業率の統計はないが、高度成長していた頃でも10%近くあったと推測されるので、現在は15%はあるでしょう。

低成長になると真っ先に切られるのは、都会に出稼ぎに来ている非合法労働者で、どんどん田舎に帰っています。


出稼ぎ労働者は2015年にゼロ成長で伸びが止まり、他の省まで出稼ぎに行く人はマイナスになりました。

中国の都市人口は56%で、60%に上げる目標を建てているが、計算上は不可能です。

先進国の都市化比率は90%で、中国はかなり少ないが、なぜ都市化を進めたいのでしょうか。


農業は近代化されると人手が不要になり、1割ほどの人数で昔と同じ生産が可能になり、従って失業者が農村に溢れます。

また農業の経済性は工業やサービス業より低いので、都市化を進めないとこれ以上経済成長しません。

都市化が進まないと中国が建設した住宅が売れ残り、不動産業は低迷するでしょう。


「戸口」制度では移住しても都市戸籍ではなく農村戸籍のままなので、住民サービスが受けれません。

保険もないし学費の補助や福祉サービスもなく、その子供もまた不法労働者のままなのです。

すると一時的に都会で労働したとしても、金を稼いだら生まれた土地にもどった方が賢明です。


農村戸籍だと銀行口座を開設出来ないし、居住地の役所に結婚を届け出る事も、子供の出生届すら出せません。

都市住人のうち都市戸籍を持っているのは3分の1にすぎず、北京や上海の3分の2は違法な住人です。


「戸口」制度は共産主義や治安を維持するために必要とされていて、自由化される事はありません。
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/600.html#c215

[番外地7] MMTは詭弁。金融緩和・ 財政出動をいくらやっても資本家に金が集まるだけでデフレから脱却できない。

MMTは詭弁。金融緩和・ 財政出動をいくらやっても資本家に金が集まるだけでデフレから脱却できない。チャンネル桜のアホ評論家が日本のGDPだけが上がらないと騒いでいますが、 円のマネーサプライがあまり増えないから GDPも上がらないだけです。

最近宣伝されているMMT は国際金融資本の要請で、過去の欠陥金融システムを肯定するだけの対症療法、赤字国債大量発行は資本家と国際金融資本だけに利益をもたらし、貧富の差を拡大、マルクスが預言した階級社会を完成させる。

高度成長が一段落してもマネーストックは増え続けている。 それは政府が毎年税収以上の金をばら撒いているから。そしてその金はすべて資本家に再分配されている。労働者の賃金は全く上がらないからデフレになるんですね。

つまり、MMTも含めて今の金融システムは、国民から集めた税金を資本家に再分配するシステムなんです。


「MMT(現代貨幣理論)」は最近話題ですが、根本的に物事を解決するわけではありません。今の金融システムの矛盾を維持したまま、それを続けるための詭弁です。

なぜ今、MMT(現代貨幣理論)なのか? 白崎一裕×大西つねき緊急対談ライブ
https://www.youtube.com/watch?v=zCROccYD64A

マネーサプライを10倍にすれば貨幣価値と実質賃金は1/10、GDPや株価は10倍になるに決まっています。 輸出主導経済を内需主導に変えない限りは賃金を下げないと中国・韓国に敵わないので、内需壊滅、デフレになるに決まっています。

金融緩和・ 財政出動をいくらやってもデフレ脱却はできません。

終戦後にGHQがやった様に、今迄1円札だったものを意図的に10円札と書き換えれば、1円の価値が1/10になるのですね。 別に景気が良くなったとか、需要が10倍になったとかいう問題では無いのです。実態経済は変わらないので、株価とGDPは新紙幣では10倍になります。景気が良くなったから上がる訳ではありません。

利子付き国債の大量発行は貨幣価値を下げて、株価だけを上昇させる。金融緩和すれば為替での貨幣価値が下がり、輸入物価上昇・実質的な賃金低下・株を所有する富裕層への富の移転が起きる。 そして貧富の差が極限まで進む。

国民の資産が変わらないのにマネーサプライが倍になったら実質的な貨幣価値は半分になる。しかし、名目賃金は変わらないから労働者はどんどん貧しくなっていく。

一方、貨幣価値が半分になれば株価は倍になる。株価の実質価値は同じだけど、名目値だけ倍になるから国民は景気が良くなったと勘違いするけど、実際には外人投資家が上昇分を持ち出すから、日本の資産は減っていく。

要するに、国債を大量発行すると外人投資家と日本の資産家が儲けて、それと同じ額だけ日本の労働者の金が減ってしまう。 相場はゼロサムだから、実質的な全資産は同じで分配の仕方が変わるだけ。

労働者への分配を減らさない為には国債ではなく無利子の政府紙幣を発行して、ベーシックインカムで金を労働者にばら撒くしかない。

資本主義というのは労働者が気付かない様に利子の形で富を資本家に移す巧妙な仕組みなんだ。

紙幣印刷はもっとも便利で、もっとも誤解されやすく、もっとも行われやすい債務縮小の方法である。実際、紙幣印刷は債務の急な縮小を和らげ、この金融上の富を供給する代償として誰が富を取り上げられる被害者になるのかが分かりにくい(しかしそれは実際には通貨と債券の保有者全員である)。しかも大抵の場合資産価格が減価された通貨建てで上昇するので人々はリッチになったような気がする。

ほとんどの人は通貨の下落リスクに注意を払わない。ほとんどの人が心配するのは自国通貨建てで資産が増えるか減るかであって、自国通貨自体が上がるか下がるかを心配する人はほとんどいない。

1700年にはおよそ750の通貨が存在したが、今残っているものはたった20%であり、残っている通貨はそのすべてが減価している。ドイツではグルデンやターラーが使われていた。日本には円がなく、小判や両が使われていた。イタリアでは6つの通貨のうちいくつかを使っていた。それらの通貨の内いくらかはハイパーインフレになったり、敗戦や巨額の戦費で債務の支払いが不可能になったりして通貨が消滅し、別の通貨で置き換えられた。いくらかは別の通貨に統合された(ユーロのように)。ドルやポンドのようにいくらかは現在も残っているが価値は下落している。

ちなみに日本の両はいわゆる小判だったが、円に変わるまでの間に金の含有量が何度も減らされている。円ももともと金貨だったがついに紙切れになった。そして紙切れになっても誰も文句を言わないのである。アメリカでも同じことが起こっている。

いつの間にか財布の中身をなかったことにされる紙幣印刷は本質的にはもっとも不公平なのだが、面白いことに人類が負債という問題に直面した時には大抵紙幣印刷が選ばれてきたのである。こうした通貨と信用の創造に誰も文句を言っていないようだ。それどころか、政府が通貨を印刷しなければ政府は残酷だなどと悲鳴が聞こえてきそうである。政府には送り出す金などなく、しかも政府とは金持ちの誰かではなくわたしたち自身であり、それをわたしたちが支払わなければならないということを誰も理解していない。

今の状況で政府が予算とバランスを取るために支出を減らし、国民にも同じようにするように求め、不況でもたくさんの債務の不履行や減免をそのままにしたり、あるいはお金を持っている人から直接税金によってお金を持っていない人に再分配しようとしたりした場合のことを想像してみてほしい。紙幣印刷のほうがよほど政治的に受け入れられやすい。

しかし、どれだけ紙幣を刷っても円は下がらないだろうか? 
先進国であるヨーロッパにはその運命は近づいてきているのである。
ドルは既に紙くずになっている

まず金だが、ダリオ氏は主要な通貨が1600年以来金に対してどれほど減価したかのチャートを示している。見事にすべてゼロに近づいているのだが、実は通貨の価値は下落するものだということを理解するためには400年も遡る必要はない。読者は金価格の長期チャートを見たことがあるだろうか。見たことのある読者も少なくないだろう。しかし本当にその意味を実感するためにはグラフの上下を逆にする必要がある。つまり、金価格がどれだけ上がったかではなく、現金の価値がどれだけ下がったかを見るのである。

以下は過去50年ほどの間に金に対してドルの価値がどう推移したかのチャートである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

50年の間にものの見事に紙くずになっている。50年ほど前のドルの価値を100%とすると、現在のドルの価値はその2.3%である。

国の全資産の実態価値とマネーサプライの名目値は同じで、株価時価総額とGDPもほぼ同じになります。金融緩和でマネーサプライが倍になれば貨幣価値は半分になりますが、株価は企業の実態価値を反映しているので、株価は倍になります。GDPも自国通貨建てで最初は倍になります。

しかしもちろん、GDPや株価が倍になっても実体価格は変わりません。
問題はGDPは賃金の総和で、マネーサプライが増えても賃金が比例して増えないので、GDPの伸びもいずれストップしてしまいます。マネーサプライの増加分はすべて資本家の取り分になってしまうのです。

実質賃金が減れば内需が減るからデフレになる。

政府が財政出動しても利益は資本家に行ってしまう。つまり国民の金を資本家に移転する事になる。


それから 外資が上がった株を売れば、それだけ日本の資産が海外に持ち去られて日本は貧しくなります。国内の投資家が上がった株を売ってもその儲け分だけ国の資産は減少します。相場はゼロサムですから、誰かが儲けたら同じ額だけ国が損します。

つまり、日経平均株価が上がれば上がる程、日本は貧しくなるのです。それが日銀が外資の命令で必死に株価を上げている理由ですね。ここで問題なのは、貨幣価値が半分になっても労働者の名目賃金はあまり上がらないのです。

デフレを脱却したければ利子が付かない政府紙幣を大量に発行して、実質賃金が半分になった労働者にベーシックインカムみたいな形でばらまくしかないのです。

http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/660.html

[番外地7] MMTは詭弁。金融緩和・ 財政出動をいくらやっても資本家に金が集まるだけでデフレから脱却できない。 中川隆
1. 中川隆[-12567] koaQ7Jey 2020年5月30日 06:23:31 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[0]
資本主義というのは労働者が気付かない様に利子の形で富を資本家に移す巧妙な仕組み。金融緩和・ 財政出動をいくらやっても資本家に金が集まるだけでデフレから脱却できない。チャンネル桜のアホ評論家が日本のGDPだけが上がらないと騒いでいますが、 欧米や中国はマネーサプライが毎年増え続け貨幣価値が小さくなっているので 見掛けのGDPや公共事業費が増えているだけです。 日本は円のマネーサプライがあまり増えないから 見掛けのGDPや公共事業費が上がらないだけです。

最近宣伝されているMMT は国際金融資本の要請で、過去の欠陥金融システムを肯定するだけの対症療法、赤字国債大量発行は資本家と国際金融資本だけに利益をもたらし、貧富の差を拡大、マルクスが預言した階級社会を完成させる。

高度成長が一段落してもマネーストックは増え続けている。 それは政府が毎年税収以上の金をばら撒いているから。そしてその金はすべて資本家に再分配されている。労働者の賃金は全く上がらないからデフレになるんですね。

つまり、MMTも含めて今の金融システムは、国民から集めた税金を資本家に再分配するシステムなんです。


「MMT(現代貨幣理論)」は最近話題ですが、根本的に物事を解決するわけではありません。今の金融システムの矛盾を維持したまま、それを続けるための詭弁です。

なぜ今、MMT(現代貨幣理論)なのか? 白崎一裕×大西つねき緊急対談ライブ
https://www.youtube.com/watch?v=zCROccYD64A

マネーサプライを10倍にすれば貨幣価値と実質賃金は1/10、GDPや株価は10倍になるに決まっています。 輸出主導経済を内需主導に変えない限りは賃金を下げないと中国・韓国に敵わないので、内需壊滅、デフレになるに決まっています。

金融緩和・ 財政出動をいくらやってもデフレ脱却はできません。

終戦後にGHQがやった様に、今迄1円札だったものを意図的に10円札と書き換えれば、1円の価値が1/10になるのですね。 別に景気が良くなったとか、需要が10倍になったとかいう問題では無いのです。実態経済は変わらないので、株価とGDPは新紙幣では10倍になります。景気が良くなったから上がる訳ではありません。

利子付き国債の大量発行は貨幣価値を下げて、株価だけを上昇させる。金融緩和すれば為替での貨幣価値が下がり、輸入物価上昇・実質的な賃金低下・株を所有する富裕層への富の移転が起きる。 そして貧富の差が極限まで進む。

国民の資産が変わらないのにマネーサプライが倍になったら実質的な貨幣価値は半分になる。しかし、名目賃金は変わらないから労働者はどんどん貧しくなっていく。

一方、貨幣価値が半分になれば株価は倍になる。株価の実質価値は同じだけど、名目値だけ倍になるから国民は景気が良くなったと勘違いするけど、実際には外人投資家が上昇分を持ち出すから、日本の資産は減っていく。

要するに、国債を大量発行すると外人投資家と日本の資産家が儲けて、それと同じ額だけ日本の労働者の金が減ってしまう。 相場はゼロサムだから、実質的な全資産は同じで分配の仕方が変わるだけ。

労働者への分配を減らさない為には国債ではなく無利子の政府紙幣を発行して、ベーシックインカムで金を労働者にばら撒くしかない。

資本主義というのは労働者が気付かない様に利子の形で富を資本家に移す巧妙な仕組みなんだ。

紙幣印刷はもっとも便利で、もっとも誤解されやすく、もっとも行われやすい債務縮小の方法である。実際、紙幣印刷は債務の急な縮小を和らげ、この金融上の富を供給する代償として誰が富を取り上げられる被害者になるのかが分かりにくい(しかしそれは実際には通貨と債券の保有者全員である)。しかも大抵の場合資産価格が減価された通貨建てで上昇するので人々はリッチになったような気がする。

ほとんどの人は通貨の下落リスクに注意を払わない。ほとんどの人が心配するのは自国通貨建てで資産が増えるか減るかであって、自国通貨自体が上がるか下がるかを心配する人はほとんどいない。

1700年にはおよそ750の通貨が存在したが、今残っているものはたった20%であり、残っている通貨はそのすべてが減価している。ドイツではグルデンやターラーが使われていた。日本には円がなく、小判や両が使われていた。イタリアでは6つの通貨のうちいくつかを使っていた。それらの通貨の内いくらかはハイパーインフレになったり、敗戦や巨額の戦費で債務の支払いが不可能になったりして通貨が消滅し、別の通貨で置き換えられた。いくらかは別の通貨に統合された(ユーロのように)。ドルやポンドのようにいくらかは現在も残っているが価値は下落している。

ちなみに日本の両はいわゆる小判だったが、円に変わるまでの間に金の含有量が何度も減らされている。円ももともと金貨だったがついに紙切れになった。そして紙切れになっても誰も文句を言わないのである。アメリカでも同じことが起こっている。

いつの間にか財布の中身をなかったことにされる紙幣印刷は本質的にはもっとも不公平なのだが、面白いことに人類が負債という問題に直面した時には大抵紙幣印刷が選ばれてきたのである。こうした通貨と信用の創造に誰も文句を言っていないようだ。それどころか、政府が通貨を印刷しなければ政府は残酷だなどと悲鳴が聞こえてきそうである。政府には送り出す金などなく、しかも政府とは金持ちの誰かではなくわたしたち自身であり、それをわたしたちが支払わなければならないということを誰も理解していない。

今の状況で政府が予算とバランスを取るために支出を減らし、国民にも同じようにするように求め、不況でもたくさんの債務の不履行や減免をそのままにしたり、あるいはお金を持っている人から直接税金によってお金を持っていない人に再分配しようとしたりした場合のことを想像してみてほしい。紙幣印刷のほうがよほど政治的に受け入れられやすい。

しかし、どれだけ紙幣を刷っても円は下がらないだろうか? 
先進国であるヨーロッパにはその運命は近づいてきているのである。
ドルは既に紙くずになっている

まず金だが、ダリオ氏は主要な通貨が1600年以来金に対してどれほど減価したかのチャートを示している。見事にすべてゼロに近づいているのだが、実は通貨の価値は下落するものだということを理解するためには400年も遡る必要はない。読者は金価格の長期チャートを見たことがあるだろうか。見たことのある読者も少なくないだろう。しかし本当にその意味を実感するためにはグラフの上下を逆にする必要がある。つまり、金価格がどれだけ上がったかではなく、現金の価値がどれだけ下がったかを見るのである。

以下は過去50年ほどの間に金に対してドルの価値がどう推移したかのチャートである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

50年の間にものの見事に紙くずになっている。50年ほど前のドルの価値を100%とすると、現在のドルの価値はその2.3%である。

国の全資産の実態価値とマネーサプライの名目値は同じで、株価時価総額とGDPもほぼ同じになります。金融緩和でマネーサプライが倍になれば貨幣価値は半分になりますが、株価は企業の実態価値を反映しているので、株価は倍になります。GDPも自国通貨建てで最初は倍になります。

しかしもちろん、GDPや株価が倍になっても実体価格は変わりません。
問題はGDPは賃金の総和で、マネーサプライが増えても賃金が比例して増えないので、GDPの伸びもいずれストップしてしまいます。マネーサプライの増加分はすべて資本家の取り分になってしまうのです。

実質賃金が減れば内需が減るからデフレになる。
政府が財政出動しても利益は資本家に行ってしまう。つまり国民の金を資本家に移転する事になる。

それから 外資が上がった株を売れば、それだけ日本の資産が海外に持ち去られて日本は貧しくなります。国内の投資家が上がった株を売ってもその儲け分だけ国の資産は減少します。相場はゼロサムですから、誰かが儲けたら同じ額だけ国が損します。つまり、日経平均株価が上がれば上がる程、日本は貧しくなるのです。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/660.html#c1

[番外地7] 中国は悪質な差別国家だから中国を差別するのは当然だ
中国は悪質な差別国家だから中国を差別するのは当然だ:

中国の農村では農民の平均所得が現在も10万円に過ぎず、僻地では今も年収1万円です。

僻地とはウイグル族など「テロリスト」とされている民族で、出稼ぎや移住、職業の選択は禁止されています。
農民の子は一生農民、生まれた場所で一生暮らすのが義務付けられ、勝手に移住すればテロリストとして拘束されます。
という事は同じ中国でありながら北京や上海中心部では100万円以上、他民族の居住地は年収1万円なのです。

これだけ地域によって収入に差が在るなら、都市への移住が殺到する筈ですが、現在でも移住は禁止されています。
移住が認められるのは共産党有力者にコネがあったり、賄賂を払える人だけで、大多数の出稼ぎは非合法住民になります。
出稼ぎは犯罪なので都市で生まれた人より低賃金になり、給料はおよそ半分ほどと言われています。

中国出稼ぎ労働者の実態
中国経済の成長率が落ち、特に製造業や輸出企業が不振で、バタバタと倒産しています。
毎年数百万人が新たに出稼ぎし、工場で働いて、安い商品を世界に輸出してきました。
中国製造業は現在マイナス成長になっていて、代わりにインターネットが発達しているという人も居るが、インターネットは労働者を雇わない。

インターネット事業で工場と同じ売上が有ったとしても、雇用する労働者は10%か1%に過ぎないでしょう。
中国全土の失業率の統計はないが、高度成長していた頃でも10%近くあったと推測されるので、現在は15%はあるでしょう。
低成長になると真っ先に切られるのは、都会に出稼ぎに来ている非合法労働者で、どんどん田舎に帰っています。

出稼ぎ労働者は2015年にゼロ成長で伸びが止まり、他の省まで出稼ぎに行く人はマイナスになりました。
中国の都市人口は56%で、60%に上げる目標を建てているが、計算上は不可能です。
先進国の都市化比率は90%で、中国はかなり少ないが、なぜ都市化を進めたいのでしょうか。

農業は近代化されると人手が不要になり、1割ほどの人数で昔と同じ生産が可能になり、従って失業者が農村に溢れます。
また農業の経済性は工業やサービス業より低いので、都市化を進めないとこれ以上経済成長しません。
都市化が進まないと中国が建設した住宅が売れ残り、不動産業は低迷するでしょう。

「戸口」制度では移住しても都市戸籍ではなく農村戸籍のままなので、住民サービスが受けれません。
保険もないし学費の補助や福祉サービスもなく、その子供もまた不法労働者のままなのです。
すると一時的に都会で労働したとしても、金を稼いだら生まれた土地にもどった方が賢明です。

農村戸籍だと銀行口座を開設出来ないし、居住地の役所に結婚を届け出る事も、子供の出生届すら出せません。
都市住人のうち都市戸籍を持っているのは3分の1にすぎず、北京や上海の3分の2は違法な住人です。

「戸口」制度は共産主義や治安を維持するために必要とされていて、自由化される事はありません。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/661.html

[近代史02] タイは天国に二番目に近い国 1 中川隆
40. 中川隆[-12566] koaQ7Jey 2020年5月30日 06:49:10 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[1]
◆普通の女性に愛人契約なんかを持ちかける愚かさと無意味さと馬鹿馬鹿しさ
2020.05.30


パタヤ日本人会(PJA)のサイトが、あるタイ女性のツイートを紹介していた。あるタイ女性が、タイ語でツイートした内容がタイで波紋を起こしているということだ。詳しい内容はこちらにある。


日本人から月3万バーツで愛人契約を持ちかけられた!ツイートが大反響
https://pattayaja.com/2020/05/29/11733/


『タイに来る日本人男性の多くは本当にひどいです。40代の日本人から、愛人契約に興味があるかどうか尋ねられました。(1か月あたり3万バーツ、妻がいないときに週に1回食事をして、セックスをすれば帰国日までお金を与えるという約束です)』


つまりタイに派遣された駐在員が、自分の会社の部下のタイ女性に「愛人契約しないか?」と持ちかけた図式である。


実のところ、東南アジアに派遣された駐在員の間ではよく行われているもので、今までは黙認されて裏側でずっと続いてきたものだ。


しかし、タイの人々の生活水準も上がっているし、別に外国人の愛人(フェーン)にならなくても生きていける生活になっている。そもそも、タイの高学歴の女性たちはみんなエリートであり、きちんとした教育を受けており、普通の日本人女性よりも保守的で厳格だ。


今はすべての人がSNSで自分の身に起きたことを発信できる時代であり、全世界に広がった「#MeToo」を見ても分かる通り、普通に生きている女性に愛人契約なんかを持ちかけたら一瞬で糾弾される。


愛人契約は真夜中の世界の論理で成り立つものだ。それを表社会に女性に持ちかけてどうするつもりだったのか。
https://blackasia.net/?p=18571
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/377.html#c40

[近代史02] タイは天国に二番目に近い国 1 中川隆
41. 中川隆[-12565] koaQ7Jey 2020年5月30日 06:52:00 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[2]
タイ)日本人から月3万バーツで愛人契約を持ちかけられた!ツイートが大反響
2020年5月29日
https://pattayaja.com/2020/05/29/11733/


昨日の2020年5月28日、タイ人の方がタイ語で行ったと見られる以下のツイートが、タイで大きな反響を呼んでいます。


ผช. ญี่ปุ่นหลายคนที่มาไทยคือแย่จริงนะ เคยโดนญี่ปุ่นวัย 40+ มาถามว่าสนใจเป็นเมียน้อยแบบผูกสัญญาไหม (สัญญาที่ว่าคือให้เดือนละ 30k, กินข้าวอาทิตย์ละครั้งเวลาเมียไม่อยู่ + xxx และจะให้เงินจนครบวันที่นางกลับญี่ปุ่น)

— บัญชี (แมว) เจแปน : BancheeJapan บัญชีพักก่อน (@bancheejapan) May 28, 2020

(bancheejapanさんのツイート)

このツイート、日本語に訳すと以下のような概要です。

「タイに来る日本人は本当に酷い!

40歳以上の中年の日本人男性から、月3万バーツで愛人契約を持ち掛けられた。

その内容は、奥さんが居ない時に週一回のペースで会って、食事とXXXをすること」

というものです。

本記事執筆時点の2020年5月29日の午後5時過ぎの時点で、リツイートは7800を超えており大反響となっています。

このツイートに対し、日本人の全部がこんな事をしているわけではないものの、タイに来る一部の日本人は、タイ人の女性をこのように見ているという意味でも大きな反響となっており、日本人のモラルが疑われる事態となっています。

もちろん、現時点ではこの日本人とは誰で、本当にそのような愛人契約を持ち掛ける行為があったのかどうか、検証がされているわけではありません。しかしながら、日本人社会においては、このような話はなんとも「ありそうな」話であり、改めて日本人社会のモラルが問われる事態となっていると言えるでしょう。

タイ現地でもネット上からは「私も似たような話を日本人から持ち掛けられた」という声も複数あがっています。

現在、タイの日本人社会においては、以下記事の通りバンコクなどで、一部の”日本メディア”がタイ人女性を誹謗中傷する記事を出し、日本人が読んでいるという問題もタイで広まっており、日本人への感情が悪化しています。


タイ)ワイズの対応に批判殺到「タイの方々は日本人を楽しませる”物”ではない」
https://pattayaja.com/2019/10/02/6770/

 (タイ語版は、こちらを御紹介しています。)
(สำนักข่าวไทย) นิตยสาร WiSE รับมือกับคำวิจารณ์มากมายเรื่อง “คนไทยไม่ใช่ของเล่นของคนญี่ปุ่น”
https://pattayaja.com/2019/10/09/6939/

(画像は上記記事より)

一部の日本人男性の行為により、日本人全体のイメージが、また悪化しそうな状況となっています。

外国人への嫌悪感の高まりの可能性に懸念

現在は武漢ウイルスの問題もあり、これが一部外国人が感染を広げているという認識が広がっていることから、日本人を含む外国人全般への印象が悪化しており、それによる問題なども既に相当数が把握されています。

参考記事)
タイ)日本人は出ていけ、刺身には菌!理解を求め梨田大使が手紙
https://pattayaja.com/2020/03/20/9347/


この問題はタイ全土で同様の状況となっています。

タイの日本人社会においては、以下記事の通りバンコクなどで、一部の”日本メディア”がタイ人女性を誹謗中傷する記事を出し、日本人が読んでいるという問題もタイで広まっており、日本人への感情が悪化しています。


タイ)ワイズの対応に批判殺到「タイの方々は日本人を楽しませる”物”ではない」
https://pattayaja.com/2019/10/02/6770/

 (タイ語版は、こちらを御紹介しています。)
(สำนักข่าวไทย) นิตยสาร WiSE รับมือกับคำวิจารณ์มากมายเรื่อง “คนไทยไม่ใช่ของเล่นของคนญี่ปุ่น”
https://pattayaja.com/2019/10/09/6939/

タイ)女性中傷のワイズ、タブロに回答せずツイート対応で報じられる
https://pattayaja.com/2019/10/18/7099/

https://pattayaja.com/2020/05/29/11733/

http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/377.html#c41

[近代史02] タイは天国に二番目に近い国 1 中川隆
42. 中川隆[-12564] koaQ7Jey 2020年5月30日 06:57:10 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[3]

2005.09.22
バンコクにおける愛人契約の相場


「このまえチャットをしていたときに、ある男が毎週土曜日に丸一日付き合ってくれれば月々20,000バーツの手当を支払うという話を持ちかけてきたから、相場は30,000〜40,000バーツなんじゃないかって切り返してやったわ。もちろん興味本位でからかってやっただけなんだけど、最後には25,000バーツ出すとまで言ってきた。この男が女子大生に対して手慣れた様子で愛人契約の話を持ちかけてきているところから推測すると、おそらくすでにそれなりの実績があるってことなんじゃないかしら?」

夕方、きのうの二日酔いが抜けないまま自室でぼんやりとテレビを眺めていたところ、友人が夕食を差し入れに来てくれた。話は半ば上の空だったが、ふと、標準的な日本人の給与所得者がこれほどの大金を用意できるものかと気になった。もし仮に、タイにおける愛人契約の相場が月々30,000バーツであるのなら、年間で100万円弱の費用がかかる計算になる。

愛人の女性に対して支払われるいわゆる手当や仕送りは、お気に入りの娼婦に売春から足を洗わせ、自分ひとりで独占するための収入補償といった意味合いがある。ひとりの女性をいろいろな意味で拘束するわけだから、贅沢な生活などそれなりの見返りが必要となる。バンコクであれば、せめて大卒女性25歳の標準的な月給である20,000バーツ程度はほしいところ。相場は25,000〜35,000バーツと言われており、40,000バーツ以上になると「そこそこオイシイ話」に分類される。


関連記事タイの援助交際について考える その2
2004.07.24
これが今、一部の日本人中年男性たちのあいだで流行っている。ところが、タイにおける愛人手当の相場は、日本の3分の1程度と決して安くはない。タイにおける所得の格差に疎い一部の日本人男性たちは、タイ人はみんな均質に貧しいと思い込み、毎月6,000バーツもやれば十分と考えているようだが、それでは高卒の工場労働者の月給にも劣るため、愛人に対して支払う手当としてはあまりにも少なすぎる。手当が少なければ、その愛人は、男性に対して手当の増額を要求するか、もしくはスポンサーとなる男性の数を増やさざるを得なくなるだろう。したがって、少額の手当や仕送りでは、特定の女性に売春から足を洗わせて、自分ひとりで独占するという、愛人契約本来の目的を果たすことはできない(そもそも十分な手当を支払ったところでどれだけ上手くいくのか疑わしい)。

一部の日本人中年男性たちは、「タイの女性は金の亡者だ」とよく言うが、恋愛ビジネスにおけるサービスの提供者が、サービスの利用者に対して正当な報酬を要求することのどこがおかしいのか?(それとも普通の恋愛と「ビジネスとしての恋愛」との区別すらついていないのか!?)。

私的なNGO活動として自己満足に浸りたいのであれば、本物のNGO団体に金銭を寄付をしてみてはいかがだろうか。中途半端なカネを愛人なり娼婦なりに与えたところで、どうせ麻薬の購入費やヒモの生活費に変わるのは目に見えている。それならば、最初から民間の団体を通じてタイの貧しい子どもたちに文房具などを提供し、将来における地球社会の発展に貢献したほうがよほど有意義なはずだ。一部の見当違いな同胞たちを見ていると、本当にいたたまれない気持ちになる。

この友人は、就職活動をしていたときに「高収入保証」と書いてある求人案件をインターネットで見つけ、電話で業務の内容について問い合わせてみたところ、なんとラッチャダーピセーク通りにあるマッサージパーラー(ソープランド)に繋がったという。そのときも今回と同じように興味本位で質問攻めにしたそうで、そのときはじめてマッサージパーラーで働いているマッサージ師(ソープ嬢)に月々50,000バーツの固定給のほか、チップによる追加収入があることを知ったという(肌は白くて目は大きいか、と電話中に何度も聞かれたらしい)。

ところで、冒頭にある友人の話にはオチがあった。

「この男、手当は毎月末に銀行の口座に振り込むとかほざいていたのよ。それでは、せいぜい1ヶ月間まるまる好き勝手なことをされたあげくにトンヅラをこかれるのがオチね。誰がそんなバカな話に付き合うもんですか!って思うけど、こんな誘いに乗ってしまう愚か者もきっといるんでしょうね。ま、わたしは端から誰かの愛人になるつもりなんかないから関係ないけど」

支払う側にとっても受け取る側にとっても自己責任。それが愛人契約の原則なのかもしれない。

昨晩、トーングロー通りにあるキャバレー Exotica Exclusive Club を出たあとの記憶が全くない。コンタクトレンズの左側はきちんと保存容器のなかに納められていたのに、なぜか右側だけが目のなかに入ったままだった。部屋の鍵やカバンが定位置にはなかったので、コンドミニアムの警備員が部屋まで送り届けてくれたのか、それとも自力で部屋まで戻って来たのか判断することもできない。まったく分からないことばかりで、朝からイヤな気分になった。

視力は午後3時ごろに回復し、午後6時には眩暈からも開放された。そのため、タームペーパー(学期末の課題小論文)の提出日が間近に迫っているにもかかわらず、昼寝をしたりネットサーフィンをしたりと、一日を無為に過ごしてしまった。

ここのところ、好奇心旺盛な人の話力には感心させられることが多い。好奇心は知識を蓄積し、知識はコミュニケーション能力として発揮される。

http://www.diaryinbangkok.com/2005/09/22/%E6%84%9B%E4%BA%BA%E5%A5%91%E7%B4%84%E3%81%AE%E7%9B%B8%E5%A0%B4/
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/377.html#c42

[近代史5] 日本列島は欧米の侵略の拠点で日本人は手先。イギリスもアメリカも日本がアジアの国々と友好的な関係を結ぶことを許さない

日本列島は欧米の侵略の拠点で日本人は手先。イギリスもアメリカも日本がアジアの国々と友好的な関係を結ぶことを許さない


2020.05.30
「英国の戦略から見た米中戦争」


 アメリカと中国は経済的に「ズブズブ」の関係にあり、軍事的な緊張が高まることはないと主張する人がいましたが、そうした見通しは崩れています。

 1991年12月にソ連が消滅したことでアメリカの支配層は世界制覇はほぼ達成したと考え、ウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づく詰めの戦争を始めました。

 ところが21世紀に入ってロシアが曲がりなりにも再独立、2014年のウクライナでのクーデターや香港での反政府運動をアメリカが仕掛けたことを見て中国も警戒しはじめています。

 香港は19世紀のアヘン戦争でイギリスに奪われた土地ですが、その時は海岸部分を制圧できただけでした。内陸部を支配するためには軍事力が圧倒的に不足していたからです。イギリスにはロシア(ソ連)を制圧して世界の覇者になるという野望があるのですが、自力で達成することは不可能です。

 そこでイギリスが建てた長期戦略はユーラシア大陸の沿岸部分を支配し、海路を抑えて締め上げていこうというものでした。それでもイギリス軍だけでは無理で、ターゲット国同士を戦わせたり傭兵を雇ってきました。イギリスが明治維新に関与、明治政府の「富国強兵」に協力したのもそのためでしょう。

 そうしたイギリスの戦略をアメリカは引き継ぎました。彼らにとって中国やロシアは侵略の対象でしかありません。日本列島は侵略の拠点であり、日本人は手先ということになります。イギリスにしろアメリカにしろ、日本がアジアの国々と友好的な関係を結ぶことを許しません。

 中国やロシアがアメリカに屈することを拒否すれば必然的に戦いは始まります。共和党にしろ民主党にしろ、アメリカの支配システムに組み込まれている政党はこの道を進むのです。新型コロナウイルスもそのために利用されているのです。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005300000/
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/136.html

[近代史4] キリスト教原理主義 中川隆
4. 中川隆[-12563] koaQ7Jey 2020年5月30日 08:02:08 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[4]

人間の真の価値 2020年05月29日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1138.html

 人の価値は、徹底した利己主義の上に、他人を睥睨できる資産やら権力・地位やら組織やらを握り、他人から畏敬されることだと勘違いしている人は無数にいる。

 それが現代日本社会を支える価値観を生み出している「差別と序列」のシステムだからだ。いいかえれば、競争を原理とする資本主義社会に共通する人生の価値観である。
 それは、自分だけが勝ち上がる喜びに生きているといってもいい。

 ネット上を見ていても、こうした価値観を持っている人は、必ず、自分の資産や能力の自慢を始め、どこかで弱者に対する嘲笑が含まれてくるから、すぐに分かる。
 ネット上でいえば、「ネトウヨ」グループが代表的で、上念司とか堀江貴文とか、武田邦彦らチャンネル桜組とか、長谷川幸洋とかだ。

 日本人の圧倒的多数が、「何のために生きるのか?」と問われ、「カネ・地位・権力・蓄財・名誉・見栄のため」などと考えていることは間違いない。
 もう少し具体的に言えば、他人を見下せる学歴を得て、他人を見下す特権的地位に就き、他人より多くの蓄財を行い、高い塀に囲まれた豪邸に住み、美人妻をもらって、高級車に乗り、「他人の羨む人生」を送ることである。

 そんな人生観のなかで、「他人のために生きる」と利他主義を口にする人はほぼいない。利他主義者を見ると「アイツ、馬鹿じゃないか」と嘲笑するのが関の山である。
 一年中休みなしに毎朝3時に起きて、職場(名古屋市新栄)の周りを清掃し、花を植えている宗次徳二を、日本の経営者グループは決して尊敬しない。

 すでに何度も書いているのだが、利己主義の価値観は、人類社会を底なしのネガティブ世界に向かわせるものである。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-944.html

 人類における最大のネガティブとは戦争である。
 極端にネガティブな世界を体現している「戦争大好き」アメリカ人を想定すれば、すぐに意味が理解できる。

 アメリカの軍人や、共和党支持者「リバタリアン」という人々は、何もしないでいれば、他人が自分の財産を奪い取り、自分たちは殺されると信じ、殺戮兵器を大量に持っていれば、それを怖れて侵略者たちを阻止できると信じている。

 だから、金儲けのため、奴隷として安くこき使える黒人をアフリカから連れてきておいて、やがてポイ捨てし、黒人たちが生きるために行動すると、包容する優しさの代わりに銃弾で恫喝し、ときに殺戮してしまう。
 聖書に描かれた愛は口先だけのものであり、本当の人間関係は、相手を恐怖させる自分の強さ、武装によって支えられていると信じ込んでいる。

 米国国民が、他人に銃口を向けるのは、憲法に保障された基本的人権である。

 アメリカ合衆国憲法修正条項第2条
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E8%A3%85%E6%A8%A9

 世界を平和に導くものは「銃弾」であるという究極の屁理屈=信仰によって、アメリカは建国以来、無数といえる戦争を主導してきた。

 アメリカという国は、まさに、この世のネガティブを体現した国といえるだろう。
 一方で、世界でも有数のキリスト教国家でありながら、他方で、キリストの名によって、人々を弾圧し、残酷に殺戮し、滅亡させてゆくのである。

 なんで、こんな本末転倒なネガティブ国家になってしまったのか、理由探ると、それは、最初に合衆国が成立したとき、先住民であるアメリカンネイティブ(インディアン)の土地を侵略し、少なくとも1000万人を超える先住民を殺戮した血の海の上に、アメリカ国家が築かれたからだろう。
  http://www.aritearu.com/Influence/Native/Native.htm

 この巨大な先住民殺戮と土地の強奪を、自分たちの倫理と矛盾しないで正当化する究極の屁理屈を生み出してみせるしかなかった。
 「巨大な殺戮の正当化」 これこそ、米国合衆国の本質をなすものである。

 アメリカは戦争なしに存続することのできない国家であり、絶えず世界中を見つめて、「敵を作り出して、それを殲滅する正義」を掲げなければならなかった。
 例えば、真珠湾事件も、「戦争がニューデール大不況を解決できる」とケインズに入れ知恵されたルーズベルト・アメリカの演出によるものだった。戦時国際法に完全に違反した原爆投下による巨大殺戮も正当化しまくるしかなかった。

 ベトナム戦争北爆の理由となったトンキン湾事件も完全な捏造だった。そして2000年911テロも、アメリカ自身による国家ぐるみの陰謀だった。
 ひとたび、「銃口が正義」という屁理屈を掲げれば、世界最終戦争による滅亡までネガティブ世界に向けて突っ走るしかないのだ。
 
 アメリカという国は、まるで断崖絶壁に向けて突っ走るレミングの大群のようだ。すでに先頭集団は、崖から海に転がり落ちているのに、後続集団は、ひたすら突っ走り、先頭集団が立ち止まることさえ許さない。
 なんで、こうなってしまったのかを詳しく考察してゆくと、アメリカ国家を支配するユダヤ人グループと、彼らの思想的経典であるタルムードが浮かび上がってくるのだが、これは、今回は触れないことにする。

 アメリカの思想的源流は、共和党リバタリアリズムにあるのだが、その正体が徹底的な利己主義であることついて、すでに触れたし、それがネガティブ国家の本質をなしていることにも触れた。
 ただ、もう一つ、アメリカに代表されるネガティブ勢力の本質として「強欲」を上げておこう。

 アメリカ経済の中核をなす金融資本経済の総本山は、ロスチャイルド系のゴールドマンサックスやメリルリンチ、モルガンSなどだが、これらのユダヤ系金融資本の本質は、世界中のカネを懐に入れてしまいたいという、とてつもない強欲である。
 世界中の右翼の正体は、例えば、ブラジルのボルソナーロ大統領も、トルコのエルドアン大統領も、もちろん、わがトランプ大統領も、とてつもない強欲である。

 この限られた地球上で、助け合って、平等に幸せを享受するという発想が皆無であり、「自分さえよければ他は、どうなっても構わない」とする強欲が、彼らの共通点であり正体といっていい。
 日本もまた、アメリカの属国である以上、この強欲思想をまともに引き継いでいて、麻生太郎など、年がら年中、強欲な利己主義ばかり口にしている。

 「ネガティブ」という概念を説明するのに、私は「利己主義」という言葉に言い換えてきたのだが、「強欲」という言葉に言い換えた方が適切な説明かもしれない。
 だから、バシャールが「二極化」という概念を口にしたとき、それが今年、2020年に、完全にネガティブ世界とポジティブ世界に分裂し、相互に交わらず、やがて数十年後に、ネガティブ世界が、この世から消えてゆくと指摘し、「なるほど、利己主義=強欲が、あと数十年すると地球上から消えてゆくのだ」と私は解釈した。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1118.html

 「強欲」がなぜ間違っているかというと、織田信長の言葉として伝わっている教訓が適切である。
 「起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半」
 https://www.pojihiguma.com/entry/okitehanjou-neteitijou-tenkatottemo-nigouhan

 本当に信長が語ったわけでもないだろうが、これは人生に強欲は禁物であるとする諫めとして実に適切だ。

 資本主義的強欲の価値観の延長では、成功者は、何軒もの豪邸を保有し、何台もの高級車を保有し、たくさんの 美女をカネで買い集め、食べきれないほどの食事でも満足できず、何十台ものテレビを用意している。
 すべて、一人が利用できるのは一つ、あるいは一人しかいないのに……。問題は、他人を、どれほど羨ましがらせるかであり、他人から畏敬されたいがために、究極の無駄人生をおくりたがるのである。

 日本でも、ホリエモンも、前沢も、他人に羨まれたい一心で、莫大な資金をドブに捨てる宇宙開発なんかに手を出しているが、悲惨な結果は、聞かなくとも分かる。
 宗次徳二なんかは何百億の資産があっても、バーゲン品だけを身につけ、子供食堂に巨額の援助を行い、自分は移動でもエコノミーや二等車しか利用しないのに、彼らは、自家用飛行機で他人を睥睨することが大好きな延長に、自家用ロケットまで作ろうとしている。

 こんな立って千畳、寝て万畳のように自分を飾ることが大好きな人物が、人々から本当に愛されることはない。
 例えば、WCサッカーでウルグアイが優勝した理由について、とてつもなく愛される国家指導者がいて、誰もが一丸になったからだといわれる。
https://world-note.com/jose-mujica/
 ウルグアイ国民は、ムヒカ大統領が大好きだったから、最大の能力を発揮できたのだ。

 ムヒカは利他主義者だった。誰もがムヒカを愛した。自分を大事にすることは放棄して、いつでも他人のために働き続けた。

 もし、最大のポジティブな人生という言葉を誰に贈るかといえば、それはムヒカを置いては他にいない。
 私は、2番目に宗次徳二を上げておこう。

 ポジティブという概念は、別の言い方をすれば「脳天気」といってもいい。
 本当のポジティブとは、「何もしなくとも幸せが向こうから飛び込んでくる」と信じる人生である。

 釈迦は「因果応報」を教えのエッセンスとした。
 それは「人生とは与えたものが還ってくるプロセス」という意味だ
 ポジティブな人々は、いつでも他人のために心を砕き、他人が幸せになることを願って生きている。だから、因果応報として、幸せが向こうから飛び込んでくるのである。

 アメリカの軍人が「核兵器開発が平和を保障する」というとき、ポジティブな人たちは「貧しい国を幸せにすれば、戦争消える」と考え、ちょうど中村哲のように、貧困と不便のなかに飛び込み、人々を幸せにしていった。
 中村は殺されたが、これほどポジティブな人生も少ない。誰もが中村哲を心から尊敬し、その教えに従って国を作り替えようとしている。

 ポジティブとは、自分の肉体を無意味に永らえさせることではない。例え、肉体を滅ぼされても、その精神が生き続け、無限大に拡大してゆく世界なのだ。
 死よりも尊いものがある。私は中村哲や宗次徳二に、それを見る。

 バシャールによれば、2020年は、もうネガティブとポジティブが二度と邂逅しない年だという。
 つまり、中村哲の仕事を理解できる人は、ポジティブ人生を歩む人に限られる。宗次徳二の毎日を、堀江貴文や前沢友作が理解できることは永遠にない。永遠に邂逅しないまま、竹中平蔵・堀江貴文や麻生太郎、安倍晋三らは滅亡に向かってのみ進むのだ。

 ネガティブ人種は、「戦争によって平和が得られる」と妄想するのだから、戦争に向かうしかない。
 ポジティブ人種は、向こうから平和と幸福がやってくると信じて歩み続けるのだ。

http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1138.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/391.html#c4

[近代史4] イギリスが貧しさから抜け出すために思いついたのが『海賊立国』になることだった 中川隆
1. 中川隆[-12562] koaQ7Jey 2020年5月30日 08:04:15 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[5]
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退 2020年5月25日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで基軸通貨の繁栄と衰退について語っている。前回はオランダ海洋帝国とその通貨ギルダーの崩壊が現在の状況に非常に似ていることを紹介した。

・世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

そして今度はオランダの次に覇権国家となった大英帝国の物語である。

大英帝国の始まり

話はイギリスが第4次英蘭戦争で以前の覇権国家オランダに勝利したところから始まる。ダリオ氏はこのように書いている。

イギリスがオランダに勝利した後、イギリスとその同盟国(オーストリア、プロイセン、ロシア)は引き続きナポレオン戦争でナポレオン率いるフランスと戦っていた。

そしてイギリスは勝った。オランダ海洋帝国に続いてナポレオンが敗北したことでイギリスの天下が確定したのである。

戦後にはよくあるように、戦勝国(主にイギリス、ロシア、オーストリア、プロイセン)は新たな世界秩序を作るために会議を行なった。これはウィーン会議と呼ばれている。

これが、イギリスが唯一の覇権国となり、イギリスの通貨ポンドが基軸通貨となる大英帝国の100年の始まりとなった。そして世界は繁栄した。

大英帝国の時代の始まりである。

ダリオ氏によれば、戦争の後には長期の平和の期間が続くことが多いという。ダリオ氏は次のように続けている。

これもよくあるように、戦争の時代の後には平和と繁栄の期間(この場合は100年間)が続いた。どの国も覇権国に挑戦したり、上手く機能している世界秩序を壊したりしようとはしなかった。

現代でもアメリカが世界中で戦争行為を行なっても被害者以外は誰も文句を言わない。しかしアメリカが弱ってきた場合、文句を言い始める国が出てくるだろう。ダリオ氏が懸念しているのはそういう戦争の時代なのかもしれない。

大英帝国繁栄の理由

大英帝国に話を戻そう。オランダの記事ではオランダが株式市場と優れた船舶を持っていたことが覇権に繋がったことが説明されていた。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

イギリスも最初はオランダの真似から入ったようである。ダリオ氏はこう説明している。

イギリスはグローバルな機会を逃さず非常に裕福で強力になるために、商業活動と軍事力を組み合わせた。例えばイギリス東インド会社はオランダ東インド会社に代わって世界経済でもっとも支配的な商社となり、イギリス東インド会社の軍隊はイギリス政府の常備軍の2倍の規模となった。

ダリオ氏はあっさり書いているが、西洋人以外の人種には何故商社に軍事力が必要なのかまったく分からないだろう。彼らは非常に愉快な人種である。

いずれにしても大英帝国はオランダのやり方をより強力に行うことによって繁栄していった。そして勿論、イギリスがそこまで強力になれたのは単にオランダの真似をしたからではない。

1760年頃、イギリスは製品を生産して豊かになり、生活水準を改善するためのまったく新しい方法を発明した。それは産業革命と呼ばれた。

イギリスで始まった産業革命については説明は不要だろう。機械を使って工場で大量生産をしたり、蒸気機関を使って大規模で効率的な輸送を実現したりしたわけである。「機械ができて仕事がなくなる」などと言われていたことは、「AIができて仕事がなくなる」と言われている今と似ているかもしれない。人は決して学ばないものである。

IT革命がアメリカで生まれたように、ある国が覇権国となるためにはそれなりの理由がある。オランダの場合には株式市場の発明と優れた船舶、イギリスの場合には産業革命だったということである。ダリオ氏はこう結んでいる。

つまり良い教育を受けた人々の集まるこの比較的小さい国は発明と資本主義と優れた船舶とグローバル化を助けるその他の技術、そして優れた軍隊によって大英帝国を作り上げ、その後100年を支配し続けたのである。

イギリスはオランダのやり方をまね、そこに独自の技術革新を付け加えることで覇権国となった。当然ながらロンドンはアムステルダムに変わる金融センターとなった。

それが大英帝国の黄金時代である。しかしオランダの時と同じように、その時代にも終わりは来る。

まず、イギリス発の産業革命に続いて起こったのが第2次産業革命だが、こちらはアメリカのトマス・エジソンに代表されるようにイギリスだけで起こったものではなかった。他国、特にアメリカの国力がイギリスに追いついてきたのである。また、この頃にはイギリスで発明された蒸気機関も多くの国で使われていた。イギリスがオランダを真似たように、イギリスも真似られたのである。

第1次および第2次世界大戦

そして最終的には大英帝国の覇権は2度の世界大戦で崩壊することとなった。イギリスはこの世界大戦を2度とも勝利しているが、戦費と被害が馬鹿にならなかったのである。

ダリオ氏が匂わせているところによると、元々植民地における軍事行動によって金儲けをしたイギリスが世界大戦では儲けられなくなっていたことと、「世界の警察」を自称していたアメリカが海外における軍事行動から手を引き始めていることがパラレルなのだろう。

またアメリカだけではなく、ドイツや日本などの国々もイギリスに追いつきつつあった。第1次世界大戦ではイギリスは勝利したものの、その後のパリ講和会議を主導したのはイギリスではなくアメリカだった。このあたりからイギリスは植民地を完全に押さえつける力を失いつつあり、国力では既にアメリカの後塵を拝していたが、ポンドは基軸通貨として使われたままだった。オランダのケースと同じように、基軸通貨の衰退は国家そのものの衰退よりも遅れるのである。

そして第2次世界大戦を経てアメリカの覇権が公的にも確立されたものとなる。1945年に発効したブレトン・ウッズ協定ではドルを基軸通貨とした固定相場制が採択され、ポンドに代わって公式に世界の基軸通貨となったドルはゴールドとの兌換を維持することとなった。この金本位制はダリオ氏自身も経験したニクソンショックによって1971年に崩壊するのだが、それはまた別の話である。

・レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る


結論

これがアメリカが覇権国となる前に栄えた大英帝国の繁栄と衰退である。ダリオ氏は言及していなかったが、個人的な感想では世界がグローバル化したことによって世界的に均一な教育が施されるようになった結果、徐々に人口の多い国が優勢になっていったようにも思える。皆が同じような教育を受けているならば、数が多い方が勝つということである。

また、オランダの通貨ギルダーの時と同じように、ポンドの衰退はイギリスの衰退よりも遅れ、第二次世界大戦の後もポンドはある程度使われ続けたのだが、グローバル化した世界における基軸通貨の崩壊はギルダーの時のようにシンプルな取り付け騒ぎとは行かず、もっと複雑で深刻な結果を残すこととなるのである。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

オランダ海洋帝国の時と同じように、ダリオ氏の記事のポンドにフォーカスした部分については新しい記事で紹介することとしたい。しかし恐ろしいのは、ポンドの時でさえ世界中の人がポンドを持っていたためにその崩壊が世界的な混乱を生んだとすれば、ドルの時にはどうなってしまうのだろうか。ドルを持っていることがなかなか恐ろしくなる記事である。

・世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

▲△▽▼

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか2020年5月26日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで歴史上の覇権国の繁栄と衰退の検証を続けている。ダリオ氏は中国がアメリカに代わって覇権国となると予想しているからである。

•世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退

前回は大英帝国の歴史について説明した部分を紹介したが、今回の投稿ではその通貨ポンドがどのように基軸通貨の地位を失ったかを説明している。ダリオ氏によれば、それがドルの運命だからである。

大英帝国とポンド

前回の記事で説明したように、19世紀に栄えた大英帝国の衰退は第1次世界大戦時には既に始まっており、第2次世界大戦後のブレトン・ウッズ協定で公的にも米ドルが英ポンドに代わって世界の基軸通貨となることが決定されたが、それでも世界的にポンドは使われ続けていた。

ダリオ氏によれば基軸通貨の衰退は覇権国の衰退よりも遅れる傾向があるからである。彼はこれを次のように説明している。


一度世界的に広く使われた基軸通貨が一定の期間使われ続けるのは、世界でもっともよく話されている言語(訳注:英語)が国際取引の布地に深く織り込まれて取り除き難いことと同じである。

分かりやすい。それでも戦後75年を経てポンドは既にヨーロッパのローカルな通貨になっているが、今でも世界中の人々が大英帝国の英語を使っている。通貨も言語も、「皆が使っているから使う」という法則の成り立つものはすべて生き残りやすいようである。

ポンドの衰退

それでも戦後にはポンドの凋落は始まっていた。英語はまだ残っているが、ポンドは残らなかった。ダリオ氏はこう語っている。


一部の賢明な人々はイギリスの増大する債務負担と少ない純資産、そしてアメリカとの経済状況の大きな格差を知っていたため、ポンドは戦後には基軸通貨の地位を失い始めていた。

「一部の賢明な人々」は状況が見えていたのでポンドを売り始めたのである。そしてそれは「その他の賢明でない人々」は凋落する通貨を持ち続けたことを意味する。現在の話に適用すると、誰も何の保証もしてくれないドルや円を持っている人々はどちらの側になるだろうか?

•世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている

話を大英帝国のポンドに戻そう。戦後、ドルを金本位制にしてそのドルに先進国通貨の為替レートを固定するブレトン・ウッズ協定によってポンドはドルに固定されていたが、戦争によって債務が増大したイギリスの経済は凋落を続け、ポンドの価値を維持することが難しくなっていた。ダリオ氏はこう語っている。


ポンドが戦後も国際的な準備通貨として機能し、世界経済がブレトン・ウッズ体制に移行するためにはドルへの固定が維持されることが要求された。

イギリスは自国通貨の暴落を避けようとしていた。


イギリスはまず厳格な為替規制を行なった。イングランド銀行の許可なしにはアメリカの商品や資産を買うためにポンドをドルに替えることは出来なかった。

しかしドルが世界的には基軸通貨として選ばれていたために、世界経済は深刻なドル不足に直面していた。一方でほとんどすべてのポンド圏(イギリスおよびイギリス連邦)の国々が輸出と魅力的なドル建て資産への投資に依存していたが、ポンド建ての債券を保有することを強制されていた。

現代人は強制されずともドルや円を保有するので、政府としてはやりやすいことである。しかしそれも変わる。恐ろしいのはそれが変わるタイミングが来る時である。

そういう瞬間には政府は無理矢理穴を塞ごうとする。それでも1つの穴を無理矢理塞げば別の場所に穴が開く。新型コロナウィルスの問題をヘリコプターマネーで解決しようとしている人々は決して理解しないが、経済とはそういうものである。

•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

そして何処に穴が開くかをこのように政府が決定する仕組みのことを共産主義という。ヘリコプターマネーを支持している一部の人々はそれが分かっているのだろうか。

•世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる

共産主義化による経済の破綻が日本やアメリカの穴の空き方のようである。一方で大英帝国の場合はこうなった。


イギリスは対外的な競争力の低下や国内の燃料危機のために深刻な支払いの問題に直面し、巨額の戦争債務はポンドの信認を脅かしていた。

戦争債務はポンド建てだったので、ポンドが高いと支払いが多くなる。一方でポンドが安くなると国際市場でものが買えなくなるので燃料危機がより一層深刻になる。どちらに転んでも窮地なのである。

怒涛のポンド切り下げ

しかし結局のところ通貨を無理矢理支える試みは長期的には機能しない。現代ではユーロとスイスフランの関係が似たようなものだろうか。

•スイス国立銀行、為替介入で窮地 スイスフランショック再来の危機か

イギリスは1949年にポンドをドルに対して30%切り下げることを余儀なくされる。ブレトン・ウッズ協定の発効からたった4年後のことである。

30%の切り下げとは相当である。自分の持っている通貨の価値がいきなり30%下がるわけである。しかもこれはブレトン・ウッズ協定が発効してからたった4年のことなのだから先が思いやられる。

当時、「一部の賢明な人々」は既にゴールドやドルを持っていたのだろう。賢明かどうかで資産の30%をやられるかどうかが決まるわけである。

終わりではなく始まり

しかしこれで終わりではなかった。ダリオ氏はこう語っている。


英ポンドの下落は何年もの間に何度も切り下げを続けて起こった慢性的な病だった

イギリスは必死に固定レートを維持しようとしていたが、出来なかった。一方で各国からはポンドの価値を維持するよう多大なプレッシャーがかかっていた。イギリス国民がポンドをドルに自由に変えられないことはアメリカの輸出業に損失を与えていた。

またスウェーデンやスイス、ベルギーなどイギリスにポンドを貸していた債権者は当然ポンドの信認維持を要求していた。ベルギーなどは国際的介入が起こらなければポンドの使用を止めると警告した。

それが満たされなければポンドからの逃避が起こることは明らかだった。しかし投資家の観点から見れば、この時点でポンドの下落は避けられない。ベルギーには悪いが、紙切れを持ち続けた人間が悪いということなのである。米国債を大量に抱えている日本政府はどうなるだろうか?

そしてイギリスは準備資産を売りながらもポンドの信任を維持しようと努力することになる。しかし貿易でも競争力がない、資産は減ってゆく、通貨が下がればものの値段が高くなる、完全な窮地である。もはやイギリス連邦の国々もポンドで準備資産を持つことを嫌がっていた。

そして1949年の切り下げから20年ほど経った1967年、イギリス政府は2度目の切り下げを決断する。今度は14%の切り下げとなった。

この2度目の切り下げ以降、ポンド建てで多額の準備資産を維持する国はオーストラリアやニュージーランドなどイギリス政府によってドルの裏付けを保証された国々だけとなった。大幅な価格の下落、そしてどの国もポンドを自発的には持たなくなったことによって、第2次世界大戦より22年後、かつての大英帝国の通貨ポンドは基軸通貨としての地位を完全に失ったのである。

結論

これでダリオ氏の「過去の覇権国シリーズ」は終わりである。オランダ海洋帝国の話は量的緩和によるバブル崩壊など現代との共通点もあったが、イギリスのポンドが国際的な騒乱を引き起こしたことは現在では想像しにくい。それは恐らく、ドルの崩壊がこれからの話だからだろう。

•世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
•世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退

それでもトランプ政権が中国の保有する米国債の債務返済を拒否する考えを見せるなど、似たことは既に起こっている。今後の進展が楽しみである。

ちなみにダリオ氏の怒涛のブログ投稿は遂にアメリカと中国の覇権争いの詳細に立ち入ってゆくようである。そちらも楽しみに待ちたい。

•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953


http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/883.html#c1

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
13. 中川隆[-12561] koaQ7Jey 2020年5月30日 11:27:26 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[6]
世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる
2020年5月7日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10592#more-10592

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が米国と中国の覇権戦争の結末について語っている。

中国が覇権国家になる

ダリオ氏は今後中国が米国に成り代わって覇権国家になり、人民元が基軸通貨になるのかという問いについて以下のように答えている。


そうなる。しかし革命のように一気にそうなるのでなく、徐々にそうなるだろう。中国経済は何年もしない内に世界で最も重要な経済となり、米国は一定の期間そのライバルであり続けるだろう。米国と中国がこのライバル関係をどのように扱うかが世界にとってとても重要になる。

ダリオ氏はこれまでも覇権交代を今後のシナリオとして検証してきたが、今回遂に断定している。

•世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋

中国がアメリカを追い越して世界一の経済大国になるのはダリオ氏にとってメインシナリオであるようだ。その中国の通貨である人民元については次のように述べている。


基軸通貨としての人民元については、その変化はゆっくりしか起こらないだろう。基軸通貨の移行は覇権の移行にかなり遅れて起こるものだからである。どちらにしても中国は今後10年でもっとも重要な国となるだろう。

基軸通貨はなぜ重要か

しかし基軸通貨というのは何故重要なのだろうか。それは基軸通貨が暴落しにくいからである。ダリオ氏は次のように説明する。


今のところ米国はドルという基軸通貨を印刷できる大きな権力を持っている。膨大なドル建ての負債が世界中にあり負債が返済されるごとにドル買い需要が生まれる間は米国は大きな力を持つ。

世界中でドルが使われればドル買い需要が生まれる。今回のように金融危機が起こればドル建てで借金をしている人や企業はドルを調達して借金を返済しなければならなくなり、それがドル買い圧力を生む。今回のコロナショックで米国が負債を増やし量的緩和などの奔放な政策を行なってもドルが暴落していないのはそうしたドル買い圧力のためである。

しかしその恩寵にも限界がある。ダリオ氏は次のように続ける。


しかしデフォルトやドル紙幣の印刷などでこれらの負債が消え去ると、ドルの基軸通貨としての価値は減り始めるだろう。そうすると米国の経済的影響力は大幅に弱まる。歴史上すべての帝国はその負債と通貨とともに繁栄し衰退した。イギリスやオランダの覇権とその通貨に起こったことと同じである。

ドルが基軸通貨でなくなった場合、国内の負債が膨大で対外負債があり、貿易赤字まで抱えているアメリカの通貨ドルが暴落するのは避けられないだろう。しかしドルは基軸通貨であるためにこれまで耐えてきたのである。

コロナショックと負債

ダリオ氏はコロナショックを上手く切り抜ける条件として次のことを挙げている。


財政状況が強固な者が勝者となる。貯蓄がある者が勝者となり、負債のある者が敗者となる。

このことについては直感的にも明白だろう。貯蓄があれば数ヶ月のロックダウンにも耐えられるが、貯蓄がなければ無理に働いて感染するか働かずに飢えるかの選択肢しかない。現在そういう状況に陥っているのがブラジルである。

•ブラジル、新型コロナによる人口減少で景気後退へ

また、借金の有無によってコロナショック後の回復の度合いが違うということは以下の記事で簡単な経済モデルを作って説明している。この記事での検証によれば、借金があると仮定した場合コロナショック後の経済回復はより弱いものとなった。

•新型コロナで景気後退が続く仕組みと経済対策の影響を分かりやすく説明する
•新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する

ダリオ氏も次のように述べている。


負債がこれほど多くなければ経済へのダメージはもっと軽かったはずだ。国も人も企業も、こういう状況ではいくら貯蓄があっていくら負債があるかということがとても重要になる。

借金まみれの経済と貧富の差があるときに自然災害が起これば、それは最悪の組み合わせとなる。

自分の頭で考えられない人々には無視されがちな事実だが、量的緩和をしようと何をしようと借金にはネガティブな側面があるのである。

アメリカは「最悪の組み合わせ」を体現しているが、ドルはまだ暴落していない。上で述べたようにドルが基軸通貨だからである。ユーロ圏は最悪の組み合わせを揃えており、しかも基軸通貨ではないためユーロの下落は避けられないだろう。筆者はユーロを空売りしている。

•新型コロナによる世界恐慌でユーロが下落する理由

日本はどうだろうか。日本は国内では莫大な負債を抱えているが、対外的には高度経済成長期に蓄えた対外資産があるために何とか持ちこたえている。しかし対外資産が尽きれば膨大な負債があり基軸通貨でもない日本はブラジルのようになるほかない。

負債さえなければ日本の状況はもっとましだっただろう。しかしこれまで日本人はオリンピック施設などその後何の役にも立たない公共事業のために負債を積み上げる政府を支持してきたのである。大阪にある誰も訪れない万博公園がまたもう1つ出来上がるわけである。

日本国民は他人による勝手な自国の借金膨張によって全く自分には利益のないまま自国にブラジルシナリオが着々と迫っていることを理解しているのだろうか。それでも日本人は自民党を支持し続けるのだろう。政治家にはやりやすいことである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10592#more-10592



▲△▽▼

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている2020年5月9日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が引き続き政府による紙幣印刷から身を守る方法について語っている。

通貨下落への防衛手段

前回の記事ではダリオ氏がLinkedInのブログ記事で何故量的緩和は債務の解決手段として悪手であるにもかかわらず人は量的緩和に頼ってしまうのかについて説明した部分を紹介した。

•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする

そして通貨の価値は破滅的に下落すると主張していた。では投資家はどうすれば良いのだろうか? 今回はダリオ氏が通貨の代用品について語った部分を紹介したい。

通貨とは獲得した富を保存するための手段である。今日手に入れた収入を来月でも来年でも使えるのは、多くの人にとっては銀行に現金を置いておけるからである。しかし現金の価値が下落する時にはどうすれば良いのか? ダリオ氏は次のように説明する。


金は時代を問わず普遍的な代替通貨としての役割を果たしてきた。

株式もまた富の貯蔵手段となりうる。

不動産や美術品なども富の貯蔵手段である。

順番に見てゆきたい。

預金 vs 金積立

まず金だが、ダリオ氏は主要な通貨が1600年以来金に対してどれほど減価したかのチャートを示している。見事にすべてゼロに近づいているのだが、実は通貨の価値は下落するものだということを理解するためには400年も遡る必要はない。

読者は金価格の長期チャートを見たことがあるだろうか。見たことのある読者も少なくないだろう。しかし本当にその意味を実感するためにはグラフの上下を逆にする必要がある。つまり、金価格がどれだけ上がったかではなく、現金の価値がどれだけ下がったかを見るのである。以下は過去50年ほどの間に金に対してドルの価値がどう推移したかのチャートである。


50年の間にものの見事に紙くずになっている。50年ほど前のドルの価値を100%とすると、現在のドルの価値はその2.3%である。そして考えてほしいのは、この50年間ほとんどの人は資産の大部分を現金のままにしており、その資産は実際に紙くずになったということである。ダリオ氏が言っているのは、今現代人もそうなるのではないかということである。

現金が勝者だった黄金時代

しかし一方で現金のリターンがゴールドを上回った時期もある。ダリオ氏は次のように説明している。


1850年から1913年(第一次世界大戦まで)の期間では通貨(預金など短期金利による収入を含む)を保有した場合のリターンはゴールドを保有した場合のリターンよりも概して良くなっている。

この60年ほどの期間がどういう期間だったかと言えば、ほとんどの通貨は金か銀に為替レートが固定されており、しかも第二次産業革命と呼ばれるこの繁栄の時代では借金の借り手が借りた資金を収入に変え、収入が借金を返していたために貸し手は魅力的な金利を得ることが出来た。

借金で消費や自転車操業の企業を増やすのではなく生産性を増やし、その後には借金をしっかり返せていた時代があった。返せない借金をしないということがどれほど大事かということである。しかしそうでなければ通貨が紙切れになってゆく。

通貨の価値が維持され、しかも経済が成長していて借り手が金利を払える場合には誰もが問題なく良い生活を送っていた。「紙幣を印刷すると豊かになるのではないか」という「壺を買えば幸せになるのではないか」同然のまやかしで自分を騙す必要もなかったのである。この2つに何か違いがあるだろうか? 誰か教えてほしいものである。紙切れよりはむしろ壺のほうが価値があるだろう。

•ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶

富の貯蔵手段としての株式

そして最後にダリオ氏が株式について語った部分を紹介しよう。


量的緩和により通貨と信用の供給が増加すると、通貨と信用の価値は減り、(その保有者は損害を受け、)債務の負担は減少することになる。

債務負担の減少によって通貨と信用が生産性と企業利益に流れ込む場合には株価の実質値(インフレによる株価上昇を差し引いた後の株価)が上昇するだろう。

まず前提となるのはインフレは株価にとってプラスだということである。インフレとは通貨の価値の下落なので、その通貨以外のすべてのものの価格が上昇する。株価も例外ではない。

ダリオ氏がここで言っているのは、創造された通貨と信用が生産性と企業利益の上昇に寄与する場合にはインフレの影響を除いても株価は上がるということである。今回のコロナショックではどうなるだろうか。そちらについても徐々に書いてゆきたいと思っている。

次のダリオ氏の更新は大英帝国とオランダがどのように基軸通貨のステータスを失ったかについての記事となるらしい。これまでの記事も再確認しながら待っておこう。

•世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
•世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる
•世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645


http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c13

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
14. 中川隆[-12560] koaQ7Jey 2020年5月30日 11:29:28 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[7]
ペトロダラーシステム


2020.04.21
原油価格マイナス!史上初! 通貨紙屑化の重要サイン来たーーー!
https://golden-tamatama.com/blog-entry-oil-value-minus.html


つぉぉぉぉおお。

ぇああああああああ。
何このチャート。
原油価格がぁぁあ。


初のマイナスになってしまいますた。


逆オイルショック来たー


価格がマイナスってどういうこと?
イメージつきにくいかもしれませんが。
石油買ったらお金貰えるということです。


初の原油価格マイナスを受けて
NYダウも592ドル安。


はい。
そうか。
これからガソリン価格安くなるんだ。
ワーイ(∩´∀`)∩
そんな単純な話じゃない。
もっと根本的な。。
次の段階。
そう。
これは次の段階の重要なサイン。
通貨の紙屑化。
いよいよ来る。
なぜそうなるのか。
前に書いた説明を再度載せときます。
皆さん知っての通りアメリカは借金大国ですよね。
不思議に思わないでしょうか、なんで毎年あんな借金してやってけるんだ?
毎年80兆の赤字。
輸入と輸出の差し引きが輸入が80兆も上回っている借金大国です。

えっ?
アメリカってそんなに毎年赤字なの?
だってgoogleとかappleとかfacebookとかamazonがあるじゃない。
それはアメリカのシリコンバレーの企業でしょ。
いやいや、IT企業はどっちかというと無国籍企業です。
タックスヘイブン企業。
アメリカの会社じゃぁありません。
アメリカは自動車、電気製品、食料品。
ありとあらゆるものを輸入してます。
完全輸入超過大国です。
これを個人の家計で例えるなら、支出と収入で差し引き毎年800万の赤字。
収入がちょびっとしかないのに、毎年バカスカ買い物してるキチガイ一家ってことです。
普通なら破産しちゃいますよね。
ぇえ?
なんでそれでやってけるの?
どらえもーーん。
毎年無駄遣いし過ぎて借金で首が回らないよ〜。
もうしょうがないなぁ のび太君は。

はい。
ペトロダラーシステム〜
じゃーん。

これを使えばどんなに借金をしようがやってけるんだ。
わーい(∩´∀`)∩
ありがとうカネえもーん。
そう。何度も今まで書いたことですね。
そりゃぁあんた。
米ドルが基軸通貨だからです。
アメリカはとにかく毎年米ドルを刷りまくってる。
そのため借金しようがなんだろうが、やってけるのです。
ぇ?
でも、そんなに米ドルを刷りまくったらハイパーインフレになるんじゃない?
例えばベネズエラなんて、こんなハイパーインフレになっちゃいますたよ。

いやいや。
ベネズエラの通貨ボリバルなんて誰も欲しがりません。
というか通貨名すら知りません。
そんな通貨を刷りまくったらそりゃインフレになるのは当たり前です。
でも、米ドルは世界中の人が欲しがってますよね。
だから米ドルは紙屑にならないのです。
これをペトロダラーシステムというのです。
アメリカが借金大国なのにやっていける仕組み。
米ドルが紙屑にならない仕組み。
例えばあなたが世界のどっかの国の人だとします。
そうですね。
あなたは例えば極北のアイスランド人だったとして。
ガクガクガクガク。
寒い。凍え死ぬ。
石油欲しい。
石油欲しいよ〜
そう思って、サウジアラビアさんに問い合わせる。
すみません。石油売ってくれませんか?
そうすると、1バレル70ドルですね。
そう言われる。
ドル以外では買えないんですか?
アイスランドの通貨クローナでは買えないの?
すみません。うちはドルでしか売ってないんですよ。
そう断られる。
そうですか。。。
で、しょうがないので他のイラクとかクェートとかいろんな国に問い合わせる。
でも、全部ドルでしか売ってくれないのですた。
実は原油はぜーーーんぶドルでしか買えない。
つまり、あなたは原油を手に入れようと思ったら、
まず自分の通貨とドルを交換してからそれで原油を買わざる得ないのですた。
これをペトロダラーシステムと言うのですた。
ペトロ(石油)とドルをくっつけた造語です。
ってことは普通に分かると思いますが、ドルの価値は下がりませんね。
だって、世界中の人が石油を欲しがる限り、ドルと交換したがるわけですから。
なので米ドルを刷りまくってもインフレにならないのです。
で、産油国はどんどん米ドルが貯まってきちゃいます。
当たり前ですが。
この溜まった米ドルどうしよう。
で、産油国はその米ドルをなにかで運用しようとするのですが、どこで運用するでしょうか。
実は、産油国はその米ドルで米国債を買ってるんですね。
つまりアメリカにお金を貸してあげてるのです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosugetsutomu/20180109-00080211/


https://golden-tamatama.com/wp-content/uploads/2018/03/WS20180220AZC21AGAG000611.jpg

サウジアラビアさんなどの産油国は貯まった米ドルで米国債(借用証書)を買ってるのです。

これが必殺のペトロダラーシステムです。
どらえもんの出してくれた打出の小づち。

これで借金大国アメリカは維持されているのですた。
まわりまわって価値がアメリカに還流する仕組み。
どんなに使おうが、価値が回って戻って来るのです。
はい。
ですから
原油がマイナスになった。
この意味分かりますね。
その仕組みが逆回転し始めるのです。
今まで価値が米国にまわって来たものが、
今度は米国から価値がどんどん逃げてくくということです。
米ドルは石油価格で、価値を裏付けされてきた。
でも、マイナスになったということは。
こんな紙屑、なんで引き受けなきゃならないの?
引き受けてあげてもいいけど、保管料5万円よこせ。
このようになるのです。

いや、基軸通貨ドルに重要なサイン出た。
いよいよ来た。
世界の株価は半値戻しつつある。
でもそこから真っ逆さまに。。
かなり近い。
ひじょーに近い。

https://golden-tamatama.com/blog-entry-oil-value-minus.html
 


▲△▽▼

ペトロダラーの終焉か、人民元建て原油先物の取引開始迫る
小菅努 | マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
2018/1/9
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosugetsutomu/20180109-00080211/

中国で人民元建て原油先物取引が間もなく開始される。昨年12月に中国政府は取引開始の最終承認を行っているが、ポータル・ニュースサイト界面(Jiemian.com)は匿名の先物業者の話として、「1月18日」の取引開始で決まったと報じている。上場される上海期貨交易所の上海国際エネルギー取引所(INE)からの正式発表は行われていないが、12月中にシステムテストも終わっており、昨年から何度も延長が繰り返されていた人民元建て原油先物取引の開始が間近に迫っている。

国際原油価格については、米国のNYMEXで取引されているWTI原油先物、欧州のICEで取引されているブレント原油先物、そして中東(ドバイ)原油の三つが国際指標になるが、いずれもドル建てで取引されている。1バレル(約159kl)を何ドルにするのかを市場で決定し、これを指標価格に油種などに応じて各国が取引価格を決定していく流れになる。

一方、日本では東京商品取引所(TOCOM)がドバイ原油先物取引を上場しており、これは1klを何円にするのかを決定している。国内ではリットル単位の方が利便性が高く、自国通貨である円建ての指標価格を決定している。

その意味では、中国で人民元建て原油先物取引が開始されても、何ら議論に値しないとみることもできる。実際に、中国には上海期貨交易所の他に大連商品取引所、鄭州商品取引所などの大型の商品取引所が存在しており、工業用素材から農産物まで幅広いコモディティ(商品)の人民元建て指標価格が決定されている。

しかし、マーケットでは人民元建て原油先物取引の開始は、銅や大豆といった他のコモディティ先物取引とは異なる意味がある動きとの評価が存在している。すなわち、単純に人民元建て原油の指標価格を決定するのみならず、中国のより大きな国家戦略の中に位置づけられる動きとみられているのだ。具体的には、国際基軸通貨ドルに人民元が挑戦する通貨戦略がいよいよ佳境に入ったとみられている。


■ペトロダラーに挑戦する中国

この議論を理解するためには、「ペトロダラー(Petrodollar)」の話から始めなければならない。あまり聞きなれない言葉かもしれないが、「petroleum(=石油)」と「dollar(=ドル)」を合成した用語であり、国際原油取引では米ドルが国際決済通貨の殆どを占めることで、このような呼ばれ方をする。もっと踏み込むと、国際基軸通貨としてのドルの地位を維持するために、あらゆる国が必要としている石油をドルのみで取引する体制を創出・維持することを通じて、ドルの地位を守るアメリカの国家戦略システムと言える。

ペトロダラーの役割を重視する人達は、このペトロダラーの再循環(リサイクル)体制こそが、米国が世界最大の超大国としての地位を守るために、重要な役割を果たしていると考える。アメリカは「双子の赤字」と言われる巨額の貿易赤字と財政赤字を抱えており、通常であればインフレや通貨価値の低下、国際通貨としての地位低下といったアメリカにとって歓迎できない動きが想定される。それにもかかわらず、一貫して巨額の軍事支出が可能であり、中国に次ぐ世界第二位の経済規模を維持できているのは、ペトロダラーの再循環体制の恩恵と言える訳だ。

ロジックとしては、あらゆる国家は石油を必要としており、その国際決済をドルで行う限りは、産油国に巨額のドルが流れ込むことになる。そして、産油国はこのドルを米国債購入などを通じて米経済に還流させることで、アメリカの経済・財政を支援することになる。そしてアメリカはこうした流れを維持するために原油価格を高値誘導する必要があり、国際通貨基金(IMF)などを通じて新興国に資金援助(ドル)を行い、そのドルが原油購入を通じて再び米国に帰ってくる流れになる。


こうした視点からは、米経済とドルはペトロダラーの再循環体制によって支えられていると言え、今回の中国による人民元建て原油先物取引の開始は、このポスト金本位制のアメリカ経済とドルを支えてきた体制への挑戦ではないかとみられているのだ。

この辺の議論は陰謀論のようなものも数多く、例えばブッシュ政権がイラク攻撃で湾岸戦争に踏み切った背景としては、その当時のフセイン大統領が原油取引の決済をドル建てからユーロ建てに移行すると表明したことが、アメリカの「レッドライン」を超えたとの見方がある。イラクがペトロダラー体制に明確な反旗を翻したことで、他産油国がこうした動きに同調することを阻止するための見せしめとして、アメリカはイラク攻撃に踏み切ったという訳だ。

本稿ではこうした分析の是非については評価しないが、いずれにしても金、ドル、原油市場などには、ペトロダラーの再循環体制が崩壊した場合には、経済・政治・軍事などの面で大きな混乱が生じるとの見方が存在していることは間違いない。中国の人民元国際化への歩みが新たなステージに突入し、ペトロダラー再循環体制に危機が生じるとの見方が存在することが、人民元建て原油先物取引開始の動きが、マーケットで注目されている理由である。

従来は、ペトロダラーに挑戦する通貨があるとすればユーロだとみられていたが、欧州債務危機でユーロは自滅してドルに挑戦する当面の権利を失った。こうした中、世界最大の経済規模を確立し、軍事・政治の点でもプレゼンスを増す中国の通貨人民元が、いよいよドルに本格挑戦を開始する一里塚になるかもしれない動きになっている。


■結論が出るまでは長い時間が必要

仮に世界最大の原油輸入国である中国が、原油取引を順次人民元建てに移行することができれば、原油市場のみならずドルや金市場、更には国際政治・軍事にも大きな影響が生じる可能性がある。中国は既に「一帯一路(シルクロード経済圏)」構想において、資金提供を人民元建てで行うと同時に、地域の資源調達においても人民元決済を広げるなど、中国国外にも人民元建て決済圏を広げる努力を行っている。

その最終段階ともいえる国際基軸通貨ドルへの挑戦は1年や2年で結論が出るものではないが、少なくとも中国の原油取引決済でドルから人民元へのシフトが進めば、ペトロダラー再循環体制の議論を無視するとしても、ドルを取り巻く環境には大きな変化が生じる可能性がある。

ここ数年の通貨市場では法定通貨と仮想通貨との共存が可能かを巡る議論が活発化しているが、その法定通貨内では人民元のドルに対する挑戦が着実にレベルを引き上げている。TOCOMのドバイ原油先物上場などと、中国の原油先物上場の議論は、全く別次元のものである可能性が高いのだ。中国の人民元建て原油先物価格のスタートで、世界の政治経済環境に大きな変革が生じるか否かが注目される局面になっている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kosugetsutomu/20180109-00080211/


http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c14

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
15. 中川隆[-12559] koaQ7Jey 2020年5月30日 11:31:35 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[8]
コロナ後の世界 - 内田樹の研究室 2020-04-22
http://blog.tatsuru.com/2020/04/22_1114.html

『月刊日本』にロングインタビューが掲載された。「コロナ後の世界」について。


■「独裁か、民主主義か」という歴史的分岐点

―― 世界中がコロナ危機の対応に追われています。しかしたとえコロナが収束しても、もはや「元の世界」には戻らないと思います。内田さんはコロナ危機にどんな問題意識を持っていますか。

内田 新型コロナウイルス禍は、これからの世界のあり方を一変させると思います。「コロナ以前」と「コロナ以後」では世界の政治体制や経済体制は別のものになるでしょう。

 最も危惧しているのは、「新型コロナウイルスが民主主義を殺すかもしれない」ということです。こういう危機に際しては民主国家よりも独裁国家の方が適切に対処できるのではないか・・・と人々が思い始めるリスクがある。今回は中国が都市閉鎖や「一夜城」的な病院建設や医療資源の集中という、民主国家ではまず実施できない政策を強権的に下して、結果的に感染の抑制に成功しました。逆に、アメリカはトランプ大統領が秋の大統領選での再選という自己都合を優先させて、感染当初は「まったく問題ない」と言い張って初動に大きく後れを取り、感染が広がり出してからは有権者受けを狙った政策を連発しました。科学的で巨視的な対策を採れなかった。

 この差は、コロナ禍が終息した後の「アメリカの相対的な国威の低下」と「中国の相対的な国威の向上」として帰結すると予測されます。パンデミックを契機に、国際社会における米中のプレゼンスが逆転する。

 中国は新型コロナウイルスの発生源になり、初期段階では情報隠蔽や責任回避など、非民主的体制の脆さを露呈しましたが、党中央が仕切るようになってからは、強権的な手法で一気に感染拡大を抑え込んだ。それだけではなくて、中国は他国の支援に乗り出した。中国はマスクや検査キットや人工呼吸器や防護服などの医療資源の生産拠点です。どの国も喉から手が出るほど欲しがっているものを国内で潤沢に生産できる。このアドバンテージを利用して、習近平は医療支援する側に回った。

 イタリアは3月初旬に医療崩壊の危機に瀕しました。支援を要請しましたがEUの他のメンバーは反応してくれなかった。中国だけが支援を申し出た。人工呼吸器、マスク、防護服を送りました。これでイタリア国民の対中国評価は一気に上がった。知り合いのイタリア人も「いま頼りになるのは中国だけだ」と言っていました。

 もちろん中国も国益優先です。でも、トランプは秋の大統領選までのことしか考えていないけれど、習近平はこれから5年先10年先の地政学的地位を見越して行動している。短期的には「持ち出し」でも、長期的にはこの出費は回収できると見越して支援に動いた。この視野の広さの差がはっきりした。コロナ禍への対応を通じて、中国は国際社会を支える能力も意志もあることを明示し、アメリカは国際社会のリーダーシップを事実上放棄した。コロナ禍との戦いはこれから後も場合によっては1年以上続くかも知れませんが、アメリカがどこかで軌道修正をしないと、これ以後の国際協力体制は中国が指導することになりかねない。

―― 今回、中国の成功と米国の失敗が明らかになった。それが「コロナ以後」の政治体制にもつながってくるわけですね。

内田 そうです。今後、コロナ禍が終息して、危機を総括する段階になったところで、「米中の明暗を分けたのは政治システムの違いではないか」という議論が出て来るはずです。

 米中の政治システムを比較してみると、まず中国は一党独裁で、血みどろの権力闘争に勝ち残った人間がトップになる。実力主義の競争ですから、無能な人間がトップになることはまずない。それに対してアメリカの有権者は必ずしも有能な統治者を求めていない。アレクシス・ド・トクヴィルが洞察した通り、アメリカの有権者は自分たちと知性・徳性において同程度の人間に親近感を覚える。だからトランプのような愚鈍で徳性に欠けた人間が大統領に選ばれるリスクがある。トクヴィルの訪米の時のアメリカ大統領はアンドリュー・ジャクソンでインディアンの虐殺以外に見るべき功績のない凡庸な軍人でしたが、アメリカの有権者は彼を二度大統領に選びました。さいわいなことに、これが中国だったら致命的なことになりますが、アメリカは連邦制と三権分立がしっかり機能しているので、どれほど愚鈍な大統領でも、統治機構に致命的な傷を与えることはできない。

 少なくとも現時点では、アメリカン・デモクラシーよりも、中国的独裁制の方が成功しているように見える。欧州や日本でも、コロナに懲りて、「民主制を制限すべきだ」と言い出す人が必ず出てきます。

 中国はすでに顔認証システムなど網羅的な国民監視システムを開発して、これをアフリカやシンガポールや中南米の独裁国家に輸出しています。国民を監視・管理するシステムにおいて、中国はすでに世界一です。そういう抑圧的な統治機構に親近感を感じる人は自民党にもいますから、彼らは遠からず「中国に学べ」と言い始めるでしょう。


■なぜ安倍政権には危機管理能力がなかったのか

―― そのような大勢のなかで日本の状況はどう見るべきですか。

内田 日本はパンデミックの対応にははっきり失敗したと言ってよいと思います。それがどれくらいの規模の失敗であるかは、最終的な感染者・死者数が確定するまでは言えませんが、やり方を間違えていなければ、死者数ははるかに少なく済んだということになるはずです。

 東アジアでは、ほぼ同時に、中国、台湾、韓国、日本の4か国がコロナ問題に取り組みました。中国はほぼ感染を抑え込みました。台湾と韓国は初動の動きが鮮やかで、すでにピークアウトしました。その中で、日本だけが、感染が広まる前の段階で中国韓国やヨーロッパの情報が入っているというアドバンテージがありながら、検査体制も治療体制も整備しないで、無為のうちに二カ月を空費した。準備の時間的余裕がありながら、それをまったく活用しないまま感染拡大を迎えてしまった。

―― なぜ日本は失敗したのですか。

内田 為政者が無能だったということに尽きます。それは総理会見を見れば一目瞭然です。これだけ危機的状況にあるなかで、安倍首相は官僚の書いた作文を読み上げることしかできない。自分の言葉で、現状を説明し、方針を語り、国民に協力を求めるということができない。

 ドイツのメルケル首相やイギリスのボリス・ジョンソン首相やニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事はまことに説得力のあるメッセージを発信しました。それには比すべくもない。

 安倍首相は国会質疑でも、記者会見でも、問いに誠実に回答するということをこれまでしないで来ました。平気で嘘をつき、話をごまかし、平気で食言してきた。一言をこれほど軽んじた政治家を私はこれまで見たことがありません。国難的な状況では決して舵取りを委ねてはならない政治家に私たちは舵取りを委ねてしまった。それがどれほど日本に大きなダメージを与えることになっても、それはこのような人物を7年間も政権の座にとどめておいたわれわれの責任です。

 感染症対策として、やるべきことは一つしかありません。他国の成功例を模倣し、失敗例を回避する、これだけです。日本は感染拡大までタイムラグがありましたから、中国や台湾、韓国の前例に学ぶ時間的余裕はあったんです。しかし、政府はそれをしなかった。

 一つには、東京オリンピックを予定通り開催したいという願望に取り憑かれていたからです。そのために「日本では感染は広がっていない。防疫体制も完璧で、すべてはアンダーコントロールだ」と言い続ける必要があった。だから、検査もしなかったし、感染拡大に備えた医療資源の確保も病床の増設もしなかった。最悪の事態に備えてしまうと最悪の事態を招待するかも知れないから、何もしないことによって最悪の事態の到来を防ごうとしたのです。これは日本人に固有な民族誌的奇習です。気持ちはわからないでもありませんが、そういう呪術的な思考をする人間が近代国家の危機管理に当るべきではない。

 先行する成功事例を学ばなかったもう一つの理由は安倍政権が「イデオロギー政権」だからです。政策の適否よりもイデオロギーへの忠誠心の方を優先させた。だから、たとえ有効であることがわかっていても、中国や韓国や台湾の成功例は模倣したくない。野党も次々と対案を出していますが、それも採用しない。それは成功事例や対案の「内容」とは関係がないのです。「誰」が出した案であるかが問題なのです。ふだん敵視し、見下しているものたちのやることは絶対に模倣しない。国民の生命よりも自分のイデオロギーの無謬性方が優先するのです。こんな馬鹿げた理由で感染拡大を座視した国は世界のどこにもありません。

 安倍政権においては、主観的願望が客観的情勢判断を代行する。「そうであって欲しい」という祈願が自動的に「そうである」という事実として物質化する。安倍首相個人においては、それは日常的な現実なんだと思います。森友・加計・桜を見る会と、どの事案でも、首相が「そんなものはない」と宣告した公文書はいつのまにか消滅するし、首相が「知らない」と誓言したことについては関係者全員が記憶を失う。たぶんその全能感に慣れ切ってしまったのでしょう、「感染は拡大しない。すぐに終息する」と自分が言いさえすれば、それがそのまま現実になると半ば信じてしまった。

 リスクヘッジというのは「丁と半の両方の目に張る」ということです。両方に張るわけですから、片方は外れる。リスクヘッジでは、「準備したけれど、使わなかった資源」が必ず無駄になります。「準備したが使用しなかった資源」のことを経済学では「スラック(余裕、遊び)」と呼びます。スラックのあるシステムは危機耐性が強い。スラックのないシステムは弱い。

 東京五輪については「予定通りに開催される準備」と「五輪が中止されるほどのパンデミックに備えた防疫対策策の準備」の二つを同時並行的に行うというのが常識的なリスクヘッジです。五輪準備と防疫体制のいずれかが「スラック」になる。でも、どちらに転んでも対応できた。

 しかし、安倍政権は「五輪開催」の一点張りに賭けた。それを誰も止めなかった。それは今の日本の政治家や官僚の中にリスクヘッジというアイディアを理解している人間がほとんどいないということです。久しく費用対効果だとか「ジャストインタイム」だとか「在庫ゼロ」だとかいうことばかり言ってきたせいで、「危機に備えるためには、スラックが要る」ということの意味がもう理解できなくなった。

 感染症の場合、専門的な医療器具や病床は、パンデミックが起きないときにはほとんど使い道がありません。だから、「医療資源の効率的な活用」とか「病床稼働率の向上」とかいうことを医療の最優先課題だと思っている政治家や役人は感染症用の医療準備を無駄だと思って、カットします。そして、何年かに一度パンデミックが起きて、ばたばた人が死ぬのを見て、「どうして備えがないんだ?」とびっくりする。


■コロナ危機で中産階級が没落する

―― 日本が失敗したからこそ、独裁化の流れが生まれてくる。どういうことですか。

内田 日本はコロナ対応に失敗しましたが、これはもう起きてしまったことなので、取り返しがつかない。われわれに出来るのは、これからその失敗をどう総括し、どこを補正するかということです。本来なら「愚かな為政者を選んだせいで失敗した。これからはもっと賢い為政者を選びましょう」という簡単な話です。でも、そうはゆかない。

 コロナ終息後、自民党は「憲法のせいで必要な施策が実行できなかった」と総括すると思います。必ずそうします。「コロナ対応に失敗したのは、国民の基本的人権に配慮し過ぎたせいだ」と言って、自分たちの失敗の責任を憲法の瑕疵に転嫁しようとする。右派論壇からは、改憲して非常事態条項を新設せよとか、教育制度を変えて滅私奉公の愛国精神を涵養せよとか言い出す連中が湧いて出て来るでしょう。

 コロナ後には「すべて憲法のせい」「民主制は非効率だ」という言説が必ず湧き出てきます。これとどう立ち向かうか、それがコロナ後の最優先課題だと思います。心あるメディアは今こそ民主主義を守り、言論の自由を守るための論陣を張るべきだと思います。そうしないと、『月刊日本』なんかすぐに発禁ですよ。

―― 安倍政権はコロナ対策だけでなく、国民生活を守る経済政策にも失敗しています。

内田 コロナ禍がもたらした最大の社会的影響は「中間層の没落」が決定づけられたということでしょう。民主主義の土台になるのは「分厚い中産階級」です。しかし、新自由主義的な経済政策によって、世界的に階級の二極化が進み、中産階級がどんどん痩せ細って、貧困化している。

 コロナ禍のもたらす消費の冷え込みで、基礎体力のある大企業は何とか生き残れても、中小企業や自営業の多くは倒産や廃業に追い込まれるでしょう。ささやかながら自立した資本家であった市民たちが、労働以外に売るものを持たない無産階級に没落する。このままゆくと、日本社会は「一握りの富裕層」と「圧倒的多数の貧困層」に二極化する。それは亡国のシナリオです。食い止めようと思うならば、政策的に中産階級を保護するしかありません。

 野党はどこも「厚みのある中産階級を形成して、民主主義を守る」という政治課題については共通しているはずです。ですから、次の選挙では、「中産階級の再興と民主主義」をめざすのか「階層の二極化と独裁」をめざすのか、その選択の選挙だということを可視化する必要があると思います。

―― 中産階級が没落して民主主義が形骸化してしまったら、日本の政治はどういうものになるのですか。

内田 階層の二極化が進行すれば、さらに後進国化すると思います。ネポティズム(縁故主義)がはびこり、わずかな国富を少数の支配階層が排他的に独占するという、これまで開発独裁国や、後進国でしか見られなかったような政体になるだろうと思います。森友問題、加計問題、桜を見る会などの露骨なネポティズム事例を見ると、これは安倍政権の本質だと思います。独裁者とその一族が権力と国富を独占し、そのおこぼれに与ろうとする人々がそのまわりに群がる。そういう近代以前への退行が日本ではすでに始まっている。


■民主主義を遂行する「大人」であれ!

―― 今後、日本でも強権的な国家への誘惑が強まるかもしれませんが、それは亡国への道だという事実を肝に銘じなければならない。

内田 確かに短期的なスパンで見れば、中国のような独裁国家のほうが効率的に運営されているように見えます。民主主義は合意形成に時間がかかるし、作業効率が悪い。でも、長期的には民主的な国家のほうがよいものなんです。

 それは、民主主義は、市民の相当数が「成熟した市民」、つまり「大人」でなければ機能しないシステムだからです。少なくとも市民の7%くらいが「大人」でないと、民主主義的システムは回らない。一定数の「大人」がいないと動かないという民主主義の脆弱性が裏から見ると民主主義の遂行的な強みなんです。民主主義は市民たちに成熟を促します。王政や貴族政はそうではありません。少数の為政者が賢ければ、残りの国民はどれほど愚鈍でも未熟でも構わない。国民が全員「子ども」でも、独裁者ひとりが賢者であれば、国は適切に統治できる。むしろ独裁制では集団成員が「子ども」である方がうまく機能する。だから、独裁制は成員たちの市民的成熟を求めない。「何も考えないでいい」と甘やかす。その結果、自分でものを考える力のない、使い物にならない国民ばかりになって、国力が衰微、国運が尽きる。その点、民主主義は国民に対して「注文が多い」システムなんです。でも、そのおかげで復元力の強い、創造的な政体ができる。

 民主主義が生き延びるために、やることは簡単と言えば簡単なんです。システムとしてはもう出来上がっているんですから。後は「大人」の頭数を増やすことだけです。やることはそれだけです。

―― カミュは有名な小説『ペスト』のなかで、最終的に「ペストを他人に移さない紳士」の存在に希望を見出しています。ここに、いま私たちが何をなすべきかのヒントがあると思います。

内田 『ペスト』では、猛威を振るうペストに対して、市民たち有志が保健隊を組織します。これはナチズムに抵抗したレジスタンスの比喩とされています。いま私たちは新型コロナウイルスという「ペスト」に対抗しながら、同時に独裁化という「ペスト」にも対抗しなければならない。その意味で、『ペスト』は現在日本の危機的状況を寓話的に描いたものとして読むこともできます。

 『ペスト』の中で最も印象的な登場人物の一人は、下級役人のグランです。昼間は役所で働いて、夜は趣味で小説を書いている人物ですが、保健隊を結成したときにまっさきに志願する。役所仕事と執筆活動の合間に献身的に保健隊の活動を引き受け、ペストが終息すると、またなにごともなかったように元の平凡な生活に戻る。おそらくグランは、カミュが実際のレジスタンス活動のなかで出会った勇敢な人々の記憶を素材に造形された人物だと思います。特に英雄的なことをしようと思ったわけではなく、市民の当然の義務として、ひとつ間違えば命を落とすかもしれない危険な仕事に就いた。まるで、電車で老人に席を譲るようなカジュアルさで、レジスタンスの活動に参加した。それがカミュにとっての理想的な市民としての「紳士」だったんだろうと思います。

「紳士」にヒロイズムは要りません。過剰に意気込んだり、使命感に緊張したりすると、気長に戦い続けることができませんから。日常生活を穏やかに過ごしながらでなければ、持続した戦いを続けることはできない。

「コロナ以後」の日本で民主主義を守るためには、私たち一人ひとりが「大人」に、でき得るならば「紳士」にならなけらばならない。私はそう思います。
http://blog.tatsuru.com/2020/04/22_1114.html

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c15

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
16. 中川隆[-12558] koaQ7Jey 2020年5月30日 14:02:19 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[10]

世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋2020年4月8日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9934

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏が非常に面白いエッセイを連日LinkedInのブログに投稿している。その内容は非常に多岐にわたるが、究極的には中央銀行が緩和する力を失った後に市場と経済はどうなるかを研究しようとしているようである。

今回はその中からオランダの海洋帝国から大英帝国、アメリカの覇権など、覇権国の勃興について扱った部分を取り上げたい。ダリオ氏は大英帝国が栄えて没落したようにアメリカも同じようになると考えており、その兆候は既に見られていると言う。

彼によれば覇権国がその覇権に挑戦する国に覇権を奪われるまでにはいくつかの道筋があり、ここではそれを順番に挙げていこう。

模倣者の出現

経済的、政治的に強者の立場を勝ち取った国はどのようにその立場を失ってゆくのだろうか。まず経済的に成功した国は他の国にそのモデルを盗まれるということである。ダリオ氏は次のように説明している。


成功した国はその成功モデルを他国に模倣され、競争力を失ってゆく。例えばオランダからイギリスに覇権が渡る前、イギリスの造船業者はオランダの造船業者よりも安い労働力を持っていた。その上で設計士だけオランダ人を雇いより安価な船を作り上げた。

日本が家電や自動車を作り、中国がスマートフォンを作ったことも同じだろう。挑戦国の製品は始めは出来が悪く先駆者に笑われるが(トヨタのカローラは欧米では白物家電と揶揄されていた)、安価でしっかり動く製品は次第に市場を支配してゆく。

現代においてはこれは既に起こっていると言える。日本も中国もある種の製品においてはアメリカの生産性を上回っている。

しかしそれでもアメリカだけが作れるものが完全になくなっているわけではない。Appleの生み出したiPhoneはここ10年ほどの産物であり、アメリカが覇権国となってから何十年経ってもアメリカは新しいものを生み出し続けている。しかしそれはすぐに挑戦国に真似をされ、覇権国は次のイノベーションを求められる。アメリカがそれをいつまで続けられるかということである。5Gの騒動は中国の技術力が一部アメリカに勝ちつつあることを示している。

勤勉さの減少

ダリオ氏は次により精神的な側面に焦点を当てている。個人的には先進国で経済成長率が低い一番の原因はこれではないかと考えている。ダリオ氏は次のように述べる。


裕福になった国民は働かないようになり、娯楽やより非生産的な活動、極端な例では退廃的な消費活動に従事するようになる。これは特に実際に力強く活発に働かなければならなかった世代からその遺産を相続した世代に世代交代が行われるときに顕著となる。

この若い世代は弱々しく闘争心がない。それは結果として覇権国を挑戦者に対して脆弱な存在にする。

これは日本で1945年以後の経済成長を支えた勤勉な世代のあとにその貯金で放蕩に耽ったバブルの世代がやってきたことを思わせる。あるいはヘッジファンドマネージャー、ジョージ・ソロス氏の息子は「ナチス支配下のハンガリーを生き延びてアメリカに渡り莫大な財産を築いた男の息子が父親ほどハングリーにやれるわけがない」と言っていた。裕福な環境は子供の世代にとって良し悪しなのである。

持続不可能な債務

次にダリオ氏は債務のサイクルを挙げている。投資家としてはこれが一番重要だろう。


もっとも裕福で強大な国の通貨は世界の準備通貨となり、そのことは覇権国に通貨を下落させずに莫大な借金をする特権を与える。(訳注:いくら借金をしても通貨の買い手が海外から現れるからである。)そして覇権国は債務を次第に大きくしてゆく。

覇権国の借り過ぎはかなり長期にわたって続き、しかも自己強化的なトレンドとなる。何故ならば、準備通貨が上昇することで海外の貸し手は収入が多くなり、それが更なる貸し手を呼ぶからである。そして富裕国が貧困国からお金を借りようとするとき、それが覇権交代の最初のサインなのである。

例えば1980年代、アメリカの1人当たりの収入が中国の40倍だったとき、アメリカはドルで預金したがった中国の人々からお金を借り始めた。ドルが世界の準備通貨だったからだ。これが変化の起こる初期の兆候であり、大英帝国も同じように莫大な資金をより貧しかった自分の植民地から借り受けている。

基本的に債権者というのは相手を経済的に好きに出来るのである。ドイツがイタリアやギリシャをEUという枠組みの下に従えているのも同じである。それはドイツが債権国だからである。

また、日本もドルと米国債を大量に買うことによって国力を上げてきた。結局はバブルの時代に退廃的な使い方をして日本のバブルは弾けたが、日本国民の対外資産からの金利収入は今なお日本全体の収入を支えている。それは高度経済成長期の遺産なのである。

アメリカに話を戻そう。このようにドルの買い手が多く現れるため、アメリカのような基軸通貨国は借金の許される特権を使いすぎるあまり債務超過に陥ってしまう。それは大英帝国の衰退においても同じだったとダリオ氏は言う。膨大な債務は長らく持続可能だが、大英帝国に終わりが来たようにアメリカの債務にも終わりが来るだろう。ダリオ氏はその終わりを次のように語っている。


負債が非常に大きくなり、負債増加と経済成長が中央銀行によって支えきれない状況で景気後退が起こると中央銀行は際限なく紙幣を印刷することになり、究極的には通貨が下落する。

投資家として一番面白いのは量的緩和によるドルの下落を予想するこの部分だろう。ダリオ氏が今年に入って「現金はゴミ」発言を繰り返していた理由はそこにあるのだろう。

•レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る

貧富の差と税収

更に、ダリオ氏が近年何度も強調しているのが貧富の差による社会的対立の激化である。


貧富の差が拡大し経済におけるストレス(それが何から来るにしても)が溜まるとき、高い確率で富裕層と貧困層の間で対立が生じ、それは過激化してゆく。

富裕層が金を取られると考えたとき、あるいは金を出せと脅されたとき、彼らは彼らの資産を安全と思う場所に隠そうとするだろう。そしてそれが続けば対立の生じている国では税収が減ってゆき、古典的な自己強化トレンドが生じる。減少する税収が対立を激化させて税率が上がり、富裕層は更に逃げてゆく。

この現象はアメリカでも起きている。そもそも税収とは不平等なものである。富裕層は貧困層に比べて大きな額の税金を払っているが、それでより良い公共サービスが受けられるわけでもない。富裕層にとって税金とは貧困層に対する寄付のようなものだが、それを貧困層が当たり前のように要求し始めると富裕層は身を引き始める。

ダリオ氏の長期の視点で見るとアメリカでもそれは起こり始めている。アメリカではIRS(アメリカの国税局)によるアメリカ国籍保有者の資産に対する締め付けが強く、それに嫌気が差したアメリカの富裕層はアメリカ国籍を捨てることも珍しくない。Facebookの共同創業者エドゥアルド・サベリン氏はアメリカ国籍を捨てシンガポールに住んでいるという。多重国籍の許されたアメリカで国籍をわざわざ捨てることの意味はIRSを知っている人間ならばすぐに理解できる。興味のある読者は調べてみると良い。

日本でも多くの富裕層が香港やシンガポールに資産を避難させており、その内いくつかが毎年国税局に捕まっている。税理士の腕が悪かったのだろう。余談だが香港やシンガポールを勧める税理士は腕が悪いので避けたほうが良い。投資信託を勧める窓口の銀行員のようなものである。

結論

基本的に筆者はこれをダリオ氏版の長期停滞論であると考えている。長期停滞論とは経済学者ラリー・サマーズ氏が先進国の低成長の理由を説明しようとした経済理論であり、ヘッジファンドマネージャーらは彼の長期停滞論を金利動向を予測するために使ってきた。

•元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る

ダリオ氏はダリオ氏の観点で同じようにアメリカやヨーロッパや日本の低成長の仕組みを解き明かそうとしたのである。

一番重要なのは債務に関するドル暴落の話だろう。ダリオ氏はそうしたことがすぐに起こると言っているのではない。一方でイギリスのポンドが大英帝国時代ほど強くないことも明らかだろう。ダリオ氏はこの超長期的な視野の上で今の世界経済が何処にあるのかを確認することを読者に促しているのである。

さて、現在アメリカの中央銀行は無制限の量的緩和を行なっており、ヨーロッパも日本も限界まで緩和している。緩和手段がなくなった結果、アメリカと日本で国民に直接現金を配るヘリコプターマネーが行われようとしている。

•ヘリコプターマネーはインフレをもたらすか
•ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判

この結果経済と市場はどうなるか? 筆者は新型コロナ相場では株価反発を予想しているが、それは今後相場に何の問題もないという意味ではない。問題は反発の先なのである。

•新型コロナ株安動向予想: 流行減速で株式市場は上昇する

ダリオ氏はそれを長期的視野から考えようとしているようである。ダリオ氏は毎週エッセイを更新してゆくとのことなので、引き続き紹介してゆきたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9934
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c16

[番外地7] 遠からず中国人は大陸の資源を完全に食い尽くして、日本に何億人もの難民が押し掛ける事になる
中国から移民を受け入れれば日本はこうなる:

50年後の日本地図 (日本人は放射能汚染された東日本に押し込められる)
http://blog.goo.ne.jp/hps777/e/ee6e8a91af4cf1c9b0adb452f1667b7e

中国人は悪い。

遠からず中国人は大陸の資源を完全に食い尽くして、日本に何億人もの難民が押し掛ける事になるよ。5年先か10年先かはわからないが。

もし中国にこちらから侵略戦争を仕掛けないのなら、海上封鎖の準備をして日本に侵入して来る中国人難民を全滅させる方法を考えておいた方がいい。

中国人の頭上からガソリンを撒いて火炎放射器で火を付けるのが一番簡単か。

硫酸をかけて体ごと溶かす方が良いか?

とにかく早急に日本人の知恵を集めて何としても中国人難民の日本上陸を阻止しないといけないね。

まあ、そういう時代になれば中国人・朝鮮人撲滅ビジネスで日本中好景気に沸く訳だ。 めでたいことだな。 小沢先生の最愛の祖国は地上から消滅するけどねwwww


とりあえず、道で中国人を見つけたら必ず生卵をぶつけてやる習慣をつけた方がいいね
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/662.html

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
17. 中川隆[-12557] koaQ7Jey 2020年5月30日 14:52:15 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[12]
アメリカが No.2 になった国を潰した方法


2019年12月05日
アメリカがやっているのは軍事負担で中国を滅ぼす戦略


国力が劣る国が軍事力で対抗すると、時間の経過とともに国が衰退します。

中国は今この過程にある


画像引用:【図解】日中の軍事力比較 写真1枚 国際ニュース:AFPBB Newshttps://www.afpbb.com/articles/-/3012566

スポーツカーと牛車の戦い

米中関係がギクシャクしていて、トランプの性格のせいだとかアメリカの貿易赤字が原因だと言われている。

だが歴史的に見るとアメリカは何度も同じことを繰り返していて、今まではアメリカが全勝してきました。

アメリカが初めて最大の大国になったのは第一次大戦後で、1920年代まではイギリスが最大でした。

意外な事ですがペリーが日本にやってきた1853年頃も、明治維新の1868年頃も日本の方が国力が大きかった。

1850年のアメリカの人口は2350万人で1900年に7600万人、1925年には1億1500万人に増えていました。

日本は1850年に3200万人、1900年に4500万人、1925年に6000万人なので1875年頃までに逆転されています。


アメリカの人口が急激に増えた理由は移民で、短期間に爆発的な人口増と経済成長を実現しました。

太平洋戦争開戦時には日本7300万人(内地)、アメリカ1億3200万人と人口差は1.8倍で、1人当たり経済力はもっと差があった。

第二次大戦前にアメリカでは個人がスポーツカーを所有して高速道路を速度無制限でぶっ飛ばしていました。


同じころ日本は牛で田畑を耕し、ゼロ戦も工場から飛行場まで牛車や荷車で運んでいました。

ドイツはもっと進んでいたが小国に過ぎず、イギリスやフランスとは戦えてもアメリカに勝てる規模ではなかった。

アメリカは規模と経済力のメリットを最大限生かし、日独に軍事力を使わせて疲弊させる戦略を取った。

日独とソ連の場合

日独と米英の経済力は5倍以上違ったので、同じ軍事費を使うと日独は米英の5倍消耗する。

軍事費を使った分民間経済が犠牲になり、戦艦大和を作るために国民は贅沢を禁じられるような事が起きる。

日独は罠にはまりどんどん軍事費を拡大し米英に迫ったが、分母の国力が最初から5倍違うのでこれは無理です。

日本は短期決戦にかけて開戦し一時は優勢になるが、時間の経過とともに国力の差が表れて最後は惨敗しました。


このように国力が大きく劣る国が、軍事力を肥大化させて大国と張り合ったら「スポーツカーと牛車の戦い」になりやすいです。


ドイツは一部の科学力でアメリカより勝っていたが、国力で大きく劣るため時間の経過とともに衰退しました。


次にこの戦略にはめられたのがソビエト連邦で、ソ連は第二次大戦まで極貧国家だったが、アメリカ側に加勢した事でアメリカから援助された。

アメリカの援助によって爆発的な軍事生産と経済成長が発生し、アメリカはめでたく日独に勝つことができた。


だがソ連は日独に変わってアメリカのライバルに浮上し、今度はアメリカはソ連を軍事費で破産させる事にした。


ソ連全盛期は1950年代から70年代で、70年代にはアメリカや西側陣営より共産陣営が優勢だった。

だがソ連や共産陣営の経済力はアメリカや西側陣営の5分の1であり、冷戦が長引くほど劣勢になった。


80年代末にはアフガン敗戦やチェルノブイリ事故や経済悪化で破綻が表面化し、1991年12月にソ連は崩壊した。

中国の場合、マーフィーの法則

ソ連とアメリカがベトナムで激戦を展開していた1970年代、アメリカはソ連を弱体化させるため中国を援助した。

改革開放や一国2制度は速く言えばアメリカの援助で中国が発展することで、中国は発展してソ連が崩壊したのはこのためでした。


ソ連崩壊後は中国がソ連に代わってアメリカのライバルになり、アメリカを倒して中国が超大国になると宣言した。


アメリカは日独やソ連にやったのと同じように、中国に軍事費を使わせて、いい気にさせておいて衰弱させる戦略を取った。

狙い通り中国はアメリカに対抗するべく軍事費を無限に拡大し、今ではアメリカ80兆円に対して、中国30兆円以上と推測されている。

中国のGDPは公称でアメリカの3分の1だが、実態は5分の1程度の可能性が高い。


5分の1の経済力でアメリカと同等の軍事力を保有するのは日独やソ連と同じで、時間が経つほど貧困化する。

中国は今、目を見張るような兵器を次々と配備しているが、日独の1930年代やソ連の1970年代と同じです。

10年後に日独は惨めな敗戦を迎え、ソ連は消えてなくなりました。


国力や経済力を超える軍事力を持って大国に立ち向かうのは、かなり無謀な戦略です。

こうした国力の裏付けがない軍事国家は、ある日を境に急激に衰退して滅びる事が多い。

それまでは全てがうまく行っていたのに、ある日を境にマーフィーの法則のようにすべてが悪い方向に進み、気づくと崩壊が目前に迫っています。
http://www.thutmosev.com/archives/81644818.html  

▲△▽▼

2020年01月13日
理不尽な為替操作 プラザ合意から中国危機まで 予測は不可能
ドル円戦争のはじまりは1985年のプラザ合意。
竹下大蔵大臣がNYに呼ばれ、突然為替レートを2倍にされた。

http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/shimen/images/20150922dd0phj000012000p_size8.jpg

米中対立や米イラン対立などで為替レートが大きく変動する予兆を見せている。

投資で理不尽な損失を受けることは良くあるが、中でも理不尽なのは為替変動でしょう。

まったく意味の分からない動きで株価や地価や、あらゆる「日本の価値」が急落してしまう。


投資損の要因は為替変動

投資は9割の人が儲からないものだと言うが、難しくしている要因の一つに為替変動があります。

いわゆる「ドル円レート」ですが人為的に操作される場合や天変地異、大企業の破綻など原因は様々でした。

大きな為替変動には一つだけ共通点があり、ある日突然始まって、また突然終わります。


江戸時代から明治まで為替相場は政府間で取り決めていて、相場変動はあまりありませんでした。

19世紀に各国は金本位制をはじめ、金によって自国通貨の価値を保障するようになりました。

しかし2つの大戦で金本位制は機能しなくなり、金本位制が世界恐慌や世界大戦を引き起こした疑いすらある。


1971年8月に唯一の基軸通貨だったアメリカが金本位制を止めてしまい、ここから変動為替相場制が始まりました。

1976年1月にIMFで変動相場制の開始が正式に宣言され、日本と円高との戦いの歴史が始まりました。

ドル円相場は明治初期に元々1ドル=1円だったが、第二次大戦の開戦時には15円、敗戦時には40円くらいになっていた。


戦後の復興の必要性から円の価値は意図的に下げられ、1949年には1ドル360円に固定されました。

この円切り下げは経済回復のため日本側が望んだもので、「マッカーサーの陰謀」とかではありません。

1ドル360円時代は1949年から1971年まで続き、日本の高度成長や輸出大国の原動力になりました。


1971年8月にアメリカは金本位制を止め、1ドルは相当額の金と交換できる保証がなくなり「ただの紙切れ」になりました。

円やポンドも同様に「ただの紙切れ」なので、新聞紙とトイレットペーパーを交換するのと同じで、相場は変動します。

1971年12月18日に1ドルを308円に切り下げる決定が、スミソニアン博物館での10カ国協議で決定されました。


日米ドル円戦争勃発

スミソニアン協定はまだ固定相場だったが、1973年2月には変動相場制が実施され、1973年2月には260円まで円高が進みました。

暫くの間は250円から300円で推移していたが、1978年末にはついに1ドル180円を切りました。

7年間で360円から180円になったので、輸出産業は大打撃をうけ円高不況に苦しむ事になりました。


1980年頃からソ連のアフガン進行など世界的な事件が続き、ドル防衛策のお陰で250円以上に戻りました。

安定した円安相場で再び輸出攻勢を掛けた日本に、アメリカが打ち出した反撃が「プラザ合意」でした。

1985年9月22日、竹下登大蔵大臣が日曜日にニューユーヨーク・プラザホテルに呼び出され、円の切り上げを通告された。


参加した5カ国のうち、日本を除く4カ国で協議は済んでいて、決定後に竹下が呼ばれて結果だけを伝えるという酷さだった。

ここに日米為替戦争と呼ばれる30年以上の戦いが始まり、260円だったドル円レートが、3年で120円まで下落しました。

3年間に円が2倍に切り上げられたので、1971年から1978年の円高よりも急激でショックは大きかった。


2020年はプラザ合意から35周年だそうですが、何かをお祝いしようという動きはまったく無い。

1985年の総理大臣は中曽根康弘で、彼はこの苦境を国内需要の活性化で乗り切る事にしました。

低金利で「金余り」を作り出し株価と地価を吊り上げて、大規模公共事業を連発し、経済成長路線を取りました。


これが「バブル経済」の原因になったのですが、取り合えず日本を崩壊の危機から救ったのも事実でした。

もしこの時中曽根首相が緊縮政策を取っていたら、「失われた30年」は現実より10年以上早く訪れていたでしょう。

バブル経済を謳歌している間に天安門事件、中国の高度成長開始、ソ連崩壊と続き、冷戦崩壊で日本の居場所がなくなりました。


米国とソ連が対立していたから、日本は「アジア最強の同盟国」として優遇されたが、冷戦が終われば「ただの敵」です。

レーガン大統領はヘラヘラ笑い「最も重要な同盟国」などと言いながら通貨戦争を仕掛けてきた。


外交の世界にはトモダチも同盟国も無い。

翻弄される日本と投資家

こんな時に登場したのがビル・クリントン米国大統領で、彼はアメリカの誇りを傷つけた日本を心底憎んでいました。

有名な逸話としてビルクリントンは中国や韓国、アジア諸国に電話を掛け捲り、従軍慰安婦や侵略で日本を責めるよう依頼した。

1993年には自民党が下野して細川政権から村山政権まで、反米主義の野党政権が続きました。


アメリカの報復なのか偶然か、1995年には超円高になり79円をつけ、全ての輸出産業は崩壊と言える打撃を受けました。

円高進行中に阪神大震災が発生して円高に拍車を掛け、この頃のダメージから今も日本は回復していない。

1997年から98年にはアジア通貨危機を引き金に日本の大企業や銀行が倒産し、山一ショックなども起きています。


2001年には米同時多発テロ、2002年にはITバブ ル崩壊、2003年には「りそな危機」など銀行危機と毎年のように金融危機が起きました。

こうした危機を乗り切るため日本政府は「ゼロ金利政策」をとり世界的にも金余りになっていた。

そこに襲ってきたのが米国発の「サブプライムショック」で後にリーマンショックに発展しました。


経済危機を責任を取らされて自民党はまた下野し、また反米政権の下で円高が進行し、また巨大地震が発生しました。

1995年のドラマの再放送のように、あっという間に100円を切り、2011年10月31日に1ドル75円をつけました。

だが2012年、不思議な事に民主党が選挙で負けて去っていくと、急激に円安に戻っていきました。


2020年現在は1ドル109円で推移していますが、これまで見たように明日突然円高が始まるかも知れません。

残念ですが日本のような為替変動が大きい国では、アメリカの投資家のように「買い続ければ必ず株価は上がる」という投資法は通用しません。

株価や地価は為替相場に連動するので、超円高の時に企業の業績をいくら見ても「無駄」なのです。


なぜ他の国の通貨はあまり変動しないのに、日本円だけが急上昇や急降下するのか、不思議に思えます。

外人アナリストや外国の研究者によるとそれは「日本がアメリカに安全保障で依存しているから」だそうです。

アメリカ軍に守ってもらっているので、日本の通貨政策や経済政策は結局アメリカが決めていて逆らえません。


「日本は軍事費が少ないから経済に回す事が出来て発展した」と思っているのは日本人だけで、外人はそう思っていません。
http://www.thutmosev.com/archives/44207880.html



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ソレイマーニー暗殺の2日後の1月5日、イラク議会は外国の軍隊はイラクから出るように求める決議を採択、アブドゥル-マフディ首相も賛成した。

 それに対し、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の匿名情報源によると、アメリカ軍を追い出そうとすればイラク政府の銀行口座を封鎖するとドナルド・トランプ大統領は警告したという。万一、日本がアメリカから独立しようとすれば、アメリカにドル資産は凍結され、食糧も供給されなくなるということだ。

 こうした恫喝で世界を震え上がらせ、屈服させようとしているのだろうが、そこまでしなければ世界はアメリカに従わなくなっているということでもある。

 支配できない国は破壊して「石器時代」にするというのがアメリカ支配層の基本スタンスだが、そうしたことが力さえなくなりつつある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202001140000/

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2020年01月18日
ソ連と酷似してきた中国 急激な成長と衰退


レーニン像の周囲に集まり、倒そうとするソ連の人々
1992F1 (15)
引用:http://web.sapporo-u.ac.jp/~oyaon/Lenin/1992F1%20(15).jpg


中国の急激な成長期が終わり、衰退期に入ると予測されているが、共産国家は衰退期を上手く乗り切れない。

崩壊したソ連は発足から急成長を続けたが、たった一度の衰退期を乗り切れずに崩壊した。


ソ連化する中国


最近の中国は何から何まで過去のソ連にそっくりで、双子の兄弟のようです。

かつて共産国家ソ連はユーラシア大陸のほとんどを勢力下に置いて、世界を支配するかに思えました。


ベトナム戦争でアメリカが敗れ、ソ連側が勝った頃に拡大は頂点に達し、ソ連が新たなリーダーになるように見えた。

中国もリーマンショック頃まで急拡大し、、世界のリーダーになるのは時間の問題と思われました。

不思議な事にアメリカに挑む新興勢力は必ず、米国の7割程度の国力をピークに、衰退期に入る。

ソ連と戦後日本がそうだったし、中国も同じくらいのGDPで頭打ちになり、衰退期に入りました。


「7割の法則」が在るのかどうか知りませんが、アメリカの衰退時期と新興国家の成長期が重なるとこうなっている。

ソ連は1917年のロシア革命で誕生したが、伝説のように市民が蜂起した訳ではなく、ドイツの悪巧みで発生した。

当時第一次大戦で負けそうだったドイツは、対戦相手のロシアで革命を起こさせて有利にするため、レーニンを送り込んだ。


レーニンはロシア人だがドイツに亡命して国家崩壊を企む人物で、日本で言えば麻原彰晃レベルの人間でした。

普通は誰も相手にしませんが、ロシアは大戦や財政危機で国民生活が破綻しており、飢えた人々はレーニンに従った。

ロシア革命とは麻原彰晃が敗戦を利用して日本の皇帝になったようなもので、当然ながらソ連は帝政時代より凶悪な国家になった。

世界共産革命が使命


一方中華人民共和国が生まれた経緯はソ連以上に奇怪で、当時日本帝国と中華民国(今の台湾)が戦争をしていました。

中華民国は日本との戦争で疲弊してボロボロになり、そのせいで国内の対抗勢力の共産軍(毛沢東)に敗れました。

大戦終了後に、余力があった共産軍は大陸全土を支配し、中華民国は台湾島に追い払われて現在の中国ができた。


ソ連、ロシアともに成立過程を嘘で塗り固めていて、ソ連は民衆蜂起、中国は日本軍を追い払った事にしている。

両国とも本当の歴史を隠すためか、盛大な戦勝式を行って国民の結束を高めるのに利用しています。

ソ連・中国ともに共産国家であり、「全世界で共産主義革命を起こし世界統一国家を樹立する」のを国是としている。


因みに「ソビエト連邦」は実は国家ではなく、全世界共産化の勢力範囲に過ぎませんでした。

中国もまた地球を統一し共産化する事を大義としていて、だから際限なく勢力を拡大しようとします。

資本主義を倒して地球を統一する市民団体が中国やソ連で、相手が従わなければ暴力と軍事力で共産化します。


だから共産国家は必ず軍事国家で破壊的であり、平和的な共産国家は存在しません。

世界革命に賛同した国(軍事力で服従させた国)は衛星国家として従わせ、東ドイツや北朝鮮のようになります。

共産国家は勝ち続ける事が使命であり、負けることは絶対に許されず、負けは神から与えられた使命の挫折を意味します。


理念で結束した人々は成長期には強いが、上手く行かなくなると脆い

引用:http://image.hnol.net/c/2012-03/17/15/201203171516178521-2379290.jpg


負けたら国家消滅する共産国


ソ連は1978年に軍事的空白地のアフガニスタンに侵攻したが、10年間武装勢力と戦った末に撤退しました。

無敵国家ソ連はタリバンとの戦争に敗れ、僅か2年後にソ連は崩壊してしまいました。

ソ連崩壊の原因は様々な説があるが謎に包まれていて、外貨不足、インフレ、マイナス成長、食糧不足などが挙げられている。


しかしそれで国家が滅ぶのなら、もっと滅んで良い国は山ほどあるし、苦境から立ち直った国もあります。

ソ連が崩壊した本当の理由は『世界革命が挫折してしまい、共産主義の大義が無くなった』からだとも解釈されている。

日本のような民族国家なら、負けても同じ民族が再び協力して立ち直りますが、理念で集まった国は一度の負けで崩壊します。


ソ連は理念を失ったために崩壊し、革命前の民族国家ロシアに戻る事にしました。

共産主義の特徴は理念で集まって急激に成長するが、一度理念が失われるとバラバラになってしまう。

ソ連と中国の共通点として、急激な成長と急激な衰退、外貨不足、民族弾圧や無数の収容所、報道規制、経済指標偽造などが挙げられる。


軍事力を強化してやたら虚勢を張るのも共産国家の共通点で、北朝鮮でさえ「アメリカを火の海にできる」と主張している。

ソ連もあらゆる兵器全てで「アメリカを超えている」と主張したが、崩壊後に全て嘘なのが判明した。

中国も次々と新兵器を登場させ「全て日米を凌駕している」と宣伝するが、実際はブリキのオモチャに過ぎません。


兵器の性能では共産国家は資本主義国家に絶対に勝てないので、正面から戦おうとしないのも共通点です。

「いつでも日本を倒せる」「アメリカなどいつでも倒せる」と言いながら現実には逃げ回るのが、彼らの戦略です。

逃げながらスパイ活動やサイバー攻撃で相手国に侵入しようとし、多くのスパイや工作員を養成する。


ソ連を最終的に破滅に追い込んだのは、最後の書記長であるゴルバチョフの改革政策でした。

ボロボロの共産国家に市場原理主義を導入した結果、国家のシステムが破綻して生産活動ができなくなりました。

昨日まで国家公務員だった農民が、今日から市場経済だから自力で生きろと言われても、できる筈がありませんでした。


中国は習近平主席の元、大胆な国家改革を行おうとしたが、失敗して元の共産主義土木経済に逆戻りした。


中国のGDPの半分は公共事業つまり土木工事で、鉄道や空港や高速道路などを毎年「日本ひとつ分」建設している。


土木工事をやめると急激な経済縮小が起きるので、誰も住まない年を建設し、誰も乗らない高速鉄道を走らせている。


ソ連末期には経済がマイナス成長を隠して、プラス成長と発表していましたが、中国もそうしています。
http://www.thutmosev.com/archives/41996082.html

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2020年02月05日
「最強ウイルス」は中国のずさんさが産んだ幻影だった
武漢市内の病院窓口前で倒れたが放置された人
治療しなければ「感染者」は増えないのでわざと放置している
治療したらその人は感染者になり、感染者数が増えて医療機関の落ち度になる

画像引用:https://i.epochtimes.com/assets/uploads/2020/01/Untitled-2-4-450x322.jpg


中国人以外には感染しない仕組み

19年1月20日ごろ明るみになった中国発新型肺炎ウイルスは、ようやく全体像が見えてきた。

20年2月4日現在で中国発表の感染者数は2万3680人、世界では2万3800人ほどとなっている。

中国以外では27の国で感染者214人なので、中国と中国以外の感染者数は100対1となっている。


武漢から帰国した日本人の感染率は1.4%だったので、これを武漢と周辺に当てはめると20万人になる。

中国は中国以外で発生した感染者数を見ながら、「その100倍」を目安に発表している疑いが強い。

本当の数字は政府批判を招くので隠しておくが、外国の患者は隠せないのでその100倍を適当に発表している。


これなら外国の反発を招かず、かなり自然な数字になるので誤魔化しやすいという仕組みです。

日本での感染者数は約23人で、全員が中国人から移された人で、バス運転手とツアーガイドは車内で中国人から移された。

日本人から日本人へ感染した例はなく、外国でも中国人以外から感染したと分かっている例はないようです。


武漢発新型コロナウイルスは中国人にだけ爆発的に感染し、他の国の人には殆ど感染しないのが分かってきました。

だが中国人だけに感染するウイルスというのは不自然で、本当は中国の医療制度や社会制度が原因でした。

中国では武漢だけで本当の感染者が20万人以上なのに政府発表は5千人、つまり今までに検査や治療を受けたのは5千人だけでした。


共産主義の論理「感染したと認めなければ感染者ではない」

このへ理屈は中国全土にも適用され、熱を訴えても病院で検査を受けられるのは希望者の1割未満しかいない。

病院の絶対数が不足しているのと、医療の未整備が主な原因で、病院で検査を受けなければ感染者にカウントされません。

中国政府にしてみれば放っておいた方が「感染者」が増えず、下手に検査したら10倍や100倍に増えかねない。


新形ウイルスの死亡率は千人に1人程度と見られ、治療しなくてもほとんどが自然治癒します。

今までになくなったほとんどは高齢者や持病があった人なので、若くて健康な人には関係ない病気です。

高齢者や深刻な持病持ちの人は、ウイルスに感染しなくても亡くなっていたかも知れず、死因は心不全とか適当に作れる。


中国はこうした偽装を行って感染者数を少なく見せるのに成功しているが、これが新型ウイルスの流行を招いた。

中国人以外はほぼ誰も感染していないのに、中国だけ数十万人感染した理由がこの「政府に不都合な事を隠蔽する」体質でした。

武漢では遅くとも12月8日には謎の新型肺炎を確認たが、それから1カ月間の対策はなんと患者を逮捕するというものでした。


新形ウイルスを訴える患者や医療関係者を逮捕しては刑務所や収容所に送り込み、新型ウイルスは存在しないという態度を取った。

これが1月20日まで続き、20日に習近平がようやく新型ウイルスの存在を認めて対処を指示した。

だが武漢では1月23日まで患者の逮捕が続けられていて、23日には武漢市外への移動を禁じる戒厳令状態になった。


結局現在も中国政府の対応は、不満を訴えるものを逮捕し刑務所に入れる、あるいは家に閉じ込めて外出したら逮捕するというものです。


中国はアメリカに食われる

中国以外では大した感染力がないウイルスを数十万人に感染させた中国に世界は疑惑の目を向けている。

アメリカは2週間以内に中国に滞在した外国人の入国禁止措置を取ったが中国側は面白い事を言っている。

アメリカは新型肺炎利用して世界から「中国を隔離」しようとしていると不満を表明しました。


おそらくこれは当たっていて、中国を潰したいアメリカにとってはチャンス到来でした。

中国のGDPは対米7割に達しようとしていて、全盛期のソ連や日本の規模に迫っている。

アメリカは対米7割を防衛ラインとして、それを超えようとする国をあらゆる手段で潰します。


ウイグルやチベット弾圧、香港民主化、そして武漢ウイルスなどアメリカにとっての好材料はいくつもある。

キリスト教国家には「豚は太らせて食え」という格言があり、チヤホヤして良い気にさせ、太って動けなくなったら食べる。

ソ連も旧ドイツも日本もまんまと引っ掛かり、崩壊してアメリカに全財産を奪われました。


アメリカの指導者が今考えているのは、どうやって中国が築いた資産を自分のものにするかでしょう。

中国のGDPは公称12兆ドルで実際は半分としても、これをアメリカのものに出来れば巨大な利益になる。

中国の資産は軽くその10倍以上はあり、トランプやアメリカの資産家が美味しそうに舌なめずりをしています。
http://www.thutmosev.com/archives/82132382.html


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2020年02月19日
コロナショックも各国は株高、中国が消えても世界は困らない
http://www.thutmosev.com/archives/82242873.html

各国株価の反応は「中国が消えても困らない」だった(NY証券取引所)

画像引用:https://sa.kapamilya.com/absnews/abscbnnews/media/2019/reuters/07/31/nyse.jpg


中国危機なのに各国は株高の謎

武漢で新型コロナウイルスが”発見”されたのが1月20日で、それから約1か月が経ったが株価は高いままです。

米ダウは最高値を何度も更新し2月12日に2万9551ドルをつけ、日経平均は高値圏である2万3000円台を維持している。

震源地の上海総合は1月13日に3115だったのが2月3日に2746まで落ち込んだが、今週は約3000まで回復している。

各国は株式市場などの暴落を予想し公的資金を投入して買い支え、政府系ファンドと呼ばれる公的ファンドが活躍した。

中国人民銀行は2月2日、1兆2000億元(約18兆7000億円)を金融市場に供給すると発表し連日大規模オペを実施していた。

日本政府も年金や日銀など公的資金を活用して買い支えたのは想像に難くなく、ネットでは日銀砲や年金砲などの言葉が飛び交っている。


アメリカはトランプ大統領の弾劾裁判が行われたが、早々に却下され大統領選でもトランプ有利が伝わり株高になっている。

2002年から2003年の中国発SARSウイルスの時にも、実は各国株価は短期間少し下げただけで、むしろ値上がりしていました。

もっとも悪化した時でも株価は10%下げただけで、収束に向かうと下落率を超える上昇を見せました。


2015年には人民元や中国株が暴落するチャイナショックがあったが、これも永次機はせず世界は資産バブルを強めていった。

こうした過去の出来事を見ると少なくとも中国国内の危機で、世界各国が深刻な危機に陥ることは無いでしょう。

2007年にアメリカで住宅ローンが破綻したのがきっかけでリーマンショックに至ったが、それはアメリカの影響力が世界的なものだったからです。


1990年頃日本の経済力は世界2位で現在の中国に匹敵する経済規模だったが、日本のバブル崩壊で困ったのは日本だけでした。

中国の経済規模が大きいといっても1990年の日本程度にすぎず、アメリカとは比較できません。

従って例え中国がウイルスで崩壊したとしても、それで困るのは中国人だけだと予言できる。


中国崩壊で困るのは中国だけ

例えば1940年にドイツは世界2位の大国だったが4年後にあっけなく倒れ、世界2位の大国だったソ連も1991年に崩壊した。

それで困ったのは当事者のドイツ人やロシア人だけで、世界的な影響はありませんでした。

世界2位の大国の影響力はこんなものでしかないので、中国がなくなっても誰も困りません。


SARSの時は1.7兆ドルだった中国のGDPは19年に15兆ドル、世界GDPの15%以上を占めている(と中国は主張している)

中国GDPは過大に発表されている疑いが強く、例えば2割多いと中国経済の世界シェアは約14%になる。

1994年に日本のGDPは全世界の17.9%も占めていたが、その後数年で半減してしまった。


GDPはその国の株価あるいは地価と相関関係があり、日本は1990年末の土地資産約2456兆円だったのが、2006年末には約1228兆円に減少した。

バブル崩壊後10年で土地資産と株式資産が半減になり、日本の国が半分になるほどのダメージを負った。

ソ連崩壊やドイツ崩壊、日本の敗戦や戦前の中華民国崩壊を見ても、もし中国が崩壊したら国の資産の半分が吹き飛ぶと予想できます。


資産が吹き飛ぶのはバブルだったからで、バブル期の日本は山を崩してゴルフ場にして数千億円の会員権を売るような商売をしていました。

2000年代からの中国は開発そのもので経済成長し、鬼城と呼ぶ無人都市を建設して、建設することで資産価値を増やしました。

それはゴルフ会員権を数千億円で売り出すのと同じ愚かな行為で、もともと価値が無いのだからいつかは無に帰るものです。

http://www.thutmosev.com/archives/82242873.html


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2020年03月02日
新型コロナウイルスで世界経済危機 ゆっくりしたリーマンショック
http://www.thutmosev.com/archives/82340997.html

アメリカ通貨だけがドルに対して固定なので通貨戦争で打撃を受けない
まるでアメリカに殴り返してはいけないボクシング

画像引用:アジア通貨危機:20年 各国連携、備え進める 外貨準備高積み上げ - 毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20170726/ddm/008/020/189000c


リーマンショックとアジア通貨危機

新型ウイルスは3月までに世界50か国以上に広がり中国以外で約9000人が感染し200人以上がなくなっています。

中国以外の一日の感染者数は増え続けていて、2月20日に200人だったのが29日には1300人になっています。

注目のアメリカでも3月2日時点で76人、欧州はイタリア・フランス・ドイツの3か国で約2000人になりました。

他はスペインが84人、イギリスはEU離脱して入国が不便になったからなのか、36人にとどまっている。

イタリア・フランス・ドイツは国境を接する隣国で国境には検問所や一時停止すらないので、防止は不可能と思われます。

経済市場ではコロナウイルスによって、リーマンショックやアジア通貨危機に匹敵する経済混乱が起きるとの警戒感が強まっている。


リーマンショックは2008年にアメリカの低所得者向け住宅ローンが破綻したのをきっかけに大混乱が起きた。

2009年にはアメリカが破産するという予測がされるほどで、ドルは紙切れになるなどの予想が真剣に語られた。

アジア通貨危機は1997年にタイ・バーツ崩壊をきっかけにアジア通貨が連鎖的暴落を起こし、タイと韓国は国家破産しIMF保護国になった。


この時までアジア諸国は自国通貨をドルに対して固定するドルペッグ制をとっていたが、実力より高すぎる通貨価値を設定していた。

そこに売りを浴びせたのがジョージソロスなど米国ヘッジファンドで、タイバーツと韓国ウォンに狙いを定めた。

両国は通貨下落によって対外債務の支払いが出来なくなってIMFから融資を受け、代わりにIMF管理下に入った。


マレーシア、インドネシア、フィリピンも大きなダメージを負い、日本も山一證券破綻をきっかけに平成デフレに突入した。


アメリカが世界恐慌を歓迎する理由

リーマンショックでもアジア通貨危機でも、危機がさった後で得をしたのは結局アメリカでした。

アメリカはアジア通貨危機でさほどダメージを受けず、ITバブルを経て2000年代の株高高成長時代に入った。

いわゆる経済危機の類では1929年の大恐慌から始まって、最終的に利益を得たのはほとんどアメリカだったという共通点がある。


陰謀論を語るつもりはないがこれをアメリカ側から見れば、ライバルを叩き潰すには経済危機を起こすに限ります。

1985年にアメリカは円の価値をドルに対して2倍にするプラザ合意を行い、日本は円高不況に突入した。

中曽根総理は円高を克服するためバブル経済を起こしたが、5年後にバブル崩壊し今もダメージから立ち直っていない。


アメリカは基軸通貨発行国なので「通貨変動」という概念がなく他の国がどうなろうが為替変動のダメージを受けない。

お金が無くなったら発行すれば良いだけで、リーマンショックでも無限にお金を発行して配り、いち早く立ち直りました。

アメリカ以外の国がお金(ドル)を手にするにはアメリカと貿易して入手する必要があり、絶対にアメリカが勝つゲームをしているに等しい。


日本人が汗水流して輸出した工業製品はFRBが発行した紙切れと交換され、アメリカ人は輪転機を回すだけで働かなくてもいい。

だがアメリカの今回の標的は幸運にも日本ではなく中国で、中国を潰すためにはむしろ世界恐慌を歓迎するでしょう。

アメリカは本物のお金であるドルを無限に発行できるが、中国がドルを得るには働いてアメリカに買ってもらわねばならない。


人民元や円はお金ではなく「おもちゃ通貨」に過ぎないので、ドルに交換できなければ誰も受け取ってくれない。

ボクシングで例えたらアメリカ代表は殴ってもいいが、日本や中国代表はパンチを繰り出してはいけないようなルールです。

中国にはアメリカ相手に戦う方法がないので、最初から負けは決定しています。

http://www.thutmosev.com/archives/82340997.html

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2020年03月16日
実は日本に好都合な「強大な中国」 ソ連脅威論の再来


ソ連の脅威が存在した事で、日本はアメリカに大事にされた

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中国が強大化し軍事的脅威が拡大するのは、日本にとって好都合かも知れない。


ソ連の脅威と中国の脅威

多くの日本人は中国が強大になって困ったと思っているか、一部の人はもっと強大になって欲しいと思っている。

ところが中国の軍事力と経済力が強大になって、もっとも得をしているのも、日本なのだった。

昔ソ連脅威論というのがあり、今の中国より強大で、アメリカ軍をも(局地的に)打ち負かしていた。

日本の左翼マスコミは「ソ連軍は明日にでも北海道に上陸するだろう」とワクワクしながら脅威を煽っていました。

左翼運動の目的は日本を共産国家にする事なので、ソ連が日本を占領すれば、自分達がスターリンのような日本の支配者になれると考えていました。

ところがソ連が強くなればなるほど、日本も強くなってしまい、ついにソ連の2倍以上の経済力になってしまいました。


マスコミはそれでも軍事力ではソ連が最強だと言っていましたが、本人のソ連が突然崩壊してしまいました。

なんでこうなったのがというと、アメリカはソ連を恐れたために、日本をけしかけて対峙させようと考えました。

アメリカはシリアやアフガンで、自分は戦わずに現地人に武器を渡して戦わせたが、あれのアジア版でした。


日本を輸出で儲けさせてアメリカ製の武器を購入させて、ソ連軍の防波堤にする。

中曽根総理は「日本列島はソ連を防止する不沈空母である」と国会で言っていたが、一言付け加えると、「アメリカの不沈空母」でした。

アメリカは日本を利用したが、これで日本は大儲けして経済大国になり、戦後の貧乏から完全に抜け出した。


ソ連は日本にとって「お客様」だった

いわば昭和の日本にとってソ連は最上級のお客様、百貨店のVIP会員だったが、突然会社が倒産してホームレスになってしまった。

当時の日本の政治家は世代交代期で、竹下登とか海部俊樹とか小沢一郎とかに代わりつつあった。

ところが戦後第二世代の田中角栄、福田赳夫(実は大正、明治生まれ)とは桁が違うほど実力が低く、日本の立場を理解できなかった。


ソ連が強大だったからこそアメリカは日本をチヤホヤしたので、ソ連がなくなれば日本は敵でしかない。

アメリカという大富豪がギャングに狙われて困っていたので、お金を払って日本という用心棒兼捨て石を雇った。

ギャングが居なくなったら金を払うのももったいないし、用心棒が強盗に変身するかもしれない。


1990年から始まった日本の衰退は、こうしたアメリカの都合で、日本はもう用済みになった事に起因していました。

それがソ連親分の代わりに中国が強大になり、アメリカは中国の脅威を意識せざるを得ない。

ロシアもプーチン大統領になって復活し、中国・ロシアの2大ギャング団にアメリカは狙われる事になった。


アメリカが頼れるのは第二次大戦を共に戦った同盟国だが、英仏独伊など欧州主要国はAIIBで中国側についてしまった。

イギリスのキャメロン首相は「アメリカは衰退するので中国と仲良くする為に、英米同盟を解消したほうが良い」などと公言していた。

それだけではなくキャメロンは日米同盟を「くたばりぞこないの老人に従う忠犬」とも言っていました。


中国の脅威で得をするのは

その忠犬ポチの日本はソ連軍と対峙した時と同じように、中国軍と対峙して再び「不沈空母」の役割りを買って出たのだった。

他の国の人々はこういう日本を見てとても驚き、「なぜ中国が怖くないのか」と思うのだった。

ソ連は強いから従う、中国も強いから従う、アメリカも強いから従う。これが99%の国々で、そうでないのは日本人くらいです。


日本は有史以来ずっとユーラシア大陸と対立し、近代化以降は欧州の大国と対立し、何度も大戦争をしてきました。

平和国家の振りをしても遺伝子に組み込まれているので、核ミサイルを1000発も持っている国と対立しても、国民は何とも思わない。

アメリカは「やっぱりカミカゼは使える」などと思いながら、経済戦争の矛を収めて、日本が軍事力を強化できるようにはしてくれる。


ただし日本経済が本格的に復活すると、とんでもない目に合うのはもう知っているので、無制限に輸出を認めたりはしません。

アメリカは日本に対して、「倒れないように、増長しない程度に」優遇して中露と対峙させようとします。

中国とロシアの脅威が高まるのを最も喜んでいるのはおそらく安倍首相で、両国を手助けしているのではないかとすら思える。


中露が強大になり、アメリカに脅威を与えるほど、アメリカは日本を必要とし、日本に頼るからです。

「ソ連の脅威」というお客様が戦後の繁栄をもたらしたように、「中露の脅威」がいつまでも続いて欲しいと思っているかも知れない。

http://www.thutmosev.com/archives/66143545.html


http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c17

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
18. 中川隆[-12556] koaQ7Jey 2020年5月30日 14:56:15 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[13]
アメリカはソ連崩壊後に NO.2 になった日本をどうやって叩き潰したのか

平成バブル崩壊と ソロモン・ブラザース証券
http://jcoffee.g2s.biz/retsuden3.html#soromon

私にとって、最もつらい経験は、1990年の平成バブルの崩壊です。発表しようとも思いますが、なかなかその気にはなれません。

ところが、この年、空前の利益をあげた証券会社があります。野村でも大和でもありません。外資系のソロモン・ブラザース証券が、巧みな方法で日本の市場を舞台に、安全かつ巨額の利益を手中に収めたのです。

同社のこの勝負を、振り返って見ましょう。

1989年11月9日、偶発的に、国境に押し寄せた東独市民により、ベルリンの壁が崩壊します。資本主義が社会主義より優れていることが、誰の目にも明らかになります。

株価の先高感が強まり、12月にはいり、日経平均先物と現物との差がなんと1000円以上開いてしまうのです。この先物高と現物安の異常格差が大問題だったのです。

ブラック・マンデーなどで裁定取引の経験を深め、鍛え上げた外資系証券会社と比較して、日本の証券会社や投資家は、知識不足で無防備でした。

ソロモンのトレーダーは、千載一遇のチャンスを逃さず、大きな勝負にでます。

1989年12月上旬、同社は、現物買いの先物売り(3月限)の裁定取引をなんと1900億円分実施します。ソロモンの現物買いでバブルは、ますます膨らみます。 1989年12月末、日経平均は、38916円の史上最高値となります。この瞬間がピークだったのです。

裁定取引は、株が上がろうが下がろうが利益には、影響を与えません。
現物と先物の差がどう変化するかで勝負が決まるのです。

1990年大発会以来、株価の不振が続きます。この値動きから、同証券のトレーダーは、日本株バブルの崩壊を確信します。

1900億円分の裁定取引から、最大の儲けを引き出すにはどうしたらよいか?思案を重ねます。

◆◆そして、バブル崩壊を促進するための秘策を思いつきます。◆◆
◆◆ 1990年1月11日、その秘策は実行に移されます。◆◆

ソロモン証券は、日本株の暴落へ備え、大量のプット(株を一定価格で売る権利)を買います。そして、ほぼ同時期の、1990年1月11日、不人気の国債の入札に参加、600億円分を購入します。

同社は、大証で購入した日経平均のプットの一部をもとに、アメリカ中の顧客に「日本株売りファンド」を販売します。(簡単にいうと一定金額を払い、日経平均が下がると下がった分だけ利益の出るファンドです。)

これで、準備完了です。

1月16日、ソロモン証券は、買って間もない大量の国債を、損を承知で投売りします。国債価格は暴落して、金利は暴騰します。
日経平均と長期国債の金利のグラフの90年1月を見ると、両者の関係がよくわかります。

金利の上昇をきっかけに株価は下落、先安感が支配的になります。国債で損をしても、株がそれ以上に暴落すれば、同社は儲かるのです。

そして、運命の2月26日が巡ってきます。

先安感が強くなると、現物より先物のほうが早く下がる傾向があります。この日、日経先物は、ストップ安になります。

ソロモン証券は、この機を逃さず、大量の裁定取引を解消して巨額の利益を確定します。
下がりきった先物を買い戻し、大量の現物を売ったのです。

1990年2月26日同社の大量の現物売りが、東京市場に衝撃をもたらします。
日経平均は、34891円から33322円へとたった一日で4.5%も暴落します。

当時、日本の投資家(私もその一人)は、裁定取引についての知識がありませんでした。
翌日の朝刊には、外資系証券会社の裁定取引が暴落の原因、と書いてあります。

「なにか得体の知れない、ヌエのようなアメリカの怪物が
コンピュータを使って暴れまわり、日本市場を破壊している。」
そんな印象でした。

ソロモンと同社から「日本株売りファンド」を買ったアメリカ国民は、日本株の暴落で膨大な利益をあげます。

◆◆無知で未開な市場は、◆◆
◆◆先進技術を持ったアメリカ人に収奪されてしまうのですね。◆◆
◆◆ 二度とこうしたことがないことを、日本人として望みます。◆◆


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1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。

 平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。

事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。

 ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。

 バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。

 バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。

 CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。


ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。

 かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
 「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。

 60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
 この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。

 その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。

 デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。

次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
 人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。

 大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
 しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。

 それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
 風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。

 彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。

 彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
 そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。

1989年当時、日本人エコノミスト達は「デリバティブ」という「先物」の実体を知りませんでした。経済や金融の専門家でも、この実体が何なのか、未だに分からず仕舞いでした。またこの事が、バブル崩壊の悲劇を大きくし、当時の日本経済界は全く無防備であったと言えます。


ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。
 彼等は、この二つの研究から面白い現象に気付きます。それは日経平均株価(日本経済新聞社が、東京証券取引所一部上場の代表的な225銘柄について算出し、発表しているダウ式平均株価)が単純平均(相加平均のことで、算術平均ともいわれ、n個の数を加えた和をnで除して得る平均値のこと)で作られた「指数」から出来ている事と、もう一つはこれらの指数の分析から、品薄な銘柄を意図的に買うと、少ない資金で日経平均株価を持ち上げることができるという経済現象に気付いたのです。

 こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。
 その頃、日本の話題はベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦構造が終焉(しゅうえん)を迎えれば、世界市場に進出できる等と、日本人経営者の多くが高を括(くく)っていた頃で、日本人の思い上がりの裏側では、こうした巧妙な仕掛けが、水面下で仕掛けられていたのです。
 大蔵官僚も、エコノミストも、この仕掛けには全く気付いていなかったのです。

ソロモン・ブラザーズの真の狙い

 当時の多くの日本人投資家は、「日経平均株価は10万円に到達する」と信じて疑わない人が多くいました。誰もが強気で、今こそ、この好景気に乗って、買いに転じる時機(とき)だと確信していたのです。その結果、バブルは急速な加速度をつけて、瞬く間に膨らみ始めました。
 この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
 1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。

 『プット・ワラント』とは、「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という新商品であり、この商品をアメリカの大口機関投資家に大量売り込みを図っていたのです。また、これには大口投資家も飛びついたのです。
 彼等の新商品に対するキャッチ・フレーズは「年末から年始に掛けて、日本の株式は大暴落するから、60年前の《1929年10月24日の暗黒の木曜日》の時と同じくらいの大儲けが出来ますよ」でした。

1990年1月2日、ニューヨーク・ウォール街では、日本とは逆に、信じられない現象が起こっていました。突然、為替が円安へと向かったのです。この円安はソロモン・ブラザーズが『プット・ワラント』販売に因(ちな)み、債券や為替や株価の「トリプル安」を企てたものでした。
 そして1月が過ぎ、2月に入り、その月は既に中旬に入っていました。この頃、日経株価はジリ安でしたが、大暴落の兆しは現われていませんでした。

 日本人はまだ、この時にも何も気付いていなかったのです。そして日本経済が、瀕死(ひんし)の重傷に陥っている自覚症状すら、エコノミスト達は感じ取ることが出来なかったのです。

 当時の政治背景としては、自民党の政治家は2月中旬の衆議院選挙で大勝したことに祝杯を上げていた頃で、政界も財界も危機管理意識はなく、全く無防備でした。
 日本人は、まさに「ライオンに、餌を差し出す為に手を伸す呑気(のんき)な兎」でした。腕ごと食いちぎられるか、体ごと丸呑みされるかの、こうした危険すら感じる事もなく、呑気な行動をとっていたのです。
 日本人投資家が、株を買いに奔走している頃、アメリカの金融の裏側ではソロモン・ブラザーズの売り攻勢が激化を極め、これまでジリ安で状態であった株価は、一挙に大暴落へと転じました。バブル崩壊の引き金はこの時に引かれたのです。

ついに1990年2月末には、膨らむだけ膨らんだバブルは、日経平均15,000円台を大幅に割れ込みました。一挙に大暴落が起こったのです。

 ソロモン・ブラザーズの秘密兵器はデリバティブでした。
 デリバティブは説明の通り、現物と先物との価格差を狙った「サヤ取り」であり、「裁定取引」と「オプション」で、日本の株価は下落したら大儲けという派生商品です。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。バブル崩壊の大暴落は証券会社のみならず、大蔵省までを翻弄(ほんろう)の渦に巻き込んだのです。

 この巧妙な仕掛けでソロモン・ブラザーズは、僅か三年の研究とその実行で、一兆円にも昇る莫大な利益を手にしたのです。
 そしてこの後、日本では更に悲惨な状態が続くことになります。
 日経平均株価の大暴落は、株式市場の株価下落だけに止まらず、不動産の分野にも悪影響が及びます。この悪影響は、政府が不動産融資へのマネー供給を停止するという事から始まり、今まで高騰(こうとう)を見せていた大都市の不動産の資産価値が急速に下落したことでした。

 この現象は大都会だけに止まらず、地方にまで波及していきます。不動産の資産価値が下落するとは、それを担保にしていた金融機関の担保価値も大幅に減少したということになります。こうして不良債権の波及が表面化するのです。

 これに対して政府の後手政策は、次から次へと傷口を広げ、日本の資産とマネーの急速な収縮は、今日に見る不景気と連動し始めることになります。
 昇り詰めたものは、いずれ落ちる。これは物事の道理です。この道理に随(したが)い、ソロモン・ブラザーズは、次のプロセスへと準備にかかります。

ソロモン・ブラザーズの真の目的は、ただ単に、日経平均株価を下落させて大儲けすることだけではなかったのです。彼等の真の目的は、日本人の個人金融資産の1300兆円にも上る郵貯(郵便局で取り扱う国営の貯金事業で、元金・利子の支払いは国によって保証される)の食い潰しでした。日本のエコノミスト達は、この事すらも見抜けなかったのです。

 ソロモン・ブラザーズが研究の末に計画した事は、こうした下落が生じた時、政治家はもとより、財界人を始めとして、証券会社等が「これを何とかしろ」と、政府に詰め寄り、殺到することを計算に入れていたのでした。これこそ彼等の真の目的であり、ここに「日本発世界大恐慌」を画策した真の狙いが、ここにあったのです。
http://www.daitouryu.com/iyashi/shinizama/shinizama20.html

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その昔、日本は国民総ででバブルに踊った時代がありますたね。
バブルを起こして潰す。奴らの詐欺手口の最たるものですた。
バブルがはじけて今では失われた10年と言われていますが、今だに日本経済はその後遺症を引きずっています。自殺者はバブル崩壊から毎年3万人。今だにその数は変わっていません。

その手口を見れば分かるのですがいつもワンパターンです。
最初は甘い話でカモを釣る。こうやれば儲かりますよ。おいしい話でカモを誘います。

そしてころ合いを見計らって真っ逆さまに突き落とす。詐欺師の典型的なパターンです。

最初に奴らはバカスカ札束を刷って、バブルを引き起こす。銀行は貸して貸して貸しまくる。株に投資すれば儲かるよ。土地を買えば儲かるよ。そしてカモが罠にかかったころ合いで急に蛇口を閉める。貸し渋りをやるわけです。
これをやられたら投資家はいきなり資金難に陥ります。そして、資金難に陥ったカモ達から担保として株、土地、あらゆる資産を奪い取るのです。昔からやっていることは同じです。
いい加減気付いたらどうかと思うのですが、今だに引っ掛かっている人がいます。

その当時の日銀総裁であった澄田智(すみださとし)と言う方をご存じでしょうか。日銀退官後は日本ユニセフ協会の会長などをやっていた方です。

澄田さんがバブル潰しの張本人と言われています。
プラザ合意以降、5%だった金利を2.5%に下げ、銀行は貸して貸して貸しまくった。その当時は、黙ってても銀行が頭を下げて貸しに来たという話は誰でも覚えているはずです。そういうジャブジャブ溢れた資金が株や不動産に流れ込んだ。借金しても金利は安いし土地や株を買えば値上がりするしで猛烈なバブルが起きたのですた。

そしてバブルが膨らみきったころ合いを図って、澄田さんはいきなり公定歩合を8%、長期金利は 10%まで引き揚げた。蛇口を閉めたのですた。借金すると金利が高い。値下がりリスクのある株や不動産よりも安全な銀行預金の方が良いということで投資家は一斉に株と不動産から資金を引き上げた。土地や株は一気に値下がり=バブル崩壊と言われています。

バカスカ金を貸し出して狂乱状態を作ってからブルを破裂させる。
その後には膨大な焼け野原、不良債権の山だけが残る。
それを二束三文で奴らが買い叩く。
昔からの手口。ばればれの三文シナリオだったのですた。

さて、それにしても、そのバブル潰しの張本人澄田さんはどのような経歴の持ち主だったのでしょうか。
澄田さんと言えばフランスに留学した留学組で、その後ベルギー大使館、フランス大使館の一等書記官からキャリアをスタートしたエリート官僚ですた。
そしてその後は、順調に大蔵省で出世して日銀総裁になっています。
澄田さんとフランス財界のつながりはお父様の代から囁かれていますた。


澄田智さんは、日銀総裁を辞めた後、ロス茶イルドフランスの旗艦、投資銀行ラザール・不レールに最高顧問として天下りしています。
ちっとはカモフラージュでもして隠せと思うのですが、親子二代に渡って奴らの充実な部下だったという、そのまんまの経歴の持ち主ですた。
http://goldentamatama.blog84.fc2.com/


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外国人投資家の正体と350兆円のゆくえ
1991年から輪郭が見え始めた日本の経済崩壊は、兜町を土台から大きく揺るがした。92年の4月からの暴落に続いて、7月にかけて東証第一部の平均株価が1万5000円台に突入し、ついに8月10日には一万4000台を記録した。いつまでも続く最安値の更新が、日本の国全体を震え上がらせた。そして外国人勢力による上場企業の買収・合弁へと、事態が急速に展開し始めた。

もはや投資家の損害どころか、日本経済が土台から崩壊しようとしていた。日本株式会社の中枢部が、が一句人投資家によって買い占められるところまで株価が急落し、安い株券が誰か特定の金融ファミリーに集中していたのである。果たしてこれらの暴落が、マーケットの自然な経済原理によってたまたま起こったものだったのか。

日本がこれまで利益を守ってこられたのは、国際金融マフィアが悔しがる『系列会社』の株の持合によるものだった。三井グループ、三菱グループ、住友グループ等はもちろんのこと、富士銀行〜安田財閥は丸紅と連携し、三和銀行〜日本生命〜東洋信託の三水会は日商岩井と連盟を組み、第一勧業は伊藤忠と、それぞれがチームで利権を守るように動いてきた。ところがこの相互持合い方式は、国際金融マフィアが、内部からトロイの木馬方式で侵入してくると、逆に一挙に乗っ取られ大変危ない構造であることがわかり始めた。つまり芋づる式にあっという間に買収されてしまうからである。

今までは株式会社日本独特の『株の系列持ち合い制度』があるため、外国人ブローカーはまるで歯が立たなかった。ところが金融マフィアが巧みに仕組んだ『バブル』という名の時限爆弾によって、兜町の上場株の内の四分の一近くを握っていた銀行業界が、不良債権の焦げつきで、これまで宝物だった手持ち株を大放出せざるを得ない羽目に陥ってしまったのだ。仕組まれた『バブル』の崩壊によって、株価・地価の暴落→銀行の不良債権の急増→融資不能→経済危機→更なる株価・地価の暴落という悪循環に陥った日本経済は、坂道を転げ落ちるように谷底へと転落していった。

その上さらに駄目押しをするかのごとく、国際金融マフィアによる残虐な圧力が日本の大手金融機関に加えられた。88年6月、スイスのバーゼルで開かれた“バーゼル・クラブ”こと国際決済銀行(BIS)の銀行規制会議において、今では知らない者がいない「銀行は、自分が持っている資本金の8%以上を貸し出してはいけない」と定められたのである。これは日本経済にとって、結果的に第2の時限爆弾となった。それほど国際金融マフィアにとって、70年代〜80年代に海外に大々的に進出し始めた日本の金融資本の力が、目の上のたんこぶだったわけなのだ。

この規制のよって、『バーセル・クラブ』の謀略通り、日本の銀行の手足を縛ることが可能となった。むやみに国民から預金を取れなくなった日本の銀行は、増資のよって自己資本を大きくし、この壁を何とか打ち破ろうとした。そして自己資本が運用されている不動産やノンバンク等の資金回収に必死になって走り回った。折から、地価の暴落が始まり、起こるべくして起こった不良債権に青ざめた銀行が貸し出しを渋るようになると、その融資に頼っていた経済界がガタガタになり、それに連鎖して兜町の株がみごとに下降線を描き始めた。

そして最後に、これを見越していたかのように、劇的な92年4月の『外国人投資家による銀行株の大放出』という第3の時限爆弾が、ついに仕掛けられたのだ。ソロモン・ブラザースやモルガン・スタンレーなどが一斉に投売りを始めて、まるで絨毯爆撃のような攻撃を日本の銀行に向かって開始したのだ。彼ら国際金融マフィアは、かなり以前からアメリカ・ヨーロッパ等の経済紙に、『日本のバブル』という言葉をすでに頻繁に紙面に載せていて、いつの日か近いうちに、このシャボン玉に針を刺されて経済崩壊が瞬く間に起こることを、すでに予告していたのだ。

では、このバブル崩壊で、兜町に出入りしていた外国人投資家は、いくら儲けたのか。92年の経済白書によると、株の暴落だけでほぼ350兆円が吹き飛んでいる。金融取引の世界はあくまでゼロサムの世界だから、その莫大な消えた金額とまったく同額のお金を、闇に隠れて誰かがまんまと手に入れたことになる。世界的な株価の変化に目をやってみると、不思議なことが起きている。

年初から8月までの株価の暴落率は、日本だけがダントツで、32・8%という急激な下げ幅を記録している。ロンドン、ニューヨーク、フランクフルト、パリ等はほとんど変化なしで、全体としてはわずかに上昇である。香港では、天安門事件後の反動で中国経済特区が急成長したために、逆に35・8%の急騰である。その中心にある香港上海銀行は、ロスチャイルド・ファミリーの創業した銀行である。

この時期世界の銀行界では、日本が断崖絶壁に立たされていたにもかかわらず、アメリカの巨大銀行が、チェース・マンハッタン、J・P・モルガンを筆頭に、その第二・四半期で恐ろしいほどの利益急上昇を達成したことを、UPI電が7月に伝えた。日本の証券会社が、全国210社合計で3600億円の経常赤字を記録したというのに、日本で活動している外国証券50社合計で、なんと前期の5・6倍という馬鹿げた収益を記録していた。

ちなみに外資系の1位がソロモン、2位がゴールドマン・サックス、3位がモルガン・スタンレー、4位がソシエテ・ジェネラルとなっている。ソロモンとゴールドマンは、すでに大和を抜いて、野村に次ぐ兜町の2位と3位に入っている。メリル・リンチのの純利益は53%増加と、前年と比べると過去最高を打ち立て、6月に入ってモルガンもまた東証株式の「売買高」の部門で兜町の3位に入り、四大証券のうち大和、日興を抜いてしまったのだ。

ここで彼ら外資系証券の開発した巧妙な手口のひとつ、裁定取引と呼ばれるまことに不思議な手口を挙げてみよう。裁定取引( arbitrage)とは、辞書で調べると『ピンハネ』と書いてある。売り買いをする商品には、目の前で取引する『現物』と、何ヶ月か先の取引を扱う『先物』がある。もし何ヶ月か先の株価を知っていれば、現物を先物とのあいだに出る差額(サヤ)をあらかじめ計算して、買いだめでも、売り逃げでも、コンピューターの操作だけで好きなように利益をあげられる。

今回最大の利益をあげたソロモンなどは、ずっと先の株価を知っているものと見え、このシステムでぼろ儲けしたのだ。日本の証券会社は、裁定取引に熱中すると証券取引所が混乱して自滅するという理由から、手控えてきた。しかし外資系にとって兜町の運命なんかどうでもいいのである。ウォール街の大スキャンダルとなったアメリカ国際不正入札事件の犯人、それが兜町を揺るがした同じソロモン・ブラザースである。 今まであえてはっきり書かなかったけれど、彼らは、何ヶ月先の株価を知っているわけはなく、未来の株価を、自作自演のインチキで上下させてきたのだ。つまり集団でつるんで物音ひとつ立てずに、一気に売る。理由は後で何とでもつけられる。チャートや実勢価格なんかまるで無視して、人工的に平然と株価を操作してきたのだ。はっきり言えばインサイダー取引であり、詐欺である。

このとき、チームで株価を完璧にコントロールできるだけの『巨大な資金』と『秘められた実行力』が戦略のキーワードとなる。そのチームを、日本の証券業界では「外国人投資家」と簡単に呼んで、なぜか曖昧なままの存在にしてきた。彼ら数百年の伝統を持つ金融業のプロに対して、あまりに幼稚な認識と言えないか。

日本人が初めて世界の金持ちの仲間入りをしたと言われながら、その実、投機のテクニックとして使われたのは、財テクと呼ばれる一般的な株券・政権の購入に過ぎなかった。要するに、知的な金融能力とはまったく無縁のものだったのだ。

そして今も、日本には本当の金融のプロは存在していない。
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/20031025.html


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アメリカの日本叩き落とし戦略  

アメリカではFRB議長グリーンスパンの超低金利政策の結果住宅産業バブルが起こり、これが今日まで消費を支えてきたが、ここへ来て住宅バブルに「ローソクの最後の炎現象」が見えてきた。前述のようにアメリカには日本のような「潜在消費・投資力」の備蓄がないから解決策を他国に求めるしかなくなる。

そこでアメリカに狙われたのが日本、つまり竹中平蔵大臣である。

実は竹中平蔵氏は1980年から90年のJapan as No.1(「日本の世紀」と言われるほど日本経済が世界を制覇した)時代にハーバード大の客員研究員や准教授をしていた。日本の銀行が世界ランキング1位から10位を占める事態に危機感を抱いたアメリカはハーバード大等の叡智を結集して「日本叩き落とし戦略」を打ち出して見事に成功し、その結果日本の大不況はまだ続いている。竹中氏(当時、大蔵省財政金融研究所主任研究官)は日本の大蔵情報提供者として重要な働きをしたと考えられる。

だから現在のブッシュ政権の経済担当責任者とも親交が深い。異例とも言われた経済財政・金融担当の二つの経済ポストが竹中に与えられた時、グレン・ハバード米大統領経済諮問委員長は「竹中氏は申し分のない改革論者で、ブッシュ政権は竹中氏を全面的に支持している」との見解を発表すると同時に「不良債権処理と日銀の金融緩和の必要性」を強調した。

竹中大臣が10月に訪米した時、「大手銀行だからといって容赦しないぞ!」と言わんばかりの不見識な「大失言」(竹中ショック)のためニッケイは大暴落となり日本は時価総額で約50兆円の資産を失った。この時ハバード委員長をはじめ、バウチャー米国務省報道官、テーラー米財務次官らは必死になって竹中大臣をかばった。アメリカが日本に経済高官を送り込んでまでの竹中支援ぶりは異常。ここでまた経済の基本に戻るが、不良債権処理が日本経済の現況下では不要であることは再三解説したのでご理解いただいたと思う。

日本企業は現在リストラ中であり、総需要も資金需要もマイナスだから特に銀行機能を求める環境にない。こうした時、銀行の脆弱な財務体質を目の敵にするのは不自然である。しかも国会でもマスコミでも世を挙げて不況の結果である不良債権処理とデフレ対策に議論が集中し、不況の真の原因から目を避けている。異常ではないか。何故竹中大臣とアメリカはこの時期に不良債権処理と金融緩和を急ぐのか。

それはアメリカの国益の立場になって考えればすぐ分る。自ら打つ手がなくなったアメリカは日本の「打つ手」(現金備蓄)を奪うしか手が無いのである。竹中大臣はアメリカの国益の立場に立っているのである。不良債権で金融機関のパイプが詰まったままの状態で金融緩和をすると緩和された資金はアメリカに流れず、資金需要がない日本の資本市場で浮遊資金の増大となる。資金は当然土地と株にヘッジし、地価と株価を押し上げる結果となる。これこそ日本経済再生の道だが、アメリカにとっては許し難いこと。すなわち日本の土地と株が上がりだすとアメリカから資金が逃避し日本市場に向かうからである。

今アメリカは戦争と言う無駄な公共投資を前倒しで実行しているが(前述のごとく)潜在的財源が無い。どんなことをしても日本の「備蓄資金」をアメリカへ還流させなくてはならない。住宅バブルが弾けるのも時間の問題。

不良債権処理を急ぎ、日本の国民に痛みを与え、デフレをさらにスパイラル化し、大銀行や大企業を破綻に追い込んでまでもアメリカの国益の為に尽くす竹中平蔵。さらなる「詭弁」で小泉首相と国民を騙し続ける竹中大臣。まるで邪教の亡者のごとき竹中大臣の強烈な意志と情熱は、多分1980年代に洗脳された「日本叩き落とし精神」の具現だろう。今日本は「気違いに刃物」を与えてしまった。


竹中平蔵は、もともと日本からハーバード大学に留学していった。米国では世界各国から来るエリートを選び、その人物に、洗脳教育を施していると聞く。つまり、「国際金融資本に、すべて任せることがよい」という洗脳である。

○ 竹中の推し進めてきた政策を振り返るとあることに気づく。それは、すべて日本の企業を倒産させて、米国の企業に買い取らせるという結果になっている政策ばかりであり、しかも竹中はこれを「すばらしい」と表現している。

○ここでハーバードまで留学して、結局、「すべて国際金融資本に任せるべきだ」という思想を植えつけられているとする。

<竹中の破壊の歴史>
振り返ってみれば、日本は世界最強の銀行として、誇っていたのを台無しにしたのは自己資本比率規制の導入であった。これを導入することを熱心にやっていたのが竹中であり、金融ビッグバンも竹中の提案であり、不良債権処理も竹中路線であり、就任以来54もの金融機関を次から次へと倒産させてきたのは彼の政策のためである。

小泉内閣になってついに、竹中金融担当大臣が就任した。
周囲は、机上の空論の大臣だといって猛烈に反対していたが、小泉は、
「すぐれた頭脳で貢献していただく」といって任命した。
竹中はそれまでやっていた慶応大学教授からいきなり金融大臣となった。

それでは竹中がやってきた日本の金融政策を振り返ってみよう。

竹中が、日本に、自己資本比率規制を導入した。その結果、世界でも最強を誇って
いた日本の銀行は軒並み、貸し出しを減らし、貸し渋りを行うようになった。
そして不況になっていった。 それまでは世界のベスト10バンクに日本の銀行が
6行も入るすごい状態にいたのだった。

竹中がやってきた日本の金融政策を振り返ってみよう。

竹中が、日本に、自己資本比率規制を導入した。その結果、世界でも
最強を誇っていた日本の銀行は軒並み、貸し出しを減らし、貸し渋りを行うようになった。そして不況になっていった。 それまでは世界のベスト10バンクに日本の銀行が6行も入るすごい状態にいたのだった。

○竹中が時の橋本首相に「金融ビッグバンをやるべきです」と進言して、
それをやった。すると山一證券は自主廃業となり、メリルリンチ証券となり、
長期信 用銀行はf経営が傾き、一時国有化し、リップルウッドに買収された。東
邦生命は、買収されてGEキャピタル生命となり、日興證券は、 これも経営が傾き、外資に助けを求め、外資の傘下にはいった。
日興コーデイアル証券となった。
倒産は続出して、金融恐慌の一歩手前までいった。時の橋本政権は選挙で大負けした。日本経済にとって致命傷となった。

竹中金融大臣が、「不良債権処理をやるべきです」といい、それを強化すべ きだといった。すると、銀行は貸しだしを抑制するためさらに不況となる。不良債権
と認定された企業は次から次へと倒産していくため小泉政権の自殺者数や、倒産件数は歴代1位である。

この竹中金融担当大臣が就任している間、UFJ銀行は経営不安に陥り、54も
の金融機関が倒産した。足利銀行も倒産した。建設会社が倒産したときに、竹中
金融担当大臣は、とてもよろこんだ。 「これが構造改革の進展している証拠だ」

そして、竹中金融担当大臣は、4月1日からペイオフを唱えている。
ペイオフは世界各国でどこもやっていない政策である。ところが、竹中が「どこもやっている」とテレビでいうことで、このとんでもない破壊的な政策をやる流れ
になっている。

そしてこの数年間、日本を痛めつける政策をずっと立案してきた人物の竹中が郵政を解体してしまおうとしている。 というわけだ。
http://ime.nu/www.asyura2.com/0505/hasan41/msg/915.html


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私達は洗脳されていました。不良債権の処理こそが構造改革だと。。。

彼等のやり口はこうでした。

一、株式は自己資本の半分以下にすること。
二、不良債権は二年で半減すること。不良債権処理に充てた資金には税金を課す ただし繰り延べ資産として7年間分認める

私達は国の命令で株式の売却を始めました。株の暴落が始まり長銀は国有化され長銀の株券は一夜で紙くずとなりました。数兆円の血税をつぎ込み身奇麗にした 長銀は瑕疵担保条項までつけて外資の手に渡りました。その後私達は恐ろしい光景を目にすることとなりました。

瑕疵担保条項によって死ななくても良い企業まで次々と息の根を止められて行きました。 その時つぶせばつぶすほど外資がもうかる条約だった事に私達は気づきました。

そんな時あの竹中が金融中枢に入ってきたのです。
そしていきなり繰り延べ資産は認めないと言い出したのです。税金は取っておきながら、です。人々はパニックに落ちました。株価は大暴落し、旧額面で80円を割り込んだ時、外資の増資申し入れを受け入れました。
四大メガバンクすべてが外資に自社株を叩き売ったとき、りそな銀行の国有化が決まり、長銀の時と同じく数兆円の国民の税金がつぎ込まれましたが、驚いたことに減資なし、株主責任は問わないという寛大な措置でした
あれほど株主責任を厳しく追及していた竹中 木○コンビの豹変でした。

その翌日から外資の数千億単位の株式購入が連日のように続きました。
日本の国富が外資の手に落ちて行くのを私達は茫然と見ているしかありませんでした・・・。
私達は竹中によって株式をもっと売り払えと指導されていたからです。


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最近、株価が上昇してますが、日本経済に株価が上昇するようなファクターがあったっけかな?と不思議に思っていました。GENDAI NETに気になる記述を見つけました 2005年11月30日 掲載


10月23日(日)の「がっちりマンデー!!」という民放番組を見ていると、ゲストに当時の竹中蔵相を招いて「竹中大臣の新日本経済入門U」みたいなのをやっていました(リンク)。

その番組中で竹中前蔵相は、「それを私の口から言ってしまうと問題がある」とは言いつつもニヤニヤしながら“これから投資の時代ですよ〜”、みたいなニュアンスを醸し出していました。民放とつるんで、朝からTV漬けの主婦など(竹中氏曰く“IQが低い”←リンク)の層を個人投資家として株式市場に参加させ、バブルを起こさせようというのが狙いか?と疑ってしまいます。それでも個人投資家のシェアは15年前から7%程伸びただけというのが実情。

注目はやはり、15年間で4倍にも跳ね上がって、いまやシェアの半分になろうとしている外国人投資家の方でしょう。日本の株式市場なのに、国内機関投資家のシェアがたったの3%以下(信託入れても12%)なのに、外国人投資家が46.7%もあるというのも、いかにも異常な感じがします。

国内機関投資家は、体力が無いのと前回のバブルでひどい目にあったので“羹に懲りて膾を吹く”みたいなことでシェアが少ないのかもしれませんが、個人投資家はしっかり37%のシェア。もしかして彼らは、バブルを経験していない(orその当時ひどい目に遭わなかった?)新興の勢力なのかもしれません。だとしたら、外国人投資家にとっては、投資にそれほど慣れていない(でも、「もうからへんかいな〜」と甘い夢を見ている)連中は恰好の“カモ”に映っているのではないでしょうか(実際、投資経験の浅い学生や主婦がデイトレを始める中心層とよく聞きます)。

もしそうだとすると、いやな予感が脳裏をよぎります。

彼らの投資資金は、海千山千の外国人投資家に揺さぶりをかけられて丸ごと持っていかれる…というシナリオなのではないでしょうか。

1994年:メキシコをはじめとする中南米バブル、1997年:東南アジアバブル、1998年ロシア金融危機など、次々と各地でバブルを演出し、そのたびに自分達だけがっぽり儲けて、地元の経済や社会をボロボロに破壊し、そこに付けこんでIMFを介して世界各国の経済支配を強化してきた勢力がいます(参照:17664、リンク)。

今回は、小泉首相をはじめ官庁やマスコミまでがグルになって旗を振って、国民を道連れにバブルに突き進もうとしているかのように見えます。私達は、それらの勢力やエコノミストたちの戯言に惑わされて、前回のバブル崩壊や中南米・アジアと同じ轍を踏むようなことはあってはならないと思います。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=101985

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米国の「年次改革要望書」アーミテージレポートで動かされて来た国ニッポン
http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2018/12/post-65f2.html
2018.12.31 まるこ姫の独り言


この国は独立国でも何でもなかった。

昨日のTBSの「報道の日2018」を見ていて、戦慄を覚えた。

再放送があるなら、多くの人が見た方が良いと思うほど、肌感
覚で政治を見ている私としては、この番組で日本は何処が独立
国と言えるのだろうかと考えさせられた。

敗戦後から営々と、米国が得する国づくりに参加させられてい
た日本。

知らぬは多くの日本国民なりだった。

まずは、食文化の改革。

毎朝食卓に上る、「パン」にあったのだろうと私は思っている。

今では米飯がどんどん隅に追いやられてしまった。

これも米国の日本改革の一環なんだろう。

全ては、米国が秋に送って来る「年次改革要望書」に始まる。

さて、BSの「報道の日2018」では、私たちが知っているようで
知らなかった多くの、米国からの年次改革要望書が米国の思
ったような日本の国づくりが進んでいるのがよくわかった。

アメリカからの要求で1992年、大店法が改正。

多くの人が感じるであろう、全国津々浦々の商店街がシャッタ
ー通りと化した。

今では惨憺たる有様だ。

日本の首都圏の領空が米軍に占領されている事はモーニング
ショーで初めて知ったが、この番組内で、キャスターが2020年
の東京オリンピックの時に、海外からたくさんの人が来る。

昼間の時間帯の多い時だけでも(ここだけでも使わせてと)アメ
リカに今頼んでまして」と解説をしていたが。。。

ハア?なんで日本の空の権利を米国にお願いしなければいけ
ないのか。

戦後何十年たっていると思っているのか、情けない。

日本に、米国ファーストの年次要望書が毎年贈られてくるが、
鳩山由紀夫はそれを断って結果的には潰された。

郵政民営化も、日本人は小泉の手柄のように思っているかも
しれないが、何のことはない、米国の保険業界を潤すために
出来たような物らしい。

労働派遣法も、働き方改革も、米国側の意向通り。

「アーミテージレポート」は陰謀論だと思っていたが、「報道の
日、2018」を見ていたら、アーミテージに操られていたと言っ
ても過言ではない程、米国の意向が最優先の日本の政治。

ジャパンハンドラーたちの手の平の上で泳がされている。


日本は全然独立国じゃない。

今まで、安倍政権が強行採決してきたすべての法律が米国の
意向通りに動いてきたのだろう。

安保法も、特定秘密保護法も、労働者派遣法も、最近で言え
ば、移民法も、水道法も、すべて米国の意向に沿った法律な
んだろう。

米国にしたら外資が入りやすくすることが一番の思惑じゃな
いのか。

この国では、米国の言う通りにして来たら首相職は安泰で、少
しでも日本国の主張をしたら、政権が潰されるという事のようだ。

安倍の6年の首相職も、米国に相当気に入られている証左で、
米国のお気に入り状態は今後何年続くのだろう。

若い世代は、政治がどんなに酷くても、仕方がないと諦めこそ
すれ、誰も疑問にも思わず、声がぜんぜん上がらない。

むしろ、政権に疑問を覚えた方が潰される運命にある。

どうなっちゃったのだろう日本人の意識は。

そして米国の都合のよい国がいつ完結するのだろう。
http://www.asyura2.com/18/senkyo255/msg/616.html

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c18

[近代史5] イギリスが貧しさから抜け出すために思いついたのが『海賊立国』になることだった 中川隆
3. 中川隆[-12555] koaQ7Jey 2020年5月30日 15:15:07 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[14]

植民地のインドは商品を輸出しても、その見返りの代金は
ポンドでイギリスに蓄積され、デフレになり、不景気になった
2006年2月9日 アメリカの謎を解く 橋本裕の文学・人生日記帳


ブッシュ大統領が1月31日の一般教書演説で、「私は8800億ドルを減税し、国民に返却した。今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」と述べた。
 一方で、アメリカの経常赤字は05年が7900億ドル(93兆6940億円)、財政赤字も06年度は4230億ドル(約50兆2千億円)で過去最大、債務残高はすでに8兆ドル(約950兆円)を越えている。

 日本では、税制赤字を解消するために、増税をしなければならないと考えられているが、アメリカは逆である。減税をして国内消費を活性化し、景気をよくして税収をあげようとする。さらにアメリカの場合は戦争によって軍需景気を作りだしているわけだ。

 いずれにせよ、アメリカは消費大国。国も国民も借金をして消費を楽しんでいる。このアメリカの消費を助けているのが日本をはじめとするアジア諸国だ。とくに日本の貢献が大きい。日本は政府と民間が何百億ドルというアメリカ国債を買っている。

 先日、朝日新聞夕刊「経済気象台」に「米国のもう一つの謎」という文章が載った。経常収支の赤字が拡大しているにもかかわらず、ドル高が持続している謎について、それは借金国のアメリカが負債について支払う金利が「異常」に低いからだと書いている。これに反して、アメリカの対外資産は巨大な利益を手にしている。

 アメリカは莫大な借金をし、そしてその中から、わずかな一部を他国に貸している。そして不思議なことに、巨大な借金のための利払いよりも、わずかな海外資産の方が多くの利益を生み出しているというのだ。

 どうしてこんなマジックが可能なのか。それは日本がこの逆をしているからである。なぜ日本がこの分の悪い役回りを続けるのか、実はこれこそが本当の謎だということになる。

驚くべきことに、小さな対外資産から受け取る利子と配当が、大きな対外負債に支払う利子と配当を今日まで上回り続けている。家計にたとえると、収入を上回る買い物をして毎月赤字が続き、借金が膨らんでいる。ところが、多額の借金に支払う金利がゼロに近ければ、わずかばかり保有する預金などから受け取る利子の方が大きいという状態なのだ。これでは赤字をいくら出しても、借金さえできれば、後は何の憂いもなく買い物ができる

このうまい話に手放しで悪のりして、米国は経済収支赤字を続け、負債の増加に加速度がついている。この構図が最近話題になり、債権国が浮き足だっている。日本にその気配がないことが「謎」の源である

 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。

 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。

 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。

 一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。

 仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。

 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている。

輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。
 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。

 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである

 幸い、最近この貿易構造がかわりつつある。日本の貿易相手国が中国をはじめとするアジアやヨーロッパにシフトしたことで、日本の対米黒字の割合が相対的に低下したからだ。こうして日本がデフレから解放されるチャンスがここから拡大した。

 しかし、問題はすでに厖大なドル建て資産をアメリカに持っていることだ。日本人の汗の結晶であるドル建て資産が、今後ドル安で何百兆と失われる可能性がある。こうした形で、アメリカは最終的に日本の資産を合法的に手に入れようとする。

「今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」というブッシュの一般教書の宣言は、これからも日本をはじめ、世界から資金を調達するという意思表示と読むべきなのだろう。
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/126.html#c3

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
19. 中川隆[-12554] koaQ7Jey 2020年5月30日 15:15:59 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[15]

植民地のインドは商品を輸出しても、その見返りの代金は
ポンドでイギリスに蓄積され、デフレになり、不景気になった
2006年2月9日 アメリカの謎を解く 橋本裕の文学・人生日記帳


ブッシュ大統領が1月31日の一般教書演説で、「私は8800億ドルを減税し、国民に返却した。今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」と述べた。
 一方で、アメリカの経常赤字は05年が7900億ドル(93兆6940億円)、財政赤字も06年度は4230億ドル(約50兆2千億円)で過去最大、債務残高はすでに8兆ドル(約950兆円)を越えている。

 日本では、税制赤字を解消するために、増税をしなければならないと考えられているが、アメリカは逆である。減税をして国内消費を活性化し、景気をよくして税収をあげようとする。さらにアメリカの場合は戦争によって軍需景気を作りだしているわけだ。

 いずれにせよ、アメリカは消費大国。国も国民も借金をして消費を楽しんでいる。このアメリカの消費を助けているのが日本をはじめとするアジア諸国だ。とくに日本の貢献が大きい。日本は政府と民間が何百億ドルというアメリカ国債を買っている。

 先日、朝日新聞夕刊「経済気象台」に「米国のもう一つの謎」という文章が載った。経常収支の赤字が拡大しているにもかかわらず、ドル高が持続している謎について、それは借金国のアメリカが負債について支払う金利が「異常」に低いからだと書いている。これに反して、アメリカの対外資産は巨大な利益を手にしている。

 アメリカは莫大な借金をし、そしてその中から、わずかな一部を他国に貸している。そして不思議なことに、巨大な借金のための利払いよりも、わずかな海外資産の方が多くの利益を生み出しているというのだ。

 どうしてこんなマジックが可能なのか。それは日本がこの逆をしているからである。なぜ日本がこの分の悪い役回りを続けるのか、実はこれこそが本当の謎だということになる。

驚くべきことに、小さな対外資産から受け取る利子と配当が、大きな対外負債に支払う利子と配当を今日まで上回り続けている。家計にたとえると、収入を上回る買い物をして毎月赤字が続き、借金が膨らんでいる。ところが、多額の借金に支払う金利がゼロに近ければ、わずかばかり保有する預金などから受け取る利子の方が大きいという状態なのだ。これでは赤字をいくら出しても、借金さえできれば、後は何の憂いもなく買い物ができる

このうまい話に手放しで悪のりして、米国は経済収支赤字を続け、負債の増加に加速度がついている。この構図が最近話題になり、債権国が浮き足だっている。日本にその気配がないことが「謎」の源である

 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。

 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。

 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。

 一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。

 仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。

 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている。

輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。
 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。

 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである

 幸い、最近この貿易構造がかわりつつある。日本の貿易相手国が中国をはじめとするアジアやヨーロッパにシフトしたことで、日本の対米黒字の割合が相対的に低下したからだ。こうして日本がデフレから解放されるチャンスがここから拡大した。

 しかし、問題はすでに厖大なドル建て資産をアメリカに持っていることだ。日本人の汗の結晶であるドル建て資産が、今後ドル安で何百兆と失われる可能性がある。こうした形で、アメリカは最終的に日本の資産を合法的に手に入れようとする。

「今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」というブッシュの一般教書の宣言は、これからも日本をはじめ、世界から資金を調達するという意思表示と読むべきなのだろう。
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c19

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
20. 中川隆[-12553] koaQ7Jey 2020年5月30日 15:19:39 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[16]
「アベノミクスの成果」【事実をいえば……】

安倍政権の発足直前(2012年10月〜11月)、政府は、80円台から105円(2013年12月)への円安を生むため、30兆円のドル買いを、秘密裏に、郵貯・かんぽ生命等の政府系金融機関に、行わせています。

25円(30%)の円安目的の、「円売り/ドル買い」マネーが、米国系投資銀行に入って、ヘッジファンドから、2012年末から日本株の買い越し(5兆円規模)になり、日経平均が8,500円台だった株価が、1万4,000円に上がっています(2013年末)。

これが、「アベノミクスの成果」とされたのですから、内実は白々しいことでした。当時の当メールマガジンにも書いたことです。

通貨と株価の大きな変化には、いつも、資金量をもっとも大きくできる政府と中央銀行、および政府系金融機関が関与する原因があります。
https://www.mag2.com/p/money/911417


▲△▽▼

日本円が超円安になった理由
「アベノミクス」の正体
日本食潰す金融投機資本に貢ぐ 2013年5月17日付


安倍政府が発足して以後、「アベノミクス」と呼ばれる異次元の金融緩和や公共投資を中心とする政策が台頭し、急激な円安と株高の局面があらわれている。

昨年11月に民主党・野田政府が解散を表明した時点で8600円台だった日経平均株価は、半年たった今年5月中旬には1万5000円台まで急騰し、為替相場は1j=79円台だったものが102円台まで円安になるなど、世界的に見ても例がないほど大きな変動が起こっている。

海外投資家が時価総額のうち七割を占めている株式市場が熱狂し、さらに円安でトヨタをはじめとした輸出企業が過去最高益を上げるなど、金融緩和と為替マジックで金融資本や一部大企業がバブルに浸っている。

ところが一方で、燃油や穀物を中心に日本国内では生活必需品の価格が急騰し始めるなど、国民生活に深刻な影響が広がっている。「アベノミクス」でいったいなにが起きているのか、どうなっていくのかが重大な関心を集めている。


 
 バブルに群がる海外投資家

 この間、日経平均株価はリーマン・ショック以前と同レベルの価格まで急騰してきた。それほど好景気なわけでもなく、むしろ怒濤の首切りや製造業の海外移転を経て失業や貧困が全国的な範囲で広がり、生活実感としては悪化しているにもかかわらず、「日本株、年初から45%の上昇率」「1万5000円台回復」が叫ばれている。今後はさらに1万6000円台、1万7000円台まで上昇するとエコノミストたちが煽っている。

 しかし株式市場もよく見てみると、東証一部の約6割にあたる1000近くの銘柄が値下がりしている。株価が急騰している4割のなかでは円安効果の恩恵を受けた自動車産業や、ソニー、パナソニック、三菱電機といった企業が年初から倍近い株価をつけている。逆に株価が急落している企業としては不動産関係や、国内小売りのヤマダ電機、イオン、東芝などの企業群だ。

 東証の株式時価総額は昨年10月末には261兆円まで落ち込んでいたのが、今年4月末の段階では411兆円にまで膨れあがっている。わずか半年で150兆円がなだれ込んでいる。この半年の推移を見てみると、11月に14兆円増加し、12月には26兆円増加、1月に29兆円、2月に13兆円、3月に23兆円、4月には46兆円とすさまじい勢いで資金が流入しているのがわかる。

 このなかで投機の中心的なプレイヤーとして振る舞っているのが海外のヘッジファンドや投資家といわれ、時価総額の大半は国内資金ではなくこうした海外資金であることが明らかになっている。

サブプライム危機で行き場を失った膨大な余剰資金がヨーロッパを食い物にし、ギリシャ、スペインなど南欧諸国の国家破綻でボロもうけした後しばらくは中国や新興諸国のバブルに巣くっていたが、それも一段落ついて今度は「アベノミクス」バブルに大集結していることを反映している。


 世界3大投資家の一人であるジョージ・ソロスがわずか3カ月で970億円を稼いで

「黒田はガッツがある」

「緩やかに死に向かっていた日本市場の目が覚めた」

などと褒めちぎり、

「しかし円が雪崩のように下落する恐れがある」

などと発言する状況ができている。こうした抜け目ない守銭奴は、日本経済が低迷しているといわれた時期に底値で株式を買い取るなど仕込みを終え、現在のように素人が「株がもうかる」と思い始めるような段階には見切りをつけて売り抜けている。

カモにされるのはいつも決まって素人で、証券会社にそそのかされた年寄りや、中流世帯が巻き込まれて泣きを見ている。


 加熱する米国債の購入 日銀の金融緩和で


 国債市場は株式市場よりも規模が大きく、世界的には株式市場の3倍にもなるとされている。この間の円安で輸出企業は潤ったといわれているものの、円安そのものが国債暴落で、1j=80円の段階で例えば1万円の日本国債の価値がドルベースで換算すると125jだったのが、いまや1j=100円超えなので、その価値は100jと大幅に下落することになった。

 こんな日本国債を持っているよりは、ドル建ての米国債を購入した方が儲かるという判断が働いて、日銀が金融緩和すればするほど米国債買いが加熱して、海の向こうに資金が流れ出していくことになっている。

円建ての日本国債を売り払って円を調達し、その円を売り払ってドルを買って米国債を購入するのが流れになり、あるいは国債を売り払った資金で株式市場に投機する動きとなった。


 安倍政府、日銀による異次元の金融緩和は、米国債購入という形で吸い上げられ、あるいは国際金融資本の博打の源泉として食い物にされる仕組みになっている。

リーマン・ショック後に、米国ではFRBが気狂いじみた量的緩和を実行し、銀行群の損失処理にあたり、ヨーロッパではECBが負けず劣らずの量的緩和をやり、市場に資金を供給してきた。そうしたマネーに寄生し、バブルを渡り歩いてきたのがヘッジファンドで、熱狂した後に売り浴びせることは、過去に日本市場でも経験済みだ。


 円安でも拠点を戻さず 海外移転の大企業

 日本国内ではこの数年、大企業が円高を理由に海外移転を繰り返してきた。ところが円安になったからといって日本に拠点を戻すわけでもなく、多国籍企業のようになって出ていく。内部留保を散散貯め上げたうえで、そうした過剰な資本は国民生活の水準を引き上げるためには用いられず、より利潤の得られる後進諸国への資本輸出や進出へと向けられている。ベトナム、ミャンマーといった進出先のインフラ整備までODAで日本政府に肩代わりさせるのだから、国民の面倒は見ずにもっぱら寄生するだけの存在というほかない。

 その株式を保有しているのが米国をはじめとした海外の超富裕層や、錬金術に長けた金融資本で、人為的な円安、株高政策にせよ、TPPにせよ、日本の富を米国富裕層の個人資産に移し替えてくれる「アベノミクス」だからこそ大歓迎している。

 グローバリゼーションのもとで、かつてなく世界を股に掛けた投機が横行し、産業集約が進んでいる。金が溢れて投資先に困るほど、生産は社会化して富は増大している。ところがその金は一%にも満たない超富裕層が握りしめて離さないことから、九九%がますます貧困に追いやられ、モノが売れずに経済活動は停滞。金融が破綻すれば損失を国家に転嫁するというデタラメがまかり通っている。

 ヘッジファンドが食い荒らしている日本市場の姿と、その資金をせっせと提供している「アベノミクス」の存在が暴露されている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/enyasukabudakanokagedekyuurakusurukokusai.html


安倍「官製相場」の正体。国民生活が疲弊し対米従属は加速する=吉田繁治 2016年10月20日
http://www.mag2.com/p/money/24781


2012年12月に発足した安倍内閣はアベノミクスを標榜し、株価上昇をその支持基盤としてきました。あれから約4年、いよいよ「株価政権」の総括検証をすべき時期が来ています。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2016年10月19日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した内容(約5,000文字)もすぐ読めます。

なぜ株価は景気を反映しなくなったのか?官製相場の欺瞞を斬る

安倍首相の「スタートダッシュ」

消費税10%法案を通した野田民主党の自滅により、自民党は2012年12月、3年4ヶ月ぶりに政権に復帰しました。首相自ら「アベノミクス」と呼ぶところの、安倍政権の経済・金融政策の始まりです。

安倍首相は前回の失敗から、「スタートダッシュが肝心」と決めていました。自公政権が確実になった12年10月に明らかになったのは、
◾脱デフレの大きなマネー増発策
◾10年で200兆円の国土強靱化の公共投資

でした。日銀法を改正し、独立権を奪ってでも、マネーを増発させるという強いものだったのです。

【関連】株も不動産も奪われる! 預金封鎖よりも怖い「財産税」の傾向と対策=東条雅彦

国土強靱化は、財政赤字を200兆円分拡大して危険だ、という財務省の反対で消えました。東日本大震災の復興予算として、別途、28兆円の政府支出が必要だったからです。

マネー増発を推進するミッションを持ち、黒田総裁・岩田副総裁体制になった日銀は、異次元緩和(量的・質的金融緩和)を開始します。

量的緩和は、金融機関がもつ国債を買ってマネーを増発する政策です。質的緩和は、日銀が日経平均(株式ETF=上場投信)とREIT(不動産投信)を買いあげて、価格を上げるものです。

日銀による株買い(ETFの購入枠は6兆円/年)、これは普通、中央銀行が禁じられていることです。

恐慌の研究家である前FRB議長のバーナンキは、「日銀がケチッャプを買えば物価上がる」と言っています。あるいはヘリコプターでお金をばらまけばいいとか、ニコリともしないで異常なことを言う。

日銀が増刷した円で店頭商品を買えば、需要の超過になり物価は上がります。車を100万台(3兆円)、住宅を100万戸(30兆円)買ってもいいが、さすがにそれはできない。そこで株を買う。

日銀の株買いは迂回(うかい)して行われた

金融機関は、国債をはじめとする債券と貸付金で預貯金や基金を運用しているので、余分な現金は持ちません。

量的・質的緩和を政策にした日銀が、郵貯、年金基金(GPIF)、かんぽがもつ国債を買う。政府系金融と基金(GPIF)はそこで得た円で、日米の株とドル国債を買う。ワンクッションおいていますが、日銀が直接に日米の株を買い、米国債を買うことと同じです。

日銀は直接買うETF(年6兆円の枠)以外に、迂回路をとり数十兆円の株買いを行ったと言えます。方法はごまかしめいて姑息ですが、マネーの流れとしては露骨です。

日銀は量的・質的緩和として、円を下げ、株を上げ、インフレに誘導する「可能な手段の全部」をとってきたのです。

株価上昇は、株主の資産(東証一部時価総額511兆円 ※16年10月18日時点)を増やします。同時に企業の増資コストを下げます。資産が増えた株主は、資産効果で消費を幾分か増やします(しずくのようにわずかなのでトリクルダウンという)。百貨店で、100万円級の機械式時計が売れたのが、この資産効果です。

株価は理論的には、企業の将来の税引き後の予想純益を、期待金利(リスク率を含む株式益回り:6.6% ※16年10月18日時点)で割ったものと等価です。これが表現するのは、株価は企業の予想純益の結果ということです。

しかし多くの人々には、「株価が上がった→景気がよくなったからだ」と理解されます。下がっていた血圧が輸血で上がったから健康に戻った、と思うような本末転倒ですが、投資家と上場企業は歓迎します。支持率が上がるので、政府与党も喜ぶ。

株価が下落し、支持率も低くなった前回の反省を踏まえた安倍首相は、スタートダッシュで円安の誘導、株価の上昇に躍起になりました。円安の誘導は、輸出を増やし、株価を上げるためでした。

マネーの流れ

ヘッジファンドは保有しているドル国債を日本に売り、得た円で、出遅れていた日本株を買う。そして実は、総資金量が420兆円と日銀よりも巨大な政府系金融(現在名ゆうちょ銀行、かんぽ保険、GPIF:総資金量420兆円)は、日銀に国債を売って得た円で、米国債も買っています。

公的年金の残高139兆円(15年12月)を運用しているGPIFの、15年12月のポートフォリオ(分散投資)は、「円国債38%、国内株23%、外国債券(主は米国債)14%、外国株23%」です。

※日銀がGPIFの国債を買いあげる→GPIFは得た現金で国内株、米国債、米国株を買う→GPIFに米国債を売ったヘッジファンドはそのマネーで日本株を買う

マネー運用には遅滞が許されないので、この迂回路取引がコンピュータの中で、一瞬で起こります。

安倍政権の初年度だった2013年には、外国人(ヘッジファンド)からの15.1兆円もの巨大買い越しがありました。

外国人の売買は、東証一部の年間売買額460兆円のうち320兆円(約70%:16年7月水準)です。国内勢(金融機関と個人投資家)は、1990年のバブル崩壊後の損失の累積で資産を減らしたため売買がとても少ない。国内勢の売買は140兆円です。

他方、多くがオフショア(タックスヘイブン:租税回避地)からであるヘッジファンドの売買が320兆円です。東証はこのヘッジファンドの支配下です。

ヘッジファンドの日本株買いと、円先物売りのマネーの多くは、GPIFにおけるような迂回路をとって日銀が買い続けている、政府系金融の国債の現金化から来ています。

安倍政権前から始まっていた「官製相場」

政治相場(あるいは官製相場)は、14年10月末に発表された「日銀の追加緩和」と「GPIFの運用方針の変更」から始まったように言う人が多い。

しかし、マネーの流れを比較貸借対照表で調べると、安倍政権が始まる前の12年の10月から秘密裏に開始されています。最初は、円安介入のための30兆円の政府系金融マネーでした。

※総資金量420兆円の政府系金融3機関が、日銀に国債を売ったマネーで、米国債を30兆円買った→米国債を売ったヘッジファンドが日本株買い/円の先物売りを行った

安倍政権が確実になる前、12年9月の日経平均の予想PER(加重平均)は、1ドル80円台の円高の中で12倍付近と低かった。米国ダウのPERは15倍と3倍高かった。

上場企業(東証一部2000社)においては、輸出製造業の株価シェアが大きい。円安/ドル高になると、利益が数倍に増えます。このため、円安で日本の株価は上がり、円高で下がる基本性格があります。

通貨の低下は、普通、国力(政治力)と経済力の低下を示します。しかし日本では、ドルでは同じでも円での輸出価格が上がる。このため、上場企業の利益が増える予想がたち、株が買われます。
(注)予想PERは、株価の時価総額を次期予想純益で割った株価/収益倍率であり、株価の高さ、低さを判断するための指標です

PERが15倍なら将来15年分の、未実現の企業純益を株価が含んでいます。16年10月の日経平均の加重平均のPERは、14.3倍付近です。単純平均のPERでは18倍と高い。日経平均は、ユニクロ(ファーストリテイリング)の34倍のような高PER銘柄を含むからです。

2016年10月現在、日経平均は1万7000円付近です。米国ナスダックの予想PER(単純平均)は現在21.9倍で、バブル価格の水準です。他国をあげると、インド18.2倍、英国17倍、米国ダウ16.8倍、上海総合14.4倍、ドイツ13.3倍、ロシア6.8倍です。


円安誘導という名の「米国債買い」を実行

安倍政権誕生の2ヶ月前、1ドル77円(12年9月)だった円は、その2ヶ月前から下がりはじめ、10月に80円、11月に83円、12月には87年円と13%の円安になっています。続く13年1月に92円、2月には93円と下がり、6月には岩盤に見えていた100円も超えたのです。
(注)円安のピークは、15年6月の125.8円です。16年2月のマイナス金利以降は、逆に円高になり16年10月は104円付近です

円安は、世界の外為市場(円の売買が日量120兆円:2016年)での「円売り/ドル買い」が「円買い/ドル売り」を超過することで起きます。なぜ50%(1ドル120円)もの円安になったのか?

ここで、財務省の外貨準備($1.26兆:126兆円:16年10月)は、目立つので使われなかった。かわりに、ゆうちょ銀行、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、かんぽに、推計30兆円の「円売り/ドル買い」を行わせたのです。

前述のように、日銀がゆうちょ、年金基金、かんぽがもつ国債を買い、政府系3機関は、そこで得た円で、円安誘導を目的にしたドル債買いを実行するわけです。

さて、米国政府は、為替介入を行う国を「為替操作国」と強く非難します。しかし、円売り/ドル買いで得たドルで米国債を買うと途端に沈黙します。この理由は何でしょうか?


アメリカ政府の債務は2000兆円

米政府の総債務(自治体と社会保障の債務を含む)は、日本国債の2倍の$20.0兆(2000兆円:16年)に膨らんでいます。米国債も$15兆(1500兆円:同年)に増えています。

財政赤字は毎年、$7000億付近(16年度は$7130億)です。17年には、公的医療費($2.8兆:280兆円:12年)の増加で、赤字は$1兆を超えるでしょう。

米国の人口ピラミッドは、日本の10年遅れです。医療費では診療単価が約2.5倍高く、総額で$2.8兆(280兆円:12年)です。3.2億人の国民の、健康な人を入れた1人あたり年間医療費は$9000(90万円)です。

日本の医療費は、40兆円で1人あたり31万円/年。米国は1人あたりで3倍も多い。米国の医療費は信じられない高さです。盲腸の手術や流産で200万円とか…日本は世界的には医療費は安い。

米国政府は、この高すぎる医療費のため、日本の10年遅れで高齢者が増えるとつぶれます(ほぼ確定でしょう)。

米国は、新規国債のうち50%は、経常収支が黒字の中国と日本に売らねばならない。米国内では50%分しか買い手がない。米国は、海外からマネーを借りる構造を続けています。円でドル国債を買うことは、マネーの流れとしては米国への貸し付けです。

経常収支の赤字国は、感覚では逆ですが、資本収支では黒字になります。資本収支の黒字とは、マネーが流入することであり、現象形は、海外の金融機関が米国債、株、社債、MBS(住宅ローン担保証券)を買って、ドル預金をすることです。

わが国の民間では、国内の運用先がない三菱UFJグループ(総資産281兆円:16年6月)が、米国運用を増やしています。米国経済は、海外資金が大挙して引き揚げるとひとたまりもない。このため、米国はユーロや円より約2ポイントは高い金利を続けねばならない。


米国が利上げしなければならない本当の理由

米国が14年10月に、3回行った量的緩和(QE:$4兆:400兆円)を停止し、2015年12月にFRBが0.25%利上げした本当の理由は、金利が低いままだとドル債が売られ、海外から来たマネーが逃げる恐れがあったからです。逃げはじめてからの利上げでは、間に合わない。

米政府とFRBが、日本に金融緩和を強く勧めるのも、米国債と株を買ってもらうためです。異次元緩和にも米国への資金環流という条件がついていました。リフレ派は亡国のエコノミストに思えます

リーマン危機のあと、400兆円のドルを増発した3度のQE(08年〜2014年)でマスクされていた米国の「大きな対外不均衡」は、今も世界経済における根底の問題であり続けています。

米国の対外総債務は、$20兆(2000兆円)、対外資産を引いた純負債は$8.8兆(880兆円)と巨大です(15年末)。

一方で日本は、官民で948兆円の対外資産をもち、対外債務は609兆円です。339兆円の純資産があります(15年末:財務省)。経常収支が黒字になり、バブル経済で世界ナンバーワンと言われた1980年代以来、企業と金融機関が営々と貯めてきたものが、対外純資産になっています。

関連して言うと、中国は、公式には$2.1兆(210兆円:14年)の対外純債権国とされています。しかし、15年と16年に民間で起こった「元売り/ドル買い」に対抗して、政府が行った「元買い/ドル売り」により、今は、純債務国に転落していると推計できます。

2015年12月で$3.3(330兆円)とされている外貨準備では、銀行の持ち分と政府の持ち分が二重に計上されています。中国の4大銀行は、全部が国有です。選挙と議会制度がない共産党国家・中国の経済統計には、かつてのソ連と同じ問題があります。


ヘッジファンドによる円売り・日本株買いのカラクリ

アベノミクスとは、インフレを目標にした、

1.日銀の国債買いによる通貨増発
2.ドル買い/円売りによる円安誘導
3.政府系金融とGPIFによる日本株買いと米国債買い


です。

2%のインフレを目標にしたのは、年金・医療費・介護費(社会保障費)が年率3%(3兆円)で増え続け、それが国債の増発に繋がって、債務比率(政府総債務1277兆円/名目GDP505兆円=253%)が拡大することを防ぐためです。

分母の名目GDPが年率で3%以上増え続けないと、債務比率が大きくなり、近い将来の財政破綻が確定するからです(名目GDPの下限目標=実質GDP1%+インフレ率2%)。

仮にインフレになっても、企業所得と税収が増える中で世帯の所得が増えない場合、国民の生活は苦しくなっていきます。年金支給額が固定されている年金生活者3100万人(15年:厚労省)と、円安では企業所得が減る多くの中小企業の雇用者4100万人(06年:経産省)、合計で7200万人は、インフレで実質所得が減ります。

しかし、それらは構わない。政府にとっては、差し迫る財政破綻の防止がはるかに大切だとされたのです。


円安と株価上昇には有効だった量的・質的緩和

需要が増えることによる物価上昇に効果がなかった量的・質的緩和は、12年末から15年までの円安と株価上昇には有効でした。13年と14年の物価上昇は、円安での輸入価格上昇が主因です。世帯消費と企業の設備投資は増えていません。

東証では、年間420兆円の売買額の70%が、オフショアからのヘッジファンドによるものです。国内の個人投資家と金融機関は、90年からのバブル崩壊、00年のIT株崩壊、08年9月からのリーマン危機で3回の大きな損失を被ったことから、売買額が30%に減っています。

個人投資家700万人の多くは、上がるときは損失を回復するため売り越す、下がるときは難平(なんぴん)買いで買い越すという行動を取ります。


2012年末以降の日本株式市場の売買構造

このため、わが国の株価を決めているのは、70%のシェアになったヘッジファンドの売買です。


1.ヘッジファンドが買い越せば上がり、売り越せば下がる

2.下がっては、政府と投資家が困る

3.ヘッジファンドが売り超になると、3つの政府系金融(総資金量420兆円)と日銀(同459兆円:16年10月)が買いをいれる

という単純な基本構造が、2012年末から2016年10月まで続いているのです。

しかし2016年は、政府系金融と日銀の買いに対する株価上昇の反応が鈍い。この理由は、

1.アベノミクスによる株価上昇が政治相場(または官製相場)であることを皆が知った

2.このため二番目に大きな売買シェアを持つ個人投資家(700万人)が、政府系金融に追随した買いを入れなくなった

ことにあります。


米国の後追い。2015年から日本でも自社株買いが増加している

1日平均売買額が2.9兆円(15年平均)だったものが、2.3兆円(16年7月)に減った現在の東証一部で、大きく増えているのは自社株買いの4.3兆円です(16年1月〜9月)。

これは、事業法人の買い超に含まれます。年間では5.7兆円の買い超になるでしょう(13年1.5兆円、14年2兆円、15年3兆円)。

自社株買いは、市場で流通する株式数を減らします。会社利益は同じでも、1株あたり利益は上がったようになり、株価も上がります。タコが自分の足を食べることに似たこの自社株買いは、上場大手企業が留保利益で将来投資をせず銀行預金として貯まった、現金100兆円で行われています。

自社株買いでも、買いが増えれば株価は上がるので「株価上昇という形の株主配当」とされています。経営者が株主サービスとして行うのです。問題は、自社株買いは、いつまでも続けることはできないことです。

米国の2012年以来の自社株買いは、とても大きい。16年の第一四半期で$1820億(18.2兆円)です。年間では73兆円という巨額です。米国では、日本よりはるかに個人株主の要求度が高い。株価が1年も下がり続ければ、資産を失った株主により、株主総会で経営者が追放されます。

このため、経営者は米国FRBの量的緩和と、わが国と同じ将来投資の少なさから滞留したキャッシュフローで、年間73兆円もの自社株買いで事実上の減資をしているのです。

時価総額で世界一のアップル($6091億=60兆円:16年9月)は、社債を発行しゼロ金利マネーを得て、それで巨額の自社株買いを行っています。米国のダウやナスダックの大手企業の株価は、大きな自社株買いで20%から30%は高値になっているでしょう。

本稿執筆時点のダウは1万8161ドル、ナスダックは5243ポイントで史上最高値圏です。過去10年の純益を元にしたシラーP/Eレシオ(26.6倍:16年10月)が示すように、数十%のバブル性があると見ることができます。株価維持のために膨らみすぎた自社株買いの減少があれば、下がります。

自社株買いは、政府主導の官製相場と同じく、3年も5年もと続けることはできません。事実、2016年は米国の自社株買いはピークアウトして、今後は減少する傾向も見えます。

米国の自社株買いの傾向に注目してください。これが減ると、米国株は下がります。米国株が下がると、日本と欧州にも即日に波及します


株価が景気を反映しなくなった理由

ポートフォリオ投資とHFT(超高頻度売買)を組み合わせた売買シェアが、60%まで増えています。10年代の国際金融は、ネットワークで、リアルタイムに連結されているからです。

世界中の国債や株の売りも買いも、コンピュータ画面で一瞬です。株と債券の金融市場は、インターネットで変容しています。売買を叫ぶ「場立ち」があった「のどかな市場」ではない。

それでなくても、わが国の日経平均は米国ダウの子供です。米国株を売買しているヘッジファンドがポートフォリオ(分散投資)で、日本株をたとえば12%と一定割合にしているからです。米国株が下がると、ポートフォリオの中の米国株が減少します。かわりに、12%枠と決めている日本株の構成比が上昇します。これでは日本株の下落リスクが大きくなる。

株価罫線を分析するトレンド理論(傾向理論)とは違う、ランダムウォークの理論では、向こう3ヶ月で10%上がる確率があるときは、10%下がる確率も同じです。このため、ポートフォリオでのリスクが、コンピュータが自動計算する数値で大きくなる。

従って、米国株が下がると日本株を売って減額調整するプログラムが組み込まれています。ヘッジファンドのほとんどの売買で行われているHFT(超高頻度売買)がこれです。人間は関与せず、現物・先物・オプションの売買を組み合わせ、瞬時に売買が行われます。

ファンドマネジャーの関与は、ポートフォリオの割合(パラメータ)を変えるときです。以上の売買構造が増えたため、日米の株価の動きは同時化します。日米だけではない。

世界の株式市場(時価総額6000兆円:世界のGDPの1倍)が、ほとんど瞬間連動して動きます。基礎的な経済指標によるファンダメンタル理論(端的に言えば、景気がよくなると株価が上がる)は、ほとんど関係がなくなっているのです。
http://www.mag2.com/p/money/24781



▲△▽▼

日経平均株価が上がる程、日本人はどんどん貧しくなっていく

アダム・スミス2世の経済解説  2015-05-10
アベノミクスがもたらした株価上昇による100兆円の損失
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-184.html

アベノミクスの評価は、現時点においてもさまざまである。その中で多くの人たちが認める功績は、株価を上昇させたことであろう。アベノミクスの否定論者でも、アベノミクスは株価を上昇させたこと以外にメリットは存在しないという評価を下す人は多い。

今回は、アベノミクスが株価上昇により巨額の損失を日本経済に与え、最近ではその累計額が100兆円にまで到達したという事実を説明する。


現在、日本で使われている日本の純資産に相当するものは、国民経済計算ベースでの国富(=正味資産)である。

現在、国ベースでどれだけ資産を増やした、あるいは減らしたかを認識できる統計は、国民経済計算ベースの国富しか存在しない。


国富のグラフ
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/20150510172757912.gif/


国富の大半は非金融資産である。それ以外は、金融資産の一部である対外純資産だけである。国富の大半をしめる非金融資産が減少傾向を示している最大の原因は、地価の下落である。対外純資産は増加傾向にある。

国富には、対外純資産以外の金融資産が存在しない。これは、金融資産が存在すれば、必ずそれに等しい金融負債が存在していると国民経済計算では考えるからだ。この場合、株価が上昇しても、株価の時価総額の増加額に等しい金融負債が増加していると考えるのである。

この考え方に基づけば、アベノミクスの結果株価が上昇しても、プラスは発生しない。株価の時価総額と同金額の金融負債が同時に増加すると考えるからだ。株式保有金額の増加額のうち海外投資家による日本株保有分については、海外投資家の資産増加と、国内部門の負債の同金額の増加が発生すると考える。

これを日本から見れば、国内の負債の増加分と同金額の国内資産が増えているのではなく、同金額の対外負債の増加だけが発生していると見える。

対外負債の増加であるから、対外純資産の減少、すなわち国富の減少を意味する。

日本の株価が上昇すればするほど、資産は増えず、対外負債だけは増加し、対外純資産と国富は減少する。


2014年末における投資部門別の株式保有金額(上場株だけが対象)を表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額
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2014年末における最大の大株主は海外投資家であり、その金額は165兆円、全体の31%を占めていた。

次に、アベノミクス相場の開始以降、上記の株式保有金額がどれだけ増加したかを表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額の増加額
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アベノミクス相場の開始日は、野田前総理が衆議院解散を明言した2012年11月14日である。しかし、その日からの統計は存在しないので、代わりに2012年9月末を基準にした。保有金額にだいたいは比例しており、海外投資家による株式保有金額の増加額が95兆円と一番大きい。

次に、アベノミクス相場開始以降の投資部門別の売買状況を表すグラフを下記に示す。

投資部門別売買
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/img/201505101728224f6.gif/


このグラフの起点も、2012年9月末にした。見てわかるとおり、買いの大半は海外投資家である。2014年から公的資金が買い始めたので、信託銀行が少し買い越しになっている。最大の売り越し主体は家計、すなわち個人である。

次に上記の2つの表で示される金額の差を表す投資部門別の調整額というグラフを下記に示す。

調整額
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調整額の定義は、資産の変動金額と売買金額の差である。具体的には、調整額の大部分は株価の値上がり益であり、かなり広い意味ではあるが統計上の不突合が一部に含まれている。最大の大株主である海外投資家が一番大きな株価の値上がり益を獲得している。

最初に示した国富の中の対外純資産は、フローベースでは「経常収支+資本移転等収支」の累積金額になる。一方、ストックベースではそれ以外のさまざまな資産価格の変動の影響を受ける。さまざまな資産価格の変動の中で最も寄与度が高いのは、為替レートと株価の変動分である。

日銀の資金循環統計ベースの対外純資産は、2012年9月末の277兆円から、2014年12月末の376兆円まで98兆円の増加となっている。このうち、海外投資家の日本株投資残高は、先のグラフで示したとおり95兆円、うち買越金額は20兆円、調整額、すなわち株価の値上がり益は75兆円である。

海外投資家は日本の株価上昇により、75兆円前後の値上がり益を獲得した。このため、日本の株価が2012年9月と2014年末が同じであったと仮定するならば、対外純資産は376兆円より75兆円多い451兆円になっていたはずである。

株価が上昇したがために、75兆円もの対外純資産と国富が減少したことを意味する。

株価上昇によって海外投資家が獲得した75兆円の調整額は、2014年末の金額である。2015年に入ってからも、日本の株価は上昇している。

ここで海外投資家の保有株式金額はTOPIXと同じ動きをすると仮定する。この仮定に基づいて、2014年末からの海外投資家の日次の調整額累計を表すグラフを下記に示す。


海外投資家の調整額
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少しばかりの仮定をおいて算出される累積調整額は、2015年4月22日に100兆円に到達した。

この金額は、アベノミクス相場開始以降、日本の株価上昇によって失われた国富の金額にほぼ等しい。

アベノミクスによる株価上昇が原因で失われた国富は、4月22日についに100兆円に到達してしまったのである。


アベノミクス相場の開始以降の株価上昇による(上場株だけから発生した)国富の損失100兆円という数字は、多少の誤差があるとしても、ほぼ正しい金額である。


株価上昇はアベノミクスの最大のメリットというのは正しくない。国民経済計算という有力な会計基準を使った場合、アベノミクスは、株価上昇の結果として日本の国富を100兆円も失わせた。

アベノミクスがもたらした株価上昇の結果は、大変大きな利益ではなく、100兆円という巨額の国富の損失であったという観点が存在することは重要であり、この事実を忘れてはならない。

最後に、100兆円の巨額の損失が発生してしまった原因とその対策を記すことにする。
 

政府・日銀の犯罪的な政策について

日本企業の株というものは、日本国民にとっての大変貴重な財産である。それに対して政府・日銀が過去にとってきた政策は、1989年12月29日の高値38,915円から2009年3月10日の安値7,054円まで、19年強の期間、最大で82%も日経平均株価を下落させたことである。

そして、国内投資家に、株価はもう上がらないという非常に強い予想、期待、確信と、株価が戻れば売らなければならないという非常に強固な信念を抱かせてしまった。そして、1991年以降、結果として取引所という流通市場だけで92兆円、発行市場も含めた国際収支ベースでは114兆円もの日本の現物株を国内投資家が海外投資家に安値で売り渡すことになってしまった。

これは犯罪的とも言えるレベルの政策である。アベノミクス相場が始まってからも、国内投資家は取引所という流通市場だけで20兆円の現物株を海外投資家に売り渡しており、犯罪的な政策は是正されていない。


これ以上海外投資家に株を売り渡せば、株価上昇と並行して増える損失がさらに拡大する。過去の政策があまりにも犯罪的すぎた。

株価が2万円前後にまで戻っても、国内投資家がまだ海外投資家に大量に株を売り渡し続けているという現状は異常である。過去における政府・日銀による犯罪的な政策を容認し、現在の異常な状態を異常と思わない人が多すぎることは、大問題である。
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-184.html
 


http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c20

[近代史5] 資本主義とは何か 中川隆
21. 中川隆[-12552] koaQ7Jey 2020年5月30日 15:50:14 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[18]

元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る2016年2月13日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/2489

長期停滞論とは、労働市場の改善のみを見て経済は安泰であるとする世界の中央銀行に対し、世界経済はより深刻な需要不足を抱えていると指摘する経済学者ラリー・サマーズ氏の仮説である。

労働市場のみを重視する従来の手法はバーナンキ氏やイエレン氏など中央銀行側に多く見られる一方で、サマーズ氏の悲観的な見方には有力なヘッジファンド・マネージャーらが同調しており、彼らはその仮説に基づいて悲観シナリオに自らの資金を賭けている。経済学の学説を巡る中央銀行とヘッジファンドの高尚な戦いが、現在の金融市場では繰り広げられているわけである。

これについてはずっと書かなければならないと思っていたが、丁度Equitable Growthのインタビュー(原文英語)でサマーズ氏自身が長期停滞論について分かりやすく説明しているので、これを紹介しておこうと思う。長期停滞が昨今の世界同時株安に繋がった仕組みなども説明されている。以下、注釈など途中で入れずに主な部分をそのまま訳して掲載する。

長期停滞論とは何か?

わたしの定義では、長期停滞とは、ある国の経済または世界経済において、投資よりも貯蓄が好まれ、慢性的な貯蓄過剰が見られる状況をいう。貯蓄過剰は実質金利を押し下げ、弱い需要は低い経済成長の原因となり、インフレ率はターゲットを下回ることとなる。

長期停滞の状況下では、経済成長率は相対的に低い位置で変動することとなり、高成長は長期的に持続できない傾向がある。長期停滞下における高成長は、持続不可能な借入や資産価格に基いているからである。

米国やヨーロッパや日本では、これから10年ほどインフレ率が1%を下回り、実質金利はゼロを下回ることが予想されている。これは10年以上の長期にわたっての話である。

産業の利益率は今後非常に望ましくないパフォーマンスに終わる、というのが市場の下した評価であり、市場の悲観は既に長く続いている。キーワードは需要不足である。需要不足は投資を抑制し、投資が減れば失業率は高まり、失業者が長らく失業状態に置かれると、労働能力のない恒久的な失業者となって経済内の労働力を削ぎ落とす。

低インフレあるいはデフレは同時に緩慢な経済成長を示している。それが長期にわたって続くときには、経済の需要側で何かがおかしくなっているのだと考えなければならない。

長期停滞論が正しければ財政政策はどうなるべきか?

財政政策に関して言えば、もっとも不合理な決まり文句は、民間が財布の紐を占めているのだから、政府もそうしなければならないというものだ。

オバマ大統領も、わたしが彼のもとでの財務長官の任期を終えた後だと思うが、そう言った。わたしは非常に残念に思った。ほとんどすべてのアメリカの大統領が一度はこれと似たようなことを言っていると思う。実際にはその逆で、政府は民間の傾向の逆を行かなければならない。民間貯蓄が民間投資を著しく上回っている場合には、政府はより借り入れ、より投資をしなければならない。

長期停滞こそは、米国政府が3%以下の金利で、しかも自分で刷ることの出来る通貨で、30年以上借金が出来る時期であり、素材が極めて安い時期であり、建設業の失業率が高止まりする時期なのだ。

例えばニューヨークの空港の状態を何とかするためにより適した時期がこれまであっただろうか? あの状態は酷すぎる。米国は経済全体に対する政府のインフラ投資の割合が最も低い国である。1947年以来ずっとそうなのだ。減価償却を考慮に入れれば、われわれはまったく投資をしていないに等しい。

だから公共事業を適切に拡大する余地はまだあるはずだ。社会主義から程遠いIMFさえ、経済が流動性の罠に陥っている現在の状況では、公共投資は経済成長を押し上げ、GDP比で見た負債額を増加させるよりはむしろ減少させる、ということを認識している。

貯蓄か投資か

米国の金利が非常に低い水準で推移し、これから何年かでゼロの壁に張り付く可能性もあるなかで提起される問題は、貯蓄を促進するのが良いのか、投資を促進するのが良いのかということである。

これまで長年の間は、貯蓄を促進するのが良いことであるとされてきた。しかし貯蓄に対するリターンが少なく、また需要不足が懸念される状況においては、需要を喚起することにより熱心になるべきだろう。

長期停滞が産む量的緩和バブル

長期停滞仮説は次のような可能性を提示する。現在の金融市場の混乱は、勿論部分的には不適切な規制の結果なのだが、より深い意味では、完全雇用を実現するために必要な信用流入額があまりに膨大であるために、それを経済に流入させると金融市場の不安定化は避けられないということである。

この見方によれば、長期停滞下の弱い需要と弱い経済成長に抗う努力は、危険な額の信用の流入や、資産バブルを産む金融政策のような望まれざる副作用を巻き込んで初めて成功するものであるということである。そうであれば、適切な規模の需要を維持するための手段として、金融政策よりも構造改革や財政政策に軸足が置かれるべきだろう。

非伝統的な金融政策についても更なる研究がなされるべきだ。長期停滞仮説によれば次のような懸念が考えられる。いくつかの国が経験していることだが、経済が回復の最終段階に達し、失業率が低下した場合においても、その後3年以内に景気後退に陥る可能性はかなり高く、1年以内であってもその可能性は低くない。伝統的には、景気後退時には中央銀行は金利を3%から5%ほど下げて対応するものだが、次に景気後退が来るときには、それほど大きな利下げの余地は残されてはいない。

ではどうするべきか? 答えの一つは財政政策であり、こうした緊急時には通常以上のことをやる必要が出てくるだろう。しかしもう一つの答えは、非伝統的な金融政策の可能性をよりクリエイティブに検討することである。量的緩和が既にローンの金利を非常に低いレベルまで押し下げたなか、どれだけの緩和が可能か? マイナス金利は最大で何処まで拡大することが経済的に可能なのか? 金融緩和がもたらす副作用は厳密にどのようなものなのか? これらはすべて、長期停滞仮説によって重要であると考えられる命題である。


翻訳はここまでである。重要な点は、長期停滞下の一時的な経済回復は、持続不可能な信用創出と資産価格バブルによって実現しているだけであり、その事実は、量的緩和が終われば経済成長はまた低いレベルに押し下げられてゆくということを示唆している。

したがって、そのような状況で達成された完全雇用を見てFed(連邦準備制度)が利上げを行えば、副作用で不安定となった金融市場は大荒れになるということである。

•ラリー・サマーズ氏: 米国の利上げは困難、ドル高で米国の需要は海外に流出する
•債券王ビル・グロス氏も原油価格反発を予想、そして米国利上げは失敗する
•ジム・ロジャーズ氏が利上げ後の相場を語る: 2016年のドル、株式、債券、金、原油、ハイイールド債

このような見方に同意しているファンドマネージャーには、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター創業者のレイ・ダリオ氏、債券王と呼ばれるビル・グロス氏などが挙げられる。また、ジョージ・ソロス氏も長期停滞論には直接言及していないが以下のような発言を残しており、恐らく似た考えを持っていると思われる。

•ジョージ・ソロス氏: 2016年世界同時株安の原因は中国、中国経済のバブルは既に崩壊している


人々の心理にはデフレ期待が蔓延しており、消費者は低金利に対し支出を増やすことで反応する可能性は低い

この一行に秘められた奥深い意味は、長期停滞論を前提として読めばより分かりやすいだろう。

長期停滞論に基づいた投資戦略の例として、わたしはこうした仮説に基づいて、米国の利上げ継続は困難と判断し、2015年12月に金投資を開始した。これは現在のところ成功していると言える。

•世界同時株安で予想通り金価格が急上昇: いつまで続くか? これからどうなるか?

また、今回のインタビューでは言及されていないが、世界的な低成長の原因として他に挙げられるのが、債務の長期サイクルと人口動態である。これらの要因についてもいずれ触れるつもりである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/2489
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html#c21

[番外地7] ・スターリンは国家社会主義、毛沢東や北朝鮮の金一族は古来の儒教的な皇帝
この人の歴史認識はすべて間違いですね

・スターリンは国家社会主義
・毛沢東や北朝鮮の金一族は古来の儒教的な皇帝
・ソ連はグローバリズムではなく唯の国際主義
・シティとウォール街はファシズムでヒトラー・昭和天皇はウォール街のエージェント
・ルーズベルトとニューディール派は共産主義者

というのが常識だよ

ウォール街の資産家はフランクリン・ルーズベルトが言うところの私的権力であり、そうした「私的権力が自分たちの民主的国家そのものより強くなることを人びとが許すならば、民主主義の自由は危うくなる。本質的に、個人、グループ、あるいは私的権力をコントロールする何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ。」 

1970年代から推進された「民営化」の目的は国家を上回る私的権力を作り上げることにあった。そうしたシステムのルールとしてTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)は打ち出された。「富める者が富めば貧しい者にも富がしたたり落ちる」という「トリクルダウン理論」は人びとをファシズムへと導く虚言だ。新型コロナウイルスを使い、ファシズムの世界への突破口を開こうとしている人びともいる。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/663.html

[番外地7] ・スターリンは国家社会主義、毛沢東や北朝鮮の金一族は古来の儒教的な皇帝 中川隆
1. 中川隆[-12551] koaQ7Jey 2020年5月30日 18:35:47 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[20]
この人の歴史認識はすべて間違いですね

・スターリンはマルクス主義者ではなくヒトラーに近い国家社会主義者
・毛沢東や北朝鮮の金一族はマルクス主義者ではなく古来の儒教的な皇帝
・ソ連はグローバリズムではなく唯の国際主義
・シティとウォール街の資本家はファシスト
・ヒトラー、ムッソリーニと昭和天皇はウォール街のエージェント
・ルーズベルトとニューディール派は共産主義者

というのが常識だよ

ウォール街の資産家はフランクリン・ルーズベルトが言うところの私的権力であり、そうした「私的権力が自分たちの民主的国家そのものより強くなることを人びとが許すならば、民主主義の自由は危うくなる。本質的に、個人、グループ、あるいは私的権力をコントロールする何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ。」 

1970年代から推進された「民営化」の目的は国家を上回る私的権力を作り上げることにあった。そうしたシステムのルールとしてTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)は打ち出された。「富める者が富めば貧しい者にも富がしたたり落ちる」という「トリクルダウン理論」は人びとをファシズムへと導く虚言だ。新型コロナウイルスを使い、ファシズムの世界への突破口を開こうとしている人びともいる。
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/663.html#c1

[近代史4] 大西つねき :正しいベーシックインカム 中川隆
4. 中川隆[-12550] koaQ7Jey 2020年5月30日 19:20:52 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[21]

2019.6.6 「仕事の概念と男女の役割」大西つねきの裏動画コラム vol.5
https://www.youtube.com/watch?v=Filz0e4u_Do




http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/765.html#c4
[近代史4] れいわ新選組 大西つねき : 自民党の憲法改正草案、全くお話にならないレベルです


れいわ新選組 大西つねき : 自民党の憲法改正草案、全くお話にならないレベルです


2018.12.17「憲法改正について」大西つねきの週刊動画コラムvol.56



自民党の憲法改正草案、全くお話にならないレベルですが、最も許しがたい部分について話しました。
https://www.youtube.com/watch?v=u_Kj6grm7So

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/921.html

[近代史4] れいわ新選組 大西つねき 中川隆
5. 中川隆[-12549] koaQ7Jey 2020年5月30日 19:37:12 : LDDFk5geOE : TmRzTm8veDNoZTY=[22]

れいわ新選組 大西つねき : 自民党の憲法改正草案、全くお話にならないレベルです
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/921.html





http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/793.html#c5
[近代史5] 自粛警察が日本をコロナから救った
自粛警察が日本をコロナから救った


【馬の骨】ドイツの著名なウイルス学者、日本の新型コロナウイルス対策を「近い将来の手本にしなければならない」 [Felis silvestris catus★]


1Felis silvestris catus ★2020/05/30(土) 08:43:08.08ID:oIiYvpyc

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59793200Q0A530C2EAF000/
【ベルリン=石川潤】ドイツの著名なウイルス学者であるシャリテ大学病院のクリスティアン・ドロステン氏が28日、日本の新型コロナウイルス対策を「近い将来の手本にしなければならない」と語った。一部の感染者から多くの感染が広がっている現象に注目し、日本のクラスター(感染者集団)対策が感染の第2波を防ぐ決め手になりうるとの考えを示した。

ドロステン氏は新型コロナの検査の「最初の開発者」(メルケル首相)とされ、ドイツ政府のコロナ対策にも大きな影響力がある。2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の共同発見者としても知られるウイルス学の第一人者だ。

ドイツではドロステン氏が連日配信するポッドキャストの人気が高い。同氏は28日の放送で「スーパースプレッディング」と呼ばれる一部の感染者から爆発的に感染が広がる現象を取り上げ、これを防ぐためには対策の修正が必要で、日本の対応に学ぶ必要があるとの考えを示した。

ドロステン氏は、日本はほかのアジア諸国と比べれば厳格な「ロックダウン」なしに感染を押さえ込んでいると指摘。ひとたびクラスターが見つかれば、検査よりも先に関係者全員を隔離することが戦略の「核心」になっていると説明した。

もともとドイツは、多くの検査で新型コロナを封じ込めた韓国を対策の参考にしてきた。日本の対策は分かりにくいとの声が強かったが、英語での情報発信が最近増え始めたこともあり、注目が高まりつつある。

ドイツは検査数や病床などの医療体制で日本を上回り、ほかの欧州諸国と比べれば死者数も低く抑えている。ただ、感染の第2波を避けながらいかに正常化を進めるかが課題で、日本のクラスター対策やスマホアプリを使った追跡など、新たな対策を取り入れようとしている。

40不要不急の名無しさん2020/05/30(土) 08:54:24.40ID:HTGCsYFt0

やめとけ
悪い意味で日本にしか出来ない方法だから
 
ゲシュタポでも、自粛警察の広域性と陰湿性と
同調圧力には及ばない

371不要不急の名無しさん2020/05/30(土) 09:39:38.49ID:HTGCsYFt0

他の都道府県民に対する焼き討ち、投石、恫喝、監視
地元民同士の相互監視と感染者、医療従事者に対する迫害

つまり共同体の一員から排除排斥される恐怖感を以て
個人を統制するのだ。

これは生半可に罰則を設けるより
怖いぞ。罰則なら償った時点で一応終わるが、これらは
終わりがない。一度罹患したら、
治っても延々と言われ続ける

432不要不急の名無しさん2020/05/30(土) 09:46:37.82ID:C+ey5LXW0
>>371
そう!全ては迫害される恐怖心が究極の自粛に繋がったと言える
パチンコ行ったらクビになる恐怖
酒を飲み歩いたらクビになる恐怖

全ては迫害に対する恐怖心からだ

690不要不急の名無しさん2020/05/30(土) 10:11:44.14ID:UHXJMHi50

感染した奴を吊るし上げ村八分にする
医療従事者を徹底的に差別する

あとなんだっけ?
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/137.html

[近代史5] 自粛警察が日本をコロナから救った 中川隆
1. 中川隆[-12548] koaQ7Jey 2020年5月31日 07:44:17 : UHql1moG6Q : Q3Y1RVZWZ2RzVlE=[2]
「自粛警察」危うい正義感 新型コロナ 強まる圧力「店シメロ」(宇部日報)(いつか見た風景)
http://www.asyura2.com/18/social10/msg/270.html


 新型コロナウイルスの感染拡大とともに、自粛要請に応じない人を攻撃する風潮が社会で強まりつつある。営業をつつける店や県外ナンバーの車などが標的となっており、インターネット上では周囲に自粛を促す人を指す「自粛警察」という言葉が話題に。専門家は、「正義感に基づいていても、いやがらせ行為は許されない」と戒める。

 

 「コドモアツメルナ。オミセシメロ」。千葉県八代市の「まぼろし堂」では4月下旬、何者かがこんな貼り紙をした。店は3月下旬から3既に休業しており、店主の村山保子さん(74)は「恐怖感がすごかった。今はこんなことではなく、みんなの気持ちを明るくすることを心掛けてほしい」と訴える。

 東京都内では、自粛要請にしたがって時短営業をしていた居酒屋やライブバーが「こにのような事態でまだ営業しますか?」「自粛して下さい。次発見すれば、警察を呼びます」などと貼り紙をされたケースも。
 徳島県では県外ナンバーの車に傷をつけられたり、あおり運転をされたりする被害が相次ぎ、自衛のため「県内在住者です」と書かれたステッカーが売られる事態となった。

 東京都立大の宮台真司教授(社会学)は「自粛警察」の心理について、
「非常時に周りと同じ行動を取って安心したい人々だ。いじめと同じで自分と違う行動を取る人に嫉妬心を覚え、不安を解消するために行動する」と解説。「人にはそれぞれ自事情があり、非常時の最適な行動も人によって違うことを理解しなければならない」と呼び掛ける。
 企業や事業者の法的支援に詳しい関口慶太弁護士は「営業の自由も移動の自由も憲法保証された権利。たとえ公共の目的でも、営業や外出の権利制限は目的に照らし必要最低限でなければならない」と指摘する。
不当な同調圧力をかけてくる人は「直接相手にせず、被害を公に訴えて味方を増やす方が効果的だ」と話した。


宇部日報 2020年(令和2年)5月9日土曜日  

http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/137.html#c1

[近代史3] 昭和天皇が2・26事件を起こさせた本当の理由 中川隆
25. 中川隆[-12547] koaQ7Jey 2020年5月31日 08:03:43 : UHql1moG6Q : Q3Y1RVZWZ2RzVlE=[3]
【特別連載】引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ(10)分かれ道の兄妹 引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ
Foresight 2020年5月31日掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/05310530/?all=1


〈昭和六年、東北一帯はひどい冷害だった。夏、八月というのに、毎日毎日、冷たい雨がしぶいて、日のさした日といっては、ほんの二、三日しかなかった。

 秋になって、田圃の色だけは、黄金色にかわったが、毎朝、田を回っては心配そうに、稲の穂をしごいて見る百姓の掌に、穂はさらさらと軽く、噛んでみると、むなしいしいなだけが舌に残った。〉

 1897(明治30)年に青森市に生まれ、弾圧と闘った農民運動の活動家、戦後は社会党代議士として昭和を生きた淡谷悠蔵は、1931(昭和6)年の記憶を著書『野の記録』(春陽堂書店)にこうつづった。

ケカツ鳥の啼く年 

 青森の農民たちの間で「凶兆」と先祖から伝わったケカツ(飢渇)鳥(アカショウビン・カワセミ科)のヒョロローンという啼き声に、

〈「やっぱりな、このヤマセ(冷たい北北東の風をヤマセという)では、今年もケカツ(凶作)にきまったじゃ」

 溜息が一座を流れると、その百姓はケカツ鳥が啼いた年の、凶作の経験を、あれこれと話し出し、みんなが、ガヤガヤとそれに和して、しばらく落ちつかなかった。〉

 1930(昭和5)年の世界恐慌による農産品価格の下落、地主の過酷な小作料取り立てに東北の農村は窮迫の一途をたどった(本連載9回『満州事変前夜』=2020年4月25日=参照)。

 翌年は、2月23日の青森市の最低気温が零下24.7度と、現在も破られていない記録的な寒さで始まったが、豊作を念じた農民を絶望の淵に追い込んだのが、ケカツ鳥が呼んだ冷涼な季節風ヤマセの夏だった。

 同年7月の、東北6県の平均気温は18.8度。青森県でコメの収量が8割減となり、窮乏農家2万8210戸と記録された1913(大正2)年の大凶作当時の同19.7度をも下回った。

 隣の岩手県では、7月24日の『岩手日報』が次のように報じた。

〈土用三郎になつてもお天気はまだぐらついて薄ら寒くなか/\浴衣などは着られさうもない 

 今年は何時夏が来るやら――殆ど見当がつかない、全く憂慮される天候であるが盛岡測候所もこれにはホト/\困り切ってゐる

(中略)昨今の日中平均温度は例年に比し三四度低く雨量も多く日照時は二割方少ない、それで稲作に必要な条件たる気温低く日照少なく雨量が多く稲作の発達を非常にさまたげてゐる

 丁度今日までの状況は大正二年の凶作にほぼ似通つてゐるので実に憂慮されてゐる〉(注・土用三郎とは、土用の入りから3日目を指し、晴れなら豊作、雨なら凶作とされた)

 それは、1934(昭和9)年まで続く未曽有の「東北大凶作」の始まりと記録されることになる。

たまさんの上京

 連載の主人公、青森出身の対馬勝雄=1936(昭和11)年、二・二六事件の蹶起に加わり銃殺刑=はこのとき、22歳。陸軍歩兵第三十一連隊の少尉、連隊旗手として弘前にいた。

 部下の教育と演習に明け暮れながら、農村の苦境と政党政治腐敗への憤り、前年のロンドン海軍軍縮会議への反発から、青年将校たちの「国家改造」運動にのめりこんだ(本連載9回参照)。

 青森市相馬町の実家では、勝雄の妹である長女タケさんが、父嘉七さんの郷里田舎館村の地主の娘が嫁いだ先の女中として請われ、1927(昭和2)年5月に上京。この物語の語り部である次女のたまさん(昨年6月、104歳で弘前市で死去した波多江たまさん)も、後を追うように1930(昭和5)年春から東京で暮らし始めていた。

 たまさんが戦後、遺族の手で編んだ本『邦刀遺文 二・二六事件 對馬勝雄記録集』(自費出版)のために書き起こした膨大な「記憶のノート」から、昭和5〜6年という時代をたどってみる。

〈兄は(注・任官から間もない給料で)私達の面倒はみられませんでしたけれども、末の妹(きみ)だけでも自分で学校を出してやると云い出しました。之からは女でも学問はなくてはならないと云うのです。その後、妹は兄の仕送りで女学校に入りました。

 私達姉妹は、苦労している母の姿を見て育ちました。この貧乏からのがれて、手に職をつけようと考え始めました。私は婦人服(の仕立て)を習う事にし、女の職業として将来有望だと考えたのです。母(なみ)は私の考えに賛成してくれましたが、父の頑強な反対でなかなか上京できず、一、二年が過ぎてしまいました。そこで東京にいる姉と連絡を取り、着々と準備して上京しました。昭和5年4月、17才の春でした。〉

 たまさんが目指した洋裁は、モダンな都会生活スタイルが開花した大正デモクラシーの時代以降、事務職やタイピストなど、女性の社会進出を象徴する職業の1つだった。

 しかし、男が妻子を養うのが当然で妾を持つのが「甲斐性」といわれた時代、女性の自立の萌芽である「職業婦人」には世間の風当たりが強く、蔑視さえされたという。田舎はなおさらだった。

 対馬家では、小作農家の出で元軍人の嘉七さんが「女に学問はいらない」を口癖にし、たけさん、たまさんが尋常小学校を出ると貧しい魚加工の家業を手伝わせ、「女は家にいるべきだ。年頃になったら嫁にやるのが一番いい」を口癖にしていたが、母なみさんは正反対の考え方の女性で、娘たちを応援した。記憶のノートにはこんな記述がある。

〈母は開放的で時代を先取りするようなところがありました。従って、女といえども家にこもる事はなく、之からはどんどん世に出て手に職をつけて自立しなさい、とよく云われました。(嘉七さんと同郷の)裕福な家庭から、いきなり貧乏をいやというほど味あわされた母の経験から産み出た結論だったと思います〉

 父と同じ軍人の道を選んだ勝雄には、国家改造運動に見える激しさの半面、母親譲りの柔らかな感性、貧しさに耐える妹たちへの温かな愛情が宿っていた(連載8回『昭和4年 運命の出会い』=2020年2月18日=参照)。

 旧制青森中学を中退してまで自らの前途を変えた決意もまた、早く家族を楽にさせたいという思いからだった。守るべき者たちへの無私の優しさは、この先に待ち受ける戦場で勝雄自身を苦しめていく。

恐慌下の東京

 たまさんは上京した1930(昭和5)年春、タケさんの身元引受人になっていた鷺宮の英語教師・安部金之助の世話で、新宿の洋裁学校に通った後、王子の洋裁店に住み込みで働いた。

 同年秋に四谷の婦人服仕立て業の家に移り、翌31年春から3軒目になる目白の婦人服仕立て店に勤めた。もっとも、たまさんが初めて出合った東京は、大正のモボ・モガが闊歩した花の都ではなかった。

 王子の洋裁店で、たまさんは奥さんから野原のハコベを摘まされ、何をするのかと思ったら、味噌汁の具とおひたしになって出てきた。店主の家には、近くの王子製紙の工場労働者が頻繁に出入りしていた。泊めたりもするので、縁側に寝させられたという。

〈製紙工場では「働く者に相應する報酬を与えよ」と訴えてストライキが絶えず、官憲に追われる労働者を、主人はよくかくまってやりました。身なりも汚く、田舎の労働者と殆ど同じでした。その頃は、働かざる者食うべからずと云われて、とても不景気な時代でした〉

 折からの恐慌で、全国の失業者は1929年9月の27万人から1930年4月に37万人、1931年5月には40万人を超えたと内務省社会局「失業状況推定月報」は発表した。

 だが『エコノミスト』誌(1930年7月15日号)は、「日本の失業者總數百二十万突破 恐るべき失業時代の到來」と独自試算の特集記事を出し、さらに200〜300万人に上ったと推定する学者もいる。失業して浮浪者になった人々もおり、たまさんは東京の夜道での体験をつづった。

〈歩道を歩いていますと、歩道(の端)を枕にして寝ている労働者らしい人の頭を、あやうく踏みつけるところでした。(中略)屑拾いらしく箱のついた荷車があり、其の中に拾ってきた紙屑が沢山入っていました。おどろいたことに其の紙屑の中にも誰か寝ているらしく、がさがさと動いたのです。私は急に怖くなり駆け足で通りぬけました〉

〈今度は違う道を通りました。そしてガードの近くに来た時、異様な臭いに立ち止まりました。するとガードの下がぼうと明るく見え、火をたいている浮浪者らしい三人が鍋をかけて何か煮て食べているのです。臭いは其処からだったのです。私は気づかれないように夢中で横道を通って帰りました。東京にもかなり貧しい人々が多いと次第に判ってきました〉

 貧困の蔓延する東京には、しかし、全く別の世界があることも四谷の仕事場で知った。

〈御主人の弟さんが遊びに来ていました。すごくハンサムで背が高く、黒の背広に紋入りの蝶ネクタイをし、私達針子によくおみやげを持って来てくれました。あまりにあかぬけているので、何の仕事をしているのかと思ったら、自動車の運転手だと云うのです。まさか、こんなハイカラな運転手などいるわけがないと云ったら、元天皇陛下の運転手をしていて今は○○家(華族)の運転手をしているというのです。本当におどろきました〉

〈そんな立派なお屋敷ではどんな暮らしをしているんだろうと云いましたら、「一ケ月に何回かパーティーがあって大広間の絨毯が片づけられ、ダンスが始まるので、とてもにぎやかできれいだ」と話してくれました。美しい夜会服を着て踊っている様子が浮かんできました。農村では食う為に娘を売っていると云うのに、之はどういうことなのかと溜息がでました。と同時に私は、自分の今の仕事に矛盾を感じ考えさせられました〉

兄と青年将校運動

 四谷の店で働いていたある日の夕方、弘前の連隊にいるはずの兄勝雄がひょっこり訪ねてきた。驚いたことに軍服ではなく、当時はやった鳥打帽(ハンチング)に二重マント(インバネスコート)という姿。誰がどう見ても、軍人とは思えなかった。

 その刹那の勝雄の肉声を、たまさんは「記憶のノート」に残している。

〈この時兄は、仕事が辛くないか、困っていることはないかと聞くので、私は大丈夫、心配しないで、と云いました。兄は、それなら安心だ、一日も早く仕事を覚えて自立しなさい、其の時は必ずミシンを買ってやるし援助もするから、辛いだろうががんばりなさい、体に十分気をつけなさい、と云って二十分くらいで帰っていきました。其の頃ミシンは非常に高価で、普通のサラリーマンには買えませんでした。私は将来が楽しみでした〉

 ただ、後で店の人たちからは、

「たまちゃんの兄さんは将校と聞いていたが、本当なのか」

 と疑わしそうに言われた。その唐突さ、奇妙さが腑に落ちたのは、二・二六事件が起きてからだ。たまさんはこう記した。

〈いまになって考えますと、革新将校の集まりがあって弘前から上京したのではなかったかと思います〉

〈それで憲兵の目を逃れたのでしょう。思い返してみますと、昭和5年以前から仲間を集めたのも判りました。村中さん(孝次大尉・二・二六事件の首謀者として銃殺刑)等も。(中略)当時は全く気がつきませんでした。兄が要注意軍人の1人だった事等本当に驚きました〉

 勝雄は陸軍士官学校にいた1929(昭和4)年1月、仙台陸軍教導学校の教官だった大岸頼好中尉を初めて訪ね、国家改造運動を志す青年将校の精神的支柱と目された大岸に心酔する(本連載8回参照)。

 農民と皇軍兵が天皇の下で平等一体となる国家改造の闘争を求め、雑誌『日本』に檄文を発表していた大岸は、翌1930(昭和5)年4月、『兵火』というパンフレットを発行して同志たちに配った。民政党の浜口雄幸内閣がロンドン海軍軍縮条約を締結し、これを海軍軍令部や野党政友会、国家主義者、在郷軍人らがこぞって「統帥権干犯」と攻撃する矢先だった=以下、引用は『現代史資料23』(みすず書房)より=。

〈百姓の起す火を“ポロン火”と云ひ、兵隊の起す火を“兵火”と云ふ。同じ火にかはりは無い。“ポロン火”が燃え出す“兵火”が燃え出す〉

 これは、民衆と軍が1つになった蜂起を呼び掛ける烽火を意味し、海軍の「盟友」に連帯しての国家改造の革命戦を呼び掛けたものだ。

〈此の問題が革命作業の過程として政党財閥亡国的支配階級、指導階級の撃滅への方向に役立つ限り我等陸海の盟友は海軍々令部を支持すべきである〉

〈農民労働者…在郷軍人を第一戦に軍隊を基本隊に戦闘的統一を要す〉

〈東京鎮圧し宮城を護り天皇を奉戴するを根本となす。この故に陸海国民軍の三位一体的武力を必要とす〉

 ほぼ同時に、海軍の急進派将校のリーダーだった藤井斉中尉が『憂国慨言』という印刷物を頒布し、

〈我等は外敵の侮辱に刃を磨くと同様にこの内的――然り天皇の大権を汚し、民衆の生命を賊する貴族、政党者流及財閥――の国家滅滅の行動に対して手を空しうして座視するの惨酷無責任を敢てすべきではない。〉

 と異口同音の激しい叫びを響かせた。

 急速に接近した陸海軍の青年将校、民間や農村の国家主義活動家の大同団結を目指す集会が1931(昭和6)年8月26日、東京・日本青年会館で開かれた。「郷詩会」という。そこに弘前から遠路、勝雄も参加していた。

蹶起に焦がれ

 勝雄の日記(『邦刀遺文』所収)には、同年7月23〜27日に「東行」と称して盛岡、山形、秋田の各連隊を巡り、目ぼしい将校たちを「革新派」へ誘う工作をしたこと、それが東京の同志たちと呼応した活動だったことが記されている(本連載9回参照)。だが、それ以降「郷詩会」など青年将校との交流に関する記述はない。

 当時、教導学校から第五連隊(青森市)に移った大岸と同じ連隊の同志で、勝雄とも親しかった末松太平中尉(二・二六事件で禁固4年、免官)が戦後、青年将校たちの素顔、事件までの行動を克明に記した著書『私の昭和史』(みすず書房)に、郷詩会のくだりがある。

 それによると、「蹶起」の具体的行動へ密議を期待した藤井ら海軍側に対し、後の二・二六事件の中心人物たちがそろった陸軍の側は「組織固めでよい」という認識で、雑然とした顔合わせの会合に終わったという(これを不満とした海軍側の参加者らは翌年、五・一五事件を起こす)。

〈もちろん陸軍にも、海軍に劣らぬ急進分子がいるにはいた。このとき大岸中尉と同行した弘前の三十一連隊の対馬勝雄少尉などがそれで、対馬はこの会合を赤穂浪士の討入り前の会合のように思って上京していた。

「このまま弘前に帰れというのですか」と目を据えていって、眼鏡ごしに私を見つめもした〉(『私の昭和史』より)

〈しかしこんど集まったものすべてを同志とみるのは早計だしね…〉

 と、郷詩会で醒めた感想を漏らしたという戦略家の大岸に比べると、勝雄にはいかにも東北人の一途な、思い詰めるような生真面目さがあった。

『私の昭和史』にはまた、同年10月17日、陸軍の急進派組織「桜会」を率いる橋本欣五郎中佐らが一斉検挙された、政党内閣打倒のクーデター未遂事件「十月事件」の際も、蹶起に加わろうと上京した勝雄の姿が刻まれている。

〈大岸中尉が(青森に)帰ると一足違いで、これも和服に軍刀の対馬少尉と菅原軍曹が下宿に現れた。対馬少尉は仮病を使って(弘前の)留守部隊に残っていたが、抜け出して、秋田の演習地から菅原軍曹を誘い出し、相たずさえて上京したのだった。〉(注・菅原軍曹は大岸中尉から仙台教導学校で薫陶を受けた教え子)

 1931年9月18日夜、海を越えた満州・柳条湖で満州鉄道の線路が爆破された。 蹶起に焦がれたような勝雄は、さらなる歴史の大状況に呑みこまれる。

〈十八日夜一〇時半ごろ、奉天北方、北大営側において、暴戻なるシナ軍は満鉄線を破壊し、わが守備隊を襲い、駈けつけたるわが守備隊の一部と衝突せり。報告により、奉天独立守備第二大隊は現地に向い出動中なり〉

 陸軍中央部への第1報とともに始まり、燎原の火のように拡大した満州事変だ。

満州への出征

 たまさんの「記憶のノート」には、東京での洋裁修業の日々を突然、断ち切るように「兄の出征を見送る」という長い一節が出てくる。

 この年の暮れが近い11月14日、青森の父嘉七さんから電報で、勝雄の満洲出征と、第三十一連隊など混成第四旅団の列車が15日朝9時45分、品川の駅を通過する、と知らされた。

〈やっと兄の乗っている列車の前に行く事が出来ました。兄は元気いっぱいでしたが、友人や知人に囲まれて近づくことが出来ませんでした。すると其処に南(次郎)陸相が来たとかで、兄達将校はホームの控え室に入ってしまいました。私達ははらはらしました。もう発車十分前です。すると将校達は控え室から、あわてて次々と汽車に乗りました。私達は近くの将校さんに案内していただき、やっと兄と言葉を交わすことが出来ました〉

〈兄は、「生きて帰ると思うな、後を頼む」と云いました。安部(金之助)先生は「命を粗末にしないで、元気で」と云いました。別れの言葉の終わらないうちに、汽車はながい汽笛を鳴らして、がたんと動き出しました。涙は不吉だとこらえました。万才万才とホームの人々の旗は右に左にゆれました。車中の兵士達は一斉に立ち上がり、整然として挙手の礼をしました。〉

 人がこぼれ落ちるほど騒々しいホームを、兵の声1つ残さず離れる列車。自分が暮らす場所とは違う世界に勝雄が旅立っていくことを、たまさんは感じた。(つづく)

http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/578.html#c25

[近代史4] シルビオ・ゲゼルの世界
シルビオ・ゲゼルの世界

シルビオ・ゲゼル入門―減価する貨幣とは何か – 2009/6/1
廣田 裕之 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4434182315/
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%82%BC%E3%83%AB%E5%85%A5%E9%96%80%E2%80%95%E6%B8%9B%E4%BE%A1%E3%81%99%E3%82%8B%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B-%E5%BB%A3%E7%94%B0-%E8%A3%95%E4%B9%8B/dp/4434132660

減価する貨幣の理論
廣田裕之 2013/10/01
https://shukousha.com/column/hirota/2478/


 前回は現在の通貨制度が抱えているさまざまな問題についてご紹介しましたが、今回はそんな現在の通貨制度を根本から変える「減価する貨幣」という理論を編み出したシルビオ・ゲゼル(1862〜1930)についてご紹介したいと思います

シルビオ・ゲゼル(1862〜1930)


 シルビオ・ゲゼルは、現在ではベルギー領になっているものの当時はドイツ領だったザンクト・フィット(Sankt Vith)という街で、ドイツの徴税官だった父親とワロン人(ベルギー南部のフランス語圏出身者)の母親の間に生まれました。24歳のときに当時経済的に潤っていた南米アルゼンチンはブエノスアイレスに移住して事業を興し成功しますが、当時のアルゼンチン政府の通貨政策の失敗によってデフレ(物価下落)やインフレ(物価上昇)が起き、そのたびに同国経済が大混乱に陥りました。シルビオ・ゲゼル自身は経済の知識があったのでこの危機を切り抜けることができましたが、倒産企業や失業者が大量に出た現状を見て通貨問題に対する関心を高め、1900年には弟に事業を任せてスイスに移住しました。そこで晴耕雨読の生活を送りながら経済の研究を行い、1916年に代表作「自然的経済秩序」を刊行します(詳細については後述)。

 この本が発行されてから、特にドイツ語圏各地でゲゼルは人気を博すようになります。そして、第1次世界大戦の終了後にバイエルンでアナーキストらによるバイエルン・ソビエト共和国が樹立されますが、そこでゲゼルは金融担当相に任命されます。しかしながらこの政府はわずか1週間で崩壊してしまい、その後の混乱でゲゼルは国家内乱罪に問われ死刑を求刑されるものの、卓越した弁舌で無罪を勝ち取ります。その後は支持者などに囲まれて余生を過ごし、1930年にベルリン郊外で68年の生涯を閉じることになります。

 先ほどもご紹介した「自然的経済秩序」でゲゼルは、2つの大きな提案をしました。

  1. 土地の国有化および国の地代収入の母親年金としての配分
  2. 定期的に持ち越し費用が発生する通貨の導入

 土地と貨幣という、一見直接関係しないような2つの分野にまたがっていますが、ゲゼルはこの両方の分野における不労所得の廃止を社会正義とみなしたのです。大土地所有制が珍しくなく、その下で多くの農民が小作農としてこき使われている一方で、広大な土地を代々受け継ぐ地主はたくさん地代を受け取っては、貴族として優雅な生活を送っていました。また、毎日の生活にも事欠くような人たちがお金を借りては高い利息に苦しむ一方で、何らかの理由で一財産ある人はその資金を銀行にさえ預けていれば、働かなくても金利だけで生活することができます。ゲゼルは土地と貨幣に共通するこのような不公平を問題視し、それを解決するための手段として前述の2つの提案を行ったのです。

 土地についてですが、ゲゼルは国有化した上で、土地を借りて耕作する人は誰であれ政府に地代を払うようにすべきだと述べました。そして、そうやって入った地代を母親年金にすべきだと提案したのです。これはどうしてでしょうか。

 たとえば、毎年12トンの収穫をもたらす田んぼについて考えてみましょう。コメ農家はこの土地でおコメを作っては消費者に売りますが、この消費者は全て、母親が腹を痛めることにより生まれた人たちです。1人あたりの年間コメ消費量が60キロの場合、このコメ農家が12トンのおコメを500人に売って生計を立てることができるのは、このおコメを消費してくれる人たちのおかげであり、ひいてはその500人を産み育てた母親のおかげなのです。そのため、子育て中の母親が経済的に困ることのないように、政府は母親年金を支払うべきだというのがゲゼルの提案だったのです。

 「自然的経済秩序」が刊行された当時(1916年)は、まだまだ女性の社会進出が進んでいない時期で、女性が高収入を得るのは非常に難しい時期でした。このため、子どもを養えるだけの経済力がある男性を見つけることが、特に母親願望のある女性にとっては大切なこととなり、人間としてのさまざまな魅力よりも経済力のある男性を好むようになります。また、経済力に問題ない男性との間に子どもが生まれても、その男性の経済力が子育て中ずっと維持されるとは限りません。その男性が病気や交通事故などで死んだり、男性の事業が破綻したり勤め人の場合には解雇された場合には、残された母子は経済的に路頭に迷うことになります。これは社会正義に反すると考えたシルビオ・ゲゼルは、子育て期間中は政府が母親にきちんと年金を支払うことで、男性の経済力に左右されず安心して子育てできる社会を作るべきだと考えたのです。

 このような提案を聞くと、いかにもシルビオ・ゲゼルが女性に優しい紳士のように思う方も少なくないでしょうが、実はシルビオ・ゲゼルがこの提案を行ったのには別の理由があります。実は彼はアルゼンチンで妻以外にも数多くの女性と交際し、彼女たちとの間に数多くの子どもを残しています。このため、仮にアルゼンチンで母親年金が実施されていたら、他ならぬシルビオ・ゲゼル自身が養育費の支払いから解放されたことでしょう。その意味では、彼自身が得するようなシステムをゲゼルは考え出したとも言えるのです。

 ちなみに、土地の国有化というと共産主義国家のできごとのように思われるかもしれませんが、実は世界でも最も反共産主義的な地域でこの土地の国有化が実施されています。1997年まで英国植民地だった香港は自由貿易に根ざした経済で栄え、資本主義のショーウインドウとも呼べる存在ですが、返還前は香港の土地は全て英国女王の所有物であり、香港で住宅や工場、事業所などを建設する場合には香港政庁から土地を借りる必要がありましたが、この地代が香港政府の財政を助けることになりました。返還後もこのシステム自体は基本的に変わっておらず(もちろん現在の土地の所有者は中華人民共和国香港特別行政区政府になっていますが)、2013〜2014年度の同政府予算でも4351億香港ドル(約5兆5500億円)のうち690億香港ドル(15.9%、約8800億円)が地代所得になっています(出典:香港特別行政区政府)。仮にこのお金を香港在住の15歳未満の子ども(約82万0300人)を持つ母親に配ったとすると、子ども1人あたり年間で8180香港ドル(約10万5000円)が手に入る計算になります。

 さて、本題の貨幣問題に入りたいと思います。貨幣の問題点については前回の連載で詳述したので繰り返しませんが、シルビオ・ゲゼルはこの中でも特に商品と比べた際の貨幣の特権を問題視しました。商品は全て、遅かれ早かれ価値を失います。たとえば昨日の新聞を買って読みたいと思う人は普通はいませんし、魚であっても釣ってから数週間放置されたものであれば腐ってしまい、誰も買って食べようとはしなくなります。服やおコメ、そして住宅であればもっと長期間持つでしょうが、それでも長い間に品質が劣化してゆくことは避けられません。しかし、インフレがない場合には、お金の所有者はそのような減価には無縁です。弁当屋ができたての弁当を何とかして売りさばこうとして値下げしてでも弁当を売る一方で、お金の所有者はそのお金で好きなときに弁当を買うことができます。また、このような貨幣の特性から、お金を貸すときには金利を請求できるようになったのです。商品しかない人からすれば、まさに特権的な立場にあると言えるでしょう。

 このため、シルビオ・ゲゼルは「貨幣の特権を廃止しよう」と提案しました。具体的には、たとえば1000円札、5000円札そして1万円札であれば、毎週月曜日になるたびに額面の0.1%(1円、5円そして10円)のスタンプを買って紙幣の裏に貼らないといけないようにするというものです。これにより、お金の所有者も商品の所有者同様に、時間の経過とともに手持ちの価値を減らして、今までのような特権を享受できなくしようとしたのです。

 そして、このような減価する貨幣は単なる机上の理屈ではなく、実際にいくつかの地域で実践されました。その中でも最も有名なのは、オーストリアのヴェルグル(Wörgl)という街で1932年から1933年にかけて実践された労働証明書です。この街では減価する貨幣の熱狂的な信奉者であったミヒャエル・ウンターグッゲンベルガーが市長になると、市内でのみ通用する地域通貨として減価する貨幣を発行するプロジェクトを立ち上げ、1932年7月31日に市役所の手許にあったオーストリア・シリングを担保としてこの地域通貨を発行して流通させました。1929年に始まった大恐慌の中、アルプス山脈の麓のこの小さな町でも失業者が街にあふれていましたが、減価する貨幣はこの街の隅々に流通し、経済を立て直しました。1000シリングしか発行していないのに、わずか数日で市役所に5100シリングもの税収が入ったり、オーストリア国内で失業が増える中でこの町では失業者数が25%も減ったり、そして何よりも信じられないこととして市民が税金の前払いをするようになったりしたのです。この実践は1933年9月にオーストリアの中央銀行によって禁止されてしまいますが、それでも減価する貨幣の有効性を示す実例として知られています。なお、詳細については「ヴェルグルの実験」(「自由経済研究」(ぱる出版)第12号、第13号、第14号および第16号)で紹介されています。

1シリング紙幣。毎月額面の1%のスタンプを買って貼る必要があった。


 また、今日でも減価する貨幣が、地域通貨として実践されています。その中でも最も有名なのが、このヴェルグルからさほど遠くないドイツはバイエルン州のキームゼー湖周辺で使われているキームガウアー(ドイツ語)です。これは、ヴァルドルフ学校(人智学の創設者ルドルフ・シュタイナーの哲学を基盤とした教育プログラムを実施している私立学校)で社会科を担当していたクリスティアン・ゲレリとその学生6名によって2003年1月に立ち上がったもので、ユーロを担保として発行されています。

2キームガウアー紙幣(2012~2013年版)の表面(上)と裏面(下)


 この地域通貨は250ほどのプロジェクトと提携しており、一般消費者は加入時にそのうち1つを選んで、ユーロからキームガウアーに交換すると、その額のうち3%がそのプロジェクトに寄付されます。キームガウアーはユーロと等価で使えるので、消費者としては自分の財布を痛めることなく、たとえば毎月500ユーロをキームガウアーに替えて消費すると毎月15ユーロ、年間では180ユーロを地域のプロジェクトに寄付できます。地域通貨を受け取った事業所は5%の手数料を払ってユーロに再交換することもできますが(会計上は割引となり税制面でも優遇を受ける)、受け取ったキームガウアーを他の事業所に支払うことでこの手数料を回避することができます。また、このようにキームガウアーを受け取ることにより、地域貢献を支援する事業所として消費者イメージを改善することもできます。キームガウアーの場合には3ヵ月ごと(1月1日、4月1日、7月1日そして10月1日)に2%の減価となり、このためユーロよりも3倍近い速さで流通しています。

2013年9月現在59万5492キームガウアー(約7860万円)が流通し、659軒の事業所がこのキームガウアーに参加しています。また、2012年のキームガウアーでの売上高は645万2279キームガウアー(約8億5200万円)で、5万5934キームガウアー(約738万円)が地域のプロジェクトに寄付されています。

 ゲゼルが生きた当時は技術がまだ未発達だったので、紙幣にスタンプを貼る方法でしか減価できませんでしたが、技術が発達した現在ではオンライン口座化することにより減価処理を単純化することができます。つまり、普通の銀行口座にお金を預けると定期的に利息がつきますが、その逆に定期的に減価分が差し引かれるようにすればよいわけです。

 減価する貨幣についてはこの他にもさまざまなメリットがありますが、これらについては拙著「シルビオ・ゲゼル入門 – 減価する貨幣とは何か」(アルテ)で詳しく紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

廣田 裕之

1976年福岡県生まれ。1999年より地域通貨(補完通貨)に関する研究や推進活動に携わっており、その関連から社会的連帯経済についても2003年以降関わり続ける。スペイン・バレンシア大学の社会的経済修士課程および博士課程修了。著書「地域通貨入門-持続可能な社会を目指して」(アルテ、2011(改訂版))、「シルビオ・ゲゼル入門──減価する貨幣とは何か」(アルテ、2009)、「社会的連帯経済入門──みんなが幸せに生活できる経済システムとは」(集広舎、2016)など。

https://shukousha.com/column/hirota/2478/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html

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